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＜Ｂ＞：機動船（海上自衛隊）を参照。

＜ｂ＞：全幅（航空機）を参照。

＜Ｂ＞：爆撃（Bombardirovsehik）のロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｂ＞：自衛隊用語で、防衛大学校卒の幹部自衛官のこと。Ｂは防衛大学校のローマ字頭文字。参考：MAMOR vol.164

＜Ｂ＞：第１級・第２級大型潜水艦を表すロシア軍記号（Boloshaya Podbodnaya Rodka Spetsialina）。参考：現代の潜水艦

＜／Ｂ＞：アメリカ軍の兵装の接尾記号で、発射・投下可能な航空機搭載ユニットを指す。参考：月刊軍事研究6,’03

＜（ｂ）＞：ドイツ軍の車両の接尾記号で、belgisch（ベルギー製）のこと。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｂ−１＞：K-1（潜水艦）またはSS-10（Ｂ級潜水艦）またはチェンタウロ（装甲戦闘車）を参照。

＜Ｂ�T地雷清掃車＞：ドイツ軍が開発した無線誘導式地雷原突破車両、Sd.Kfz.300。車体はコンクリート製で、後方に地雷破壊ローラーを装備する。車体左側面に速度調整レバーがあり、時速2kmまたは5kmで走行できた。50両が製作され、第１地雷清掃中隊に配備されて訓練及びマジノ線突破に使用された。参考：月刊PANZER8,’97、ジャーマンタンクス

＜Ｂ１戦車シリーズ＞：フランス陸軍重戦車、シャールB1（Char B1）。1921年戦車構想でエティエンヌが考案した車体固定砲装備15トン戦車がベースである。1924年5月にモックアップが完成し、シュナイダー／ルノーで２両、FAMHで１両、FCMで１両の一次試作車（重量19トン）が作られ、1926年1月に二次試作車３両（ルノー製エンジン、シュナイダー製トランスミッション、FCM製サスペンション装備）での技術テストが行われた。車体固定砲の照準に必要なステアリングシステムも完成したため、1927年3月に原型車が発注され、1929年1月に完成、改良の後に1930年から実用試験に入り、1931年10月に原型３両で戦術演習に参加、1934年に制式化されて量産が決定した。1930年にフランス国防省はB2、B3、BBといった後継戦車案を出したが、結局案のままで終了している。参考：月刊戦車マガジン6,’89、歴史群像6,’10、月刊丸10,’97

　＜Ｂ１（原型車）＞：重量25トン。エンジンはルノー製６気筒（180馬力）、最大速度28km、燃料搭載量800リットル、行動時間10-12時間。武装は車体前部右の75mm砲１門、車体前部の固定機銃２丁、１名用銃塔の連装機銃。乗員４名。参考：月刊戦車マガジン6,’89

　＜Ｂ１＞：車体右前部に固定式に17.1口径75mm榴弾砲SA35（ABS1929？）を１門（77発）、車体前部右下に固定式機銃２丁を装備し、APX-1砲塔には32口径47mm戦車砲SA34（SA35？）を１門（50発）と7.5mm車載機銃M31を１丁搭載する。初期型の砲塔はシャールD1と同じST2で、一部にB1bisと同じAPX-4を搭載するものもある。下部転輪は小転輪片側16枚。サスペンションはリーフスプリングとコイルスプリングで、装甲板で防御されていた。全長6.3m、全幅2.5m、全高2.7m、戦闘重量30トン。最大装甲厚40mm。エンジンはルノー製航空機用４サイクル直列６気筒液冷ガソリン（272馬力）、トランスミッションはギア式の前進５段・後進１段、操向装置はネーダー油圧制御方式ダブル・ディファレンシャル方式、最大速度27km、航続距離241km。乗員４名（操縦手、車体砲装填手、無線手、車長兼砲手）。1936年から1937年7月に35両が生産された。参考：月刊丸10,’97、月刊JGround Vol.11、歴史群像6,’10

　＜Ｂ１／ｂｉｓ＞：ドイツのラインラント進駐を受け、1937年から生産された装甲強化型。車体は２本のガーターとクロス・メンバーで組まれたフレームに圧延鋼板（鋳造鋼板？）をリベットで止めている。サスペンション・ユニットもガーターに取り付けたため、サスペンション上部が車内に突き出す構造となった。車内は防火壁で前後に分かれており、前部前半左が操縦室、右が車体固定式17.1口径75mm榴弾砲SA35（74発）、前部後半が戦闘室、後部が機関室である。車体砲操作は操縦手が行うため、操縦手用フードにはプリズム式双眼照準器が主砲と同軸でセットされていて、バイザー下の２本のスリットを介して照準する。主砲は俯仰（マイナス15度からプラス25度）のみ可能であり、旋回角の修正は車体ごと行わなければならず、操向装置に工夫はしていたものの、実用性が低かった。主砲には圧縮空気式排煙装置が取り付けられており、発射ガスが車内に逆流しないようになっている。車体前部には7.5mm固定機銃も１丁装備されていて、操縦手が発射するが、後にケーブル式遠隔操作トリガーが車内上部に設置されて車長も撃てるようになった。装填手は戦闘室に位置し、壁面ラック、床下、機関室内弾薬庫から各種砲弾を取り出して装填する他、75mm砲弾の信管セットも行う。機関室内部は左、中、右の３つに分かれていて、左に冷却器（ファンとラジエーター）、中央にエンジンなど動力装置が収容され、右に戦闘室から入れる点検用通路や弾薬庫が設けられている。車体右側面（足回り防御用装甲板）には大型の乗員用ハッチが設けられているが、砲弾の直撃を喰らうと外れてしまうことが多かった。車体左側面には大型の冷却空気用ルーバーがある。車体後部上面右には機関室右の点検用通路に繋がるハッチがあり、緊急脱出口として使える。懸架装置は改良ホルト半硬式懸架装置で、下部車体両側のボギー機構に片側８個ずつのコイルスプリング付き垂直関節型ロッカー・アームをダンパー・パッドを介してボルト止めした。ロッカー・アームにはシングル式下部転輪２枚ずつが装着され、ショック・アブソーバーとしてリーフ・スプリングを備える。サスペンション整備用として、車体両側面（足回り防御用装甲板）に点検用小ハッチが付けられた。上部転輪は無く、履帯重量はスキッドで支える。誘導輪はダブルタイプで前方に、起動輪は後方にある。履帯はピッチ241mm・幅500mmのピン連結方式ホルト型ソル・プレート型オーバーラル履帯で、ピンを１つ１つグリスアップする必要があった。砲塔は34口径47mm戦車砲SA35（50発）と7.5mm機銃（5100発）装備のAPX-4で、戦闘室に載っており、車長が操作する。47mm砲俯仰角はマイナス18度からプラス18度。砲塔上面にキューポラがあるが、ハッチは無く、車長は砲塔後面ドアから出入りする。全長6.37m、全幅2.5m、全高2.79m、戦闘重量32トン。装甲厚は車体前側面60mm、後部55mm、上部25mm、底部20mm、砲塔側面56mm、上面30mm。エンジンはルノー製航空機用直列６気筒液冷４サイクルガソリン（総排気量16500cc、307馬力）、トランスミッションは前進５段・後進１段、最大速度29km、燃料搭載量400リットル、航続距離150km（209km？）。乗員４名。ルノー、FCM、FAMH、AMX、シュナイダーで1940年までに403両（368両？）が生産された。第２次大戦では運用の失敗から殆ど活躍できなかったが、ストンヌにおいて、本車１両が対戦車砲弾140発を弾き返してドイツ軍対戦車砲２門と戦車13両を破壊している。参考：月刊戦車マガジン6,’89、月刊丸10,’97、月刊PANZER11,’03、8,’04、月刊JGround Vol.11、歴史群像6,’10

＜Ｂ１／ｔｅｒ＞：車内配置を変更して乗員を５名に増やし、装甲厚を75mmに強化したタイプ。重量が35トンとなり、車体旋回による照準が困難となったため、主砲を左右５度ずつ動かせるようにしてある。1937年に試作初号車が完成し、計５両のプロトタイプが作られたが、量産には至らなかった。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜Ｂ２＞：B1の主砲を75mmカノン砲M1897（初速毎秒570m）に換装し、装甲厚を50mmに強化したタイプ。計画のみ。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜Ｂ３＞：B1の47mm砲を初速毎秒840mの高初速型に換装し、装甲厚を50mmに強化したタイプ。計画のみ。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜ＢＢ＞：75mmカノン砲M1897を２門搭載するタイプで、装甲厚も60mmに強化している。計画のみ。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜Ｂ１戦車・海外シリーズ＞

　　＜Ｂ−２　７４０（ｆ）＞：ドイツ陸軍戦車。第２次大戦時にB1/bis戦車を接収したもので、無線機をドイツ製に換装しており、砲塔左後部に長さ2mのホイップ・アンテナを装備した。砲塔右前下部に増加装甲を取り付けたものもある。全長6.52m、全幅2.52m、全高2.88m、重量32トン。武装は車体右の7.5cmKwK35(f)L/17（74発。俯仰角マイナス15度からプラス25度）、砲塔の4.7cmKwK35(f)L/34（50発。俯仰角マイナス18度からプラス18度）、7.5mmMG(f)機銃。装甲厚は車体前面下部60mm45度、上部60mm20度、側面60mm０度、後面下部55mm43度、上部55mm０度、底面20mm90度、上面25mm80度または90度、砲塔前面56mm０度、側面46mm22.5度、後面46mm22.5度、上面30mm72.5度または90度、防楯56mm（曲面）。エンジンはルノー社製（総排気量16.5リットル、出力300馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度28km、航続距離150km。無線機はFuG5。乗員４名。1941年からフランスの陸軍戦車大隊（予備）に配備されてジャーセイとグールセイの占領任務に使用され、1943年には第14・第21戦車師団の再編成に使用された。第223戦車中隊は東部戦線で４両を配備し、バルカン半島のSS義勇第７山岳師団プリンツ・オイゲンも７両を装備した。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｂ１戦車・海外ファミリー＞

　＜１０．５ｃｍ砲搭載シャールＢ１（Ｂ２？）＞：ドイツ陸軍自走榴弾砲。第２次大戦時に接収したB1（B1/bis？）の砲塔と車体砲を外してオープントップの戦闘室を設け、10.5cm榴弾砲leFH18/4（18/3？装弾数42発）を搭載したものである。全長7.5m、全幅2.52m、全高3.05m、重量32.5トン。主砲旋回角は左右15度ずつ、俯仰角はマイナス４度からプラス20度、照準器はRblf36。装甲厚は車体前面下部60mm45度、上部60mm20度、側面60mm０度、後面下部55mm43度、上部55mm０度、底面20mm90度、上面25mm85度及び90度、戦闘室前面20mm８度、側面20mm15度、後面20mm８度、上面オープン、防楯20mm８度。エンジンはルノー社製（出力300馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度28km、航続距離150km。無線機はFuG Spr f。乗員４名。1941年に16両が製造され、1942年からフランスに展開する装甲師団機甲砲兵大隊に引き渡された。参考：月刊グランドパワー7,’03、ジャーマンタンクス

　＜Ｂ２戦車（ｆ）火炎放射戦車型＞：ドイツ陸軍火炎放射戦車。第２次大戦時に接収したB1/bis戦車の車体砲を外し、ボールマウントを設けて�U号火炎放射戦車と同じ火炎放射器を搭載したものである。火炎放射砲手用として、火炎放射器上方に視察用装甲バイザーが追加された。砲塔の47mm砲と機銃はそのまま装備する。全長6.86m、全幅2.52m、全高2.88m、重量34トン。武装は車体のボールマウント式火炎放射器（旋回角左右10度ずつ、俯仰角マイナス２度からプラス10度）、砲塔の4.7cmKwK35(f)L/34（50発。俯仰角プラスマイナス18度ずつ）、7.5mmMG(f)（旋回角左右10度ずつ）。装甲厚は車体前面下部60mm45度、上部60mm20度、側面60mm０度、後面下部30mm43度、上部30mm20度、底面20mm90度、上面25mm80度または90度、砲塔前面56mm０度、側面46mm22.5度、後面46mm22.5度、上面30mm72.5度または90度、防楯56mm（曲面）。エンジンはルノー社製（出力300馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度28km、航続距離150km。無線機はFuG5。乗員４名。1941年6月20日までに24両が改造され、第213重戦車大隊に２個中隊あたり１個小隊を配備、フランス占領任務に使用された。また、第223重戦車中隊に12両が配備され、東部戦線に投入されたが、１ヶ月で相当数の被害を出してしまった。しかし前線からは追加装備の声が上がり、1941年11月に５両、12月に３両、1942年3月に３両、4月に２両、5月に３両、6月に４両が完成、以降もフランスの兵器工廠で計35両が改造された（総改造数は59-60両）。追加改造型の放射用ポンプはオートバイのJ10エンジンを用いて射程を40-45mに延伸しており、車体後部に箱形の追加装甲燃料タンク（装甲厚30mm）を設けて200回前後の火炎放射を可能とした。第14・第21戦車師団は1943年の再編成時に装備していた本車を全て手放したが、第223重戦車中隊は1944年12月30日の段階でも９両を使用していた。参考：ジャーマンタンクス、月刊グランドパワー1,’04、異形戦車ものしり大百科

＜Ｂ−１爆撃機シリーズ＞：アメリカ空軍爆撃機、別名ランサー（Lancer）、通称Bone（B-ONEなので）。XB-70のように高々度を飛ぶとレーダーですぐ見つかるので、1961年に超低空飛行を行える戦略爆撃機を開発することになり、SLAB（Subsonic Low Altitude Bomber、亜音速低高度爆撃機）として研究を開始、ERSA（Extended Range Strike Aircraft、航続距離延伸打撃航空機）として総重量272.16トン、搭載量4.536トン、航続距離8750海里、敵地侵攻時には高度50フィート（15.2m）で2500海里飛行という要求が固まり、飛行能力確保のため可変後退翼の採用も決定、1963年8月に名称がLAMP（Low-Altitude Manned Penetrator、低高度有人侵攻機）、10月にAMPSS（Advanced Manned Precision Strike System、先進有人精密打撃システム）に変更され、ボーイング社、ジェネラル・ダイナミクス社、ノースアメリカン社に提案要求書が発出された。1964年半ばにはAMSA（Advanced Manned Precision Strike System、発達型有人戦略機／先進有人打撃航空機）に名称変更され、総重量170.1トン、航続距離6300海里、高度50フィート（15.2m）で2000海里飛行する可変後退翼機に要求も変わり、1969年4月にB-1Aの正式名称が付与され、11月に提案要求書が発出し直され、1969年12月8日にノースアメリカン・ロックウェル社（現ボーイング社）の案が採用され、戦闘機としては失敗したF-111の可変後退翼の特徴を利用し、音速前後の速度で低空進入可能な戦略爆撃機として機体を開発することになった。エンジンはジェネラル・エレクトリック社の開発である。1961年の検討開始から要求が固まるまで延々時間を要したので、America’s Most Studied Aircraftと揶揄された。B-1Aは結局開発中止になったが、政権交代と冷戦激化でB-1Bとして復活、制式化された。冷戦終結後は通常爆撃任務に就き、大きな搭載量と航続距離（無給油で3700km先の目標に2000ポンド爆弾24発を叩き込める）を活かして各地の紛争に出撃しており、低空高速飛行によるテロ組織への威圧任務も行っている。イラク戦争では、アメリカ空軍が最も価値のある航空機であると認定した。B-21に後を譲って退役が始まり、2040年代まで使う予定。参考：月刊軍事研究10,’17、8,’07、4,’15、月刊丸6,’03、月刊JWings7,’10、6,’19、月刊航空ファン7,’99

　＜Ｂ−１Ａ＞：当初の量産予定型で、地上試験機１機と飛行試験機３機（後に１機追加）の制作が決定、飛行試験初号機は1974年10月26日に完成し、1974年12月23日に初飛行した（というか高速タキシーテスト中に機体が跳ねたのでそのまま離陸した）。エンジンはF101-GE-100で、２基ずつ纏めて左右主翼固定部分の下に計４基搭載している。エアインテイクは外部圧縮型可変式を採用。胴体はブレンデッドウイング型で、レーダー反射面積を10平方メートル（B-52の10分の１）に減らした。主翼は可変後退翼で、前縁後退角を15度から67.5度の間で変えられる（手動）。後退角変化によるトリム変動は、自動燃料移送システムにより機体重心を移動させることで調整する。前縁に全幅に渡るスラット、後縁に全幅に渡るスロッテッド・フラップが付く。操縦系統はフライバイワイヤ、横操縦はスポイラーと全遊動式水平安定板で行い、低速から高速まで安定した操縦が可能である。テスト飛行では最大速度マッハ2.1、低空での最大速度マッハ1.2を出し、連続６時間34分の超音速飛行を記録した。乗員は４名で、非常時は全員纏めてコクピットごとパラシュート降下する（ハッチから個別脱出も可）。また、長距離飛行時には交代要員２名を乗せることができる。超低空で機敏な動きを行うため、操縦桿はスティック型で、スロットルレバーは機長・副操縦士席両方の左にある。前方監視・地形回避レーダーと自動操縦装置を組み合わせた地形追随システムにより、飛行高度を60mから300mまでの６段階に設定できる。構造モード制御システムSMCSにより、機体の細かい揺れを防いでいる他、超低空飛行時の乱気流による機体の動揺を防ぐため、機首のカナード翼（30度の下反角付き）で動揺を打ち消す低高度動揺制御装置LARC（Low Altitude Ride Control）を搭載する。全長45.78m／43.68m（機首プローブ除く）、全幅23.84m-41.67m、全高10.24m、自重72.6トン、最大離陸重量176.81トン。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製F101-GE-100ターボファン（ミリタリー推力7.7トン、A/B使用時13.6トン）４基、巡航速度マッハ0.85、最大水平速度マッハ2.0（高度15250m）／マッハ0.85（低空）、最大航続距離5300海里（無給油）、最大滞空時間36時間。ストアーズ・ベイと呼ばれる爆弾倉は胴体内前半部にタンデム配置で２カ所、機体後半部に１カ所の計３カ所設けられている。積載量は22.5トンで、主武装は核爆弾とAGM-69B短距離攻撃ミサイルであり、AGM-69Bは爆弾倉内に８発×３、主翼付け根下面のパイロンに４発×２の計32発を搭載可能である。乗員４名（機長、副操縦士、攻撃電子装備手、防御電子装備手）＋交代要員２名。原型機４機が完成し、更に240機の量産に向けて飛行テストを行っていたが、ICBMの方が有効とみられたのと、軍事費削減とで、1977年6月30日にカーター大統領の命で生産中止となった。評価試験は1981年4月29日まで続けられている。試作２・４号機は後に改造されてB-1Bの試験機になった。４号機は緊急脱出装置を射出座席に変更している。参考：月刊軍事研究10,’02、10,’17、世界の軍用機1982、1979、月刊丸6,’03、アメリカ空軍の第一線機、アメリカジェット戦闘機、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、空軍、月刊JWings7,’10、月刊航空ファン11,’17

　＜Ｂ−１Ｂ＞：レーガン大統領が1981年10月2日に発表した戦略近代化計画SMP（Strategic Modernization Program）の目玉として長距離戦闘航空機LRCAの名称で開発計画が復活した改良型。飛行試験はB-1Aの試作２・４号機を使い、B-1Bは量産型のみを100機生産した。当初は核抑止任務しかできなかったため本土に張り付けとなっていて、湾岸戦争には参加していない。START条約で戦略爆撃機削減が必要になると核抑止任務を外れて通常兵器の運用能力が追加されたが、AN/ALQ-161の不調や稼働率の低さから、実戦デビューは配備から10年経った1998年12月のイラク爆撃デザート・フォックス作戦になった。その後はコソボ紛争アライド・フォース作戦、アフガン戦争エンデュアリング・フリーダム作戦（JDAM3660発以上、Mk82通常爆弾1471発、Mk84通常爆弾135発以上、CBU-87/Bクラスター爆弾70発投下）などに投入され、多彩な兵装を大量に積めるのを活かして活躍している。イラク戦争では、オマーンのスムライト基地に展開し、414ソーティを実施、2282発の爆弾（殆どJDAM）を投下し、2214発を命中させた。また、ISRのためスナイパーXRポッドを使用した移動目標指示に初使用されている。イスラム国爆撃インヒアラント・リザルブ作戦にも参加中。2016年からの北朝鮮による核実験・弾道ミサイル発射に対しても度々飛来してプレッシャーを与え続けている。2018年6月6日、テキサス州で訓練飛行中のB-1B爆撃機１機で右主翼燃料タンクの火災警告灯が点灯した。チェックリストに従い対処したものの警告灯が消えず、緊急脱出しようと最初に脱出する乗員が射出座席の作動レバーを引いたが作動しなかったため、そのまま飛行を継続してミッドランド空港に緊急着陸した。安全点検で射出座席に不具合が見つかり、6月7日に全機飛行停止の処分が執られ、6月19日に飛行が再開されている。2019年3月28日、通常点検作業で射出座席の誘導傘に不具合が見つかったため、全機飛行停止処分が執られた。安全性を確認して4月23日から飛行を再開している。2021年2月17日、17機の退役が始まった。うち１機はエドワーズ空軍基地で地上研究・訓練機EAGIL（エドワーズ航空機地上統合ラボ）となり、残る16機はデビスモンサン基地の第309航空宇宙整備再生群に再就役可能な状態で保管される。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊航空ファン11,’17、9,’18、7,’19、月刊JWings8,’18、6,’19、5,’21

　＜Ｂ−１ＢブロックＡ＞：最初の量産型で、戦略爆撃機バージョンであり、ブロックＢ登場後にブロックＡと呼ばれるようになった。エアインテイクを固定式にするなどして最大速度をマッハ1.3（低空ではマッハ0.8）に抑える代わりに、ダクトを曲げてファンからのレーダー反射を抑えるといった工夫を施し、RCSをＡ型の10分の１・B-52の100分の１の0.7平方メートル（2.45平方メートル説あり）にした。エンジンはF101-GE-102ターボファン（A/B時推力13.96トン。18トン？）４基に換装し、燃料搭載量も増やしている。胴体最前部（機首）はレドームで、内部の地形追随レーダーをAN/APQ-164前方監視フェイズド・アレイ・レーダーに変更、高度300フィート（91.4m）をマッハ0.85で長駆飛行できるようにした。コクピット前方に空中給油口があり、その両舷に構造モード制御システムSMCS（Structural Mode Control System）ベーンと呼ばれる全遊動式小翼が付いている。SMCSベーンは乱気流などによる機体動揺を抑制し、機体構造への負荷や乗員の負担を軽減する役目を持つ。コクピットは並列複座が前後に並ぶ４名用で、前列左に操縦士、右に副操縦士、後列左に兵装システム士官WSO／防御システム操作員DSO（Defensive Systems Operator）、右に兵装システム士官WSO／攻撃システム操作員OSO（Offensive Systems Operator）が座る。機長は主に操縦士が務めるが、任務内容によってはWSOが機長になることもある。操縦装置は操縦桿で、操縦士用と副操縦士用が機械リンクで連動するようになっており、操縦士側コンソールの緊急用ハンドルで連動を切断することも可能。スロットルレバーが中央ペデスタルと操縦士席左の２カ所に取り付けられており、操縦士も副操縦士も操縦桿を右手、スロットルレバーを左手で操作する。コクピット後方に電子操作員室があり、更に後ろが主電子機器室となっている。緊急脱出装置はACES�U射出座席に改められていて、コクピット上部には個別に脱出ハッチが用意された。コクピットには前脚後方のタラップを使って乗り込む。中央胴体は前から前部ウェポンベイ（前部ストア・ベイ）及び燃料スペース、主脚収容部、後部ウェポンベイ（後部ストア・ベイ）及び燃料スペースで、後部胴体は燃料スペースと電子装置収容スペースである。主翼可変部付け根の中央胴体下面左右にエンジンナセルが装着されており、それぞれにエンジン２基を収容、胴体とは切り離して胴体内スペースを有効活用できるようにした。エアインテイクは固定式で、中央の分割ベーンにより左右均等に空気が流入する。ダクト内部にはレーダー・ブロッカーを設けてステルス性に配慮した。翼胴接合部はブレンデッド・ウイング・ボディである。主翼は可変後退翼で、翼面積180.89平方メートル（181.16平方メートル？）、後退角は最小15度・最大67度30分（67.5度）、通常は離着陸時15度、低速時25度（インターロック機構のある20度または35度？）、高速時55度、超音速時67.5度とするが、任意の位置にも変更でき、操作は操縦士席左・副操縦士席右の主翼後退レバーで行う。主翼前縁にはスラット、後縁にはフラップを持ち、内部は燃料タンクになっていて、横操縦用のスラットも装備する。エルロンは無い。垂直尾翼は１枚で、上端にはレーダー警戒装置のアンテナが付く。防御電子兵装はAN/ALQ-161とAN/ASQ-184で、AN/ALE-49チャフ・フレアディスペンサーを装備する。GPSとINSを搭載しており、地上局の支援無しに作戦地域に到達できる。他にAFSATCOM、AP-101C電子システム用コンピュータ、AN/ASN-131レーダー高度計、AN/APN-218ドップラー速度センサーなどを装備する。胴体内ウェポンベイは前部が長さ9.53mの２連区画、後部が長さ4.57mの１区画となっており、前部はバルクヘッドを移動することで長さを調節可能で、バルクヘッドを撤去して１つの長いウェポンベイにすることもできる。ウェポンベイ内部には長さ6.7mのAGM-69A短射程攻撃ミサイル用８連装ランチャーか長さ6.7mの巡航ミサイル用ロータリーランチャー（前部ウェポンベイに１基のみ装着可能。核爆弾とAGM-86Bなら８発、AGM-129なら４発）を装着する。ソフトウェアの関係で、B61/B83核爆弾同士の混載はできるが、他は１つのロータリーランチャーに全て同じ兵装を積む必要がある。ということで、ウェポンベイ内にはB28なら12発、B61/B83なら24発、AGM-69Aなら24発、AGM-86Bなら８発、AGM-129なら４発、Mk62機雷なら84発、Mk65機雷なら８発積める。更に胴体下面には兵装ステーション６カ所があり、AGM-86BまたはAGM-69AまたはB43/B61/B83核爆弾を２発ずつ計12発搭載できる。兵装搭載量はウェポンベイ34.02トン、機外26.76トン、合計最大56.7トン。操縦系統はフライ・バイ・ワイヤと機械式の併用。全長44.5m（44.81m？）、全幅41.67m-24.08m（23.84m？）、全高10.36m、空虚重量84.736トン、自重87.090トン、最大離陸重量216.634トン（215.367トン？213.192トン？）。エンジンはGE製F101-GE-102ターボファン（ドライ推力66.7kN、A/B時推力133.6kN・13.962トン。ドライ推力75.6kN、A/B時推力136.9kN？）４発、巡航速度マッハ0.85、最大速度マッハ1.25（高々度）／マッハ0.92（海面高度）、実用上昇限度18228m、機内燃料搭載量88.45トン（90.516トン？）・113881リットル（標準74003リットル、ウェポンベイ内増槽追加時84659リットル？）、180インチ（4.57m）増槽内燃料8.773トン・11261リットル、91インチ（2.31m）増槽内燃料3.855トン・4936リットル、総燃料搭載量120.326トン、最大航続距離6475海里・12000km、戦闘行動半径2993海里・5543km。ミッション航続距離4425海里・8195km（AGM-129搭載・空中給油無し）／5430海里・10056km（AGM-129搭載・KC-135R空中給油１回）／6360海里・11779km（AGM-69A24発搭載Hi-Lo-Hi・KC-135R空中給油１回）／7358海里・13627km（AGM-69A24発搭載Hi-Lo-Hi・KC-10A空中給油１回）／7220海里・13371km（AGM-69A16発搭載Hi-Lo-Lo・KC-135R空中給油２回）／5963海里・10435km（AGM-69A16発搭載Hi-Lo-Lo・KC-10A空中給油１回）。乗員４名（操縦士、副操縦士、攻撃システム操作員、防御システム操作員）。1984年9月4日から1988年1月20日に100機が生産され、1984年10月18日に初飛行し、1985年6月29日（7月7日？）から配備された。後に全てブロックＢに改修された。参考：月刊軍事研究10,’17、10,’02、9,’03、8,’07、4,’15、6,’15、4,’16、月刊航空ファン11,’17、5,’18、10,’98、7,’99、月刊丸6,’03、世界軍用機年鑑1990-91、ワイルドウエポン、月刊JWings1,’16、12,’01、7,’10、10,’17、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜Ｂ−１ＢブロックＢ＞：1993-95年に全機に対して行われたCMUP（在来任務改良計画）改修。湾岸戦争でB-52Hが通常兵器を運用して活躍したのを受け、通常爆弾搭載用モジュールを装着して長距離侵攻型通常爆撃機とする改修で、この時期にランサーという別名が付けられた。Mk82通常爆弾とMk84通常爆弾の運用が可能で、AN/APQ-164レーダーとAN/ALQ-161も改良している。ソフトウェアの関係で、通常爆弾同士やB61/B83核爆弾同士の混載はできるが、他は１つのロータリーランチャーに全て同じ兵装を積む必要がある。500ポンド級通常兵器はロータリーランチャー支持架に非回転の通常兵器モジュールを取り付けて搭載する。後に核兵器運用機能が撤去されており、まずウェポンベイのバルクヘッドを溶接固定してAGM-86Bの搭載を物理的に不可能とし（非核のAGM-86Cも積めない）、次いで核兵器安全装置解除用信号ケーブルを外した。参考：月刊軍事研究10,’02、4,’15、12,’99、1,’11、月刊航空ファン11,’17

　＜Ｂ−１ＢブロックＣ＞：1996年9月にIOCを獲得し、1997年まで行われたCMUP改修で、クラスター弾の運用を可能とした。2000ポンド級の大型爆弾を搭載するLAU-144/Aロータリーランチャー、1000ポンド以下の爆弾を搭載するロータリーランチャーGPBM（汎用爆弾用モジュール）、500ポンド爆弾28発を搭載する28キャリーCBM（通常爆弾モジュール。非回転式）、1000ポンドクラスター弾10発を搭載する10キャリーCBMのいずれかを３カ所のウェポンベイ内に１基ずつ装着できる。Mk84なら最大24発、Mk82なら最大84発、CBU-87/-89/-97クラスター弾なら最大30発を搭載可能。胴体下面ハードポイントにはMk82を44発装着できる。ミッション航続距離はMk82汎用爆弾56発搭載Hi-Lo-HiのKC-135R空中給油１回で8400海里・15569km、KC-10A空中給油１回で9466海里・17531km。参考：月刊軍事研究10,’02、4,’15、10,’17、月刊航空ファン10,’98、11,’17

　＜Ｂ−１ＢブロックＤ＞：1998-2001年に行われたCMUP改修。GPS受信器やMIL-STD-1760インターフェースなどを搭載し、GPS誘導爆弾の運用能力が付与されていて、GBU-31JDAM24発の搭載を可能とした。AN/ARC-210統合通信システム、コンバットトラック�U秘話無線機、AN/ALE-50曳航デコイシステム最大８基も装備する。参考：月刊軍事研究4,’15、1,’01、10,’02、月刊航空ファン11,’17

　＜Ｂ−１ＢブロックＥ＞：2005年から配備されたCMUP改修機。WCMD（30発）の運用能力を持たせたタイプで、10キャリーCBMをSECBM（MIL-STD-1760インターフェース改良型通常兵器爆弾モジュール）に換装した。コンピュータも旧型６基を全撤去して新型４基を積み、処理能力を25倍に強化、メモリーや入出力関連機能も増大させている。LAU-144/AロータリーランチャーでのAGM-154JSOW（12発）とAGM-158JASSM（24発）の運用能力も持たせる予定だったが、一部の機にのみ追加された。参考：月刊軍事研究4,’15、10,’02、3,’18

　＜Ｂ−１ＢブロックＦ＞：ブロックＥと並行して実施予定だったCMUP改修で、防御システム近代化計画（Defensive Systems Upgrade Program、DSUP）とも呼ばれる。AN/ALQ-161が性能不足だっため、AN/ALQ-214(V)1レーダー周波数カウンターメジャー、AN/ALE-55光ケーブル曳航デコイ、AN/ALR-56Mレーダー警報などにより防御能力を強化する筈だったが、キャンセルされた。代わりにAN/ALQ-161Aを積む改修を行ったが、能力不足は否めず、デジタルレーダー周波数メモリーDRMFも追加している。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊航空ファン6,’02、10,’98、11,’17

　＜Ｂ−１ＢブロックＧ＞：システム統合近代化改修。ついでにAGM-154JSOW（12発）とAGM-158JASSM（24発）の運用能力を全機に持たせている。2004年頃に改修を終えた。参考：月刊軍事研究4,’15

　＜Ｂ−１Ｂ混合燃料機＞：JP-8ジェット燃料と合成石油を1:1で混合した燃料を搭載したもので、2008年3月19日に超音速飛行に成功した。参考：月刊JWings6,’08

　＜Ｂ−１Ｂサステインメント・ブロック計画＞：2003年に開始されたB-1Bアップデート計画SBP（Sustaining Block Program）。CMUP大規模ブロック改修の間を埋める小改良である。参考：月刊航空ファン11,’17、月刊軍事研究4,’15

　＜Ｂ−１Ｂサステインメント・ブロック１０＞：ブロックＤとブロックＥの間に行われた改修SB-10。GBU-38/Bを運用できるようにし、整備性を向上させ、ソフトウェアを更新した。2004年から飛行試験を開始し、2005年2月24日にGBU-38/Bの投下試験に成功した。参考：月刊航空ファン11,’17月刊軍事研究4,’15

　＜Ｂ−１Ｂサステインメント・ブロック１４Ｂ＞：GBU-54/BレーザーJDAM搭載改修SB-14B、別名ラップトップ制御ターゲッティングポッド・フェーズ２。ソフトウェアを更新してスナイパーXRターゲッティングポッド（機首後方右下面に装着）の運用を可能としている。2007年に計画が開始され、2011年に引き渡された。ちなみにブロック11-13はペーパープランらしい。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊航空ファン11,’17

　＜Ｂ−１Ｂサステインメント・ブロック１５＞：AN/APQ-164レーダーの故障間隔を延ばすためAN/APG-68(V)9のパーツを移植するRIMP（Radar Reliability and Maintainability Improvement Program）改修に合わせて行ったソフトウェア改良SB-15。LAU-144/AロータリーランチャーにBRU-56/Aスマートラック８基ずつを装着してAGM-158JASSMなどを運用できるようにし、IFFモードＳ／モード５を追加、完全統合データリンクFIDL（Fully Integrated Data Link）を搭載した。2009年にボーイング社に発注され、2012年に引き渡された。参考：月刊航空ファン11,’17、月刊軍事研究4,’15

　＜Ｂ−１Ｂサステインメント・ブロック１６＞：統合戦闘ステーションIBS改修に伴う更新SB-16。大規模なのでSB-16AとSB-16Bに分けて行う。コクピットの計器板正面にカラーMFD４基（機長と副操縦士の正面に２基ずつ）を装備した。また、後席にもカラーディスプレイ５基を搭載し、LVT-1無線システムを追加、リンク16のバトルステーションを担うことができるようになり、リンク16データリンク情報とムービングマップを統合してカラーディスプレイに表示することが可能となっている。2011年に計画が開始された。2016年2月21-23日にアラスカ州ユーコン射場で戦闘ミッション効果（CME）演習が行われ、改修の確認テストが実施されている。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊JWings8,’12、月刊航空ファン5,’16、11,’17

　＜Ｂ−１Ｂ統合戦闘ステーション改修＞：IBS改修と略す。60機に対する近代化改修計画で、垂直状況表示ユニット（VSDU）装備、統合範囲拡張アプリケーションプロトコル（JREAP）による完全統合データリンク搭載、中央統合試験システム（CITS）装着を行う。これによりコクピットにはカラー液晶ディスプレイが装備される。2012-2019年に実施される予定。参考：月刊航空ファン9,’11

　＜Ｂ−１Ｂ（ＳＤＢ搭載改修）＞：LAU-144/AロータリーランチャーにBRU-61/Aを８基装着し、GBU-39/BまたはGBU-53/B（GBU-58/B？）を４発ずつ搭載するもので、最大96発積める。６連装キャリッジアッセンブリが完成すれば最大144発積めるようになる。参考：月刊軍事研究4,’15

　＜Ｂ−１Ｂレーダー換装計画＞：AN/APQ-164の故障間隔が短いため、暫定的に2012年からAN/APG-68(V)9のパーツを移植していたが、思い切って新型に換装するもので、ロッキード・マーチン社がAN/APG-83SABR、レイセオン社がレイセオン新型戦闘レーダーRACRを提案し、前者が採用された。実際に搭載するのは改良型のSABR-GS（スキャンラブル・アジャイル・ビーム・レーダー・グローバル・ストライク）で、B-1Bの機首サイズに合わせてアンテナ形状を変更し、合成開口レーダー／地上移動目標表示能力を強化している。参考：月刊航空ファン8,’15、月刊軍事研究4,’15

　＜Ｂ−１Ｂレーザー発射母機＞：モジュール化レーザー砲を爆弾倉に搭載し、航空機や小型艇を破壊する計画。HELLADSの実用化型の１つで、出力150kWのレーザー砲モジュールを積み込む予定である。自衛用として前部爆弾倉に収容するという説もある。参考：月刊軍事研究8,’12

＜Ｂ−１フライトジャケット＞：アメリカ軍の爆撃機乗員用フライトジャケット。厚手のコットンでできており、襟にはファーをあしらい、袖口とウエストまでの身丈エンドをニットジャージとしてある。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｂ１−ＥＬ＞：ドイツ軍のエレクトロン焼夷弾。重量1kg。参考：月刊JWings3,’13

＜Ｂ１Ｍ＞：一三式艦上攻撃機を参照。

＜Ｂ−２＞：B1シリーズ（戦車）またはSS-11（Ｂ級潜水艦）を参照。

＜Ｂ�U地雷清掃車＞：ドイツ国防軍の無線操縦式地雷処理車両。Ｂ�Tに続いて開発され、1940年3月3日に100両が発注された。Ｂ�Tを大型化し、後部のローラーを廃止している。重量1.5トン。エンジンはボルグヴァルド4M1.5R�U1.51（29馬力）、トランスミッションは前進２速・後進１速、最大速度5km。1940年7月から生産され、第１地雷清掃中隊に配備されて東部戦線で使用されたが、無線誘導装置に問題が多かったようだ。参考：月刊PANZER8,’97、ジャーマンタンクス

＜Ｂ２戦車（ｆ）火炎放射戦車型＞：B1海外ファミリーを参照。

＜Ｂ−２爆撃機シリーズ＞：アメリカ空軍ステルス戦略爆撃機、別名スピリット（Spirit）。1981年に高度技術爆撃機ATB（Advanced Technology Bomber）計画で試作が開始され、提案されたロッキード社のシニア・ペグとノースロップ社のシニア・アイスのうち後者が採用された。計画が公表されたのは1982年8月22日で、F-117の開発はまだ秘密であり、公文書にステルスの文字が出てきたのはこの時が最初である。想像図が公開されたのは1988年4月、一般公開されたのは1988年11月22日の初号機ロールアウト時で、初号機は1989年7月17日に初飛行した。６号機までが全規模開発試験機ブロック０、７号機からが量産型ブロック10以降である。132機（計画総経費600-690億ドル）が生産される予定だったが、75機（同456-546億ドル、機体単価５億ドル）に減らされ、結局21機（機体単価11.57億ドル）で打ち切られ、第509爆撃航空団第13爆撃飛行隊と同第393爆撃飛行隊に1993年12月17日から配備され、1997年4月1日にIOCを獲得して就役した。1999年のコソボ紛争アライド・フォース作戦が実戦初参加である。不朽の自由作戦ではアメリカ本土からカブールを爆撃し、ディエゴ・ガルシアに着陸する44時間・23000kmの任務を行った。イラク戦争にも参加している。2008年2月23日、アンダーセン空軍基地で離陸直後に１機（WM89-0127/AV-12/スピリット・オブ・カンザス）が墜落して全損した。乗員は脱出して無事だった。2010年5月26日、アンダーセン空軍基地で１機（WM88-0332/AV-11/スピリット・オブ・ワシントン）がエンジンを始動させた際、１基のエンジンのジェネレーターが不調だったため再始動させたところ、漏れた燃料に引火してテールパイプが炎上した。消火作業の際に火元がテールパイプであることに気付かず、他の場所に消火剤を撒いてしまったため被害が拡大、修理には４年間6440万ドルを要した。2021年9月14日夜、ホワイトマン空軍基地で１機が滑走路を逸脱する事故を起こした。B-21に後を譲って退役が始まるが、メーカーでは2058年までの使用を想定して改修計画などを立案している。地上試験機のうち１機が空軍博物館に送られたが、展示に際しては武装警備員を24時間張り付けておく必要があり、倉庫にしまわれている。参考：月刊軍事研究10,’02、2,’00、8,’07、5,’08、11,’09、月刊航空ファン6,’02、11,’11、1,’17、9,’17、月刊JWings12,’17、11,’06、6,’14、6,’19、4,'22、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｂ−２Ａ＞：機体はダブルＷ字の後縁を持つ全翼機（W-Shaped wing）で、スーパーコンピュータを使用したCAD/CAM（コンピュータ援用設計／製造）により設計を行った。当初は理想的なステルス形状を目指し、菱形の中央部分に平行四辺形の外翼部分をくっつけて後縁を単純なＷ字にする予定だったが、エンジン排気口を上手く配置できなかったのと、ソ連がステルス機探知用大型レーダーで対抗してくることを想定して超低空飛行能力を追加した結果、RCS増大や燃料・兵装搭載量低下を忍んで後縁に操縦翼を追加することにし、ダブルＷ字にしている。結果、空軍要求の飛行高度60000フィート以上が満たせなくなった。構造材はカーボン・グラファイト複合材で、機体表面にはRAMを適用した。主翼（というか機体というか）は翼面積477.5平方メートル（464.5平方メートル？）、アスペクト比5.76で、主翼後縁最外側にスプリット・ドラッグラダー（左右逆に動かして補助翼と昇降舵、左右とも下に動かしてフラップ、片方を上下に開いて方向舵、両方を上下に開いてエアブレーキの役目を果たす）、その内側にアウトボード・エレボン（補助翼と昇降舵の機能を果たす）、後縁折れ曲がり部を挟んで更に内側にミッド・エレボンとインボード・エレボン（どちらも低速時用）を持ち、四重デジタル式フライ・バイ・ワイヤで制御され、操縦モードは戦闘、離陸、着陸の３種がある。主翼（というか機体）前縁後退角は33度（34.74度？）で、後縁の角度もそれに合わせてあり、RCSは0.1平方メートルとされる。アスペクト比は5.76。機体中央の膨らみにコクピット、ウェポンベイ、電子機器を搭載する。ステルス爆撃機なのでHi-Hi-Hi爆撃が主任務だが、計画時点でアメリカ空軍が要求事項に低空侵攻能力を加えたため、高度30-70mでの地形追随飛行を可能としており、胴体尾部（通称ビーバーテイル）には突風負荷軽減装置GLASという鳥の尾羽のような動翼が付いていて、低空高速飛行中の安定を保つ。インテイクと排気ノズルを機体上面に配置して地上からの赤外線探知を困難にしており、排気ノズルは扁平で、外気と混ぜてから排気される。排気に吸湿剤の塩化スルホン酸を混ぜて飛行機雲の正体である微細な氷滴を不可視レベルに小さくし、飛行機雲を見えなくするシステムが搭載されていて、主脚収容室外側に全長2.73mの塩化スルホン酸タンクが用意された。しかし塩化スルホン酸が強酸性のため危険でタンクや配管を腐食させるという欠点があり、飛行機雲の抑制も不十分で、使われなくなったらしい。AN/APQ-181合成開口爆撃航法レーダーを搭載しており、GBU-37/BのGPS目標位置の誤差を最小にできるという。また、このレーダーは通常の方法では逆探知できないとされ、ステルス性を損ねないらしい。乗員は機長（コクピット左）、副操縦士・兵装システム士官（右）、交代乗員２名の計４名で、ACES�U射出座席に座る。計器板はカラーCRT４基で構成されるMFD/IFIS（多機能表示装置／統合飛行情報システム）２セットによりグラスコクピット化されている。スロットルレバーが中央ペデスタルと機長席左の２カ所に取り付けられており、機長も副操縦士も操縦桿を右手、スロットルレバーを左手で操作する。機体中央上面にはフライングブーム式の空中給油受油口を備え、UHF/データセットアンテナやGPSアンテナも並ぶ。空中給油時はブームや機首から発生する気流の影響で機体が揺れ、ブームを押してしまうので、B-2A側も空中給油機側も操縦に気を遣う。機体中央に左右１対のウェポンベイがあり、ドアは観音開きで、前後縁がギザギザになっており、開くとドアに連動した整流用孔開き抵抗板がウェポンベイ前縁から顔を出す。ウェポンベイ内部には2000ポンド級兵装用ロータリーランチャーなら１基ずつ、1000ポンド級兵装用９連装ボムラックなら２基ずつ、500ポンド級兵装用20連装ボムラックなら２基ずつ装着できる。よって、2000ポンド級兵装は新型応用ロータリーランチャーAARL（BRU-44/A爆弾ラック８基装着）に８発ずつ計16発、1000ポンド級兵装はタイプＢボムラックに９発（３発ずつ３列）ずつ計36発、500ポンド級兵装はタイプＡボムラックに20発（５発ずつ４列）ずつ計80発を搭載できる。GBU-39/BはウェポンベイにBRU-61/Aボムラックを27基ずつ装着し、各４発ずつ計216発も積める。ロータリーランチャーやボムラックにはMIL-STD-1760インターフェースの配線があり、GPS誘導兵器対応で、離陸後の目標変更も可能。具体的な兵装と搭載数は、Mk84爆弾16発、M117通常爆弾36発、Mk82爆弾80発、CBU-87/CBU-89/CBU-97クラスター爆弾34発（ラックの関係で36発は搭載できない）、GBU-31/B（JDAM）16発、GBU-36/B（GAM）16発、GBU-37/B（4500ポンドGPS誘導爆弾）８発、GBU-38/B（JDAM）80発、GBU-54/B（LJDAM）80発、AGM-154JSOW16発、AGM-158JASSM16発、B-83/B-61Mod7/B-61Mod12核爆弾16発、B-61Mod-11核爆弾８発、Mk62航空機雷80発、GBU-39/B小直径爆弾216発、GBU-28/Bバンカーバスター８発、GBU-57MOP２発など。自己防御用電子機器として、AN/APR-50レーダー警戒装置、AN/ALQ-161A電子対抗手段装置などを装備する。ステルス性の維持のため、空調完備でコーティングの補修作業ができる専用のハンガーが必要な他、７年に１度RAMの全面塗り直し作業を要するという。21機という少数生産のため、１機の値段は2500億円。全長21.03m、全幅52.43m、全高5.18m、機体重量45.36トン、空虚重量71.669トン、通常離陸重量（最大離陸重量？）152.636トン、最大離陸重量（最大総重量？）170.55トン。翼面積477.5平方メートル。エンジンはF118-GE-100（推力8.620トン・77kN。84.5kN？）４基、最大速度マッハ0.85・525ノット、実用上昇限度15240m、燃料搭載量81.65-90.72トン・96090リットル（当初はJP-4燃料、1996年3月からJP-8）、戦闘行動半径4500海里（Hi-Lo-Hi）／6600海里（Hi-Hi-Hi）、航続距離12200km／10080海里以上（空中給油１回）。最大兵装搭載量18.144トン（27.216トン？）。乗員２名＋交替要員２名。運用システムは、ホワイトマン空軍基地に備え付けてある核戦争用ミッション計画作成システムSMDPSと、どこにでも空輸できる標準型ミッション計画作成システムAFMSSの２つだが、後者に対応できるのはブロック30からで、それまでは母基地に縛り付けて運用せざるを得なかった。高温に晒される排気口後方部分の胴体上面（HTEと略す）の疲労が激しいため、耐熱性の高い新素材AFR-PE-4高温ポリアミドを適用する予定で、テストを続けている。参考：月刊JWings12,’17、8,’03、12,’01、1,’16、10,’17、12,'23、月刊軍事研究7,'15、10,’02、9,’14、2,’18、1,’01、1,’03、12,’99、8,’07、6,’15、4,’16、月刊丸6,’03、月刊航空ファン6,’02、2,’11、2,’12、10,’19、12,’19、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ−２Ａブロック０＞：試作機で、製造番号AV-1・愛称スピリット・オブ・アメリカ、AV-2スピリット・オブ・アリゾナ、AV-3スピリット・オブ・ニューヨーク、AV-4スピリット・オブ・インディアナ、AV-5スピリット・オブ・オハイオ、AV-6スピリット・オブ・ミシシッピの６機がこれにあたる。1997-2000年に全てブロック30に改造された。参考：月刊軍事研究7,'15、12,’99

　＜Ｂ−２Ａブロック１０＞：初期量産型で、AV-7スピリット・オブ・テキサス、AV-8スピリット・オブ・ミズーリ、AV-9スピリット・オブ・カリフォルニア、AV-10スピリット・オブ・サウスカロライナ、AV-11スピリット・オブ・ワシントン、AV-12スピリット・オブ・カンザス、AV-13スピリット・オブ・ネブラスカ、AV-14スピリット・オブ・ジョージア、AV-15スピリット・オブ・アラスカ、AV-16スピリット・オブ・ハワイがこれにあたる。主用途が訓練なので、自由落下式核爆弾B83/B61と自由落下式通常爆弾Mk84の限定運用能力しか持たず、最大離陸重量は138トンに制限され、AN/APQ-181レーダーの使用モード数は６モードのみで、地形追随飛行もできない。他基地への展開能力も無い。量産型５-10号機（AV-11からAV-16）は、1996-97年にブロック20に改造された。1997-99年にAV-7からAV-16まで全てブロック30に改造されている。参考：月刊軍事研究7,'15、10,’02、12,’99、2,’00

　＜Ｂ−２Ａブロック２０＞：中期量産型で、AV-17スピリット・オブ・フロリダ、AV-18スピリット・オブ・オクラホマ、AV-19スピリット・オブ・キティホークがこれにあたる。B83/B61核爆弾とMk84汎用爆弾のフル運用能力に加え、GPS援用照準システムGATSを持ち、GBU-36/B、GBU-37/BといったGPS誘導爆弾GAMを運用可能となった（最初の投下試験は1996年4月に実施）。RAMコーティングが改良されてモード1-3のレーダーに対するステルス性を獲得しており、14日間の展開能力を持つ。1999-2000年に全てブロック30に改造された。参考：月刊軍事研究7,'15、10,’02、9,’18

　＜Ｂ−２Ａブロック３０＞：後期量産型で、AV-20スピリット・オブ・ペンシルバニア、AV-21スピリット・オブ・ルイジアナがこれにあたる。AN/APQ-181レーダーの21モード全てが使用可能となっており、Mk82通常爆弾、Mk62機雷、M117通常爆弾、AGM-154JSOW、JDAMも運用できるようになった。これに伴い、GAMは退役している。RAMコーティングは磁気レーダー吸収材（MagRAM）というタイル状のものに変更し、モード４のレーダーに対するステルス性も獲得している。更にAFMSSに対応可能となり、海外基地（グアム及びディエゴ・ガルシア）に30日間展開できるようになった。ブロック10/20の機体も、1997-2000年の定期デポ整備PDWの際に改造を受けている。RAMコーティングが特に可動部分で剥がれやすいという欠点があったため、後に代替用高周波素材AHFMというスプレー塗布素材に換装した。将来的にMILSTAR衛星通信受信アンテナを搭載予定で、SHF用とEHF用のアンテナをGPSアンテナ両側にそれぞれ１枚ずつ装備する。参考：月刊軍事研究7,'15、10,’02、1,’03、1,’07

　＜Ｂ−２Ａ　ＭＯＰ搭載改修＞：MOP大型貫通爆弾を搭載できるよう爆弾倉や運用システムに改修を加えたもので、２つある爆弾倉に１発ずつ、計２発を収容する。2009年4月28日に搭載試験を行った。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜Ｂ−２Ａ　ＲＭＰ＞：RMPはレーダー近代化計画の略。AN/APQ-181レーダーをAESAに更新するもので、2002年に契約が結ばれたが、2006年4月からの飛行テストで問題が発生、2008年にテストを完了した。2010年までに６機が初期作戦能力IOCを得る予定で、2012年9月24日までに実戦部隊の15機全機が改修を終えた。参考：月刊軍事研究12,’09、5,’13、月刊JWings12,’17

　＜Ｂ−２Ａ　ＡＣＳ＞：ACSはAdaptable Communications Suite（順応性通信機器）の略。AEHF衛星通信装置などを搭載する改修で、2019年現在進行中。参考：月刊航空ファン10,’19

　＜Ｂ−２Ａ　ＦＡＳＴ＞：FASTは弾力的継続調達の略。2019年5月（場合によっては2024年5月）までに実施予定のアップグレードで、兵站支援や定期整備なども含まれる。参考：月刊軍事研究11,’14

　＜Ｂ−２Ａ　ＤＭＳＭ＞：DMSMはDefensive Management System Modernization（防御管理システム近代化）の略。S400などの長射程地対空ミサイルに対抗するため、新型のレーダー受信器とミサイル接近警報を装備するものである。LRS-Bに予算を取られており、議会から改修費低減を求められている。参考：月刊航空ファン7,’15、10,’19

　＜Ｂ−２Ａ　ＬＯＳＳＭ＞：LOSSMはLow Observable Signature and Supportability Modifications（低観測信号特性・支援性改良）の略。ステルス性を高めて生残性を向上させる計画で、機体後縁、排気口、GLAS、レーダーアンテナ、レドームなどの形状を変更し、RAMを改良、ESMを強化すると共に、整備性も高める。参考：月刊航空ファン10,’19

　＜Ｂ−２Ａ　ＲＡＴＳ＞：RATSはRadar Aided Targeting System（レーダー援用ターゲッティングシステム）の略。GPS妨害時に備え、レーダーによる兵器誘導を行えるようにする改修である。参考：月刊航空ファン10,’19

＜Ｂ−２標的機＞：中国の無人標的機。エンジンはフオサイ16（16馬力）。参考：スパイ機

＜Ｂ−�U無人機＞：日本のフジ・インバック社が開発したUAV。複合材製のツイン・テールブーム機で、主翼は肩翼配置の直線テーパー翼、垂直尾翼は双尾翼、水平尾翼は垂直尾翼上端に渡されている。降着装置は前輪式固定脚で、通常滑走により完全自動で離着陸する。横風20ノットでも自動着陸でき、目的地や着陸飛行場を地上から変更することが可能。エンジン停止などのトラブルの際はパラシュートが自動で開き、地上に降下する。全長2.57m（ピトー管含まず）、全幅3.20m、全高0.796m、機体重量30kg。エンジンは２サイクル２気筒ガソリン（排気量86cc）単発、推進は胴体後部のプッシャープロペラ、巡航速度120km、最大速度190km、上昇限度6500m、航続距離500km／1200km（外部燃料タンク搭載時）、滞空時間５時間／10時間（外部燃料タンク搭載時）。燃料消費量毎時１リットル。ペイロード13kg（燃料含む）。遠隔操作無線周波数2.4GHz、遠隔操作距離10km。オーバーホール間隔400飛行時間。東日本大震災の福島原発事故を受け、2011年3月20日と3月24日に新潟県のエアフォートサービスが原発上空300-400m（150-200m？）からの撮影（原発から71km離れた農道離着陸場福島スカイパークから離着陸、GPS完全自律飛行。電子機器防護のためコンピュータを鉛でカバーしエンジンにフィルターを装着）を行っており、解像度はグローバルホークによる高々度撮影よりも高く、陸上自衛隊も改良型のＢ−�Vでテストを行い、B-5特２機の導入を決めた。参考：月刊航空ファン2,’12、月刊JWings12,’11、12,’17、2,’18、朝雲

＜Ｂ２Ｍ＞：八九式艦上攻撃機シリーズまたはダントルカストー級（多用途艦）を参照。

＜Ｂ３＞：B1シリーズ（戦車）またはJu86爆撃機・海外シリーズまたはK3（潜水艦）またはMk3（核爆弾）またはSS-12（Ｂ級潜水艦）を参照。

＜Ｂ�V号特殊牽引車＞：VK302を参照。

＜Ｂ�V地雷清掃車＞：ドイツ国防軍無線誘導式地雷処理車両。Ｂ�Uに続いて製作されたもので、車体を鋼製にした。1941年7月初めに１両が試作され、東部戦線で試験使用された。参考：月刊PANZER8,’97

＜Ｂ−３戦車砲＞：ソ連陸軍の戦車砲で、ドイツのラインメタル社製のものをライセンス生産した。重量0.66kgの徹甲弾で砲口初速毎秒700m、装甲貫徹力は射距離1500mで15mm（衝角０度）。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｂ−３装甲兵員輸送車＞：ソ連陸軍装輪装甲兵員輸送車、別名AT-3。ZIS-22トラックがベースで、T-40水陸両用軽戦車（SU-76M？）と同じ足周りを使ってハーフトラック化したものである。オープントップだが、装甲厚は前面15mm・他6mmあり、車体上面の回転マウントに12.7mm重機関銃DShKを搭載できる。全長6.53m、全幅2.35m、全高2.4m、重量7.1トン。エンジンはZIS-5M（85馬力）、最大速度40km、航続距離150km。乗員２名＋乗車兵員10名。1940年から開発し、少数が生産され、部隊での運用研究に使用された。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER1,’00

＜Ｂ−３フライトジャケット＞：アメリカ空軍のフライトジャケットで、1934年5月に採用された。極低温域（ヘビーゾーン。マイナス10-30度）で着用するもので、素材にシープ・スキンを使用、表をブラウン系カラーのラッカー仕上げにしている。裏側には羊のファーを全面にライニングした。上下セパレートで、ズボンの方はA-3と呼ばれる。この頃戦闘機のコクピットは閉鎖式となりつつあったため、爆撃機乗員用として重宝された。下にブルーの電熱服を着込むと、マイナス30度以下のベリーヘビーゾーンにも対応可能。かさばって動きにくいのが欠点。参考：月刊JWings7,’02、11,’00、ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｂ−�V無人機＞：陸上自衛隊の無人機。東日本大震災で陸自FFOS/FFRSが使えず、フジ・インバック社製B-�U無人機が活躍したのを受け、早速2011年度予算で同社製B-�V無人機１機をテスト用に導入した。ツイン・テールブームの双垂直尾翼機で、胴体尾部にプッシャー・プロペラを持つ。主翼は高翼配置の直線テーパー翼。降着装置は前輪式。全長2.84m、翼スパン3.2m、全高1.05m、機体重量30kg、最大離陸重量50kg。エンジンはBT-86Bレシプロ（排気量86cc）単発、巡航速度100-120km、最大速度130km、最大飛行高度3000m、航続距離550km／増槽搭載時1000km、航続時間５時間／増槽搭載時８時間。搭載量6kg。2012年4月から2014年7月に延べ4000分間の飛行試験を行い、良好な結果を得たらしく、2015年に高速無人機型のB-5特を２機配備している。参考：月刊JWings2,’18、12,’17

＜Ｂ３Ｙ＞：九二式艦上攻撃機を参照。

＜Ｂ−４＞：M1931（榴弾砲）またはTu-4（爆撃機）を参照。

＜Ｂ�W地雷清掃車シリーズ＞：ドイツ国防軍無線誘導式重弾薬運搬車。Ｂ�T・�U・�Vの戦訓を基に1941年10月からボルグヴァード社で開発された。車体を大型化して時限爆破装置付きの爆薬を搭載し、地雷原突破のみならずトーチカや戦車に対する攻撃にも用いることができるようにしている。第301・第302無線操縦戦車大隊、第311-314無線操縦戦車中隊に配備された。参考：月刊PANZER8,’97、5,’04

　＜Ｂ�WＡ＞：Sd.Kfz.301。VK301/302弾薬運搬車をベースに開発された。車体は5mmの装甲鋼板を組み合わせて製作され、前部に爆薬450kgを搭載、中央が操縦室で、後部に機関室がある。操縦室前面にガラスが張ってあったが、小火器で撃たれると操縦手が負傷するので、後に改修された。下部転輪は１枚増えて片側６枚、サスペンションはトーションバー式、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、履帯はゴムパッド付き。車両には42式発煙筒が搭載され、25-30分間煙を出して操縦手に車両の位置を知らせる。誘導受信機はエンジン右のFuKS8。使用の際は、まず操縦手が乗り込んで発進位置まで移動させ、発進位置で爆薬固定アームの固定ピンを抜き、雷管を差し込んで時限装置をセットする。その後戦車（初期には�V号戦車J/L型、次いで�V号突撃砲、一部のティーガー�T）などに搭載された送信機で無線誘導され、目標位置で爆薬を降ろすと無線誘導で引き返してくる。爆薬は時限信管により爆発、目標を爆破する。しかし装甲が薄いので機銃弾ですぐ破壊されてしまい、あまり役に立たなかった。全長3.65m、全幅1.8m、全高1.19m、重量3.6トン。装甲厚は車体前面下部10mm79度、上部10mm47度、側面5mm０度、後面下部5mm55度、上面5mm19度、底面4mm90度、上面3mm90度、操縦席前面8mm24度、側面8mm21度、後上面オープン。エンジンはボルグヴァード製６気筒6M2.3RTBVガソリン、最大速度38km、燃料搭載量123リットル、航続距離200km。1943年6月までに628両が生産された。参考：月刊PANZER8,’97、ジャーマンタンクス

　＜Ｂ�WＡ改＞：Ｂ�WＡに装甲強化改修を行ったもので、操縦室のガラス板の代わりに視察スリット付オープントップ8mm厚装甲板（折り畳み可能）を装着し、車体には8mmの増加装甲板を溶接した。一部に履帯と起動輪を新型にしたものもある。1943年2月までに全車両がドイツ国内に戻されて改修を受けた。参考：月刊PANZER8,’97

　＜Ｂ�WＢ＞：装甲強化などの改良を行ったタイプ。車体を厚さ10mmの装甲板で製作し、車体右側面に脱出ハッチを装着、履帯と起動輪を新型に交換し、無線アンテナを前方に移設した。重量は４トンに増えている。本当は20mmくらいの厚さがないと不十分といわれていたが、エンジン出力的にこれが限度だった。1943年7-11月に260両が完成した。参考：月刊PANZER8,’97

　＜Ｂ�WＣ＞：エンジンをボルグヴァード6B3.8（出力78馬力）に換装し、装甲厚を20mmに強化したタイプ。機関室は１段上に持ち上げ、リアパネルも１枚として生産性を上げている。車体が少し長くなり、操縦室は車体左に移し、車体右側面の脱出ドアを廃止した。操縦室後方と機関室後部には支柱付きのライトを装備したが、未装備のものも多い。無線操縦者が車両を見失うという欠点があったため、車体前方にテレビカメラを搭載する実験も行われたようだ。全長4.1m、全幅1.83m、全高1.25m、重量4.85トン。装甲厚は車体前面下部20mm79度、上部20mm57度、側面20mm０度、後面下部20mm55度、上部20mm30度、底面6mm90度、上面6mm90度、操縦室前面15mm22度、側面8mm22度、後上面オープン。最大速度40km、航続距離212km。搭載無線機はEP3 mit UKE6。乗員１名。1943年末から1944年9月までに305両が引き渡されたが、工場が空襲で壊滅したため、生産が出来なくなってしまった。参考：月刊PANZER8,’97、月刊丸8,’98、ジャーマンタンクス

＜Ｂ�W地雷清掃車ファミリー＞

　＜自走対戦車ロケット砲＞：自走対戦車ロケット型。88mm対戦車ロケットRPzB54を数門搭載する。第２次大戦末期に改造された。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｂ４Ｙ＞：九六式艦上攻撃機を参照。

＜Ｂ５＞：スウェーデン空軍急降下爆撃機。ノースロップN8A-1をサーブ社でライセンス生産したものである。参考：月刊軍事研究1,’16

＜Ｂ５Ｍ１＞：九七式二号艦上攻撃機を参照。

＜Ｂ５Ｎ１＞：九七式一号艦上攻撃機を参照。

＜Ｂ５Ｎ１−Ｋ＞：九七式一号練習攻撃機を参照。

＜Ｂ５Ｎ２＞：九七式三号艦上攻撃機を参照。

＜Ｂ−５特＞：技術研究本部の高速無人機で、フジ・インバック社製。最大速度300km。Ｂ−�V無人機のテスト結果を受け、2015年に２機を導入した。光学センサーを搭載して陸自が運用するとみられる。参考：月刊JWings12,’17

＜Ｂ−６＞：殲撃６型戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｂ６＞：中国軍の短距離弾道ミサイル。1987年の弾道ミサイルに関する輸出規制に引っかからないよう、弾頭を軽めにしている。発射重量2183kg。推進は固体燃料ロケット１段式、射程80-260km。弾頭はHE-FRAG、クラスター、燃料気化弾頭で、弾頭重量480kg。CEPは50m以下。B611システムにより運用される。2000年頃から生産された。参考：月刊軍事研究6,’07、2,’05、9,’09

＜Ｂ−６Ｄ＞：轟炸６型Ｄ（爆撃機）を参照。

＜Ｂ６Ｎ＞：天山シリーズ（艦攻）を参照。

＜Ｂ６Ｎ１＞：天山一一型（艦攻）を参照。

＜Ｂ６Ｎ２＞：天山一二型（艦攻）を参照。

＜Ｂ６Ｎ２ａ＞：天山一二型甲（艦攻）を参照。

＜Ｂ７Ａ１＞：流星（艦攻）を参照。

＜Ｂ７Ａ２＞：流星改（艦攻）を参照。

＜Ｂ−８Ｍ１＞：ソ連軍のS-8ロケット弾20連装ランチャーで、固定翼機搭載用である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ−８Ｖ２０＞：ソ連軍のS-8ロケット弾20連装ランチャーで、ヘリコプター搭載用である。全長1.95m、直径0.52m、空虚重量100kg、装填重量332kg。ロケット弾は0.05秒間隔で発射される。参考：月刊軍事研究3,’99、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ−１０装甲兵員輸送車＞：ロシア陸軍が開発中の装甲兵員輸送車、オブイェークト693。車体はクルガーニェツ25中型装軌プラットフォームで、12.7mm機銃6P49（NSVT）または7.62mm機銃PKTM装備の6S21遠隔操作銃塔を兵員室上面に搭載する。エンジン出力800馬力。ESU-TZ戦場情報システムを搭載する。2015年5月9日の対独戦勝70周年記念式典で試作型が公開された。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊PANZER8,’18

＜Ｂ−１０爆撃機＞：アメリカ陸軍爆撃機。マーチン社が自主開発し、1933年1月17日に陸軍から発注された。全金属製単葉双発機で、機首には鳥かごのような回転銃塔が搭載されており、胴体前後にそれぞれ操縦士席と通信員・後部銃座操作員席が設けられている。操縦士席には当初風防が無かったが、後で追加され、更に前後のキャノピーがくっつけられて胴体上面の殆どを覆うという凄い格好になってしまった。胴体下部は爆弾倉を設けたために膨らんでいる。各型合計189機が輸出され、そのうち120機がオランダ領東インド陸軍航空隊に引き渡されて太平洋戦争で最初に戦闘に参加したアメリカ製爆撃機となった。日本軍の手に落ちた機体もあるようだが、どう使われたかは不明。参考：月刊JWings9,’04、図解世界の軍用機史

＜Ｂ−１０フライトジャケット＞：アメリカ陸軍航空隊の爆撃機隊員用フライトジャケットで、第２次大戦中期から装備された。陸海軍共通化を図る予定だったが、海軍が拒否したので陸軍のみが使用している。従来の革製から厚手のコットン製（色はオリーブドラブ）に転換していて、襟にファー（ムートン）を付け、肩にエポレットを穿ってあり、動きやすさと防寒性能を両立させている。狭いコクピットに乗る戦闘機パイロットも着用していた。参考：月刊丸3,’14、ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｂ−１０プロップ・ヘリコプター＞：アメリカのベンセン社がフライング・ジープ構想に応募した１名用垂直離着陸機。中央に座席があり、その前後にエンジンとプロペラを上に向けて配置しており、片方のエンジンのみ出力を上げればピッチ制御、プロペラの下にあるベーンを操作すればヨー制御が行える。前進・後退はピッチ制御で機体全体を前後に傾けて行う。総重量295kg。エンジンはマッカロック4318E空冷（72馬力）２基。1959年に初飛行したが、採用されなかった。参考：月刊JWings8,’13

＜Ｂ−１０無反動砲＞：ソ連陸軍82mm滑腔無反動砲。参考：月刊軍事研究2,’03

＜Ｂ−１１＞：Mk11（核爆弾）を参照。

＜Ｂ−１１歩兵戦闘車＞：ロシア陸軍が開発中の歩兵戦闘車、オブイェークト695。車体はクルガーニェツ25中型装軌プラットフォームで、砲塔は主砲にテレスコープ弾を使用する45mm機関砲を搭載する新型か、T-15重歩兵戦闘車と同じエポーハ無人砲塔（9M133コルネット対戦車ミサイル、30mm機関砲2A42、7.62mm機銃）を兵員室上面に搭載する。重量25トン級。エンジン出力800馬力。浮航能力あり。ESU-TZ戦場情報システムを搭載する。乗員３名＋乗車兵員８名。2015年5月9日の対独戦勝70周年記念式典で試作型が公開された。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊PANZER8,’18

＜Ｂ−１１無反動砲＞：ソ連陸軍107mm滑腔無反動砲。朝鮮戦争で鹵獲したアメリカ製無反動砲を参考に開発した。参考：月刊軍事研究2,’03、ワルシャワ条約機構軍特殊部隊

＜Ｂ．１２／３６＞：イギリス空軍の試作４発重爆。1936年にレジナルド・モッチェル技師が設計し、スーパーマリン社が開発した。爆弾搭載量３トン・航続距離5000kmの機体として計画されたが、ドイツ軍の爆撃で試作機が破壊され、開発中止となった。参考：第二次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂ−１３シリーズ＞：ソ連軍のS-13ロケット弾用５連装ポッド。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ−１３Ｌ＞：固定翼機用。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ−１３Ｌ−１＞：ヘリコプター用。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ１４＞：スコダ社が開発した試作220mm迫撃砲。砲身長3m、戦闘重量1680kg。砲弾重量177kg。最大射程2000m。チェコスロバキア併合後はドイツ軍が改造を加え、69式21cm重迫撃砲として使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｂ−１５フライトジャケット＞：アメリカ軍の爆撃機隊員用フライトジャケット。ナイロン地で、左右の胸の上部に落下傘ハーネスを固定する皮革パッチが付いている。襟には羊のファーを付けた。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｂ−１５Ｃフライトジャケット＞：アメリカ空軍のフライトジャケット。ナイロン製で、濃い青色（エアフォース・ブルー）をしている。参考：月刊JWings1,’14

＜Ｂ１７＞：Mk17（核爆弾）を参照。

＜Ｂ−１７爆撃機＞：スウェーデン空軍単発偵察爆撃機。L-10偵察機という名称で1938年11月に試作機２機がサーブ社に発注され、1940年5月に初飛行し、急降下爆撃が可能な軽爆撃機として採用された。全金属製モノコック構造で、主翼は中翼配置、主脚は半引き込み式。全長9.8m、全幅13.72m、全備重量3970kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1830ツインワスプ（1065馬力。スウェーデン製マーキュリーエンジンやピアッジオP9エンジンを搭載したものもある）単発、巡航速度390km、最大速度435km、実用上昇限度8700m、航続距離1800km。固定武装は7.9mm機銃３丁。爆弾700kgを搭載できる。乗員２名。1940年12月から1944年9月までに322機が生産され、1941-48年に実戦配備された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、JWings11,’00、月刊軍事研究1,’16

＜Ｂ−１７爆撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍重爆撃機、別名フライングフォートレス（空中沿岸砲要塞）。ターボチャージャーを装備した最初の爆撃機であり、アメリカ初の４発重爆撃機でもある。1934年8月に各航空メーカーに陸軍資材部から爆弾900kg搭載で戦闘行動半径1640km・最大速度332kmという要求仕様が出され、ボーイング社は受注獲得のため爆弾2200kg搭載で航続距離4800km・最大速度380kmを出せるモデル299（1935年7月28日初飛行）を提出した。しかし平時には高価すぎるとしてB-18に負け、増加試作13機の発注しか出されず、危うく倒産しかけたが、後にB-17B/C/Dの発注を得て何とか命脈を繋ぎ、第２次大戦開戦後は大量の発注を受けた。1936年12月に試作機Y1B-17が、1938年4月にターボチャージャー付き試作機Y1B-17Aが初飛行した。モデル299はXB-17と呼ばれる筈だったが、命名前に墜落してしまったため、Ｘナンバーの機体は存在しない。各型合わせて12726機（12731機？）が生産され、主に対空火力が強力なヨーロッパ戦線に投入され、4750機を喪失した。元は洋上の敵艦隊を爆撃するために開発されたが、ヨーロッパの陸上で使ってみると防御力が不足していたため、防御武装と装甲を強化した結果、非常に耐久性が高くなり、Bf109が衝突して胴体全周の３分の２がちぎれて水平尾翼が１枚無くなったり、高射砲で機首や胴体後部が吹き飛んだりしても帰還できた。中には高射砲弾を被弾して搭載していた1000ポンド爆弾が誘爆したにも関わらず帰ってきた機体もある。そのため、クイーンという尊称で呼ばれることもあった。ヨーロッパ・地中海方面では291508ソーティをこなし、爆弾640036トンを投下、6659機を撃墜し、戦闘損失は4688機（１ソーティ当たり損失率1.61%）だった。参考：月刊JWings11,’04、10,’09、11,’10、月刊丸6,’03、10,’93、月刊軍事研究5,’03、歴史群像10,’06、6,’08、世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−１７Ｂ＞：最初の量産型で、1937年11月に発注され、1939年6月に初飛行した。ターボチャージャー付きライト・サイクロンR-1820-51（1000馬力）を装備し、実用上昇限度11278mを誇る。プロペラは定速３翅。機首を再設計して爆撃手が機体最前部に位置するようにし、機首下部に方向探知アンテナを装備。機首から一段下がった位置にある操縦室の上部には天測用の透明ドームが設けられている。操縦席後方上面に上方銃座、そのやや後方の機体下面に下方銃座、更にやや後ろの機体両側に側方銃座があり、それぞれ12.7mm旋回機銃を装備する。機首には7.7mm旋回機銃１丁を搭載した。39機が生産された。参考：月刊JWings11,’04、月刊丸6,’03、歴史群像6,’08

　＜Ｂ−１７Ｃ＞：Ｂ型のエンジンをライトR-1820-65（1000馬力）に変更し、機首に４ヵ所の銃眼を追加、上方・側方銃座をブリスター式から平面ガラスに改め、胴体下部の銃座をバスタブ型にした。セルフシーリング式燃料タンクを採用、方向探知アンテナにはフェアリングを追加している。1939年3月に発注されて1940年7月21日から11月に38機が引き渡され、うち20機がフォートレス�Tとしてイギリスに送られ、残る18機はＤ型に改造された。参考：月刊JWings11,’04、月刊丸6,’03、歴史群像6,’08

　＜Ｂ−１７Ｄ＞：Ｃ型のエンジンナセルにカウルフラップを装備し、上方・下方銃座を連装としたもの。42機が発注されて1941年2月から配備された。参考：月刊JWings11,’04

　＜Ｂ−１７Ｅ＞：Ｄ型の後部胴体を太くし、主翼スパンを3m延長、防御装甲を強化し、尾翼を大型化してドーサルフィンを付け、尾部銃座（連装12.7mm機銃）を新設した。下方銃座は遠隔操作式動力銃塔（連装12.7mm機銃）に変更し、天測ドームのあった位置にも遠隔操作式動力銃塔（連装12.7mm機銃）が付いた。側方銃座は丸窓から角形に変更している。全長20.7m、全幅31.5m、総重量24トン。エンジンはライトR1820-65（1000馬力）４発、最大速度515km、航続距離2400海里。乗員10名。第二次世界大戦勃発を受けて1941年9月5日から512機が生産された。当初太平洋戦線に配備され、強力な防御により日本軍を悩ませたが、大型のため運用が難しく、ヨーロッパで主に使用されるようになった。生産途中で、遠隔操作式動力銃塔が直接操作式の球形銃塔に換えられている。45機はフォートレス�Uとしてイギリスに送られた。参考：月刊JWings11,’04、月刊丸6,’03、10,’93、ラバウル航空戦

　＜Ｂ−１７Ｆ＞：Ｅ型のエンジンをR-1820-97に強化し、機首機銃を４丁に増加、防弾燃料タンクを採用したもの。外翼に燃料タンクを追加しており、航続距離が延伸されて東京までの片道飛行もできるとのことでトーキョー・タンクなどという通称が付けられた。生産途中から、操縦席前方に天測窓を追加している。ノルデン爆撃照準器用に前方風防ガラスが平板になり、プロペラブレードが厚くなった。後期型からは側方銃座にプレキシガラスが付いた。全長22.6m、全幅31.6m、全高5.80m、自重15.42トン、全備重量25.65トン。エンジンはR-1820-97（1200馬力）４発、最大速度480km、実用上昇限度12000m（10786m？）、航続距離2100km（3220km？）。防御武装は12.7mm機銃12丁。爆弾2.9トンを搭載できる。乗員９名（10名？）。1942年5月から引き渡され、3405機が生産された。参考：月刊JWings11,’04、10,’09、月刊丸6,’03、歴史群像6,’08

　＜Ｂ−１７Ｇ＞：最終型。正面攻撃に対抗するため、機首下面に動力銃塔（連装12.7mm機銃）、機首左右に12.7mm旋回機銃１丁ずつを搭載した。新型電動爆弾投下装置も積んでいる。方向探知アンテナが機首下部から主翼前縁付け根あたりに移っている。B-22ターボチャージャーにより実用上昇限度は11000メートル以上となり、編隊飛行では時速320km、巡航速度は高度7500mで420km、戦闘条件では高度9000mで480km出せるようになった。後期型からは側部銃座がプレキシガラス付きの密閉式となり、尾部銃座がシャイアン型機銃架を持つ動力銃塔に換わった。全長22.78m、全幅31.63m、全高5.82m、自重16.33トン、最大離陸重量29.484トン。エンジンはライトR-1820-97サイクロン（1200馬力・水噴射時1380馬力）４基、最大速度465km、上昇限度11200m、航続距離3220km（爆弾２トン）／5800km（フェリー）。防御兵装は12.7mm機銃13丁。標準積載量2.721トン、最大積載量4.9トン（８トン？）。乗員10名。1943年7月から1945年7月29日に8680機が生産された。参考：月刊JWings11,’04、月刊丸6,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、歴史群像6,’08

　＜Ｂ−１７Ｈ＞：B-17Gの胴体下部に救命ボートを付けたもの。参考：月刊JWings11,’04

＜Ｂ−１７ファミリー＞

　＜Ｂ−４０＞：第８航空軍の爆撃機護衛型で、B-17Fを改造した重武装型である。鈍重で爆撃機編隊について行けず、失敗作になったが、機首下部の銃塔は有効性が確認されてB-17Gに採用された。参考：月刊JWings11,’04、歴史群像6,’08

　＜ＢＱ−７＞：B-17E/Fを無線誘導式自爆機に改造したもの。コクピットは開放式で、乗員の脱出を容易にしている。25機が改造され、V-1発射基地の攻撃に使用された。参考：月刊JWings11,’04、月刊ミリタリーエアクラフト4,’02

　＜ＣＢ−１７Ｇ＞：B-17Gの輸送機型。参考：月刊JWings2,’01

　＜Ｆ−９＞：偵察機型。B-17Fから29機、B-17Gから９機が改造された。参考：月刊JWings11,’04

　＜ＰＢ−１Ｇ＞：沿岸警備隊の救難機。B-17Gベースで、胴体下に安定フィン付き大型ボートを搭載しており、海難現場に投下する。17機を導入した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＰＢ−１Ｗ＞：アメリカ海軍の早期警戒機型。B-17Gがベースで、機首下面のレドームにAN/APS-120レーダーを搭載している。1950年代末期に40機が改造され、研究開発に使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings7,’04、月刊軍事研究1,’17

　＜ＶＢ−１７＞：要人輸送機型。参考：月刊JWings2,’01

＜Ｂ−１７海外シリーズ＞

　＜Ｂ−１７Ｃ（日本軍）＞：日本軍が太平洋戦争南方戦線で飛行可能なB-17C爆撃機１機を鹵獲した。参考：月刊丸5,’13

　＜フォートレス�T＞：イギリス空軍爆撃機。イギリスに送られたB-17Cで、1940年に20機が配備された。訓練のみに使用する筈だったが、1941年7月8日にヴィルヘルムスハーヘン軍港に実験爆撃を行った他、同年9月2日にハノーバー、9月8日にオスロを爆撃している。機密上の理由でノルデン照準器がスペリー照準器に変更されており、防御力も爆弾搭載量も少なく、初期トラブルも多く、後に洋上哨戒に回された。参考：月刊JWings11,’04、月刊丸6,’03、歴史群像6,’08

　＜フォートレス�U＞：イギリス空軍爆撃機。イギリスに送られたB-17Eで、洋上哨戒に用いられている。参考：月刊JWings11,’04

＜Ｂ−１７海外ファミリー＞

　　＜Ｂ−１７（スウェーデン）＞：スウェーデン空軍輸送機。不時着した９機を搭乗員と引き替えに譲り受け、うち７機を輸送機に改造した。残る２機は部品取りにしている。１機はデンマークで民間輸送機として使用された後にフランス国立地理院で航空写真撮影機として使われ、アメリカに戻って空軍博物館に展示されている。参考：月刊航空ファン6,’11

　＜Ｂ−１７Ｅ（日本軍）＞：日本軍が太平洋戦争南方戦線で飛行可能なB-17E爆撃機１機を鹵獲して本土に送り陸軍航空審査部に配備、テストや陸海軍戦闘機隊の射撃訓練標的に使用した。海軍では前下方から接近して反転離脱するという攻撃訓練を行ったが、技量低下で接近しすぎて接触事故を起こしたため、以降は訓練を行う海軍戦闘機隊の隊長をB-17Eに同乗させて人質（？）にしたという。参考：丸エキストラ版No.71

＜Ｂ１８＞：Mk18シリーズ（核爆弾）を参照。

＜Ｂ−１８爆撃機シリーズ＞：スウェーデン空軍双発爆撃機。サーブ社がアメリカ人技術者の協力を得て開発し、当初はB-25類似のデザインだったが、技術者が帰国してしまい設計を変更、Ju88/Do17のような感じになった。1942年に初飛行し、1944年6月から引き渡され、1948年までに各型計244機が生産された。参考：JWings11,’00、月刊軍事研究1,’16

　＜Ｂ−１８Ａ＞：最初の量産型で、1942年7月に発注された。全長13.2m、全幅17.04m、全備重量8690kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1830ツインワスプ（1065馬力）双発、巡航速度415km、最大速度465km、実用上昇限度8000m、航続距離2200km。防御武装は13.2mm機銃２丁、7.7mm機銃１丁。乗員３名。1944年3月から1945年12月に62機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｂ−１８Ｂ＞：Ａ型が鈍足だったため、エンジンをDB605に換えたもの。第２次大戦終結後に120機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｔ−１８Ｂ＞：B-18Bに57mm砲を搭載、雷撃もできるようにしたタイプ。62機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂ−１８爆撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍双発爆撃機、別名ボロ（Bolo、山刀）。ダグラス社がB-17と競争試作したもので、性能はいまいちだったが、値段がB-17の６割と安かったので177機（ちなみにB-17は13機）が発注され、1937年から各型計350機が生産された。太平洋戦争開戦時にハワイに４個爆撃航空群33機が配備されていたが、真珠湾攻撃で12機が破壊され、フィリピンにも１個爆撃飛行隊が配備されていたが、12月8日に７機が破壊された。参考：月刊JWings1,’02、図解世界の軍用機史、月刊航空ファン4,’16

　＜Ｂ−１８＞：DC-2の主翼とエンジン、DC-3の尾翼を流用し、胴体はDC-2より細身である。全長17.63m、全幅27.28m、全高4.62m。最大速度348km、航続距離1450km。最大爆弾搭載量1996kg。1937年2月から131機が納入された。参考：月刊JWings10,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊航空ファン4,’16

　＜Ｂ−１８Ａ＞：機首を延長してガラス張りの爆撃手席を設け、機首銃座を下に移し、エンジンを変更したタイプ。全長17.6m、全幅27.6m、全高4.6m、自重7400kg、全備重量12550kg。エンジンはライトR-1820-53（1000馬力）双発、巡航速度269km、最大速度346km、実用上昇限度7280m、航続距離1400km。防御武装は12.7mm機銃３丁。爆弾など3000kgを搭載可能。乗員６名。1938年5月から217機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings10,’04

　＜Ｂ−１８Ｂ＞：対潜哨戒機型で、Ａ型から76機（122機？）が改造された。爆撃手席を撤去してレーダーを装備し、尾部にMk�WMADを搭載している。１年程でB-24に任務を交替し、その後は訓練機・輸送機として使用された。参考：月刊JWings10,’04、月刊航空ファン4,’16

＜Ｂ−１８ファミリー＞

　＜Ｃ−５８＞：B-18シリーズから改造された本格的輸送機型。２機のみ製作されて使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ｂ−１８海外シリーズ＞

　＜ディグビイ＞：カナダ空軍爆撃機。1940年7月15日からカナダ南東部ガンダーの部隊に配備された。参考：月刊航空ファン4,’16

＜Ｂ２０＞：Mk20（核爆弾）を参照。

＜Ｂ．２０＞：イギリス空軍試作哨戒飛行艇。1936年の要求に基づいてブラックバーン社が開発した。着水時には胴体の下３分の１が分離してフロートになる。1940年に初飛行したが、事故で全損して開発中止になった。全長21.22m、全幅25.04m、全備重量15.88トン。エンジンはロールスロイス社製バルチャー（1830馬力）双発、巡航速度320km、最大速度429km、航続距離2400km。乗員６名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂ２１核爆弾シリーズ＞：アメリカ軍の水素爆弾で、Mk21ともいう。シュリンプの小型化バージョンで、パラシュート制動＋接触信管により硬目標攻撃能力を持つ。空中炸裂信管も用意されている。全長3.8m、直径1.48m、重量7.875トン。威力は4-5メガトン。B-36、B-47、B-52に搭載できる。1955年12月に就役したが、何らかの不都合があったらしく、翌年には退役を開始してB36核爆弾に改造された。参考：核兵器事典、月刊軍事研究8,’05、8,’99、アメリカの核兵器

　＜Ｂ２１Ｍｏｄ０＞：

　＜Ｂ２１Ｍｏｄ１＞：威力４メガトン。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ２１Ｍｏｄ２＞：威力4.5メガトン。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ２１Ｍｏｄ３＞：威力５メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ−２１爆撃機＞：アメリカ空軍爆撃機、別名レイダー（Raider。太平洋戦争時の日本本土奇襲爆撃部隊ドゥーリットル・レイダースから）。計画名はLRS-Bで、2016年2月26日に空軍長官が制式名（21なのは21世紀初の爆撃機なので）、9月19日に別名が発表された。B-1BとB-2Aの後継であり、B-52HはB-21就役後も配備を続ける。開発期間短縮のためTRLレベル6-7の既存技術を使用し、改良を容易にするためオープン・アーキテクチャ、モジュール構造、プラグ・アンド・プレイ方式を適応、新型機材を１日で統合できるようにする。アメリカ空軍が2016年2月26日に公表した予想イラストでは、見た目はB-2とだいたい同じ感じの全翼機で、エアインテイクは主翼前縁後退角に合わせてステルス性を強化し、低空機動性能は要らないと判断したのか機体後縁を単純なＷ字にしてこちらもステルス性改善を図っている。主脚をダブルにしてカバーを小型化し、前脚カバーも小型化して両者とも前後を鋸歯状にする。UHF/VHFレーダーに対するステルス性も有し、無人運用も可能とする。エンジンは双発または４発、メーカーはプラット＆ホイットニー社で、開発期間短縮のため既存のエンジンをベース（F-35用F135のアフターバーナー抜き）にするようである。仮想敵の新型防空システムを突破し、A2/AD環境下でも目標を破壊できるペネトレイト爆撃機で、十分な航続距離（作戦行動半径2000-2500海里らしい）とウェポンベイの大きさ（GBU-57/Bを１発積めるくらいらしい）と兵装搭載量（13.6-15.8トンくらいらしい）を持ち、対空脅威が限定される高度60000フィート以上を飛行して戦略攻撃、深地下施設破壊、TEL狩りなどを行う。ただ単機でA2/AD環境に抗うのは限界があるので、P-CA（Penetrating-Counter Air。ステルス戦闘機が担当）、P-EA（Penetrating-Electronic Attack。ステルス戦闘機が担当）、P-ISR（Penetrating-Intelligence, Surveillance and Reconnaissance。ステルス無人偵察機が担当）を指揮管制しつつ任務に就く。高い指揮管制能力を活かし、非ステルス機による長射程巡航ミサイル攻撃やSEAD任務の支援も行える。ISR任務にも投入されるらしい。B-2より安くして（目標価格１機600億円）数を揃えられるようにする。2020年代半ばから実戦配備し、2040年までに10個航空宇宙遠征部隊などへの配備分として174-205機（１個あたり12機ずつ）または100機（１個あたり８機ずつ）を調達する予定。配備基地はB-1B/B-2Aと同じテキサス州ダイエス空軍基地、サウスダコタ州エルスワース空軍基地、ミズーリ州ホワイトマン空軍基地を予定しており、初実戦配備はエルスワースになる。2018年11月28-30日、兵装システムの最終設計審査CDRを行い、問題無く終了、試作初号機の製造に移ることになった。2022年初めに試作初号機が完成する予定だったが、2022年8-12月に遅れる見込み。初飛行は2022年半ばの予定が2023年になる。2022年3月3日、アメリカ空軍協会シンポジウムで、ノースロップ・グラマン社が６機を製作中で、初号機が地上試験に入っていると、空軍次官補が発表した。12月2日、カリフォルニア州パームデールの空軍プラント42で初公開された。ただし正面のみで、全翼機、胴体中央下面の張り出し部（多分ウェポンベイ部）の底面が平らで外翼に向かって急峻に薄くなる（B-2爆撃機は下面中央から翼端へとなだらかに薄くなる）、エアインテイクは機体上面左右に１基ずつで機体にかなり埋め込まれた形状、降着装置は前輪式（全てダブルタイヤ）といったことしか分からない。参考：月刊軍事研究2,’18、5,’16、2,’17、月刊航空ファン10,’19、6,’16、7,’16、8,’16、12,’16、4,’17、7,’18、月刊JWings5,’18、3,’19、10,’21、5,'22、10,'22、2,'23、朝雲

＜Ｂ２１Ａ−３＞：J21シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ｂ−２２＞：K-22（潜水艦）を参照。

＜Ｂ−２２＞：ダグラス社の試作爆撃機。B-18の改良型で、エンジンをライトR-2600-2（1600馬力）に換装している。採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ｂ−２３＞：アメリカ陸軍航空隊の双発爆撃機、別名ドラゴン。ダグラス社がB-18の後継として開発し、1939年7月27日に初飛行した。B-22の主翼をDC-3のものに代え、胴体と尾翼を再設計している。全長17.79m、全幅28.04m、全高5.63m、自重8600kg、全備重量12020kg。エンジンはライトR-2600-3（1600馬力）双発、巡航速度339km、最大速度454km、実用上昇限度9630m、航続距離2255km。防御武装は胴体中央、後部下面、尾部の7.7mm機銃１丁ずつ計３丁。爆弾搭載量910kg。乗員６名。２号機以降はソリッドノーズから透明ノーズとなり、機首に防御用機銃を１丁追加した。38機が生産されたが、B-25やB-26よりも鈍足で、４発機のB-17には及びも付かず、活躍の場は無かったため、輸送機やテストベッド機として使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings1,’02

＜Ｂ−２３ファミリー＞

　＜ＵＣ−６７＞：輸送機型で、1943年まではC-67と呼ばれていた。少なくとも18機が改造された。参考：月刊JWings1,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜テスト機＞：テストベッド型。１機がエマーソン・エレクトリック社に引き渡されて遠隔銃座システムや爆撃照準システムの研究に使用され、もう１機がプラット＆ホイットニー社に引き渡されてR-1850-5エンジンやプロペラのテストに使用された。参考：月刊JWings1,’02

　＜粒子サンプル収集機＞：雲の粒子サンプルを集める機体で、1974年にNASAに引き渡された。参考：月刊JWings1,’02

＜Ｂ２４＞：Mk24（核爆弾）を参照。

＜Ｂ−２４爆撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍航空隊４発爆撃機、別名リベレーター（Liberator、解放者）。コンソリデーテッド社がB-17のライセンス生産を断って独自開発、1939年に初飛行し、各型合計18181機（零戦より多い）が生産され、世界最多生産爆撃機となった。フォード社ウィロー・ラン工場では1944年だけで5476機が生産され、重量で比較すると日本が太平洋戦争時に生産した全軍用機合計を上回るという。B-17よりも航続距離が長いのが特徴だが、主翼が細いので被弾に弱く、前脚が出ないと着陸時に全損する恐れが高く、爆弾倉扉が脆いので不時着水時に浸水したり、最悪胴体が折れたりすることもあった。このため、火力の大きいドイツ軍機が跋扈するヨーロッパ戦線は避け、航続力を活かせる太平洋戦線（1942年11月から第５航空軍に配備）と地中海戦線で主力として使用された。地中海・ヨーロッパ方面では226775ソーティをこなし、爆弾452508トンを投下、1617機を撃墜し、戦闘損失は3626機（１ソーティ当たり損失率1.6%）だった。参考：月刊JWings2,’05、5,’15、月刊丸6,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊歴史群像10,’06、ラバウル航空戦、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜ＸＢ−２４＞：試作機で、1939年12月29日に初飛行した。最大速度が440kmしか出なかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings2,’05

　＜ＹＢ−２４＞：原型機で、1940年5月から引き渡された。まずイギリスで哨戒機として使用され、アメリカ陸軍には１機が引き渡されて主に輸送機として使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings2,’05

　＜Ｂ−２４Ａ＞：増加試作機で、1941年に９機が製作された。主翼は高翼配置、垂直尾翼は双尾翼。防御武装は機体前後左右と後下部の12.7mm機銃１丁ずつ。エンジンはライトR-1830-33（1200馬力）４基。主に輸送任務に投入されている。参考：月刊JWings2,’05、月刊丸6,’03

　＜ＸＢ−２４Ｂ＞：エンジンをターボ・スーパーチャージャー付きのR-1830-41（1200馬力）に換えたもの。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２４Ｃ＞：試作型で、ターボ・スーパーチャージャー付きエンジンを搭載する。９機が製作された。参考：月刊JWings2,’05、月刊丸6,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２４Ｄ＞：最初の実戦用量産型。胴体の正面断面は縦長の長方形をしており、爆弾倉扉はローラーシャッター式である。主翼は層流翼で、アスペクト比が高く、航続距離を重視した。降着装置は前輪式。Ａ型よりも機首を延長し、天測ドームを設け、前方銃座を左右１丁ずつに増やしている。上方銃塔（12.7mm機銃２丁）、引き込み式下部球形銃座（12.7mm機銃２丁）を持ち、尾部銃座も12.7mm機銃２丁に強化された。全長20.22m、全幅33.3m、全高5.46m、自重14790kg、全備重量27216kg。エンジンはR1830-43ターボ過給器付き（1200馬力）４発、最大速度488km、実用上昇限度8530m、航続距離3700km。爆弾搭載量2500kg。乗員10名。改良を行いつつ1942年1月から1943年9月までに2738機（2828機？）が生産された。参考：月刊JWings2,’05、5,’15、月刊丸6,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊歴史群像10,’06

　＜Ｂ−２４Ｅ＞：生産数791機。参考：月刊丸6,’03

　＜Ｂ−２４Ｇ＞：生産数430機。参考：月刊丸6,’03

＜Ｂ−２４Ｈ＞：機首にエマーソン砲塔を装備したタイプ。生産数3100機。参考：月刊JWings2,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２４Ｊ＞：Ｄ型の機首を延長し、航法士窓の形状を変更したもの。全長20.47m、全幅33.53m、全高5.49m、自重14790kg、全備重量25400kg、過荷時総重量29480kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1830-65ツインワスプ空冷星形14気筒ターボチャージド（1200馬力）４発、巡航速度346km、最大速度467km、実用上昇限度8534m、航続距離5955km（最大）／3380km（爆弾2300kg）。防御武装は12.7mm機銃連装動力銃塔４基（機首、胴体前部上面、胴体後部下面、尾部）、手動12.7mm機銃２丁（後部胴体両側）。最大爆弾搭載量5800kg。乗員10名。生産数6728機（コンソリデーテッド・バルティ社サンディエゴ工場2792機、同社フォートワース工場1558機、ノースアメリカン航空機社ダラス工場536機、フォード自動車ウィローラン工場1587機）。参考：月刊JWings5,’15、月刊軍事研究5,’03、月刊丸6,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２４Ｌ＞：胴体下面の球形銃座を外したタイプ。参考：月刊JWings2,’05

　＜Ｂ−２４Ｍ＞：胴体側面の銃座を密閉式とし、胴体下面の球形銃座を復活させたタイプ。参考：月刊JWings2,’05

　＜Ｂ−２４Ｎ＞：フォード自動車ウィローラン工場で5168機を生産予定だったが、ドイツ降伏でキャンセルされた。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｂ−２４ファミリー＞

　＜Ｃ−８７シリーズ＞：C-87シリーズを参照。

　＜Ｃ−１０９＞：C-109を参照。

　＜ＰＢ４Ｙ−１＞：アメリカ海軍対潜哨戒機、別名コロネード。B-24各型がベースで、銃座に変更を加えている。1943年に陸軍から1000機近くが移管されて運用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊丸6,’03

　＜ＰＢ４Ｙ−２＞：アメリカ海軍対潜哨戒機、別名プライバティア。搭乗員はツー・バイ・フォーのニックネームを付けた。垂直尾翼を背の高い１枚とし、胴体を2m延長、エンジンをターボチャージャー無しの低空用に換え、レーダーと対潜機器を搭載し、機首・胴体上部前後・両側面・尾部に12.7mm機銃を２丁ずつ計12丁装備する。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R1830-94（1350馬力）４基、航続距離4670km。魚雷、爆弾、爆雷、機雷、レーダー誘導爆弾など12800ポンド（5806kg。3628kg？）を搭載できる。乗員11名。1944年3月から引き渡されて8月から配備され、４発大型機らしからぬ機動性と大火力を活かして日本軍戦闘機に正面戦闘を挑むこともあった。1944年3月から1945年10月に739機が生産された。1951年にP4Y-2に改称され、1960年代まで運用された。参考：月刊JWings2,’05、12,’03、11,'20、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊航空ファン8,’19、月刊軍事研究9,’16

　＜ＴＢ−２４Ｈ＞：B-29銃手用訓練機。胴体上部と側面に遠隔操作機銃照準用ブリスターを設け、尾部にAN/APG-15Bを装備し、胴体上下に遠隔操作銃塔、尾部にB-29と同様の銃座を設置している。参考：歴史群像4,’16

　＜プライバティア無人爆撃機＞：PB4Y-2対潜哨戒機を改造して自動操縦式無人爆撃機としたもの。炸薬11.3トンを搭載しており、ドイツ国防軍のFi-103巡航ミサイル基地・A4弾道ミサイル部隊やＵボート基地に突入するのが主任務である。乗員２名が乗り込み、高度600mで目標基地にコースを設定してパラシュートで脱出、あとは機体が無人で突入する。参考：月刊ミリタリーエアクラフト4,’02、月刊軍事研究2,’04

＜Ｂ−２４海外シリーズ＞

　＜リベレーター＞：イギリス空軍対潜哨戒／輸送機。仕様は増加試作型YB-24と同じで、25機が輸出され、19機が対潜哨戒に、６機が大西洋横断輸送機に用いられた。参考：月刊丸6,’03

　＜リベレーターＭｋ．�V＞：イギリス空軍哨戒機。B-24Dベースのレンドリース版で、胴体下面に引き込み式対水上レーダー、尾部にボールトンポール社製４連装7.7mm機銃座を装備する。参考：月刊航空ファン10,’17

＜Ｂ−２４Ｄ不時着＞：1958年、リビア砂漠で無人のB-24Dが発見された。1943年4月4日に北アフリカのベンガジ基地からイタリアのナポリに向けて出撃した機体で、墜落場所はナポリとは正反対の基地の南南東700kmであり、爆弾倉と後部脱出ハッチが開いていて乗員はパラシュート脱出したとみられた。乗員の遺体は1960年に墜落地点の北北東120kmで発見された。原因は、1943年4月5日0200、帰還中に強い追い風に遭った機体が基地を通り越してしまったことに気づかず、地中海上空と判断してパラシュート降下してしまったためで、日記から砂漠を８日間彷徨った末に死亡したことが判明した。無人の機体はそのまま水平に近い角度で砂漠に不時着したと推定された。参考：月刊JWings2,’05

＜Ｂ−２５シリーズ＞：アメリカ陸軍爆撃機で、Ｃ型以降からは別名ミッチェル（ウィリアム・ミッチェル少将から）と呼ばれた。B-17爆撃機とA-20攻撃機の間を埋め、B-18爆撃機の後継ともなる中型爆撃機として1939年3月11日に提案通達No.39-640（内容は最大速度300-350マイル、爆弾搭載量2000-4000ポンドで諸説あり）が86社に発出され、7月5日の期限には７社が応募し、４社が合格、グレン・Ｌ・マーチン社案（後のB-26）に次いで２位となったノースアメリカン社NA-62案を採用したものである。A-20攻撃機に負けたNA-40双発攻撃機がベースで、1939年9月20日に184機が試作機無しに量産発注された。初飛行は1940年8月19日で、9月には863機が追加発注されている。総生産機数11000機。第２次大戦地中海・ヨーロッパ方面では63177ソーティをこなし、84980トンの爆弾を投下、193機を撃墜し、戦闘損失は380機（１ソーティあたり損失率0.6%）だった。太平洋戦線では日本に初めて爆撃を行った機として有名で、スキップ・ボミングにより日本の輸送船団にも多くの損害を与えた。1945年7月28日、VIP輸送中のB-25Dがエンパイアステートビルの78-79階に激突する事故を起こした（死者14人）。参考：世界の傑作機No.155、月刊JWings1,’04、6,’18、世紀の失敗物語、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂ−２５＞：主翼は中翼配置で、上反角が付いており、テストで方向安定性不足が指摘されたため、10号機からエンジンナセル外方の上反角を無くしたガル翼を採用した。垂直尾翼は双尾翼、降着装置は前輪式。エンジンはR-2400-9（1700馬力）双発、プロペラは３翅。防御武装は機首の7.7mm旋回機銃１丁、機体後部側面の7.7mm機銃２丁ずつ、尾部の12.7mm旋回機銃２丁。24機が製作され、各種試験に供された。参考：月刊JWings1,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２５Ａ＞：B-25の装甲強化型。コクピットに防弾板を装備し、主翼の燃料タンクをセルフ・シーリング式とした。最大速度507km。40機が生産された。初陣は1941年12月24日で、日本海軍潜水艦を攻撃している。参考：月刊JWings1,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２５Ｂ＞：Ａ型の武装強化型。胴体上部に動力銃塔、胴体下部に引き込み式動力銃塔を追加し、機首の武装を7.7mm機銃２丁と12.7mm機銃１丁に換装、後部側面と尾部の銃座を廃止した。エンジンはR-2600-13に強化している。全長16.1m、全幅20.6m、自重9000kg、全備重量12800kg。エンジンはR-2600-13（1700馬力）双発、最大速度480km、実用上昇限度7000m、航続距離2090km。防御武装は12.7mm機銃６丁、7.7mm機銃１丁。爆弾搭載量900kg。生産途中から引き込み式テイルスキッドが固定式になった。120機が生産され、1941年8月から引き渡された。うち23機がイギリス空軍に送られ、ミッチェルMk.�Tとして配備された。参考：月刊JWings1,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、ミッドウェー運命の３秒間

　＜Ｂ−２５Ｂ（日本本土奇襲攻撃）＞：胴体下部銃座、尾部機銃（木製ダミーに換装）、通信機を外して軽量化し、機密漏洩防止のためノルデン照準器の代わりに簡易照準器（通称マーク・トゥエイン）を搭載、燃料タンクを増設（合計容量4330リットル）した。空母と向かい風の合成速度が時速50kmあれば滑走距離150mで発艦できる。16機が改造され、500ポンド爆弾３発、焼夷弾、ガソリン入り５ガロン缶を積んで全機が日本本土奇襲攻撃に向かった。参考：月刊JWings7,’01、1,’04、6,'21、月刊丸1,’07、世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２５Ｃ＞：外部兵装パイロンを追加し、燃料搭載量を増加させたもの。全長15.82m、全幅20.6m、全高4.82m、自重9210kg、全備重量15420kg。エンジンはライト・サイクロンR-2600-13（1700馬力）双発、最大速度457km、上昇限度6460m、航続距離2415km。防御武装は12.7mm機銃６丁。爆弾搭載量1360kg。乗員５名。生産途中から操縦席後方に天測窓を設置し、エンジン排気管を推力式単排気管に変更、翼内燃料タンクを大型化している。1941年12月から1619機が生産された。イギリスに555機が供与され、ミッチェルMk.�Uとして配備されている。参考：月刊JWings1,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２５Ｃ（７５ｍｍ砲搭載型）＞：機首をソリッドノーズにし、75mm砲１門と12.7mm機銃２丁を搭載したタイプ。参考：月刊JWings1,’04

　＜Ｂ−２５Ｃ（機銃強化型）＞：機首をソリッドノーズにするか、ガラス窓を塗り潰し、12.7mm機銃４丁を搭載したタイプ。参考：月刊JWings1,’04

　＜Ｂ−２５Ｃ−１＞：胴体下部に航空魚雷、主翼下面に爆弾を搭載できるように改修したタイプ。兵装搭載量2350kg。参考：月刊JWings1,’04

　＜Ｂ−２５Ｄ＞：カンザスシティー工場で生産されたB-25Cで、カウリングに突起があるものが多い。2290機が生産され、イギリスにミッチェルMk.�Uとして40機、ソ連に657機が供与された。参考：月刊JWings1,’04

　＜Ｂ−２５Ｇ＞：Ｃ型機首のガラス張り爆撃手席を撤去して75mm機関砲M4を搭載したもので、機首下部左寄りに75mm砲用の開口部がある。更に掃射用の12.7mm機銃２丁を機首に装備し、操縦士席と砲手席周囲は厚さ9.5mmの装甲で覆った。75mm砲の搭載弾数は21発（１発あたり重量6.81kg）で、１回の攻撃進入での発射回数は４回まで。222号機からは胴体下面の動力銃座を取り除いた。75mm砲M4の重量が過大で、使用上の制限も多かったため、撤去して12.7mm機銃２丁を搭載した機もあった。生産数405機。参考：月刊JWings1,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２５Ｈ＞：Ｇ型のM4を撤去して75mm軽量砲T13E1を搭載し、機首の機銃を正面４丁、操縦士席左右に２丁ずつの計８丁としたもの。上部動力銃座の位置をコクピットすぐ後方に変更し、そこにあったADFアンテナと無線アンテナを機体前方下面に移動、機体後方左右に12.7mm旋回機銃（右側面のものがやや前方に付いている）を取り付けた。また、機体尾部にも12.7mm旋回機銃を装備している。主翼下面に５インチ（127mm）HVAR４発ずつを搭載可能。全長15.54m、全幅20.60m、全高4.8m、自重9061kg、総重量15196kg、最大離陸重量16351kg。エンジンはR-2600-13（1700馬力）双発、巡航速度370km、最大速度443km、実用上昇限度7250m、航続距離2173km（爆弾1360kg搭載）。武装は75mm砲１門、12.7mm機銃14丁。爆弾1814kgを搭載できる。乗員５名。1000機が生産され、248機がPBJ-1Hとして海軍に納入された。参考：月刊JWings1,’04、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｂ−２５Ｊ＞：B-25Hから75mm砲を取り除いてガラス張りの爆撃手席に戻し、中高度爆撃能力を高めたタイプ。機首の武装も旋回式12.7mm機銃２丁に換装している。全長15.82m（16.1m？）、全幅20.6m、全高4.98m、自重8840kg、全備重量15880kg。エンジンはR-2600-17（1700馬力）双発、巡航速度370km、最大速度438km、実用上昇限度7380m、航続距離2173km。自衛武装は12.7mm機銃12丁。５インチ（127mm）ロケット弾８発、爆弾1360kgを搭載可能。乗員６名。4318機が生産され、海軍・海兵隊にもPBJ-1Jとして納入された。参考：月刊JWings1,’04、6,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２５Ｊ武装強化型＞：太平洋戦線では地上掃射やスキップ・ボミングなどで低空攻撃能力が求められたため、機首をソリッドノーズにして12.7mm機銃８丁を固定装備したタイプ。参考：月刊JWings1,’04

　＜ＰＢＪ−１Ｃ＞：海兵隊が使用したB-25C。超低空での強襲攻撃や地上掃射が主任務だったため、下部動力銃座とガラス張りの爆撃手席を撤去して金属張りのソリッドノーズとし、12.7mm機銃を数丁取り付けたり、コクピット左右に12.7mm機銃２丁ずつを装備したりした。1943年から引き渡された。参考：月刊JWings1,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＰＢＪ−１Ｄ＞：海兵隊が使用したB-25D。PBJ-1Cと同様の改造を施した他、機首にAPS-3夜間索敵用レーダーを搭載したものもある。参考：月刊JWings1,’04

　＜ＰＢＪ−１Ｈ＞：海軍が使用したB-25H。248機が配備され、一部には翼端にAN/APG-23捜索レーダーを装備していた。１機は着艦フックを取り付けてCV-38シャングリラへの着艦テストに成功したが、実用化はされなかった。参考：月刊JWings1,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＰＢＪ−１Ｊ＞：海軍・海兵隊が使用したB-25J。海軍型では航空魚雷やタイニー・ティム大型ロケット弾を装備でき、海兵隊型では機首にAPS-3夜間索敵用レーダーを搭載した。参考：月刊JWings1,’04

＜Ｂ−２５ファミリー＞

　＜Ｆ−１０＞：偵察機型。B-25Dの機首に大型カメラ用フェアリングを付け、同調式の三角測量撮影用カメラを搭載し、胴体後部にもK-17カメラを搭載した。爆弾倉内には燃料タンクを増設した。1943年から30-45機程度が配備され、カナダ軍に４機が供与された。参考：月刊JWings1,’04

　＜ＴＢ−２５Ｊ＞：朝鮮戦争ではパッシブレーダー探知装置を搭載し、B-26とハンターキラーチームを組んで対空砲を攻撃した。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｂ−２５海外シリーズ＞

　＜Ｂ−２５（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍爆撃機。1950年にアメリカからB-25C/D/J型計42機を輸入し、1970年まで使用した。参考：月刊航空ファン6,’17

　＜ミッチェルMk．�T＞：イギリスに輸出されたB-25B。参考：月刊JWings1,’04

　＜ミッチェルMk．�U＞：イギリスに輸出されたB-25C/D。参考：月刊JWings1,’04

＜ミッチェルMk．�V＞：イギリスに輸出されたB-25J。参考：月刊JWings1,’04

＜Ｂ２６核爆弾＞：アメリカの試作水爆で、Mk26ともいう。B21と同じケースを使用した戦略爆撃機用水爆だが、開発中止となった。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典

＜Ｂ−２６爆撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍航空隊中型爆撃機、別名マローダー（Marauder）。B-17大型爆撃機とA-20攻撃機の間を埋め、B-18爆撃機の後継ともなる中型爆撃機として1939年3月11日に提案通達CP　No.39-640（内容は最大速度300-350マイル、実用上昇限度20000フィート・6096m、航続距離3000マイル、爆弾搭載量2000-4000ポンド・907-1814kgで諸説あり）が86社に発出され、7月5日の期限には７社が応募し、４社が合格、グレン・Ｌ・マーチン社のモデル179案（細かいバリエーションを入れると15種類あった）が813.6点と最高点を獲得し、B-26として採用された。ちなみに２位のノースアメリカン社NA-62案（バリエーション83種類、673.6点）もB-25として採用されている。1939年9月20日に201機が発注され、プロトタイプ無しにいきなり量産に移され、1940年9月にはB-26Aが139機とB-26Bが791機追加発注され、1940年11月25日に初飛行し、1945年4月18日までに各型計5157機が生産された。セルフシーリングタンクと動力銃塔を初めて採用した航空機である。1942年度の10万時間当たり事故件数は162件とB-25（104件）の1.6倍あり、訓練中毎日１機がタンバ湾に落ちる（One a day in Tampa Bay）とか未亡人製造機（Widow Maker）とまで呼ばれたが、A-20攻撃機は206件も起こしているので、言う程突出していた訳ではない。ただ1942年7月と10月に国防計画調査特別委員会が生産中止の勧告（拘束力は無い）を出したり、1943年2-6月にパイロットを志願者だけにしたりといった措置が執られている。翼面荷重が高く着陸速度が速いためとされたが、実際の事故原因の大半はエンジンとプロペラの不具合によるものだったらしい。ちなみに片発停止では脚上げ状態で時速135マイル以上出していないと飛んでいられず、飛べたとしてもドーサルフィンは無く垂直安定板や主翼上反角も推力アンバランスに対応していない（第２次大戦時はこれが標準だった）から錐揉みの危険があり、脚下げ状態では高度を上げられないので着陸復行は不可能、離陸滑走中ならもう一方も止めてブレーキを踏みオーバーランしないよう祈り、離陸直後なら脚を引っ込めて胴体着陸するしかない。とはいえB-26の強力な支持者だったジェームズ・Ｒ・ドゥーリットル少将は1941年4月からマクディール陸軍航空隊基地でテスト飛行に従事し、片発飛行だけでなく片発離着陸や両エンジン停止着陸などを行っており、パイロットの実力次第だったのかもしれない。その後は機体・エンジン・プロペラの改良と熟練パイロット・教官の養成が進み、10万時間当たり事故件数は1943年度は65件（B-25は44件、A-20は155件）、1944年度は37件（B-25は24件、A-20は78件、A-26は84件）、1945年度は31件（B-25は24件、A-20は127件、A-26は51件）と激減した。太平洋戦争勃発時には２個爆撃航空群（中型）が本土にあり、1942年1月から１個がアリューシャン方面、2月から１個が太平洋戦線に送られ、4月からラバウルに低高度精密爆撃を実施して戦果を挙げた。ミッドウェイ海戦では第38爆撃航空群（中型）の４機が赤城に雷撃をかけたが全て外れ、２機が撃墜されている。B-25やA-20よりも生残性が高く好評だったが、長い整地滑走路が必要なのと整備性の問題からヨーロッパ戦線に移ることになり、1944年1月9日にB-26による太平洋戦線最後のミッションが行われている。ヨーロッパ方面ではまず北アフリカ戦線に送られることになり、1942年11月21日に１個爆撃航空群（中型）がアルジェリアに到着、更に２個が加わって北アフリカ上陸トーチ作戦に参加した。当初は低高度精密爆撃に向かうところをドイツ軍の高射機関砲に迎撃されて大損害（損失率5%）を出たため、12月26日に中高々度昼間爆撃に切り替える命令が出されている。ただ爆撃照準の際に20秒くらい水平直線飛行を維持する必要があり、ここを高射砲と迎撃機に狙われると危ない。ヨーロッパ戦線では1943年5月14日にオランダ北部の発電所を低高度精密爆撃したのが初陣だが、爆撃後の偵察では損害が見当たらず、5月17日に再爆撃を行ったものの、防衛強化にあたっていたドイツ軍機と高射砲部隊により全滅してしまった。そこでやはり中高度（8000-14000フィート・2438-4267mくらい）昼間爆撃に切り替えることになり、7月16日から出撃、損失率を1%未満にまで抑えることに成功している。頑丈な機体構造やセルフシーリングタンクによりドイツ軍相手でも高い生残性を発揮し、乗員にも好評だった。ヨーロッパ・地中海方面では129943ソーティをこなし、169382トンの爆弾を投下、402機を撃墜し、戦闘損失は911機（１ソーティあたり損失率0.7%）である。ヨーロッパ戦線における第９航空軍の統計では１ソーティあたり損失率0.5%で、アメリカ陸軍航空軍機の中で最小だった。ちなみに第２次大戦時の連合軍機最多出撃機はB-26B-25”Flak Bait”で、202回の出撃を記録し、機首部分がワシントンにある国立航空宇宙博物館に展示されている。参考：世界の傑作機No.155、JWings8,’04、4,'22、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊丸4,’13

