油圧式ドーザーを車体前面に装備したタイプ。基部がガッツリ溶接されていて、前面装甲板を操作ケーブルが貫通しているようなので、どの戦車にも簡単に後付け、とはいかないようです。



主砲は当時の西側標準である105mmライフル砲L7。サーマルスリーブは1988年頃からの追加装備です。

地面にはガッツリ跡が付きます。

履帯は不整地用のゴム無しと舗装路面用のゴム付きの2種があります。

車体後部上面。内部は機関室で、61式戦車で車体前部にあったトランスミッションもこちらに収容しました。真ん中にあるルーバーが吸気部分、手前の銀色の筒が排気管。

車体前部左の操縦手用ハッチ。ペリスコープ3基で視界を確保しますが、ワイパーが無いので泥道だと何も見えなくなるらしいです。かなり奥まった位置にあるのですが、装軌車両の機動力と泥跳ねを舐めてはいけないということでしょうか。



整備記録の銘板も貼ってあります。

陸上自衛隊の最多量産戦車。21世紀どころか50年くらい配備されるとは、制式化時点では多分誰も思っていなかったのでは。しかも後継車両が90式戦車、10式戦車、16式機動戦闘車と3種類あって、うち1つは装輪車両だとか言った日には、当時の軍事マニアからボコられそうな気がします。
74式戦車

行進する先輩を見つめる後輩的な。
並べて見ると、第2世代の74式と第3世代の90式の間にある「壁」が実感できます。

砲塔上から前を見たところ。位置が高いので見晴らしは良いですが、足下の死角が凄まじく大きいです。踏み潰されないように注意しましょう。

砲塔左側面。こちらには暗視装置の電源コードを取り付ける部分があります。

防楯左に夜間戦闘用白色光/赤外線投光器を搭載したタイプ。してない車両も結構見かけますが、1両が照らして僚車が脇から撃つ戦法かな。

機銃もちゃんと装備してる版。挙手の敬礼をしているのが車長、奥に隠れているのが装填手です。車長前方の砲塔内に砲手が潜んでます。車長用キューポラ前方にあるJ2照準潜望鏡のカバー形状が2枚上の写真のものとは違っていて、オリジナリティを発揮できるようです。
74式戦車(その2)に続く 74式戦車(その3)に飛ぶ


写真館に戻る     トップページに戻る

運用は歩戦協同が基本。60式装甲車、73式装甲車、89式装甲戦闘車、96式装輪装甲車、軽装甲機動車と、様々な普通科の装甲車とペアを組んできました。

砲塔右側面と上面。側面には雑具箱(の支え)と3連装発煙弾発射機とアンテナがあります。
上面の車長用キューポラにはカバー付きのJ3照準潜望鏡とビジョンブロックが用意されています。

ゴムパッド付きの場合、カーブで擦れて跡が付きます。

砲塔は被弾経始に優れた形状。上面に照準器、視察装置、機銃架が並んでいます。

再び砲塔上面。車長用キューポラの左に装填手用ハッチがあります。ハッチの中央に更に丸いハッチが付いていて、空薬莢を放り出す用と思われます。
ハッチ前方には装填手用前方視察ペリスコープ(のカバー)が見えます。

後面からは電源ケーブルが延びていて、3連装発煙弾発射機後方の砲塔側面に繋がっています。頻繁に開閉する必要があるのか、ボルトでなく蝶ネジで止められた部分もあります。
これは砲手用J1直接照準眼鏡の開口部。主砲を挟んで反対側には74式車載7.62mm機銃の発射口があります。