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＜Ｍ＞：Be-10（飛行艇）を参照。

＜Ｍ＞：マーク（Mark、Mk）の略。

＜Ｍ＞：近代化（Modifitsirovanny）のロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｍ００／０２＞：ソ連陸軍76.2mm野砲。最大射程8750m。参考：日本戦車隊戦史

＜Ｍ−１＞：M4海外シリーズ（中戦車）またはM1935海外シリーズ（軽迫撃砲）またはSS-48（M-1級潜水艦）を参照。

＜Ｍ１演習弾＞：アメリカ軍105mm榴弾砲用演習弾。M1榴弾と寸法・重量・弾道特性は同一で、内部には不活性剤が充填されている。参考：月刊PANZER9,’99

＜Ｍ１カービン・シリーズ＞：アメリカ陸軍カービン銃。M1ガーランドとM1トンプソンの間を埋める軽量ライフル（総重量2.3kg以下、有効射程300m）として1940年10月に要求が出され、ウィンチェスター社製のものが1941年10月22日に採用された。本来は拳銃に換わる近接戦闘用火力投射兵器というコンセプトで、サブマシンガンや突撃銃の性格に近いフルオート射撃可能な銃として完成する予定だったが、第２次大戦勃発でフルオート機構の開発を止めて急遽実戦投入されることになり、只のコンパクト自動小銃になっている。ウィンチェスター社、GM社インランド部門、アーウィン・ペダースン・アームズ社、アンダーウッド社、ロチェスター・ディフェンス社、ロック・オーラ社、クオリティー・ハードウェア＆マシン社、ナショナル・ポスタル・メーター社、IBM社、GM社サギノー・ステアリング・ギア部門とその下請けの数百社で1945年までに632万丁（6117827丁？）が生産された。マシンガンチームに配備して護衛兼火力強化に使用した他、部隊指揮官、司令部要員、操縦手、砲兵、通信兵、野戦憲兵なども装備した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊JWings4,’02、スピアヘッドNo.12

　＜Ｍ１＞：作動はガス圧式セミオートマチック。全長904mm、銃身長457mm、重量2.52kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×33弾（重量110グレイン・7.13g）、有効射程300ヤード（274m）、装弾数15発。銃床に予備弾倉２本入りのパウチを付けると弾倉交換に便利である。M8てき弾発射機を取り付けることが可能だが、対戦車てき弾や破片てき弾は緊急時以外の使用を禁じられており、発煙弾や信号弾を主に使用したようである。最初は二線級部隊に配備する予定だったが、大量生産で前線部隊にもあふれたため、後にM4銃剣用の着剣装置を付けた。ライフルより重量と反動が軽く片手で撃つことができ、有効射程は短めだがM1928トミーガンよりは長く、市街戦や太平洋戦線のジャングル・洞窟戦で威力を発揮した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、最新軍用ライフル図鑑、スピアヘッドNo.3、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

　＜Ｍ１Ａ１＞：空挺部隊用で、折り畳み式スケルトンストックとピストル・グリップを持つ。全長905mm／640mm（銃床折り畳み時）、重量2.8kg。GM社インランド部門で初期ロットは1942年11月から、第２ロットは1943年5月から、計140591丁が生産された。参考：月刊JWings4,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、大日本帝国陸海軍軍装と装備

　＜Ｍ２＞：前線から火力強化の要求が出たため、フルオート機能を持たせたもの。機関部左にセレクターがある。30発入りバナナマガジンも作られた。全長904mm、銃身長457mm、重量2.52kg。発射速度毎分750-775発。1944年10月から1945年5月に217500丁が製作され、M1からも改造された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊JWings4,’02

　＜Ｍ２Ａ２＞：M2の空挺部隊向け。折り畳み銃床とピストル・グリップを持つ。参考：月刊JWings4,’02

　＜Ｔ３＞：アクティブ赤外線暗視装置装備の試作型で、1943年から開発された。M1/M2カービン、バッテリー、操作用グリップ、赤外線ランプ、T-120望遠鏡式暗視管から構成される。夜間有効距離70m。2000-3000丁が生産されたが、機密ということで太平洋戦線に200丁のみが配備された。参考：歴史群像10,’08

　＜Ｍ３＞：T3カービンの制式化型。M1/M2カービンの照準器を外し、アクティブ赤外線暗視装置を搭載したものである。赤外線ランプをM-2暗視スコープの上に装着し、伏せ撃ちを可能とした。夜間射撃時に発砲炎が出ないよう、フラッシュハイダーを装備している。全長904mm、銃身長457mm、重量12.7kg。装弾数30発。1945年8月に制式化されたが、銃自体の有効射程が90m前後しかない上、やたらと重いのが欠点である。2000丁が生産され、朝鮮戦争やベトナム戦争初期に夜間狙撃用として使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、歴史群像10,’08

＜Ｍ１カービン海外シリーズ＞

　＜Ｍ１騎銃（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊カービン銃。1950年、警察予備隊発足と同時にアメリカから供与され、カービン銃と通称された。口径7.62mm。全長903mm、銃身長457mm、重量2.5kg（空弾倉含む）。作動はガス圧式、持続発射速度毎分16-32発。初速毎秒600m、有効射程300m、最大射程2000m。15発入り箱形弾倉を使用する。小型軽量で小柄な日本人向きだったが、命中率がイマイチで、狙っても当たらないと酷評された。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜ホーワ３００＞：豊和工業が生産した民間型。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１ガーランド＞：アメリカ軍の自動小銃。スプリングフィールド兵器廠のジョン・Ｃ・ガーランドが開発し、1936年1月9日にM1903スプリングフィールドに換わって制式化された。ただし生産は遅々として進まず、本格量産は第２次大戦勃発後にずれこんでいる。銃床は木製で、銃身の半ばまで達しており、木被が銃身上面３分の１を覆う。木被の先には残りの銃身が突き出していて、下方にガス筒が付く。M7てき弾発射機を装着可能。全長1.108m、銃身長0.609m、重量4.37kg。ライフリングは４条右回り。ガス圧作動式セミ・オートマチック、使用弾は.30-06弾（7.62mm×63）、８発装弾のクリップを開放された遊底の上から押し込む。この頃他国が装備していたのはボルトアクション単発銃ばかり（ドイツ国防軍Kar98kが1935年採用、フランス軍MAS36が1936年、日本陸軍九九式小銃が1939年）で、一歩先んじた装備だった。第２次大戦中にウインチェスター社とスプリングフィールド社で374万2880丁（420万丁？4028395丁？）が生産され、朝鮮戦争時を合わせると総生産数は550万丁に達する。クリップ挿入孔が大きいため、ここから埃や砂が入り込んでジャミングが多発するという欠点があった。また、1-2発残ってしまった場合、そのままでは詰め直すことができず、いちいちクリップごと入れ替えないといけない。全弾撃ち尽くすと勢いよくクリップが飛び出すため、朝鮮戦争では凍土にぶつかって派手な音を立て、敵兵に弾切れが知られるという噂が出た。実際これで敵兵が飛び出してきても別の兵がBARあたりで掃射すれば良い訳で、特に問題は無いが。それよりも寒冷地では作動不良を起こしやすい事の方が問題で、朝鮮戦争後にM14が開発され、1957年に制式から外された。参考：月刊JWings3,’02、最新軍用ライフル図鑑、陸上自衛隊地上戦力の全容、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃、拳銃・小銃・機関銃、スピアヘッドNo.12

＜Ｍ１ガーランド・ファミリー＞

　＜Ｍ１Ｃ＞：狙撃銃型。機関部左横に５つの穴を開け、グリフィン＆ハウ社製の市販のスコープマウントを左にオフセットして載せ、M73スコープ（倍率2.2倍）を装着してある。1944年6月に採用され、1945年からは銃床に革製チークピースが付き、銃口にフラッシュ・ハイダーを装着した。太平洋戦争中に8000丁が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｍ１Ｄ＞：狙撃銃型。照門を利用してスコープを取り付けるタイプで、1944年8月に代用制式として採用された。最初はM73スコープを装着していたが、後にM81またはM82スコープ（どちらも倍率2.5倍）を載せている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１ガーランド海外シリーズ＞

　＜Ｍ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊自動小銃。M1C/M1D狙撃銃と共にアメリカから供与された。全長1097.3mm、銃身長609.6mm、重量4.37kg／4.8kg（銃剣付）。作動はガス圧式、発射速度毎分16発（持続）／32発（最大）。使用弾は.30-06弾、初速毎秒865m、有効射程600m、最大射程3200m。装弾は８発クリップ。銃剣は全長250mm、重量400g。日本人の体格には大きすぎ、7.62mm×51NATO標準弾への移行などもあって64式小銃に後を譲ったが、木製銃床で見た目が良いこと、ピストルグリップが無くファンシー・ドリルで扱いやすいことなどから、第302保安警務中隊特別儀仗隊、防衛大学校・高等工科学校ライフルドリル部などで使用され続けている。2019年4月、特別儀仗隊が儀じょう銃に切り換えた。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、スピアヘッドNo.3、No.7、朝雲

　＜Ｓ１．Ｇｅｗ２５１（ａ）＞：ドイツ国防軍自動小銃。第２次大戦時に鹵獲して使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ−１火炎放射器シリーズ＞：アメリカ陸軍歩兵用火炎放射器。1941年8月に採用し、1942年3月から生産、1943年1月のガダルカナル戦から使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊軍事研究8,’02

　＜Ｍ−１＞：E1R1火炎放射器の改良型で、燃料タンクを背中に背負って火炎放射を行う。燃料18.2リットル、重量32kg。最大射程は23-27mの予定だったが、せいぜい14mしか飛ばず、連続放射はガス圧力の関係で６秒が限度だった。後にM-1A1仕様に改造された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊軍事研究8,’02

　＜Ｍ−１Ａ１＞：燃料をオイルにアルミニウムと石鹸を混ぜたナパームに変更し、発射筒と圧力装置を改良して最大射程を46mに延伸したタイプ。燃料はタンク２本に計４ガロン（15.1リットル）詰め込まれており、圧縮空気によって１秒の放射を７回行うことができる。1942年夏に採用され、14000基が生産された。ただ点火装置の不具合が多く、マッチで火を付けたこともあった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ１ガスマスク＞：アメリカ陸軍のガスマスク。海軍のMk.�Tガスマスクを採用したものである。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ１カノン砲＞：アメリカ陸軍4.5インチ（114.3mm）カノン砲。1920年代から開発され、途中で一旦中止され、1939年に4.7インチ（119.4mm）カノン砲として再開され、イギリス軍4.5インチカノン砲用砲弾を流用できるように4.5インチにスケールダウンされ、1940年に採用された。砲身長4.8m、口径長42、行軍重量5.654トン。榴弾（重量24.92kg、炸薬重量2kg）だと初速毎秒694m、最大射程23.529km。口径が中途半端なため、426門のみ生産され、殆どが本土で訓練用に使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１カノン砲シリーズ＞：アメリカ陸軍45口径155mmカノン砲、別名ロングトム。M1918A1カノン砲の後継として1920年代から開発され、1938年に採用された。1960年代に制式名称がM114に変更されている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１カノン砲＞：最初の量産型。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１Ａ１カノン砲＞：砲架を改良したタイプ。ダブルタイヤ４組が付いており、牽引時には１軸２輪の前車を付けていたが、後に前車を付けずに牽引されるようになった。戦闘重量12.6トン、行軍重量13.9トン。方向射界は左右30度ずつ、最大仰角63度20分。M101榴弾（57.6kg）で初速毎秒835m、最大射程23.5km。発射速度毎分１発。砲要員14名。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ２カノン砲＞：長い砲身のバランスを保つため、砲の付け根左右にシリンダー状の平衡機が付いている。移動時には砲身を後座位置にし、下部砲架前部の２軸に加えて脚後端に１軸の補助車（全てダブルタイヤ）を付け、18トン牽引車M4で牽引する。全長10.3m、砲身長7.03m、砲重量13500kg。砲弾重量43.1kg、砲口初速毎秒854m、最大射程23500m、最大発射速度毎分２発、最初の10分で10発、１時間で40発。榴弾は有効破壊半径45×30mで、射距離4000mでは厚さ1.4mの強化コンクリートを貫通できる。操作要員19名。M4A3の車体に搭載するとM40自走カノン砲となる。旧式のため、核砲弾は使用できないとされる。参考：月刊軍事研究11,’02、6,’01、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊PANZER4,’04、自衛隊装備年鑑1996、アメリカの核兵器

＜Ｍ１カノン砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２カノン砲（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊カノン砲、略称15G、15加。アメリカから供与されたもので、発足時から装備した。全長10.3m、口径155mm、砲身長７m、重量13.5トン。後座長1.77m。使用弾は薬嚢式で、弾種は榴弾、徹甲弾、発煙弾、照明弾など、初速毎秒854m、有効射程20000m、最大射程22000m（徹甲弾）／23500m（榴弾）。最大発射速度は最初の４分で８発、10分で14発、持続発射速度毎時40発。砲身命数700発。砲要員19名。M4牽引車または73式牽引車により牽引されるが、重いので機動力に欠け、発射準備に30分かかる。方面隊直轄の特科団／特科群隷下の１個特科大隊あたり２門が配備された。1996年までに全て退役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、自衛隊装備年鑑1996、日本の戦力、スピアヘッドNo.8

＜Ｍ１カノン砲＞：アメリカ陸軍８インチ（203mm）カノン砲。1920年代から開発され、1924年に一旦中止され、1939年に復活し、８インチ榴弾砲M1と共通の砲架を使用して完成、1942年から配備された。移動時には20トンクレーンで砲身と砲架に分解し、M3中戦車を改造した牽引車で引っ張っていく。砲身長10m、口径長50、全備重量31.462トン。方向射界40度、俯仰角マイナス10度からプラス50度。M103榴弾（弾量109kg）だと初速毎秒900m、最大射程32.925km。1945年2月までに139門が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ−１艦対空ミサイルシステム・シリーズ＞：ソ連軍初の艦対空ミサイルシステム。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜Ｍ−１艦対空ミサイルシステム＞：別名ヴォルナM-1（Volna M-1。Volnya？ヴォルナは波の意）、米軍コードSA-N-1、NATOコードはゴア（Goa）。1956年8月から61型カシン級駆逐艦及び63型原子力巡洋艦に搭載するため開発され、後に搭載艦が58型キンダ級巡洋艦と62型防空巡洋艦に変更され、最終的にはフルシチョフ総書記の命で58型キンダ級と61型カシン級に搭載することになった。S-125がベースで、アメリカ海軍のターターに相当し、射程は短いが一応エリア・ディフェンス用である。システムはV-600ミサイル（型式番号4K90）、ZIF-101発射機、ESP-101誘導装置で構成される。V-600ミサイルの諸元は以下の通り。全長5.89m、直径0.37m、翼幅1.2m、重量923kg、弾頭重量60kg（破壊力増強用合金フラグメント含む）。推進は固体ロケット２段式で、ロケット14基を束ねたブースター（燃料搭載量280kg）が３秒燃焼して射出され、ブースター後部の矩形安定翼４枚が展張、サステナー（ロケット１基、推進薬125kg）が19秒間燃焼し、最大速度毎秒600m（マッハ3.5？）、最低射程4km、最大射程15km（22km？）、最小射高0.1km、最大射高10km、対応目標速度毎秒600m。炸裂すると弾頭は3560-70個の破片を生じ、MiG-15クラスの目標に対する撃墜率は半径20m以内で90%、40m以内で40-60%である。ZIF-101は三軸別々の安定化機構を持つ連装発射機で、甲板下に８連装垂直式予備ミサイルドラムを２個備える。誘導方式は無線コマンドリンクで、管制レーダー方位盤はNATOコードでピール・グループと呼ばれ、Ｉバンドのレーダーでミサイルと目標を追跡し、Ｂバンドでミサイルに指令を送る。ミサイルと目標の方位と高角を独立したアンテナで測定するため、方位盤にはバナナ型パラボラアンテナ４基が付いていて、別々に旋回俯仰し、更に方位盤中央に指令誘導電波送信用小型パラボラアンテナ１基も装備する。１目標に２発を誘導することが可能だが、複数目標の同時迎撃はできない。36ノットで高速航行中にも発射可能。1961年に56K型駆逐艦ブラヴィでテストが行われ、1962年8月24日に制式化されてコトリン級、カニン級、キンダ級、カシン級、クレスタ�T級に搭載された。1961年には改良型ミサイルの開発が開始され、1964年にV-601ミサイル（型式番号4K91）として制式化された。２段目ロケットの推進薬を150kgに増やした301型とし、弾頭もフラグメント4500個に強化した5B18を採用している。諸元は以下の通り。全長5.95m、発射重量980kg、弾頭重量72kg。最大速度毎秒730m、最小射程4km、最大射程22km、最小射高0.1km、最大射高14km、対応目標速度毎秒700m。実験艦OS-24でテストが行われ、引き渡しは1967年になった。1970年代には最低射高を低くしたV-601M（型式番号4K91M）も開発されている。後期型では８連装垂直式予備ミサイルドラムが４個に増えた。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、12,'21、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究12,’02、月刊丸3,’90、4,’07

＜ＳＡ−Ｎ−１＞：西側推定諸元は以下の通り。ミサイル全長6.6m、直径0.46m、翼幅1.5m、重量400kg、弾頭重量60kg。固体ロケット推進、最大速度マッハ２、射程31.5km。誘導は無線コマンドリンク方式。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜改Ｍ−１艦対空ミサイルシステム＞：別名ヴォルナＰ（Volna P）。M-1艦対空ミサイルシステムの改良型で、1974-76年に開発された。ECCM能力や誘導システムを改善している。その後シースキミング・ミサイルに対応可能なV-601M/4K91Mミサイル（最低射高3-5m）や、予備弾数を32発に増やしたZIF-102発射機（発射速度は30秒ごとに２発）も開発された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜Ｍ１機関砲シリーズ＞：アメリカ軍37mm機関砲。ブローニングが1921年から開発し、1935年に航空機用として採用され、高射機関砲としても使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１機関砲＞：アメリカ陸軍が高射機関砲として採用したもの。砲架には車輪４つが付いており、射撃時には車輪を浮かせ、アウトリガー２本で固定する。砲身長1.986m、全備重量2.78トン。全周旋回可能、俯仰角マイナス５度からプラス90度。M54榴弾（600g）だと、初速毎秒854m、最大射高5670m。給弾は10発クリップ。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１Ａ２機関砲＞：M1の改良型。M5電気式射撃指揮装置を装備する。全備重量2.8トン。最大射高5700m、発射速度毎分120発。10度以内の傾斜地なら布陣可能。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜ＡＮ−Ｍ４機関砲＞：アメリカ海軍採用型。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１臼砲＞：ドイツ国防軍35.5cm臼砲。クローム・バナジウム鋼製レヒリング弾（全長3.6m、重量１トン）だと、厚さ4mの強化コンクリートを貫徹できる。参考：月刊丸2,’07

＜Ｍ−１機雷＞：中国海軍係維機雷。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜Ｍ１軍用機シリーズ＞：イギリス軍の軍用機。第１次大戦中にブリストル社が開発した。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｍ１Ａ＞：自主製作の試作機。胴体は円形断面の流線型で、コクピットは開放式だが、転倒不時着時にパイロットが潰されないよう半円形の鋼管支柱が立っている。主翼は高翼単葉で、上下に張線を持つ。1916年6月14日に初飛行し、軍でもテストが行われ、採用された。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｍ１Ｂ＞：増加試作型４機。コクピットの支柱をピラミッド型に変更し、右主翼付け根に切り欠きを設けて下方視界を確保、前方左にヴィッカーズ固定機銃を１丁取り付けている。エンジンは２号機までがクレルジェ（110馬力）、３号機がクレルジェ（130馬力）、４号機がベントレーAR1（150馬力）。初号機は1916年12月に納入された。着陸速度は時速79kmで、フランスの小さな飛行場では使用できなかったため、量産機はマケドニア、パレスチナ、イラクに配備されることになった。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｍ１Ｃ＞：量産型。機銃を胴体中心線上に搭載し、左主翼に切り欠きを設けている。全長6.24m、全幅9.37m、全高2.37m、自重406kg、最大離陸重量611kg。エンジンはルローヌ9J（110馬力）単発、最大速度209km、実用上昇限度6100m、航続時間1.75時間。固定武装は7.7mm機銃１丁。乗員１名。125機が生産され、マケドニアに30機未満、パレスチナに１個中隊分、イラクに１個小隊分が配備され、チリにも６機が輸出され、本国では飛行学校や高級将校用として装備された。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｍ１Ｄ＞：M1Bのエンジンをブリストル製ルシファー星型（100馬力）に換装したもの。1922年に１機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.48

＜Ｍ１軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍軽戦車。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１＞：T1E1軽戦車を参照。

＜Ｍ１Ａ１＞：M1コンバットカーを参照。

＜Ｍ１Ａ２＞：M2コンバットカーを参照。

＜Ｍ１高射機関砲＞：アメリカ陸軍40mm高射機関砲。ボフォース62口径40mm高射機関砲をライセンス生産したもので、1941年末に制式化され、翌年から量産された。太平洋戦争でアメリカ海軍艦船と日本軍機との戦闘が激化すると砲身が足りなくなり、1943年末には砲が全て海軍向けになってしまい、配備を中断している。閉鎖機は垂直鎖栓式、駐退復座機は液バネ式、作動は反動利用式。給弾は４発クリップ、発射速度毎分60発（実用）／120発（最大）。使用弾は薬莢式で、曳光焼夷榴弾と曳光徹甲弾を主用する。最大射程9339m（曳光焼夷榴弾）／8660m（曳光徹甲弾）、最大射高6969m（曳光焼夷榴弾）。装甲貫徹力は30度傾斜均質圧延鋼板に対し48mm（射距離500ヤード・457m）／41mm（1000ヤード・914m）／30mm（1500ヤード・1372m）。砲架はボフォース社オリジナルの手動操作式M1、生産性を向上させたM2、M2の旋回装置を改良したM2A1、車輪を２つにして軽量化したM5（空挺用）などである。M2砲架は４つ脚で、先端にジャッキが備えてあり、射撃時に砲架を安定させる。上部砲架は全周旋回可能、俯仰角マイナス11度からプラス90度。防楯は無い。日本軍が太平洋戦争時に大量に鹵獲して使用した。戦後は自衛隊も採用している。参考：月刊PANZER8,’02、海上自衛隊全艦艇史、丸スペシャルNo.75

＜Ｍ１高射機関砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１高射機関砲（海上自衛隊）＞：海上自衛隊40mm高射機関砲。移動用台車を外すなど艦載用に改造し、旋回架台に搭載したもので、くす型、ゆり型の一部に搭載した。操作は人力で、右に旋回手、左に射手兼俯仰手が位置し、射手または装填手（機銃台後部に位置）の足下にある発射ペダルを踏んで射撃する。砲身は空冷式、照準はM3環型照準器を使用する。砲身長56.24口径、俯仰角マイナス６度からプラス90度、旋回角360度。初速毎秒772m、有効射程2740m、最大発射速度毎分120発。要員４名（旋回手、射手、装填手、給弾手）。参考：丸スペシャルNo.75

　＜Ｍ１高射機関砲（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊40mm高射機関砲。1951年から供与され、1982年に全て退役した。参考：丸スペシャルNo.75

＜Ｍ１高射砲シリーズ＞：アメリカ陸軍90mm高射砲。３インチ高射砲M3の後継として1938年から開発し、1940年3月に90mm砲（高射砲ではなくて、単に砲）として制式化された。戦闘指揮所からの諸元を示すダイヤルなど、当時としては最新のFCSを備えている。1944年10月27日からアントワープ港に飛来したFi-103巡航ミサイルを叩き落とすのに活躍した。参考：月刊PANZER8,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１＞：閉鎖機は垂直鎖栓式、駐退復座機は液気圧式変後座型。全周旋回可能、俯仰角0-80度（改良砲架でマイナス５度からプラス80度）、マズルブレーキと防楯は無い。砲架下部には４本の脚があり、移動時には牽引時の連結棒となっている１本以外の３本を畳み、車輪１組を取り付け、操砲用プラットフォームを連結棒の上に立てる。このため、組み立てに時間がかかるという欠点があった。砲口径90mm、砲身長4.287m（4.737m？）、口径長50、全備重量8.626トン。弾薬は薬莢式で、弾種はM71榴弾（重量10.6kg、砲口初速毎秒824m、最大水平射程17879m、最大垂直射高10980m、有効射高8500m）、徹甲榴弾（M82APCまたはM77AP。重量10.9kg、砲口初速毎秒854m、装甲貫徹力は射距離1000mで147mm）、高初速徹甲弾（重量7.63kg、初速毎秒1022m、装甲貫徹力は射距離1000mで252mm）。発射速度毎分15発。第２次大戦後期には砲弾にVT信管を備えるようになり、対空射撃の他、地上に対する曳火射撃にも使用された。参考：月刊PANZER8,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１Ａ１＞：M8スプリング式ラマーと遠隔操作装置を追加したもので、発射速度が毎分27発に向上した。陸上自衛隊にも1951年から供与され、1974年まで使用された。参考：月刊PANZER8,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１高射砲＞：アメリカ軍60口径105mm固定式高射砲。第１次大戦の戦訓を基に開発されたが、1927年に完成した時は予算が割り当てられず、1938年から生産されたものの、1940年6月までに13門しか作られず、パナマ運河に配備されていた。砲身長6.3m、重量９トン。M38A1榴弾（重量15kg）だと初速毎秒854m、最大射高12800m。120mm高射砲M1の制式化に伴い、1945年2月に制式から外された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１高射砲＞：アメリカ軍60口径120mm高射砲。兵器開発担当局と口径委員会が別々に開発していたが、予算不足で中止され、1939年6月に再開され、1940年末に採用された。砲架にはダブルタイヤ２軸４組が付けられており、M6牽引車で牽引できる。布陣の際にはジャッキで砲架を降ろし、前後左右のアウトリガーを伸ばして地面に固定するが、40-90分掛かる。戦闘重量22トン、運航重量28トン。俯仰角マイナス５度からプラス80度。弾薬は分離装薬式で、M73榴弾（弾頭重量22.7kg）だと初速毎秒946m、最大射高17000m。550門が生産され、北アイルランドに４門が設置された他は全てアメリカ本土に配備された。後にM58戦車砲やL1A1戦車砲のベースとなり、M103重戦車やFV214コンカラー重戦車に搭載された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１コンバットカー・シリーズ＞：アメリカ陸軍コンバットカー。T5コンバットカーとして1934年から開発され、1935年に採用された。1940年7月に軽戦車に種別変更されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１＞：T5E2の制式採用型。車体はリベット止めで、中央から後部にかけて１段高い上構を持つ。車体前部がスライティングギア式トランスミッション、中央が操縦室と戦闘室、後部が機関室で、車体前部右に7.62mm機銃用ボールマウントを装備する。上構前面はガラス製ウインドシールドが左右に並んでおり、上方ヒンジの装甲ハッチ（視察スリット付き）でカバーできる。下部転輪は２枚１組でボギー式VVSSサスペンションにより支持されており、ボギーは左右２組ずつ用意されている（つまり下部転輪は片側４枚）。起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側２枚。戦闘室に１名用銃塔が載っており、12.7mm機銃と7.62mm機銃を同軸装備し、後部には対空機銃マウントを設けている。全長4.16m、全幅2.4m、全高2.38m、戦闘重量8.45トン（11.5トン？）。装甲厚は車体前面16mm、側面13mm、後面・上面・底面6mm、砲塔全周16mm、上面6mm。エンジンはコンチネンタル社製W670系７気筒４サイクル星形ガソリン（W670-3なら262馬力）、最大速度路上72km／路外15-25マイル（24-40km）、航続距離190km。乗員４名（車長、操縦手、車体銃手、銃塔銃手）。1937年までに90両が生産され、訓練にのみ使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER6,’01、9,’12

　＜Ｍ１Ｅ２＞：M1A1のプロトタイプ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ１Ａ１＞：1938年型で、トランスミッションをコンスタントメッシュ式に変更している。17両が生産され、訓練にのみ使用された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ１Ｅ３＞：ゴム履帯のテストに使用したM1で、1939年に製作された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１サブマシンガン・シリーズ＞：アメリカ軍のサブマシンガン、別名トンプソン（正確な発音はトムソン）・サブマシンガン、トミーガン。M1928サブマシンガンを大幅に改良したもので、1942年4月に制式化された。大量生産向きでなかったため、程無くM3サブマシンガンに交替したが、第２次大戦からベトナム戦争（南ベトナム政府軍のものを現地調達した）まで使用されている。参考：月刊JWings3,’02、GUN用語事典、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃

　＜Ｍ１＞：M1928の構造を簡素化したもの。M1919譲りのＨ型閂子とマズルブレーキと銃身冷却フィンを外し、ストックの取り外し機構を廃止、コッキングハンドルを右側面に移動させた。全長813mm、銃身長256mm、重量4.74kg。使用弾は.45ACP弾。マガジンは20連装・30連装の箱型。有効射程100-200m、最大射程1600m。作動はシンプル・ブローバック式、セミ・フルオート切り替え可能、発射速度毎分700発。1943年初めまでに285480丁が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、GUN用語事典、月刊JWings3,’02、拳銃・小銃・機関銃

　＜Ｍ１Ａ１＞：更に簡素化して生産性を向上させたタイプで、1942年10月に採用された。撃針を単純化し、照門両側にガードを付けてある。1944年までに539142丁が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、GUN用語事典、月刊JWings3,’02

＜Ｍ１サブマシンガン海外シリーズ＞

　＜Ｍ１サブマシンガン（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊サブマシンガン。1956年頃からM1とM1A1が供与された。M3サブマシンガンが不足がちだったので代わりに配備され、64式小銃に後を譲って退役した。参考：スピアヘッドNo.14

＜Ｍ１磁気信管＞：ドイツ国防軍の機雷用磁気信管。地球磁場の垂直分力強度の増減によって作動する。感度は30ミリガウスで、後に10ミリガウスのものも開発された。参考：ナチスＵボート

＜Ｍ１重機関銃＞：アメリカ軍の水冷重機関銃。第１次大戦時に7.62mm機銃が装甲車や航空機に対して威力不足だったことから開発された。M1917機銃をベースに使用弾口径を12.7mmに拡大し、1918年に完成した。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１銃剣＞：アメリカ軍の銃剣。第２次大戦時にM42の刃が長すぎることが判明したため、刃渡り250mmに短縮したものである。1943年3月に採用された。M1903小銃、M1小銃に装着可能で、M7剣鞘とセットで使用される。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃

＜Ｍ１手榴弾＞：イギリス軍が初めて制式化した手榴弾で、1908年6月に採用された。弾体は真鍮製で、殺傷用破片を生じさせるために鉄環が填め込まれており、頂部中央に地雷用雷管が埋め込まれていて、その上に撃針の付いたキャップが被せられている。キャップと撃針は安全ピンで固定され、投擲の際には安全ピンを外してキャップを回し、撃針と雷管が向かい合うようにした。頂部から落下しないと炸裂しないため、弾体尾部には長さ16インチ（406.4mm）の姿勢安定用金属棒が付いており、ここを持って投げる。弾体にはフックが付いていて、ベルトにひっかけて持ち運ぶことが可能。炸薬はリダイト（ピクリン酸）113.5g。第１次大戦で使用されたが、塹壕内で投げようとした際に後ろの壁に頂部が接触して誤爆する事故が続出し、改良型のM2が開発されることになった。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１スカウトカー＞：アメリカ陸軍スカウトカー。陸軍初の制式装甲偵察車で、ホワイト社がインディアナ４輪駆動トラックをベースに開発した。車体右側前部、後部座席両側のドア上部、車体後部に銃架があり、12.7mm機銃２丁と7.62mm機銃２丁を装備する。装甲厚は車体前面12.7mm、側面6.4mm。1933-34年に76両が生産され、訓練に使用された。参考：世界の軍用車両(4)

＜Ｍ−１戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍主力戦車、別名エイブラムス（Abrams。将軍の名前）。1963年から西ドイツと共同開発していたMBT70とXM803がコスト高で1971年に開発中止となったことから、1972年にMBTタスクフォースを組み、1973年6月に要求性能（全幅4m以下、全高3m以下、戦闘重量64-80トン、最大速度64-80km、時速32kmまで加速性能6-9秒）が提示され、1976年にクライスラー案を採用、1978年に11両が追加試作され、1979年3月に第１次量産が決定、1980年2月から量産され、12月に最終試験を終了、同年から1994年までに8000両が生産された。主任務は、火力・機動力・衝撃効力を発揮して敵部隊に接近し、これを駆逐することである。アメリカ海兵隊には564両を配備予定だったが、予算の関係で403両となった。サウジアラビアに373両（M-1A2）、クウェートに218両（M-1A2）、エジプトに1005両（M-1A1）が輸出された。また、保管状態にあったM-1シリーズのうち59両がオーストラリア（M-1A1D）、140両がイラク（M-1A1SA）に引き渡された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、M1A1戦車とM2/3戦闘車、月刊PANZER11,’04、12,’10、戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究5,’12、11,’17

　＜ＸＭ−１（ＧＭ案）＞：油気圧式サスペンションを持つ。車体長7.77m、車体幅3.64m、戦闘重量53トン。エンジンはAVCR-1360空冷可変圧縮比ディーゼル（出力1500馬力、実出力1100馬力、重量2.03トン）、燃料搭載量1567リットル、航続距離442km。クライスラー案に破れて採用されなかった。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊PANZER10,’85

　＜ＸＭ−１（クライスラー案）＞：機関にはガスタービンを採用しており、低速走行ではM60に比べて騒音が25%以下に抑えられ、不完全燃焼による黒煙を上げることも無かった。初号車は砲塔前部を絞り込んで105mm砲を搭載したが、２号車は120mm砲への換装を考慮して絞り込みを無くしている。初号車は車長用ハッチと砲塔左側面ピントルマウントに7.62mm機銃M240を装備しているが、２号車では車長用ハッチの機銃が12.7mm機銃M2になり、左の7.62mm機銃M240は位置が装填手用ハッチに移動した。車体長7.72m、車体幅3.56m、戦闘重量52.6トン。エンジンはAGT-1500ガスタービン（出力1500馬力、実出力1232馬力、重量1.147トン）、燃料搭載量1893リットル、航続距離442km。1976年2月に初号車が完成し、1976年11月にGM案を破って採用が決定した。1978年2月に２号車（二次試作車１号）が完成し、二次試作車は計11両が製作されている。ガスタービンエンジンのトラブル克服に時間がかかったが、1980年2月に制式化された。エンジンテストは1983年まで続き、16000kmを走破している。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊PANZER10,’85

　＜Ｍ−１＞：車体・砲塔共に均質圧延鋼板の全溶接構造で、車体・砲塔前面は複合装甲を採用、装甲スカート（前方は中空装甲または軽量複合装甲、後方は厚さ5mmの鋼板）も装備する。これらの特殊装甲部分が破損した場合、秘密保持のため速やかに隠蔽することが求められている。複合装甲はチョーバム・アーマーがベースで（1965年と1972年にイギリスで説明を受けた）、第２次大戦時の戦車の被弾状況を調査した結果、命中弾の40%が砲塔前面、37%が車体前面だったことが判明したため、前面のみに適用した。砲塔前面装甲厚は610mmにも達しており、最大厚125mmの装甲ボックス内にセラミックなどを封入したもので、均質圧延鋼板換算で徹甲弾に対して350mm、成型炸薬弾に対して700mm以上に匹敵する防御力を持っている。側面装甲はRPG-7に弾着角60度以上で耐えられる。車体最前部左右には前照灯が付いていて、アップとダウンの２段切り替えが可能であり、バッテリー過充電を防ぐために演習・戦闘中でなければ常に点灯させていることが多い。車体前部に操縦席、中央部に戦闘室、後部に機関室がある。車体前部中央上面にある操縦席ハッチは水平右開きで、ペリスコープ３基により水平170度・垂直８度の視野を得られ、中央はAN/VVS-2夜間暗視ペリスコープ（有効距離100m）に変更可能。操縦席はリクライニング式で、運転中の姿勢が仰向けに近いので怠け者の椅子というニックネームが付けられており、操縦手は寝そべってＴ字ハンドルで操縦する。ハッチからの出入りの際は砲塔を３時か９時の方向に少し回し、砲に仰角をかける必要がある。操向はハイドロスタティック式、ブレーキは足動油圧式。戦闘室の上に載っている砲塔には右前方に砲手、その後ろに車長、左に装填手が座り、砲塔後部に弾薬庫があって厚さ25mmの防弾ドア（装填手が膝でボタンを押すと開き、離すと２秒後に閉まる）で仕切られる。更に弾薬庫上面はブロウオフパネル３枚で構成され、被弾誘爆時に爆風を逃がす（湾岸戦争・イラク戦争で実証済み）。主砲はサーマルジャケット付105mmライフル砲M68（55発。うち砲塔後部弾薬庫内即用弾44発）で、俯仰角マイナス９度からプラス20度、最大仰角での射程は20000m以上。砲尾にはスイングアウト式安全ガードと打殻薬莢排出ガードがある。本来ならば120mmクラスの戦車砲を搭載すべきであり、1976年にM68とイギリスの120mmライフル砲L13、ドイツのラインメタル120mm滑腔砲を使用したテストも行っていて、1978年にラインメタル120mm滑腔砲の採用を決定したが、アメリカ版M256の生産が遅れたため、搭載できなかった。砲塔旋回速度最大毎秒750m（8.5秒で１回転）・最小毎秒0.25m（１度動かすのに70秒）で、高速指向及び精密照準が可能である。主砲を後ろに回すと機関室天井に擦る可能性があるので、自動的に砲身を上げるデッキクリアランス機構が付いている。副武装は同軸7.62mm機銃M240（主砲右に装備。長い筒状の消炎器が付いていて、車内から空気を噴射して発射炎を消す）、車長用12.7mm機銃M2（車長用キューポラに遠隔操作式で装備。俯仰角マイナス10度からプラス65度、旋回不能。M240への換装も可能）、装填手用7.62mm機銃M240（ハッチのスライドレールに装着）を装備する。弾薬搭載数は同軸機銃用10000発、装填手用機銃弾1400発、車長用機銃弾900発（1000発？）、M67手榴弾８発、M16用小銃弾210発。FCSはコントロール・データ社製デジタル弾道コンピュータ（インテル8086使用）、環境センサー（風速、風向、気温、気圧測定。砲塔後部中央に装備されており、右に折り畳むことができる）、砲塔上面右前部の装甲ボックス内にある砲手用照準潜望鏡GPS、第１世代FLIR（TIS/Thermal Imaging Sightとも呼ばれ、右側に設置されている。探知距離3500m／悪天候時1200m、最大交戦距離2500m、夜間快晴時敵味方識別距離1500m、倍率３倍または10倍、狭視野1.1度×2.2度、広視野3.4度×6.8度）、リットン製レーザーレンジファインダー（TISの左に置かれている。有効距離200-7990m、誤差プラスマイナス10m。ただし4010m以上では弾道コンピュータへの測定距離自動入力は行われない。エラー時には0000が赤く点滅するので、距離を手動入力する）、MRS（砲口照合センサー。砲口上部に装着され、気温変化による砲身の歪みを検出する。蛍光物質が塗られており、夜間でも調整可能）、車体傾斜角検知器、砲安定化装置、砲弾・搭載機材自己チェック装置などからなり、弾種、外気温、装薬温度、砲腔摩耗などは手動入力する。移動目標は、砲手が照準器で目標を追尾してやれば、コンピュータが自動的に角速度を計算し、目標未来位置を推定して自動的に修正してくれる。砲安定化装置は眼鏡スタビライザー式で、砲手用潜望鏡内にピッチの、砲塔にヨーのジャイロスタビライザーが装備されていて、砲塔の上下左右の動きを探知、そのデータを砲旋回俯仰機構に送って砲身を地面に対して安定化させる。これにより、夜間でも時速25km以上での行進間射撃で命中弾を送り込める他、テストでは不整地を時速10kmで走行中に、射距離2000mの2.3平方メートル目標に95%の命中率を出したとされる。あまりに車体の動揺が激しく、安定化が不十分な場合には、危険防止のため自動的に行進間射撃が中止される。砲の安定化を切って照準器のみを安定化させることも可能であり、行進間に目標捜索のみを行う際はこちらを使用する。砲手用補助照準具GASとして、モデル939補助照準器（視野８度、倍率10倍。８倍？）を搭載しており、レティクルには主砲直接照準用の目盛りとリードが刻まれていて、主砲右下（同軸機銃の真下）に照準器用の孔が開いている。車長用キューポラにはペリスコープ６基が付いて全周視察ができ、12.7mm機銃用照準器（倍率３倍、視野21度）が装備されている。また、GPSに接続した光学式延長装置が装備され、これによって砲手と同じ画像を見られる他、オーバーライド機能が用意されており、パームスイッチ付きの片手握りハンドルがあって、スイッチを押せば砲手に優先して砲塔操作や照準を行える（捜索や目標照準を独自に行うことは出来ないという説もある）。砲手には両手握りのハンドルがあり、これで照準射撃操作を行うが、電気油圧モーターが故障した際には手動俯仰・旋回ハンドルを使用する。車長用ハッチは上に少しスライドして固定することが可能で、上半身を晒さずに全周を肉眼または双眼鏡で観察できる。砲の左に装填手席があり、全周旋回式ペリスコープ１基を持つ。砲塔両側面にM239発煙弾発射機（６連装）が搭載されており、斉射または片側３発ずつ計６発の発射が可能。弾数は予備含め24発。エンジン排気による発煙も可能だが、JP-4燃料または自動車用ガソリンを発煙用燃料として使用するとエンジンが壊れるので注意。砲塔後部右にはR442補助受信器用の受信用ホイップアンテナ（周波数30-70MHz、AN/VRC-12FM車両無線機のみに適用）があり、左にはRT246送受信器用送受信ホイップアンテナ（周波数30-87MHz。右より長い）があって、高圧線の近くなどではクリップを付けて下に引っ張り、引っかからないようにする。雑具入れは砲塔後部両側に用意されており、砲塔後面には付いていない。車体後部機関室に搭載されたエンジンはライカミング社製AGT-1500Cガスタービンで、加速性能も折り紙付きだが、燃費が悪く（リットルあたり走行距離231mでレオパルト２の半分）、しかも停止時も１時間あたり33リットルの燃料を消費してしまう。吸気グリルは機関室上面両側、排気グリルは車体後面にある。燃料タンクは強化ポリエチレン製で、車体の６ヵ所に用意されているが、車体前面の操縦手席両側にも970リットル搭載しており、被弾時には危険である。トランスミッションはX1100-3B自動変速機で、起動輪には約1000馬力を伝達する。エンジンオイルやトランスミッションオイル冷却用として油圧駆動クーリングファン（50馬力）を備える。車体後面左右上方には円筒形の尾灯があり、停止灯、尾灯、夜間行進用標識灯が内蔵されていて、標識灯は車間距離が適切なら２本、近すぎると４本、遠すぎると１本が見えるようになっている。下部転輪はアルミ製でダブルタイプ片側７組（６組よりも重量は増えるが直径を小さくでき、車高を抑えられる。直径635mm、幅131mm）、ハブキャップ部は半透明をしており、オイル量のチェックができる。サスペンションはトーションバー式独立懸架で、トラベル長381mm、地雷によりバーの歪みが生じても容易に交換が出来るよう、前方４本はステーション部を箱形構造とした。第１・第２・第７転輪にはロータリー式油圧ショックアブソーバーを車内に備える。上部転輪はアルミ製片側２個、誘導輪はアルミ製で前方に、起動輪（歯数11枚）は鋼製で後方にある。当初起動輪には履帯脱落防止用リングが取り付けられていたが、生産中に起動輪の取り付け位置を変更し、リングも付けなくなった。誘導輪には履帯張度調整用グリース・シリンダーが取り付けられている。履帯は鋳鋼製ゴムブッシュ入りダブルピン式のT156またはT158で、履帯幅0.635m、接地長4.574m、接近角22.5度、後退角37.5度。スカートは６枚板で構成されており、１枚ずつ構造、厚さ、素材が違っていて、スペースドアーマー、複層装甲板、硬質ゴムなどが使用されている。また、最後部は起動輪の部分が大きく切り欠かれていて、異物が詰まらないように考慮されている（切り欠きの無いタイプもある）。エンジン予熱用及び乗員用のヒーターを装備する。NBC防護装置は付けられておらず、NBC攻撃を受けた際には乗員がそれぞれ防護服を着用する必要があり、只でさえ暑い車内で蒸し焼き状態になった。また、車内まで除染する必要があるため、NBC状況下で行動した車両は後方に戻さなければならなかった。バッテリーは12V型を６基搭載しており、アンブッシュ時にはこれでポンプを駆動して砲制御に必要な油圧を生み出す。砲塔に３個、操縦手席に１個、機関室に４個の火災センサーが取り付けられており、火災を探知すると自動消火装置が作動する。車体左側面には外部消火器ハンドルがあり、これを操作することで手動による作動も可能。消火剤散布後に乗員は車外に出て換気を行う必要がある。整備は使用前、使用中、使用後、週ごと、月ごとの５段階で、所要時間は毎日平均0.8時間、2000走行時間ごとに22時間。全長9.77m、車体長7.92m、全幅3.66m、全高2.89m、砲塔上面高2.38m、戦闘重量54.4トン。エンジンはAGT-1500ガスタービン（1500馬力）、トランスミッションはX1100-3B自動変速機（前進４速、後進２速）、最大速度路上72km／路外48km、32kmまでの加速にかかる時間は6.2秒、搭載燃料1912リットル、航続距離442km。渡渉深度1.21m（通常）／2m（キット使用時）。乗員４名。生産途中からエンジン排気口の下端が一段下に張り出すようになった。1985年までに2374両が生産された。参考：戦車マガジン10,’93別冊、世界AFV年鑑2002-2003、M1A1戦車とM2/3戦闘車、月刊軍事研究8,’01、5,’08、2,’09、5,’09、9,’09、月刊グランドパワー2,’04、8,’04、月刊戦車マガジン2,’81、イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004

　＜ＩＰＭ−１＞：M-1の装甲強化型で、Improved Performance M-1の略。砲塔が前方に延び、操縦手用ハッチとの干渉を避けるため防楯下面を削り、砲耳軸を円錐状にした。車体長は変わらない。防楯上部の12.7mm機銃取り付け架を、くの字に曲げており、砲塔後面ラックを大型化した。横風センサーの先端に四角いカバーを付け、砲手用照準器カバーも形状を変更している。走行性能改善のため、トーションバーねじれ指数変更、ショックアブソーバー強化、誘導輪の履帯張度調整アーム強度変更、新型転輪（幅が13mm太くなった）採用などを行った。重量が0.9トン増加し、最大速度が5.6km低下している。1984年10月から1986年5月に894両が生産された。月刊戦車マガジン10,’93別冊、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER5,’02、6,’98

　＜Ｍ−１Ｅ１＞：M-1A1の試作車両らしく、M-1の主砲を120mmに換装し、砲塔前面に装甲板を二重に溶接（一部ボルト止め）している。防楯上部にも増加装甲が張られており、砲塔上面前部やブロウオフパネルも装甲強化が加えられたようだ。重量が2.5トンほど増えたため、トランスミッションとサスペンションに改良が加えられた。NBC防護装置を標準装備する。スカートの起動輪部分の切り欠きを無くした車両も存在する。また、砲塔前面装甲を成形し、形状がM-1A1とほぼ変わらないものもある。1984年12月から少数が製作された。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車

　＜Ｍ−１Ａ１＞：主砲をラインメタル社製44口径120mm滑腔砲M256（40発。うち砲塔後部34発、車体右側面後部６発）に換装したタイプ。主砲には原型と比べて多少の改修が施されているが、単に導入スケジュールを遅らせただけだったらしい。砲身にはアルミ製２分割型サーマル・スリーブが巻かれている。俯仰角マイナス10度からプラス20度。装弾数は第２次大戦時の１回交戦当たり平均発射弾数35発にプラスアルファしたものである。使用弾はM829A1劣化ウランAPFSDSとM830HEAT-MPで、湾岸戦争時には前者を10発、後者を30発積んでいた。砲塔後部弾薬庫には弾底部を前に向けて砲弾が収容されているので、弾種がすぐに分かるよう、弾底にマジックで徹甲弾ならＳ（サボーの頭文字）、多目的榴弾ならＨ（HEAT-MPの頭文字）と書いておく。主砲発射速度は毎分６発とされるが、装填手の腕っ節によっては３秒に１発も可能。後部弾薬庫は左右２つに分かれており、車長側の17発は装填手側から取り出すことができないため、実質的な即応弾は装填手側の17発のみである。これを撃ち尽くした場合、戦車を一旦後退させ、車長が１発ずつ車長側弾庫から弾薬を取り出して装填手に渡し、装填手側弾庫に移さなければならない。ソ連の125mm滑腔砲に対抗するため正面装甲も強化され、厚さは760mmに達する。装甲ボックスの防弾鋼板は複層二重硬度鋼板（高硬度鋼板と高靱性鋼板を圧着したもの）に変更され、内部の複合装甲素材も新型になった（計325mmの装甲を35度傾斜させているという説もある）。これにより徹甲弾に対する均質鋼板換算の実効防御力は350-400mm、対HEATでは1000mmに強化された。砲塔上面後部のブロウオフパネルは３枚から２枚になっている。砲塔側面の雑具箱を大型化し、砲塔後部にも雑具入れを設けた。エンジンは縦軸方式から横軸方式に配置を変更し、機関室内に余裕ができたため、予備弾薬スペース等として利用できるという。車体後面右にAPU（ディーゼル、出力5.6kW）をボルト止めしたものが多い。この場合、尾灯はAPU後面に付ける。与圧式NBC防護装置を装備しており、機器を車体左側面中央部に積んだため、手動消火装置のハンドルが後ろに移った。NBC防護装置収納部位周囲にはアップリケアーマーを装着している。前部フェンダーにリブを入れて補強し、前照灯ガードも頑丈なものに変更、履帯をT158に換装した。サスペンションは油気圧式とトーションバーのハイブリッド。生産途中で車長用独立熱線暗視装置（CITV）取り付け基部が設けられた。全長9.83m、車体長7.92m、全幅3.668m、車体中央部高1.51m、機関室高1.72m、砲塔上面高2.37m、全高2.89m、戦闘重量59トン（63トン？）。エンジンはAGT-1500ガスタービン（1500馬力）、最大速度路上67.2km／路外48km、燃料搭載量1912リットル、航続距離465km。燃費はリッター243mと若干改善した。乗員４名。1984年8月から1993年に4992両（4974両？）が生産され、ヨーロッパ駐屯部隊から優先的に配備された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、M1A1戦車とM2/3戦闘車、月刊グランドパワー10,’03、8,’04、2,’05、月刊軍事研究8,’01、5,’08、9,’09、月刊PANZER5,’02、戦車マガジン10,’93別冊

　＜Ｍ−１Ａ１ＨＡ＞：ソ連の3BM32劣化ウラン弾に対抗するため、複合装甲パッケージに劣化ウランメッシュ（劣化ウランをワイヤー状に加工し、毛布のように編んで金属パッケージで包んだものと思われる。メッシュでないという説もある）を組み込んだもので、1988年に登場した。厚さ50-100mmの装甲鋼板にそれぞれ130-150mmのセラミックと25-50mmの劣化ウランメッシュを挟み込んでいる（プラスチックやチタンを含むという説もある）といわれ、圧延鋼板換算で対徹甲弾680mm・対HEAT弾1320mm相当の防御力を有する。装甲材の交換は自動制御カッターと自動溶接機で１ヵ所あたり15分しかかからず、湾岸戦争時にはサウジアラビアの野戦兵站部で改造が行われ、全M-1A1の27%がこのタイプとなった。車体後部にAPU（ディーゼル、出力5.6kW）を付けた車両も多い。湾岸戦争ではM-1A1HA同士で同士討ちをしでかしたが、正面装甲はM829A1劣化ウラン弾にも耐えた。また、AH-64A攻撃ヘリとの同士討ちではヘルファイアミサイルの直撃にも貫徹されなかった。第24歩兵師団の１両がスタックした際にT-72戦車３両の攻撃を受けたが、射距離1000mでの徹甲弾とHEAT、射距離400mでの徹甲弾に耐えて逆に３両全てを破壊（１両は砂丘ごと貫徹した）したという話もあり、この車両はM88戦車回収車２両でも脱出できなかったため僚車が破壊しようとしたものの、正面に命中したM829A1は２発とも貫通せず、次に砲塔後部を撃ち抜いたがブロウオフパネルと自動消火装置で被害が最小限に止まってしまい、結局３両目のM88戦車回収車を呼んで脱出させたという。後方で調べるとFCSが損傷していたものの主砲は発射可能で、砲塔を交換して再出撃したとされる。側面装甲はそのまま（砲塔は恐らく中空装甲、車体は厚さ75mmの単一装甲）のため、イラク戦争では真横からRPGを撃たれて車体側面をスカートごと貫徹された。車体後面装甲は厚さ25mmの単一鋼板、砲塔後面装甲は厚さ10mm強の装甲板２枚の中空装甲といわれる。全長9.83m、車体長7.92m、全幅3.668m、全高2.89m（機銃まで）、戦闘重量61トン。エンジンはAGT-1500ガスタービン（1500馬力）、最大速度67km、燃料搭載量1912リットル、航続距離465km。主砲は44口径120mm滑腔砲M256（40発）、同軸機銃は7.62mm機銃（10000発）、副武装は車長用12.7mm機銃（900発）と装填手用7.62mm機銃（1400発）。乗員４名。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究8,’01、5,’04、5,’08、12,’08、2,’09、6,’09、11,’09、月刊グランドパワー2,’04、8,’04、軍事分析湾岸戦争

　＜Ｍ−１Ａ１ＨＡ＋＞：M-1A1HAC/M-1A1HC（Heavy Armor Common）とも呼ばれる。砲塔後部ラック内にAPUを搭載し、デジタル式燃料調節装置を導入したもの。ただし、イラク戦争ではこのAPUが被弾時に炎上し、APU収納ボックスが溶けて車体に流れ、エンジングリル内部に侵入して火災を発生させるケースが続出（１両だけという説もある）した。そこでAPUを機関室内に収めることにし、車体後部の機関室左側面上部に大型ボルト４本を装着している。参考：月刊グランドパワー10,’03、2,’04、月刊PANZER3,’05、月刊軍事研究5,’12

　＜Ｍ−１Ａ１ＨＡＣ＞：M-1A1HA+を参照。

　＜Ｍ−１Ａ１ＨＣ＞：M-1A1HA+を参照。

　＜Ｍ−１Ａ１ＣＴ＞：アメリカ海兵隊が採用したM-1A1HA+で、CTはCommon Tankの略。スモークディスチャージャーが剥き出し８連装のM250になっている。水際使用のための渡渉キット（Ｌ字円筒形のエンジン排気ダクトなど）が用意されており、水深2mまで潜れる。歩兵との連絡用に車外電話を設けた。イラク戦争で、砲塔上前部左側に簡易装甲ボックスを設け、M-1A2戦車と同じ車長用独立熱線暗視装置CITV（VLQ-8Aミサイル妨害装置？）を入れた車両が確認されている。これは第１海兵師団第７連隊戦闘団第１戦車大隊バージョンらしい。参考：月刊PANZER7,’03、6,’03、5,’02、月刊軍事研究10,’03、5,’12、月刊グランドパワー10,’03

　＜Ｍ−１Ａ１Ｄ＞：ＤはDisitisedの略。戦術インターネット用デジタル端末（FBCB2統合アップリケプロセッサー、ディスプレイ、キーボード）を取り付けたもの。アイセーフレーザーを導入し、遠距離目標特定能力を付与している。参考：月刊軍事研究7,’03、月刊PANZER9,’12

　＜Ｍ−１Ａ１ＡＩＭ＞：AIMはエイブラムス近代化計画（Abrams Integrated Management）の略。既存のM-1A1をオーバーホールし、新型FLIRや自己診断機能などを追加、古くなったパーツを簡単に交換できるライン交換可能ユニットLRUを導入し、車体と砲塔を結ぶネットワークを改良するなどしたもの。アニストン陸軍工廠とGDLS社が1999年から改修した。参考：月刊PANZER5,’10、10,’05、6,’05、12,’10

　＜Ｍ−１Ａ１−ＳＡ＞：SAは状況認識型の略。M-1A1AIMに対する近代化で、戦場情報表示用モニター（敵味方の情報をアイコンなどで表示可能）、新型レーザー測距器、第２世代FLIR、砂漠用防塵フィルター、乗員・車外歩兵間通話用電話を装備する。2018年に第３歩兵師団第２機甲旅団戦闘団第８騎兵連隊第６大隊デルタ中隊に配備されて実用試験が始まった。参考：月刊PANZER6,’18

　＜Ｍ−１Ａ１ＦＥＰ＞：アメリカ海兵隊のM-1A1改修計画で、Firepower Enhancements Program（火力強化プログラム）の略。新型の120mm多目的榴弾（MP-HE。弾頭重量3kg。着発・遅延・空中炸裂の選択信管付）を導入して有効射程を5000mに拡大し、第２世代FLIR、遠距離標的位置センサー、FBCB2-BFT、乗員・車外歩兵間連絡用有線電話、12.7mm機銃M2用熱線暗視装置、装填手機銃用防楯、新型劣化ウラン装甲、IEDジャマーなどを導入する。参考：月刊軍事研究5,’12

　＜Ｍ−１Ａ２＞：車両用電子装置を一新したもので、1992年に完成した。車長用独立熱線暗視装置CITV（砲塔上面左前部に搭載）、車両間情報システムIVIS、自己位置測定・航法装置POS/NAVを搭載し、MIL-STD-1553Bデータバスで各々を連接している。CITVは独立して全周旋回可能、全天候下で使用でき、倍率は2.6倍と7.7倍の切り替え式で、目標探知距離4000m、捕捉距離2500m、識別距離1500m。IVISにより大隊内の各車両や敵の位置を共有し、同士討ちを防ぐ他、同じシステムを搭載する攻撃ヘリや自走砲などともデータを交換できる。データリンクには単チャンネル地上・航空超短波無線システム（SINCGARS-V）を使用する。ミッション・コンピュータは車体と砲塔に１基ずつ配置されており、どちらかが破壊されても機能できる。アメリカ向けの新規生産は77両（試作車両含む）のみで、旧バージョンからの改修が多く、計1174両が配備された。サウジアラビア陸軍向けに315両、クウェート陸軍向けに218両が生産されている。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER5,’02、月刊軍事研究3,’17

　＜Ｍ−１Ａ２シリーズ２＞：旧バージョンのM-1をM-1A2に改造したもの。参考：月刊PANZER5,’02

　＜Ｍ−１Ａ２ＳＥＰ＞：SEPはシステム拡張プログラム（System Enhancement Program）の略で、当初はSystem Enhancement Packageの略だった。第２世代FLIR（探知距離6800m、捕捉距離3250m、識別距離1950m、狭視野2.0度×3.6度、広視野7.5度×13.3度）を装備したデジタル能力拡張型で、車長、砲手、操縦手それぞれがこのFLIRを装備する。また、FBCB2統合アップリケプロセッサー、ディスプレイ、キーボードを搭載し、統合型戦闘指揮・統制能力を持つ。車長用ディスプレイは縦置きとなった。アイセーフ型レーザーレンジファインダー（炭酸ガスレーザーを使用）を装備し、自己位置測定・航法（POS/NAV）センサーを導入。GPSを装備し、アンテナを車長用サーマルサイトのガード部分に付けた。操縦手用にAN/VAS-5DVE高性能視察・表示装置を搭載し、暗視機能以外にも様々な情報を表示できる。また、電子機器の保護と乗員のために熱管理システムTMSを搭載しており、砲塔後面の風向風速測定器の左側に空調用熱交換機が付いた。補助動力装置（6kWガスタービン発電機とバッテリーで、Under-Armor APU/UAAPUと呼ばれる。重量240kg）は車体後部左側に内蔵されており、この部分の燃料タンクが無くなったため、燃料搭載量が1680リットルに、航続距離が350kmに減った。予算が無いので一部は発電機を搭載せず、バッテリーだけを積む予定の車両もあるといわれる。砲塔正面装甲が強化されたらしい。ブロウオフパネル上面の円柱形部品は無くなり、円形の蓋が付くようになった。前照灯ガードの形状が微妙に変わり（上面の折れが無くなった）、操縦手用ハッチ左に用途不明の部品が設置された。これらの改修により最大交戦距離が2500mから3250m、夜間快晴時の敵味方識別距離が1500mから1950mとなり、メーカーのジェネラル・ダイナミクス社は射距離4000mで初弾を命中させられると豪語している。戦車小隊レベルの戦闘では車両間情報交換システムIVISを用いて戦闘任務を行い、更に上級の戦闘任務ではFBCB2を使う。戦闘重量63トン。1998-2008年にM-1A2から627両、M-1から547両が改修された。2003年10月28日、イラクで１両が地雷（IED？）を踏んで砲塔が吹き飛ぶ程の損害を受け、砲手と装填手が死亡した。これがM-1戦車における初の戦死者である。参考：月刊軍事研究7,’03、1,’04、月刊PANZER5,’02、3,’10

　＜Ｍ−１Ａ２ＳＥＰｖ２＞：M-1A2システム拡張プログラム・バージョン２の略で、2005年2月から開発され、2012年から配備された。対徹甲弾防御能力を強化し、赤外線暗視装置を改良、コンピュータのメモリー容量を拡大し、カラーディスプレイを高精度化、車長用ディスプレイを縦置き２面とし、電子機器の冷却能力を強化、整備用自己診断装置を追加した。車長用機銃はM153CROWS�U遠隔操作銃塔に換装している。砲塔前面装甲は対APFSDS弾で均質圧延鋼板960mm相当、対HEATで1620mm相当とされる。全長9.83m、全幅3.66m、全高2.37m、戦闘重量63.1トン。エンジンはAGT-1500ガスタービン（1500馬力）、最大速度66.8km、航続距離426km。乗員４名。参考：月刊軍事研究3,’17、月刊PANZER10,’12

　＜Ｍ−１Ａ２ＳＥＰｖ３＞：M-1A2システム拡張プログラム・バージョン３の略で、2020年から配備予定。主砲弾を弾薬データリンク対応のM829A4徹甲弾とXM1147多目的弾に更新し、第３世代FLIR（探知距離13600m、捕捉距離6500m、識別距離3900m）を統合した車長用指揮統制統合型ディスプレイ（大型１面）を採用、正面装甲を次世代進化型装甲NEA（Next Ecolutionary Armor）としてT-14の徹甲弾に耐えられるようにし、車体底部IED防護キットを追加、車長用機銃をM153A1E1低姿勢型CROWSに換装する。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｍ−１（ＴＵＳＫキット追加型）＞：TUSKはTank Urban Survivability Kit（戦車用市街戦生残キット）の略。2004年からGDLS社が開発し、2007年からイラクに配備されているM-1シリーズ（M-1A1HA、M-1A1HA+、M-1A1HC、M-1A1AIM、M-1A2SEP）に対してバグダッド北方キャンプ・タジで12時間の現地改修を行い、2009年に全560両への搭載を終えた。改修の対象によって�T／�U／�Vのバリエーションがある。参考：月刊PANZER3,’10

　＜Ｍ−１（ＴＵＳＫ�Tキット追加型）＞：M-1A1とM-1A2SEP用。操縦手用ハッチ中央のペリスコープに操縦手用視界確保装置（8-12ミクロンの赤外線を探知し640×480ピクセルで撮像するセンサー・モジュールと、800×600ピクセルの10.4インチディスプレイからなる。悪天候時有効距離190m、好天時車両識別距離1790m）を取り付けられるようにし、車体下面に浅いＶ字の増加装甲（厚さ200mm、重量1.36トン）を追加、操縦手席を天井から吊すタイプに変更し、車体後面右に車外通話用電話を装着している。電話はAN/VIC-3車内インターホンシステムに接続されており、乗員と会話したり、M-1の無線機を使用して遠距離通信を行ったりできるが、戦車が動いている時は危ないので使えない。スカートにはボックス状のM19ARAT�T（Abrams Reactive Armor Tiles �T）爆発反応装甲（片側あたり16列２段）を装着し、前後をガード板で保護した。M19は留め金にボルト止めされていて、被弾した際には簡単に交換することができる。車長用機銃架左前部と装填手用機銃に遠隔式熱線暗視装置（前者はM-1A1のみ装備。後者はAN/PAS-13）を追加し、対狙撃手・対物狙撃用として主砲基部上面に24ボルトのキセノンスポットライト付き12.7mm重機関銃M2（有効射程2000m、装弾数200発。M240B機銃への換装も可能。ケーブル類は砲手用サイトの左前方に追加された鋼製ボックスから中に引き込まれる）を搭載した。装填手用ハッチの周囲には防弾板（高さ250mm）４枚を追加されており、機銃両側に防弾ガラス付き防楯を付けている。これらの装備に電力を供給するため、砲塔内部左に電力供給ボックスを装着した。一部に装填手用ハッチに折り畳み式防楯を取り付けたものがある。参考：月刊PANZER3,’10、月刊丸10,’10

　＜Ｍ−１（ＴＵＳＫ�Uキット追加型）＞：M-1A2SEP用のキットで、TUSK�Tキットに更なる防御力を与えるものである。瓦型のM32ARAT�U（Abrams Reactive Armor Tiles �U）爆発反応装甲を砲塔側面（左側面10枚、右側面11枚）とM19の表面（片側あたり16列２段）に装着し、車長用ハッチに防弾ガラス付き全周防御装甲板を搭載、車長用12.7mm重機関銃M2にも防弾ガラス付き防楯を取り付け、装填手用ハッチに折り畳み式防楯を装備、車体後面右の車外通話用電話ボックス上に後方監視用可視光／赤外線カメラ（車長と操縦手が見られる）を搭載している。M19は取り付け時に向きを変えることができ、随伴歩兵が近くにいるなら爆風が真下や真上に向かうようにし、市街地では上方からの攻撃を防ぐため上向きとする。IEDの危険性が高い場合には、車体底面にAbrams Belly Armorと呼ばれる追加装甲を装着する。参考：月刊PANZER3,’10、月刊丸10,’10、月刊軍事研究5,’17

　＜Ｍ−１（ＴＵＳＫ�Vキット追加型）＞：M-1A1とM-1A2SEP用のキットで、試験中。車長・砲手・装填手用の座席を砲塔天井から吊すタイプに変更し、装填手用ハッチに安定装置付き遠隔操作式銃架を装備、車長用ハッチ前部に安定装置付き遠隔操作式視察装置を追加し、ロケット弾エアバッグ式防御システム（レーダーで対戦車ロケットを探知してエアバッグを膨らませ、車両から離れた所でロケット弾を爆発させる）を搭載するとみられる。参考：月刊PANZER3,’10

　＜マインプラウ装備Ｍ−１＞：車体前面に軌道幅地雷除去鋤TWMPを装備したもの。参考：戦車マガジン10,’93別冊

　＜マインローラー装備Ｍ−１＞：車体前面に軌道幅地雷除去ローラーTWMRを装備したもの。参考：戦車マガジン10,’93別冊

　＜Ｍ−１Ａ３＞：将来戦闘システムFCSが開発中止となったため、2014年までに試作車を作る予定の改良型。主砲を軽量型に換装し、装甲材料を変更、配線を光ファイバーにするなどして戦闘重量を55トンに減らす予定である。エンジンはディーゼルにする。参考：月刊軍事研究2,’16、4,’12

　＜Ｍ−１戦車（アメリカ海兵隊）＞：1990年からM-1A1（CT）を221両新規生産し、陸軍から受領したM-1A1HA+戦車98両及びM-1A1HA戦車84両と合わせ計403両を配備した。イラク戦争で３両以上が撃破されたため、追加で陸軍からM-1A1HA+戦車を12両受領している。2020年以降も配備する予定で、FEP改修を実施中。参考：月刊軍事研究5,’12

＜Ｍ−１戦車ファミリー＞

　＜ＡＢＶ＞：M1150を参照。

　＜ＣＪＡＢ＞：アメリカ陸軍と海兵隊が共同開発中の戦車橋で、複合材統合強襲橋（Composite Joint Assault Bridge）の略。JABの橋体をCRP製に変更したものである。橋体架設長24m、自重13トン、通過可能重量100トン。架設時間３分以下。参考：月刊軍事研究6,’12

　＜ＪＡＢ＞：アメリカ陸軍と海兵隊がM60AVLBの後継として開発しているシザーズ式戦車橋型で、統合強襲橋（Joint Assault Bridge）の略。橋体は幅18.3m、通行可能重量70トン。全備重量61.4トン。M104ウルヴァーリンより安価だが、架橋時にやたら目立つのが欠点。2017年から配備される予定。参考：月刊軍事研究6,’12、5,’17

　＜Ｍ１０４＞：アメリカ陸軍の重強襲橋、別名ウルヴァーリンHAB（Wolverine HAB）。M1戦車の車体上に全長26m（架設長24m）、幅4m、70トンの通過能力を持つ戦車橋を搭載する。戦車橋は２分割のスライド式で、架設に４分、撤収に８分しかかからない。465両を生産予定だったが、高価なため44両に留まった。参考：月刊軍事研究7,’03、6,’12、5,’17

＜Ｍ１１５０＞：アメリカ海兵隊・陸軍の装甲工兵車、別名Assault Breacher Vehicle（強襲突破車）、略称ABV。グリズリーが開発中止になったため、2002年からアメリカ海兵隊が独自に開発したもので、後にアメリカ陸軍も採用して重旅団戦闘団工兵大隊戦闘工兵中隊に配備した。M-1A1戦車の砲塔を外し、車体前部にFWMPを装備、車体前方両側面に経路表示システムLMS（Lane Marking System。重量76kgのマーカーポール50本を収容、地面に打ち込んで安全経路を示す）を装着し、上面にM2重機関銃１丁と後部に導爆索システムLDCS（Linear Demolition Charge System）２基を装備したターレットを搭載する。ターレットの装甲は単純な装甲鋼板であり、補助のため前側面に爆発反応装甲、両側面に８連装発煙弾発射機１基ずつ、上面にIEDジャマー２本を持つ。また、車長の死角を無くすため、ターレット上面前部中央に球状の旋回式センサーが用意されていて、他にも電子光学センサー６基以上を搭載している。FWMP装着時は前照灯の光が妨げられてしまうため、伸縮式の棒で前照灯を持ち上げることが可能。LDCSから長さ107mのM58導爆索ユニットをMk22ロケット（投射距離90-135m）で計２本投射して長さ100m・幅16mの通路を啓開、FWMPでその通路をすき返し、適宜M2重機関銃で地雷を爆破しながら前進するのが主任務で、M19対戦車地雷２発を同時に喰らっても、主要部を損傷することは無い。LDCSはMk155と同様のロケット導爆索用レールガイドの付いた装甲ボックスで、使用後は丸ごと油圧ジャッキにより車体の後ろに降ろすことができる。１個小隊５両のうち１両（陸軍では突破分隊３両のうち１両）はFWMPの代わりに戦闘ドーザーブレードCDB（Combat Dozer Blade）と呼ばれるドーザーブレードを装着しており、地表の地雷やIEDを除去できる迅速武器弾薬除去装置RORS（地表障害物除去用ドーザー）も開発中である。遠隔操作装置を搭載しており、見通し内データリンクで3.6km、ビデオリンクで5km離れた位置から操縦可能。全長12.3m（FWMP含む）、全幅4.55m（LMS含む）、全高2.92m、戦闘重量63トン。エンジンはAGT-1500ガスタービン（1500馬力）、最大速度67km、航続距離449km。乗員２名。一次生産分52両は2012年2月16日までに納入された。アフガン戦に投入されており、地雷原やIEDの啓開の他、M58導爆索ユニットを使用したタリバン拠点の爆砕にも使用されている。参考：月刊軍事研究10,’12、5,’17、9,’06

　＜ウルヴァーリンＨＡＢ＞：M104を参照。

　＜グリズリーＡＥＶ＞：戦闘工兵車型。砲塔を外し、幅4.2mの地雷除去ブレードなどを装備している。乗員２名（車長と操縦手）。ユナイテッド・ディフェンス社が1997年から開発して366両を生産、アメリカ陸軍と海兵隊に配備する予定だったが、2001年に開発中止になった。参考：月刊軍事研究8,’95、10,’12

　＜タイタン＞：アメリカ海兵隊用に開発中の戦車橋で、BAEシステムズ・ランドシステムズ社製BR90No.10戦車橋（全長26m）１基またはNo.12戦車橋（全長13.5m）２基を搭載可能となる予定。参考：月刊軍事研究11,’05

　＜パンサー�U＞：地雷処理車両型。M1戦車の砲塔を外し、車体前部にマインローラーを装着、オムニテク社製の遠隔操縦システムを搭載したもので、ポスト・イラク戦争に投入されている。重量43トン。参考：月刊軍事研究4,’05

＜Ｍ−１戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ−１Ａ１（エジプト陸軍）＞：エジプト陸軍主力戦車。1015両が無償供与（殆どがヘリオポリス造兵廠でのライセンス生産）され、後にA2規格に改修された。劣化ウラン装甲は無く、ベトロニクスも劣化版になっている。参考：月刊PANZER12,’10、7,’11

　＜Ｍ−１Ａ１（モロッコ陸軍）＞：モロッコ陸軍主力戦車。2016年11月までに中古M-1A1戦車50両を配備する予定。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜Ｍ−１Ａ１Ｄ（オーストラリア陸軍）＞：オーストラリア陸軍主力戦車。レオパルトAS1の後継となるプロジェクト・ランド907フェーズ１主力戦車更新計画に基づき、2004年3月10日に59両の購入を決定した。価格は１両あたり932万ドルである。M-1A1AIM相当で、予備保管状態にあったアメリカ陸軍・海兵隊のM-1A1（劣化ウラン装甲は外した）にFBCB2、第２世代FLIR、アイセーフ型レーザー測距器、飲料用冷水供給装置、GPS航法装置などを装備し、大規模なオーバーホールを施している。砲塔後面左上部にAPUを装備する。車長用CITVは無い。KEW-2A徹甲弾なども同時に輸入した。最終的な配備数は90両で、2006-07年に引き渡され、2007年7月に第１機甲連隊の１個大隊が本車を装備して実動状態となった。これに伴い、M88A2戦車回収車７両、MAN社製H76TGA41.350トラクター改造の重戦車運搬車14両（重量35.6トン、530馬力ディーゼル搭載、最大速度90km。トレーラーはオーストラリアのドレーク・トレーラー社製。2007年2月に４両を追加発注）、車長・砲手訓練用シミュレータ６基、操縦訓練用シミュレータ１基も導入した。その後の改修でM-1A1D相当のC4I能力を持たせており、砲塔後面左にAPUを追加、本来の砲塔後面雑具ラックの後ろに補助ラックを装着している。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER8,'18、9,’12、12,’10、1,’05

　＜Ｍ−１Ａ１ＳＡ（イラク陸軍）＞：イラク陸軍主力戦車。M-1A1に近代化改修を加えたもので、SAはSituational Awarenessの略。第２世代FLIR、TUSKキット、TIGER（Total Integrated Engine Revitalization）プログラム適応エンジンを搭載している。2011年12月までに140両を配備する予定であり、まず11両が2010年8月7日に到着、次いで35両が10月に配備され、12月22日までに計65両が引き渡されている。イスラム国との戦いでは５両前後が撃破され、鹵獲された疑いもある。また、親イラン民兵にも９両が鹵獲され、後で取り返したものの、アメリカ政府が支援を保留する事態となり、ジェネラル・ダイナミクス社が整備補修契約の延長を拒否、稼動率低下が著しくなったため、T-90Sの導入に走った。参考：月刊グランドパワー3,’11、月刊PANZER12,’10、8,’18、月刊軍事研究4,’15

　＜Ｍ−１Ａ２（クウェート陸軍）＞：クウェート陸軍主力戦車。新規生産で218両が引き渡された。劣化ウラン装甲は無く、ベトロニクスも劣化版になっている。2016年12月、アメリカ国防安全保障協力局がアップグレードを発表したが、方針転換で新造のM-1A2-K戦車を配備することにし、2017年12月19日に契約を結んだ。参考：月刊PANZER12,’10、月刊軍事研究6,’18

　＜Ｍ−１Ａ２−Ｋ＞：クウェート陸軍主力戦車。新規生産のアップグレード型で、2017年12月19日にアメリカ国防総省と契約を締結し、GDLS社が設計から生産まで行う事になった。CROWS�U遠隔操作兵装システム、CSAMM対スナイパーシステム、新型暗視照準器などを装備する。参考：月刊軍事研究6,’18

　＜Ｍ−１Ａ２（サウジアラビア陸軍）＞：サウジアラビア陸軍主力戦車。新規生産で373両が引き渡された。劣化ウラン装甲は無く、ベトロニクスも劣化版になっている。2006年からM-1A1AIMと同じ改修を行い、IVIS用無線機を独自のものにしており、完了した車両はM-1A2Sと呼ばれる。2016年8月、アメリカが153両の追加輸出を承認した。うち20両はイエメン内戦介入による損耗分らしいが、本当にそんなに破壊されたかは不明。参考：月刊PANZER12,’10、月刊軍事研究1,’17

　＜Ｍ−１Ａ２Ｔ＞：台湾陸軍主力戦車。2019年7月、アメリカ国防安全保障協力局が108両の輸出を発表した。CROWS-LP遠隔操作機銃を装備する。また、SINC-GARS無線機64セットも導入する。2022年に最初の12両を受領する予定。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜Ｍ−１戦車跨乗兵＞：１個歩兵分隊９名がM-1戦車に跨乗することができる。車長用キューポラ右に小隊長、その後ろにM203てき弾手、更に後ろに小銃手が配置され、砲塔後部に小銃手３名とM249軽機関銃手１名（最も左）が位置し、砲塔左には前にチーム長、後ろにM203てき弾手が位置する。市街戦などで、敵との遭遇が予想されない時のみ跨乗する。参考：月刊軍事研究7,’03

＜Ｍ１戦車砲シリーズ＞：アメリカ軍52口径３インチ（76mm）戦車砲。北アフリカ戦で75mm戦車砲M3より高い貫徹力を持つ戦車砲の必要性が判明したため、既存の３インチ徹甲弾を使用でき、重量も大きくない高初速砲として1942年8月からアメリカ砲兵局が開発した。プロトタイプは9月からM4中戦車で試験に入り、すぐに制式化されたが、本戦車砲を搭載したM4中戦車が生産され始めたのは1944年に入ってからだった。M4中戦車（76mm砲搭載型）、M18ヘルキャット、T23試作中戦車に搭載された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１戦車砲＞：口径３インチ（76mm）、砲身長156インチ（3.96m）、砲全長168インチ（4.27m）、重量127ポンド（57.6kg）。砲口初速はAPCで毎秒2000フィート（792m）、HVAPで毎秒3400フィート（1036m）、HEで毎秒2700フィート（823m）。装甲貫徹力は30度傾斜装甲板に対して射距離1000ヤード（914m）で88mm（APC）／133mm（HVAP）、1828mで75mm（APC）。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ１Ａ１戦車砲＞：

＜Ｍ１Ａ１Ｃ戦車砲＞：マズルブレーキを装備する。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１Ａ２戦車砲＞：マズルブレーキを装備する。装甲貫徹力は垂直装甲板に対して113mm（射距離500m）／106mm（1000m）／98mm（1500m）／89mm（2000m）、30度傾斜装甲板に対して98mm（射距離500m）／90mm（1000m）／84mm（1500m）／76mm（2000m）。M4A3(76)E8に搭載された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１潜水艦＞：イギリス海軍Ｍ級潜水艦。1918年竣工。1925年11月12日、デボン沖で潜航訓練中に石炭運搬船ヴァイダルと衝突して沈没、乗員69名が死亡した。1999年6月18日に主砲が外れた状態でプリマス南西5km沖の深度81mに鎮座しているのが発見され、戦跡保護法により詳しい場所を秘密としてそのまま保存されている。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊世界の艦船9,’12増刊

＜Ｍ−１潜水艦発射弾道ミサイル＞：フランス海軍初の実用SLBM。S-2IRBMと共通コンポーネントが多く、開発コストを軽減している。全長10.4m、直径1.49m、発射重量20トン（18トン？）。弾頭はブースト型プルトニウム核分裂弾頭MR-41の単弾頭で、重量２トン、威力500キロトン（１メガトン？）。推進は固体燃料ロケット２段式。１段目のP-10/904ロケットはスイング式ジンバル・ノズル４本を持ち、長さ5.2m、重量10トン、推力45トン。２段目のRITA1ロケットはフレオン・ガスによる推力偏向シングルノズルと左右２本のバーニア小型ロケットからなり、長さ2.6m、重量４トン、推力18トン。射程2400km（3000km？）。誘導は慣性誘導。1971年に実用化され、ル・ルドゥタブル級戦略原潜1-2番艦に搭載された。参考：月刊軍事研究12,’16、2,’01、月刊世界の艦船4,’20

＜Ｍ１掃海艇＞：ドイツ海軍M1級掃海艇。1938年9月竣工。1945年1月、ベルゲン付近で爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ１装薬＞：アメリカ軍203mm砲用装薬。チャージ１から５まで調節可能である。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１対戦車砲シリーズ＞：アメリカ軍57mm対戦車砲。イギリスの６ポンド砲を元に開発し、1941年2月から生産した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１対戦車砲＞：砲身を延長し、旋回ハンドルを装着した。マズルブレーキは無い。旋回角90度、俯仰角マイナス５度からプラス15度。砲身長2.97m、口径長50。徹甲弾（2.83kg）だと初速毎秒900m、装甲貫徹力は射距離900mで68mm（20度傾斜）。榴弾は用意されていない。1943年から防楯に傾斜が付いた。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１Ａ１対戦車砲＞：タイヤを市販のものからコンバットタイヤに変更したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１Ａ２対戦車砲＞：旋回を肩押しに戻したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１Ａ３対戦車砲＞：牽引用アタッチメントを改良したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１中迫撃砲＞：アメリカ軍81mm迫撃砲。フランスの27/31迫撃砲を1930年代に採用したものである。口径81mm、重量61.5kg。方向射界は左右８度ずつ、仰角40-85度。最大射程はM41A1軽榴弾（重量3.12kg、加害範囲20m×10m）で3000m、M36重榴弾（重量4.82kg）で2300m、M57黄燐発煙弾（重量4.88kg）で2200m、照明弾で2000m、最小射程200m（照明弾のみ100m）。発射速度毎分18発（持続）／30-35発（最大）。砲身、支脚、底板に分解して３名で運搬できる他、M6A1トレーラーに載せたり、山岳部隊用に駄載したり、M2/M3ハーフトラックにそのまま載せたりできた。射程延伸のため砲口に延長砲身を取り付けるタイプも試作されたが、これは採用されなかった。参考：月刊PANZER9,’01、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、日本の戦力、歴史群像10,’08、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ１中迫撃砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１中迫撃砲（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の迫撃砲。アメリカから供与された。口径81mm、砲身長1.278m、重量61.5kg。仰角40-85度、旋回角は左右５度ずつ、初速毎秒174-214m、最大射程3000m。発射速度毎分18発（持続）／30-35発（最大）。１個小隊に４門が配備され、普通科中隊１個に１個小隊が配属される。甲師団なら64門、乙師団なら48門を装備する。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜Ｍ−１ドーザー・シリーズ＞：アメリカ陸軍M4中戦車用ドーザー。取り付け基部をサスペンション脇に装着するので、サスペンションの違いによって２種類使用されている。参考：月刊グランドパワー3,’02

　＜Ｍ−１ドーザー＞：VVSSサスペンション装備M4用。幅3.15m。参考：月刊グランドパワー3,’02

　＜Ｍ−１Ａ１ドーザー＞：HVSSサスペンション装備M4用。幅3.5m。参考：月刊グランドパワー3,’02

＜Ｍ１ハーフトラック＞：アメリカ陸軍のハーフトラック。フランスのシトロエン社に依頼して民間トラックを改造したT1ハーフトラックを元に独自改良を加えたもので、1933年1月16日に制式化した。自衛用に7.62mm機関銃３丁を装備する。33両が生産され、第１機械化騎兵連隊機関銃中隊に配備された。参考：月刊PANZER10,’05、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ１パックハウザー・シリーズ＞：アメリカ陸軍の山岳戦用駄載75mm榴弾砲Packed Howitzer M1（M1分解式榴弾砲、M1山砲）。1927年に採用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、スピアヘッドNo.8、軍事力バランス78年版

＜Ｍ１パックハウザー＞：砲架はM1、車輪は木製で、分解して馬６頭に載せることができる。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、スピアヘッドNo.8

＜Ｍ１Ａ１パックハウザー＞：砲身、砲尾装置、砲身押さえ、揺架、駐退復座機含む滑動体、前脚、後脚、車軸部、車輪に分解して馬で運べる（各コンポーネントは100kg以下）。軽量化のために使い勝手を犠牲にしており、単脚式（箱形砲架）なので射角が取れず、左右射界は３度ずつしかない。射撃時にはタイヤ空気圧を半分にして安定させるが、公算誤差は大きい。閉鎖機は水平鎖栓式、平衡機はバネ押し上げ式、駐退復座機は液気圧式定後座関連浮動ピストン型で後座長0.81m。口径75mm、砲身長1.5m、口径長15.98、全備重量720kg、放列重量653kg。俯仰角マイナス５度からプラス45度、最大射程8700m。発射速度最大毎分10発（22発？）／持続６発（3-5発？）。砲班人員6-8名（４名？）。弾種はM48榴弾、M66成型炸薬弾、M64黄燐発煙弾、M48訓練弾。使用装薬はM1（薬のうが白いので白装薬とも呼ばれる）の1-4号、M2（成型炸薬弾用、固定弾）。後にジープで牽引可能なゴム車輪を付けたM8砲架が製作され、空挺隊に配備された。空中投下時には砲身、閉鎖機、下部スレイ、揺架・上部スレイ、前方脚、後方脚、車輪に分けて投下する。組み立てて発射するまでにかかる時間は７分。参考：月刊PANZER2,’00、コンバット・バイブル２、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１Ａ１騎兵砲＞：M1A1パックハウザーの砲身をゴムタイヤ付きの開脚式砲架に搭載したもの。全備重量980kg。旋回角45度、俯仰角マイナス９度からプラス50度。榴弾（重量6.6kg）だと初速毎秒381m、最大射程8930m。山岳部隊が馬４頭に積んで運べる。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１１６＞：野砲型。砲架をM3A3開脚式砲架に、駐退復座機を油圧ダンパー式に変更し、砲尾ブロックを改修した。少数のみ生産された。参考：スピアヘッドNo.8

＜Ｍ１パックハウザー海外シリーズ＞

　＜Ｍ１Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊75mm榴弾砲。アメリカから150門以上が供与された。開脚式のM116も含まれている。105mm/155mm榴弾砲と一緒に供与されたため、予備に回されてしまい、殆ど運用されず、1980年頃から返納された。全長3.2m、砲身長1.2m、口径75mm、重量650kg、全備重量720kg。旋回角左右３度ずつ、俯仰角マイナス４度からプラス45度。弾種は榴弾（重量6.6kg、殺傷範囲は縦深20m・幅15m）やHEATなどで、初速毎秒382m（榴弾）／305m（HEAT）、最大射程8700m。発射速度は最初の30秒で８発、４分で24発、10分で48発、持続で毎分2.5発。参考：自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.8

＜Ｍ１発射装薬＞：自衛隊の203mm榴弾砲用装薬。ダイセル製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜Ｍ１発射装薬（緑のう）＞：自衛隊の203mm榴弾砲用装薬。ダイセル化学工業製。参考：月刊軍事研究1,’08

＜Ｍ１榴弾＞：アメリカ軍105mm榴弾。105mm榴弾砲M2などから発射可能。完成弾薬重量19.2kg。弾丸長495mm、弾丸重量15kg。炸薬はTNT2.13kgまたはコンポジットＢ2.24kgで、正面30m・縦深20mを制圧できる。信管は瞬発信管、短遅延信管、コンクリート貫徹信管、時計式時限信管、VT信管で、コンクリート貫徹信管は射距離4000mで厚さ460mmの強化コンクリートを貫通できる。参考：月刊PANZER9,’99、月刊戦車マガジン11,’92、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ１榴弾砲＞：アメリカ軍105mm榴弾砲。旋回角45度、俯仰角マイナス５度からプラス65度。最大射程11km（６号装薬）。1928年に採用されたが、戦争が起こりそうになかったので生産されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１榴弾砲＞：アメリカ陸軍23口径155mm榴弾砲。1934年からロックアイランド工廠で開発され、1941年4月に制式採用された。駐退復座機は液気圧式変後座独立型で、後座長は最大1.52mだが、高射角では後座長が短くなる。平衡機はバネ引き上げ式で、高低射界0-65度（マイナス２度からプラス63度？）、左右射界は右25.2度・左23.5度。閉鎖機は段隔螺式。M12A7Cパノラマ照準眼鏡を装備する。砲架はM1カノン砲（4.5インチ）と共通の開脚式で、発射時には車輪を持ち上げてジャッキで固定するが、緊急時には車輪を接地したままでも撃てる。全長7.2m、砲身長3.78m、砲重量5700kg。砲弾は分離装薬薬嚢式で、砲弾重量43.1kg、砲口初速毎秒564m、射程は１号装薬で3000-3923m、２号で4000-4906m、３号で5000-6199m、４号で6000-7887m、５号で7500-9857m、６号で10000-12285m、７号で12000-14955m。最大発射速度は最初の３分は毎分４発で、近距離用急燃性M3装薬「グリーン」の１号だと最初の10分間34発／30分間50発、2-3号だと10分間32発／30分間48発、4-5号だと10分間30発／30分間45発。遠距離用緩燃性M4A1装薬「ホワイト」の３号だと最初の10分間32発／30分間48発、4-7号では10分間30発／30分間45発。持続発射速度は全装薬で毎時60発。公算誤差13m（射距離4000m）／38m（11000m）。砲身命数15000発。弾種はM107榴弾、M110黄燐発煙弾、M116着色発煙弾、M118照明弾など。火管はMk.2A4撃発火管で、拉縄を引いて撃発する。榴弾の有効破壊半径は45×30m。１個砲班の要員は12名、砲敷設時間は５分。同時期の日独155mm榴弾砲よりも重いが、射程は長く、基本的に車両で牽引するので重量はハンデにならない。M24軽戦車の車体に搭載するとM41自走榴弾砲ゴリラとなる。後にM114に改称された。参考：月刊PANZER5,’02、5,’81、月刊軍事研究11,’02、6,’01、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、スピアヘッドNo.5

＜Ｍ１榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１榴弾砲（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊155mm榴弾砲。1952年から224門が供与された。全長7.2m、口径155mm、砲身長3.78m、重量5.7トン。初速毎秒564m、有効射程12700m、最大射程14900m。発射速度は最初の30秒で２発、10分で16発。砲要員11名。M5牽引車で牽引するが、1970年代にM5が退役すると６トントラックや74式特大型トラックを使用するようになった。１個中隊に４門が配備され、甲師団には特科連隊隷下に全般支援大隊（第５大隊）として１個特科大隊４個中隊、乙師団には１個特科大隊３個中隊が隷属した。第１特科団隷下の独立特科大隊４個に配備されていたこともある。1985年にFH70が配備されるまで使用された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊PANZER5,’02、月刊軍事研究11,’02、6,’01、スピアヘッドNo.5

　＜５８式１５５ｍｍ榴弾砲＞：陸上自衛隊155mm榴弾砲。デッドコピーだが、冶金技術の差で能力が低く、15門（17門？）のみの生産に止まった。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊PANZER5,’02、月刊軍事研究11,’02、6,’01、スピアヘッドNo.5

＜Ｍ１榴弾砲＞：アメリカ陸軍203mm牽引式榴弾砲。1942年に制式採用された。砲架と砲尾は155mmカノン砲M1と共通である。実口径203.1mm、砲身長5.08m、口径長25、戦闘重量13.471トン、行軍重量14.515トン。方向射界60度、俯仰角はマイナス２度からプラス64度。M106榴弾（重量90.8kg）だと初速毎秒600m、最大射程16800 m。他にMk�TA1榴弾（重量90kg、炸薬はTNT火薬13.5kg）などを使用可能。公算誤差は射距離4000mで8m、11000mで、15m、16600mで17m。1942-45年に1006門（と弾薬2521000発）が生産された。命中精度と威力が高く、部隊での評価は非常に高かった。第２次大戦後にはM422核砲弾も開発されている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１榴弾砲＞：アメリカ軍240mm榴弾砲。砲架は８インチカノン砲M1と同じである。方向射界は左右15度ずつ、俯仰角は10-50度。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１榴弾砲＞：ドイツ国防軍355mm榴弾砲。移動時は６つに分解して６輪トレーラーに搭載し、組み立てには２時間を要する。実口径355.6mm、砲身長10.265m、口径長28.9、戦闘重量78トン、組み立て用クレーン含む総重量123.5トン。使用弾重量575kg、初速毎秒570m、最大射程20850m、発射速度は４分に１発。1939年に3-7門が第641重砲兵大隊（自動車化）に配備された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１ロケットランチャー・シリーズ＞：アメリカ陸軍対戦車ロケットランチャー、別名バズーカ。1942年6月30日に制式化してGE社が生産した。初陣は北アフリカ戦だが、遮蔽物の無い砂漠で戦車に対して使用するのは射程の面でちょっと無理があり、当初は陣地と建物を破壊するために使用された。チュニジアに近づいて植物が多くなってきたあたりで、本来の対戦車任務に投入されている。48万基（弾薬は1560万発）が生産され、第２次大戦終戦時には１個歩兵師団あたり558基、兵士25名に１基の割合で配備されていた。警察予備隊にも貸与され、1951年6月に供与された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃、月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ１＞：全長1.35m、口径2.36インチ（60mm）。使用弾はM6ロケット弾及びM7演習弾で、有効射程150m。射手は２名１組で行動し、射撃担当のNo1がランチャーを構え、装填担当のNo2はロケット弾をこめてワイヤーを繋ぎ、発射準備完了を知らせてバックブラストの届かないところに隠れる。３発入りザックを１つずつ背負って行動した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃

＜Ｍ１Ａ１＞：発射筒前方のピストルグリップを廃止し、砲口部に金網式のブラストデフレクターを装着したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃

＜Ｍ１Ａ１破壊筒＞：陸上自衛隊の地雷原啓開用爆薬パイプ。長さ1.5mで、何本か繋いで使用する。参考：月刊JWings3,’02

＜Ｍ１Ａ２ガスマスク＞：アメリカ陸軍隔離式ガスマスク。1936年に採用した。マスクはゴムにメリヤス生地を圧着成型して製造されており、型崩れしないように型に取り付けて配布されている。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ１Ａ２／Ａ４＞：南アフリカのデネル社が開発したERFB-BB（射程延伸ベースブリード）弾。G6-M1A3自走榴弾砲用で、M64二重モジュール装薬のゾーン５なら砲口初速毎秒905m、最大射程40500mを誇る。参考：月刊PANZER12,’03

＜Ｍ１Ｃ鉄帽＞：アメリカ陸軍の空挺部隊用鉄帽。第２次大戦時に使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ−１級潜水艦＞：アメリカ海軍潜水艦。複殻式耐圧船殻試験用で、エレクトリック・ボート社が設計し、フォア・リバー造船が建造した。水上用主機はＨ級／Ｋ級／L-1級で不調だったディーゼルを改良したものだが、重量がかさみ、本級のみの使用となっている。全長60m、最大幅5.8m、吃水3.4m、水上排水量488トン、水中排水量676トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用NLSECO式70/6MS型６気筒２サイクルディーゼル（450馬力・450rpm）２基・水中用ディール・マニュファクチャリング社製電動モーター２基、水上出力840馬力、水中出力340馬力、２軸推進、水上速力14ノット、水中速力10.5ノット、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、水上航続距離2400海里（11ノット）、水中航続距離25.5海里（8.5ノット）。予定安全潜航深度61m。乗員28名。SS-47が1918年に竣工した。蓄電池の不具合のため、同年に新型蓄電池へと換装している。テストの結果、予備浮力は27%と従来艦の倍くらいになり洋上行動力は向上したが、メイン・バラスト・タンクの配置が悪く挙動が不安定で、最大安全深度も予定より浅く、実用性は見いだせなかった。1922年に売却された。参考：アメリカ潜水艦史

＜Ｍ−１級掃海艇＞：ドイツ海軍掃海艇。1935年に計画されたのでM35型ともいう。煙突は１本で、脇に大型の艦載艇用ダビットを持つ。全長68.1m、幅8.3m、吃水2.12m、基準排水量682トン。主機はレシプロ蒸気機関、主缶は重油専焼、出力3500馬力、速力18.3ノット。兵装は45口径10.5cm高角砲２門、37mm機関砲２門、20mm機関砲２門、機雷32個。1938-42年にM1-39、M81-85、M101-104、M131-133、M151-156、M201-206、M251-256の69隻が建造され、191隻が未完成に終わった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ２＞：M1シリーズ（カノン砲）またはM1935海外シリーズ（軽迫撃砲）を参照。

＜Ｍ−２艦対空ミサイルシステム＞：ソ連海軍艦対空ミサイルシステム、米軍コードSA-N-2、NATOコードはガイドライン（Guideline）。S-75地対空ミサイルの転用で、アメリカ海軍テリア艦対空ミサイルに相当する。S-75発射指揮装置、SM-64連装発射機、V-753試作ミサイルまたはV-679実用型ミサイル、カクタス・レーダー、ラズリフ・レーダーで構成される。V-679の諸元は以下の通り。全長10.8m、直径1.8m、発射重量2.1トン。推進は液体燃料ロケットと固体燃料ブースター。70E型防空巡洋艦ジェルジンスキーにV-753ミサイル型が搭載されてテストされ、初実射でIl-28無人標的機を撃ち落としたが、ミサイルが巨大で発射速度も遅く、V-679実用型ミサイルを搭載する70型巡洋艦は計画中止となり、結局実用化には至らなかった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊軍事研究12,’02

＜Ｍ２機雷＞：中国海軍係維機雷。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜Ｍ２軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍軽戦車。1932年に陸軍参謀総長ダグラス・マッカーサーが提唱した陸軍機械化案に基づき、歩兵科装甲部門が陸軍省兵器局の統括を受け、M1コンバットカーの原型であるT5コンバットカーや、T1軽戦車をベースに開発し、ロックアイランド工廠で試作車を製作、サスペンションを垂直渦巻きスプリングに改造して1935年末に採用された。殆どが訓練に使用されたが、太平洋戦争でM2A4の一部が第１海兵戦車大隊に配備され、ガダルカナル戦で実戦参加した。ちなみに、レンドリース法によりイギリスに供与された初の戦車である。参考：月刊PANZER5,’83、5,’06、6,’01、British and American tanks of World War Two、日本戦車隊戦史

　＜Ｔ２＞：最初の試作車で、T1E4軽戦車をベースに1933年から設計され、1934年に完成した。車体は均質圧延鋼板のボルト止め構造で、機関室は後部にあるが、出力軸は前部にある。車体右前部にはボールマウント式M1919A4機銃を装備する。下部転輪はダブルタイプで、ロッカーアームで結合されており、サスペンションはダブル・リーフ・スプリング付イクオラゼーション方式、起動輪は前部、吊り下げ式誘導輪は後部にあり、上部転輪はシングルタイプで、下部転輪のサスペンションブラケット頂部に２個ずつ装着される。履帯は平行グロッサー付き鋼製で、幅294.6mm、ピッチ139.7mm、片側66枚。銃塔には12.7mm機銃M2と7.62mm機銃M1919A4を１丁ずつ搭載する。全長4.077m、全幅2.375m、全高2.057m、戦闘重量6.804トン。エンジンはコンチネンタル社製W670星型７気筒空冷ガソリン（250馬力、圧縮比6:1）、トランスミッションはシンクロメッシュ式（前進５段・後進１段）、最大速度43.4km、燃料搭載量204リットル、航続距離217km。装甲厚15.88-9.53mm。乗員４名。1934年末に改修が行われ、サスペンションを垂直ボリュート・スプリング式に換装し、狭軌型履帯を採用している。参考：月刊PANZER5,’83、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２Ｅ１＞：増加試作型で、1934-35年に設計された。車体を改修し、サスペンションは垂直ボリュート・スプリング式を採用している。1936年に19両が生産され、1938年にM2A1軽戦車として制式化された。参考：月刊PANZER5,’83、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２Ｅ２＞：銃塔を12.7mm機銃M2と7.62mm機銃M1919A4で別々にし、左右に並べて限定旋回式に搭載したもの。1934年頃から開発され、1938年にM2A2軽戦車として制式化された。参考：月刊PANZER5,’83、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ１＞：T2E1を1938年に制式化したもの。下部転輪はシングルタイプで、２枚１組でボギーに装着され、サスペンション・ブラケット内のスプリングで緩衝される。ブラケット頂部にはシングルタイプ上部転輪が付く。ボギーは片側２個ずつ配列されており、起動輪（14歯）は前部、誘導輪は後部にあり、誘導輪ブラケットには履帯張度調整装置がある。履帯はT16ドライピン式ゴム履帯で、幅295mm、ピッチ140mm、片側66枚。全長4.369m、全幅2.184m、全高1.981m、戦闘重量7.067トン。エンジンはコンチネンタル社製W670空冷星型７気筒ガソリン（250馬力）、トランスミッションはスライディング・ギア式（前進５段・後進１段）、最大速度74.8km、燃料搭載量204リットル、航続距離209km。武装は銃塔の12.7mm機銃M2と7.62mm機銃M1919A4、車体右前部ボールマウント式7.62mm機銃M1919A4。装甲厚は車体前面15.87mm、側後面9.53mm、銃塔前側面15.87mm。乗員４名（車長、操縦手、副操縦手、銃手）。1936年に19両が生産された。参考：月刊PANZER5,’83、5,’06、6,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ２＞：T2E2を1938年に制式化したもので、12.7mm機銃M2（2137発）装備の左銃塔と7.62mm機銃M1919A4（7185発）装備の右銃塔をサイドバイサイドで搭載している。銃塔の旋回角はどちらも270度。車体前部右のボールマウント機銃はそのまま残された。全長4.14m、全幅2.38m（3.388m？）、全高2.362m、全備重量8.664トン。エンジンはコンチネンタル社製W670空冷星型７気筒ガソリン（250馬力）、トランスミッションはスライディング・ギア式（前進５段・後進１段）、最大速度72.42km、燃料搭載量204リットル、航続距離209km。装甲厚15.9-12.7mm。乗員４名。1936-37年に236両（M1コンバットカーと合わせて170両？）が生産された。参考：月刊PANZER5,’83、5,’06、6,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ２Ｅ１＞：M2A2軽戦車のエンジンをギバーソン社製T1020-4シリーズ４サイクル星型空冷９気筒ディーゼル（220馬力）に換装したもの。試作のみ。参考：月刊PANZER5,’83、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ２Ｅ２＞：M2A2軽戦車の装甲を強化し、重量増に応じたサスペンション改良を施したもの。1937年から改修された。参考：月刊PANZER5,’83

　＜Ｍ２Ａ２Ｅ３＞：M2A2軽戦車の駆動系をGM社製6-71型直列６気筒２サイクル液冷ディーゼル（165馬力）とフルオートマチック・トランスミッション（前進４段・後進１段）に換装し、誘導輪を接地式としたもの。1938年から改修された。少数がビルマ戦線に投入されたらしい。参考：月刊PANZER5,’83、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ３＞：M2A2軽戦車車体を延長し、最大装甲厚を22.22mmに強化、サスペンションのストロークを延長して乗り心地を良くし、エンジンを強化、冷却装置や整備用アクセスを改善し、ギア比も増やした。左側銃塔のキューポラは六角形になっている。全長4.4m、全幅2.48m、全高2.33m、全備重量9.5トン。エンジンはW-670-9（262馬力）、最大速度57km、航続距離161km。武装は12.7mm機銃M2が１丁（1579発）と7.62mm機銃M1919A4が１丁（2730発）。71両が生産された。参考：月刊PANZER5,’06、6,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ３Ｅ１＞：M2A3にギバーソン社製ディーゼルを搭載したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ３Ｅ２＞：M2A3に電気式トランスミッションを搭載した試作型。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ３Ｅ３＞：M2A3のエンジンをGM社製ディーゼルに変更したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２Ａ４＞：それまでのM2軽戦車シリーズやM1コンバットカーの運用実績から、単一砲塔が優れているということで、M2A3の車体に、M3軽戦車初期型と殆ど同じ37mm砲M3（103発。俯仰角マイナス10度からプラス20度）搭載砲塔を装備したもの。駐退機がM20砲架から飛び出しており、この部分が弱点となった。車体左右スポンソン前部に7.62mm機銃M1919A4を装備しており、車長用キューポラ後部に7.62mm対空機銃を装備できる。不整地踏破性が悪いという欠点を持つ。全長14フィート６インチ（4.42m）、全幅８フィート1.25インチ（2.47m）、全高８フィート２インチ（2.49m）、戦闘重量23000ポンド（10.43トン）。エンジンはW-670ガソリン（250馬力）、最大速度路上25-30マイル（40.2-48.3km）／路外18マイル（29km）、路上航続距離130マイル（209.2km）。装甲厚は車体前面上部25mm、中部16mm、下部25mm、側後面25mm、上面6mm、底面前部13mm、後部6mm、砲塔全周25mm、防楯25mm、砲塔上部6mm。乗員４名。1939年からロックアイランド工廠で開発し、第２次大戦勃発を受けて量産は民間のアメリカン・カー＆ファウンドリーに依頼、1940年4月から1941年3月までに365両（375両？）が生産された。少数の後期型はギバーソンT1020ディーゼルエンジンを搭載した。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER5,’06、6,’01

＜Ｍ２軽戦車ファミリー＞

　＜４７ｍｍ戦車支援砲＞：対戦車自走砲型。砲塔を撤去し、37mm対空機関砲M1を改造した47mm対戦車砲を搭載している。1937年7月に試作車が完成し、テストが行われた。戦車よりも広い視界を活かし、敵戦車への攻撃を主任務とする予定だったが、砲のトラブルが多発したので採用されなかった。参考：月刊グランドパワー7,’98

＜Ｍ２軽戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２Ａ４軽戦車（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍軽戦車。1941年に少数がイギリスに送られ、訓練に使用された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２高射砲＞：アメリカ軍76.2mm高射砲。76.2mm高射砲M3の要地防空型で、固定式砲架に搭載されている。口径長55。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ２高射砲シリーズ＞：アメリカ陸軍90mm高射砲。1941年7月から野砲や沿岸砲としても使用できる万能砲としてM1高射砲をベースに設計され、1943年に90mm砲（高射砲でなく、ただの砲）として制式化された。参考：月刊PANZER8,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ２＞：M1高射砲より射撃準備時間を短縮し、防楯を設け、水上目標への射撃を考慮して俯角をマイナス10度まで取れるようにした。閉鎖機は垂直鎖栓式、駐退復座機は液気圧式。装填ラマーは電気式信管測合機と一体化したローラー式で、発射速度毎分28発（榴弾）。信管測合の要らない徹甲弾は手動装填する。砲架下部には脚４本があり、車輪４つを前後に取り付けた。最大仰角80度。砲身長4.496m。弾薬はM1高射砲と共通で、最大射程19000m（水平射撃時）、その他射撃諸元はM1と同じ。参考：月刊PANZER8,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ２Ａ１＞：

＜Ｍ２高射砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊90mm高射砲。1951年から供与され、1974年に全て退役した。参考：月刊PANZER8,’02

＜Ｍ２コンバットカー＞：アメリカ陸軍コンバットカー、試作名称M1A1E1。M1A1コンバットカーの誘導輪を接地式にし、エンジンを換装したものである。全長4.37m、全幅2.3m、全高2.41m、重量11.47トン。武装は12.7mm機銃１丁（1364発）と7.62mm機銃３丁（9470発。車体、銃塔、銃塔後部対空銃架）。エンジンはギバーソンT-1020空冷星形ディーゼル、最大速度58km、航続距離322km。乗員４名。７両が生産され、全て訓練に使用された。1940年7月にM1A1軽戦車と名称変更された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２サブマシンガン＞：アメリカ軍のサブマシンガン。GMインランド部門が開発した。全長815mm、銃身長307mm、重量4.2kg。使用弾は.45ACP、弾倉は20発または30発入り箱形弾倉、発射速度毎分500発。1941年に採用が決まり、1942年4月に制式化されたが、GMインランド部門はM1カービンの生産で手一杯で、かわりのマーリン・ファイアアームズ社でも原材料入手の目処が立たず、結局生産されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ２自走浮橋＞：イギリス陸軍自走浮橋。前部右に操縦室、後部に機関室がある。渡河作戦の際は自ら川に入り、折り畳みフロートを両側に展開して横一列に並び、間を道板やランプで繋いで車両や兵員を通過させる。エンジンはディーゼル（178馬力）、路上最大速度60km、水上最大速力15km。参考：月刊PANZER11,’86

＜Ｍ２自走浮橋＞：ドイツ陸軍自走浮橋、別名アリゲーター。４輪車両の車体上部に浮力タンクを折り畳んで搭載しており、使用時に展張し、装備するクレーンでランプを接続、１両あたり長さ7.62m・幅5.5mの浮橋を構成する。水上航行は浮力タンク前面左右１基ずつの推進用プロペラと車体前面下部の操向用プロペラで行う。プロペラにはそれぞれ178馬力のエンジンが取り付けられている。キャビンが進行方向に対して後方にあるため使いづらく、改良型のM3が開発された。参考：月刊グランドパワー10,’94

＜Ｍ２重機関銃シリーズ＞：アメリカ軍12.7mm重機関銃、Browning .50 cal machine gun M2。通称はフィフティー・キャリバー、キャリバー・フィフティー、キャリ５で、口径0.50インチなのでこう呼ばれる。他にもビッグ・ママ、マ・デュースといった愛称を付けられている。開発したのはジョン・モーゼス・ブラウニングで、M1921水冷重機関銃を空冷にしたものであり、1933年に制式採用された。第２次大戦では歩兵連隊本部に２丁が装備され、各種車両にも対地対空兼用機銃として幅広く搭載された。102カ国で使用され、21世紀になっても未だに使われている。参考：月刊軍事研究8,’14、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、歴史群像10,’08、世界の軍用銃、月刊PANZER8,’10、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２重機関銃＞：重銃身（Heavy Barrel）モデルなので、M2HB（Browning .50 cal machine gun M2, heavy barrel）とも呼ばれる。銃身は空冷式で、基部に放熱外筒が巻かれており、初期型では楕円形の孔が開いていたが、後に円形に変えられた。トリガーは本体後面の押し金で、両側の握把を両手で握って親指で押す。使用弾はドイツ軍13mm対戦車ライフル弾をコピーした12.7mm×99弾で、M2/M33普通弾、M2/M20/M903徹甲弾、M10/M17/M21訓練弾、M1/M23焼夷弾、M8徹甲焼夷弾、M20徹甲焼夷曳光弾が用意されている。重量42.9gの普通弾でも弾丸エネルギーは18kJに達し、２発で人間の胴体がちぎれるらしい。普通弾でも最大厚さ25mm（射距離200mでは9.5mm）、徹甲弾を使用すると厚さ30mm以上（射距離200mでは20mm以上）の装甲板を貫徹でき、太平洋戦争では日本軍の軽戦車が撃ち抜かれて破壊された。ポスト・イラク戦争では室内に立て籠もるテロリストの掃射に使用されたが、脆い建物だと５棟ほど貫通してしまうので、かえって使いにくかったという。弾道が低伸し、反動も本体重量で吸収してくれるので、セミオートでの超遠距離狙撃が可能である。三脚に設置しての地上掃射では110発ベルトリンク、車載ではM2/M2A1弾薬箱（どちらも100発入り）を使用するが、箱が大きいので操作がしにくいという欠点がある。給弾は左右どちらからでも可能。海軍艦艇の自衛用には連装タイプも使用されている。全長1.635m（1937年まで1.42m）、銃身長1.143m（1937年まで36インチ・0.9144m）、口径長90、重量38.2kg（1937年まで35.8kg）。重いので、銃身（12.7kg）、機関部（25.4kg）、M3トライポッド（20kg）に分けて運搬する必要があり、３名での運用となる。作動は反動利用ショート・リコイル方式、セミ／フルオート切替式、発射速度毎分485-635発。銃口初速毎秒898m、有効射程1000-2000m（対地）／700m（対空）、最大射程6800m。対空射撃用にM1トライポッドが開発されたが、安定が得られず、M63テトラポッドに換わられた。銃身交換は100発連射ごと。第２次大戦中だけで347524丁が生産された。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究8,’14、3,’04、4,’04、3,’05、世界の艦船4,’04増刊、1,'15増刊、最新軍用ライフル図鑑、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、丸エキストラ版No.71、陸上自衛隊地上戦力の全容、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２−ＱＣＢ＞：銃身交換の際に銃身と機関部の隙間を専用工具で調整する必要があり、時間がかかったため、銃身にハンドルを付けるなどしたQuick Change Barrel kitと呼ばれる単純化キットを適応したもの。発射炎が大きく暗視照準器の使用に支障があるという欠点もあったので、ついでに消炎制退器も改良している。2008年から改修された。参考：月刊軍事研究8,’14

＜Ｍ２重機関銃ファミリー＞

　＜ＡＮ−Ｍ３＞：航空機搭載型。銃身全体を穴の開いた外筒で覆っている。爆撃機に自衛用として装備されたものは、夜間戦闘時に目が眩まないよう、フラッシュハイダーを装着した。全長1.44m、銃身長0.9m、口径12.7mm、重量31kg。作動はガス圧式、発射速度毎分1200発。アメリカ陸海軍航空隊共通の標準装備機銃として広く使用され、10万丁以上が生産された。参考：コンバット・バイブル２、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、自衛隊装備カタログ1981、ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｍ２重機関銃・海外シリーズ＞

　＜１２．７ｍｍ重機関銃（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊重機関銃。当初は供与で、1985年度から住友重機械工業（住友金属工業）でライセンス生産した。普通科に小隊単位で配備された他、車載用として広く利用された。全長1654mm、銃身長1143mm、口径12.7mm、本体重量38.1kg。使用弾は66式普通弾、徹甲弾、M17曳光弾。初速毎秒880m、有効射程1000m、最大射程6700m。発射速度毎分400-600発。値段は1985年度で１丁300万円、2004年度契約で１丁546万121円。2013年12月18日、製造請負契約で製品試験結果を改ざんしたとして、防衛省が住友重機械工業を５ヶ月間の指名停止処分とした。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究12,’06、11,’10、3,’14、自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船3,’10

　＜三式十三粍固定機銃一型＞：三式十三粍固定機銃一型を参照。

　＜三式十三粍旋回機銃＞：三式十三粍旋回機銃を参照。

　＜１３ｍｍ機銃＞：海上自衛隊重機関銃。使用弾はM2徹甲弾、M2普通弾、M8徹甲焼夷弾、M17曳光弾など。連装型もあり、旋回式銃架に搭載されていて全周射撃が可能で、機銃下部に打殻薬莢排出用蛇腹ホースが付いている。単装型がゆり型に、連装型が哨戒艇１号型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.75

　＜ホ一〇三＞：ホ一〇三を参照。

＜Ｍ２手榴弾＞：アメリカ軍の手榴弾。第１次大戦時にフランスが使用していたものをベースにしている。第２次大戦時には尾部にアダプターを付けて小銃てき弾としても使用できるようにした。小銃には筒状発射機を取り付け、その上にアダプターを被せ、安全ピンを抜いて空包で射出する。発射時の衝撃でクリップが外れ、安全レバーが飛び、点火装置が作動するようになっている。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ２手榴弾＞：イギリス軍の手榴弾。M1の改良型で、塹壕から投げようとした際に壁にぶつからないよう、柄を8.5インチ（216mm）に短縮し、姿勢安定用の吹き流し４本を追加した。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ２戦車砲＞：アメリカ陸軍31口径75mm戦車砲。1940年5-6月、車体固定式75mm砲装備新型中戦車（後のM3中戦車）の開発がほぼ決定したため、ウォーターヴリート工廠がアメリカ陸軍制式M1918野砲をベースに製作を開始、1940年7月に1308門が発注され、1941年4月に最初の１門が完成した。大元がフランス製75mm野砲であり、75mm野砲M1897と同じ砲弾を使用できる。砲全長91.75インチ（2.33m）、砲身長84インチ（2.13m）、口径75mm、重量783ポンド（355kg）。初速毎秒564m。装甲貫徹力はM61APCの射距離914m・衝角30度で67mm。M3中戦車初期型の車体砲、M4中戦車極初期型の主砲として装備された。75mm戦車砲M3用の砲安定化装置を付ける場合、重量バランスを取るため、砲口部にカウンターウェイトを装着する。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポートNo.17

＜Ｍ２潜水艦＞：イギリス海軍Ｍ級潜水艦。1920年竣工。ワシントン条約に引っかかったため、1928年4月に主砲を撤去し、ペート水上機用格納庫、カタパルト、回収用クレーンを装備して航空機搭載潜水艦に改造された。ただ船体が小さくてカタパルト発進に無理があり、実用性に欠けた。1932年1月26日、潜航訓練中に格納庫扉から浸水して沈没した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊世界の艦船9,’12増刊

＜Ｍ−２潜水艦発射弾道ミサイル＞：フランス海軍SLBM。M-1の２段目ロケットをRITA-2固体燃料ロケット（重量6.6トン）に換えたものである。燃料がイソレン系からブタレン系となり、推力が強化され射程も延びた。サイズはM-1と同じなので、発射筒を変えずにそのまま搭載できる。全長10.67m、直径1.52m、発射重量19.5トン。核弾頭は１メガトン単弾頭。推進は固体燃料２段式、最大射程3200km。1974年に実戦配備され、ル・ルドゥタブル級3-5番艦に新造時から、1-2番艦に後日搭載された。参考：月刊軍事研究12,’16、2,’01、月刊世界の艦船3,’05、4,’20

＜Ｍ２装薬＞：アメリカ軍の203mm砲用装薬。チャージ５から７まで調節可能である。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ２耐水性導火線点火具＞：自衛隊の火工品。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究9,’09

＜Ｍ２中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍中戦車。T5/�T試作中戦車に小改良を加えて制式化したものである。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’04

＜Ｍ２＞：T5/�T試作中戦車のサスペンション・上部転輪・履帯をT5/�Vと同じものに換装している。全長5.33m、全幅2.51m、全高2.82m、戦闘重量17.23トン。主砲は37mm戦車砲M6が１門（200発）、副武装は7.62mmブローニング機銃８丁（12250発。車体前面固定式２丁、上構４隅、砲塔側面外付け２丁）。装甲厚9.5-25mm。エンジンはライト製R975EC-2空冷星型９気筒ガソリン（350馬力）、最大速度路上41.84km／路外27.68km、航続距離209km。乗員６名（車長、操縦手、砲手４名）。１939年度予算で18両、1940年度予算で54両が生産された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２Ａ１＞：M2の改良型。砲塔を八面体にして側面を垂直に変更し、ピストルポートを６カ所に設置、乗員用ハッチを砲塔後面から上面に移した。垂直面の装甲厚を全て32mmに強化、重量増に対応してエンジン出力を増大し、履帯幅も25mm拡大している。主砲砲身と駐退機に防御を施し、戦闘室４隅の機銃には円筒形の照準器と防楯を装着した。全長5.33m、全幅2.51m、全高９フィート３インチ（2.82m）、戦闘重量47040ポンド（21.3トン）。エンジン出力400馬力、最大速度路上26マイル（41.8km）／路外17.2マイル（27.7km）、航続距離130マイル（209.2km）。乗員６名。1940年8月15日に1000両（月産100両）の生産が決まったが、ドイツ国防軍がフランス侵攻時に使用した�W号戦車が75mm砲を搭載していたため、本戦車は時代遅れとされ、1940年12月から1941年8月までにロックアイランド造兵廠で94両のみ生産されたに留まり、75mm砲を車体に搭載したM3中戦車の開発に移った。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’04、British and American tanks of World War Two、歴史群像10,’04

＜Ｍ２中戦車ファミリー＞

＜Ｍ２火炎放射戦車＞：試作火炎放射戦車M2 with E2 Flame-gun。主砲を外してE2長射程火炎放射器を装備、車体後部に放射用燃料コンテナを搭載したもの。1941年に試作されたが、採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ２徹甲弾リンク付＞：自衛隊の12.7mm徹甲弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜Ｍ２物資輸送用ハーフトラック＞：アメリカ陸軍のハーフトラックで、1938年に制式化された。車台は装甲化されておらず、兵員輸送用M2ハーフトラックとは別物である。参考：月刊PANZER10,’05

＜Ｍ２兵員輸送用ハーフトラック・シリーズ＞：アメリカ軍のハーフトラックHalf-track Car M2 series。試作名称はT14で、砲兵大隊用105mm砲牽引車兼操砲要員輸送車としてホワイト社が開発した。同社が生産していたM2A1スカウトカーにM2物資輸送用ハーフトラックの履帯駆動系を組み込み、M3スカウトカーの装甲車体を載せ、更にエンジン改良などを加えたもので、1940年9月に制式化された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER10,’05、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２ハーフトラック＞：Half-track Car M2。車体は厚さ6.4mmの表面硬化処理装甲鋼板製で、射距離200ヤード（183m）からの7.92mmAP弾に抗堪できる。車体前部が機関室、その後ろが操縦室（３名用）、最後部が兵員室（７名用。10名？）で、車体前部フェンダーに超壕用ローラーまたはウインチを装備する。操縦室前側面はガラス窓である。兵員室周囲にはスケートレールがあり、12.7mm機銃や7.62mm機銃を装着可能。火砲牽引も主任務としており、操縦室直後の兵員室内部両側面に砲弾ケースを搭載する。乗降ドアは兵員室側面にある。シャシーと駆動系は市販のものを流用しており、前部が１軸の装輪式走行装置、後部が装軌式走行装置で、スパイサー3641トランスミッション・トランスファーケース、ティムケンF35HX1デフ・ギア、ティムケン56410BX67ボギー式懸架装置１組、下部転輪片側４枚、上部転輪１枚、T68E1ゴム製履帯などからなる。全長6.12m、全幅1.96m（2.2m？）、全高2.26m、重量8.38トン。装甲厚6-13mm。エンジンはホワイト160AX直列６気筒ガソリン（147馬力）、最大速度64km（72.4km？）、燃料搭載量227リットル、航続距離280km。自衛用に12.7mm機銃M2を１丁（700発）と7.62mm機銃M1919A4を１丁（7750発）装備するが、銃架が兵員室上面の全周に設けたレールマウントに据え付けられていたため、目標の方向に動かすのに一苦労した。乗員３名（車長、操縦手、副操縦手）。1941年5月からオートカーで2992両、ホワイトで8423両の計11415両が生産された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER10,’05、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２Ａ１ハーフトラック＞：Half-track Car M2A1。副操縦室から兵員室前部にかけての車体上部にM49旋回式機銃マウントを搭載したもので、スケートレールは撤去した。兵員室両側面と後部の計３ヵ所に7.62mm対空機銃用ピントルマウントも装備する。M2E6の名称で試作され、1943年10月から1944年3月に1643両が生産された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２Ｅ４ハーフトラック＞：エンジンをハーキュリーズに換装したもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ９＞：レンドリース用の生産性向上型。インターナショナル・ハーベスター社製で、厚さ7.9mmの圧延装甲板を使用したため、耐弾性がやや減少し、射距離300ヤード（274m）からの7.92mmAP弾に抗堪できる程度となった。車体はM3ハーフトラックと共用のロングボディ・側面ドア無しタイプにし、前部フェンダーを平板で形成して車体後端を彎曲させている。エンジンはインターナショナル・ハーベスター社製RED450Bガソリン、トランスミッションはインターナショナル・ハーベスター社製1856トランスファーケース、デフ・ギアはインターナショナル・ハーベスター社製1370デフ・ギア、ボギーはRTH1590に換装した。1942年から2026両が生産された（生産前に制式名がM9A1に変更されたという説もある）。参考：月刊PANZER10,’05、3,’02、月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ９Ａ１＞：Half-track Car M9A1。M9にM49機銃マウントを搭載したもの。全長6.15m、全幅2.2m、全高2.74m、戦闘重量9.62トン。エンジンはRED450Bガソリン（143馬力）、最大速度61km、燃料搭載量226リットル、航続距離201km。自衛武装は12.7mm機銃M2が１丁（700発）と7.62mm機銃M1919A4が１丁（7750発）。ホワイト社、オートカー社、ダイアモンドＴ工場で1407両が生産された。参考：月刊PANZER10,’05、月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２ハーフトラック・ファミリー＞