　＜Ｂ−２６＞：最初の量産型で、1939年9月20日に201機が発注された。B-17爆撃機に倍の出力のエンジンを積んで双発にし、その分主翼を縮めて翼面積を半分以下に抑え、高速機（開発当時は戦闘機でも最大速度300マイルだった）としたような感じである。機体は全金属製だが、動翼は全て金属骨組み羽布張り構造。胴体は葉巻型で、断面はほぼ円形をしており、４本のロンジロン（強力縦通材）に円形フレームを配して外板を取り付けたモノコック構造で、主翼キャリースルー上面中央と爆弾倉下面開口部中央に補強用縦通材（キール）を取り付けている。爆弾倉のキールは通路を兼ねており、飛行中に乗員が前後を移動することができた。外板は分厚いアルクラッド製で、焼き入れにより皺を無くし、接合にはスポット溶接と沈頭鋲を採用、コクピットや銃座の段差も少なくして抗力を減らした。機首には爆撃手席があり、上下分割のプレキシグラス製透明曲面風防でカバーされていて視界は良好。ただ風防の枠には沈頭鋲を適応できず、丸頭鋲で済ませた。下部透明風防は中央部だけ平面ガラス（ワイパーと洗浄液噴射装置付）になっていて、爆撃照準が歪まないようにしている。上部透明風防には7.62mm機銃M-2用K-3ボールソケットが填め込まれている。射界は左右30度ずつ、俯仰角マイナス10度からプラス30度で、照準器はM-7望遠照準器。爆撃照準時に機銃の機関部が下がっていると邪魔なので、尾部にワイヤーを通して天井に括り付けた。爆撃照準器は低高度用D-8爆撃照準器または中高々度（8000-14000フィート・2438-4267m）用ノルデンM-7爆撃照準器。爆撃手席の後ろが前脚収容部で、前部乗員はここから乗り降りする。また、脚を下げれば緊急脱出にも使用可能。その上がサイドバイサイドのコクピットで、左に操縦士、右に副操縦士が座る。爆撃手がコクピットから爆撃手席に移動する際には副操縦士席を折り畳んで通路にする。コクピット左右のキャノピーは後ろにスライドして開くことができ、操縦士席・副操縦士席上面には両開きのハッチ（不時着時の緊急脱出兼用）がある。操縦士の後ろに通信士、副操縦士の後ろに航法士が座る。この付近はディッチング・ステーションに指定されていて、離着陸時や不時着水時には操縦士・副操縦士以外の乗員が後ろを向いて床に座る。通信士・航法士席の上面がプレキシグラス製アストロドームで、普段は抗力を低減するため内開きの金属製ハッチにより開口部を塞いでおき、必要時にハッチを開けて代わりに内側引き込み式のアストロドームを外に突き出す。アストロドームを使うのは夜間作戦時の編隊長機や補佐機に限られたので、他の機体は軽量化を兼ねて最初から積まないことも多かった。アストロドーム用開口部から緊急脱出することもできる。また、アストロドーム直前の天井には６名用ゴムボートが収容されていて、機内のレバー操作１つ（機外からはハッチを開いて炭酸ガスボンベを操作するので二手間かかる）で自動的に膨らんで外に展開する。爆弾倉は胴体中央部前後に１個ずつあり、中央底部の頑丈なキールから天井に延びる壁で左右に分かれている。前部爆弾倉には側壁と中央の壁に計30カ所の爆弾架（側壁に４カ所ずつ、中央壁に左右６カ所ずつ）があり、最大4084ポンド（1.852トン）の爆弾（2000ポンド爆弾AN-M66なら２発）を積める。後部爆弾倉には中央の壁に左右５カ所ずつ計10カ所の爆弾架があり、最大1450ポンド（0.658トン）の爆弾を積める。ただし前後両方に積む場合には4350ポンド（1.973トン。145ポンド爆弾AN-M2またはAN-M6を前に20発、後ろに10発）が限度となる。後部爆弾倉には540ポンド爆弾AN-M7またはAN-M9までしか積めない（650ポンド爆弾AN-Mk29以上は無理）。長距離侵攻の際などは爆弾倉に増加燃料タンクを収容し、前部用として容量250ガロン（946リットル。鋼製／アルミ合金製）または268ガロン（1014リットル。防弾ゴム製）、後部用として250ガロン（946リットル。鋼製）が用意されている。増加燃料タンクは爆弾架に吊り下げて搭載するので、緊急時には機外に投下することが可能。爆弾倉扉は前部が中央で２つに折れて外側に開き、後部が１枚のまま外側に開くタイプである。後部爆弾倉扉にはガラス窓が付いており、ここにK-3ボールソケットを装着すれば7.62mm機銃M-2（M-7望遠照準器使用）で側下方を掃射することが可能。ただし機銃は１丁しか用意されていないので、編隊位置に応じて左右どちらかに装着する。後部胴体の背部銃塔基部直後左右（銃塔銃手用）、側面旋回機銃用開口部前方左右（側面旋回機銃手用）、側面旋回機銃用開口部左後方（尾部銃手用）には胴体側面を背にする向きでシートベルト付き座席が用意されている。胴体背部銃塔は電動式動力旋回の250CE（装弾数800発）または250CE4または250CE14または250CE14A（全て装弾数760発）または250CE6（装弾数750発）で、12.7mm機銃M-2を２丁横並びに装着しており、その間にN-2A光学照準器またはK-8/K-9リード・コンピューティング・サイトまたはN6/N6A光学照準器を積んでいて、折り畳みイスに座った銃塔銃手がこれを見て照準を行い、左右ハンドルのトリガーを引いて射撃（どちらか一方を引けば２丁とも弾が出てガンカメラも作動）する。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス6.5度からプラス85度、旋回速度毎秒20度または45度、俯仰速度毎秒20度または35度で、バックアップとして手動クランク式旋回装置（右クランク頂部にトリガーあり）も用意されている。プロフィール方式インターラプタが仕込まれており、自機の主翼、尾翼、プロペラ、エンジンナセルなどを撃ち抜く位置では自動的に射撃が止まる。銃塔が横を向くと銃身の空力抵抗で飛行姿勢が僅かに変化するため、飛行中に作動テストなどを行う際には操縦士に連絡する。胴体後下部の乗員乗降口と胴体後部両側面にはK-3ボールソケットが１つずつ装着されており、7.62mm機銃M-2（600発）を差し込んで掃射することができる。照準器はM-7望遠照準器を使用する。ただし機銃は１丁しか用意されておらず（正確には爆弾倉扉用と合わせて２丁、機銃操作員は１名のみ）、編隊の位置に応じて適当なソケットに機銃を差し込む。後部胴体中心線上にカメラ搭載スペースがあり、K-20斜め撮影カメラ、K-24/F-24高々度モザイクスポッティング用カメラ、K-21カメラを装備できる。カメラ窓は撮影時のみ金属製ドアを開いて使用する。積んでいくのは概ねパスファインダーと第２編隊先頭機で、爆撃評価に使用した。胴体尾部機銃は12.7mm機銃M-2（400発）１丁で、E-1アダプターに装着し、射界は上45度、下25度、左右20度ずつ。照準はM-7テレスコープ照準器で行う。各所に10カ所のICSジャック用差し込み口があり、乗員はICSで会話するが、故障・損傷した場合に備えて操縦士操作の非常ベル（予め決めておいた信号通りに鳴らす）が用意されていた。乗員区画には暖房が用意されており、胴体前部には右エンジン、後部には左エンジンの排気管に取り付けられたマニフォールド・ヒーターの温風が供給される。また、右エンジンからの温風は風防の防霜にも使われる。主翼は肩翼配置（胴体の上４分の１くらいから出ている）で、構造は２本桁応力外皮。翼型はNACA４字系列の低抵抗対称翼（最大翼厚位置は翼弦の40%）、付け根がNACA0017-64、翼端がNACA0010-64。翼面積55.9平方メートル、翼面荷重１平方メートルあたり216kg、アスペクト比7.5、翼厚比は翼根17%／翼端10%、翼弦長は翼根部で3.92m、上反角１度17分、取り付け角3.5度。フラップはアルクラッド製スプリット式で、フラップ作動角55度。エルロン作動角は上げ18度・下げ15度、エルロンタブ作動角は上げ11度・下げ16度。エンジン消火用にLux消火装置が装備されており、コクピット床上のセレクターバルブを操作すれば左右どちらかのエンジンに対し１回だけ炭酸ガスが噴射される。プロペラは初期に可変ピッチ機構の故障が多発したが、後に解決し、最終生産型まで使用され続けている。大直径プロペラのため地上とのクリアランスが228mmしか取れず、前線飛行場での運用に難があった。プロペラシャフト先端にはスピナーを装備する。プロペラ前縁基部には除氷液の噴出口があり、操縦席計器板のスイッチを操作すると前部爆弾倉内の除氷液タンクから電動ポンプで除氷液が送られ、プロペラに張り付いた氷を剥がす。燃料タンクは内翼部にメインタンク、外翼部に補助タンクがあり、メインタンクは防弾ゴムにより防弾化されている。水平尾翼翼型は付け根がNACA0011-64、翼端がNACA0009-64。プロペラ後流の影響を避けるため８度の上反角が付けられている。取り付け角は０度。エレベーター作動角は上げ20度・下げ12度、エレベータータブ作動角は上げ18.5度・下げ35度。垂直尾翼翼型はNACA0009-64で、高速飛行時の安定性とラダーによる操縦性を確保するため、大面積とした。ラダー作動角は左右25度ずつ、ラダータブ作動角は右16.5度・左15度。主翼と尾翼の前縁にはラバーブーツがあり、左右どちらかのエンジンから供給される圧縮空気（7.5psi）により40秒サイクルで膨張させ、付着した氷を弾き飛ばす。ただし膨張収縮により主翼前縁形状が変化して飛行特性が微妙に変わるため、離着陸時はレバーがOffになっていることを必ず確認する。降着装置は前輪式。前脚は油圧式後方引き込みで、途中で90度の捻りが加えられ、左側面を上にして操縦室の下に収容される。ステアリング装置は無く、エンジンの出力調整と主車輪のブレーキ踏み分けで方向転換する。その際、前輪は左右40度ずつまで操向するが、シミーダンパーにより自動的に直進向きに戻る。ただし停止状態で直進向きに戻す程の力は無く、タキシーウェイから滑走路に進入して方向転換を終えた後、そのまま止まってエンジンランナップを始めると無理な力が加わり前脚が折れるので、3mくらい前進して前輪を直進向きに戻してからエンジンランナップに入る。また、内側主車輪にブレーキを掛けて完全にロックさせつつ外側エンジンの出力を上げて信地旋回するような無茶は禁止。地上牽引の際にはハンドリング・バーを取り付けて左右45度ずつのステアが可能。非常時の前脚下げは手動油圧ポンプで行う。前輪は直径838.2mm。主脚は油圧式前方引き込みで、タイヤはグッドイヤー製低圧タイヤ（直径1194mm）であり、不整地滑走路でも着陸できる。油圧故障時の脚下げは手動油圧ポンプで行う。ブレーキは油圧式で、故障時のバックアップとして圧縮空気を油圧系に送り込む装置が用意されている。トリムタブを昇降舵上げ舵・方向舵微右にセットし、滑走路を直進加速すれば自然と前輪が浮き上がり、そのまま加速を続ければ離陸できる。電気系統は12V（E-8発電機）。アビオニクスはSCR-183中波通信装置、RL-42LFアンテナリール、SCR-273-A方向探知機、SCR-187-A中波／短波通信機、RC-39マーカービーコン受信器、BC0221周波数計、SCR-535-A/SCR-595-A/SCR-695-A敵味方識別装置（後部胴体両側面から水平尾翼先端にアンテナ線が張ってある）、RC-45乗員通信用インターコム、T-17乗員通信用手持ちマイクロホン、SCR-578-A救難用送信器。ヨーロッパ戦線ではオーボエ電波航法装置を活用できたので、後部爆弾倉にオーボエ器材を搭載した機体を装備する第１パスファインダー飛行隊（臨時）を編成し、必要に応じて各航空群に派遣、パスファインダー役を務めさせた。地中海方面では1945年1月になってショラン電波航法装置が実用に達したので、3月10-11日に試験を行い、3月13日からショラン装備パスファインダーを本格使用している。機首・前脚、胴体中央部、胴体尾部・主脚、両主翼・両水平尾翼・垂直安定板・方向舵、両エンジン、右プロペラ・スピナー、左プロペラ・スピナー、ドーサルターレットとコンテナ８個に分けて収容することができ、アメリカ本土からハワイまでは輸送船に乗せて運ばれた。全長17.7m、全幅19.8m、全高6m、自重9700kg、全備重量12300kg、最大全備重量14500kg。エンジンはプラット&ホイットニー製R2800-5ダブルワスプ（離昇出力1850馬力）双発、プロペラはカーチス製電動定速フルフェザリング４翅（直径4.115m）、巡航速度426km、最大速度507km、燃料搭載量962ガロン・3642リットル（後部爆弾倉補助燃料タンクありで1212ガロン・4588リットル）、実用上昇限度7920m、航続距離1609km（爆弾1360kg搭載時）／3540km（フェリー）。防御兵装は機首、尾部、胴体下面の7.62mm機銃１丁ずつと、胴体上面の12.7mm連装銃塔１基。爆弾搭載量1360kg（通常）／2180kg（最大）。乗員は標準５名とされているが、デイッチングステーションは７名分用意されていて、実戦では操縦士、副操縦士兼航法士、爆撃士兼機首銃手、通信員兼側面機銃手、背部銃塔銃手、尾部銃手の６名（編隊長機は更に航法士とGEE航法士を足して８名）が乗ることが多かった。201機が生産され、1940年11月25日に初飛行、最初の４機が開発テストに使用され（1-3号機は背面銃座未装備）、1941年3月から第22爆撃航空群を皮切りに実戦配備された。ただ降着装置を損傷する事故が多発したため、4月21日に飛行停止処分となり、原因が脚を製作した下請け会社の製造ミスと判明、焼き入れ加工を改良して解決した。尾輪式降着装置に慣れた操縦士が前脚から接地したり、尾部兵装を積まない状態で移動する際、機体の重心が前にずれて（胴体前方に荷物を積んだりするとますます前にずれる）前脚への負荷が過剰になっていたりしたせいもあったようである。参考：世界の傑作機No.155、JWings8,’04、5,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２６Ａ＞：武装強化型で、1940年9月に139機が発注された。機首と尾部の機銃を12.7mm機銃１丁ずつに換装、爆弾倉部分の胴体下面に魚雷用ラックを装着可能とし、コクピットに着脱式雷撃照準器を搭載した。機首の12.7mm機銃（135発）用ボールソケットはK-4に換装し、透明風防先端の金属枠部分に移設している。機銃装備の際はC-19アダプターとE-11反動吸収アダプターを取り付け、E-11アダプターハンドルにゴム紐を括り付けて機関部を吊り上げた。照準器はB-11/N-8A照準環とA-5照星である。胴体尾部機銃はE-5アダプターマウントを介して装備した12.7mm機銃M-2が１丁（400発）で、照準器はM-7望遠照準器、旋回角は左右20度ずつ、俯仰角はマイナス25度からプラス45度。胴体下部と両側面の7.62mm機銃用照準器は照準環と照星になった。防御力強化のため、合計重量250kgの装甲板を張り付け、燃料タンクはセルフシーリング式にしてある。魚雷用ラックは前部爆弾倉のキール部分に取り付け、Mk13Mod1航空魚雷１本を搭載、操縦士が雷撃照準器で照準して雷撃を行う。雷撃した後は爆弾倉を開くことができるので、Mk13Mod1魚雷１本に加えて1600ポンド徹甲爆弾AN-Mk1を２発積んでいくこともあった。B-26の12V電気系統は故障が多かったため24Vに強化し、発電機は100アンペアのO-1に換装、アビオニクスもそれに合わせて積み替え、MF通信装置をSCR-283に、方向探知機をSCR-263に、MF/HFリエゾン通信機をSCR-287（胴体側面から左エンジンナセル後部に張ったアンテナ線と胴体左下から後方に繰り出す曳航アンテナを持つ）に、マーカービーコン受信器をRC-43に、周波数計をBC-221-Aに、乗員用インターコムをRC-36に換装した。全長17.7m、全幅19.8m、全高6m、自重9700kg、全備重量12300kg、最大全備重量15000kg。エンジンはプラット&ホイットニー社製R-2800-5（1850馬力）またはR-2800-41（2000馬力）双発、巡航速度426km、最大速度507km、燃料搭載量962ガロン・3642リットル（後部爆弾倉補助燃料タンクありで1462ガロン・5534リットル）、航続距離1609km（爆弾1360kg搭載時）。最大爆弾搭載量2180kg。30機が生産され、残りの発注分はA-1に回された。太平洋戦域で雷撃を行ったが戦果は無く、ヨーロッパ戦線では雷装の機会自体が無く、後に雷装機能が外されている。参考：世界の傑作機No.155、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２６Ａ−１＞：R-2800-5エンジンの生産が追いつかなかったため、代わりにイギリス空軍向けのR-2800-1A4-G、R-2800-S2A4G、R-2800-2SB-GをそれぞれR-2800-9、R-2800-39、R-2800-41として搭載したもの。Ａ型139機のうち109機がこの仕様で、52機はイギリスに引き渡されてマローダー�Tになった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂシリーズ＞：本格量産型で、1940年9月に791機、1941年6月に500機が発注され、1944年2月までに各型計1883機が生産された。参考：世界の傑作機No.155、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２６Ｂ＞：尾部機銃をM-6/M-6A連装銃座（12.7mm機銃M2を２丁装備。1600発）に換装した。尾部機銃用照準器はMk9光学照準器とB-11/N-8A照準環＋A-5照星で、射界は左右45度ずつ、俯仰角マイナス45度からプラス45度。装甲も強化し、外翼補助燃料タンクと燃料配管をセルフシーリングの防弾式としている。エンジンはR-2800-5で、スピナーは外した（以前の機体にもレトロフィット）。SCR-274-N長波受信装置（胴体背部から垂直尾翼先端にアンテナ線がある）を追加し、方向探知機をSCR-269-G（胴体下面にループアンテナとホイップアンテナを持つ）に、MF/HF通信機をSCR-287-Aに換装している。防御兵装は機首の12.7mm機銃１丁、胴体背部の12.7mm連装銃塔、爆弾倉扉／後部胴体下面／両側面の7.62mm機銃２丁、尾部の12.7mm機銃２丁。81機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−１＞：エンジンをR-2800-41（離昇出力2000馬力）に換装したもの。機銃は威力の高い12.7mmで統一することにし、爆弾倉扉／後部胴体下面／両側面の7.62mm機銃座を廃止、動力銃塔後方の胴体両側下面に12.7mm機銃M2（240発）を１丁ずつ追加している。照準器はB-13（B-11？）/N-8A照準環とA-11照星を使用した。側下面機銃用ハッチは地上での出入りや空中での脱出口として使用できる大きさで、左右とも開くと足場が狭く銃手（概ね通信手が兼任する）が落ちる危険があるので、モンキーハーネス（安全ベルト）を着用する。225機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−２＞：小改良型。スピナーをプロペラボスに変更している。エンジンはR-2800-41（離昇出力2000馬力）。96機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−３＞：エンジンをR-2800-43に換装したもの。北アフリカの砂漠でも使えるよう、カウリング上部左右の気化器エアインテイクを大型化してサンドフィルターを装着している（以前の機体にもレトロフィット）。全長17.7m、全幅19.8m、全高6m、最大離陸重量15400kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-43（離昇出力2000馬力）双発、巡航速度426km、最大速度510km、燃料搭載量962ガロン・3462リットル（後部爆弾倉補助燃料タンクありで1462ガロン・5534リットル）、航続距離1850km（爆弾1360kg搭載時）。最大爆弾搭載量2360kg。28機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−４＞：離陸滑走距離短縮のため前脚ストラットを延長し、地上での機体中心線を滑走路面から機首上げ姿勢としたタイプで、前脚収容部前方に小さなバルジが追加されている。天測コンパスやドリフト計を装備し、航法を強化した。211機が生産され、うち19機はイギリスに引き渡されてマローダー�TＡになった。下から襲撃してくるドイツ戦闘機に対抗するため、71号機からは胴体下面の7.62mm機銃を廃止し、胴体両側面の観測窓を外して斜め下方ハッチを装着、12.7mm機銃を１丁ずつ取り付けている。88号機からは機首側下面にブリスターを設け、12.7mm単装機銃パックを左右２個ずつ装着した。低空攻撃用の装備で、第８航空軍ではD-8爆撃照準器を外して戦闘機用N-6ガンサイトを機長席に取り付け、機首ドームにコンパスを追加して運用している。しかし２回目の低空攻撃任務で１個飛行隊が全滅してしまい、この戦法は使われなくなった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−６＞：前脚のオレオを延長してプロペラのグラウンド・クリアランスを改善したタイプ。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−１＞：翼スパンを延長したB-26B-10からB-26B-55までの総称で、フライトマニュアルなどで使用されている。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−１０＞：翼スパンを1.83m増やして翼面積を61.1平方メートルに拡大したもので、通算982号機以降である。武装強化などで重量も増えたため、翼面荷重はさほど減っていない。フラップは隙間フラップに変更し、フラップ作動角は40度となった。補助翼作動角は上げ20度・下げ15度、補助翼タブ作動角は上げ15度・下げ15度。機首側下面ブリスターには12.7mmガンパックを左右２基ずつ（装弾数は左右とも上が300発、下が200発）装着しており、更に爆撃手の右にE-10アダプターを介して12.7mm機銃１丁（250発。275発？）を固定装備した。これらの照準線はそれぞれ平行になるようセットされており、照準は操縦士が計器板上部（機体中心線から左に217mm）のN-3B光学照準器またはB-13照準環・固定照星で行う。主に地上掃射用であり、照準器の照準線は銃身に対して４度下を向いている。胴体側面機銃扉は下方も撃てるよう大型化した。機首ドームにはＶ字フレームを追加している。尾部銃座は12.7mm機銃M2をE-10アダプターマウント２基に連装で装着しており、装弾数3000発、射界は左右25度ずつ、俯仰角マイナス22度からプラス45度。照準器はB-11/N-8A照準環とA-5照星である。銃座の折り畳み椅子が撤去されたため、立て膝で撃つか、12.7mm機銃弾薬箱に腰掛けて射撃する。発電機はP-1に換装した。水平尾翼は翼幅を485.8mm延長して3.5%ほど増積し、マイナス0.5度の取り付け角を付けている。垂直尾翼は片発停止時の方向安定性確保のため大型化されて296mmほど高くなり、ラダーの作動角は上げ20度・下げ12度のままだが、タブ作動角が上げ10度・下げ20度に変更された（ラダー作動角は左右25度ずつのままで、タブ作動角は左右15度ずつとなった？）。前輪を直径863.6mm、主輪を直径1270mmに拡大しており、主脚収納扉にバルジが付いている。T-3A戦術マッピング用カメラ、K-3B偵察マッピング即応用カメラ、K-7C斜め写真／爆撃評価用カメラを搭載できるようになった。中波無線機を外してSCR-522-A超短波無線機を積んでおり、RC-103盲目着陸用受信装置が追加されている。乗員用マイクロフォンはT-30-A咽頭式マイクロフォンに換装した。全長17.2m、全幅21.6m、全高6.56m、最大離陸重量17400kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-43（2000馬力）双発、巡航速度344km、最大速度454km、実用上昇限度6614m、燃料搭載量962ガロン・3462リットル（後部爆弾倉補助燃料タンクありで1462ガロン・5534リットル、前部爆弾倉補助燃料タンク追加で1962ガロン・7427リットル）、航続距離1850km（爆弾1360kg搭載時）。最大爆弾搭載量2360kg。150機が生産され、1943年1月から引き渡された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−１５＞：100機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−２０＞：ラダーがオーバーバランス気味だったので弦長を短縮して操縦性を改善（操舵力も少なくて済む）し、尾部銃座をマーチン／ベル社製12.7mm機銃M2連装動力銃塔M-6に変更したもので、尖っていた尾部が透明風防に換えられて丸くなった。射界は上下左右45度ずつで、作動角速度は毎秒35度。透明風防の上部は上に開くので、ここから銃座に乗り込むことが出来る。天井に折り畳み式の座席があるが、離着陸時や射撃時には使わない。空薬莢とリンクは機外に放出するが、後続機にぶつかる事故が多発したため、放出口に回収用ブリスターを装着するようになった。機体全長は0.61mほど短くなっている。100機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−２５＞：100機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−３０＞：操縦士席左側面外側にアルミ合金製装甲板（厚さ9.5mm、重量109kg）を装着したタイプ。100機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−３５＞：故障が多発していた気化器用アルコール式除氷装置を撤去したタイプ。100機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−４０＞：後部爆弾倉を廃止して予備燃料タンク収容部としたタイプ。101機が生産された。うち１機はＦ型用取り付け角増加主翼テスト機である。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−４５＞：風防にＶ字フレームを追加したタイプ。91機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−５０＞：200機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｂ−５５＞：爆撃手右の固定式12.7mm機銃を廃止したタイプ（以前の機体も現地改修で外した）で、開口部は金属板で塞いだ。ピトー管を主翼から機首下面に移している。200機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ＞：オマハ工場製のB-26B-1。全長17.65m、全幅21.64m、全高6.55m、全備重量17327kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-43空冷星型複列18気筒ガソリン（2000馬力）双発、最大速度454km、航続距離1850km。武装は12.7mm機銃12丁。爆弾1360kgを搭載できる。乗員７名。1941年6月に1200機が発注され、各型計1210機が生産された。参考：月刊JWings4,'22、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２６Ｃ−５＞：オマハ工場で生産されたB-26B-10。115機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ−６＞：オマハ工場のみで生産されたタイプで、副操縦士を廃止し、装備を下ろして重量を軽減している。部隊では性能向上よりも運用面での不安が先に立ったらしく不評で、60機のみの生産に止まった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ−１０＞：オマハ工場製B-26B-20だが、ラダー弦長短縮は行われていない。60機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ−１５＞：90機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ−２０＞：オマハ工場製B-26B-30。175機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ−２５＞：オマハ工場製B-26B-35。Ｃ型ではこのブロックからラダーの弦長を短縮して操縦性を改善した。199機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ−３０＞：オマハ工場製B-26B-45。177機が生産され、うち123機はイギリス空軍に引き渡されてマローダー�Uになった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｃ−４５＞：オマハ工場製B-26B-55。334機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｅ＞：装備を局限して軽量化し、上面銃塔を前に移したタイプ。１機（４機？）のみ試作され、量産はされなかった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｆ＞：主翼取り付け角を3.5度増加させて７度にしたもの。プロペラと地面とのクリアランスが確保され、飛行姿勢がやや頭下げになるので下方視界が広がり、巡航時の揚抗比が改善したが、最大速度は落ちた。離陸距離短縮効果は無かったようだが、滑走速度80-90マイルで前輪を100-150mm浮かせるだけで揚力係数が最大になり、そのまま速度を110-120マイルに上げれば空中に浮くので、離陸が楽になった。N-3B照準器の位置は機体中心線から左に381mmへとずらし、バックアップ用B-13リングサイトを左279mmに装着、その前方の機首正面にB-13用ビードサイトを装着した。機首側面にコクピット搭乗員防御用装甲板を外付けしている。後部爆弾倉扉の機銃装着装備は外した。魚雷搭載用装備も撤去している（装着可能だが実戦では使用されなかった？）。尾部銃座はB-26Bと同じタイプである。後期型では非常時の前脚下げを爆撃士席のハンドル手動操作で行えるようになった。全長17.2m、全幅21.6m、全高6.56m、自重10800kg、総重量16900kg、最大離陸重量17200kg、最大全備重量17400kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-43（2000馬力）双発、巡航速度348km、最大速度446km、実用上昇限度6096m、燃料搭載量962ガロン・3642リットル／1462ガロン・5534リットル（後部爆弾倉補助燃料タンク追加）／1962ガロン・7427リットル（前後爆弾倉補助燃料タンク併用時）、航続距離2092km（爆弾1360kg搭載時）／3380km（フェリー）。最大爆弾搭載量2360kg。各型計300機が生産された。参考：世界の傑作機No.155、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２６Ｆ−１＞：100機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｆ−２＞：100機が生産され、全てイギリス空軍に引き渡されてマローダー�Vになった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｆ−３＞：B-26F-6かも。100機が生産され、全てイギリス空軍に引き渡されてマローダー�Vになった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ＞：B-26Fに陸海軍共通AN規格準拠アビオニクスを搭載したタイプ。非常時の前脚下げを爆撃士席のハンドル手動操作で行える。また、主脚の方は前部爆弾倉右上のラッチを外せば重力と風圧で勝手に降りて固定される。C-1自動操縦装置を装備したが、爆撃照準時には手動操縦をメインで使用したようである。全長17.2m、全幅21.6m、全高6.17m、自重10800kg、総重量16900kg、最大離陸重量17300kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-43（2000馬力）双発、巡航速度348km、最大速度446km、実用上昇限度6035m、燃料搭載量962ガロン・3642リットル／1462ガロン・5534リットル（後部爆弾倉補助燃料タンク使用時）／1962ガロン・7427リットル（前後爆弾倉補助燃料タンク併用時）、航続距離1770km（爆弾1814kg搭載）／3380km（フェリー）。防御武装は12.7mm機銃11丁。最大爆弾搭載量1814kg。乗員６名。各型計893機が生産され、うち150機がイギリス空軍にマローダー�Vとして引き渡された。参考：世界の傑作機No.155、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｂ−２６Ｇ−１＞：100機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ−５＞：200機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ−１０＞：125機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ−１１＞：75機が生産され、全てイギリス空軍に引き渡されてマローダー�Vになった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ−１５＞：140機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ−２０＞：60機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ−２１＞：75機が生産され、全てイギリス空軍に引き渡されてマローダー�Vになった。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｇ−２５＞：118機が生産された。参考：世界の傑作機No.155

　＜Ｂ−２６Ｈ＞：爆撃機編隊護衛機型。機首に前方固定式20mm機関砲２門と12.7mm連装銃塔、胴体上面前後に12.7mm連装銃塔、胴体下面に12.7mm４連装球形銃塔、尾部に12.7mm連装動力銃塔を装備する。計画のみで生産されなかった。参考：世界の傑作機No.155

＜Ｂ−２６ファミリー＞

　＜ＡＴ−２３Ａ＞：標的曳航機型。B-26B-1の武装や装甲を外したもので、208機が新規生産された。既存の機体を改造したものもあるらしいが、数は不明。1944年にTB-26Aに改称された。参考：世界の傑作機No.155

　＜ＡＴ−２３Ｂ＞：標的曳航機型。B-26CにAT-23Aと同様の改造を施してあり、尾部はB-26最初期型と同じ形状なので、B-26Cとは区別が付く。375機が新規生産され、うち225機がJM-1として海軍に引き渡された。既存の機体を改造したものもあるらしいが、数は不明。1944年にTB-26Bに改称された。参考：世界の傑作機No.155

　＜ＪＭシリーズ＞：JMシリーズを参照。

　＜ＴＢ−２６Ａ＞：AT-23Aを参照。

　＜ＴＢ−２６Ｂ＞：AT-23Bを参照。

　＜ＴＢ−２６Ｇ＞：標的曳航機型。B-26Gがベースで、尾部座席は標的監視席とされ、尾部銃塔を撤去した跡は尖った形状にされた。57機が新規生産され、全てJM-2として海軍に引き渡されたが、10機だけ空軍に返却された。既存の機体を改造したものもあるらしいが、数は不明。参考：世界の傑作機No.155

　＜ＸＢ−２６Ｄ＞：防氷装置のテストに使用されたもの。B-26から１機が改造された。参考：世界の傑作機No.155

　＜ＸＢ−２６Ｅ＞：前方武装強化型やB-26F開発用テスト機の通称で、正式名ではない。参考：世界の傑作機No.155

　＜ＸＢ−２６Ｈ＞：XB-48用自転車式降着装置のテスト機で、B-26G-25から１機が改造され、1945年5月4日に初飛行した。機首と胴体中央に主脚、エンジンナセル下面に補助輪があり、離着陸テストのみに使用されるため全て固定式である。着陸時の衝撃に耐えるため、胴体側面に多数の補強用ストラップを張り付けている。参考：世界の傑作機No.155

＜Ｂ−２６海外シリーズ＞

　＜Ｂ−２６（フランス）＞：第２次大戦後は飛行試験に使用されており、胴体側面にSNECMA製アター・ジェットエンジンを搭載したりしている。参考：月刊エアワールド10,’03

　＜マローダー＞：イギリス空軍爆撃機。マローダー�T／�TＡ／�U／�Vがある。フェリー中の事故で27機を喪失した。参考：世界の傑作機No.155

　＜マローダー�T＞：イギリス空軍が導入したB-26A-1。52機が引き渡された。参考：世界の傑作機No.155

　＜マローダー�TＡ＞：イギリス空軍が導入したB-26B-4。19機が引き渡された。参考：世界の傑作機No.155

　＜マローダー�U＞：イギリス空軍が導入したB-26C-30。123機（100機？）が引き渡された。参考：世界の傑作機No.155

　＜マローダー�V＞：イギリス空軍が導入したB-26F/G。B-26F-2/-3爆撃機200機、B-26G-11爆撃機75機、B-26G-21爆撃機75機が引き渡された。参考：世界の傑作機No.155

＜Ｂ−２６インベーダー＞：A-26シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ｂ−２６Ｋカウンター・インベーダー＞：A-26シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ｂ２７核爆弾＞：アメリカ海軍の水爆、別名Mk27。1955年からレギュラスの弾頭として開発したW27水爆弾頭を、Mk15の予備となる核爆弾として完成させたものである。A-5艦上攻撃機の爆弾倉はこの爆弾のサイズに合わせて設計された。尾部に矩形安定翼４枚がＸ字に付く。制動用パラシュートは無いが、低空から上昇しながら投下することで逃げる時間を稼ぐ。全長3.175-3.632m、直径0.77m、重量1.43-1.498トン。威力2-3メガトン（10メガトン？）。空中炸裂信管または接触信管を装備する。A-3及びA-5艦上攻撃機に搭載できる。1958年に配備され、A-5の偵察機化に伴い1964年（1965年？）に退役した。参考：核兵器事典、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、世界の傑作機No.118

＜Ｂ２８熱核爆弾＞：アメリカ軍の水爆、別名Mk28。1955年から開発し、1958年から配備した。弾頭はW28核弾頭で、ブロック・コンセプトと呼ばれる組み立て方式を採用しており、ケースをモジュール式として多数のバリエーション（爆弾倉収容型３種類、外部搭載型２種類）を製作している。F-105戦闘爆撃機、B-1爆撃機、F-100戦闘機、B-66爆撃機、B-58爆撃機、F-111戦闘爆撃機、B-52爆撃機、B-47爆撃機、AJ-1、FJ-4B戦闘機、F3H戦闘機、F-4戦闘機、F-104戦闘機、F-101戦闘爆撃機、AD艦攻、A-3艦攻、A-4艦攻、A-5艦攻、A-6艦攻、A-7艦攻に搭載可能。START�Uに基づき1984年以降に大部分が解体され、1991年に完全退役した。参考：核兵器図鑑、アメリカの核兵器、U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器事典

　＜Ｂ２８Ｍｏｄ０＞：初期型。プルトニウム、リチウム６、トリチウムを使用した小型軽量水爆である。1958年から実用配備された。参考：アメリカの核兵器

　＜Ｂ２８Ｍｏｄ１＞：1960年に実用化された。参考：アメリカの核兵器

　＜Ｂ２８Ｍｏｄ２＞：1961年に実用化された。参考：アメリカの核兵器

　＜Ｂ２８Ｍｏｄ３＞：1964年に実用化された。参考：アメリカの核兵器

　＜Ｂ２８Ｍｏｄ４＞：

　＜Ｂ２８ＥＸ＞：戦術機用で、EXは機外搭載の略。頭部と尾部が流線型に成形され、超音速機から投下できる。弾頭に電波高度計を収容しており、レドーム部分が黒く塗られている。弾体中央上面に30インチ（0.762m）・ラグを持つ。尾部にはフィン４枚が十字に付いており、地上クリアランスを確保するため上下の２枚は10度11分に折り畳むことが可能。制動用パラシュートが無いので低高度投下が出来ない。全長4.32m、直径0.508m、翼スパン0.81m、重量925kg。威力別に70キロトンのY1、350キロトンのY2、1.1メガトンのY3が用意されている。F-100戦闘機、F-101戦闘爆撃機、F-105戦闘爆撃機、F43H-2戦闘機、F-4戦闘機、参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、核兵器図鑑、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings5,’13

　＜Ｂ２８ＦＩ＞：爆弾倉搭載型で、FIは多機能信管内蔵の略。信管としてFUFOを搭載しており、先端が平たい。弾体後ろ３分の１くらいが一回り太い尾筒になっていて、制動用パラシュート（直径19.5mの主傘と7.3mの安定用補助傘、展張用予備傘２つ）を収容しており、レイダウンで運用できる。尾筒後半部にストレーキ状の矩形安定翼４枚が十字に付く。全長3.68m、直径0.65m、重量2320ポンド（1052kg）。高度90mで投下でき、この時のCEPは180mである。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器事典、アメリカの核兵器、核兵器図鑑

　＜Ｂ２８ＩＮ＞：爆弾倉収容型で、INは機内搭載の略。極力小型化するため、W28核弾頭（ほぼ円筒形で、尾部だけ絞ってある）に尾部安定翼を直接取り付けており、先端が平たく、制動用パラシュートは無く、自由落下でVT信管式空中爆発や地表爆発により運用する。全長2.77m（2.438m？）、直径0.508m、重量1980ポンド（898kg）。B-52、B-47、B-66、F-105、A-3、A-5に搭載可能。参考：アメリカの核兵器、U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器事典、核兵器図鑑、世界の傑作機No.118

　＜Ｂ２８ＲＥ＞：戦術機用で、RIはパラシュート付き機外搭載の略。頭部と尾部が流線型に成形され、弾体後部に小さめの逆テーパー安定翼３枚が逆Ｙ字に取り付けられており、弾体尾部に制動用パラシュートを収容する。全長4.22m、直径0.508m、重量984kg。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器図鑑、月刊JWings5,’13

　＜Ｂ２８ＲＩ＞：爆撃機の爆弾倉搭載型で、RIはパラシュート付き機内搭載の略。半球形の弾頭部と、B28FIと同様の一回り太い尾筒を持ち、尾筒内に直径19.5mの制動用パラシュートを収容する。尾筒後半部にストレーキ状の矩形安定翼（翼幅はB28FIより小さい）４枚がＸ字に付く。全長3.72m、直径0.51m、重量1.1トン。弾頭威力1.45-2メガトン。信管は空中爆発・地表爆発兼用信管と延期信管。B-52爆撃機なら４発搭載できる。参考：アメリカの核兵器、U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器図鑑

＜Ｂ２８熱核爆弾ファミリー＞

＜Ｂ２８タイプ３＞：B28核爆弾の投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜Ｍｋ１０４＞：Mk104（模擬弾）を参照。

＜Ｂ２９核爆弾＞：Mk29（核爆弾）を参照。

＜Ｂ−２９シリーズ＞：アメリカ陸軍４発重爆撃機、別名スーパーフォートレス（Superfortress。超えたのはB-17 Flying Fortress）。第２次大戦勃発を受け、南米に枢軸国が拠点を置いた場合にそれを爆撃できる超長距離機VLR（Very Long Range）として、1940年1月29日に爆弾907kg（2000ポンド）を積んで航続距離8600km（5333マイル）、最大速度640km（400マイル）という要求性能仕様R-40B（Requirement number 40, Bomber） and Spec. XC218が出された。これが対日戦勃発をきっかけにマリアナ諸島から日本本土を爆撃できる高々度巡航航空機として要求変更され、ボーイング社、コンソリデーテッド社、ダグラス社、ロッキード社が応じ、ボーイング社の案が採用された。製作のため1000人の技術者により10000枚の図面が描かれ、これだけで300万ドルかかったという。ちなみに開発が上手く行かなかった時の予備としてコンソリデーテッド社案がB-32になっている。全機が第20航空軍に配備されており、1944年6月5日のバンコク鉄道操車場爆撃が初出撃（カルカッタ基地から出撃）である。日本本土に対する初空襲は、6月15日の八幡製鉄所爆撃（中国の成都から出撃）。1944年10月下旬に制圧したマリアナ諸島（グアム、サイパン、テニアン）に飛行場を建設した11月24日以降、本格的な本土空襲が開始された。終戦時に配備されていたB-29は1056機で、延べ出撃機数33041機（34790機？33004機？）、損失485機（414機？512機？うち被撃墜は147機）、損傷2707機、搭乗員戦死者3041名（3015名？）、総爆弾投下量147000トン（171060トン？）。B-29による空襲の死者は26万人、破壊家屋226万戸。戦後暫くは日本でボーイングといえばB-29のことであり、ボーイング社製旅客機のセールスにも影響が出たという。1946年5月までの総生産数は3970機。朝鮮戦争では延べ出撃機数21328機、損失34機、爆弾投下量167100トンだった。参考：月刊丸6,’03、11,’72、月刊軍事研究5,’03、12,’03、7,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、比島決戦、月刊航空情報10,’05、帝国陸海軍事典、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、飛行機のしくみ

　＜ＸＢ−２９＞：原型機。プロペラはハミルトン・スタンダード製油圧式定速３翅。３機が製作され、1942年9月21日に初飛行した。しかしR-3350-13サイクロンエンジンのオーバーヒートに悩まされ、試作２号機は1943年2月28日に飛行中に１番エンジンから出火、何とか消火して基地に戻ろうとしたが２番エンジンにも火災が発生し、加工食肉梱包工場に墜落して乗員と地上の工場作業員計30人が死亡した。参考：月刊JWings5,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、歴史群像4,’16

　＜ＹＢ−２９＞：増加試作機で、1943年6月29日から14機が生産された。機体尾部を0.2m延長し、エンジンをR-3350-21に換装、防御兵装を搭載している。プロペラは４翅。１機は実戦投入され、残りは訓練用に使用された。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05

　＜Ｂ−２９＞：量産型で、1943年9月からロールオフしたが、生産に手間取り、作戦可能な機体数が揃ったのは1944年3月末になってからだった。機体は24STジュラルミン合金のセミモノコック構造で、抗力を減らすため球形機首の円形胴体断面とした。主翼は干渉抗力を局限する中翼配置で、翼型はボーイング117層流翼、前縁後退角７度１分・上反角４度29分、翼厚比（付け根）17%、アスペクト比11.5。大型の機体を飛ばすのに必要な揚力を確保するために翼面積を大きくすると重くなりすぎるので、翼面荷重を高くして巡航速度を上げる（揚力は速度の二乗に比例）ことにより、自重を抑えることに成功した。ただし離着陸速度も速くなったため、運用には長大な滑走路を建設する必要があった。ちなみに��翼面荷重で未亡人製造機と風評を立てられたB-26（１平方メートルあたり250kg）よりも翼面荷重が４割程高い（１平方メートルあたり350kg）。主翼前縁には防氷ゴムが張られている。主翼前後桁間はセルフシーリング式燃料タンクである。主翼後縁には全幅の60%にわたるファウラーフラップが装備されており、離陸時に25度、着陸時に45度下げる。高々度長距離飛行のため胴体には与圧室を備えており、与圧箇所は機首の前部キャビン、主翼後方胴体内の後部キャビン、それらを繋ぐキャビン間連絡トンネル、尾部銃座で、エアコンも付いている（というか外気温マイナス50℃なので付いてないと死ぬ）。与圧システムはエンジンのターボ・スーパーチャージャーで加圧する仕組みで、高度2440m（8000フィート）から与圧を開始し、9145m（30000フィート）までは高度2440mと同じ気圧、12192m（40000フィート）までは高度3658m（12000フィート）と同じ気圧を保つように与圧する。後部キャビンにはトイレや二段ベッドが設けられている。胴体内燃料タンクは無い。尾翼は垂直・水平とも金属外皮で、舵面のみ羽布張り、前縁には防氷ゴムが張られている。爆弾倉は前後２つに分かれており、扉の開閉は電動式で、開いた時の空気抵抗による飛行速度低下を防ぐため、全開に必要な時間は0.7秒、全閉鎖に戻す時間は３秒しかかからない。爆弾搭載数は100ポンド爆弾なら80発、300ポンドなら56発、500ポンドなら40発、1000ポンドまたは1600ポンドなら12発、2000ポンドなら８発、4000ポンドなら４発。爆弾の代わりに増槽を積んでいくことも可能。機首爆撃手席にノルデン式M-9A/B二軸安定化爆撃照準機を搭載し、前後爆弾倉の間にはAN/APQ-13航法爆撃レーダーを装備した。その他、SCR-274-Nコマンド無線セット、SCR-287-A連絡用無線セット、AN/APN-4LORAN、SCR-269-Gラジオコンパスセット、SCR-718-C電波高度計、RC-43-Aマーカービーコン受信機、RC-103計器着陸誘導装置、SCR-595IFF、SCR-211周波数計、RC-36インターホン装置、RC-198電波フィルター装置、SCR-578-A緊急海難救助信号発信器、C-1自動操縦装置、SCR-729捜索レーダーを搭載。主要部には防御装甲が張られている。全長30.175m、全幅43.047m、全高8.46m、自重33792kg、総重量54431-61235kg。翼面積161平方メートル。エンジンはライトR-3350-23/23A/29/41/57デュプレックス・サイクロン空冷星形18気筒ターボチャージドエンジン（2200馬力）４発、プロペラはハミルトン・スタンダード製４翅（直径5m強）、巡航速度370km（高度7620m）、最大速度575km（高度9144m）、実用上昇限度10241m（31850フィート・9710m？）、燃料搭載量25752リットル、航続距離9012km（6600km？5230km？）、戦闘行動半径2570-2900km（爆弾5000ポンド・2268kg搭載）。自衛用に遠隔操作式動力銃塔（胴体前上部に12.7mm連装・後に４連装、胴体後上方に12.7mm連装、胴体下部前後に12.7mm連装）と尾部銃塔（12.7mm連装及び20mm機関砲M-2タイプＢを１門。ただし照準とジャミングの問題で20mm機関砲は後に撤去）を持つ。動力銃塔は抗力を減らすため無人になっており、照準は与圧室内（胴体中央部）のブリスターに装備されているジェネラル・エレクトリック／ベル・アンド・ハウエル製電子射撃管制装置で行う。これは機体の飛行データ、目標諸元、大気諸元に基づく見越し角計算などを全てコンピュータが自動的に補正し、胴体上下の銃塔を遠隔操作するもので、命中精度が高いとされていたが、照準器と機銃の軸線が離れていた分の補正は行われず、敵機が近づくほど命中率が悪くなるという欠点があった。最大爆弾搭載量9080kg。ただし高度１万メートル以上の高空飛行時は爆弾倉内に増加燃料タンクを取り付ける必要があり、爆弾搭載量は3000kg以下になる。乗員は正・副操縦士（コクピット）、航法士（前部与圧室）、爆撃手（機首）、航空機関士（前部与圧室）、レーダー手（後方与圧室）、無線手（後方与圧室）、中央火器管制射手（後方与圧室）、右舷射手（後方与圧室）、左舷射手（後方与圧室）、尾部射手（機体尾部）の11名。生産数2513機。初期不良に悩まされ、1944年3月10日から4月15日にカンザス州で24時間連続の屋外修理整備作業（PQプロジェクト。通称カンザスの戦い）を続け、何とか稼動数を維持した。エンジンも初期不良を多発したが、前線での修理整備には限界があったので、エンジンを生産しまくって故障したら丸ごと交換する対応を取っている。参考：世界の傑作機No.52、No.125、比島決戦、月刊JWings7,’15、5,’05、月刊軍事研究12,’03、5,’03、7,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊航空情報10,’05、ミリタリーエアクラフト1,’97、歴史群像6,’14、月刊航空ファン11,’16

　＜Ｂ−２９Ａ＞：エンジンナセル内側の中央翼と胴体を一体化させて生産効率を上げたタイプ。翼スパンが3.05mm拡大し、燃料タンク容量は減少した。ボーイング・ウイチタ製のブロック15、ボーイング・レントン製のブロック30、ベル・マリエッタ製のブロック25以降は爆弾倉の開閉が空気圧式となった。全長30.18m、全幅43.05m、全高8.46m、自重32369kg、最大離陸重量63958kg。エンジンはR-3350-57/59（2200馬力）４基、巡航速度370km、最大速度575km、実用上昇限度9725m、航続距離5200km（爆弾4500kg搭載）／9650km（最大）。防御兵装は12.7mm機銃12丁、20mm機関砲１門。乗員10名。1944年1月1日から引き渡され、生産数1119機。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05、図解世界の軍用機史、月刊丸6,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｂ−２９Ｂ＞：夜間爆撃専用型、別名イーグル・ボマー。日本の迎撃能力が減少したためと、夜間戦闘機がほぼ後方からのみ攻撃してくるため武装を減らしており、12.7mm機銃３丁の尾部銃座しか装備しておらず、代わりに爆弾を9000kg搭載できる。爆撃レーダーとしてAN/APQ-7（一部はAN/APQ-13やRC-43Bマーカービーコン）、尾部銃座用射撃照準レーダーとしてAN/APG-15B（銃座外側下方の球形ドームに収容）を搭載し、探照灯に見つかりにくいよう、胴体下面を黒く塗った。全長30.18m、全幅43.05m、全高8.46m、自重31217kg、全備重量61573kg。エンジンはR-3350-51/-57/-57Aが４基、巡航速度554km、最大速度570km、実用上昇限度11615m、航続距離6760km。311機が生産され、Ｂ型のみで部隊を編成し、石油精製施設の夜間爆撃をほぼ専門に実施した。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂ−２９Ｃ＞：エンジン改良型で、5000機が発注されたといわれるが、太平洋戦争終結により全てキャンセルされた。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05

　＜Ｂ−２９Ｄ＞：B-50Aを参照。

　＜Ｂ−２９Ｆ＞：寒冷地仕様で、６機が改造された。参考：月刊JWings5,’05

　＜Ｂ−２９シルバープレート＞：核爆弾搭載改造機。爆弾倉のフレームとフックを改修して核爆弾を搭載できるようにし、爆弾や信管の状況をモニターするための配線を追加している。Mk.1/Mk.3/Mk.4/Mk.5/Mk.6核爆弾１発を搭載可能。参考：アメリカの核兵器

　＜Ｂ−５０Ａ＞：エンジンをB-36と同じR4360ワスプ・メジャー（3300馬力）に変更したもので、エンジンナセル後端が４基ともフラップ後縁より後ろにはみ出すようになった（B-29は内側２基のみ）。機体の素材を24STアルミニウムから75STアルミニウムに交換し、軽量化を図っている。垂直尾翼とフラップは大型化され、垂直尾翼には折り畳み機構も付けられた。外翼部のパイロンに増槽を搭載することができる。Mk.3/Mk.4/Mk.5/Mk.6核爆弾１発を搭載可能。試作機はB-29Dの名で1945年5月に初飛行し、1947年6月25日に量産型が初飛行、79機が生産され、B-36及びB-47が揃うまでの繋ぎとして配備された。1949年3月2日、空中給油を４回行って世界初の無着陸世界一周飛行を行った。参考：月刊JWings6,’07、5,’19、世界の傑作機No.52、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカの核兵器

　＜Ｂ−５０Ｂ＞：B-50Aの改良型。45機が生産された。参考：月刊JWings6,’07

　＜Ｂ−５０Ｄ＞：222機が生産された。参考：月刊JWings6,’07

　＜エノラ・ゲイ＞：Mk.1原爆搭載用の改造機で、エノラ・ゲイは第509混成群司令兼機長ポール・ティベッツ（Paul Tibbets）大佐の母親の名前。機体と爆弾倉を強化し、後部銃座以外の防御兵装を全て外している。広島に原爆を投下した。参考：月刊JWings8,’06、月刊軍事研究9,’18

＜Ｂ−２９爆撃機ファミリー＞

　＜ＣＢ−２９Ｋ＞：貨物輸送機型。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＤＢ−２９＞：ドローン管制機型。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＥＢ−２９＞：X-1マッハバスター搭載母機。1948年からはGB-29と呼ばれた。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＥＢ−２９Ａ＞：フライングブーム式給油実験の際の受油システムを装備したもの。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＥＢ−２９Ｂ＞：XF-85搭載母機。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＥＲＢ−２９＞：電子戦機型。胴体下にレドーム３基を持ち、翼端にECMアンテナが付いている。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05

　＜ＥＴＢ−２９Ａ＞：翼端結合式寄生戦闘機計画TIP-TOWの試験機。翼端に連結器をセットし、EF-84Dと翼端同士で空中ドッキング、必要に応じ切り離して護衛戦闘機にするという計画である。1953年4月24日、連結飛行中にEF-84D戦闘機２機もろとも墜落して乗員全員が死亡した。参考：月刊JWings5,’05、世界の傑作機No.125

　＜Ｆ−１３＞：写真偵察機型。B-29がベースで、操縦席の後ろと前部爆弾倉にK-17Bカメラ３基、K-22垂直用カメラ２基、K-18ユニバーサルマウントカメラ１基を搭載し、後部爆弾倉に燃料タンクを搭載した。K-19B夜間撮影用カメラを搭載することもあった。燃料タンクが大型化されており、速度性能は変わらないが、航続距離はB-29より長い。乗員は写真技師２名を含む13名。参考：世界の傑作機No.52、月刊丸6,’03、11,’72

　＜Ｆ−１３Ａ＞：写真偵察機型。B-29AにF-13と同様の改修を加えたものである。1945年にFB-29Aとなり、1948年にRB-29Aと改称された。参考：月刊JWings5,’05、月刊丸6,’03

　＜ＦＢ−２９Ａ＞：F-13Aを参照。

　＜ＦＢ−２９Ｊ＞：写真偵察機型。YB-29Jベースで、２機が製作された。1948年にRB-29Jに改称された。参考：月刊JWings5,’05、世界の傑作機No.52

　＜ＧＢ−２９＞：EB-29を参照。

　＜ＫＢ−２９Ｍ＞：空中給油機型。1947年11月にアメリカ空軍からボーイング社に開発命令が出され、最初はループド・ホース式の給油を試みたが、時間がかかりすぎて実用化できなかったため、イギリスのFRL（フライト・リフュエリング）社が開発したプローブ・アンド・ドローグ式給油システムを装備して1948年5月に実験に成功、制式化された。爆弾倉に2300ガロン（8706リットル）燃料タンクを搭載しており、後部胴体からドローグを展開する。B-29から1948-49年に92機が改造された。参考：月刊軍事研究11,’04、3,’16、月刊JWings11,’05、10,’01、世界の傑作機No.52、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空ファン4,’18

　＜ＫＢ−２９ＭＲ＞：空中給油機兼空中給油受油実験機。KB-29Mの機首にプローブを付けて受油もできるようにしたタイプで、後部爆弾倉内に9646リットル入り燃料タンクを搭載する。B-29から74機（４機？）が改造された。参考：月刊JWings10,’01、世界の傑作機No.52、月刊軍事研究3,’16

＜ＫＢ−２９Ｐ＞：空中給油機型。ボーイング社が独自開発した、フライング・ブーム式給油装置搭載型である。ブームは長さ8.5-14.6mの伸縮式で、作動角は俯仰マイナス45度からプラス11度、左右17度ずつ。全長36.6m、全幅43.05m、全高8.46m、自重31303kg、全備重量62824kg。巡航速度507km、最大速度644km、実用上昇限度11580m、航続距離3700km。燃料搭載量8700リットル。B-29から116機（35機？）が改造され、1950年9月1日から戦略航空コマンドに引き渡された。参考：月刊JWings10,’01、5,’05、世界の傑作機No.52、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊軍事研究3,’16、月刊航空ファン4,’18

　＜ＫＢ−５０＞：B-50シリーズの空中給油機型。KB-50Dの量産型で、戦術航空コマンド用に136機が改造された。参考：月刊JWings10,’01、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＫＢ−５０Ｄ＞：試作空中給油機型。後部胴体下面と両主翼外側の計３ヵ所にプローブ・アンド・ドローグ式給油用ホースが付いている。参考：月刊軍事研究3,’16

　＜ＫＢ−５０Ｊ＞：高速のB-47に給油するため、KB-50の主翼下給油ポッドを外し、J47-GE-3ターボジェットエンジンに換装したもの。B-50やRB-50などから112機が改造を受けた。高速性能を活かして主に戦術航空コマンドに配備されている。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊JWings10,’01、月刊航空ファン4,’18

　＜ＫＢ−５０Ｋ＞：TB-50H訓練機をKB-50D仕様にしたもの。24機が改造を受けた。参考：月刊軍事研究3,’16

＜Ｐ２Ｂ＞：P2Bシリーズを参照。

＜ＱＢ−２９＞：標的ドローン型。参考：月刊JWings5,’05

＜ＲＢ−２９Ａ＞：F-13A偵察機を1948年に改称したものだが、電子偵察機（ELINT）型もこう呼ばれた。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05

＜ＲＢ−２９Ｊ＞：FB-29Jを参照。

＜ＲＢ−５０Ｅ＞：写真偵察機型。長距離斜めカメラLOROPを搭載する。参考：月刊JWings5,’19、5,’23

＜ＲＢ−５０Ｇ＞：ELINT型。参考：月刊JWings5,’19

　＜ＳＢ−２９＞：救難機型。機体下部にA-3ライフボート（全長9m、定員14名）を装備し、AN/APQ-13を前方に移した。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings2,’01

　＜ＴＢ−２９＞：練習機兼標的曳航機型。武装は全て外した。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05

　＜ＶＢ−２９＞：戦略航空コマンドの要人輸送機型。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＷＢ−２９＞：気象偵察機型。ML-313/AMサイコロメーター、AN/AMT-3ラジオゾンデセットなどを装備しており、放射能塵収集用エアスクープを搭載したものもある。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05

　＜ＷＢ−５０Ｄ＞：気象偵察機型。垂直尾翼前方に箱型のエアサンプリング装置を装着している。参考：月刊JWings10,'22、8,’20

　＜ＸＢ−２９Ｅ＞：射撃指揮装置用テストベッド機。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＸＢ−２９Ｇ＞：ジェットエンジン用テストベッド機。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＸＢ−２９Ｈ＞：武装用テストベッド機。B-29Aから改造された。参考：世界の傑作機No.52

　＜ＸＢ−３９＞：YB-29のエンジンをアリソンV-3420-11液冷エンジン（2600馬力）に換えたもの。１機が製作された。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＸＢ−４４＞：B-50の原型で、B-29Aのエンジンをプラット&ホイットニー社製R-4360-33（離昇出力3500馬力）に換えたもの。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＹＢ−２９Ｈ＞：兵装試験用テストベッド機。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＹＢ−２９Ｊ＞：長距離記録飛行型。燃料噴射式R-3350-CA2エンジンを搭載し、エンジンナセルを低抵抗型にしてプロペラをカーチスC6445-B312同調式恒速フェザリングに換装した。B-29とTB-29から６機が改造された。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05

　＜ＹＫＢ−２９Ｊ＞：試作空中給油機型。YB-29Jにフライングブーム式空中給油装置を装備したもので、２機が改造された。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＹＫＢ−２９Ｔ＞：試作空中給油機型。KB-29Pの試作型で、KB-29Mの１機にプローブ・アンド・ドローグ式空中給油装置を追加装備し、３機同時給油を行えるようにした。参考：世界の傑作機No.52、月刊JWings5,’05、月刊軍事研究11,’04

　＜スーパーダンボ＞：救難機型Super Dumbo。救命筏、食料、ラジオその他の救難用具を搭載し、無線装備を強化してある。日本沿岸に最も近い地域で救難活動に従事した。参考：世界の傑作機No.52

　＜プロジェクト・ルビー＞：テストベッド機型。内翼下に大型の爆弾架を装備し、11.792トン爆弾グランドスラム２発を搭載した。参考：世界の傑作機No.52

　＜ポーキュパイン＞：ECM/ELINT機型Porcupine（ヤマアラシ）。機内にレーダー受信・分析・妨害装置18基を装備し、レイブンと呼ばれる分析官を搭乗させている。参考：世界の傑作機No.52

＜Ｂ−２９爆撃機・海外シリーズ＞

　＜Ｂ−２９（ソ連）＞：1944年7月29日、アメリカ陸軍航空軍第462爆撃群第770爆撃隊B-29-5爆撃機が満州の製鉄所を爆撃した際、エンジン１基が停止し、プロペラをフェザリング位置にできなかったため、ウラジオストクの飛行場に不時着した。8月20日、第40爆撃群第395爆撃隊B-29A-1爆撃機がソ連領内に墜落し、大破した（乗員は墜落前に全員脱出）。11月11日、第486爆撃群第794爆撃隊B-29-15爆撃機が大村海軍航空廠爆撃後に迎撃を受けて損傷し、ウラジオストクの飛行場に不時着した。11月21日、第486爆撃群第794爆撃隊B-29-15爆撃機がウラジオストクの飛行場に不時着した。ソ連は乗員だけアメリカに引き渡すと機体をモスクワに運んで徹底研究し、Tu-4爆撃機としてコピーしている。7月29日に不時着した機体は性能試験に使用された後、Tu-4爆撃機の乗員訓練機になった。参考：月刊JWings7,’23

　＜ワシントンＢ　Ｍｋ．１＞：イギリス空軍爆撃機。アメリカから供与されたB-29/B-29Aで、1950年に計87機が供与された。参考：月刊JWings5,’05

＜Ｂ−３０＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1974年竣工。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−３２＞：アメリカ陸軍の爆撃機、別名ドミネーター。超長距離機（VLR、Very Long Range）計画でB-29が完成しなかった時の代役としてコンソリデーテッド社（1943年からコンベア社）が開発した。アスペクト比が高い主翼にB-29と同じR-3350エンジン４基を搭載する。試作では双垂直尾翼だったが、安定性が悪かったので、量産型では背の高い単尾翼に換えられた。キャビンは与圧する筈だったが、トラブルが多く非与圧にされ、遠隔操作式旋回銃座も完成せず、中・低高度爆撃しか行えなかった。全長25.1m、全幅41.1m、全高9.8m、自重27340kg、全備重量55910kg。エンジンはR-3350-23A（2200馬力）４基、巡航速度452km、最大速度575km、航続距離3860km。防御兵装は12.7mm機銃10丁。爆弾9000kgを搭載可能。乗員8-12名。1713機が発注されたが、B-29が成功したため115機（テキサス州フォートワース工場114機、カリフォルニア州サンディエゴ工場１機）のみ生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings12,’03、2,'21、比島決戦

＜Ｂ３３＞：ルーマニア陸軍装輪装甲兵員輸送車、別名ジンブル（Zimbru）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｂ−３４＞：アメリカ陸軍の洋上哨戒機。イギリスのベンチュラ�UＡを導入したもので、制式採用型はB-37という。全長15.7m、全幅20m、全高3.6m、自重7840kg、全備重量12360kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-31（2000馬力）双発、巡航速度370km、最大速度507km、実用上昇限度7320m、航続距離1530km。武装は12.7mm機銃２丁、7.7mm機銃６丁。爆弾1130kgを搭載可能。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ｂ−３５＞：K-35（潜水艦）を参照。

＜Ｂ３６核爆弾シリーズ＞：アメリカ軍の核爆弾、別名Mk36。B21核爆弾の改良型で、1953年から開発され、1956年から配備された。太い円筒形をしており、矩形断面の尾部安定翼４枚がＸ字に付く。投下されるとパラシュートを開き、空中または地表で炸裂する。全長3.8m、直径1.43m、自重（爆弾ケースのみ）5.44トン、総重量7.94トン。威力20メガトン。B41核爆弾の配備に伴い、1962年に退役した。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、核兵器図鑑、世界の傑作機No.125

　＜Ｂ３６Ｍｏｄ０＞：

　＜Ｂ３６Ｍｏｄ１Ｙ１＞：威力９メガトン。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ３６Ｍｏｄ１Ｙ２＞：威力９メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ３６Ｍｏｄ２Ｙ１＞：威力10メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ３６Ｍｏｄ２Ｙ２＞：威力10メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ−３６爆撃機シリーズ＞：アメリカ空軍６発重爆撃機、別名ピースメーカー（Peacemaker。非公式ニックネームらしい）。1941年4月11日、アメリカ本土からヨーロッパの戦略目標を直接爆撃するため、5000フィート（1524m）滑走路から離陸し、１万ポンド（4.54トン）の爆弾を搭載して往復１万マイル飛行可能な爆撃機（全備重量165000ポンド・74.8トン、最大爆弾搭載量32.7トン、最大速度369マイル、実用上昇限度40000フィート・12192m）としてアメリカ陸軍航空軍が開発を要請した。Ten thousand pounds/ Ten thousand milesということで、Ten/ Ten Bomber（テン・テン・ボマー）とも呼ばれている。ボーイング、コンソリデーテッド（後にコンベア）、ダグラス、マーチン、ノースロップに設計が依頼されたが、マーチンは他機の設計で忙しく辞退し、ボーイングがモデル384（４発機）とモデル385（６発機）、コンソリデーテッドがモデル35（串型４発機）とモデル36（６発機）、ダグラスがモデル423（４発機）を提出、コンソリデーテッドのモデル36案が採用され、1946年8月8日に原型機が初飛行、1948年6月26日から部隊配備が始まり、計385機が配備された。搭載可能な核爆弾は、Mk3、Mk4、Mk5、Mk6、Mk8、Mk14、Mk15、EC-17、Mk17、Mk18、B21、Mk24、B36、B39である。目標性能に達していない、脆弱、値段が高いといった批判を受けたが、アメリカ本土から無着陸でソ連に核爆弾を落とせる爆撃機としてCVB-58ユナイテッド・ステイツを蹴散らし戦略核攻撃任務に就き、海外基地の減少と海外に持って行けるだけの核爆弾数が無い状態では貴重な戦力となった。敵地侵攻の際はホームタウン・フォーメーションと呼ばれる３機デルタ編隊をとる。1951年5月、初のヨーロッパ派遣を実施。1953年8月、初の極東派遣を実施。8月26日には横田基地と嘉手納基地に着陸している。1955年2月4日、TCTO1B-36-895で核爆発時の熱線反射用塗装を施すことになり、動翼を含む機体下面を白色に塗った。10月1日、RB-36各型の主任務を爆撃に変更し、偵察を副次任務に引き下げた。巡航速度が低くアメリカ本土からソ連まで飛ぶのに時間がかかるということでB-47の前方展開が進むと価値が減少、B-52が実用化されると存在意義が無くなり、1956年9月から退役を開始し、1959年2月19日に完全退役した。参考：世界の傑作機No.125、月刊丸6,’03、7,’14、月刊軍事研究5,’03、アメリカの核兵器

　＜ＸＢ−３６＞：試作初号機で、1941年11月15日に発注された。乗員設備を削ったり、燃料の防弾を最小限にしたりと工夫した（一時は動力砲塔撤去も検討された）ものの、全備重量が計画より増加したため、最大速度は323マイル、実用上昇限度は38200フィート（11643m）に減少した。コクピットはB-29と同様円筒型胴体の先端にある。胴体内爆弾倉はNo.1からNo.4の４つで、No.3とNo.4の間に引き込み式機関砲塔が設置された。翼端失速を防ぐため、翼端部に開閉式スロットを付けたが、テストの結果必要無しとして量産機では省略されている。尾翼は双垂直尾翼とする予定だったが、性能的にドーサルフィン付き単垂直尾翼の方が良いということでこちらに変えられ、重量も1.75トンほど軽くなったという。降着装置は前輪式で、前輪は直径50インチ（1.27m）のダブルタイヤ、主輪は直径110インチ（2.79m）・幅46インチ（1.17m）・重量1475ポンド（0.67トン）のシングルタイヤである。主脚はNo3/No4エンジンの内側に隣接しており、１本あたりの重量はタイヤも含め8550ポンド（3.88トン）で、内側に引き込む。グッドイヤー社の技術によりタイヤの方は最大離陸重量に耐えられたが、滑走路の方は厚さ570mm以上のコンクリート舗装が無いと耐えられず、フォートワース基地、エグリン基地、フェアフィールド・スーサン基地にしか着陸できなかった。全長49.4m、全幅70.1m、全高14.2m、全備重量117.9トン。エンジンはR-4360-25（3000馬力）６基、最大速度595km、実用上昇限度12900m、航続距離12800km。乗員15名。機体は1945年9月8日に完成したが、エンジンの開発が遅れて初飛行は1946年8月8日になった。1947年3月27日、31回目の試験飛行で右主脚を損傷したため、修理ついでに主脚を４輪ボギー式に換装し、1948年6月から試験飛行を再開した。1950年3月26日、主降着装置をゴム履帯式に換装してテストフライトを実施。離着陸時に転輪がきしむ凄まじい騒音が発生する以外は良好な成績を収めたとされるが、実用化はされなかった。1951年半ばから航空機原子力推進計画の地上実験機として使用されている。参考：世界の傑作機No.125、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＹＢ−３６＞：試作２号機で、1947年12月4日に初飛行した。コクピットが機首やや後方に移され、半球状に上へ張り出している。No.3爆弾倉とNo.4爆弾倉の間にあった引き込み式機関砲塔2CFR87A-1はNo.4爆弾倉の後ろに移されたため、爆弾倉は４つがタンデムに連なる形になった。主輪は相変わらずの巨大なシングルタイヤ。1950年初めにRB-36Eに改造された。退役後はライトパターソン空軍基地の空軍博物館で展示されていたが、1970年代初めにスクラップにされた。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＹＢ−３６Ａ＞：１機（ブロック１）が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ａ＞：胴体は天井左右と床の左右に４本のキールを通して形成した四角柱を円筒型の外板で包んだ構造をしており、胴体の半分を占める爆弾倉の天井と左右壁面はトラス構造にして強度を増大させた。モノコック構造にしなかったのは、爆弾倉と引き込み式機関砲塔の開口部が大きすぎて強度を維持できなかったためである。代わりに金属疲労の恐れがある与圧部分以外の外皮は強度の高いアルミニウム合金を使用する必要が無く、軽量化のためマグネシウム合金を多用（総重量7.1トン）、「マグネシウムの雲（Magnesium Overcast）」という渾名を付けられた。胴体には機首と後部胴体に与圧室が１つずつ設けられており、真ん中に非与圧の長大な爆弾倉がある。乗員は前脚収容部の梯子を登って前後の与圧室に位置し、離着陸時のみ使用する指定席（後部与圧室ではベッドに寝る）も用意されている。不時着水時にも離着陸時指定席に座るが、後部与圧室が水没する危険性が高いと考えられたため、乗員全員が前部与圧室に移動、うち６名が前上方引き込み式砲塔を引き出した後の床に後ろ向きに座ることとなった。ちなみにシートベルトは無く、前半分は天井も無い状態で、前部与圧区画前端バルクヘッドに隣接して収容されている21名乗り救命ボートを運び込んで２名がそれを背もたれ代わりに立て膝姿勢をとり、次の２名がその腿を背もたれにして立て膝になり、最後の２名がその腿を背もたれにして普通に座るという人間衝撃吸収座席状態で着水に備えた。光学爆撃照準器はノルデンM-9で、爆撃手が操作する。ノルデン照準器に映る画像が歪まないよう、機首先端左下部は平面ガラスにした。レーダー爆撃航法装置はAN/APQ-23で、機首下面にレドームを持つ。爆弾倉は３つの隔壁で４分割されており、爆弾倉左下を前後与圧室連絡用与圧チューブが通っている。連絡用チューブは長さ25.9m、直径0.63mで、内部には床にレール、天井にロープが張ってあり、乗員は台車に乗ってロープを手繰りつつ移動する。爆弾倉は前からNo.1、No.2、No.3、No4の４つで、長さはNo.1とNo.4が16フィート（4.88m）、No.2とNo.3が15フィート11インチ（4.85m）。胴体断面が真円なので、爆弾倉扉は電動モーターでケーブルを巻き取り胴体外板に沿って側方にスライドさせる方式にし、開閉時の空気抵抗を減らした。筈だったが、実際には乱流が生じて飛行速度が低下し、更に高々度飛行中には低温で電動モーターが上手く作動しないこともあった。また、電動モーターの巻き上げ速度が遅く、開閉に時間がかかるという欠点もあった。No.1とNo.4爆弾倉の扉は連動式で、一枚扉が正面から見て右側に引き上げられる。No.2とNo.3は個別に作動し、左右２分割の扉がそれぞれ外側に引き上げられる。爆弾倉内側壁はトラス構造で、ここに最大36個の爆弾架を取り付けることができ、当時アメリカ陸軍航空軍が使用していた全爆弾・航空機雷を搭載可能。T-10/T-12/T-14大型爆弾は個別の爆弾倉に入りきらないので、No.1-No.2間またはNo.3-No.4間の隔壁下部を開いて爆弾倉内側壁に固定することで、２つの爆弾倉を繋げて収容する。胴体背面に直径76mmの開閉式の穴があり、爆弾搭載時にはC-6ボム・ホイストを胴体背部に取り付け、ホイストのワイヤーを穴に通して爆弾倉から下に垂らし、爆弾を吊り上げてラックに取り付ける。4000ポンド（1.81トン）以上の大型爆弾の搭載にはホイストは使用せず、専用ローダーに積んで爆弾倉内に装着したユニバーサル・ラックに直接取り付けた。爆弾倉のサイズも搭載量も大きいため、投下による重心変化も大きく、爆弾投下順序は厳密に計算しておく必要がある。自衛武装は引き込み式遠隔操作20mm連装機関砲塔2CFR87B-1で、機首に１基、No.1爆弾倉前方上面左右に１基ずつ（使用時に左右２枚のカバーが外板に沿って側方にスライドする）、No.4爆弾倉後方上下面にそれぞれ左右１基ずつ（使用時には上面のカバーが右側面に、下面のカバーが左側面に正面から見て反時計回りでスライド）、尾部に１基の計８基が搭載されており、死角が無いような配置となっている。尾部砲塔のみレーダー照準で、他は光学照準である。爆弾倉や砲塔のシールは成層圏の低温にも耐えられるシリコンゴムを使用した。主翼は高翼配置で、前後に桁が２本あり、No.2爆弾倉後半部とNo.3爆弾倉前半部の上部を貫通している。翼型は付け根がNACA63-4-422A、翼端がNACA63-4-517AのNACA63シリーズ系層流翼で、当初はNACA 65シリーズとする予定だったが、主翼後縁の剥離流がプッシャープロペラに悪影響を与えるため、変更されている。主翼前縁後退角15度５分39秒、後縁後退角３度、上反角２度、取り付け角３度。設計時は前縁後退角12度５分39秒、後縁後退角０度だったが、風洞実験で予想よりも空力中心が前方にあることが判明し、翼全体を３度後ろに回転させた結果、この角度になった。翼弦長は付け根33フィート４インチ（10.16m）・翼端４フィート８インチ（1.42m）のテーパー翼、空力的平均翼弦23フィート４と16分の11インチ（7.13m）、翼幅230フィート（70.1m）、アスペクト比11.08。翼厚比は付け根22%・翼端17%と分厚く、構造重量を軽くしつつ燃料を大量に入れられるようにしてある。主翼外皮は前後桁間がアルミニウム合金、他の大部分がマグネシウム合金、舵面が金属骨格羽布張りで、表面を平滑にするため金属接着剤（液状のメルトボンドとテープ状のシーラボンド）を開発して外板の30%に適応した。爆弾倉内から翼内に通じる通路があり、外側のレシプロエンジンまで繋がっている。翼桁は２本で、前桁が翼弦の12%、後桁が43%の位置にあり、その間には左右計８基のインテグラルタンクが設置された。エンジンはR-4360レシプロ６発で、プロペラ後流による摩擦抵抗増大を防ぐため片側３基ずつプッシャー式に装着されており、主翼翼弦面に対して３度下向き（主翼取り付け角３度なので機体中心線と平行になる）・３度外向き（主翼設計変更に伴ってこの角度になった。エンジン故障時のアドバース・ヨー低減効果あり）となっている。エンジン間隔は19フィート９インチ（6.02m）だが、主脚を主翼内に収めるのに十分なクリアランスを持たせるため、最内舷エンジンと胴体は28フィート７と32分の18インチ（8.73m）離された。これにはプロペラ渦流が胴体外板を直撃しにくくする効果もあり、金属疲労が軽減したという。各エンジンに２基付いているターボチャージャーのうち、左側のものは常時作動しており、与圧室への与圧供給にも使用される。エンジン冷却のため、主翼前縁に冷却用エアインテイクが設置されており、ここから強制冷却ファン（エンジンのクランク軸と２速の減速歯車で接続）で空気を吸い込む。エアインテイクは上下に分かれているが、上からの空気はエンジンとターボチャージャーのインタークーラー用、下からの空気は潤滑油冷却器とターボチャージャー本体用であり、エンジン・インタークーラー冷却済み空気はスピナーとカウリングの隙間、潤滑油冷却済み空気は飛行中はエンジンナセル下面、地上ではエンジン・インタークーラー冷却済み空気と混ぜてスピナーとカウリングの隙間から放出する。冷却空気流量の調節はカウリング後縁にある筒型エアプラグを前後に動かしてスピナーとの隙間を調整することにより行う。エンジンが主翼の陰に隠れてコクピットから見えないため、後部与圧区画の乗員が目視で異常が無いか見張っていた。火災が発生した場合にはエンジンを停めて燃料供給バルブを閉鎖、消火器を作動させるが、火炎が後ろに吹き飛ぶのでエンジン以外の構造に延焼することが少なく、燃料バルブを閉じた時点で鎮火することが多かった。エンジンの構造が複雑で故障が多発、６基全てが正常のままミッションを終わるのは稀だったとも言われるが、出力に余裕があったため、1-2基止まった程度では引き返す必要も無く、逆に最内舷エンジンを止めて振動による金属疲労を防止することも行われている。プロペラは中空鋼製で先端が丸い直径19フィート（5.79m）３翅のカーチス製C736SP-A1可変ピッチプロペラで、機体進行方向に向かって反時計回りで回転する。エンジンの回転をそのままプロペラに送ると先端が超音速になって効率が落ちるので、減速比0.29/0.50の２段ギアを間に挟んだ。ピッチ変更はエンジン出力の一部を多段式油圧クラッチと歯車により取り出して行う方式とし、フェザリングやリバースピッチなど急激な角度変更が必要な場合には補助モーターも追加する。プロペラ振動の関係で、等価対気速度155-195マイル・高度0-45000フィート（0-13716m）において回転数制限があった。内翼の２本の翼桁間が燃料タンクで、各エンジン間とエンジン・胴体間に計６個が設けられており、主翼付け根左右には翼内補助タンク計２個が用意されていて、全て重心近くにあるため燃料消費によるトリム変化が無い。内側燃料タンク以外には防弾パネルをボルト止めすることが可能で、内側燃料タンクは最初に消費して気化燃料を排気し、完全に空にすることで被弾に備える。必要に応じNo.3爆弾倉に3000ガロン（11356リットル）増槽の搭載が可能。フラップは胴体と内側エンジンナセルの間、各エンジンナセルの間の後縁に設けられており、電動式で、最大下げ各30度。飛行中にフラップを下げるとプロペラに振動が起きるため、緊急時と離着陸時以外は作動させてはいけない。エルロンは最外エンジンナセルと翼端の間の後縁にあり、最大上げ角20度、最大下げ角20度、サーボタブ最大上げ角25度、最大下げ角25度。プロペラが吸い込む空気が主翼とフラップに流れる気流を整える働きをし、エルロン内側にもこの気流が当たるため、翼端失速を起こしてもエルロンの働きは完全には失われなかったようである。降着装置は前輪式で、着陸できる航空基地が３箇所しか無いのでは実用に耐えないため、主輪を４車輪ボギー方式（タイヤ直径55インチ・1.4m）として接地圧を減らした。ただし幅が広がって主翼内に収まり切らなくなったため、主翼上面と車輪カバーにバルジを設けて解決している（空気抵抗が増えたが、主降着装置の重量減で相殺した）。降着装置の作動は3000psiの油圧を使用する。水平安定板前縁外板と後縁外板はマグネシウム合金を使っている。昇降舵は金属骨格羽布張り（後縁外板はマグネシウム合金）で、作動角は機首上げ最大25度、機首下げ最大25度、サーボタブ最大上げ角20度、最大下げ角20度、トリムタブ最大上げ角24度、最大下げ角12度。ドーサルフィンと垂直安定板前縁外板・後縁外板はマグネシウム合金製。方向舵は金属骨格羽布張り（桁後方外板はマグネシウム合金製）で、作動角は最大左右16度ずつ、サーボタブ最大左右14度ずつ、トリムタブ最大左右20度ずつ。操縦系統はスプリング・タブによる人力操作で、特に作動に問題は無く、パイロットからは好評を博した。フラップは16馬力の電動モーターで作動し、電源は３相400サイクル208V交流で、電気配線の芯線には銅でなくアルミニウムを使って軽量化を図っている。主尾翼前縁にはエンジン排気管で加熱した空気を通して着氷を防ぐ防氷装置を搭載した。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量61200kg、戦闘重量96500kg、設計全備重量140800kg、最大離陸重量141100kg。エンジンはR-4360-25ワスプ・メイジャー空冷28気筒ガソリン（排気量71400cc、3000馬力）６発、プロペラはプッシャー式、最大速度300ノット、燃料容量30716ガロン・116272.7リットル（使用可能燃料30630ガロン・115847.2リットル）、爆弾倉内増槽搭載時33718ガロン・127636.5リットル（使用可能燃料33626ガロン・127288.3リットル）、戦闘行動半径3370海里、航続時間35.6時間。自衛武装は20mm連装機関砲塔８基。最大爆弾搭載量32.7トン。搭載可能な兵装は、大型汎用爆弾がT-10、T-12、T-14、汎用爆弾がAN-M30A1、AN-M57A1、AN-M66A2、AN-M46A1、AN-M65A1、誘導爆弾がVB-13、軽外皮爆弾がAN-M56A2、破片爆弾がM88、半徹甲爆弾がAN-M58A2、AN-M59A1、破片クラスター弾がM28A1、AN-M1A1、AN-M2A1、M29、M26A2、M27、焼夷弾がAN-M47A3、AN-M76、クラスター焼夷弾がAN-M6、AN-M12、AN-M17A1、AN-M14、AN-M7、AN-M13、目標表示弾がM89、M98、対潜爆弾がAN-Mk53Mod1、AN-Mk54Mod1、航空機雷がMk36、Mk36Mod1、Mk26Mod1、Mk25、Mk10Mod9、パラシュート吊光弾がAN-M26、フラッシュ弾がAN-M46、化学爆弾がAN-M70、AN-M78、AN-M79、訓練弾がM38A2、訓練クラスター弾がM5。核爆弾の搭載運用能力は持たない。500ポンド爆弾なら132発、1000ポンド爆弾なら72発を搭載できる。乗員15名（前部与圧区画に機長、副操縦士、第１機関員、航法士、レーダー爆撃士、機首砲塔射手、第１通信員兼ECM員、第２通信員、前部左舷砲塔射手、前部右舷砲塔射手、後部与圧区画に後上部左舷砲塔射手、後上部右舷砲塔射手、後下部左舷砲塔射手、後下部右舷砲塔射手、尾部砲塔射手）。ブロック１が５機、ブロック５が５機、ブロック10が６機、ブロック15が８機の計22機が生産された。初号機は1947年8月28日に初飛行した後、8月30日から地上強度試験機として使用されている。他の21機は完熟訓練に使用され、後にRB-36Eに改造された。参考：世界の傑作機No.125、月刊軍事研究5,’03、アメリカの核兵器

　＜Ｂ−３６Ｂ＞：Ａ型のエンジンを強化し、電子装備を換装、自衛武装を搭載した実戦型。レーダー爆撃航法装置はAN/APQ-24に換装した。胴体後部に引き込み式の補助輪を持つ。機関砲塔は2CFR87B-2、尾部砲塔用火器管制レーダーはAN/APG-3である。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量63.8トン、戦闘重量126トン、最大離陸重量148.8トン。エンジンはR-4360-41ガソリン（3500馬力）６基、最大速度371ノット、実用上昇限度28500フィート（8687m）、戦闘上昇限度38800フィート（11826m）、戦闘行動半径3740海里、航続時間42.43時間。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔８基。最大爆弾搭載量32.7トン。乗員15名。ブロック１が12機、ブロック５が12機、ブロック10が15機、ブロック15が15機、ブロック20が８機の計62機が生産された。20号機以降はNo.1爆弾倉にMk.3/Mk.4核爆弾を搭載できる。核爆弾運用の際は、与圧高度に達する前に爆撃手がNo.1爆弾倉に入って核物質を挿入する。1948年6月からサドルツリー計画の名称で18機に対してNo.1爆弾倉にMk.3核爆弾の搭載改修が施された。後にＤ型と同じく外翼にジェットエンジンを追加した。参考：世界の傑作機No.125、月刊軍事研究5,’03

　＜Ｂ−３６Ｄ＞：外翼にジェネラル・エレクトリック社製J47-GE-19ターボジェット（推力2359kg）を２基ずつポッド式に吊り下げて最大速度を700kmに上げたもの。使用燃料はR-4360と同じパフォーマンス価115/145の航空機用ガソリンで、エンジンポッドはB-47の内舷に装着されたものをそのまま使用しており、補助車輪収容部も残っている（中身は無い）。ポッドは６度下向きに取り付けられており、地上滑走時には７度20分くらいまで下を向き、地上高は５フィート６インチ（1.68m）しか無いので、タキシング中にジェットエンジンを作動させるのは禁止であり、滑走路脇で停止してから始動させる。R-4360のスロットルレバーはセンターコンソールに６本並び、J47のスロットルレバーは頭上のコンソールに装着された。巡航飛行中はジェットエンジンを切るので、ウインドミリングを防ぐため、エアインテイクにプラグ（インテイクシャッター、アイリスともいう）を設置している。ただし完全に空転を止めるとエンジンオイルが固くなって再始動しにくくなるので、少しだけプラグを開けてちょっとだけ回しておく（ちなみにプラグを完全に閉じても隙間風で5-7%くらいで空転しているが、これではオイルを回すには不十分）。高々度でのジェットエンジン始動に備え、主翼前縁防氷装置用ダクトからパイロン経由で熱風をエンジンに引き込み、暖機を行う装置が追加された。全手動管理のR-4360エンジン６基に加えて４基のジェットエンジンまで扱わなければならなくなったため、機関員が２名に増やされた。爆撃照準器はY-1ペリスコープ式光学照準装置に換装され、機首先端左下の平面ガラスが金属板で塞がれている。コクピット上部には天測用ブリスターが追加された。レーダー爆撃航法装置はK-1を搭載する。爆弾倉扉は中折れ式ヒンジドアを左右に開く方式（スナップアクション式）に変更されており、No.1/No.2爆弾倉をカバーする前方爆弾倉扉と、No.3/No.4爆弾倉をカバーする後方爆弾倉扉に分かれていて（両方とも長さは9.87m）、開閉には２秒しかかからない。舵面は羽布張りからマグネシウム合金に変更されている。B-36Bとして発注されてB-36Dとして完成したものは、胴体後部に引き込み式の補助輪が付いたままとなっているが、新規発注のB-36Dでは装備していない。最大離陸重量の関係で、大型水爆を搭載する際には燃料を満載できないという欠点があった。後部与圧区画にK-17C弾着観測／偵察カメラまたはK-22A弾着観測／偵察カメラまたはK-37夜間撮影カメラまたはK-38弾着観測カメラ１台を装備可能。E-6自動操縦装置を搭載する。無線機はAN/ARC-3VHF通信機、AN/ARC-27UHF通信機、AN/ARC-8HF通信機、BC-453-Bレンジ受信装置、AN/CRC-7携帯用通信機。航法装置はAN/ARN-5A/-5B計器着陸装置（グライドパス）、RC-103計器着陸装置（ローカライザー）、AN/ARN-7方向探知装置、AN/ARN-12またはRC-193-Aマーカービーコン受信装置、AN/ARN-14オムニレンジ受信装置、AN/APN-9Aロラン受信装置、N-1��緯度用コンパス。アビオニクスはAN/APX-6IFF、AN/APQ-31爆撃航法レーダー、AN/APG-32尾部砲塔射撃統制レーダー、AN/APA-38ECMパノラミック表示装置、AN/APR-4ECM受信装置、L/Pバンド妨害装置AN/APT-4、Ｐバンド妨害装置AN/APT-1、Ｌバンド妨害装置AN/APT-5A、スポット・ジャミング装置AN/ARQ-8。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量73.2トン、戦闘重量113.5トン、設計全備重量162.1トン、最大離陸重量167.8トン。エンジンはR-4360-41ガソリン（3500馬力）６基＋J47-GE-19（推力2.27トン）４基、最大速度353ノット、実用上昇限度33100フィート（10089m）、戦闘上昇限度40700フィート（12405m）、戦闘行動半径3065海里、航続時間31.5時間。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔８基。最大爆弾搭載量32.7トン。乗員15名（前部与圧区画に機長、操縦士、副操縦士兼前部左舷砲塔射手、第１機関員、第２機関員、航法士、レーダー爆撃士、爆撃士兼機首砲塔射手、第１通信員兼ECM員、第２通信員兼前部右舷砲塔射手、後部与圧区画に後上部左舷砲塔射手、後上部右舷砲塔射手、後下部左舷砲塔射手、後下部右舷砲塔射手、尾部砲塔射手）。ブロック１が４機、ブロック５が８機、ブロック15が２機、ブロック25が６機、ブロック35が６機の計26機が新規生産され、ブロック10が９機、ブロック15が１機、ブロック20が５機、ブロック30が10機、ブロック40が11機、ブロック45が13機、ブロック50が10機の計59機が他型から改造された。原型機は1949年3月26日に初飛行したが、エンジンが間に合わず、J35A-19（推力1.82トン）４基を装備しており、J47-GE-19に換装しての初飛行は1949年7月11日のことである。1950年からNo.4爆弾倉への核爆弾搭載改修が行われた。一部に全爆弾倉への核爆弾搭載改修を施した機体がある。後にプロペラをB-36Hと同じものに換装した。参考：世界の傑作機No.125、月刊軍事研究5,’03

　＜Ｂ−３６Ｄ−�U＞：B-36Dにフェザーウェイト�Uを適応したもの。35機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｄ−�V＞：B-36Dにフェザーウェイト�Vを適応したもの。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量73.1トン、戦闘重量110.9トン、設計全備重量162.1トン、最大離陸重量167.8トン。エンジンはR-4360-41ガソリン（3500馬力）６基＋J47-GE-19（推力2.27トン）４基、最大速度363ノット、実用上昇限度33400フィート（10180m）、戦闘上昇限度41300フィート（12588m）、戦闘行動半径3260海里、航続時間33.7時間。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔１基。最大爆弾搭載量32.7トン。乗員13名。38機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｆ＞：レシプロエンジン強化型。レーダー爆撃航法装置はK-3Aに換装し、胴体後部にチャフ・ディスペンサーを追加した。No.1爆弾倉とNo.4爆弾倉に核爆弾を搭載できる。20mm機関砲塔は前期型が2CFR87C-1、後期型が2CFR87C-2で、尾部銃座照準用レーダーは前期型がAN/APG-3、後期型がAN/APG-32（レドームが平たい）。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量76トン、戦闘重量115.4トン、設計全備重量162.2トン、最大離陸重量161.3トン。エンジンはR-4360-53レシプロ（3800馬力）６基＋J47-GE-19（推力2.27トン）４基、最大速度363ノット、実用上昇限度33000フィート（10058m）、戦闘上昇限度40900フィート（12466m）、戦闘行動半径2807海里、航続時間26.7時間。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔８基。最大爆弾搭載量32.7トン。乗員15名。ブロック１が８機、ブロック５が７機、ブロック10が10機、ブロック15が９機の計34機が新規生産された。後にプロペラをB-36Hと同じものに換装した。一部に全爆弾倉への核爆弾搭載改修を施した機体がある。参考：世界の傑作機No.125、月刊軍事研究5,’03

　＜Ｂ−３６Ｆ（Ｂ−５８輸送用）＞：B-58爆撃機の地上強度試験機をフォートワース基地からライト・パターソン空軍基地に空輸するための特別改造機。第３・第４レシプロエンジンのプロペラを外し、胴体下面爆弾倉にB-58の胴体を半埋め込み式に収容、主翼同士を逆Ｖ字のストラットで固定している。1957年3月12日に降着装置を出したままで飛行し、無事ライト・パターソン空軍基地まで送り届けた。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｆ−�U＞：B-36Fにフェザーウェイト�Uを適応したもの。28機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｆ−�V＞：B-36Fにフェザーウェイト�Vを適応したもの。後部与圧区画にK-17C弾着観測／偵察カメラまたはK-22A弾着観測／偵察カメラまたはK-37夜間撮影カメラまたはK-38弾着観測カメラ１台を装備可能。E-6自動操縦装置を搭載する。無線機はAN/ARC-3VHF通信機、AN/ARC-27UHF通信機、AN/ARC-8HF通信機、AN/CRC-7携帯用通信機。航法装置はAN/ARN-5B計器着陸装置（グライドパス）、AN/ARN-6方向探知装置、AN/ARN-12マーカービーコン受信装置、AN/ARN-14オムニレンジ受信装置、AN/APN-9Aロラン受信装置、N-1��緯度用コンパス。アビオニクスはAN/APX-6IFF、AN/APQ-31爆撃航法レーダー、AN/APG-32尾部砲塔射撃統制レーダー。乗員13名（前部与圧区画に機長、操縦士、副操縦士、第１・第２機関員、航法士、レーダー爆撃士、爆撃士、第１・第２通信員兼ECM員、後部与圧区画に後下部左舷監視員、後下部右舷監視員、尾部砲塔射手）。４機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｇ＞：YB-60を参照。

　＜Ｂ−３６Ｈ＞：細部改良型。プロペラを先端の角張った直径19フィート（5.8m）３翅のカーチス製1129-17C6-24またはA.O.スミス製SP-36Dに換装しており、高々度での回転数制限が軽減された（ただし前者は高度25000フィート・7620m以上なら最大速度まで制限無しだが低空での制限が多く、後者は全高度で回転数毎分1500以上を発揮できるが高度により等価対気速度250-275マイルの速度制限あり）。No.1爆弾倉とNo.4爆弾倉に核爆弾を搭載できる。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量76.4トン、戦闘重量115.2トン、最大離陸重量161.3トン。エンジンはR-4360-53レシプロ（3800馬力）６基＋J47-GE-19（推力2.27トン）４基、最大速度363ノット、実用上昇限度33000フィート（10058m）、戦闘上昇限度40800フィート（12436m）、戦闘行動半径2705海里、航続時間26.4時間。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔８基。最大爆弾搭載量32.7トン。乗員15名。ブロック１が９機、ブロック５が６機、ブロック10が７機、ブロック15が６機、ブロック20が６機、ブロック25が６機、ブロック30が６機、ブロック35が６機、ブロック40が７機、ブロック45が５機、ブロック50が６機、ブロック55が６機、ブロック60が７機の計83機が新規生産された。一部に全爆弾倉への核爆弾搭載改修を施した機体がある。後期生産型では20mm機関砲塔が2CFR87C-3、尾部砲塔用射撃指揮レーダーがAN/APG-41に換装され、方向舵下方に２つのレドームが並ぶようになった。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｈ−�U＞：B-36Hにフェザーウェイト�Uを適応したもの。11機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｈ−�V＞：B-36Hにフェザーウェイト�Vを適応したもの。自衛兵装を尾部のみとするなどして軽量化し、上昇限度が5000フィート（1524m）向上して50000フィート（15240m）になった。後部与圧区画にK-17C弾着観測／偵察カメラまたはK-22A弾着観測／偵察カメラまたはK-37夜間撮影カメラまたはK-38弾着観測カメラ１台を装備可能。E-6自動操縦装置を搭載する。無線機はAN/AIC-10インターコム、AN/ARC-3VHF通信機、AN/ARC-27UHF通信機、AN/ARC-21XまたはAN/ARC-8HF通信機、AN/CRC-7携帯用通信機。航法装置はAN/ARN-5計器着陸装置（グライドパス）、AN/ARN-6方向探知装置、AN/ARN-12マーカービーコン受信装置、AN/ARN-14オムニレンジ受信装置、AN/APN-9ロラン受信装置。アビオニクスはAN/APX-6IFF、AN/APQ-31爆撃航法レーダー、AN/APG-32/-41尾部砲塔射撃統制レーダー、AN/ALA-2ECMパノラミック表示装置、AN/APR-4ECM受信装置、L/Pバンド妨害装置AN/APT-4及びAN/APT-6、Ｐバンド妨害装置AN/APT-9、AN/APR-9。乗員13名（前部与圧区画に機長、操縦士、副操縦士、第１・第２機関員、航法士、レーダー爆撃士、爆撃士、第１・第２通信員兼ECM員、後部与圧区画に後下部左舷監視員、後下部右舷監視員、尾部砲塔射手）。62機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６Ｊ＞：最外側エンジン外側の２本の翼桁間に燃料タンクを左右１個ずつ追加し、燃料搭載量を2770ガロン（2770リットル）増やしたもので、爆弾倉内増槽搭載時の燃料容量は36396ガロン（137773リットル）に達する。主脚も強化され、最大離陸重量は410000ポンド（186トン）に増えた。ちなみにこの主脚強化は以前の機体にもレトロフィットされているが、レトロフィット機のマニュアル上の最大離陸重量は強化後も357500ポンド（162トン）のままとなっている。No.1爆弾倉とNo.4爆弾倉に核爆弾を搭載できる。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量77.6トン、戦闘重量120.7トン、最大離陸重量186トン。エンジンはR-4360-53レシプロ（3800馬力）６基＋J47-GE-19（推力2.27トン）４基、最大速度363ノット、実用上昇限度27400フィート（8352m）、戦闘上昇限度39900フィート（12162m）、戦闘行動半径2955海里、航続時間29.4時間。最大爆弾搭載量32.7トン。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔８基。乗員15名。1954年までにブロック65が12機、ブロック70が12機、ブロック75が９機の計33機が新規生産された。うち17機は最初からフェザーウェイト�V仕様で完成している。一部に全爆弾倉への核爆弾搭載改修を施した機体がある。参考：世界の傑作機No.125、月刊軍事研究5,’03

　＜Ｂ−３６Ｊ−�V＞：B-36Jにフェザーウェイト�Vを適応したもの。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量75.4トン、戦闘重量119.1トン、最大離陸重量186トン。エンジンはR-4360-53レシプロ（3800馬力）６基＋J47-GE-19（推力2.27トン）４基、最大速度363ノット、実用上昇限度28500フィート（8687m）、戦闘上昇限度39500フィート（12040m）、戦闘行動半径3465海里、航続時間34.6時間。最大爆弾搭載量32.7トン。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔１基。乗員13名。33機が改造（うち17機は新造時からこの仕様）された。ネブラスカ州オファット空軍基地戦略航空宇宙博物館に１機、ライトパターソン空軍基地ナショナル・ミュージアム・オブ・ザ・USAFに１機が展示されている。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６　ＴＣＴＯ　１Ｂ−３６−８５２改修＞：B-36D/F/H/JにMk14水爆やMk17水爆を搭載出来るようにする改修。No.3爆弾倉にラージ・カーゴ・システム爆弾架を装着するもので、No.3爆弾倉とNo.4爆弾倉を貫く形で水爆を搭載する。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６　ＴＣＴＯ　１Ｂ−３６−９７３改修＞：B-36D/F/H/JにMk15水爆やB39水爆を搭載出来るようにする改修。No.4爆弾倉にミディアム・カーゴ・システム爆弾架を装着した。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６フェザーウェイト�T＞：重量軽減計画Featherweight第１段階。大重量の水爆を搭載してMiG-15の届かない高々度を飛行したり、本土から敵地を爆撃できるだけの燃料を積めるようにしたりするため、機体重量を減らすものである。Mk14やMk17といった大型水爆を搭載する時に限り、引き込み式20mm機関砲塔、通常爆弾架、不要な乗員用設備を撤去することとしたが、作業に数日かかるので有事に間に合わないという欠点があり、実際には実施されなかった。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６フェザーウェイト�U＞：重量軽減計画Featherweight第２段階。コンベア社またはサンアントニオ航空工廠で予め不要物を撤去して4800ポンド（2.18トン）ほど軽量化し、操縦席頂部のアストロドームをペリスコープ式六分儀に変更するなどして空気抵抗を減少させ、引き込み式20mm機関砲塔を１日で撤去できるよう改造するものである。砲塔を撤去しなくても25%、撤去すれば39%ほど航続距離が延長する。各型計175機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｂ−３６フェザーウェイト�V＞：重量軽減計画Featherweight第３段階。フェザーウェイト�Uに加え、引き込み式20mm機関砲塔と照準用ブリスターを全撤去してカバーで塞ぎ、燃料タンク側下面の防弾シーリングも外し（付けていても23mm機関砲弾には貫通されるため）、洗面設備、ギャレー、仮眠用ベッドなども取り除き、15000ポンド（6.8トン）軽量化した。これで航続距離がフェザーウェイト�Uよりも25-40%増しになり、高々度性能も向上したため、乗員は部分与圧電熱服とICS内蔵ヘルメットを装備するようになった。R-4360-53装備のB-36F-�V/H-�V/J-�Vは高度60000フィート（18288m）超まで到達できたらしく、前部20mm機関砲塔撤去跡に酸素ボトル５本が配置されている。ちなみに砲塔撤去後も不時着水時には６名（偵察機型では９名）が前上部引き込み砲塔撤去跡で撤去前と同じ不時着水姿勢をとる。各型計183機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ−３６ファミリー＞

　＜ＤＢ−３６Ｈ＞：GAM-63ラスカル空対地ミサイル運用型。YDB-36Hの実用機型で、1953年5月に12機が発注されたが、1955年6月にGAM-63が開発中止となったため、２機のみ完成した。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＥＤＢ−３６Ｈ＞：１機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＥＤＢ−３６Ｈ−�U＞：EDB-36Hにフェザーウェイト�Uを適応したもの。１機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＥＲＢ−３６Ｄ＞：１機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＧＲＢ−３６Ｄ＞：空中母機型。JRB-36Fを敵地強行戦術偵察任務に変更して実用化したものである。爆弾倉部分の機体下面にトラピーズを介してRF-84Kを固定し、敵地近く（偵察目標手前800-1000海里、高度25000フィート・7620m）で発進させ、RF-84Kが偵察任務を終えたらGRB-36Dの胴体背部に装備したAN/APX-29ビーコンにより会合、再びトラピーズで収容し、帰投する。RF-84Kに対してスクランブルをかけさせ、GRB-36Dで電子情報を収集したり、有事の際にはRF-84KにMk7核爆弾を搭載して核攻撃を仕掛けたりといったことも想定していたらしい。トラピーズ操作員は与圧カメラ区画に後ろ向きで座り、ドッキング時の操作を行う。また、空中での抵抗を減らすためにRF-84Kの機首をやや下げ位置にしたり、カメラ・フィルム交換に適した姿勢を取らせたりといった微調整も担当する。No.4爆弾倉左にはRF-84Kへの補給用に1140ガロン（4315リットル）JP-4タンクが設置された。ドッキングしたままで離着陸も行えるが、危険なので、RF-84KのパイロットはGRB-36Dの与圧カメラ区画にある席に座る。また、地上でRF-84KをGRB-36Dから脱着する際には、GRB-36Dの車輪をスロープの上に乗り上げさせるか、エプロンに掘った穴（通称スイミングプール）を跨がせるかして、クリアランスを確保しなければならない。ブロック１が３機、ブロック10が２機、ブロック15が３機、ブロック20が２機の計10機が既存のRB-36Dから改造され、1955-57年に実戦配備されていた。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＧＲＢ−３６Ｄ−�V＞：GRB-36Dにフェザーウェイト�Vを適応したもの。搭載カメラはRB-36D-�Vと同じ。E-6自動操縦装置を搭載する。無線機はAN/ARC-3VHF通信機、AN/ARC-27UHF通信機、AN/ARC-8HF通信機、BC-453-Bレンジ受信装置、AN/CRC-7携帯用通信機、AN/ANQ-1Aワイヤレコーダー。航法装置はAN/ARN-5計器着陸装置（グライドパス）、RC-103A計器着陸装置（ローカライザー）、AN/ARN-7方向探知装置、AN/ARN-12またはRC-193-Aマーカービーコン受信装置、AN/ARN-14オムニレンジ受信装置、AN/APN-9ロラン受信装置、N-1��緯度用コンパス。アビオニクスはAN/APX-6IFF、AN/APX-29空中会合用レーダー、AN/APQ-24爆撃航法レーダー、AN/APG-32尾部砲塔射撃統制レーダー、SCR-718-D電波高度計、BC-454ラジオゾンデ受信装置、AN/AMQ-7気象観測システム、AN/AMT-3ラジオゾンデ、MA-1ラジオゾンデ投下装置。乗員22名（前部与圧区画に機長、操縦士、副操縦士、第１・第２機関員、首席航法士、写真偵察航法士、レーダー爆撃士、気象観測員、第１・第２通信員、低周波担当ECM員、与圧カメラ区画に第１写真員、RF-84K操縦士、寄生戦闘機運用補助員、トラピーズ操作員、後部与圧区画に後下部左舷監視員、後下部右舷監視員、尾部砲塔射手、中間周波担当ECM員、中周波担当ECM員、高周波担当ECM員）。GRB-36D全10機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＢ−３６Ｈ＞：ブロック30が１機、ブロック35が１機、ブロック55が２機の計４機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＢ−３６Ｈ−�V＞：JB-36Hにフェザーウェイト�Vを適応したもの。２機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＤＢ−３６Ｈ＞：２機（ブロック15）が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＤＢ−３６Ｈ−�U＞：JDB-36Hにフェザーウェイト�Uを適応したもの。２機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＲＢ−３６Ｆ＞：戦闘機運搬機FICON（FIghter CONveyer）計画機。爆弾倉内に油圧引き込み式戦闘機繋留装置（トラピーズ）を装着しており、ここにF-84E戦闘機が機首に取り付けたフックを引っかけてドッキングし、トラピーズを引き込むことで機体底部にF-84Eを固定する。F-84EのパイロットはJRB-36Fの機内に移動可能。敵地に入ったらF-84Eを逆の手順で発進させて護衛戦闘機として使用する。1951年1月に１機（ブロック１）が改造され、1952年1月9日に初ドッキングに成功した。1953年からはYF-84Fとの組み合わせに変更してテストを開始。テストが進むにつれ、構想が敵地強行戦術偵察に変更されたため、実用型はGRB-36Dと呼ばれることになった。その後、翼端にRF-84Fを結合するTOM-TOM計画のテスト機に改造され、翼端に外開きの連結器を設置した。これをRF-84Fの翼端に設置した連結器と空中でかみ合わせてドッキングし、RF-84Fのエンジンを停止させて燃料、電源、空気などを送り込み、航続距離を延ばす。1954年5月からテストに入り、1955年11月に初の空中連結に成功した。1956年9月26日の連結飛行で激しい上下振動が起きて空中分解しそうになり、連結部分が外れたので難を逃れたものの、JRB-36Fの強烈な翼端渦の中で連結作業を行うのは危険すぎるとのことで計画中止となった。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＲＢ−３６Ｈ＞：２機（ブロック15）が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＲＢ−３６Ｈ−�U＞：JRB-36Hにフェザーウェイト�Uを適応したもの。１機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＪＲＢ−３６Ｈ−�V＞：JRB-36Hにフェザーウェイト�Vを適応したもの。１機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＮＢ−３６Ｈ＞：航空機原子力推進計画の原子力実験機（Nuclear Test Aircraft）バージョン。X-6原子力ターボジェットエンジン機の放射線遮蔽試験用テストベッドである。1952年9月1日にカーズウェル空軍基地が竜巻に襲われた際、機首を損傷して修理が必要となったB-36H-20があったため、ついでに改造することとなった。原子炉は航空機遮蔽試験炉ASTR（Aircraft Shield Test Reactor。GE社名称R-1）と呼ばれるもので、重量35000ポンド（19トン）・出力1MW、No.4爆弾倉に搭載しており、ジェット部分は積んでいない。原子炉は冷却水で冷やされ、後部胴体両側面のエアインテイクから取り入れた空気に熱交換機で熱を移し、胴体尾部の排気口から排出する。原子炉の前には放射線遮蔽のため四重の鉛板（総重量3.6トン）と９個の水タンクがセットされている。乗員は電子機器ごと全長4.3m・直径2.1mの機首与圧カプセルに収容され、最大厚63.5mmの鉛と546mmのプラスチックで放射線から防御される。機首の形状は段付きに変更されていて、前面と側面の窓は厚さ６インチ（152mm。250mm？300mm？）の鉛ガラスを使用し、乗員の被曝線量を毎時0.25レントゲン（2.2ミリグレイ）に抑制した。鉛ガラスを通った太陽光が黄色がかっているので、カプセルの内部塗装は紫として乗員の目には灰色に見えるよう工夫されている。乗員の出入りは床にあるハッチから行うが、従来使用していた前脚収容部の出入り口には繋げられず、前脚取り付け部を６インチ（152mm）ほど前にずらして新設した。また、天井にも非常用ハッチを持つ。カプセルからは主翼のエンジンと主脚が直視できず、かといって原子炉近くに乗員を置く訳にもいかないので、胴体後部側面にテレビカメラを設置して航空機関士がモニタリングを行った。乗員５名（操縦士、副操縦士、機関士、原子力機関士２名）。NB-36Hブロック20として１機が改造され、1955年7月20日に初飛行、9月17日に原子炉が臨界に達した。試験飛行の際には放射線計測装置を搭載したB-50が傍を飛んだ他、墜落すると核物質が飛散して大惨事になる恐れがあったため、空挺隊を乗せた輸送機が後を付けていて、事故の際には地上に降下し周辺を封鎖することになっていた。1957年3月28日までに計47回215時間45分（うち原子炉作動は21回89時間）のテスト飛行を行って任務を終了、1958年にスクラップにされた。結果、間接サイクル式原子力ターボジェットでは低空飛行でも放射能汚染は問題になるレベルにはならないが、墜落などの事故の際に大惨事となる可能性があるという結論が出されている。参考：世界の傑作機No.125、月刊JWings11,’13、10,’13

　＜ＲＢ−３６シリーズ＞：戦略偵察機型。1952年からは核爆弾搭載能力追加改修が行われて戦略偵察爆撃機となり、1954年6月16日には主任務が核攻撃に変更されて戦略爆撃偵察機になり、1955年10月1日には所属部隊が戦略偵察航空団／飛行隊から戦略爆撃航空団／飛行隊に名称変更された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｄ＞：戦略偵察機型で、偵察カメラの他、電子偵察・気象偵察器材も搭載する。No.1爆弾倉を与圧化してカメラと操作要員を収容した。そのためNo.1爆弾倉部分の外皮がアルミニウム合金に変更されており、金属光沢が強いので、胴体下面レドーム・フェアリングが見えなくても爆撃機型と判別できる。カメラ窓には開閉式カバーが付く。No.4爆弾倉はECM器材搭載区画となり（非与圧。構造は軽量化した）、No.2・No.3爆弾倉にフラッシュ爆弾または増槽を搭載する。爆弾倉扉はNo.2とNo.3で共通の左右開き中折れ式（長さ10.26m）。前脚収容部後方にレドーム１基、No.4爆弾倉下面にECMアンテナフェアリング３基を持つ。写真撮影要員として前部与圧区画に写真偵察航法士、フィルム装填・カメラ点検要員としてNo.1爆弾倉に写真員、電子偵察要員として前部与圧区画に１名・後部与圧区画に３名、気象観測要員として前部与圧区画に気象観測員が位置する。ドロップゾンデは後部20mm砲塔射手かスキャナーが与圧式投下装置から投下した。全長49.4m、全幅70.1m、最大総重量160トン。航続距離6500海里（爆弾4.5トン搭載）。初号機は1949年12月19日に初飛行し、ブロック１が７機、ブロック５が１機、ブロック10が７機、ブロック15が４機、ブロック20が５機の計24機が新規生産された。1952年から核爆弾搭載能力追加改修が行われ、No.4爆弾倉を復活させてECM器材を後部与圧区画後方に移設、ECMアンテナフェアリングもその下面に移した。爆弾倉扉はNo.2爆弾倉が専用、No3とNo.4で共通となっている。参考：世界の傑作機No.125、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−３６Ｄ−�U＞：RB-36Dにフェザーウェイト�Uを適応したもの。12機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｄ−�V＞：RB-36Dにフェザーウェイト�Vを適応したもの。トライメトロゴン・カメラステーションにK-17Cチャーティング／マッピングカメラ３基、垂直カメラステーションにK-17CまたはK-22AまたはK-37またはT-11マッピング・写真撮影・夜間撮影カメラ１基、スピリット垂直カメラステーションにK-38マッピング・写真撮影・夜間撮影カメラ２基、マルチ・カメラステーションにK-38またはK-40偵察・写真情報カメラ５基、前方斜めカメラステーションにK-22A偵察・写真情報カメラ１基、左舷斜めカメラステーションにK-22A偵察・遭遇撮影カメラ１基、右舷斜めカメラステーションにK-22A偵察・遭遇撮影カメラ１基、写真偵察航法士席・レーダー航法士席・ECM員席にO-15画像撮影・BNSレーダースコープ・ECMレーダースコープ１基ずつを装備する。E-6自動操縦装置を搭載する。無線機はAN/ARC-3VHF通信機、AN/ARC-27UHF通信機、AN/ARC-8HF通信機、BC-453-Bレンジ受信装置、AN/CRC-7携帯用通信機、AN/ANQ-1Aワイヤレコーダー。航法装置はAN/ARN-5計器着陸装置（グライドパス）、RC-103A計器着陸装置（ローカライザー）、AN/ARN-7方向探知装置、AN/ARN-12またはRC-193-Aマーカービーコン受信装置、AN/ARN-14オムニレンジ受信装置、AN/APN-9ロラン受信装置、N-1��緯度用コンパス。アビオニクスはAN/APX-6IFF、AN/APQ-24爆撃航法レーダー、AN/APG-32尾部砲塔射撃統制レーダー、SCR-718-D電波高度計、BC-454ラジオゾンデ受信装置、AN/AMQ-7気象観測システム、AN/AMT-3ラジオゾンデ、MA-1ラジオゾンデ投下装置。乗員19名（前部与圧区画に機長、操縦士、副操縦士、第１・第２機関員、首席航法士、写真偵察航法士、レーダー爆撃士、気象観測員、第１・第２通信員、ECM員、与圧カメラ区画に第１写真員、後部与圧区画に後下部左舷監視員、後下部右舷監視員、尾部砲塔射手、中間周波担当ECM員、中周波担当ECM員、高周波担当ECM員）。１機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｅ＞：B-36Aを偵察機に改造したもので、仕様はRB-36Dと同じ。全長49.4m、全幅70.1m、空虚重量74.5トン、戦闘重量108.1トン、最大離陸重量167.8トン。エンジンはR-4360-41レシプロ（3500馬力）６基＋J47-GE-19（推力2.27トン）４基、最大速度348ノット、実用上昇限度12200フィート（3719m）、戦闘上昇限度40000フィート（12192m）、戦闘行動半径3057海里、航続時間31.7時間。自衛武装は遠隔操作式20mm連装機関砲塔８基。乗員22名。ブロック１が３機、ブロック５が10機、ブロック10が９機の計22機（YB-36から１機、B-36Aから21機）が改造された。1952年から核爆弾搭載能力追加改修が行われ、No.4爆弾倉を復活させてECM器材を後部与圧区画後方に移設、ECMアンテナフェアリングもその下面に移した。爆弾倉扉はNo.2爆弾倉が専用、No3とNo.4で共通となっている。参考：世界の傑作機No.125、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−３６Ｅ−�U＞：RB-36Eにフェザーウェイト�Uを適応したもの。11機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｅ−�V＞：RB-36Eにフェザーウェイト�Vを適応したもの。搭載カメラはRB-36D-�Vと同じ。E-6自動操縦装置を搭載する。無線機はAN/ARC-3VHF通信機、AN/ARC-27UHF通信機、AN/ARC-8HF通信機、BC-453-Bレンジ受信装置、AN/CRC-7携帯用通信機、AN/ANQ-1Aワイヤレコーダー。航法装置はAN/ARN-5計器着陸装置（グライドパス）、RC-103A計器着陸装置（ローカライザー）、AN/ARN-7方向探知装置、AN/ARN-12またはRC-193-Aマーカービーコン受信装置、AN/ARN-14オムニレンジ受信装置、AN/APN-9ロラン受信装置、N-1��緯度用コンパス。アビオニクスはAN/APX-6IFF、AN/APQ-24爆撃航法レーダー、AN/APG-32尾部砲塔射撃統制レーダー、SCR-718-D電波高度計、BC-454ラジオゾンデ受信装置、AN/AMQ-7気象観測システム、AN/AMT-3ラジオゾンデ、MA-1ラジオゾンデ投下装置。乗員19名（前部与圧区画に機長、操縦士、副操縦士、第１・第２機関員、首席航法士、写真偵察航法士、レーダー爆撃士、気象観測員、第１・第２通信員、ECM員、与圧カメラ区画に第１写真員、後部与圧区画に後下部左舷監視員、後下部右舷監視員、尾部砲塔射手、中間周波担当ECM員、中周波担当ECM員、高周波担当ECM員）。10機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｆ＞：搭載カメラはRB-36D-�Vと同じ。無線機はAN/ARC-3VHF通信機、AN/ARC-8HF通信機、BC-453-Bレンジ受信装置、AN/CRC-7携帯用通信機、AN/ANQ-1Aワイヤレコーダー。航法装置はAN/ARN-5B計器着陸装置（グライドパス）、RC-103-A計器着陸装置（ローカライザー）、AN/ARN-6方向探知装置、AN/ARN-12マーカービーコン受信装置、AN/ARN-14オムニレンジ受信装置、AN/APN-9Aロラン受信装置。アビオニクスはAN/APX-6IFF、AN/APQ-24爆撃航法レーダー、AN/APG-32尾部砲塔射撃統制レーダー。乗員21名（前部与圧区画に機長、操縦士、副操縦士兼前部左舷砲塔射手、第１機関員、第２機関員兼前部右舷砲塔射手、首席航法士、写真偵察航法士、レーダー航法士、気象観測員兼機首砲塔射手、第１通信員、防御用ECM／低周波担当ECM員、与圧カメラ区画に第１・第２写真員、後部与圧区画に後上方左舷砲塔射手、後上方右舷砲塔射手、後下方左舷砲塔射手、後下方右舷砲塔射手、尾部砲塔射手、中間周波担当ECM員、中周波担当ECM員、高周波担当ECM員）。ブロック１が９機、ブロック５が10機、ブロック10が２機、ブロック15が３機の計24機が新規生産された。1952年から核爆弾搭載能力追加改修が行われ、No.4爆弾倉を復活させてECM器材を後部与圧区画後方に移設、ECMアンテナフェアリングもその下面に移した。爆弾倉扉はNo.2爆弾倉が専用、No3とNo.4で共通となっている。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｆ−�U＞：RB-36Fにフェザーウェイト�Uを適応したもの。22機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｆ−�V＞：RB-36Fにフェザーウェイト�Vを適応したもの。１機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｈ＞：B-36Hの偵察爆撃機型。ブロック１が３機、ブロック５が５機、ブロック10が５機、ブロック15が６機、ブロック20が６機、ブロック25が６機、ブロック30が６機、ブロック35が６機、ブロック40が４機、ブロック45が７機、ブロック50が７機、ブロック55が６機、ブロック60が６機の計73機が新規生産された。生産途中の1952年から核爆弾搭載能力追加改修が行われ、No.4爆弾倉を復活させてECM器材を後部与圧区画後方に移設、ECMアンテナフェアリングもその下面に移した。爆弾倉扉はNo.2爆弾倉が専用、No3とNo.4で共通となっている。後期生産型では尾部砲塔用射撃指揮レーダーをAN/APG-41に換装し、方向舵下方にレドーム２基が並ぶようになった。カリフォルニア州キャッスル・エアミュージアムに１機が展示されている。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｈ−�U＞：RB-36Hにフェザーウェイト�Uを適応したもの。52機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６Ｈ−�V＞：RB-36Hにフェザーウェイト�Vを適応したもの。21機が改造された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６　１Ｂ−３６（Ｒ）−２１６＞：RB-36D/E/F/HにEC-17水爆やMk17水爆を搭載できるようにする改修で、1954年から実施された。No.3爆弾倉にラージカーゴシステム爆弾架を搭載し、No.3/No.4爆弾倉を貫く形で水爆を搭載する。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＲＢ−３６　１Ｂ−３６（Ｒ）−５０６＞：RB-36D/E/F/HにMk15水爆やB39水爆を搭載できるようにする改修。No.4爆弾倉にミディアムカーゴシステム爆弾架を装着している。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｘ−６＞：原子力ターボジェットエンジン搭載試験機。後部爆弾倉に原子炉を積み、直下の機体外部にXJ53ターボジェットエンジン４基（合計推力11.8トン）を装着する。最大速度628km。1951年2月からMX-1589計画の名称で開発されたが、モックアップが製作されたのみで計画中止となった。参考：月刊JWings11,’13、10,’13

　＜ＹＢ−６０＞：YB-60を参照。

　＜ＹＤＢ−３６Ｈ＞：GAM-63ラスカル空対地ミサイル運用型DB-36Hの試作機。No.1爆弾倉に誘導システムを搭載、胴体後下部に誘導用パラボラアンテナを収容したレドームを取り付け、No.3-4爆弾倉扉に設けた窪み部分にラスカルを半埋め込み式で装着する。中間慣性誘導に必要な目標データはYDB-36HのK-3A爆撃航法装置から入力し、終末誘導は爆撃士が行う。B-36Hから１機が改造され、1953年8月25日に最初の投下試験を行った。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ−３７＞：ファイアブランド・シリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜Ｂ−３７＞：アメリカ陸軍が採用したベンチュラ哨戒機で、当初は観測機O-56となる予定だった。1942年12月からは海軍にPV-1として導入されたので、陸軍への納入は18機のみである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ｂ３７型＞：M1937（艦砲）を参照。

＜Ｂ３９核爆弾シリーズ＞：アメリカ軍の水爆、別名Mk39。Mk15の軽量化型で、1954年から開発された。参考：アメリカの核兵器

＜Ｂ３９＞：低空から投下できるよう、直径1.83mの補助パラシュート、直径8.54mのリボン型抽出パラシュート、直径20.74mの八角形減速用パラシュート、直径30.5mのソリッド平板パラシュート（展開すると半球形になる）が装着されている。全長3.53m、直径0.88m、自重（ケースのみ）2.72トン、総重量4.08-4.54トン。威力４メガトン。信管は接触のみ。B-36、B-47、B-52、B-58に搭載可能で、B-58には胴体下のMB-1CポッドにW39弾頭として収容する。生産は少数に留まったようで、1957-66年に配備されていた。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典

　＜Ｂ３９Ｍｏｄ０＞：全長3.454-3.556m、直径0.874m、パラシュート収容部径1.067m、重量3.019-3.065トン。威力3-4メガトン。直径1.83mの補助パラシュート、直径8.53mのリボン型抽出パラシュート、直径29.73mの八角形減速用パラシュート、直径30.5mのメインパラシュートを装備する。A-5攻撃機に搭載可能。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｂ３９Ｍｏｄ１Ｙ１＞：威力３メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ３９Ｍｏｄ１Ｙ２＞：威力４メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ３９Ｍｏｄ２Ｙ１＞：威力３メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ３９Ｍｏｄ２Ｙ２＞：威力４メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ３９Ｍｏｄ３Ｙ１＞：威力３メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ３９Ｍｏｄ３Ｙ２＞：威力４メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｂ−４０＞：B-17爆撃機ファミリーまたはT-44-100（戦車）を参照。

＜Ｂ４１核爆弾＞：アメリカ軍の水爆、別名Mk41。B39の後継となる戦略核爆弾として1957年から開発された。太い円筒形で、尾部に矩形断面の安定翼４枚がＸ字に付く。全長3.78m、直径1.27m、重量4.76トン。威力10メガトン未満。信管は接触及び空中炸裂で、直径5.03mの安定化パラシュートと直径1.53mの着地用パラシュートを持ち、これらを切り離せば自由落下爆弾にもなる。B-47、B-52に搭載可能。1960-76年に配備されていたが、威力が小さめだったようで、B53の開発に移った。参考：核兵器事典、核兵器図鑑、アメリカの核兵器

＜Ｂ−４３＞：K-43（潜水艦）を参照。

＜Ｂ４３核爆弾シリーズ＞：アメリカ軍の戦略兼戦術水爆。Mk12核爆弾の後継で、B-52爆撃機、B-57爆撃機、B-58爆撃機、B-66爆撃機、F-100戦闘爆撃機、F-16戦闘機、F-111戦闘爆撃機、F-4戦闘機、F-105戦闘機、F-104戦闘機、F-101戦闘機、A-1攻撃機、A-3攻撃機、A-4攻撃機、A-5攻撃機、A-6攻撃機、A-7攻撃機に搭載可能。アメリカ空軍・海軍・海兵隊が1961-91年に配備した。在欧米空軍に配備したものはNATO軍機でも運用できる。参考：核兵器事典、核兵器図鑑、アメリカの核兵器

　＜Ｂ４３Ｍｏｄ０＞：弾体先端にスチールスパイクを付けたタイプで、投下後にノーズコーンが外れてスパイクが露出、地面に刺さった後、遅延信管で炸裂する。全長3.797m、直径0.457m、重量2060-2065ポンド（934-937kg）。威力は1-2メガトンまで（70-1000キロトン？70-1450キロトン？）の５段階選択式。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑、世界の傑作機No.118、月刊軍事研究8,’11

　＜Ｂ４３Ｍｏｄ１＞：スパイクを外して長めのノーズコーンを装着し、自由落下または弾尾部の制動パラシュート（直径7m）で降下、レーダー近接信管による空中または触接信管による地上爆発を行うタイプ。全長4.09m、直径0.46m、重量962kg。参考：アメリカの核兵器

＜Ｂ４３核爆弾ファミリー＞

　＜ＢＤＵ−８／Ｂシリーズ＞：BDU-8/Bシリーズ（訓練弾）を参照。

＜Ｂ−４５＞：ファイアブランドTF.Mk�V（艦上雷撃戦闘機）を参照。

＜Ｂ−４５シリーズ＞：アメリカ空軍初の実用ジェット爆撃機、別名トーネード。1944年8月15日のアメリカ陸軍航空軍ジェット爆撃機要求（フライ・オフ・コンペティション）に基づいてノースアメリカン社が開発した。競争相手のXB-46の性能が悪そうだったので、原型機初飛行前の1946年10月に早々と量産発注が出されている。1951年までに各型計143機が生産された。朝鮮戦争に投入されている。参考：月刊JWings4,’11、8,'20、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空ファン3,’17

