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＜４−２−１戦略＞：2003年にファーゴ米太平洋軍総司令官が作った新語。世界の４つの地域にアメリカ軍を投入し、２つの戦争を同時に戦い、まず１つの戦争に決定的な勝利を得ることで、概念自体は前からある。参考：月刊軍事研究4,’03

＜４ＡＰ＞：レオナルド社の40mm/76mm砲弾用多機能プログラマブル信管4 Actions Plus。電波近接、距離限定電波近接、延期、着発自爆の４モードを砲内または携帯型設定装置で設定できる。参考：月刊世界の艦船3,’21

＜４Ｂ型＞：877型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜４ＢＮ＞：UH-1Y（ヘリ）を参照。

＜４ＢＷ＞：AH-1Z（ヘリ）を参照。

＜４／ＢＷ＞：�W号戦車Ｄ型を参照。

＜４ＣＸ２５０ＦＧ＞：自衛隊の電子管。丸文製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜４ＣＸ１５００Ｂ＞：自衛隊の電子管。丸文またはリチャードソンエレクトロニクス製。参考：月刊軍事研究7,’14、10,’18

＜４Ｄ作戦＞：アメリカと韓国による対北朝鮮核兵器・ミサイル攻撃対処作戦。Detect（探知）、Disrupt（撹乱）、Destroy（破壊）、Defense（防衛）からなり、作戦計画5015に含まれる。2015年4月15日にアメリカと韓国が作成で合意し、11月2日に履行指針を承認して公式発表した。参考：月刊軍事研究6,’16

＜４ＥＴ型＞：Ｅ型戦時標準貨物船ファミリーを参照。

＜４−Ｆ＞：アメリカ軍用語で、疾病による兵役不適格者のこと。薬莢が無かった時代は火薬の入った紙袋を前歯で噛み切って火薬を薬室に入れていたため、前歯４本（4-Front teeth）が揃っていないと不適格理由4-Fとして徴兵検査に合格できなかったことに由来するもので、火薬袋不要の時代になっても名称だけ引き継がれた。参考：美術の窓11,’14

＜４Ｋ２＞：コバルト（偵察衛星）を参照。

＜４Ｋ２Ｍ＞：コバルトＭ（偵察衛星）を参照。

＜４Ｋ２Ｐ＞：4K4Fシリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜４Ｋ３Ｆ＞：4K4Fシリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜４Ｋ３ＦＡ＞：4K4Fシリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−ＢＳＰｚ＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−Ｆｕ１＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−Ｆｕ２＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−ＦＵＡ１＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−ＦＵＡ２＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−Ｇ２＞：4K4Fシリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−ＧｒＷ２＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３ＦＡ−ＧｒＷ８１＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３Ｆ−Ｇ２＞：4K4Fシリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜４Ｋ３Ｆ−Ｓａｎ＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４Ｋ３Ｈ＞：4K4Fシリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜４Ｋ４Ｆシリーズ＞：オーストリア陸軍の装軌式装甲兵員輸送車。1956年から開発され、1961年に制式化されて各型計445両が引き渡された。参考：月刊PANZER6,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜３Ｋ３Ｈ＞：最初の試作型で、1958年に完成した。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ３Ｈ＞：試作車パート２。Sd.Kfz.251の全装軌型といった感じで、車体前部にザウアー社製3H-8ディーゼル（200馬力）を搭載し、後部がオープントップの兵員室になっている。前面装甲は良好な避弾経始により20mm機関砲弾に抗堪でき、側面装甲厚も15mmあった。自衛用として開放式戦闘室の銃架に12.7mm機銃M2を装備する。オープントップでは防御力に不安があるとして4K2Pに進んだ。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ２Ｐ＞：試作車パート３で、ハードトップ型。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ３Ｆ＞：先行量産型。車体後面ドアと前照灯２基の形状が量産車とは異なる。後期型では重機関銃用防楯が追加され、兵員室上部にMG42-30機関銃を装着できるようになった。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ４Ｆ＞：最初の量産型。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜４Ｋ４ＦＡ＞：車体は全溶接で良好な避弾経始を持つ。車体前面には観音開きのエンジン整備ドア（多分）があり、車体前部左に操縦手が座り、右に機関室が位置する。車体上面左前部には両開きの操縦手用ハッチがあり、ペリスコープ３基が付く。その後方車体中央には車長用キューポラ（両開きハッチとペリスコープ１基付き）があり、車体後部は８名収容の兵員室になっている。分隊長は兵員室前部右に位置し、引き込み式旋回ペリスコープを使用可能。兵員室には後面に両開きドア、上面に外側に開く左右１枚ずつのハッチ（右のみ前部が個別の分隊長用ハッチとなっている）が用意されており、上面ハッチの前後左右にはMG1A1機銃（後にMG74機銃）用のマウントがある。兵員用ベンチシートは向かい合わせ。下部転輪は片側５個、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側２個で、スカートは無い。サスペンションはトーションバー式で、第１・第５転輪には油圧ダンパーを持つ。武装は車長用キューポラ前方のM2機銃１丁。NBC防護装置や自動消火装置は装備していない。全長5.4m、全幅2.5m、全高2.1m、自重11トン、戦闘重量12.5トン。装甲厚は前面上部20mm30度、下部20mm45度、側面14mm、上面8-12mm。エンジンはザウラー社製4FA型液冷６気筒４サイクルディーゼル（250馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進５段・後進１段）、最大速度65km、燃料搭載量184リットル、航続距離370km。乗員２名（操縦手、車長兼銃手）＋乗車兵員８名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER6,’13、8,’03

＜４Ｋ３Ｆ−Ｇ２＞：4K3Fに20mm機関砲塔を搭載したもの。参考：月刊PANZER6,’13

＜４Ｋ３ＦＡ＞：4K4FAのエンジンを230馬力にしたもの。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜４Ｋ３ＦＡ−Ｇ２＞：防楯付き12.7mm重機関銃M2を車体上部中央前方寄りに搭載した車両。参考：月刊PANZER5,’04

＜４Ｋ４ＦＡ−Ｇ１＞：4K4FAの機銃に厚さ20mmの防楯（前方から両側面までを囲む）を装備したもの。車体長5.4m、全幅2.5m、全高2.1m、戦闘重量12.5トン。装甲厚は車体前部20mm、側面14mm、後面12mm、上面8mm。エンジンはザウアー製4FA液冷４サイクル６気筒ディーゼル（250馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進５速、後進１速）、最大速度65km、燃料搭載量184リットル、航続距離370km。乗員２名＋乗車兵員８名。参考：月刊PANZER6,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜４Ｋ４ＦＡ−Ｇ２＞：歩兵戦闘車型。エリコン社製20mm機関砲204GK（KA20？）を搭載したGAD-ADA小型１名用砲塔を積んでいる。車体長5.4m、全幅2.5m、全高2.221m、戦闘重量15トン。装甲厚は車体前面20mm、側面14mm、後面12mm、上面8mm、砲塔前面20-35mm、側面15-20mm、上面15-20mm。エンジンはザウアー製4FA液冷４サイクル６気筒ディーゼル（250馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進５速・後進１速）、最大速度65km、燃料搭載量184リットル、航続距離370km。乗員２名＋乗車兵員８名。参考：月刊PANZER6,’13、8,’03、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜４Ｋ４Ｆファミリー＞

　＜４Ｋ３Ｆ−Ｓａｎ＞：4K3Fの装甲救急車型。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ３ＦＡ−ＢＳＰｚ＞：4K3FAの装甲砲兵観測車型。車長席部分を背の高い箱形観測席に変更し、兵装を撤去している。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ３ＦＡ−Ｆｕ１＞：4K3FAの旅団指揮車型。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ３ＦＡ−Ｆｕ２＞：4K3FAの大隊指揮車型。参考：月刊PANZER12,’04

　＜４Ｋ３ＦＡ−ＦｕＡ１＞：4K3FAの砲兵連隊指揮車型。自衛用にMG3機銃１丁を持つ。参考：月刊PANZER6,’13、5,’04

　＜４Ｋ３ＦＡ−ＦｕＡ２＞：4K3FAの砲兵大隊指揮車型。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ３ＦＡ−ＧｒＷ−２＞：4K3FAの120mm自走迫撃砲型。計画のみ。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ３ＦＡ−ＧｒＷ８１＞：4K3FAの81mm自走迫撃砲型で、1969年に完成した。兵員室内に81mm迫撃砲M29を搭載しており、前方に向けて発射する。砲要員３名は兵員室内で操作にあたる。俯仰角40-85度、旋回角プラスマイナス５度ずつ、最小射程200m、最大射程3000m、発射速度毎分18発（持続）／35発（最大）。砲弾重量3.2kg、威力範囲は15m×20m。参考：月刊PANZER6,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜４Ｋ４ＦＡ（８１ｍｍ多連装ロケット砲）＞：4K4FAに81mmロケット弾９連装ランチャー（俯仰角はマイナス10度からプラス50度）を搭載したもの。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ４ＦＡ−ＢＳＰｚ＞：4K4FAの装甲砲兵観測車型。4K3FA-BSPzと同様の改修を行っている。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ４ＦＡ−ＧｒＷ２＞：4K4FAに130mmロケット弾32連装ランチャーM51を搭載したもの。ロケット弾は重量24.2kg、初速毎秒410m、射程8400m。試作のみ。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ４ＦＡ−Ｓａｎ＞：4K4FAの装甲救急車型。固有の乗員は２名で、後部に担架２床と軽傷者４名を乗せられる。参考：月刊PANZER6,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ａ１／ＬＷＴ＞：MANPADS（射程6km）を搭載した自走地対空ミサイル車両。参考：月刊PANZER6,’13

　＜グライフ＞：戦車回収車型。車体の前後を逆にし、元の兵員室の上に戦闘室を増設、車体前面にドーザーを、車体上右にバケット付きクレーンを搭載している。上部転輪は３つに増えた。参考：月刊PANZER8,’03、5,’04

　＜指揮統制車両＞：

　＜防空統制車両＞：

＜４Ｋ７ＦＡシリーズ＞：オーストリア陸軍の装軌式装甲兵員輸送車。4K4FAの改良型で、1977年から生産された。ボリビアとナイジェリアに輸出され、ギリシャではレオニダス１としてライセンス生産された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜４Ｋ７ＦＡ＞：4K4FAの前面装甲を25mmに強化し、車体を0.47m延長した。車体前部左の操縦手にはペリスコープ３基と熱線暗視装置が用意され、操縦手席後方が車長兼銃手席で、ペリスコープ２基を装着したキューポラがあり、防楯付き12.7mm重機関銃M2を搭載可能で、キューポラ後部には後ろ向きに４連装発煙弾発射機が付く。20mm機関砲と7.62mm同軸機銃を装備する機関砲塔も搭載できる。車体前部右は機関室。車体後部が兵員室で、４名ずつが向かい合わせに座る。分隊長は兵員室前部右に位置し、外部視察には引き込み可能な旋回式ペリスコープを使う。兵員室上部には外側に開く大型ハッチが左右１枚ずつあり、ハッチ内側の前後左右にはMG74機銃装着マウントがある。下部転輪はダブルタイプ片側５組で、起動輪が前方、誘導輪が後方にあり、上部転輪は片側３個。サスペンションはトーションバー式で、第１・第５転輪にショックアブソーバーが付く。NBC防護装置と自動消火装置が追加された。エンジンはシュタイア7FA 液冷６気筒４サイクルターボディーゼル（320馬力）、トランスミッションはZF6-S80マニュアル式（前進６段・後進１段。ZF-600オートマチック？）、最大速度70km、燃料容量360リットル、航続距離520km。参考：月刊PANZER6,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜４Ｋ７ＦＡ−ＫＳｐＺ＞：4K7FAの兵員室両側に、ボールマウント式ガンポートを２基ずつ装備したもの。AUG508小銃またはMP81サブマシンガンで射撃できる。全長5.87m、全幅2.5m、全高1.61m、重量14.8トン。最大速度70km。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜４Ｋ７ＦＡファミリー＞

　＜４Ｋ７ＦＡ　ＡＭＣ８１＞：81mm自走迫撃砲型。車内に81mm迫撃砲L16と弾薬78発、弾道計算機を搭載している。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ７ＦＡ−ＦＳＣＶ９０＞：GIAT社製90mm低圧砲を搭載する火力支援型。サウジやカタールに提案されたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ７ＦＡ−Ｆｕ＞：指揮車型。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ７ＦＡ−Ｆｕ−ＣＶ＞：指揮車型。自動調整高出力無線機１基と中型無線機２基を搭載する。乗員は車長、操縦手、射手、通信士２名、伝令２名。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４Ｋ７ＦＡ−Ｓａｎ＞：野戦救急車型。救難航空機用医療設備を備えており、負傷者４名と担架２床を搬送できる。乗員２名（操縦手、衛生要員）。参考：月刊PANZER6,’13

　＜４ＫＨ７ＦＡ−Ｐｉ＞：装甲工兵車型。車体中央が装甲化作業区画となっており、ドーザー（車体前部）、油圧ショベル（車体右上部）、地雷原処理器材、障害物除去用爆薬などを装備する。重量24トン。兵装は12.7mm機銃。参考：月刊PANZER6,’13、12,’04

＜４Ｋ７ＦＡ海外シリーズ＞

　＜レオニダス１＞：ギリシャ陸軍装甲兵員輸送車Leonidas 1。ライセンス生産したもので、1982-85年に100両生産され、キプロス国家守備隊にも配備された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜レオニダス２＞：ギリシャ陸軍装甲兵員輸送車Leonidas 2。1987年に追加発注したもので、1998年初めまでにギリシャ陸軍に350両、キプロス国家守備隊に150両が配備された。1997年にはギリシャ陸軍で更に57両が追加発注されている。自動消火装置、車長用回転式ペリスコープを追加し、発煙弾発射機を改良した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜４Ｋ１０＞：R-27シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜４Ｋ１８＞：R-27K（対艦弾道ミサイル）を参照。

＜４Ｋ３３＞：オーサＭ（艦対空ミサイルシステム）を参照。

＜４Ｋ４４＞：ソ連海軍地対艦ミサイルシステム、別名レドゥート（Redut）、米軍コードSS-C-1、NATOコードはSepal。使用ミサイルはP-35で、TELに搭載する。射程450km。参考：月刊軍事研究12,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜４Ｋ５０＞：R-13（弾道ミサイル）を参照。

＜４Ｋ５１＞：ルベズ（地対艦ミサイルシステム）を参照。

＜４Ｋ５５＞：R-21（弾道ミサイル）を参照。

＜４Ｋ６０＞：V-611（艦対空ミサイル）を参照。

＜４Ｋ６５＞：V-611M（艦対空ミサイル）を参照。

＜４Ｋ８０＞：P-500（対艦ミサイル）を参照。

＜４Ｋ９０＞：M-1（艦対空ミサイルシステム）を参照。

＜４ＫＨ７　ＦＡ−Ｐｉ＞：4K4F装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜４ＫＳ１＞：ヤンタル・テリレン（偵察衛星）を参照。

＜４Ｒ３３＞：オーサＭ（艦対空ミサイル）を参照。

＜４Ｒ６０＞：ソ連海軍M-22艦対空ミサイルシステム用誘導レーダーで、別名グロム、NATOコードはヘッドライト。ディッシュ型アンテナ３基（２基？）を持つ。使用周波数はX/C/Sバンド。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、ザ・マーチ17号

＜４Ｓ２０＞：コンタクト１（爆発反応装甲）を参照。

＜４Ｓ２２＞：コンタクト５（爆発反応装甲）を参照。

＜４Ｓ２４＞：コンタクト１爆発反応装甲（4S24）を参照。

＜４Ｓ３３＞：オーサＭ（艦対空ミサイルシステム）を参照。

＜４ＴＬ＞：TLシリーズ（戦時標準油槽船）を参照。

＜４ＴＰＤ＞：ソ連陸軍オブイェークト430用に開発されたターボチャージャー付き水平対向多燃料ディーゼルエンジン。大元は第２次大戦中にアメリカからレンドリースされた蒸気機関車「フェアバックス・モーリス」のエンジンである。変速機構ユニットの上に載せるため、T-54/55までのＶ型から水平対向に変更した。出力580馬力。後に5TD/6TDシリーズに発展した。参考：月刊PANZER2,’02

＜４ＶＡ型機関（１６式機動戦闘車用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’19

＜４Ｗ６０＞：日産が開発した４輪駆動車で、通称パトロール。全長3.695m、全幅1.7m、全高1.9m、車重1500kg。エンジンはNT85ガソリン（3670cc、85馬力）。1951年7月に国家地方警察本部向けに採用され、70両が配備された。実際には警察予備隊に回されている。参考：月刊PANZER 2,’99

＜４ＺＦ＞：ZFシリーズ（ディーゼルエンジン）を参照。

＜４ＺＶシリーズ＞：三菱重工が開発した４気筒Ｖ型２サイクル非磁性化ターボチャージド高速ディーゼルエンジンで、掃海艇７号型に搭載された。出力240馬力。参考：丸スペシャルNo.78

＜四角手榴弾＞：北朝鮮軍の手榴弾。独自開発で、大きさはタバコの箱くらい。中に多数の鋼球が詰め込まれており、殺傷力は高い。参考：月刊軍事研究3,’03

＜４カムエンジン＞：DOHCを参照。

＜４気筒三段膨張式レシプロ蒸気機関＞：三段膨張式レシプロ蒸気機関を参照。

＜四瓩演習爆弾シリーズ＞：日本海軍の演習爆弾。参考：日本海軍の爆弾

＜四瓩演習爆弾＞：日本海軍初の演習爆弾で、大正13年2月7日に採用された。元はイギリス製で、制式採用前の同年1月8日には既に使用されていたらしい。ナス型をしており、弾頭部は鉄、弾体は鉄板で作られている。発煙剤として無水四塩化スズ450gを入れた発煙筒（直径57.2mm）が尾部にネジ止めされており、尾部信管で炸裂する。爆弾全長372.6mm、最大直径88.8mm。発煙筒のせいで弾道特性が悪く、速度100ノットまたは高度1000mを超えて投下すると、実弾との弾道が違いすぎて実用性が無くなる。太平洋戦争終戦まで登録されていた。参考：日本海軍の爆弾

＜四瓩演習爆弾Ｃ型＞：昭和2年9月21日に四瓩演習爆弾一型に改称された。参考：日本海軍の爆弾

＜四瓩演習爆弾一型＞：四瓩演習爆弾Ｃ型を昭和2年9月21日に改称したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜四瓩演習爆弾一型（陸用）＞：四瓩演習爆弾の発煙筒を外したものらしい。昭和2年9月21日に四瓩演習爆弾二型に改称された。参考：日本海軍の爆弾

＜四瓩演習爆弾二型＞：四瓩演習爆弾一型（陸用）を昭和2年9月21日に改称したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜四斤山砲＞：慶応2年（1866年）にナポレオン三世から徳川幕府に贈られた前装式ライフル砲。口径86.5mm、砲身長1m、放列砲車重量235kg。俯仰角マイナス12度からプラス９度。使用弾は榴弾及び榴霰弾、初速毎秒237m（榴弾）、最大射程2600m。発射反動で砲が2.5mほど後退する。馬２頭に載せて移動する。西南戦争などで使用され、明治19年まで制式だった。参考：大砲入門

＜四斤野砲＞：慶応2年（1866年）にナポレオン三世から徳川幕府に贈られた前装式ライフル砲で、ナポレオン砲ともいう。砲身は青銅製、砲架は木製で、砲身には照星照門式照準器が付いている。口径86.5mm、砲身長1.62m、放列砲車重量758kg。俯仰角はマイナス15度からプラス18度。使用弾は榴弾（初速毎秒343m）及び榴霰弾で、最大射程4000m。発射反動で砲が平均2.2m後退し、ときに6mも下がるので、戻して照準し直す必要があり、発射速度は毎分２発である。移動は馬４頭で行った。戊辰戦争で使用され、明治3年には３個砲兵隊に配備されていた。西南戦争では地形上の制約があり、鹿児島攻囲戦で使われている。明治19年まで使用された。参考：大砲入門

＜四号一型電探＞：日本海軍の陸上用対空射撃指揮レーダー。昭和17年5月に太平洋戦争フィリピン攻略戦で鹵獲したアメリカ軍SCR-268射撃指揮レーダーをコピーしたものである。垂直方向用と水平方向用それぞれの八木アンテナを組み合わせてあり、敵を探知した方向に高角砲を向ける。重量５トン。使用波長1.5m。日本電気で50-60基が製造され、昭和18年夏に試作初号機がラバウルに設置され、二号機は台湾新竹に、三号機は昭和19年末に台湾高雄に配置された。新竹のものは雲に隠れて飛行していたB-17を撃墜することに成功している。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊丸10,’10、海軍技術研究所

＜四号二型電探＞：日本海軍の対空射撃指揮レーダー。太平洋戦争シンガポール戦で鹵獲したイギリス軍GL Mk2射撃指揮レーダーがベースである。参考：レーダシステムの基礎理論

＜四号二型電探改二＞：日本海軍の陸上用対空射撃指揮レーダー。昭和20年、徳山湾口の防空砲台に設置されて徳山燃料廠の防空に使用された。参考：月刊丸10,’10

＜四号三型電探＞：日本海軍の陸上用対空射撃指揮レーダー。イギリスのサーチライト・コントロールを参考にしたもので、探照灯とレーダーを組み合わせ、レーダーで探知した目標の方向に探照灯を照射させることができる。殆ど使われなかったらしい。参考：月刊丸10,’10

＜�W号ａ型自走砲＞：�W号戦車ファミリーを参照。

＜�W号ｂ型自走砲＞：�W号戦車ファミリーを参照。

＜�W号ｃ型装甲自走砲＞：�W号戦車ファミリーを参照。

＜�W号駆逐戦車シリーズ＞：ドイツ陸軍駆逐戦車。ドイツ軍で正式に駆逐戦車（Jagdpanzer）と呼ばれた最初の車両である（エレファントまでは戦車猟車と呼ばれた）。�V号突撃砲の改良型として1942年9月からフォマーク社で開発され、1943年5月にモックアップが完成、細かい改良を加えて量産化されることになった。11月26日に連合軍爆撃でアルケット社の�V号突撃砲生産工場が大打撃を受けたため、1944年1月からクルップ社、アルケット社、フォマーク社での大量生産が決まっている。1944年3月から戦車駆逐大隊に配備され、初陣はイタリア戦線のヘルマン・ゲーリング師団が飾った。次いで第４・第５戦車師団が東部戦線で使用している。オーバーロード作戦時、戦車教導師団、第９装甲師団、SS第12装甲師団にＦ型62両が配備されていた。ラインの守り作戦時のランク配備数は137両。�W号駆逐戦車L/70ZL型は殆どが東部戦線に配備されている。参考：月刊グランドパワー8,’98、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER2,’05、ジャーマンタンクス

　＜�W号駆逐戦車Ｆ型＞：Sd.Kfz.162。なぜＦ型なのかは不明で、開発時はSturmgeschütz neuer Art mit 7.5cm PaK L/48 auf Fahrgestell Panzerkampfwagen �W（�W号戦車車台改装48口径7.5cm対戦車砲搭載新型突撃砲）という名称であり、後に単なる「�W号駆逐戦車（Jagdpanzer �W）」という公式名称になった。1944年1月から生産されたが、部隊配備は3月に入ってからで、最初の実戦はイタリア戦である。�W号戦車Ｈ型車体を流用し、車体前面を楔形に延長して傾斜装甲とし、車体前部にトランスミッションを収容。車体中央部には良好な避弾経始を持つ固定式戦闘室を設けた。主砲は70口径7.5cm砲KwK42の予定だったが、生産が間に合わず、48口径7.5cmPaK39（79発）になってしまった。砲は戦闘室前面の中心線から200mm右にオフセットして取り付け、ザウコップ型防楯（厚さ80mm）とカルダン砲架を持つ。射界は左右20度（左12度・右10度？）、俯仰角マイナス８度からプラス10度。主砲右に砲手用照準口を備える。車体前方に荷重が掛かり過ぎていてトランスミッションへの負担が大きかったので、実戦部隊ではマズルブレーキまで外して何とか軽量化しようと工夫してあることが多い。主砲マウント右に操縦手用ペリスコープ（２基）用の装甲カバーが用意されている。主砲とペリスコープを挟んで両側にはピストルポート用の円錐型装甲カバーがある。戦闘室上面の最前部には照準器口が円弧状に設けられており、装甲カバーと防水カバーで覆われ、主砲及びSflZF1a照準器の動きと連動して可動する。右後方に装填手用の円形ハッチがあり、左後方に全周旋回式ペリスコープを装着可能な車長用角形ハッチ（砲手・操縦手も使用）が付く。装填手用ハッチ前方には右側視察用ペリスコープ、車長用ハッチ左には左側視察用ペリスコープが用意され、車長用ハッチ前方にはSf14Z観測用双眼望遠鏡用小型ハッチがある。車長用ハッチ右に近接防御兵器（発煙弾６発、榴弾10発）用の開口部があるが、当初は生産が間に合わず、円形の蓋で塞がれていた。戦闘室右後部にベンチレーターが用意されている。砲塔旋回用の補助動力装置を外して燃料タンクを増設しているが、砲塔バスケット下部の燃料タンクを前に移すため容量を減らしており、トータルでは�W号戦車Ｈ型より燃料が少ない。フェンダー側面の架台にシュルツェンを引っかけるが、フェンダーから下しか守れないため、機関室側面に補助装甲板を装着してある。戦闘室上部には２カ所のハッチを持つ。全長6.96m、全幅3.17m、全高1.96m、重量24トン。装甲厚は車体前面上部60mm45度、下部50mm55度、側面30mm０度、後面上部20mm11度、下部20mm９度、底面12mm+10mm90度、上面10mm90度、戦闘室前面60mm50度、側面30mm30度、後面20mm35度、上面20mm90度、防楯は80mmのザウコップ式。エンジンはマイバッハHL120TRM（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km（路上）／16km（不整地）、燃料搭載量470リットル、航続距離210km（路上）／130km（不整地）。履帯はKgs61/400/120で、片側99枚。乗員の自衛用に、MG42機銃（1200発）とMP40またはMP44短機関銃（384発）１丁ずつを搭載する。無線機はFu5（FuG Spr f？）で、指揮車はFu8を追加搭載する。乗員４名（指揮官車は無線手が乗るので５名）。参考：月刊グランドパワー8,’98、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER2,’05、12,’98、ジャーマンタンクス、月刊アーマーモデリング1,’13

　＜�W号駆逐戦車Ｆ型（生産後改修）＞：1944年2月、車体前面の予備履帯を車体後面上方に移して前方荷重を軽減。予備転輪は機関室上部に移した。3月、戦闘室前面左の機銃ポートを廃止、60mm厚の円形装甲板を溶接して塞いだ。4月、防楯下部を絞り込む形にして重量を軽減。5月、車体前上部・戦闘室前面装甲厚を80mm、戦闘室側面装甲厚を40mmに強化。戦闘室前面右のガンポートを拡大し、射界を改善。主砲のマズルブレーキを廃止（4月8日に50発以上の連続発射テストを実施した結果、マズルブレーキ無しでも影響が無かったので）、駐退機シリンダーを径52mm・オイル容量５リットルから径60mm・オイル容量６リットルのものに強化。6月、ラジエーター用冷却水注入口カバーを単なる箱形に簡素化。9月、マフラーを縦型にし、上部転輪を３個に減。戦闘室上部周囲にシートカバー取り付け用の金具が装備され、ツィンメリット・コーティングが廃止された。参考：月刊グランドパワー8,’98、月刊アーマーモデリング1,’13

