砲門数が増えて重くなり、砲架の高さを変える機構は付けられなくなりました。あと、車長は照準孔の高さに頭を置き、砲架基部左右の円形ハンドル(恐らく片方が俯仰、もう一方が旋回)を両手で掴み、ほぼ吹き晒し状態で敵が来るのを待つことになりますが、もし仮想敵(某ソ連)が冬の北海道に来てしまったら・・・。
あと運用面を考えると装填手も必要だと思いますが、スペースが無さ過ぎるので、予備弾薬と一緒に牽引式トレーラーに乗る羽目になるかもしれません。

スポッティングライフルは完全にダミーです。下手な鉄砲も数打ちゃ当たると言いますが、倍にしたくらいでは当たらなかったらしく、砲自体を新型に換えて制式化されました。
車体にSS-3でなくSS-1を使ったことといい、吹き晒しの車長といい、とりあえず砲門数増加による命中精度の改善具合を早くテストするための「試作の試作」だった感じがしなくもない。

60式自走106mm無反動砲の開発時に試作された、105mm無反動砲4連装型。試作車第3弾のSS-3で105mm無反動砲の命中精度が低かったため、砲門数を倍にしてみたものです。
車体は試作車第1弾のSS-1をベースとしており、フロントエンジン・リアドライブなので、マフラーと排気管はフェンダー中央前寄り、起動輪は後方にあります。
SS-3(4連装型)/60式自走106mm無反動砲試作型
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車体前部エンジンルーム上には4連装対応のガントラベリングロック。装甲板を止めるボルトが全部尖っているのは、日本陸軍からの伝統かな。