　＜ＸＢ−４５＞：試作機で、1947年3月17日に初飛行した。キャノピーはバブル型。参考：月刊JWings4,’11、8,’20

＜Ｂ−４５Ａ−１＞：最初の量産機で、1946年10月に96機が発注され、1948年2月に初号機が初飛行した。主翼は高翼の直線翼で、エンジン２基を収容した横長のナセルをやや内側寄りに取り付けている。機首には航法爆撃手席があり、その後上方にコクピットがあってパイロットとコパイロットが乗る。キャノピーは航法爆撃手席と同様の格子型に変更された。胴体の主翼取り付け部下方が爆弾倉で、核爆弾の運用も可能。機体尾部に銃手が座る。降着装置は前輪式。エンジンはJ35-A-11（推力1.814トン）４発。乗員４名。22機が生産された。後に全機エンジンをJ47-GE-9に換装している。参考：月刊JWings4,’11、5,’17、8,’20

＜Ｂ−４５Ａ−５＞：エンジンをJ47-GE-7（推力2.359トン）に換装したもの。74機が生産された。後に全機エンジンをJ47-GE-9に換装している。参考：月刊JWings4,’11

＜Ｂ−４５Ｃ＞：エンジンをJ47-GE-13（推力2.722トン）に換装したもの。最大速度920km、航続距離1610km。10機が生産された。参考：月刊JWings4,’11、5,’17

＜Ｂ−４５ファミリー＞

　＜ＲＢ−４５Ｃ＞：偵察機型。前方斜め、垂直、トライメトロゴン、スプリットヴァーティカルの４ヵ所のカメラステーションがあり、トライメトロゴン・ステーションにはS-7A低高度ステレオカメラ、スプリットヴァーティカル・ステーションにはK-38カメラ２台を搭載し、高々度及び低高度からの高速ステレオ撮影が可能である。偵察機として初めて空中給油受油装置を持っており、正確な航法を可能とするため、AN/APQ-24レーダー、AN/APN-9ロラン、AN/APN-3ショーラン、SCR-718C電波高度計を搭載した。エンジンはJ47-GE-7ジェット４基。朝鮮戦争に投入され、1951年11月9日にMiG-15戦闘機と交戦し、多発ジェット機と単発ジェット機による初空戦を記録した。1952年1月からは試験的に夜間偵察にも投入されたが、照明弾投下のために爆弾倉を開くとバフェッティングが発生するという欠点があり、中止となった。1952年に極秘でイギリス空軍に４機が貸し出され、東ヨーロッパの強行偵察に使用されている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings4,’11

＜Ｂ−４６＞：ファイアブランドTF.Mk5（艦上雷撃戦闘機）を参照。

＜Ｂ−４７＞：K-47（潜水艦）を参照。

＜Ｂ−４７シリーズ＞：アメリカ空軍初のジェット戦略爆撃機、別名ストラトジェット（Stratojet。成層圏Stratosphere＋ジェットJetの造語）。1944年8月15日にアメリカ陸軍から出されたジェット爆撃機要求に基づき、ノースアメリカン社XB-45、コンベア社XB-46、ボーイング社XB-47、マーチン社XB-48でフライ・オフ・コンペティションが行われ、ボーイング社案が採用された。最初は発注ペースが遅かったが、朝鮮戦争勃発を受け、ソ連との全面戦争の恐れが高まると大量急速生産を実施することになり、ボーイング社だけでなくダグラス社とロッキード社もB-47Eの量産を行い、1957年までに各型計2042機（2100機強？）が生産されている。搭載核兵器はMk5、Mk6、Mk15、Mk18、B28、B36、B39、B41、B53。1951年6月に就役して10月23日から実戦部隊に配備され、1957年には28個航空団に配備されていた。戦略爆撃機の割りに航続性能が低く、KC-97空中給油機とペアで運用したが、後退翼ジェット機が鈍重なレシプロ機の後ろを付いて飛ぶのに無理があり事故が多発したため、KC-135空中給油輸送機を新規開発している。爆撃機型は実戦には参加していないが、偵察機型はベトナム戦争に参加した。また平時の偵察飛行中にMiG-17に襲われる事件が３回（1954年・1960年ソ連と1967年北朝鮮）起きている。B-52戦略爆撃機が完成したのと、レーダーや地対空ミサイルを避けるため1950年代末から一般的になった低空高速侵入戦術に対応できず疲労破壊による事故が多発したのとで、爆撃機型は1966年、戦略航空コマンド配備の気象観測機型は1969年、偵察機型は1977年に退役した。参考：歴史群像8,’98、月刊丸6,’03、航空ジャーナル9月号臨時増刊、アメリカの核兵器、月刊航空ファン3,’17、月刊JWings4,'23、7,’19

　＜ＸＢ−４７＞：試作機。試作発注を受けた時は社内名称モデル432で、主翼付け根にあたる胴体背部にGE社製TG-180ターボジェットエンジン（後のJ35）４基を積んだ直線翼機だった。ただエンジン推力が足らないので６基に増やしたモデル446を製作し、追加する２基をどこに付けるか四苦八苦していた1945年5月7日、アメリカ軍に同行していたボーイング社設計部空力主任がドイツ航空工学研究所LFAで後退翼の資料を発見したため、直ちに本社に連絡して設計をやり直し、主翼と尾翼を後退角35度にしたモデル448を作成。ただ胴体背部に４基と尾部に２基を配置したエンジンが故障で火を噴くと即墜落しかねないため、同じくドイツの資料から考案した吊り下げ式エンジンポッドを採用して1945年12月にモデル450を提案、更に降着装置を自転車式にしたりエンジン配置を小改正したりして1947年12月17日に初号機（社内名称モデル450-3-3）が初飛行し、２機で試験飛行を実施、XB-48を蹴散らして採用された。エンジンは初号機がJ35-GE-7ターボジェット６発、２号機がJ47-GE-9ターボジェット（推力16.7kN）６基で、初号機も後にJ47-GE-9に換装している。参考：月刊JWings4,'23、4,’11

　＜Ｂ−４７Ａ＞：増加試作機、社内名称モデル450-10-9。1948年9月に発注され、10機が生産された。参考：月刊丸6,’03、月刊JWings4,’11

　＜Ｂ−４７Ｂ＞：最初の量産型、社内名称モデル450-67-27。主翼は後退角35度で、空力弾体性という特徴を備え、飛行中に主翼が上下に変形して曲げ・捩り力を吸収する。更に安定増強装置SASにより主翼変形に伴う機体の不安定現象を事前に抑え込むACTが導入された。高速飛行時のエルロンリバーサル現象に対してはエルロンを翼端と内側の２カ所に設置して高速飛行時に内側のみ使用して対処、また小型ターボジェットエンジン６基をポッド式に装着（内側ポッドに２基並列、外側ポッドに１基）して主翼の捩れを抑制している。降着装置は自転車式。機首右側面に空中給油受油口を持つ。K-4A爆撃航法システム、ECMシステムAN/APT-5Aを搭載し、胴体後部にレーダー照準式20mm機関砲２門を装備、副操縦士がA-2火器管制装置で操作した（自動発射も可能）。全長33m、全幅35.4m、総重量91トン。エンジンはJ35-GE-7/-9ターボジェット（推力2.358トン。3.3トン？）６基（内翼下面パイロンに左右２基ずつ、翼端付近パイロンに左右１基ずつ）、最大速度1060km、航続距離5100km。爆弾搭載量９トン。乗員は機長、副操縦士、爆撃航法士の３名で、コクピットは前方機長・後方副操縦士のタンデム式。399機（398機？）が生産された。出現当時は対空ミサイルも無い時代で、高度10000m以上を時速1000kmで飛行して原爆を投下する本機に対抗できる国は存在しなかった。その後出現した地対空ミサイルの脅威に対抗するため、1957年頃からトスボミングの訓練をするという無茶をして墜落事故が頻発したが、1958年にポップアップ爆撃に戦法を変えた。参考：月刊丸6,’03、歴史群像8,’98、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空ファン3,’17

　＜Ｂ−４７Ｃ＞：計画４発機型。1949年から検討され、ウェスティングハウス社製J40-WE-6ターボジェット（推力30kN級）を搭載するモデル450-16-17を設計したが、エンジンが完成しなかったので、1950年1月にアフターバーナー付きJ35ターボジェット４発に換装したモデル450-24-26に変更した。この時に正式名称がYB-56になったが、数ヶ月後にはB-47Cに戻っている。ただこちらもエンジンが性能不足で、代替のアリソンJ71ターボジェットも没になり、最終的にプラット＆ホイットニー社製J57ターボジェットを積んだモデル450-155-33を設計、ついでに操縦席もサイド・バイ・サイドに変更したものの、没になった。参考：月刊JWings4,’23

　＜ＸＢ−４７Ｄ＞：航続性能改善型。内側ポッドのエンジンをカーチス・ライト製YT49-W-1ターボプロップ１基（プロペラ４翅、直径4.57m）に、外側ポッドのエンジンをJ47ターボジェット１基に換装した。自転車式降着装置の補助脚は内側エンジンポッド下面に引き込まれる。２機が製作され、初号機は1955年8月26日、２号機は1956年2月に初飛行したが、巡航速度が744kmとかなりの低下を来したため、採用されなかった。参考：月刊JWings4,’23

　＜Ｂ−４７Ｅ＞：射出座席を装備した（後にA/B型にも追加装備）。全長33.5m、全幅35.4m、全高8.5m、自重36トン、総重量90トン。エンジンはJ47（推力3.3トン）６基、巡航速度896km、最大速度1060km、実用上昇限度12000m、航続距離5100km。自衛武装は20mm機関砲２門。爆弾搭載量９トン。乗員３名。ボーイングで676機、ダグラスで264機、ロッキードで386機の計1326機（1341機？）が生産された。参考：歴史群像8,’98、月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｂ−４７Ｅ（ティー・タウン改修）＞：Tee Town改修。胴体側面下部に大型のECMポッドを装備した。100機が改造された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｂ−４７ファミリー＞

　＜ＤＢ−４７＞：空対地ミサイル発射母機で、胴体側面にGAM-63ラスカル対地ミサイル１発を搭載できるようにしたもの。1957年8月に最初の部隊が編成されたが、AGM-28ハウンドドッグに後を譲り、1958年11月には配備が打ち切られた。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＥＢ−４７Ｅ＞：電子戦機型。B-47Eの爆弾倉を与圧カプセルに改造し、ECM器材と電子戦担当士官２名を配置した。B-47爆撃機編隊と行動を共にする。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＫＢ−４７Ｇ＞：空中給油実験機。B-47BにHDUを取り付け、YB-47Fとの間で1953年に実験を行い、成功したが、改造費が高かったのと、当時は爆撃機の数がソ連を下回っており改造に回す余地が無かったのとで、量産には至らなかった。参考：月刊JWings10,’01

　＜ＲＢ−４７Ｅ＞：偵察機型。240機が生産された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−４７Ｈ＞：偵察機型。35機が生産された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−４７Ｈシルバーキング計画＞：シルバーキング計画は改修名。後部胴体下面アンテナフェアリングを大型化し、外翼エンジンポッド外側に板状アンテナを装着、胴体右パイロンにAN/ALD-4ELINTポッドを搭載可能としている。参考：月刊JWings11,’20

　＜ＲＢ−４７Ｋ＞：15機が生産された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＹＢ−４７Ｆ＞：空中給油受油実験機。1953年にKB-47Gとの間で実験を行い、成功した。参考：月刊JWings10,’01

＜Ｂ−４７海外ファミリー＞

　＜ＣＬ−５２＞：カナダ空軍のテストベッド機。CF-105迎撃戦闘機用PS-13Mk1エンジンの試験用としてB-47Bをアメリカ空軍が貸与したもので、カナデア社が改造を担当し、後部胴体右にエンジンを装着した。運用したのはエンジン開発元のオレンダ社で、テストパイロットとエンジニアがアメリカ戦略航空コマンドの訓練を受けている。参考：月刊JWings12,’14

＜Ｂ４８＞：S.28/43（試作機）を参照。

＜Ｂ−４９＞：アメリカ空軍計画爆撃機。XB-35全翼爆撃機をジェット化したものだが、採用されなかった。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｂ−５０＞：B-29シリーズ（爆撃機）またはRPG-2海外シリーズ（対戦車ロケット）を参照。

＜Ｂ−５２シリーズ＞：アメリカ空軍の戦略爆撃機、別名ストラトフォートレス（Stratofortress）、通称BUFF(Big Ugry Fat Fucker / Fellow)。B-36の後継となる長距離爆撃機で、1948年7月に原型機２機が発注され、1952年4月15日に初飛行、1955年2月に就役して6月29日から配備され、1962年6月22日までに計744機（試作機２機含む）がボーイング社で生産された。搭載可能な核爆弾はMk5、Mk6、Mk15、Mk18、B28、B36、B39、B41、B43、B53、B57、B61。Mk17は爆弾倉扉を改造する必要があるため、実際に運用したかは不明である。1957年1月16-18日、KC-97からの空中給油を受けつつ、３機が初のジェット機無着陸世界一周に成功した（Operation Power Flight）。ベトナム戦争（1965年6月18日からのアークライト作戦）で初実戦参加した。湾岸戦争ではアメリカ本土から出撃してバグダッドにAGM-86を撃ち込む往復18000km・35時間の任務に就いた。2001年からの不朽の自由作戦、2003年のイラク戦争にも参加している。RCSは70平方メートルで、ステルス性は無いが、核やレーザー誘導爆弾を含む多彩な兵器搭載能力、AGM-86によるスタンドオフ能力を持ち、改修を続けてB-21爆撃機就役後も引き続き配備し、2040年代まで使用される予定である。下手をすると100年間配備されているかも知れない。参考：月刊丸6,’03、月刊軍事研究8,’07、6,’18、2,’18、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings7,’12、5,’18、6,'23、月刊航空情報3,’18

　＜モデル４６２＞：1945年11月にアメリカ陸軍航空軍航空資材コマンドが要求した長距離爆撃機にボーイング社が応募したもの。巡航速度450マイル（724km。300マイル・483km？）、巡航高度34000フィート（10363m）、航続距離10000海里（16093km）、戦闘行動半径5000海里（8050km）、10000ポンド（4.536トン）核爆弾搭載、自衛用20mm機関砲搭載、乗員5-6名という内容で、1946年2月にボーイング社、コンベア社、マーチン社に仕様書が交付された。当時のターボジェットエンジンは燃費が悪すぎて航続距離の要求を満たせないため、ライト社製XT35ターボプロップ（5500-6000軸馬力。最終的に10000軸馬力を予定）を６基積むことにした。主翼は直線テーパー翼で、アスペクト比８。全長49.12m、全幅67.36m、離陸総重量163.3トン。巡航速度660km、最大速度724km、戦闘行動半径5740km。1946年6月に陸軍航空軍と研究契約を締結したが、性能的にB-36とあまり変わらないので、再設計されることになった。参考：月刊JWings6,'23、月刊軍事研究6,’18

　＜モデル４６４−１７＞：1946年11月にアメリカ陸軍航空軍が要求性能を最大総重量480000ポンド・217.72トン、巡航速度400マイル・644km（高度35000フィート・10670m）、航続距離12000海里に引き上げたのを受け、12月にボーイング社が提案した改良型。機体を小型化して４発機にしている。翼スパン62.5m、総重量218トン。エンジンはXT35ターボプロップ４発、航続距離6040km。爆弾搭載量90000ポンド・40.82トン。これも没になった。参考：月刊JWings6,’23、月刊軍事研究6,’18

　＜モデル４６４−３５＞：主翼を後退角20度の後退翼にし、二重反転プロペラを採用したもの。エンジンはT35-5ターボプロップ（8900軸馬力）４基。1948年1月に提案されて3月に採用され、XB-52及びYB-52として１機ずつ発注されたが、5月にアメリカ空軍がウェスティングハウス社製J40ターボジェットで改設計を要求、10月にはプラット＆ホイットニー社製J57ターボジェットを積むことになり、モデル464-49に進んだ。参考：月刊軍事研究6,’18、月刊JWings6,’23

　＜モデル４６４−４９＞：J57ターボジェットエンジン８基を積む案で、1949年1月にアメリカ空軍に提案されて4月にモックアップ審査を受け、モデル464-67に進んだ。参考：月刊軍事研究6,’18

　＜モデル４６４−６７＞：最終設計案で、後退角35度の主翼にエンジンを２基ずつ纏めてポッド式に搭載する。総重量177トン。巡航速度519マイル（835km）、航続距離7000マイル（11265km）。1950年3月にアメリカ空軍が採用し、XB-52及びYB-52として１機ずつ作られることになった。参考：月刊軍事研究6,’18

　＜ＸＢ−５２＞：原型初号機。エンジンはプラット＆ホイットニー社製YJ57-P-3（推力3.95トン）を８基装備した。コクピットはB-47譲りのタンデム型である。乗員５名。1951年11月29日に完成したが、直後に地上試験で空気圧系統配管が破損して主翼の修理が必要となり、YB-52より後の1952年10月2日に初飛行した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究8,’16、6,’18

　＜ＹＢ−５２＞：原型２号機で、初飛行は1952年4月15日とXB-52より先である。開発予算の関係で型式番号は違うがXB-52と同仕様であり、コクピットもタンデム型である。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究6,’18

　＜Ｂ−５２Ａ＞：実用試験機で、1954年に３機が生産され、8月5日に初飛行した。長い胴体に大型の爆弾倉を装備し、長距離飛行に適した翼スパンの長い後退翼を持つ。胴体断面形は幅3m・高さ4mの角の丸い矩形で、中央にキールが通っている。コクピットはアメリカ空軍戦略航空軍団ルメイ司令官の要求で長距離長時間飛行向きのサイド・バイ・サイドに変更した。胴体中央上部は燃料タンク、下部は爆弾倉で、爆弾倉の前後に主脚収容室がある。機首先端と胴体下部前後にECMアンテナ用レドームを持つ。主翼は高翼配置で、翼面積371.6平方メートル、前縁後退角35度、後縁に内外で２分割されたファウラーフラップ、フラップの中間にエルロンがある。中央翼両端前後をピンで胴体に結合することにより、主翼のたわみが胴体に伝わらないようにした。エンジンはJ57-P-1W（推力5.67トン）８基で、２基ずつ纏めて主翼下にポッド式に装備。水平安定板は全遊動式で、垂直尾翼は右に折り畳める。操縦系統はスポイラーと水平安定板トリムのみ機力で、他は人力操縦である。降着装置は自転車式で、胴体前後にダブルタイヤ（56×16インチ）の主脚（横風対策で20度までのステアリング可能）が左右１本ずつ計４本、外翼下に補助脚が１本ずつ計２本配置されている。主脚は前後とも右側が後方、左側が前方に引き込まれる。右前脚に横風着陸・滑走灯、左右前脚扉に着陸灯が付く。自衛武装は胴体尾部の４連装12.7mm機銃銃塔（弾数2400発）で、射撃指揮装置はA-3A。爆撃・航法システムはMA-6Aで、光学照準器、AN/APS-23レーダー、爆撃コンピュータで構成される。10メガトンまたは24メガトン核爆弾４発を搭載可能。外翼下面に3785リットル増槽を装備できる。乗員は機長、副操縦士、航法士、レーダー航法士、電子戦担当士官、銃手の６名で、爆撃手は航法士またはレーダー航法士の兼任であり、各員に射出座席が用意されている。３号機は後にNASAに移管されてNB-52Aになった。参考：月刊丸6,’03、世界の軍用機1979、月刊軍事研究8,’07、6,’18、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機、空軍、月刊航空ファン7,’19、月刊JWings6,’23

　＜Ｂ−５２Ｂ＞：最初の量産型。爆撃・航法システムをAN/ASQ-48BNSに変更している。機銃用FCSをMD-5に換装した機体もある。最大離陸重量190.51トン。エンジンはJ57-P-19W/-29WA/-29WB（推力5.67トン）。AN/APR-9B/-14ECM受信器、AN/APS-54レーダーホーミング警報、AN/ALT-6B/-7アクティブ・ジャマー、AN/ALE-1チャフ・ディスペンサーを装備する。1955年1月25日に初飛行し、23機が生産されて1955年6月29日から第93爆撃航空団を皮切りに配備された。1957-58年にB-52C規格に改造され、1966年6月29日に全機退役した。１機がNASAに移管されてNB-52Bになっている。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊軍事研究5,’15、6,’18、月刊JWings6,’23

　＜Ｂ−５２Ｃ＞：翼下増槽を3000ガロン（11356リットル）入りに大型化して総燃料搭載量を157900リットルとし、最大離陸重量を204.12トンに増加させたもの。爆撃・航法システムはAN/ASQ-48である。AN/APR-9B/-14ECM受信器、AN/APS-54レーダーホーミング警報、AN/ALR-18Ｘバンド受信器、AN/ALT-6B/-13(V)/-15/-16/-22(V)アクティブ・ジャマー、AN/ALE-27チャフ・ディスペンサー、AN/ALE-20フレア・ディスペンサーを装備する。1956年3月9日に初飛行し、35機が生産された。参考：月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報3,’18

　＜Ｂ−５２Ｄ＞：機銃用FCSをMD-9に変更したもの。全長49.0m、全幅56.4m、全高12.4m、自重85.7トン、総重量204トン。エンジンはJ57（推力6.2トン）８基、巡航速度818km、最大速度955km、実用上昇限度13716m、燃料容量157000リットル（外部増槽含む）、航続距離11861km。自衛武装は12.7mm機銃４丁。500ポンド爆弾なら51発を搭載可能で、ハープーン対艦ミサイルも運用できる。AN/APR-9B/-14ECM受信器、AN/APS-54レーダーホーミング警報、AN/ALR-18Ｘバンド受信器、AN/ALT-6B/-13(V)/-15/-16/-22(V)アクティブ・ジャマー、AN/ALE-27チャフ・ディスペンサー、AN/ALE-20フレア・ディスペンサーを装備する。乗員６名。1956年5月14日に初飛行し、170機が生産された。1B-52-1811以降はRHAWがAN/APR-25に、1B-52D-545以降はECM受信器がAN/ALR-20に変更されている。後にAN/ALT-13(V)をAN/ALT-28(V)に、AN/ALT-15をAN/ALT-32に換装した。1983年までに退役した。アンダーセン空軍基地アークライトメモリアル、イギリス、韓国戦争記念館に展示されている。参考：歴史群像8,’98、月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン7,’19

　＜Ｂ−５２Ｄビッグベリー改修機＞：爆弾搭載量を増加させたベトナム戦争専用機。750ポンド爆弾66発、500ポンド爆弾・750ポンド爆弾混載なら108発（500ポンド爆弾を爆弾倉のビッグベリー・クリップに84発、750ポンド爆弾を翼下に24発）搭載可能である。1969年12月から改修が始まり、翌年4月から配備され、B-52Fと交代した。ベトナム戦争に参加したのは全てこのタイプである。参考：月刊丸6,’03

　＜Ｂ−５２Ｅ＞：爆撃・航法システムを低高度侵攻に対応したAN/ASQ-38(V)BNSに換装したもの。AN/APR-9B/-14ECM受信器、AN/APS-54レーダーホーミング警報、AN/ALR-18Ｘバンド受信器、AN/ALT-6B/-13(V)/-15/-16/-22(V)アクティブ・ジャマー、AN/ALE-27チャフ・ディスペンサー、AN/ALE-20フレア・ディスペンサーを装備する。1957年10月3日に初飛行し、100機が生産された。参考：月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｂ−５２Ｆ＞：エンジンをJ57-P-43W/-43WA/-43WB（推力5.67-6.24トン）に換装し、発電機をラムエアタービンからエンジン駆動式に変更したもの。AN/APR-9B/-14ECM受信器、AN/APS-54レーダーホーミング警報、AN/ALR-18Ｘバンド受信器、AN/ALT-6B/-13(V)/-15/-16/-22(V)アクティブ・ジャマー、AN/ALE-27チャフ・ディスペンサー、AN/ALE-20フレア・ディスペンサーを装備する。総重量204.12トン。1958年5月6日に初飛行し、1959年2月24日までに89機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、空軍

　＜Ｂ−５２ビッグ４計画＞：B-52C/D/E/F型の爆撃航法装置を換装し、機体構造を強化、AGM-28ハウンドドッグ空対地核ミサイル搭載能力を付与する改修。B-52Eには更にADM-20クエイル囮用ミサイル搭載能力も付けた。1959-63年に改修された。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜Ｂ−５２ハイストレス計画＞：ビッグ４計画と同時に行われた機体構造強化改修。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜Ｂ−５２Ｆサウスベイ計画＞：1964年6月に開始された改修で、28機が主翼下のAGM-28空対地ミサイル用パイロンに750ポンド爆弾M117を24発外装（爆弾倉も含めると51発）できるようになった。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜Ｂ−５２Ｆサンバス計画＞：ベトナム戦争の拡大に伴う追加改修で、1965年6月に開始された。46機がサウスベイ計画と同様の改修を受けている。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜Ｔ．Ｏ．１Ｂ−５２−１１６４＞：B-52C/D/E/F型が対象の低空侵攻用機体強化改造で、1963年11月8日に発令された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｂ−５２Ｇ＞：主翼下にAGM-28ハウンドドッグ空対地ミサイル２発を装備、空いた爆弾倉内にADM-20囮ミサイルを搭載可能としたミサイル母機型。主翼に長さ24.4mの一体削り出し外板を使用するなどして主翼内燃料タンクをインテグラル式に変更、構造重量を4.5トン、運用自重を2.8トン減らして燃料容量を15%増やした。外翼下面増槽は容量2650リットルに小型化し、固定式としている。横操縦はエルロン＋スポイラーからスポイラーのみに変更した。垂直尾翼を切り詰め、尾部銃手席を機首に移して尾部機銃を遠隔操作式とし、機銃用FCSをAN/ASG-15に換装している。乗員の配置はコクピットに正操縦士と副操縦士、その後ろに背中合わせに電子戦将校と尾部銃手、コクピット下部コンパートメントに航法士と爆撃手兼レーダー航法士で、他に訓練時の教官が座る予備座席が３つある。AN/APR-9B/-14ECM受信器、AN/APS-54レーダーホーミング警報、AN/ALR-18Ｘバンド受信器、AN/ALT-6B/-13(V)/-15/-16/-22(V)アクティブ・ジャマー、AN/ALE-27チャフ・ディスペンサー、AN/ALE-20フレア・ディスペンサーを装備する。最大離陸重量222.67トン。燃料容量181790リットル（外部増槽含む）、戦闘行動半径6575km。防御武装は尾部の遠隔操作式12.7mm機銃４丁。乗員６名。1958年10月27日に初飛行し、193機が生産され、1959年から配備された。1B-52G-724以降はAN/ALE-25チャフ・ロケット・ディスペンサーを追加し、1B-52-1587以降はECM受信器をAN/ALR-20に変更、1B-52-1811以降はRHAWがAN/APR-25になった。後にAN/ALT-15をAN/ALT-32に、AN/ALT-13(V)をAN/ALT-28(V)に換装した。1957会計年度発注型からは主翼強度を強化し、垂直尾翼を2.3m短縮、方向舵と昇降舵も機力操縦とし、低空飛行に適した機体となった。AGM-28ハウンドドッグ空対地ミサイルを1961年から1976年まで、ADM-20クエイル囮ミサイルを1961年から1978年まで、AGM-69A短射程攻撃ミサイル（後部爆弾倉内回転ランチャーに８発、主翼下面パイロンに左右６発ずつ）を1972年から1980年代初頭まで装備していた。1982年からAGM-86B巡航ミサイルを主兵装としており（主翼下にAGM-86B巡航ミサイル12発、爆弾倉内にB-43/-53/-61/-83核爆弾12発またはAGM-69A核ミサイル８発）、搭載改修を受けた機体はSALT�Uの規定により主翼付け根にストレーキレットと呼ばれるフェアリングを付けて識別できるようにしてある。改修を受けなかった機体は非核専用型として使用され、翼下パイロンにAGM-84Dハープーンを左右６発ずつ搭載可能とした。冷戦終結後は通常兵器を装備し、湾岸戦争にも参加した。1994年5月に完全退役したが、その後も保管状態にあり、新STARTでも核兵器運搬手段として扱われていた。2013年12月19日に最後の１機がスクラップにされた。オーストラリアに展示機がある。参考：月刊丸6,’03、月刊軍事研究12,’99、6,’18、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、核兵器図鑑、月刊JWings3,’14、軍事力バランス78年版、ミリタリー・バランス1989-1990、月刊航空ファン7,’19

　＜Ｂ−５２Ｈ＞：エンジンをターボファンに変更して低空侵攻能力を強化したタイプ。爆弾倉に核爆弾・戦略巡航ミサイル・通常兵器を搭載可能な共用戦略ロータリーランチャーCSRLを備える。主翼付け根パイロンにはMAU-12/Aボムラック９基（前部・中央・後部に三つ叉で３基ずつ）を備える重兵装アダプタービームHSAB（Heavy Stores Adapter Beam）を装着し、左右計18発の兵装が積める。ただし大型の2000ポンド級兵装は干渉するので、前部・後部の左右と中央下面の計５基しか使えず、左右計10発になる。500ポンド級兵装ならパイロンにHSABでなくBRU-41/Aを２基ずつ装着することにより、左右計24発積める。主翼は前縁後退角37度の後退翼で、アスペクト比8.56。内外エンジンパイロン間にAN/ALE-25チャフ・ロケット・ディスペンサー用パイロンがある。攻撃電子システムはAN/ASQ-176。爆撃航法用兵装制御システムはAN/ASQ-38(V)で、爆弾投下システム、MD-1自動アストロコンパス、AN/AJN-8方位・垂直位置参照システム、AN/ASB-9A爆撃航法システム、AN/AJM-14(V)モニターシステム、AN/ASG-21レーダー火器管制システム、AGM-69A用管制システム、各種レーダー、レーダー記録システム、ECMなどで構成される。爆撃照準レーダーはAN/APQ-166、弾道コンピュータはAN/AYQ-10、航法装置はAN/ASQ-151EVS、AN/APN-218ドップラーレーダー。電子防御装置はAN/ALQ-117ノイズディセプションジャマー、AN/ALR-46デジタルレーダー警報装置、AN/ALQ-155(V)ディセプションジャマー、AN/ALQ-153後方警戒レーダー、AN/ALQ-172電子妨害装置などで、AN/ALQ-122を介してシステム運用される。AN/APR-9B/-19ECM受信器、AN/ALR-18Ｘバンド受信器、AN/ALT-6B/-13(V)/-15/-16/-22(V)アクティブ・ジャマー、AN/ALE-27チャフ・ディスペンサー、AN/ALE-20フレア・ディスペンサー、AN/ALE-25チャフ・ロケット・ディスペンサーを装備する。1B-52H-650以降はECM受信器がAN/ALR-20となり、1B-52-1811以降はRHAWとしてAN/APR-25を搭載した。後にAN/ALT-15をAN/ALT-32に、AN/ALT-13(V)をAN/ALT-28(V)に換装した。1960年7月20日（1961年3月6日？）に初飛行し、1961年5月9日から1962年10月26日までに102機が引き渡された。当初は戦略核任務専用だったため、ベトナム戦争や湾岸戦争には参加せず、CEM改修により通常兵器を運用できるようになったことを受け、就役後34年を経て1996年のデザート・ストライク作戦で実戦初参加した。全長49.05m、全幅56.39m、全高12.4m、自重80トン以上、空虚重量83.9トン、総重量221.36トン、最大ランプ重量226.8トン、最大離陸重量229.1トン（233.6トン？）。翼面積371.6平方メートル。エンジンはTF33-P-103（推力17000ポンド・7.72トン）８基、低空侵攻速度マッハ0.53-0.55、巡航速度マッハ0.765／442ノット、最大速度マッハ0.95／517ノット／1037km（高度12000m）、実用上昇限度16675m、燃料搭載量181604リットル（機内176286リットル＋翼下増槽２本5318リットル）、航続距離19260km、戦闘行動半径4170海里／7740km。乗員５名（操縦士、副操縦士、レーダー航法士、航法士、電子戦システム士官。尾部銃手加え６名？）。尾部の固定武装は20mmガトリング砲に変更し、FCSはAN/ASG-21となった。ただ1990年頃よりガトリング砲は外している機体も多い。爆弾搭載量24.3トン。Mk82/M117通常爆弾なら42発（機内24発、主翼下18発）、Mk84通常爆弾なら18発、B-83・B-61核爆弾なら８発、AGM-28Aハウンドドッグなら２発（主翼下）、AGM-69Aミサイルなら20発（機内８発・主翼下12発）、AGM-86B核搭載ALCMなら20発（機内８発・機外12発）、AGM-129核搭載ACMなら12発（機外）、AGM-84Dハープーンなら８発（機外）、AGM-86Cミサイルなら20発（機内８発・機外12発）、AGM-142ミサイルなら４発（機外）、CBU-52/B・CBU-58/B・CBU-71/Bクラスター弾なら51発（機内27発・機外24発）、CBU-87/B・CBU-97/Bクラスター弾なら30発（機内６発・機外24発）、Mk.20ロックアイなら24発（機外）、GBU-10/B・GBU-12/Bレーザー誘導爆弾なら10発（主翼下）、Mk56機雷なら20発、Mk62機雷なら45発、Mk63・Mk64・Mk65機雷なら18発を搭載できる。核アラートではAGM-69Aミサイル６発と核爆弾４発を搭載していたらしい。AGM-28ハウンドドッグ空対地ミサイルを1961年から1976年まで、ADM-20クエイル囮ミサイルを1961年から1978年まで、AGM-69Aミサイルを1972年から1980年代初頭まで装備していた。1961年1月11日、沖縄からスペインまでの10879海里を無給油で飛行した。後継のB-2と違って機外にターゲッティングポッドを搭載できるため、重宝しているようで、延々使い続けられている。参考：月刊丸6,’03、月刊軍事研究1,’01、9,’03、12,’99、10,’04、7,’05、2,’07、8,’07、6,’18、月刊航空ファン12,’18、世界の軍用機1982、1979、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings1,’16、6,’13、10,’17

　＜Ｔ．Ｏ．１Ｂ−５２−１３１６＞：B-52C/Dの爆撃航法装置をMA-6Aから地形回避機能を持つAN/ASQ-48に換装し、B-52E/FのAN/ASR-4（を構成するAN/APN-89ドップラーレーダー）をAN/ASB-4A（を構成するAN/APN-89A）に変更して全天候低空侵攻能力を附与、B-52G/HのAN/ASB-9（を構成するAN/APN-87ドップラーレーダー）をAN/ASB-9AまたはAN/ASB-16（を構成するAN/APN-89A）に換装して低空侵攻能力を向上させる改修。1965年9月20日に発令された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｔ．Ｏ．１Ｂ−５２−１５９５＞：A/A42G-11自動操縦装置の搭載改修で、1964年7月10日に発令された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｔ．Ｏ．１Ｂ−５２−２０１２＞：B-52G/HにAN/ASQ-151電子光学目視システム（機首下面右のAN/AAQ-6FLIR及び左のAN/AVQ-22LLLTVから構成される）を搭載する改修で、基地が核攻撃を受けていてコクピットのガラス面を全てシールドした状態でも問題無く離陸でき、電波封止下での低空侵攻を可能とした。1971-77年に実施された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、核兵器図鑑

　＜Ｂ−５２フェーズ６改修＞：B-52G/HのECM改良で、第４次中東戦争の戦訓を取り入れて実施された。S-125地対空ミサイルの捕捉レーダーを妨害するAN/ALQ-122ノイズ・ジャマーとAN/ALQ-117Ｘバンドノイズジャマー２基（機体尾部）を装備し、AN/ALT-28ノイズ・ジャマーを改良、AN/APR-25をAN/ALR-46に換装し、AN/ALR-20パノラミック受信器を自機の妨害電波による影響を受けないよう改良して掃引速度を３倍に引き上げ、AN/ALQ-27パルス・ドップラー・レーダーを左水平尾翼端に装備して後方から接近する戦闘機やミサイルの警戒能力を高めている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｂ−５２Ｈ（ラピッドエイト）＞：CEM改修に時間を要するため、取り敢えず８機に一部通常兵器を運用可能とする改修を施したもの。４機はハープーンを運用できるラピッド・ハープーンに、４機はAGM-142ハブナップ３を運用できるラピッド・ハブナップ（主翼下にAN/ASQ-55データリンクポッド１基とハブナップ３発を搭載）に改修された。参考：月刊軍事研究5,’15

　＜Ｂ−５２Ｈ（ＣＥＭ改修）＞：1994年8月から実施された通常戦能力強化改修T.O.1B-52H-756（ECP0109）で、軍備縮小に伴い通常戦専用だったB-52Gが退役したため、戦略核兵器専用だったB-52Hに通常兵器運用能力を持たせるものである。無誘導爆弾による絨毯爆撃が許される時代では無くなった（ただしNATO諸国に限る）ので、精密誘導兵器の運用能力を備える必要があり、GPS受信器を搭載し、AN/ASQ-176攻撃用アビオニクスを改良、主翼付け根パイロンをMIL-STD-1760デジタル・インターフェース装備のAN/ACQ-7ICSMS（Integrated Conventional Stores Management System、統合在来兵装管理システム）パイロンに変更し、2000ポンドJDAM12発、AGM-154JSOW12発、WCMDスマート・クラスター爆弾16発（1999年から運用）などを搭載運用できるようにした。またハープーンも運用でき、海上監視に投入すると２時間で364000平方キロメートルの海面を監視できる。ただ爆弾倉のCSRLにはMIL-STD-1760インターフェースが無いので、こちらにはGPS誘導兵器を積めない。53機が改修を受け、1996年のデザート・ストライク作戦に参加。デザート・フォックス作戦、アライド・フォース作戦、不朽の自由作戦にも投入された。2006年からAN/AAQ-28ライトニングATポッドを積んでペイブウェイ�U／�Vレーザー誘導爆弾（GBU-10/-12/-22/-24/-28）を運用できるようにしており、ポスト・イラク戦争で実戦初投下した。GBU-28は爆弾倉内に１発、それ以外は主翼下に2-3連ラックを介して積む。後継のAN/AAQ-33スナイパーXRによる実弾投下訓練は2013年3月22日に初めて行われている。これら目標指示ポッドは右主翼付け根パイロン（レーザーポッドパイロンまたはライトニングパイロンと呼ぶ）に装着する。ただその分だけ主翼下兵装が積めなくなってしまうため、後に内外舷エンジンパイロン間にあるAN/ALE-25チャフ・ロケット・ディスペンサー用パイロンを改造して目標指示ポッドを装着するようにし、こちらがレーザーポッドパイロンまたはライトニングパイロンと呼ばれるようになった。参考：月刊軍事研究5,’15、8,’16、月刊航空ファン12,’18

　＜Ｂ−５２Ｈ（ＡＭＩ改修）＞：AMIはアビオニクス中間段階改良の略。1999年から実施した近代化改修で、INSやデータ送信システムなどを改良した。参考：月刊軍事研究5,’15

　＜Ｂ−５２Ｈ（ＳＡＤＩ改修）＞：SADIは状況認識防御改善の略。2000年から実施した近代化改修で、AN/ALR-20AやAN/ALR-46を改良した。参考：月刊軍事研究5,’15

　＜Ｂ−５２Ｈ（ＣＯＮＥＣＴ改修）＞：空軍デジタル通信ネットワークに接続できるよう改良したもので、CONECTはCombat Network Communications Technology（戦闘ネットワーク通信技術）の略。AN/ARC-210無線機、情報放送型受信機IBR（Intelligence Broadcast Receiver）、改良型データモデムIDM（Improved Data Modem）、可変メッセージフォーマットVMF（Variable Message Format）データリンクなどを追加しており、デジタル・データリンクにより飛行中に目標情報や脅威情報をリアルタイムで受信でき、コクピットにはフルカラーMFDを配し、2040年以降においても空軍全地球打撃コマンドAFGSCでの運用に耐えられる。2004年に計画が始まり、2009年5月21日に初号機が初飛行し、8月5日に初号機が引き渡され、エドワーズ空軍基地でテストが行われた。配備78機（生産102機のうち保管中12機と損耗機・整備訓練機12機を除いたもの。76機？）全機を改造する予定で、実用初号機は2013年7月16日にオクラホマシティ航空兵站センターにフェリーされて改修に入り、2014年4月25日にバークスデール空軍基地の第２爆撃航空団に配備された。参考：月刊軍事研究8,’16、1,’10、月刊航空ファン12,’18、月刊JWings10,’13、7,’14

　＜Ｂ−５２Ｈ（１７６０ＩＷＢＵ改修）＞：IWBUは機内ウェポンベイ・アップグレードの略で、2012年に始まったので2012アップグレードともいう。CONECT対象機に対してCONECTと同時期に行う兵装関連改修である。インクリメント1.1で爆弾倉のロータリーランチャーをMIL-STD-1760デジタル・データバス対応のCRLに換装してGBU-31/-38JDAMを搭載できるようにし、GBU-31/B搭載数を計20発（爆弾倉内８発＋主翼下12発。爆弾倉20発＋主翼下12発？）、GBU-38/B搭載数を計36発（爆弾倉内24発、主翼下12発）にすると共に、離陸後にJDAM目標の柔軟な変更を可能とする。レーザーJDAMも運用できるようにするが、ロータリーランチャーでは発射前ロックオンが難しいので、レーザー誘導兵器は主翼下パイロンにのみ積むらしい。レーザー誘導兵器用ターゲッティングポッドはAN/AAQ-28/-33で、主翼下内外舷パイロン間に装着する。インクリメント1.2ではAGM-158A/BやADM-160Cなどを爆弾倉に８発搭載できるようにし、AGM-154Cの運用能力を追加する。AGM-158Bは主翼下にも左右６発ずつ積める。AGM-154CはCRLには搭載できず、主翼下左右６発ずつ計12発となる。2015年にインクリメント1.1がIOCを達成した。2016年初め頃にデジタル制御ロータリーランチャー６基が納入され、5月16日に改修機の実運用訓練が開始された。8月12日、爆弾倉に搭載したAGM-158B３発の連続投下試験に成功した。参考：月刊軍事研究5,’15、8,’16、月刊JWings12,’13、4,’16、8,’16、月刊航空ファン12,’18、11,’16

　＜Ｂ−５２Ｈ（空域コンプライアンス改修）＞：通信航法監視／航空交通管理CNS/ATM（Communication, Navigation and Surveillance / Air Traffic Management）システムに関する改修で、AN/APX-69をAN/APX-119に換装してIFFモード５／モードＳに対応し、放送型自動従属監視ADS-Bシステムを追加、民間航空当局の管制指示により法規に従い飛行できるようにする。参考：月刊航空ファン12,’18

　＜Ｂ−５２Ｈ（ＲＭＰ）＞：RMPはレーダー近代化計画の略。AN/APQ-166を新型（恐らくAESA式）に換装して2040年代まで運用できるようにするもので、2010年に開始されたが一旦キャンセルされ、2014年9月23日に再度RFIが発出された。2019年7月11日にレイセオン社がボーイング社からレーダーの受注を発表しており、AN/APG-79とAN/APG-82の技術を応用して開発し、2022年度から換装する予定。参考：月刊JWings1,’15、10,’19、月刊軍事研究8,’16

　＜Ｂ−５２Ｈ（新ＳＴＡＲＴ爆撃機改修）＞：新START条約の制限に基づき、戦略核兵器運用能力を外して通常兵器のみ運用できるようにしたもの。核関連装備を外しており、後部胴体側面のAN/ARR-85VLF/LF無線機用AS-3857ブレードアンテナが無い。運用機のうち30機と第309空軍航空宇宙整備再生群が保管している12機の計42機を2017年初めまでに改造する予定で、2015年9月17日に初号機が完成した。参考：月刊航空ファン12,’18、月刊JWings12,’15

　＜Ｂ−５２Ｈ（ＦＡＢ−Ｔ追加改修）＞：見通し線外ターミナル・ファミリーFAB-T（Family of Advanced Beyond line-of-sight Terminal）を搭載し、ミリ波衛星通信を可能とする改修。胴体背部に大型アンテナフェアリングが付く。参考：月刊航空ファン12,’18

　＜Ｂ−５２Ｈ（ＲＥＰ）＞：REPはRe-Engine Program（エンジン換装計画）の略。2030年を目処に配備78機のエンジンを燃費に優れたものに交換し、2050年まで運用可能とする計画で、当初は４発に減らす予定だったが、エンジンパイロンやポッドの空力再計算などに手間と費用が掛かるので、８発のままにして中身だけを推力17000-19000ポンド（7.71-8.62トン）級のビジネスジェット・リージョナルジェット用小型ターボファンエンジンに取り替えることにした。ジェネラル・エレクトリック社がパスポート20／グローバル7500とCF34-10（推力18000ポンド・8.16トン）、プラット＆ホイットニー社がPW815（推力16000ポンド・7.26トン）、ロールスロイス社がBR725（推力16900ポンド・7.67トン）を提案している。ロールスロイス社製エンジンが採用されてB-52Jの名称が付いた。参考：月刊航空ファン12,’18、月刊JWings7,’20、6,’23

　＜Ｂ−５２Ｊ＞：商用エンジン換装計画CERPを施したもの。エンジンをロールスロイス社製F130ターボファン（推力7.71トン）８基に換装する。2024会計年度概算要求で計画が始まった。参考：月刊JWings6,'23

　＜Ｂ−５２Ｋ＞：B-52Jの近代化改装計画。機首形状を変更してレーダーを換装し、電子光学センサーをバルジごと撤去、通信航法装置を新型にし、空中発射即応兵器ARRWや極超音速攻撃巡航ミサイルHACMなどを運用可能とする。2050年代まで運用する予定。参考：月刊JWings6,’23

＜Ｂ−５２ファミリー＞

　＜Ｂ−５２（電子戦機）＞：アメリカ空軍計画電子戦機。EA-6Bの後継としてB-52Hに大出力・長距離用電子妨害／電子攻撃システム（スタンドオフ・ジャマー）を搭載し、長時間任務に投入する計画だったが、設計が滞り、2006年2月にキャンセルされた。代わりにEA-6Bに引き続いてEA-18Gを海軍と共同運用しており、B-52HにはADM-160C空中発射デコイ・ジャマーを積む。参考：月刊軍事研究8,’13、8,’07、7,’14

　＜ＪＢ−５２Ｂ＞：RB-52BをX-15ロケットなどの発射母機にしたもの。１機が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＮＢ−５２Ａ＞：NASAの試験機。B-52AをX-15ロケットの発射母機にしたもので、右主翼下に装着パイロンが用意されている。１機が改造された。アリゾナ州ツーソンのピマ航空宇宙博物館に展示されている。参考：月刊丸7,’14、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings6,’23

　＜ＮＢ−５２Ｂ＞：NASAの試験機。B-52Bから１機が改造された。参考：月刊JWings6,’23

　＜ＮＢ−５２Ｅ＞：CCV研究機で、B-52Eから１機が改造された。アナログ式フライ・バイ・ワイヤを搭載し、制御増強、静安定緩和、機動荷重制御、フラッター・モード制御を取り入れている。1971年に初飛行した。参考：日本の防衛戦力Part8、アメリカ空軍の第一線機

　＜ＲＢ−５２Ｂ＞：B-52Bの偵察爆撃機型で、カメラ、電子装置、操作員席２名分を収容したポッドを爆弾倉に搭載できるようにしてある。27機が生産された。1956年11月30日、１機がキャッスル空軍基地離陸４分後に墜落した。1957-58年にB-52C規格に改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報3,’18

＜Ｂ−５２空中分解事故＞：1961年1月24日、ノースカロライナ州ゴールズボロ上空でB-52が右翼構造部付近から空中分解を起こし、B39核爆弾（威力3.8メガトン）２発が落下、うち１発はパラシュートが作動せず地面に激突し、15mほどめり込んだ衝撃で核爆弾は破壊され、ウラン内蔵部分を含む爆弾の一部が回収できなかった。安全装置６つのうち５つが衝撃で外れていたとされるが、公式発表ではない。放射線は検知されなかったが、付近の農地一帯を買収したともいわれる。参考：アメリカの核兵器戦争がやってくる

＜Ｂ−５２Ｄ墜落事故＞：1964年1月13日、核搭載空中待機任務を終えてジョージア州ターナー基地に戻る途中の第484爆撃航空団第824爆撃飛行隊所属B-52Dが、ペンシルヴェニア州上空で高度9000mから10000mに上昇したところ、突風を受けて垂直尾翼が付け根から吹き飛ばされた。操縦不能となったB-52Dはメリーランド州カンバーランド南西31kmの山岳地帯に墜落し、正副操縦士は脱出したが、残る乗員３名が死亡（２名が墜死、脱出した４名のうち２名が凍死？）した。機体の破片は100m四方に散乱していたが、搭載されていたB53核爆弾２発は1月15日に回収され、破損は無かった。参考：月刊軍事研究8,’11、アメリカの核兵器

＜Ｂ−５２Ｆ墜落事故＞：1961年3月14日、第4134戦略航空団所属のB-52FがB39核爆弾２発を搭載してカリフォルニア州北部を飛行中、与圧システムが故障してコクピットの気密が保てなくなった。与圧の要らない高度3050mまで降下したが、空中給油機や飛行場まで飛ぶだけの燃料が無く、機長が他の乗員を脱出させた後にカリフォルニア州ユバ・シティ西の無人地帯まで飛ばし、高度1200mで自分も脱出した。核爆弾は機体から外れたが、爆発はせず、核物質は爆弾内に封入されたままで済んだ。参考：月刊軍事研究8,’11、アメリカの核兵器

＜Ｂ−５２Ｇ空中衝突事故＞：1966年1月17日、クロームドーム作戦でノースカロライナ州シーモア・ジョンソン基地を離陸して地中海まで往復する任務にあたっていた第68爆撃航空団所属のB-52Gが、帰路にスペイン南の地中海上でKC-135空中給油機から空中給油を受けようとしたところ、接近速度を誤って（正規のパイロット以外の乗員が操縦していたともいわれる）が追突して双方とも墜落、B-52G乗員のうち４名は脱出できたが、他の３名とKC-135の乗員４名が死亡した。爆発炎上したB-52Gは搭載していたB28RI核爆弾４発と共にスペインのパロマレス近くの海岸沿いに落下、２発は地上に激突して起爆剤が炸裂し、放射性物質をまき散らした。残る２発はパラシュートが開き、風に煽られて１発は海岸に、１発は海中に落下した。地上に落ちた３発は24時間以内に発見されたが、260ヘクタールの土地が放射能で汚染されたため、アメリカが汚染表土と農作物1750トンをドラム缶に詰めてサウスカロライナ州にある核廃棄場に運び処理した。海中に沈んだ核爆弾は２ヶ月後に水深800mで発見され、深海潜水艇で引き揚げようとしたが誤って更に深いところに落としてしまい、1967年4月に漸くサルベージ船で引き揚げられた。スペイン駐在大使が海水浴をしたり、軍幹部が引き揚げた核爆弾の傍に立って放射能漏れの無いことを強調したりと安全性のアピールも行っている。ちなみに海中から引き揚げられた核爆弾の外板は、ニュー・メキシコ州にある国立原子力博物館に展示された。参考：月刊軍事研究8,’11、アメリカの核兵器、世紀の失敗物語、核兵器図鑑

＜Ｂ−５２Ｇ墜落事故（グリーンランド）＞：1968年1月21日、クロームドーム作戦のためニューヨーク州プラッツバーグ空軍基地を離陸し、グリーンランドのチューレ（スール）空軍基地に向かっていたB-52Gが、着陸直前にキャビン火災を起こし、基地の11km手前の海氷上に墜落炎上した。乗員６名は脱出して救助されたが、残る１名が死亡。搭載していたB28FI核爆弾４発が破壊されて周囲を汚染した。うち１発は今でも海底に沈んでいる。アメリカ政府はデンマーク政府の立ち会いの下、汚染された氷など7000立方メートルを４ヶ月かけて自国に持ち帰ったが、除染にあたった作業員が放射線障害になったとして訴訟を起こしている。この事故を受けて同年にクロームドーム作戦は取りやめとなった。参考：月刊軍事研究8,’11、世紀の失敗物語、戦争がやってくる、アメリカの核兵器

＜Ｂ−５３＞：K-53（原潜）を参照。

＜Ｂ５３核爆弾シリーズ＞：アメリカ軍の戦略爆撃機用核爆弾。Mk17の本格的な後継で、地下破壊用とされているが、別に地中貫徹爆弾に搭載されている訳で無く、９メガトンの大威力で地下150mまで掘り返すというものである。1958年から開発され、1962年に実用化されて同年から生産された。B-47爆撃機、B-52爆撃機、B-58爆撃機が搭載可能。1967年から退役が始まったが、1987年に解体前のものを再装備すると発表され、B61-11の制式化より漸く全て退役した模様。参考：アメリカの核兵器、U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器図鑑、月刊軍事研究2,’03

＜Ｂ５３Ｍｏｄ０＞：自由落下型。ドラム缶のような弾体に矩形尾部安定翼（後半部の翼断面が三角形で後縁がかなり分厚い）４枚を装着している。着弾の衝撃で核弾頭が壊れないよう、先端部にはアルミ製ハニカム構造の衝撃吸収部フォールス・ノーズを被せてある。全長3.81m、直径1.27m、重量8850ポンド（４トン）。弾頭はW53、威力９メガトン。参考：核兵器図鑑、アメリカの核兵器、U.S.ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ５３Ｙ２＞：FUFOは装着されているが、レイダウン専用で運用され、尾部に制動用パラシュート（小型パイロット傘、直径4.9mの抽出傘、直径14.6mの制動傘３枚）を収容する。参考：アメリカの核兵器、U.S.ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ−５４＞：ソ連海軍100mm連装高角砲。ゴリゾント射撃指揮装置で管制される。砲弾重量15.6kg。初速毎秒900m、射程22km、射高14km。発射速度毎分16発。68型チャパエフ級巡洋艦に搭載された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜Ｂ５５−２Ｎ＞：自衛隊の落下傘・背負型。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜Ｂ５５−２Ｎ改＞：自衛隊の落下傘。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜Ｂ−５６＞：K-56（潜水艦）を参照。

＜Ｂ５７核爆弾シリーズ＞：アメリカ海軍の小型インプロージョン型原爆、別名Mk57、通称ドクターペッパー。1960年から開発され、1963年（1964年？）に実用配備された。ほぼ戦術核兵器専用で、システムを簡易化して前線でも整備でき、空中、地表、地中貫徹、水中爆発の各モードにより、地上、水上艦艇、潜水艦といった各種目標を破壊できる。攻撃機（A-4、A-6、A-7、F/A-18、P-3、S-3）及びヘリ（SH-2F、SH-3、SH-60B、ダッシュ）に搭載し、主に核爆雷として潜水艦を破壊することを考えていた。一応F-111戦闘爆撃機、B-52爆撃機、B-57爆撃機、B-66爆撃機や、空軍F-100戦闘機、F-104戦闘機、F-4戦闘機、F-16戦闘機にも搭載可能。1967年までに3100発が生産され、1976年から退役、1992年までにB61への更新を終えている。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、核兵器図鑑

　＜Ｂ５７Ｍｏｄ０＞：全長2.99m、直径0.375m、重量510ポンド（229kg）と小型軽量で、ヘリにも搭載できる。空力学的デザインに優れ、外装したまま超音速飛行が可能。起爆モードは４種類あり、レイダウン、水中爆発、電波高度計を収めた専用ノーズを装着しての自由落下空中爆発モード、尾部に収容されたガス圧作動式パラシュート（直径3.81m）によるパラシュート空中爆発モードである。水中爆発モードでは取水口から海水が浸入すると電池が作動してパラシュートが分離され、水中爆発用タイマーが発動する他、水圧調定信管も用意されている。弾頭はプルトニウム239使用のW57核弾頭で、1.5-20キロトンの間で５段階に威力を調節可能であり、核爆雷として使用する際には５キロトン以下にセットする。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器事典、アメリカの核兵器、世界の傑作機No.118

　＜Ｂ５７Ｍｏｄ５＞：B-52搭載用。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜Ｂ５７Ｍｏｄ６＞：B-52搭載用。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ５７核爆弾ファミリー＞

　＜ＢＤＵ−１２／Ｂ＞：BDU-12/B（訓練弾）を参照。

　＜ＢＤＵ−１２Ａ／Ｂ＞：BDU-12A/B（訓練弾）を参照。

＜Ｂ−５７爆撃機シリーズ＞：アメリカ空軍の双発戦術ジェット爆撃機、別名ナイトイントルーダー。A-26インベーダーの後継で、XB-43などアメリカでの戦術ジェット爆撃機の開発が失敗続きだったため、イギリスのキャンベラB.Mk2をテストしてみたものである。1951年2月21日にテスト機をバルチモアに到着させるよう要求したところ、イギリスから大西洋無着陸無給油横断（世界初）で飛来し、2月26日のアンドリュース空軍基地での比較試験の結果、XB-51などを蹴散らして採用された。アメリカ空軍規格への改造が必要なため、マーチン社でライセンス生産し、400機以上を配備した。横田基地にも第３爆撃航空団隷下３個飛行隊40機が配備されている。1983年に退役した。参考：月刊丸7,’14、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings12,’18、3,’20、10,’22

　＜Ｂ−５７Ｂ＞：

　＜Ｂ−５７Ｇ＞：エンジンをJ65W-5Dに換装し、機首に大きなレドームと機首左に電子装置フェアリングを装着した。内部にはウェスティングハウス社製マルチプルセンサー・ウェポンデリバリーシステムが搭載されており、夜間でも目標を探知して爆撃できる。防御兵装は12.7mm機銃または20mm機関砲４門。爆弾搭載量４トン。Mk7核爆弾またはB43核爆弾なら１発を搭載可能。参考：月刊航空ファン4,’72、アメリカの核兵器

＜Ｂ−５７爆撃機ファミリー＞

　＜Ｂ−５７（水素エンジン搭載型）＞：片方のエンジンを水素燃料兼用型と換装し、翼端に液体水素タンクを取り付けたタイプ。1956年12月から1959年にテスト飛行を行った。参考：月刊軍事研究3,’08

　＜ＥＢ−５７Ｃ＞：電子戦訓練機型。仮想敵機となってジャミングをかけ、防空陣地の訓練やECCM能力評価を行う。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−５７Ａ＞：偵察機型。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−５７Ａスイッチブレード＞：隠密偵察機型。焦点距離6100mmの超望遠レンズを装備したLOROPカメラを搭載し、相手国領空ギリギリを飛んで奥を覗き込む。シリアルナンバーを偽装して横田基地から出撃し、中国や北朝鮮の偵察を行っていた。参考：月刊JWings11,’20

　＜ＲＢ−５７Ｄ＞：戦略偵察機型、マーチン社内名称モデル294。高々度偵察機MX-2147／ボールド・イーグル計画（本命はU-2になった）で発注された。外翼部分を延長しアスペクト比を８に拡大して高々度性能を持たせ、爆弾倉と胴体内燃料タンクを廃止、エンジンをライト社製J57に換装した。翼スパン32.3m。実用上昇限度64000フィート（19507m）。1955年11月5日に初飛行し、20機が配備された。参考：月刊JWings2,'17、10,’22

　＜ＲＢ−５７Ｆ＞：高々度偵察機型で、主任務は高々度気象観測や放射能観測らしい。翼スパンを倍に延長してエンジンを換装、補助ジェットも追加した。全長20.98m、全幅37.32m、総重量22.7トン。翼面積185.8平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製TF33-P-11ターボファン（推力8.16トン）２基＋J60-P-9補助ジェット（推力1.5トン）２基、飛行高度30000m以上。乗員２名。ジェネラル・ダイナミクス社で12機が改造されて1964年から配備され、NASAで研究用としても使用された。参考：空軍、月刊丸7,’14、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＷＢ−５７Ｄ＞：アメリカ気象庁の核気象採取試験機。参考：月刊JWings10,’22

　＜ＷＢ−５７Ｆ＞：アメリカ国立海洋気象庁の核気象採取機。1960-71年に運用され、1974年に退役を完了した。その後、NASAの気象観測機／高々度実験機（Airborne Science Program）として1970年代に３機が引き渡され、1990年代に１機が退役し、2014年8月6日に１機が引き渡されて３機に戻った。2022年7月26日、三沢基地に飛来し、高々度大気サンプリング任務に就いた。9月11日の三沢基地航空祭で地上展示されている。参考：月刊JWings11,’14、10,’22、12,’22

＜Ｂ−５８Ａ＞：アメリカ空軍の超音速爆撃機、別名ハスラー（Hustler）。世界初の超音速爆撃機である。B-47の後継で、在欧米軍基地から飛び立ち、超音速でソ連の防空網を突破、核爆弾を投下することを目的に開発された。軍の要求が纏まったのは1952年だが、超音速爆撃機構想自体は1946年から開始されている。速度を出すためデルタ翼を採用したが、アスペクト比が低いので長距離巡航に向いておらず、爆弾倉ではなく胴体下に爆弾・燃料収容ポッドを設け、それを投棄式とすることで解決した。ポッドは爆撃用がMB-1CとBLU-2/B、偵察用がLBで、爆撃用としては主にBLU-2/Bを搭載した。ポッド装着部脇の機体下面にはB43やB61などの核爆弾を搭載するため左右２カ所ずつ（タンデム配置）のハードポイントが設けられており、B43核爆弾４発を外部搭載するテストが行われたが、MB-1CとLB装着時には同時使用できるものの、BLU-2/B装着時には使えないので、実際に装備されたかは不明。胴体にはエリアルールを適応している。射出座席はスタンリー・アビエーション社製カプセル式射出座席で、与圧装置も付いており、作動させるとヘッドレスト上のシールドが座席を包み込んでカプセルを構成し、射出されたらパラシュートで降下、フロートが仕込まれているので不時着水時にはボートにもなる。シールド前面には窓があり、操縦桿やスロットルはカプセル内に包み込まれるので、機体与圧システムが故障した際のバックアップとしても使用可能。エンジンはJ79ターボジェット４基、最大速度マッハ２、戦闘行動半径1500海里以上（核爆弾４発）。乗員３名。1956年11月11日に初飛行し、1960年3月に就役、1962年から実戦配備されたが、ソ連の標的になることを恐れたヨーロッパ各国が基地提供を拒み、機体自体の開発も遅れ、その間にICBMとSLBMの配備が進み、航続距離が短く運用経費も高く、116機が生産されたのみで1970年1月までに全機退役した。事故も多発しており、26機が墜落して失われている。参考：月刊JWings6,’06、2,’15、月刊軍事研究7,’05、10,'15、10,’17、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカの核兵器

＜Ｂ−５８ファミリー＞

　＜ＴＢ−５８Ａ＞：練習機型。B-58から８機が改造された。参考：月刊JWings6,’06

　＜スヌーピー＞：AN/ASG-18レーダー用テストベッド機。６号機を改造して製作され、1960年初めにテストを開始した。参考：月刊軍事研究6,’10

＜Ｂ−６１＞：TM-61A（巡航ミサイル）を参照。

＜Ｂ６１シリーズ＞：アメリカ軍の戦術核爆弾、別名シルバーバレット（無塗装の銀色なので）。1960年に高度100mから投下可能な無誘導核爆弾として計画され、1963年1月から開発され、1967年（1968年？）から納入された。A-4、A-6、A-7、AV-8、F-100、F-104、F-105、F-4、F-15E、F-16、F/A-18、F-111、F-117といった戦術機に搭載でき、必要ならB-52、B-2の爆弾倉にも積める。トーネードでも運用可能で、NATO諸国に分散配備されていた。2004年にはイギリス、イタリア、オランダ、ドイツ、トルコ、ベルギーに400-450発が配備されており、2009年現在ではイギリスなどから撤去されて200発に減っている。想定よりも長期の配備になったため、Mod7とMod11に20年間の延命改修を行い、2007年から供給した。次世代戦術機のF-35にも搭載される予定だが、運用能力付与に３億5000万ドルほどかかるので、止めるかもしれない。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’03、5,’07、5,’18、アメリカの核兵器、月刊JWings4,’14、核兵器図鑑

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ０＞：弾体中央にスピンロケット、尾部に制動装置を備え、直径5.18mのリボン型制動傘を搭載しており、高度200フィート（61m）からの投下が可能で、自由落下／パラシュート制動／スピンの各モードを選択でき、空中爆発／地表爆発／貫徹爆発の各モードで炸裂する。直径3.57m、直径0.34m、重量740ポンド（335.7kg）。弾頭のW61水爆は威力可変式で、プライマリー（ブーステッド原爆）に注入する重水素・三重水素ガスの量を調整することにより、0.3キロトンから340キロトンまで９段階に事前調節できる。信管はFUFOで、レイダウンモードでは遅延時間を31秒または81秒に設定可能。スピン投下ならCEPは180m。500発が生産されて1967年から配備され（1968年に完成？）、現在は全て退役した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器事典、アメリカの核兵器、月刊軍事研究1,’18、5,’18

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ１＞：弾頭の最大威力を900キロトンに強化したもので、1969年に完成した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、アメリカの核兵器

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ２＞：1975年に完成した。参考：アメリカの核兵器

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ３＞：制動装置をナイロン・ケブラー製の直径7.3mのものに換えて高度50フィート（15.2m）からの投下を可能とし、制御用にマイクロプロセッサを導入したタイプ。全長3.6m、直径0.34m（0.287m？）、重量341kg。威力は0.3/1.5/60/170キロトンの選択式。1979年から量産された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究7,’05、1,’11、1,’18、核兵器事典

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ４＞：弾頭威力0.3/1.5/10/45キロトン（50キロトン？）から選択可能なタイプ。全長3.6m、直径0.287m、重量343kg。参考：核兵器事典、月刊軍事研究1,’18、7,’05

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ５＞

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ６＞：保管時の安全性を向上させたタイプ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ７＞：B28の後継。PALとバックアップ信管を備え、外部指令で信管を不活性化する安全装置を組み込んでいる。弾頭部は強化型貫徹弾頭に換えられており、威力10-360キロトン（10-300キロトン？）。B-52とB-2Aに搭載されて戦略核爆弾として運用される。全長3.60m、直径0.34m（0.287m？）、重量347kg。1985年9月から1990年まで生産された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究7,’05、1,’11、1,’18、核兵器事典、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ８＞：計画のみ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ９＞：計画のみ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｂ６１Ｍｏｄ１０＞：パーシング�Uミサイルの弾頭をB61のケースに積み替えたもの。威力は0.3/5/10/80キロトン。全長3.6m、直径0.287m、重量343kg。参考：核兵器事典、月刊軍事研究1,’18、7,’05

＜Ｂ６１Ｍｏｄ１１＞：地中貫通核爆弾、別名ミニ・ニューク。1990年代から開発され、1995-96年頃に模擬弾投下テストが行われ、1997年から配備された。軽量なので攻撃機にも搭載可能。ノーズは10mmのスチールで出来ており、重心調整用の250ポンド（113.4kg）バラストが入っている。尾部には姿勢制御・増速用ロケットと円錐状制御フィンが追加されており、減速用パラシュートは当然付いていない。劣化ウラン弾体（弾体は他のB61シリーズと変わらないという説もある）により地下数ｍまで貫徹した後に核爆発を起こし、大気中の核汚染を最小にしつつ地下シェルターなどを粉砕するというが、核爆発の威力に比べて貫徹が浅いし、貫徹孔も開いているので、汚染がどれだけ防げるかは疑問。また、貫徹力が4.75-7.62mを予定していたのにテストでは1.73-3.05mしか無く、後継のRNEPを開発中である。弾頭威力は10-340キロトン（0.3-350キロトン？）の可変型（400キロトン固定という説もある）。全長3.68m、直径0.34m、重量565kg（548kg？）。B-52H、B-2A（８発）、F-15E、F-16C/D、F-117Aに搭載できる。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究12,’98、5,’18、7,’18、2,’03、1,’01、7,’05、8,’16、1,’18、核兵器事典、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂ６１Ｍｏｄ１２＞：Mod11のGPS誘導型で、2012年から開発されている。弾体中央にストレーキ、尾部にIMU/GPS誘導キットを取り付けるというJDAM方式の改造を施して精密誘導兵器に仕立てた。テイルフィン形状を変更したので、B-2Aなら16発積める。弾頭はW80-4で、0.3/0.5/10/50キロトン（0.3-340キロトン？）の可変式。Mod3/4/7/10を改造する予定で、2015年7月1日にF-15Eからのダミー弾投下試験を行った。レイセオン社とロッキード・マーチン社で競争試作しており、2022会計年度に選定して2020年代後半からB-52H、B-2A、F-15E、F-16C/D、F-35Aブロック４以降で運用する予定。2020年3月、F-15Eからの投下試験を実施。7月、B-2Aからの投下試験を実施。11月23日、F-35Aの爆弾倉内に模擬弾を搭載し、高度10500フィート・3200mを超音速飛行中に投下する試験に成功（投下42秒後に目標付近に着弾）したと、サンディア国立研究所が発表した。2021年9月21日、ネバダ州トノパ試験場でF-35A戦闘機からの投下試験を実施。参考：月刊航空ファン10,’15、月刊軍事研究5,’18、8,’16、1,’15、1,’18、月刊世界の艦船3,’13、月刊JWings2,’21、12,’21

＜Ｂ６１核爆弾ファミリー＞

＜Ｂ６１タイプ３Ｅ＞：積み込み・飛行訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−３６／Ｃ＞：BDU-36/C（訓練弾）を参照。

＜ＢＤＵ−３８／Ｂ＞：BDU-38/B（訓練弾）を参照。

＜ＢＤＵ−３９／Ｂ＞：BDU-39/B（訓練弾）を参照。

＜Ｂ６１案＞：天城型（計画巡洋戦艦）を参照。

＜Ｂ−６２＞：SM-62シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜Ｂ６２Ｇ案＞：天城型（計画巡洋戦艦）を参照。

＜Ｂ−６３＞：GAM-63（空対地ミサイル）を参照。

＜Ｂ−６４＞：ソ連海軍611型潜水艦。1957年にP-10巡航ミサイル実験艦に改造され、同年に４回の発射実験を実施した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜Ｂ６４案＞：天城型（計画巡洋戦艦）を参照。

＜Ｂ６４改案＞：紀伊型（計画戦艦）を参照。

＜Ｂ−６５シリーズ＞：海上・航空自衛隊の固定翼機で、ビーチクラフト社製双発プロペラ機モデル65Aクイーン・エアを導入したものである。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜Ｂ−６５（海上自衛隊）＞：海上自衛隊計器飛行・機上作業訓練機で、愛称は、うみばと。1962-70年度に23機を配備した他、空自から1969-70年度に５機が移管された。全長11.1m（10.8m？）、全幅13.98m、全高4.32m、自重3000kg（2263kg？2105kg？）、全備重量3493kg。エンジンはIGSO-480-A1B6（340馬力。IGSO-480-A1E6？TGSO-480-A1B6？）双発、巡航速度219km、最大速度385km、実用上昇限度8230m、航続距離1650km（1445km？）。乗員６名（８名？）。TC-90に後を譲り、1980年3月に空自から移管された５機を返却、1991年度までに全機退役した。最終号機は館山航空基地に展示されている。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings5,’14、月刊丸5,’07、月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’02増刊、6,'22、日本の防衛戦力Part3、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｂ−６５（航空自衛隊）＞：航空自衛隊指揮連絡機。1969年に５機を導入したが、1969-70年度に全機が航法訓練機として海上自衛隊に一旦移され、1980年3月に航空自衛隊に戻り、連絡輸送機として使用、U-4に後を譲って1998年に退役した。最終号機は那覇基地に展示されている。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings5,’14

＜Ｂ−６５Ａ−６５＞：海上自衛隊計器飛行・機上作業訓練機。B-65の改良型で、垂直尾翼の後退角を増し、水平尾翼に後退角を付け、前脚を強化している。TC-90に後を譲り、1991年度までに全機退役した。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、月刊JWings5,’14

＜Ｂ−６５ファミリー＞

　＜Ｂ−６５Ｐ＞：海上自衛隊が建設省から委託されて運用した地理調査機で、愛称は、くにかぜ。地図の作製が主任務である。全長10.2m、全幅14m、全高4.3m、自重2263kg、全備重量3493kg。エンジンはライカミングIGSO-480-A1E6（340馬力）双発、最大速度207ノット、実用上昇限度8230m、航続距離780海里。乗員６名。１機が委託され、1960-83年度に使用された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’02増刊

＜Ｂ６５案＞：紀伊型（計画戦艦）を参照。

＜Ｂ−６６シリーズ＞：アメリカ空軍双発ジェット戦術爆撃機、別名デストロイヤー。XB-43とXB-51の開発が失敗したため、1951年に改めて計画し直したもので、ダグラス社が海軍A-3スカイウォリアー艦上攻撃機（の試作型XA3D-1）をベースに設計した。要求に低空侵攻があったため、エンジンを強化して主翼を再設計し、空中給油装置と射出座席も追加している。B28/B43核爆弾を搭載可能。各型計294機が生産された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings5,’19、11,’99、アメリカの核兵器

　＜Ｂ−６６Ｂ＞：胴体後部左右に15KS1000JATOを６本ずつ装着することが可能。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｂ−６６ファミリー＞

　＜ＥＢ−６６Ｂ＞：電子戦機型。B-66爆撃機がベースで、爆弾倉内部にパレット式に電子戦機器を搭載し、機上電子戦幹部（EWO）１名を収容する。機体全体で20基強のジャマーを搭載しているとみられ、胴体下にはブレードアンテナが多数突き出している。Ａバンド帯のAN/ALT-7、Ｅバンド帯のAN/ALT-6、D-Hバンド帯のAN/ALT-8ジャマーを備え、広範囲の周波数帯に対応できるようにしており、後に改良を受けて搭載機器を逐次変更した。外装ポッド式のチャフ・ディスペンサーを装備するが、AN/AAQ-4赤外線妨害装置は搭載していない。13機が改造された。1966年からはAN/ALQ-71妨害用ECMを装備できるよう改修が加えられた。参考：月刊軍事研究7,’99

＜ＥＢ−６６Ｃ＞：電子戦機型。RB-66C電子偵察機がベースで、主翼端に大型のアンテナポッド、胴体下３ヵ所にカヌー状レドームを持つ。爆弾倉は機内電子戦運用室に改造されており、機上電子戦幹部（EWO）４名を収容、電子測定装置からのデータを元に敵レーダーの妨害に最適の角度となるようアンテナの向きをAN/ALA-32システムにより手動で変更する。代わりに爆弾倉に搭載できる電子戦機器が少なくなっており、機体全体ではジャマーよりもパッシブECM機器を中心に９基を搭載している。AN/AAQ-4赤外線妨害装置を装備するが、AN/ALQ-59VHF通信妨害装置は搭載していない。約30機が改造された。1966年からはAN/ALQ-71妨害用ECMを装備できるよう改修が加えられた。参考：月刊軍事研究7,’99

　＜ＥＢ−６６Ｅ＞：電子戦機型。RB-66B夜間偵察機がベースで、爆弾倉内部にラック式に電子戦機器を搭載し、機上電子戦幹部（EWO）１名を収容する。胴体下にはブレードアンテナが多数突き出している。ジャマーは22基を収容しており、16基が爆弾倉、６基がテイルコーンにあるとみられる。Ａバンド帯のAN/ALT-7、Ｅバンド帯のAN/ALT-6、D-Hバンド帯のAN/ALT-8ジャマーを備え、広範囲の周波数帯に対応できるようにしており、後に改良を受けて搭載機器を変更、後期には爆弾倉内にAN/ALT-6Bジャマー３基、AN/ALT-22ジャマー４基、AN/ALT-28ジャマー４基、AN/ALT-32ジャマー１基、AN/ALT-59ジャマー１基、QRC-279ジャマー2-3基を装備していた。赤外線受動誘導ミサイル対策としてAN/AAQ-4赤外線妨害装置、レーダー誘導ミサイル対策として外装ポッド式チャフ・ディスペンサーを搭載する。52機が改造された。1966年からはAN/ALQ-71妨害用ECMを装備できるよう改修が加えられた。参考：月刊軍事研究7,’99、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−６６＞：電子戦機型。参考：月刊JWings11,’99

　＜ＲＢ−６６Ｃ＞：ELINT型で、在欧米空軍USAFEに配備されてワルシャワ条約機構軍の電波情報収集を行った。ベトナム戦争でS-75地対空ミサイル陣地が発見されると、直ちに現地に派遣され、ELINT任務を実施している。その後、F-105D戦闘爆撃機編隊に随伴するECM機としての任務を行うようになり、EB-66Cに改称された。参考：月刊軍事研究7,’99

＜Ｂ−７７＞：アメリカ軍の試作水爆。ガスジェネレータによる安定システム（弾体前部側面の穴からガスを噴射して姿勢を制御する）、直径3.96mのリフトシュート、直径11.6mの遅延制動パラシュートを備えており、マッハ2.2までの高速投下や高度30mの超低空投下に対応できる。全長3.66m、直径0.46m、重量1.08トン。威力は50キロトンから１メガトンで、飛行中に変更が可能。B-1爆撃機向けで、B-52やFB-111にも搭載でき、F-4やF-111などの戦術機にも外部搭載できる。1974年から開発されたが、高価すぎる、B43核爆弾でほぼ代用できるとして1977年に開発中止となった。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、核兵器図鑑

＜Ｂ７８＞：小松製作所の社内試作歩兵戦闘車。89式装甲戦闘車の対抗馬として1982年に独自製作した。全電子制御ハイドロメカニカル無段階操向変速機、ポンプ／モーター全電子制御機構、高ストロークトーションバーなどの最新技術を取り入れて完成したが、採用はされなかった。参考：月刊軍事研究8,’08

＜Ｂ８０Ｍｋ．６Ａ＞：FV601サラディン装甲車に搭載されているロールスロイス社製170馬力エンジン。参考：月刊PANZER5,’01

＜Ｂ８３シリーズ＞：アメリカ軍の核爆弾。1979年から開発され、1983-91年に1400発が生産された。防空システムの発達により、敵領土上空から爆弾を投下するのが困難となってきたため、アメリカ最後の核爆弾となった。2006年現在、現役300発、予備役335発を保有していた。参考：月刊軍事研究12,’98、5,’18

＜Ｂ８３＞：W83核弾頭を搭載し、堅固な目標をレイダウンで粉砕することを目的とする。マッハ1.4でも投下でき、高度150-50000フィート（45.7-15240m）で運用可能。底部には直径14mの制動傘（制動力93トン）を収容しており、投下されると展張用の３つのパイロット・シュートで展開、終末速度を46ノット前後に下げて投下機が離脱する時間を確保する。プライマリー部分の爆縮レンズにはPBX-9502高性能爆薬を使用している。全長3.66m、直径0.46m、重量2400ポンド（1089kg）。信管最大遅延秒時120秒。戦闘爆撃機（F-15E、F-16）、戦略爆撃機（FB-111、B-52、B-2）、艦上攻撃機（A-4、A-6、A-7、AV-8A）に搭載できる。参考：月刊軍事研究12,’98、5,’18、U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器事典、軍用機ウェポン・ハンドブック、核兵器図鑑

　＜Ｂ８３Ｍｏｄ１＞：全長3.66m、直径0.46m、重量1124kg（1116kg？）。弾頭威力は80-1200キロトンの可変式で、プライマリー（ブーステッド原爆）の重水素・三重水素ガスの注入量を調整して威力を決定する。参考：月刊軍事研究1,’18、1,’11

＜Ｂ−９０＞：ロシア海軍20120型実験潜水艦サロフ（Sarov）。1989年起工。ソ連崩壊で工事が遅れ、1998年に工程40%で一旦放棄された。2001年に造船所を変えて建造が再開され、2008年8月に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、4,’20

＜Ｂ−９７＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1976年竣工。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−１２１＞：K-121（原潜）を参照。

＜Ｂ−１２３＞：K-123（原潜）を参照。

＜Ｂ−１３４＞：K-34（原潜）を参照。

＜Ｂ−１３１＞：K-131（原潜）を参照。

＜Ｂ−１３８＞：K-138（原潜）を参照。

＜Ｂ−１４６＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1976年竣工。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−１４７＞：K-147（原潜）を参照。

＜Ｂ１７３＞：ベルヴェディア・シリーズ（ヘリ）を参照。

＜Ｂ１７３Ｍｋ．�U＞：ベルヴェディア・シリーズ（ヘリ）を参照。

＜Ｂ１７３Ｍｋ．�V＞：ベルヴェディア・シリーズ（ヘリ）を参照。

＜Ｂ−１７７＞：ロシア海軍636型潜水艦リペツク（Lipetsk）。1991年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−１８７＞：ロシア海軍636型潜水艦。1991年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15、現代の潜水艦

＜Ｂ−１９０＞：ロシア海軍636型潜水艦クラスノカメンスク（Krasnokamensk）。1992年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15、現代の潜水艦

＜Ｂ１９１＞：ベルヴェディア・シリーズ（ヘリ）を参照。

＜Ｂ１９２＞：ベルヴェディア・シリーズ（ヘリ）を参照。

＜Ｂ−２０１＞：K-201（原潜）を参照。

＜Ｂ−２０４＞：K-94（原潜）を参照。

＜Ｂ−２０９＞：K-209（原潜）を参照。

＜Ｂ−２１５＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1980年竣工。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−２２５＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1979年竣工。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−２２７＞：ロシア海軍877型潜水艦ヴィボルグ（Vyborg）。1983年2月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−２２８＞：Il-28海外シリーズ（爆撃機）を参照。

＜Ｂ−２３７＞：ロシア海軍636.3型潜水艦２番艦ロストフ・ナ・ドヌ（Rostov na Donu）。2014年6月26日進水、2014年12月30日就役、黒海艦隊に配備された。黒海への回航はバレンツ海での深海試験を終えた後になる。2015年12月8日、シリア領内のイスラム国拠点などに対し、カリブル巡航ミサイルを発射した。これがロシア海軍初の潜水艦による巡航ミサイル攻撃である。12月13日、ボスポラス海峡を通峡。12月15日、セヴァストポリに帰港し、ドックインしてメンテナンスに入った。参考：月刊世界の艦船6,’15、1,’14、9,’14、3,’15、3,’16、5,’16

＜Ｂ−２３９＞：K-239（原潜）を参照。

＜Ｂ−２４２＞：K-242（原潜）を参照。

＜Ｂ−２４４＞：K-244（原潜）を参照。

＜Ｂ−２４７＞：K-247（原潜）を参照。

＜Ｂ−２５０＞：UAE空軍練習・軽攻撃機、別名バーダー（Bader）。UAEのカリダス社が資金、ブラジルのノヴァー社が設計（主任はスーパーツカノの元設計者）、アメリカのロックウェル・コリンズ社がアビオニクスを担当し、2006年に計画中止となったA-67ドラゴン（Dragon）をベースに2015年から開発され、2017年7月に原型機が初飛行、2019年11月20日に24機が発注され、2021年2月21日に12機を追加した。機体は全CFRP製で、不整地滑走路でも運用できる降着装置を備える。主翼は一体成型で、内部に容量1100リットルのインテグラルタンクを持つ。コクピットはタンデム複座で、座席はゼロゼロ射出座席、計器板はタッチスクリーン式カラーMFD２基でグラスコクピット化され、HUDと機上酸素発生装置を搭載する。胴体下にウェスカムMX-15電子光学／赤外線センサーターレットを装備する。全長10.98m、全幅12.09m、全高3.79m。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-68ターボプロップ単発、巡航速度519km、最大速度557km、実用上昇限度9100m、戦闘行動半径560km、航続距離2400km、最大航続時間12時間。ハードポイントは胴体下１カ所と主翼下３カ所ずつで、対戦車ミサイル、レーザー誘導爆弾、レーザー誘導ロケット弾などを運用可能。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings5,’19、2,’20、5,’21

＜Ｂ−２５１＞：K-251（原潜）を参照。

＜Ｂ−２５４＞：K-254（原潜）を参照。

＜Ｂ−２５５＞：K-255（原潜）を参照。

＜Ｂ−２６０＞：ロシア海軍877型潜水艦チタ（Chita）。1981年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−２６１＞：ロシア海軍636.3型潜水艦１番艦ノヴォロシースク（Novorossiysk）。2010年起工、2013年11月28日進水、2014年8月就役。2015年9月21日、黒海艦隊ノヴォロシースク潜水艦基地に入港。参考：月刊世界の艦船6,’15、4,’13、2,’14、1,’15、12,’15

＜Ｂ−２６２＞：ロシア海軍636.3型潜水艦３番艦スタールイ・オスコル（Stary Oskol）。2015年7月1-5日、IMDS2015に参加し、期間中の7月3日に就役した（6月就役？）。2016年7月1日、ノヴォロシースク基地に到着し、黒海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船2,’17、6,’15、1,’14、9,’16、月刊軍事研究10,’15

＜Ｂ−２６４＞：K-264（原潜）を参照。

＜Ｂ−２６５＞：ロシア海軍636.3型潜水艦４番艦クラスノダール（Krasnodar）。2014年2月20日起工、2015年4月28日進水。2015年11月5日就役、ロシア海軍に引き渡された。慣熟訓練の後、黒海艦隊ノヴォロシースク基地に配備される予定。2017年5月30日、地中海からシリアのパルミヤにあるイスラム国拠点にカリブルPL巡航ミサイル２発を発射。6月23日、地中海からハマ県のイスラム国拠点にカリブル巡航ミサイルを発射。参考：月刊世界の艦船5,’14、7,’15、1,’16、2,’17、月刊軍事研究6,’18

＜Ｂ−２６８＞：ロシア海軍636.3型潜水艦５番艦ヴェリキー・ノブゴロド（Velikii Novgorod）。2014年10月30日起工、2016年10月26日就役。2017年8月28日、地中海で地中海作戦戦隊の隷下に入った。9月14日、地中海からカリブル巡航ミサイルを発射し、シリアのイスラム国軍事施設を破壊した。9月22日、カリブル巡航ミサイル３発以上をシリアのイドリブ県にあるアル・ヌスラ戦線施設に発射した。10月5日、地中海からシリアのイスラム国施設にカリブル巡航ミサイルを発射。11月1日、シリアのイスラム国拠点にカリブル巡航ミサイル３発を発射。参考：月刊世界の艦船2,’17、1,’15、1,’17、11,’17、月刊軍事研究6,’18

＜Ｂ−２７１＞：ロシア海軍636.3型潜水艦６番艦コルピノ（Kolpino）。2014年10月30日起工、2016年5月31日進水、11月24日就役。2017年8月28日、地中海で地中海作戦戦隊の隷下に入った。9月14日、地中海からカリブル巡航ミサイルを発射し、シリアのイスラム国軍事施設を破壊した。10月5日、地中海からシリアのイスラム国施設にカリブル巡航ミサイルを発射。11月3日、シリアにカリブル巡航ミサイル６発を発射。参考：月刊世界の艦船1,’15、8,’16、2,’17、11,’17、月刊軍事研究6,’18

＜Ｂ−２７６＞：K-276（原潜）を参照。

＜Ｂ−２９２＞：K-292（原潜）を参照。

＜Ｂ−２９８＞：K-298（原潜）を参照。

＜Ｂ−２９９＞：K-299（原潜）を参照。

＜Ｂ−３０２＞：K-302（原潜）を参照。

＜Ｂ−３０５＞：K-305（原潜）を参照。

＜Ｂ−３０７＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1981年竣工。参考：現代の潜水艦、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜Ｂ−３０８＞：K-308（原潜）を参照。

＜Ｂ−３１３＞：K-313（原潜）を参照。

＜Ｂ−３１４＞：パンアメリカン航空が太平洋航路で使用していた４発大型機で、第２次大戦勃発に伴い海軍に移管された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ｂ−３２０＞：K-320（原潜）を参照。

＜Ｂ−３２３＞：K-323（原潜）を参照。

＜Ｂ−３２４＞：K-324（原潜）を参照。

＜Ｂ−３３６＞：K-336（原潜）を参照。

＜Ｂ−３４５＞：ロシア海軍877型潜水艦モゴチェイ（Mogochey）。1994年1月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−３５５＞：K-355（原潜）を参照。

＜Ｂ−３５８＞：K-358（原潜）を参照。

＜Ｂ−３６０＞：K-360（原潜）を参照。

＜Ｂ−３６７＞：K-367（原潜）を参照。

＜Ｂ−３７０＞：K-370（原潜）を参照。

＜Ｂ−３７１＞：K-371（原潜）を参照。

＜Ｂ−３８０＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第2版

＜Ｂ−３８７＞：K-387（原潜）を参照。

＜Ｂ−３８８＞：K-388（原潜）を参照。

＜Ｂ−３９４＞：ロシア海軍877型潜水艦。1988年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−３９８＞：K-398（原潜）を参照。

＜Ｂ−４０１＞：ロシア海軍877型潜水艦ノヴォシビルスク（Novosibirsk）。1984年10月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−４０２＞：ロシア海軍877型潜水艦ヴォログダ（Vologda）。1984年12月就役。2001年5月28日から6月4日、スコットランドのファスレーン基地でイギリス潜水艦部隊100周年記念式典に参加。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船6,’15、9,’01

＜Ｂ−４０９＞：ロシア海軍877型潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−４１２＞：K-412（671RTM型原潜）を参照。

＜Ｂ−４１４＞：K-414（原潜）を参照。

＜Ｂ−４２７＞：ソ連海軍641型フォックストロット級潜水艦。1971年竣工。1994年退役。1998年、カリフォルニア州ロングビーチに回航され、スコルピオン号と命名されて博物館になった。ちなみに隣にはクイーン・メリー号が展示されている。参考：月刊丸8,’11、月刊世界の艦船5,’15

＜Ｂ−４３１＞：ロシア海軍636型潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−４３７＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜Ｂ−４３８＞：K-438（原潜）を参照。

＜Ｂ−４３９＞：ロシア海軍877型潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−４４０＞：ロシア海軍877型潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−４４５＞：ロシア海軍877型潜水艦シヴァティテル・ニコライ・チュドットヴォーレッツ（Syvatitel Nikolay Chudotvprets）。1988年1月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−４４８＞：K-448（671RT型原潜）またはK-448（671RTMK型原潜）を参照。

＜Ｂ−４５２＞：K-452（原潜）を参照。

＜Ｂ−４５４＞：K-454（原潜）を参照。

＜Ｂ−４５９＞：ロシア海軍636型潜水艦ウラディカフカス（Vladikavkaz）。1990年12月（9月？）就役。2019年7月28日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日海上パレードに参加。参考：月刊世界の艦船6,’15、10,’19、11,’19、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜Ｂ−４６２＞：K-462（原潜）を参照。

＜Ｂ−４６４＞：ロシア海軍877型潜水艦ウスト・カムシャツ（Ust-Kamshats）。1990年1月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−４６７＞：K-467（原潜）を参照。

＜Ｂ−４６９＞：K-469（原潜）を参照。

＜Ｂ−４７１＞：ロシア海軍877型潜水艦マグネトゴルスク（MagnetoGorsk）。1990年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−４７９＞：K-479（原潜）を参照。

＜Ｂ−４８１＞：K-481（原潜）を参照。

＜Ｂ−４９２＞：K-492（原潜）を参照。

＜Ｂ−４９４＞：ロシア海軍877型潜水艦ウスト・ボルシェレツク（Ust-Bolsheretsk）。1990年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−４９５＞：K-495（原潜）を参照。

＜Ｂ−５０４＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1975年竣工。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−５０７＞：K-507（原潜）を参照。

＜Ｂ−５０８＞：K-508（原潜）を参照。

＜Ｂ−５１３＞：K-513（原潜）を参照。

＜Ｂ５１５＞：中国海軍の３連装短魚雷発射管。アメリカのMk32と同設計で、アメリカ製Mk46魚雷の輸入版であるYu-2魚雷を発射する。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜Ｂ−５１５＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1981年竣工。参考：現代の潜水艦、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜Ｂ−５１７＞：K-517（原潜）を参照。

＜Ｂ−５２４＞：K-524（原潜）を参照。

＜Ｂ−５２７＞：K-527（原潜）を参照。

＜Ｂ−５３４＞：K-534（原潜）を参照。

＜Ｂ５３４シリーズ＞：スロバキア軍の複葉戦闘機。1935-38年に450機が生産された。ドイツ軍の侵攻後はドイツ空軍で練習機として使用された他、ドイツ支配下のスロバキア空軍に配備されてバルバロッサ作戦にも投入された。グラーフ・ツェッペリンの発着艦試験に使用されたこともある。1942年末に第一線を退いた。全長8.1m、全幅9.4m、全備重量1980kg。エンジンはイスパノスイザ12Ycrs（850馬力）単発、最大速度395km、実用上昇限度10600m、航続距離600km。固定武装は7.7mm機銃４丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、WW�U欧州戦線シリーズVol.4、歴史群像2,’08付録、図解世界の軍用機史

　＜Ｂ５３４�W＞：全長8.22m、全幅9.44m、全高3.11m、自重1460kg、全備重量1985kg。エンジンはイスパノスイザ12Ycrs（830馬力）単発、最大速度394km、航続距離580km。武装は7.9mm機銃４丁。乗員１名。参考：歴史群像2,’08付録

＜Ｂ−５４６＞：ソ連海軍641B型タンゴ級潜水艦。1977年就役。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−５５７＞：K-57（原潜）を参照。

＜Ｂ−５８５＞：ロシア海軍677型ラダ級潜水艦１番艦サンクト・ペテルブルグ（Saint Peterburg）。艦番号はS-100という説もある。1997年12月起工、2004年10月28日進水、2005年公試開始、2007年竣工、2010年5月就役、北洋艦隊に配備された。2011年6月29日から7月3日、IMDS2011に参加。11月、テストの結果不具合が多く、試験艦として使われることになった。2013年7月28日、サンクト・ペテルブルグで海軍記念日行事に参加。2020年4月、クロンシュタットの造修施設に入った。その後は動きが無く、不具合を改修するか経費節約で退役させるか迷っているらしい。参考：月刊軍事研究4,’00、2,’05、3,’09、9,’11、10,'15、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’17、11,’13、4,’20、7,’23

＜Ｂ−５８６＞：ロシア海軍677型ラダ級潜水艦２番艦クロンシュタット（Kronshtadt）。2005年起工。2009年に竣工予定だったが、１番艦B-585サンクト・ペテルブルクで不具合が見つかったため建造が一時中断され、2013年に再開した。2018年9月20日進水。2019年引き渡し予定だったが2023年に入っても完成しておらず、カリブル巡航ミサイル搭載改修を加えることになった。参考：月刊世界の艦船6,’15、12,’18、6,’23、月刊軍事研究3,’09、10,’13

＜Ｂ−５８７＞：ロシア海軍677型ラダ級潜水艦３番艦セヴァストーポリ（Sevastopol）。2006年起工。その後１番艦B-585サンクト・ペテルブルクに不具合が見つかったため、工事が中断された。2015年3月19日、ヴェリーキエ・ルーキに改称されて再起工された。参考：月刊軍事研究10,’13、月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−５８７＞：ロシア海軍677型ラダ級潜水艦３番艦ヴェリーキエ・ルーキ（Velikie Luki）。元はセヴァストーポリという艦名で、2006年に起工されたが、１番艦B-585サンクト・ペテルブルクに不具合が見つかった煽りで建造が中断し、2015年3月19日にこの艦名で再起工された。2022年12月23日進水。参考：月刊世界の艦船6,’15、2,’23、3,’23

＜Ｂ−５８８＞：ロシア海軍636.3型潜水艦９番艦ウファ（Ufa）。2019年11月1日起工、2022年3月進水。11月16日、サンクト・ペテルブルグのアドミラルティ造船所で就役式典を実施。参考：月刊世界の艦船6,'22、2,’20、2,’23

＜Ｂ−６０２＞：ロシア海軍636.3型潜水艦10番艦マガダン（Magadan）。2019年11月1日起工、2020年3月26日進水、2021年8月公試開始。10月12日、就役式典が行われた。配備先は太平洋艦隊だが、サンクト・ペテルブルグで建造されており、ウラジオストクに到着したのは2022年10月である。参考：月刊世界の艦船2,’20、6,’21、11,’21、1,’22、1,’23

＜Ｂ６１１シリーズ＞：中国陸軍の戦術短距離弾道ミサイルシステム、米軍コードCSS-9。参考：月刊軍事研究2,’05、6,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｂ６１１＞：米軍コードCSS-9 mod1。連装発射機搭載６輪TEL（24トン）１両、指揮管制車両１両、支援装備１セットから構成される。使用ミサイルはB6。参考：月刊軍事研究2,’05、6,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｂ６１１Ｍ＞：米軍コードCSS-9 mod-X-2。射程を260kmに延伸したタイプ。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｂ６１１海外シリーズ＞

　＜ヤルドリム＞：ロケットサン社のライセンス生産版で、雷の意。射程150km、誘導はINS。2013年からトルコ軍が導入予定。参考：月刊軍事研究8,’09

＜Ｂ７０７シリーズ＞：ボーイング社の旅客機。大元はB-47の民間旅客機型であり、これを発展させたモデル473案を経てアメリカ空軍向けジェット空中給油機プロトタイプを兼ねるモデル717案が誕生し、1951年にモデル717の胴体を太くして旅客機向きの設計に改めたモデル707案（対外的にはモデル367案と呼んだ）が登場、1954年5月14日にB717試作機であるモデル367-80（通称ダッシュ・エイティ）が初飛行し、1957年12月20日にB707の生産型初号機が初飛行、1958年10月に初就航した。エンジンは当初ターボジェットだったが、後にターボファンに換装したＢシリーズが製作されている。客室が広く、シートピッチを小さくしても窓無しシートが無いように小さめの窓を多数配置して快適性を高めたが、胴体が太いせいで航続性能が落ち、ライバルのDC-8よりは受注数が伸びなかった。1983年までに各シリーズ計1010機（853機？）が生産され、C-18、VC-137、E-3、E-6、E-8などの母体ともなった。参考：月刊JWings6,’09、月刊軍事研究3,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７０７−３２０Ｃ＞：1963年2月に初飛行した。全幅44.4m、全高12.9m、運航自重66.225トン、最大離陸重量151.3トン。翼面積283.4平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT3D-3B（推力8.16トン）４基、最大巡航速度973km、最大運用限界マッハ数0.9、燃料搭載量90300リットル、航続距離6920km。ペイロード38.1トン。乗員3-4名。客席数147-202。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７０７海外シリーズ＞

＜Ｂ７０７−３０７Ｃ＞：ドイツ軍要人輸送機。最大離陸重量150トン。巡航速度850km、航続距離10000km（ペイロード15トン＋燃料72トン）。VIP席13席と随行員８人を乗せられる。負傷者輸送では担架88床と医師・看護員９人が乗る。参考：月刊軍事研究1,’98

＜Ｂ７０７海外ファミリー＞

　＜Ｂ７０７空中給油輸送機＞：ボーイング社がB707-320Cをベースに独自設計した空中給油輸送機で、デモンストレーターは1983年に初飛行した。胴体後下部の貨物室内に19040リットル燃料タンクを増設しており、フライングブーム方式とプローブ＆ドローグ方式両方の空中給油方式を選択できる（両方取り付けることも可能）。空中給油操作パネルはコクピットの航法士席にある。主翼端に給油ポッドを増設するため、外翼部の構造を強化し、翼端を改修した。全長46.61m、全幅44.42m、全高12.94m、運航自重68.04トン、最大離陸重量151.32トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT3D-3B（推力8.62トン）４基、給油速度マッハ0.75、運用限界マッハ数0.9、燃料容量90299リットル＋19040リットル、給油進出距離4900海里。基地から1000海里進出して55.787トンの燃料を給油できる。乗員５名。ブラジル空軍が４機、スペイン空軍が２機、サウジアラビア空軍が８機を導入した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｂ７０７−３Ｊ９Ｃ＞：イラン空軍が空中給油機として使用している。参考：月刊JWings10,’09

　＜Ｂ７０７−３３０Ｂ＞：チリ空軍が空中給油機として使用している。参考：月刊JWings10,’09

　＜Ｂ７０７−３３１Ｂ＞：スペイン空軍が空中給油機として使用している。参考：月刊JWings10,’09

　＜Ｂ７０７−３３８Ｃ＞：オーストラリア空軍空中給油機。主翼下に給油ポッドを装着しており、プローブ＆ドローグ方式の空中給油には対応できるが、フライング・ブーム方式のF-111戦闘爆撃機への空中給油が出来ない。E-7A、C-17A、F-35A、P-8Aとフライング・ブーム方式機の導入予定が重なり、両方に対応できるKC-30A（A330-200MRTT）に後を譲った。参考：月刊航空ファン12,’19

　＜Ｂ７０７−３４４Ｃ＞：南アフリカ空軍が空中給油機として使用している。参考：月刊JWings10,’09

　＜Ｂ７０７−３５１Ｃ＞：スペイン空軍が空中給油機として使用している。参考：月刊JWings10,’09

　＜Ｂ７０７−３８７Ｃ＞：アルゼンチン空軍が空中給油機として使用している。参考：月刊JWings10,’09

＜Ｂ７０７−ＴＴ＞：イタリア空軍の空中給油機。翼端（主翼下面？）にサージャント・フレッチャー34-000給油ポッドを装備し、胴体にはフライト・リフュエリング社製ホース・ドラム・ユニットを搭載する。４機を運用している。参考：月刊エアコマンド10,’94、月刊JWings4,’05

　＜Ｂ７０７コンドル＞：チリ空軍の早期警戒機（Phalcon？EB-707？）。機首に巨大なレドームを装着し、胴体側面にフェイズドアレイレーダーを装備している。空気抵抗が大きく、飛行性能が悪いのが欠点。１機が製造された。参考：月刊軍事研究4,’09、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＣＣ−１３７＞：CC-137（空中給油機）を参照。

　＜ＥＣ−７０７＞：イスラエル軍の早期警戒機。EL/W-2085レーダーを搭載する。G550早期警戒機の導入に伴い退役の予定。参考：月刊軍事研究11,’06

　＜ＲＣ−７０７＞：イスラエル軍の電子偵察機。G550電子偵察機の導入に伴い退役の予定。参考：月刊軍事研究11,’06

＜Ｂ７１７＞：ボーイング社が開発したアメリカ空軍向けジェット空中給油機試作機兼ジェット旅客機試作機。民間型のように広いキャビンを設ける必要が無く、B707よりも胴体幅が100mm、胴体高が110mm小さくなっており、その分主翼も小さい。また、当初は長期使用を考えていなかったため、B707の2024アルミニウムよりも軽いが耐久性に劣る7178アルミニウムを主構造に使用している。1954年7月15日に試作機のモデル367-80が初飛行し、KC-135の母体としてアメリカ空軍に採用され、B707のベースにもなった。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊JWings6,’09

＜Ｂ７１７−２００＞：ボーイング社の旅客機。元はマクダネル・ダグラス社がMD-90シリーズの短胴型として開発していたMD-95で、ボーイング社との合併に伴い名称変更され、1998年9月2日に初号機が初飛行し、1999年9月1日に形式証明を取得した。胴体尾部両側にエンジンが付くリアジェット機である。全長37.8m、全幅28.4m、全高9m、運航自重30.69トン、最大離陸重量49.9トン。翼面積92.97平方メートル。エンジンはBMWロールス・ロイス製BR715-A1-30（推力8.392トン）双発、巡航速度811km、燃料搭載量13.3144トン、航続距離2648km。乗員２名。乗客117名。量産初号機は1999年9月23日に納入された。B737-600とほぼ同じ規模の機体で、わざわざラインナップに並べる意味が薄く、他社も同クラスの機体を開発し受注が伸び悩んだため、2005年1月に製造を終了、最終号機は2006年5月に納入を終えている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７２０シリーズ＞：ボーイング社の旅客機。B707の胴体を短縮した中距離型である。1969年までに各型154機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.41、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７２０＞：B707-120/-220に比べて胴体は2.36m短く、主翼と水平安定板の翼幅は同一だが後退角が増加していて、主翼前縁と主翼付け根後縁も形状が変更された。燃料搭載量が減った分、構造は軽量化されており、主翼の変更と相俟って離陸性能と巡航性能が上昇した。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT3C-7ターボジェット（推力5.670トン）４基。客席にはファーストクラス38席とツーリストクラス74席があり、調理室と洗面所が３つずつ用意されていた。1959年11月23日に初飛行し、1960年7月5日のユナイテッド航空便を皮切りに就航した。参考：週刊エアクラフトNo.41

　＜Ｂ７２０Ｂ＞：エンジンをプラット＆ホイットニー社製JT3D-1ターボファン（推力7.711トン）やJT3D-3に換装したもので、離陸距離短縮、ペイロード上昇、航続距離延長を図っている。全長41.68m、全幅39.88m、全高12.66m、運航自重51.203トン、最大離陸重量106.141トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT3D-3ターボファン（推力8.165トン）４基、経済巡航速度896km、最大巡航速度983km、最大速度1009km、実用上昇限度12800m、航続距離6687km（最大ペイロード・予備燃料無し）。1960年10月6日に初飛行し、1961年3月12日のアメリカン航空便を皮切りに就航した。参考：週刊エアクラフトNo.41

＜Ｂ７２０海外シリーズ＞

　＜Ｂ７２０−０５１Ｂ（台湾空軍）＞：台湾空軍の台湾総統搭乗機、空軍一号（エアフォース・ワン）中美。ノースウエスト航空の中古機を1971年に購入して改造した。参考：月刊航空ファン6,’16

＜Ｂ７２７シリーズ＞：ボーイング社の旅客機。1956年2月から中長距離旅客機として開発し、増加する航空機利用者に対応するため機体を大型化しつつ、従来と同じ長さの滑走路にも着陸でき、建造コストを抑えるためB707やB720の部品を流用し、運用コストを抑えるため最大巡航速度を上げ、都市空港も利用できるよう騒音を抑えるというコンセプトで設計され、70の案を３年間にわたり検討し、Ｔ字尾翼の３発機を採用、ユナイテッド航空とイースタン航空から40機ずつの発注を受け、1960年8月に製造を開始した。各型計1832機が生産され、最終機は1984年9月18日に引き渡された。2019年1月13日、イランのアセマン航空EP851便が運航を終了し、旅客型が全て退役した。参考：週刊エアクラフトNo.41、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報2,’10、月刊航空ファン4,’19

　＜Ｂ７２７−１００＞：最初の量産型。胴体上部はB707と同様のもので、下部には油圧引き込み式昇降階段とAPUを搭載しており、機材支援無しに独立運航できるため、折り返し飛行準備時間が短縮でき、機材の不十分な小規模空港でも就航できた。エンジンはJT8Dで、昇降階段の長さを短縮するため胴体後方両側に１基ずつと胴体後部内に１基という配置にし、着陸距離短縮のため逆噴射装置を付けた。胴体内エンジン用エアインテイクは垂直安定板前方に付いており、空気はＳ字ダクトで導かれる。高速性能を発揮させるため、翼面荷重が大きくなっており、離着陸性能を向上させる片側２枚の三重隙間フラップの開発に１年かけた。主翼は後退角32度で、前縁には外側にスラット４枚、内側にクルーガーフラップ３枚があり、後縁内外フラップの間に全速度エルロンを持つ。尾翼はＴ字。全長40.59m、全幅32.92m、全高10.36m、最大離陸重量68.95トン。翼面積157.9平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT8D-7Bが３基、巡航速度850km、燃料搭載量30540リットル（31000リットル？）、航続距離4000km。乗員３名。客席数107／149（単一クラス）。1962年初春までに127機を受注、1963年2月9日に初飛行し、1964年1月から就航した。更に最大離陸重量を76.658トンまで上げて使用可能燃料の種類を増やし、エンジンを高温高地に適応したJT8D-7やJT8D-9に換装するなどして1964年夏までに総受注数は200機を超え、1981年中頃までには計500機を販売した。参考：月刊航空情報2,’10、世界航空機年鑑2018-2019、週刊エアクラフトNo.41

　＜Ｂ７２７−１００Ｃ＞：貨客転換型で、全旅客、全貨物、貨客混載に２時間で転換できる。床板を強化し、貨物取り扱いシステムと貨物ドアを装備した。参考：週刊エアクラフトNo.41

　＜Ｂ７２７−２００＞：1965年8月5日に発表された胴体延長モデルで、主輪収納室前後を3.05mずつ延長している。航続距離を抑えて乗客189人を乗せるタイプと、航続距離を最大限にして乗客163人を乗せるタイプの２種が用意された。全長46.69m、全幅32.92m、全高10.36m、最大離陸重量95.227トン（78.019トン？）。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT8D-9Aターボファン（推力6.58トン。推力７トンのJT8D-15エンジンに換装可能）３基、最大速度1052km、燃料搭載量37020リットル、航続距離3100km。乗員３名。客席数189。1967年12月29日から就航し、1981年中頃までに-200改と合わせて1300機を販売した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、週刊エアクラフトNo.41、月刊航空情報2,’10

　＜Ｂ７２７−２００Ａｄｖ．＞：1971年5月21日に発表された重量増加型。作動時性能データコンピュータシステムを追加し、内装を改修、エンジンに自動性能維持装置を装着した。離陸時にエンジン１基が故障した場合、自動的に他の２基の出力が上昇してカバーする。当初は最大ランプ重量86.635トン、最大離陸重量86.411トンだったが、その後徐々に引き上げられた。全長46.69m、全幅32.92m、全高10.36m、基本運航自重46.675トン、最大離陸重量95.027トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT8D-17ターボファン（推力71.1kN）または自動推力リザーブ機構付きのJT8D-17R（77.4kN）３基、経済巡航速度917km、最大速度999km、巡航高度9144-12192m、燃料搭載量40045リットル、航続距離4002km（ペイロード最大）。乗員３名。客席数148-189。参考：月刊航空情報2,’10、週刊エアクラフトNo.41

　＜Ｂ７２７ＲＥ＞：B727-200のエンジンはプラット＆ホイットニー社製PW2037またはロールスロイス社製RB.211に変更する案で、性能がB757並に上昇する。参考：週刊エアクラフトNo.41

　＜Ｂ７２７−３００＞：B727-200の胴体延長型。エンジン技術の進歩で双発機で済むようになり、開発されなかった。参考：月刊航空情報2,’10

＜Ｂ７２７ファミリー＞

　＜Ｂ７２７（ＣＯＤ案）＞：アメリカ海軍計画空母艦上輸送COD機。1972年の提案要求にボーイング社がB737(COD)及びYC-14(COD)と共に応じたもので、要求値ペイロード4.54トン・巡航速度611km・無給油航続距離4072kmに対してペイロード17.25トン・巡航速度917km・航続距離2735km（最大ペイロード）／3700km（便乗者55名）とオーバースペックが過ぎ、機体も大型大重量が過ぎる。採用されなかった。参考：月刊JWings7,’21

＜Ｂ７２７海外ファミリー＞

＜Ｂ７２７−２２Ｃ＞：ニュージーランド空軍要人輸送機。２機が運用され、B757-2K2に後を譲った。参考：月刊エアワールド10,’03

＜Ｂ７３７シリーズ＞：ボーイング社の旅客機。短距離ジェット旅客機として1964年5月から開発し、当時主流だったリアエンジン方式でなく主翼下面にエンジンを積んで自重減と座席数増を狙った。2006年、累計5000機目が完成し、民航機の単一機種生産記録でギネスブックに認定された。2018年3月13日、累計10000機目が完成し、民航機の単一機種生産記録でギネスブックに認定された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、週刊エアクラフトNo.72、月刊航空ファン6,’18

　＜Ｂ７３７−１００＞：胴体断面や高揚力装置はB727と同じだが、構造やシステムは同時期に開発したB747と類似している。1967年4月9日に初飛行し、12月15日にFAAの形式証明を取得、1968年2月10日に初就航した。胴体が短すぎて抗力が大きく性能に劣り、30機しか作られなかった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７−２００＞：胴体延長型で、B737-100の胴体を1.9m延ばしている。全長30.53m、全幅28.35m、全高11.28m、運航自重27.445トン、総重量52.39トン。翼面積102平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT8D-17A（推力7.258トン）双発、経済巡航速度マッハ0.73、最大巡航速度856km、最大運用限界マッハ数0.84、燃料搭載量19532リットル、航続距離4180km（乗客130名）。最大ペイロード15.645トン。乗員２名。客席数120-130。1967年8月8日に初飛行し、12月15日にFAAの形式証明を取得、1968年4月28日に初就航した。改良型やアメリカ空軍T-43A練習機19機も含め1988年8月までに1114機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７−２００Ｃ＞：貨客混載型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７−２００ＱＣ＞：QCキットで貨物輸送機に変更できるタイプ。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７−２００改良型＞：総重量を引き上げて燃料容量を増大し、自動ブレーキを搭載、内装を近代化するなどしたタイプ。全長30.53m、全幅28.35m、全高11.28m。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT8D-17A双発、巡航速度927km、航続距離5098km。乗員２名。客席数117。1971年5月から生産された。参考：週刊エアクラフトNo.72、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７−３００＞：更なる胴体延長型。B737-200の胴体を2.6m延長し、翼スパンを左右0.3mずつ広げ、水平尾翼も拡大し、垂直尾翼付け根前縁にドーサルフィンを装着した。エンジンは高バイパス比のCFM56に換装、取り付け位置を主翼前縁より前に移動させると共にエアインテイク下面を平たくし、地上クリアランスを確保している。グラスコクピット化はせずアナログ計器式として価格を抑え、パイロットの機種転換も容易とした。全長33.4m、全幅28.9m、全高11.1m、運航自重31.895トン、最大離陸重量56.472トン。翼面積105.4平方メートル。エンジンはCFM56-3C-1ターボファン（推力9.985トン）双発、最大巡航速度789km（高度10000m、重量46トン）、最大運用マッハ数0.84、燃料搭載量20104リットル、航続距離5278km（ペイロード最大）。最大ペイロード15.937トン。乗員２名。乗客149名。1995年8月24日に初飛行し、1113機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７−４００＞：B737-300の胴体延長型。胴体を2.9m延長し、テイルスキッドを追加、主翼上面非常口を２カ所に増やした。全長36.45m、全幅28.88m、全高11.13m、最大離陸重量56.472-68.039トン。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製CFM56-3C-1ターボファン（推力8.985-10.66トン）双発、巡航速度912km、燃料容量20104-23830リットル、航続距離5000-5926km（3320km？）。乗員２名。標準座席数150。486機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ

　＜Ｂ７３７−５００＞：高温・高地環境向け短胴体型。B737-200の胴体にB737-300/-400の主尾翼を取り付けており、乗客数は120名に減った。全長31m、全幅28.9m、全高11.1m、最大離陸重量52.39-66.554トン。エンジンはCFM56-3C-1ターボファン（推力8.392-9.072トン）双発、燃料搭載量20104-23830リットル、航続距離3148-4482km。乗員２名。客席数120。1995年8月24日に初飛行し、389機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７ＮＧ＞：NGは次世代（New Generation）の略。エアバスA320などに対抗できるよう改良を施したもので、1993年から開発した。ちなみに従来型B737には識別のためB737クラシックの名称を付けている。当初はクラシック各型をベースとして後ろにＸを付けB737-300X、B737-400X、B737-500Xという名称にしたが、ナンバリングの大きさと胴体長を合わせた方が分かりやすいということで新番号を付け直し、短胴型B737-600、標準型B737-700、長胴型B737-800、超長胴型B737-900を完成させた。主翼は全て同じものを使用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン10,’15

　＜Ｂ７３７−６００＞：B737NGの短胴型。B737-700の胴体を2.4m短くしたもので、最大座席数は132に減った。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン10,’15

　＜Ｂ７３７−７００＞：B737NGの標準型。B737-300がベースで、胴体を0.4m長くした。主翼はB737クラシックより翼面積を拡大し、高々度巡航に有利なよう翼面荷重を下げ、翼内燃料タンク容量を増やして航続距離も延伸した。フラップは三重隙間フラップから二重隙間フラップに変更、構造を単純化して軽量化を図り、整備コストや騒音も低減した。後に主翼端にウイングレットを追加している。エンジンはCFM56-7シリーズ５種類（推力18500-26400ポンド・8.39-11.97トン）から選択可能。計器板はCRTでグラスコクピット化したが、アナログ計器表示にしてパイロットの機種転換訓練の手間を省くこともできる。全長33.63m、全幅34.32m、運航自重37.585トン、最大零燃料重量54.65トン、最大離陸重量60.32トン、最大着陸重量58.06トン。エンジンはCFM56-7B（推力10.89トン）双発、巡航速度マッハ0.785、燃料搭載量26035リットル、航続距離5192km（乗客128名）。最大ペイロード17.065トン。乗員２名。客席数128-149。1997年11月7日に形式証明を取得し、量産初号機は12月17日に航空会社に引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン10,’15

　＜Ｂ７３７−８００＞：B737NGの長胴型で、1997年6月30日に試作初号機が完成し、7月31日に初飛行した。B737-700より胴体を6m長くし、座席数を標準162・最大189に増やした。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン10,’15

　＜Ｂ７３７−９００＞：B737NGの超長胴型で、初号機は1999年7月23日に完成し、8月3日に初飛行した。B737-800より胴体を2.4m長くし、標準座席数を174に増やした。全長42m。2000年4月17日に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン10,’15

　＜Ｂ７３７−９００ＥＲ＞：B737-900の長距離型。2006年9月1日に初飛行し、量産初号機は2007年4月27日にインドネシアのライオンエアが受領した。参考：月世界航空機年鑑2018-2019、刊航空ファン10,’15

　＜Ｂ７３７ＭＡＸ＞：B737NGの後継となる新シリーズ。当初はB787が完成してからB737の後継機であるボーイングY1を新規開発する予定だったが、その隙に登場したエアバスA320neoにシェアを奪われそうになったため、B737ベースの改良型により開発期間を短縮して間に合わせることにしたものである。従来のB737シリーズは地上支援設備の不十分な空港でも運用できるよう地上高を抑えており、グラウンドクリアランスが小さいためエンジン直径にも制限があることから、CFMインターナショナルに小直径LEAP-Xエンジンを開発してもらった。それでもファン直径がCFM56-7シリーズより0.19mほど増えたため、エンジンを少し前に出し、主脚柱を0.23m延長するなどの改修を施している。エンジン取り付け位置変更とエンジン重量増でピッチ・トリムが変わっており、フラップ上げでの手動操縦時に迎え角過大により失速するのを防ぐため、運動特性増強装置MCAS（Maneuvering Characteristics Augmentation System）という飛行制御ソフトウェアを搭載していて、機首左右の迎え角・エアデータセンサーのデータに基づいて迎え角が一定以上に大きくなったのを検知すると、自動的に水平安定板を操作して毎秒0.27度の機首下げに入り、最長9.26秒間で2.6度ほど機首を下げて迎え角を減らす。機首左右のセンサー間で計測誤差が一定以上に大きくなった場合には自動で解除され、パイロットが不要と判断した場合には、MCASを切ることが可能。主翼端にはシミタール・ウイングレットと呼ばれる上下２枚のウイングレットを取り付けて普通のウイングレットより燃費を1.8%以上改善し、燃料消費率はA320より16%、A320neoより4%良いとしている。機体構造は基本的に従来のB737と同じで、コンテナ化貨物やパレット化貨物の搭載は不可。計器板はB787と同様に大型液晶MFD４基でグラスコクピット化したが、操縦装置はB737NGと同じで、基本三舵は油圧機力方式であり、フライ・バイ・ワイヤはスポイラー制御のみのため、B737NGの限定操縦資格でそのまま操縦可能。B737-700ベースのB737MAX7、B737-800ベースのB737MAX8、B737-900ベースのB737MAX9、B737MAX9の胴体を延長したB737MAX10がある。2017年5月22日に実用就航が始まった。2018年10月29日にインドネシアのライオンエアB737MAX8が墜落して乗員８人と乗客189人全員が死亡、2019年3月10日にはエチオピア航空B737MAX8が墜落し、乗員８人と乗客149人全員が死亡する事故が立て続けに起こり、各国で飛行停止措置が執られた。機首両側にある迎え角センサーの値が左右で食い違っていて（エチオピア航空では左センサーが離陸直後から墜落直前まで迎え角75度を示し続けた）、本来なら作動しないはずの運動特性増強システムMCASが誤ったデータに基づいて作動、水平安定板が自動操作され、パイロットが解除しようとしても作動し続け、機体が異常なピッチングを起こして（エチオピア航空ではパイロットの機首上げ操作に対抗し続け機首下げ40度に達した）墜落に至ったとみられる。左右の迎え角センサーでデータが食い違った際に、警告表示でパイロットに知らせるシステムも作っていたが、オプション装備だったので両墜落機には付いていなかった。開発陣はこの問題を2017年から認識していたが、経営陣に伝わらず、標準装備で無くオプション装備になってしまったらしい。早速これを標準装備化するMCASソフトウェア改修を実施、2019年4月17日に社内飛行試験を終えてFAAに申請し、5月17日に開発完了を発表している。10月17日、新型飛行制御ソフトウェアに関する初検証飛行試験を実施。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン6,’19、7,’19、8,’19、1,’20

　＜Ｂ７３７ＭＡＸ７＞：B737-700のMAX仕様。最大離陸重量80.287トン。航続距離3850海里。客席数172（単一クラス最大。149？）／138（２クラス標準）。参考：月刊航空ファン5,’18、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７ＭＡＸ８＞：B737-800のMAX仕様。2016年1月29日に初号機が初飛行した。全長39.5m、全幅35.8m、全高12.5m、最大離陸重量82.191トン。エンジンはCFM製LEAP-1B（推力28000ポンド・12.7トン）双発、巡航速度マッハ0.79、航続距離6704km。乗員２名。座席数189（単一クラス最大）。2017年5月16日、量産初号機がマレーシアのマリンド・エアに納入された。2018年10月29日、ライオンエア機が墜落事故を起こした。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７３７ＭＡＸ９＞：B737-900のMAX仕様。2017年4月13日に初号機が初飛行した。座席数最大215。2018年3月21日、量産初号機がライオンエアグループに納入された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン5,’18

　＜Ｂ７３７ＭＡＸ１０＞：B737MAX9の胴体を1.7m延長し、単一クラス最大座席数を230としたもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＢＢＪ＞：BBJシリーズを参照。