　＜ランク＞：Sd.Kfz.162/1、Jagdpanzer �W　mit 7.5cm PaK42(L/70)、Panzer �W/70(V)。主砲を70口径75mm砲StuK42L/70（55発）に換装したタイプで、フォマーク（Vomag）社で生産したため�W号駆逐戦車L70(V)の名が付いた。マズルブレーキは無く、後座量が100mmほど増えて500-575mmになった。主砲はやや右にオフセット搭載されており、射界は左右各10度、俯仰角はマイナス５度からプラス15度、照準器はSflZF。長砲身化に伴い砲尾にカウンターバランスを追加、防楯を少し小型化し、油気圧式平衡機を装着、車体前面にガントラベルロック（仰角13度で固定）を標準装備している。副武装は、車内のMG42機銃（600発）。全長8.5m、全幅3.17m、全高1.85m、重量25.8トン。装甲厚は車体前面上部80mm45度、下部50mm55度、側面30mm０度、後面上部20mm11度、下面20mm９度、底面22mmまたは10mm90度、上面10mm90度、戦闘室前面80mm50度、側面40mm30度、後面20mm35度、上面20mm90度、防楯80mm（ザウコップ式）。エンジンはマイバッハHL120TRMガソリン（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度35km、不整地最大速度13km、航続距離210km。無線機はFuG Spr f。乗員４名。1944年8月から1945年3月に930両が生産され、更に空襲後の工場に残っていた10両を完成させ、計940両が実戦投入された。第105・第106独立戦車旅団を皮切りに、独立戦車駆逐大隊、戦車師団戦車駆逐大隊、戦車旅団などに配備さている。本格的な実戦参加はアルデンヌの戦い。参考：月刊グランドパワー8,’98、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER2,’05、ジャーマンタンクス

　＜ランク（生産後改修）＞：1944年9月、車体前部過荷重に対抗するため、第１・第２転輪をゴム内蔵の鋼製に変更、履帯も肉抜きの多い軽量型とした。排気マフラーが縦型になり、上部転輪が３個に減り（�W号戦車Ｊ型車体と同じ）、ツィンメリット・コーティングが廃止された。11月、戦闘室上面３箇所にピルツを溶接。車長用ハッチ周囲にEM9型測距機取り付け用のバーを３箇所溶接。近接防御兵器取り付け開始。1945年2月、縦型排気マフラーにエルボー型のカバーを装着。主砲照準器をSflZF1cに変更。ガントラベリングロックを中央に穴の無いタイプに変更。参考：月刊グランドパワー8,’98、ジャーマンタンクス

　＜�W号駆逐戦車ＺＬ型＞：ZLは折衷型のこと。1944年7月にヒトラーから�W号戦車の生産を止め全てランクにするよう命令が出たが、車体の改造が間に合わないため、最小限の改造に止めたタイプである。アルケット社が生産したので�W号駆逐戦車L70（A）、Panzer �W/70(A)とも呼ばれた。ニーベルゲンヴェルケ社の生産ラインに並んでいた�W号戦車Ｊ型車台を抽出して改造しており、車体前後部はそのままだが中央の戦闘室を左右フェンダー部にまで拡大し、装甲板で覆っている。上部構造物を撤去して主砲を載せると、仰角を取った場合に砲尾が燃料タンクと干渉するため、ほぼ垂直面構成の従来の上部構造物の上に傾斜装甲で戦闘室を作り付ける形状となっており、ランクに比べ車高はやや高い。主砲は戦闘室前面上部の傾斜装甲部から右にオフセットされて突き出している。ガントラベルロックがパイプ製の背が高いものとなり、サイレントブロックが前４軸に搭載された。戦闘室前面のペリスコープは付いていない。マフラーは生産当初から縦型だったとみられる。全長8.44m、全幅3.17m（2.88m？）、全高2.35m、重量27.5トン。主砲は7.5cmPaK42L/70、旋回角は左右10度ずつ、俯仰角はマイナス５度からプラス15度、照準器はSflZF。副武装は車内のMG42機銃１丁。装甲厚は車体前面80mm14度、側面30mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、戦闘室前面下部80mm10度、前面上部80mm50度、側面40mm30度（上下共）、後面下部20mm10度、後面上部20mm35度、上面前部20mm90度、後部10mm90度、防楯80mm（ザウコップ式）。エンジンはマイバッハHL120TRMガソリン（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km（路上）／16km（不整地）、航続距離320km。無線機はFuG5。乗員４名。1944年8月から1945年3月までに278両が生産され、戦車大隊では�W号戦車と同様に、独立突撃砲旅団では突撃砲と同様に使用された。現存するのは１両で、ソミュール博物館に屋内展示されている。参考：月刊グランドパワー8,’98、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER2,’05、世界の軍用車両(1)、ジャーマンタンクス

　＜�W号駆逐戦車ＺＬ型（生産後改修）＞：1944年9月、第１・第２転輪をゴム内蔵式鋼製転輪に変更。軽量履帯と金網型シュルツェンを装備。11月、EM9測距儀取り付け用のバーを戦闘室上面３箇所に溶接。12月、車体後部に牽引用の穴あき板を溶接。車体前後のシャックルを側面装甲板と一体化。上部転輪を３個に減。参考：月刊グランドパワー8,’98

　＜�W号駆逐戦車（固定砲架式）＞：Sturmgeschütz neuer Art。�W号駆逐戦車Ｆ型を固定砲架に変更したもので、1944年初めにアルケット社が試作を開始、9月にテストを受けたが、主砲の照準と手動ハンドル操作に問題があり、量産されなかった。成果は固定砲架式ヘッツァーに引き継がれている。参考：ジャーマンタンクス

＜�W号駆逐戦車・海外シリーズ＞

　＜�W号駆逐戦車（ブルガリア）＞： ブルガリア陸軍駆逐戦車。1944年9月にソ連と休戦してドイツ軍に反旗を翻した後、何両か鹵獲して使用した。戦後も恐らく使用したと思われるが、いつまでかは不明。参考：月刊PANZER4,’04

＜四号除毒剤＞：日本軍のルイサイト用除毒剤。参考：海軍兵学校岩国分校物語

＜�W号戦車シリーズ＞：ドイツ陸軍戦車Panzerkampfwagen �W。1935年にドイツ陸軍兵器局が要求した新型戦車BW（Begleitwagen、随伴車両の頭文字）に対しクルップ社が製作した戦車がベースである。1938年の段階で、各戦車連隊には６両しか配備されていなかった。1939年初め、Ｃ型が漸次投入されたため、定数が増加し、１個戦車連隊に8-12両が配備されるようになった。白作戦開始時には第１戦車師団と第１軽機甲師団の中に中戦車中隊（�W号戦車８両配備）が編成されたが、他の戦車連隊の装備数に変化は無い。黄作戦開始時、280両が配備されていた。バルカン半島侵攻時には各中戦車中隊に10両ずつ配備されており、北アフリカ戦緒戦にはＤ型・Ｅ型計40両が投入された。バルバロッサ作戦時には17個戦車師団に438両が配備されていた。1942年の夏期攻勢時、B-F型208両、Ｇ型170両が前線にあった。1943年から、中戦車中隊のみならず戦車連隊各大隊の全中隊（１個あたり24両）に配備されることとなった。1943年7月のツィタデレ作戦時には前線のB-F型は60両になっており、Ｇ型・Ｈ型は841両が配備されていた。�X号戦車量産後は戦車師団の戦車連隊は�W号戦車大隊・�X号戦車大隊１個ずつで構成されることとなったが、�X号戦車の初期不良のため、いくつかの戦車師団はどちらも�W号戦車で編成された。1944年6月6日の連合軍オーバーロード作戦時、フランスには748両（ほぼ全てＨ型）が配備されていた。11月からは中隊への配備数が徐々に減少し、12月のラインの守り作戦時には戦車師団１個あたり26-42両の配備となっていた（作戦参加�W号戦車総数は259両）。総生産数は14522両。参考：ジャーマンタンクス、月刊丸7,’09別冊

　＜�W号戦車Ａ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf A、別名Sd.Kfz.161、1/BW、Vskfz.622。均質圧延鋼板製で、装甲厚は7.62mm機銃弾に耐えられる程度しか無く、ポーランド戦で脆弱さを露呈した。車体前部にクルップ社製ウィルソン式操向装置、最終減速機、ブレーキがあり、その後方に操縦席があって左に操縦手、右に無線手が座る。無線手前面の装甲板は操縦手前面より１段引っ込んでおり、前面にボールマウント式7.92mm機銃MG34（射界左右20度ずつ、仰角20度、俯角10度）を装備する。照準は1.8倍・視野18度のKZF.2照準器を使う。操縦手と無線手の間の斜めになった装甲板には開閉式のクラッペがあり、操縦手は左側に対する射撃も可能とされた。操縦手室前面には跳ね上げ式の視察バイザー（�U号戦車Ａ型の流用）があり、30mm厚の防弾ガラスが嵌め込まれている。またバイザー上方にはKFF2ペリスコープ用開口部が２つ開いている。操縦室左右面（操縦手の左と無線手の右）にはスリット付きバイザー（�V号戦車Ａ型の流用）が付いていて、12mm厚の防弾ガラスが嵌めてある。操縦室中央にはZF社製SFG75変速機（前進５速、後進１速）が置かれており、ギア比は１速が1:6.75（4.8km）、２速が1:3.36（9.7km）、３速が1:2.12（15.3km）、４速が1:1.42（22.8km）、５速が1:1（32.4km）、後進は1:6.4（5.1km）。変速機の上にFu2及びFu6無線機がある。操縦室上面には操縦手・無線手それぞれに専用の前後観音開きハッチがあり、後方のハッチには円形のクラッペがあって信号弾が発射できる。操縦室後方が砲塔の載る戦闘室で、床には燃料タンクが３つ（容量140＋110＋220リットルの計470リットル）あり、車体左側面前後に燃料注入口を持つ。戦闘室前面と両側面には主砲弾140発（122発という説も）が収納される。戦闘室の後方が機関室で、マイバッハHL108TRエンジンが搭載された。エンジン左側はラジエーターで、その下に砲塔旋回専用２気筒エンジンPZW600があり、戦闘室左後部のバッテリーを介して砲塔を電気駆動する。機関室上面には点検用ハッチが３枚あり、左のものには冷却水注入口が設けられている。車体リアパネルには車幅ほぼ一杯にマフラーが装備されており、その上に砲塔旋回用エンジンのマフラーがある。リアパネル左右にワイヤーロープ用のフックがあり、マフラーの下には緊急時エンジン始動用のクランク差込開口部（カバー付き）が付く。リアパネル中央下部には燃料トレーラー用牽引具も装備されている。砲塔周囲には防弾リングがボルト止めされ、車体左側面にはパイプを使った対空機銃架とその前方にジャッキ台が、右側面には可動式アンテナ（後方に倒れる）とアンテナケースが装着される。左フェンダーには前方から前照灯、警笛、消火器、Ｓ字フック、工具箱、ワイヤーカッター、レンチ、起倒式乗降ステップ、大小金てこが車外装備品として置かれ、機関室左側面には差込式の洗桿が取り付けられる。右フェンダーには前方から前照灯、斧、工具箱、ジャッキ、エンジン始動用クランク棒、誘導輪調節用スパナがあり、アンテナケースの下の車体側面にはスコップが配され、機関室右側面には予備履帯４枚が取り付けられていた。車体上面では、機関室隔壁部分の車体幅が狭まっている部分と、車体前部側面視察バイザーの前には車体吊り下げフックがある。下部転輪はダブルタイプ片側８組で、前後２組を１セットにしてリーフ・スプリングで吊ったものを片側４セット装備する。大きさは直径470mm幅75mmで、ゴム縁が設けられ、第１・第８転輪にはダンパーが装備された。上部転輪は片側４組で、直径250mm幅65mm、こちらもゴム縁を持つ。起動輪・誘導輪はスポーク式として軽量化を図っており、前方の起動輪はスポーク６本、歯が19枚で、外周に肉抜き孔を持ち、後方の誘導輪は８本スポークである。履帯は幅380mmのKgs6110/380/120で、片側99枚。砲塔には砲塔バスケットが設けられた。主砲は24口径7.5cmKwKで、砲塔前面中央部の防楯内側に装備され、右に7.92mm同軸機銃MG34が付く。主砲俯仰角はマイナス10度からプラス20度。主砲弾は徹甲弾25%、榴弾65%、発煙弾10%の割合で搭載する。機銃弾数3000発（75発入りドラムマガジン40個）。防楯左にはTZF.5b照準器（倍率2.5倍、視野25度。主砲の俯仰角に合わせて上下する）の開口部があり、照準器には主砲用として最大2000m、同軸機銃用として200/400/600/800mの目盛りが刻まれていた。砲塔の左に砲手、右に装填手、後部中央に車長が位置する。砲塔前部には砲手・装填手視察用ヒンジ付きクラッペを持つ。砲塔側面前方には�V号戦車Ａ型から流用した視察用クラッペがあるが、スリットに防弾ガラスは装備されていない。その後方には前方にヒンジを持つハッチがあり、中央にはスリット付きの固定式バイザーがあって防弾ガラスを備える。砲塔後面左右には角形のクラッペがあり、射撃ポートとして用いることができる。砲塔後部中央には�V号戦車Ｂ型から流用した12mm厚の車長用キューポラがあり、砲塔後面に一部が張り出している。車長用キューポラ前方の砲塔上面には主砲発射ガス排出用長方形クラッペ（前方ヒンジ）、その左右に信号拳銃発射用円形クラッペ（後方ヒンジ）がある。全長5.6m、全幅2.9m、全高2.65m、重量18.4トン。装甲厚は車体前面15mm12度、側面15mm０度、後面15mm10度、底面5mm90度、上部構造物前面15mm７度、側面15mm０度、後面15mm10度、上面12mm85-90度、砲塔前面15mm10度、側面15mm25度、後面15mm0-25度、上面10mm83-90度、防楯15mm（内装式、曲面）。エンジンはマイバッハHL108TR（230馬力）、トランスミッションはZF製SFG75変速機（前進５速、後進１速）、最大速度32.4km。乗員５名。1937年11月に生産初号機が完成し、1938年6月までに35両が生産（1937年10月から1938年3月という説もある）された。1938年1月から実戦配備されている。参考：月刊グランドパワー5,’03、5,’99、6,’99、ジャーマンタンクス

　＜�W号戦車Ａ型（改修）＞：生産中の改修として、1937年12月10日、主砲弾薬搭載数が120発に減った。1938年2月生産車から対空機銃架を廃止。1938年5・6月生産車（計５両）はＢ型車体を流用した。完成車に対する改修として、1938年8月から車体リアパネルに発煙筒ボックス装着。1939年2月から左フェンダー前部にノテック防空型前照灯、左フェンダー後端に間隔標識灯装備。1941年2月から車体前面に30mmの増加装甲板、主砲下部にアンテナ避け装備。1941年3月から砲塔後部にゲペックカステン（雑具箱）標準装備。1941年6月から燃料トレーラー牽引具装着。参考：月刊グランドパワー5,’03、5,’99

　＜�W号戦車Ｂ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf B、Sd.Kfz.161、2/BW、Vskfz.622。車体装甲を前面上部30mm・下部20mmに強化、操縦室前面を30mmの１枚装甲として20mm砲弾に抗堪できるようにした。操縦手と無線手の間の段差は無くなり、ボールマウント機銃は廃止して開閉式バイザー（防弾ガラス無し）と円形射撃用クラッペになった。操縦手バイザーは30mm厚用（上下スライド式）とし、操縦室上面のハッチを小型化して前部ヒンジを持つ１枚式に変更、信号拳銃発射用クラッペを中央に設けている。車体側面のバイザー用防弾ガラスは50mmに強化された。エンジンはHL120TRに、変速機はSSG76に換装され、ギア比は１速1:9.02（4.7km）、２速1:4.68（9.0km）、３速1:2.76（15.2km）、４速1:1.82（23.0km）、５速1:1.29（32.6km）、６速1:1（42km）、後進1:7.3（5.8km）となった。無線機はFu5とFu2の組み合わせである。車体前面フックが角形の装甲板に溶接してからリベット固定されるようになった。重量軽減のため車体幅が狭められており、機関室隔壁との間の段差を無くしたが、装甲強化のため車重は18.5トンに増加している。機関室側面の傾斜角は33度になった。機関室右側面に４枚あった予備履帯は２枚に減らされ、右フェンダーのジャッキ後方に付けられている。砲塔周囲の防弾リングは平板を組み合わせたものに変更され、車体左側の対空機銃架は廃止され、工具箱も置かれなくなった。砲塔装甲も全周30mmに強化され、前部左右下部の削ぎ落とされた部分がやや拡大されている。砲塔前面のクラッペが八角形の小型なものとなり、内部に防弾ガラスが装備された。砲塔後面の射撃用クラッペも円形の小型なものに変更され、砲塔側面左側の視察バイザー開口部が廃止された。主砲防楯と主砲基部の形状も変更され、防楯側面の跳弾防止用小鋼板は廃止され、防楯に直接刻みが付けられた。車長用キューポラは30mm厚の�V号戦車Ｃ型のものとなり、左の信号拳銃射撃用クラッペが信号塔に変更され、換気用クラッペ周囲に跳弾板が追加された。主砲弾搭載数は80発、機銃弾搭載量は2500発に減らされた。全長5.92m、全幅2.83m、全高2.68m、重量18.5トン。主砲は7.5cmKwK37L/24、俯仰角マイナス10度からプラス20度、照準器はTZF5b。副武装はMG34同軸機銃１丁。装甲厚は車体前面30mm12度、側面15mm０度、後面15mm10度、底面5mm90度、上部構造物前面30mm７度、側面15mm０度、後面15mm10度、上面12mm85-90度、砲塔前面30mm10度、側面15mm25度、後面15mm0-24度、上面10mm83-90度、防楯30mm（内装式、曲面）。エンジンはマイバッハHL120TR（285馬力）、変速機はSSG76（前進６速、後進１速）、最大速度42km、航続距離200km。乗員５名。1938年4-9月に42両が生産された。白作戦から実戦投入され、1943年末までに前線から退いた。参考：月刊グランドパワー5,’03、5,’99、6,’99、ジャーマンタンクス

　＜�W号戦車Ｂ型（改修）＞：1938年8月生産車から車体リアパネルに発煙筒を収めるボックスを追加。生産済み車両にも追加された。完成車に対する改修として、1939年2月から操縦手バイザーの上に雨樋を新設。1939年春から左フェンダー前部に防空型前照灯、後部に間隔標識灯を追加。1941年2月から車体前部に30mm増加装甲を装着。1941年6月から燃料トレーラー牽引用牽引具を車体リアパネルに追加。参考：月刊グランドパワー5,’03、5,’99

＜�W号戦車Ｃ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf C、Sd.Kfz.161、3/BW、Vskfz.622。主砲防楯の開口部を右に延長して同軸機銃に装甲スリーブを追加し、車体リアパネルに発煙筒収納ボックスを装備した（ただし両者共に未装備の車両もある）。全長5.92m、全幅2.83m、全高2.68m、重量19トン。主砲は7.5cmKwK37L/24（80発）、俯仰角マイナス10度からプラス20度、照準器はTZF5b。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁。装甲厚は車体前面30mm12度、側面15mm０度、後面15mm10度、底面5mm90度、上部構造物前面30mm７度、側面15mm０度、後面15mm10度、上面12mm85-90度、砲塔前面30mm10度、側面15mm25度、後面15mm0-24度、上面10mm83-90度。防楯30mm（曲面、内装式）。エンジンはマイバッハHL120TR（285馬力）、変速機は前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。1938年9月から1939年8月までに134両が生産された。1943年まで前線配備されている。参考：月刊グランドパワー5,’03、ジャーマンタンクス

＜�W号戦車Ｃ型（改修）＞：生産中の変更点は、1939年4月以降主砲にアンテナ避け装着。生産31号車より車長用キューポラが�V号戦車Ｅ型と同型となった。41号車からエンジンをHL120TRM（265馬力）に変更（138・140号車はHL120TRのまま）。1939年春生産の58号車から操縦手バイザー上に雨樋装備。完成車への改修として、1939年春から左フェンダー前部に防空型前照灯、後部に間隔標識灯を追加。1941年2月から車体前部に30mm増加装甲を装着。1941年6月から燃料トレーラー牽引用牽引具を車体リアパネルに追加。参考：月刊グランドパワー5,’03

＜�W号戦車Ｄ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf D、4&5/BW、Sdkfz.161。前面装甲を30mm厚のTL4024表面硬化鋼とし、車体・上構側後面装甲を20mm、車体後面装甲を14.5mm、車体下面装甲を10mmに強化した。操縦室前面装甲はＡ型と同様の２枚装甲板となり、操縦手正面にボールマウント機銃クーゲルブレンデ30、左側に円形小型射撃ポートを装備している。操縦室左右の視察バイザーは�V号戦車Ｅ型と同じ30mm厚のものとなり、防弾ガラスも90mmに強化された。車体前面装甲板左右にはブレーキ点検用ハッチを設けている。車体左側面の燃料注入口の蓋は前方開き式となり、車体リアパネルの冷却ファンベルトを外す蓋も左開き式となった。上構後端の吊り下げフックは廃止されている。機関室側面の傾斜角は10度となり、吸排気グリルは単純化されて可動フラップ４枚が新設され、ここにあったレンチは左フェンダーの消火器の後ろ、クランク棒は右フェンダー前部、小型金てこは反対側右フェンダー後部にそれぞれ移された。車体リアパネルの牽引部はリブを追加して強化し、第３・第５・第７転輪にダンパーを追加、履帯はセンターガイドの高いKgs6111/380/120に変更している。砲塔では防楯を35mm厚の外装式に変更し、砲塔側面視察ブロックは�V号戦車Ｅ型用を流用して内側に90mm厚防弾ガラスを填めた。換気用クラッペの前方にも跳弾板を装備する。燃料供給ポンプは電気式を追加した。全長5.92m、全幅2.84m、全高2.68m、重量20トン。主砲は7.5cmKwK37L/24（80発）で、俯仰角はマイナス８度からプラス20度、照準器はTZF5b。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁と、クーゲルブレンデ30が１基（旋回角左右20度ずつ、俯仰角マイナス10度からプラス15度）、機銃弾数3150発。装甲厚は車体前面30mm12度、側面20mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、上部構造物前面30mm７度、側面20mm０度、後面20mm９度、上面12mm84-90度、砲塔前面30mm10度、側面20mm25度、後面20mm0-24度、上面10mm83-90度、防楯35mm（曲面、外装式）。エンジンはマイバッハHL120TRM、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。1939年10月から1940年10月（1941年5月？）に232両（229両？）が生産された。黄作戦から実戦投入され、1944年初頭まで前線配備されていた。参考：月刊グランドパワー5,’03、5,’99、6,’99、ジャーマンタンクス

＜�W号戦車Ｄ型（改修）＞：1940年6月生産車から車体・操縦室前面に30mm厚、上部構造物側面に20mm厚の増加装甲を装備。1940年春（2月）の生産車から左フェンダー前部に防空型前照灯と角形車間表示灯装備。これらは完成車に対しても行われた。最後の68両は車体前面装甲を50mm厚１枚装甲板として生産。1941年3月に砲塔後部雑具箱装備。1941年末、１両が60口径5cmPaK38を搭載。1942年7月から主砲を43口径7.5cm戦車砲KwK40に換装、操縦室前面に20mm厚の増加装甲装着。この増加装甲は操縦手席側のみスペースドアーマー式となっている。砲塔の換気用ハッチを廃止してベンチレーターを装備し、左右の信号弾発射用ポートも廃止して装甲板で塞いだ。1942年9月からラジエーター冷却水交換装置装備。1943年5月、車体・砲塔側面にシュルツェン装備。参考：月刊グランドパワー5,’03、5,’99、ジャーマンタンクス

＜�W号戦車Ｄ型（熱帯仕様）＞：1941年1月に北アフリカ展開を目的として改造されたもの。機関室点検ハッチに冷却用スリットを設けている。30両が改造された。参考：月刊グランドパワー5,’03

＜�W号戦車Ｅ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf E、6/BW。1939年5月に開発命令が出された装甲強化型。車体前面装甲板を50mm厚、車体前上面装甲板を30mm厚とし、車体下部側面に20mm厚、操縦室前面に30mm厚、上部車体側面に20mm厚の増加装甲を装着、37mm対戦車砲に耐えられるようにした。これにより戦闘重量は22トンに増加したが、エンジンなどは変更されていないので機動力が若干落ちている。車体前上面の装甲板が１枚になったため、ブレーキ点検用ハッチが装甲板と面一になるよう改められ、ヒンジも強化型になった。操縦手用バイザーも回転式30mm厚装甲板用に変更され、内側には90mm厚の防弾ガラスが填め込まれている。転輪のハブキャップが新型に変更され（極初期の型では旧式のまま）、起動輪のデザインがシンプルになり、肉抜き孔がなくなった。防空型前照灯が標準装備（初期には装備されていないものもある）されている。排気マフラー上の発煙筒を装甲ボックスに収容した。砲塔後部の角度を立てて車長用キューポラの張り出しを無くし、車長用キューポラ自体も�V号戦車Ｇ型と同じ装甲厚30-95mmのものに変更、視察用開口部に上下スライド式の装甲シャッターを装備している。キューポラ前方の換気用クラッペは廃止され、砲塔前方右側にベンチレーターが追加された。キューポラ右側の信号弾発射用クラッペと左側の信号塔も廃止し、信号塔跡に信号弾発射用小クラッペを装着している。砲塔旋回モーター用の補助エンジンは２気筒２サイクルのZW500に変更した。機銃弾は150発ベルト弾倉で用意されるようになった（搭載数は3150発のまま）。全長5.92m、全幅2.84m、全高2.68m、全備重量21トン。主武装は7.5cmKwK37L/24（80発）、俯仰角はマイナス８度からプラス20度、照準器はTZF5b。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁、ボールマウント式7.92mm機銃MG34が１丁（旋回角左右20度ずつ、俯仰角マイナス10度からプラス15度、照準器はKgZF2）。装甲厚は車体前面50mm15度、側面40mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、上部構造物前面60mm７度、側面40mm０度、後面20mm15度、上面12mm84-90度、砲塔前面30mm10度、側面20mm24度、後面20mm14度、上面10mm83-90度、防楯35mm（外装式、曲面）。エンジンはマイバッハHL120TRM、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度42km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。1939年10月から生産に入り、1941年4月までに200両（223両？）が完成した。1944年初めまで前線で使用された。参考：月刊グランドパワー6,’03、5,’99、6,’99、ジャーマンタンクス

＜�W号戦車Ｅ型（改修）＞：1940年10月から砲塔旋回用DKWエンジンと発電機を能力向上型に変更。1941年1-3月生産車85両は潜水戦車に改造。1941年3月生産車からゲペックカステン装備。1941年6月から車体リアパネルに燃料トレーラー牽引具装着。1942年4月から機関室隔壁に暖気用クラッペ新設。1942年7月から43口径7.5cm砲KwK40に換装。1942年9月から冷却水交換装置導入。1943年5月から車体側面と砲塔周囲にシュルツェン装着。参考：月刊グランドパワー6,’03、5,’99

＜�W号戦車Ｅ型（熱帯仕様）＞：1941年2月、機関室点検ハッチに冷却用スリットを設け、ラジエーターを能力向上型にした熱帯仕様型が10両前後製作された。参考：月刊グランドパワー6,’03、5,’99