　＜Ｍ２ハーフトラック（地雷除去装置付）＞：試作地雷除去車両。１両がボンネット前方にフレイル式地雷除去装置を取り付けてテストされたが、量産化はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４＞：迫撃砲輸送車型81mm Mortar Carrier M4。M2の兵員室に81mm迫撃砲M1を搭載したもので、兵員室の座席数は砲要員３名分に減らし、空いたスペースに弾薬ラックを積んだ。射撃時には迫撃砲を地上に降ろす必要があるが、緊急時には積んだままでも撃てなくもない。1942年初めまでに572両が作られた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05

　＜Ｍ４Ａ１＞：自走迫撃砲型81mm Mortar Carrier M4A1。M4迫撃砲輸送車の兵員室床を強化し、車内に迫撃砲を積んだままで発射できるようにしたもの。迫撃砲は後ろ向きに積み、兵員室後面には追加の弾薬箱を外装した。全長6.369m、全幅2.223m、全高2.28m、戦闘重量9.136トン。エンジンはホワイト160AX ６気筒ガソリン（147馬力）、最大速度72.4km、航続距離339km。主武装は81mm迫撃砲M1（96発）、副武装は7.62mm機銃M1919A4が１丁（2000発）。乗員８名（６名？うち迫撃砲操作要員３名）。1943年までに600両が作られた。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05

　＜Ｔ１Ｅ１試作自走対空機関銃＞：試作自走対空車両Multiple Gun Motor Carriage　T1E1。M2の兵員室に12.7mm機銃連装ベンディックス機力銃塔を搭載したもの。野戦対空車両として1941年に試作され、T1E2/T1E3との比較試験でT1E2に負けて採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ１Ｅ２試作自走対空機関銃＞：試作自走対空車両Multiple Gun Motor Carriage T1E2。T1E1の銃塔を12.7mm機銃連装マクソン銃塔に換装したもの。T1E1/T1E3との比較試験が行われ、採用されてT1E4（M13対空車両）に進んだ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ１Ｅ３試作自走対空機関銃＞：試作自走対空車両Multiple Gun Motor Carriage T1E3。T1E1の銃塔を航空機搭載用電気油圧式銃塔に換装したもの。T1E1/T1E2との比較試験が行われ、T1E2に負けて採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ６１試作自走対空機関銃＞：試作自走対空車両Multiple Gun Motor Carriage T61。兵員室に12.7mm機銃４連装銃塔を搭載したもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２迫撃砲＞：アメリカ軍4.2インチ（107mm）迫撃砲。砲身にはライフリング24条が刻まれ、弾丸には拡張弾帯が付いており、これが食い込んで旋転する。分解すれば人力運搬可能。砲身長1.285m、重量161kg（151kg？）。方向射界は左右７度ずつ。仰角45-60度だが、通常は装薬量で射距離を調節する。最小射程500m、最大射程4000m（榴弾）／3900m（黄燐発煙弾）。発射速度毎分５発（持続）／20発（最大）。照準具は着脱式のM62。操作要員６名。M30迫撃砲に後を譲って退役した。参考：月刊PANZER9,’01、自衛隊装備年鑑1996、スピアヘッドNo.6

＜Ｍ２迫撃砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２迫撃砲（陸上自衛隊）＞：警察予備隊／保安隊／陸上自衛隊107mm迫撃砲。アメリカ軍から1951年に供与され、大阪機工でライセンス生産もされた。口径107mm、砲身長1.285m、重量149.7kg。底板（77kg）、砲身（47.6kg）、脚（24.9kg）に分解できるが、特に底板が重くて人力輸送に限度があるため、基本的に車載して運搬する（部隊も完全自動車化されている）。射界は左右７度ずつ、仰角は45-60度。発射速度毎分５発（持続）／20発（最大）。使用弾は榴弾（重量11.56kg。最小射程546m、最大射程4022m。威力範囲は長径40m・短径15m）と発煙弾（重量14.5kg。最小射程546m、最大射程2926m）。1973年には最大射程6000m の73式107mm迫撃砲噴進弾（RAP）が開発された。配備先は普通科連隊重迫撃砲中隊、第１空挺団、独立特科大隊で、配備数は甲師団48門、乙師団36門である。120mm迫撃砲RTに更新されて1990年代には重迫の主役の座を降り、2010年3月末まで運用された。参考：スピアヘッドNo.6、月刊PANZER9,’01、日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、朝雲

＜Ｍ２ポケットナイフ＞：アメリカ軍の空挺部隊用小型ナイフ。M41ジャンプジャケットの隠しポケットに入れられる。スイッチブレードナイフと呼ばれるタイプの折り畳みナイフで、ボタンを押すだけで刃が飛び出る。参考：月刊JWing10,’01

＜Ｍ−２歩兵戦闘車シリーズ＞：アメリカ陸軍歩兵戦闘車、別名ブラッドレイ（Bradley。第17代陸軍参謀総長・初代統合参謀本部議長オーマー・Ｎ・ブラッドレイ将軍から）。任務は歩兵部隊の最前線への安全な輸送、下車歩兵の地上作戦の火力援護、脅威となる戦車・車両の破壊である。師団86編成に合致する歩兵戦闘車としてXM723をベースに開発され、乗車歩兵を計９名に減らし、砲塔を２名用に変更して武装を強化、トランスミッションを換装して1979年11月に採用され、1983年5月から配備された。1994年までに4641両が生産されている。参考：月刊PANZER5,’01、月刊軍事研究6,’03、7,’13、4,’16、M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜Ｍ−２＞：基本装甲はアルミニウム合金製で、車体側面の傾斜部のみ7039アルミニウム、その他が5083アルミニウム。車体全周にラミネートアーマー、砲塔全周にスペースドアーマーを採用しており、25.4mm厚の基本装甲に、88.9mmの空間を空けて6.3mmの高硬度鋼板を取り付け、更に25.4mm離して6.3mmの装甲鋼板を張っている。成型炸薬弾には有効だが、実体弾に対しては前面でも14.5mm弾程度の防御力とされる。底面には対地雷用アップリケ装甲として前部３分の１の範囲に0.375インチ（9.5mm）厚の鋼板が装着されていて、防楯や砲手用照準器カバーなどは装甲鋼板で出来ている。車体は前面と側面上部に避弾経始が付いた箱型で、車体前面には浮航用スクリーンと波切り板が用意されており、両側にはヘッドライトとウインカーランプが１つずつ付いていて、左側のヘッドライトとウインカーランプの間には管制灯がある。ヘッドライトはブライトとディム（Bright、Dim。乗用車でいうアップとダウン）の切り替えが可能。車体前部右に機関室、左に操縦手席があり、操縦手用ハッチにはペリスコープ４基が付けられ、前方中央の１基は夜間用のAN/VVS-2パッシブ式に交換可能。車両を離れる時はハッチ左前部のロックを施錠する。操縦手席正面には操向ハンドルがあり、下にはアクセルペダルとブレーキペダル、左にチェンジレバーと手動ブレーキハンドル、計器板（油圧計、燃料計、速度計、電圧計、水温計）に操作スイッチ、警告灯、右に操作スイッチ（スタータースイッチ、ライト切り替えスイッチなど）がある。機関室上に装甲カバー付きの吸気グリル、右側面には排気グリルと排気口を持つ。車体両側面後方に２基ずつ、後部に１基のガンポートが用意されていて、M231FPW（4200発）という専用の5.56mm機銃（M16小銃のショートバレル・ショートストック版。連射のみ）で掃射できる。ただし、照準は車体上部のペリスコープから曳光弾の軌跡を見て修正する程度のもので、命中はあまり期待できない。車体中央から後部が兵員室で、中央上面に砲塔が載り、後部上面に後ろ開きの屋根型ハッチを持つ。兵員室内には砲塔下部が突き出しており、安全のため砲塔バスケットにより全周が覆われていて、砲塔と兵員室との交通用のドアがある。砲塔バスケット左前方に後ろ向きに１つ、それと向かい合う形で前向きに１つ、砲塔バスケット後方に前向きに１つ、その後方に後ろ向きに左右並んで２つ、左後部に中央を向いて１つの座席が設けられている（要は各ガンポート付近にそれぞれ１席ずつ）。乗車中はヘルメットとシートベルトを着用し、座席に深く腰掛けるようマニュアルに書かれており、これを怠ると段差などで車体が動揺した際に大怪我をする恐れがある。車内にはM60機銃１丁、M249分隊機銃２丁、M16A2小銃９丁、M231小銃６丁、M203てき弾発射機２基、7.62mm弾2200発、M231用5.56mm弾4200発、M16用5.56mm弾2520発、M47ドラゴン対戦車ミサイル５発、M72対戦車ロケット３基、AN/PVS-4スターライトスコープなどを収容する。機関室と兵員室にはハロン消火装置が用意されており、1.2kg携帯式消火器も装備する。車体後面には左にアクセスドアが付いた大型ランプ（兵員室または操縦手席の操作で開閉する）が用意されていて、その両脇にはストワージ（ストレージ？）・ボックスと呼ばれる物入れがあり、上に尾灯が付く。物入れには左に5.56mm弾薬箱、右に7.62mm弾薬箱を収容し、隙間にはＣレーションや付属品を詰める。下部転輪はダブルタイプ片側６組で、第3-4転輪間が外より広めになっており、直径610mm、幅102mm。サスペンションはトーションバー式、ストロークは360mmで、第１・２・３・６転輪に油圧式ショックアブソーバーが付く。起動輪は前方にあり、歯は11枚。誘導輪は後方にあり、グリースにより伸縮するシリンダーが車軸に取り付けられていて、履帯張度を調節できる。上部転輪は片側３個で、中央のみダブルタイプである。履帯はシングルピン鋼製着脱式ゴムパッド付きで、幅533mm、ピッチ152mm。サスペンションの関係で転輪軸の位置が左右で微妙に異なっているため、履帯枚数は左が83枚、右が82枚である。水上航行時の整流も兼ねて装甲スカートを装備するが、最前部や最後部は異物が詰まらないように取り外したり、上に跳ね上げてあったりすることが多い。無線機は、分隊車として使用する場合はAN/GRC-160を１基、小隊長車ではAN/GRC-160を２基、中隊長車ではAN/VRC-46とAN/GRC-160を１基ずつ搭載する。1984年以降、これらの通信機材はSINCGARS-V周波数変調型通信装置系列と交換された。車内通信システムは５系（８名まで使用可？）のハーネスを持ち、車長、砲手、操縦手、兵員室内の射撃チームリーダー及び機関銃手がインターコムを付ける。下車戦闘時にはAN/PRC-68携帯無線機（小隊に５セット用意される）やAN/PRC-77（各車１セット収容）を使う。砲塔は２名用で、25mmチェインガンM242（900発、うち即用弾は徹甲弾75発と榴弾225発の計300発、俯仰角はマイナス10度からプラス60度）、同軸7.62mm機銃M240C（2340発、うち即用弾800発。主砲右に装備）、TOW連装発射機（I-TOWも発射可能。装填２発＋予備３発、俯仰角マイナス20度からプラス30度）を装備する。TOW発射機は砲塔左側面にあり、横倒しの格納状態から90度回転させて発射する。再装填は発射機に仰角をかけて兵員室左後部にあるハッチから行い、26秒で２発を込めることが可能。砲塔前面下部両側にはM257煙幕弾発射機がある。砲塔上面右に車長用キューポラとペリスコープ、左に砲手用照準潜望鏡のボックスがある。砲手用照準潜望鏡は機関砲及び機関銃の直接照準とTOW誘導用で、AN/PDS-5熱線暗視装置（有効視認距離2000m）を内蔵していて、倍率４倍（目標捜索）／12倍（目標捕捉・銃砲射撃・ミサイル誘導）、車長も映像を共有できる。主砲基部と同軸機銃の間には補助直接照準器の取り付け基部があり、車長用キューポラ前方の取り付け基部と関節付きの鋼管で繋がれ、鋼管上に照準環と航速環が付けられる。砲手席は機関砲砲尾の左にあり、正面に砲手用照準眼鏡接眼部、下に動力照準ハンドル（両手持ち）、左に手動旋回ハンドル、左下に手動俯仰ハンドル、右に砲手用操作パネルが付いている。機関砲砲尾の手前には操作パネルがあり、発射速度切り替えスイッチ、弾種選択スイッチ、発煙弾発射スイッチなどが付く。全長6.453m、車体幅3.2m、全高2.972m、砲塔上面高2.565m、車体高1.95m、空輸重量18.656トン（15.75トン？）、車両重量18.869トン、戦闘重量22.285トン。エンジンはカミンズ製VTA-903T水冷４サイクルＶ型８気筒ディーゼル（500馬力）、トランスミッションはGE製HMPT-500オートマチック、最大速度路上65km／路外32km、燃料搭載量662リットル、航続距離483km。前進時にギアが３速に切り替わらないことがあったり、後進時に速度が低下したりする欠点があるが、制御盤をいじると改善できるらしい。渡渉水深1.07m。波切り板を起こし、車体周囲にスクリーンを張って履帯による水上航行が可能で、水上最大速力7.2km。乗員３名（車長兼分隊長補佐、砲手、操縦手）、下車歩兵チーム７名（車長兼分隊長含め６名？ 分隊長、機関銃手、てき弾手、分隊自動火器手、対戦車兵、通信手の６名？）。煙幕発生装置を装備しており、エンジン排気にオイルを混ぜて発煙させることが可能だが、この際はガスマスクを着用し、ハッチを閉鎖、排気ファンを止める。35mm機関砲搭載型が試作されたが、採用されなかった。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車、月刊PANZER5,’01、8,’03、8,’97、月刊軍事研究6,’03、3,’97、月刊グランドパワー10,’00別冊、軍事分析湾岸戦争

＜Ｍ−２Ａ１＞：対戦車ミサイルをBGM-71D TOW2Aに換装し、NBC防護能力を改善したもの。ただしNBC防護衣を着ないで済むのは砲塔内乗員だけで、兵員室にはNBCフィルターによる清浄空気は供給されないが、これは下車戦闘時にNBC汚染された兵士が兵員室にそのまま乗り込んできた場合、清浄空気供給が意味をなさないためである。車内にはケブラー製ライナーを張った。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究6,’03、 M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜Ｍ−２Ａ２＞：装甲強化型で、1984年から高生残型（High Survivability Version）として開発され、1988年（1985年？）5月から生産された。車体前面上下、側面上部・スカート部、後面、砲塔全周に厚さ25mmの装甲鋼板をボルト止めし、30mm徹甲弾、RPGクラスの対戦車ロケットにも対抗できるようになった。ただしスカート部の増加装甲は、転輪との隙間に泥が詰まりやすいので、殆ど上に跳ね上げられていることが多い。また、ロッキード・マーチン社とラファエル社で共同開発したERAの取り付けも可能となっており、ERAは1990年代後半から装着される（車体前部26個、側面55個、砲塔24個の計105個）ようになったが、全車両には行き渡っていない。兵員室側面のガンポートは塞ぎ、車内にケブラー製スポールライナー（内張り）を張った。前照灯のレイアウトが変更されている。車体左・砲塔バスケット横の座席が廃止され、乗車歩兵は６名（車体中央左に砲塔基部を挟んで前後１名ずつ、砲塔基部右後方に１名、車体後部左・中央・右に１名ずつ）となった。重量増に対応すべくエンジン出力を強化し、機動力を確保している。浮航能力も保たれた。全長6.55m、全幅3.28m、全高2.97m、戦闘重量27トン。エンジンはカミンズVTA-903Tターボチャージャー付き８気筒ディーゼル（600馬力）、最大速度56km、燃料662リットル、路上航続距離400km。乗員３名＋乗車歩兵６名。湾岸戦争に参加したが、誤射でM-3と合わせて20両が被害を受けた。後部兵員室の被弾時に弾薬・燃料が誘爆しやすいという欠点がある。参考：月刊PANZER5,’01、5,’04、月刊軍事研究9,’16、3,’09、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊戦車マガジン10,’93別冊、軍事分析湾岸戦争

　＜Ｍ−２Ａ２ＯＤＳ＞：砂漠の嵐作戦（Operation Desert Storm）の戦訓に基づく改良を行ったもの。FBCB2旅団・配下部隊用フォース21戦闘指揮システムとPLGR汎地球測位システム付き航法装置を追加し、兵員室内に分隊長用フラットパネルディスプレイを新設した。車体右後部にGPS用アンテナ、砲塔上面にサンダース社製AN/VLQ-8A対戦車ミサイル妨害装置を追加している。戦闘重量27.2トン。下車歩兵チーム６名。1423両が改良される予定で、1996年から運用された。参考：月刊軍事研究6,’03、9,’16、月刊グランドパワー10,’03

　＜Ｍ−２Ａ２（イラク戦争時）＞：砲塔前面右にワイヤーカッターを付けたものがある。参考：月刊グランドパワー5,’04

　＜Ｍ−２Ａ２（ＥＲＡ付き）＞：市街戦でのRPG-7対策として、イスラエルのラファエル社製ERAを装着したもの。車体前面にM3ERAを26個、前面楔部分にM4ERAを９個、側面にM5ERAを55個、砲塔前面にM6ERAを８個（７個？）、側面にM7ERAを８個装備する。2004年11月から第１世代ERAが150両分供給された。2005年末から第２世代ERAが168両分供給される予定。参考：月刊PANZER11,’05

＜Ｍ−２Ａ２（ポスト・イラク戦争時）＞：砲手用ハッチを分厚い円盤状に改めたり、兵員室上面ハッチに増加装甲を取り付けたりしている。また、操縦手用ハッチのペリスコープ上部ガード支持架がパイプ製になった。車体側面下部のスカート取り付け部分にも変更がみられる。参考：月刊グランドパワー10,’04

　＜Ｍ−２Ａ３＞：デジタル部隊対応型。A3統合指揮統制パッケージ（IC3）を搭載したもので、FBCB2旅団・配下部隊用フォース21戦闘指揮システムとPLGR汎地球測位システム付き航法装置を追加し、車体後部兵員室内に分隊長用フラットパネルディスプレイ、砲塔と操縦室内にフラットパネルディスプレイを新設した。分隊長用ディスプレイには車載光学監視装置の映像を映すことが可能で、下車戦闘前に車外の状況を確認できる。砲塔右側に車長用全周旋回式独立監視・照準システム（第２世代FLIR）を装着し、砲塔上面に増加装甲を取り付けた。サスペンションがそのままで重量が増えたため、地上クリアランスがM-2時代の0.46mから0.28mまで減っている。全長6.55m、全幅3.61m、全高3.6m、戦闘重量30.4トン。エンジンはVTA-903T600水冷90度Ｖ型８気筒ディーゼル（600馬力）、最大速度61km（56km？）、航続距離400km。武装はTOW対戦車ミサイル連装発射機（TOW2Bエアロ７発）、25mm機関砲１門（900発）、7.62mm同軸機銃１丁（2200発）。乗員３名（車長、操縦手、砲手）＋下車歩兵チーム７名（兵員室左に４名、右に３名）。1997年に改修が始まり、1602両が改修される予定だったが、2446両に増やされた。実戦運用してみるとIEDやRPGに対抗するには防御力が不足しており、１個分隊４両では小隊長と３個歩兵分隊しか運べず、小隊本部要員のうち３名（前進観測員、無線手、医務兵）をどこかから連れてこないといけない上、１個歩兵分隊９名を2-3両に分けて収容しなければならず、運用が制限されたため、後継としてFCSのXM1206を予定したがFCSごと計画中止になり、2010年からGCVを計画したがこれも無期延期とされてしまった。参考：月刊軍事研究4,’17、6,’03、7,’13、月刊グランドパワー10,’04、月刊PANZER10,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｍ−２Ａ４＞：車体底面装甲を強化、エンジン出力を675馬力に上げ、第３世代FLIRやFBCB2-JBC-Pを搭載する予定。参考：月刊軍事研究4,’17

＜Ｍ−２歩兵戦闘車ファミリー＞

　＜ＢＳＦＶ＞：ブラッドレイ・スティンガー・ファイティング・ビークルの略。対空任務車両だが、後部兵員室にスティンガー・チームを乗せただけで、車両自体は普通のM-2であり、TOWミサイルは低速飛行ヘリを攻撃するのに使う。即応性に欠けるので、M6ラインバッカーが新たに開発され、1998年から順次交代した。参考：月刊軍事研究11,’02

　＜Ｍ４指揮統制車＞：アメリカ陸軍デジタル重師団の戦術インターネット・コンピュータ搭載用指揮車両。M577A3の後継である。車体後部に自動伸縮式通信マスト（長さ10m）を搭載、交流発電機（21kW）と直流発電機（4.6kW）を収容している。ストライカー指揮統制車が採用されたため、25両が配備されるに留まったが、イラク戦争で倉庫から引っ張り出されて配備された。参考：月刊軍事研究9,’03、4,’03、月刊PANZER5,’10

＜Ｍ６ラインバッカー＞：自走地対空ミサイル型。TOW発射機の代わりにスティンガー４連装発射機を装着したもので、ミサイル予備弾を車内に６発収納する。砲塔には25mm機関砲、第２世代FLIR、レーザー測距器を装備しており、撃墜能力は高い。前線地域防空C3Iネットワークに接続しており、ここからの情報で自動交戦が可能である。ERAを装備した車両もある。参考：月刊軍事研究9,’03、11,’02、月刊グランドパワー3,’05

＜Ｍ７ＢＣＯＴＭ＞：機動戦闘指揮所（Battle Command On The Move）で、正式には強襲指揮所（Assault Command Post）という。M7BFISTの改良型で、25mm機関砲と同軸機銃もそのまま搭載している。車内にはASAS、AFATDS、AMDWS、MCS、FBCB2の各戦術インターネット端末を収容し、FM無線機３基と衛星通信機１基を装備する。2003年から第４歩兵師団に引き渡された。2011年8月からはレーザー誘導爆弾の照準機能を追加した新型が第42歩兵旅団を皮切りに配備されている。参考：月刊軍事研究10,’04、月刊PANZER10,’12

＜Ｍ７ＢＦＩＳＶ＞：火力支援チーム車。M981の後継となる砲兵部隊向け射撃観測装甲車で、最前線戦闘部隊に帯同し、搭載する観測機材（GPS、慣性航法装置、レーザー照準器など）によって攻撃目標を捜索・捕捉して情報を砲兵指揮所にリアルタイムで送信する。TOW発射機の代わりにやや大きめのボックス型観測ユニットFS3（レーザー距離測定器、映像機材）を装備している。最前線での観測任務は非常に危険であり、イラク戦争では平均して25mm機関砲弾300発と機銃弾900発を発射した。参考：月刊軍事研究9,’03、4,’17、月刊PANZER10,’12

＜スティンガー・ブラッドレイ＞：自走対空車両型。M6ラインバッカーまでの繋ぎに開発された。TOW発射機の代わりにスティンガー連装発射機を搭載している。参考：月刊PANZER9,’01

＜ブラッドレイ指揮車両＞：指揮車両型で、BAEシステムズ社がアメリカ陸軍に提案している。M-2A3がベースで、車体天井高を高くして内部容積を拡大し、通信機材、APU、司令部要員の収容スペースを確保している。防御力強化のためリアクティブアーマーを装着し、車体下部に増加装甲を追加、燃料タンクの位置を後部に移す。自衛装備は車長用ハッチ脇の遠隔操作銃塔。参考：月刊PANZER5,’11、月刊軍事研究4,’11

＜ブラッドレイ自走迫撃砲＞：自走迫撃砲型で、BAEシステムズ社がアメリカ陸軍に提案している。M-2A3がベースで、砲塔を外して車体にM1064A3と同じ120mm迫撃砲と弾薬ラックを搭載する。リアクティブアーマーと増加装甲装着、燃料タンク移設は指揮車両と同じ。自衛用として12.7mm機銃M2を車長用ハッチに装備する。参考：月刊PANZER5,’11、月刊軍事研究4,’11

＜Ｍ−２歩兵戦闘車機械化歩兵小隊（イラク戦争時、野外戦）＞：M-2ブラッドレイ４両、小隊長（少尉）を指揮官とする40名を戦力とする。M-2A2ODS以降は乗組員が９名のため、足りない４名は配属となる。本部、Ａ班（ブラッドレイ１号・２号）、Ｂ班（ブラッドレイ３号・４号）、からなり、下車戦闘班は第1-3の３個分隊に分かれる。ブラッドレイ１号には小隊長／車長、操縦手、砲手、予備砲手（特技下士官／小銃）が乗員として、第１分隊Ｂチーム長、第１分隊Ｂチーム軽機関銃手、第２分隊Ａチームてき弾手、第２分隊Ａチーム軽機関銃手、第２分隊Ａチーム長、第２分隊Ａチーム機関銃手が兵員として乗り込む。２号には先任砲手／車長（２等軍曹／小銃）、操縦手、砲手が乗員として、第１分隊長、第１分隊Ａチームてき弾手、第１分隊Ａチーム対戦車特技兵、第１分隊Ａチーム軽機関銃手、第１分隊Ａチーム長、第１分隊Ｂチーム対戦車特技兵、第１分隊Ｂチームてき弾手（上等兵）、が兵員として乗り込む。３号には車長（２等軍曹／小銃）、操縦手（特技下士官／小銃）、砲手（特技下士官／小銃）が乗員として、第３分隊Ｂチーム機関銃手（上等兵）、第３分隊Ｂチームてき弾手（上等兵）、第３分隊軽機関銃手（特技下士官）、第３分隊Ｂチーム長（３等軍曹／擲弾筒付き小銃）、第３分隊長（２等軍曹／小銃）、第３分隊Ａチーム軽機関銃手（特技下士官）、第３分隊Ａチーム（３等軍曹／擲弾筒付き小銃）が兵員として乗り込む。４号には小隊軍曹／車長（１等軍曹／小銃）、操縦手（特技下士官／小銃）、砲手（特技下士官／小銃）が乗員として、第２分隊機関銃手（上等兵）、第２分隊Ｂチームてき弾手（上等兵）、第３分隊Ａチームてき弾手（上等兵）、第３分隊Ａチーム対戦車特技兵（上等兵）、第２分隊長（２等軍曹／小銃）、第２分隊Ｂチーム長（３等軍曹／擲弾筒付き小銃）、第２分隊Ｂチーム軽機関銃手（特技下士官）が兵員として乗り込む。機関銃手は7.62mm汎用機関銃M240B、軽機関銃手はM249分隊火器、てき弾手はM203擲弾筒付き小銃、対戦車特技兵はジャベリン対戦車ミサイルを装備している。下車戦闘時には兵員は速やかに３個分隊を編成し、ジャベリンを２基装備して対戦車能力の高い第１分隊、汎用機関銃を２丁装備して対歩兵能力の高い第２分隊、バランスのとれた第３分隊を適宜配置して戦闘を行う。参考：月刊軍事研究6,’03

＜Ｍ−２歩兵戦闘車機械化歩兵小隊（イラク戦争時、市街戦）＞：野外戦と同様、M-2ブラッドレイ４両、小隊長（少尉）を指揮官とする40名を戦力とする。下車戦闘要員27名は、小隊長、第１強襲分隊９名（ジャベリン２基装備）、第２強襲分隊９名（ジャベリン１基、M240B機関銃１丁装備）合わせて19名の強襲部隊と、Ａ班（ブラッドレイ１・２号、歩兵４名。ジャベリン１基、M240を１丁装備）、Ｂ班（ブラッドレイ３・４号、歩兵４名。M240を２丁装備）からなる支援部隊に分かれ、市街地を制圧する。参考：月刊軍事研究6,’03

＜Ｍ２ホルスター＞：アメリカ軍のM1909リボルバー用ホルスター。主に二線級部隊やMPが使用した。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ２榴弾砲シリーズ＞：アメリカ陸軍105mm牽引式榴弾砲。M1榴弾砲の改良型である。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ２榴弾砲＞：榴霰弾を発射可能な砲身に換装したタイプで、1934年に採用され、限定生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ２Ａ１榴弾砲＞：M2榴弾砲の砲身を改良し、機械化牽引が可能なゴムタイヤを付けたM2開脚式砲架を装着したもので、1940年3月に採用された。砲身はM2A1（命数5000発）とM2A2（命数7500発）の２種があり、単肉で、砲身重量483kg。ライフリングは36条右回り、20口径で１回転する。閉鎖機は手動水平鎖栓式、平衡機はバネ引っ張り式、駐退復座機は液気圧定後座関連型、後座長0.99-1.067m。M13撃発体の撃発作用は手動の拉縄方式である。俯仰角マイナス５度からプラス65度、旋回角は右23度・左22.5度。全長6.04m、砲身長2.592m、口径長24.5(22.5?)、戦闘重量2.222トン、輸送時重量4.86トン（2.258トン？）。使用弾は半固定式・薬莢式で、弾頭重量15kg・炸薬重量2.2kgのM1榴弾（初速毎秒474m）なら最大射程11160m。他にM67成型炸薬弾（13.15kg、初速毎秒496m、最大射程7851m、装甲貫徹力102mm）、M60発煙弾（14.79kg、初速毎秒474m、最大射程10600m）、M48発煙弾を発射可能。最大発射速度毎分８発、最初の10分で30発。持続発射速度毎分４発、長時間砲撃では１時間に100発。要員は10名（８名？）。生産当初は防楯が無かったが、1943年から旋回機構を爆風から防御するためのものを標準装備した。1953年までに10202門が生産された。M3中戦車の車体に搭載するとM7プリーストとなる。参考：月刊PANZER4,’02、月刊戦車マガジン11,’92、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊軍事研究6,’01、自衛隊装備年鑑1996、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ２榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２Ａ１（陸上自衛隊）＞：警察予備隊／保安隊／陸上自衛隊105mm榴弾砲で、10Hまたは10榴と略す。1952年から供与され、390門前後が配備された。全長5.9m、砲身長2.36m、口径105mm、後座長1.07m、発射時重量2.3トン。74式自走105mm榴弾砲用の長射程弾を除く全ての105mm榴弾砲用弾丸が使用できる。装薬は1-7号で、最大射程は１号で3511m、２号で4110m、３号で4860m、４号で5948m、５号で7653m、６号で9382m、７号で11273m。最大発射速度は最初の30秒で４発、10分で30発、持続発射速度毎時100発。砲身命数20000発。砲要員10名。2.5トントラックまたは73式大型トラックで牽引する。射撃位置に進入してから発射準備を完了するまで３分かかる。中隊単位で準備を整えるには昼で20分、夜で40分を要する。１個中隊に４門が配備され、甲師団に４個中隊、乙師団に３個中隊が隷属した。2000年までに全て退役したが、礼砲として使用され続けている。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊PANZER2,’00、自衛隊装備年鑑1996、スピアヘッドNo.7

　＜５８式１０５ｍｍ榴弾砲＞：陸上自衛隊105mm榴弾砲。M2A1のデッドコピーで、砲身を命数7500発の58式砲身に換装したが、先端までライフリングを切ったため（オリジナルは砲口から0.5mまで切っていない）、射撃時の圧力で砲口が裂けるトラブルが発生した。1958年に制式化された。参考：月刊PANZER2,’00

＜Ｍ２榴弾砲＞：アメリカ陸軍25口径８インチ（203mm）榴弾砲。M1榴弾砲の砲尾リングを厚くしたものである。砲重量14400kg、俯仰角マイナス２度からプラス65度。砲弾重量100kg、砲口初速毎秒594m、最大射程16900m。最大発射速度毎分1.5発、最初の10分で10発。榴弾の有効破壊半径は75×30m。1945年に制式化され、沖縄戦で初使用された。旧式のため、核砲弾は発射できないとされる。参考：月刊軍事研究11,’02、月刊PANZER5,’81、アメリカの核兵器

＜Ｍ２榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２榴弾砲（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊203mm榴弾砲。1954年から68門が供与された。全長10.8m、砲身長5.1m、口径203mm、重量14.4トン。俯仰角はマイナス２度からプラス65度。弾薬は薬嚢式分離装薬弾、弾種は榴弾のみ、弾丸重量90.8kg、炸薬重量16.47kg（TNT）、威力半径75m×30mで、射距離4000mにおいて厚さ1.22mの強化コンクリートを貫通できる。装薬は緑と白が計７種類ある。初速毎秒543m、有効射程14336m、最大射程16700m。誤差は射距離10000mで15mとされる。発射速度は最初の４分で６発、10分で10発、持続で３分に１発。砲要員21名。M4牽引車、M8牽引車、73式牽引車で牽引する。方面隊直轄特科群１個大隊に12門（４門装備の射撃中隊が３個）が配備された。1994年に退役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の戦力、スピアヘッドNo.7

＜Ｍ２−２火炎放射器＞：アメリカ海兵隊の火炎放射器。M-1火炎放射器の改良型で、点火具を改修し、燃料を濃くして射程を55mに延ばした。総重量31.78kg。放射持続時間6-9秒、放射回数５回。1944年3月に採用され、24500基を生産、グアム島上陸スティーブドール作戦から使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、日本戦車隊戦史、月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ２Ａ４地雷＞：アメリカ軍の対人地雷。空中に飛び上がってから炸裂する。M6A1複合信管を取り付けて使用する。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ２Ｆ５５−１＞：ロシア軍2S6自走地対空ガン・ミサイルシステム用整備トレーラー・トラック。ウラル4320-3トラックがベースである。参考：月刊軍事研究2,’00

＜Ｍ２Ｖ１１０−１＞：ロシア軍2S6自走地対空ガン・ミサイルシステム用整備トラック。ウラル4320-3トラックがベースである。参考：月刊軍事研究2,’00

＜Ｍ０３＞：ノラB/52（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｍ３＞：６ポンド砲・海外シリーズ（戦車砲）またはM1シリーズ（カービン）またはM3ハーフトラック・ファミリー（自走カノン砲）またはカールグスタフM3海外シリーズ（無反動砲）またはパナールM3シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ３ガスマスク＞：アメリカ軍の隔離式ガスマスク。呼気弁の部分にボイスミッターとして薄い膜（ダイアフラム）が付いていて、声が籠もらないようになっている。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ−３機雷＞：中国軍の触発式係維機雷。最大敷設深度430m。水上艦や潜水艦から敷設できる。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜Ｍ３軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍軽戦車、別名スチュアート（General Stuart）。1939-40年のヨーロッパ戦の戦訓を基に、M2A4軽戦車を改良したもので、ロックアイランド工廠が1940年春から開発し、1940年6月に制式化された。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ３＞：M2A4軽戦車の装甲を強化し、重量増に合わせてサスペンションを強化、不整地踏破能力を向上させ、砲架を改造したものである。車体は装甲鋼板のボルト止めで、後に全溶接型も登場した。車体前面右と左右スポンソンにブローニング7.62mm機銃１丁ずつ計３丁を装備する。スポンソン部の機銃は操縦手が遠隔操作で射撃するが、使い勝手が悪く、車内容積を圧迫するという欠点があった。後部上構を延長し、航空機からの機銃掃射に備えて機関室上面装甲を厚くしている。エンジンは車体後方、トランスミッションは車体前方にあり、下部転輪は片側４枚、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側３枚。誘導輪は大型で、サスペンションも付いており、接地式として履帯接地長を大きくし、不整地踏破能力を向上させた。砲塔はリベット止めで、後に溶接製や鋳造・溶接併用も作られている。主砲は50口径37mm戦車砲M5（103発）で、同軸機銃とキューポラにブローニング7.62mm機銃（8279発）を搭載する。砲架はM22で、駐退機が防楯から飛び出さなくなった。砲塔旋回は手動で、砲架自体も左右20度可動する。俯仰角はマイナス10度からプラス20度。砲塔側面の視察ポートは廃止された。全長4.53m、全幅2.24m、全高2.64m、戦闘重量12.6トン。装甲厚は車体前面上部38mm17度、前面中部16mm69度、前面下部44mm23度、側後面25mm０度、上面13mm、底面前部13mm、底面後部10mm、砲塔前面38mm10度、防楯38mm0-14度、側後面25mm、上面13mm。エンジンはW670-9Aガソリン（250馬力）またはギバースンT1020-4ディーゼル、最大速度は路上36マイル（57.9km）／路外20マイル（32.2km）、燃料搭載量204リットル、航続距離70マイル（112.7km）。乗員４名（車長、操縦手、副操縦手、砲手）。1941年3月から1943年1月にガソリンエンジン型4526両（5311両？）とディーゼル型1285両（500両？）が生産された。参考：月刊PANZER6,’01、10,’03、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３改修＞：生産279両目から、全溶接砲塔に変更。これは軽量化と、被弾時のリベット飛散による負傷防止のためである。1946両目から、馬蹄形鋳造砲塔（天井だけ溶接。両開きハッチを備えた半月型の車長用キューポラ付き）に換装、主砲を53.5口径37mm砲M6に換えた。3722両目から、キューポラの無い鋳造砲塔に変更。1941年半ばから主砲にジャイロ・スタビライザーを追加。1941年秋から北アフリカ戦の戦訓を元に25ガロン（94.6リットル）追加燃料タンク２個を装備。参考：月刊PANZER6,’01、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ１＞：M3の改良型で、砲塔上のキューポラを外し、スポンソンの機銃を撤去、主砲を53.5口径37mm砲M6（116発）に交換した。主砲にジャイロ・スタビライザーを装着し、油圧式砲塔旋回装置を搭載、砲塔バスケットを設置している。砲架はM23で、独立左右旋回はできなくなった。車体は試作型と極初期型はリベット止めだったが、すぐ全溶接製となっている。戦闘重量28500ポンド（12.9トン）。アメリカン・カー＆ファウンドリーで1942年5月から1943年1月にガソリンエンジン型4410両とディーゼル型211両が生産された。参考：月刊PANZER10,’03、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ２＞：M3A1を圧延鋼板の全溶接で製造したタイプ。1942年3月に計画されたが、生産されなかった。参考：月刊PANZER6,’01、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ３＞：車体と上部構造物・スポンソンを一体化して全溶接製の避弾経始に優れたものとし、サイドスカートを標準装備した。車体容積が増えた分は燃料タンクと弾薬スペースに充てている。砲塔後部を延長して無線機を収容した。４インチ（102mm）発煙弾発射機２基ずつを砲塔左右に装備する。弾薬搭載数は主砲弾174発、7.62mm機銃弾7500発。全長16.5フィート（5.03m）、全幅８フィート３インチ（2.51m）、全高７フィート6.5インチ（2.3m）、戦闘重量14.7トン。1942年8月に制式化され、1942年9月から1943年9月に3427両が生産された。生産途中で限定制式兵器に降格され、アメリカ軍では使用されず、ほぼ全てレンドリースに回された（イギリス2045両、フランス277両、中国1000両）。参考：月刊グランドパワー10,’03、月刊PANZER6,’01、10,’03、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ｅ１＞：試験車両。M3にカミンズHBSディーゼルを搭載したものである。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ｅ２＞：試験車両。M5軽戦車用ツイン・キャデラックエンジン＋ハイドロマチック・トランスミッションをテストしたもので、1941年に製作された。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ｅ３＞：試験車両。M3A3/M5軽戦車用砲塔バスケットのテスト用で、1942年に製作された。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ｅ４＞：試験車両。テトラーク軽戦車用DD浮航キットのテスト用で、1942年に試験が行われた。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ３Ｅ１＞：試験車両。スパイサー自動トルクコンバーター・トランスミッションをテストした。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ３Ｅ２＞：試験車両。コンチネンタル製R950エンジンとスパイサー自動トルクコンバーター・トランスミッションを搭載した。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

＜Ｍ３軽戦車ファミリー＞

　＜Ｍ３軽戦車Ｔ２型地雷処理装置装備＞：吊り下げ式小型ローラー地雷処理装置T2を装着したもの。車体前面から前上方に伸びる支柱を取り付け、ワイヤーでローラー式処理装置を吊り下げており、使用時に接地させる。1942年に試作されたが、扱いにくく危険なので、採用されなかった。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ３指揮戦車＞：M3 Command Tank。各型の砲塔を外し、箱形上構を溶接、通信機器や地図台を設置したもの。自衛用に12.7mm機銃M2を装備する。現地改修が多い。参考：月刊PANZER6,’01、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ３自走対空機関銃＞：自走対空車両、M3 with Maxson Turret。従来の砲塔を外し、12.7mm機銃４丁装備の高速旋回銃塔M45（マクソン銃塔）を搭載した。1942年にテストされたが、M16に負けて採用されなかった。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ３Ａ１火炎放射戦車（現地改造）＞：火炎放射戦車型。ガダルカナル戦で現地改造したもので、歩兵用M1A1火炎放射器を車体機銃の代わりに取り付けてあり、機銃に戻すこともできる。参考：月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ３Ａ１火炎放射戦車＞：火炎放射戦車型。ガダルカナル戦の戦訓を基にした本格改造型で、M3A1の車体機銃をM1A1火炎放射器に換装してある。最大射程が50mと短く、装甲が薄いため敵に肉薄しての火炎放射は危険で、サタンが開発された。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ３Ａ１火炎放射戦車＞：火炎放射戦車型、M3A1 with E5R2-M3 Flame-gun。車体前面機銃を外してE5R2-M3携帯式火炎放射器を搭載し、車内に45リットル入り燃料タンクを取り付けたもの。前線で改修できるように設計されていた。参考：異形戦車ものしり大百科、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｔ１８＞：試作近接支援車両、T18 75mm Howitzer Motor Carriage。1941年9月にM3軽戦車のシャシーを利用した近接支援車両が計画され、M3軽戦車の車体に固定式戦闘室を設け、M3中戦車の車体砲と同様の砲架を戦闘室前面右に装着し、75mm榴弾砲M1A1パックハウザーを搭載したものが設計された。戦闘室前面右下部に車体機銃１丁を装備する。軟鋼製試作車２両が製作され、アバディーンでテストされたが、車高が高すぎる、前部が重すぎるといった欠点があり、M8自走榴弾砲に負けて1942年4月に開発中止となった。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER11,’03

　＜Ｔ５６＞：試作自走砲、T56 3in Gun Motor Carriage。M3A3軽戦車の砲塔を外し、機関室を中央に移動、車体後部に戦闘室（後方オープン）を設け、３インチ砲M7を搭載したもので、1942年9月から開発された。エンジンはW-670シリーズ12（288馬力）。車体が小さすぎて搭載に無理があり、1943年2月にはキャンセルされた。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’03

　＜Ｔ５７＞：試作自走砲、T57 3in Gun Motor Carriage。T56のエンジンをM3中戦車と同じコンチネンタル製R-975-1（400馬力）に換装し、防楯形状を変更している。こちらも試作のみで1943年2月にキャンセルされた。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’03

　＜サタン＞：火炎放射戦車型、M3/M3A1 with Satan Flame-gun。M3/M3A1軽戦車の主砲を外してロンソン火炎放射器を搭載している。燃料ホースの関係で、砲塔旋回は左10度・右80度に制限された。俯仰角はマイナス15度からプラス18度。最大射程54-72m、搭載燃料644リットル、２分間の連続放射が可能。太平洋戦線向けに1943年末から改造され、1944年6月のサイパン戦に24両が投入されたが、装甲の薄さが問題となった。テニアン戦にも投入されている。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊グランドパワー1,’04、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜自走砲＞：現地改造対戦車自走砲・自走対空砲型。砲塔を外し、鹵獲した7.5cmPaK40や４連装2cmFlakを搭載している。参考：月刊グランドパワー10,’03

　＜輸送車両＞：現地改造輸送車型。砲塔を外して転用してあり、偵察、指揮、牽引、救急車両などとしても使用された。幌を装備していたり、自衛用12.7mm機関銃M2を搭載していたりとバリエーションも多い。参考：月刊グランドパワー10,’03

＜Ｍ３軽戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ３軽戦車（オーストラリア陸軍）＞：オーストラリア陸軍軽戦車。アメリカからレンドリースで各型が供給された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜スチュアート＞：イギリス陸軍軽戦車。レンドリースで送られたもので、正式にはGeneral Stuartだが、単にStuartと呼ばれることが多く、兵士はハニー（Honey）というニックネームを付けた。多くはスポンソンの機銃を外しており、連装発煙弾発射機ライフルNo.2を砲塔左に追加した。北アフリカ戦に投入されたものは、砂塵を防ぐため装甲スカートを後付けしており、スチュアート�U以降では標準装備になっている。1941年6月に最初の84両が第８軍に配備された。11月のクルセイダー作戦には163両が参加している。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜スチュアート�T＞：イギリス陸軍軽戦車Stuart�T。レンドリースで送られたガソリンエンジン搭載型M3である。参考：月刊PANZER10,’03、6,’01、月刊グランドパワー1,’01、British and Amerikan tanks of World War Two

　＜スチュアート�U＞：イギリス陸軍軽戦車Stuart�U。レンドリースで送られたディーゼルエンジン搭載型M3で、スチュアート・ハイブリッドともいう。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜スチュアート�V＞：イギリス陸軍軽戦車Stuart�V。レンドリースで送られた星形ガソリンエンジン搭載M3A1である。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER10,’03

　＜スチュアート�W＞：イギリス陸軍軽戦車Stuart�W。レンドリースで送られたディーゼルエンジン搭載M3A1で、スチュアート・ハイブリッドともいう。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER10,’03

　＜スチュアート�X＞：イギリス陸軍軽戦車Stuart�X。レンドリースで送られたM3A3である。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER10,’03

＜Ｍ３軽戦車・海外ファミリー＞

　＜スチュアート１８ポンド自走砲＞：イギリス陸軍自走砲、Stuart 18pdr SP。スチュアート�Tの砲塔を撤去し、旧式の牽引式18ポンド榴弾砲の車輪を外して載せたもの。車軸や防楯は付いたままである。中東派遣軍で少なくとも１両が製作された。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜スチュアート・カンガルー＞：イギリス陸軍装甲兵員輸送車、Stuart Kangaroo。スチュアート各型の砲塔を撤去し、歩兵を乗車できるようにしている。砲塔撤去後の開口部にネットを被せて手榴弾が入らないようにしたものもある。1943年から製作され、第２次大戦後まで使用された。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜スチュアート・コマンド＞：イギリス陸軍指揮車両、Stuart Cmmand。スチュアート・カンガルーに通信機器を増備し、地図台などの設備を搭載したもの。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜スチュアート・レキ＞：イギリス陸軍偵察装甲車、Stuart Recce。スチュアート・カンガルーにピントルマウントを介して12.7mm機銃M2など各種機銃を装備し、偵察に使用したもの。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

＜Ｍ３剣鞘＞：アメリカ軍M1917銃剣用の鞘。元の鞘が革製だったため、雨に濡れて使い物にならなくなるという欠点があり、プラスチック及び金属製としたものである。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ３高射砲＞：アメリカ陸軍３インチ（76.2mm）高射砲。M1917高射砲の改良型で、1928年に制式化された。砲身長が短く取り回しの良いM1898沿岸砲の砲身に半自動式閉鎖機とM2A2砲架（４脚式、タイヤ付き）を取り付けたものである。口径76.2mm、口径長50、全備重量7.627トン。全周旋回可能、俯仰角マイナス１度からプラス80度。発射速度毎分25発。使用弾は薬莢式で、M42A1榴弾（5.8kg）だと初速毎秒854m、最大射高9500m。他にM62A1APC、M79APが用意されている。時速60kmでの牽引が可能。砲要員８名。第２次大戦時にも訓練用、本土防空用、フィリピン国軍用などとして配備されていた。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊コンバットマガジン7,’06

＜Ｍ３コンバットナイフ＞： アメリカ軍のナイフ。1943年に制式採用され、1943-44年に2590240本が生産された。初期にはブレードにUSM3、メーカー名、製造年が刻まれていたが、ここから折れることがあったので、浅く刻むようになり、最後にはハンドガードに刻印されるようになった。参考：月刊JWings4,’02

＜Ｍ３サブマシンガン・シリーズ＞：アメリカ陸軍のサブマシンガン、別名グリースガン（形がグリース・ポンプに似ているため）またはケーキ・デコレーター（これも形状から）。1941年2月から開発され、1942年12月24日に採用された。ステンを見習って生産性重視の全金属製にしてあり、自動車車体の板金加工を行っていたGM社ガイドランプ部門（朝鮮戦争時にはイサカ）で生産された。専用のT34フラッシュハイダーも作られている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃、スピアヘッドNo.14

　＜Ｍ３＞：尾筒は円筒形で、短い銃身を持ち、コッキング・ハンドルは排莢口の後ろにある。ストックは鉄棒状で、伸縮式。全長757mm／579mm（ストック短縮時）、銃身長203mm、重量3.7kg。使用弾は.45ACP。弾倉は箱形で、ステンと同様の複列単給弾路式（装弾数30発）だが、遊底がステンより重いためか、装弾不良や復座不良は起きにくかった。作動はストレート・ブローバックで、発射速度毎分350-450発。連射オンリーだが、発射速度が低めで、慣れれば単射も可能だった。60万丁が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃、スピアヘッドNo.14、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ３Ａ１＞：改良型で、1944年12月に限定制式となり、1945年5月に制式化された。コッキング・ハンドルを廃止、排莢口を開けてボルトを直接指で引っ張る方式とし、グリップ内にオイルを内蔵、取り外し可能な部品（弾倉止めや伸縮式ストックなど）を工具替わりにすることで特別な工具無しに分解できるようにしてある。全長757mm、銃身長203.2mm、重量3.63kg。使用弾はM1911拳銃と同じ.45ACPで、30発入り複列単給弾路式箱形弾倉を使用する。有効射程100m、最大射程1600m。発射速度毎分450発（最大）／40-60発（持続）。５万丁が生産された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings8,’02、月刊PANZER5,’05、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊軍事研究5,’08、拳銃・小銃・機関銃、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜Ｍ３（サイレンサー付）＞：ハイ・スタンダード社製消音銃身とベル研究所製消音器を装備したもの。1000丁が製作され、空挺隊やコマンドーに配備された。オーバーロード作戦で非公式に実戦投入されたといわれており、ベトナム戦争でも使用されている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ３サブマシンガン海外シリーズ＞

　＜３７式短機関銃＞：中国がコピーして使用したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｍ３（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊サブマシンガン。アメリカからM3とM3A1を供与され、機甲科部隊や無反動砲手の自衛用に配備しており、2011年になっても使用されている。全長757mm／579mm（ストック短縮時）、銃身長203.2mm、口径11.43mm、重量3630g／4520g（スリング付）。初速毎秒280m、有効射程100m、最大射程1600m、発射速度毎分500発（最大）／毎分40-60発（持続）。30発入り箱形弾倉を使用する。参考：自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.7、No.14、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ３磁気信管＞：ドイツ国防軍の磁気機雷用信管。地球磁場の垂直分力の増波と減波で作動する。感度20ミリガウス。参考：ナチスＵボート

＜Ｍ３自走浮橋＞：ドイツ陸軍70t級自走浮橋。ドイツのEWK社がM2自走浮橋の後継として開発した。４輪の大型車体で、８両を組み合わせると100mの浮橋に、2-3両組み合わせるとフェリーになる。最大荷重70トン。イギリス軍、台湾軍も採用した。参考：月刊PANZER5,’01、月刊グランドパワー8,’04

＜Ｍ３手榴弾シリーズ＞：アメリカ軍の攻撃型手榴弾。第２次大戦時に使用した。参考：手榴弾・迫撃砲

　＜Ｍ３手榴弾＞：弾体はボール紙で、内部にTNT114gが充填してあり、ブッション点火装置が取り付けられている。参考：手榴弾・迫撃砲

　＜Ｍ３Ａ１手榴弾＞：TNTを増やしたもの。参考：手榴弾・迫撃砲

　＜Ｍ３Ａ２手榴弾＞：弾体を圧搾繊維で製造し、内部にTNT227gを充填したもの。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ３ショルダー・ホルスター＞：アメリカ軍のM1911拳銃用革製ホルスター。M1916がベースで、機内に座る空挺隊でも取り回しを楽にした。1942年10月に採用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ３戦車砲＞：アメリカ陸軍38口径75mm戦車砲。T6試作中戦車（M4中戦車の原型）用T8戦車砲として開発され、M3中戦車後期型、M4中戦車、T7軽戦車（M7中戦車）に搭載された。イギリスもチャーチル�W（NA75）に搭載している。全長118.375インチ（3.01m）、砲身長110.625インチ（2.81m）、口径75mm、重量910ポンド（513kg）。初速毎秒619m。装甲貫徹力は30度傾斜装甲板に対しM61APC で74mm（射距離500m）／67mm（1000m）／60mm（1500m）。参考：月刊PANZER4,’04、ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３戦車砲＞：アメリカ陸軍52.5口径90mm戦車砲。第２次大戦時にアメリカ陸軍最強だった戦車砲である。90mm高射砲がベースで、1942年初めには開発が始まっており、プロトタイプT7は12月に完成、1943年初めにM10駆逐戦車に搭載されて射撃試験が行われた。17ポンド砲やドイツ陸軍8.8cmKwK43/L71より貫徹力が低く、射撃精度も劣っているが、操砲が容易で整備も楽だった。全長195インチ（4.95m）、砲身長177.25インチ（4.5m）、口径90mm、総重量1111kg。ライフリングは32条右回り。使用弾はM82APC、M304HVAP（T30E16）、T33AP、M71HE。装甲貫徹力は30度傾斜装甲板に対してM82APC（初速毎秒884m）で130mm（射距離914m）／111mm（1828m）、M304HVAP（初速毎秒1204m）で192mm（914m）／161mm（1828m）。最大射程19559m。M26戦車とM36駆逐戦車に搭載された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー7,’04、M26/46パーシング戦車1943-1953、異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ３潜水艦＞：イギリス海軍Ｍ級潜水艦。1920年竣工。ワシントン条約に引っかかったため、1927年に主砲を外して機雷敷設潜水艦に改造された。1932年2月にスクラップになった。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊世界の艦船9,’12増刊

＜Ｍ−３装甲偵察車シリーズ＞：アメリカ陸軍装甲偵察車、別名ブラッドレイ（Bradley。第17代陸軍参謀総長・初代統合参謀本部議長オーマー・Ｎ・ブラッドレイ将軍から）。師団86構想に合致した装甲偵察車両というコンセプトに基づき、M-2歩兵戦闘車と共通の車体を用いて開発された。当初はディバースというニックネームを予定していたが、最終的にM-2歩兵戦闘車と共通のブラッドレイになっている。主任務は、戦車大隊隷下の偵察小隊配属装甲偵察車として、移動経路と地域の偵察、移動支援、正面・側面警戒線形成、指揮統制通信、地上偵察レーダー配置支援などを行うこと。1994年までに2083両が生産された。参考：月刊戦車マガジン2,’81、M1A1戦車とM2/3戦闘車、月刊軍事研究7,’13、4,’16

＜Ｍ−３＞：M-2の車体側面ガンポートを装甲板で塞ぎ、車体底面部の対地雷装甲を外し、乗車兵員を２名（３名？）に減らして各種弾薬を多めに搭載している。兵員は兵員室右に前を向いて１名、左に後ろを向いて１名が座る。通信装置はAN/VRC-12とAN/PRC-77各１基。車内通信システムは４系のハーネスで、砲塔内の２名、兵員室内の２名がインターコムを付ける。搭載弾数は25mm機関砲1200発（1500発？即用弾は徹甲弾75発と榴弾225発の計300発）、BGM-71TOW対戦車ミサイル12発（うち２発が発射機に装填）、7.62mm同軸機銃3600発（4400発？即用弾は800発）、乗員用7.62mm機銃5060発、M47ドラゴン携帯対戦車ミサイル10発に増加した。M16A2小銃は５丁が搭載されており、弾数は1460発に減っている。乗員は車長、砲手、操縦手、偵察員２名（３名？）参考：月刊戦車マガジン2,’81、月刊PANZER3,’02 、M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜Ｍ−３Ａ１＞：M-3にM-2A1と同じ改良を施したもの。BGM-71C TOW2の運用を可能とし、車体側面のガンポートとペリスコープを全て除去して装甲を一枚板に変更、車体後面のガンポートも廃止した。NBC防護能力を強化し、兵員室も含めMOPP-�Wフィルターを通した清浄空気が供給されるようになったため、乗車要員全員が防護服を着ずに済む。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車、月刊PANZER3,’02、月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜Ｍ−３Ａ２＞：M-3A1にM-2A2と同じ改良を施したもの。全長6.55m、全幅3.28m、全高2.97m、戦闘重量27トン。エンジンはカミンズ社製VTA-903Tターボチャージドディーゼル（８気筒、600馬力）、最大速度56km、燃料搭載量662リットル、航続距離400km。兵装はBGM-71TOW対戦車ミサイル連装発射機（12発）、25mm機関砲１門（1500発）、7.62mm同軸機銃１丁（4200発）。乗員３名＋偵察員２名。参考：月刊軍事研究12,’08、月刊PANZER3,’02

＜Ｍ−３Ａ３＞：M-3A2にM-2A3歩兵戦闘車と同じ改良を施したもの。参考：月刊PANZER3,’02

＜Ｍ３対戦車砲シリーズ＞：アメリカ軍37mm対戦車砲。Pak35/36をベースに開発し、18702門が生産され、主に太平洋戦線で榴弾とキャニスター弾により日本兵の突撃を防ぐ目的で使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ３対戦車砲＞：砲架の緩衝装置、液圧式ブレーキなどを改良し、防楯は直立したものに変更している。全長3.92m、重量413.68kg。発射速度毎分20-30発。射界60度、俯仰角マイナス10度からプラス15度。M51B1徹甲弾（弾頭重量0.87kg）だと初速毎秒884m、装甲貫徹力は射距離900mで45mm。他にM63榴弾（弾頭重量730g、炸薬重量38g、初速毎秒792m）、M2キャニスター弾（弾頭重量0.88kg、初速毎秒762m。内部に122個の鉄球が入っており、300mのところで炸裂する）が用意されている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、歴史群像10,’08

　＜Ｍ３Ａ１対戦車砲＞：マズルブレーキを装着したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ３中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍中戦車、別名ジェネラル・リー�T。第２次大戦でのドイツ国防軍電撃戦を受け、37mm戦車砲装備のM2A1中戦車では力不足であり、75mmクラスの砲を搭載する中戦車が必要であると判明、1940年6月13日に要求性能が纏められた。当時アメリカ軍が生産する予定の戦車は軽戦車400両弱だけで、今後18か月に2000両近い中戦車を供給して戦力を急速強化する必要があったため、詳細設計も何も行われていない7月11日に制式化されて量産発注まで出され、デトロイトに戦車量産工場（後のデトロイト戦車工廠）を新設することにして8月28日にクライスラー社と契約が結ばれた。長さ1380フィート（421m）・幅500フィート（152m）の巨大工場を建設するため、9月に100エーカー（404686平方メートル）の土地を買収している。ダンケルク撤退で大陸に重装備を置いてきたイギリスも、戦車を急速補充すべく代表団をアメリカに派遣していて、当初はイギリス設計の戦車をアメリカに作ってもらう予定だったが、非能率的ということでM3中戦車を採用した。T5E�U試作戦車／M2A1中戦車をベースとして1941年2月に設計を終了、3月13日にロックアイランド工廠でパイロットモデルが自力走行に成功し、5月5日にクライスラー社デトロイト戦車工廠製試作初号車が納入され、6月からアメリカン・ロコモーティブ、デトロイト工廠、プレスド・スティール・カー、プルマン・スタンダードで量産された。75mm砲を車体に固定装備したため、射界が限定されていて実用性に乏しいということで、当初は75mm戦車砲塔の完成を待つ間にM3中戦車（仮）として360両くらい作り、砲塔が完成したらそれに積み替えて本格量産する予定だったが、１秒でも早く大量の戦車が欲しいイギリスからせっつかれたため、75mm戦車砲塔装備型はM4中戦車として別に設計し、M3中戦車も固定砲のままで量産することになった。1942年12月までに各型計6258両が生産された。M4中戦車の完成に伴い1943年4月に限定制式となり、1944年4月に前線から退いている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two、JGround　Vol.19、月刊丸2,’01、月刊PANZER6,’99

　＜Ｍ３中戦車＞：1942年8月までにリー（アメリカ版ニックネーム。南北戦争時の南軍司令官ロバート・Ｅ・リー将軍から）3923両とグラント（イギリス版ニックネーム。南北戦争時の北軍総司令官ユリシーズ・Ｓ・グラント中将から）1001両の計4924両（デトロイト戦車工廠3243両、アメリカン・ロコモーティブ385両、ボールドウィン・ロコモーティブ295両、プレスド・スティール・カー501両、プルマン500両）が生産された。うちイギリスに送られたのはリーとグラント計2653両で、ソ連にも1386両が供与されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two、月刊軍事研究1,’18

　＜Ｍ３初期型＞：M2A1中戦車の下部車体に歩兵火力支援用75mm砲を固定装備した上部車体を載せ、37mm戦車砲装備の全周旋回砲塔と銃塔を重ねた感じである。車体は均質圧延鋼板のリベット接合式。車体前面中央上部に操縦手用視察ハッチ、左下方に固定式7.62mm連装機銃、右に75mm砲があり、上部車体中央上面（砲塔リング右）に後ろ開きのハッチ、操縦室左側面にピストルポートが設けられている。75mm砲はT6高射砲を戦車砲に改造した31口径75mm砲M2（46発）で、アメリカでは75mm砲装備の全周旋回動力砲塔を作ったことが無かったため、開発リスクを低減しつつ開発期間を短縮するべくT5E�U試作中戦車と同じ配置を取ることにし、M1砲架を介して車体右側に限定旋回式（旋回角各15度ずつ、俯仰角マイナス９度からプラス20度）に搭載した。ウエスティングハウス社製砲安定化装置（俯仰方向）を装備した車両もあり、砲架のバランスを取るため砲身先端に円筒型カウンターウェイトを取り付けているのが判別点である。照準器はM21A1直接照準眼鏡内蔵M1照準ペリスコープと間接射撃用M1象限儀。上部車体両側面にピストルポート付き大型ハッチ（前開き）、上部車体後面右にピストルポートがある。車体後部のエンジンはM2A1中戦車と同じもので、車体前部の５速シンクロメッシュ変速機に伝達され、前方の起動輪を駆動させる。エンジンのメーカーは当初ライト社だったが、航空機用エンジンの生産に追われて手が回らなくなりそうだったため、コンチネンタル・モーター社が引き継いだ。足周りもM2A1中戦車と共通だが、懸架装置のスプリングを強化している。履帯は片側79枚で、履帯幅は当初406mmだったが、その後420mmに拡大した。車体上面には左にオフセットして全周旋回砲塔が載っており、53.5口径37mm戦車砲M6（178発。俯仰角マイナス７度からプラス60度）と7.62mm同軸機銃１丁（車体機銃と合わせ9200発）を装備する。こちらもウエスティングハウス社製砲安定化装置（俯仰方向）を装備した車両があり、37mm戦車砲の砲身直下に棒状カウンターウェイトが付いている。照準器はM19A1直接照準眼鏡内蔵M2照準ペリスコープ。砲塔右側面にピストルポートを持つ。砲塔上面左には車長用銃塔があり、車高は相当に高い。全長／車体長5.64m、全幅2.72m、全高3.02m、戦闘重量27.9トン。装甲厚は車体前面50.8mm、側後面38.1mm、上面12.7mm、下面25.4mm、砲塔全周50.8mm、上面22.2mm。エンジンはライト社またはコンチネンタル・モーター社製R975EC2空冷星型９気筒ガソリン（340馬力）、トランスミッションはシンクロメッシュ式（前進５段・後進１段）、最大速度路上38.6km／路外16マイル（25.7km）、燃料搭載量662リットル、航続距離193km。乗員６名（車長、操縦手、砲手２名、装填手２名）。量産と実用試験が同時進行しており、適宜改良が行われている。ハッチを閉めたままで射撃すると発射ガスが車内に籠もって一酸化炭素中毒になるため、車体前部左、車体上面ハッチ後方、砲塔上面にベンチレーターを追加した。上部車体両側面ハッチが弱点であり、右側ピストルポートだけ残して廃止、車体下面に脱出ハッチを設けたが、既に生産ライン上に並んでいるものはハッチを溶接して塞いでいる。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’99、月刊丸2,’01

　＜Ｍ３後期型＞：長砲身�W号戦車に対抗できるよう、主砲を長砲身の75mm戦車砲M3に換えたもの。砲安定化装置装備車両でもカウンターウェイトは不要となった。M3A1/A2/A3/A4/A5の各シリーズ後期型も同じ戦車砲を使用している。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊丸2,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ１＞：上部車体を鋳造一体型に換えたもの。鋳造だと同じ厚さの均質圧延鋼板より耐弾能力が低いため、全体的に厚くしたが、リベットを省き、形状を洗練させることで重量をほぼ増やさずに済んだ。後期生産型は車体両側面ハッチを右側ピストルポートだけ残して廃止、車体下面に脱出ハッチを追加し、車体前部左、車体上面ハッチ後方、砲塔上面にベンチレーターを装着している。鋳造施設を持つアメリカン・ロコモーティブで1942年2-8月に300両が生産され、アメリカ本土で訓練に使用された。うち28両にはギバーソンT-1400-2ディーゼルエンジンを装備したが、信頼性とメンテナンスに問題があり、このエンジンの採用は見送られている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊丸2,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ１Ｅ１＞：試験型。ライカミング製トリプル６気筒エンジンを搭載した。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ２＞：溶接車体版。リベット接合車体が被弾時に危険なのと、溶接にした方が剛性も高く軽量化でき、製作時間やコストも削減可能なので、ロックアイランド工廠で溶接車体を試作し、テストの結果1941年8月に制式化された。ただ増加試作型のような扱いだったらしく、1942年1-3月にボールドウィン・ロコモーティブで12両が生産されたのみで、M3A3に生産が移された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊丸2,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ３＞：溶接車体の本格量産型。ついでに航空機用へと回されがちなR975エンジンをGM製6046水冷ディーゼルに換えている。エンジンが長くなり、水冷用器材を追加する必要も出たので、機関室側後面装甲板を下に延長し、後面装甲板は10度傾斜させてスペースを確保した。機関室上面に吸気グリルドアが追加され、機関室隔壁下部が戦闘室内に0.3m張り出すようになったため、燃料タンクが圧迫されて燃料搭載量が100リットル減ったが、燃費が良いので航続距離は延びている。後面装甲板下部に砂埃防止用デフレクターが付けられた。後期型は車体両側面のハッチを溶接固定したり、廃止したりしている。1942年1-12月に322両がイギリスのボールドウィン・ロコモーティブ社で生産され、126両がイギリス（49両）やソ連などに供与された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊丸2,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ４＞：リベット接合車体にクライスラー製A57マルチバンク水冷エンジン（370馬力）を搭載したもの。エンジンが大型のため、機関室を280mm延長し、底面にも110mmのバルジを設けており、機関室上面吸気グリル後方にはラジエーター収容バルジを追加した。車体が延びたので、ボギー間隔も152mmずつ広げ、履帯を片側83枚に増やしている。車体両側面のハッチは溶接固定するか、廃止した。1942年6-8月にデトロイト工廠で109両が完成、全てアメリカ国内で使用された。1942年に接地式誘導輪やHVSSの試験に使用された車両もある。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊丸2,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ５＞：リベット接合車体にGM製6046水冷ディーゼルを搭載したタイプ。エンジン換装に伴う車体の改修点はM3A3と同じ。後期型は車体両側面のハッチを溶接固定したり、廃止したりしている。1942年1-12月にボールドウィン・ロコモーティブ社で591両が生産された。イギリス（185両）やソ連などに計208両が供与されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊丸2,’01、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ５Ｅ１＞：試験型。ツインハイドラマチック・トランスミッションを搭載している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ５Ｅ２＞：試験型。通常型ハイドラマチック・トランスミッションを搭載している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ｅ１＞：試験型。M4A3に搭載予定のフォード社製GAAエンジンを積んでいる。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３中戦車ファミリー＞

　＜Ｍ３火炎放射戦車（試作）＞：M3 with E3 Flame-gun。M2中戦車用のE2火炎放射器を改造したE3火炎放射器を37mm砲の代わりに搭載し、75mm砲を外したもの。1942年夏に試作されたが、射程が短すぎて採用はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ３火炎放射戦車（Ｅ５Ｒ２−Ｍ３装備）＞：M3 with E5R2-M3 Flame-gun。前線でキューポラの機銃と交換するタイプのE5R2-M3火炎放射装置を搭載したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３中戦車Ｔ１地雷爆破装置装備型＞：車体前後に地雷処理ローラーを取り付けたもの。地雷処理ローラーは1942年初めにM2A1中戦車用として開発が始まり、M3中戦車に引き継がれたものだが、実戦向きでは無かった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ９自走砲＞：対戦車自走砲型、3in Gun Motor Carriage M9、試作名称T40。T24の改良型で、M3のシャシーに３インチ（76.2mm）高射砲M1918を前方固定で搭載しており、対戦車任務に投入する。1941年12月に流用できそうな砲が50門あると見込まれたため試作を開始、太平洋戦争勃発に伴い生産が急がれたためM9として限定制式化され、1942年4月に50両の製作が命じられたが、実際には使える砲が28門しか無く、既にM10駆逐戦車の製作も始まっていたため、1942年8月に計画がキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER12,’98、月刊グランドパワー7,’98

　＜Ｍ３１戦車回収車＞：M31シリーズを参照。

　＜Ｍ３３牽引車＞：砲兵牽引車型Full-Track Prime Mover M33、試作名称T1。M31戦車回収車と同様にM3の砲塔とクレーンを撤去してオープントップの戦闘室にしてあり、砲牽引時のブレーキ操作のためエアコンプレッサーと電源ラインを追加した。戦闘室上面右前部に12.7mm対空機銃座を設けている。1943-44年に製作され、240mm榴弾砲M1の牽引などに使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’14、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ４４牽引車＞：M33牽引車の車体スポンソンにキューポラを設置したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ１０ショップトラクター＞：Shop Tractor T16。アメリカ軍向けグラントCDLで、ショップトラクターは秘匿のための名称である。ダミー砲身は無く、M1917機銃を装備する。1943年6月から1944年末（1943年5-12月？）にM3及びM3A1から497両（355両？）がアメリカン・ロコモーティブで改造された。実戦には投入されていない。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、British and American tanks of World War Two、月刊丸2,’01、JGround　Vol.19

　＜Ｔ１６重牽引車＞：長射程砲牽引車型Heavy Tractor T16。M3中戦車シリーズの砲塔とスポンソンを外し、後部にウインチを装着している。1942年初めに試作されたが、砲要員や装備品の収容スペースが無く、量産には移されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２４試作自走砲＞：駆逐戦車型3in Gun Motor Carriage T24。M3中戦車シリーズのシャシーを流用し、３インチ（76.2mm）砲を搭載したもので、1941年9月から開発された。砲塔とスポンソンを撤去して車体中央に前方固定で砲を載せているが、背が高くて目立つ、砲架が複雑で量産向きでは無いといった欠点があり、1942年3月にキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３６自走対空機関砲＞：40mm Gun Motor Carriage T36。M3中戦車シリーズのシャシーに40mm対空機関砲装備全周旋回砲塔を搭載したもので、1941年10-11月に提案されたが、複雑すぎるのと、シャシーのサイズが砲塔に比べて小さすぎるのとで開発中止になった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ４０試作自走砲＞：M9自走砲を参照。

＜Ｍ３中戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ３中戦車（イギリス）＞：イギリス陸軍中戦車。ダンケルク撤退により戦車不足に陥ったため、イギリス戦車委員会が1940年6月にアメリカに派遣され、アメリカで開発中の戦車の中でイギリス向けに使えそうなものを探すことになった。当時はイギリスがドイツに占領される可能性も高いと考えられており、国防諮問委員会はイギリスが独自戦車を開発している場合では無いと勧告、自動的にイギリス戦車委員会は中戦車としてM3を採用するしか無くなったため、1940年10月にボールドウィン、リマ、プルマンに対して直接契約を締結した。イギリス向けの改造を施したジェネラル・グラントMk.�T／�Uをまず導入し、1941年3月11日のレンドリース法採決後はアメリカ版もジェネラル・リーMk.�T／�U／�V／�W／�X／�Yとして装備、中東・北アフリカ方面に送って1942年初めから第８軍に配備し、1942年5月27日のガザラボックス戦で実戦初参加した。75mm戦車砲から徹甲弾と榴弾を両方撃てるので、対戦車戦闘だけでなく近接支援や間接照準射撃にも投入でき、有効に使用された。イギリス本土には少数の訓練用のみが送付されている。M4シャーマン中戦車が配備されると、M3中戦車はビルマ方面やオーストラリアに回された。ビルマに投入したジェネラル・リーには、車長用銃塔を外してグラントと同じハッチに交換したタイプがある。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３中戦車（オーストラリア）＞：オーストラリア陸軍中戦車。1942年後半から1943年初めにかけ、イギリス第８軍がM3中戦車からM4シャーマン中戦車に世代交代したのに伴い、余ったM3中戦車が引き渡された。太平洋戦線で終戦まで使用されている。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３中戦車（フランス）＞：フランス陸軍中戦車。インドシナ紛争にも投入されている。参考：月刊PANZER5,’02

　＜ジェネラル・グラントＭｋ．�T＞：イギリス陸軍中戦車General Grant Mk.�T。M3初期型のイギリス版で、操縦室上面に旋回式ペリスコープを装着、砲塔を背の低く径の大きいものに換え、装甲厚を砲塔前面76.2mm・砲塔上面31.7mmに強化、ピストルポートを左側面前方と右側面後方に設置し、砲塔内後部に無線機を搭載した。車長用銃塔は撤去して単純な前後開きハッチとペリスコープの組み合わせ（対空機銃架も取り付け可能）としている。砂漠での運用を考慮してスカートとフェンダーを装着した。砲塔前部右に２インチ（50.4mm）発煙弾発射機を装備したものもある。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER6,’99、JGround　Vol.19、British and American tanks of World War Two

　＜ジェネラル・グラントＭｋ．�U＞：イギリス陸軍中戦車General Grant Mk.�U。M3A5に、ジェネラル・グラントMk.�Tと同様の改造を施したものである。参考：月刊丸2,’01、JGround　Vol.19、British and American tanks of World War Two

　＜ジェネラル・リーＭｋ．�T＞：イギリス陸軍中戦車。アメリカ版M3をそのまま配備したものである。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、JGround　Vol.19、British and American tanks of World War Two

　＜ジェネラル・リーＭｋ．�U＞：イギリス陸軍中戦車。アメリカ型M3A1をそのまま配備したものである。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ジェネラル・リーＭｋ．�V＞：イギリス陸軍中戦車。アメリカ型M3A2に付けた制式名だが、実際には配備されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ジェネラル・リーＭｋ．�W＞：イギリス陸軍中戦車。アメリカ型M3A3をそのまま配備したもので、コンチネンタル社製エンジンを搭載している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ジェネラル・リーＭｋ．�X＞：イギリス陸軍中戦車。アメリカ型M3A3で、ディーゼルエンジンを搭載している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ジェネラル・リーＭｋ．�Y＞：イギリス陸軍中戦車。アメリカ型M3A4をそのまま配備したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３中戦車海外ファミリー＞

　＜グラントＡＲＶ＞：イギリス陸軍戦車回収車Grant ARV。ジェネラル・グラントMk.�T／�Uの砲を外し、牽引用ウインチと回収装置を搭載したもので、大部分は砲塔を撤去してハッチとブレン連装対空機銃架を装着しているが、ダミー砲塔を載せたものも少数存在する。1943年に製作された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜グラントＡＲＶ　Ｍｋ．�T＞：イギリス陸軍戦車回収車Grant ARV Mk.�T。アメリカのM31戦車回収車をそのまま導入したもので、1944-45年に配備した。参考：British and American tanks of World War Two

　＜グラントＡＲＶ　Ｍｋ．�U＞：オーストラリア陸軍戦車回収車Grant ARV Mk�U。グラントの砲を外して戦闘室にウインチを積み、車体後部にツールボックスを装着、駐鋤とウインチ用ローラーガイドを搭載している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜グラントＣＤＬ＞：夜間戦闘用探照灯搭載車で、CDLは運河防衛灯（Canal Defense Light）の略。車両自体はリーフレット、訓練はカソックと呼ばれた。砲塔を外して装甲化サーチライト・ハウジングを装着しており、ハウジング正面の縦型スリットから10kWのカーボンアークランプを照射する。光量は1300万カンデラで、幅0.6mのスリットから放射され、300m先の幅310mの範囲を照らし出す。スリットの左にはボールマウント式ベサ機銃を装備する。後期型はハウジングに固定式ダミー砲身（37mm砲に見せかける）を装着した。1943年初めにM4シャーマンがイギリス第８軍に配備され、グラントが余ったため、マチルダCDLの後継として1850両が改造された。秘匿度が高すぎて前線指揮官が運用法に戸惑い、オーバーロード作戦時にはあまり有効に使用されなかったが、レマーゲン鉄橋防衛では有効活用された。1945年には太平洋戦線に送られたが、使われていない。朝鮮戦争にも投入された。参考：British and American tanks of World War Two、連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊丸2,’01、JGround　Vol.19

　＜グラント指揮戦車＞：イギリス陸軍指揮戦車Grant Command。75mm砲を撤去して操縦手席両脇を少し前方に拡大し、指揮と無線機追加に必要な車内容積を確保した。37mm砲も撤去したり、更にダミー砲身に変更したりしたものも少数作られている。北アフリカ戦で使用されたらしい。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’14

　＜グラント・スコーピオンＭｋ．�V＞：イギリス陸軍地雷除去戦車Grant Scorpion Ｍｋ．�V。グラントにマチルダ・スコーピオンMk.�Uと同様のフレイル装置を搭載している。1943年1月のチュニジア戦をきっかけに開発され、それまでのフレイル装置よりも軽量化して速く走れるようにした。フレイルの邪魔なので75mm砲は外してあり、車体後部にはカウンターウェイトを装着している。少数のみ製作され、1943年7月からのシチリア島上陸ハスキー作戦に参加した。参考：British and American tanks of World War Two、月刊戦車マガジン8,’78

　＜グラント・スコーピオンＭｋ．�W＞：イギリス陸軍地雷除去戦車Grant Scorpion Mk.�W。Mk.�Vの改良型で、スコーピオン装置の動力を強化するため車体左後部にベドフォード・エンジン（ダッジ・エンジン２基？）を搭載し、ローターとアームを移動時に外せるようにした。参考：British and American tanks of World War Two、月刊戦車マガジン8,’78

＜Ｍ３ハーフトラック・シリーズ＞： アメリカ陸軍半装軌式装甲兵員輸送車Half-track Personnel Carrier M3 series。M2ハーフトラックのキャビンを後方に延長して収容人数を増したもので、ダイアモンドＴ社が開発して1941年に採用され、1944年までに各型44000両以上が生産され、第２次大戦における主力装甲兵員輸送車になった。砲牽引も任務の１つだったが、こちらは第２次大戦後期には装軌式高速牽引車に後を譲っている。陸上自衛隊にも供与され、1980年代半ばまで使用されていた。参考：月刊PANZER11,’01、1,’04、8,’03、陸上自衛隊地上戦力の全容、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３ハーフトラック＞：Half-track Personnel Carrier M3。基本はM2ハーフトラックと同じで、車体後部兵員室を10インチ（254mm）ほど延長して１個小銃分隊を乗せられるようにし、側面ドアを廃止して後面に新設、機銃装着用レールや砲弾ケースを取り払った。車体前部にタイヤ１軸、後部に履帯推進部があり、履帯や懸架装置はM2と同じである。動力は前輪及び起動輪に伝達され、操向は前輪のみで行う。下部転輪は片側４枚で、ローラー・フレームにより２枚ずつ連結され、ボギーにより懸架ブラケットに取り付けられている。サスペンションは垂直コイルスプリング２個で、緩衝能力に劣るが、整備は容易である。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側１個。履帯はエンジレス・ゴムベルト・インテグラル・パラレル・グローサーと呼ばれる、繋ぎ目の無いゴム製一体型。車体前面に超壕ローラーかウインチを装備できる。全長6.37m、全幅2.22m、全高2.69m、戦闘重量9.3トン。エンジンはホワイト160AX直列４サイクル６気筒水冷ガソリン（128馬力。M2と同じ）、トランスミッションはスパイサーSP3641コンスタント・メッシュ式（前進４段、後進１段）、最大速度64km、燃料搭載量227リットル、航続距離280km-339km。兵員室両側または後部のM25ピントル・マウントに7.62mm機銃M1919A4（4000発）を搭載できる。装甲厚は車体全周6.35mm、上構前面12.7mmで、車体はドイツ国防軍の7.92mm弾に射距離100m前後で貫徹される可能性が高い。乗員配置は操縦室左に操縦手１名、中央に副操縦手・機関銃手、右に分隊長、後部兵員室右前から４席が小銃手、右最後尾が副分隊長、左の前２席が機関銃手、次の２席がバズーカ手で、左最後尾は予備。1943年までに12499両が生産された。救急車、指揮車、連絡車などとしても使用され、車体前面にジブを取り付けて回収車としても使われている。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER11,’01、1,’04、8,’05、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ１ハーフトラック＞：Half-track Personnel Carrier M3A1。操縦手席左側上面にM49リングマウントを装備したもので、車体装甲厚と同じ6.35mmのガードプレートも装着した。他に３ヵ所の対空機銃用ピントル・マウントを持つ。装弾数は12.7mm弾700発、7.62mm弾7750発。1943年10月から1944年3月に2862両が生産された。救急車、指揮車、連絡車などとしても使用され、車体前面にジブを取り付けて回収車としても使われている。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER1,’04、8,’05、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３Ａ２ハーフトラック＞：Half-track Car M3A2、試作名称T29。M3A1の改良型で、M2/M2A1/M3/M3A1ハーフトラックの後継であり、兵員輸送と砲牽引と迫撃砲運搬に使用できる汎用型として1943年4月に計画され、インターナショナル・ハーヴェスターが1943年6月にM3ハーフトラックのプロトタイプから試作車を製作し、1943年10月（9月？）に制式化された。機銃マウントに装甲を追加し、車体後部に雑具収容フレームを装着、後部座席の取り外しを可能としている。全長6.32m、全幅2.22m、全高2.63m、戦闘重量9.48トン。エンジンはホワイト160AX直列６気筒ガソリン（147馬力）、最大速度72.4km、燃料搭載量227リットル、航続距離339km。武装は12.7mm重機関銃M2が１丁（330発）と7.62mm機銃M1919A4が１丁（2000発）。乗員5-12名。ハーフトラックの生産計画がほぼ終結に向かっていたため、新規生産はされず、M3A1から改修された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER10,’05、1,’04、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５＞：レンドリース用、Half-truck Personnel Carrier M5。インターナショナル・ハーヴェスター社製で、M9ハーフトラックと同様の改造を施している。車体を表面硬化鋼から16分の５インチ（7.9mm）厚均質圧延鋼板に変更、上構後部の角を取って丸くし、泥除けを丸から平板に変更した。全長6.15m、全幅2.2m、全高2.31m、戦闘重量9.3トン。エンジンはインターナショナルRED450B直列６気筒ガソリン（143馬力。IHC？）、最大速度61km、燃料搭載量227リットル、航続距離201km。武装は7.62mm機銃M1919A4が１丁（4000発）。乗員13名。4625両が生産され、殆どがイギリスに送られた。参考：月刊PANZER10,’05、月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５Ａ１＞：Half-track Personnel Carrier M5A1。M5にM49リングマウントを搭載したもの。ホワイト社、オートカー社、ダイアモンドＴ工場で2959両が生産された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５Ａ２＞：Half-track Car M5A2、試作名称T31。M5の汎用型で、M5A1をM3A2同様の汎用任務に投入できるようにしている。1943年10月に制式化されて発注されたが、ハーフトラックの生産計画が終結に向かっており、1944年初めにキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３ハーフトラック・ファミリー＞

　＜７５ｍｍＧＭＣ−Ｍ３＞：T12（自走カノン砲）を参照。

＜Ｍ３オートカー＞：T12（自走カノン砲）を参照。

＜Ｍ１３＞：自走対空車両型、Multiple Gun Motor Carriage M13、試作名称T1E4。M3のキャビンに12.7mm連装動力銃塔マクソンM33を搭載したもので、M2ハーフトラックベースのT1E2対空車両の改良型である。射界確保のため、兵員室側面上部装甲板を外側に折り畳むことが可能。銃塔は全周旋回可能で、旋回速度毎秒74度。俯仰角はマイナス11.5度からプラス90度だが、自身を撃ち抜かないように機銃には５度以下の俯角がかからないようになっている。全長6.502m、全幅1.987m、全高2.235m、戦闘重量8.392トン。機銃弾5000発を搭載する。乗員５名。1942年に制式化され、ホワイト社で1943年5月までに1103両が生産された。677両が後にM16対空自走砲に改造された。参考：月刊PANZER1,’04、11,’05、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１４＞：自走対空車両型、Multiple Gun Motor Carriage M14。M13のベース車両をM5に変更したもので、生産数増加のため開発された。1943年5月までにインターナショナル・ハーヴェスター社で1605両が生産された。イギリスにもレンドリースで多数が送られたが、全て銃塔を外してM5に戻され、兵員輸送車として使用されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’01、11,’05

＜Ｍ１５＞：M15対空車両シリーズを参照。

＜Ｍ１６＞：自走対空車両型、Multiple Gun Motor Carriage M16。キャビンに４連装12.7mm機銃架M45を搭載したもので、M2ハーフトラックを使用した試作車が製作され、その後M3ハーフトラックに変更したT58試作車が作られて制式化された。M45銃架の前面には、牽引式だった時の名残で防弾カバーが装備されている。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス10度からプラス90度だが、操縦席を撃ち抜かないように危険範囲では自動的に動力がカットされる。装弾数5000発。操縦席直後には弾薬ケース４個を載せるスペースがある。照準具はM18反射式照準具またはMk.9Mod.1光像式照準具。車内スペースが減ったため、車体後部に雑具箱を新設した。車体後部装甲の側面・後面上部を外に倒すことができ、作業スペースや視界を確保している。銃塔内部に射手１名が位置し、車体後部側面の燃料タンク内側に装填手が左右１名ずつ座り、キャビンには操縦手と砲班長が乗る。全長6.5m、全幅1.925m、全高2.235m、自重8.3トン、全備重量9.66トン。最大速度72km、航続距離335km。ホワイト社で1942-43年に724両が生産された。陸上自衛隊も配備している。参考：月刊PANZER2,’02、1,’04、3,’02、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１７＞：自走対空車両型、Multiple Gun Motor Carriage M17。M5ハーフトラックにM45対空銃架を搭載したもので、1943-44年にインターナル・ハーヴェスター社で1000両が生産された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’01

＜Ｍ２１＞：自走迫撃砲型81mm Mortar Carrier M21、試作名称T19。M2ハーフトラック改造81mm自走迫撃砲M4/M4A1は迫撃砲が後ろ向きに搭載されており、旋回角も限られていて、使い勝手が悪かったため、ベース車体をM3ハーフトラックにして改良を加えたものである。兵員室前部に81mm迫撃砲M1（97発）を前に向けて搭載し、方向射界を左右30度に拡大した。俯角は40-80度。迫撃砲を地上に降ろして射撃することも可能。自衛用として車体後面に12.7mm重機関銃M2を装備する。兵員室も広く、実用性も向上して1943年6月に制式化されたが、110両しか生産されず、うち54両は自由フランス軍に送られた。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05、手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ４５Ｄ＞：自走対空車両。M16対空車両の銃座後部にプラットフォームを追加している。参考：月刊PANZER2,’02

＜Ｔ１０＞：計画自走対空機関砲型、Multiple Gun Motor Carriage T10。1941年6月にM3ハーフトラックを自走対空機関砲に改造する計画が立ち上がったのを受けて開発されたもので、兵員室に航空機用マクソン動力砲塔を搭載し、エリコン20mm機関砲またはイスパノスイザ20mm機関砲または20mm機関砲AN-M1/AN-M2を装備する。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ１０Ｅ１＞：計画自走対空機関砲型、20mm Gun Motor Carriage T10E1。T10のベース車体をM16GMCに変更したもので、計画のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ１２＞：75mm自走カノン砲型、75mm Gun Motor Carriage T12。兵員室前部にフランス製75mm野砲M1897A4（59発）を搭載した自走カノン砲の試作名称で、1941年10月に75mmGMC-M3として制式化された。オートカー社で生産されたため75mm SP（Self Propelled-gun）, Autocar、M3オートカーという通称が付けられている。主砲俯仰角マイナス10度からプラス29度。1942年から防楯が強化型になり、後に砲架が変更されて75mmGMC-M3A1という名称になった。全長6.236m、全幅2.159m、全高2.505m、戦闘重量9.072トン。最大速度72.4km、航続距離322km。乗員５名。1943年4月までに2202両が生産された。アメリカ陸軍野戦砲兵旅団の他、M10が十分に行き渡るまでは戦車駆逐大隊にも装備されており、1941-42年のフィリピン戦、北アフリカ上陸トーチ作戦、チュニジア戦などに投入された。海兵隊では特殊兵器大隊などに配備され、太平洋戦争終戦まで太平洋戦域で火力支援に使用された。イギリスにも輸出され、歩兵・装甲車・戦車中隊本部に配備されて火力支援を主任務とした。参考：月刊グランドパワー7,’98、10,’00別冊、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05、11,’01、6,'03、

＜Ｔ１９＞：105mm自走榴弾砲型、105mm Howitzer Motor Carriage T19。兵員室前部に105mm榴弾砲M2A1（８発）を搭載したもので、防楯はあったり無かったりする。最大仰角35度。全長6.033m、全幅2.159m、全高2.337m、戦闘重量9.072トン。最大速度72.4km、航続距離322km。副武装は12.7mm機銃M2（3000発）。乗員６名。1942年4月までに324両が生産され、北アフリカ戦に投入された。ただし搭載にちょっと無理があり、制式化はされず、M7プリースト採用後はすぐに姿を消した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05

＜Ｔ２１＞：試作自走迫撃砲型、4.2in Mortar Carrier T21。兵員室に4.2インチ（107mm）迫撃砲を後ろ向きに搭載したもので、1942年12月から開発されたが、砲の取り回しが悪いということでT21E1に進んだ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２１Ｅ１＞：試作自走迫撃砲型、4.2in Mortar Carrier T21E1。T21の改良型で、迫撃砲を前向きに搭載し、旋回角を増やしている。全装軌式自走迫撃砲を開発することになったため、キャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２８＞：M15シリーズ（対空車両）を参照。

＜Ｔ３０＞：75mm自走榴弾砲型、75mm Howitzer Motor Carriage T30。T12/M3自走砲の成功を受け、兵員室前部に75mmパックハウザーを搭載したもので、当初は防楯無しで完成したが、後に大型のものを装着した。射界は左右22.5度ずつ（左21度、右23度？）、俯仰角マイナス９度からプラス50度（25度？）。1941年12月から開発され、1942年1月に試作車２両が完成、2月に射撃試験に成功し、500両が発注された。制式化には至らなかったものの、陸軍では中戦車大隊本部中隊に配備されて北アフリカ、シシリー、イタリア戦初期に使用され、M8自走砲に後を譲って1943年に第一線を退いた。海兵隊では沖縄戦まで使用した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’01、11,’05、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ３７＞：Multiple Gun Motor Carriage T37。M3ハーフトラックの兵員室に12.7mm機銃４連装銃塔T60を搭載したもの。機銃は２列２段の配置である。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ３７Ｅ１＞：Multiple Gun Motor Carriage T37E1。M3ハーフトラックの兵員室に12.7mm機銃４連装銃塔T60E1を搭載したもの。機銃は一列に並んでおり、0.5インチ（12.7mm）厚の全周防楯を持つ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ３８＞：計画自走榴弾砲型、105mm Howitzer Motor Carriage T38。短砲身105mm砲をT19と同様の方式で搭載したもの。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ４８＞：対戦車自走砲型、57mm Gun Motor Carriage T48。アメリカ・イギリス向けに1942年4月から開発したが、10月にアメリカでは制式化されないことが決まり、イギリス軍向けに開発を継続した。M3ハーフトラック初期型の兵員室に57mm対戦車砲M1を搭載したもので、旋回角55度、M70徹甲弾を99発搭載する。1942-43年に962両が生産され、うち680両がレンドリースでイギリスに送られ、残りはアメリカでM3A1に改造された。イギリスに送られたものはNo.19無線機を積んだが、イギリスでも砲の威力不足でほぼ使われず、うち30両はM3に戻され、ソ連に650両が引き渡されてSU57として使用されている。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ５４＞：試作自走対空機関砲型、40mm Gun Motor Carriage T54。兵員室にボフォース40mm単装機関砲M1を搭載したもので、1942年6月から開発され、１両が製作されてテストされたが、安定性に問題があり、T54E1に進んだ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ５４Ｅ１＞：試作自走対空機関砲型、40mm Gun Motor Carriage T54E1。T54の安定性改良型で、１両が製作されたが、テストの結果はやはり安定性不足で、アウトリガーを設けてジャッキで車体を固定する必要があると判断され、T59に進んだ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ５８＞：M16（対空車両）を参照。

＜Ｔ５９＞：試作自走対空機関砲型、40mm Gun Motor Carriage T59。T54E1にアウトリガーを介して車体固定用ジャッキを取り付けたもの。採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ５９Ｅ１＞：試作自走対空機関砲型、40mm Gun Motor Carriage T59E1。T59の砲塔をT17機械駆動式射撃システムに換装したものである。ハーフトラックが廃制されつつあったので採用されず、M24軽戦車ベースの全装軌式自走対空機関砲に後を譲った。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ６０＞：試作自走対空機関砲型、Multiple Gun Motor Carriage T60。T59にT65対空機関砲架を装着し、40mm機関砲M1を１門と12.7mm機銃２丁を搭載したもの。量産には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ６０Ｅ１＞：試作自走対空機関砲型、Multiple Gun Motor Carriage T60E1。T60の防楯と弾薬庫を改修したもので、こちらも量産されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ６８＞：40mm Gun Motor Carriage T68。兵員室に40mm機関砲２門を上下に連ねて搭載したもの。試作のみで、量産はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ７３＞：試作自走砲型、75mm Gun Motor Carriage T73。T12/M3自走砲の主砲を75mm砲M3に換装したものである。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３ハーフトラック海外シリーズ＞

　＜Ｍ３ハーフトラック（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍装甲兵員輸送ハーフトラック。第２次大戦直後にアメリカ軍の払い下げ車両を購入し、第１次中東戦争ではM2ハーフトラックと合わせて20両を使用、その後イタリアなどから追加購入して1948年に200両を揃えた。その後も購入を進め、M113導入後も第二線部隊用として配備しており、第４次中東戦争でも実戦投入されている。参考：月刊軍事研究5,’07

　＜Ｍ３Ａ１ハーフトラック（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊装甲兵員輸送ハーフトラック。1950年の警察予備隊創設時から貸与された。全長6.34m、全幅2.23m、全高2.6m、総重量9.08トン。エンジンはホワイト液冷６気筒ガソリン（127馬力。空冷２サイクル４気筒ディーゼル・300馬力？）、最大速度64km（45km？）、航続距離280km。武装はM2機銃１丁とM1919A4機銃１丁。乗員３名＋乗車隊員７名。老朽化に伴い、機銃を外して輸送・偵察任務にも投入され、1980年代半ばまで使用された。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊装備カタログ1981、月刊PANZER1,’13

＜Ｍ３ハーフトラック海外ファミリー＞

　＜Ｍ３改造自走対戦車ミサイル（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍自走対戦車ミサイル。兵員室に対戦車ミサイル４発を横一列に並べて搭載している。参考：月刊軍事研究5,’07

　＜Ｍ３改造対戦車自走砲（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍対戦車自走砲。ベルギー製90mm滑腔砲メカールを車体左前部に搭載したもので、第３次中東戦争に投入された。参考：月刊軍事研究5,’07

　＜ＴＣＭ−２０＞：イスラエル陸軍自走高射機関砲。後部荷台部分に１名乗りオープントップ砲塔を搭載し、両側面にイスパノスイザ製20mm機関砲（ドラム弾倉使用）を１丁ずつ装備する。1980年代まで装備されていた。参考：月刊PANZER9,’10

＜Ｍ３榴弾砲＞：アメリカ陸軍105mm榴弾砲。空挺部隊用及びジャングル戦用にM2榴弾砲の砲身を1.68m（16口径）に短縮し、75mm騎兵砲M1A1の砲架に載せて軽量化したものである。全備重量1.134トン。榴弾（重量15kg）だと最大射程6.633km（7.585km？）。第２次大戦時に開発され、2580門が生産された。一時歩兵部隊でも運用されたが、あまり使えなかったようである。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ３Ａ１スカウトカー＞：アメリカ陸軍４輪装甲車。M2A1スカウトカーの車体形状を一新し、エンジンをハーキュリーズJXDの出力強化型（110馬力）またはDJXD（81馬力）またはブダ−ラノーヴァ6DT-317（81馬力）としている。装甲厚13-6.4mm。自衛用として、兵員室内スケートレール上のピントル銃架に12.7mm機銃１丁と7.62mm機銃１丁を装備する。隊本部付きの車両には大型無線機を搭載した。1941-44年に20856両が生産され、レンドリースにも多数が回されている。参考：世界の軍用車両(4)

＜Ｍ３Ａ１戦車砲＞：アメリカ陸軍50口径90mm戦車砲。M26E1戦車用66.6口径90mm戦車砲T54の改良型である。初速毎秒823-1021m、最大射程14356-19568m、発射速度毎分８発。T40試作中戦車／M46中戦車に搭載された。参考：月刊PANZER6,’13

＜Ｍ３Ａ６＞：ラム・シリーズ（中戦車）を参照。

＜Ｍ３Ｅ１＞：カール・グルタフ海外シリーズ（無反動砲）を参照。

＜Ｍ３Ｊ３＞：自衛隊の155mm榴弾砲用発射装薬（緑のう）。旭化成ケミカルズ製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜Ｍ３Ｐ＞：アメリカ軍アヴェンジャー自走地対空ミサイルシステムに搭載されている12.7mm対空／対地両用機銃。発射速度毎分1025発。参考：月刊軍事研究11,’02

＜Ｍ４＞：M-2歩兵戦闘車ファミリー（指揮統制車）を参照。

＜Ｍ４カービン・シリーズ＞：アメリカ軍5.56mm自動小銃。M16A2のショートバージョンである。アメリカ陸軍ではこちらが主力小銃でM16A2を陸軍州兵の予備兵器に回したが、アメリカ海兵隊では有効射程の関係からこちらが市街戦用のサブでM16A4を主力小銃にしている。参考：月刊PANZER1,’13

＜Ｍ４カービン＞：1994年8月に特殊部隊用として制式化され、その後他部隊にも配備された。M16A2と部品の80%が共通で、折り畳み式ストックと、やや短めの強化銃身を装備する。機関部上部にM1913レール装着システムを装着しており、ハンドガードにもレール装着システムを追加していて、AN/PVQ-31A/B小銃戦闘スコープ、AN/PEQ-15レーザーポインター、AN/PAQ-4C赤外線照射式照準装置、フォアグリップなどを簡単に追加できる。照準器がプラスチック製で小さいため、よく落ちる。有効射程は400m程度までで、イラク戦争では500m以遠での撃ち合いも行われたため、威力が不十分という意見も出た。セレクターをセーフの位置にすると引き金はロックされるが、ボルト自体は発射位置にあるため、暴発することがある。全長840mm、銃身長368mm、重量2.54kg／2.88kg（弾倉込み）。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾M855、装弾数30発。単発と三点バーストが可能。参考：月刊軍事研究4,’14、4,’04、3,’13、最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ４Ａ１＞：三点バーストを廃止してフルオートにしたもの。銃身を強化しており、フロントグリップを装着してフルオート射撃時に照準が乱れないようにしている。全長840mm、重量2.88kg。有効射程500m、最大発射速度毎分900発、バースト射撃速度毎分90発。装弾数30発。参考：月刊軍事研究3,’13、2,’10、月刊PANZER12,’11

　＜Ｍ４Ａ１ＣＱＢ−Ｒ＞：特殊部隊用短銃身型で、CQB-RはClose Quarters Battle-Receiverの略。2000年からアメリカ海軍特殊部隊などに配備された。参考：JGround　Vol.19

　＜Ｍｋ１２Ｍｏｄ１＞：狙撃銃型。アメリカ陸軍特殊部隊とアメリカ陸軍射手育成部隊がM4A1をベースに共同開発したもので、狙撃手や偵察隊が使用する。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

　＜Ｍｋ１８Ｍｏｄ１＞：Mk18Mod1を参照。

＜Ｍ４機雷＞：中国軍の音響式係維機雷。炸薬重量600kg。缶体最大深度200m。水上艦や潜水艦から敷設できる。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、4,’18

＜Ｍ４牽引車シリーズ＞：アメリカ軍装軌式牽引車18 ton High Speed Tractor M4。30000ポンド（13.6トン）までの砲を牽引するため、1941年6月からT9中型牽引車（Medium Tractor T9）として開発され、1942年8月に制式化されてアリス・チャルマースで生産された。陸上自衛隊にも供与されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’00

　＜Ｍ４＞：全天候下で使用でき、独立した操縦席と乗員室を持つ牽引車として開発されており、シャシーはM2A1中戦車のコンポーネントを流用した。車体前部が３列シートのキャビンで、車体中央にエンジンがあり、車体後部にウインチと牽引用空気式・電気式ブレーキ器材を装備する。キャビン内には11名が座れ、天井には12.7mm機銃M2（500発）搭載リングマウントが設けられている。サスペンションはHVSSで、下部転輪２個を１つの水平ボリュート式バネで支えたものを片側２組搭載する。起動輪は前方、誘導輪は接地式で後方にあり、上部転輪は片側２個。全長17フィート２インチ（5.23m。クラスＡ）または16フィート11インチ（5.16m。クラスＢ）、全幅2.47m、全高2.74m、全備重量17.3トン。エンジンはウォーケシャ社製モデル145GZ水冷直列６気筒ガソリン（210馬力）、最大牽引速度56km、燃料タンク容量473リットル、航続距離160km。乗員11名。155mカノン砲M2、203mm榴弾砲M2、240mm榴弾砲M1、90mm高射砲M2を牽引するクラスＡと、弾薬運搬などに使用するクラスＢがある。クラスＢは車体後部が弾薬収容ボックスになっていて、折り畳み式弾薬ホイストが追加されており、最大搭載能力は3.1トンで、155mmカノン砲弾なら30発、203mm榴弾砲弾なら20発、90mm高射砲弾なら54発を搭載できる。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’00、自衛隊装備カタログ1981

　＜Ｍ４Ａ１＞：履帯を幅広にしたもの。参考：月刊PANZER6,’00

　＜Ｍ４Ａ２＞：履帯を別タイプに換え、ラジエーターを車体後部に移したもの。参考：月刊PANZER6,’00

＜Ｍ４牽引車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ４牽引車（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊装軌式牽引車。1953年から供与され（M4のみ）、203mm榴弾砲M2や155mカノン砲M2の牽引、弾薬や隊員の輸送に使用された。全長5.33m、全幅2.47m、全高2.74m、全備重量14.24トン。エンジンはウォークシャー水冷４サイクル６気筒ガソリン（190馬力）、最大速度56.5km、航続距離161km。牽引力17.5トン、ウインチ能力13.5トン。必要に応じ12.7mm機銃M2を装備可能。乗員11名。1972年からアメリカに返還され、73式牽引車に後を譲った。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊PANZER6,’00

＜Ｍ４中戦車シリーズ＞：アメリカ軍中戦車、別名シャーマン（Sherman。第18代アメリカ陸軍総司令官ウィリアム・Ｔ・シャーマンから）。シャーマンの愛称はイギリス軍が制式名として採用し、後にアメリカ軍でもニックネームとして定着したものである。M3中戦車では固定式だった75mm戦車砲を全周旋回砲塔に搭載した戦車として1941年2月からT6試作中戦車の名称で開発された。基本シャシーや動力・走行装置はM3からの流用で、その年の9月に試作車が完成、10月には制式化されている。ドイツやソ連の戦車には攻撃力や防御力で劣っていたが、平時に戦車を作った事の無いメーカーでもすぐ量産に移れる生産性の良さ、戦時で訓練に十分な時間を割けない戦車兵でも運用できる扱いの容易さ、整備性と信頼性の高さが売りである。直径の大きい星形エンジンや、車体を前後に貫くドライブシャフトを収容するために車高が高いが、その分機関室などに余裕が出来、代替エンジンの搭載などが容易だった。また、ターレットリングが大きく、砲架も前方からボルト止めするだけというシンプルな取り付け方法をとったため、主砲の改良も簡単に行えた。1941年6月のバルバロッサ作戦開始でアメリカの参戦が１年以内になる可能性が高まり、ルーズベルト大統領は1942年の中戦車生産数を月産1000両から2000両に倍増、M3中戦車生産各社の他にパシフィック・カー＆ファウンドリー、フィッシャー（グランド・ブランク戦車工廠を新たに建設した）、フォード、フェデラル・マシーン＆ウェルダーもメーカーに加えることにし、1942年2月からM4A1を皮切りに生産が始まり、数種類のエンジンを用意して10社（11社？）で量産され、３年半の間に各型計49234両が製造された。当初計画では年に45000両作る予定だったらしい。15000両がアメリカ陸軍・海兵隊で実戦使用され、15000両が訓練や予備に回されている。21246両が他国へのレンドリース分で、17181両がイギリス、4065両がソ連に渡った。ちなみにイギリス国産戦車で最多生産はバレンタイン戦車の8850両、オーバーロード作戦以降まともに使えたのはチャーチル5640両とクロムウェル3500両。初陣は1942年10月の北アフリカ戦エルアラメインの戦いで、イギリス第８軍のシャーマン�U（M4A1）である。アメリカでは1956年に廃制となったが、21世紀になってもパラグアイで12両が現役で、2018年に最後の３両が退役した。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two、月刊軍事研究11,’02、4,’16、10,’18、月刊PANZER7,’02、5,’06、月刊グランドパワー5,’02、歴史群像10,’04

　＜Ｍ４＞：M4A1の鋳造車体を製作するのが困難な工場向けに開発されたもので、溶接車体を使用する。車体が角張って容積が増えたため、主砲弾を97発搭載できるようになった。車体ベンチレーターは操縦室上面ハッチ両側と砲塔右後方にあたる車体上面の３カ所に増えている。初期型は車体下部が３分割ボルト止めで、操縦手・車体銃手にはビジョンスロットが用意されており、防楯は幅の狭いM34。後に車体下部が一体型になり、ビジョンスロットが廃止され、防楯が幅広のM34A1になった。全長／車体長5.89m、全幅2.62m、全高2.74m、車両重量28.5トン、戦闘重量30.3トン。主砲は75mm戦車砲M3（97発）、副武装は12.7mm機銃１丁（300発）、7.62mm機銃２丁（4750発）。直接照準器はM38/M55望遠鏡、M4潜望鏡、間接照準器はM1方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部50.8mm56度、前面下部50.8mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm0-10度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯可動部50.8mm、防楯固定部88.9mm、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはコンチネンタル社製R975C1空冷星型９気筒ガソリン（350馬力）、トランスミッションは前進５段・後進１段、最大速度39km、燃料搭載量796リットル、航続距離193km。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手兼車体銃手、砲手、装填手）。M4A1、M4A2に次いで1942年7月からプレスド・スチール・カー社（1943年8月まで1000両）を皮切りに量産に入り、1943年1月からボールドウィン・ロコモーティブ（1944年1月まで1233両）、2月からアメリカン・ロコモーティブ（1943年12月まで2150両）、5月からプルマン・スタンダード（1943年9月まで689両）、8月からデトロイト戦車工廠（M4コンポジット・ハル。1944年1月まで1676両）でも量産を開始、1944年1月までに6748両が生産された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー5,’02、月刊軍事研究11,’02、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４コンポジット・ハル＞：デトロイト戦車工廠生産型。車体前部（操縦室上面ハッチ後部まで）を避弾経始に優れた鋳造製、後部を車内容積の広い溶接製としたものである。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー5,’02、月刊PANZER6,’02

　＜Ｍ４Ａ１＞：最初に生産されたタイプで、鋳造車体にコンチネンタル社製R975EC2/R975C1空冷星型９気筒ガソリンエンジンを搭載したものである。1942年2月からリマ・ロコモーティブ社、3月からプレスド・スチール・カー社で量産が始まり、リマ・ロコモーティブ社で1943年9月（1655両）、パシフィック・カー＆ファウンドリー社で1942年4月から1943年11月（926両）、プレスド・スチール・カー社で1943年12月（3700両）まで生産が続けられ、計6281両が作られた。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４Ａ１極初期型＞：車体は前面に避弾経始（56度）を持ち、中央から後部にかけての上面は後方に向かってなだらかな下り坂になっている。車体前面中央には固定式7.62mm機銃２丁があり、その右やや上にもボールマウント式7.62mm機銃（俯仰角マイナス10度からプラス20度、射界左20度・右25度）がマウントしてある。T6試作中戦車にあったボールマウント機銃用ローター式照準器は外された。トランスミッション（前進５速・後進１速）、操向装置、最終減速装置は車体前部下方のディファレンシャル・ケースに収容され、前面は３分割のボルト止め式となっていて、丸ごと取り外しが可能。車体前部左に操縦手席、右に副操縦手兼車体銃手席があり、どちらにも車体前面に張り出し部を持ち、上面に外開きハッチが用意されている。視察装置は前面の装甲バイザー付き視察窓とハッチのペリスコープだが、前面窓のバイザーを降ろすと車体とバイザーの間に隙間が出来るという欠点があり、鉄板を貼り付けるなどの応急措置が執られた。車体底面には脱出ハッチがある。T6試作中戦車にあった車体側面脱出ハッチは廃止することになり、生産初号車は車体側面に脱出用ハッチを鋼板で塞いだ跡があるが、２号車以降は元からハッチが無い。車体中央が戦闘室で、砲塔が載る。車体後部がR975EC2を収容した機関室で、トランスミッションまで車体中央床下をドライブシャフトが斜め下向きに走っており、大直径エンジンと共に車体の背が高くなる原因となった。機関室後端両側面のスポンソン部はグローサー収容箱である。機関室上面には吸気グリルがあり、鋳造製カバーで覆われていて、その両側面と後方には背の低いバッフル・プレートを溶接した。車体後面上部はアーチ状に切り欠かれており、防御上の欠点になりかねないため、後に現地改造で鋼板を溶接して塞いだものも多い。車体上面右スポンソン前部と車体上面中央右やや後ろにベンチレーターが付く。サスペンションはVVSSで、ボギーは片側３組、下部転輪は片側６枚、起動輪は前方、誘導輪は後方にある。上部転輪はM3中戦車と同じくボギー固定部中央に１枚取り付けられており、片側あたり３枚ずつとなる。砲塔は前面に避弾経始を持つ円筒型。主砲マウントはM34砲架で、垂直方向の安定化装置を装備しているが、使い勝手はあまり良くなかったらしい。主砲は１・２号車のみT6試作中戦車と同じ二重カウンターウエイト付き75mm戦車砲M2、３号車以降が37.46口径75mm戦車砲M3（90発）である。主砲防楯はM34（厚さ50mm）で、T6試作中戦車と異なり砲身と共に俯仰するが、砲身付け根部分だけを覆う幅の狭いタイプであり、主砲左の同軸機銃は防楯の外側から突き出ている。後に防楯の砲身基部両側にガードプレートを付けた。また、同軸機銃にも独立した鋳造防楯が用意されたが、装備していないものも多い。主砲俯仰角はマイナス10度からプラス25度。砲塔左側面にピストルポートを持つ。砲塔ハッチは右側の車長用のみで、両開き式、右扉に旋回式ペリスコープが付く。砲塔上面中央前寄りにベンチレーター１基、上面左に装填手用旋回式ペリスコープ１基が用意されている。照準器は砲塔右上前部の張り出しに設置された砲手用ローター式照準器だが、レンズの精度が悪く故障も多く被弾に弱く、役に立たなかったため、廃止して車長用ハッチ前方に照準ペリスコープを装備した。近接戦闘用直接照準器は照星照門式で、車長用ハッチの旋回式ペリスコープ前方に照星、砲手用ペリスコープ右に照門がある。後に直接照準器は照星・照門共に砲手用ペリスコープ左へと移設された。装甲厚は車体前面50.8mm、側面38.1mm、後面38.1mm、砲塔前面76.2mm、側面50.8mm、後面50.8mm。1942年3月6日に車体前面固定機銃２丁の廃止が通達されており、1942年5月にパシフィック・カー＆ファウンドリー社で完成した先行試作車には機銃用の孔はあるが機銃は付いていない。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー5,’02、月刊軍事研究11,’02、11,’14、歴史群像10,’04、月刊PANZER4,’11

　＜Ｍ４Ａ１初期型＞：機関室後端両側面のスポンソン部を冷却器用吸気口としても使用するようになり、前面に開口部のある立体的なカバーに変更した。操縦室前面にはバイザーが用意されている。全長／車体長5.84m、全幅2.62m、全高2.74m、車両重量28.4トン、戦闘重量30.3トン。主砲は75mm戦車砲M3（90発）で、副武装は12.7mm機銃M2（300発）１丁、7.62mm機銃２丁（4750発）。直接照準器はM4潜望鏡、M38望遠鏡、間接照準器はM1方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部50.8mm37-55度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm0-10度、上面12.7-19mm83-90度、防楯可動部50.8mm０度、防楯固定部76.2mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはコンチネンタル製R975C1空冷星型９気筒ガソリン（350馬力）、トランスミッションは前進５段・後進１段、最大速度路上39-45km／路外27-36km、燃料搭載量796リットル、航続距離193km。乗員５名。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー5,’02、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４Ａ１初期型再生モデル＞：1944年夏から1945年4月まで、各戦車デポで改良を施したもの。直接照準眼鏡を追加し、主砲防楯の右に追加防楯を装備している。車長用キューポラも新型になり、砲手用ペリスコープにガードが付いた。履帯両側に延長型エンドコネクターを取り付けられるよう、サスペンションもスペースアウト型に改良している。2259両が再生作業を受けた。参考：月刊グランドパワー5,’02

　＜Ｍ４Ａ１前期型＞：車体固定機銃と操縦手前面のバイザーを撤去し、車体前部中央にトラベリング・クランプを追加、車長用直接照準眼鏡を新型にし、上部車体後面に軽い傾斜を付けた。参考：月刊グランドパワー5,’02

　＜Ｍ４Ａ１中期型＞：操縦手室の前面バイザーが無い。参考：月刊グランドパワー5,’02

　＜Ｍ４Ａ２＞：溶接車体にGM製6046ディーゼルエンジンを搭載したもの。1941年12月に制式化され、1942年4月に試作車が完成、同時にGMフィッシャー部が運営するグランド・ブランク戦車工廠と、プルマン・スタンダード社で量産に入り、9月にアメリカン・ロコモーティブ、10月にボールドウィン・ロコモーティブ、12月にフェデラル・マシーン＆ウェルダーが加わった。当初は平面部分を均質圧延鋼板、操縦手／副操縦手席周辺など複雑な形状の部分は鋳造で作って溶接したため、車体前面が７分割されるなど面倒な構造をしていたが、量産がハイペースになると鋳造が間に合わなくなり、形状を単純化して全部均質圧延鋼板で製作するようになった。最終的には操縦手／副操縦手席前面の張り出しを無くし、厚さ63.5mm・傾斜47度の１枚装甲板で車体前面を構成、車体前部上面の操縦手／副操縦手ハッチを大型化した。機関室上面グリルは幅が狭く、カバーは無い。廃止通達が間に合わなかったのか、初期には車体前面固定機銃２丁を装備した車両もある。主砲弾搭載数は97発（車体右スポンソン前部17発、後部15発、左スポンソン15発、砲塔バスケット側面12発、砲架下方８発、戦闘室床下30発）。全長／車体長5.92m、全幅2.62m、全高2.74m、車両重量29.9トン、戦闘重量31.8トン。主砲は75mm戦車砲M3（俯仰角マイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（300発）１丁と7.62mm機銃２丁（4750発）。直接照準器はM55望遠鏡、M38望遠鏡、M4潜望鏡。間接照準器はM1方位角指示器、M1砲手用水準儀、M1水準儀。装甲厚は車体前面上部63.5mm47度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-12度、上面19mm83-90度、底面12.7-25.4mm90度、防楯可動部50.8mm０度、防楯固定部88.9mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはGM製6046水冷直列６気筒ディーゼル２基（375馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度48km、燃料搭載量673リットル、航続距離241km。乗員５名。エンジンの調子が良ければ燃費も良く高性能だが、残念ながら概ね調子が悪く、1943年2月から改良型の試験に入ったものの、3月に燃料の補給体系に問題があるということで戦車のエンジンをガソリンエンジンで統一することが決まり、陸軍では訓練部隊だけに配備、アメリカ海兵隊やソ連・イギリスなどへのレンドリースに回した。グランド・ブランクで1944年5月までに4614両、プルマン・スタンダードで1943年9月までに2737両、アメリカン・ロコモーティブで1943年4月までに150両、ボールドウィンで1942年11月までに12両、フェデラル・マシーン＆ウェルダーで1943年12月までに540両の計8053両が生産されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊軍事研究11,’02、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４Ａ３＞：溶接車体にフォード社製ガソリンエンジンを搭載したもの。1943年1月に制式化され、5月にフォード・モーター社で初号車が完成、6月から全力生産に入った。最初から鋳造一体式デファレンシャルカバーとヘビー・デューティー型VVSSサスペンションを採用している。車体前面上部装甲は下半分、車体機銃周囲、上半分左右というM4A2よりもシンプルな分割である。機関室上面グリルの幅が機関室天井全幅に拡大された。エンジンが小型なため、ドライブシャフトの位置が下がり、戦闘室の空間が広がっている。初期型は操縦手／副操縦手用直接視察窓が付いたままで、砲架／防楯もM34だった。全長／車体長5.91m、全幅2.62m、全高2.74m、車両重量28.3トン、戦闘重量30.3トン。主砲は75mm戦車砲M3（97発。俯仰角マイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（300発）１丁と7.62mm機銃２丁（4750発）、直接照準器はM55望遠鏡、M4潜望鏡、M38望遠鏡、間接照準器はM1方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀、装甲厚は車体前面下部50.5mm56度、前面上部50.8mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-22度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯可動部50.8mm０度、固定部88.9mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはフォード社製GAA水冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度42km、燃料搭載量764リットル、航続距離209km。乗員５名。1943年9月までに1690両が生産されてフォード社での量産を終了、他社での75mm後期型/76mm/105mm砲搭載型生産に移行したが、エンジンの信頼性が高く、武装強化型も含めM4シリーズ標準型としてアメリカ陸軍に配備され、第２次大戦終結後も永らく使用された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、歴史群像10,’04、月刊PANZER4,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ３Ｅ２＞：歩兵支援用重装甲型、別名ジャンボ（Jumbo）。T26E1重戦車が1945年初めまでに完成する見込みが立たなかったため、M4A3を重装甲化することにし、1944年3月に兵器生産委員会が限定制式化を決定した。M4A3（後期型）の車体前面と側面上部に厚さ38mmの装甲板を溶接して装甲厚をそれぞれ102mm・76mmとし、デファレンシャルカバーも最厚部140mmの特別製のものに換装している。ヘッドライトとサイレンは外し、夜間は着脱式前照灯をハッチに取り付けることとした。砲塔は76mm砲型の鋳型を改造して全周152mm厚のものとし、76mm砲用M62防楯に装甲板を追加して装甲厚178mmとしたT110砲架を装着している。主砲は当初76mm砲にする予定だったが、榴弾の威力が大きい75mm戦車砲M3（104発）に変更した。車長にはキューポラが用意され、装填手用ハッチは楕円形後外側開きの１枚型である。戦闘重量が4.45トン（6.5トン？）増加したが、サスペンションがVVSSで狭い履帯を使っていたため、ダックビルズ・エンドコネクターを装着して接地圧を減少させた。重量増に合わせてファイナルドライブの減速比も2.84:1から3.36:1としている。全長／車体長6.27m、全幅2.94m、全高2.96m、車両重量35.2トン、戦闘重量38.1トン。主砲は75mm戦車砲M3（104発。俯仰角はマイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁と7.62mm機銃２丁（6250発）。装甲厚は車体前面上部101.6mm47度、前面下部114.3-139.7mm0-56度、側面上部76mm０度、側面下部38.1mm０度、後面38.1mm10-22度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯177.8mm０度、砲塔前面152.4mm12度、側面152.4mm６度、後面152.4mm２度、上面25.4mm90度。エンジンはフォード社製GAA水冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度35km、燃料搭載量764リットル、航続距離161km。乗員５名。グランド・ブランク戦車工廠で1944年5-7月に254両が生産され、テストの後に秋からヨーロッパへと送られた。何両かはパリの戦車修理廠で損傷戦車から外した76mm戦車砲M1に換装しており、車体前面上部にガントラベリングロックも追加している。1945年には76mm砲・HVSSサスペンション搭載型や90mm砲搭載型が検討されたが、実現しなかった。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER4,’03、月刊丸9,’97、月刊グランドパワー3,’02

＜Ｍ４Ａ４＞：溶接車体にクライスラー社製A57マルチバンクを搭載したタイプ。1942年2月に制式化され、6月にクライスラー社がデトロイト戦車工廠で生産を開始、7月に初号車が完成した。エンジン全長が伸びた分、機関室を0.28m延長しており、機関室内燃料タンクの配置を変更、機関室床面に冷却ファン用バルジを設け、機関室上面にラジエーター用突出部を付けた。下部転輪ボギーの間隔を1.45mから1.62mに伸ばしたため、履帯が片側83枚に増えている。車体前面上部は５パーツを溶接して構成されており、デファレンシャルカバーは最後までボルト結合の３分割式だった。初期型は操縦手／副操縦手用視察窓が付いたままで、砲架／防楯もM34だった。全長／車体長6.06m、全幅2.62m、全高2.74m、車両重量29.7トン、戦闘重量31.6トン。主砲は75mm戦車砲M3（97発。俯仰角はマイナス12度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（300発）１丁、7.62mm機銃２丁（4750発）。直接照準器はM4潜望鏡、M38望遠鏡。間接照準器はM19方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部50.8mm56度、前面下部50.8mm0-45度、側面38.1mm０度、後面38.1mm0-20度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯可動部50.8mm０度、防楯固定部76.2mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはクライスラーA57液冷30気筒ガソリン（370馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度40km、燃料搭載量727リットル、航続距離161km。乗員５名。1943年9月までに7490両（7499両？）が生産された。エンジンの構造が複雑で、機関室を占領するためエンジンを外さないと他の機材の整備ができず、砂漠戦研究委員会から生産打ち切りを命じられてしまい、アメリカでは国内の訓練のみの使用となったが、クライスラー社で整備兵への教育を徹底するなどしてレンドリース先のイギリスでは活躍した。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER4,’03、6,’02、10,’01、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ５＞：ラム中戦車シリーズを参照。

＜Ｍ４Ａ６＞：オードナンス・エンジン（キャタピラー？）製RD1820ディーゼルを搭載したもの。1942年12月に試作初号車が完成し、1943年1月に制式化された。エンジンが大きいので、M4A4の車体後半を流用し、車体前部はM4A1後期型と同じ一体鋳造型としている。制式化時期が遅いので、最初からデファレンシャル・ケースは一体鋳造、防楯はM34A1、車体側面は増加装甲溶接済み、砲塔は右前部装甲強化済み新型（外面増加装甲無し）となっている。装填手用ハッチや砲塔左側面ピストルポートは付いていたり無かったりする。全長／車体長6.06m、全幅2.62m、全高2.74m、車両重量29.8トン、戦闘重量31.8トン。主砲は75mm戦車砲M3（装弾数97発。俯仰角はマイナス５度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（300発）１丁、7.62mm機銃２丁（4750発）。直接照準器はM55望遠鏡、M4潜望鏡、M38望遠鏡。間接照準器はM19方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部50.8mm51度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm0-20度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯可動部50.8mm０度、防楯固定部88.9mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはオードナンス・エンジン製RD1820空冷９気筒星型ディーゼル（450馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度48km、燃料搭載量627リットル、航続距離193km。乗員５名。1943年10月28日にデトロイト戦車工廠で量産初号車が完成したが、M4A3の量産に集中することになり、1944年2月までに75両が作られて生産打ち切りとなった。1944年3月から行われた軍のテストではM4の中で最良という評価を得ているが、結局アメリカ国内での訓練にしか使われていない。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４シリーズ生産後改修＞：1942年夏頃から上部転輪がサスペンション・ボギーの後ろに付くヘビー・デューティー型VVSSに変更された。また、操縦手／副操縦手用視察窓のバイザーを閉めると車体との間に隙間が出来るという不具合があったため、バイザーを廃止してペリスコープに換装した。元々ハッチに付いていたペリスコープも残されている。1942年中頃から車体前面下部ディファレンシャル・ケース前面が一体鋳造になった。当初は前端が丸みの強いタイプだったが、後にやや尖ったタイプへと変更されている。1942年10月、M34A1砲架を制式化。砲手用照準潜望鏡と主砲の軸線がずれており、連動リンクの調整が面倒で誤差も大きかったため、主砲右に同軸の直接照準器を装着できるようにしたものである。外装防楯も主砲、照準器、同軸機銃全てを１枚でカバーする大型のものに変更された。砲手用照準潜望鏡はそのまま残している。北アフリカ戦に投入した結果、車体側面の弾薬庫が被弾に弱いことが判明し、弾薬庫外側にあたる車体左側面１カ所と右側面２カ所に厚さ25mmの増加装甲を溶接した。最初は車体側面のカーブに合わせ分割して溶接していたが、次いで１枚板を湾曲させて使用している。ついでに副操縦手席後部と砲塔バスケット床の弾薬庫も厚さ6.4mmの装甲板を追加し、砲塔側面の弾薬クリップは廃止した。これらは現地改造の他、生産ラインでも施されるようになり、最終的には増加装甲部の厚さを増したタイプの鋳造車体が生産された。更に車体前面（操縦手・副操縦手席前部）に厚さ38mmの装甲板を溶接したり、砲塔旋回機構の分だけ装甲厚が薄い砲塔右前部に増加装甲を取り付けたりした車両もある。1943年6月、砲塔上面左前部に２インチ（50.4mm）発煙弾発射機を装備。射程は32m/68m/135mのいずれかで、装填手が操作する。１943年半ばから砲塔左側面のピストルポートが防御上の弱点として廃止されたが、近接戦闘に必要ということで1944年から復活した。1944年初め、砲塔上面左に装填手用ハッチを追加。M4A2を皮切りに導入され、現地改修キットも用意された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー5,’02