＜Ｂ７３７ファミリー＞

　＜Ｂ７３７（ＣＯＤ案）＞：アメリカ海軍計画空母艦上輸送COD機。1972年の海軍要求にボーイング社がB727(COD)及びYC-14(COD)と共に応じたものである。B727(COD)よりも小型で、ホイッドビー・アイランド海軍航空基地の模擬飛行甲板にアレスティング・フック無しでの模擬着艦を行っている。採用されなかった。参考：月刊JWings7,’21

＜Ｂ７３７海外ファミリー＞

　＜Ｂ７３７−４Ｕ３（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍要人輸送機。B737-400がベースで、ガルーダ・インドネシア航空の中古機を改造して2011年3月に配備した。もう１機あり、両機ともジャカルタ国際空港の第１航空団第17飛行隊に配備されている。2019年11月25日、羽田空港に着陸した。11月27日、羽田を離陸してマニラに向かった。参考：月刊JWings2,’20、月刊航空ファン9,’19、2,’20

　＜Ｂ７３７−５Ｈ６（アルゼンチン空軍）＞：アルゼンチン空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン9,’19

　＜Ｂ７３７−５Ｕ３（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍要人輸送機。第１航空団第17飛行隊に配備されている。参考：月刊航空ファン9,’19

　＜Ｂ７３７−７ＤＦ　ＢＢＪ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍要人輸送機。元は2000年7月10日に初飛行したボーイングの社有B737-700で、GEキャピタルが購入して2002年9月3日にオーストラリア空軍に納入した。2019年6月27-30日、G20大阪サミットに出席するモリソン首相を乗せて関西空港に滞在した。10月20日、即位礼正殿の儀に出席する要人を乗せて羽田空港に着陸した。2022年5月25日、日米豪印首脳会談に出席したアルバニー首相特別機の随伴機として羽田空港を離陸。12月8-9日、第10回日豪外務・防衛閣僚協議に出席する要人を乗せ、羽田空港に滞在した。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings1,’20、8,’22、3,'23

＜Ｂ７３７−７ＤＰ（ＢＢＪ）＞：サウジラビア空軍要人輸送機。2019年6-7月、G20大阪サミットのためセントレア空港と関西空港に着陸した。参考：月刊JWings9,’19

＜Ｂ７３７−７ＤＴ（ＢＢＪ）＞：オーストラリア空軍要人輸送機。2000年12月8日に初飛行した機体を2002年6月11日に導入した。機体各所にアンテナが増設されている。参考：月刊JWing10,’03、月刊航空ファン9,’19

＜Ｂ７３７−７ＥＤ（ＢＢＪ）＞：南アフリカ空軍要人輸送機。2019年6月、G20大阪サミットに出席するラマポーザ大統領を乗せて関西空港に来日した。8月27日、第７回アフリカ開発会議に出席する用事員を乗せ、羽田空港に着陸した。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings11,’19

＜Ｂ７３７−７Ｈ６（ＢＢＪ）＞：マレーシア空軍VIP輸送機。参考：月刊JWings8,’06

＜Ｂ７３７−７Ｎ６＞：ナイジェリア空軍要人輸送機。B737-700ベースである。2019年8月26日、第７回アフリカ開発会議に出席するブハリ大統領を乗せて羽田に着陸。大統領を降ろして関西空港にフェリーされ、8月31日に羽田に戻って大統領を乗せ、帰路に就いた。参考：月刊航空ファン11,’19、月刊JWings11,’19

＜Ｂ７３７−８Ｕ３　ＢＢＪ２＞：インドネシア空軍政府専用機。B737-800BBJ2ベースで、第１航空団第17飛行隊に配備された。2019年6月、G20大阪サミットに参加するウィドド大統領を乗せて関西空港に飛来。2022年9月27日の安倍元総理国葬に参列するアミン副大統領を乗せ、羽田空港に飛来。2023年5月19日、G7広島サミットに出席するジョコ大統領を乗せ、広島空港に到着。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings1,’23、8,’23

＜Ｂ７３７−８６Ｘ＞：ポーランド空軍政府専用機。2017年に配備した。2020年1月20日、モラヴィエツキ首相（G550に搭乗）の随行機として羽田空港に着陸した。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｂ７３７−３００（韓国）＞：B737-3Z8かも。韓国空軍の政府専用機、別名は空軍２号（空軍１号？）。1985年に新造機を導入した。通信装置を強化し、ミサイル妨害装置などを搭載している。参考：月刊JWings1,’01、3,’09

＜Ｂ７３７−３Ｑ８空中コマンドポスト（中国）＞：中国連合航空の民間機として登録されている２機が2001-03年に衛星通信用アンテナフェアリングを胴体前部上下面に追加する改修を受けた。空軍一号に同行することは無く、国外には出ないが、中身は核戦指揮機（空中コマンドポスト）らしい。2007年にボーイング社が軍事転用と抗議したが、防災指揮機だとしらばっくれている。参考：月刊航空ファン7,’15、8,’19

＜Ｂ７３７−８００（台湾空軍）＞：台湾空軍政府専用機。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｂ７３７−８００（メキシコ空軍）＞：B727-200の後継として2015-24年に６機を導入予定。参考：月刊軍事研究11,’15

＜Ｂ７３７ＡＥＷ＆Ｃ＞：AEW&C型で、オーストラリア空軍（E-7A）、トルコ空軍（計画名ピースイーグル）、韓国空軍（E737）、イギリス空軍、アメリカ空軍（E-7A）が採用した。ベースは窓を廃止したボーイング・ビジネス・ジェット（BBJ。B737-700の胴体にB737-800の翼面積拡大主翼や降着装置を組み合わせたもので、高々度巡航能力や航続力に優れる）で、機体上部に板状の支柱を介して全長10.82mの長細いレドームを７度前下がりで載せており、内部にMESA多機能電子スキャンアレイレーダーを搭載、半径370km-600km以上（前後と側方でアンテナ能力が違うので探知距離も異なる）を全周走査して同時に3000目標を識別し、180目標を追尾できる。海洋監視では哨戒艇クラスの目標を130海里で探知可能。アンテナ部総重量は3.5トンあり、左右11カ所ずつの固定ポイントで機体上面に固定されていて、胴体セクション46は構造強化が行われている。また、空力性能も変化したため、方向安定性維持のため後部胴体下面左右にベントラルフィンが取り付けられた。レーダーの迎え角を変更する機構は備えていないため、レーダーを水平にしたい場合には機体を迎え角７度にする。機首には気象レーダーが収められており、その下と胴体最後部下面、両翼端にはエルタ社製ALR-2000ESM用アンテナフェアリングが設けられた。膨大な消費電力を補うため、エンジンの左に高出力発電機が搭載されていて、カウリングが膨らんでいる。自衛用電子装置やイスラエル・エリスラ製LWS-20レーダー警報、AN/AAR-54ミサイル警報（AN/AAR-64？）、AN/AAQ-24(V)DIRCM、AN/ALE-47チャフ／フレアディスペンサー（前部胴体と翼胴結合部付近に片側４カ所ずつ）も搭載する。床下貨物室は燃料タンクに変更されており、フライングブーム式空中給油受油口も装備可能。コクピットには戦術表示装置、戦術操作表示ユニット、ミッション通信システム、ミッション専用電気システム、空中給油システム操作装置、ヘッドアップガイダンス装置などが追加された。機内にはミッションコンソール10基（操作員が背中合わせの配置で左に６基、右に４基）があり、コクピットクルー２名とミッションクルー6-10名で運用される。コンソール収容部の後方は休憩用区画になっていて、８名分の座席が設置され、ギャレーやトイレもある。その後方が電子機器収容部。機体重量が重いため、緊急時に備えて主翼に燃料投棄装置が設置された。リンク11とリンク16を搭載する。全長33.63m、全幅35.71m、全高12.55m、空虚重量46.607トン、最大離陸重量77.566トン。エンジンはCFMインターナショナル製CFM56-7B27Aターボファン（推力120kN）双発、通常巡航速度410KtTAS、最大速度マッハ0.78、通常運用高度9144-12192m、実用上昇限度12497m、航続距離3800海里、オンステーション時間９時間（無給油）、最大滞空時間10時間（無給油）／20時間（空中給油あり）。航空自衛隊にはE-2Dに負けて採用されなかった。参考：月刊航空ファン8,’10、5,’13、月刊JWings11,’03、6,’05、5,’05、11,’06、5,’10、8,’12、5,'23、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究12,’14、9,’10、4,’08、4,’09、10,’10、10,’13、1,’15、月刊丸3,’13

＜Ｅ−７Ａ＞：アメリカ空軍AEW&C、別名ウェッジテイル。E-3シリーズの後継として2020年から検討し、2022年に採用を決定、2023年2月28日に最初の２機をボーイング社に発注した。2032会計年度までに計26機を調達する予定。参考：月刊JWings5,’23

＜Ｅ−７Ａ＞：オーストラリア空軍AEW&C、別名ウェッジテイル（オーストラリアに生息する猛禽類）。AN/APS-145搭載C-130J-30、EL/M-2075搭載A310に勝って1999年7月12日にB737AEW&Cの採用が決まり、2002年11月15日にB737-7ES（機体のみのグリーン・エアクラフト）が初飛行、2004年5月21日にシステム完備型初号機がワシントン州シアトルのボーイングフィールドで初飛行した。初号機は2005年3月15-20日に開催されたオーストラリア・エアショーに参加している。自衛用にAN/AAQ-24(V)を搭載する。2006-08年に６機を配備する予定だったが、レーダーとセンサーのシステム統合に手間取り、初号機は2009年2月に改修後の機能チェック飛行に成功、11月26日に引き渡され、2010年4月にオーストラリア空軍のシリアルナンバーが付いて運用が始まった。2012年11月に５機でIOCを達成した。2014年10月1日、対イスラム国オクラ作戦で初実戦参加した。６号機の引き渡し完了は2015年5月（2012年6月2日？5月21日？）で、全機が第42航空団第２飛行隊に配備されている。参考：月刊航空ファン5,’13、1,’15、12,’19、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｅ−７３７＞：韓国空軍AEW&C。ピースアイ（Peace Eye）計画の名称で2011年7月から2012年10月にB737AEW&Cを４機導入した。初号機はボーイング、2-4号機はKAIで改造されている。参考：月刊航空ファン5,’13、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７３７ＡＥＷ＆Ｃ（イギリス空軍）＞：イギリス空軍AEW&C。E-3の後継として2019年3月22日にB737AEW&C５機の調達を発表した。うち２機は中古のB737から改造する。2020年代初めから引き渡される予定。参考：月刊JWings6,’19、月刊航空ファン8,’19

＜Ｂ７３７ＡＥＷ＆Ｃ（トルコ空軍）＞：トルコ空軍AEW&C。ピースイーグル計画の名称で2000年にB737AEW&Cの調達を決定した。汚職疑惑があったものの捜査が打ち切られ、2003年に４機の調達が政府に承認され、初号機は2007年に引き渡される予定だったが、初飛行が2007年9月6日に遅れたため、2010年後半から引き渡される予定となったが、2010年のイスラエルとの関係悪化でエルタ社製ESMの装備に難色が示される（結局予定通り搭載）など更に遅れて2014年2月10日に初号機が引き渡され、2月21日に就役した。2015年までに４機を配備予定。参考：月刊JWings5,’14、月刊軍事研究7,’14

＜Ｂ７４７シリーズ＞：ボーイング社の旅客機。CX-HLSに落選した輸送機案を低翼化したもので、パンアメリカン航空の要求に応じて開発した。当時は旅客機が将来的に超音速化すると考えられており、旧式化した際には機首にカーゴドアを設けて貨物機に転用できるよう、CX-HLSと同様にコクピットを客室より高い位置とした。民間機として初めて慣性航法装置を搭載している。エンジン４基で冗長性が高く、内部容量も大きいので、要人輸送機や政府専用機としても人気が高い。B747-300まではB747クラシック（総生産数729機）、B747-400シリーズはハイテクジャンボ（総生産数528機）とも呼ばれる。2023年1月31日、最終号機となるB747-8F貨物機がアトラス・エアに引き渡され、各型計1574機で生産を終了した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、週刊エアクラフトNo.72、月刊軍事研究6,’11、月刊航空ファン11,’18、月刊JWings4,’23

　＜Ｂ７４７−１００＞：1969年2月9日に初飛行し、12月30日に形式証明を取得、1970年に就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−２００＞：B747-100の性能向上型で、1970年10月11日に初飛行した。全長70.51m、全幅59.64m、全高19.33m、運航自重171.01トン、最大離陸重量351.54トン。翼面積511平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT9D-7A（推力21.32トン）またはJT9D-7R4G2が４基、巡航速度910km、燃料搭載量193055リットル、航続距離8340km（最大ペイロード）。ペイロード67.813トン。乗員３名。客席数348-447席。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ

　＜Ｂ７４７−３００＞：B747-200の２階部分を7.11mほど後方に延ばしたタイプで、初号機は1982年に完成した。全長70.66m、全幅59.64m、全高19.33m。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT9D-7R4G2が４基、巡航速度900km、航続距離11000km。乗員３名。客席数376席。2009年7月31日、日本でのラストフライトを実施。参考：週刊エアクラフトNo.72、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報11,’09

　＜Ｂ７４７ＳＰ＞：B747-100の航続距離延伸型で、胴体を短くした。全長56.31m、全幅59.64m、全高19.94m。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT9D-7FWが４基、巡航速度980km、航続距離10841km。乗員３名。座席数228。1975年に登場した。参考：週刊エアクラフトNo.72、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７ＳＲ−１００＞：日本向け短距離専用機。1972年に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−４００＞：機体とエンジンを更新してグラスコクピットを導入したタイプで、通称ダッシュ400またはハイテクジャンボ。1984年に構想が出されて1985年から開発され、1988年4月29日に初飛行した。B747-300がベースで、翼スパンを左右1.8mずつ延長して翼端にウイングレットを装備し、翼胴フェアリングを追加、エンジンを換装してパイロン形状を変更し、B747-300より燃料消費を１割改善、航続距離を500km以上延ばした。全長70.66m、全幅64.44m、全高19.41m、運航自重181トン、最大離陸重量396.89トン（385.6トン？）。翼面積525平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW4000またはGE製CF6-80C2B1Fまたはロールス・ロイス社製RB211-524Hが４基、巡航速度912-916km、燃料搭載量216840リットル、最大航続距離13450km（12300km？）。ペイロード56.7トン。乗員２名。座席数416（標準）／524（最大）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ

　＜Ｂ７４７−４００Ｄ＞：B747-400の日本向け短距離型。19機が新造され、２機がB747-400から改造された。2014年3月に全機退役した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−４００Ｆ＞：B747-400の貨物機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−４００Ｍ＞：B747-400の貨客混載型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−４００ＥＲ＞：B747-400の長距離仕様機。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−４００ＥＲＦ＞：B747-400ERの貨物機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−８＞：1994年にエアバス社が開発を発表したA3XX（後のA380）に対抗したもので、同年にB747-500X/-600X、1997年にB747-400LR、2000年にB747Xと改称しつつ計画を発表したが、B7E7双発旅客機（後のB787）の開発を優先したため延び延びになり、B787の技術を導入した改良型に落ち着いて2005年11月に貨物機型、2006年12月に旅客機型を受注、旅客機型の航続距離が8000海里ということでB747-8という名称になった。胴体はB747-400がベースで、5.58m延長すると共に、B787の複合材技術を取り入れた。旅客機型と貨物機型では胴体延長部位が違っており、貨物機型は２階部分が短くなっている。主翼は完全新設計で、レイクド・ウイングチップ（特殊形状のウイングレット）を採用し、エルロンとスポイラーの制御はフライバイワイヤ式で、後縁フラップは内側がダブルスロッテッド、外側がシングルスロッテッドである。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ、月刊航空ファン6,’11、月刊軍事研究9,’11

　＜Ｂ７４７−８Ｆ＞：B747-8の貨物機型で、Ｆはフレイターの略。2010年2月28日に初飛行した。B747-400Fより搭載量が16%多く、トンマイルあたりの運航コストは16%少ない。2011年8月19日に変更形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７４７−８Ｉ＞：B747-8の旅客機型で、Ｉはインターナショナルの略。2011年3月20日に初飛行した。B747-400より燃料効率が16%高く、シートマイルあたりの運航コストは13%低い。全長76.3m、全幅68.4m、全高19.4m、最大離陸重量447.7トン。エンジンはGE社製GEnx-2B67（推力30.165トン）４基、巡航速度マッハ0.86・1050km、航続距離14800km。乗員２名。座席数410（３クラス標準）。2011年12月14日に変更形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン6,’11

＜Ｂ７４７海外ファミリー＞

　＜Ｂ７４７−２Ｇ４Ｂ＞：VC-25A（大統領専用機）を参照。

　＜Ｂ７４７−３Ｇ１＞：サウジアラビア空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｂ７４７−４Ｂ５＞：韓国空軍政府専用機、別名は空軍１号機。B747-400ベースで、2010年に大韓航空から韓国政府がリースして改造し、2012年3月に韓国空軍に移管、第15戦術空輸航空団第35混成航空群第296飛行隊に配備した。2017年、G20サミットのためドイツに飛行。機密の筈の機内や乗員の写真を間違ってネットに載せてしまい、速攻で削除する羽目になった。2019年6月、G20大阪サミットに参加するムンジェイン大統領を乗せて関西空港に飛来。10月22日、即位礼正殿の儀に出席するイ・ナギョン首相を乗せて羽田空港に着陸した。参考：月刊航空ファン9,’19、11,’18、月刊JWings1,’20

　＜Ｂ７４７−８＞：韓国空軍政府専用機、別名は空軍１号機。2021-26年の予定でリースして改造した。2023年3月16-17日、羽田空港に初来日した。5月19日、G7広島サミットに出席するユン大統領を乗せ、広島空港に飛来。参考：月刊JWings6,’23、8,’23

　＜Ｂ７４７−８ＨＯ＞：オマーン空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｂ７４７−８Ｉ＞：VC-25B（大統領専用機）を参照。

　＜Ｂ７４７−８ＪＫ＞：クウェート空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｂ７４７−８ＺＶ＞：トルコ政府の政府専用機。元はワールドワイド・エアクラフト・ホールディングが要人輸送機として2012年に購入した機体で、2018年10月にトルコが導入した。運航はトルコ空軍の担当である。2019年6-7月、G20大阪サミットに出席するエルドアン大統領を乗せ、A330-243政府専用機と共にセントレア空港と羽田空港に滞在した。参考：月刊JWings9,’19

　＜Ｂ７４７−４８Ｅ（ＳＣＤ）＞：UAEの王室専用機。サイド・カーゴ・ドア（SCD）装備型B747-400M貨客混載機で、ドバイ・エア・ウイング（ロイヤルフライト）が運航する。1999年にエア・ナミビアで就航した機体で、2004年に王室専用機に改造されてUAEのアブダビ・アミリ・フライトで運航、2015年からモロッコ政府で運用され、2017年11月にUAEに戻ってドバイ・エア・ウイングで運航された。2019年4月26日、羽田空港に着陸した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｂ７４７−１３１Ｆ＞：イラン空軍がKC747空中給油機の母体として使用している。参考：月刊JWings10,’09、4,’15

＜Ｂ７４７−２００＞：VC-25A（大統領専用機）を参照。

＜Ｂ−７４７−４００＞：航空自衛隊の政府専用機B747-47C、空自名称B-747。1987年に導入が決定して発注された。B747-400の改造型で、機体前部２階がコクピット、その後ろが通信室（窓が廃止されている）、更に後ろがクルー休憩室である。１階の機首部分が貴賓室で、床面積33平方メートル、最前部にモニター、左右に３人掛けソファ（ベッドに転用可能）１脚ずつ、右ソファ後方に４人掛けテーブル、左ソファ後方に衛星電話が載ったテーブルとシート１席がある。通常は皇族や首相が１名で使用するが、最大５名を収容可能。貴賓室の後ろには右舷にシャワールーム、中央に洗面台と冷蔵庫、左舷に収納が用意されている。その後ろがL1/R1ドアで、更に後ろの左舷が警護官席（テーブルを挟んで前後にシート１席ずつ）。右舷から中央にかけては夫人室で、床面積13.2平方メートル、中央前面にモニター、その下に後ろ向き２人掛けソファとテーブル、中央後部にテーブルとシート２席、右舷に大きな鏡、テーブル、シート１席がある。こちらも通常は女性皇族や首相夫人が１名で使用するが、最大５名を収容できる。夫人室右舷前部はトイレで、貴賓室との共用。その後ろには秘書官室（前向きの通常シートと２人掛けのテーブルが２組）、L2/R2ドアの後方あたりから会議室（大型テーブル１つと椅子が12席）、L3/R3ドアのあたりが事務室（折り畳みテーブル付き）、会議室と事務室の間には個人作業用の机、事務室の後ろが随行員室（2-3-2列シートで、左右にテーブルがある）、L4/R4ドアから後ろが一般客室（2-4-2列シートで、中央前方には記者会見用テーブルがある）、最後部がギャレーとなっている。通信室は外交機密無線を使う関係上、外務省が管轄しており、クルーが休憩室とコクピットを行き来する際に室内に入らず済むよう、左舷側に通路が設けられている。予算の関係で自衛装備は無い。全長70.7m、全幅64.4m（64.9m？）、全高19.3m（19.1m？）、自重178.352トン、運用重量181トン、最大離陸重量362.873トン（394トン？）。エンジンはGE製CF6-80C2ターボファン（推力27.9トン）４基、最大巡航速度マッハ0.85・900km、最大速度マッハ0.92、実用上昇限度13700m、航続距離13000km。クルーは機長、副操縦士、航法士、機上通信員、整備員、空中輸送員（いわゆるキャビン・アテンダント）など10-25名で、全て自衛隊員。最大140名（400名？）を乗せられる。日常の整備は特別航空輸送隊整備隊の担当だが、Ｍ整備（５年に１度の重整備）、Ｃ整備（１年ごと）、Ａ整備（８週間ごと）は全て日本航空の担当である。３機を導入する予定だったが予算の関係で２機に減り、1991年にロールアウト、9月17日と11月18日に総理府に納入された。この時のナンバーはJA8091とJA8092。1992年4月1日、防衛庁に所属が変わり、シリアルナンバーが20-1101と20-1102に変更され、当初は臨時特別航空輸送隊で運用されたが、1993年6月に正式運用部隊として航空自衛隊特別航空輸送隊（第701飛行隊）が千歳基地に編成された。任務は、国賓輸送、在外邦人等輸送、国際平和協力業務など。常に２機１組で運用されており、１機が任務機として先行、もう１機が随行機として後発、という形で任務に就く。民間報道陣も２チームを２機に分乗させる。2005年7月26日に自衛隊法施行令が改正され、総理大臣以外の国務大臣も使用できるようになった。2010年に日航が経営再建計画でB747-400型機の年度内全退役を決定したため、委託整備が継続できるか不透明になってしまい、全日空でも同型機の退役が予定されているため、本機も2019年に退役することになった。2014年8月12日、政府専用機検討委員会で後継機がB777-300ERに決定し、2019年3月31日に後を譲って退役した。通算任務運航回数349回（国賓輸送318回、国際平和協力業務２回、イラク人道復興支援活動24回、国際緊急援助活動３回、在外邦人輸送２回）、寄航地100カ国269カ所、訓練含む総飛行距離14600000kmだった。退役後は貴賓室内装や装備品を取り外して民間に売却されることになり、2019年3月上旬に一般競争入札が行われ、２機とも静岡県のリサイクル企業エコネコルが落札し、5月15日に13億円で売買契約が結ばれた。6月12日、１号機が売却に備えた内装等撤去作業のため千歳基地から羽田空港に移動した。6月17日、２号機が売却のため千歳空港を離陸し、アンカレッジ空港に向かった。内装や装備品は外されたが、まだ航空自衛隊籍にあり、JAPAN●日本国のマーキングやシリアルナンバーを付けたままで、航空自衛隊員が運航している。6月26日、１号機が羽田空港から千歳基地に移動した。6月27日、１号機が千歳基地を離陸してアンカレッジ空港に向かった。こちらも航空自衛隊員が運航している。両機ともアンカレッジ空港到着でCSDSエアクラフトセールス＆リーシング社に売却され、機体記号をN7474C（１号機）及びN7477C（２号機。7月1日付）に変更、アリゾナ州ピナル・エアパークに移された（２号機は7月7日到着）。１号機は2800万ドルで販売中。撤去された貴賓室は航空自衛隊浜松広報館と石川県立航空プラザで公開されている。参考：月刊JWings9,’14、9,'15、9,’17、8,’19、8,’05、5,’14、1,’01、6,’00、10,’05、10,’14、3,’15、6,’19、9,’19、3,’20、自衛隊装備年鑑1996、MAMOR vol.91、月刊航空ファン11,’92、8,’19、9,’19、朝雲

＜Ｂ７４７−４３０＞：オマーン空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｂ７４７−４６８＞：サウジアラビア空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｂ７４７−４６９＞：クウェート空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｂ７４７ＳＰ＞：UAEの政府専用機。３機が運用されていて、１機はUAEアブダビ・アミリフライト、２機はUAEドバイ・エアウイングに所属しており、運航は空軍だが所属は政府である。参考：月刊JWings1,’01、月刊航空ファン11,’18

＜Ｂ７４７ＳＰ−２７＞：オマーン王室要人輸送機。前部胴体上面に通信アンテナ用大型フェアリングがある。2019年10月20日、即位礼正殿の儀に出席するアスアド国際副首相・国王特別代理を乗せて羽田に着陸した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｂ７４７ＳＰ−４７＞：オマーン空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｂ７４７ＳＰ−６８＞：サウジアラビア空軍要人輸送機。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｂ７４７用整備器材＞：自衛隊の機器。菊水電子工業または伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究1,’13、1,’15

＜Ｂ７５７旅客機シリーズ＞：ボーイング社の双発ジェット旅客機。B727の後継となる200席級近・中距離用次世代ジェット旅客機として1960年代末から計画され、1976年にナローボディ型B7N7の計画名称が付き、1978年2月に開発が正式決定してB757に改称された（ちなみにセミワイドボディ型は開発名称B7X7で、B767として完成）。2005年4月までに各型計1049機が生産された。燃料高騰を受け、2004年からブレンデッド・ウイングレット追加装備により燃費を5%改善できるようにしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、週刊エアクラフトNo.68、No.41

　＜Ｂ７５７−１００＞：短胴型だが、発注が無く開発中止になった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７５７−２００＞：標準型。B727-200の胴体を延長し、B767と同じ翼型の主翼を取り付け、エンジンを高バイパス比に換装、機体尾部や降着装置を新型にした。1982年2月19日に初飛行し、12月21日にFAA、1983年1月14日にCAAの形式証明を取得している。全長47.32m、全幅38.05m、全高13.56m、自重57.411トン、最大離陸重量104.325トン（中距離型）／113.395トン（長距離型）。エンジンはロールスロイス社製535C（推力16.964トン）またはRB211-535E4（推力18.189トン）またはプラット＆ホイットニー社製PW2037（推力17.327トン）双発、巡航速度850km、最大速度910km、航続距離5890km。乗員2-3名。客席数178-239。1983年1月1日にイースタン航空で初就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、週刊エアクラフトNo.68、No.41

＜Ｂ７５７−２００Ｍ＞：B757-200の貨物型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７５７−２００ＰＦ＞：B757-200の貨物型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７５７−３００＞：長胴型。1998年8月2日に初飛行した。全長54.43m、全幅38.05m、全高13.56m、運航自重63.855トン、総重量123.605トン。翼面積185.25平方メートル。エンジンはロールスロイス社製RB211-535E4B（推力19.73トン）双発、巡航速度マッハ0.8、最大運用限界マッハ数0.86、燃料搭載量43402リットル、航続距離6000km。乗員２名。座席数243-279。1999年3月から引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７５７旅客機・海外ファミリー＞

＜Ｂ７５７−２Ｋ２＞：ニュージーランド空軍要人輸送機。中古の貨客型を２機導入し、第40飛行隊に配備した。2019年9月11日、国際防衛ラグビー競技会IRDC2019に参加するニュージーランド軍チームのディフェンスブラックスを乗せて羽田空港に着陸。9月12日、羽田空港を離陸。9月25日、羽田空港に着陸。9月26日、国際防衛ラグビー競技会IRDC2019に参加したニュージーランド軍チームのディフェンスブラックスを乗せて羽田空港を離陸。参考：月刊軍事研究8,’15、月刊エアワールド10,’03、月刊JWings12,’19、月刊航空ファン12,’19

＜Ｂ７５７−２００＞：アルゼンチン大統領専用機。老朽化で2020年頃から飛行不能状態になったため、イベリア航空の中古B757-200を購入してアメリカのファンエアー社で大統領専用機に改造し、2023年5月25日にホルヘ・ニューベリー空港にフェリーされた。参考：月刊JWings8,’23

＜Ｂ７５７−２２５＞：メキシコ空軍の政府専用機。参考：月刊JWings1,’01

＜Ｃ−３２シリーズ＞：C-32シリーズを参照。

＜エクスカリバー＞：レオナルド社のテストベッド機。FCAS航空戦闘システム／テンペスト戦闘機に搭載するアビオニクスなどの試験用で、改造はイギリスの航空サービス企業ツーエクセル航空が担当する。第１段階として、ツーエクセル航空が退役済B757の分解調査を実施。2023年7月14日、レオナルドUK社がイギリス国防省と第２段階の契約を結んだ。タイタン航空の中古B757をベースに機首の形状変更などを行い、イギリス民間航空局CAAの耐空証明を取得する予定である。その後は統合センサー、ノン・キネティック・エフェクトISANKE、統合通信システムICSを積み、テストベッド機としての活動に移る。参考：月刊JWings12,’21、10,’23

＜Ｂ７６７シリーズ＞：ボーイング社の双発ジェット旅客機。三菱重工、川崎重工、富士重工、アレニアがサプライヤーとして参加している。B727の後継として1960年代末から計画、ワイドボディ型B7X7とナローボディ型B7N7を作ることにし、発注が分散して開発中止になる恐れがあるためセミワイドボディ型B7S7に纏め、これをB7X7として発表した。しかし航空会社から洋上長距離飛行で安全性を確保できる３発機や、経済性が高いナローボディ機の要求が出されたため、1978年2月にセミワイドボディ型B7X7をB767、ナローボディ型B7N7をB757、３発機型をB777として開発することを決定した。ちなみに３発機型は発注が無かったので没になっている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ

　＜Ｂ７６７−１００＞：短胴型。発注が無かったので開発中止になった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７６７−２００＞：標準型。着陸１回でアメリカ大陸を横断できる3704kmの航続距離を持ち、改良により無着陸横断に必要な航続距離5556kmを確保することもできるというのが売りである。耐蝕性と疲労強度に優れた新型アルミ合金を広範に使用し、動翼、フェアリング、内装は複合材製として軽量化を図った。計器板はカラーCRTでグラスコクピット化し、完全デジタル化アビオニクスと組み合わせてコクピットクルー２名での運用を可能としている。当初はアメリカのパイロット協会が２名乗務を拒否していたが、エアバスA310がヨーロッパで２名乗務による形式証明を取得する見込みとなったため、1981年9月にアメリカ大統領直属の検討委員会で２名乗務の安全性を確認、同じコクピットのB757と同じ資格で操縦できることになった。1981年8月4日に初号機が完成し、9月26日に初飛行した。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT9D-7R4D。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ

　＜Ｂ７６７−２００ＥＲ＞：B767-200の航続距離延伸型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７６７−３００＞：胴体延長型。B767-200の胴体を6.42m延長し、客席数を増やしている。1986年1月30日に初飛行し、9月22日に形式証明を取得した。全長54.94m、全幅47.57m、全高15.85m、最大離陸重量156.49トン（133.8トン？）。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT9D-7R4D（日本航空向け）またはジェネラル・エレクトリック社製CF6-80C2B4Fまたは同社製CF6-80C2B7Fまたはロールス・ロイス社製RB211-524H（ブリティッシュ・エアウェイズ向け）双発、巡航速度862km、最大航続距離7340km（3910km？）。標準座席数270。参考：飛行機のしくみ

　＜Ｂ７６７−３００ＥＲ＞：B767-300の航続距離延伸型。最大離陸重量を引き上げて燃料搭載量を増やしており、翼端にブレンデッド・ウイングレットを装備可能とした。1986年12月9日に初飛行した。全長54.9m、全幅47.6m、全高15.8m、運航自重91.62トン、最大離陸重量172.365トン。翼面積283.3平方メートル。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製CF6-80C（推力27.287トン）双発、巡航速度851km、燃料搭載量70.1719トン、航続距離11250km（11306km？）。乗員２名。客席数290。1988年2月19日に初号機がアメリカン航空に引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７６７−３００Ｆ＞：貨物機型。胴体左前方に大型貨物ドアを追加し、床下貨物取扱システムを電動化、主脚位置を変更した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７６７−３００ＢＣＦ＞：旅客機型を貨物機型に改造したもので、BCFはBoeing Converted Freighterの略。シンガポールのSASCO社が改造を担当し、初号機は2008年6月16日に全日空に納入された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７６７−４００ＥＲ＞：B767-300ERの胴体延長型。胴体を6.1m延長し、ついでに計器板をB777と同じカラー液晶MFD６基搭載のグラス・コクピットとしている。表示方式はB777やB737NGと同じ最新方式と、それまでのB767やB757と同じ従来型をソフトウェア変更で選択でき、従来のB767/B757限定操縦資格でもそのまま操縦可能。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７６７ファミリー＞

　＜Ｂ７６７−３Ｙ０ＥＲ＞：チリ空軍要人輸送機。第２航空旅団第10航空群に配備された。2019年6月、G20大阪サミットに参加するピニェラ大統領を乗せて関西空港に飛来。参考：月刊航空ファン9,’19

＜Ｂ７６７ＡＳＴ＞：アメリカ陸軍のミサイルセンサー機で、ASTは空中監視テストベッドの略。B767の胴体前方を上に広げ、長波赤外線センサーを搭載、ミサイル実験でのデータ収集に使用された。参考：月刊軍事研究9,’05

＜Ｂ７６７ＭＭＴＴ＞：IAIが開発した空中給油輸送機型で、MMTTはマルチミッション空中給油輸送機の略。B767-200ERの主翼下にARP3ホース・ドローグ・ユニットを取り付けたものである。基地から3600km先に滞空して35トンの燃料を給油可能。コロンビア空軍がKC767-200ER空中給油機として2009年に採用し、2010年に受領した。ブラジル空軍もKC-137の後継として2013年に２機の採用を決定した。参考：月刊JWings2,’11、6,’13

＜ＫＣ−７６７＞：KC-767を参照。

＜Ｂ７７７シリーズ＞：ボーイング社の双発旅客機。B767-300ベースの改良型としてB767-Xの名称で1989年から計画されたが、その後B747-400とB767-300の間を埋めMD-11やA330/340などに対抗する方針に転換、1990年10月29日にB777として正式に開発がスタートした。コクピットもB767をベースにする予定だったが、より新しいB747-400を運航する航空会社からクレームが出たため、B747-400をベースとしている。ボーイング社初のフライ・バイ・ワイヤ旅客機だが、操縦は従来通りの操縦輪で行う。胴体パネル、中央翼、翼胴フェアリングなど、機体の21%を日本企業が作っている。参考：月刊JWings9,’14、飛行機のしくみ、世界航空機年鑑2018-2019、航空機設計法

　＜Ｂ７７７−２００＞：最初の量産型で、1994年6月12日に初飛行し、1995年4月19日にFAAとJAAの形式証明を取得した。構造重量のうち複合材が9%を占める。胴体外径は6.2mで、B747より一回り小さいが、床下コンテナ貨物室はB747より大きく、LD3コンテナなら32個積める。主翼は完全新設計で、圧縮強度の高い7055アルミニウムを使用した。小さい空港でも運用できるよう、翼端から6.81mの所に上方折り畳み機構を追加するオプションがあるが、2018年現在採用した航空会社は無い。エンジンは大型大重量の機体を２基で支えるのに必要な十分な出力を持つ新型を搭載している。アビオニクスは民間機初の統合飛行情報システムである航空情報管理システムAIMSを中核とするもので、操縦装置はデジタル式フライ・バイ・ワイヤ、計器板はカラーLCDフラットパネルMFDによるグラス・コクピット、データバスはARINC629による双方向性とした。全長63.73m、全幅60.93m／47.32m（主翼折り畳み時）、全高18.51m、運航自重139.025トン、最大離陸重量229.52-247.21トン。翼面積427.88平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW4077（推力33.84トン）またはPW4074またはジェネラル・エレクトリック社製GE90-94B双発、経済巡航マッハ数0.84、最大速度945km、最大運用限界マッハ数0.87、実用上昇限度13100m、燃料搭載量117350リットル、航続距離6680-8800km／7000km（２クラス375名＋手荷物）。最大ペイロード51.485トン。乗員２名。座席数305-328（３クラス）／375-400（２クラス）／440（最大）。量産初号機は1995年5月7日にユナイテッド航空に引き渡され、6月7日から就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’17、飛行機のしくみ

　＜Ｂ７７７−２００ＩＧＷ＞：最大離陸重量と燃料容量を増やした長距離型。最大離陸重量263.085-286.895トン。航続距離10720-13870km。1996年10月7日に初飛行し、1997年2月5日にFAA/JAAの形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７７７−２００ＬＲ＞：超長距離型で、LRはLong Rangeの略。B777-200の翼端を延長し、機体構造と降着装置を強化して最大離陸重量を引き上げ、燃料容量を増やした。2005年3月8日に初飛行し、2006年2月に形式証明を取得した。エンジンはGE90-110B（推力50トン）双発、航続距離16400km（乗客301名）。2006年3月から引き渡されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７７７−３００＞：B777-200IGWの胴体を主翼前方で5.33m・後方で4.8m延長し、最大離陸重量を更に引き上げて燃料容量を増加させ、主翼上方胴体左右にタイプＡ脱出口を１カ所ずつ追加したもの。1997年10月16日に初飛行し、1998年5月に形式証明を取得した。全長73.86m、全幅60.93m、全高18.51m、運航自重160.12トン、最大離陸重量237トン（299.37トン？）。翼面積427.8平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW4090またはGE社製GE90-115Bまたはロールスロイス社製トレント892（推力41.73トン）双発、巡航速度893km、経済巡航マッハ数0.84、最大運用限界マッハ数0.89、燃料容量171176リットル、航続距離10590km（３クラス368名＋手荷物）。乗員２名。座席数368-550。参考：飛行機のしくみ

＜Ｂ７７７−３００ＥＲ＞：航続距離延伸（Extended Range）型。B777-300の翼スパンを延長してウイングチップも装着し、機体構造と降着装置を強化して最大離陸重量を引き上げ、燃料容量を増やした。2003年2月24日に初飛行し、2004年3月に形式証明を取得した。全長73.9m、全幅64.8m、全高18.5m、機体重量168.55トン、離陸重量351.535トン。エンジンはGE90-115B（推力511.8kN・52トン）双発、巡航速度マッハ0.84、航続距離13400km（乗客359名）／14490km。乗員２名。標準座席数386席。2004年4月から引き渡されている。参考：月刊JWings9,’14、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７７７−８Ｘ＞：B777-200シリーズの次世代型。B787の最新技術をバックフィットしており、胴体を延長、主翼を炭素繊維複合材製の新型に換装し、翼胴フェアリングを最適化、エンジンも新型にした。翼スパンが増えても既存の空港設備をそのまま使えるよう、翼端に折り畳み機構を標準装備している。バッテリーはB787でリチウム電池が不具合を多発したため、ニッカド電池に戻した。全長69.55m、全幅71.3m。エンジンはGE社製GE9X（推力99500ポンド・45.1トン）双発、航続距離17220km。座席数353（標準３クラス）。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂ７７７−９Ｘ＞：B777-300シリーズの次世代型で、B777-8Xの胴体延長型である。2013年9月に開発が正式決定した。全長76.48m、全幅71.3m、最大離陸重量342トン。エンジンはGE社製GE9X（推力99500ポンド・45.1トン）双発、航続距離15185km。座席数407席（３クラス標準）。2019年3月13日、初号機ロールアウト式典を実施。本来は大々的に行う予定だったが、3月10日のエチオピア航空機墜落事故を受け、一般非公開の従業員向け式典になってしまった。2020年1月25日に初飛行した。B777-8Xより先に就航する予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings6,’19、4,’20

＜Ｂ７７７海外ファミリー＞

　＜Ｂ７７７−３Ｕ３（ＥＲ）＞：ガルーダ・インドネシア航空の旅客機だが、インドネシア政府専用機として使用されている。2020年3月、成田空港に初飛来した。2021年3月27日、日インドネシア２＋２に出席するルトノ外相とプラボウォ国防相を乗せて羽田空港に飛来し、3月30日に帰国した。参考：月刊JWings6,’21

　＜Ｂ７７７−３００ＥＲ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊特別航空輸送隊配備の政府専用機型、民間籍名称B777-3SB/ER。2013年8月7日にB747-400政府専用機の後継を調達することが決定し、2014年4月25日に航空幕僚監部がRFP（日本からワシントンまで無着陸飛行可能など）を発出、ANAホールディングスと日本航空が提案書を提出し、6月24日から検討に入った。両者ともB777-300ERを提案したが、後方支援、訓練、経費などを総合判断した結果、8月12日の政府専用機検討委員会でANAホールディングスの方に決まった。４発機の方がエンジン故障時の安全性が高いという声もあったが、ETOPS330（Extended-range Twin-engine Operational Performance Standards 330、片発停止時飛行可能時間330分）基準をクリアしているので問題無いと判断したようである。2014年10月29日、927億9660万2400円・納期2018年9月でANAホールディングスと契約を締結した。機体最前部に運航クルー席（コクピット。機長席、副操縦士席、航法士席２席）、その後ろに隊員区画（空中輸送員や整備員が座る。座席はエコノミークラス相当）がある。機体前半部にある貴賓室、執務室、秘書官区室、事務作業室（テーブルに４席。Wi-Fi完備）は、保全上の理由により詳しい配置は非公表。機体中央から後部にかけては前方から会議室、随行員区画、一般区画が割り当てられている。運航クルー席にはMFD６基が並び、軍用周波数対応の無線機が追加された。VIP用会議室は２席増えて６席になり、仕切りで２席（＋机）と４席（＋机）に分けられる。随行員区画はビジネスクラス仕様で、座席数21、フルフラットシートに大型液晶モニターが付く。一般区画は報道関係者などが搭乗するため記者席とも呼ばれ、プレミアムエコノミークラス用シート85席が配されている。救出した在外邦人などが乗るのもこの区画である。記者会見席はB747で殆ど使用されなかったため、本機では最初から用意されていない。ちなみに同乗する報道関係者は民間航空運賃相当の費用を防衛省に払う必要がある。ギャレーに複数のトイレも完備。操縦士、空中輸送員、整備員はANAでも教育を受ける。全長73.86m、全幅64.8m、全高18.85m、最大離陸重量348トン。エンジンはGE製GE90-115BLターボファン（推力115300ポンド・513kN）双発、巡航速度500ノット・925km、航続距離14000km。初号機は2016年7月29日に初飛行し、2018年8月17日に新千歳空港に到着、9月5日に防衛大臣の部隊使用承認が下りて80-1111のシリアルナンバーが付いた。２号機は2016年12月20日に初飛行しており、2018年12月11日に新千歳空港に到着した。2018年11月3-5日に初号機が初の国外運航訓練を実施。2019年4月1日に２機とも特別航空輸送隊に正式配備されて就役し、実運用を開始した。参考：月刊軍事研究10,’14、月刊JWings2,’19、9,’14、10,’16、1,’19、6,’19、月刊航空ファン2,’15、11,’18、1,’19、6,’19、MAMOR vol.165、朝雲

　＜Ｂ７７７−３３７ＥＲ＞：インド空軍政府専用機。B777-300ERベースで、２機を導入（うち１機は2020年9月引き渡し）した。2022年5月23日、日米豪印首脳会議に出席するモディ首相を乗せ羽田に着陸。5月24日、羽田を離陸。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｂ７８７シリーズ＞：ボーイング社の双発旅客機、ニックネームはドリームライナー。経済性の高いワイドボディ２通路中型旅客機としてB7E7（ＥはEfficiencyの頭文字）の名称で2002年12月に計画を公表し、2004年4月に全日空から50機を受注して正式開発が決定、B787に改称された。生産には複合材技術を持つ日本のメーカーがリスクシェアリング・パートナーとして多数参画しており、主翼は三菱重工の製作である。中部国際空港にはボーイング社の最終組み立て工場に部品を運ぶための専用輸送機が就航した。2007年に初飛行、2008年に全日空に就航させて北京オリンピックに間に合わせる予定だったが、完全新開発だった上にストライキなどが重なってスケジュールが遅れ、2007年7月8日（英語表記で7.8.7）にロールアウト式典が行われたが実際には機体は完成しておらず、2009年12月15日に漸く初飛行した。更に飛行テスト中に判明した問題の解決にも時間が掛かり、初引き渡しは2011年9月25日となってしまい、初納入先の全日空からは訴訟が起こされ、ロシアや中国には注文をキャンセルされている。2012年10月23日、ANA機で燃料漏れを起こす事故があり、12月5日にアメリカ連邦航空局が納入済み全機に対して燃料配管の接続部を点検する耐航空性改善命令を出した。2013年1月16日、ANA692便のリチウムイオン電池が高熱を発して内部が完全に炭化、警告灯が点灯して機内には異臭が漂ったため、高松空港に緊急着陸した。これによりANAとJALがB787の運航を停止、2月16日にはアメリカ連邦航空局が運航停止措置を執った。4月5日、改良型バッテリーの試作型を搭載したB787が飛行試験を開始。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ、月刊航空情報3,’10、月刊JWings6,’12、月刊航空ファン5,’13、月刊軍事研究6,’13

＜Ｂ７８７−３＞：全日空・日本航空向け短距離型。航続距離6500km。座席数296（２クラス）。スケジュール遅延で開発中止になり、B787-8に振り替えられた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂ７８７−８＞：標準型。機体は完全新設計で、構造重量の50%を複合材（炭素繊維複合材45%・ガラス繊維複合材5%）が占め、B767よりも30%軽くなり燃費が２割向上しており、強度も高いため窓を25%以上広げつつ客室内与圧高度を6000フィート・1830m（従来は8000フィート・2440m）に引き下げていて、錆びる心配が無いので客室内を加湿できる。胴体断面は幅5.75m・高さ5.96mの楕円形とし、客室天井高を確保しつつ、貨物室にLD-3コンテナを並列搭載可能とした。主翼には剛性の高い複合材を使用し、翼型はスムーズ・ウイング・テクノロジーと呼ばれる新形状を採用、揚力係数向上と抗力低下を実現した。複合材による軽量化で、主翼は大きくしなる特徴を持つ。フラップ位置は上げから下げ30度まで７段階である。燃料配管や電気系統などエンジン・機体インターフェースを標準化しており、エンジン換装を容易としている。エンジンナセル後端は鋸歯状にしてコア流とファン流の混合を最適化し、騒音低減を図った。エンジンの負担を減らすため、抽気装置は廃止しており、代わりに発電機６基で計1MWの電力を供給、エンジン始動用モーター、電動式防氷装置、与圧空気供給用電動コンプレッサーを作動させてブリードエアの必要性を無くしている。計器板は305mm×230mmの大型LCD多機能ディスプレイ（正副操縦士正面に２枚ずつ、センターコンソールに１枚）とHUDでグラスコクピット化した。また、正副操縦士斜め前方に電子飛行バッグEFB（Electric Flight Bag）が標準装備されており、従来は書類だったマニュアル、航路図、空港データ、NOTAMなどを電子化することでいちいち持ち運ぶ必要を無くすと共に更新（空港からの無線通信で行える）も容易とし、機内セキュリティカメラの映像なども表示できるようにしている。2011年8月26日にFAAとEASAの形式証明を取得した。全長56.7m、全幅60.1m、全高16.9m、最大離陸重量219.54トン。エンジンはロールスロイス社製トレント1000-Aターボファン（推力53000-75000ポンド・24-34トン）またはGE製GEnx-1B64（推力30.39トン）双発、巡航速度900km・マッハ0.85、航続距離15200km（最大）／7355海里（客席数242）。乗員２名。標準座席数242（３クラス）。2011年9月25日に量産初号機が全日空に引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings6,’12、月刊航空ファン10,’14、5,’13、8,’19、月刊航空情報3,’10、月刊軍事研究6,’13

　＜Ｂ７８７−９＞：ストレッチ型で、胴体を6.1m延長して座席数を増やした。フラップ位置に下げ17度・18度が追加されて９段階になり、重量増に応じた細かい機体操作を可能としている。2013年9月に初飛行した。全長62.8m、全幅60.1m、全高17m、運用空虚重量128.85トン、最大離陸重量227.9トン。翼面積377平方メートル。エンジンはGE製GEnx-1B74（推力34.7トン）またはロールスロイス社製トレント1000-K（推力33.48トン）双発、巡航速度マッハ0.84・910km、実用上昇限度13100m、通常航続距離14900km。乗員２名。座席数259席（３クラス）。量産初号機は2014年7月9日にニュージーランド航空に引き渡された。世界初旅客フライトは全日空１番機で、2014年7月28日に引き渡されて8月4日に旅客フライトを実施、8月7日から就航している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン10,’14、月刊JWings7,'21、6,’12

　＜Ｂ７８７−１０＞：B787-9のストレッチ型で、B777-200ERの後継である。胴体を更に5.5m延長した。2017年2月17日に初号機ロールアウト式典が行われ、3月31日に初飛行している。航続距離11910km。座席数300席（３クラス）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン5,’17、6,’17

＜Ｂ７８７海外ファミリー＞

　＜Ｂ７８７−８（メキシコ空軍）＞：メキシコ空軍政府専用機。2016年に配備された。2021年5月、アメリカのビクタービル空港に移送され、一時保管された。7月初め、メキシコに戻った。7月15日、東京オリンピック関係者や選手団の荷物輸送のため羽田空港に飛来。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｂ−８００＞：ロシア海軍877型潜水艦カルーガ（Kaluga）。1989年9月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15、現代の潜水艦

＜Ｂ−８０６＞：ロシア海軍877型潜水艦ディミトロフ（Dimitrov）。1986年9月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−８０８＞：ロシア海軍877型潜水艦ジャロスラフル（Jaroslavl）。1988年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜Ｂ−８３１＞：ロシア海軍636型潜水艦Del’fin。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−８７１＞：ロシア海軍877型潜水艦アローサ（Alrosa）。1990年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15、現代の潜水艦

＜Ｂ−８８０＞：ロシア海軍636型潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜Ｂ−４０１８＞：海上自衛隊機動船、機動船4018号。2020年2月26日に除籍された。参考：月刊世界の艦船7,'20

＜Ｂ−４０１９＞：海上自衛隊機動船、機動船4019号。2020年2月26日に除籍された。参考：月刊世界の艦船7,'20

＜Ｂ−４０２８＞：海上自衛隊1.4トン型機動船、機動船4028号。ヤマハ発動機が建造し、2020年2月26日竣工・就役、第１術科学校に配備された。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜Ｂ−４０２９＞：海上自衛隊1.4トン型機動船、機動船4029号。ヤマハ発動機が建造し、2020年2月26日竣工・就役、第１術科学校に配備された。参考：月刊世界の艦船7,'20

＜ＢＡ−３＞：ソ連陸軍６輪装甲車。６輪トラックGAZ-AAAのシャシーに溶接製の装甲車体を載せたものである。１軸と２軸の間が広く開いており、不整地走行の時につっかえないよう、予備タイヤを装着した。２軸と３軸のタイヤにはゴム製履帯を履かせることができ、積雪地や軟弱地で使用する。ただエンジン出力不足とシャシーの強度不足で路外機動能力はそれほど高くない。車体中央が操縦室で、前面右に7.62mm機銃DTをボールマウント式に搭載し、側面にはドアを設けた。車体後面右には乗降用ドアがある。車体後部の砲塔はT-26（M1933）用の装甲厚を8mmにしたもので、車長兼装填手と砲手が位置する。砲塔の武装は46口径45mm戦車砲M1932（40発）、7.62mm同軸機銃DT（3276発）。全長4.77m、全幅2.11m、全高2.35m、全備重量６トン。エンジンはGAZ-AAガソリン（40馬力）、最大速度63km。乗員４名。1934-35年に160両が配備された。張鼓峰事件やノモンハン事件で実戦参加し、独ソ戦でも使用された。参考：月刊PANZER10,’01、世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−３海外シリーズ＞

　＜ＰａｎｚｅｒｓｐａｈｗａｇｅｎＢＡ−２０３（ｒ）＞：ドイツ陸軍装甲車。第２次大戦で鹵獲したもので、BA-6共々この名称で使用した。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−５＞：ソ連陸軍重装輪装甲車で、1935年に開発された。６輪トラックZIS-6をベースに4-9mm厚の装甲板で車体を構成し、主砲は45mm戦車砲1934年型で、車体前後面と主砲同軸に7.62mm機銃DTを１丁ずつ装備する。エンジンはZIS-5ガソリン（73馬力）、路上最大速度50km。乗員５名。少数生産のみで、制式採用はされなかった。参考：月刊PANZER12,’99

＜ＢＡ−６シリーズ＞：ソ連陸軍６輪装甲車。BA-3装甲車の改良型で、1935-38年に各型計386両が生産された。ノモンハン事件や第２次大戦に参加、1944年頃まで前線で使用されている。トルコやスペインに輸出もされ、スペイン内乱にも参加した。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−６＞：路外行動能力を高めるため、BA-3のシャシーを強化してサスペンションとトランスミッションを改良、全備重量を１トン近く減らし、ギア比を落としてパワー優先とした。また、後部２軸のホイールベースを70mmほど短縮し、GKタイヤ（チューブが隔壁で仕切られている）を履いて被弾に強くした。車体後面の乗降用ドアは廃止し、視察用スリットを設けている。主砲弾搭載数は60発に増やした。全長4.9m、全幅2.07m、全高2.36m、重量5.12トン。エンジンは４気筒液冷ガソリン（40馬力）、最大速度43km、燃料搭載量65リットル、航続距離200km。乗員４名。1935年から生産された。参考：月刊PANZER10,’01、世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−６Ｍ＞：軽量化のために装甲厚が6-9mmと薄かったので、傾斜装甲を利用して防御力を高めたもの。車体各部の無駄な部分を切りつめ、砲塔を円錐状に変更、弾数を主砲弾50発・機銃弾2520発として重量を4.8トンに減らしている。エンジンはGAZ-M1ガソリン（50馬力）、路上最大速度50-52km、燃料搭載量112リットル、航続距離290km。1938年から生産され、20両弱が完成したところでBA-10にスイッチした。張鼓峰事件に参加し、１両が日本軍に鹵獲されている。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−６ＺｈＤ＞：鉄道軌道上で走行可能としたタイプ。タイヤに軌道走行用リムをネジ止めするもので、普通の装甲車としても使用可能である。最大速度55km（鉄路上）、航続距離150km（鉄路上）。1935年に少数が生産された。参考：月刊PANZER10,’01、世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−６指揮車型＞：フレームアンテナ付きの71-TK-1無線機セットを搭載したタイプ。指揮官用なので、BA-6TUの名称が付く筈だが、詳細不明。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−６海外シリーズ＞

　＜ＰａｎｚｅｒｓｐａｈｗａｇｅｎＢＡ−２０３（ｒ）＞：ドイツ国防軍装甲車。第２次大戦で鹵獲したもので、BA-3共々この名称で使用された。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−１０シリーズ＞：ソ連陸軍６輪装甲車。BA-6Mの近代化型で、1938-40年に生産され、ノモンハン事件から第２次大戦終戦まで実戦配備された他、輸出したフィンランドでは1950年代末まで使用された。参考：月刊PANZER10,’01、世界の軍用車両(4)、月刊戦車マガジン6,’89

＜ＢＡ−１０＞：デザインはBA-6Mと同じで、６輪トラックGAZ-AAAに流線型を取り入れた装甲車体を架装し、車体後部に砲塔を載せている。エンジンを強化し、砲塔上面にツァイス社製砲手用ペリスコープ型視察照準装置を搭載した。武装は砲塔の45mm戦車砲1934年型（49発）と7.62mm機銃DT１丁、車体前面の7.62mm機銃DT１丁（2079発）。武装が戦車並みだったので、戦車代わりに戦場に投入された事も多かったが、装甲が全周10mm程度と薄く、損害も大きかった。西側では一時BA-32と呼ばれたことがある。全長4.655m、全幅2.07m、全高2.21m、重量5.14トン。エンジン出力52馬力、路上最大速度53km、航続距離260-300km。乗員４名。参考：月刊PANZER10,’01、12,’99、世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−１０Ｍ＞：装甲強化型で、車体正面を15mmに増やしたが、側後面は6mmに減らした。後部タイヤ上のフェンダーに箱形予備燃料タンクを装備している。重量5.36トン。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−１０ＺｈＤ＞：BA-10の鉄道軌道警備型。タイヤに軌道走行用リムをボルト止めでき、外せば普通に使用可能。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−１０ＭＺｈＤ＞：BA-10MにBA-10ZhDと同じ改修を施したもの。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−１０ファミリー＞

　＜ＢＡ−２２＞：装甲救急車型、別名機械化衛生拠点。ノモンハン事件とスペイン内乱の戦訓を受け、患者輸送・兵員輸送用装甲車として1939年（1937年？）から開発した。武装を外し、前線拠点としての運用のため71-TK-1無線機を搭載している。全長6.1m、全幅1.98m、全高2.88m、重量5.24トン。エンジンはGAZ-AA（40馬力）、路上最大速度40km、航続距離250km。乗員２名。最大搬送者数10名。エンジンをパワーダウンしたため走行性能が悪く、採用されなかったが、試作車がスターリングラード戦で使用された。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER1,’00

＜ＢＡ−１０海外シリーズ＞

＜Ｐｚ．Ｓｐ．Ｗｇ　ＢＡＦ２０３（ｒ）＞：ドイツ陸軍装甲車。第２次大戦で鹵獲したもので、誤射を避けるためバルカンクロイツを大書きしている。参考：月刊PANZER2,’04

＜ＢＡ１１＞：誉シリーズ（エンジン）を参照。

＜ＢＡ−１１シリーズ＞：ソ連陸軍の装輪装甲車で、1939年に制式採用された。参考：月刊PANZER12,’99、世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−１１＞：BA-10のデザインに更に流線型を取り入れ、装甲厚を13mmに増加、重量が8.13トンに増えた分エンジンもZIS-16ガソリン（95馬力）に強化して最大速度を63kmに向上させている。1940年に16両が生産され、独ソ戦に投入されたが、初期に全て破壊されてしまった。参考：月刊PANZER12,’99、世界の軍用車両(4)

　＜ＢＡ−１１Ｄ＞：エンジンをZIS-34Dディーゼル（95馬力）としたタイプ。エンジンの信頼性が低く、６両のみ生産され、独ソ戦に投入された。参考：月刊PANZER12,’99、世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−２０シリーズ＞：ソ連陸軍の装輪装甲車。イジョルスキー工場が重装甲車生産専門になったため、ヴィクシンスキー工場で1936年に開発した軽装甲車である。2000両以上（2056両）が生産されたとみられ、ノモンハン事件や独ソ戦に投入された。また、冬戦争に投入されたものがフィンランド軍に鹵獲され、1956年まで使用された。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER12,’99、世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−２０＞：ベースは４輪トラックGAZ-M1で、4-6mm厚の装甲板を組み合わせて製作されており、避弾経始を取り入れるなどデザインを工夫して重量を抑えている。２輪駆動なので路外行動能力は低かった。武装は銃塔の7.62mm機銃DT１丁（1386発）で、自衛用にF-1手榴弾15発を搭載する。全長4.1m、全幅1.8m、全高2.3m、重量2.34トン。エンジンはGAZ-M1ガソリン（50馬力）、最大速度90km、航続距離270-350km。乗員２名。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER12,’99

＜ＢＡ−２０Ｍ＞：装甲強化型で、1938年に開発された。装甲を前面9mmに強化、銃塔側面に傾斜を付け、30リットル入り燃料タンクを増設している。1940年以降は71-TK-3無線機を標準搭載し、エンジンカバー中央にホイップ・アンテナを装備、専門の無線手を搭載した。全長4.31m、全幅1.75m、全高2.13m、重量2.52トン。最大速度70km、航続距離335-450km。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER12,’99

＜ＢＡ−２０ＺｈＤ＞：鉄道警備用に使用されたタイプで、車輪を交換して軌道上を走行することができる。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−２０ファミリー＞

　＜ＢＡ−２０指揮車型＞：指揮車型。71-TK-1無線機を搭載し、車体上部にフレームアンテナを装備、助手席に通信手を乗せている。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ＢＡ−２１＞：ソ連陸軍試作６輪軽装甲車。路外行動能力の高い車両として1939年に試作された。６輪トラックGAZ-21のシャシーにBA-20の装甲車体（車体前面装甲厚を10-11mmに強化）を載せ、操縦席右に7.62mm機銃DTボールマウント銃座を搭載する。全長4.22m、全幅1.778m、全高2.263m、重量3.24トン。エンジンはGAZ-M1ガソリン（50馬力）、最大速度52.5km、航続距離340-400km。無線機は71-TK-1。後２軸４輪駆動だったので、あまり不整地踏破能力が無く、重量が増えたのにエンジン出力が変わらず、採用されなかった。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER12,’99

＜ＢＡ−２２＞：BA-10装甲車ファミリーを参照。

＜ＢＡ−２７＞：ソ連陸軍４輪装甲車で、1928年に採用された。シャシーのベースは４輪トラックAMO-F-15で、厚さ8mmの装甲板で構成されたボディを搭載、MS-1軽戦車と同じ砲塔を載せたものである。武装は37mm戦車砲SH-18が１門、7.62mm機銃DTが１丁。乗員３名。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＢＡ−２７Ｍ＞：ソ連陸軍初の６輪装甲車で、1931年に生産された。４輪装甲車BA-27の装甲車体に、６×２輪トラックGAZ-AAAのシャシーをくっつけたものである。後２軸の車輪に巻き付けて使用する履帯も開発された。武装はBA-27と同じ。乗員が４名に増え、航続距離が300kmと倍増した。BA-27よりも機動性能が向上したため、同じシャシーを使って同様の装輪装甲車が開発されていった。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’01

＜ＢＡ−３０＞：ソ連陸軍の装甲ハーフトラック。1937年にNATI-3半装軌貨物トラックをベースに製作された。車体は厚さ6mmの装甲板で構成され、7.62mm機銃DT（1512発）銃塔を搭載する。全長4.94m、全幅2.4m、全高2.34m、重量4.6トン。エンジンはGAZ-M1ガソリン（50馬力）、路上最大速度37km、航続距離165-253km。採用されたが、機動力が貧弱で、1937年中に少数のみ生産された。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER12,’99

＜ＢＡ−６４シリーズ＞：ソ連陸軍４輪軽装甲車。1941年から４輪駆動多用途車GAZ-64の装甲化バージョンとして開発され、秋には試作車が完成し、1942年3月に採用されて早速生産された。参考：月刊PANZER1,’00、世界の軍用車両(4)

　＜ＢＡ−６４＞：Sd.Kfz.222に似た面取の小さな車体に、7.62mm機銃DT１丁（1260発）をオープントップマウントに搭載した銃塔を載せている。仰角を大きく取ることができ、高度500mまでの対空射撃が可能。全長3.66m、全幅1.52m、全高1.875m、重量2.4トン。装甲厚4-11mm。エンジンはGAZ-MMガソリン（50馬力）、最大速度80km、航続距離500-560km。無線機はRBまたは12-RP。乗員３名（２名？）。当初は戦況が苦しく、生産が進まなかったが、1943年春までに3901両を生産した。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER1,’00

　＜ＢＡ−６４Ｂ＞：GAZ-67をベースとし、ホイールベースを拡大したタイプ。1943年から量産され、信頼性の高さと優れた性能からボビーク（猟犬）という渾名が付いた。操縦席左右にはピストルポートを兼ねたスライド式の開口部がある。搭載機銃弾数は1074発に減った。全長3.66m、全幅1.69m、全高1.9m、重量2.425トン。エンジンはGAZ-MMガソリン（50馬力）、最大速度80km、航続距離500km。無線機は12-RP。1946年までに5200両（3500両？）が生産され、東欧諸国にも供与された。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER1,’00

　＜ＢＡ−６４Ｄ＞：武装強化型で、武装を12.7mm重機関銃DShKとした。採用されず。参考：月刊PANZER1,’00

　＜ＢＡ−６４Ｅ＞：偵察車型。銃塔を外し、車体後部に3-4名の偵察員用座席とアクセスドアを設けた。11両が1943年3月に生産され、実戦テストが行われた。参考：月刊グランドパワー2,’05

　＜ＢＡ−６４Ｇ＞：鉄道軌道用。1942年秋に試作され、小数が運用された。参考：月刊グランドパワー2,’05

　＜ＢＡ−６４−３＞：BA-643かも。雪上偵察型で、前輪をソリに、後輪を履帯駆動にした。1943年1月に試作されたが、採用されなかった。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER1,’00

　＜ＢＡ−６４Ｚｈ／Ｄ＞：鉄道軌道用。採用されなかった。参考：月刊PANZER1,’00

＜ＢＡ−６４ファミリー＞

　＜ＢＡ−６４Ｋ＞：司令部用。兵員輸送型がベースで、各種通信機材を搭載する。採用されず。参考：月刊PANZER1,’00

　＜ＢＡ−６４（装甲兵員輸送車）＞：試作装甲兵員輸送車型。乗車兵員６名。採用されず。参考：月刊PANZER1,’00

＜ＢＡ−６４海外シリーズ＞

　＜ＳＫ−１＞：東ドイツ陸軍装甲車。コピー生産型で、ローバー・ギャラン30Kのシャシーを使用している。1953年から量産し、ハンガリーやブルガリアに輸出もされた。参考：月刊グランドパワー2,’05、月刊PANZER1,’00

＜ＢＡ１０２＞：イタリア空軍の500ポンド通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＡ１０３＞：イタリア空軍の1000ポンド通常爆弾。全長2.89m、直径0.356m、翼スパン0.50m、重量454kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＡ１０４＞：イタリア空軍の2000ポンド通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＡ−２０３（ｒ）＞：BA-3海外シリーズ（装甲車）またはBA-6海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｂａ３４９＞：ドイツ空軍の垂直発射（テイルシッター）式ロケット迎撃戦闘機、別名ナッター（Natter、マムシまたはヤマカガシ）。1939年にエーリッヒ・バッヘム技師が提案し、この時は採用されなかったが、ハインリッヒ・ヒムラーの後押しで1944年8月から開発された。機体は全木製で、短い直線翼が付けられており、ラダーとエレボンのみでコントロールする。高さ24mの垂直発射機から固体ロケットブースターで射出され、ヴァルター109-509A-2ロケットで上昇、無線誘導で爆撃機編隊に向かう。目標を捉えると、機首のカバーを吹き飛ばしてR4M空対空ロケット弾33発またはHs217（Hs127？）ロケット弾24発を斉射する。攻撃後はパラシュート脱出し、後部胴体もパラシュート降下して再利用される（通常の着陸を行う？）。1944年12月18日に無人発射に成功。1945年2月28日に有人発射したが、失敗してパイロットは死亡した。36機が完成して10機が配備されたところで終戦を迎え、実戦使用はされていない。全長6.1m、全幅3.61m、全高2.66m、自重800kg、全備重量2200kg（ロケットブースター含む）。推進はヴァルター109-509A-2ロケット（推力1700kg）＋シュミッディッヒ109-533ロケットブースター（推力500kg）４本、最大速度800km（1000km？）、実用上昇限度14000m、戦闘行動半径40km。兵装は55mmロケット弾R4M33発または73mmロケット弾Hs217フェーン24発。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録、グラフィックアクション29、月刊世界の艦船7,’11

＜ＢＡ６０９＞：AW609（ティルトローター機）を参照。

＜ＢＡ−６４３＞：BA-64シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＢＡＡＤ＞：Bomber Assurance And Deterrence（爆撃機保証抑止展開）の略。参考：月刊航空ファン11,’17

＜ＢＡＣ＞：ブリティッシュ・エアクラフト・カンパニーの略。ブリストル・エアロプレーン、イングリッシュ・エレクトリック、ハンティング・エアクラフト、ヴィッカーズ・アームストロングをイギリス政府が統合して1960年に誕生させた航空機会社である。1977年にBAeになった。参考：月刊軍事研究2,’08、月刊JWings5,’12

＜ＢＡＣ１４５＞：ジェット・プロボスト・シリーズを参照。

＜ＢＡＣ１６７＞：BAe社の軽攻撃機、別名ストライクマスター。ジェット・プロボストMk5のエンジンと機体を強化し、攻撃機としての能力を向上させた。主翼下に８カ所のハードポイントを持つ。全長10.27m、全幅11.25m、自重2.81トン、全備重量5.125トン。翼面積19.8平方メートル。エンジンはロールスロイス社製バイパーMk535ターボジェット（推力1.547トン）単発、巡航速度280ノット、最大速度391ノット、上昇限度40000フィート（12192m）、戦闘行動半径656km。固定武装は機首の7.62mm機関銃FN（550発）２丁。兵装搭載量1.36トン。乗員1-2名。イエメン、エクアドル、オマーン、クウェート、ケニア、サウジアラビア、シンガポール、スーダン、ニュージーランドなどで採用された。参考：空軍、ザ・マーチ５号、軍事力バランス78年版

＜ＢＡＣＣＥ・ＢＬ／ＥＲＥ＞：Bilateral Air Component Coordinaｔion Element・Bilateral Logistics and Engineering Readiness Element（共同航空構成部隊調整エレメント・共同兵站／工兵即応エレメント）の略。日米航空作戦・兵站・工兵（航空施設）関連の作戦調整を行う場所で、横田基地の航空総隊司令部庁舎地下に設置されている。参考：月刊軍事研究5,’15

＜ＢＡＣＥ−Ｐ＞：アメリカ空軍とフィリピン空軍の共同訓練Bilateral Air Contingent Exchange-Philippines。2016年に開始された。2019年1月中旬に第７回がマニラ北方バサ基地で行われ、アメリカ州兵航空隊第121戦闘飛行隊F-16C戦闘機とフィリピン空軍第７戦術戦闘飛行隊FA-50戦闘機が対戦闘機戦闘訓練などを行った。参考：月刊航空ファン4,’19

＜ＢＡＣＮ＞：アメリカ軍のデータ統括中継装置で、戦場空中通信結節（Battlefield Airborne Communications Node）の略。通称は空飛ぶWi-Fi。インターネット・プロトコルを利用した通信情報中継システムで、異なる方式の通信手段やデータリンク間でも情報の中継を可能とする。陸海空軍全ての部隊間通信（リンク16やF-22A戦闘機用編隊間データリンクIFDLなど）を水平線以遠で中継でき、アメリカ軍と共通のデータリンクを使用している他国軍との共同作戦時にも有効である。2005年4月に開発契約が結ばれ、NASAのWB-57Dに試作版を搭載して2006年（2005年？）からテストが行われ、2009年にアメリカ空軍で制式採用され、E-11AとEQ-4Bに搭載された。参考：月刊軍事研究7,’13、月刊JWings10,’09、1,’12、4,'21、月刊丸2,’12、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＡＤ＞：Boevaya AvtoDrezina（戦闘用自動トロリー）の略。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜ＢＡＤ−１＞：ソ連陸軍試作装輪装甲車。フォードAA貨物トラック（AMO-F-15トラックともいわれる）のシャシーに操縦室前面10mm・他部位6mm厚の装甲ボディを装着し、車体中央と後部に装甲厚4mmの旋回式銃塔を搭載している。タイヤは通常のゴムタイヤなので、装甲カバーで下の方まで覆ってあるが、不整地では地面に引っかかったりした。タイヤの上から鋼製のディスクを装着すると軌道上も走行できる。武装は銃塔と操縦手右のボールマウントに搭載された7.62mm機銃DT計３丁（3000発）。他に予備２丁を積んでいる。全長5m、全幅2.1m、全高2m、重量3.17トン。エンジンはフォード−AAガソリン（40馬力）、最大速度50km（路上）／100km（軌道上）、路上航続距離200km。乗員４名。1931年に開発されたが、路上での走行性能が低く、量産はされなかった。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜ＢＡＤ−２＞：ソ連陸軍試作水陸両用装輪装甲車。フォード・ティムケン６×４輪貨物トラックのシャシーに、イジョルスキー製鋼所製の舟艇型装甲車体、37mm戦車砲B-3（60発）装備の砲塔、7.62mm機銃DT装備の銃塔を搭載したものである。操縦席右には7.62mm機銃DT装備の銃座があり、機銃弾は計3000発を搭載。後２軸はダブルタイヤで、側面はカバーで覆われており、不整地踏破用履帯を装備でき、鋼製タイヤに換えれば軌道上も走れる。浮航性能確保のため、装甲厚は4-6mmと薄い。車体前部両側面には煙幕展開ノズルがあり、車内に煙幕用20リットル燃料タンクを搭載している。無線機は71-TK-1。全長5.28m、全幅2m、全高2.36m、重量4.6トン。エンジンはGAZ-AA（40馬力）、最大速度70km（路上）／90km（軌道上）、浮航速度6km（スクリュー）。乗員４名。1932年から開発し、1933年5月1日のパレードで公開されたが、戦闘能力には欠けるとみられ、量産されなかった。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜ＢＡＤＧＥシステム＞：航空自衛隊の防空システムで、BADGE（バッジ）はBase Air Defense Ground Environment（自動警戒管制システム）の略。指揮命令・航跡情報などを伝達・処理する全国規模の指揮通信システムで、日本の周囲空域を常時警戒し、短時間で侵入機の探知識別、要撃管制を行う。アメリカのSAGEに次ぐ世界２番目の警戒管制システムとして1968年3月に領収され、1988年度と2008年度に近代化されて運用され続けている。参考：月刊JWing6,’03、月刊軍事研究7,’14、6,’10

　＜ＢＡＤＧＥシステム（初代）＞：通称ビッグウェポン。それまでは防空監視所で得た航跡情報を音声で防空司令所に伝達し、人間が不明機かどうか識別してスクランブルの指示を出していたが、速さと確実さに欠けており、またF-104Jやナイキ・アジャックスが配備されてデータリンクが使えるようになったため、防空に必要な監視、航跡情報表示、識別、兵器割り当て、戦闘機要撃管制などをコンピュータで自動化し、防空の時間短縮を図り、ヒューマンエラーを防ぎ、同時多数機運用能力を向上させるのを主目的に導入した。アメリカのヒューズ社が開発したSAGEシステム（TAWCS、Tactical Air Weapon Control System）を日本アビオトロニクス社（日本電気とヒューズの合弁企業）が自衛隊用にアレンジしており、GE社、リットン社に勝って1963年7月に選定され、1964年12月に航空警戒管制組織の自動化という名称で日本アビオトロニクス社と契約を締結（同社が主契約社、日本電気とヒューズが下請け支援）した。防空組織は府中の航空総隊作戦指揮所を頂点とし、北部航空方面隊が担当する北部防衛区域、中部航空方面隊が担当する中部防衛区域、西部航空方面隊が担当する西部防衛区域に分かれる。北部防衛区域には三沢防空指揮所／防空指令所、当別・大湊・山田・襟裳・加茂・奥尻島・網走・稚内の各防空監視所、根室のMSSが設けられている。中部防衛区域には入間防空指揮所があり、峯岡山防空指令所、峯岡山・大滝根山・佐渡の各防空監視所、御前崎のMSSからなる峯岡防衛区と、笠取山防空指令所、笠取山・輪島・串本・経ヶ岬の各防空監視所からなる笠取防衛区に分かれている。西部防衛区域には春日防空指揮所／防空指令所、背振山・見島・福江島・高畑山・下甑島・高尾山の各防空監視所、海栗島のMSSが設けられている。各防空監視所に配置された防空レーダーが目標を捉えると、RTS-�Uレーダー追尾装置が目標を自動追尾し、目標情報をデジタル化してRTS-�Uコンソール及び測高コンソールに表示すると共に、HC-270地上データリンク装置で防空指令所に送る。防空指令所ではHC-270地上データリンク装置を経由してH-330B迎撃計算機が目標情報を受け取り、大型カラーデータスクリーン（敵シンボルは赤で表示される）と指揮用、監視統制、識別、兵器割当、要撃管制の各ブラウン管コンソールに目標の航跡を表示し、敵味方識別や隣接防空監視所からの情報との統合を行い、要撃機または地対空ミサイルの要撃を試算して兵器を割り当て、要撃機を目標に誘導するための指令諸元を計算する。最も脅威度が高いのは高速目標なので、防空指令所の戦況表示スクリーンに目立つ長い矢印で表示されるようにした。要撃機への目標情報伝達は、目標情報をHC-270地上データリンク経由で防空監視所のRTS-�Uに送り返し、時分割データリンク（F-104J）または対空無線機による音声指示（F-86F/F-86D）で行う。地対空ミサイル部隊（空自ナイキ部隊と一部陸自ホーク部隊）にはSAMバッファーで情報を伝達するが、地対空ミサイル部隊の指揮統制自体は対空戦闘指揮装置という別のシステムが実施する。H-330Bで処理した目標情報は北部・中部・西部航空方面隊司令部の防空管制所及び航空方面隊作戦指揮所（SOC）にも送信されるので、航空方面隊での状況を一手に把握できる。更にこれらの情報はHC-270地上データリンクを介して航空幕僚監部作戦室と航空総隊作戦指揮所（COC）に送られ、H-311B迎撃計算機が統合して大型カラーデータスクリーンと指揮用ブラウン管コンソールに表示するので、全国の防空状況を把握し、指揮管制することが可能である。完成当時は世界最高と呼ばれる能力を持っていたが、コンピュータの性能に限界があり、一部のみが自動化されているに留まっていた。また防空監視所に配備されていたレーダーがAN/FPS-3またはAN/FPS-20で、AN/FPS-6測高レーダーを別に用意しないと高度を測れない旧式であり、電子戦能力にも欠けていた。防空指揮所と防空管制所のデータリンク回線も容量が小さく、防空監視所にも要撃管制幹部を配置する必要があった。建設総額は250億円。1968年3月に領収されてシステム運用能力点検評価に入り、1969年3月26日1200から全防衛区域（北部、中部、西部）で昼間８時間の運用された（夜間は手動）。ただ当初は防空指令所のコンピュータが不具合で止まりまくり、バックアップのコンピュータが無いのでその度に手動に切り替えて対応する必要があり、切り替え時間を短縮する訓練まで行っていた。また、RTS-�Uも作動が不安定で、オペレーターが常時レーダーの感度を調節する必要があり、目標自動探知追尾とは名ばかりの状態であった。F-104Jのレーダー上に突拍子も無い目標情報が表示されることがあり、防空指令所に確認を入れる必要も出た。こういった不具合に対する修正要求が毎年３桁に達する状況だったが、新編した航空総隊プログラム管理隊がソフトウェアを改修し、５年かけて作動を安定させている。また、将来の運用要員を育成するため、第５術科学校第３分校でBADGEシステム関連の教育も開始した。1972年5月15日、沖縄が返還されて南西防衛区域が誕生したが、カバーしきれず手動方式のままで防空を行っていた。1975年10月1日、防空指令所のコンピュータが二重化され、24時間運用が開始された。参考：月刊軍事研究7,’14、11,’14、11,’05、7,’09、6,’15、月刊JWings4,’04、日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981、月刊航空ファン1,’15

　＜新ＢＡＤＧＥシステム＞：南西防衛区域も含めた全防衛区域の自動化、指揮統制機能及び通信回線統制機能の追加を主眼とした改良型で、1984年3月に自動警戒管制組織の近代化という名称で日本電気を主契約社として契約が結ばれた。短期国債契約の最大期間５年間での一括契約（導入総額960億円）で、航空総隊司令部指揮所の地下移設といった施設整備なども含めて５年で終わらせるのは無理という意見もあったが、1987年3月31日に中部航空方面隊用システムの領収が完了して入間で稼働し、1988年3月に全システムの領収を終え、1989年3月30日（4月1日？）に全システムの運用が開始され、期間内に収めきった。BADGEシステムで手動だった南西防衛区域を自動化し、中部防衛区域の笠取山・峯岡山防空指令所を入間防空指揮所に統合、各防衛区域を単一の防空指令所で自動運用できるようにしている。航空総隊作戦指揮所と航空方面隊作戦指揮所で迅速・効率的な作戦指揮が行えるよう、指揮統制機能を付加して作戦計画作成や作戦現況表示などを自動化し、通信回線統制機能も強化して一部が故障しても迂回して通信機能を維持できるようにした。レーダー自動探知装置、追尾計算機、要撃計算機、新型コンソール、状況表示装置、データリンクなどからなり、航空幕僚監部作戦室、航空団戦闘指揮所、高射群戦闘指揮所などの各レベル戦闘指揮所を新たに構成に含め、各作戦室・指揮所に日本周辺空域の航跡を全て表示するシステムを設置、組織末端や統合気象通信システム、飛行管理情報処理システムなどまでデータリンクで結び、上級司令部から前線部隊まで同時に状況が認識できるようにしている。各航空方面隊と南西航空混成団の司令部所在地（三沢、入間、春日、那覇）に１個の防空司令所が置かれ、防空司令所と防空管制所が統合された。全国28カ所の防空監視所にあるレーダーからの情報はそのまま防空司令所に送られ、複数の防空監視所の情報を防空司令所で纏めて処理することで、探知・追尾精度を向上させている。防空司令所のコンピュータやコンソールも改良され、処理速度の向上が図られている他、警戒管制組織を自動化して全国的な自動処理システムを構築し、通信機材も改善して航空方面隊内のどの防空監視所を経由しても直接に要撃管制が行えるようになった。E-2CとF-15Jとの直接データリンクも可能。防空監視所の防空レーダーは三次元レーダーのJ/FPS-1/-2/-3に順次換えられ、後にJ/TPS-100/-101/-102といった移動警戒監視システムともリンクできるようになった。通信容量増大に合わせて電話電子交換機は強化され、ケーブルには光ファイバーを採用、雷や電波ノイズにも強くなっている。航空警戒管制機能のソフトウェアはアメリカ製だが、指揮統制機能と通信回線統制機能のハード・ソフトは国産化した。ソフトウェアの改修は製造会社が行い、航空開発実験集団電子開発実験群も航空警戒管制機能シミュレータを使用した改良研究を実施している。エレクトロニクスの急速な進歩に追いつけず、最初に導入した部分が全システム運用開始時点で既に旧式化していて、更に全機器が買い取りだったため容易に換装できないという欠点があった。1992年度から指揮統制機能が近代化され、1997年に航空総隊指揮システムとして独立した。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings4,’04、月刊軍事研究7,’14、11,’05、6,’10、11,’14、12,’15

　＜ＪＡＤＧＥシステム＞：Japan Aerospace Defence Ground Environmentの略。新BADGEシステムの航空警戒管制機能に統制機能を付加、弾道ミサイル防衛システムを組み込み、通信回線統制機能を作戦用通信回線統制システムとして別個の事業管理としたタイプ（指揮統制機能は航空総隊指揮システムとして独立済み）で、航空警戒管制及び弾道ミサイル防衛におけるネットワーク型戦闘（NCW）の中核をなし、連接各部隊が各種戦術情報を同時共有することを目指している。2002年度から航空機・巡航ミサイル対処用としてシステム設計製造を開始、2003年12月のBMDシステム整備閣議決定により2004年度からシステムへの弾道ミサイル対処機能付加が始まり、2007年に完成、同年2月18日から入間基地に「航空機対処機能を有するシステム」という名称で導入されており、2009年1月27日の府中基地への「航空総隊航空作戦管制所用システム」導入で主要機材の整備を完了し、7月1日から全国で運用が始まった。弾道ミサイル防衛では航空総隊司令官がBMD対処統合任務部隊（J/FPS-3UG/-5レーダー、イージス艦、ペトリオットPAC3など）を航空総隊作戦指揮所航空作戦管制所で一元的に直接指揮し、分秒単位での判断・措置を行う必要があるため、航空総隊・航空作戦管制所には弾道ミサイル対処・航空機対処の両方の機能を付与しており（航空方面隊・防空指令所は航空機対処のみ）、弾道ミサイル対処の際には各種BMDセンサーからの目標情報（イージス艦からはリンク16、ペトリオットからはペトリオット・データリンク経由）を統合、センサーの指向方向を指揮統制し、兵装に目標を割り当て、目標航跡情報を伝達する。航空作戦管制所と各末端とのリンクは、イージス艦がリンク16、その他が空自航空総隊指揮システム、海自海上作戦部隊指揮管制支援システム、陸自師団通信システム、陸自方面隊電子交換システム、防衛省中央指揮システムである。航空機対処では、処理能力の向上により、航空方面隊の防衛範囲を変更したり、防空指令所の担当セクターを超えた広範囲作戦を行ったり、複数の航空方面隊を一元運用したり、航空総隊が戦力を直轄運用したりと、柔軟な戦力運用が可能になった。E-767やE-2Cとはリンク16、F-15やF-4やF-2とは時分割データリンクで連接されている。処理システムを中央一括処理型からネットワーク分散処理型に変更しており、構成用品も完全購入から借り上げとし、サーバー定期換装や民用品導入による改良を容易にした。主契約社はNECで、総整備費は904億円。ごく一部のソフトウェアを除いてハードウェアもソフトウェアも国産である。運用開始当初はアメリカのBMDシステムとは衛星データリンクのみで連接されていたが、2008-10年度にAN/TPY-2FBXRTレーダー、2009-11年度にアメリカ軍早期警戒管制システムとデータリンクした。2010年度、リンク16による要撃管制機能を追加し、F-15J近代化改修機とリンク16を介したデータリンクが可能となった。2011年度、下甑島、佐渡、大湊、与座岳分屯基地のJ/FPS-5とリンクを完了した。2012年度、第１回のコンピュータ等定期換装を実施。ハード換装に合わせてソフトウェアもバージョンアップした。2012年度から03式中距離地対空誘導弾とのリンク強化改良を実施。2013年度から自衛隊デジタル通信システム（戦闘機搭載用）との連接実用試験を実施。26中期防で新型イージス艦、J/FPS-7地上レーダー、PAC-3MSE、F-35A、AEW/AWACSを導入することから、更なる改良を加える予定。2018年度予算でロフテッド弾道、複数弾道ミサイル同時発射、事前察知が困難な攻撃への対処能力を向上させる改修を行う予定。参考：月刊軍事研究7,’14、11,’05、1,’12、10,’09、6,’10、11,’17、月刊航空情報10,’05、月刊JWings11,’07、10,’09別冊付録、朝雲

＜ＢＡｅ＞：イギリスの航空企業で、British Aerospace（ブリティッシュ・エアロスペース）の略。1977年に航空造船業法によりイギリス国有企業として編成されたもので、BAC、ホーカー・シドレー・アビエーション、ホーカー・シドレー・ダイナミックス、スコティッシュ・アビエーションなどが合併して誕生した。ブラックバーン、デ・ハビランド、ホーランド・アブロといったメーカーは1960年代にホーカー・シドレー・グループに吸収合併されており、イギリスの航空メーカーが総統合された形である。サッチャー政権時代の1981年（1979年10月末？）、過半数（51.7%）の株式を売却し、民営化された。1985年、イギリス政府は黄金株（拒否権付き株式）のみを残して保有株式全てを売却したが、外国人及び外国企業が保有できる株式の上限は29.5%に制限された。1987年にロイヤル・オードナンスとバラストネダム（オランダの建設会社）、1988年にローバー・グループなども傘下に収めたが、拡大しすぎて経営が傾いたため、1990年代にローバー・グループをBMWに、ビジネス機部門であるBAeコーポレートジェットをレイセオン社に売却、バラストネダムなども売却し、軍事産業に特化した。1991年、ヘッケラー＆コッホ社を買収。シーマ社と共同でBAeシーマ社を設立。1995年、サーブ・ミリタリー・エアクラフト社と共同でグリペン・インターナショナルを設立。1996年、マトラ・ディフェンス社と共同でマトラBAeダイナミクスを設立。1999年1月、GECマルコーニ（マルコーニ・エレクトロニク・システムズ）を買収、BAEシステムズ社に改称した。参考：月刊世界の艦船6,’05、月刊JWings10,’04、12,’06、5,’12、月刊軍事研究1,’05、9,’07、2,’08

＜ＢＡｅ１４６シリーズ＞：ホーカーシドレー社の４発リージョナル旅客機。原型機は1981年9月3日に初飛行し、1993年までに各型計219機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＢＡｅ１４６−１００＞：主翼は高翼配置。全長26.16m、全幅26.34m、全高8.16m、運航自重21.34トン、最大離陸重量34.473トン。エンジンはアブコ・ライカミングALF502R-3（推力3.04トン）４発、経済巡航速度383ノット、運用限界速度マッハ0.7、燃料容量11547リットル＋1363リットル、航続距離1352海里。最大ペイロード8.618トン。乗員２名＋乗客60名。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＢＡｅ１４６−２００＞：BAe146-100の胴体を2.39m延長し、客席数を85席級にしたもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＢＡｅ１４６−３００＞：BAe146-100の胴体を2.44m延長し、客席数を100席級にしたもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＢＡｅ１４６Ｍ＞：軍用型で、空中給油装置を搭載している。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＢＡｅ１４６ＭＳＬ＞：BAe146QTをそのまま軍用にしたもので、上開き貨物ドアが付いている。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＢＡｅ１４６ＳＴＡ＞：BAe146QTがベースの軍用輸送機型。ペイロードは7.6トンあり、横幅1.52mのスライドドアから標準型軍用パレットサイズの貨物を空中投下できる。空挺隊員60名を搭載可能。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＢＡｅ２４６＞：搭載重量を増やし、機体後部にローディングランプを装着したタイプ。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＢＡｅ１４６ファミリー＞

　＜ＢＡｅ１４６Ｃ．Ｍｋ３＞：イギリス空軍の輸送機。イギリス国防省がベルギーのTNTエアウェイズから２機購入したBAe146-200QCを改造したもので、94名を運ぶ兵員輸送機または10.6トンの貨物を運ぶ貨物輸送機として使用でき、両者の転換も短時間で済む。2013年から運用試験を行っており、4月からアフガンに派遣される予定。参考：月刊JWings7,’13

＜ＢＡｅ７４８＞：HS748シリーズ（輸送機）を参照。

＜ＢＡｅシーマ社＞：BAeとフランスのシーマ社が50%ずつ出資して1991年に設立した海軍システム開発ジョイントベンチャー企業。1992年、ドウティグループ社とシーマ社の海軍システム関連合弁企業であるドウティ・シーマ社を買収した。1994年、UKAMSに出資。1998年にBAeがシーマ社の保有する株式を全て買収して完全子会社にした。参考：月刊軍事研究2,’08

＜ＢＡＥシステムズ社＞：イギリスの軍事企業。元はBAe（ブリティッシュ・エアロスペース）だが、現在のBAEは特に何の頭文字ということは無く、マルコーニ・エレクトロニク・システムズの買収に伴い1999年に改称した。本来はBAe、DASA、アエロスパシアルの欧州航空防衛企業で統合してEADC（欧州航空防衛会社）になる予定だったが、BAeがスーパーコンピュータで合併交渉をシミュレートしたところ、３社で交渉しても手詰まりになるので、マルコーニを買収して企業価値を高めた後で４回交渉すれば上手くいくという結果だった。その後の３社交渉でアエロスパシアルが抜けたため、BAe、DASA、GECで合併話が進められることになった。GECはマルコーニを高値で売却しようとロッキード・マーチンとノースロップ・グラマンからも買収を持ちかけられているような気配を見せたため、BAeはアメリカ企業にマルコーニを買収されてイギリス市場に食い込まれるのを防ごうと、自らマルコーニを合併する手段を取った。ちなみに交渉から弾かれたDASAはアエロスパシアルとの合併を選んでいる。2002年、ヘッケラー＆コッホ社を売却。2004年9月2日、GDLS社に先手を打ってオルビス・ヴィッカース社と傘下のロイヤル・オードナンス社を買収、BAEシステムズ・ランドシステムズとした。2005年、アメリカのユナイテッド・ディフェンス・インダストリーを買収し、BAEシステムズ・ランド・システムズと合併してBAEシステムズ・ランド・アンド・アーマメントシステムズとした。スウェーデンのヘグルンドを傘下に収め、BAEシステムズABとした。BAEシステムズ・アビオニクスがガリレオ・アヴィオニカと合併してセレックス・センサー・アンド・エアボーン・システムズになった。アトラス・エレクトロニクをティッセンクルップとEADSに売却。2007年、イギリスのVTグループと軍艦建造部門を統合する方針で合意。2007年5月、アメリカのアーマー・ホールディングスを買収。2007年末現在、BAEシステムズ・オーストラリア、BAEシステムズ・プロダクツ・グループ（旧アーマー・ホールディングス。セキュリティ・個人装備部門）、CS&Sインターナショナル（中東向けマーケティング部門）、ミリタリー・エア・ソリューション（航空機部門）、カスタマー・ソリューション（アメリカ担当）、BAEシステムズ・シップリペア（通常動力艦船補修近代化部門）、エレクトロニクス＆インテグレイテッド・ソリューションズ（電子機器部門）、ランド＆アーマメント（旧オルビス・ヴィッカーズ。陸上兵器部門）、リージョナル機部門、サブマリン・ソリューション（潜水艦部門。原潜などを建造）、サーフィス・フリート・ソリューション（水上艦部門）、アンダーウォーター・システムズ（水雷兵装・UUV部門）、シェアード・サービス（総務部門）と計13の事業グループを要する巨大軍事会社である。ユーロファイター社、グリペン・インターナショナル、MBDA、セレックス・センサー・アンド・エアボーン・システムズ、サーブの株式を保有している。2008年、兵器販売世界一となった。2009年4月、装甲戦闘車両関連部門のリストラを発表し、主力戦車の開発生産から撤退した。2010年、保有するサーブ株を全て売却。2012年5月からEADSとの合併交渉に入ったが、株主である各国政府の横槍が入ったらしく、10月9日にドイツのメルケル首相からフランスのオーランド大統領に交渉打ち切りを一方的に通告する電話があり、10月10日に合併断念を発表した。2020年1月、ユナイテッド・テクノロジーズ傘下のコリンズ・エアロスペースを買収した。5月5日、レイセオン・テクノロジーズ社軍用通信部門を買収した。2022年4月6日、日本子会社BAEシステムズ・ジャパン合同会社（BAE Systems Japan GK）を設立した。参考：月刊世界の艦船6,’05、月刊JWings10,’04、12,’06、1,’13、5,’12、7,’19、7,'20、8,'20、6,'22、月刊軍事研究1,’05、9,’07、2,’08、9,’10、2,’13

＜ＢＡＥシステムズ・ランドシステムズ・サウスアフリカ社＞：BAEシステムズ社の子会社。傘下にランドシステムズ−OMC社（車両担当）、ランドシステムズ・ギアレシオ社（トランスミッション担当）、ランドシステム・ダイナミックス社（システム担当）を持つ。BAEシステムズ社が75%、南アフリカのDGDテクノロジー社が25%の株式を保有している。2014年、デネル社の傘下となり、デネル・ヴィークル・システムズ社になった。参考：月刊軍事研究12,’08、12,’16

＜ＢＡＥシステムズ・ランドシステムズ・サウスアフリカ−ＯＭＣ＞：オルビス・サウスアフリカ社が、親会社のオルビス・ヴィッカーズ社のBAEシステムズ社への買収に伴い改名したもので、BAEシステムズ・ランドシステムズ・サウスアフリカ社の子会社であり、車両開発製造を担当している。参考：月刊軍事研究1,’05、12,’08

＜ＢＡＩ＞：戦場航空阻止またはバックアップ航空機保管を参照。

＜ＢＡ−Ｉ＞：ソ連陸軍６輪装甲車。シャシーはBA-27Mで、車体を8mmの圧延鋼板で製作し、電気溶接を多用、操縦室前面右に7.62mm機銃DTのボールマウントを搭載した。37mm戦車砲SH-18（右）１門と7.62mm機銃DT（左）１丁を搭載する小型砲塔を有しており、車体銃手が戦車砲の装填手を兼ねる。1932年にイジョルスキー工場で少数が製作され、BA-3の基となった。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’01

＜ＢＡＫ−１２型バリア・アブソーバー＞：航空自衛隊の緊急着陸用アレスティングワイヤ。リング状のスペーサー（通称ドーナツ）により、滑走路から少し浮かせた状態で設置される。双日エアロスペースが受注している。アメリカ空軍も使用しており、横田基地にも設置されている。参考：月刊JWings6,’07、9,’16、月刊軍事研究8,’15

＜ＢＡＬ−１９＞：カナダ軍の70mm空対地ロケット弾ポッド。CVR-7ロケット弾を19発収容する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＡＭ＞：メテオロ級（哨戒艦）を参照。

＜ＢＡＭ−ＩＳ＞：スペイン海軍計画潜水艦救難艦Buque de Acción Marítima de Intervención Subacuática。メテオロ級哨戒艦がベースで、NATO潜水艦救難システムNRSSを搭載し、水深600m級の潜水艦救難に対応できる。SRDRS救難用ROV２隻を搭載可能。１番艦はポセイドン（Poseidon）の予定。参考：月刊世界の艦船9,’23、10,’23

＜ＢＡＭＳ＞：Broad Area Maritime Surveillanceの略。

＜ＢＡＭＳ−Ｄ撃墜＞：2019年6月20日0405（現地時間）にホルムズ海峡近くでイラン領空を侵犯したアメリカ軍RQ-4無人偵察機を地対空ミサイルで撃墜したと、イラン革命防衛隊が発表した。アメリカ海軍は撃墜されたのがMQ-4C洋上哨戒機プロトタイプの広域海洋捜索実証機BAMS-D（Broad Area Maritime Surveillance-Demonstrator）で、領空は侵犯していないとしている。アメリカは5月以降のホルムズ海峡でのタンカー攻撃をイラン革命防衛隊によるものとして警戒を強めており、プロトタイプを先行投入して偵察監視にあたっていたらしい。アメリカ政府強硬派は地対空ミサイル陣地攻撃を提案、トランプ大統領も一旦は許可したが、イラン側に戦死者150名が出るという予測を受けて過度の報復と判断、作戦開始10分前に中止を指示した。参考：月刊JWings9,’19

＜ＢＡＭＳＥ＞：スウェーデン軍の拠点防空システム。RBS-70/-90とホークの間を埋める射程10kmクラスの防空ミサイルとして1989年から開発された。システムは全て車載または車両牽引式で、戦闘管制ユニット（CCU）と射撃管制ユニット（FCU）で構成され、１個中隊は１個CCUと２個FCU（最大４個まで可）からなる。CCUは６輪トラックに車載されており、荷台のコンテナに管制装置、コンテナ上部にジラフAMB三次元捜索レーダー（捜索範囲100km）の折り畳み式アンテナが用意されている。FCUは２軸４輪トレーラー上にRBS23ミサイル（射程15km）連装ランチャー（縦に重なっている）を２基並べて装着し、その間に伸縮式マストを装備して先端にエリクソン社製イーグル射撃統制レーダー（Kaバンド）、赤外線画像システム、テレビカメラ２基、IFF、気象レーダーを搭載したもので、予備弾を積んだトラックにより牽引される。CCUとFCUは10km離して配置され、互いに8000型無線通信システムまたは有線システムによりリンクする。陣地進入から10分で発射準備を完了でき、スタンドオフ兵器、誘導爆弾、対レーダーミサイルの迎撃も行えるとされ、後方固定施設を経空脅威から防衛することが可能。2005年から配備中。参考：月刊PANZER1,’13、月刊軍事研究4,’01、12,’07、6,’01、朝雲

＜ＢＡＰ＞：Baltic Air Policing（バルト領空警備）の略。NATO軍によるバルト３国の領空警備飛行で、2004年から実施された。NATO連合航空軍団ウェーデム合同航空作戦センター固定防空センターが担当し、リトアニアのシャウレイ基地にNATO加盟国が交代で戦闘機を派遣、スクランブル任務に就く。ロシアを刺激しないよう、機数は４機くらいで、ローテーション期間も４ヶ月と短い。2004年3-7月、ベルギー空軍がF-16AMを派遣。7-10月、デンマーク空軍がF-16AMを派遣。10月から2005年1月、イギリス空軍がトーネードF3を派遣。2004年12月から2005年3月、ノルウェー空軍がF-16AMを派遣。2005年3-7月、オランダ空軍がF-16AMを派遣。6-9月、ドイツ空軍がF-4Fを派遣。9-12月、アメリカ空軍がF-16CJを派遣。12月から2006年3月、ポーランド空軍がMiG-29Aを派遣。2006年3-8月、トルコ空軍がF-16Cを派遣。8-12月、スペイン空軍がミラージュF1Mを派遣。12月から2007年4月、ベルギー空軍がF-16AMを派遣。2007年4-8月、フランス空軍がミラージュ2000Cを派遣。8-12月、ルーマニア空軍がMiG-21を派遣。11月から2008年1月、ポルトガル空軍がF-16AMを派遣。2007年12月から2008年3月、ノルウェー空軍がF-16AMを派遣。2008年3-7月、ポーランド空軍がMiG-29Aを派遣。7-11月、ドイツ空軍がF-4Fを派遣。10月から2009年2月、アメリカ空軍がF-15Cを派遣。2009年2-5月、デンマーク空軍がF-16AMを派遣。5-8月、チェコ空軍がJAS39Cを派遣。8-12月、ドイツ空軍がユーロファイターとF-4Fを派遣。2010年1-4月、フランス空軍がミラージュ2000Cを派遣。4-9月、ポーランド空軍がMiG-29Aを派遣。9月から2011年1月、アメリカ空軍がF-15Cを派遣。2011年1-4月、ドイツ空軍がF-4Fを派遣。4-9月、フランス空軍がミラージュ2000Cを派遣。9月から2012年1月、デンマーク空軍がF-16AMを派遣。2012年1-4月、ドイツ空軍がF-4Fを派遣。4-8月、ポーランド空軍がMiG-29Aを派遣。8月から2013年1月、ポルトガル空軍がJAS39Cを派遣。2013年1-4月、デンマーク空軍がF-16AMを派遣。4-9月、フランス空軍がミラージュF1CRを派遣。9月から2014年1月、ベルギー空軍がF-16AMを派遣。2014年1-4月、アメリカ空軍がF-15Cを派遣。4月、ウクライナ紛争におけるNATOとロシアとの対立によりロシア軍機による飛行が急増したことから、エストニアのアマーリ基地とポーランドのマルボルク第22戦術航空基地を加えて航空基地３カ所に計４部隊を派遣するようになった。4-9月、シャウレイ基地にイギリス空軍がタイフーン、ポーランド空軍がMiG-29A、アマーリ基地にデンマーク空軍がF-16AM、マルボルク基地にフランス空軍がミラージュ2000Cを派遣。9-12月、シャウレイ基地にポルトガル空軍がF-16AM、カナダ軍がCF-18を派遣。9月から2015年1月、シャウレイ基地にドイツ空軍がユーロファイター、アマーリ基地にオランダ空軍がF-16AMを派遣。2015年1-5月、シャウレイ基地にポーランド空軍がMiG-29A、アマーリ基地にスペイン空軍がC.16を派遣。1-8月、シャウレイ基地にイタリア空軍がF-2000A、マルボルク基地にベルギー空軍がF-16AMを派遣。5-8月、シャウレイ基地にノルウェー空軍がF-16AM、アマーリ基地にイギリス空軍がタイフーンを派遣。9-12月、シャウレイ基地にハンガリー空軍がJAS39C、アマーリ基地にドイツ空軍がユーロファイターを派遣。2017年8月30日、シャウレイ基地でポーランド空軍F-16Cからアメリカ空軍F-15C戦闘機７機への交代式を実施。2018年1月、イタリア空軍F-2000A戦闘機４機がエストニアのアマーリ航空基地に展開を開始。2月1日、イタリア空軍F-2000A戦闘機がバルト海上のロシア海軍An-26に対してスクランブル発進した。8月7日、スペイン空軍C.16タイフーン戦闘機がパイロットのミスによりAIM-120を誤射した。2020年12月、ドイツ空軍第74戦術空軍航空団ユーロファイター戦闘機５機（IRIS-TとAIM-120C装備）がエストニアのアマーリ航空基地に展開を開始した。2021年4月30日、イタリア空軍第32航空団第15飛行隊F-35A戦闘機４機がアマーリ航空基地に展開を開始。5月14日、ロシア軍An-12輸送機が領空に接近したため、イタリア空軍F-35A戦闘機がスクランブル発進した。9月、イタリア空軍EF2000戦闘機４機がアマーリ基地に展開を開始。11月、ポーランド空軍F-16C戦闘機４機がシャウレイ基地に展開を開始。12月、ベルギー空軍F-16AM戦闘機４機がアマーリ基地に展開を開始。2022年1-3月、アメリカ空軍F-15E戦闘機６機がアマーリ基地に展開した。1月、デンマーク空軍F-16AM戦闘機４機がシャウレイ基地に展開を開始。3月、フランス空軍ミラージュ2000-5戦闘機４機がアマーリ基地に展開を開始。4月、チェコ空軍JAS39C戦闘機５機とスペイン空軍EF-18戦闘機８機がシャウレイ基地に展開を開始。参考：月刊航空ファン11,’15、11,’17、7,’18、5,’19、月刊JWings7,’21、8,’21、10,’22

＜ＢＡＰ１００＞：フランス軍の滑走路破壊爆弾。小型だが、14-3-M2パイロンに９発または30-6-M2パイロンに18発を搭載し、編隊で投下してカバーする。弾体後部にパラシュートが収容されており、投下0.5秒後に展開、落角を45-50度にする。投下0.75秒後にパラシュートが切り離されてロケットに点火、毎秒230mに加速されて滑走路に突入し、コンクリートに300mmめり込んで爆発、滑走路に大穴を開ける。最大６時間の遅延信管も用意されており、補修作業を妨害することも可能である。全長1.78m、直径0.1m、翼スパン0.11m、重量32.5kg、弾頭重量3.5kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings1,’02

＜ＢＡＲシリーズ＞：アメリカ軍の分隊自動銃で、ブローニング・オートマチック・ライフルの略。1918年に採用された。軽めの軽機関銃という感じだが、銃身交換が出来ないので長時間射撃に向かず、弾倉も20発しか入らないので、実際には自動小銃に近い役割の銃である。イギリスにもM1918とM1918A1合計25000丁がレンドリースで送られた。アメリカではベトナム戦争頃まで使用され、M16自動小銃／M60汎用機関銃の登場で退役した。参考：拳銃・小銃・機関銃、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊軍事研究11,’02、6,’14

　＜Ｍ１９１８＞：最前線前進中の遭遇戦闘時に肩撃ちで掃射を行うのが主目的で、軽機関銃ではないので二脚も付いておらず、弾倉も下から装着する（伏せ撃ちの時に邪魔になるとかは考えない）。腰だめ射撃の時に便利なように、右腰に付ける予備弾倉入れには床尾板を収める鉄製のポケットが付いていた。全長1.219m、銃身長0.61m、重量7.26kg。使用弾は.30-06弾で、装弾数20発のボックスマガジンを使用する。作動はガス圧利用式、発射速度毎分600発。1945年7月に廃制された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

　＜Ｍ１９１８Ａ１＞：二脚を装着し、伏せ撃ちの際に便利な肩当てを銃床に取り付け、連発と連射のセレクターを追加したタイプで、1937年6月に採用された。重量8.3kg。ただし二脚の長さが調節できず、弾倉交換もしにくいので、実戦では手持ち射撃を行うことが多かった。全てM1918から改造された。1945年7月に廃制された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

　＜Ｍ１９１８Ａ２＞：1940年に開発されたタイプで、二脚の位置を前にずらし、銃床下部に単脚を追加、照尺をM1918A4と同じものに変更し、銃身加熱で焼けないよう前床を短縮して銃身と被らないようにした。射撃モードを連射のみにしてセレクターを廃止したが、チェンジレバーで緩急を切り替えられ、緩射なら慣れれば1-2発のバーストも行えた。全長1.214m、銃身長0.611m、重量8.73kg。発射速度毎分350発／550発（最大）／40-60発（持続）、装弾数20発。有効射程500m。射距離100ヤード（91.4m）で厚さ13mmの装甲板または厚さ250mmの板を貫通できる。188380丁がM1918及びM1918A1から改修され、IBMとニューイングランド小火器会社で208380丁（大部分がニューイングランド製で、IBM製は20000丁程度）が新規生産された。朝鮮戦争に際して更に60000丁をロイヤルマックビー・タイプライター社で新規生産して実戦投入したが、素材の関係で寒冷に耐えられず、撃針が折れたり不発になったりと問題が多発している。M60機関銃と交替して廃制となった。参考：スピアヘッドNo.14、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｍ１９２２＞：カービン型で、1922年に制式化された。M1918の銃身に空冷フィンを付けている。数百丁が生産されたが、第２次大戦前に廃制となった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜ＢＡＲ海外シリーズ＞

　＜Ｍ１９１８Ａ２（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊分隊自動銃。アメリカから供与され、普通科連隊に配備した。日本人の体格には合っていたが、軽量のため反動がコントロールしにくく命中精度が悪いという欠点があった。64式小銃に後を譲って退役した。参考：スピアヘッドNo.14

　＜ＭＧ２８（ｐ）＞：MG28(p)を参照。

　＜ＷＺ２８＞：ポーランド軍分隊自動銃。7.92mm弾を使用できるよう改造した。販売元はブローニング製品のヨーロッパでの販売権を獲得していたFN社である。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜ＢＡＲＡＤ＞：イスラエル軍のヘリコプター搭載子爆弾撒布機。72発の複合目的子弾を内蔵する。全長1.7m、幅0.46m、重量153kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＡＲＣＡＰ＞：戦闘空中哨戒を参照。

＜ＢＡＲＶ＞：レオパルト１戦車・海外ファミリーを参照。

＜ＢＡＲＶ＞：Beach Armoured Recovery Vehicleの略。

＜ＢＡＳ６０＞：スウェーデン空軍の対ソ連戦略構想。ソ連空軍の先制攻撃による航空戦力損耗を防ぐため、1958年に採用した。空軍基地に加え、最低限の運用機能を備えた分散基地を各地に整備し、道路を滑走路代わりにする。予備役を召集して分散基地を運用させるため、整備補給は極力簡易化し、数の劣勢を補うため、再出撃時間の短縮を図る。この構想と並行してサーブ35戦闘機を開発した。参考：月刊JWings8,’20

＜ＢＡＳ９０＞：スウェーデン空軍の対ソ連戦略構想。BAS60の発展型で、1970年代に採用した。有事には正規の空軍基地を一切使わず、分散基地24カ所のみを使用、着陸の際には主滑走路と繋がる一般道路を使って主滑走路の位置がばれないようにする。各分散基地にはサーブ37戦闘機4-6機を配置する。参考：月刊JWings8,’20

＜ＢＡＳＥ−Ｘ＞：陸上自衛隊のテント。業務用天幕の改良型で、中央の支柱を無くしつつ、天井を高くしている。収容者数８名。連結可能。参考：スピアヘッドNo.20

＜ＢＡＴ＞：南アフリカの軽量空中投下型特殊部隊汎用車。車体はスチールパイプの骨組みに装甲板を溶接している。全長3.1m、全幅1.8m。エンジンは６気筒ガソリン（総排気量3000cc、出力140馬力）。参考：月刊軍事研究3,’97

＜ＢＡＴシリーズ＞：アメリカ軍の誘導式子爆弾。Brilliant Anti-Tank（ブリリアント対装甲誘導弾）の略で、音を障害物探知に使うコウモリにかけているらしい。1984年に計画され、1991年6月にノースロップ社と開発契約が結ばれ、2011年12月にMBDA社が引き継いだ。MLRS用ロケット弾、ATACMSブロック�U／�UＡ、ハンターUAV、AC-130Uに搭載でき、実戦テストも行われているが、本格的な実戦配備には至っていない。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER4,’93、月刊軍事研究9,’18

　＜ＢＡＴ（ＡＴＡＣＭＳブロック�U搭載）＞：滑空型自律誘導式子爆弾で、２色赤外線センサーと４本の翼状プローブ型時差音響センサーを持ち、発射されると音響センサーと後部安定翼４枚を展張し、上空から装甲車両を捜索してHEATにより撃破する。全長914.4mm、直径139.7mm、翼幅910mm、重量20kg。ATACMSブロック�Uに13発搭載される。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER4,’93、月刊丸4,’99

　＜ＢＡＴ（ＡＴＡＣＭＳブロック�UＡ搭載）＞：センサーをミリ波レーダーに換え、全天候能力を持つ。ATACMSブロック�UＡに６発搭載される。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＩＢＡＴ＞：Improved BATの略で、P3I BAT（Pre-Planned Product BAT）ともいう。誘導は赤外線センサーとミリ波レーダー。計画のみに終わった。参考：月刊軍事研究9,’18

　＜ＢＡＴ（ハンター用）＞：BAT UAV射出チューブに収容してハンターUAVに搭載する。発射されるとＸ字の翼を展開し、中間音響センサー＋終末赤外線シーカー（ミリ波レーダーシーカーを組み合わせることも可）で目標に向かう。2002年からテストされ、2004年末にポスト・イラク戦争に試験投入された。実戦使用はされていない模様。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜バイパー・ストライク＞：Viper Strike、GBU-44/B。市街戦用廉価版で、中間誘導をGPSに、終末誘導用シーカーをセミアクティブ・レーザーに換えた。全長910mm、全幅910mm、胴体直径140mm、重量19.1kg、弾頭重量1.04kg（HEAT）。CEP1m以内。加害半径は16m以内に抑え、付随被害を局限する。時速40km以上で走行中の車両にも直撃できるとされ、2012年8月には高速道路上を移動中と想定した車両に８発の試射を行い、全弾命中させた。2005年にアメリカ陸軍がMQ-5ハンターUAVに搭載してポスト・イラク戦争に投入した。アメリカ空軍では2006年にAC-130Uガンシップ（主翼下または胴体内４連装ランチャー）やMQ-1への搭載を計画、AC-130Uでは高度2400-4000mで投下し、最大射程は16kmを予定している。アメリカ海兵隊では2010年にハーベスト・ホーク計画で採用し、KC-130J左翼増槽に収容したAN/AAQ-30と共に運用する予定とした。ただ2018年現在も制式採用されていない。参考：月刊軍事研究9,’18、1,’08、3,’13、10,'15、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’10

＜ＢＡＴ１２０＞：NATO軍の破片爆弾で、BAP100を基にフランスで開発された。投下されると尾部のパラシュート及びエアブレーキにより垂直に落下、炸裂すると真横に破片が飛散するため高い破壊能力を持つ。重量4g・装甲貫徹力4mm（距離20m）の破片2600個をまき散らす対ソフトスキン用と、重量12.5g・装甲貫徹力7mm（距離20m）の破片800個をまき散らす対軽装甲車用がある。全長1.5m、直径0.12m、重量34kg。炸薬は２段になっており、炸薬重量24kg。９発または18発１組でパイロンに取り付ける。参考：兵器メカニズム図鑑、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＡＴＬＩＦＴ＞：フランスのネクセター社が開発した野戦装甲車整備システム。システムは標準型コンテナ４個に収容されており、機動運用が可能で、直径24m・高さ16m・厚さ2m・内部容積84立方メートルの加圧式ドームテント（エアコン完備）内部にクレーンなどの機材を展開して整備作業を行う。現場に到着してから６時間で稼動できる。フランス軍が試験中で、ユーロサトリ2018にも展示された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＢＡＴ−Ｍ＞：T-55戦車ファミリーを参照。

＜ＢＡＴＲＡＬ＞：フランスの揚陸艇で、1980年代に竣工した。全長80m、全幅13m、排水量1605トン。速力16ノット、航続距離8300km。搭載量350トン。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜ＢＡＴＳ＞：ボーイング空中戦闘チーミングシステムを参照。

＜Ｂａｔ−ＵＡＳ＞：ノースロップ・グラマン社が開発した小型固定翼無人機。全翼機で、翼端に垂直尾翼兼用の大型フェンスを持つ。全長2m、全幅4.26m、最大自重159kg。推進は電動モーターとプッシャープロペラ、航続時間18時間。積載量56.6kg。カタパルトで射出され、ネットで回収される。参考：月刊軍事研究8,’15

＜ＢＡＶ５＞：イタリアのイヴェコ社製４輪軽装甲車。格好から、スカラフォーネ（棺桶）という渾名を付けられてしまった。参考：月刊PANZER11,’01

＜Ｂａｖａｒ−３７３＞：イランが開発中の長距離地対空ミサイル。ロシアから導入予定だったS-300が2010年の国連武器禁輸令により輸入できなくなったため、代わりに国産開発することにしたものである。2014年8月28日、試射に初成功したとの発表があり、S-300Pと似た感じのミサイルや、後部荷台に全周旋回式プラナー・アレイ・アンテナを持つ６輪トラックの映像が出された。参考：月刊軍事研究2,’15

＜ＢＡＶＧ−３＞：D97（護衛空母）を参照。

＜ＢＡＷＳ＞：生物剤警報器を参照。

＜ＢＡＷＴ＞：Bilateral Advanced Warfighting Training（二国間高度戦闘訓練）の略。参考：月刊JWings5,’21

＜ＢＢ＞：B1シリーズ（戦車）またはボトム・バウンスを参照。

＜−ＢＢ＞：ベースブリード弾を参照。

＜ＢＢ−１＞：Su-2（爆撃機）を参照。

＜ＢＢ−１＞：アメリカ海軍インディアナ級戦艦１番艦インディアナ（Indiana）。1895年11月20日竣工。1919年3月29日、海防戦艦１号に改称された。3月31日に除籍された。1920年7月17日、艦種記号・艦番号が新設され、遡ってBB-1が付与された。11月1日、爆撃標的として沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’01、10,’12

＜ＢＢ−２＞：アメリカ海軍インディアナ級戦艦２番艦マサチューセッツ（Massachusetts）。1896年6月10日就役。参考：月刊世界の艦船10,’12

＜ＢＢ−３＞：アメリカ海軍インディアナ級戦艦３番艦オレゴン（Oregon）。米西戦争勃発に伴い、1898年3月にサンフランシスコを出港、南米大陸を回って5月にフロリダに到着した。参考：月刊世界の艦船10,’12

＜ＢＢ−６＞：アメリカ海軍戦艦ケンタッキー（Kentucky。２代目）。1900年就役。参考：月刊世界の艦船10,’23

＜ＢＢ−１２＞：アメリカ海軍メイン級戦艦３番艦オハイオ（Ohio）。1904年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜ＢＢ−１６＞：アメリカ海軍戦艦ニュー・ジャージー（New Jersey）。1906年就役。参考：月刊世界の艦船8,’15

＜ＢＢ−２２＞：Yak-2（軽爆撃機）を参照。

＜ＢＢ−２２＞：アメリカ海軍コネチカット級戦艦５番艦ミネソタ（Minnesota、２代目）。1907年3月9日竣工。1921年12月1日に除籍され、1924年1月23日にスクラップとして売却された。参考：月刊世界の艦船2,’87、1,’13

＜ＢＢ−２６＞：アメリカ海軍サウス・カロライナ級戦艦サウス・カロライナ（South Carolina）。1910年竣工。1923年に除籍された。参考：近代戦艦史

＜ＢＢ−２７＞：アメリカ海軍サウス・カロライナ級戦艦ミシガン（Michigan）。1910年1月4日竣工。1918年、暴風でマストが折れ曲がり、甲板上に落下する事故を起こした。1923年に除籍された。参考：近代戦艦史

＜ＢＢ−２８＞：アメリカ海軍デラウエア級戦艦デラウエア（Delaware）。1910年竣工。第１次大戦でイギリス海軍グランド・フリート第６戦艦戦隊に加わり、北海での任務に就いていたが、舷側副砲が波を被って殆ど使用できなかった。1923年に除籍された。参考：近代戦艦史

＜ＢＢ−２９＞：アメリカ海軍デラウエア級戦艦ノース・ダコタ（North Dakota）。1910年竣工。アメリカ海軍初のタービン艦である。当初はカーチス式タービンを装備したが、1917年にパーソンズ式に換装した。参考：近代戦艦史

＜ＢＢ−３０＞：アメリカ海軍フロリダ級戦艦フロリダ（Florida）。1911年9月15日竣工。第１次大戦では第６戦艦戦隊所属で、イギリス周辺海域に展開してイギリス大艦隊との共同作戦に就いた。1926-28年に改装を実施した。1931年4月、ロンドン条約に基づいて除籍され、1932年に解体された。参考：月刊世界の艦船11,’17、近代戦艦史

＜ＢＢ−３１＞：アメリカ海軍フロリダ級戦艦ユタ（Utah）。1911年竣工。ロンドン条約の廃棄対象となり、主砲砲身を取り外して1931年に雑役補助艦AG-16に変更され、標的艦として使用された。1935年には対空砲術練習艦に改造され、多数の高角砲を搭載した。1941年、真珠湾攻撃で雷撃機の攻撃を受けて大破着底した。1944年11月に除籍された。参考：近代戦艦史

＜ＢＢ−３２＞：アメリカ海軍ワイオミング級戦艦１番艦ワイオミング（Wyoming）。1910年起工、1912年9月25日竣工。ロンドン条約締結後の1931年、第3-5主砲塔を撤去して12.7cm両用砲を搭載、雑役補助艦（対空練習艦）AG-17になった。1947年に除籍された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’04、4,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＢＢ−３３＞：アメリカ海軍ワイオミング級戦艦２番艦アーカンソー（Arkansas）。1910年起工、1912年9月17日竣工。1914年4月、メキシコ革命を受けベラクルス港占領作戦に参加。1925-26年、第１次改装を実施。1942年、第２次改装を実施、その後大西洋で作戦を行った。1944年末から太平洋で作戦に就いた。1946年7月1日、クロスロードＡ核実験で大破。7月25日、クロスロードＢ核実験で沈没した。8月15日に除籍された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’15、1,’04、7,’11、4,’17