＜�W号戦車Ｆ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf F、Sd.Kfz.161、7/BW。1941年5月から生産に入った装甲強化型。1942年2月までに470両が完成したが、うち７両はカール用弾薬運搬車に改修された。車体前面50mm､車体下部側面30mm、上部構造物前面50mm、側面30mm、砲塔前面・主砲防楯50mm、側・後面30mmの１枚装甲板とし、前面装甲にはTL4030表面硬化鋼を採用した。操縦室前面装甲板は段差の無い平面板で、操縦手用視察バイザーは�V号突撃砲と同じものを使用、無線手のボールマウント式機銃は50mm装甲用クーゲルブレンデ50に変更された。重量増加に対し、履帯を幅400mmのKgs61/400/120に変更、転輪幅は75mmから90mmに増やし、誘導輪はパイプ溶接の７本スポークに換装した。車体前上面のブレーキ点検ハッチには冷却用の穴が開けられ、その上に後方が開口された装甲カバーを溶接している。また、操縦室左右に装着されている視察クラッペは表面硬化鋼に変更され、ヒンジも内装式となった。機関室隔壁直前の左側面に装備されていた履帯連結工具は新型となり、左フェンダー前部の誘導輪調節工具の左に移された。また、機関室と戦闘区画の間には直角三角形のフェンダー支持用鋼板が追加され、右フェンダーの予備履帯装着固定具が３枚に減って前方に移動している。砲塔旋回用モーターと発電機の位置も変更され、それに伴い車体リアパネル左側に角形マフラーを装着するようになった。これと干渉しないように主エンジンのマフラーが短縮されている。車体リアパネルのワイヤー取り付け具の位置と発煙筒の収納位置が変更された。砲塔後部の雑具箱が標準装備となり、砲塔側面ハッチは�V号戦車Ｅ型で導入された30mm厚の観音開き式のものとなった。ハッチ上部の砲塔側面にある雨樋は簡単な形に改められ、砲塔上面にリベット止めされている。砲塔側面の視察クラッペも表面硬化鋼に変更され、前方の跳弾板は廃止された。砲塔の向きを示すアジマス表示計が２個に増えている。全長5.92m、全幅2.84m、全高2.68m、重量22.3トン。主砲は7.5cmKwK37L/24（80発）、俯仰角はマイナス８度からプラス20度、照準器はTZF5b。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁、ボールマウント式MG34機銃が１丁（旋回角左右20度ずつ、俯仰角マイナス10度からプラス15度、照準器はKgZF2）。装甲厚は車体前面50mm12度、側面30mm０度、後面20mm９度、底面10mm90度、上部構造物前面50mm10度、側面30mm０度、後面20mm12度、上面12mm85-90度、砲塔前面50mm11度、側面30mm26度、後面30mm16度、上面10mm83-90度、防楯50mm（外装式、曲面）。エンジンはマイバッハHL120TRM、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度42km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。補充用、第２・第５戦車師団への更新用、新設戦車部隊用として前線に送られた。参考：月刊グランドパワー6,’03、5,’99、6,’99、ジャーマンタンクス、月刊PANZER10,’85

＜�W号戦車Ｆ型（改修）＞：1941年4月5日から車体リアパネルに燃料トレーラー牽引具装着（熱帯地用）。6月にも同様の改修が行われた。7月7日から砲塔前面に20mm厚のスペースドアーマー装着。1942年7月から主砲を43口径7.5cm戦車砲KwK40L/43に換装。1942年9月から冷却水交換装置装備。1942年11月からヴィンターケッテ（冬季用接地圧減少履帯）導入。1943年5月から車体側面・砲塔周囲にシュルツェン装着。参考：月刊グランドパワー6,’03、5,’99

＜�W号戦車Ｆ２型＞：�W号戦車Ｇ型を参照。

　＜�W号戦車Ｇ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf G、Sd.Kfz.161/1または161/2、7/BWまたは8/BW。Ｆ型に43口径7.5cm戦車砲KwK40L/43を搭載したもので、当初は球形のシングルバッフル式マズルブレーキを装着していた。従来F2型と呼ばれていたものは、書類上だけのものと解釈されており、実際は全てＧ型として生産されている。砲基部の形状も変更され、砲塔上部にガントラベリングロックが設けられ、新型揺架（砲身安定用のコイルバネ式平衡機構追加）、装填手用補助手動閉鎖機、装填手用手動式補助砲塔旋回装置、TZF5f望遠照準器、新型砲弾ラックが装備された。全長6.62m、全幅2.88m、全高2.68m、重量23.5トン。主砲は7.5cmKwK40L/43（87発）、俯仰角マイナス８度からプラス20度。副武装は7.92mm 同軸機銃MG34が１丁と、車体前面右ボールマウントのMG34機銃１丁（3000発）。装甲厚は車体前面50mm12度または80mm12度、側面30mm０度、後面20mm９度、底面10mm90度、上部構造物前面50mm10度または80mm10度、側面30mm０度、後面20mm12度、上面12mm85-90度、砲塔前面50mm11度、側面30mm26度、後面30mm10度、上面10mm83-90度、防楯50mm（外装式、曲面）。エンジンはマイバッハHL120TRM、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離210km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。1942年3-6月に1930両が生産され、逐次前線に送られた。これにより、1942年夏以降、連合国軍戦車よりも優位に立てるようになった。参考：月刊グランドパワー3,’03、5,’99、6,’99、ジャーマンタンクス、月刊丸4,’07

　＜�W号戦車Ｇ型（改修）＞：生産中の変更点として、1942年4月から砲塔側面・前面右側のバイザー廃止。1942年5月から車体・操縦室前面に30mmの増加装甲板装着、操縦手前面・砲塔両側面の覘視孔を廃止。1942年6月から予備転輪ラックを左フェンダーに装着、レンチを右フェンダー後部に移動し、金てこ（小）が左フェンダーの履帯連結工具の位置に、履帯連結工具は右フェンダーの斧の隣に移動。前面上部装甲板に予備履帯７リンク分装備。全Ｇ型の機関室上面ハッチに熱帯地用スリットグリルを追加。この頃、マズルブレーキをダブルバッフル式に変更。1942年7月からノテックライトに代わりボッシュライトを装備。砲塔横に発煙弾発射機を追加（1943年5月に廃止）。1942年9月から右フェンダー上にもボッシュライト装備（ただし、付いていないものも多い）、ラジエーター冷却水交換装置導入。これに伴い、車体リアパネル下部に冷却水交換用ホース接続用開口部が設けられ、ねじ込み式の蓋が装着された。1942年10月から冷却水暖房機材装着。1942年11月からアンテナ避けを装着（1943年5月まで）。1943年2月から操縦手用KFF2ペリスコープを廃止し、前面装甲板の開口部も塞いだ。１枚式ハッチの新型キューポラと42型対空機銃架装備。1943年4月から主砲を48口径に換装。車体側面・砲塔周囲にシュルツェン装備。1943年5月からエアフィルターを右側フェンダーに装備。フェンダー上の予備履帯は車体後部に、スコップは機関室右側面に配置換えした。ジャッキ前に予備履帯１枚を取り付けたものもある。アンテナ基部の位置が左後部に移動。その他時期不明の変更点として、マズルブレーキの変更（ダブルバッフル式からエラの張ったタイプへ）、右側フェンダー用ステイの上部車体前面への取り付け、クリーニング・ロッド延長用ロッド装備、操縦手・無線手用ハッチ、砲塔上面の信号弾発射用ハッチ廃止、車体後部の牽引具装備がある。完成車に対する改修として、1942年11月から冬季用履帯ヴィンターケッテ装備。1943年5月からシュルツェン装備。1944年1月からツィンメリット・コーティング施行。1944年2月からエアフィルター廃止。指揮戦車への改修開始。1944年5月から東部戦線用履帯オストケッテを装備。1944年7月から砲塔上部にピルツ３個を装備。1944年12月から車体後部に大型の牽引具装着。1945年1月からキューポラ蓋のヒンジ変更（横旋回スライド式）。参考：月刊グランドパワー3,’03、5,’99、ジャーマンタンクス

　＜�W号戦車Ｈ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf H、9/BW。�W号戦車Ｇ型の砲塔を油圧駆動に換えたもの。砲塔上面装甲を前方16mm・後方25mmに強化し、重量増大に対応するため最終減速装置をSSG77に換装、最大速度が38kmとなった（ただし1943年5月に生産されたフォマーク製のＨ型はＧ型の最終減速装置をそのまま使用）。起動輪はダブルアーム型スポークを採用し、転輪ダンパーのデザインを変更した。全長7.02m、全幅2.88m、全高2.68m、全備重量25トン。主砲は7.5cmKwK40L/48（87発）、俯仰角はマイナス８度からプラス20度。照準器はTZF5f/1。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁と、車体前面左のボールマウント式MG34機銃１丁。機銃弾数3150発。装甲厚は車体前面80mm14度、側面30mm０度、後面20mm８度、底面10mm90度、上部構造物前面80mm10度、側面30mm０度、後面20mm11度、上面12mm85-90度、砲塔前面50mm10度、側面30mm26度、後面30mm15度、上面前部16mm86度、上面後部25mm90度、防楯50mm（外装式、曲面）。エンジンはマイバッハHL120TRM、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離210km。無線機はFuG2及びFuG5。乗員５名。1943年4月から1944年2月までに2300両が生産された。うち60両は�W号突撃榴弾砲ブルムベア、30両は�W号駆逐戦車に使用されている。参考：月刊グランドパワー5,’99、6,’99、ジャーマンタンクス

　＜�W号戦車Ｈ型（改修）＞：生産中の変更点は、1943年6月から車体と上部車体前面の装甲をTL4034表面硬化鋼80mm厚の一枚板に変更。上部車体側面のビジョンバイザー廃止。1943年9月からツィンメリット・コーティング施行。ダンパー形状と転輪ハブキャップ形状変更。1943年10月から全金属製上部転輪と鋳造型誘導輪導入。1943年12月から車体前面装甲板を噛み合わせ式構造に変更。1944年1月から砲塔上面に近接防御兵器用の穴が開けられ、蓋がボルト止めされた。1944年3月からエアフィルター廃止。変更時期は不明だが、車体後部下面の反り上がりが無くなり、補強用の板を省略。車体後部冷却液交換口の蓋のデザインを角形に変更、エンジン始動用クランクシャフト差込部のハッチにエンジン付き始動機を接続するためのアタッチメントとシャフト差込口を設置。車体シュルツェンが脱落しやすかったため、シュルツェン架と装着方法を変更。砲塔後部のピストルポート廃止。フェンダー上のフックをＳ型からＣ型に変更。マズルブレーキ形状の変更。ボッシュ製前照灯が左側１個のみとなった。完成車に対する変更として、1944年12月から車体後部に大型の牽引具装着。1945年1月からキューポラ蓋のヒンジ変更（横旋回スライド式）。参考：月刊グランドパワー5,’99

　＜�W号戦車Ｈ型（改）＞：1942年12月31日に兵器局第６課がクルップ社に出した改良案。車体前面を50mm55度の傾斜装甲とし、右にボールマウント機銃を、左に視察用クラッペを装備、上部構造物前面は垂直のままだが側面は傾斜式に変更している。これにより重量が0.88トンほど増えるため、履帯幅を広げる予定だったが、ゴム縁式転輪を重量に耐えられるゴム内蔵式に変更して履帯はそのままにした。1943年2月5日に兵器局第６課が更なる改良案を提出、車体側面と砲塔の装甲厚を45mmに増し、履帯幅を560mmに広げたが、重量が28.2トンに増えたため、転輪をゴム内蔵式とすることにした。2月17日の戦車委員会の会合でヒトラーが�W号戦車の生産増を要求したため改良を施す暇が無くなり、没になった。参考：月刊グランドパワー8,’10

　＜�W号戦車Ｊ型＞：Panzerkampfwagen �W Ausf J、550号兵器器材（Gerät 550）。Ｈ型の砲塔回転用電気装置と発電機を外したもの。後部装甲板の補助エンジン用マフラー、排気管用の穴も廃止された。外したスペースには２段変速式手動砲塔旋回装置が搭載され、1944年7月からは200リットル入り増加燃料タンクも装備した。しかしシール不良のため8月には一旦外され、9月以降に再び装着されるようになった。全長7.02m、全幅2.88m、全高2.68m、全備重量25トン。主砲は7.5cmKwK40L/48（87発）、俯仰角はマイナス８度からプラス20度。照準器はTZF5f/1。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁と、車体前面左のボールマウント式MG34機銃１丁。機銃弾3150発を搭載する。装甲厚は車体前面80mm14度、側面30mm０度、後面20mm８度、底面10mm90度、上部構造物前面80mm10度、側面30mm０度、後面20mm11度、上面12mm85-90度、砲塔前面50mm10度、側面30mm26度、後面30mm15度、上面前部18mm86度、上面後部26mm90度、防楯50mm（外装式、曲面）。エンジンはマイバッハHL120TRM、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離320km。無線機はFuG2及びFuG5。乗員５名。1944年2月から終戦までに約3200両が生産された（うち172両は�W号突撃戦車ブルムベアに使用）。参考：月刊グランドパワー5,’99、ジャーマンタンクス

　＜�W号戦車Ｊ型（改修）＞：生産中の変更点は、1944年5月から砲塔側面ハッチのビジョンバイザー・ピストルポート廃止。機関室上部ラジエーターフィルターカバーのデザイン簡略化。1944年6月から牽引用Ｓ型フックが１個のみＣ型フックに変更。砲塔上部に３個のピルツ装備。1944年7月から車体前面の表面硬化装甲板TL4034を用いなくなり、側面のみに使用するようになった。上部車体上面の装甲厚を16mmに増やした。砲塔のベンチレーターカバー強化。1944年8月から縦型排気マフラー廃止。1944年9月からツィンメリット・コーティング施行。メッシュ製シュルツェン装備。1944年10月から近接防御兵器装備と、それに伴うベンチレーターカバーの形状変更。キューポラのハッチを横旋回式開閉型とした。車体前後の牽引用器具を廃止し、車体側面装甲板と一体式に変更。1944年12月から上部転輪のデザインを変更して３個に減少。車体後部に大型の牽引器装備。これらのうち主なものは、G/H型にも実施されている。参考：月刊グランドパワー5,’99

＜�W号戦車ファミリー＞

　＜�W号ａ型自走砲＞：ドイツ陸軍自走砲、10.5cm K18 auf Panzer Selbstfahrlafette �Wa。�W号Ｄ型車体に固定式の戦闘室を載せ、52口径10.5cmカノン砲K18（25発）を搭載したもので、1941年3月に試作車２両が完成した。旋回角は左右８度ずつ、俯仰角はマイナス15度からプラス10度。戦闘室は車体後部に設置されており、機関室は中央に移動させた。砲が俯角を取れるよう、車体前部左右の操縦手席と無線手席は上部が独立した箱型をしている。全長7.52m、全幅2.84m、全高3.25m、戦闘重量25トン。車内に7.92mm機銃MG34を１丁収容する。装甲厚は車体前面30mm12度、側面20mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、戦闘室下部前面30mm10度、側面20mm０度、後面20mm10度、戦闘室上部前面30mm14度、側面20mm14度、後面20mm20度、上面オープン、防楯30mm10度。エンジンはマイバッハHL120TRM（300馬力）、トランスミッションはZF社製前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG5。乗員５名（車長、操縦手、無線手、砲手、装填手）。1942年春から量産される予定だったが、分離装薬で発射速度が遅いこと、重量バランスが悪くて機動力に劣ること、対戦車用としては88mm砲の方が高威力だったことより採用されなかった。試作車は第521戦車駆逐大隊に配備され、次いで第３戦車師団に転属して東部戦線に送られ、１両は破壊され、もう１両はソ連戦車数両を撃破して1941年10月に後方に引き揚げられた。現地ではデッカーマックスというニックネームを付けられている。参考：ジャーマンタンクス、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)、月刊PANZER5,’10

　＜�W号ｂ型自走砲＞：ドイツ陸軍自走砲10.5cm leFH18/1(Sf) auf Geschützwagen �Wb（leFH18/1搭載�W号ｂ型自走砲）、Sd.Kfz.165/1。第２次大戦独ソ戦で牽引砲がソ連国土の泥濘に足を取られて他部隊に追随できないことが多々あったため、自走砲を作ることになり、1942年1月から開発した。�W号戦車車体を小型にし、エンジンを換装、下部転輪を片側６組にしたｂ型車台に、10.5cm榴弾砲leFH18/1（60発）を搭載している。できる限り�V号・�W号戦車と部品の共用を図ることになっていたが、殆どのパーツは新規製造になった。オープントップ式の砲塔にleFH18/1を載せており、砲塔は限定旋回式で、射界は左右35度（左右70度？）に限られていた。俯仰角はマイナス10度からプラス40度。重量14.8kgの榴弾をチャージ５で発射すると初速毎秒470m、最大射程10500m。収容弾数60発、持続発射速度毎分６発。照準器はSflZFとRblf36。全長5.9m、全幅2.87m、全高2.25m、戦闘重量17トン。装甲厚は車体前面20mm12度、側面14.5mm０度、後面14.5mm10度、底面14.5mm90度、上部構造物前面20mm10度、側面14.5mm０度、後面14.5mm20度、上面10mm90度、砲塔前面20mm20度、側面14.5mm15度、後面14.5mm10度、上面オープン、防楯20m（曲面）。エンジンはマイバッハHL66P（188馬力。量産型では320馬力のマイバッハHL90を予定）、トランスミッションはZF社製前進６速・後進１速、最大速度45km、航続距離250km。無線機はFuG Spr f。乗員４名。1942年に試験が終了し、先行生産型10両（８両？）が生産され、東部戦線で実用試験が行われたが、コストが高いのとエンジンの出力不足から量産はされずに終わった。参考：ジャーマンタンクス、月刊グランドパワー7,’03、世界の軍用車両(1) 、月刊PANZER5,’10

＜�W号ｃ型装甲自走砲＞：ドイツ陸軍自走砲、制式名称は8.8cmFlak auf Sonderfahrgestell（8.8cm高射砲搭載特殊車台）。1941年から8.8cmカノン砲装備の対戦車自走砲として開発されたが、途中で自走対空砲に設計変更され、初号車はFlak37を搭載して1942年末に完成し、２号車はFlak41を搭載して1944年に完成した。車体は�W号戦車の部品を一部流用しており、下部転輪は千鳥式、サスペンションはトーションバー式である。戦闘室側後面には起倒式の装甲板が立てられており、射撃時には外側に倒す。全長7m、全幅3m、全高2.8m、重量26トン。主砲は8.8cmFlak37L/56または8.8cmFlak41 L/71、全周旋回可能、俯仰角マイナス３度からプラス85度。装甲厚は車体前面50mm12度、側面20mm０度、後面20mm15度、底面10mm90度、戦闘室前面50mm30度、側面10mm０度または10mm30度、後面10mm24度、上面オープン、防楯10mm10度。エンジンはマイバッハHL90、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度35km、航続距離250km。乗員８名。量産には移されなかった。参考：ジャーマンタンクス、世界の軍用車両(1)

＜�W号架橋戦車＞：ドイツ陸軍架橋戦車Brückenleger �W。�T・�U号架橋戦車の能力が低かったため、�W号戦車の車体に9m戦車橋を搭載したものである。戦車橋にはクルップ社製とマジルス社製の２種があり、前者は車体前方に搭載したクレーンで吊り下げて前方に展開させ、後者は橋を前方にスライドさせて架橋する。全長11m、全幅3m、全高3.54m（クルップ製）／3.28m（マジルス製）、重量28トン。武装は上部構造物前面のボールマウント式7.92mm機銃１丁。装甲厚は車体前面30mm12度、側面20mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、上部構造物前面30mm７度、側面20mm０度、後面20mm９度、上面12mm84-90度。エンジンはHL120TRM、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG5。乗員２名。1939年8月に�W号戦車Ｃ型を改造して４両が、1939年9月からＤ型を改造して16両が生産された。更に12両が改造されて1940年9月に引き渡されたが、再び�W号戦車に戻されている。完成した20両は第１・第２・第３・第５・第10戦車師団に配備された。参考：ジャーマンタンクス

＜�W号指揮／観測戦車＞：ドイツ陸軍指揮・観測戦車Panzerbefehlswagen mit 7.5cm KwK L/48、Panzerbeobachtungswagen �W。�V号戦車ベースの指揮戦車が能力不足になったため、�W号戦車長砲身型に無線機を追加して指揮戦車または観測戦車にしたものである。後部車体と砲塔上面にアンテナが追加され、砲塔左にペリスコープのマウントが移された。全長7.02m、全幅2.88m、全高2.68m、重量25トン。主砲は7.5cmKwK40L/48、俯仰角マイナス８度からプラス20度、照準器はTZF5f/1またはTZF5f/2。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁と、上部構造物前面右のボールマウント式MG34機銃１丁。装甲厚は車体前面80mm14度、側面30mm０度、後面20mm８度、底面10mm90度、上部構造物前面80mm10度、側面30mm０度、後面20mm11度、上面12mm85-90度、砲塔前面50mm10度、側面30mm26度、後面30mm15度、上面15mm84-90度、防楯50mm（外装式、曲面）。エンジンはHL120TRMまたはTRM112、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離210km。無線機は指揮戦車がFuG5とFuG7またはFuG8、観測戦車がFuG4とFuG8。乗員５名。指揮戦車は1944年3-9月に97両、観測戦車は1944年7月から1945年3月に90両が改造された。参考：ジャーマンタンクス

＜�W号地雷処理戦車＞：ドイツ陸軍地雷処理戦車Panzerkampfwagen �W mit Minenrollern。車体前方左右に履帯幅処理ローラー、後方に前方ローラー間をカバーする処理ローラーを装備したもので、地雷を踏み潰して処理する。�W号戦車Ｃ型１両が改造されてテストされた。参考：ジャーマンタンクス

＜�W号戦車回収車＞：ドイツ陸軍戦車回収車Bergepanzer �W。砲塔を外して木製の箱を載せ、機関室上面に組み立て式のクレーンを積んだものである。1944年10-12月に36両が製作され、ベルゲアンカー（回収用錨）とペアで使用された。参考：ジャーマンタンクス

　＜�W号戦車特型＞：ドイツ陸軍試作戦車Sonderausführung des Panzerkampfwagen �WまたはPanzerkampfwagen �W mit Hydrostatischen Antrieb。Ｇ型のトランスミッションを流体変速機に改造したもので、1944年に１両が試作された。参考：ジャーマンタンクス

　＜�W号潜水戦車＞：ドイツ陸軍潜水戦車Panzerkampfwagen �W als Tauchpanzer。ゼーレーベ作戦用に�W号戦車を潜水仕様としたもので、�V号潜水戦車と同様の改造を施した。全長5.92m、全幅2.84m、全高2.68m、重量20トン。主砲は7.5cmKwK37L/24（80発）、俯仰角マイナス８度からプラス20度、照準器はTZF5b。副武装は7.92mm同軸機銃MG34が１丁と、上部構造物前面右のボールマウント式MG34機銃（旋回角左右20度ずつ、俯仰角マイナス10度からプラス15度、照準器はKgZF2）１丁。装甲厚は車体前面30mm12度、側面20mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、上部構造物前面30mm12度、側面20mm０度、後面20mm９度、上面12mm84-90度、砲塔前面30mm10度、側面20mm25度、後面20mm0-24度、上面10mm83-90度、防楯35mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL120TRMガソリン、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。1940年7月に42両が製作され、ゼーレーベ作戦中止後に第３・第４・第18戦車師団などに配備され、バルバロッサ作戦に投入された。参考：ジャーマンタンクス、異形戦車ものしり大百科

　＜�W号突撃橋＞：ドイツ陸軍突撃橋Infanterie Sturmsteg auf Fahrgestell Panzerkampfwagen �W。砲塔を外し、歩兵用突撃橋（消防梯子車の梯子のような伸縮式で、全長50m）を搭載したもの。1939年8月にＣ型車台２両を使用して改造が行われ、1940年2月に引き渡された。参考：ジャーマンタンクス

　＜�W号突撃榴弾砲＞：ドイツ陸軍突撃砲Sturmpanzer �W／StuG �W mit 15cm StuH43、別名Sd.Kfz.166ブルムベア（Brummbär、灰色熊）。�V号突撃重歩兵砲も車体の小ささが問題になったので、�W号戦車に搭載したタイプである。1942年10月に開発計画が提出され、当初は重量増に対応して足回りを強化する予定だったが、ヒトラーの早期生産命令に伴い�W号戦車Ｅ／Ｆ／Ｇ型の車体をそのまま利用して生産された。固定式の戦闘室は被弾経始が考慮され、前面100mm・側面50mm厚の装甲板で構成されている。前面左には操縦室の小さな張り出しがあり、操縦手用のスライドシャッター式覘視孔（ティーガー�Tと同じもの）が取り付けられていて、上面には車長、砲手、装填手それぞれに専用のハッチが設けられた。全長5.93m、全幅2.88m、全高2.52m、重量28.2トン。主砲は15cmStuH43L/12（後にStuH43/1。装弾数38発）、旋回角左右10度ずつ、俯仰角マイナス５度からプラス30度、照準器はSflZF。車内に7.92mm機銃１丁を収容する。装甲厚は車体前面80mm12度、側面30mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、戦闘室前面100mm40度、側面50mm15度、後面30mm25度及び30mm０度、上面20mm83度及び10mm90度。エンジンはマイバッハHL120TRMガソリン（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離210km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。中期型（1943年12月以降生産型）ではＨ型の車体を使用し、操縦室の張り出しを大型化し前面のバイザーを廃止して上部にペリスコープを搭載、砲手用ハッチを廃止した。後期型（1944年4月以降生産型）では主にＪ型車体を使用し、戦闘室形状を改良、前方左にボールマウント式MG34機銃（600発。旋回角左右15度ずつ、俯仰角マイナス７度からプラス20度、照準器はKgZF2）が搭載している。1943年4-5月に初期型60両、1943年12月から1945年3月までに中後期型246両が生産された。クルスク戦に第216突撃戦車大隊が参加し、更に第217、第218、第219突撃戦車大隊が編成されて各地を転戦した。参考：ジャーマンタンクス、世界の軍用車両(1)、異形戦車ものしり大百科

　＜�W号無反動砲＞：ドイツ陸軍試作自走無反動砲、Panzerkampfwagen �W fur zwei 7.5cm ruckstossfrei Kanone 43 und 3cm MK103。3cm機関砲MK103を搭載した小型砲塔の両側面に張り出しを設け、7.5cm無反動砲43型を１門ずつ搭載したものである。モックアップのみ製作された。参考：ジャーマンタンクス