＜改良型Ｍ４シリーズ＞：1943年初め、テストや実戦投入の結果を基に本格的な改良を施すことになり、7月から設計に入った。主砲は76mm砲または105mm砲に強化するが、M4A3のみ75mm砲型を継続生産し、M4A4とM4A6は生産打ち切りが決まり、以降の生産車は75mm砲型M4A3（75）W、76mm砲型M4/M4A1/M4A2/M4A3、105mm砲型M4/M4A3となった。ただし76mm砲型M4はヨーロッパ戦終結によりキャンセルされている。車体前面装甲は操縦手席・副操縦手席前面の張り出しを無くした一枚板（厚さ64mm、傾斜角47度）に変更し、上面ハッチを大型化、車体前面下部を尖った形状とし、操縦系統にも改良を加えた。砲塔上面に車長用キューポラを持つ。75mm/76mm砲型は防御力強化のため、車体側面スポンソン部の弾薬庫をスポンソン部増加装甲ごと廃止し、戦闘室床下に湿式弾庫を用意している。75mm砲型は水140リットル入り100発弾庫と水3.8リットル入り４発弾架、76mm砲型は水130.6リットル入り65発弾庫と水８リットル入り６発弾庫で、凍結防止のため水にグリセリンを混ぜた。105mm砲型は通常の弾庫だが、水の代わりに装甲板で覆っている。1943年9月からクライスラー社で全タイプの試作に入り、1944年2月5日までに全車が完成、M4A1(76)を皮切りに逐次量産に移された。ヨーロッパ戦終結後、エンジン騒音対策としてM4/M4A1/M4A3に外部装着式マフラーが追加されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17

＜Ｍ４シリーズＨＶＳＳ搭載型＞：HVSSはHorizontal Volute Spring Suspension（水平渦巻きばねサスペンション）の略。下部転輪２枚をボギー・ユニット１基に繋ぎ、コイルスプリング２本をボギー・ユニットの表と裏に１本ずつ水平方向に設置して緩衝したもので、VVSSよりも緩衝能力やピッチング抑制能力が高い。1942年初めにM3中戦車に搭載されてテストされ、1943年4月にM4A2及びM4A3戦車１両ずつがこれを装備して生産されたが、履帯幅がVVSSと同じだったので不整地踏破性能がイマイチであり、採用されなかった。そこで下部転輪をダブルタイプに変更し、履帯幅を585mmに広げたT80ダブルピン履帯を使用、ボギー上部にショックアブソーバーも追加したものを開発してM4シリーズE8試作車でテストを行い、1944年3月に制式化された。主要部品が外付けなので、整備や損傷時の交換が容易なのはVVSSと同様である。まずは76mm砲装備M4A3にHVSSを装着したM4A3E8を500両新規生産することになり、1944年3月末には改良型M4シリーズ全車のHVSS装備が決定した。大戦中のHVSS型は、殆どがセンターガイド式シングルピン鋼製のT66履帯を履いている。たまにゴム・スチール混合ダブルピンのT80履帯だったり、ゴム製ダブルピンのT84だったりする。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、スピアヘッドNo.2、British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー5,’02、月刊PANZER5,’11

　＜Ｍ４Ａ３（後期型）＞：75mm砲搭載型M4A3に76mm砲／105mm砲型と同様の改良（主砲関連以外）を施したタイプ、M4A3(75)。湿式弾庫（Wet stowage）を採用したのでM4A3(75)Wともいう。戦闘室床下に10発×10個の75mm砲弾が140リットルの水に、砲塔バスケットの床に４発の即用砲弾が3.8リットルの水に守られて収納される。凍結防止のため、水にはグリセリンを混ぜた。装填手用ハッチは全て楕円形１枚後外側開きのものだが、車長用キューポラの生産が間に合わず、初期には両開きハッチを装備している。全長／車体長6.27m、全幅2.67m、全高2.94m、車両重量28.6トン、戦闘重量31.6トン。主砲は75mm戦車砲M3（104発。俯仰角はマイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁、7.62mm機銃２丁（6250発）。直接照準器はM70F望遠鏡、M38A2望遠鏡、M4A1潜望鏡、間接照準器はM19方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部63.5mm47度、前面下部50.8-107.9度0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-22度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯可動部50.8mm０度、固定部88.9mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはフォード製GAA水冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度42km、燃料搭載量764リットル、航続距離161km。乗員５名。1944年2月から1945年3月にグランド・ブランク工廠で3071両が生産された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two

　＜７６ｍｍ砲搭載Ｍ４シリーズ＞：主砲を76mm砲に強化したもの。最初1942年8月1日に試作が完了した52口径76mm戦車砲T1（M6重戦車用M7戦車砲として制式化）を搭載する計画だったが、M34砲架には長すぎたので、５口径分減らしてカウンター・ウェイトを付けたM1を搭載することにし、1943年2月にM4A1（76M1）試作車が完成したが、この時は採用されず、兵器委員会が改修を加えてしつこく提出した結果、M4E6が採用され、1943年8月17日に1000両が発注されると共に、M4シリーズの生産を全て76mm砲型にする決定がなされた。しかし榴弾が75mm砲用M48では重量6.7kg・炸薬0.66kgに対して76mm砲用M42A1では重量5.8kg・炸薬0.39kgと威力に劣ることから機甲軍司令部が反対（当時のアメリカ陸軍は戦車の主任務を歩兵支援と戦果拡大に置き、対戦車戦闘は駆逐戦車の役目だった）、M4A3は75mm砲型も生産を継続して75mm砲型と76mm砲型を３対１で生産することが1943年9月に決定し、1944年になって漸く生産が開始された。同年春には生産が軌道に乗り始めたが、訓練が間に合わないのと主任務の関係で実戦部隊への配備は進まず、オーバーロード作戦には75mm砲型が参加している。その後ドイツ戦車の反撃を受けて漸く76mm砲型の配備が進められた。この76mm砲ならティーガーも撃破できるとアメリカ陸軍では自信満々だったが、実際には車体前面なら400m以下、防楯なら100m以下でないと撃ち抜けず、更にパンターに至ってはゼロ距離でも車体前面を貫通できず、M26戦車とM36駆逐戦車を急遽生産する羽目になった。主砲は最初M1A1だったが、後にマズルブレーキ付きのM1A1CまたはM1A2に換装している。車体前面中央にはガントラベリングロックを装着した。車体後面中央に折り畳みラック、左右に予備履帯フックが付き、車体後面のアーチ状の切り欠きも、高さが減らされて目立たなくなった。前期生産型はVVSS装備だが、後期ではHVSSを装備する。参考：月刊PANZER3,’03、ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー5,’02、スピアヘッドNo.2、M26/M46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１（７６Ｍ１）＞：76mm砲搭載型の初の限定制式化型で、1000両が発注された。M4A1の主砲を76mm戦車砲M1に換装したものである。試作車12両が完成し、1943年2月からテストに入ったが、砲塔が狭すぎて4月5日に制式化が取り消されてしまった。試作車のうち９両も75mm砲に戻されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17

＜Ｍ４Ｅ６＞：76mm砲搭載型の試作型で、M4A1(76M1)の反省を基に1943年5月3日から試作された。同じ砲を積むT23試作中戦車の砲塔を流用してスペースを確保し、砲架も厚さ90mmの防楯が付いたT80を採用、ピッチ方向の安定化装置を装備している。装填手用に２枚開きの四角いハッチを持つ。車体のベースはM4コンポジット・ハルで、湿式弾庫を採用し、弾薬収納スペースを車体下部のみとすることで被弾時の誘爆防止を図った。戦闘室床下に30+35発の76mm砲弾が130.6リットルの水に、砲塔バスケットの床に６発の即用弾が８リットルの水に守られて収納される。凍結防止のため水にはグリセリンを混ぜた。1943年7月にデトロイト工廠で２両が完成してテストに入り、8月17日に採用された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４（７６）＞：76mm砲搭載型M4中戦車。1945年夏から生産に入る予定だったが、ヨーロッパ戦が終結して用無しとされ、生産されなかった。参考：月刊グランドパワー5,’02

　＜Ｍ４Ａ１（７６）＞：76mm砲搭載型M4A1中戦車。1944年1月からプレスド・スチール社で生産され、1945年6月までに3426両（3396両？）が作られた。初期型は装填手用ハッチが円形両開き、主砲がマズルブレーキ無しM1A1、サスペンションがVVSSである。1944年8月ロールアウトの1225号車から装填手用ハッチを後外側開きの楕円形１枚に変更し、ハッチに付いていたペリスコープはハッチ前方に移した。主砲も順次マズルブレーキ付きM1A1C/M1A2に換装し、サスペンションをHVSSに、履帯をT66シングルピンからT80ダブルピンに更新している。全長7.47m、車体長6.2m、全幅2.67m、全高2.97m、車両重量29.3トン、戦闘重量32トン。主砲は76mm戦車砲M1（71発。俯仰角マイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁と7.62mm機銃２丁（6250発）。直接照準器はM61D望遠鏡、M4A1潜望鏡、M47A2望遠鏡、間接照準器はM1方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部63.5mm37-55度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-20度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯88.9mm０度、砲塔前面63.5mm40-45度、側面63.5mm0-13度、後面63.5mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはコンチネンタル社製R975C4空冷星型９気筒ガソリン（400馬力）、トランスミッションは前進５段・後進１段、最大速度39km、燃料搭載量796リットル、航続距離161km。乗員５名。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’03、British and American tanks of World War Two

　　＜Ｍ４Ａ２（７６）＞：76mm砲搭載型M4A2中戦車。1944年5月から1945年6月までにグランド・ブランク工廠で2894両、1945年5-6月にプレスド・スチール社で21両の計2915両が作られた。装填手用ハッチは両開き円形だったが、後に楕円形後外側開きに変更された。全長7.57m、車体長6.3m、全幅2.67m、全高2.97m、車両重量30.5トン、戦闘重量33.3トン。主砲は76mm戦車砲M1（71発。俯仰角マイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁、7.62mm機銃２丁（6250発）。直接照準器はM71D望遠鏡、M47A2望遠鏡、M4A1潜望鏡。間接照準器はM1方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部63.5mm47度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-12度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯88.9mm０度、砲塔前面63.5mm40-45度、側面63.5mm0-13度、後面63.5mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはGM社製6046水冷直列６気筒ディーゼル２基（375馬力）、トランスミッションは前進５速・更新１速、最大速度48km、燃料搭載量673リットル、航続距離161km。乗員５名。殆どがソ連に送られている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’03

　　＜Ｍ４Ａ３（７６）＞：76mm砲搭載型M4A3中戦車。1944年3月からデトロイト工廠で生産された。初期型はVVSSサスペンションで、8月までに1400両が生産されている。装填手用ハッチは両開き円形だったが、後に楕円形後外側開きに変更された。8月からHVSS装備型M4A3(76)E8に切り替えられ、デトロイト工廠で1945年4月までに2617両、グランド・ブランクで1944年9-12月に525両が生産された。全長7.54m、車体長6.27m、全幅3m、全高2.97m、車両重量30.9トン、戦闘重量33.7トン。主砲は76mm戦車砲M1（71発。俯仰角マイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁、7.62mm機銃２丁（6250発）。直接照準器はM72D望遠鏡、M47A2望遠鏡、M4A1潜望鏡。間接照準器はM19方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部63.5mm47度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-22度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯88.9mm０度、砲塔前面63.5mm40-45度、側面63.5mm0-13度、後面63.5mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはフォード社製GAA水冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度42km、燃料搭載量764リットル、航続距離161km。乗員５名。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’03

　　＜Ｍ４Ａ３（７６）Ｅ８＞：M4A3(76)のHVSSサスペンション＋湿式弾庫装備型。1944年に製作された試作車名称がそのまま量産車の通称になった。副操縦手席後方の車体底部に脱出用ハッチを追加し、ガントラベリングロックを片側ヒンジに変更、砲塔バスケットを全廃して座席を吊り下げ式にしている。全長7.543m、車体長6.273m、全幅2.997m、全高2.971m、車両重量30.889トン、全備重量33.656トン。主砲は52口径76.2mm戦車砲M1A2（71発。俯仰角マイナス10度からプラス25度）。副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁と7.62mm機銃M1919A4が２丁（6250発）。装甲厚は車体前面上部63.5mm47度、前面下部107.9-50.8mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-22度、上面19.0mm83-90度、底面12.7-25.4mm90度、防楯88.9mm０度、砲塔前面63.5mm40-45度、側面63.5mm0-13度、後面63.5mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはフォード社製GAA水冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションは前進５段・後進１段、最大速度41.83km、燃料搭載量763.7リットル、航続距離160km。乗員５名。朝鮮戦争の頃には車体後面の排気デフレクターが頑丈な造りのものに換装されている。1956年に制式装備を外れた。参考：スピアヘッドNo.2、月刊PANZER8,’03、10,’01、10,’85、歴史群像10,’04、ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ３アカバネ・スペシャル＞：朝鮮戦争勃発で北朝鮮軍T-34/85に対抗するため、急遽M4中戦車を送り込むことになり、東京の赤羽にあった補給廠に集められていた75mm砲搭載M4A3にマズルブレーキ付き76mm砲を積んだもので、トーキョー・オードナンス・デポ・スペシャルとも呼ばれた。砲塔だけでなく砲架と防楯も75mm砲用M34A1のままという急造車両で、車体前面にガントラベリングロックだけ追加している。砲塔内部が76mm砲搭載には狭すぎる上、カウンターウェイトを付けなかったので重量バランスが悪く、砲塔旋回にも支障を来したようである。改造数は不明で、結局実戦には使用されなかった。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER4,’03

　＜１０５ｍｍ砲搭載型Ｍ４シリーズ＞：1750mmという大きなターレット径（�Y号戦車と70mmしか違わない）を活かして近接支援用大口径砲を搭載すべく1942年から開発し、1942年11月にT70砲架（最大装甲厚76mm）が完成、これに105mm榴弾砲M2A1と同軸7.62mm機銃を装着してM4A4中戦車に載せた試作型M4A4E1が２両作られたが、砲を車載向きに改造しなかったので不具合が多発、砲塔も重すぎてバランスが悪く、傾斜地で旋回できなくなるという事態に陥り、改良を加えることになった。1943年8月、新型の105mm榴弾砲M4を新開発のM52砲架（俯仰角プラス35度からマイナス５度）に装着し、M4中戦車に載せた試作型M4E5が完成、テストの結果はまずまずで、採用が決定した。車体前面装甲を76mm砲搭載型と同じものに改修しており、ガントラベルロックを持つ。当初は手動旋回のみで、後期型には動力旋回装置を装備したが、ヨーロッパ戦線には間に合わなかった。装弾数は68発で、戦闘室床下に45発、車体右スポンソンに21発、砲塔内に２発を収容する。砲弾が大きすぎたので湿式弾庫は採用せず、戦闘室床下の弾薬を装甲板で覆って対処した。砲塔上面後方にもベンチレーターを設けている。M1榴弾、M60白燐発煙弾の他、M67HEAT（装甲貫徹力100mm）を発射でき、対戦車戦闘も行った。HVSSサスペンション型は幅広（23インチ・584.2mm）ダブルピンのT80履帯を履いている。車長用に旋回式２枚ハッチを設けたが、生産の早い段階で車長用キューポラ（視察ブロック内蔵）に変更した。装填手用ハッチは最初から楕円形後外側開きである。デトロイト戦車工廠のみで生産された。量産開始後、防楯右の直接照準器孔に装甲カバーを付け、キューポラ下方の砲塔を張り出して防御力を高めた。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’03、9,’02、月刊グランドパワー5,’02、3,’02

　　＜Ｍ４（１０５）＞：M4ベースの105mm砲搭載型。デトロイト戦車工廠で1944年2月から1945年3月に1641両が生産された。サスペンションは前半（1944年9月まで）800両がVVSS、後半（1944年9月以降）841両がHVSSである。全長／車体長6.2m、全幅2.67m、全高2.94m、車両重量28.5トン、戦闘重量31.5トン。主砲は105mm榴弾砲M4（66発）、副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁、7.62mm機銃２丁（4000発）。直接照準器はM72D望遠鏡、M77C望遠鏡、M4A1潜望鏡、間接照準器はM1方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部63.6mm47度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10度、上面19mm83-90度、下面12,7-25.4mm90度、防楯91.4mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはコンチネンタル社製R975C4空冷星型９気筒ガソリン（400馬力）、トランスミッションは前進５段・後進１段、最大速度39km、燃料搭載量796リットル、航続距離161km。乗員５名。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’03、British and American tanks of World War Two

　　＜Ｍ４Ａ３（１０５）＞：M4A3ベースの105mm砲搭載型。全長／車体長6.27m、全幅3m、全高2.94m、車両重量30.1トン、戦闘重量33.1トン。主砲は105mm榴弾砲M4（66発）、副武装は12.7mm機銃M2（600発）１丁、7.62mm機銃２丁（4000発）。直接照準器はM72D望遠鏡、M77C望遠鏡、M4A1潜望鏡。間接照準器はM19方位角指示器、M1砲手用水準儀、M9水準儀。装甲厚は車体前面上部63.5mm47度、前面下部50.8-107.9mm0-56度、側面38.1mm０度、後面38.1mm10-22度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯91.4mm０度、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm0-5度、後面50.8mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはフォード製GAA水冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度42km、燃料搭載量764リットル、航続距離161km。乗員５名。デトロイト工廠で1944年5-9月にVVSS型500両、1944年9月から1945年6月にHVSS装備型2539両の計3039両が生産された。車長用キューポラは1944年夏頃から装備している。防楯のテレスコープ用開口部が大きかったため、後に車内から開閉できるカバーを追加した。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４中古再生車＞：訓練や各種試験に使用された75mm砲搭載M4各形式のうち、使えそうなものを整備改良して実戦部隊に送ったもの。摩耗砲身の交換、M34A1砲架への改修（不可能な時は防楯の拡大と増加装甲板の装着）、砲塔右前側面への増加装甲板装着、無線機・砲塔動力装置交換、車長用キューポラ装着、装填手用楕円形後外側開き１枚ハッチ新設、新型補助直接照準器装備、新型砲塔採用（一部のみ）、機関系と足周りのオーバーホール、車体側面弾庫部周辺への増加装甲板装着、車体前面ガントラベルロック装備、フェンダー・スカート追加、新型デファレンシャルカバー換装（一部のみ）が行われている。まずM4A4が1943年12月から1944年10月にデトロイト工廠で1610両再生され、全てイギリスにレンドリースされた。次いでM4A2が1944年4-7月にグランド・ブランク工廠で218両、4-11月にフェデラル・マシーン＆ウェルダー社で317両の計535両再生され、大部分がフランスに送られた。M4は1944年8月から1945年4月にクライスラー社エヴァンズビル工場で446両、インターナショナル・ハーベスター社で289両、陸軍補給廠で60両の計795両が再生された。M4A1は1944年8月から1945年5月にクライスラー社エヴァンズビル工場で1216両、インターナショナル・ハーベスター社で737両、陸軍補給廠で306両の計2259両が再生された。M4A3は1944年8月から1945年4月にモントリオール・ロコモーティブ社で400両、陸軍補給廠で281両の計681両が再生された。このうち、クライスラー社製の1000両程度がVVSSサスペンションと車体の間にスペーサーを挟んで幅を稼ぎ（スペースドアウト・サスペンション）、履帯両側にエンドコネクターを付けて接地圧を減少させたE9仕様に改修されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER4,’03

＜Ｍ４Ｅ１（ｉ）＞：M4A1戦車に76mm戦車砲T1を搭載したもので、1942年7-8月に開発された。砲尾が大きく、砲塔内容積を圧迫したため、後に砲塔後部バスルを改造している。最終的にはT23砲塔が開発されることになった。ちなみにM4E1という名称は非公式で、間違ってもいる。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ１（ｉｉ）＞：M4A4戦車にキャタピラー製RD-1820ディーゼルを搭載したもので、M4A6戦車のテスト用に製作された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ２＞：サスペンション改良試作型。M4A4戦車初期型にHVSSサスペンションと幅24インチ（609.6mm）のT80幅広履帯を装着したもので、1943年に製作された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ３＞：M4A4戦車にクライスラー製V12エンジンを搭載したもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ４＞：M4戦車に幅24インチ（609.6mm）の履帯と試作トーションバー・サスペンションを装備したもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ５＞：M4（105）の試作型。M4戦車に105mm砲を搭載したもので、1943年初めに製造された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ６＞：M4E6を参照。

＜Ｍ４Ｅ７＞：M4A1戦車にフォード製GAAエンジンを搭載したもの。採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ８＞：M4A3戦車初期型にHVSSサスペンションを装着し、76mm砲搭載改良型砲塔を載せたもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ｅ９＞：M4戦車にVVSSサスペンションと車体の間にスペーサーを挟んで幅を稼いだスペースドアウト・サスペンションを装着し、エンドコネクター（グローサー）付き履帯により接地圧を減少させたもので、乗り心地の改善を目指した。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１Ｅ１＞：M4A1戦車にアルミ箔断熱材とエアコンを装備したもので、砂漠戦試験に使用された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１Ｅ２＞：M4A1戦車に赤外線ライトと走行記録計を積んだもので、夜間戦闘技術試験に使用された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１Ｅ３＞：M4A1戦車にスパイサー・モデル95トルクコンバーターを搭載した試験車両。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１Ｅ５＞：M4A1戦車に冷却能力強化型コンチネンタル社製エンジンを搭載し、燃料容量を増やしたもの。コンチネンタル社製エンジン搭載M4中戦車シリーズ後期型に採用された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１Ｅ８＞：M4A1(76)湿式弾庫装備HVSSサスペンション型の原型で、1944年初めに製作された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１Ｅ９＞：M4A1戦車にM4E9と同じ改造を施したもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ１センチピード＞：M4A1 Centipede。M4A1戦車にT16ハーフトラックのサスペンションユニットを搭載したもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ２Ｅ１＞：M4A2戦車のエンジンをGM製V8ディーゼルに換装したもの。1943年にテストされた。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ２Ｅ４＞：M4A2戦車にM4E4と同じ改造を加えたもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ２Ｅ９＞：M4A2戦車にM4E9と同じ改造を加えたもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ３Ｅ１＞：M4A3戦車にM4A1E3と同じ改造を加えたもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ３Ｅ２＞：M4A3E2を参照。

＜Ｍ４Ａ３Ｅ３＞：車体前面装甲の傾斜角を47度にしたプロトタイプ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ３Ｅ８＞：M4A3E8を参照。

＜Ｍ４Ａ３Ｅ９＞：M4A3戦車にM4E9と同じ改造を加えたもの。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ３（リーム自動装填装置搭載型）＞：M4A3戦車にリーム自動装填装置（Rheem automatic gun loader）を搭載したもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ４Ｅ１＞：105mm砲搭載M4シリーズのプロトタイプ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４Ａ４（アリス・チャルマース型サスペンション）＞：M4A4戦車にアリス・チャルマース（Allis-Chalmers）型HVSSサスペンションを装着したもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４中戦車ファミリー＞

　＜Ｍ４火炎放射戦車（現地改造）＞：火炎放射戦車型。M4A2の車体右前面機銃を外してE5火炎放射器を搭載している。射程55mだが、主砲はそのままなので戦闘能力は高い。グアム攻略スティーブドール作戦に参加し、E4-5搭載M4火炎放射戦車の基になった。参考：月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ１対人放射器搭載）＞：火炎放射戦車型E1 Anti-personnel Tank Projector、別名スコーピオン（Scorpion）。M4A3の車体４カ所に小型火炎放射器を取り付けたもので、別々または同時に火を噴き、車体に取り付いた歩兵を焼き払う。太平洋戦線向けに1945年から開発されたが、完成前に終戦を迎えたため、計画中止になった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ４−５搭載）＞：火炎放射戦車型。M4の車体機銃部にE4-5型火炎放射キットを装着している。燃料搭載量91リットル、最大射程55m。1944年7月のグアム攻略スティーブドール作戦に６セット配備されたが、射程が短く燃料も少なかったため、実際には殆ど使用されなかった。1945年にはM3-4-3という制式名称が与えられている。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ４Ｒ２−５Ｒ１搭載）＞：火炎放射戦車型。車体機銃の代わりにE4R2-5R1火炎放射器を取り付けたもので、前線改造が可能である。参考：異形戦車ものしり大百科、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ４Ｒ３−５Ｒ１搭載）＞：火炎放射戦車型。車体機銃の代わりにE4R3-5R1火炎放射器を取り付けたもので、前線改造が可能である。参考：異形戦車ものしり大百科、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ４Ｒ４−４Ｒ搭載）＞：火炎放射戦車型。車体機銃部にE4R4-4R火炎放射器をペリスコープ式に搭載したもの。参考：異形戦車ものしり大百科

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ４Ｒ５−６ＲＣ搭載）＞：火炎放射戦車型。前方機銃部にE4R5-6RC火炎放射器をペリスコープ式に搭載したもの。参考：異形戦車ものしり大百科

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ６−Ｒ１搭載）＞：火炎放射戦車型。副操縦手用ハッチのペリスコープにE6-R1火炎放射器を装備したもの。参考：異形戦車ものしり大百科、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ６Ｒ３搭載）＞：火炎放射戦車型。M4の車体機銃手ハッチにE6R3火炎放射キットを装着している。硫黄島・沖縄戦に投入された。参考：月刊軍事研究8,’02

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ７−７搭載）＞：火炎放射戦車型。主砲を外し、代わりにE7-7火炎放射器を搭載している。燃料は車体に積む。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ１２Ｒ３搭載）＞：火炎放射戦車型。M4の車体機銃手ハッチにE12R3火炎放射キットを装着している硫黄島・沖縄戦に投入された。参考：月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ１２−７Ｒ１搭載）＞：火炎放射戦車型。M4A1またはM4A3の主砲を外して装填手も降ろし、E７火炎放射器の車載型であるE12-7R1を搭載している。燃料搭載量1040リットル、射程114m、俯仰角マイナス12度からプラス25度、全周旋回可能。陸軍が発注し、1945年4月までに20両が完成している。1945年12月20日にM4A1ベースのM5-4はM24B1、M4A3ベースのものはM24B3と改称された。参考：月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ１３Ｒ１−１３Ｒ２搭載）＞：火炎放射戦車型。M4A3にE13R1-13R2火炎放射器を取り付けたもので、太平洋戦争には間に合わなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｅ２０−２０搭載）＞：火炎放射戦車型。M4A3にE20-20火炎放射器を取り付けたもので、太平洋戦争には間に合わなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（Ｍ３−４−３搭載）＞：火炎放射戦車型。車体機銃の代わりにM3-4-3火炎放射器を取り付けたもので、前線改造が可能である。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（ＰＯＡ）＞：火炎放射戦車型。105mm砲搭載型の主砲砲尾を外し、内部に海軍制式Mk1火炎放射器を填め込んだ。燃料コンテナは砲塔内に設けている。太平洋戦線で海兵隊が使用した。日本軍が磁石付き地雷で近接攻撃を仕掛けてくるため、車体側面に木材を取り付けたりしている。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜Ｍ４火炎放射戦車（ＰＯＡ−ＣＷＳ７５−Ｈ１）＞：火炎放射戦車型。M4中戦車の主砲を外し、POA-CWS-H1火炎放射器（海軍制式Mk1火炎放射器？）を搭載している。最大射程55-73m、搭載燃料1098リットル。火炎放射器の外套には75mm戦車砲M3の砲身を使用しており、見た目は普通のM4中戦車である。海兵隊が運用し、1945年2月の硫黄島戦では８両が配備されており、沖縄戦にも投入された。装甲も厚く火炎放射器の射程も長く有効な兵器だったが、主砲が無く、他のM4中戦車の護衛下に運用されたものの接近戦を強いられるため損害が大きく、沖縄戦では第713戦車大隊に装備された54両が70日間で41両損傷した。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊グランドパワー1,’04、5,’02、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４火炎放射戦車（ＰＯＡ−ＣＷＳ７５−Ｈ２）＞：火炎放射戦車型。海兵隊向けで、75mm砲搭載M4戦車の主砲脇に海軍制式Mk1火炎放射器を同軸装備した。参考：異形戦車ものしり大百科

　＜Ｍ４火炎放射戦車（ＰＯＡ−ＣＷＳ−Ｈ５）＞：火炎放射戦車型。75mm砲搭載型／105mm砲搭載型M4シリーズの防楯部（主砲右）にロンソン火炎放射器を配し、主砲弾数を減らして燃料タンクを収納している。海兵隊が72両要求し、70両が改造されたが、太平洋戦争には間に合わず、朝鮮戦争に使用された。参考：月刊グランドパワー1,’04、ウォーマシン・レポートNo.17

　＜Ｍ４火炎放射戦車（ロンソン火炎放射器）＞：火炎放射戦車型。カナディアン・ロンソン火炎放射器を搭載したもので、海兵隊が少数を使用した。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４機動突撃橋＞：戦車橋型M4 Mobile Assault Bridge。中古M4戦車からの改造で、Ａフレーム・ジブを介して車体前方に履帯幅突撃橋を吊り下げており、対戦車壕などに設置する。重量バランスを取るため、車体後部にはバラストを積んだ。使用後に突撃橋を回収する場合には他の工兵器材の助力を要する。武装は自衛用機銃のみ。イタリア戦線で少数が現地改造された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４クロコダイル＞：火炎放射戦車型M4 Crocodile。M4にチャーチル・クロコダイルと同様の火炎放射装置を搭載したもので、燃料パイプは車体上を通している。1944年末に４両が改造され、アメリカ第２機甲師団で使用された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４自走ロケットランチャー＞：自走ロケットランチャー型。T34カリオペ・シリーズ、T39、T40/M17、T72、T73、T76、T99、T105とかなりの種類が試作されたが、実用化されたのはごく一部である。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｍ１地雷爆破装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder M1。M4中戦車シリーズにM1地雷処理ローラーを装着したものである。M1地雷処理ローラーは試作名称T1E3、別名Aunt Jemimaで、車体前部両側に支柱を設け、履帯前方に直径3mの巨大なローラーディスク左右５枚ずつを並べ地雷を踏み潰すものであり、1943年に開発された。ローラーは起動輪からチェーンで抽出した動力により回転させるが、地面にめり込んだりして前に進めなくなり、もう１両の戦車に後ろから押してもらうこともしばしばだった。75セットが製作されて1944年に限定制式化され、ノルマンディやイタリア方面で使用された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｍ１Ａ１地雷爆破装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder M1A1。M1地雷処理ローラーの改良型で、ローラーディスクの切れ込みを無くしたものである。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ１Ｅ４地雷爆破装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T1E4。16枚のローラーディスクを車幅一杯に並べ、アームで車体前方に装着するT1E4地雷爆破装置を搭載したもの。1944年に開発された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ１Ｅ５地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T1E5。M1地雷処理ローラーの改良型として1944年6月に開発されたもので、ローラーを小直径のもの左右６枚ずつに変更し、外側支柱ではなく中央フレームで支持している。回転動力は起動輪から抽出し、左右それぞれ独立して動く。試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ１Ｅ６地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T1E6。M1地雷処理ローラーのローラー外周をノコギリ状にしたもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ２フレイル型地雷爆破装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder (T2) Flail。イギリスが開発したシャーマン用フレイル型地雷処理装置クラブ�Tをアメリカ陸軍でテストしたものである。1944-45年に少数が欧州戦線に投入された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ３地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T3。マチルダ・スコーピオンのM4版で、動力をエンジンから抽出するよう変更し、アームをアメリカ独自デザインにしている。1942年末に制作されたが、実用性に欠け、1943年末に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ３Ｅ１地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T3E1。T3の改良型で、アームを延長し、ローターに砂を詰めて作動を改善している。まだ性能不十分で、開発中止になった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ３Ｅ２地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T3E2。T3E1の改良型で、鋼製ローターの直径を拡大している。太平洋戦争が終わったので開発が中止された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ４地雷掘削装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Excavator T4。ドーザーブレード下部に鋤を取り付け、地雷を掘り起こすタイプの地雷処理装置を車体前面に固定式に装着している。1942年末にテストされたが、実用性に欠け、開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ４地雷爆破装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T4。イギリスのクラブ�U地雷除去装置をアメリカ陸軍でテストしたもので、少数のみ使用された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ５地雷掘削装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Excavator T5。T4の改良型で、ドーザーブレードをＶ字にして掘り返した地雷を脇に流すようにした。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ５Ｅ１地雷掘削装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Excavator T5E1。T5の改良型。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ５Ｅ２地雷掘削装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Excavator T5E2。T5E1の改良型で、アームをM1ドーザーと共通のものに変更し、油圧でプラウ付きドーザーを上下できるようにした。1943年末に開発された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ５Ｅ３地雷掘削装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine excavator T5E3。T5E2の改良型で、角度の付いたプラウをM1ドーザーに装着している。1944年6月に限定制式化された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ６地雷掘削装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Excavator T6。T4の改良型で、ドーザーブレードをＶ字にして掘り返した地雷を横にどけるようにした。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ６Ｅ１地雷掘削装置）＞：地雷処理戦車型M4 with Mine Excavator T6E1。T6の改良型。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ６Ｅ２地雷掘削装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Excavator T6E2。T6E1の改良型。ドーザーブレードの深さを変更できないので使い勝手が悪く、採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ７地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T7。２枚のディスクからなる小さいローラーをM4戦車前方にフレームで固定したもの。1943年末に製作されたが、開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ８地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T8、別名Johnnie Walker。T8はアーム先端に地面を叩く鋼製ピストン３基を固定したもので、M4戦車の車体前面に固定したフレームに取り付けられている。戦車が前進するとアームが上下してピストンが戦車前方の地面をガンガン殴りつけ、地雷を誘爆させる。1944年3月に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ９地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T9。車体前面にアームを取り付け、直径６フィート（1.83m）のトゲ付きローラーを装着している。ローラーが重すぎて動けなくなるという欠点があり、開発中止になった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ９Ｅ１地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T9E1。T9のローラーを軽量化したもの。軽すぎて地雷を爆破し損ねる、やはり軽すぎてアームの関節部分で「く」の字になり（ジャックナイフ現象）身動きが取れなくなるといった欠点があり、1944年9月に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ１０地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型Mine Exploder T10。1944年初頭にアメリカ国防省研究評議会が提案した無人地雷処理三輪車で、車体前部左右と後方中央に巨大な走行輪兼地雷処理ローラーを持ち、遠隔操作で戦車隊前方を走りつつ地雷を踏み潰していく。車体と砲塔はM4戦車の流用で、元々の足回りは全撤去し、中央下部からローラー固定用アームや駆動軸が伸びている。テストの結果、扱いが難しく、1944年秋に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ１１地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4A4 with Mine Exploder T11。M4A4戦車にスピゴット式迫撃砲６門を取り付けたもので、前方に砲弾を投射して地雷を爆破する。試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ１２地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型Mine Exploder T12。M4戦車の砲塔を撤去し、戦闘室に23連装スピゴット式迫撃砲を搭載したもの。スピゴット式迫撃砲は様々な角度で装着されており、車両前方の広範囲に着弾して地雷を誘爆させる。テストでは良好な成績を収めたが、スピゴット式迫撃砲よりロケット弾の方が簡便で良いということになり、1944年12月に計画は中止された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４地雷処理戦車（Ｔ１４地雷爆破装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Mine Exploder T14。M4戦車に耐地雷用車体下部装甲、強化型履帯、重装甲サスペンションを追加したもので、地雷を踏み潰して処理する。テストのみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４地雷処理戦車（スネーク装置）＞：試作地雷処理戦車型M4 with Snake Equipment。イギリスが考案したスネーク装置を装着したもので、戦車前方に爆薬を押していき、地雷原で炸裂させて通路を啓開する。1943年にテストされたが、実用化には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４地雷処理戦車（その他諸々）＞：前線で手製の地雷処理装置を搭載したもの。概ねフレイル装置を装着したものが多く、M1ドーザーの油圧部品などを流用している。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４水陸両用戦車（Ｍ１９渡渉具装着）＞：試作水陸両用戦車型。M4戦車にM19渡渉具（M19 swimming device）を装着している。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４ドージット＞：試作突撃工兵車両M4 Doozit。M1ドーザー装備M4戦車に木製アタッチメントを装着して爆薬を積み、T40ロケットランチャーも搭載したもので、壁や障害物を爆破粉砕する。実戦では使用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４突撃ソリ牽引車＞：M4 with Assault Sledges。装甲化した１名用ソリに歩兵をうつ伏せ状態で乗せ、M4戦車で引っ張っていくもので、ソリは２列にして縦に数個繋げてある。砲火飛び交う中でも歩兵突撃ができるよう考案されたが、イギリスでテストしてみた結果実用性が無く、制式化には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５−４＞：火炎放射戦車型。M4火炎放射戦車（E12-7R1搭載）の改良型で、1945年1月に発注された。ダミーの75mm砲を搭載し、燃料を1078リットルに増量している。22両が完成したのみで終戦を迎えた。参考：月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｍ２４Ｂ１＞：M4火炎放射戦車（E12-7R1搭載）を参照。

　＜Ｍ２４Ｂ３＞：M4火炎放射戦車（E12-7R1搭載）を参照。

　＜Ｍ３２＞：M32シリーズ（戦車回収車）を参照。

　＜Ｔ１０Ｅ１ショップ・トラクター＞：試作探照灯搭載車T10E1 Shop Tractor。M4A1の車体にCDL搭載ターレットを載せたもので、テストのみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ１５耐地雷車両＞：試作耐地雷車両型Mine Resistant Vehicle T15。M4地雷処理戦車（T14地雷爆破装置）のテスト結果を基に開発したもので、M4戦車の砲塔を外し、車体下部・車体側面装甲を強化、分厚い履帯と重装甲サスペンションを装着し、装甲ブラケットで補強した。３両が改造されてT15、T15E1、T15E2と命名され、1944年9月からテストされたが、第２次大戦終戦に伴い開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３１試作破壊戦車＞：T31試作破壊戦車を参照。

　＜Ｔ３３火炎放射戦車＞：試作火炎放射戦車型。日本本土上陸ダウンフォール作戦に使用するため開発した。M4A3E2ジャンボの車体に、75mm砲（40発）と火炎放射器（250ガロン・946リットル）を搭載（別々に俯仰できる）し、車長用に自衛用小型火炎放射器を備えた砲塔を積んでいる。設計中に太平洋戦争が終わったため、開発ペースが遅くなり、1947年9月に最初の試作車が完成したものの採用されなかった。参考：月刊グランドパワー3,’02

　＜Ｔ５２対空戦車＞：対空戦車型Multiple Gun Motor Carriage T52。M4の車体にボール型砲塔を載せ、40mm連装機関砲または40mm単装機関砲＋12.7mm機銃２丁を装備する。1942年7月に提案され、後者が試作されたが、砲塔旋回速度が低く、低空飛行する航空機に追随できないという欠点があり、1944年10月に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ５３対空戦車＞：試作対空戦車型90mm Gun Motor Carriage T53。M4の車体に90mm高射砲を積んだもので、1942年7月から開発された。エンジンを車体中央に移し、砲を車体後部上面に積んでいる。試作車はM4A4を改造して製作され、改良を加えて500両を生産することにし、T53E1に進んだ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ５３Ｅ１対空戦車＞：試作対空戦車型90mm Gun Motor Carriage T53E1。T53の改良型で、対戦車・対空兼用としたものである。エンジンの位置は車体後部のままとし、90mm高射砲を車体中央上面に搭載、前側面に薄い防楯を付けた。下部転輪ボギーにアウトリガーを装着しており、対空任務に就く際はこれを展開して車体を固定する。テストの結果、対戦車任務ではM10駆逐戦車に劣り、対空任務も実用性が不十分で、1944年5月に量産命令が取り消されて開発中止になった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ６８火炎放射戦車＞：試作火炎放射戦車型。M4A3E8の砲塔を外して視察用キューポラを取り付け、車体右前部にカナダ製イロコイ火炎放射器を装備した。試作のみ。参考：月刊PANZER8,’13

　＜Ｔ９０自走迫撃砲＞：計画自走迫撃砲155mm Mortar Motor Carriage T90。砲塔を再設計して仰角60度の球状砲架を取り付け、155mm迫撃砲T36を搭載したもの。1944年12月（1945年2月？）から設計されたが、モックアップが作られたのみで、1945年12月に計画中止となった。参考：British and American tanks of World War Two、手榴弾・迫撃砲

　＜ドーザー付きＭ４＞：1943年のイタリア上陸作戦で使用されたキャタピラーD8ドーザーから、ドーザーブレードと油圧ホイストを外してM4戦車に装着したものが数両製作された。運用結果は良好で、専用のドーザーを作ることになり、1944年にM1ドーザー、続いてHVSS装備車用にブレード幅を広くしたM1A1ドーザーが制式化されている。ブレード支柱は中央の下部転輪ボギーに取り付けられており、油圧で上下に動かす。工兵隊向けとして、砲塔を外したドーザー専用車両が少数製作された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４中戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１＞：イスラエル陸軍戦車。M4A1(76)またはM4A3(76)を導入したもので、名称の由来は主砲制式名である。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー5,’02

　＜Ｍ３＞：イスラエル陸軍戦車。75mm砲搭載型M4シリーズを導入したもので、名称の由来は主砲制式名である。参考：ウォーマシン・レポートNo.17

　＜Ｍ４　７４８（ａ）＞：ドイツ国防軍戦車。第２次大戦時に鹵獲して使用した。参考：ジャーマンタンクス

　＜Ｍ４（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍戦車。1948年6月、イギリス軍がハイファ港の集積場に積み上げていた廃棄兵器の中からM4A2(75)戦車１両を発見。Meirというニックネームを付けて第１次中東戦争に投入した。8月にはイスラエル機甲軍団の調査団をイタリアに派遣し、砲身に孔を開けた状態の105mm砲搭載M4戦車シリーズ32両の入手に成功、11月17日に10両、11月24日に12両、1949年1月4日に10両をイスラエルへと運び込んだ。また、1948年11月に75mm戦車砲M3を３門入手し、こちらも12月初めにイタリアからイスラエルへと輸送、孔開き主砲と換装して第１次中東戦争に投入している。残りのM4戦車にはスイスで50門購入して1949年8-9月にイスラエルへと持ち込んだクルップ製75mm野砲M1911を搭載（通称シャーマク）することにしたが、主砲換装作業に手間取ったため、第１次中東戦争には間に合わなかった。第１次中東戦争終結後は世界中からM4戦車をかき集め、75mm砲型をM3シャーマン、76mm砲型をM1スーパーシャーマンと命名して使用した他、M50やM51といった主砲強化型も開発した。参考：ウォーマシン・レポートNo.17

　＜Ｍ４（オーストラリア陸軍）＞：オーストラリア陸軍戦車。少数が引き渡された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４（カナダ陸軍）＞：カナダ陸軍戦車。M4A1/M4A2/M4A4を中心に全タイプを使用した。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ４（チリ陸軍）＞：チリ陸軍戦車。イスラエルのM50/M51を購入し、主砲をIMI製60mm高初速砲に換装して就役させた。1990年頃まで使用されている。参考：月刊PANZER7,’09

　＜Ｍ４Ａ３（パラグアイ陸軍）＞：パラグアイ陸軍戦車。1980年代にアルゼンチンから供与された。2018年に大統領警護連隊に配備されていた最後の３両（現役世界最後の３両でもある）が退役した。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜Ｍ４Ａ４（Ｔ）＞：フランス陸軍戦車。独自改修型で、M4A4戦車のエンジンをコンチネンタル社製R975に換装してM4A1と統一し、整備性を高めたものである。機関室上面パネルもM4A1と同じものに変更した。参考：ウォーマシン・レポートNo.17

　＜Ｍ５０スーパーシャーマン＞：M50を参照。

＜Ｍ５１アイシャーマン＞：M51を参照。

＜グリズリー�T＞：カナダ陸軍戦車 Cruiser Tank Grizzly�T。カナダで製造したM4A1（シャーマン�U）である。オリジナルより幅が１インチ（25.4mm）狭いカナダ製CDP履帯を装備（オリジナルの履帯も併用）し、砲塔後部に雑具入れを追加、サンドシールドを標準装備し、砲塔天井にカナダ製２インチ（50.4mm）発煙弾発射機を装着、車内にイギリス制式No.19無線機を搭載している。全長19フィート１インチ（5.82m。サンドシールド除く）、全高９フィート10インチ（3m）、戦闘重量67000ポンド（30.4トン）。75mm砲装弾数78発。それ以外の諸元はM4A1と同じ。1942年9月にはカナダでのM4戦車生産が決定したが、モントリオール汽車製造会社で準備を整えるのに１年かかり、1944年には全M4戦車をアメリカで生産することになったので量産が打ち切られ、1943年9-12月に188両を生産したに止まった。イギリスとカナダで訓練用に使用され、オーバーロード作戦後はカナダ機甲大隊に配備されてヨーロッパ戦線に投入されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊戦車マガジン10,’78、世界の軍用車両(1)

　＜シャーマク＞：イスラエル陸軍戦車。名称の由来はSherman With Kruppという造語で、スクラップとしてイスラエルが入手した垂直懸架装置装備M4A1に、ドイツのクルップ社製75mm野砲M1911を搭載したものである。参考：月刊PANZER7,’02

＜シャーマン（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍戦車。当初はジェネラル・シャーマン（General Sherman）と命名されたが、単にシャーマン（Sharman）と呼ばれる方が多くなった。命名法は、M4がシャーマン�T、M4コンポジット・ハルがシャーマン・ハイブリッド�T、M4A1がシャーマン�U、M4A2がシャーマン�V、M4A3がシャーマン�W、M4A4がシャーマン�X。75mm砲搭載型は接尾記号無し、76mm砲搭載型はＡ、105mm榴弾砲搭載型はＢ、17ポンド砲搭載型はＣ。垂直懸架装置装備型は接尾記号無し、水平懸架装置装備型はＹ。総供与数は17181両（全てレンドリース法に基づく）で、1943-45年に製造されたどのイギリス戦車よりも数が多く、徹甲弾と榴弾の両方を使えるイギリス戦車は1943年末まで登場せず（前線部隊に広く行き渡ったのは1944年春くらい）、イギリス軍の最重要戦車といっても過言では無い。車体後端と砲塔後部に雑具入れを追加し、無線機をイギリス制式のNo.19に換装、砲塔後部張り出しにアンテナ２本を設置した。履帯をWE210ダブルピン式に変更したものや、車長用キューポラをイギリス制式のMk�T／Mk�Uに換装したもの、砲塔右側面に４インチ（101.6mm）連装てき弾発射機を装備したものもある。最初に配備されたのは鋳造車体M4A1で、第１バッチ300両のうち270両が第８軍に配備され、1942年10月から北アフリカ戦（エルアラメイン戦）に参加した。1942年末からイギリス本土への船便輸送が開始され、数が多い順にM4A4、M4A2、M4、M4A1、M4A3（アメリカが優先配備したのでイギリスにはあまり送られなかった）となっている。76mm砲とHVSSを装備した最後期型の配備は1944年末からで、数も少ないが、これもアメリカ優先配備のためである。A30チャレンジャー巡航戦車の開発失敗でファイアフライへの改造も行われた。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER7,’02、11,’86

＜シャーマン�T＞：イギリス陸軍戦車Sherman �T。M4を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン・ハイブリッド�T＞：イギリス陸軍戦車Sherman Hybrid �T。デトロイト製M4後期型（M4コンポジット・ハル）を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�TＢ＞：イギリス陸軍戦車Sherman �TＢ。M4(105)で、593両が供与された。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�TＢＹ＞：イギリス陸軍戦車Sherman �TBY。M4(105)HVSSで、1945年後半に供与された。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�U＞：イギリス陸軍戦車Sherman �U。M4A1（鋳造車体）を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�UＡ＞：イギリス陸軍戦車Sherman �UＡ。M4A1(76)で、1330両が供与された。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�V＞：イギリス陸軍戦車Sherman �V。M4A2を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�VＡＹ＞：イギリス陸軍戦車Sherman �VAY。M4A2(76)HVSS（湿式弾庫装備）で、５両が供与された。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�W＞：イギリス陸軍戦車Sherman �W。M4A3を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�WＡ＞：イギリス陸軍戦車Sherman �WＡ。湿式弾庫装備型M4A3(76)を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�WＢ＞：イギリス陸軍戦車Sherman �WＢ。M4A3(105)を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�X＞：イギリス陸軍戦車Sherman �X。M4A4を導入したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�X（ロケット弾搭載）＞：イギリス陸軍試作戦車Sherman �X(Rocket)。タイフーン戦闘機用60ポンド（27.2kg）空対地ロケット弾をシャーマン�Xの砲塔側面に装着したもので、1944年末に試作されたが、実戦では使用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン�Z＞：イギリス陸軍戦車Sherman �Z。M4A6に付けた名称だが、M4A6自体が75両しか生産されておらず、イギリスに送られたとしてもごく少数とみられる。参考：British and American tanks of World War Two

　＜中特車＞：陸上自衛隊戦車。M4A3(76)W（M4A3E8）で、1954年から本格的に導入し、253両が供与された。当時の日本人の体格には全く合わない大型サイズで、操縦席に座ると視察装置を覗けないので外が見えない、アクセルペダルやクラッチペダルに足が届かないといった問題があり、ペダルに分厚い板を装着（下駄を履かせると称した）して対応した。また、外を見るために立って操縦すると今度は変速レバーに手が届かなくなるので、右足で押し込んでいた。履帯はゴムブッシュ入りの組み立て式である。全長7.49m、車体長6.27m、全幅2.92m、全高2.96m、全備重量32.8トン。エンジンはフォード製GAA液冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションは常時噛合摺動クラッチ式、操向装置は二重差動式、最大速度48km、航続距離161km。乗員５名。戦車という名称が大っぴらに使えるようになると、M4A3戦車に改称された。大型サイズからくる運用難は解決が困難で、M24よりも一足早く1972年に退役した。参考：月刊PANZER8,’03、10,’01、6,’18、陸上自衛隊地上戦力の全容、ウォーマシン・レポートNo.17、スピアヘッドNo.2、戦車隊長

＜Ｍ４海外ファミリー＞

　＜６７式装甲作業車＞：陸上自衛隊の施設作業車。不要になったM4戦車の砲塔を外し、背の低い円筒形の上部構造物を載せ、車体前部に幅3.2m・高さ0.93mのドーザーブレード、車体上部左前方に伸縮式クレーンを取り付けている。1967年に制式化され、第７師団第７施設大隊のみに配備された。全長7.46m、全幅3.2m、全高2.9m。最大速度29km。参考：月刊PANZER4,’03、スピアヘッドNo.3

　＜１６０ｍｍ自走迫撃砲（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍160mm自走迫撃砲。M4の砲塔を外し、車体を大型の戦闘室に改装、ソルタム社製160mm後装迫撃砲を搭載したものである。射角43-70度、最大射程9600m、持続発射速度毎分5-8発。砲弾は床下と側面に56発を搭載する。戦闘室前面の装甲板は、射撃時には前方に倒すことができ、砲要員の足場となる。戦闘室両側には7.62mmまたは12.7mm対空機銃を装備できる。車体前部右寄りに防弾ガラス入りの窓が付いた操縦手席がある。重量が増えたため、エンジンはカミンズ社製ディーゼルに換装した。乗員８名。1969年から配備された。参考：世界の軍用車両(2)

　　＜Ｌ３３＞：イスラエル陸軍155mm自走榴弾砲。1960年代末からイスラエルのソルタム社が開発した。M4A3E8の車体に密閉式の背の高い戦闘室を設け、ソルタム社製33口径155mm榴弾砲M68（60発、うち16発を即用弾薬架に収容）を搭載する。射界は左右計60度、俯仰角マイナス３度からプラス52度、最大射程20000m。戦闘室左前部に操縦室があり、前面・側面には視察用防弾ガラスが付けられており、上面には後方開きのハッチがある。操縦手席の右は砲が占拠しており、視界はかなり悪い。戦闘室右に対空機銃手席があり、全周旋回式キューポラに7.62mm機銃を搭載する。乗員乗降用ドアは戦闘室側面にある。サスペンションはM4A3E8と同じ。全長8.47m、車体長6.47m、全幅3.45m、全高3.45m、重量41.5トン。エンジンはカミンズVT8-460-B1ディーゼル（460馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進５速・後進１速）、最大速度36km、航続距離260km。乗員８名。200両前後が生産されて第４次中東戦争で使用された。参考：世界の軍用車両(2)、月刊PANZER2,’04、世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ４Ａ３Ｅ８改造戦車橋（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の試作戦車橋。1961年から67式戦車橋の一次試作車として技本と三菱日本重工が製作した。M4戦車の砲塔を撤去し、シザー式戦車橋を搭載している。戦車橋は軽金属製２つ折りで、全長12m、幅3.5m。架橋角度は水平から14度以下、架橋に要する時間は3-5分。全長7.2m、全幅3.5m、全高3.5m、全備重量36トン。乗員４名。1966年に仮制式化されて第７混成団施設大隊で実用試験に供された。参考：月刊PANZER1,’03、8,’13、スピアヘッドNo.12

　＜Ｍ５０自走榴弾砲＞：イスラエル陸軍155mm自走榴弾砲。M4の車体にフランス製155mm榴弾砲Model50を搭載したものである。車体には大幅な改修を加えており、エンジンを車体前方右に移し、その左に操縦手席があり、車体後部に薄い装甲板を立ててオープントップの戦闘室にし、戦闘室後部両側面に弾薬庫を置いた。主砲は多孔式マズルブレーキ、隔螺式閉鎖機、油気圧式復座装置を持ち、最大仰角69度、最大射程17600m。全長6.1m、全幅2.98m、全高2.8m、全備重量31トン。エンジンはカミンズ社製ディーゼル（460馬力）。乗員８名。L33自走榴弾砲よりも短期間で退役した。参考：世界の軍用車両(2)

　＜シャーマンＡＭＲＣＲ＞：イギリス軍の地雷処理戦車。チャーチルAMRCRと同様の処理器材を装備している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＡＲＶ　Ｍｋ．�T＞：イギリス軍の戦車回収車。シャーマン�VベースのSherman �V, ARV Mk.�Tとシャーマン�XベースのSherman �X, ARV Mk.�Tの２種があり、砲塔を外し、ウインチやＡフレーム・クレーンといった回収用機材を搭載している。整備と補給の合理化の関係上、北西ヨーロッパ戦線にはクライスラーA57マルチ・バンクを搭載したシャーマン�X系を配備していた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER3,’04

　＜シャーマン�X　ＡＲＶ　Ｍｋ．�U＞：イギリス軍の戦車回収車Sherman �X, ARV Mk�U。シャーマン�Xの車体上面に上部構造を装着し、主砲のダミーと背の高いペリスコープ２基を設けている。車体前面にアーム取り付け基部があり、必要に応じてジブ・アームを取り付けて車両回収作業を行う。車内には２速の25ロングトン・ウインチ（チャーチルARV�U用と同じもの）を備え、車体後部にＡ型フレームのジブ・クレーンを装備、車体後部に駐鋤を持つ。自衛用に車体機銃の装着も可能。参考：月刊PANZER5,’02、British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン�U　ＡＲＶ　Ｍｋ．�V＞：M32海外ファミリー（戦車回収車）を参照。

　＜シャーマンＡＶＲＥ＞：イギリス軍の試作装甲工兵車Sherman AVRE。1943年に試作されたが、チャーチルAVREとの比較に負けて採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＢＡＲＶ＞：イギリス軍の戦車回収車Sherman BARV。第２次大戦後にシーライオン（Sea Lion）のニックネームが付けられた。ノルマンディー上陸作戦時に海岸で使用するため、1943年10月に開発が決定した。砲塔を外し、背の高い上部構造物を設置、上構上縁には返しを付けて浸水しないようにしている。ビルジポンプによる排水機構も備え、エンジン用空気取り入れ口も高い位置に設けた。牽引任務のみに特化して製作期間を短縮しており、ウインチは付いていない。1943年12月にシャーマンARV Mk�Tから１両が改造されてテストされ、深さ９フィート（2.74m）の海中でも作業可能なことが証明された。第21機甲軍が50両を発注、後に66両に増やし、ノルマンディー上陸作戦までに52両が配備された。他に暫定型として、小型単純型上構と通常の渡渉キットを取り付けたものが1-2種類製作されている。シャーマン・クラブと同様の地雷除去装置を取り付けたものも試作されたが、量産には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポートNo.17

　＜シャーマンＣＤＬ＞：イギリス軍の夜間照明用車両Sherman CDL。グラントCDLと同様の装甲ターレットを積んでいる。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＣＩＲＤ＞：イギリス軍の地雷除去戦車Sherman with CIRD。チャーチルCIRDと同じ地雷除去装置を積んでいる。アームにバンガロール爆破筒を装着したものも試作された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＤＤシリーズ＞：シャーマンDDシリーズを参照。

＜シャーマンＭＤＩ＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman with MDI。シャーマン�Xの車体前面に地雷除去鋤を溶接したものである。テストのみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＯＰ／コマンド／リア・リンク＞：Sherman OP/Command/Rear Link。イギリス陸軍自走砲兵連隊砲兵観測所（OP）の士官や機甲部隊の先任将校が使用する車両で、無線機を増設している。シャーマンOPや、コマンド／リア・リンクの一部は主砲をダミーに換装した。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＳＢＧ橋運搬車＞：イギリス軍の試作架橋戦車。SBG橋を運搬できるようにしたものである。試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・アダー＞：イギリス軍の火炎放射戦車Sherman �X Adder。シャーマン�Xにコブラ火炎放射器材を装着したものである。車体後部に80ガロン（303リットル）燃料タンクと加圧ボンベを収容するスペースを装甲板で作り、副操縦手兼車体銃手用ハッチ上に火炎放射ノズル（最大放射距離90m）を装着した。燃料油が車外に搭載されているので、被弾誘爆しても車内は安全。油送管は車体上面右の装甲カバー内を通してある。車内右の弾薬ラックを30ガロン（114リットル）燃料タンク２個に換装したものや、装甲スカートを追加して砲塔上面右にキューポラを設けたバージョンも製作された。1944年に作られたが、改造数や使用状況は不明（実戦では使われていない説あり）。参考：月刊PANZER10,’12、British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー1,’04、異形戦車ものしり大百科

　＜シャーマン・オクトパス＞：シャーマン・マーキーズを参照。

　＜シャーマン・オクトパス＞：イギリス軍の試作架橋戦車Sherman Octopus。シャーマン・トワビー・アークのランプを長くしたものである。ランプは、ガーダー構造のものと、ラティス構造にして更に長くしたものの２種が製作された。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・カーペット＞：イギリス軍のカーペット機器搭載車両。チャーチル・カーペットと同様のボビンと布を装備したもので、幅の狭いボビン２個を使用したシャーマン・カーペット・タイプＡ、幅広のボビン１個を使用したタイプB.Mk1、ボビン支柱を増加させたタイプC.Mk2の３種がある。イギリス第79機甲師団に装備された。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

　＜シャーマン・カンガルー＞：イギリス軍の装甲兵員輸送車Sherman Kangaroo。1944年秋のヨーロッパ戦線でラム・カンガルーが有効だったため、1944年10月から1945年4月に75両のシャーマン�Vが同様の現地改造を受けた。砲塔を撤去し、歩兵10名を乗せられるようにしている。乗員２名。カナダ軍も使用した。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・クラブ＞：イギリス軍の地雷除去戦車Sherman Crab �T and �U。北アフリカ戦線でカイロのイギリス軍戦車修理廠が開発したスコーピオン地雷処理戦車が大元で、それをベースに製作したシャーマン・ロブスターを更に改良したものである。シャーマン�Xの車体側面に前方に伸びる大きな支柱を取り付け、43本の鎖が付いたローター（フレイル装置）を装着しており、ローター支柱両端には鉄条網啓開用回転式ワイヤーカッターが付いている。戦車のエンジンから動力を抽出してローターを回転させ、鎖を地面に叩き付けて地雷を誘爆させる。ローターの高さを一定にするため、サイドアームに水圧ポンプが搭載されていた。車体前面は操縦手・副操縦手用ペリスコープごとスクリーンでカバーしてあり、鎖が巻き上げる土や埃で前が付着するのを防いでいる。正確な前進距離を計測するヤード・メーター、ジャイロコンパスと磁気コンパスを併用した方向探知装置、後続車両に位置を知らせるための折り畳み式位置確認灯、開設通路マーキング用ホイマン・マーカーなども搭載されている。689両が生産され、ノルマンディー上陸作戦以降活躍した。不整地での地雷除去能力を改善したシャーマン・クラブ�Uも少数生産されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊戦車マガジン8,’78、月刊PANZER7,’04、歴史群像4,’16

　＜シャーマン・クリブ＞：試作渡河作戦支援戦車Sherman Crib。車体前部にプラットフォームを設け、砲塔を後部にずらし、プラットフォームに渡渉用木枠を積めるようにした。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・クロコダイル＞：イギリスが製作した火炎放射戦車Sherman Crocodile。チャーチル・クロコダイル用の装備を取り付けたものである。アメリカ軍向けに４両が製作され、アメリカ第２戦車師団で使用された。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜シャーマン牽引車＞：イギリス軍の牽引車Sherman Gun Tower。イタリア戦線で古くなったM4A2の砲塔を外して17ポンド砲牽引車に改造したもので、砲要員や弾薬を収容できる。少数が現地改造された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・コンガー＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman with Conger。チャーチルAVREコンガーMk1と同様の器材を装着している。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・サラマンダー＞：イギリス軍の試作火炎放射戦車Sherman Salamander。ユニバーサル・キャリアー用ワスプ火炎放射器をベースとした火炎放射器を搭載している。放射筒をダミー砲身内部に収容したもの、主砲と同軸装備したもの、主砲下部に装着したものなど８種類のバリエーションがあり、1943-45年に試作されたが、採用には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜シャーマン・ジェフリーズ＞：イギリス軍の地雷除去戦車Sherman with Jeffries。チャーチル・ジェフリーズと同じ地雷除去器材を装備している。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・スコーピオンＭｋ．�X＞：イギリス軍の地雷除去戦車Sherman Scorpion Mk.�X（�Wかも）。シャーマン�Vにグラント・スコーピオンMk.�Wのスコーピオン装置を装着している。1943年5月に製作され、イタリア戦線（北アフリカ戦線）で使用された。参考：月刊戦車マガジン8,’78、British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・スネーク＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman with Snake。チャーチル・スネークと同様の器材を装着したものである。テストのみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン・センチピード＞：イギリス軍の地雷除去戦車Sherman with Centipede。ドイツ国防軍対人地雷Ｓマイン専用の地雷除去器材センチピードを装着したもので、平行な棒にコンクリート製小ローラー12個を装着している。1943年5月に開発された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン粗朶輸送車＞：イギリス軍の粗朶輸送車Sherman Fascine Carrier。損傷したシャーマン戦車の砲塔を外し、粗朶束2-3個を搭載できるようにしたもので、粗朶束を転げ落とすためのスロープと投下ギアが付いている。第79機甲師団で改造された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・テープワーム＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman with Tapeworm。テープワームは長さ500ヤード（457m）・直径2.75インチ（70mm）の爆破ロープで、トレーラーに収容してシャーマンCIRDにより牽引する。地雷原にテープワームを敷設し、全て敷設し終わったところで爆破、地雷原ごと吹っ飛ばす。テープワームの近位側50フィート（1.5m）には砂が詰まっており、シャーマンCIRDに損害が生じないようにしている。試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン鉄条網処理戦車＞：イギリス軍の試作鉄条網突破戦車。水陸両用作戦時にロケットで鉤爪付きの紐を投射して上陸地点の鉄条網を絡め取る。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・ドーザー＞：イギリス軍のドーザーブレード付シャーマン戦車、Sherman Tankdozers。アメリカ制式のM1/M1A1ドーザーを装着している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン渡河戦車＞：イギリス軍の試作強襲渡河型。砲塔を外して強襲ボートを搭載したもので、砲火が飛び交う中でも渡河作戦用ボートを運べるようにしている。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・トワビー・アーク＞：イギリス軍の戦車橋Sherman Twaby Ark。チャーチル・アークのシャーマン版で、シャーマン�Xの砲塔を撤去し、車体上に３つ折りの橋体を搭載、前後に開いて車体ごと橋になる。接地圧を下げるため、履帯には長いグローサーも装備した。細部の異なるタイプがいくつも製作されたが、訓練にのみ使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER5,’02、ウォーマシン・レポートNo.17

　＜シャーマン・バジャー＞：カナダ軍の火炎放射戦車Sherman Badger。M4A2（HVSS）の砲塔を外し、前方機銃の代わりにワスプ火炎放射器を搭載している。1945年に製作された。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜シャーマン・プラム＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman Pram。ローラーアーム２本を装着し、地雷除去ローラーとフレイル装置を積んだもので、フレイルの回転動力は起動輪から抽出する。テストのみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・プリマス＞：イギリス軍の架橋戦車Sherman Plymouth。砲塔を撤去し、ベイリー橋を載せられるようにしている。主にイタリア戦線で使用された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・ブルズホーン＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman with Bullshorn。チャーチル・ブルズホーンと同じ地雷除去器材を装備している。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマン・ポーキュパイン＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman with Porcupine。車体前方にブームを延ばし、スパイク付ローラーを２つ取り付けて地雷を踏みつけるものである。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン・マーキーズ＞：イギリス軍の試作地雷除去戦車Sherman Marquis。シャーマン�Xに、バレンタイン・スコーピオン�Uをベースとし、バロンの風味を加えたフレイル装置を搭載したもので、当初はシャーマン・オクトパス（Sherman Octopus）と呼ばれた。砲塔を外して装甲ハウジングを装着し、ローター回転用エンジンを搭載、油圧で上下するフレイル装置を装着している。シャーマン・クラブに負けて採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊戦車マガジン8,’78

＜シャーマン・ルル＞：イギリス軍の試作地雷探知戦車Sherman with Lulu。車体に固定したブームを介し、前方に２個、後方に１個の木製ローラーを装着している。ローラーには検知コイルが仕込んであり、地雷を電気的に探知して車内の表示器に示す。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン・ロブスター＞：イギリス軍の地雷除去戦車Sherman Lobster。シャーマン・マーキーズの改良型で、ローターの動力を戦車用エンジンから抽出するようにし、砲塔を残してある。1943年5月に開発され、シャーマン・クラブの先駆けとなった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜スキンク＞：カナダ軍の対空戦車Skink AA。1943年秋にヨーロッパ反攻用としてカナダ軍が要求を出し、ウォータールー製造社が開発した。M4A1のカナダ版であるグリズリーの砲塔を外し、４連装ポールステン20mm機関砲Mk1を装備した密閉砲塔（装甲厚は前面58mm、側面50mm）を搭載している。履帯はカナダ製ドライピン履帯に変更し、起動輪も歯が17個のものに換えた。砲手前面にはアメリカ海軍Mk�\リフレクターサイト用小ハッチを装着する。油圧動力により砲塔は６秒で360度旋回できる。最大仰角80度。１門、２門、全門斉射が可能。全長6.2m、全幅2.67m、全高2.54m、重量28.58トン。エンジンはコンチネンタル製R975-C1ガソリン（400馬力）、最大速度32km、航続距離234km。乗員５名。1944年初めに生産指示が出たが、制空権が確保されており必要無しとされ、同年半ばには生産がキャンセルされた。完成した試作車３両は1945年2-3月に第１カナダ軍に配備されて実戦投入されている。参考：異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４照準具＞：アメリカ軍の迫撃砲用照準器。縦・横水平器、コリメーター（平衡照準具）、高低・横方向ノブなどが付いている。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ−４潜水艦発射弾道ミサイル・シリーズ＞：フランス海軍SLBM。M-20SLBMの後継で、ル・ルドゥタブル級６番艦に新造時から、2-5番艦に後日搭載された。参考：月刊軍事研究12,’16、月刊世界の艦船4,’20

＜Ｍ−４Ａ＞：ミサイル全長を11.05m、直径を1.93mに拡大し、ロケットを３段にして射程を4000km（5000km？3240海里？）に延ばしている。１段目は重量20トンで、推進はアエロスパシアル製G2P401ロケット（推力71トン）。２段目は重量8.015トンで、推進はG2P402ロケット（推力30トン）。３段目は重量1.5トンで、推進はG2P403ロケット（推力７トン）。ロケットは全てスイング式ジンバルの単一ノズルで、電気・油圧アクチュエータにより偏向する。３段目の先端に重量1.7トンのMRV（威力150キロトンのTN-70再突入弾頭６発）を搭載する。CEP500m。1985年に配備された。参考：月刊軍事研究2,’01、ザ・マーチ17号、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05、11,’16

＜Ｍ−４Ｂ＞：M-4Aの固体ロケット改良・弾頭軽量化型。弾頭をTN-71軽量化MRVに変更し、射程が4800kmに延びた。1989年に制式化され、直ちに配備された。参考：月刊軍事研究2,’01

＜Ｍ４スーパー９０＞：アメリカ軍ショットガン。イタリアのベネルリ社が開発した。アメリカ陸軍はウィンチェスター・モデル1100/1200、海軍はモスバーグ・モデル590、空軍はレミントン・モデル870、海兵隊はレミントン・モデル870及びモスバーグ・モデル590の後継として採用している。参考：月刊PANZER10,’99

＜Ｍ−４掃海艇＞：ドイツ海軍M-1級掃海艇。1938年11月竣工。終戦後は戦利艇としてアメリカに引き渡され、1947年にフランスで解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ４中迫撃砲＞：アメリカ軍81mm迫撃砲。M1中迫撃砲の支脚と照準装置を改良したもので、第２次大戦時に使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ４爆撃機シリーズ＞：ソ連空軍ジェット爆撃機、別名モロット、NATOコードはバイソン（Bison）。Tu-95の対抗馬としてミヤシチェフ設計局で開発されたが、航続距離が要求に達せず、1959年までに93機が生産されて攻撃機や教育機として用いられた。1953年1月20日に試作機が初飛行し、1954年5月1日に公表され、1955年2月から就役した。参考：月刊軍事研究10,’02、9,’10、世界の軍用機1982、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings9,’17

　＜Ｍ４＞：NATOコードはバイソンＡ。主翼は後退角35度で、付け根にエンジンを左右２基ずつ埋め込んでいる。全長47.6m、翼スパン50.526m、全高14.1m、最大離陸重量181トン。エンジンはAM-3Aターボジェット（推力8.75トン）４基、最大速度947km、実用上昇限度12500m、航続距離8000km（爆弾５トン搭載時）。自衛武装は23mm連装機関砲１基。最大爆弾搭載量12トン。乗員８名。参考：月刊軍事研究10,’02、9,’10、世界の軍用機1982、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｍ４−３Ｍ＞：エンジンをVD-7に換装し、空中給油を可能として航続距離を延伸したタイプで、NATOコードはバイソンＢ。機首の爆撃手席を廃止してレーダーを積んでおり、全長が少し延びた。全長48.7m、全幅50.5m、全高14.1m、自重80トン、最大離陸重量170トン。エンジンはウラジーミル・ドブルイニンVD-7が４基、巡航速度マッハ0.78、最大速度マッハ0.9、実用上昇限度15000m、航続距離6200海里、戦闘行動半径2160海里（爆弾5.5トン搭載）／3000海里（偵察）。防御武装は23mm機関砲６門。兵装搭載量4.5-10トン。乗員6-8名。参考：月刊軍事研究10,’02、9,’10、世界の軍用機1982

　＜バイソンＣ＞：洋上哨戒機型のNATOコード。1960年代後半に登場し、1967年のモスクワ航空ショーで初公表された。参考：世界の軍用機1982

＜Ｍ４爆撃機ファミリー＞

　＜Ｍ４−３ＭＮ−２＞：空中給油機型。M4バイソンＡベースである。1994年に退役した。参考：月刊JWings9,’17、世界の軍用機1982

＜Ｍ４バヨネット＞：アメリカ陸軍の銃剣。ブレードはM3コンバットナイフと同じである。1944年5月にM1カービン用として標準採用され、同時期にM1カービンにはバヨネットラグが追加された。M2カービンやM3カービンにも装備可能。参考：月刊JWings4,’02、世界の軍用銃

＜Ｍ０４敷設艦＞：スウェーデン海軍カールスクローナ級機雷敷設艦カールスクローナ（Carlskrona）。1980年6月28日進水、1982年1月11日就役。1983年1月30日から2月3日、神戸港に寄港。1986年12月27日、士官候補生訓練航海の途中で東京港に寄港。2005年1月21日、世界一周航海に出港。3月25-31日、士官候補生35名を載せて東京港晴海埠頭を親善訪問した。6月6日、世界一周を終えてカールスクローナに帰港。2010年、哨戒艦P04カールスクローナに改造され、ソマリア沖海賊対処部隊旗艦としてソマリアに派遣された。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。2022年5月16-17日、バルト海で、アメリカ海軍LHD-3キアサージ、LSD-44ガンストン・ホール、DDG-107グレイブリイ、フィンランド海軍ミサイル艇ナーンタリ、R2000ハミナ級ミサイル艇トルニオ、ハメンマー級敷設艦02ハメンマー、カタンパー級機雷掃討艇41プルンパー、ヒリエ級汚染制御艦899ハリ、油防除船999ロウヒとの共同演習に参加。参考：ザ・マーチ39号、月刊世界の艦船6,’05、5,’83、12,’19、8,'22、月刊軍事研究6,’05、JShips Vol.20

＜Ｍ４Ａ１自走迫撃砲＞：M2ハーフトラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ４Ａ２重浮橋＞：アメリカ軍の浮橋。機材は総計70-80トンで、大型トラック40両に分載する。まずダンプから巨大なゴム製浮のうを降ろし、コンプレッサーで膨らませる。１つ膨らませるのに10分以上かかり、50mの橋を造るためには予備も入れて16個膨らませないといけないので、一苦労である。その上に通路となる鉄骨を乗せ、１個ずつ水面に降ろし、三つ一組にしてアルミ製のボーク（接続機材。アルミ製で重さ100kgあり、４名で担いで運ぶ）を22本並べて幅約4mの門橋を作る。これを更に繋いでいき、必要な長さの浮橋を完成させる。浮のうを６つ連結すると、最大65トンの搭載能力を持つ重門橋となる。第２次大戦時から使用された。自衛隊にも供与され、21世紀になっても使用されているが、架橋に施設小隊３個で７時間を要するのが欠点。参考：月刊軍事研究2,’02、月刊JWings9,’02、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ４Ａ５＞：ラム・シリーズ（中戦車）を参照。

＜Ｍ４ＳＡ１対物ライフル＞：ハンガリーのランディメクス社が開発した狙撃銃、別名ジェパード。反動利用式セミオートマチックで、銃口制退器により反動を軽減した。二脚架を標準装備し、肩パッドはゴム製。弾倉は５発入りボックスマガジンまたは10発入りドラムマガジン。弾薬は西側の12.7mm×99弾とロシアの12.7mm×107弾いずれも使用できる。スコープはG12×60昼間用照準器が標準で、夜間照準器などへの交換も可能。全長1.45m、銃身長0.8m、重量17kg（スコープ込み）。初速毎秒850m、交戦距離800m（人間サイズ）、有効射程1500m。参考：月刊軍事研究2,’98

＜Ｍ５＞：M3シリーズ（ハーフトラック）を参照。

＜Ｍ５アーマメント・サブシステム＞：アメリカ軍のヘリコプター用アーマメント・サブシステム。1964年7月に制式採用された。M75グレネードランチャーや照準器などで構成され、UH-1Bガンシップの機首下面に搭載される。操作は副操縦士が担当し、前方を向いている時だけ正操縦士も操作できる。作動範囲は左右各60度、上方15度、下方35度。システム総重量151kg（初期）／219kg（後期）。搭載弾数150発（初期）／302発（後期ロータリー弾倉）。参考：月刊航空ファン7,’00

＜Ｍ５ガスマスク＞：アメリカ軍の直結式ガスマスク。上陸作戦時に使用するためコンパクトになっている。50万個が生産されたが、合成ゴムの質に問題があったらしく、気温が下がるとゴムが硬化するという欠点があり、1945年に使用停止処分を喰らい、急遽M8ガスマスクが開発された。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ５魚雷＞：ユンカース社の試作魚雷。直径750mm。主機はCCDエンジン（出力425馬力）。1937年から開発したが不採用となり、エンジン直径を553mmとして再び開発し、40本が製作されて1943年にテストが行われたが、ヴァルター機関搭載型に破れ、採用されなかった。参考：Ｕボート入門

＜Ｍ５訓練用クラスター爆弾＞：アメリカ軍の訓練用クラスター爆弾。重量100ポンド（45.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ５軽戦車シリーズ＞：アメリカ軍軽戦車。GMC社キャデラック部門がM3軽戦車のエンジンを自動車用Ｖ型８気筒４サイクルガソリンエンジン２基を繋げたツイン・キャデラック・シリーズ42に換え、トランスミッションを民生用オートマチックにすることを提案したのがきっかけで、1941年秋にM3軽戦車を改造した試作車M3E2でテストが行われ、1942年2月に採用された。本来はM3軽戦車の後継なのでM4軽戦車になる予定だったが、M4中戦車と紛らわしいのでM5軽戦車になっている。M24軽戦車の開発に伴い、1944年6月には代用制式へと格下げされた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ５＞：車体はM3A1の前面に避弾経始を取り入れ、両側スポンソンを無くしたもので、エンジン２基を収容するため機関室部分を１段高くした。砲塔はM3A1と同じで、砲塔バスケットとジャイロスタビライザーを追加している。全長14フィート2.75インチ（4.34m）、全幅７フィート4.25インチ（2.24m）、全高７フィート6.5インチ（2.3m）、戦闘重量33000ポンド（15トン）。主砲は37mm戦車砲M6（133発）、副武装は7.62mmブローニング機銃２丁（6250発。大半は対空機銃も追加）。エンジンはキャデラック・ツインV8（220馬力）、トランスミッションはオートマチック、最大速度は路上36マイル（57.9km）／路外24マイル（38.6km）、航続距離100マイル（160.9km）。乗員４名（車長、操縦手、副操縦手、砲手）。1942年4-12月に2074両が生産された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ５Ａ１＞：M5にM3A3と同様の後部に張り出しを設けて無線機を収容した砲塔を搭載したタイプで、砲架も換装した。起動輪の歯が14枚から13枚に減り、接地型誘導輪支持基部の形も変わっている。操縦手・副操縦手用ハッチを大型化し、車体下面に脱出ハッチを追加した。全長4.4m、全幅2.2m、全高2.27m、戦闘重量15.62トン。主砲は51.5口径37mm戦車砲M6（147発）、副武装は7.62mm機銃２丁（6500発。大半は対空機銃＋弾薬250発も追加）。装甲厚は車体前面上部29mm48度、前面中部29mm48度、前面下部39mm0-23度、側面前部29mm０度、側面後部15mm０度、後面25mm49度、上面13mm、底面前部13mm、底面後部10mm、防楯51mm0-14度、砲塔前面44mm10度、側後面32mm０度、上面13mm75-90度。エンジンはキャデラック・シリーズ42星形液冷８気筒ガソリン２基（220馬力）、最大速度は路上36マイル（57.9km）／路外24マイル（38.6km）、燃料搭載量337リットル、航続距離100マイル（160.9km）。1942年9月に制式化され、11月から1944年6月に6810両が生産された。イギリス軍に1131両、北アフリカの自由フランス軍に226両、ソ連軍に５両が供与されている。後期型では砲塔左側面の対空機銃基部をガードする装甲カバーを追加した。太平洋方面での初使用は1944年2月のクェゼリン島攻略フリント・ロック作戦である。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01、日本戦車隊戦史

　＜Ｍ５Ａ１Ｅ１＞：37mm自動砲と幅広履帯を装備したもの。1943年にテストされたが、M24軽戦車の開発に伴いキャンセルされた。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

＜Ｍ５軽戦車ファミリー＞

　＜Ｍ５指揮戦車＞：指揮戦車型、M5 Command Tank。砲塔を外して箱形上部構造物を設け、地図台や通信機器を搭載し、上構に12.7mm重機関銃M2を装備する。現地改造が多い。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ５ドーザー＞：工兵車両型、M5 Dozer。砲塔を外して車体にドーザー・ブレードを搭載したもので、1944年に製作された。後で砲塔を装着し直した車両もある。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ５Ａ１火炎放射戦車（Ｅ７−７火炎放射器搭載）＞：試作火炎放射戦車型、M5A1 with E7-7 Flame-gun。M5A1軽戦車の主砲を外し、E7-7車載火炎放射器を搭載、防楯を変更し、砲塔バスケットを大型化して燃料タンク５個（計405リットル）と加圧ボンベ２基を収容した。ペリスコープは砲塔上面中央に移設し、その後方に車長兼砲手が座る。車体前部左には操縦手、右に副操縦手が位置し、砲塔旋回機構は砲塔後部のバスルに、無線機は車体前部右に移した。俯仰角マイナス10度からプラス30度、全周旋回可能。最大噴射時間45秒、有効射程90m以上。試作車４両が製作され、実戦テストも行われたが、採用はされなかった。試作車はその後ルソン島で戦闘に参加している。参考：月刊グランドパワー1,’04、British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜Ｍ５Ａ１火炎放射戦車（Ｅ８火炎放射器搭載）＞：試作火炎放射戦車型、M5A1 with E8 Flame-gun。M5A1軽戦車の砲塔を外し、箱形上部構造物を装着、上面にE8火炎放射器を内蔵する小型ターレットを搭載した。1943年1月から開発されたが、試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５Ａ１火炎放射戦車（Ｅ９−９火炎放射装置搭載）＞：試作火炎放射戦車型、M5A1 with E9-9 Flame-throwing equipment。イギリスのクロコダイル火炎放射戦車をベースにしたもので、車体前面機銃を火炎放射器に変更し、燃料タンクを牽引、装甲パイプにより燃料を供給する。1943年4月から試作車が製作されたが、実用化には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５Ａ１宣撫工作車＞：心理戦型、M5A1 with Psy-war equipment。拡声器（砲塔上面前部）、蓄音機、録音機などを搭載している。1944-45年にOSS、民政部隊、憲兵隊などが使用した。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ５Ａ１対空戦車＞：自走対空機銃型。砲塔を外し、7.62mmブローニング機銃連装銃架を装着している。試作のみ。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ５Ａ１（Ｔ３９ロケット弾発射機搭載）＞：M5 with T39 Rocket Launcher。7.2インチ（182.9mm）ロケット弾20連装発射機を砲塔上方に搭載し、主砲砲身と支柱で結んで一緒に俯仰するようにしたタイプ。1944年に試作されたが、実用化はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｍ５／Ｍ５Ａ１キュリン・ヘッジロウ装置＞：M5 or M5A1 with Cullin Hedgerow Device。車体前面下部にヘッジロウ・カッターを装着したタイプで、ノルマンディー上陸後に使用された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５／Ｍ５Ａ１水陸両用戦車＞：試作水陸両用戦車型。浮航装置を付けたもので、様々なタイプが試作されたが、実用化には至らなかった。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｍ８＞：自走榴弾砲型、Howitzer motor carriage（HMC）, M8。M5軽戦車の車体にオープントップ砲塔を載せ、M7砲架を装着、牽引式75mm榴弾砲M1A1パックハウザーを車載型に改良したM2またはその部分改良型M3を架装したものである。1942年初めに陸軍が近接支援用自走砲の要求を出し、取り敢えずM3ハーフトラックに75mm榴弾砲を載せてT30HMCにしたが、全装軌車両を使った方が良いということでM5の砲塔を外して75mm榴弾砲を載せたT41を計画した。ただこれはモックアップしか作られず、乗員の防護が不完全という問題点も指摘されたため、本来の砲塔を外し、オープントップの新型砲塔に75mm榴弾砲を搭載したT47の開発が始まり、1942年5月に制式化された。砲架には駐退機が組み込まれており、後座長が165mmしかない。俯仰角マイナス20度からプラス40度、搭載弾数46発。使用弾はM41A1榴弾、M48榴弾、M64黄燐発煙弾、M66成形炸薬弾（装甲貫徹力91mm）など。照準器は砲右のM56/M70/M70D直接照準器、M12A5間接照準器、M1象限儀。砲塔後部に12.7mm機銃M2（400発）を搭載しており、砲手・装填手どちらも操作可能である。砲塔リングが大きくなった関係で車体に操縦手・副操縦手用ハッチが装着できなくなったが、オープントップなので良しとされた。その代わりに車体前面には大型の視察ドアが１枚ずつ用意されている。全長4.98m、全幅2.32m、全高1.87m、戦闘重量15.7トン。装甲厚は車体前面上部29mm45度、下部44mm18度、側面29mm０度、後面25mm０度、上面13mm、防楯38mm0-60度、砲塔前面38mm0-63度、側後面25mm20度。エンジンはキャデラック社製シリーズ42水冷ディーゼル（110馬力）２基、最大速度58km、燃料搭載量337リットル、航続距離160km。乗員４名。1942年9月から1944年1月にGM社キャデラック部門で1778両が生産された。当初は中戦車大隊の中隊本部に装備される予定だったが、105mm砲搭載M4が登場したので、歩兵の近接支援や市街戦に使用された。生産途中で大型のサイドスカートを標準装備し、砲塔側面にグローサー取り付け用ラックを装着している。自由フランス軍にも供与されており、これはインドシナ紛争に投入され、南ベトナム軍にも引き継がれて1960年代前半まで使用された。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER8,’01、11,’03、世界の軍用車両(1)

　＜Ｍ８Ａ１＞：試作軽対戦車自走砲型。M8の砲をM4中戦車と同型の75mm戦車砲に交換したもので、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER11,’03

　＜Ｔ８＞：T8試作指揮偵察車を参照。

　＜Ｔ８Ｅ１＞：T8E1試作指揮偵察車を参照。

　＜Ｔ１６＞：試作自走砲型、4.5in Gun Motor Carriage, T16。1941年5月、M3またはT7軽戦車の車体を使用した自走砲として提案され、1942年末にキャデラック社がM5A1軽戦車の車体を延長して下部転輪ボギーを１組追加、エンジンを中央に移し、剥き出しで4.5インチ（114.3mm）砲を載せた試作車を完成させた。テストの結果、M24軽戦車の車体を使うことになり、T16E1として開発が進められたが、4.5インチ（114.3mm）砲が採用されず、試作車完成前の1944年1月に計画中止となった。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜Ｔ２７＞：81mm自走迫撃砲、81mm Mortar Motor Carriage, T27。M5A1の砲塔を撤去し、戦闘室に厚さ25mmの装甲板で囲った高さ18インチ（457mm）の上部構造物を追加、81mm迫撃砲を仰角35度で搭載した。上構前面右寄りに自衛用12.7mm機銃M2を装備する。操砲スペースが確保できず、1944年4月にキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｔ２７Ｅ１＞：81mm自走迫撃砲。T27の改良型で、迫撃砲の装備位置を低くし、砲口が上構上縁からはみ出さないようにしている。やはり狭く、1944年4月にキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｔ２９＞：4.2インチ（106.7mm）自走迫撃砲、4.2in Mortar Motor Carriage, T29。T27/T27E1がキャンセルされた後に開発されたもので、M5A1の砲塔を撤去し、コンパクトな4.2インチ（106.7mm）迫撃砲を搭載、内部容積拡大を図っている。それでも狭くて採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

　＜Ｔ６４＞：155mm自走砲、155mm Howitzer Motor Carriage, T64。T16の主砲を155mm榴弾砲に換装したタイプで、1943年にテストされて良好な成績を収めたが、M24軽戦車の車体を使用して軽量戦闘チームの一員を務めることになり、T64E1を経てM41となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ６５＞：試作40mm自走高射機関砲、40mm Gun Motor Carriage, T65。T16と同様の延長車体後部に40mm高射機関砲塔を搭載したもの。砲塔はオープントップで、全周に薄い装甲板が張られている。1943年2月に1000両が発注されたが、車体をM24軽戦車に変更して軽量戦闘チームを構成させることになり、T65E1に名称変更されて最終的にM19になった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８２＞：試作75mm自走砲、Howitzer Motor Carriage, T82。M5A1の砲塔を外し、上構をかさ上げして戦闘室を設け、75mm榴弾砲を限定旋回式に搭載している。砲俯仰角はマイナス５度からプラス30度、旋回角は左右数度ずつ。軽量化のため装甲は削った。1943年12月から開発され、試作車２両がテストに使用されたが、1945年5月に計画中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８５＞：試作20mm自走高射機関砲、20mm Multiple Gun Motor Carraige, T85。T65の武装を４連装20mm機関砲に換装したものである。後にM24軽戦車の車体を流用することになり、T85E1が作られたが、試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ５軽戦車・海外シリーズ＞

　＜スチュアート�Y＞：イギリス陸軍軽戦車。M5/M5A1が1943-44年にイギリスに供与され、大陸反攻に投入された。参考：British and Amerikan tanks of World War Two、月刊PANZER6,’01

＜Ｍ５軽戦車・海外ファミリー＞

　＜スチュアート・カンガルー＞：イギリス陸軍装甲兵員輸送車。スチュアート�YにM3スチュアート・カンガルーと同じ改造を施している。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜スチュアート・コマンド＞：イギリス陸軍指揮車。スチュアート�YにM3スチュアート・コマンドと同じ改造を施している。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

　＜スチュアート・レキ＞：イギリス陸軍偵察車。スチュアート�YにM3スチュアート・レキと同じ改造を施している。参考：British and Amerikan tanks of World War Two

＜Ｍ５牽引車シリーズ＞：アメリカ軍中型牽引車Medium Tractor M5（1943年8月に13 ton High Speed Tractor M5に改称）。1941年末から野戦砲兵部隊用105mm/155m榴弾砲牽引車としてインターナショナル・ハーヴェスターが開発し、1943-45年に5290両が生産され、155mm榴弾砲M1などの牽引に使用された。陸上自衛隊にも供与されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER3,’04、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｔ２０＞：試作型で、ゴム履帯を使用している。採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２１＞：試作型その２で、T20の足回りをM3軽戦車のものに換装している。1942年10月にM5として制式化された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５＞：M3軽戦車の足周りを流用し、前部中央に操縦席を設置、前面両側に乗降用ドアを設けている。車体はオープントップで、中央に兵員９名が乗り、操縦席と兵員室にはキャンバスがかけられる。後期型には兵員室天井に12.7mm機銃M2（400発）用リングマウントを搭載した。車体後部は装薬込みの砲弾24発を搭載する弾薬庫になっており、フロントバンパー奥には牽引力6.8トンのウインチがある。走行装置はM3と同じで、ガーダーを装着した。誘導輪は前方にある。全長4.68m、全幅2.54m、全高2.65m、全備重量13トン。エンジンはコンチネンタル製R6572水冷６気筒ガソリン（235馬力）、最大速度56km、燃料搭載量378.5リットル、航続距離210km。牽引能力9.3トン。乗員11名。参考：月刊PANZER6,’00、3,’04、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ５Ａ１＞：車体前面にウインドー・グラスを設け、乗降ドアを側面に移動、キャビン容積を増やした。参考：月刊PANZER3,’04

　＜Ｍ５Ａ４＞：履帯・車体幅を広げ、サスペンションをHVSSに変更したもの。乗車定員が12名に増えた。参考：月刊PANZER6,’00、3,’04

　＜Ｍ５Ａ５＞：M5A4の履帯幅を更に広げたもの。参考：月刊PANZER3,’04

＜Ｍ５牽引車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ５牽引車（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊牽引車。供与されたもので、特科部隊が155mm榴弾砲M1の牽引や弾薬・隊員輸送に使用した。全長4.85m、全幅2.54m、全高2.64m、全備重量12.95トン。エンジンはコンチネンタル製水冷４サイクル６気筒ガソリン（207馬力）、最大速度48.5km、航続距離242km。牽引重量９トン、ウインチ能力6.8トン。必要時に12.7mm機銃M2の装備が可能。乗員11名。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ５戦車砲＞：アメリカ陸軍50口径37mm戦車砲。1938年にM2中戦車用として開発された。37mm対戦車砲M3の砲身長を152.4mm短縮するなどしており、軽戦車にも搭載できる。全長1.965m、砲身長1.85m、重量83.9kg。使用弾はM64榴弾（重量0.87kg）などで、初速毎秒777m、最大射程8687m、発射速度毎分15-20発。徹甲弾の装甲貫徹力は射距離500ヤード（457m）で48mm（撃角30度）。参考：月刊PANZER3,’12、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ５戦車砲＞：アメリカ陸軍37.5口径75mm戦車砲。M24軽戦車初期型に搭載された。元はB-25H爆撃機搭載用T13E1（大元は30口径75mm高射砲M4）で、砲身中央部に固定用リング溝が残されている。参考：月刊PANZER11,’86

＜Ｍ５潜水艦発射弾道ミサイル＞：フランス海軍SLBM。M-4ミサイルの長射程型で、最大射程11000kmを目指して1992年から開発されたが、冷戦終結と予算削減で射程が短めのM-51に計画変更された。参考：月刊軍事研究2,’01、月刊世界の艦船11,’17

＜Ｍ５対戦車自走砲＞：アメリカ軍の対戦車自走砲、3in Gun Motor Carriage M5。1940年のドイツ・フランス戦で37mm砲が非力であることが判明したため、３インチ（76.2mm）クラスの砲を搭載する自走砲として1940年12月からT1試作自走砲の名称で開発された。車体はクリーブランド・トラクター（クレトラック）社製民間用７トン高速トラクターM2で、後部に３インチ高射砲T9の車載型を搭載、前部にガンロッキングアームが付く。装甲は主砲防楯と操縦手・副操縦手前面の防弾板しかない。主砲操作は乗員が地上に降りて行う。エンジンはハーキュリーズ・ディーゼル（160馬力）。1941年3月に防楯を大型化するといった修正が加えられ、11月に試作車が完成した。1942年1月にM5として制式化され、1580両を生産予定だったが、量産車の開発に手間取り、1942年9月（8月？）にキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー7,’98

＜Ｍ５対戦車砲＞：アメリカ軍76mm対戦車砲。57mm対戦車砲M1の後継で、1941年12月に制式化された。開発期間を短縮するため、３インチ（76.2mm）高射砲の砲身と105mm榴弾砲の砲架・閉鎖機・駐退機を組み合わせて完成させている。砲身長4.023m、口径長50、運航重量2.632トン。最大仰角30度。徹甲弾（重量6.94kg）だと、初速毎秒700m、装甲貫徹力96mm（撃角20度、射距離900m）。榴弾だと最大射程14.7kmあり、地上砲撃にも使用された。2500門が生産されたが、砲身がM10駆逐戦車と共通だったためそちらに回されたのと、徹甲弾の生産に時間を食い、1944年に漸く前線に登場している。後に防楯を傾斜付きに変更した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ５バヨネット＞：アメリカ陸軍のM1ガーランド用銃剣。1955年に採用された。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ５飛行艇＞：イタリア海軍複葉飛行艇。1917年にマッキ社が設計し、偵察機や戦闘機として使用された。エンジンはイソッタ・フラスキニV6B（250馬力）、プロペラはプッシャー式、最大速度209km。機銃２丁を装備する。240機が生産され、第１次大戦では16機を撃墜した。参考：月刊丸7,’14

＜Ｍ．５飛行艇＞：ロシア海軍複葉飛行艇。グリゴロヴィッチが設計し、1915年5月に初飛行した。艇体は合板製、主翼は羽布張り。コクピットはサイドバイサイドで、操縦士は左に位置する。エンジンは上下主翼間にある。全長8.6m、全幅13.62m、全高3.4m、重量960kg。エンジンはノーム・モノスーパープ（100馬力）単発、プロペラはプッシャー式、最大速度105km。武装は7.62mm旋回機銃で、爆弾を持ち込むこともできる。乗員２名。183機が生産され、主に黒海艦隊に配備されて偵察、爆撃、訓練に使用された。ロシア革命後の内戦でも少数が使用されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ５−４＞：M4中戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ５−１１−７＞：アサルト・ガスマスクを参照。

＜Ｍ５Ａ１ハーフトラック＞：M3シリーズ（ハーフトラック）を参照。

＜Ｍ５Ａ１爆薬＞：アメリカ軍のプラスチック爆弾、通称エコー・アルファ。コンポジットC4製。重量2.5ポンド（1.1kg）。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ５Ａ１バヨネット＞：アメリカ陸軍の銃剣。

＜Ｍ５Ｈ６＞：アメリカ海兵隊６×６輪２トン半トラック。CCKW352がベースで、CCKW352よりフェンダーの丸みが大きく、ヘッドライト・ガードが角張っている。密閉キャブ、オープン・キャブ、ウインチ付きといったバリエーションがあり、一部にフロント・アクスルから駆動装置を外した６×４輪型もある。全長6.898m、ホイールベース4.293m、全幅2.235m、全高2.337m。エンジンは６気筒ガソリン（110馬力）。太平洋戦争時にインターナショナル社が生産し、太平洋戦域のアメリカ海兵隊（一部アメリカ海軍）に配備された。参考：THE JEEP

＜Ｍ６＞：M-2歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜Ｍ６軽対戦車自走砲＞：アメリカ軍37mm軽対戦車自走砲、別名スワンプ・バギー。ダッジ3/4トンウェポンキャリアがベースで、1942年2月に制式化された。後部荷台に6mm防楯付き37mm対戦車砲M3と弾薬80発を搭載しており、全周旋回が可能。最大速度88km。乗員４名。1942年4月までに5380両が生産されたが、砲の威力不足などからあまり使えず、砲を外して元のウェポンキャリアとして使用されることが多かった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊PANZER6,’03、月刊グランドパワー7,’98

＜Ｍ６ジャケット＞：アメリカ軍爆撃手用破片防護衣。フラック・ジャケットを参考に開発し、第２次大戦で使用した。ナイロン製ベストにマンガン鋼または超超ジュラルミン製のプレートを挟み込んである。重いため、対空砲火が激しさを増す爆撃コースに入ってから着用する。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ６重戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍重戦車Heavy tank. M6 series。1940年5月末、当時アメリカ陸軍の戦車開発に権限を持っていた歩兵部長が、第２次大戦のドイツ電撃戦に触発され、�W号戦車と同じ75mmクラスの主砲を積んだ戦車の開発を要求した（当時のアメリカ戦車の主砲は37mm戦車砲ばかりだった）。6月に兵器局が認可し、M2A1中戦車に75mm砲を積むタイプと、80トン級の多砲塔戦車（75mm砲搭載限定旋回砲塔２基と37mm砲搭載全周旋回砲塔２基。副武装は20mm機関砲と7.62mm機銃。最大装甲厚75mm）を試作することになった。前者はM3中戦車に発展し、後者は口径75mm以上の砲を車体に装備、口径37-50mmの砲を搭載する砲塔を積み、7.62mm機銃８丁を装備するタイプに変更され、その後更に改設計が加えられて1940年10月にT1重戦車として試作が決定した。1941年2月に試作車４両（車体形状とトランスミッションの違いでT1E1/E2/E3/E4の４種類を１両ずつ）が発注され、月産100両の量産計画も立てられている。1942年5月にM6/M6A1として制式化され、アメリカが第２次大戦に参戦したこともあって量産計画は月産250両に増やされ、ボールドウィンに加えグランド・ブランク工廠でも作ることになり、5000両を生産する予定だった。しかし9月にアメリカ軍が方針を転換して戦車よりも航空機の生産を最優先することになり、また12月7日の機甲軍による試作車のテスト報告ではM4中戦車に毛が生えた程度の攻撃・防御力と遙かに劣る走行性能を指摘され、量産数が115両に減らされてしまった。結局1943年3月にM6重戦車８両、M6A1重戦車12両、M6A2重戦車20両の計40両で生産を打ち切る（全てボールドウィン製）ことが決まり、1944年2月までに生産を終了、実戦使用はされず、1944年12月には旧式兵器に等級が移ってお蔵入りになった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’04、6,’98

　＜Ｔ１＞：試作車。最初は75mm砲T6を装備する限定旋回式主砲塔２基と、37mm戦車砲または20mm機関砲１門及び7.62mm機銃１丁を装備する全周旋回式副砲塔２基を搭載する予定だったが、非実用的なため単一全周旋回砲塔に改められた。主砲は３インチ砲M7（75発）で、同軸に37mm砲M6（202発）を搭載する。M3中戦車と同じ車長用キューポラに7.62mm機銃１丁、砲塔右後部に12.7mm対空機銃（仰角80度）を装備した。車体は鋳造製で、鉄道輸送時の車幅制限で細長い形状となった。車体には12.7mm連装機銃１基と、操縦手用7.62mm機銃１丁を装備する。機銃搭載弾数は12.7mm機銃弾5200発、7.62mm機銃弾7500発。起動輪は車体後部、誘導輪が前部にあり、HVSSサスペンションで支持された２個１組の小型下部転輪片側８個、誘導輪と第１転輪の間に補助転輪（jockey wheel）１個を持つ。トランスミッションが貧弱なため、不整地走破が困難だった。車体長8.81m、全幅3.95m、全高3.19m。装甲厚は車体前面上部81mm、前面下部57-101mm、側面上部51-52.3mm、側面下部51mm、サイドスカート25mm、車体後面51mm、上・下面25mm、砲塔全周81mm、上面25.4mm。エンジンは航空機用サイクロンＧシリーズのG-200星形９気筒ガソリン（900馬力）、トランスミッションはハイドラマチック油圧作動式、巡航速度20km、最大速度35km、燃料搭載量1264リットル、航続距離160km。乗員６名。最適な車体とトランスミッションを選ぶため、T1E1/E2/E3/E4のバリエーションを１両ずつ製作してテストすることになった。参考：月刊PANZER1,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ１Ｅ１＞：鋳造車体とトランスミッションが不要な電気駆動（ガソリン・エレクトリック）を持つタイプ。1943年6月に入って漸くテスト可能な状態となったが、M6A2として限定制式化されるに止まった。駆動系はT23中戦車シリーズに流用されている。参考：月刊PANZER1,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ１Ｅ２＞：鋳造車体とツイン・ディスクのトルクコンバータを持つタイプ。1941年12月（真珠湾攻撃後）、T1試作重戦車シリーズの中で最初に完成した。テストの結果、ブレーキと冷却系に改修を加えて1942年5月にM6重戦車として制式化された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’98、1,’04

＜Ｔ１Ｅ３＞：T1E2の車体上部を溶接式にしたもの。M6A1重戦車として1942年5月に制式化された。参考：月刊PANZER1,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ１Ｅ４＞：T1E3のエンジンをGE製6-71ツインディーゼルに換え、油圧作動式トランスミッション２基を装備したもの。機関系の開発に時間を要するとみられ、実際には製作されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’04

＜Ｍ６＞：T1E2を1942年5月に制式化したもの。制式化にあたり、車長用キューポラを機銃ごと外し、砲塔後部の12.7mm機銃と操縦手用7.62mm機銃も撤去した。代わりにM4中戦車（初期型）と同じ車長用ハッチを装備し、その外縁のピントル・マウントに対空・対地兼用12.7mm機銃１丁を搭載している。全長27フィート８インチ（8.43m）、車体長24フィート９インチ（7.54m）、全幅10フィート2.5インチ（3.11m）、全高10フィート７インチ（3.22m）、戦闘重量126500ポンド（57.4トン）。主砲は３インチ戦車砲M7（75発。俯仰角マイナス10度からプラス30度）、副砲は37mm戦車砲M6（2020発。主砲左に同軸装備）、副武装は12.7mm機銃３丁（5700発。車体２丁、車長用ハッチ１丁）、7.62mm機銃１丁（7500発）。装甲厚25-100mm。エンジンはライトG-200空冷９気筒ガソリン（800馬力）、最大速度22マイル、航続距離100マイル。乗員６名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手２名）。生産数８両。1944年初めに１両がT26E1中戦車用90mm戦車砲のテストに使用されることになったが、3月にキャンセルされている。参考：月刊PANZER1,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ６Ａ１＞：T1E3を1942年5月に制式化したもの。制式化に際してM6と同様の改修を受けている。生産数12両。参考：月刊PANZER1,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ６Ａ２＞：T1E1が限定制式化されたもので、M6と同様の改修を受けている。生産数20両。参考：月刊PANZER1,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ６Ａ２Ｅ１＞：ドイツ国防軍�X号戦車パンターや�Y号戦車ティーガーに対抗できる重戦車が必要となったため、高初速105mm戦車砲を搭載する新型鋳造砲塔を載せたもの。1944年7月に要求が出され、M6A2のうち15両を改造する予定だったが、1945年半ばに２両が完成してT29重戦車の105mm戦車砲・砲架などのテストに使用されただけに終わった。参考：月刊PANZER1,’04、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ６戦車砲＞：アメリカ軍53.5口径37mm戦車砲。37mm戦車砲M5の改良型で、1941年に開発された。口径1.457インチ（37mm）、砲身長72.85インチ（1.85m）、砲全長77.35インチ（1.96m）、重量185ポンド（83.9kg）。M51APC弾だと、初速毎秒884m、装甲貫徹力は30度傾斜均質圧延鋼板に対して48mm（射距離500ヤード・457m）、40mm（1000ヤード・914m）。M2A4軽戦車、M3軽戦車、M5軽戦車、M22空挺戦車、M2中戦車、M2A1中戦車、M3中戦車に搭載された。ジャイロスタビライザーも1941年に開発されている。イギリス軍にも供与され、リトル・ジョン装置を取り付けて使用された。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’10

＜Ｍ６戦車砲＞：アメリカ陸軍37.5口径75mm戦車砲。75mm戦車砲M5の砲身に残っていた航空機固定用リング溝を廃止したものである。砲身は単肉鋼製で、砲口部には外径102mmのカラーが巻いてある。駐退復座機はM22同心油圧スプリング式。M64砲架の右側に撃発装置があり、手動撃発ボタンまたは俯仰ハンドルにある電気式ボタンによりM15撃発体が作動、砲弾を発射する。砲身長2921mm、口径長37.5（39.4？）、砲身重量185.9kg。ライフリングは24条右回り、閉鎖機は半自動式水平鎖栓式（左スライド）、最大発射速度毎分20発。使用弾はM61APC-T（9.05kg）、M72AP、M48HE、M64WP、M89HC。初速毎秒618m（M61/M72）。装甲貫徹力は30度傾斜均質圧延鋼板に対してM61なら66mm（射距離500ヤード・457m）／60mm（1000ヤード・914m）／50mm（2000ヤード・1829m）、M72なら同条件で76mm/63mm/43mm。最大射程12480m（M61）／12600m（M48/M64）。M24軽戦車に搭載された。参考：月刊PANZER5,’02、11,’86

＜Ｍ６掃海艇＞：ドイツ海軍M1級掃海艇。1939年6月就役。1941年11月、ロリアンで触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ−０６掃海艇＞：ラトビア海軍掃海艇タリヴァルディス（Talivaldis）。2016年6月3-20日、バルトップス2016に参加。6月18-26日、キール・ウィーク2016に参加。参考：月刊世界の艦船9,’16

＜Ｍ６装甲車シリーズ＞：アメリカ陸軍装輪装甲車。軽戦車並みの打撃力を持つ装輪装甲車として1941年7月にフォードとシボレーに開発要求が出され、9月に試作車が完成した。両方ともM6として制式化されたが、重量過大ということで実戦には投入されず、武装を外してアメリカ本土警戒任務に回されてしまった。参考：月刊PANZER1,’13

　＜Ｔ１７＞：フォード社試作の６輪型。250両が生産された。参考：月刊PANZER1,’13

　＜Ｔ１７Ｅ１＞：シボレー社試作の４輪型。1942年10月から1943年12月に2844両が生産され、殆どがレンドリースでイギリスに送られてスタッグハウンドになった。参考：月刊PANZER1,’13

＜Ｍ６装甲車ファミリー＞

　＜Ｔ１７Ｅ２＞：自走対空機銃型。砲塔をオープントップ式のフレイザー・ナッシュD8394銃塔に換装したもので、12.7mm機関銃２丁（2610発）を搭載しており、油圧駆動で俯仰角マイナス10度からプラス75度、全周旋回にかかる時間は８秒。車体銃は撤去し、代わりに無線機を追加した。乗員３名（操縦手、車長兼銃手、装填手）。789両が生産された。参考：月刊PANZER11,’02

　＜Ｔ１７Ｅ３＞：試作自走榴弾砲。M8自走榴弾砲の砲塔をそのまま搭載している。１両が試作されたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｍ６装甲車・海外シリーズ＞

　＜スタッグハウンド＞：スタッグハウンド・シリーズを参照。

＜Ｍ６対戦車地雷シリーズ＞：アメリカ軍の対戦車地雷。参考：スピアヘッドNo.6

　＜Ｍ６Ａ２＞：形状は円盤形で、容器は鉄製。上部が圧力板で、下部に炸薬が詰まっており、圧力板に135-180kgの重量が加わると作動する。総重量9kg、炸薬重量5kg。陸上自衛隊も使用した。参考：スピアヘッドNo.6

＜Ｍ６迫撃砲＞：南アフリカ陸軍長射程60mm迫撃砲。デネル社が開発し、2005年から配備した。射程100-6180mで、従来型81mm迫撃砲に匹敵する。砲弾は特殊形状で殺傷半径が14mあり、従来型81mm迫撃砲の10mよりも威力が大きい。本体重量30.4kg、砲弾重量2.33kg。自動車化大隊・空挺歩兵大隊の迫撃砲小隊に１個あたり２門が配備され、FDSと組み合わせて使用される。参考：月刊軍事研究1,’07、1,’05

＜Ｍ６バヨネット＞：アメリカ陸軍のM14小銃用銃剣。1957年に採用された。参考：世界の軍用銃、コンバット・バイブル

＜Ｍ６ロケット弾シリーズ＞：アメリカ陸軍のM1バズーカ用ロケット弾。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｍ６Ａ１＞：弾頭先端が尖っているタイプ。弾体後部にフィン６枚が付いている。全長549mm。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｍ６Ａ３＞弾頭先端が丸いタイプ。弾体後部のフィンに円筒形のカバーが付いている。全長493mm。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ−�Y級＞：ソ連海軍潜水艦。全長36.9m、幅3.1m、吃水2.6m、水上排水量157トン、水中排水量197トン。主機はディーゼル１基685馬力・電動モーター１基240馬力、水上巡航速力6.4ノット、水上最大速力11.1ノット、水中巡航速力２ノット、水中最大速力8.6ノット、最大燃料搭載量12.5トン、水上航続距離690海里（6.4ノット）／400海里（11.1ノット）、水中航続距離48海里（２ノット）／5.2海里（8.6ノット）。戦闘潜航深度50m、最大潜航深度60m。連続潜航時間48時間、電池充電時間12-14時間、連続航海日数10日。兵装は533mm魚雷発射管２門（魚雷２本）、45mm砲１門（195発）。乗員19名。30隻が起工され、30隻が建造された。バルバロッサ作戦開始時には30隻が現役にあり、大戦中の喪失は無かった。参考：月刊世界の艦船6,’09

＜Ｍ６Ａ＞：晴嵐（特殊攻撃機）を参照。

＜Ｍ６Ａ１＞：アメリカ軍の地雷用複合信管。圧力またはトリップ・ワイヤーにより作動する。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ−�Yｂｉｓ級＞：ソ連海軍潜水艦。全長37.8m、幅3.1m、吃水2.6m、水上排水量159.9トン、水中排水量200.4トン。主機はディーゼル１基685馬力・電動モーター１基240馬力、水上巡航速力６ノット、水上最大速力10.7ノット、水中巡航速力2.5ノット、水中最大速力8.2ノット、最大燃料搭載量5.7トン、水上航続距離1540海里（６ノット）／578海里（10.7ノット）、水中航続距離55海里（2.5ノット）／12海里（8.2ノット）。戦闘潜航深度50m、最大潜航深度60m。連続潜航時間48日、電池充電時間12-14時間、連続航海日数10日。兵装は533mm魚雷発射管２門（魚雷２本）、45mm砲１門（195発）。乗員17名。20隻が起工され、20隻が就役した。バルバロッサ作戦開始時には20隻が現役にあり、大戦中に２隻を喪失した。参考：月刊世界の艦船6,’09

＜Ｍ６Ｃ−６４０Ｔ＞：オーストリアのヒューテンバーガー社が開発した60mmコマンドー・モーター。携行に支障を来さないよう、小型の底板を備える。口径60mm。全長825mm、重量6.2kg。最大射程1921m、最大発射速度毎分30発。陸上自衛隊も西部方面普通科連隊用に照準具と底板を改良したタイプを60mm迫撃砲(B)として採用した。参考：月刊軍事研究12,’13

＜Ｍ６Ｅ３＞：アメリカ軍のヘリコプター用アーマメント・サブシステム。XM6A3として開発され、1963年5月に制式化された。油圧駆動式ターレットと、M60C機銃２丁からなる。UH-1Bガンシップに搭載され、照準はコパイロット／ガナーがパンタグラフ式光学照準器で行った。参考：月刊航空ファン7,’00

＜Ｍ６Ｖ４０／４６＞：ドイツ海軍Ｕボート�ZＡ型用４サイクル６気筒単動ディーゼルエンジン。MAN社が開発した。ボア400mm、ストローク460mm。出力1050馬力（回転数460rpm）。後にターボチャージャーを搭載して出力を1400馬力に向上させたタイプが開発され、Ｕボート�ZＢ型に搭載された。参考：月刊軍事研究9,’16、Ｕボート入門

＜Ｍ６Ｖ４０／４６ＫＢＢ＞：ドイツ海軍Ｕボート�]�]�T型用ディーゼルエンジン。MAN社が開発した。ターボチャージャー付きM6V40/46ディーゼルにインタークーラーを追加し、出力を2000馬力（回転数520rpm）に向上させている。参考：月刊軍事研究9,’16

＜Ｍ７＞：T7シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｍ７ＢＣＯＴＭ＞：M-2歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜Ｍ７ＢＦＩＳＶ＞：M-2歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜Ｍ７キャンバス・キャリング・ケース＞：アメリカ軍のM1917水冷機銃運搬用キャンバスケース。機関銃本体と三脚を収容できる。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ７剣鞘＞：アメリカ軍のM1銃剣用の鞘。刃を切り詰めたM42銃剣用としても使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ７自走砲シリーズ＞：アメリカ陸軍自走砲105mm Howitzer Motor Carriage M7/M7B1、別名プリースト（Priest）。当初の陸軍長官による開発命令では75mm級カノン砲を軽戦車車台に搭載し、対戦車任務に投入することとなっていたが、機甲軍司令部は105mm級榴弾砲を中戦車車台に搭載することを要求した。M3ハーフトラック改造105mm自走榴弾砲T19の部隊実験から、半装軌車体を使用した自走榴弾砲では運用に限界があることも判明したため、当時製造に入ったばかりのM3中戦車の車体を小改造して22.5口径105mm榴弾砲M2A1を搭載することにし、T32の名称で1941年6月から開発され、10月に試作車が完成、1942年2月（4月？）に制式化された。同年4月から量産され、終戦までに3314両が生産されており、アメリカが終戦までに装備したのは3309両で、機甲野戦軽砲兵大隊に１個あたり18両を配備した。また、レンドリース法によりイギリス軍などに1007両を供与した。車体の割に軽い砲を積んでおり、オープントップで乗員防護も限定的だったが、速やかな量産化を達成でき、足回りの信頼性も高く自走榴弾砲の有効性を証明した。アメリカでは1945年1月にM37自走榴弾砲に後を譲って代用制式となり、順次M37と交代している。参考：British and American tanks of World War Two、月刊戦車マガジン11,’92、月刊PANZER4,’02、異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ７＞：車体は砲塔を撤去してオープントップにしたM3中戦車で、圧延及び鋳造の装甲鋼板を溶接して製作されている。前面左に操縦手席、右に円筒型銃塔があり、中央が戦闘室で、後部に機関室が位置する。トランスミッションは車体前部にあり、ディファレンシャルハウジングは前期生産型がボルト止め３ピース（分割）型で、中期生産型以降はワンピース（一体）型となった。懸架装置はロッカー・アーム型で、垂直スプリング２個によりソリッドゴムタイヤ付き鋼製下部転輪２枚を緩衝しており、懸架ブラケット上部または後部に鋼製上部転輪が装着されている。懸架ブラケットは片側３組装着されているため、下部転輪は片側６枚、上部転輪は片側３枚となる。起動輪は前方、誘導輪は後方に付く。履帯はダブルピン式で、ゴム製のT48、鋼製のT49、裏面ゴム張り鋼製のT51、鋼製のT54E1があり、片側79枚。主砲は22.5口径105mm榴弾砲M1A1/M2/M2A1のいずれかで、やや右にオフセット搭載され、射界は左15度・右30度、俯仰角はマイナス５度からプラス35度。使用弾はM1榴弾、M48発煙弾、M60発煙弾、M67HEAT（装甲貫徹力102mm）、最大射程11.11km（M67HEATは7.855km）、発射速度最大（平均？）毎分８発。照準器はM16A1C（M6A1C？）Ｌ型直接照準眼鏡（倍率３倍、視野13.2度。直接照準射撃の高低照準用）、M12A2パノラマ式直接・間接照準眼鏡（倍率４倍、視野10度。直接照準射撃の方向照準用）、M1象限儀（高低角測定、射角付与、砲耳軸傾斜測定、照準具規正用）、M4/M4A1高低照準器（間接射撃射角付与用）。直接照準射撃ではパノラマ眼鏡とＬ型直接照準眼鏡を両方使用する複照準方式と、パノラマ眼鏡のみを使用する単照準方式を使用できる。砲弾は右側のＬ型ラックに17発、左側のＬ型ラックに19発、中央底部右の分割式Ｌ型収納箱に９＋16発、左の収納箱に８発の計69発を収容する。標準携行比率は榴弾50%、HEAT40%、発煙弾10%である。普通は戦闘室内に10-15発を余計に搭載し、M10弾薬トレーラーを牽引した。副武装は車体右銃塔のM68リングマウント（M49リングマウント？）に搭載された12.7mm重機関銃M2（300発）で、この銃塔が牧師の説教台に似ていたのでイギリス軍がプリーストと名付け、アメリカ軍もその愛称をそのまま利用した。乗員の自衛用にM3短機関銃３丁が搭載されている他、11.4mm拳銃弾1620発と手榴弾８発を収容している。全長6.02m、全幅2.87m、全高2.97m、重量22.952トン。装甲厚は車体前面50.8-108mm0-56度、側後面38.1mm０度、底面前部25.4mm90度、底面後部12.7mm90度、戦闘室全周12.7mm（前面のみ30度傾斜）。エンジンはコンチネンタル製R-975-EC2空冷星形９気筒ガソリン（350馬力）、トランスミッションはコンスタント・シンクロメッシュ方式（前進５段・後進１段）、コントロールド・ディファレンシャルは動力再生式二重差動機方式、クラッチは乾燥多板式、最大速度38.5km、燃料662リットル、航続距離137km。RC99無線通信機、AP50A布板信号セット、M238手旗セットを搭載する。乗員７名（車長、操縦手、砲手兼照準手、砲員４名）。生産開始１ヶ月後には戦闘室両側面に折り畳み式装甲板を装着し、サスペンションをヘビーデューティー型VVSSに変更している。アメリカン・ロコモーティブ社で1943年8月までに2814両が生産された。参考：月刊戦車マガジン11,’92、月刊PANZER6,’06、4,’02、2,’05、British and American tanks of World War Two、月刊軍事研究1,’03、異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ７後期型＞：M4中戦車の車体を利用したタイプ。エンジンはR975-C1/C4である。1944年3-10月にアメリカン・ロコモーティブ社で501両、1945年5月からフェデラル・マシン＆ウェルダー社で175両が生産された。参考：月刊戦車マガジン11,’92、月刊PANZER6,’06

＜Ｍ７Ｂ１＞：M4A3の車体を使用し、８気筒ガソリンエンジンGAAを搭載したもの。デファレンシャルカバーは一体型で、車体下部の一部に軟鋼板を使用して生産を容易にしている。砲弾収容ラック及び収納箱の容積が増えたため、携行弾数が73発に増えた。全長6.286m、全幅2.883m、全高2.896m、戦闘重量22.68トン。装甲厚は車体前面上部12.7mm30度、前面下部50.8-108mm0-56度、側面上部12.7mm０度、側面下部38.1mm０度（軟鋼）、後面上部12.7mm０度、後面下部38.1mm０度（軟鋼）、底面前部25.4mm90度、底面下部12.7mm90度。エンジンはフォードGAA（450馬力）、最大速度41.8km、燃料搭載量636リットル、航続距離201km。12.7mm機銃弾650発、11.4mm拳銃弾180発、手榴弾８発を搭載する。乗員７名。1944年3月から1945年2月までにプレスト・スチール・カー社で826両、1945年9月までにフェデラル・マシン＆ウェルダー社で128両が生産された。参考：月刊戦車マガジン11,’92、月刊PANZER6,’06、2,’05、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ７Ｂ２＞：朝鮮戦争で仰角不足（フロントドライブ・リアエンジンなので、戦闘室床にプロペラシャフトが通っており、これと干渉する）からくる射程不足が指摘されたため、砲座をかさ上げして65度まで仰角を取れるようにしたタイプ。参考：月刊PANZER6,’06、世界の軍用車両(1)

＜Ｍ７自走砲・海外シリーズ＞

　＜プリースト＞：イギリス陸軍自走砲、105mmSP, Priest。1942年3月にM7試作車を見学したイギリス戦車使節団が即座に発注し、当初の要求は1942年末までに2500両だったが、最終的に1943年までに3000両へと拡大された。北アフリカ戦の戦況から、アメリカ歩兵部隊に配備する予定だった90両が1942年9月にイギリス第８軍へと引き渡され、エルアラメイン戦に参加した。その後はアメリカ軍に優先配備されたため、供与総数は848両に止まり、弾薬補給の問題からノルマンディー上陸後半年ほどでセクストンと交替した。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’06

＜Ｍ７自走砲・海外ファミリー＞

　＜Ｔ５１自走砲＞：試作自走25ポンド砲型。主砲を25ポンド砲に換装したもので、イギリスの要求に基づいて1942年7月に試作されたが、採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜自走重迫撃砲＞：試作自走重迫撃砲型。車体に9.75インチ（247.7mm）試作重迫撃砲を試験的に搭載したもので、1945年にテストされたが、重迫撃砲共々制式化されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜プリーストＯＰ＞：イギリス陸軍の前線観測所型Priest OP。主砲を撤去して無線機や野戦電話を搭載しており、砲兵観測将校が搭乗する。1944年に製作された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜プリースト・カンガルー＞：イギリス陸軍の装甲兵員輸送車型Priest Kangaroo。プリーストの主砲と弾薬庫を撤去して開口部を装甲板で塞ぎ、歩兵が乗れるようにしている。乗員２名＋搭乗歩兵20名。1944年10月から1945年4月にイタリア戦線の旅団前線工作所で102両が改造された。カナダ陸軍も使用している。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’06

＜Ｍ７戦車砲＞：アメリカ陸軍50口径76.2mm戦車砲。M10/M10A1駆逐戦車の主砲で、1942年6月に制式化された。閉鎖機は半自動垂直鎖栓式。使用弾はM62APC、M93HVAP、M79AP、M42A1HE、M88発煙弾など。M62APCは砲口初速毎秒780m、装甲貫徹力89mm（射距離900m・衝角０度）／75mm（1830m）。M93HVAPは砲口初速毎秒1020m、装甲貫徹力135mm（射距離900m・衝角０度）／98mm（1830m）。M42A1HEは最大射程13.5km。参考：月刊PANZER12,’98、月刊グランドパワー7,’98

＜Ｍ０７掃海艇＞：イギリス海軍ヴェンチャラー級掃海艇セント・デイヴィッド（St. David）。元は1972年に竣工した海上油井監視船で、1978年に徴用して改造した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ−０７掃海艇＞：ラトビア海軍トリパルタイト級掃海艇ヴィスヴァルディス（VisValdis）。元はオランダ海軍トリパルタイト級掃海艇アルクマールで、2008年10月に引き渡された。参考：月刊世界の艦船6,’09

