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＜００＞：イギリス海軍クイーン・エリザベス級戦艦クイーン・エリザベス（Queen Elizabeth）。1915年1月15日就役。1941年12月18日、アレクサンドリアでイタリア海軍潜水艦シーレから発進したSLCマイアーレの攻撃を受けて着底した。1948年6月に除籍された。参考：近代戦艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船1,’12、6,’09

＜００式１０５ｍｍ戦車砲用演習弾＞：陸上自衛隊の105mm戦車砲用演習弾。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究11,’05、1,’08

＜００式１２０ｍｍ戦車砲用演習弾＞：陸上自衛隊の120m戦車砲用演習弾。弾芯部が実弾よりも一回り太く（重量は同じ）、低融点金属を使用したネジで組み立ててある。実弾と同じ装薬で発射すると、実際と同じ弾道で飛翔し、２秒ほど経過（飛翔距離2300m）したところで摩擦熱により弾芯先端のネジが溶け、弾芯が３つに分解して落下する。ラインメタルの演習弾（弱装弾）のようにコンピュータによる弾道補正の必要が無く、砲手の手動照準でも2km以内なら実弾同様の射撃訓練が可能である。これにより国内の射場でも行進間射撃訓練が行えるようになり（それまでは演習場の外に飛び出す可能性が高いということで安全管理上許可されなかった）、富士総合火力演習でも2002年から行進間射撃が展示されるようになった。ダイキン工業製。参考：月刊丸2,’07、月刊軍事研究11,’05、12,’06、戦車の戦う技術、朝雲

＜００式１２０ｍｍ戦車砲用演習弾ダミー弾＞：陸上自衛隊の120mm戦車砲用ダミー弾。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究12,’07

＜零式三座水上偵察機シリーズ＞：零式水上偵察機シリーズを参照。

＜零式五連装水上発射管＞：日本海軍の61cm５連装魚雷発射管。丙型駆逐艦（島風型）に搭載された。参考：日本駆逐艦史

＜零式艦上戦闘機シリーズ＞：日本海軍艦上戦闘機、略符号A6M、連合軍コードはジーク（Zeke）、三二型のみハンプ。零戦と略すが、読みは「ぜろせん」が主だったようで、高山捷一氏ら開発設計者や、坂井三郎氏を初めとする操縦士もこちらで読んでいた。第13期飛行専修科予備学生実用機教程（大村海軍航空隊）でも「ぜろせん」が多く、「れいせん」は少数派だった。まあ正式略称ではなく通称や愛称の類なので、どちらが正しいということも無いのかもしれない。日本国民に名称が公表されたのは昭和20年になってからで、それまでは「海軍新鋭戦闘機」で通しており、戦後になるまで陸軍の一式戦闘機隼の方が有名だった。昭和12年5月19日に開発要求が出され、昭和15年7月24日に制式化された。高い格闘戦能力を生かして太平洋戦争緒戦で制空権を確保、アメリカ軍に「積乱雲と零戦は避けて飛んで良い」と言わしめた。また、当時としては長大な航続距離を持ち、空母を使用せずにマニラ、スラバヤ、ガダルカナルにまで進出。これが信じられないアメリカ軍のモリソン報告書には「空母を使った」と書いてある。総生産数は10908機（戦闘機型は三菱3830機・中島6243機、練習機型は21航空廠249機・日立272機、二式水戦327機）で、太平洋戦争中の日本機中で最大の生産数を誇り、戦前戦後を通じても最多生産である。空母に搭載されての初実戦は真珠湾攻撃、最後の空母搭載出撃は昭和19年11月25日の比島沖海戦。彗星就役後、これを運用できない小型空母用の急降下爆撃機に転用され、爆弾投下装置を搭載して戦爆と呼ばれ、特攻にも使用されたが、爆装すると重心位置が変化して下手をすると発艦できなくなるので、改造には細心の注意を要した。最初に敵の手に堕ちたのは、台南空から第22航空戦隊司令部付属戦闘機隊に抽出されて昭和16年11月26日未明に台南基地から海南島三亜基地に13機で移動中、悪天候で対岸の雷州半島南東端に不時着してしまった零戦二一型２機のうち１機（3372号機。もう１機は大破炎上した）で、中華民国軍に鹵獲された。終戦時に残っていたのは1000機。参考：零式艦上戦闘機、丸メカニック別冊１、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、戦時用語の基礎知識、図解日本の空母、月刊丸5,’07、9,’03、月刊軍事研究8,’09、6,’15、海軍技術研究所、月刊航空ファン8,’19

　＜十二試艦上戦闘機計画要求書＞：昭和12年10月5日（5月？）に日本海軍が三菱重工業と中島飛行機に対して要求したもの。昭和5年のロンドン条約を受け、艦隊決戦に際しては陸上攻撃機による敵主力艦隊漸減を行うことにしたが、決戦海面に近い飛行場に集結させて出撃させるには相応の時間を要するとみられたため、陸上攻撃機により敵艦隊をすり減らすまで、敵空母から発艦して数を頼みに味方主力艦隊を攻撃してくる敵艦上攻撃機を迎撃するのが主任務である。よって、迎撃戦闘機として敵の艦上攻撃機を爆弾・魚雷投下前に一撃で屠れる20mm機関砲を搭載し、敵艦攻隊を護衛する敵の軽戦闘機よりも優秀な空戦能力を持ち、かつ空母に搭載できる少ない数でも味方主力艦隊上空を哨戒し続けられる長い滞空時間を有する、という昭和11年策定の航空機種及性能標準のコンセプトに基づいており、当時各国が開発中だった陸上戦闘機にスピードではやや劣る（それでも九六式艦戦より40ノット増し）が旋回性能と上昇力と航続性能はそれらを凌駕することが求められた。つまりハチのような身のこなしとクマのような攻撃力、チーターとはいかないまでもピューマのような速力とマラソンランナーのような持久力を持つキメラを作れと言うようなもので、説明審議会では何が最も重要なのか示して欲しいと質問した三菱の堀越技師に対し、空技廠飛行実験部柴田少佐（速力・航続力重視）と横空戦闘機隊長源田少佐（空戦能力重視）が論争を起こす事態になった。本番の艦隊決戦では敵観測機を掃討するのが主任務となる。エレベーターと格納庫の大きさから、寸法は全長10m、全幅12m、全高3.7mとした。エンジンは昭和12年9月末までに審査を終了するもの（具体的には中島製栄か三菱製瑞星）を積む。構造強度は急引き起こし後期（Ａ状態）で荷重倍数7.0・安全率1.8、急引き起こし初期（Ｂ状態）で荷重倍数7.0・安全率1.8、急降下制限速度（Ｃ状態）で荷重倍数2.0・安全率1.8、背面飛行からの引き起こし（Ｄ状態）で荷重倍数3.5・安全率1.8。最大速度270ノット以上（高度4000m）、上昇力3000mまで３分30秒以内／5000mまで５分30秒以内、空戦能力は九六式二号艦上戦闘機一型以上、航続力は正規状態・公称出力で1.5時間（高度3000m）、過荷重状態・公称出力で1.5-2.0時間（高度3000m）、巡航で６時間以上。発艦滑走距離70m以下（合成風速12m）、滑空降下率毎秒3.5-4.0m、着陸速度58ノット以下。固定武装は胴体付近の7.7mm機銃２丁、プロペラ回転圏外の主翼装備20mm機関砲２門。60kg爆弾または30kg爆弾を２発搭載できる。無線機は九六式空一号無線電話機とク式無線帰投方位測定器。酸素吸入装置、消火装置、夜間照明装置を搭載する。あまりに要求が厳しかったため、中島飛行機は辞退した。参考：月刊航空情報11,’10、丸メカニック別冊１

　＜十二試艦上戦闘機Ａ６Ｍ１＞：試作型、略符号A6M1。エンジンには発展の余地はあるが大型の金星ではなく、機体をコンパクトに纏められる瑞星を採用（栄は耐久テストで破損事故を起こして修正中だった）し、プロペラは住友金属工業がハミルトン・スタンダード社からライセンス権を取得した油圧式可変ピッチ恒速プロペラを使用した。エンジン出力を最大限に発揮するため、機体は極限まで軽量化を図った。住友製の超々ジュラルミンを使用し、中央翼と外翼を一体で製作して結合部品を省いている。装甲の要求が無かったのでコクピットや燃料タンクに防弾は施さず、機体外板を0.5-0.8mmとし、フレームやリブも強度を保てる範囲で孔だらけにした。飛行中にかかる外力は構造の柔軟性で吸収するようにしており、旋回時には外板にシワがよるが、荷重が無くなれば元に戻る。操縦系統のワイヤーケーブルも同じ原理を使用しており、良好な旋回性能を発揮した。ただし絶対強度が必要な急降下などには限界があり、設計段階では急降下制限速度を450ノット程度にする予定だったが、かなり低い値に修正する必要に迫られている。格闘戦性能を高くするため、翼面荷重を１平方メートルあたり106.5kgとした。時速300kmを超えるあたりから補助翼が重くなり、370kmを超えると緩横転ができなくなるという欠点があったが、低速での格闘戦性能を維持するために敢えて対策は取られなかった。機内燃料では航続時間５時間くらいだが、増槽を付ければ要求の６時間をクリアできる。量産型とは胴体長、機首周りの形状、尾翼などが違う。全長8.79m、全幅12m、自重1652kg、全備重量2343kg。エンジンは三菱重工製瑞星一三型（高度4000mで800馬力）、最大速度491km。初号機は昭和14年3月16日に完成したが、三菱重工名古屋工場には滑走路が無かったので、40km離れた各務原飛行場まで牛車で引っ張っていき、4月1日1730に初飛行（高度10m、距離500m）した。その後のテストで機体振動の問題が見つかり、プロペラを２翅から３翅に変更している。初号機は119回43時間26分のテスト飛行の後、昭和14年9月14日に海軍に引き渡された。試作２号機は10月18日に初飛行して10月25日に海軍に引き渡された。昭和15年3月11日に試作２号機が急降下中に空中分解を起こしてパイロットが死亡、胴体上下曲げと昇降舵回転の連成によるフラッターが生じたと推定され、マスバランス脱落が原因と判明したため、取り付け部を強化している。参考：月刊航空情報11,’10、丸メカニック別冊１、零式艦上戦闘機、月刊丸3,’18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史

　＜十二試艦上戦闘機Ａ６Ｍ２＞：試作３号機以降、略符号A6M2。エンジンを出力が大きくスーパーチャージャーで高々度性能にも優れる中島製栄一二型（950馬力）に換えたもので、改設計により耐久テストに合格したので換装が決まった。昭和14年12月28日に初飛行し、昭和15年7月15日（21日？）には５機が中国の漢口に送られて第12航空隊に配備され、九六式陸上攻撃機による重慶爆撃の護衛に就くことになった。7月24日に零式一号艦上戦闘機一型（後に零式艦上戦闘機一一型に改称）として制式化された。参考：零式艦上戦闘機、月刊丸3,’18別冊、月刊航空情報11,’10、丸メカニック別冊１

　＜零式艦上戦闘機一一型＞：略符号A6M2a。基地防空のため三菱に緊急生産させた64機の陸上機型で、十二試艦上戦闘機A6M2を昭和15年7月24日に制式化したものである。当初は零式一号艦上戦闘機一型という名称で、その後改称された。操縦席左にスロットルレバーがあり、機銃用トリガーと20mm/7.7mm切換スイッチが付いている。主翼後縁内側にスプリットフラップ、外側に羽布張りのエルロンを装備。主脚は内側に折り畳まれる。主脚扉は１枚が主翼側、１枚が主脚支柱、１枚が胴体側に取り付けられており、胴体側扉の後縁下部にはヒンジが付いていて、増槽と干渉しないようになっている。潤滑油タンク容量は36号機までが60リットル、37号機以降が58リットル。増槽は容量330リットルのタンクに後方気流覆を付けて成形してあり、燃料取り出し管を接続金具で胴体の燃料管に接続し、燃料取り出し管前方の増設タンク支持導管で胴体に取り付ける。燃料取り出し管後方には押出装置と呼ばれる棒が付く。これらの管による空気抵抗を減らすため、上方気流覆というフェアリングを5mm皿小ネジで増槽上面に固定する。コクピットの投下引手を引くと、増設タンク支持導管の固定が外れ、押出装置により機体から押されて増槽が上方気流覆ごと投棄される。機体の分割が可能で、懸吊金具を引き出し、クレーンで機体を吊り上げて胴体前後をジャッキ付きの架台に載せ、主翼支持架台で機体を水平にし、胴体後部にワイヤーを巻いて床に140kgのオモリを置き、機体の安定を保ってから分割作業に取りかかる。まず胴体０番フレームと同型の発動機艤装台を用意し、０番フレームから発動機架と配線、操作リンケージなどを外す。ピッチを高にしてプロペラを外し、スピナーと潤滑油冷却空気用インテイクを取り外す。次いで水平安定板の結合ボルト（前後桁に左右４本ずつ）を抜いて水平尾翼とフィレットを外す。47号機からは７番フレームの部分で胴体を分割することも可能となっており、ボルト87本を抜けば胴体が前後に分けられる。この部分でキャノピー後縁も分割するようになっていて、47号機以降はこの部分のガラス面が無くなった。胴体と主翼を分割することはできない。全長9.05m、全幅12m、全高3.509m、自重1671kg、正規全備重量2389kg。エンジンは中島製栄一二型（高度4200mで950馬力）、最大速度533km、上昇限度10080m、燃料タンク容量525リットル（胴体内145リットル、翼内190リットルずつ）、増槽容量330リットル、航続距離3100km、滞空時間12時間。固定武装は機首の九七式七粍七固定機銃２丁、翼内の九九式二〇粍一号固定機銃（３号機のみ60発入りドラム弾倉、４号機以降100発入りドラム弾倉）２丁。30kgまたは60kg爆弾２発を搭載できる。７号機以降は翼内機銃の装備位置を10mm後退させた。実戦での運用結果に基づき、生産22号機からは翼桁に改造が施された。36号機まではカウリング両側面やや下方のカウルフラップを貫いて集合排気管が設けられているが、37号機以降は両側共にもっと下に移された。初陣は昭和15年8月19日の第30回重慶攻撃で、12機が出撃して往復1850kmの爆撃を護衛した。9月13日の第４次重慶攻撃で初の空戦となり13機でI-15/I-16戦闘機27機（30機？）を撃墜、昭和16年3月14日の第５次成都空襲では27機を撃墜し、いずれも被撃墜ゼロという記録を持つ。初損失は昭和16年5月22日、成都上空である。駐機中に日差しを浴びていると20mm機関砲用弾倉取り付け部分の温度が60度を超えることが判明し、昭和15年8月8日には中国進出部隊の軍需部員が12機分の日除け覆いを送るよう要望を出している。参考：零式艦上戦闘機、丸メカニック別冊１、月刊エアワールド7,’04、月刊丸10,’10、1,'15増刊

　＜零式艦上戦闘機二一型＞：別名は一号零戦、略符号A6M2b。艦上機型で、当初は零式一号艦上戦闘機二型という名称であり、その後改称された。空母のエレベーターに搭載できるよう翼端0.5mの所に折り畳み機構を設け、補助翼にも改良を加え、アレスティングフックとクルシー式無線方位測定器を追加したタイプで、昭和16年2月から生産された。胴体フレームは0-16まで（整数番の他に1.5、5.5、6.5、7.5、8.5、13.5がある）で、０番フレームが防火壁となっており、前部胴体と後部胴体は７番フレームにより分けられる。7-13番フレーム間には浮袋が搭載されていて、座席左後方のコックを開くと圧縮空気により膨張し、不時着水時の浮力を確保する。プロペラはハミルトン式恒速３翅で、直径2.9m、後ろから見て時計回りに回転する。胴体最前部にエンジンが搭載されており、カウルフラップ付きのカウリングが囲んでいる。カウリング内下部に気化器エアインテイクが付く。排気管は左右１本ずつの集合排気管で、カウルフラップ下方にあり、右排気管後方に慣性始動機用クランク挿入孔が開口している。カウリング後方の胴体下面には冷却空気取り入れ口があり、その上あたりに中島二連降流一〇〇甲型気化器が装備されている。エンジンの後ろに58リットル入り潤滑油タンク、その後ろに胴体内燃料タンクがある。カウリング上部に毘式七粍七機銃の弾丸が通る溝が付く。銃口はプロペラ軸から540mm上方、220mm側方にある。プロペラ同調装置として油圧式C.C.同調発射装置を採用予定だったが、油圧部分の作動が不確実なためプロペラを機銃弾が貫通する事故が多発、ピアノ線を使用した機械式同調装置を搭載した。風防は全長580mm・最大幅700mmで、前面は三枚合わせ安全ガラス、上面はプレキシガラス製。コクピット正面が計器板で、中央上部に九八式射爆照準器が装着されており、クロスヘア中心線はプロペラ軸から784mm上方、50mm右側にある。計器板中央上方には旋回計（右）と水平儀（左）があり、その左右に毘式七粍七機銃の銃尾が突き出していて、銃尾内側に装填用レバーが付いている。計器板中央には磁気羅針儀があり、左上段には左から混合比計、航空時計、速度計（ノット表示）が、左下段には左から航路計、主接断器（エンジンメインスイッチ）、高度計が、右上段には右から回転計、燃料圧力計、油圧計が、右下段には右から吸入圧力計（ブースト計）、油温計、筒温計（シリンダー温度計）が並ぶ。磁気羅針儀の下には自差修正表がある。計器板の下には左に燃料注射ポンプ、中央に前後傾斜計、自動酸素吸入器、酸素計、酸素給断コック、右に点火栓昇圧器スイッチ、潤滑油冷却器シャッター開閉ハンドルが付き、一番下には主車輪ブレーキペダル付きフットバーがあり、計器板の右に応急用手動ポンプハンドル収容部とイナーシャスターターレバーが付く。座席前方中央に操縦桿があり、座席の右前方にはカウルフラップ開閉ハンドル、右前下方には応急脚出用引手、応急用手動ポンプ、燃料タンク冷却扉開閉ハンドルが用意されている。座席の右には上から着艦フック捲き上げハンドル、着艦フック降ろしレバー、着艦フック降ろし量及びフラップ開度指示器、空中線切換レバー、無線帰投方位測定器調整レバー、着艦フック離脱レバー、無線機、フラップ切換レバー、脚切換レバー、応急用手動ポンプが並ぶ。座席の左前方、7.7mm機銃銃尾の脇にはAMC（上）と20mm機銃装填指示灯（下）があり、その後ろにスロットルレバー（外側）、AC（中央）、プロペラピッチ変更レバー（内側）が並んでいて、スロットルレバーに機銃切り替えスイッチと機銃発射レバーが付いている。その下が主脚・尾輪作動指示灯と配電盤で、その内側に給気温度計、胴体タンク燃料計、翼内タンク燃料計が前から順に並び、翼内タンク燃料計のすぐ右後ろに落下傘自動曳索掛がある。座席の左には上から機銃安全装置、消火装置引き手、昇降舵トリムタブ操作ハンドル、増槽投下レバー、爆弾投下器レバー、燃料タンク切換コックがあり、内側の床面から手動燃料ポンプのレバーが延びている。操縦席の頭当て後方にク式無線方位測定機（一式空三号無線帰投方位測定機）用ループアンテナを持つ。キャノピーは最大幅700mmで、前半部735mmが可動式になっていて後方にずらすことができ、後半部1195mmが固定式で、両者とも透明部分はプレキシガラス製である。キャノピー後部にアンテナ支柱があり、取り付けは左に５度振れている。コクピット後方の機体内下部には酸素瓶、畜圧瓶、ク式受信機、消火用放出ガス瓶が収容される。主翼の主桁は前後の２本。主翼リブは1-28まで（整数番の他に26.5がある）。左右1-7番リブ間に翼内燃料タンクがあり、容量は190リットルずつである。左右燃料タンク間にあたる胴体下面には前方から増槽支持管孔、燃料管接続口、燃料コック点検窓２つが並ぶ。増槽支持管孔の前方には7.7mm機銃用の打殻放出口がある。翼内機銃は9-10番リブ間に収容されており、内側に弾倉がセットされ、両銃口は3.9m離れている。237号機からは銃口に消炎筒が装備された。打殻放出孔は10-11番リブ間の主翼下面に開いていて、訓練時には打殻収容カバーを装着可能。主翼11-12番リブ間の主翼下面には小型爆弾架を装備でき、30kgまたは60kg爆弾を１発ずつ搭載できる。右主翼3-4番リブ間に八九式活動写真銃改一（46号機まで左主翼にあった）を装備しており、左主翼前縁23-24番リブ間にはピトー管がある。主翼後縁3-11番リブ間にスプリットフラップ、11-26.5番リブ間にエルロンを持つ。エルロンホーンと操作ロッドを覆うフェアリングがエルロン前部19番リブ上面に付いている。エルロン後縁内側13-14番リブの位置に飛行時の傾きを防止する長さ300mmの固定タブがある（公式図面では右側だけに付く仕様だが、実機では両側に付いている）。326号機まではエルロン前部25番リブ下面に突出型マスバランスが付いていたが、327号機以降は廃止され、エルロン前縁に内蔵されるようになった。127号機からはエルロン後縁11-15番リブの位置に脚の出入りと連動するバランスタブが装着された。主翼折り畳みは手動式で、26番リブの部分で上に折り畳む。この際、エルロンが少しはみ出るので、ぶつけて損傷しないよう保護棒が用意されている。10-26番リブ間の主翼前縁と、11-26番リブ間の主翼桁間は水密構造となっていて、不時着水時に浮力を保つ。主脚はオレオ緩衝装置付きの完全引き込み式で、回転中心は8-9番リブ間の主翼前方にあり、内側に引き込まれる。主輪は600×175mmで、タイヤ圧3.5気圧、轍間距離3.5m、ブレーキは油圧ドラム式。水平安定板のリブは1.5-9番で、後縁に翼端まで昇降舵が付いており、作動角は上27度・下21度30分。昇降舵後縁の1.5-3番リブの所には昇降舵修正装置（バランスタブ）が装着されており、作動角は上28度・下20度である。低速時にも高速時にも昇降舵の効きを良くするため、操縦系統全体の剛性をわざと低くしてあり、弾性変形によって自動無段階レバー比可変装置の代替をさせた。垂直尾翼のリブは1-7番で、後部が羽布張りのラダーになっており、ラダーは３番・６番リブの蝶番で垂直安定板に取り付けられている。垂直尾翼桁前側の張り出しにマスバランス、２番リブ後縁に巡航飛行時の回頭を防ぐ方向舵修正装置（固定タブ）が付く。エルロンとラダーの固定タブは、各機の癖に合わせ、ペンチでいい感じに曲げて調整する。着艦フック（拘捉鈎）は尾輪の前方に引き込み式で装備しており、操縦席のレバー操作により着脱操作索が引っ張られてロックが解除され、自重で下がるようになっている。着艦フックと機体は前方支点の他にジュラルミン管で固定されており、着艦拘束時の衝撃でフックが支点から脱落してもジュラルミン管がカバーする。初期型の着艦フックは厚さ3.5mmの超々ジュラルミン製で、クロムモリブデン鋼板の補強が付いていない。尾脚はオレオ緩衝装置付きの引き込み式で、カバーは無く、サイズは150×75。全長9.05m、全幅12m／主翼折り畳み時10.955m、全高3.509m、水平尾翼幅4.7m、自重1680kg（1754kg？）、正規全備重量2421kg（2336kg？）、過荷時全備重量2757kg（2796kg？）。エンジンは栄一二型（950馬力）単発、巡航速度180ノット、最大速度275ノット、上昇限度10300m、上昇力5000mまで５分56秒、燃料タンク容量機内525リットル（胴体内145リットル、翼内190リットルずつ）＋増槽330リットル、航続距離1268海里／3500km（フェリー時。3111km？）、航続時間9.33時間（180ノット、高度4700m、増槽あり）。通常の燃費は１時間あたり90リットルくらいだが、工夫すれば３分の２くらいにできるので、半日飛んでいられる。固定武装は機首の九七式七粍七固定機銃２丁、翼内の九九式二〇粍一号固定機銃２丁。60kg爆弾２発、330リットル増槽を搭載可能。九六式空一号無線電話機を装備する。乗員１名。三菱（740機）と中島で計3500機が生産された。三菱の127-326号機はエルロンに固定タブでなくバランスタブが付けられている。135号機と140号機がフラッターにより空中分解を起こす事故を起こし、主翼捩り＋補助翼回転の連成が原因と判明したため、主翼外板の一部を厚くして捩り剛性を高め、エルロンのマスバランスを増やす改造を行っており、以降フラッター事故は起きていない。昭和19年にラバウルの地下工場で損傷機を集めて複座型に改造し偵察任務に投入、1945年1月にニューブリテン島ランバート岬沖で撃墜された第253海軍航空隊所属機が1972年に引き揚げられて国立科学博物館（2020年7月まで）／科博廣澤航空博物館（2021年から）に展示されており、オーストラリア空軍のP-40から受けた弾痕が31ヵ所あって、胴体右側などに修復パッチが見える。筑波海軍航空隊記念館に残骸が展示されている。参考：丸メカニック別冊１、零式艦上戦闘機、ラバウル航空戦、月刊丸5,’07、1,'15別冊、3,'18別冊、4,’17、戦闘機のしくみ、月刊JWings6,’21

　＜零式艦上戦闘機三二型＞：略符号A6M3。二号零戦ともいう。当初連合軍は新鋭機と判断しており、それまでの零戦とは違うハンプというコードを付けた。ロール性能を向上させるため翼端を0.5mずつ切って矩形翼とし、エンジンを２速過給器付きの中島製栄二一型に換えたもので、プロペラ直径も0.05m拡大して3.05mとした。最大速度はやや上昇したが、格闘戦性能が低下している。また、燃料タンク容量が480リットルとなり、航続力も低下した。潤滑油タンク容量は54リットル。カウリング（発動機整流環覆）形状が変更され、上部の凹みは無くなり7.7mm機銃弾がカウリングの中を通るようになっている。集合排気管の位置は二一型と同じだが、排気口の大きさが一回り小さくなった。コクピット前方の機体形状を変更し、視界を改善している。エンジン換装による重心調整のため、機体前部の防火壁を0.185mほど後ろにずらした。計器板の混合比計は排気温度計に変更している。機関砲は長砲身の九九式二〇粍二号固定機銃に換えた。エルロンは胴体側で0.338mほど短くなっており、バランスタブを廃止した。垂直尾翼付け根に涙滴状の方向舵点検用口が追加されている。全長9.06m、全幅11m、全高3.509m、自重1807kg、正規全備重量2544kg、過荷時全備重量2840kg。エンジンは中島製栄二一型（離昇出力1130馬力）単発、巡航速度180ノット、最大速度545km（294ノット）、実用上昇限度11050m、燃料タンク容量は3190号機までが480リットル（胴体内60リットル、翼内210リットルずつ）、3192号機以降が500リットル（胴体内60リットル、翼内220リットルずつ）、航続距離2380km（849海里？）／2134km＋全力30分（増槽あり）、航続時間９時間（200ノット、高度4180m）。固定武装は九七式七粍七固定機銃２丁、九九式二〇粍二号固定機銃２丁。320リットル増槽を搭載可能。乗員１名。昭和16年7月15日に初号機が初飛行し、昭和17年4月から三菱で343機（3000-3190号機、3192-3343号機）が生産され、中島でも生産された。3303号機からはラダーの固定タブが可動式に変更された。3404号機からは発動機潤動部へ潤滑油を注油するためのポンプを回すクランク接続孔が機首左に設けられた。マーシャル諸島タロア島から回収された機体が大刀洗平和記念館に展示されており、プロペラやカウリングに弾痕が残っている。河口湖自動車博物館飛行館にもある。参考：零式艦上戦闘機、丸メカニック別冊１、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、ラバウル航空戦、太平洋戦争情報戦、月刊丸5,’07、1,'15増刊、4,’17、月刊JWings9,’13

　＜零式艦上戦闘機二二型＞：これも略符号A6M3。ソロモン戦で長い航続力が求められたため、三二型の主翼を二一型と同じ折り畳み機構付きのものに戻し、外翼に40リットル入り燃料タンクを増設したタイプ。キャノピー後部の無線アンテナ支柱も補強され、長さは短くなった。全長9.06m、全幅12m、全高3.509m、自重1863kg、正規全備重量2678kg、過荷時全備重量2944kg。エンジンは中島製栄二一型（離昇出力1130馬力）単発、最大速度541km、実用上昇限度11050m、燃料タンク容量580リットル（胴体内60リットル、内翼部左右220リットルずつ、外翼内左右40リットルずつ）、航続距離全力80分＋1482km（800海里）／全力30分＋2560km（増槽あり）。固定武装は機首の九七式七粍七固定機銃２丁、主翼の九九式二〇粍一号固定機銃２丁。60kg爆弾２発や、320リットル入り増槽を搭載できる。昭和17年11月から昭和18年夏までに甲型と合わせて560機（三菱のみ。3119号機、3120号機、3344号機以降。中島生産機数は不明）が生産された。制式化は昭和18年1月29日だが、昭和17年10月11日には既にラバウル航空戦に出撃する第251航空隊所属機が写真に収められている。終戦間際にブーゲンビル島トリポイル飛行場で５機以上の残置機部品を集めて再生されたものが、ニュージーランドのオークランド戦争記念博物館に展示されている。地上で破壊されて真っ二つになった機体が1970年代にニューギニアで発見されて1980年代にサンタモニカ航空博物館が回収、1990年代にヤコブレフ社でR-1830エンジンを積むなど飛行可能状態での復元作業を受けた機体が、1999年に映画パールハーバーに出演した。2010年に日本人が購入し、2016年1月27日に鹿屋航空基地で初の里帰り飛行を行っている。参考：ラバウル航空戦、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、零式艦上戦闘機、月刊航空ファン8,’09、丸メカニック別冊１、月刊JWings9,’13、4,’16、2,’18、月刊丸1,'15別冊

　＜零式艦上戦闘機二二型甲＞：二二型の20mm機関砲を九九式二〇粍二号固定機銃に変更したもの。参考：ラバウル航空戦

　＜零式艦上戦闘機Ａ６Ｍ４＞：ターボスーパーチャージャーを搭載した高々度戦闘機型。昭和18年に２機が試作機されたが、ターボチャージャーが完成せず、量産はされなかった。参考：零式艦上戦闘機

　＜零式艦上戦闘機五二型＞：略符号A6M5。昭和18年8月にA6M3第904号機（生産3904号機）を改造して試作機が作られ、8月23日に制式化された。翼幅を三二型と同じ11mにして丸型に成型、リブを26番までとして折り畳み機構を廃止し、12-26番リブにエルロン、3-12番リブにフラップを設けた。エルロンは翼端まで繋がる形にしてロール性能を向上させており、修正タブの代わりに固定式修正片を装着している。エンジン出力の向上は限界に達していたため、排気管を推力式単排気管に変更して推力増加を図り、カウルフラップ後縁に右５カ所・左４カ所の切り欠きを設けて排気管を突き出させた。これによりエンジン架カバーのくびれが大きくなったため、機首左上部カウルフラップのスリットからプロペラ・ガバナー操作用ロッドが顔を出すようになった。エンジン周囲の消火装置は廃止されている。九八式射爆照準器は、レティクルの中心がプロペラ軸線から上方787mm、右50mmの位置になるようセッティングされる。軽量化のため座席にも肉抜き穴が開けてあり、背中には防弾鋼板が無いので後方視界は広い。主翼タンクには火災警報装置を装備する。主要部の外板を0.2mm厚くして強度を増し、急降下制限速度は計器速度360ノットに向上、250kg爆弾１発の搭載も可能となった。主翼の20mm機関砲は短砲身型と長砲身型があり、後者では機銃口から銃身が突き出すが、根元の部分にカバーは付かない。方向舵の可動域は左右33度ずつで、タブは固定タブではなくコクピットの操作で調整できるタイプになった。全長9.121m、全幅11m、全高3.509m、自重1876kg、正規全備重量2733kg、過荷時全備重量2952kg。エンジンは栄二一型空冷星型複列14気筒２速過給器付きガソリン（1130馬力）単発、プロペラは住友ハミルトン恒速３翅、最大速度565km、上昇限度11740m、燃料搭載量570リットル（＋増槽320リットル）、航続距離1550km（正規）／1920km（過荷重）。固定武装は機首の7.7mm機銃２丁、主翼の20mm機関砲（ドラム弾倉100発）２門。60kg爆弾２発を搭載できる。乗員１名。三菱で747機、中島で約150機が生産され、昭和18年秋から実戦参加した。二一型よりも離着陸時の操縦が難しいので、練習航空隊では二一型の方を使っている。第4274号機（五二型第371号機）からは内外翼内燃料タンクに炭酸ガスを使用した自動消火装置を追加しており、右１番リブと左右16番リブを改修、左７番−右７番リブの間と、左右11-16番リブの間を気密にした。火災の発生を熱電対で探知する方式で、炭酸ガスは１回でほぼ使い切ってしまうが、脱出の時間は十分に稼げる。第4354号機（五二型第451号機）からは無線機を九六式無線電話機から三式空一号無線電話機に換装した。第4551号機からは最下部の排気管を短縮し、車輪カバーが焼けないようにした。プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館に栄二一型エンジン付きの飛行可能機体が１機保存されており、1978年と1995年には日本で飛行した。靖国神社遊就館にはヤップ島で回収された残骸から修復した機体がある。鹿屋航空基地史料館には、加世田市沖で引き揚げられた五二丙型と垂水市沖で引き揚げられた二一型を参考にして復元した機体が展示されている。アメリカ国立航空宇宙博物館（サイパン島で接収）、イギリス帝国戦争博物館（前部胴体と内翼のみ。マレー半島で接収）、河口湖自動車博物館飛行館にもある。参考：零式艦上戦闘機、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、丸メカニック別冊１、月刊丸2,’08付録、1,'15別冊、5,’07、3,’18別冊、ラバウル航空戦、月刊航空情報11,’10、日本海軍の爆弾、月刊JWings9,’13、月刊航空ファン11,’18