＜ＢＢ−３４＞：アメリカ海軍テキサス級戦艦ニューヨーク（New York）。1911年起工、1914年4月15日竣工。1925-27年に改装を実施。1938年、アメリカ戦艦として初めてレーダーを装備し、アンテナを艦橋上面に取り付けた。第２次大戦中は主に大西洋で作戦に従事し、北アフリカ上陸作戦などに参加した。1945年、太平洋戦線に移り、硫黄島戦、沖縄戦に従事した。4月14日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受けて損傷した。1946年退役。1948年7月8日に標的艦として沈没した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’12、4,’17

＜ＢＢ−３５＞：アメリカ海軍テキサス級戦艦テキサス（Texas）。1911年起工、1914年3月12日竣工。1919年に２番砲塔上に航空機滑走台を装備、アメリカ戦艦初の航空機搭載艦となった。3月9日に初の発艦を実施。1925-27年に改装を受けた。1948年4月30日に除籍され、テキサス州のサン・ジャシントで記念館として保存されている。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船1,’12、4,’17

＜ＢＢ−３６＞：アメリカ海軍オクラホマ級戦艦ネバダ（Nevada）。1914年起工、1916年3月11日竣工。1927-29年、改装を実施。1941年12月8日、真珠湾攻撃では軍艦旗掲揚のため軍楽隊が国歌を演奏している最中に襲撃を受けたが、途中で演奏を止めることもできず、最後まで演奏してから待避したという。この攻撃で大破着底したが、間も無く浮揚されて修理・改装工事を受け、上甲板上の舷窓を塞ぎ、副砲・高角砲を127mm連装両用砲両舷４基ずつに換装、ボフォース４連装40mm機関砲９基とエリコン20mm機関砲30門以上を搭載した。1942年12月、前線に復帰した。アッツ島作戦などに参加した後大西洋戦線に向かい、1945年に太平洋戦線に戻っている。1945年3月26日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受けて損傷した。4月5日、沖縄付近で沿岸砲の射撃を受けて損傷した。1946年7月1日、クロスロードＡ核実験で大破した。1948年7月31日に標的艦として沈没した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’09、7,’11、1,’12、4,’17

＜ＢＢ−３７＞：アメリカ海軍オクラホマ級戦艦オクラホマ（Oklahoma）。1914年起工、1916年5月2日竣工。1927年9月から1929年7月、近代化改装を実施。1941年12月8日、真珠湾攻撃で大破着底した。1943年に浮揚されたものの、復旧できないと判断され、1944年9月1日（11月？）に除籍された。解体のためその後引き揚げられ、サンフランシスコに曳航されたが、途中で沈没した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、5,’13、4,’17

＜ＢＢ−３８＞：アメリカ海軍ペンシルベニア級戦艦ペンシルベニア（Pennsylvania）。1912年起工、1915年進水、1916年6月12日竣工。1928-31年に改装を実施。1941年12月8日、真珠湾攻撃を受けてドック内で損傷した。メーア・アイランド海軍工廠で修理を行い、1942年3月に損傷修復を完了。10月から改装に入り、主砲をBB-37オクラホマとBB-39アリゾナから外したものに換装、後部三脚マストを単脚マスト付き上部構造物に改め、副砲と高角砲を撤去して片舷４基の127mm連装両用砲を搭載、対空機銃を増設した。1943年2月、改装工事を完工。1944年10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日、スリガオ海峡海戦に参加。1945年8月1日、ウェーキ島守備隊の砲撃を受けて損傷した。8月12日、沖縄付近で航空魚雷により損傷した。1946年退役。1948年2月10日に除籍されて標的艦となり、自沈処分された（1945年8月12日に受けた魚雷の損傷部分から浸水して沈没した？）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、3,’15、4,’17、月刊丸10,’93、比島決戦

＜ＢＢ−３９＞：アメリカ海軍ペンシルベニア級戦艦アリゾナ（Arizona）。1914年起工、1915年進水、1916年10月17日竣工。1928-31年に改装を実施。1941年12月8日、真珠湾攻撃で魚雷及び爆弾多数を浴びて火薬庫が誘爆（1-2番バーベット間の通路や黒色火薬庫が閉鎖されていなかったとも、付近に火薬などが放置されていたともいわれる）、船体が切断されて沈没した。復旧不能の状態で、1942年12月1日に除籍された。1962年から記念艦アリゾナ・メモリアルとなっており、戦死した乗員1102名の正式な墓地を兼ねている。2017年6月2日、海自遠洋練習航海の実習幹部が艦を研修した。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船1,’12、5,’91、月刊軍事研究8,’14、朝雲

＜ＢＢ−４０＞：アメリカ海軍ニュー・メキシコ級戦艦ニュー・メキシコ（New Mexico）。1915年起工、1918年5月20日竣工。1931-33年に近代化改装を実施。1942年1月、太平洋に移動し、揚陸作戦支援などに投入された。1944年6月、スティーブドール作戦に参加。1945年1月6日、特攻機２機に突入され、小破した。5月12日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受け損傷した。1946年退役。1947年2月25日に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、月刊丸8,’87

＜ＢＢ−４１＞：アメリカ海軍ニュー・メキシコ級戦艦ミシシッピ（Mississippi）。1915年起工、1917年12月18日竣工。1922年、３番主砲塔上にカタパルトを設置。1930-34年に近代化改装を実施。1943年11月20日、マキン・タラワ反攻ガルバニック作戦時の上陸支援砲撃中に砲塔が爆発、43名が死亡し、19名が負傷した。1944年10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日、スリガオ海峡海戦に参加。1945年1月9日、リンガエン湾付近で特攻機１機が命中して損傷した。6月5日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受けて損傷した。1945年12月7日、砲術練習艦兼実験艦EAG-128（雑役補助艦AG-128？）に艦種変更され、各種装備の実験艦となった。1951年、３番・４番砲塔撤去跡にテリア艦対空ミサイル連装発射機GMLS Mk1を１基ずつ装備し、海上テストを実施した。1956年に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、月刊丸10,’93、比島決戦

＜ＢＢ−４２＞：アメリカ海軍ニュー・メキシコ級戦艦アイダホ（Idaho）。1915年起工、1919年3月24日竣工。1933-34年に近代化改装を実施。1945年4月12日、沖縄付近で菊水２号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。1946年退役。1947年9月16日に除籍され、同年にスクラップにされた。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’12、4,’12、4,’17

＜ＢＢ−４３＞：アメリカ海軍カリフォルニア級戦艦テネシー（Tennessee）。1917年起工、1920年6月3日竣工・就役。1920年代前半、後甲板にカタパルト１基を装備した。1927年、３番主砲塔天蓋上にカタパルト１基を追加した。1941年12月8日、真珠湾攻撃で小破。1942年に復旧。1943年に改装を実施し、舷側に大きなバルジを装着、副砲と高角砲を12.7cm両用砲に換装し、対空機銃を増設した。太平洋戦争中、最終的に40mm機関砲は40門まで増設している。1944年6月、サイパン上陸作戦に参加。6月15日、サイパン付近で沿岸砲の射撃を受けて損傷した。10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日、スリガオ海峡海戦に参加。主砲弾69発を発射した。1945年2月17日、硫黄島の沿岸砲で損傷した。4月12日、沖縄付近で菊水２号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。1946年、予備艦に編入された。1959年3月1日に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’12、10,’12、4,’17、11,’19、月刊丸10,’93、比島決戦

＜ＢＢ−４４＞：アメリカ海軍カリフォルニア級戦艦カリフォルニア（California）。1916年起工、1921年8月10日竣工。1941年12月8日、真珠湾攻撃で魚雷２本と至近弾１発を被弾、下部区画のハッチやマンホールが殆ど閉鎖されていなかったため、急速に浸水して沈没した。浮揚後の1942年7月から大規模改装を実施。12.7cm連装両用砲や各種レーダーを追加し、メジャー32迷彩塗装を施した。1944年1月、修理改装工事を完工。10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日、スリガオ海峡海戦に参加。主砲弾63発を発射した。1945年1月6日、特攻機２機に突入されて損傷した。太平洋戦争中、最終的に40mm機関砲を56門まで増設している。1946年、予備艦に編入された。1959年7月10日に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’12、3,’15、4,’17、月刊丸10,’93、比島決戦

＜ＢＢ−４５＞：アメリカ海軍メリーランド級戦艦コロラド（Colorado）。1921年起工、1923年8月30日竣工。1941年7月、大改装に入った。12月8日の太平洋戦争開戦時にはアメリカ本土ブレマートンにおり、真珠湾攻撃を逃れた。1942年3月31日、大改装を完工。6月、ミッドウェイ海戦時は第１任務部隊第４戦艦戦隊に配備されてハワイ北西で哨戒を行った。8月上旬、真珠湾に帰投。11月上旬、フィジー方面に展開。1942年、後部マストを短縮。1943年（1944年初め？）、後部マストを単脚型に変更した。10月20日、真珠湾を出撃。11月、ガルバニック作戦に参加。12月7日、真珠湾に帰投。アメリカ本土に戻ってオーバーホールを受けた。1944年1月下旬、真珠湾に到着。1月末、フリントロック作戦に参加。２月下旬、アメリカ本土に帰投。5月5日、マリアナ攻略フォリジャー作戦に参加するためアメリカ本土を出撃。6月14日、フォリジャー作戦での対地支援砲撃を開始。7月、グアム島攻撃中に沿岸砲台の砲撃を受けて損傷した。7月24日、テニアンを砲撃中に沿岸砲の反撃を受け22発を被弾、43名が戦死した。8月3日、修理のため後退。11月20日、修理を終えて第４戦艦戦隊戦列に復帰。11月27日、レイテ湾付近で特攻機２機に突入され、19名が戦死した。12月17日、修理のため後退。1945年1月1日、修理を終えフィリピンに到着。1月9日、誤射を受けて18名が戦死した。3月、沖縄戦に参加。10月15日、サンフランシスコに帰港。1947年1月、予備役に編入された。1959年3月1日に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船12,’15、1,’12、8,’16、4,’17

＜ＢＢ−４６＞：アメリカ海軍メリーランド級戦艦メリーランド（Maryland）。1920年起工、1921年7月21日竣工。1922年、艦尾と３番砲塔にアメリカ戦艦として初めてカタパルトを搭載。1928年頃、高角砲を12.7cm両用砲に換装。1941年12月8日、真珠湾攻撃で爆弾２発を受けて損傷し、戦死４名の被害が出た。12月21日、応急修理を終えてアメリカ本土に向かった。1942年1-2月、復旧工事と大改装を実施。前部マスト頂部にMk.3レーダーを搭載し、2月26日に完工した。6月、ミッドウェイ海戦時は第１任務部隊第４戦艦戦隊に配備されてハワイ北西で哨戒を行った。8月上旬、真珠湾に帰投。11月上旬、フィジー方面に展開。1943年10月20日、真珠湾を出撃。11月、ガルバニック作戦に参加。12月7日、真珠湾に帰投。アメリカ本土に戻ってオーバーホールを受けた。1944年1月下旬、真珠湾に到着。1月末、フリントロック作戦に参加。2月下旬、アメリカ本土に帰投。5月5日、マリアナ攻略フォリジャー作戦に参加するためアメリカ本土を出撃。6月14日、フォリジャー作戦での対地支援砲撃を開始。6月22日、サイパン砲撃中に一式陸攻の雷撃を受け損傷し、２名が戦死、修理のため真珠湾に向かった。9月、修理を終えペリリュー攻略戦に参加。10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日、スリガオ海峡海戦に参加し、主砲弾48発を発射した。11月29日、レイテ湾で特攻機の攻撃を受けて損傷、31名が戦死した。11月末、修理のため真珠湾に帰港。1945年3月、沖縄戦に参加。4月7日、沖縄で特攻機の攻撃を受けて損傷、10名が戦死した。4月14日、アメリカ本土に戻り、修理と対空兵装強化改装に入った。8月、修理改装を完工。両用砲が16門に増えた。1947年、予備役に編入された。1959年3月1日に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸10,’93、月刊世界の艦船12,’15、1,’12、4,’17、比島決戦

＜ＢＢ−４７＞：アメリカ海軍メリーランド級戦艦ワシントン（Washington）。1919年6月、ニューヨーク造船所で起工。1921年9月1日進水。ワシントン条約締結により、1922年2月8日に進捗80%で建造中止となり、1924年11月25日に実艦的として沈没した。参考：月刊世界の艦船4,'20、1,’12、近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＢＢ−４８＞：アメリカ海軍メリーランド級戦艦ウェスト・ヴァージニア（West Virginia）、愛称はWeeVee。1921年、ニューポート・ニューズ造船所で起工。ワシントン条約ではニューポート・ニューズ造船所の失業対策でBB-47を廃艦にして本艦を残すことになり、1921年11月19日（17日説あり）進水、1923年12月1日竣工。1941年12月8日、真珠湾攻撃時にはフォード島南東岸F6戦艦泊地の外側列（内側列はBB-43テネシー）に係留されていたため、左舷側に魚雷７本（６本説あり）を喰らい、第３主砲塔と１番煙突前方に爆弾１発ずつを被弾（どちらも不発）した。更にBB-43テネシーで炸裂した爆弾の破片が艦橋に飛び込んでベニオン艦長の腹を裂き（戦死まで部署を離れず名誉勲章受章）、戦死27名・行方不明130名・戦傷52名の損害を被ったが、防水作業で転覆を免れ水平に着底させることに成功した。アフリカ系アメリカ人のドリス・ミラー三等炊事兵がジョンソン少佐臨時編成の小集団に加えられて士官食堂から司令塔に駆け上がり、初めて触る12.7mm機銃で対空射撃を敢行、アフリカ系アメリカ人として初の海軍十字章を受章している。1942年5月17日、船体の浮揚に成功。1942年6月9日、真珠湾のドックで応急船体修理に入った。1943年5月7日、アメリカ本土ピュージェット・サウンドで修理と大改装に入った。1944年7月4日（アメリカ独立記念日）、大改装を完工。9月14日、アメリカ本土を出撃。9月23日、真珠湾に到着。10月、マヌス島で第４戦艦戦隊（BB-46）と合流し、戦隊旗艦となった。10月21日、座礁してプロペラ１基を損傷した。10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日、スリガオ海峡海戦に参加し、主砲弾93発を発射して山城に命中させた。11月8日、プロペラを修理するためニューヘブリディーズ諸島アイーズ島の前進基地にある浮きドックに入渠。11月26日、修理を終えてレイテ湾に到着。1945年2月、硫黄島戦に参加。3月、沖縄戦に参加。4月1日、沖縄付近で特攻隊と基地航空隊の攻撃を受け、爆弾は不発だったが４名が戦死した。1947年1月9日、退役して予備役に編入され、モスボール状態とされた。1959年3月1日に除籍され、スクラップになった。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船12,’15、1,’12、5,’91、4,’17、4,'20、比島決戦

＜ＢＢ−４９＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級計画戦艦サウス・ダコタ。建造中止になった。参考：月刊丸11,’09

＜ＢＢ−５０＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級計画戦艦インディアナ。建造中止になった。参考：月刊丸11,’09

＜ＢＢ−５１＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級計画戦艦モンタナ。建造中止になった。参考：月刊丸11,’09

＜ＢＢ−５２＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級計画戦艦ノース・カロライナ。建造中止になった。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ＢＢ−５３＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級計画戦艦アイオワ。建造中止になった。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ＢＢ−５４＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級計画戦艦マサチューセッツ。建造中止になった。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ＢＢ−５５＞：アメリカ海軍ノース・カロライナ級戦艦ノース・カロライナ（North Carolina）。1937年起工、1941年4月9日竣工。就役後はカリブ海で慣熟訓練を受け、ネイヴァル・ホリデイから18年ぶりに就役したことからショーボートというあだ名が付けられた。1942年3月に実戦配備され、イギリス本国艦隊と共に船団護衛任務に就いた。9月（7月？）、太平洋戦線に転じた。第２次ソロモン海戦に参加。9月15日、伊19潜水艦がワスプを撃沈した時の流れ魚雷１本を受けて損傷、真珠湾で復旧工事を受けた。復旧後、ソロモン、クェゼリン、サイパン、フィリピン、硫黄島で戦闘任務に就いた。1944年6月19日、マリアナ沖海戦に参加。1947年退役。1960年6月1日に除籍され、1961年10月1日からノースカロライナ州ウィルミントンで記念艦として保存されている。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸8,’95、月刊世界の艦船4,’17、1,’12

＜ＢＢ−５６＞：アメリカ海軍ノース・カロライナ級戦艦ワシントン（Washington）。1938年起工、1941年5月15日竣工。1942年11月14日、第３次ソロモン海戦に参加。1944年2月、マーシャル諸島付近でBB-58インディアナと衝突、艦首を損傷した。5月末、修理を終えてマーシャル諸島に進出した。1944年6月19日、マリアナ沖海戦に参加。10月24日、比島沖海戦に参加。1947年退役。1960年6月1日に除籍された。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船4,’17、1,’12、比島決戦

＜ＢＢ−５７＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級戦艦サウス・ダコタ（South Dakota）。1939年7月5日、ニューヨーク造船所で起工、1941年6月7日進水、1942年3月20日竣工・就役。1942年10月26日、南太平洋海戦で損傷した。11月14日、第３次ソロモン海戦に参加。戦艦霧島の砲撃など42発の砲弾を受けて上部構造物を大破したが、司令塔など主要防御区画は無事だった。ニューヨークで修理を行い、1943年2月に北大西洋に出撃。その後イギリス本国艦隊に加わり、ムルマンスクへの護衛作戦を行った。1944年6月19日、マリアナ沖海戦で爆撃を受けて損傷した。10月24日から比島沖海戦に参加。1947年退役。1962年6月1日に除籍された。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船3,'21、4,’17、1,’12

＜ＢＢ−５８＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級戦艦インディアナ（Indiana）。1940年起工、1942年4月30日竣工。1943年8月、南鳥島空襲作戦に参加。1944年6月19日、マリアナ沖海戦で爆撃を受けて損傷した。1944年、比島沖海戦に参加。その後ピュージェット・サウンド海軍工廠でオーバーホールを実施、SP射撃指揮レーダーなどを装備した。硫黄島砲撃、沖縄戦に参加。1947年退役。1962年6月1日に除籍された。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船4,’17、1,’12

＜ＢＢ−５９＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級戦艦マサチューセッツ（Massachusetts、４代目）。ニックネームはビッグ・メーミー（Big Mame）。1940年起工、1942年5月12日竣工。1943年から太平洋戦線に移動。1944年5月、ピュージェット・サウンド海軍工廠でオーバーホールと主砲内筒の交換を実施。7月、オーバーホールを終えた。10月24日から比島沖海戦に参加。1945年8月9日、釜石製鉄所に艦砲射撃を実施。これが太平洋戦争最後の406mm砲の砲撃とされている。1947年退役。1962年6月1日に除籍され、1967年からマサチューセッツ州フォール・リバーで記念艦として保存されている。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船4,’17、1,’12、2,’16

＜ＢＢ−６０＞：アメリカ海軍サウス・ダコタ級戦艦アラバマ（Alabama）。1940年起工、1942年8月16日竣工。1943年まで大西洋で船団護衛などに就き、以降は太平洋戦線に移動、ギルバート諸島、マーシャル諸島、マリアナ、パラオ、レイテ、沖縄などで戦闘に参加した。1944年6月19日、マリアナ沖海戦に参加。10月24日、比島沖海戦に参加。1947年退役。1962年6月1日に除籍され、1964年9月からアラバマ州モービルで記念艦として保存されている。入場料は10ドルで、交通機関は自動車に限られるため、駐車場代２ドルがかかる。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸11,’09、月刊世界の艦船4,’17、1,’12、比島決戦

＜ＢＢ−６１＞：アメリカ海軍アイオワ級戦艦１番艦アイオワ（Iowa）。1940年6月27日起工、1942年8月27日進水、1943年2月22日竣工・就役、ニューヨーク海軍工廠で就役式典が行われた。高射機関砲はボフォース４連装40mm機関砲15基60門、エリコン20mm単装機関砲60門（20門？）を装備していたが、４連装40mm機関砲の一部、カタパルト、水偵揚収用クレーンなどは未搭載で、就役後も工事を続けている。2月24日、大西洋で完熟訓練を開始。8月、ティルピッツに対抗できる戦艦として大西洋艦隊に配属され、8月27日にニューファンドランドのアージェンシアに到着、ティルピッツの大西洋進出に備え数週間待機した。11月13日、カイロ会談及びテヘラン会談に出席するルーズベルト大統領を乗せてカサブランカに向かった。艦内に大統領専用室を設け、下半身が不自由な大統領向けに手摺り付きのバスタブを設置している。12月16日、ルーズベルト大統領を乗せアメリカ本土に帰還。1944年1月、太平洋艦隊第５艦隊第58任務部隊第３群に編入され、第７戦艦戦隊旗艦となった。2月17日、キャッチボール作戦に参加。3月18日、マーシャル諸島ミリ島を砲撃したが、沿岸砲の反撃により損傷した。5月、ポナペ島を砲撃。6月13日、サイパンとテニアンに艦砲射撃を実施。6月19日、マリアナ沖海戦に参加。10月24日、比島沖海戦に参加。12月、台風「コブラ」に遭遇して推進軸が曲がるなどの損傷を受け、修理のためアメリカ本土に向かった。1945年1-2月、ハンターズ・ポイント海軍工廠で修理とオーバーホールを実施。航海艦橋を角型密閉艦橋とし、後部マストにSC-2対空・対水上レーダーを装備した。7月14-15日、第38.4任務群の一員として室蘭に艦砲射撃を実施。7月18日、第38.4任務群の一員として茨城県日立市の日立製作所に艦砲射撃を実施。1949年3月24日、予備役に編入された。朝鮮戦争勃発を受け、1951年8月25日に現役復帰し、1952年10月まで地上支援を実施した。朝鮮戦争休戦で1958年2月24日に予備役に編入され、モスボール状態となり1958年からフィラデルフィア海軍工廠に繋留された。1982年10月、アヴォンデール造船所で再就役工事を開始。リットン造船所が工事を引き継いで1984年4月4月28日に現役復帰し、大西洋艦隊に配属され、ノーフォークを母港として活動した。6-10月、南米８ヵ国海軍との合同演習UNITAS25に参加。1987年11月、ペルシャ湾に入ってタンカーの護衛を行った。1988年2月、オーバーホールのためドックイン。1989年4月19日、射撃訓練中に２番砲塔で爆発が起こり、砲塔要員47名が死亡した。２番砲塔は退役まで修復されなかった。1990年10月26日に退役し、ロードアイランド州ニューポートに係留された。1995年1月12日に除籍された。1999年1月4日、保管艦籍に入れられた。2001年4月、カリフォルニア州サンフランシスコ近くのスーサン湾にある予備役艦艇錨地に回航された。2006年3月17日に除籍された。2011年9月6日、NPOのパシリック・バトルシップ・センターに寄贈されてロサンゼルスで記念艦となることが発表され、10月からリッチモンドで整備工事に入った。2012年5月26日、リッチモンドを出港。6月9日、ロサンゼルスに到着。7月7日からロサンゼルス港域サン・ペドロ87番バースで一般公開された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船9,'21、1,’12、5,’86、1,’04、11,’11、8,’12、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸11,’09、比島決戦

＜ＢＢ−６２＞：アメリカ海軍アイオワ級戦艦２番艦ニュー・ジャージー（New Jersey）。1940年9月16日起工、1942年12月7日進水、1943年5月23日竣工・就役。塗装がネイビー・ブルー単色だったため、ブラック・ドラゴンのニックネームが付けられた。カリブ海と大西洋で完熟訓練に入っている。1944年1月、太平洋艦隊に編入され、第７戦艦戦隊に配属されて第５艦隊第58任務部隊第３群に組み込まれた。1944年2月17日、キャッチボール作戦に参加。5月、ポナペ島を砲撃。6月13日、サイパンとテニアンに艦砲射撃を実施。6月19日、マリアナ沖海戦に参加。10月24日、第３艦隊司令官ハルゼー提督座乗の旗艦として比島沖海戦に参加。1945年6月、ピュージェット・サウンド海軍工廠で整備改装を実施。航海艦橋を角型密閉艦橋に改修した。太平洋戦争では771発の主砲弾を発射した。1948年6月30日、予備役に編入された。朝鮮戦争勃発で1950年11月21日に現役復帰し、BB-63ミズーリから第７艦隊旗艦任務を引き継いで1951年11月まで陸上砲撃に従事した。朝鮮戦争中には主砲弾6671発を撃ち込んでいる。朝鮮戦争休戦で1957年8月21日に予備役に編入され、モスボール状態となった。ベトナム戦争勃発で1968年4月6日に現役に復帰。1968年9月3日、ロングビーチを出撃。9月25日、ベトナム沖に到着。対地攻撃のため5688発の主砲弾を発射し、1969年6月24日にサンフランシスコに帰投した。12月17日、再び退役して予備役に編入され、モスボール状態でピュージェット・サウンド海軍工廠に置かれた。退役式典では艦長が「よく休んでおけ、ただし眠りは浅くせよ。もし呼び声を聞いたなら、自由のため火力を提供すべし」と呼びかけている。1981年10月から1982年9月までロングビーチ海軍工廠で現役復帰工事を受け、1982年12月28日に公試を終えて３たび現役に復帰し、ロングビーチを母港として活動した。1983年3月、ハープーン発射演習を実施。その後混成部隊教練演習で艦砲射撃演習を、5月10日にはトマホークの発射演習を行っている。その後は日本海での演習、ニカラグア沖での示威行動に参加。1983年9月、レバノン内戦に伴い、第６艦隊に編入されて地中海で行動した。12月14日、ベイルート近郊に11発の主砲弾を撃ち込んだ。1984年2月8日、ベカー高原に配置されていたシリア軍部隊に300発の主砲弾を発射。ただ装薬が経年劣化を起こしていて命中精度が悪く、中には9kmも離れたところに着弾した砲弾もあった。1986年8月24日、佐世保に入港。9月2日、佐世保を出港。1991年2月8日、退役した。1995年1月12日、除籍された。1998年2月12日、保管艦籍に入った。1999年1月4日に除籍された。1999年までブレマートンに繋留されており、フィラデルフィア工廠で修復工事の後、2000年10月にニュージャージー州に移されて記念艦となり、2001年10月15日から公開された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,'21、1,’12、3,’92増刊、月刊丸11,’09、比島決戦

＜ＢＢ−６３＞：アメリカ海軍アイオワ級戦艦３番艦ミズーリ（Missouri）、ニックネームはマイティ・モー（Mighty Mo）。1941年1月6日起工、1944年1月29日進水、1944年6月11日竣工・就役、ニューヨーク工廠で就役式典が行われ、大西洋で訓練に入った。11月、太平洋方面に移動。12月、太平洋艦隊に編入された。1945年1月13日、ウルシー泊地に到着し、第58任務部隊隷下となった。4月11日、沖縄付近で第５建武隊爆装零戦１機の特攻及び基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。艦上に特攻機乗員の遺体が残されたため、4月12日に水葬している。4月16日、沖縄付近で菊水３号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。5月18日、第３艦隊旗艦となった。7月14-15日、第38.4任務群の一員として室蘭に艦砲射撃を実施。7月18日、第38.4任務群の一員として茨城県日立市の日立製作所に艦砲射撃を実施。9月2日、太平洋戦争の降伏文書調印が艦上で行われた。1950年1月、ハンプトン・ローズで座礁した。すぐに離礁したが、これをきっかけにアメリカ海軍は退役準備を開始。ただミズーリ州出身のトルーマン大統領が拒否したため、士官候補生練習艦として現役を続行することになった。1950年6月、朝鮮戦争勃発で太平洋に派遣され、第７艦隊旗艦として1951年3月まで地上砲撃を行った。朝鮮戦争休戦で1955年2月26日に予備役に編入され、モスボール状態で1955年からピュージェットサウンド海軍工廠に繋留された。1984年5月、ロングビーチ海軍工廠で再就役工事を開始。1986年5月10日、現役に復帰し、サンフランシスコを母港として活動した。1990年11月13日、湾岸戦争勃発でロングビーチを出港。1991年1月3日、ペルシャ湾に到着。1月17日、デザート・ストーム作戦でトマホーク28発を発射した。2月4-6日、サウジアラビア沖のRK2射撃エリアに入り、23マイル先にあるクウェートのイラク軍陣地に主砲弾112発と５インチ（127mm）砲12発を撃ち込んだ。イラク軍から対空砲による反撃を受けたが、全て外れている。2月11日、カフジに主砲弾60発を発射。2月23日2315、陽動のためファイラカ島に主砲弾133発を撃ち込んだ。2月24日未明、クウェート沖10マイルまで接近して海岸部に陽動砲撃を実施し、イラク軍予備部隊の移動を阻止した。イラク軍はシルクワーム２発を発射したが、命中しなかった。湾岸戦争中にトマホーク28発と主砲弾759発を発射している。1992年3月31日退役。1995年1月12日、除籍された。1998年5月8日、保存艦とするため寄付された。6月、ハワイに到着。1999年1月29日、パールハーバーで記念艦として一般公開された。2009年10月14日、2km離れた真珠湾海軍工廠ドックに移動し、修理を開始。1800万ドルかかった修理は2010年1月7日に完了し、ドックを出てフォード島に戻った。1月29日に再オープンの予定。アメリカ海軍で保管していたオリジナルの主砲身９本（太平洋戦争降伏文書調印時に搭載されていたもの）は2016年にスクラップ処分が決まったが、うち１本をデラウェア州マイルズ要塞歴史保存協会が買い取ってマイルズ要塞で永久保存することになった。1945年4月11日に突入した特攻機の破片（縦100mm・横150mm）もミズーリ記念館に保存されていたが、2016年10月11日に海自鹿屋航空基地に寄贈され、ミズーリの甲板材（チーク材）で作った木箱に収められて史料館に展示されている。2017年6月2日、海自遠洋練習航海の実習幹部が艦を研修した。2020年9月2日、艦上で対日戦勝利75周年記念式典を実施。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’15、月刊世界の艦船9,'21、1,’12、3,’00、1,’10、3,’10、8,’16、11,'20、月刊丸11,’09、月刊軍事研究7,’12、朝雲

＜ＢＢ−６４＞：アメリカ海軍アイオワ級戦艦４番艦ウィスコンシン（Wisconsin）。1941年1月25日起工、1943年12月7日進水、1944年4月16日竣工。1945年1月（1944年10月？12月？）に太平洋艦隊所属となり、第58任務部隊に配備され、レイテ戦、硫黄島戦、沖縄戦などに参加した。1945年7月14-15日、第38.4任務群の一員として室蘭に艦砲射撃を実施。7月18日、第38.4任務群の一員として茨城県日立市の日立製作所に艦砲射撃を実施。1948年7月1日、予備役に編入された。朝鮮戦争勃発を受けて1951年3月3日に現役復帰し、BB-62ニュージャージーから第７艦隊旗艦任務を引き継いで地上砲撃を行った。1952年3月、清津を砲撃中に150mm沿岸砲の反撃を受けて損傷した。5月、任務を終了。1956年5月、バージニア沖で駆逐艦と衝突し、艦首が大破したため、BB-66の艦首を装着した。朝鮮戦争休戦に伴い、1958年3月3日に予備役に編入され、モスボール状態でフィラデルフィア海軍工廠に繋留された。1986年8月、インガルス造船所で再就役工事を開始。1988年9月、工事を終了。10月22日、再就役し、コーパス・クリスティを母港として活動した。1990年8月7日、湾岸戦争勃発によりノーフォーク海軍基地を出港。8月23日、ペルシャ湾に到着。1991年1月17日、トマホーク24発を発射した。2月6日、サウジアラビア沖の射撃エリアに入り、クウェート南部のイラク軍砲兵中隊陣地に主砲弾11発を撃ち込んで粉砕した。2月7日、クウェート沿岸のイラク軍陣地に主砲弾24発を発射。夜には特殊部隊ボート停泊地を砲撃して15隻を破壊した。2月8日、イラク軍陣地に主砲弾29発を発射。2月21日、クウェート市沖の射撃エリアに移動し、イラク軍指揮施設に主砲弾50発を発射、10棟の建物を損壊させた。2月24日未明、陽動のためクウェート沿岸部に主砲弾90発を撃ち込んだ。2月26日、第１海兵師団援護のためクウェート国際空港付近の戦車部隊に対して主砲弾11発を発射した。湾岸戦争中にトマホーク24発と主砲弾319発を発射している。1991年9月30日退役。1995年1月12日、除籍された。1998年2月12日、保管艦籍に入れられた。2000年12月、ノーフォーク海軍基地からノーティカス博物館の繋留岸壁に移動。現役復帰に備えてロー・レベル・レディネスのまま2001年4月16日からノーフォークのハンプトン・ローズ海軍博物館で一般公開されていた。2006年3月17日、除籍された。2009年12月14日、ノーフォーク市に公式に寄贈され、ノーティカス海洋博物館の隣で展示されている。入場料は無料。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船9,'21、1,’12、3,’10、9,’01、月刊丸11,’09、月刊軍事研究7,’12

＜Ｂ／Ｂ−６５＞：RB53（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＢＢ−６５＞：アメリカ海軍アイオワ級戦艦５番艦イリノイ（Illinois）。1942年（1944年1月15日？）起工。工事が22%ほど進んだ所で建造を止められ、1945年8月11日に発注がキャンセルされ、8月12日に建造中止となって1958年に解体された。主機は高速補給艦２隻に流用されている。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊丸12,’10、月刊世界の艦船9,'21、1,’12

＜ＢＢ−６６＞：アメリカ海軍アイオワ級戦艦６番艦ケンタッキー（Kentucky。３代目）。1942年12月6日起工。その後工事が中断され、1944年12月6日に再起工した。1946年8月、工事を中断。1948年8月17日、工事を再開。1950年1月20日進水、保管状態にされた。空母機動艦隊に随伴するテリア艦対空ミサイル搭載護衛艦（艦種記号BBG）への改造が検討されたがキャンセルされ、1956年に艦首がBB-64ウィスコンシンの修理に使われ、1958年6月9日に除籍されて解体された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊丸11,’09、12,’10、4,’17、月刊世界の艦船9,'21、1,’12

＜ＢＢ−６７＞：アメリカ海軍モンタナ級戦艦１番艦モンタナ。建造中止になった。参考：月刊丸12,’10

＜ＢＢ−６８＞：アメリカ海軍モンタナ級戦艦２番艦オハイオ。建造中止になった。参考：月刊丸12,’10

＜ＢＢ−６９＞：アメリカ海軍モンタナ級戦艦３番艦メイン。建造中止になった。参考：月刊丸12,’10

＜ＢＢ−７０＞：アメリカ海軍モンタナ級戦艦４番艦ニューハンプシャー。建造中止になった。参考：月刊丸12,’10

＜ＢＢ−７１＞：アメリカ海軍モンタナ級戦艦５番艦ルイジアナ。建造中止になった。参考：月刊丸12,’10

＜Ｂ／Ｂ−７３＞：ドラゴン海外シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＢＢＪシリーズ＞：ボーイング・ビジネス・ジェット社（BBJ社）のビジネスジェット機。B737シリーズのビジネスジェット機版で、需要を見込んだボーイング社とジェネラル・エレクトリック社が1996年に50%ずつ出資して会社を立ち上げ開発した。機体はボーイング社で製造し、BBJ社で顧客の要望に応じた内装と塗粧を施す。後にB747/B757/B767/B777/B787の各シリーズにもビジネスジェット版を作り、要人輸送機としても使用されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＢＢＪ＞：B737-700ベース。ウイングレットを標準装備して床下に燃料タンクを増設、航続距離を２倍に延伸した。全長33.63m、全幅35.79m、全高12.55m、最大離陸重量77.564トン、最大着陸重量60.781トン。エンジンはGE社製CFM56-7B（推力121.19kN）双発、巡航速度マッハ0.79-0.82、航続距離11399km。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＢＢＪ２＞：B737-800ベース。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＢＢＪ３＞：B737-900ERベース。全長42.1m、全幅35.79m、全高12.55m、最大離陸重量85.139トン、最大着陸重量71.35トン。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製CFM56-7B（推力121.19kN）双発、巡航速度マッハ0.79-0.82、航続距離10066km。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＢＭ＞：戦場弾道ミサイルを参照。

＜ＢＢＰＤＮＧ＞：SLAM-F（対機雷戦システム）を参照。

＜ＢＣ＞：ビーシー（隠語）を参照。

＜ＢＣ＞：生物・化学兵器（Biological/Chemical weapon）の略。

＜ＢＣ−１＞：AT-6シリーズ（練習機）を参照。

＜ＢＣ−１＞：FuG202（機上レーダー）を参照。

＜ＢＣ−１７Ｘ＞：C-17輸送機ファミリーを参照。

＜ＢＣＡＴＰ＞：イギリス連邦航空要員訓練計画を参照。

＜ＢＣＣＦｏＶ＞：ブラッドレイA3共通車体ファミリー車を参照。

＜ＢＣＳ＞：アメリカ軍戦車部隊用戦闘工兵機材で、大隊地雷処理セットの略。TWMPとTWMRのことである。参考：戦車マガジン10,’93別冊

＜ＢＣＴ＞：旅団戦闘団を参照。

＜ＢＣＴＣ＞：指揮所訓練統裁支援システムを使用した指揮所訓練の略。

＜ＢＣＴＣ＞：東北方面指揮所訓練センターを参照。

＜ＢＤ＞：ロシア語で爆弾ラック（Bombodertchatel）の略。参考：月刊JWings5,’12

＜ＢＤ−２＞：小型ドーザを参照。

＜ＢＤ−２＞：ソ連が開発した500馬力エンジン。BD-14の改良型で、V-2の基になった。参考：月刊グランドパワー10,’04

＜ＢＤ−１４＞：ソ連が開発した400馬力エンジン。BD-2を経てV-2の基になった。参考：月刊グランドパワー10,’04

＜ＢＤ−１００＞：チャレンジャー300シリーズ（ビジネスジェット機）を参照。

＜ＢＤ−７００＞：グローバル・エクスプレス（ビジネスジェット機）を参照。

＜ＢＤＡ＞：爆撃損害評価を参照。

＜ＢＤＡ＞：Battle Damage Assessment（戦闘損害評価）の略。参考：月刊グランドパワー10,’04

＜ＢＤＣ２０４＞：スウェーデン軍の対潜爆弾。水圧式信管を装備しており、潜望鏡深度に対応する。NATOヘリコプター爆弾ランチャーに搭載可能。全長988mm、直径240mm、重量61kg、炸薬重量50kg。運用深度10-70m。参考：火器弾薬技術ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂｄｅ＞：旅団（Brigade）の略。

＜ＢＤＩ＞：Bearing Deviation Indicator（方位偏差表示盤）の略。参考：現代の潜水艦

＜ＢＤＫ−１１＞：ロシア海軍ロプーチャ�U型揚陸艦。1999年7月2日、宗谷岬北東240kmを航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2004年8月31日から9月3日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、タランタル�V型ミサイル艇R-29と共に呉基地を訪問した。9月4日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、タランタル�V型ミサイル艇R-29と共に、対馬沖でDDH-144くらま、DD-103ゆうだちと捜索救難訓練を行った。参考：月刊世界の艦船3,’00、3,’05

＜ＢＤＫ−９８＞：ロシア海軍ロプーチャ�T型揚陸艦。2002年9月30日、宗谷岬の西北西45kmを航行するのをDD-156せとぎりが確認した。2011年9月9日0100-1000頃、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�V型警備艦ホルムスク、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガヴァニ、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、同R-19、同R-24、同R-298、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ドゥブナ級補給艦イルクート、エルブラス型潜水艦救難艦１隻、イングル型救難曳船１隻、カツン�U型救難艦１隻、オビ型病院船１隻と共に宗谷岬の西200kmを東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2000-2200には宗谷海峡を通過していくのが確認されている。9月28日、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�V型警備艦ホルムスク、グリシャ�X型警備艦ウスト・イムリスク、同コレーツ、同ソヴェツカヤ・ガヴァニ、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、改アルタイ型補給艦、オビ型病院船と共に宗谷岬の東北東350kmを航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。10月19日1130頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ロプーチャ�T型揚陸艦オスラビアと共に宗谷岬西北西150kmを東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。11月2日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ロプーチャ�T型揚陸艦オスラビアと共に津軽海峡を西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2012年7月1日0600-1800、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、同アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦メテル、同ウスト・イムリスク、同コレーツ、ロプーチャ�T型揚陸艦オスラビア、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ナヌチュカ�V型ミサイル艇イネイ、同ラズリーフ、タランタル�V型ミサイル艇R-14、同R-18、同R-19、フィニク級測量艦GS-47、同GS-84、同GS-296、同GS-404、ビヤ型測量艦GS-200、カメンカ型測量艦GS-211、モマ型測量艦アンタークティダ、ユグ級海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、カシタン級設標船KIL-168と共に、宗谷岬の西160kmを東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。7月7日、宗谷岬の北東30kmを西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2013年3月21日1400頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスヴェート、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に、上対馬の北東170kmを南西に航行するのを第４航空群P-3Cが確認した。参考：月刊世界の艦船3,’05、1,’12、3,’12、9,’12、10,’12、6,’13

＜ＢＤＰ−２＞：ソ連軍の空挺グライダー。1940年からポリカルポフが開発し、1942年に評価用として少数のみ生産された。機体は全木製モノコック構造。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＢｄＵ＞：Ｕボート司令部の略。参考：Ｕボート入門

＜ＢＤＵ＞：アメリカ軍の４軍統一迷彩服で、Battle Dress Uniform（戦闘服）の略。基本デザインはベトナム戦争時の熱帯用戦闘服である。当初はERDLグリーンリーフパターンとブラウンリーフ・パターンを使用していたが、前者が明るすぎ、後者が濃すぎたので、ブラウンリーフの色調を緑っぽくし、パターンを大きくしたウッドランドパターン（適合地域はソ連との全面戦争で戦場となることが予想されていたヨーロッパ森林地帯）を1980年代に採用した。対赤外線センサー隠蔽効果を持つ綿ポリエステル混紡生地（50%ずつ）で作られており、オールシーズン用と熱帯・夏期用がある。NATO統一基準によりナイロン50%、綿50%で作られたものもある。ジャングル・ファティーグに比べて一回り大きく作られており、冬季には下にセーターを着込む（上から羽織るフィールド・ジャケットはオリーブドラブ単色なので迷彩効果が薄い）。海兵隊はMARPAT、陸軍はACU、海軍はNWUに後を譲った。参考：コンバット・バイブル、月刊コンバットマガジン5,’06、ミリタリー・イラストレイテッド17

＜ＢＤＵ−２／Ｂ＞：アメリカ軍のB28RE核爆弾用訓練爆弾。重量10ポンド（4.5kg）。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−３／Ｂ＞：アメリカ軍のB28IN核爆弾用訓練模擬弾。重量2000ポンド（907kg）。参考：月刊JWings4,’13、世界の傑作機No.118

＜ＢＤＵ−４／Ｂ＞：アメリカ軍のB28RE核爆弾用訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−６／Ｅ＞：アメリカ軍のB43核爆弾用積み込み訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−７／Ｅ＞：アメリカ軍のTX-46核爆弾用積み込み訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−８／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のB43核爆弾用投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

　＜ＢＤＵ−８／Ｂ＞

　＜ＢＤＵ−８Ａ／Ｂ＞：B43とはテイルフィンの形状が微妙に違う。また、弾体左後部の専用レンチ収容部にTESTと書かれている。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−９／Ｂ＞：アメリカ軍のCBU-16/Aシリーズ用子爆弾。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＤＵ−９／Ｅ＞：アメリカ軍のB53核爆弾用積み込み訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１０／Ｅ＞：アメリカ軍のB28EX核爆弾用積み込み訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１１／Ｅ＞：アメリカ軍のB57核爆弾用積み込み訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−１１Ａ／Ｅ＞：アメリカ軍のB57核爆弾用積み込み訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−１２／Ｂ＞：アメリカ軍のB57核爆弾用投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−１２Ａ／Ｂ＞：アメリカ軍のB57核爆弾用投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−１３／Ｂ＞：アメリカ軍のB53核爆弾用投下訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１４／Ｅ＞：アメリカ軍のB28RE核爆弾用積み込み訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１５／Ｅ＞：アメリカ軍のB28RE核爆弾用積み込み訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１６／Ｅ＞：アメリカ軍のB28RE /B28FI核爆弾用積み込み訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１７／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１８／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１８／Ｂ＞：B43核爆弾用訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−１８Ａ／Ｂ＞：B43核爆弾用訓練模擬弾。参考：世界の傑作機No.118

＜ＢＤＵ−１９／Ｂ＞：アメリカ軍のB57核爆弾用訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−２０／Ｃ＞：アメリカ軍のB57核爆弾用積み込み・投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−２１／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−２３／Ｂ＞：アメリカ軍の25ポンド訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−２４／Ｃ＞：アメリカ軍のB43核爆弾用積み込み・投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−２５／Ｂ＞：アメリカ軍のBLU-7/B用訓練子爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−２６／Ｅ＞：アメリカ軍のB28EX核爆弾用積み込み訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−２７／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター兵器用子爆弾。CBU-8/Aに409発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＤＵ−２７／Ｂ＞：アメリカ軍の弾着表示弾。BLU-3/Bの訓練用である。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−２８／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター兵器用子爆弾。CBU-9/Aシリーズに406発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＤＵ−２８／Ｂ＞：アメリカ軍のダミー破砕弾。BLU-3/Bの訓練用である。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−２９／Ｅ＞：アメリカ軍のB28RE核爆弾用積み込み訓練弾。参考：月刊JWings4,’13、アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−３０／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター兵器用子爆弾。CBU-10/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＤＵ−３０／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−３２／Ｅ＞：アメリカ軍のB57核爆弾用積み込み訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−３３／Ｂシリーズ＞：アメリカ空軍25ポンド訓練爆弾、愛称スリック。海軍名称はMk76である。日本のマニアには色と弾体形状から青ナスビという愛称を付けられた。Mk80爆弾シリーズと同様の弾道を描く。参考：月刊JWings4,’13、4,’10、月刊軍事研究4,’11

　＜ＢＤＵ−３３Ａ／Ｂ＞：先端にMk1撃針、尾部にMk4シグナルカートリッジが取り付けられており、環状フィンを持つ。全長580mm、重量11kg。参考：月刊JWings4,’13

　＜ＢＤＵ−３３Ｂ／Ｂ＞：環状フィンを４枚フィンに換装したタイプ。参考：月刊JWings4,’13

　＜ＢＤＵ−３３Ｄ／Ｂ＞：Mk4シグナルカートリッジを頭部に移したタイプ。全長582mm、直径101mm。参考：月刊JWings4,’13

　＜ＢＤＵ−３３Ｍｏｄ５／Ｂ＞

　＜Ｍｋ７６Ｍｏｄ５＞：Mk76Mod4の環状フィンを４枚フィンに換装したタイプで、BDU-33D/Bとほぼ同じだが、フィン付け根部分が少し長い。全長627mm、直径101mm。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−３４／Ｂ＞：アメリカ軍のCBU-17/A用子爆弾。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＤＵ−３４／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−３５／Ｅ＞：アメリカ軍のB43核爆弾用積み込み訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−３６／Ｃ＞：アメリカ軍のB61核爆弾用積み込み・投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−３７／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター兵器用子爆弾。CBU-26/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＤＵ−３７／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−３８／Ｂ＞：アメリカ軍のB61核爆弾用投下訓練弾。参考：アメリカの核兵器

＜ＢＤＵ−３９／Ｂ＞：アメリカ軍のB61核爆弾用訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−４０／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−４１／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−４２／Ｂ＞：アメリカ軍のボール爆弾訓練弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−４３／Ｂ＞：アメリカ軍のイナート汎用爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−４５／Ｂ＞：アメリカ軍のMk82用フルスケール訓練爆弾。炸薬の代わりにバラスト（砂と水）が搭載されており、重量や重心は実弾と同じに調整されている。尾部左右にMk89スポッティングチャージアダプターが付いており、CXU-4/Bシグナルカートリッジを取り付けておくと、着弾時に発火して白煙が上がるので、命中判定が可能となる。バラストを調整すればBLU-110/Bにも対応可能。参考：月刊軍事研究3,’11、月刊JWings5,’13

＜ＢＤＵ−４６／Ｅ＞：アメリカ軍のB61核爆弾用91ポンド訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−４８／Ｂ＞：アメリカ軍のMk82スネークアイ用サブスケール10ポンド訓練爆弾、通称ビール缶。弾体は円筒形で、後端にフィン付きの棒が出ている。参考：月刊JWings4,’13、月刊軍事研究4,’11

＜ＢＤＵ−５０／Ｂ＞：アメリカ軍のMk82用フルスケール訓練爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＢＤＵ−５３／Ｂ＞：アメリカ軍のB90核爆弾用訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＵ−５４／Ｂ＞：アメリカ軍のMk83用フルスケール訓練爆弾。構造はBDU-45/Bと同じ。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＢＤＵ−５６／Ｂ＞：アメリカ軍のMk84用フルスケール訓練爆弾。構造はBDU-45/Bと同じ。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＢＤＵ−５７／Ｂ＞：アメリカ軍のペイブウェイ�U用レーザー誘導訓練弾（LGTR）。弾体は細長い円筒形で、先端にレーザーシーカー、前部に４枚のカナード（後縁に操縦翼が付く）、後部に４枚の安定翼を持つ。安定翼基部にMk4Mod3またはCXU-3/Bシグナルカートリッジが挿入されており、白煙で着弾点を表示する。全長1.9m、直径0.1m、重量40kg。BRU-41/Aラックを介してパイロン１基あたり３発を搭載できる。参考：月刊JWings5,’13、4,’10

＜ＢＤＵ−５８／Ｂ＞：アメリカ軍のレーザー誘導訓練弾（LGTR）で、エンハンスドLGTR（E-LGTR）とも呼ばれる。参考：月刊軍事研究10,'15、月刊航空ファン2,’12

＜ＢＤＵ−５９／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のペイブウェイ�U用レーザー誘導訓練弾（LGTR）で、エンハンスドLGTR（E-LGTR）とも呼ばれる。形状はBDU-57/Bと同じ。参考：月刊JWings4,’10、5,’13、月刊航空ファン2,’12、月刊軍事研究10,’15

　＜ＢＤＵ−５９／Ｂ＞：

　＜ＢＤＵ−５９Ａ／Ｂ＞：

　＜ＢＤＵ−５９Ｂ／Ｂ＞：

＜ＢＤＵ−６０／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のペイブウェイ�V用レーザー誘導訓練弾（LGTR）で、LGTR�U（Laser Guided Training Round�U）またはエンハンスドLGTR（E-LGTR）とも呼ばれる。形状はBDU-57/Bと同じ。参考：月刊航空ファン3,’11、2,’12、月刊JWings4,’10、5,’13、月刊軍事研究10,’15、8,’18

　＜ＢＤＵ−６０／Ｂ＞：

　＜ＢＤＵ−６０Ａ／Ｂ＞：

＜ＢＤＵ−６１／Ｂ＞：アメリカ軍の訓練爆弾で、イギリスのポーツマス・アビエーション社が開発した。円筒形弾体の先端を流線型に整形してあり、後部に４枚の安定翼を持つ。内部にR223E炸薬（クロム酸鉛とマグネシウムなどからなる）を0.3kg充填したカートリッジが入っており、発光・発煙で着弾地点を表示する。全長381mm、直径76mm、全備重量3.3kg。参考：月刊JWings4,’13

＜ＢＤＸ＞：ティモニー海外シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜ＢＥ爆弾シリーズ＞：ルーマニア軍の通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＥ−５０＞：重量55kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＥ−１００＞：重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＥ−２５０＞：全長1.6m、直径0.426m、重量250kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＥ−５００Ｅ＞：重量500kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＥＡＦ−１００Ｐ＞：重量100kgの高抵抗型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｂｅ−２＞：KOR-1（艦載偵察機）を参照。

＜ＢＥ２シリーズ＞：イギリス陸軍航空隊複座複葉偵察機。イギリス王立航空機工廠が開発し、戦闘機型や軽爆撃機型などのファミリーも製作された。総生産数3500機。参考：月刊航空ファン11,’16、12,’18、月刊JWings5,’08

　＜ＢＥ２＞：1912年に初飛行した。操縦席前面に回転計、速度計、ストップウォッチ（飛行時間表示）、高度計を埋め込んだ実用的な計器盤を装備しており、現在の計器盤の原型となった。参考：月刊JWings5,’08

　＜ＢＥ２Ｃ＞：改良型。エンジン出力90馬力、最大速度130km。乗員２名（前席に銃手、後席に操縦士）。傑作戦闘機として名高いが、第１次大戦では航空機の進歩に追いつけず、フォッカーE.1に大損害を受けて前線から引き上げられた。参考：月刊航空ファン11,’16、月刊JWings5,’08

＜Ｂｅ−４＞：ソ連軍の艦載飛行艇。1936年5月のソ連海軍艦隊整備計画に基づき、巡洋艦に搭載されて偵察・観測・洋上哨戒を行う艦載飛行艇というのがコンセプトで、ベリエフ設計局が1939年からKOR-2の名称で開発し、1940年10月21日（1941年？）に初飛行した。艇体は全金属製セミモノコック構造で、艇体上の支柱にエンジンが載っていて、そこから左右にパラソル式単葉逆ガル翼が生えている形状である。主翼外側部に浮舟を持つ。全長10.5m、全幅12m、全高4.05m、全備重量2760kg。エンジンはM-62（1000馬力。900馬力？）単発、最大速度356km、実用上昇限度8100m、航続距離1150km。武装は7.62mm機銃２丁（前方固定１丁、旋回１丁。計３丁？）。爆弾400kgを搭載できる。乗員３名（２名？）。1942年から黒海艦隊巡洋艦に搭載されたが、独ソ戦勃発で艦隊整備どころではなく、1945年までに46機（100機？）が生産されたのみで、主に沿岸偵察、対潜哨戒、輸送などを行った。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸11,’72、月刊世界の艦船6,’13

＜Ｂｅ−６＞：ソ連軍の対潜哨戒飛行艇、NATOコードはマッジ（Madge）。ベリエフ設計局が開発し、1949年2月に初飛行した。主翼は高翼配置のガル翼で、エンジンとプロペラを高い位置に置いて波を被らないようにした。全長23.55m、全幅33m、全高7.64m、重量20928kg、最大離陸重量29000kg。翼面積120平方メートル。エンジンはASh72（2300馬力）またはASh-73TKs（2400馬力）双発、最大速度401-415km、航続距離5000km。武装は機首の機銃。主翼下面パイロンに爆弾や魚雷など4400kgを搭載できる。乗員８名＋搭乗兵員40名。123機（200機以上？）が生産され、1950年から引き渡された。1954年から胴体尾部にMADを追加し、機首の機銃を外してレーダー２種を搭載している。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊丸11,’72、月刊JWings2,’23

＜Ｂｅ−１０＞：ソ連軍のジェット飛行艇、設計名称Ｍ、NATOコードはマロウ（花の名前）。世界唯一の量産軍用ジェット飛行艇（試作含めればP6M飛行艇、軍用以外ならBe-200がある）で、1953年から開発され、1956年6月20日に初飛行した。主翼は高翼配置の後退翼で、前縁後退角35度、主翼付け根下面にエンジンを装着し、翼端に固定式フロートを持つ。水平尾翼は後退角40度。全長31.45m、全幅28.6m、全高10.7m、全備重量41トン（45トン？）、最大離陸重量48.5トン。翼面積130平方メートル。エンジンはリューリカAL-7PBターボジェット（推力7.26トン）双発、最大速度910km、航続距離2895km。武装は機首と尾部の23mm機関砲２門ずつ。最大兵装ペイロード３トン。乗員3-5名。1958年から量産され、1961年のツシノ航空ショーで公開されたが、運用成績はあまり良くなかったらしく、28機（27機？）の生産に止まり、1968年に退役してBe-12と交代した。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings2,’23、月刊丸11,’09

＜Ｂｅ−１２＞：ソ連軍の水陸両用飛行艇、別名チャイカ（Thaika）、NATOコードはメイル（Mail）。ベリエフ設計局が開発して1960年10月18日に初飛行し、1961年のツシノ航空ショーで初公開されて西側が認識した。艇体はビームローディングの大きい細長いもので、艇首に大型の波抑え板を持つ。主翼は肩翼配置のガル翼で、内翼と外翼の境界部分にターボプロップエンジンを載せている。水平尾翼は上反角付きで、その両端に垂直尾翼が付く。機首先端にレドーム、艇体にソノブイ／フレア投下口、後部艇体下面に垂下式対潜レーダー、機体尾部にMADブームを装備しており、兵装は主翼下パイロンまたはソノブイ投下口から投下する。全長32.9m、全幅29.7m、全高7.0m（7.94m？）、自重22.5トン、最大総重量29.5トン、最大離陸重量36トン。翼面積95.7平方メートル。エンジンはイフチェンコAI-20D（5316馬力／5180軸馬力／4090ehp）２基、哨戒速度172ノット、巡航速度216ノット、最大速度330ノット（530km？）、実用上昇限度11280m、航続距離2160海里、哨戒航続時間８時間、最大航続時間12時間。兵装搭載量４トン。乗員5-7名（４名？）。143機が生産され、1964年に就役して1967年からBe-6の後継として対潜哨戒部隊に配備された。ベトナムやシリアにも供与されている。参考：世界の軍用機1982、月刊丸1,’77、空軍、ウォーマシン・レポートNo.67、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｂｅ−４２＞：A40シリーズ（飛行艇）を参照。

＜Ｂｅ−４４＞：A40シリーズ（飛行艇）を参照。

＜ＢＥ５２＞：ペガサス・シリーズ（エンジン）を参照。

＜ＢＥ５２／２＞：ペガサス・シリーズ（エンジン）を参照。

＜Ｂｅ−２００シリーズ＞：ロシア海軍多目的飛行艇。ベリエフ（Beriev）が1989年からA-40哨戒飛行艇の縮小版として開発し、1991年からベリエフ航空企業・タガンログ航空機工場・イルクーツク航空機工場の共同企業ベタイル（Betair）に開発が移行、原型機は1996年に完成したが初飛行は1998年9月24日になった。洋上哨戒の他、消防、貨物輸送などに使用でき、ロシア国家非常事態省も12機を採用し、アゼルバイジャン緊急事態省も１機購入、中国に2-4機が輸出された。インドネシア、ギリシャ、ポルトガルなどに森林火災消火（兼セールス）用としてリースしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究10,’13

＜Ｂｅ−２００＞：構造材と外板はアルミニウム・リチウム合金の全金属製だが、内装には複合材を使っている。胴体後端に水上航走時の方向転換用舵を持つ。エンジンは主翼付け根後部上面に装着し、水上滑走時に水飛沫を吸い込まないようにした。グラスコクピットとフライバイワイヤを採用し、機首にMN-85気象レーダーを装備、ARIA-200Mデジタル航法装置を搭載する。降着装置は前輪式の油圧後方引き込み式。全長32.05m、全幅32.78m、全高8.9m、空虚重量27.6トン、最大離陸重量41トン（地上）／37.9トン（水上）。エンジンはプログレスD-436TPターボファン（推力7.5トン）双発、巡航速度560km、最大巡航速度700km（高度8000m）、最大速度720km（高度7000m）、巡航高度7986m、実用上昇限度11000m、航続距離1250km（ペイロード6.5トン）／3850km（最大燃料）。最大ペイロード7.5トン（貨物）／12トン（消防水）。離陸滑走距離1270m、離水距離1000m、着水距離1300m、着水可能波高1.2m。乗員２名＋搭乗人員72名。救難任務なら担架30床を搭載できる。参考：世界航空機年鑑2018-2019、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究10,’13、月刊JWings12,’13、12,’00

　＜Ｂｅ−２００ＣｈＳ＞：ロシア国家非常事態省（MChS）消防飛行艇。12トンの水を投下できる。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究11,’11

　＜Ｂｅ−２００ＥＳ＞：基本型の消防飛行艇。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｅ−２００ＰＳ＞：捜索救難型。ロシア海軍やロシア国家非常事態省に提案している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｅ−２１０＞：エアライン向けで、計画中。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＥＡＦ−１００Ｐ＞：BEシリーズ（爆弾）を参照。

＜ＢＥＥＰ＞：T214シリーズ（ウェポン・キャリア）を参照。

＜Ｂｅｆ　Ｗｇ＞：Befehlswagen（指揮車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＢｅＬＨ＠ＲＲＡ＞：FTI海外シリーズ（フリゲート）を参照。

＜ＢＥＬＯＵＧＡ＞：BLG66（クラスター爆弾）を参照。

＜Ｂｅｏｂ　Ｗｇ＞：Beobachtungswagen（観測車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＢｅｔＡＢ＞：ソ連軍のクラスター爆弾用子爆弾で、対滑走路用のコンクリート貫通弾である。直径140mmで、放出されるとパラシュートを開いて姿勢を制御した後に切り離して加速、地面に垂直に刺さってから遅延信管で炸裂し、４平方メートルのクレーターを作る。厚さ400mmのコンクリートを貫通可能とされる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢｅｔＡＢ貫徹爆弾シリーズ＞：ソ連軍の貫徹爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢｅｔＡＢ−１５０ＤＳ＞：重量165kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢｅｔＡＢ−２５０＞：重量250kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢｅｔＡＢ−５００＞：全長3.23m、直径350mm、重量477kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢｅｔＡＢ−５００ＳｈＰ＞：滑走路破壊爆弾で、尾部に制動用パラシュートを持つ。重量380kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＦ＞：爆風破片弾頭（Blast Fragmentation）の略。

＜ＢＦ２Ｃシリーズ＞：アメリカ海軍の複葉戦闘爆撃機。カーチス社が開発した。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜ＸＦ１１Ｃ−３＞：試作機で、1933年3月11日に初飛行した。胴体は羽布張り、コクピットは開放型、降着装置は引き込み式である。エンジンはR-1820サイクロン（700馬力）。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜ＢＦ２Ｃ−１＞：生産型で、215kg爆弾１発を搭載できるのでBF（戦闘爆撃機）になった。爆弾の代わりに増槽も積める。1934年8月8日から27機が引き渡されたが、振動が激しく、1936年3月までに全機退役した。参考：週刊エアクラフトNo.97

＜ＢＦ２Ｃ海外シリーズ＞

＜霍克三型戦闘機＞：国民政府軍の戦闘機。ホーク�Vを導入したもので、霍克二型と比較して新ホークとも呼ばれている。日華事変で日本軍による渡洋爆撃の迎撃戦に投入された。参考：月刊航空ファン6,’16

　＜ホーク�V＞：BF2C-1の輸出型。全長7.62m、全幅9.6m、全高3.23m、重量1960kg。エンジンはライトR-1820-53空冷星型９気筒ガソリン（785馬力）単発、最大速度390km。固定武装は7.7mm機銃２丁。乗員１名。参考：図解世界の軍用機史

＜Ｂｆ１０８シリーズ＞：ドイツ空軍の連絡輸送機、別名タイフン（Taifun）。元は1933年に初飛行したBFW社の民間用汎用機で、世界中に輸出されており、第２次大戦後もフランスが連絡機として285機を生産・使用した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、グラフィックアクション29、月刊航空ファン11,’92

　＜Ｂｆ１０８Ａ＞：機体は全金属製モノコック構造で、主翼は低翼単葉、前縁にスラット、後縁にフラップを持つ。エンジンはヒルトHM8（225馬力）単発。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊航空ファン11,’92

　＜Ｂｆ１０８Ｂ＞：エンジンをAs10C-3に換装したもの。全長8.3m、全幅10.5m、全高2.1m、自重855kg、全備重量1400kg。エンジンはAs10C-3（240馬力）単発、最大速度288km、実用上昇限度4400m、航続距離1200km。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｂｆ１０８海外シリーズ＞

　＜Ｂｆ１０８（スイス空軍）＞：スイス空軍練習機。Bf109Eの練習用で、1938年に15機を導入し、1959年まで使用した。参考：月刊軍事研究10,’06

　＜ノール１００１＞：フランス解放後に生産されたもので、別名Pengouin�T。エンジンをルノー6Q-11（233馬力）に換えてある。参考：月刊JWings6,’06

　＜ノール１００２＞：ノール1001のエンジンをルノー6Q-10（230馬力）に換えたもので、別名Pengouin�U。参考：月刊JWings6,’06

＜Ｂｆ１０９シリーズ＞：ドイツ空軍の戦闘機。1934年にBFW（バイエリッシェ航空機会社）が試作を開始し、アラドAr80V1、フォッケウルフFw159V1、ハインケルHe112V1と比較審査が行われ、He112V1と共に試作２号機以降10機の生産が決定、1936年10月（3月？）に採用が決まった。小型軽量の機体に強力な液冷エンジンを積み、生産性も向上させたデザインとなっている。BFWは本戦闘機により事業を拡大、1938年に社名をメッサーシュミット株式会社に変えており、本戦闘機はMe109とも呼ばれる。離着陸時に機体が急に左に傾くという悪癖があり、最後まで解決できなかった。また、ホイールトラックが狭く離着陸に慣れが必要で、主脚柱が弱いという欠点があったが、Ｋシリーズになるまで解決されなかった。Ｒキットという改造を実施したバージョンが多数存在するが、制式名称が変更されたのはリュスツシュタント（装備状態改修キット）を施したもののみで、リュストザッツ（前線改修キット）装備機は名称変更無しに使用されている。第２次大戦開戦時にはＥシリーズ850機、Ｄシリーズ235機の計1085機が配備されていた。BFW／メッサーシュミット株式会社の他、AGO航空機会社、フィーゼラー航空機会社、エルラ機械会社、アラド社ブランデンブルク工場、同ワルネムンデ工場、同アンクラム工場、ウィナー・ノイシュタット航空機会社、メタルヴェルケ・デリッシュ社が製造に加わり、第２次大戦中に30480機が生産され、戦闘機としては単一機種世界最多量産機となった。参考：月刊JWings1,’00、歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97、図解世界の軍用機史

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−１＞：初号機で、1935年5月28日に初飛行した。全金属製の低翼単葉機で、胴体は楕円断面セミモノコック構造、コクピットは密閉式、主脚は引き込み式である。主翼は単桁で、自動前縁スラットを持つ。ユモ210エンジンが間に合わなかったので、ロールスロイス社製ケストレル（583馬力）を搭載している。ベルリンオリンピックで展示飛行した。参考：英仏航空決戦、歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−２＞：試作２号機で、予定通りユモ210Aエンジン（610馬力）を搭載した。プロペラは木製固定ピッチ２翅。カウリング上にMG17機銃２丁を搭載できる。1936年1月（1935年12月？）に初飛行した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英仏航空決戦、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−３＞：試作３号機で、1936年4月に初飛行した。機銃４丁を搭載するとみられていたハリケーンやスピットファイアに対抗するため、軸内にMG17機銃を装備できるようにしてある。エンジンはJumo210C（640馬力）で、最大速度はHe112を27km上回り、安定性や地上視界、整備性に優れ、生産性が良いこともあり1936年内に採用が決定した。これをベースにV-4からV-13まで10機の増加試作型が製作されている。後にスペイン内乱に派遣された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英仏航空決戦、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−４＞：試作４号機（増加試作型）で、エンジンをユモ210Bに換装しており、後に軸内機銃をMGFF-Mに交換した。スペイン内乱に送られたが、軸内機銃は発射時にエンジンごと振動して使い物にならなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−５＞：試作５号機（増加試作型）で、軸内機銃はMG17に戻した。エンジンはユモ210B。スペイン内乱に送られた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−６＞：試作６号機（増加試作型）で、エンジンはユモ210B。スペイン内乱に送られた。参考：月刊JWings1,’00、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−７＞：試作７号機。エルロンや尾翼のフラッターなどを修正し、テスト終了後、Ａは飛ばしてＢシリーズから量産されることになった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−８＞：試作８号機。主翼にMG17機銃２丁を装備した武装強化型だが、発射テストで激しいフラッターを起こしたため、エルロンに改良を加え、主翼前縁を補強する必要があった。Ｃシリーズの原型となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−９＞：主翼付け根にMGFF機関砲を搭載した武装強化型で、B-2から改造された。発射反動を受け止めきれず、機体が激しい振動を起こして使い物にならなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−１０＞：Ｄシリーズ原型機の１つ。1937年7月23日から8月1日まで開催されたチューリッヒ国際飛行競技会に出場した特別機で、Bf109BにDB600エンジン（950馬力。ユモ210Ga？）を搭載している。アルプス周回レースに出場したが、改造が荒かったせいか緊急着陸という結果に終わった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−１１＞：Ｄシリーズ原型機の１つ。ユモ210Faエンジンを装備しており、後にDB600及びDB601エンジンに換装した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−１２＞：Ｄシリーズ原型機の１つ。ユモ210Faエンジンを搭載しており、後にDB600及びDB601エンジンに換装した。主脚が折れたためか胴体着陸し、コクピット後方で機体が真っ二つに折れた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−１３＞：スピードレース機。ユモ210Faエンジンを搭載し、1937年のチューリッヒ国際飛行競技会に出場、上昇・急降下競技で優勝した。その後短時間だけ1650馬力を出せる特製のDB601エンジンを積み、1937年11月11日に時速610kmのFAI公認陸上機速度記録を出した。しかしこの短時間ブーストでエンジンは使い物にならなくなり、飛行終了後にスクラップにされた。参考：月刊JWings1,’00、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−１４＞：武装強化型試作機で、主翼内に20mm機関砲MGFFを２門、エンジン上にMG17機銃を２丁装備している。エンジンはDB600で、後にDB601に換装、E-0の原型となった。1937年にはデューベンドルフに展示されたが、後に墜落した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−１５＞：武装強化型試作機で、MGFF-Mモーターカノン１門とMG17機銃２丁（エンジン上）を装備している。エンジンはDB601A。V-14に負けて採用されなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−２３＞：Bf109Fシリーズの原型機。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｖ−２４＞：V-23の翼スパン短縮型。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ａ＞：開発試験用の機体で、1937年2月までに20機（19機？）が生産された。参考：歴史群像2,’08付録、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｂ＞：エンジン強化型。各型計341機が生産された。参考：月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｂ−０＞：先行量産型で、V-7と同じ仕様である。エンジンはユモ210A。固定武装はMG17機銃２丁。1937年1月に初号機が初飛行して春から配備され、実戦部隊では引き込み脚に慣れていないパイロットが着陸時に脚を出し忘れて胴体着陸するトラブルが多発したが、操作を覚えるにつれて減少した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英仏航空決戦、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｂ−１＞：最初の量産型。低翼単葉機で、胴体及び主翼は左右分割組み立てとして、生産性を優先している。機体は全金属製で、高速を発揮させるために翼面積を16平方メートル強に抑えて翼面荷重を高くし、失速防止のため外翼前縁に自動スラットを装備した。軽量化優先で主翼強度が低かったため、翼下への爆弾搭載や翼内への20mm機関砲装備が出来なくなった。キャノピーはレザー・バック型である。主脚は引き込み式で、エンジン架と一緒に胴体前部フレームに取り付けられており、主翼構造材強化の手間を省いて軽量化したが、主脚をハの字に開かなければならず、着陸時にバランスを崩すと折れ易かった。エンジンが倒立Ｖ型で、クランクシャフトの回転を下の減速歯車でプロペラシャフトに伝える方式のため、プロペラと地上とのクリアランスがどうしても狭くなり、脚を高くせざるを得ず、ホイールトラックも2mと狭く、エンジントルクに負けて横転することもあった。ただ胴体は上を狭くできるので、コクピットからの視界は良い。垂直安定板とラダーの断面型はエンジントルクを打ち消すため左右非対称型で、左側の膨らみが大きい。水平安定板は燃料弾薬消費による重心変化を考慮して取り付け角変更機構が付いており、大迎え角で主翼の影に入らないよう取り付け位置が高くなっている。ラダーとエレベーターは羽布張り。全長8.70m、全幅9.90m、全高2.45m、自重1580kg、全備重量1955kg。エンジンはユモ210Da（680馬力）単発、プロペラは木製固定ピッチ２翅、最大速度460km、航続距離450km。固定武装はエンジン上方左右の7.9mm機銃MG17が２丁。本当は軸内機関砲も搭載する筈だったが、過熱の問題が解決できずに貧弱な武装となった。乗員１名。1937年4月にスペイン内乱で実戦投入され、I-15やI-16を蹴散らした。参考：月刊JWings1,’00、4,’15、歴史群像2,’08、2,’08付録、月刊航空ファン6,’11、丸メカニック別冊１

　＜Ｂｆ１０９Ｂ−２＞：エンジンをユモ210Ga（ユモ210E？）に換装し、プロペラをハミルトン・スタンダード製金属可変ピッチ式２翅（直径3.15m）に変更、装備などに改良を施したもの。機首下部にラジエーターがあり、その後方にラジエーター・フラップが付いていて、コクピットにはReviC/12C光像式射撃照準器を搭載する。コクピット後端の胴体上面にはアンテナ線支柱が立っていて、垂直尾翼端との間にアンテナ線が張られている。主翼は上反角７度で、前縁にスラット、後縁にフラップとエルロン、左下面内方に潤滑油冷却器、左下面やや外方にピトー管が付いている。水平安定板は下面が支柱で支えられており、翼スパン3m、取り付け角をプラス３度からマイナス８度の範囲で変更できる。昇降舵の作動角はプラス23度からマイナス34度。垂直尾翼の断面形は左右非対称。全長8.7m（水平姿勢）、全幅9.9m、全高2.5m（３点姿勢）、重量1960kg。エンジンはユンカース社製ユモ210Ga液冷倒立Ｖ型12気筒レシプロ（685馬力）単発、最大速度470km。固定武装は機首上部の7.9mm機銃MG17（500発）２丁。乗員１名。1937年のチューリッヒ国際飛行競技会に出場し、アルプス国際周回コース、50km周回コース、３機編隊アルプス周回飛行コースで優勝した。スペイン内乱で実戦投入された。参考：英仏航空決戦、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｃ＞：Ｂ型のエンジン・武装強化型。エンジン供給不足で、各型計58機の生産に止まった。参考：月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｃ−０＞：Ｃ型の先行量産型で、V-8型（V-11型？）ベースである。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、図解世界の軍用機史、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｃ−１＞：B-2の両翼内主車輪収納部外側にMG17機銃を１丁ずつ追加した武装強化型で、主翼前縁には機銃孔の開口部が大きめの口を開けている。左主翼下面に小さなオイルクーラーを追加した。FuG7無線機を搭載する。エンジンはユモ210Ga燃料直噴式ガソリン（700馬力）単発、最大速度498km。スペイン内乱で実戦投入されたが、思ったような戦果は挙げられなかった。参考：英仏航空決戦、月刊JWings1,’00、月刊丸9,’97、歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｃ−２＞：武装を軸内及び主翼に１丁ずつのMG17機銃としたもの。参考：英仏航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｃ−３＞：武装をMG17機銃２丁及びMGFF機関砲２門としたもので、V-9ベースだが、生産には入らなかった。参考：英仏航空決戦、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｃ−４＞：武装を主翼のMG17機銃１丁ずつと軸内のMGFF機関砲１門としたもの。生産されなかった。参考：英仏航空決戦、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｄ＞：エンジンをDB600系へと強化する予定だったが、間に合わなかったため、ユモ210系を使用している。各型計647機が生産された。参考：月刊航空ファン10,’16

　＜Ｂｆ１０９Ｄ−０＞：Ｄ型の先行量産型で、B-2の機体を改修し、主翼にMG17機銃２丁、軸内にMGFF/M機関砲１門を追加したもの。10機が生産され、一部はスペイン内乱に投入された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｄ−１＞：Ｃ型のエンジンをDB600A（960馬力）に換装する筈だったが、He111に回されてしまったので、ユモ210Da液冷倒立Ｖ型12気筒（680馬力）に戻したタイプ。機首排気管がやや突出した形状に変更されている。エンジン下方にはラジエーターがあり、コクピット前方に潤滑油タンク、下方に400リットル入り燃料タンクを収容する。1938年春から250機が生産され、うち10機がスイス、３機がハンガリーに輸出された。スペイン内乱ではソ連軍機を圧倒したが、黄作戦ではフランス空軍ホーク75Aを相手に多大な損害を出し、第二線に退いた。参考：月刊JWings1,’00、英仏航空決戦、歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｄ−２＞：武装をMG17機銃４丁としたもの。参考：英仏航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｄ−３＞：武装をMG17機銃・MGFF機関砲２門ずつとしたもの。参考：英仏航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ＞：Ｄ型のエンジンを換装し、武装を強化したもので、通称エミール（Emil）。参考：グラフィックアクション29

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−０＞：Ｄ型のエンジンをDB601Aに換装したもので、1938年11月から生産された。MG17機銃４丁を装備している。参考：英仏航空決戦、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−１＞：Ｄ型のエンジンを燃料直接噴射式・無段階変速式過給機装備のDB601A（1050馬力）に換装したもので、高度や機体姿勢の急変に耐えられるため、一撃離脱戦法が確実に行えるようになった。プロペラも可変ピッチ３翅に変更、ラジエーターを主翼下面半埋め込み式とし、機首下面にはオイルクーラーを配置して空力学的に洗練させた。自重2000kg、総重量2500kg。翼面積16.2平方メートル、翼面荷重１平方メートルあたり150kg。最大速度568km、航続距離663km。固定武装はエンジン上のMG17機銃２丁と主翼内のMG17機銃またはMGFF機関砲２丁。1939年2月から配備され、白作戦に投入されたが、武装が貧弱なのが欠点だった。サーチライトと組んで夜間戦闘実験を行ったこともあったが、結果はあまり芳しくなかったようである。バトル・オブ・ブリテンに参加した機には、GM-1ブースト装置のボンベ防御用防弾プレートと同様のアルミ製防弾プレートを胴体後部に装着した。参考：月刊JWings1,’00、ミリタリーエアクラフト1,’97、英独航空決戦、歴史群像2,’08付録、世界の傑作機No.157、月刊航空ファン8,’09、グラフィックアクション29

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−１Ｂ＞：戦闘爆撃機型。胴体下面に250kg爆弾懸吊用ETC250ラック１基、主翼下面に50kg爆弾懸吊用ETC50爆弾ラック１基ずつを装備した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−２＞：主翼のMG17機銃を20mm機関砲MGFF（弾数60発ずつ）に換装したタイプ。機首の武装はMG17機銃２丁のままである。参考：英仏航空決戦、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−３＞：全長8.8m、全幅9.9m、全高2.6m（3.4m？3.3m？）、自重1865kg（2010kg？）、全備重量2608kg（2500kg？）。エンジンはダイムラーベンツ社製DB601A液冷倒立Ｖ型12気筒ガソリン（離昇出力1100馬力）、巡航速度375km、最大速度555km（570km？）、実用上昇限度10300m（11000m？）、航続距離665km。固定武装は7.92mm機銃MG17（1000発）２丁、20mm機関砲MGFF（60発）２門。乗員１名。1935年5月28日に初飛行し、1246機が生産された。MGFF機関砲の装弾数が少なく、２連射もすれば弾切れになるという欠点があったが、黄作戦で制空権を握り続けた。バトル・オブ・ブリテンにも投入されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊丸1,’17別冊、月刊JWings1,’00、11,’07、英独航空決戦、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−３／Ｂ＞：E-3の戦闘爆撃機型。胴体中心線下にETC500爆弾架を追加し、250kg爆弾１発を搭載可能とした。参考：月刊JWings1,’00、英仏航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−４＞：E-3の機関砲を初速の速いMGFF/Mに改良し、コクピット装甲を強化したタイプ。キャノピー断面が角形となった。E-1やE-3も本型に改造されている。バトル・オブ・ブリテンに投入され、低空性能・旋回性能に優れるスピットファイアと、高空性能・高Ｇ機動に優れる本機がイギリス本土上空で激戦を繰り広げた。しかし機内燃料が400リットルしか無く、80分・660kmしか飛行できない本機はイギリス上空に10分しか止まれず、爆撃機隊の援護もままならなかった。参考：月刊JWings1,’00、スピットファイア

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−４／Ｂ＞：E-4の戦闘爆撃機型。胴体中心線下にETC500爆弾架を追加した。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−４／Ｎ＞：E-4のエンジンをDB601Nに換装したタイプ。参考：英独航空決戦、月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−４／Ｔｒｏｐ＞：E-4の熱帯地仕様型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−５＞：偵察機型。Rb18またはRb21カメラを搭載した。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−５／Ｔｒｏｐ＞：E-5の熱帯地仕様型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−６＞：E-5にDB601Nエンジンを搭載したもの。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−７＞：E-4/Nに300リットル入り増槽を装着可能としたタイプ。1940年夏から生産されていたが、増槽の燃料漏れが激しく、役に立たなかった。参考：英独航空決戦、月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−７／Ｔｒｏｐ＞：E-7の熱帯地仕様型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−７／Ｕ１＞：E-7の戦闘爆撃機型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−７／Ｕ２＞：E-7の戦闘爆撃機型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−７／Ｚ＞：E-7のエンジンに緊急時出力増加装置を搭載したもの。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−８＞：エンジンをDB601A-1に換装したもの。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｅ−９＞：E-7の写真偵察機型。Rb30またはRb50カメラを搭載でき、増槽の装備も可能である。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｆ＞：愛称はフリードリッヒまたはフリッツ（Fritz）。Ｅ型のエンジン換装・機体設計改良型である。参考：月刊JWings6,’09、7,’21

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−０＞：Ｅ型の空力を改善したタイプで、Ｆ型の先行量産型。機首を丸みのあるデザインとし、翼端を丸く整形、水平尾翼の支柱を無くし、ラジエーターを境界層分離式に換え、排気を二重フラップの隙間から出すようにし、尾輪も引き込み式に変更、プロペラ軸内にMG151機関砲を搭載した。エンジンはDB601E（1350馬力）にする予定だったが、生産が遅れたので、DB601N（1170馬力）となった。参考：月刊JWings1,’00、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−１＞：量産型。エンジンをDB601Eに換装した（DB601Nのまま？）。全長9.02m、全幅9.92m、全高2.6m、自重2355kg、全備重量2760kg。エンジンはDB601E（1350馬力。DB601N、1175馬力？）、最大速度606km、航続距離710km。武装はMG17機銃２丁、MGFF機関砲１門。乗員１名。208機が生産された。参考：英独航空決戦、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−２＞：F-1の軸内機関砲をMGFFからMG151/15に換装したタイプ。全長9.02m、全幅9.924m、全高3.2m、自重2020kg、全備重量2353kg。エンジンはDB601N倒立Ｖ型液冷12気筒（1175馬力）単発、最大速度595km、実用上昇限度11200m、航続距離705km。固定武装はMG151/15機銃１丁、MG17機銃２丁。乗員１名。参考：月刊JWings6,’09、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−２／Ｂ＞：F-2の戦闘爆撃機型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−２／Ｔｒｏｐ＞：F-2の熱帯地仕様型。機首左の気化器空気取り入れ口に防塵フィルターを付けている。参考：英独航空決戦、月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−３＞：エンジンをDB601E-1に換装したタイプ。全長8.9m、全幅9.9m、全高3.7m、自重1960kg、全備重量2750kg。エンジンはDB601E-1（1350馬力）単発、最大速度630km、実用上昇限度11300m、航続距離710km。固定武装は軸内の15mm機銃MG151/15（20mm機関砲MGFF？）１丁、翼内の7.9mm機銃MG17が１丁ずつ。計画のみで生産されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’00、英独航空決戦、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−４＞：軸内機関砲を20mm機関砲MG151/20（弾数200発）としたタイプ。主翼内のMG17は外して武装を機首に集中、熟練パイロット向きの機体となった。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−４／Ｂ＞：F-4の戦闘爆撃機型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−４／Ｒ１＞：両翼下にMG151/20ガンパック（弾数120発）をゴンドラ式に搭載したタイプ。キットにより現地改修され、大量養成パイロット用として使用された。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｆ−６＞：F-4の写真偵察機型。RB30またはRb50偵察カメラを搭載する。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ＞：通称グスタフ（Gustav）。DB605エンジン搭載の暫定型として開発されたが、結局主力戦闘機となり、Bf109シリーズで最多生産型となった。実戦配備後、離陸上昇中にエンジンから発火する事故が起こり、ハンス・マルセイユが死亡するなどの事態に陥ったため、原因究明にあたったところ、過熱したエンジンにより、その上に載っている潤滑油タンクが炙られてオイルが噴き出し、エンジンにかかって発火していたことが判明、カウリング前部左右に小型の冷却空気吸入孔を設置した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−０＞：G-1の先行量産型で、DB605が間に合わなかったのでDB601Eエンジンを搭載している。キャノピーは新設計のものに変更したが、ReviC/12D射撃照準器は装備していない。当初はMGFF機関砲をモーターカノンとして装備する予定だったが、途中で中止され、スピナー形状は先端の丸いMe210と同じものになっている。このため、公式書類では全長が8.94mと書かれているが、実際には9.02mとなった。尾輪は引き込み式。12機が生産され、1942年5月に初号機がDB605A-1エンジンを搭載、夏にテストを受けて量産が決定した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１＞：Ｆ型のエンジンをDB605A（1475馬力）に変更、与圧キャビンを搭載したもの。カウリング左上部の空気吸入孔から取り込んだ空気をエンジン左上部の圧縮機で加圧し、コクピットに送り込んで与圧する。操縦席後方の装甲板は与圧隔壁を兼ねるため、キャノピー後部フレームに垂直に取り付けられており、キャノピーと一緒に開閉する。これにより後方視界が悪くなったため、一部の機体では上方を三角形に切り抜いて防弾ガラスを填めた。キャノピーのフレームはリベット止めから溶接に変更し、前面風防に防弾ガラスが作りつけられるようになり、キャノピー前方下の明かり取り窓を廃止、ガラスをシリカゲル乾燥剤カプセル入り二重ガラスにして曇りを防いだ。前面風防前方には細いパイプが取り付けられ、ここからガソリンを噴射して汚れを取ることができる。操縦席背面・下面とパイロット頭部には防弾板を設置した。計器板上部にはReviC/12D射撃照準器を装備する。スピナー形状はG-0と同じ先端の丸いもので、潤滑油冷却器はFo870に換装されて大型になり、カウリング左右前方に点火柱及び排気管冷却用の空気吸入小孔が追加され、プロペラは先端が丸い幅広のVDM99-12087になった。燃料給油口は胴体左のNo.2からNo.3フレーム間に移った。ラジエーター・フラップと、その外側のフラップは、どちらも最大下げ角40度である。武装はF-4型と同じで、軸内に20mm機関砲MG151/20（200発）を１門、カウリング上に7.9mm機銃MG17（500発）を２丁装備する。無線機はFuG7aで、FuG25IFFアンテナが胴体後方下面に付く。1942年3-7月に167機（エルラ工場で20機、レーゲンスブルク工場で147機）が生産され、1942年6月（5月？）から配備された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’00、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１／Ｒ２＞：操縦席後方の装甲板、燃料タンクの防弾、増槽搭載装置を廃止し、GM-1ブースト装置を装備した軽量型。80機が生産された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１／Ｕ１＞：G-1にU1改造を施したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２＞：G-1の与圧キャビンとGM-1ブースト装置を撤去したもので、与圧用空気吸入孔は廃止した。プロペラはVDM金属製電気可変ピッチ３翅（直径３メートル）で、軸内に20mm機関砲MG151/20（200発）を装備する。機首のエンジンはDB605A/B（1475馬力）で、前方には36リットル入り潤滑油タンクが配置されている。機首上部にはMG17機銃（500発）が２丁搭載されており、機首左中央には過給器用エアインテイク、下面には潤滑油冷却空気取り入れ口がある。コクピット内にはReviC/12D射撃照準器を搭載。操縦席後下方には400リットル入り燃料タンクが収容されている。胴体後方下面にはFuG25IFFアンテナが付き、その前方にあたる胴体内にはマスターコンパスがある。IFFアンテナ後方の胴体内にはFuG16無線機及びFuG25IFFが収容されていて、更に後ろにはバッテリーとMG17機銃用圧縮空気ボンベがある。尾輪は固定式で、タイヤは290mm×110mm。主翼は翼スパン9.924m、取り付け角はプラス１度42分、上反角５度32分。主翼前縁には翼端0.6375mの所から内側に幅1.8mの自動スラットが付いていて、後縁内側には幅0.86mのラジエターフラップ、その外に幅1.42mのフラップ、更に外に羽布張り固定タブ付きのエルロンがあり、下面内側にラジエターが付いている。左主翼上面内側やや前方にはMG151/20用の給弾ハッチが２箇所設けられた。主脚収容部外側にはGM1ブースト装置用亜酸化窒素タンク（容量42kgのG-5タイプまたは容量34kgのG-6タイプ）が収められている。主脚ホイール・トラックは2.062m、主車輪は650×150mm。水平尾翼はスパン3mで、羽布張りの昇降舵を持つ。キャビン換気口を風防右に取り付けたり、胴体上部に換気フラップを取り付けたりした機体もある。R1、R2、R3、R4、R6、Tropといったバリエーションがあり、計1586機が生産された（ハンガリーで1943年に１機だけ作られた輸出型Ga-2を含めると1587機）。後期型では660mm×160mm大型主輪を使用しており、主翼上面に収容バルジが付けられた。また、尾輪も350×135mmと大型化され、固定式になった。コクピット右脇にコクピット内空気取り入れ口が付けられている。東部戦線に配備されたものはFuG25a無線機を外しており、後にＧ型全機が外すようになった。参考：英独航空決戦、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２／Ｒ１＞：主翼下面に300リットル入り増槽、胴体下面に500kg爆弾架と補助着陸装置を追加したタイプ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２／Ｒ２＞：偵察機型。偵察カメラとしてRb75/30、Rb50/30、Rb20/30、Rb12.5/7×9のいずれかと、GM-1ブースト装置を装備した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２／Ｔｒｏｐ＞：熱帯地型。過給器エアインテイク前方に異物吸入防止用サンド・フィルターを追加した。ただ使用時には吸入空気量が減少するという欠点があったため、使用は離着陸時や低空飛行時のみで、高度が上がるとコクピット内の手動グリップを操作してサンド・シールドと呼ばれる先端のクラムシェル型ドアを開き、十分な空気を吸入できるようにした。機首下面の潤滑油タンクとラジエーター冷却タンク、主翼下面のラジエーターフラップ操作用サーモスタットには特製の防塵カバーを装着している。また、コクピット左の胴体側面には日傘（ゾンダーヴェルクツォイク、特殊工具と呼ばれた）固定用の金具が２箇所に取り付けられており、地上での出撃待機時に使用した。日傘は普段機内に収容しておく。胴体後部にはサバイバル用品とカービン銃を搭載した。一部にタイヤを白く塗って過熱によるパンク防止を狙ったものがある。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２／Ｕ１＞：G-2にU1改造を施したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２／Ｕ２＞：G-2にリバースピッチ・プロペラを装備したもの。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２／ＷＴ１７＞：G-2の胴体下面にMG17機銃２丁を装備するコンテナを後ろ向きに装備したもので、WTはヴァッフェントロッペン（兵士攻撃用）の略。低空飛行しつつ地上を掃射する目的で開発されたが、あまり効果が無かったため、試験途中で計画中止になった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２（リュストザッツ１）＞：胴体下面に250kg爆弾用ETC500Xbラックまたは50kg爆弾用ETC50�Zｄラックを装備したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２（リュストザッツ３）＞：胴体下面に300リットル入り増槽を装備できるようにしたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−２（リュストザッツ６）＞：主翼下面にMG151/20機関砲を２門装備したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−３＞：高々度型で、Bf109G-1の無線機をFuG16Zに変更したもの。タイヤは660×160mmの大型のものを使用しており、収容のため主翼にバルジが付いている。尾輪も350×135mmに変更され、固定式となった。一部はコクピット後方に方向探知器用ループアンテナを装備している。操縦席後方の装甲板と胴体後部の無線機を外すと胴体内に３名が乗れるが、２名は後ろ向きに折り重なるように座り、もう１名はその乗員の肩に腰掛けて中腰になり、頭をコクピット内に突っ込まなければならず、体勢がかなり苦しい。G-4生産開始後に製作が始まり、各型合計50機が生産された。参考：英独航空決戦、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−３／Ｒ６＞：両主翼下面にMG151/20機関砲をゴンドラ式に搭載したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−３／Ｕ２＞：GM-1ブースト装置を追加し、20分だけ出力を強化できるようにしたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−４＞：Bf109G-2の制空専用型。大部分は大型タイヤを使用しており、収容のため主翼にバルジを持つ。尾輪は350×135mmで、引き込めなくなったので尾輪収納部にカバーを付けた。G-2と比較すると、無線アンテナ引き込み線の取り付け位置が後ろに下がっている。コクピット両脇にコクピット内空気取り入れ口がある。エンジンはDB605A-1で、G-2と同じく機首に空気吸入孔が４個あるが、中には２個に減らしたり全廃したりしたものがあった。R1、R2、R3、R4、R6、R7、Tropなどのバリエーションがあり、1942年秋から1943年7月までに1242機が製造された。後期生産型ではパイロット背部装甲をガーラント・パンツァーに変更している。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−４／Ｒ３＞：写真偵察機型。武装を撤去してパネルで整形し、両主翼下に300リットル増槽を吊り下げ、コクピット後方の胴体内にRb50/30カメラを下向き垂直に、その後ろの胴体点検ハッチ付近にはRb12.5/7×9またはRb32/7×9小型カメラを２台、垂直下向きに搭載した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−４／Ｔｒｏｐ＞：熱帯地型で、G-2/Tropと同じ改造を施してある。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−４／Ｕ１＞：G-4にU1改造を施したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−４／Ｕ３＞：写真偵察機型。GM-1ブースト装置とRb75/30またはRb50/30カメラ１基を搭載し、MG17機銃を外して武装をMG151/20のみとしてある。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−５＞：Bf109G-3の武装強化型で、与圧付きのBf109G-6でもある。キャノピーを二重構造にし、中に曇り止め用のシリカゲル乾燥剤カプセルを収めた。翼内武装を13mm機関銃MG131に換装し、給弾シュートをカバーする膨らみを設けている。尾輪は固定式で、引き込み部分の胴体は整形された。R1、R2、R4、R6、R7の５種類があり、475機が製造された。後期型ではガーランド・パンツァーと呼ばれる座席頭部後方装甲が搭載され、コクピット後端のアンテナ支柱が短くなり、その後ろに方向探知器用ループアンテナが追加された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’00、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−５／ＡＳ＞：エンジンをDB605ASに換装した試験型で、プロペラもVDM9-12159Aに、潤滑油冷却器を大型のSKF製Fo987に交換している。カウリングのMG131用給弾シュートバルジが無く、左右非対称に膨らんだ新設計のものになった。また、エンジン強化に伴い垂直尾翼を大型にし、キャノピーを枠の少ないタイプに交換、座席頭部後方の装甲をエルラ・ハウベと呼ばれるタイプにし、アンテナ支柱を短くしている。1944年6月に初飛行し、カウリングのシール及び排気ガスのエンジン室内への漏れを改善して採用が決定、G-5及びG-6へのDB605ASエンジン搭載改修が決まった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−５／ＢＲ２１＞：対爆撃機用210mmロケット弾W.Gr21を装備するもの。参考：英独航空決戦、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−５／Ｒ２／ＡＳ＞：Bf109G-5/R2にDB605ASエンジンを搭載し、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を加えたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−５／Ｕ２／ＡＳ＞：Bf109G-5/U2にDB605ASエンジンを搭載し、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を加え、GM-1ブースト装置を追加したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６＞：G-4の武装強化型。エンジン上部の機銃をMG17からMG131に換装したもので、給弾シュートをカバーするため、カウリング両側にボイレと呼ばれるフェアリングを付け、機首下面に２カ所の排莢口を設けた。これでも重防御の大型爆撃機にはダメージを与え難く、MK108ガンパックを吊したり、21cm空対空ロケットW.Gr21を装備したりしたが、この場合は速度性能や空戦性能が低下して制空戦闘には投入できない。右ボイレ脇には潤滑油気泡分離器用小型エアインテイクとバルジが付いている。コクピットには操縦席がボルト止めされており、操縦席はショルダー・ハーネス付きだがクッションが無く、パラシュートを座布団代わりにする。操縦席左にはホイールが２つ並んでいて、内側が水平安定板トリム調節用、外側が着陸フラップ操作用である。照準器はReviC/12D反射式射撃照準器。コクピット後端には長いアンテナ支柱があり、その後方にはFuG16ZY用ループアンテナが付く。主輪は660×160mmで、主翼上部には主車輪収納バルジがある。尾輪は350mm×150mm、固定式で、尾脚支柱固定部後方の胴体部にある凹みには整形カバーを設けた。全長9.02m、全幅9.924m、全高2.6m、自重2268kg、全備重量3196kg。エンジンはDB605A-1液冷倒立Ｖ型12気筒レシプロ（1475馬力）単発、最大速度653km、実用上昇限度11700m、航続距離990km（650km？）。固定武装は20mm機関砲１門、13mm機銃２丁。250kgまでの爆弾などを搭載可能。乗員１名。1943年6月から1944年半ばまでに12000機以上（工場と航空省とで数が違うので正確な機数は不明）が生産された。後期型では照準器をRevi16Bに換装し、アンテナ支柱を短縮、垂直尾翼を大型化し、操縦席頭部の装甲をエルラ・ハウベと呼ばれるタイプに変更している。1943年8月頃からパイルルーファンラーゲ（Peilrufanlage）無線航法装置を装備し、方向探知器用ループアンテナを胴体上に取り付けた（R7という公式呼称が付けられたが、実際には使用されなかった）。1944年秋からG-14型と交替して戦闘・迎撃任務から外され、練習機、連絡機、偵察機に転用された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’00、11,’09、9,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、英独航空決戦、歴史群像2,’08付録、図解世界の軍用機史

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／ＡＳ＞：G-6のエンジンをDB605ASに換装し、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を加えたもの。1944年5-8月に226機が新造され、11機がBf109G-6から改修された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／ＢＲ２１＞：21cm空対空ロケットW.Gr21を搭載したもので、数機が製作されたが、実戦では使えないと判断されて量産されなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｒ３＞：300リットル増槽を装備可能としたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｒ４＞：G-6の主翼下に30mm機関砲MK108をゴンドラ式に搭載したもの（偵察装備を積んだ戦術偵察機型？）。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｒ４／ＡＳ＞：G-6/R4のエンジンをDB605ASCに換装し、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を加え、GM-1ブースト装置を取り付けたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｒ４／Ｕ５＞：G-6にR4改造とU5改造を施したもので、1943年10月に１機が改造されて審査を受けたが、採用されなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｒ６＞：G-6の主翼下に20mm機関砲MG151/20収容ゴンドラを搭載したもの。速度と機動性が大きく低下するのが欠点で、空中投棄もできなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ１＞：G-6にU1改造を施したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ２＞：G-6にGM-1ブースト装置を付けたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ２／ＡＳ＞：U2型のエンジンをDB605ASCに換装し、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を加えたもの。273機が改修された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ２／Ｒ２／ＡＳ＞：G-6/U2/R2のエンジンをDB605Aに換装し、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を加えたもの。23機が改造された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ３＞：エンジンにMW水メタノール噴射装置を追加したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ４＞：30mm機関砲MK108をモーターカノン形式で搭載したもの。ラダーペダルの間にMK108機関砲の砲尾が見える。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ４／ＡＳ＞：U4型のエンジンをDB605ASBに換装し、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を加えたもの。153機が改造された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｕ６＞：U6改造を施したもので、審査が行われたものの採用されなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−６／Ｎ＞：夜間戦闘機型。コクピット後方の胴体上面にFuG350ナクソスＺ受信機を搭載しており、方向探知器用ループアンテナは機体下面のIFFアンテナ後方に移した。R6仕様が標準で、主翼下にはMG151/20搭載ゴンドラが装備されており、座席頭部後方の装甲は旧型のまま、コクピット後端のアンテナ線支柱は短いものである。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０６Ｇ−６／Ｙ＞：夜間戦闘機型。Ｙ装置と呼ばれる航空管制通信システムを搭載したもので、機内にFuG16ZY無線機とR7キット（パイルルーファンラーゲ）を装備し、ドイツ西方全域をカバーする防空システムの地上管制センターから敵爆撃機の位置、飛行方位、飛行高度、護衛戦闘機の有無、気象などの情報を受け取ることができる。この情報は別の波長で直ちに他の編隊機に転送され、全機が敵情報を把握、航空軍司令官の指揮の下で迎撃戦闘にあたる。左主翼下にモラーネと名付けられたFuG16ZY用ホイップアンテナが付いていて、コクピット内に４チャンネル（飛行中隊長専用、編隊全機、地上管制所専用、航空軍司令官専用）ダイヤルが用意されているのが特徴。座席頭部後方の装甲はエルラ・ハウベと呼ばれるタイプで、コクピット後端のアンテナ線支柱は短いものである。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇａ−６＞：G-6の輸出型。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−８＞：G-6の写真偵察機型で、MG131機銃２丁を外し、Rb12.5/7またはRb32/7偵察カメラを搭載している。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１０＞：MW-50ブースター付きDB605DCエンジン（2000馬力）を搭載したタイプで、最大速度が700kmを超えた。FuG25a敵味方識別装置、ReviC/12D照準器などを搭載している。固定武装はMG151/20モーターカノン１門（200発）、機首の13mm機銃MG131（300発）２丁。R1、R5など４タイプに分かれる。参考：月刊JWings1,’00、英独航空決戦、図解世界の軍用機史

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１２＞：複座練習機型。G-5とG-6から100機が改造された。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１２／Ｒ３＞：増槽を搭載可能としたタイプ。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１４＞：DB605ASまたはDB605AMエンジンを搭載したタイプで、カウリングが大型化したため、機首の機銃収容部分にあったバルジが無くなった。防弾風防を装備している。R1、R3、R6の３種類が生産された。参考：英独航空決戦、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１４／Ｕ４＞：長砲身型MK108機関砲を装備したタイプ。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１４／Ｕ４／ＡＳ＞：G-14/U4のエンジンをDB605ASに換装したもので、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を行った。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１４／Ｕ６／ＡＳ＞：G-14/U6のエンジンをDB605ASに換装したもので、Bf109G-5/ASと同様の機体改修を行った。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ−１６＞：G-14のエンジンをDB605Dに換装したもので、R1とR6の2種がある。参考：英独航空決戦

＜Ｂｆ１０９Ｇ−１６／Ｒ１＞：胴体下に爆弾架または増槽架を装備できるG-16型。参考：英独航空決戦

＜Ｂｆ１０９Ｇ−１６／Ｒ６＞：MG151/20ガンパックを搭載可能としたG-16型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｇ／Ｒ６＞：両主翼下面にMG151/20ガンパックを吊したもの。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｇ／Ｕ１＞：ＵはUmrust-Bausatzeの略で、改造型ということである。リバースピッチを取れるメッサーシュミット社製P6プロペラを装備した機体で、着陸滑走距離を短縮することにより、前線飛行場での運用や、補助飛行場への不時着などを可能としている。1942年にG-1、G-2、G-4、G-6が改造を受けた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ／Ｕ２＞：GM-1ブースト装置を搭載したもの。亜酸化窒素タンクは操縦席直後の115リットル断熱タンクに収容する。G-3/R2/U2及びG-5/R2/U2では左翼にGM-1、右翼に亜酸化窒素ボンベ加圧用圧縮空気ボンベ６本を搭載した。G-5/U2とG-6/U2ではオイルポンプを大型化し、右カウリング下面に水滴状のカバーを付けた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ／Ｕ３＞：MW出力増加装置を搭載したもの。混合液タンクは操縦席直後の118リットル入りタンクに収容されており、過給器吸入孔から高圧空気をボンベに送り、代わりに混合液を過給器吸入孔から噴射する。自動スロットルとマスタースイッチにより操作されるソレノイド弁が噴射を制御しており、スロットルを全開にするとマスタースイッチがオフでも噴射される。胴体上部右（燃料給油口の反対側）に補給口があり、カバーの下にはガソリンを間違って入れないよう三角形のマークを付けた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ／Ｕ４＞：モーターカノンを30mm機関砲MK108（65発）に換装したもの。1943年末からG-6型を中心に改造が行われた。給弾と撃発は圧縮空気式、射撃は電気点火式で、作動用圧縮空気ボンベは胴体後部に２本積まれている。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ／Ｕ５＞：武装をMK108機関砲３門に変更したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇ／Ｕ６＞：30mm機関砲MK103をエンジン上部に装備したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｈ＞：高々度戦闘機型。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｈ−０＞：Ｆ型の中央翼を拡大し、出力増強装置付のDB601Eエンジンを搭載する。開発中止となった。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｈ−１＞：主翼を中央で1m延長しており、拡大した主翼スペースは燃料タンクにした。また、プロペラ直径を拡大し、降着装置を延伸して地上のクリアランスを確保、与圧室を装備した。全長9.02m、全幅13.3m、全高2.72m、自重2875kg、全備重量3540kg。エンジンはDB605B（1600馬力）単発、最大速度687km、航続距離1700km（増槽２基）。固定武装は30mm機関砲３門。1943年末までに少数が生産されたが、主翼強度不足で運動性が発揮できないため、1944年4月以降に高々度偵察機として使用された。参考：歴史群像2,’08付録、月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｋ＞：Ｈ型を空力学的に洗練し、製造を合理化したタイプ。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−０＞：Ｋ型の先行量産型。DB605Bエンジンを搭載し、風防などを強化した。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−１＞：エンジンをDB605Dに換装する予定だったので、胴体の設計を変更してあり、胴体後部は新設計となっている。ただ実際はエンジンが間に合わなかった。尾輪を引き込み式にし、キャノピーを枠の少ないものに換え、過給器エアインテイクを大型にし、垂直尾翼も大型化している。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−２＞：エンジンをDB605ASCに換装したもの。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−４＞：K-2に与圧キャビンを搭載したもの。全長9.02m、全幅9.92m、全高3.37m、自重2346kg、全備重量3362kg。エンジンはDB605DCM（1800馬力）、最大速度710km、航続距離590km。固定武装は30mm機関砲１門、13mm機銃２丁。乗員１名。参考：歴史群像2,’08付録、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−６＞：外装式MG131機銃２丁（翼内30mm機関砲？）を加えた対爆撃機用武装強化型。ガンカメラも搭載している。参考：英独航空決戦、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−８＞：K-6の写真偵察機型。完成前に終戦を迎えた。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−１０＞：エンジンをDB601Dに換装したもの。武装はMK103機関砲１門、MG131機銃２丁。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−１０／Ｒ５＞：外装式機銃を搭載したタイプ。参考：英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｋ−１４＞：エンジンを２段２速過給器付きのDB601L（1700馬力）に換装したもの。終戦近くに２機のみ完成した。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｂｆ１０９Ｔ−０＞：艦上機型で、Bf109E-3をベースとする予定だったが、最終的にE-7/Nがベースになった。翼スパンを延長し、フラップを拡大、着艦フックを付けている。1944年に10機が改造された。肝心の空母が完成しなかったので、陸上基地から運用された。参考：英独航空決戦、歴史群像2,’08付録、月刊航空ファン8,’09

　＜Ｂｆ１０９Ｔ−１＞：T-0の量産型で、折り畳み翼を採用している。プロペラ先端はＥ型よりも短くなっており、スロットルを絞るとスポイラーが作動する。1939年4月に60機を生産する計画が出たが、空母の建造中止を受けて７機のみの生産となり、着陸性能の良さを活かしてヘルゴランド基地（滑走路長1000m、終端は海に面する）で運用された。70機が生産され、７機がヘルゴランドに、残る63機がノルウェーに配備されたという説もある。初号機はMGFF/M用電動ベルト給弾システムの試験を実施した。その後の空母建造再開決定でT-2からT-1へのコンバートが決定したが、1943年にまたまた建造中止が決定したため、全機（1943年3月末には49機が保管されていたらしい）がT-2へと改造され、ノルウェーや訓練部隊に配備された。参考：月刊航空ファン8,’09、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｔ−２＞：T-1の陸上運用型。着艦フックなどを外してあり、スピナー先端には整形用カバーを装着、スポイラーはスロットル連動式でなく固定式にされたようだ。1941年10月からはFuG25敵味方識別装置が搭載され、コクピット直後の胴体下にホイップアンテナが付けられた。過給器用エアインテイクはＥ型と同じものだが、一部にＦ型と同じものや、テスト用とみられるオリジナルタイプを装着した機がある。主翼下には薬莢排出口が開いており、MG17の空薬莢が排出される（MGFF/Mの空薬莢は主翼内に収容される）。一部の機体はGM-1パワーブーストを搭載しており、コクピット後方の機体左側面に上下２つの小ハッチが追加された。全長8.76m、全幅11.8m、全高2.6m、自重2225kg、全備重量2800kg。エンジンはDB601N（1175馬力）単発、最大速度570km、航続距離915km（増槽あり）。固定武装は20mm機関砲２門、7.9mm機銃２丁。爆装も可能。乗員１名。63機が生産され、ノルウェー、ヘルゴランド基地、訓練部隊で1944年まで運用された。参考：月刊航空ファン8,’09、歴史群像2,’08付録、英独航空決戦

　＜Ｂｆ１０９Ｚ−１＞：Bf109Fを２機繋げた双胴型。全長9.1m、全幅13.3m。爆弾1000kgを搭載できる。試作のみで量産されなかった。参考：英独航空決戦

＜Ｂｆ１０９海外シリーズ＞

　＜Ｂｆ１０９Ｅ（スイス空軍）＞：スイス空軍戦闘機。1939年に80機を導入し、1948年まで使用した。参考：月刊軍事研究10,’06

　＜Ｂｆ１０９Ｇ（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍戦闘機。1943-44年に輸出された。吹雪避けのためサンドフィルターを装備し、機内にはスキーを搭載している。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇａ−１＞：Bf109Gの輸出型で、ａはアウスラント（外国）の略。電気系統に改良が加えられた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｂｆ１０９Ｇａ−２＞：Bf109Gの輸出型。ハンガリーのグイエル社で1943年に１機が製作された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜ＨＡ１１１２Ｋ＞：スペイン空軍戦闘機。Bf109G-2をライセンス生産したものだが、エンジンのライセンスは降りなかったので、イスパノスイザ12Z89（1300馬力）に換装している。第２次大戦後に69機が生産された。参考：月刊丸6,’14、月刊JWings1,’00

　＜ＨＡ１１１２ＭＩＬ＞：スペイン空軍戦闘機。HA1112Kのエンジンをロールスロイス社製マーリン500-45（1610馬力）に換装したものである。1956年までに170機が生産された。参考：月刊JWings1,’00、月刊丸6,’14

　＜Ｓ−９９＞：第２次大戦後にチェコのアビアが生産したBf109G-4。20機が生産された。参考：月刊JWings1,’00

　＜Ｓ−１９９＞：S-99のエンジンをユモ211Fに換装したもの。550機が生産され、うち25機がイスラエルに輸出されて実戦参加した。参考：月刊JWings1,’00

＜Ｂｆ１１０シリーズ＞：ドイツ空軍戦闘駆逐機（Kampf Zerstörer、カンプフ・ツェアシュテーラー）で、量産中にメーカーのBFWがメッサーシュミット社に改称したためMe110ともいう。イタリアのドゥーエ将軍が提言した戦略爆撃を行うにあたり、戦略爆撃機を長距離護衛する戦闘機（戦略戦闘機）の必要性が生じたが、1934年にドイツ空軍省でも戦闘機のスピードと爆撃機の航続距離を持つ双発複座戦闘機を開発することにし、駆逐機（Zertörer）と名付けてコンセプトを纏めた。空軍省では戦略爆撃機の護衛だけでなく、戦術偵察や爆撃も行える機体を考えていて、要求には乗員３名、動力銃塔装備、爆弾倉ありといった条件が付いていた。6月までにアラド、ドルニエ、ハインケル、BFW（社内名称P1035）、フォッケウルフ、ヘンシェルが応募し、空軍省が検討した結果、BFW、フォッケウルフ、ヘンシェルが競争試作を行うことになった。これに基づき、BFWがBf110V1、フォッケウルフがFw57、ヘンシェルがHs124を製作。BFWでは爆弾倉を省くなど空軍省の要求を無視（駆逐機という新ジャンルの機体ということで、空軍省が設計自由度を高くしていたともいわれる）してメッサーシュミット設計主任が性能重視に纏め、1935年春に空軍省が追加した高速性能要求にも合致し、要求に忠実にしたせいで鈍重になったFw57やHs124に勝って11月に採用された。1939年9月2日には第１・第26・第52・第76駆逐航空団の９個実戦飛行隊に配備されている筈で、定数は計450機だったが、量産が遅れたためか実際に配備されていたのは第１教導航空団第�T飛行隊、第１駆逐航空団第�T飛行隊、第76駆逐航空団第�T飛行隊の計95機のみで、他はBf109（計254機）などを装備していた。性能を期待されて乗員も優秀な者が配置され、長い航続力と大火力を活かして爆撃機編隊の護衛に付いたが、バトル・オブ・ブリテンではスピットファイアやハリケーンに対抗できず、防御円陣による抵抗も虚しく237機中223機を喪失するという大損害を受けた。しかし戦闘爆撃任務では高い戦果を挙げており、長い航続力も活かして以降は直協、哨戒、船団護衛、迎撃戦闘、夜間防空などの任務に就いた。総生産数6050機。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録、グラフィックアクション29、月刊丸6,’01、月刊JWings12,’13、図解世界の軍用機史

　＜Ｂｆ１１０Ｖ１＞：試作初号機で、1936年5月12日に初飛行した。主翼端は丸みを持つ形状となっている。翼面積39平方メートル、翼面荷重１平方メートルあたり146kgで、主翼を小型にして速度を出せるようにし、航続距離の問題は増槽でクリアした。主輪も尾輪も引き込み式である。エンジンはユンカース社製ユモ210（675馬力）双発。テスト飛行では時速500kmを超える高速を発揮し、1938年8月27日にはドイツ航空廠技術局エルンスト・ウーデット局長の操縦するBf109とドッグファイトで渡り合っている。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｂｆ１１０Ｖ２＞：試作２号機で、1936年10月24日に初飛行した。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｖ３＞：試作３号機で、機首にMG17機銃４丁を搭載できるよう設計されたらしい。1936年12月24日に初飛行した。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｖ４＞：試作４号機で、1938年1月21日に初飛行した。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｖ５＞：試作５号機で、1938年3月15日に初飛行した。Bf110B-0規格とされる。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｖ７＞：試作７号機で、1938年初めに製造された。Bf110B-0規格とされる。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ａ−０＞：前量産型。DB600の生産が遅れたので、代わりにユモ210B（610馬力）を搭載したものである。最大速度は430kmに低下した。Bf110V1と同じ機首形状をしており、武装は搭載していない。1937年8月から1938年3月に４機が生産された。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｂ＞：A-0に引き続きユモ210シリーズを搭載したタイプ。エンジンナセル右上部に過給器用エアインテイク、エンジン下部にラジエーターがあり、スピナーは尖った形状で、排気管は全て下向きである。オイルクーラーは外翼下面に装着された。機首は尖っている。主車輪は815mm×32mmで、ハブにカバーは無い。尾輪は350mm×135mmで、固定式。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｂ−０＞：Bf110V5とBf110V7がこの規格とされる。エンジンはユモ210Bで、後にDB600に換装した。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｂ−０（３０ｍｍ機関砲搭載型）＞：ラインメタル社の試験機で、胴体下に30mm機関砲MK101を搭載し、戦車や潜水艦を攻撃する。テストで良好な成績を収め、Bf110C-6として実用化された。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｂ−１＞：機首にMG17機銃４丁を搭載したタイプ。装備位置は前後に微妙にずらされており、排莢シュートや排莢口がかぶらないようにしてある。また、整備を容易にするため、機首上半分が一体型カバーとなっていて、カバー後部両側面の固定具を外して前にスライドさせればカバーが外れる（上に跳ね上げて半開きのまま固定することも可能）。胴体下面に20mm機関砲MGFFを２門、コクピット後部にSAL銃架を介して7.92mm機銃MG15を１丁装備する。40機が生産された。スペイン内戦にも参加したらしい。また、一部はテストに使用され、エンジンナセル前部下面にあったラジエーターをＣ型以降は主翼下面に移すことが決まった。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｂ−３＞：B-1の無線通信航法装置強化型。代わりに武装を減らした。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ＞：最初の量産型。エンジンをDB601に換装し、大型になったラジエーターをエンジンナセル下面から外翼下面に移動、過給器用エアインテイクは右エンジン用をエンジンナセル左側面、左エンジン用を外翼前縁に設置した。DB601Nエンジン装備機はナセルに白字でＮと書かれている。主翼端は直線状に切り落とした。機首にガンカメラやESK2000ムービーカメラを搭載できる。後方機銃を撃つ際には後席キャノピーを上に少し開く必要がある。主車輪は875mm×320mmに大型化し、ダブルドラム式ブレーキを装着してハブにカバーが付いた。尾輪（トルクリンク無し）も380mm×150mmに拡大されている。1939年初め頃から配備され、白作戦に90機程度が参加した。参考：世界の傑作機No.157、月刊丸6,’01

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−０＞：Ｃ型の前量産型。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−１＞：Ｃ型の最初の量産型。全長12.07m、全幅16.25m、全高3.46m（水平時）／3.3m（三点姿勢時キャビン上端まで）／4.1m（三点姿勢時アンテナ支柱先端まで）、自重5200kg、最大離陸重量6500kg。翼面積38.4平方メートル、翼面荷重１平方メートルあたり176kg。エンジンはDB601（1100馬力）双発、最大速度570km、燃料容量1270リットル、航続距離1410km。固定武装は胴体下の20mm機関砲MGFF（60発入りT60-FFドラム弾倉6-7個）２門、機首の7.92mm機銃（1000発）４丁、7.92mm旋回機銃MG15（75発入りダブルドラム弾倉10個）１丁。無線機はFuG�V。乗員２名。参考：世界の傑作機No.157、No.141