＜Ｍ７対人地雷＞：アメリカ軍が開発中の対人地雷システム、別名スパイダー。アリアント・テック・システムズとテキストロン・ディフェンス・システムズ社が対人地雷禁止条約に抵触しない対人地雷システムとして開発しており、弾薬制御ユニット（MCU）、遠隔制御局（RCS）、通信中継装置で構成される。MCUは側面に60度間隔で最大６個の円筒形ミニチュア擲弾発射機（MCL）をやや上向きに填めることができ、これを操作員が敷設、罠線６本を繋ぐ。RCSは最大63個のMCUを制御でき、RCSからMCUに無線で爆破指令を送って擲弾をばらまく。RCSとMCUの通信半径は1.5kmで、通信中継装置を使えば更に遠距離に延ばせる。MCUの電源持続時間は30日間で、RCSからの零化指令信号により無力化することも可能。2014年9月までに242セットを実験部隊に配備して運用試験を行っている。参考：朝雲

＜Ｍ７対戦車地雷シリーズ＞：アメリカ軍の対戦車地雷。主に軽戦車、装甲車、人員に対して使用する。参考：スピアヘッドNo.6

　＜Ｍ７＞：形状は箱形で、鉄の容器にテトリトールを充填している。圧力板と本体との隙間に土が入らないよう、埋設する時にはM7A1対戦車地雷用カバー（防湿防黴布製）に入れる。総重量2.27kg、炸薬重量1.63kg。陸上自衛隊も使用した。参考：スピアヘッドNo.6

　＜Ｍ７Ａ２＞：信管と伝爆薬をM6A2と同様にしたもの。60-110kgの重量が加わると炸裂する。総重量2kg、炸薬重量1.6kg。陸上自衛隊も使用した。参考：スピアヘッドNo.6

＜Ｍ−７弾道ミサイル＞：中国軍短距離弾道ミサイル、米軍コードCSS-8。HQ-2地対空ミサイルを地対地ミサイルにしたもので、固体燃料ロケット推進に変更している。TELは試作型が装軌式だったものの、1992年に中国に配備された時は装輪車両だった。発射重量2650kg、弾頭重量190-250kg。誘導は慣性式、最大射程150km。1992年（1989年？）からトンダル69の名称でイランに200発が輸出された。参考：月刊軍事研究9,’09、11,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ７てき弾発射機シリーズ＞：アメリカ軍のM1ガーランド用小銃てき弾発射機。銃口に取り付けて使用する。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜Ｍ７＞：使用弾はM9A1対戦車てき弾、Mk2破片てき弾（重量340g、威力半径9m）、M19黄燐てき弾、信号てき弾（落下傘付き。白星、緑星、赤星、琥珀がある）、着色発煙てき弾、着色曳煙てき弾、M11A1演習用対戦車てき弾で、投射補助筒を使用すれば破片手榴弾も投射できる。射撃の際には薬筒に補助薬筒を追加して小銃の薬室に装填し、対戦車てき弾なら低角射撃（銃を30度上に向ける）、他は高角射撃（45度または60度）で発射する。高角射撃の際には肩射だとケガをするので膝射を行う。最大射程180m。1943年から配備された。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13、月刊軍事研究5,’17

＜Ｍ７Ａ１＞：改良型。1945年に採用された。参考：月刊軍事研究5,’17

＜Ｍ７てき弾発射機・海外シリーズ＞

　＜Ｍ７Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊小銃てき弾発射機。アメリカから供与され、M1ガーランドと64式小銃で使用した。参考：月刊軍事研究5,’17

＜Ｍ７バヨネット＞：アメリカ軍のM16小銃用銃剣。1964年に採用した。全長282mm、刀身長167mm。先端のみ両刃になっている。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ７Ａ１手榴弾＞：アメリカ軍の催涙手榴弾。直径60mm、高さ120mmの鋼製容器にクロロアセトフェノンを充填し、M201A1信管を取り付けたものである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ７Ａ３手榴弾＞：アメリカ軍の暴動鎮圧用円筒形手榴弾。CSガスを15-35秒間噴射する。信管は延期信管、遅延秒時1.4-3秒。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ７Ｖ４０／４６＞：ドイツ海軍Ｕボート用４サイクル７気筒単動ディーゼルエンジン。MAN社が開発した。ボア400mm、ストローク460mm。出力1250馬力（回転数480rpm）。参考：月刊軍事研究9,’16

＜Ｍ８快速艇＞：台湾海兵隊などで使用されている小型高速ボート。主機はガソリンエンジン２基、最大速力40-45ノット。兵装は12.7mm機銃１丁、7.62mm機銃１丁。乗員８名。参考：月刊丸4,’07

＜Ｍ８ガスマスク＞：アメリカ軍のガスマスク。形状からスナウトタイプ（鼻型）とも呼ばれる。M5ガスマスクが低温下で硬化するという欠点から使用中止になったため、マスク部分を天然ゴム製のM3ガスマスクと同じものとし、キャニスターを顎に装着した。1945年に採用された。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ０８ガンポッド＞：セルビアのMi-8ヘリ用ガンポッド。内部に12.7mm機銃M87と弾薬200発を収容する。重量110kg。使用弾は12.8mm×108弾、有効射程1500m。１機に４基を搭載可能。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｍ８空挺戦車＞：アメリカ陸軍軽量戦車、略称AGS（装甲砲システム）。空挺戦車として開発され、1992年に採用が決定して1995年に制式化されたが、1996年にキャンセルされて調達はされなかった。車体は小型化が図られており、機関室のみスペースの関係で１段盛り上がっている。これに干渉しないよう、砲塔下部に傾斜を付け、主砲も高い位置に装備した。増加装甲パッケージにより防御力をレベル1-3の３段階で設定可能。レベル１は基本装甲で、アルミ製の本体に圧延鋼板が中空式にボルト止めされており、正面で14.5mmAPまたは20mmAPに対抗できる。レベル２・３ではパッシブ・アクティブ式増加装甲を装着するが、これは特殊な工具無しに乗員だけで取り付けられる。主砲は105mm超低反動砲EX35で、10トン級の本車でも安全に発射でき、自動装填装置（収容弾数19発、発射速度毎分12発）を装備して砲塔を小型化した。自動装填装置が故障したら手動で装填するが、発射速度は毎分３発に落ちる。俯仰角はマイナス10度からプラス20度で、砲塔を後方に回すと俯角が取れなくなる。副武装は同軸7.62mm機銃M240と、対空用12.7mm重機関銃M2（M240やMk19も可）。砲塔前部両側には16連装発煙弾発射機が用意されている。車長と砲手は砲塔内でタンデムに座る。砲塔右前上部にはヒューズ・エアクラフト社製砲手用サイト（赤外線暗視装置とレーザー測距器が組み込まれた２軸安定化昼夜間サイト）があり、車長も同じ画像を見られる。また、主砲同軸にガリレオ社製バックアップ用テレスコープを搭載している。車長用には砲塔後部に引き込み式全周旋回２軸安定化独立熱線暗視装置がある。弾道コンピュータはM-1戦車用の改良型。サスペンションはトーションバー式である。自己故障診断装置BITEを搭載しており、整備性に優れる。全長9.37m、車体長6.197m、全幅2.69m、全高2.78m、空虚重量16.1トン（レベル１）／22.4トン（レベル３）、戦闘重量19.5トン（レベル１）／25トン（レベル３）。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製6V92T1ディーゼル（6V92TA？552馬力）、トランスミッションはジェネラル・エレクトリック社製HMPT-500-3、最大速度70km、航続距離483km。乗員３名。C-17輸送機に２両を搭載可能で、LAPESによる空中投下も行える。参考：月刊PANZER4,’05、異形戦車ものしり大百科、月刊軍事研究12,’16

＜Ｍ８牽引車シリーズ＞：アメリカ軍の装軌式牽引車。参考：月刊PANZER6,’00

　＜Ｍ８＞：M4/M5牽引車の後継で、全備重量から25トン高速牽引車とも呼ばれた。M41軽戦車の車体を前後逆にして乗員室を設け、後部デッキを資材スペースとし、車体前面にドーザーを装着したもので、自力で砲床工事を行える。右乗員室の上には12.7mm重機関銃M2（500発）用リングマウントを装備した。トランスミッションは車体前部中央にあり、右の車長席と左の操縦手席が分断されている。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側４つずつ。サスペンションはトーションバー式。全長6.73m、全幅3.31m、全高3.05m、全備重量25トン。最大速度65km、燃料タンク容量850リットル、行動距離290km。最大搭載量5.5トン、牽引能力23.2トン。後部荷台に兵員９名が乗れる。参考：月刊PANZER6,’00

＜Ｍ８Ａ１＞：エンジンはコンチネンタル社製AOS-895-3空冷水平対向６気筒ガソリン（500馬力）で、M41/M41A1軽戦車と同じ。参考：月刊PANZER6,’00

＜Ｍ８Ａ２＞：エンジンをM41A2/A3軽戦車と同じ燃料直噴式AOS-895-5に換えたもの。参考：月刊PANZER6,’00

＜Ｍ８牽引車・海外シリーズ＞

＜Ｍ８Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊牽引車。アメリカから供与され、当初は75mm高射砲M51の牽引用に用いられたが、その退役と共に203mm榴弾砲M2など重砲牽引用にも用いられ、弾薬や隊員の輸送も行った。車体後部に高射砲射撃統制装置の電源に使う発電機と、搭載用ホイストを持つ。全長6.73m、全幅3.3m、全高3.05m、全備重量25トン。エンジンはコンチネンタル製空冷４サイクル６気筒ガソリン（525馬力）、最大速度65km、航続距離292km。牽引力17.7トン、ウインチ能力20.4トン。12.7mm重機関銃M2用リングマウントを装備する。乗員９名。73式牽引車の配備と共に退役し、全てアメリカに返還された。参考：月刊PANZER6,’04、6,’00、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ８自走榴弾砲＞：M5軽戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ８手榴弾＞：アメリカ軍の発煙手榴弾。直径60mm・高さ120mmの円筒形鋼製容器に６塩化エタンHCを充填し、M201A1信管を取り付けている。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ０８掃海艇＞：イギリス海軍ヴェンチャラー級掃海艇ヴェンチャラー（Venturer）。1973年に竣工したサフォーク・ハーヴェスターを1978年に徴用して改造したものである。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ−０８掃海艇＞：ラトビア海軍トリパルタイト級掃海艇ルースィンシュ（Rūsiņš）。元はオランダ海軍トリパルタイト級掃海艇アルクマールである。2011年就役。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。6月17-25日、キール・ウイーク2017に参加。2020年5月、機雷戦指揮艦ヴィルサイティスなどと共に、SNMCMG1所属ドイツ海軍支援母艦A516エルベ、同ノルウェー海軍掃海艇M351との共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船9,’17、8,'20、月刊軍事研究3,’12

＜Ｍ８装甲偵察車＞：アメリカ陸軍装輪装甲車。1941年7月から開発され、フォード社がT22高速戦車駆逐車として試作したが、途中で任務が偵察に変更され、1942年5月19日に制式採用された。車体は装甲鋼板の全溶接モノコック構造で、分解整備が必要な場所にのみボルト接合が用いられている。車体前部は操縦室で、左に操縦手、右に無線手兼副操縦手が座る。前面に視察スリットと開閉式シャッターの付いた下開きパネル、上面に外開きのハッチがある。座席には座高調節機能が付いており、パネル・ハッチ開放時には座高を上げて良好な視界を確保できた。車体側面左右の専用ラック（１軸と２軸の間にある）にはM1A1対戦車地雷を３つずつ搭載できるが、使用する機会が少ないので、ジェリカンや収納箱に変えたりしているものも多い。車体後部は機関室である。燃料タンクはエンジン前方にあり、標準指定燃料は70オクタンのガソリン。３軸６輪で、サスペンションはリーフスプリング、後ろ４輪は前後２輪が１セットでボギーに装着され、ボギー全体を中央軸で支える。タイヤは9.00×20で12積層のコンバットタイヤ。無線機１基を標準装備し、主砲弾を16発に減らせば２基積める。砲塔は均質圧延鋼板製（防楯のみ鋳造）オープントップで、砲尾直上にのみ厚さ19mmのルーフがかけられている。砲塔旋回は手動で、初期には１速式だが、中期以降は２速式になり、微妙な調節が可能となった。M23A1コンビネーション砲架の中央に56.6口径37mm砲M6（80発）、右に7.62mm同軸機銃M1919A4（1500発）、左にM70D照準眼鏡が搭載されており、俯仰角はマイナス10度からプラス20度。砲塔後部には対空対地兼用12.7mm機銃M2（400発）搭載用ピントルマウントがあり、後期生産型ではM49リングマウントに換装され、また現地改修も行われた。砲塔左に車長兼砲手、右に装填手が位置する。乗員用にM1カービン、M1911拳銃、手榴弾を搭載する。また、機銃を外して撃てるように三脚も用意されていた。全長6.15m、全幅2.54m、全高2.25m、重量7.83トン。装甲厚は車体前面上部16mm、前面下部19mm、側後面9.5mm、上面6.3mm、底面前部6.3mm、底面後部3mm、砲塔全周19mm、防楯35-48mm。エンジンはハーキュリーズJXD（総排気量525cc、出力110馬力）、トランスミッションはセレクティブ・スライディング・ギア式４速＋高低２速トランスファー、最大速度は公称89kmだが、無理をすれば100km出せる。燃料容量56ガロン（212リットル）、航続距離320-640km（整地）／160-402km（不整地）。乗員４名。1943年3月から1945年4月までに8523両が生産され、イギリス連邦軍や自由フランス軍にもレンドリースされた。参考：月刊PANZER1,’01、世界の軍用車両(4)

＜Ｍ８装甲偵察車ファミリー＞

　＜Ｍ２０＞：装輪装甲兵員輸送車。M8の砲塔を外して12.7mm機銃用M49/M66リングマウントを搭載し、兵員輸送車にしたもの。当初はM10と呼ばれたが、駆逐戦車M10と紛らわしいので改称された。乗員６名。無線機を複数搭載した観測指揮型も存在する。第２次大戦中に3791両が生産され、使い勝手が良いのでM8よりも長く使用された。陸上自衛隊にも少数が供与され、1960年代前半に退役した。参考：月刊PANZER1,’01、8,’03、世界の軍用車両(4)

　＜Ｔ６９＞：試作対空車両。M8の砲塔を外して高速機械旋回銃塔を搭載し、12.7mm機銃M2を４連装で装備する。M16対空車両が制式化されたため、計画はキャンセルされた。参考：月刊PANZER1,’01

＜Ｍ８装甲偵察車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ８（グアテマラ陸軍）＞：グアテマラ陸軍装甲偵察車。アメリカのNAPCO社が開発した改修キットにより、エンジンをアリソン社製ディーゼルに換えている。参考：月刊PANZER1,’01

　＜Ｍ８（コロンビア陸軍）＞：コロンビア陸軍装甲偵察車。アメリカのNAPCO社が開発した改修キットを装着しており、エンジンをディーゼルに換装、TOWミサイルを搭載した。改修キットは24セットが納入されている。参考：月刊PANZER1,’01

　＜Ｍ８（ドイツ連邦国境警備隊）＞：ドイツ連邦国境警備隊装甲偵察車。主砲を撤去してダミーの鉄パイプを溶接し、武装をMG42のみとした。1950年代に供与された。参考：月刊PANZER1,’01

　＜Ｍ８（ブラジル陸軍）＞：ブラジル陸軍装甲偵察車。1970年代初頭にエンジンをメルセデス社製ディーゼル（120馬力）に換えた。参考：月刊PANZER1,’01

　＜Ｍ８（ベルギー陸軍）＞：ベルギー陸軍装甲偵察車。コンゴ動乱時、砲塔上に巨大な全周防楯を増設して主砲の真後ろに12.7mm機銃を搭載した現地改修型を使用した。参考：月刊PANZER1,’01

　＜グレイハウンド＞：イギリス軍装甲偵察車。レンドリースしたもので、無線アンテナ装着位置を変更した。参考：月刊PANZER1,’01

＜Ｍ８装甲偵察車・海外ファミリー＞

　＜Ｍ２０改良型（フランス）＞：パナール製AML偵察装甲車と同じイスパノCNP90mm砲搭載砲塔を装着した近代改修型。1971年のユーロサトリに出展された。参考：月刊PANZER1,’01

　＜自走対空砲（コロンビア）＞：コロンビア軍自走対空車両。M8の砲塔を外し、M16自走対空車両用マクソンM45銃座を搭載している。参考：月刊PANZER1,’01

＜Ｍ８てき弾発射機＞：アメリカ軍M1カービン用小銃てき弾発射機。銃口に取り付けて使用する。使用弾はM9A1対戦車てき弾、Mk2破片てき弾、M19黄燐てき弾、信号てき弾（落下傘付き。白星、緑星、赤星、琥珀がある）、着色発煙てき弾、着色曳煙てき弾、M11A1演習用対戦車てき弾で、投射補助筒を使用すれば破片手榴弾も投射できる。射撃の際には薬筒をM1カービンの薬室に装填し、対戦車てき弾なら低角射撃（銃を30度上に向ける）、他は高角射撃（45度または60度）で発射する。高角射撃の際には肩射だとケガをするので膝射を行う。最大射程130m。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜Ｍ８迫撃砲＞：南アフリカのデネル社が開発した81mm長射程迫撃砲。射程100-7600m。2005年から南アフリカ陸軍に配備予定。参考：月刊軍事研究1,’05

＜Ｍ８ランチャー＞：ソ連軍のM8ロケット弾用36連装ランチャー。上段に14発、中段に12発、下段に10発を装填する。仰角15-45度、旋回角左右10度ずつ。Zis-6トラックに搭載されることが多かった。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ８ロケット弾＞：アメリカ軍4.5インチ（114.3mm）ロケット弾、別名フライング・バズーカ。第２次大戦中にイギリスから技術供与を受けて開発した。発射後に後部安定翼が展開して弾道を安定させる。全長838mm、重量17.5kg、炸薬重量2kg。初速毎秒260m、最大射程4200m。単発ランチャーM12、８連装ランチャーT27、60連装ランチャーT34カリオペ、108連装ランチャーT44など20種類ほどのランチャーが製作されている。1945年8月までに2537000発が生産された。参考：月刊グランドパワー4,’98、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ８ロケット弾＞：ソ連軍のロケット弾。全長570mm、直径82mm、重量8kg、弾頭重量3.05kg。最大射程5500m。カチューシャなどに使用された。参考：WW�U欧州戦線シリーズVol.4

＜Ｍ８Ａ１＞：M3軽戦車ファミリー（試作対戦車自走砲）を参照。

＜Ｍ８Ａ１＞：アメリカ陸軍の銃剣用鞘（スカバード）。M4/M5/M6/M7銃剣／AR15用銃剣といった各銃剣に対応する。1959年には先端に補強用金属チップを装着した。参考：コンバット・バイブル、世界の軍用銃

＜Ｍ−８−ＤＤ＞：ソ連軍のロケット弾。全長2.12m、直径0.132m、重量62.5kg。射程7.9km。カチューシャなどに使用された。参考：WW�U欧州戦線シリーズVol.4

＜Ｍ９＞：9mm機関拳銃またはM2シリーズ（ハーフトラック）またはM3中戦車ファミリー（自走砲）または東風15シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜Ｍ０９ガンポッド＞：セルビアのMi-8ヘリ用ガンポッド。内部に20mm機関砲M55-09、弾薬200発、ショックアブソーバーを搭載している。重量190kg。使用弾は20mm×110弾、有効射程2000m、発射速度毎分650-730発。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｍ９拳銃＞：アメリカ陸軍9mm拳銃。イタリアのベレッタ製M92SB-Fを1985年1月14日に採用したものである。ちなみに採用競争に負けたスミス＆ウェッソン社は、不良品であると主張して数年に渡る裁判を起こした。フレームはアルミ合金製で軽量化しており、ダブルアクションながら単純確実なセーフティ（ハンマーと撃針の連結を完全に切る）を備える。全長217mm、銃身長125mm、グリップ厚36mm。閉鎖リグによる閉鎖機構を持ち、作動方式はショート・リコイル。使用弾は9mm×19NATO標準弾、装弾数15（マガジン）＋１（チャンバー内）発。銃口初速毎秒335m、銃口エネルギー459ジュールで、90m先でも弾速毎秒296m・351ジュールのエネルギーを有する。1994年に起きたフェアチャイルド空軍基地病院での乱射事件ではセキュリティポリスが63m先の犯人を射殺した。照準器の強度が低く、マガジンのスプリングが弱く11発以上装弾すると送弾不良が発生する。革製のショルダーホルスターが支給されているが、使い勝手が悪く、現場の兵士は民生の大腿ホルスターを使用している。参考：コンバット・バイブル、月刊軍事研究4,’04、ストライク・アンド・タクティカルマガジン7,’11

＜Ｍ０９自走榴弾砲＞：セルビアが開発した６×６輪自走榴弾砲。装甲化キャビン（耐弾NATOレベル２）の後ろに弾薬庫があり、その後ろにオープントップ防楯（耐弾NATOレベル２）付き105mm榴弾砲M101（のコピーのM56。60発）を搭載している。俯仰角マイナス３度からプラス65度、最大射程15km（通常弾）／18.1km（ベースブリード）、発射速度毎分6-8発。戦闘重量12トン。副武装はキャビン上面の防楯付き12.7mm機銃。乗員５名。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｍ９小銃てき弾シリーズ＞：アメリカ軍のM1ガーランド（M7てき弾発射機）／M1カービン（M8てき弾発射機）用対戦車小銃てき弾。参考：手榴弾・迫撃砲

　＜Ｍ９小銃てき弾＞：弾体底部は空洞になっていて、銃口に填めた筒型発射機に被せて装填する。弾頭はHEAT（TNT113g）。頭部に信管があるため、HEATの威力が削がれるという欠点があり、M9A1が開発された。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ９Ａ１小銃てき弾＞：M9小銃てき弾の改良型で、信管を炸薬後方に移したものである。威力的に戦車正面の貫通は難しく、装甲の薄い側面や後面を狙う必要があった。これの後部ユニットを外して手榴弾に取り付けると、簡易小銃てき弾に早変わりさせることが可能である。全長284mm、円筒フィン直径56mm、総重量1.3ポンド（589.7g）。弾頭はHEAT（ペントライト113g）。装甲貫徹力60mm。1941年に採用され、バズーカが登場するまではアメリカ歩兵唯一の携行対戦車兵器だった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ９小銃てき弾・海外シリーズ＞

　＜Ｍ９Ａ１小銃てき弾（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊小銃てき弾。M1ガーランド及び64式小銃で使用可能。64式小銃の場合、マズルブレーキに擲弾発射筒を差し込み、銃剣止めに掛け金を引っかけ、緊定金の先端を銃剣止めのへこみに固定し、照準器を取り付ける。擲弾発射筒にてき弾を差し込み、小銃の薬室には先絞りの小銃てき弾用薬筒を装填し、スリングを利用した膝射姿勢を取り、射角20度で200m先の戦車に命中させる。肩撃ちも出来ないことはないが、反動が大きく、肩や鎖骨を負傷することがあるので注意。参考：スピアヘッドNo.8

＜Ｍ９装甲戦闘ドーザー＞：アメリカ軍装甲戦闘ドーザー、別名アースムーバー。機甲部隊に随伴し、道路障害の除去やスタック車両の牽引、前線飛行場の整備・破壊、対戦車壕構築などを行う。高速輸送車としても使用される。車体はアルミ合金製で、主要部には装甲鋼板やケブラーが使用されている。下部転輪はダブルタイプ片側３組、起動輪は後方、接地式誘導輪が前方にあり、上部転輪は無い。サスペンションは油気圧式で、車体前部を動かすことによりドーザーを上下させて作業を行う。ドーザーの背後にはスクラッパー・ボールと呼ばれる土砂挿入スペースがあり、ここを満杯にすると車重が９トン増加、重量級ドーザーとなる。車体後部には牽引力11トンのウインチを持つ。湾岸戦争で151両が配備されて活躍したが、砂地では時速32kmが限度という欠点があった。全長6.22m、全幅2.79m、全高2.99m、車体重量17トン、戦闘重量26トン（24.3トン？）。エンジンはカミンズ社製V903C ８気筒ディーゼル（295馬力）、路上最大速度48.3km、航続距離322km。履帯による水上航行も可能。乗員１名。1985年から配備された。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究11,’08、12,’98、月刊グランドパワー3,’95

＜Ｍ９ドーザー・シリーズ＞：アメリカ陸軍M60戦車シリーズ用ドーザー・ブレード。参考：月刊グランドパワー4,’95

　＜Ｍ９＞：M60戦車前部に溶接されたマウントに装着され、戦車の前後進によって簡単な整地作業や掩体壕の造成などを行う。ドーザー固定時車両速度24km。整地能力は前進速度1.6-4.8kmで深さ0.14-0.267m。参考：月刊グランドパワー3,’95

　＜Ｍ９Ａ１＞：M60A1戦車用。ブレード全長3.71m、ブレード幅0.914m、重量4.5トン。ブレード排土深度0.254-0.762m、排土速度1.7-5km。参考：月刊グランドパワー4,’95

＜Ｍ９バヨネット＞：アメリカ陸軍多用途銃剣（MPBS）。片刃で、背には軽金属切断用のギザが付いているが、鋸としては使えない。刀身先端にはワイヤーカッター用スロットが付いており、鍔の部分には栓抜きがある。鞘にはM9拳銃のマガジン１本が入るアクセサリーポーチが装着されており、鞘の裏側には研ぎ石が付く。全長308.5mm、刀身長179mm、重量397g／805g（鞘付き）。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ．９飛行艇＞：ロシア海軍複葉飛行艇。M.5飛行艇の拡大改良型として海軍が要求を出し、グリゴロヴィッチが設計した。初期には艇体下部中央が凹み両側が張り出した形状だったが、中期型以降は中央を出っ張らせて両側を絞り込んだ形状としている。全長9m、全幅16m、全高3.75m、重量1540kg。エンジンはサルムソン9Dc（150馬力）単発、プロペラはプッシャー式２翅、最大速度110km、航続距離600km。乗員2-3名。1915年12月25日に初飛行し、1917年半ばまでに300機が生産され、1920年代半ばまで配備された。哨戒や爆撃だけでなく空対空戦闘も行っており、第１次大戦ではエース２名を輩出している。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ．９飛行艇・海外シリーズ＞

　＜Ｍ．９飛行艇（フィンランド）＞：フィンランド軍飛行艇。第１次大戦で９機を鹵獲し、1922年まで配備した。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ９ブランク弾＞：アメリカ軍M1911拳銃用空包。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ９ロケットランチャー・シリーズ＞：アメリカ軍の2.75インチ（69.9mm）ロケットランチャー、通称バズーカ。1943年10月に採用された。警察予備隊にも1950年に貸与され、1951年6月に供与された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ９＞：M1A1ロケットランチャーを持ち運びに便利なように折り畳み式としたタイプ。最大射程550m、装甲貫徹力130mm（衝角０度）。第２次大戦中、携行対戦車火器として大活躍した。1944年9月から反射式照準器を備え、命中率が向上した。参考：コンバット・バイブル２、GUN用語事典、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ９Ａ１＞：折り畳み部分の結合を強化したもの。使用弾はM6A2ロケット弾で、有効射程110m、装甲貫徹力130mm。重量7.2kg。朝鮮戦争では１両のT-34/85に対し22発命中させたが効果が無く、3.5インチM20スーパーバズーカに更新されることとなった。参考：コンバット・バイブル２、月刊グランドパワー10,’03、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ０９／３０＞：ソ連軍152mm榴弾砲。M1909を1930年に近代化したものである。砲身長14.2口径。戦闘重量2.725トン、行軍時重量3.05トン。俯仰角0-41度、射界5.5度。射程9854m。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ０９／３０海外シリーズ＞

　＜ｓＦＨ４４５（ｒ）＞：ドイツ国防軍152mm榴弾砲。第２次大戦時に鹵獲して主に沿岸砲兵に配備した他、フィンランド軍にも供与した。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ９Ａ１＞：M2シリーズ（ハーフトラック）を参照。

＜Ｍ９Ｖ４０／４６＞：ドイツのMAN社が開発したＵボート�\Ａ型用４サイクル９気筒単動ターボチャージド・ディーゼルエンジン。ボア400mm、ストローク460mm。出力2200馬力（回転数470rpm）。参考：月刊軍事研究9,’16

＜Ｍ１０駆逐戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍駆逐戦車Gun Motor Carriage, M10/M10A1。M4中戦車ベースの３インチ（76.2mm）対戦車自走砲として1941年11月（1942年4月？）から開発された。総生産数6706両。イギリス陸軍やカナダ陸軍でも使用されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー7,’98、月刊PANZER6,’03、世界の軍用車両(1)

　＜Ｔ３５＞：試作型。M4A2戦車初期生産型の車体にT1重戦車のオープントップ砲塔（ソロバン玉を潰したような形状）を載せ、３インチ（76.2mm）戦車砲を搭載している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３５Ｅ１＞：T35の改良型。駆逐戦車開発局が車体にも良好な避弾経始を持たせ、シルエットを低くするよう求めたために製作された。M4A2からの流用はシャシーのみとし、車体は装甲を薄くする代わりに全周に避弾経始を持たせた。砲塔は当初T35と同じ形状だったが、後に五角形断面の溶接式傾斜装甲砲塔に変更している。1942年6月にM10として制式化された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１０極初期型＞：M4A2のシャシーにオープントップの全周旋回砲塔を搭載し、50口径76.2mm戦車砲M7（54発）を装備したもの。傾斜装甲を取り入れたが、装甲厚はM4A2よりも薄く、いざという時に増加装甲を装着できるようボルトをあちこちに付けた。足周りはM4A2と変わりない。車体銃は外した。砲塔は上から見ると五角形で、重量のあるM7戦車砲を搭載してバランスが悪くなったため、後部に12.7mm重機関銃M2（1000発。300発？）とグローサーを装着してカウンター・ウェイトとしている。砲塔バスケットは無く、座席は砲塔のレース部に装着した。砲塔旋回・砲俯仰は手動で、俯仰角はマイナス10度からプラス30度（19度？）。主砲弾は砲塔後面左右の即用弾ラックに３発ずつ、戦闘室左右のスポンソンラックに48発の計54発を収容する。M5砲架を使用しており、砲耳ピンを外して105mm榴弾砲や17ポンド砲などに簡単に換装できる。車体後上面にガントラベルロックを持つ。全長6.81m、全幅3.05m、全高2.5m、重量30トン。装甲厚は車体前面51mm、側面上部38mm、側面下部26mm、砲塔防楯64mm、側・後面26mm。エンジンはジェネラル・モータース製6046ディーゼル（通称GMツイン6-71）、最大速度48km、燃料621リットル、航続距離322km。乗員５名（車体左前部の操縦手、右の無線手、砲塔内の車長、砲手、装填手）。グランド・ブランク工廠で1942年9月から1943年12月に極初期−後期型計4993両が生産された。参考：月刊PANZER6,’03、月刊グランドパワー7,’98、2,’05、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１０初期型＞：グローサー固定用ホルダーに簡易装着式カウンター・ウェイトを装着したもの。参考：月刊PANZER6,’03

＜Ｍ１０中期生産型＞：砲塔後面に角のある大型のカウンター・ウェイト（重量2500ポンド・1.13トン）を装着したもの。参考：月刊PANZER6,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１０後期生産型＞：砲塔後面にダックビルズ型カウンター・ウェイトを装着したもの。砲塔後部の形状も変更し、砲塔容積を拡大した。車体後面中央に起倒式ガントラベリングロックを装備、増加装甲装着用ボルトは車体前面を残して廃止した。自衛用にM1カービン５丁と弾薬450発を搭載する。参考：月刊PANZER6,’03、月刊グランドパワー7,’98

＜Ｍ１０Ａ１＞：M4A3のシャシーにM10の砲塔を積んだもの。車体形状はM10と同様の傾斜装甲で、車体機銃も取り外されていて一見M10とは区別できないが、エンジン室上部と後部排気管が異なる。エンジンはM4A3と同じフォードGAA液冷Ｖ型８気筒ガソリン。サイズと重量はM10とほぼ同じで、燃料搭載量が727リットルと増加したが航続距離は257kmと短い。また、機銃弾が450発に減っている。1942年10月から1943年9月にフォードで1038両、1943年9-11月にグランド・ブランク工廠で675両が生産され、最終300両はM36駆逐戦車に転換され、計1413両がM10A1として完成した。M10の生産量で十分需要を満たしたため、殆どがアメリカ本土での訓練に使用されるか、砲塔を外してM35火砲牽引車に改造された。参考：月刊PANZER6,’03、月刊グランドパワー7,’98、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１０駆逐戦車ファミリー＞

　＜Ｍ３５火砲牽引車＞：火砲牽引車型、Full-Track Prime Mover M35。M10A1の砲塔を外し、エアコンプレッサーとケーブルを搭載して155mm/240mm砲牽引車としたもの。重量55000ポンド（24.9トン）。乗員６名。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ７２試作駆逐戦車＞：試作砲塔改良型。M10A1の車体にT23中戦車ベースの新型砲塔を載せ、76mm戦車砲M1を搭載している。砲塔は装甲厚を薄くし、オープントップに換装、後部にカウンターウェイトを装着した。M18/M36駆逐戦車を量産することになったため、没になった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１０駆逐戦車・海外シリーズ＞

＜ウォルバリン＞：イギリス陸軍駆逐戦車、3in SP, Wolverine（３インチ自走砲ウォルバリン）。1944年にアメリカからM10駆逐戦車1650両が供与され、第２次大戦のイタリアやフランス戦線に投入された。中期生産型をM10Mk.�T、後期生産型をM10Mk.�Uとしている。全て1944年末に主砲を17ポンド砲に換装してアキリーズに改造された。参考：月刊PANZER6,’03、世界の軍用車両(1)、British and American tanks of World War Two

＜アキリーズＭｋ．�TＣ＞：アキリーズ・シリーズを参照。

＜アキリーズＭｋ．�UＣ＞：アキリーズ・シリーズを参照。

＜Ｍ１０駆逐戦車・海外ファミリー＞

　＜ウォルバリン砲牽引車＞：ウォルバリンの砲塔を外して砲牽引車としたもの。少なくとも１両がマインプラウ（地雷除去鋤）のテストに使用されている。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１０掃海艇＞：ドイツ海軍M1級掃海艇。1935年5月竣工。1944年3月、ロリアン沖のビスケー湾で連合軍艦隊と交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ１０迫撃砲シリーズ＞：南アフリカのデネル・ランド・システムズ社が開発した60mm長射程迫撃砲。参考：月刊軍事研究1,’09

＜Ｍ１０迫撃砲＞：M6の改良型で、81mm迫撃砲並の威力と、それを上回る射程を誇る。重量28.3kg。射程6200m、発射速度毎分15発。各部隊はLH-41Cレーザー測距機（GPS内蔵）により目標諸元などを測定し、中隊本部に送り、中隊では射撃目標、弾種、砲撃回数を決定、各部隊の火器制御システム（Mortar Fire Control）に送り返す。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｍ１０−ＢＬＬＲ＞：バジャー歩兵戦闘車の自走迫撃砲型に搭載するため、後装式としたもの。専用の長射程弾を使用し、81mm級迫撃砲と同程度の破壊力を持つという。射程6000m、発射速度毎分250発。参考：月刊軍事研究12,’08、12,’13

＜Ｍ１０榴弾砲＞：ソ連陸軍152mm榴弾砲。防楯上部両端が斜めに切られているのが特徴である。口径152mm、砲身長24.3口径、戦闘重量4.15トン、行軍時重量4.55トン。俯仰角マイナス１度からプラス65度、方向射界50度。弾薬は分離装薬式で、弾種は榴弾（重量52kg）、榴散弾、徹甲榴弾、対ベトン弾（重量40kg）。榴弾だと砲口初速毎秒436m、最大射程12400m。徹甲榴弾だと砲口初速毎秒508m、装甲貫徹力82mm（射距離500m）／72mm（1500m）。砲要員７名。トラクターで牽引でき、最大牽引速度35km。参考：月刊グランドパワー2,’99、8,’00

＜Ｍ１０榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜ｓＦＨ４４３（ｒ）＞：ドイツ国防軍152mm榴弾砲。第２次大戦時に鹵獲したが、牽引速度が遅めで、それほど使わなかったらしい。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１０−ＢＬＬＲ＞：M10シリーズ（迫撃砲）を参照。

＜Ｍ１０級＞：スリランカ海軍LCAC。搭乗兵員56名。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ−１１＞：東風11（弾道ミサイル）を参照。

＜Ｍ−１１艦対空ミサイルシステム＞：ソ連海軍の艦対空ミサイルシステム、別名シュトルム（暴風）、米軍コードSA-N-3、NATOコードはゴブレット（Goblet）。1959年7月から1126型ミサイル防空艦用として第10研究所で開発されたが、1961年6月に1126型がキャンセルされたため、こちらも開発がストップした。1962年7月、1123型モスクワ級対潜巡洋艦向けに開発が再開され、当初はM-1型艦対空ミサイルや3M9ミサイルの改良型とする筈だったが、性能を一気に向上させるため新規開発として1963年に原案が承認され、実験艦OS-24（元は26型キーロフ級軽巡ヴォロシーロフ）でテストが行われ、1967年に実戦配備されて1123型モスクワ級対潜巡洋艦、カーラ級ミサイル巡洋艦、1134A型クレスタ�U級大型対潜艦、キエフ級空母に装備された。システムはV-611ミサイル（モスクワ級、クレスタ�U級）またはV-611Mミサイル（キエフ級）、B-187A連装発射機、4R60グロム射撃指揮装置からなる。管制レーダーはNATOコードでヘッド・ライトと呼ばれており、ミサイル追跡用アンテナ及び指令送信用アンテナが２組用意されているため、１目標に２発のミサイルを指向できるといわれる。甲板下に６連装ドラム弾庫が用意されており、予備弾定数はモスクワ級とクレスタ�U級が24発、キエフ級が36発。シーステート５、風速10m、横揺れ15度、縦揺れ５度まで発射可能。1972年に射撃指揮装置をグロムＭに変更するなど改良されてシュトルムＭとなり、1980年代に低高度迎撃能力を強化、射撃指揮装置をグロムＮに変更してシュトルムＮに改称され、1980年代後半には欺瞞のためシュクワル（突風）に名称変更された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究12,’02、月刊丸3,’90

　＜ＳＡ−Ｎ−３＞：西側推定諸元は以下の通り。ミサイル全長6.1m、直径0.6m、翼スパン1.4m、重量545kg、弾頭重量80kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ2.5、射程30km。誘導は無線コマンドリンク方式。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜Ｍ１１ショットガン＞：アメリカ軍の戦闘用ショットガン。レミントン社製。第２次大戦時に陸軍航空隊がリード射撃訓練用に民間用のものを購入してそのまま使用した他、参戦後は銃身を20インチ（0.508m）に切断したライアットガン型、更に着剣装置と放熱筒を取り付けたトレンチガン型を採用した。全長1.016m、銃身長0.508m、重量3.52kg。作動はセミオート、使用弾は12ゲージ、装弾数４発。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ．１１飛行艇＞：ロシア海軍戦闘飛行艇。グリゴロヴィッチがロシア海軍エースのアレクサンダー・セバスキーの意見を取り入れて開発し、1916年夏に完成した。コクピットに6mm、エンジンに4-5mm、主翼前縁に2-3mmの装甲板を張り巡らせている。風防まで装甲板にしてペリスコープにより視界を確保するタイプも作られたが、操縦が難しすぎるのと重すぎるのとで、これは後に撤去された。主翼は複葉で、上下翼の間にエンジンがある。冬は艇体下面に橇を付けて雪上で離着陸できるようにした。全長7.6m、全幅8.75m、重量926kg。エンジンはローン（110馬力）単発、プロペラはプッシャー式２翅、最大速度148km、航続時間２時間42分。乗員１名。75機が生産された。エストニア空軍も配備している。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ１１／３９＞：イタリア陸軍中戦車。スペイン内乱でイタリアの派遣したL3タンケッテがT26戦車の45mm砲でこてんぱんにやられたため、L3を戦車から守るために開発した。装甲は圧延鋼板のリベット止めで、装甲厚は車体・銃塔とも前面30mm、側後面14.5mm。車体前部右にアンサルド・フォサーティ38年型40口径37mm砲（84発、徹甲弾のみ）を限定旋回式に搭載する。射界左右30度ずつ、俯仰角マイナス８度からプラス12度、最大射程6000m、発射速度毎分15-20発。主砲の左にはスリット付きの視察窓があり、開放すれば操縦手が広い視界を得られた。車体左側面に操縦手乗降用ドアがある。副武装は車体左上部の旋回銃塔に装備したブレダ38年型8mm連装機銃（2808発）。銃塔上面中央に車長用の前開きハッチがあり、その右に主砲・機銃兼用のパノラマ照準器を装備する。エンジンは車体後部、トランスミッションは車体前部にあり、起動輪も前方にある。サスペンションは複雑ロッカーアーム式と呼ばれるもので、片側あたり２組（下部転輪計８個、ボギー計４組、リーフスプリング計２個）を装着した。上部転輪は片側３個。履帯は平行グローサー・パーマネント式センターガイド付き鋼製で、片側84枚。全長4.74m、全幅2.17m、全高2.25m、重量11トン。エンジンはフィアットspa8T型４サイクル８気筒液冷ディーゼル（105馬力）、路上最大速度34km、不整地走行速度14km、燃料180リットル、航続距離200km。乗員３名。100両が生産され、70両が北アフリカに送られたが、1940年12月から1941年2月にかけてイギリス軍の攻勢に遭い、ほぼ全滅した。参考：月刊PANZER8,’99、4,’05

＜Ｍ１１Ｍｏｄ０狙撃銃＞：アメリカ海軍SEALsのマークスマン用ライフル。M16を7.62mm×51NATO標準弾用に拡大したナイツ・アーマメント社製SR25を、2000年に制式化したものである。参考：月刊軍事研究6,’14

＜Ｍ１２基線長式測距儀＞：アメリカ陸軍M47中戦車に搭載されている基線長式測距儀。立体式・双眼式で、弾道計算機も付属しており、使用弾薬データ、弾道、射距離、砲口視線検査といった項目の調整機構が設けられている。砲耳とはコネクターと連結用ロッドで繋がっており、測距儀後部にはM22俯仰トランスミッターとインバーターがケーブル接続されていて、砲を連動させる。全長1.669m、基線長1.524m、重量12kg。倍率7.5倍、測距距離457-4570m。参考：月刊PANZER10,’85

＜Ｍ１２サブマシンガン・シリーズ＞：ベレッタが1959年から生産しているロングセラー・サブマシンガン。イタリア軍に採用され、対テロ部隊の武装憲兵隊も使用しており、他10カ国以上に輸出されている。参考：月刊軍事研究4,’99

＜Ｍ１２＞：レシーバー及び機関部は円筒形で、フレームにはプレス加工を多用して生産性も高く、各部にプラスチックを使用して軽量化も行っている。全長645mm（ストック展開時）／418mm（折り畳み時）、重量3.73kg。使用弾は9mm×19パラベラム、装弾数40発、発射速度毎分550発。参考：月刊軍事研究4,’99

＜Ｍ１２Ｓ＞：改良型。ボルト型安全装置とセレクターをレバー式の一体型とした。参考：月刊軍事研究4,’99

＜Ｍ１２自走カノン砲＞：アメリカ陸軍自走カノン砲155mm Gun Motor Carriage M12、非公式ニックネームはキングコング。M3中戦車の車体に155mmカノン砲を搭載したもので、1941年6月から開発され、1942年2月にM3中戦車の車体と155mmカノン砲M1918を組み合わせた試作型T6がテストを受けた。当初は不必要と判断されたが、兵器局では牽引砲よりも有効とみて3月に50両を発注。更に砲兵局もテスト結果から有効と判断して8月に制式化を決め、発注数を100両に増やした。エンジンは車体中央に移動させてカノン砲の搭載スペースを確保、操縦手と車長兼予備操縦手はエンジンの前に位置する。車体上部左右には100ガロン（378.5リットル）燃料タンクがあり、車体後部には駐鋤を装備。車体中央から後部にかけてオープントップの戦闘室が設けられ、周囲は12mm厚の装甲板で囲ってあるが、高さが低いのであまり役に立たない。主砲はフランス製155mmカノン砲M1917またはM1918A1またはM1917A1だが、砲自体が古い（第１次大戦中に開発）ので、十分な仰角をとるのが難しく、三角形の当て木を履帯の下に入れ、車体を後方に傾けて仰角を確保した。駐退機、砲架、揺架はそのまま戦闘室に載せてある。旋回角左右14度ずつ、俯仰角マイナス３度からプラス30度。直接照準器はM53テレスコープ、間接照準器はM6パノラマテレスコープとM1918A1象限儀。使用弾はM101榴弾（最大射程18.4km）、M112B1APHE、M104化学弾で、手持ちの弾丸と装薬は10発分（砲架左に６発、右に４発）のため、同じ車体を使用するM30弾薬運搬車が同伴する。全長6.73m、全幅2.66m、全高2.69m、戦闘重量26.5トン。装甲厚は車体前面50mm、上部構造前面25mm、車体側面19mm、戦闘室側面16mm、後面19mm。エンジンはR975C-1（350馬力）、最大速度整地38km／不整地12マイル（19.3km）、燃料タンク容量757リットル、航続距離225km。乗員６名（車体前部に操縦手と車長兼予備操縦手、戦闘室左に２名、駐鋤上のシートに２名）で、残る砲要員６名はM30弾薬運搬車に搭乗する。1943年3月までに100両が生産された。アメリカ本土で訓練に使用されていたが、1943年12月にヨーロッパ反攻が決定すると実戦投入が決まり、74両が引き抜かれて1944年2-5月に改良（砲弾ラック増設）が施され、６個大隊が編成されてヨーロッパ戦線で使用された。直接照準射撃で厚さ210mmの強化コンクリートを貫通できるので、ジークフリートライン突破時には威力を発揮した。参考：月刊グランドパワー2,’05、10,'00別冊、月刊PANZER5,’83、10,’02、4,’04、British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)

＜Ｍ１２焼夷弾＞：アメリカ軍の100ポンド級焼夷弾。M69またはM69A焼夷子弾を収容する。参考：月刊JWings3,’13

＜Ｍ１２トレンチガン＞：アメリカ軍のトレンチガン。M1897トレンチガンを無鶏頭にしたものである。全長1.016m、銃身長0.508m、重量2.95kg。使用弾は12ゲージの00バックショット、装弾数５発。作動はポンプアクション。参考：参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１２ボディアーマー＞：アメリカ陸軍の破片防護ベスト。ナイロン12層とジュラルミンプレートを組み合わせている。重量5.4kg。1945年に開発し、朝鮮戦争で実戦投入した。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ１２ロケットランチャー＞：アメリカ軍のM8ロケット弾用単装ランチャー。三脚に吊して発射する。１名で運搬・発射が可能。参考：月刊グランドパワー4,’98、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ−�]�U級＞：ソ連海軍局地防衛用小型潜水艦。全長44.5m、幅3.3m、吃水2.9m、水上排水量205.5トン、水中排水量256トン。主機はディーゼル１基800馬力・電動機１基400馬力、水上巡航速力8.2ノット、水上最大速力14.1ノット、水中巡航速力３ノット、水中最大速力8.4ノット、最大燃料搭載量13.8トン、水上航続距離3440海里（8.2ノット）、水中航続距離110海里（３ノット）／9.1海里（14.1ノット）。戦闘潜航深度50m、最大潜航深度60m、連続潜航時間48時間、電池充電時間12-14時間、連続航海日数10日。兵装は533mm魚雷発射管２門（魚雷２本）、45mm甲板砲１門（195発）。乗員20名。46隻が起工され、45隻が就役した。独ソ戦開始時には28隻が現役にあり、大戦中に17隻が就役し、26隻を喪失した。参考：月刊世界の艦船6,’09

＜Ｍ１２−１１１１迫撃砲＞：オーストリア国産の120mm迫撃砲。専用の２輪トラクターで牽引される。参考：月刊PANZER1,’03

＜Ｍ１３＞：M3ハーフトラック・ファミリー（対空車両）を参照。

＜Ｍ１３野砲＞：フランスのシュナイダー社が開発した馬匹牽引式105mm野砲。口径長28.4、最大射程12km。白作戦時にポーランド軍が使用していた。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜Ｍ−１３ロケット弾シリーズ＞：ソ連軍のロケット弾。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ−１３＞：全長1.42m、直径132mm、重量42.5kg、弾頭重量18.5kg。最大射程8.5km。カチューシャなどに使用された。参考：WW�U欧州戦線シリーズVol.4

＜Ｍ−１３−ＤＤ＞：M-13を縦に繋げて射程を延伸したもの。全長2.12m、直径132mm、重量62.5kg、炸薬重量4.9kg。最大射程11.8km。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ−１３−ＵＫ＞：M-13をスピン安定式にしたもので、その分だけ射程がやや減少した。全長1.41m、直径132mm、重量42.3kg、炸薬重量4.9kg。最大射程7.9km。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１３系戦車＞：イタリア陸軍M13/40中戦車、M14/41中戦車、M15/42中戦車を総称してこう呼ぶ。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｍ１３／３０＞：ソ連が第１次大戦後に開発した攻撃型手榴弾。破片リングを取り付けると防御用になる。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１３／４０中戦車＞：イタリア陸軍中戦車。1940年に制式化された。車体は装甲板をリベットで組み立ててある。装甲が薄く、２ポンド砲により1km先から撃ち抜かれたり、M4シャーマンの75mm砲でバラバラになったりした。車体中央に全周旋回可能なリベット止め砲塔が載っており、主砲は32口径47mm砲Mod.37（104発）、俯仰角はマイナス10度からプラス20度。砲口初速毎秒630m、装甲貫徹力43mm（射距離600m・衝角０度）、発射速度毎分18-20発（最大）／7-8発（実用）。ブレダ8mmMod.38機銃を車体に２丁、同軸に１丁、砲塔上に対空機銃として１丁搭載する。ただし対空機銃は普段マウントと共に車内に収容した。機銃弾数3048発。エンジンは北アフリカ戦線でアンダーパワーが指摘され、吸気系も砂漠の砂には脆弱だった。機関室上面後端左右のラジエーターグリルに刻まれたスリットが車体の前後と水平になっている。乾式単板式クラッチと機械式ブレーキを持つ。足回りはM11/39と共通で、サスペンションを重量増に合わせて強化したが、不十分で、履帯も外れやすかった。全長4.9m、全幅2.23m、全高2.39m、重量13.7トン。装甲厚は車体前面30mm79度、側後面25mm81度、上面14mm、底面6mm、砲塔前面40mm（42mm？）74度、側後面25mm68度、上面14mm。エンジンはフィアットSPA8TM40（総排気量11140cc、出力105馬力。後に125馬力）、トランスミッションはフィアット製8FZA（前進４段、後進１段）、最大速度30.5km（路上）／13km（路外）、燃料搭載量190リットル、航続距離200km。乗員４名（車長、操縦手、車体銃手、装填手）。1941年までに2167両が生産された。後にエアフィルターを装着し、1941年からはRF1CA無線機（指揮車はRF2CA）を搭載した。参考：月刊PANZER4,’05、8,’99、11,’02

＜Ｍ１３／４０ファミリー＞

　＜カルロ・コマンドＭ４０＞：指揮戦車型。砲塔を外し、開口部を４枚ハッチの付いたプレートで覆っている。車内には自走砲との通信用にRF1CA無線機、上級司令部との通信用にRF2CA無線機を搭載し、測距器などの観測機材も収容する。武装は車体前面右の8mmブレダM38双連機銃と、車内の観測機材用マウント兼対空機銃架に装備できる8mmブレダM38単装機銃。セモベンテ１個大隊につき中隊長車として各中隊１両ずつ（計２両）、大隊本部に２両が配備された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ４０ｄａ７５／１８＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ１３／４０海外シリーズ＞

　＜Ｍ１３／４０　７３５（ｉ）＞：ドイツ国防軍戦車。1943年9月にイタリアを占領した際、22両を接収して配備したものである。全長4.92m、全幅2.23m、全高2.39m、重量14.3トン。主砲は4.7cmKwK47/32(i)L/32（87発）で、俯仰角はマイナス15度からプラス25度。副武装は砲塔の同軸8mm機銃MG38(i)と車体の連装8mm機銃MG38(i)で、車体機銃は旋回角28度、俯仰角マイナス15度からプラス23度。機銃弾数2592発。装甲厚は車体前面下部30mm（曲面）、前面上部30mm11度、側面下部25mm０度、側面上部25mm９度、後面下部25mm20度、上部25mm０度、底面6mm90度、上面14mm90度、砲塔前面37mm16度、側後面25mm22度、上面14mm85度、防楯37mm曲面。エンジンは出力125馬力、トランスミッションは前進４段・後進１段、最大速度32km、航続距離200km。無線機はRF1CA。乗員４名。SS突撃砲大隊とアドリア戦車大隊に装備された。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｍ１３Ａ１双眼鏡＞：アメリカ軍の双眼鏡。倍率６倍、視野８度30分。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ−１３−ＤＤ＞：M-13シリーズ（ロケット弾）を参照。

＜Ｍ−１３−ＵＫ＞：M-13シリーズ（ロケット弾）を参照。

＜Ｍ１４焼夷手榴弾＞：アメリカ軍の手榴弾。直径60mm・高さ120mmの円筒形で、内部にTH-3サーマイト（テルミット）751gが充填されており、3000度の高熱を発し、30-45秒間燃焼する。水中でも燃える。信管はM201A1延期信管（遅延秒時２秒）。参考：火器弾薬技術ハンドブック、コンバット・バイブル

＜Ｍ１４小銃シリーズ＞：アメリカ軍の自動小銃。新開発の7.62mm×51弾を使用できる銃として開発された。原型名称はT44で、1957年に制式化されたが、連射時の命中率が悪すぎ、1964年に生産が打ち切られている。参考：世界の軍用銃、月刊軍事研究4,’14

＜Ｍ１４＞：M1ガーランドの改良型で、フルオート射撃を可能としてあり、7.62mm×51弾を使用する。ただし、反動が強烈なので、相当にガタイが良くないとフルオート射撃は不可能であり、命中率が悪すぎて実戦ではついぞ使用されることは無かったという。軽量化も図る予定だったが、弾薬の軽量化に失敗したため、あまり軽くできなかった。この反省を基に、小口径のM16が開発された。全長1124mm、銃身長634mm、重量4.45kg。ライフリングは４条右回り。装弾数は20発で、５発クリップが用意されており、マガジンを銃に装着したまま再装填することができる。M64ライフルグレネードの装着も可能で、M76グレネードランチャーをマズルサプレッサーの上から銃口に差し込んで固定、グレネードを差し込んで空包で発射する。130万丁以上（160万丁？）がアメリカで発注された。民間では15000ドルで手に入るが、セミオートのみの劣化コピーは2000ドル、中国製の更に劣化したコピーは700ドルで入手できる。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊コンバットマガジン5,’06、世界の軍用銃、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ１４Ａ１＞：フルオート射撃でも安定するよう、直銃床にしたタイプ。それでも反動が強すぎて命中精度が悪く、結局フルオートでは撃てなかった。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１４Ｅ２＞：分隊支援火器型。バイポッド、フォアグリップ、大型のマズルブレーキを付けた。.30口径弾を使用するので威力は抜群だが、反動が強烈で取り回しが困難だった。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜Ｍｋ１４＞：アメリカ陸軍デジグネイテッド・マークスマン用ライフル。元はSEALsが2000年に要求を出して2003年に採用されたもので、フルトン社製EBRキットを装着して改良してある。ストックをプラスチック製伸縮式に換え、バレルを18.5インチ（470mm）に変更し、新型のフラッシュサプレッサーを装着、レシーバー上にMIL-STD-1913型レールを装備しており、レシーバー以外はまるで別物になった。参考：月刊コンバットマガジン5,’06、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜Ｍ１４小銃・海外シリーズ＞

　＜歩槍七六二５７式＞：台湾海軍自動小銃、別名57式歩槍銃。1968年（台湾年号で57年）に採用され、連勤兵工署第205廠が100万丁以上をライセンス生産した他、アメリカから174000丁を輸入した。全長1120mm、銃身長559mm、重量5.1kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾、装弾数20発。参考：最新軍用ライフル図鑑、ストライクアンドタクティクスマガジン5,’12

＜Ｍ１４掃海艇＞：スウェーデン海軍スティーソ級哨戒艇ストルコ（Strukö）。1997年11月就役。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜Ｍ１４地雷＞：アメリカ軍の対人地雷。小型円筒形で、外側はプラスチック製である。セイフティ・グリップを外し、プレッシャープレートの矢印をＡに回すとセットされる。炸薬量28.35g。参考：コンバット・バイブル、月刊軍事研究6,’04

＜Ｍ１４対空車両＞：M3ハーフトラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ１４ダミー弾＞：アメリカ陸軍M110自走榴弾砲用ダミー弾。弾丸長874mm、弾丸重量90.72kg。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１４／４１中戦車＞：イタリア陸軍中戦車。M13/40のエンジンをフィアットSPA15TM41型（総排気量11980cc、出力145馬力）に強化したもので、1941年に制式化され、イタリア降伏までに900両が生産された。機関室上面後端左右のラジエーターグリルのスリットが車体前後と直角になっているが、初期車体には平行のままのものもある。車体右のハッチは左に移した。参考：月刊PANZER4,’05、11,’02

＜Ｍ１４／４１ファミリー＞

　＜Ｍ４１ｄａ７５／１８＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

　＜Ｍ４１ｄａ７５／３２＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４１Ｍｄａ９０／５３＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

　＜カルロ・コマンドＭ４１＞：指揮戦車型。M14/41の車体にカルロ・コマンドM40と同様の改修を施しているが、車体前面機銃は13.2mmブレダM31単装機銃になっている。乗員４名（車長、操縦手、無線手２名。うち１名は前方機銃手兼務）。イタリア降伏後はドイツ国防軍に接収され、M41 771(i)の名称で使用された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER5,’05

＜Ｍ１４／４１海外シリーズ＞

　＜Ｍ１４／４１　７３６（ｉ）＞：ドイツ国防軍戦車。1943年9月のイタリア占領時に１両を接収して使用した。全長4.92m、全幅2.23m、全高2.39m、重量14.3トン。主砲は4.7cmKwK47/32(i)L/32（87発）、俯仰角はマイナス15度からプラス25度。副武装は砲塔同軸の8mm機銃MG38(i)と車体の連装8mm機銃MG38(i)で、車体機銃は旋回角28度、俯仰角マイナス15度からプラス23度。機銃弾数2592発。装甲厚は車体前面下部30mm（曲面）、前面上部30mm11度、側面下部25mm０度、側面上部25mm９度、後面下部25mm20度、後面上部25mm０度、底面6mm90度、上面14mm90度、砲塔前面37mm16度、側後面25mm22度、上面14mm85度、防楯37mm曲面。エンジン出力145馬力、トランスミッションは前進４速・後進１速、最大速度32km、航続距離200km。無線機はRF1CA。乗員４名。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｍ１４／４１海外ファミリー＞

　＜Ｍ４１　７７１（ｉ）＞：ドイツ国防軍指揮戦車。カルロ・コマンドM41を鹵獲して使用したものである。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｍ１４Ｄロケット弾＞：ソ連軍140mmロケット弾。BM-14に搭載され、射程10.06km。1955年に導入した。参考：月刊PANZER2,’02

＜Ｍ１５＞：37cmH(E)711(f)列車砲またはサージャント（弾道ミサイル）を参照。

＜Ｍ１５ガスマスク＞：ドイツ軍直結式ガスマスク。ゴム引きの綿生地で製作されている。第１次大戦時に使用した。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ１５手榴弾＞：アメリカ軍の黄燐発煙手榴弾。円筒型で、Mk�V手榴弾に似ているが、底部にリムが無いのと、色が違うので識別できる。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、火器弾薬技術ハンドブック、日本戦車隊戦史

＜Ｍ１５ショット弾＞：アメリカ軍のM1911拳銃用弾薬。不時着したパイロットが鳥などを撃つために使用する。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ１５地雷＞：アメリカ軍の対戦車地雷。平べったい円筒形をしており、内部にコンポジットＢ爆薬が収容されていて、上面にM603信管（135-180kg以上の外力で炸裂）とM120伝爆薬を取り付けて使用する。側面や底面にも補助信管孔を持つ。直径334mm、高さ125mm、総重量13.61kg、炸薬重量10kg。参考：スピアヘッドNo.6、コンバット・バイブル

＜Ｍ１５対空車両シリーズ＞：アメリカ陸軍の半装軌多連装対空自走砲架Multiple Gun Motor Carriage M15 Series。M13/M14対空車両の火力強化型として開発され、1943年2月から量産された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER2,’02

＜Ｔ２８＞：試作型。M2ハーフトラックに37mm自動砲M3A1と12.7mm機銃２丁を組み合わせた防楯付き砲塔を搭載したものである。T28E1に負けて採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２８Ｅ１＞：試作型その２。M3ハーフトラックにT28と同じ砲塔を搭載したもの。こちらが採用されてM15として制式化された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１５＞：車体はM2/M3ハーフトラックと共通で、車体後部の乗員室を外し、燃料タンクを前部乗員室すぐ後ろに移設した。車体後部に全周旋回砲塔が載せられており、37mm自動砲M1A1を１門と、その両脇やや上に12.7mm機銃M2（当初は水冷式、後に空冷式）２丁を搭載したM42砲架を装備する。M2の弾倉は左側機銃は左側、右側機銃は右側に付く。旋回・俯仰は手動。砲塔上部・後部は開放式で、側面前上部を外に倒して視界を広げられる。俯仰角は0-85度で、機関砲は俯角マイナス５度までとれる。砲操作員は５名で、砲塔中央後部（砲の真後ろ）に班長兼射手、右に俯仰手、左に旋回手、砲塔前部両側（機銃弾倉の真横あたり）に装填手２名が座る。M1A1は発射速度毎分120発、砲口初速毎秒792m、有効射程1300m、給弾は10発クリップ。M2は発射速度毎分500発、有効射程700m、給弾は200発弾薬ベルト入り弾倉。照準器はM6環型照準具で、射撃可能な航空機の速度は時速0-800km。M1A1機関砲とM2機銃の弾道は射距離1000mくらいまで概ね一致するので、まずM2機銃で射撃してアタリを付けてからM1A1機関砲を撃つ。オートカー社で680両が生産された。参考：月刊PANZER2,’02、日本の防衛戦力Part7、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１５Ｅ１＞：T87砲架に変更したもので、1943年8月5日から生産された。参考：月刊PANZER2,’02

＜Ｍ１５Ａ１＞：M15E1に若干の改良を加えたもので、砲架の名称もM54に変更された。37mm自動砲が12.7mm機銃M2の上に位置するのがM15との判別点である。全長6.001m、全幅2.261m、全高2.642m、戦闘重量9.435トン。最大速度64.4km。弾数は37mm弾200発、12.7mm機銃弾1200発。乗員７名。1943年10月から1944年2月に1652両が生産された。参考：月刊PANZER1,’04、2,’02、8,’03。

＜Ｍ１５海外シリーズ＞

　＜Ｍ１５Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊自走高射機関砲。98両が供与された。老朽化に伴い、対空機銃を外して兵員輸送車や偵察部隊用車両として使用されたものもある。後継となったM42の配備数が足りず延々使われ続け、87式自走高射機関砲が制式化された後の1990年に退役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊PANZER6,’18

＜Ｍ１５対戦車地雷＞：アメリカ軍の対戦車地雷。円盤形をしている。直径337mm、高さ125mm、重量13.6kg、炸薬重量10kg（コンポジッションＢ）。参考：月刊軍事研究1,’04

＜Ｍ１５セミトレーラー・シリーズ＞：M25タンク・トランスポーターの８輪セミトレーラー部分。参考：月刊グランドパワー2,’99

　＜Ｍ１５セミトレーラー＞：後端に起倒式ランプを持つ。外側のタイヤは搭載車両のトレッドに合わせて間隔をずらすことができる。全幅3.15-3.82m、最大積載量36トン。参考：月刊グランドパワー2,’99

　＜Ｍ１５Ａ１セミトレーラー＞：幅広の重戦車を搭載するため、タイヤ上部をカバーするランプを追加したもの。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１５飛行艇＞：ロシア海軍飛行艇。M.9の改良型で、海軍司令部の要求によりグリゴロヴィッチが1915年秋から開発し、1916年に試作機が完成して量産化された。機体を小型軽量にしてエンジンを強化している。主翼は複葉で、上下翼間にエンジンがあり、プッシャー式プロペラで推進するのはM.9と同じ。全長8.25m、全幅11.84m、全高3.15m。エンジンはイスパノ・スイザV8（140馬力）単発、最大速度125km、航続時間５時間30分。乗員２名（前席の観測手兼銃手、後席のパイロット）。訓練時にはもう１名乗れる。80機が生産された。1917年夏からは練習機として使用され、1920年代に退役した。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ１５級＞：イギリス海軍小型モニター。対地支援が主任務である。全長54m、満載排水量650トン。主機は焼玉機関／レシプロ蒸気機関／石油機関、速力11ノット。兵装は31.5口径／46.7口径23.4cm単装砲１門、7.6cm単装砲１門、57mm単装高角砲１門。M21など14隻が第１次大戦時に竣工した。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜Ｍ−�]�X級＞：ソ連海軍潜水艦。58隻が起工され、57隻が就役した。独ソ戦開始時には現役艦は無く、戦時中には４隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’09

＜Ｍ１５／４２中戦車＞：イタリア陸軍中戦車。M14/41中戦車の車体を145mm延長し、車体上構側面ドアを左から右に移設、エンジンをフィアットSPA15TB42型90度Ｖ型８気筒液冷ガソリン（総排気量11980cc、出力192馬力）に換装し、車体後部上面左右の機関室扉に冷却用グリルを増設、主砲を40口径47mm戦車砲（111発）に強化し、砲塔及び車体前面に12mm厚の補助装甲を装着した。最大速度は40kmとなり、燃料タンク容量は倍近くなったが、燃費が悪くなったので航続距離は220kmとさして変わりない。82両が生産され、イタリア降伏後はドイツ国防軍でPzkpfw.M15/42・738(i)として使用された。参考：月刊PANZER4,’05、11,’02

＜Ｍ１５／４２中戦車ファミリー＞

　＜Ｍ４２ｄａ７５／１８＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

　＜Ｍ４２Ｌｄａ１０５／２５＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

　＜Ｍ４２Ｍｄａ７５／３４＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

　＜カルロ・コマンドＭ４２＞：セモベンテ突撃砲ファミリーを参照。

＜Ｍ１５／４２中戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１５／４２　７３８（ｉ）＞：ドイツ国防軍戦車。1943年9月にイタリアを占領した際に62両を接収し、30両を新規生産して配備した。全長5.04m、全幅2.23m、全高2.39m、重量14.7トン。主砲は4.7cmKwK47/40(i)L/40（111発）で、俯仰角はマイナス15度からプラス25度。副武装は砲塔の同軸8mm機銃MG38(i)と、車体の連装8mm機銃MG38(i)で、車体機銃は旋回角28度、俯仰角マイナス15度からプラス25度。機銃弾数3048発。装甲厚は車体前面下部30mm（曲面）、前面上部42mm11度、側面下部25mm０度、側面上部25mm９度、後面下部25mm20度、上部25mm０度、底面6mm90度、上面14mm90度、砲塔前面49mm16度、側後面25mm22度、上面14mm85度、防楯37mm（曲面）。エンジン出力185馬力、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度38km、航続距離180km。無線機はRF1CA。乗員４名。独立戦車大隊３個とSS義勇第22騎兵師団マリア・テレサ（ハンガリー義勇兵部隊）に配備された。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｍ１６アーマメント・サブシステム＞：アメリカ軍のヘリコプター用アーマメント・サブシステム。1963年末に登場した。M6E3サブシステムと、XM157またはXM158ロケット弾ポッド（1965年以降はXM158のみ）２基を組み合わせており、ロケット弾ポッドはXM156マウントに装着したMA-4ボムラックに取り付ける。ロケット弾の照準・発射はXM60オプティカル・サイトで機長が、M6E3の照準・発射はコパイロットが行う。ロケット弾射撃はポッド１基あたり1-7本まで選択可能で、発射時は機銃射撃を自動的に停止する。参考：月刊航空ファン7,’00

＜Ｍ１６小銃シリーズ＞：アメリカ陸軍の自動小銃。M14が軽量化に失敗し、反動が強烈すぎてフルオート射撃が困難という欠点を抱えていたため、これを解決するべくサルボ計画の名称で開発され、レミントン社が新開発した小口径軽量5.56mm×45弾を使用する銃として設計された。ベトナム戦争に投入された当時は、最新ライフルということで手入れを怠る兵士が続出し、ジャミングが多発したが、以降は丁寧なクリーニングにより、中東の砂漠地帯でも安定した射撃能力を示している。銃そのものの信頼性は高く、ベトナム戦争中に銃身でスープをかき混ぜている最中に敵の襲撃を受けたため、そのまま反撃したところ、普通に撃てたという話もある。弾丸が軽量で体内に侵入した際に複雑な動きをするため、ベトナム戦争時に非人道的として問題となったが、同様の小口径突撃銃であるAK74でも同じ現象が報告され、今では問題にされていない。参考：コンバット・バイブル、世界の軍用銃、スピアヘッドNo.2

　＜Ｍ１６＞：1961年にアメリカ空軍が制式採用したAR-15を1961年末に陸軍でも制式化したもの。機関部はアルミニウム系軽合金製、ストックやハンドガードなどはプラスチック製で、軽量化を図った。作動はガス・ピストン不要のガス圧直接利用式で、発射ガスの一部は銃身上方のガス・パイプに導かれ、そのままボルト・ユニットまで到達してガス・チャンバーを満たし、ボルト・キャリアーが後退してボルトが回転し、閉鎖が解かれ、ボルト・ユニット全体が後退して薬莢を排出する。小口径・高初速弾故に薬室内で薬莢が膨らんで排出不良を起こす可能性があるため、マイクロ・ロッキング・ラグと呼ばれる機構を採用して閉鎖開放時のボルト移動量を最小限に抑え、排出不良を抑制した。銃口先端のフラッシュ・サプレッサーは先開き形状で、枝などが引っ掛かるという欠点がある。全長994mm、銃身長537mm、重量3kg。ライフリングは６条右回り。20発入り弾倉を使用する。使用弾は5.56mm×45弾M193。セレクターはセーフ、セミオート、フルオートの切り替え式。陸軍兵器局の要求が一定せず、無理な改造が加えられた上、コルト社が急燃性装薬を使用する予定で設計したのに兵器局で燃料速度の遅い装薬に変更したため、燃え滓が残ったり発射速度が速すぎたりして作動不良が続出した。ベトナム派遣軍は兵器局改造前のAR-15に注目してベトナム戦争への投入を決定したが、送られてきたのは改悪後の銃で、不必要に変更したライフリングに伴う不具合、整備不良によるジャミング、装薬変更からくる弾薬の不具合、腐食などから評判が悪かった。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル、兵器最先端５、世界の軍用銃

　＜Ｍ１６Ａ１＞：改良型で、1967年に制式化された。ボルト閉鎖不良時の強制前進装置（ボルト・フォワード・アシスト）を付け、30発弾倉を使用可能とし、フラッシュ・サプレッサーを木の枝などが引っかからない籠型に変更、薬室内もクロームメッキを施し、信頼性を大幅に改善している。全長990mm、銃身長533mm、重量3.35kg。使用弾口径5.56mm、装弾数20または30発。銃口初速毎秒990m、発射速度毎分750-850発。ライフリングは６条右回り。セレクターはセーフ、セミオート、フルオートの切り替え式で、100mごとに500mまでの機械式照準具を持つ。グローブを填めたままでも射撃できるよう、トリガーガードを外すことができる。参考：コンバット・バイブル、兵器最先端５、世界の軍用銃

　＜Ｍ１６Ａ２＞：M16A1の改良型。参考：コンバット・バイブル

　＜Ｍ１６Ａ２モデル１７０１＞：1985年に採用された。新型NATO標準弾SS109（アメリカ軍制式名称M855）を使えるよう銃身を強化し、ライフリング・ピッチを短縮（17.8mmで１回転）、ハンドガードを円筒形にし、フルオート射撃を廃止して３点バーストとしている。射程が800mに延伸したため、照準具もダイヤル式多段階調整型に更新した。銃口部フラッシュ・サプレッサーのスリットのうち、一番下のものを塞いで銃口の跳ね上がりと地面からのブラストを防いでいる。ストックの素材をフォームフィルド・ファイバーグラスからフォームフィルド・耐衝撃性ナイロンに変更して補強し、エジェクションポート後部に突起を付け、打殻薬莢が左利きの射手の顔面を直撃しないようにした。全長は同じだが銃身長が508mmと少し減り、重量は3.85kgに増加した。発射速度毎分600発。参考：コンバット・バイブル

　＜Ｍ１６Ａ２モデル１７１１＞：M16A2モデル1701にM16A1と同じ照準具を載せたもの。参考：コンバット・バイブル

　＜Ｍ１６Ａ２カービンモデル１７２３＞：カービン型。ストックを伸縮式とし、銃身長を短縮した。参考：コンバット・バイブル

　＜Ｍ１６Ａ２コマンドモデル１７２３＞：短カービン型。カービンモデル1723の全長を更に切り詰め、サブマシンガン級にした。参考：コンバット・バイブル

　＜Ｍ１６Ａ２ヘビーバレルモデル１７４１＞：分隊機関銃型。銃口近くに二脚を取り付けた。参考：コンバット・バイブル

　＜Ｍ１６Ａ３＞：M16A2の３点バーストを廃止してフルオートにしたもの。光学スコープ装着の際に不安定になりやすかったリアサイトに改良を加え、キャリングハンドルを取り外し式にし、レシーバー上面にＴ型レールを装着した。参考：月刊軍事研究4,’14、最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ１６Ａ４＞：M16A3をフルオートから３点バーストに戻したもの。M16A3と同様にキャリングハンドルは脱着式で、外した部分にM1913レール装着システムを装備できる。ハンドガード上下左右にもレールが標準装備されており、AN/PVQ-31A/B照準戦闘スコープ（倍率４倍）、AN/PEQ-15レーザーポインター、フラッシュライト、フォアグリップなどを装着可能。アメリカ海兵隊が採用し、M4カービン採用後も主力小銃（開けた海岸地帯での長距離射撃に有利）として使用している。全長1m、重量3.97kg（30発入り弾倉含む）。参考：月刊PANZER1,’13、月刊軍事研究4,’14、2,’10、3,’13

　＜Ｍ２３１ＦＰＷ＞：ショートバレル・ショートストック型。M-2歩兵戦闘車のガンポートに取り付けて使用する。全長717.6mm、重量3.79kg。装弾数30発、発射速度毎分1225発。参考：月刊軍事研究3,’09、コンバット・バイブル２

＜Ｍ１６海外シリーズ＞

　＜Ｃ７＞：カナダ軍小銃。基本はM16A2（モデル715）だが、３点バーストの代わりにフルオート機能を付けている。ディマコ社でライセンス生産した。全長1.02m、銃身長0.51m、重量3.9kg。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル、月刊PANZER7,’03

　＜Ｃ８＞：カナダ軍カービン銃。カービンモデル1723で、オランダ国境警備隊も採用した。全長840mm／760mm（ストック短縮時）、銃身長370mm、重量2.7kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＣＱ３１１＞：M311を参照。

　＜Ｍ１６（アフガニスタン軍）＞：アフガニスタン軍小銃。2008年に第３旅団第４大隊に初装備された。AKと違ってタリバンからの鹵獲部品・弾薬が使用できない、サイトに電池式発光装置が無いので夜間に照準が付けられないといった問題があるという。参考：月刊軍事研究2,’09

　＜Ｍ１６（自衛隊）＞：自衛隊の小銃。1980年代に数百丁を購入してテストを行い、豊和工業でライセンス生産を行う寸前あたりまでいったようだが、結局89式小銃が採用された。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜Ｍ１６Ａ１モデル８０３Ｋ＞：韓国軍の小銃。韓国の大宇工業でライセンス生産したもので、59万丁が生産された。全長990mm、銃身長538mm、重量2.86kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ３１１＞：中国のNORINCOがコピーしたM16A1で、別名CQ311。ハンドガードが独自形状になり、滑り止めの溝も刻んでM16A2類似となった。全長987mm、銃身長506mm、重量3.2kg。セミオートのみのバージョンはヨーロッパやアメリカの民間市場に輸出された。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究9,’14

　＜６５式歩槍＞：台湾軍の小銃。M16A1をライセンス生産したものである。全長1010mm、口径5.56mm、重量3.5kg。装弾数30発。グレネードランチャーの装着も可能。参考：月刊丸4,’07、最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ．１６水上機＞：ロシア海軍水上機。海軍の要求でグリゴロヴィッチが開発し、1916年後半から生産された。フランスのファルマンHF.16/20/22がベースで、M.9飛行艇のものを拡大した複葉の主翼を取り付け、上下翼の間に胴体を装備、胴体後部にエンジンを搭載してプッシャー式プロペラで推進する。下翼下面中央左右にフロート２基を装着しており、フロート下面が平らなので雪原や氷上での運用も可能。全長8.6m、全幅18m、重量1450kg。エンジンはサルムソン（150馬力）双発、最大速度120km、航続時間４時間。乗員２名。４名乗り水上雷撃機型GASN含め40機が製作された。エストニア軍やフィンランド軍も使用している。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ１６対空車両＞：M3ハーフトラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ１６ヘルメット＞：ドイツ陸軍のヘルメット、通称石炭バケツ。武装親衛隊用のものは黒く塗られており、アドルフ・ヒトラー連隊は右にSS・左に国家徽章の盾を、他の部隊は右にSS・左に鈎十字を描いていたが、1935年8月12日に右SS・左鈎十字盾と変更された。参考：グラフィックアクション２

＜Ｍ１６Ａ１地雷＞：アメリカ軍の空中炸裂式対人地雷。外見や炸裂法はドイツ国防軍SMi35対人地雷に似ている。殺傷半径32m。信管はM605複合信管など。参考：コンバット・バイブル、月刊軍事研究6,’04

＜Ｍ１７＞：M3ハーフトラック・ファミリー（対空車両）を参照。

＜Ｍ１７曳光弾＞：自衛隊の12.7mm曳光弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’07

＜Ｍ１７えい光弾紙箱入＞：自衛隊の12.7mm弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜Ｍ１７えい光弾リンク＞：自衛隊の12.7mm弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜Ｍ１７エンジン＞：ソ連の航空機用ガソリンエンジン。ドイツのBMW�Yをライセンス生産したものである。液冷Ｖ型12気筒、出力450馬力。耐久時間が200時間しかないのが欠点である。1930-41年に27000基が生産され、航空機のみならずBT-7戦車にも搭載された。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ１７ガスマスク・シリーズ＞：アメリカ軍のガスマスク。1961年に採用し、湾岸戦争でも主要装備だった。参考：歴史群像12,’10

　＜Ｍ１７＞：頬の左右にキャニスターを内蔵し、ボイスミッターを標準装備する。参考：歴史群像12,’10

　＜Ｍ１７Ａ１＞：マスクをしたまま飲料水を飲めるようになった。参考：歴史群像12,’10

　＜Ｍ１７Ａ２＞

＜Ｍ１７ガスマスク＞：ドイツ軍が第１次大戦時に使用したガスマスク。M15のゴム節約版で、羊のなめし革を真空炉に入れて鉱物油に浸したものをゴム引き生地の代わりに使用し、ガスの浸透を防いでいる。通常は金属缶に入れて持ち運ぶ。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ１７拳銃＞：アメリカ軍の拳銃。シグP320自動式拳銃を導入するもので、M9の後継として2017年1月に採用した。参考：月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ−１７高々度観測機＞：ソ連のミャシシチェフ設計局が開発した高々度観測機、別名ストラトスフェーラ（成層圏）。1970年代末頃にラメンスコイェ飛行場でテストを行っているのをアメリカが偵察衛星で発見し、ラムＭのコードネームを付けた。NATOコードはミスティック（Mystic、神秘主義者）Ａで、存在が一般に知られたのは1990年になってからである。ツインテールブーム機で、アスペクト比11-12の高翼配置の主翼を持ち、高々度を巡航して偵察などの任務を行うとみられていたが、実際には科学調査目的で高層大気を観測していたらしい。エンジンはターボジェット単発で、エアインテイクはコクピット後方両脇にある。参考：月刊軍事研究1,’18、世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン11,’92

＜Ｍ１７焼夷弾＞：アメリカ軍の500ポンド級焼夷弾。M47焼夷子弾を収容する。参考：月刊JWings3,’13

＜Ｍ１７破片てき弾＞：アメリカ軍の小銃てき弾。Mk�UA1手榴弾の頭部を外して発射ユニットと着発信管を取り付けたものである。M1カービンとM1ガーランドから発射できる。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１７ロケット弾発射機＞：アメリカ軍の180mmロケット弾20連装ランチャー、別名ホイッツバン。M4A2中戦車の砲塔にT34カリオペと同様に搭載して使用する。硫黄島戦ではM4A3が使用されたために砲塔に積めず、ソリを作ってその上に載せて発射した。ランチャー俯仰角はマイナス５度からプラス25度。T37ロケット榴弾は直径7.2インチ（182.9mm）、重量28kg、炸薬重量14kg（TNT）で、射程が230m（1200m？）と短く、直射兵器として使用された。このためランチャーは最大厚12.7mmの装甲板で作られており、発射口には開閉式装甲カバーも用意されていて、未装填でも重量が2.1トンあった。T37榴弾の他、M25化学弾（射程3000m）も用意されている。単射または0.5秒間隔の連射が可能。参考：月刊グランドパワー4,’98、月刊軍事研究8,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１７Ａ１集束焼夷弾＞：アメリカ軍の集束焼夷弾。AN-M50テルミット焼夷弾110本を纏めて搭載したものである。日本本土空襲に使用された。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｍ１８駆逐戦車＞：アメリカ陸軍駆逐戦車Gun Motor Carriage M18（M18GMC）、通称ヘルキャット（Hellcat。公式愛称ではない）。1941年12月、アメリカ兵器局が37mm砲、クリスティー式サスペンション、R975エンジンを搭載した駆逐戦車を要求した。その後、第２次大戦の戦訓に基づき、主砲を57mm戦車砲M1に、サスペンションをトーションバー式に変更して1942年半ばにT49試作駆逐戦車２両が完成し、7月からテストを実施。しかし駆逐戦車コマンドでは兵器局に武装強化を要請、M4中戦車と同じ75mm戦車砲M3を積むことになり、12月にT49をキャンセルしてM3戦車砲搭載T67試作駆逐戦車の製作に入った。砲塔はT35試作駆逐戦車類似の円形断面傾斜装甲オープントップ砲塔を積んでいる。テストの結果、20ショート・トンの軽量車体に強力なエンジンを搭載していたので機動力が高かった点が評価され、一旦は制式化が決定したが、M4中戦車の新たな主砲として76mm戦車砲M1が採用されたため、こちらを積むことになり、T70試作駆逐戦車として６両が完成。テストの結果、車体前面形状を単純化し、砲塔を角張った新型に変更して1943年7月（6月？）にビュイック・ファクトリーで生産を開始、1944年2月にM18駆逐戦車として制式化された。出力重量比が高く、当時最速の装軌式車両だった。下部転輪はダブルタイプ片側５組、サスペンションはトーションバー式。エンジンは車体後部、トランスミッションは車体前部にあり、起動輪も前にある。誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側４個。砲塔は後部にカウンター・ウェイトを持つオープントップ型全溶接製で、左前に砲手、その後ろに車長、右に装填手が座る。邪魔にならないよう主砲閉鎖機は右に45度寝ているが、逆手になって装填がしにくい。主砲は76mm戦車砲M1A1/M1A1C/M1A2が順次搭載され、M1A1CとM1A2はマズルブレーキを装備可能。俯仰角はマイナス10度からプラス19.5度。主砲弾搭載数45発。弾種はM62A1APC、M79AP、M93HVAP、M42A1HE、M88HCBI（煙幕弾）、M312WP（黄燐榴散弾）、Mk.25ILL（照明弾）。副武装は砲塔左後部リングマウント上の12.7mm機銃（800発）。装甲厚は砲塔前面25.4mm、車体上面8mm、車体下面4.8mm、その他で12.7mmと薄く、車体に避弾経始は考慮されているものの、7.92mmマウザーのＫ弾薬を射距離70mから垂直に撃ち込むと正面以外は貫通されてしまう。全長6.65m、車体長5.44m、全幅2.87m、全高2.57m、戦闘重量17トン。エンジンはコンチネンタル製R975-C1星形空冷９気筒ガソリン（400馬力。後にR975-C4・460馬力）、最大速度88km、燃料搭載量625リットル、航続距離161km。乗員５名（車長、操縦手、砲要員３名）。1944年10月までに2507両が生産された。シルエットが低く、信頼性が高く、機動力が良く、サスペンションの耐久性も良好で、1944-45年のイタリア戦線・フランス戦線でヒットエンドラン戦法を駆使して活躍し、乗員からも好評だった。砲塔をM36と交換したものも試作されたが、第２次大戦終結で量産には移されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER10,’03、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)

＜Ｍ１８駆逐戦車ファミリー＞

　＜Ｍ３９＞：M39汎用装甲車シリーズを参照。

　＜Ｔ８６＞：試作水陸両用戦車型、76mm Gun Motor Carriage T86 (Amphibious)。太平洋戦線の戦訓で開発され、1944年1月に試作車が製作された。車体周囲にフロートを装着し、履帯で浮航できるようにしている。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８６Ｅ１＞：試作水陸両用戦車型、76mm Gun Motor Carriage T86E1 (Amphibious)。T86の水上推進方式を直径26インチ（660mm）のプロペラ２軸にしたものである。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８７＞：試作水陸両用戦車型、76mm Gun Motor Carriage T87 (Amphibious)。T86とT86E1の試験結果を受けた改良型で、履帯による水上推進を採用しており、フロートと履帯の形状を洗練させた。主砲はT88と同じ105mm榴弾砲T12に換装されている。1944年12月に試作車が完成したが、テストしたところフロートが邪魔で前が見えない、舵を付けないと浮航中に方向転換できないといった欠点が見つかり、更に太平洋戦争が終わったため採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８８＞：試作自走榴弾砲型、105mm Howitzer Motor Carriage T88。主砲を105mm榴弾砲T12に換装している。1944年8月から開発され、12月に試作車が完成したが、テスト中に第２次大戦が終わり、開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ１８手榴弾＞：アメリカ軍の着色発煙手榴弾。煙は赤、緑、黄、紫の４種類で、主に信号用に用いられる。重量539g。信管遅延秒時3-5秒、燃焼時間50-90秒。参考：コンバット・バイブル、火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ１８弾道ミサイル＞：中国が輸出向けに開発していた弾道ミサイル。東風15を２段式にしたもので、射程1000km以上。1992年に開発中止となった。参考：月刊軍事研究9,’09

＜Ｍ１８ヘルメット＞：ドイツ陸軍のヘルメット、通称石炭バケツ。武装親衛隊用のものは黒く塗られており、アドルフ・ヒトラー連隊は右にSS・左に国家徽章の盾を、他の部隊は右にSS・左に鈎十字を描いていたが、1935年8月12日に右SS・左鈎十字盾と変更された。参考：グラフィックアクション２

＜Ｍ１８無反動砲シリーズ＞：アメリカ陸軍57mm無反動砲。アメリカ陸軍歩兵局が第２次大戦時にT15の名称で開発した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１８無反動砲＞：肩撃ちの他、単脚と支脚を取り付けたり、M1917A1重機関銃用三脚架に装着したりすることが可能である。薬莢には無数の穴が開いており、ここから発射ガスが抜けて薬室沿いに後方に噴射され、反動を相殺する。全長1.564m、砲身長1.219m、重量18.3kg（三脚架取り付け軸付き）／20.1kg（二脚架付き）。ライフリングは24本。使用弾はM306A1榴弾、M307A1HEAT（重量1.23kg、装甲貫徹力70mm）、M30A1黄燐発煙弾、M306/M306A1演習弾で、初速毎秒265m、最大射程4512m、最大射程時仰角46度。要員は分隊長（双眼鏡、コンパス、傾斜計、射表）、砲手（砲、二脚架、M86C眼鏡）、副砲手（弾薬６発）、弾薬手（弾薬６発）２名の計５名（弾薬18発）。アメリカに生産の余裕が無かったため、カナダのドミニオン・エンジニアリング・ワークス社で量産され、1944年末に太平洋戦線に投入され、一部は空挺部隊に配備されてヨーロッパ戦線にも投入された。参考：スピアヘッドNo.2、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊軍事研究3,’17

　＜Ｍ１８Ａ１無反動砲＞：閉鎖機を改良したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１８無反動砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１８無反動砲（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊無反動砲。警察予備隊時代に355門が供与され、1968年頃まで使用された。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜３６式無反動砲＞：中国軍無反動砲。中国がコピーしたもので、ベトナム戦争では解放戦線が使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１８ロケットランチャー＞：アメリカ陸軍ロケットランチャー。アルミニウムを多用した軽量化型バズーカで、空挺隊用に1944年から開発された。500門を生産して実用テストを行っていたが、太平洋戦争が終わってしまい、それ以上は生産されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ．１８練習機＞：マイルズ社の試作初等練習機。マジスターをベースに開発、1938年12月4日に初飛行した。試作機４機が作られたが、タイガーモスに負けて採用されず、実験機として使用された。全長7.59m、全幅9.52m、全備重量880kg。エンジンはシラス・メジャー１（130馬力）単発、最大速度210km、実用上昇限度3800m、航続時間3.5時間。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｍ１８Ａ１地雷＞：アメリカ軍の対人地雷、別名クレイモア。朝鮮戦争での人海戦術に対抗すべく開発された。プラスチック製で、カーブのつけられた直方体の形状をしており、重量1.5kg。内部にはコンポジッションC4爆薬700gと、直径1.2mmの鋼鉄球700個が詰め込まれている。下部には折り畳み脚が付いており、地上に立てて設置する。M4電気信管を本体上部に繋ぎ、それから伸びる発射コードにM57発火具を取り付け、レバーを握ると炸裂する。トリップ・ワイヤーでも作動可能。炸裂すると前方60度の範囲に鋼鉄球がばらまかれ、半径100m以内・高さ2m以内にいる敵兵をなぎ倒す。危険距離は250mあり、バックブラストも16m後方まで達する（100m以内は注意の必要あり）。使用前にはM57発火具の代わりにM40テストセットを取り付けて作動確認を行う。一式はコットン製のキャリーバックに収容されており、空き袋はM79グレネードランチャーの弾薬収容袋として重宝した。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ１８Ｅ１＞：アメリカ陸軍のミニガンポッド。内部にM134を収容している。全長2.16m、重量147.5kg。装弾数1500発。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ１９自走高射機関砲シリーズ＞：アメリカ陸軍自走高射機関砲。M24軽戦車の車体に40mm高射機関砲を搭載したT65E1を制式採用したものである。1943年中頃にデザインが決定し、1944年8月に制式化されて904両が発注され、第２次大戦ヨーロッパ戦線終結により量産数が減らされて1945年4-6月に285両が生産された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER4,’02、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)

＜Ｍ１９＞：M24の溶接構造車体を0.8m延長し、エンジンを車体中央に移設、車体後部にオープントップ砲塔を搭載した。下部転輪はダブルタイプ片側５組で、中央の１組以外はショックアブソーバーを持ち、サスペンションはトーションバー式で、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側４個。履帯はシングルピンのT72またはダブルピンのT85E1である。主砲はボフォース製66口径40mm双連機関砲M2で、M4砲架に搭載される。砲塔駆動は油圧または手動、全周旋回可能、旋回速度毎秒40度、俯仰角マイナス３度からプラス85度、俯仰速度毎秒25度。照準器はM23/M24反射式照準具、M13/M13A1計算照準具で、迎撃可能目標速度毎時0-800km。主砲発射速度は１門あたり毎分120発、装弾は４発クリップ、クリップ搭載数84個。M28トレーラーに砲弾320発を搭載でき、自車での牽引も可能。使用弾はMk�U曳光焼夷榴弾とM81A1曳航徹甲弾で、初速毎秒875m、射程4000-8000m、通常交戦距離5000m。徹甲弾の装甲貫徹力は40mm（撃角20度、射距離900m）／25mm（撃角30度、射距離2000ヤード・1829m）あり、装甲車相手ならかなり有効である。正式な副武装は無いが、近接戦闘に備えて車体前部に12.7mm重機関銃M2や7.62mm機銃M1919A4を追加装備することもあった。全長5.46m、全幅2.84m、全高2.985m、重量14.48トン。装甲厚は車体前面・側面12.7mm、車体後面・上面6.35mm、防楯12.7mm、砲塔全周8mm。エンジンはキャデラックM44T24-1G（最大出力110馬力）２基、最大速度56km、燃料搭載量435リットル、航続距離161km。乗員６名。参考：月刊PANZER4,’02、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１９Ａ１＞：右フェンダーに補助動力装置（ウィスコンシンTFG２気筒ガソリンエンジン）を搭載し、車体側面にフェンダーを付け、砲弾搭載数を352発に増加させたもの。重量19トン。最大速度55km。乗員６名。陸上自衛隊にも40両が配備され、1960年代終わりに退役した。参考：月刊PANZER4,’02、8,’03

＜Ｍ１９焼夷弾＞：アメリカ軍の500ポンド集束焼夷弾で、当初はE46と呼ばれた。M69焼夷弾を38発（48発という説もある）纏めて収容しており、高度1500mで撒布する。太平洋戦争で、日本に最も多く投下された焼夷弾である。参考：世界の傑作機No.52、戦時用語の基礎知識、月刊JWings3,’13

＜Ｍ１９地雷＞：アメリカ軍の対戦車地雷。プラスチック製で、内部にコンポジットＢ爆薬を収容しており、M606プラスチック信管（159-227kg以上で炸裂）などを装着して使用する。側面と底面に補助信管孔を持つ。長さ330.2mm、高さ76.2mm、総重量12.7kg、炸薬重量9.33kg。参考：スピアヘッドNo.6、コンバット・バイブル

＜Ｍ１９信管＞：アメリカ軍57mm対戦車榴弾M307A1用弾頭点火信管。弾丸の旋転が毎分1500-2000回転に達すると安全装置が外れ、着弾すると弾頭部が潰れて撃針が押され、雷管が作動して補助起爆薬が爆発、その火炎が火炎管路を通って弾頭後部の起爆薬を炸裂させ、主炸薬に点火する。参考：スピアヘッドNo.2

＜Ｍ１９迫撃砲＞：アメリカ軍60mm軽迫撃砲。第２次大戦時に海兵隊の要求で開発された。底板を重擲弾筒のような形状に小型化し、支脚を省いて軽量に纏めている。全備重量9kg。射程70-750m。ただし軽量さが災いして射距離200m以上では命中率が大幅に低下した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１９迫撃砲＞：アメリカ軍60mm軽迫撃砲。重量21kg。最大射程1814m。ベトナム戦争で歩兵用支援火器として威力を発揮した。M224に後を譲り、退役した。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ１９浮航装置＞：アメリカ海兵隊のM4中戦車用大型フロート。砲塔がフロートの上に出るので、装着したまま射撃できる。第６海兵戦車大隊がM4A3戦車の一部に装着して沖縄戦に参加したが、あまり実用的でなく、以降は使われなかった。参考：日本戦車隊戦史

＜Ｍ１９Ａ１黄燐発煙弾＞：アメリカ軍の化学小銃てき弾。化学剤・黄燐を240g内蔵する。M7小銃てき弾発射機から発射可能。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ２０＞：M8ファミリー（装甲兵員輸送車）またはWM20（オートバイ）を参照。

＜Ｍ２０曳光焼夷徹甲弾＞：アメリカ軍のM2重機関銃用12.7mm曳光焼夷徹甲弾。弾芯後部に曳光剤が充填されており、前方に焼夷剤を置き、全体をメタルジャケットでくるんでいる。射距離1200mで装甲貫徹力11mm。参考：世界の軍用銃、月刊軍事研究8,’16

＜Ｍ２０改良型（フランス）＞：M8装甲車・海外ファミリーを参照。

＜Ｍ２０軽飛行機シリーズ＞：アメリカのムーニーが開発した軽飛行機。原型機は1953年9月3日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０＞：1955年8月に形式証明を取得した。単発低翼単葉機で、降着装置は前輪式。尾部が木製で、湿気を帯びて腐るという欠点があった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ａ＞：1958年2月に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｂ＞：1960年12月に登場した。エンジンをO-360-A1A（180馬力）に換装している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｃ＞：1961年12月に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｄ＞：1963年に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｅ＞：短胴型で、1964-75年に生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｆ＞：長胴型で、1966-77年に生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｇ＞：長胴型で、1966-77年に生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｋ＞：ターボチャージャー付きエンジンを搭載したもの。1979-98年に生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｌ＞：エンジンをポルシェPFM3200N03に換装したもの。1988-2005年に生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｒ＞：エンジンをTIO-540-AF1A（270馬力）に換装したもので、1994年に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｍ２０Ｓ＞：エンジンをIO-550-G(6)（244馬力）に換装したもので、1999年に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ２０Ｔ＞：エンジンをライカミング製AEIO-540に換装したもの。1991年に登場し、アメリカ空軍が採用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｍ２０ＴＮ＞：エンジンをTSI0-550-Gに換装したもの。全長8.15m、全幅11.1m、全高2.5m、最大離陸重量1528kg。エンジンはTSI0-550-G単発、巡航速度438km、最大速度448km、航続距離2676km。乗員１名。客席数３。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｍ２０試作戦闘機＞：マイルズ社が開発した戦闘機で、1940年の応急大量生産戦闘機計画に基づいて製作された。マスター練習機の部品を流用し、機体は木製・羽布張りにして生産性第一としてある。全長9.34m、全幅10.54m、全備重量3620kg。エンジンはロールスロイス社製マーリン20（1460馬力）単発、最大速度550km、航続距離1900km。固定武装は7.7mm機銃８丁。乗員１名。スピットファイアなどの戦闘機が順調に生産されていたため、採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｍ−２０潜水艦発射弾道ミサイル＞：フランス海軍SLBM。M-2SLBMの再突入核弾頭をTN-60/-61熱核融合弾頭（1.2メガトン）に換えたもので、射程は3000kmのまま。サイズも全長10.4m、直径1.5mで変わらないので、M-2用の発射筒にそのまま搭載できる。重量21トン。推進は１段目がアエロスパシアルSEP904（P10）固体燃料ロケット（推力45トン・燃焼時間50秒）、２段目がアエロスパシアルSEPリタ�U（P6）固体燃料ロケット（推力3.2トン。32トン？、燃焼時間52秒）。誘導方式は慣性誘導、CEP1000m。1977年に実戦配備され、ル・ルドゥタブル級1-5番艦に後日搭載された。参考：月刊軍事研究2,’01、12,’16、ザ・マーチ17号、核兵器事典、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05、4,’20

＜Ｍ−２０弾道ミサイル＞：中国軍短距離弾道ミサイル、米軍コードCSS-X-15。推進は固体燃料ロケット、射程280km。TELに搭載される。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ２０無反動砲＞：アメリカ陸軍75mmライフル無反動砲。57mm無反動砲M18をスケールアップしたもので、砲身の半ばにグリップが付いており、運搬が容易。1944年3月にT21試作砲が完成し、閉鎖機を改良して1945年3月から生産された。二脚架や車両取り付け用のバーは廃止されており、発射時にはM1917A1用三脚架か、専用のM74脚架（重量15kg）に載せる。全長2.083m、砲身長2.045m、重量52kg。最大仰角65度、最大射程時仰角43度。使用弾は榴弾（弾量6.53kg）、HEAT（装甲貫徹力100mm）、白燐発煙弾。有効射程900m（移動目標）／1350m（固定目標）、最大射程6358m。発射速度毎分２発（持続）／８発（最大）。第17空挺師団に配備されて欧州戦線に投入された他、沖縄戦では1945年5月から使用されて好評を博した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、日本の戦力、連合軍の傑作兵器駄作兵器、スピアヘッドNo.2、丸エキストラ版No.71、月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ２０無反動砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２０（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊75mm無反動砲。全長2.085m、砲身長1.654m、口径75mm、重量76.1kg。弾種はHEAT（弾丸重量2.4kg）、榴弾（弾丸重量2.3kg）、発煙弾。初速毎秒300m（HEAT）、有効射程700m（HEAT）／1000m（榴弾）、最大射程6300m。発射速度毎分８発。３名で搬送し、M1917A1三脚式砲架に載せて運用する。ジープに車載してそのまま発射可能。警察予備隊時代に316門が供与され、1994年に退役した。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊装備カタログ1981、月刊軍事研究3,’17

　＜５２式無反動砲＞：中国軍無反動砲。第２次大戦後にコピーした。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ２０ロケット弾＞：ソ連軍のロケット弾。M-13の威力強化型である。全長2.09m、直径132mm、重量57.9kg、炸薬重量18.4kg。射程5050m。カチューシャなどに使用された。参考：月刊グランドパワー2,’99、WW�U欧州戦線シリーズVol.4

＜Ｍ２０ロケットランチャー・シリーズ＞：アメリカ陸軍3.5インチ（89mm）ロケット弾発射筒、別名スーパーバズーカ。ドイツ陸軍�X号・�Y号戦車に対抗するため開発され、1945年10月に制式化されたが、第２次大戦が終わっていたため生産はされずにいた。朝鮮戦争で2.75インチバズーカM9が威力の無さを露呈したのを受け、急遽量産に移っている。M72が完成するまで、火点潰しとしてベトナム戦争でも使用された。参考：月刊軍事研究3,’17、コンバット・バイブル２

＜Ｍ２０＞：ランチャーは個人携行式で、２つに分解して持ち運び可能である。全長1.549m、重量6kg、使用弾重量3.38kg。初速毎秒103m、有効射程200m、最大射程800m。装甲貫徹力300mm。装填後にロケット弾の電気雷管着火コードを接点スプリングに巻き付ける必要がある。後方左右30度ずつ、半径23mの範囲はバックブラストに注意。M28A2HEAT弾などを使用する。初陣は朝鮮戦争の大田防衛戦で、ここだけでT-34/85戦車16両を破壊した。参考：コンバット・バイブル２、GUN用語事典、世界の軍用銃

＜Ｍ２０Ａ１＞：接点スプリングを廃止し、装填するのみで発射準備が完了するようにした。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ２０Ｂ１＞：ガラス避けなどのアルミ部品を一体鋳造とした軽量型。重量5.5kg。参考：月刊PANZER10,’01

＜Ｍ２０Ａ１Ｂ１＞：M20A1にM20B1と同じ軽量化を施したもの。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ２０ロケットランチャー海外シリーズ＞

　＜Ｍ２０シリーズ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の対戦車ロケットランチャー。警察予備隊時代の1952年3月からM20とM20B1が供与され、後にM20A1規格とM20A1B1規格に改造されてM20改４型及びM20B1改４型と改称された。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｍ２０改４型＞：陸上自衛隊のM20A1対戦車ロケットランチャー。筒を２分割することが可能。全長1.535m、口径89mm、重量6.8kg。発火は電気式で、発射速度毎分８発（最大）／４発（持続）。使用弾はM28A2対戦車榴弾（全長598mm、重量4040g。炸薬はコンポジッションＢ870g、推進薬重量163g。弾底信管付）またはM35A1対戦車榴弾（弾頭信管付）で、装甲貫徹力275mm、初速毎秒102m、有効射程300m（停止目標）／200m（移動目標）／110m（装甲目標）／600m（地域制圧時）。M30黄燐発煙弾とM29演習弾も撃てる。運用人員２名（射手、装填手）。１個普通科小隊に1-2門ずつ配備された。後継としてパンツァーファウスト３が導入されたが、2010年になっても普通科を除く一部の部隊に装備されており、力不足は否めないが、射距離50mで履帯を狙えば何とかなるかもしれない。参考：月刊PANZER10,’01、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊軍事研究3,’17、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings7,’02、自衛隊装備年鑑1996、スピアヘッドNo.6、日本の防衛戦力Part1

　＜Ｍ２０Ｂ１改４型＞：陸上自衛隊のM20A1B1対戦車ロケットランチャー。重量6.3kg。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ−２１＞：M3ハーフトラック・ファミリー（自走迫撃砲）またはSR-71偵察機ファミリーを参照。

＜Ｍ２１ＤＰ＞：アメリカ軍の除洗ポンプ・洗浄機。トレーラーで牽引され、コンテナを地上に設置して使用する。内部でNBC汚染した人員の体をスプレー洗浄し、電動ブラシでこすり落とす。参考：月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ２１アーマメント・サブシステム＞：アメリカ軍のヘリコプター用アーマメント・サブシステム。M16サブシステムのM60C機銃をM134ミニガン２基に換装している。旋回範囲は内側12度、外側70度、上方10度、下方85度。弾薬浪費防止のため、３秒以上連射すると自動的に射撃が中止される。参考：月刊航空ファン7,’00

＜Ｍ２１化学剤警報機＞：アメリカ陸軍の遠隔感知式化学剤警報機。三脚で地面に設置され、5km離れたところからエアロゾル化された化学剤を探知できる。60度の角度でパッシブ赤外線センサーが自動スキャンを行い、背景との赤外線スペクトルの違いから化学剤の存在を探知する。M93フォックスにも搭載された。参考：月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ２１小型モニター＞：イギリス海軍M15級小型モニター７番艦。主機はレシプロ２基２軸600馬力、主砲は31.5口径23.4cm単装砲である。1915年7月20日竣工。後に主砲を1917年式19.1cm単装砲に換装した。1918年10月20日、ベルギーのオーステンデ沖で触雷して損傷した。ドーバー沖まで辿り着いたが、結局沈没している。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜Ｍ２１地雷＞：アメリカ軍の対戦車地雷。圧力及び傾斜作動式信管を備える。参考：火器弾薬技術ハンドブック、コンバット・バイブル

＜Ｍ２１掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇フーカル（Jucal）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２１狙撃銃＞：アメリカ陸軍の狙撃銃。M14ライフルの中で命中精度の良いものを選び出し、職人が更に加工して狙撃銃に仕立て上げている。レッドフィールド望遠スコープ（倍率3-6倍）を装着する。全長1125mm、銃身長634mm、重量4.59kg。使用弾は7.62mm×51弾、給弾は20発入り箱形弾倉。セミオート射撃が可能。発射速度毎分750発。1975年から配備され、1988年にM24に後を譲って二線級部隊へと移ったが、不正規戦での長距離狙撃に有効ということで、21世紀になってマークスマン用に再び引っ張り出されている。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル、月刊軍事研究6,’14

＜Ｍ２１−ＯＦ＞：ルーマニア軍122mmロケット弾。全長2.87m、重量65.4kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ２１−ＯＦ−Ｓ＞：ルーマニア軍122mmロケット弾。M21-OFの全長を1.93mにしたものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ２２＞：3M9（地対空ミサイル）またはT9シリーズ（空挺戦車）を参照。

＜Ｍ２２ＨＰＷ＞：アメリカ軍の高圧洗浄機。大規模なNBC除洗システムで、3000ガロン（11356リットル）タンク、ディーゼル駆動式ポンプ、温水噴射機、3/4トントレーラーから構成され、温水を水圧3000psiで毎分５ガロン（18.9リットル）吹き付ける。参考：月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ２２警報システム＞：アメリカ陸海空軍海兵隊の自動化学剤警報システム。M8の後継で、操作性などが向上している。びらん剤や神経剤を探知・同定でき、個人で携帯できる。参考：月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ２２着色発煙小銃てき弾＞：赤、黄、緑、紫の４色の発煙剤を内蔵する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ２２掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇Ebro。1958年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２２掃海艇＞：ドイツ海軍M1級掃海艇。1943年9月15日、ドーバー海峡で損傷した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ２３サブマシンガン＞：チェコスロバキアのサブマシンガン。全長685mm、重量3.17kg。口径9mmで、24発または40発入り箱形弾倉をグリップの下から挿す。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ２３地雷＞：アメリカ軍の化学地雷。VX剤4.7kgを収容する。参考：化学・生物兵器概論

＜Ｍ２３掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇Duero。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２４ガスマスク＞：ドイツ国防軍のガスマスク。第１次大戦時に使っていたM17/M18ガスマスクの後継である。第２次大戦時に後方部隊で少数が使用された。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｍ２４軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍軽戦車、別名チャーフィー（Chaffee。アメリカ陸軍機甲部隊の父といわれる初代装甲軍司令官兼第１装甲軍団司令官で、後に第２代陸軍参謀総長を務めたアドナ・Ｒ・チャーフィー中将から。イギリス軍の制式名を逆輸入した）。M5軽戦車の後継で、イギリス第８軍が北アフリカ戦でM3軽戦車を使用した戦訓から火力強化が必要という意見が出され、75mm砲を搭載することにした。当時の陸軍規則850-15にあった戦車開発に関する事項に抵触するとして陸軍地上軍司令部は開発に消極的だったが、陸軍省兵器局兵器委員会が押し切っている。まずは手っ取り早くM5軽戦車に75mm戦車砲が搭載できるか試そうと、M8自走榴弾砲の主砲を75mm戦車砲に換装してテストしたところ、スペースが狭すぎて無理だった。対機甲戦闘には装甲強化も必要ということもあり、T20試作中戦車をベースにT21試作軽戦車を設計したり、T7軽戦車を開発したりしてみたが、仕様を欲張りすぎて重量過大になり、結局M5軽戦車のメーカーであるキャデラック社でT24試作軽戦車を新規開発することにし、これをM24軽戦車として制式化した。機関系と足回りを共通化したファミリー車両を製作して量産や整備を単純化する軽戦闘チーム（Light Combat Team）構想に基づき、多種多様な派生車両が製造されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’86、7,’09、5,’02、8,’03、月刊軍事研究4,’16

　＜Ｔ２４＞：試作車で、1943年4月に開発が決まった。エンジンとトランスミッションはM5軽戦車で好評だったツインキャデラックとハイドラマチック式オートマチックの組み合わせである。重量を18ショート・トンに抑えるため、基本装甲厚は25mmと薄いが、良好な避弾経始によりカバーした。下部転輪はダブルタイプで、サスペンションはトーションバー式。戦闘重量16.3トン。主砲は航空機搭載用75mm砲T15E1。装甲厚は基準25mm、砲塔最大37mm。エンジンはキャデラック社製ガソリン２基。1943年10月に２両が完成し、1944年5月（6月？）にM24として制式化された。参考：月刊PANZER11,’86、7,’09、5,’02、8,’03、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２４Ｅ１＞：試作型で、T24の改良型。エンジンをコンチネンタル社製R975-C4星型空冷ガソリン（400馬力）に換装してトランスミッションを強化、主砲を長砲身化して砲口制退機を付けた。1944年10月にテストされたが、あまり性能に差が無く、こちらは採用されなかった。参考：月刊PANZER11,’86、7,’09、5,’02、8,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２４＞：T24の制式化型で、視察キューポラが無い事くらいしか差が無い。車体は均質圧延鋼板の全溶接式で、避弾経始に優れた形状をしている。前部左に操縦手、右に副操縦手兼車体銃手が位置し、中央は戦闘室、後部は機関室である。車体前面中央の装甲板はボルト18本で固定される着脱式で、ステアリング・ユニット交換の際に外せるようになっているが、防御上の弱点ともなっている。操縦手・副操縦手にはM6（倍率１倍、視野は水平90度、垂直25度）／M13（一部プラスチック製にしたもの）／M13B1視察用ペリスコープ（オールプラスチックで被弾時に砕け散るようにしたもの）付きのハッチがそれぞれ用意されており、ここから出入りする。副操縦手席と戦闘室の間の車体下面に脱出ハッチがある。操縦手席前方に計器板、下にアクセルペダルとニュートラルペダル、右にトランスミッション用チェンジレバー（ニュートラル、ドライブ、ロー）とトランスファー用チェンジレバー（ハイ、ロー、リバース）、両側にステアリング／ブレーキ・レバーが配置されている。副操縦手席の前にはステアリング／ブレーキ・レバーがあり、必要に応じて操縦できるが、チェンジレバーとパーキングブレーキは無い。副操縦手席前面にはボールマウント式車体機銃M1919A4が装備されていて、ハッチの視察ペリスコープで照準する。機関室にはエンジン２基、オートマチック・トランスミッション２基、手動シンクロメッシュ式トランスファー１基が配置され、エンジン両側に燃料タンク、エンジン前方にラジエーター２基がある。トランスミッションの変速比は１速が3.29:1、２速が2.53:1、３速が1.55:1、４速が1:1で、コルク・タイプ・クラッチでは１速が3.81:1、２速が2.63:1、３速が1.45:1、４速が1:1。トランスファーの変速比は低速が2.34:1、高速が1.03:1、後進が2.44:1である。この動力は戦闘室下面のドライブシャフトにより車体前部のクレトラック式コントロールド・デファレンシャル操向装置（差動比最大1.92:1、駆動比2.62:1、操向比1.55:1）に伝えられ、車体前部両側にボルト止めされたファイナル・ドライブ（減速比は前期型2.57:1、後期型2.94:1）に伝達される。超信地旋回はできない。下部転輪はソリッドゴム付ダブルタイプ鋼製（647.7mm×114.3mm）片側５組、起動輪は前方、誘導輪（571.5mm×114.3mm）は後方にあり、ソリッドゴム付ダブルタイプ鋼製上部転輪片側３組を持つ。サスペンションはトーションバー式独立懸架で、下部転輪用トレーリングアームには中央の１軸以外に油圧式ショックアブソーバーとボリュート・スプリング式バンプストッパが付いている。履帯は鋼製シングルピンのT72/T72E1（幅406.4mm、ピッチ140mm）またはラバーブッシュ付きダブルピンのT85E1（幅419mm、ピッチ140mm）が片側75枚。起動輪は鋳造鋼製星型、歯数13枚、ピッチ径586.9mmで、T72/T72E1履帯ではD76210、T85E1履帯では7049465スプロケットを使用する。履帯張度調整装置は第５転輪と誘導輪をリンクで結合したカム型を採用しており、アジャスト・ナットを回して誘導輪サポートアームの角度を変えれば張度調整が可能。サポートアームは第５転輪とも連結しており、不整地で第５転輪が上昇すると誘導輪を後ろに動かして履帯が緩まないようにする。砲塔は前部が鋳造、後部が均質鋼板で、溶接により繋いであり、全周に軽く避弾経始が付けられていて、砲塔バスケットを持つ。砲塔旋回は油圧式または手動で、全周旋回には13-15秒かかる。左前部に砲手、その後ろに車長、右に装填手が位置する。車長用にビジョンブロック６基付きキューポラがあり、キューポラ天蓋中央のハッチはボールベアリングで旋回可能で、M15/M15A1視察用双眼式ペリスコープ（倍率１倍または７倍）を装備できる。天蓋前方にはＬ字の固定照準器があり、必要に応じて車長が直接照準に使う。装填手用ハッチにはペリスコープは付けられない。車長用キューポラの前には砲手用M4A1視察・照準用ペリスコープがあり、装填手用ハッチ前方には換気用ベンチレーターがある。砲塔右には薬莢排出ハッチがあり、初期型には発煙弾発射用２インチ（50.4mm）迫撃砲M3（車内操作式。イギリス製Mk.1/L発煙弾14発）も付いていた。主砲は小型軽量の75mm航空機搭載砲T13E1を改造した75mm戦車砲M5（製造一連番号No.70391まで）または75mm戦車砲M6（それ以降）で、M64砲架に搭載されている。俯仰角マイナス10度からプラス15度。主砲装弾数は48発で、湿式弾庫に収容されており、砲塔バスケット下の車体中央に格納される。１軸（俯仰、ピッチング）ジャイロ安定化装置も設けられていて、主砲と同軸機銃を車体の上下動に対して安定化させることができたが、照準器が連動しない、停止中は作動しない、横揺れ（ローリング）に対応できないといった欠点があり、あまり使用されなかった。砲塔後部には鋼製の雑具箱がある。照準器・視察装置は主砲左上のM71G/M71K/M83F砲手用照準望遠鏡（倍率５倍、視野13度、徹甲弾用目盛り0-4200m）、砲塔上面左のM10P照準ペリスコープ（視野水平42度10分、垂直８度10分、倍率１倍または６倍、徹甲弾用目盛りは倍率１倍で0-1200ヤード・0-1097m、６倍で0-4200ヤード・0-3840m）／M16照準ペリスコープ（視野垂直10度20分、倍率６倍固定、徹甲弾用目盛り0-4200ヤード・0-3840m）／M38A2照準眼鏡付きM4A1照準ペリスコープ（視野９度、倍率１倍または1.44倍、徹甲弾用目盛り0-4200ヤード・0-3840m）、M21方位角指示器、M1砲手用象限儀、M9高低角象限儀、M6/M13/M13B1操縦手／副操縦手用視察潜望鏡、M15/M15A1車長用潜望鏡。副武装は主砲右の同軸7.62mm機銃M1919A4、車体前部右のボールマウント式7.62mm機銃M1919A4（計4125発。3750発？）、装填手用ハッチ後方対空銃架の遠隔操作式12.7mm機銃M2（420発。440発？）。乗員用として、M3サブマシンガン3-4丁（180発）、M1カービン１丁、M8てき弾発射機、手榴弾６発、発煙手榴弾２発を搭載する。無線機はSCR508/SCR528/SCR608B/SCR628B車両用FM無線機１基、AN/VCR-3車両軽無線機１基、インターホンセット５基。車体後部右にRC298車外通話機セットを装備する。消火装置は機関室用CO2固定消火器（4.5kg）１基、操縦室常備CO2手動消火器（1.8kg）１基。全長5.486m、車体長5.028m、全幅2.946m、全高2.768m（機銃含む）／2.464m（キューポラまで）、車両重量16.44トン、戦闘重量18.37トン。装甲厚は車体前面上部25.4mm60度、前面下部25.4mm45度、側面前部25.4mm78度、側面後部19mm78度、後面19mm、上面12.7mm、底面前部13mm、底面後部10mm、防楯上部38mm30度、防楯下部38mm40度、砲塔前面25.4mm、側面25.4mm68度、後面12.7mm、上面13mm。小火器や榴弾弾片に抗堪できるレベルで、避弾経始を考慮すれば正面なら50mmクラスの徹甲弾に対抗できる。エンジンはキャデラック製ツイン・キャデラック・シリーズ44T24-3G液冷４サイクル90度Ｖ型８気筒ガソリン２基（総排気量は１基あたり5.67リットル、ボア88.9mm、ストローク114.3mm、圧縮比7.06:1。グロス出力は２基で296馬力、ネット出力220馬力）、トランスミッションはGMCデトロイト・トランスミッション製造部製ツイン・ハイドラマチック遊星歯車式オートマチック（主変速機４段＋トランスファー前進２段後進１段で計前進８段・後進４段）、巡航速度40.2km、最大速度54.7km、燃料搭載量416リットル、航続距離路上282km／不整地101km。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手兼無線手、砲手、装填手）。当初1000両が発注され、すぐ5000両に増やされ、制式化前の1944年3月から生産ラインが動き出し、GMCキャデラック製造部で1944年4月から1945年6月に3300両、マッセイ・ハリズ・トラクター製造工場で1944年7月から1945年6月に770両の計4070両（4731両？）が生産された。価格は１両あたり39653ドル。1944年末から実戦テストを兼ねて第２機甲師団第66・第67装甲連隊の各Ａ中隊に配備され、ラインの守り作戦で実戦参加し、ベルリンでの戦勝分列行進にも登場した。正式配備は第２次大戦後となり、軽戦車大隊や偵察大隊に装備されたが、朝鮮戦争ではT-34/85に蹴散らされ、ゲリラ掃討などに回された。ペントミック師団編成では１個機甲師団に58両（師団司令部３両、装甲戦闘団本部３個に３両ずつ、機械化偵察大隊に30両、重戦車大隊本部中隊に２両、中戦車大隊本部中隊３個に２両ずつ、機械化歩兵大隊本部中隊４個に２両ずつ）、１個歩兵師団／機甲師団に９両（機甲偵察中隊７両、重戦車大隊本部中隊２両）が配備されている。M41軽戦車導入後はイラク、イラン、ウルグアイ、エチオピア、オーストラリア、カンボジア、ギリシャ、サウジアラビア、スペイン、タイ、台湾、トルコ、ノルウェー、パキスタン、フィリピン、フランス、ベトナム、ラオス、陸上自衛隊など25カ国以上に供与された。参考：月刊PANZER11,’86、7,’09、5,’02、8,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２４浮航戦車＞：水陸両用戦車型M24 with swimming device。前後にポンツーンを取り付け、履帯にグローサーを装着して水かきにし、上陸用舟艇から海上に発進できるようにしたタイプで、上陸したらポンツーンを離脱する。1944年秋にテストされたが、実戦では使われなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２４軽戦車ファミリー＞

　＜Ｍ１９自走対空機関砲＞：M19を参照。

＜Ｍ３７自走榴弾砲＞：105mm自走榴弾砲型。M7プリーストの後継として1943年6月10日からT76の名称で開発された。M24を主力とする軽戦闘チームに所属して火力支援を行うのが主任務だったが、開発中に重量別戦闘チーム構想の方は消滅してしまっている。車体はM24の流用で、上部に固定式オープントップ戦闘室（装甲厚13mm）を装着し、105mm砲搭載M4中戦車の主砲である105mm榴弾砲M4をM5砲架に搭載した。俯仰角はマイナス10.5度からプラス42.8度、旋回角は左26.3度、右25.4度。弾種はM1HE、M67HEAT（装甲貫徹力102mm）、M48弾底放出式発煙弾、M60白燐発煙弾などで、装弾数126発。射程11160m。発射速度毎分４発（持続）／８発（最大）。戦闘室外側にＬ字支柱が片側５本装着されていて、天幕を張れる。車体右前部にはM7プリーストと似た12.7mm機銃（900発）搭載リングマウントを装備する。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪はダブルタイプ片側４組。サスペンションはトーションバーとトレーリングアーム独立懸架式。履帯はシングルピン鋼製T72またはゴムパッド付ダブルピンT85E1で、履帯幅は前者が406.6mm、後者が419mm、履帯ピッチはどちらも140mmで、片側75枚。全長5.028m、全幅2.997m、全高2.845m、車体重量17.237トン、戦闘重量20.865トン。エンジンはキャデラック製44T2液冷４サイクル90度Ｖ型８気筒ガソリン（148馬力）２基、トランスミッションはGM製流体継ぎ手付遊星歯車式オートマチック（前進２段・後進１段）２基、最大速度56.33km、航続距離161km。乗員７名（操縦手、車長兼砲班長、照準手、装填手、弾薬手２名など）。1945年1月に制式採用されて448両が発注されたが、10月までにアメリカン・カー＆ファウンドリー社で316両が生産されたに止まった。朝鮮戦争に投入され、その後M52に後を譲って1960年頃に全て退役している。参考：月刊PANZER6,’13、British and American tanks of World War Two、世界の軍用車両(1)

　＜Ｍ４１＞：155mm自走榴弾砲M41 Howitzer Motor Carriage、別名ゴリラ（Gorilla）。M5A1軽戦車ベースの155mm自走榴弾砲T64の発展型T64E1として試作され、M19自走高射機関砲と同時期に開発されたが、制式採用は1945年6月（5月？）になった。砲塔を外してエンジンを車体中央に移し、155mm榴弾砲M1（22発）を車体後部にオープントップ式に搭載した。俯仰角マイナス10度からプラス45度、旋回角は左17度・右20度。手動式駐鋤と折り畳み式乗員プラットフォームを持つ。全長5.83m、全幅2.84m、全高2.38m、全備重量18.45トン。エンジンはキャデラック・シリーズ44T4液冷ガソリン（296馬力）、最大速度56.4km、航続距離241km。乗員５名（４名？）で、残り７名（８名？）の砲要員は弾薬運搬車に乗る。250両が発注されたものの、1945年9月までに60両のみ生産された。朝鮮戦争で初実戦参加し、1950年代一杯配備されていた。参考：British and American tanks of World War Two、世界の軍用車両(1)