　＜零式艦上戦闘機五二甲型＞：略符号A6M5a。五二型第748号機（生産第4651機）以降である。20mm機関砲を従来の九九式二号三型（100発入りドラム弾倉）からベルトリンク給弾式の九九式二号四型にして装弾数を１丁あたり125発とし、主翼を強化して急降下制限速度を740kmとしたタイプ。機銃口には銃身との隙間を塞ぐカバーが装着された。主翼後縁以外の外板を0.2mmほど厚くしており、超過禁止速度が対気速度740kmとなった。全長9.12m、全幅11m、全高3.5m、自重1894kg、全備重量2743kg。エンジンは中島製栄二一型（1130馬力）単発、最大速度559km、航続距離1920km。固定武装は九九式二〇粍固定機銃二号四型２丁、7.7mm機銃２丁。乗員１名。昭和18年秋に初飛行、昭和19年3月から量産に入り、三菱で391機が生産され、中島でも生産された。あいち航空ミュージアム（元は三菱重工小牧南工場資料室／名古屋航空宇宙システム製作所資料室に置かれていた）にヤップ島の残骸から修復された機体が展示されている。浜松広報館にはグアムで被弾不時着した機体が展示されている（弾痕は修復された）。参考：丸メカニック別冊１、零式艦上戦闘機、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、ラバウル航空戦、月刊丸5,’07、1,'15別冊、戦闘機のしくみ、月刊航空ファン1,’18

　＜零式艦上戦闘機五二乙型＞：略符号A6M5b。生産第5041号機以降で、機首機銃のうち右の１丁を13mm機銃（230発）に換装した。後期型では風防内側に厚さ45mmの防弾ガラスを張っている。昭和19年4月に初号機が完成し、三菱で470機（270機？）が生産され、中島でも生産された。一部に左の7.7mm機銃を撤去したものや、機首の武装をどちらも外したものがある。参考：丸メカニック別冊１、零式艦上戦闘機、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、ラバウル航空戦、月刊丸12,’90

　＜零式艦上戦闘機五二丙型＞：略符号A6M5c。生産第5510号機以降で、昭和19年7月に試作指示が出た。機首の武装を機首右上部の三式一三粍固定機銃１丁のみに変更し、主翼の20mm機関砲の外側（11-12番リブ間）に三式一三粍固定機銃（240発）を１丁ずつ追加している。機首左の機銃は撤去したが、カウリングの銃口はそのままである。12-13リブ間と13-14リブ間の主翼下面前縁に爆弾懸吊装置を１組ずつ、後縁に６番27号爆弾または１番28号爆弾用発射装置取り付け金具を装着し、３番３号爆弾なら４発、６番陸用爆弾なら２発、６番27号爆弾なら２発、１番28号爆弾なら10発を搭載出来るようにした。風防内側に厚さ45mmの防弾ガラス、座席後方に厚さ8mmの装甲板、ヘッドレスト後方に厚さ55mmの防弾ガラスを装着している。ただ重量増を嫌って高々度迎撃の際には装甲板を外すことも多かった。キャノピー右後方に胴体内作業用明かり取りハッチが追加された。重量増に合わせ、主輪タイヤ圧は4.5気圧に上げている。座席後方に内装型のセルフ・シーリング式燃料タンク（140リットル）を追加する予定だったが開発が間に合わず（燃料注入孔だけは明かり取りハッチの後ろに新設されている）、更に換装予定だった水メタノール噴射装置装備の栄三一型エンジンも試運転に失敗し、空戦性能が低下しただけだった。前線では重量過大や操作の邪魔になる（銃尾がコクピット内にかなりはみ出ている）のを嫌って機首の機銃を外すことも多かった。全長9.121m、全幅11m、全高3.509m、自重2155kg、全備重量3150kg。エンジンは中島製栄三一型、最大速度541km、急降下制限速度400ノット、上昇限度11050m、航続距離2110km。30kg爆弾４発、60kg爆弾２発、ロケット弾、300リットル増槽（木製、尾部水平安定板付き）を搭載できる。乗員１名。初号機は昭和19年9月10日に完成し、10月1日に制式化された。三菱での生産数は97機（93機？）で、中島の機数は不明。生産第5511号機（五二丙型２号機）以降は主翼外板の厚さを0.2-0.4mm増やして機銃増設による主翼強度低下を補った。第5404号機（五二丙型105号機）以降は座席側方の外板を0.5mmから0.8mmに増やし、引き起こし時の皺の発生を抑えた。また、胴体16番隔壁を強化して尾輪にかかる荷重に耐えられるようにし、主脚回転軸や尾輪自体も強化した。参考：丸メカニック別冊１、零式艦上戦闘機、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸1,'15別冊、10,’93、7,’14、3,'18別冊、ラバウル航空戦、歴史群像6,’08

　＜零式艦上戦闘機五三丙型＞：A6M6c。五二丙のエンジンを栄三一型甲に換装したもの。エンジン後方に潤滑油タンクがあり、その後ろが水メタノールタンクとなっていて、防弾式胴体内ブラダータンク（140リットル）は胴体後部右寄りに設置されている。機首右に三式十三粍機銃が搭載されており、銃尾はコクピット内に突き出す。左の発射孔は開いたままだが、機銃は装備されていない。コクピット後方に防弾鋼板、頭当て後方に防弾ガラスを装備する。内外主翼タンクはブラダー式の防弾タンクとされ、容量が内翼155リットル、外翼25リットルに減少した。主翼の武装は九九式二〇粍機銃二号四型（9-10番リブ間）と三式十三粍機銃（11-12番リブ間）。自重2150kg、正規全備重量3145kg、過荷時総重量3385.4kg。エンジンは中島製栄三一型甲単発、最大速度543.9km、燃料容量400リットル＋300リットル増槽。乗員１名。昭和19年12月に１機が試作されたが、エンジンの開発に失敗して量産化されなかった。参考：丸メカニック別冊１、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、ラバウル航空戦

　＜零式艦上戦闘機五四型丙＞：零式艦上戦闘機六四型を参照。

　＜零式艦上戦闘機六二型＞：戦闘爆撃機型、略符号A6M7。エンジンが栄二一型である他は六三型と同じ。琵琶湖に不時着水した機体が大和ミュージアムに展示されている（以前は京都嵐山美術館にあった）。カリフォルニア州サンディエゴのサンディエゴ・エアロスペース・ミュージアムにも展示されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸5,’07、月刊JWings9,’13

　＜零式艦上戦闘機六三型＞：戦闘爆撃機型、略符号A6M7。彗星を搭載できない小型空母に、九九式艦爆の後継として装備するため昭和19年11月から開発したものである。胴体5-7番隔壁下面外板を0.5mmから0.6-0.8mmに、下面縦通材の板厚を0.8mmから1.2mmに、7-13番隔壁下面の中央縦通材の板厚を0.8mmから1.0mmに、13番・15番隔壁の厚さを0.8mmから1.0mmに増やし、水平安定板前後桁の板厚を1.4mmから1.6mmに増加して胴体との結合金具を鋼板製に変更、結合ボルトの直径を2mm拡大した。これにより急降下制限速度が増大している。胴体下面に250kg爆弾（500kg爆弾？）の投下装置を装備し、150リットル入り増槽を両翼下に吊り下げることができるようになった。操縦席正面の風防ガラスは厚さ15mmの防弾ガラスを３枚重ねてある。照準器は機銃と九九式三番三号爆弾の両方に使える十九試一号射爆照準器一型。全長9.121m、全幅11m、全高3.509m、自重2150kg、正規全備重量3150kg、過荷時総重量3390.4kg。エンジンは中島製栄三一型甲（980馬力／高度6000m）単発、最大速度543km、上昇限度10180m、航続距離2960km。固定武装は13mm機銃（240発）、20mm機関砲。乗員１名。昭和20年5月に制式採用されて同月から三菱・中島で量産され、特攻に投入された。参考：丸メカニック別冊１、零式艦上戦闘機、ラバウル航空戦、月刊航空ファン1,’17

　＜零式艦上戦闘機六四型＞：略符号A6M8c。試作機は五四丙型という名称で、量産型がこの名称になる予定だった。五二丙型のエンジンを三菱製金星六二型に換え、カウリングを一回り大きくし、機首の13mm機銃とカウリングの銃口を廃止、風防前方の胴体形状と推力式排気管の位置を変更している。燃料タンクの防弾装備は廃止し、炭酸ガス式の自動消火装置を追加した。エンジン強化により、上昇率が改善した。全長9.121m、全幅11m、全高3.509m、自重2150kg、全備重量3150kg。エンジンは三菱製金星六二型（離昇出力1500馬力）単発、最大速度563km、急降下制限速度670km、上昇限度10180m、航続距離1900km以上、航続時間2.03時間＋空戦30分（正規）。30kg爆弾なら４発、60kg爆弾なら１発、250kg爆弾なら１発を搭載でき、ロケット弾も装備可能。乗員１名。昭和19年11月に試作指示が出され、昭和20年4月末に初飛行し、２機が試作されたが、制式化は7月となり、量産前に終戦となった。エンジンは五式戦闘機と同じで、総重量は350kg軽いが、最大速度や実用上昇限度に劣り、急降下制限速度は200kmも低くなっていて、機体性能の限界を迎えた感があり、堀越技師は零戦は1200馬力級エンジンを装着すべき戦闘機ではない、と語っていたらしい。参考：丸メカニック別冊１、零式艦上戦闘機、ラバウル航空戦、月刊丸1,’17別冊

　＜零式艦上戦闘機夜戦型＞：五二型などに20mm斜め銃を搭載したもので、応急改修である。胴体中心線上のキャノピー後方に30度上方を向けて搭載したものや、キャノピー後方やや左舷に30度上方・30度左を向けて搭載したものがあった。参考：丸メカニック別冊１、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、ラバウル航空戦

＜零式艦上戦闘機ファミリー＞

　＜零式艦上戦闘機二一型（戦爆）＞：戦爆は戦闘爆撃機の略。昭和19年2月に第３航空戦隊が新編されたが、配備されたのが小型空母だったため、彗星は発艦滑走距離が足らず、九九式艦爆では旧式で戦力にならず、搭載される第653航空隊では零戦を艦爆として使用することにし、戦闘爆撃機を略して戦爆と呼んだ。戦爆で艦船を爆撃する戦術の方は特殊攻撃と称している。使用機は零戦二一型で、エンジン出力が低く爆装による重量増で飛行特性の悪化が大きかったが、エンジン強化型の二二型は昭和18年8月に生産を終了していて数が足りず、翼端を切った三二型は爆装で飛行安定性劣化が激しくなる恐れがあり、昭和19年初めに中島飛行機で完成したばかりの二一型新型機を使った。当初はラバウル戦ソ作戦での爆戦に倣って60kg爆弾２発を積むことにしたが、空母飛行甲板を使用不能に出来るほどの威力は無いので、九九式二十五番通常爆弾一型に変更し、主翼下の小型爆弾投下器を外して胴体下に九七式中型爆弾懸吊鈎を装備した。胴体下増槽が積めなくなるので、代わりに主翼下に小型増槽を１本ずつ搭載する。戦闘機型より重量が300kg増えるので、20mm機関砲関連装備を外して砲口を塞ぎ、90kg分を相殺した。パイロットは艦爆や艦攻乗員からの転用である。訓練は爆撃のみで空戦訓練どころか帰投時の航法訓練すら行っておらず、爆弾投下後でもF6F艦戦に捕捉されれば反撃に移れる見込みは無く、短い飛行甲板から確実に発艦できるよう7.7mm機銃関連装備も外して更に75kg分を相殺したらしい。第１航空戦隊搭載第601航空隊、第２航空戦隊搭載第652航空隊にも艦爆隊増強戦力として配備され、こちらも乗員は艦爆・艦攻の転用だったが、飛行甲板が長く7.7mm機銃を積んだままにできる余裕はあったようで、空戦訓練も実施した。マリアナ沖海戦で実戦参加し、第653航空隊27機（部隊は戦闘詳報に特別攻撃隊／特攻隊と記載された）、第601航空隊11機、第652航空隊27機の計83機で第58任務部隊を爆撃したが、生き残れたのはたった９機だった。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜零式艦上戦闘機五二型（戦爆）＞：捷一号作戦・比島沖海戦で第653航空隊戦闘第166飛行隊が運用したもの。九九式二十五番通常爆弾一型を搭載し、20mm機関砲を撤去している。28機が配備され、昭和19年10月24日に19機が出撃して半分を喪失、以降の戦闘で残りもほぼ失われた。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜零式艦上戦闘機（特攻機）＞：フィリピン戦で特攻の実施が決まると、機数が多く単座で操縦も容易な零戦に、空母飛行甲板を一時使用不能に出来る九九式二十五番通常爆弾一型（二十五番通常爆弾二型も使われたかもしれない）を積んで出撃させることになり、昭和19年10月21日から出撃、フィリピン戦では二一型・五二型計330機が特攻に投入された。沖縄戦では二一型・五二型・練習戦闘機一一型計600機が特攻に参加。五二型の大半は500kg爆弾、残りは250kg爆弾を積んだ。使用した500kg爆弾は五十番通常爆弾二型・同改一で、貫徹力は高いが炸薬が少なく飛行甲板破壊に向かない二式五十番通常爆弾一型は使わなかったようである。防弾鋼板で重量が増加した五二丙型でも、20mm機関砲を外せば300リットル入り増槽を吊した通常型との重量差は134kg、更に機首の13mm機銃を外せば70-80kgに縮まるので、陸上滑走路（空母は既に全滅）からなら十分に運用できると見込んだ。主翼の13mm機銃は付けたままにしている。それでも練度の低いパイロットで運用できるが不安があったらしく、各航空隊で予備士官にテスト飛行を行わせていた。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜零式練習用戦闘機一一型＞：略符号A6M2-K。九六式艦戦ベースの二式練習用戦闘機が登場時点で旧式化していたため、零戦ベースの後継機を十七試練習用戦闘機（十七試戦闘練習機？）の名称で海軍第21航空廠が昭和17年から開発し、昭和18年に初号機が完成して初飛行、同年中に配備が開始されたが、制式化は昭和19年3月17日になった。二一型がベースで、操縦席をタンデム複座にし、キャノピーは前席（練習生用）を開放式、後席（教官席）を側方開きの密閉式としている。後席追加による重心のずれを防ぐためエンジンは少し前にずらし、転覆時に備えて前後席の中間にロールバーを追加し、安定性を保つため胴体後部側面に小さなフィレットを付けた。主翼折り畳み機構、着艦フック、主脚カバー、翼内20mm機関砲は外してある。爆弾架は付いたままだが、増槽や爆弾は装着できず、標的収容筒を取り付けて標的曳航に使用する。自重1819kg、ペイロード515kg、全備重量2334kg（2349kg？）。エンジンは中島製栄一二型（離昇出力940馬力）単発、最大速度315km（470km？475km？）、実用上昇限度10180m、上昇力6000mまで7分57秒、航続距離1380km（1668km？）。固定武装は機首の九七式七粍七固定機銃（70発）２丁。乗員２名。第21航空廠で243機、日立で272機が生産され、練習航空隊だけでなく実戦部隊にも配備された。太平洋戦争末期には胴体下面に250kg爆弾を装備できるようにして特攻にも使用されている。参考：零式艦上戦闘機、月刊丸3,'18別冊、ラバウル航空戦、丸メカニック別冊１

　＜零式練習用戦闘機二二型＞：略符号A6M5-K。五二型に練習用戦闘機一一型とほぼ同じ改造を施したものである。機銃は全廃しており、増槽運用装備は残してある。全長9.12m、全幅11m、自重1907kg、ペイロード649kg、正規全備重量2556kg。エンジンは中島製栄二一型、巡航速度333km、最大速度481km、航続距離1670km（正規）／2660km（過荷時）。乗員２名。第21航空廠で試作機６機（２機？）が製造され、昭和20年に制式化された。日立で量産する予定だったが、その前に終戦を迎えている。参考：丸メカニック別冊１、月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、ラバウル航空戦

　＜二式水上戦闘機＞：日本海軍水上戦闘機、略符号A6M2-N、連合軍コードはルーフェ（Lufe）。十五試水上戦闘機（強風）の完成に時間がかかるとみられ、太平洋戦争開戦に間に合わない可能性が出てきたため、繋ぎとして零式艦上戦闘機二一型にフロートを付けて水上戦闘機にすることになり、昭和16年初めに一号水上戦闘機という名称で中島飛行機製作所に開発命令が出された。試作中に二号零戦／零戦三二型の開発が始まったため、前線から引き揚げられる零戦一一型／二一型を一号水上戦闘機に改造するに止め、二号零戦をベースとした二号水上戦闘機を本格量産する案が出されたが、腐蝕の問題で既存機の改造は無理であり、機体は新規生産が必須ということで一号水上戦闘機を新規生産することにしている。試作初号機にはAS-1という社内名称が付けられており、昭和16年末に完成、同年12月8日に初飛行した。主脚、尾輪、着艦フックとそれらの関連機構、主翼折り畳み機構を廃止し、胴体下面に全長7.495mの主浮舟を１本、主翼下面に補助浮舟を１本ずつ装備、機体尾部下面にフィンを追加すると共に垂直尾翼面積を増大して方向舵を下方まで延長し、方向安定性と操縦性を確保した。主浮舟は前方の太い支柱１本と後方のＶ字支柱で胴体と接続されており、前方支柱にはオイルクーラーが内蔵されていて上部に孔がある。座席後方の頭当ては廃止された。海面でエンジンを始動させると機体が左に大きく傾く癖があったため、乗員の乗降方向を右側に変更している。全長10.131m（主浮舟含む）、全幅12m、全高4.305m、自重1921kg、全備重量2460kg、過荷時総重量2880kg。エンジンは中島製栄一二型（940馬力）単発、巡航速度296km、最大速度436km、実用上昇限度9760m、上昇力5000mまで６分43秒、燃料タンク容量518リットル＋機内増槽325リットル、航続距離1148km（正規）／1782km（過荷時）、航続時間４時間。固定武装は7.7mm機銃２丁と20mm機関砲２門。30kg爆弾または60kg爆弾２発を搭載できる。乗員１名。昭和17年7月6日に制式採用され、中島で昭和18年9月までに327機（254機？237機？）が生産された。実戦配備は昭和17年6月3日からで、横浜空の12機がラバウルに進出した。参考：丸メカニック別冊１、月刊丸3,'18別冊、零式艦上戦闘機、ラバウル航空戦、日本航空母艦史

＜零式艦上戦闘機（操縦法）＞：プロペラトルクの関係で、右旋回よりも左旋回の方が容易である。参考：丸メカニック別冊１

　＜緩横転＞：目標に向かう首尾線を軸として機体をゆっくりと360度ロールさせるもの。ジェット機のような強力な推力は無いので、機体中心線を軸線にきっちり合わせることはほぼ不可能であり、バレルロール気味になる。まずエンジンを全開にして対気速度150ノット以上に加速する。操縦桿を少し引いて機首を持ち上げ、カウリング下端が水平線を越えたら操縦桿を横転方向に急速に倒してバンクをとる。バンク角が60-70度となったら横転方向のフットバーを踏み込み（左バンクをとったなら左フットバー）、操縦桿を横転方向に倒したままで前に突っ込んで背面飛行になった際の機首下げを防止する。背面飛行を通り過ぎたらフットバーを逆に踏み込み、水平線と機体バンクの状況を見ながら操縦桿とフットバーを戻していき、水平飛行に復帰する。特殊操縦の中で最も難しいとされ、機体姿勢の急激な変化が空中でのカンを養うのに最適といわれるが、実戦ではほぼ使用しない。参考：丸メカニック別冊１

　＜急横転＞：緩横転の横転速度を高速にするものだが、特定の飛行条件に於ける航空機の自転の性質を利用するため、操縦法が全く異なる。対気速度を110ノットくらいまで落とし、操縦桿を思い切り引いて急速な機首上げを行った直後に操縦桿を水平方向に倒すと急激な横転に入る。操縦桿を倒したのと同じ方向のフットバーを踏み込むと更に横転速度が速くなるが、急速すぎてきっちり水平飛行に戻すのが難しくなる。バンク角40度くらいから操縦桿を反対側に倒し、フットバーも逆方向に大きく踏み込んで横転を止める。錐揉みに入る操作と似ているので、対気速度の落とし過ぎに注意。参考：丸メカニック別冊１

　＜急反転＞：急横転を半分行い、背面になったところで操縦桿を引きつけて急降下、180度反転して水平飛行に戻る。高度を大きく失うが、敵機の追尾を逃れる際に使用した。参考：丸メカニック別冊１

　＜錐揉み脱出＞：対気速度62-63ノットで舵が効きにくくなり、58ノットになった瞬間に失速、機首が下がって旋転が始まり、錐揉み状態となる。こうなったら旋転するのと逆のフットバーを一杯に踏み、操縦桿を前一杯に倒し、エンジンをフルスロットルに入れて数秒待つ。すると旋転が止まって加速、対気速度が58ノットを超えると舵が復活するので、安定した飛行状態に戻す。他にも旋転が止まるまで基本三舵を中正位置にしてエンジンを絞る方法、基本三舵をそのままにしてエンジンのみフルスロットルに入れる方法、旋転と逆方向に基本三舵を入れてエンジンを絞る方法など、状況、機種、個人の好みにより様々な方法がある。参考：丸メカニック別冊１

　＜失速反転＞：真後ろに目標を定める。最初はエンジンの出力を上げ、40度の上昇を行いつつエンジンを絞り、対気速度80ノットで操縦桿を大きく横に倒し、同じ方のフットバーを踏み込むと機首が横下を向いて急速旋回に入る。180度方向転換して目標を向くように操縦桿とフットバーを戻すと、機体は45度の降下に入ってくるので、水平飛行に移行する。失速に近い速度で基本三舵が良く効くところを見極め、旋回計で横滑りの状況を見ながらスムーズに方向転換する玄人の技である。参考：丸メカニック別冊１

　＜上昇反転＞：宙返りの引き起こし操作の途中で垂直旋回をかけ、高度を獲得しつつ180度反対側を向く。参考：丸メカニック別冊１

　＜垂直旋回＞：水平旋回よりもバンクの大きい急旋回（バンク40度前後以上）を指す。まず旋回終了時の目標を定め、エンジンを全開にして対気速度160ノットまで加速する。操縦桿を軽く前方に弧を描かせつつ急速に旋回方向に倒し、それに合わせて旋回方向のフットバー（左旋回なら左足）を踏み込む。40度を超える大バンクとなったら、操縦桿を左右方向では中央に戻しつつ前後方向では一気に手前一杯まで引きつけ、フットバーを元に戻す。機体が垂直近くに倒れ込んでいるので、垂直尾翼が水平方向に、水平尾翼が垂直方向に位置することになり、昇降舵により旋回している形である。機首を上下させたい場合には方向舵を使う。旋回中には最大3Gくらいの加速度が加わる。旋回を終える時は、操縦桿の前後方向の引きつけを弱めつつ左右方向では旋回方向と逆に倒していき、旋回計で横滑りしないよう確認しながらフットバーも旋回方向と逆に踏み込み、バンクが小さくなるのを見計らって操縦桿とフットバーを中正位置に戻し、エンジンも巡航状態まで絞る。操縦桿の軌跡はハート型となる。参考：丸メカニック別冊１

　＜水平旋回＞：バンク15-20度前後の旋回を指す。まず旋回終了時の目標を定め、それに向かって操作するよう心がける。エンジン出力を軽く上げ、操縦桿を軽く前方に弧を描くような形で横に倒す。機体が傾いたら旋回方向のフットバー（左旋回なら左足）を踏み込むと、機首が旋回方向を向いて機体が旋回に入る。この時、機体が傾いた分だけ揚力が減少して機首が下がるので、エンジン出力を調整しつつ操縦桿を軽く引いて機首を水平に保つ。旋回計の玉が中央にあれば横滑り無しの正しい旋回だが、玉が針と同方向にずれている場合はバンク過大（または方向舵の効きが弱い）で旋回の内側に、逆方向にずれている場合には方向舵の効き過ぎ（またはバンク過小）で旋回の外側に横滑りを起こしているので、操縦桿やフットバーを正しく調整する。方向舵の効き過ぎによる横滑りの頻度が多く、性質もそちらの方が悪質なので、航空機の旋回は主に機体のバンクで行っているという意識を持つようにする。旋回を終える時は、操縦桿を弛めるのに追従してフットバーを戻していくと、中正位置で水平飛行に戻る。参考：丸メカニック別冊１

　＜宙返り＞：航跡が正円を描くように気を付ける。目標を見定め、機首を突っ込んでエンジン出力を上げ、対気速度を160ノット以上にする。操縦桿を手前に引きつけて更にエンジン出力を上げ、急上昇に入るが、この時プロペラトルクで機体が左を向こうとするので、フットバーを右に踏み込んで当て舵を行い、両翼前縁が同時に水平線を越えるようにする。もしもずれた場合には主に方向舵の操作で修正して操縦桿は手前に引きつけることに集中し、対気速度を出来るだけ保ったまま背面飛行に移る。もたもたしていると背面飛行の際に遠心力が不足し、体が座席から浮き上がって操縦困難に陥るので注意。背面になったら操縦桿を引きつけたまま出来るだけ後方を見るようにし、水平線が視界に入ってきたらエンジンを絞る。すると機首の重さと昇降舵により機体がゆっくりと背面降下に入るので、当て舵の程度を調整して両翼の前縁が同時に水平線を切るようにし、目標に向かい引き起こしを続けて水平飛行に戻る。最大4-5Gの加速度がかかる。参考：丸メカニック別冊１

　＜宙返り反転＞：宙返りで背面になった際に緩横転の後半の操作を行い、高度を獲得しつつ180度反対側を向く。参考：丸メカニック別冊１

　＜背面飛行＞：緩横転や宙返りを途中で止めると背面飛行になるが、操縦桿を前方一杯に押して迎え角を維持し、安定して飛行できるようにする。飛行感覚を得るために行うもので、実戦で背面飛行を継続することはまず無い。参考：丸メカニック別冊１

　＜ひねりこみ＞：左旋回を行うので左ひねりこみともいう。まず左斜め宙返りに入り、途中で左横滑りと緩横転を加え、頂点付近で失速反転気味の機動を行い、更に垂直旋回を組み合わせ、失速後機動によって通常の宙返りよりも極端に半径の小さい縦方向の運動を行い、敵機をオーバーシュートさせるもので、横須賀海軍航空隊パイロットが生みの親といわれ、ベテランパイロットがドッグファイトで使用したが、１対１で縦のドッグファイト時に限定されるので、使う場面は少なかった。坂井三郎氏の得意技として知られるが、訓練で同じ零戦相手に後方に回り込むための機動であり、実戦で機動性能も空戦戦術も全く違う連合軍機相手に使う必要は全く無かったという。同氏曰く、体験的に編み出される職人芸のようなもので、パイロットそれぞれに個性があり、操縦法を口で説明するのはちょっと無理とのことである。参考：丸メカニック別冊１、月刊丸1,'15増刊、戦闘機のしくみ、月刊航空ファン11,’17

　＜横滑り＞：機体構造に無理がかかり、射爆撃の照準は不正確になるので、基本は行わない。ドッグファイトに入って敵に後ろに付かれたら、ラダーを僅かに当てて水平直線飛行に見せかけた若干の横滑り飛行で敵の照準を外す。逆に敵機の後ろに付いたのに横滑りをしていると銃撃しても当たらないので、敵を撃つ際には横滑りせず飛ぶ必要があるが、この瞬間に別の敵から見越し射撃を喰らうと自分が撃墜されてしまうので、射撃直前には後方をしっかり確認して別の敵が潜んでいないかを確認しておかなければならない。参考：月刊丸1,'15別冊、丸メカニック別冊１

＜零式艦上戦闘機（着艦）＞：計器速度135ノットで飛行甲板上空を通過、状況を確認する。オートマチック・ミクスチャー・コントロール（AMC）を切り、プロペラピッチをローピッチに変更、カウルフラップを閉じて着艦フックを降ろす。第一旋回（左90度旋回）を行い、スロットルを少し絞り、計器速度を100-115ノットにする。キャノピーを開き、座席を一杯に上げ、シートベルトを締め直す。第二旋回（左90度旋回）を行い、高度2000m、計器速度95ノットをとる。脚を出し、青灯３つが点灯したことを確認。フラップを出して空母を見る。着艦地点を確認しつつ第三旋回（左90度旋回）を行い、スロットルを更に絞って降下飛行を行う。第四旋回（左90度旋回）を行ってファイナルアプローチに入る。着艦アプローチ時のグライドパス角度は誘導標を見て判断する。空母の手前に白、奥に赤の標識があり、両者が横一直線に並ぶとちょうど良い角度で、白が下にずれていれば角度が大きすぎ、上にずれていれば角度が小さすぎる。機軸線が飛行甲板からはみ出ないように注意。横滑りや当て舵で修正する。機首を少し上げてスロットルを吹かし、昇降舵タブとエンジン出力で機首角度を調整する。着艦進入速度は70-72ノットで、機体重量により調節する。機体が艦尾を通過したらスロットルをゆっくり絞って機首を三点姿勢まで引き起こし、後ろから３本目の着艦制動索に着艦フックを引っかける。整備員が索から着艦フックを外すと、艦上の向かい風により機体が後ろに下がるので、ブレーキを踏んで着艦フックを引き込み、駐機位置に移動する。飛行甲板上で着艦に使用される場所は100mくらいで、最前部（艦橋あたり）にクラッシュバリアが立てられており、着艦に失敗してタッチアンドゴーも出来なかった場合にはそこに突っ込んで止まる。荒天時には空母がローリングとピッチングを起こしており、誘導標も周期的にピッチングするので、惑わされずに機首角度を一定に保つようにする。着艦した際にピッチングの影響で機体が跳ね、着艦フックが索を飛び越してしまうことがあるので注意。参考：丸メカニック別冊１

＜零式艦上戦闘機（発艦）＞：実戦では飛行甲板の艦尾から150mの間に零戦、艦爆、艦攻が並べられ、前から順に発艦していく。よって、最初に飛び立つ零戦は50mくらいしか滑走できない。空母は風上に向かって全速で航行し、毎秒18m以上の向かい風が得られるようにする。主翼のフラップを10度の下げ位置とし、ブレーキを踏み込み、スロットル・レバーを赤ブースト一杯の離昇出力まで押し込んでブレーキを離す。方向舵が効き始めたら飛行甲板中心線に向かい滑走を続け、昇降舵が効いてきたら操縦桿を前に倒して機体を水平位置とし一気に加速、70ノットを超えたら操縦桿を徐々に後方に引いて発艦する。ヘマをするとそのまま海に墜ちる。参考：丸メカニック別冊１