＜ヴィルベルヴィント＞：ドイツ陸軍の�W号戦車改造自走対空機関砲Sd.Kfz.161/4 Wirbelwind（旋風）。制式名称はFlakpanzer �W /2cm Vierlingである。�W号戦車Ｇ／Ｈ／Ｊ型の車体に九角形のオープントップ砲塔を搭載、４連装2cm機関砲Flak38を装備したもので、メーベルヴァーゲンが戦闘時に無防備になるという欠点を克服すべく開発された。また、車体改造の必要が無い（機関室側面に予備砲身ケースを付けるだけ）という利点もあった。砲塔は作業スペースを確保するためソロバン玉状をしており、ベース部分に30mm、他部位に16mmの装甲板を使用。機関砲俯仰角はマイナス10度からプラス100度。機関砲の直後に車長兼砲手が、機関砲左右に装填手が１名ずつ位置するが、車長席が無いので、戦闘指揮は砲塔外に出て無防備状態で行う必要があった。また、乗降用ドアが無いので、高さ1mの装甲板を跨いで中に入るしかない。砲塔旋回用補助エンジンZW500は外されたので、手動でちまちま旋回させることになり、敵機に追随できないことがあった。車長と装填手の間にはマガジン８個を収容可能なラックを持つ。砲塔正面と側面には視察用ハッチがあるが、側面のものはすぐに廃止された。機関室側面には予備砲身ケースが置かれ、その下に予備アンテナも搭載する。全長5.92m、全幅2.9m、全高2.76m、重量22トン。主砲は2cm Flakvierlink38（榴弾・徹甲弾計3200発）、俯仰角はマイナス10度からプラス100度。副武装は上構のMG34機銃（1350発）１丁。車内にMP40短機関銃１丁を収容する。装甲厚は車体前面80mm12度、側面30mm０度、後面20mm９度、底面10mm90度、上部構造物前面80mm10度、側面30mm０度、後面20mm11度、上面12mm85-90度、砲塔下部30mm、砲塔前面上部16mm25度、側面上部16mm36度、後面上部16mm12-22度、上面オープン、防楯10mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL120TRMガソリン（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名（車長兼砲手、装填手２名、無線手、操縦手）。1944年7月に量産車が完成、1944年9月頃から戦車師団の戦車連隊本部付防空小隊に４両ずつ配備（メーベルヴァーゲン４両＋ヴィルベルヴィント４両で１個小隊を構成）された。しかし搭載機関砲の威力が低く、1945年3月までに122両（86両ともいわれる）を生産したに留まり、オストヴィントが替わりに開発された。参考：月刊グランドパワー5,’02、10,’99、異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス、月刊PANZER7,’11

＜オストヴィント＞：ドイツ陸軍の�W号戦車改造自走対空機関砲Ostwind （東風）、別名Flakpanzerwagen 604/17（対空戦車604/17号）または582号兵器器材（Gerät 582）、通称Keksdose（クッキー入りブリキ缶）。ヴィルベルヴィントの改良型で、搭載機関砲を3.7cmFlak43/1 L/60（1000発。榴弾・徹甲弾計400発？）に換えている。砲塔は六角形そろばん玉状のオープントップ式で、砲塔リング直径は1.9mに広げられ、無線手用ハッチが前に移った。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス10度からプラス90度、照準器はFlakvisier3×8°。車体にはボールマウント式MG34/MG42機銃が残されている。全長5.92m、全幅2.95m、全高3m、重量25トン。装甲厚は車体前面80mm12度、側面30mm０度、後面20mm９度、底面10mm90度、上部構造物前面80mm10度、側面30mm０度、後面20mm11度、上面12mm85-90度、砲塔前面25mm37度、側面25mm30度、後面25mm30度、上面オープン、防楯25mm（曲面）。砲塔装甲厚16mm説がある。エンジンはHL120TRM（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名（車長、砲手、装填手、無線手、操縦手）。1944年7月のテストで良好な成績を収め、9月には西部戦線に実用試験のため送られた。1944年12月から1945年3月までに44両（７両だけという説あり）が生産された。戦車師団の戦車連隊本部付防空小隊に８両ずつ配備（1945年2月1日の戦力定数指標K.St.N1196aによる）される予定だったが、生産数が少なすぎ、戦力となる数が配備されたのは特殊対空戦車中隊第２小隊（６両）だけだった。参考：月刊グランドパワー10,’99、異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス、月刊PANZER7,’11

＜オストヴィント�U＞：ドイツ陸軍の�W号戦車改造試作自走対空機関砲。オストヴィントの搭載機関砲を3.7cm連装機関砲Flakzwilling44（3.7cmFlak43の連装で、並列砲身）としたもので、1945年1月にオストバウ社で１両が試作された。参考：ジャーマンタンクス、月刊グランドパワー10,’99、異形戦車ものしり大百科

＜クーゲルブリッツ＞：ドイツ陸軍の�W号戦車改造試作自走対空機関砲、Kugelblitz（球電光）。制式名称はLeichte Flakpanzer �W (3cm)（�W号軽対空戦車3cm）である。1944年1月に潜水艦用対空砲塔を開発したラインメタル・ボルジーク社が対空戦車への転用をドイツ兵器局に提案、ドイツ兵器局が�W号戦車に載せられないかアルケット社に問い合わせたところ、車体と砲塔の改修が必要との答えだったので、ダイムラー・ベンツ社で砲塔、クルップ社で車体を改修することにして製作した。�W号戦車の砲塔を外して砲塔リング直径を拡大、�Y号戦車の砲塔旋回基部を載せ、30mm航空用機関砲MK103/38の連装密閉式球形砲塔（潜水艦用）を装備している。主砲は400mm間隔で並列装備され、多孔式マズルブレーキが斜め方向に取り付けられており、射撃時に地面の土砂を巻き上げないようにしてある。砲塔装甲厚は全周20mm・上面10-18mmで、下部は更に30mm厚の装甲板に囲まれており、乗員ごと俯仰する内側部分がどの角度を取っても、外側の下部装甲板により乗員の露出を防ぐ。砲塔直前にガン・トラベリング・ロックが２基用意されていて、主砲基部の太い部分を支えるようになっている。操縦室上面ハッチは砲塔リング拡大の関係で斜めにされた。全長5.92m、全幅2.95m、全高2.3m、重量25トン。主砲は3cmMK103/38が２門、全周旋回が可能で、旋回速度は毎秒25度（油圧式）、俯仰角はマイナス７度からプラス80度、俯仰速度は毎秒20度（手動式）。主砲弾数1200発（200発ベルトリンク６本）。副武装は車体前部のボールマウント式MG34機銃（900発）。装甲厚は車体前面80mm12度、側面30mm０度、後面20mm９度、底面10mm90度、上部構造物前面80mm10度、側面30mm０度、後面20mm11度、上面12mm85-90度、砲塔下部30mm60度、上部（球形砲塔部）20mm球面（上面10-18mm）。エンジンはマイバッハHL120TRM、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名（車長、砲手２名、操縦手、無線手）。1944年10月（11月？）に１両、1945年2月に２両が完成したが、量産前に終戦となった。完成したうち２両はベルリン防衛戦に投入されたらしい。参考：月刊グランドパワー10,’99、異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス、月刊PANZER7,’11

＜中空式懸架装置付�W号戦車＞：Panzerkampfwagen �W mit Schachtellaufwerk、別名BW40。�W号戦車Ｅ型にプレス式中空構造転輪と改良型懸架装置シャハテルラウフヴェルクを搭載した試作車両で、1940年末に１両が製作された。参考：ジャーマンタンクス

＜ツェルシュテーラー４５＞：ドイツ陸軍の�W号戦車改造試作自走対空機関砲Zerstörer（破壊者）45、別名Flakpanzer �W／3cm Flakvierling。ヴィルベルヴィントの主砲を3cmFlakvierling103/38に換装したもので、1944年11月（12月？）に試作車１両が完成したが、採用されなかった。参考：ジャーマンタンクス、月刊グランドパワー10,’99

　＜メーベルヴァーゲン＞：ドイツ陸軍の�W号戦車改造自走対空機関砲Sd.Kfz.161/3 Möbelwagen（家具運搬車）、3.7cm FlaK auf Fahrgestell Panzerkampfwagen �W (Sf)。1943年2月22日のクルップ案では�W号ｂ型自走砲車体をベースとした新型車体（ゴム内蔵鋼製下部転輪６個、履帯は幅広のKgs61/500/130）に４連装2cm機関砲Flak38を積んでいたが、生産の簡略化を狙ったドイツ兵器局が1943年6月に�W号戦車の車体をそのまま使うよう要請、9月に試作車体が完成した。10月16日に試作車がクンマースドルフ試験場で初テストを受け、採用が決定したが、４連装2cm機関砲Flak38の威力が弱いので、12月21日に3.7cmFlak43への換装が決定（ヒトラーの鶴の一声らしい）、戦闘室周囲装甲板の高さを0.25m低くするなどの細かい改修も加えて1944年3月から量産された。クーゲルブリッツまでの繋ぎとして生産される予定だったが、後継車両の開発が難航したため、結局終戦まで作られ続けている。�W号戦車Ｈ型の砲塔を外し、周囲に背の高い装甲板（12mm厚が２枚）を設け、内部に全周旋回式に37mm機関砲（砲架を車載専用としたFlak43/1）を搭載した。21両目からは装甲板が10mm厚２枚となり、46両目からは25mm厚１枚となっている。また、45両目までは側面装甲板上部に折れ曲がりがあったが、46両目以降からは平面になった。車体前方機銃は廃止され、同部位に短機関銃用のガンポートが設けられており、車内にMG34機関銃２丁、MP40短機関銃１丁を積んでいた。側面装甲板にもガンポートがある。操縦手・無線手用ハッチはスライド式とされ、砲身が引っかからないよう工夫した。車体後部左右に予備転輪を搭載しており、照準の妨げにならないよう排気管は延長パイプで下向きに曲げられた。ただし1944年8月以降の生産車体では、縦型の排気管２本をそのまま使用している。機動力が高く、戦車師団に追従できるが、射撃の際には装甲板を半開状態または全開にする必要があり、防御力が無きに等しくなる（Flak43/1の防楯のみ）。全長5.92m、全幅2.95m、全高2.73m、重量24トン。主砲はFlak43/1で、俯仰角はマイナス７度からプラス90度。携行弾はSpgr（榴弾）320発、Pzgr（徹甲弾）80発。照準器はFlakvisier3×8°。装甲厚は車体前面80mm14度、側面30mm０度、後面20mm９度、底面10mm90度、上部構造物前面50mm９度、側面30mm０度、後面20mm11度、戦闘室前面25mm０度、側面25mm０度、後面25mm０度、上面オープン。エンジンはマイバッハHL120TRMガソリン（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離200km。無線機はFuG2とFuG5。乗員６名（車長、砲手２名、装填手、無線手、操縦手）。1945年3月までに240両が生産され、戦車師団の戦車連隊本部付対空小隊に８両ずつ配備（1944年4月1日付戦力定数指標K.St.N1196による）された。1944年9月の戦力定数指標改訂で１個小隊あたりの定数が４両に減らされ、ヴィルベルヴィント４両との混成になった。参考：月刊グランドパワー10,’99、異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス、月刊PANZER7,’11

＜�W号戦車・海外シリーズ＞

　＜�W号戦車（シリア）＞：シリア陸軍戦車。チェコスロバキアとスペインから購入し、中東戦争時に使用した。第３次中東戦争でも確認されているが、さすがに整備部品が足りなかったらしく、長砲身型の部品を寄せ集めて作られていたようだ。参考：月刊グランドパワー6,’99、月刊PANZER4,’04

　＜�W号戦車（スペイン）＞：スペイン陸軍戦車。1943年、Ｈ型30両を購入し、戦後も暫く使用した後、中東に売却した。参考：月刊PANZER4,’04

　＜�W号戦車（チェコスロバキア）＞：チェコスロバキア陸軍戦車。1945年10月に機甲部隊が再建された際、�W号戦車Ｈ型を中心とした機甲旅団も編成され、1950年代後半まで使用された。シリア陸軍にも売り込んだが、商談は成立しなかった。参考：月刊PANZER4,’04

　＜�W号戦車（トルコ）＞：トルコ陸軍戦車。1943年にＧ型15両を供与された。戦後も生き残ったと思われるが、性能からしてそれほど長くは使用されていないようだ。参考：月刊PANZER4,’04

　＜�W号戦車（フィンランド）＞：フィンランド陸軍戦車。1944年半ばにＪ型15両を購入したが、9月にはソ連と休戦したため使用されず、ドイツ軍とのラップランド戦争に突入した。機銃をデグチャレフに換装したりして1962年まで現役にあった。参考：月刊PANZER4,’04、月刊丸12,’92

　＜�W号戦車（ブルガリア）＞：ブルガリア陸軍戦車。ソ連軍が国境に迫るとドイツ軍からＧ型46両（97両とも）の供与を受けたが、1944年9月にソ連と休戦し、ドイツ軍に反旗を翻している。戦後も恐らく使用したと思われるが、いつまでかは不明。参考：月刊PANZER4,’04

　＜�W号戦車（ルーマニア）＞：ルーマニア陸軍戦車。1944年代半ばに長砲身型各種（Ｊ型はT-4という名称が付いた）をドイツから100両ほど購入したが、直後にソ連に降伏。この時点で83両が配備されていた。何両かは戦後も生き残って使用されたらしい。参考：月刊PANZER4,’04、月刊丸9,’03

＜�W号戦車ランク（Ｅ）＞：ドイツ陸軍試作駆逐戦車。�V号戦車と�W号戦車の統一車体を使用した駆逐戦車で、1944年1月4日の戦車委員会で開発が決定した。�V／�W号戦車Ａ型と同じ車体（装甲厚は前面上部60mm30度、下部60mm45度）に、�W号駆逐戦車と同じ戦闘室を載せ、70口径7.5cm対戦車砲PaK42を前方固定で搭載する。1944年3月にアルケット社と試作車３両の契約を結び、9月には車体１両が完成して試験も行われたが、1944年10月4日に開発が中止された。参考：月刊グランドパワー8,’10、8,’98

＜四号特薬＞：日本海軍の化学兵器で、青酸ガスのこと。持続性が無いので陸戦向きであり、陸軍のものをそのまま採用して配備した。参考：日本海軍の爆弾

＜�W号突撃砲＞：ドイツ陸軍突撃砲Sd.Kfz.167 Sturmgeschütz　�W、820号兵器器材（Gerät 820）。�W号戦車の車体に�V号突撃砲の戦闘室を載せたものである。まず1943年2月にクルップが�W号戦車Ｇ型と�V号突撃砲F8型の組み合わせで提案したが、�W号戦車の生産が優先されたため一旦中止された。しかし前線では突撃砲の方が役に立つとされたため、1943年8月の総統会議で�W号戦車を突撃砲などに切り替えることが決定され、更に11月のアルケット社への爆撃で�V号突撃砲の生産ができなくなってしまったため、クルップのマクデブルク工場とダイムラー・ベンツで本車両の生産を行うこととした。車体は�W号戦車Ｈ型を、戦闘室は�V号突撃砲Ｇ型を使用しており、そのまま載せると生じる隙間を鋼板で塞いだ。車体長が長いので操縦室を戦闘室内に収めることができず、戦闘室左前方に張り出して設けている。操縦室上面にはハッチと固定式ペリスコープ２基を装着した。全長6.7m、全幅2.95m、全高2.2m、全備重量23トン。主砲は7.5cmStuK40L/48（63発）で、旋回角20度、俯仰角はマイナス６度からプラス20度、照準器はSflZf1a。副武装はMG34機関銃１丁（600発）で、車内に搭載されており、必要に応じて機銃架に取り付けて使用する。装甲厚は車体前面80mm14度、側面30mm０度、後面20mm10度、底面10mm90度、上部構造物前面80mm10度、側面30mm11度、後面30mm０度、上面11mm75-90度、防楯80mm（ザウコップ式）。エンジンはHL120TRM液冷12気筒ガソリン（300馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度38km、航続距離210km。無線機はFuG15とFuG16。乗員４名。1943年12月からダイムラーベンツで生産され、1944年1月までに30両が完成、その後はクルップに生産を移し（同社マルデブルク工場の生産ライン全てを回した）、1945年4月までに1111両が量産された。1944年2月以降は防楯が鋳造製ザウコップ式となり、後期生産車（1944年夏以降）では戦闘室上面の機銃架がリモコン式（照準器はPeri3×8°）となり、近接防御兵器が取り付けられ、排気マフラーが縦型となった。また、戦闘室・操縦室前面に150mm厚のコンクリートを取り付けたり、操縦室前面に跳ね上げ式の装甲板を追加装備したりしたものが多い。独立突撃砲旅団、突撃砲大隊、戦車駆逐大隊、歩兵・戦車師団戦車大隊に装備された。参考：ジャーマンタンクス、世界の軍用車両（１）

＜�W号突撃榴弾砲＞：�W号戦車ファミリーを参照。

＜四号爆弾＞：日本海軍の爆弾で、急降下爆撃時の最終落下速度を増加させて貫徹力を強化すべく、爆弾にロケットを追加したものである。昭和11年から開発され、昭和12年3月末に実験が開始されており、昭和15年から量産する予定だったが、ロケットに使用していた九三式一号火薬（ダブルベース推進薬）が湿気に弱い、照準器の開発遅延といった問題があって開発は進まず、昭和17年後半から試製二十五番四号爆弾と試製五十番四号爆弾をテストする予定となった。ミッドウェイ海戦を受けて製作が加速され、昭和18年に三式二十五番四号爆弾と三式五十番四号爆弾が制式化されたが、問題が解決された訳では無かったらしく、使用されなかったようである。参考：日本海軍の爆弾、月刊丸5,’13、4,’99

＜四号発音弾＞：日本海軍の対潜訓練器材で、音響掃海具としても使用された。全長206mm、直径78mm。着水後５秒で炸裂する。掃海に使用すると、1.2-2.4km先の音響機雷を誘爆させることが可能だった。参考：小艦艇入門

＜４サイクルエンジン＞：内燃機関レシプロエンジンの一形式で、1876年にドイツのオットーが実用化したのでオットー・サイクルともいう。ピストンを引いて吸気し、押して圧縮、爆発・膨張してピストンが引かれ、また押して排気するタイプである。吸気ポート（インテイクポート）と排気ポート（エキゾーストポート）に吸気バルブと排気バルブが付いており、普段はバルブスプリングで閉じた状態となっているが、タイミングベルトなどでクランクシャフトの半分の回転数を伝達されて回転するカムシャフトに取り付けられたカムによりバルブがタイミング良く開き、吸気や排気を行う。カムシャフト１本で吸排気バルブ両方を開くSOHCと、２本で吸排気それぞれを開くDOHCがある。バルブタイミングは早めに開き遅めに閉じるのが良く、状況に応じてバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミングシステムや、バルブの開度を調節する可変バルブリフトシステムが開発されていて、両方合わせて可変バルブシステムという。各ステップを確実に実行でき、気筒の冷却に充てられる時間も長いが、１回の燃焼エネルギーでピストンを２往復させる必要があるので、２サイクルエンジンよりも出力が低くなり、気筒数を増やしたり、気筒を大きくしたりといった工夫が要る。吸排気バルブの駆動機構が必要なため、その分だけ構造が複雑になり重量がかさむ。燃費が良く、背圧による運転不可の問題が無くシュノーケル航行に支障が無いため、第２次大戦後の在来型潜水艦はほぼ４サイクルディーゼルを使っている。参考：月刊JWings1,’01、クルマのすべてがわかる事典、自動車メカニズム図鑑、月刊世界の艦船9,’12増刊、月刊軍事研究8,’16

＜四酸化二窒素＞：Nitrogen TetrOxide、NTOと略す。非対称ジメチルヒドラジンなどヒドラジン系燃料との自己着火性を持つ（ハイパーゴリック）ため、液体ロケット酸化剤として使用される。高温では分解して赤褐色の二酸化窒素になるため、ロケット発射時に赤褐色の煙が出る。参考：月刊軍事研究9,’16

＜四式一型水中聴音機＞：日本海軍のパッシブソナー。参考：日本駆逐艦史

＜四式一号一〇型射出機＞：日本海軍の開発した圧縮空気式カタパルトで、潜特型潜水艦に搭載された。全長26m、有効長21m、最大射出重量５トン、射出速度68ノット、最大加速度2.5G、射出間隔４分。アメリカのH2-1カタパルトと同等の能力を持っている。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、丸エキストラ版No.71、月刊世界の艦船8,’12

＜四式七糎半高射砲シリーズ＞：日本陸軍の高射砲。参考：大砲入門

＜四式七糎半高射砲＞：野戦高射砲。八八式七糎野戦高射砲の後継として、中国で鹵獲したボフォース社製の野戦高射砲をベースに開発し、テスト段階の昭和19年から量産に入った。口径75mm、放列砲車重量3.35トン。俯仰角はマイナス５度からプラス85度、全周旋回可能。使用弾は試製三式高射尖鋭弾（有効加害半径17m）で、初速毎秒860m、最大射高10000m、最大射程17000m。対戦車用の一式徹甲弾も用意されている。照準器は電気式の二式照準具。九八式六屯牽引車により時速45kmで牽引可能。高射第１師団に20門が配備された。参考：月刊丸3,’14、大砲入門

＜四式七糎半高射砲マル特＞：固定陣地配備型。砲身下部に水圧式駐退機、上部に水気圧式復座機がある。参考：大砲入門

＜四式十二糎自走砲＞：日本陸軍の自走砲。九五式軽戦車の車体に三八式十二糎榴弾砲を載せたものである。参考：大砲入門

＜四式十五糎自走砲＞：日本陸軍の対戦車自走砲、別名ホロ。車体は九七式中戦車で、砲塔と車載機銃を外して三八式十五糎榴弾砲と直接照準器を搭載している。俯仰角はマイナス10度からプラス20度で、砲架を左右に振れるのは70mm前後。前面25mm・側面20mmのコの字型防楯を装備し、上面にも申し訳程度に装甲板が張ってある。弾薬は戦闘室内部と機関室上面の弾薬箱に28発（５発前後という説もある）を搭載した。車体長5.516m、全幅2.33m、全高2.357m、全備重量16.3トン。車体装甲厚は前面25mm、側後面20mm、上面15mm、下面8mm。エンジンは統制型一〇〇式Ｖ型12気筒空冷ディーゼル（170馬力）、最大速度38km、航続距離200km。乗員６名。砲が旧式な上、短砲身で（九六式十五糎榴弾砲や四年式十五珊榴弾砲は重すぎて搭載できなかった）、閉鎖機も隔螺式のままであり、対戦車戦闘にはあまり役に立たない気がするが、成型炸薬弾（タ弾）の威力を買われて少数（12-25両）が独立自走砲中隊に配備された。フィリピン防衛戦には第14方面軍仮編自走砲独立鷲見隊の２両がクラークマルコット飛行場で戦闘に参加したが、M4シャーマンとバズーカにより破壊されてしまった。参考：月刊PANZER12,’04、機械化部隊の主力戦車、世界の軍用車両(1)、日本の戦車と装甲車両、帝国陸軍戦車と砲戦車、日本戦車隊戦史

＜四式三十七粍舟艇砲＞：日本陸軍のマルゆ用火砲。昭和18年5月から設計し、8月に２門が完成した。九八式三十七粍戦車砲にクロムメッキを施し、砲身前後に防水栓を取り付け、駐退復座機に水抜き孔を設けたものである。弾薬は九四式三十七粍戦車砲と同じものを使用する。テストの結果は良好で、昭和19年5月には大発用のものが試作され、8月には高射砲型と一〇〇式三十七粍戦車砲砲身を使用した砲尾脱着型が製作された。砲尾脱着型は性能不十分と判断されている。参考：大砲入門

＜四式五十番八号爆弾＞：日本海軍の500kg級八号爆弾。五〇番通常爆弾を改造したものらしい。参考：日本海軍の爆弾

＜四式六〇瓩対艦爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、海軍の九九式六番通常爆弾一型を昭和19年1月12日に採用したものである。吊環を陸軍用に改修した。九七式二号弾頭発火装置二型、九九式二十五番弾底発火装置、九九式通常爆弾信管が付く。全備重量64kg、炸薬重量30.1kg。参考：日本海軍の爆弾

＜四式六〇瓩対潜爆弾＞：日本陸軍の対潜爆弾で、海軍の九九式六番二号爆弾を昭和19年1月12日に制式化したものである。吊環を陸軍用に改修した。九七式弾頭発火装置二型改などを使用する。全備重量64.8kg、炸薬重量38kg。参考：日本海軍の爆弾

＜四式百瓩爆弾跳飛型＞：日本陸軍の反跳爆撃用爆弾。特攻に使用する際には弾頭部を口絞りし、延期信管を取り付ける。参考：日本海軍の爆弾

＜四式二百瓩破甲爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、二十四糎榴弾砲用破甲榴弾を改造したものである。信管は弾底に付く。炸薬重量11.83kg。参考：日本海軍の爆弾

＜四式二百五十瓩対艦爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、海軍の九九式二十五番通常爆弾を昭和19年1月12日に制式化したものである。吊環を陸軍用に改造してある。九七式二号弾頭発火装置二型、九九式二十五番弾底発火装置、九九式通常爆弾信管が付く。全備重量261kg、炸薬重量60.5kg、伝火薬重量0.32kg。参考：日本海軍の爆弾

＜四式二百五十瓩対潜爆弾＞：日本陸軍の対潜爆弾で、海軍の一式二十五番二号爆弾を昭和19年1月12日に制式化したものである。吊環を陸軍用に改造してある。九九式弾頭発火装置二型改、一式二号爆弾信管などを使用する。全備重量260kg、炸薬重量143.7kg。参考：日本海軍の爆弾

＜四式二百五十瓩爆弾跳飛型＞：日本陸軍の反跳爆撃用爆弾で、海軍の九九式二十五番通常爆弾一型を導入したものである。参考：日本海軍の爆弾

＜四式四百瓩破甲爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、三〇糎榴弾砲の破甲榴弾を改造したものである。弾底に信管を持つ。炸薬重量20.56kg。九九式襲撃機に搭載して特攻にも使用された。参考：日本海軍の爆弾

＜四式五百瓩爆弾跳飛型＞：日本陸軍の反跳爆撃用爆弾で、海軍の二式五〇番通常爆弾を導入したものである。ただ生産数が少なくて陸軍にまで回ってこなかったらしい。参考：日本海軍の爆弾

＜四式八百瓩対艦爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、海軍の八〇番通常爆弾を融通してもらったものらしい。炸薬重量320.3kg、伝火薬1.8kg。特攻に使用する時には丙信管（遅延秒時0.2秒）を取り付ける。参考：日本海軍の爆弾

＜四式一九五〇馬力発動機＞：誉シリーズ（エンジン）を参照。

＜四式基筒双連二十粍高射機関砲＞：日本陸軍の対空機関砲、別名ソキ砲�W型。九八式高射機関砲駄載型・車載型双方の後継として開発された。基筒上に九八式高射機関砲を連装で搭載しており、地上や艦上（陸軍徴用輸送船は陸軍が自分で守る必要があった）に設置するのに便利である。終戦までに549基が生産された。参考：日本の戦車と装甲車両、月刊戦車マガジン11,’92

＜四式軽戦車＞：日本陸軍試作軽戦車ケヌ。九五式軽戦車の車体に九七式中戦車の砲塔を搭載したものである。搭載にあたり、砲塔リングを1350mmに拡大したり、操縦室部分を前に持ってきたりと小改造が施された。車体長4.3m、全幅2.07m、戦闘重量8.4トン。主砲は九七式五糎七戦車砲、副武装は九七式車載機銃２丁。装甲厚は車体前側面12mm、後面8mm、上面6-10mm、底面6mm。砲塔全周25mm、上面10mm。エンジンは直列６気筒空冷ディーゼル（115馬力）、最大速度40km。乗員３名。少数が改造されたところで終戦となった。外した九五式軽戦車の砲塔は簡易トーチカにする計画だった。参考：月刊PANZER5,’04、12,’10、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、日本の戦車と装甲車両

＜四式幻惑弾＞：日本海軍の閃光弾で、昭和20年3月に制式化された。航空機から投下すると３秒後に照明薬が発火して強烈な閃光を発し、夜間に攻撃してくる敵戦闘機パイロットの視力を一時的に奪うことができるので、その間に逃げる。日本火工製。参考：日本海軍の爆弾