　＜Ｔ６Ｅ１回収車＞：軽量戦闘チーム用戦車回収車、Tank Recovery Vehicle T6E1。1943年9月から設計されたが、計画のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３８自走迫撃砲＞：107mm自走迫撃砲、T38 Mortar Motor Carriage。M37自走榴弾砲の砲を外して戦闘室中央にターンテーブルを装着し、107mm迫撃砲M2（140発）を前向きに搭載したもの。旋回角は左右90度ずつ、仰角45-60度。全備重量17.464トン。1948年12月から開発され、1949年3月8日に試作車が完成してテストに入ったが、採用されなかった（1945年8月にキャンセルされた？）。参考：月刊PANZER6,’13、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ７７／Ｔ７７Ｅ１自走対空機銃＞：試作自走対空機銃型、T77/T77E1 Multiple Gun Motor Carriage。M24の砲塔を外して12.7mm機銃４連装銃塔を搭載したもので、銃塔はアメリカ陸軍航空軍の遠隔操作銃塔を流用した。1943年から開発され、最初の試作車T77は1945年7月に完成してテストされ、その結果に基づいてコンピュータ式照準装置を追加したT77E1が製作されたが、1945年9月に計画中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ７８自走対空機銃＞：計画自走対空機銃型。T77E1の発展型だが、計画のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８１自走対空機関砲＞：計画自走対空機関砲型。M24の砲塔を外し、M19自走対空機関砲と同じ40mm単装機関砲＋連装12.7mm機銃搭載対空砲塔を積んでいる。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ９６自走迫撃砲＞：計画155mm自走迫撃砲、155mm Mortar Motor Carriage T96。M37自走榴弾砲の主砲を155mm迫撃砲T36に換装したもので、第２次大戦中に計画されたが、終戦で1945年に開発中止になった。参考：手榴弾・迫撃砲、British and American tanks of World War Two

　＜サスペンション改良型＞：Sd.Kfz.8と同じオーバーラッピング・ボギー式サスペンションを搭載したもの。1951年に製作されたが、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER7,’09

　＜揺動砲塔搭載型＞：AMX-13の揺動砲塔を載せたもの。参考：月刊PANZER7,’09

＜Ｍ２４軽戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２４（ウルグアイ）＞：ウルグアイ陸軍軽戦車。ブラジルがM41軽戦車用に開発したAPFSDS弾をM24の主砲用に改造して導入しており、エンジンを換装して2009年現在も17両が現役である。参考：月刊PANZER7,’09

　＜Ｍ２４軽特車＞：保安隊／陸上自衛隊の特車／戦車。太平洋戦争後初めて装備した戦車である。占領軍が朝鮮戦争に投入したがT-34/85に歯が立たず送り返されてきたものが供与され、1952年3月に最初の40両が特車特別教育隊に配備された。日本人の体格に合っており、オートマチック・トランスミッションによる操縦のしやすさもあって好評だったという。その後は普通科連隊直轄の第14中隊（特車中隊。本部、特車小隊４個からなる）に22両ずつが配備され、10月に編成された北部方面隊直轄の独立第１特車大隊にも配備された。陸上自衛隊誕生後は普通科連隊が倍増したため、管区隊・混成団直轄の特車大隊に集約された。総供与数375両。戦車という用語を使えるようになるとM24戦車に改称した（軽は付かない）。使い勝手が良かったらしく、M4A3E8中特車より２年ほど長く使われ、1973年に朝霞訓練場に場所を移して初開催された中央観閲式を花道にして1974年に退役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊PANZER7,’09、5,’02、8,’03、6,’18

　＜Ｍ２４（フランス陸軍）＞：フランス陸軍戦車。インドシナ紛争やアルジェリア独立紛争に投入された。参考：月刊PANZER7,’09

　＜Ｍ２４（南ベトナム政府軍）＞：南ベトナム政府軍戦車。ベトナム戦争でベトコン掃討に使用した。参考：月刊PANZER7,’09

　＜Ｍ２４改（チリ陸軍）＞：チリ陸軍戦車。1980年代中期にIMI社製60mm高初速砲を搭載したもの。1999年に退役した。参考：月刊PANZER7,’09

　＜ＮＭ１１６＞：ノルウェー陸軍戦車。1950年代に供与を受けたノルウェーが、1970年代にアメリカのNAPCO工業が開発した近代化キットで改修したもので、ノルウェー陸軍では戦車駆逐車という分類である。主砲をフランス製の90mm低圧砲D925dに換装し、主砲先端にＴ字のマズルブレーキ兼ブラストデフレクターを装着、HEAT弾を撃てるようにした。FCSも更新しており、フランス・シムラッドLV3レーザー測距器を主砲基部上方に設置し、パッシブ暗視装置を装備している。同軸機銃を12.7mm機銃M2に換装し、砲塔上の12.7mm機銃M2を前方に移して装填手も使用可能とした。車体機銃と銃手は廃止し（ボールマウントだけ残っている）、弾薬スペースにしている。エンジンは6V53-T液冷ディーゼル（250馬力）、トランスミッションはアリソン製MT650オートマチック、履帯はディール社製ゴムパッド付ダブルピン式。1974-75年に70両（79両？）が改修され、1990年代初めまで使用された。参考：月刊PANZER11,’86、7,’09

　＜チャーフィー（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍戦車。第２次大戦中に289両が供与されたが、訓練中に終戦となり、実戦には参加しなかった。戦後程無くして退役している。参考：月刊PANZER7,’09、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２４軽戦車・海外ファミリー＞

　＜９０ｍｍ砲搭載型＞：フランス軍試作火力強化型。試験的に使用された。参考：月刊PANZER7,’09

　＜ＢＫ７１０＞：ノルウェー陸軍戦車回収車。NM116の車体前部にドーザーブレードを装着し、砲塔を除いて伸縮式クレーンを搭載したものである。副操縦手席は残した。1993年に退役した。参考：月刊PANZER7,’09

　＜Ｍ３７自走榴弾砲（スペイン陸軍）＞：スペイン陸軍自走榴弾砲。M37を導入したものである。参考：月刊PANZER7,’09

　＜無線操縦式地雷処理戦車（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊試作地雷処理用無人戦車。M24軽特車の砲塔を外し、リレー回路によるエンジン自動始動・停止装置と油圧シリンダーによるアクセル・操向レバー自動操作装置を装着してあり、操縦者は左右の操向用ジョイスティックとアクセル加減速装置が付いた操作装置を持って遠隔操作する。1960年代に技本第４研究所が製作し、走行試験が行われたが、取り付ける地雷処理機材が完成せず、実用化には至らなかった。参考：スピアヘッドNo.12

＜Ｍ２４掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇Tajo。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２４狙撃銃＞：アメリカ陸軍の狙撃銃。精度の良いレミントンM700を選び出して銃身と機関部を取り出し、マクミラン社製グラスファイバー銃床を組み合わせ、折り畳み式バイポッドを装着したものである。全長1.118m、銃身長0.61m、重量はレオポルト社製ウルトラM3スコープ（10倍）付きで6.35kg。装弾数６発（５発？）で、使用弾は7.62mm×51弾M59だが、通常は精度の高い射撃競技用のM118弾を使用する。作動はボルトアクションで、速射が効かないため、他に自動小銃を携行するか、他の兵士に援護してもらう。陸上自衛隊も採用した。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル、月刊軍事研究6,’14、JWings8,’04、歴史群像8,’08

＜Ｍ２４狙撃銃・海外シリーズ＞

　＜対人狙撃銃＞：陸上自衛隊の狙撃銃。64式小銃を狙撃銃として使用するのは命中精度に問題があったため、2002年（2001年？）から狙撃専用の銃としてFMSで1000丁以上を導入した。伸縮式銃床はHSプレシジョン社製、バイポッドはハリス社製、スコープはルーポード社製で倍率10倍。普通科中隊などに配備されており、狙撃班を編成した師団もあるようだ。全長1.092m、銃身長0.61m、口径7.62mm、本体重量4.7kg、全備重量6.5kg。トリガープルは3.6-9kgの可変式。作動はボルトアクション単発、使用弾は対人狙撃銃用普通弾（アメリカの射撃競技用規格弾M118を輸入したもの）または7.62mm×51NATO弾M59で、装弾数５発。有効射程800m（腕次第で1000m以上）／300m（夜間）。スコープやキャリングケースがセットになっているが、何故か弾入れは付いていないらしい。価格は１丁あたり130万円で、アメリカでの市販価格（30万円）の４倍以上する。アメリカ陸軍省またはJALUXが受注している。参考：スピアヘッドNo.7、JGround Vol.11、月刊軍事研究7,’07、1,’08、3,’11、11,’10、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13、MAMOR vol.132

＜Ｍ．２４飛行艇＞：ソ連空軍（当時の名称は赤軍航空隊）飛行艇。高出力ルノーエンジン搭載練習用飛行艇の要求を受けて1921年からグリゴロヴィッチが開発した。機体はM.9飛行艇がベースで、エンジン強化に合わせ機体構造を変更している。複葉の上下翼間にエンジンを積みプッシャー式プロペラで推進するのはM.9と同じ。全長8.8m、全幅14.4m、全高3.4m、重量1740kg。エンジンはルノー（260馬力）単発、プロペラはプッシャー式２翅、最大速度160km、航続距離1609km。乗員２名。グリゴロヴィッチは旧式機体に強力なエンジンを積んでも思ったような性能強化には繋がらないのを知っていたが、赤軍の要求に反対すれば首を切られる（物理的に）ので、そのまま従わざるを得ず、1923年5月1日に完成した試作機をテストした結果、案の定任務不適格の判定を下されてしまった。それでも60機が生産されて1926年まで配備されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ２４防御マスク＞：アメリカ軍のヘリコプター搭乗員用NBC防護マスク。透明部分が湾曲しているため視界が歪む欠点があり、M43防御マスクに取って代わられた。参考：世界の傑作機No34

＜Ｍ２４ロケット弾＞：ソ連軍240mmロケット弾。砲弾型で、安定翼は無い。BM-24に搭載される。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜Ｍ２４Ｆ＞：全長1.12m、弾体重量112.3kg、弾頭重量27.4kg。最大射程6575m。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜Ｍ２４ＦＵＤ＞：射程を10600mに延伸したもの。全長1.25m、弾体重量109kg、弾頭重量27.4kg。参考：月刊PANZER2,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜Ｍ２４Ｂ１火炎放射戦車＞：M4中戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ２４Ｂ３火炎放射戦車＞：M4中戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ２５地雷＞：アメリカ軍の対人地雷。円錐形をしており、本体はプラスチック製で、安全フォークを抜くとセーフティが外れる。成型炸薬が仕込んであり、小型ながらも膝下を吹き飛ばし、装甲車のタイヤを貫通できる。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ２５掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇Genil。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２５タンク・トランスポーター＞：アメリカ軍のタンク・トランスポーター、別名ドラゴン・ワゴン。北アフリカ戦線での機甲部隊長距離輸送・損傷車両回収に関する報告書を元に1941年から開発され、1942年1月に試作車両が完成したが、性能不足で採用されず、代わりにナッキー・トラック社の６輪トラクターをM26トラクターとして採用、これにM15セミトレーラーを組み合わせたのが本車である。生産は量産設備を持つパシフィック・カー＆ファウンドリー社が行った。1943年4月に制式採用され、9月のイタリア戦線から実戦投入された。全長17.5m。M5系の軽戦車なら２両、M4系の中戦車なら１両を輸送できる。LCM(3)上陸用舟艇の輸送も行える。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ２５Ａ２手榴弾＞：アメリカ軍の手榴弾。

＜Ｍ２６射撃管制装置＞：オランダのシグナール社が開発した艦載FCS。半球安定化レドーム内の捜索レーダー、目標照準装置、コンピュータ、ディスプレイなどで構成され、40mm機関砲／76mm砲を管制する。参考：ザ・マーチ42号

＜Ｍ２６地雷＞：アメリカ軍の空中炸裂式対人地雷。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ２６手榴弾シリーズ＞：アメリカ軍の破片手榴弾。第２次大戦時の研究で1.13gの破片を生じる手榴弾が最も殺傷効果が高いことが判明したため、それに基づいて設計された。参考：手榴弾・迫撃砲

　＜Ｍ２６手榴弾＞：弾体は薄い金属で製作され、その内側に切れ込みの入ったワイヤーを円筒形に成型したコイルが填め込んであり、その中にTNTが充填されている。完成は第２次大戦後となった。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ２６Ａ１手榴弾＞：４秒の延期信管が付いている。重量435g、炸薬はTNT156g。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ２６Ａ２手榴弾＞：直径57mm、高さ100mm（信管含む）、全重量450g。炸薬は３号爆薬（コンポジットＢ）156g。信管はM204A2（遅延秒時4-5秒）。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ２６戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍重戦車Heavy Tank M26 Series（1946年5月以降は中戦車）、別名パーシング（正しくはGeneral Pershingだが単にPershingと呼ばれる事が多かった。第１次大戦時の欧州派遣米軍総司令官で後に第10代陸軍参謀総長を務めたジョン・Ｊ・パーシング将軍から）。ちなみにそれまではイギリスが付けた戦車のニックネームを拝借していたが、この戦車からはアメリカでニックネームを付けている。T25試作中戦車と同様、北アフリカ戦線で遭遇したティーガーに対抗すべく1943年10月からクライスラー社デトロイト戦車工廠とGM社フィッシャー戦車工廠でT26中戦車（1944年6月に重戦車に変更）として開発された。北アフリカ戦線に続いて1943年7月にシチリア島でティーガーに遭遇し大苦戦したため、陸軍省ではこれを撃破できる戦車として開発を急ぎ、取り敢えず1944年中にT26E1を250両（500両？）量産する計画が出されたが、陸軍地上軍管理本部がM4A3(76)中戦車とM10/M18駆逐戦車で十分だと決めつけた上、アイゼンハワー欧州連合軍最高司令官もこれに同調したために早期量産は行われず、協議の結果陸軍省が1943年12月16日付けで翌年4月までに250両を生産する命令を出した。地上軍管理本部は重量級戦車に搭載するにはトーションバーサスペンションとトルクマティック・トランスミッションに不安があるとして反対を続けたが、前者はティーガーにも搭載されており、後者はT23の電気駆動より遥かに信頼性が高く、この意見は却下された。しかし今度は1944年1月の作戦会議でパットン将軍が早期量産に反対、地上軍管理本部もT25E1を軽量化（主砲を75mm/76mm砲に換装するので弱体化ともいう）したり、T26E1の主砲を76mm砲にグレードダウンする案を出したりするなど混乱が続いた。陸軍省ではこれらの反対を却下してT26E1を1800両とT26E2を200両生産することにしたが、試作車の完成は1944年2月にずれこみ、オーバーロード作戦時にはテスト中で間に合わなかった。オーバーロード作戦ではM4中戦車がドイツ国防軍の75mm対戦車砲PaK40やパンツァーシュレックで叩かれて最初の１ヶ月で乗員の32%が死傷（予想は7%だった）、ティーガーと同じく限定生産の重戦車と勘違いしていたパンターとあちこちで遭遇して一方的にやられ、ヘッジローが邪魔をしてM36駆逐戦車を呼ぶこともできず、ドイツ国防軍戦車に対して無力であることが証明された。1944年7月12日、アメリカ陸軍第一軍特別委員会が鹵獲したティーガーとパンターを使用して76mm戦車砲の貫徹力テストを行ったところ、改めてパンターの前面装甲はどうやっても貫通できないことが判明。これを知ったアイゼンハワー欧州連合軍最高司令官が「76mmは奇跡の大砲です、ドイツの戦車は全部始末できますと言ったのは兵器局のどいつだ、今更できませんとは言わせんぞ」などと激怒したため、今後の戦車は90mm砲または105mm砲を搭載する方針とし、T26/M26シリーズの量産計画を6000両に拡大して実戦配備を急いだが、第２次大戦には試験投入されたに止まり、終戦で配備数も減らされて1945年10月までに2212両が生産された。本格的に実戦参加したのは朝鮮戦争である。この時には既に準制式に格下げされていたが、まず東京のアメリカ軍基地にあった３両が送られて1950年7月28日に全州で戦闘に参加した。しかし故障で全て動かなくなり、放棄されている。アメリカ本土では第73重戦車大隊が急遽出撃準備を整え、更に第70戦車訓練大隊がフォート・ノックス駐屯地周辺に展示されていたM26を台座から引き剥がして整備し、第89戦車大隊が太平洋地域に分散配備されていたM26をかき集めて１個中隊を改編、第１海兵旅団の１個中隊もM4A3（105mm）をM26に改編して1950年8月に朝鮮半島に向かった。8月17日に海兵隊のM26がT-34/85を撃破したのを皮切りに、北朝鮮軍との戦車戦を行ったが、10月上旬までに北朝鮮軍の戦車が壊滅したため、以降は榴弾と機銃による対陣地・対歩兵戦に移行した。朝鮮戦争でM26を配備したのは第73重戦車大隊、第70・第72・第89戦車大隊、第１海兵戦車大隊、海兵隊３個戦車小隊で、総数309両。北朝鮮軍戦車38両を撃破し、損失は６両だった。交戦距離の割合と命中率は350ヤード（320m）以下が50%で命中率85%、350-750ヤード（320-686m）が20%で命中率68%、750-1150ヤード（686-1052m）が20%で命中率46%。3000ヤード（2743m）先から命中させたこともある。朝鮮戦争が終わると程無くして退役した。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’03、連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊丸7,’09別冊、月刊軍事研究4,’16

　＜Ｔ２６＞：T25試作中戦車の前面装甲を100mmに強化したタイプ。当然ながらT25よりも重くなり、戦闘重量は40トン（45ショート・トン）を超えるとみられ、T25と同じ電気駆動系ではトランスミッションが耐えられそうに無く、試作車１両が完成しただけに終わった。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’03

　＜Ｔ２６Ｅ１＞：T26の電気駆動を通常型に戻し、トランスミッションを遊星歯車式トルクマティック・トランスミッション（トルクコンバータ付きハイドラマチック式自動変速機）に変更したもの。主砲にはマズルブレーキが装着されていたりいなかったりする。砲手用ハッチは旋回して開くタイプになった。サスペンションはトーションバー式で、下部転輪はダブル片側６組、上部転輪は片側５枚、起動輪は後方、誘導輪は前方にある。履帯幅24インチ（609.6mm）。車体長22フィート4.75インチ（6.83m）、全幅11フィート２インチ（3.4m）、戦闘重量86500ポンド（39.2トン）。1944年2-5月（3-6月？）に10両が完成してテストに投入され、T26E3に進んだ。初号車は後にT26E4に改造された。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ２６Ｅ２＞：近接支援（アサルトガン）型。105mm砲搭載M4戦車の後継で、短砲身105mm砲を装備し、戦車大隊司令部付中隊に配備されて援護射撃を行うのが主任務である。主砲変更に合わせて砲塔を改修し、弾薬庫も改造した。砲重量が軽くなったので、砲塔前面装甲厚を増やして重量バランスを取っている。1945年7月から試作車をテストし、同月にM45として採用した。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、連合軍の傑作兵器駄作兵器

　＜Ｔ２６Ｅ３＞：T26E1のテストで判明した問題点を解決したタイプ。トランスミッションとエンジン冷却システムを改良し、電気系統を改修、砲塔雑具箱を撤去して装弾数を増加させ、機関室へのアクセスを改善し、エアクリーナーを大型化している。1944年12月に仮制式化されて20両が試験生産されることになり、M26として量産された。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ２６Ｅ４＞：T26E1の戦車砲を、70口径90mm対戦車砲T15の戦車砲版であるT15E1（54発）に換えたもの。主砲俯仰角はマイナス10度からプラス20度、発射速度毎分４発。照準視察装置はM71E4テレスコープ、M10E4ペリスコープ、M200方位角指示器、M9象限儀。副武装は12.7mm対空機銃１丁（440発）、M1919A4同軸機銃１丁＋M1919A4車体前面機銃１丁（5000発）。全長10.312m、全幅3.513m、全高2.779m、車体重量39.917トン、戦闘重量43.546kg。装甲厚は車体前面上部102mm45度、前面下部76mm53度、側面前部76mm０度、側面後部51mm０度、後面上部51mm10度、後面下部19mm62度、上面22度、底面前部25mm、底面後部13mm、防楯114mm０度、砲塔前面102mm０度、側面76mm0-8度、後面76mm0-5度、上面25mm。エンジンはフォードGAF液冷60度Ｖ型８気筒４サイクルガソリン（総排気量18029cc、出力450馬力）、最大速度40.2km、航続距離160.9km。T26E1初号車が改造されて1945年3月にヨーロッパの第３機甲師団に送られ、工作班が防楯にパンターから切り取った80mm装甲板を溶接し、その側面部に砲耳部分と砲塔前側面をガードする装甲板（通称ミッキーマウスの耳）を溶接、車体前面にも30-40mm厚装甲板２枚を溶接して防御力を強化（増加装甲板重量は計５トン）、出撃可能な状態となった。砲塔上面前方から防楯上面にかけて筒状部品２本が固定されているが、詳細は不明。1945年4月4日に型式不明の重戦車と遭遇、一撃でノックアウトしている。次いで主砲をT15E2に換え、砲耳と俯仰機構を強化し、砲塔後部にカウンターウェイトを積んだものが1945年中に25両完成して試験が行われ、M26のうち1000両をこのバージョンとして生産する予定も立てられたが、重量バランスが悪すぎて採用されなかった。更に固定弾を使用しリコイルシステムをコンパクトにしたT54戦車砲を積んだタイプが1947年2月から1949年1月にテストされたが、終戦後の予算削減の煽りを受けて開発中止となった。また、高初速76mm砲T98（海軍の３インチ砲）を積んだバージョンも試作されたが、これも射撃試験のみで開発中止となっている。参考：月刊PANZER1,’03、M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２６Ｅ５＞：試作突撃戦車型。歩兵に随伴して進撃の障害を排除するのが主任務で、装甲を強化しており、防楯は厚さ11インチ（279mm）、砲塔前面は190mm、車体前面は152mmある。履帯はグローサー付きに変更した。重量51ショート・トン。1945年6月から試作されたが、テスト開始は第２次大戦終戦後になり、重量増で性能が悪化したため27両が完成したのみで配備されなかった。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two、連合軍の傑作兵器駄作兵器

　＜Ｍ２６＞：T26E3の量産名称。車体前部が操縦室、中央が戦闘室、後方が機関室である。車体前部左に操縦手、右に副操縦手兼車体銃手が位置し、上面にはそれぞれ外開きのハッチが用意されている。ハッチの間は盛り上がっていて、左右にスリットが２本ずつ開いているが、これは車体前部ベンチレーターの収容部である。車体前部右にボールマウント式7.62mm機銃を装備する。機関室は前方にエンジン、後方にトランスミッションが置かれていて、排気管２本はトランスミッションの上を通って車体後面上部やや右寄りに開口する。エンジンはM4A3中戦車と同じで、速力と燃費に問題があった。排気管開口部を跨ぐ形でガントラベリングロックが付いており、使用時に上に持ち上げる。車体下面に脱出ハッチが２つある。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、ダブルタイプ上部転輪片側５組を持つ。フェンダー上には工具収納箱と救急箱が装着されており、短いスカートを装備する。砲塔内には右前方に砲手、右後方に車長、左に装填手が位置する。主砲は90mm戦車砲M3で、M67砲架に搭載されており、俯仰角はマイナス10度からプラス20度。主砲左に7.62mm同軸機銃を装備する。砲塔後部に無線機を収容。砲塔上面右にビジョンブロック付き車長用キューポラ（ハッチは円形右開き）、左に装填手用ハッチ（楕円形前開き）、その間の後方に12.7mm重機関銃M2、機銃左に無線アンテナがある。全長8.65m、車体長6.33m、全幅3.51m、全高2.78m、重量41.7トン、戦闘重量46.1トン。主砲は90mm戦車砲M3（70発。M82APC、T30E16HVAP、T33APC-T、M71HE）、副武装は7.62mm同軸機銃１丁、7.62mm車体機銃１丁（7.62mm弾計5000発）、12.7mm重機関銃M2が１丁（550発）。装甲厚は車体前面４インチ（101.6mm）、側面３インチ（76.2mm）、後面２インチ（50.8mm）、上面7/8-3/2インチ（17.1-38.1mm）、下面前部1/2-1インチ（12.7-25.4mm）、下面後部5/4インチ（31.8mm）、砲塔前面4-4.5インチ（101.6-114.3mm）、側後面３インチ（76.2mm）、上面１インチ（25.4mm）。エンジンはフォードGAF液冷４サイクル８気筒ガソリン、トランスミッションはトルクマティック（前進３段・後進１段）、最大速度路上48km／不整地32km、航続距離160km、燃費は1kmあたり4.3リットル。搭載無線機はFM無線機SCR-528と直協歩兵交信用FM無線機AN/VRC-3で、中隊長車と小隊長車はSCR-528の代わりにFM無線機SCR-508（受信機が２基あり、中隊長車は連隊と中隊、小隊長車は中隊と小隊の交信を同時に受信する）を搭載した。乗員５名。1944-45年に2428両（ヨーロッパ戦線終結までに完成したのは705両）が生産され、一部はゼブラ調査団に配備されてヨーロッパに送られ、ゼブラ・ミッションと呼ばれる実戦テストに投入された。沖縄戦でM4中戦車が日本軍47mm対戦車砲により大損害を受けたため、1945年7月12日には沖縄に12両が送られて第193・第711戦車大隊に配備され、日本本土決戦に備えたが、こちらは出番が無かった。ゼブラ・ミッションで第９機甲師団が使用した１両が空軍射撃訓練場で発見され、ニューハンプシャー州ウルフェスボローにあるライト博物館に展示されている。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’12、月刊丸7,’09別冊、連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊PANZER1,’03、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２６Ｅ１＞：試作主砲強化型。90mm戦車砲M3の威力がドイツ国防軍88mm戦車砲KwK43/L71より低めだったため、長砲身・大装薬量の威力強化型90mm砲に換装したものである。T26E4の主砲は分離装薬式で使いにくいので、固定弾式の68.4口径90mm戦車砲T54（シングルバッフル式マズルブレーキと砲口直後に砲口排煙器を持つ）を搭載し、同心式駐退機を装着している。1945年5月に試作車２両が完成したが、第２次大戦ヨーロッパ戦が終わっていて出番が無いと考えられ、予算削減の煽りも受けて試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’03

　＜Ｍ２６Ｅ２＞：M26の機関系改良型で、1948年1月から開発された。エンジンとトランスミッションをT26E2自走榴弾砲用に開発したコンチネンタル製AV-1790-1（740馬力）とアリソン製CD-850-1クロスドライブに換装している。初号車は社内試験の後、1948年5月からアバディーン陸軍車両実験場で陸軍によるテストに入った。その後主砲を長砲身砲T54に換装する計画が出たが、小改良のみで済ますことになり、T40試作戦車（M46の原型）に進んだ。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER10,’85

　＜Ｍ２６Ｅ３＞：M26と同じ。当初はM26がT26E3の名称でヨーロッパ戦線に配備されていたため、制式化後もついE3を付けてしまったものである。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｍ２６Ａ１＞：朝鮮戦争勃発で戦車が足らなくなり、M26からM46への改造が間に合いそうに無いため、M26の主砲だけをM46と同じM3A1に換装したもの。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｍ２８Ａ１＞：M26の主砲を90mm戦車砲M3A1に換装したもので、太平洋戦争終結後に完成した。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ２６戦車ファミリー＞

　＜Ｔ１２＞：試作戦車回収車型、Tank Recovery Vehicle T12。砲塔を撤去して大型のクレーン塔を取り付けたもので、ウインチとブームも装備する。1944年後半から開発されたが、試作のみで採用されず、M26の回収にはM32戦車回収車が使用された。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ１５Ｅ３＞：計画耐地雷車両型、Mine Resistant Vehicle T15E3。T15耐地雷車両の改良型で、M4中戦車の代わりにM26のシャシーを使用している。1945年に設計されたが、制式化には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３１＞：試作弾薬運搬車型、Cargo Carrier T31。T84自走榴弾砲に随伴して弾薬を供給する車両で、T84の主砲を外して弾薬搭載スペースにしている。1944年4月から試作車が製作されたが、テスト中に第２次大戦が終わってしまい、採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953

＜Ｔ３５試作火炎放射戦車＞：アメリカ陸軍試作火炎放射戦車。M26戦車の車体（固定機銃廃止）に12面体の固定砲塔を装着し、カナディアン・アイラクイフ製火炎放射器を右にオフセット搭載している。砲塔上面左に車長用キューポラがある。１両が製作されたのみに終わった。参考：月刊PANZER6,’13

　＜Ｍ４５＞：火力支援型。T26E2を1945年7月に限定制式化したものである。主砲を105mm榴弾砲M4（74発）に換装しており、砲が軽いので重量バランスを取るため防楯装甲厚を200mmに強化した。1944年に200両を配備する命令が出されたが、生産開始が1945年7月までずれ込んだため第２次大戦に間に合わず、185両しか量産されなかった。戦車中隊本部に２両が配備され、曲射弾道を活かした隠蔽目標の破壊や、応急的な砲兵火力支援を行った。戦闘重量92500ポンド（42トン）。主砲俯仰角マイナス10度からプラス35度。少数が朝鮮戦争に参加している。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’12、British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ８４＞：試作203mm自走榴弾砲型、8in Howitzer Motor Carriage T84。1944年初め、M4A3中戦車の車体に155mm榴弾砲を搭載するT83試作自走カノン砲（後のM40自走カノン砲）の開発が開始されたが、1944年4月に砲兵局が同じ車体に203mm榴弾砲を搭載する計画を立て、ベース車体をT26E1試作重戦車に変更して完成させることになった。車体を前後逆にし、後部に大きな駐鋤を付けている。砲塔は撤去し、８インチ（203mm）榴弾砲を剥き出しに搭載した。試作車２両を作ることにしたが、T26E1試作重戦車車体を流用できるようになる時期が遅くなったため、テスト中に第２次大戦終結を迎え、開発中止になった。本車の完成が遅れたため、M4A3に203mm榴弾砲を載せたT89試作自走榴弾砲（M43自走榴弾砲）が製作されている。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ９２＞：240mm自走榴弾砲型、240mm Howitzer Motor Carriage T92。T26E3重戦車の開発中に、同じ車体を使ったファミリー戦闘車両で構成される重量級戦闘チーム（T26E3重戦車、T26E5突撃戦車、T26E2/M45歩兵支援戦車、T84/T92自走榴弾砲、T93自走カノン砲、T31砲側弾薬車）の構想が出たのが開発のきっかけである。ちょうど牽引式240mm榴弾砲M1918が重すぎて不整地に入っていけず使えないという問題があり、240mm榴弾砲の自走砲化が検討されていて、M3/M4中戦車車体では155mm砲が限界だったことから、T26E3重戦車を使うことにした。車体は前後逆にされており（起動輪が前方になった）、下部転輪と上部転輪を１組ずつ増やして車体を延長、前部にガントラベリングロック、後部に巨大な駐鋤を取り付けた。戦闘室はオープントップの固定式で、薄い装甲板で囲われている。主砲は240mm榴弾砲M1で、射界左右12度ずつ、俯仰角0-65度。弾薬は６発しか積めないので、M30またはT31砲側弾薬車が付随する。車体長28フィート（8.53m）、全幅11フィート（3.35m）、全高10フィート８インチ（3.25m）、戦闘重量137500ポンド（62.4トン）。装甲厚25-13mm。エンジンはフォードGAF（470馬力）、最大速度15マイル（24.1km）、航続距離50-80マイル（80.5-128.7km）。乗員８名（車長、操縦手、副操縦手、砲要員５名）。1945年3月に設計が纏まり、限定制式化されて４両がクライスラー社デトロイト工廠に発注され、初号車は7月に完成してテストが行われた。結果、バンカーや洞窟陣地の破壊に向いていると評価され、日本本土侵攻ダウンフォール作戦に備えてコンクリート徹甲信管付専用砲弾も製作されている。試作車含め５両が完成したが、太平洋戦争終結で開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｔ９３＞：試作203mm自走カノン砲、8in Gun Motor Carriage T93。T92と同じ車体に８インチ（203mm）カノン砲M1（６発。射界左右12度ずつ、俯仰角0-65度）を搭載したもので、こちらもコンクリート徹甲信管付専用砲弾が使える。車体長28フィート（8.53m）、全幅11フィート（3.35m）、全高８フィート５インチ（2.57m）、戦闘重量131400ポンド（59.6トン）。装甲厚25-13mm。エンジンはフォードGAF（470馬力）、最大速度15マイル（24.1km）、航続距離50-80マイル（80.5-128.7km）。乗員８名（車長、操縦手、副操縦手、砲要員５名）。試作車４両が発注され、1945年9月に２両が完成したが、T92と同じく太平洋戦争終結で開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ２６戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２６（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍戦車。1945年に少数が送られてテストと評価に使用されたが、第２次大戦終戦に伴い、それ以上の供給は行われなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ２６（イタリア陸軍）＞：イタリア陸軍戦車。第２次大戦終戦後にアリエテ機甲旅団に配備した。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｍ２６（フランス陸軍）＞：フランス陸軍戦車。第２次大戦終戦後に採用し、M47が配備されるまで使用した。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｍ２６（ベルギー陸軍）＞：ベルギー陸軍戦車。1951年に戦車大隊と予備機甲軍に配備した。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953

＜Ｍ２６掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇Odiel。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２６トラクター・シリーズ＞：アメリカ軍のトラクター。M25タンク・トランスポーターのトラクター部分で、ナッキー・トラクター社が生産した。ホイールベースが短めで小回りが効き、最低地上高も高めで不整地の使用に耐え、フロントアクスルの強度も高く、軍用に採用されている。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ２６トラクター＞：最前線での回収任務を考慮してキャビンを装甲化した。シャシー前端に水平牽引力16トンのウインチ、後端に水平牽引力27トンのタンデム・ウインチを装着する。シャシー後部にはジブ・クレーンも用意されている。エンジンはキャビン中央に位置する。キャビン上面には円形の開口部があり、M49リングマウントを装着して12.7mm機銃M2を装備可能。また、M2用の三脚も搭載する。機銃は使わない時はキャビン内の機関室カバー上面に置いておく。キャビン左のラックにM2用100発入り弾薬箱７個を収容でき、サブマシンガン用.45口径弾600発入り弾薬箱１個も同じ場所に置く。右のラックにはM2用弾薬箱８個とトンプソン短機関銃を収容する。キャビン内部後面右には手榴弾収納箱がある。全長7.772m、全幅3.315m、全高3.124m。装甲厚はキャビン前面19mm、それ以外6mm。エンジンはホール・スコット440直列６気筒液冷ガソリン（230馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速＋３速の副変速機（実質前進12段・後進３段）。乗員７名。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ２６Ａ１トラクター＞：最前線での任務遂行が稀で、装甲による重量がフロントタイヤやフロントアクスルに負荷をかけていたため、キャビンをオープントップの非装甲にしたもの。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ２６トレーサー弾＞：アメリカ軍M1911拳銃用曳光弾。焼夷効果があり、射撃観測及び信号弾として使用される。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ−２６練習機＞：ポーランドのPZLが開発した軍民共用初等練習機・アクロバット機、別名イスケルカ（Iskierka）。M-20の名称でライセンス生産していたパイパーPA-34-200Tがベース、というか胴体を変更した他はほぼそのままである。原型初号機はPZL-Fエンジンを搭載して1986年7月15日に初飛行し、輸出向けにエンジンをテキストロン・ライカミング社製に変更した機体は1987年6月24日に初飛行した。全長8.29m、全幅8.6m、全高2.96m、自重1040kg、最大離陸重量1315kg。翼面積14平方メートル。エンジンはテキストロン・ライカミング社製AEIO-540-L1B5（300馬力）単発、最大巡航速度330km、航続距離1410km。荷重制限マイナス3Gからプラス6G。乗員２名。ライセンス生産機をベースにして開発期間短縮とコスト削減を図った割にポーランドでの形式証明取得は1991年10月26日、アメリカ連邦航空局の形式証明取得は1998年にずれこみ、1998年にベネズエラ空軍が２機を導入、民間向けに少数が生産された程度に止まっている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｍ２６ロケット弾シリーズ＞：アメリカ陸軍MLRS用227mmロケット弾。当初は直径210mmで開発されたが、西ドイツが参加した時にAT2対戦車地雷を搭載できるよう227mmに拡大した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’05、4,’93

　＜Ｍ２６フェーズ１＞：弾頭部、ロケットモーター、安定フィンから構成される。前部を４つのサボー、後部を２つずつのライダーとラグで支えられた状態で発射筒に収容されており、発射されると発射炎で後部のダイアフラムシールを吹き飛ばし、弾頭部で前部のダイアフラムシールを突き破り、後部ラグが発射筒のスピンレール４本に沿って前進することにより旋転が与えられ、飛翔後は展開した後部折り畳みフィンにより旋転を維持する。弾頭部にM77対人対物子爆弾644個をポリウレタンフォームに固定して搭載、予め入力された地点でM445電子時限信管が作動し、外殻が４つに割れて子爆弾をばらまく。撒布界３ミル（346m×346m。１発あたり100m×200m？）。直径227mm、全長3.937m、発射重量308kg、弾頭重量159kg。推進はアトランティック・リサーチ社製固体燃料ロケット（推力15トン）、最大速度マッハ3.5、発射後最大速度到達時間４秒、最大射程32km。湾岸戦争では17000発（大半は射距離27-30km）が発射され、高い精度を誇った。撃たれる方から見ていると、水平線の彼方から白い閃光が弧を描いて何条も頭上に飛来し、上空から2-3秒間隔で炸裂音が響き、数秒の静寂の後、銀色に輝く小さな缶が雨霰と降り注ぎ、周辺を地獄絵図に変えるのだという。ただ不発弾の問題があり、アメリカ陸軍では2006年1月以降、単一弾頭のM31への切り替えを行っている。陸上自衛隊でもクラスター弾禁止協定発効に伴い、M31に更新した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER4,’93、9,’05、6,’14、月刊軍事研究8,’08、11,’08、5,’17、月刊丸4,’99、月刊JWings11,’10

　＜ＸＲ−Ｍ２６フェーズ１＞：射程延伸型（M26A1のプロトタイプ？）。1991年2月から開発された。M77の搭載数を518個に減らし、その分（274mm）をロケットモーター部分に充てて射程を47kmに延ばしている。参考：月刊丸4,’99

　＜Ｍ２６フェーズ２＞：西ドイツ（MBBとディール社が出資したRTG社）が担当したロケット弾で、AT2対戦車地雷を28発収容する。弾頭直径236mm、発射重量257.5kg、射程40km。上空1200mで炸裂し、12発斉射で400m×1000mの範囲に336個を撒布するが、地雷は高度1200mからパラシュートで落ちてくるため風の影響を受けやすい。参考：月刊PANZER4,’93、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ２６フェーズ２．５＞：SADARMを４発収容した射程50km型。生産されたかどうかは不明。参考：月刊PANZER4,’93

　＜Ｍ２６フェーズ３＞：トップアタック用スマート子弾内蔵型。波長3.2mmのミリ波レーダーまたは２波長赤外線センサーを内蔵した成型炸薬弾頭型子爆弾を３発収容する。射程45km以上。イギリスのソーンEMI、フランスのトムソンCSF、ドイツのディール、アメリカのマーチン・マリエッタが開発していたが、1990年代末にGPS誘導に切り替えられ、21世紀に入りM30/M31として実用化された。参考：月刊PANZER4,’93、月刊丸4,’99、スピアヘッドNo.17

　＜Ｍ２６Ａ１＞：子爆弾の収容数を518発に減らし、射程を45kmに延ばしたタイプで、21世紀に入って実用化された。参考：スピアヘッドNo.17、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’05

＜Ｍ２６−１５＞：南アフリカのOTTテクノロジー社が開発した耐地雷４×４輪装甲車、別名ピューマ。足回りはインドのタタ社が生産している軍用トラック715TCの流用で、レベル１の防御力を持つ車体を載せてある。戦闘重量８トン。エンジンはカミンズ製BATT5.9-20ディーゼル（145馬力）。乗員２名＋乗車兵員10名。参考：月刊軍事研究3,’11

＜Ｍ２６Ａ２クラスター爆弾＞：アメリカ軍の破片クラスター爆弾。重量500ポンド（226.8kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ２７クラスター爆弾＞：アメリカ軍の破片クラスター爆弾。重量500ポンド（226.8kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ２７射撃指揮装置＞：オランダのシグナール社が開発した艦載FCS。球形レドーム内の追尾レーダーと捜索レーダー、コンピュータ、ディスプレイ、連続波イルミネーター、中距離対艦ミサイル、魚雷、中口径砲で構成され、２目標同時追尾が可能である。参考：ザ・マーチ42号

＜Ｍ２７照明小銃てき弾＞：弾頭部に照明剤230gを内蔵する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ２７掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇Sil。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２７歩兵用自動小銃＞：アメリカ海兵隊の軽機関銃（Infantry Automatic Rifle、IAR）。M249の後継としてヘッケラー＆コッホ社がHK416をベースに開発し、2010年から配備した。機関部上部とハンドガードにはレールマウントシステムが装着されており、SU-258/PVQスコープ（倍率3.5倍）、AN/PEQ-15レーザーポインター、フォアグリップなどを装備可能。全長950mm、銃身長419mm、本体重量3.6kg。使用弾は5.56mm×45NATO弾、装弾数30発。有効射程550m（スコープ無し）／1000m（スコープあり・バイポッド使用）。最大発射速度毎分640発だが、基本的に５点バースト射撃を行う。参考：月刊軍事研究3,’13、6,’14

＜Ｍ２７無反動砲＞：アメリカ軍105mm無反動砲。砲口初速毎秒380m。自衛隊が1954年に研究用として１門を供与で受領し、105mm無反動砲を試作した。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ２８サブシステム＞：アメリカ陸軍AH-1G攻撃ヘリ用機首ターレット。M134ミニガンまたはM129グレネードランチャーを左右１基ずつ装着できる。エマーソン・エレクトリック社製。参考：月刊PANZER1,’03

＜Ｍ２８山砲＞：チェコのスコダ社が開発した90mm山砲。水平鎖栓式閉鎖器と、大きめの防楯を持つ。参考：月刊PANZER6,’06

＜Ｍ２８山砲・海外シリーズ＞

　＜ＧｅｂＫ２８＞：ドイツ国防軍山砲。鹵獲して使用した。参考：月刊PANZER6,’06

＜Ｍ２８掃海艇＞：スペイン海軍フーカル級掃海艇Mino。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ２８無反動砲＞：アメリカ軍120mm無反動砲。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜Ｍ−２８輸送機シリーズ＞：ポーランド空海軍双発ターボプロップ輸送機、別名ブリザ（Bryza）。PZLミェレッツがライセンス生産したAn-28で、1993年に初飛行した。参考：月刊航空ファン10,’18、THE MILITARY BALANCE 2016、世界航空機年鑑2018-2019、朝雲

　＜Ｍ−２８Ｂ１Ｅ＞：海軍型。主翼は支柱付き高翼配置、降着装置は前輪式固定脚で、主脚は胴体下面左右の短いパイロンに取り付けられており、パイロン端から主翼中央下面に支柱が延びている。水平尾翼も高翼配置で、両端に双垂直尾翼が付く。1994年から導入した。参考：月刊航空ファン10,’18、月刊JWings10,’18

　＜Ｍ−２８Ｂ１Ｒ＞：海軍の対潜哨戒機型、別名Bryza-1R。1984年から製造された。参考：月刊エアワールド10,’03、月刊航空ファン10,’18

＜Ｍ−２８ＴＤ＞：空軍型。総重量7.5トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6-65Bターボプロップ２基。積載量2.3トン。参考：月刊航空ファン5,’17、10,’18

＜Ｍ−２８輸送機ファミリー＞

　＜Ｍ−２８　０５＞：西側向け輸出型、別名スカイトラック（Skytruck）。エンジン、プロペラ、アビオニクスを西側標準に換装している。1991年から開発され、1993年7月に原型初号機が初飛行し、1994年4月にFAAの形式証明を取得した。全長13.1m、全幅22.06m、全高4.9m、自重4.354トン、最大離陸重量7.5トン。翼面積39.72平方メートル。エンジンはPT6A-65B（1100軸馬力）双発、プロペラはハーフェル製５翅、最大巡航速度355km、実用上昇限度7620m、航続距離1592km（燃料満載）。最大積載量2.3トン。乗員２名。客席数19。1996年1月からコロンビアに引き渡され、2008年までにポーランド含む５カ国に38機が納入されて主に国境警備や森林監視などの任務に就いている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｍ−２８Ｂ＞：洋上哨戒型、別名ブライザ（Bryza）。M-28 05ベースである。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｍ−２８輸送機・海外ファミリー＞

　＜Ｃ−１４５Ａ＞：C-145A（特殊作戦機）を参照。

＜Ｍ２８ロケット弾シリーズ＞：ソ連軍のロケット弾。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｍ２８＞：ドイツ国防軍の28cmネーベルベルファーをソ連でコピーしたもので、簡易発射機を地面に並べて斉射する。全長1.19m、直径280mm、重量83.7kg、炸薬重量60kg。射程1.95km。参考：月刊PANZER9,’97、WW�U欧州戦線シリーズVol.4

　＜Ｍ３０＞：M28を大型化したもので、1942年6月に実用化した。木製フレームに収容して必要数が設置され、電気発火で発射する。スターリングラード戦から投入され、ドイツ国防軍１個歩兵大隊を１斉射で吹っ飛ばしてしまったという。全長1.2m、直径300mm、重量72kg、炸薬重量28.9kg。最大射程2.8km。参考：月刊グランドパワー2,’99、月刊PANZER2,’02、9,’97

＜Ｍ２８Ａ１＞：M26シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｍ２８Ａ１クラスター爆弾＞：アメリカ軍の破片クラスター爆弾。重量100ポンド（45.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ２８Ａ１ロケット弾＞：アメリカ陸軍MLRS用減射程演習ロケット弾（RRPR）。M26フェーズ１のロケットモーターに平たい弾頭部をセットしたもので、空気抵抗が大きいため14.3kmしか飛ばない。参考：月刊丸4,’99

＜Ｍ２８Ａ１海外シリーズ＞

＜Ｍ２８Ａ１演習弾＞：自衛隊の298mm演習ロケット弾。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜Ｍ２９＞：P-16（ハーフトラック）を参照。

＜Ｍ２９クラスター爆弾＞：アメリカ軍の破片クラスター爆弾。重量500ポンド（226.8kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ２９掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇１番艦ブレコン（Brecon）。1980年竣工・就役。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、5,’83

＜Ｍ２９装甲車＞：フランス陸軍装甲ハーフトラック。フランスのシトロエン社が1924年から開発し、1929年に完成させた。生産はシュナイダー社で行われている。車体前部に機関室があり、その後方に乗員室を設けて砲塔を装備し、37mm短砲身砲１門と7.5mm機銃１丁を搭載した。砲塔は１名用なので、車長は砲手と装填手と機銃手も兼ねる。車体前方に超壕用ローラーを持つ。100両が生産された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ２９Ａ１迫撃砲＞：アメリカ陸軍81mm迫撃砲。81mm迫撃砲M1の改良型で、ベースプレートを円盤状にして方位角変更を容易にした。M29A1砲身（12.7kg）、M53またはM53A1またはM34A2照準具、M23A1バイポッド（18.15kg）、M3ベースプレート（11.3kg）からなる。砲身長1.3m、重量52.2kg。最大射程4700m。発射速度毎分4-11発（持続）／30発（最大）。1953年から使用された。M224とM252に後を譲って退役中。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究11,’14

＜Ｍ２９迫撃砲・海外シリーズ＞

　＜６４式８１ｍｍ迫撃砲＞：64式81mm迫撃砲を参照。

＜Ｍ−３０＞：M-28ロケット弾シリーズ（ソ連）を参照。

＜Ｍ３０カーゴ・キャリアー＞：アメリカ陸軍の弾薬補給車Cargo Carier M30。M12自走カノン砲用としてT14の名称で開発された。M12の155mm砲と駐鋤を外し、戦闘室を延長、兵員４名、バッテリー、弾薬40発を収容できるようにし、車体後面にドアを付けた。自衛用として戦闘室後部上面に12.7mm機銃（1000発）用リングマウントを取り付けている。全長19フィート10インチ（6.045m）、全幅８フィート９インチ（2.667m）、全高10フィート（3.048m）、戦闘重量47000ポンド（21.3トン）。エンジンはR-975（353馬力）、最大速度整地24マイル（38.6km）／不整地12マイル（19.3km）、航続距離140マイル（225.3km）。乗員２名＋砲要員４名。1943年3月までに100両が完成、うち74両はM12に改造されたが、同数を更にM30として新規生産した。1944年2-5月、81両に弾薬搭載数増加改修（78発）が施されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー2,’05、10,’00別冊

＜Ｍ３０ガスマスク＞：ドイツ国防軍のガスマスク。第２次大戦で使用された。ゴム引き布と革で作られており、吸収缶がマスク前面に付く。右頬の部分に通信機用マイクを取り付けられるものもある。円筒形の金属ケースに入れて携帯する。参考：月刊グランドパワー10,’99、歴史群像12,’10

＜Ｍ３０師団砲＞：ソ連陸軍122mm牽引式榴弾砲。1938年に開発されたためM1938とも呼ばれる。閉鎖機は段隔螺式で、砲身上部に復座管、下部に駐退管を持つ。ゴムタイヤとサスペンションを持ち、自動車で牽引できる。砲身長22.7口径、行動時重量2.8トン、戦闘重量2.45トン。俯仰角マイナス３度からプラス63.5度。方向射界49度で、脚を閉じたままでも1.5度動かせる。射程12100m。BP-460A成型炸薬弾（13.2kg）だと、砲口初速毎秒335m、装甲貫徹力200mm。発射速度毎分5-6発。砲要員８名。北朝鮮軍も使用している。参考：月刊グランドパワー2,’99、月刊PANZER4,’93、5,’03、月刊丸3,’14

＜Ｍ３０師団砲・海外シリーズ＞

　＜１２．２ｃｍ　ｓＦＨ３９６（ｒ）＞：ドイツ国防軍122mm牽引式榴弾砲。第２次大戦で鹵獲して使用したもので、大西洋城塞にも配備された。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ３０自動式拳銃＞：ドイツ国防軍が第２次大戦時に使用した自動式拳銃。全長146mm、銃身長77mm、重量630g。口径7.65mm、装弾数７発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ３０掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇レッドバリー（Ledbury）。1981年竣工。2019年11月5日、バーレーンのミナサルマン沖で、MST-464ぶんご、MSC-603たかしま、アメリカ海軍アヴェンジャー級掃海艦MCM-13デクストラスとの共同訓練に参加。参考：月刊世界の艦船5,’83、1,’20

＜Ｍ３０装薬＞：トリプルベース発射薬で、ニトログアニジン48%、ニトロセルロース28%、ニトログリセリン22.5%に安定剤のエチルセントラリット1.5%を追加したもの。参考：月刊PANZER9,’99

＜Ｍ３０ディスペンサー＞：アメリカ軍のクラスター兵器用ディスペンサー。CBU-5/Bに使用されている。参考：月刊JWings2,’13

＜Ｍ３０迫撃砲＞：アメリカ陸軍107mmライフル迫撃砲。M106/M106A1/M106A2自走迫撃砲に搭載されているが、５つに分解して歩兵が運ぶこともできる。砲身長1.524m、重量305kg。使用弾はM329A2榴弾（重量10kg）などで、最小射程770m、最大射程6840m、発射速度毎分３発（持続）／18発（最大）。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究5,’09

＜Ｍ．３０飛行試験機＞：マイルズ社が開発した翼胴一体型輸送機の飛行試験機、別名Ｘマイナー。1942年2月に初飛行した。これを元に６発輸送機を造る予定だったが、ブラバゾンに負けて採用されなかった。全幅10m。エンジンはジプシー・メジャー（130馬力）双発。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｍ３０ロケット弾シリーズ＞：アメリカ陸軍MLRS/HIMARS用227mmロケット弾。参考：月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ３０＞：クラスター弾頭型。IMU/GPSを備えたGMLRS（Guided Multipke Launch Rocket System）で、内部にM101子爆弾404個を収容する。2004年に実用化されたが、不発弾の問題があり、M31GMLRSの方がよく使われている。参考：月刊軍事研究12,’12、スピアヘッドNo.17

＜Ｍ３０Ａ１＞：単一弾頭型、別名AW（Alternative Warhead）弾頭型。内部に爆薬及び直径数ミリメートルのタングステン・スチール小球18万個を収容しており、不発弾の問題を解決しつつ広域制圧能力を持たせた。2015年から配備されている。参考：月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ３０Ａ１＞：アメリカ軍M18無反動砲用57mm黄燐発煙弾。全長445.5mm、重量2.54kg、弾丸重量1.25kg、発煙剤重量0.12kg（黄燐）、装薬重量0.45kg。信管はM86またはM503弾頭瞬発信管。参考：スピアヘッドNo.2

＜Ｍ３１ＢＩＤＳシリーズ＞：アメリカ軍の生物統合探知システム（BIDS）。1990年の湾岸戦争時に有効な器材が無かったため開発され、1996年に採用された。参考：月刊軍事研究8,’02

　＜Ｍ３１＞：外観はS788軽量多目的シェルターで、M1097HMMWVの車体後部に搭載され、PU-801発電機（15kW）、GPS受信機、長距離通信設備なども同時に装備される。生物剤の撒かれた現場で汚染土壌を採取して病原微生物を抗原抗体反応により検出する。データリンクも持ち、他部隊への連絡も容易で、司令部に情報を送ると共にサンプルを作って専門施設に持ち帰る。15分以内に生物剤を探知し、45分以内に生物剤４種類を同定できる。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊PANZER12,’99

　＜Ｍ３１Ａ１＞：改良型で、1999年に開発された。10分以内に生物剤を探知し、30分以内に生物剤８種類を同定できる。参考：月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ３１オネスト・ジョン＞：MGR-1シリーズ（地対地ロケット）を参照。

＜Ｍ３１機関銃＞：フランス軍7.5mm車載機銃。シャテルロー造兵廠が製造したM24/29軽機関銃を車載化したものである。作動はガス圧式。全長1.082m、銃身長0.5m、重量10.9kg、初速毎秒820m、発射速度毎分450-550発。給弾は25発入りボックスマガジンまたは150発入りドラムマガジン。参考：月刊丸10,’97

＜Ｍ３１焼夷弾＞：アメリカ軍の500ポンド級焼夷弾。M74焼夷子弾を収容する。参考：月刊JWings3,’13

＜Ｍ３１戦車回収車シリーズ＞：アメリカ陸軍の戦車回収車Tank Recovery Vehicle M31。M3中戦車ベースの戦車回収車で、1942年12月から生産・改造された。参考：JGround　Vol.19

　＜Ｔ２＞：試作型。M3中戦車ベースの重砲牽引車T16を試験していた際にM3中戦車の車体を流用して戦車回収車を製作する案が出され、1942年9月に限定調達が決定した。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３１＞：M3をベースに75mm砲をダミー砲身に変更し、砲塔の37mm砲の代わりにクレーンを装着、車体後部に30トンウインチと道具箱を装備したもの。1943年9月に限定制式化され、509両が改造された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’14、JGround　Vol.19

　＜Ｍ３１Ｂ１＞：M3A3ベースのもの。B2と合わせて146両が改造され、150両が新規生産された。参考：JGround　Vol.19、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３１Ｂ２＞：M3A5ベースのもの。参考：JGround　Vol.19、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３１掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇３番艇キャティストック（Cattistock）。1982年就役。2017年9月12-15日、DSEI2017で一般公開された。2019年11月4-14日、バルト海でHod OPS演習に参加。参考：月刊軍事研究3,’18、10,’10、月刊世界の艦船3,’20

＜Ｍ３１対戦車小銃てき弾＞：アメリカ陸軍対装甲・対コンクリート用小銃てき弾。M1ガーランドまたはM14自動小銃の銃口に発射装置を差し込んでてき弾を取り付け、てき弾薬筒を小銃の薬室に装填して発射する。反動が大きく下手に肩付けで撃つと大ケガをするため、主に銃床を地面に置いて射撃する。てき弾は全長430mm、直径56mm、重量700g。成型炸薬（３号爆薬280g）弾頭とアルミニウム製安定翼を持つ。信管はM211で、弾底部に装着されており、弾頭部に装着した圧電素子が受けた衝撃で発生する電流により起爆する。初速毎秒50m、有効射程185m（射角45度）、装甲貫徹力250mm、コンクリート貫徹力500mm。飛翔速度が遅いので、対装甲用といっても移動目標に命中させるのは至難の業である。他に黄燐発煙弾、着色発煙弾、訓練弾がある。陸上自衛隊も64式小銃用として1970年頃に採用、後にダイキン工業でライセンス生産した。参考：スピアヘッドNo.7、No.8、火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究5,’17

＜Ｍ３１標的＞：ロシアのズベズダ実験設計局が開発した超音速シースキミング標的。参考：月刊軍事研究7,’95

＜Ｍ３１ライナー＞：ドイツ国防軍のヘルメット用内張。M16以降のヘルメットに対応する。頭を覆う一枚革のスウェット・パッドを10-14個のリベットで鋼鉄製のインナーリングに固定してあり、インナーリングは板バネを介してアルミ製のアウターリングに繋がれている。ライナーとヘルメットは両側面と後部の計３本の割ピンで固定され、ヘルメットに受けた衝撃はインナー／アウターリングの間にある板バネで緩衝する。顎紐はアウターリングにリベット止めしたスイベル式Ｄリングに通す。参考：グラフィックアクション36

＜Ｍ３１ロケット弾＞：アメリカ軍MLRS/HIMARS用単一弾頭型誘導ロケット弾、別名GMLRS（Guided Multiple Launch Rocket System）。GPS/IMU誘導装置が取り付けられており、実質的にはミサイルである。全長3.94m、直径227mm、重量296kg、炸薬重量91kg（HE単弾頭）。射程15-70km（84km？）。CEP5-10m。アメリカ陸軍が2005年から17184発を配備して不朽の自由作戦やイラク戦争で3141発を発射した。目標のGPS座標を砲兵指揮所に送るだけで数十キロメートル先から飛んできて目標を爆砕するので、これを主用弾とするHIMARSにはThe 70km sniper rifleのニックネームが付けられている。陸上自衛隊もクラスター弾に分類されるM26の替わりに2008年度（2010年度？）から導入した。参考：月刊軍事研究6,’17、12,’12、10,’10、8,’08、月刊JWings12,’15

＜Ｍ−３１ロケット弾シリーズ＞：ソ連軍300mmロケット弾。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ−３１＞：M-30の射程延伸型で、弾頭威力は同じ。全長1.76m、直径300mm、重量91.5kg、炸薬28.9kg。射程4250m。BM-31-12に搭載された。参考：月刊PANZER2,’02、WW�U欧州戦線シリーズVol.4、月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ−３１−ＵＫ＞：M-31をスピン安定式にしたもの。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ３２ガスマスク＞：ドイツ国防軍のガスマスク。第２次大戦時に使用された。ゴム引き布で作られており、吸収缶がマスク前面に付く。円筒形の金属ケースに入れて携帯する。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｍ３２グレネードランチャー＞：アメリカ海兵隊のグレネードランチャー。ダネルMGL140を2005年に採用したもので、2006年から配備した。作動はセミオート、薬室は６連装リボルバー型である。使用弾は40mm×46高低圧弾で、M79/M203用の各種弾薬の他、新開発の致死力強化弾も使用できる。３秒で全弾を発射でき、20×60mの範囲を制圧可能。初速毎秒76m、射程375m（地域目標）／150m（点目標）。上部にピカティニ・サイトレール、ハンドガードにMIL-STD-1913レールシステム４本を持つ。全長812mm、空虚重量5.9kg、装弾時重量10kg強。参考：月刊PANZER5,’06、月刊軍事研究11,’14

＜Ｍ３２焼夷弾＞：アメリカ軍500ポンド級焼夷弾。M50Aテルミット焼夷子弾を収容する。参考：月刊JWings3,’13

＜Ｍ３２戦車回収車シリーズ＞：アメリカ陸軍戦車回収車Tank Recovery Vehicle M32。M4中戦車シリーズ改造の戦車回収車で、リマ社が試作車T5を製作し、1943年9月に制式化された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ３２＞：M4の砲塔を撤去して固定式作業室を設け、車体内部中央にガーウッド型6M814メインウインチ（牽引能力27トン）を搭載、車体前部両側を基部にＡフレーム・クレーンを装備する。クレーンの動力はメインウインチだが、持ち上げる対象が重すぎると車体後部が浮き上がってしまうため、吊り上げ能力は15トンまでとなっている。クレーンは走行時は後方に向けられており、使用時に前に倒す方式で、右の起動輪にはクレーン起倒用のリフティング・ドラムが付けられている。クレーンが旋回不能なのでエンジン整備などの細かい作業には使いにくい。武装は車体前部右の7.62mm機銃M1919A4、作業室上面の12.7mm機銃M2で、車体前上部に81mm迫撃砲M1を搭載できる（主に発煙弾発射用）。参考：月刊PANZER3,’02、スピアヘッドNo.18、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３２Ａ１＞：M4HVSSサスペンション型がベースのもの。参考：月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ３２Ｂ１＞：M4A1ベースのもの。参考：月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ３２Ａ１Ｂ１＞：M4A1HVSSサスペンション型がベースのもの。参考：月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ３２Ｂ２＞：M4A2ベースのもの。26両のみ生産され、試験用以外はM4A2装備の海兵隊に配備された。参考：月刊PANZER3,’02、10,’02

　＜Ｍ３２Ａ１Ｂ２＞：M4A2HVSSサスペンション型がベースのもの。参考：月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ３２Ｂ３＞：M4A3ベースのもの。参考：月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ３２Ａ１Ｂ３＞：M4A3HVSSサスペンション型がベースのもの。参考：月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ３２Ｂ４＞：M4A4ベースのもの。作業室が無い。１両だけ試作された。参考：月刊PANZER3,’02

＜Ｍ３２戦車回収車ファミリー＞

　＜Ｍ３２地雷処理車（Ｔ１Ｅ１地雷爆破装置）＞：地雷処理車型M32 with Mine Exploder T1E1。M3中戦車用T1地雷処理ローラーをM32戦車回収車用に改修したT1E1（別名Earthworm）を装着している。車体前部にアタッチメントを装着し、車体前方に６枚ずつ３組（履帯前方に１組ずつ、車体中央前方に１組）の装甲板製ディスク・ローラーを取り付けた。車体側面にはＡフレーム・クレーンを装着し、アタッチメント前部をワイヤーで吊って接地させたり離したりする。総重量18ショート・トン。1943年から少数が配備された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３２地雷処理車（Ｔ１Ｅ２地雷爆破装置）＞：地雷処理車型M32 with Mine Exploder T1E2。T1E1の改良型で、車体前方に７枚ずつ２組（履帯前方に１組ずつ）の装甲板製ディスク・ローラーを装着している。1943年に試作されたが、採用はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３２地雷処理車（Ｔ２Ｅ１地雷爆破装置）＞：地雷処理車型M32 with Mine Exploder T2E1。M3軽戦車用T2地雷爆破装置をM32用にスケールアップしたT2E1地雷爆破装置を装着している。海兵隊向けに開発されたが、実用性が無く、1943年10月にキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３４牽引車＞：装軌式重砲牽引車型Full-Track Prime Mover M34。M32B1のＡフレーム・クレーンやウインチといった回収器材を外し、牽引砲のブレーキ用空気圧縮機や圧縮空気パイプを搭載している。1944年に制式化された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３２戦車回収車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ３２（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊戦車回収車。M4A3中特車の供与と同時に80両くらいが供与された。殆どがM32B1だったようである。エンジンが火災を起こしやすい、61式戦車に対しては能力不足という欠点があり、70式戦車回収車や78式戦車回収車の配備に伴ってアメリカに返された。参考：月刊PANZER3,’02、スピアヘッドNo.12

　＜シャーマン�UＡＲＶ　Ｍｋ�V＞：イギリス軍戦車回収車Sherman �U(M32B1), ARV Mk�V。M32B1回収車をレンドリースで配備したものである。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３２戦車砲＞：アメリカ陸軍M41軽戦車シリーズ用76mmライフル戦車砲、開発名称T91E3。閉鎖機は半自動垂直鎖栓式。砲身長60口径。弾種はM339AP-T（実際は低抵抗被冒付き徹甲弾−曳光。初速毎秒975m）、M319高速曳光徹甲弾（初速毎秒1262m）、M331A2装弾筒付き曳光高速徹甲弾（初速毎秒1257m）、M496曳光対戦車榴弾、M352榴弾、M361黄燐発煙弾、M363キャニスター弾（909個の鉄球をばらまく。最大射程155m）。参考：月刊PANZER7,’02、世界AFV年鑑2002-2003、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｍ３２掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇コッテスモア（Cottesmore）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ３２Ａ１多連装てき弾銃＞：アメリカ海兵隊の歩兵用てき弾銃、略称MSGL（Multi-Shot Grenade Launcher）。全長810mm、重量4.92kg。使用弾は40mm×46てき弾で、６発をリボルバー式に装弾する。有効射程150m（点目標）／375m（面目標）。発射速度は３秒間で６発、１分間で18発。南アフリカ製。参考：月刊軍事研究3,’13

＜Ｍ３３＞：M3中戦車ファミリー（牽引車）を参照。

＜Ｍ３３手榴弾＞：アメリカ軍の手榴弾。セーフティ・クリップが無いので、セーフティ・ピンが服などに引っかかって抜けてしまうと危ない。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ３３普通弾＞：アメリカ軍M2重機関銃用12.7mm普通弾。射距離1200mで装甲貫徹力4mm。参考：月刊軍事研究8,’16

＜Ｍ３３掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇ブロックレズビー（Blocklesby）。1982年竣工。2011年3月、リビア作戦に参加。参考：月刊世界の艦船5,’83、月刊JWings7,’11

＜Ｍ３４＞：M32戦車回収車ファミリー（牽引車）を参照。

＜Ｍ３４手榴弾＞：アメリカ軍の白燐焼夷手榴弾。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ３４掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇ミドルトン（Middleton）。2001年10月15-16日、シー・デイズ2001に参加。2016年4月4-16日、ペルシャ湾でIMCMEX2016に参加。4月27日、バーレーン周辺海域でMST-463うらが、MSC-603たかしまと戦術訓練・近接運動訓練を実施。2022年2月6-17日、カットラス・エキスプレス2022演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’02、7,’16、5,’22

＜Ｍ３５＞：M10駆逐戦車ファミリー（火砲牽引車）を参照。

＜Ｍ３５ガンマウント＞：アメリカ軍M2重機関銃用マウント。支柱１本である。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ．３５実験機＞：イギリスのマイルズ社が製作した串型翼（タンデムウイング）実験機。高翼の前翼と低翼の後翼を持つ。1942年に初飛行したが、後に事故で失われ、串型翼艦上戦闘機開発計画は放棄された。参考：月刊JWings6,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸8,’11

＜Ｍ３５手榴弾＞：イタリア陸軍の攻撃型手榴弾。1935年に制式化され、ブレダ、OTO、SRCMで生産された。赤いエナメル塗装が施されているのが特徴で、柄付きのものも開発されている。手榴弾外側に安全覆いが付いており、投げると覆いが外れて安全装置が解除され、常働信管により炸裂する。特にブレダとSRCMが製作したものは信管の作動が不確実で不発が多いという欠点があり、一方で作動した信管は敏感すぎるという特徴があって、不発弾に衝撃を加えるとたちまち炸裂するため、北アフリカ戦線の連合軍兵士は赤い悪魔と呼んだ。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ３５焼夷弾＞：アメリカ軍750ポンド焼夷弾。M74A焼夷子弾を収容する。参考：月刊JWings3,’13

＜Ｍ３５トラック・シリーズ＞：アメリカ軍６×６輪2.5トン軍用カーゴトラック。CCKWシリーズ・M211戦術トラックの後継で、アメリカ陸軍補給部とスチュードベーカー社が共同開発し、レオ社やカイザー・ジープ社などが量産、ベトナム戦争に投入された。参考：THE JEEP、月刊グランドパワー4,’95、月刊戦車マガジン6,’89

　＜Ｍ３５トラック＞：全長6.7m、全幅2.44m、全高2.92m。エンジンはコンチネンタル製LDT-465-1C型６気筒ガソリン（147馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速×２速トランスファー、最大速度90km、航続距離400km。1960年代初めまでにアメリカ陸軍とアメリカ海兵隊への部隊配備を完了した。参考：THE JEEP、月刊戦車マガジン6,’89

　＜Ｍ３５Ａ１トラック＞：エンジンをコンチネンタル社製LDS427-2多燃料ディーゼル（135馬力）に換装したもの。参考：THE JEEP

＜Ｍ３５Ａ２トラック＞：エンジンをコンチネンタル製LD465-1多燃料ディーゼル（140馬力）に換装したもの。車体前部に4.5トンウインチを持つ。最大ペイロード4.35トン（路上）／2.26トン（不整地）。参考：THE JEEP、月刊戦車マガジン6,’89

＜Ｍ３５迫撃砲＞：イタリア陸軍4.5cm迫撃砲。後装式で、砲身下部をハンドルで下げて弾薬を装填する。底板は三脚架で支えられており、砲手もその上に乗って操作を行う。射程は射角及び砲尾の発射ガス抜き孔で調整する。全備重量14.5kg、弾薬重量0.454kg。射程350m（ガス抜き孔を開いた時）-550m（閉じた時）。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ３５迫撃砲＞：イタリア陸軍81mm迫撃砲。アメリカの81mm迫撃砲と同じ設計者が作ったため、殆ど同じ構造をしており、同じ弾薬を使用する。弾薬重量3.2kg。射程4050m。折り畳み式尾翼の付いた重量6.8km・射程1500mの弾薬も製作された。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ３５ヘルメット＞：ドイツ陸軍のヘルメット。M16を一回り小型にしたもので、フロント・プレートの取り付けラグを廃止した。内部にはM31ライナーを装着する。カモフラージュ用の塗装は禁じられており、バンドやネットを被せて木の枝などを挟み込んでいたが、後に迷彩カバーが開発された。ドイツ陸軍用のものは右にドイツ国防軍記章、左に鷲と鈎十字のナチス国家記章が描かれていたが、1940年に国防軍記章が廃止され、1943年にナチス国家記章も廃止された。迷彩カバーは紐を絞って固定するタイプである。武装親衛隊用のものは半つや消しグレイに塗られており、右にSS、左に鈎十字盾が描かれていた。1940年3月に色がつや消しグレイに変更されて鈎十字盾は描かれなくなり、1943年11月からはSSを左に入れるようになった。迷彩カバーは側面の金具で固定する。参考：グラフィックアクション36、２

＜Ｍ３５／４０ヘルメット＞：ドイツ陸軍のヘルメット。M35ヘルメットのエアーベントを一体成形とし、シェル表面仕上げをザラツキのあるものに変更した低コスト型で、1940年に登場した。参考：グラフィックアクション36

＜Ｍ３５級＞：M1級（掃海艇）を参照。

＜Ｍ３６＞：ランズヴェルク181海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ３６駆逐戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍駆逐戦車、90mm Gun Motor Carriage M36/M36B1/M36B2。M4中戦車やM10駆逐戦車の火力では�Y号戦車ティーガーや�X号戦車パンターなどのドイツ陸軍戦車に対抗できないため、90mm戦車砲M3をM10に搭載したものである。90mm高射砲を高初速戦車砲として駆逐戦車に積む計画は1942年10月に始まっており、1943年初めにはM10への90mm戦車砲搭載試験が始まったが、砲が大きすぎて３インチ（76.2mm）戦車砲用砲塔に合わないことが判明。1943年3月から新型砲塔に換装してテストし、良好な成績だったため、T71GMCとして限定制式化し500両を発注、1944年6月（7月？）に制式化して1944年末からヨーロッパ戦線で実戦投入した。元々車体機銃は無かったが、大戦後期に戦車と同じ使われ方をしたため、急遽車体機銃を追加している。第２次大戦後も1950年代までフランス、ベルギー、イタリア、韓国、トルコなどが使用し、パキスタンは1960年代まで、ユーゴではエンジンをV55ディーゼルに換装して1990年代まで配備した。また、イラン・イラク戦争中にイラク軍が鹵獲したものが、イラク戦争後に残骸を晒している。陸上自衛隊にも61式戦車開発時の参考として１両が供与された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’03、11,’04、世界の軍用車両(1)

＜Ｍ３６＞：M10A1（大元はM4A3）の車体に新型オープントップ砲塔（右半分のみバスケット付き）と90mm戦車砲M3（47発）を搭載したもの。マズルブレーキを装備する筈だが、実戦では殆ど外している。装甲貫徹力は射距離1000mで150mm（衝角０度）あり、ドイツ陸軍�Y号戦車ティーガーや�X号戦車パンターの正面装甲を撃ち抜く威力があった。主砲俯仰角マイナス10度からプラス20度、発射速度最大毎分８発。砲塔装甲は若干厚くし、増加装甲装着用ボルトを付けたが、結局使用されず、側面のものは後に廃止した。フロントヘビーを避けるため、砲塔後部に弾薬庫を置き、44-100mm厚の装甲で覆ってカウンターマスとしている。カウンターマス後面には12.7mm機銃運搬用ラックが付き、上面左には予備銃身２本を搭載する金具がある。砲手席はM10A1の左から本車では右になり、照準器も右に移動、装填手は左に移った。砲塔旋回は砲塔重量増加により油圧式としている。砲塔後部中央には12.7mm対空機銃用ピントルマウントが付き、機銃弾1000発を搭載する。実戦ではオープントップの砲塔が問題となり、手製の上面装甲を装備したものもあったが、1944年8月から装甲キャノピー・キットを装着している。同時期に、機関室上面グリル内側にスプラッシュ・ガードを装備した。全長7.465m、車体長5.972m、全幅3.048m、全高3.277m（機銃含む）、戦闘重量28.4トン。照準器はM76直接照準鏡、M12パノラマサイト間接照準具（旋回角用）、M9俯仰角計（間接照準時低精度俯仰角用）、M1砲手用象限儀（間接照準時高精度俯仰角用）。乗員用にM1カービン５丁（450発）、手榴弾12発、発煙缶４発を搭載する。装甲厚は車体前面上部38.1mm55度、前面下部107.6-50.8mm0-56度、側面上部18.1mm38度、側面下部25.4mm０度、後面19.1mm0-38度、上面19.1mm（戦闘室）／9.6mm（機関室）、下面12.7mm、砲塔前面防楯76.2mm０度、側面31.8mm５度、後面44.5-12.7mm０度、上面9.5-25.4mm（装甲キャノピー装着時）。エンジンはフォード製GAA液冷60度Ｖ型８気筒ガソリン（500馬力）、最大速度40km、燃料搭載量727リットル、航続距離240km。出力1.6馬力のAPUも搭載する。無線機はSGR-610。乗員５名（車長、操縦手、砲要員３名）。1944年4-7月にM10A1の既存車体に新規生産砲塔を組み合わせる形でグランド・ブランク工廠で300両が生産され、1944年10-12月にアメリカン・ロコモーディブで既存のM10A1から413両が製作され、1944年6-12月にマッセイ・ハリスで既存のM10A1から500両が生産され、1945年5-6月にモントリアル・ロコモーティブ・ワークスで85両が製造された（総生産数1413両？）。初期には車体後部に固定式ガントラベルロックが付いていたが、後に起倒式のものに換えている。車体前方に移設した現地改造車もある。参考：月刊グランドパワー7,’04、月刊PANZER6,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３６Ｂ１＞：暫定急造型。90mm砲搭載駆逐戦車の需要が増したため製作した。VVSS装備M4A3新型車体にM36の砲塔を搭載しており、車体には7.62mm機銃が付いたままである。重量30.8トン。最大速度41.8km、航続距離185km。1944年10-12月にグランド・ブランク工廠で187両が生産された。参考：月刊PANZER6,’03、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３６Ｂ２＞：M10の車体にM36の砲塔（装甲キャノピー付き）を搭載したもの。バルジの戦いで牽引式対戦車砲部隊が機動力の無さから全く役に立たなかったため、駆逐戦車の供給を増やす必要があって生産することになった。マズルブレーキとガントラベルロックを標準装備し、M83直接照準望遠鏡を搭載する。接地圧を下げるため、下部転輪ボギーと車体の間にスペーサーを入れて履帯内側にもエンドコネクターが追加できるようにした。主砲をシングルバッフル式マズルブレーキ・砲口排煙器付きのM3A1に換えたものもある。重量30トン。エンジンはジェネラル・モータース社デトロイト・ディーゼル製造部製6040型ディーゼル（375馬力）、最大速度40.2km、航続距離185km。1945年4月から生産に入り、ドイツが降伏した5月までにアメリカン・ロコモーティブで237両が量産されたが、第２次大戦には間に合わなかった。最終的に724両が生産されたが、M26重戦車の登場で役目が無くなり、韓国やフランスに供与されて朝鮮戦争やインドシナ紛争を戦った。陸上自衛隊にも１両が参考機材として供与され、61式戦車開発の参考にされた。特に主砲とか砲塔とか。参考：月刊PANZER6,’03、世界の軍用車両(1)、British and American tanks of World War Two

＜Ｍ３６海外シリーズ＞

＜Ｍ３６（クロアチア陸軍）＞：クロアチア陸軍駆逐戦車。1950年代にクロアチア国土防衛隊向けとしてアメリカから供与された。エンジンをV55ディーゼルに換装しており、ユーゴスラビア紛争に参加する姿が記録されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.26、月刊グランドパワー7,’04、月刊PANZER4,’04

＜Ｍ３６焼夷弾＞：アメリカ軍750ポンド級焼夷弾。M126テルミット焼夷子弾を収容する。参考：月刊JWings3,’13

＜Ｍ３６戦車砲＞：アメリカ軍M47中戦車用50口径90mm戦車砲。ウォーター・ブリート陸軍造兵廠でT119として開発され、改良を施したT119E1を制式化したものである。遠心鋳造・単肉砲身カノン砲で、駐退復座機は同芯油圧スプリング式、閉鎖機は半自動（装填手動・排莢自動）垂直鎖栓式、撃発装置は電気または手動の慣性式。全長5.165m、砲身全長4.912m、砲身長4.499m、全幅0.792m、全高0.884m、砲身部全重量1202kg、砲身重量794kg。ライフリングは32条右回り。後座長304mm（通常）／356mm（最大）。M78連動砲架にボルト止めされ、俯仰角マイナス５度からプラス19度。使用弾は固定弾型で、M318APBC-T（初速毎秒914m、最大射程21031m）、M431HEAT-T（初速毎秒1219m、最大射程8900m）、T91E3またはM71A1HE-T（初速毎秒732m、最大射程13259-15362m）、XM580E1APERS-T（曳光フレシット弾。フレシット4100個収容）、T142E3HEP-T（初速毎秒792m、最大射程9784m）、M336キャニスター弾（子弾1280発。有効範囲183-402m）、M337キャニスター弾、M353TPBC-T（被冒訓練弾）、WP-T（曳光白リン発煙弾）。参考：月刊PANZER10,’85

＜Ｍ３６狙撃銃＞：イスラエルのサルディウス・インダストリー社が開発した狙撃銃。M14ライフルを大改造してブルパップ型に変更している。作動はガス圧利用式で、セミオート射撃が可能である。全長850mm、銃身長560mm、重量6kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾、装弾数20発。イスラエル軍に少数が採用された。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ３６Ｅ２＞：アメリカ軍の複合焼夷弾。内部にM126テルミット爆弾177個を収容する。全長2.29m、直径0.41m、尾翼スパン0.58m、重量408kg。信管は尾部に装着したM152A1機械式時限信管２個や、M908信管２個。参考：ワイルドウエポン

＜Ｍ３７＞：M24軽戦車ファミリー（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｍ３７機銃＞：アメリカ軍の戦車搭載用7.62mm機銃。性能はM1919A4E1とほぼ同じ。M48A2/A3/A4/A5戦車に同軸機銃として搭載された。参考：月刊PANZER10,’04

＜Ｍ３７ショットガン＞：アメリカ軍のコンバット・ショットガン。イサカ製。第２次大戦時に陸軍航空隊がリード射撃訓練用に民間用のものを購入してそのまま使用した他、参戦後は銃身を20インチ（0.508m）に切断したライアットガンタイプ、更に着剣装置と放熱筒を取り付けたトレンチガンタイプを採用した。全長1.016m、銃身長0.508m、重量2.72kg。作動はポンプアクション、使用弾は12ゲージ、装弾数４発。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ３７潜水艦＞：イギリス海軍ポーパス級潜水艦シール（Seal）。1939年5月24日就役。1940年5月、カテガット海峡で機雷敷設中に機雷が暴発して潜航不能となり、翌日ドイツ哨戒艇に発見され、Ar193A-3水上機の攻撃も受けて降伏した。ドイツ海軍がUBと名付けて再就役させている。参考：ナチスＵボート、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊JWings9,’19

＜Ｍ３７トラック＞：アメリカ陸軍４×４輪3/4トン汎用中型カーゴ・トラック、開発名称T245。T214シリーズの後継で、クライスラー社製ダッジW300パワー・ワゴンを軍用に採用したものである。タイヤは9.00-16-8。全長4.8m（ウインチ付）、全幅1.867m、全高2.273m（幌付）、ホイールベース2.844m、自重2.98トン。エンジンは６気筒ガソリン（94馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速×２速トランスファー。1950年から10万両が量産され、1970年代まで使用された。参考：THE JEEP

＜Ｍ３７トラック・ファミリー＞

　＜Ｍ４３＞：野戦救急車型。参考：THE JEEP

＜Ｍ３７爆薬＞：アメリカ軍のプラスチック爆弾、通称エコー・ブラボー。コンポジットC4製。重量2.5ポンド（1134g）。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ３８＞：ランツベルク181海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ３８改造８．８ｃｍ高射砲＞：ドイツ国防軍高射砲。第２次大戦時にソ連から鹵獲した76mm高射砲を改造して8.8cm砲弾を撃てるようにしたものである。参考：月刊PANZER6,’04

＜Ｍ３８子爆弾＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-62/Bに使用される。参考：月刊JWings2,’13

＜Ｍ３８トラック・シリーズ＞：アメリカ軍1/4トン４×４輪トラック、愛称ジープまたはアイゼンハワー・ジープ（制式当時の大統領が元アメリカ陸軍アイゼンハワー元帥だったので）またはブルドッグ。ウイリスMB・フォードGPWの後継で、ウィリス社が開発した。アメリカ陸軍と海兵隊ではオリーブ・ドラブやフォレスト・グリーン、アメリカ空軍ではエアフォース・ブルーに塗装している。参考：THE JEEP、月刊PANZER5,’81

＜Ｍ３８＞：民間型CJ3Aユニバーサル・ジープを軍用にしたものである。エンジンを換装してボンネット形状を変更、防水機構を標準装備し、電装を24Vに強化、左右分割のウインドシールドを一枚板にし、前照灯に上外から下内に向かうライトガード１本を取り付け、前照灯ガラスを前に飛び出したタイプに変更、タイヤを7.00-16に大型化した。エンジンはディーゼル（出力60馬力）。1950年から60345両が生産され、フランスでもライセンス生産された。参考：THE JEEP、月刊PANZER5,’81、4・5,’17

＜Ｍ３８Ａ１＞：民間型CJ5ベースで、1952年に採用された。車体が延長され、前部フェンダー前方が下に曲げられ、ボンネット前部が丸みを帯びた。全長3.543m、全幅1.562m、全高1.854m（幌展張時）、最低地上高236mm、自重1.209トン、全備重量1.247トン。エンジンはハリケーン直列４気筒（総排気量2199cc、出力72馬力）、トランスミッションは前進３速・後進１速×２速トランスファー、最大速度96.6km、登坂能力60%、渡渉深さ1.78m。乗員４名。60000両が生産された。参考：THE JEEP、月刊PANZER5,’81

＜Ｍ３８ジープ海外シリーズ＞

　＜Ｍ３８（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊1/4トントラック。導入したのは民間型CJ3A系で、軍用型M38を配備した記録は無いが、少数をテスト用に導入したらしく、フロントバンパーに技研と入れた車両の写真が残っている。参考：月刊PANZER4・5,’17

＜Ｍ３８掃海艇＞：イギリス海軍掃海艇アーサーストーン。2009年3月4-14日、アマン09演習に参加。参考：月刊軍事研究9,’09

＜Ｍ３８Ａ＞：アメリカ軍100ポンド訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜Ｍ３８Ａ＞：イタリア軍サブマシンガン。イタリアのベレッタが開発し、第２次大戦では主力サブマシンガンだった。多孔式銃身カバー、木製銃床、ダブル・トリガーを装備そる。全長945mm、重量4.25kg。口径9mm。弾倉は10発／20発／40発入りがある。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、世界の軍用銃

＜Ｍ３８Ａ海外シリーズ＞

　＜ＭＰ７３９（ｉ）＞：ドイツ国防軍サブマシンガン。第２次大戦中の1943年にベレッタの工場を占領し、1944年までに23万丁を生産、武装SSや降下猟兵に配備した。全長947mm、銃身長320mm、重量3.95kg。口径9mm、発射速度毎分550発。10発／20発／40発入り弾倉がある。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ３８Ａ２訓練爆弾＞：アメリカ軍の訓練爆弾。重量100ポンド（453.6g）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ３８Ｈ＞：ドイツ国防軍自動式拳銃。全長171mm、銃身長83mm、重量720g。口径7.65mm、装弾数８発。第２次大戦時に使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ３９＞：ATACMSシリーズ（対地ミサイル）を参照。

＜Ｍ３９改造８．８ｃｍ高射砲＞：ドイツ国防軍高射砲。第２次大戦時にソ連から鹵獲した85mm高射砲を改造して8.8cm砲弾を撃てるようにしたものである。参考：月刊PANZER6,’04

＜Ｍ３９機関砲シリーズ＞：アメリカ軍の単砲身20mm機関砲。F-5戦闘機用に開発された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍ３９Ａ１＞：全長1.83m、重量80.9kg。発射速度毎分1700発。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍ３９Ａ２＞：発射速度を向上させ、軽量化したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ３９掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇ハーワース（Hurworth）。1985年6月就役。参考：月刊世界の艦船10,’15

＜Ｍ３９装甲車＞：オランダ陸軍６輪装甲車。オランダのDAFが開発した。ランツベルク社製の民間用トラックのシャシーに、オランダで生産した厚さ12mmの装甲鋼板を溶接して製作した車体（前後に7.9mm機銃１丁ずつを装備）を載せ、37mm砲と7.9mm同軸機銃を搭載した砲塔を装備する。後部機銃手は後進時の操縦手を兼ねた。12両作る予定で、1939年から生産されて第３装甲車中隊に配備されたが、1940年5月までに完成していたのは６両（他に２両が車体のみ完成）で、ドイツ国防軍によるオランダ占領で全て鹵獲され、PzSpWg L202(h)という名称で治安維持部隊に配備された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊軍事研究4,’07

＜Ｍ３９狙撃銃＞：アメリカ海兵隊7.62mm狙撃銃、略称EMR（強化型マークスマンライフル）。M14ライフルがベースである。全長1.123m、重量6.2kg。作動はセミオート、有効射程770m、発射速度毎分60発。参考：月刊軍事研究3,’13

＜Ｍ３９対戦車ライフル＞：フィンランド陸軍20mm対戦車ライフル。フィンランド共和国銃器工廠のアイモ・ヨハネス・ラハティ設計主任らが開発した。砲身付け根に木製ソリと爪の付いた前方折り畳み式バイポッドがあり、砲身に放熱カバー、砲口に多孔式マズルブレーキを持つ。全長2.24m、砲身長1.3m、重量49.5kg（弾倉無し）。10発入りバナナマガジン（弾薬含め重量6.8kg）を機関部上方から挿入する。使用弾は榴弾と徹甲弾で、徹甲弾重量148g、初速毎秒800m、装甲貫徹力20mm（撃角60度、射距離200m）／16mm（撃角60度、射距離500m）。発射速度毎分15発。本砲１門、弾倉２個収容の弾倉バッグ４袋、工具箱２個がセットで、兵員４名（射手、弾薬手、ガードなど）で運用し、20名でチームを編成する。冬戦争に試作２門を投入し、継続戦争で1800門以上を使用した。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ３９対戦車ライフル・ファミリー＞

　＜Ｍ３９／４４高射機関砲＞：高射機関砲型。フルオートにしたもので、1960年代まで配備されていた。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ３９汎用装甲車シリーズ＞：アメリカ陸軍全装軌汎用装甲車Armoured Utility Vehicle M39。基はM5A1軽戦車ベースのT8試作指揮偵察車で、1944年6月にベース車両を高速・低シルエットのM18駆逐戦車に変更し、３インチ牽引式対戦車砲M6の牽引車、偵察車、装甲兵員輸送車として使える汎用装甲車として開発された。まずM18駆逐戦車２両がT41試作牽引車とT41E1試作偵察車に改造され、6月中に限定制式化されて6月26日から640両が生産され、1945年初め（1944年11月？）にM39の制式名称が付いた。1957年2月14日に陸軍装備から外された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ４１＞：試作牽引車型。M18駆逐戦車の砲塔を外し、開口部を背の低い装甲板で囲んでいる。８名を収容可能。兵員室前部にピントルマウントを設け、自衛用に12.7mm機銃を搭載した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ４１Ｅ１＞：試作偵察車型。T41の兵員用シートや貨物スペースのレイアウトを変更したものである。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ３９＞：量産型。全長17フィート４インチ（5.28m）、全幅９フィート９インチ（2.97m）、全高５フィート11インチ（1.8m）、戦闘重量35000ポンド（15.9トン）。装甲厚は全周13mm。エンジンはコンチネンタル社製R-975（400馬力）、最大速度73km、航続距離150マイル（241km）。乗員２名＋乗車兵員または砲要員７名。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’04、10,’00別冊

＜Ｍ３９汎用装甲車ファミリー＞

　＜Ｔ６５＞：火炎放射装甲車型。車体左にカナダ製イロコイズ火炎放射器を装備している。参考：月刊PANZER8,’13

＜Ｍ．３９Ｂ＞：イギリスの串型翼実験機、別名リベルーラ（Libellula）。イギリス空軍B.11/41爆撃機仕様により開発された5/8スケールモデルである。低翼の前翼に高翼の後翼を持つが、前翼が小さいので先尾翼機に近い。1943年7月22日に初飛行したが、採用されなかった。全長6.71m、全幅11.4m。エンジンはデハビラント製ジプシー・メジャー（130馬力）双発、最大速度264km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸8,’11

＜Ｍ４０ガスマスク・シリーズ＞：アメリカ陸軍のガスマスク。湾岸戦争後に配備された。参考：歴史群像12,’10

　＜Ｍ４０＞：アメリカ陸軍としては初めて素材としてシリコンを使用している。ボイスミッターには拡声機能が付いており、騒音に負けず指示を伝えることが可能。参考：歴史群像12,’10

　＜Ｍ４０Ａ１＞：

＜Ｍ４０自走カノン砲＞：アメリカ陸軍155mm自走カノン砲Gun Motor Carriage, M40、別名ビッグ・ショット（BIG SHOT。試作車T83の車体側面に記入されていた）。1943年12月に155mm自走カノン砲M12の実戦投入が決定した際、陸軍局ではその後継となる重自走砲が必要と考えた。陸軍地上軍はあまり乗り気では無かったが、兵器局がその方針に乗り、同時期に考えられていたM4A3中戦車ファミリー車両による戦闘チーム（Medium Weight Combat Team）と組み合わせ、M4A3E8をベースとする車体に155mmカノン砲M2ロングトムをオープントップ式に搭載することとした。1944年3月から開発され、7月に試作車T83の初号車が完成し、３両でテストが行われ、1945年1月にプレスド・スチール社へと304両の生産命令が出され、3月（5月？）に制式化された。車体最前部に操縦手と副操縦手が座り、両者にM6ペリスコープが装備されている。エンジンは操縦手・副操縦手席後方の車体前部に移した。車体後部は操砲スペースに当てられており、戦闘室後面の装甲板は後ろに倒して踏み台にすることができる。主砲俯仰角マイナス５度からプラス45度、旋回角左右18度ずつ。発射速度毎分１発。搭載弾数20発で、T30弾薬輸送車が随伴する予定だったが、本自走砲の生産が最優先となったため弾薬運搬車の方を作る余裕が無く、ほぼ単独行動した。砲撃時には車体後部の駐鋤を地面に打ち込んで固定する。観測所との通信用として、車体前部右にSCR-610/SCR-608B無線機を搭載している。直接照準には車体に装備したM69Fテレスコープ照準器を使用する。自衛用にM1カービン８丁（弾薬960発）、M8てき弾発射機１基、手榴弾12発を搭載する。全長29フィート９インチ（9.06m）、車体長20フィート７インチ（6.27m）、全幅10フィート４インチ（3.15m）、全高８フィート9.5インチ（2.68m）、戦闘重量80020ポンド（36.3トン）。装甲厚は車体前面100-150mm（46度）、側面25mmで、上部に行くほど薄くなり、12mmまで減少する。底面12-25mm。エンジンはコンチネンタル製R-975、最大速度路上24マイル（38.6km）／路外5-20マイル（8-32.2km）、航続距離107マイル（172.2km）。乗員８名（車長、操縦手、砲要員６名）。量産予定数は600両に増やされたが、1945年2-9月に418両が生産されたところで第２次大戦が終結し、そのまま生産終了となった。1945年2月末のケルン攻略戦で第991野戦砲兵大隊が使用したのが初陣で、沖縄戦にも使用され、朝鮮戦争にも参加した。参考：British and American tanks of World War Two、世界の軍用車両(1)、月刊PANZER5,’83

＜Ｍ４０自走カノン砲・海外シリーズ＞

＜Ｍ４０自走カノン砲（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍自走カノン砲155mm SP, M40。第２次大戦後に少数が引き渡された。1960年頃に退役した。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｍ４０自走カノン砲（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍自走カノン砲。供与されたもので、自衛用に12.7mm重機関銃M2を１丁と7.62mm機銃M1919A4を１丁装備する。第４次中東戦争に参加した。参考：月刊PANZER4,’04

＜Ｍ４０巡航ミサイル＞：ソ連のミャシシチェフ設計局が試作した核搭載超音速巡航ミサイル、別名ブラーン（Buran、吹雪）。本体はショックコーン付きラムジェットエンジンにデルタ翼の主翼と尾翼４枚を付けたような形状で、周囲に４本の液体ロケットブースターを装着する。本体は全長23.3m、全幅11.6m、発射重量53トン。弾頭は水爆で、重量3.5トン。エンジンはボンダリュクRD-020ラムジェット（推力10.5トン）、巡航速度マッハ3.1、巡航高度18000-20000m、射程8500km。ロケットブースターは全長19.1m、直径1.2m、発射重量18トン。推進はグルーシコRD-211液体ロケット（推力55トン）、燃料はケロシンと赤煙硝酸。後に推力不足が判明し、ブースターをグルーシコRD-213（推力77トン）に変更した。1957年に完成したが、R-7ICBMの成功を受けて開発中止となった。参考：月刊JWings11,’06

＜Ｍ４０狙撃銃シリーズ＞：アメリカ海兵隊の狙撃銃。第２次大戦以降ベトナム戦争初期まで使用していたM70狙撃銃が古くなったため、500-700ヤード（457-640m）で最も効果の高い狙撃が行える銃として1966年に制式化した。市販のレミントンM700をベースとしている。ベトナム戦争では狙撃兵チームによる戦果が１個師団に相当するといわれるほどの活躍を見せた。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ４０＞：全長1105mm、銃身長609mm、重量はレッドフィールド・スコープ（倍率3-9倍）付きで4.3kg。装弾数５発。最大有効射程1000m。参考：コンバット・バイブル、世界の軍用銃

　＜Ｍ４０Ａ１＞：ズーム式照準眼鏡が破損しやすいという欠点を持っていたため、ユナーテル社製望遠照準鏡（倍率10倍、全長305mm、重量1.021kg）を装着したもの。銃床をグラスファイバーに交換し、銃身をステンレススチールに換装、グリーンとブラックの２色迷彩を施してある。トリガープルは1.3-2.2kg。参考：世界の軍用銃、コンバット・バイブル

＜Ｍ４０無反動砲＞：アメリカ陸軍106mmライフル無反動砲。1955年に制式化された。実口径105mmだが、先代の105mm無反動砲M27と弾薬の互換性が無く、区別のため名称を106mmにしている。弾速が速く威力の高い非高速旋転フィン安定式HEATを使用可能。全長3.404m、重量209kg。砲口初速毎秒500m、有効射程1100m、最大射程7700m。装甲貫徹力450mm。12.7mm測距銃が付いており、1100mまで同一弾道で飛翔して命中すると白煙を上げるようになっている。連隊用の対戦車火器として配備され、ジープに載せたり、車輪付き三脚架に搭載したりして使用した。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究3,’02、3,’17、月刊グランドパワー3,’95、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜Ｍ４０型＞：M261級（掃海艇）を参照。

＜Ｍ４０．１０ＷＭシリーズ＞：イタリアのイヴェコ社が開発した４輪駆動小型汎用1.5トントラック。参考：月刊軍事研究2,’00

＜Ｍ４０．１０ＷＭ＞：ソフトスキンなので、主に戦線後方で野砲牽引車、救急車、兵員輸送車などとして使用する。運用重量2.9トン。エンジンはイヴェコ製ディーゼル（103馬力）、最大速度100km。積載量1.5トン。参考：月刊軍事研究2,’00

＜Ｍ４０．１０ＷＭ／Ｐ＞：M40.10WMの装甲化型。タイヤはランフラット型に換装しており、撃たれてもパンクしない。車体にガンポート５ヵ所を備える。全長4.66m、全幅2m、全高2.27m、戦闘重量4.45トン。操縦手１名＋乗車兵員５名。参考：月刊軍事研究2,’00

＜Ｍ４０Ａ１子爆弾＞：アメリカ軍のクラスター弾用子爆弾。CBU-63/Bに収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜Ｍ４０ｄａ７５／１８＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４０　ｍｉｔ　７５／１８（ｉ）＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４１＞：M24軽戦車ファミリー（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｍ４１軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍軽戦車、別名リトル・ブルドッグ。後に朝鮮戦争で戦死した第８軍司令官ウォルトン・Ｈ・ウォーカー中将の名をとってウォーカー・ブルドッグとなった。この戦車から車体前方機銃を廃止し、乗員を４名に減らしている。5500両が生産されてアメリカ陸軍に1800両以上が配備され、他は陸上自衛隊、タイ陸軍、台湾陸軍、デンマーク陸軍など各国に輸出された。参考：月刊PANZER7,’02、8,’03、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の戦力

　＜Ｔ４１＞：試作型。M24軽戦車の後継として1949年から開発されたT37に続いて製作された。T37/2を原型としており、車体はT37/2と同じである。下部転輪はソリッド・ゴム付ダブルタイプ片側５組、誘導輪は履帯張度調整装置付で前方、起動輪は後方にあり、上部転輪はダブルタイプ片側３組。サスペンションはトーションバー式独立懸架。主砲は70.6口径76mm戦車砲T94（俯仰角マイナス９度からプラス20度）。砲塔両側にはポッド式に7.62mm機銃を装備しており、主砲と連動して俯仰する他、単独で45度まで仰角をかけられる。T37ステレオ式測遠機、ヴィッカーズ社製砲二軸安定化装置、リード・コンピューティング・システムを搭載する。1951年に朝鮮戦争で実戦テストを受けたが、測遠機が主砲発射の度に狂うため、使い物にならなかった。参考：月刊PANZER6,’13、6,’04、スピアヘッドNo.5

　＜Ｔ４１Ｅ１＞：T37ステレオ式測遠機を直接照準テレスコープに変更し、砲安定化装置を廃止、主砲をシングルバッフル式マズルブレーキ付きの60口径76mm戦車砲T91E3に変更したもの。砲架はT138E1である。副武装は同軸と砲塔頂部ピントルマウントの12.7mm機銃M2が１丁ずつ。砲塔右に車長・砲手、左に装填手が座る。全長8.055m、全幅3.264m、全高2.851m、戦闘重量23.078トン。装甲厚は車体32-13mm、砲塔38-12mm。エンジンはコンチネンタル社製AOS-895-3水平対向４サイクル６気筒空冷ガソリン（500馬力）、トランスミッションはGMCアリソン社製CD-500-3クロスドライブ式（前進２段・後進１段）、最大速度64.4km、航続距離113-241km。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。M41として1952年末に制式化された。参考：スピアヘッドNo.5、月刊PANZER7,’02、6,’04

　＜Ｔ４１Ｅ２＞：T41E1の砲塔俯仰装置を手動から電気駆動に、旋回装置をオイルギヤ社製油圧動力旋回装置に変更、砲架をT138E2に変更したもの。15秒で砲塔を全周旋回できる。M41A1として1954年6月（1953年5月？）に制式化された。参考：スピアヘッドNo.5、月刊PANZER7,’02

　＜Ｍ４１＞：車体は均質圧延鋼板の全溶接で、前部左が操縦手席、右が主砲弾薬庫、中央が戦闘室、後部が機関室である。操縦手席上方には水平回転して開く１枚ハッチがあり、中央には後にM19夜間用ペリスコープを取り付ける回転式マウントが付けられた。操縦手席周囲にはM17ペリスコープ４基が付いている。操向装置は二半径型で、操向はＴ字ハンドルで行い、超信地旋回が可能である。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪３個を持つ。サスペンションはトーションバー式独立懸架、ショックアブソーバーが第１・第２・第５転輪に付けられている。履帯はゴムブッシュ付シングルピンのT91E3で、片側75枚。砲塔は前面のみ鋳造で、他部位は均質圧延鋼板であり、全溶接である。砲塔右前に砲手、後ろに車長、左に装填手が位置する。車長用キューポラ正面にはM20/M20A1照準眼鏡兼用ペリスコープが１基あり、周囲にはビジョンブロック５基が設けられている。車長用キューポラ前方には砲手用M20/M20A1照準眼鏡兼用ペリスコープが付く。砲塔上面左には装填手用ハッチがあり、前方にM13/M13A1ペリスコープ、後方中央寄りに12.7mm機銃M2（600発）用対空機銃架が設けられた。砲塔後部には大きな張り出しがあり、無線機を収容する。砲塔駆動は手動または油圧で、旋回速度最大毎秒36度。俯仰は手動で、俯仰角マイナス10度からプラス20度。主砲は60口径76mm砲M32（発射速度毎分12発）で、M76砲架に搭載され、左には同軸7.62mm機銃M1919A4E1（5225発）を装備するが、一部12.7mm機銃M2E1（2175発）を搭載したものもあるようだ。主砲弾は砲塔内に即用弾24発、車体前部右に予備弾33発の計57発を搭載する。照準具はM97直接照準眼鏡、M31方向角指示器、M9高低象限儀、M1/M1A1象限儀、M4弾道連動駆動装置。戦闘重量23.134トン。エンジンはコンチネンタル製AOS-895-3水平対向６気筒ガソリン（グロス出力500馬力、ネット出力440馬力）、変速操向機はアリソン製CD-500-3クロスドライブ式オートマチック（前進２段・後進１段）、最大速度72.4km、燃料530リットル、航続距離161km。乗員４名。試作車６両を含めて1802両が生産され、うち521両がM41A1に改修された。参考：月刊PANZER7,’02、スピアヘッドNo.5

　＜Ｍ４１Ａ１＞：T41E2の量産型で、1954年6月に制式化された。M41の砲架をM76A1（T138E2の制式化型）に換えており、砲塔駆動装置もコンパクトなものに換装し、主砲弾搭載数を計65発、7.62mm同軸機銃弾搭載数を4900発に増加させている。全長8.12m、車体長5.82m、全幅3.2m、全高3.02m、戦闘重量23.3トン。装甲厚は車体前面上部25.1mm30度、前面下部31.75mm45度、側面前部25mm、側面後部29mm、後面13mm、上面19mm、底面前部31.75mm、底面後部9.25mm、防楯38mm、砲塔前面25.4mm、側後面25mm、上面12.7mm。エンジンはコンチネンタル製AOS-895-3水平対向６気筒ガソリン（440馬力）、最大速度75.6km、航続距離168km。乗員４名。後期型は補助動力装置用マフラーを大型化し、車体右前部に移した。陸上自衛隊も導入した。参考：スピアヘッドNo.5、月刊PANZER7,’02

　＜Ｍ４１Ａ２＞：M41のエンジンを、燃料直噴装置を追加したAOSI895-5/AOSI-895-5Mに換えたもの。燃費が改善して航続距離が増えた。参考：スピアヘッドNo.5、月刊PANZER7,’02

　＜Ｍ４１Ａ３＞：M41A1のエンジンをAOSI895-5/AOSI895-5Mに換えたもの。車体は均質圧延鋼板製で、前方に操縦室、中央に戦闘室、後部に機関室がある。操縦手席は左側にオフセットされていて、Ｔ字の操向レバーや計器が配置され、操縦手用ハッチ基部にはM17ペリスコープ４基が装着されていて270度の視野を提供する。ハッチ中央にはM19双眼式赤外線暗視ペリスコープを装備でき、前照灯として装着されている赤外線投射灯が映し出した画像を見ることが可能。操縦手の右には76mm砲弾が収容されている。下部転輪はダブルタイプ片側５組、誘導輪は前部、起動輪は後部にある。サスペンションはトーションバー独立懸架で、第１・第２・第５転輪にショックアブソーバーが付く。履帯はT91E1（幅50.8mm、ピッチ152.4mm）で、片側75枚。砲塔は均質圧延鋼板製で、後部の大きな張り出しに通信装置やエアブロワー装置を搭載する。直接照準器は倍率８倍、有効距離0-4570m。間接照準器として方位角指示器や象限儀も持つ。全長8.214m、車体長5.821m、全幅3.198m、全高2.727m、戦闘重量23.496トン。主砲は76mm戦車砲M32（65発）、副武装は同軸7.62mm機銃M1919A4E1が１丁（5000発）と対空用12.7mm重機関銃M2が１丁（2175発）。装甲厚は車体前部32-26mm30-45度、側面26-19mm0-45度、後面19mm50度、防楯38mm56度、砲塔前面16-26mm、側面26mm30度、後面26mm90度。エンジンはコンチネンタル社製AOSI-895-5空冷４サイクル６気筒水平対向スーパーチャージャー付ガソリン（回転数2800rpm、525馬力）、トランスミッションはGMCアリソン製造部製CD-500-3クロスドライブ式（前進２段・後進１段）、操向装置は三重作動二半径動力再生型、最大速度64.4km、燃料容量530リットル、行動距離193km。乗員４名。参考：スピアヘッドNo.5、月刊PANZER7,’02

＜Ｍ４１海外シリーズ＞

　＜６４式軽戦車＞：64式軽戦車を参照。

　＜Ｍ４１（スペイン陸軍）＞：スペイン陸軍軽戦車。1950-60年代に90両を供与された。後にエンジンをデトロイト・ディーゼル社製8V-71T水冷Ｖ型８気筒ターボチャージドディーゼル（405馬力）に換装、航続距離を500kmに改善している。後にM41Eに改修された。参考：月刊PANZER2,’11

　＜Ｍ４１（ブラジル陸軍）＞：ブラジル陸軍軽戦車。1960-70年にM41A1/A3を340両供与された。その後M41BやM41Cに改修している。参考：月刊PANZER2,’11

　＜Ｍ４１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊軽戦車。1960年（1961年？）から西ドイツ軍中古のM41A1戦車147両を受領し、戦車大隊や偵察隊で使用した。主砲は垂直鎖栓式だが、装填時に手を挟まれないようアッパーカットで砲弾底部を押すと、砲尾の位置が高いこともあって力が入らず装填不良になるので、素直に右ストレートで押し込めば上手く装填され、閉鎖機が腕を上に押し抜いてくれる。全長6.94m（8.2m？）、車体長5.82m、全幅3.20m、全高2.73m（3.075m？）、戦闘重量23.52トン。主砲は76mm戦車砲M32（65発）１門、副武装は12.7mm重機関銃M2が１丁（2175発）と7.62mm機銃M1919A4が１丁（5000発）。装甲厚は車体19-32mm、砲塔16-38mm。エンジンはコンチネンタル／ライカミング製AOS-895-3/-5ターボチャージャー付き空冷４サイクルＶ型６気筒ガソリン（525馬力）、最大速度64km（72km？）、燃料容量530リットル、行動距離193km（161km？）、燃費はリットル当たり0.51km。乗員４名。操作性が良く、61式戦車より好評だったらしい。1981年に退役した。参考：自衛隊兵器カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の戦力、スピアヘッドNo.12、No.14、月刊PANZER12,’13

　＜Ｍ４１Ｂ＞：ブラジル陸軍軽戦車。バーナルディニ重工業が改修した近代化型M41で、1978年に登場した。主砲を90mmライフル砲BR1（EE-9用Mk3の改造型で、砲身が短く、砲架も異なる）に換装し、エンジンをスカニア社製DS-14A04水冷Ｖ型８気筒ターボチャージドディーゼル（のライセンス生産版）として航続距離を500kmに延伸した。後にウルグアイに中古の24両が輸出された。参考：月刊PANZER2,’11

　＜Ｍ４１Ｃ＞：ブラジル陸軍軽戦車。M41Bベースの近代化改修型で、1984年に登場した。主砲を90mmライフル砲BR2（砲身長がEE-9用Mk3と同じになった）に変更し、FCSとAPFSDS弾を採用、砲塔側面装甲をスペースドアーマーとし、スカートを追加している。砲塔両側には４連装発煙弾発射機を装着した。参考：月刊PANZER2,’11

　＜Ｍ４１Ｄ＞：台湾陸軍軽戦車。M41A1/A3の改良型で、1994年から改修されたが、M60A3の近代化が優先され、M41軽戦車シリーズ500両の内、1996年までに50両を改修するに留まっている。アメリカのTI社製CVTTS（Combat Vehicle Thermal Targeting System）熱線暗視装置（有効距離1000m）、レーザー測距器、弾道コンピュータを搭載し、主砲も原型の改造型であるM32K1に換装、マズルブレーキは多孔式とし、排煙器の位置を砲口寄りに変更した。M464APFSDSだと装甲貫徹力は射距離1200mで250mm。主砲俯仰角はマイナス10度からプラス20度。副武装は7.62mm機銃T74（5000発）と12.7mm機銃M2（2175発。対空用で、長い支柱に載っており、大仰角をかけられる）。砲塔前部両側面に66mm発煙弾６連装発射機T85を各１基搭載する。装甲板は新型の高硬化均質圧延装甲に変更し、厚みも増した。側面にスカート、エンジンに煙幕放出装置を追加している。戦闘室内部は台湾兵の体格に合わせて改修し、余ったスペースは追加装備用として有効利用した。戦闘重量増加はエンジン強化でカバーしている。APUは外し、車体後部右に吸気グリルを追加、排気管は左側だけになった。戦闘重量25トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製8V-71Tディーゼル（450馬力）、トランスミッションはアリソン社製CD-500-3（前進２段・後進１段）、最大速度72km、航続距離450km。参考：月刊PANZER3,’10、8,’02、2,’11

　＜Ｍ４１ＤＫ＞：デンマーク陸軍軽戦車で、M41DK1かも。エンジンをカミンズVTA-903Tディーゼル（465馬力）に換え、燃料容量を930リットルに拡大、砲塔を大型化して後部にNBC防護装置を載せ、レオパルト１と同様の装甲スカートを装備し、主砲上部にハロゲンサーチライトを搭載した。FCSにはレーザー測遠機組込砲手用夜間暗視装置を追加し、車長用暗視ゴーグルと夜間操縦用ペリスコープを用意している。使用弾にIAI社製APFSDS-Tを加え、打撃力を強化した。12.7mm機銃M2は7.62mm機銃G3に換装し、砲塔両側には76mm発煙弾４連装発射機を搭載した。航続距離750km。1953年に供与されていた53両全てが改造され、1988年に引き渡された。1998年に全車退役し、うち12両がグアテマラに輸出された。参考：月刊PANZER2,’11、世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ４１Ｅ＞：スペイン陸軍軽戦車。主砲を90mmに換装し、キャデラック・ゲージ社製FCSを搭載している。1990年代に退役した。参考：月刊PANZER2,’11

＜Ｍ４１ＵＲ＞：ウルグアイ陸軍軽戦車。M41A1の改良型で、主砲をコッカリル社製76口径90mm戦車砲に換装し、エンジンをスカニア社製DS-14水冷Ｖ型８気筒ターボチャージドディーゼルに変更している。22両が改造された。参考：月刊PANZER2,’11

＜Ｍ４１ジャンプジャケット＞：アメリカ軍空挺部隊用ジャケットCoat Parachute Jumper, M1941。コットン生地の２ピースで、胸と腰にポケットが４つ付いており、胸のものは中身を取り出しやすいよう斜めに取り付けられている。参考：月刊JWing10,’01

＜Ｍ４１戦車砲＞：アメリカ陸軍M48戦車用90mm戦車砲。合金製単肉砲身で、先端には円筒形シングルバッフル式マズルブレーキまたはＴ字型ブラストデフレクターを装備する。閉鎖機は垂直鎖栓式。砲全長4.909m、砲身全長3.88m。ライフリングは32条右回りで、25口径で１回転する。使用弾はAP-T、HVAP-DS-T、HVAP-T、APC-T、HEP-T、HE-Tなど。砲口初速毎秒732m（HE-T）／792m（HEP-T）／853m（AP-T）／1250m（HVAP-DS-T）。装甲貫徹力はAP-Tの射距離1000mで150mm。最大射程は弾種により9784-19568m。参考：月刊PANZER10,’04

＜Ｍ４１掃海艇＞：イギリス海軍ハント級掃海艇13番艦クォルン（Quorn）。1989年4月就役。2011年8月16日、ペルシャ湾で米英共同対機雷戦訓練に参加。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。2014年3月25-27日、DIMDEX2014に参加。2015年5月15-28日、バルト海でオープン・スピリット2015に参加。参考：月刊世界の艦船6,’12、11,’11、7,’14、8,’15

＜Ｍ４１掃海艇＞：スペイン海軍ガダレーテ級掃海艇ガダレーテ（Guadalete）。1953年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ４１フィールドジャケット＞：アメリカ陸軍が第２次大戦時に使用した野戦用防寒ジャケットで、原型はウインドブレーカーである。アメリカ陸軍初の制式防寒ジャケットであり、陸軍航空隊や海兵隊でも使用された。初期のモデルはM38と呼ばれ、ボタンを全て填めて装備品を付けると腕が動かせなくなるという欠点があり、素材を変更して完成した。ライニングはウール製のブランケット生地で、裾と袖口はボタンで調整できる。襟閉じは角型タブで行う。背中にはアクションプリーツが付いており、腕周りを動かすのが楽になった。色が目立ちすぎることや縮みが激しいことなどからM-43ジャケットに替えられていったが、M-43が全軍に行き渡るのに時間がかかり、第２次大戦終了まで使用された。参考：月刊JWings9,’02、月刊丸11,’09

＜Ｍ４１−７７１（ｉ）＞：M14/41中戦車・海外ファミリーを参照。

＜Ｍ４１ｄａ７５／１８＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４１ｄａ７５／３２＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４１Ｍｄａ９０／５３＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４１Ｍｄａ９０／５３（８０１）（ｉ）＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４１　ｍｉｔ　７５／１８（ｉ）＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４２子弾＞：PR CARGO迫撃砲弾用子弾。対人・対装甲両用で、PR CARGOから投射されると尾部からリボンを延ばして軌道を安定させ、トップアタックを行うと共に、周囲に弾体破片を撒き散らす。装甲貫徹力70-125mm。参考：スピアヘッドNo.7

＜Ｍ４２自走対空機関砲シリーズ＞：アメリカ陸軍自走対空機関砲、別名ダスター（はたき）。1950年からM19の後継として開発され、1953年10月に制式化され、1956年6月までに3700両が生産された。参考：月刊PANZER4,’02、異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ４２＞：M41軽戦車ベースの車体にM19と同じオープントップ砲塔を載せている。装甲を薄くして重量を減らすことにより機動力は改善したが、砲塔がM19と同じなので照準は相変わらず光学のみ。主砲はボフォース40mm機関砲ベースのM2A1対空機関砲（480発。予備弾はフェンダー上に収容）連装で、砲口初速毎秒872m、最大発射速度は２門で毎分240発。４発クリップのマガジンを機関部上部から装填する。俯仰角マイナス３度からプラス85度（油圧）／マイナス５度からプラス87度（手動）。旋回速度毎秒40度、俯仰速度毎秒25度。照準具はM24C反射照準具とM38計算照準具。射撃可能目標速度は時速0-1126km。副武装として7.62mm機銃M1919A4を砲塔後部ピントルマウントに搭載しているが、7.62mm機銃M60に換えているものも多い。下部転輪はダブルタイプ片側５組、サスペンションはトーションバー式、第１・第２・第５輪にショックアブソーバーが付く。誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上部転輪は片側３個。履帯はT91E3シングルピン75枚。主砲・砲塔駆動用にAPUを装備していて、排気管とマフラーはエンジン用右側マフラーの上に載っている。全長6.356m、全幅3.225m、全高2.847m、重量22.45トン。装甲厚は車体前面25.4mm、車体側後面・上面12.7mm、防楯12.7mm、砲塔全周8mm。エンジンはコンチネンタル製AOS-895-3空冷４サイクル６気筒ガソリン（500馬力）、最大速度70km、燃料搭載量530リットル、航続距離161km。乗員６名（車体左に操縦手、右に車長、砲塔左に射手、右に照準手、後ろに装填手２名）。ベトナム戦争にも参加し、地上掃射で猛威をふるった。1956年にはNATO諸国に供与され、1960年から陸上自衛隊も配備した。参考：月刊PANZER12,’03、8,’03、4,’02、スピアヘッドNo.5、世界の軍用車両(2) 、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｍ４２Ａ１＞：エンジンを燃料直噴装置付きのコンチネンタル製AOS-895-8に換えたもの。航続距離が190kmに増加した。参考：月刊PANZER4,’02

＜Ｍ４２自走対空機関砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ４２（西ドイツ陸軍）＞：西ドイツ陸軍自走対空機関砲。1956年から496両を導入し、師団／旅団防空大隊に配備した。1970年代後半からゲパルトに後を譲って退役した。参考：月刊PANZER6,’14

　＜Ｍ４２（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊自走高射機関砲。22両を導入し、16両を第７師団第７高射特科連隊第５大隊に、６両を高射学校に配備、87式自走高射機関砲と交代するまで使用した。参考：月刊PANZER12,’03、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｍ４２銃剣＞：アメリカ軍の銃剣。M1905銃剣のグリップを木からプラスチックに変更したものである。第２次大戦時に刃が長すぎて取り回しが悪いという問題が生じたため、整備のため後送されてくる時に刃渡り250mmにカットしてM7剣鞘とセットにして前線に送った。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ４２手榴弾＞：イタリア陸軍柄付き対戦車手榴弾。柄付きM35手榴弾の弾頭にTNT907グラム入り炸薬缶をねじ込んである。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ４２掃海艇＞：スペイン海軍ガダレーテ級掃海艇Guadalmedina。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ４２短機関銃＞：ハイスタンダードMfg社が開発したサブマシンガン。9mm弾用と.45弾用の入れ替えが可能。全長820mm、銃身長279mm、重量4.14kg。発射速度毎分700発。使用弾は9mmパラベラムまたは.45ACPで、発射速度が高いため、弾倉は20発入り箱形２本を上下逆さに貼り合わせたものを使用した。オランダが蘭印植民地軍用として15000丁を採用し、マーリン火器会社が1942年1月から製作することとなったが、第２次大戦と太平洋戦争でオランダ政府が亡命、植民地軍が消滅してしまった。そこで1942-43年にレジスタンスに配布、ヨーロッパとアジアで使用された。この辺の調整をしたのがユナイテッド・ディフェンス（国際防衛供給会社）だったので、UD42とも呼ばれている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ４２ヘルメット＞：ドイツ国防軍のヘルメット。M35/40ヘルメットのエッジを折り曲げずにそのままとした省力化型である。1942年に採用された。参考：グラフィックアクション36

＜Ｍ４２−７７２（ｉ）＞：セモベンテ突撃砲・海外ファミリーを参照。

＜Ｍ４２ｄａ７５／１８＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４２Ｌｄａ１０５／２５＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４２Ｍｄａ７５／３４＞：セモベンテ・シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４２ｍｉｔ７５／１８＞：セモベンテ海外シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４２ｍｉｔ７５／３４＞：セモベンテ海外シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４３＞：7.62mm×39弾またはCBU-5/B（クラスター弾）またはGew98/40海外シリーズ（小銃）またはM37ファミリー（野戦救急車）を参照。

＜Ｍ４３自走榴弾砲＞：アメリカ陸軍203mm自走榴弾砲、8in Howitzer Motor Carriage M43。M40自走カノン砲の車体に203mm榴弾砲M1を搭載したものである。1944年11月に試作車T89の試作命令が出され、1945年2月に試作車がテストを受け、3月に採用が決まり、8月に制式化された。ただ生産数は48両に止まり、朝鮮戦争から本格的に実戦投入されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’04、月刊PANZER4,’04、世界の軍用車両(1)、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ４３掃海艇＞：スペイン海軍ガダレーテ級掃海艇Guadalquivir。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ４３迫撃砲＞：ソ連軍120mm迫撃砲。最大射程5700m。持続発射速度毎分10発。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ４３フィールドジャケット＞：アメリカ陸軍のフィールドジャケット。第２次大戦中に採用し、航空隊も含め全軍に支給された。生地は防水性に優れた頑丈なコットンサテンで、オリーブドラブに染めてある。両胸と腰に大きなポケットが４つあり、襟や袖口は外気の侵入を防ぐ。インナージャケットを着込むこともでき、やや大きめに造られている。第１特殊作戦部隊により南イタリアでテストされた後、問題点を改修してノルマンディー上陸作戦後から支給された。最初のモデルは370Aと呼ばれ、初期に改修を受けて370B（1943年7月に仕様変更）となり、次いで370C（1943年10月）、370D（1944年2月）、370E（1944年8月）と小変更が加えられている。終戦後も基本形状は継承され、重ね着を廃したM-50、フロントファスナーを設けたM-51、更にM-65へと進化した。参考：月刊JWings1,’03

＜Ｍ４３防御マスク＞：アメリカ陸軍AH-64攻撃ヘリ乗員用NBC防護マスク。IHADSS付きのヘルメットを被っても邪魔にならないデザインになっている。参考：世界の傑作機No34

＜Ｍ４３型＞：M601型（掃海艇）を参照。

＜Ｍ４３Ａ１＞：アメリカ軍M29A1迫撃砲用軽量高性能榴弾。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ４３ｄａ７５／３４＞：セモベンテ海外シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４３mit７５／３４（８５１）（ｉ）＞：セモベンテ海外シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４３mit７５／４６（８５２）（ｉ）＞：セモベンテ海外シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４３mit１０５／２５（８５３）（ｉ）＞：セモベンテ海外シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４３Ｔｄａ７５／４６＞：セモベンテ海外シリーズ（突撃砲）を参照。

＜Ｍ４４＞：M3中戦車ファミリー（牽引車）を参照。

＜Ｍ４４自走榴弾砲シリーズ＞：アメリカ陸軍155mm自走榴弾砲。1947年からT99の名称で試作され、全周旋回砲塔式のT99E1として一旦生産されたが重量過大など不具合が多く、改良型のT194が製作され、こちらが1953年11月に制式化された。T99E1も全てM44規格に改造されている。1962年にM109と交替して退役した。参考：異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER1,’02、世界の軍用車両(4) 、アメリカの核兵器

＜Ｍ４４＞：車体はM41軽戦車を前後逆にして使用しており、誘導輪を接地式にし、車体後部に手動の駐鋤を追加した。下部転輪はダブルタイプ左右５組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側４個。サスペンションはトーションバー式。車体中央から後部にオープントップの固定式戦闘室が設けられ、キャンパスをかけることも可能。戦闘室前部左に操縦手席、右に照準手席がある。主砲は23口径155mm砲M45（砲身命数5000発）で、155mm榴弾砲M-1の駐退復座機を液バネ式に変更して後座長を501mmに短縮したものである。閉鎖機は段隔螺式、動力装填装置を持つ。発射速度最大毎分４発、搭載弾数24発。使用弾はM107榴弾、M110黄燐発煙弾、M116着色発煙弾、M118照明弾。化学弾や核砲弾も使用できる。最大射程は７号装薬で14955m。砲架はM80で、ターンテーブルに載せられ、左右30度ずつの射界が取れる。俯仰角はマイナス５度からプラス65度。旋回・俯仰は油圧または手動である。照準装置はＬ型眼鏡M93とパノラマ眼鏡M12A7。全長6.159m、全幅3.239m、全高3.11m、自重26.31トン、全備重量28.35トン。装甲厚は車体・戦闘室とも全周12.7mm。エンジンはコンチネンタル製AOS895-3水平対向６気筒スーパーチャージド空冷ガソリン（500馬力）、トランスミッションはアリソン製CD-500-3（前進４速・後進２速）、最大速度56km、航続距離122km。乗員５名。参考：月刊PANZER1,’02、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)

＜Ｍ４４Ａ１＞：エンジンを燃料直噴装置付きAOSI895-5（525馬力）に換えたもの。航続距離が132kmに伸びた。自重26.98トン、全備重量29.03トン。陸上自衛隊にも供与された。参考：月刊PANZER1,’02