＜零式艦上戦闘機（離陸）＞：キャノピーを全開にして飛行眼鏡をかけ、座席を上げ一杯にして視界を確保する。全周を確認しつつエンジンをスロー運転にし、整備員に手先信号を送って車輪止めを外してもらう。滑走し始めたら、主脚と尾輪のオレオ、タイヤ空気圧、ブレーキを確認し、離陸点まで進む。ブレーキを踏み込み、カウルフラップが全開になっているのを確認、黒ブースト０までスロットルを入れて点火プラグの汚れを取り除く。スロットルを戻し、地上と上空の前後を見張り、ブレーキを弛めながらスロットルを徐々に開き加速、操縦桿を前に倒して機体を水平位置にする。プロペラの回転が増すにつれてトルクによる左旋回が始まるので、右足を踏み込んで当て舵操作を行う。エンジン全開で離陸するが、離陸の少し前から操縦桿を戻していき、やや上げ舵になったあたりで失速速度を超えて離陸するようにする。この辺の速度は感覚で掴んでおり、いちいち速度計は見ない。高度10mで脚把柄を上げとし、両脚表示灯が青から黄色を経て赤となれば脚は収容されたことになるが、両翼上面に突き出ている脚位置指示板が上面外板と同じレベルまで沈んだことにより確認し、脚把柄を中正に戻す。座席を適当な高さに戻し、キャノピーを閉めて飛行眼鏡を外す。巡航高度（通常3000-4000m）まで上昇する。巡航速度は120-140ノットで、巡航高度に到達して水平飛行に移ったら、黒ブースト200までエンジンを絞り、プロペラピッチ把柄を前方に押し出して高ピッチにする。すると速度が上昇すると同時にブースト計が黒100あたりまで上がってくるので、更にスロットルを絞り、回転数を1850にすると、速度が135ノット、ブーストが黒170あたりになる。カウルフラップを閉め位置にし、筒温180℃・排気温度800℃あたりに落ち着くのを確認する。敵機に遭遇するなどして増速する場合、慌ててスロットルを全開にしてもプロペラピッチが変化するだけで速度が上がらないため、まずはプロペラピッチ把柄を常時（低ピッチ固定）に戻す必要がある。参考：丸メカニック別冊１

＜零式艦上戦闘機（離陸まで）＞：機体外周を一回りして各部を点検する。タイヤ空気圧、車輪止め、主脚・尾脚オレオの位置、点検窓カバーや燃料補給口蓋の締め付け、ピトー管カバー・銃口栓・三舵振れ止め板の外し忘れの有無を確認し、携帯用具や物品を確かめ、コクピットに乗り込む。燃料計を確認し、燃料コックを主タンクに切り替え、落下傘バンドと落下傘を結び、自動索と座席とを結合させる。シートベルトを締め、座席の上下を試す。操縦装置を動かして三舵の作動を確認する。「前放れ」と叫んでプロペラから整備員をどかし、主接断器を断に入れて「スイッチオフ」と怒鳴り、「イナーシャ回せ」で整備員にイナーシャ・スターターを回してもらう。回転音を聞いてスターターが最大回転に達したと判断したら、「コンタクト」と叫んで主接断器を入れ、計器板の右にあるイナーシャ・スターター・レバーを引いてプロペラシャフトとスターターを直結させる。するとプロペラが回り始めるので、スロットルを少し開いてエンジンが点火するのを待つ。この際、プロペラの推力で機が前方につんのめることがあるので、足で操縦桿を手前に引き、ラダーを上げ舵にしてそれを防ぐ。エンジンが始動したら油圧計を確認する。潤滑油が入っていなくてもエンジンは焼き付くまで動き続けてしまうため、油圧が上がらなかったらすぐエンジンを切らなければならない（潤滑油計は付いていない）。油圧は１平方センチあたり4kg、燃圧は１平方センチあたり0.32kgが標準である。低回転の暖機運転で油温が40℃まで上昇したら、カウルフラップを全開にして筒温が上がりすぎないようにし、オートマチック・ミクスチャー・コントロール（AMC）のハンドルをフリーに、ACレバーを手前一杯に引いて目盛ゼロ位置にして、プロペラピッチ把柄を常時（低ピッチ固定）に入れ、エンジン試運転に移る。スロットルを絞りきったり全開にしたりして、ブースト計（黒ブーストはマイナス450から０、赤ブーストは二一型までがプラス250mm、三二型以降がプラス350mmまで）と回転計を交互に見つつ、ブーストに応じた排温計（標準800℃）と筒温計（標準180℃）の変化のバランスを確かめる。中速運転で主接断器を両から左／右単独に切り替え、回転数の低下が毎分50回転以内であることを確認する。機体の振動、エンジン音、排気の臭いなどもエンジン異常を判断する材料である。脚やフラップの作動油圧を確認し、OPL射爆照準器を点灯させてオフとし、7.7mm機銃を半装填し、兵器員に連絡して20mm機関砲の装填・尾栓後退を行ってもらい、無線電話を点検する。参考：丸メカニック別冊１、続日本海軍よもやま物語

＜零式観測機＞：零式水上観測機シリーズを参照。

＜零式小型水上偵察機シリーズ＞：日本海軍の潜水艦搭載用水上偵察機E14Y。九六式小型水上機の後継で、秘匿のため民間企業でなく空技廠で開発し、昭和12年に試作機が完成、昭和13年に初飛行した。昭和15年12月に零式一号小型飛行機一型として制式採用され、昭和18年までに126機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜十二試潜水艦用偵察機＞：試作機。当初は垂直尾翼幅をそのまま格納庫に入る長さに抑えていたが、テストの結果方向安定性が低かったため、十分な翼スパンを確保し、格納時は取り外す設計に変更した。参考：月刊丸3,'18別冊

＜零式小型水上偵察機一一型＞：略符号E14Y1、連合軍コードはグレン（Glen）。組み立てが簡単になるように単葉機とされ、母艦の浮上から発進までは10分以内で行える（暖気に2.5-3分かかるので、組み立て途中からパイロットが乗り込んでエンジンを回す）。主翼とフロートと左右斜め支柱と前後支柱とプロペラを胴体から外し、垂直尾翼上下の安定フィンも外し、水平尾翼を折り畳んで格納筒（全長8.5m、内径2.4m）に収容する。全長8.5m、全幅10.98m、全高3.8m、自重1119kg、全備重量1450kg、過荷時総重量1600kg。翼面積19平方メートル。エンジンは日立製天風一二型空冷星形９気筒（340馬力）単発、巡航速度157km、最大速度246km、実用上昇限度5420m、上昇力3000mまで10分11秒、航続距離819km。武装は7.7mm旋回機銃１丁。乗員２名。昭和17年から巡潜甲型、巡潜乙型などに搭載されて実戦配備された。帰投した時に母艦が敵に遭遇するなどして潜航していれば海面に突っ込んで自爆するしか無く（敵地海面の真ん中で不時着水してもどうしようもない）、敵機に追跡されたら振り切るまでは母艦に近づけず、乗員は毎回命がけの任務であった。昭和17年9月9日と29日に伊25から発進してオレゴン州に小型焼夷弾を投下し、アメリカ本土爆撃を行った唯一の航空機となった。この際、焼夷弾を積めるよう改造を施しており、以降の生産機も30kg爆弾２発を搭載できるようにしている。昭和18年には伊８に搭載されてドイツに到着した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、月刊JWings8,’06、歴史群像12,’09、潜水艦気質よもやま物語、帝国海軍太平洋作戦史�T

　＜零式二号小型水上機＞：略符号E14Y2。エンジンを天風二一型に換装するなどした改良型。試作機も作られたらしいが、昭和20年4月の海軍機リストには載っていない。参考：月刊丸8,’11

＜００式個人用防護装備＞：陸上自衛隊の戦闘用NBC防護服。上衣とズボンには迷彩塗装が施されており、撥水加工の外層布、液体浸透防止の先端溶接パイル構造内装表布、気体吸着用繊維状活性炭を使用した活性炭布、着心地の良い内層裏布の４層構造で、撥水糸により全層を貫通しないような縫製を行っており、縫い目からも化学剤などが浸透しないようになっている。ゴム手袋は布製手袋の上から嵌める。ブーツは黒で、足の甲をベルトで締めるタイプである。防護マスクは顔全体を覆うタイプで、活性炭フィルターを収容したキャニスターがマスク前面に装着されている。目の部分は左右が独立して透明カバーで覆われており、携行時に２つ折りすることが可能。00式個人用防護装備防護衣・フードは東洋紡、00式個人用防護装備防護マスクは興研が受注しており、戦闘用防護衣＋防護マスク４形の後継として2001年から全部隊に配備された。重量7.7kg。防護マスクに関し、東日本大震災における福島原発事故で出動した隊員からは車両や航空機を操縦する際に十分な視野が得られない、フィルター越しに息を吸わなければならないので長時間の着用では息苦しさを自覚する、無線の声が籠もるという欠点が指摘され、2011-13年度に技本で改良研究が行われ、18式防護マスクの開発に活かされた。参考：JGround Vol.11、スピアヘッドNo.17、MAMOR vol.89、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究1,’18、3,’18

＜零式観測機シリーズ＞：日本海軍の複座水上観測機、略符号F1M、通称ゼロ観。連合軍コードはピート（Pete）。艦隊決戦時に敵水上偵察機を排除しつつ着弾観測が行える艦載複座水上機として昭和10年3月に三菱、愛知、川西に試作発注され、十二試二座水上偵察機の開発が不調だったためこれの代替として製作が進められ、格闘性能に優れた三菱機が昭和15年12月に制式採用され、昭和19年までに1118機（700機？）が生産された。フロートを付けていながらテストでは九六式艦上戦闘機と同等の格闘戦性能を示し、ショートランド島の水上機基地に配備されて偵察・爆撃・空対空任務に出撃、F4F戦闘機を撃墜したこともある。参考：月刊丸3,’18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings11,'21、8,’06

　＜零式一号観測機一型＞：略符号F1M1。胴体は全金属製セミモノコック構造、胴体下面に大型フロートを装着する単フロート式で、翼端に補助フロートを持つ。主翼は格闘戦性能と上昇力重視で敢えて複葉とし、翼支柱はＩ字形にして抗力を減らし、折り畳み機構（付け根から後ろに畳む）も設けた。翼平面形は試作初号機では上反角２度の楕円テーパー翼だったが、海軍でのテストで垂直旋回や宙返りの際の自転傾向が問題となり、上反角３度の直線テーパー翼に変えて前縁に捩り下げも付けている。軽量化のため後桁より後方は羽布張りにした。初号機は昭和11年6月に完成したが、社内試験で方向安定性の低さが問題になり、垂直尾翼を改良、フロートを大型化して昭和12年3月に海軍に納入した。その後も自転傾向改善のため垂直尾翼改良の試行錯誤が続き、開発は長引いたが、その間に瑞星エンジンが完成したためこちらに積み替えた試作３・４号機を作り、最大速度37km向上・上昇力5000mまで２分短縮といった性能強化を得て制式化された。全長9.56m、全幅11m、全高4.16m（4.00m？）、自重1928kg、全備重量2550kg、最大離陸重量2856kg。翼面積29.54平方メートル。エンジンは三菱製瑞星一三型空冷星型14気筒（875馬力）単発、最大速度370km、実用上昇限度9440m、上昇力5000mまで９分36秒、航続距離740km（1070km？）。武装は7.7mm固定機銃２丁、7.7mm旋回機銃１丁。30kgまたは60kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。主フロートが脆いという欠点があり、着水時に折れて機体が180度前転、パイロットが溺死する事故が発生したため、３本の力骨を追加して強化した。後に零式観測機一一型に改称された。参考：月刊JWings8,’06、11,'21、月刊丸3,'18別冊、続日本海軍よもやま物語、日本航空母艦史

　＜Ｆ１Ｍ２＞：全長9.5m、全幅11m、全高4m、自重1928kg、全備重量2550kg、過荷時総重量2856kg。エンジンは三菱製瑞星一三型空冷星型14気筒（875馬力）単発、巡航速度204km、最大速度369km、実用上昇限度9440m、航続距離741km（正規）／1070km（過荷時）。武装は機首の7.7mm機銃２丁、後席の7.7mm旋回機銃１丁。30kg爆弾２発を搭載できる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜特攻機＞：神風特攻用の爆装型。胴体下部に50番（500kg爆弾）１発、両翼端に５番（50kg爆弾）１発ずつ、後部偵察員席を外して５番２発を装備している。突入できなかった際に50番をそのまま投棄すると下にあるフロートが損傷するため、フロート上面に半月型のパイプを取り付け、爆弾を横に逸らすようにしてある。天草及び博多に前進基地が設けられ、沖縄へと出撃していったが、低速のため撃墜されることが多かった。参考：月刊丸2,’08付録

＜零式水上初歩練習機＞：日本海軍水上練習機、略符号K8K1。九〇式水上初練の後継として昭和12年に十二試水上初歩練習機の名称で川西航空機（K8K1）、渡邊鉄工所（K8W1）、日本飛行機（K8P1）が開発し、K8P1は納期に間に合わず落選、K8W1に勝って川西航空機K8K1が昭和15年6月に零式一号水上機本練習機の名称で制式採用され、後に零式水上初歩練習機と改称された。九〇式水上初練にタウネンドリングを付けたくらいの差しか無く、海軍も水上初歩練習機の役割を九三式中練に担わせる方針としたため、試作機３機を含めて15機のみ製作され、霞ヶ浦海軍航空隊に配備された。全長8.8m、全幅9.5m、全高3.4m、自重719kg、全備重量991kg。エンジンは東京瓦斯電気工業製神風二型（離昇出力130馬力）単発、巡航速度120km、最大速度186km、実用上昇限度3490m、航続距離513km、航続時間4.6時間。武装は無い。乗員２名（タンデム）。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜零式水上偵察機シリーズ＞：日本海軍３座水上偵察機、略符号E13A、連合軍コードはジェイク（Jake）。長距離任務用水上偵察機として昭和12年に十二試三座水上偵察機の名称で愛知航空機と川西航空機に開発が下命された。愛知航空機の試作機は納期の昭和13年9月に間に合わず完成が昭和14年1月（初号機）と6月（２号機）にずれこんだことから、一旦は川西航空機の方が内定してテストに入ったが、昭和14年6月に初号機が全損、続いて２号機も喪失してしまったため、愛知航空機が復活し、テストの結果が良好で昭和15年12月に制式採用された。同時に計画された十二試二座水上偵察機は開発中止になったため、制式名から三座は外されたが、引き続いて零式三座水上偵察機と呼ばれることも多かった。愛知航空機で133機、渡邊鉄工所と広海軍工廠で1290機の計1423機が生産され、日華事変で初陣を飾った。太平洋戦争では開戦前日にマレー上陸船団付近に飛来したイギリス軍カタリナ飛行艇を九七式戦闘機と共同撃墜し、真珠湾攻撃の事前偵察を行い、艦隊前路警戒・索敵・偵察だけでなく船団護衛、夜間爆撃、対潜哨戒など多任務に投入され、最終的には特攻に使われた。終戦間近に第634航空隊で雷撃隊も編成されたが、実戦には参加していない。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings8,’06

　＜零式水上偵察機一一型＞：最初の量産型、略符号E13A1。当初は単に零式水上偵察機で、零式一号水上偵察機一型を経て昭和17年に零式水上偵察機一一型になった。機体は全金属製セミモノコック構造で、コクピットはタンデム３座、キャノピーは全員分を１つに纏めた前後に長い形状である。主翼は低翼配置の楕円翼で、折り畳み機構を備え、内翼部下面に支柱とワイヤーで支えられたフロートが付く。全長11.49m、全幅14.5m、全高4.78m、自重2524kg、全備重量3640kg。翼面積36平方メートル。エンジンは金星四三型空冷星形複列14気筒（1080馬力）単発、最大速度376km（367km？）、上昇力3000mまで５分27秒、航続距離3326km（7950km？）。武装は電信席の7.7mm旋回機銃１丁。60kg爆弾なら４発（うち２発は胴体下面爆弾倉内）、250kg爆弾なら１発を搭載できる。乗員３名（操縦員、偵察員、電信員）。特攻の際は八十番通常爆弾マル特用を積んでいった。参考：月刊丸3,'18別冊、月刊JWings3,'22、8,’06、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本海軍の爆弾、日本航空母艦史

　＜零式水上偵察機一一型甲＞：略符号E13A1a。三式空六号無線電信機四型（レーダー）を搭載したもので、胴体両側と右主翼にアンテナを装備する。全長11.3m、全幅14.5m、全高4.8m、自重2642kg、全備重量3650kg。エンジンは金星四三型（1060馬力）単発、巡航速度222km、最大速度376km、実用上昇限度8730m、航続距離2090km／2600km（過荷時）。防御武装は7.7mm旋回機銃１丁。250kg爆弾１発を搭載できる。昭和19年11月に採用された。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜零式水上偵察機一一型乙＞：略符号E13A1b。KMX磁気探知機を搭載したタイプである。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜零式水上偵察機（水上艦攻撃型）＞：電信席後方（第958航空隊所属機）または中央席下面に九九式二〇粍旋回機銃１丁を搭載したタイプで、魚雷艇の攻撃に使用された。参考：月刊丸3,’18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜零式水上偵察機ファミリー＞

　＜零式練習用水上偵察機＞：練習機型で、複操縦装置を備える。参考：月刊丸3,'18別冊

＜零式荷物輸送機＞：零式輸送機ファミリーを参照。

＜零式輸送機シリーズ＞：日本海軍輸送機、略符号L2D、連合軍コードはタビー（Tabby）。海軍でダグラスDC-3輸送機の生産権を昭和12年12月（昭和13年2月？）に取得し、昭和飛行機でライセンス生産したものである。昭和飛行機で民間型も合わせて425機（416機？430機？うち75機が荷物輸送機型）が生産され、うち20機は陸軍に引き渡された。また、中島飛行機でも71機が生産された。昭和18年末以降は尾翼や補助翼などを木製化、フラップや燃料タンクなどを鋼製化している。太平洋戦争終戦時は50機強が残っていた。参考：月刊丸12,’90、3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜Ｄ一号輸送機＞：略符号L2D1。５機分の半製品を輸入して組み立てたものだが、創設したての昭和航空機の手に余り、初号機は昭和14年に漸く完成、最終５号機の組み立て完了は昭和16年になった。うち海軍には２機が納入され、残る３機は大日本航空が使用している。エンジンは輸入したサイクロン発動機G2型（SGR1820G2B）である。参考：月刊丸3,'18別冊、12,’90

　＜零式輸送機一一型＞：略符号L2D2。国産ライセンス生産型で、当初はＤ二号輸送機またはＤ二号輸送機一一型と呼ばれ、昭和18年に改称された。規格をヤード・ポンド法からメートル法に変更し、エンジンを金星四三型に換装している。全長19.75m（19.705m？）、全幅28.964m、自重7134kg、全備重量10900kg、搭載量3866kg。エンジンは金星四三型（全開出力900馬力）双発、巡航速度259km、最大速度354km、実用上昇限度7280m、航続距離3243km。乗員５名＋搭乗人員21名。昭和16年7月から昭和飛行機と中島飛行機で71機が生産された。参考：月刊丸3,'18別冊、12,’90、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜零式輸送機二二型＞：略符号L2D3、試作名称Ｄ二号輸送機改。エンジンを強化し、燃料タンクを追加、主扉を大型化し、艤装を単純にしたもので、昭和17年から試作され、昭和18年5月に制式採用された。全長19.7m、全幅28.9m、全高7.5m、自重7706kg、全備重量12500kg。エンジンは金星五一型／五二型／五三型（離昇出力1300馬力）双発、巡航速度241km、最大速度395km、実用上昇限度7280m、航続距離3310km（搭乗人員21名）／4980km（搭乗人員７名、燃料満載）。乗員５名＋搭乗人員21名。搭乗人員数を９名に減らした貨客混載型もある。昭和18年末からはフラップや燃料タンクを鋼製に、客室、外翼、水平安定板などを木製にした簡易バージョンが生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、12,’90

　＜零式輸送機二二甲型＞：略符号L2D3a。武装型で、昭和19年10月に制式化された。二二型の機体側面に7.9mm機銃３丁または7.9mm機銃１丁＋13mm機銃２丁、上面に7.9mm機銃１丁または13mm機銃１丁を装備する。参考：月刊丸3,'18別冊、12,’90

　＜零式輸送機二三型＞：略符号L2D4。二二型のエンジンを金星六二型（1500馬力）に換装したもの。参考：月刊丸3,'18別冊、12,’90

　＜零式輸送機三三型＞：略符号L2D5。二三型の全木製型。強度試験用の胴体と主翼が２つずつ完成したところで終戦を迎えた。参考：月刊丸3,'18別冊、12,’90

＜零式輸送機ファミリー＞

　＜零式荷物輸送機一一型＞：略符号L2D2-1。当初はＤ二号貨物輸送機と呼ばれた。零式輸送機一一型を貨物輸送用に改造したもので、客室を貨物室に変更して固定座席、防音材、内張などを撤去し、床に台車用レールを敷いて手動式クレーンも装着している。貨物室に空冷式発動機３台、胴体下面にプロペラ２本を装着して輸送する。貨物室内の折り畳み式簡易座席を使用すれば乗員と合わせて10名を乗せられる。参考：月刊丸3,'18別冊、12,’90

　＜零式荷物輸送機二二型＞：略符号L2D3-1。零式輸送機二二型を貨物輸送型にしたもの。参考：月刊丸12,’90

＜零式練習用水上偵察機＞：零式水上偵察機ファミリーを参照。

＜．３０カービン＞：7.62mm×33弾を参照。

＜．３００ウィンチェスター・マグナム＞：弾丸重量11.7g。初速毎秒903m。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜．３０−０６弾＞：アメリカやイギリスなどで使用されている7.62mm×63弾。通常弾、えい光弾、焼夷弾、徹甲弾などがある。弾丸重量9.85g（通常弾）、初速毎秒837m。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、最新軍用ライフル図鑑

＜．３０３ブリティッシュ＞：7.7mm×54R弾を参照。

＜．３０８ＮＡＴＯ＞：7.62mm×51弾を参照。

＜．３８／２００＞：イギリス軍の回転式拳銃。スミス＆ウェッソン社の.38M&Pリボルバーをイギリス軍制式の.38/200弾用に改造したもので、1940年に採用された。当初は４／５／６インチバレルの３種類が生産されていたが、1942年4月からは６インチバレルのみの生産となった。全長261mm、銃身長127mm、重量0.9kg。装弾数６発、弾倉はスイングアウト式。90万丁が生産され、No2リボルバーよりも性能が高いためコマンドー部隊や空挺隊が好んで使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜．４５ＡＣＰ＞：M1911拳銃用11.4mm拳銃弾で、ACPはオートマチック・コルト・ピストルの略。弾丸重量14.9g。参考：日本の防衛戦力Part8

＜００１型＞：遼寧級空母を参照。

＜００１Ａ型＞：002型（空母）を参照。

＜０１＞：イギリス海軍クイーン・エリザベス級戦艦マレーヤ（Malaya）。イギリスの植民地だったマレーからの献金で建造費を賄ったため、この艦名になった。1916年2月16日竣工。1916年5月31日、第５戦艦戦隊所属でジュットランド海戦に参加。1934年から第２次改装に入った。1940年7月9日、カラブリア沖海戦に参加。1941年2月9日、グロッグ作戦に参加。11月13日、U-81の雷撃を受けて大破した。1942年から本国艦隊に所属。1945年に予備役に編入され、宿泊艦となった。1948年に除籍され、2月に売却されて解体された。参考：近代戦艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船1,’12、6,’16、4,’17、11,'21、8,'22、Ｕボート入門

＜０１＞：オーストラリア海軍アデレード級ミサイルフリゲート１番艦アデレード（Adelaide）。1980年11月竣工。2005年退役。2008年1月に除籍された。ニュー・サウス・ウェールズ州政府に移管されて魚礁兼ダイビングスポットにされることになったが、環境団体の反対で延び延びになり、2011年4月13日にニュー・サウス・ウェールズ州アヴォカ・ビーチ沖1.8kmに沈められた。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、7,’11、5,’15

＜０１＞：チリ海軍ブルックリン級巡洋艦プラット。元はアメリカ海軍ブルックリン級巡洋艦CL-40ブルックリンで、1951年1月に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜０１式軽対戦車誘導弾＞：陸上自衛隊の対戦車ミサイルで、略称はLMAT／軽MAT、愛称はLAT（ラット、Light Anti-Tank）。部隊内ではマルヒトやゼロワンと呼ばれているらしい。84mm無反動砲カールグスタフの後継として1993年からXATM-5として川崎重工で開発され、2001年に制式化された。非冷却赤外線画像誘導式の撃ち放し式で、全天候下で運用可能であり、照準器も含めて非冷却式なので瞬発交戦能力を持ち、１名で操作できる。後方爆風が少ないので、掩蓋、屋内、軽装甲機動車のルーフ上からも発射可能。発射されると先ず弾体側面のロケットブースターで加速し、次いでメインロケットに点火して飛翔、直進するダイレクトモードまたは上部から突入するダイブモードで目標を直撃し、タンデム弾頭で破壊する。使い捨てミサイルコンテナは運搬時には前後を発泡スチロール製の黒キャップで覆ってあり、発射する際に外す。ミサイルコンテナの照準器への取り付け作業は短時間で済み、毎分４発を発射できる。発射後はコンテナを捨てて退避することで身軽になる（訓練時はもちろん回収する）。全長860mm（970mm？）、胴体直径120mm（140mm？）、システム重量17.5kg、ミサイルコンテナ重量11.4kg（ミサイル含む）、ミサイル本体重量9kg。射程1km以上（2km？）。川崎重工製で、１セット2700万円（7000万円？）。2010年度の調達価格は39セットで29億円。84mm無反動砲より操作要員が１名減ったのは長所だが、予備弾まで携行すると重すぎるので軽装甲機動車とセットでの運用が基本となった。零距離射撃ができないのと弾種が少ないのが欠点で、目標と背景の赤外線放射が似通っているとロックオンに苦労するようである。2003年の日米共同訓練では市街戦での運用をテストしたという。ただ汎用性が84mm無反動砲に劣るのは如何ともし難かったらしく、カールグスタフM3が84mm無反動砲（Ｂ）として採用された。参考：月刊JWings6,’03、7,’02、6,’10、月刊グランドパワー7,’04、月刊PANZER11,’04、月刊コンバットマガジン5,’06、11,’03、月刊軍事研究9,’17、12,’07、11,’10、12,’10、12,’11、スピアヘッドNo.6、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜０１式軽対戦車誘導弾照準訓練用トレーナ＞：自衛隊の訓練器材。川崎重工製。参考：月刊軍事研究5,’08

＜０１式軽対戦車誘導弾用教材（操作訓練セット）＞：自衛隊の訓練器材。川崎重工製。参考：月刊軍事研究5,’08

＜０１式軽対戦車誘導弾用教材（ハンドリング模擬セット）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜０２＞：イギリス海軍クイーン・エリザベス級戦艦ヴァリアント（Valiant）。1916年2月19日竣工。1916年5月31日、第５戦艦戦隊所属でジュットランド海戦に参加。8月24日、スカパフロー泊地で戦艦03ウォースパイトに衝突された。1937年から1939年12月まで改装工事を受け、舷側の副砲を全て撤去して11.4m連装高角砲10基を搭載した。1941年3月27日、マタパン岬沖海戦に参加。12月18日、アレクサンドリアでイタリア海軍潜水艦シーレから発進したSLCの攻撃を受けて大破着底した。1944年、水上機を降ろし、前後の上部構造物の間にボート甲板を設けた。8月、ツリンコマリーでドックイン中に浮きドックが沈没、本艦も横転大破し、イギリスに帰投して第二線に退いた。1945年7月退役。1948年に除籍され、3月（2月？）に売却されて解体された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船5,’18、1,’13、6,’09、6,’16、1,’12、4,’17、8,’22

＜００２型＞：中国海軍空母（中国の艦種呼称は航母）。就役前は001A型と思われていたが、2019年12月17日の受渡・就役・命名式で中国海軍と中国船舶集団公司CSSCが002航空母艦交接艦議定書に調印し、正式には002型だったことが判明した。遼寧級ベースのSTOBAR空母で、艦首にスキージャンプ台、左舷側にアングルドデッキ（開度７度）を持つ。スキージャンプ台の傾斜は、短距離発艦用レーンを遼寧級より長くした分、遼寧級より２度減って12度になった。短距離発艦の場合、PL-8WVRAAM４発とPL-12BVRAAM４発を搭載して燃料75%を積んだ殲撃15戦闘機が甲板風速ゼロで発艦できるとされる。エレベーターは右舷アイランド前後に外舷式で１基ずつ装備する。アレスティング・ワイヤは３本に減った説があったが、４本のままで、12m間隔で配置されている。余計な兵装は最初から積んでいないので、格納庫は長さ183m（遼寧級より15m増）・幅29.4m（遼寧級より4m増）・高さ7.5m・床面積5040平方メートルあり、殲撃15戦闘機32-36機、ヘリと合わせて40-45機（51-56機説あり）を搭載できるらしい。アイランドは飛行甲板右舷やや後方にあり、遼寧級より小型化していて、殲撃15型戦闘機をアイランドと前部エレベーター間に１機、アングルドデッキ左舷に１機、艦尾両舷に１機ずつ追加配置できるようになった。アイランドは煙突と一体化されていて、航海艦橋（03甲板レベル）の下に司令部用艦橋（02甲板レベル）を設けている。斜め４方向にフェイズド・アレイ・レーダー（052D型と同じH/LGJ-346A型らしい）の平面アンテナがあり、装備位置は遼寧級より高い。アイランド上面前部タワーマスト上に382型レーダーを装備する。艦載戦闘システムはH/ZBJ-2。全長315.5m（308.5m？）、水線長270m、飛行甲板最大幅75.5m、水線幅38m、吃水10.5m、基準排水量56000トン（58500トン？）、満載排水量67000-67500トン（70000トン？）。主機はウクライナ製TB-12蒸気タービン４基、主缶は重油専焼缶８基、出力200000馬力、４軸推進、速力30ノット、航続距離8500海里（18ノット）／4050海里（29ノット）。発電機はタービン（出力1.5MW）９基＋ディーゼル（出力1.5MW）６基。兵装はHHQ-10近接防御艦対空ミサイル18連装発射機４基（３基？２基？）、30mm近接防御兵器H/PJ-11が３基、RBU6000対潜ロケット発射機２基。乗員2500名。2019年に艦番号17山東が就役した。参考：月刊世界の艦船8,'23、8,'22、4,'21、3,’20、2,’20、4,'23、3,'23、8,'20、2,’19、3,’18、10,’18、8,’17、7,’17、10,’17、7,’18、8,’18、11,’18、12,’18、3,'21、5,'23、月刊軍事研究7,’17、10,’17、1,’18、月刊航空ファン7,’18、8,’18

＜００２型（仮称）＞：003型（空母）を参照。

＜０２＞：オーストラリア海軍アデレード級ミサイルフリゲート２番艦キャンベラ（Canberra）。1981年3月竣工。2008年退役。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’15

＜０２＞：チリ海軍ブルックリン級巡洋艦オ・ヒギンズ（O’Higgins）。元はアメリカ海軍ブルックリン級巡洋艦CL-43ナッシュビルで、1951年1月に引き渡された。1974年8月に座礁して損傷し、一旦予備役に退いて宿泊艦となったが、1977-78年に修理を受けて現役復帰した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜０２＞：フィンランド海軍ハメンマー級機雷敷設艦１番艦ハメンマー（Hämeenmaa）。1992年就役。2022年5月16-17日、ミサイル艇ナーンタリ、R2000ハミナ級ミサイル艇トルニオ、カタンパー級機雷掃討艇41プルンパー、ヒリエ級汚染制御艦899ハリ、油防除船999ロウヒと共に、バルト海で、アメリカ海軍LHD-3キアサージ、LSD-44ガンストン・ホール、DDG-107グレイブリイ、スウェーデン海軍支援艦P04カールスクローナとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’22