＜四式小型貨車＞：日本陸軍の４×４輪小型トラック。九五式小型自動車のエンジンを水冷式にしたものである。トヨタ自動車で試作車両が完成し、アメリカのジープよりも高性能を発揮したため昭和19年に採用された。全長3.39m、全幅1.57m、全高1.8m、自重1.1トン、全備重量1.8トン。最大速度80km。燃料搭載量50リットル、燃費リッター6.7km。積載量0.5トン。乗員２名。生産は余力のあるライト自動車工業で行う予定だったが、準備段階で終戦となった。参考：機甲入門

＜四式自動小銃＞：日本軍の小銃で、前線で鹵獲したM1ガーランド小銃を基に小倉の工廠で製作した。ほぼM1のコピーだが、口径を7.7mmとし、装弾を５発クリップ２本で行うように変更している。サイトも100-1200mのタンジェント式とした。全長1.1m、銃身長0.59m、重量4kg。作動はガス圧式のセミオートマチック。呉工廠でM1ガーランドのコピーである五式小銃（全長1.1m、重量4.14kg、口径7.7mm、装弾数10発）というのも作られたらしいが、詳細は不明。終戦時には250丁が完成していたが、実戦配備には至らなかった。参考：月刊PANZER11,’01、世界の軍用銃

＜四式射撃装置＞：日本海軍の対空用簡易方位盤で、松型駆逐艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’11

＜四式射爆照準器＞：日本海軍の航空機用照準器で、零戦六三型などに搭載されている。九八式射爆照準器の生産性向上型で、カフスパンスケールによりレティクルを拡大・縮小できるようになった。参考：丸メカニック別冊１

＜四式重爆撃機シリーズ＞：日本陸軍重爆撃機キ−67飛龍。戦闘機の追撃を振り切れる高速爆撃・雷撃機として昭和14年に三菱が研究を開始した。一式陸攻の設計を流用して昭和16年には試作が開始され、試作初号機は1941年12月27日に初飛行、昭和18年2月に増加試作機の製作が決定し、昭和19年春から量産されたが、実用試験は実戦投入後の昭和20年6月まで続いている。生産数707機（697機？）。海軍も靖国の名で採用を決定したが、引き渡し前に終戦になった。参考：月刊JWings1,’05、月刊航空ファン9,’02、歴史群像2,’08

　＜キ−６７�T甲＞：中翼双発機で、エンジンは主翼内寄りに付く。機体最前部は爆撃手が位置しており、全周が窓で覆われ、12.7mm機銃ホ一〇三１丁が突き出ている。一段下がったところにサイドバイサイドの操縦席があり、後方には天測航法ドームと帰投方位測定器ループアンテナを持つ。更に後ろには後上方20mm機関砲ホ五１門が半球形ガラス張り手動旋回銃座に搭載されている。その後ろの機体両側面には12.7mm機銃座のガラス張りフェアリングがあり、機体最後部には後方12.7mm機銃がある。エンジンには推力式単排気管を備える。右翼と側方機銃座の前方にタキ一号�U型電波警戒機のアンテナを持ち、少数は夜間雷撃用にタキ−13低空用電波高度計を搭載した。翼内タンク上面・側面にはフェルトが付いているが、下面はセミインテグラルタンクとなっており、7.7mm機銃しか防御できない。試作機含め697機が完成し、最初の100機（161号機以降？）は九一式航空魚雷改三／改七を搭載する雷撃機として生産され、台湾沖航空戦や九州沖航空戦に参加した。爆撃機型は本土決戦用に温存された。全長18.7m、全幅22.5m、全高5.6m（7.7m？）、自重8645kg、全備重量13765kg。エンジンは三菱ハ−104空冷星型複列18気筒（ハ−41？1900馬力）双発、プロペラはペ３（VDM式金属製電動フルフェザリング４翅。ピッチ27-90度、直径3.6m）、巡航速度400km、最大速度537km、実用上昇限度9500m、航続距離3800km。爆弾800kgまたは魚雷１本を搭載できる。乗員6-8名。参考：月刊JWings1,’05、月刊航空ファン2,’02、10,’19、12,’19、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像2,’08、8,’17

　＜キ−６７�T乙＞：尾部銃座を12.7mm機銃の連装としたタイプ。参考：参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜キ−６７�U＞：エンジンをハ−214（離昇出力2350-2400馬力）に換装したもの。完成前に終戦を迎えた。参考：月刊航空ファン2,’02

　＜特殊航続延長機＞：日本本土からサイパンのアメリカ軍基地を攻撃するために航続力を増したもの。胴体前部、後上部、側面の銃座を撤去し、胴体前後に燃料タンクを追加、主翼下に増槽を搭載し、翼端を延長している。1945年8月15日に12機が完成したが、そこで終戦になった。参考：月刊航空ファン9,’02

＜四式重爆撃機ファミリー＞

　＜ト号＞：特攻機型。自衛用の機銃を全て撤去し、機体前部・側方・後方銃座を金属板で覆い、爆弾倉と胴体後部に800kg爆弾１発ずつを搭載している。乗員は、指揮官機が３名、他は２名。参考：月刊JWings1,’05

　＜桜弾装備機＞：特攻機型。ト号の後上方銃座も撤去し、機首に延期信管を装備、重心位置に2.9トンの桜弾を搭載したもの。参考：月刊JWings1,’05

　＜キ−６９＞：爆撃援護機型。飛龍に随伴して援護する重武装機で、後上方銃座に20mm機関砲ホ１、尾部銃座に12.7mm機銃ホ103、下方銃座と新設の後上方銃座に7.92mm連装機銃テ３、前方・側方左右・新設された前下方銃座に九八式7.92mm旋回機銃を装備する。計画のみで終わった。参考：月刊航空ファン9,’02

　＜キ−１０９＞：対大型爆撃機用の防空戦闘機型。機首を短縮してソリッドノーズ化し、八八式七糎野戦高射砲と弾薬15発を搭載したもので、砲は右操縦席（副操縦士席）スペースに搭載され、計器パネルの下に砲弾ケースを設置、砲手が装填して操縦士が照準し、発射する。空薬莢は爆弾倉に放り込む。機首上面には装甲板が装着された。防御兵装は尾部の12.7mm機銃を残して撤去され、整形された。20機が完成し、迎撃任務に就いたが、高々度性能が不十分で射撃位置に付けず、専用の照準器も無く命中精度が悪すぎ、活躍できなかった。全長18m、全幅22.5m、全高5.8m、自重7.42トン、全備重量10.8トン。エンジンはハ−104（1900馬力）双発、最大速度550km、実用上昇限度9500m、航続距離2200km。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings1,’05、月刊丸8,’95

＜四式重迫撃砲＞：四式中型装軌貨車ファミリーを参照。

＜四式水中聴音機＞：日本海軍のパッシブソナーで、昭和19年に採用された。捕音器80個を円盤状に配置しており、艦底から突き出して使用する。参考：小艦艇入門

＜四式戦闘機シリーズ＞：日本陸軍戦闘機キ−84、別名疾風、連合国コードネームはフランク（Frank）。大東亜決戦機・大東亜決戦号とも言われたようだが、疾風同様それほど広まらなかったようで、前線部隊ではハチヨンと呼んでいた。昭和16年12月26日（28日？）にハ45エンジンを搭載した高性能戦闘機という設計仕様が中島飛行機に対して出され、昭和18年3月までに試作機を完成させる予定とされた。昭和19年4月に制式化され、中島飛行機製作所太田工場で量産に入り、昭和19年5月から宇都宮工場、昭和20年5月から大田原分工場でも作られている。昭和19年末には太田製作所で月産500機以上製作されており、総生産数は3300-3500機（3577機？3488機？）。エンジンがデリケートで稼働率が低く、特攻機に使用されたものも多かった。戦後にアメリカがパフォーマンス価140のガソリンを入れて試験したところ、P-47・P-51・スピットファイアを圧倒してしまい、アメリカ側を大いに慌てさせた。その機体はプレーンズ・オブ・フェイム航空博物館に飛行可能状態のまま買い取られ、同館が零戦五二型復元の資金捻出で売りに出した際に日本人が買い取り（費用は12万ドルといわれる）、入間基地で開催された朝日新聞社主催の国際航空ショーでプレーンズ・オブ・フェイム航空博物館職員の手で飛行した。その後富士重工宇都宮工場で保存され、1973年10月17-18日に一般公開され、18日に日本人による飛行が行われた。所有者死去に伴い嵐山美術館に移送する際、機体を切断したため飛行不能となり、白浜御苑を経て現在は鹿児島県知覧町の知覧特攻平和会館に展示されている。2023年2月14日、知覧特攻平和会館展示機が日本航空協会から銃用航空遺産に認定された。参考：月刊JWings7,’01、5,'23、月刊丸2,’08付録、図解世界の軍用機史、日本陸軍戦闘機隊、月刊航空ファン1,’15

　＜キ−８４試作型＞：エンジンはハ45-21空冷ガソリン（2000馬力）、プロペラは４翅。胴体はセミモノコック構造で、中央胴体は主翼と一体化している。主翼は低翼直線翼で、２本桁セミモノコック構造、翼端失速防止のため翼端で２度30分捩り下げられている。フラップは空戦フラップ兼用の蝶型フラップで、操縦桿上のスイッチにより作動する。燃料タンクは胴体内に217リットル、内翼部前後桁間のセミインテグラルタンクに173リットルずつで、両者とも防弾装備を持つ。更に中央翼前縁の67リットル入り着脱式セミインテグラルタンク（防弾無し）を使用すれば1600km以上飛行でき、200リットル増槽２本も搭載すれば2500km以上飛べた。初号機は昭和18年3月に完成し、4月に初飛行した。参考：月刊JWings7,’01

　＜キ−８４増加試作型＞：審査主任の方針により125機も作られた試作型で、実戦テストに投入して細かい改修を加えながら生産された。排気管が推力式になり、増槽搭載位置が主翼下面に移り、250kg爆弾を搭載可能とし、方向舵の形を変えている。要求速度680kmのところ624kmしか出せなかったが、戦況の推移に鑑みて配備を急ぐこととなり、昭和19年3月5日には増加試作機で実戦部隊の飛行第22戦隊が編成された。参考：月刊JWings7,’01、2,’14、月刊航空ファン2,’15

　＜四式戦闘機甲型＞：キ−84甲。最初の量産型で、昭和19年3月末から生産された。胴体フレーム番号は１、1.5、２、2.5、3-22。機首機銃口は胴体中心線から265mm外側にある。主翼は低翼配置の直線翼（後縁に僅かな前進角付き）で、上反角は５度。内翼後縁にフラップ、外翼後縁にエルロンを持つ。右主翼の機関砲外側に写真銃（ガンカメラ）を装備する。主脚は主翼下面前寄りに取り付けられており、内側に引き込まれる。主輪サイズは650×170mm。尾脚は固定式で、尾輪サイズは200×75mm。全長9.74m、全幅11.238m、全高3.385m、自重2660kg、全備重量3613kg。エンジンは中島製四式千九百馬力発動機（ハ45-21。2000馬力）単発、プロペラはペ32（ラチエ式電動定速４翅。ピッチ32-60度、直径3m）、最大速度624km、上昇限度10500m、航続距離1000km＋空戦30分。固定武装は機首の12.7mm機銃ホ−103（後期型は20mm機関砲ホ−５）２丁、主翼の20mm機関砲ホ−５が左右１門ずつ。主翼下に30-250kg爆弾や200リットル入り統一型増槽を搭載できる。乗員１名。参考：図解世界の軍用機史、月刊JWings7,’01、1,’13、2,’14、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン10,’19、12,’19

　＜四式戦闘機乙型＞：キ−84乙。甲型後期生産型の名称を変えただけのものである。対爆撃機用。参考：月刊JWings7,’01

　＜疾風改＞：疾風改／キ−84�Uというのは非公式名称である。乙型の後部胴体、水平尾翼、翼端を木製化したもので、少数が生産された。参考：月刊JWings7,’01

　＜四式戦闘機丙型＞：キ−84丙。乙型の翼内銃を廃止したもの。参考：月刊JWings7,’01

　＜四式戦闘機丙型特別装備型＞：丙型の翼に30mm機関砲ホ−155を１門ずつ搭載したもの。試作のみ。参考：月刊JWings7,’01、歴史群像6,’08

　＜四式戦闘機丁型＞：武装を20mm機関砲４門と斜め銃２門にしたもの。試作のみ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜キ−８４�V＞：排気タービン過給器付きハ45ルを搭載したB-29迎撃型。試作のみ。参考：月刊JWings7,’01

　＜キ−８４Ｐ＞：エンジンをハ44-13（2500馬力）に換装し、翼面積を拡大した高々度戦闘機型。試作のみ。参考：月刊JWings7,’01

　＜キ−８４Ｒ＞：エンジンを３速過給器付きハ45-44に換装したタイプ。試作のみ。参考：月刊JWings7,’01

　＜キ−１０６＞：全木製型で、立川飛行機と日本楽器が設計した。胴体を全木製セミモノコックとし、主翼・尾翼を木製骨組みに合板張り、舵面を羽布張りに変更した。フラップはスプリット式にしている。自重が500kgほど重くなったため、性能が若干低下した。全長9.95m、全幅11.2m、全高3.8m、自重3180kg、全備重量4150kg。エンジンはハ−45（2000馬力）単発、最大速度618km、実用上昇限度10600m、航続距離1200km。固定武装は20mm機関砲２門、12.7mm機銃２丁。10機が試作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings7,’01

　＜キ−１１３＞：ジュラルミン節約のため、スチール部品を増やしたタイプ。主翼主桁、補助桁、胴体上下主縦通材、可動翼骨組みなどを鋼鉄にしてある。試作のみ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings7,’01

　＜キ−１１６＞：エンジンを三菱ハ−112�U（1500馬力）に換えたもの。満州飛行機で改造されたが、ソ連侵攻で計画が中断された。参考：月刊JWings7,’01

　＜キ−１１７＞：エンジンをハ44-13に換装し、翼面積を拡大した中高度戦闘機型。試作のみ。参考：月刊JWings7,’01

＜四式中型装軌貨車ファミリー＞

　＜四式重迫撃砲＞：日本陸軍の自走迫撃砲、別名ハト。昭和17年末から設計に入り、昭和19年に試作車が完成した。四式中型装軌貨車（初号車は試製重牽引車チケの試作車を流用したという説もある）に口径300mm・最大射程3145mの三式迫撃砲を搭載する。射界は左右７度ずつ、射角は50度固定。射撃時には床板を接地させて衝撃を逃がす。使用弾は重量170kgの有翼弾で、砲身前方に揚弾機が作りつけられている。全長6.8m、全幅2.4m、全高2.75m、全備重量15トン。副武装は機銃１丁。装甲厚は車体前側面8mm、上面4mm。エンジンは統制型一〇〇式空冷ディーゼル（165馬力）、最大速度40km。乗員７名。昭和20年1月に量産が決定したが、終戦までに完成したのは４両のみで、実戦には投入されていない。参考：月刊PANZER1,’05、2,’02、世界の軍用車両（１）、機甲入門

　＜七糎半対戦車自走砲ナト＞：日本陸軍の対戦車自走砲。四式中型装軌貨車の車体に試製七糎半対戦車砲�T型（三式七糎半戦車砲？）を搭載したものである。初号車は昭和19年12月に完成したが、操縦手が防盾よりも前に位置していて無防備だったため、改造が加えられることになった。２号車は試製七糎半対戦車砲�U型（八八式高射砲改造の対戦車砲？）を搭載し、火砲取り付け部を後ろに430mmずらして取り付け台を強化、昭和20年に完成した。テストでは良好な結果を収めたが、制式化前に終戦となった。車体長5.7m、全幅2.4m、全高2.64m、全備重量13.88トン。装甲厚は前側面12mm、底面4mm、上面8mm。装弾数68発（２号車は110発）。エンジンは統制型一〇〇式空冷ディーゼル（165馬力）、最大速度40km、航続時間８時間。乗員は操縦手、副操縦手、分隊長（砲の右に座る）の３名。参考：機甲入門、月刊PANZER1,’05、世界の軍用車両(1)、帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門

＜四式中戦車シリーズ＞：日本陸軍の中戦車で、別名チト。第２次大戦のヨーロッパ戦線で75mmクラスの砲を持った戦車が投入されていたため、これと戦えるように開発されたもので、当初から対戦車戦闘を主眼としている。昭和17年9月に設計が開始された。昭和20年に200両を生産する予定だったが、戦車砲が11門しか完成しない予定となってしまい、更に8月に終戦となり、試作車３両（６両？）しか完成しなかった。参考：月刊PANZER7,’05、日本の戦車と装甲車両、帝国陸軍戦車と砲戦車、日本戦車隊戦史

　＜四式中戦車（５７ｍｍ砲搭載型）＞：試製五七粍戦車砲を搭載した20トンクラスの戦車として開発された。砲、砲塔、車体全て完成して組み立てられたが、主砲が75mmクラスでないとまともに戦えないとみられたため、試作１両のみで制式化されなかった。参考：月刊PANZER7,’05

　＜四式中戦車（７５ｍｍ砲搭載型）＞：57mm砲の代わりに三式七糎半戦車砲を搭載することが検討されたが、最終的に五式中戦車用の五式七糎半戦車砲（65発）に落ち着いた。副武装は九七式七.七粍車載機銃２丁（5400発。車体に１丁、砲塔右側面に１丁）。車体は装甲鋼板の溶接製で、砲塔は鋳造式。三菱重工には砲塔を一体鋳造する技術がなかったため、３分割することとしたが、歪みが酷くて組み立てるのに苦労したという。砲塔・車体共に軽い避弾経始が付けられている。下部転輪は片側７組で、サスペンションは九七式中戦車と同様だが、第５輪のみ独立懸架となっている。車体長6.34m、全幅2.865m、全高2.77m、自重24トン、戦闘重量30トン。装甲厚は車体前面75mm、側面35-25mm、後面50mm、上面20mm、底面12mm、砲塔前面75mm、側面50-35mm、後面50mm。エンジンは四式空冷Ｖ型12気筒ディーゼル（ボア146mm、ストローク190mm、総排気量37.7リットル、出力は1800回転で400馬力）、最大速度45km、燃料搭載量400リットル、航続距離250km。乗員５名。主砲搭載改修に手間取り、試作２両が完成した時点で終戦となった。１両が静岡県の猪鼻湖に沈んでいる。参考：月刊PANZER7,’05、月刊グランドパワー11,’98、日本の戦車と装甲車両、月刊丸8,'15別冊、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

＜四式聴音機＞：日本海軍のパッシブソナーで、九三式聴音機の改良型である。測定精度が改善したが、聴音マイクの配置が変わらなかったので、相変わらず艦首と艦尾方向は探知不能だった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜四式特殊輸送滑空機シリーズ＞：日本陸軍中型輸送グライダー、別名ク−８、連合軍コードはガンダー（Gander）。日本国際航空工業が昭和16年から開発した。昭和18年春頃に東京代々木練兵場で行われた陸軍航空観兵式で、九七式重爆に曳航されて姿を見せた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸2,’07

　＜四式特殊輸送滑空機�T型＞：試作初号機、ク−８�T。一式輸送機（日本国際）のエンジンを取り外したもので、昭和16年7月から試験を繰り返したが、結果が思わしくなく、改良型の�U型が量産されることになった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸4,’99

　＜四式特殊輸送滑空機�U型＞：量産型、ク−８�U。機首は金属製で、先端がプレキシグラスになっており、曳航機からの合図を確認できる。コクピットは並列複座で、複操縦装置を持つ。胴体は鋼管骨組み羽布張りで、断面はほぼ正方形をしている。主翼は高翼配置、木製二桁構造で、外板は前桁より前方が合板、それ以外は羽布張り。主翼中央と胴体下面の間の前後に支柱２本があり、スポイラーが付く。機首全体を左に折って貨物を積み降ろす。離陸は車輪だが、離陸後に投棄するため、着陸はソリを使う。昭和19年3月に制式採用され、終戦までに619機が製作されたが、実戦には投入されなかった。全長13.31m、全幅23.2m、全高3.5m、自重1630kg、全備重量3500kg。最大曳航速度240km、滑空比17。乗員２名。九七式重爆で曳航され、人員なら24名、貨物なら1800kg（九六式小型自動車、四一式野砲、九四式山砲、一式三十七粍速射砲、九八式二〇粍高射機関砲など）を乗せられる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン1,’20、月刊丸4,’99

＜四式肉薄攻撃艇＞：マルレを参照。

＜四式落下傘＞：日本陸軍の落下傘で、一式落下傘の後継。重機関銃を持ったままで降下できる。レイテ島降下作戦で使用された。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜四式練習機シリーズ＞：日本陸軍基本練習機キ−86、別名ユングマン改造基本練習機、連合軍コードはサイプレス（Cypress）。日本国際がライセンス権を取得したビュッカーBü131bを採用したものである。ちなみに機種は基本練習機で別名にも基本練習機が付くが、制式名称には基本は付かず、「四式練習機」である。昭和19年以降、主に特別操縦見習士官3-4期や航空士官学校58-59期が使用した。特攻の際には100kg爆弾を積むよう航空本部から指定されていた。戦後は満州に残っていた機体が八路軍の初等練習機として使用されている（ちなみに教官も元日本陸軍軍人だったりした）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン7,’99、陸海軍学校と教育

　＜四式練習機甲型＞：最初の量産型、キ−86�T。昭和17年に採用され、1030機が生産された。全長6.6m、全幅7.3m、全高2.3m、自重400kg、全備重量630kg。エンジンはハ−11（110馬力）単発、プロペラは木製２翅固定ピッチ（直径2.18m）、最大速度180km、実用上昇限度3800km、航続距離600km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン12,’19

　＜四式練習機乙型＞：キ−86�U。機体を全木製に替え、コクピットを拡大するなどの改良を施したもの。昭和19年10月に試作機が完成、終戦までに７機が製作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜四式連絡艇＞：マルレを参照。

＜四重隙間フラップ＞：フラップを参照。

＜四足歩行支援システム＞：LS3を参照。

＜四大節＞：四方拝（1月1日）、紀元節（2月11日）、天長節（4月29日）、明治節（11月3日）のこと。儀式が行われるので、正装し、「服装あらため、勲章つけ」の号令で勲章を持っている者はそれ付けて参列する。めでたい日なので甲板整列や罰直は無く、巡検の代わりに火の元点検で済ます。参考：写真で見る海軍糧食史、海軍よもやま物語、続日本海軍よもやま物語

＜４トントラック＞：陸上自衛隊の６×６輪ボンネット型トラック。特科部隊に配備されており、67式30型ロケット発射機の車台やナイキの牽引車両として使用されている。全長7.69m、全幅2.44m、全高2.92m、車両重量8.04トン。エンジン出力160馬力、最大速度78km。最大積載量８トン。日野ヂーゼル製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜４トンレッカー車＞：自衛隊の車両。67式30型ロケット発射機と同じトラックの荷台にレッカー器材を搭載したもので、１個師団あたり６両が配備されており、弾薬や兵器の積み降ろしに使用される。全長9.3m、全幅2.49m、全高3.23m、車両重量17.68トン。エンジン出力160馬力、最大速度78km。最大吊り上げ能力5.32トン。日野自動車または日野ヂーゼル製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜四年式十五珊榴弾砲シリーズ＞：日本陸軍の牽引式14.7口径150mm（実口径149.1mm）榴弾砲。参考：日本陸軍兵器資料集

＜四年式十五珊榴弾砲＞：三八式十五糎榴弾砲をベースにした射程延伸砲で、フランスの155mm短カノン砲M1904を参考に、砲身車と砲架車の２つに分解してそれぞれ馬６頭で運搬できるようにしたものである。両者合わせて10名の砲手を一緒に乗せることができるため、機動力が増した。明治41年4月から設計に着手し、１年後に初号砲が出来上がり、重量と強度のバランスに苦心しつつ１年にわたり改修を加え完成、明治44年6月に旧箱根街道を登る運行テストを実施、成功裏に終了した。その後、試作砲１個中隊分の完成を待って運用射撃試験を行うことになり、大正3年7月28日に富士山の裾野を出発、8月12日に吉田まで行軍し、１門あたり1000発の実弾射撃試験を受け、大正4年3月に制式採用された。分解組み立ては人力で、10分以内に終了できるよう猛訓練が行われた。放列砲車重量2800kg、俯仰角マイナス５度からプラス65度、旋回角左右３度ずつ。可変後座機構を持っており、射角20度までは長後座、20-45度は逓変後座、45度以上は短後座である。閉鎖機は垂直鎖栓式。分離装薬式で、使用弾は破甲榴弾、十年式鋼性銑榴弾、榴霰弾、十一年式榴弾、鋳鉄破甲榴弾、九二式榴弾（弾量36.0kg、炸薬量7.67kg、威力半径36m）、九二式尖鋭弾（弾量36.0kg、炸薬量6.15kg、威力半径32m）、十三年式発煙弾。薬筒には甲乙の２種類があり、装薬は�T号から�X号まで５種類が用意されていた。砲口初速毎秒398m（三八式十五糎榴弾砲の1.5倍）、最大射程8800m、最大発射速度毎分４発、持続発射速度毎時40発。１会戦分の弾薬は40-50発。１個小隊に２門が装備されており、２個小隊で砲車隊を編成、これに弾薬小隊を加えて戦砲隊とし、更に中隊段列を加えて中隊とした。１個大隊は平時が２個中隊、有事が３個中隊で、２個大隊により１個野戦重砲兵連隊を編成する。第１次上海事変、日華事変、太平洋戦争に投入された。馬での牽引しやすさを主眼に設計したため射程が短く、九六式十五糎榴弾砲が開発されることになったが、本砲も太平洋戦争末期まで使用されている。参考：日本陸軍兵器資料集、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊軍事研究11,’02、大砲入門、月刊丸5,’07、月刊PANZER7,’11

　＜改造四年式十五珊榴弾砲＞：大正14年5月に兵器局が出した射程延伸要求に応えたもので、薬室を延長して超一号装薬を使用できるようにし、駐退復座機に改良を加えている。制式化はされなかったが、試作砲が第１次上海事変と満州事変で海軍により使用された。参考：大砲入門、月刊丸5,’07

　＜修正四年式十五珊榴弾砲＞：駐退復座機と砲身を改良して射程を延伸したタイプで、昭和6年3月に制式化され、少数が配備された。発射反動に比べて本体強度が弱かったため、制式化以降も何回か改修を受けている。参考：大砲入門、月刊丸5,’07

＜四年式十五珊榴弾砲用弾薬車＞：日本陸軍の四年式十五珊榴弾砲の弾薬を運搬する車両で、馬６頭で引っ張る。前車・後車からなり、それぞれ12発の弾薬を積める。参考：日本陸軍兵器資料集

＜四年式十五珊榴弾砲用予備品車＞：日本陸軍の四年式十五珊榴弾砲の予備部品や修理材料などを搭載する車両で、馬６頭で牽引する。参考：日本陸軍兵器資料集

＜四年式框板＞：日本海軍の九一式航空魚雷用空中姿勢安定化装置。魚雷尾部安定板に装着するベニヤ板製の十字安定板で、九七式框板小型よりも板厚を増して（垂直方向30mm、水平方向15mm）高速機に対応し、各安定板後縁に幅60mmの角度板を追加した。水平方向安定板のプロペラ後方への張り出しは小さくなり、垂直方向安定板の張り出しは750mmに増えている。天山と銀河に九一式航空魚雷を搭載する際に使用された。参考：月刊丸3,’18別冊