＜Ｍ４４海外シリーズ＞

　＜Ｍ４４Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊155mm自走榴弾砲。1962-66年度に10両を導入し、第７師団第７特科連隊に配備した。全長6.16m、全幅3.24m、全高3.12m、車両総重量29トン。エンジンはコンチネンタル製空冷４サイクル６気筒ガソリン（525馬力）、最大速度56km、航続距離120km。武装は155mm榴弾砲M45（24発）１門、12.7mm重機関銃M2が１丁。乗員５名。参考：自衛隊装備カタログ1981、日本の戦力、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊PANZER12,’13

＜Ｍ４４Ｔ＞：トルコ陸軍155mm自走榴弾砲。ドイツのMTU社、GLS社、ラインメタル社がトルコ軍の要求に応じて開発した改良型で、1986年にプロトタイプが完成し、1987年に試験が行われて1992年までに168両が改造された。エンジンをMTU社製MB833Aa501水冷ディーゼル（450馬力）として燃料タンク容積も増やし、航続距離を620kmに延ばしている。主砲はM109G3と似た39口径155mm砲（30発）とし、限定旋回ながら火力を増加させた。射程24.7km（通常弾）／30km（長射程弾）。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ４４掃海艇＞：スペイン海軍ガダレーテ級掃海艇Guadiana。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｍ４４装甲兵員輸送車シリーズ＞：アメリカ陸軍大型装甲兵員輸送車。1944年秋からデトロイト工廠が開発したが、太平洋戦争終戦で少数生産のみに終わった。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER5,’13

　＜Ｔ１３＞：最初の試作車。M24軽戦車の機関系と足回りを流用し、箱形の車体に兵員標準18名・最大25名を収容する。車内配置は前部が操縦室（操縦手と副操縦手が位置する）、中央が機関室、後部が兵員室。下部転輪は片側６枚、サスペンションはリーフ・スプリング式。エンジンはキャデラック社製水冷Ｖ型８気筒ガソリン（110馬力）２基、最大速度56km。装甲厚は全周12.7mm。標準搭載兵員数を24名に増やすことが決まったため、1945年3月22日に開発中止となり、T16に引き継がれた。参考：月刊PANZER5,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１６＞：M18駆逐戦車の機関系を使用して兵員室に24名を収容するもの。キャデラックが開発し、1945年6月までに６両が完成して試験され、制式採用された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ４４＞：1945年8月にT16を制式化したもの。車体上面前部左右に操縦手・副操縦手用ペリスコープ付きキューポラがあり、車体上面中央にもペリスコープ付きキューポラがあって7.62mm機銃１丁（1000発）を搭載する。兵員室上部には12.7mm機銃（550発）用ピントルマウントが付いたハッチがある。兵員乗降用ハッチは車体後面に左右１枚ずつ設けられ、車体側面中央両側には緊急脱出用ドアが１枚ずつある。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側４枚。サスペンションはトーションバー式。収容兵員数が多すぎて使い勝手が悪かったため、少数生産のみに終わった。全長6.51m、全幅3.04m、全高2.54m、重量23.1トン。装甲厚8-16mm。エンジンは９気筒空冷ガソリン（400馬力）、最大速度51km、行動距離290km。乗員３名＋乗車歩兵24名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ４４迷彩服＞：ドイツ国防軍の迷彩服。1944年に採用された。ドットパターンで、ポケット４つが付いている。リバーシブルではなくなっており、前作よりも改良されたかというと微妙である。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ４５サブマシンガン＞：スウェーデン軍のサブマシンガン。1945年に制式化された。使用弾は9mmパラベラム弾で、36発または50発入り箱型弾倉を使用する。全長808mm、重量4.369kg。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜Ｍ４５サブマシンガン海外シリーズ＞

　＜カールグスタフ＞：エジプト軍のサブマシンガン。1950年代に輸出された。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜Ｍ４５戦車＞：M26戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ−４５潜水艦発射弾道ミサイル＞：フランス海軍SLBM。M-4の改良型で、当初は暫定的に開発されていたが、M-51の開発遅延で繋ぎ役を務めることになり、1996年（1992年？1994年？1995年？）に配備された。ロケット改良と弾頭の更なる軽量化で射程を延ばしている。全長11.05m、直径1.93m、発射重量35トン。推進は固体燃料ロケット３段＋PBV、最大射程6000km（5300km？）。誘導はINS、CEP350-500m。弾頭はTN-75（110キロトン。150キロトン？）のMIRV（MRV？）６発で、囮弾頭やECMも搭載できる。ル・ルドゥタブル級、ランフレクシブル級、ル・トリオンファン級1-3番艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、4,'20、11,’17、3,’05、11,’16、1,’18、月刊軍事研究12,’16、2,’01

＜Ｍ４５マウント＞：アメリカ軍の車載M2重機関銃４連装対空機銃架。M13/M14対空車両に搭載されていたM2重機関銃連装マクソンM33対空銃塔を４連装に強化したものである。M16/M17対空車両に搭載された。参考：British and American tanks of World War Two、コンバット・バイブル２

＜Ｍ４５Ａ１＞：アメリカ海兵隊の拳銃、別名CQBP（Close Quarter Battle Pistol）。海洋特殊作戦コマンドや偵察・特殊任務対応チーム向けとして2012年7月18日に採用したコルト社製.45口径拳銃で、M1911の派生型である。12000丁が生産される予定。参考：月刊軍事研究1,’13

＜Ｍ４５Ｄ＞：M3ハーフトラック・ファミリー（対空車両）を参照。

＜Ｍ４６カノン砲＞：ソ連軍52口径130mmカノン砲。多孔式マズルブレーキを装備する。弾種はHE-T（重量33.4kg）やAPHE-Tなどで、砲口初速毎秒930m、最大射程27500 m。攻撃の場合は前線から5000m、防御では9000mの地点に配備される。発射速度毎分1.7-3発（持続）／5-6発（最大）／８発（バースト）。AT-S装軌式牽引車、６×６輪ウラル375Dトラック、ZILトラック、タトラ、IFAトラックなどで牽引する。移動時全長11.73m、全幅2.45m、全高2.55m、重量8.45トン。砲要員８名。イラク軍、北朝鮮軍、インド軍なども配備した。参考：月刊グランドパワー3,’95、4,’95、月刊軍事研究9,’03、8,’09、9,’09、9,’10、月刊PANZER5,’03

＜Ｍ４６カノン砲・海外シリーズ＞

　＜５９式１３０ｍｍ加農砲＞：中国軍130mmカノン砲。ライセンス生産版で、マズルブレーキがダブルバッフル式になっている。イラク軍も使用していた。参考：月刊グランドパワー4,’95、3,’95、月刊軍事研究9,’09

　＜Ｍ４６（インド陸軍）＞：インド陸軍130mmカノン砲。1960年代に900門を導入し、36個砲兵連隊に配備した。参考：月刊軍事研究4,’10、9,’10

　＜Ｍ４６／８４＞：ユーゴスラビアの改良型。砲身を45口径155mmカノン砲に換装し、最大射程を39kmにしている。移動時全長11.17m、移動時全幅2.4m、移動時全高2.65m、移動時重量8.428トン。発射速度毎分４発（持続）／６発（最大）。最大射程17850m（M107榴弾）／30000m（ERFB弾）／39000m（ERFB-BB弾）。湾岸戦争時にイラク軍が配備していた。参考：月刊軍事研究9,’09

　＜Ｍ４６改（イラク）＞：イラク軍155mmカノン砲。イラン・イラク戦争後、ベルギーのSRCが設計してユーゴスラビアで生産した改良キットにより、口径を155mmにしている。参考：軍事分析湾岸戦争

　＜Ｍ４６改（インド）＞：インド陸軍計画155mmカノン砲。イスラエルのソルタム社に依頼したアップグレード型で、砲身を45口径155mmカノン砲に換装し、最大射程を30000m（ERFB弾）／39000m（ERFB-BB弾。40000m以上？）に延伸する。180門を4550万ドルで改修する計画だったが、不当な取引の疑いがあり、中央調査機関が調査していた。射距離40-41000mで標的を外したらしく、アップグレードの有効性に疑問符が付いているともいわれる。最終的には500門を改修する予定で、2012年にタタ社、ラーセン・アンド・トゥブロ社、バラット・フォージ社に開発を要求した。参考：月刊PANZER8,’99、月刊軍事研究4,’10、9,’10、7,’13

＜Ｍ４６戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍戦車、別名ジェネラル・パットン（ジョージ・Ｓ・パットン・ジュニア将軍から）。アメリカ陸軍が戦後初めて開発した戦車で、M26の改良型であり、T-34/85に対抗できる戦車として設計された。朝鮮戦争勃発でM46に改編済みだった第６戦車大隊が1950年8月に朝鮮半島に送られ、後に第64戦車大隊が加わり、第１海兵戦車大隊にも1951年春に損耗補充として配備されている。中国軍が参戦すると、何故か中国兵は迷信深く虎を恐れるというデマが蔓延し、砲塔と車体の前面に虎のマーキングを施して出撃している。朝鮮戦争には200両が投入され、戦車10両を破壊し、８両が撃破された。2500両が新規生産、2000両がM26/M26A1から改造され、M47/M48に後を譲って1957年2月に退役した。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER9,’03、6,’13、月刊グランドパワー10,’04

　＜Ｔ４０戦車＞：試作型。M26E2の機関室を1.422m延長してエンジンとトランスミッションをAV-1790-3とCD-850-2の組み合わせに変更し、主砲を改良型シングルバッフル式マズルブレーキと砲口排煙器の付いた50口径90mm戦車砲M3A1に換装、サスペンションを改修している。全長8.51m、全幅3.51m、全高2.77m、戦闘重量44トン。エンジンはコンチネンタル製AV-1790-3空冷Ｖ型12気筒ガソリン（810馬力）、トランスミッションはアリソン製CD-850-2クロスドライブ（CD-850-3？）、最大速度40km、航続距離280km（燃料882リットルで112.6km？）。副武装は12.7mm機銃１丁、7.62mm機銃２丁。装甲厚は車体前面102mm、側面76mm、砲塔前面102-114mm、側面76mm。乗員５名。M26E2から16両が改造され、1949年8月からテストされて採用された（1948年7月30日に制式化？）。参考：月刊PANZER6,’13、10,’85、M26/M46パーシング戦車1943-1953

＜Ｍ４６戦車＞：車体は溶接（前部）＋鋳造（後部）で、車体左に操縦手、右に副操縦手兼車体銃手が位置し、車体前面右にボールマウント式7.62mm機銃を装備する。駆動系はコンチネンタル社製AV-1790-3ガソリンエンジン（810馬力）とアリソン社製CD-850-1トランスミッションで、エンジン整備交換用ハッチとリアパネルを変更し、排気管を後部フェンダー上に移した。初期型では排気管がフェンダー上で終わっているが、後期型では排気管がフェンダー側面に沿って下に延長され、排気を下向きに排出するようになっている。M4A3E8と同じエンジンを使うM26よりも信頼性が高いという触れ込みだったが、朝鮮戦争で使ってみると故障率が高かったらしい。第６転輪と起動輪の間に履帯脱落防止用のコンペンセイティングホイール（小転輪）を追加した。砲塔は鋳造。主砲は50口径90mmライフル砲M3A1で、砲口排煙器が砲身先端付近にあり、マズルブレーキも付いている。M26のうち800両が改造されることになり、初号車は1949年11月に完成した。1952年夏頃に臨時に直径18インチ（457mm）のジェネラル・エレクトリック社製円筒形サーチライトを付けたものがあり、朝鮮戦争でも中国兵の夜間攻撃に対抗するため投入されている。後に主砲防楯上に箱形サーチライトを装備した。また、リーフレット�U赤外線探照灯も開発されたが、実戦投入はされていない。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER9,’03、月刊グランドパワー10,’04

＜Ｍ４６Ａ１戦車＞：FCSの開発遅延からM47の生産が遅れたため、繋ぎとしてM46にM47と同じ駆動系を搭載したもの。AV-1790-5Bエンジン、CD-850-4トランスミッション、新型潤滑油冷却システム・ブレーキシステムなどを搭載している。外見はM46と同じなので、車両登録番号が30163849番以降なのを見て識別するしかない。1951年2月に360両の生産が決定した。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953

＜Ｍ４６Ｅ１＞：M47中戦車シリーズを参照。

＜Ｍ４６ファミリー＞

　＜Ｔ３９＞：戦闘工兵車型。主砲をイギリス製6.5インチ（165.1mm）陣地破砕砲Mk1（使用弾は30ポンド・13.6kgHEP）に換装し、車体前面にドーザー、車体後部にブーム付きウインチ（容量20トン）を搭載したものである。T40のうち１両が改造されて1951年に試作車が完成したが、テスト中に生産ラインがM47に切り替わってしまい、採用されなかった。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953

＜Ｍ４６戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ４６Ａ１（ベルギー陸軍）＞：ベルギー陸軍戦車。1952年に８両を受領し、レオポルズブルグ戦車訓練所に配備してM4中戦車からM47中戦車への転換訓練に使用した。参考：M26/M46パーシング戦車1943-1953

＜Ｍ４６対空マウント＞：アメリカ軍の12.7mm重機関銃M2用連装マウント。艦艇の自衛に用いられる。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ４７＞：ドラゴン・シリーズ（対戦車ミサイル）またはリトル・ジョン（地対地ロケット）を参照。

＜Ｍ４７焼夷弾（１０ポンド）＞：アメリカ軍10ポンド黄燐焼夷弾。貫徹力が大きい。E47焼夷弾に38発収容される。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｍ４７焼夷弾（１００ポンド）シリーズ＞：アメリカ軍100ポンド焼夷弾。B-29が日本に山ほど落とした。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｍ４７Ａ２＞：全長1240mm、直径206mm、重量31.8kg。油脂と黄燐の２種がある。T19アダプターにより６発１組で搭載され、投下されると空中で１発ずつに分かれて20m間隔で落下し、500平方メートルに６発の割合で着弾する。大型で貫徹力も強く、建物内部で大きな火災を発生させるため、目標指示の役目もある先導機に好んで搭載された。参考：世界の傑作機No.52、戦時用語の基礎知識

＜Ｍ４７Ａ３＞：M47A2の改良型で、銚子と桑名に投下された。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｍ４７中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍中戦車、別名パットン。1945年6月20日、アメリカ陸軍地上軍司令部装備審査委員会（スティルウェル委員会）が、将来中戦車は砲二軸安定化装置付70口径３インチ戦車砲T98と光学測距器を装備し、装甲厚は前面203mm・側面76mmという提言を出した。これを基に1949年から開発され、1951年末からアメリカ陸軍に配備され、第70戦車大隊と第89戦車大隊に試験装備されて朝鮮戦争に参加している。他に西ドイツ駐留第７軍第２機甲師団第29・第59・第66・第67戦車大隊、第７軍直轄の独立第141・第143・第759戦車大隊、陸軍歩兵学校第40戦車大隊、海兵第９戦車大隊、陸軍州兵第49・第50機甲師団に配備され、M48戦車に後を譲って1955年10月に限定制式となり退役した。イタリア、イラン、オーストリア、韓国、ギリシャ、サウジアラビア、スペイン、台湾、トルコ、西ドイツ、パキスタン、ブラジル、フランス、ベルギー、ポルトガル、ユーゴスラビア、ヨルダンに供与された。参考：月刊PANZER10,’85

　＜Ｔ４２試作中戦車＞：試作型で、1948年9月21日にデトロイト戦車工廠で大枠が決まり、12月に名称と要求性能が決定した。車体はT41試作軽戦車（後のM41軽戦車）と同じものを使用し、戦闘重量は36トン以内。主砲は50口径90mm単肉砲身戦車砲（装甲貫徹力は射距離914m・弾着角30度で282mm）で、同芯型駐退復座機、自動装填装置、砲二軸安定化装置、ステレオ式測距器を備える。副武装は12.7mm同軸機銃と砲塔両側ブリスターの7.62mm機関銃。エンジンはAOS-895水平対向空冷ガソリン（500馬力）、トランスミッションはCD-500（前進２段・後進１段）。1949年3月からデトロイト戦車工廠でモックアップの製作に入り、10-12月に審査を実施、６両が作られて1950年12月30日から実車テストが行われた。しかしベルリン封鎖など東西対立が激化し、開発期間短縮や防御力向上などの必要性が出てきたため、1949年9月12日には車体をM46と同じものに変更することが決定し、M46E1の製作に移った。参考：月刊PANZER10,’85

　＜Ｍ４６Ｅ１試作中戦車＞：試作型その２。M46中戦車の車体にT42試作中戦車の砲塔を搭載したもので、主砲は50口径90mm戦車砲T117である。1951年6月にM47として制式化された。参考：月刊PANZER10,’85

＜Ｍ４７中戦車＞：車体は前面が避弾経始に優れた鋳造装甲鋼板製、他部が均質圧延装甲鋼板製で、溶接により結合されている。前部左が操縦室、右が車体銃手室、中央が戦闘室、後部が機関室で、戦闘室と機関室の間は耐火性防音材を挟み込んだ仕切り板で区切られる。車体前面右にボールマウント式7.62mm機銃M1919A4E1があり、前面上部には操縦手用と車体銃手用の回転式ペリスコープ付きハッチが１枚ずつ用意された。操縦手用視察装置はM13視察用ペリスコープ（倍率１倍）で、夜間操縦用M19赤外線暗視ペリスコープに交換できる。戦闘室床下には主砲弾ラックがあり、左に22発、右に24発を収容する。車体最後部上面にガントラベリングロック、フェンダー後部両側上面に排気マフラーがある。車体底面前部に２枚の脱出ハッチを持つ。下部転輪はソリッドゴム付き高張力鋼製ダブルタイプ（直径660mm、全幅171mm）片側６組、起動輪は後方、誘導輪は前方にある。誘導輪に履帯張度調整機構があり、ロック・ナットを緩めて誘導輪スピンドルの軸線をずらせば調整できる。また、誘導輪と第１転輪はスプリングアーム連結装置で連動するようになっていて、走行中の履帯の緩みを防ぐ。起動輪と第６転輪の間に履帯張度保持用小転輪を持つ。上部転輪はダブルタイプで、M46より１組減って片側３組になった。サスペンションは横軸型トーションバー独立懸架方式で、サスペンション・アームとフロント・スプリングアームの上端には、トーションバーが捩れすぎるのを防ぐためのボリュート型バンパー・スプリングが装着されている。第１・第２・第５・第６転輪のサスペンションアームにはGMCデルコプトダクツ製二重作動式円筒型ショックアブソーバーが付く。第１転輪は地面から受ける衝撃が大きいので、直接トーションバーアームには連結せず、フロント・スプリング・アームに取り付けてあり、トーションバー・アームとフロント・スプリング・アームの間をショックアブソーバー２本で緩衝するようにしている。履帯はT80E6鋼製またはT84E1ゴム製で、ダブルピン式、履帯幅584mm、履帯ピッチ152.4mm、片側86枚。戦闘室上面には内径1.854mの砲塔リングが開口し、砲塔レースが填め込まれていて、これに砲塔がボルト止めされる。砲塔は鋳造装甲鋼板製で、形状は避弾経始を考慮して前方及び上方に向かって絞り込んだ形に変更し、その分後方に砲塔を延長してバスルを設け、車両用FM無線機やベンチレーターはここに収容した。主砲は50口径90mmライフル砲M36（71発。発射速度最大毎分８発）で、前期生産型は円筒型マズルブレーキ、後期生産型はＴ字型ブラストデフレクターと円筒型砲口排煙器を装備する。主砲は左側の同軸7.62mm機銃M1919A4E1（車体機銃と合わせて11150発）と共にM78連動砲架に装着され、俯仰角はマイナス５度からプラス19度。砲塔両側面上部にはM12基線長式測遠機の対物部が露出しているが、主砲発射衝撃ですぐに狂うという欠点があり、改良が加えられた。初期型には装備が間に合わず、開口部をカバー・プレートで覆っている。砲塔右前部に砲手、右後部に車長、左に装填手が位置し、砲塔上面右に車長用キューポラ、左に装填手用半月型ハッチがある。砲手用直接照準器はM12測遠機の他にM20/M20A1視察照準用ペリスコープ（倍率１倍／６倍、M3弾道計算機付き）が用意されている。間接照準器はM31方位角指示器、M13高低象限儀、M1A1象限儀。車長用キューポラにはビジョンブロック５個とM20/M20A1ペリスコープ１基が付く。車長用制御パネルには撃発ボタンとオーバーライド・スイッチが付いており、必要に応じてオーバーライド射撃が可能。装填手用視察装置はM13視察用ペリスコープ（倍率１倍）である。装填手には安全パネルが用意されていて、砲弾装填後にここのボタンを押さないと主砲が発射できない。砲塔上面ピントルマウントに12.7mm重機関銃M2（1700発）を装備する。乗員用としてM3A1短機関銃（180発）と手榴弾８発を収容する。全長8.509m、車体長6.358m、全幅3.513m、全高3.327m、車両重量42.139トン、戦闘重量46.176トン。装甲厚は車体前面上部102mm60度、前面下部76-89mm53度、側面前部76mm０度、側面後部51mm０度、後面上部51mm０度、後面下部20mm62度、上面22mm90度、下面前部25mm90度、下面後部13mm90度、防楯114mm60度、砲塔前面102mm40度、側面64mm30度、後面76mm３度、上面25mm90度。エンジンとトランスミッションはAV-1790-5B＋CD-850-4またはAV-1790-7＋CD-850-4/-4AまたはAV-1790-7B＋CD-850-4A、出力704馬力、最大速度48km、燃料容量878リットル、航続距離128km。搭載通信装置はAN/GRC-3/-4/-5/-6/-7/-8車載用FM無線機、RC99車内通信用インターホン、AN/VIA-1またはAN/VRC-47車外電話機。乗員５名。1953年11月までにクライスラー社デトロイト戦車工廠で5481両、アメリカン・ロコモーティブ社で3095両の計8576両が生産された。朝鮮戦争に間に合わせるため急遽完成させた面があり、実戦では稼働率が低かったらしい。参考：月刊PANZER10,’85、9,’03、6,’13、M26/M46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｍ４７Ｍ＞：エンジンとトランスミッションを換装、キャデラック・ゲージ社製砲制御装置を搭載し、車体前方固定機銃と前方機銃手、履帯張度調整用小転輪を廃止したもの。機関室のデザインをM60類似に変更し、主砲弾数や燃料容量を増した。全長8.555m、車体長6.358m、全幅3.391m、全高3.399m、車両重量42.32トン、戦闘重量46.811トン。主砲は90mm戦車砲M36（79発）、副武装は同軸7.62mm機銃M1919A4E1（11150発）と対空12.7mm機銃M2（1700発）で、乗員用にM3A1短機関銃（180発）と手榴弾８発が用意されている。装甲厚は車体前面上部102mm60度、前面下部76-89mm53度、側面前部76mm０度、側面後部51mm０度、後面上部25mm０度、後面下部20mm62度、上面22mm90度、下面前部25mm90度、下面後部13mm90度、防楯114mm60度、砲塔前面102mm40度、側面64mm30度、後面76mm３度、上面25mm90度。エンジンはコンチネンタル製AVDS-1790-2A空冷90度Ｖ型12気筒スーパーチャージド・ディーゼル（750馬力）、トランスミッションはアリソン製CD-850-6Aクロスドライブ、最大速度56km、燃料搭載量1514リットル、航続距離592km。乗員４名。イランなどに輸出された。参考：月刊PANZER10,’85、6,’13

＜Ｍ４７戦車ファミリー＞

　＜Ｔ６６機械化火炎放射器＞：試作火炎放射戦車型。M47の主砲を外してE25-30火炎放射器を搭載したもので、1950年に製作されたが、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER8,’13

＜Ｍ４７戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ４７（イタリア陸軍）＞：イタリア陸軍戦車。2480両が供与され、1955年から運用した。1960年代にM47Mに改修された。1968年からオットー・メララ社による105mm砲搭載改修を実施。1980年に退役した。参考：月刊PANZER6,’13、10,’85

　＜Ｍ４７（オーストリア陸軍）＞：オーストリア陸軍戦車。主砲先端にＴ字型ブラストデフレクターを装着し、主砲基部に箱形サーチライトを積んでいる。参考：月刊PANZER10,’85

　＜Ｍ４７（韓国陸軍）＞：韓国陸軍戦車。1958年に導入を決定、西ドイツで余剰になった531両を配備した。参考：月刊PANZER8,’13

　＜Ｍ４７（西ドイツ陸軍）＞：西ドイツ陸軍戦車。1956年から1120両が供与された。1967年にレオパルト１に後を譲って退役した。参考：月刊PANZER6,’14

　＜Ｍ４７（パキスタン陸軍）＞：パキスタン陸軍戦車。1965年の第２次印パ戦争時には380両が配備されており、第６機甲師団がセンチュリオンMk.5装備のインド第１機甲師団と戦車戦を繰り広げたが、練度不足で大損害を出した。参考：月刊PANZER10,’85

　＜Ｍ４７（ヨルダン陸軍）＞：ヨルダン陸軍戦車。1967年にアメリカからM48中戦車と合わせて200両が供与された。同年に始まった第３次中東戦争で早速実戦投入されたが、同じM47/M48中戦車とM50スーパーシャーマンを装備するイスラエル陸軍により壊滅してしまった。参考：月刊PANZER10,’85

　＜Ｍ４７（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊戦車。１両が供与され、61式戦車の参考にされた。参考：月刊PANZER6,’13

　＜サバラン＞：イラン陸軍戦車。2014年4月に配備予定の改良型で、105mmライフル砲搭載の新型砲塔と電子式FCSを搭載する。参考：月刊軍事研究8,’13

　＜ティアンム＞：イラン陸軍戦車。M47Mの改良型で、車体に59式／69式戦車の砲塔を載せ、105mm戦車砲L7を搭載している。2016年4月13日に初公開された。参考：月刊軍事研究9,’16

＜Ｍ４８＞：PPSh41海外シリーズ（短機関銃）を参照。

＜Ｍ４８演習弾＞：アメリカ軍M1A1パックハウザー用訓練弾。M48榴弾と諸元は一緒で、炸薬は充填されていない。参考：月刊PANZER2,’00

＜Ｍ４８自走地対空ミサイル＞：アメリカ陸軍自走地対空ミサイル、別名チャパレル（Chaparral）。M548の車体をベースにしたM730自走車体にM54ミサイル・ターレットを搭載したものである。ターレットに装着されたミサイルランチャーは４連装で、俯仰角マイナス９度（マイナス５度？）からプラス90度。ミサイルはAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルを地上発射式にしたもので、最初はMIM-72A、1978年からMIM-72C、後にMIM-72Eを使用した。予備ミサイル８発を搭載する。操縦室はオープントップで、ミサイル発射時にはブラストシールドでカバーする。車体は順次M730A1、RISEエンジンに換装したM730A2へと改良（A2は500両前後）された。全長6.09m、全幅2.69m、全高2.89m、戦闘重量13.3トン。エンジンはGM製6Y53T液冷６気筒ディーゼル（275馬力）、最大速度60km、燃料搭載量420リットル、行動距離410km。乗員５名。1966年からアメリカ陸軍向けに5323両、輸出用に197両が生産された。湾岸戦争時には第１機甲師団と第３機甲師団に２個防空中隊が編成されていた。参考：世界の軍用車両(2)、月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究12,’09、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ４８中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍中戦車。測距儀が不調だったM47の改良型で、朝鮮戦争に間に合わせようと1950年12月8日からデトロイト戦車工廠で突貫開発され、12月20日からクライスラー社で試作車が製作され、1951年12月14日に試作初号車が完成した。1952年7月に生産車がロールアウトし、1953年5月に制式化されたが、朝鮮戦争には間に合わず、1959年までに11000両以上が生産された。参考：月刊PANZER8,’13、10,’04、6,’18、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ４８＞：最初の試作型。M47に新型砲連動ステレオ基線長式測距器T46E1と、俯仰角を自動算定できる弾道計算機T30、パルスリレー式砲塔制御システムを搭載したものである。測距儀は主砲の発射衝撃を受けないよう、砲塔中央に移した。副操縦手と車体機銃を廃止し、操縦手席を車体前部中央に配している。操向はアメリカ軍実用戦車として初めてハンドル式となった。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は片側５個。履帯張度修正用小転輪は廃止した。サスペンションはトーションバー式。全長8.73m、全幅3.63m、全高3.24m、戦闘重量44.6トン。武装は90mm戦車砲１門、12.7mm機銃２丁、7.62mm機銃１丁。装甲厚は車体前面110-61mm、側面76-51mm、砲塔前面178-114mm、側面76mm。エンジンはコンチネンタル社製AV-1790-5B（810馬力）、トランスミッションはアリソン社製CD-850-4クロス・ドライブ式（前進２段、後進１段）、最大速度48km、航続距離110km。乗員４名。参考：月刊PANZER8,’13、10,’04、6,’18

　＜Ｔ４８Ｅ１＞：T48に新型砲塔を載せたもので、1952年7月1日に公開された。砲塔上面左に装填手用ハッチとベンチレーターを設け、砲塔後面に雑具入れを付けた。砲塔上面右に車長用ハッチがあり、12.7mm重機関銃M2を搭載する対空機銃架を持つ。主砲は単肉砲身の90mm砲T139で、外部防楯式のT148砲架に搭載され、俯仰角はマイナス９度からプラス19度。照準器はT156直接望遠照準眼鏡、同軸機銃は7.62mm機銃M1919A4。参考：月刊PANZER8,’13、10,’04

　＜Ｔ４８Ｅ２＞：T48E1に車体改修を加えたもの。車体前面下部に丸みを付け、底部を舟形にして地雷に対する抗堪性を増している。オーバーヒート対策のため機関室上面を改修し、エキゾースト・マフラーを中央に配置した。砲口制退器を円筒形からＴ字型に変更し、車長用キューポラをM1銃塔に換装している。履帯張度修正用小転輪が復活した。試験終了後、M48として採用された。参考：月刊PANZER8,’13、10,’04

　＜Ｍ４８＞：T48E2の制式採用型で、制式名称は90mm砲搭載M48中戦車。車体は鋳造で、前部・中央・後部を溶接で接合する方式をとっている。車体前部中央に操縦手が位置し、両脇は90mm砲の弾薬庫である。中央は戦闘室で、後部が機関室。機関室両脇に燃料タンクを配置した。砲塔も鋳造で、バスケットとスリップリングが付いている。砲塔前部に砲耳があり、砲架を装着する。主砲は円筒形マズルブレーキの付いた48口径90mm戦車砲M41で、同軸に7.62mmM1919系機銃を搭載する。俯仰角マイナス９度からプラス19度。主砲付け根に赤外線／白色光投光器を装備できる。砲塔上面右に遠隔操作式12.7mm重機関銃M2を装備できる車長用ハッチ、左に装填手用ハッチがあり、装填手用ハッチ直後に無線アンテナ取り付け基部が、左後方にベンチレーターが装備されている。砲塔後部には荷物入れが付けられ、左右にジェリ缶ラックを１つずつ備える。下部転輪はダブルタイプ片側６組、誘導輪は下部転輪と同じ形状で前方に、起動輪は後方にあり、上部転輪は片側５組。サスペンションは独立懸架式で、第１・第２・第６転輪にショックアブソーバーが付く。後に車体後部に着脱式ドラム缶型燃料タンクを装備するようになった。全長8.444m、車体長6.705m、全幅3.631m、全高3.241m、自重42.24トン、戦闘重量44.906トン。装甲厚は車体前面101/120mm、側面前部76mm、側面後部51mm、後面44mm、上面57mm、底面2.7/63mm、砲塔前面110mm、側面76mm、後面50mm、上面25mm。エンジンはAV-1790-5B/-7/-7B/-7C（810馬力）、トランスミッションはCD-850-4/-4A/-4B、最大速度41.8km、燃料搭載量757リットル、航続距離113km。主砲弾数90発、7.62mm機銃弾数5900発、12.7mm機銃弾数180発。M13測距器、M97C砲手用テレスコープ、M13A1高低角象限儀を装備する。乗員４名。1952年4月から1953年7月に2538両（クライスラー1090両、フォード900両、GMC548両）が生産された。参考：月刊PANZER10,’04、3,’10、8,’13

　＜Ｍ４８Ａ１＞：M48の改良型。マズルブレーキをＴ字型ブラスト・デフレクターに換え、機関室右に補助発電機を設置した。車長用ハッチを12.7mm重機関銃M2（500発）搭載M1キューポラ型銃塔に変更している。ただ操作が不便なので、キューポラの上に12.7mm重機関銃M2を載せることも多かった。操縦手用ハッチを大型化し、車体後部には着脱式のドラム缶型燃料タンクを装備可能としている。全長8.729m、車体長6.87m、全高3.13m、自重43.999トン、戦闘重量47.173トン。エンジンはAV-1790-7C、トランスミッションはCD-850-4B、航続距離216km。1954年に試作され、1955-56年にクライスラーで1800両が生産された。参考：月刊PANZER10,’04、3,’10

　＜Ｍ４８Ａ２＞：M48A1の改良型。M48E2を1955年11月に制式化したもので、1955年以降は軽・中・重戦車の等級が無くなったため、単にM48A2戦車と呼ばれる。エンジンをAVI-1790-8空冷ガソリン（SU型燃料自動噴射装置付き）に、トランスミッションをCD-850-5に換装し、エンジングリルを１段盛り上げた。海兵隊向け以外は第２・第４上部転輪を廃止している。砲塔制御システムを油圧式に、測距器をM13A1に変更した。全高3.089m。最大速度48.2km、燃料搭載量1268リットル、行動距離258km。主砲弾数64発、7.62mm機銃弾数5590発、12.7mm機銃弾数1365発。1955年9月から7365両が生産された。参考：月刊PANZER10,’04、8,’13

　＜Ｍ４８Ａ３＞：M48A2の改良型。1963年9月に制式化された。M48A1E2がベースで、エンジンをAVDS-1790-2A空冷ディーゼルに、トランスミッションをCD-850-6に変更し、機関室右の補助発電機を撤去、ボックス型エアクリーナーを機関室両側に装備している。測距器をM17B1C単眼合致式（倍率10倍。砲塔両側面中央上部に対物レンズがある）に、砲手用テレスコープをM105に換装し、M13A3高低角象限儀や油圧式砲塔制御システムを搭載する。全長8.686m、車体長6.822m、全高3.124m、自重44.452トン、全備重量47.2トン（実際は50トンを超えていたらしい）。燃料搭載量1420リットル、航続距離463km。主砲弾数62発、7.62mm機銃弾数6000発、12.7mm機銃弾数630発。M48A1から2000両が改修され、ベトナム戦争に投入された。参考：月刊PANZER10,’04、3,’10

　＜Ｍ４８Ａ４＞：M48A3の車体に、M60A2制作時に余ったM60の砲塔を搭載したもの。参考：月刊PANZER10,’04

＜Ｍ４８Ａ５＞：M48A1E3の制式化型で、M48A3の主砲を105mmライフル砲M68に換装したもの。ビッグパットンというニックネームもあるらしい。車長用キューポラ型銃塔を搭載し、対空・対地機銃を12.7mm機銃M2から7.62mm機銃M60Dに換えた。全長9.302m、車体長6.87m、全幅3.631m、全高3.086m、自重44.46トン、戦闘重量47.18トン。航続距離482km。弾薬搭載数は、主砲弾57発、7.62mm機銃弾5050発。M48A1/A2/A3から2046両が改造され（新造は無し）、1979年12月までに引き渡された。M48A1/A2から改造されたものは、更にAVDS1790-2Dディーゼル・新型履帯・新型視察装置搭載、機関室上面グリル交換、AN/VSS-2赤外線／白色光投光器装備などを行っている。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜スーパーＭ４８＞：ヴェクマン社とクラウス・マッファイ社などが共同プライベート・ベンチャーで開発した改修型。エンジンをKa500液冷90度Ｖ型８気筒インタークーラーターボチャージャー付ディーゼル（出力1000馬力、総排気量29.4リットル）に換装し、トランスミッションもレンク社製RK304オートマチックに変更、燃料系統も改良した。第１・第２・第５・第６転輪にはショックアブソーバーを装備し、バンプストッパも油圧式に換えている。履帯はディール社製ダブルピン・ダブルブロック式にした。主砲は105mm戦車砲L7A3（40発）。FCSはMOLF48で、光学照準器、熱線暗視装置、基線長式測遠機、レーザーレンジファインダー、アナログ・デジタルコンピュータを組み合わせたものである。砲塔前面と側面前半には増加装甲（スペースド・アーマーとみられる）を装着する。採用した国は無い。参考：月刊PANZER5,’04

＜Ｍ４８戦車ファミリー＞

　＜Ｍ４８Ｃ＞：訓練型。軟鋼製で、車体右側面にNon-Ballisticと刻印されている。遠隔操作可能な7.62mm機銃をフェンダー上に装着し、連射時の照準を容易にするためＴ字型ブラストデフレクターを付けた。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ４８Ｅ１＞：試作型。M48の主砲を105mm戦車砲L7A1に換えたもの。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ４８Ａ１Ｅ１＞：試作型。M48A1の主砲を51口径105mm砲T254（L7A1の砲尾改良型）に換えたもの。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ４８Ｅ２＞：M48A2の試作型。エンジンをSU型燃料自動噴射装置付き空冷ガソリンに換えている。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ４８Ａ１Ｅ２＞：試作型。M48A1にAVDS-1790空冷ディーゼルを搭載したもので、第２・第４上部転輪を廃止し、誘導輪を新型に換えた。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ４８Ａ１Ｅ３＞：M48A5の試作型。M48A1の車体にM60の砲塔を載せ、エンジンとトランスミッションを改良した。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ４８Ａ２Ｃ＞：M48A2の訓練型。軟鋼製で、M13A1E1単眼合致式測距器を搭載し、操作しやすくなっている。一部にM19銃塔を装備したものもある。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ４８Ａ２Ｅ１＞：M48A2のエンジンをAVDS-1790-1空冷式ディーゼルに、トランスミッションをCD-850-6に変更したもの。M60のプロトタイプとなった。参考：月刊PANZER10,’04

　＜Ｍ６７火炎放射戦車＞：火炎放射戦車型、開発名称T67。M48A1の主砲をM7-6火炎放射器に換装したもので、外見で判別されないよう、火炎放射ノズルにダミー砲身を装着した。参考：月刊PANZER8,’13、異形戦車ものしり大百科

　＜Ｍ６７Ａ１火炎放射戦車＞：火炎放射戦車型。M48A2の主砲をM7A1-6火炎放射器に換装したもの。火炎放射距離200m。参考：異形戦車ものしり大百科、軍事力バランス78年版

　＜Ｍ６７Ａ２火炎放射戦車＞：火炎放射戦車型。M48A3の主砲をM7A1-6火炎放射器に換装したもの。参考：異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ４８戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ４８（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍戦車。周辺国がM48やT-54/55戦車を導入してM1中戦車／M50スーパーシャーマン／M51アイシャーマンでは対抗するのが困難となってきたため、1960年代初めにアメリカに対して主力戦車の輸入を打診。アメリカは渋ったが、1962年にアラブ連合が崩壊し、エジプトがソ連に接近して中東での影響力低下が懸念されたため、西ドイツ陸軍M48A1にM48A3用AVDS-1790-2Aエンジンを積んで輸出させることを決めた。ただマスコミにばれたため、40両の引き渡しに止まっている。その後エジプトがソ連との関係を強化し、軍備増強に入ったことから、アメリカが直接輸出を決め、1965年にM48A1戦車100両とM48A2戦車100両を配備した。後にマガフに改修された。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05、10,’04

　＜Ｍ４８（韓国陸軍）＞：韓国陸軍戦車。1965年からM48A2相当の車両を導入した。1978年4月6日にM48A3相当への改修車両（アメリカ製ディーゼルエンジンとアメリカ製新型FCS搭載）が完成し、テスト終了後に380両が改修を受けた。更に105mm戦車砲と新型FCSを搭載し、装甲、サスペンション、パワーパックを強化した独自改造型もアメリカに提案したが、技術的に無理があるとして反対され、1980年から470両（597両？）がM48A5Kへの改修を受けている。参考：月刊PANZER8,’13

＜Ｍ４８Ａ１（台湾陸軍、１０５ｍｍ砲搭載）＞：台湾陸軍戦車。独自改修で、主砲を105mmライフル砲M68に換装している。300両前後使用しているらしい。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ４８Ａ２（西ドイツ陸軍）＞：西ドイツ陸軍戦車。1957年から1232両が無償供与された。参考：月刊PANZER6,’14

　＜Ｍ４８Ａ２ＧＡ２＞：西ドイツ陸軍戦車。ドイツのヴェクマン社が改修した近代化型で、主砲をレオパルト１と同じ105mmライフル砲L7A3（46発）に換装し、防楯を分厚くしてFCSも一新、車長・操縦手にBM8005微光暗視装置を、砲手用にPZB200LLLTVを搭載した。副武装（同軸・対空機銃）もMG3機銃（4750発）に統一している。732型発煙弾４連装発射機を砲塔左右に１基ずつ搭載する。全長9.35m（砲身含む）、全幅3.63m、全高2.9m、全備重量47.8トン。1978年6月9日から1980年1月までに1234両（650両？）が改良された。トルコ軍にも同様の改修キットが170セット輸出された。参考：月刊PANZER5,’04、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ４８Ａ５Ｋ＞：韓国陸軍戦車。独自改良型で、M48の主砲を105mm戦車砲に換装し、アクティブ赤外線暗視装置と新型FCSを採用、サイドスカートを追加した。1980年から470両が改修された。参考：月刊PANZER8,’13

＜Ｍ４８Ｈ＞：台湾陸軍主力戦車、制式名称CM11、別名勇虎（Brave Tiger）。M60A3の車体にM48A1の砲塔を載せ、105mmライフル砲M68を搭載したもので、FCSは弾道コンピュータ、熱線暗視装置（M1と同等とされる）、安定器付き照準器、Nd-YAGレーザー測距器を装備する。砲塔がM48A1なので、装甲が薄めであり、ERAを装着できるようにして補った（車体前面にも付けられる）。車長用キューポラは背の低い新型に変更し、装填手用ハッチに7.62mm機銃を追加した。エンジンはテレダイン・コンチネンタル社製AVDS-1790-2C（750馬力）、トランスミッションはCD-850オートマチック。1995年までに450両が完成したとされる。後に砲塔後部に環境センサーを追加した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER8,’03、月刊軍事研究6,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ４８戦車・海外ファミリー＞

　＜Ｍ４８Ａ２戦車橋（西ドイツ陸軍）＞：西ドイツ陸軍戦車橋。砲塔を外してアルミ合金製２つ折り戦車橋を搭載したもの。橋は全長19.2m、重量13.38トンで、54.431トンまでの車両が通過できる。展開時間は３分、撤収時間は10-60分。1960年に102両が供与された。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ４８Ｈ戦車橋（台湾陸軍）＞：台湾陸軍戦車橋。M48Hの車体にM60AVLBと同能力のシザーズ式橋体を載せている。参考：月刊PANZER8,’03

　＜カイラーＡＭＣＶ地雷処理車＞：西ドイツ陸軍地雷処理車両Keiler。M48の車体にチェーン式地雷処理装置を搭載したもの。車体前上部左右に１基ずつ搭載され、走行時は90度回転して車体上に収納される。チェーンの先には鉄製の錘が付いていて、地雷誘爆力を高めている。車体後部に発煙弾発射機を持つ。参考：月刊PANZER12,’99、10,’03

　＜ペレフ＞：ペレフ（自走対戦車ミサイル車両）を参照。

＜Ｍ４８弾底放出発煙弾＞：アメリカ陸軍105mm砲用弾底放出発煙弾（HC BE）。近距離用煙幕弾で、弾体前部に発煙混合剤または着色発煙剤と放出薬（黒色火薬）を充填してあり、射程に合わせて時限信管をセットし、発射する。信管が作動すると弾底部から煙を放出し、１分以内に煙幕を展開できる。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜Ｍ４８野砲＞：ユーゴスラビアが開発した山岳戦向け牽引式76.2mm短砲身野砲。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

＜Ｍ４８榴弾＞：アメリカ軍M1A1パックハウザー・M6戦車砲用75mm榴弾。全長383mm（676mm？）、重量8.3kg（8.95kg？）、炸薬重量0.63kg(TNT)。威力範囲は正面20m・縦深15m。M48信管にM125系伝爆薬筒を組み合わせたM577二動信管、M501信管にM125系伝爆薬筒を組み合わせたM520時計式複動信管、M48信管にM21A4伝爆薬筒を組み合わせたM51系二動信管、M54火道式複動信管にM21A4伝爆薬筒を組み合わせたM55系火道式複動信管、M501時計式複動信管にM21A4伝爆薬筒を組み合わせたM500時計式複動信管、M78コンクリート信管が適合する。参考：月刊PANZER7,’09

＜Ｍ４９＞：PPSh41海外シリーズ（短機関銃）を参照。

＜Ｍ４９リングマウント＞：アメリカ軍12.7mm重機関銃M2用リングマウント。トラックや装甲車に搭載される。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ５０＞：MGR-1B（地対地ロケット）またはライジングM50（短機関銃）を参照。

＜Ｍ５０ウォーター・タンカー＞：アメリカ軍の水タンク車。M35トラックの荷台にアルミニウム製タンクと水ポンプ（毎分393リットル）を搭載している。タンク容量3785リットル（路上）／1893リットル（路外）。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜Ｍ５０ガスマスク＞：アメリカ軍のガスマスク、別名Joint Service General Purpose Mask、略称JSGPM。レンズ部分は左右が繋がっており、視野が広い。キャニスターの取り付け位置を任務ごとに変更可能。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ５０自走無反動砲シリーズ＞：アメリカ海兵隊の自走無反動砲、別名オントス（Ontos、物という意味のギリシャ語）。海兵対戦車大隊に45両ずつ配備され、1965年3月8日から第３海兵対戦車大隊がベトナム戦争に投入された。1966年3月には第１海兵隊戦車大隊もベトナムに送られ、敵戦車はいないのでコンボイ護衛を実施したが、限定旋回と車外再装填なのであまり護衛できない、バックブラストが激しすぎてコンボイが損傷する、発射装置が敏感すぎて振動でも誤射してしまい危険すぎるといった欠点あり、他任務に回されることになった。しかし装甲が薄すぎて攻勢作戦にも向かないため、使いどころが無く、1967年12月末には第３海兵対戦車大隊が解隊され、第１海兵対戦車大隊も１個中隊規模に縮小されて第１海兵戦車大隊に編入された。参考：月刊PANZER4,’11

　＜Ｔ１６５＞：試作車で、1951年9月に歩兵部隊向け高機動支援車両として試作が決定した。下部車体はT55試作兵員輸送車やT166試作自走無反動砲と共通である。車体前部右に機関室、左に操縦室があり、車体中央から後部には砲手と装填手が位置する。下部転輪はゴムタイヤ製片側３個、起動輪は前方にある。誘導輪は接地式で後方にあり、下部転輪と同じゴムタイヤである。サスペンションはゴムブッシュを使用したスプリング式。砲塔には中央に砲手用ハッチとキューポラがあり、両側に無反動砲を３門ずつ、キューポラに7.62mm機銃を装備する。エンジンはジェネラル・モータース製モデル302ガソリン（130馬力）、トランスミッションはアリソン製XT-90。１両が製作され、1953年2月に増加試作車両を作ることになった。参考：月刊PANZER4,’11

　＜Ｔ１６５Ｅ１＞：増加試作車両その１。10両が製作されてアメリカ陸軍と海兵隊がテストした。３号車はT166の１号車を流用している。参考：月刊PANZER4,’11

　＜Ｔ１６５Ｅ２＞：増加試作型その２。T165E1のテスト結果を受けて開発され、24両が製作された。1955年12月に海兵隊が採用を決定し、M50として制式化された。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｍ５０自走無反動砲＞：量産型。小型の装軌車両で、車体は四角錐台型をしており、均質圧延鋼板（厚さ13mm）全溶接製で、前面71度、側面42度、後面27度の避弾経始を持つ。車体前部左に操縦手席、右に機関室があり、操縦手席の前が燃料タンク（178リットル）で、操縦手席の後ろが砲手席、砲手席の右が砲弾ラック（４発分）、左がAN/PRC-10無線機ラック及び機銃弾弾薬箱ラックである。装填手も搭乗するが、座席は無い。車体前面右に３分割の給気ルーバーと点検ハッチ、左にM13ペリスコープ付き操縦手用ハッチ（右開き）、車体後部に観音開きのドアとその下に予備弾ハッチ（８発分）がある。下部転輪はソリッドゴムタイヤ付き複列式、誘導輪は接地式で後方にある。サスペンションはゴムブッシュの捻れを利用する独立懸架式で、各転輪にショックアブソーバーも付いている。上部転輪は無いが、サスペンション上部に履帯支持用スキッドを持つ。履帯はゴムベルトを鋼製ガイド・グローサーで結合したT123で、幅508mm。車体上面に107mm無反動砲M40A1Cの６連装砲塔（両側に３門ずつ装備）を搭載する。搭載弾数は18発（６発は砲に予め装填しておく）で、通常はM344HEATとM346A1HEPを用いて対戦車任務にあたるが、ベトナムではM581フレチェット弾を使用して対歩兵任務に使用された。無反動砲の再装填は手動だが、砲尾の開放と閉鎖は車内から行える。上段の２門ずつにはM8Cスポッティングライフル（40発）が装着されており、内側のものは車内から遠隔操作で発射可能。砲塔駆動は手動式で、旋回角は左右40度ずつ、俯仰角マイナス10度からプラス20度。砲塔には7.62mm機銃M1919A4（1000発）、砲手用ハッチ、M20A3C砲手用ペリスコープも装備されており、機銃は無反動砲との同軸化が可能。無反動砲を外して地上設置で射撃することもできるが、地上射撃用照準器M92Dを装着できるのは上段外側の１門ずつのみで、三脚も２本しか搭載されていない。車内に自衛用M3A1短機関銃１丁（180発）を収容する。エンジンはGM製SL12340ガソリン（145馬力）、トランスミッションはXT-90-2オートマチック（前進３段、後進１段）。1957年までに297両を配備した。現地で車体前部にドーザー・ブレードのような増加装甲を装着したものもある。参考：月刊PANZER4,’11、8,’02、世界の軍用車両(2)、コンバット・バイブル２

＜Ｍ５０Ａ１自走無反動砲＞：エンジン強化型で、1963年から176両が改修された。エンジン点検ハッチとトランスミッションカバー表面にルーバーを付け、砲手用照準器をM20A3Gに、地上射撃用照準器をM92Fに換装している。全長3.83m、全幅2.6m、全高2.13m、車両重量7.46トン、戦闘重量8.64トン。装甲厚は前面上部13mm71度、前面下部13mm45度、側面上部13mm42度、側面下部13mm０度、後面上部13mm27度、後面下部13mm０度、上面13mm90度、下面13mm90度。エンジンはクライスラー社製HT-361-318直列６気筒液冷ガソリン（180馬力）、トランスミッションはアリソンXT-90-5オートマチック（前進３段・後進１段）、最大速度路上48km／路外15km、燃料搭載量178リットル、航続距離160km。乗員３名。参考：月刊PANZER4,’11、世界の軍用車両(2)

＜Ｍ５０自走榴弾砲＞：M4中戦車・海外ファミリーを参照。

＜Ｍ５０焼夷弾シリーズ＞：AN-M50シリーズ（焼夷弾）を参照。

＜Ｍ５０スーパーシャーマン・シリーズ＞：イスラエル陸軍戦車。M4シャーマン中戦車の主砲強化型で、1955年に試作砲塔が完成し、1956年から改造され、第２次中東戦争から実戦参加した。1970年代に45両がチリ陸軍に供与されている。参考：月刊PANZER7,’02、ウォーマシン・レポートNo.17

＜Ｍ５０Ｍａｒｋ１＞：フランスが第２次大戦後に75mm戦車砲KwK42/L70をベースに開発したCN75-50戦車砲（AMX-13と同じ）を、75mm砲搭載最後期型砲塔に搭載したタイプ。砲尾スペースを確保するため、砲塔にはファイアフライと同様の改造を施しており、無線機を砲塔後部から砲塔後面のカウンター・ウェイト兼用装甲ボックス内に移している。更に砲塔前面にも箱形の張り出しを設けて砲耳を収容しており、砲塔内スペースの増加と重量バランス是正にも役立っている。砲身先端にはAMX-13と同じ砲口制退器が付いており、防楯上面にサーチライト用マウントが付く。砲塔両側面に発煙弾発射機２発ずつを装備する。車体はM4A4(T)、M4A3、M4A1、M4ハイブリッド型など様々だが、全て垂直懸架装置とコンチネンタル製R975エンジンを搭載している。参考：月刊PANZER7,’02、ウォーマシン・レポートNo.17

＜Ｍ５０Ｍａｒｋ２＞：後期型。エンジンをカミンズ社製VT8系ディーゼル（460馬力）に換装し、機関室周辺に変更を加えた。サスペンションは水平式にし、ついでに上部車体側面やフェンダー上に雑具箱、ジェリカン、予備履帯、予備転輪、エンジン始動用ダイナモなどを装着している。エンジン換装は1959年に試作を行って1960年から、サスペンション換装は1960年代半ばから実施した。参考：月刊PANZER7,’02、ウォーマシン・レポートNo.17

＜Ｍ５０スーパーシャーマン・シリーズ＞

　＜Ｍ５０（チリ陸軍）＞：チリ陸軍戦車。1970年代に45両が供与された。1980年代に主砲をIMI社製60mm高初速砲HVMS（発射速度毎分100発。装甲貫徹力はAPFSDSの射距離2000mで120mm）に換装し、エンジンをデトロイト・ディーゼル社製8V-92TAディーゼル（550馬力）に強化、排気管を車体上面やや後方右へと移している。21世紀に入っても現役にあった。参考：ウォーマシンレポートNo.17

＜Ｍ−５０爆撃機＞：ソ連空軍試作爆撃機、NATOコードはバウンダー（Bounder）。マッハ２を出す戦略爆撃機としてミヤシチェフ設計局が開発した。試作段階で西側は原子力ターボジェットエンジン搭載と推定したのだが、実際は通常のVD-7/VD-7Fターボジェットエンジン４発（主翼下ポッド式２基、翼端２基）を搭載した単なる超音速爆撃機である。主翼は後退角50度のクリップドデルタ翼。垂直・水平尾翼もクリップドデルタ翼で、翼端にマスバランスが付いている。操縦装置はフライ・バイ・ワイヤ。全長57.48m、全幅35.1m、全高8.25m、自重76.8トン、離陸総重量203トン。エンジンはVD-7Bターボジェット（推力9.5トン）２基＋VD-7Mターボジェット（推力16トン）２基、最大速度マッハ1.84、航続距離7400km。爆弾倉に爆弾30トンを搭載可能。乗員２名。1959年10月27日に初飛行したが、エンジンが間に合わずM-4爆撃機用AM-3Aエンジンを搭載したため、音速に達する事は無く、弾道ミサイルに押されて1960年に開発中止となった。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings5,’06、月刊軍事研究1,’18

＜Ｍ−５１＞：BM-21海外シリーズ（ロケットランチャー）またはリトル・ジョン（地対地ロケット）を参照。

＜Ｍ５１アイシャーマン＞：イスラエル陸軍戦車。周辺国のT-54/55に対抗すべく、M4シャーマン中戦車の主砲を強化したもので、アイはIsraeliのＩである。車体は鋳造車体に水平懸架装置を備えた最後期生産型M4A1（一部M4A3）で、エンジンはカミンズ社製VT8系ディーゼルに換装（一部コンチネンタル社製のオリジナルを搭載）し、機関室周りに改修を加え、機関室上面にガントラベリングロックを装着した。車体側面には雑具箱、ジェリカン、予備履帯、予備転輪を満載している。砲塔は76mm砲搭載型のT23砲塔で、後部バスルを切断し、カウンター・ウェイト兼用の鋳造製延長バスルを溶接した。砲耳と防楯も新型に変わっている。主砲はフランス製105mm戦車砲CN105F1（AMX-30と同じ）の砲身を1.5m短くして初速を毎秒800mに抑えたD1504L/44で、特異な形状の砲口制退器を装備し、後座量を減らした。主用弾はＧ弾なので、初速が下がってもあまり影響は無かったが、弾道特性が変わったので、照準器は独自のものとしている。戦闘重量39トン。装甲厚は車体前面62mm、側後面38.1mm、砲塔前面76.2mm、側後面50.8mm。最大速度45km、航続距離270km。後に砲塔上面に60mm迫撃砲用マウントを装着した。1962年7月から引き渡されて第３次・第４次中東戦争に投入され、1990年代初めに退役した。1970年代に120両がチリ陸軍に供与されている。参考：ウォーマシンレポートNo.17、月刊PANZER7,’02

＜Ｍ５１機関銃車＞：アメリカ軍12.7mm機銃４連装トレーラー。２軸４輪のM17トレーラー（発電機運搬用M7トレーラーと同じもの）に12.7mm機銃M2を４丁装備するM45銃架を搭載したものである。対空照準器はアメリカ海軍制式のMk9。俯仰角はマイナス10度からプラス90度、６秒で全周旋回でき、動力源は牽引車のバッテリーである。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ５１高射砲＞：アメリカ軍の牽引式75mm高射砲、別名スカイ・スイーパー（SS）。1944年から開発されたが、制式化は1950年で、配備は1950年代初めになってからである。砲は航空機用75mm砲をベースとした75mm自動砲M35で、砲身上に自動装填装置の駆動モーターと装填トレイ、トレイの左右に10発入りリボルバーマガジンがある。作動はフルオートで、弾薬はマガジンから出て装填トレイを介して砲尾に送られ、装填ローラーに挟まれて前進、信管が測合機に入ったところで停止する。ここで信管秒時の測合を行った後、弾薬が装填され、垂直鎖栓式閉鎖機が砲尾を閉鎖、装填ローラーが左右に開いて発射準備が整う。発射後は砲身の後座と共に閉鎖機が自動的に開放され、排莢される。射撃指揮装置はM38で、上部砲架左に射撃指揮レーダーのパラボラアンテナ、右に光学式照準器を装備する。下部砲架は４本の脚を持ち、移動時には前後に２輪の砲車を取り付ける。全周旋回可能、俯仰角マイナス６度からプラス85度。VT信管付榴弾だと有効射高6300m、最大射高9144m、最大水平射距離13524m。最大発射速度毎分55発。陸上自衛隊にも供与された。参考：月刊PANZER8,’02、6,’04、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｍ５１高射砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ５１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の牽引式75mm高射砲。全長7.6m、砲身長4.5m、口径75mm、重量8.64トン。俯仰角マイナス６度からプラス86度、全周旋回可能。弾丸重量3.8kg、初速毎秒862m、有効射程6300m、最大射程13500m。発射速度毎分45-55発、装弾数22発。操作人員6-9名。25トン牽引車M8で牽引される。1958年から供与され、1987年に全て退役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、日本の防衛戦力Part7

＜Ｍ５１自走多連装ロケットランチャー＞：チェコスロバキア軍130mm自走多連装ロケットランチャー。６×６輪車両に32連装ロケットランチャーを搭載したものである。最大射程8200m。再装填にかかる時間は２分。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ５１信管＞：陸上自衛隊の75式155mm榴弾・M107榴弾用信管。M48信管にM21A4伝爆薬筒を組み合わせた二働信管（瞬発／延期）である。参考：スピアヘッドNo.13

＜Ｍ−５１潜水艦発射弾道ミサイル・シリーズ＞：フランス海軍SLBM。M-5の代わりに1996年から開発され、2010年に実用化された。参考：月刊軍事研究12,’16

　＜Ｍ−５１＞：初期型。ル・トリオンファン級４番艦S-619ル・テリブルに搭載された。2006年11月9日、海上からの試射に成功した。2007年と2008年11月にも試射を実施。2010年1月27日、フランス西岸を潜航中のS-619ル・テリブルからの海中発射試験に成功。20分間に4500km飛翔し、ノースカロライナ州沿岸から2000km離れた海上に落下した。後にM-51.1に換装された。参考：月刊世界の艦船4,’20、10,’23

＜Ｍ−５１．１＞：発射されると先端部のプローブを伸ばし、空気抵抗を減らす。全長12m、直径2.3m、発射重量52トン（48トン？56トン？）。推進は３段式固体燃料ロケット＋PBV、弾頭はMIRV（弾頭威力110キロトンのTN75核弾頭6-10個と囮弾頭）。射程9000kmで、大西洋からロシアを狙える。弾頭を1-2個に減らすと射程14000kmに延ばせる。誘導はINS＋天測、CEP150-200m。ル・トリオンファン級３番艦S-618ル・ヴィジランに搭載され、４番艦S-619ル・テリブルも後に換装した。参考：月刊軍事研究2,’01、9,’07、9,’10、月刊丸2,’07、月刊世界の艦船1,'15増刊、4,'20、3,’05、12,’11、11,’17、1,’18

＜Ｍ−５１．２＞：M-51.1の射程延伸・核弾頭強化型で、軽量弾頭TNOを搭載している。弾頭威力150キロトン（100キロトン？）、射程10000km。2013年、S-618ル・ヴィジランからの試射に失敗した。2016年7月、S-616ル・トリオンファンからの試射に成功した。ル・トリオンファン級１番艦S-616ル・トリオンファンに搭載された。２番艦S-617ル・テメレールも2018年から搭載改修（M-51.1の方？）に入っている。参考：月刊世界の艦船4,'20、1,’15、11,’16、10,'23、月刊軍事研究12,’16

＜Ｍ−５１．３＞：ロシア軍弾道ミサイル防衛システムの突破を目指す改良型で、2025年頃に配備予定。参考：月刊世界の艦船11,’17、11,’16

＜Ｍ５１掃海艇＞：リトアニア海軍リンダウ級掃海艇。参考：月刊軍事研究6,’12

＜Ｍ５１パーカー＞：アメリカ陸軍・海兵隊の防寒用上衣。1951年に制式化された。参考：月刊丸5,’13

＜Ｍ５１ＭＡＣ１＞：フランスの対戦車地雷。圧力作動式信管を持つ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ５１ＭＡＣ２＞：フランスの対戦車地雷。圧力及び傾斜作動式信管を備える。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ−５２試作爆撃機＞：ソ連の試作爆撃機。M-50と同時期に開発されたが、実機完成前に開発中止となった。参考：月刊JWings5,’06

＜Ｍ５２自走榴弾砲シリーズ＞：アメリカ陸軍105mm自走榴弾砲。M7やM37の後継で、T98として計画され、T98A1として1953年に制式化され、量産終了後の1955年にM52の名称が付いた。1962年にM108と交替して退役した。参考：月刊PANZER1,’02、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ５２＞：M41軽戦車の車体を前後逆にし、車体前部に機関室を配置、誘導輪は接地式にした。車体後部に限定旋回式（左右60度ずつ）密閉砲塔を搭載しており、乗員は全て砲塔内に位置する。砲塔前部左に操縦手席があり、上面にハッチとペリスコープを持つ。砲塔前部右に照準手、その後ろに車長が位置し、全周視界を持つ車長用キューポラが用意されており、12.7mm重機関銃M2（900発）を装備可能。砲塔側後面にドアがあり、後面はほぼ全体を開放できる。主砲は22.5口径105mm砲M49（102発）、砲身命数7500発、閉鎖機は半自動垂直鎖栓式、駐退復座機は同心型液バネ式、後座長334mm。方向射界は左右各60度、俯仰角マイナス10度からプラス65度。照準装置はM101直接照準眼鏡とM100パノラマ眼鏡。使用弾はM1榴弾、M314照明弾、M60黄燐発煙弾、M84着色発煙弾などで、搭載弾数102発。最大射程は７号装薬で11.5km。発射速度最大毎分10発。全長5.79m、全幅3.15m、全高3.073m、重量24トン。装甲厚は車体全周12.7mm、底面9.5mm、砲塔全周12.7mm。最大速度56km、航続距離160km。乗員５名（砲班は６名編成）。684両が生産された。参考：月刊PANZER1,’02、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ５２Ａ１＞：エンジン改良型。自重22.588トン、全備重量24.04トン。最大速度67.59km。陸上自衛隊にも供与された。参考：月刊PANZER1,’02

＜Ｍ５２海外シリーズ＞

　＜Ｍ５２（西ドイツ陸軍）＞：西ドイツ陸軍105mm自走榴弾砲。1957年から供与された。参考：月刊PANZER6,’14

　＜Ｍ５２Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊105mm自走榴弾砲。技術導入のため、1963年度に有償援助で30両を購入した。全長5.79m、全幅3.14m、全高3.31m、車両総重量24トン。エンジンはコンチネンタル製水冷４サイクル６気筒ガソリン（500馬力）、航続距離160km。武装は105mm榴弾砲１門、12.7mm重機関銃M2が１丁。乗員５名。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の戦力

　＜Ｍ５２Ｔ＞：トルコ陸軍155mm自走榴弾砲。独自改良型で、ラインメタル社が1995年から365両を改修した。主砲を24口径105mm榴弾砲からFH-70ベースの39口径155mm榴弾砲に換装しており、最大射程18km（通常弾）／30km（ベースブリード）。搭載弾数は102発から30発に減っている。FCSも改良し、車体後部に駐鋤を追加して反動に耐えられるようにした。エンジンを水冷ディーゼルに換装、航続距離が３倍に延び、履帯はトルコ国産としている。参考：世界AFV年鑑2002-2003、ウォーマシン・レポートNo.26

＜Ｍ．５２実験機＞：イギリスのマイルズ・エアクラフト社が開発した超音速実験機。1943年にドイツが高度18000mを時速1800kmで飛ぶ爆撃機を計画しているという情報を入手したため、イギリス航空生産省が1943年12月に高速飛行実験機の要求仕様E.24/43を出し、これに応じて製作された。超音速で飛翔する砲弾の形状を参考に製作されており、椎の実弾に翼が生えたような形をしている。主翼は直線翼で、衝撃波の発生を遅らせるため薄翼を採用、主翼端と垂直尾翼端を斜めに削ぎ落として衝撃波を避けるようにした。胴体中央にエンジンがあり、機首に埋め込まれたコクピットのすぐ後ろに円環状エアインテイクが開口する。エンジンは推力不足だったので、後にアフターバーナー付きターボファンエンジンに換える予定だった。全長10m、全幅7.62m、全備重量3.4トン。エンジンはパワージェットW.2/700遠心式ターボジェット（推力8.83kN）、最大速度1600km。乗員１名。第２次大戦終結後の1946年初めに設計が完了したが、有人飛行が危険、ドイツから入手した後退翼理論がテストできない、予算が無いといった問題があり、機体製作直前の1946年3月13日に計画は中止された。参考：月刊JWings6,’05、月刊航空ファン4,’17、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｍ５２掃海艇＞：リトアニア海軍リンダウ級掃海艇スドゥヴィス（Suduvis）。元は1958年に西ドイツで竣工したリンダウ級掃海艇で、1999年に就役した。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜Ｍ５２銃弾＞：チェコスロバキア軍7.62mm×45弾。普通弾と訓練弾の２種がある。弾丸重量8.4g、初速毎秒744m。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ−５２輸送機シリーズ＞：ソ連のミヤシーシェフ設計局が設計した超大型輸送機。大型宇宙機を収容でき、MAKS小型宇宙往還機の発射母機ともなる機体として開発されたが、政府の承認が得られず、没になった。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｍ−５２Ａ−１＞：ベースはM4-3M爆撃機で、胴体を延長し、主翼を大型化、エンジンを８発にして主翼下にポッド式に搭載した。貨物室は胴体下面のハードポイント５カ所に接続して外装するようになっており、全長70m・内径8mで、自走榴弾砲３両と戦術ロケット用TEL２両を収容でき、前後のランプから貨物を自走搭載することができる。また、貨物室下面には車輪が多数付けられていて、貨物室だけを牽引して移動できるようになっていた。機首は下に垂れ下がっており、主翼も下反角が付けられていて、地面との距離をなるべく小さくするようにしてあるが、前脚の長さは6mもあり、主脚は主翼下ゴンドラ内に収容した。貨物搭載時には前脚が邪魔になるので、引き込む必要がある。垂直尾翼は１枚。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｍ−５２Ａ−２＞：M-52A-1の双尾翼型。貨物室搭載時の諸元は空虚重量350トン、最大離陸重量650トン。巡航速度マッハ0.7、燃料搭載量175トン、最大航続距離6500km。ペイロード125トン。貨物直接吊下時の諸元は空虚重量300トン、最大離陸重量800トン。巡航速度マッハ0.64、燃料搭載量100トン、航続距離2000km。ペイロード400トン。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｍ−５２Ｂ＞：単垂直尾翼型。機首を下に大きく張り出し、主翼を大型化、空虚重量を減らし、貨物室搭載時ペイロードを増した。貨物室搭載時の諸元はは空虚重量300トン、最大離陸重量650トン。巡航速度マッハ0.7、燃料搭載量190トン、航続距離6500km。ペイロード160トン。貨物直接吊下時の諸元は空虚重量250トン、最大離陸重量760トン。巡航速度マッハ0.64、燃料搭載量110トン、航続距離2000km。ペイロード400トン。参考：月刊航空情報2,’10

＜Ｍ５３自走砲＞：アメリカ陸軍155mm自走カノン砲。車体前部にエンジンとトランスミッション、後部に砲塔プラットフォームを置き、操向装置はM46/M47戦車のものを流用した。車体前面にガントラベルロックを装備、その下にトランスミッション用点検孔が３つあり、側面前・後部にはエアエグゾーストダクトが配置されていて、車体後面にスペードを装着する。下部転輪は片側６個、懸架装置はトーションバー式、第１・第２転輪にショックアブソーバーを装着する。起動輪は前部にあり、第１転輪との間にガードホイール（小転輪）１個を持つ。誘導輪は後部にあり、接地式として射撃時の安定を増している。上部転輪は片側３個。車体側面前半部のみを覆うスカートを持つ。砲塔は左右30度の限定旋回式で、密閉式だがNBC防護能力は無く、操縦手含め乗員６名全員を収容する。砲塔左前部にペリスコープ４基付き操縦手用ハッチ、右に車長用キューポラ、砲塔両側面に乗降用ドア、後面に上下２枚に分かれた大型ドアがある。主砲は155mm榴弾砲M46で、マズルブレーキは無く、閉鎖機は隔螺式、砲弾の装填は人力及び動力ラマーで行う。砲架はM86で、主砲仰角5-65度。榴弾の最大チャージで初速毎秒853m、最大射程23460m。照準装置はM100パノラミックテレスコープ、方位角指示器、砲手用象限儀などで、直接照準用にM99テレスコープを砲身右上に装着することもできる。砲塔最後部の弾薬ラックに砲弾20発を収納するが、弾数が少ないので砲塔後部ドアを上下に開き車外から給弾しつつ射撃を行う。車長用キューポラに12.7mm機銃（900発）を装備し、乗員用にM3A1サブマシンガン１丁とM2カービン５丁を搭載する。後にトランスミッションをCD-850-4Bに換装し、操向装置がレバー式からハンドル式になった。車体長9.715m、全幅3.581m、全高3.469m、戦闘重量45.36トン。装甲厚は車体前面25mm、側面・後面・上面・下面13mm、砲塔全周13mm。エンジンはAV-1790-7Bガソリン、トランスミッションはCD-850-4/-4B、最大速度56km、航続距離240km。1952年8月から1955年4月に生産された。陸軍では制式化後の不具合を改修した際に砲を積み替え、M55にされた。海兵隊ではそのまま使用され、1969年からM107に更新されている。参考：月刊PANZER5,’03、12,’10

＜Ｍ５３照準具＞：アメリカ軍の迫撃砲用照準器。縦・横水平器、高低・横方向ノブ、同固定ノブ、接眼レンズなどが装着された複雑なものである。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ５３掃海艇＞：リトアニア海軍ハント級掃海艇スカルヴィス（Skalvis）。元はイギリス海軍ハント級掃海艇M32コッテスモアである。2011年就役。2014年6月6-21日、バルトップス2014に参加。その後キール・ウィークにも参加した。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。11月4-14日、バルト海でHod OPS演習に参加。2020年6月7-16日、バルトップス2020に参加。参考：月刊世界の艦船9,’14、12,’19、3,’20、9,'20、月刊軍事研究6,’12

＜Ｍ５３ターボファンエンジン・シリーズ＞：フランス空軍ミラージュ2000戦闘機用アフターバーナー付きターボファンエンジン。スネクマ社が開発した。参考：世界の軍用機1979

＜Ｍ５３ターボファンエンジン＞：ファン３段、圧縮機は軸流式５段、燃焼器はアニュラー型、タービン２段。全長4.85m、直径1.05m、乾燥重量1.42トン。ミリタリー推力5.201トン、ドライ最大推力5.602トン、離昇推力8.5トン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｍ５３−Ｐ２ターボファンエンジン＞：圧縮機段数３＋６段、圧縮比9.8、燃焼器はアニュラー型、タービン段数２段。全長5.07m、直径0.796m、重量3340ポンド（1.515トン）。推力14500ポンド（6.577トン）、A/B時推力21360ポンド（9.689トン）。参考：月刊軍事研究10,’08、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｍ５３焼夷徹甲弾＞：アメリカ軍20mm機関砲用焼夷徹甲弾。鋼鉄製徹甲弾弾芯をアルミニウム製風防で覆ってある。弾芯の長さは弾丸全長の半分くらいしか無く、風防内部のクロージャー・ディスクで後方に固定されていて、弾芯前方にある風防との隙間には焼夷剤が充填されている。目標にぶつかると弾芯は風防ごと目標を突き破り、飛び散った焼夷剤が空気に触れて自然発火する。全長168mm、弾丸重量258g、弾頭重量100g、発射薬重量36.7g。SUU-23/Aガンポッドから発射すると、砲口初速毎秒1030m。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ｍ５３／５９自走対空機関砲＞：ユーゴスラビア陸軍30mm自走対空機関砲。３軸10輪（後２軸はダブルタイヤ）装輪装甲車の後部荷台に30mm機関砲を並列で搭載している。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

＜Ｍ５４掃海艇＞：リトアニア海軍ハント級掃海艇クルシュス（Kuršis）。元はイギリス海軍ハント級掃海艇ダルバートンで、2008年に取得した。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。6月17-25日、キール・ウイーク2017に参加。2021年9月4-12日、ドイツのキール基地でキール・ウイーク2021に参加。参考：月刊世界の艦船9,’17、12,'21、月刊軍事研究6,’12

＜Ｍ５４トラック・シリーズ＞：アメリカ軍の６輪５トントラック。参考：月刊PANZER7,’02

　＜ウォー・ワゴン＞：装甲型。後部荷台に装甲板を立て、無線機を追加、キャビン上に12.7mm重機関銃M2用リングマウントを搭載する。改造は現地で行われた。参考：月刊PANZER7,’02

＜Ｍ５４砲架＞：アメリカ軍の対空機関砲マウント。37mm機関砲１門の両側下方に12.7mm重機関銃M2を２丁装備している。両者の弾道が類似しているため、まず12.7mm重機関銃M2で目標に射撃を行い、命中の見込みが出たところで37mm機関砲の射撃を加える。地上設置や艦載で使用された他、M15A1対空車両にも搭載された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ５４野戦救急車＞：アメリカ軍４×４輪野戦救急車。ボンネット型トラックの後部荷台をクローズドの傷病者収容スペースとしている。参考：THE JEEP

＜Ｍ−５５＞：T-55海外シリーズ（戦車）またはライジングM55（短機関銃）を参照。

＜Ｍ−５５高々度観測機＞：ソ連の高々度観測機、別名ゲオフィージカ（地球物理学）、西側コードはラムＭ、NATOコードはミスティック。ミヤシシチョフ設計局の開発で、M-17ストラトスフェーラを双発にしており、他の形状はほぼ同じ。ツインテールブーム機で、主翼は直線テーパー翼。胴体左右にエアインテイクがある。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings11,’12

＜Ｍ５５自走榴弾砲＞：アメリカ陸軍・海兵隊203mm自走榴弾砲。1951年4月に試作が発注され、1952年8月から引き渡された。M53の主砲をマズルブレーキ無しの203mm榴弾砲M47に換えたもので、搭載弾数が10発に減っている他はほぼ同じ構造である。砲弾重量が91kgに増えたため、砲塔内にホイストを設置した。生産途中でトランスミッションと操向装置が変更されたのも同じ。全長7.91m、全幅3.58m、全高3.58m、戦闘重量44.453トン。エンジンは12気筒空冷ガソリン（810馬力）、最大速度56km、航続距離241km。乗員６名。２両が燃料直噴式エンジン搭載車に改造された。西ドイツ陸軍にも引き渡され、1958-66年に使用されている。参考：世界の軍用車両(2)、月刊PANZER5,’03、1,’11

＜Ｍ５５信管＞：陸上自衛隊155mm榴弾M107用信管。M54信管にM21A4伝爆薬筒を組み合わせたもので、瞬発と火道式延期（25秒まで可変）の複働信管である。参考：スピアヘッドNo.13

＜Ｍ５５マウント＞：アメリカ軍の12.7mm重機関銃M2用牽引式４連装マウント。M45C型銃座、M20型１軸２輪トレーラー、M2重機関銃４丁（装弾数200発ずつ）から構成され、銃座駆動用に12ボルトのDC電源２基を装備、充電用エンジンも装備する。全周旋回可能、最大仰角90度。全長2.89m、全幅2.1m、全高1.61m、重量はM45Cが968kg、M20が360kg。操作員は１名で、給弾員がマウント左右に１名ずつ位置し、指揮官１名が指揮を行う。航空自衛隊も基地警備用に採用した。参考：自衛隊装備年鑑1996、コンバット・バイブル２

＜Ｍ５５ロケット弾＞：アメリカ軍115mmロケット弾。サリン10kgを搭載している。参考：化学・生物兵器概論

＜Ｍ５５Ａ２訓練弾＞：アメリカ軍20mm機関砲用訓練弾。中空鋼製弾体にアルミ製の弾頭をねじ込んだ構造になっており、銅製の導環が巻かれている。弾丸全長168mm、弾丸重量255g、弾頭重量100g、発射薬重量38g。SUU-23/Aガンポッドから発射すると、砲口初速毎秒1030m。中空部分に発光剤を充填し、弾体底部に穴を開けて発射薬と繋げた曳光訓練弾もあり、５発に１発はこちらを搭載する。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ｍ５５ＡＸ＞：セルビアが開発した自走地対空ガン・ミサイルシステム。４×４輪トラックに20mm機関砲M55A3を２門と9M32Mストレラ2M携帯地対空ミサイルを2-4基搭載したものである。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｍ−５５Ｓ１＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｍ５６＞：HMMWV輸送車ファミリーを参照。

＜Ｍ５６自走空挺突撃砲＞：アメリカ陸軍空挺部隊用突撃砲、別名スコーピオン。T42試作中戦車用90mm戦車砲T119を搭載する空挺部隊用対戦車兵器として1948年10月から開発された。パラシュート投下できるよう極力軽量化するため、申し訳程度に防楯が用意されているだけで、装甲は無きに等しい。車体前部に機関室があり、その後ろの戦闘室左に操縦手、右に砲手、操縦手の後ろに車長、砲手の後ろに装填手が位置する。下部転輪は片側４枚で、空気入りゴムタイヤを使用し、抵抗ロスを最小限にしてある。サスペンションはトーションバー式。履帯は幅広で、接地圧を低くした。主砲は43口径90mmカノン砲M54（29発）で、砲口部にはカウンターウェイト兼ブラストデフレクターを装着している。全長5.84m、全幅2.57m、全高2m、重量7.03トン。エンジンはコンチネンタル社製AOI-402-5空冷６気筒ガソリン（200馬力）、トランスミッションはアリソン製CD-150-4、最大速度45km、航続距離225km。乗員４名。参考：世界の軍用車両(2)、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER8,’10

＜Ｍ−５６装甲兵員輸送車＞：フランス陸軍装甲兵員輸送車AMX VCI M-56。1950年代末に開発された。背負い式砲塔に20mm機関砲を装備する。参考：月刊軍事研究7,’16

＜Ｍ５６榴弾砲＞：イタリアのオットー・メララ社が開発した牽引式105mm榴弾砲。1957年から2500門以上が生産され、30ヵ国で採用された。砲身長1.478m、重量1.29トン。最大射程10575m、最大発射速度毎分４発。操作人員７名。参考：月刊PANZER3,’01

＜Ｍ５６榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ５６榴弾砲（アルゼンチン陸軍）＞：アルゼンチン陸軍牽引式105mm榴弾砲。2013年に発注し、2014年に10門が引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ５６Ａ３焼夷榴弾＞：アメリカ軍20mm機関砲用焼夷榴弾。弾体は中空性の破砕スチールで出来ており、先端に衝撃信管、後部に銅製ローテーティング・バンドが填め込まれている。安全装置は回転アッセンブリ方式で、ライフリングにより回転を与えられると、砲口から6-7mほど飛んだところで遠心力によりロックスプリングが外れ、信管の撃鉄、デトネーター、ブースター（RDX炸薬）が一直線に並び、起爆可能となる。弾丸が目標にぶつかると信管先端の金属カバーが潰れて撃鉄がデトネーターを発火させ、これがブースターを炸裂させて弾体内炸薬を起爆させると共に、着火した焼夷剤を飛散させる。弾丸全長168mm、弾丸重量257g、弾頭重量100g、発射薬重量40g、焼夷炸薬重量14g。SUU-23/Aガンポッドから発射すると、砲口初速毎秒1012m。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ｍ５７＞：RPG-2海外シリーズ（対戦車ロケット）を参照。

＜Ｍ５８＞：M113装甲車ファミリー（煙幕車両）を参照。

＜Ｍ５８導爆索＞：アメリカ軍の地雷原爆破用爆薬ロープ。全長150mm・重量2.3kgの爆薬嚢700個をナイロン製ロープ（爆薬取り付け部長さ107m、非取り付け部長さ60m）に装着したもので、ロープの尾部に起爆用信管を取り付ける。これをMk22ロケットとケーブルで結び、Mk155ランチャーやM1150ABVから発射、長さ100m・幅8-16mの通路を啓開する。参考：月刊軍事研究10,’12

＜Ｍ５８Ａ４＞：MICLIC（導爆索）を参照。

＜Ｍ５９装甲兵員輸送車シリーズ＞：アメリカ陸軍装甲兵員輸送車。M75が高価すぎたため開発した廉価版である。1953年5月24日に制式化され、1960年までに6300両が生産された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ５９＞：試作車その１。GMC製モデル302ガソリンエンジンを搭載する。４両が製作された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ５９Ｅ１＞：試作車その２。キャデラック製モデル311ガソリンエンジンを搭載する。２両が製作された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ５９＞：生産型。車体前部に操向装置があり、前面に水上浮航用トリムベーンが付く。その後ろが操縦室と車長席で、上面に12.7mm機銃（1470発）付き車長用キューポラがある。その後ろが兵員室で、左右にエンジンと変速機を一体化して配置した。兵員室内には10名が座れ、後面は油圧式乗降ランプとなっている。全長5.61m、全幅3.26m、全高2.6m、重量19.3トン。装甲厚10-25mm。エンジンは６気筒液冷ガソリン（127馬力）、最大速度51km、航続距離190km。乗員２名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ５９Ａ１＞：車長用キューポラを防楯付き12.7mm機銃搭載M13キューポラに換えたもの。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ５９／６６＞：SKS海外シリーズ（カービン）を参照。

＜Ｍ６０信管＞：アメリカ軍の爆薬用信管。安全ピンを抜き、リングに指を通して引っ張ると点火する。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ６０戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍主力戦車。100mm滑腔砲装備のT-55に対抗して1956年からM48A2E1をベースに開発、1959年3月に制式化された。総生産数15000両（20000両以上？）。イスラエル、エジプト、韓国、台湾、トルコなどに輸出された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER5,’81、6,’18

　＜Ｍ６０＞：車体は鋳造と圧延鋼板のミックスで、前部中央に操縦席、中央に戦闘室、後部に機関室がある。操縦席ハッチは右開きでM27潜望鏡３基が付き、中央の１基は夜間用赤外線暗視型に換装可能。砲塔は鋳造製で、右に砲手と車長、左に装填手が座る。下部転輪はアルミ合金製でダブルタイプ片側６組、サスペンションは独立懸架式トーションバーで、第１・第２・第６輪に油圧式ショックアブソーバー、第１・第６輪にバンプストッパが付いている。起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は片側３個。履帯はゴムブッシュ付きダブルピンのT107またはT124。主砲は105mmライフル砲L7A1に改良を加えた51口径105mmライフル砲M68（57発）で、有効射程2000m、発射速度毎分6-8発。APDSだと射距離1000mで装甲貫徹力300mm。発砲炎を敵に視認されにくくするため、昼間はスモークレス、夜間はフラッシュレスの装薬を使用する。同軸機銃は7.62mm機銃M37。車長用キューポラは全周旋回可能で、ビジョンブロック８基に12.7mm機銃M85を備え、ほぼ銃塔である。車長用照準装置はM28照準潜望鏡、砲手用はM32光学照準潜望鏡（８倍）、M105C直接照準潜望鏡、M17単眼合致式測遠機（500-4000m）である。主砲防楯にはAN/VSS-2白色光／赤外線キセノンサーチライトを備え、有効照射距離は2000m（白色光）／750m（赤外線）。M13A2機械式弾道計算機に距離情報を手動入力すると、射撃諸元が計算されて砲に伝達される。NBC防護装置を装備する。全高3.27m、車長用キューポラ上面高3.83mで、世界一背の高い戦車と呼ばれることもあった。装甲厚は車体前面下部143mm55度、上部109mm55度、側面74mm、上面36mm、底面19mm、防楯254mm、砲塔側面140mm、後面57mm、上面25mm。エンジンはコンチネンタル製AVDS-1790-2A空冷90度Ｖ型12気筒ターボディーゼル（750馬力）、トランスミッションはアリソン製CD-850-6クロス・ドライブ自動変速機（前進２速、後進１速）、最大速度48km、航続距離500km。1958年に前量産型、1959年8月に正規量産型の生産を開始、1962年夏まで生産された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER6,’04、6,’05、6,’06、1,’98、M1A1戦車とM2/3戦闘車

　＜Ｍ６０Ａ１＞：M60の改良型で、1961年5月に完成し、1962年に制式化され、10月から生産された。砲塔正面の面積を縮小して前後に長くして内部容積を増加したニードル・ノーズ砲塔に換装して主砲弾数を63発に増やし、M16弾道コンピュータを搭載して車長が攻撃を決定してから17秒以内に砲撃できるようにした。全長9.31m、全幅3.63m、全高3.21m、全備重量47.2トン。最大速度48.3km、航続距離596km。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER6,’04、6,’05、5,’81

　＜Ｍ６０Ａ１ＲＩＳＥ＞：M60A1の改良型で、M60A1+ともいう。RISEはReliability Improvement of Selected Equipment（選択装備の信頼性向上）の略である。サーチライトを小型のAN/VSS-3に、履帯をT142に換装した。パワーパックはAVDS-1790エンジンのRISE改修型であるテレダイン・コンチネンタル社製AVDS-1790-2C（750馬力）とGMCデトロイト・ディーゼル・アリソン製造部製CD-850-6Aクロスドライブ・トランスミッション。後にイスラエルのラファエル社が開発したERAを砲塔・車体前側面に装着した。ERA総重量は１トン以下で、口径23mm以下の弾では作動せず、アセチレン・バーナーで焼き切っても炸裂せず、被弾ブロックが爆発しても隣のものは誘爆しない。湾岸戦争にも参加した。参考：月刊PANZER5,’81、月刊グランドパワー3,’95

　＜Ｍ６０Ａ１　ＡＯＳ＞：M60A1RISEに砲安定化装置を搭載したタイプ。参考：月刊PANZER5,’81

　＜高性能型Ｍ６０＞：M60A1の改良型で、テレダイン・コンチネンタル社が1980年代初めに開発した。GM社製XM1（不採用）の技術を移植したもので、エンジンをAVCR-1790-1B可変圧縮比式ディーゼルに、トランスミッションをRK-304に、サスペンションを油気圧式に変更してある。背の高いM19キューポラは外し、イスラエル軍の使用するウルダン型に換えた。オプションで増加装甲（ブリネル硬度500以上、厚さ最大22mm）と装甲スカートを装備できる。増加装甲は車体・砲塔全周と上面に装着し、元の装甲との間にサイタルと呼ばれる素材を充填して複合装甲化する。装甲スカートは６枚に分かれており、中央の４枚がサイタルによる複合装甲となっている。価格は１両あたり90-100万ドル。採用されず。参考：月刊PANZER5,’81、12,’03

　＜Ｍ６０Ａ２＞：152mmガンランチャーM162搭載型で、砲塔も幅が狭く前後に長い新型にした。砲二軸安定化装置も装備する。主砲俯仰角マイナス10度からプラス20度。弾種はMGM-51Cシレイラ赤外線誘導式ミサイル、M409HEAT、M625キャニスター弾、搭載弾数33発（うちMGM-51Cミサイル13発）。完全燃焼式薬莢を使用しているが、実際は燃え残ることも多く、強制掃気装置CBSSを取り付けて燃え滓を吹き飛ばすようにした。これを装備した車両は排煙器が取り除かれている。副武装は同軸7.62mm機銃M73（5500発）と車長用キューポラの12.7mm機銃M85（1080発）。砲塔後部左右にXM176E1発煙弾発射機４基ずつ、砲塔前部左に白色光・赤外線投光器を装備する。夜間暗視能力はアクティブ光学でも1000m、パッシブの微光暗視装置では600mしかなく、夜間は近距離戦闘しかできない。FCSはXM19弾道コンピュータ、XM37方位角指示器（間接照準用）、XM51車長用サイト（昼間10倍、夜間８倍）、XM50砲手用サイト（XM51と同じもの）、XM126照準望遠鏡（ミサイル追尾・通常弾バックアップ用）、AN/VVS-1レーザー測遠機。砲塔内配置は右に砲手、中央後部に車長、左に装填手。全長7.33m、全幅3.63m、全高3.2m、全備重量51.98トン。装甲厚は車体前面下部で110mm、側面76mm、後面51mm、防楯114mm、砲塔前面110mm、側・後面64mm。エンジンはAVDS-1790-2空冷ディーゼル（750馬力）、最大速度48km、燃料搭載量1419リットル、航続距離450km。システムが複雑で（スターシップという渾名が付いたほど）、信頼性に欠け、1966-75年に526両が生産されて1972年から西ドイツの６個大隊に配備されたが、間も無く姿を消した。参考：月刊PANZER1,’04、5,’81、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ６０Ａ３＞：M60A1に砲２軸安定化装置、YAGレーザー測遠機（有効距離5000m、誤差10m）、デジタル弾道コンピュータ、熱線暗視装置、環境センサーを追加したもの。動力系や懸架装置も改良しており、主砲にはサーマルジャケットが付いた。操縦手用にAN/VVS-2暗視ペリスコープを装備可能。1978年から生産され、M60A1からも改造された。1980年度の値段は１両86万ドル。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊PANZER6,’06、5,’81

　＜Ｍ６０−２０００＞：トルコ陸軍への採用を狙った改良型。M60の車体を改良し、エンジンをGDLS社製ALDS1790-9ディーゼル（1200馬力）に、変速機をアリソン社製X1105-5オートマチック（前進４段・後進２段）に、懸架装置をGDLS社製 M1A1液気圧併用外部懸架システムに、ロードホイールとドライブスプロケットをM1戦車と同じものに変更し、サイドスカートを装着している。これにM1A1の砲塔をそっくり搭載しており、M1A2の砲塔にグレードアップも可能。参考：月刊軍事研究12,’98

＜Ｍ６０戦車ファミリー＞

　＜Ｍ６０ＡＶＬＢ＞：戦車橋（Armored Vehicle Launched Bridge）型。M60の車体にアルミ合金製シザーズ式橋体を載せている。展張２分、撤収10分で、長さ20m、有効架設長18m、幅3.81m、自重14.65トン、最大許容重量54.4トンの橋を架けられる。操縦手の位置は後退し、車長の左に並んで座る。全長9.44m、全幅3.66m、戦闘重量51.3トン。エンジンはディーゼル（750馬力）、最大速度48km、航続距離464km。乗員２名。参考：月刊軍事研究6,’12、世界AFV年鑑2002-2003、月刊戦車マガジン10,’93別冊

　＜Ｍ６０ＡＶＬＭ＞：障害処理用爆薬運搬車、Armored Vehicle Launching MICLIC。M60AVLBの橋体の代わりにM58 MICLICアーム２基を搭載したものである。５インチ（127mm）ロケットモーターでMICLICを引き出し、爆薬793.8kgで長さ100m・幅13.7mの通路を啓開する。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ６０地雷原処理車＞：地雷原処理車型。M60の砲塔を外し、車体前部にボフォース社製マイン・ガズラーを装備する。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ７２８ＣＥＶ＞：戦闘工兵車で、1963年に制式化された。M60A1の主砲を165mm臼砲M135（30発）に換え、ドーザー・ブレード、Ａ型ブーム（吊り上げ能力16トン）などを搭載しており、NBC防護能力も持つ。戦闘重量は4.5トン増加した。全長8.83m、全幅3.7m、全高3.3m、戦闘重量52.2トン。エンジンはAVDS-1790-2ディーゼル（750馬力）、最大速度48km、燃料搭載量1420リットル、航続距離450km。副武装は7.62mm同軸機銃（2000発）、12.7mm機銃（600発）。乗員４名。湾岸戦争ではFWMRを装備し、効率的に地雷原を突破した。参考：月刊軍事研究4,’09、12,’98、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER4,’93

　＜無人地雷処理車両＞：地雷原処理用UGV。砲塔を外したM60戦車を改造したものである。参考：月刊軍事研究1,’03

＜Ｍ６０戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｍ６０（イスラエル陸軍）＞：マガフ・シリーズを参照。

　＜Ｍ６０Ａ３（トルコ陸軍）＞：トルコ陸軍戦車。アメリカ陸軍で余剰になった中古を導入した。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

＜Ｍ６０Ａ３改修型（ハリコフ設計局）＞：ウクライナのハリコフ・モロゾフ機械製作設計局が提案したM60A3改修型。主砲を自動装填装置付き120mm滑腔砲（42発）に換え、改良型FCSを搭載し、射程5000mのレーザー誘導ミサイルも発射できる。同軸に7.62mm機銃、砲塔上に12.7mm機銃を備える。爆発反応装甲システムを組み込んだ新型装甲パッケージを搭載した。エンジンはコンパクトで、その分燃料を400リットル追加できる。戦闘重量56.4トン。エンジンは6TD2ディーゼル（1200馬力）、路上最大速度50-60km。最大5mの渡渉が可能。参考：月刊軍事研究1,’01

＜Ｍ６０Ｔ＞：トルコ陸軍戦車。M60A3の近代化改修型で、サブラMk.�Uの改良型である。主砲を120mm滑腔砲MG252に換装、FCSをトルコのアセルサン社製とし、車長用独立赤外線暗視装置を搭載した。車体と砲塔にイスラエル製タイル状装甲（砲塔はサブラMk.�Tの形状に近く、車体前面は重量増を抑えるためか装備位置が限定されている）を装着、スカート（前方は鋼製の分厚いもの、後方はゴム製っぽい）を追加している。車長用キューポラはウルダン型ではなく、原型のM1キューポラのままである。エンジンをMTU社製MT88KA-501（1000馬力）に強化し、トランスミッションをレンク社製304Sに変更、サスペンションを油気圧・トーションバー併用に換装した。履帯はドイツ製ダブルピン・ダブルブロック式。戦闘重量54-55トン。最大速度55km。2001年に提示された改修費用は１両あたり700万ドルで、M-1A2やレオパルト2A5の輸出価格よりは安かったが、90式戦車の新規調達価格に近く、改修費用としては超高額だったため、計画が頓挫しかかった。再交渉の結果、2002年3月に１両405万ドル（当時のレートで５億3800万円）で決着し、2005-09年（2007-10年？）に170両が引き渡された。トルコにはまだ未改修のM60A3が700両以上残っているが、性能や費用に不満があるらしく、これもM60T規格に改修するかは不明。2016年4月、イラク北部のバシクでイスラム国から9K129対戦車ミサイルによるトップアタックを受け、砲塔前面右の増加装甲を破壊されたが、撃破はされなかった。参考：月刊PANZER9,’10、6,’18、月刊軍事研究8,’09、9,’16

＜サブラ＞：サブラを参照。

＜サムサーム＞：イラン陸軍戦車。2013年2月4日に公開された。環境センサーを追加するなどFCSを更新し、砲塔のポール上にレーザー警報装置を積み、砲塔両側にてき弾発射機と、IFFまたは防御システムとみられる装置を搭載した。参考：月刊軍事研究8,’13

＜フェニックス＞：ヨルダン陸軍戦車Phoenix。KADDBによるM60改良型で、IDEX2002で初登場した。RUAGランド・システムズ製50口径120mm滑腔砲とレイセオン社製FCSを搭載している。３バージョンあるらしい。SOFEX04では、更にサスペンションをホストマン・ディフェンス・システムズ社とKADDB社が共同開発した油圧式サスペンション（エル・ハッサンと同じもの）に変更した。SOFEX08ではエンジンを950馬力に強化し、砲塔・車体の前側面にタンデム式爆発性反応装甲を装着、LEDS-100レーザー警戒装置連動６連装発煙弾発射機を搭載している。ヨルダン陸軍保有180両全てを改修する予定。参考：月刊PANZER4,’03、月刊軍事研究4,’03、7,’08、THE MILITARY BALANCE 2016

＜マガフ＞：マガフ・シリーズを参照。

＜Ｍ６０発煙弾＞：アメリカ軍の105mm榴弾砲用黄燐発煙弾。外観はM1榴弾と同じで、本体色灰色＋黄色線１本という塗装により区別する。弾丸長496mm、弾丸重量15.8kg、完成弾薬重量19.9kg。黄燐1.842kgが充填されており、空気に触れると自然発火して60m×30mの区域に１分間、煙幕を張る。信管はM57、M577二動信管、M520時計式複動信管で、M51系・M500も適合するが、訓練には使用されない。105mm榴弾砲M2などから発射できる。参考：月刊PANZER9,’99、月刊戦車マガジン11,’92

＜Ｍ６０発火具＞：アメリカ軍の発火器具。TNTやコンポジットC-4の導火線用ヒューズとして使用される。安全ピンを抜いてリングに指を通し、引っ張ると着火できる。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ６０汎用機関銃シリーズ＞：アメリカ陸軍海兵隊の汎用機関銃（GPMG）。ドイツ国防軍MG42/FG42機関銃を参考に開発され、1957年1月に制式採用された。同年5月に採用されたM14小銃と同じ7.62mmNATO標準弾を使用できる。参考：コンバット・バイブル、月刊PANZER1,’02、兵器最先端５

　＜Ｍ６０＞：FG42の作動システムとMG42のベルト給弾システムを組み合わせた機関銃で、プレス加工部品を多用して生産性を高め、軽量化も図った。銃口にフラッシュ・サプレッサー、その後ろに冷却フィン付き折り畳み式バイポッドが付いている。弾帯をスムーズに連続装填するためのフィールド・トレーが付いているが、ジャミングが頻発した上に対処が面倒で、ベトナム戦争ではＣレーションの空き缶を付けてジャミングを防いだりしたが、信頼性の高いM1918BARで代用したりもした。作動はガス圧式で、ガスシリンダーは銃身の下に付いている。セレクターはセーフとファイアの２つのみ。M112トライポッドに装着すれば重機関銃として使用でき、1km以上先の目標も射撃できる。200発ごとに銃身交換が必要だが、銃身にバイポッドが付いているため、交換用銃身が重く、ハンドルも付いていないのでアスベストグローブがないと火傷をする。しかも銃本体を平らな場所に置くか空中に持ち上げていないと交換がしにくいので、戦闘中には困難である。全長1105mm、銃身長560mm、重量10.5kg／19.3kg（三脚コミ）。7.62mm×51NATO標準弾の100発金属リンクを使用する。ライフリングは４条右回り。初速毎秒855m、有効射程800m（バイポッド）／1100m（トライポッド）／1500m（制圧射撃）、最大射程3750m。発射速度毎分550発（最大）／200発（急速射撃２分間）／100発（10分間連続射撃）。訓練を十分に積めば、単射もできる速度である。短銃身型もあり、ベトナム戦争でSEALSが好んで使用した。参考：コンバット・バイブル、月刊コンバットマガジン3,’11、世界の軍用銃、月刊軍事研究8,’14、日本の防衛戦力Part8

　＜Ｍ６０Ｃ＞：ヘリコプター搭載型。有効射程600m。発射速度毎分1100発。参考：月刊航空ファン7,’00、兵器最先端５

　＜Ｍ６０Ｄ＞：ヘリコプター搭載・車載・艦載型で、引き金を銃尾に装着している。銃身長508mm、重量7kg。ライフリングは４条右回りで、305mmで１回転する。初速毎秒853m、最大射程3200m。M48A5などに搭載された。参考：月刊PANZER10,’04、兵器最先端５

　＜Ｍ６０Ｅ２＞：装甲戦闘車両の車内搭載型。M-1戦車用として候補に挙がったが、平均ジャミング弾数が1669発と信頼性が低く、M240（平均ジャミング弾数6442発）に負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究8,’14、兵器最先端５

　＜Ｍ６０Ｅ３＞：海兵隊が採用した改良型。フォアグリップを設け、ガスシリンダーにバイポッド（三脚も可）を装着、銃身にキャリングハンドルを付けて交換を容易にしている。銃身を軽量化して持ち運びやすくしたが、耐久性が低下して100発ごとに交換しなければならなくなった。全長1067mm、銃身長560mm、重量8.5kg。参考：月刊軍事研究8,’14、コンバット・バイブル、月刊PANZER1,’02

　＜Ｍ６０Ｅ４＞：短銃身・小型化型。信頼性が低く、M240Bに負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究8,’14

＜Ｍ６０作動メカニズム＞：コッキングレバーを引くとボルトが開位置で停止し、撃発状態になる。トリガーを引くと、オペレーティング・ロッドの固定が外れてボルトと共に前進、弾薬を薬室に装填する。装填が完了するとボルトが90度回転して薬室を閉鎖。オペレーティング・ロッドはそのまま前進して撃針を押し出し、弾丸を発射させる。発射ガスの一部はガスシリンダーに流入してオペレーティング・ロッド、ボルト、撃針を元の位置に後退させる。打殻薬莢はエキストラクターにより薬室から引っ張り出され、エジェクターによって排莢孔から排出される。この時ベルトリンクも一緒に排出される。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ６０装弾機構＞：弾薬はボルトによってベルトリンクから押し出され、薬室に装填される。この時１つ左のリンクをベルトフィードポールが引っかけ、ボルトが後退すると同時にリンクを左に引っ張る。これを繰り返すことにより、次々と弾薬が装填される。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ６０装填法＞：セレクターをセーフからファイアにし、コッキングレバーを引く。ショルダーストック右にあるカバーキャッチを押してフィードカバーを開く。弾薬ベルトをフィード・プレートの上に載せ、１発目をフィード・プレート・グループの中に押し込む。これでフィードカバーを閉じれば、トリガーを引くだけですぐに撃てる。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ−６０Ｐ＞：ユーゴスラビア陸軍装甲兵員輸送車。ユーゴスラビア国産で、M590とも呼ばれ、1965年に公表された。装甲鋼板の全溶接製で、前面に傾斜を持たせた箱形車体を、前側面に傾斜の付いた上構でかさ上げしたような外見である。車体前部右に操縦手、その後ろに車長、左に副操縦手、その後ろに機銃手が位置する。車体後部は兵員室で、10名を収容する。兵員室両側面にガンポート兼視察窓３基ずつがあり、後部の両開きドアにも２基が設けられた。足回りはSU-76自走砲を参考にしており、下部転輪はシングルタイプ片側５枚、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側３枚、フェンダーと短いスカートを持つ。サスペンションもSU-76をベースに開発した。武装は機銃手用キューポラ前部の12.7mm機銃M2が１丁と、車体前部右の7.92mm機銃１丁。NBC防護装置は無く、浮航能力も無い。全長5.02m、全幅2.77m、全高2.385m、重量11トン。装甲厚10-25mm。エンジンはシュタイア製FAMOS液冷６気筒ディーゼル（140馬力）、最大速度45km、航続距離400km。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、ウォーマシン・レポートNo.26

＜Ｍ−６０Ｐファミリー＞

　＜Ｍ−６０ＰＢ＞：兵員室上面に82mm無反動砲連装砲塔を搭載したもの。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

＜Ｍ６１ガトリング砲シリーズ＞：アメリカ軍６砲身20mmガトリング砲。別名はバルカン砲で、開発計画名のバルカン（ローマ神話の火と鍛冶の神）が由来である。1946年にアメリカ陸軍との契約でジェネラル・エレクトリック社アーマメント部門が研究に着手したが、給弾システムの開発に難渋して部隊配備は1958年になってからだった。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、GUN用語事典、月刊JWings3,’18

　＜Ｍ６１＞：最初の量産型。1957-59年に480門が製作されたが、電気駆動で立ち上がりが遅く、耐久性不足の部品もあったため、M61A1が開発されれた。参考：月刊PANZER12,’02、自衛隊装備カタログ1981

　＜Ｍ６１Ａ１＞：砲身６本を纏めたガトリング砲で、35馬力のモーターにより駆動し、砲身は目標に対し反時計回りに回転、一定位置で弾丸が発射される。作動開始後0.3-0.4秒で発射速度毎分6000発に達し、この際、装薬に点火してから弾丸が砲口を飛び出すまでに砲身は50度回転する。最初の１秒間の発射弾数は75発。オリフィスの調節により、毎分4000発の低速射撃を行うこともできる。50発／100発／200発のバースト射撃が可能。散逸率は８ミルで、有効射程3000フィート（914m）、連続射撃可能時間３秒。故障発生率は45000発に１回と信頼性が高い。使用弾はM53焼夷徹甲弾、M56A3焼夷榴弾、M55A1訓練弾、M70徹甲焼夷榴弾、PGU-28/B徹甲焼夷榴弾、PGU-27/B訓練弾など。弾丸が大きく初速も速く、湿度が高い時にはヴェイパーを曳くので、曳光弾でなくても弾道が見える。装備各機種によってシステムに差があり、砲身駆動方式（電気制御油圧駆動、全電動）、弾薬供給方式（ベルトリンク、リンクレス）、発射制御方式（電気点火式）などは機種により様々である。トリガーを戻すと0.5秒で回転が停止するが、遊底内に入っている弾薬はそのまま発射（砲身回転減速中に発射されるので弾薬がぶれる）されるか、打殻薬莢と一緒に排出される。全長1.86m、砲身長1.52m、直径0.343m、本体重量265ポンド（120.2kg）。砲身寿命20000発、砲寿命145000発。電気駆動・電気点火の場合に必要な電源は、カム操作が28VDC/28A、点火サーキットが250-300VDC/0.5A。F-105D以降のアメリカ軍機に搭載されている。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊PANZER12,’02、F-15イーグル、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空情報2,’10、11,’09、丸スペシャルNo.75、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、ザ・マーチ23号、世界の傑作機No.104、月刊航空ファン10,’17

＜Ｍ６１Ａ２＞：F-22戦闘機向け長砲身型。砲身長2.01m。発射速度毎分6600発。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究6,’01、月刊世界の艦船12,’20

＜Ｍ６１ガトリング砲・海外シリーズ＞

　＜ＪＭ６１＞：自衛隊20mmガトリング砲。M61を採用したもので、日特金がライセンス生産し、F-104Jに搭載した。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＪＭ６１Ａ１＞：自衛隊20mmガトリング砲。M61A1を採用したもので、住友重機がライセンス生産している。発射速度を落としたタイプはJM-61Mとして艦艇にも搭載された。使用弾は20mm普通弾、20mm曳光弾、20mm曳光信号弾、20mm曳光自爆榴弾、20mm空包。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船1,’95、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究12,’06、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｍ６１掃海艇＞：インド海軍ポンディチェリ級航洋掃海艇ポンディチェリ（Pondicherry）。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ６２えい光弾減装薬＞：自衛隊の火工品。全長72mm、薬莢底部径12mm。旭精機工業製。参考：MAMOR vol.132、月刊軍事研究9,’09

＜Ｍ６２えい光弾減装薬紙箱入＞：自衛隊の7.62mm弾薬。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜Ｍ６２えい光弾減装薬リンク＞：自衛隊の7.62mm弾薬。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜Ｍ６２掃海艇＞：インド海軍ポンディチェリ級航洋掃海艇ポルバンダル（Porbandar）。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ６２徹甲弾＞：アメリカ軍76mm戦車砲M7用APC弾（実質APCBC弾）。弾薬重量12.3kg、弾丸重量７kg。砲口初速毎秒792m、砲口エネルギー2.195MJ。装甲貫徹力は30度傾斜装甲に対し、射距離500ヤード（457.2m）で93mm、1000ヤード（914.4m）で88mm、1500ヤード（1371.6m）で82mm、2000ヤード（1828.8m）で75mm。参考：月刊グランドパワー10,’03

＜Ｍ−６２Ｔ２＞：ソ連軍122mm戦車砲、別名2A17。モロトフ記念第172工場が開発した。D-25Tを55口径に長砲身化してあり、多孔式マズルブレーキを持つ。分離装薬式で、砲尾部に装填補助トレイがあり、ここに弾丸と装薬を載せてバーで押し込む。装甲貫徹力はBR-472徹甲弾なら185mm（射距離1000m、撃角０度）、BP-460A成形炸薬弾なら300mm。参考：月刊PANZER2,’99、月刊グランドパワー10,’00

＜Ｍ６３ストーナー・ウェポン・システム＞：ユージン・ストーナー氏が1960年代初めに開発した小火器システム。機関部を共通とし、各種銃身、トリガー・メカニズム、給弾システム、搭載システムを組み合わせることで突撃銃から航空機用機関銃までカバーする。一部SEALSがベトナム戦争で使用したが、XM22やXM23の部分採用に留まった。参考：GUN用語事典

＜Ｍ６３掃海艇＞：インド海軍ポンディチェリ級航洋掃海艇ベディ（Bedi）。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ−６３多連装ロケット＞：セルビア陸軍128mm多連装ロケット、別名Plamen。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ６３歩兵戦闘車シリーズ＞：スイス陸軍歩兵戦闘車。M113がベースである。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜Ｍ６３／７３＞：操縦手は車体前部左、車長はその後方に位置し、車体中央右にはスウェーデンのヘルグント社が開発した20mm機関砲塔が載っていて、砲手が位置する。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜Ｍ６３／８９＞：M63/73の車体後面ランプ両側に増加燃料タンクを追加し、エンジンを強化したもの。車体側面には波形増加装甲を装着可能。乗員３名（車長、操縦手、砲手）＋乗車歩兵７名。参考：月刊軍事研究3,’97

＜Ｍ６４黄燐発煙弾＞：アメリカ軍M1A1パックハウザー・M6戦車砲用75mm発煙弾。全長404mm（676mm？）、重量7.4kg（9.15kg？）、黄燐重量0.61kg。有効発煙区域35×20m。信管はM57二動信管、M577二動信管、M520時計式複動信管、M51系二動信管、M55系火道式複動信管、M500系時計式複動信管が適合する。参考：月刊PANZER2,’00、7,’09

＜Ｍ６４掃海艇＞：インド海軍ポンディチェリ級航洋掃海艇バヴナガル（Bhavnagar）。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ６４Ａ１汎用爆弾＞：アメリカ軍500ポンド爆弾。全長1.59m、重量535ポンド（242.7kg）。朝鮮戦争時に多用された。参考：世界の傑作機No.52

＜Ｍ６５＞：TSU（照準装置）または原子砲を参照。

＜Ｍ６５ガスマスク＞：中国軍のガスマスク。左側面にフィルターが内蔵されており、呼気バルブにボイスミッターが付いている。参考：歴史群像12,’10

＜Ｍ６５掃海艇＞：インド海軍ポンディチェリ級航洋掃海艇アレッペイ（Alleppey）。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ−６５パーカー＞：アメリカ軍防寒用上衣。1965年に制式化され、1990年代後半まで調達された。参考：月刊丸5,’13

＜Ｍ−６５フィールドジャケット＞：アメリカ軍冬季戦闘用フィールドジャケット。朝鮮戦争の戦訓を生かして開発し、1965年に全軍で採用され、21世紀に至っても使用されている。厚手のコットンシェルにナイロン・キルティングのインナーを組み合わせており、外装式フードも装備可能。完全防水ではないが、防水のパーカーを組み合わせれば解決できる。参考：月刊JWings1,’01

＜Ｍ６６成型炸薬弾＞：アメリカ軍M1A1パックハウザー用成型炸薬弾。全長404mm、重量7.4kg、炸薬重量0.45kg（ペントライト）。装甲貫徹力86mm。信管はM62弾底信管で、ピエゾ信管ではないため、着弾してから信管が作動するまでにラグがあり、弾頭が一部変形してしまうため装甲貫徹力が落ちる。参考：月刊PANZER2,’00

＜Ｍ６６掃海艇＞：インド海軍ポンディチェリ級航洋掃海艇ラトナギリ（Ratnagiri）。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ６７＞：M48戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ６７手榴弾＞：アメリカ軍対人手榴弾、通称アップルまたはベースボール・タイプ（形状から）。1960年代後半に採用された。遅延秒時4-5秒の延期信管が付いている。重量390g、炸薬重量184g（TNT火薬）。セーフティ・レバーにセーフティ・クリップを装着しており、セーフティ・ピンが引っかかったりして抜け落ちても安全。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ６７成型炸薬弾＞：アメリカ軍105mm榴弾砲用成型炸薬弾。弾丸長509mm、弾丸重量13.1kg、完成弾薬重量16.8kg、炸薬重量1.38kg（コンポジットＢ）。装甲貫徹力100mm。信管はM62及びM91着発信管。105mm榴弾砲M2などに使用できる。参考：月刊PANZER9,’99、月刊戦車マガジン11,’92

＜Ｍ６７無反動砲＞：アメリカ軍90mmライフル無反動砲。M20A1バズーカの後継として採用された。全長1.321m、重量16kg。有効射程400m（2080m？）。二脚または単脚架を装着して発射するが、肩撃ちも可能である。1945年7月に完成し、5000門が生産される予定だったが、太平洋戦争終結で50門に減らされた。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究3,’02、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜Ｍ６７Ａ１火炎放射戦車＞：M48戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ６７Ａ２火炎放射戦車＞：M48戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ６８＞：L7海外シリーズ（戦車砲）を参照。

＜Ｍ．６８＞：マイルズ・エアクラフト社の試作軽輸送機、別名ボックスカー。M.57双発軽輸送機の貨物室をモジュラー式にしたもので、機首や主翼と尾翼をブーム１本で繋ぎ、下面に各種用途の貨物室を取り付けられるようにした。貨物室は車輪付きで、トラクターによる牽引が可能。1947年に初飛行したが、直後に会社が倒産して量産には至らなかった。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｍ６８手榴弾＞：アメリカ軍の手榴弾。M67手榴弾に着発式電気衝撃信管を付けたものである。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ６８ダットサイト・シリーズ＞：アメリカ軍のダットサイト。民間のエイムポイントを制式採用したものである。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11

　＜Ｍ６８＞：Comp M2を制式化したもの。本体はアルミニウムの削り出しで、防水加工（水深25mまで）してあり、衝撃や各種環境下での使用が可能である。全長139mm、重量220g。ダット４M.O.A。バッテリーは専用のCR-1/3Nで、寿命は５万時間。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11

　＜Ｍ６８ＣＣＯ＞：CCOはClose Combat Opticsの略。CompM4Sを制式化したもので、バッテリーとして単３電池を使用する。電池ケースは装備に引っかからないよう本体側面下方に付けた。マウントも一体化しており、そのまま銃に装着できる。全長120mm、重量335g。ダット２M.O.Aまたは４M.O.A。防水は水深45m。バッテリー寿命８万時間。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11

＜Ｍ６８迫撃砲弾＞：アメリカ軍M29A1迫撃砲用訓練弾。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ６８榴弾砲＞：イスラエル軍／フィンランド軍155mm牽引式榴弾砲。フィンランドのタムペラ社とイスラエルのソルタム社が開発した。フィンランド軍向けに開発した122mm野砲M60の砲架を流用し、33口径155mm榴弾砲を搭載している。旋回角左右90度ずつ、俯仰角マイナス３度からプラス52度。牽引時は180度回転させて後ろ向きにする。全長7.2m（牽引時）、全幅2.58m（牽引時）、全高2m（牽引時）、重量9.5トン（牽引時）／8.7トン（射撃時）。使用弾は榴弾（43.7kg）など。最大射程21000m。発射速度毎分２発（持続）／４発（最大）。操作要員は８名。155mm自走砲L33の主砲でもあり、第４次中東戦争で実戦使用された。参考：月刊PANZER2,’04、世界の軍用車両(2)

＜Ｍ６８Ａ１＞：アメリカ軍の訓練用導爆索。M58地雷処理用ライン・チャージの訓練型で、爆薬ペレットの換わりに合成ゴムのペレットを搭載する。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜Ｍ６９手榴弾＞：アメリカ軍の訓練用手榴弾。M67の訓練版で、炸薬は入っておらず、青に塗装されている。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ６９焼夷弾＞：アメリカ軍の６ポンド焼夷弾。長さ500mm、直径80mmの六角柱をしており、内部にナパーム剤を収容する。M19/E28/E36集束焼夷弾の中身である。参考：世界の傑作機No.52、戦時用語の基礎知識

＜Ｍ６９戦闘服＞：陸上自衛隊の試作戦闘服で、正確にはカモフラージュM69という。1970年に製作された。グレイ地にグリーンとブラウンを配しているが、ブラウンの色が強すぎて採用されなかった。参考：月刊PANZER6,’98

＜Ｍ７０＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）またはP-1000（巡航ミサイル）を参照。

＜Ｍ７０戦闘服＞：陸上自衛隊の試作戦闘服で、正確にはカモフラージュM70という。ベトナム戦争でのフランス軍迷彩を参考にしたグリーン濃淡パターンで、トカゲ模様などといわれた。採用はされなかった。参考：月刊PANZER6,’98

＜Ｍ７０狙撃銃＞：アメリカ海兵隊が第２次大戦時に使用した狙撃銃。当時世界最高級の狙撃銃だった。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ７０／９３＞：フランス軍194mm列車砲、別名194mmTAZmle1870/93。４輪台車２両の間に砲を搭載しており、1870年代に開発された年代物だが、第２次大戦時にも多数が残っていた。砲口径194.4mm、砲身長5886mm、口径長30.4、砲身重量10.5トン、放列重量65トン。俯仰角プラス40度からマイナス10度、方向射界360度。弾量83kg、初速毎秒638m、最大射程18300m、発射速度毎分4-5発。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜Ｍ７０／９３海外シリーズ＞

　＜１９．４ｃｍＫ（Ｅ）４８６（ｆ）＞：ドイツ国防軍194mm列車砲、別名19.4cmK(E)93(f)。第２次大戦で鹵獲したもので、沿岸砲として大西洋要塞に送られたものもあった。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜Ｍ７０ＡＢ小銃＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜Ｍ７１機雷掃討艇＞：スウェーデン海軍ランドソルト級機雷掃討艇Landsort。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜Ｍ７１戦車砲弾＞：アメリカ軍90mm戦車砲M3用榴弾。全重量17.8kg、弾体重量10.5kg。砲口初速毎秒810m、最大射程17900m。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜Ｍ７１榴弾砲＞：ソルタム社の牽引式155mm榴弾砲。M68の長砲身・射程延伸型で、1975年に実用段階に達した。砲架はM68と共通で、俯仰角、射界、発射速度などはM68と同じ。NATO規格の砲弾も発射できる。補助動力装置無しでの持続射撃が可能。口径長39。射程24000m（通常弾）／30000m（RAP）。優秀な基本設計のためジャミングも殆ど起きず、世界各国で採用された。参考：月刊PANZER2,’04

＜Ｍ７１／８４＞：ドイツ軍の小銃。マウザーM1871の改良型で、1884年に採用された。８発入り前床弾倉を持つ。参考：月刊軍事研究11,’02

＜Ｍ７２＞：インド海軍ポンディチェリ級航洋掃海艇コンカン（Konkan）。1988年就役。2013年12月11日1630頃、ヴィシャカパトナムの造船所でオーバーホール中に電気系統のショートから火災を起こした。死傷者は出ていない。参考：月刊世界の艦船3,’14、6,’16

＜Ｍ７２シリーズ＞：アメリカ陸軍個人携行使い捨て式66mm対戦車ロケット、略称LAW（軽対戦車兵器）。アメリカが設計して1965年（1961年？）に制式化され、ノルウェーのNammo Raufoss AS社が製造した。ベトナム戦争で使用されたが、威力が低く、PT-76でも履帯を傷つけるのが精一杯で、主に装甲車相手に活躍した。軽いので数本持ち運ぶことができ、ゲリラやテロリストの拠点潰しに便利なので、21世紀に入っても対テロ戦争に使われている。参考：コンバット・バイブル、月刊軍事研究11,’14、10,’08

　＜Ｍ７２Ａ２＞：ランチャーは軽合金及びグラスファイバー製の筒で、内部にロケット弾１発を封入して両端を密閉してあり、上部にトリガーやサイトが付いている。使い捨てだが、軽量なので１名が数本持ち運べる。普段は内筒を外筒に引き込む形でコンパクトになっており、使用時は開放ピンを引き抜くと両端の密閉部分が外れて照星が起きあがり、その後内筒を引っ張り出すと同時に照門が立ち上がる。後は肩に担いで照準を付け、ランチャー上部の安全装置を解除してゴムカバー付きトリガースイッチを押し込めば発射薬によりロケット弾が射出され、ある程度飛翔した所でロケットモーターに点火して目標に向かう。ロケット弾はHEAT弾頭を持ち、弾頭底部に信管、その後ろにロケットモーターがあり、最後部に折り畳み式フィンが付く。発射後12m飛翔すると信管の安全装置が外れる。ランチャー全長893mm（使用時）／655mm（運搬時）。ロケット弾直径66mm、ロケット弾重量1kg（2.1kg？2.5kg？）。初速毎秒145m、射程150m（動目標）／300m（停止目標）。装甲貫徹力305mm。発射時のバックブラストは後方40m、底辺25mに達し、特に伏射時は体を45度以上傾けておかないと足が焼ける。参考：コンバット・バイブル、手榴弾・迫撃砲、世界の軍用銃、月刊軍事研究11,’14

　＜Ｍ７２Ａ４＞：装甲貫徹力350mm。全長775mm。参考：月刊軍事研究1,’05

　＜Ｍ７２Ａ５＞：装甲貫徹力300mm。参考：月刊軍事研究1,’05

　＜Ｍ７２Ａ６＞：弾片効果拡大型で、装甲貫徹力は150mmだが、貫徹後に広範囲にわたって破片をばらまく。参考：月刊軍事研究1,’05

　＜Ｍ７２Ａ７＞：M72A6の弾片効果を約２倍に高めたもの。全長が755mmに短縮された。参考：月刊軍事研究1,’05

＜Ｍ７４子爆弾＞：アメリカ軍ATACMSブロック�T用子爆弾。直径59mmで、コンポジッションＢ爆薬を内蔵し、タングステンの破砕壁と鋼鉄のオーバーレイで覆っている。炸裂すると880-1200個の破片を生じ、半径15m以内の人員、非装甲目標、ヘリコプターに対し十分な破壊力を持つ。参考：月刊軍事研究11,’02、月刊PANZER4,’93

＜Ｍ７４榴弾砲＞：フィンランドのタンペッラ社が開発した155mm榴弾砲。M68榴弾砲の長砲身型である。口径長39。参考：月刊軍事研究4,’97

＜Ｍ７５地雷＞：アメリカ軍の対戦車地雷。磁気感応式信管を備える。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ７５掃海艇＞：スウェーデン海軍ランドソルト級／コステル級掃海艇ヴィンガ（Vinga）。1987年11月就役。2013年9月10-13日、イギリスでDSEi2013に参加。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船9,’14

＜Ｍ７５装甲兵員輸送車シリーズ＞：アメリカ陸軍の装甲兵員輸送車。M44の運搬人数が多すぎたため、１個分隊に抑えたものである。1945年9月24日からT18として開発され、1947年にモックアップが完成し、1950年1月に先行量産車を発注、1951年1月に制式化された。総生産数1740両。一部が朝鮮戦争に投入された。ベルギーに輸出されている。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER5,’13