＜０２ＦＴＸ＞：キーン・ソード21（日米共同演習）を参照。

＜０２式自走１００ｍｍ突撃砲＞：WZ551装甲車ファミリーを参照。

＜０３＞：イギリス海軍クイーン・エリザベス級戦艦ウォースパイト。艦名はWar（戦争）＋Despight（軽蔑する）の造語で、当初はそのままWarspightだったが、後にWarspiteに変更された。Spightがヨーロッパアオゲラの俗称だったので、砲口栓のレリーフにはヨーロッパアオゲラを使用している。1912年12月31日起工、1913年11月26日進水、1915年3月8日就役（3月15日竣工？）。9月17日、座礁事故で燃料タンクを損傷した。11月20日、修理を完工。12月3日、演習中に第５戦艦戦隊旗艦戦艦04バーラムの右舷艦尾に衝突した。1916年5月31日、第５戦艦戦隊所属でジュットランド海戦に参加。突如舵が故障してしまい、大口径砲弾13発を被弾し、１発は吃水線上0.3mの装甲帯を吹き飛ばしたが、副長がハンモック600本を詰め込んで破孔からの浸水を食い止めることに成功した。ただＸ砲塔付近に命中した１発が消防主管を破壊したため、海水が噴出して発電機室に流れ込み電気系統がショート、艦内各所で火災が発生し、海戦を終えてフォース・ブリッジを通過した時点でも艦内７カ所が炎上中だったという。8月24日、スカパフロー泊地で突如舵が故障し、戦艦02ヴァリアントに衝突した。1924-26年、第１次改装を受けた。1934-37年、第２次改装を受けた。1940年4月13日、ナルヴィク海戦に参加。事前偵察のため発艦させたソードフィッシュがU64潜水艦を爆撃して撃沈した。7月9日、カラブリア沖海戦に参加。1941年3月27日、マタパン岬沖海戦に参加。1943年9月16日1430、サレルノ上陸作戦に向かう途中、SD-1400XフリッツＸによる攻撃を受けて１発が直撃、２発が至近弾となった。直撃した１発は船尾煙突から第４缶室を貫通して二重底の予備給水タンクで爆発、艦底部に6m×2-4.3mの大穴が開いた。右舷側至近弾は第５缶室付近のバルジを破壊して第1-5缶室、機関室２室、発電室２室、推進機軸などに浸水、炸裂時の衝撃も加わって全缶室が使用不能となり、電源はディーゼル発電機で何とか回復したが、油圧を全喪失したため主砲塔は作動不能、無線とレーダーは浸水と衝撃で使えなくなった。艦全体で5000トン浸水して吃水が1.5mまで低下したものの、火災は発生せず、人的損害は死者９名、負傷者14名だった。9月19日0800、曳航されてマルタ島グランド・ハーバーに入港。修理には７ヶ月かかっている。1944年6月、オーバーロード作戦に参加し、上陸地点への砲撃を行った。1946年に除籍され、7月に売却されて解体された。参考：近代戦艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、世界の傑作機No.145、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船8,'22、4,’17、1,’12、5,’91、11,’17

＜０３＞：オーストラリア海軍アデレード級ミサイルフリゲート３番艦シドニー（Sydney）。1983年1月竣工。1996年5月22日から6月22日、リムパック96に参加。2012年10月6日、横須賀に入港。10月14日、平成24年度海上自衛隊観艦式に参加。2013年5月6日、アメリカ海軍横須賀基地に寄港。その後３ヶ月に亘り、CVN-73空母打撃群に加わって訓練を実施。6月15-16日、関東南方海域で日豪共同訓練に参加。6月22-26日、マリアナ諸島近海でパシフィック・ボンド2013に参加。2015年2月27日、シドニー港に入港。2015年内に退役予定。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊、7,’13、9,’13、5,’15、朝雲

＜０３＞：パプア・ニューギニア海軍パシフィック型哨戒艇ゼーアドラー（Seeadler）。2016年9月12-24日、カカドゥ2016演習に参加。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜０３ＡＣ００１−０１＞：自衛隊のメモリーカード記録器で、SH-60Kに搭載されている。関東航空計器製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜０３ＤＤ模擬装置＞：自衛隊の機器。三菱スペース・ソフトウェア機器製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜０３Ｐ式水陸両用戦車＞：63式水陸両用軽戦車シリーズを参照。

＜００３型＞：中国海軍空母（中国の艦種呼称は航母）。中国海軍３隻目の空母で、当初は２隻目が001A型と呼ばれていたので002型と推定されていたが、実際には２隻目が002型山東級空母で、３隻目は003型だった。CATOBAR通常動力空母で、アングルド・デッキと電磁カタパルト（艦首飛行甲板に２基、アングルド・デッキに１基。蒸気カタパルト説も根強い）を装備し、電力の問題は中電圧・直流伝送ネットワークなる謎の技術で解決したらしい。電磁カタパルト後方にジェット・ブラスト・デフレクター、艦首飛行甲板の電磁カタパルト間（前部両舷HHQ-10艦対空ミサイル発射機を結ぶラインあたり）にカタパルト管制室がある。エレベーターは右舷のアイランド前後に外舷型１基ずつ。アイランドは001A型より小型化し、前部に航海艦橋（下段）と航空管制・編隊指揮艦橋（上段）を備え、斜め４方向に346B型フェイズド・アレイ・レーダー用アンテナ、前部上面に背の低いタワーマストを装備する。艦首水線下はバルバス・バウ。全長310-330m、最大幅76-77m、基準排水量70000トン、満載排水量80000-85000トン。主機は統合電気推進方式、ガスタービン発電機２基＋ディーゼル発電機４基（蒸気タービン４基？）、出力220000馬力、４軸推進、巡航速力28ノット、最大速力30ノット。兵装はHHQ-10艦対空ミサイル発射機４基（前部両舷・後部両舷スポンソンに１基ずつ）と1130型CIWS４基（前部両舷艦対空ミサイル発射機用スポンソン前方の１段低いスポンソンと、後部両舷艦対空ミサイル発射器用スポンソン後方の１段低いスポンソンに１基ずつ）。搭載機数60機（殲撃15S/T戦闘機40機＋KJ-600AEWなど20機。30-40機？80機？100機弱？）。2017年2月（2016年？2017年末？2018年？）、上海の江南造船所で起工し、2018年11月に新華社通信が建造中であると発表、2019年4月に江南造船所で建造されているのが衛星画像で確認された。2020年進水・2022-23年就役予定だったが2024年就役に遅れる模様。2020年5-6月、新しい乾ドックに移動した。12月27日、組み上がった船体の写真を中国メディアが掲載した。2022年6月17日進水。艦名は福建（フーチエンFujian）となった。参考：月刊世界の艦船8,'23、9,'22、10,'22、4,'21、8,'20、2,’20、10,’18、10,’17、10,’18、2,’19、8,’19、月刊軍事研究2,’18、4,’18

＜０３式六二口径七六ｍｍ砲えい光平頭弾薬包＞：76mm平頭弾を参照。

＜０３式３００ｍｍ１２連装自走多連装ロケット弾発射機＞：中国陸軍の多連装ロケットシステムPHL-03。ランチャー車両、再装填車両、指揮車両、気象レーダー車両、観測車両、通信車両などからなる。ランチャーは８×８輪車両WS-2400に搭載されており、BM9A52スメルチに似ている。使用ロケット弾はBRC2（180kg単一弾頭、射程130km）、BRC3（子弾623個、射程130km）、BRC4（子弾414個、射程70km）の３種。2001年から開発されて2003年に制式化され、南京軍区第１集団軍第９砲兵師と広州軍区第42集団軍第１砲兵師に１個団ずつ配備された。AR-2の名称で輸出市場にも出されている。参考：月刊軍事研究12,’09、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０３式空挺戦闘車＞：中国陸軍空挺戦闘車、ZBD-03傘兵戦車。原型車両はZLC-2000という名称で、BMD-3を参考に開発した。車体はアルミ合金製で、一部にマグネシウム合金を使用して軽量化した。防御力は前面で12.7mm徹甲弾、側面で7.62mm小銃弾に耐える程度である。車内配置は車体前部右が操縦手席、その後ろが車長席、車体前部左が機関室、中央後ろ寄りが戦闘室、後部が兵員室。戦闘室上面に砲塔があり、30mm機関砲（2A72ベース。最大仰角60度、有効射程対地4000m、対空2500m。徹甲弾125発、榴弾225発）、7.62mm同軸機銃、レッドアロー73対戦車ミサイル（砲塔上部右。レッドアロー８？）、昼夜間サイト、赤外線暗視装置を装備、内部に砲手が座る。兵員室には完全武装の空挺隊員4-5名を収容でき、側後面にはガンポートも付く。下部転輪は片側５枚で、サスペンションは油気圧式、姿勢制御も行える。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪２枚を持つ。重量9-12トン。エンジンはディーゼル（350馬力）、最大速度68km、航続距離500km。履帯により時速6kmで水上航行可能。乗員３名（車長、操縦手、砲手）＋乗車兵員４名。Il-76またはY-20に３両を搭載可能で、パレットに固縛して乗員を乗せたまま投下し、空中で主傘４枚を開いて着地、５分で戦闘態勢に入れる。和平使命2005で空中投下されたが、車高が高いため転倒してしまった。レッドアロー８を搭載する自走対戦車ミサイル車両、装甲指揮車、回収車といったファミリーもある。参考：月刊航空ファン2,’17、月刊軍事研究12,’09、2,’15、月刊丸3,’13

＜０３式多目的弾＞：陸上自衛隊のFH-70用国産クラスター弾。内部に150個の子弾を内蔵しており、100m四方に散布して制圧する。クラスター弾禁止条約で全廃された。参考：スピアヘッドNo.6

＜０３式中距離地対空誘導弾＞：陸上自衛隊地対空ミサイルシステム。ホークの後継として1996年から開発され、2003年に制式化、方面高射特科部隊に配備された。システムは、重装輪回収車と同じ８輪トラックに垂直発射式６連装ミサイルランチャーを搭載したミサイル発射装置、同じトラックに予備弾を搭載したミサイル運搬装填装置、同じトラックに全周旋回式アクティブ・フェイズド・アレイ式レーダー（目標捜索追尾とミサイル誘導が可能）を搭載した射撃用レーダー装置（空中線部）、同じトラックにレーダー信号処理装置とレーダー用電源を搭載した信号処理部、高機動車に射撃統制装置を搭載した射撃統制部、高機動車にレーダーと射撃統制装置との通信装置を搭載した通信部から構成され、射撃統制部と通信部がFCP（Fire Control Post）、射撃用レーダー装置と信号処理部がMFR（Multi-Function Firing Radar）、発射装置がLAU（Launcher）、ミサイル運搬装填装置がLDR（Loader）という名称で小隊により運用される。高射特科群など高射中隊以上で運用する際には、射撃統制部と状況監視部からなる対空戦闘指揮装置（CCC、Command and Control Central）を追加配置し、対空戦闘指揮システム及び対空戦闘通信装置とリンクして幹線無線伝送装置（MCT、Main Communication Terminal unit）などの通信装置によりFCPへと脅威への対処指令を送る。FCPはMFRで目標を探知追尾し、LAUからミサイルを発射して脅威を無力化する。適宜LDRからLAUにミサイルを補給して継戦能力を保つ。AWACS統制下の多数機同時侵攻、強力なECM環境、低空侵入攻撃などに対処可能で、全周対処能力、同時多目標対処能力、情報共有能力などでホークはおろかパトリオットPAC2よりも優れているとされ、巡航ミサイルの迎撃能力も持つ。マクレガー射場での年次射撃を支援するアメリカ軍からも、ターゲットを外すことは先ず無いと評価されている。ミサイルは四角柱状のVLSキャニスターに装填されており、ミサイル発射時には上下のカバーがＸ字状に割れて開く。ミサイル発射炎が車体を焦がしたりタイヤを溶かしたりしないよう、VLS底部にはブラスト偏向板が用意されている。ミサイル運搬装填装置の後部荷台には再装填用クレーンが用意されており、リモコン操作でキャニスターの積載が可能。ミサイル全長4.9m、直径0.32m、重量570kg。誘導は中間が指令＋プログラム、終末がアクティブレーダー。射程50km以上（60km？）。生産は三菱電機。１個高射中隊分の価格は2010年度で194.7億円。2011年秋、2010年2月に締結した調達契約に関して工数が適性に計上されていないという情報提供があり、防衛省は2012年1月17日から三菱電機鎌倉製作所に入って調査を実施するなどした結果、三菱電機が他の契約の設計工数を足して水増しするなどの方法により過大請求を行っていたことが明らかとなり、2012年1月27日に防衛省は三菱電機に指名停止処分を下した。参考：JGround Vol.11、スピアヘッドNo.6、MAMOR vol.106、vol.91、月刊軍事研究3,’14、10,’10、11,’04、月刊JWings4,’12、朝雲

　＜ミサイル発射装置＞：全長9.65m、全幅2m、全高3.5m、全備重量23.6トン。エンジンは水冷４サイクルディーゼル（出力410馬力）、トランスミッションはトルクコンバータ付オートマチック（前進６段、後進１段）、最大速度100km。乗員３名（車長、操縦手、助手）。参考：MAMOR vol.127

＜０３式中距離地対空誘導弾（改）＞：陸上自衛隊地対空ミサイルシステム。射程を延伸し、巡航ミサイルなどの低空目標や、対地ミサイルなどの高速目標への対処能力を更に高め、対空戦闘指揮統制システムADCCSとの連携による防御範囲の拡大を図り、部品点数の削減などにより価格を抑えたタイプで、AAM-4をベースに開発していたXRIM-4試作艦対空ミサイルを地対空型にしたものである。情報処理部１型（FCS）、制御部１型（補助レーダー装置）、改善弾（終末誘導用アクティブ・フェイズド・アレイ・シーカー搭載）を試作する。ミサイルは全長4.9m、直径0.28m、発射重量460kg。最大射程50km以上。2010-15年度に三菱電機で開発研究を行い、2017年度から装備化する予定。これをベースとしたVLS発射式艦対空ミサイルも2017-23年に開発する。国内には全行程試射を行える射場が無いので、発射から上昇までの初期誘導を矢臼別演習場、目標に向かう中期誘導と自身でロックオンする終末誘導を新島の試験場でテストし、仕上げの全行程試射はホワイトサンズ射場で実施する。2014年7-10月、ホワイトサンズ射場で発射試験を実施。戦闘爆撃機、巡航ミサイル、空対地ミサイルを模した標的機に対して試作誘導弾の実射を行い、精度や威力を確認した。2015年夏、ホワイトサンズ射場で迎撃試験を実施。低空を超音速巡航するGQM-163A超音速巡航ミサイル標的含む10回の実射試験を全て成功裏に終えた。参考：MAMOR Vol.81、月刊軍事研究10,’10、12,’11、2,’16、月刊航空ファン5,’11、月刊JWings9,’15、月刊世界の艦船1,’17、11,’17、1,’20

＜０３式中距離地対空誘導弾（０３式中距離地対空誘導弾（改）試験用）＞：自衛隊の誘導弾。三菱電機製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜０３式中距離地対空誘導弾（改）（支援システム）（実用試験用）（その２）＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究8,’17

＜０３式中距離地対空誘導弾（改）射場支援＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜０３式中距離地対空誘導弾（改）第１次ＰＳ試験（その２）用試験器材＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜０３式中距離地対空誘導弾（改）ネットワーク交戦模擬器材（１）＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜０３式歩槍＞：中国軍の自動小銃。95式自動歩槍がイマイチだったらしく、87式の量産型として開発された。ブルパップ式でなく、通常の小銃型をしている。全長950mm、銃床折り畳み時725mm、重量3.5kg（空弾倉含む）。装弾数30発。空軍空挺部隊に配備された。参考：月刊軍事研究5,’09、月刊航空ファン12,’19

＜０４＞：イギリス海軍クイーン・エリザベス級戦艦バーラム（Barham）。1915年10月19日竣工。12月3日、演習中に戦艦03ウォースパイトが右舷艦尾に衝突した。1916年5月31日、第５戦艦戦隊所属でジュットランド海戦に参加。1930-33年、バルジ装着、１・２番煙突の統合、艦橋・前檣の近代化、対空火力増強、３番砲塔上へのカタパルト装着などの改装を実施した。1941年3月27日、マタパン岬沖海戦に参加。11月25日、地中海東部でU331潜水艦の魚雷３本を受け沈没した。戦死者862名。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、6,’16、4,’17、8,’22

＜０４＞：オーストラリア海軍アデレード級ミサイルフリゲート、ダーウィン（Darwin）。1984年7月竣工・就役。2015年11月、オーストラリア海軍Fleet Concentration Period演習に参加。2016年1月1日、中国海軍ミサイル駆逐艦152済南、フリゲート548益陽、補給艦886千島湖とクイーンズランド沖で共同演習を実施。2016年11月19日にニュージーランド海軍創設75周年記念国際観艦式に参列予定だったが、取り止めて11月13日に発生したニュージーランド地震の援助活動を行った。2017年9月4日、L01アデレード、05メルボルン、FFH156ツゥーウムバ、FFH154パラマタ、給油艦シリウスと共にシドニーを出港。11月下旬まで日本、インド、韓国など12カ国を巡って共同訓練等を行うインド・パシフィック・エンデヴァー2017を実施する。11月27日、シドニーに入港。12月9日に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’16、3,’16、2,’17、12,’17、2,’18

＜０４式空対空誘導弾＞：AAM-5を参照。

＜０４式空対空誘導弾（改）＞：AAM-5改を参照。

＜０４式空対空誘導弾（改）の実用試験用供試弾＞：自衛隊の誘導弾。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜０４式空対空誘導弾（キャプティブ弾）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜０４式空対空誘導弾（テレメータ弾）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜０４式歩兵戦闘車＞：中国陸軍歩兵戦闘車ZBD-04。86式の後継で、2006年に制式化され、2009年の中国建国60周年記念軍事パレードで初公開された。砲塔には100mm砲（破片榴弾とGP-2対戦車ミサイルを発射可能。発射速度毎分10発）、同軸30mm機関砲2A72、同軸7.62mm機銃を搭載しており、BMP-3に相当するが、エンジンの位置が車体最前部右寄りに移されていて、歩兵の乗降が容易である。車体は圧延鋼板製で、後部両側面と後部乗降ドアに視察窓とガンポートが１基ずつ設けられている。下部転輪はダブルタイプ片側６組、上部転輪は３枚。トリムベーンを展開すれば車体後端のウォータージェット２基で水上航行できる。エンジンは8V150液冷ディーゼル（536馬力）。乗員３名＋乗車歩兵６名。300両が生産され、殆どが広州軍区に配備されている。参考：月刊PANZER7,’10、月刊軍事研究12,’09

＜０４式歩兵戦闘車ファミリー＞

　＜自走対戦車ミサイル＞：砲塔を外し、レッドアロー10対戦車ミサイル４連装（２×２）ランチャーを左右に１基ずつ搭載するターレットを装着した自走対戦車ミサイル型。兵員室内に発射コンソールが２基用意されていて、ミサイル２発を同時に誘導できる。2015年の軍事パレードで初登場した。参考：月刊軍事研究12,’15

＜０４Ａ式２５ｍｍ自走高射砲＞：中国陸軍の対空ガン・ミサイルシステムPGZ-04A。PGZ-95の改良型で、搭載するMANPADSがHN-6になった。参考：月刊軍事研究12,’09、2,’10

＜０４Ａ式歩兵戦闘車＞：中国陸軍歩兵戦闘車ZBD-04A、04式Ａ型歩兵戦闘車。04式とは完全に別物らしい。ウォータージェットを装備せず履帯推進による水上浮航能力に限定し、砲塔センサーなどFCSを改良、装甲を強化し、情報能力を向上させた。兵装やエンジンは04式と同じである。乗車歩兵７名。2015年の軍事パレードでベトナム正面の広西柳州第41集団軍配備とされる車両が行進した。参考：月刊軍事研究12,’15

＜０５＞：イギリス海軍ロイヤル・サブリン級戦艦ロイヤル・サブリン（Royal Sovereign）。1916年5月就役、大艦隊第１戦隊に配属された。1919年、大西洋艦隊に配属された。1926年、地中海艦隊に転属となった。1936年、練習艦になった。第２次大戦勃発後は大西洋船団護衛艦隊旗艦となった。1940年7月9日、カラブリア沖海戦に参加。1944年に予備艦となり、5月30日にソ連海軍に貸与され、アルハンゲルスクと改称された。1949年2月9日に返還され、4月に売却されて解体された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、近代戦艦史、月刊丸2,’07

＜０５＞：オーストラリア海軍アデレード級ミサイル・フリゲート５番艦メルボルン（Melbourne）。1992年2月竣工・就役。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。2016年11月18日から12月5日、ニュー・サウス・ウェールズ沖でオーシャン・レイダー2016演習に参加。2017年9月4日、L01アデレード、04ダーウィン、FFH156ツゥーウムバ、FFH154パラマタ、給油艦シリウスと共にシドニーを出港。11月下旬まで日本、インド、韓国など12カ国を巡って共同訓練等を行うインド・パシフィック・エンデヴァー2017を実施する。10月8日、FFH154パラマタと共に佐世保基地に入港。10月13-18日、FFH154パラマタと共に横須賀基地に在泊。10月13-21日、日豪トライデント共同訓練に参加。11月22日、南シナ海でDD-111おおなみと日豪共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。8月24-31日、グアムからダーウィンに至る海空域でDD-113さざなみ、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH-335カルガリー、補給艦アステリクス、ニュージーランド海軍テ・カハ級フリゲートF111テ・マナと日豪加新共同巡航訓練を実施。10月16-19日、海自佐世保基地に寄港。2019年4月23日、中国海軍創設70周年記念国際観艦式に参加。4月27日、アメリカ海軍佐世保基地に寄港。5月上旬、東シナ海を含む日本周辺海域で北朝鮮の瀬取りを含む違法な海上活動に関する警戒監視活動を開始。5月14-18日、海自横須賀基地に寄港。5月23-28日、パシフィック・ヴァンガード19-1に参加。2019年6月11日、最後の海外展開を終えて帰国。10月26日、シドニーで退役式典を実施。総航程90万海里以上。2020年4月15日、チリ海軍に引き渡され、アルミランテ・ラトーレになった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’17、1,’18、2,’18、10,’18、11,’18、12,’18、7,’19、8,’19、9,’19、1,’20、7,'20、JShips vol.48、月刊航空ファン12,’17、月刊JWings7,’19

＜０５＞：チリ海軍23型フリゲート、アルミランテ・コクレーン（Almirante Cochrane）。元はイギリス海軍23型フリゲートF230ノーフォークで、2006年に再就役した。2016年6月28日、パール・ハーバーに入港。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。参考：月刊世界の艦船9,’16

＜０５＞：フィンランド海軍ケイハサルミ級敷設艇ケイハサルミ（Keihässalmi）。1957年竣工。1970年代、教育訓練任務に就いた。1972年、近代化改装を受けた。1976年、艦後部にドラム・ティルト射撃指揮レーダーを搭載した。1994年に除籍された。トゥルクの海事博物館に展示されている。参考：月刊世界の艦船6,’21

＜０５＞：フィンランド海軍ハメンマー級機雷敷設艦ウーシマー（Uusimaa）。1992年就役。2014年8月26日から9月11日、バルト海でノーザン・コースト2014演習に参加。2022年6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。参考：月刊世界の艦船11,’14、1,’15、9,’22

＜０５Ｐ式装輪装甲兵員輸送車＞：中国軍６×６輪装甲兵員輸送車。WZ-523の改良型で、エンジンを強化した。最大戦闘重量11.7トン。エンジン出力211馬力、最大速度90km。乗員３名＋乗車兵員８名。参考：月刊軍事研究6,’07

＜０５Ｐ式装輪装甲兵車・海外シリーズ＞

　＜０５Ｐ式装輪装甲兵員輸送車（ガーナ陸軍）＞：ガーナ陸軍装甲兵員輸送車。制式名称は不明だが、形状から05P式の拡大改良型とみられる。車体前部が操縦室（車長と操縦手がサイドバイサイドで座る）、その右後方がパワーパック、左から後部が兵員室である。兵員室には後部ドア、上面ハッチがあり、側面には防弾ガラス窓が用意されている。車体後部を一段高くして30mm機関砲と7.62mm機銃装備の動力砲塔を搭載した歩兵戦闘車型や、車体後部をかさ上げした装甲救急車型も存在する。2013年3月17日に公開された。参考：月刊軍事研究10,’13

　＜０５Ｐ式装輪装甲兵員輸送車（ナミビア陸軍）＞：ナミビア陸軍装甲兵員輸送車。制式名称は不明だが、形状から05P式とみられる。BMP-1（WZ501）と同じ砲塔を搭載した歩兵戦闘車型もある。参考：月刊軍事研究10,’13

＜０５圧縮食品＞：中国軍の戦闘糧食。圧搾食料の１つで、主食と副食の栄養素を両方含んでおり、１パック240gが１食分1100kcalに相当する。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン1,’11

＜０５式１２０ｍｍ自走迫撃砲＞：WZ551装輪装甲車ファミリーを参照。

＜０５式１５５ｍｍ自走砲＞：中国陸軍自走砲、制式名称PLZ-05式155毫米自行加榴砲。1990年に開発が開始されたが、国際環境の変化や陸軍向け予算削減のあおりを受けて開発が遅れ、2003年に試作車が完成、2005年に制式化され、存在も明らかになった。2S19がベースらしく、車体前部に機関室があり、中央から後部にかけて大型の箱形砲塔を載せている。発射反動は下部転輪の油気圧サスペンションで吸収するので、駐鋤は付いていない。車体後部にAPUを持つ。下部転輪はダブルタイプ片側６組で、第5-6転輪間が他よりも離れている。主砲口径は155mm、砲身長は52口径で、2S19を参考にした自動装填装置が付いており、ERFB-BB-RAP弾を使用すると最大射程は53kmに達し、国産レーザー誘導砲弾GP-1も発射可能である。他に通常榴弾、発煙弾、照明弾、GS-1トップアタック式レーザー誘導砲弾（有効射程20km）を使用でき、装弾数は砲塔内に25発、車内に５発の計30発。発射速度はバーストで毎分8-10発（15秒間に３発）、持続で毎分3-4発。TOT（最大４発）も可能である。FCSは弾道コンピュータ、自己位置特定装置（リングレーザージャイロ、GPS、北斗）、自動照準装置、砲口照合器、弾薬・砲身温度検知装置、砲口初速測定器、車体振動感知器などから構成される。UAVとのリアルタイムデータリンク能力を持つとされ、大隊・連隊単位での統制射撃も可能といわれ、布陣してから大隊・連隊射撃指揮所の指示を受けて一斉射撃を行うまで30秒しかかからない。副武装は12.7mm機銃１丁で、自衛用として主砲両側に発煙弾発射機を４基ずつ装備する。自動消火装置・NBC防護装置付き。全長11.6m、全幅3.38m、全高3.55m、全備重量43トン。エンジンは8V150水冷ターボディーゼル（1000馬力。800馬力？）、路上最大速度65km。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手。５名？）。2007年に瀋陽軍区第39集団軍に配備され、以降各砲兵部隊（2010年7月現在、瀋陽軍区第38集団軍砲兵旅、同第39集団軍砲兵旅、北京軍区第14砲兵旅、南京軍区第１集団軍第９砲兵旅、広州軍区第41集団軍第１砲兵旅）に計240両以上が配備されている。参考：朝雲、月刊軍事研究12,’09、月刊PANZER10,’10、5,’10

＜０５式１５５ｍｍ自走砲ファミリー＞

　＜弾薬運搬車＞：小型クレーンを持ち、弾薬90発を搭載する。参考：朝雲

＜０５式軽装輪装甲車＞：中国人民武装警察４×４輪軽装甲車で、陝西宝鶏専用汽車有限公司がプライベートベンチャーで開発した。シャシーは南京イベコ社製NJ2046の流用で、価格低減を図っている。車体は装甲鋼板製で、国産の装甲板が耐弾力と加工性に問題を生じたため、スウェーデンのものを輸入した。防御力は全周で弾片と射距離100mの7.62mm弾抗堪、下面がTNT5kg抗堪。車体前部が操縦席で、防弾ガラスを張ったタイプと、ペリスコープ３基付きハッチを並列装備するタイプがある。エンジンはイベコ社製ディーゼル。兵装は12.7mm機銃１丁と38mm催涙弾９連装ランチャーで、35mmてき弾発射機、23mmチェインガン、HJ-8/HJ-9対戦車ミサイルの搭載も可能。VHF無線機（通信距離2500km）、GPS／北斗、ネットワーク端末用ノートパソコンを標準装備する。１両1400万円。PKOでは中国陸軍が使用したが、ハイチPKOでライフル弾に貫通されてしまったらしい。参考：月刊軍事研究2,’15

＜０５式信管＞：自衛隊の火工品。横河電子機器製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜０５式水陸両用突撃車シリーズ＞：中国陸軍・海軍陸戦隊の水陸両用戦車。水陸両用作戦の火力支援を担当する。参考：月刊軍事研究12,’09

＜０５式水陸両用突撃車＞：ZTD-05。車体はアルミ合金（装甲鋼板？）の溶接構造で、04式歩兵戦闘車のコンポーネントを流用しており、前部が大きく突き出しているが、側後面は垂直である。スカートを持つ。水上航行の際は車体前後のトリムベーンを展開し、ウォータージェット２基で推進する。操縦手は車体最前部左に乗り、右に機関室がある。砲塔には多孔式マズルブレーキ付き105mm低圧砲（弾種はAPFSDS、HEAT、HE、GP-2対戦車ミサイル）を搭載しており、車長と砲手が位置する。砲塔前面はセラミック複合装甲を適応した。下部転輪は片側６枚で、5-6軸間が他より大きく離れている（3-4軸間もやや広め）。エンジンは99式Ｇ型戦車と同系統のHB170ディーゼル、出力は陸上591馬力／水上1500馬力、水上速力25-30km。乗員３名（４名？）、乗車兵員6-8名。車体が大柄で背も高く、内陸部への侵攻には向かないようだ（イラク戦争でAAVP-7が内陸侵攻しているから一概には言えないが）。2010年現在、60両前後が配備されている。参考：月刊軍事研究12,’09、6,’10、2,’15、月刊丸3,’13、月刊PANZER6,’14

　＜０５Ａ式水陸両用突撃車＞：ZTD-05A。車体はアルミ合金製。エンジン出力1650馬力、水上速力20ノット。参考：月刊軍事研究12,’15

＜０５式水陸両用突撃車ファミリー＞

＜０５式水陸両用歩兵戦闘車＞：中国陸軍・海軍陸戦隊の水陸両用作戦用歩兵戦闘車ZBD-05。EFVに刺激を受けて開発されており、86B式両用歩兵戦闘車を更新する。車体前部左に操縦室、右に機関室、中央に戦闘室、後部に兵員室という配置で、車体前後に折り畳み式バウ・フラップとトランサム・フラップを持ち、戦闘室上面には均質圧延鋼板製砲塔が載る。砲塔には30mm機関砲2A72とレッドアロー73対戦車ミサイル（誘導方式をSACLOSにした改良型）発射機２基（両側面）を装備しており、ミサイルは発射機上に剥き出しで装填される。砲塔前面は12.7mm焼夷徹甲弾（射距離100m）に抗堪可能。砲塔右に車長、左に砲手が位置し、車長に暗視ペリスコープ、砲手にレーザー測距機付き暗視ペリスコープが用意されている。北斗航法システムとデータリンクを持つ。全長5.18m、全幅2.74m、全高3.04m、全備重量26トン。エンジンは150HB液冷ターボチャージド・ディーゼル（陸上591馬力・水上1577馬力）、水上航行はウォータージェット２基、最大速度陸上65km・水上30-40km（20-30km？）、航続距離500km。乗員３名＋乗車兵員８名。2010年時点で200両前後が配備されている。参考：月刊軍事研究9,’13、12,’09、6,’10、2,’15、月刊PANZER5,’10

＜０５式水陸両用装甲指揮車＞：

＜回収車＞：

＜０５式水陸両用突撃車・海外シリーズ＞

　＜ＶＮ１６（ベネズエラ海兵隊）＞：ベネズエラ海兵隊水陸両用軽戦車。2012年にNORINCOに25両を発注し、2015年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜０５式水陸両用突撃車・海外ファミリー＞

　＜ＶＮ１８（ベネズエラ海兵隊）＞：ベネズエラ海兵隊水陸両用歩兵戦闘車。05式水陸両用歩兵戦闘車の輸出型を導入したもので、2012年に25両を発注し、2015年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜０５式冲鋒槍＞：中国軍のブルパップ式サブマシンガンで、95式歩槍の機関部を流用し、5.8mm×21拳銃弾を連射できるようにしたものである。サイレンサー付き。参考：月刊軍事研究5,’09