＜４発ティルトローター＞：QTRを参照。

＜４秒布置＞：12.7mm重機関銃M2を人員３名（射手、観測手、弾薬手）で搬送から設置して弾薬装填まで４秒以内に行うこと。敵に発見された際、敵から射撃を受ける前に反撃するための要領である。参考：朝雲

＜４プラス１の脅威＞：アメリカが直面する脅威で、ロシア、中国、イラン、北朝鮮＋テロリズムのこと。最も脅威とするものはアメリカ陸軍がロシア、アメリカ海軍が中国を挙げている。参考：月刊軍事研究4,’16

＜４本煙突型＞：フラッシュ・デッキ型（駆逐艦）を参照。

＜４．２インチ化学戦迫撃砲＞：アメリカ軍の重迫撃砲で、元々は塹壕戦の毒ガス散布用に開発されたものだが、第２次大戦では出番が無かったので、榴弾を撃てるようにして1943年に完成した。砲身内部にはライフリングが付いており、支脚と底板が繋がっている。口径107mm、砲身長1.018m、全備重量151kg。射界14度、仰角45-60度、最小射程500m、最大射程4000m。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜４．５インチ榴弾砲＞：Mk�U榴弾砲・海外シリーズを参照。

＜４．５インチ・ロケット弾＞：アメリカ海軍の対潜水艦用回転安定式ロケット弾。4.5インチ（114mm）ロケットの弾頭と、2.5インチ（63.5mm）ロケットのロケットモーターを繋いだものである。全長15.5インチ（394mm）、弾頭直径4.5インチ（114mm）、ロケットモーター直径2.25インチ（57mm）、重量13.5kg、弾頭重量2.95kg（TNT）。固体ロケット推進で、後部に安定フィンとシュラウドを持ち、射程1km。Mk7ランチャーに搭載されて海兵隊の上陸支援用にも使用されている。参考：月刊グランドパワー4,’98、丸スペシャルNo.75

＜４．５運動＞：天安門事件（第１次）を参照。

＜４．５天安門事件＞：天安門事件（第１次）を参照。

＜４．５メートル搭載艇＞：海上自衛隊の駆潜艇用艦載艇で、隅田川造船製。素材がFRPなので4.5メートル・ポリエステル艇とも呼ばれていた。木造手こぎボートの外板だけをFRPに変更したような構造をしており、両舷２カ所にオールを取り付けるロー・クラッチがある他、トランサムに船外機を取り付けての航走も可能。全長4.5m、最大幅1.7m、深さ0.565m、排水量0.5トン。定員６名。1956年度、1957年度、1959年度、1963-65年度に計10隻が建造され、かもめ型、はやぶさ型、うみたか型、みずとり型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.77

＜４．６ｍｍ短機関銃（Ｂ）用弾薬＞：自衛隊の弾薬。丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究8,’14

＜４．６メートル測距儀＞：海上自衛隊の基線長式測距儀で、Mk37射撃指揮装置の方位盤に搭載されている。船体動揺に対する安定化機構を持つ。あさかぜ型護衛艦、ありあけ型護衛艦に搭載された。参考：丸スペシャルNo.75

＜４．７ｃｍ　ＫＰＵＶｖｚ３８＞：チェコのスコダ社が開発した牽引式4.7cm対戦車砲。口径47mm、砲身長2040mm、口径長43.4、重量570kg。照準器は倍率２倍、視野30度。参考：異形戦車ものしり大百科、月刊グランドパワー9,’03、月刊PANZER6,’06

＜４．７ｃｍ　ＫＰＵＶｖｚ３８海外シリーズ＞

＜４．７ｃｍ　ＰａＫ（ｔ）L／４３．４＞：4.7cmKPUVvz38のドイツ軍名称で、Pzgr.40が使えるようになった。弾丸重量1.6kgのPzgr36(t)徹甲弾を用いると初速毎秒775m、有効射程1600m、装甲貫徹力54mm（射距離100m、傾斜角0-30度）／48mm（500m、0-30度）／41mm（1000m、0-30度）／60mm（1200m、０度）／35mm（1500m、0-30度）。弾丸重量0.825kgのPzgr.40高速徹甲弾を使用すると、初速毎秒1080m、装甲貫徹力100mm（100m、0-30度）／59mm（500m、0-30度）。参考：ジャーマンタンクス

＜４．７ｃｍＰａＫ（ｔ）（ｓｆｌ）　ａｕｆ　Ｐｚ．ｋｐｆｗ．Ｉ　Ａｕｓｆ．Ｂ＞：�T号戦車ファミリー（対戦車自走砲）を参照。

＜４．７ｃｍＰａＫ（ｔ）搭載Ｒ３５（ｆ）対戦車自走砲＞：R35海外ファミリーを参照。

＜４．７ｃｍ（ｔ）対戦車砲搭載�T号戦車Ｂ型＞：�T号戦車ファミリーを参照。

＜４．７３ｍｍ×３３弾＞：ドイツ軍の4.73mmケースレス弾で、制式名称はPatr.4.73mmDM11。4.73mmG11弾ともいう。弾丸重量3.25g、初速毎秒930m。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜４０＞：イギリス海軍ノーフォーク級重巡洋艦２番艦ドーセットシャー（Dorsetshire）。1930年9月30日竣工。1931年、水上偵察機１機を搭載するようになった。1941年5月27日、ライン・ユーブング作戦行動中のビスマルクを攻撃し、魚雷２本を命中させた。11月22日、南太平洋で特設巡洋艦アトランティスを撃沈した。1942年4月5日、日本海軍のセイロン島攻撃で艦爆の急降下爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、第２次大戦のイギリス軍艦、写真集ドイツの巡洋艦、月刊世界の艦船11,’22

＜４０＞：フィンランド海軍カタンパー級機雷掃討艇カタンパー（Katanpää）。2007年7月起工、2009年6月16日命名・進水、2011年3月洋上公試開始。2012年5月4日、フィンランド海軍に引き渡され、5月21日に重量物運搬船ハッピー・ドーバーに積載されてイタリアを出港。7月9日にフィンランドで一般公開された。2014年8月26日から9月11日、バルト海でノーザン・コースト2014演習に参加。参考：月刊軍事研究9,’14、月刊世界の艦船1,’15

＜４０−３９ａ＞：ドイツ海軍のＵボート用予備送信器。使用波長は3-30MHzの短波で、出力40W。参考：Ｕボート入門

＜４０ＡＧＬ＞：シンガポールのSTキネティックス社が1990年から生産した自動てき弾銃。モジュラー式になっており、４つのパーツに分解できる。三脚に載せて運用する。作動はブローバック式で、給弾はベルト式。使用弾はMk19と共通で、シンガポール独自開発のS411複合目的高性能炸薬弾、S412榴弾、S413複合目的高性能炸薬弾（自爆モード付き）、S415A曳光訓練弾、S416A訓練弾も発射できる。全長996mm、全幅376mm、重量33kg。最大有効射程2200m、発射速度毎分350発。オプションで夜間用照準器とレーザー測距器が用意されている。参考：月刊PANZER10,’02、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜４０ＢＲＣ＞：アメリカ陸軍試作（前量産型）ジープ。バンタム社が開発した。全長3.2m、全幅1.372m、自重0.92トン。エンジンは４気筒ガソリン（45馬力）、トランスミッションは前進３速×２速トランスファー。2600両が生産され、全てレンドリースでイギリスやソ連に送られた。参考：THE JEEP

＜４０ｃｍ探照灯（２２ＤＤＨ用）＞：自衛隊の機器。湘南工作所製。参考：月刊軍事研究8,’14

＜４０ｃｍ探照灯（２５ＤＤ用）＞：自衛隊の機器。湘南工作所製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜４０ＣＴＡＳ＞：CTAインターナショナルの40mm機関砲で、CTASはCased Telescoped Ammunition Systemの略。薬莢に弾丸を埋め込んだテレスコープ弾を使用する。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜４０ＧＬ＞：シンガポールのSTキネティックス社が開発した40mmてき弾発射機で、SAR21ライフルに装着して使用する。装着方式などはM203と同様。参考：月刊軍事研究1,’04

＜４０ＩｔＫ／１５Ｖ＞：フィンランド軍40mm高射機関砲。ヴィッカーズ社の開発で、7.62mm機関銃ヴィッカーズMk�Tを40mmクラスに拡大したものである。参考：月刊丸6,’01

＜４０ＫＲＫＫ２００５＞：フィンランド軍40mm自動てき弾発射機。ヘッケラー＆コッホ社製GMWを採用したものである。本体重量29kg。有効射程2200m、発射速度毎分350発。参考：月刊軍事研究8,’14

＜４０Ｍ＞：39Mファミリー（通信車）またはL-60海外ファミリー（対空戦車）を参照。

＜４０Ｍ＞：ハンガリー陸軍中戦車、別名トゥラン�T。元はスコダ社製T-21中戦車（大元はLTvz.35戦車）で、車体を大型化して砲塔を２名用から３名用に変更、主砲を47mm砲からハンガリー標準の40mm砲に換装している。1940年から279両が生産された。参考：月刊グランドパワー11,’12、月刊JWing2,’04

＜４０ｍｍ演習てき弾＞：自衛隊の火工品。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究5,’11

＜４０ｍｍ機関砲＞：ボフォース社のものはボフォース40mm機関砲シリーズを参照。

＜４０ｍｍ近接戦闘車試験用砲身＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜４０ｍｍ信号弾＞：自衛隊の火工品。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究12,’08

＜４０ｍｍてき弾銃（トルコ陸軍）＞：トルコ陸軍40mmてき弾銃。ロケツアン＆カレカリプ社が開発した。撃発作動レバーは左にあり、給弾も左側で、後部に２連グリップがある。暗視照準装置をオプションで搭載可能。三脚に載せて射撃でき、車載も可能。銃身長415mm、重量37kg。ライフリングは24本。初速毎秒242m、有効射程1500m、発射速度毎分240-325発。使用弾はM383／384高性能炸薬弾、M430高性能炸薬対地・対空両用弾、M385不活性演習弾、M918閃光薬付き演習弾など。参考：月刊軍事研究3,’02

＜４０ｍｍ礼砲装薬包＞：自衛隊の弾薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜４０Ｎ６＞：ロシア軍S400地対空ミサイル用の長射程ミサイル。弾道ミサイル・巡航ミサイル迎撃能力も持っており、最大交戦距離は400kmに達するという。参考：月刊軍事研究5,’05

＜４０ＵＢＧ＞：ステアー社が開発した小銃てき弾発射機で、UBGはアンダー・バレル・グレネードの略。銃身下部に装着し、砲身を横にずらして装填する。グリップやストックを取り付けて単独使用することも可能。参考：月刊軍事研究2,’10

＜４０号指向性爆破薬＞：自衛隊の爆破薬。中国化薬製。参考：月刊軍事研究5,’08

＜４０号道路爆破薬＞：自衛隊の爆破薬。中国化薬製。参考：月刊軍事研究5,’08

＜４０式５ｃｍ軽迫撃砲＞：スコダ社が開発した軽迫撃砲。スターリングラード市街戦の戦訓を基にしており、砲口部分に回転式の砲弾マガジンが装着されており、ここに５発の砲弾を装着して連続発射する。重量28kg、砲弾重量1kg。最大射程550m。leGrW36と性能が変わらないため、３門が試作されたのみに留まった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜４０式指揮機材＞：コマンドゲラーテ40を参照。

＜４０式対戦車徹甲弾＞：Pzgr.Patr.40を参照。

＜４０トン用グラブネルロープ＞：自衛隊の機器。下谷金属製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜四十年式包帯嚢＞：日本陸軍が衛生兵用応急処置バッグ。フラップの部分に赤十字が描かれており、中に絆創膏、ゴム絆創膏、ガーゼ、包帯、はさみ、ピンセット、メンタ酒（代用ブランデーのこと）、螺旋止血帯、死傷手簿（死傷兵の記録を付ける手帳）などが入っている。明治40年に制式化され、太平洋戦争終結まで使用された。参考：歴史群像10,’10

＜４０ライト＞：コンパクト40シリーズ（40mm機関砲塔）を参照。

＜四〇榴＞：試製四十一糎榴弾砲を参照。

＜４０榴弾車＞：HMMWV海外ファミリーを参照。

＜４１＞：イギリス海軍キング・ジョージ�X世級戦艦キング・ジョージ�X（King George �X）。1937年1月起工、1940年12月11日竣工。本国艦隊所属となり、北大西洋やバレンツ海でソ連向け輸送船団の護衛任務に就いた。284型射撃指揮レーダーを搭載している。1941年4月1日、イギリス本国艦隊旗艦となった。5月、ライン・ユーブング作戦行動中のビスマルク追撃戦に参加。1943年、Ｈ部隊所属となり、ジブラルタル方面に配置された。太平洋戦争末期に太平洋艦隊に異動。1945年7月17日夜、日立を砲撃した。7月29-30日、浜松を砲撃した。9月2日、東京湾で降伏調印式に参列。9月20日、日本を離れオーストラリアに向かった。10月29日から11月8日、メルボルンに寄港。1957年に除籍された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、9,’15、12,’15

＜４１＞：オーストラリア海軍パース級ミサイル駆逐艦ブリスベーン（Brisbane）。1967年竣工。1982年3月22日から4月29日、リムパック82に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、日本の戦力

＜４１＞：オーストラリア海軍ホバート級イージス艦２番艦ブリスベーン（Brisbane）。2014年2月起工。2016年12月16日、命名・進水式を実施。2017年11月21日、公試開始。2018年7月27日、オズボーン海軍工廠で引き渡し式典が実施された。9月10日、シドニーの東部海軍基地に入港。10月27日、シドニーのガーデン・アイランド基地で就役式典が行われた。2019年10月6-14日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。2020年12月6-12日、ホバート級イージス艦39ホバート、同42シドニーと共に、オーストラリア東岸沖でホバート級全艦揃い踏みの初演習に参加。オーストラリア空軍F-35A戦闘機が訓練を支援している。2021年6月25日から8月7日、タリスマン・セイバー2021に参加。6月30日から7月3日、オーストラリア東方海空域で、自由で開かれたインド太平洋に向けた関係強化のため、アメリカ海軍、海上自衛隊、韓国海軍との共同訓練に参加。DD-112まきなみ、SH-60Kヘリ１機、DDG-115ラファエル・ペラルタ、韓国海軍駆逐艦978ワン・ゲオンと、電子戦・戦術運動・通信の各訓練を行った。7月5-10日、パシフィック・ヴァンガード21に参加。7月14-17日、フリゲートFFH-154パラマタと共に、オーストラリア東方沖で日豪韓共同訓練に参加。DD-112まきなみ、SH-60Kヘリ、韓国海軍駆逐艦978ワン・ゲオンと、電子戦・戦術運動・通信の各訓練を行った。10月13日、フィリピン海で搭載MH-60Rヘリが夜間飛行中に不時着水した。乗員３名は全員救助されたが、機体は海没している。補充機はオーストラリア空軍C-17A輸送機が横田基地に運び込んだ。10月25日、沖縄東方海空域で日米豪共同訓練に参加し、DD-115あきづき、DDG-65ベンフォールドと、各種戦術訓練を行った。11月4日、横須賀基地を出港し、横田基地から飛来した補充MH-60Rヘリを載せて外洋に向かった。2022年12月20日、２ヶ月に亘るハワイ・メラネシア方面の展開を終え、シドニーに帰港。2023年8月11-21日、マラバール2023に参加。10月23日、南シナ海で日米豪加新共同訓練ノーブル・カリブーに参加。DD-108あけぼの、DDG-115ラファエル・ペラルタ、カナダ海軍FFH-341オタワ、ニュージーランド海軍F111テ・マナと、各種戦術訓練（通信、戦術運動など）、PHOTOEXを行った。11月10-20日、令和5年度海上自衛隊演習（実動演習（共同演習））に参加。11月20-21日、関東南方から四国南方で日豪共同訓練トライデント23-2に参加。A304ストルワートと共に、DD-113さざなみ、P-1哨戒機、潜水艦、オーストラリア空軍P-8A哨戒機と、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船9,’16、3,’17、3,’18、10,’18、12,’18、1,’19、1,’20、3,’21、9,’21、10,’21、1,’22、3,’23、10,’23、1,’24、2,’24

＜４１＞：フィンランド海軍カタンパー級機雷掃討艇２番艇プルンパー（Purunpää）。2008年3月起工、2010年9月26日命名・進水。2013年8月20日、フィンランド海軍に引き渡され、重量物運搬船ハッピー・ダイナミックに積載されてイタリアを出港、9月にフィンランドのトゥルクに到着した。2020年6月7-16日、バルトップス2020に参加。2022年5月16-17日、ミサイル艇ナーンタリ、R2000ハミナ級ミサイル艇トルニオ、ハメンマー級敷設艦02ハメンマー、ヒリエ級汚染制御艦899ハリ、油防除船999ロウヒと共に、バルト海で、アメリカ海軍LHD-3キアサージ、LSD-44ガンストン・ホール、DDG-107グレイブリイ、スウェーデン海軍支援艦P04カールスクローナとの共同演習に参加。6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。参考：月刊軍事研究9,’14、月刊世界の艦船9,’20、8,’22、9,’22

＜４１＞：ブルガリア海軍ウィーリンゲン級フリゲート、ドラツキ（Drazki）。元はベルギー海軍ウィーリンゲン級フリゲートのウィーリンゲンで、2015年に取得した。2015年10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’16

＜４１Ｍ＞：ハンガリー陸軍重戦車、別名トゥラン�U。40Mトゥラン�Tの主砲を75mm短砲身榴弾砲に換装した歩兵支援型で、砲塔上面が上に膨らんでいる。1941年から180両が生産された。参考：月刊グランドパワー11,’12、月刊JWing2,’04

＜４１ＭＳ＞：スイス陸軍警備艇シュピーツ。第２次大戦中、湖での国境警備に使用された。全長12m、排水量７トン。速力22ノット。参考：月刊軍事研究10,’06

＜４１型＞：レオパルド級（フリゲート）を参照。

＜四一号対空電探＞：四号一型対空電探を参照。

＜四一式四〇口径八サンチ砲＞：日本海軍の艦砲で、明治41年に制式化された。イギリスが明治27年（1894年）に採用した12ポンド砲Mk.�T（76mm砲）のコピーである。重量6.1トン。弾丸重量5.87kg、装薬重量0.95kg。初速毎秒681m、最大射程10000m（仰角40度）、発射速度毎分15発。砲要員５名。参考：小艦艇入門

＜四一式一二サンチ砲＞：日本海軍の駆逐艦用艦砲。砲身長45口径、初速毎秒600m。主に大正時代に建造された駆逐艦に搭載されたが、太平洋戦争では取り外されて陸上に設置された。硫黄島にも設置されている。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜四一式四〇口径一二サンチ砲＞：日本海軍の艦砲で、明治41年に採用された。日露戦争で活躍したアームストロング社製艦砲のコピーである。砲重量３トン。使用弾重量20.2kg、装薬重量5.35kg。初速毎秒660m。参考：小艦艇入門

＜四一式四五口径三六サンチ砲シリーズ＞：日本海軍の36cm艦砲。参考：月刊丸7,’14

＜四一式四五口径三六サンチ砲＞：四五口径四一式三六サンチ砲。金剛型戦艦榛名・霧島、扶桑型戦艦、伊勢型戦艦の主砲である。金剛・比叡に搭載された毘式四五口径三六サンチ砲の尾栓を国産の四一式尾栓に換装するなどしたタイプで、装薬量などの諸元は比叡に搭載された毘式と同じであるため、比叡の砲もこちらに分類されることもある。砲身は層成鋼線式で、ライフリングは74条、28口径で１回転する。閉鎖器は螺式の四一式閉鎖器。装填は伊勢型以外が仰角５度の固定式、伊勢型が5-20度の自由装填式。最大仰角は伊勢型以外が30度（改装で43度に拡大）、伊勢型が25度（改装で30度を経て43度に拡大）。使用弾は装薬分離薬のう式の八八式徹甲弾、九一式徹甲弾、一式徹甲弾で、太平洋戦争開戦後に対空弾として零式通常弾と三式焼霰弾が加わった。装薬重量144kg、砲口初速毎秒770m。発射速度毎分1.35発（第１次改装後1.5発）。最大射程22000m（仰角20度）／27800m（仰角25度）／28000m強（仰角30度）／35450m（仰角43度）。参考：図解日本の戦艦、月刊丸3,’14、7,’14、月刊世界の艦船3,’15、7,’15

　＜四五口径四一式三六サンチ砲�V型＞：伊勢型の主砲。砲身長16.46936m、膅腔全長16.602m、薬室長4.0997m、薬室径0.4445m、砲身重量85.65トン。ライフリングは84条右回り。九一式徹甲弾を使用すると、計画初速毎秒775m、射表初速毎秒770m。参考：月刊丸7,’14

＜四一式四五口径三六サンチ連装砲＞：金剛型戦艦榛名・霧島の主砲塔で、四一式四五口径三六サンチ砲２門を搭載する。装甲厚は防楯250mm18度（改装後280mm18度）、上面76mm（改装後152mm）、バーベット228mm。参考：図解日本の戦艦

＜四一式五〇口径十五サンチ単装砲＞：日本海軍の15cm艦砲、五〇口径四一式十五サンチ砲。戦艦金剛・比叡の副砲である毘式十五サンチ単装砲の尾栓を改良したものである。実口径152mm（正６インチ）、砲身長50口径、砲口初速毎秒850m、俯仰角はマイナス７度からプラス55度、最大射程12400m（14000m？仰角15度）／19500m（仰角30度）／25000m（55度）。装填は人力で、弾量45.4kg、発射速度は毎分６発。金剛型戦艦榛名・霧島や扶桑型戦艦の副砲、阿賀野型軽巡の主砲として採用された。参考：図解日本の戦艦、連合艦隊巡洋艦、月刊丸7,’14

＜四一式騎砲＞：日本陸軍の騎兵部隊用火砲。騎兵の装備は銃だけだったが、明治38年の日露戦争において、満州で挺身騎兵隊による長距離隠密偵察を行った際、付近で活動する馬賊よりも強力であることを見せつけて住民を協力させるため、ロシアから鹵獲した7.62cm砲を使用した。その後騎兵第１旅団に騎兵砲中隊が編成されたが、適当な騎兵砲が無く、装備したのは三十一年式速射山砲だった。日露戦争後、この戦訓に基づき騎兵専用の砲として開発されたのが本砲で、３種類の設計案を検討し、明治39年から浅岡砲兵少佐が設計したものが採用されて明治41年に制式化された。三八式野砲が原型で、騎兵の進撃に付いていけるよう、なるべく軽量化を図っている。閉鎖機を隔螺式に変更し、砲身長を0.13m短縮した。砲要員は乗馬して移動するので、防楯前面にあった砲手用腰掛けを廃止し、防楯下部をカットするなどしたが、重量軽減は40kgに止まった。口径75mm、放列砲車重量916kg。俯仰角はマイナス８度からプラス16.5度、射界左右3.5度ずつ。初速毎秒520m、最大射程8350m。使用弾は三八式野砲と同じだが、発射薬が薬莢式から薬嚢式に変更されている。砲車、弾薬車（76発搭載）、観測車から構成され、それぞれ６頭曳きで牽引されるが、騎砲のみなら３頭で間に合う。牽引速度は7-8kmだが、短時間なら18kmを出すことが出来、九五式一三屯牽引車よりも速かった。満州事変で実戦参加しており、太平洋戦争勃発時にも２個騎砲兵連隊が編成されていた。昭和19年3-6月に中国戦線で行われたコ号作戦で騎砲兵第４連隊が使用している。参考：日本陸軍兵器資料集、月刊PANZER10,’85、9,’12、月刊グランドパワー4,’02、大砲入門

＜４１式高射砲用３９／１式徹甲弾＞：Pzgr.Patr.39/1Flak41を参照。

＜４１式高射砲用４０式対戦車徹甲弾＞：Pzgr.Patr.40Flak41を参照。

＜４１式高射砲用指向性榴弾＞：Sprgr.Patr.Flak41Gerilltを参照。

＜４１式高射砲用榴弾＞：Sprgr.Patr.Flak41を参照。

＜四一式山砲シリーズ＞：日本陸軍の75mm山砲。参考：月刊丸5,’13

＜四一式山砲＞：各歩兵連隊に４門ずつ配備されたので連隊砲とも呼ばれる。明治39年12月と明治40年8月に開発計画が出され、明治41年に甲号山砲、明治42年に乙号山砲を試作、比較試験の結果前者を採用した。三十一年式速射山砲に油圧式駐退復座機を付けるなど改良を施したもので、閉鎖機は隔螺式、平面の防盾を持つ。馬２頭で牽引できる他、車輪、大架、揺架、托架、砲身、防楯に分解すれば馬６頭で載せて運ぶことができ、１個分隊13名での人力輸送も可能である。口径75mm、砲身長17.3口径、放列砲車重量539.5kg。俯仰角マイナス８度からプラス25度、旋回角右2.5度・左3.5度。使用弾は三八式野砲と共通の弾頭に専用の短い薬莢を組み合わせたもので、三八式榴霰弾弾薬筒、三八式榴霰弾弾薬筒（重）、十年式榴弾弾薬筒、九〇式榴弾弾薬筒、九〇式鋼性銑弾薬筒、九〇式発煙弾弾薬筒、九〇式焼夷弾弾薬筒、九〇式照明弾弾薬筒、九〇式榴霰弾弾薬筒、九四式榴弾弾薬筒、九四式榴弾弾薬筒（安瓦炸薬使用）、九五式破甲榴弾弾薬筒、榴弾甲弾薬筒、榴弾乙弾薬筒、一式曳火榴弾弾薬筒、九七式鋼性銑榴弾弾薬筒、九〇式代用弾甲弾薬筒、九〇式代用弾乙弾薬筒、空包がある。九〇式榴弾弾薬筒を使用すると初速毎秒360m、最大射程6300m。発射速度毎分10発。試製一式徹甲弾や試製二式穿甲榴弾も使用できる。徹甲弾の装甲貫徹力は射距離200mで35mm。弾薬は馬５頭に分けて運搬する。中国人民革命軍事博物館に展示されている。参考：月刊丸5,’13、4,’13、日本陸軍兵器資料集、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、大砲入門、日本戦車隊戦史

　＜四一式山砲�U型＞：二式物料箱に詰めて空中投下できるようにしたもの。昭和19年頃に試作されたが、採用されなかった。参考：大砲入門

＜四一式山砲用観測器具＞：四一式山砲用の通信・観測器具を入れている箱で、通信箱と観測箱の２種があり、それぞれ馬の左に乗せる甲と、右に乗せる乙の２つが用意されていて、馬２頭に搭載して運搬する。参考：日本陸軍兵器資料集

＜四一式山砲用器具箱＞：四一式山砲の整備器具・予備品を収容している箱で、器具専用のものと予備品専用のものの２種類がある。参考：日本陸軍兵器資料集

＜四一式山砲用駄馬具＞：四一式山砲を分解して馬で運ぶ時に使用する鞍及び付属品。鞍は砲車用に３種類、弾薬用に１種類が用意されている。参考：日本陸軍兵器資料集

＜四一式山砲用弾薬箱＞：四一式山砲の弾薬を入れる鉄製の箱。６発入りで、馬１頭に２箱を駄載する。本体重量13.32kg、榴弾６発入りで58.38kg、榴霰弾６発入りで60.66kg。参考：日本陸軍兵器資料集

