ちょっとした段差ですが、前進スピードが遅いのと、斜めに侵入したのとで、「よっこいしょ」という感じで乗り越えてました。

土煙を上げながら去って行く八九式中戦車。

アスファルト上の履帯跡。



マフラーと排気管は左のみ。履帯がほっそい。
車体前面。被弾経始は浅く、ヒンジ剥き出しのドアがあり、視界確保用の小孔が開いているなど、今の目で見ると防御力が心許無いですが、歩兵砲用榴弾や機関銃弾を防ぐための装甲としてはこれで十分だったのでしょう。
操縦手用視察装置にシャッターが付いていて、この辺は工夫してあります。
ボールマウントの九一式車載機銃には太いスリーブ付き。

場所を移した八九式中戦車。車長さんも乗ってました。

車長用キューポラと、脇の高射具。キューポラ側面に覗き穴がありますが、ペリスコープやビジョンブロックという気の利いたものは無いので、広い視野を得たければ、前後開きのハッチを盾にして直接外を見ることになります。
砲塔側面に取り付けられた高射具(機銃用ピントルマウント)には、必要に応じて車体銃を取り付けます。

武器学校で保存されている日本陸軍八九式中戦車乙型。戦車砲塔、装甲、装軌式走行装置という戦車の基本構造は昔から変わりませんが、かんざし式の砲塔武装、リベット止めの装甲板、小転輪の並ぶ足回り、細い履帯、超壕用ソリなど、現代の戦車とは印象がかなり異なります。

90式戦車の後方を通り過ぎる八九式中戦車。縦横は2回りくらい小さいですが、高さは八九式の方がちょっとだけ高いという。

砲身が短く弾速が遅いので、対戦車用には向きません。
八九式中戦車乙型

履帯から足回りガードに流れ落ちる土砂が迫力を増します。

車体底面。こちらもボルトが並んでいます。

目の前を通り過ぎるところ。10式や90式のように高速で突っ走ってくるのではなく、低速で迫ってくるので、まさに「鉄牛」というイメージです。


中の人も待機中。
車体前面乗降ドアが向かって右にあるので、乙型です。

主砲は対歩兵用の57mm砲。


操縦手は前面バイザーを全開放して操縦中。

満を持して砂煙を上げながら登場。

武器学校グラウンドの奥で待機中。隊員の手により可動状態に復帰していた時の写真です。
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エンジンを入れ替えるなどの整備で走行可能になったのですが、今度は履帯にガタが来て再び走れなくなってしまいました。経年劣化もあるでしょうが、元々の履帯強度による所も大きいと思われ、もっと荒っぽい走り方をした実戦では整備班が奮闘したことでしょう。兵站は重要。

方向転換。現用戦車のようにスムーズに曲がってくれる訳ではなく、民間ブルドーザーみたいなカクカクの曲がり方になります。

新73式小型トラックや81式短SAM発射機の手前で待機中。ちなみにエンジン出力は八九式中戦車が135馬力、新73式小型トラックが125ないし175馬力、81式短SAM発射機(3トン半トラック)が285馬力なので、機動力はお察し・・・といったところ。

砲塔の機銃は主砲同軸装備ではなく、斜め後方に向けたカンザシ式です。撃ちたい方を敵に向ける方式で、敵の真ん中に乗り込み主砲と一緒に乱射するわけではありません。

車体後面のスキー板みたいなのは超壕用尾ソリ。中国のクリーク対策で取り付けました
足回りでは、板バネ式サスペンションがうっすらと見えます。

車体袖部斜め前方向きに視察用開口部。まだペリスコープが一般的では無かった時代なので。

誘導輪は車体前方にあり、超壕性能確保のため、車体より前に延びた装甲板に取り付けてあります。下部転輪との間を埋めるため、制衝転輪が一枚付いてます(黄色い車止めの後方)。