＜０６＞：イギリス海軍ロイヤル・サブリン級戦艦リヴェンジ（Revenge）。1916年3月竣工、大艦隊第１戦隊に配属された。5月31日、ジュットランド海戦に参加。第１戦艦戦隊第６小隊に所属してジェリコー艦隊の22番目を航行し、102発の主砲弾を発射、デアフリンガーに７発、フォン・デア・タンに１発を命中させた。11月、大艦隊副旗艦となった。1919年、太平洋艦隊第１戦隊旗艦となった。1920年、希土戦争介入のため地中海東部に進出。次いで白系ロシア支援のため黒海に進出。1926年、地中海艦隊に転属。第２次大戦勃発後は北大西洋で船団護衛を行った。1940年、本国警備に就いた。7月2日、Ｈ部隊の一員としてカタパルト作戦のためフランス領アルジェリアのメルス・エル・ケビール軍港に向け出撃。1941年10月24日、東洋艦隊に転属。1943年以降は予備役に回され、練習艦として使用された。1948年に除籍され、7月に売却されて解体された。参考：近代戦艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船1,’12、6,’16、2,’18、月刊丸2,’07、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜０６＞：オーストラリア海軍アデレード級ミサイルフリゲート、ニューキャッスル（Newcastle）。1993年12月竣工。1996年5月22日から6月22日までリムパック96に参加。2010年5月14日、海自横須賀基地を親善訪問した。5月16日、海自横須賀基地を出港。5月16-17日、房総半島沖南東海域でDDG-177あたご・DD-108あけぼのと共同訓練を実施。5月20日、アメリカ海軍横須賀基地３号バースに入港。5月25日、アメリカ海軍横須賀基地を出港。6月12日、カナダ海軍創設100周年記念観艦式に参加。6月24日、リムパック2010に参加するため真珠湾に入港。2016年9月12-24日、カカドゥ2016演習に参加。2018年9月16-18日、DD-113さざなみと共同巡航訓練（各種戦術訓練など）を実施。8月30日から9月15日、カカドゥ2018に参加。2019年4月、インドとの共同演習AUSINDEXに参加。6月11日、最後の海外展開を終えて帰国。6月30日に退役した。2020年4月15日、チリ海軍に引き渡され、カピタン・プラットになった。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊、11,’00、8,’10、9,’10、12,’16、12,'18、9,’19、7,'20、朝雲

＜０６＞：ブルネイ海軍ダルッサラム級哨戒艇１番艇ダルッサラム（Darussalam）。2010年3月末進水、2010年7月2日公試開始。2011年1月7日に引き渡された。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。2018年2月14日、ムアラ沖で海自外洋練習航海部隊DD-152やまぎり、DD-157さわぎり、TV-3519やまゆきと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船4,’11、7,’13、朝雲

＜０６式５．５６ｍｍ演習小銃てき弾発射薬筒＞：自衛隊の火工品。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜０６式７．６２ｍｍ演習小銃てき弾発射薬筒＞：自衛隊の火工品。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究5,’12

＜０６式演習小銃てき弾＞：陸上自衛隊の演習用ライフルグレネード。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究1,’08

＜０６式小銃てき弾＞：陸上自衛隊のライフルグレネードで、89式小銃用の小銃てき弾として2002年度から開発され、2006年に制式化された。機関銃と81mm迫撃砲L16の間を埋める制圧兵器という位置づけであり、銃口にてき弾を差し込み、照準は89式小銃に取り付けた06式小銃てき弾用照準具�U型で行う。1991-92年にテストしたフランスの小銃てき弾HEAT-APERS-FRAGに発射時の飛散物が射手に向かってくるという欠点があったため、本てき弾ではそれが生じないよう工夫している。自爆装置を持っており、着発信管が作動しなかった場合でも不発弾として残ることは無い。有効射程200m以上、最大射程400m。M31対戦車小銃てき弾の後継として64式小銃でも使用できるが、この際は06式小銃てき弾用照準具�T型を使う。ダイキン工業製。参考：スピアヘッドNo.7、月刊軍事研究9,’17、1,’08、12,’07

＜０６式小銃てき弾用照準具�T型＞：陸上自衛隊の06式小銃てき弾用照準器で、64式小銃用。豊和工業製。参考：スピアヘッドNo.7

＜０６式小銃てき弾用照準具�U型＞：陸上自衛隊の06式小銃てき弾用照準器で、89式小銃用。豊和工業製。参考：スピアヘッドNo.7、月刊軍事研究9,’09

＜０６単兵自熱食品＞：中国軍の個人用レーションで、SMI（Self-heating Meal Individual）-300ともいう。アメリカ軍のMREを参考にしたレトルトパック食品で、加熱剤がセットになっており、水を注げば温かい食品が食べられる。主食はNo.1が混ぜ込みご飯、No.2がソーセージチャーハン、No.3がインゲン豆と牛肉のチャーハンで、これに副食の肉料理とパウンドケーキ、香辣醤にスプーンが付く。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11

＜０６単兵即食食品＞：中国軍の個人用レーションで、IMI（Instant Meal Individual）-120ともいう。レトルトパックに入った05圧縮食品、エネルギーバー、副食の肉料理、ザーサイ、固体飲料（水で溶いて飲む）からなり、副食の種類によりNo.1（卵巻ハム）、No.2（牛肉醤油煮）、No.3（スパイシーヒレ肉）に分類されている。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11

＜０７＞：イギリス海軍ロイヤル・サブリン級戦艦ラミリーズ（Ramillies）。進水時に舵を損傷して１年ほど建造期間が延びたため、その間にバルジを装備した。1917年5月にイギリス海軍に引き渡され、9月に就役した。1919年、大西洋艦隊所属となった。1926年、地中海艦隊に転属。第２次大戦勃発後は地中海と紅海で任務に就いた。1940年11月27日、スパルティヴェント岬沖海戦に参加。1941年末、東洋艦隊に転属。1942年5月30日、マダガスカル島ディエゴ・スアレスで甲標的第２次特別攻撃を受け、甲標的の雷撃により大破した。イギリスに戻って修理を受け、1943年に復帰。1944年に本国に戻り、6月にオーバーロード作戦支援を行った後、予備役に編入された。1948年に除籍され、2月に売却されて解体された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸2,’07

＜０７＞：チリ海軍23型フリゲート、アルミランテ・リンチ（Almirante Lynch）。元はイギリス海軍23型フリゲートのグラフトンで、2007年にチリ海軍で再就役した。2012年6月27日から8月7日、リムパック2012に参加。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2022年8月5日、ハワイ周辺で日チリ親善訓練に参加。DD-110たかなみと戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。参考：月刊世界の艦船9,’12、9,’18、10,’22

＜０７＞：ブルネイ海軍ダルッサラム級哨戒艇２番艇ダルレサン（Darulehsan）。2011年1月7日にドイツのリュールセン造船所からブルネイ海軍に引き渡された。12月6-10日、LIMA2011に参加。2015年3月18日、LIMA2015国際海上レビューに参加。2020年8月17-31日、リムパック2020に参加。2021年12月27日、MST-463うらが及びMSO-305ひらどと、南シナ海で親善訓練を行った。2022年11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船4,’11、4,’12、7,’15、11,’20、1,’23、朝雲

＜０７式１２２ｍｍ自走榴弾砲シリーズ＞：中国陸軍自走榴弾砲。08式122mm自走榴弾砲かもしれない。主任務は連隊または大隊戦闘団への火力支援である。参考：月刊軍事研究12,’09

＜０７式１２２ｍｍ自走榴弾砲＞：PLZ-07。車体は04式歩兵戦闘車と同じものを使用している。砲塔上面にはハッチを３つ持つ。最大射程20km前後。副武装は車長用ハッチの12.7mm機銃。水上航行能力を持つ。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜０７Ｂ式１２２ｍｍ自走榴弾砲＞：PLZ-07B。海軍陸戦隊に配備されたもので、車体を大型化して浮力を増大させ、車体前部に浮力タンクを追加、車体前後に大型フラップを取り付けている。ウォータージェットにより水上航行可能。主砲は96式122mm榴弾砲で、最大射程は通常弾で15.4km、射程延伸弾通常装薬で19km、射程延伸弾強装薬で27km。参考：月刊丸3,’13、月刊PANZER6,’14

＜０７式アスロック＞：07式垂直発射魚雷投射ロケットを参照。

＜０７式機動支援橋＞：陸上自衛隊の架橋器材で、90式戦車の通れる（橋梁等級CL60）または10式戦車の通れる（橋梁等級CL50）長さ60m・幅4.2mの橋を迅速に敷設できる。システムは架設車、ビーム運搬車、橋節運搬車（橋節２セット搭載）４両の計６両からなり、実際の運用では支援用３・1/2トントラック１両（７トントラック５両？）が追加される。まず架設車を所定の位置に止めて油圧ジャッキで水平を取り固定、架設車のアームによりビーム運搬車からガイドビームを吊り上げて架設車上で連結ピンにより組み合わせ、繰り出し装置でガイドビームを送り出して対岸まで延ばし固定する。次いで橋節を架設車のアームで吊り上げてガイドブーム上に載せ、対岸へと送り出していく。橋節が対岸まで届いたら地面に固定し、架設車からガイドビームと橋節を外して設置させ、最後に橋節端と地面を繋ぐ導板や手すりワイヤーを取り付けて完了する。夜間照明用LEDランプを手すり柱に取り付けることも可能。橋脚が要らないので、水深や流速を気にしないで済み、砲撃を受けても損傷しにくい。師団施設大隊または旅団施設中隊に配備され、運用は小隊（本部、器材操作班、作業班）で行い、30名の要員が２時間以内で架設可能。日立製作所製。参考：スピアヘッドNo.7、月刊軍事研究5,’10、4,’10、8,’10、MAMOR vol.77、月刊PANZER10,’10、月刊JWings6,’10

　＜架設車＞：全長12m、全幅3m、全高3.8m、全備重量25トン。エンジンは水冷４サイクルディーゼル（349馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進６段・後進１段）、最大速度85km。乗員２名（車長、操縦手）。参考：MAMOR vol.127

　＜橋節運搬車＞：全長11m、全幅3m、全高3.7m、全備重量25トン。最大速度85km。乗員３名。日立製作所製。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜０７式自走高射機関砲＞：中国陸軍35mm自走対空機関砲PGZ-07。04式歩兵戦闘車の車体に35mm機関砲２門を搭載するゲパルト類似の砲塔を載せたものである。砲塔前部にディッシュアンテナ、後部に平板状レーダーアンテナを持つ。参考：月刊軍事研究12,’15、8,’14

＜０７式垂直発射魚雷投射ロケット＞：海上自衛隊の艦対潜ミサイル。新アスロックや07式アスロックと通称されるが、アスロックの改良型ではなく、ほぼ完全新開発である。前半分がペイロード部、後ろ半分が後部飛翔体で、ペイロード部後端に折り畳み式安定翼４枚、後部飛翔体後端に折り畳み式操舵翼４枚がある。ペイロード部の中にはカプセルに収容されたMk46短魚雷／97式短魚雷／12式短魚雷が入っており、後部飛翔体の中には固体燃料ロケットが搭載されている。多角形断面のキャニスターに収容されてMk41VLSにセットされ、発射されるとキャニスター内側のガイドレールに沿って空中に飛び出し、固体燃料ロケット（ノズルは推力偏向式４基）に点火して超音速に加速、慣性誘導装置で目標付近の海上に向かい、弾頭を切り離してパラシュートで着水させる。射程は20-30km以上とみられる。全長6.5m、直径0.45m、発射重量1284kg。1999年から開発し、2005年に制式化する予定だったが、弾頭を切り離してパラシュートで着水させるシステムの完成に時間がかかって2007年に制式化され、あきづき型護衛艦２番艦から新規搭載された。あさひ型護衛艦、まや型ミサイル護衛艦にも搭載されている。三菱重工製。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、10,’19、11,’17、1,’16、6,’11、5,’13、月刊軍事研究5,’11、月刊JWings2,’13

＜０７式垂直発射魚雷投射ロケット整備用器材＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜０７式装甲指揮車＞：WZ-551装甲車ファミリーを参照。

＜０７年式制服＞：中国人民解放軍が2007年に制定した制服で、礼服、通常服、作業訓練服、服飾、制帽、靴がリニューアルされ、西側の軍隊と似たものとなった。作業訓練服には林、砂漠、都市、海岸の４種があり、デジタル迷彩を採用している。参考：月刊軍事研究9,’07

＜０８＞：イギリス海軍マイノトー級軽巡洋艦スイフトシュア（Swiftsure）。1944年竣工。1962年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜０８＞：イギリス海軍ロイヤル・サブリン級戦艦ロイヤル・オーク（Royal Oak）。1916年5月、イギリス海軍に引き渡され、大艦隊第４戦艦戦隊に配属された。5月31日のジュットランド海戦では第４戦艦戦隊第３小隊所属で、主砲弾38発を発射し、ドイツ巡洋戦艦ザイドリッツ左舷砲塔右砲身に１発を命中させて使用不能とした。1919年、太平洋艦隊に転属。1922-24年、改装を受けてバルジを追加。1926年、地中海艦隊に転属。1934-35年、対空兵装強化改装を実施。1939年10月14日、スカパフロー泊地を隠密攻撃したドイツ海軍潜水艦U-47の雷撃を受けて沈没、乗員1198名中786名が死亡した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代戦艦史、月刊丸2,’07、8,’87、月刊世界の艦船6,’16

＜０８＞：ブルネイ海軍ダルッサラム級哨戒艇３番艇ダルマラン（Darulaman）。2011年1月6日進水、同年就役。2013年10月4日、シドニーに入港。10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。2014年6月6日から8月1日、リムパック2014に参加。2017年5月18日、ムアラ周辺海域でDD-104きりさめと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船4,’11、12,’13、1,’14、9,’14、8,’17

＜０８式武警装甲車＞：中国人民武装警察用６×６輪装甲車。車体は92式装甲車WZ551で、砲塔前面に12.7mm機関銃、砲塔上面前方左右に35mm榴弾発射機を１門ずつ装備する。暴徒鎮圧用発煙てき弾発射機も持つ。人民武装警察北京総隊雪豹突撃隊に配備された。参考：月刊軍事研究12,’09

＜０９＞：イギリス海軍ロイヤル・サブリン級戦艦レゾリューション（Resolution）。1916年12月にイギリス海軍に引き渡され、大艦隊第１戦隊に配属された。1918年11月21日、降伏したドイツ艦隊を受領してロサイスに入港。1926年、地中海艦隊に転属。1930-31年、改装を受けた。第２次大戦勃発後は大西洋船団の護衛を行った。1940年、ノルウェー作戦に参加。7月2日、Ｈ部隊の一員としてカタパルト作戦のためフランス領アルジェリアのメルス・エル・ケビール軍港に向け出撃。ダカール作戦でフランス潜水艦の雷撃を受け損傷し、アメリカで修理を受けた。1942年、東洋艦隊旗艦となった。1943年、本国に帰還。1944年以降は予備役に入り、練習艦として使用された。1948年に除籍され、5月に売却されて解体された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、2,’18、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸2,’07

＜０９＞：ブルネイ海軍哨戒艇ダルタクワ（Daruttaqwa）。2019年6月26日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのと親善訓練を実施。2021年6月8日、ブルネイのムアラ港沖で令和3年度遠洋練習航海部隊（前期）TV-3508かしま及びTV-3518せとゆきとの共同訓練に参加。4月11日、ムアラ周辺で日ブルネイ親善訓練に参加。DD-104きりさめと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。参考：月刊世界の艦船9,’19、9,’21、6,’23

＜０９式１２２ｍｍ自走榴弾砲＞：中国の自走榴弾砲、別名PLC-09、輸出名称AH2。トラックに122mm榴弾砲を搭載している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜０９式装輪突撃車＞：09式装輪歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜０９式装輪歩兵戦闘車＞：中国軍の８×８輪歩兵戦闘車ZBL-09（ZBD-09かも。VN1ともいう）、別名雪豹。内蒙古第１機械製造集団公司が開発した。車体は均質圧延鋼板の溶接製で、前面は射距離100mからの12.7mm弾、側面は射距離100mからの7.62mm弾に耐えられる。ボルト止めのセラミック複合材製増加装甲を追加でき、前面で射距離1000mからの25mm徹甲弾、側面で射距離100mからの12.7mm弾に抗堪できるようになる。兵員室の座席は上部からの吊り下げ式になっており、地雷やIEDの爆発から兵員を守る。簡易式トイレやエアコンも付いているらしい。サスペンションは前２軸がマクファーソン・ストラット式、後２軸が油気圧式。05式水陸両用歩兵戦闘車と同じ砲塔を搭載しており、レッドアロー73対戦車ミサイル（砲塔左右に剥き出し）と30mm機関砲１門、7.62mm同軸機銃を装備する。機関砲はデュアルフィード式、単射、3-5点バースト、5-7点バースト、連射が可能で、俯仰角はマイナス６度からプラス60度。レーザー測距器、LLLTV、北斗衛星航法システムを持つ。砲塔にもボルト止めのセラミック製増加装甲を装着可能。全長8m、全幅3m、車体高2.1m、戦闘重量21トン。エンジンはBF6M1015FC水冷６気筒ターボチャージドディーゼル（455馬力）、トランスミッションはオートマチック（前進９段・後進１段）、路上最大速度100km、路上航続距離800-1000km。車体後部左右にプロペラがあり、水上航行速度8km。乗員３名（操縦手、砲手、車長）＋乗車兵員７名。2009年に制式化された。装甲兵員輸送車型、対戦車自走砲型、自走榴弾砲型、装甲指揮車型、回収車型などのファミリーも開発しており、2013年3月にはこれらファミリー車両で構成された済南軍区第54集団軍第162軽機械化歩兵師団を創設、ストライカー旅団のような中国各地への機動展開を考慮しているらしい。参考：月刊軍事研究2,’15、12,’15、12,’09、6,’14、7,’16、月刊PANZER5,’10、月刊丸3,’13

＜０９式装輪歩兵戦闘車ファミリー＞

　＜０９式装輪突撃車＞：105mmライフル砲塔を搭載したタイプ、ZTL-09。同軸に7.62mm機銃、対空用に12.7mm機銃を備える。車体長8m、全幅3m、車体高2.1m、戦闘重量24トン。エンジンはBF6M1015Cターボチャージド・ディーゼル（455馬力）、最大速度100km、航続距離800km。乗員４名で、他に１名を収容できる。2015年の北京軍事パレードで行進した。参考：月刊軍事研究8,'16、12,’15

　＜１２０ｍｍ自走迫撃砲＞：

　＜１２２ｍｍ自走榴弾砲＞：

　＜衛星通信指揮車＞：砲塔を撤去して車体後半部を一段かさ上げし、かさ上げ部分の前端中央上面に円筒形の通信アンテナドームを搭載している。かさ上げ部分の左上面には伸縮式ポールマストのような太い棒を装備する。通信周波数帯は0.5MHz-12GHzで、集団軍・師団間の通信を担うらしい。DJG-8715輸出用ESM/ECM装置（周波数8-18GHz、探知距離400km、妨害距離120km）類似のシステムを搭載した電子戦車両、マイクロ波アンテナ搭載６輪車両と組み合わせるCOMINT車両という説もある。2015年の北京軍事パレードで４両が行進した。参考：月刊軍事研究12,’15、4,’16、9,’16

　＜回収車＞：2015年の北京軍事パレードで行進した。参考：月刊軍事研究12,’15

　＜架橋車両＞：

　＜指揮所車両＞

　＜砲側弾薬車＞：2015年の北京軍事パレードで行進した。参考：月刊軍事研究12,’15

＜０９式装輪歩兵戦闘車・海外シリーズ＞

　＜ＶＮ１（ベネズエラ海兵隊）＞：ベネズエラ海兵隊歩兵戦闘車。2012年にNORINCOに40両を発注し、2014年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＶＮ１Ａ＞：輸出型。兵員室左右に２基ずつ、後部ドアに１基のビジョンブロック付きガンポートを持つ。サスペンションは前４輪がマクファーソン・ストラット式、後４輪が油気圧式。タイヤはランフラット式で、タイヤ圧中央調整装置を装備する。全長8m、全幅3m、全高2.1m、戦闘重量21トン。エンジンはディーゼル（300kW）で、最大速度100km、水上航行速度8km（プロペラ２軸）、航続距離800km。乗員３名＋乗車兵員７名。参考：月刊軍事研究9,’12

＜０９式装輪歩兵戦闘車・海外ファミリー＞

＜ＶＮ１Ａ（装甲兵員輸送車型）＞：機関砲塔を外し、兵装を12.7mm機銃のみとした装甲兵員輸送車型。戦闘重量17トン。乗員２名＋乗車兵員13名。参考：月刊軍事研究9,’12

＜ＶＮ１Ａ（戦車駆逐車型）＞：105mmライフル砲（30発。対戦車ミサイル発射可能）、7.62mm同軸機銃、12.7mm対空機銃を搭載した砲塔を装備するタイプ。主砲俯仰角はマイナス４度からプラス18度で、発射速度は毎分6-8発。戦闘重量24トン。乗員４名の他に１名を乗せられる。参考：月刊軍事研究9,’12

＜ＶＮ１Ａ（対戦車ミサイル車両型）＞：車体後部上面にレッドアロー10A対戦車ミサイル４連装（２×２）発射機２基を並列搭載したミサイルターレットを装着したもの。2018年3月にイラクで開催されたIQDEX2018でイラク陸軍向けとして展示した。参考：月刊PANZER6,’18

＜０９式ＨＴ１軽車両＞：中国のポーリー・テクノロジー社が開発した特殊部隊用４×４輪軽車両。ロールバーに7.62mm機銃、12.7mm機銃、35mmてき弾銃、HJ-73対戦車ミサイルなどを装着でき、後部座席に82mm迫撃砲を装備することも可能。戦闘重量5.1トン、ペイロード２トン。最大速度115km。76mm発煙弾発射機を標準装備する。参考：月刊軍事研究1,’13

＜０１１＞：ミンスク（ヘリ空母）を参照。

＜０１２＞：アルジェリア海軍877E型潜水艦１番艦ライス・ハジ・ムバレク（Rais Hadj Mubarek）。1987年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜０１３＞：アルジェリア海軍877E型潜水艦２番艦エル・ハジ・スマネ（El Hadj Slimane）。1988年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜０１５＞：マハチェカーラ（コルベット）を参照。

＜０１５＞：ベトナム海軍ディン・ティエン・ホアン級フリゲート３番艦チャン・フン・ダオ（TRAN HUNG DAO。13世紀のモンゴル帝国侵攻に対抗した英雄）。2013年9月就役。2018年9月27-30日、日本・ベトナム国交樹立45周年とベトナム総領事館堺移転10周年記念でベトナム海軍艦艇として初めて来日し、海自横須賀基地に寄港。10月3-6日、大阪堺泉北港大浜埠頭第５岸壁に寄港。参考：月刊世界の艦船12,’18、月刊JWings12,’18

＜０２０＞：ロシア海軍イワン・ロゴフ級揚陸艦３番艦ミトロファン・モスカレンコ（Mitrofan Moskalenko）。1990年竣工、1991年就役、北洋艦隊に配備された。2012年（2008年？）に退役した。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊世界の艦船12,'20、1,’13

＜０２０収容所＞：ロンドンのリッチモンドに設置された秘密収容所で、スパイ監獄とも呼ばれた。第２次大戦時にMI5のB1Dセクションに所属するロンドン・レセプション・センターが尋問した結果、スパイの疑いが強いとされた人物を収容し、詳細な調査を行う施設である。尋問の際には身体的暴力は使用せず、SIGINTで得た情報を元にMI5が全てを知っていると思い込ませ、1940年に施行されたスパイ活動処罰法（最高刑は死刑）をちらつかせて精神的なプレッシャーを与えて自白させた。中には二重スパイとしてMI5のB1Aセクションに渡った者もいた。参考：月刊軍事研究5,’10

＜０２１型＞：黄蜂級（ミサイル艇）を参照。

＜０２２型＞：中国海軍ミサイル艇Type-022、NATOコードは紅稗（Houbei）級。オーストラリアのAMDマリン社が開発に協力し、船型はウェーブピアシング・カタマランを採用した。船体はアルミ合金製、ステルス性を考慮した形状で、傾斜平面を多用、マストはタワー型で、ミサイルも船体後方にある傾斜構成の箱形上構に収容されている。HEOS-300パッシブ式光学電子照準装置（艦橋上。CIWS管制用）、362型近距離対水上捜索レーダー（マスト上。348型？）、航海レーダー（マスト上）、チャフ・フレアディスペンサー２基を装備する。自身は近距離レーダーしか装備していないが、YJ-83の長射程を活かすため、中国大陸沿岸のOTHレーダーで捉えた目標情報をデータリンクで受け取って攻撃を行う。全長42.6m、全幅12.2m、吃水1.5m、満載排水量220-224トン。主機はMTU社製V16 396TE746ディーゼル２基、出力6865馬力、推進はウォータージェット４基、最大速力40ノット以上（36ノット説あり）。兵装はYJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（後甲板両舷に１基ずつ）、AK-630機関砲（PJ-13？）１門（前甲板）。乗員12-14名。１番艇は2004年4月に進水、2005年から艦番号2208など60隻が就役し、北海艦隊に12隻、東海艦隊に24隻、南海艦隊に24隻が配備された。参考：月刊丸11,’09、月刊軍事研究9,’09、4,’05、月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’19、5,’15、6,’14、9,’10、3,’13

＜０２４型＞：河谷級（ミサイル艇）を参照。

＜０３１＞：アルジェリア海軍636M型潜水艦オアセニス（Ouarsenis。ウアルセニ？）。2019年1月、メルス・エル・ケビール基地で就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船4,’19、4,’20

＜０３１型＞：629型・海外シリーズ（潜水艦）を参照。

＜０３２＞：アルジェリア海軍636M型潜水艦ホガー（Hoggar）。2019年1月、メルス・エル・ケビール基地で就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船4,’19

＜０３２型＞：清級（潜水艦）を参照。

＜０３３型＞：ロメオ級潜水艦（北朝鮮海軍）またはロメオ級潜水艦（中国海軍）を参照。

＜０３３Ｇ型＞：改ロメオ級潜水艦（中国海軍）を参照。

＜０３５型＞：明級（潜水艦）を参照。

＜０３５Ｇ型＞：明級（潜水艦）を参照。

＜０３７型＞：海南級（対潜哨戒艇）を参照。

＜０３７�T型＞：海久級（哨戒艇）を参照。

＜０３７�T／�TＤ／�TＳ型＞：海情級（対潜哨戒艇）を参照。

＜０３７�TＧ型＞：紅星級（ミサイル艇）を参照。

＜０３７�U型＞：紅星級（ミサイル艇）または紅箭級（ミサイル艇）を参照。

＜０３９型シリーズ＞：元級シリーズ（潜水艦）を参照。

＜０３９型シリーズ＞：中国海軍潜水艦（中国の艦種呼称は常規潜艇）Type-039、NATOコードは宋（ソン、Song）級。明級の後継で、原型039A型（039型？）は1991年に起工し、1999-2006年に13隻が竣工した。参考：月刊軍事研究1,’05、月刊世界の艦船5,’15、3,’13、5,’23

　＜０３９Ａ型＞：原型で、039型かも。船体は葉巻型、セイル上に煙突状の構造物を持つため段差が付いている。搭載ソナーはタレス社製TSM-2233艦首ソナーとTSM-2255側面ソナー、エンジンはドイツのMTU社製（のコピー？）である。Ｘバンド航海レーダー、SRW209ESM、901-A型ESMも装備する。全長74.9m、全幅7.5m（8.4m？）、吃水5.3m、水上排水量1700トン、水中排水量2250トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力6092馬力、１軸推進、水上速力15ノット、水中速力22ノット、潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門（Yu-1魚雷、Yu-4魚雷、YJ-82艦対艦ミサイル。機雷なら24-30個）。乗員60名。１番艦艦番号320が1995年からの公試で不具合を多発、広範な改修を要することが判明したため、参考として877EKM及び636型を輸入し、１番艦はそのまま就役させたものの、２番艦以降は改良型の039G型にした。後にセイルを039G型と同じ段無しに変更している。スターリングエンジン（100kW）の搭載改修を受けたともいわれる。参考：月刊世界の艦船5,’15、3,’17、9,’11、3,’13、1,'15増刊、2,’20、5,'23、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’16、1,’05、4,’05、7,’05、8,’07、4,’10、9,’10、現代の潜水艦

　＜０３９Ｇ型＞：Type-039G。877EKM及び636型を参考にした改修型で、セイルの段差は無くなった。船体は複殻式で、吸音タイルが船体に装着されており、セイル前部にセイルプレーン、セイル後部上方に整流フィンを持つ。艦首には中周波アクティブ／パッシブソナー用の突起が数本飛び出している。全長74.9m、幅7.5m、吃水5.3-5.7m、水上排水量1700-1727トン、水中排水量2250-2286トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動機１基、１軸推進、水上速力15ノット、水中速力22ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門（Yu-3、Yu-4、Yu-6、YJ-82、機雷）。乗員60名。艦番号321、322、323、324、325、326、327、328、329、314、315、316が2001-06年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,'20、3,’18、4,’16、5,’15、6,’14、9,’11、3,’13、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’05、8,’07

　＜０３９Ｇ１型＞：039G型の改良型。039G型6-11番艦がこれにあたる。参考：月刊世界の艦船4,’20、月刊軍事研究4,’10

　＜０３９ＡＧ型＞：スターリングエンジンを搭載したもの。039A型２隻を改装してテストを行い、量産型５隻を建造した。参考：月刊軍事研究5,’14

＜０３９型・海外シリーズ＞

　＜０３９型（バングラデシュ海軍）＞：2013年末頃に２隻を発注した。参考：月刊世界の艦船4,’14

＜０４０機材＞：カール（自走臼砲）を参照。

＜０４１型＞：元級（潜水艦）を参照。

＜０４１機材＞：カール（自走臼砲）を参照。

＜０４８工程＞：中国海軍の空母開発計画で、2004年8月に開始された。2015年に最初の通常動力蒸気カタパルト空母、2023年に２隻目、2035年までに電磁カタパルト空母２隻、2049年（建国100周年）までに10万トン級原子力空母６隻を揃える計画である。大型艦用の強力な主機やカタパルトを初めとする機器の開発が上手く行かず、東シナ海・南シナ海・インド洋周辺での国際関係悪化により、手っ取り早く空母を揃える必要が出たため、取り敢えずSTOBAR空母で我慢することにし、ワリャーグを修復して遼寧を建造した。参考：月刊世界の艦船8,’17

＜０５０＞：ソ連海軍イワン・ロゴフ級揚陸艦２番艦アレクサンドル・ニコラエフ（Aleksandr Nikolayev）。1982年竣工、太平洋艦隊に配備された。1997年に退役した。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜０５１級＞：旅大級（駆逐艦）を参照。

＜０５１Ｂ級＞：中国海軍駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）Type-051B、NATOコードは旅海（ルーハイ、Luhai）級。旅滬級の改良型である。ステルス性を考慮した船体に各種武装やレーダーを満載しており、テスト艦の意味が強いようだ。船型は平甲板型で、マストはタワー型、後部上構幅は船体幅一杯となっているが、前部上構の幅は船体より狭く、前甲板にブルワークも無く、中途半端な感じである。前甲板に主砲があり、前部上構（艦橋構造物）前方まで延びた甲板室にHHQ-7発射機を搭載、前部上構上面後部に前部マストを持ち、前部上構後方に前部煙突、その後ろに艦対艦ミサイル発射機、更に後ろに後部マスト、そのまた後ろに後部煙突があり、その後ろが後部上構（ヘリ格納庫）、最後尾がヘリ甲板である。再装填装置付きのHHQ-7発射機にスペースを占領されたため、近接防空用37mm連装機関砲は全てヘリ格納庫上に搭載した。全長154m（153m？）、全幅16m（16.5m？17m？）、吃水6m、満載排水量6096トン（6500トン？6600トン？）。主機はCODOG方式、MTUディーゼル２基8840馬力・DN80ガスタービン２基48600馬力（53600馬力の蒸気タービン、ディーゼルまたはガスタービン専用統合型推進システム、ウクライナ製の27000馬力ガスタービン４基といった説もある）、２軸推進、最大速力29ノット。兵装は100mm連装砲PJ33A（92式、後に99式に換装？）１基、YJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒４基、76A型37mm連装機関砲４門、HHQ-7艦対空ミサイル８連装発射機１基、324mm短魚雷Yu-7用３連装発射管２基。HHQ-7の後方にVLS装備用スペースが確保されているとみられていたが、HHQ-7の再装填ハッチだった。後部パイロンマスト上に381型ライス・シールド三次元捜索レーダー（ライス・スクリーン？38C式？381A型？）があり、後部スタック中央には363型レーダーを積んでいる。360S型対空・対水上二次元捜索レーダー（DRBV15のコピー）１基、517H1ナイフレスト長距離対空二次元捜索レーダー１基（八木アンテナで、後部パイロンマストの後方に装備）、RM1290航海レーダー２基を装備する。射撃指揮レーダーは、HHQ-7艦対空ミサイルが345型、100mm砲が343G型・344型、37mm機関砲が347Gライスランプ（ヘリ格納庫上中央）。戦闘情報処理装置はZKJ-4-3A（ZKJ-4B/6？）。可変深度ソナーや対潜ロケット発射機は無い。デコイ発射機は946式100mm15連装妨害材発射機と947式130mm10連装妨害材発射機で、艦中央両舷に装備されている。Z-9A/Z-9CヘリまたはKa-28ヘリ２機を搭載可能。乗員250名。1999年1月に艦番号167深圳が就役した。2004年から改修作業に入り、対空ミサイルをHQ-7Aに、対艦ミサイルをYJ-83に、主砲をステルス砲塔に変更した。その後2016年8月まで更なる大規模改装を行っており、HQ-7A発射機を撤去し、それが載っていた上構前方を１甲板削ってHHQ-16艦対空ミサイル用32セルVLSを搭載、前部煙突と後部マストの間も１甲板下げてYJ-12艦対艦ミサイル４連装発射筒４基を積み、ヘリ格納庫上の37mm連装機関砲を全撤去して730型CIWS２基（ヘリ格納庫上部前端両舷）とし、前部マストを太いタワー型にして頂部のレーダーアンテナをフレガットのような矩形２枚合わせアンテナに変更、マスト前方の345型射撃指揮レーダーを撤去し、後部マスト上の381型レーダーも外して球形レドームを設置している。上構頂部前方両舷とヘリ格納庫上面後部両舷にはMR90みたいな形のレーダーを載せ、後部マスト左右のレドームを球形から円筒形に変更し、347G型レーダーや517H1型レーダーを撤去、前部マスト側面に機材を追加し、前部マスト付け根両舷のチャフ／フレア／デコイディスペンサーも新型に換装、艦載艇はRHIBに変更した。電子戦装置は826型。全長154m、幅16m、吃水6m、満載排水量6096トン。主機はCODOG方式、ガスタービン２基・ディーゼル２基２軸48600馬力、速力29ノット。兵装はHHQ-16艦対空ミサイル用32セルVLS１基、YJ-12艦対艦ミサイル４連装（連装？）発射筒４基、100mm連装砲１基、730型CIWS２基（４基？）、324mm短魚雷３連装発射管２基。Z-9CヘリまたはKa-28ヘリを２機搭載できる。乗員250名。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究11,’99、8,’07、月刊丸2,’08、1,’10別冊、月刊世界の艦船4,’16、4,'21、2,’20、2,’19、3,’17、3,’18、9,’18、10,’16、6,’14、9,’11、3,’10、10,’11、3,’13、4,’22