＜四十一糎榴弾砲＞：試製四十一糎榴弾砲を参照。

＜四一年式４０口径１５ｃｍ単装砲＞：安式四十口径６吋砲を参照。

＜４２＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦第１グループ、ユーリャルス（Euryalus）。1941年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜４２＞：オーストラリア海軍ホバート級イージス艦３番艦シドニー（Sydney）。2015年11月起工、2018年5月19日進水。2020年2月28日に引き渡された。2020年5月18日にシドニーで就役式典が行われた。L01アデレードが参加している。12月6-12日、ホバート級イージス艦39ホバート、同41ブリスベーンと共に、オーストラリア東岸沖でホバート級全艦揃い踏みの初演習に参加。オーストラリア空軍F-35A戦闘機が訓練を支援している。2021年3月、戦闘システム認定試験CSSQTのためシドニーを出港し、アメリカに向かった。4月、戦闘システム認定試験CSSQTの一環として、カリフォルニア沖の射場でRIM-162実射試験を実施。7月、CSSQTを終えて帰国した。8月13日、完全運用能力FOCを達成した。2022年8月8-14日、ハワイ周辺で日米豪韓加ミサイル警戒演習パシフィック・ドラゴン2022（Pacific Dragon 2022）に参加。DDG-180はぐろ、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、F/A-18F戦闘機、韓国海軍駆逐艦991セジョン・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH331バンクーバーと、弾道ミサイル模擬標的等の追尾に係る情報共有などの訓練を行った。8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22（Pacific Vanguard 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、陸自水陸機動団、アメリカ海軍潜水艦、T-AKE-6アメリア・イアハート、P-8A哨戒機、EA-18G電子戦機、第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍フリゲートFFH-157パース、韓国海軍ミサイル駆逐艦991セジョン・デワン、976ムーンム・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練（対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜戦など）を行った。参考：月刊世界の艦船9,’16、8,’18、5,'20、8,’20、3,'21、7,'21、10,'21、11,'21、11,'22、月刊軍事研究11,’18

＜４２＞：フィンランド海軍カタンパー級機雷掃討艇３番艇ファーターパ（Vatherpää）。2009年2月起工、2011年11月3日命名・進水。2014年に引き渡される予定。2022年11月22日から12月2日、バルト海北部でフリージング・ウインズ2022演習に参加。参考：月刊軍事研究9,’14、月刊世界の艦船2,’23

＜４２ｃｍ榴弾砲（ｔ）＞：ドイツ軍の榴弾砲。チェコのスコダ社が開発した42cm榴弾砲を接収して使用したものである。最大射程14.6km。セバストポリ攻略戦に投入された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜４２Ｓ６＞：モルフェイ（短射程防空システム）を参照。

＜４２型駆逐艦シリーズ＞：イギリス海軍ミサイル駆逐艦Type 42。新型空母CVA-01＋ブリストル級ミサイル駆逐艦の組み合わせが空母計画中止で没になったため、新たな空母護衛・艦隊防空用駆逐艦として開発され、３バッチ計14隻が就役した。当初は１番艦の名前をとってシェフィールド級とも呼ばれていたが、フォークランド紛争で沈没したために42型となっている。同紛争では他にD118コヴェントリーも沈没した。45型ミサイル駆逐艦に後を譲って2013年までに退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87、5,’83、12,’15、6,’16、12,’18

　＜４２型駆逐艦バッチ１＞：船体小型化、乗員削減、建造費節約のため西側駆逐艦として初めてオールガスタービン推進を採用した。船体と上構は鋼製で、艦内隔壁、通風管、仕切弁などにアルミ合金を使用している。対潜兵装はAS Mk10リンボーとアイカラを廃止して短魚雷発射管と対潜ヘリの組み合わせとした。GWS30艦対空ミサイル管制用909型レーダーを艦橋上と後部上構上に装備する。被弾時に電源が落ちて燃料ポンプが止まっても１時間は航行できるよう、水線上に重力式燃料タンクを備えたが、フォークランド紛争ではそこにエグゾセが命中してシェフィールドが沈没しており、かえって脆弱であることが実証されてしまった。182型曳航式音響デコイを装備する。全長125m、幅14.3m、吃水4.2m、基準排水量3500トン、満載排水量4100トン。主機はCOGOG方式、ガスタービン４基２軸56000馬力、速力29ノット。兵装はGWS30シーダート艦対空ミサイル連装発射機１基（艦橋前方。24発）、114mm単装砲Mk8Mod0が１門（前甲板）、ファランクス２基（フォークランド紛争の戦訓に基づく装備）、20mm単装機関砲４門、324mm３連装短魚雷発射管２基。リンクスHAS-3ヘリ１機を搭載できる。乗員253名。D-86バーミンガム、D-87ニューキャッスル、D-88グラスゴー、D-108カーディフなどが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’86、5,’83、8,'21、月刊軍事研究9,’18

　＜４２型駆逐艦バッチ２＞：電子装備改良型。艦橋上及びヘリ格納庫上にGWS30艦対空ミサイル管制用の大型レドームを持つ。全長125m、幅14.3m、吃水4.2m、基準排水量3500トン、満載排水量4100-4350トン。主機はCOGOG方式、ガスタービン４基２軸50000馬力、速力29ノット。兵装はGWS30シーダート艦対空ミサイル連装発射機１基（艦橋前方）、114mm単装砲Mk8Mod0が１門（前甲板）、ファランクス２基（煙突脇の上構両舷。フォークランド紛争の戦訓に基づく後日装備）、20mm単装機関砲４門、324mm３連装短魚雷発射管２基。リンクスHAS-3ヘリ１機を搭載できる。乗員253名。D-89エグゼター、D-90サウザンプトン、D-91ノッティンガム、D-92リバプールが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’86、12,’18

　＜４２型駆逐艦バッチ３＞：ストレッチド・タイプともいう。バッチ２まではブリストル級に準じた重装備を排水量６割の船体に詰め込んだせいで艦内容積が不足したため、前甲板を16m延長した。艦橋上に1022型対空レーダー、後部上構に909型艦対空ミサイル管制レーダーを搭載する。後甲板はヘリ甲板だが、狭いので発着艦には気を遣う。着艦時にはヘリコプター下面からワイヤーを垂らし、ヘリ甲板中央にある金網状の着艦拘束装置に通す。全長141.1m、幅14.9m、吃水5.8m、基準排水量3500トン（3880トン？）、満載排水量4775トン（5350トン？）。主機はCOGOG方式、巡航用タイン２基（10680馬力）＋高速用オリンパス２基（54400馬力）、出力54400馬力、速力30ノット以上。兵装はGWS30シーダート艦対空ミサイル連装発射機１基（40発）、114mm単装砲Mk8Mod0が１門、30mm連装機関砲GCM-A02が２基、20mm単装機関砲GAM-BO1が４門、３連装短魚雷発射管２基、ファランクス１基。後部上構両舷にチャフ発射機シーナットを２基ずつ装備する。リンクスHAS-3ヘリ１機を搭載可能。乗員301名。D-95マンチェスター、D-98ヨークなど４隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船2,’87、3,’92増刊、5,’83、12,’21

＜４２型駆逐艦・海外シリーズ＞

　＜エルクレス級＞：アルゼンチン海軍ミサイル駆逐艦／多目的輸送艦Hercules級。アメリカから購入した第２次大戦型駆逐艦の後継で、1970年5月にヴィッカーズ社に２隻を発注した。戦闘任務の他、揚陸支援や輸送任務などに投入される。船型は42型駆逐艦と同じで、エグゾセを追加した。全長125.6m、幅14.3m、吃水5.8m、基準排水量3150トン、満載排水量4100トン。主機はガスタービン４基２軸57600馬力、速力29ノット。兵装はGWS30シーダート艦対空ミサイル連装発射機１基（艦橋前方）、エグゾセMM38単装発射筒４基（ヘリ格納庫上）、３連装短魚雷発射管２基、114mm単装砲１門（前甲板）、20mm単装機関砲２門。SA-319Bヘリコプター1-2機またはSH-3Hヘリ１機を搭載できる。乗員300名。D1エルクレスはヴィッカーズ社で建造され1976年に竣工した。D2サンティシマ・トリニダーはアルゼンチンのAFNE社でノックダウン生産されたが、建造に10年かかり、1981年に竣工した。後にエグゾセ発射筒の位置を煙突両舷２基ずつとしている。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’86、5,’83、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜４２型対空電探改二＞：四号二型対空電探改二を参照。

＜４２機材搭載装甲自走砲＞：パンター�T（８．８ｃｍ高射砲搭載型）を参照。

＜４２式２．７ｃｍ信号拳銃＞：ドイツ空軍の信号拳銃。1942年に制式化され、G.エルドマン社で生産された。2.7cm信号拳銃の素材を亜鉛に変更したものである。重量1275g。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜４２式１０．５ｃｍ突撃榴弾砲＞：�V号突撃砲シリーズを参照。

＜４２式敷設火焔放射器＞：ドイツ軍の敷設式火焔放射器で、元はソ連から鹵獲した陣地防衛用火焔放射器である。22.7リットルの燃料ボンベと放射ノズルからなり、ボンベの部分を地面に埋めて使用する。射程15-20m。遠隔操作による放射の他、ワイヤー式ブービートラップとしての使用も可能。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜４３＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦第１グループ、フィービ（Phoebe）。1940年竣工。1956年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜４３Ｍ＞：ズリーニィ�U（突撃砲）を参照。

＜４３Ｍ＞：ハンガリー軍重戦車、別名トゥラン�V。41Mトゥラン�Uの主砲を長砲身75mm戦車砲43Mに換装し、最大装甲厚を90mmに増加させ、装甲スカートを装着したタイプである。1943年から開発されたが、資材不足で試作車体のみの完成に止まり、量産されなかった（６両が完成したともいわれる）。代わりにズリーニィ突撃砲を量産した。参考：月刊グランドパワー11,’12

＜４３改式＞：PPS43海外シリーズ（短機関銃）を参照。

＜四三型対空電探＞：四号三型対空電探を参照。

＜４３式柄付き手榴弾＞：ドイツ軍が第２次大戦時に使用した柄付き手榴弾。39式柄付き手榴弾の弾頭部分に卵形手榴弾と同じ信管を付けたものである。破片効果を増大させるため、弾頭周囲に金属板を巻き付けることもあった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜四三式魚雷＞：日本海軍の魚雷。三八式二号の改良型で、明治43年に制式化された。全長5.2m、直径0.45m、重量663kg、炸薬重量95kg。空気333リットルを装気圧95気圧で詰めてある。射程は雷速26ノットで5000m。参考：月刊世界の艦船5,’11、日本駆逐艦史

＜４３式探照灯＞：ドイツの200cm探照灯。120kW発電機を使用し、12-13km先の敵機を照射できる。2262基が生産された。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜４４＞：イギリス海軍フィジー級軽巡洋艦ジャマイカ（Jamaica）。1942年竣工。1940年12月31日、サウザンプトン級軽巡24シェフィールドと共にドイツ駆逐艦Z-4を砲撃して損傷させた。1942年12月31日、バレンツ海海戦に参加。1943年12月25日、北岬沖海戦に参加。1960年に解体された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸3,’90、4,’17、写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史

＜四四式騎銃＞：三八式歩兵銃シリーズを参照。

＜四四式魚雷＞：日本海軍の魚雷。四三式魚雷の加熱装置を参考にした熱機関（レシプロ機関）を搭載する国産の湿式魚雷である。明治44年に制式化された。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船12,’10、5,’11

＜四四式魚雷（４５ｃｍ型）＞：全長5.4m、直径0.45m、重量663kg、炸薬重量95kg。空気333リットルを装気圧150気圧で詰めてある。雷速36ノットで射程4000m。薩摩型戦艦、河内型戦艦、三等駆逐艦、海風、磯風、桜、樺、楢に搭載された。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船12,’10、5,’11

＜四四式魚雷（５３．３ｃｍ型）＞：全長6.7m、直径0.533m、重量1325kg、炸薬重量160kg。空気641リットルを装気圧150気圧で詰めてある。射程10000m（雷速27ノット）／7000m（35ノット）。浦風に搭載された。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船12,’10、5,’11

＜４５−３６Ｎ＞：ソ連海軍の450mm魚雷で、Ｎはノヴィク駆逐艦用の意。イタリアから購入した魚雷の技術を取り入れた。推進は蒸気タービン。1939年に制式化された。北朝鮮軍にも供与されている。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜４５−３６ＮＵ＞：ソ連海軍の450mm魚雷で、45-36Nの弾頭部を延長して炸薬量を増したものである。推進は蒸気タービン。1939年に就役した。北朝鮮軍にも供与されている。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜４５−５６＞：ソ連軍の航空魚雷。投下可能最大高度1000m、投下可能最大速度420km。Il-28に搭載できる。中国軍も轟炸５型に搭載した。参考：月刊軍事研究8,’07

＜４５ｍｍ対戦車砲（ソ連）＞：M1932またはM1937またはPTP1932/37を参照。

＜４５型シリーズ＞：イギリス海軍ミサイル駆逐艦Type-45、別名デアリング（Daring）級。42型の後継で、当初はホライゾン・プロジェクトで建造する予定だったが、1999年4月に離脱、共同開発したPAAMS対空戦闘システムのみ導入することにし、他は全て新設計した。参考：月刊軍事研究10,’10

＜４５型＞：船体はステルス性を考慮した構造で、船型は平甲板型、上構側面を船体側面と逆傾斜にし、砲塔も傾斜面で構成、内火艇は艦内に収容し、開口部は全て扉で塞がれる。音響ステルスはあまり考慮していないようで、太鼓を叩いているようだと揶揄されているらしい。上構は前方から艦橋及び前部タワーマスト（フォアマスト。多機能レーダー搭載）、煙突、中央単脚マスト（メインマスト。通信・ESMアンテナ搭載）、後部タワーマスト（長距離レーダーマスト。広域捜索レーダー搭載）、ヘリ格納庫の順に並ぶ。25年にわたり現役に就くことが想定されており、追加装備を搭載するためのスペースも十分に確保されている。対空戦闘システムはPAAMSをベースにイギリス独自の機器を採用するなどしたシー・ヴァイパーで、センサーには長距離対空捜索レーダーS1850M（1046型。長距離レーダーマストトップ）と、サンプソン多機能レーダー（1045型。フォアマストトップ、水面から35mのところにあり、避雷針付き球形レドームごと回転する）を使用。砲及び機関砲の管制用にGSA9射撃指揮装置を搭載しており、シリーズ2500 EOGCSを艦橋上両舷に１基ずつ装備する。他にケルビン・ヒューズ社製1007型Ｘバンド対水上レーダー（1048型？）とレイカル・デッカ社製1008型Ｓバンド航海レーダー（1047型？）が前部タワーマストの中程にあるスポンソンに搭載されている。VLSはシルヴェールA50を搭載しているが、将来的にトマホークやスカルプ・ナヴァールを使用できるようMk41やシルヴェールA70への換装も考慮されているらしく、装備位置は主甲板から一段高くされていて、より大型のVLSへの積み替えが可能となっている。電子戦機器はアウトフィットUAT（フォアマスト上部にアンテナ８基が付く）及びCESM（通信周波数帯電波探知器。煙突後方の細長いマスト状構造物）だが、後者は就役には間に合わない可能性がある。戦闘指揮管制システムはCMS-1で、ADAWSをベースに民生品を多用してコストを抑えつつ改良したタイプである。データリンクとしてリンク11、リンク14、リンク16を搭載。CICに相当するオペレーションルームにはオペレーター用の３画面フラットディスプレイ（21インチ／533mm１基、18インチ／457mm２基）が22基ずらりと並び、戦闘管理画面が様々に表示される。全長152.4m、幅21.2m、吃水5.3m（5.7m？）、基準排水量5800トン、満載排水量7570トン。主機関は統合電気推進方式、ノースロップグラマン／ロールスロイスWR21ガスタービン（21MW。49.7MW？）２基・低速航行用ヴァルチラ／ヒッツィンガー社製12V200ディーゼル発電機（2MW）２基・アルストムAIM電動モーター（20MW）２基、出力54400馬力、固定ピッチプロペラ２軸推進、最大速力31ノット、連続最大速力27ノット、航続距離は巡航速力18ノットで7000海里。兵装はアスター15/30SAM用８セルVLSシルヴェールA50が６基（主砲と艦橋の間で、更に２基追加できるスペースがある。アスター15SAM16発＋アスター30SAM32発。シーヴァイパーSAMも搭載可能）、RGM-84Cハープーン・ブロック�TＢ／ハープーン・ブロック�U艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（VLSと艦橋の間。後日搭載で、2015年現在２隻が装備）、55口径114mm砲Mk8Mod1（800発。前甲板）、ファランクス・ブロック�TＢ２基（中央マスト直前両舷、後日装備予定）、スティング・レイ軽魚雷発射管４基（後日装備予定）、30mm機関砲REMSIG／DS30M Mk2が２門、7.62mm単装機銃（艦橋脇の回廊両舷やヘリ甲板両舷）、7.62mmミニガン（チャフ甲板両舷）。チャフ／フレアディスペンサーはBAEシステムズ社製アウトフィットDLH ８連装発射機４基で、Mk251フレア、Mk214セダクション・チャフ、Mk216ディストラクション・チャフを射出できる。対ミサイル・デコイとしてFDS-3コーナー・リフレクター・デコイ用IDS300発射機を前甲板両舷に２基ずつ搭載する。対潜用ソナーはウルトラ・エレクトロニクス社製MFS7000バウ・ソナー。水上艦魚雷防御システムSSTD（Surface Ship Torpedo Defence）としてシーセスター対魚雷防御システム、2170型ソナー、曳航音響デコイ、射出型音響デコイを装備。マーリンHM1対潜ヘリ１機またはリンクスHAS3/HMA8ヘリ１機（２機？）を搭載可能で、シー・スキュアによる対艦攻撃が行える。乗員190名（士官20名、下士官・兵170名）。追加で特殊部隊など45名が乗艦できる。本来は2014年までに計12隻が就役予定だったが、戦闘マネージメントシステムの開発遅延、機関系の開発費上昇、社会情勢変化などで８隻に減らされた。７・８番艦はトマホーク（VLSはMk41）またはスカルプ・ナヴァール巡航ミサイル（VLSはシルヴェールA70）を搭載可能となり、主砲を155mm榴弾砲L31（AS90と同じもの）に換装する予定で、スペースを十分に確保した設計となっているが、L31を搭載する場合にはVLSのスペースを一部圧迫してしまう。最終的に建造隻数は６隻になり７・８番艦は計画中止とされ、D32デアリング、D33ドーントレス、D34ダイアモンド、D35ドラゴン、D36ディフェンダー、D37ダンカンが2009-13年に就役した。2010年代、ESMをUATからUAT Mod2.0/Mod2.1に換装した。2016年6月7日、中東に派遣されている本級が故障を頻発している事に関してイギリス議会で質疑が行われ、メーカー側は計画時に想定していなかった高温環境に主機用吸気中間冷却器（インタークーラー）の能力が追いつかないのが原因であると答弁した。順次改修を加える予定である。2026-32年、主砲とシルヴェールの間の空きスペースにCAMM用24セルVLSを追加し、アスター15の運用を止めてシルヴェールにはアスター30のみ搭載する改修を行う予定。参考：月刊軍事研究10,’10、4,’07、1,’07、2,’07、5,’01、9,’04、11,’07、12,’10、3,’13、月刊世界の艦船3,’16、10,’17、12,'21、8,’13、2,’14、1,’04、10,’11、3,’07、1,'15増刊、9,’16、10,'21、5,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜４５型（プロジェクト・ネピア）＞：トラブル続きの主機を改良する計画。低速航行用12V200ディーゼル発電機をロースル・ロイス・パワーシステムズ社製MTU20V4000M53Bディーゼル発電機（出力3MW）３基に強化し、高速航行用WR-21ガスタービンを改良する。ディーゼル発電機の強化PIP（Power Improvement Project）は2020年代前半に全艦で完了させる予定で、2019年10月から作業を開始する予定だったが、2020年秋からに先延ばしされてD33ドーントレスが換装に入り、2022年4月からD35ドラゴンが続いた。参考：月刊世界の艦船6,’18、2,’20、8,’20、12,’21、7,’22

　＜４５型（対艦弾道ミサイル防衛改修）＞：2022年5月24日、Maritime Ballistic Missile Defenceという名称で計画を発表した。サンプソン多機能レーダーとシー・ヴァイパーMFCSを改良し、アスター30ブロック�T艦対空ミサイルで対艦弾道ミサイルを迎撃する。参考：月刊世界の艦船8,’22

＜四五式十五糎加農＞：日本陸軍のカノン砲。攻城重砲として製作されており、主任務は遠距離砲撃及び対砲兵戦で、榴弾と榴霰弾を使用する。復座機は開発当初バネ式だったが、空気式に換装して完成した。要塞設置用の固定砲床と、四五式二十四糎榴弾砲と同じ移動砲床型の２種がある。腔圧が高いため、砲身命数が1000発しかなく、演習時は減装薬を使用した。実口径149.1mm、放列砲車重量22.8トン（固定式）／26.136トン（移動式）。俯仰角はマイナス８度からプラス30度、全周旋回可能。後座長1.2m。使用弾は九三式榴弾（弾量40.6kg、炸薬量7.77kg、威力半径60m）、九三式尖鋭弾（弾量40.2kg、炸薬量5.47kg、威力半径38m）、破甲榴弾で、初速毎秒875m、最大射程20200m。分解して重砲運搬車16両で輸送可能。昭和10年に仰角43度を取れるよう改修された改造固定式が開発され、最大射程が22600mに延び、防盾を付けて対馬砲台や津軽砲台に設置された。参考：大砲入門

＜四五式二〇糎榴弾砲＞：日本陸軍の榴弾砲で、日本初の砲身後座式火砲である。旅順要塞攻略戦の戦訓を元に開発され、明治39年7月にバネ式復座機バージョン（甲号）の図面が完成したが、バネ室が長すぎたので空気式復座機に変更した乙号の図面も作り、明治41年に１門ずつが完成、試験の結果空気式復座機を採用することにした。砲床は鉄製の組み立て式で、部品重量を20kg以内に収めてあり、設置工事をしやすくしている。また、人力操作の四脚十頓起重機も開発され、分解組み立てを容易にした。口径200mm、俯仰角はマイナス２度からプラス65度、全周旋回可能。初速毎秒480m、最大射程10350m。明治42年10月に特別演習で好成績を上げ、制式化されたが、威力が不十分と考えられたため量産には移されず、準備済みの材料だけで製造され、完成後はそのまま船積みされて青島要塞攻略戦に投入された。大正4年12月に総てロシアに引き渡されており、そのためか写真や図面が一枚も残っていない。参考：大砲入門

＜四五式二十四糎榴弾砲＞：日本陸軍の榴弾砲。旅順要塞攻略戦の戦訓を元に開発された240mm榴弾砲で、四五式二〇糎榴弾砲の口径拡大型として大正元年12月に制式採用された。水圧空気式駐退復座機と段隔螺式閉鎖機を装備している。砲身車、揺架車、砲架車、架筐車、運材車10両に分載して牽引車での運搬が可能であり、一晩の内に布陣し、偽装網を被せて対空防御まで完了することができたという。ただ反動を受け止めるために砲床を地面に埋め込む必要があった。口径240mm、砲身長16.2口径、重量33.058トン。俯仰角はマイナス２度からプラス65度、全周旋回可能。使用弾は重量200kgの破甲榴弾で、砲口初速毎秒387.4m、最大射程10350m、発射速度毎分１発。初陣は青島要塞攻略戦で、満州事変では密かに持ち込まれて奉天の中国軍に砲撃を行い、太平洋戦争末期のソ連侵攻の際にも反撃の砲火を送り込んだ。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊戦車マガジン10,’78、大砲入門、月刊丸11,’09、日本戦車隊戦史

＜４５フィート型通船＞：イギリス海軍通船。MFV740、MFV767、MFV775、MFV816、MFV911が竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜４６＞：イギリス海軍フィジー級軽巡洋艦トリニダード（Trinidad）。1940年竣工。1942年3月、ソ連向けPQ13北海船団を護衛中にドイツ駆逐艦を攻撃して撃沈したが、発射した魚雷がジャイロスコープ凍結で方向を失い、自艦の右舷に命中。ムルマンスクで修理を受けて帰路についたが、爆撃を受けて大破し、雷撃処分された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜４６＞：ポーランド海軍ミハイ・コガルニチャヌ級河用砲艦２番艦イオン・Ｃ・ブラティアヌ（Ion C. Brătianu）。1994年就役。2018年8月、ルーマニア統合100周年記念式典に参加。参考：月刊世界の艦船4,’19

＜４７＞：イギリス海軍フューリアス級空母フューリアス（Furious）。1916年6月に大型軽巡洋艦として起工、途中で設計変更され、1917年6月26日に航空機搭載艦として就役した。8月2日、フューリアス飛行長ダニング中佐がソッピース・バップ戦闘機による着艦実験に成功。発艦甲板に艦後方から低速で接近、機を横滑りさせて甲板上に位置し、甲板要員が機体に取り付けてある環索を掴んで着艦させるという方法だった。8月7日、２回目の着艦実験を実施。ダニング中佐は自力着艦を望み、着艦するまで環索に触らないよう甲板要員に頼んでいたが、甲板に接触した左主輪がパンクしてしまい、甲板要員が環索を掴む間もなく甲板から滑り落ちてダニング中佐は死亡した。以降の着艦実験は禁止されたが、着艦も可能となれば運用の幅が大きく広がるため、1917年11月に艦後部に着艦甲板を設ける第１次改装を開始。1918年3月15日、第１次改装を終了して再就役した。6月19日、艦隊に触接してきた飛行船を搭載機で撃墜し、世界初の空母による戦果を記録した。7月19日、搭載した７機のソッピース・キャメルによりデンマークのユラン半島テナアにあるドイツ軍飛行船基地を爆撃、飛行船２機を破壊したが、距離計算を間違えたため、母艦に帰還できたのは１機のみで、残りはデンマークに不時着した。1922年6月、第２次改装を開始。1925年8月（9月？）、第２次改装を終了して再々就役。第２次大戦中は本国艦隊に所属した。1944年4月3日、タングステン作戦に参加。9月15日、予備役に編入され、練習艦として使用された。1948年に除籍されてスクラップとして売却され、1954年に解体を完了した。参考：月刊世界の艦船1,'23、11,’15、3,'21、月刊丸10,’93、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊軍事研究9,’07、護衛空母入門

＜４７＞：コロンビア海軍20デ・フリオ級哨戒艦２番艦７デ・アゴスト（7 de Agosto。8月7日、コロンビア独立戦争ボヤカの戦いの戦勝記念日）。2014年就役。2020年11月2-11日、ユニタス2020に参加。参考：月刊世界の艦船2,’21

＜４７＞：パキスタン海軍福清型補給艦ナスル（Nasr）。1987年8月就役。2009年3月5-14日、アマン09に参加。2022年11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船6,’09、1,’23

＜４７／３２モデル３５＞：イタリア軍の35.8口径47mm対戦車砲。使用弾は重量1.44kgの徹甲弾で、初速毎秒630m。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜４７／３２モデル３５海外シリーズ＞

　＜ＰａＫ１７７（ｉ）＞：ドイツ軍が使用したもの。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜４７／３２カノン・モデル３９＞：イタリア軍の35.8口径47mm対戦車砲。重量277kg。重量1.44kgの徹甲弾を使用し、砲口初速毎秒630m、装甲貫徹力40mm（射距離500m）。参考：月刊PANZER5,’05、11,’03