　＜Ｔ１８＞：モックアップ。車体前部に正副操縦手を配置し、すぐ後ろに機関室、車体後部に兵員室を備える。機関室と兵員室の間に車長席があり、その両脇には射撃手席が用意された。車体上部に遠隔操作式12.7mm機銃を搭載する。総乗員数14名。参考：月刊PANZER5,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１８Ｅ１＞：試作車その１。副操縦手を廃止した。完成時は武装が無かったが、後に遠隔操作式7.62mm機銃搭載T10キューポラや遠隔操作式12.7mm機銃搭載M13キューポラを装備してテストされている。参考：月刊PANZER5,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１８Ｅ２＞：試作車その２。遠隔操作式機銃を廃止し、車長用キューポラの背を高くした。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１８Ｅ３＞：試作車その３。車長用キューポラに7.62mmまたは12.7mm機銃を装備できるようにしたもの。総乗員数は12名に減った。車体後面に大型ドア、車体上面左右に折り畳み式ドア、車体右側面にドアを設けている。エンジンはコンチネンタル製AO-859-2ガソリン（375馬力）、トランスミッションはCD500。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１８Ｅ４＞：試作車その４。T18E3とほぼ同じ。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ７５＞：量産型で、T18E1の12.7mm機銃搭載版をベースとしている。車体は箱形で、前部左に操縦手席、中央に車長席、後部に兵員室がある。車体前部中央下部にエンジン、兵員室下部に燃料タンクを配置したため、全高と車体底面高がかさ上げされてしまい、乗降には不便だった。兵員室右に乗降ランプ、後面に両開きハッチ（間に支柱がある）、上面両側に中央へと開くハッチ（試作車より小型化した）を持つ。足回りはT43貨物輸送車の流用で、サスペンションをトーションバーに変更している。エンジンとトランスミッションは車体前面中央のハッチを開ければ機関室の床をスライドさせて外に引き出すことができ、整備が楽。全長5.19m、全幅2.84m、全高2.76m、戦闘重量16.6トン。装甲厚は全周16mm、底面25mm、上面13mm。エンジンはコンチネンタル製AO-859-2水冷６気筒水平対向ガソリン（375馬力。AO-895-4、295馬力？）、トランスミッションはCD500、最大速度70km、航続距離180km。乗員２名＋乗車歩兵10名。武装は車長用キューポラの12.7mm機銃１丁（1800発）。当初は燃料タンクが289リットル入りゴムタンク２基だったが、後期生産車では568リットル入り金属タンク１基に変更された。参考：月刊PANZER5,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ７５ロケット弾＞：ハマスが製造した200mmロケット弾。射程80km。2012年11月にエルサレムに向けて２発が発射され、2013年7月にはガザ地区で生産されていたと判明している。参考：月刊軍事研究12,’14

＜Ｍ７６＞：SVD海外シリーズ（狙撃銃）を参照。

＜Ｍ７６煙幕弾＞：アメリカ陸軍の対赤外線煙幕弾。30-60秒程度の遮蔽効果を有する。M2歩兵戦闘車／M3装甲偵察車用M257煙幕弾発射機などから発射できる。参考：月刊軍事研究6,’03

＜Ｍ７６焼夷弾＞：アメリカ軍500ポンド（226.8kg）焼夷弾。ナパーム剤とマグネシウムを詰めており、太平洋戦争で日本空襲に使用された。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｍ７６水陸両用輸送車シリーズ＞：アメリカ軍の水陸両用小型装軌輸送車、別名オッター。M29の後継として1945年4月にアメリカ陸軍から開発指示が出され、8月にT37が承認されたが完成せず、1947年10月に仕様を変更したT46の開発が始まり、ジェネラル・モータース社で試作車２両が完成、T46E1を経て1953年3月に制式化された。参考：月刊PANZER5,’11、7,’05

　＜Ｔ４６＞：試作型。車体はボート型で、前部に機関室、中央にキャビン、後部に貨物室があり、全て密閉式である。下部転輪は騒音低減を考慮して空気入りタイヤとなっており、片側４枚。起動輪は前方にある。誘導輪は後方にあり、接地式で、下部転輪と同じものを使用する。履帯はバンド式で、幅が724mmもあり、砂浜でも埋まらないようになっている。エンジンはコンチネンタル社製AO-268-2、トランスミッションはCD-150-1で、水上航行にはプロペラ２基を使う。後に誘導輪を小型の非接地式に変更し、車体左側面に梯子と予備転輪を付けた。参考：月刊PANZER5,’11

＜Ｔ４６Ｅ１＞：改良試作型で、1949年に製作された。エンジンをAO-268-3に、トランスミッションを新型に換装し、排気管を車体左側面からキャビン上面に移した。下部転輪を大型にし、履帯幅を762mmに広げ、プロペラを１基に減らしている。1949年11月からテストされ、1951年2月から海兵隊での走行試験を実施、1953年までテストを繰り返した。参考：月刊PANZER5,’11

＜Ｍ７６＞：車体は非装甲のフレーム構造で、鋼製フレームと補強用Ｚ型断面ビームにアルミニウム合金製外板をリベット止めしてある。車体前部がボンネット式の機関室、中央がキャビン、後部が貨物室という構成で、全天候性を得るため密閉式にした。キャビン前面には大型ガラス２枚が張られており、ワイパーも付いていて、視界は良好。操縦はオートバイと同じバーハンドル式である。キャビン上部にはアルミ合金製ルーフハッチ２枚が付く。貨物室のサイズは長さ2.31m、幅1.73m、高さ1.47mと小さいが、被空輸性を確保するためにはこれが限界だった。貨物室へのアクセスは後面の左右開きドア（0.76m四方）と上面の左右開きハッチ（1.27m四方）。貨物室側面に円形窓があり、初期型はこの前方に130リットル入り燃料タンク（投棄式）を装着していたが、後期型では後方に移した。貨物室最後部床下に2.3トンウインチを持つ。下部転輪は空気入りタイヤ片側４枚、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は無い。サスペンションはトーションバー式。全長4.96m、全幅2.49m、全高2.62m、戦闘重量5.463トン。エンジンはコンチネンタル社製AOI-268-3A空冷水平対向４気筒ガソリン（総排気量4400cc、出力110馬力）、トランスミッションはCD-150クロスドライブ式トルクコンバーター付オートマチック、最大速度45km、航続距離320km。水上航行にはプロペラ（後期型ではガード枠が付いた）を使用し、最大速力7km、航続時間5.8時間。最大積載量1.36トン。AN/GRC-3/-9/-19無線機を搭載。自衛用として副操縦手側のルーフハッチに12.7mm機銃（630発）装着リングマウントを取り付けられる。乗員２名（操縦手、副操縦手）＋乗車歩兵８名。1954年6月までに400両が生産されたが、既に揚陸戦の機会は無く、積雪地域や南極での輸送に使用された。ベトナム戦争にも投入されたが、小型軽量すぎたため、戦地での実績は限定的である。参考：月刊PANZER5,’11

＜Ｍ７６＞：スウェーデン海軍掃海艇ヴェン（Ven）。2021年9月13-23日、ノーザン・コースト2021演習に参加。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜Ｍ７７子爆弾＞：アメリカ軍M26ロケット弾用子爆弾。M42子爆弾をベースに開発された。円錐形の窪みを持つ高さ81mm・直径38mmの円筒形で、重量230g。後部にはM77信管（M223触発信管？）の帯状ドラグ・リボンがぶら下がっていて、これにより空中姿勢が安定し、弾頭部を下に向けて落下していく。弾頭は成型炸薬弾で、装甲貫徹力は40mm（76-102mm？）と小さいが、装甲の薄い上面を撃ち抜くので問題無い。炸裂するとケースが周囲に飛び散り、半径4m以内に対人殺傷効果をもたらす。湾岸戦争で使用した結果では、装甲車両に対する効果がイマイチだったようである。また、4-5%の割合で不発弾が発生するのが欠点。参考：月刊PANZER4,’93、月刊軍事研究8,’08、10,’10、月刊丸4,’99

＜Ｍ７７信管＞：アメリカ軍M77子弾用機械式着発信管。リボンがついており、これが落下中に回転して安全装置が外れる。ただし不確実で、湾岸戦争では後から通過した友軍に損害を与えることも多く、自爆装置の導入を検討中。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊PANZER4,’93

＜Ｍ７７掃海艇＞：スウェーデン海軍ランドソルト級掃海艇ウルヴォン（Ulvön）。2013年9月10-13日、イギリスでDSEi2013に参加。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船12,’19

＜Ｍ７７狙撃銃＞：ユーゴスラビアの狙撃銃。M70突撃銃ベースで、7.92mm×57弾を使用できるようにレシーバーを大型化し、二脚と光学スコープを標準装備する。全長985mm、銃身長501mm、重量3.84kg。ライフリングは４条右回り。装弾数10発。7.62mm×51弾仕様の輸出バージョンもある。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ７７野砲＞：フランス軍155mm野砲。19世紀の開発で、駐退機も付いていない。射程13.6km。ポーランド軍が白作戦時に使用していた。ドイツ国防軍も鹵獲したが、古すぎて使わなかったようである。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜Ｍ７７ロケットランチャー＞：ユーゴスラビア軍多連装ロケットランチャー、別名オガニ（Organj、炎）。1970年代初めに開発された。チェコスロバキア製RM-70に似ていて、当初６×４輪トラックFAP2220BDSに発射機を搭載していたが、不整地行動能力に問題があり、６×６輪トラックFAP2020BSや６×６輪トラックFAP2026BDS/AVに変更うぃた。特に装甲化はされていない。後部荷台に左右185度ずつ旋回可能、48度まで仰角可能な架台を備え、ランチャーを８列４段に重ねている。ロケット弾は直径128mm、最大射程20600mで、弾頭には小鉄球が詰まっており殺傷能力が高い。後に最大射程42000mの射程延伸型も開発された。発射は単発または連発、斉射にかかる時間は25.6秒。ランチャー前方には予備弾32発が積まれ、次弾装填にかかる時間は２分。122mmロケット弾（最大射程42000m）32連装または40連装ランチャーを積んだものもある。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊丸4,’99、月刊軍事研究9,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ７７Ｍｋ�U＞：スターム・ルガー社のボルトアクション式狙撃銃。二脚と光学スコープを標準装備する。全長1184mm、銃身長660mm、重量4.42kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾、装弾数４発。5.56mm×45弾、.22-250弾、.220スウィフト、.243口径弾などを使用するバージョンもある。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ７８コンクリート信管＞：アメリカ軍の信管。トーチカなど、コンクリート製構築物の破壊に用いるため、頭部が硬いクローム・モリブデン鋼でできており、弾着衝撃で壊れないようになっている。修正射・着弾観測用の無延期と、効力射用の0.04秒延期がある。陸上自衛隊も155mm榴弾M107用に使用している。参考：スピアヘッドNo.13、月刊PANZER2,’00

＜Ｍ７９てき弾発射機＞：アメリカ軍グレネードランチャー、通称ブルーパー、ブルーパーガン、チャーリー・キラー。1960年に制式化され、ベトナム戦争で分隊支援火器として使用された。単発中折れ式で、構造を極力単純にしており信頼性が高い。砲身軽量化と反動軽減のため高低圧砲方式を採用しており、薬莢部分が孔の空いた隔壁で２つに分かれていて、底部に発射薬が充填されている。発射薬が燃焼すると、発生した高圧ガスが隔壁の孔を通して前方に流れ、てき弾を押し出す。銃床は曲銃床、照準器は照星照門式で、砲身上に背の高い起立式照門を持つ。全長720mm、口径40mm、重量2.8kg。使用弾は40mm×46弾で、弾種は榴弾、対人榴弾、散弾、発煙弾、焼夷弾、照明弾。初速毎秒76m、有効射程150m。最小射程15-20mなので、至近距離をカバーする援護兵が必要である。また、オートマチック・エジェクターが無いので、過熱した打殻薬莢を手で外さないといけない。これらの欠点を改善すべくXM148を試作し、M203を開発した。参考：コンバット・バイブル、手榴弾・迫撃砲、世界の軍用銃、月刊軍事研究11,’14

＜Ｍ７９徹甲弾＞：アメリカ軍76mm戦車砲M7用AP弾。弾丸重量6.8kg、砲口初速毎秒792m、砲口エネルギー2.133MJ。装甲貫徹力は30度傾斜装甲板に対し109mm（射距離500ヤード・457.2m）／92mm（1000ヤード・914.4m）／76mm（1500ヤード・1371.6m）／64mm（2000ヤード・1828.8m）。参考：月刊グランドパワー10,’03

＜Ｍ８０＞：AK74海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜Ｍ８０装薬＞：アメリカ軍203mm核砲弾M422用装薬。ゾーン１から３まで調節できる。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ８０普通弾＞：アメリカ軍の7.62mm×51弾。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜Ｍ８０普通弾減装薬＞：自衛隊の7.62mm銃弾。全長72mm、薬莢底部径12mm。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究12,’07、MAMOR vol.132

＜Ｍ８０普通弾減装薬紙箱入＞：自衛隊の7.62mm弾薬。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜Ｍ８０普通弾減装薬リンク＞：自衛隊の火工品。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究3,’10

＜Ｍ−８０歩兵戦闘車＞：ユーゴスラビア陸軍歩兵戦闘車。M-60P装甲兵員輸送車の後継として1970年代から開発され、1980年から量産された。車体前部左に操縦室、右に機関室、中央に戦闘室、後部に兵員室という配置で、戦闘室には円錐台形小型機関砲塔が搭載されている。下部転輪は片側５枚、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、短いスカートを持つ。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

＜Ｍ８１ガンランチャー＞：アメリカ陸軍M551空挺戦車用152mmガンランチャー。通常弾（M409HEAT、M409A1HEAT、M625キャニスター弾、M625A1キャニスター弾）とMGM-51シレイラを発射できる。砲身中央には排煙器があり、砲口部にはプロテクターが装備されている。尾栓の作動は電気式である。重量498kg。燃焼薬莢を使用したため、燃焼かすが砲身内に残って次弾の装填ができなくなる（そのまま装填すると装薬が自然発火する）問題が生じ、M551の生産700号車からCBSSを装備して解決した。参考：月刊PANZER2,’01、月刊軍事研究2,’12

＜Ｍ−８２＞：9K111海外シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜Ｍ８２戦車砲弾＞：アメリカ軍90mm戦車砲M3用被冒付き徹甲弾。初期型は重量19.2kg、弾体重量10.8kg。砲口初速毎秒795m、最大射程18.6km。後期型は重量19.7kg、弾体重量10.8kg。砲口初速毎秒840m、最大射程19.5km。装甲貫徹力は30度傾斜装甲板に対し129mm（射距離500ヤード・457.2m）／122mm（1000ヤード・914.4m）／114mm（1500ヤード・1371.6m）／106mm（2000ヤード・1828.8m）。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜Ｍ８２突撃銃＞：フィンランドのワルメット社が開発したブルパップ式突撃銃。機関部はRKm62/76ベースで、全体をプラスチックのカバーで覆っている。輸出用に開発されたが、売れなかった。全長710mm、銃身長420mm、重量3.3kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ−８２Ａ１狙撃銃シリーズ＞：アメリカのバーレット・ファイアアームズ・マニュファクチュアリング社が開発した12.7mm対物狙撃銃。参考：月刊軍事研究4,’99

＜Ｍ−８２Ａ１＞：作動はショートリコイルで、セミオート射撃が可能である。大型なので輸送時には分解してキャリングケースに収めるが、組み立てには15秒しかかからない。全長1.4478m、銃身長0.737m、重量12.9kg。ライフリングは８条右回り。使用弾は12.7mm×99弾、装弾数10発。主に地雷処理に使用されるが、1km以内の軽装甲車、2km先の兵士も撃ち抜ける。HMMWVのルーフマウントに装着して使用したりもするようだ。装甲車やヘリコプターに対する銃撃の他、強化ガラス窓越しに犯人を狙撃可能とされ、対テロ任務も考えられている。アメリカ海兵隊、イギリス軍特殊部隊、フランス軍特殊部隊で制式採用された。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究4,’99、2,’02、6,’14

＜Ｍ−８２Ａ１ＣＱ＞：警察向けショートバレルタイプ。壁越しに犯人を撃ち抜き、自動車のエンジンを破壊するのに使用する。狙撃には使用しないので、上部のレールには主にダットサイトを付ける。他にキャリングハンドルの取り付けも可能。全長48インチ（1219mm）、銃身長20インチ（508mm）、重量29.7ポンド（13.47kg）。作動はセミオート、装弾数10発。参考：ストライクアンドタクティカルマガジン7,’11

＜Ｍ−８２Ａ２＞：M-82A1のブルパップ型。参考：月刊軍事研究4,’99

＜Ｍ−９０Ａ１＞：M-82A1の軽量化型。参考：月刊軍事研究4,’99

＜Ｍ８２Ｊ＞：自衛隊の撃発火管。中国化薬製。参考：月刊軍事研究5,’08

＜Ｍ−８３＞：BGM-71海外シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜Ｍ８３爆雷＞：スウェーデン海軍エルマ爆雷投射機用爆雷。全長267mm、直径100mm、発射重量4.2kg。弾頭はカールグスタフ無反動砲用対戦車弾ベースの成型炸薬弾、信管は着発式。投射距離250-300m。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜Ｍ８３榴弾砲＞：フィンランド陸軍155mm榴弾砲。M74榴弾砲の後継で、バンマス・オードナンス社（旧タンペッラ・デフェンス・ディビジョン社）が1980年代に開発し、1983年から生産した。装填補助システムを搭載して発射速度を毎分10発（持続）／12秒間３発（バースト）にアップしている。後に砲身長を39口径から45口径に延ばし、最大射程をベースブリードで40kmとした。52口径砲身とAPUを追加した改良型も開発している。参考：月刊軍事研究4,’97

＜Ｍ−８４戦車シリーズ＞：ユーゴスラビア陸軍戦車。T-72の改良型で、ライセンス生産した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー7,’03、月刊PANZER10,’02

＜Ｍ−８４＞：ベースはT-72MまたはT-72M1で、西側技術を取り入れてFCSを一新し、砲塔上面前部中央に環境センサー用ポールを追加、独自の砲手用昼夜間兼用レーザー測距器内蔵二軸安定化照準器DNNS-2（昼間は倍率３倍ないし７倍、夜間は倍率8.5倍）とデジタル弾道計算機を装備し、砲塔左の視察装置収納ボックスの形状を変更、赤外線サーチライトは外した。車長用サイトはDNKS-2昼夜間兼用双眼式（昼間4.9倍、夜間4.3倍）。砲塔前面左右に発煙弾発射機が付いており、T-72Mベースでは左右６基ずつ、T-72M1ベースでは左７基・右５基である。T-72M1ベースのものは車体前面や砲塔前面に増加装甲を持つ。全長9.53m、車体長6.86m、全幅3.57m、全高2.19m、全備重量42トン。エンジンはV46-6（780馬力）、最大速度65km。1984-92年に輸出向け含め600両を生産した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー7,’03、月刊PANZER9,’10、3,’05

　＜Ｍ−８４Ａ＞：M-84のエンジンをV-46TKターボディーゼル（12気筒Ｖ型、1000馬力）に強化したもの。FCSはオメガ84と呼ばれるもので、砲手用DNNS-2昼夜兼用視察・照準システムとSUB-M-84弾道コンピュータ統制システムを搭載、車長用昼夜間視察装置としてTNP-160ペリスコープとDNKS-2パッシブスコープを装着する。初弾命中率は射距離1500mの停止目標に対して自車の移動速度が30km未満なら95%以上、目標が路外を20km未満で移動中なら70%台。有効交戦距離2120m（車高2.2m戦車・昼間）／2500m（車高2.5m歩兵戦闘車・昼間）／1200m（夜間）。クウェート陸軍に湾岸戦争前に15両・湾岸戦争中に数十両が引き渡され、シリア陸軍とリビア陸軍にも数両が輸出されたらしい。参考：月刊PANZER10,’02、月刊グランドパワー7,’03、月刊軍事研究7,’97

＜Ｍ−８４Ａ（クロアチア陸軍）＞：クロアチア陸軍戦車。2018年、保有75両のうち48両を残し、うち１個中隊14両に熱線暗視装置とスロベニア製TFCS3射撃指揮装置と増加装甲を搭載する改修案が発表された。参考：月刊軍事研究7,’18

　＜Ｍ−８４Ａ４＞：スロベニアが生産したM-84AB、別名スナイパー。36両を装備した。参考：月刊グランドパワー7,’03

　＜Ｍ−８４ＡＢ＞：輸出型。M-84AのFCS改良版で、DBR-84弾道コンピュータを導入し、行進間射撃に対応した。地形の高低差を読み取るセンサーを搭載しており、正確な射撃を行える。クウェートに200両が輸出された。参考：月刊PANZER10,’02、月刊グランドパワー7,’03

　＜Ｍ−８４ＡＢ１＞：セルビアが開発したM-84AB改良型。FCS、車長用照準器、砲手用照準器を改良し、操縦手用前方監視昼夜間テレビ、同後方監視カメラ、二軸安定化装置、レーダー警戒装置、レーザー検知器、シトーラ、スカート前部モジュラー装甲板、電磁式地雷／IEDジャマーを追加した。車長用にTOMS監視装置（昼間用カメラ、熱線撮像装置、レーザー測距器からなる）を装備できる。参考：月刊軍事研究9,’11

　＜Ｍ−８４ＡＢ４＞：クロアチアが開発したM-84改良型。方位測定用のGPK-59ジャイロコンパスとVRQ316HE/HQ送受信システム、BCC車内コミュニケーションシステム、FCS-84またはFCSオメガ84を搭載する。FCS-84はM-84Aとほぼ同仕様で、FCSオメガ84は更にSCS-84安定化砲手用照準装置やコンピュータ・サポートシステムなどを導入している。レーザー測距器が組み込まれており、測定距離は9900m。参考：月刊PANZER10,’02、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ−８４ＡＳ＞：主砲を2A46Mに換装し、9M120スヴィリ対戦車ミサイルを発射可能としたもの。参考：月刊PANZER9,’10

　＜Ｍ−９５＞：クロアチアのRH-ALAN社が開発したM-84改良型。、別名デグマン。砲塔を溶接構造とし、独自の爆発性反応装甲を装備、発煙弾発射機と連動するレーザー検知器を搭載した。フルオートマチック・トランスミッションを組み込んだパワーパックを採用しており、操縦性能も高い。2001年から量産されており、クロアチアで400両が導入される予定。参考：月刊PANZER10,’02、月刊グランドパワー7,’03

＜Ｍ−８４戦車ファミリー＞

　＜Ｍ−８４ＡＢＩ＞：戦車回収車型。M-84ベースである。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ８４迫撃砲＞：スペイン陸軍120mm迫撃砲。最大射程6725m。持続発射速度は５分で６発、最大発射速度は５分で12発。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ８４発煙弾＞：アメリカ軍105mm榴弾砲用ヘキサクロロエタン発煙弾。弾丸長479mm、弾丸重量14.9kg、完成弾薬重量19.4kg。内部にヘキサクロロエタンを充填した発煙缶３個（計2.25kgを充填）を収納し、350×30mの範囲に灰色がかった煙を2-3分間放出する。赤、黄、緑の着色発煙弾もあり、こちらは弾丸長479mm、弾丸重量13.8kg、完成弾薬重量18.3kg。内部には着色発煙剤1.32kg（赤）／1.139kg（黄）／1.229kg（緑）が充填され、60×30mの範囲に１分間煙幕を張る。M48/M54/M501信管が適合する。参考：月刊PANZER9,’99

＜Ｍ８５＞：AK74海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜Ｍ８５機銃＞：アメリカ軍の戦車用12.7mm対空機銃。1950年代にM2の後継となる車載機銃として開発され、M48A4/A5に搭載された。三脚に載せた歩兵用もテストされたが、構造が複雑で信頼性が低く、M2の後継にはなれなかった。全長1.384m、銃身長0.83m、重量29.5kg。ライフリングは８条右回り、381mmで１回転する。初速毎秒866-899m、最大射程5829-6652m。作動は反動利用式、給弾はベルトリンク、発射速度最大毎分1050発。参考：月刊PANZER10,’04、月刊軍事研究8,’14

＜Ｍ８５訓練爆弾＞：アメリカ軍の100ポンド（45.4kg）訓練爆弾。参考：月刊JWings4,’13

＜Ｍ−８５掃海艇＞：ドイツ海軍掃海艇。1939年10月1日、ビスツラ河口で掃海中に触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ８６狙撃銃＞：マウザー社の狙撃銃。モデルSP66の後継である。作動はボルトアクション式だが、普通のボルトを使用したレシーバーを採用し、耐久性を上げた。銃身はかなりの肉厚で、フローティングバレルを採用、振動を抑えて命中精度を向上させている。全長1.273m、銃身長0.65m、重量6.8kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾、装弾数９発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ８６狙撃銃＞：フィンランドのワルメットが開発した狙撃銃。作動はボルトアクション式。フローティングバレルにより銃身に振動が伝わりにくく、銃口にはマズル・コンペンセイターを装備して発射反動を低減する。ストック先端に二脚を持つ。光学スコープを標準装備。全長1210mm、銃身長720mm、重量5.7kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾、装弾数５発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ−８７＞：ユーゴスラビアとイラクが共同で開発した262mm多連装ロケットランチャー、別名オルカン（Orkan）。ユーゴスラビア製８×８輪トラックFAP3235クロスカントリー・トラックの後部車台に、旋回角左右110度ずつ・仰角56度までの架台を設け、262mmロケット弾ランチャーを12本（４段３列）並べている。ロケット弾は全長4.656m、直径0.262m。射程24000m／28000m／37000m（空力学的制動リングによる選択式）、最大射程50000m。弾種は徹甲榴弾、子爆弾収容弾、対戦車地雷撒布弾。イラクは湾岸戦争で負け、ユーゴスラビアは内戦で崩壊したため、生産は少数のみに留まった。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊丸4,’99、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ８８戦車回収車シリーズ＞：アメリカ軍の戦車回収車。M48戦車の車体を流用して1954年から開発され、1959年に制式化された。参考：月刊PANZER10,’05、月刊戦車マガジン10,’93別冊

　＜Ｍ８８＞：M48戦車の各転輪間隔を広げて接地長を増やし、後部転輪のバンパー・スプリングを２本に増やした。車体前部左に操縦手、右にメカニックが位置し、真ん中に補助エンジンやコントロールパネルが用意されている。操縦手とメカニック用にビジョンブロック１基、ペリスコープ３基、固有のハッチ（操縦手用はペリスコープ１基付き）がある。車体中央やや前方に車長席、背中合わせに整備員席があり、車長にはビジョンブロック６基と12.7mm重機関銃M2付きキューポラ、整備員にはビジョンブロック２基とペリスコープ２基が用意されている。砲塔を撤去してＡ字ホイスト・ブーム（操縦手が操作）を装備し、ホイスト用ウインチを車長席の床下に収容した。Ａ字ブームの吊り上げ能力は5.4トン。車体前面には操縦手が操作するドーザー・ブレードがあり、これを併用するとＡ字ブームの吊り上げ能力が22.6トンに上がる。キャビン下部には牽引能力40.8トンのウインチ、後方には吊り上げ能力22.7トンのウインチがある。全長8.27m、全幅3.43m、全高3.23m、戦闘重量49.5トン。乗員自衛用として車内にライフル２丁、サブマシンガン２丁、対戦車ロケットを搭載する。装甲厚は車体前面32-38mm、側面19-25mm、後面25-32mm、上面19mm、底面25-38mm。エンジンはAVSI-1790-6Aガソリン（980馬力）、トランスミッションはアリソン製XT-1400-2（前進３速・後進１速）。乗員４名（車長、操縦手、整備員、メカニック）。参考：月刊PANZER10,’05、月刊戦車マガジン10,’93別冊

　＜Ｍ８８Ａ１＞：M60戦車回収用。機関系を換装した。ブーム能力６トン（スペード不使用・４点支持）／25トン（スペード使用・４点支持）。主ウインチ最大水平牽引力40.8トン。全長8.267m、全幅3.429m、全高3.225m、戦闘重量50.848トン（49.9トン？）。エンジンはAVDS-1790-2DRディーゼル（750馬力）、トランスミッションはアリソン製造部製XT-1410-4クロスドライブ式トランスミッション（前進３段・後進１段）、最大速度42km、燃料搭載量1514リットル、航続距離483km。自衛用に12.7mm機関銃M2を１丁（1500発）、車内にM20B1ロケット発射筒１基を搭載する。乗員４名。参考：月刊PANZER7,’04、10,’05、月刊グランドパワー3,’95、月刊軍事研究2,’10

＜Ｍ８８Ａ２＞：M1戦車回収用、別名ハーキュリーズ（ヘラクレス）。上部車体に吊り上げ能力35トン・運搬能力25トンのクレーン、車体前部に70トンウインチと３トン補助ウインチを搭載する。強化型ホイストの力量は31.752トン。起動輪部分を切り欠いたサイドスカートを装備する。自衛用に12.7mm機関銃M2（車長用ハッチ）と発煙弾発射機（上部構造正面左右）を持つ。全長8.6m、全幅3.7m、全高3.2m、戦闘重量63.5トン。エンジンはAVDS-1790-8CRディーゼル（1050馬力）、トランスミッションはXT-1410-5A（前進３段・後進１段）、最大速度40km、燃料搭載量1563リットル、航続距離322km。1997年7月から陸軍・海兵隊に配備された。参考：月刊PANZER7,’04、10,’05、5,’10

＜Ｍ８８戦車回収車・海外シリーズ＞

＜Ｍ８８（西ドイツ陸軍）＞：西ドイツ陸軍戦車回収車。２両が供与されたが、既にベルゲパンツァーが配備されている時期であり、数も少なく、参考・テスト用としての導入らしい。参考：月刊グランドパワー10,’94

＜Ｍ８８Ａ１（モロッコ陸軍）＞：モロッコ陸軍戦車回収車。７両を配備した。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｍ８８Ａ２（サウジアラビア陸軍）＞：サウジアラビア陸軍戦車回収車。2016年8月、アメリカが20両の輸出を承認した。参考：月刊軍事研究1,’17

＜Ｍ８８掃海艇＞：インド海軍ビムリピタン級内水掃海艇バクタル（Bhaktal）。1968年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ８８ターボファン・シリーズ＞：フランス軍ラファール戦闘機用ターボファンエンジン。SNECMAが開発した。参考：月刊軍事研究10,’08、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｍ８８−２＞： 圧縮機３＋６段、圧縮比24、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋１段。全長3.538m、直径0.696m、重量1978ポンド（0.897トン）。推力11250ポンド（5.1トン）、A/B時推力16870ポンド（7.65トン）。参考：月刊軍事研究10,’08、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｍ８８−３＞：M88-2の輸出用改良型。ラファールの輸出先候補国に高温高地が多いため開発した。全長を伸ばし、ファン直径を0.09mほど拡大している。A/B時推力20250ポンド（9.19トン）。参考：月刊軍事研究7,’12

＜Ｍ８８−４Ｅ＞：M88エンジンに総所有経費TCOプログラムを適用したタイプ。高圧圧縮機や高圧タービンの冷却機能を向上させたり、コンポーネントを強化したりしてエンジンの耐久性を高め、運用経費を低く抑えている。2012年以降に引き渡されるラファールに搭載予定。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｍ８８破片爆弾＞：アメリカ軍の破片爆弾。重量220ポンド（99.8kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ８９自走砲＞：ルーマニア陸軍122mm自走砲。ソ連から輸入した2S1のコピーで、1989年頃に実用化された。車体はBMP-1ベースで、機関と足周りを使用しており、2S1に酷似するが、上部転輪があるのが鑑別点である。砲塔は2S1と同じで、性能も同じ。浮航能力はMT-LBを元にしたオリジナルよりも高い。42両が生産された。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ８９掃海艇＞：インド海軍ビムリピタン級内水掃海艇ブルサル（Bulsar）。1970年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ８９目標表示弾＞：アメリカ軍の目標表示弾。重量250ポンド（113.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ９０＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜Ｍ９０掃海艇＞：インド海軍カッダロール級沿岸掃海艇カッダロール（Cuddalore）。1955年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ９０爆雷シリーズ＞：スウェーデン海軍エルマ爆雷投射機用爆雷。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜Ｍ９０爆雷＞：1990年代に開発された。全長465mm、口径100mm、発射重量5.7kg。最大投射距離600m（1000m？）。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜Ｍ９０／Ｅ爆雷＞：全長478mm、口径100mm、発射重量5.7kg。弾頭は成型炸薬で、二重船殻を貫通できる。参考：月刊軍事研究3,’00、火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ９０パターン＞：ノルウェー軍戦闘服の迷彩パターン。くすんだ色を大きなパターンで配置しており、薄暗い森林地帯で高い効果を発揮する。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜Ｍ９０目標表示弾＞：アメリカ軍の目標表示弾。重量250ポンド（113.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ−９０Ａ１＞：M-82A1シリーズ（狙撃銃）を参照。

＜Ｍ９１掃海艇＞：インド海軍カッダロール級沿岸掃海艇カンナモール（Cannamore）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ９１Ｐ＞：セルビアがBTR-50S/M-80AK歩兵戦闘車用に開発した砲塔。30mm機関砲M86（200発）、マヨルカ対戦車ミサイル２発、7.62mm遠隔操作式機銃（2000発）、発煙弾発射機４基を装備する。重量1.43トン。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｍ９２掃海艇＞：インド海軍カッダロール級沿岸掃海艇カルワル（Karwar）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ９２Ｃ＞：アメリカ軍水陸両用軽貨物輸送車、別名ウィーゼル。ボート型車体に装軌式の足周りを持つ。積載量0.5トン。小型の割にパワーがあり、硫黄島上陸作戦などで重宝された。参考：月刊軍事研究5,’02

＜Ｍ９３自転車＞：スイス軍銀輪部隊用自転車。ダイヤモンド型フレームとフラットハンドルを持ち、日本のシマノ製７段変速ギアを搭載している。車重40kg。最大搭載重量100kg以上で、機関銃やロケットランチャーも輸送できる。コンドル社製。参考：歴史群像6,’04

＜Ｍ９３掃海艇＞：インド海軍カッダロール級沿岸掃海艇カキナダ（Kakinada）。1955年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ９３狙撃銃＞：ドイツ陸軍狙撃銃。マウザー社が開発した。作動はボルトアクション式で、左利きでも対応できるよう、ボルトハンドルの向きを簡単に変えられる。ストック部はプラスチックとマグネシウム・アルミニウム合金を組み合わせて作られたスケルトン型で、チークピースとバットプレートの調節ができるように複雑な形状をしている。全長1.23m、銃身長0.65m、重量8.275kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は.300ウィンチェスター・マグナム、.338ラブア・マグナム、7.62mm×51（訓練用）のどれかで、装弾数６発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ９３偵察車シリーズ＞：アメリカ軍機動NBC偵察システム、別名フォックス。基はドイツ連邦軍フクスNBC偵察車で、車内に居ながらにしてNBC汚染の探知・同定を現場で行い、速やかに司令部に伝達することができることから1988年にXM87の開発を止めて採用した。生物剤は研究施設に後送し、化学剤も同定後に後送する。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊PANZER5,’10

　＜Ｍ９３＞：M21ラスカル遠隔式化学物質検知システム、SVG2放射線測定器、GID-3化学物質検知器、RAID1携帯型検知・警報装置、MM-1質量分析装置、濃縮用検知装置、空気及び地表サンプル採取機、小型双輪式採取機、環境センサー、最近サンプル採取・保管装置などを搭載する。これらにより収集したデータは中央データ処理装置CDPUに送られ、統合されて乗員と友軍に伝送される。当然ながら車体は完全密閉式で、NBC防護が施されており、外気を高性能フィルターで浄化して取り入れ、車内を外よりも加圧している。表層には鉛とホウ素系化合物が塗布されてチェルノブイリ原発事故クラスの放射能汚染現場にも対応できるという。浮航能力も残されている。７両前後を１部隊として運用し、汚染エリアの偵察を分担して行う。全長6.78m、全幅2.98m、全高2.46m、戦闘重量17トン。エンジンはメルセデス・ベンツ社製OM402A空冷ディーゼル（320馬力）、最大速度104km、燃料390リットル、航続距離800km。自衛用に7.62mm機銃（1000発）を搭載する。発煙弾発射機は蜂の巣型に変更された。乗員３名。60両を購入した。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊PANZER12,’00、5,’02、5,’10

　＜Ｍ９３Ａ１＞：アメリカでライセンス生産したもの。210両が導入された。参考：月刊PANZER3,’02

　＜Ｍ９３Ａ１ブロック�T近代化＞：M21遠隔感知式化学剤警報機を装備し、遠距離探知を可能とした。各種センサーやシステムが統合され、作戦を迅速に行える。乗員も４名から３名に減った。参考：月刊軍事研究8,’02

　＜Ｍ９３Ａ１ブロック�U近代化＞：エアロゾル化された生物化学兵器を遠距離から探知するシステムを装備し、生物化学質量分析計などを搭載して液状化学物質の検出同定能力を強化する予定。任務に必要な時間が32-57%ほど短縮される。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊PANZER8,’10

＜Ｍ９３地雷＞：アメリカ軍の対戦車地雷、別名ホーネット、略称WAM（Wide Area Munition）。戦車の音響や振動を感知すると高度10m以上の上空に弾頭を放出する。弾頭は赤外線により目標をロックし、エンジンなどの高温部に自己鍛造弾を指向して撃破する。攻撃半径は100mくらい。2010年までに配備予定。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究6,’04

＜Ｍ９３徹甲弾＞：アメリカ軍76mm戦車砲M7用HVAP弾（実質APCR弾）。弾薬重量9.35kg、弾丸重量4.3kg。砲口初速毎秒1036m、砲口エネルギー2.286MJ。装甲貫徹力は30度傾斜装甲板に対し157mm（射距離500ヤード・457m）／135mm（1000ヤード・914m）／116mm（1500ヤード・1372m）／98mm（2000ヤード・1829m）。参考：月刊グランドパワー10,’03

＜Ｍ９３汎用棒状マウントシステム・シリーズ＞：アメリカ軍のマウント・サブシステム。M134ミニガンをUH-1ヘリに搭載するため開発され、SH-3、HH-53、CH-53にも搭載された他、海軍BWN部隊用艦載型も開発された。参考：月刊PANZER1,’03

　＜Ｍ９３＞：UH-1N用。両ドア部にA/A49E-3棒状マウントを取り付け、ここにM134ミニガンを搭載、5200発入りM93弾倉２個をキャビン後部に収容して上に電動補助給弾装置を載せている。参考：月刊PANZER1,’03

　＜Ｍ９３Ａ１＞：UH-1H用。弾倉をM93A1（6000発）２個とした。参考：月刊PANZER1,’03

　＜海軍用＞：BWN部隊小型艇用。コンパクト化版で、4000発入り弾倉とMk.56棒状マウントを使用する。参考：月刊PANZER1,’03

＜Ｍ−９５戦車＞：M-84シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｍ９６ロケットランチャー＞：クロアチアが開発した122mmロケットシステム、別名タイフーン。車体は８×８輪タトラ813トラックで、後部に122mmロケット32連装ランチャーを搭載する。射程20400m。参考：月刊丸4,’99

＜Ｍ９７ショットガン＞：アメリカ軍戦闘用ショットガン。ウィンチェスター製。第２次大戦時に陸軍航空隊がリード射撃訓練用に民間用のものを購入してそのまま使用した他、参戦後は銃身を20インチ（508mm）に切断したライアットガン型、更に着剣装置と放熱筒を取り付けたトレンチガン型を採用した。全長991mm、銃身長508mm、重量3.63kg。作動はポンプアクション、使用弾は12番ゲージ、装弾数５発。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ９７ターレット＞：アメリカ軍のユニバーサル・ターレット・システム（UTS）。AH-1攻撃ヘリコプターやOV-10Dなどに搭載され、M197ガトリング砲など多彩な武装を装着できる。電動モーター駆動で、旋回角左右110度ずつ、俯仰角マイナス50度からプラス21度。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ９８狙撃銃＞：イギリス・バーカー・ヘイル社製7.62mm狙撃銃。銃口に６溝刻みの排煙器を付けている。ボルト操作部には３段安全装置用突起が付く。スコープを標準装備し、アイアンサイトは付いていない。全長1.28m、銃身長0.66m、重量6.35kg。使用弾は7.62mm×51NATO弾、弾倉はM14ライフル型10発入り箱型または20発入り。参考：月刊軍事研究3,’00

＜Ｍ−９８迫撃砲＞：ポーランド陸軍98mm迫撃砲。口径が98mmなのは、口径100mm以上の兵器保有を制限したヨーロッパの通常兵器制限条約に引っかからないようにしたものである。HSW社が開発した。２輪式トレーラーに載せて即応弾６発と共に車両で牽引される。重量115kg（射撃時）／300kg（牽引時）。射程400-7000m。弾種はRad-2対戦車サブミュニッション撒布弾とRad-3HE弾。Rad-1対戦車用誘導弾は開発中止になった。FCSはWBエレクトロニクス社PC-9600で、中隊ごとに配備される。参考：月刊PANZER12,’03

＜Ｍ９８分隊支援火器＞：セルビアが開発中の5.56mm分隊支援火器。NATO式とロシア式の三脚がどちらも使用できる。重量6.5kg。使用弾は5.56mmNATO弾、発射速度毎分500発。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｍ９８目標表示弾＞：アメリカ軍の目標表示弾。重量250ポンド（113.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｍ９８Ｂ＞：アメリカ軍の狙撃銃。.338ラプア・マグナム弾を使用し、射距離1000m以上でも有効弾を送り込める。不朽の自由作戦に投入された。参考：月刊軍事研究2,’11

＜Ｍ９９シリーズ＞：中国の保利科技有限公司が開発した12.7mm対物狙撃銃。NATO標準の12.7mm×99弾バージョンと、ロシア制式の12.7mm×108弾バージョンがある。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ９９＞：全長1.5m、重量12kg。作動はセミオートマチック、装弾数５発。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ９９Ｂ＞：ブルパップ型で、弾倉をドラム型（装弾数は５発のまま）に変更した。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ−１００＞：ソ連の航空機搭載用137mmロケット弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ１０１榴弾＞：フランス陸軍M1917カノン砲GPF用155mm榴弾。重量43kg、炸薬重量6.86kg(TNT)。最大射程18.3km。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜Ｍ１０１榴弾砲＞：アメリカ陸軍105mm榴弾砲。M2の改良型で、軽装備部隊や緊急展開部隊に配備された。閉鎖機は水平鎖栓式で、尾栓が右にスライドする。車輪を地面に付けたまま射撃可能。空輸時に防楯を取り外せる。砲身長22.5口径、総重量2030kg。俯仰角マイナス５度からプラス66度、最大射程14.5km。発射速度毎分３発（持続）／10発（最大）。陸上自衛隊にも供与された。参考：月刊PANZER3,’98、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ１０１榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜ＨＭ−２＞：フランスが生産したM101A1。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ１０２榴弾砲シリーズ＞：アメリカ陸軍105mm榴弾砲。M101の後継で、1962年にロックアイランド・アリソン社が開発した。参考：月刊PANZER3,’01

＜Ｍ１０２榴弾砲＞：砲架などにアルミ合金を使用し、軽量化を図っている。砲身長3.382m、重量1.496トン。最大射程11500m（M444HE-T）／15100m（M548RAP）、最大発射速度毎分10発。操作人員８名。1200門超が生産された。参考：月刊PANZER3,’01、月刊グランドパワー3,’95

＜Ｍ１０２榴弾砲（ＡＣ−１３０搭載用）＞：AC-130ガンシップ用で、航空機専用マウントに搭載される。使用弾は32.5ポンド榴弾M1と34.2ポンド白燐発煙弾M60。射程11500m、発射速度毎分６発。参考：月刊ミリタリーエアクラフト4,’02、月刊軍事研究1,’08

＜Ｍ１０３重戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍最後の重戦車。ソ連陸軍IS-3重戦車に対抗するため1948年12月1日にT43試作重戦車の開発が決定し、1956年に制式化され、1958年からヨーロッパに配備された。中戦車向け105mm戦車砲L7が同等またはそれ以上の威力を発揮したため、1973年には第一線から退いた。参考：月刊PANZER2,’99

＜Ｔ４３＞：最初の試作型。３両が製作され、1951年6月に初号車が引き渡された。車体前面は厚さ127mmの装甲板を60度に傾けていて、車体前部中央に回転式ハッチを持つ操縦手席があり、前方にT36ペリスコープ３基が用意されている。車体後部の機関室にコンチネンタル社製AV-1790エンジン（810馬力）とCD-850変速機を収容する。砲塔にはM47中戦車と同じキューポラ（前部にペリスコープ１基、周囲に視察ブロック５基を備える）が載っており、右側面に乗降用梯子、左側面に12.7mm機銃のマウントがある。キューポラ左にベンチレーター、その前に装填手用ハッチを持つ。試作初号車には砲塔左側面にピストルポートがあるが、２号車以降は廃止された。主砲は120mm高射砲M1ベースの120mm軽量砲T122で、左右に同軸機銃（7.62mmまたは12.7mm）を備え、T140砲架に搭載される。車長席にM14ステレオ式測距器を装備し、照準は主砲右の砲手用直接照準器で行う。戦闘重量55トン。乗員５名（車長、操縦手、砲手、装填手２名）。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ４３Ｅ１＞：試作４号車以降。主砲を改良型のT123E1として威力を向上させ、砲架をT154とした。試作５号車以降は操縦手用ペリスコープをT25に換装している。300両が生産された。1953年にはテストのため朝鮮戦争に投入され、この時は役に立たないと判断されて保管状態になったが、1955年11月に98カ所の改良を行いM103として採用された。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ４３Ｅ２＞：M103A2の試作型。

　＜Ｍ１０３＞：T43E1の配備型。キューポラをM48中戦車初期型と同じ背の低いもの（遠隔操作式12.7mm機銃マウント付き）とし、砲塔左の機銃マウントを廃止、ベンチレーターを砲塔左後方に移し、排気管を右のみにした。主砲は51口径120mm戦車砲M58（T123E1と同じ）で、M358徹甲弾なら装甲貫徹力は30度傾斜装甲板に対して221mm（射距離1000ヤード・914m）／196mm（2000ヤード・1829m）。分離装薬式で、装填手が２名おり、発射速度毎分５発。主砲左右に7.62mm同軸機銃１丁ずつを備える。FCSはステレオ式測遠機と弾道計算機などを連動させるもので、射距離2000mでも移動目標に対して命中率50%前後を保てる。装甲は防弾鋳鋼製で、装甲厚は防楯254mm、車体前面上部127mm（60度）。重量57トン。エンジンはコンチネンタル社製AV-1790B、トランスミッションはCD-850-4B、最大速度37km。乗員５名。初期にはガントラベリングロックを車体リアパネルに装備していたが、後に機関室後方に起倒式で装備するようになった。生産60号車からは操縦手用ハッチのペリスコープをT26にし、61号車からは操縦手用ハッチをM48A1と同じ大型のものに換装している。T43E1として保管状態にあった74両が改修を受けた。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER2,’99、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

　＜Ｍ１０３Ａ１＞：海兵隊向けで、M103の改良型。FCSを改良し、砲塔旋回装置を電動式に変更、砲塔バスケットを装備し、主砲右の同軸機銃を廃止して同位置に補助照準器として間接式望遠照準器を追加した。車長用ステレオ式測遠機も新型のM15に換えており、M6弾道コンピュータと連動して正確な射撃諸元を提供する。車長用キューポラは固定式とし、12.7mm機銃の遠隔操作装置を廃止、砲口部カウンター・ウェイト兼ブラストデフレクターの孔を無くして砲口直後の排煙器に固定した。1957年6月13日に採用され、T43E1から219両が改修された。陸軍にも1959年2月から72両が貸し出されている。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER2,’99

　＜Ｍ１０３Ａ２＞：海兵隊向けで、M103A1の改良型。M103A1E1として開発され、1962年12月13日に制式採用された。M103A1のエンジンをディーゼルに換装して航続距離を３倍以上とし、機関室周囲レイアウトとガントラベリングロック形状を変更している。上部転輪が片側あたり２個減って片側４個となり、転輪素材はアルミニウムにした。車長用測距器は合致式のM24、砲手用直接照準器はメトリック式のM102C、弾道コンピュータはM14A1で、使用弾にM469HEAT-FS（装甲貫徹力330mm）が加わっている。防楯上部に夜間戦闘用キセノン探照灯を装備した。車体長6.88m、全幅3.6m、全高3.56m、戦闘重量58.1トン。副武装は同軸7.62mm機銃M37が１丁と対空用12.7mm機銃M2が１丁を装備する。エンジンはコンチネンタル社製AVDS-1790-2Aディーゼル（750馬力）、トランスミッションはCD-850-6、最大速度34km、航続距離483km。乗員５名。208両がM103A1から改修され、1973年に退役した。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER2,’99

＜Ｍ１０４＞：M-1戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ１０４化学弾＞：フランス軍155mmカノン砲M1917GPF用化学弾。発煙弾頭の場合、重量44.5kg、最大射程18400m。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜Ｍ１０５＞：アメリカ陸軍ブルドーザー、別名DEUCE（展開型汎用戦闘ドーザー）。高い被空輸性を持つ。重量16トン。参考：月刊軍事研究9,’16、9,’05

＜Ｍ１０５Ａ１＞：アメリカ軍の２輪1.5トン・カーゴトレーラー。参考：月刊グランドパワー4,’95

＜Ｍ１０６＞：M113装甲車ファミリー（自走迫撃砲）を参照。

＜Ｍ１０６榴弾＞：アメリカ陸軍M110自走榴弾砲用203mm榴弾。弾丸長871mm、弾丸重量92.53kg。内部に16.46kgのTNT炸薬または17.59kgのコンポジットＢを充填している。チャージ７で砲口初速毎秒587m、最大射程16800m。炸裂すると重さ60gの破片数千個が生じ、半径475m以内に飛散する。15m以内では厚さ130mmの鉄筋コンクリートを貫通できる。信管はM78、M557、M564、M582。参考：月刊PANZER5,’81、戦争がやってくる

＜Ｍ１０６榴弾・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１０６Ｊ＞：陸上自衛隊203mm榴弾。小松製作所製。参考：月刊軍事研究11,’07

＜Ｍ１０７自走砲架＞：アメリカ陸軍170mm自走カノン砲。203mm自走榴弾砲M110と同じ車体に60口径170mmカノン砲M113をオープントップ式に搭載している。俯仰角マイナス２度からプラス65度、射撃可能範囲は左右30度ずつ。最大射程はM437A1榴弾（重量67kg、炸薬量14kg）のチャージ３強装薬で32700m（初速毎秒912m）。他にM437A2榴弾も使用可能。発射速度は最大毎分２発、持続で２分に１発。搭載弾数は２発しかないので、M548装甲輸送車が同伴する。砲身命数300発。空輸のため車体が軽く、射撃時には車体後部の巨大な駐鋤で車体を固定した。全長11.26m、全幅3.15m、全高3.68m、車両重量25.915トン、戦闘重量28.168トン。最大装甲厚13mm。エンジンはデトロイト・ディーゼル製8V-71T液冷ターボディーゼル（405馬力）、トランスミッションはアリソン製XTG-411-2A変速機（前進４速・後進２速）、最大速度56km、航続距離725km。乗員５名。砲要員の残り８名はM110と同様にM548装甲輸送車で移動する。1980年5月までに524両が生産され、長射程を活かしてベトナム戦争などで活躍した。M110が改良により射程30000mを出せるようになったため、1969年12月にアメリカ陸軍では退役が決定、殆どは後に主砲を交換してM110A1とM110A2に改造された。輸出も行われ、イギリス、西ドイツ、イスラエル、イタリア、イラン、トルコ、ギリシャ、韓国などが配備した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)、兵器最先端５

＜Ｍ１０７自走砲架・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１０７自走砲架（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍自走カノン砲。1965年から36両を配備した。参考：月刊PANZER8,’10

　＜Ｍ１０７自走砲架（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍自走カノン砲。車体左に機銃マウント、車体前面上部に滑り止め用金属ストリップを装着し、車体左後方に射撃コンピュータを搭載、左砲架上部にアンテナを設置するなどの小改造を施している。140両を導入し、M110も砲身を積み替えてこれに改造した。核砲弾も投射できるといわれる。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ１０７狙撃銃＞：アメリカ海兵隊12.7mm狙撃銃、別名SASR（特殊スコープ装着ライフル）。全長1.448m、重量12.9kg。使用弾は12.7mm×99弾、装弾数10発。有効射程1829m。作動はセミオート、最大発射速度毎分32発。参考：月刊軍事研究3,’13、6,’10

＜Ｍ１０７榴弾＞：アメリカ軍155mm榴弾。M1榴弾砲やFH70で使用可能。重量43.89kg、炸薬重量11.3kg（TNT6.62kg？）。炸裂すると重さ60gの破片が4000個生じ、初速1000mで350m飛んでいく。有効範囲は長径45m・短径30mで、対コンクリート信管を使用すれば射距離4kmで強化コンクリート820mmを貫通できる。参考：戦争がやってくる、スピアヘッドNo.6、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ１０７榴弾・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１０７榴弾（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊155mm榴弾。M1榴弾砲、58式榴弾砲、75式自走155mm榴弾砲、FH70で使用される。全長700mm、弾頭重量43.9kg（信管付き）、炸薬重量6.96kg（TNT）、完成弾重量49.8kg。有効範囲は幅45m・縦深30m。正規使用信管はM520、M557、71式３型などで、M78、M500、M51系、M55系も一応使える。小松製作所製。参考：スピアヘッドNo.13、月刊軍事研究11,’07、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ１０７榴弾・海外ファミリー＞

　＜Ｍ１０７榴弾特てん弾（自衛隊）＞：自衛隊の弾薬。小松製作所製。参考：月刊軍事研究9,’17

＜Ｍ１０８自走榴弾砲＞：アメリカ陸軍105mm自走榴弾砲。M109と同一のアルミニウム製車体（駐鋤は無い）・砲塔を持ち、105mm榴弾砲M103をM139砲架に搭載する。閉鎖機は垂直鎖栓式で、発射速度毎分１発（持続）／３発（最大）。旋回・俯仰は人力で、俯仰角マイナス４度からプラス74度。照準器はM117間接射撃用パノラマ望遠鏡（倍率４倍、視野10度）、M118直接射撃用パノラマ望遠鏡（倍率４倍、視野10倍）、M15仰角四分儀。使用弾はM1榴弾、M444榴弾（M39子弾18発収容）、M413榴弾（M35子弾18発収容）、M327対戦車榴弾、M548RAP、M314照明弾、M48煙幕弾、M60煙幕弾などで、搭載弾数87発。最大射程11500m（榴弾）／15000m（RAP）／8685m（HEAT）。副武装は12.7mm機銃１丁（500発）。全長6.11m、全幅3.29m、全高3.15m、全備重量22.4トン。エンジンは８気筒液冷ディーゼル（405馬力）、最大速度56km、航続距離390km。乗員５名。1962年10月から1963年末に数百両が生産されたが、威力不足でM109に一本化することになり、制式化後程無く退役した。その後はスペイン、台湾、チュニジア、トルコ、ブラジル、ベルギーに供与されている。参考：月刊PANZER9,’00、世界の軍用車両(2)、月刊JWings7,’04

＜Ｍ１０８掃海艇＞：イギリス海軍サンダウン級掃海艇グリムスビー（Grimsby）。1998年就役。2009年3月4-14日、アマン09演習に参加。2022年3月14-31日、ノルウェー近海でコールド・レスポンス2022に参加。参考：月刊軍事研究9,’09、月刊世界の艦船6,’22

＜Ｍ１０８榴弾砲＞：アメリカ軍牽引式155mm榴弾砲。ヘリで空輸できる。最大射程30km。発射速度毎分４発。砲要員11名。参考：軍事分析湾岸戦争

＜Ｍ１０９自走榴弾砲シリーズ＞：アメリカ陸軍155mm自走榴弾砲。1952年1月からM44の後継として開発され、当初は156mm榴弾砲を搭載する予定だったが、生産・補給面から155mm榴弾砲に変更され、1961年に試作車が完成、1963年7月に制式化された。1979年までにアメリカ向け4000両を生産し、ドイツ、イスラエル、スイスなど26カ国に輸出、累計生産数は10000両近い。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ１０９＞：車体は全周32mm厚の5083アルミ合金溶接製で、前部左が操縦手席、右が機関室、後方が戦闘室。車体後面に左開きのドアがあり、砲弾を補給しながら持続射撃ができる。このドアの両側には駐鋤があり、射撃時の車体固定に使用する。操縦手上面にハッチがあり、開閉式カバー付きM45ペリスコープが装着され、うち１基はアクティブ赤外線暗視用に交換可能。車体前部にはガントラベルロックがある。下部転輪はダブルタイプ片側７組、サスペンションはトーションバー式、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪とスカートは無い。履帯はT136ダブルピンが殆どで、初期の一部にT137シングルピンを装備するものがある。枚数は片側79枚。砲塔も厚さ32mmの5083アルミ合金溶接製で、360度旋回可能。両側面と後部にドアを持つ。車長が右、砲手が左に位置し、他に砲側要員３名を収容する。車長用ハッチには対空用12.7mm機銃M2を装備する。射撃装置はM118C直接照準用エルボー型望遠鏡（倍率４倍・視野10度）と、M117間接照準用パノラマ式潜望鏡（倍率４倍・視野10度）で、暗視装置、M15仰角四分儀、M1A1砲手用四分儀も装備する。主砲は23口径155mm榴弾砲M126で、砲身前方にソロバン玉型の砲口排煙器と、大型のダブルバッフル式マズルブレーキを持つ。閉鎖機は隔螺式で、変後座長式。M127砲架に搭載され、砲身の左上と右下にある油気圧駐退管２本により反動を吸収する。砲身左下には復座管が付く。俯仰角マイナス５度からプラス75度。半自動油圧作動ラマーにより迅速な装填が可能で、発射速度は、短時間なら毎分３発、持続で毎分１発。弾種はM107榴弾（42.9kg。７号装薬で砲口初速毎秒562m、最大射程14600m）、M795榴弾、M483クラスター弾（対人用子弾60発内蔵。最大射程14600m）、M549A1RAP弾（最大射程23500m）、M116煙幕弾（最大射程18100m）、M454核砲弾、XM785中性子砲弾など14種類。弾薬搭載数28発。車体側面４ヵ所ずつと車体前面１ヵ所に金属枠を取り付けてエアバッグを固定し、車体前面と側面前部に波避けを立てると、履帯駆動で水上航行できる。NBC防護能力は無い。全長6.61m、全幅3.15m、全高3.28m、戦闘重量22.8トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製8V-71T液冷ターボディーゼル（405馬力）、トランスミッションはアリソンXTG-411-2A変速機（前進４速・後進２速）、路上最大速度56km、水上最大速力6.4km、路上航続距離354km。乗員６名。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’00、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜Ｍ１０９Ａ１＞：M109の射程延伸型。1970年に制式化され、1972年から既存車両が改修された（新規生産は無し）。主砲を33口径155mm砲M185に換装し、駐退復座機を強化、８号装薬を使用可能として射程を延伸している。最大射程18100m（M731通常弾）／24000m（M549A1RAP弾）。ガントラベルロックが車体前部に移った。重量24.07トン。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’00、月刊グランドパワー3,’95、世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１０９Ａ１Ｂ＞：新規製造型M109A1。1974年からボウエン・マクロクリン・ヨーク社で生産され、1974-93年に2741両が完成した。参考：月刊PANZER9,’00、世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１０９Ａ２＞：M109A1の改良型。砲架をM187（M178？）に換装し、装填機構や駐退機構を改良、エンジン運転警報装置と照準器防護フードを設置し、ハッチ及びドアのラッチや油圧システムを改良、砲塔後部に22発入り弾薬バスルを新設して搭載弾数を36発とした。装填機構改良で３分間に限り毎分４発で射撃できる。浮航装置は廃止した。全長9.12m、全幅3.1m、全高2.8m、重量24.95トン。エンジンは8V71Tディーゼル（405馬力）、最大速度56.3km、航続距離349km。乗員６名。1978年から766-823両程度が生産された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’00、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１０９Ａ３＞：M109A1/A1Bを改修キットでM109A2仕様としたもの。参考：世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１０９Ａ４＞：M109A2/A3にNBC防護装置を搭載し、信頼性・整備性を向上させたもの。参考：世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１０９Ａ５＞：M109A4までの車両に、39口径155mmカノン榴弾砲M284とM182砲架を搭載し、M203A1砲弾を発射可能としたもの。NBC防護装置とベンチレーター付フェーズカバーを追加し、整備性も向上させた。海外向けに新造された車両もある。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’00

＜Ｍ１０９Ａ６＞：別名パラディン。M109A2/A3の車体に新型砲塔を載せたもので、1993年に制式化され、1999年6月までにBMYコンバット・システムズ社で950両が生産された。主砲を39口径155mmカノン榴弾砲M284とし、M182A1砲架に搭載している。M203強装薬を使用可能で、最大射程24km（通常弾）／30km（RAP弾）。半自動装填装置を搭載し、発射速度はバースト射撃で13秒に３発、３分間で12発、持続で毎分１発。デジタルFCSの自動射撃統制装置AFCS、モジュラー方位・位置装置（MAPS）付き航法システム、パッシブ式暗視装置、デジタル式データリンクを装備し、砲塔上部に太いGPS用アンテナを追加した。砲塔内にケブラー製ライナーを設けて防御力を強化し、砲・砲塔駆動を油圧から電気駆動に換え、ハロン自動消火装置を採用している。重量増加に対応してエンジンを強化した。AFATDSからリアルタイムで砲撃データを受信し、弾道コンピュータが座標データを算出、ディスプレイに表示する。次いでMAPSがGPSや車体センサーを使用して自分の位置を割り出し、後は装填手が砲弾を装填すれば砲身が自動的に設定角度をとる。迅速な砲撃後移動のために、自動的に砲を車体に固定するリモート・トラベルロックを車体前部に備えており、射撃準備に60秒、撤収には30秒しかかからない。M795改良榴弾とM898SADARMも使用できる。自動化が進んだため、砲側要員が１名減って乗員は４名になった。全長9.75m、全幅3.92m、全高3.23m、全備重量28.6トン。エンジンは８気筒液冷ディーゼル（440馬力）、最大速度56km、航続距離346km。乗員４名。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究9,’03、3,’04、世界の軍用車両(2)

＜Ｍ１０９Ａ６ＰＩＭ＞：M109A7を参照。

＜Ｍ１０９Ａ７＞：開発名称M109A6PIM（パラディン改良計画Paladin Integrated Management）。後継となる筈のクルセイダーとNLOS-Cが開発中止になったため、その技術を取り入れて改良したものである。M-2歩兵戦闘車／M-3装甲偵察車ベースの防弾アルミ車体を採用しており、下部転輪は片側６組、履帯はダブルブロックとなった。パワーパックもM-2歩兵戦闘車／M-3装甲偵察車と同じものに強化している。追加装甲キットの装備も可能。被弾時の火災の危険を減らすため、砲塔・主砲駆動装置や半自動装填装置を油圧式から電気式に変更し、自動消火装置（AFES）を搭載した。M992の随伴無しに作戦を行うことが多くなったため、APU（70kW、600V）を車内に追加している。C4IシステムはM109A6よりも強化した。主砲は39口径155mm榴弾砲M284（42発）のままで、最大射程24km（通常弾）／30km（RAP弾）。発射速度毎分４発。副武装は遠隔操作式12.7mm機銃M2搭載銃塔CROWSで、防弾ガラス付き全周防楯を装備する。全長9.7m、全幅3.9m、全高3.3m、戦闘重量36.288トン。エンジンはカミンズ製V903電子制御式８気筒Ｖ型ディーゼル（675馬力）、トランスミッションは改良HMPT800、最大速度61km、航続距離300km。乗員４名。580両を導入予定で、2013年までに生産を開始する予定だったが、予算の関係で遅れ、2015年4月から配備された。2017年3月から全規模生産に入る予定だったが、初期ロット66両に自動消火装置を含む複数の問題点が指摘されたため、改良を行っている。また、2018年の品質検査で車体の溶接不良が判明したため、陸軍配備済みの50両がリコールを喰らい、全規模生産にも入れずにいる。参考：月刊軍事研究6,’16、4,’12、12,’10、1,’17、2,’19、月刊PANZER3,’11

＜Ｍ１０９Ａ８＞：2022年頃から開発予定の改良型。主砲を長砲身化し、自動装填装置を追加する。外国の技術を導入する可能性もあり、もしかすると主砲や自動装填装置を丸ごと輸入するかもしれない。参考：月刊軍事研究6,’16

＜Ｍ１０９自走榴弾砲ファミリー＞：

　＜Ｍ９９２ＦＡＡＳＶ＞：弾薬補給車型、別名CAT（Carrier, Ammunition, Tracked）とも呼ばれる。M109の車体を使用しており、弾丸93発、装薬99個、信管104個を搭載し、後部のベルトコンベアで毎分６発を移送できる。弾薬搬入用ハッチは車長用キューポラ前方にある。1983-98年に改良型のA2を含め921両が調達された。輸出も行われているが、採用したのはエジプト、ギリシャ、サウジアラビア、スペイン、タイ、台湾で、M109使用国に比べると遙かに少ない。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究3,’04、月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ９９２Ａ２＞：弾薬補給車型。M992の改良型で、M109A6に付随できるようにした。戦闘重量26トン。弾薬搭載量5.454トン。M109A6と１対１の割合で配備される。参考：月刊軍事研究3,’04、月刊PANZER10,’12

　＜Ｍ９９２Ａ３＞：弾薬補給車型。M109A7と共通の車体を使用したもの。搭載弾数95発。参考：月刊軍事研究6,’16

＜Ｍ１０９自走榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜Ｋ５５＞：韓国軍自走榴弾砲。M44やM52の後継として導入したM109A2で、M109A2Kともいう。1989年（1986年？）に２両を輸入、続いて20両をノックダウン生産し、その後三星重工で1996年までに1000両強をライセンス生産し、陸軍と海兵隊に計1040両を配備した。参考：月刊PANZER2,’11、9,’12、月刊軍事研究5,’03、12,’08

　＜Ｍ１０９（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍自走榴弾砲。1965年から50両前後のM109を導入した。1978年からM109A1規格への改修を行っている。その後、M109A3規格への改修も実施された。参考：月刊PANZER8,’10

　＜Ｍ１０９Ａ１（スイス陸軍）＞：スイス陸軍自走榴弾砲、別名パンツァーハウビッツェ66（Panzerhaubitze66、Pz.H66）。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜Ｍ１０９Ａ１Ｂ＞：スイス陸軍自走榴弾砲、別名パンツァーハウビッツ88/95。スイス・オードナンス・エンタープライズ社が開発したM109A1改良型で、主砲をL52バイソン要塞砲ベースの新型47口径155mm砲とし、射程30100m（通常弾）／36400m（ベースブリード）に伸ばした。携行弾数を増やすと共に半自動装填装置を採用し、発射速度をバーストで５秒３発、連続射撃で毎分８発としている。機動力も向上させ、航法システム、位置評定システム、夜間暗視装置を搭載した。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｍ１０９Ａ３（ブラジル陸軍）＞：ブラジル陸軍自走榴弾砲。FMSでM109A3を36両調達した。M109A5への改修を検討中。参考：月刊軍事研究11,’13

　＜Ｍ１０９Ａ３主砲強化型（ＵＡＥ陸軍）＞：M109L47を参照。

＜Ｍ１０９Ａ３Ｇ＞：ドイツ陸軍自走榴弾砲。M109Gの改良型で、SP70計画がポシャったために開発された。砲身をFH-70ベースの39口径155mm砲に換装し、射程を24700m（通常弾）／30000m（長射程弾）に延伸した。砲塔内マガジンは22発搭載の新型（M109A2と同じもの）とし、総弾薬搭載数を34発に増やしている。ただしM992のような専用の弾薬運搬車は導入していないので、車外からの弾薬補給は人力で行うしかない。マズルブレーキはドイツ製に換装、砲塔上面左にカバー付きの初速計測レーダーを装備し、ドアロック、ブラストカバー、トーションバー、ターボ・スーパーチャージャーを改良、ベンチレーター、エアフィルターなどを追加した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER10,’03、月刊グランドパワー10,’94

＜Ｍ１０９Ａ３Ｇ　ＡＨＫ＞：ドイツ陸軍自走榴弾砲。M109A3Gの改良型で、AHKは弾薬取り扱いキットの略である。砲塔バスケットのマガジンを24発入りドロワー型とし、車体後部ドア左右に弾薬10発ずつを収容、砲塔内部に電動式の弾薬ホイストを追加し、弾薬シューターと電動ラマーを搭載して装填速度を上昇させた。1998年末に生産契約が結ばれ、高価なPzH2000を補完する形で使用される。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ１０９Ａ３ＧＥＡ２＞：ドイツ陸軍自走榴弾砲。M109A3Gの改良型で、弾倉や給弾機構を改良し、砲塔前後面・車体後部にバルジを追加した。参考：月刊PANZER12,’02

＜Ｍ１０９Ａ３ＧＮ＞：ノルウェー陸軍自走榴弾砲。参考：月刊PANZER6,’13

＜Ｍ１０９Ａ６（サウジアラビア陸軍）＞：サウジアラビア陸軍自走榴弾砲。アメリカ国防安全保障協力局が2018年に177両の輸出許可を出した。参考：月刊軍事研究9,’18

＜Ｍ１０９ＡＬ＞：イスラエル陸軍自走榴弾砲。独自改修型で、主砲は33口径のままだが、FCSや使用砲弾を改良している。A1/A2から369両が改修された。参考：月刊PANZER9,’06

＜Ｍ１０９Ａ５Ｏｅ＞：オーストリア陸軍自走榴弾砲。砲の換装などでM109A2相当に改良した。80両余りが運用されている。参考：月刊PANZER8,’03、5,’04

＜Ｍ１０９ＡＯ５０＞：オーストリア陸軍自走榴弾砲。1995年に原型が作られた。駐退機を自国製にし、電子機器をスイス製に換装、砲と弾薬をM109A6パラディンと共通にしている。参考：月刊PANZER1,’03

＜Ｍ１０９Ｇ＞：西ドイツ陸軍自走榴弾砲。エンジンを変更し、砲尾栓を改良している。射程が18000mに延び、発射速度が毎分６発に向上した。西ドイツ陸軍が586両を配備し、イタリア陸軍が205両を発注した。参考：兵器最先端５、世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ１０９Ｌ＞：イタリア陸軍自走榴弾砲。OTOメララ社が開発した改良型で、1984年から280両が改修された。主砲をFH70系の39口径155mm砲に換装しており、FH70と同じ弾薬を使用できる。これに伴い後座が100mm延長した。砲尾構造を改良し、平衡機と俯仰用シリンダーを新型にしている。射程24000m（通常弾）／30000m（RAP）。参考：世界AFV年鑑2002-2003、スピアヘッドNo.2

＜Ｍ１０９Ｌ４７＞：UAE陸軍自走榴弾砲。オランダ軍の余剰M109A3の主砲をスイス・オードナンス・エンタープライズ社製（スウェーデンのRUAGランド・システム社製？）47口径155mm砲に換装したもので、エンジンもドイツのIWS社製空冷ディーゼルに変更した。85両が引き渡され、うち60両以上はAPU追加、エアコン装着、新型装薬用ラックの追加、半自動排莢装置の採用、遠隔操作式ガントラベルロック装備といった改良も受けている。参考：月刊PANZER8,’03、6,’99

＜Ｍ１０９アップグレード（オランダＲＤＭ社）＞：ユーロサトリ2002に出展された改良型。多孔式マズルブレーキを備えた52口径155mm砲を搭載し、射程30000m（通常弾）／50000m（ベースブリード）を誇る。参考：月刊軍事研究11,’02

＜Ｍ１０９アップグレード（ドイツ・ラインメタル社）＞：ユーロサトリ2004に出展された改良型。主砲をPzH2000と同じ52口径155mm砲に換装し、自動装填装置を搭載、エンジンとサスペンションを強化したもの。閉鎖機は隔螺式と垂直鎖栓式から選択できる。SMART155トップアタック弾も使用可能。移動中から射撃姿勢をとり、６発のバースト射撃後にまた移動に入るのに３分しかかからない。持続発射速度毎分３発。改修は３段階あり、１段階目は主砲の換装、サスペンション改良など、２段階目はBAEシステムズ社製LINAPS射撃統制装置搭載、砲口初速計測レーダー装備、弾薬庫改良、ガントラベルロック追加などで、コストと要求に応じてユーザーが選択できる。参考：月刊PANZER4,’05、月刊グランドパワー9,’04

＜Ｍ１０９自走榴弾砲・海外ファミリー＞

　＜Ｋ７７＞：韓国陸軍砲兵指揮車型。K55を改造してある。参考：月刊PANZER9,’12

　＜改良型砲側弾薬車（韓国）＞：韓国陸軍砲側弾薬車。M992FAASVのエンジンを強化し、車内容積を増やしたもので、弾丸110発、装薬116個、信管132個を搭載できる。重量26.5トン。参考：月刊軍事研究4,’00

＜Ｍ１０９Ａ６砲兵小隊（２００４年）＞：小隊本部（HMMWV２両）と、射撃班（M109A6パラディンとM992A2各１両）３個で構成される。射撃位置につく際は半径750mの円形の射撃区域を設定し、それを４分割したうちの１つに布陣、互いに100m以上離れて展開する。射撃後は直ちに退避区域に移動する。参考：月刊軍事研究3,’04

＜Ｍ１０９Ａ６砲兵大隊（２００４年）＞：M109A6中隊３個と本部付業務中隊（M7BFIST９両）で構成される。参考：月刊軍事研究3,’04

＜Ｍ１０９Ａ６砲兵中隊（２００４年）＞：中隊本部（M1068指揮所車とC2V指揮所車各１両）、射撃小隊２個、中隊作戦センター（M1068指揮所車とHMMWV各１両）、補給小隊（小隊本部・HMMWV１両、糧食業務班・2.5トントラック１両、弾薬班・５トントラック６両、補給班・2.5トントラックと５トントラック各１両、整備班・M113整備装甲車とM88戦車回収車各１両）で構成される。参考：月刊軍事研究3,’04

＜Ｍ１０９掃海艇＞：イギリス海軍サンダウン級掃海艇バンゴール（Bangor）。2000年就役。リビア内戦で、トブルク沖の１トン機雷をシーフォックスUUVで処分した。2022年2月6-17日、カットラス・エキスプレス2022演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’22、1,’04、朝雲

＜Ｍ１０９型複合艇＞：台湾海軍陸戦隊の複合艇。速力46ノット。特殊部隊向けに配備した。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜Ｍ１１０自走砲シリーズ＞：アメリカ陸軍203mm自走砲架。M548装甲輸送車などの補助車両とペアで行動し、弾薬及び砲要員13名中８名はそちらに載せる。西ドイツ、イスラエル、イギリス、陸自など11カ国以上で使用された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER5,’81

　＜Ｍ１１０＞：車体はM107自走砲架・M578回収車と同じもので、アルミ合金製。前部左に操縦手席、右に機関室があり、後部に主砲をオープントップで搭載している。空輸を考えて小型軽量にしたため、砲要員13名（12名？）中５名しか乗れず弾薬も２発しか積めないという欠点があり、残りはM548弾薬輸送車などに乗せる。操縦手用ハッチにはペリスコープ３基があり、操向装置はバーハンドル式、ハンドル右脇にシフトレバーがある。下部転輪はダブルタイプ片側４組、起動輪は前部、誘導輪は接地式で後部にあり、上部転輪やスカートは無い。車体後部には大型の油圧作動式駐鋤（緊急時は手動も可）が付いており、射撃時には地面に打ち込んで車体を固定する。射撃可能範囲は左右30度ずつ。主砲は25口径203mm榴弾砲M2A2（M115牽引式榴弾砲を車載にしたもの）で、マズルブレーキは無く、M158砲架に搭載される。砲弾重量が90kgを超えるため、車体後部左に油圧作動式装填装置が搭載されており、弾薬を地上から吊り上げて装填トレイ上に載せ、ラマーが薬室に押し込むところまで自動的に行ってくれる。発射速度は短時間なら１分間に２発、持続では２分に１発。使用弾は分離装薬の薬嚢式で、M106榴弾、M404改良型榴弾、M509改良型榴弾、M422核砲弾、M426化学弾、M14ダミー弾と、M1装薬、M2装薬、M80装薬が用意されている。M106榴弾のチャージ７で初速毎秒587m、射程16800m。照準装置はM115パノラマ間接照準器（倍率４倍・視野10度）、M116C直接照準望遠鏡（レンジ型レティクル使用。倍率３倍、視野13度）、M15俯角四分儀、M1A1砲手用四分儀。全長7.47m、全幅3.15m、全高2.93m、車両重量24.312トン、全備重量26.534トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製８気筒液冷ディーゼル（405馬力）、最大速度72.45km（56km？）、航続距離725km。乗員５名（車長、操縦手、砲手３名）。1961年3月に制式化され、6月から生産に入り、1960年代末までに750両が完成した。１個砲兵中隊は４両編成で、１個砲兵大隊は３個中隊からなる。定数は歩兵師団が１個中隊、機甲師団・機械化師団・機械化軍団が１個大隊。一部はM110A1に改修された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究11,’99、月刊戦車マガジン10,’93別冊、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)、月刊PANZER5,’81、MAMOR vol.127

　＜Ｍ１１０Ａ１＞：射程延伸型。砲身を12口径分延長したM201を搭載し、M118装薬（チャージ８）を使用可能として最大射程をM106榴弾で21300mに延ばした。M650RAP弾、M711榴弾、M736化学弾、M753核砲弾も使用でき、M107自走カノン砲を用無しにしている。直接照準器はM139望遠鏡（ミル・スケール型レティクル使用）に換装した。全備重量28.168トン。1976年に制式化されてM107とM110から改造され、1977年1月から配備された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)、月刊PANZER5,’81

　＜Ｍ１１０Ａ２＞：主砲をM118A1装薬（チャージ９）対応のダブルバッフル式マズルブレーキ付37口径203mm榴弾砲M201A1に換装したタイプ。最大射程21300m（M711榴弾）／29100m（M650RAP弾）。最大発射速度毎分２発。砲身交換時は砲身を後方に引き出す。全長10.73m、全幅3.15m、全高3.43m、全備重量28.3トン。エンジンは8V-71T液冷８気筒ディーゼル（405馬力）、最大速度54.7km、航続距離523km。1978年に制式化され、M107とM110A1から250両が改造された。バーレーン、ギリシャ、イタリアなど９カ国に輸出されている。各国でMLRSに後を譲って退役中。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー3,’95、10,’94、世界の軍用車両(2)、月刊PANZER5,’81、月刊軍事研究9,’09

＜Ｍ１１０自走砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１１０（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍自走砲。M110自走砲16両を導入し、後にM110A2規格に改修した。MLRSに後を譲って退役した。参考：月刊PANZER8,’10

　＜Ｍ１１０（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍自走砲。48両を導入した。大部分は後にM107規格に改造されている。参考：月刊PANZER7,’10

　＜Ｍ１１０Ａ２（ドイツ陸軍）＞：ドイツ陸軍自走砲。226両を導入した。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ１１０Ａ２（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊自走砲、正式名称203mm自走りゅう弾砲、略称20HSP、愛称サンダーボルト。1981年度からライセンス生産（砲身はFMS供与、上部砲架は日本製鋼所、車体は小松製作所）し、1983年度から取得、1984年度末から方面直轄の特科大隊に91両を配備した。強装薬（装薬重量19.27kg）だと最大射程26000m（通常榴弾）／29100m（RAP弾）。弾薬と砲要員残り８名を運搬するため、87式砲側弾薬車とセットで運用する。全長10.7m、全幅3.15m、全高3.14m、全備重量28.5トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル製8V-71YT水冷Ｖ型８気筒ディーゼル（411馬力）、トランスミッションはオートマチック（前進４段・後進１段）、最大速度54km、航続距離500km。乗員５名（班長、操縦手、照準手、装填手２名）。価格は１両３億4500万円。2023年度に退役予定。参考：月刊PANZER6,’01、自衛隊装備年鑑1996、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.7、陸上自衛隊地上戦力の全容、MAMOR vol.127、vol.164、月刊世界の艦船4,’23

＜Ｍ１１０掃海艇＞：イギリス海軍サンダウン級掃海艇ラムゼイ（Ramsey）。2001年10月15-16日、シー・デイズ2001に参加。2011年8月16日、ペルシャ湾で米英共同対機雷戦訓練に参加。2020年6月7-16日、バルトップス2020に参加。2021年8月4日、ロシスで退役式典が挙行された。総航程175000海里。参考：月刊世界の艦船1,’02、11,’11、9,’20、10,’21

＜Ｍ１１０狙撃銃＞：アメリカ陸軍の狙撃銃、別名セミオート狙撃システム、略称SASS。ナイツ・アーマメント社製SR25をM24狙撃銃の後継として2004年に制式採用したものである。ベースはM16で、銃身をフリーフローティングに変更、アイアンサイトを外してピカティニーレールを装着し、スコープ対応とした。重量7.25kg。作動はセミオート。使用弾は専用の7.62mm弾M852で、装弾数20発。4000丁を配備予定。参考：月刊軍事研究6,’14、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜Ｍ１１１＞：IMI社の105mm戦車砲用APFSDS。1970年代後期に実用化した。初速毎秒1455m、装甲貫徹力は射距離2000mで342mm。NATOも採用し、DM23としてライセンス生産・輸出した。参考：月刊軍事研究8,’08、月刊グランドパワー5,’04

＜Ｍ１１１＞：イギリス海軍サンダウン級掃海艇11番艇ブリース（Blythe）。2001年竣工。2月28日、母港ポーツマスに初入港した。2021年退役。参考：月刊世界の艦船6,’01、1,’24

＜Ｍ１１２＞：アメリカ空軍発光カートリッジ。最大発光高度1219m。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｍ１１２＞：イギリス海軍サンダウン級掃海艇12番艇ショアハム（Shoreham）。2002年11月就役。2012年9月16-27日、IMCMEX12に参加。2013年5月6-30日、ペルシャ湾でIMCMEX13に参加。参考：月刊世界の艦船10,'15、12,’12、8,’13

＜Ｍ１１２Ｂ１徹甲榴弾＞：155mmカノン砲M1917用徹甲榴弾。重量45.4kg、炸薬重量650g（Expl D）。装甲貫徹力は20度傾斜装甲板に対し射距離900mで112mm。最大射程17.5km。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜Ｍ１１３装甲兵員輸送車シリーズ＞：アメリカ陸軍装甲兵員輸送車。M59の後継で、1954年6月からデトロイト工廠が開発した。当初は装輪と装軌の両方で開発されたが、機動性の問題で装輪は放棄され、装軌式の方がT113/T117として開発が続行され、T113が採用されてM113となった。総生産数８万両以上。量産開始から50年以上経った2013年に至ってもアメリカ陸軍に各型計13441両が配備されており、全陸上戦闘システム29400両の46%を占めている。さすがに時代遅れ感は否めないので、後継としてAMPVを開発中。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究8,’13

　＜Ｔ１１３＞：試作車。1956年5月にFMCが８両を製作した。M59ベースで、車体は5083アルミニウム製、既存の軍用空冷エンジンをトランスミッションと一体化して車体前部に配置し、上部転輪を廃止、後部ランプに小ドアを追加し、車体上面ハッチを１枚にしている。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１１３Ｅ１＞：T113の細部改良型。車体前面のトリムベーンを大型化し、車体前面装甲を１枚式にした。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１１３Ｅ２＞：T113E1の細部改良型。M113として制式化された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ１１７＞：試作車その２。1956年5月にFMCで４両が製作された。車体は装甲鋼板製、エンジンは民生用液冷。採用されなかった。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１３＞：T113E2の量産型で、1959年4月2日に制式採用された。車体は防弾アルミニウム合金（厚さ29-45mm）全溶接製箱形で、前面にトリムベーンを持つ。車体前部左に操縦室、右に機関室、中央から後部が兵員室という配置で、車長は車体中央に位置する。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は無い。自衛用として車長用キューポラに12.7mm機銃を装備する。エンジンはクライスラー製75Mガソリン（215馬力）。乗員２名＋乗車歩兵11名。14813両が生産された。参考：月刊軍事研究8,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１３Ａ１＞：M113のエンジンをディーゼルに換えたもの。25327両が生産された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１３Ａ２＞：M113A1のエンジン冷却装置とサスペンションを改良し、外部装着式燃料タンクを車体後面左右に装着（これはA3からという説もある）したもの。全長4.863m、全幅2.686m、全高2.52m、戦闘重量11.253トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル製6V-53（212馬力）、最大速度60.7km、燃料360リットル、航続距離480km。自衛用に12.7mm機銃M2（2000発）を１丁装備する。乗員２名＋乗車歩兵11名。6374両が生産された。1987年から車体前面左右に４連装発煙弾発射機１基ずつを装備した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究2,’10

　＜Ｍ１１３Ａ３＞：M113A1/A2の機関系・防御力強化型。RISE新型機関パッケージを導入し、車体後面左右に装甲付き外装燃料タンクを装着した。車内にケブラー製ライナーを張り、車体には外部装着式増加装甲装備用ボルト孔を設け、増加装甲装着で14.5mm重機関銃弾に抗堪できるようにしている。操向装置はレバー式からハンドル式に変更した。全長5.32m、全幅3.02m、全高2.5m、戦闘重量12.8トン。エンジンは6V-53Tターボチャージド・ディーゼル（275馬力）、トランスミッションはX-200-4A。乗員２名＋乗車歩兵11名。1987年4月から配備された。同年から車体前面左右に４連装発煙弾発射機１基ずつを装備した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊戦車マガジン10,’93別冊、M1A1戦車とM2/3戦闘車、月刊軍事研究8,’13、4,’17

　＜ＡＩＦＶ＞：AIFVを参照。

＜Ｍ１１３装甲兵員輸送車ファミリー＞

　＜Ｍ５８＞：煙幕車両型、別名ウルフ。M56コヨーテと同じ煙幕発生器を搭載したもので、1995年8月に制式化された。化学煙幕小隊１個あたり７両（小隊長車１両と分隊あたり３両ずつ）が配備されている。参考：月刊PANZER8,’10

　＜Ｍ１０６＞：自走107mm迫撃砲型。兵員室に107mm迫撃砲M30を搭載し、車体側面に地上発射用ベースプレートを装着する。アメリカ軍向け589両含め860両が生産された。参考：世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１０６Ａ１＞：自走107mm迫撃砲型。M106をM113A1ベースにしたもので、エンジンがディーゼルになっている。アメリカ軍向け982両含め1316両が生産された。参考：世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１０６Ａ２＞：自走107mm迫撃砲。M113A2ベースで、M106/M106A1から改修された。全長4.93m、全幅2.86m、全高2.52m、戦闘重量12.1トン。エンジンは6V-53液冷６気筒ディーゼル（212馬力）、最大速度66km、航続距離483km。迫撃砲搭載弾数88発。副武装は12.7mm機銃１丁（600発）。乗員６名（４名？）。参考：世界の軍用車両(2)、月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究5,’09

　＜Ｍ１１３Ａ４ＡＭＥＶ＞：装甲医療搬送車両。M113系の救急車両がM-1A2などについて行けなくなったので、機動力を強化したタイプである。テスト中。参考：月刊PANZER4,’05

　＜Ｍ１２５＞：試作自走81mm迫撃砲。M113に81mm迫撃砲を搭載したもので、試作のみ。参考：世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１２５Ａ１＞：自走81mm迫撃砲型。M113A1の兵員室に全周旋回可能なターンテーブルを設け、81mm迫撃砲M29A1を搭載した。兵員室上面ハッチは３分割の円形ハッチに換え、兵員室下面にビームを渡して発射時の衝撃に耐えられるようにしている。地上に降ろしての射撃も可能。アメリカ軍向け460両を含め、2252両が生産された。参考：世界の軍用車両(2)、コンバット・バイブル２

　＜Ｍ１２５Ａ２＞：自走81mm迫撃砲型。M125A1のベース車体をM113A2規格に変更したものである。全長4.86m、全幅2.68m、全高2.52m、重量11.4トン。エンジンは６気筒液冷ディーゼル（212馬力）、最大速度64km、航続距離483km。迫撃砲搭載弾数114発。副武装は12.7mm機銃１丁（600発）。乗員６名。参考：世界の軍用車両(2)

　＜Ｍ１６３＞：M163を参照。

　＜Ｍ５４８＞：M548を参照。

　＜Ｍ５７７Ａ２＞：コマンドポスト型。兵員室天井をかさ上げして容積を増し、左に各種無線・指揮装置、右にマップボード・チャートテーブルを備え、兵員室上部前面に補助発電機を装備する。乗員４名（通信指揮手、通信手２名、操縦手）。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊グランドパワー3,’95

　＜Ｍ５７７Ａ３＞：コマンドポスト型。M577A2のエンジンを275馬力に強化し、機動力を改善した。しかし湾岸戦争では機甲部隊に付いていけず、デジタル重師団への改編にあたってM-2歩兵戦闘車を改造したM7BCOTMと交代しつつある。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜Ｍ７３０＞：

　＜Ｍ７４１＞：M113にサスペンションロック機構を追加し、射撃時の安定性を高めたもの。浮力を得るためにトリムベーンは中空式で、車体両側面に浮力ポッドを装着することもできる。M163自走バルカン砲の車体になった。参考：異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)、月刊PANZER7,’09

　＜Ｍ９０１ＩＴＶ＞：自走対戦車ミサイルで、ITVは能力向上型TOW車両の略。M113A1/A2の車長用キューポラに遠隔操作・伸縮式TOW連装ランチャーTUAを搭載したものである。全周旋回可能、俯仰角マイナス30度からプラス34度。車内にミサイル10発を収容しており、再装填はキューポラ後方のハッチを開いて行うが、装填手が体を乗り出さなければならない。移動時は後方に畳み、前後４本の支柱で保持する。操縦手用ハッチ後方には横風センサーを装備した。全長4.87m、全幅2.69m、全高3.35m、全備重量11.8トン。エンジンは６気筒液冷ディーゼル（212馬力）、最大速度64km、航続距離483km。乗員５名。1986年までにアメリカ向けの3315両を含め3541両が生産された。1990年代後半に大部分がM981に改造されている。イラク軍も配備しており、イラク戦争で破壊された車両がある。参考：世界の軍用車両(2)、月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊PANZER1,’04、10,’12

＜Ｍ９８１ＦＩＳＴ−Ｖ＞：砲兵支援車両。M113A2の車体上にM901のTUAミサイルランチャーを改造したターレットを搭載し、内部に観測機材（レーザー距離測定／目標照射装置・熱線映像装置）を納める。カッパーヘッドなどのレーザー誘導砲弾も誘導できる。車体後部にアンテナ２本を増設した。参考：月刊PANZER5,’03、月刊軍事研究11,’99、月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜Ｍ９８１Ａ３＞：砲兵支援車両。M981のエンジンを換装し、寿命延長改修を施したもの。参考：月刊PANZER3,’02

＜Ｍ１０５７Ａ３＞：発煙車両型。M157煙幕発生器を車体上部後方寄りに左右１基ずつ搭載したもので、90分間にわたり無補給で煙幕を展開でき、1km×5kmの面積を覆うことができる。参考：月刊PANZER4,’03

＜Ｍ１０５９＞：発煙車両型。車内に454リットルの発煙燃料を搭載し、M157と同じ発煙システムを収容、車体上面後部左右にM54発煙装置を装備して無給油で１時間にわたり煙幕を発生できる。1988-90年に200両が配備された。参考：月刊PANZER8,’10、月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜Ｍ１０５９Ａ３＞：発煙車両型。M1059の改良型である。参考：月刊PANZER8,’10

＜Ｍ１０６４Ａ３＞：自走迫撃砲型。M113A3の兵員室に120mm迫撃砲M121（67発）を後ろ向きに搭載している。M95迫撃砲射撃統制システムを装備しており、車内からの射撃が可能。側面には迫撃砲を地上設置して砲撃する際の台座を装着する。全長5.32m、全幅3.02m、全高2.5m、戦闘重量12.8トン。エンジンは6V53Tターボチャージド・ディーゼル（275馬力）、最大速度64km、航続距離483km。自衛用に12.7mm重機関銃M2を１丁装備する。乗員６名。参考：月刊軍事研究8,’13、9,’03、月刊PANZER6,’02、月刊グランドパワー3,’05

＜Ｍ１０６８＞：コマンドポスト型。M577のエンジンを270馬力に強化したもので、M577とM7BCOTMの繋ぎに開発された。M577A3に同じ？参考：月刊軍事研究10,’04

＜ＭＥＤＥＶＡＣ＞：装甲救急車型。M113A3の車内に支柱を設け、左右２床ずつの担架を載せられるようにした。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜フィッター＞：回収車型。車体上に最大吊り上げ能力1.4トンのHIABクレーンを搭載し、牽引量1.8トンのウインチも装備する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ１１３装甲兵員輸送車・海外シリーズ＞

　＜ＣＭ２１＞：CM21を参照。

　＜Ｍ１１３（パキスタン陸軍）＞：パキスタン陸軍装甲兵員輸送車。機銃をDShKに換えた。参考：月刊軍事研究7,’05

　＜Ｍ１１３Ａ１（カナダ陸軍）＞：カナダ陸軍装甲兵員輸送車。955両を導入した。参考：月刊PANZER10,’85

　＜Ｍ１１３Ａ１Ｇ＞：ドイツ陸軍装甲兵員輸送車。車体前面に横１列の８連装76mm発煙弾発射機を備えるのがドイツ陸軍M113シリーズの特徴である。車長用キューポラにはMG3機銃を搭載する。トリムベーンを外して大型のオープントップ式カーゴケース（下方にヒンジが付いており、トリムベーン代わりにもなる）を装備した車両もある。1969年から4000両を導入し、2010年までに退役した。参考：月刊PANZER9,’03、6,’14、月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ１１３Ａ２＞：フィリピン陸軍装甲兵員輸送車。2014年に114両の輸入契約を締結し、2015年から引き渡されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｍ１１３Ａ２Ｇ＞：ドイツ陸軍装甲兵員輸送車。M113A1の改良型で、既存のM113/M113A1Gから改修された。サスペンションのトーションバーを改良し、誘導輪の取り付け位置を下げて最低地上高を20mm上げ、機関室冷却効率を向上させている。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ１１３Ａ２Ｍｋ１（ブラジル陸軍）＞：ブラジル陸軍装甲兵員輸送車。M113Bの改良型で、エンジンとトランスミッションを換装する。配備236両全てを改修する予定で、2014年にアメリカとFMSで合意しており、BAEシステムズ社から技術移転を受けて5th Military Region’s Regional Maintenance Parkが2019年10月までに作業を終える。参考：月刊軍事研究4,’17

　＜Ｍ１１３Ａ２　Ｍｋ１Ｊ＞：ヨルダン軍装甲兵員輸送車。KADDB社とユナイテッド・ディフェンス社が共同開発した。デトロイト・ディーゼル製ターボチャージドエンジン（265馬力）とオートマチック・トランスミッションを搭載、サスペンションも更新し、オープントップ無人銃塔（7.62mm機銃、暗視装置、TV装備）を装備する。2002年から改造され、132両が2005年末までに改修を受ける。参考：月刊軍事研究12,’04、月刊丸9,’03

　＜Ｍ１１３Ａ３Ｍｋ．１＞：デンマーク軍歩兵戦闘車。M113の車体に波形の増加装甲を付け、エリコン・コントラバス製25mm機関砲KBA-B02を搭載したオットー・ブレダ社製T25砲塔（TC25？）を装備する。ガンポートは無い。全周で14.5mm弾への抗堪力を持つとされる。50両を調達した。参考：月刊PANZER5,’01

　＜Ｍ１１３ＡＳ＞：オーストラリア陸軍装甲兵員輸送車。M113A1の改良型で、プロジェクト・ランド106計画の名称でBAEシステムズ・オーストラリア社が開発した。エンジンをMTU社製6V199TE20ディーゼル（４サイクル６気筒260馬力）に、トランスミッションをZF社製LSG1000R自動変速機に変更し、外装式燃料タンクを搭載、足回り（ブレーキ、サスペンション、履帯）も改良している。防御力は基本が耐7.62mm通常弾レベルで、増加装甲装着により耐14.5mm弾レベルに向上できる。スポールライナー、耐地雷防御装甲、消火装置も追加した。T-50銃塔の代わりに新型の１名（車長兼砲手）用銃塔を搭載している。銃塔は前面が楔形、側面は平らで前後に長く、12.7mm機銃１丁と7.62mm同軸機銃１丁に２軸安定化装置を装備する。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス10度からプラス45度。発煙弾発射機３基、発射ガス自動排出装置、空薬莢収集装置、映像強化式照準器、照明灯も搭載している。通常型のM113AS3と車体を666mm延長して下部転輪を片側６組にしたM113AS4があり、装甲兵員輸送車、指揮車、修理車、自走迫撃砲、救急車、装甲回収車、兵站支援車といったバリエーションがある。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER4,’04、8,’18、8,’01

　＜Ｍ１１３Ｂ＞：ブラジル陸軍装甲兵員輸送車。M113A2Mk1に改修する予定。参考：月刊軍事研究4,’17

　＜アル・フムザ＞：パキスタンが開発中の歩兵戦闘車型。30mm砲を車体上の小砲塔に搭載している。参考：月刊軍事研究1,’03

　＜ゼルダ＞：イスラエル陸軍装甲兵員輸送車で、鎧兜の意。公式ニックネームはバルデラスだが、兵士の付けたこちらの名称の方が人口に膾炙している。第４次中東戦争勃発を機にM113A1/A2を導入したものである。全長5.3m、全幅2.67m、全高2.52m、重量11.3トン。エンジンはGM社製6V-53水冷直列６気筒２サイクルディーゼル（212馬力）、トランスミッションはアリソン製TX-100（前進３段・後進１段）、最大速度64.4km、航続距離483km。乗員２名＋乗車歩兵11名。6000両以上が配備された。装甲強化のため、TOGA増加装甲や、ナグマン監視塔（装甲鋼板を組み合わせた背の高い上構で、銃眼と防弾ガラス製ビジョンブロックが付いている）を取り付けたものがある。しかし本質的な防御力不足は如何ともし難く、戦車をベースとした重装甲兵員輸送車を開発することになった。参考：月刊PANZER6,’14、5,’11

　＜ワラン＞：ドイツのFFG社が開発した改良型。車体を延長して内部容積を拡大、車体下と側面下部に増加装甲パッケージを装着し、耐地雷防御力を強化している。更に車体前部、側面、後部、上面にモジュラー式装甲パッケージを装着し、14.5mm徹甲弾や榴弾弾片から全周防御を可能にした。キューポラに12.7mm機銃と7.62mm機銃を搭載し、他の兵器に換装もできる。サスペンションも改良した。車両総重量20トン。エンジンはMTU社製6V183TE22ディーゼル（400馬力）、トランスミッションはZF製LSG1000オートマチック（６段）、路上最大速度70km。積載量8.2トン。参考：月刊軍事研究6,’01

　＜アップグレードＭ１１３（ＩＭＩ社）＞：IMI社が開発した改良型で、ユーロサトリ2004に出展された。リアクティブアーマー、鋼板・ゴム・セラミック積層装甲、スラット装甲様スカートを装着し、赤外線被探知防止用に排気管をかなり太くした。エンジンは275馬力に強化し、サスペンションも改良している。車体上には視察装置付の12.7mm機銃と7.62mm機銃１丁ずつを装備する。イスラエル軍から50両の改修発注を受けた。参考：月刊グランドパワー9,’04

　＜アップグレードＭ１１３（ＳＴＫ社）＞：シンガポール・テクノロジー・キネティックス社が発表した改良型。パワーパックをキャタピラー社製3126Bターボチャージャー付き６気筒ディーゼル（出力330馬力、回転数2400rpm）＋HMX-1100油圧式無段変速機に換え、操縦レバーを操縦輪に交換し、路上最大速度75km、航続距離480kmとなった。全転輪にショックアブソーバーを備え、強化型トーションバーの採用により重量16トンまでの増加に耐えられる。履帯は寿命8000kmのラバー製に変更した。車体側面にはビジョンブロック付きガンポート４個が並んでいる。車体上には40mmグレネードランチャー、12.7mm機銃、３連装76mm発煙弾発射機の付いた１名用砲塔40/50を搭載する。参考：月刊PANZER6,’06

＜Ｍ１１３装甲兵員輸送車・海外ファミリー＞

　＜Ｂｅｏｂａｃｈｔｕｎｇｓ−ｐａｎｚｅｒ＞：ドイツ陸軍の砲兵支援車両。車体のベースはM113A2Gで、元々M113A1G規格だったのを改造に際してA2G規格に改修したものもある。兵員室上部を一段持ち上げ、レーザー測距器組み込み二重ペリスコープサイトPeri11、FNA6-15地上航法システム、砲兵大隊射撃統制センターとのデータリンクなどを搭載した。1982-85年にティッセン・ヘンシェル社で320両が改修された。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜ＣＭ２４＞：台湾陸軍の装甲弾薬車。足周りのみ流用し、シャシーや履帯などは全て独自製作である。車体はカーゴ型で、前面に防弾ガラス３枚を填め込んだ。車体上部前方中央に12.7m機銃M2を搭載可能なハッチを持つ。参考：月刊PANZER1,’90

　＜Ｍ１１３Ａ１ＦＳＶ＞：オーストラリア陸軍歩兵戦闘車。スコーピオンの76mm砲塔をそのまま搭載している。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１３Ａ１Ｇ　ＡＢＲＡ＞：ドイツ陸軍の砲兵レーダー車。後部を一段高くして砲兵用射撃支援レーダーシステムRATACを搭載したもので、使用時には伸縮式アンテナマストを6mまで延ばす。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ１１３Ａ１　ＧＥＦ＞：ドイツ軍の情報車両。デジタル・コンピュータ、データリンク、通信設備などを搭載しており、偵察部隊が得た目標情報を収集・解析し、射撃部隊に伝達する。車体上部両側の前後にアンテナポストが１本ずつ立っており、車体上部後方には収容ボックスらしきものを装着している。参考：月刊PANZER12,’02

　＜Ｍ１１３自走迫撃砲（ドイツ）＞：ドイツ陸軍の自走迫撃砲。イスラエルのタンベラ社が開発した120mm迫撃砲を車体後部に後ろ向きで搭載したもので、車体後部上面開口部を車幅一杯にし、ハッチを２分割にした。旋回角は左18.5度・右25度、射角プラス45-80度。搭載弾数63発／23発（水上航行時）。M113/M113A1Gから494両が改修され、M113車体はついでにM113A1G相当に改修した。更に車体後面左右に外装式燃料タンクを装着するなどしている。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ１１３Ａ１Ｇ装甲救急車＞：ドイツ軍の装甲救急車。M113A1Gベースで、担架２床以上と看護兵を収容できる。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ１１３Ａ１Ｇ装甲無線車＞：ドイツ軍の装甲無線車。M113A1Gベースで、砲兵観測車とペアを組んで行動し、目標情報伝達などを行う。参考：月刊PANZER11,’01

　＜Ｍ１１３Ａ１Ｇ対迫レーダー車＞：ドイツ軍の対迫レーダー車。車体後部を一段低くしてイギリスのEMI社が開発したグリーンアーチャー対迫レーダーを旋回機構に搭載している。移動時にはアンテナを後ろに倒すことが可能。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｍ１１３Ａ１Ｇ砲兵観測車＞：ドイツ軍の砲兵観測車。M113A1Gのキャビン上面を１段上げてキューポラを設け、その前方にPERI D11観測機材を載せている。参考：月刊PANZER11,’01

　＜Ｍ１１３Ａ１Ｇ　ＢｅｏｂＰｚＡｒｔ＞：ドイツ軍の砲兵支援車。レーザー測距器内蔵ペリスコープサイトと地上航法装置を備える。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１３Ａ２ＧＥ　ＡＢＲＡ＞：ドイツ軍の砲兵観測レーダー車。RATACシステムを搭載しており、車体後部を１段高くしてレーダーアンテナ付きの支柱を装備している。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER12,’03

　＜Ｍ１１３Ａ２ＧＥ　ＡＯ＞：ドイツ軍の観測車。車体上後部にRATAC戦場レーダー用伸縮式アンテナマストを搭載する。参考：月刊PANZER7,’99

　＜Ｍ１１３Ａ２ＧＥ　ＨＦ４００＞：ドイツ軍のコマンドポスト。参考：月刊PANZER1,’04

　＜Ｍ１１３　ＥＳＥＶ＞：GMカナダ社の工兵車両。車体前面にドーザー・ブレード、車体上部に油圧オーガを装着し、車内に工具や工兵機材を収容する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ１１３−ＴＯＷ（スペイン）＞：スペイン陸軍自走対戦車ミサイル車両。M113にTOWランチャーを剥き出しで搭載している。参考：月刊PANZER5,’01

　＜Ｍ１１３Ａ１−ＴＯＷ（台湾）＞：台湾陸軍自走対戦車ミサイル車両。車体上にTOWランチャーを剥き出しで搭載している。参考：月刊PANZER8,’03

　＜Ｍ５５７Ａ１Ｇ＞：ドイツ陸軍コマンドポスト車両。M557A1を採用したもので、M113A1Gベースである。後に同じ車体で装備のみ変更した情報提供型や航空支援型も作られた。参考：月刊グランドパワー10,’94

　＜ＮＭ１３５＞：NW138かも。ノルウェー陸軍の歩兵戦闘車型。車体中央左に20mm機関砲Rh202、機銃、３連装発煙弾発射機２基を装備する１名用砲塔を備える。車内燃料タンクは車体後部両側に移設した。参考：月刊軍事研究1,’98、月刊PANZER6,’13、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ＮＭ１４２＞：NW142かも。ノルウェー陸軍自走対戦車ミサイル車両。車体はM113A2仕様で、上面にユーレカ社製TOW連装ターレットのエリクソンを搭載している。参考：月刊軍事研究1,’98、月刊PANZER6,’13、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜Ｓｐｚ６３／６７＞：スイス陸軍の歩兵戦闘車型。M113A1に１名用20mm機関砲塔を装備している。履帯による水上航行能力を持つ。重量23トン。路上最大速度61km、水上最大速力5.8km。乗員２名＋歩兵11名。参考：月刊丸3,’13

　＜Ｓｐｚ６８／６９＞：スイス陸軍の歩兵戦闘車型。１名用20mm機関砲塔を搭載し、車体全周に増加装甲を追加、燃料タンクを車外に移して車内スペースを拡大し、エンジンを6V-53ディーゼルに換装、車体前部に76mm発煙弾発射機を装備した。CV9030CH配備後は余剰が出たため、180両がUAEに引き渡された。参考：月刊PANZER4,’05

　＜アティルガン＞：トルコ陸軍短距離地対空ミサイルシステム。PMADSを搭載している。参考：月刊軍事研究8,’09

　＜アリゲーター＞：イタリアのARIS社が開発した強襲揚陸型。車体前後にフロートを搭載し、後部にウォータージェットを備える。車体上面も改修し、排気口を排気筒に改めて後方に移動しており、荒れた海上でも水が入らないようにした。参考：月刊PANZER12,’98

　＜アル・オースワ＞：パキスタン軍補給車両。M113A3の下部転輪を片側６組にして車体を延長、側面にドアを設け、エンジンをデトロイト・ディーゼル製6V53T（265馬力）に換装した。重量14.5トン。積載量６トン。参考：月刊軍事研究1,’03

　＜サクブ＞：パキスタン軍コマンドポスト。M113のルーフを635mm持ち上げている。戦闘重量12.4トン。最大速度60km、航続距離530km。収容兵員７名。参考：月刊軍事研究1,’03

＜Ｍ１１３Ｃ＆Ｒシリーズ＞：FMC社が開発した軽指揮・偵察車両。M113のコンポーネントを流用して1963年に試作車を完成させたが、アメリカはM114を採用していたので、オランダとカナダに輸出した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１３Ｃ＆Ｒ＞：オランダ陸軍採用型。M113A1の機関室を車体後部に移し、車体前部右に操縦手、左に無線手、その後方に車長が位置する。それぞれに独立したハッチがあり、車長用キューポラに12.7mm機銃M2を装備した。1974年からは車長用キューポラの代わりにエリコン製25mm機関砲KBA-Bを搭載した砲塔を載せている。260両以上を導入した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜リンクス＞：カナダ軍採用型。車長が操縦手と無線手の間に位置する。車長用に遠隔操作式12.7mm機銃M2（1155発）搭載銃塔付きキューポラが用意されており、車体上面後部左に7.62mm機銃１丁（2000発）を装備する。全長4.59m、全幅2.41m、全高2.17m、重量8.77トン。装甲厚29-44mm。エンジンは6V53ディーゼル（212馬力）、トランスミッションはTX100オートマチック、最大速度64km、航続距離520km。乗員３名。100両を導入した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER10,’85

＜Ｍ１１４＞：M1シリーズ（カノン砲）を参照。

＜Ｍ１１４指揮偵察車シリーズ＞：アメリカ陸軍の装軌式指揮偵察車。1957年6月からキャデラックがT114の名称で開発し、1958年6月に試作車６両が発注され、1961年12月29日に限定生産開始、1963年5月に制式化されて1964年までに各型計3710両が完成した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１４＞：M113を小型化して下部転輪を片側４組にしたような外見で、5083アルミニウム製。車体前部右が機関室でシボレーＶ型８気筒液冷ガソリンエンジン（115馬力）とトランスミッションを収容し、車体前部左が操縦手席、車体後部が戦闘室で乗員３名が乗る。車体上部中央左には両開きハッチを持つ車長用キューポラがあり、ピントル・マウントを介して12.7mm機銃M2を１丁搭載する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｍ１１４Ａ１＞：T114E1の制式化型。車長用キューポラに半球形ハッチを装着し、12.7mm機関銃、20mm機関砲などを搭載可能とした。全長4.46m、全幅2.33m、全高2.16m、重量6.87トン。装甲厚19-44mm。最大速度58km、航続距離483km。水上浮航が可能。乗員４名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ１１４榴弾砲＞：アメリカ軍155mm牽引式榴弾砲。155mm榴弾砲M1を改称したものである。射撃時は砲架下部と脚部後端の駐鋤を接地させ、ジャッキで車輪を宙に浮かせる。砲身長3.78m、口径長24。俯仰角マイナス２度からプラス63度。弾種は榴弾、対人クラスター弾、照明弾、発煙弾、化学砲弾、M454核砲弾（0.1キロトン）、XM785中性子砲弾。M107通常榴弾（42.91kg）のチャージ７で砲口初速毎秒564m、最大射程14.6km。陸上自衛隊も配備し、イラク戦争ではイラク軍が使った。参考：月刊PANZER3,’98、11,’86、12,’03、スピアヘッドNo.5、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ１１４／３９榴弾砲＞：オランダ軍155mm牽引式榴弾砲。使用弾はHEとHE-ERBS（射程延伸弾）。最大射程30000m。最大発射速度毎分５発。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ１１５榴弾砲＞：アメリカ軍203mm牽引式榴弾砲。1950年代（1940年？）に就役した。M422核砲弾も撃てる。参考：軍事力バランス78年版、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ１１６＞：M1シリーズ（75mm榴弾砲）を参照。

＜Ｍ１１６カーゴ車＞：台湾陸戦隊の水陸両用装軌式カーゴ車両。兵員・貨物輸送に用いられる。参考：月刊PANZER1,’90

＜Ｍ１１６カーゴ車ファミリー＞

　＜Ｍ７３３＞：装甲兵員輸送車／指揮車型。足周りと車体の下半分を流用し、オープントップにした。参考：月刊PANZER1,’90

＜Ｍ１１６Ａ１（イスラエル）＞：イスラエル軍の155mm榴弾砲用ヘキサクロロエタン発煙弾。参考：月刊軍事研究1,’14

＜Ｍ１１６Ａ１（陸上自衛隊）＞：自衛隊の155mm榴弾砲用着色発煙弾。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’08

＜Ｍ１１６Ｂ１＞：自衛隊の155mm榴弾砲用着色発煙弾。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜Ｍ１１７爆弾シリーズ＞：アメリカ軍750ポンド汎用爆弾。朝鮮戦争時代に実用化された。第２次大戦時の爆弾よりは抗力が少ないが、搭載しての超音速飛行は難しく、太いので３連装でのパイロン搭載が難しい機種もあり、ベトナム戦争以後はB-52などの爆撃機が専ら使用した。超音速機向けの後継爆弾としてはMk80系低抵抗汎用爆弾が開発されている。2015年6月27日にマリアナ諸島ファラロン・デ・メディニラ射爆撃場でアメリカ空軍最後の１発がB-52Hから投下された。参考：月刊軍事研究9,’03、3,’11、月刊航空ファン10,’15

＜Ｍ１１７＞：尾翼はMAU-103A/B、信管はFMU-26B/B、FMU-72/B、M904E2、M904E3、M905。全長1.31m（2.22m？）、直径0.406m、翼スパン0.569m、重量820ポンド（372kg。737ポンド・334kg？）、炸薬重量386ポンド（181kg。トリトナールまたはマイノール�U高性能炸薬）。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings11,’12、ワイルドウエポン、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊軍事研究3,’11

＜Ｍ１１７Ｄ＞：破壊爆弾型。信管はMk75Mod0。全長2.16m、直径0.41m、翼スパン0.57m、重量880ポンド（399kg）。参考：ワイルドウエポン

＜Ｍ１１７Ｒ＞：高抵抗爆弾型。尾部にMAU-91A/BまたはMAU-91B/Bスネークアイ型制動装置を装着する。信管はFMU-54/B、FMU-54A/B、M904E2、M904E3。全長2.16m、直径0.41m、翼スパン0.57m（収容時）／2.12m（展張時）、重量880ポンド（399kg）。参考：ワイルドウエポン、U.S.ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ１１７ＡＩＲ＞：高抵抗爆弾型。B-52用で、尾部にバリュート型制動装置を装着した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ１１７爆弾・海外シリーズ＞

　＜ＪＭ１１７＞：航空自衛隊の汎用爆弾。340kg普通爆弾と呼ばれる。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、JWing8,’03

＜Ｍ１１８＞：GBU-9/B（誘導爆弾）を参照。

＜Ｍ１１８通常爆弾＞：アメリカ軍3000ポンド通常爆弾。M117と同様の太い流線型弾体を使用している。信管はFMU-26B/B、FMU-72/B、FMU-81/B、M904E2、M904E3、M905で、M905の場合は弾体後方左側面にATU-35安全解除装置が付く。全長15フィート５インチ（4.699m）、直径24.13インチ（0.613m）、尾翼スパン36.6インチ（0.853m）、全備重量3020ポンド（1.372トン）、炸薬重量1888ポンド（0.856トン）。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、ワイルドウエポン、月刊軍事研究3,’11

＜Ｍ１１８普通弾＞：アメリカ軍の7.62mm×51弾。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜Ｍ１１９榴弾砲シリーズ＞：アメリカ陸軍105mm榴弾砲。L118榴弾砲を採用したものである。参考：月刊PANZER7,’03

＜Ｍ１１９＞：アメリカ製105mm砲弾を使用できるようL20砲身に換装し、マズルブレーキはシングルバッフル式、撃発はパーカッション式に変更した。RAP弾や汎用改良型通常弾薬DPICMも新たに開発している。ライフリング長2.779m、腔線36条。542セットを調達した。参考：月刊PANZER7,’03

＜Ｍ１１９Ａ１＞：空挺部隊用。M101/M102の後継で、UH-60Lに吊り下げて運べる。重量２トン。射程14km。発射速度毎分６発。2001年10月のアフガン戦争から本格的に使用された。参考：月刊軍事研究3,’04、12,’03

＜Ｍ１１９榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１１９Ａ２（サウジアラビア陸軍）＞：サウジアラビア陸軍榴弾砲。イラン情勢の悪化に対応するため、2012年にM119A2榴弾砲54門とM549RAP弾2304発の導入を決めた。参考：月刊PANZER9,’12

＜Ｍ１２０迫撃砲＞：アメリカ陸軍120mm牽引式重迫撃砲。M933榴弾（重量13.7kg）なら射程7200m。最大発射速度毎分16発。参考：月刊軍事研究7,’16

＜Ｍ１２０Ａ１＞：アメリカ空軍フラッシュ爆弾。最大発光高度10668m。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｍ１２１迫撃砲＞：アメリカ陸軍120mm車載迫撃砲。M120牽引式重迫撃砲の車載型である。使用弾はM934榴弾（全長0.71m、総重量13.7kg、炸薬重量3kg）、M929発煙弾、M930照明弾、M983照明弾、M931訓練弾で、GPS誘導によりCEP10m以下を誇るXM395も開発中。最小射程200m、最大射程7200m。発射速度毎分４発（持続）／16発（１分間限定）。M1064A3自走迫撃砲やM1129A1/M1252ストライカー自走迫撃砲に搭載されている。参考：月刊軍事研究8,’13、8,’16

＜Ｍ１２２＞：アメリカ空軍フラッシュ爆弾。最大発光高度4877m。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｍ１２３＞：アメリカ空軍の発光カートリッジ。最大発光高度2438m。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｍ１２５シリーズ＞：M113装甲車ファミリー（自走迫撃砲）を参照。

＜Ｍ１２７＞：イスラエルのレシェト・テクノロジーズ社が開発した電子時限信管。アメリカ陸軍が105mm対人弾M494用M571信管の後継としてテストした。参考：月刊軍事研究7,’95

＜Ｍ１２９＞：SADM（核地雷）を参照。

＜Ｍ１２９シリーズ＞：アメリカ軍のリーフレット・ディスペンサー。参考：月刊軍事研究9,’03

＜Ｍ１２９＞：内部は前後２区画に分かれ、それぞれラッチが４つあり、130mm×200mmのビラを２区画計6-8万枚収容する。投下後に時限信管が作動して空中で前後区画の境界を爆破コードで破壊、ビラを地上に撒く。全長2.20m、直径0.406m。参考：月刊軍事研究8,’16

　＜Ｍ１２９Ｅ１＞：信管はAN-M147A1、尾翼はM148。全長2.29m、直径0.406m、尾翼スパン0.58m、空虚重量41.73kg、全備重量90.72kg。参考：ワイルドウエポン

　＜Ｍ１２９Ｅ２＞：

＜Ｍ１３０＞：AN/ALE-40シリーズ（チャフ・フレアディスペンサー）を参照。

＜Ｍ１３０＞：アメリカ海軍４発飛行艇。パンアメリカン航空の２機を導入して1942年から運用した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ｍ１３１＞：アメリカ陸軍5000ガロン（18927リットル）積みセミトラクター。参考：月刊軍事研究8,’03

＜Ｍ１３２＞：ソ連軍試作24連装地対地ロケット弾。RS132多連装地対空ロケットの対地型で、ZiS-5トラックの側面に搭載したが、発射の際にトラックが揺れて照準がずれるので採用されず、BM-13-16に進んだ。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜Ｍ１３４＞：アメリカ陸軍電気駆動式7.62mmガトリング銃。アメリカ空軍GAU-2B/Aミニガン及びアメリカ海軍GAU-17/Aミニガンと同じものだが、ベルトリンク式給弾システムを採用しているため、発射速度は毎分2000/4000発の切り替え式と遅くなっている。陸上自衛隊もFMSで調達してヘリコプターで試験中。参考：月刊PANZER1,’03、月刊軍事研究1,’17、月刊JWings1,’19

＜Ｍ１３５＞：アメリカ陸軍14.6口径165mm破砕砲。M728戦闘工兵車に搭載されている。プラスチック爆薬13.6kgを充填したM123A1HEP弾（重量29.5kg）を発射でき、最大射程914m。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究4,’09

＜Ｍ１３６＞：AT-4（対戦車ロケット）を参照。

＜Ｍ１３８＞：アメリカ軍のクラスター兵器用子爆弾。CBU-5/Bに57発収容される。参考：月刊JWings2,’13

＜Ｍ１３９＞：アメリカ陸軍の地雷投射システム、別名ボルケーノ（Volcano）。対戦車地雷５個と対人地雷１個を詰めた円筒形のM87A1地雷投射キャニスターを５列４段にセット、仰角を付けてトラックの荷台やトレーラーに左右を向けて搭載し、走りながら地雷を車両両側にばらまく。５トン・トラックならキャニスター160本を積み、960個の対人・対戦車地雷を幅120m（車両から25-60m離れた所に地雷が落ちる）・長さ1100mの範囲に撒布できる。M548など、各種装軌車両にも搭載可能。ストライカーM1134工兵車両では牽引するトレーラーに積む。参考：月刊軍事研究9,’16、月刊PANZER6,’05

＜Ｍ１３９＞：アメリカ軍20mm機関砲。Mk20-1を1967年に採用したもので、改良を施してある。使用弾は西ドイツ軍制式弾に自国の信管を付けたもので、M599HEI-T、M601API-T、M206TPなどがある。参考：月刊PANZER8,’05

＜Ｍ１４２＞：HIMARS（自走ロケットランチャー）を参照。

＜Ｍ１４５＞：アメリカ軍の小火器用光学サイト。M240、M249、M4に装着できる。参考：月刊PANZER10,’04

＜Ｍ１４７＞：アメリカ軍の弾頭用空中炸裂信管。参考：月刊軍事研究4,’11

＜Ｍ１４９＞：アメリカ軍のハイドラ70用フラグメンテーション弾頭。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ１５１遠隔操作式兵装ステーション＞：プロテクター（遠隔操作式兵装ステーション）を参照。

＜Ｍ１５１トラック・シリーズ＞：アメリカ軍1/4トン４×４輪トラックMilitary Utility Tactical Truck ４×４ 1/4t M151、略称MUTT、通称ジープまたはケネディ・ジープまたはベトナム・ジープ。それまでのジープは不整地踏破能力重視だったが、重くて乗り心地が悪かったので、エアボーン作戦向きに軽量化し、長時間搭乗しても乗員が疲れず戦闘力を保てるタイプとして1952年（1951年？）からフォード社が開発し、従来ジープ型のシャシー・フレーム＋リーフ・スプリング式サスペンション型と新型のモノコック・ボディ＋独立懸架コイル・スプリング式サスペンション型を比較して後者が選ばれ、1961年に採用された。コスト重視で維持費低減にも努めたため、使用可能期間は8-10年くらいで良しとされ、前線の兵士からは安っぽいブリキ玩具呼ばわりされてもいる。1982年までに各型計16万両が生産されている。HMMWVに後を譲って退役した。参考：THE JEEP、月刊PANZER5,’81

　＜ＸＭ１５１＞：試作型。外形はM38ジープを踏襲しつつモノコック・ボディを採用して軽量化し、独立懸架式サスペンションで乗り心地を改善した。1954年6月に９両が納入され、1956年までテストされている。参考：THE JEEP

　＜ＸＭ１５１Ｅ１＞：増加試作型。鋼板製ボディ型で、1957年初めからXM151E2との比較試験が行われ、7月に制式採用された。その後も1959年6月まで試験が続き、細部の改良を加えている。参考：THE JEEP

　＜ＸＭ１５１Ｅ２＞：増加試作型。アルミ製ボディの更なる軽量化型で、1957年初めからXM151E1との比較試験が行われたが、構造や強度などに問題があり、採用には至らなかった。参考：THE JEEP

　＜Ｍ１５１＞：最初の量産型。軽量化のためモノコック・ボディを採用し、ボディの床下にシャシーの駆動システムなどを直付けした。床面を低く出来たので走行時の安定性が増し、キャビンも広く居住性が向上している。サスペンションは独立懸架式コイル・スプリング＋テレスコピック型ショック・アブソーバーで、前輪がウィッシュ・ボーン、後輪がスイング・アクセル。ウインドシールドは左右に分かれており、バキューム式ワイパーが付く。トランスファーレバーの操作で２輪駆動と４輪駆動を選択できる。タイヤは7.00-16-4P。前輪フェンダーはタイヤ上方と斜め後方をカバーするタイプである。全長3.353m、全幅1.581m、全高1.803m（幌展張時）、ホイールベース2.159m、最低地上高0.241m（全備重量時）、自重1.065トン。エンジンはコンチネンタル社製オードナンス／フォード1660425型直列４気筒OHVガソリン（総排気量2319cc、出力71馬力／4000rpm、最大トルク19.12kgm／1800rpm）、最大速度104km、登坂能力45-60度、最小回転半径5.44m（右）／5.43m（左）、燃料容量70リットル（オクタン価72）、航続距離500km。渡渉能力0.53m（通常時）／1.92m（水中走行用吸排気装置装備時）。電装24V（12Vバッテリー２基）。乗員４名。フォード社で量産されたが、配備が始まると、時速32km以上でアクセルを踏んだままカーブした際に、リア・サスペンションが遠心力に耐えきれず内側の後輪が浮き上がり、横転してしまうという欠点が見つかり、欠陥車を採用したとして政治問題にまで発展し、暫定改良型のM151A1の製作が決定、フォード社は量産メーカーから外されてしまった。参考：THE JEEP、月刊軍事研究11,’16、月刊PANZER5,’81

　＜Ｍ１５１Ａ１＞：横転防止の暫定改良型。リア・サスペンション・アームの材質を変更して強度を上げ、アームの硬質ゴム製ダンパーを１個から２個に増やし、リア・ホイール用スピンドル・サポートの取り付けボルトを４本から６本に増加させた。アメリカン・モーターズ・コーポレーションAMC傘下のカイザー・ジープ・コーポレーションで1963年（1964年？）から生産された。参考：THE JEEP、月刊PANZER5,’81