＜０５１Ｃ級＞：中国海軍ミサイル駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）Type-051C瀋陽（Shenyang）級、NATOコードは旅州（ルーチョウ／ルージョウ、Luzhou）級。051B級の長距離防空型で、艦対空ミサイルをS-300FMに変更しており、2002年にロシアから輸出許可が下りたので建造に入った。052C型の新装備開発が失敗した場合のバックアップも兼ねていたらしい。対空レーダーは船体中央部のマスト頂部にあるフレガットMAE5（MR-750MA？382型？）、対水上レーダーは364型。主砲・SSM用FCSは艦橋上レドーム内のMR-331バンド・スタンドと344型。S-300FM艦対空ミサイルのVLSはスラヴァ級と同じ形状だが、FCSはキーロフ級４番艦と同じ30N6E1リフＭ／ツーム・ストーンで、後部上構上に矩形アンテナがあり、非使用時には倒しておく。全長155.5m（155m？）、幅17m、吃水6m、満載排水量7112トン。主機は蒸気タービン２基（CODOG方式、DN80ガスタービン２基48600馬力・MTU 12V1163TB83ディーゼル２基8840馬力？）、２軸推進、速力29ノット。兵装はS-300FM艦対空ミサイル８セルVLS６基（艦橋前方甲板室上タンデム２基、後部上構２×２計４基。48N6E2艦対空ミサイル。）、YJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（煙突と後部マストの間。前が右舷向き、後が左舷向き）、ステルス砲塔型100mm単装砲H/PJ87（前甲板。射程22km、発射速度毎分25発）１門、730型CIWS２基（後部マスト基部両舷）、324mm短魚雷３連装発射管２基（前部煙突両舷）。ヘリ甲板を持ち、Ka-28ヘリ１機を運用できるが、格納庫はVLSに潰された。乗員266名。１番艦艦番号115瀋陽と２番艦116石家荘が2006-07年に就役して北海艦隊に配備された。2015年までにあと４隻建造するという説もあったが、052C/D型の開発が上手くいったので取り消されたようである。参考：月刊軍事研究2,’07、2,’15、8,’07、3,’10、月刊世界の艦船4,’16、3,’18、2,’19、12,’18、5,’15、6,’14、8,’13、1,’12、9,’09、3,’13、8,’13、11,’14、月刊JWings3,’17、月刊丸1,’10別冊

＜０５２級＞：旅滬型（駆逐艦）を参照。

＜０５２Ａ級＞：旅滬型（駆逐艦）を参照。

＜０５２Ｂ級＞：中国海軍ミサイル駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）Type-052B、NATOコードは旅洋�T（ルーヤン�T、Luyang�T）級。中国製新型船体にソブレメンヌイ級の装備を積んだ感じで、052C級と並行開発されており、052C級の新装備が実用化に手間取った場合のバックアップ用だったともいわれる。ステルス性を考慮しており、前甲板舷側はブルワークで覆い、上構幅と船体幅を一致させ、マストはタワー型とした。前甲板に主砲を置き、艦橋前方に甲板室、艦橋後方に前部タワーマストを持ち、その後ろに煙突、艦対艦ミサイル発射筒を挟んで更に後ろに後部タワーマスト、その後方に左舷寄りのヘリ格納庫、最後尾にヘリ甲板という配置である。電子装備はソブレメンヌイ級と共通のロシア製が多く、052C級の国産装備との比較兼国産開発失敗時のバックアップらしい。レーダーはMR90対空ミサイル管制用レーダー４基、MR710監視・目標指示レーダー１基（前部マストトップ）、モノリット砲管制レーダー（艦橋上レドーム内）を搭載する。MR331目標評定レーダー、ミサイル・データリンクを組み合わせたレドームもある。ロシア製シュチル艦対空ミサイルシステムにより限定的な艦隊防空が可能。ソナー・システムはMGK-335。戦闘システムはZKJ-5（ZKJ-7？）、データリンクはHN-900、ヘリ管制レーダーは754型、航海レーダーは760型。電子戦装置はSRW210A。全長155m、幅17m、吃水6m、満載排水量7000-7112トン。主機はCODOG方式、DA80/DN80ガスタービン２基48600馬力・MTU20V956TB92ディーゼル２基8840馬力、２軸推進、速力29ノット、航続距離は15ノットで4500海里。兵装はシュチル用3S90艦対空ミサイル単装発射機２基（艦橋前方甲板室上とヘリ格納庫上）、100mm単装砲210型（H/PJ-87？）１門（前甲板）、YJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒４基（煙突後方。前２基は左舷向き、後２基は右舷向き）、730型CIWS２基（艦橋甲板両舷に１基ずつ）、324mm短魚雷連装発射管２基（Yu-7短魚雷）、75型240mm対潜ロケット弾12連装発射機４基（艦橋前方甲板室上の3S90発射機後方両舷に２基ずつ）。Ka-28またはZ-9Aヘリ１機を運用できる。乗員280名。１番艦艦番号168広州、２番艦169武漢が2004年に就役し、南海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船6,’14、3,’17、3,’18、4,'21、4,’16、3,’13、9,’11、10,’11、12,’13、月刊丸1,’10別冊、月刊軍事研究2,’15、4,’05、8,’03、6,’05、8,’07、月刊JWings3,’17

＜０５２Ｃ級＞：中国海軍ミサイル駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）Type-052C蘭州（Lanzhou）型、NATOコードは旅洋�U（ルーヤン�U、Luyang�U）型。船体と機関は052B級と同じで、主上部構造を大型化して斜め４面同一甲板レベルに346型アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーのアンテナを装着していて、中国版イージス艦（中華神盾）ともいわれる。前部マストは艦橋上面後部に移し、艦対艦ミサイル発射筒は後部マストの後ろに移設した。艦橋頂部にMR331ミネラルME射撃指揮装置（YJ-62用）、その後ろに344型射撃指揮レーダー（艦砲用）、前部マスト頂部球形レドームに364型対空対水上レーダー、後部マスト上に517H-1型（517B型？）対空レーダーの八木アンテナを搭載する。ソナーシステムはSJD-9またはMGK-335、曳航ソナーはSJG-206。艦載戦闘システムは1-2番艦がH/ZKB、３番艦以降がH/ZBJ-1で、配線に光ファイバーを使用して軽量化した。データリンクにはリンク16準拠のJY10G（JYG-10G？）を使用しているらしい。後甲板にヘリ格納庫があり、VLSを避けるため左に寄っている。自衛用にNRJ-6A電子妨害／電波探知装置、SQK-6対魚雷音響デコイを装備する。全長155m、幅17m、吃水6m、満載排水量7112トン。主機はCODOG方式、巡航用MTU20V956TB92ディーゼル（4420馬力。MTU1163TB83、6700馬力？）２基・高速用DA80ガスタービン（24300馬力。3-6番艦は国産化したQC280）２基、出力48600馬力、２軸推進、最大速力29ノット、航続距離4500海里（15ノット）。兵装はHHQ-9A用６セル円筒型VLS８基（前甲板主砲後方に前後３基並列の計６基、ヘリ格納庫中央上面にタンデム２基）、730型CIWS２基（艦橋前方甲板室上とヘリ格納庫後部上面に１基ずつ）、100mm単装砲210型／PJ87を１門（前甲板）、YJ-62/YJ-85/YJ-12艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（ヘリ格納庫前方両舷、内向き）、7424型324mm短魚雷３連装発射管２基（Yu-7短魚雷）、726-4型対潜ロケット／デコイ18連装発射機４基（ヘリ格納庫前部上面両舷にタンデムで２基ずつ）。Ka-28/-31またはZ-9A/C/Dヘリ２機（１機？）を搭載する。乗員280名。１番艦艦番号170蘭州、２番艦艦番号171海口の２隻が2004-05年に就役し、どちらも南海艦隊に配備された。その後051C型駆逐艦や052B型駆逐艦と数年間に亘る比較検討が行われ、本型が優れていると判断されたようで、2013-15年に３番艦艦番号150長春、４番艦艦番号151鄭州、５番艦艦番号152済南、６番艦艦番号153西安が就役した。これらは1-2番艦竣工から時間が経っており、艦載戦闘システムを換装した他、アンテナなどが一部違っていて、各所に改良が施されているらしい（戦闘システム中核のフェイズド・アレイ・レーダーに問題があったともいわれる）。参考：JShips Vol.20、月刊軍事研究11,’16、8,’18、6,’05、6,’13、4,’05、8,’03、8,’06、8,’07、2,’10、3,’12、12,’14、6,’15、月刊世界の艦船5,’15、4,’16、3,’17、3,’18、2,’19、4,'21、4,'22、6,’14、9,’11、10,’11、8,’12、1,’04、3,’05、3,’13、4,’13、4,’14、1,'15増刊、12,’18、月刊丸1,’10別冊

＜０５２Ｄ型シリーズ＞：中国海軍ミサイル駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）。各型計34隻を建造予定。参考：月刊世界の艦船4,’20

＜０５２Ｄ型＞：Type-052D、NATOコードは旅洋�V（ルーヤン�V、Luyang �V）型。052C型の改良型で、船体を一回り大きくしてあり、主砲をステルス砲塔型130mm単装砲に換装している。VLSはMk41類似のものとなっており、ホット・ランチ対応といわれ、DH-10対地巡航ミサイルなども発射可能とされる。艦載戦闘システムはH/ZBJ-1（H/ZKJ-5？）、主センサーは艦橋斜め四隅のアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、346型のアンテナ面を平面化・大型化して能力を強化した346A型らしい。前後アンテナとも同じ高さに設置されている。長距離捜索レーダーは517B型（後部マストトップ。517H型？）、対空・対水上捜索レーダーは364型（前部マストトップ）、射撃指揮レーダーはMR331／366型（艦橋頂部）と344型（前部マスト前方）、航海レーダーは760型（使用周波数Ｉバンド）２基。データリンクとしてリンク16相当のJSIDLSとリンク22相当のNCTDLを装備するらしい。CICは中国の海軍専門誌である艦船知識の図によれば上構内01甲板にあり、四隅に346A型レーダー用アンテナ下半分の冷却配管や配線が喰い込んでいるが、実際そうなっているかは不明。煙突は１本で、赤外線輻射抑制装置が装着されている。ヘリ格納庫は後甲板中央にある。ソナーはMGK-335MSバウソナー（SJD-9ハルソナー？）とH/SJG-311VDS/TASSで、艦尾中央にTASS繰り出し用ドアを持つ。ヘリ管制レーダーは754型、航海レーダーは760型。全長157m、幅17m、吃水6m、満載排水量7500トン。主機はCODOG方式、QC-280ガスタービン（ウクライナ製GT-25000の国産化型、28000馬力）２基・MTU製20V956TB92ディーゼル（8000馬力。8840馬力？）２基、出力56000馬力（67050馬力？）、２軸推進、最大速力30ノット、航続距離4500海里（15ノット）。兵装はHHQ-9B/HHQ-16SAM/YJ-12SSM/YJ-18SSM/CY-2SUM/CY-5SUM/DH-10SLCM用GJB5860-2006コールドランチ方式８セルVLS８基（前甲板主砲後方４基、ヘリ格納庫前方４基）、130mm単装砲H/PJ38（H/PJ-45A-130-�T？）が１門（前甲板）、HHQ-10近接防御ミサイル24連装発射機FL-3000N１基（ヘリ格納庫上面前部）、730型または1130型CIWS１基（上構前端甲板室中央上面）、Yu-7・Yu-11短魚雷用３連装発射管7424B型２基（517B型レーダーマストの少し後ろの上甲板両舷）。YJ-18は専用VLS18セルが用意されている説があるが、実艦の写真上は存在していない。自衛用としてRJZ-726電子妨害／電波探知装置（NRJ-6A？）、726-4型18連装デコイ発射機４基（ヘリ格納庫上両舷にタンデムで２基ずつ）、SQK-6対魚雷音響デコイ（艦尾）を装備する。デコイ発射機の下あたりにRHIB収容スペースがあり、開閉式シャッターでステルス性を保つ。Z-9AまたはKa-28ヘリ２機を搭載可能。乗員280名。１番艦艦番号172昆明、２番艦173長沙、３番艦174合肥、４番艦175銀川、５番艦117西寧、６番艦154厦門、７番艦118烏魯木斉、８番艦155南京（119貴陽？）、９番艦119貴陽（155南京？）、10番艦161呼和浩特（131太原？）、11番艦131太原（161呼和浩特？）、12番艦120成都、13番艦121斉斉哈爾、14番艦156淄博、15番艦122唐山、16番艦132蘇州、17番艦123淮南、18番艦162南寧、19番艦124開封、20番艦164桂林、21番艦165湛江、22番艦133包頭、23番艦163焦作、157無錫、134紹興が2014年から就役中。参考：月刊世界の艦船11,'21、4,'21、3,’16、2,’20、1,’20、2,’19、3,’18、5,’15、6,’14、8,’13、5,’16、11,’14、12,’12、3,’12、12,’13、12,’18、8,’19、7,'20、11,'20、月刊軍事研究8,’18、11,’16、12,’14、3,’14、6,’13、11,’14、月刊JWings3,’17

＜０５２ＤＬ型＞：船体延伸型。14番艦156淄博（25番艦134紹興？）以降で、Z-20ヘリ運用のため艦尾を4m延長した。全長161m、幅17m、吃水6m、満載排水量7500トン。主機はCODOG方式、ガスタービン２基・ディーゼル２基、出力67050馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装はHHQ-9A艦対空ミサイル／CJ-10対地巡航ミサイル／YJ-18A艦対艦ミサイル／Yu-8艦対潜ミサイル用VLS２基計64セル、HHQ-10艦対空ミサイル24連装発射機１基、130mm単装砲１門、30mmCIWS１基、324mm３連装短魚雷発射管２基。ヘリ２機を搭載可能。乗員280名。参考：月刊世界の艦船4,'21、4,’20、11,’21

＜０５３型シリーズ＞：中国海軍フリゲート、NATOコードは江滬（チャンフー、Jianghu）級。1970年代から各型計35隻が建造され、うち２隻がエジプト、１隻がバングラデシュに売却された。参考：月刊軍事研究4,’05、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船6,’14、朝雲

　＜０５３Ｈ型＞：Type-053H、NATOコードは江滬�T（Jianghu�T）級。艦型は平甲板型で、艦首に短いブルワークを持つ。上甲板は前方から前甲板、艦橋構造物、マスト、艦対艦ミサイル、煙突、艦対艦ミサイル、甲板室、後甲板と並んでいる。全長103.2m、全幅10.8m、吃水3.1m、満載排水量1702-1729トン。主機はディーゼル２基２軸14400馬力、速力26ノット。兵装は中国国産の100mm単装砲２基、76型37mm連装機関砲（防楯無し）４基、HY-2艦対艦ミサイル連装発射機（SY-1艦対艦ミサイル３連装発射機？）２基（煙突前後）、RBU1200対潜ロケット発射機２基（４基？）。乗員200名。艦番号509承徳、510紹興、511南通、512無錫、513華陰、514鎮江、515厦門、516九江、517南平、518吉安、519長治、545臨汾が就役した。2019年現在、全艦退役している。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’16、5,’15、9,’11、2,’87、6,’14、2,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜江滬�U級＞：艦後部の100mm砲１基とHY-2連装発射機１基を外し、Z-9Aヘリ１機用の格納庫と飛行甲板を設けたもの。前甲板の100mm砲はフランスのクルーゾ・ロワール100mm単装砲コンパクト（100mm単装砲210型？）に変更されている。76型37mm連装機関砲の装備数は４基のまま。満載排水量が1865トンに増加した。艦番号544四平が就役した。後に練習艦Type-053H1Qに艦種変更された。2015年の兵装はHY-2艦対艦ミサイル３連装発射筒１基、RBU1200対潜ロケット発射機４基、100mm砲１門で、Z-9Cヘリ１機を搭載する。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜０５３Ｈ１型＞：Type-053H1、NATOコードは江滬�U（Jianghu�U）級。053H級の100mm砲を79式56口径100mm連装両用砲に変更したもの。艦首のブルワークは無く、代わりに少しシーアが付いた。兵装はHY-2艦対艦ミサイル３連装発射筒２基、RBU1200対潜ロケット発射機２基、79式56口径100mm連装両用砲１基。Z-9Cヘリ１機を搭載可能。艦番号533台州、534金華、543丹東、551茂名、552宜賓、553韶関、554安順、555昭通が就役した。後に100mm砲をステルスシールド付きの単装に戻した艦もある。参考：月刊世界の艦船9,’11、6,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜０５３Ｈ２型＞：Type-053H2、NATOコードは江滬�V（Jianghu�V）級。艦橋構造物基部の甲板室を後部主砲直前まで延長して船型を中央船楼型に変更し、対艦ミサイルをYJ-1に換装したタイプ。ヘリコプター運用能力は無い。ソナーはSJD-3船底格納式ソナーとSJD-5ハルソナー。全長103.2m、全幅10.8m、吃水3.1m、満載排水量1955トン。主機はディーゼル、出力14400馬力、２軸推進、最大速力26ノット。兵装はYJ-1艦対艦ミサイル単装発射筒８基、100mm連装砲２基、76型37mm連装機関砲４基、RBU1200対潜ロケット発射機２基。乗員200名。艦番号535黄石、536蕪滬の２隻が就役した。後に対艦ミサイルをYJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒２基に換装し、艦番号537舟山／滄州もこの分類になった。2014年に艦番号535黄石と536蕪滬がバングラデシュに売却された。参考：月刊世界の艦船9,’11、4,’16、5,’15、1,'15増刊、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜江滬�W級＞：053H2級の搭載ミサイルをYJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒２基に換装したもの。艦番号537舟山が就役した。後に053H2級も同じ兵装に換装したため、053H2級に統一された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’15、3,’13、9,’11

＜０５３Ｈ１Ｇ型＞：Type-053H1G、NATOコードは江滬�X級（Jianghu�X）。053H級の主砲を100mm連装砲２基に換装、37mm連装機関砲４基を防楯付きの76A型37mm連装機関砲に変更し、煙突上部の形状を変えたもの。艦番号557吉首、558自貢／北海、559康定／仏山、560東莞、561汕頭、562江門、563仏山／肇慶が就役した。後に近代化改装を受け、主砲をステルスシールドに、艦対艦ミサイルをYJ-83用４連装発射筒２基に換装するなどしている。2015年現在の兵装は以下の通り。YJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、RBU1200対潜ロケット発射機２基、100mm連装砲２基。参考：月刊世界の艦船4,’16、3,’18、5,’15、6,’14、3,’13、9,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０５３級・海外シリーズ＞

　　＜０５３Ｈ型（エジプト海軍）＞：エジプト海軍フリゲートで、ナジム・アル・ザフィル（Najim Al Zaffer）級ともいう。全長103.2m、幅10.8m、吃水3.1m、満載排水量1702-1729トン。主機はディーゼルで、出力16000馬力、２軸推進、速力26ノット。兵装はHY-2連装発射筒２基、70口径57mm連装砲２基、37mm連装機関砲６基、５連装対潜ロケット発射機RBU-1200が２基（４基？）、爆雷投射機２基、爆雷投下軌条２条、機雷60個。１番艦艦番号951ナジム・アル・ザフィルなど２隻を導入した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’19、ミリタリー・バランス1989-1990、JShips VOL.70、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０５３Ｈ型（バングラデシュ海軍）＞：バングラデシュ海軍フリゲートで、オスマン（Osman）級ともいう。1989年に１隻が引き渡され、オスマンと命名された。全長103.2m、幅10.7m、吃水3.1m、満載排水量1702トン。主機はディーゼルで、出力16000馬力、２軸推進、速力26ノット。兵装はCSS-N-2連装発射筒２基、100mm連装砲２基、37mm連装機関砲76型４基、５連装対潜ロケット発射機２基。2015年時点の兵装は、C-802艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、RBU1200対潜ロケット発射機２基、100mm連装砲２基。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊、5,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０５３Ｈ２型（バングラデシュ海軍）＞：バングラデシュ海軍フリゲートで、Abu Bakr級ともいう。兵装はC-802A艦対艦ミサイル連装発射筒２基、RBU1200対潜ロケット発射機２基、100mm連装砲２基。2014年に２隻が引き渡された。参考：月刊世界の艦船5,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜０５３型（ミャンマー海軍）＞：ミャンマー海軍フリゲート。2012年に053H級２隻が引き渡され、F21マハー・バンドーラなどとして就役した。満載排水量1729トン。兵装はYJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、100mm連装砲１基、RBU1200対潜ロケット発射機２基。参考：月刊世界の艦船7,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０５３Ｈ２Ｇ型＞：江衛�T型（フリゲート）を参照。

＜０５３Ｈ３型＞：江衛�U型（フリゲート）を参照。

＜０５３Ｋ型＞：中国海軍フリゲート、NATOコードは江東（チァントン、Jiangdong）級。中国国産艦として初めて艦対空ミサイルを搭載した。全長103.2m、幅10.7m、吃水3.1m、基準排水量1425トン、満載排水量1924トン。主機はディーゼルで、出力16000馬力、２軸推進、最大速力26ノット。兵装はHQ-61連装発射機１基、100mm連装砲２基、37mm連装砲４基、５連装対潜ロケット発射機２基、爆雷投射機２基、爆雷投下軌条２基。艦番号531鷹潭など２隻が1975年と1977年に就役した。艦対空ミサイルが作戦運用可能となったのは1986年頃とされる。1990年代半ばに退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、4,'21、1,'15増刊、10,’19、月刊軍事研究4,’05

＜０５４型＞：中国海軍フリゲート（中国の艦種呼称は護衛艦）Type-054、NATOコードは江凱（チアンカイまたはジャンカイ、Jiangkai）�T級。江衛級フリゲートの後継で、駆逐艦並みの大型船体に対レーダーステルス性を持たせている。船型は中央船楼型で、船楼幅は船体幅と一致させて舷側を逆傾斜とし、前甲板にブルワークを付けた。中央船楼は前方からHHQ-7発射機、艦橋、艦対艦ミサイル発射機、煙突、ヘリ格納庫と並ぶ。前部マストはタワー型で艦橋上面後部に設置されていて、後部マストはマック型式である。搭載艇はヘリ格納庫前方上部の艦内に収容し、必要時にシャッターが開いて海面に降ろされる。全長132m、幅15m、吃水5m、満載排水量3963トン。主機はCODAD方式、フランスSEMTピールスティック社製16PAC STCディーゼル４基２軸42000馬力、速力27ノット、航続距離3800海里（18ノット）。兵装はYJ-83艦対艦ミサイル４連装発射機２基（前部マストと煙突の間）、HHQ-7艦対空ミサイル８連装発射機１基（艦橋前方01甲板）、100mm単装砲H/PJ87が１門（前甲板）、AK630CIWS４基（ヘリ格納庫後端上面両舷と煙突後方両舷）、324mm短魚雷Yu7用３連装発射管２基、RBU-1200対潜ロケット発射機２基。戦闘システムはH/ZBJ-1で、MR34レーダー方位盤（艦砲・対艦ミサイル管制用。艦橋頂部に344型射撃指揮レーダー装備）、345型対空ミサイル管制レーダー１基（344型の前下方）、347G型ライスランプ・レーダー方位盤（AK630管制用）２基（ヘリ格納庫上など）、360型捜索レーダー（トムソンCSF社製DRBV-15のコピーである363S型？）１基（前部マスト頂部）、364型低空捜索レーダー（MR34A？MR36A？）１基（後部マスト頂部）、RM1290航海レーダー２基（前部マスト上部両舷）を装備する。ソナーシステムはSJD-9、曳航ソナーはSJG-206。Z-9CまたはKa-28ヘリ１機を搭載可能。乗員190名。１番艦艦番号525馬鞍山と２番艦艦番号526温州が2005-06年に就役した。参考：月刊軍事研究4,’05、6,’05、8,’07、月刊世界の艦船3,’17、4,’16、8,’13、9,’11、1,’04、3,’13、11,’14、1,'15増刊、月刊JWings3,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０５４Ａ型＞：中国海軍ミサイル・フリゲート（中国の艦種呼称は導弾護衛艦）Type-054A、NATOコードは江凱（チアンカイまたはジャンカイ、Jiangkai）�U級。054級の改良型で、艦対空ミサイルを32セル垂直発射機とHHQ-16の組み合わせに変更し、前部タワーマスト頂部の三次元対空捜索レーダーをフレガットM2EMのコピーの382型に換えている。艦橋上には艦対艦ミサイル管制用としてMR-331ミネラルMEのコピーの352型のアンテナを収容した大型ドームがあり、その両舷に短SAM用MR-90管制レーダー（345型）を１基ずつ装備する。煙突は後部マストと一体化したマック型式で、後部マストトップには364型シーガル対空対水上レーダーの大型レドームを載せる。煙突後方がヘリ格納庫で、格納庫上部両舷にMR-90管制レーダー（345型）を２基装備する。主砲管制レーダーは347G型（MR-331の後ろ）と344型、航海レーダーはRM1290（前部タワーマスト上部両舷）。艦載戦闘システムはZKJ-4B/-5/-6、ソナーシステムはSJD-9（MGK-335？）、ソナーは中周波アクティブ／パッシブ式ハルソナーとSJG-206曳航ソナーで、17番艦577黄岡以降はSJD-311VDSも装備している。データリンクはHN900。衛星通信装置はSNTI240/AKD500S。自衛用に726型18連装デコイ発射機２基とSQK-6対魚雷音響デコイを装備する。中国「艦船知識」誌のCG断面図解ではCICが上構前部第１甲板レベルに設けられているが、本当かは不明。全長134m、幅16m、吃水5m、基準排水量3556トン、満載排水量3963トン（4053トン？）。主機はCODAD方式、フランスSEMTピールスティック社製16PAC STC（16PA6V280STC？）ディーゼル４基、出力28200馬力、２軸推進、最大速力27ノット、航続距離3800海里（18ノット）。兵装はHHQ-16艦対空ミサイル／CY-3艦対潜ミサイル／CY-5艦対潜ミサイル用ホットランチ式32セルVLS１基（主砲後方）、YJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（前部マスト後方両舷）、ステルス砲塔型76mm単装砲H/PJ26型１門（前甲板）、30mmCIWS 730型（17番艦577黄岡以降は1130型）２基（マック両舷）、87式（87型？89型？RBU1200？）６連装240mm対潜ロケット発射機２基（主砲前方両舷）、324mm３連装短魚雷発射管7424型２基（Yu-7/Yu-11短魚雷）。Ka-28PLまたはZ-9Cヘリ１機を搭載可能で、カムコプターS100無人ヘリ（のコピー？）を発着艦させたこともある。後部上構上面両舷に726-4型24連装（６列４段）チャフ発射機を１基ずつ装備する。乗員180-190名。艦番号530徐州、529舟山、570黄山、568衡陽、571運城、569玉林、548益陽、549常州、538煙台、546塩城、572衡水、573柳州、575岳陽、547臨沂、550維坊、574三亜、576大慶、577黄岡、578揚州、579邯鄲、532荊州、531湘潭、515浜州、536許昌、539蕪湖、598日照、599安陽、500咸寧、601南通、542棗荘の30隻が2008-19年に就役した。艦番号534資陽と535鶴壁が2022年に就役予定。参考：月刊世界の艦船2,’20、2,’19、3,’18、3,’17、5,’15、6,’14、3,’13、8,’13、4,’10、5,’11、4,’12、9,’11、1,'15増刊、4,’16、6,'16、4,’17、4,'22、月刊軍事研究9,’18、11,’16、12,’14、8,’07、3,’15、5,’13、9,’09、3,’10、6,’15、月刊丸5,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜０５４ＡＬ型＞：計画中の改良型。054A型を運用してみると、速力・航続性能・行動日数が低く空母機動部隊に追随できない、速力と対潜ヘリの能力不足で原潜に対抗できないといった欠点が露呈したため、これらを改善するもので、船体を拡大して航洋性を高め、ヘリ格納庫とヘリ甲板を大型化してZ-20F対潜ヘリを運用可能にし、主機をガスタービンに変更して高速化する。20隻を建造予定。制式名は054B型になった模様。参考：月刊世界の艦船2,’21、11,’23

　＜０５４Ｂ型＞：計画改良型。054A型の後継として計画されたもので、2012年春に中国船舶工業集団公司の三胴船案に勝って中国船舶重工集団公司の改054A型が採用され、この名称になった。主機をガスタービンに変更し、フェイズド・アレイ・レーダーを装備する。全長135m、幅16m、吃水4.4m、基準排水量3850トン、満載排水量5000トン。主機はガスタービンによる統合電気推進方式、最大速力26ノット。兵装は８セル垂直発射機4-6基（HHQ-16艦対空ミサイル、YJ-85艦対艦・艦対地ミサイル、CY-3艦対潜ミサイル）、YJ-18艦対艦ミサイル、HHQ-10艦対空ミサイル用８連装発射機、76mm単装砲H/PJ26型、３連装短魚雷発射管（Yu-7用）。Ka-28またはZ-9対潜ヘリを搭載できる。2016-17年からの就役を予定していたらしいが、建造契約すら結ばれないまま放置され、054AL型の開発に移ったらしい。参考：月刊軍事研究9,’18、12,’14、月刊世界の艦船6,’14、4,'21

　＜０５４Ｂ型＞：054AL型の制式化型。速力と対潜戦能力を強化して空母機動部隊に随伴できるようにしたものである。船体を延長して上構中央を延長し、艦対艦ミサイル搭載数を倍に増やした。前部タワーマスト頂部にプラナー・アレイ２面を背中合わせにした多機能レーダーを装備する。ヘリ格納庫とヘリ甲板を拡大し、Z-20ヘリ対応にしている。全長147m、満載排水量6000トン。主機はCODLADまたはオール・ディーゼル、速力30ノット。兵装はHHQ-16艦対空ミサイル用32セル垂直発射機１基（主砲後方）、YJ-83/YJ-12艦対艦ミサイル４連装発射筒４基、100mm単装砲１門（前甲板）、HHQ-10艦対空ミサイル21連装発射機（ヘリ格納庫上）、30mmCIWS１基（艦橋前方甲板室上）。2023年8月26日に滬東中華造船所で１番艦が進水した。18隻を建造予定。参考：月刊世界の艦船11,’23