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−１（動力砲塔試験機）＞：急降下爆撃を行う際、後方から追尾してきた敵機を撃退するのに7.92mm機銃１丁では無理があるため、7.92mm連装機銃MG81Zを搭載する遠隔操作銃塔FDL81Zをキャノピー最後部と胴体下面に搭載したタイプ。照準は銃塔と銃手の間に設置したペリスコープ式照準器で行う。照準器の視野が狭く、急降下中なら後ろだけ見張っていれば良いので用は足りるが、水平飛行中にも十分な索敵を行うには要員を１名追加する必要があり、スペース的に無理ということでテストのみに終わった。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−２＞：無線機をFuG�VからFuG10に換装したもの。無線操作装置を増設するついでに後席コクピットの計器を一新しており、フレームにユニット化した各種計器や無線操作装置などを填め込む方式を採用、配線を施す手間が無くなった。計器板の位置も一段上に移動させている。全長12.07m、全幅16.1m、全高3.46m、最大離陸重量6750kg（更に主翼下に50kg爆弾計４発を積めるらしく、この場合は6950kgになる）。エンジンはDB601A（1100馬力）双発。固定武装は7.9mm機関銃MG17が４丁、20mm機関砲MGFFが２門、7.9mm機銃MG15が２丁。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−３＞：20mm機関砲をMGFF-Mに換装したタイプ。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−４＞：コクピットに防弾板を追加したタイプ。全長12.7m、全幅16.3m、全高4m、自重5200kg、全備重量6940kg。エンジンはDB601A（1100馬力）双発、最大速度562km、実用上昇限度9750m、航続距離910km。固定武装は7.9mm機関銃MG17が４丁、20mm機関砲MGFFが２門、7.9mm機銃MG15が１丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−４／Ｂ＞：C-4のエンジンをDB601Nに変更し、胴体下のETC250を介して250kg爆弾２発を搭載できるようにしたタイプ。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−５＞：偵察機型。胴体下20mm機関砲と後席計器板の一番右にある20mm機関砲用残弾カウンターを外し、Rb50/30カメラを１台搭載して胴体下面にカメラ窓を設けた。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−５／Ｎ＞：C-5のエンジンをDB601Nに換装したもの。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−６＞：胴体下20mm機関砲２門を外し、30mm機関砲MK101単装ガンパックを装備したもの。機首下面が砲身に沿ってえぐれている。胴体下面がガンパックで膨らんだので、ダックスフントの腹と通称されれた。バトル・オブ・ブリテンで実戦初参加した。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｃ−７＞：エンジンをDB601N（1175馬力）とし、脚を強化、胴体下のETC500爆弾架を介して500kg爆弾２発を搭載できるようにしたタイプ。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｄ＞：Ｃ型の航続距離増大型。燃料搭載量増加改修には、ダックスフントの腹（Dackelbauch）と呼ばれる胴体下バルジ状セルフシーリング式増槽（内部が前後４基に分かれている。容量計1050リットル。大きさ的に投棄不可）及び外翼下大型ドロップタンク（容量900リットル。ただ満載する場合には胴体下面後部に潤滑油用小型ドロップタンクも積まないといけないので、通常は300-450リットルに抑える）を追加装備したRüstzustand�Tと、外翼下大型ドロップタンクのみのRüstzustand�Uの２種が用意された。ただDackelbauch搭載改修を行ったのはD-0だけらしい。機体尾部を延長してガス膨張式救命ボートを収容しており、コクピットから尾部まで繋がるケーブルが機体上部左右に延びていて、コクピットの操作により炭酸ガスのバルブとボート収容部ヒンジが開く。尾輪は465mm×165mmにサイズ変更され、トルクリンクも付いた。全長12.27m（マニュアル上は12.07m）、全幅16.276m（Ｃ型より長くなっているが、翼端形状に変化は無い）、全高3.46m（水平姿勢）／3.33m（地上三点姿勢、キャビン上端）。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｂｆ１１０Ｄ−０＞：Dackelbauchを胴体下に装着したタイプ。航続時間が５時間以上に延びた。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｄ−０／Ｂ＞：D-0の胴体下増槽を外し、代わりにETC500爆弾架を取り付けたもの。1940年4月にメッサーシュミット社で複数機が改造され、8月に第210実験飛行隊第１中隊に配備されてバトル・オブ・ブリテンに投入された。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｄ−１＞：偵察機型。Rüstzustand�Uを搭載する。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｄ−２＞：D-1の爆撃機型で、胴体下にETC500爆弾架を取り付けたもの。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｄ−３＞：D-1に爆弾架を装着したタイプ。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｅ＞：コクピットに暖房装置を追加し、機首上面（機銃の中央）と機体右側面（最後部キャノピー直後）に外気取り入れ口を設けたもの。胴体下面にETC500爆弾架１基、外翼下面にETC50爆弾架を左右２基ずつ設置し、主輪は935mm×345mmとされた。エンジンはDB601N（1175馬力）である。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｂｆ１１０Ｅ−１＞：Ｅ型の基本型。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｅ−１／Ｕ１＞：夜間戦闘機型。シュパナー赤外線照準器を標準装備する。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１１０Ｅ−２＞：Ｄ型と同じく尾部にガス膨張式救命ボートを搭載したタイプ。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｅ−３＞：写真偵察機型。胴体下20mm機関砲MGFFを撤去してRb50/30カメラを搭載しており、胴体下にカメラ窓がある。主翼下に300リットルまたは900リットル増槽を装備可能。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｅ／Ｔｒｏｐ＞：熱帯地仕様。MG17の銃口にパイプとボール紙製キャップを装着し、過給器用エアインテイクに熱帯用フィルターを追加、オイルクーラーを大型のFo802に換装し、キャノピー内に防暑用カーテンを設置、不時着に備えて胴体内にKar98k小銃２丁と緊急用品パックを搭載した。熱帯用フィルターはエアインテイク左側面に取り付けられており、離着陸時に本来のエアインテイク開口部をクラムシェル式カバーで閉鎖し、フィルターから空気を取り入れる。上空に達して砂を吸い込む恐れが無くなったら、クラムシェル式カバーを開いて本来のエアインテイクから空気を取り込む。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｆ＞：エンジンをDB601F（1350馬力）に強化したもので、1000kgまでの爆弾や、900リットル増槽を搭載できる。エンジンナセル、スピナー、プロペラも変更し、重量増に合わせて主脚も強化した。胴体下の20mm機関砲はMG151/20機関砲２門に換装し、風防前面に防弾ガラス、操縦席背面にロールバーを追加、装甲板を装着している。前後２つ付いていた後部座席は１つに纏められ、前向きでも後ろ向きでも座れるようになった。後期型では後部旋回機銃が7.92mm連装機銃MG81Z（750発。銃架はLG81Z3）に換装されており、それに合わせて後席キャノピー形状が変更され、開閉もスライド式から右開き片側ヒンジ式に変えられた。参考：世界の傑作機No.157、歴史群像2,’08付録、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｂｆ１１０Ｆ−１＞：Ｆ型の基本型。胴体下にETC500爆弾架、主翼下にETC50爆弾架１基ずつを装備する。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｆ−２＞：胴体下のETC500爆弾架を外したタイプ。FuG10P無線機、PeliG V方向探知機、FuBl1着陸誘導装置、FuG25敵味方識別装置を搭載する。全長12.07m、全幅16.276m、全高3.49m（水平時）／3.36m（三点姿勢時・キャノピー頂部まで）、最大飛行重量9340kg。エンジンはDB601F（1350馬力）双発、最大速度530km。武装はMG17機銃４丁、MG151/20機関砲２門、MG15機銃２丁。500kg爆弾２発を搭載できる。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｆ−３＞：写真偵察機型で、Bf110E-3と同様の改造を施してある。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｆ−４＞：FuG202レーダーを搭載した夜間戦闘機型。アンテナの空気抵抗により最大速度は低下したが、爆撃機相手なので問題は無かった。主翼下ETC50爆弾架は残されている。FuG10P無線機、PeliG V方向探知機、FuBl1着陸誘導装置、FuG25敵味方識別装置を搭載する。全長12.91m、全幅16.276m、全高3.49m、飛行重量9287kg。エンジンはDB601F（1350馬力）双発、最大速度511km。武装はMG17機銃４丁、MG151/20機関砲２門、MG15機銃２丁。500kg爆弾２発を搭載できる。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１１０Ｆ−４／Ｕ１＞：F-4にシュレーゲ・ムジーク（斜め銃）を標準装備したタイプ。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１１０Ｆ／Ｔｒｏｐ＞：熱帯地仕様。機首MG17機銃の銃口にパイプとキャップを装着した。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｇ＞：Me210が失敗作だったために新たに製作されたタイプ。エンジンをDB605Bに換え、尾灯を３つに増やした。任務によって基本型（G-2は駆逐機、G-3は偵察機、G-4は夜間戦闘機。ちなみにG-1は存在しない）、長距離駆逐機型、戦闘爆撃機型、長距離戦闘爆撃機型に分けられており、使用する増槽オプション（Ｂ仕様）や兵装オプション（Ｍ仕様）が異なる。全長12.07m、全幅16.276m、全高3.49m（水平時）／3.36m（三点姿勢時・キャノピー頂部まで）、最大総重量7514kg（駆逐機型）／9295kg（長距離駆逐機／長距離戦闘爆撃機）。エンジンはDB605B（1450-1475馬力）双発、最大速度550km、上昇限度7940m、燃料搭載量1270リットル、航続距離2100km。武装は7.9mm機銃MG17が４丁、20mm機関砲MG151/20が２門、7.9mm連装機銃MG81Zが１基。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録、月刊丸12,’90

　＜Ｂｆ１１０Ｇ−２＞：Ｇ型の基本型。FuG10P無線機、PeliG V方向探知機、FuBl1着陸誘導装置、FuG25A敵味方識別装置、FuG202レーダーを搭載する。全長12.91m、全幅16.276m、全高3.49m、飛行重量7514kg。エンジンはDB605B（1450馬力）双発、最大速度560km、航続距離900km／1300km（増槽２個）。武装はMG17機銃４丁、MG151/20機関砲２門、MG81Z連装機銃１基。オプションは基本の駆逐機型がM1、M3、M4、M5、長距離駆逐機型がB1、B2、M1、M3、M4、M5、戦闘爆撃機型がM2、M3、M4、M5、長距離戦闘爆撃機型がB1、B2、M2、M3、M4である。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｇ−２／Ｒ１＞：Bf110G-2のオプションR1（BK3.7cm機関砲を胴体下面に装備）型。後部コクピットから保弾板の装填が可能。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｇ−３＞：Ｇ型の偵察機型。オプションは基本の偵察機型がM3、M4、M5、長距離偵察機型がB1、B2、M3、M4、戦闘爆撃機型がM2、M3、M4、M5、長距離戦闘爆撃機型がB1、B2、M1、M2、M3、M4である。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０Ｇ−４＞：FuG220SN-2レーダーを搭載した夜間戦闘機型。機首先端上部中央に四角いコクピット暖房用外気導入口（機関砲冷却空気取り入れ口ではない）、その両側にMK108の砲身口があり、右側だけ砲身がはみ出ている。機首側面にはFuG220の八木アンテナが斜め四方に突き出す。機首下面には楕円形のMG151/20砲身口があり、その両側に長方形のMK108用空薬莢・リンク排出口を持つ。MK108用空薬莢・リンク排出口は機関砲装備位置の関係で右側が前にあり、排出した空薬莢とリンク（リンクに空薬莢が付いたまま放出される）が主翼にぶつからないよう、右にだけ外側にデフレクターが付く。主翼付け根の胴体下面には爆弾ラック、その前方にMG151/20用発射ガス排出口カバーがある。排気炎を目立たなくするため、消炎排気管が取り付けられており、各エンジン片側あたり５つある従来の排気管からの排気は１本の円筒型消炎排気管に纏められ、左エンジン左右と右エンジン右側では主翼上面、右エンジン左側では主翼下面（上に過給器エアインテイクがあるので上面は無理）に排気が導かれる。FuG10P/FuG16ZE無線機、FuG101a電波高度計、FuBl2F着陸誘導装置、PeliG�X方向探知機、FuG25A敵味方識別装置を装備する。更にFuG202レーダーを積んで機首先端にもアンテナを生やした機体もある。全長13.05m（12.07m？）、全幅16.25m、全高4.18m（4.16m？）、自重5094kg、全備重量9390kg（7917kg？）。エンジンはDB605B-1液冷倒立Ｖ型12気筒ガソリン（1475馬力）双発、最大速度525km（510km？）、実用上昇限度8000m、航続距離2000km（1270km？）。武装はMG17機銃４丁＋MG151/20機関砲２門またはMG151/20機関砲２門＋MK108機関砲２門＋MGFF機関砲またはMK108シュレーゲ・ムジーク２門。主翼下に300リットル落下増槽を１基ずつ搭載可能。乗員２名（後にレーダー操作員を加えて３名）。オプションは基本の夜間戦闘機型がM1、M3、M4、M5、長距離夜間戦闘機型がB1、B2、M1、M3、M4、戦闘爆撃機型がM2、M3、M5、長距離戦闘爆撃機型がB1、B2、M2、M3、M4。1945年2月までに各型計1850機が生産された。イギリスのバトル・オブ・ブリテン・ホールに展示されている。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings12,’13、4,’10、4,’21

　＜Ｂｆ１１０Ｇ−４ｂ／Ｒ３＞： 現地改修の武装強化型。全長12.7m、全幅16.3m、全高4m、自重5100kg、全備重量9390kg。エンジンはDB605B（1475馬力）双発、最大速度550km、実用上昇限度7920m、航続距離は増槽ありで2000km。武装は30mm機関砲MK108が２門、20mm機関砲MG151/20が２門、7.9mm機銃MG81が２丁。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｂｆ１１０Ｇ−４／Ｒ−８＞：全長12.65m、全幅16.2m、全高4m、自重5100kg、全備重量9400kg。エンジンはDB605B-1（1475馬力）双発、最大速度550km、航続距離2100km。武装は20mm機関砲２門、7.9mm機銃４丁、7.9mm旋回機銃１丁、20mmシュレーゲ・ムジーク２門。乗員３名（操縦士、レーダー操作員、後方銃手）。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ｂｆ１１０Ｈ＞：夜間戦闘機型で、1944年末に仕様文書が出されているが、量産されたかは不明。FuG220Dレーダー、シュレーゲ・ムジーク、消炎排気管を装備し、主翼端は丸形で、引き込み式尾輪を持つ。キャノピー後部を強化しており、コクピット内にMW50パワーブースト装置または115リットル入り増槽を搭載できる。固定武装は機首の30mm機関砲MK108（135発）２門、胴体下の20mm機関砲MG151/20（300-350発）、シュレーゲ・ムジーク用30mm機関砲MK108（100発）２門。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｂ１仕様）＞：胴体下に潤滑油用ドロップタンクを装備するオプション。B2仕様と併用される。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｂ２仕様）＞：主翼下に燃料900リットル入りドロップタンクを装備するオプション。B1仕様と併用される。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｍ１仕様）＞：胴体下に20mm機関砲MG151/20連装ガンパックを搭載するオプション。ETCラック固定用ハードポイントに固定するため、M2との併用不可。空気抵抗増大で最大速度が60kmも落ちたらしい。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｍ２仕様）＞：胴体下にETC500爆弾ラック１基を装着するオプション。場所が同じなのでM1との併用不可。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｍ３仕様）＞：主翼下にETC50爆弾ラックを左右２基ずつ装着するオプション。場所が同じなのでM4との併用不可。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｍ４仕様）＞：主翼下にSD2小型爆弾用ラックRoste24SDを左右２基ずつ装着するオプション。場所が同じなのでM3との併用不可。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｍ５仕様）＞：主翼下に21cm空対空ロケット弾W.Gr21用連装ランチャーBRを左右２基ずつ装着するオプション。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｒ１仕様）＞：胴体下に3.7cmBK機関砲を搭載するオプション。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｒ３仕様）＞：機首に30mm機関砲MK108を２門搭載するオプションで、機首部分をそっくり入れ替えてある。右舷側の機関砲が後ろにずらされており、左舷側は機首から砲身が突き出しているが、右舷側から突き出しているのは砲口部に填めたブラストチューブ。砲身の間にはコクピット暖房用の四角いエアインテイクが開口している。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｒ８仕様）＞：20mm機関砲MGFF/M（60発ドラム弾倉１個＋予備１個）を２門、コクピット後部に斜め銃として搭載するオプション。機関砲は前向きに仰角70度で取り付けられている。照準器はRevi16Nで、通常は反射ガラスだけを前席パイロットの頭上に取り付けるが、キャノピーにブリスターを設けて照準器ごと頭上に取り付けた機体もある。マニュアル上の射距離は200m/300m/400mの３段階調節だが、実戦ではもっと接近して射撃した。参考：世界の傑作機No.157

　＜Ｂｆ１１０（Ｕ８仕様）＞：コクピット後部に540リットル燃料タンクを追加するオプション。参考：世界の傑作機No.157

＜Ｂｆ１１０海外シリーズ＞

　＜Ｂｆ１１０（ソ連軍）＞：ソ連軍の戦闘機。1940年2月11日に調印された独ソ通商協定に基づき、Bf110Cを５機輸入した。飛行試験や仮想敵機役に使用され、試作23mm機関砲MP-6の実用試験にも使われている。独ソ戦開始後には鹵獲機が実戦投入されたりもした。参考：世界の傑作機No.157

＜ＢＦＭ＞：Basic Fighter Maneuvers（基礎戦闘機機動）の略。

＜ＢＦＴ＞：FBCB2-BFT（戦術インターネット）を参照。

＜ＢＦＴ２＞：FBCB2-BFT2（戦術インターネット）を参照。

＜ＢＦＶＳ＞：アメリカ陸軍のM-2/M-3ブラッドレイ用爆発反応装甲で、Bradley Fighting Vehicle System（ブラッドレイ戦闘車両システム）の略。GDLS社傘下のGDATP（General Dynamics Armament and Technical Products）社と、イスラエルのラファエル社が共同開発した。ERAブロック５種類計96個で構成され、車体前側面と砲塔前面に装着する。イラク戦争でRPG対策として配備した。参考：月刊PANZER11,’04

＜ＢＦＷ社＞：バイエリッシュ航空機会社（Bayerische Flugzeugwerke AG）の略。元はグライダー製造会社で、1928年6月にバイエルン航空機製造と合併してこの名称になった。メッサーシュミット社と合併してウィルヘルム・エミール・メッサーシュミットを設計技師に迎え、ルフトハンザ向けにM20旅客機を設計したが、事故で墜落し全キャンセルされてしまい、1931年に裁判所へ破産申し立てを行った。1933年5月に破産宣告が解かれ、Bf108を開発。しかし注文があまり入らず、ドイツ航空省も複葉機を好んだため単葉のBFW機は採用されず、ルーマニア向け輸送機を設計するなどして凌いでいた。航空省のトップが交替すると単葉戦闘機の開発を命じられ、Bf109やBf110などの傑作機を次々と生み出し、1938年7月にメッサーシュミット社に改称した。これに伴い軍用機の名称もBfからMeに変更されているが、Bf110V1の飛行記録によると1936年5月23日から既にMe110V1へ改称されている。参考：歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97、世界の傑作機No.157、月刊航空情報5,’18

＜ＢＧ−１＞：アメリカ海軍・海兵隊の複葉急降下爆撃機で、グレイトレイクス社製。1933年11月から60機が生産され、翌年から海軍に、1935年から海兵隊に引き渡された。1940年頃までに退役。参考：月刊航空ファン4,’72

＜ＢＧ１２＞：南アフリカのヴィッカーズOMC社（イギリスのヴィッカーズ・ディフェンス・システムズ社の子会社）が開発した多目的４輪装甲車両。国内治安維持用だが、他の目的にも利用できる。車体は全溶接性で、7.62mm弾や対人地雷に抗堪でき、窓は防弾ガラス＋鋼線メッシュでガードした。拡声器、前部装着空圧作動スクレーパー、屋根装着区域スポットライト、ブルー旋回交通標識装置を標準装備する。オプションでランフラットタイヤ、対徹甲弾用防御、窓ワイパー（対ペンキ用）、自動消火装置などを追加可能。エンジンはメルセデス・ベンツ社製OM366Aディーゼル（167馬力）、トランスミッションはアリソンAT545オートマチック、伝導ボックスはロクウェル。南アフリカ、カナダ、コロンビア、モザンビークなどで採用され、1990年に第１次量産車の生産を完了した。参考：月刊軍事研究10,’02

＜ＢＧ−１５＞：ソ連軍の40mm小銃てき弾発射機。AKMやAK-74に装着できる。有効射程450m。参考：コンバット・バイブル２

＜ＢＧ４３７Ｆ＞：サイト用人員輸送車を参照。

＜ＢＧＡＡＷＣ＞：Battle Group Anti-Air Warfare Coordinationの略。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜Ｂｇｂｖ.８２＞：Pbv.302装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜Ｂｇｂｖ９０＞：CV90ARV（装甲回収車）を参照。

＜Ｂｇｂｖ１２０＞：レオパルト２戦車ファミリーを参照。

＜ＢＧＤＭ＞：SLAM-F（対機雷戦システム）を参照。

＜ＢＧＬ＞：フランス軍のレーザー誘導爆弾。250kgまたは400kg通常爆弾、400kg貫徹爆弾、核爆弾（重量1000kg）にエルビス誘導システムと安定・操舵フィンを取り付けて使用する。射程は投下高度により変化するが、4-13km程度。湾岸戦争で使用されたが、発射母機の航法装置不備で発射位置への到達能力に問題があり（発射以前の問題である）、実績は不明である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊Jwings4,’01

　＜ＢＧＬ４００＞：全長3.2m、直径0.396m、翼スパン1.341m、発射重量476kg。最大射程5.5海里。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＢＧＬ１０００＞：全長3.993m、直径0.488m、翼スパン1.615m、発射重量998kg。最大射程5.5海里。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＢＧＭ−３４シリーズ＞：アメリカ軍の戦術攻撃・SEAD用無人機。AQM-34/BQM-34に誘導爆撃システムHOBOS（HOming BOmb System）を装備したもので、1971年にテレダイン・ライアン社が開発した。参考：月刊軍事研究2,’17、スパイ機

　＜ＢＧＭ−３４Ａ＞：AGM-65マーベリック、AGM-45シュライク、レーザー誘導爆弾ホーボーの発射母機型。エンジンはJ69-29（推力0.771トン）。航法が不正確で誘導爆弾の精度もイマイチという欠点があった。参考：スパイ機、月刊軍事研究5,’12

　＜ＢＧＭ−３４Ｂ＞：機体を改良してエンジンをJ69-41A（推力0.871トン）に換装したもので、LLLTVを搭載して目標指示に使用される。一部は自動安定式テレビカメラ、レーザー目標捕捉装置（1974年から）、ヒューズ社製FLIRを装備した。C-130を改造した誘導母機から発進し、任務終了後はパラシュート降下で回収される。ベトナム戦争末期に試験投入され、イグルーホワイト作戦などを行った。参考：月刊軍事研究5,’12、スパイ機

　＜ＢＧＭ−３４Ｃ＞：AQM-34Lを地上発射式にして機首にモジュール式ペイロードを装着したもの。翼スパン4.42m、重量2.722トン。参考：スパイ機

＜ＢＧＭ−７１シリーズ＞：アメリカ軍の第２世代対戦車ミサイル、別名TOW （Tube-launched, Optically tracked, Wire-guided、発射筒装填、光学照準、有線誘導）。地上設置したり、車両やヘリに搭載したりできる。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＧＭ−７１Ａ＞：最初の量産型で、1962年からヒューズ・エアクラフトが開発し、1970年に実用化された。誘導方式は半自動指令誘導式で、射手がクロスゲージに目標を捉えると、ミサイル尾部のフレアと照準線との差を照準システムが自動的に修正して目標に命中する。弾頭はHEATで、本体よりも一回り細い。固体燃料ロケットブースターで射出され、弾体中央のＸ字安定翼と後部の十字操縦翼を展張、0.1秒後に固体燃料ロケットサステナーが作動し、胴体両側のノズル２基からガスを噴射して飛翔する。1.6秒で推進用ロケットモーターは燃焼を終了（発射機から350m、速度は毎秒295m）し、後は慣性で飛んでいく。最小射程65m。最大射程は1976年までは3000m、以降は3750mで、誘導用ワイヤー２本の長さに制限されている。最大射程での飛翔時間は21秒。ミサイルは円筒形の発射筒兼用コンテナに収められており、コンテナを発射機に差し込めば発射準備完了。全長1.174m、直径0.152m、発射重量22.5kg、弾頭重量3.9kg。装甲貫徹力500mm。ベトナム戦争に投入され、T-54/55相手に活躍した。ミサイルが手前に落下する傾向があり、湾岸戦争時の戦域での訓練では命中率が50%しか無かったこともある。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、コンバット・バイブル２、火器弾薬技術ハンドブック、軍事分析湾岸戦争、世界の傑作機No34、世界軍用機年鑑1990-91、航空用語事典増補改訂版

　＜ＢＧＭ−７１Ｂ＞：BGM-71Aの改良型、別名I-TOW（インプルーブドTOW）。1980年代初めに登場した。信管をプローブ状に127mmほど突き出しており、スタンドオフを確保し、ERAを予め炸裂させる効果がある。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＧＭ−７１Ｃ＞：BGM-71Bの改良型、別名TOW2。弾頭を本体と同じ太さにし、プローブ長を153mmに延伸、弾頭重量を13.2ポンド（6kg）に増やし、重量増に対応してロケットモーターも強化、誘導システムを改良した。全長1174mm、直径152mm、重量28.1kg。飛翔速度毎秒200m、最小射程65m、最大射程3750m。BGM-71A/B用の発射機からは撃てなくなった。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、火器弾薬技術ハンドブック、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜ＢＧＭ−７１Ｄ＞：別名TOW2A。全長1.17m、直径0.152m、翼スパン0.34m（0.457m？）。重量47.4ポンド（21.5kg）、炸薬重量13.2ポンド（6kg）。推進はハーキュリーズMk41固体燃料２段式ロケットモーター、飛翔速度マッハ0.8-0.9、射程3750m。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＢＧＭ−７１Ｅ＞：別名TOW2B。プローブを無くし、タンデム弾頭を採用、トップアタック機能を付加した。全長1.158m、直径152mm、翼スパン0.457m、発射重量29.5kg、弾頭重量3.9kg。飛翔速度毎秒280m、射程500-3750m（6000m？）。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究7,’95、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ワイヤレスＴＯＷ＞：無線誘導式に変更したタイプ。1983年にヒューズが自主開発し、1984年5月からアメリカ陸軍ミサイル本部が評価を開始、1987年末にBGM-71Cから６基が改造されて試射が実施された。参考：ザ・マーチ39号

　＜ＴＯＷ２Ｂエアロ・ワイヤレス＞：BGM-71Eを無線誘導式にしたタイプ。プローブは無く、前方から弾頭、ロケットモーター、Ｘ字安定翼、ジャイロ、無線受信部、十字操縦翼と並び、尾部には熱ビーコンとキセノン・ビーコンを持つ。弾頭は下向き成型炸薬が前後に並ぶタンデム・トップアタック型である。全長1.285m、直径0.147m、重量29.6kg。飛翔時間23秒、最大射程4500m。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＢＧＭ−７１海外シリーズ＞

　＜Ｍ−８３＞：フィンランド陸軍の対戦車ミサイル。BGM-71Cを導入したものである。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜トゥーファン１＞：イラン軍の対戦車ミサイル。コピーしたものである。全長1.16m、直径0.15m、翼スパン0.45m。弾頭はHEAT、装甲貫徹力550mm。誘導はSACLOS、最大射程3850m。参考：月刊軍事研究11,’11

　＜トゥーファン２＞：イラン軍の対戦車ミサイル。トゥーファン１をタンデム弾頭にして先端にプローブを装着したものである。全長1.45m、直径0.15m、翼スパン0.45m。装甲貫徹力760mm。誘導はSACLOS、最大射程3850m。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ＢＧＭ−１０９シリーズ＞：アメリカ軍の巡航ミサイル、別名トマホーク（Tomahawk、手投げ斧。アメリカ海軍が商標登録している）。多様なプラットフォームから運用できる亜音速戦術核ミサイル及びSALTで削減された潜水艦発射弾道ミサイルに代わる戦略核ミサイルとして1960年代末に構想が練られ、1971年に潜水艦発射巡航ミサイルとして開発を開始、1972年6月にUGM-27ポラリス用発射筒と魚雷発射管のうち汎用化が容易な後者から発射できるサイズとすることが決定し、1974年1月からジェネラル・ダイナミクス社（ZBGM-109A／YBGM-109A）とボート社（ZBGM-109B/YBGM-109B）で競争試作され、1976年2月から実射テストが行われて前者が選ばれ、1983年にIOCを獲得して就役した。潜水艦発射型に続いて水上艦発射型が開発され、専用のMk143箱形ランチャーに加えてMk41VLSにも搭載可能であり、陸上発射型も開発され、1977年にアメリカ空軍AGM-86Aとの仕様統合が決まっている。トマホーク武器システムで運用する。攻撃目標から離れた安全な洋上・海中から多数を発射でき、飛翔中に護衛を付ける必要も無く、命中率が高く破壊力もあり、撃墜されても犠牲者は出ないため、使用に対する閾値が低い。湾岸戦争が初実戦使用で、307発を発射しようとしたが19発が故障で射出できず288発（BGM-109C/TLAM-C261発、BGM-109D/TLAM-D27発）が発射され、６発がブースター故障で墜落し282発が巡航飛行に移り、226発が命中して命中率は85%に達したが、2-6発が高射砲により撃墜された。1993年のサザン・ウォッチ作戦で46発、ブッシュウェッカー作戦で23発、1995年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で13発、1996年のデザート・ストライク作戦で33発、1998年のレゾルト・レスポンス作戦で79発、デザート・フォックス作戦で325発（425発？）、1999年のアライド・フォース作戦で238発、2001年の不朽の自由作戦（アフガン）で90発（50発？）、2003年のイラクの自由作戦で802発（725発？）、2008年3月3日の対アルカイダ戦でソマリアに２発、2009年12月17日の対アルカイダ戦でイエメンに２発、2011年のオデッセイ・ドーン作戦で221発（114発？）、対イスラム国作戦で2014年9月23日にシリアに47発、2016年10月13日の対アルカイダ戦でイエメンに５発、2017年4月7日の対シリア戦で61発を発射している。2040年代まで使う予定。参考：月刊軍事研究7,'16、2,’18、5,’18、アメリカの核兵器、月刊JWings7,’03、軍事分析湾岸戦争、月刊丸2,’12、月刊世界の艦船5,’91

　＜ＢＧＭ−１０９Ａ＞：トマホーク・ブロック�T、別名TLAM-N（Tomahawk Land Attack Missile/Nuclear）。200キロトン水爆弾頭W80を搭載したタイプで、1984年6月に実戦配備された。弾体先端にTERCOMシステム（重量0.0454トン）、その後ろにW80核弾頭（0.122トン）、その後ろにジェット燃料（0.556トン）、弾体中央に折り畳み主翼、弾体後部下面にエアインテイク、テイルコーンにターボファンエンジン（重量0.059トン）と浅い前縁後退角を持つ矩形操舵翼４枚、尾部にロケット燃料（0.177トン）とロケットブースター（0.1202トン）が付く。発射されると固体ロケットブースターが12秒間燃焼して加速、高度300mでブースターを投下し、主翼とフィンとエアインテイクを展開して高度1500-2500mに上昇、慣性航法装置とAN/DPW-23TERCOMシステムを組み合わせて目標まで飛行する（慣性航法のみでは飛行コースが１時間あたり900mずれる）。500kmに接近したところで低空飛行に移行、山岳地帯では高度120m、市街地では60m、水面上では15mを飛行する。よって、コースを選ばないと高さ60m以上の建築物にぶつかってしまう可能性がある。1970年代のステルス技術を詰め込んでおり、RCSは0.05平方メートル以下とされる。全長5.56m／6.25m（ブースター付）、胴体直径0.518m、翼スパン2.67m、発射重量1.452トン（ブースター含む）。推進はウイリアムズF107-WR-400ターボファン（推力600ポンド・0.272トン・2.7kN）＋アトランティック・リサーチ製Mk106固体燃料ロケットブースター（推力6000ポンド・2.722トン・26.7kN、燃焼時間12秒）、飛翔速度マッハ0.7・475ノット・880km、射程2500km、CEP80m。艦載型BGM-109A-1（後にRGM-109Aに改称）と潜水艦発射型BGM-109A-2（後にUGM-109Aと改称）がある。どちらも1991年9月27日のブッシュ大統領による水上艦・潜水艦の核兵器撤去宣言を契機に退役が始まり、2000年代に運用を終了、2010-13年に全て退役した。参考：アメリカの核兵器、兵器メカニズム図鑑、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、ワイルドウエポン、月刊JWings7,’03、月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊軍事研究7,'17、7,’99、4,’15、7,’16

　＜ＢＧＭ−１０９Ｂ＞：これもトマホーク・ブロック�T、別名TASM（Tomahawk Anti Ship Missile）。通常弾頭の対艦攻撃型で、TERCOMシステム搭載部分をハープーンと同じアクティブレーダーに、核弾頭及びジェット燃料収容部の一部を通常弾頭に変更している。ミッドコースは慣性誘導、ターミナルはポップアップ後に作動するAN/DSQ-28アクティブレーダー（Ｊバンド）とPI/DF（受動識別・方位探知）システム（赤外線画像誘導）の併用で目標に突入する。発射重量1.492トン、弾頭はWDU-25/B爆風破砕型（0.454トン）。燃料搭載量0.175トン、射程460km。艦載型BGM-109B-1（後にRGM-109Bに改称）と潜水艦発射型BGM-109B-2（後にUGM-109Bに改称）があり、1984年6月に実戦配備されたが、終末誘導の際にポップアップする必要があり脆弱、射程の割に飛翔速度が遅く終末誘導装置（小型なので性能に限界がある）を作動させた時には目標が遙か彼方に消えている可能性がある、ハープーンの方が安くて（1990年代初めで143万ドル対112万ドル）便利、といったことから1990年代前半には運用停止となり、全てRGM-109E戦術トマホークに改造された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、ワイルドウエポン、月刊JWings7,’03、兵器メカニズム図鑑、月刊航空ファン8,’09、月刊世界の艦船5,’14、9,'22、月刊軍事研究7,'16

　＜トマホーク・ブロック�TＣ＞：BGM-109A/B（ブロック�T）の改良型らしいが、詳細不明。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＢＧＭ−１０９Ｃ＞：トマホーク・ブロック�U、別名TLAM-C（Tomahawk Land Attack Missile/ Conventional、トマホーク対地攻撃ミサイル・通常弾頭型）。ジェネラル・ダイナミクス社が開発した地上攻撃型通常弾頭トマホークミサイルで、1986年に実戦配備された。核を使わないのでより精密に目標にぶち当てる必要があり、INS+TERCOMに加え、AN/DXQ-1DSMACを搭載して精度を高めている。また、目標を低空飛行ですり抜けてしまわないよう、ハイダイブで突入する。重量1.565トン。弾頭はWDU-25/B（HE0.454トン）。推進はウイリアムズF107-WR-400ターボファン、巡航速度880km・マッハ0.7、射程900-1300km、CEP10m。艦載型BGM-109C-1（後にRGM-109Cに改称）と潜水艦発射型BGM-109C-2（後にUGM-109Cに改称）がある。後にブロック�Vへとアップグレードされた。参考：アメリカの核兵器、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’15、7,’16、5,’18、月刊JWings7,’03、月刊世界の艦船4,’04増刊、7,’20

　＜ＢＧＭ−１０９Ｃブロック�UＡ＞：BGM-109Cのソフトウェア改良型。遮蔽物越しに目標を攻撃できるよう、目標上空を通過しつつ炸裂するプログラム化弾頭起爆（PWD）モードを備えている。後にブロック�Vへとアップグレードされた。参考：月刊軍事研究4,’15、7,’16

　＜ＢＧＭ−１０９Ｄ＞：トマホーク・ブロック�UＢ、別名TLAM-D（Tomahawk Land Attack Missile/ Dispenser、トマホーク対地攻撃ミサイル・ディスペンサー型）。BLU-97/B子爆弾166発を搭載したクラスター弾型である。子爆弾は24個のパッケージに分割収容されており、最大４カ所の目標に投下できる。子爆弾収容スペースに燃料スペースが圧迫され、射程は短くなった。誘導装置はＣ型と同じ。射程875km（605海里・1120km？）。後にブロック�Vへとアップグレードされた。参考：月刊JWings7,’03、月刊世界の艦船5,’91、3,’92増刊、月刊軍事研究4,’15、7,’16、7,’17

　＜トマホーク・ブロック�UＣ＞：1990年代後半に使用された。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜トマホーク・ブロック�UＤ＞：1990年代後半に使用された。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＢＧＭ−１０９Ｅ＞：1980年代半ばに計画された対艦型。計画のみに終わった。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＢＧＭ−１０９Ｆ＞：1980年代半ばに計画された飛行場攻撃型で、子爆弾28発を収容する。計画のみ。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＢＧＭ−１０９Ｇ＞：陸上発射型BGM-109A、別名グリフォン。GLCMを構成し、弾頭は威力可変式のW84（10-50キロトン）である。誘導はINS+TERCOM、CEP25-50m。巡航速度は亜音速、最大射程2500km。565発を生産して464発をNATO軍に配備することになり、1983年12月からイギリスに、イタリア、ベルギー、オランダ、西ドイツに配備されてアメリカ空軍が運用、1988年末までに配備を完了する予定だったが、INF条約で全廃され、1991年に退役した。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究10,’15、5,’18、核兵器図鑑

　＜ＲＧＭ−１０９Ａ＞：艦載型BGM-109Aで、当初はBGM-109A-1という名称だった。ボックスランチャーやMk41VLSに搭載され、ブースターロケットにより射出される。1000発が配備された。参考：月刊JWings7,’03、アメリカの核兵器、月刊軍事研究7,’16、核兵器図鑑

　＜ＲＧＭ−１０９Ｂ＞：艦載型BGM-109Bで、当初はBGM-109B-1という名称だった。3068発が配備された。参考：月刊軍事研究7,’16、月刊JWings7,’03、核兵器図鑑

　＜ＲＧＭ−１０９Ｃ＞：艦載型BGM-109Cで、当初はBGM-109C-1という名称だった。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＲＧＭ−１０９Ｃブロック�UＡ＞：艦載型BGM-109Cブロック�UＡ。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＲＧＭ−１０９Ｄ＞：艦載型BGM-109D（ブロック�UＢ）で、当初はBGM-109D-1という名称だった。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＲＧＭ−１０９Ｃブロック�V＞：RGM-109Cの改良型で、マクダネル・ダグラス社が開発した。誘導装置にGPSを追加し、デジタル情景照合装置も画像センサーを改良したDSMAC�UＡにして命中精度を高めてあり、CEPは10mとされる。GPSの導入で飛行ルート設定にかかる時間も短縮された。発射前に複数の目標座標を入力しておくことができ、発射艦の戦術トマホーク兵器制御システム（TTWCS）の指令で発射後の目標変更が可能。ただし発射後に新たな目標座標を伝えることはできない。弾頭は軽量型のWDU-36/Bである。エンジンも換装されており、エンジンが低燃費になったのと弾頭を軽量化した分を燃料に回したので射程が延伸した。目標到達時間制御が導入されており、目標付近を滞空して時間を調節し、複数のミサイルを同時弾着させることが可能。全長5.56m／6.25m（ブースター付）、直径0.518m（0.531m？）、翼スパン2.67m、重量1.31トン／1.59トン（ブースター付）、弾頭重量750ポンド（0.34トン）。推進はF107-WR-402（推力700ポンド・0.318トン）＋Mk111ロケットブースター（燃焼時間132秒）、最大射程1670km。1991年2月13日に初試射が行われ、1993年に実戦配備、1995年9月のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で初実戦使用された。2020年度から退役する予定。参考：月刊JWings7,’03、月刊軍事研究7,’16、4,’15、7,’17、2,’18、5,’18、月刊世界の艦船5,’16、7,’20

　＜ＲＧＭ−１０９Ｄブロック�V＞：RGM-109Dの誘導装置にGPSを追加し、デジタル情景照合装置もDSMAC�Uに改良して命中精度を高めたもの。弾頭やエンジンはそのままで、射程も1300kmのままである。全長5.56m／6.25m（ブースター付）、直径0.518m（0.531m？）、翼スパン2.67m、重量1.22トン／1.49トン（ブースター付）。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊世界の艦船5,’16、7,’20

　＜トマホーク・ブロック�VＣ＞：ブロック�T／�Uをブロック�V仕様に改造したもの。ヒューズ・エアクラフト社が620発以上を改修した。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜トマホーク・ブロック�VＤ＞：ブロック�Vの弾頭をBLU-97/B子爆弾166発に換装したもの。射程1250km。参考：月刊軍事研究5,’18

　＜トマホーク・ブロック�VＤ２＞：アライド・フォース作戦で使用されたタイプ。用途は極秘。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜トマホーク・ベースライン改良計画＞：TBIP（Tomahawk Baseline Improvement Program）と略す。ブロック�W改良で、画像赤外線誘導式対地・対艦用のTMMM（Tomahowk Multi Mode/Mission Missile。予定名称RGM-109E/UGM-109E）と硬目標用貫徹弾頭を持つTHTP（Tomahawk Hard Target Penetrator。予定名称RGM-109H/UGM-109H）の２種類からなり、エンジンを軽量型のテレダインCAE製J402-CA-401（推力680ポンド・0.308トン）に換装する。1994年にヒューズ・エアクラフト社が提案したが、開発費高騰で1996年にアメリカ海軍が不採用を決定した。参考：月刊軍事研究7,’16、4,’15

　＜ＲＧＭ−１０９Ｅ＞：別名TACTOM（TACtical TOMahawk、戦術トマホーク）またはTLAM-E（Tomahawk Land Attack Missile -E）またはトマホーク・ブロック�W。トマホーク・ベースライン改良計画の挫折を受けて1998年6月からレイセオン社が開発したブロック�Vの簡易改良型で、当初はブロック�Xと呼ばれていたが、こちらが新たなブロック�W相当になった。トマホークの飛翔時間は１時間以上あり、途中で目標が移動したり変更されたりする事態が生じうるため、発射艦の戦術トマホーク兵器管制システムTTWCS（Tactical Tomahawk Weapon Control System）と中継機（P-3CやF/A-18）のAN/AWW-13データリンクポッドにより、UHF双方向衛星データリンクを介して目標転換（リターゲット）できるようにしていて、TTWCSで事前入力可能な15目標に加え、発射後に新たな目標の座標を入力することが可能。また、戦場監視BDII（Battle Damage Indication Imagery）能力も付加しており、TERCOMを改良した精密地形援用航法PTAN（Precision Terrain Aided Navigation）を搭載、戦場を２時間近く飛び続けながらミサイル先端部の戦闘損害評価用TVカメラで画像を撮影し、衛星データリンクで艦隊に送ることができる。軽量構造体を採用しており、後翼は４枚から３枚に減った。価格を抑えるためにエンジンをF415-WR-400ターボファン（推力0.34トン。J402-CA-400ターボジェット？）に換装しており、整備期間も15年に延び、燃料タンクを大型化して射程を3000km（巡航高度6100mの場合。巡航高度15-30mだと1670km）に延伸した。弾頭は1000ポンド（0.45トン）級のWDU-36/B。誘導はINS/GPS＋PTAN＋DSMACで、発射されるとINS/GPSで現在位置を確認しつつ洋上の事前設定経由点（First Preplanned Waypoint）を通過し、適宜PTANに切り替えて障害物を避け、誘導用経由点（Guidance Waypoint）を通りながら目標に接近、終末段階でDSMACに切り替え、目標に命中する。CEP10m。全長5.56m／6.25m（ブースター付）、直径0.53m、翼スパン2.67m、発射重量1.6トン（ブースター付）。価格は569000ドルで、それまでのバージョン（140万ドル）の半値以下である。2002年8月23日に初試射が行われ、2004年から配備された。2002-16年度にUGM-109E/RGM-109H/UGM-109Hと合わせて4087発が発注されており、2013年10月に3000発目、2017年8月15日に4000発目が納入されている。更に2017年度から５年で計4000発購入する予定だったが、2018会計年度発注のロット15（100発）で製造を終えた。2019年度から既存のミサイルに対する延命改修を行い15年ほど寿命を延ばしつつ、ブロック�Xに改良する予定。参考：月刊軍事研究7,’16、12,’02、4,’15、6,’01、5,’08、7,’97、9,’14、月刊世界の艦船1,'15増刊、5,’15、5,’16、5,’19、6,'22、月刊JWings7,’03、世界の軍用機1979、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊航空ファン8,’09、4,’16

　＜ＲＧＭ−１０９Ｈ＞：別名Tactical Tomahawk Penetrator Variant（戦術トマホーク貫通型）、略称TTPV。RGM-109EにWDU-43/B貫通弾頭を搭載したものである。2006年から配備された。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊JWings7,’03

　＜トマホーク・ブロック�WＡ＞：ブロック�Uをブロック�W仕様に改造するもので、1999-2003年度に1250発分が発注された。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜トマホーク・ブロック�X＞：ブロック�Wの射程を延伸し、航法・データリンク機能を強化したもので、AGR5（A Military Code anti-jam GPS Receiver）対妨害能力強化型GPS受信機とL3ハリス・テクノロジーズ社製ISBS(Integrated Single Box Solution)衛星通信端末を搭載し、UHF通信アンテナを１基追加する。搭載艦にはNAV/COMMs（Navigation/Communications）、TMPC（Theater Mission Planning Center）システム、TTWCS（Tactical Tomahawk Weapons Control System）の改修が必要になる。対艦型ブロック�Xａ（対艦型トマホークMST）と、貫徹力強化型ブロック�Xｂがあり、2021年3月から引き渡され、10月にIOCを達成した。多目的弾頭JMEWS（Joint Multiple Effects Warhead System）搭載型を作るかもしれない。参考：月刊世界の艦船4,'20、5,’19、3,’21、11,’21、6,’22、9,’23

　＜トマホーク・ブロック�Xａ＞：ブロック�Xの対艦型で、別名Maritime Strike Tomahawk、略称MST。トマホーク・ブロック�Xに対艦用マルチモード・シーカーを装着し、洋上で移動する艦船を攻撃できるようにしたものである。2017年8月、レイセオン社に対して２年間の開発契約を締結した。しかし2017会計年度国防歳出法の発効遅延で開発資金が下りない期間が発生、IOC達成が2021会計年度から2022会計年度第３四半期（2023年4-6月）に遅れる。2021年10月、アメリカ海軍エア・システムズ・コマンドが低率初期生産を発注した。参考：月刊世界の艦船12,’18、4,’20、1,’22

　＜トマホーク・ブロック�Xｂ＞：ブロック�Xの貫徹力強化型。JMEWS（Joint Multiple Effects Warhead System）貫徹力強化型爆風破片弾頭を搭載する。参考：月刊世界の艦船4,’20

　＜エンハンスド戦術トマホーク＞：射程537kmのYJ-18に対抗すべく開発中の超長射程対艦ミサイル型で、ETACTOM（Enhanced TACtical TOMahawk）と略す。シーカーをアクティブ／パッシブレーダーホーミングとして移動目標に対応できるようにし、目標情報はSATCOMデータリンクで取得する。射程1000km以上。2015年1月27日、DDG-100キッドから発射テストが行われ、F/A-18E/F戦闘攻撃機からの目標情報をリアルタイム受信して洋上移動目標（コンテナ標的船）に命中した。DDG-101グリッドレイからの発射テストも実施しており、シーカーが開発中なので戦闘損害評価用TVカメラの映像をSATCOMでDDG-101に送り、修正コースをDDG-101からミサイルに送り返してサン・ニコラス島の目標に命中させている。参考：月刊軍事研究7,’16、2,’16、月刊航空ファン10,’18

　＜ＵＧＭ−１０９Ａ＞：潜水艦発射型BGM-109Aで、当初はBGM-109A-2という名称だった。ミサイルは魚雷発射管やMk36/Mk37VLSに填まる外径533mmのキャニスターに収容されており、発射後キャニスターが水面に顔を出した所で固体燃料ロケットブースターに点火、空中に飛び出して主翼、フィン、エンジンのエアインテイクを展張して巡航する。スタージョン級攻撃原潜から搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊JWings7,’03、月刊世界の艦船5,’16、月刊軍事研究7,’16、アメリカ潜水艦史

　＜ＵＧＭ−１０９Ｂ＞：潜水艦発射型BGM-109Bで、当初はBGM-109B-2という名称だった。参考：月刊軍事研究7,’16、月刊JWings7,’03

　＜ＵＧＭ−１０９Ｃ＞：潜水艦発射型BGM-109Cで、当初はBGM-109C-2という名称だった。参考：月刊軍事研究7,’16、月刊JWings7,’03

　＜ＵＧＭ−１０９Ｃブロック�UＡ＞：潜水艦発射型BGM-109Cブロック�UＡ。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＵＧＭ−１０９Ｄ＞：潜水艦発射型BGM-109Dで、当初はBGM-109D-2という名称だった。参考：月刊JWings7,’03

　＜ＵＧＭ−１０９Ｅ＞：潜水艦発射型RGM-109Eで、2004年から配備された。RGM-109Eと同じ軽量構造体（後翼も３枚）の採用に伴い弾体強度が低くなったため、魚雷発射管から発射できず、専用VLSを装備して浅深度から射出する必要があった。その後イギリス海軍から魚雷発射管での運用を可能とするよう要求され、アメリカ海軍でもロサンゼルス級初期型やシーウルフ級で魚雷発射管から運用する必要が出たため、ミサイル収容キャニスターをグラスファイバー製の強化型に変更、2007年に魚雷発射管や深々度でのVLSからの射出を可能としている。参考：月刊世界の艦船6,’13、7,'20、月刊軍事研究7,’16、4,’15、アメリカ潜水艦史

　＜ＵＧＭ−１０９Ｈ＞：潜水艦発射型RGM-109H。2006年から潜水艦装備VLS用として配備された。こちらも2007年に魚雷発射管からの運用を可能としている。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊JWings7,’03

　＜ＡＧＭ−１０９シリーズ＞：空中発射型。空軍型はB-52などの爆撃機で運用するため全長5.84mと長く、海軍型はA-6に積めるよう全長4.88mと短い。ロケット・ブースターは不要なので外した。1978年にAGM-86シリーズに負けて採用されず、全てキャンセルされた。参考：月刊軍事研究7,’16、核兵器図鑑

　＜ＡＧＭ−１０９Ｃ＞：BGM-109Cの空中発射型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＡＧＭ−１０９Ｈ＞：空軍の滑走路破壊型。BLU-106/B子爆弾28発を収容する。射程330海里／611km。参考：月刊軍事研究7,’16、7,’17

　＜ＡＧＭ−１０９Ｉ＞：海軍型で、終末誘導シーカーを搭載している。計画名称なのでＩナンバーが付いており、そのまま計画中止になった。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＡＧＭ−１０９Ｊ＞：AGM-109Cの廉価型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＡＧＭ−１０９Ｋ＞：終末誘導シーカーを搭載したタイプ。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＡＧＭ−１０９Ｌ＞：海軍型。弾頭はWDU-18貫通弾頭である。射程330海里／611km。参考：月刊軍事研究7,’16、7,’17

＜ＢＧＭ−１０９海外シリーズ＞

　＜ＢＧＭ−１０９（オーストラリア海軍）＞：オーストラリア海軍巡航ミサイル。2023年3月16日、AN/SWG-5TTWCS、ブロック�W実弾20発、ブロック�X実弾200発などをFMSで輸出すると、アメリカ国防安全保障協力局が発表した。8月21日、200発を購入してホバート級ミサイル駆逐艦に搭載すると、オーストラリア国防省が発表した。参考：月刊世界の艦船6,’23、11,’23

　＜ＲＧＭ−１０９（海上自衛隊）＞：海上自衛隊艦艦対地ミサイル。イージス艦（こんごう型、あたご型、まや型、イージスシステム搭載艦）用で、2023年度予算に一括調達費（技術移転・運用改修・乗員訓練費など含む）が計上された。当初はブロック�Xを2026-27年度に取得して戦力化する予定だったが、１年前倒しで取得を進めることになり、一部をブロック�Wに変更して2025年度に導入することを決めている。2024年1月18日、防衛省で木原防衛大臣と駐日米国特命全権大使の立ち会いの下、アメリカ政府との間でFMSに基づくトマホークと関連器材の取得に関する引合受諾書LOAに署名した。トマホークブロック�W／�Xを2025-27年度に取得する。ちなみに潜水艦から発射する予定は無く、潜対艦・潜対地兼用の潜水艦発射型誘導弾を開発する。参考：月刊JWings3,’23、月刊世界の艦船5,’23、防衛省ホームページ

　＜ＵＧＭ−１０９（イギリス海軍）＞：イギリス海軍潜対地巡航ミサイル。1998年から導入し、トラファルガー級とアスチュート級に搭載した。2022年5月31日、ブロック�Wをブロック�Xに改修する契約を締結したと発表した。2020年代半ばからアスチュート級に搭載する予定。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、8,’22、9,’23

＜ＢＧＭ−１７６＞：グリフィン・シリーズ（ミサイル）を参照。

＜ＢＧＭ４００＞：オーストラリア軍が開発中の機雷で、南アフリカのM3Sをベースにしている。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＧＭ６０１＞：スウェーデンのボフォース社が開発した対潜・対水上艦用沈底機雷、別名バニー。直方体形で、潜水艦に外部搭載して敷設する。長さ2m、幅0.75m、高さ0.75m、重量800kg。最大深度200m。信管は水圧、音響、磁気。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＢＧＴＩシリーズ＞：イギリスのセイリーズ・オプトロニクス社が開発した車両用熱線暗視装置で、Battle Group Thermal Imagingの略。イギリス、ドイツ、カナダで採用された。参考：月刊PANZER8,’05

　＜ＢＧＴＩグループ１＞：熱線暗視装置と航法システムを搭載したもの。砲手用サイトには昼夜兼用サイトとレーザー測距器が用意されており、車長用サイトに昼間用チャンネル、CCDズームカメラ、フラットディスプレイを備え、P-BISA戦場情報システムやGPS位置情報などを表示できる。航法データは操縦手にも伝達される。ボウマン戦術コミュニケーションシステムとリンクすれば、車長用ディスプレイにデジタルマップとルートを表示でき、BGTI単独でも進行ルート設定やナビゲートが可能である。イギリス陸軍ウォーリア350両とシミター150両に搭載予定。参考：月刊PANZER8,’05

　＜ＢＧＴＩグループ２＞：熱線暗視装置のみを搭載するタイプ。ウォーリアの回収車型が装備する予定で、7.62mm機銃用の昼夜兼用サイトとして搭載される。進行ルート設定・ナビゲーション能力は無い。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＢＨ＞：ホーク（地対空ミサイル）を参照。

＜ＢＨ−２＞：フランス海軍がラストロラブ級とラスペランス級の後継として建造を予定した海洋観測船で、Batiment Hydrographique de 2emeの略。船型は長船首楼型で、船体後部両舷に測量艇を１隻ずつ搭載する。全長59m、幅10.9m、吃水3.4m、基準排水量900トン。主機はディーゼル、出力2500馬力、２軸推進、速力15ノット、航続距離6000海里。乗員45名（うち士官３名）。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜ＢＨ．７級＞：イギリス海軍ホバークラフト。全長23.9m、幅13.9m、重量55トン。主機はガスタービン、出力4250馬力、速力58ノット。P235が1970年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ＢＩ−１＞：ソ連空軍のロケット戦闘機で、BIはベレズニャク・イザエフの略。1941年に試作機が完成し、1942年5月15日にロケットでの初飛行に成功した。木製合板張りの低翼単葉機で、ケロシンと窒素酸化物を燃料とする液体燃料ロケットを胴体尾部に収容している。降着装置は尾輪式引き込み脚。全長6.4m、全幅6.48m、全高2.06m、重量1650kg。推進はD1A-1100液体燃料ロケット（推力1100kg）１基、最大速度900km、ロケット燃焼時間２分。固定武装は機首の20mm機関砲２門。乗員１名。７機が試作され、50機を量産する予定だったが、ロケットが所定の推力を出せなかった上に燃焼持続時間が短すぎ、酸化剤によるタンク腐食の問題もあり、試作６号機からは翼端にラムジェットエンジンを装着してみたものの、最終的に開発中止となった。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次大戦ソ連軍用機写真集、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＢＩＡＳ＞：RC-130S（捜索救難機）を参照。

＜ＢＩＤＳ＞：M31シリーズ（生物統合探知システム）を参照。

＜ＢＩＬＬシリーズ＞：スウェーデン軍の対戦車ミサイル、制式名称RBS-56。ボフォース社が開発した。参考：月刊軍事研究4,’01、9,’08

　＜ＢＩＬＬ＞：ミサイルコンテナ、三脚、照準装置から構成される。トリガーを引くとコンテナ後部のガス・ジェネレータによりミサイルが射出され、安定翼と尾翼を展開、サステナーに点火する。100m飛んだところで信管がアクティブになり、350mでサステナーの燃焼が終了、目標に向かう。弾頭は30度下向きに装備されており、目標上空を通過して炸裂、メタルジェットを下向きに撃ち出して戦車上面装甲を貫徹する。弾道が直線のままで良いため、山なりのトップアタックミサイルよりも命中までの時間が短い。再装填時間は７秒。ミサイル全長900mm、直径150mm、翼スパン410mm。コンテナ全長1200mm、直径225mm、コンテナ総重量18kg（ミサイル含む）。最大速度毎秒260m、最小射程150m、最大射程2200m、最大射程時飛翔時間11秒。作動温度マイナス30℃からプラス60℃。誘導はSACLOS。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊軍事研究4,’01

　＜ＢＩＬＬ２＞：開発中のタンデム弾頭型。目標直上を通過して炸裂するモード１、目標に直撃するモード２、敵歩兵上空で炸裂して破片をばらまくモード３が用意されている。参考：月刊軍事研究4,’01

＜ＢＩＮシリーズ＞：スペインの火炎爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＩＮ−１００＞：重量100kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＩＮ−２５０＞：全長2.47m、直径0.446m、重量250kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＩＮ−３７５＞：重量375kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＩＰ＞：ソ連版のCICで、戦闘情報ポスト（Battle Information Post）の略。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＢＩＴ＞：アビオニクスが正常に作動するかどうかを確認する装置で、Built-In Test equipmentの略。故障箇所は自動的に表示され、整備時間の短縮に役立っている。参考：月刊JWings6,’05

＜ＢＩＵＳ＞：戦闘情報管制システムのロシア語略。火器管制システムSUO／兵装管制システムSUVを統合管制するシステムである。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜ＢＩｖｅ−ビィヴ−＞：航空自衛隊の公式スマートフォンアプリ。ブルーインパルスの視点でアクロバット飛行を全方位で視聴できる。参考：朝雲

＜ＢＪ＞：トヨタが1951年に試作した1/4トントラックで、最初はジープと呼んだが、ウィリス社の商標に触れるので後にランドクルーザーと呼んだ。外見はジープに似ており、シャシーは当時発売されていたSB型小型トラックをベースとしている。全長3.79m、全幅1.57m、全高1.9m、車重1.649トン。エンジンはＢ型ガソリン（総排気量3386cc、出力85馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速。警察予備隊で30両ほど使用されたようだ。参考：月刊PANZER 2,’99

＜ＢＪ２１２シリーズ＞：中国の４×４輪車両。ソ連のGAZ69をベースにしており、よってジープに似ている。1965年から生産された。参考：月刊PANZER7,’00

　＜ＢＪ２１２＞：全長5.53m、全幅2.21m、全高2.6m、総重量7.5トン。エンジンはディーゼル（125馬力）、最大速度120km、航続距離900km。定員５名。参考：月刊PANZER7,’00

　＜ＢＪ２１２Ａ＞：８名乗りにしたもの。参考：月刊PANZER7,’00

＜ＢＪ２０２２＞：中国軍の４×４輪汎用車、別名は勇士。2007年から配備された。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＢＪＯＣＣ＞：日米共同統合作戦調整所を参照。

＜ＢＫ＞：空包の略。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜Ｂｋ１Ａ＞：バンドカノン1A（自走砲）を参照。

＜ＢＫ１Ｈ＞：ドイツ軍の発煙手榴弾。ケースはガラス製。参考：第二次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＢＫ５＞：ドイツ軍の航空機搭載対爆撃機用大型機関砲。5cmPak39をベースに開発された。口径50mm、重量540kg。使用弾重量1.1kg、初速毎秒960m、発射速度毎分45発。参考：歴史群像2,’08付録

＜ＢＫ−２７＞：マウザーの航空機用27mm機関砲で、トーネード用として1970年代に実用化され、後にJAS39グリペンやEF2000タイフーンにも搭載された。複数の薬室が回転して１本の砲身から連射するリボルバーカノンで、ガトリング式より最大発射速度は劣るものの小型軽量であり、最大発射速度に達するのに0.5秒しかかからないため、最初の１秒に叩き込める弾量はバルカン砲と遜色無い。全長2.31m、重量100kg。砲口初速毎秒1025m。使用弾はDM21HE弾、DM11HE弾、DM33AP弾、DM13APDS弾、DM23APHE弾、DM28訓練弾、TP-FP訓練弾。作動はガス圧式、発射速度最大毎分1700発（1000発から100発ごとに選択可能）。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’02、8,’19、12,'22、月刊軍事研究6,’12、月刊世界の艦船1,’15増刊

＜ＢＫ９０＞：スウェーデン空軍の滑空型子爆弾ディスペンサーBombkapsel90、別名ムヨルナー。1986年に採用された。弾体はLFK社が開発したAFDSディスペンサー（EWS-39）で、角張っており、前部にデジタル式GPS/INS誘導制御システムを持ち、母機からのデータを基に尾部の操舵翼を作動させ滑空する。中央部が子爆弾収容部で、MW-1ディスペンサーと共通の子爆弾（KB44装甲貫通子爆弾、MIFF対戦車地雷、MUSA破砕型子爆弾、MUSPA飛行場制圧地雷、STABO滑走路破壊弾）や、MJ-1破砕型子爆弾、MJ-2対装甲近接信管式子爆弾を合計48発（72発？）搭載できる。全長3.5m、全幅0.63m、翼スパン1m、全高0.32m、重量600kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究11,’08、5,’01

＜ＢＫ１１７シリーズ＞：川崎重工とMBB社が1977年から共同開発した双発ヘリ。川崎重工のKH-7とMBB社のBo107を統合したもので、開発比率は50対50の対等であり、川崎重工が胴体やトランスミッションなど、MBB社が操縦系統やローターなどを輸出して組み立てる方式にした。1979年6月13日に原型機が初飛行し、1982年12月に日本と独で形式証明を取得している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings2,’16、月刊軍事研究11,’18

　＜ＢＫ１１７Ａ−１＞：最初の量産型。最大離陸重量2.85トン。1983年春から引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＫ１１７Ａ−３＞：民間向け本格量産型。BK113A1の改良型で、テイルローターを改良して最大離陸重量を引き上げた。胴体はセミモノコック構造で、複合材を多用しており、後面にクラムシェル・ドアを持つ。メインローターは複合材４翅のリジッド式、テイルローターは複合材２翅。最大離陸重量3.2トン。エンジン定格出力400軸馬力（１基あたり）。1985年に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＢＫ１１７Ａ−３Ｍ＞：A3ベースの軍用型で、降着装置をハイスキッドに変更し、マスト・マウンテッド・サイトを追加している。胴体下に12.7mm銃塔、胴体側面アウトリガーにHOTミサイル８発を搭載可能。全長13m、胴体長9.91m、メインローター直径11m、全高3.85m、自重2.56トン、総重量3.2トン。エンジンはライカミングLTS101-650B-1（592軸馬力）双発、巡航速度137ノット、最大速度150ノット、実用上昇限度4475m、ホバリング高度限界3780m（地面効果内）／3200m（外）、燃料容量608リットル、航続距離315海里。座席数11。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＢＫ１１７Ａ−４＞：エンジン強化型。全長13m、メインローター直径11m、全備重量3.2トン。エンジン定格出力500軸馬力（１基あたり）、航続時間2.5時間。乗員２名＋搭乗人員６名。1986年から量産された。参考：月刊JWings5,’18、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＫ１１７Ｂ−１＞：エンジン強化型。エンジンはライカミング製LTS101-750B-1（最大連続出力550軸馬力）双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＫ１１７Ｂ−２＞：最大離陸重量増加型。最大離陸重量3.35トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＫ１１７Ｃ−１＞：エンジン強化型で、1990年4月6日に初飛行し、1992年10月2日に形式証明を取得した。空虚重量1.804トン、最大離陸重量3.35トン。エンジンはサフラン製アリエル1E2（最大連続出力708軸馬力）双発、最大速度260km、航続距離550km。ペイロード1.565トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＫ１１７Ｃ−２＞：EC145を参照。

＜ＢＫ１１７Ｄ−２＞：エアバス・ヘリコプターズ名称H145。エンジンとメイン・ギアボックスを改良して安全性能とホバリング性能を強化すると共に整備維持費を低減、テイルローターをダクテッド・ファン式にして騒音を減らし、統合計器と自動操縦装置を更新してパイロットのワークロードを減少させた。全長13.64m、胴体長11.69m、メインローター直径11m、胴体幅1.73m、全高3.95m、自重1.87トン、総重量3.575トン（機内搭載）／3.5トン（機外吊り下げ）、最大全備重量3.7トン。エンジンはサフラン製アリエル1E2（738軸馬力）双発、巡航速度260km、最大速度267km、実用上昇限度5490m、海面上昇率毎分655m、ホバリング高度限界2650m（地面効果内）／1036m（外）、航続距離740km（標準燃料タンク、最大全備重量）。乗員1-2名。客席数5-6（標準座席で定員10名？）。2016年10月12日（2日？）から販売中で、2017年3月10日に初めての受注を獲得した。2017年12月19日、初号機が学校法人ヒラタ学園に引き渡された。長崎県ドクターヘリとして使用される。2018年11月28日、佐賀県が消防防災ヘリを発注した。これが消防防災用D-2型として初の受注である。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究12,’16、3,’18、2,’19、月刊航空ファン1,’17、6,’17

＜ＢＫ１１７Ｄ−３＞：エアバス・ヘリコプターズ名称H145。BK117D-3の改良型で、機体重量を50kg減らし、メインローターを５翅にして最大総重量を100kg増加、有効搭載量を150kg増やした。メインローター系の整備性も向上させている。2019年3月6日から販売中で、2021年に国土交通省の形式証明を取得、秋田県警や埼玉県警が採用した。参考：月刊航空ファン5,’19、月刊JWings7,’22

＜ＢＫ１１７（防衛省）＞：防衛装備庁／技術研究本部が1985年度にBK117A-4を１機と1993年度にBK117B-1を１機導入し、岐阜基地の岐阜試験場に配備した。各種装備品の試験、光学計測、射場監視、目標機などに使用中。参考：月刊JWings9,’17、12,’11

＜ＢＫ７１０＞：M24軽戦車・海外ファミリーを参照。

＜ＢＫ−ＢＲシリーズ＞：アルゼンチン軍の通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＫ−ＢＲ５０＞：50kg通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＫ−ＢＲ１２５＞：125kg通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＫ−ＢＲ２５０＞：250kg通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＫ−ＢＲ５００＞：500kg通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＫＳ＞：HEAT弾のロシア語略。

＜ＢＬ＞：ビームローディングを参照。

＜ＢＬ＞：Bruckenleger（架橋用車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＢＬ爆弾シリーズ＞：フランス空軍の爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ５＞：通常爆弾型。重量50kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ６＞：通常爆弾型。重量118kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ７＞：通常爆弾型。重量115kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ８＞：破砕爆弾型。重量120kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ９＞：破砕爆弾型。BL8の全長を短縮したもので、重量は同じく120kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ１８＞：破砕爆弾型。全長1.81m、直径0.195m、重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ２１Ｃ＞：通常爆弾型。全長2.2m、直径0.403m、翼スパン0.564m、重量345kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ２５Ａ＞：破砕爆弾型。重量120kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ２５Ｃ＞：通常爆弾型。重量228kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ２５ＦＩ＞：通常爆弾型で、BL25Cの信管を変更したものである。重量230kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ６１＞：破砕爆弾型。重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ７０＞：破砕爆弾型。全長2.09m、直径0.324m、翼スパン0.45m、重量400kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ８３＞：破砕爆弾型。重量15kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ９９＞：火炎爆弾型。尾部に折り畳み式のフィンを持つ。全長4.1m、直径0.39m、重量450kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ１０４＞：重量440kg級の貫徹爆弾型。厚さ1.5mのコンクリートを貫通できる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ１０５＞：貫徹爆弾型。厚さ1.8mのコンクリートを貫通できる。全長3.9m、直径0.356m、翼スパン0.48m、重量897kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ１０８＞：貫徹爆弾型。重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬ−１０＞：P-750（巡航ミサイル）を参照。

＜ＢＬ６４＞：ブラッドハウンド海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜Ｂ／Ｌ−８４＞：レイピア海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜ＢＬ−７５５シリーズ＞：イギリス軍のクラスター爆弾。投下後、先端の風車が回転して安全装置が解除され、ガス圧によりディスペンサーが２つに割れ、子弾（全長150mm、テイルフィン展張時360mm、直径68mm、重量1.1kg、破片弾頭。貫徹力250mmの徹甲弾頭もあり）147発がガス圧で放出される。子弾は40×120mの範囲に落下し、目標を包み込む。全長2.45m、直径0.419m、重量277kg。NATO６カ国で採用された。参考：火器弾薬技術ハンドブック、軍事分析湾岸戦争、ワイルドウエポン、ザ・マーチ18号

　＜ＢＬ−７５５Ｎｏ.１Ｍｋ１＞：最初の量産型で、1972年に実用化された。軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ−７５５Ｎｏ.１Ｍｋ２＞：低高度から投下できるようにしたタイプ。軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ−７５５Ｎｏ.１Ｍｋ３＞：吊り下げラグを２種類に増やしたタイプ。軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ−７５５Ｎｏ.１Ｍｋ４＞：Mk2よりも更に低高度から投下できるように改良したタイプ。軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ−７５５Ｎｏ２＞：トーネードなどの新型機に搭載可能とし、精度を向上させたタイプ。先進対装甲子弾も収容できる。1986年から配備された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＲＢＬ７５５＞：1990年代に登場した改良型で、レーダー近接信管を装備して中高度投下用としたものである。コソボ紛争、イラク戦争で使用された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＡ−０５＞：ロシア陸軍の観測用UAV、別名チプチャーク。開発はルーチ設計局である。機体下面に光学・赤外線センサーを搭載している。側視レーダーなどの追加も可能。最大離陸重量70kg。最大速度200km、行動半径70km、滞空時間２時間。2008年から配備された。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ＢＬＡ−０７＞：ロシア陸軍の観測用UAV、別名チプチャークＭ。BLA-05の改良型で、ルーチ設計局が開発した。最大離陸重量90kg。行動半径200km、滞空時間８時間。参考：月刊軍事研究2,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＢＬＣ＞：Boundary-Layer Control（境界層制御）の略。境界層を層流の状態で保持したり（層流制御）、境界層の剥離を防いだりして飛行性能を高める技術のこと。層流翼、スラット、フラップ、ボルテックス・ジェネレーター、ドッグ・トゥース、境界層板、境界層吸い込み、層流制御翼、吹き出しフラップなど、様々な技術が開発されている。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings9,’05、10,’09別冊付録

＜ＢＬＣ装置（ＵＳ−１Ａ改用）＞：KCS-2001を参照。

＜ＢＬ　ＥＵシリーズ＞：フランス軍の爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ　ＥＵ２＞：重量230kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ　ＥＵ２ＦＲ＞：破砕爆弾型。重量270kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ　ＥＵ２Ｐ＞：徹甲爆弾型。全長2.24m、直径0.273m、翼スパン0.28m、重量232kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ　ＥＵ３＞：重量452kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬ　ＥＵ４＞：通常爆弾型で、尾部ユニットを装着して高抵抗型にすることも可能である。全長3.8m、直径0.457m、翼スパン0.50m、重量1000kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＧ＞：ブラジル軍のクラスター爆弾用子爆弾。重量810g。装甲貫徹力130mm。半径15mへの破片効果もある。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＧ　６６＞：フランス軍のクラスター爆弾、別名BELOUGA（ベルーガ）。破片弾（有効半径10m、装甲貫徹力4mm）、対戦車弾（HEAT弾頭、装甲貫徹力250mm）、地域制圧弾（破片弾の遅延信管型。最大数時間遅らせることが可能）の３種類の子弾計151発を混合して収容する。投下後、子弾はガスで射出され、事前にセットされたパターン（長さ240m・幅40mのロング・カーペット、長さ120m・幅40mのショート・カーペットの２種類）で散布される。全長3.3m、直径0.366m、重量305kg、子弾重量各1.3kg。湾岸戦争で初実戦使用された。軍用機ウェポン・ハンドブック、火器弾薬技術ハンドブック、軍事分析湾岸戦争

＜ＢＬＧ−１２０＞：ブラジル軍のクラスター爆弾。BLG子爆弾を86発内蔵する。重量120kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＧ−２５２＞：ブラジル軍のクラスター爆弾。BLG子爆弾を248発内蔵する。重量252kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＰ＞：Bulk-loaded Liquid Propellantの略。薬莢を用いず、直接薬室内に液体装薬を注入して点火する方式である。燃焼時のガスが流体力学的に不安定になるため、弾道変化が大きいという欠点があり、あまり使われない。参考：月刊PANZER4,’03

＜ＢＬＳＴ＞：日米兵站幕僚会議を参照。

＜ＢＬＵ＞：実弾ユニット（Bomb Love Unit）の略。アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾などに付けられる名称である。参考：月刊軍事研究8,’08

＜ＢＬＵ−１／Ｂ＞：アメリカ軍の750ポンド級ナパーム弾。信管はFMU-7/B、-7A/B、-7B/B、-7C/B、M23、M23A1で、テイルフィンはMXU-393/B、MXU-469/B。全長3.4m／3.76m（テイルフィンあり）、直径0.48m、空虚重量37.4kg、満載重量316.2kg、テイルフィン重量6.8kg。参考：ワイルドウエポン、月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−２Ｂ＞：アメリカ空軍のB-58爆撃機用核爆弾収容ポッド、別名ツー・コンポーネント・ポッド、略称TCポッド。BLU-2B-2下部コンポーネントとBLU-2B-3上部コンポーネントを組み合わせてポッド状にしたものである。BLU-2B-2は燃料タンクで、全長16.46m、直径1.52m、空虚重量0.862トン、燃料満載時重量11.794トン。BLU-2B-3は前部燃料タンク、兵装区画、後部燃料タンクに分かれており、兵装区画にB39またはB53核爆弾１発を搭載できる。全長10.67m、直径1.07m、最大燃料搭載量5.43トン（B53搭載時）。BLU-2B-2の燃料を使い切って投棄しないと、BLU-2B-3内の核爆弾は投下できない。参考：月刊軍事研究10,'15

＜ＢＬＵ−３／Ｂ＞：アメリカ軍の対人子爆弾で、非装甲目標や人員に対して使用する。CBU-2/Aに360発、CBU-2B/Aに409発、CBU-14/Aシリーズに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−４／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-1/Aに509発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−７Ａ／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-3/Aシリーズに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０／Ｂ＞：アメリカ軍の250ポンド（113.4kg）級ナパーム弾。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−１１／Ｂ＞：アメリカ軍の500ポンド（227kg）級ナパーム弾。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−１６／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-11/AとCBU-13/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１７／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-12/Aシリーズ、CBU-13/A、CBU-22/Aシリーズに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１８／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-7/Aシリーズに1200発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１９／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-15/Aに23発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−２０／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-16/Aシリーズに23発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−２３／Ｂ＞：アメリカ軍の500ポンド（227kg）級ナパーム弾。ナパームＢ剤を使用する。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−２４／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。通称オレンジ。CBU-25/Aシリーズ、CBU-46/Aに収容される。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−２５／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-18/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−２６／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾、別名サッドアイ（Sadeye）、通称グァバ。野球のボールくらいの大きさをしており、重量450gで、うち320gがTNTである。600個の鋭利な鋼鉄破片が埋め込まれており、近接・着発・短延期信管を装着可能。１発で半径12m以内の人員に致命傷を与える。CBU-23/A、CBU-24/Bシリーズ、CBU-75/Bに搭載されている。参考：軍事分析湾岸戦争、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究8,’08、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−２７／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のナパーム弾。尾部にフィンが無いタイプとあるタイプがある。航空自衛隊もかつて装備していたようだ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬＵ−２７／Ｂ＞：信管はFMU-7/B、-7A/B、-7B/B、-7C/B、M23、M23A1で、テイルフィンはMXU-393/B、MXU-469/B。全長3.40m／3.76m（テイルフィンあり）、直径0.48m、フィン幅0.61m、空虚重量49.9kg、満載重量377.4kg、テイルフィン重量6.8kg。焼夷剤はナパームＢ剤で、100ガロン（178.5リットル）を収容する。参考：ワイルドウエポン、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＢＬＵ−２７Ａ／Ｂ＞：満載重量362.9kg。参考：ワイルドウエポン

　＜ＢＬＵ−２７Ｂ／Ｂ＞：全長3.76m、直径0.48m、フィン幅0.61m、重量832ポンド（377.4kg）。ナパームＢ剤を搭載する。信管は頭部のFMU-27/B電気信管。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬＵ−２７Ｃ／Ｂ＞：重量832ポンド（377.4kg）で、ナパームＢ剤100ガロン（178.5リットル）を充填している。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−２９／Ｂ＞：Mk81爆弾に誘導装置を付けたもの。開発されたが、配備には至らなかった。参考：月刊軍事研究5,’09

＜ＢＬＵ−３２／Ｂ＞：アメリカ軍の500ポンド（226.8kg）級ナパーム弾。ナパームＢ剤を使用する。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−３５／Ｂ＞：アメリカ軍の310ポンド（140.6kg）級ナパーム弾。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−３６／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-24/Bシリーズ、CBU-29/Bシリーズに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−３９／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-30/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−４２／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-34/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−４３／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-28/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−４４／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-37/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−４８／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-68/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−４９／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-38/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−５２／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の化学爆弾。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＢＬＵ−５２／Ｂ＞：BLU-27/Bの弾体にCS-1催涙剤113kg（163kg？）を充填している。全長3.759m、直径0.483m、フィン幅0.61m、総重量159kg。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、ワイルドウエポン

　＜ＢＬＵ−５２Ａ／Ｂ＞：催涙剤をCS-2に変更したもの。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＢＬＵ−５３／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-41/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−５４／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-42/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−５５／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-47/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−５９／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-49/Bシリーズに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−６０／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-50/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−６１／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾、通称グレープフルーツ。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−６１／Ｂ＞：表面に縦の溝が付いており、投下中に気流を受けて本体が回転、M219信管の安全装置を解除し、散逸性を高める。表面には小さな鋼球が埋め込まれており、内蔵する300gの高性能炸薬により飛散、兵員を殺傷する。全長89mm、重量1.23kg。CBU-49/Bに217個、CBU-52/Bに254個が収容されている。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、軍事分析湾岸戦争、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究8,’08

　＜ＢＬＵ−６１Ａ／Ｂ＞：ジルコニウム・ライナーを追加して焼夷効果を加えたタイプ。CBU-52/Bシリーズに217個、CBU-76/Bに290発が収容される。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−６３／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。日本ではボール爆弾と呼ばれた。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬＵ−６３／Ｂ＞：直径2.94インチ（75mm）の球形で、表面には溝が付いており、空中で回転して撒布界を広げるようになっている。全長75mm、重さ450gで、内部に炸薬100gと鋼球が詰め込まれ、M219着発信管により炸裂する。至近距離で喰らうと無数の破片が突き刺さり、壁や立木などに磔になってしまうらしい。CBU-58/Bシリーズ、CBU-75/Bシリーズ、CBU-77/Bに収容される。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍事分析湾岸戦争、月刊JWings2,’13

　＜ＢＬＵ−６３Ａ／Ｂ＞：ジルコニウム製のライナーを内蔵し、破片威力と共に焼夷効果を持たせたタイプ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−６４／Ｂ＞：アメリカ軍の770ポンド（349kg）級燃料気化爆弾。液化炭化水素を燃料とする。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−６６／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。通称パイナップル。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−６７／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-51/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−６８／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-54/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−６９／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-57/Aに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−７０／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-53/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−７２／Ｂ＞：アメリカ軍の燃料気化爆弾、別名ペイブ・パット１（Pave Pat 1）、通称デイジーカッター。プロパンを燃料とする2500ポンド（1.1トン）級の大型爆弾である。着発信管が作動すると内部の液体プロパン2245ポンド（１トン）がばらまかれ、気化して大爆発する。1968年にベトナム戦争に投入され、A-1Eスカイレイダーに搭載してジャングルでのヘリ着陸地点啓開に使用されたが、木が多すぎて意外と効果に乏しかったらしい。また、離陸に失敗したり被弾したりすると大惨事になるため、試験投入程度で運用を終了した。参考：月刊JWings3,’13、月刊軍事研究4,’02、4,’11

＜ＢＬＵ−７３／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のクラスター弾用FAE子爆弾。参考：月刊軍事研究4,’02、4,’11、軍事分析湾岸戦争、月刊JWings、2,’13

＜ＢＬＵ−７３／Ｂ＞：重量46kgの円筒形をした燃料気化爆弾で、内部に33kgの酸化エチレンが詰まっている。CBU-55/BやCBU-72/Bに３個が収容されており、放出されるとパラシュートを開き、近接信管により高度90m（9m？）で炸裂、酸化エチレンを直径20mに散布してエアロゾル化させる。その後信管が高度1.2mで再作動してエアロゾルに点火、低速燃焼させて周囲数百メートルに爆風効果を及ぼす。湾岸戦争でも254発が使用され、大きな心理戦効果を上げた。地雷原啓開にも用いられたが、意外と誘爆しなかったらしい。また、鉄条網突破にも使用しようとしたが、隙間を風が通り抜けてしまって駄目だった。参考：月刊軍事研究4,’02、4,’11、軍事分析湾岸戦争

＜ＢＬＵ−７３Ａ／Ｂ＞：CBU-55/Bシリーズ、CBU-82/Bに３個が収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−７６／Ｂ＞：アメリカ軍の燃料気化爆弾、別名ペイブ・パット２（Pave Pat 2）。内部にエチレンオキサイドを充填している。重量2650ポンド（1.2トン）。実用化には至らなかった。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−７７／Ｂ＞：アメリカ軍のCBU-59/Bクラスター爆弾用子爆弾。全長224mm、直径40mm、重量370g。弾頭は破片効果型。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ＢＬＵ−８１／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-66/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−８２／Ｂ＞：アメリカ軍の大型爆弾、通称ビッグブルー82。デイジーカッター（Daisy Cutter）、コマンドーボルト（Commando Vault）ともいう。全長3.6m、直径1.37m、重量6.8トン。フォルクスワーゲンほどもある巨大なドラム缶のような外形で、頭部は円錐形に尖っており、長さ1.2mのM904延長型瞬発信管が先端部に突き出ている。標準型の空輸パレットに固縛してMC-130の貨物室に搭載され、そのままカーゴランプから特殊部隊員により高度1500mで投下される。初期にはCH-54タルヘから投下していた。投下されると貨物用制動パラシュートを開いてゆっくり降下し（CEP15m）、信管が地面に接触した瞬間に炸裂、ジェル化スラリー爆薬GSX5.7トンが一気に爆轟し（燃料気化爆弾ではない）、１平方センチあたり14-70kgの圧力を持つ衝撃波が発生して半径数kmの範囲に存在する人員・車両・建物などを吹き飛ばす。更に空中の酸素を大量に消費するため、人員が爆圧を逃れても窒息死してしまう。ベトナム戦争時、ジャングルにヘリポートを作るために開発されたが、湾岸戦争では地雷原啓開や心理戦に用いられた。この際、180km離れた場所にいたイギリス軍特殊部隊が、イラク軍がクウェートに原爆を落としたと勘違いした。また、要塞化されたファイラカ島を３発で無力化したという。アフガン戦争では洞窟内のタリバンやアルカイダ勢力を圧死させた。参考：月刊軍事研究1,’01、2,’03、4,’02、4,’11、軍事分析湾岸戦争、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−８５／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-70/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−８６／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のクラスター弾用対人子爆弾。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−８６／Ｂ＞：BLU-63/Bの信管をM224遅延信管に変更したもので、遅延秒時を子爆弾ごとに変えて使用する。CBU-71/Bに収容される。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings2,’13

　＜ＢＬＵ−８６Ａ／Ｂ＞：BLU-63A/Bの信管をM224遅延信管に変更したもの。CBU-71A/Bに収容される。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−８７／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用対人子爆弾。重量6.1kg。CBU-74/Bに48発収容される。参考：月刊軍事研究8,’18、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−８９／Ｂ＞：アメリカ軍GBU-8/Bテレビ誘導爆弾の弾体がこの名称という説がある。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＬＵ−９０／Ｂ＞：アメリカ軍GBU-9/Bテレビ誘導爆弾の弾体がこの名称という説がある。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＬＵ−９１／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用対戦車地雷。直径５インチ（127mm）の円盤状で、重量4.3ポンド（1.95kg）の成型炸薬を搭載し、磁気感応信管を装着している。CBU-78/Bシリーズ、CBU-82/B、CBU-84/B、CBU-85/B、CBU-89/Bシリーズ、CBU-104/Bシリーズに搭載される。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−９２／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用対人地雷。直径５インチ（127mm）の円盤状で、重量3.75ポンド（1.7kg）の破片威力弾頭を持ち、落下後トリップワイヤーを展開する。時限信管により一定時間後に無効化することもできる。CBU-78/Bシリーズ、CBU-83/B、CBU-84/B、CBU-85/B、CBU-89/Bシリーズ、CBU-104/Bシリーズに搭載される。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−９５／Ｂ＞：アメリカ軍の500ポンド（226.8kg）級燃料気化爆弾、別名HSF-1（High Speed FAE-1）。酸化プロピレン（酸化エチレン？）を燃料として用いている。参考：月刊軍事研究4,’02、月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−９６／Ｂ＞：アメリカ軍の2000ポンド（907kg）級燃料気化爆弾、別名HSF（High Speed FAE）-2。酸化プロピレン（酸化エチレン？）を燃料として用いている。GBU-15/Bの弾体としても使用可能。参考：月刊軍事研究4,’02、月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−９７／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾、別名CEB（複合効果ボムレット）。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−９７／Ｂ＞：対車両・対人兼用。円筒形で、散布後に尾部のバリュートを展開して減速しつつ落下し、接触信管により装甲貫徹力125mmの成型炸薬弾頭が炸裂、周囲の鋼製ケースが破片効果を生じ、弾頭後部のジルコニウムが焼夷効果を発揮する。１発で半径15m以内の車両、75m以内の航空機、それ以上の範囲の人員を殺傷できる。推定不発弾発生率5-7%。味方部隊が散布地域に進撃した際に不発弾処理が容易となるよう、弾体が黄色に塗られているが、かえって子供が興味を示して被爆することが多くなったといわれる。全長168mm、直径64mm、重量1.5kg。CBU-87/B、CBU-103/B、CBU-103A/B、CBU-113/Bに202発収納される他、AGM-154、RGM-109D（TLAM-D）にも詰め込まれる。AGM-137TSSAMにも収容予定だったが、開発中止になった。参考：月刊軍事研究9,’03、10,’05、8,’08、U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、軍事分析湾岸戦争、月刊航空情報2,’10、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−９７Ａ／Ｂ＞：CBU-87B/B、CBU-103B/Bに202発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−９８／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。BLU-73/Bの改良型で、内部に酸化エチレン30kgを収容した燃料気化爆弾である。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−９９／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-90/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０１／Ｂ＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-92/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０６／Ｂ＞：アメリカ軍の対装甲目標用親子弾。信管が赤外線センサーを兼ねており、センサー付き信管型兵器SFWと呼ばれる。参考：月刊軍事研究11,’99

＜ＢＬＵ−１０７／Ｂ＞：デュランダール（徹甲爆弾）を参照。

＜ＢＬＵ−１０８／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の自己鍛造弾（SFF）、別名SFW（センサー信管兵器）。CBU-97/Bシリーズ、CBU-105/Bシリーズ、BGM-109トマホーク、スタンダードミサイル対地攻撃型、ATACMS、AGM-84H、AGM-158JASSMに収容される。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究9,’03、5,’04、8,’08、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０８／Ｂ＞：投下されると副パラシュート次いでメイン・パラシュートを開き、設定時間または近接信管によりパラシュートを投棄して下部のロケットモーターに点火、上昇しながら回転し、内蔵するスキート４個を放出する。スキートには各々に赤外線センサーとレーザーが組み込まれ、熱源を探知して目標にロックオンした後、レーザーで距離を測って最適位置で炸裂し、上面装甲を撃ち抜く。目標が見つからなかった場合、放出８秒後または地表から15m未満または地上落下後一定時間経過後にスキートは自爆する。CBU-97/B、CBU-105/Bに収容される。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究9,’03、5,’04、8,’08、月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０８Ａ／Ｂ＞：CBU-97A/B、CBU-105A/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０８Ｂ／Ｂ＞：CBU-97B/B、CBU-105B/B、CBU-115/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０８Ｃ／Ｂ＞：CBU-97C/B、CBU-105C/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜ＢＬＵ−１０９／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の2000ポンド徹甲爆弾。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＬＵ−１０９／Ｂ＞：1985年に開発された。弾体は細長く、厚さ１インチ（25.4mm）の特殊鍛造ニッケルクロムモリブデン鋼SAE4340スチールの一体成型で出来ており、ハードターゲット破壊用に製作されている。信管は弾底部のFMU-143/B電気・機械式着発延期信管。全長3.73m、直径0.37m、重量2012ポンド（913kg）、炸薬はトリトナール、重量535ポンド（243kg）。貫徹力はスチール装甲で75mm、コンクリートで1.8mに達する。60度以上の弾着角を持たせるのが理想的だが、橋脚破壊時には水平に近い角度で突入させることも可能である。湾岸戦争や不朽の自由作戦（アフガン）で使用された。韓国軍も対北朝鮮用に導入し、F-15Kで運用している。参考：月刊軍事研究11,’99、3,’11、1,’16、火器弾薬技術ハンドブック、ロッキードF117ナイトホーク

＜ＢＬＵ−１０９Ａ／Ｂ＞：炸薬をPBXN-109に換装したもの。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＬＵ−１０９Ｂ／Ｂ＞：炸薬はPBXN-109。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＬＵ−１０９Ｃ／Ｂ＞：炸薬をAFX-757に変更したもの。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＬＵ−１１０／Ｂシリーズ＞：アメリカ海軍の1000ポンド通常爆弾。Mk83の炸薬をPBXN-109に変更したのに伴い、制式名称を変えたものである。参考：月刊軍事研究3,’11、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１０／Ｂ＞：Mk83の海軍名称。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１０Ａ／Ｂ＞：弾体に耐熱コーティングを施したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１１／Ｂシリーズ＞：アメリカ海軍の500ポンド通常爆弾。Mk82の炸薬をPBXN-109に変更したのに伴い、制式名称を変えたものである。表面には誘爆防止用の特殊塗料が塗られている。参考：月刊軍事研究3,’11、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬＵ−１１１／Ｂ＞：Mk82の海軍名称。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＬＵ−１１１Ａ／Ｂ＞：弾体に耐熱コーティングを施したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１３／Ｂ＞：アメリカ軍の徹甲弾頭。湾岸戦争デザート・ストーム作戦開始後、BLU-109/Bでも貫通できない目標があったため、レタケニー陸軍兵器廠に保管されていたM110自走砲用203mm予備砲身をウォーターブリート兵器廠に運び込み、内径を245mmに拡大して内部にトリトナール炸薬を詰め先端を尖らせ、弾体後部にFMU-143/B遅発信管を付けて強力な徹甲弾頭に仕立てたものである。全長3.886m、直径0.368m、重量4444ポンド（2.016トン）、炸薬重量647ポンド（0.294トン）。貫通力は地面で30m、強化コンクリートで6mに達する。ペイブウェイ�V誘導キットと組み合わせ、GBU-28/Bとして実戦投入された。湾岸戦争終結後は砲身流用でなく4700ポンド徹甲弾頭として新規製造され、JDAMキットと組み合わせてJDAM/BLU113として使用されている。参考：月刊軍事研究3,’11、8,’18、5,’03、1,’01、4,’02

＜ＢＬＵ−１１４／Ｂ＞：アメリカ軍の子爆弾、別名ブラックアウト爆弾。カーボンフィラメントを350ml缶程度の容器に詰めたもので、CBU-94/B、CBU-102/B、CBU-116/B、CBU-118/B、AGM-154Dの子爆弾として使用される。空中に放出されるとパラシュートを開いてゆっくり降下し、導電性のカーボンフィラメントをばらまいて高圧線などをショートさせる。湾岸戦争以降使用されている。参考：月刊JWings7,’03、2,’13、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１６／Ｂシリーズ＞：アメリカ海軍の貫徹弾頭、別名AUP（先進単一貫徹弾体）。BLU-109/Bの後継である。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＢＬＵ−１１６／Ｂ＞：弾体は厚さ50mmの硬化ニッケル・コバルト鋼でできており、厚さ3.5-5.5mのコンクリートを貫通できる。FMU-157/B硬目標知能化信管（HTSF）を装着する。重量2000ポンド（907kg）、炸薬はPBNX高性能炸薬109kg。AGM-86Dの弾頭として採用された。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＢＬＵ−１１６Ａ／Ｂ＞：GBU-24G/Bの弾頭として開発されたもの。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＢＬＵ−１１７／Ｂシリーズ＞：アメリカ海軍の2000ポンド通常爆弾。Mk84の制式名称をPBXN-109炸薬採用に伴い変更したものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１７／Ｂ＞：Mk84の海軍名称。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１７Ａ／Ｂ＞：弾体に耐熱コーティングを施したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＬＵ−１１８／Ｂ＞：アメリカ軍の2000ポンド級サーモバリック（熱圧）爆弾。BLU-109/B貫徹弾体（厚さ25mmの硬化鋼製）にPBXIH-135半固体燃料気化爆薬（SFAE。HMX、末端水酸基ポリブタジエン、アルミ粉末混合物）254kgを詰めており、遅発性の空中燃料撒布信管と気化雲点火信管により爆発する。高熱と衝撃波で洞窟内部に隠れた人員・物資を破壊するために使用される。厚さ2.4mの強化コンクリートを貫通可能で、通常はレーザー誘導装置ペイブウェイ�Vを装着する。全長2.5m、重量896kg。2001年12月に実弾テストが行われ、2002年3月3日にアナコンダ作戦で初使用された。参考：月刊軍事研究5,’02、5,’03、2,’03、4,’11、月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−１２０／Ｂ＞：アメリカ軍のMOAB用弾頭。トリトナールやH6を計18700ポンド（8.5トン）搭載する。参考：月刊JWings2,’13、月刊軍事研究12,’04

＜ＢＬＵ−１２１／Ｂ＞：アメリカ軍の2000ポンド級サーモバリック（熱圧）爆弾。Mk84のケーシングにAFX-757固体燃料（RDX、末端水酸基ポリブタジエン、過塩素酸アンモニウム、アルミニウムなどの混合物）978ポンド（443.6kg）を詰め込んだものである。参考：月刊JWings3,’13

＜ＢＬＵ−１２２／Ｂ＞：アメリカ軍の4700ポンド徹甲爆弾。BLU-113/BにP3I（製品性能改善）を施したものである。参考：月刊軍事研究8,’18、12,’04

＜ＢＬＵ−１２６／Ｂ＞：アメリカ軍の500ポンド汎用爆弾。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＬＵ−１３７／Ｂ＞：アメリカ軍が開発中の貫徹爆弾。BLU-109/Bの後継で、信頼性に問題があった信管に改良を加えているらしい。2018年6月28日、アメリカ空軍がスペリオール・フォージ＆スチール社とＡ・フィンクル＆サンズ社に300発（＋オプション3200発）を発注した。参考：月刊JWings10,’17、月刊軍事研究9,’18

＜ＢＭ＞：ロシア語のバエヴォイ・マシーン（戦闘自動車）の略。

＜ＢＭ＞：主要近代化型（Bol’shaya Modernizatsiya）のロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜ＢＭ−１＞：ピューリタン（モニター）を参照。

＜ＢＭ８＞：ソ連軍100mm滑腔砲用APFSDS弾。1967年にT-54/-55戦車用として実用化された。初速毎秒1415m、装甲貫徹力275mm（弾着角90度、射距離2000m）。参考：月刊グランドパワー4,’03

＜ＢＭ−８シリーズ＞：ソ連軍のロケットランチャー。8-12連装の組み立て式発射台を使用した山岳部隊用もある。参考：月刊PANZER12,’01

＜ＢＭ−８−２４＞：BM-8-36の24連装型で、T60軽戦車の車体に搭載された。参考：月刊PANZER12,’01

＜ＢＭ−８−３６＞：1941年に開発された。６輪トラックZIS-6や４輪トラックGAZ-AAにM-8ロケット弾36連装ランチャーM-8を載せている。砲要員７名（砲長、砲手、俯仰手、弾薬手４名）。参考：月刊PANZER12,’01、9,’97、月刊グランドパワー2,’99

＜ＢＭ−８−４８＞：BM-8-36の48連装型。車体としてはBM-8-36と同じトラックの他、GAZ-63トラックも使用されている。参考：月刊PANZER12,’01

＜ＢＭ９Ａ５１＞：9A51（ロケットランチャー）を参照。

＜ＢＭ９Ａ５２＞：9K58（自走ロケットシステム）を参照。

＜ＢＭ９Ｐ１４０＞：ソ連陸軍の自走多連装ロケットランチャー、別名ウラガン（Uragan、台風）。BM-22ともBM-27とも呼ばれるらしい。BMD-20やBM-20などの後継で、1975年に開発を完了した。西側では1977年に存在を確認したため、M1977のコードネームを付けている。車体は８輪駆動トラックBAZ-135L4（ZIL-135LMともいう）で、前部にキャビン、その後方に機関室、後部にランチャーを搭載する。ランチャーは５・６・５本の３段16連装で、俯仰角は0-55度、旋回角は左右30度ずつ。発射時には車体後部のスタビライザーアーム２本で車体を固定する。ロケット弾は直径220mm、重量280kg、最大射程35km。弾頭は9N218F榴弾、9N218K1キャニスター弾、9N218K2対戦車地雷散布弾、9N218K3対人地雷撒布弾など。斉射にかかる時間は20秒で、2-4万平方メートルを制圧できる。同じ車体を使用した弾薬補給車が随伴し、再装填は機械動力で20分かけて行う。1977年から800両が砲兵旅団（大隊４個からなる）または砲兵連隊（大隊３個からなる）に配備された。１個大隊は発射車両12両（戦時18両）、9T452再装填車両12両（戦時18両）以上、BTR-80ベースの大隊長車、ウラル4320トラックベースの幕僚長車、中隊本部車両３組で構成される。アフガン侵攻やチェチェン紛争で使用した。アフガニスタン軍、イラク軍、シリア軍も配備している。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊丸4,’99

＜ＢＭ１１＞：ソ連軍の自走30連装122mmロケットランチャー。北朝鮮軍も配備している。参考：月刊PANZER5,’03

＜ＢＭ−１３−１６シリーズ＞：ソ連陸軍自走16連装132mmロケットランチャー。参考：月刊PANZER12,’01

＜ＢＭ−１３−１６＞：秘匿名エレザ。RS-132ロケット弾の信管を一般砲弾用に換装したM13ロケット弾（射程8.5km）を８列２段16発搭載する。ランチャー自体の名称はM-13で、仰角は15-45度、旋回角は搭載車体により左右10-20度ずつ。ランチャー搭載車体は６輪トラックZIS-6で、キャビンの窓ガラスには折り畳み式の鋼製カバーが付く。照準器は迫撃砲用のMP-41を使用した。ZIS-6以外にも、T-40軽戦車の車体、装甲列車、レンドリースで供与された各種トラックにも搭載された。砲要員７名（砲長、砲手、俯仰手、弾薬手４名）。1941年4月に制式採用され、1941年7月に初実戦参加し、７両112発4.76トンが10秒で４ヘクタールに着弾、味方まで逃げ出すほどの威力を発揮した。1943年には、M13を２発繋げて射程を11kmに延伸したM13DDも使用されるようになったが、上段のランチャーしか使用できないので、８連装になる。各国に輸出もされ、第４次中東戦争でも使用された。参考：月刊PANZER12,’01、9,’97、月刊グランドパワー2,’99

＜ＢＭ−１３−１６Ｎ＞：Ｎはノルマリゾヴァンヌイ（標準型）の略。BM-13-16のランチャー搭載車体をスチュードベーカーUS6トラックとしたもの。参考：月刊PANZER9,’97

＜ＢＭ−１４シリーズ＞：ソ連陸軍自走140mm多連装ロケットランチャー。第２次大戦後間も無く開発が開始され、戦車師団・自動車化狙撃師団の多連装ロケット大隊に18基ずつ配備された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊丸4,’99

＜ＢＭ−１４＞：1952年に制式化された。６輪トラックZIL-151の後部架台に８列２段16連装ロケットランチャー（チューブ式）を搭載する。ロケット弾は安定翼の無い砲弾型である。ロケット弾全長1090mm、直径140.4mm、総重量39.6kg、弾頭重量4.2kg、最大射程9.8km、CEP100m（最大射程時）。1955年には射程を10.06kmに延伸したM-14Dを導入した。後にZIL-131やZIL-157などに搭載したものも製作された。ランチャーの違いでBM-14M、BM-14MMというバリエーションがある。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭ−１４−１７＞：GAZ-63に17連装ランチャーを搭載した山岳部隊用の車両で、1950年代後半から配備された。ランチャー重量4.57トン。乗員６名。参考：月刊丸4,’99、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭ２１信管＞：ソ連陸軍BM21グラッド用ロケット弾の電波式近接信管で、バックアップに瞬発信管も組み合わせている。高度8mで作動。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＢＭ２１シリーズ＞：ソ連陸軍自走多連装ロケットランチャー、別名グラッド（霰・雹）。スプラブ設計局が1950年代半ばから開発し、1963年から部隊配備した。東側諸国、イラク、北朝鮮など50カ国以上に輸出もされた。参考：月刊丸4,’99、月刊軍事研究9,’00

＜ＢＭ２１＞：車体はウラル375Dトラックで、前部にエンジン、その後方にキャビンがあり、後部にランチャーを搭載し、最後部左右に車体固定用スタビライザーアーム各１本を持つ。ランチャーは10列４段40連装の9P132で、旋回角は左120度・右60度、仰角は0-55度。ロケット弾は直径122.4mm、最小射程1500m、最大射程20380m。緊急時には射距離400-500mでの直接照準射撃も可能である。弾頭は榴弾（9M22、9M22M、9M22U、9M28F）、対戦車地雷撒布弾（9M28K）、対人地雷撒布弾（3M16）、ECM弾（9M519-1-7）、発煙弾、化学弾など。発射は単発、バースト連射、斉射が可能で、斉射にかかる時間は20秒、再装填時間は７分。60m離れた所からの遠隔射撃も可能。１個中隊６両で240発を発射し、950m×600mの範囲を一気に制圧する。全長7.35m、全幅2.4m、全高2.68m、重量10.87トン（ロケット弾未装備）。最大速度75km、航続距離600km、乗員３名。装填済み発射筒を20本束ねた使い捨てLTC（発射・輸送コンテナ）が後に開発されており、クレーンでランチャーのフレームに取り付けて使用できる。ただし、取り付け時間が５分なので、40発の装着に10分を要し、逆に時間がかかる。1969年の中ソ国境紛争で実戦参加した。参考：月刊軍事研究9,’00、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER5,’03、4,’02、月刊丸4,’99

＜ＢＭ−２１−Ｐ＞：スペツナズやゲリラ戦部隊向け単装型、別名グラッドＰ（GRAD-1P）。三脚に取り付けて使用する。発射筒重量21.82kg、三脚重量27.72kg。２名で運搬でき、組み立てから発射まで３分、撤収に30秒しかかからない。発射機名称は9P132で、発射統制用パネルも装備されている。俯仰角は0-35度、旋回角は左右15度ずつ。使用ロケット弾は9M22Mで、装填に要する時間は30秒、発射速度毎分２発。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＢＭ−２１−Ｖ＞：Ｖは空挺システムの略で、別名グラッドＶ。1969年の中ソ国境紛争で、空輸可能な多連装ロケットランチャーの必要性が認識されたために開発され、1970年代半ばに登場した。ベース車体を４輪駆動２トントラックGAZ-66Bとし、ランチャー（全周旋回可能）を12連装に減らしている。全備重量６トン。キャビンは天井が布張りで、空中投下の際にはドア、前面ガラス、ハンドルを取り外せる。使用ロケット弾はM-210Fのみ。12発斉射にかかる時間は６秒、再装填は５分。BMD空挺戦車に搭載されたこともあるらしい。参考：月刊軍事研究9,’00、世界AFV年鑑2002-2003、月刊丸4,’99

＜ＢＭ−２１グラッド１（３６連装）＞：戦車連隊及び自動車化狙撃連隊の隷下砲兵中隊に配備される直轄火力用で、1976年に登場した。ベースは６輪駆動3.5トントラックZIL-131（9P138）またはMT-LBで、36連装（40連装のうち下２段中央４本を抜いている）のランチャーを搭載する。全長6.9m、全幅2.5m、全高2.48m、全備重量10.5トン。使用ロケット弾は9M22K。再装填用ロケット弾運搬車は9T450、後方からの補給用運搬車は9F380という。参考：月刊軍事研究9,’00、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER4,’02、月刊丸4,’99

＜ＢＭ−２１グラッド１（４０連装）＞：BM-21の改良型で、BM-21-1ともいうらしい。1990年に配備が明らかになったようである。車体をウラル4320全輪駆動６輪５トントラックに変更し、20連装ロケット弾コンテナ２基を搭載する。再装填が楽になった。フランスと共同開発した最大射程36kmの榴弾や対戦車・対人キャニスター弾、ブルガリアと共同開発した電波感応弾（無線発信源に突入するらしい）も使用できる。参考：月刊丸4,’99、月刊軍事研究9,’00、世界AFV年鑑2002-2003

＜ＢＭ−２１プリマ＞：50連装ランチャーと9M28ロケット弾を使用するタイプ。車体はウラル4320。9A51と同じ？参考：月刊PANZER4,’02、月刊丸4,’99

＜９Ｍ５１０＞：照明弾専用単装発射機型。対戦車ミサイル・対戦車砲部隊が夜間戦闘時に使用する。9M42照明ロケットを発射可能。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＢＭ−２１海外シリーズ＞

　＜ＬＲＡＲ＞：インド陸軍自走多連装ロケットランチャーで、長射程野戦砲兵ロケットの略。国産化型で、最大射程30-40kmの122mmロケット弾を40連装で搭載する。150両が生産された。参考：月刊軍事研究9,’10

　＜Ｍ−５１＞：チェコスロバキア陸軍自走多連装ロケットランチャー。V3Sトラックをベースにライセンス生産した。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭ２２＞：BM9P140（自走ロケットランチャー）を参照。

＜ＢＭ２４シリーズ＞：ソ連陸軍車載多連装240mmロケットランチャー。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭ２４＞：240mmロケット弾M-24FまたはM-24FUDの12連装（６列２段）フレーム型ランチャーを６輪トラックZIL-151またはZIL-157の後部荷台に搭載している。再装填は3-4分しかかからない。1955年に制式化され、1960年代まで生産されて自動車化狙撃師団に配備された。北朝鮮軍も使用する。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER5,’03、月刊丸4,’99

＜ＢＭ−２４Ｔ＞：全装軌式牽引車AT-Pに砲身式の12連装ランチャーを搭載したもの。戦車師団向けに開発されたが、生産は少数のみ。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊丸4,’99

＜ＢＭ２４海外シリーズ＞

＜ＢＭ２４改良型（北朝鮮軍）＞：北朝鮮軍自走多連装240mmロケットランチャー。弾頭の軽量化、ロケットモーターの改良で射程を40kmに延伸しており、DMZから発射してソウルに届く。参考：月刊PANZER5,’03

＜ＢＭ−２５＞：北朝鮮軍の中距離弾道ミサイルIRBMの西側コード名で、北朝鮮軍正式名称は火星（ファソン、Hwasong）10号であり、BM-25の他にKN-07、ノドンＢ、テポドンＸ、ムスダン（Musudan。ミサイル発射基地のある舞水端里から）、ミリム（Mirim。初めて確認された空軍基地の名前）といったコードが付けられている。冷戦終結直後のどさくさに紛れて資料を得たとみられるソ連のR-27潜水艦発射弾道ミサイルがベースで、MKZT-7916TELに搭載される。弾体を延長して燃料を増やし（恐らくロケット部分も推進剤タンクの外に配置している）、射程を延伸しているが、その分命中精度が悪くなるため、底部に８枚の格子状フィンを取り付けて発射・飛翔時の安定性を高めている。弾頭部分だけ直径が小さくなっていて、本体から切り離されて着弾する。全長12m、直径1.5m、発射重量19-40トン、弾頭重量1-1.2トン。推進は液体ロケット１段式、燃料は非対称ジメチルヒドラジン、酸化剤は四酸化二窒素、最大射程2500-4000km、CEPは最大射程で1.6kmもあり、核弾頭付で運用されるとみられる。射程が4000km級ならグアム向けであり（3000kmだと僅かに届かないが）、日本に対して使用される場合にはロフテッド弾道で攻撃を加えることになる。2003年半ばに完成した模様で、20発程度が生産を完了し、50発分程度の地下基地も完成したらしいが、発射実験が行われておらず、戦力化されたかは怪しい。2004年からはイランにも運び込まれているといい、2006年4月に18発-19発分の部品がイランに持ち込まれたという疑惑もあり、イランでは類似のホラムシャハル弾道ミサイルを開発している。2007年4月25日の北朝鮮軍創設記念日閲兵式で初登場し、2010年10月10日の朝鮮労働党創建65周年記念軍事パレードで６軸12輪MZKT79161（ピオニール用TELの民間型）改造TELに搭載されて行進した。2014年のアメリカ国防省の報告では、TELの保有数は50両以下と推定されている。ロケットや燃料タンクの変更が悪さをしているのか発射テストは失敗続きで、2016年4月15日0500、4月28日0640、同日1926に１発ずつ試射したが、全て発射直後に爆発して失敗したとみられる。5月31日0520頃にも発射しようとしたが、ロケット点火直後にTEL上で爆発して失敗した。6月22日0558に発射したが、100-150kmほど飛んだ所で空中爆発して失敗。0803に２発目が発射され、高度1000km以上に到達した後、水平距離で400km先の日本海に落下した。朝鮮中央通信は最大高度を1413.6kmとやたら細かく発表しており（水平距離は400kmと発表）、ロフテッド弾道を強調したかったのかもしれない。発射場所は東海岸の元山国際空港とみられる。10月15日に発射したが、失敗した。10月20日に発射したが、失敗した。失敗が続くうちに火星12号や火星14号の方が完成に近づいており、このまま消えていくかもしれない。2018年2月8日の軍事パレードにも姿を見せなかった。参考：日米イージス艦と弾道ミサイル防衛、月刊軍事研究9,’16、7,’17、8,’13、7,’09、6,’14、1,’05、11,’04、11,’06、4,’07、12,’10、11,’16、1,’17、2,’17、7,’17、10,’17、3,’18、5,’18、月刊丸2,’12、月刊世界の艦船7,’13、月刊航空ファン7,’16、8,’16、9,’16、月刊JWings9,’16

＜ＢＭ−２５＞：ソ連陸軍６連装250mm多連装ロケットシステムで、1950年代に完成した。６×６輪トラックKrAZ-214に大型フレームランチャーを搭載し、ロケット弾を収容する。ロケット弾は全長5.822m、口径250mm、重量455kg。推進は液体ロケット、最大射程55km。方面軍直轄のロケット砲兵に配備された。参考：月刊丸4,’99

＜ＢＭ２５発射未遂＞：2013年4月4日、安倍総理が北朝鮮の動向に関する情報収集分析の徹底、国民に対する迅速的確な情報提供、不測事態対処など、国民の安心安全確保に万全を期すことを関係閣僚に指示した。4月5日、DDG-174きりしまが呉を出港。4月7日、小野寺防衛大臣は安倍総理の指示を踏まえ、北朝鮮がBM25などの弾道ミサイルを発射した場合に備えて、北朝鮮の発射予告が無い段階としては初となる破壊措置命令を発令した。日本海にDDG-173こんごうとDDG-174きりしまが、西太平洋にCG-67シャイロー、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケイン、DDG-73ディケイターが展開して警戒にあたっている。4月9日、PAC-3を防衛省、朝霞駐屯地、習志野駐屯地などに配備。4月16日、朝鮮人民軍最高司令部が韓国に対して予告無しの報復行動を開始すると恫喝した。参考：月刊JWings6,’13、月刊世界の艦船6,’13、朝雲

＜ＢＭ−２７＞：BM9P140（ロケットシステム）を参照。

＜ＢＭ−３０＞：9K58（ロケットシステム）を参照。

＜ＢＭ−３１−１２＞：ソ連陸軍自走ロケットランチャー。M-30ロケット弾を改良したM-31ロケットを12連装で搭載する。車台はZIS-6六輪貨物トラックまたはアメリカ製スチュードベーカーUS-6。砲要員７名（砲長、砲手、俯仰手、弾薬手４名）。1944年後半から配備された。参考：月刊PANZER9,’97

＜ＢＭ３６＞：ソ連陸軍BM-21用ロケット弾の電波式近接信管。ランチャーから7.5m先で安全装置が解除され、高度8mで作動する。バックアップとして瞬発信管も用意されている。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＢＭ−４０Ａ＞：705K型原潜に搭載されている液体金属冷却式原子炉。冷却剤として鉛ビスマス合金を使用する。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜ＢＭ５９Ｍｋ“Ｉｔａｌ”＞：イタリアのベレッタ社が開発した突撃銃。M1ガーランドを改造してフルオート射撃を可能としており、ストックに二脚を標準装備し、ライフル・グレネードの発射も可能。全長1040mm、銃身長540mm、重量4.375kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾で、装弾数20発。参考：最新軍用ライフル図鑑、世界の軍用銃

＜ＢＭ３０７−ＳＧ１６＞：日立建機が開発した対人地雷除去機。ショベルカーのショベル部分に対人地雷除去用アタッチメントを装着するもので、フレイルハンマ式、ロータリカッタ式など各種アタッチメントが用意されており、不発弾・地雷探査装置の装着も可能である。ロータリカッタ（分厚い金属刃が多数付いたローラーを高速回転させる）は灌木を切断することもでき、これで茂みや林を更地にして地雷除去ローラー器材を投入すれば、地雷除去効率が各段に高くなる。有人でも無線遠隔操縦でも運用可能。2008年5月の段階で、アフガニスタンやカンボジアなどに56台が投入されている。参考：月刊軍事研究8,’08、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’12

＜ＢＭ４００＞：フランス軍のクラスター爆弾。内部に子爆弾３個を収容しており、装甲貫徹力17mm（射距離50m）の破片800個を生じるタイプと、装甲貫徹力12mmの破片1500個を生じるタイプの２種が用意されている。全長3.2m、直径0.32m、重量390kg、子爆弾重量100kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＭＡＣ＞：Beijing Military Attache Corpsの略。北京駐在武官（2012年8月現在、102カ国196名もいる）が構成する武官団で、中国国防部外事弁公室などへの要望提出から、ミーティング、研修、ファミリーイベントに至るまで様々な活動を行っている。参考：MAMOR vol.70

＜ＢＭＣ２＞：Battle Management, Command and Control（戦闘管理指揮管制）の略。参考：月刊航空ファン2,’18

＜ＢＭ／Ｃ３＞：戦闘マネージメント／指揮管制コミュニケーションシステムの略。NMDを構成する管制システムで、ICBM弾頭の迎撃管制を行い、GBIやEKVに搭載されたカメラの画像をディスプレイに映して監視・命中評価なども行う。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＢＭＣ２５０−１０Ｚ＞：BMC社が開発した４×４輪耐地雷装甲車で、独自開発としているが、イスラエルのハーテンホフ社が開発したエクストリームと同じものらしい。エンジンはカミンズ社製ISBe245ディーゼル（241馬力）、航続距離800km。搭乗歩兵7-9名。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ＢＭＣ３５０−１６Ｚ＞：BMC社が開発した４×４輪耐地雷装甲車で、独自開発としているが、イスラエルのハーテンホフ社が開発したナビゲーターと同じもの（ライセンス生産版？）らしい。NATOレベル４の耐地雷能力を持つ。エンジンはカミンズ社製ディーゼル（345馬力）、航続距離800km。搭乗歩兵10名。トルコ陸軍が468両を発注しており、最終的に1859両を配備する予定。参考：月刊軍事研究8,’09、8,’11

＜ＢＭＤ＞：弾道ミサイル防衛（Ballistic Missile Defence）の略。2001年のブッシュ政権誕生で、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散に対抗するため、効果的な弾道ミサイル防御システムを作ることになり、NMDとTBMDを統合して効率的な開発を行えるようにしたものである。2002年1月4日にミサイル防衛庁（MDA）を設立し、6月13日にはABM条約の離脱が発効して大っぴらに開発できるようになった。発射された弾道ミサイルを探知し、必要ならばブースト段階、ミッドコース段階、ターミナル段階の３段階でそれぞれ迎撃する統合的重層防衛を目標としており、２年ごとに整備計画が立てられている。弾道ミサイル発射兆候を掴むAN/FLR-9、RC-135V、RC-135W、EP-3Eアリーズ�U、目標を探知するDSP、SBIRS、AN/FPS-108、AN/FPS-115、GBR-P、AN/TPY-2、海上配備Ｘバンドレーダー、AN/SPY-1、目標を迎撃するGBI、THAAD、YAL-1、PAC-3、SM-3、これらを統合運用するC2BMCから構成され、弾道ミサイル発射兆候はNORADに集約されると共に、複数の地上指令局へと送られ、情報評価が行われて各部隊に早期警戒情報として配布され、各種探知追尾システムが弾道ミサイルを捕捉し、迎撃システムが撃ち落とす。2003年12月19日に日本政府も導入を決定した。2009年4月、計画の進捗状況に鑑み、ABL試作機２号機の製作中止、MKV計画中止、アラスカへのGBI配備数増加の撤回を決めた。5月、KEIの開発中止を決定。イランからの弾道ミサイルに備えてチェコにＸバンドレーダー、ポーランドにGBI（２段式）を置く予定だったが、ロシアの反対で2009年9月に取り消され、必要に応じてイージス艦で対応することにした。2010年現在、GBIをフォート・グリーリーに26発、ヴァンデンバーグ空軍基地に４発配備しており、弾道ミサイル対応のイージス艦は21隻でSM-3は61発、THAAD部隊は２個でミサイル25発、PAC-3部隊は44個でミサイル791発が配備されている。2010年、ルーマニアの参加が決定し、ヨーロッパでのBMDが始まった。2017年6月、MDAがブースト段階のICBMを破壊できる高エネルギー兵器（出力140kW以上、出来れば280kWくらい）搭載高々度滞空型無人機（ペイロード2.268トン、巡航高度19000m以上）のRFIを発出した。2023年、ハワイに弾道ミサイル追尾レーダーHDR-Hが完成する予定。参考：月刊軍事研究1,’05、6,’09、1,’10、7,’10、9,’10、12.’10、10,’11、6,’15、1,’18、日米イージス艦と弾道ミサイル防衛、月刊世界の艦船2,’18、月刊航空ファン3,’19

　＜ＢＭＤブロック２００４＞：海上配備Ｘバンドレーダーの実用試験実施。AN/FPS-108とAN/FPS-115を改良。AN/TPY-2レーダー１基の稼働を開始。ABLの地上試験開始。GBIとSM-3の発射試験実施、前者12発・後者８発を配備。LRS&T能力を持つイージス駆逐艦10隻、LRS&T能力とSM-3発射能力を持つイージス巡洋艦２隻を配備。THAAD発射試験実施。PAC-3を281発配備。C2BMCの実戦訓練を実施。イージス艦関連についてはイージスBMDブロック2004も参照。参考：日米イージス艦と弾道ミサイル防衛

　＜ＢＭＤブロック２００６＞：SBIRS-High/-Lowを２基ずつ打ち上げ。YAL-1の実用試験を開始。GBIとSM-3の発射試験を継続し、前者を12発、後者を30発追加配備。イージス駆逐艦７隻とイージス巡洋艦３隻にLRS&T能力とSM-3発射能力を付与、イージス駆逐艦８隻にLRS&T能力を付与。THAAD発射試験継続。PAC-3を231発追加配備。C2BMCのネットワーク化を促進。イージス艦関連についてはイージスBMDブロック2006も参照。参考：日米イージス艦と弾道ミサイル防衛

　＜ＢＭＤ（２０１５年、在日米軍）＞：DSP衛星やSBIRS衛星が発射炎を探知すると、その情報がMILSTAR衛星やパイン・ギャップ基地などで中継されてコロラド州バックレイ空軍基地のアメリカ空軍宇宙コマンド第460宇宙団第460作戦群第２／第８宇宙警戒隊の運用するミッション・コントロール・ステーションに送られ、算出された着弾予想地点と予想時間はNORADを介してC2BMCシステムへと送信される。また、三沢基地のアメリカ陸軍第１宇宙旅団第１宇宙大隊第１宇宙中隊Ｃ分遣隊が運用する統合地上戦術局JTAGSも衛星からの情報を受信し、着弾予想地点と予想時間を計算、C2BMCシステムに送る。洋上ではT-AGM-24インヴィンシブル、T-AGM-25ハワード・Ｏ・ローレンツェン、空中では第82偵察飛行隊RC-135Sコブラボールが発射監視に当たる。C2BMCシステムは弾道ミサイル情報を早期警戒情報として統合伝達システムIBSに流し、弾道ミサイル迎撃部隊指揮所やイージス艦などが統合戦術ターミナルJTTにより受信する。自衛隊にはJTTが無いので、横田基地の日米共同統合運用調整所BJOCCを介して中央指揮所と航空総隊司令部のGCCS端末に早期警戒情報を流す。早期警戒情報に基づき、車力分屯基地と経ヶ岬分屯基地にあるAN/TPY-2と、洋上展開中のイージス艦AN/SPY-1が弾道ミサイルの探知追尾に移り、イージス艦はSM-3ブロック�TＡにより迎撃する。撃ち漏らせばPAC-3で迎撃するが、嘉手納基地のアメリカ陸軍第１防空砲兵連隊第１大隊しか無いので、防衛できる範囲は非常に限定される。参考：月刊軍事研究9,’15