＜４７ｍｍ３５Ｂ＞：オーストリア軍の39.4口径47mm対戦車砲。重量336kg。砲口初速毎秒670m、装甲貫徹力44mm（射距離500m）。参考：月刊PANZER11,’03

＜４７ｍｍ戦車支援砲＞：M2軽戦車ファミリーを参照。

＜４８＞：イギリス海軍フィジー級軽巡洋艦ガンビア（Gambia）。1942年竣工。1968年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜４８Ｎ６＞：ロシア海軍のS-300PM/S-300FM/3K96用艦対空ミサイルで、米軍コードはSA-N-20、NATOコードはガーゴイル（Gargoyle）。全長7.5m、直径0.5m、発射重量1.78トン、弾頭重量0.15トン。最大速度マッハ８以上、限界荷重30-35G、射程150km。誘導はTVM方式である。飛翔速度毎秒2.8kmまでの弾道ミサイルを迎撃することも可能で、この際の最大射程は40km。参考：月刊軍事研究11,’11、7,’12、月刊世界の艦船12,’18

＜４８Ｎ６ＤＭ＞：ロシア陸軍S-400用地対空ミサイル／ロシア海軍3K96用艦対空ミサイル。秒速4.8km・射程2500kmの中距離弾道ミサイルも迎撃できる。最大射程は対航空機で400km（250km？）、対弾道ミサイルで240km。参考：月刊軍事研究11,’14、月刊世界の艦船12,’18

＜４８Ｎ６Ｅ＞：ロシア軍のS-300PMU1/S-300F用地対空／艦対空ミサイル。全長7.5m、直径0.519m、翼スパン1.13m、発射重量1900kg、弾頭部重量143kg。飛翔速度毎秒2100m、最小射高25m（10m？）、最大射高25000m、最小射程5km、最大射程150km。対応可能目標速度毎秒2800m。誘導は慣性／指令誘導、TVM、SARH。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊軍事研究3,’15、4,’00

＜４８Ｎ６Ｅ２＞：ロシア軍のS-300PMU2/S-300FM/3K96リドゥート用地対空／艦対空ミサイルで、米軍コードはSA-N-20、NATOコードはガーゴイル（Gargoyle）。全長8m（7.5m？）、直径0.6m（0.519m？）、翼スパン1.2m、発射重量2250kg（1800kg？）、弾頭部重量180kg。誘導はTVM方式（3K96では中間INS＋指令誘導、終末SARH）で、飛翔速度毎秒2100m（マッハ６）、最小射程3km、最大射程200km（対弾道ミサイルで40km）、迎撃可能高度10-27000m。対応可能目標速度毎秒7500m（マッハ8.5？）。1995年にスカッドミサイルの迎撃に成功した。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船5,’13、8,’13、11,’17、月刊軍事研究6,’14、1,’98、1,’18

＜４８Ｎ６Ｍ＞：ロシア海軍3K96用艦対空ミサイル。射程200km。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜４９式短機関銃＞：PPSh41海外シリーズを参照。

＜４０１＞：インドネシア海軍209/1300型潜水艦１番艦カクラ（Cakra）。1981年就役。2003年末に韓国との間で主機のオーバーホール及び戦闘システム近代化契約を締結した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究5,’04、現代の潜水艦

＜４０１＞：中国海軍091型漢級攻撃原潜１番艦長征１号または長征01（Changzheng 01）。1967年（1968年？）起工、1970年12月進水。1971年、原子炉が臨界に達した。1974年8月1日（中国建軍記念日）就役。当初は艦番号1701だった。放射能漏れなどのトラブルを多発し、1980年代後期になって漸く本格的に就役した。ただ騒音が酷く、殆ど稼働しない状態で係留されたままとなっていた。2003年（2000年？）に退役した。2016年10月15日、曳船に曳かれて青島の中国海軍博物館に到着。2017年4月24日から記念艦として公開されている。見学料100元。１日に4-5回のガイドツアーもあり、艦内（魚雷発射管室など）に入れるが、撮影禁止で、発令所や作戦所には入れない。原子炉区画や主機・補機室も回るが、原子炉など収容機器自体は仕切りで目隠しされている。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船10,’19、9,’11、8,’17、9,’17、4,’22

＜４０１型＞：BAeが開発した赤外線ラインスキャン偵察ポッド。赤外線探知装置はジュール・トムソン効果（圧縮空気を急膨張させて温度を下げる）により冷却され、左右の視野は120度。全長604mm、重量34kg。イギリス空軍ジャギュア攻撃機に搭載されている。参考：スパイ機

＜４０２＞：インドネシア海軍209/1300型潜水艦２番艦ナンガラ（Nanggala）。1981年就役。1986-89年、HDW社で大規模修理を受けた。1997年10月から1999年半ば、スラバヤで電池交換などの修理を受けた。2006年、韓国で近代化改装を受け、戦闘システムや主機を換装、4月に完工した。2012年、韓国で24ヶ月間のオーバーホールを受けた。2014年、シュノーケル系統に浸水して想定以上に沈降する事故を起こした。2015年6-8月、カラット2015に参加。2017年、シュノーケル系統に浸水して想定以上に沈降する事故を起こした。2020年、修理予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期された。2021年4月21日0300（現地時間）、魚雷の実射訓練中にバリ島北方95km（水深800m）で潜入の許可を得た直後に連絡が途絶え、訓練結果の報告が無いため海軍も異常に気付いた。訓練に同行していたフリゲート331ラディン・エディ・マルタディナタ、332グスティ・ングラ・ライ、コルベット365ディポネゴロが捜索を開始、コルベット357ブン・トモ、カピタン・パティムラ、掃海艇パラウ・レンガト、パラウ・リマウ、海洋観測艦リゲル、病院船990ドクター・スハルソ、潜水艦アルゴロなども加わり、シンガポール海軍救難船スイフト・レスキュー、マレーシア海軍救難艦メガ・バクティ、インドDSRV、オーストラリア海軍フリゲートFFH155バララト、給油艦O226シリウス、アメリカ海軍P-8A哨戒機１機にも協力を仰ぎ、潜航開始地点から3km離れた深度838mの海底で部品の一部が発見・回収されたため、4月24日にインドネシア海軍が沈没と乗員53名全員の死亡を発表している。4月27日、インドネシア海軍少将（元潜水艦乗員）が、深度13mで異常が発生し沈没したと記者会見で発表した。原因として、巨大な内部波に巻き込まれた可能性があるとしているが、海洋で潜水艦を制御不能に陥れるような内部波はまず発生しないのと、4月22日の段階でワシントン・ポスト紙が電気系統の故障との海軍関係者の話を載せていることから、最初に電源の喪失があって沈降が止まらなくなり、手動でのメインタンク・ブローが間に合わず圧壊深度を超えたとみられる。船体引き揚げは中国が試みたができなかったため、インドネシア海軍では諦めることにした。2021年6月27日、海自遠洋練習航海部隊TV-3508かしまとTV-3518せとゆきが洋上慰霊祭を実施。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’15、7,’21、9,’21、10,’21

＜４０２＞：中国海軍091型漢級攻撃原潜２番艦長征２号（長征Changzheng 402？）。1974年起工、1977年進水、1980年1月竣工。１番艦401同様放射能漏れなどのトラブルを多発し、1980年代後期（1980年12月？）になって漸く実質的に就役した。ただ１番艦401と同じくこちらも殆ど稼働しない状態で係留されたままとなっていた。2007年（2005年？）に退役した。2014年に解体された模様。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船9,’11、4,’22

＜４０３＞：インドネシア海軍チャン・ボゴ級潜水艦１番艦ナーガパーシャ（Nagapasa）。2016年3月24日進水。2017年8月2日、韓国で引き渡された。8月28日、スラバヤに到着。参考：月刊世界の艦船11,’17、11,’16

＜４０３＞：中国海軍091型漢級攻撃原潜３番艦長征３号または長征03（Changzheng 03。長征Changzheng 403？）。1980年起工、1983年進水、1984年1月就役。1998年から2000年初め、近代化改装を実施。2016-17年現在、北海艦隊に配備されている。2019-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船4,’16、2,’10、9,’11、3,’17、2,’19、2,’20、4,’21、4,’22

＜４０４＞：インドネシア海軍チャン・ボゴ級潜水艦２番艦アルダデダリ（Ardadedali）。2016年10月26日進水、2018年就役。参考：月刊世界の艦船4,’20

＜４０４＞：中国海軍091G型漢級攻撃原潜１番艦（漢級シリーズ４番艦）長征４号または長征04（Changzheng 04。長征Changzheng 404？）。1984年起工、1987年進水、1988年11月（1987年10月？）就役。1998年から2000年初め、近代化改装を実施。2016-17年現在、北海艦隊に配備されている。2019-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船4,’16、2,’10、3,’17、2,’19、2,’20、4,’21、4,’22

＜４０５＞：中国海軍091G型漢級攻撃原潜２番艦（漢級シリーズ５番艦）長征５号または長征05（Changzheng 05。長征Changzheng 405？）。1987年起工、1990年進水、1990年12月就役。2000-02年、近代化改装を実施。2004年11月10日、日本の領海を侵犯した。2016-17年現在、北海艦隊に配備されている。2019-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船4,’16、10,’18、2,’10、3,’17、2,’19、2,’20、4,’21、4,’22

＜４０６＞：長征09（戦略原潜）を参照。

＜４０６＞：中国海軍092型夏級戦略原潜１番艦、長征06（Changzheng 06。長征406、Changzheng 406？）。1971年（1978年説あり）起工、1981年進水、1987年就役。1988年9月、巨浪１型SLBMの試射に成功した。ただ戦略パトロールには就いていない。1995年から３年かけて改装を受けたとされるが、詳細は不明。搭載弾道ミサイルを巨浪1Aに換えたともいわれるが、相変わらず戦略パトロールは行わなかった。2016年現在、北海艦隊に配備されている。その後程無く退役したようだが、2021年現在もひっそり現役にある説もある。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船2,’10、3,’19、4,’22

＜４０７＞：中国海軍093型商級攻撃原潜１番艦、長征07（Changzheng 07）。1994年起工、2002年進水、2006年12月就役、南海艦隊に配備された。2016年現在、北海艦隊に配備されている。2017年現在、南海艦隊に配備されている。2018年現在、北海艦隊に配備されている。2019-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船9,’11、4,’16、3,’17、3,’18、2,’19、2,’20、4,’21、4,’22

＜４０８＞：中国海軍093型商級攻撃原潜２番艦、長征08（Changzheng 08）。2000年起工、2003年進水、2007年6月就役、南海艦隊に配備された。2016年現在、北海艦隊に配備されている。2017年現在、南海艦隊に配備されている。2018年現在、北海艦隊に配備されている。2019-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船5,’15、4,’16、3,’17、2,’19、2,’20、4,’21、4,’22

＜４０９＞：長征09（戦略原潜）を参照。

＜４０９＞：中国海軍093A型商級攻撃原潜１番艦（093型シリーズ３番艦）、長征01（Changzheng 01）。2012年就役、南海艦隊に配備された。2017-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船5,’15、4,’16、3,’17、2,’19、2,’20、4,'21、4,’22

＜４１０＞：長征10（戦略原潜）を参照。

＜４１０＞：中国海軍093A型商級攻撃原潜１番艦（093型シリーズ４番艦）長征02（Changzheng 02）。2015年就役。2020-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜４１１＞：長征09（戦略原潜）または長征11（戦略原潜）を参照。

＜４１２＞：長征10（戦略原潜）または長征11（戦略原潜）または長征12（戦略原潜）を参照。

＜４１２型ストレッチャー＞：航空自衛隊救難隊のストレッチャー。下面が平らになっており、軽傷者の救助に使う。参考：月刊JWings12,’99

＜４１３＞：長征10（戦略原潜）または長征11（戦略原潜）を参照。

＜４１３＞：タイ海軍練習艦ピンクラオ（Pinklao）。元はアメリカ海軍カノン級護衛駆逐艦DE-746ヘミンガーで、1959年に譲渡された。2015年現在の兵装は76mm砲３門、324mm短魚雷単装発射管６門。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船2,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜４１４＞：長征12（戦略原潜）を参照。

＜４１４＞：中国海軍093B型商級攻撃原潜１番艦とみられていた艦。推定艦名が長征14だったことからして艦番号416の旧番号かダミーだったかもしれない。参考：月刊世界の艦船3,’18、2,’19

＜４１５＞：中国海軍093A型商級攻撃原潜２番艦（093型シリーズ５番艦）、長征13（Changzheng 13）。2009年起工、2012年進水、2015年2月（2016年12月？）就役。2020-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、6,’21、4,’22

＜４１６＞：中国海軍093A型商級攻撃原潜３番艦（093型シリーズ６番艦）、長征14（Changzheng 14）。2010年起工、2013年進水、2016年就役。2018年現在、南海艦隊に配備されている。2019-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜４１６＞：リビア海軍ナヌチュカ�U型ミサイル艇１番艇Ean Mara。1981年10月にリビアに回航された。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜４１６Ｌシステム＞：SAGE（防空システム）を参照。

＜４１６型ストレッチャー＞：航空自衛隊救難隊のストレッチャー。フレームに金具をかけることが可能で、下面が半円形になっており、重傷者の救助に使用する。参考：月刊JWings12,’99、11,’06

＜４１７＞：長征17（戦略原潜）を参照。

＜４１７＞：リビア海軍ナヌチュカ�U型ミサイル艇２番艇Ean Al Gazara。1983年2月にリビアに回航された。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜４１８＞：イネイ（ミサイル艇）を参照。

＜４１８＞：中国海軍093B型攻撃原潜１番艦（093型シリーズ７番艦）、長征15（Changzheng 15）。2017年就役。2019-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’19、2,’20、4,’21、4,’22

＜４１８＞：リビア海軍ナヌチュカ�U型ミサイル艇３番艇Ean Zara。1984年2月にリビアに回航された。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜４１９＞：中国海軍093B型攻撃原潜２番艦（093型シリーズ８番艦）、長征16（Changzheng 16）。2018年就役。2019-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’19、2,’20、4,’21、4,’22

＜４２０＞：長征17（戦略原潜）または長征18（戦略原潜）を参照。

＜４２１＞：タイ海軍ナレースアン級フリゲート１番艦ナレースアン（Naresuan）。1994年就役。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。2019年4月6日、フリゲートのバンパコンと共に、アメリカ海軍佐世保基地に寄港。4月23日、中国海軍創設70周年記念国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船2,’18、7,’19

＜４２１−０４Ｍ＞：ロシア陸軍が2010年9月に採用を決定した小型UAV。全翼機で、機体下面にセンサーを搭載する。滞空時間90分。参考：月刊軍事研究2,’11

＜４２２＞：タイ海軍ナレースアン級フリゲート２番艦タクシン（Taksin。トーンブリ王朝の王）。1995年9月28日就役。2017年11月21日、第１回ASEAN多国間海上訓練でメディア艦を務めた。2018年9月28日、クラビ級コルベット551クラビと共に、アメリカ海軍佐世保基地を訪問した。参考：月刊世界の艦船12,’18、月刊軍事研究12,’18

＜４２３型＞：アルスター級（情報収集艦）を参照。

＜４２９／１（ｅ）＞：No75海外シリーズ（対戦車手榴弾）を参照。

＜４３０＞：カナダ海軍ハリー・デウォルフ級砕氷哨戒艦１番艦ハリー・デウォルフ（Harry DeWolf）。2015年9月起工、2018年9月15日進水、2019年11月22日造船所公試開始。2020年7月31日竣工、カナダ海軍に引き渡された。その後は海軍公試に入っている。10月13日、乗員と公試関係者がヘリ甲板で大西洋の戦い記念式典を実施。2021年2月、海軍公試の一環としてフロビッシャー湾で寒冷地試験を実施。5月下旬、ノヴァスコシア沖でCH-148ヘリによるヘリ発着運用限界SHOL（Shipboard Helicopter Operating Limits）確認試験を実施。6月26日、ノヴァスコシア州ハリファックスで就役式典を実施。参考：月刊世界の艦船12,’18、2,’20、10,’20、1,’21、3,’21、5,’21、8,'21、9,’21

＜４３２＞：イギリスのヴィッカーズ社が開発した高々度迎撃戦闘機で、1942年12月24日に初飛行したが、ウェルキンに負けて採用されなかった。全長12.38m、全幅17.34m、全備重量9160kg。エンジンはロールスロイス社製マーリン61（1565馬力）双発、最大速度700km、実用上昇限度11280m。固定武装は20mm機関砲６門。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜４３２＞：タイ海軍ターピー級コルベット２番艦キリーラット（Khirirat）。1974年就役。1987年、改装工事を完工し、砲をオットー・メララ社製76mm単装砲１門とボフォース40mm単装機関砲１門に換装した。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船2,’18

＜４４０Ｌ＞：アメリカのOTH-Fレーダー計画番号。ICBM発射時のロケット排気による電離層の乱れをキャッチするもので、フィリピンに短波送信所、イギリスに受信所を設置して1966年に試験運用に成功、1967年から運用された。発射されたことが分かるだけで、詳しい位置などは一切不明なため、1974年には弾道ミサイル探知衛星に後を譲って退役した。参考：ザ・マーチ33号

＜４４１＞：イラン海軍前方基地艦マカラン（Makran）。全長228m・幅42m・排水量120000トンのタンカーの露天甲板前半分に、船体幅一杯の大型ヘリ甲板を設置し、ヘリ甲板後方の艦中央に大型クレーン１基を設けている。発着スポットは１カ所で、格納庫やエレベーターは無いが、発着スポット前後にはRH-53D掃海ヘリ１機とAB204ASW対潜ヘリ２機を横に並べて駐機できるくらいのスペースがある。2021年1月13日に存在を公表した。2021年7月25日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日祝賀行事（艦艇パレード）に参加。参考：月刊世界の艦船4,’21、10,’21

＜４５０＞：ラズリーフ（ミサイル艇）を参照。

＜４５０＞：自衛隊のスラング。演習などで１週間以上風呂に入っていない隊員のことで、「汚れ」の当て字である（読みはヨンゴーマル）。参考：MAMOR vol.100

＜４５２＞：中国海軍722�U型エアクッション揚陸艇１番艇。参考：月刊軍事研究4,’05

＜４５６Ｌシステム＞：アメリカ戦略航空コマンドが1965年から運用した戦略部隊コントロールシステム。ネブラスカ州オファット空軍基地にある戦略航空コマンド地下指揮センターと世界中の戦略部隊基地を有線・無線・衛星通信、テレタイプ、電送ファックスなどで結んでおり、基地の情報を毎分10000語でセンターに送り、センターのコンピュータで処理して自動的にボードに表示する。センターからの指令は毎分3000語で基地側に送られる。出撃・攻撃命令は大統領用の金色電話または戦略航空コマンド司令官用の赤色電話で各基地に伝達される。空中待機している爆撃機には、各地のVHF通信中継所（グリーン・パイン・ネットワークなど）を介して基地の通信設備から指令を送る。オファット空軍基地の指揮センターが破壊された時に備え、ルイジアナ州バークスデール基地の第２航空軍司令部、マサチューセッツ州ウエストオーバー基地の第８航空軍司令部、カリフォルニア州マーチ基地の第15航空軍司令部にサブセンターが設けられている。地上施設が全て使えなくなった時は、戦略航空コマンド副司令官が搭乗するEC-135A/Jルッキング・グラスから命令を送る。参考：空軍

＜４５８＞：タイ海軍チャオプラヤ級フリゲート４番艦サイブリ（Saiburi）。1992年就役。1996年7月8-13日、アメリカ海軍横須賀基地を訪問した。2016年2月6日、インド国際観艦式に参加。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船7,’16、9,’96、2,’18

＜４６３Ｌ＞：アメリカ軍の輸送機・輸送ヘリ用標準貨物パレット。1960年代初期に実用化され、C-130輸送機から運用された。アルミ製で、周囲にリングが付いており、拘束ベルトを引っ掛けて貨物を固定する。大きさ2.24m×2.74m、重量限度10355ポンド（4.536トン）。搭載可能な貨物高は搭載機側の貨物室高で決まる。地上機材も同時開発されており、荷台ごとパンタグラフのように上下するＫローダーが製作された。参考：月刊軍事研究7,’95、10,’07、月刊JWings2,'22、世界航空機年鑑2018-2019

＜４７１＞：タイ海軍DW3000Fフリゲート１番艦プミポン・アドゥンヤデート（Bhumibol Adulyadej。ラーマ９世国王の通称）。当初はターチン（Tachin）という艦名で、2017年1月23日進水、2018年12月14日に韓国の大宇造船海洋で引き渡された。12月25日、香港に寄港。2019年1月5日、タイに到着。その後プミポン・アドゥンヤデートに改称し、2019年（2018年12月？）に就役した。2020年7月9日、第202飛行隊H145Mヘリ及びベル212ヘリが発着艦試験を実施。2022年9月12-16日、ダーウィン周辺海域でカカドゥ22に参加。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船4,’19、3,’19、8,’20、10,’20、12,’22、1,’23

＜４７１型＞：コリンズ級（潜水艦）を参照。

＜４７４＞：アルジェリア海軍カラート・ベニ・アベス級ドック型揚陸艦カラート・ベニ・アベス（Kalaat Beni-Abbes）。2014年1月8日（23日？）進水、9月竣工。その後公試と就役訓練を行い、2015年3月にアルジェリア海軍に引き渡され、9月4日に就役した。参考：月刊世界の艦船10,’17、5,’16、3,’15、4,’14、JShips VOL.70

＜４８９＞：台湾海軍LCU-1610級敷設艇合川（Hochuan）。2014年7月16日、第192艦隊機雷作業大隊に配備された。11月23日、左営基地で一般公開された。参考：月刊世界の艦船4,’15

＜４９０トン型油船＞：海上自衛隊油船。全長46.5m、載貨重量440トン。主機はディーゼル、２軸推進、速力９ノット。YO-47油船47号などが建造された。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜４９１型＞：ミャンマー海軍ミサイル哨戒艇Type-491。兵装はC-802艦対艦ミサイル連装発射筒２基など。2013年から２隻が竣工し、更に８隻作る予定。参考：月刊世界の艦船10,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜４９２＞：台湾海軍LCU-1610級敷設艇合茂（Homou）。2014年7月16日、第192艦隊機雷作業大隊に配備された。11月23日、左営基地で一般公開された。参考：月刊世界の艦船4,’15

＜４０００ＭＶ＞：アメリカのインターナショナル・ミリタリー・ヴィークル社が開発した４×４輪装甲化トラック。キャビンには7.62mm弾に耐えられる装甲が施されており、上面には機銃を搭載できる。参考：月刊軍事研究9,’06

＜４１３０鋼＞：クロム・モリブデン鋼で、航空機用構造材として使用される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜４３４０鋼＞：ニッケル・クロム・モリブデン鋼で、航空機用構造材として使用される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜４３４０Ｍ鋼＞：4340鋼を改良した超高張力鋼。真空中で素材を溶解することにより不純物の混入を防いでいる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜４５００トン型護衛艦＞：海上自衛隊計画護衛艦。もがみ型護衛艦の改良型で、もがみ型13番艦以降をこちらに振り替えた。船体下に多機能ソナーを装着して対潜戦能力を向上させ、新艦対空ミサイルや12式地対艦誘導弾能力向上型（艦発型）など新型ミサイルの運用能力を備える（ミサイル自体は後日装備）。VLSを32セルに増やすかもしれない。イメージ図ではタワーマストのプラナー・アレイ・アンテナ装着位置が斜め４方向になっている。全長142m、最大幅17m、基準排水量4880トン。主機はCODAG方式、ディーゼル２基・ガスタービン１基、最大速力30ノット以上。兵装は62口径127mm単装砲Mk45Mod4が１門、Mk41VLS16-32セル（07式艦対潜ミサイル、新艦対空ミサイル）、12式地対艦誘導弾能力向上型（艦発型）４連装発射筒２基、シーRAM近接防御ミサイル１基、短魚雷発射管、簡易型機雷敷設装置。ヘリ、UAV、USV、UUVを搭載可能。１番艦の要求予算は874億円で、もがみ型１番艦の1.5倍、あさひ型１番艦の1.2倍強である。当初はもがみ型振り替え分の10隻を建造予定だったが、12隻に増えた。2023年8月25日、主契約社が三菱重工、下請負者がジャパン・マリンユナイテッドに決定した。参考：月刊世界の艦船11,’23、1,’24

＜４５０１型＞：ハンチントン・インガルス・インダストリー社が発表した哨戒艦。レジェンド級沿岸警備艇の軍用型で、Ｓバンドレーダー、Ｘバンドレーダー、57mm単装砲、20mmCIWS、12.7mm機銃６丁、デコイなどを装備する。参考：月刊世界の艦船4,’12

＜４９００トン型油槽船＞：海上自衛隊支援船。載貨重量4900トン（燃料6000キロリットル程度）を予定しているのが船名の由来で、船種記号はYOT（Yard vessel Transport Oiler）である。沖縄基地隊の艦艇用燃料タンクへの給油は民間タンカーに依託して行っていたが、契約から補給までに２ヶ月かかり、中国海軍艦艇の動向次第で変化する給油量に対応が困難なため、自前で揃えることにした。平時は民間製油所から海自基地への燃料輸送、呉から南西諸島向けの緊急燃料輸送、硫黄島への燃料輸送など、有事は危険地域への燃料輸送などを主任務とする。民間製油所に入港する機会が多いため、民間の内航タンカーに類似した構造を取り、一般商船規格NK規則に基づいて設計されており、海自艦船として初めて一般財団法人日本海事協会の船級を取得した。船型は船首尾楼型、船尾楼に船橋構造物があり、機関はアフト・エンジン１軸推進である。ステルス性は考慮しておらず（煙突の角が尖っているくらい）、煙突上部塗装や艦種記号−艦番号もロービジではない。船体内前部と中央部に貨油タンク12基を備え、ウェルデッキには燃料配管が張り巡らされ、ウェルデッキ中央左舷側に大型のリールが横置きされていて、沿岸に停泊して蛇管（フローティング・ホース）を600mほど延ばし、陸上からのホース（硫黄島基地なら長さ200m）と接続することで、岸壁の無い場所でも陸上燃料タンクに直接燃料を供給することができる。油船と同じく港内での艦艇への給油も可能。船首水線下はバルバス・バウで、バウ・スラスター１基を持つ。船体中央と右舷後部（煙突右後方）にクレーンを１基ずつ装備する。船橋構造物には荷役制御室があり、燃料搭載・移送の管理を行う。航海船橋には船長席に加え警備隊司令席も設置されている。乗員は退役自衛官を再任用しており、人手不足に対応した。船長室はもちろん甲板員室も全て個室で、女性用居住区画もある。食堂は乗員全員が座れる広さで、窓も付いていて、居住性は良好なようだ。全長104.9m、幅16m、深さ8m、総トン数3500トン。主機はディーゼル、出力3000馬力、１軸推進、航海速力12.6ノット。載貨重量4900トン（軽油・艦船用燃料・ジェット燃料計6000キロリットル）。乗員14名。2019年度（令和元年度）計画で２隻が要求されており、2020年5月21日に新来島どっくに２隻51億円で発注した。新来島波止浜どっくで建造し、１番船YOT-01は2022年4月22日、２番船YOT-02は2022年7月22日に竣工、両船とも呉警備隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’19、7,’19、1,'24、11,’18、1,’19、9,'20、6,’22、10,’22

＜４９２１型＞：ハンチントン・インガルス・インダストリー社が発表した哨戒艦。4501型の任務拡大型で、対水上／対潜／対空戦闘、機雷掃討が行える。参考：月刊世界の艦船4,’12

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