＜０５４Ｔ型＞：中国がタイ海軍に売り込んでいるらしい054A型の輸出バージョン。参考：月刊世界の艦船3,’16

＜０５４Ａ級・海外シリーズ＞

　＜０５４Ａ級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍フリゲート。2018年6月1日（2017年？）に中国船舶工業貿易公司に２隻を発注したと発表した。全長134m、幅16m、排水量4000トン。兵装は76mm単装砲H/PJ-26が１門、CM302艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、HHQ-16艦対空ミサイル32セルVLS１基、730型CIWS２基、短魚雷３連装発射管２基。１番艦FFG-261トゥグリルは2021年11月に就役した。２番艦ティムール（Taimur）は2021年1月に進水し、2022年6月23日に上海で引き渡し式典が行われた。参考：月刊軍事研究12,’18、月刊世界の艦船9,'22、9,’21、2,’22

　＜０５４Ｐ級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍フリゲート。2018年に滬東中華造船に２隻を発注した。全長134m、幅16m、排水量4000トン。兵装は76mm単装砲H/PJ-26が１門、CM302艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、HHQ-16艦対空ミサイル32セルVLS１基、730型CIWS２基、短魚雷３連装発射管２基。2023年5月10日、１番艦ティプー・スルターン（Tippu Sultan）と２番艦シャージャハーン（Shahjahan）が滬東中華造船で就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船9,’21、8,’23

＜０５５型＞：江衛�T級（フリゲート）を参照。

＜０５５型シリーズ＞：中国海軍10000トン級大型ミサイル駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）で、実質的にミサイル巡洋艦クラスである。空母機動部隊の052D型ミサイル駆逐艦を指揮して統合防空戦を行うのが主任務で、2013年から開発したらしく、武漢に上甲板より上のモックアップが作られたようで、前甲板に主砲、その後ろにVLSスペース、その後ろに前部上構、航海艦橋の後ろに背の高い大型タワーマスト、前部上構から少し間を開けて後部上構、と052D級をそのまま大型化したような感じだった。参考：月刊軍事研究11,’16、3,’14、月刊世界の艦船4,'21、9,’15

　＜０５５型＞：NATOコードはレンハイ（Renhai。漢字では人海または壬海らしいが、仁海、忍海、靱海といったものもあり、定まっていないようである）型。船型は長船首楼型で、ステルス性に配慮しており、上構側面とナックルラインから上の船体側面を面一とし、艦載艇などの収容部はシャッターで塞ぎ、揚錨装置や係留設備などは艦内に配している。艦首水線下はバウソナー・ドームで、船体両舷水線下のビルジ・キールを挟んでフィン・スタビライザー２組を持つ。露天甲板は前から主砲、前部VLS、30mmCIWS（甲板室上）、前部上構、前部煙突、後部煙突、後部VLS、後部上構・ヘリ格納庫、ヘリ甲板。前部VLS発射口は角型で、露天甲板より少し高い位置にある。１ブロックは前後２列・左右４列の計８セル構成で、蓋は前列が前ヒンジ、後列が後ろヒンジ。これが前後４ブロック・左右２ブロックの計８ブロック並ぶので、前部VLSは合計64セルになる。後部VLS発射口も同様に露天甲板より少し高い位置で、１ブロック８セルが前後３ブロック・左右２ブロックの合計48セル用意されている。前部上構の斜め方向に346B型フェイズド・アレイ・レーダーのＳバンド平面アンテナがあり、斜め後方の２枚は斜め前方の２枚より高い位置にある。航海艦橋は前部346B型レーダーアンテナの上にあり、航海艦橋上面には直方体の箱型構造が前方・斜め前・舷側の５方向を向いている。前部上構頂部に太いタワーマストがあり、多分四周に346B型フェイズド・アレイ・レーダーのＸバンド平面アンテナが取り付けられ、航海レーダーやIFFの平面アンテナも装着される。艦橋ウイング直下と後部上構側面にも横長矩形フェイズド・アレイ・アンテナがある。前部上構後部両舷には前後方向に長いシャッターが用意されていて、艦載艇収容スペースと思われる。後部上構両舷にチャフ・デコイ発射機を２基ずつタンデムで装備する。主機はシフト配置らしい。艦載戦闘システムはH/ZBJ-2。ハル・ソナーとVDSを搭載するらしい。電子戦システムはRJZ-726。全長180m（182.6m？174.1m？183m？）、幅19m（20.9m？20.6m？22m？）、吃水6.6m、基準排水量11000トン（10000トン？9000トン？）、満載排水量13000トン（12000トン？12300トン？）。主機はCOGAG方式、QC280ガスタービン（28000-36000馬力）４基、出力152000馬力（112000馬力？）、２軸推進、最大速力30ノット（32ノット以上？）、航続距離5000海里（12ノット）／7000海里（最大）。兵装はVLS２基112セル（HHQ-9A艦対空ミサイル／HHQ-9B艦対空ミサイル／CJ-10艦対地ミサイル／HN-3艦対地ミサイル／YJ-18艦対艦ミサイル／YJ-83／YJ-100／CY-5艦対潜ミサイルなど。前甲板の主砲後方に64セル、ヘリ格納庫前方に48セル）、70口径130mm単装砲H/PJ-45A（H/PJ-38？）が１門（前甲板）、HHQ-10艦対空ミサイル24連装発射機１基（ヘリ格納庫上面後部）、1130型CIWS１基（艦橋前方甲板室上）、30mm機関砲２門（煙突後方）、7424B型324mm短魚雷３連装発射管２基（Yu-7。船体やや後部内両舷）。Z-8ヘリまたはZ-9CまたはZ-18Fヘリ２機を搭載可能。乗員280名。８隻建造して４個空母機動部隊に防空中枢艦として２隻ずつ配備するとされ、１番艦艦番号101南昌は2020年1月12日、２番艦艦番号102拉薩は2021年3月、３番艦艦番号105大連は2021年4月23日、４番艦艦番号103鞍山は2021年11月11日、５番艦艦番号106延安（Yan’an）は2022年2月、８番艦艦番号108咸陽は2023年4月に就役した。他に艦番号104無錫、艦番号107遵義が就役している。2020-25年頃に配備予定の第２ロットでは主砲に32MJレールガンを積むという話もある。2022年、YJ-21艦対艦弾道ミサイルの試射を行った。参考：月刊世界の艦船4,'22、11,'21、4,'21、4,'23、9,'20、2,’20、2,’19、12,’19、3,’18、9,’17、9,’18、11,’18、4,'20、11,'20、7,'21、2,'22、9,'22、3,'23、7,'23、月刊軍事研究8,’18、9,’17、11,’17、2,’18

　＜０５５Ａ型＞：計画中の統合電気推進型。レーザー砲やレールガンの搭載に備えているとみられる。参考：月刊世界の艦船2,’19、月刊軍事研究8,’18

＜０５５型（予想）シリーズ＞

　＜０５５型（予想）＞：中国「艦船知識」誌に、進水前の時点でCG断面図解、進水後の時点で外観CGが掲載された。船型は長船首楼型で、ナックルラインから上の艦側面が下とは逆傾斜になっており、マストもタワーマストを採用してステルス性に配慮している。艦首水線下にバウソナー、中央水線下両側にビルジキール、その前後にフィン・スタビライザー１基ずつが取り付けられている。露天甲板の配置は前から130mm単装砲１門、VLS64セル、前部上構、煙突４本（２×２）、VLS48セル、後部上構、ヘリ甲板で、後部上構の床とヘリ甲板が上甲板レベル、その他が船首楼甲板レベルである。前部上構前面には1130型CIWSを載せた甲板室があり、前部上構の斜め４方向にアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー用の四角いアンテナが配置されていて、後ろ向きの２枚は前の２枚より高い位置に装着されている。前部上構側面下部と後部上構側面には横長長方形の電子戦用大型アンテナが付く。前部上構中央第１甲板レベル、タワーマストの真下辺りにCICが設けられているが、本当にこの位置かは不明。前部上構上面前部の縁には横長直方体のアンテナが５基並んでいて、前を向いているの１基がLPIレーダー、斜め前方を向いている２基がIFFアンテナである（横を向いている２基は解説無し）。前部上構上面中央には主砲用FCSが載る。前部上構上面後部には太いタワーマストが設けられ、マスト頂部には対水上レーダーが多角柱レドームに収容されており、マスト側面四周に縦長長方形Ｘバンド・フェイズド・アレイ・アンテナ、その上に小さい横長長方形電子戦アンテナ、更に上にもっと小さい縦長長方形電子戦アンテナが付く。タワーマスト上面前部には電子戦アンテナが突き出しており、後部には円筒形の起部を持つポールマストが立っていて、中央の太い部分がUHF/VHF受信アンテナ、頂部の太い部分がUHF/VHF送信アンテナである。前部煙突脇の上構側面には交通艇収容部を隠すシャッターが設けられている。後部VLSの両脇にはCS/ARI型55mmロケット発射機を１基ずつ装備する。後部上構はヘリ格納庫になっており、上面には衛星通信アンテナを収容したドーム、その両舷に新型チャフ発射機２基ずつ、後ろにHHQ-10近接防御SAM発射機がある。ヘリ格納庫前端あたりの両舷に短魚雷発射管用シャッターが設けられている。全長160-180m、幅21-23m、満載排水量11000-12000トン。主機はガスタービン・エレクトリックまたはCOGAG方式（CG断面図解ではガスタービン・エレクトリックになっている）で、QC280ガスタービンを搭載し、２軸推進、最大速力30ノット以上。兵装はHHQ-9/YJ-18/YJ-100/HN-3/CY-5用８セル垂直発射機14基、HHQ-10用24セル発射機１基、H/PJ-38が１門、1130型CIWS１基、324mm短魚雷３連装発射管7424B型２基（Yu-7短魚雷）。Ka-28またはZ-20ヘリ２機を搭載する。参考：月刊世界の艦船4,’17、12,’17、月刊軍事研究11,’16

　＜０５５Ａ型（予想）＞：統合電気推進の試験用らしい。想像図の１つはアーレイ・バーク級フライト�Vの丸パクリみたいな外見をしている。参考：月刊軍事研究3,’14

　＜０５５Ｂ型（予想）＞：055A級で主機のテストが終了した後に作られるレールガン／舷側装備VLS（艦首両舷計40セル）運用試験型らしい。参考：月刊軍事研究3,’14

　＜０５５Ｃ型（予想）＞：055B級の運用結果を受けて建造される量産型。想像図の外見はズムウォルト級の丸パクリで、ステルス性は60倍高いらしい。メインセンサーはアクティブ・フェイズド・アレイ式多機能レーダーで、最大探知距離600km。全長183m、幅22m、基準排水量12000トン、満載排水量15000トン。主機は改QC-280ガスタービン、可変ピッチプロペラ２軸推進、最大速力30ノット以上。兵装は155mm電磁砲、Mk57舷側装備VLS（ズムウォルト級のVLSと同じ制式名だが、コピーするのだろうか）80-128セル（HHQ-26艦対空ミサイルなど）、対ミサイル用レーザー砲。対潜ヘリ２機やUAVを搭載可能。参考：月刊軍事研究3,’14、月刊世界の艦船6,’14、5,’15

＜０５６型＞：中国海軍コルベット（中国での艦種は軽型護衛艦、アメリカ軍の識別用艦種記号はFFL）Type-056、NATOコードは江島（Jiangdao）級。江滬型や紅星型の後継となる沿岸防衛・哨戒艦で、東シナ海や南シナ海での支配域拡大用らしく、周辺諸国海軍の状況に鑑み対水上戦能力を重視して対空・対潜戦闘能力は最小限とした。ただアメリカ国防総省の年次報告書である中国の軍事力2018年版では、建造目的を南・東シナ海沿海域での対潜能力強化としている。タイ海軍向けに中国が建造したパッターニー級をベースとして小型に纏め、建造費を6-7億元（93-110億円）に抑えた。船体はステルス性を考慮しており、船型は中央船楼型で、中央部に背が低く前後に長い上構がある。中期建造艦以降は艦橋が少し高くなった。舷側に顕著なナックルがあり、ナックルラインより上が船体と逆傾斜になっていて、前甲板と船楼頂部にブルワークがある。船体中央水線下両舷にフィン・スタビライザー、艦尾水線下にフラップを持つ。上構は前方から艦橋、タワーマスト、対艦ミサイル装備部、煙突、後部上構（上面に小さいタワーマストがある）という構成である。前部マスト頂部に364型二次元対空・対水上捜索レーダー（348型警戒レーダー？）、中段に760型航海レーダー、マスト前方の艦橋上面に347G型射撃指揮レーダー（366型レーダー方位盤？）を装備する。後甲板はヘリ甲板となっていて、その前方の上構後面には左右２カ所の開口部があるが、ヘリやUAVを収容できるだけの幅や高さは無く、単なる通路（脇に３連装短魚雷発射管を装備する）である。ヘリ甲板にはエレベーターも無いので、ヘリやUAVを艦内収容することはできないようである。ヘリ管制レーダーは754型。ソナーシステムはSJD-9で、ソナーはバウソナーまたはハルソナーを搭載する。17番艦以降（12番艦以降？）の一部は艦尾にSJG-206曳航ソナー用レセスを追加、６連装（５連？）装対潜ロケット発射機２基を積んだ。煙突左舷側にデッキ・クレーンとRHIB１隻を搭載する。全長89m、幅11.6m、吃水4.4m、基準排水量1300トン、満載排水量1500トン。主機はCODAD方式、SEMTピールスティック社製PA6-STCディーゼル２基、出力13800馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、最大速力25ノット、航続距離2000海里（18ノット）／3500海里（16ノット）。連続行動日数45日。兵装は76mm単装砲H/PJ26型１門（前甲板）、YJ-83艦対艦ミサイル連装発射筒２基（上下２連。マストと煙突の間）、HHQ-10近接防御SAM８連装発射機FL3000Nが１基（後部上構後端上面）、30mm単装機関砲H/PJ-17が２門（マスト基部左右）、7424型324mm短魚雷３連装発射管２基（後部上構通路脇。Yu-7短魚雷）、６連装（５連装？）対潜ロケット発射機２基（17番艦以降の一部艦）。乗員60名（うち士官16名）。艦番号582蚌埠、596恵州、584梅州、580大同、583上饒、597欽州、585百色、581営口、587掲陽、586吉安、589清遠、588泉州、592瀘州、590威海、591撫順、595潮州、501信陽、503宿州、512渮沢、509淮安、511保定、510寧徳、593三門峡、594株洲、502黄石、504宿遷、505秦皇島、506荊門、507銅仁、508曲靖、513鄂州、514六盤水、518義烏、520漢中、535宜城、556宜春、540烏海、541張掖、551遂寧、552広元、554徳陽、557南充、610朔州、608聊城、625巴中、611六安、603定州、604牡丹江、615孝感、622広安、626梧州、621攀枝花、617景徳鎮、623文山、605張家口、606辛集、620贛州、627恩施、616泰安、628永州、618商丘、624随州、637十堰、600松原、602平頂山、607萊蕪、636済寧、631天門、629銅陵、609石嘴山、630阿壩が2013年から就役した。2021年1月に72番艦が就役し、056型22隻と056A型50隻の計72隻で整備を終えた模様。2021年11月、中国海警への移管が開始された。ミサイルを撤去して76m砲と30mm機関砲だけ残しており、056型22隻を引き渡すらしい。ナイジェリア海軍が兵装を絞った哨戒艦型を２隻発注したといわれる。参考：月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、2,’19、3,’18、3,’17、3,’16、4,’16、5,’15、6,’14、3,’13、8,’13、5,’13、10,’12、8,’12、1,'15増刊、1,’17、6,’17、3,’20、4,'20、9,'20、5,’21、月刊航空ファン5,’13、月刊軍事研究9,’18、12,’14、8,’14、11,’14、2,’15、12,’18、月刊JWings3,’17

＜０５６型・海外シリーズ＞

　＜０５６型（バングラデシュ海軍）＞：バングラデシュ海軍コルベットで、１番艦の艦名からシャディノータ（Shadhinota。シャディーンノータ？）級ともいう。輸出型のC-13B型を導入したもので、対潜装備（ソナーと短魚雷発射管）を省いている。後甲板（01甲板レベル）はヘリ甲板で、格納庫は無い。全長90m、満載排水量1330トン。主機はディーゼル、速力25ノット。兵装は76mm単装砲H/PJ-26が１門（前甲板）、C-802A艦対艦ミサイル連装発射筒２基、FL-3000N近接防御兵器１基（上構後端）、30mm単装機関砲H/PJ-17が２門。全艦中国で建造され、F111シャディノータなど２隻が2016年3月に就役し、３番艦サングラムと４番艦プロッタシャは2019年にバングラデシュに回航された。参考：月刊世界の艦船6,’19、7,’19、8,’17、1,’21

　＜Ｐ１８Ｎ型＞：P18N型（ナイジェリア海軍）を参照。

＜０５７型＞：江衛�U級（フリゲート）を参照。

＜０５７型＞：中国海軍が開発中らしいフリゲート。排水量4500トン。主機は統合電気推進。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜０６１＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦１番艦チャン・ボゴ（張保皐、Chang Bogo）。1993年6月就役。参考：月刊世界の艦船4,’09、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究7,’95、現代の潜水艦

＜０６２＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦２番艦イーチョン（季阡、Yi Chon）。1994年4月就役。2013年9月20-28日、パシフィック・リーチ2013に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊JWings12,’13

＜０６２−１型＞：海鳩型（哨戒艇）を参照。

＜０６３＞：アドミラル・クズネツォフ（空母）を参照。

＜０６３＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦３番艦チェムソン（崔茂宣、Choimu 　Son。Choi Moo Sun？）。1995年2月就役。2000年10月2-14日、パシフィック・リーチ2000に参加。2019年2月、改装と延命改修を終えた。参考：月刊世界の艦船4,’09、9,’19、6,'22、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜０６５＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦４番艦パクイ（Park Wi）。1996年2月就役。2018年6月8日、パール・ハーバーに入港。6月27日から8月2日、リムパック2018に参加。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船8,’18

＜０６６＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦５番艦リージョンム（李従茂。李阡号？、Lee Jongmu）。1996年8月就役。参考：月刊世界の艦船4,’09、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究7,’95、現代の潜水艦

＜０６６型シリーズ＞：中国海軍揚陸艇。55型の改良型で、1950年代末から1960年代に建造された。参考：月刊軍事研究9,’18

　＜０６６型＞

　＜０６６Ａ型＞

　＜０６６Ｋ型＞

＜０６７＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦６番艦ジョンウン（鄭運、Jung Woon）。1997年8月就役。参考：月刊世界の艦船4,’09、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜０６７＞：ソ連海軍イワン・ロゴフ級揚陸艦１番艦イワン・ロゴフ（Ivab Rogov）。1978年竣工、太平洋艦隊に配備された。1996年に退役した。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜０６７型＞：中国海軍揚陸艇、NATOコードは玉南（Yunnan、ユンナン。雲南？）級。LCU相当で、066型の改良型であり、兵員なら150-200名、貨物・車両なら46トンを輸送できる。操舵室は艦尾近くにあり、艦首に門扉兼用のランプを持つ。全長28.6m、全幅5.4m、吃水1.5m、満載排水量135トン。主機はディーゼル、出力600馬力、２軸推進、速力12ノット。兵装は14.5mm連装機銃２基。乗員12名。1968-72年に約300隻が建造された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’05、5,’14、9,’18

＜０６８＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦７番艦リースンシン（李純信、Lee Sunsin）。1999年6月就役。2015年3月2日から4月24日、フォール・イーグル2015に参加。11月4-15日、パシフィック・リーチ2019に参加。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船6,’15、3,’20

＜０６８型＞：中国海軍機動揚陸艇、NATOコードは玉青（ユーチン、Yuchin）型。067型の小型化バージョンである。全長25m、満載排水量85トン。兵員100-150名を搭載可能。1960-70年代に建造された。参考：月刊軍事研究5,’14、4,’05、9,’18

＜０６９＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦８番艦ナーデーヨン（羅大用、Na Daeyong）。2000年11月（5月？）就役。2010年6月25日、大韓海峡海戦戦勝60周年記念行事に参加。2012年6月29日から8月3日、リムパック2012に参加。2019年6月、改装と延命改修を終えた。参考：月刊世界の艦船4,’09、9,’01、9,’19、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊軍事研究10,’10、10,’12

＜０６９型＞：中国海軍機動揚陸艇、NATOコードは玉青（ユーチン、Yuchin）型。067型の小型化バージョンである。全長25m、満載排水量85トン。兵員100-150名を搭載可能。1960-70年代に建造された。参考：月刊軍事研究5,’14、4,’05、9,’18

＜０７１＞：韓国海軍チャン・ボゴ級潜水艦９番艦リーオッギ（李億祺、Lee Eokgi）。2001年11月就役。2010年6月、リムパック2010に参加。2016年5月27日早朝、中部太平洋で乗員１名に緊急医療の必要が生じたため、たまたま通りがかったパシフィック・パートナーシップ2016に向かう途中のアメリカ海軍病院船T-AH-19マーシーに救援を要請、MH-60Sで乗員を収容してもらった。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、9,’10、9,'16、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、JShips VOL.70

＜０７１−５０００１−８１０５＞：自衛隊の空中線。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜０７１型＞：中国海軍大型船塢登陸艦（LPDのこと）Type-071崑崙山（クンルンシャン、Kunlunshan）級、NATOコードは玉昭（Yuzhao）級。船型はステルス性重視の中央船楼型で、艦首から艦尾まで続くナックルラインから上の舷側を一面としており、搭載艇は上構側面レセスに収容した。上部構造物は前後に長く、上構後部にヘリコプター格納庫（Z-8Aヘリ４機収容）を持つ。ただ肝心のZ-8Aヘリが2016年現在10機くらいしか無いのが欠点である。ヘリ格納庫を避けて煙路を設ける関係上、煙突はヘリ格納庫上面左右に分けて細長いものを設置しており、前後にはずれていないので、機関はシフト配置でなくパラレル配置らしい。船体後部はヘリ甲板で、中型ヘリ２機分の発着スポットがある。艦尾にはドック・ウエルの扉が設けられており、ドック・ウエルには724型玉翼級LCAC/726型玉義級LCACなら４隻、LCMなら２隻を収容可能。両舷ダビットにはLCVPを１隻ずつ搭載している。ドック・ウエルにLCACを縦に並べて４隻収容する関係上、長さが船体の３分の２に達していて、車両甲板が圧迫されており、収容数は63A式水陸両用戦車３両、90式装甲兵員輸送車または05式水陸両用歩兵戦闘車６両など戦闘車両15-20両（最大50両？）と少なめ。船体中央右舷側に車両甲板と交通するサイドランプを持つ。前甲板には76mm単装砲AK-176（H/PJ26？）が１門据えられており、両舷の煙突前後に30mm機関砲AK630（H/PJ13？）が１基ずつ計４基設置されている。マスト上部に360型対空／対水上捜索レーダー（363型？）、マスト中段にRM1290航海レーダー、煙突間に364型対空捜索レーダー、艦橋上に347G型火器管制レーダー、ヘリ格納庫上に366型レーダー方位盤を装備する。戦闘システムはZKT-1B。デコイ／チャフ発射機は726-4型４基（前甲板両舷、上構両舷）。全長210m、幅28m、吃水8m（7m？）、基準排水量19855トン（18500トン？17600トン？）、満載排水量25000トン。主機はCODAD方式、SEMTピールスティック16PC2・6V400ディーゼル４基、出力47000馬力、固定ピッチプロペラ２軸推進、最大速力25ノット、航続距離6000海里（18ノット）、航海日数25-30日。乗員239名（156名？120名？）。Z-8ヘリ４機（＋露天２機）、装甲車15-20両を含む車両35-45両（60両？）、揚陸部隊500-900名（１個大隊規模）を収容する。価格は10-18.9億人民元（1.6-3億ドル、160-330億円）。１番艦艦番号998崑崙山、２番艦艦番号999井崗山、３番艦艦番号989長白山、４番艦艦番号988沂蒙山、５番艦艦番号980龍虎山、６番艦艦番号987五指山、７番艦艦番号986四明山、８番艦（2018年12月8日起工、2019年6月6日進水、2020年就役）の８隻が2007-20年に就役し、1-3番艦と６・８番艦が南海艦隊、４・５・７番艦が東海艦隊に配備された。安価な割に建造ペースが遅いのは、075型LHDの方を優先したためらしい。参考：月刊軍事研究9,’18、11,’08、5,’14、6,’10、8,’16、7,’18、月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、2,’19、3,’18、4,’16、5,’16、5,’15、5,’17、6,’14、3,’13、9,’10、12,’12、2,’14、5,’11、4,’12、12,’11、1,’12、3,'16、4,’16、9,’19、5,’20

＜０７１型・海外シリーズ＞

　＜０７１ＥＴ型（タイ海軍）＞：タイ海軍ドック型輸送揚陸艦。2019年に１隻の調達で合意した。価格は1.3億ドル（145億円）で、中国船舶重工業集団動力股份有限公司CSIC滬東中華造船所が建造する。船型は中央船楼型で、ナックルラインより上の船体側面を下と逆傾斜にし、マストはタワー型を採用するなど、ステルス性に配慮した。船体内後部のドック内にLCM６隻または水陸両用車両57両を収容し、艦後面の下開きランプから揚収する。中央船楼前方中央部が半甲板くらいかさ上げされていて、76mm単装砲を搭載する。中央船楼後部はヘリ格納庫で、ヘリ４機を収容でき、中央船楼後部上面中央にヘリ管制所、左右に煙突、後面にシャッター２枚がある。後甲板は広いヘリ甲板で、ヘリ発着スポット３カ所が縦に並び、ヘリ格納庫すぐ後方の右舷側にクレーンが用意されている。全長210m、基準排水量20000トン。主機はディーゼル、速力25ノット。兵装は76mm単装砲１門など。中型ヘリ４機、LCAC４隻（２隻説あり）またはLCM20隻、各種車両、揚陸部隊600名を搭載可能。2023年に艦番号792チャンが竣工した。2036年までにもう３隻作る予定。参考：月刊世界の艦船12,'23、7,'23、4,'23、12,’19、2,’20

＜０７２＞：韓国海軍214型潜水艦１番艦孫元一（ソン・ウォンイル、Son Won-Il）。2007年12月就役。運用してみると騒音が契約書の基準値を超えていたため、HDW社が保証金５億円で１年かけて修理したが、運用停止期間は20ヶ月以上に及んだ。現代重工の工事ミスで推進軸受けの位置がずれていたためらしい。参考：月刊世界の艦船4,’09、12,’18

＜０７２型シリーズ＞：中国海軍戦車揚陸艦（中国の艦種呼称は担克揚陸艦）。以下の細分類は072型前期型３隻が072型、072型後期型４隻が072�U型玉坎級、072�U型が072�V型玉亭�T級、072�V型が072A型玉亭�U級という説もある。参考：月刊世界の艦船4,’21、5,’23

＜０７２型＞：NATOコードは玉坎（Yukan、ユィカン。読みは同じで玉康ともいう）級。中華民国海軍から鹵獲・接収したLST-1級の後継として、これをベースに開発した。船体構造はLST型で、艦首にバウ・ランプ（長さ17.2m、幅4.8m、耐荷重50トン）、艦尾にスターン・ランプ（耐荷重25トン）を持つ。船体後ろ寄りに１甲板分かさ上げされた上構があり、前から機関砲、艦橋、ラティスマスト、煙突、後甲板と並ぶ。後甲板はフラットで、一見するとヘリ甲板だが、中央あたりに機関砲が鎮座していて着艦マーキングも無い。上構直前の上甲板には艦内に通じるハッチがある。全長120m、全幅15.3m、吃水2.9m、満載排水量4170（1-3番艦）／4237トン（4-7番艦）。主機はディーゼル、出力14400馬力、２軸推進、速力18ノット。兵装は57mm連装砲１基、37mm連装機関砲２基または４基、25mm連装機関砲２基。乗員109名。煙突両脇にLCVPを１隻ずつ搭載しており、艦内に724型鯨沙�U型エアクッション艇の搭載も可能で、更に戦車なら５両（10両＋兵員100-120名？）、車両なら10両、兵員なら200名、貨物なら500トンを乗せられる。艦番号927雲台山、928五峰山、929紫金山、930霊岩山、931洞庭山、932賀蘭山、933六盤山の７隻が1980-95年に就役し、東海艦隊に配備された。1988年3月のスプラトリー諸島海戦では火力支援を行っている。2020年現在、４隻が現役。参考：月刊世界の艦船4,'21、4,’16、6,’14、3,’13、9,’11、2,’19、月刊軍事研究5,’14、4,’05、2,’05、6,’10、9,’18、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜０７２�U型＞：NATOコードは玉亭（Yuting、ユイティン。読みは同じで玉庭ともいう）�T級。船体構造はLST型で、船体内部に床面積810平方メートルの車両甲板を持ち、艦首にバウ・ドアとランプがある。船首楼のすぐ後方の上甲板には車両・貨物用エレベーターを持つ。煙突両脇にLCVPを１隻ずつ搭載し、艦尾のドックウエルには724型鯨沙�U級エアクッション艇２隻を収容できる。後部01甲板には中型ヘリ１機または小型ヘリ２機が発着艦できるヘリ甲板があるが、格納庫は無い。全長119.5m、全幅16m、吃水3.2m、満載排水量4800-4877トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、速力17ノット。兵装は76F型37mm連装機関砲３基（船首楼甲板、艦橋前方両舷）。乗員120名。戦車10両と兵員250名、貨物なら500トンを積載可能。艦番号991峨眉山、934丹霞山、935雪峰山、936海洋山、937青城山、908雁蕩山、909九華山、910黄崗山、939普陀山、940天台山の10隻が1992-2002年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’16、2,’19、5,’15、3,’13、9,’11、月刊軍事研究2,’05、4,’05、8,’07、9,’18、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜０７２�V型＞：NATOコードは玉亭（Yuting、ユイティン。読みは同じで玉庭ともいう）�U級。072�U型のヘリ甲板を１レベル下げて上甲板と同じ高さにすると共に、上部構造物に車両用トンネルを設置して前部車両甲板と後部ヘリ甲板を交通させ、輸送能力を向上させたものである。全長120m、幅16.4m、吃水3.2m、満載排水量4877トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、速力17ノット、航続距離3000海里（14ノット）。兵装は76F型37mm連装機関砲（57mm連装砲？）１基（船首楼甲板）。乗員120名。724型鯨沙�U級エアクッション艇２隻＋戦車10両＋兵員250名を搭載可能。艦番号911天柱山、912大青山、913八仙山、915徂徠山、918、992華頂山、993羅霄山、994戴雲山、995万羊山、996老鉄山、997雲霧山など2003-05年に９隻と2015-16年に６隻の計15隻（2003-05年に10隻？）が就役し、北海艦隊に２隻、東海艦隊に７隻、南海艦隊に６隻が配備された。参考：月刊世界の艦船4,'21、4,’16、3,’18、2,’19、5,’15、6,’14、3,’13、9,’11、月刊軍事研究8,’07、3,’10

＜０７２Ａ型＞：NATOコードは玉亭（Yuting、ユイティン。読みは同じで玉庭ともいう）�V級。072�V型とほぼ同仕様（072�V型と072B型の総称？）である。全長119.5m、満載排水量4800トン。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊世界の艦船2,’19

＜０７２Ｂ型＞：072�V型とだいたい同仕様である。船型は船首楼型で、後ろ寄りに艦橋構造物を持つ。艦首にバウ・ドアとランプがあり、艦内車両甲板に戦車など重車両、上甲板に軽車両を積む。後甲板はヘリ甲板で、艦橋構造物中央に前部上甲板と交通する車両用トンネルがある。艦橋頂部に航海レーダーを装備するマスト、その後方１甲板下に煙突１本を持ち、煙突の両脇にLCVPを積む。満載排水量4877トン。兵装は船首楼甲板の30mm機関砲。艦番号981大別山、982太行山、916天目山が2015-16年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’17、4,’16

＜０７３＞：韓国海軍214型潜水艦２番艦鄭地（チョン・ジ、Jeong Ji）。2008年12月就役。2010年6月25日、大韓海峡海戦戦勝60周年記念行事に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、月刊軍事研究10,’10

＜０７３型＞：中国海軍中型揚陸艦。1969年に１番艦が進水したが、高速航行で大振動が発生する、機関に故障が多いといった問題が起きて使い物にならず、それ以上建造されなかった。参考：月刊軍事研究5,’14、4,’05