＜ＢＭＤ（日本）＞：自衛隊の弾道ミサイル防衛。1990年代初めに航空自衛隊と関連企業が構想研究と弾道ミサイル探知追尾に関する検討を開始したのが始まりで、1991年の湾岸戦争を受けて研究が加速した。1993年4月、アメリカ国防総省が日本政府に西太平洋ミサイル防衛アーキテクチャ研究（Western Pacific Missile Defense Architecture Study、通称ウエストパック文書）を提示。北朝鮮軍ND-1弾道ミサイルを例示し、ミッドコース迎撃用洋上配備迎撃システムとターミナル段階迎撃用陸上配備迎撃システムによる重層防衛を勧めていた。ちなみにND-1の概略性能も記載されていたが、翌月に初試射を行ったノドン弾道ミサイルの推定諸元と一致している。5月のノドン初試射では防空監視所のレーダーに弾道ミサイル探知能力が無いため情報を入手できず、空自が研究を行い、J/FPS-3の改良で弾道ミサイルを探知追尾できることが判明した。12月、TMDに関する日米作業部会が発足。1994年、アメリカが日本政府に対し、イージス艦、THAAD、PAC-3による弾道ミサイル防衛の効果や経費を記した、日本版TMDのための弾道ミサイル防衛オプション（Ballistic Missile Defense Options for Japanese TMD、通称TMDオプションズ）を提示。1995年、防衛庁がアメリカなどの協力を得て弾道ミサイル防衛システムの構想研究（我が国の防空システムの在り方に関する総合的調査研究、日米弾道ミサイル防衛共同研究）を開始。1998年8月31日、北朝鮮軍がテポドン１号を発射、日本列島を飛び越えた。これにより弾道ミサイルに対処する必要性が高まり、FPS-XXに弾道ミサイル対処能力を加えることが決定され、1999年に対弾道ミサイル用洋上配備システムに関する日米共同技術研究を開始。2003年12月19日、安全保障会議と閣議で弾道ミサイル防衛システムの整備を決めた。法的根拠は自衛隊法第82条の３、我が国領域に於ける人命または財産の被害防止である。2004年4月、イージス艦能力向上、PAC-3導入、BADGEシステム改修を開始。12月10日に策定した防衛計画の大綱でも整備が記載され、2005年には自衛隊法を改正して防衛出動でなくても弾道ミサイル迎撃を行えるようにし、以降は急ピッチでの配備が始まり、2007年3月23日に弾道ミサイル等に対する破壊措置緊急対処要領を作成した。システムは弾道ミサイルを探知するセンサーシステム、弾道ミサイルを迎撃するウエポンシステム、これらを統括する指揮通信システムから構成される。自衛隊はミサイル防衛統合任務部隊を編成し、司令官は航空総隊司令官が兼務する。センサーシステムは７個警戒群と４個警戒隊に配備されたJ/FPS-3改７基とJ/FPS-5レーダー４基で、日米共同統合運用調整所BJOCCに情報が送られる。BJOCCには在日米軍からのBMD情報も送付されており、BJOCCで集約されたアメリカ軍と自衛隊の情報は、自衛隊中央指揮所と航空総隊司令部に伝達される。アメリカ軍の早期警戒情報は統合戦術データリンク端末JTTでも流されるが、こんごう型はアメリカ軍の弾道ミサイル早期警戒情報用洋上データリンク端末JTT-M（Joint Tactical Terminal-Maritime）を装備していないので、これを直接受け取ることはできない。ただしアメリカ海軍のイージスBMD対応艦はJTT-Mで受け取った情報をS-TADIL-Jで送信するので、これを直接受け取るか、E-767のリンク16で中継してもらえば、アメリカ軍の早期警戒情報をこんごう型（とE-767）が独自に入手することができる。E-767は空自のリンク16ネットワークとも連接しているので、アメリカ海軍イージスBMD対応艦から得た早期警戒情報を、自衛隊や在日米軍経由の早期警戒情報のバックアップや、海自と空自（航空総隊司令部）間での情報交換に使える。迎撃にあたるのはBMD対応改装こんごう型（SM-3装備）４隻とPAC-3装備３個高射群12個高射隊（＋高射教導隊４個高射隊）である。ただPAC-3は射程が短く、日本全土の防衛には500カ所に発射機を据え付ける必要があるが、ほぼ無理。THAADなら６カ所で済むが、導入予定は無い。2004年度からJADGEに弾道ミサイル対処機能を付加する設計を開始。J/FPS-3改の配備は2009年度までに完了した。J/FPS-5は2011年度までに配備を完了する。指揮通信システムはJADGEに付加されており、2011年度に改修を完了する。こんごう型の改修は2004年度で１隻あたり340億円かかり、2010年度までに完了した。ミサイルはSM-3ブロック�TＡで、36発を調達し、４発を試射（JFTM-1/-2/-3/-4）で使用した。１個高射群へのPAC-3配備には2007年度で729億円かかり、３個高射群（第１、第２、第４）＋高射教導隊への配備は2010年度までに完了した。PAC-3の配備は以降も継続されていて、他の３個高射群にも装備される。あたご型イージス艦に対してもBMD改修を行う予定。2010年、海自とアメリカ海軍がシミュレーションでのBMD特別訓練を開始。2011年度で整備が一通り完了するため、2011年7月から2013年3月まで、AAM-4改造模擬標的を使用してシステム総合検証を実施することになった。2014年4月1日、ミサイル警報の運用を開始。日本に弾道ミサイルの弾頭や弾体の一部などが落下する恐れのある場合、携帯電話に緊急速報が流され、Ｊアラートで全国の自治体に送信される。2018年、海自とアメリカ海軍が行っていたBMD特別訓練を、空自PAC3部隊も加えた日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に格上げした。北朝鮮の動向を受け、イージス艦だけでは乗員の疲労や天候により迎撃の不確実性が生じることから、2018年度から新規アセット整備に着手。イージス・アショアを２カ所に配備することにしたが、2020年6月24日にNSCで配備断念が決まったため、これに代わる全天候ミサイル防衛システムを検討。9月24日に防衛省が船舶を含む移動式洋上プラットフォームに一体搭載する方向で検討を進めると発表し、プラットフォームとして護衛艦、民間商船、石油リグのような浮上式施設の３案を例示した。12月11日、岸防衛大臣が海自イージス艦２隻追加配備で検討していると発表。12月18日にイージス・システム搭載艦を２隻追加すると閣議決定した。ただイージス艦の迎撃不確実性をカバーするという目的は果たせなくなり、運用担当の海自の負担も大きく、予想建造費用はイージス・アショアの20-25%増しらしい。また、レーダーはイージス・アショア用として契約済みのAN/SPY-7(V)1を流用するが、これを使っていないアメリカ海軍とどの程度の相互運用性を持たせられるかは不明。独自の早期警戒衛星を検討中で、2020年に衛星搭載型２波長赤外線センサ（遠赤外線と中赤外線の２波長で撮影してデータフュージョンする）をJAXAの地球観測衛星に載せてテストする予定。2023年度概算要求でイージス・システム搭載艦の構成品取得費などが折り込まれた。参考：月刊軍事研究6,’09、9,’17、1,’12、10,’12、12,’06、12,’10、2,’11、3,’11、6,’14、7,’17、月刊世界の艦船2,’18、3,'21、11,'22、1,'23、MAMOR vol.120、月刊JWings9,’17、9,'20、3,'21、月刊航空ファン11,’17、朝雲

＜ＢＭＤ（ＮＡＴＯ）＞：NATO加盟国におけ弾道ミサイル防衛。1995年、ドイツ、フランス、イタリアがTMD構想に参加。2005年、ALTBMD計画を開始。2009年9月、イランが中・長距離弾道ミサイルを開発した際に備えてヨーロッパにGBIを配備する計画がロシアの強い反発で中止となった。代わりに既にイランが配備している短・中距離弾道ミサイルに対する防衛力を強化すると、9月17日にアメリカのオバマ大統領が発表した。2010年11月、NATOリスボンサミットにおいて、PAA（Phased Adaptive Approach）と呼ばれていたBMD計画を練り直して新欧州ミサイル防衛構想EPAA（Europe Phased Adaptive Approach、直訳すれば欧州多段階応用アプローチ）と改称、フェーズ�T−�Wの４段階で弾道ミサイル防衛体制を整えることになった。2011年12月に初度作戦能力獲得予定のフェーズ�Tでは、AN/TPY-2（トルコ）などのセンサーから情報を受け、ドイツのラムシュタイン空軍基地にあるBMD指揮所が統合し、地中海のBMD対応イージス艦（イージスBMD3.6.1とSM-3ブロック�TＡ装備）、THAAD、パトリオットが迎撃を行う。イランからの準中距離弾道ミサイルから南ヨーロッパを防衛できるようになる。イージス艦４隻の地中海配備は2012-13年になる予定らしい。2015年に初度作戦能力獲得予定のフェーズ�Uでは、イージスBMD4.0.1/5.0/5.0.1とSM-3ブロック�TＢ装備のイージス艦、イージス・アショア（ルーマニアのデヴェセル）、THAAD、パトリオットが、センサーネットワークから直接射撃管制情報を受け取って迎撃を行えるようになる。これにより、中東からの準中距離弾道ミサイル攻撃を防衛できる。2018年に初度作戦能力獲得予定のフェーズ�Vでは、イージスBMD5.1とSM-3ブロック�UＡ装備のイージス艦、イージス・アショア（ルーマニアのデヴェセルとポーランドのレジコボ）、THAAD、パトリオットが迎撃にあたり、欧州全域の防衛が可能となる。2020年に初度作戦能力獲得予定のフェーズ�Wでは、イージスBMD5.1/5.1.1とSM-3ブロック�UＢ装備のイージス艦、イージス・アショア（ルーマニアとポーランド）、THAAD、パトリオットが迎撃を行う。2011年3月7日、CG-61モントレーがノーフォークを出港し、BMD対応艦として地中海に向かった。4月15日、DDG-77オケインがSM-3ブロック�TＡによるIRBMの迎撃に成功した。2012年1月、トルコのキュレシク空軍基地に配備されたAN/TPY-2FBRTが稼働状態となった。2013年3月、国際情勢とSM-3ブロック�UＢ開発中止に鑑み、フェーズ�Wがキャンセルされた。10月、ルーマニアのデヴェセルでイージス・アショア施設の起工式を実施。2014年、DDG-75ドナルド・クック（イージスBMD4.0.2）とDDG-71ロス（イージスBMD3.6.1）がスペインのロタに展開。8月、デンマークが参加を決定。2015年、DDG-64カーニイ（イージスBMD4.0.2）がスペインのロタに展開。3月21日、ロシアの駐デンマーク大使がデンマーク紙に寄稿した文の中で、デンマークがEPAAに参加すればデンマークの艦艇がロシアの核ミサイルの標的となる、デンマークは金も安全も失うと脅しをかけた。4月30日、DDG-78ポーター（イージスBMD4.0.1＋SM-3ブロック�TＡ／�TＢ。イージスBMD4.0.2？）がスペインのロタ基地に配備された。10月25日、DDG-71ロスがASD-15試験に参加。2016年5月12日、ルーマニアのデヴェセル基地にあるイージス・アショアの運用を開始した。ロシア大統領府はイラン向けではなくロシア向けの弾道ミサイル対抗手段であるとして抗議のコメントを発表している。参考：月刊航空情報3,’10、11,’10、月刊世界の艦船7,’11、1,’12、4,’15、6,’15、7,’15、8,’16、2,’18、月刊軍事研究6,’16、9,’14、9,’11、5,’12、6,’15、1,’1810,’18、

＜ＢＭＤ−１シリーズ＞：ソ連空挺軍の空挺戦闘車両、オブイェークト915。1965年から開発され、1968年から量産された。ASU-57の後継として１個空挺師団あたり320両が配備されている。参考：ワルシャワ条約機構軍特殊部隊、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭＤ−１＞：大型輸送機からのパラシュート投下が可能な小型のアルミ製全溶接箱形車体にBMP-1と同じ１名用砲塔を搭載している。装甲はBMP-1並かやや厚いとされる。車体前部左に車長、中央に操縦手、右に機関銃手が位置し、その後ろに砲塔、更に後ろに３名（５名？）用兵員室、最後部に機関室がある。車体前部両側に固定式7.62mm機銃PKT１丁ずつが装備されており、操縦手がリモコン操作（車長と機関銃手が直接操作？）で掃射可能。燃料タンクは車内右後部のラックに収められているが、固定が緩く、燃料が減ってくると燃料の揺れで外れかかるという欠点がある。下部転輪は片側５枚、起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪２枚を持つ。サスペンションは油気圧式で、空中投下時のショックで破損しないように折り畳める。構造に不備があるのと、サスペンションやトランスミッションに能力不足の面があるのとで、操縦にはかなり気を遣うらしい。NBC防護能力を持ち、車体中央右上部にNBCフィルター付吸気口の円筒型パネル（プロトタイプでは四角形だった）がある。空中投下の際にはサスペンションを固定し、パラシュート及び減速ロケットブースター付きのパレットに搭載する。Il-76輸送機に３両積める。全長5.4m、全幅2.63m、全高1.97m、重量7.6トン。武装は73mm低圧砲2A28グロム（40発）、7.62mm機銃PKT３丁（4000発）、9M14Mマリュートカ対戦車ミサイル（３発）。装甲厚6-23mm。エンジンは5D-20ディーゼル（240馬力）、路上最大速度62km、水上最大速力10km、航続距離500km。無線機はR-123またはR-123M。乗員２名。後期型では兵員室側面にガンポートを１基ずつ設け、小型外部燃料タンク２基を装着した。また、機銃を撃つと発射ガスが車内に籠もって乗員が中毒になるという欠点があり、換気システムも改良している。1977年以降は対戦車ミサイルを9M113コンクールスに換えた。アフガニスタン侵攻で実戦投入された。参考：ワルシャワ条約機構軍特殊部隊、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00別冊、異形戦車ものしり大百科

＜ＢＭＤ−１モデル１９７０＞：西側が1970年に確認したタイプで、前量産型と認識されていた。車体中央右上部のNBCフィルターカバーが角型で、下部転輪がスポーク状である。参考：ワルシャワ条約機構軍特殊部隊

＜ＢＭＤ−１Ｍモデル１９７３＞：西側が1973年に確認したタイプで、NBCフィルターが円筒型に変更された。1980年頃から、下部転輪を肉抜き孔タイプに変更し、車体前部上面の換気口を格子状の効率の良いタイプに改良している。参考：ワルシャワ条約機構軍特殊部隊

＜ＢＭＤ−１Ｐ＞：1977年から量産されたタイプで、西側は1983年に確認したため、BMD-1Mモデル1983と呼んだ。対戦車ミサイルを9M111/9M113コンクールスに換えており、ミサイル剥き出しではなく発射筒が搭載されている。参考：ワルシャワ条約機構軍特殊部隊、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭＤ−１Ｍモデル１９８３＞：BMD-1P（空挺戦闘車）を参照。

＜ＢＭＤ−１ＫＳｈ＞：BTR-D空挺装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜ＢＭＤ−２＞：ソ連空挺軍の空挺戦闘車両、オブイェークト916。BMD-1の73mm低圧砲が威力不足のため、30mm機関砲2A42に換装したもので、1983年から開発され、ボルゴグラード・トラクター工場で1985年から量産された。車体はほぼBMD-1と同じで、車体左にのみ7.62mm機銃PKTが固定式に装備されている。砲塔は１名用で小型だが砲安定化装置を備え、30mm機関砲2A42（300発）、同軸7.62mm機銃PKT（2980発）、9M113コンクールス対戦車ミサイル（３発。５発？）を装備する。機関砲弾は徹甲弾と榴弾とで別々の装弾トレイに収容され、トレイを繋ぎ換えることにより弾種の切り替えが可能。ロケットブースター着地緩衝システムを持つPRSM925降下装置を使用して高度500-1500mからIl-76またはAn-22で空中投下できる。全長5.97m、全幅2.7m、全高2.18m、重量８トン。最大装甲厚16mm前後。エンジンは5D-20液冷６気筒ディーゼル（240馬力）、路上最大速度61km、水上最大速力10km、航続距離500km。無線機はR-173。乗員２名＋乗車空挺隊員５名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＭＤ−３＞：ソ連空挺軍の空挺戦闘車両、オブイェークト950。1990年にボルゴグラード・トラクター工場が完成させた。車体前部中央に操縦席があり、両側に空挺隊員が１名ずつ座って、左の隊員は車体前面ボールマウント装備の30mm自動擲弾筒発射機AGS-17（541発）を、右の隊員は車体前面射撃ポートの5.45mm分隊支援火器RPKS-74を操作する。転輪や履帯はBMP-2の流用で、下部転輪は片側５枚、サスペンションは油気圧式。砲塔もBMP-2とほぼ同じで、30mm機関砲2A42（860発）、同軸7.62mm機銃PKT（2000発）、9M113コンクールス対戦車ミサイル（６発。４発という説も）を装備する。車内にはストレラ10携帯地対空ミサイル２発を収容する。全長6.36m、全幅3.114m、全高2.45m、重量13.2トン。最大装甲厚16mm前後。エンジンは2V-06-2ディーゼル（450馬力）、路上最大速度71km、水上最大速力10km、航続距離500km。乗員２名＋乗車空挺隊員５名。Il-76から空中投下可能で、新開発のRBS-950降下装置を使う。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究2,’11

＜ＢＭＤ−４＞：ソ連空挺軍の空挺戦車で、配備が遅れていたBMD-3の後継として開発された。車体はBMD-3を改修したもので、アルミ合金装甲により機銃弾や弾片に対する防御能力を持つ。砲塔はBMP-3Mと同じバフーチャＵで、100mm滑腔砲2A70（52発）、30mm同軸機関砲（500発）、7.62mm同軸機銃を装備する。主砲からはレーザー誘導ミサイル9M117M1アルカン（9M113？）を発射可能。FCSは熱線暗視装置、レーザー測距器、TVカメラ、熱線目標自動追尾装置、弾道計算機。砲塔左右に３連装発煙弾発射機を装備する。空中投下にはBMD-3と同じRBS-950降下装置を使う。重量13.6トン。エンジン出力450馬力、最大速度70km（路上）／45km（不整地）。浮航用にウォータージェット２基を装備する。乗員２名＋乗車空挺隊員５名。2005年に初号車が引き渡されたが、生産が遅れ、50両程度が配備されたものの2010年4月8日に量産中止が発表された。参考：月刊軍事研究1,’05、2,’09、2,’11、10,’18、月刊PANZER12,’04、7,’10

＜ＢＭＤ−４Ｍ＞：ロシア空挺軍の空挺戦車、別名サドーヴニッツァ。2012年にBMD-4の代替として調達が決定した。車体はBMD-4の流用で、素材を改良して防御力を高めた。後部は５名収容の兵員室である。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は片側２枚。サスペンションは油気圧式で、車高を130mm-530mmの間で調節可能。砲塔はBMP-3と同じバフーチャＵで、100mm滑腔砲2A70、30mm機関砲2A72、7.62mm同軸機銃を装備し、9K116カスチョート対戦車ミサイルを運用可能で、前面左右に発煙弾発射機を３基ずつ装着する。エンジンはUTD-32水冷ディーゼル（500馬力）、路上最大速度70km、水上最大速力10km。乗員３名（車長、操縦手、砲手）＋乗車空挺隊員５名。2013年に10両でテストを行う予定。700両を配備する予定で、2015年3月3日に第１バッチ12両が納入された。2015年5月9日の対独戦勝70周年記念式典でパレードに登場した。2016年からは毎年２個大隊62両ペースで調達中。参考：月刊軍事研究11,’14、10,’18、8,’15、7,’15、12,’16、月刊丸3,’13

＜ＢＭＤ−２０＞：ソ連陸軍自走200mmロケットランチャー。第２次大戦後にソ連が初めて開発した自走ロケットランチャーで、1951年に制式化され、1950年代末まで生産された。６輪トラックZIL-151の後部荷台に200mmロケット弾MD-20-F用４連装ランチャーを搭載している。再装填は６名で５分弱かかる。操作要員６名。参考：月刊PANZER2,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭＤＯ＞：Ballistic Missile Defense Organization（弾道ミサイル防衛機構）の略。1993年5月、クリントン政権がSDIOを格下げして新たに創設した。予算規模も縮小されている。2002年にはMDAと改称された。参考：月刊軍事研究10,’03

＜ＢＭＤ運用支援装置ソフトウェア評価装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＢＭＤ支援装置等（ＢＭＤシステム総合管理用中央装置連接機能等）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜ＢＭＤシステム試験評価用器材（その２）＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜ＢＭＤシステム試験評価用標的＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＢＭＤシミュレータ装置等（イージス連接）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ＢＭＤシミュレータ装置用計算機＞：自衛隊の機器。NECネッツエスアイ製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜ＢＭＤセンサー連接装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜ＢＭＤ調査分析用電子計算機＞：自衛隊の機器。リコー製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＢＭＤ誘導弾構成品＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＢＭＤ誘導弾に関する技術支援＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＢＭＤ用テストサイト器材＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究2,’15

＜ＢＭＥ３３０シリーズ＞：スペイン軍のクラスター弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＭＥ３３０ＡＲ＞：滑走路破壊用クラスター弾。全長2.25m、直径0.35m、翼スパン0.58m、重量317kg。内部にSAP成形炸薬子弾８発またはSNA高性能炸薬弾20発を収める。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＭＥ３３０ＡＴ＞：対戦車クラスター弾。全長2.25m、直径0.35m、翼スパン0.58m、重量317kg。内部に装甲貫徹力100mmのSAC-1成形炸薬子弾512発またはMAC-2地雷子弾４発を収める。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＭＥ３３０Ｅ＞：多目的クラスター弾。全長2.25m、直径0.35m、翼スパン0.58m、重量317kg。内部にCP子爆弾（HE弾頭）、CH子爆弾（HEAT弾頭）、SNA広域破壊弾（HE弾頭）を合計180発混載できる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＭＥＷＳ＞：Ballistic Missile Early Warning System（弾道ミサイル早期警戒システム）の略で、ビーミューズと読む。ソ連のICBM開発を受け、爆撃機用のDEWラインでは探知距離が短すぎてアメリカ本土に向かうICBMに対しては役に立たなくなってしまったため、急ぎ建造して1962年から運用した巨大レーダー施設である。グリーンランドのチューレ空軍基地（サイト�T）、アラスカのクリア空軍ステーション（サイト�U）、イギリスのファイリングデイルズ空軍基地（サイト�V）の３ヵ所に設置されており、使用レーダーはチューレとクリアがAN/FPS-50及びAN/FPS-92（以前はAN/FPS-49）、ファイリングデイルがAN/FPS-92（以前はAN/FPS-49だった。ファイリングデイルの管理はイギリス空軍が行っており、探知情報は米英が共有している。1960年10月5日、チューレでレーダーの試験中に、水平線から顔を出した月をソ連の弾道ミサイルと誤認したため、探知プログラムに月を除去する項目が加えられたという。ただし水平線の下は探知することが出来ないため、ソ連の弾道ミサイルを探知できるのは着弾15分前程度といわれる。そこでDSP衛星によりカバーすることにし、また海から来るSLBMを探知するためにAN/FPS-115を開発した。1980年代末にチューレ、1990年代にファイリングデイルのレーダーが、共にAN/FPS-120に更新された。ファイリングデイルのものはAN/FPS-120を３面に設置しており、全周警戒が可能である。ちなみにクリアには2001年にAN/FPS-115がテキサス州エルドラドから移設された。2009年初め、チューレのレーダーが改良を受けて実働態勢に入った。参考：月刊軍事研究10,’07、8,’06、6,’09、ザ・マーチ33号、軍事力バランス78年版

＜ＢＭＭ＞：Bohmisch-Mahrische Maschinenfabrikの略。チェコスロバキアのプラハにあった工場で、元の名称はプラガ社である。参考：ジャーマンタンクス

＜ＢＭＭ−８０＞：BTR-80装甲車ファミリーを参照。

＜ＢＭＯＰ＞：GBU-57（誘導爆弾）を参照。

＜ＢＭＯＷ＞：当直掌帆長属（アメリカ海軍）を参照。

＜ＢＭＰ＞：バェヴァヤ・マシーナ・ピホートゥイ（歩兵戦闘車のロシア語）の略。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＭＰ−１シリーズ＞：ソ連陸軍の歩兵戦闘車、オブイェークト765。1964年から開発され、1966年に制式採用されて量産が始まった。1967年に西側で確認され、暫くM1967という名称で呼ばれていた。1966-69年生産型はオブイェークト765Sp1、69-73年は765Sp2、73-79年は765Sp3、79-83年は765Sp4と呼ばれる。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER5,’01

　＜ＢＭＰ−１（オブイェークト７６５Ｓｐ１）＞：コンセプトは、戦術核で汚染された戦場を戦車と共に走り回り、歩兵は車内に止まってガンポートからの射撃で周囲を制圧するというものである。車体は上部前方の機関室カバーがアルミニウム・マグネシウム合金である他は装甲鋼板で、装甲厚は車体前面下部19mm、上部7mm（80度傾斜なので水平換算37mm）、側面上部16mm、下部18mm、後面16mm、砲塔前面23mm、側面19mm、後面13mm、防楯26-33mmとそれまでの装甲兵員輸送車よりもかなり重装甲であり、車体側面を除き避弾経始も良好だった。車体前部右は機関室でエンジンを搭載、左は操縦席で、オブイェークト770の経験を生かしたオートバイハンドル型の操縦装置が用意されている。操縦席後方は車長席で、その後方に砲塔があるため、操縦手は右後方が完全に死角である。砲塔は１名用の小型のもので、自動装填装置付きの73mm低圧砲2A28グロム（40発）、同軸7.62mm機銃PKT（2000発）を装備し、低圧砲の砲身付け根に9M14Mマリュートカ対戦車ミサイル（５発＋１発）単装発射レールを持つ。ミサイルの再装填は砲塔上面の再装填用ハッチから行う。車体後部の兵員室にはガンポートとペリスコープを左右４基ずつ備えており、一番前のものは7.62mm軽機関銃PKM用となっている。射界は右前方のPKM用が右前34度、その後ろのAKMS用３基がそれぞれ真横34度、34度、42度、左前方のPKM用が左前34度、その後ろのAKMS用３基が40度、37度、37度である。兵員室上面に大型ハッチ４基、後面に燃料タンク兼用乗降ドアを持つ。全高を抑えるために兵員室の天井が低く、車内では前屈みにならなければならず、かなり疲れる。また高速走行時には履帯が兵員室側面をガリガリ擦るので、騒音が酷い。全長6.46m、全幅2.94m、全高1.881m、重量12.6トン。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力8km、燃料容量460キロリットル、航続距離600km。無線機はR-123M。乗員３名＋乗車兵員８名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’00、5,’01、7,’11、月刊グランドパワー10,’03、10,’00、兵器最先端５、月刊戦車マガジン11,’92、月刊軍事研究4,’08、3,’09

　＜ＢＭＰ−１（オブイェークト７６５Ｓｐ２）＞：砲塔周囲に装備品吊り下げ用フックと革ベルトを装着し、指揮官用全周視察装置に赤外線・白色光兼用サーチライトを取り付けている。車体両側面のガンポートのうち、一番前のPKM用のものを広げ、大きめの装甲カバーを取り付けた。重量が0.4トン増えて13トンになっている。参考：月刊PANZER6,’00

　＜ＢＭＰ−１（オブイェークト７６５Ｓｐ３）＞：防御力向上のため、側面に増加装甲を取り付け、スカートを大型にした。重量13.2トン。参考：月刊PANZER6,’00

　＜ＢＭＰ−１（オブイェークト７６５Ｓｐ４）＞：搭載ミサイルを9M113コンクールスに換えたもの。発射の際は、砲手がハッチから身を乗り出して9P135ランチャーを操作する必要がある。砲塔後部に902B発煙弾発射機６基を装備し、対空自衛用に9M32Mストレラ２発を常備した。参考：月刊PANZER6,’00

　＜ＢＭＰ−１（アフガン仕様）＞：アフガン侵攻で主砲の仰角が取れないという欠点が露呈したため、対戦車ミサイルと主砲を外し、AGS17てき弾銃を装備、90度近い仰角で射撃できるようにしたものがある。参考：月刊丸8,’87

　＜ＢＭＰ−１装甲強化型＞：アフガン侵攻において重機関銃で側面を撃ち抜かれる車両が続出したため、現地で簡易増加装甲を取り付けたもの。車体側面上部、中央、上部転輪をカバーする範囲に厚さ6mmの装甲をスペースドアーマー式に取り付けている。参考：月刊PANZER5,’01

　＜ＢＭＰ−１ＰＧ＞：オブイェークト765sp4の砲塔後部に、リモコン式30mmてき弾発射機AGS-17（290発）を搭載したもの。アフガン侵攻後に製作された。参考：月刊PANZER6,’00、5,’98

　＜ＢＭＰ−１（オブイェークト７６５Ｓｐ８）＞：既存のBMP-1にBMP-1PG相当の改修を施したもの。参考：月刊PANZER6,’00

＜ＢＭＰ−１ファミリー＞

　＜ＢＭＰ−１Ｋ＞：指揮官車型で、機械化歩兵連隊長車として使用される。車両間通信用R-123M無線機に加え、司令部・部隊間連絡用R-111無線機も装備し、簡易型衛星利用方位指示システムと思われるGPK-59方位探索機を搭載する。乗員３名＋連隊長・副官など３名。1973年から生産された。参考：月刊PANZER6,’00

　＜ＢＭＰ−１Ｋ＞：偵察車型。ミサイル発射機を外し、砲塔後部にPSNR-5K戦場監視レーダーを引き込み式に搭載している。レーザー測距器、地雷探知機、航法装置も備える。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＢＭＰ−１Ｋｓｈ＞：装甲指揮車型で、Kshはコマンドノ・シタブナヤ・マシーナ（司令部幕僚装甲車両）の略。1972年から開発され、1976年から生産された。戦車連隊または自動車化狙撃連隊本部用の車両である。主砲を取り外し、そこに折り畳み式ポール・アンテナを搭載している。内部には車両用R-123MT、長距離用R-130M、部隊間用R-111といった各種無線機やTNA-3航法装置を搭載し、通信要員７名、乗員、幕僚が搭乗する。車体後部に無線機への給電用ガソリンエンジンも搭載する。全長6.735m、全幅2.94m、全高1.92m、重量13トン。武装は7.62mm機銃PKT（2000発）のみ。最大装甲厚10mm。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550-600km。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’00

　＜ＢＲＭ−１Ｋ＞：将校用戦闘偵察車型。1972年に開発され、1973年から生産された。砲塔を大型の２名用に換え、無線傍受による方位標定装置1RL133-1、DKRM-1レーザー測遠機、OU-GA-2赤外線照射暗視システム、TNA-3航法装置、1G11Nレーザー照射装置、GPK-59方位探索機などを備える。全長6.76m、全幅2.94m、全高1.92m、重量13.2トン。武装は砲塔の73mm低圧砲2A28グロム（20発）と同軸7.62mm機銃PKT（2000発）。最大装甲厚26mm。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550-600km。無線機はR-123M、R-148、R-130M。乗員は固有の３名と、将校斥候要員（砲塔に乗る）、武装偵察要員（後部兵員室に乗る）２名の計６名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’00

　＜ＰＲＰ−３＞：装甲偵察車型、別名ヴァル（堡塁）。1970年から開発され、1972年から生産された。多連装ロケットランチャー部隊用で、車体後部の90mm擲弾筒発射機2P130-1（20発）から煙幕弾を発射し、射撃目標を表示する。砲塔は前面にボールマウント式7.62mm機銃PKT（1000発）を装備しており、1D6M1距離測定器、1OP79及び1PN29精密観測機器、目標標定用1V44計算機、1G13Mレーザー測定器などを搭載、砲塔上面後部には1PL126弾道探知レーダーを装着する。全長6.735m、全幅2.94m、全高1.827m、重量13.2トン、最大装甲厚26mm。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550-600km。無線機はR-123M。乗員５名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’00

　＜ＰＲＰ−４＞：偵察警戒車型。PRP-3の後継で、1980年に開発された。砲塔の武装をボールマウント式7.62mm機銃PKT（1000発）のみとし、1RL133-1無線傍受探知器、1D11M-1レーザー測遠機（基線長式測距器？）、1RL-133-1弾道探知レーダー、1PN59昼間用精密観測機器、1PM61夜間用精密観測機器、対人レーダーなど各種探知機材、観測機材を搭載している。無線機はR-173、1A30M、R-130M。航法装置は1G25-1と1G13。全長6.735m、全幅2.94m、全高2.146m、重量13.2トン。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550-600km。乗員５名（うち下車偵察要員２名）。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’00

　＜ＰＲＰ−４Ｍ＞：偵察警戒車型。PRP-4の測遠機を1D14レーザー測遠機とし、1PN71熱線暗視機能付き精密観測機を搭載している。1988年から生産された。参考：月刊PANZER6,’00

＜ＢＭＰ−１海外シリーズ＞

　＜８６式歩兵戦闘車＞：中国陸軍歩兵戦闘車WZ-501。エジプトから入手してコピーし、2000両以上を生産した。対戦車ミサイルもコピーの紅箭73になっている。後に近代化改修が施され、砲塔を30mm機関砲、紅箭73対戦車ミサイル、微光暗視装置装備のGCTWM砲塔に換装した。参考：月刊軍事研究5,’07、9,’14、月刊PANZER7,’10

　＜８６Ｂ式歩兵戦闘車＞：中国海軍陸戦隊歩兵戦闘車で、86B式両用歩兵戦闘車かも。車体前面に先端の尖った浮力タンクを追加し、車体後端に船外機を取り付けている。参考：月刊軍事研究6,’10、月刊丸3,’13

　＜ＢＭＰ−１（フィンランド陸軍）＞：フィンランド陸軍歩兵戦闘車。１個機甲旅団機械化歩兵大隊に85両を配備した。CV9030に後を譲って退役した。参考：月刊戦車マガジン6,’89、月刊PANZER4・5,’17

＜ＢＭＰ−１ＡＫ＞：ウクライナ陸軍歩兵戦闘車。ウクライナ紛争での損耗補充のためポーランドのWtorplastに発注したもので、対HEAT装甲を装着し、夜間戦闘能力と通信能力を強化している。参考：月刊軍事研究9,’18

　＜ＢＭＰ−１Ｍ＞：ウクライナのUKRSPECEXPORT社が開発した無人砲塔搭載型。対戦車ミサイル、30mm機関砲、30mm自動てき弾銃、7.62mm機銃、FCS、安定化装置を統合したシュトルム無人砲塔を装備している。戦闘重量13.7トン。エンジンはディーゼル（300馬力）、最大速度65km、航続距離550-600km。乗員３名＋搭乗歩兵７名。参考：月刊軍事研究6,’11

　＜ＢＭＰ−１改（イラク陸軍）＞：イラク陸軍歩兵戦闘車。湾岸戦争直前に確認された装甲強化型で、車体側面上端から転輪にかかる範囲までパンチングプレートの増加装甲板を追加し、車体前下部にもスペースドアーマー式に薄板製装甲板を装着した。追加装甲重量1.25トン。射距離200mでの12.7mm・14.5mmAP弾に抗堪できるという。少数のみの生産に止まったとされる。参考：月刊PANZER5,’01、軍事分析湾岸戦争

　＜ＢＭＰ−１改（南アフリカ）＞：ATE社とIST社が共同開発し、2004年に発表した改良型。無人砲塔システムを搭載しており、砲手と車長は車内に並列で座る。主砲はダブルフィード式30mm機関砲で、主砲左にイングウエ対戦車ミサイル３連装ランチャー、主砲同軸に7.62mm機銃または40mm擲弾発射機40AGLを搭載する。FCSは主力戦車並で、主砲右に砲手用サイト、その上に車長用サイトがある。システムはスーパーハインド攻撃ヘリと共用部分が大きく、併用すれば兵站上有利である。参考：月刊軍事研究1,’05

＜ＭＬＩ−８４＞：ルーマニア陸軍歩兵戦闘車。１名用砲塔に73mm低圧砲2A28と同軸7.62mm機銃PKTを備え、車体後部には12.7mm重機関銃を搭載している。参考：月刊PANZER12,’03

＜ＭＬＩ−８４Ｍ＞：ルーマニア陸軍歩兵戦闘車。MLI-84の改良型で、ラファエル社製オーバーヘッド砲塔を搭載している。武装はスウェーデン・エリコン社製25mm機関砲KBA（即応弾は徹甲弾60発とHE140発）、同軸7.62mm機銃PKT（即応弾200発）、砲塔左のマリュートカM2T（9K11の改造型。昼夜間照準器付き）またはユーロスパイク対戦車ミサイル２発、車体後部の12.7mm重機関銃。国産のSAILR-Mレーザー・赤外線警報装置、３連装81mm発煙弾発射機２基、自動消火装置を搭載する。エンジンはパーキンス・エンジンズ・カタピラー社製C9ディーゼル（400馬力）に換装した。参考：月刊軍事研究10,’05、3,’04、3,’99、月刊PANZER12,’03

＜ＢＭＰ−１海外ファミリー＞

　＜ＢＭＰ−１ＴＪ＞：フィンランド陸軍前進砲兵観測車。戦車中隊本部や機械化歩兵中隊本部に１両が配備され、機甲砲兵部隊との協同作戦を担当する。浮航能力を持つ。参考：月刊PANZER4・5,’17

　＜ＢＭＰ−１自走高射砲（現地改修型）＞：アフガニスタン内戦で使用された現地改造の自走対空機関砲。砲塔を外して37mm連装機関砲や23mm連装機関砲を搭載している。機関砲は剥き出しで、防楯などは用意されていない。参考：月刊PANZER8,’02

＜ＶＰＶ＞：チェコ陸軍装甲回収車。砲塔を外し、車体後部にクレーン、車体前下部に作業機材を装備する。参考：月刊PANZER7,’00

＜ＢＭＰ−２シリーズ＞：ソ連陸軍の歩兵戦闘車。BMP-1の後継で、攻撃ヘリコプターからの防御と歩兵掃討のため30mm機関砲を搭載した歩兵戦闘車として1974年からオブイェークト675の名称で開発され、1980年に制式化されて配備された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER10,’01

　＜ＢＭＰ−２＞：車体はBMP-1類似で、相変わらず兵員室の天井が低く、内部で待機する兵員は戦闘前に疲労してしまう。操縦手席は車体左前面にあり、その後方には搭乗歩兵のうちPKM分隊機銃手または分隊長が位置する。車体両側面に小銃用ガンポートが３基ずつ設けられており、左側面にはPKT用ガンポートもある。砲塔は２名用で、30mm機関砲2A42、同軸7.62mm機銃PKT、9M111/9M113対戦車ミサイル単装ランチャー（ランチャー内１発、砲塔内予備弾３発）を装備する。機関砲は2E36-5砲二軸安定化装置により行進間射撃が可能。ミサイルランチャーは砲塔頂部に露出しているため、射手は体を砲塔外に乗り出して誘導しなければならない。砲塔両側に902Bトゥーチャ発煙弾発射機を３発ずつ搭載し、TDA燃料直噴式煙幕展開装置も装備する。車内には自衛用に9M32ストレラ２携帯地対空ミサイルを２発搭載する。全長6.735m、全幅3.15m、全高2.059m、重量14トン。最大装甲厚26mm。エンジンはUTD-20S1ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550-600km。無線機はR-123M。乗員３名＋乗車歩兵７名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER7,’00、月刊軍事研究7,’03、月刊グランドパワー10,’03

　＜ＢＭＰ−２装甲強化型＞：アフガン侵攻で重機関銃により側面を撃ち抜かれる車両が続出したため、現地で簡易増加装甲を取り付けたもの。車体側面上部、中央、上部転輪をカバーする範囲に厚さ6mmの装甲をスペースドアーマー式に取り付けている。また、砲塔周囲にシュルツェンのように装甲板を装備した車両もあるらしい。参考：月刊PANZER5,’01

　＜ＢＭＰ−２Ｄ＞：アフガン侵攻の戦訓に基づく装甲強化型で、1982年から生産された。車体側面上半からフェンダー部と砲塔に10mm厚の装甲鋼板をスペースドアーマー式にボルト止め装着した。ガンポートを塞がないよう、その部分だけ装甲板をカットしている。元のアルミプレス板製フェンダーは外し、丈の長い装甲鋼板製スカートを装備した。浮航能力は失われている。既存の生産車にも同様の改修が行われた。参考：月刊PANZER5,’01、7,’00、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究9,’16

　＜ＢＭＰ−２Ｍ＞：BMP-3の砲塔を搭載したタイプ。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＢＭＰ−２武装強化型（ロシア）＞：ロシアKBP開発局で計画されているアップグレード型。対戦車ミサイルをレーザー誘導式9M113改コルネットＥ（最大射程5500m）として砲塔両側に２基ずつ搭載し、砲塔後部に30mm自動てき弾発射機AGS30（即応弾300発、発射速度毎分400発、最大射程1700m）を持つ。ミサイルの予備は３発で、人力装填。FCSも改良され、200-10000mで測距可能なレーザー測遠器と、第２世代光増幅式暗視装置、安定化サイト、大気データ収集機などを装備する。自動目標追尾装置や車長のオーバーライド機能なども備えている。参考：月刊軍事研究5,’03、7,’03

＜ＢＭＰ−２海外シリーズ＞：

　＜ＢＭＰ−２（フィンランド陸軍）＞：フィンランド陸軍の歩兵戦闘車。9M113対戦車ミサイルが退役して対戦車戦闘能力が無くなったため、乗車歩兵にスパイクMRを携行させている。CV9030に後を譲って退役する予定だったが、予算の関係でCV9030の導入数が足りず引き続き運用することになり、2015年から暗視装置などの追加、増加装甲装着といった近代化改修に入った。参考：月刊PANZER4・5,’17

　＜ＢＶＰ−２＞：チェコスロバキア陸軍の歩兵戦闘車。ライセンス生産したもので、友好国に輸出もされた。参考：月刊PANZER7,’00

　＜サラス＞：インド陸軍の歩兵戦闘車Sarath。1987年からライセンス生産した。参考：月刊軍事研究9,’10、6,’02、6,’05

＜ＢＭＰ−２海外ファミリー＞：

　＜９０ｍｍ砲搭載車（インド）＞

　＜１０５ｍｍ野砲搭載車（インド）＞

　＜ＯＴ−Ｒ５＞：チェコ陸軍の装甲指揮車型。車体後半部を高くし、砲塔を撤去、自衛用に12.7mm機銃を装備できる。参考：月刊PANZER7,’00

　＜ＰＲＡＭ−Ｓ＞：チェコ陸軍の120mm自走迫撃砲型。砲塔を撤去して車体を延長、車体中央に120mm迫撃砲（射程500-8000m）を搭載する。砲塔撤去後の孔は装甲板で塞いでおり、密閉車内から射撃可能。下部転輪が１組増えて片側７個になった。参考：月刊PANZER7,’00

　＜アカシュ＞：アカシュ自走対空ミサイルを参照。

　＜工兵偵察車（インド）＞

　＜装甲救急車（インド）＞

　＜装甲水陸両用ドーザー（インド）＞

　＜トリシュル＞：インド軍の自走短距離地対空ミサイル型。射程9.5km。開発中止になった。参考：月刊軍事研究6,’02、9,’10

　＜ナミカ＞：インド軍の自走対戦車ミサイル型。インド国産のナグ対戦車ミサイルを４連装箱形ランチャーに収容して車体上に搭載する。開発ペースは遅く、ミサイルは2009年に漸く実用化した。参考：月刊軍事研究6,’02、9,’10

＜ＢＭＰ−３シリーズ＞：ソ連陸軍歩兵戦闘車。BMP-1/-2で問題となった居住性の悪さを改善するため、1975年にクルガンスキー自動車工場で試作されたオブイェークト685浮航軽戦車を元に、1981年からオブイェークト688として開発され、1987年に制式採用されて1989年から配備された。参考：月刊PANZER7,’11、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究9,’16

　＜ＢＭＰ−３＞：車体は浮航能力を持つアルミニウム合金製の箱形で、車体高を増やして居住性を増している。車体前面は25mm機関砲弾に抗堪でき、前面下部には厚さ10mmの鋼板製トリムベーンを持つ。前部中央に操縦席があり、車体前部左右には7.62mm機銃PKTを装備して兵員室（操縦席？）からリモコン操作できる（機銃後方に位置する機銃手兼歩兵が直接撃つこともできる）。また、燃料タンクも車体前部にあり、HEATに対する防御壁を兼ねる。車体中央が砲塔搭載部、中央から後部にかけてが兵員室、最後部が機関室。兵員室左右にはガンポートが２ヵ所ずつ設けられていて、車体後上面にハッチ、車体後面にドアがあり、左側のドアにはガンポートがある。最後部の機関室には中央下部にコンパクトなエンジン及びトランスミッション（半自動油気圧式）があり、両側と上が兵員用通路になっているが、上のスペースは狭いので、後部ドアから降りるには後上面ハッチを開けて這っていくしかない。後上面ハッチの前部には小型補助ハッチが設けられていて、ここから9K34携行地対空ミサイル（２発を車内に収容）を発射できる。下部転輪はダブルタイプ片側６組、サスペンションはトーションバー式、前部２輪・後部１輪にはショック・アブソーバーが付いている。起動輪は後方、誘導輪は前部にあり、上部転輪３個を持つ。短いスカートを装備する。履帯はゴムブッシュ付ダブルピン。砲塔は大型の２名用で、100mm低圧砲2A70、30mm機関砲2A72（徹甲弾195発＋HE-FRAG弾305発）、7.62mm機銃PKT（6P7？）を同軸に装備し、俯仰角はマイナス６度からプラス60度。1K13-2SOZH-Mレーザー測距・ミサイル誘導装置、PPB-1熱線暗視装置、TNPT-1対空対地両用射撃用サイト、弾道計算機、環境センサー、2E52-2砲二軸安定化装置を組み合わせた2K23コンプレックス武装システムを搭載する。2A70用砲弾は9M117-3バスチオン腔内発射ミサイル（６発。８発？４発？）、3OF32ロケット榴弾（22発。自動装填装置に入っている）、3BM25APFSDS（18発。12発？こちらは手動装填）が用意されている。自動装填装置の即応弾ラックは砲塔下部に円周上に並んでおり、弾薬は弾頭部を上にして収容される。7.62mm機銃弾搭載数は車体銃と合わせて6000発。砲塔前面両側に902Bトゥーチャ発煙弾発射機を３基ずつ装備する。空中投下が可能。全長7.14m、全幅3.23m、全高2.45m、重量18.7トン。装甲厚は車体前面45mm（防弾アルミ）＋10mm（鋼板トリムベーン）、砲塔前面26mm以上（射距離300mからの30mm徹甲弾に抗堪）。エンジンはUTD-29M液冷10気筒ディーゼル（500馬力）、路上最大速度70-72km、水上最大速力10km（ウォータージェット推進）、航続距離600km。無線機はR-173、R-173P。乗員３名（車体中央の操縦手、砲塔左の砲手、砲塔右の車長）＋乗車歩兵７名（１個歩兵分隊。操縦手左右に１名ずつ、後部兵員室に弧状に５名）。後部兵員室には２名分の補助座席がある。UAE、キプロス、韓国、クウェートなどに輸出もされた。参考：月刊PANZER7,’11、10,’01、7,’00、7,’09、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究8,’07、9,’13、9,’16、6,’17、月刊戦車マガジン11,’92

　＜ＢＭＰ−３Ｍ＞：チェチェン紛争やグルジア紛争の戦訓を取り入れた装甲強化型。車体側面に爆発反応装甲、砲塔側面に増加装甲を装着し、エンジンをUTD-32T（660馬力）に強化した。参考：月刊軍事研究9,’16

　＜ＢＭＰ−３Ｆ＞：海軍歩兵仕様。水密性を向上させ、トリムベーンを大型化し、車体上面右側にシュノーケルを搭載している。全長6.715m、全幅3.15m、全高2.3m、全備重量18.7トン。エンジンはUTD-29M液冷ディーゼル（500馬力）、トランスミッションは前進４段・後進１段、路上最大速度70km、水上最大速力10km、航続距離600km。乗員３名＋乗車歩兵７名。参考：月刊軍事研究9,’13、8,’07、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭＰ−３Ｍ（２００３年ＩＤＥＸ）＞ 2003年3月のIDEXに出品されたもので、TshU-1Mシトーラ防御装置とレーザー検出器を搭載して生存性を高めている。エアコン用APUも追加した。主砲発射型ミサイルは射程5.5kmの最新型が発射可能となっており、100mm砲弾や30mm機関砲弾も新型が用意され、FCSも換装されている。参考：月刊軍事研究8,’03、1,’03

　＜ＢＭＰ−３ＭＦＶ＞：ロシアのクルガン合資会社が製作した車両で、BMP-3の車体に対戦車ミサイルを外したBMP-2の砲塔を載せて軽量化し、浮航性能を改善した。重量18.15トン。参考：月刊PANZER1,’04

　＜ＢＭＰ−３（改）＞：無人砲塔搭載型。武装は9M133コルネット対戦車ミサイル、30mm機関砲、同軸機銃。アーミー2017展示会でロシア国防省が発注を公表した。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＢＭＰ−３ファミリー＞

　＜ＢＲＥＭ−Ｌ＞：ロシア・ジョイント・ストック社が開発した修理回収車型、別名ベグリアンカ。車体上面前部右に装甲展望塔を持ち、その左に40トン級クレーンを装備する他、ウインチ、溶接・切断装置、ドーザーブレードなどを搭載する。最大速度70km。時速9kmで水上航行が可能。乗員３名。参考：月刊軍事研究7,’97、8,’95

　＜ＢＲＭ−３＞：BRM-3（偵察戦闘車）を参照。

　＜ゲルメス＞：自走対戦車ミサイル型。従来の砲塔を外し、9M120ヴィキールＳミサイル６連装（２列３段）ランチャーを左右に装備する対戦車ミサイルターレットを搭載している。ターレット前面には昼夜間照準装置、レーザー測距器があり、上面には誘導用レーダーのアンテナが付いている他、マストに長距離センサーポッドが装着されており、指揮管制システムからの情報を受け取る。参考：月刊軍事研究7,’99

　＜自走コルネットＥ対戦車ミサイル＞：砲塔を外して自動装填装置付9M113改コルネットＥ連装ランチャー（16発）を搭載したもの。昼間の最大射程は5500mで、夜間は視察距離3500mの熱線暗視装置を使用する。乗員２名（操縦手、車長兼ミサイルオペレーター）。参考：月刊軍事研究7,’97、8,’07

　＜フリザンテマ＞：フリザンテマ（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜ＢＭＰ−３海外シリーズ＞

　＜ＢＭＰ−３（ＵＡＥ陸軍）＞：UAE陸軍の歩兵戦闘車。ロシア製リアクティブアーマー（浮航性維持と車体のクリアランスを図るため、かなり大きい箱形）を車体前側面に装着し、砲塔にはゴム製HEAT避けスカートを追加、砲手用熱線暗視サイトをフランスSAGEM社製アトスに換装して砲塔左後部に装備している。無線もフランスとアメリカで導入しているトンプソン・システムに換えた。ガンポートはM16A2用に変更している。一部にアクティブ防御装置アレナを搭載したものもある。重量23.4トン。415両を配備した。新型のレーザー誘導対戦車ミサイル搭載やDAS（Defensive-Aids Suite）追加装備などを検討中。参考：月刊PANZER10,’01、8,’03、9,’00、10,’05、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究5,’09、9,’16

　＜ＢＭＰ−３（韓国陸軍）＞：韓国陸軍の歩兵戦闘車。ウォン借款の償還分として1996-97年に30両を受領した。参考：月刊軍事研究4,’97、月刊PANZER7,’11

　＜ＢＭＰ−３Ｆ（インドネシア海兵隊）＞：インドネシア海兵隊の歩兵戦闘車。2010年に17両を配備した。2012年に37両を追加発注している。参考：月刊軍事研究9,’13、10,’11

　＜ＢＭＰ−３Ｍ（ＵＡＥ）＞：UAE軍試作歩兵戦闘車。エンジンをUTD-32T液冷Ｖ型10気筒ディーゼル（660馬力）に換装したもので、最大速度80kmを誇る。UAEが開発して1998年に試作車が完成した。まだ配備はされていない。参考：月刊PANZER7,’11、10,’01、月刊軍事研究8,’07

＜ＢＭＰ−３海外ファミリー＞

　＜ＢＭＰ−３装甲回収車（ＵＡＥ陸軍）＞：UAE陸軍の装甲回収車。砲塔を外し、車体左上面にジブクレーンを搭載、車体前面にドーザーブレードを装着している。参考：月刊PANZER3,’10

　＜スネーカ＞：チェコのレノバ社が開発した監視・偵察装甲車。砲塔を外して車体中央部から後部にかけ背の低い固定戦闘室を増設、折り畳み式アームを載せて上部に赤外線暗視装置やレーダーなどの視察装置を搭載している。戦闘室左のハッチに自衛用機銃１丁、戦闘室両側面に発煙弾発射機４発ずつを装備する。参考：月刊丸10,’97

＜ＢＭＰ−２３シリーズ＞：ブルガリア陸軍の歩兵戦闘車。1971年に採用された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＢＭＰ−２３＞：MT-LBの車体に、23mm機関砲2A14（HEI-T及びAPI-T計600発。最大射程2000m）、7.62mm機銃PKT（2000発）、9M14Mマリュートカ対戦車ミサイル発射機（後に9K111に換装）を備える角張った砲塔を搭載している。機関砲用照準器は視野40度・倍率4.5倍で、時速300kmで飛行中のヘリコプターにも対応できるとされる。機銃用照準器は視野11度・倍率5.5倍。搭乗歩兵は兵員室に６名、車体前部右に１名が座る。車体前部右に１基、車体後部両側面に３基ずつ、後部ドアに２基のガンポートを持ち、後部側面最前方のものは7.62mm機銃PKT用である。車内にはRPG-7対戦車ロケット１基と弾頭５発、RPG-22対戦車ロケット４基、9M32携帯地対空ミサイル１基、PK機銃２丁、AK-47突撃銃６丁を搭載する。ヒーター、GPK-59航法装置、UHF無線機、NBC防護装置付。全長7.29m、全幅2.85m、全高2.53m、重量15.2トン。エンジンはYaMZ-238V液冷８気筒ディーゼル（315馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進５速、後進１速）、路上最大速度61km、水上最大速力4-5km（履帯駆動）、航続距離600km。乗員３名（車体左前部の操縦手、砲塔左の砲手、右の車長）＋搭乗歩兵７名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＢＭＰ−２３Ａ＞：BMP-23の砲塔両側面に発煙弾発射機３基ずつを装備し、9K111対戦車ミサイルを搭載、転輪を新型に換えたもの。参考：月刊PANZER11,’05

　＜ＢＭＰ−３０＞：BMP-23の車体にBMP-2の砲塔を搭載したもので、1982年に登場した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER11,’05、5,’13

＜ＢＭＰ−２３ファミリー＞

　＜ＢＲＭ−２３＞：偵察車型。兵員室にRM-130短波無線機を搭載しており、側面のガンポートが右側２基・左側１基に減った。LBP-1携帯用レーザー測距機（有効距離9000m）、PGN-9携帯用パッシブ暗視装置、MT-66地雷探知機、NBC検知器、R-123M無線機、R-31M無線機も装備する。乗員５名（車長、砲手、航法手、無線手、操縦手）。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＭＰ−３０＞：BMP-23シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜ＢＭＰＣ＞：ベクテル社を参照。

＜ＢＭＰ−ＧＡＺ−５０＞：ソ連の試作装輪装甲車。BTR-60PBにBMP-1と同じ砲塔を載せたもので、1971年に開発されたが、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER7,’00

＜ＢＭＰ−Ｔシリーズ＞：ロシア陸軍の戦車支援車両で、Boyevaya Mashina Podderzhki-Tankov（戦車支援用戦闘車）の略。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＭＰ−Ｔ＞：別名ターミネーター。チェチェン紛争の戦訓から戦車に付随して近接戦闘を行う車両として2000年代初めから開発し、CFE条約の保有制限を避けるため戦車にも歩兵戦闘車にも当てはまらないようにした。T-72（T-90？）のシャシーを大改修したもので、操縦室は車体前部中央にあり、その左に7.62mm機銃PKTを装備、操縦室後方の戦闘室は１段高くして内部容積を確保しており、車体後部は機関室である。２名用砲塔に30mm機関砲2A42とその左に9M113対戦車ミサイル４連装ランチャーを装備しており、リモコン操作可能。後に砲塔の武装を30mm連装カノン砲１基と同軸機銃１丁（仰角45度）と9M114M1対戦車ミサイル（9K120アタカ？）連装発射機（上下積み）２基に換装し、操縦室後方両側に観測員席を設け、その外側の車体袖部に30mmてき弾発射機を前向き限定俯仰旋回で装備した。FCSはT-90Sと同じもので、操縦手用にTBH5夜間操縦装置（能動式可視距離60m、受動式可視距離180m）を搭載し、車体にERAを付加している。重量47トン。エンジンはB92C2液冷ディーゼルエンジン（1000馬力）、最大速度65km、航続距離550km。乗員５名。2005年から配備され、2010年に調達を終了した（ロシアは装備せずカザフスタンのみ導入？）。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER11,’05、7,’10、10,’12、月刊軍事研究9,’16、12,’00、11,’00、1,’01、11,’17

＜ＢＭＰＴ−７２＞：BMP-Tの改良型で、別名ターミネーター２。ウラルワゴン工場が開発した。対戦車ミサイルを9M120連装ランチャー（並列で、外側が少し下にある）２基に換装したものである。車体のベースはT-72で、中古の改造でなく新造した。車体前部中央が操縦室で、車体中央に背の低い円筒形の上構を設置して砲塔を載せ、車体後部に機関室を配置している。車体前面上部には爆発反応装甲を装着。上構左右に観測員席が設けられており、上面に前開きの半円形ハッチを持つ。観測員席の外側には30mm自動てき弾発射機を前向き限定旋回俯仰で装備し、その後方には発煙弾発射機（前列２発・中央３発・後列１発装填）がある。下部転輪はダブルタイプ片側６組、誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上下２段＋ごく短い最下段の鋼製スカート（機関室側面の排気口周辺のみスラット装甲）により下部転輪の上４分の１くらいまでカバーする。また、車体中央−後面のスカート上方に車体からやや離して薄い装甲板が装着されていて、スカートと被る部分はスカートの外側に重ねてある。フェンダー部分はゴム製。砲塔は中央に30mm機関砲2A42を２門並列で装備、その上に同軸7.62mm機銃PKTと両脇に9M120連装ランチャーを装着し、上面右後部に車長用独立旋回サイト、中央後部に気象センサー、左後部にアンテナ、基部前方左に砲手用サイト、右に車長用キューポラを持つ。車長（右）と砲手（左）は上構−戦闘室内に位置する。2013年の発表資料では操縦席両脇の観測員席とその外側の30mmてき弾銃が撤去されていたが、国際軍事技術フォーラム2017と2018年の第２次大戦戦勝パレードで登場した車両ではどちらも残されている。乗員５名。参考：月刊PANZER8,’18、月刊軍事研究11,’17

＜ＢＭＰＴ折衷型＞：2017年6月27日にシリアのアサド大統領がロシア軍の展開するシリア軍航空基地を訪問した時に展示されていて存在が確認されたもの。BMP-Tの車体にBMPT-72の砲塔を搭載している。参考：月刊軍事研究11,’17

＜ターミネーター３＞：BMPT-72の改良型。下部転輪と起動輪をT-90MSと同じものに換装し、車長用サイトを基部と同じくらい太い新型にした。車体両袖部後方に後ろに向かってテーパーした雑具箱を置き、車長用サイト基部後面にも雑具箱を新設、機関砲基部両側の蓋が両方とも角型となっている。参考：月刊PANZER8,’18

＜ＢＭＰＴ−Ｋ−６４＞：ウクライナが開発した８×８輪装甲車。重量17.7トン。乗員・乗車歩兵計11名。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＢＭＰＶ−６４＞：ウクライナが開発した重歩兵戦闘車で、2005年に完成した。T-64戦車の車体がベースで、機関室を前部に移動して車体後面に下開きランプを設けている。戦闘重量34.5トン。武装はオーバーヘッドマウントの30mm機関砲。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＢＭＰ社＞：ベクテル社を参照。

＜ＢＭＲ−２＞：スペイン軍の６輪装甲兵員輸送車。車体前部左が操縦手席、右が機関室である。操縦手席後方のキューポラにリモコン式12.7mm機銃を搭載し、兵員室側面にガンポートを持つ。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＭＲ−２ファミリー＞

　＜ＢＭＲ−３５６０＞：装甲救急車型。キャビンを改造して担架４床を収容できるようにした。イラク戦争後のイラクにも派遣されており、装甲が強化されている。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＭＲ−３Ｍ＞：T-72戦車ファミリーまたはT-90戦車ファミリーを参照。

＜ＢＭＲ６００＞：スペイン陸軍６×６輪装甲車で、サンタ・バーバラ社製。1975年に試作車が完成し、1979年に採用され、エジプト、サウジ、ペルーでも使用されている。車体はアルミ合金製で、車体前部左が操縦手席、その後ろが無線手兼機銃手席、右が機関室、後部が兵員室である。兵員室側面にはビジョンブロック付きガンポート６カ所があり、後面にはランプドアと横開きドアが用意されている。武装は車体左前部のTC-3銃塔に装備された12.7mm機銃１丁だが、20mm機関砲やGIAT社製TS-90砲塔の装備も可能。自重6.15トン、戦闘重量14トン。エンジンはペガソ9157/8液冷ディーゼル（310馬力）、トランスミッションはZF社製オートマチック、路上最大速度103km、水上最大速力9km（車体後部ウォータージェット。タイヤ推進も可）。乗員２名＋搭乗歩兵10名。1992年までに640両が配備された。1996年、小型低燃費のエンジンに換装した。後継として８×８輪歩兵戦闘車を15億ユーロで300両導入する予定だったが、財政危機でキャンセルされている。参考：世界の軍用車両(4)、月刊グランドパワー3,’95、月刊PANZER6,’02、月刊軍事研究6,’01、1,’14、月刊丸3,’13

＜ＢＭＲ−３５６０＞：BMR-2装甲車ファミリーを参照。

＜ＢＭＳ＞：スカラブ装甲車に搭載されたディスプレイ。車長、観測手、操縦手にBMSディスプレイが、観測手に偵察用ディスプレイが配置され、前者には後者の画像がオーバーラップして投影される。これにより乗員間の情報伝達が容易となっている。参考：月刊PANZER6,’03

＜ＢＭＷ＞：Bayerische Motren Werke（バイエルン発動機製作所）の略。元は1912年に創設されたラップ発動機製作所（Rapp-Motorenwerke）で、1917年7月に改称された。1923年、オートバイの製造を開始。1928年、乗用車の製造を開始。1939年、ブラモ社（ブランデンブルク発動機製作所）と合併した。参考：月刊航空ファン7,’15、月刊軍事研究4,’05、ジャーマンタンクス

＜ＢＭＷ００２＞：BMW社の軸流式ターボジェットエンジン、社内名称P.3304。1938年末にドイツ航空省と契約が締結されて航空省番号109-002も付与されたらしい。全長4.005m、直径0.7m。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ＢＭＷ００３シリーズ＞：BMW社の軸流式ターボジェットエンジン、社内名称P.3302、航空省番号109-003。BMW002より小型にして開発期間短縮を図っており、1941年に試作型が完成した。参考：月刊航空ファン7,'15、図解世界の軍用機史、歴史群像2,’08付録

　＜ＢＭＷ００３Ｖ１＞：試作初号機。タービンブレードは中空式で、中に冷却空気を通して冷やすようになっている。全長3.15m、直径0.67m、重量610kg。圧縮機６段、圧縮比2.77、燃焼室はアニュラー式、回転数毎分9000、最大静止推力0.3-0.4トン。参考：月刊航空ファン7,'15

　＜ＢＭＷ００３Ｖ２＞：試作２号機で、推力を0.55トンに向上させた。Me262V1に搭載された。参考：月刊航空ファン7,'15

　＜ＢＭＷ００３Ｖ１０＞：試作10号機。推力0.55トン。Me262V1に搭載された。参考：月刊航空ファン7,'15

　＜ＢＭＷ００３Ｖ１１＞：試作11号機。圧縮機を改良して圧縮比を3.1に強化、回転数を毎分9500に、推力を0.6トンに向上させた。エンジン直径0.69m。参考：月刊航空ファン7,'15

　＜ＢＭＷ００３Ａ−０＞：先行量産型で、1942年秋に設計を終え、1943年秋からテストされた。エアインテイク内部の向かって右、右下、下の３カ所に平べったいオイルクーラー用エアインテイクが付く。全長3.53m、直径6.9m、重量570kg。回転数毎分9500、推力0.8トン。参考：月刊航空ファン7,'15

　＜ＢＭＷ００３Ｅ＞：He162に搭載されたタイプ。エンジンマウントをエンジン下面に移してある。1944年末までに3500基が生産された。参考：月刊航空ファン7,'15

＜ＢＭＷ�Vａ＞：BMW社の直列６気筒液冷ガソリンエンジン。乾燥重量280kg。出力200馬力（回転数毎分1400）。フォッカーＤ�Zに搭載された。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ＢＭＷ−�Xａ＞：BMW社の直列６気筒液冷ガソリンエンジン。1926年に開発された。出力395馬力（回転数毎分1900）。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ＢＭＷ�Y＞：BMW社のＶ型12気筒液冷ガソリンエンジン。1930年代前半に開発された。出力690馬力（回転数毎分1650）、750馬力（回転数毎分1700）。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ＢＭＷ�\ａ＞：BMW社のＶ型12気筒液冷ガソリンエンジン。1932年に開発された。出力900馬力（回転数毎分1800）。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ＢＭＷ１３２シリーズ＞：BMW社の航空機用９気筒空冷ガソリンエンジン。ライセンス生産していたプラット＆ホイットニー社製ホーネットエンジン（BMW-Hornet A）を改良して1930年代前半に開発した。Ju52などに搭載された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊航空ファン7,’15

　＜ＢＭＷ１３２Ａ＞：乾燥重量430kg。出力660馬力（回転数毎分2050）。参考：月刊航空ファン7,’15

　＜ＢＭＷ１３２Ｅ＞：出力550馬力（回転数毎分2000）。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ＢＭＷ１３９＞：BMW社の航空機用複列星型14気筒空冷ガソリンエンジン。BMW132をベースに複列14気筒化した。出力1500馬力（回転数毎分2700）。冷却効率が悪く、過熱しやすいという欠点があった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊航空ファン7,’15

＜ＢＭＷ８０１シリーズ＞：BMW社の航空機用空冷星型ガソリンエンジン。BMW139の改良型で、冷却効率を高めるためシリンダー全面に強制冷却ファンを装着、出力を60馬力向上させた。また、後部にコマンドゲレート（集中制御装置）が取り付けられており、燃料流量や点火時期、プロペラのピッチ変更、過給器切り替えなどの操作を自動的に行うことが可能で、パイロットの負担が減った。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊丸10,’93

　＜ＢＭＷ８０１Ｃ−０＞：燃料直接噴射装置・２速過給器付複列星型14気筒ガソリンエンジンで、ボア156mm、ストローク156mm、総排気量41800cc、離昇出力1600馬力。Fw190V-5に搭載された。参考：月刊丸10,’93、歴史群像2,’08付録

　＜ＢＭＷ８０１Ｃ−２＞：圧縮比6.5対１、出力1600馬力。使用燃料はB-4（87オクタン）。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜ＢＭＷ８０１Ｄ＞：離昇出力1800馬力、最大出力2100馬力。Fw190A-4からA-8までに搭載された。参考：月刊丸10,’93

　＜ＢＭＷ８０１Ｄ−２＞：空冷複列14気筒で、ボア156mm、ストローク156mm、総排気量41.8リットル、圧縮比7.22対１。使用燃料はC3（100オクタン）。弁は単吸気・単排気で、点火装置はボッシュ社製ZM14磁気発電機。点火プラグはボッシュ社製DW240ET7またはジーメンス35FU14で、各気筒に２つが取り付けられている。直径1.29m、本体重量1342kg、プロペラ重量177kg、装甲リング重量144kg、カウリング重量45kg、強制冷却ファン重量9.3kg。出力1700馬力。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、図解世界の軍用機史

　＜ＢＭＷ８０１Ｅ＞：シリンダーヘッド、シリンダーバレル、排気弁、ピストンなどを改良したタイプ。離昇出力2000馬力。参考：月刊丸10,’93

　＜ＢＭＷ８０１Ｆ＞：クランクシャフトを強化し、水メタノール噴射機構を追加したタイプ。出力2600馬力。参考：月刊丸10,’93

　＜ＢＭＷ８０１ＴＳ＞：BMW801D-2の改良型で、強制冷却フィンを14翅にするなどして瞬間出力を2200馬力にしている。Fw190A-9/A-10に搭載された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＢＭＷ８０２＞：BMW社の試作航空機用エンジン。複列星型18気筒ガソリンエンジンで、乾燥重量1530kg、総排気量58000cc、出力3000馬力。量産はされなかった。参考：月刊丸10,’93

＜ＢＭＷ８０３＞：BMW社の航空機用エンジン。複列星型14気筒ガソリンエンジンを２つ結合させて最大出力3700馬力を発揮する。12基のみ生産された。参考：月刊丸10,’93

＜ＢＮ＞：H2S（レーダー）を参照。

＜ＢＮ２シリーズ＞：イギリスのブリテン・ノーマン社（現ブリテンノーマングループ）が開発した双発STOL軽輸送機、別名アイランダー（Islander。民間型、輸送機型）またはディフェンダー（Defender。軍用型）。1965年6月13日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＮ２＞：原型機。胴体はセミモノコック構造で、左舷に２箇所、右舷に１箇所のドアがある。主翼は高翼配置の直線翼。降着装置は前輪式。エンジン出力210馬力。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＮ２Ａ＞：量産型。エンジン出力を260馬力に上げ、翼スパンを1.2m広げた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＮ２Ｂ＞：着陸重量を136kg増やし、燃料タンク内蔵翼端延長部を付けられるようにしたもので、更に翼端増槽も積める。エンジンを300馬力の出力強化型やターボ・スーパーチャージャー付きに換装することもできる。全長10.86m、全幅14.94m、全高4.18m、自重1925kg、最大離陸重量2993kg。翼面積30.19平方メートル。エンジンはIO-540-K1B5（300馬力）双発、プロペラは３翅、最大巡航速度274km、実用上昇限度5240m、航続距離1183km（VFR）。ペイロード497kg。乗員１名。客席数９。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＮ２Ｔ＞：エンジンをアリソン250-B17Cターボプロップ（400馬力）に換装したもので、別名タービン・アイランダー。翼端増槽を標準装備する。1981年5月に形式証明を取得、1981年12月から引き渡され、パキスタン海上警備隊、ベルギー警察、オランダ警察などに配備され、軍用型はイギリス空海軍に採用された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＮ２Ｔ−４Ｓ＞：軍用の拡大改良型で、別名ディフェンダー4000。1994年8月17日に初飛行した。主翼をトライランダー機ベースのものに換装し、胴体を0.76m延長して垂直尾翼も拡大、重量増に合わせて降着装置を強化した。機首と風防の形状を変更して視界を良好にしている。洋上センサーを搭載しての８時間以上の洋上哨戒、シースキュアミサイルを搭載しての対水上攻撃、パイロット含め16名を搭乗させての兵員輸送などが可能。全長12.2m、全幅14.15m、全高4.36m、運用自重2.22トン、最大離陸重量3.855トン。翼面積32.61平方メートル。エンジンはロールスロイス・アリソン社製250-B17F（400軸馬力）双発、最大巡航速度285km（海面高度）／326km（高度3050m）、失速速度87km（フラップ下げ）、実用上昇限度7620m、海面上昇率毎分381m、航続距離1850km、最大航続時間8.5時間。ペイロード0.724トン。乗員・乗客計12-16名。イギリス陸軍、アイルランド航空隊、イギリス地方警察、マレーシアのサバ航空などが採用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究7,’95

＜ＢＮ２ファミリー＞

　＜ＢＮ２（軽攻撃機型）＞：軍用型ディフェンダーを軽攻撃機に改造したもので、1971年5月に公表された。機首に捜索距離30海里の海面捜索レーダーを搭載、主翼を延長して主翼下に４カ所のハードポイントを追加してある。許容重量は内側が318kg、外側が204kgで、機銃ポッドや爆弾など各種武装の搭載が可能。また、227リットル増槽２個を搭載すれば10時間にわたる洋上哨戒が可能で、1000kgの貨物を積んでの輸送任務にも就ける。全長12.02m、全幅16.15m、全高3.78m、自重1682kg、最大離陸重量2993kg。エンジンはライカミングIO-540-K1B4（300馬力）双発、巡航速度143ノット、最大速度145ノット、実用上昇限度5180m、航続距離1000海里。乗員２名＋搭乗兵員８名。参考：世界の軍用機1982、1979、月刊航空ファン4,’72

　＜ＢＮ２Ａ（イギリス空軍）＞：イギリス空軍双発軽輸送機、別名アイランダー（Islander）。航続距離1080-1350km。乗員８名。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

　＜ＢＮ２Ａ（フィリピン海軍）＞：フィリピン海軍双発軽輸送機。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

　＜ＢＮ２Ｔ　ＭＳＳＡ＞：MSSAは複合センサー捜索機の略。少数が輸出された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＢＮ２海外シリーズ＞

　＜ＢＮ２（インド海軍）＞：インド海軍多用途機。1976年にBN2Aを11機とBN2Bを６機導入し、練習機、沿岸哨戒機、捜索救難機として使用した。1996-97年には６機をBN-2Tターボディフェンダーに改造している。退役後の2006年頃、５機をミャンマー軍に輸出した。参考：月刊航空ファン4,’16

＜ＢＮ−５２９＞：ロシア海軍636型潜水艦。1997年9月29日、対馬海峡を通り、タイで10月26日まで開催された兵器展示会に向かった。1998年1月11日、西表島の南西90kmをウラジオストクに向け航行しているのを第５航空群P-3Cが確認した。参考：現代の潜水艦、月刊丸4,’98

＜Ｂｏ−１０５シリーズ＞：ベルコウ社（後のMBB社を経てエアバス・ヘリコプターズ）の汎用ヘリ。1962年から民間用に開発され、1967年2月16日に初飛行した。軍用型は1970年から開発され、西ドイツの他、オランダ、ナイジェリア、フィリピン、インドネシアなどで採用された。ドイツ陸軍では2016年12月14日にBo-105P1がラストフライトを行って運用を終了した。参考：世界の軍用機1982、1979、月刊航空ファン3,’17、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｏ−１０５Ｍ＞：西ドイツ陸軍連絡観測ヘリ。胴体はセミモノコック構造で、前からコクピット、キャビン、貨物室という構成になっており、後面にクラムシェル型貨物ドアが付いている。キャビンの座席を外すと担架２床の搭載が可能。メインローターはリジッド型４翅で、ハブは鍛造チタン製、ブレードはグラスファイバー製であり、民間型よりも強化されている。運動性や安定性も高く、宙返りや横転を行える。トランスミッション容量を852軸馬力に拡大し、降着装置や燃料系統の衝撃抗堪能力を強化、テイルローター（グラスファイバー製２翅）を改良した。全長11.86m、胴体長8.56m、メインローター直径9.84m、全高3.8m、自重1.128トン、総重量2.4トン。エンジンはアリソン250-C20B（420軸馬力）双発、巡航速度132ノット、最大速度145ノット、実用上昇限度5180m、ホバリング高度限界2560m（地面効果内）／1615m（外）、燃料搭載量580リットル、航続距離355海里。乗員１名＋搭乗兵員４名。1974年に採用されて100機が発注され、1979年9月から引き渡された。参考：世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｂｏ−１０５Ｐ＞：PAH-1シリーズ（武装ヘリ）を参照。

　＜Ｂｏ−１０５ジラフ＞：Giraffe。マスト・マウンテッド・サイトを取り付けたタイプで、1981年5月からテスト飛行が行われた。参考：世界の軍用機1982

　＜ＢＳＨ−１＞：対空護衛型で、スティンガーを装備する。参考：月刊軍事研究7,’95

　＜ＰＡＨ−１＞：PAH-1シリーズ（武装ヘリ）を参照。

＜Ｂｏ−１０５ファミリー＞

　＜Ｂｏ−１０５Ａ＞：民間向けの最初の量産型で、1970年に形式証明を取得した。世界初のリジッドローター及び複合材製ローターブレード採用ヘリである。キャビンの後ろに容積1.2立方メートルの手荷物室を持ち、担架も運べる。胴体長8.56m、メインローター直径9.82m、全高3.02m、自重1.3トン、総重量2.5トン。エンジンはロールスロイス製250-C20Bターボシャフト（420軸馬力）双発、巡航速度204km、最大速度242km、海面上昇率毎分570m、ホバリング高度限界3200m（地面効果内）／2430m（外）、燃料搭載量580リットル、航続距離574km。乗員1-2名。客席数4-5。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｏ−１０５Ｃ＞：Ａ型のエンジン強化型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｏ−１０５ＣＢ＞：Ｃ型のエンジン強化型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｏ−１０５ＣＢＳ＞：CB型のキャビンを0.25m延長したもので、1977年に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｏ−１０５ＣＢＳ−５＞：別名スーパーファイブ。Bo-105CBSの改良型で、PAH-1の技術をベースにメインローター翼型を改良し、揚力と安定性を強化、燃費や振動・騒音を改善した。1993年秋から引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｂｏ−１０５ＬＳ＞：Bo-105CBSのエンジンをアリソン製250-C28Cターボシャフト（500軸馬力）に換装し、トランスミッションを強化したもので、1984年秋に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜スーパーリフター＞：Bo-105CBS-5のテイルローターをBK117C-1と同じものにし、スリング能力を高めたもので、1995年のパリ航空ショーで発表された。スリング時総重量2.85トン、機外スリング重量1.3トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｂｏ−１０５海外シリーズ＞

　＜Ｈｋｐ−９＞：スウェーデン軍ヘリ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ＮＢｏ−１０５＞：インドネシアのヌルタニオが生産したタイプ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｂｏ１０８＞：EC135シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＢＯＡＲ＞：ボア（核ロケット）を参照。

＜ＢＯＤＬＵＶ２０２０＞：スイス軍が計画している地上配備防空システム。近接防空用エリコン35mm高射機関砲、近距離防空用FIM-92スティンガー、中距離防空用地上発射型IRIS-T／GM200グランドマスター200レーダーを組み合わせた多層式防空システムで、2015年9月にタレス・スイス社が主契約社になった。2016年4月18日、スイス国防民間防衛・スポーツ省が計画調達準備の中断を発表した。計画策定段階で残念な行為があったらしく、計画が適切に進められたかの確認作業が2017年初めまで行われる。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＢＯＦＩ＞：ボフォース社が開発したボフォース40mm機関砲L70用FCS。レーザー測距器、コンピュータなどを組み合わせている。参考：ザ・マーチ５号

＜ＢＯＫ−１＞：ソ連の高々度機で、1936年秋に開発された。ANT-25の部品を流用し、２名用与圧キャビンを装備する。エンジンはAM-34RN（727馬力）。テスト飛行で14090mまで上昇した。1937年夏にはAM-34RNV（1200馬力）に換装し、国際高度記録樹立に向けて試験飛行を行っていたが、ターボチャージャーが壊れて機体も大破し、そのまま終了した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＢＯＫ−５＞：ソ連の試作無尾翼単葉機。K-12無尾翼爆撃機のベースで、M-11エンジン（100馬力）、エルロン、フラップを装備している。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＢＯＬ＞：Bearing Only Launchの略。

＜ＢＯＬＴ１１７＞：GBU-1/B（誘導爆弾）を参照。

＜ＢＯＬＴＳ＞：アメリカ空軍第388戦闘航空団がテストしている整備士教育システムで、Blended Operational Lighting Technicians（併合型ライトニング運用技術者）の略。機付長、燃料補給、兵装、電子機器、低視認性維持、脱出といった特殊技能教育を１年間で叩き込み、配備基地以外に展開する際の支援要員削減に繋げる。2018年1月から教育が始まった。参考：月刊航空情報5,’18

＜Ｂｏｍｂｅｒ−Ｈ＞：ソ連軍がM-4やTu-95の後継として開発しているとアメリカが推定していた大型爆撃機。総重量172-181トン。エンジンはターボファン４基、最大速度マッハ0.85、航続距離10000海里。兵装搭載量18トン。1983年頃に就役するとみられていた。参考：世界の軍用機1982

＜Ｂｏｍｂｅｒ−Ｘ＞：Tu-160（爆撃機）を参照。

＜ＢＯＭＩ＞：アメリカ軍がアンチポーダル・ボマー計画で開発を予定した有人有翼宇宙機で、1950年代初めにアメリカ空軍に提出された。提出したのはベル航空機会社（A4弾道ミサイル開発者の１人、ヴァルター・ドルンベルガー少将を顧問に採用していた）で、爆撃機（Bomber）とミサイル（Missile）の頭二文字をとって名付けられた。1954年から予算が付き、1957年11月からはダイナソア計画に組み込まれた。参考：月刊軍事研究7,’04

＜ＢＯＮＵＳ＞：ボーナス弾を参照。

＜ＢＯＯＸＴアサルト＞：フランスのBOOXT社が開発した４輪高速攻撃車両。プジョーの部品を流用して安価に仕上げた。全長4.25m、全幅2m、全高1.9m、戦闘重量1000kg。エンジンはディーゼル（180馬力）、トランスミッションはマニュアル式６速、最大速度160km、航続距離800km。積載量700kg。乗員４名。ユーロサトリ2018で展示された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＢＯＲ８９３８　２７０＞：F815-7シリーズ（戦術トラック）を参照。

＜ＢＯＲＡ＞：トルコのアセルサン社が開発した短距離艦対空ミサイルランチャー。スティンガーなどを装着し、自動追尾装置や二軸安定化装置を持つ全天候型である。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ＢＯＶ装甲車シリーズ＞：ユーゴスラビアが1980年代に開発した４×４輪装甲車。参考：世界の軍用車両(4)、月刊軍事研究9,’11

　＜ＢＯＶ−ＶＰ＞：基本の装甲兵員輸送車型で、軍警察と民兵部隊に配備された。車体は避弾経始に優れた形状で、前方が操縦室、中央が８名用兵員室、後部が機関室となっており、車体両側面に乗降用ドアとガンポートが３基ずつ用意されている。操縦室には防弾ガラスとステンレス製メッシュが填め込まれ、操縦手と車長が位置する。戦闘重量９トン。最大速度90km、航続距離750km。武装は車体上面リングマウントの7.62mm機銃M86。防御レベルは全周でNATOレベル１。参考：世界の軍用車両(4) 、月刊軍事研究9,’11

＜ＢＯＶ装甲車ファミリー＞

　＜ＢＯＶ−１戦車駆逐車＞：自走対戦車ミサイル型。9M14M改（半自動誘導式）６連装旋回マウントを装備する。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＢＯＶ−３自走対空機関砲＞：自走対空機関砲型。BOV-3歩兵戦闘車の車体上にエリコン20mm機関砲M55A4B1の３連装簡易砲塔を搭載している。機関砲のドラム弾倉は砲塔外に露出しており、砲塔は乗員保護シールドの役目しか無い。発射速度は３門合計で毎分2250発。ユーゴ内戦でセルビア軍が輸送車両護衛などに投入し、対地掃射に威力を発揮した。9M32Mストレラ2M携帯地対空ミサイル４連装ランチャー２基を追加したタイプが2011年のセルビア兵器見本市パートナーで展示された。参考：月刊PANZER12,’99、月刊軍事研究9,’11、ウォーマシン・レポートNo.26

　＜ＢＯＶ−３０自走対空機関砲＞：自走対空機関砲型。30mm機関砲連装砲塔を搭載している。参考：月刊PANZER12,’99

　＜ＢＯＶ戦車駆逐車＞：自走対戦車ミサイル型。砲塔上面にマヨルカ対戦車ミサイル（9M14-2Mまたは9M14-2MT）４連装ランチャー（並列２連装をターレット左右に１基ずつ装備）を搭載している。参考：月刊軍事研究9,’11

　＜ＢＯＶ砲兵戦闘前方偵察車＞：砲兵観測車型。車体前方右にCCDカメラ、熱線撮像装置、レーザー測距器などを統合した観測器材を搭載し、GPS航法装置などを組み合わせた戦闘統合システムを持つ。車体前後部に操縦手用ビデオカメラ、上面に12.7mm機銃搭載遠隔操作銃塔を装備する。参考：月刊軍事研究9,’11

＜ＢＯＷ＞：基本運航重量を参照。

＜ＢＯＺ−１０１ＥＣ＞：サーブ社が開発した自衛用電子戦ポッド。前部から中央部にチャフ・フレアディスペンサー（真下向きと両斜め下向き）、後部にミサイル接近警報を仕込んである。ドイツ空軍がトーネードIDS用に29基発注しており、2017-20年に配備する予定。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＢＯＺ−１０２ＥＣ＞：イタリア空軍のEA-200電子戦機用自己防御ポッド。前部から中央にかけての下面にチャフ・フレアディスペンサー、中央後ろ寄り両側面にフィン、後部にミサイル警報を備える。参考：月刊JWings9,’19

＜ＢＰ−１２Ａ＞：P-12シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜ＢＰ４２＞：ドイツ国防軍の装甲列車。装甲蒸気機関車を中央に置き、前後に砲車（10cm榴弾砲）、指揮車、歩兵車、対空車、38(t)戦車搭載車、地雷避け車両の順に接続している。装甲厚は15-30mmで、足周りまでカバーしていた。野砲と榴弾砲は、鹵獲したものが主に使用されている。また、偵察用にパナール38(t)装甲車（装軌車としても使える）を２両装備した。1943年から生産され、Nr61、Nr62、Nr63、Nr64、Nr65、Nr66、Nr67、Nr68、Nr69、Nr70、Nr71の11編成が完成した。パルチザン相手には大きな威力を発揮した。参考：月刊グランドパワー5,’99

＜ＢＰ４４＞：ドイツ国防軍の装甲列車。1944年から生産され、Nr73から番号がふられているが、何両完成したかは定かでない。ソ連戦車に襲撃されることが増えたため、BP42の先頭・最後尾の地雷避け車両の代わりに�W号戦車長砲身型の砲塔を載せた戦車駆逐車を配置している。また、野砲と榴弾砲は10.5cm榴弾砲leFH18Mを搭載した。参考：月刊グランドパワー5,’99

＜ＢＰ−３５３Ａ＞：BR-353A（成形炸薬弾）を参照。

＜ＢＰ−４６０Ａ＞：BR-460A（成型炸薬弾）を参照。

＜ＢＰＢ　１８メートル型＞：イギリス海軍の魚雷艇。ブリティッシュ・パワー・ボート社が提案し、1935年に採用された。船型はハード・チャイン型で、船体は木製。後部甲板下に魚雷を搭載しており、発射時にはガイドを降ろして魚雷を後ろに滑り落とす。全長18.4m、満載排水量22トン。速力33ノット。兵装は7.7mm４連装機銃２基（初期型は艇前後、後期型は艦橋両舷）、45cm魚雷２本。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ＢＰＢ　２１．３メートル型＞：イギリス海軍の機動砲艇。フランス海軍向けにブリティッシュ・パワー・ボート社で生産していた機動駆潜艇を、1940年のフランス降伏後に接収して改造したものである。全長21.3m、満載排水量28トン。速力40ノット。兵装は12.7mm連装機銃２基（操舵室両舷）、20mm単装機関砲１門（艇後部）。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ＢＰＢ　２１．９メートル型＞：イギリス海軍の魚雷艇。ブリティッシュ・パワー・ボート社製21.9m機動砲艇をノルマンディー上陸作戦に合わせて魚雷艇に改造したものである。兵装は２ポンド砲１門（艇前部）、20mm連装機関砲１基（艇後部）、7.7mm連装機銃２基（艦橋両舷）、45cm魚雷２本。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ＢＰＢ型機動駆潜艇＞：イギリス海軍の機動駆潜艇。ブリティッシュ・パワー・ボート社が提案して1938-39年に５隻が建造された。BPB18メートル型魚雷艇の主機を３基から２基に減らし、兵装を爆雷に変更したものである。全長18.4m、排水量18トン。速力25ノット。後に高速救命艇や標的艇に改造された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ＢＰＣ＞：Batiment de Projection et de Commandement（指揮・戦力投入艦）の略。ミストラル級のことである。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ＢＰＤ（５１ｍｍ）＞：イタリア軍の51mmロケット弾。火炎、破砕、対戦車・対人、目標指示、訓練・発煙、訓練の各弾頭が用意されている。全長1.02m、直径51mm、翼スパン120mm、重量4.8kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＰＤ（８１ｍｍ）＞：イタリア軍の81mmロケット弾で、別名メドゥーサ。火炎、破砕、HEAT、対人・ソフトスキン、発煙などの弾頭が用意されている。全長1.57m、直径71mm、重量15kg。全長1.85mの子爆弾搭載型もある。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＰＤ（１２２ｍｍ）＞：イタリア軍の122mmロケット弾で、別名ファルコ。推進用ロケットの違いでファルコ122/Aとファルコ122/Hの２種があり、地雷・多目的子爆弾搭載型を含めて多種の弾頭が用意されている。全長2.53m、直径122mm、重量60kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＰＤＭＳ＞：アメリカ海軍の個艦防衛用艦対空ミサイルシステム。基本型個艦防衛ミサイルシステム（Basic Point Defense Missile System）の略で、ビープディームスと読む。ソ連の対艦ミサイルを撃墜すべく開発したもので、当初は陸軍が開発していたMIM-46モーラーを艦載化する予定だったが、開発遅延から計画中止になってしまったため、代わりにシー・スパロー個艦防空用短距離艦対空ミサイルシステムを完成させた。参考：月刊世界の艦船4,’14

＜ＢＰＥ＞：スペイン海軍強襲揚陸艦の計画名で、Buque de Proyeccion Estrategica（戦略プロジェクション艦）の略。揚陸及び揚陸地点への航空支援を主任務とする。飛行甲板前方にスキージャンプ台を持ち、飛行甲板下は航空機格納庫、更に下は車両甲板で、ドックウェルもある。ハリアーまたはF-35Bのみなら20機、CH-47のみなら10機、NH90のみなら30機、混載ならVTOL機11機とヘリ12機を搭載し、車両甲板にはレオパルト2E戦車46両または貨物6000トンを積載でき、人員902名を収容可能。ドックウェルにはLCAC１隻またはLCM４隻を搭載する。全長230.8m、飛行甲板幅32m、吃水6.9m、満載排水量27079トン。主機はガスタービン／ディーゼル・エレクトリック方式で、推進は旋回式電動モーターポッド２基、最大速力21ノット、航続距離は15ノットで9000海里。乗員1317名。ファン・カルロス�T世級として2008年に完成した。参考：月刊軍事研究1,’07

＜Ｂｐｌｐｂｖ．３０２３＞：Pbv.302装甲車ファミリーを参照。

＜ＢＰＭ＞：共同計画策定メカニズムを参照。

＜ＢＰＭ−９７＞：ロシア陸軍４×４輪装甲車。配備はロシア連邦保安庁国境局国境警備隊と内務省軍が先である。14.5mm機銃、30mm機関砲、BTR-80の銃塔などを搭載でき、14.5mm弾に耐えられる装甲を持つ。全長5.3m、全幅2.5m、全高2.3m、重量10.5トン。最大速度90km。乗員２名＋乗車兵員８名。参考：月刊PANZER7,’10、月刊軍事研究3,’13

＜ＢＰＯ＞：Basic POst-flight inspection（毎飛行後点検）の略。参考：月刊JWings10,’23

＜ＢＰＳ＞：APFSDS弾のロシア語略。

＜ＢＰＳ−５００級＞：ベトナム海軍コルベット。兵装はKh-35艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、9K32艦対空ミサイル（人力運用）、533mm連装魚雷発射管２基、RBU1600艦対潜ロケット１基、AK630近接防御兵器１基、76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＢＰＳ−７０４＞：イタリアの潜水艦用対水上捜索・航海レーダー。アンテナはスロット・ウェーブガイド式で、毎分25回転する。使用周波数Ｘバンド。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＢＰｚ．３＞：レオパルト２ファミリー（戦車回収車）を参照。

＜Ｂ．Ｐ．ジャケット＞：イスラエルのLIOR TEXTILE INDUSTRIESが開発した防弾ジャケットで、MA-1及びCWU-45/Pフライトジャケットを模している。防弾レベルは�VＡで、.44マグナム弾の防御が可能。１着12-13万円で日本でも市販されている。参考：JShips Vol.20

＜Ｂｑ＞：ベクレルを参照。

＜ＢＱ−７＞：B-17爆撃機ファミリーを参照。

＜ＢＱＭ−６Ｃ＞：レギュラス巡航ミサイル・ファミリーを参照。

＜ＢＱＭ−３４シリーズ＞：アメリカ軍の無人高速標的機、別名ファイアビー（Firebee）。テレダイン・ライアン社製で、試作型は1958年12月19日、量産型は1960年2月5日に初飛行し、Q-2という名称でアメリカ三軍に採用され、1962年に改称された。イラク戦争に５機が投入されており、チャフ撒布装置を積んで防空レーダー妨害任務に使用されている。参考：丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船4,’14、月刊軍事研究7,’14、2,’17

　＜ＢＱＭ−３４Ａ＞：陸軍名称MQM-34D。アルミニウム合金製セミモノコック構造で、ノーズコーンとテイルコーンはFRPである。主翼は後退角45度で、着脱式。尾翼も着脱式の後退翼である。胴体下部にエンジンがあり、ノーズコーン下方にエアインテイクを持つ。胴体後方下部にはRATO（固体燃料、推力11300ポンド・5.126トン）を装備する。艦上発射台からの射出や、航空機からの空中発進が可能。全長6.98m、胴体径0.94m、翼スパン3.93m、全高2.04m、自重0.6863トン、全備重量1.224トン。エンジンはテレダインJ69-T-29ターボジェットエンジン（推力0.77トン）、巡航速度1015km、最大速度1176km、実用上昇限度18300m、燃料搭載量378リットル（JP-5）、航続距離1282km、滞空時間１時間。UHFによる無線遠隔操縦で管制される。搭載艦には艦載標的機追跡管制装置STTS（Shipboard Target Tracking System）を装備し、標的機に搭載された自動飛行制御装置に向けてパラボラアンテナで指令電波を送信、標的機からテレメトリー信号を受信して機体をコントロールする。訓練が終わると母艦の指示で２段パラシュートを開き着水、回収される。緊急時にも自動的にパラシュートが開く。海上自衛隊も1969年から導入し、陸上自衛隊も使用した。参考：月刊軍事研究11,’03、自衛隊装備年鑑1996、丸スペシャルNo.78

＜ＢＱＭ−３４海外シリーズ＞

　＜ＢＱＭ−３４Ａ（自衛隊）＞：自衛隊の無人標的機。1969年に13機を輸入し、ターター及び５インチ砲Mk42用標的として訓練支援艦ATS-4201あづまに搭載、第11海上訓練指導隊が運用した。また、陸上自衛隊もホークの標的として導入した。全長7m、全幅3.93m、全高2.05m、自重0.68トン、飛行時重量1.06トン、全備重量1.22トン。エンジン推力0.77トン、最大速度1100km、実用上昇限度17000m、燃料搭載量0.2925トン、航続時間１時間。参考：丸スペシャルNo.78、自衛隊装備カタログ1981

　＜ＢＱＭ−３４ＡＪ＞：海上自衛隊の無人標的機。富士重工でライセンス生産したもので、14号機（13号機？）からこの型式番号が付けられた。訓練支援艦ATS-4201あづま、ATS-4202くろべに搭載され、1970年には航行中での運用にも成功している。全長7m、全幅4m、全高2.05m、総重量1.219トン。エンジンはJ69-T-29ターボジェット単発、飛翔速度215-540ノット、運用高度100-50000フィート（30.5-15240m）、航続時間0.5-1時間。2017年に用途廃止となった。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究11,’03、丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船1,’24

　＜ＢＱＭ３４ＡＪ改＞：海上自衛隊の高速標的機。富士重工製。参考：月刊軍事研究7,’99

＜ＢＱＭ−３４ファミリー＞

　＜ＢＧＭ−３４シリーズ＞：BGM-34シリーズ（無人攻撃機）を参照。

＜ＢＱＭ−７４シリーズ＞：アメリカ海軍の超音速空中標的機、別名チャカ（Chukar）。参考：月刊JWings6,’02、月刊航空ファン3,’19

　＜ＢＱＭ−７４Ｅ＞：

　＜ＢＱＭ−７４Ｆ＞：Ｅ型の改良型で、飛行速度の増大、運動性能と航続性能の向上を図っている。参考：月刊JWings6,’02

＜ＢＱＭ−１４７＞：アメリカ海兵隊の全翼式軽無人偵察機、別名Exdroneまたはドラゴン。全長1.6m、翼スパン2.5m、重量43kg。飛翔速度130km。参考：月刊軍事研究4,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＢＱＭ−１６７Ａ＞：アメリカ軍のサブスケール空中標的、別名スキーター。ロケットブースターで地上から射出され、撃墜されなかった場合はパラシュートで回収される。最大速度マッハ0.97、最大荷重9G。コンポジットエンジニアリング製。参考：月刊航空ファン2,’12、3,’17

＜ＢＲ機雷シリーズ＞：ルーマニアの機雷。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ１２００＞：重量70kg。運用深度10-330m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ２５００＞：重量84kg。運用深度10-330m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ６０００＞：重量113kg。運用深度15-330m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲ爆弾シリーズ＞：スペインの通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ５０＞：重量50kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ１２５＞：重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ２５０＞：重量250kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ５００＞：重量500kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲ１０００＞：全長3.82m、直径0.46m、翼スパン0.54m、重量1000kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲ−２＞：ソ連陸軍152mm榴弾砲、別名M1935。50口径152mm榴弾砲をB-4榴弾砲の装軌砲架に搭載している。戦闘重量18.202トン。俯仰角0-60度、射界８度。最大射程27000m。参考：月刊グランドパワー2,’99、4,’98

＜ＢＲ−２海外シリーズ＞

　＜Ｋ４４０（ｒ）＞：ドイツ国防軍が第２次大戦で鹵獲したものだが、使用されなかったらしい。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜ＢＲ−５＞：ソ連陸軍280mm榴弾砲。B-4榴弾砲の装軌砲架を使用して製作された。戦闘重量18.4トン。俯仰角0-60度、射界８度、最大射程10650m。参考：月刊グランドパワー2,’99、4,’98

＜ＢＲ６＞：ソ連陸軍115mm滑腔砲用タングステン弾芯APFSDS弾。T-62戦車用U-5TS戦車砲から発射すると、砲口初速毎秒1680m、装甲貫徹力330mm（射距離1000m・衝角０度）／150mm（射距離2000m）。参考：月刊PANZER6,’98

＜ＢＲ１７＞：ソ連陸軍210mmカノン砲、別名M1939。元はスコダ社が開発した21cmカノン砲K39で、独ソ不可侵条約に基づいてドイツから供給されたものである。砲身長10m、戦闘重量43トン。使用弾重量134.8kg、最大射程29400m。生産数不明。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊グランドパワー2,’99

＜ＢＲ１８＞：ソ連陸軍305mm榴弾砲。３分割して輸送し、射撃状態に組み立てるまで2-3時間かかる。戦闘重量35トン、輸送重量54トン。俯仰角0-70度、射界８度、最大射程16500m。仰角60度・射距離1000mで射撃すると、厚さ2-2.5mのベトンを貫通できる。レニングラード解囲作戦や、セヴァストポリ要塞で使用された。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜ＢＲ２０シリーズ＞：イタリア軍の爆撃機。フィアット社設計主任チェレスティーノ・ロザテッリ技師の設計で、BRはボンバルディエーレ・ロザテッリ（ロザテッリの爆撃機）の略である。第２次大戦にも参加した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings3,’16

＜ＢＲ２０＞：最初の量産型で、1936-40年に270機以上が生産された。全長16.1m、全幅21.56m、全備重量10200kg。エンジンはフィアット社製A80RC41（1000馬力）双発、最大速度430km、実用上昇限度7200m、航続距離2800km。防御兵装は12.7mm機銃３丁。爆弾搭載量1000kg。乗員４名。スペイン内乱で実戦テストを受けた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＢＲ２０Ｍ＞：装甲を強化し、防御兵装を追加したタイプ。1939年から生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＢＲ２０ｂｉｓ＞：1941年に開発された空力性能向上・エンジン強化型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＢＲ−２０海外シリーズ＞

　＜イ式重爆撃機＞：日本陸軍の爆撃機。BR-20を導入したもので、100機を配備した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＢＲ７１Ｍｋ�U＞：アンゴラ海軍コルベット。2023年、UAEのアブダビ造船所に３隻を発注した。UAE海軍バイヌナ級コルベットの改良型になるらしい。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜Ｂｒ．１２１＞：ブレゲー社計画練習機兼攻撃機。1964年1月のフランス空軍戦闘練習・戦術支援ECAT（Ecole de Combat et d’Appui Tactique）計画に応じたものである。亜音速双発機で、エアインテイクはコクピット後方の胴体両側にある。主翼は高翼配置の後退翼で、下反角付き。エンジンはチュルボメカ製トゥルマレまたはロールスロイス社製RB172-45双発。1965年1月に採用が決定したが、ECATが仏英共同開発のジャギュアに進んだため、そちらのベース機として改良が加えられた。参考：月刊JWings12,’23

＜Ｂｒ−２５７＞：9P114（戦術ミサイルランチャー）を参照。

＜ＢＲ３５０＞：ソ連陸軍76.2mm戦車砲用徹甲弾。重量6.3kg。L-11戦車砲から発射すると、装甲貫徹力は射距離500mで62mm、1000mで56mm。参考：月刊PANZER3,’98

＜ＢＲ３５０Ａ＞：ソ連陸軍76.2mm戦車砲用曳光徹甲榴弾。重量6.3kg、炸薬0.15kg。MD-5信管が装着されている。L-10戦車砲から発射すると、砲口初速毎秒558m、装甲貫徹力は射距離500mで61mm、1000mで51mm。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＢＲ−３５０Ｐ＞：ソ連陸軍76.2mm戦車砲用APDS弾。重量3.02kg。1943年以降に導入された。参考：月刊PANZER5,’05、4,’93

＜ＢＲ−３５３Ａ＞：ソ連陸軍76.2mm戦車砲用成型炸薬弾。ラテン文字表記ではBP-353A。重量6.94kg。装甲貫徹力は全射程で75mm。参考：月刊PANZER5,’05

＜ＢＲ４１２＞：ソ連陸軍100mm戦車砲用徹甲弾。1944年頃には使用されている。砲口初速毎秒880m、装甲貫徹力は射距離500mで155mm（90度）/125mm（60度）、1000mで135mm/110mm、1500mで115mm/95mm、2000mで100mm/85mm、3000mで75mm/60mm。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜ＢＲ４１２Ｄ＞：ソ連陸軍の100mmライフル砲D-10用徹甲弾で、第２次大戦後に開発された。砲口初速毎秒887m、装甲貫徹力は射距離500mで200mm（90度）/150mm（60度）、1000mで185mm/140mm、1500mで170mm/130mm、2000mで155mm/120mm、3000mで125mm/100mm。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜ＢＲ−４６０Ａ＞：ソ連陸軍の122mm戦車砲A-19S/M-62T2用成型炸薬弾。ラテン文字表記ではBP-460A。重量13.2kg。装甲貫徹力300mm。参考：月刊PANZER2,’99、月刊グランドパワー10,’00、2,’99

＜ＢＲ−４６０Ｐ＞：ソ連陸軍の122mm戦車砲D-25T用成型炸薬弾。重量13.2kg。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜ＢＲ−４７１＞：ソ連陸軍の122mm戦車砲D-25T用徹甲弾。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜ＢＲ−４７１Ｂ＞：ソ連陸軍の122mm戦車砲D-25T/A-19S用徹甲榴弾。重量24.9kg。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｂｒ４８２＞：ブレゲー社の試作４発爆撃機。Br690を大型化して機首を段無しガラス張りにしてある。1938年から試作されて２機が完成したが、フランスがドイツに占領されたため、初飛行は1947年になった。全長18.87m、全幅24.09m、全備重量14500kg。エンジンはイスパノスイザ12Z（1500馬力）４発、最大速度585km、航続距離1600km。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂｒ４８３＞：Br500（輸送機）を参照。

＜Ｂｒ５００＞：フランス軍の双発輸送機、別名コルマール（Colmar）。元はBr483輸送機として開発されたが、ドイツによる占領後に改称された。初飛行は戦後にずれこみ、量産には至らなかった。全長19.96m、全幅24.12m、全備重量14400kg。エンジンはノームローン14R24/25双発、最大速度450km、航続距離2000km。乗員含め24名が搭乗できる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂｒ５２１＞：フランス軍の複葉３発哨戒飛行艇、別名ビゼルト（Bizerte）。ショート社製カルカッタの発展型で、1933年9月11日に初飛行した。全長20.49m、全幅35.15m、全備重量15090kg。エンジンはノームローン14Kirs（900馬力）３発、最大速度243km、実用上昇限度6000m、航続距離2100km。固定武装は7.5mm機銃５丁。爆弾300kgを搭載できる。乗員８名。1938年までに28機が引き渡された。第２次大戦勃発後にも12機が発注されたが、間に合ったのは３機だけだった。ドイツによる占領後は救難機としても使用されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＢＲ−５４０＞：ソ連陸軍152mm徹甲榴弾。重量48.75kg。参考：月刊PANZER6,’05

＜Ｂｒ６９０シリーズ＞：フランス軍双発爆撃機。1934年の３座戦闘機案に応募したブレゲーの機体を爆撃機として生産したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｂｒ６９１＞：量産型で、78機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｂｒ６９３＞：エンジンをノームローンに換えたもので、1940年から224機が生産された。全長10.24m、全幅15.37m、全備重量4800kg。エンジンはノームローン14M4/5（680馬力）双発、最大速度510km、実用上昇限度8500m、航続距離1400km。固定武装は20mm機関砲１門、7.5mm機銃４丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｂｒ６９５＞：エンジンをR-2000ツインワスプに換えたもので、50機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂｒ７３０＞：フランス海軍４発飛行艇。1935年の要求に基づいてブレゲーが開発したが、生産機の飛行は1944年12月になり、第２次大戦後に改良型Br731が２機生産されたのみに留まった。全長24.38m、全幅40.36m、全備重量28500kg。エンジンはノームローン14N44/45（1120馬力）４発、巡航速度230km、最大速度330km、航続距離6900km。固定武装は25mm機関砲１門、7.5mm機銃５丁。爆弾800kgを搭載できる。乗員10名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂｒ７６５＞：ブレゲー765（輸送機）を参照。

＜Ｂｒ７９０＞：フランスのブレゲーが開発した小型水上哨戒機、別名ノーティリュス（Nautilus）。1939年11月に初飛行し、75機が発注されたが、ドイツ侵攻で生産されずに終わった。全長12.65m、全幅17m、全備重量3480kg。エンジンはイスパノスイザ12Xirs（720馬力）単発、最大速度298km、実用上昇限度6000m、航続時間６時間。固定武装は7.5mm機銃１丁。爆弾150kgを搭載できる。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｂｒ．９６０＞：フランスのブレゲーが開発した試作艦上攻撃機、別名ヴュルチュール（Vultur、ハゲタカ）。1947年11月にフランス海軍が発出した艦上攻撃機要求（爆弾１トン＋ロケット弾８発搭載。完成すれば空対艦ミサイルも）に基づいて開発され、1948年4月に採用されて試作が決定した。機首にターボプロップエンジン、胴体後部にターボジェットエンジンを搭載した混合動力機である。胴体中央下面にターボプロップエンジン用排気口、主翼付け根前縁にターボジェットエンジン用エアインテイクを持つ。コクピットは並列複座で、マーチン・ベイカー社製射出座席をSNCASO社でライセンス生産して搭載する。主翼は低翼配置の直線テーパー翼で、前縁後退角16度10分、後縁は機軸と垂直。翼端には後端外側にフィンを有する同形状の小ポッドを装着しており、右翼側は増槽、左翼側は攻撃レーダーポッドである。主翼折り畳み機構を持ち、内寄りから上方に折り畳むと右翼が胴体の上、左翼が右翼の上に少し重なる状態になる。水平尾翼には軽い上反角が付く。降着装置は前輪式で、前脚は後方引き込み式、前輪はダブルタイヤ、主脚は主翼下面への内側引き込み式（主脚室扉は無し）、主輪はシングルタイヤ。全長13.35m、翼スパン15.85m（ポッド除く）／16.7m（含む）、総重量9.69-9.8トン。エンジンはロールスロイス社製ニーン101ターボジェット（をイスパノスイザ社でライセンス生産したもの。推力2.223トン）１基＋アームストロング・シドレー社製マンバ１ターボプロップ（出力970馬力）１基、プロペラは４翅、最大速度400km（マンバのみ）／900km（ニーン・マンバ併用）。胴体下に爆弾など１トン、主翼下面にロケット弾計４発を搭載可能。乗員２名。初号機は1951年8月4日に初飛行したが、ターボプロップエンジンの出力不足と中−高速域での安定性不足が指摘され、２号機はニーン104ターボジェット（推力2.268トン。2.143トン？）＋マンバ�V（1320馬力）に換装して1952年9月15日に初飛行した。1953年1月には２号機がイギリスのファーンボロ王立航空研究所に送られ、カタパルト試験やアレスティング・ギア試験に投入されている。運用予定の計画空母PA28が没になり、現有の空母R95アロマンシュでは重くて運用困難とされ、計画が消滅しかかったが、戦力強化著しいソ連潜水艦に対抗するハンター・キラー方式艦上対潜哨戒機の開発計画が浮上し、Br.960F1案、Br.960F2案、Br.962案、Br.963案を経て２号機がBr.965に改造されテストを続けることになった。参考：月刊JWings12,’18、3,’22

＜Ｂｒ．９６１＞：ブレゲーの計画COIN機。Br.960がベースで、主翼に機関砲を固定装備し、胴体後部側面にスピードブレーキを設けた。エンジンはロールスロイス社製エイボン（推力2.756トン）またはスネクマ製アター101（推力2.756トン）＋マンバ�Vターボプロップ（1575馬力）。フランス空軍に提案したが、インドシナ紛争やアルジェリア戦争が終わってCOIN機の需要が無くなり、採用されなかった。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｂｒ．９６５＞：ブレゲー社の試作艦上対潜哨戒機、別名エポーラール（Epaulard、シャチ）。増勢著しいソ連潜水艦に対抗するため、新型空母PA54（後のクレマンソー級）に搭載するハンター・キラー兼用艦上対潜哨戒機が必要になり、Br.960試作艦攻２号機を改造して技術実証に使用したものである。ターボプロップエンジンをマンバ�Wに強化してターボジェットエンジンを外し、空いた胴体中央スペースに引き込み式対水上レーダーを装備する。翼端ポッドは撤去し、内翼前縁にソノブイ収容ポッドを装着した。キャノピー後半部は金属板で覆い、タンデム３座にした。1955年に改造されてテストに使用され、1956年5月2日に事故で損傷してテストを終了したが、成果はBr.1050アリーゼに活かされた。参考：月刊JWings12,’18、3,’22

＜Ｂｒ．１００１＞：ブレゲー社の試作軽攻撃機、別名タン（Taon、アブ。NATO/OTANのアナグラム）。NATO共通軽攻撃機要求NBMR-1（NATO Basic Military Requirement-1）に応じて開発した。胴体はエリアルールを考慮して主翼取り付け部で絞り込まれている。エアインテイクはコクピット両脇に付き、下方に左右２カ所ずつ銃口がある。主翼は中翼配置の後退翼。全長11.5m、全幅6.8m、総重量5.8トン。翼面積14.5平方メートル。エンジンはブリストル製オーフュースB.Or.3ターボジェット（静止推力2.2トン）単発。固定武装は12.7mm機銃４丁。1957年7月25日（26日？）に初号機が初飛行し、２機でテスト飛行が行われたが、G.91に負けて採用されなかった。参考：月刊JWings12,’23、6,’14

＜Ｂｒ．１０５０＞：アリーゼ（艦上対潜哨戒機）を参照。

＜Ｂｒ．１０６０＞：ブレゲー社の計画COIN機。Br.1050がベースで、主翼ポッドに30mm機関砲を仕込み、主翼折り畳み機構を廃止、コクピット周囲などに350kgの装甲を追加した。1957年にフランス空軍に提案したが、アルジェリア戦争終結で用途が無くなり、採用されなかった。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｂｒ１１５０＞：アトランティックMk1シリーズ（対潜哨戒機）を参照。

＜ＢＲＡＢ−２００ＤＳ＞：ソ連軍が第２次大戦時に開発したロケット徹甲爆弾。投下されるとロケットが2.6秒間燃焼し、爆弾を毎秒180mに加速、厚さ160mmの装甲を貫通する。直径203mm、全備重量213kg、炸薬重量12.3kg、推進薬重量19.2kg。参考：日本海軍の爆弾

＜ＢＲＡ−ＨＳＢＣＡ＞：OE-315シリーズ（曳航アンテナ）を参照。

＜ＢＲＣ＞：バンダム社の1/4トントラックで、1941年3月から2642両が生産された。殆どがレンドリースでイギリスやソ連に送られた。参考：月刊グランドパワー3,’02

＜ＢＲＣファミリー＞

　＜Ｔ１４試作対戦車自走砲＞：T14を参照。

＜ＢＲＣ３＞：中国のAR自走多連装ロケットランチャー用ロケット弾。内部に対人／対戦車子爆弾623個を収容する。最大射程70km。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ＢＲＣ４＞：中国のAR自走多連装ロケットランチャー用ロケット弾。内部に対人／対戦車子爆弾414個を収容する。最大射程130km。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ＢＲＤ−４−２５０＞：イタリア軍の訓練弾ディスペンサー。50mm訓練用ロケット弾２発を搭載する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＤ−４−２６８＞：イタリア軍の訓練弾ディスペンサー。68mm訓練用ロケット弾２発を搭載する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＤ−４−２７０＞：イタリア軍の訓練弾ディスペンサー。70mm訓練用ロケット弾を２発搭載する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＤ−４−４５０＞：イタリア軍の訓練弾ディスペンサー。50mm訓練用ロケット弾を４発搭載する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＤ−４−４６８＞：イタリア軍の訓練弾ディスペンサー。68mm訓練用ロケット弾４発を搭載する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＤＭ＞：Bronirovannaya Razveduivatel’ no Dozornaya Mashina（装甲偵察巡回車）の略。参考：月刊PANZER3,’00

＜ＢＲＤＭ−１＞：ソ連陸軍の軽装甲偵察車。1954年からソ連のゴーリキー自動車工場（GAZ）で開発され、1957年に制式化された。BTR-40ベースの４×４輪車で、不整地走行時には前後車軸の間にある小車輪４つ（チェーン駆動）を降ろして８輪走行する。ウォータージェットによる水上航行能力を備え、水上走行時には車体前面のトリムベーンを立てる。車体上面のピントル・マウントに7.62mm機銃SGMBまたはPKT（1250発）を装備可能で、兵員キャビン左右には２箇所ずつの射撃ポートがある。1966年までに１万両が生産され、1970年代末まで運用された。全長5.66m、全幅2.17m、全高1.87m、重量5.6トン。最大装甲厚12mm。エンジンはGAZ-40Pガソリン（93馬力）、路上最大速度90km、水上最大速力9km、燃料搭載量150リットル、航続距離500km。無線機はR-113。乗員５名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4)

＜ＢＲＤＭ−１ファミリー＞

　＜２Ｐ２７＞：自走対戦車ミサイル型で、2K15自走式対戦車ミサイルシステムともいう。3M6シメーリ対戦車ミサイル３連装ランチャーを車体後部に搭載したもので、ランチャーは普段車体内部に格納されており、装甲カバーで上面が塞がれるようになっている。再装填しながら１分あたり２発ずつのミサイル発射が可能とされる。全備重量5.85トン。乗員３名（操縦手、ミサイル手２名）。1960年から開発され、1966年まで量産された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4)

　＜２Ｐ３２＞：自走対戦車ミサイル型で、2K8自走式対戦車ミサイルシステムともいう。3M11ファランダ対戦車ミサイル並列４連装ランチャーを車体後部に搭載したもので、1961年に開発された。ランチャーは昇降式で、発射しない時は車内に収容されて装甲カバーで塞がれる。重量5.965トン。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4)

　＜２Ｐ３２Ｍ＞：自走対戦車ミサイル型で、2P32の搭載ミサイルを3M11MファランダＭまたは3M11PファランダＰとしたもの。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜９Ｐ１１０＞：自走対戦車ミサイル型で、9K11自走式対戦車ミサイルシステムともいう。9M12オヴォド対戦車ミサイル（9M14Mマリュートカともいわれる）３連装（４連装？）ランチャーを車体後部に装備したもので、2P32とほぼ同じ形をしている。装弾数16発（予備ミサイル含む）。重量６トン。1963年に開発されたが、生産数は多くない。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER1,’01

＜ＢＲＤＭ−２シリーズ＞：ソ連陸軍の軽装甲偵察車。４輪機動トラックGAZ-63Aを基に1962年から開発され、1963-89年に20000両が生産され、うち6000両が輸出に回された。定数は、各自動車化狙撃師団に28両、各偵察大隊に12両、各戦車連隊に４両。参考：月刊PANZER3,’00、10,’85、世界の軍用車両(4)

＜ＢＲＤＭ−２＞：BRDM-1ベースの４×４輪装甲車で、車体形状に小改良を加え、燃料タンク容量を増やし、エンジンを強化して車体後部に移設した。前輪と後輪の間には補助輪４つがあり、不整地では引き下ろして８輪になる。車体中央にはBTR-60PBと同じ小型の銃塔を搭載し、14.5mm重機関銃KPVT（500発）と7.62mm機銃PKT（2000発）を装備する。グラウンド・クリアランスを高めにとっているので車内は狭い。海軍歩兵部隊の上陸支援用としても使用される。全長5.75m、全幅2.35m、全高2.31m、重量７トン。最大装甲厚10mm。エンジンはGAZ-41ガソリン（140馬力）、路上最大速度95km、水上最大速力10km（ウォータージェット推進）、燃料タンク容量290リットル、航続距離750km。無線機はR-123。乗員４名（操縦手、指揮官、砲手、偵察員）。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー3,’05、世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’85

　＜ＢＲＤＭ−２Ｍ＞：改良型で、エンジンをGAZ562（175馬力）またはD2450ディーゼル（136馬力）に換装、装甲を強化し、ガンマ１・２地上航法システム、R168-35UまたはR173無線機を装備する。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＢＲＤＭ−２ファミリー＞

　＜９Ｐ１２２＞：別名2K11自走式対戦車ミサイルシステム（9P110と同じ9K11？）。車体中央にせり上がり式の9M14M対戦車ミサイル４連装（６連装？８連装？）ランチャーを搭載したもので、キャビン天井を持ち上げてランチャーを露出させる。横幅の広いランチャーを収容するため、キャビン天井の幅を拡大した。キャビン右が照準手席で、窓を潰して照準器をセットしている。自動車化狙撃師団の対戦車大隊に装備され、1980年代まで運用された。参考：月刊PANZER1,’01、10,’85、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜９Ｐ１３３＞：自走対戦車ミサイル型で、9M14M対戦車ミサイル10連装ランチャーを搭載する。1970年に登場した。参考：月刊PANZER1,’01

　＜９Ｐ１４８＞：別名9K113自走対戦車ミサイルシステムまたはBRDM-3。車体上部中央に9M111/9M113対戦車ミサイル５連装ランチャーを搭載したもので、予備ミサイル20発を収容する。重量６トン。1974年に採用された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER1,’01、世界の軍用車両(4)

　＜ＢＲＤＭ−２Ｒｋｈｂ＞：核・化学偵察車。車体後部にレーン・マーカー敷設用ラックを持つ。参考：月刊グランドパワー4,’95、月刊PANZER3,’00

　＜ＢＲＤＭ−２Ｕ＞：偵察無線指揮車。砲塔を外して通信機材を搭載している。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER3,’00

＜ＢＲＤＭ−２海外シリーズ＞

　＜ＢＲＤＭ−Ｂ＞：チェコ陸軍の偵察車。補助輪を撤去して内部スペースを広げ、側面にドアを設けている。エンジンをルノー製ターボディーゼル（162馬力）に換装し、ブレーキ、タイヤ、NBC防護装置なども改良した。銃塔も新型で、12.7mm機銃NSVTと7.62mm機銃PKTを１丁ずつ装備し、TVカメラと赤外線カメラを搭載する。最大速度101km、航続距離800km。乗員６名。参考：月刊軍事研究9,’01

　＜ＢＲＤＭ−２改（イラク）＞：イラク軍装甲車。14.5mm機銃の代わりに23mm機関砲（400発、仰角60度）を装備している。参考：軍事分析湾岸戦争

　＜ＢＲＤＭ−２改（ポーランド）＞：ポーランド軍装甲車。エンジンをIVECOディーゼルに換え、車体両側の補助輪を撤去、内部容積を広げて車体両側に乗降用ドアを設置した。銃塔も12.7mm機銃と7.62mm機銃を併設した新型にしており、発煙弾発射機を前面左右に３基ずつ搭載する。参考：月刊軍事研究2,’02、月刊PANZER7,’04

　＜ＦＵＧ６５＞：ハンガリー軍装甲車で、Felderito Uszo Gepkocsi 65の略。車体を延長し、エンジンをディーゼルに変更して車体後部に移した。武装は上面ハッチの7.62mm機銃SGMB１丁で、兵員室上面に23mm機関砲塔を搭載したタイプもある。乗員６名（車長、操縦手、偵察員４名）。ポーランド軍でも採用され、チェコスロバキア軍ではOT-65の名称で配備された。参考：月刊PANZER5,’79、世界の軍用車両(4)

　＜ＯＴ６５＞：FUG65を参照。

＜ＢＲＤＭ−２海外ファミリー＞

　＜ＢＲＤＭ−２戦車駆逐車（イラク軍）＞：イラク軍の戦車駆逐車。9M14対戦車ミサイルを６連装で横一列に搭載している。全長5.75m、戦闘重量７トン。エンジン出力140馬力、最大速度100km、航続距離750km。湾岸戦争時に配備していた。参考：月刊軍事研究3,’09

　＜ＢＲＤＭ−ＶＲ＞：チェコ陸軍の指揮管制車。BRDM-Bの乗員を４名に減らして通信装備を付加している。参考：月刊軍事研究9,’01

　＜ＢＲＤＭ戦車駆逐車改＞：チェコ陸軍の戦車駆逐車。BRDM-Bの車体に9M113対戦車ミサイルと9K31地対空ミサイルを搭載している。参考：月刊軍事研究9,’01

　＜ＯＴ−６５Ａ＞：チェコスロバキア軍の自走82mm無反動砲。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＢＲＤＭ−３＞：9P148（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜ＢＲＤＭ−Ｂ＞：BRDM-2海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＢＲＤＭ−ＶＲ＞：BRDM-2装甲車・海外ファミリーを参照。

＜ＢＲＤＭ戦車駆逐車改（チェコ）＞：BRDM-2装甲車・海外ファミリーを参照。

＜ＢＲＥ２＞：中国のAR自走多連装ロケットランチャー用ロケット弾。炸薬重量180kgの単弾頭型で、最大射程130km。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ＢＲＥ３＞：中国のAR自走多連装ロケットランチャー用ロケット弾。誘導型で、CEP50m。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ＢＲＥＭ−１＞：T-72戦車ファミリーを参照。

＜ＢＲＥＭ６４＞：T-64戦車ファミリーを参照。

＜ＢＲＥＭ８４＞：T-80戦車・海外ファミリーを参照。

＜ＢＲＥＭ−Ｋ＞：BTR-80装甲車ファミリーを参照。

＜ＢＲＥＭ−Ｌ＞：BMP-3歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＢＲＥＭ−Ｔ＞：T-16（戦車回収車）を参照。

＜ＢＲＦ＞：ジャック・シュヴァリエ級（補給艦）を参照。

＜ＢＲＦＡ３５０＞：スペイン軍の滑走路破壊爆弾。投下されるとパラシュートで姿勢を整えた後BRFA330ロケットモーターに点火、滑走路に0.6mめり込んで炸裂し、直径数メートル、深さ2-3mのクレーターを作る。全長3m、直径0.3m、翼スパン0.6m、重量330kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＩＤＥＸ＞：ブルネイ国際防衛博覧会（Brunei Darussalam International Defence Exhibition）の略。2009年に第２回を開催。2011年7月6-9日に第３回が開催され、US-2が出展された。参考：月刊航空ファン9,’11

