左からシドニー(2020年就役)、かしま(1995年就役)、しまかぜ(1988年就役)、あがの(2024年就役)。まさに「隔世の艦」じゃなかった「隔世の感」ですね。

この時は練習艦隊も横須賀に来ており、ヴェルニー公園から見て練習艦かしまの奥に停泊していました。シドニーは満載排水量6350トン、全長146.7m、幅18.67m。かしまは満載排水量5400トン、全長143m、全幅18m。艦種が違うとはいえ、世紀の隔たりが如実に艦形に現れています。

マストはステルス性考慮の角形断面三脚マスト。AN/SPY-1D(V)レーダー用アンテナはアーレイ・バーク級より高い位置にありますが、やはり低空目標探知能力に不安があるのか、AN/SPQ-9Bレーダを更に高いところに搭載しています。その上のリング状IFF、更に上の長方形4面CEC(共同交戦能力)アンテナも、イージス艦では国籍問わずお馴染みの装備となってきました。


艦側面から突き出す箱形キャニスターはNSM艦対艦ミサイル4連装発射筒。ハープーン艦対艦ミサイル4連装発射筒は反対舷向きで内側に隠すように搭載されていましたが、こちらはステルス性などクソ食らえみたいな感じで積まれています。


前部煙突から少し間が空いて後部煙突。その手前のAN/SPG-62射撃指揮レーダーは1基のみで、後部上構はアーレイ・バーク級などに比べてコンパクトになっていて、大きめのアンテナ台と言った方が良いかも。その一段下にある両端を切ったラグビーボールみたいなのはシリーズ2500電子光学追尾装置かな。その手前にファランクス・ブロックⅠB。
煙突や後部上構の側面は角度を揃えてありますが、他の細かい凹凸や甲板上に剥き出しの器材が多すぎて、どれほど意味があるのかは不明。

八角形レーダーアンテナの間には前部煙突。アーレイ・バーク級やこんごう型・あたご型では上構との間に隙間がありますが、本クラスでは上構後面と接しているので、新鮮に見えますね。ただ煙突の背が上構より低く、排煙が上構背面を直撃するので、汚れるのは仕方ないにしても、熱対策は必要そうです。煙突上方の上構上面が上に張り出していて、側面に吸気口のようなものが見えるので、マスト付け根への排煙逆流対策と、内部に吸気を流すことによる熱対策を行っているのかもしれません。


航海艦橋の上を一段盛ってAN/SPY-1レーダーの八角形アンテナを貼り付けています。見慣れたアーレイ・バーク級やこんごう型は航海艦橋の下にあるので、航海艦橋が見える前方のアングルからだと、違和感が強いかもしれません。

2025年6月、横須賀基地に停泊中のシドニー。ホバート級イージス駆逐艦の最終3番艦です。
前年に続いての来日で、日本近海での北朝鮮瀬取り監視や、海自・アメリカ海軍との共同訓練に参加している他、1・2番艦に先んじてNSM艦対艦ミサイルやSM-6艦対空ミサイルの発射試験を行うなど、結構忙しい艦。
この時も、上構上面やAN/SPY-1レーダーアンテナとその下の汚れに、だいぶ疲れが見えています。
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オーストラリア海軍 ホバート級イージス艦
シドニー

後甲板はヘリ甲板。日よけの天幕を張っています。ヘリ格納庫のシャッターは天幕に合わせて半閉じ状態。