＜０７３�U型＞：中国海軍中型揚陸艦、NATOコードは玉島（ユィタオ、Yudao）級。073型の改良型だが、１番艦は相変わらず主機が不調で、2-3番艦には更なる改良が加えられており、073�U改型とも呼ばれる。全長82m、全幅12.6m、基準排水量800トン、満載排水量1280トン。速力18ノット、航続距離は16ノットで1000海里。兵装は37mm連装機関砲２基。戦車６両（４両？）、兵員250名（100名？）を搭載できる。1970年代に１隻、1980年代に２隻が就役し、1990年代に退役した。参考：月刊軍事研究5,’14、4,’05、9,’18

＜０７３�U型＞：中国海軍中型揚陸艦。満載排水量1850トン。戦車９両、兵員500名を搭載できる。1994年に１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜０７３�V型＞：中国海軍中型揚陸艦Type-073�V、NATOコードは玉登（Yudeng、ユィディン）級。073�U型の拡大型で、艦後部にランプとヘリ甲板を持つ。全長87m、満載排水量1860-1880トン。主機はディーゼル、速力14ノット。兵装は57mm連装砲１基、25mm連装機関砲２基。水陸両用戦車９両または兵員200名（戦車６両＋兵員180名？）を搭載可能。艦番号990武当山が1991年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’18、3,’13、5,’15、月刊軍事研究5,’14、4,’05、9,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０７３�VＡ型＞：073A型（Type-073A）または073�W型かも。中国海軍中型揚陸艦、NATOコードは運輸（Yunshu）級（玉登級？）。073�V型を更に大型化している。全長87m、全幅12.6m、基準排水量1460トン、満載排水量2000トン（1880トン？1850トン？）。主機はディーゼル、速力17ノット。兵装は37mm連装機関砲1-2基、機雷80個。主力戦車／水陸両用戦車なら６両、軽戦車なら８両、貨物なら250トン、兵員なら180名（250名？）を搭載可能。艦番号942魯山、艦番号944玉山など10隻が2004年に就役した。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊世界の艦船5,’15、2,’19、2,’20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０７４型＞：中国海軍中型揚陸艦Type-074、NATOコードは玉海（Yuhai、ユィハイ）級。079型の後継で、艦首にバウ・ドアとランプを持つ。全長58.4m、満載排水量812トン（799トン？）。主機はディーゼル２基、２軸推進、最大速力14ノット。兵装は25mm連装機関砲２基。兵員なら250名、水陸両用戦車なら２両、貨物なら150トンを積める。1995-2001年に艦番号3116など11隻（12隻？）が就役した。スリランカ海軍に１隻が輸出されている。参考：月刊世界の艦船6,’14、3,’13、2,’19、5,'23、月刊軍事研究5,’14、4,’05、9,’18

＜０７４型・海外シリーズ＞

　＜０７４型（スリランカ海軍）＞：スリランカ海軍中型揚陸艦で、シャクティ（Shakthi）級ともいう。船型は船首楼型で、艦首にバウ・ドアとランプ、上甲板中央前寄りに貨物ハッチ、上甲板後ろ寄りに艦橋構造物がある。艦橋構造物後ろ寄りにポールマストが１本立っている。満載排水量812トン。速力14ノット。戦車なら２両、物資なら150トン、兵員なら250名を積める。1996年に１隻を導入し、L880シャクティとして就役させた。参考：月刊世界の艦船2,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０７４Ａ型＞：中国海軍汎用揚陸艇（中型揚陸艦？）Type-074A、NATOコードは玉北（Yubei、ユーベイ）級。船型は双胴船型、車両甲板は露天式で、前後面にランプ（前面はバウ・ドア兼用）を備え、ビーチングで揚陸する。上構は右舷側にある。全長65m、基準排水量650トン、満載排水量1219トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、最大速力18ノット。兵装は14.5mm連装機銃２基（艦首左右）。戦車３両＋兵員70名（戦車10両＋兵員150名？）または水陸両用戦車６両または貨物150トンまたは兵員250名を搭載できる。2004-05年に艦番号3129、3232、3235など11隻が就役した。参考：月刊世界の艦船4,'21、3,’13、9,’11、5,’15、月刊軍事研究5,’14、6,’10、9,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０７４Ａ型・海外シリーズ＞

　＜ＬＣ６３＞：輸出型。全長63m、排水量693トン、ペイロード250トン。兵装は14.5mm機銃２丁。参考：月刊軍事研究9,’16

＜０７５＞：韓国海軍214型潜水艦３番艦安重根（アン・ジュングン、An Junggeun）。2009年12月1日就役。参考：月刊世界の艦船3,’10、7,’13

＜０７５型＞：中国海軍強襲揚陸艦（LHD相当。中国の艦種呼称は両棲攻撃艦）、NATOコードは玉申（Yushen）型。上海の滬東中華造船で建造した。ワスプ級より一回り小さいくらいの大型艦で、矩形の全通飛行甲板に、ヘリ発着スポット６箇所と、エレベーター２基（アイランド前方左舷内舷式、艦尾中央外舷式１基）がある。飛行甲板右舷後ろ寄りに前後に長いアイランドがあり、前からHHQ-10用FL3000N発射機、航海艦橋、煙突、衛星通信用アンテナドーム（外舷スポンソン上）、航空管制所と並ぶ。航海艦橋上面後端にタワーマストがあり、頂部にH/LJQ-382三次元対空捜索レーダーを装備する。航空管制所上面にも背の低いタワーマストがあり、頂部に矩形アンテナ２面背中合わせのX/Iバンド・フェイズド・アレイ・レーダー（シースキマー探知用らしい）が載っている。飛行甲板直下がヘリ格納庫（160m×30m）、その下が車両甲板、車両甲板後方はドック・ウエルで、艦尾にランプがある。艦首水線下はバルバス・バウで、水線下舷側中央にフィン・スタビライザー、その前後にビルジキールを持つ。艦載戦闘システムはH/ZBJ-2で、三軍共通高速ブロードバンド・データリンクを装備し、遠距離での水陸両用戦に必要な搭載力、行動力、指揮通信能力を備えるとみられる。全長237m（240-245m？）、幅36m（45m？）、吃水8m、満載排水量31000トン（36000-40000トン？）。主機はCODAD方式、滬東重機有限公司製16PC2-6Bディーゼル（S.E.M.T.ピールスティック製16PC2-6Bベース）４基、出力48MW・65000馬力、２軸推進、最大速力22-23ノット。兵装はHHQ-10艦対空ミサイル用24連装発射機２基（艦橋前部、艦尾左舷スポンソン）、30mm機関砲PJ-11が２基（艦尾右舷スポンソン、左舷やや前方スポンソン）。自衛用に726型チャフ発射機を装備する。格納庫にZ-8/Z-9C/Z-10などヘリ28-30機（標準はZ-8J汎用ヘリ10機、Z-8JH救難ヘリ／Z-9D汎用ヘリ／Z-9S救難ヘリ12機、WZ-10攻撃ヘリ／Z-19武装ヘリ８機らしい）、ドック・ウエルに726A型LCAC２隻（３隻？）を搭載可能。人員搭載数1600名（うち揚陸部隊1000-1200名）。８隻を建造予定で、１番艦艦番号31海南、２番艦艦番号32広西、３番艦艦番号33安徽が2021年から就役した。参考：月刊世界の艦船12,'23、3,’20、2,’20、12,’19、4,'22、4,'23、5,'23、10,’17、7,’17、2,’19、5,'20、6,'20、7,'20、11,'20、4,'21、7,'21、2,'22、3,'22、12,'22、月刊軍事研究9,’18

＜０７６型＞：中国海軍強襲揚陸艦（LHD相当）。大型固定翼UAVやJ-31艦上戦闘機を運用するため、電磁カタパルトやアングルド・デッキを採用する説がある。全長252.3m、最大幅45m、排水量40000トン級。主機は統合電気推進。2020年代後半から3-4隻が就役予定。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜０７７＞：ペレスウェート（揚陸艦）を参照。

＜０７９�T型＞：中国海軍中型揚陸艦、NATOコードは玉連（Yuliang、ユィリエン）級。271型LCUがベースである。全長60.3m、満載排水量833トン。主機はディーゼル２基、最大速力12ノット、航続距離1000海里、航続日数15日。兵装は25mm連装機関砲４基。戦車なら５両、装甲車なら８両、物資なら200トンを搭載可能。1970年代に艦番号965など31隻が建造された。参考：月刊世界の艦船3,’13、月刊軍事研究9,’18、5,’14、4,’05

＜０７９�U型＞：中国海軍中型揚陸艦。079�T型の拡大改良型である。全長72m、満載排水量1100トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、最大速力13ノット。兵装は25mm連装機関砲４基、122mmロケットランチャー２基。戦車５両または物資200トンまたは戦車１両＋兵員250名を乗せられる。1970年代末から980年代に30隻が竣工した。参考：月刊軍事研究5,’14、9,’18

＜０８１型強襲揚陸艦＞：中国船舶公司が2012年3月にバンコクで開催された国防安全展示会で模型を公表したヘリコプター強襲揚陸艦。右舷にアイランドを持つ全通飛行甲板型で、４機分のヘリ格納庫と４カ所の発着艦スポットを持ち、8-12機のZ-8/Z-9/Ka-28ヘリを運用する。全長211m、幅30m、満載排水量22000-25000トン。最大速力23ノット、航続距離7000海里、行動期間25-30日。兵装はHHQ-10発射機２基、AK-176単装砲２門、730型CIWS２基。LCAC２隻と兵員1068名を収容できる。輸出型のようで、本国向けにはヘリ16-35機を搭載し、HHQ-16やYJ-83を装備する22000-25000トン級LHDを計画しているとされていたが、江南造船所で075型強襲揚陸艦を建造していることが判明した。参考：月刊世界の艦船12,’12、3,’13、6,’14、6,’12、9,’12、11,’13、月刊軍事研究9,’18、朝雲

＜０８１型掃海艇＞：渦池型を参照。

＜０８１Ａ型掃海艇＞：渦池型を参照。

＜０８２型掃海艇＞：渦掃級を参照。

＜０８２�U型掃海艇＞：渦蔵型を参照。

＜０８５型＞：中国海軍が2020年までに建造を予定しているとされた原子力空母。ロシア海軍計画空母ウリヤノフスクの設計図を購入し、それをベースに設計しているとみられる。排水量93000トン。参考：月刊軍事研究8,’07

＜０８９型＞：中国海軍が2010年に竣工を予定しているとされた通常動力空母。基準排水量48000トン、満載排水量64000トン。当初はSu-33戦闘機10-20機を搭載し、最終的には殲撃10型の艦上機バージョン30-40機を搭載する予定だった。参考：月刊軍事研究8,’07

＜０９１型シリーズ＞：中国海軍攻撃型原子力潜水艦Type-091、NATOコードは漢（ハン、Han）級。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜０９１型＞：1-3番艦。大型砕氷船レーニン号での船舶用原子炉運用結果を元に、試験艦の製作無しに潜水艦用原子力推進装置を作り上げた。このため放射能漏れが頻発し、病院（海軍第409核傷専科医院）を建てる羽目になったらしい。１番艦の就役は1974年だが、トラブルを解決して実用レベルになったのは1980年代半ば頃とされる。耐圧船殻は厚さ40mm。上構にフリーフラッドホールまたはフリーフラッドスラットを持つ。潜舵はセイル・プレーン。ソナーはSQZ-262バウソナーとSQG-4側面アレイソナー。ESMは921-A型。３番艦は推進方式を原子炉の蒸気タービンで直接スクリューを回す方式から原子力ターボ・エレクトリック方式に変更し、減速歯車を廃止して騒音を抑えているらしい。実際、１・２番艦はノイズレベル160-170dBに対し、３番艦は140-150dBとされる。全長96m、船体幅10m、吃水7.4m、水上排水量4100トン（1-2番艦）／4572トン（３番艦）、水中排水量4500トン（1-2番艦）／5639トン（３番艦）。主機は原子力蒸気タービン（1-2番艦）／原子力ターボ・エレクトリック方式（３番艦）、加圧水型原子炉１基（熱出力90MW、12000馬力相当）＋蒸気タービン２基（1-2番艦）／電動機（3-5番艦）、１軸推進、水上速力12ノット、水中速力25ノット、最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門で、Yu-1魚雷とYu-3魚雷（Yu-3とYu-4？）計20本（18本？）または機雷36個を搭載する。３番艦以降は鷹撃82潜対艦ミサイル（C-802？C-801Q？）も運用可能で、２番艦にも後に搭載改修が実施された。乗員75名。1974-84年に船体番号401長征１号、402長征２号、403長征３号が就役した。３番艦は近代化改修でソ連製だったESMとソナーをフランス製ESMとフランス製DUUX-5低周波パッシブソナー（SQG-207）に換装した。退役後、１番艦は中国人民解放軍博物館で記念館になった。退役して繋留状態だった２番艦は2014年に解体処分を完了した模様。参考：月刊軍事研究4,’05、3,’16、8,’07、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’19、3,’18、3,’17、4,’16、5,’15、6,’14、11,’16、3,’13、9,’11、2,’10、11,’14、1,'15増刊、4,’22

＜０９１Ｇ型＞：4-5番艦。船体を5m延長した。推進は原子力ターボ・エレクトリック方式である。C802ミサイルの垂直発射筒を装備したという説もあったが、間違いと判明しており、ミサイルは魚雷発射管から撃つ。全長101m、船体幅10m、吃水7.4m、水上排水量4572トン、水中排水量5639トン。主機は原子力ターボ・エレクトリック方式、加圧水型原子炉１基（熱出力90MW、12000馬力相当）＋電動機、１軸推進、水上速力12ノット、水中速力25ノット、最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門で、Yu-1魚雷とYu-3魚雷（Yu-3とYu-4？Yu-6？）と鷹撃82潜対艦ミサイル（C-802？C-801Q？）計20本または機雷36個を搭載する。乗員75名。1988-90年に船体番号404長征４号と405長征５号が就役した。近代化改修でソ連製だったESMとソナーをフランス製ESMとフランス製DUUX-5低周波パッシブソナー（SQG-207）に換装した。参考：月刊軍事研究4,’05、3,’16、8,’07、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’19、3,’18、3,’17、4,’16、5,’15、6,’14、11,’16、3,’13、9,’11、2,’10、11,’14、1,'15増刊

＜０９２型＞：中国海軍原子力弾道ミサイル潜水艦、NATOコードは夏（Xia、シア）級。中国初の戦略原潜で、091型攻撃原潜をベースに開発したらしい。船体は複殻式で、耐圧船殻は厚さ40mm、船体中央・セイル後方に巨浪１号発射筒を並べてフェアリングで覆っており、この部分が盛り上がっていて、側面に４列のフリーフラッドホールを持つ。潜舵はセイル・プレーン。ソナーはSQZ-262バウソナーとSQG-4側面アレイソナー。ESMは921-A型。全長120m、全幅10.6m、吃水8m、水中排水量6500-6604トン（7000トン？）。主機は原子力ターボ・エレクトリック方式、原子炉１基１軸12000馬力（14400馬力？）、水中速力22ノット。潜航深度300m。水中行動期間90日。兵装は巨浪１号発射筒（２列に計12基）、艦首の533mm魚雷発射管６門（Yu-3魚雷）。乗員140名（104名？）。１番艦艦番号406は1981年に進水したが、巨浪１号の発射テストなどに手間取り、就役したのは1987年、ミサイル発射に成功したのは1988年9月27日だった。北海艦隊に所属し、青島東部の姜哥庄に配備されている。２番艦は1982年に進水したが、1985年にミサイル発射実験の際の事故で沈没したらしい。1995-2001年に巨浪1A（射程3000-4000km）への搭載改修を行ったとされるが、ミサイル発射実験は1988年9月27日以来実施されておらず、攻撃原潜として使用されているとみられる。2015年に後継となる094型戦略原潜の４隻目が就役したのを受け、程無く退役したらしいが、2021年現在もひっそり現役にある説もある。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’05、7,’05、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,’16、3,’17、4,'21、5,’15、6,’14、11,’16、9,’11、2,’10、3,’13、3,’19、4,’22

＜０９３型シリーズ＞：中国海軍攻撃型原子力潜水艦（中国の艦種呼称は攻撃核潜艇）Type-093、NATOコードは商（シャン、Shang）級。091型漢級の後継で、1980年代から設計したが、国内技術では上手くいかず、ロシア・ルービン設計局の協力を得て開発した。093型２隻、093A型１隻、093B型３隻の計６隻を建造したとみられたが、093型３隻、093A型３隻、093B型２隻の計８隻作っていたようで、アメリカ議会の報告だと長征01と同じ艦番号のものが４隻あるとされており、実際にはもっと多いかもしれない。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,'22、4,'21、4,’20

＜０９３型＞：基本設計は671RTM型ヴィクター�V級で、船体は複殻式、船型は涙滴型であり、092型夏級原潜に似たセイルを持ち、092型より少し低いところにセイル・プレーンを装備する。船体側面にSQG-207ソナー（H/SQC-207ソナー？）が搭載されており、艦首ソナーと曳航ソナーも持つ。上構側面にはフリー・フラッド・スリットがある。静粛性はあまり高くなく、水中雑音は115-145dBくらいで、ヴィクター�V型より大きいらしい。全長106m、全幅11.5m、吃水7.5m、水中排水量6096トン。主機は原子力蒸気タービン方式、加圧水型原子炉２基・蒸気タービン２基、出力20000馬力（30000馬力？）、７翅プロペラ１軸推進、水中速力30ノット。最大潜航深度600-700m（300-400m？）。兵装は533mm魚雷発射管６門（650mm魚雷発射管も装備？）で、魚雷（Yu-3、Yu-4、Yu-6）や鷹撃82対艦ミサイルの他、水中発射巡航ミサイルHN2C（射程1400km）またはHN3（射程2000-3000km）の発射が可能らしい。機雷なら28個を搭載できる。乗員100名。１番艦艦番号407長征07は1994年から建造準備作業に入っており、2003年に進水、2005年に就役予定だったが2006年12月にずれ込んだ。２番艦艦番号408長征08は2007年6月に就役した。３番艦艦番号409長征01は2012年に就役した。騒音レベルはロサンゼルス級初期型と同程度とされたが、実際にはヴィクター�V型より騒音が大きいといわれ実用性に難があり、建造を３隻で打ち切って095型の開発に移行されかけたが、095型の開発が思い通りに行っていないらしく、093G型と呼ばれる改良型の建造に入った。近代化改修を受けてYJ-18を魚雷発射管から発射できるようにしたようで、2018年6月11日に習近平国家主席が北海艦隊を視察した際の魚雷発射管室の映像にキャニスターが映っていた。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’05、5,’01、7,’05、8,’07、6,’10、9,’10、4,’11、1,’19、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,'22、4,'21、5,'23、4,’16、6,’14、3,’13、9,’11、2,’10、9,’10、5,’15、1,'15増刊

　＜０９３Ｇ型＞：４番艦以降。093型の改良型で、093A型と093B型のサブタイプがある。船体に二重無反響タイルを貼り付け、ソナーを強化し、セイル前面付け根にフェアリングを装着、ポンプジェット推進を採用して水中速力を向上させた。全長106m（093A型）／111m（093B型）、幅11m、吃水9m、水上排水量4750トン、水中排水量6800トン。主機は原子力蒸気タービン方式、１軸推進、水上速力20ノット、水中速力33ノット。兵装はYJ-82/YJ-18/HN-2C/HN-3B用単装VLS８セル（12セルまたは16セル説あり）、533mm魚雷発射管６門（Yu-5/Yu-6/Yu-10魚雷計24本）。乗員105名。093A型３隻と093B型２隻が建造された。参考：月刊軍事研究8,’18、7,’15、9,’12、3,’16、11,’16、月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、3,’17

　＜０９３Ａ型＞：093型シリーズ4-6番艦／093G型1-3番艦。外見上はセイル前面付け根にフェアリングが付いただけのため、ただの性能向上型でVLSを装備せず、新型ミサイルは魚雷発射管から射出するという説もある。艦番号410長征02、艦番号415長征13、艦番号416長征14の３隻が2015-16年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、3,’18、5,’15、4,’16、3,’17、2,’19、月刊軍事研究3,’16

　＜０９３Ｂ型＞：７・８番艦（093G型４・５番艦）。船体を5m延長しており、セイル後方が微妙に盛り上がっている。ここにYJ-82/YJ-18/HN-2C/HN-3B用VLSを収容するとみられるが、特殊部隊用チェンバー設置場所という説もある。2016-18年に艦番号414、418、419の３隻が就役したとみられたが、艦番号418と419の２隻だったらしい。2018年1月、尖閣諸島沖で海自に２日間ほど捕捉され続け、浮上して中国国旗を掲げるのが確認されている。参考：月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、5,’15、2,’19、5,'23、月刊軍事研究8,’18、3,’16、11,’18

　＜０９３Ｔ型＞：特殊部隊輸送潜水艇（SDV）搭載型で、CGが公開された。セイル直後にドッキングハンガーを設置してSDVを装着するもので、SDVは３分の２がハンガー内に収まる。潜航中に特殊部隊員がSDVに移るのは困難らしい。沿岸作戦に備えてプロペラが７翅から６翅に減らされ、漁網が絡んだ際に外しやすくなった。参考：月刊軍事研究9,’15

＜０９４型シリーズ＞：中国海軍原子力弾道ミサイル潜水艦（中国の艦種呼称は戦略核潜艇）Type-094、NATOコードは晋（ジン、Jin）級。参考：月刊世界の艦船2,’20

＜０９４型＞：1999年から設計され、092型夏級の完成型として純国産で製作する予定だったが、トラブル多発のためロシア・ルービン設計局の協力を得ており、671RTM型ヴィクター�V級の技術を導入したらしい。ベースは093型商級攻撃原潜で、ミサイル区画を挿入した分、全長が20mほど延びたという諸元になっている。外見は092型夏級とほぼ変わらず、差違は上構の小フリーフラッドホール配列が３列に減ったのと、セイル後面が垂直に近くなり縦舵上端にTASS繰り出し装置が付いたという程度である。耐圧船殻は複殻式。ノイズレベルは140dBくらいで、671RTM型ヴィクター�V級と同等・667BDR型デルタ�V級よりも少し大きいらしく、隠密性に難があり、出撃直後からロサンゼルス級／ヴァージニア級原潜などに追尾されている模様。搭載ソナーはMGK-400系統らしく、艦首ソナーやフランク・アレイ・ソナーなどを装備する。全長137m、幅11.8m、吃水7.5m、水上排水量8000トン、水中排水量10000トン。主機は原子力蒸気タービン方式、加圧水型原子炉２基・蒸気タービン２基、出力30000馬力、７翅プロペラ１軸推進、水中最大速力26ノット以上（20ノット以上？）、潜航深度300m。兵装は巨浪２SLBM発射筒12基（セイル後方に２列）、533mm魚雷発射管６門（艦首に左右３門ずつ）。乗員140名。2001年から建造に入ったらしく、2004年12月29日（7月？）に１番艦長征09が進水し、2005年頃に２番艦長征10も進水したとされるが、原子炉トラブルで完成が遅れ、１番艦は2007年に竣工、2007-08年に衛星写真で中国各地に停泊しているのが確認されており、２番艦は2009年に竣工した。２隻とも南海艦隊・海南島基地に配備されたが、肝腎の巨浪２SLBMが完成しておらず、一応初の試射を2012年8月に行ったといわれる。2016年から戦略パトロールに入ったらしいが、射程が短いのでアメリカ全域を狙おうとすればハワイあたりまで出て行く必要がある。参考：月刊軍事研究8,’07、3,’16、5,’01、4,’05、7,’08、6,’10、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,'21、3,’19、2,’20、3,’18、3,’17、4,’16、6,’14、5,’15、3,’13、9,’11、2,’10、12,’11、2,’19、5,'23、月刊丸6,’14

＜０９４Ａ型＞：3-5番艦。SLBMを巨浪2Aに換装したもので、セイル後方の弾道ミサイル発射筒収容部が094型より高くなった。艦尾上部縦舵にTASS繰り出しフェアリングを持つ。４番艦はセイル前縁基部に整流フィレットを付けている。３番艦長征11が2012年、４番艦長征12が2015年、５番艦長征17が2020年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,'22、4,'21、6,'21、2,’20、7,’21

＜０９４Ｂ型＞：最終艦の６番艦で、作らずに096型に移行するともいわれていた。水中雑音低減型で、フリーフラッドホールを３段から２段に減らし、一部をフリー・フラッド・スリットに変更した。セイル前縁基部に整流フィレットを持つ。全長137m、水中排水量10000トン。主機は原子力蒸気タービン方式。兵装は巨浪2A潜水艦発射弾道ミサイル12基、533mm魚雷発射管６門。艦番号421長征18が2021年4月23日に就役した。参考：月刊世界の艦船10,'23、4,’22、5,’23

＜０９５型＞：中国海軍攻撃型原子力潜水艦、NATOコードは隋（Sui）級。093型の改良型で、船体は単殻式、潜対艦巡航ミサイルCH-SS-NX-13や垂直発射式巡航ミサイル（DH-10の潜水艦発射型またはHN-3B）を搭載するらしい。全長115m、幅12m、吃水11m、水中排水量7900トン。主機は原子力蒸気タービン方式、推進はポンプジェット１軸、水中速力32ノット。安全潜航深度250m、最大潜航深度500m。最大作戦期間80日間。乗員130名。096型及び空母艦隊の護衛として５隻を配備予定で、2010年末に２隻が進水した。その後の仕上げに難渋しているらしく、取り敢えず093G型を先に建造しているといわれる。参考：月刊軍事研究9,’12、4,’11、3,’16、月刊世界の艦船4,'22、3,’13、5,’15、2,’19、5,’23

＜０９６型＞：中国海軍原子力弾道ミサイル潜水艦、NATOコードは唐（Tang、タン）級。耐圧船殻は部分複殻式。無反響タイル、アクティブ雑音制御ANC（Active Noise Control）、免震装置、新型原子炉などにより、ノイズレベルを110デシベルに抑えたとされる。全長150m、水中排水量16000-20000トン。推進はポンプジェット、水中速力32ノット、最大潜航深度600m。兵装は巨浪２／巨浪2A／巨浪３SLBM20-24基（16基？）。2014年2月には巨浪３の試射に成功したともいわれるが、開発が上手くいっていないようで、就役開始は2020年代半ばになるとみられ、094型の建造数を増やして凌ぐらしい。参考：月刊軍事研究4,’10、3,’16、12,’16、6,’17、月刊世界の艦船2,’20、2,’19、5,’15

＜０９７型＞：中国海軍が開発中の第４世代攻撃型原子力潜水艦、NATOコードは秦級。推進方式として2000年から磁流体推進というのを研究しているとされ、スクリューや舵を必要とせず海水を後方に噴射して進むということから、恐らく電磁推進のようなローレンツ力か何かで海水を加速するウォータージェットの類と思われる。騒音が全く無く、理論的な最大速力が100ノットを超えるという説も出されているが、ちょっと盛りすぎだと思う。排水量10212トン。機関出力66000馬力、水中最大速力48ノット、航続距離120万海里。最大潜航深度800m。参考：月刊軍事研究4,’10、1,’14

＜０９８型＞：中国海軍が開発中の第４世代原子力弾道ミサイル潜水艦。水中排水量28300トン。兵装は巨浪５型SLBM24基、魚雷50本。参考：月刊世界の艦船6,’14、月刊軍事研究1,’14

＜０９１０工程＞：90式戦車シリーズ（中国）を参照。

＜０１２１０型＞：ソ連海軍特殊任務用深海原子力潜水艦。主任務は科学調査及び潜水艦救難とされる。２つの球状耐圧船殻（チタン製またはセラミック製）を繋ぎ合わせてあり、深度6000mまで潜って作業することができるという。水中速力30ノット。１隻が1988年に起工され、2003年8月9日に進水した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜０６７０４型＞：670型シリーズ（原潜）を参照。

＜０６７０９型＞：670型・海外シリーズ（原潜）を参照。

＜０９７１０型＞：ロシア海軍攻撃型原子力潜水艦（ロシアでの分類は当初一等大型原子力潜水艦、1992年6月3日以降は一等潜水巡洋艦）Schuka-B型、NATOコードはアクラ（Akula）�U型。971型の改良型で、徹底的な雑音対策を施して全長を3m延長し、水中排水量が400トン増えた。ノイズレベルは改ロサンゼルス級よりも低いとされる。上部縦舵上方の曳航ソナーポッドは小型化し、セイルが前後に拡大した。全長110.2m、全幅13.6m、吃水13.8m、水上排水量8632トン、水中排水量12770トン。主機はOK650B加圧水型原子炉１基・OK-7蒸気タービン２基、出力50000馬力、７翅スキュードプロペラ１軸推進、水上速力11.2ノット、水中速力33.3ノット。補助推進モーター（560馬力）２基を使用して３ノットの低速航行が可能。補助動力としてOK-2ターボ発電機（200kW）２基、ディーゼル発電機（750馬力）２基を搭載する。安全潜航深度520m、最大潜航深度600m。兵装は533mm魚雷発射管８門（各種魚雷、SS-N-21、SS-N-15、SS-N-16、UGST魚雷、91RE1対潜ミサイルなど45本）、自衛用ストレラ携帯地対空ミサイル18基。乗員62名。８隻を建造予定だったが、K-154ティグル、K-157ヴェプル、K-295サマラ（後にドラゴン）、K-335ゲパード、K-419モルツ（後にクズパス）の５隻が1993-2001年に就役した。兵装は650mm魚雷発射管４門、533mm魚雷発射管４門、外装式533mm魚雷発射管６門で、K-154ティグル、K-295サマラ、K-419モルツは971型、K-157ヴェプルは971U型であり、09710型は2001年就役のK-335ゲパードのみ、NATOコードはアクラ�V型という説もある。K-152ネルパ、K-333リス、K-337クーガーの３隻は冷戦崩壊で建造中止となったが、K-152ネルパとK-337クーガーはインド向けに建造が再開された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’17、月刊丸2,’12

＜０９７１０型海外シリーズ＞

＜０９７１０型（インド海軍）＞：インド海軍攻撃型原子力潜水艦。2004年に密かにリース契約を結び、2007年11月11日にK-152ネルパとK-337クーガーの２隻を７億ドルでリースすることが決定した。SSNをリースする際には射程300km未満のミサイルしか搭載できないが、インドは射程1000km超の国産巡航ミサイルを搭載する計画らしい。全長110m、幅14m、吃水10.4m、水上排水量7500トン、水中排水量9100-9246トン。主機は原子力蒸気タービン方式、OK-650B原子炉（190MW）１基・OK-7蒸気タービン２基、出力47600馬力、１軸推進、水上速力10ノット、水中速力28ノット。潜航深度450m。兵装は650mm魚雷発射管４門（65-76型魚雷）、533mm魚雷発射管４門（魚雷、RKP-55、3M54E、3M14E、90RU、100RU計40本）。乗員62名。K-152ネルパはチャクラと改称され2012年に就役した。2022年に返却予定で、その次は30億ドルでアクラ級原潜１隻を2025年から10年間リースする。参考：月刊丸2,’12、月刊世界の艦船2,’10、6,’19、4,'20、月刊軍事研究8,’08、4,’10、THE MILITARY BALANCE 2016

＜０９７７４型＞：667型シリーズ（原潜）を参照。

＜０９７８０型＞：667型シリーズ（原潜）を参照。

＜０９７８７型＞：ロシア海軍特務原潜。667BDRM型を改造した小型深海潜水艇母艦で、SLBM発射筒を撤去し、艦下部に小型潜水艇用ドックを追加、艦底に原子力深々度潜航艇ロシャリク（Losharik）を搭載しているらしい。ポドモスコヴィエが改造を受けた。参考：月刊世界の艦船1,’17、4,’20

＜０９８５１型＞：ロシア海軍特殊用途原潜。ポセイドン原子力魚雷搭載用原潜で、６本（最大８本説あり）を搭載できる。ハバロフスクが2018年に進水した。参考：月刊世界の艦船8,’19

＜０９８５２型＞：ロシア海軍特殊用途原潜。ポセイドン原子力魚雷搭載用原潜で、工事が止まっていた949A型巡航ミサイル原潜12番艦K-329ベルゴロドを改造したものである。艦底部に原子力深々度潜航艇AS-31ロシャリクを外装できる。全長184m、水中排水量27000トン。主機は原子力蒸気タービン。兵装はポセイドン専用発射管６基（艦首。ポセイドン原子力魚雷６本。最大８本説あり）、533mm魚雷発射管６門。2012年12月20日に09852型としての工事を開始し、2022年に就役した。参考：月刊世界の艦船11,'22、4,'20、7,’19、8,’19、10,’21

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