＜Ｂｒｉｇ＞：Brigade（旅団）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＢＲＭ−１＞：北方重工が開発した多用途ミサイルで、2016年11月のチャイナ・エアショーで公開された。天燕90空対空ミサイルとサイズは同じで、回転翼機、UAV、戦車・装甲車、地上目標を攻撃できる。固定翼機やヘリに搭載可能。参考：月刊航空ファン4,’19

＜ＢＲＭ−１Ｋ＞：BMP-1歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＢＲＭ−３＞：ロシア陸軍汎用偵察戦闘車、別名ルィス。ルブツォフスキー自動車工場が1990年代初めに開発した。浮航能力を持つ箱形車体（BMP-3とほぼ同じ）に1RL-133-1対砲レーダー（NATOコードはトール・マイク。対車両探知距離7km、対人探知距離2km）、多重式無線・衛星通信システム、TNA-4航法システム、1G40ジャイロ・コンパス、衛星航法機材などを搭載している。下部転輪は片側６枚、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、短いスカートを持つ。小型の砲塔に30mm機関砲2A72（500発）と同軸7.62mm機銃PKT（2000発）を搭載し、1PN71昼間用観測鏡（光量増幅式暗視装置？）、1PN61夜間用観測鏡（赤外線暗視装置）、1D14レーザー測遠機を装備する。全長7m、全幅3.15m、全高2.37m、重量18.7トン。最大装甲厚30mm。エンジンはUTD-29ディーゼル（500馬力）、路上最大速度70km、水上最大速力10km、航続距離600km。無線機はR-163-50U、R-163-50K、R-163-10U。航法装置はTHA-4、1G50、1T129。乗員６名。少数が配備され、輸出市場にも出された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER10,’01、7,’00

＜ＢＲＭ−３Ｍ＞：T-72戦車ファミリーを参照。

＜ＢＲＭ−２３＞：BMP-23歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＢｒＮＫ（Ｅ）＞：ブルノ・ノイエ（列車砲）を参照。

＜ＢＲＯＡＣＨ＞：ブローチ（徹甲爆弾）を参照。

＜Ｂｒｏｂｖ．９４１＞：Pbv.302（装甲車）を参照。

＜ＢＲＯＦＩＣＯＮ＞：地上管制迎撃を参照。

＜ＢＲＰ＞：ボロン複合材。FRPの一種で、ボロン繊維をエポキシで固めたものである。比重2.1、引っ張り強さは１平方ミリメートル当たり100-140kg、弾性係数は１平方ミリメートルあたり23000kg。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ＢＲＰシリーズ＞：アルゼンチン軍の高抵抗爆弾で、BK-BRシリーズに制動パラシュートを装備してあり、高度50mからの投下が可能である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ５０＞：BK-BR50に制動パラシュートを付けたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ１２５＞：BK-BR125に制動パラシュートを付けたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ２５０＞：BK-BR250に制動パラシュートを付けたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ５００＞：BK-BR500に制動パラシュートを付けたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＰシリーズ＞：スペイン軍の高抵抗爆弾で、BRシリーズに減速用パラシュートを付けたものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ５０＞：BR50に制動パラシュートを付けたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ１２５＞：BR125に制動パラシュートを付けたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ２５０＞：BR250に制動パラシュートを付けたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ５００＞：BR500に制動パラシュートを付けたもの。全長3m、直径0.36m、翼スパン0.51m、重量500kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＰＳシリーズ＞：アルゼンチン軍の高抵抗爆弾で、BRPシリーズの制動パラシュートを強化型に換装したものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰＳ１２５＞：BK-BR125に強化型制動パラシュートを装着したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰＳ２５０＞：BK-BR250に強化型制動パラシュートを装着したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰＳ５００＞：BK-BR500に強化型制動パラシュートを装着したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＰ．Ｓシリーズ＞：スペイン軍の高抵抗爆弾で、BRPの最低投下高度を18mまで下げたものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ．Ｓ１２５＞：BRP125の改良型。全長1.87m、直径0.24m、翼スパン0.37m、重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ．Ｓ２５０＞：BRP250の改良型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＰ．Ｓ５００＞：BRP500の改良型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＲＳ＞：ワヒディン・スディロフソド級（病院船）を参照。

＜Ｂｒ．Ｓｃｈ．Ｇｒ．Ｐａｔｒ＞：ドイツ国防軍Flak18/36/37高射砲用の対航空機用重榴弾。弾丸重量9.58kg、薬莢重量5kg。弾丸内部に多数の金属片が入っており、破砕効果が高い。1944年2月から開発されたが、完成前に終戦を迎えた。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜ＢＲＵ＞：ボムラックユニットの略。

＜ＢＲＵ−５／Ａ用カートリッジ＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究2,’13

＜ＢＲＵ−１０／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。F-14、A-7に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−１１／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。P-3、S-3に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−１２／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。P-3に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−１２／Ａ−１（自衛隊）＞：自衛隊のボンブラック。ミネベア製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ＢＲＵ−１４／Ａ＞：アメリカ軍のストアラック。P-3、S-3、SH-60、MH-60に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−１５／Ａ＞：アメリカ軍のストアラック。P-3、MQ-9に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−１５／Ａ−１（自衛隊）＞：自衛隊のボンブラック。ミネベア製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ＢＲＵ−２０／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。UH-1Nに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−２１／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。AH-1W、UH-1Nに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−２２／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。AH-1Wに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−２３／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。AH-1Wに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−３２／Ａシリーズ＞：アメリカ海軍のF/A-18用単装エジェクターラック。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＢＲＵ−３２／Ａ＞：搭載兵装の揺れを防ぐためのスウェイブレース・アームを備えている。全長0.91m、全幅0.18m、全高0.19m、最大搭載量2.27トン。参考：月刊軍事研究4,’11

　＜ＢＲＵ−３２Ａ／Ａ＞：F/A-18A-D用。参考：月刊JWings10,’12

　＜ＢＲＵ−３２Ｂ／Ａ＞：F/A-18E/F用。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−３３／Ａ＞：アメリカ海兵隊のF/A-18用２連装傾斜垂直エジェクターラックCVER。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＢＲＵ−３６／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。サスペンション間隔は14インチ（356mm）で、2000ポンド級兵装用30インチ（762mm）サスペンションには対応していない。AV-8Bに装着可能。参考：月刊JWings9,’14、10,’12

＜ＢＲＵ−４１／Ａ＞：アメリカ軍の６連装エジェクターラックIMER（Improved Multiple Ejector Rack、改良型多連装エジェクターラック）。BDU-45/B訓練爆弾、BDU-48/B訓練爆弾、BDU-57/Bレーザー誘導訓練弾、Mk.76訓練爆弾などを６発装着できる。全長3.96m。F/A-18やB-52H主翼下パイロンに装着可能。参考：月刊航空ファン5,’19、12,’18、8,’19、月刊JWings10,’12、月刊軍事研究4,’11

＜ＢＲＵ−４２／Ａ＞：アメリカ軍の改良型３連装エジェクターラックITER。六角形をしており、下部、左上、右上にエジェクターを介して爆弾を取り付ける。全長1.7m。F/A-18、AV-8Bに装着可能。参考：月刊JWings10,’12、月刊軍事研究4,’11

＜ＢＲＵ−４４／Ａ＞：アメリカ軍のボムラック。B-2Aのロータリーランチャーに８基を装着できる。参考：月刊JWings8,’12

＜ＢＲＵ−４６／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。F-15E、F-22Aに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−４７／Ａ＞：アメリカ空軍の単装エジェクターラック。容量5000ポンド（2.268トン）。F-15E、F-22Aに装着可能。航空自衛隊もF-2（ASM-2搭載）用に採用した。参考：月刊軍事研究4,’11、月刊JWings5,’14、10,’12

＜ＢＲＵ−４７／Ａ海外シリーズ＞

　＜ＢＲＵ−４７／Ａ　ＭＯＤ２＞：自衛隊の機器。ミネベア製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＢＲＵ−５２／Ａ＞：アメリカ軍のボムラック。B-2Aに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−５５／Ａ＞：アメリカ軍のF/A-18用２連装スマートボムラック。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＢＲＵ−５６／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。B-52、B-1Bに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−５７／Ａ＞：アメリカ軍のF-16用２連装スマートボムラック。MIL-STD-1760データバスを内蔵しており、JDAM２発に対して同時にインターフェースを行うことができる。航空自衛隊もF-2へのGBU-38/B搭載用に2018年度からテスト中。参考：月刊航空ファン10,’18、月刊軍事研究4,’11、月刊JWings2,’19

＜ＢＲＵ−５９／Ａ＞：アメリカ軍のエジェクターラック。AH-1Z、UH-1N/Yに装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−６１／Ａ＞：アメリカ軍の共用キャリッジ・アッセンブリ／SDBキャリッジシステム。SDBを前後両舷に４発搭載するスマートボム・エジェクターラックで、空気圧により射出する。MIL-STD-1760インターフェースを内蔵しており、飛行中に目標情報更新や信管調整などが行える。中央部の幅が広くなっていて、ここにLAU-116/Aを横に２基並べて装着し、AIM-120を２発搭載するマルチ・エジェクション・ラック（MER）として使うこともできる。全長3.63m、全幅0.36m、重量145kg。F-15E、B-2Aに装着可能。参考：月刊軍事研究8,’16、12,’04、月刊JWings10,’12、月刊航空ファン9,’16

＜ＢＲＵ−６５／Ａ＞：アメリカ軍のボムラック。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−６７／Ａ＞：アメリカ軍の空圧（ニューマチック）式エジェクターラック。BRU-68/Aより一回り小さく、サスペンションラグ14インチ（356mm）専用なので2000ポンド（908kg）級兵装は装着できず、最大1000ポンド（454kg）となっている。全長33.7インチ（856mm）、重量65ポンド（29.5kg）。F-35Bのウェポンベイ内Sta4/8に装着される。参考：月刊軍事研究3,’18、9,'15、月刊JWings10,’12、月刊航空ファン10,’17

＜ＢＲＵ−６８／Ａ＞：アメリカ軍の空圧（ニューマチック）式エジェクターラック。F-35のウェポンベイ内部に装着するため、安全を考慮して火薬ではなく5000psiの高圧空気により兵装を射出する。サスペンションラグ14インチ（356mm）／30インチ（762mm）の両方に対応する。長さ36.8インチ（935mm）、重量85.5ポンド（38.8kg）。F-35A/CのSta2-4及びSta8-10、F-35BのSta2/3/9/10に装着される。参考：月刊軍事研究3,’18、9,'15、月刊JWings10,’12、月刊航空ファン10,’17

＜ＢＲＵ−６９／Ａ＞：アメリカ軍の多目的ボムラック。F-16、F-35、F/A-18、EA-18G、A-10に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＢＲＵ−７５／Ａ＞：アメリカ軍のボムラックで、EXELIS社が開発した。14インチ（356mm）ラグ専用である。P-8Aの爆弾倉Sta.5-9に内蔵されており、胴体前部下面Sta.3/4のSUU-93/Aパイロンにも装着可能。参考：月刊航空ファン2,’17、10,’15

＜ＢＲＵ−７６／Ａ＞：アメリカ軍のボムラックで、EXELIS社が開発した。P-8Aの主翼下Sta.1/2/10/11のSUU-92/Aパイロンに装着可能で、ハープーンなどを装着できる。参考：月刊航空ファン2,’17、10,’15、3,’17

＜ＢＲＶ−Ｏ＞：AMジェネラル社がJLTVに応募した４×４輪軽装甲車で、Blast Resistant Vehicle-Off roadの略であり、ブラヴォーと読む。車体にはモジュラー装甲を適用し、乗員スペースはカプセル型コクピットとして座席は天井から吊り下げ、防御力を強化した。タッチパネル、GPS航法装置、ワイヤレスデータ通信装置などC4ISR機器を完備する。エンジンはAMジェネラル社製OPTIMIZER3200ターボディーゼル（総排気量3200cc、300馬力）、最大速度112km、最大行動半径480km。最大搭載量3500ポンド（1588kg）。L-ATVに負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究7,’16

＜ＢＲＹ＞：RPG-7海外シリーズ（対戦車ロケット）を参照。

＜Ｂｒｙｚａ−１Ｒ＞：PZL M-28（対潜哨戒機）を参照。

＜ＢＳ＞：FT17戦車ファミリーまたはブロンズスター章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＢＳ＞：Bolishaya Podbodnaya Rodka Spetsialina（第１級・第２級大型特務潜水艦を表すロシア語）またはBomb Squadron（爆撃飛行隊）の略。参考：現代の潜水艦、月刊航空ファン8,’16

＜ＢＳ３＞：ロシア製100mm対戦車砲。北朝鮮軍も使用。参考：月刊PANZER5,’03

＜ＢＳ５＞：イギリスのミッチェル・ブラウン社が開発したスチームカタパルトで、サン・パウロ級空母に搭載されている。レール長50m、射出重量23トン（20トン？）、射出速力91ノット（110ノット？）。参考：月刊軍事研究4,’13、月刊世界の艦船10,’16

＜ＢＳ−２２８＞：Il-28爆撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＢＳ−４１１＞：K-411（原潜）を参照。

＜Ｂｓ．Ａｈ．０４２＞：ドイツ軍の20トン級戦車輸送用８輪トレーラー。全長13.9m、全幅2.99m、全高2.45m、車体重量12トン。搭載重量20トン。参考：月刊PANZER4,’05

＜Ｂ／ＳＢ−３３＞：Il-10攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＢＳＦ＞：国境警備軍（インド）を参照。

＜ＢＳＦＶ＞：M-2歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＢＳＨ−１＞：Bo-105シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＢＳｈ−２＞：TsKB-55（攻撃機）を参照。

＜ＢＳＫ１６＞：ドイツ軍の戦果確認用ガンカメラで、機銃発射ボタンと連動し、連続撮影を行う。Fw190ではA-5以降の戦闘機型を中心に装備された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＢＳＡＯＭ＞：ダントルカストー級（海外支援艦）を参照。

＜ＢＳＰ＞：弾道ミサイル防衛用信号処理装置で、弾道ミサイルの弾頭とデコイを見分けるために開発されている。参考：月刊軍事研究9,’06

＜ＢＳＲＦ＞：黒海ローテーション・フォースを参照。

＜ＢＳＴ＞：Builder’s Sea Trials（造船所公試）の略。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＢＳＵ＞：爆弾懸架ユニットの略。

＜ＢＳＵ−４９／Ｂ＞：Mk82汎用爆弾用バリュート。参考：月刊JWings11,’12

＜ＢＳＵ−５０／Ｂ＞：Mk84汎用爆弾用バリュート。参考：月刊JWings11,’12

＜ＢＳＵ−８５／Ｂ＞：Mk83汎用爆弾用バリュート。参考：月刊JWings11,’12

＜ＢＳＵ−８６／Ｂ＞：Mk82汎用爆弾用フィン・アッセンブリ。Mk15スネークアイと同様の高抵抗装置で、フィンに長方形の孔が開いているのが特徴である。展開しなければ低抵抗爆弾として使える。参考：月刊JWings11,’12

＜ＢＴ＞：ターター・シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＢＴ＞：ビストロホドヌイ・タンク（快速戦車）の略。参考：月刊PANZER7,’10

＜ＢＴシリーズ＞：ドイツ軍が第２次大戦時に開発した魚雷型爆弾。平頭弾の一種で、対艦攻撃に使用する。実用化はされなかった。参考：歴史群像2,’08付録、月刊丸8,’87

　＜ＢＴ２００＞：200kg型。参考：月刊丸8,’87

　＜ＢＴ４００＞：400kg型。参考：月刊丸8,’87

　＜ＢＴ７００＞：700kg型。参考：月刊丸8,’87

　＜ＢＴ１４００＞：1400kg型。ETC502ラックに装着する。参考：月刊丸8,’87

＜ＢＴ−１＞：アメリカ海軍艦上爆撃機。アメリカ海軍初の単葉艦上機である。ヨークタウン級の竣工に合わせて1934年に要求が出され、ノースロップ社が陸軍向けA-17攻撃機をベースに製作したXBT-1を1935年8月19日に初飛行させ、採用された。機体は全金属製で、主翼は低翼単葉。主脚は主翼下フェアリングに引き込む。全長9.6m、全幅12.6m、総重量3267kg。1938年4月から54機が就役した。参考：月刊世界の艦船10,'22、3,'21、月刊JWings6,’08

＜ＢＴ−１シリーズ＞：ソ連陸軍戦車。参考：月刊PANZER7,’10

＜ＢＴ−１＞：クリスティーM1931戦車（M1930？）２両を農業トラクターという名目で輸入したものである。価格は１両あたり30000ドル。参考：月刊PANZER7,’10、月刊軍事研究12,’06

＜ＢＴ−１Ｓ＞：BT-5をベースに開発した、足周り中心の改良型。装輪走行時にも高い機動性を持たせるため、ステアリングする前部転輪以外全てに動力を伝達するようにした。また、車体側面上部にも傾斜装甲を取り入れた。参考：月刊PANZER1,’98

＜ＢＴ−２シリーズ＞：ソ連陸軍戦車。クリスティーM1931戦車（M1930？）の車体に、ソ連製の砲塔と武装を搭載したものである。1932年から量産された。参考：月刊PANZER2,’04、月刊軍事研究4,’13

　＜ＢＴ−２初期型＞：武装を7.62mm機銃DTの連装としたタイプ。転輪もボックス型に換装されている。装輪走行時にステアリングを行うため、第１転輪のみ形状が違う。サスペンションは転輪ボギーを長いコイルスプリングで支えたもので、第１転輪は横置き、他は縦置きである。重量11トン。エンジンはリバティ液冷ガソリン（400馬力）、最大速度52km（装軌）／72km（装輪）。乗員３名。参考：月刊PANZER7,’10、2,’04

　＜ＢＴ−２後期型＞：最多量産型で、武装を37mm砲PS-2（砲弾重量0.68kg、初速毎秒1030m、装甲貫徹力は射距離366mで30度傾斜装甲板に対し38mm）に換装したもの。後に主砲防楯を外装式とし、主砲右に機銃ボールマウントを追加した。重量11トン。装甲厚は車体全周13mm、砲塔全周13mm、上面10mm。エンジンはリバティ液冷ガソリン（400馬力）、最大速度52km（装軌）／72km（装輪）、航続距離120-150km（装軌）／200-250km（装輪）。参考：月刊軍事研究4,’13、月刊PANZER2,’04、7,’10

　＜ＢＴ−２最後期型＞：武装を45mm戦車砲M1932に換装し、転輪をディスク型に換えたもの。参考：月刊PANZER2,’04

＜ＢＴ２Ｄ＞：AD-1（艦上攻撃機）を参照。

＜ＢＴ−３＞：ソ連陸軍試作戦車。BT-2の改良試作型で、制式名称ではない。第2-4転輪をソリッド型ディスクホイールに変更しており、1932年に開発された。参考：月刊PANZER7,’10、2,’04

＜ＢＴ−３Ｆ＞：ロシアのTractor Plants Concernが開発した水陸両用装甲兵員輸送車。2010年にインドネシア向けとして開発を開始したが、BMP-3Fに負けたため、ロシア海軍歩兵向けに切り替え、2016年9月にモスクワ郊外で開催された陸軍2016軍事技術フォーラムに出展した。車体はBMP-3がベースで、前面に避弾経始を持つ箱型をしており、中央部が一段高い上部構造物となっている。防御力はSTANAG4569レベル４。砲塔は無く、上構上面前部中央のキューポラに7.62mm機銃装備DPV-T遠隔操作兵装ステーションを搭載する。下部転輪はダブルタイプ片側６組。全長7m、全幅3.3m、全高3m、戦闘重量18.5トン。エンジンはディーゼル（500馬力）、最大速度70km、水上最大速力10km、航続距離600km。乗員３名＋乗車歩兵14名。参考：月刊軍事研究1,’17

＜ＢＴ−４＞：ソ連陸軍試作戦車。BT-2の改良型で、右側砲塔に37mm砲、左側砲塔に7.62mm機銃を装備する双砲塔型である。20両のみ試作された。参考：月刊PANZER7,’10、2,’04

＜ＢＴ−５シリーズ＞：ソ連陸軍戦車。BT-2の改良型で、1932年から開発された。参考：月刊PANZER5,’13、7,’10

＜ＢＴ−５＞：車体はBT-2のままで、T-26と同じ45mm戦車砲M1932装備砲塔を載せている。装軌・装輪併用のため、履帯は鉄板をピンで留めた簡単なものである。砲塔は２名用で、大型ではあるが45mm砲を搭載するにはやや狭く、砲耳と防楯は砲塔の外に設けた。主砲右に同軸7.62mm機銃DT、砲塔上面に視察照準潜望鏡を装備する。砲塔形状は初期型は円筒形だったが、後期型では後部にバスルを追加して馬蹄形になった。戦闘重量11.5トン。エンジンはM5液冷４サイクル90度Ｖ型12気筒ガソリン（350馬力）、トランスミッションはスライティング式（前進４段・後進１段）、最大速度52km（装軌）／111km（装輪）、燃料搭載量333リットル、航続距離201km（装軌）／301km（装輪）。乗員３名。1933-35年に各型合わせて1900両が生産された。参考：月刊PANZER2,’04、5,’13、7,’10、月刊軍事研究12,’06

＜ＢＴ−５−ＩＳ＞：車体後部形状を変更し、大型円筒状マフラーを廃止したタイプ。参考：月刊PANZER7,’10

＜ＢＴ−５ファミリー＞

　＜ＢＴ−５Ａ＞：火力支援型。BT-5の主砲を16.5口径76.2mm短戦車砲M1909/30（使用弾は重量6.42kgの榴弾。初速毎秒381m、最大射程6600m、発射速度毎分10-15発）に換装している。参考：月刊PANZER5,’13

　＜ＢＴ−５Ｖ＞：砲塔にかんざし式アンテナを取り付けた車両。大隊長用とされる。参考：月刊PANZER2,’04

＜ＢＴ−６＞：初教６型シリーズ（練習機）を参照。

＜ＢＴ−６＞：ソ連陸軍戦車。BT-5の改良型で、下部転輪を空気タイヤに変更し、車体前部に装輪走行時操向用小転輪を追加、砲塔を拡大し、45mm戦車砲M1932の左右にボールマウント式7.62mm機銃DTを１丁ずつ装備した。少数のみ生産された。参考：月刊PANZER5,’13

＜ＢＴ−７シリーズ＞：ソ連陸軍戦車。スペイン内乱の戦訓を取り入れ、BT-5の車体防御力を強化したものである。ただしあくまでもT-34・KV-1誕生までの繋ぎだった。被弾時にリベットが飛んで乗員が負傷するのを防ぐため、装甲を溶接式（技術はドイツから導入した）とし、加えて傾斜装甲を取り入れて防御力を向上させた。また、エンジンを換装して航続距離の延伸を行った。1935年からハリコフ機関車工場で生産に入り、計5433両が生産された。ノモンハン事件、ポーランド侵攻、冬戦争、継続戦争に投入されている。参考：月刊PANZER7,’10、11,’03、5,’13

　＜ＢＴ−７初期生産型（１９３５年型）＞：BT-7-1ともいう。車体の主要部を溶接構造とし、車体前面装甲厚13mmから20mmに強化、車体設計も変更して前面に傾斜装甲を取り入れた。操縦手前面には大型ハッチがあり、大きく開くので非戦闘時は視界が良いが、覘視孔が１つしか無いので戦闘中の視界は狭い。砲塔直下にあたる車体底部には乗員脱出用ハッチがある。エンジンを換装し、車体後部を延長して燃料タンクを併設、左右フェンダー上にも燃料タンクを増設して搭載燃料を620リットルとし、航続距離を延伸している。懸架装置はコイルスプリングとベル・クランク式で、ストロークは356mmもある。下部転輪は４枚、前方に誘導輪、後部に起動輪があり、上部転輪は無い。装輪時は起動輪から第４転輪にチェーンで動力を伝達する。操向には装軌時が左右１本ずつの操向レバー、装輪時が取り外し式ハンドル（第１転輪がステアリングする）を使う。装軌から装輪への転換には30分、装輪から装軌への転換には40分かかる。砲塔はBT-5後期型と同じ砲塔バスルを持つタイプだが、組み立ては溶接に変更された。砲塔上面には２つのハッチが横に並んでいる。戦闘中の視野は砲塔側面のスリットと砲塔上面の照準兼用潜望鏡で得るが、視界はあまり良くない。かといってハッチを開けた場合、前開きなので身を乗り出さないと前が見えず、狙撃を受けることが多かった。全長5.66m、全幅2.29m、全高2.42m、全備重量13.8トン。主砲は46.2口径45mm戦車砲M1932（172発）で、俯仰角マイナス４度からプラス40度、発射速度毎分10発（訓練次第で20発）。副武装は同軸7.62mm機銃DT１丁（2394発）。装甲厚は車体前面上部20mm、前面下部・側面15mm、後面13mm、上面10mm、底面6mm、砲塔前側面15mm、後面10mm、上面10mm。エンジンはM-17液冷４サイクル90度Ｖ型12気筒ガソリン（450馬力。ドイツBMW製航空機用BMW�Yのライセンス生産型）、トランスミッションはスライディング・メッシュ式前進３段・後進１段、最大速度52km（装軌）／72km（装輪）、航続距離375km（装軌。275km説あり）／500km（装輪）。乗員３名（車長、操縦手、砲手兼装填手）。参考：月刊PANZER7,’10、11,’03、5,’13、2,’04

　＜ＢＴ−７（１９３８年型）＞：BT-7-2ともいう。砲塔も避弾経始を考慮したタイプだが、砲塔装甲厚は変更されておらず、傾斜も浅いので、どれだけの効果があったかは不明である。参考：月刊PANZER7,’10、11,’03

　＜ＢＴ−７Ｍ＞：1938年型のエンジンをV-2ディーゼルに変更したタイプ。燃料の入れ間違いを予防するため、機関室点検ハッチ上の吸気口カバーがかなり小さくなっている。最大速度62km（装軌）／86km（装輪）、航続距離400km（装軌）／900km（装輪）。1938-41年に706両が生産された。参考：月刊PANZER7,’10

＜ＢＴ−７ファミリー＞

　＜ＢＴ−７Ａ＞：火力支援型。M1909山砲を車載化した16.5口径76.2mm短砲身砲M1909/30（50発）を装備したもので、副武装は砲塔後部のボールマウント式7.62mm機銃DT。1938年までに150両が生産された。長砲身型も試作されたが、量産には至らなかった。参考：月刊PANZER7,’10、5,’13

　＜ＢＴ−７−１Ｖ＞：指揮戦車型。砲塔上部に鉢巻アンテナを装備している。参考：月刊PANZER11,’03、2,’04

　＜ＢＴ−７−ＴＵ＞：指揮戦車型。主砲弾搭載数を132発に減らし、砲塔後部バスルに71-TK-1無線機を搭載したもので、砲塔上部に鉢巻アンテナがある。ただし目立って真っ先にやられたため、後にアンテナをホイップ型に変更した。参考：月刊PANZER7,’10

＜ＢＴ−７海外ファミリー＞

　＜ＢＴ−４２＞：フィンランド陸軍突撃砲。鹵獲したBT-7（1937年型）を改造したもので、砲塔を一回り大きくし、第１次大戦時に使用した114mm榴弾砲を搭載している。18両が改造されて突撃砲大隊に装備された。参考：月刊軍事研究8,’11

＜ＢＴ−９練習機シリーズ＞：アメリカ陸軍の練習機、別名エール。ノースアメリカン社が1935年に自主開発したNA16を採用したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＢＴ−９＞：固定脚と２翅プロペラを持つ低翼単葉機である。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＢＴ−９Ｂ＞：全長8.4m、全幅12.8m、全高4.1m、自重1500kg、全備重量2030kg。エンジンはライトR-975-7（400馬力）単発、最大速度274km、実用上昇限度6020m、航続時間６時間。武装は7.7mm機銃２丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＢＴ−１４＞：胴体を羽布張りから金属に換えたもの。251機が1940年に発注された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＢＴ−１２練習機＞：アメリカ陸軍基本練習機、別名ソフォモア（高校・大学２年生）。フリートウイングズ社が開発し、試作機は1939年に初飛行した。量産機176機が発注されたが、初号機引き渡しは1942年に遅れ、その後も生産が進まなかったため、1943年に試作機１機＋量産機23機で打ち切りとされている。参考：月刊JWings8,’20

＜ＢＴ−１３練習機シリーズ＞：アメリカ陸軍基本練習機、別名バリアント（Valiant）。ヴァルティ社がBC-51引き込み脚高等練習機を開発したものの採用されなかったため、固定脚にしてエンジン出力も落としたモデル54Aをプライベートベンチャーで開発、基本練習機として採用されたものである。総生産数9600機以上。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊航空ファン9,’16

　＜ＢＴ−１３＞：1939年9月に採用された。羽布張りの舵面を除いて全金属製で、主翼は低翼配置のスロッテッドフラップ付き、降着装置は固定脚。エンジンはR-985（450馬力）単発。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＢＴ−１３Ａ＞：細部改修型。全長8.8m、全幅12.9m、全高3.8m、自重1520kg、全備重量1980kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-985-AN-1（450馬力）単発、巡航速度224km、最大速度293km、実用上昇限度5030m、航続距離820km。乗員２名。6407機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＢＴ−１３Ｂ＞：電気系統を24ボルトにしたもの。1125機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＢＴ−１５＞：エンジンが足らなくなったので、ライト社製R-975-11ホワールウインドに変更したタイプ。1944年までに1693機を生産した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊航空ファン9,’16

＜ＢＴ−１３練習機・海外シリーズ＞

　＜ＢＴ−１３Ａ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍練習機。1950年にアメリカから40機を導入し、1970年頃まで配備した。参考：月刊航空ファン6,’17

＜ＢＴ−１４＞：BT-9シリーズ（練習機）を参照。

＜ＢＴ−１５＞：BT-13シリーズ（練習機）を参照。

＜ＢＴ−３２＞：T-32輸送機・海外ファミリーを参照。

＜ＢＴ−４２＞：BT-7戦車・海外ファミリーを参照。

＜ＢＴ−６７＞：C-47シリーズ（輸送機）を参照。

＜ＢＴ−１１４＞：ロシア海軍ソーニャ型掃海艇。2021年6月18日1100頃、グリシャ�X型警備艦ソヴィエツカヤ・ガヴァニ、同コレーツ、ソーニャ型掃海艇BT232と共に、宗谷岬西北西150kmを東に航行するのを、第２航空群P-3CとPG-825わかたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に向かっている。参考：月刊世界の艦船3,’22

＜ＢＴ−１１５＞：ロシア海軍ソーニャ型掃海艇。2017年7月23日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日の式典予行に参加。7月30日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日の式典に参加。2021年7月25日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日祝賀行事（艦艇パレード）に参加。参考：月刊世界の艦船10,’15、11,’17、10,’21

＜ＢＴ−２１２＞：ロシア海軍ソーニャ型掃海艇。参考：月刊世界の艦船10,’15

＜ＢＴ−２１５＞：ロシア海軍ソーニャ型掃海艇。2015年8月16日1230頃、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガバニ、グリシャ�V型警備艦ホルムスク、タランタル�V型ミサイル艇R-18、同R-19、同R-20、同R-261、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ソーニャ型掃海艇BT-232と共に、宗谷岬の西南西190-230kmを北東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進み、オホーツク海に入っている。9月2日、サハリン南部コルサコフ沖で第２次大戦戦勝70周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船10,’13、11,’15

＜ＢＴ−２３２＞：ロシア海軍ソーニャ型掃海艇。2015年8月16日1230頃、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガバニ、グリシャ�V型警備艦ホルムスク、タランタル�V型ミサイル艇R-18、同R-19、同R-20、同R-261、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ソーニャ型掃海艇BT-215、同BT-232と共に、宗谷岬の西南西190-230kmを北東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進み、オホーツク海に入っている。9月2日、サハリン南部コルサコフ沖で第２次大戦戦勝70周年記念観艦式に参加。2021年6月18日1100頃、グリシャ�X型警備艦ソヴィエツカヤ・ガヴァニ、同コレーツ、ソーニャ型掃海艇BT114と共に、宗谷岬西北西150kmを東に航行するのを、第２航空群P-3CとPG-825わかたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に向かっている。参考：月刊世界の艦船11,’15、3,’22

＜ＢＴ−２５６＞：ロシア海軍ソーニャ型掃海艇。2013年7月13-14日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦ウスト・イリムスク、同メテル、同ステリャーク、タランタル�U型ミサイル艇R-79、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、同R-19、同R-20、ソーニャ型掃海艇艇番号553、ロプーチャ�T型揚陸艦オスラビア、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ドゥブナ級補給艦イルクート、フィニク型測量艦GS-397、ユグ型海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、オビ型病院船イルティシュ、ゴーリン型航洋曳船SB-522、ソルム型航洋曳船MB-99、中国海軍051C型ミサイル駆逐艦116石家荘、同115瀋陽、054A級フリゲート538煙台、同546塩城、福清型補給艦881洪澤湖と共に宗谷海峡を東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。8月12日、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガバニ、同ステリャーク、同ウスト・イリムスク、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、ソーニャ型掃海艇艇番号553、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマ、フィニク型測量艦GS-397と共に、宗谷岬の西南西250kmを北東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。2014年9月26日1830頃、グリシャ�X型警備艦MPK82、同コレーツ、タランタル�V型ミサイル艇R-19、同R-24、同艦番号991（他にもう３隻）、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、ソーニャ型掃海艇艇番号553、同BT-256と共に宗谷岬の北40kmを西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。2018年9月1日2130頃から9月2日1600頃、バルザム級情報収集艦プリバルティカ、イーゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフ、ソーニャ級沿岸掃海艇艇番号553、同593、ロプーチャ�U級戦車揚陸艦ペレスウェート、ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、プロジェクト20381型ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、グリシャ�X型警備艦メテル、同MPK221、同ウスト・イリムスク、同コレーツ、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、タランタル�V級ミサイル艇７隻、バクラザン級救難曳船１隻、改アルタイ級補給艦１隻、トプリボ級給油艦１隻、カシュタン級設標艦１隻、オビ級病院船１隻と共に、宗谷岬北東210kmを西に航行するのを、DD-103ゆうだち、PG-825わかたか、第２航空群P-3Cが確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進み、日本海に向かっている。参考：月刊世界の艦船11,’13、12,’14、3,’19

＜ＢＴ５９２−２＞：弾薬運搬車（航空自衛隊）を参照。

＜ＢＴＤ−１＞：アメリカ海軍艦上攻撃機、別名デストロイヤー（Destroyer）。XSB2D-1が重量過大などにより没になりそうだったので、単座軽量化型としてアメリカ海軍がダグラス社に引き続き開発させた。単座にして軽量化、部品も極力安価で生産が容易なものに切り替え、XSB2Dの生産ラインをそのまま流用できるようにしている。後席は燃料タンクに変更してキャノピーを短縮し、ドーザルフィンを前に延ばした。XSB2D-1で低速時の安定性不良が指摘されていたため、更に垂直尾翼を0.27mほど延長、水平尾翼も拡大している。主翼は中翼配置の逆ガル翼で、外翼上反角を４度減らして10度にした。ダイブブレーキは当初XSB2D-1と同じ外翼上下に装備していたが、量産途中で胴体下面に４枚と両側面に１枚ずつ装着するようになった。全長11.8m、全幅13.7m、全高4.14m、自重5240kg、全備重量8620kg。エンジンはライト社製R-3350-14（2300馬力）、最大速度554km、上昇限度7200m、航続距離2400km。固定武装は20mm機関砲２門（主翼屈曲部内翼側）。中央翼爆弾倉内に爆弾や魚雷２本など1450kgを搭載できる。乗員１名。1944年3月5日に初号機が初飛行し、SB2D-1の量産発注を振り替える形で358機が発注されたが、1944年6月から1945年10月まで28機（26機？）を生産したところで太平洋戦争が終わり、量産打ち切りになってしまった。うち２機がXBTD-2試作混合動力艦攻に改造されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings1,’20、週刊エアクラフトNo.137、月刊航空ファン7,’99

＜ＢＴＥ−５０＞：ロシア海軍がカリーナ級潜水艦用に開発した固体ポリマー燃料エレメントTPTE。燃料電池式AIPの一種で、水素供給源としてディーゼル燃料を使い、炭化水素燃料転換機により水素を取り出す方式にしてあり、扱いが難しく嵩張る液体水素タンクや、高価で重い水素貯蔵合金が要らない。出力250-450kW。2021年頃に完成する予定。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＢＴＧＭ−１００＞：スウェーデン軍の機雷で、別名ロックマン。全長1.01m、幅0.8m、高さ0.385m、重量190kg。敷設深度5-100m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＢＴＨモード＞：AN/APY-2（レーダー）を参照。

＜ＢＴＭＰ８４＞：ウクライナ陸軍の重歩兵戦闘車両。ハリコフ・モロゾフ機械製作設計所が設計し、マルイシェフ工場が生産した。T-84主力戦車の車体を改造したものがベースで、T-84と同等の防御力（爆発性反応装甲＋複合装甲）を有し、共同作戦に就く。砲塔はT-84と同じで、125mm滑腔砲KBA3、7.62mm同軸機銃、12.7mm機銃を搭載する。主砲弾数は30発に減らし、エンジン区画を再設計、砲塔後方に兵員区画を設けた。左側に通路があり、通路の屋根は上に、ドアは右に開く。重量50トン。エンジンは6TD2ディーゼル（1200馬力）で、パワーパック化されており、路上最大速度70km、航続距離450km。乗員３名（車長、操縦手、砲手）＋乗車歩兵５名。参考：月刊軍事研究1,’01、6,’02、月刊PANZER2,’02

＜ＢＴＲ＞：Bronie TRansportier（装甲兵員輸送車）またはBearing-Time Recorder（方位対時間記録器）の略。参考：現代の潜水艦、月刊軍事研究4,’18

＜ＢＴＲ−３シリーズ＞：ウクライナのキエフ・アーマード・プラント社がBTR-80をベースに開発した８×８輪装甲兵員輸送車。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＢＴＲ−３＞：重量16トン。武装は30mm機関砲１門、7.62mm機銃１丁。乗員３名＋乗車兵員６名。ウクライナ陸軍で2002年からテストを行ったが、装甲板の品質が悪いなどの問題点があり、ウクライナ国防省がメーカーに対して1000ヵ所以上の改修を要求していて、価格も高すぎるとして発注が遅れている。タイ陸軍・海兵隊が採用した。参考：月刊軍事研究3,’17、4,’18

＜ＢＴＲ−３Ｅ１＞：ウクライナ・カルキフ・モロゾフ機械製造設計局が開発した。BTR-80の改良型で、車高を上げて車内容積を拡大し、武装を30mm機関砲ZTM-1、7.62mm機銃、40mm自動擲弾発射機として火力も強化した。オプションで対戦車ミサイルランチャー２基の搭載も可能である。エンジンはUDT-20ディーゼル、トランスミッションはマニュアル式。参考：月刊軍事研究5,’07、7,’14

＜ＢＴＲ−３海外シリーズ＞

＜ＢＴＲ−３Ｅ＞：タイ陸軍８×８輪装甲兵員輸送車。ウクライナ防衛産業グループUkroboronpromとベルギーのCMIディフェンス社が開発した。CMI社製CSE90LP砲塔と90mm戦車砲Mk�Vを積んでいる。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＢＴＲ−３Ｅ１＞：タイ陸軍８×８輪歩兵戦闘車。2011年にウクライナへ121両を発注し、2013年から引き渡されたが、ウクライナ紛争勃発で輸入が止まっている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＢＴＲ−３Ｕ＞：UAE陸軍装甲兵員輸送車、別名Guardian。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＢＴＲ−４＞：ウクライナ陸軍８×８輪装輪装甲車。ウクライナのウクロボロンプロム／UKRSPECEXPORTが開発した。BTR-80がベースで、車体後部を兵員室にして後面に観音開きハッチを装備している。装甲兵員輸送車型の他にBM-7パルス無人砲塔（バーアー対戦車ミサイルランチャー２基、30mm機関砲、30mm自動てき弾発射機装備）を搭載した歩兵戦闘車型がある。戦闘重量17.5-21.9トン。エンジンはイベコ社製カーソアC10ディーゼル（430馬力）またはドイツ製Deutz3TDディーゼル、最大速度100km、航続距離690km。乗員３名＋乗車兵員10名（装甲兵員輸送車）／６名（歩兵戦闘車）。ウクライナ紛争後のロシアとの緊張に対応するため100両が追加発注された。参考：月刊軍事研究6,’11、7,’14、月刊PANZER10,’12、4・5,’17

＜ＢＴＲ−４０シリーズ＞：ソ連陸軍４輪装甲兵員輸送車、オブイェークト141。M3ホワイト・スカウトカーを参考にしており、GAZ-63不整地用４輪駆動トラックをベースとして1948年に開発され、1950年に制式採用されて1960年までに各型計8500両が生産された。1956年のハンガリー動乱が初実戦参加。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER2,’00、世界の軍用車両(4)

　＜ＢＴＲ−４０＞：車体はオープントップ式で、兵員室前部にはピントル・マウントがあり、7.62mm機銃SGMT（1250発）を装備する。車体左右には銃眼２つずつがある。全長7.1m、全幅1.9m、全高1.83m、重量5.3トン。最大装甲厚15mm。エンジンはGAZ-40ガソリン（78馬力）、最大速度79km、航続距離285-480km。無線機は10-RT-12。乗員２名＋乗車兵員８名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＢＴＲ−４０Ｂ＞：車体上面に開閉ハッチ付きの装甲フードを装備したもの。前部ハッチをスライドさせてピントル・マウントの7.62mm機銃SGMTを操作する。1957年から生産された。参考：月刊PANZER2,’00

＜ＢＴＲ−４０ファミリー＞

　＜ＢＴＲ−４０Ａ＞：自走対空機関砲型で、14.5mm連装対空機銃ZPU-2（1200発）を搭載する。全長5m、全幅1.9m、全高2.33m、重量5.6トン。エンジンはGAZ-40ガソリン（80馬力）、最大速度75km、航続距離285km。無線機は10-RT-12。乗員4-5名。1951-60年に生産された。ベトナム人民軍にも供与され、ホーチミン・ルートの防空に使用された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＢＴＲ−４０Ｖ＞：タイヤ空気圧調整装置搭載型。1956年に製作されたが、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER2,’00

　＜ＢＴＲ−４０ＺｈＤ＞：鉄道警戒任務型で、折り畳み式の軌道用車輪を装着している。当初は試作のみだったが、1990年代に入ってから内務省に配備された。参考：月刊PANZER2,’00

＜ＢＴＲ−５０シリーズ＞：ソ連陸軍装軌式装甲兵員輸送車、オブイェークト750。1954年に開発された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER5,’83

＜ＢＴＲ−５０Ｐ＞：PT-76がベースで、砲塔を外して戦闘室をオープントップの兵員室に改造している。車体前部に起倒式の波避け板を持つ。車体前部左に車長席、中央に操縦手席があり、それぞれにペリスコープ３基の付いたハッチが用意されている。兵員室前部左に円筒形のキューポラがある。車体後部にエンジンがあるため、兵員の出入りが上部からしかできず不便で、乗車時も側面が登りにくい。下部転輪は片側６個でサスペンションはトーションバー式、誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上部転輪は無い。ウォータージェットによる水上航行が可能で、逆噴射ノズルも搭載している。機関室上部に２本のランプを渡して２トンまでの貨物を積んだまま渡河が可能だが、乾舷が0.2mしかないので荒天時には渡河できない。BMP-1の制式化と共に退役し、東欧諸国などに供与された。全長7.07m、全幅3.14m、全高2.03m、重量14.2トン。武装は7.62mm機銃SGMB１丁（1250発）。最大装甲厚13mm。エンジンはV-6水冷６気筒ディーゼル（240馬力）、路上最大速度44.6km、水上最大速力10km、航続距離260km。無線機は10-RTまたはR-113。乗員２名（車長、操縦手）＋乗車兵員20名（18名？）。参考：月刊PANZER7,’04、5,’83、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＴＲ−５０ＰＡ＞：対空防御用KPVT重機関銃をキューポラ上のリングマウントに搭載したタイプ。俯仰角マイナス3.5度からプラス85度、全周旋回可能。BTR-50Pの量産開始直後に開発され、完成後は本型の生産に移行した。参考：月刊PANZER3,’00、7,’04

＜ＢＴＲ−５０ＰＫ＞：クローズドトップ型で、1958年に制式化された。兵員室上部に外開きの長方形ハッチを設け、ヘッドライトを改修し、NBC防護用PAZエアフィルターを装備、操縦手用TVN-2B赤外線暗視装置を搭載し、エンジンを消火装置付きのV-6Vに換装した。兵員室側面には1-2ヵ所のガンポートが設けられている。搭乗兵員数は12名で、1.3個分隊と中途半端な人数である。兵員室上部に82mm無反動砲B-10を搭載したりもしている。後期型では前面右の視察装置上方に赤外線ライトまたはサーチライトが装備されていることが多い。BTR-60の生産が軌道に乗ると順次退役した。参考：月刊PANZER7,’04、3,’00、5,’83、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＴＲ−５０ファミリー＞

＜ＢＴＲ−５０ＰＮ＞：指揮車型で、1958年に製造された。PK型ベースで、操縦手の右側にも視察装置付キューポラを備え、上級司令部通信用の2KVr/sを搭載している。参考：月刊PANZER3,’00、7,’04

＜ＢＴＲ−５０ＰＵ（アメリカ軍分類１型）＞：指揮車型で、PNの改良型。兵員室上部のハッチが長円形に変更され、内開きになっている。アンテナポストを４ヵ所に増設し、各種通信機器を搭載、放熱用ベンチレーターを３ヵ所に追加した。指揮官、操縦手、指揮部将校３名、通信要員４名が搭乗する。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＴＲ−５０ＰＵ（アメリカ軍分類１Ａ型）＞：指揮車型で、１型の車体右前方に四角形のボックスを新設したタイプ。中身は不明。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＴＲ−５０ＰＵ（アメリカ軍分類２型）＞：指揮車型。１型の改良型で、兵員室前部のキューポラが２つに増えている。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＴＲ−５０ＰＵ（アメリカ軍分類２Ａ型）＞：指揮車型で、２型の車体右前方に四角形のボックスを新設したタイプ。中身は不明。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＴＲ−５０ＰＵＭ＞：指揮車型で、BTR-50PUの改良型。アメリカ軍分類２型のことらしい。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＴＲ−５０ＰＵＭ１＞：指揮車型で、PUMの内部機器を変更したタイプらしい。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＭＴＫ＞：地雷除去車。PK型の車体上部にUR-67地雷爆破用ロケット発射機を設けて爆索により誘爆させるか、マインプラウで地雷を掘り出して除去する。幅15mの通路を啓開できる。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＭＴＰ−１＞：技術支援車両で、修理技術要員を載せて車両の整備修理を行う。PK型ベースで、兵員室天井をかさ上げして作業スペースを確保しており、車体前面にサーチライト、車体後部に容量15トンのアンカーとリカバリー用フックを搭載する。クレーンは無い。自衛用に銃眼２ヵ所を持ち、7.62mm機銃PKT２丁を装備する。NBC防護装置も搭載している。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＰＲＯ＞：訓練用移動コマンドポスト車。Ｐ型ベースの車体前部にスピーカーを装備する。空挺部隊で将校養成教育に使用された。参考：月刊PANZER7,’04

　＜ＺＴＰＵ−２＞：自走対空機関銃型で、Ｐ型に14.5mm機銃KPV連装銃架を搭載したものである。1955年に試作車が完成したが、採用はされなかった。参考：月刊PANZER7,’04

　＜ＺＴＰＵ−４＞：自走対空機関銃型で、Ｐ型に14.5mm機銃KPV４連装銃架を搭載したもの。こちらも採用されなかった。参考：月刊PANZER7,’04

　＜対戦車自走砲＞：対戦車自走砲型。1943年式57mm対戦車砲または1942年式76.2mm対戦車砲ZIS-3を兵員室に搭載し、砲操作員５名と弾薬25発を収容する。参考：月刊PANZER7,’04

　＜ピングウィン＞：雪上車型で、ペンギンの意味。PU型をベースに開発され、南極観測などに使用された。参考：月刊PANZER7,’04

＜ＢＴＲ−５０海外シリーズ＞

　＜ＢＴＲ−５０Ｓ＞：セルビアが開発した改良型。エンジンを10V003ディーゼル（350馬力）に換装し、M91P砲塔を搭載した。戦闘重量12.46トン。参考：月刊軍事研究9,’11

　＜ＢＴＲ−５０エンジン改良型（ウクライナ）＞：エンジンをハリコフ設計局製3TD-2ディーゼル（350馬力）に、トランスミッションをマニュアル式前進７速・後進１速に変更し、路上最大速度60km、水上最大速力12kmとしている。参考：月刊PANZER1,’02

　＜ＯＴ−６２シリーズ＞：OT-62シリーズを参照。

　＜ＴＯＰＡＳシリーズ＞：OT-62海外シリーズを参照。

＜ＢＴＲ−５０海外ファミリー＞

　＜ＤＴＰ−６２＞：OT-62装甲車ファミリーを参照。

　＜ＯＴ−６２Ｒ＞：OT-62装甲車ファミリーを参照。

　＜ＴＯＰＡＳファミリー＞：OT-62装甲車ファミリーを参照。

　＜ＷＰＴ＞：OT-62装甲車ファミリーを参照。

＜ＢＴＲ−６０シリーズ＞：ソ連陸軍８輪装甲車。BTR-152の路外機動能力が低く、渡渉能力も無かったため、行動力改善型として６輪装甲車ZIL-153と共に開発され、1959年にGAZ-49の名で試作車が完成し、11月13日にZIL-153よりも不整地踏破能力に優れるとして採用され、1960-76年に25000両が生産された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4)

　＜ＢＴＲ−６０Ｐ＞：最初の量産型。オープントップの兵員室に14名が搭乗する。武装は兵員室の前端と両側のピントル・マウントに装備した7.62mm機銃SGMB（1250発）または12.7mm機銃。エンジンは２基積んでおり、１・３軸と２・４軸をそれぞれ駆動させることで一方が故障しても走行可能とした。ただし効率は悪く、被弾時の耐久性に難がある。サスペンションはトーションバー式で、タイヤには空気圧調整装置も備える。全長7.22m、全幅2.906m、全高2.105m、重量9.9トン。最大装甲厚10mm。エンジンはGAZ-49ガソリン（90馬力）２基、路上最大速度80km、水上最大速力10km、航続距離500km。無線機はR-113。1960-63年に生産され、1980年まで第一線で運用されていた。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4)

　＜ＢＴＲ−６０ＰＡ＞：BTR-60Pの改良型。兵員室を完全密封型として核戦争に対応できるようにしたもので、乗車兵員数は10名に減り、車体上面のハッチ３枚から乗降する。武装は車体前部・車体両側のピントル・マウントに装備した遠隔操作式7.62mm機銃PKT（1250発）または12.7mm重機関銃DShK。全長7.22m、全幅2.906m、全高2.375m、重量10.2トン。最大装甲厚8mm。エンジンはGAZ-49ガソリンエンジン（90馬力）２基、路上最大速度80km、水上最大速力10km、航続距離500km。無線機はR-113。乗員２名＋乗車兵員10名。1963年から生産された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4)

　＜ＢＴＲ−６０ＰＢ＞：BTR-60PAの改良型。BRDM-2と同様の、14.5mm重機関銃KPVT（500発）と7.62mm機銃PKT（2000発）を装備する全周旋回式小型銃塔を搭載している。機銃の俯仰角はマイナス５度からプラス30度。銃塔を載せた分、乗車兵員が８名（１個分隊）に減った。車体上面のハッチも２枚に減ったため、車体側面に小型の乗降用ハッチが追加されたが、小さすぎて不便である。水上航行が可能だが、波高0.6mまでに限られる。全長7.22m、全幅2.825m、全高2.42m、重量10.3トン。最大装甲厚10mm。エンジンはGAZ-49Bガソリン（90馬力）２基、路上最大速度80km、水上最大速力10km、航続距離500km。無線機はR-123。乗員３名＋乗車兵員８名。1966-76年に生産された。アフガニスタン侵攻でも多数が使用されたが、機銃の仰角が少ないため高地の敵を撃てないこと、被弾時に発火しやすいガソリンエンジンを２基装備していることなどから損害は大きかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92、月刊丸12,’90

　＜ＢＴＲ−６０ＰＺ＞：BTR-60PBの改良型で、機銃の仰角を60度に増している。1972年から少数が生産された。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＢＴＲ−６０ＰＢＭ＞：BTR-60PBの足回りを改良し、エンジンをKamAZ7403ターボチャージド・ディーゼル（260馬力）に換装、最大速度を100kmに、航続距離を600kmにした。砲塔はBTR-80と共通のBPU1で、最大仰角がプラス60度に増加しており、航空機や高層ビル内の目標と交戦できる。無線機はR168-25UまたはR173に換装し、ガンマ２地上航法システムを搭載した。追加装甲を貼り付けて防御力も強化している。重量11.6トン。参考：月刊軍事研究9,’05、世界の軍用車両(4)

＜ＢＴＲ−６０ファミリー＞

　＜ＢＴＲ−６０−１４５ＢＭ＞：装甲指揮車型。機械化歩兵大隊の指揮用で、武装は外され、フレームアンテナを搭載する。参考：月刊PANZER8,’04

　＜ＢＴＲ−６０ＰＵ＞：指揮通信車型。兵員スペースに各種通信機材を積み込み、砲塔を外して車体上に「クローセス・ライン」フレームアンテナを設けている。また、車体上中央には伸縮式の「ホークアイ」アンテナがあり、10m伸ばしてコマンド・ポストを設営できる。参考：月刊PANZER4,’98

　＜ＧＡＺ−５０＞：試作歩兵戦闘車型。BTR-60PBの車体にBMP-1の砲塔を搭載したもので、1971年に試作された。全長7.465m、全幅2.8m、全高2.142m、重量13トン。最大装甲厚10mm。エンジンはガソリン（120馬力）２基、路上最大速度80km、水上最大速力10km、路上航続距離700km。砲塔の武装は73mm低圧砲2A28（40発）、7.62mm同軸機銃PKT（2000発）、9M14M対戦車ミサイル（４発）単装発射レール１基。無線機はR-123M。乗員10名。機動性能で戦車に劣るため、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜クリョン−１＞：指揮用装甲車1V18。BTR-60PBの砲塔の14.5mm機関銃を外し、1T121-19・PAB-2A観測鏡、DAK-1射程測定装置、NNP-21暗視観測装置などの機材や、R-123M近距離車両用無線機、R-107M長距離無線機を搭載している。全長7.22m、全幅2.825m、全高2.69m、重量10.3トン。最大装甲厚10mm。エンジンはGAZ-49Bガソリン（90馬力）２基、路上最大速度80km、水上最大速力9-10km、路上航続距離290km。武装は7.62mm機銃PKM（600発）。乗員５名。1970年に開発され、砲兵中隊の指揮班に配備された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜クリョン−２＞：指揮用装甲車。クリョン-1にR-130M無線機を増設したもので、砲兵大隊本部に配備された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＴＲ−６０海外シリーズ＞

　＜ＢＴＲ−６０ＰＢ−ＭＤ１＞：ブルガリア陸軍装輪装甲兵員輸送車。BTR-60PBの独自改良型で、エンジンをカミンズ社製ISB25.30ディーゼル（250馬力）に換装して車体後部形状を変更、車体側面ハッチを大型化し、砲塔上面に新型照準器を装着、砲塔側面に発煙弾発射機を左右４基ずつ搭載している。433両導入したBTR-60PBのうち150両が改良された。参考：月刊PANZER1,’11

　＜ＴＡＢ−７１＞：ルーマニア陸軍装輪装甲兵員輸送車。エンジンを140馬力ガソリン２基に換装し、最大速度を95kmに上げた。1971年に制式化された。参考：月刊PANZER9,’01

　＜ＴＡＢ−７１Ｍ＞：ルーマニア陸軍装輪装甲兵員輸送車。TAB-71に新型銃塔を搭載したもので、武装は同じだが、銃塔左に照準器を設けている。参考：月刊PANZER9,’01

＜ＢＴＲ−６０海外ファミリー＞

　＜シャラム＞：イラン陸軍NBC偵察車。NBC防護装置とNBCセンサーを追加している。2016年4月13日に初公開された。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＢＴＲ−７０シリーズ＞：ソ連陸軍の装輪式装甲兵員輸送車。BTR-60PBの後継として1972年から開発し、1976年から量産した。アフガン侵攻ではガソリンに引火して爆発を起こすことが多く、BTR-60PBと共にコレースヌィ・グロブ（車輪付きの墓標）というニックネームを付けられてしまった。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＢＴＲ−７０＞：BTR-60PBの車体中央下部に歩兵用乗降ドアを追加し、車外視察用ビジョンブロックを増設、車高を0.2m下げた。また、機銃の仰角を60度まで増やしている。しかし機関はガソリンエンジン２基のままで、増設したドアも逆三角形型で小さくて出入りしにくく、1980年代初めには生産が打ち切られた。全長7.535m、全幅2.8m、全高2.235m、重量12トン。武装は銃塔の14.5mm重機関銃KPVT（500発）と7.62mm同軸機銃PKT（2000発）１丁ずつ。最大装甲厚10mm。エンジンはGAZ-49Bガソリン（120馬力。GAZ-66液冷８気筒ガソリン・115馬力という説も）２基、路上最大速度80km、水上最大速力10km、航続距離600km。無線機はR-123M。乗員３名、乗車兵員７名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜ＢＴＲ−７０改＞：BTR-70にBTR-60PBMと同様の改修を加えたもの。砲塔は30mm機関砲2A72とPKT機銃を装備したBPPUに換えられた。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＢＴＲ−７０海外シリーズ＞

　＜ＴＡＢ−７７＞：ルーマニア陸軍装輪式装甲兵員輸送車。エンジンを132馬力ディーゼル２基に換装し、TAB-71Mと同じ銃塔を搭載している。1977年に制式化されたようだ。参考：月刊PANZER9,’01

＜ＢＴＲ−８０シリーズ＞：ソ連陸軍の装輪式装甲兵員輸送車。1986年に量産・配備が始まった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＢＴＲ−８０＞：BTR-70に似た８輪車両で、被弾時の安全性を増すためにディーゼルエンジンを採用、側面の昇降ドアを大型化して乗降を容易にし、兵員室の天井をかさ上げしている。車体前部に操縦室があり、前面に装甲シールド付き窓２つとペリスコープ４基を、操縦室左右に側面視察用ペリスコープ１基ずつを持つ。また車体前面左にはガンポート１基が装備されている。車体前部内側にウインチがある。操縦席後方から車体中央やや後方までが兵員室で、側面に左右３つずつのガンポートと、２基ずつのペリスコープが付く。車体中央左右には乗降用の大型ドアがあり、ここにもガンポートが装備されている。車体後部は機関室で、車体後面には兵員出入り用ドアは無い。砲塔には14.5mm機銃KPVT（500発）と7.62mm同軸機銃PKT（2000発）を装備し、後部に902B発煙弾発射機６基を搭載する。機銃は仰角が80度まで取れ、9K34携帯地対空ミサイルも車内に２発搭載する。砲塔すぐ後ろの車体上部には視察用ペリスコープが左右１基ずつ装備されている。タイヤ圧中央制御システムやNBC防護装置、操縦手・車長・射撃手用暗視装置を標準装備。車体前部のトリムベーンを展開し、エンジンにシュノーケル２本を取り付ければ水上航行できる。全長7.65m、全幅2.9m、全高2.35m、重量13.6トン。最大装甲厚10mm。エンジンはKAMAZ-7403V型８気筒ディーゼル（260馬力）１基、最大速度80-90km（路上）、最大速力9.5km（ウォータージェット）、航続距離600km。無線機はR-123。乗員２名（３名？）＋乗車兵員８名（７名？）。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4) 、月刊PANZER3,’10、週刊ワールドウェポン17

　＜ＢＴＲ−８０Ａ＞：半埋没型砲塔に30mm機関砲2A72（300発）、7.62mm機銃PKTM（2000発）などを搭載したタイプ。俯仰角はマイナス５度からプラス70度。主砲左右に３連装発煙弾発射機を持つ。照準装置は昼間用が1PZ-9（1.2倍と４倍）、夜間用がTPN-3またはTPN-3-42。砲塔リングが大きく、車体前後の行き来が不可能に近い。1994年以降、エンジンがYaMZ-238M2ターボディーゼルに変更されたらしい。ハンガリー、北朝鮮、韓国、スーダンに輸出もされている。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER11,’98

　＜ＢＴＲ−８０Ｍ＞：エンジンを240馬力に換装するなどの改良を加えたタイプ。参考：月刊軍事研究6,’11

　＜ＢＴＲ−８０Ｓ＞：BTR-80Aの武装を14.5mm機銃に変更したタイプ。参考：月刊PANZER3,’98

＜ＢＴＲ−８０ファミリー＞

　＜２Ｓ２３＞：2S23（自走迫撃砲）を参照。

　＜ＢＭＭ−８０＞：装甲患者輸送車型。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＢＲＥＭ−Ｋ＞：装甲回収車。参考：月刊PANZER3,’98

　＜ＢＴＲ−８０Ｋ＞：コマンド・ポスト型。参考：月刊PANZER3,’98

　＜ＲＫｈＭ−４＞：NBC防護偵察車両。参考：月刊PANZER3,’98

　＜ＲＫｈＭ−６＞：NBC防護部隊用NBC偵察車両。複数の探知システム、衛星航法システム、デジタルデータリンクを搭載しており、時速25-50kmで移動しながら最大毎分10平方キロメートルの範囲を偵察する。参考：月刊軍事研究6,’13

＜ＢＴＲ−８０海外シリーズ＞

　＜ＢＴＲ−８０ＵＰ＞：ポーランドのブーマーグループが開発した改良型で、エンジンを強化、車体前側面に増加装甲を装着した。砲塔はBPU-1と呼ばれ、14.5mm機銃、7.62mm同軸機銃、発煙弾６発を装備。浮航能力は無く、ウォータージェットは外して蓄電池などのスペースにした。2007年初めからイラク軍にファミリー車両含め98両が輸出されており、イラク陸軍第９機械化師団を皮切りに配備されている。参考：月刊軍事研究12,’07

　＜ＢＴＲ−９４＞：ウクライナがヨルダン陸軍の発注に応じて開発したタイプ。砲塔に23mm連装機関砲と7.62mm機銃PKTを備える。基本型で兵員８名を収容でき、ウォータージェットを外せば10名を乗せられる。車体側面のドアは拡大され、乗降が容易となった。無線機はアメリカ製PRC104HF無線機とVHF無線機を搭載する。参考：月刊軍事研究11,’00

＜ＢＴＲ−８０海外ファミリー＞

　＜ＢＴＲ−８０ＵＰ−Ａ＞：BTR-80UPの装甲救急車型。冷房システムが追加された。参考：月刊軍事研究12,’07

　＜ＢＴＲ−８０ＵＰ−ＫＢ＞：BTR-80UPの大隊指揮車型。冷房システムが追加された。参考：月刊軍事研究12,’07

　＜ＢＴＲ−８０ＵＰ−ＫＲ＞：BTR-80UPの中隊指揮車型。冷房システムが追加された。参考：月刊軍事研究12,’07

　＜ＢＴＲ−８０ＵＰ−Ｒ＞：BTR-80UPの偵察車型。参考：月刊軍事研究12,’07

　＜ＢＴＲ−８０ＵＰ−Ｓ＞：BTR-80UPのスタッフカー型。参考：月刊軍事研究12,’07

　＜ＢＴＲ−８０ＵＰ−Ｔ＞：の輸送車型。参考：月刊軍事研究12,’07

＜ＢＴＲ−８２シリーズ＞：ロシア陸軍８×８輪装甲車。BTR-80の後継として配備した。参考：月刊軍事研究2,’11

　＜ＢＴＲ−８２＞：BTR-80のエンジンを300馬力級に強化し、TKN-4GA暗視装置とGLONASS航法装置を搭載する。武装は14.5mm機銃。参考：月刊軍事研究2,’11

　＜ＢＴＲ−８２Ａ＞：BTR-82の武装を30mm機関砲2A72と7.62mm機銃に変更したもので、Ａは30mm機関砲装備の意。機関砲は背負い式、機銃は砲塔右側面に装備して高仰角を取れるようにしてある。装甲や赤外線ライトも新型にした。全長7.7m、全幅2.9m、全高2.9m、戦闘重量15トン。エンジンはKAMAZ740.14-300ディーゼル（300馬力）、最大速度90km、航続距離600km。水上航行も可能。乗員３名＋乗車兵員７名。2011年からロシア陸軍や海軍歩兵に2000両以上配備されている。参考：月刊軍事研究7,’16、9,’16、2,’11、月刊PANZER8,’18

＜ＢＴＲ−８７＞：ロシア陸軍８×８輪装甲車。BTR-82の機関室を前方配置とし、車体後面に乗降ドアを設けた。参考：月刊軍事研究7,’16

＜ＢＴＲ−９０シリーズ＞：ロシアの８輪装甲車で、ゴーリキー自動車工場とアルザマス自動車工場などが開発し、1994年にプロトタイプが発表された。主に輸出市場に出されており、ロシア軍には予算不足で配備されていない。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(4) 、月刊軍事研究2,’09

＜ＢＴＲ−９０＞：車体はBTR-80よりも一回り大型で、前部に戦闘室、中央に兵員室、後部に機関室を置き、車体側面中央部に乗降ドア、上面に乗降ハッチを持つ。兵員室側面に７カ所、上面に２カ所のガンポートがあり、車内から射撃が可能。砲塔はBMP-2と同じで、武装は30mm機関砲2A42（500発）、同軸7.62mm機銃PKT（2000発）、30mmグレネードランチャーAGS-17（400発。砲塔左側面に外付け）、9M113対戦車ミサイル（４発）、9K34地対空ミサイル（２発）で、砲安定化装置、BPKZ-42統合型昼夜兼用サイト、1P-13車長用昼間サイトを装備し、フランスSAT社製熱線暗視装置を組み込んだBPK-Mを追加できる。前面装甲は小口径砲、側面は小銃弾の直撃に耐えられ、車輪を２つ破壊されても機動力を確保できる。全長8.15m、全幅3.1m、全高3.04m、重量17-21トン。エンジンはターボディーゼル（500馬力）、最大速度90-100km、航続距離800km。サスペンションはトーションバー独立懸架式で、旋回半径6m以下、0.8mの障害物を乗り越え、2.1mの塹壕を踏破でき、30%の登坂能力を持つ。車体後部のウォータージェットで水上を時速9kmで航行できる。NBC防護装置、自動消火装置、発煙弾発射機を装備する。通信装置はUHF無線機R-163-50U、R-163UP受信機、R-174インターコム。乗員３名＋乗車兵員７名。兵員の代わりに７トンの貨物を載せることもできる。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER3,’03、世界の軍用車両(4)、月刊軍事研究8,’07

＜ＢＴＲ−９０Ｍ＞：BMP-3と同じ砲塔を装備したタイプ。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＴＲ−９０新型砲塔＞：IDEX2001に出展されたもので、武装はBMP-3と同じ100mm滑腔砲2A70、同軸30mm機関砲2A72、7.62mm機銃PKTだが、砲塔を新設計とし、砲塔バスケットを下方に延長、装甲強化と搭載弾数増加を施し、FCSも新型にした。100mm砲用レーザー誘導ミサイル８発（即応弾４発）、同砲用HE-FRAG（高性能榴弾・破砕）44発（即応弾34発）を搭載する。参考：月刊PANZER11,’01

＜ＢＴＲ−９４＞：BTR-80海外シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜ＢＴＲ−９４Ｋシリーズ＞：ハリコフ・モロゾフ機械製作設計局が1980年代末に開発した８×８輪装甲車。参考：月刊PANZER12,’01

＜ＢＴＲ−９４Ｋ＞：BTR-80のレイアウトを踏襲し、多彩な砲塔を搭載するため車体上面をかさ上げして操縦手席を最前部に移動、車長席をその後方に移している。車体側面に３分割式のドアがあり、上面にもハッチがある。ガンポートは側面に左右３ヵ所ずつあり、視察装置も同数設けられている。エンジンは3TDディーゼル（300馬力）、トランスミッションはマニュアル式。乗車兵員６名。参考：月刊PANZER12,’01

＜ＢＴＲ−ＤＡ＞：輸出専用車両、別名ガーディアン。エンジンをデュッツBF8M1015ディーゼル（326馬力）、トランスミッションをアリソンMD3066オートマチックに換装している。戦闘重量16.4トン。最大速度100km、航続距離600km。車体後部にウォータージェット１基があり、水上を8kmで航行できる。シクヴァル砲塔などを搭載可能。参考：月刊PANZER12,’01

＜ＢＴＲ−１１２＞：ソ連のウラル・トランスマシ（ウラル運輸車両工場）が1949年に開発した装軌式装甲兵員輸送車。試作自走砲SU-100Pの車体後半部をオープントップの兵員室としたもので、兵員室前部に14.5mm重機関銃KPVT（500発）搭載装甲銃塔と、7.62mm重機関銃SG-43（200発）搭載ピントル・マウントがある。全長7.1m、全幅3.1m、全高2.2m、重量18.2トン、最大装甲厚25mm。エンジンはV-54-105ディーゼル（400馬力）、最大速度65km、航続距離300km。乗員３名＋乗車兵員25名。制式採用はされなかったが、車体は2K11自走地対空ミサイルシステムや2S3自走砲のベースとして使用された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＴＲ−１５２シリーズ＞：ソ連陸軍６×６輪装甲兵員輸送車。ソ連戦後初の装甲兵員輸送車で、ZIS-151不整地踏破用６輪駆動トラックをベースに開発し、1950年から量産した。後にタイヤ圧中央制御装置を追加したが、民間トラックがベースなので不整地走行能力が不足しており、以降は８輪装甲車を開発することとなった。1993年まで使用されている。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両（４）、月刊軍事研究3,’07

＜ＢＴＲ−１５２＞：車体の外形はM3ハーフトラックに似ており、車体後部にオープントップ式の兵員室を設けた。兵員室前部のピントル・マウントに7.62mm重機関銃SGM（1250発）または12.7mm重機関銃DShKを装備する。全長6.55m、全幅2.32m、全高2.36m、重量8.6トン。エンジンはZIS-123ガソリン（110馬力）、最大速度75km、航続距離600km。無線機は10-RT-12。乗員２名＋乗車兵員17名（歩兵分隊２個）。1956年のハンガリー動乱が初実戦参加で、1968年のプラハ侵攻ダニューブ作戦でも使用された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＴＲ−１５２Ｋ＞：車体上面にハッチ付きの装甲を装着したもの。兵員搭載数は13名に減っている。1959年から生産された。無線機を積んだ指揮官車型や、装甲救急車型もある。参考：月刊PANZER2,’00

＜ＢＴＲ−１５２Ｖ１＞：タイヤ圧中央制御装置を追加したタイプ。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜ＢＴＲ−１５２ファミリー＞

＜ＢＴＲ−１５２Ａ＞：自走高射機関砲、別名ZTPU-2。14.5mm連装対空機銃ZPU-2（1200発）を搭載する。全長6.83m、全幅2.32m、全高2.71m、重量8.6トン。エンジンはZIS-123ガソリン（110馬力）、最大速度65-75km、航続距離300km。無線機は10-RT-12。乗員５名。1951年から少数が生産された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＴＲ−１５２Ｂ１＞：23mm連装機関砲搭載型、別名ZU-23。ポーランド軍などでも使用された。参考：月刊PANZER2,’00

＜ＢＴＲ−１５２Ｉ＞：砲兵指揮車。立ったまま作業が出来るよう、装甲板で兵員室をかさ上げしている。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜ＢＴＲ−１５２Ｓ＞：自動車化狙撃部隊用汎用指揮車。車体はBTR-152Iと同じものである。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜ＢＴＲ−１５２Ｕ＞：指揮車型。兵員室を高くした。参考：世界の軍用車両（４）

＜ＺＴＰＵ−４＞：試作自走高射機関砲。BTR-152Aの改良型で、ZPU-2を２基搭載している。採用されず。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＢＴＲ−Ｄ＞：ロシア軍の空挺装甲兵員輸送車。BMD-1がベースで、ボルゴグラード・トラクター工場が1974年に開発した。BMD-1の砲塔を外し、戦闘室を兵員室に改造している。兵員室前面両側に開閉式ドアがあり、PKT機銃（2000発）を射撃可能で、それとは別に車体両側面にガンポート２基ずつが付く。兵員室上面各所のピントル・マウントに30mm自動てき弾発射機AGS-17、２連装23mm対空機関砲ZU-23、82mm無反動砲などを搭載できる。TDA煙幕展開装置、902B発煙弾発射機４基を装備。全長5.883m、全幅2.63m、全高2.0m、重量8.0トン。最大装甲厚10mm。エンジンは5D-20ディーゼル（240馬力）、路上最大速度62km、水上最大速力10km、航続距離500km。無線機はR-123M。乗員１名＋空挺部隊12名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER9,’02、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＴＲ−Ｄファミリー＞

　＜１Ｖ１１９＞：砲兵隊用挺身観測車。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＢＭＤ−１ＫＳｈ＞：空挺部隊司令部車両。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＢＴＲ−Ｄ（自走対空機関砲型）＞：自走高射機関砲。23mm連装機関砲ZPU-23を砲架ごと搭載する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＢＴＲ−ＲＤ＞：空挺部隊用自走対戦車ミサイル。9M113コンクールスを搭載する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＢＴＲ−ＺＤ＞：自走地対空ミサイル車両。ストレラ−３低空域用地対空ミサイル６発を搭載する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＴＲ−ＤＡ＞：BTR-94シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜ＢＴＲ−ＭＤＭ＞：ロシア空挺軍装甲兵員輸送車、別名ラクーシュカ。車体はBMD-4Mと同じで、砲塔を外して兵員室を拡大し、空挺隊員13名を乗せられるようにしている。重量13.2トン。エンジン出力450馬力。水上航行能力を持つ。自衛武装は7.62mm機銃１丁。乗員２名＋乗車兵員13名。700両を配備予定で、第１バッチ12両は2015年3月3日に引き渡された。参考：月刊軍事研究11,’14、8,’15、11,’16、10,’18

＜ＢＴＲ−Ｔ＞：ロシア陸軍重装甲兵員輸送車。T-55の車体をベースにしており、戦闘室及び車体後部をかさ上げして容積を確保している。操縦手席は車体前方左にあり、砲塔開口部を塞いだ後に車長用ターレットを設け、12.7mm機銃１丁、遠隔操作式砲座の30mm機関砲2A42とコンクールス対戦車ミサイル連装発射機、2A42とAGS-17自動てき弾発射機、12.7mm機銃とコンクールス連装発射機などの組み合わせで武装を搭載できる。車体前側面及びスカートにT-80Uと同様のERAパッケージを装着する。機関室は車体全幅にわたるので、車体後面に乗降口を設けられず、機関室前方の車体上面にペリスコープ２基の付いたハッチ２つを設けている。機関室左右のパニア上面には３連装発煙弾発射機２基ずつがタンデムに置かれており、前のものは正面を、後ろのものはやや外側を向いている。車体後面右にはアンテナを取り付けたボックスを持つ。NBC防護装置付き。重量は38.5トンと元の戦車よりも重く、防御能力は高いと思われる。乗員２名（車長、操縦手）＋乗車兵員５名。参考：月刊グランドパワー2,’04、月刊PANZER5,’01、月刊軍事研究1,’01、9,’16

＜ＢＴＲ−ＲＤ＞：BTR-Dファミリー（自走対空ミサイル）を参照。

＜ＢＴＲ−ＳＲ−８８０８＞：セルビアが開発した８×８輪装甲車。車体は全周にモジュラー式中空装甲を採用、NATOレベル３＋の防御力を持ち、増加装甲を装着すればレベル4-5に強化できる。車体前方下部と後方にテレビカメラがある。タイヤはランフラットで、空気圧調整装置付き。兵員室には左右５カ所ずつのビジョンブロックとガンポートを持つ。武装は兵員室上面の12.7mm機銃M87と7.62mm同軸機銃を装備する遠隔操作兵装ステーションで、30mm機関砲M86と7.62mm機銃を装備する安定化装置装備型に換装可能。戦闘重量28トン。エンジンはディーゼル（400-440馬力）、最大速度90km、航続距離600km。積載量10トン。乗員２名＋乗車兵員10名。参考：月刊軍事研究9,’11

＜ＢＴＲＶ−６４＞：ウクライナが開発した重装甲兵員輸送車。BMPV-64の武装を12.7mm重機関銃にしたものである。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＢＴＲ−ＺＤ＞：BTR-Dファミリーを参照。

＜ＢＴＳ−２＞：T-54戦車ファミリーを参照。

＜ＢＴ−ＳＶシリーズ＞：ソ連軍の試作戦車。BT-5/-7の装甲強化型だが、採用されなかった。参考：月刊PANZER1,’98

　＜ＢＴ−ＳＶ＞：BT-5に中口径砲弾に対する防御力を持たせようとしたタイプ。装甲厚を25mmに増加させ、車体・砲塔全周に傾斜装甲を取り入れた。参考：月刊PANZER1,’98

　＜ＢＴ−ＳＶ−２＞：BT-7にBT-SVと同じ改修を施したもの。夜間戦闘用ライトも搭載された。参考：月刊PANZER1,’98

＜ＢＴＸ−１＞：アメリカ空軍次期高等練習機（T-38後継機）向けにボーイングとサーブが開発した練習機で、2013年12月に両者が共同開発契約を締結し、F/A-18E/FとJAS-39の技術を流用して開発期間短縮と費用圧縮を図った。機体は全複合材性。コクピットはタンデム複座で、後席の視界確保のため大きな段差を付けており、ボーイング社ではスタジアム・コクピットと名付けた。キャノピーは右ヒンジで大きく開くので、射出座席の整備交換が楽である。主翼は高翼配置のクリップド・デルタ翼で、下反角を持ち、前縁中央にドッグツースがある。主翼付け根にはストレーキがあり、上にボルテックス・ジェネレーターが付き、下にエアインテイクが位置する。外側に傾いた双垂直尾翼を持ち、極力尾翼を小型化すると共に構造重量を減らして単尾翼にするより重量を軽減しているという。また、フライングブームで空中給油を受ける際の垂直尾翼への空力学的影響も受けにくくした。水平安定板は全遊動式。操縦システムはJPATS1-7準拠のグラス・コクピットとフライ・バイ・ワイヤで、操縦桿はサイドスティック方式（右コンソールに付く）、前席のみHUDがあり、HMDは使わない。レーダーなどのセンサーは付いていないが、シミュレート機能（EBT機能）により仮想空対空・空対地戦闘などの訓練を行える。全長14.15m、全幅10m（9.33m？）、全高4.13m、空虚重量3.25トン、最大離陸重量5.5トン。エンジンはGE社製F404（ドライ最大推力48.9kN、A/B時推力78.8kN）単発、最大速度1300km／マッハ1.2（高々度）、実用上昇限度15000m、上昇率毎分10200m、航続距離1839km。乗員２名。2016年9月13日に初号機が公開され、12月20日に初飛行した。２号機は2017年4月24日に初飛行している。2018年9月27日に採用が決定し、10月に351機＋シミュレータ46基の契約が主契約社のボーイング社と結ばれ、2019年9月16日に制式名がT-7Aレッドホークに決まった。価格はアメリカ空軍見積もりの半額以下で、単価では赤字になるが、長期運用支援と他国への売り込みで黒字に持って行く戦略らしい。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings7,’19、12,’18、12,’16、2,’17、12,’18、7,’19、12,’19、月刊航空ファン12,’16、3,’17、7,’17、5,’19、月刊軍事研究7,’17、朝雲

＜ＢＴＸ−３＞：自衛隊の水温検知錘。三井物産エアロスペースまたは鶴見精機が受注している。参考：月刊軍事研究10,’16、1,’18

＜ＢＴブイ＞：Bathy Thermograph Buoyの略。海中温度を測定するためのブイで、投下されると水温計を海中に延ばして温度を測定し、無線で水上艦や航空機に送る。この各深度における水温データを基に水中音速を推定し、水中音波伝搬状況を推測する。ただしBTブイを設置した場所のデータしか取れないし、作戦海域全部のデータをBTブイで収集し続けるのは無理があるので、海底地形や海象特性データを収集して地球流体力学モデルを作り上げ、これに測定値を代入して周辺データを概算するといった工夫が要る。参考：月刊世界の艦船6,’18、3,’17

＜Ｂｕ１３１＞：ドイツ空軍複葉初等練習機、別名ユングマン（Jungmann）。胴体と尾翼は鋼管溶接羽布張り、主翼は桁とリブが全木製、外板が羽布張り。全長6.6m、全幅7.4m、全高2.3m、自重380kg、全備重量670kg。エンジンはHM504（100馬力）単発、最大速度183km、実用上昇限度4300m、航続距離650km。乗員２名。1200機以上が生産され、1933年から引き渡された。日本軍も陸軍四式練習機・海軍二式陸上初歩練習機として採用している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊航空ファン7,’99

＜Ｂｕ１３３＞：ドイツのビュッカー社が開発した単座複葉練習機、別名ユングマイスター（Jungmeister）。曲技飛行習得のために少数が使用された。全長5.9m、全幅6.6m、全高2.3m、自重420kg、全備重量586kg。エンジンはジーメンスSh14A-4（160馬力）単発、最大速度315km、実用上昇限度6100m、航続距離500km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｂｕ１８０＞：ドイツの航空少年団飛行訓練・グライダー曳航機。エンジン出力60馬力、最大速度177km、実用上昇限度4500m、航続距離650km。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｂｕ１８１＞：ドイツ空軍初等練習機、別名ベストマン（Bestmann）。Bu131の後継で、主翼を単葉にし、エンジン周囲以外を全て木製または羽布張りとして金属使用量を減らしてある。第２次大戦終戦まで訓練に使用された。全長7.8m、全幅10.6m、全高2.1m、自重480kg、全備重量750kg。エンジンはHM504（105馬力）単発、最大速度210km、実用上昇限度5000m、航続距離800km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｂｕ１８２＞：ドイツ空軍単座練習機、別名コルネット（Kornett）。Bu133の後継で、主翼を単葉に変更して全木製機とし、金属資源を節約している。風防は密閉式にした。全長6.7m、全幅8.6m、全高1.9m、自重315kg、全備重量510kg。エンジンはビュッカーBuM700（80馬力）単発、最大速度205km、実用上昇限度5000m、航続距離740km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＵＤ／Ｓ＞：Basic Under Water Demolitions/ SEAL（SEAL水中爆破基礎課程）の略。SEAL隊員候補が受ける訓練で、第１段階は地獄の１週間（Hell Week）と呼ばれ、手足を縛られてプールに放り込まれ、底に沈んでいる潜水マスクを口で回収する訓練などが実施される。第２段階はスキューバ訓練で、LAR-�Xなどを使用した訓練が行われる。第３段階は陸上戦闘訓練、第４段階が数週間にわたる仕上げの実戦訓練である。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜ＢＵＦＦ＞：B-52シリーズ（爆撃機）またはHH-53B（ヘリ）を参照。

＜ＢＵＩＣ＞：支援要撃管制システムを参照。

＜ＢＵＬＬＤＯＧ＞：川崎重工が開発した人道的地雷除去システム。地雷探知センサーや各種カメラを搭載した地雷探知車（Mine Dog）と、地雷を掘り出して爆破する掘削ドラム及び破片などの廃棄物回収機構を搭載した対人地雷除去車（Mine Bull）、これらの遠隔操縦装置からなる。有人・無人どちらでも操作可能。2004年にテストも兼ねてアフガニスタンに無償で出荷された。実際の地雷原で、幅2m×長さ50mのエリアを20分で処理して32個の地雷を爆破するなど成績は優秀で、平坦地での探知率100%、リモコン操縦時の除去率80%、鉄片回収率90-100%を誇り、人間による作業の4.6倍の効率があるとされ、国連、アフガン政府、NGOから高い評価を得た。2007年7月にアフガンNGOに無償供与され、8月から国連機関MACCAが50日間の評価試験を実施、2009年4月から信頼性確認運用試験を行って８ヶ月で40万平方メートル以上の地雷原を処理し、12月に対人地雷除去器材認証を受けた。冬の間は活動を休止していたが、2010年4月から除去作業を再開し、13万平方メートルの地雷原を啓開した。参考：月刊PANZER6,’04、5,’05、月刊軍事研究10,’10

＜ＢＵＰ−３０−２６Ｍ＞：ソ連軍のチャフ／フレア・ディスペンサー。26mmのPPI-26フレアまたはPPR-26チャフを計30発搭載できる。参考：月刊軍事研究7,’08、月刊エアワールド7,’04

＜ＢＶ４０＞：ドイツ軍の試作木製グライダー戦闘機で、ブロム・ウント・フォス社が開発した。コクピット周囲にのみ防弾鋼板が使用されている。高々度（爆撃機編隊上空250-750m）まで曳航されて切り離され、パイロットは伏せて操縦を行い降下角20度で爆撃機編隊に突入する。1944年5月に初号機が滑空テストを開始したが、フラッターなどの問題があり、９号機まで完成したところで計画中止となった。全長5.7m、全幅7.9m、全高1.63m、自重835kg、全備重量950kg。曳航速度550km、最大降下速度800km以上（470km？）。固定武装は30mm機関砲MK108が２門。乗員１名。パルスジェットエンジンを搭載したタイプも検討されたが、試作まで行かなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

＜ＢＶ１３８シリーズ＞：ドイツ軍の３発ツインテールブーム飛行艇。1936年から開発され、バルト海・フランス沿岸・地中海で輸送哨戒任務に就いた他、大きな航続力を活かして北大西洋での作戦を行った。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１３８Ｖ１＞：原型初号機で、1937年7月15日に初飛行した。エンジンはJumo205C（650馬力）３発で、主翼はガルウイングを採用していた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１３８Ｖ２＞：原型２号機で、主翼をガルウイングから通常形式に戻した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１３８Ａ−０＞：先行量産型で、1939年2月に初飛行した。機体を大型化し、肩翼配置の主翼上にエンジン３基を搭載しており、主翼から胴体がぶら下がっているような形状をしている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、グラフィックアクション29

　＜ＢＶ１３８Ａ−１＞：最初の量産型。1940年から25機が引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１３８Ｂ−０＞：Ａ型で機体強度不足とエンジン出力不足という欠点が露呈したため、構造を強化してエンジンをJumo205D（880馬力）に換えたタイプの先行量産型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１３８Ｂ−１＞：B-0の量産型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１３８Ｃ−１＞：武装強化型で、1941年から生産された。全長19.9m、全幅27m、全高5.9m、自重11770kg、全備重量17650kg。エンジンはJumo105Dディーゼル（880馬力）３発、最大速度285km、実用上昇限度5000m、航続距離4300km。防御兵装は機体前後のターレットに搭載された20mm機関砲MG151/20が１門ずつ、中央エンジン後方の13mm機銃MG131が１丁、側面の7.9mm機銃MG15が１丁。50kg爆弾６発または150kg爆雷４発を搭載できる。乗員６名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１３８ＭＳ＞：磁気機雷掃海型で、ループ状の磁界発生装置を搭載している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＶ１４１シリーズ＞：ドイツ陸軍直協偵察・軽攻撃機開発計画にハンブルガー航空機（後のブロム・ウント・フォス社）が自費参加して製作した機体で、リヒャルト・フォークト博士が設計した。Fw189が採用され、1942年に開発中止となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１４１Ｖ２＞：試作初号機で、当初はHa141-0と呼ばれた。左右非対称機で、胴体先端にBMW132Nエンジン（865馬力）とプロペラが付き、胴体左からは左主翼が出ているが、右からは短い翼が出て偵察員用キャノピーに繋がり、偵察員用キャノピーから右の主翼が出ている。胴体後部の水平尾翼は左しかない。1938年2月25日に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１４１Ｖ１＞：試作２号機で、V2のコクピットのガラス部分を拡大してある。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１４１Ａ−０＞：先行量産型で、エンジンをブラモ323（1000馬力）に変更したタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ１４１Ｂ−０＞：A-0が出力不足だったので、BMW801A（1560馬力）に変更したもの。全長14m、全幅17.5m、全高3.6m、全備重量5700kg。エンジンはBMW801A（1560馬力）単発、最大速度370km、実用上昇限度10000m、航続距離1200km。防御兵装は7.9mm機銃MG17が２丁、7.9mm機銃MG15。50kg爆弾４発を搭載できる。乗員３名。５機が生産されたところで開発中止命令が出た。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＶ１４２＞：ドイツ軍の長距離洋上哨戒・輸送機。Ha139水上機を陸上用に改造してルフトハンザ航空の郵便機として４機納入したBV142を軍用として接収したものである。１・２号機は長距離洋上哨戒機、３・４号機は輸送機として使用された。全長20.5m、全幅29.5m、全高4.4m、全備重量16500kg。エンジンはBMW132H-1（880馬力）４基、最大速度375km、実用上昇限度9000m、航続距離3900km。防御兵装は7.9mm機銃MG15が５丁。100kg爆弾４発を搭載できる。乗員８名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＶ１４４＞：ドイツ空軍試作輸送機。ブロム・ウント・フォス社のフォークト技師が設計し、フランスのブレゲー社で試作機を作った。可変取り付け角翼に大面積のファウラーフラップを装備しており、短距離離着陸が可能。また離陸時の引き起こし角が小さくて済むので床を低くでき、荷物の搭載が容易となった。全備重量13230kg。エンジンはBMW801（1600馬力）双発、航続距離1520km（搭載量450kg）。乗員３名＋搭乗兵員18名。完成が遅れたため量産には至らなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＶ１５５シリーズ＞：ドイツ空軍試作戦闘機。当初はグラーフ・ツェッペリン用の艦上爆撃機としてメッサーシュミット社がMe155Aの名称で開発したが、グラーフ・ツェッペリンの建造が中止されたために高々度戦闘機Me155Bとして再設計され、メッサーシュミット社が他機の設計で忙しくなったため開発元をブロム・ウント・フォス社に変更したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜ＢＶ１５５Ｖ１＞：試作初号機。Bf109Gがベースで、メッサーシュミット社の原案に比べ、高々度用に胴体と翼スパンを延長、層流翼を採用し、大型のラジエーターを主翼中央に設置した。エンジンはDB603A（1610馬力）で、後部胴体にターボスーパーチャージャー及びインタークーラーを内蔵する。1944年9月1日（1945年2月？）に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜ＢＶ１５５Ｖ２＞：試作２号機。全長12m、全幅20.5m、全高3.18m、自重4860kg、全備重量5625kg。エンジンはDB603A（1610馬力）単発、最大速度690km（高度16000m）、航続距離1500km。武装は30mm機関砲１門、20mm機関砲２門。乗員１名。参考：歴史群像2,’08付録

　＜ＢＶ１５５Ｖ４＞：試作４号機で、BV155Cの原型となる予定だった。エンジンはDB603Uで、ラジエーターの配置に問題があったことから機体形状を平凡なものに戻している。工場が連合軍に占領され、完成しなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

＜Ｂｖ２０６シリーズ＞：スウェーデンのヘグランド社（2004年にBAEシステムズが買収）が開発した雪上用装軌式汎用車両で、前車と後車の２両を連結した形状をしている。イギリスやドイツなどが採用した。参考：月刊PANZER8,’13、月刊軍事研究2,’19

＜Ｂｖ２０６海外シリーズ＞

　＜Ｂｖ２０６（中国陸軍）＞：中国陸軍全地形対応装軌車両。2004年以降に水陸両用部隊に配備した。参考：月刊軍事研究2,’19

　＜Ｂｖ２０６ミランキャリアー（イギリス軍）＞：イギリス軍のミラン対戦車ミサイル運搬車両。後部車両に40発を搭載する収容スペースを設けている。参考：月刊PANZER11,’01

　＜大型雪上輸送車＞：航空自衛隊雪上輸送車、BV206J-01。後部車室は乗員用の他、席を畳めば２トンの貨物を積める。全長7m、全幅2.5m、全高3.8m、車重4.7トン。エンジンはCM603.950ディーゼル（６気筒2996cc、136馬力）、トランスミッションはオートマチック前進４段・後進１段、最大速度50km、燃料タンク容量160リットル。乗員18名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜Ｂｖ２０６Ｓ＞：スウェーデン陸軍汎用装軌車両。Bv206を装甲化したもので、装軌車２両を前後に連結した構造をしており、アーキュレイト・ジョイントから伸びる駆動軸と、それをカバーする鋼製ビームで結合している。7.62mm弾や榴弾弾片に抗堪できる装甲を持ち、ラジエーターは被弾しにくい車体後部に、冷却ファンは天井に移した。前車に機関系、操縦席、３名分のシート、防楯付き12.7mm機銃マウント（7.62mm機銃または40mmてき弾発射機も可能）を備え、後車には８名分のシートを設置している。水上航行も可能で、ただ水に入れば良い。運用可能外気温プラス49度からマイナス46度。全長6.86m、全幅2m、全高1.9m、重量７トン。エンジンは液冷６気筒ディーゼル（186馬力）、最大速度50km、水上最大速力4.7km（履帯推進）、航続距離370km。登坂能力45度。乗員４名＋兵員８名。スウェーデン陸軍での採用は少数だが、フランスが12両、ドイツが100両、イタリアが58両導入した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER8,’02

＜ＢＶ２２２シリーズ＞：ドイツ空軍６発飛行艇、別名ヴィーキング（Wiking）。ブローム・ウント・フォス社がルフトハンザの要求に基づいて100人乗り大陸間大型旅客飛行艇として開発し、1936年から試作機３機を製作したが、第２次大戦勃発に伴い空軍に移管された。試作機含め13機（原型を含むと15機）が生産されて４機（６機？）が引き渡され、何機かはFuG200ホーエンツヴィール・レーダーを搭載して洋上哨戒に使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings11,’19、月刊丸3,’90、8,’95、グラフィックアクション29

　＜ＢＶ２２２Ｖ１＞：試作初号機。1940年9月7日に初飛行し、すぐに空軍所属となり、大型貨物ドアを付けて空輸任務に就いた。後に防御武装も追加されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜ＢＶ２２２Ａ−０＞：ブラモ323R空冷星形エンジン（1000馬力）を装備したタイプ。主翼下の補助フロートは折り畳み式である。1942年10月までに５機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、グラフィックアクション29

　＜ＢＶ２２２Ｃ−０＞：エンジンをJumo207Cディーゼルに換装したタイプ。全長37m、全幅46m、全高10.9m、自重30650kg、全備重量49000kg。エンジンはJumo207Cディーゼル（1000馬力）６基、最大速度390km、実用上昇限度7300m、航続距離6100km。防御武装は機首上面１門・主翼上面砲塔２門の20mm機関砲MG151/20、機首１丁・機体側面４丁の13mm機銃MG131。乗員8-10名＋兵員110名以上。５機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＶ２３７＞：ドイツ空軍計画戦闘機。BV141の戦闘機型で、機体を小型にし、Jumo004ジェットエンジン（推力0.9トン）１基を翼下に追加してある。武装は30mm機関砲・20mm機関砲２門ずつを搭載する予定だった。モックアップが完成したところで計画放棄となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＶ２３８＞：ブローム・ウント・フォス社の試作６発大型飛行艇で、1941年末から開発され、1944年4月に初飛行した。しかし初号機がテスト中にP-51により沈没させられてしまい、２号機以降はキャンセルとなった（２機ないし４機が製作された？）。全長43.4m、全幅60.2m、全高12.8m、全備重量100000kg（77500kg？）。エンジンはDB603A（1750馬力）６基、最大速度400km、航続距離8000km。防御兵装は13mm機銃MG131が６丁、20mm機関砲MG151/20が２門。爆弾20トン以上を搭載する予定だった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊丸8,’95、月刊JWings11,’19

＜Ｂｖ２４６＞：ブローム・ウント・フォス社が開発した滑空誘導爆弾、別名ハーゲルコルン（Hagelkorn、あられ）。爆弾に細長い滑空翼を装着してあり、アスカニア社製ALSK121無線誘導装置で誘導される。Fw190A-5/U15やA-8でテストされたが、実戦には投入されなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings7,’12

＜ＢＶ２５０＞：ブローム・ウント・フォス社が開発した６発大型飛行艇で、BV238の陸上機型。３機が製作されたが、完成しないまま終戦となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＢＶ−３４７＞：CH-47ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＢＶＣＩシリーズ＞：フランス陸軍の８×８輪装甲車で、Giatが開発し、2008年に第１ロットを納入する予定である。総生産数700両で、550両が歩兵戦闘車型、150両が指揮通信型になる予定。参考：月刊軍事研究8,’06

　＜ＢＶＣＩ（歩兵戦闘車型）＞：25mm機関砲M811、7.62mm同軸機銃、SAGEM社製車長用MOPサイト、Giat社製SIT-V1射撃統制装置を搭載した砲塔を装備する。参考：月刊軍事研究8,’06

　＜ＢＶＣＩ（指揮通信型）＞：12.7mm遠隔操作銃塔、タレス社製SIR連隊情報システムを搭載している。参考：月刊軍事研究8,’06

＜ＢＶＤ＞：オランダの情報機関で、ミネンランゼ・ヴェイリヘイジェンスト（国内保安局）の略。2002年にAVIDに改編された。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＢＶＤＳ＞：AN/SQR-20（曳航ソナー）を参照。

＜ＢＶＰ−２＞：BMP-2歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＢＶＰ　Ｍ８０シリーズ＞：ユーゴスラビア陸軍歩兵戦闘車。当初はM980と呼ばれた。1975年5月に存在が確認されている。参考：月刊PANZER7,’98

＜ＢＶＰ　Ｍ８０＞：エンジンはAMX-10Pと同じHS114-2水冷V8ターボチャージャー付き（260馬力）、最大速度60km。武装はスイス製20mm機関砲（のライセンス生産版）と9M14対戦車ミサイル。参考：月刊PANZER7,’98

＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａ＞：マイナーチェンジ型。重量が0.3トン増加したのに伴い、エンジンをFAMOS10V003直噴ディーゼルに換装した。車体は装甲鋼板の全溶接製で、BMPに似ている。装甲厚は車体前面25-30mm、側面15mm、後面12mm、上面8mm、下面12mm、砲塔前面20mmであり、全周で射距離100mからの7.62mm弾及び大口径砲弾弾片に抗堪でき、前面は射距離100mからの20mm弾を防御できる。車体前方左が操縦室、右が機関室、中央が戦闘室、後部が兵員室。操縦手用ハッチはペリスコープ３基を持ち、中央はアクティブ赤外線または光増幅式暗視ペリスコープに換装可能。操縦手の後ろに車長兼歩兵分隊長席があり、ハッチ付きの全周旋回式キューポラが用意されている。戦闘室上やや右に１名用砲塔があり、20mm機関砲HS804（1400発）、7.62mm同軸機銃M55（2000発）、9M14対戦車ミサイル連装発射機を装備する。機関砲・同軸機銃の俯仰角はマイナス５度からプラス75度。機関砲の給弾は50発入りドラムマガジン、弾種はAP（重量142g、初速毎秒880m、装甲貫徹力は射距離500mで18mm）とHE（重量122g、砲口初速毎秒880m）で、有効射程1500m（対空）／2000m（対地）、最大発射速度毎分800発。車内には9M14の予備弾４発が収容される。照準器は倍率1.1倍の昼間用と、7.3倍・有効距離800mの夜間用。砲塔左にペリスコープ３基がある。兵員室には７名が搭乗でき、車体後部に両開きの大型ドアがある。車体左右に３ヵ所ずつ、左右ドアに１ヵ所ずつ、ペリスコープまたはビジョンブロック付きガンポートを持つ。車体後部上面にも左右に大型ハッチがあり、中央のヒンジで垂直に立てられる。下部転輪は片側５個でサスペンションはトーションバー式、起動輪は前方、誘導輪は後部にある。車体前部にトリムベーンがあり、これを前に倒して履帯により水上航行できる。NBC防護装置、エンジン排気による煙幕展張装置を持つ。全長6.42m、全高2.67m、戦闘重量14トン。エンジンはFAMOS10V003直噴ディーゼル（315馬力）、変速機は機械式・乾式多板マニュアル（前進５速・後進１速）、最大速度64km、水上最大速力7.8km、燃料搭載量510リットル、航続距離500km（路上）／350km（路外）。1980年から1991年初めに600両程度生産されたという。参考：月刊PANZER7,’98、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａ（クロアチア陸軍）＞：2018年、保有102両の対戦車ミサイルをラファエル社製スパイクLRに換装する計画が発表された。参考：月刊軍事研究7,’18

＜ＢＶＰ　Ｍ８０ＡＫ＞：機関砲を30mm機関砲M86に替えたタイプ。仰角が65度までになっている。重量14.4トン。参考：月刊PANZER7,’98

＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａファミリー＞

　＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａ１＞：自走高射機関砲型。双連式30mm機関砲を搭載した２名用砲塔を搭載する。照準は光学式。乗員３名（操縦手、砲手、車長）。参考：月刊PANZER7,’98

　＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａ　ＫＢ＞：大隊指揮車両で、通信機材を追加している。参考：月刊PANZER7,’98

　＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａ　ＫＣ＞：中隊指揮車両で、通信機材を追加している。参考：月刊PANZER7,’98

　＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａ　ＬＴ＞：自走対戦車ミサイル型。9M14対戦車ミサイル６連装発射機（３連装を左右に１基ずつ）を持つターレットを搭載する。また、ミサイル発射機中央に7.62mm機銃を装備する。参考：月刊PANZER7,’98

　＜ＢＶＰ　Ｍ８０Ａ　Ｓｎ＞：装甲野戦救急車。砲塔を撤去し、装甲板で塞いで救急装備を追加したものである。車体上面及び後部のハッチは１枚になっている。乗員は操縦手と救護人員３名。担架の患者４名または座乗患者８名を収容できる。参考：月刊PANZER7,’98

＜ＢＶＲ＞：目視外の略。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＢＶＲＡＡＭ＞：視程外射程空対空ミサイルの略で、以前は中射程・長射程空対空ミサイルと呼ばれていた。近年ではAIM-120、MICA-EM、99式空対空誘導弾など、アクティブレーダーホーミング方式の撃ちっ放し式ミサイルが多くなった。次世代型としてはラムジェットによる高速長射程のミーティアが開発中である。参考：月刊軍事研究2,’09

＜ＢｖＳ１０シリーズ＞：スウェーデンのヘルグント社（後にBAEシステムズ社傘下となった）が開発した関節式車両で、Bv206シリーズの後継として開発された。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＢｖＳ１０＞：Bv206の車体形状を変更し、エンジンや足周りを強化している。車内にはスポールライナーが張られており、7.62mm普通弾や榴弾弾片に耐えられるが、装甲板を追加すれば全周で7.62mm×54徹甲弾に抗堪可能。前方車体に運転席や機関室があり、後方車体が容積11立方メートルの貨物・兵員収容スペースとなっている。下部転輪は片側５枚、起動輪は前方、誘導輪は接地式で後方にある。履帯はゴム製で、幅0.62m。全長7.6m、全幅2.34m、全高2.2m（前車）／2.1m（後車）、戦闘重量５トン（前車）／3.5トン（後車）。エンジンはカミンズISB3250ターボチャージド・ディーゼル（275馬力、６気筒、総排気量5900cc）で、後車にも動力が伝達され、最大速度65km、航続距離300km。水深1.5mまでなら渡渉が可能で、履帯による時速5kmでの水上航行もできる。積載量0.73トン（前車）／2.11トン（後車）。乗車兵員は前車４名＋後車８名。C-130Hに搭載できる他、CH-47で吊して輸送することが可能。前後の車体を切り離せばEH-101による懸吊輸送も行える。参考：月刊軍事研究3,’09、10,’08、3,’10、月刊PANZER8,’99、月刊世界の艦船11,’18

　＜ＢｖＳ１０　Ｍｋ�U＞：BAEシステムズ社が開発した改良型で、防御力を強化し、積載量を６トンに増やした。イギリス海兵隊に20-25両が納入される予定だったがキャンセルされた。フランス陸軍が129両を１両２億3300万円で購入した。参考：月刊軍事研究3,’10、11,’09、5,’13

　＜ベイオウルフ＞：BvS10の非装甲化バージョンで、BAEシステムズ社がDSEi2015で発表した。車体を軽量化した分だけ積載量を拡大しており、最大積載での水上航行が可能。車体重量７トン。航続距離400km／1000km（追加燃料タンク搭載時）。積載量３トン（前車）／５トン（後車）。参考：月刊軍事研究3,’16

＜ＢｖＳ１０海外シリーズ＞

　＜ＢｖＳ１０（イギリス海兵隊）＞：イギリス海兵隊関節式車両、別名ヴァイキング（Viking）。2001年に108両の導入を決定し、BAEシステムズ社が生産した。無線機をデジタル式のボーマンに変更し、スラットアーマー、前車上面機銃（防楯付き）、４連装発煙弾発射機２基、IED爆発妨害装置を装備している。71両がTCV（兵員輸送型Troop Carrying Variant）、31両がCV（指揮通信型Command Variant）、６両がRRV（回収車型Repair Pecovery Variant）で、2005年から配備し、2006年からアフガニスタン作戦などに投入した。2007年に21両を追加発注し、WK450無人機の運用に使用する予定。地雷、IED、事故で20両が破壊されたため、2008年6月に14両、2009年に９両を追加発注した。アフガニスタン作戦による損耗が激しく、2012年初めに前線から引き揚げることが決定されている。この際、スラットアーマーなどは撤去され、水陸両用能力が復活する。BvS10Mk�Uへのアップグレードがキャンセルされたため、19両の前車に7.62mm機銃ステーションを追加、９両の後車に81mm迫撃砲を搭載する改修を行う予定。参考：月刊軍事研究3,’09、9,’07、7,’09、5,’13

　＜ＢｖＳ１０Ｍｋ�U（イギリス海兵隊）＞：BvS10からアップグレートする予定だったが、予算不足で中止された。2015年現在では24両を装備している。参考：月刊軍事研究5,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＢｖＳ１０（オーストリア陸軍）＞：オーストリア陸軍関節式車両。アルプスでの冬季運用に備えてエアコンやスキー用ラックを装備し、除雪用ブレードの追加を可能とした。狙撃探知装置、NBC防護装置、外部貨物搭載スペース、オーストリア仕様の無線やネットワークシステムを装備する。追加装備で重量が増えたため、一部を外さないと水上航行はできなくなった。戦闘重量16トン。武装は前車のルーフに搭載したオーストリアのESLアドバンスド・インフォメーション社製WS4パンサー遠隔操作銃塔（12.7mm機銃装備）。乗員は前車４名＋後車６名。2016年に32両を発注し、2018年7月から納入された。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜ＢｖＳ１０（オランダ海兵隊）＞：オランダ海兵隊関節式車両。74両を配備した。参考：月刊軍事研究2,’13

　＜ＢｖＳ１０（フランス軍）＞：フランス軍関節式車両。2008年にBvS10の採用を決定し、53両を発注した。参考：月刊軍事研究2,’13

　＜ＢｖＳ１０Ｍｋ�Uｂ＞：スウェーデン陸軍関節式車両。最大戦闘重量15トン。エンジンはディーゼル（225馬力）、最大速度65km、航続距離300km（オプションで500km）。時速5kmで水上航行可能。搭載量5.7トン（通常）／７トン（最大）。武装は前車上面のコングスバーグ社製12.7mm遠隔操作銃塔プロテクターと、後車の7.62mm機銃。乗員３名＋乗車兵員４名（前車）＋６名（後車）。参考：月刊軍事研究12,’13

＜ＢＷ＞：爆撃航空団（Bomb Wing）の略。参考：月刊航空ファン8,’16

＜ＢＷ＞：Begleitwagen（随伴車両）またはBataillonswagen（大隊用車両）の頭文字。�W号戦車開発時の秘匿名称である。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｂ．Ｗ１＞：タイ空軍小型無人偵察機。リア・シーグラー社製R4E-30スカイアイ無人機を導入したものである。ツインテールブーム機で、機首先端にカメラを収容する。参考：月刊航空ファン2,’16

＜ＢＷ−１２０Ｋ＞：59式戦車シリーズを参照。

＜ＢＷＢ−１７＞：X-48B（試験機）を参照。

＜ＢＷＣ＞：生物・毒素兵器禁止条約を参照。

＜ＢＷＭＬ−ＵＡＶ＞：アメリカ海軍が航空戦センター航空機部NAWC-ADで試験中の無人機で、BWMLは遠洋海上兵站の略。平時の艦艇に対する補給品は重量22.7kg以下のものが９割で、わざわざCMV-22BやMH-60Rを使うのも勿体無いので、経済的な小型UAVにより代替するという計画である。2020年10月にスカイウェイズ社製マルチローター式無人機（VTOL用電動ローター４基、内燃エンジン＋推進式プロペラ１基、航続距離40.2km、ペイロード9.1kg）１機を受領して試験中。参考：月刊JWings2,’21

＜ＢＷＮ＞：ブラウン・ウォーター・ネイヴィーの略。ベトナム戦争時、メコン・デルタの流域で活動した哨戒部隊を指す。アメリカ海軍、沿岸警備隊、陸軍部隊で構成され、PBRやPCFなどの小型舟艇を用いて流域の制圧にあたった。参考：コンバット・バイブル２

＜ＢＷＲ＞：沸騰水型原子炉を参照。

＜Ｂ−Ｘ＞：海上自衛隊の音響感応式浮上機雷（PRAM）。1968年度から開発され、1979年度に制式化されたらしい。艦船の音をキャッチするとロケットにより急速浮上し、艦底部で炸裂する。日立造船製。参考：丸スペシャルNo.76、自衛隊装備カタログ1981

＜ＢＸ９８８３０５Ａ＞：自衛隊の電子管。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＢＸ９８８３０６Ａ＞：自衛隊の電子管。三菱電機製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜ＢＸ９８８３０７Ａ＞：自衛隊の電子管。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＢＸ９８８３１１Ａ＞：自衛隊の電子管。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＢＹ＞：長崎造船兵器製作所が開発した魚雷で、昭和4年頃から実験が行われた。雷速30ノット、航走距離30kmを目指したが、エンジンのプラグが航走中に発火しなくなる事象が多発し、ものにならなかった。参考：丸エキストラ版No.71

＜ＢＹ５＞：イギリス軍の６×４輪３トントラックで、アルビオン社製。キャビンはオープン式である。リーフスプリング式サスペンションを持つ。全長6.629m、全幅2.286m、全高3.124m、重量4.572トン。エンジン出力90馬力。1945年8月まで生産された。No1Mk2フォールディング・ボート・ボディを搭載した橋梁機材輸送車バージョンもある。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＢＹＤ＞：イギリス軍の15-cwtトラック。オースチン社製で、LLタクシーキャブのシャシーを流用している。1940年に350両が納入され、主に運転教練用に使用された。参考：月刊グランドパワー4,’02

＜ＢＺ＞：無能力化剤の１つで、ベンジル酸−３−キヌクリジニルのこと。室温では白色結晶で、無味無臭。溶液をエアロゾルとして撒布したり、粉末を吸入させたりする。症状は意識障害、錯乱、運動失調などで、フィゾスチグミンが効くが、2-4日で自然に治る。1966年1-3月にアメリカ軍がベトナム戦争で使用したが、自軍にも被害が出たので使わなくなった。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜ＢＺ４０＞：ドイツ軍の手榴弾用点火装置で、BZ239の改良型。濃い青のキャップを外すだけで点火される。赤のキャップを填め込んだ遅延時間１秒のブービートラップ用もある。参考：手榴弾・迫撃砲

＜ＢＺ２３９＞：ドイツ軍の39式卵形手榴弾用点火装置で、BZはブレンツンデルの略。薄い青のキャップを外して紐を引くと遅延時間4.5秒の導火線に点火される。分解して導火線を取り除き、起爆薬に直接接触する様にセットすると、手榴弾を鹵獲した敵が使おうとして紐を引いた瞬間に爆発するブービートラップとなる。参考：手榴弾・迫撃砲

＜ＢＺＫ−００５＞：中国のBAI（Beijing Aeronautics Institute、北京航空航天大学無人機研究所）と哈爾浜航空工業集団公司が開発した中高度偵察用UAV。ツインテールブーム機で、胴体尾部に３翅のプッシャープロペラを持つ。機首は上に膨らんでおり、遠隔操作・データ送受信用衛星通信アンテナを内蔵するとみられる。機首下部にはEO/IRセンサー・レーザー測距／目標指示ターレットを持つ。主翼には軽い後退角が付けられており、後縁から後方にブームが出る。垂直尾翼は双尾翼で、ブーム後端に外側に傾けて取り付けられている。遠隔操作と離着陸含む自律飛行が可能。全幅18m。巡航速度150-180km、巡航高度5000-7000m、上昇限度8000m、航続距離4000km、滞空時間40時間。離陸距離600m、着陸距離500m。積載量150kg。2006年の珠海航空ショーで試作機の映像が初公開され、2009年にも撮影された。中央軍事委員会総参謀部が運用しており、北京近くの沙河飛行場や、杭州湾岱山島の無人機用飛行場に配備されていて、離着陸のみ基地の指揮所で行い、飛行中は総参謀部第２部の無人機部隊が管制する。2011年8月22日に河北省で墜落した。2013年9月9日に尖閣諸島周辺を飛行した無人機はこれとみられる。参考：月刊軍事研究4,’16、10,’14、3,’10、12,’15、月刊世界の艦船7,’15、月刊JWings12,’15

＜ＢＺＫ−００５ファミリー＞

　＜ＴＹＷ−１＞：攻撃偵察無人機型。搭載量を拡大し、主翼下に４ヵ所のパイロンを追加した。電子光学センサーを搭載しており、高度5000mを飛行しつつ車のナンバープレートを読み取れる解像度を持つという。衛星通信による超水平線遠隔操縦が可能。全長9.85m、翼スパン18m、全高2.5m、最大離陸重量1500kg。最大速度200km、最大高度7500m、航続時間40時間。搭載量370kg。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ＢＺＫ−００６＞：中国の偵察用戦術無人機で、メーカー（西安愛生技術集団）名称はASN-207。ツインテールブームの双垂直尾翼機で、プッシャープロペラ推進。機首上面に背の高いパイロンを介して円筒型のフェアリングが付く。６×６軸運搬車両から射出される。翼スパン6m、巡航速度120-150km、最大速度180km、上昇限度5000m。中央軍事委員会総参謀部の直轄部隊が運用しているとみられ、2009年10月1日の軍事パレードに登場、広州の梅州飛行場に配備された。参考：月刊航空ファン6,’16、月刊軍事研究10,’14

＜ＢＺＫ−００７＞：中国の無人機。有人単発プロペラ機を無人化したような外見で、キャノピーもそのまま付いている。降着装置は前輪式固定脚。2022年3月16日、尖閣諸島北方の東シナ海に飛来したため、空自がスクランブル発進した。参考：朝雲

＜ＢＺＭ３４＞：ドイツ海軍212A型潜水艦１番艦に搭載されているPEM燃料電池。燃料セル72個、重量650kg。作動温度70-80度、定格出力34kW、電圧52.3V、電流650A。効率62%（フルロード）／72%（20%ロード）。参考：月刊軍事研究4,’13

＜ＢＺＭ１２０＞：ドイツ海軍212A型潜水艦２番艦以降に搭載されているPEM燃料電池。燃料セル320個。作動温度70-80度、定格出力120kW、電圧215V、電流560A。効率56%（フルロード）／68%（20%ロード）。参考：月刊軍事研究4,’13

＜Ｂ型架橋機＞：ドイツ陸軍工兵大隊が第２次大戦時に配備していた架橋器材。最大長130m。参考：月刊PANZER3,’10

＜Ｂ型戦時標準貨物船シリーズ＞：日本の戦時標準貨物船。南方と内地を結ぶ長距離航路用である。建造担当造船所は浦賀船渠と播磨造船所本社工場（７隻）。参考：戦時標準船入門

　＜Ｂ型貨物船＞：船舶改善協会が昭和14年3月に設計したもの。単に規格を標準化しただけで、戦時量産の工夫は見られない。総トン数4500トン、載貨重量6840トン。主機は蒸気タービン、最大出力2800馬力、航海速力12ノット、最大速力14.5ノット。参考：戦時標準船入門

　＜１Ｂ型戦時標準貨物船＞：第１次戦時標準船で、当初は単にＢ型だったが、3B型が作られることになったので前に１が付いた。船型は三島型。全長112m、全幅15.8m、総トン数4500トン、載貨重量6800トン、積載トン数7360トン。主機は蒸気タービン、出力2400馬力、航海速力11.5ノット、最大速力15.5ノット（14ノット？）。16隻72000総トンが竣工した。参考：戦時標準船入門、輸送船入門

　＜３Ｂ型戦時標準貨物船＞：第３次戦時標準船。完成前に終戦を迎えた。参考：戦時標準船入門

＜Ｂ火薬＞：フランスのビエイユが1884年に開発した無煙火薬。ニトロセルロースを溶剤でゼラチン化し、よく練って均質な可塑剤に加工して燃焼速度を遅くしたものである。参考：GUN用語事典

＜Ｂガル＞：YQM-94A（無人偵察機）を参照。

＜Ｂ幹部＞：海上自衛隊幹部自衛官のうち、部内から選抜されて幹部候補生学校に入学し、幹部となった者のこと。飛行幹部候補生課程から幹部になった者もこう呼ばれる。有能な術科技能を持つ若手海曹からの昇任であり、Ａ幹部の補佐にあたる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、MAMOR Vol.50

＜Ｂ級嚮同駆逐艦＞：イギリス海軍の嚮同駆逐艦で、Ｂ級駆逐艦の嚮同艦として建造された。全長98.5m、幅9.9m、吃水2.6m、基準排水量1360トン。主機は蒸気タービン、出力34000馬力、速力35ノット。兵装は12cm単装砲４門、２ポンド単装砲２門、533mm４連装魚雷発射管２基。1931年にD06ケイスが就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｂ級駆逐艦＞：イギリス海軍駆逐艦。対潜用にASDICを搭載している。全長98.5m、幅9.9m、吃水2.6m、基準排水量1360トン。主機は蒸気タービン、出力34000馬力、速力35ノット。兵装は12cm単装砲４門、２ポンド単装砲２門、533mm４連装魚雷発射管２基、爆雷投射機２基。1930-31年にH11バシリスク、H30ビーグル、H47ブランシェ、H65ボーディセア、H77ボレアズ、H80ブレイゼン、H84ブリリアント、H91ブルドッグの８隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船3,’07

＜Ｂ級潜水艦＞：アメリカ海軍潜水艦で、75フィート型または150トン型とも呼ばれ、当初はヴァイパー（Viper）級だった。Ａ級潜水艦の拡大改良型で、魚雷発射管を２門に増やし、上構や司令塔を拡大、本格的な航海艦橋を設けた。司令塔に潜望鏡１本を装備しており、就役後に２本目を船体に追加した。全長25.1m、最大幅3.8m、吃水3.2m、水上排水量145トン、水中排水量173トン。主機はガソリン機関直結推進方式、水上用オットー式４気筒２サイクルガソリン１基＋水中用エレクトロ・ダイナミック式電動機１基、水上出力250馬力、水中出力115馬力、１軸推進、水上速力9.2ノット、水中速力８ノット、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル１群、航続距離540海里（水上９ノット）／12海里（水中４ノット）。安全潜航深度46m。兵装は艦首の45cm魚雷発射管２門（Mk2魚雷４本）。乗員10名。SS-10、SS-11、SS-12の３隻が1907年に竣工した。兵装の割に船体拡大が不十分で、予備魚雷を積むと艦内が狭すぎる、潜航深度が浅め、と同時発注のＣ級より不評で、1913年に局地（フィリピン）防衛に回され、1922年に退役した。参考：アメリカ潜水艦史

＜Ｂタイプ師団＞：師団２型を参照。

＜Ｂタイプ旅団＞：旅団２型を参照。

＜Ｂチーム＞：グリーンベレーを参照。

＜Ｂディエーンスト＞：ドイツ海軍の情報機関で、通信傍受機関の略。イギリス海軍情報機関40号室をモデルにして1920年代に創設された。第２次大戦では連合軍商船通信を解読してミュンヘン情報としてＵボート司令部に流している。1943年6月に連合軍が暗号書を交換したので一時解読不能になったが、9月には解読に成功、連合軍は12月にもう一度暗号書を交換する羽目になった。同月にイギリスがＵボート用エニグマ暗号トリートンの解読に成功、通信内容の分析から連合軍商船通信がドイツ側に解読されていることが確定したため、連合軍は1944年1月1日に暗号システムそのものを換装し、Ｂディエーンストは終戦まで解読することができなかった。参考：Ｕボート入門

＜Ｂバンド（新ＮＡＴＯ）＞：0.25-0.5GHzの電波周波数帯を指す。波長は1.2-0.6m。参考：レーダの基礎

＜Ｂユニット＞：生物剤衛生対処ユニットを参照。

＜Ｂリンク＞：リンク14を参照。

＜Ｂレーション＞：アメリカ軍が第２次大戦中に使用した準平常食で、フィールド・レーションＢともいう。Ａレーションから腐敗しやすい食品を除去したもので、冷凍肉、ミートスパゲッティ、乾燥野菜、乾燥ポテト、焼きたてのパン、タマゴの缶詰、牛乳、コーヒー、果物などで構成されていた。野戦用移動調理車で料理され、野営地や後方の部隊集合地まで運ばれる。10名の１日分がセットになっているため、テン・イン・ワン・レーションと呼ばれた。朝鮮戦争でもオペレーショナル・レーションＢとして供給されており、レンジやオーブンで調理された。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17、コンバット・バイブル

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