　＜Ｍ１５１Ａ２＞：全面改良型。リア・サスペンションにセミ・トレーリング・アームとダブルアクション式ショック・アブソーバーを搭載し、横転発生速度を時速48km付近に改善した。ついでに前部フェンダー前縁を窪ませて防水ターン・シグナル灯とハザード・ライトを装着し、ウインドシールドを一枚ガラスに変更、ワイパーを電動二連二速とし、ウインドー・ウォッシャーを追加、ブレーキ・シリンダーを大型化するなどしている。タイヤは7.00-16-4P。全長3.37m、全幅1.633m、全高1.803m、ホイールベース2.159m、最低地上高0.29m（全備重量時）、自重1.088トン。エンジンはコンチネンタル社製オードナンス／フォード1660425型直列４気筒OHVガソリン（総排気量2319cc、出力71馬力／4000rpm、最大トルク19.12kgm／1800rpm）、トランスミッションは前進４速・後進１速×２速トランスファー、最大速度104km、登坂能力45-60度、最小回転半径5.63m（右）／5.64m（左）、燃料容量70リットル（オクタン価95）。渡渉能力0.53m（通常時）／1.52m（水中走行用吸排気装置装備時）。電装24V（12V防水バッテリー２基）。乗員４名。フォード社が量産に復帰して1965-69年に生産、その後AMゼネラル社が1983年まで量産した。1970年1月から部隊配備されたが、終戦間近とみられていたベトナムより在欧米陸軍（西ドイツ駐留部隊）への配備が優先され、ベトナム戦争には休戦直前に少数のみ参加している。参考：THE JEEP、月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１５１ジープ・ファミリー＞

　＜Ｍ１５１（１０６ｍｍ無反動砲搭載）＞：自走無反動砲型。106mm無反動砲M40をM92砲架を介して車体後部に搭載している。参考：月刊グランドパワー3,’95

　＜Ｍ８２５＞：自走対戦車ミサイル型。キャビン後部にTOWミサイルランチャーを搭載し、キャビン右に予備ミサイル２発を積んでいる。参考：THE JEEP、月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１５１弾頭＞：アメリカ軍ハイドラ70ロケット弾用HE弾頭。結晶質鍛造鋼材（PMI）と呼ばれる素材でできており、破片効果が高い。全長407mm、重量3.94kg（4.36kg？）、弾頭重量1.04kg（コンポジッションB-4）。信管はM433超瞬発・遅延貫通、M432遠隔セット空中起爆、M423ヘリコプター・ポイント破砕のいずれか。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ｍ１５１弾頭・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１５１榴弾＞：自衛隊の火工品。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜Ｍ１５３遠隔操作機銃シリーズ＞：アメリカ軍の遠隔操作機銃。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｍ１５３Ａ１＞：別名CROWS�U。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｍ１５３Ａ１Ｅ１＞：M-1A2システム拡張プログラム・バージョン３用に開発中の新型で、別名CROWS-LP（各種車両用共通遠隔操作機銃−低姿勢型）。照準器を12.7mm機銃の下から右側に移し、250mmほど銃架を低くしている。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ１５６白燐弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70用白燐弾頭。目標指示に使用する。外形はM151と同じで、内部中央にバースターと呼ばれるコンポジッションB4爆薬製チューブが入っており、それ以外の部分に白燐が詰め込まれている。弾頭のM427信管が作動すると、バースターが白燐を撒き散らして周辺に濃密な白煙を生じる。全長407mm、重量4.88kg、白燐重量1.089kg、炸薬重量0.057kg。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ｍ１５７＞：HMMWV輸送車ファミリーを参照。

＜Ｍ１５７Ａ２＞：HMMWV輸送車ファミリーを参照。

＜Ｍ１５８＞：アメリカ陸軍の武装型UH-1用2.75インチ（70mm）FFAR７連装ランチャー。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ１５９＞：SADM（核地雷）を参照。

＜Ｍ１５９＞：アメリカ軍の70mmロケット弾19連装ランチャー。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ１６０＞：アメリカ陸軍の装軌式無人地雷処理車。クロアチアのDOK-ING社製。車体前部にチェーン34本装備のフレイル装置またはローラーを装備しており、対人地雷を爆破処分する。ドーザーやグリッパーを装着することも可能。全長3m、全幅1.95m、全高1.5m、重量６トン。エンジンはターボディーゼル（275馬力）、最大速度5km。啓開能力毎時2000平方メートル。工兵部隊に配備された。参考：月刊軍事研究2,’17

＜Ｍ１６０＞：イラク軍の牽引式160mm後装迫撃砲。重量1.47トン。使用弾は重量40kgの通常弾で、最大射程8070m。最大発射速度毎分４発。湾岸戦争時に配備していた。参考：月刊軍事研究11,’09

＜Ｍ１６０＞：ソ連陸軍160mm迫撃砲。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ１６３シリーズ＞：アメリカ陸軍の自走対空機関砲。1964年から開発され、1965年に採用されて1968-70年（71年？）に601両が配備された。1975年から輸出向けが生産され、計671両が量産されている。参考：世界の軍用車両(2)

＜Ｍ１６３＞：M741（M113A1ベース）の車体に20mmバルカン砲の車載型であるM168を装備した小型砲塔を搭載し、海軍が開発したMk.20ジャイロ機構を備えた見越し角計算機付き照準器と、エンテック社が開発したAN/VPS-2パルス・ドップラー式測距レーダーを搭載したものである。よって、肉眼以外で目標を見つけることが出来ない。砲口初速毎秒1030m、発射速度毎分1000発または3000発、10/30/60/100発のバースト射撃ができる。弾倉はリンクレス・ドラム弾倉、装弾数1100発。車内に予備弾薬1000発を搭載する。車体前後の着脱式フロートにより浮航能力を持つ。全長4.86m、全幅2.85m、全高2.92m、重量12.4トン。エンジンは６気筒液冷ディーゼル（212馬力）、最大速度64km、航続距離483km。乗員４名。参考：世界の軍用車両(2)、月刊PANZER9,’99、12,’02、異形戦車ものしり大百科

＜Ｍ１６３Ａ１＞：車体をM113A2規格に改良したもの。参考：世界の軍用車両(2)

＜Ｍ１６３海外シリーズ＞

　＜Ｍ１６３（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍の自走対空機関砲、別名Machbed Vulcan。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｍ１６７＞：MADM（核地雷）を参照。

＜Ｍ１６７Ａ１＞：アメリカ軍の牽引式対空機関砲。M163の牽引型で、M168バルカン砲を１軸２輪トレーラーに搭載している。給弾はベルトリンク式。参考：月刊PANZER12,’02

＜Ｍ１６７Ａ１海外シリーズ＞

　＜ＪＭ１６７Ａ１＞：航空自衛隊の基地防空用高射機関砲、別名VADS-1。1979年に採用し、本体は住友重工、レーダー部は東芝がライセンス生産した。参考：月刊軍事研究3,’07、月刊PANZER1,’03

　＜ＪＭ１６７Ａ２＞：航空自衛隊の基地防空用高射機関砲、別名20ミリ対空機関砲（能力向上型）VADS-1改。1994年に採用された。JM167A1にボール状の光学式射撃統制装置を追加したものである。全長4.95m（走行時）／4.29m（射撃時）、全幅2.04m（走行時）／3.82m（射撃時）、全高2.4m（走行時）／2.17m（射撃時）、重量1.8トン。有効射程1200m。発射速度毎分1000発または3000発、装弾数500発で、10/30/60/100発のバースト射撃を行う。砲要員２名。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究3,’07、月刊PANZER1,’03、MAMOR vol.146

　＜ＶＡＤＳ−２＞：航空自衛隊の基地防空用高射機関砲。1984年に導入した。要らなくなったF-104Jの20mmバルカン砲を使用して製作したJM167A1である。参考：月刊軍事研究3,’07

＜Ｍ１６８＞：アメリカ軍の高射機関砲。M61A1バルカン砲の地対空型で、砲身を前部アダプターにより扁平に取り付け、弾幕が左右に広がるようにしている。また、発射速度を毎分1000発と3000発の切り替え式とした。参考：月刊PANZER12,’02

＜Ｍ１７２＞：MADM（核地雷）を参照。

＜Ｍ１７２Ａ１＞：アメリカ陸軍の低床セミトレーラー。全長10.5m、全幅2.9m。積載容量22.7トン（25ショート・トン）。M1088トラクターで牽引される。参考：月刊軍事研究10,’16

＜Ｍ１７５＞：MADM（核地雷）を参照。

＜Ｍ１８８シリーズ＞：アメリカ陸軍のM110自走榴弾砲シリーズ用装薬。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１８８＞：M110A1/A2自走榴弾砲用チャージ８装薬。全長736.6mm、直径203mm、総重量18.61kg、装薬重量17.02kg。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１８８Ａ１＞：M110A2自走榴弾砲用チャージ９装薬。全長787.4mm、直径203mm、総重量20.88kg、装薬重量19.06kg。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ１９２＞：GE社が開発した20mm機関砲。弾頭重量0.22ポンド（99.8g）、初速毎秒3380フィート（1030m）、発射速度毎分750発。参考：月刊軍事研究4,’97

＜Ｍ１９３＞：アメリカ軍5.56mm×45普通弾、別名.223レミントンまたは.223アーマライト。弾丸重量3.565g、初速毎秒995m。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ１９５＞：アメリカ軍試作20mmガトリング砲。M61A1バルカン砲を３砲身にして砲身長を短縮し、マズルブレーキを装着、発射速度を毎分850発に抑えている。AH-1G用に開発されたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER12,’02

＜Ｍ−１９５＞：アメリカ空軍高々度偵察機MX-2147／ボールド・イーグル計画にフェアチャイルド社が応募したもの。コクピット直後の機体上面にエアインテイクがある。主翼は低翼配置。尾翼は排気ノズル後方に延びるテイルブームの先端に付く。降着装置は尾輪式。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J57-P-37ターボジェット単発。乗員１名。X-16に負けて採用されなかった。参考：月刊JWings2,'17

＜Ｍ１９７＞：アメリカ陸軍ガトリング砲。M61A1バルカン砲を３砲身にしたもので、ヘリコプター・小型固定翼機搭載用として1969年に実用化された。M97などの旋回式ターレットに搭載される。発射モードはバーストとフルオートの２種で、トリガーを浅く引くと16発バースト、深く絞り込むとフルオートになる。全長1.83m、直径0.274m、重量132ポンド（60kg）。有効射程2000m（対地射撃）。使用弾は20mm×120弾で、弾種はM56HE、M56A1HE-I、M53A1AP-I、M55A1訓練弾などがあり、バルカン・ファランクス用タングステン／劣化ウラン徹甲弾も使用可能で、M61バルカン砲用M53徹甲弾を使用した際の３倍の貫徹力を発揮できる。駆動力はモーター（３馬力）で、発射速度毎分750発／1500発の切り替え式。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊PANZER12,’02、世界の傑作機No32

＜Ｍ１９８＞：アメリカ軍牽引式155mm榴弾砲。弾種は榴弾、RAP榴弾、対人クラスター弾、対戦車地雷撒布弾、照明弾、発煙弾、化学砲弾、M454核砲弾、XM785中性子砲弾。全長12.3m、全幅2.8m、全高2.9m、重量7.9トン。旋回角左右22.5度ずつ、俯仰角マイナス５度からプラス72度。最大射程24000m（通常弾・最強装薬）／30000m（RAP弾・最強装薬）。最大発射速度毎分４発。操作要員10名。牽引は５トンカーゴトラックM548で行う。参考：月刊グランドパワー3,’95、月刊軍事研究6,’03、3,’04、月刊JWings2,’11、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ２００＞：アメリカ軍70mmロケット弾19連装ランチャー。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ２００Ａ１トレーラー＞：アメリカ陸軍のトレーラー。重量2.5トン。M147発射キット、M58A4導爆索、Mk22Mod4ロケットを搭載するとMICLICトレーラーになる。参考：月刊PANZER10,’05

＜Ｍ２０１＞：EBRシリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ２０３シリーズ＞：アメリカ軍手動式単発グレネードランチャー。M79の後継として1967年にAAI社が開発し、1969年に採用された。アイルランド陸軍も5.56mmステアーAUG突撃銃に装着して使用している。参考：月刊軍事研究11,’14、コンバット・バイブル、世界の軍用銃

＜Ｍ２０３＞：M16小銃のハンドガードとスリングスイベルを外し、専用のハンドガード、レシーバー、アルミニウム製発射筒、スリングアダプターを取り付ける。トリガーはレシーバー後部に付いており、発射時はM16小銃の弾倉をグリップとして使用する。発射筒を前に押し出して擲弾を装填し、発射筒を戻すついでにコッキングが行われ、撃発準備が完了する。発射後は発射筒を前に押し出して排莢するが、打殻薬莢が発射筒に引っかかって出てこない時は、クリーニングロッドで押し出す。サイトはハンドガード前方のリーフ・サイト（通称バトル・サイト）を主に使用し、キャリングハンドル横に装備する取り外し式遠距離精密照準用クアドラント・サイトは殆ど使わない。口径40mm、全長389mm、発射筒長304mm、重量1.36kg。ライフリングは６条右回り。砲口初速毎秒80m、最短安全距離31m（戦闘時）／80m（訓練時）、有効射程150m（点射撃）／350m（面射撃）、最大射程400m。使用弾は高低圧方式40mm×46弾、弾種はM381/M406HE弾、M397空中炸裂弾、M463信号照明弾、M443対人・対装甲弾、M382/M407訓練弾など。ピストルグリップ、ストック、照準器を取り付けて単体で使うことも可能。小銃がM4に更新されたため、こちらもM4用のものが開発された。参考：コンバット・バイブル、月刊軍事研究9,’01、11,’14

＜Ｍ２０３海外シリーズ＞

　＜Ｍ２０３（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊グレネードランチャー。評価試験の結果、不発率が多い、威力がランチャー直径に制限される、M203を持っているてき弾手しか使用できないといった欠点が指摘されて本格採用には至らなかった。ただ特殊作戦群がM4カービンに取り付けて少数を配備しているらしい。参考：月刊軍事研究9,’17

＜Ｍ２０３Ｐ１＞：オーストラリア陸軍グレネードランチャー。F88突撃銃の銃身下部に装着できるよう改造されている。参考：月刊PANZER9,’00

＜Ｍ２０５＞：ドイツ海軍M1級掃海艇。1941年11月竣工。1947年、フランス海軍に譲渡され、ベルフォールとなった。1957年、西ドイツ海軍に返還され、小型護衛艦となった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ２０６＞：アメリカ軍AN/ALE-47チャフ・フレアディスペンサー用赤外線フレア・カートリッジ。長さ8.25インチ（210mm）、幅0.97インチ（24.6mm）、高さ0.97インチ（24.6mm）の箱形で、先端に発火機構があり、電気信号で発火するとピストンによりフレア・ペレットを射出させ、ペレットは空気中で自動発火する。参考：月刊軍事研究3,’04

＜Ｍ−２１０Ｆ＞：ソ連軍BM-21-VグラードＶ専用ロケット弾。重量66.6kg。弾頭はHE。射程5-20.1km。参考：月刊軍事研究9,’00

＜Ｍ２１１＞：アメリカ陸軍６×６輪２トン半トラック。CCKW353の後継で、オートマチック・トランスミッションを標準装備する。全長6.725m、ホイールベース3.9m、全幅2.4m、全高2.8m。エンジンはGMC302Mガソリン（６気筒、130馬力）、トランスミッションはハイドラマティック・オートマチック前進４段・後進１段×２速トランスファー、最大速度92km。早速朝鮮戦争に投入されたが、売りだったオートマチック・トランスミッションが不調で使い物にならず、すぐ引き揚げられた上に生産中止に追い込まれた。参考：THE JEEP

＜Ｍ２１４＞：アメリカ海兵隊４×４輪１トン・トラック。インターナショナル・ハーベスター社製。タイヤは9.00-16-8PR。全長5.029m、全幅2.159m、全高2.235m、ホイールベース3.226m。エンジンは６気筒（93馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速×１速トランスファー。参考：THE JEEP

＜Ｍ２２４＞：アメリカ軍60mm軽迫撃砲。M19/M29の後継で、口径60mmながら81mm迫撃砲M29に匹敵する威力を持つとされる。M225砲身（6.5kg）、M64照準器（1.1kg）、M170バイポッド（6.9kg）、M170ベース・プレート（6.5kg）で構成され、砲身の下半分には冷却用のフィンが付く。砲身後部にグリップ式トリガーが付いており、装填後に時間をおいて発射させることもできる。緊急時にはM225砲身とM8簡易ベースプレートを使用して手持ち射撃ができるが、照準器はバイポッドに付いているので目視照準となる。砲身長1.1m、総重量21.1kg／8.2kg（手持ち射撃時）。弾種はM720榴弾（重量1.7kg）、照明弾、発煙弾。最小射程70m、最大射程3489m。発射速度毎分20発（持続）／30発（最大）。通常は３名で運用する。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究11,’14、8,’16、12,’16、朝雲

＜Ｍ２２９弾頭＞：アメリカ軍ハイドラ70ロケット弾用HE弾頭。M151の大型化版である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ２３０Ｅ１＞：アメリカ陸軍30mmチェインガン（製造元ヒューズ社の登録商標）。AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターに搭載され、地域制圧用火力として使用される。単砲身の電気駆動式で、クローズドループの２列チェインシステムにより回転ボルトを駆動させ、弾薬の装填から排莢までを行う。駆動用の油圧モーターは出力6.5馬力。砲口に多孔式マズルブレーキを持つ。リンク式またはリンクレス弾を発射でき、リンクレス弾を使用すれば複雑なシステムを要しないので、運用がより安全となる。使用弾はアメリカ陸軍規格のM789多目的成型炸薬弾、M799焼夷榴弾、M788（M778？）訓練弾、M848擬装弾、NATO標準30mm弾（アデン砲用及びDEFA砲用）で、着弾観測はTADSで行うため曳光弾は必要無い。弾薬補給の際には機体にパイロットとガンナーが搭乗して機関砲システムの電源を入れておく必要があり、乗員が間違ってトリガーを引くと作業中の整備員が吹っ飛んでしまう。そこで乗員はコクピット内で手を挙げて整備員に対しスイッチ類に触れていないことを示しておく。全長1.64m、全幅0.254m、重量123ポンド（55.8kg）。初速は最大毎秒805m（通常弾）。有効射程3000-4000mで、湾岸戦争ではT-72の砲塔後部を撃ち抜いた。最大発射速度毎分650発プラスマイナス25発、最大発射速度に達するのにかかる時間は0.3秒、停止にかかる時間は0.1秒。通常射撃では50発ずつ６掃射する。給弾システムに問題を有しているらしく、湾岸戦争ではアパッチの６割で不具合を生じたという。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究10,’05、3,’06、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings11,’10、月刊航空ファン6,’11

＜Ｍ２３１ＦＰＷ＞：M16シリーズ（小銃）を参照

＜Ｍ２３９＞：アメリカ軍の６連装発煙弾発射機。イギリス軍チーフテン主力戦車用L8A1と同じもので、発煙弾を前方120度・距離30mに発射し、2-3秒で煙幕を張る。参考：月刊戦車マガジン2,’81、M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜Ｍ２４０機銃シリーズ＞：アメリカ陸軍7.62mm汎用機関銃。元はベルギーのFN社が開発したMAG58機銃である。M1戦車用として候補に挙がっていたM60E2機銃よりも構造は複雑だが平均故障間隔が４倍長いということで採用された。参考：月刊軍事研究8,’14

＜Ｍ２４０Ｂ＞：M240D車載機銃の歩兵向けとして製作され、M60の後継として1995年に採用された。全長1.26m、重量11.1kg（12.5kg？）。有効射程800m（バイポッド）／1800m（三脚）。作動はガス圧式で、発射速度毎分650-850発。三脚が重いので、軽量のものを現地製作していたりする。運搬用バッグが大きく、しかもナイロンで熱に弱いため、撃った直後に収納すると銃身の熱で溶けてしまう。参考：月刊軍事研究6,’03、4,’04、8,’14、12,’16、月刊PANZER6,’02、10,’02

＜Ｍ２４０Ｃ＞：M-2歩兵戦闘車の同軸機銃に使用されているもの。

＜Ｍ２４０Ｄ＞：車載機銃型。尾部にスペードハンドルとトリガーを付けた。ヘリのドアガンとしても使えるが、フレックスマウントを介して銃架に取り付ける必要がある。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｍ２４０Ｇ＞：海兵隊が1994年に採用したもの。参考：月刊軍事研究8,’14

＜Ｍ２４０Ｈ＞：尾部にスペードハンドルとトリガーが付いており、ヘリのドアガンとしても使えるが、フレックスマウントを介して銃架に取り付ける必要がある。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｍ２４０Ｌ＞：軽量型。金属部品をチタン製に交換した。全長1.13m（標準銃身）、重量9.3kg（短銃身）／10.1kg（標準銃身）。射程800m、発射速度毎分750発。2010年7月から量産予定。参考：月刊軍事研究4,’10、12,’16

＜Ｍ２４０迫撃砲＞：ソ連軍240mm迫撃砲。砲弾は４名で装填する。垂直鎖栓式閉鎖機を持つ。砲身長5.34m、重量3610kg。使用弾は核砲弾、化学砲弾、榴弾。最小射程1500m、最大射程9700m。発射速度毎分１発。参考：コンバット・バイブル２、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ２４２＞：アメリカ軍の狙撃銃。レミントン社製7.62mm狙撃銃M700の機関部と銃身にマクミラン社のグラスファイバー製銃床を組み合わせたものである。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｍ２４２＞：アメリカ軍のチェインガン、別名ブッシュマスター。口径25mm、砲身長81.3口径。初速毎秒1345m（APDS）／1100m（その他）、有効射程3000m（徹甲弾）／2700m（榴弾）。発射速度は単発／毎分100発／毎分200発で、通常は4-6点バースト射撃を行う。使用弾はM791APDS-T、M792HEI-T、M793TP-T、M910APFSDS-T、M919APDS-T劣化ウラン徹甲弾があり、ダブルフィード方式のため２弾種の切り替えが可能である。M2歩兵戦闘車／M3装甲偵察車に搭載された。参考：月刊軍事研究6,’03、4,’17、月刊PANZER8,’03、M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜Ｍ２４７＞：アメリカ軍試作自走高射機関砲、別名サージャント・ヨーク。M48A5の車体に30-40mm機関砲を装備する砲塔を搭載し、M-1戦車／M-2歩兵戦闘車部隊に付随できる自走高射機関砲というコンセプトで、フォード社が1976年8月から開発した。車体はM48A5ベースで、機関室にガスタービンAPUを追加している。砲塔は機関砲とFCS全てを収容する関係上、非常に大型である。主砲はボフォース40mm機関砲２門で、有効射程4000m、発射速度毎分300発、装弾数698発。FCSはF-16用レーダーを改修したもので、砲塔後部右に捜索レーダー用バーアンテナ、左に追尾レーダー用パラボラアンテナがある。全長7.67m、全幅3.67m、全高4.61m、全備重量54.4トン。エンジンは12気筒空冷ディーゼル（750馬力）、最大速度48km、航続距離500km。乗員３名。XM246に勝って1981年5月から生産されたが、FCSの能力不足、価格高騰、射程不足でキャンセルされてしまった。参考：世界の軍用車両(2)、月刊軍事研究7,’13

＜Ｍ２４９＞：アメリカ軍5.56mm分隊火器（SAW）。M60GPMGの後継で、ベルギーFN社のMINIMIを1982年2月（1984年？）に陸軍・海兵隊で制式化したものである。銃口にはバードケージタイプのフラッシュ・サプレッサーが付く。高さを３段に調節できるバイポッドを標準装備するが、ハンドグリップの前にあるため、折り畳むと干渉し、開いたままだと取り回しが悪い。弾薬キャニスターを収容する弾薬ケースを装填口下部に装着でき、弾薬手が要らなくなった。100発入りと200発入りがあるが、後者は弾薬ベルトが絡みやすく、ひび割れも多い。リアサイトはフル・アジャスタブル・タイプで、300-1000mまで100mごとに設定でき、スコープや暗視装置の装備も可能である。セレクターはクロス・ボルト式で、右側に押し出すとセーフティがかかり、左側に押し出すと発射可能となる。キャリングハンドルは運搬時に弾薬箱が脚に当たらないよう上方45度で固定され、銃身交換時の取っ手にもなる。全長1040mm、銃身長466mm、重量6.83kg／9.64kg（弾薬込み）。ライフリングは６条右回り。発射速度は毎分700発／1100発の選択式で、ガスシリンダー前部の火力調節レバーにより調節する（突起を左に向けると700発、右に向けると1100発）。使用弾は5.56mm×45弾M855で、給弾は200発ベルトリンクまたは30発入りマガジン（M16小銃と同じもの）。有効射程600m／800-1000m（バイポッド使用時）。1984年4月から配備された。アメリカ海兵隊では2010年から後継のM27IARを配備中。参考：コンバット・バイブル、月刊軍事研究6,’14、6,’03、4,’04、11,’16、世界の軍用銃

＜Ｍ２５０．４５ＷＭ＞：ベルギー陸軍８トン６×６輪戦術トラック、別名アストラ。イヴェコDV社が開発した。キャビン底部に耐地雷装甲を装着しており、キャビン周囲に増加装甲を装備可能。NBC防護キットも用意されている。エンジンはC13ディーゼル（出力450馬力、総排気量12910cc）、トランスミッションはZF社製ユーロトロニック２。2005-08年に400両を配備した。参考：月刊軍事研究5,’09

＜Ｍ２５２＞：アメリカ軍81mm迫撃砲。M29A1の後継で、1986年から配備された。元はイギリスのL16A2で、マズルブラスト軽減のための改良を行うなどしており、少し重くなっている。砲身長1.28m、重量40kg。最小射程100m、最大射程5775m。発射速度毎分15発（持続）／30発（最大）。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究11,’14

＜Ｍ２５５弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用フレシット弾頭。長さ0.68mの鋼鉄製フレシットを585発または1200発搭載する。後者では目標の手前150mで放出され、直径35mに拡散して目標にぶつかる。対空用として有効な弾頭である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ２５６＞：120mm滑腔砲（ラインメタル社製）海外シリーズを参照。

＜Ｍ２５６Ａ１＞：アメリカ陸軍の気状化学剤検知キット。呈色反応を使用した携帯型キットである。色の判定を肉眼で行わなければならないという欠点があり、光学センサーによる自動化を技本と共同研究中。参考：月刊軍事研究11,’12

＜Ｍ２５７弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用照明弾頭。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ２５７発煙弾発射機＞：アメリカ陸軍のM2歩兵戦闘車／M3装甲偵察車用煙幕弾発射機。５連装で、L8A1煙幕弾やM76対赤外線煙幕弾などを搭載できる。参考：月刊軍事研究6,’03

＜Ｍ２６０＞：アメリカ陸軍70mmロケット弾７連装ランチャー。LAU-68D/Aに準ずるタイプで、Mk66ロケットを運用できる。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ２６１掃海艇＞：トルコ海軍シルセ級掃海艇エドレミト（Edremit）。2020年5月、掃海艇M263エルデク、掃海艇M270アクチャイと共に、地中海東部で、SNMCMG2所属ルーマニア海軍機雷敷設艦ヴィチェ・アミラル・コンスタンティン・バレスク、同M269アナムルとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’20

＜Ｍ２６１弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用多目的子弾内蔵弾頭（HE-MPSM）。内部にM230信管付きM73HEAT-MP弾頭９個を収容しており、M439時限信管で放出してトップアタックをかける。子弾には誘導装置が無いので、命中は運任せ。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings6,’13

＜Ｍ２６１ロケットランチャー＞：アメリカ陸軍70mmロケット弾19連装ランチャー。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ−２６１級掃海艇＞：ドイツ海軍掃海艇。1940年から建造されたので、M40型ともいう。石油を節約するため、缶は石炭を使用し、機雷敷設装備を省いて対空兵装を強化した。全長62.3m、幅8.5m、平均吃水2.10m、基準排水量543トン。主機はレシプロ機関、出力2400馬力、速力16.8ノット。兵装は10.5cm高角砲２門、37mm機関砲２門、20mm機関砲４門、機雷32個。1942-45年に133隻が建造され、うち11隻が建造中に魚雷揚収艇に改造され、M261-M267、M261-M279、M291-M294、M301-M308、M321-M330、M341、M348、M361-M378、M381-M389、M401-M408、M411-M416、M421-M428、M431-M438、M441-M446、M451-M456、M459-M463、M467-M471、M475、M476、M483、M484、M486、M487、M489、M495、M496が就役し、108隻が未完成に終わった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ２６２弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用照明弾頭。燃焼すると100万カンデラの照明を120秒間作り出す。高度550mで展開すると直径1.6kmの範囲を0.5ルクスで照らすことができる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ２６３掃海艇＞：トルコ海軍シルセ級掃海艇エルデク（Erdek）。2020年5月、掃海艇M261エドレミト、掃海艇M270アクチャイと共に、地中海東部で、SNMCMG2所属ルーマニア海軍機雷敷設艦ヴィチェ・アミラル・コンスタンティン・バレスク、同M269アナムルとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’20

＜Ｍ２６４弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用赤燐煙幕弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings6,’13

＜Ｍ２６５掃海艇＞：トルコ海軍アイドゥン級掃海艇１番艇アランヤ（Alanya）。2005年就役。2017年3月5-13日、ポセイドン2017演習に参加。2017年9月8-21日、ダイナミック・モナーク2017演習に参加。参考：月刊世界の艦船7,’17、12,’17

＜Ｍ２６７弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用演習発煙弾頭。M261弾頭の訓練型で、弾頭・弾体共に青で塗られている。陸上自衛隊でも使用中。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings1,’04

＜Ｍ２６７Ｊ＞：自衛隊の70mmロケットランチャー用演習弾。IHIエアロスペース社製。参考：月刊軍事研究12,’07、1,’09

＜Ｍ２６９＞：トルコ海軍アイドゥン級掃海艇５番艇アナムール（Anamur）。2008年10月就役。2020年5月、SNMCMG2の一員として、同ルーマニア海軍機雷敷設艦ヴィチェ・アミラル・コンスタンティン・バレスクと、地中海東部でトルコ海軍掃海艇M261エドレミト、掃海艇M263エルデク、掃海艇M270アクチャイとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船10,'15、8,’20

＜Ｍ２７０＞：トルコ海軍アイドゥン級掃海艇６番艇アクチャイ（Akçay）。2009年就役。2020年5月、掃海艇M261エドレミト、掃海艇M263エルデクと共に、地中海東部で、SNMCMG2所属ルーマニア海軍機雷敷設艦ヴィチェ・アミラル・コンスタンティン・バレスク、同M269アナムルとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’18、8,’20

＜Ｍ２７０シリーズ＞：アメリカ陸軍MLRS／ATACMS用自走発射機、略称SPLL（自走ローダー・ランチャー）。1983年に実用化された。参考：スピアヘッドNo.17、月刊軍事研究11,’02

　＜Ｍ２７０＞：車体はM2歩兵戦闘車／M3装甲偵察車ベースのM993カーゴ型装軌車両で、5083アルミニウム製、前部に３名用装甲キャブ（ここのみ7039アルミニウム製）、キャブ床下にトランスミッション、キャブ後方に機関室、後部に旋回式箱形ロケットランチャーLLM（ランチ・ローダー・モジュール）がある。装甲キャブには左から操縦手、射手、車長が位置し、GPS内蔵射撃統制装置、与圧式換気装置、NBC防護装置を装備、小火器に対する抗堪力と、噴射炎に対する耐熱力を持つ。キャブ前側面の窓には個別の装甲シャッターが付く。機関系の整備が楽に行えるよう、キャブ全体を前に傾けることが可能。機関室右に排気グリルがある。LLMは旋回角左右97度ずつ、射角0-60度、旋回速度毎秒５度、俯仰速度毎秒0.8度。LLMにはM26ロケット弾／M28A1演習ロケット弾用グラスファイバー製コンテナ（内径298mm）を３列２段でパッケージ化した軽合金製ランチポッド／コンテナ（LP/C）を左右１基ずつ搭載できる。コンテナは本体重量0.411トン、ロケット弾装填時重量2.308トン、10年間はメンテナンス・フリーである。発射は左上から右上、左下から右下（左上・左下・中央上・中央下・右上・右下？）の順番で１発ずつ、4.5秒以上の間隔で行われ、54秒で12発を斉射する。斉射後は空のLP/CとLLM上部の再装填用クレーン付フレームがせり出してくるので、HEMTTやM989A1HEMATに積んだ予備LP/Cを再装填するのにかかる時間は３分間で済み、最初の斉射から８分で次の斉射が可能だが、乗員の他に作業要員が要る。LLM後端には射角チェック機材が収められ、装甲ドアでカバーされている。FCSは砲兵用中隊コンピュータシステムBCSがベースで、発射統制ユニット、発射統制表示パネル、遠隔発射ユニット（35m離れての発射が可能）、安定型陸上航法ユニットから構成され、自己診断機能や各ロケット弾に別の目標データを入力する機能も持っており、陣地進入から発射後の陣地転換まで乗員が外に出る必要は無い。下部転輪はダブルタイプ片側６組のままだが間隔が開き、履帯接地長が0.42m延びた。サスペンションはトーションバー式で、第１・第２・第６転輪にショックアブソーバーが付く。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側４枚、スカートは無い。全長6.972m、全幅2.972m、全高2.617m／5.925m（ランチャー最大仰角時）、車体自重15.5トン、発射システム搭載重量20.2トン、全備重量25.19トン。エンジンはカミンズ製VTA-903液冷Ｖ型８気筒ターボディーゼル（500馬力）、トランスミッションはGE社製HMPT500油圧式オートマチック、最大速度61km、燃料搭載量617リットル、航続距離483km。乗員３名。アメリカ陸軍に800両が配備された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、スピアヘッドNo.17、月刊軍事研究11,’02、6,’15、月刊PANZER4,’93、2,’05、9,’05、月刊丸4,’99

　＜Ｍ２７０バージョン６＞：ATACMS用自走発射機。ランチャーに単装キャニスター２基を並列に搭載する。MLRS用ロケット弾も運用できるが、同時併用はできない。ATACMS運用のため、改良型安定化照合プラットフォーム、改良型電子装置、データ交換装置、バージョン６FCSを採用し、車体表面に表面防護剤アブラティブ・パネルを装着してミサイル発射炎に耐えられるようにしてある。参考：月刊PANZER4,’93、6,’14、月刊軍事研究11,’99、6,’17

　＜Ｍ２７０Ａ１＞：コンピュータ記憶容量増加、GPS搭載、運用経費削減などの改良を加えたもの。メカニカル改善型ランチャーシステム、改善型FCSを搭載し、照準・射撃準備所要時間が93秒から20秒以下（16秒？）となり、再装填時間も45%短縮した。既存のM270からのバージョンアップも可能。全長6.85m、全幅2.97m、全高2.59m、車体重量20.45トン、戦闘重量26.1トン。エンジンはVTA903ディーゼル（500馬力）、最大速度64km、航続距離483km。乗員３名。先行量産型は1998年に生産契約を締結、2000年に受領した。2003年から量産され、アメリカ陸軍では既存のM270のうち226両を改良している。参考：月刊PANZER9,’05、月刊軍事研究6,’17、11,’02、6,’15、月刊丸4,’99

＜Ｍ２７０ファミリー＞

　＜特殊防毒救急戦車＞：NBC状況下の前線で負傷した兵士を後送するための車両で、M270の車体にシェルターを増設している。アメリカ陸軍が３両を試作した。参考：化学・生物兵器概論

＜Ｍ２７０海外シリーズ＞

　＜Ｍ２７０（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊多連装ロケットランチャー。1995年に特科教導隊に３両が配備され、2004年までに計99両が調達され、９両が教育部隊に、90両が北部方面隊第１特科団第129特科大隊を皮切りに３個方面隊５個大隊に配備された。車長席上面に手摺り、前照灯外側にマーカー・アッセンブリを追加しており、尾灯も陸自基準に改修している。LP/C後面をブラスト・シールド・ドアで覆ったものもある。全長7m、全幅3m、全高2.6m、全備重量25トン。エンジンはカミンズ製VTA903水冷Ｖ型８気筒ディーゼル（500馬力）、最大速度65km、航続距離480km。乗員３名。主契約社はIHIエアロスペースで、１両の値段は2004年度契約で15億9497万4140円。参考：スピアヘッドNo.17、No.7

　＜Ｍ２７０改（ヨーロッパ）＞：フランス陸軍・ドイツ陸軍・イタリア陸軍向け改修型。ヨーロッパ型射撃統制装置を搭載するもので、当初はイギリスも参加予定だったが、M270A1の導入が決まったため、離脱した。EADS／ドルニエ社、タレス社、クラウス・マッファイ・ヴェグマン社の共同開発で、FCSコンピュータ、６チャンネル受信機、タッチスクリーン式ディスプレイなどを装備し、中隊レベルの指揮統制システムネットワークを構成できるようにする。また、動力供給ユニット、メインコントロールユニット、GPS受信機を含む航法ユニット、ランチャーコントロールユニットなども新規開発する。2003年6月に実証段階が終了し、フランスで67基、ドイツで150基、イタリアで20基の導入が決まった。参考：月刊PANZER9,’05

＜Ｍ２７４＞：アメリカ軍の装輪式超軽量ウェポン・キャリアー、別名ミュール。操縦室も貨物室もオープントップの４輪車両である。空挺部隊や海兵隊の武器運搬用で、使い勝手が良く陸軍歩兵部隊などでも使用され、ベトナム戦争で重宝された。参考：月刊PANZER7,’05

＜Ｍ２７４訓練弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用発煙式訓練弾頭。M151と同様の信管を付けられる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ２７４訓練弾頭・海外シリーズ＞

　＜Ｍ２７４演習弾＞：自衛隊の火工品。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜Ｍ２７８照明弾頭＞：アメリカ軍のハイドラ70ロケット弾用赤外線照明弾頭。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｍ２９１＞：アメリカ軍の表皮除洗キット。M258M1の後継となる個人用ポーチ型除洗キットで、ナプキン型除洗パッドが６個入っており、１個で３回除洗できる。パッドには除洗パウダーが付いていて、マイナス50からプラス120°Ｆで使用可能。参考：月刊軍事研究8,’02

＜Ｍ２９９＞：アメリカ軍のAGM-114L対戦車ミサイル用ランチャー。単装、連装、４連装がある。MIL-STD-1768射撃データバスに対応しており、射撃に必要な事前情報（目標位置など）をMIL-STD-1760インターフェースを介してミサイルに供給する。AH-64に４連装を左右１基ずつ搭載した場合、左舷側左下、右舷側右下、左舷側右下、右舷側左下、左舷側左上、右舷側右上、左舷側右上、右舷側左上の順に発射する。全ステーションに搭載した場合、左右外舷パイロン（Sta.1とSta.4）をその順で発射し、次いで左右内舷パイロン（Sta.2とSta.3）を同じ順で発射する。参考：月刊軍事研究1,’00、月刊JWings4,’15、8,’12

＜Ｍ２９９海外シリーズ＞

　＜Ｍ２９９（自衛隊）＞：自衛隊のAH-64D/SH-60K用ヘルファイアミサイルランチャー。三菱商事が輸入している。参考：月刊軍事研究1,’09

＜Ｍ３０１Ａ１＞：アメリカ軍M29A1迫撃砲用照明弾。パラシュートを内蔵している。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ３０２ロケット弾シリーズ＞：シリアの長射程ロケット弾。少なくとも４種類のバリエーションがあり、標準型は弾頭重量170kg、射程90km。2014年7月8日にはハマスがガザ地区から116km先のハデラに撃ち込んだ。参考：月刊軍事研究9,’14、12,’14

　＜Ｍ３０２Ａ＞：カイバル−１としてヒズボラも使用している。参考：月刊軍事研究9,’14

　＜Ｍ３０２Ｂ＞：カイバル−１としてヒズボラも使用している。参考：月刊軍事研究9,’14

＜Ｍ３０４戦車砲弾＞：アメリカ軍90mm戦車砲M3用高速徹甲弾。全重量16.7kg、弾体重量7.6kg。砲口初速毎秒1005m、最大射程14300m。装甲貫徹力は、30度傾斜装甲板に対し221mm（射距離500ヤード・457m）／199mm（1000ヤード・914m）／176mm（1500ヤード・1371m）／156mm（2000ヤード・1829m）で156mm。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜Ｍ３０５エンジン＞：クルップ社製空冷水平対向４気筒ガソリンエンジン。総排気量3460cc、出力57馬力（回転数2500rpm）。Sd.Kfz.247などに搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｍ３０６演習弾＞：アメリカ軍M18無反動砲用57mm演習弾。炸薬に黒色火薬を使用して着弾を表示するタイプ、炸薬の代わりに擬製信管を使用したタイプの２種がある。前者は全長445.5mm、重量2.54kg、弾丸重量1.25kg、炸薬重量0.2kg（黒色火薬）、装薬重量0.45kg。信管はM69。後者は全長427.5mm、重量2.40kg、弾頭重量1.25kg、装薬重量0.42kg。信管はT126。参考：スピアヘッドNo.2

＜Ｍ３０６Ａ１演習弾＞：アメリカ軍M18無反動砲用57mm演習弾。全長445.5mm、重量2.54kg、弾丸重量1.25kg、炸薬重量0.03kg（黒色火薬）、装薬重量0.45kg。信管はM503弾頭瞬発信管。参考：スピアヘッドNo.2

＜Ｍ３０６Ａ１榴弾＞：アメリカ軍M18無反動砲用57mm榴弾。全長445.5mm、重量2.54kg、弾頭重量1.25kg、炸薬重量0.24kg（TNT）、装薬重量0.45kg。信管はM89またはM503弾頭瞬発信管。初速毎秒365m、威力半径16m。参考：スピアヘッドNo.2

＜Ｍ３０７Ａ１成型炸薬弾＞：アメリカ軍M18無反動砲用57mm成型炸薬弾。全長475mm、重量2.54kg、弾頭重量1.25kg、炸薬重量0.18kg（Pent）、装薬重量0.45kg。信管はM19またはM90弾頭信管。初速毎秒365m、最大射程4440m。参考：スピアヘッドNo.2

＜Ｍ３１０＞：アメリカ軍のAGM-114対戦車ミサイル用２連装レールランチャー。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｍ３１１＞：M16海外シリーズ（小銃）を参照。

＜Ｍ３１１＞：イタリアのアエルマッキが開発した試作練習機。S211練習機の改良型で、エンジンを強化し、アビオニクスを改良、計器板をグラスコクピット化し、HUDを追加、ライフサイクルコストをターボプロップ機並に低減した。機首にレーザー測距器を追加可能。試作初号機は2005年6月1日に初飛行し、試作機２機でテストを実施、M-345練習機に発展した。参考：月刊JWings8,'20、月刊軍事研究3,’08

＜Ｍ３１４照明弾シリーズ＞：アメリカ軍105mm榴弾砲用照明弾。弾丸長490mm、弾丸重量16.6kg、照明剤重量1.6kg、完成弾薬重量21.1kg。落下速度毎秒10m、破裂至適高度750m。信管はM54火道式複動信管とM501時計式複動信管。参考：月刊PANZER9,’99

　＜Ｍ３１４Ａ１＞：直径1.2kmの区域を60万カンデラで60秒間照明できる。参考：月刊PANZER9,’99

　＜Ｍ３１４Ａ２＞：直径1.2kmの区域を45万カンデラで60秒間照明できる。参考：月刊PANZER9,’99

＜Ｍ３１４掃海艇＞：エストニア海軍サンダウン級掃海艇２番艇サカラ（Sakala）。元はイギリス海軍サンダウン級掃海艇２番艇インバネスで、2008年に取得した。2022年6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。6月17-25日、キール・ウィークに参加。参考：月刊軍事研究1,’12、月刊世界の艦船9,’22、9,’23

＜Ｍ３１５＞：エストニア海軍サンダウン級掃海艇ウガンディ（Ugandi）。元は1989年にイギリスで竣工したサンダウン級掃海艇５番艇ブライドポートで、2009年に再就役した。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。参考：月刊世界の艦船9,’11、月刊軍事研究1,’12

＜Ｍ３２０シリーズ＞：ヘッケラー＆コッホ社の40mmグレネードランチャー。2006年に開発した。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ３２０＞：AG36がベースで、ピカティニー・レールを介してM4/M16小銃に装着できる他、ストックを付ければ単独で使える。装填はバレルを横にずらして行うので、長い非致死性弾薬も使用可能。専用グリップが付いており、扱いが楽になった。有効射程150m（点目標）。アメリカ陸軍がM203の後継として配備した。参考：月刊軍事研究6,’07、11,’14、8,’16

　＜Ｍ３２０Ａ１＞：重量2.2kg。射程150m。参考：月刊軍事研究12,’16

＜Ｍ３２６＞：BAEシステムズ社の牽引式120mm迫撃砲システム。IMI社製ミストラル迫撃砲を弾薬24発ごと牽引式トレーラーに搭載している。トレーラーは動力も内蔵し、迫撃砲を20秒で昇降できる。操作要員４名。参考：月刊軍事研究12,’09

＜Ｍ３２７＞：アメリカ海兵隊牽引式120mm迫撃砲。60mm迫撃砲M224/81mm迫撃砲M252と155mm榴弾砲M198/M777の間を埋める大口径迫撃砲として2009年にトムソン社製120mm迫撃砲RTを採用したものである。使用弾は榴弾、照明弾、発煙弾、訓練弾、精密射程延伸砲弾PERM（Precision Extended Range Munition。2015年から配備予定）。砲身長2m、重量816kg。発射速度毎分15-20発。遠征火力支援システムEFSSとして運用される。参考：月刊軍事研究12,’12、月刊PANZER1,’13

＜Ｍ３３７＞：イスラエル陸軍120mm滑腔砲MG521用対人対物弾APAM。タングステン破片を内蔵しており、着発または空中炸裂信管を持ち、航空機、ヘリ、人員への射撃に使用する。最大射程4000-5000m。参考：月刊PANZER5,’10

＜Ｍ３４１＞：ノルウェー海軍オクソイ級掃海艇カルモイ（Karmɸy）。2014年8月26日から9月11日、バルト海でノーザン・コースト2014演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜Ｍ３４３＞：ノルウェー海軍オクソイ級掃海艇ヒネイ（Hinnɸy）。2022年6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。参考：月刊世界の艦船9,’22

＜Ｍ３４４Ａ１＞：アメリカ軍106mm無反動砲用成型炸薬弾。全備重量16.88kg、弾頭重量7.96kg。初速毎秒503mm、最大射程2740m。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｍ−３４５シリーズ＞：アレニア・アエルマッキ（その後フィンメカニカを経てレオナルド）高効率練習機HET（High Efficiency Trainer）。M-311練習機の改良型で、21世紀初頭に原型機２機を製作し、試作初号機は2016年12月29日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’17

＜Ｍ−３４５＞：コクピットはタンデム複座で、後席が一段高い。第4.5世代・第５世代戦闘機に対応するため、前後席共に５×７インチ（127×178mm）大型カラー液晶MFD３基によるグラスコクピット（NVG対応）を持ち、前席にはHUDも備える。操縦桿はHOTAS機能を持つ。座席はマーチン・ベイカー製10LKSゼロゼロ射出座席で、緊急脱出はスルー・キャノピー方式。操縦は油圧式で、作動圧20.7MPa（3000psi）。胴体下１カ所と主翼下２カ所ずつのハードポイントを持ち、オプションでFCSも用意されているが、兵装ペイロードが少なく誘導兵器運用能力も無く、兵装投下訓練ならともかく軽攻撃機として使うには能力が限定的である。全長9.85m、全幅8.47m、全高3.74m、空虚重量3.3トン、最大離陸重量4.5トン。翼面積12.6平方メートル。エンジンはウイリアムス・インターナショナル製FJ44-4Mターボファン（推力15.569kN）単発、最大速度400ノット、超過禁止速度429ノット、失速速度88ノット、実用上昇限度12190m、最良上昇率毎分1438m、機内燃料搭載量0.7トン、航続距離760海里。荷重制限マイナス3.5Gからプラス7.33G。固定武装は無い。兵装ペイロード1000kg。乗員２名。2018年12月21日に量産仕様初号機が初飛行した。イタリア空軍がT-345Aとして採用した。参考：月刊JWings8,'20、3,’17、9,’13、3,’19、月刊航空ファン10,’14、8,’17、3,’19、9,’19

＜Ｔ−３４５Ａ＞：イタリア空軍練習機。SF-260EAによる初等訓練（実質的に適性検査）を受けた後にこれでジェット機操縦訓練を行い、その後T-346A(M-346）で高等訓練を実施、F-35に進む。まず５機を発注、2019年6月12日に13機を追加しており、初号機は2019年12月4日に初飛行した。2020年5月8日、イタリア国防省航空武器・耐空総局の初期認定を取得した。12月22日、最初の２機を受領した。最終的に計45機導入し、フレッチェ・トリコローリも使う予定。参考：月刊JWings3,’17、9,’13、3,’19、8,'20、3,’21、月刊航空ファン10,’14、8,’17、3,’19、9,’19、3,’20

＜Ｍ−３４６シリーズ＞：イタリアのアエルマッキ社が開発した高等練習機／軽攻撃機、別名マスター。当初はYak-130として1991年からロシアのヤコブレフと共同開発したが、Yak-130が初飛行した1996年以降は開発方針の違いが表面化し、1999年にヨーロッパ諸国空軍向け中等・高等練習機ユーロトレーナー・グループ仕様に沿った単独開発に移行、M-346になった。イタリア空軍、イスラエル空軍、シンガポール空軍、ポーランド空軍が採用した。参考：月刊軍事研究9,’05、月刊JWings10,’04、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｍ−３４６＞：M-346FAの開発が始まってからはM-346FT（Fighter Trainer）と呼ばれるようになった。外見はYak-130とほぼ同じままだが、エンジンをアメリカ製にし、計器板と操縦装置をEF2000類似のものとしている。主翼は中翼配置で、付け根前縁にはストレーキが付き、主翼前縁とストレーキの境目上面に整流フィンを持つ。主翼前縁はドッグツース付きで、前縁フラップ、後縁内翼部に二重隙間フラップ、後縁外翼部にエルロンを装着する。レーザージャイロGPS/INS航法装置、HOTAS、MFD多用グラスコクピット、衝突回避システム、ミッション・コンピュータ、デジタル・フライ・バイ・ワイヤを備え、40度の高迎え角で飛行可能。試作３号機（LRIP初号機）からは胴体フレームを減らし、主翼を三本桁から二本桁に変更、チタンや複合材を多用して構造重量を0.7トン減少させた。スピードブレーキも改修して効きを良くしている。全長11.49m、全幅9.72m、全高4.99m、空虚重量4.61トン、最大離陸重量6.7トン（10.2トン？）。翼面積23.52平方メートル。エンジンはハニウェル・アビオF124-GA-200ターボファン（推力27.9kN）双発、最大速度マッハ0.86・572ノット・983km（1059km？）、超過禁止速度マッハ1.2、実用上昇限度13716m（6000m？）、海面上昇率6100m、航続距離1000 海里（機内燃料のみ）／1500海里（増槽あり）。乗員２名（タンデム複座）。2004年7月15日に初飛行し、2008年12月18日に純イタリア機として初めて音速を超えた。イタリア空軍がT-346Aの名称で14機を発注した他、開発計画に参加したギリシャ空軍も採用した。シンガポール空軍次期高等練習機の座もT-50との間で争い、2010年7月6日に14-18機の採用が決定した。イスラエル空軍にもT-50に勝って30機の導入が決まった。ポーランド空軍も８機を採用している。参考：月刊軍事研究9,’05、9,’07、10,’16、月刊JWings10,’04、1,’16、12,'22、10,’10、5,’12、4,’14、2,’18、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン4,’10

　＜Ｍ−３４６ＦＡ＞：軽戦闘機兼転換訓練機型で、FAはFighter Attackの略。UAEの要望で開発したらしい。グリフォ多機能レーダーを追加し、ハードポイント７カ所を設け、レーダー誘導式空対空ミサイル、増槽、偵察ポッド（Recce Liteなど）、ターゲッティングポッド（ライトニング−５など）などを搭載可能とした。レーダー搭載に伴い、機首を黒塗りにしている。乗員２名（タンデム複座）。IDEX2017で発表され、パリ航空ショー2017で公開された。2019年に海外顧客から６機を受注したとレオナルド社が発表した。2020年7月13日、グリフォ・レーダーを搭載して初飛行した。参考：月刊JWings9,’17、2,’18、10,’19、7,’20、10,'20、月刊航空ファン9,’17、4,’18

　＜Ｍ−３４６ＦＴ＞：M-346を参照。

　＜Ｍ−３４６ＦＴマルチロール＞：M-346の軽戦闘攻撃機型。レーダーは無く、M-346FAほどのFCSは持っていない。最大離陸重量9.5トン。兵装搭載量３トン。AIM-9、AGM-65、ロケット弾ポッドなどを装備できる。参考：月刊JWings2,’18、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−３４６Ａ＞：イタリア空軍が発注したM-346で、第１バッチ６機と第２バッチ９機を導入する。初号機は2010年12月23日に完成し、2011年3月31日に初飛行、2015年9月から就役した。2016年には更に９機を発注した。参考：月刊航空ファン3,’11、7,’11、6,’16、月刊軍事研究10,’16

＜Ｍ−３４６海外シリーズ＞

　＜Ｍ−３４６（ＵＡＥ空軍）＞：UAE空軍計画練習機。PC-21練習機と戦闘機の間を繋ぐLIFT訓練用として一旦採用したが、フィンメカニカの無人機技術移転も要求して断られたため、韓国T-50練習機と再検討し、再び本機の採用を決めて48機を発注した。しかしPC-21練習機でLIFT訓練も行えることが判明、結局キャンセルしている。参考：月刊航空ファン7,’19

　＜Ｍ−３４６（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍練習機、別名ラヴィ（Lavi）。エルビット社製EVA訓練システムを搭載しており、機首に簡易型レーダーも装備していて、機首が黒く塗られている。2012年2月16日に30機の導入を決定し、2014年3月20日に初号機が完成した。代わりにガルフストリームG550改造コンフォーマル早期警戒機２機と、光学式軍事偵察衛星OPTSAT-3000を１基、イタリアに引き渡す予定である。参考：月刊JWings11,’12、6,’14、月刊軍事研究5,’17、月刊JWings2,’18

　＜Ｍ−３４６（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍練習機。第１バッチ５機と第２バッチ５機の計10機を導入予定。初号機は2023年1月25日に初飛行した。5月11日、最初の２機（ブロック５プラス）がカラマタ空軍基地に到着し、5月16日にギリシャ空軍に引き渡された。参考：月刊JWings8,'23

　＜Ｍ−３４６（シンガポール空軍）＞：シンガポール空軍練習機。12機を導入予定。参考：月刊JWings2,’18

　＜Ｍ−３４６（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍練習機、別名ビエリク。TS.11イスクラ練習機の後継となる戦闘機入門練習機（LIFT）として将来型ジェット練習機（AJT）計画の名称で候補の選定が行われ、M-346とT-50が応募したが2011年10月に条件に合わないとして選定を中止、2012年4月2日に再び高等練習機選定のRFIを発表し、M-346、L-159T1、T-50、ホークから選定することになり、2013年12月23日にM-346を採用した。導入数は当初８機＋オプション４機だったが、2018年3月27日に４機を追加発注して計12機＋オプション４機とし、同年末にオプションを確定発注にして16機になった。初号機は2016年7月4日に初飛行し、9月6日に引き渡されている。2022年12月16日、第３バッチ４機が納入され、16機全機が引き渡された。参考：月刊JWings4,’14、6,’18、3,'23、月刊航空ファン12,’16、3,’19

＜Ｍ３４６Ａ１＞：アメリカ軍106mm無反動砲用粘着榴弾。全備重量16.95kg、弾頭重量7.81kg。初速毎秒498m、最大射程6870m。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｍ３５１＞：ノルウェー海軍オクソイ級掃海艇７番艇オトラ（Otra）。1996年12月就役。2016年5月6-13日、バルチック・フォートレス演習に参加。2018年6月16-24日、キール・ウィーク2018に参加。2020年5月、SNMCMG1の一員として、ドイツ海軍支援母艦A516エルベと共に、ラトビア海軍機雷戦指揮艦A53ヴィルサイティス、掃海艇M-08ルースィンシュなど８隻との共同演習に参加。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。参考：月刊世界の艦船8,’16、9,’18、8,'20、9,’23

＜Ｍ３５２＞：ノルウェー海軍オクソイ級掃海艇ラウマ（Rauma）1996年12月就役。参考：月刊世界の艦船10,'15

＜Ｍ３６２Ａ１＞：アメリカ軍81mm迫撃砲用榴弾。全長529mm、全備重量4.296kg。薬包８個、初速毎秒235m、最大射程3563m。陸上自衛隊も採用し、1965年度に国産化した。参考：月刊グランドパワー8,’10

＜Ｍ３７４＞：アメリカ軍M29A1迫撃砲用重量型高性能榴弾。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ３７５＞：アメリカ軍M29A1迫撃砲用白燐発煙弾。焼夷効果もある。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ３８１＞：アメリカ軍M203てき弾発射機用40mm榴弾。最大射程400m、殺傷半径10m。信管は着発式、作動距離2-3m。弾頭が金に塗られている。参考：コンバット・バイブル、世界の軍用銃

＜Ｍ３８２＞：アメリカ軍M203てき弾発射機用40mm黄色発煙式訓練弾。弾頭が銀に塗られている。信管は着発式、作動距離2-3m。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ３８３＞：40mmてき弾銃用高性能炸薬弾。参考：月刊軍事研究3,’02

＜Ｍ３８４＞：40mmてき弾銃用高性能炸薬弾。参考：月刊軍事研究3,’02

＜Ｍ３８５＞：40mmてき弾銃用不活性演習弾。参考：月刊軍事研究3,’02

＜Ｍ−３８８＞：2S19シリーズ（自走砲）を参照。

＜Ｍ３９２Ａ２＞：アメリカ軍M68ライフル砲用APDS-T。重量18.6kg、砲口初速毎秒1458m。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ３９３Ａ２＞：アメリカ軍M68A1E4ライフル砲用対強化コンクリート弾。要するに粘着榴弾である。重量20kg。参考：月刊軍事研究8,’16、9,’05

＜Ｍ３９７＞：アメリカ軍40mm空中炸裂弾。地面で一度バウンドし、高度2mで炸裂、半径10m以内の人員を殺傷する。弾頭がクリームまたはライトオリーブに塗られている。M203てき弾発射機から発射可能。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ４００＞：ロシアが開発したSu-30MKK2戦闘機用偵察装備。側方監視レーダー（有効距離100km以下）、高・低高度TV／赤外線センサーまたは長距離斜面撮影カメラなどを内蔵する大型ポッドシステムで、装備することにより空中指揮所として機能できる。分解能はSLARで2m、TV／赤外線で0.3m、長距離斜面撮影カメラで0.4mであり、データリンクを通じて地上局にリアルタイム伝送される。参考：月刊軍事研究12,’03

＜Ｍ４０４＞：アメリカ軍M110自走榴弾砲用HE/ICM。弾丸長886mm、弾丸重量90.72kg。内部にM43A1対人用子爆弾104個を内蔵する。チャージ７で砲口初速毎秒587m、最大射程16800m。M565信管、M548信管、M557信管を使用する。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ４０６＞：アメリカ軍M203てき弾発射機用40mm榴弾。M381の信管作動距離を14-28mに伸ばしたもの。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ４０７＞：アメリカ軍M203てき弾発射機用40mm訓練弾。M382の信管作動距離を14-28mに伸ばしたもの。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ４０９＞：アメリカ軍のナイキ・ハーキュリーズ用M97弾頭部を収容するスチール・コンテナ。サイズは2.52m×1.38m×2.08m。参考：アメリカの核兵器

＜Ｍ４０９シリーズ＞：アメリカ軍152mmガンランチャーM81用HEAT-MP-T。参考：月刊PANZER2,’01

＜Ｍ４０９＞：２分割のM157燃焼薬莢を用いる。砲口初速毎秒683m、最大射程9007m。参考：月刊グランドパワー3,’95、月刊PANZER2,’01

＜Ｍ４０９Ａ１＞：燃焼薬莢として強度の高いM205薬莢を用いている。参考：月刊PANZER2,’01

＜Ｍ−４１３＞：DM33（105mm徹甲弾）を参照。

＜Ｍ４１６＞：アメリカ軍M68ライフル砲用WP-T。重量20.68kg。砲口初速毎秒731.5m。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ４２２核砲弾＞：アメリカ軍203mm砲用核砲弾。Mk.33核弾頭を使用する。長さ940mm、口径203mm、重量114kg。射程21300m、CEP170m。M110自走砲シリーズとM-115牽引砲から発射できる。1977年（1979年？）に配備された。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、月刊PANZER10,’03、アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜Ｍ４２２トラック・シリーズ＞：アメリカ海兵隊1/4トン４×４輪トラックTruck 1/4 Ton ４×４ Utility Lightweight M422、別名マイティ・マイト。空輸・空中投下・ヘリボーン作戦用の小型軽量トラックで、各型計4000両が生産された。参考：THE JEEP

　＜Ｍ４２２＞：タイヤは6.00-16。全長2.717m、全幅1.536m、全高1.104m（ウインドシールド前方折り畳み時）／1.511m（幌展張時）、ホイールベース1.63m、自重0.678トン。エンジンは空冷Ｖ型４気筒（総排気量1740cc、出力55馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速。乗員４名。参考：THE JEEP

　＜Ｍ４２２Ａ１＞：

＜Ｍ４２６＞：アメリカ軍M110自走砲用化学砲弾。弾丸長892mm、弾丸重量92.53kg、化学剤重量6.57kg（GBまたはVX）。チャージ７で砲口初速毎秒587m、最大射程16800m。信管はM508、M514、M557、M728。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ４２７＞：アメリカ軍ハイドラ70用瞬発信管。信管全長を長くして目標に早く接触するようにしてあり、撃鉄も鋭敏で、目標に３度という浅い角度で命中しても確実に炸裂する。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ｍ４３０＞：アメリカが開発した40mm高性能炸薬対地・対空両用てき弾（HEDP）。装甲貫徹力50mmで、人員に対しても致死半径5m・致傷半径15mと効果が高い。参考：月刊軍事研究3,’02、8,’06

＜Ｍ４３０（カタログ）＞：自衛隊の40mm多目的弾（カタログ）。防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜Ｍ４３３＞：アメリカ軍M203てき弾発射機用40mm対人・対装甲弾。弾頭がオレンジに塗られている。信管作動距離14-28m。装甲貫徹力50mm（０度）。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ４５４＞：アメリカ軍155mm砲用核砲弾。Mk48核弾頭を使用する。長さ864mm、直径154mm、重量54kg。M109自走砲（射程18/24/30km）、M198牽引砲（射程14km）、M114牽引榴弾砲（射程19.3km）から発射できる。参考：アメリカの核兵器、月刊PANZER10,’03、月刊軍事研究8,’05、ミリタリー・バランス1989-1990、核兵器図鑑

＜Ｍ４５６シリーズ＞：アメリカ軍105mm戦車砲用HEAT-T。参考：月刊軍事研究11,’08

＜Ｍ４５６＞：M68ライフル砲用で、1966年に制式化された。スリッピングバンドを持つ。重量21.75kg。砲口初速毎秒1173m、装甲貫徹力432mm。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ４５６Ａ２＞：M68A1E4用。装甲貫徹力425mm。主に軽車両に対して使用される。参考：月刊軍事研究9,’05、3,’17

＜Ｍ４６３＞：アメリカ軍M203てき弾発射機用40mm信号・照明弾。弾頭が黒に塗られている。信管作動距離14-28m。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ４６７＞：アメリカ軍M68ライフル砲用曳光訓練弾TP-T。重量20.412kg。砲口初速毎秒730m。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ４７５＞：ドイツ海軍M261型掃海艇。1942年12月竣工。1947年にフランスに譲渡され、解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ４８３Ａ１＞：アメリカ軍155mmDPICM。内部にM42/M46子爆弾88発を内蔵する。重量46.5kg。射程17km。参考：月刊軍事研究3,’09

＜Ｍ４８７＞：ドイツ海軍M261型掃海艇。1942年12月竣工。1944年8月、ビスケー湾でイギリス巡洋艦隊と交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ４９０＞：アメリカ軍M68ライフル砲用曳光訓練弾TP-T。重量20.412kg。砲口初速毎秒1170m。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ４９４＞：アメリカ軍105mm砲用曳光対人弾APERS-T。1970年代に開発した。リシェフ・テクノロジーズ社製オメガM127電子信管を装着して発射すると、セットされた地点まで飛翔して炸裂し、小型フレシェット・ダーツ1500個を前方300m・最大幅94mのコーン状に撒布する。重量24.5kg。砲口初速毎秒821m。イスラエル軍も改良型を使用しているとされる。参考：月刊軍事研究8,’01、月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ５００＞：アメリカのパイパーが開発した軽飛行機。最大離陸重量5092ポンド（2.31トン）。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-42A（500馬力）単発、航続距離1000海里・1852km。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｍ５００＞：陸上自衛隊の信管。M501信管にM21A4伝爆薬筒を組み合わせた時計式複働信管（瞬発／75秒までの時計式可変延期）で、信管測合を行わないか、測合秒時前に着弾した場合に瞬発になる。参考：スピアヘッドNo.13

＜Ｍ５０９＞：アメリカ軍M110自走榴弾砲用HE/ICM。弾丸長1.115m、弾丸重量93.66kg。内部にM42両用榴弾195個を収容する。チャージ７で砲口初速毎秒594.4m、最大射程16000m。M557信管を使用する。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ５１３＞：ドイツ海軍特務艇。元は潜水母艇アケロンで、1940年に改称された。第２次大戦後にアメリカに引き渡された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ５２０信管＞：陸上自衛隊の信管。M501信管にM125系伝爆薬筒を組み合わせた時計式複働信管（瞬発／75秒までの時計式可変延期）で、信管測合を行わないか、測合秒時前に着弾した場合に瞬発になる。参考：スピアヘッドNo.13

＜Ｍ５２０シリーズ＞：アメリカ軍４×４輪屈折式水陸両用輸送車両、別名ゴーア。総計1300両が生産され、HEMTTシリーズに後を譲って退役した。参考：月刊PANZER7,’11

　＜Ｍ５２０＞：基本の輸送型。参考：月刊PANZER7,’11

　＜Ｍ５５３＞：回収車型。参考：月刊PANZER7,’11

　＜Ｍ５５９＞：燃料輸送型。後部荷台を2500ガロン（9464リットル）箱型燃料タンクに換装し、給油器材を搭載している。参考：月刊PANZER7,’11

　＜Ｍ８７７＞：８トントラック型。後部荷台にクレーンを標準装備する。参考：月刊PANZER7,’11

＜Ｍ５２０−３０＞：アメリカ軍戦闘用ショットガン。スティーブンス社製。第２次大戦時に陸軍航空隊がリード射撃訓練用に民間用のものを購入してそのまま使用した他、参戦後は銃身を20インチ（508mm）に切断したライアットガンタイプ、更に着剣装置と放熱筒を取り付けたトレンチガンタイプを採用した。全長1.016m、銃身長0.508m、重量3.18kg。作動はポンプアクション、使用弾は12ゲージ、装弾数５発。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ５２５＞：アメリカ軍81mm迫撃砲弾用多目的信管。着発、短延期、近接などのモードがある。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ５２５＞：アメリカ軍４輪型５トントレーラー。参考：月刊グランドパワー4,’95

＜Ｍ５４８＞：アメリカ軍輸送車。M113の非装甲カーゴトラック型で、機関系のみ流用し、車体前部にキャビン、後部にオープントップの荷台を配置し、車体前面下部に牽引力９トンのウインチを装備する。最大積載量5.4トン。M110自走砲の弾薬輸送車などとしても利用されている。参考：月刊PANZER3,’02、月刊戦車マガジン2,’81、月刊戦車マガジン10,’93別冊、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｍ５４８ファミリー＞

　＜Ｍ４８＞：M48（自走地対空ミサイル）を参照。

＜Ｍ１０１５＞：電子戦車両。AN/MLQ-34高出力VHFジャマーTACJAMを搭載する。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜ボルケーノ＞：地雷散布車両。後部にボルケーノ地雷撒布システムを搭載する。参考：月刊PANZER6,’05

＜Ｍ５４８海外ファミリー＞

　＜スコルピオン＞：ドイツ陸軍の地雷散布車両。車体はM548GA1で、後部にダイナマイト・ノーベル社製MSM-Fz車両用地雷散布システムを搭載しており、車体改修はクラウス・マッファイ社が実施した。AT-2対戦車地雷20発を収容する弾倉５個１組で１ユニットを構成し、これを左右３基ずつ車体後部に装着するので、計600個の地雷を収容できる。地雷は事前に設定したモードに従って自動的に散布される。1989年までに301両が配備された。参考：月刊グランドパワー10,’94

＜Ｍ５４９Ａ１＞：アメリカ陸軍155mm長射程榴弾。重量43.5kg。射距離30000mでのCEPは259-267m。参考：月刊軍事研究6,’16

＜Ｍ５５１シリーズ＞：アメリカ軍空挺戦車、別名シェリダン（Sheridan。第19代陸軍総司令官フィリップ・Ｈ・シェリダンから）。M41の後継として開発され、途中でPT-76に対抗できる空挺戦車に計画変更された。空中投下法はLAPESまたはLVADを参照。参考：月刊軍事研究11,’03、4,’16

＜Ｍ５５１＞：1962年からテストされた。7039アルミ合金の基本装甲車体に強化プラスチックの軽量外皮を装着し、その間をポリエチレンフォームで埋めて浮航性を確保している。車体前部中央が操縦室、その後方が戦闘室、最後部は機関室。操縦室上部にM47ペリスコープ（M48赤外線ペリスコープに換装可能）を備える半円形の旋回式ハッチ、床に脱出ハッチがある。下部転輪は片側５組、サスペンションはトーションバー式、最前部と最後部にショックアブソーバーも付く。起動輪は後方、誘導輪は前方にある。履帯はT138で、片側102枚。砲塔は装甲鋼板製で、砲手と車長が右に、装填手が左に座る。武装は152mmガンランチャーM81（多目的榴弾20発とMGM-51シレイラ対戦車ミサイル８発）、主砲左の同軸7.62mm機銃M73E1（後期生産車ではM219）、対空12.7mm機銃M2。主砲右にミサイル照準・追尾及び多目的榴弾照準用のM119直接照準器（８倍）、砲塔上面に多目的榴弾用M44赤外線照準器（９倍）がある。間接照準器はM13A1方位角表示器やM13A1C俯仰四分儀など。車長用キューポラは全周旋回式（電動または手動）で、ビジョンブロック10基と２分割ハッチを持ち、前方には対空機銃用ピントル・マウントがある。車長用夜間視察機材は12.7mm機銃M2の上にあるAN/PVS-2（視野185ミル、倍率４倍）。砲塔前面左右下部にXM19発煙弾発射機を装備する。砲塔駆動は電動で、全周旋回に必要な時間は7.5秒（砲安定化装置作動）／10秒（非作動）。俯仰速度毎秒４度。車長によるオーバーライド機能も有する。水上航行時は車体前部のトリムベーンを立て、車体側後面にあるネオプレイン・コーティングされたナイロンスクリーンを展張して履帯で推進し、水上航行準備にかかる時間は２分、収容は４分。車体前部と機関室には排水ポンプがある。弾薬発射時のガスを乗員が吸い込まないようにM8A3ガス微粒子除去フィルター（マスク付き）が各乗員分用意されている。空中投下は低空空中投下LVADと低空落下傘引き出しシステムLAPESで行われるが、生産車では空中投下システム全体の重量がC-130の積載量を越えてしまったため、実際には空中投下は殆ど行われていない。全長5.4m、全幅3.4m、全高3.2m、戦闘重量15.06トン。エンジンはジェネラル・モータース製6V-53Tディーゼル（300馬力）、トランスミッションはXTG-250-1A変速機（前進４速、後進２速）、最大速度69km、航続距離562km。水上最大速力5.8km。参考：月刊軍事研究11,’03

＜Ｍ５５１（生産中改修）＞：生産中に直接照準器をM127（８倍・12倍選択式）に、赤外線照準器をM44E1/E2に、車長用夜間視察機材をAN/TVS-2（倍率７倍）に換装した。発煙弾発射機もM176に変更、更に４連装のものにしている。生産140号車からはAEG　XSW30U赤外線・白色光サーチライト（後にAN/VSS-3やAN/VSS-3Aに改修）を装備可能とした。位置は防楯左上で、観音開きドアを開けて使用する。また、140号車からは砲塔後面に雑具箱を装備し、浮航スクリーンを展張したまま射撃できるようになった。生産140-223号車と740-885号車はミサイル搭載能力を最初から外しており、M127直接照準器のマウントをM149からM165に変更、ミサイル関連装備撤去跡には機銃弾などを収めた。参考：月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ５５１ベトナム戦仕様＞：1969年からベトナム戦争に投入された。高温多湿で運用が難しいことと、ミサイルの機密を守るためとで、全車ミサイル運用能力を外しており、M127直接照準器のマウントをM149からM165に変更、ミサイル関連装備撤去跡には機銃弾などを収めた。地雷により車内の装薬が延焼して操縦手が焼かれる被害が続出したため、アルミ合金をスペーサーとして鋼板をボルト止めした対地雷キットを取り付けている。これにより操縦室床下の脱出ハッチが塞がれた。また、前部転輪上部にあたる車体側面にも鋼板を追加している。キューポラ周囲にも増加装甲を張ったが、これは振動でよく外れた。参考：月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ５５１改修型（１９６６−６７年）＞：車長用キューポラに増加装甲を装着した。操縦手用ハッチの軽量化や浮航構造の一部廃止などにより、重量を1.125kgトン減らしている。参考：月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ５５１Ａ１＞：1967-70年にレーザー測遠機・弾道コンピュータ・環境センサー追加とCBSS強化を行ったもの。全長6.3m、全幅2.8m、全高2.3m（砲塔上面まで）、戦闘重量15.83トン。エンジンは6V-53T水冷ターボチャージドディーゼル（300馬力）、最大速度70km、航続距離600km。乗員４名。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ５５１Ａ１改修型（１９７０−７５年）＞：12.7mm機銃を20-25mm機関砲に換え、主砲も新型に換装、エンジンとトランスミッションも改良し、ウォータージェットも装備する予定だったが、計画のみに終わった。参考：月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ５５１ＰＩＰ＞：1977年から行われた生産改良計画。エンジンのシリンダーブロックをアルミから鋼製に換え、スロットル遅延装置を導入してエンジン始動時の黒煙を抑制、車体前部の牽引ラグをアルミから鋼製にし、同軸機銃をM240に換えた。参考：月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ５５１Ａ１ＴＴＳ＞：第82空挺師団が装備するM551A1に対して1989年から1990年12月に実施した改修。M60A3TTSと同じ砲手用熱線暗視装置の導入、誘導弾照準器の自動見越し角計算機と弾道レティクル計算機組み込み、砲塔上面強化、操縦手用暗視装置改良（M2歩兵戦闘車／M3装甲偵察車と同じものを装備）が行われた。湾岸戦争に投入されたのはこのタイプ。参考：月刊PANZER2,’01、月刊グランドパワー3,’95

＜Ｍ５５１ファミリー＞

　＜ＡＴＲＶ＞：試作装軌式装甲回収車型。砲塔を外してビスタ・ドームと呼ばれるターレットを設置し、クレーン、全周ペリスコープ、7.62mm機銃を搭載、車体後部に駐鋤を装備した。試作のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜火炎放射戦車＞：計画火炎放射戦車型。主砲をM10-8火炎放射器に換装し、車内に150ガロン（568リットル）燃料タンクを搭載して25秒の火炎放射を可能とした。同軸に12.7mm機銃または20-25mm機関砲を装備する。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜架橋戦車＞：計画戦車橋型。砲塔を外して通過可能重量20トンのシザーズ式戦車橋を搭載したもの。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜貨物輸送型＞：計画貨物輸送車型。装甲型と非装甲型の２種が計画されたが、計画のみに終わった。参考：月刊PANZER2,’01

　＜工兵車両＞：計画工兵車両型。主砲をXM135障害物破壊用臼砲に換装し、砲塔後部に6.75トンクレーンを搭載、車体前面にドーザーを搭載する。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜自走迫撃砲型＞：計画自走迫撃砲型。歩兵戦闘車型と同じ車体に107mm迫撃砲（188発）と12.7mm機銃も搭載したもの。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜自走榴弾砲型＞：計画105mm/155mm自走榴弾砲型。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜戦車回収車型＞：計画戦車回収車型。歩兵戦闘車型と同じ車体を使用し、車体後部を１段低くして10トンクレーン付きターレットを搭載する。牽引能力13.5トン。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜対空戦車＞：計画対空戦車型。25mm機関砲連装砲塔に換装したもので、搭載弾数1500発、発射速度は１門あたり毎分520-570発。20mmバルカン砲M61（11000発）とM20照準測距レーダーを搭載する案もあった。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

　＜歩兵戦闘車型＞：計画歩兵戦闘車型。機関室を車体前部右に移し、車体後部を両側面４基ずつのガンポートを持つ兵員室に改造、歩兵８名を収容する。車体中央に20mm機関砲を装備するキューポラがある。計画のみ。参考：月刊PANZER2,’01

＜Ｍ５５３＞：M520シリーズ（回収車）を参照。

＜Ｍ５５７Ｊ＞：陸上自衛隊の対地弾頭信管。瞬発・延期機能を持つ二働式機械式着発信管で、M48信管とM125系伝爆薬筒を組み合わせている。全野砲弾と107mm迫撃砲弾に適合する。リコーエレメックス社製。参考：火器弾薬技術ハンドブック、スピアヘッドNo.13、月刊軍事研究1,’08

＜Ｍ５５７Ｊ弾頭信管（擬製）＞：自衛隊の火工品。リコーエレメックス製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜Ｍ５５９＞：M520シリーズ（油槽車）を参照。

＜Ｍ５６１＞：アメリカ陸軍・海兵隊1.25トン装輪軽輸送車両、別名ガマ・ゴート。元は1950年代半ばに製作された民間の屈折式トラックで、LTVエアロスペース社が軍用に使えると考え国防総省に売り込みを図って採用された。４輪のオープントップ・トラクターと２輪のカーゴを連結した形状をしている。車体はアルミ合金製で、浮航能力を持つ。空中投下も可能。アメリカ陸軍・海兵隊に計15000両が配備された。参考：月刊PANZER7,’11

＜Ｍ５７７Ａ２＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ５７７Ａ３＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ５７７Ｊ＞：自衛隊の弾頭信管。リコーエレメックス製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ５７８＞：アメリカ陸軍軽装甲回収車。車体後部にクレーンを備えた全周旋回ターレット、車体後面にドーザーを装備し、牽引用ウインチ（牽引力27トン）、吊り上げウインチ（吊り上げ能力6.7トン）、牽引バー、アセチレン溶接機材、切断機などを搭載する。下部転輪はダブルタイプ片側４組、起動輪は前方、誘導輪は接地式で後方にあり、上部転輪は無い。戦闘重量24.5トン。エンジンはGMCデトロイト・ディーゼル社製8V-71T液冷ディーゼル（425馬力）、トランスミッションはGMCアリソン製造部製XTG-411-2A型クロスドライブ式、最大速度59.5km、航続距離724km。BMY社が1983年までに1018両を生産した。1979年にはイギリス陸軍に輸出され、M107/M109/M110連隊に配備された。参考：月刊グランドパワー3,’95、月刊PANZER8,’01、月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜Ｍ５８１＞：アメリカ軍106mm無反動砲用フレチェット弾APERS-T。内部に9500本のフレチェットを収容した対人弾である。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｍ５９０＞：M-60P（装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｍ６００＞：アメリカのパイパーが開発した軽飛行機。2016年6月18日にFAAの形式証明を取得した。M500の改良型で、エンジン出力を強化し、最大離陸重量を引き上げ、燃料容量を拡大した。アビオニクスはガーミン製G3000で、計器板は12インチ（304.8mm）MFD（うち２基がタッチスクリーン）によりグラスコクピット化している。全長9.1m、全幅13.2m、全高3.4m、最大離陸重量6000ポンド・2.772トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-42A（600馬力）単発、プロペラはハーツェル製４翅（オプションで複合材製５翅に換装可能）、巡航速度274ノット・507km、上昇限度30000フィート・9144m、燃料容量260ガロン（984.2リットル）、航続距離1658海里・3071km。乗員２名。客席数４。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｍ６００＞：シリアが開発した地対地ミサイル。イランのファテフ３／A110Bがベースらしい。弾頭重量500kg。固体燃料ロケット推進、射程250km。CEP500m以内。ヒズボラにも供給されている。参考：月刊軍事研究3,’10、12,’10、11,’11

＜Ｍ６０１トラック＞：アメリカ陸軍汎用中型カーゴ･トラック。民間の４×４輪3/4トントラックであるダッジW300パワー・ワゴンをほぼそのまま採用したものである。参考：THE JEEP

＜Ｍ−６０１級掃海艇＞：ドイツ海軍掃海艇。1943年から建造されたのでM43型ともいう。掃海のみならず、敷設、護衛、魚雷揚収、駆潜などの任務を行えるように設計されている。ブロック建造方式を採用し、船体を７ブロックに分けて内陸で建造、２カ所の造船所に集めて組み立てた。艦橋と缶室舷側に10mm厚の装甲板が張られている。全長67.8m、幅8.6m、吃水1.92m、基準排水量582トン。主機はレシプロ機関、出力2400馬力、速力16.5ノット。兵装は10.5cm高角砲２門、37mm機関砲２門、20mm機関砲８門、機雷32個（24個？）。1944-45年にM806など18隻が建造され、297隻が未完成に終わった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ−６２１＞：フランスのGIATが開発したヘリコプター用73口径20mm単砲身機関砲。F2機関砲の１つで、軽量かつ反動も小さい。M56砲弾だと初速毎秒980-1030m、有効射程1200m。徹甲弾は射距離800mで装甲貫徹力25mm。榴弾は40個の破片を生じ、1.5m離れた40mm厚ポプラ板を貫通する。発射速度は毎分300または740発の切り替え式で、単発または連射が可能。全長2.228m、全幅0.194m、全高0.215m、重量49kg。アルエート�V、SA330ピューマ、SA341ガゼルに搭載できる。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、軍用機ウェポン・ハンドブック、週刊エアクラフトNo.72、月刊PANZER5,’79、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜Ｍ６２５シリーズ＞：アメリカ軍152mmガンランチャーM81用キャニスター弾。150-250mm厚のコンクリート壁を貫通して内部を粉砕でき、市街地に潜む狙撃兵の駆逐に威力を発揮した。参考：月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ６２５＞：内部に10000発弱の重量8gのフレチェット子弾が収められている。参考：月刊PANZER2,’01

　＜Ｍ６２５Ａ１＞：初速毎秒683m、有効射程400m。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜Ｍ６４２＞：フランス海軍エリダン級掃海艇カシオペ（Cassiopee）。1984年就役。2010年6月19-27日、ドイツのキール・ウィーク2010に参加。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜Ｍ６４４＞：フランス海軍エリダン級掃海艇ペガス（Pégase）。1985年5月就役。参考：月刊世界の艦船10,'15

＜Ｍ６４８＞：フランス海軍エリダン級掃海艇リール（Lyre）。2017年9月29日から10月13日、ブリリアント・マリナー2017演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’18

＜Ｍ６５０＞：アメリカ軍203mm自走砲M110A1/A2用RAP弾。前部にアルミニウム製風防、中央に弾体、後部にアルミ合金製ロケットモーターケース、底部に時限点火装置という構成になっていて、先端にM557、M573、M739、M564、M582、M732といった信管を取り付ける。時限点火装置にはキャップが填めてあり、RAP弾として使用する際はこれを外す（外さなければ通常榴弾になる）。10000m飛翔したところで時限点火装置によりロケットモーターに点火する。弾丸長1.116m、弾丸重量90.78kg、炸薬重量11.35kg（TNT火薬）。砲口初速毎秒710.2m（チャージ８）、最大射程29100m（チャージ９）。着弾公算誤差0.26%（最大射程）。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ６５０＞：フランス海軍エリダン級掃海艇サジテール（Sagittaire）。2013年5月6-30日、ペルシャ湾でIMCMEX13に参加。参考：月刊世界の艦船8,’13、12,’18

＜Ｍ６８８＞：アメリカ陸軍のMGM-52ランスミサイル運搬車。M752と同じ車体にクレーンを装着し、安定フィンを外したミサイル２発を搭載する。参考：世界の軍用車両(2)

＜Ｍ６９３＞：フランスのGIATインダストリー社が開発した90口径20mm機関砲。F2機関砲シリーズの１つで、M621の対装甲車型であり、砲身を延長してAPDS弾を使えるようにしてある。重量80kg。給弾はダブルフィード。APDS弾だと初速毎秒1300m、装甲貫徹力24mm（射距離1000m、撃角90度）／20mm（射距離1000m、撃角80度）。発射速度毎分700発。参考：月刊PANZER5,’79、3,’04、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜Ｍ７００＞：アメリカ軍の時限発火コード。直径5mm。燃焼速度毎秒8mm。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｍ７０１＞：チェコスロバキアのモータレットが開発したターボジェットエンジン。L-29、L-29Aに搭載された。圧縮機は遠心式１段、燃焼器はカン型７個、タービンは１段、アフターバーナーは無い。全長2.067m、高さ0.928m、乾燥重量338kg。最大連続推力720kg。参考：世界の軍用機1979

＜Ｍ７０４＞：カナダ海軍キングストン級多目的警備艦６番艦イエローナイフ（Yellowknife）。2014年10月9-13日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜Ｍ７０６＞：V-100（装甲車）を参照。

＜Ｍ７０７＞：HMMWV輸送車両ファミリーを参照。

＜Ｍ７０９＞：カナダ海軍キングストン級哨戒艇サスカトーン。2011年10月6-12日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。参考：JShips Vol.46

＜Ｍ７１１＞：アメリカ軍203mm自走砲M110A1/A2用榴弾。M106の後継で、有効半径と低仰角射撃での精度が向上している。弾丸長1.115m。砲口初速毎秒710.2m（チャージ８）。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ７１２＞：アメリカ軍のレーザー誘導砲弾カッパーヘッド。重量62.4kg。射程3-16km。参考：月刊軍事研究3,’09

＜Ｍ７１５＞：アメリカ陸軍４×４輪１トン半トラック。カイザー社製で、民間用４×４輪ピックアップ・トラック1965年型カイザー・ジープJ2700グラディエーターをベースに開発され、1967年に採用された。タイヤは9.00-16。全長5.33m、全幅2.16m、全高2.41m、ホイールベース2.063m、自重2.495トン。エンジンは６気筒OHC（132.5馬力／4000rpm）、トランスミッションは前進４速・後進１速×２速トランスファー、最大速度96.5km。各型計20000両が生産された。参考：THE JEEP

＜Ｍ７１５トラック・ファミリー＞

　＜Ｍ７２５＞：野戦救急車型。参考：THE JEEP

　＜Ｍ７２６＞：応急修理車型。参考：THE JEEP

＜Ｍ７２４＞：アメリカ軍M68ライフル砲用曳光訓練弾TPDS-T。重量14.515kg。砲口初速毎秒1507m。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ７２５＞：：M715ファミリー（野戦救急車）を参照。

＜Ｍ７２６＞：M715ファミリー（応急修理車）を参照。

＜Ｍ７２８＞：M60戦車ファミリー（戦闘工兵車）を参照。

＜Ｍ７２８＞：アメリカ軍M68ライフル砲用APDS-T。重量18.95kg。砲口初速毎秒1426m。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜Ｍ７３３＞：M116ファミリー（装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｍ７３４Ａ１＞：アメリカ軍の迫撃砲用対地信管。多機能電波式近接信管で、二段切り替え式。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ７３５シリーズ＞：アメリカ軍の105mm戦車砲用APFSDS-T。参考：月刊グランドパワー5,’04

＜Ｍ７３５＞：西側初のAPFSDSとして1970年代半ばに実用化された。涙滴型のタングステン合金を強靱なマルエージング鋼の鞘で包んである。装弾筒は３分割で、安定翼は６枚あり、低速で旋転するようになっている。曳光剤はM13。重量3.7kg。砲口初速毎秒1501m、装甲貫徹力300-350mm（射距離2000m。318mm？）。日本でも1984年からライセンス生産されており、価格は1999年発注で28万円。参考：月刊グランドパワー5,’04、月刊軍事研究5,’08、8,’08

＜Ｍ７３５Ａ１＞：M735の劣化ウラン版。参考：月刊グランドパワー5,’04

＜Ｍ７３６＞：アメリカ軍203mm自走砲M110A1/A2用バイナリー化学砲弾。M426の後継として開発された。内部にはM27/M28中間生成物が薄い隔壁を介して収容されており、発射の衝撃で隔壁が破られ、旋転により混合されてVXガスが生成される。信管はM577時限信管で、目標上空で炸裂するようにセットする。信管が作動すると底部に穴が開き、VXガスが放出される。保管時は安全のため１種類のみ薬剤を充填しておき、前線でもう１種を充填する。弾丸長1.115m、弾丸重量92.23kg。砲口初速毎秒710.2m（チャージ８）。チャージ９での発射も可能。参考：月刊PANZER5,’81

＜Ｍ７４１＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ７４６＞：アメリカ軍のタンクトランスポーター。参考：月刊PANZER4,’93

＜Ｍ７５２＞：ランス地対地ミサイルシステム用自走発射機。M548装軌輸送車のキャビンと後部荷台を改修し、MGM-52ミサイル１発を搭載できるようにしたものである。発射時にはキャビンの天井を下げて操縦室を密閉し、車体後面の大型ランプを開き、ミサイルに仰角をかけて発射する。サスペンションには発射時の安定のためロック機構を設けた。全長6.55m、全幅2.71m、全高2.72m、全備重量11.6トン。エンジンは６気筒液冷ディーゼル（212馬力）、最大速度42.5km、航続距離450km。乗員２名。アメリカ陸軍向けに168両、西側各国向けに163両が生産された。参考：世界の軍用車両(2)

＜Ｍ７５３＞：アメリカ軍203mm自走砲M110A1/A2用中性子弾頭RAP弾。W79-1核弾頭を使用する。長さ1092mm、直径203mm、重量97.5kg。砲口初速毎秒710.2m（チャージ８）、最大射程29100m（チャージ９）。CEP200-500m。射程が同じM650で試射を行うらしい。800発が生産された。参考：月刊PANZER10,’03、5,’81、ミリタリー・バランス1989-1990、核兵器図鑑

＜Ｍ７７４＞：アメリカ軍105mm戦車砲用APFSDS弾。モノブロック構造劣化ウラン弾である。1979年4月から生産された。参考：月刊軍事研究8,’08、月刊グランドパワー5,’04

＜Ｍ７７７シリーズ＞：アメリカ軍軽量牽引式155mm榴弾砲、略称LW155（Light Weight 155mm howizer）。アメリカ陸軍と海兵隊がM198の後継として発注し、1997年3月にテクストロン・マリーン＆ランドシステム社のものが採用されたが、同社が経営危機に陥ったため、主契約社をマルコーニ・マリーン社、副契約社をロイヤル・オードナンス社に変更して2000年6月に先行量産型が生産され、2005年に採用されて1001門が配備された。牽引車両として専用のLWPMを開発し、空輸展開能力を向上させる予定だったが、中止になってしまったので、仕方無く輸送機でしか運べないMTVRを使用している（一応HMMWVでも路上なら牽引できる）。エクスカリバー誘導砲弾を使用した精密砲撃が可能で、射程40kmの狙撃銃（The 40km Sniper Rifle）とも呼ばれる。参考：月刊軍事研究2,’07、12,’12、1,’09、月刊PANZER1,’13

　＜ＸＭ７７７＞：試作型で、元はVSEL社がベンチャー開発したものである。軽量化のため、構造材として特殊強化鋼材、アルミニウム合金、圧延チタニウム合金などを多用し、砲をコンパクトに纏めた。ダブルバッフル式マズルブレーキに牽引架が付いている。射撃時には４本の脚をＸ字状に展開する。口径長39。最大射程17.9km。最大発射速度毎分５発。参考：月刊PANZER3,’01

＜Ｍ７７７Ｅ＞：試作型。M198と同じ39口径砲ながら、重量4.445トンと３トン近く軽い。俯仰角マイナス３度からプラス71度、射界22.5度。射程24700m（通常弾）／30000m（RAP及びベースブリード）／40000m超（M982エクスカリバー誘導砲弾）。発射速度毎分２発（持続）／４発（最大）。展開から射撃まで３分、射撃から撤収まで２分。参考：月刊軍事研究2,’07、9,’06

＜Ｍ７７７＞：量産型で、2005年から導入された。チタン合金を多用するなどして軽量化を図っており、UH-1なら１門、MV-22Bなら２門を懸吊空輸できる。４本脚で、後ろの２本は駐鋤が付いていて反動を受け止めるのに使用され、前の２本は砲が前に転倒するのを防ぐ役割を持つ。折り畳む際には前の２本を外側に180度回して後ろ向きにし、後ろの２本を上に持ち上げる。牽引移動用の小型車輪２つが用意されている。FCSはM109A6と同じものを搭載しており、射撃精度が高い。重量3.175トン。参考：月刊軍事研究4,’12、月刊PANZER1,’13

＜Ｍ７７７Ａ１＞：GDLS社製FCSを搭載したもの。重量4.2トン。射程24000-30000m、最大発射速度毎分５発。砲要員５名。陸軍に233門、海兵隊に262門が配備される予定。海兵隊では１個中隊６門単位で運用するが、アフガニスタンでは１個小隊２門単位で運用することを考えている。参考：月刊軍事研究11,’11、2,’07、2,’10

＜Ｍ７７７Ａ２＞：FCSのソフトウェア改良型。砲口初速センサー、防衛用高性能GPS受信機、慣性航法装置、車両動作センサー、ミッションコンピュータ、データ通信用無線機、班長／砲手／副砲手用ディスプレイなどを装備しており、班長はディスプレイを手に持って射撃指揮所からの指示をチェックし、射撃指揮を行う。全長9.51m、口径155mm、砲身長39口径、重量4.46トン。牽引速度24km（不整地）。射程22500m（M795通常弾・重量46.8kg）／30000m（M549RAP弾・重量43.5kg）／40000m（M982誘導砲弾・重量48kg）。発射速度毎分２発（持続）／4-5発（最大）。布陣に要する時間は２分、撤収は３分。参考：月刊軍事研究12,’12、2,’07

＜Ｍ７７７海外シリーズ＞

　＜Ｍ７７７（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍榴弾砲。ポーティ・システムとセットで45門を導入した。105mm榴弾砲L118に搭載されているセンサーと、砲兵照準システムを搭載している。参考：月刊軍事研究2,’07

　＜Ｍ７７７（インド陸軍）＞：インド陸軍榴弾砲。FMSで145門を導入し、中国との国境付近に置かれている２個山岳師団に配備する予定。2011年1月に実地テスト報告書が流出し、陸軍参謀総長に対して採用を取り消さないと危害を加えるという脅迫状が届いた。競合相手がデリー高等裁判所に訴訟を起こし、2012年4月には判決が出て2012年末に契約が正式締結される予定だったが、2013年10月15日になっても決まらず、BAEシステムズ社がM777の生産ラインを一時停止させる事態となった。参考：月刊軍事研究11,’10、7,’11、9,’12、3,’14

　＜Ｍ７７７（カナダ陸軍）＞：カナダ陸軍榴弾砲。６門を導入し、アフガニスタンに４門を投入した。更に6-18門程度を購入する予定。参考：月刊軍事研究2,’07

　＜Ｍ７７７Ａ２（サウジアラビア陸軍）＞：サウジアラビア陸軍榴弾砲。イラン情勢の悪化に対応するため、2012年にM777A2榴弾砲36門とM107榴弾17136発の導入を決めた。参考：月刊PANZER9,’12

＜Ｍ７８９＞：アメリカ軍30mmチェインガンM230用多目的榴弾。内部にPBXN-5炸薬27gを内蔵する。装甲貫徹力25-50mm。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸12,’10

＜Ｍ７９１＞：イスラエルの120mm迫撃砲弾。M87子弾を24個搭載し、計10000個の弾片をばらまく。参考：月刊PANZER9,’02

＜Ｍ７９２＞：アメリカ軍M242チェインガン用APDS-T。初速毎秒1345m、装甲貫徹力は射距離2500mで10-25mm。参考：月刊PANZER8,’03

＜Ｍ７９５＞：アメリカ軍155mm榴弾。重量46.8kg。射程26.5km以上。イラク戦争で初使用された。参考：月刊軍事研究3,’04、6,’16

＜Ｍ７９９＞：アメリカ軍M230チェインガン用30mm機関砲弾。内部に高性能炸薬43gを収容する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｍ８０６＞：ドイツ海軍M601級掃海艇。1945年竣工。終戦後、イギリス海軍に引き渡され、1948年に解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｍ８０９シリーズ＞：アメリカ陸軍・海兵隊の５トン積み６×６輪中型野戦トラック。AMジェネラル社製で、1950年代から92000両が生産された。参考：月刊軍事研究1,’13

　＜Ｍ８０９＞：全長8m、全備重量10トン。エンジンはカミンズ製NHC250ディーゼル（250馬力）。積載量4.5トン。参考：月刊軍事研究1,’13

　＜Ｍ８１４＞：ロングホイールベースの貨物輸送型。全長9.6m、全備重量10.4トン。参考：月刊軍事研究1,’13

　＜Ｍ８１７＞：ダンプトラック型。全備重量10.5トン。参考：月刊軍事研究1,’13

　＜Ｍ８１８＞：牽引トラック型。参考：月刊軍事研究1,’13

＜Ｍ８１８＞：アメリカ陸軍5000ガロン（18927リットル）トレーラー。M932トラクターで牽引される。参考：月刊軍事研究8,’09

＜Ｍ８２５＞：M151ファミリー（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜Ｍ８２５Ａ１＞：アメリカ軍155mm白燐発煙弾。先端に時限信管があり、その後ろに炸薬があって、炸裂するとキャニスターを弾殻から後方に押し出す。するとキャニスター内の炸薬が爆発し、内部に充填された白燐の染み込んでいるフェルトウェッジ（厚さ190mm）116個を空中に散布、濃密な白煙を発生させる。煙幕有効時間5-10分間。白燐重量5.78kg。参考：月刊軍事研究4,’09、6,’09

＜Ｍ８２９シリーズ＞：アメリカ陸軍120mm戦車砲M256用劣化ウランAPFSDS弾。参考：月刊PANZER12,’04

　＜Ｍ８２９＞：風切り帽と、アルミニウム製フィン６枚を持つ。全長935mm、全備重量18.6kg、弾頭重量7.16kg、発射薬重量8.1kg。砲口初速毎秒1650m、射程3000m以上。装甲貫徹力は射距離2000mで600mm。貫徹体の全長・直径比は20近い。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊PANZER12,’04

　＜Ｍ８２９Ａ１＞：雷管や火管などの信頼性を向上させたもの。弾体は劣化ウランとチタンの合金である。湾岸戦争で厚さ1.5mの掩体を貫通してT-72を撃破するなど高い威力を発揮し、シルバー・バレットの渾名が付いた。全長684mm、直径22mm、弾体重量4.9kg（4.6kg？）。砲口初速毎秒1700m、装甲貫徹力610mm（射距離2000m）。1985年に配備された。参考：月刊PANZER12,’04、軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究5,’08、3,’17

＜Ｍ８２９Ａ２＞：サボーを軽金属からカーボン・エポキシ繊維に換え、装薬を改良し、砲口初速を毎秒1700m以上（1650m？）に高めたもの。装甲貫徹力730mm。1994年に配備された。参考：月刊PANZER12,’04、月刊軍事研究3,’17、7,’03

＜Ｍ８２９Ａ３＞：改良型で、全長・直径比を30にまで向上し、装薬を強化して遠距離威力を向上させた。初速毎秒1555m、装甲貫徹力765mm。2003年に配備された。参考：月刊軍事研究3,’17、月刊PANZER12,’04

＜Ｍ８２９Ａ４＞：弾底部に弾薬データリンクADL（Ammunition Data Link）用インターフェース・リングが取り付けられており、FCSとの間でデータをやりとりして命中精度を向上させることができる。装甲貫徹力800-1000mm。2014年に配備された。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ８３０シリーズ＞：アメリカ陸軍120mm戦車砲M256用HEAT-MP。参考：月刊軍事研究11,’08

＜Ｍ８３０＞：全長981mm、弾頭重量13.5kg、発射薬重量5.4kg、全備重量24.2kg。砲口初速毎秒1140m、射程2500m、装甲貫徹力600mm。ビルに撃ち込むと２部屋を完全に粉砕するが、向こうのビルまで貫通していかないので便利である。最小有効射程は30mだが、市街戦でも不自由は無かったようだ。参考：月刊軍事研究2,’09、7,’03、3,’05、11,’08、月刊PANZER3,’10

　＜Ｍ８３０Ａ１＞：有効射程を延伸するため、弾体直径を一回り小さくして装弾筒を装着したもの。威力は多少減ったが、安定翼が相対的に大型化したため、スパイクノーズを付ける必要が無くなり、初速が毎秒1400mに、有効射程が4000mに延びた。着発信管に加えて近接信管も装備しており、対ヘリコプター用にも使用できる。信管をどちらのモードにするかは射撃直前に車長の命令で装填手が設定する。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊PANZER3,’10

＜Ｍ８３１Ａ１＞：ジェネラル・ダイナミクス社が開発した120mm滑腔砲用訓練弾。M830HEAT用訓練弾である。参考：月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ８３３＞：アメリカ陸軍105mm戦車砲用劣化ウランAPFSDS弾。メカール社製。湾岸危機の際にサウジアラビアに輸出されたが、劣化ウランによる環境汚染が懸念されたため、代わりにM1060徹甲弾が輸出されることとなった。参考：軍事分析湾岸戦争

＜Ｍ８４０＞：オランダ海軍フリシンゲン級掃海艦１番艦フリシンゲン（Vlissingen）。2022年6月、KERSHI社で起工された。2023年10月19日進水。参考：月刊世界の艦船9,’23、1,’24

＜Ｍ８５３＞：オランダ海軍掃海艇ハーレム。2011年3月、リビア作戦に参加。参考：月刊JWings7,’11

＜Ｍ８５５＞：SS109海外シリーズ（銃弾）を参照。

＜Ｍ８５７＞：オランダ海軍アルクマール級掃海艇マックム（Makkum）。2018年6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。参考：月刊世界の艦船9,’14、9,’18、9,’23

＜Ｍ８６０＞：オランダ海軍掃海艇スキーダム（Schiedam）。2015年10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’16

＜Ｍ８６１＞：オランダ海軍掃海艇ユルク（Urk）。2020年6月7-16日、バルトップス2020に参加。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜Ｍ８６２＞：オランダ海軍掃海艇ジークリゼー（Zierikzee）。2020年6月7-16日、バルトップス2020に参加。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜Ｍ８６３＞：オランダ海軍掃海艇フラールディンゲン（Vlaardingen）。2018年6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。参考：月刊世界の艦船9,’18、9,’23

＜Ｍ８６５＞：アメリカ陸軍120mm滑腔砲M256用訓練弾。ジェネラル・ダイナミクス社が開発した。基本的にはAPFSDSで、尾部のフィン形状を工夫しており、実弾と同じ弾道で3500m飛翔し、その後急速にエネルギーを失って落下する。参考：戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ８７７＞：M520シリーズ（トラック）を参照。

＜Ｍ８９８＞：アメリカ陸軍対装甲誘導砲弾、別名Sense And Destroy ARmor Munition（感応型対装甲弾薬）、略称SADARM。155mm砲弾の中にセンサー内蔵の完全撃ちっ放し式子爆弾（直径175mmの円筒形）２発を搭載しており、子爆弾はパラシュートと減速装置により毎秒21mで降下しながら斜めに高速回転し、赤外線センサーとミリ波レーダーで半径150mの地上を捜索、目標を発見すると遠心力を利用して接近し、最大高度130mから炸裂して自己鍛造弾を秒速2500mで射出、目標上面を貫通する。ミリ波レーダーは立体角５度を占めるビームを放出し、金属物質と土壌との反射率の差で目標を探知する。イラク戦争で初使用され、108発撃ち込んで車両48両を撃破した。MLRS用ロケットに６個を収容する射程35km型と、４個を収容する射程57km型も開発されていた。参考：月刊軍事研究3,’04、4,’01、9,’03、火器弾薬技術ハンドブック、月刊丸4,’99

＜Ｍ９００シリーズ＞：アメリカ軍105mm戦車砲M68用APFSDS-T。参考：月刊軍事研究8,’16

＜Ｍ９００＞：105mm戦車砲M68A1E4用劣化ウランAPFSDS-T。砲口初速毎秒1500m。装甲貫徹力は射距離2000mで420mm（60度）あり、T-72の正面装甲を貫徹できるとされる。参考：月刊軍事研究8,’16、9,’05

　＜Ｍ９００Ｄ＞：105mm戦車砲M68用APFSDS-T。初速毎秒1500m、装甲貫徹力520mm。1980年に配備された。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｍ９０１＞：M113装甲車ファミリー（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜Ｍ９０１＞：アメリカ軍パトリオット地対空ミサイルシステムを構成するミサイル保管・輸送コンテナ。M818トラクターとM860トレーラーで構成されており、トレーラーにはトラクターとの接続部上方に電源、その後ろの一段下がった場所の右にデータリンク・ターミナルモデム、左に発射機用エレクトロニクスモデム、後部に４連装箱形ミサイル発射機を搭載する。４連装発射機にはMIM-104ミサイル収容キャニスターを４基（２×２）装着する。陣地に進入したらトラクターを切り離し、ランチャー操作手のうちチーフ以外の２名が発射機左右に１名ずつ展開し、チーフの指揮で発射準備を行う。アウトリガーを左右に広げて接地させ水平を取り、発電機を起動して発射機に電源を投入、キャニスターと発射機を固定するボルトが移動中に緩んでいないかエクステンションバー付きトルクレンチで確認し、２分割されているFCSとの交信用アンテナ（発射機左側面）を組み立てる。後は発射機を射撃角度まで持ち上げれば準備完了。要員はランチャー操作手３名、バン乗員３名。参考：月刊グランドパワー3,’95、ワイルドウエポン、月刊JWings9,’22

＜Ｍ９０３＞：アメリカ軍12.7mm重機関銃M2用12.7mmタングステン弾芯徹甲弾、略称SLAP（Sboted Light Armored Penetrator）。射距離1200mで装甲貫徹力23mm。参考：月刊軍事研究8,’16

＜Ｍ９０４＞：アメリカ軍Mk80爆弾シリーズ用機械式信管。弾頭部に装着し、着発または短延期が選択できる。遅延秒時はM9遅延エレメントで調整する。先端にはアーミングベーン（風車）が付いていて、アーミングワイヤにより固定されている。アーミングワイヤは爆弾内部を通って爆弾ラックに繋がっているので、爆弾が投下されるとアーミングワイヤが外れ、ベーンが回り出して安全装置が解除される。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings11,’12、月刊軍事研究4,’11

＜Ｍ９０４＞：フランス軍BL5/6/7/21/25/BL EU3爆弾用着発信管。弾頭部に装着する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ９０５＞：アメリカ軍Mk80爆弾シリーズ用機械式信管。弾底部に装着し、着発または短延期が選択できる。爆弾ラックとアーミングワイヤで繋がっており、爆弾が投下されるとワイヤが抜けて安全装置が解除される。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings11,’12、月刊軍事研究4,’11

＜Ｍ９０５＞：フランス軍BL EU4爆弾用着発信管。弾底部に装着する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ９０６＞：フランス軍BL EU4爆弾用着発信管。弾底部に装着する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ９０７＞：アメリカ軍の機械式空中炸裂信管。弾頭部に装着し、ダイヤルを回して遅延秒時をセットする。先端にアーミングベーン（風車）が付いていて、爆弾を投下するとこれを固定しているアーミングワイヤが外れてベーンが回り出し、安全装置が解除される。参考：月刊軍事研究4,’11

＜Ｍ９０９＞：アメリカ軍の機械式空中炸裂信管。投下後4-92秒で炸裂するタイプで、M129リーフレット爆弾などの頭部に装着する。遅延秒時はダイヤルを回してセットする。先端にアーミングベーン（風車）が付いていて、爆弾を投下するとこれを固定しているアーミングワイヤが外れてベーンが回り出し、安全装置が解除される。参考：月刊軍事研究4,’11

＜Ｍ９１１＞：アメリカ軍の戦車輸送用トラクター。オシコシ社製。M-1戦車を搭載するには能力不足で、時速23kmしか出ず、湾岸戦争時には第７軍団の輸送に苦労したため、M1070に後を譲った。全長20m（M747セミトレーラー装着時）、車体長9.1m、全幅2.9m、全高3.6m、自重26.3トン、M747セミトレーラー牽引時全備重量43.4トン、総重量96トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製8V92TA-90ディーゼル（430馬力）、最大速度69km、航続距離990km。積載量53トン。乗員２名。参考：月刊軍事研究8,’08

＜Ｍ９１５シリーズ＞：アメリカ陸軍６×４輪幹線輸送トラクター（Line Haul Tractor、LMT）。M131セミトラクターなどを牽引する。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜Ｍ９１５Ａ５＞：３軸10輪で、後ろ２軸がダブルタイヤである。B/Cキット装甲キャブなどが用意されている。最大重量54.4トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製S60ディーゼル（500馬力）、最大速度105km。M872セミトレーラー（最大積載量34トン）、M967燃料トレーラー（容量5000ガロン・18927リットル）、M1062A1燃料トレーラー（容量7500ガロン・28391リットル）などを牽引可能。参考：月刊軍事研究7,’17

＜Ｍ９１６＞：ベルギー海軍フラワー級掃海艇ベリス（Bellis）。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜Ｍ９１６Ａ３＞：アメリカ陸軍６×６輪軽装備輸送車。M870低床セミトレーラー（最大積載量40トン）などを牽引可能。最大重量59トン。最大速度97km。参考：月刊軍事研究7,’17

＜Ｍ９１７Ａ２＞：アメリカ陸軍８×６輪大型ダンプ。最大積載量20トン。参考：月刊軍事研究7,’17

＜Ｍ９１８＞：40mmてき弾銃用閃光薬付き演習弾。参考：月刊軍事研究3,’02

＜Ｍ９１９＞：アメリカ軍25mmチェインガンM242用劣化ウラン徹甲弾。初速毎秒1420m。湾岸戦争ではBMP-1をノックアウト、戦車の側面に連続命中させて行動不能に陥らせた。イラク戦争ではM-1戦車を誤射し、エンジン側面を貫通して火災を発生させ行動不能にしてしまった。１発の値段が高いので、連射は禁止されているらしい。参考：月刊軍事研究6,’03、PANZER11,’03、3,’05

＜Ｍ９２１＞：ベルギー海軍トリパルタイト級掃海艇ロベリア（Lobelia）。2015年5月15-28日、バルト海でオープン・スピリット2015に参加。参考：月刊世界の艦船5,’15、8,’15

＜Ｍ９２３＞：ベルギー海軍掃海艇Narcis。2011年3月、リビア作戦に参加。参考：月刊JWings7,’11

＜Ｍ９２４＞：ベルギー海軍掃海艇プリムラ（Primula）。2016年5月6-13日、バルチック・フォートレス演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜Ｍ９３２Ａ１＞：アメリカ陸軍６輪トラクター。車体長6.71m、全幅2.46m、全高2.94m、車体重量9.2トン。エンジンはNHC-250ディーゼル（６気筒240馬力）、最大速度84km、燃料295リットル、航続距離563km。牽引能力24.9トン（路上）／17トン（路外）。乗員３名。18925リットルの燃料を積載できるM818セミトレーラーを牽引する。参考：月刊軍事研究8,’09、月刊グランドパワー3,’95

＜Ｍ９３９シリーズ＞：アメリカ陸軍・海兵隊の５トン積み６×６輪トラック。M809の小改良型で、1982年からBMY社などで32000両が生産された。参考：月刊軍事研究1,’13、月刊グランドパワー4,’95

　＜Ｍ９２５Ａ１＞：貨物トラック型。全備重量10.3トン。参考：月刊軍事研究1,’13

　＜Ｍ９３１Ａ１＞：牽引トラック型。参考：月刊軍事研究1,’13

　＜Ｍ９３６Ａ１＞：回収トラック型。荷台にクレーンを搭載する。参考：月刊軍事研究1,’13

＜Ｍ９４０＞：ベルギー海軍オーステンデ級掃海艦１番艦オーステンデ（Oostende）。2021年11月30日、ネイヴァル・グループのコンカルノー造船所で起工された。2023年3月29日進水。参考：月刊世界の艦船3,’22、6,’23、9,’23

＜Ｍ９６６＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ９７７シリーズ＞：アメリカ陸軍・海兵隊８×８重輸送トラック、略称HEMTT（Heavy Expanded Mobility Tactical Truck）。C-130で運搬できる野戦トラックで、後方支援を主任務とする。各種ファミリーがあり、パトリオット、M7前方修理システム、戦術浄水装置の運搬にも使用される。1985年からオシュコシュ社が11177両を生産した。参考：月刊PANZER7,’10、月刊グランドパワー4,’95、月刊軍事研究10,’16

＜Ｍ９７７＞：貨物輸送用の基本型。キャブオーバー型８×８輪車両で、車体は耐腐食鋼製全溶接構造をしており、低圧タイヤにより不整地踏破制も高い。車体後部にはグローブ社製伸縮式クレーン（全長5.8m、吊り下げ能力1.134トン）が付いている。サスペンションはヘンドリクソン社製リーフ・スプリング式。弾薬パレット８個を搭載でき、弾薬パレット１個あたり120mm戦車砲弾なら30発、107mm迫撃砲弾なら44発、25mm機関砲弾なら1500発、TOWミサイルなら９発、ドラゴン対戦車ミサイルなら12発を収容可能。全長10.173m、全幅2.438m、全高2.565m、車重17.6トン、全備重量27.08トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製8V-92TAディーゼル（445馬力）、トランスミッションはアリソン製オートマチック、最大速度88km、燃料589リットル、航続距離483km。最大積載量18トン。乗員２名。参考：月刊軍事研究8,’09、8,’03、10,’16、月刊グランドパワー4,’95、3,’95

＜Ｍ９７７Ａ３＞：ハイブリッド・ディーゼル・エンジンに換装し、車内に200kW発電機を搭載したタイプで、燃費が20%向上し、野外発電機としても使用できるようになった。回生ブレーキも装備しており、電気系統は完全二重式である。参考：月刊軍事研究12,’11

＜Ｍ９７７Ａ４＞：エンジン・装甲強化型。エンジン出力を500馬力にして積載量を２トンほど増加させ、装甲キャビンを搭載している。更に追加装甲キットの装着が可能。2009年2月25日に1350両が発注された。参考：月刊軍事研究4,’09、12,’11

＜Ｍ９７７ファミリー＞

＜Ｍ９７８＞：2500ガロン（9464リットル）タンカー型。車体後部にホース２本を持ち、２両に同時給油ができる。全長10.173m、全幅2.438m、全高2.565m、車重17.3トン、全備重量26.69トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製8V-92TA（445馬力）、最大速度88km、自車用燃料589リットル、航続距離483km。乗員２名。参考：月刊軍事研究8,’03、10,’16

＜Ｍ９８３＞：トラクター型。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ９８４＞：重機動レッカー車。27.216トンウインチと、6.35トンクレーンを持つ。参考：月刊軍事研究8,’09、8,’03

＜Ｍ９８５＞：弾薬輸送重機動トラック。M977よりも一回り大型で、全長4.95mの2.45トンクレーンを車体後部に持ち、MLRS用ポッド（M26ロケット弾６発またはATACMS１発を搭載）なら４基を搭載できる。また、この他に同じポッドを４基搭載したM989A1HEMAT高機動重弾薬トレーラーを牽引することが可能である。自重18トン。エンジンはディーゼル（445馬力）、最大速度88km、航続距離483km。積載量10トン。MLRS１両あたり２両が配備される。積載量がオーバー気味で、サスペンションは強化されていたものの、湾岸戦争時には砂地でスタックしてドライブシャフトを折る車両が出たらしい。参考：月刊PANZER4,’93、月刊軍事研究3,’04、8,’09

＜Ｍ１１２０＞：別名HEMTT-LHS。PLSを構成する。LHSはLoad Handling System（積荷取扱システム）の略で、車体に搭載されたパレットコンテナ積み下ろしシステムであり、全長6.1m・全幅2.4mのM1077フラットラックを荷台代わりに装着していて、前方のクレーン（CROP、Containerized Roll-in, Roll-out Platform）によりM1077を後方に引き下ろし、荷役作業車が無くても簡単に貨物を積み降ろしできるようにする。貨物の他、認定交換部品移動システムASLMS、戦術浄水システムTWPS、タンクラック・モジュール（2000ガロン・7571リットル水タンク）なども積める。M1077フラットラックを装着したM1076トレーラーも牽引可能。全長10.3m、全幅2.4m、全高2.8m、自重18トン、全備重量30トン。エンジン出力450馬力、最大速度91km、航続距離480km。積載量10ショート・トン（9.07トン）。乗員２名。1999年から製造された。参考：月刊軍事研究8,’03、10,’16

＜Ｍ１１２０Ａ４＞：2008年から登場した防御力・積載量向上型。キャビンをＡキットと呼ばれる防弾鋼・防弾ガラス製の装甲キャブ（全周防弾レベルSTANAG4569レベル１）に変更し、Ｂキットと呼ばれるボルト止め式LTAS装甲キャブ（STANAG4569レベル３）も追加できるようにしている。重量増はエンジン強化で対応した。タイヤはミシュラン製16.00R20XZLチューブレスタイヤ。サスペンションはホランド製４バルブ制御式エアサスペンションに強化した。M1077フラットラックを装着したM1076トレーラーも牽引可能。全長10.211m、全幅2.438m、全高2.997m（スペアタイヤ頂部）、全備重量30.84トン（Ａキット）／34.7トン（Ｂキット）。エンジンはキャタピラー社製C15ディーゼル（総排気量15.6リットル、出力500馬力）、トランスミッションはアリソン製オートマチック（前進５速）、最大速度100km、燃料搭載量587リットル、路外航続距離483km。積載量11ショート・トン（10トン）／M1076牽引時22ショート・トン（20トン）。乗員２名。参考：月刊軍事研究10,’16

＜Ｍ１９７７＞：汎用橋梁運搬車型、別名Rapidly Emplaced Bridge System（迅速架設橋梁システム）、略称REBS。荷台に91式戦車橋のような２分節スライド式橋梁を搭載しており、乗員２名の他に操作員は要らず、10分で架設可能。全長14m、重量25.48トン。橋梁はMLC40クラスで、全長13.8m、幅3.35m、重量4.8トン。同じ橋梁を積んだM1076トレーラーを引っ張ることもある。参考：月刊軍事研究9,’16、月刊PANZER7,’10

＜Ｍ１１４２８＞：戦術消火トラック型。参考：月刊PANZER7,’10

＜ＸＭ１１５８＞：給水車型。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ９７８＞：M977トラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ９８０＞：BVP M80シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ９８１ＦＩＳＴ−Ｖ＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ９８２＞：エクスカリバー（砲弾）を参照。

＜Ｍ９８３＞：M977トラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ９８４＞：M977トラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ９８５＞：M977トラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ９８９Ａ１＞：アメリカ軍重拡大弾薬トレーラーHEMAT。MLRSのロケットポッドを輸送するためのトレーラーで、ポッド４基を搭載できる。他にも標準弾薬パレットなら６個、600ガロン（2271リットル）燃料ポッドなら２個、500ガロン（1893リットル）燃料嚢なら２個を搭載可能。HEMTTで牽引される。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ９９２＞：M109自走砲ファミリーを参照。

＜Ｍ９９６＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ９９７＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ９９８＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０００＞：アメリカ陸軍輸送用セミトレーラー。HETSを構成するセミトレーラーで、M1070トラクター・シリーズで牽引される。M-1戦車を輸送できるよう、70トン（ショート・トン？）級の積載能力を持つ。５軸10輪で、うち４軸がステアリングする。油圧サスペンションにより車高を一定に保てる。全長15.6m、デッキ長10m、全幅3.6m、自重22.7トン。最大速度72km。積載量63.5トン。サウスウエスト社製。参考：月刊軍事研究8,’03、7,’17

＜Ｍ１００２＞：ジェネラル・ダイナミクス社が開発した120mm滑腔砲用訓練弾。参考：月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ１０１５＞：M548ファミリー（電子戦車両）を参照。

＜Ｍ１０２５＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０２６＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０２８＞：アメリカ軍120mm戦車砲用キャニスター弾。ジェネラル・ダイナミクス社製。弾頭部は円筒形で、内部に1100個のタングステン子弾を内蔵しており、発射されると扇状に散布して100-300m以内の人員・ソフトスキンを破砕する。参考：月刊PANZER3,’10、月刊軍事研究6,’17

＜Ｍ１０３０−Ｍ２＞：アメリカのHDT社が開発した軍用オフロードバイク。燃料はJP-8で、他の航空燃料や軽油も使える。エンジンはHDT-3670ディーゼル（36馬力、４サイクル１気筒、排気量670cc）、トランスミッションは５速クラッチレス、最大速度95km。参考：月刊軍事研究12,’09、2,’10

＜Ｍ１０３５＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０３８＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０４０＞：アメリカ軍の105mm戦車砲M68A1E4用対人キャニスター弾。発射されると多数の炭化タングステン球を撒き散らし、正面75m・縦深300mの歩兵に被害を与える。有効射程500m以内。参考：月刊軍事研究8,’16、9,’05

＜Ｍ１０４３＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０４４＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０４５＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０４６＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１０５２＞：ドイツ海軍ミュールハウゼン級水中処分艇ミュールハウゼン（Muhlhausen）。1996年就役。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜Ｍ１０５７Ａ３＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ１０５９＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ１０５９＞：ドイツ海軍フランケンタール級掃海艇ヴァイルハイム（Weilheim）。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜Ｍ１０６０＞：アメリカの105mm戦車砲用APFSDS弾。タングステン・ニッケル合金製。弾丸重量5.8kg。砲口初速毎秒1510m。湾岸戦争時、サウジアラビアにM833劣化ウラン弾を輸出したら環境汚染を懸念されたので、代わりにこちらを輸出した。参考：軍事分析湾岸戦争

＜Ｍ１０６３＞：ドイツ海軍フランケンタール級掃海艇バート・ベヴェンセン（Bad Bevensen）。1993年12月就役。2022年3月14-31日、ノルウェー近海でコールド・レスポンス2022に参加。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。参考：月刊世界の艦船10,'15、6,’22、9,’23

＜Ｍ１０６４Ａ３＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ１０６５＞：ドイツ海軍フランケンタール級掃海艇８番艦ディリンゲン（Dillingen）。1995年就役。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。2023年6月17-25日、キール・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船12,’19、9,’23

＜Ｍ１０６８＞：M113装甲車ファミリーを参照。

＜Ｍ１０７０シリーズ＞：アメリカ陸軍８×８輪輸送用トラックトラクター。M911の後継としてオシュコシュ社が開発したもので、HETSを構成する。参考：月刊軍事研究7,’17

＜Ｍ１０７０＞：サスペンションは空気圧で、１・４軸がステアリング可能。タイヤは16.00R20シングルで、空気圧調整装置も付いている。全長9m、全幅2.6m、全高3.2m、自重19.6トン、全備重量105トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル製２ストローク８気筒ディーゼル（500馬力）、最大速度72km、航続距離520km。M1000セミトレーラーを牽引する。乗員２名＋戦車乗員４名。参考：月刊PANZER1,’01、月刊軍事研究8,’03、4,’12

＜Ｍ１０７０Ａ１＞：B/C装甲キャブなどの防御力強化を施すことが可能。全長9.7m、全幅2.59m、全高3.7m、車体重量20.6トン、牽引時最大重量107.3トン。エンジンはキャタピラー社製C18ディーゼル（700馬力）、最大速度81km、航続距離523km。M1000セミトレーラーを牽引する。乗員２名＋戦車乗員４名。参考：月刊軍事研究7,’17

＜Ｍ１０７４Ａ１＞：アメリカ陸軍重弾薬輸送車。10×10輪トラックで、荷台にパレット化積荷システムPLSを備え、155mm榴弾砲用弾丸・装薬・信管８発分を収容したパレット22個を搭載でき、更に同数のパレットを積んだM1076トレーラーを牽引できる。装甲キャブＡキット／Ｂキットも用意されている。全長11.3m、全幅2.5m、全高3.28m、車体重量26.082トン、満載時重量41.050トン。エンジンはキャタピラー社製C15（600馬力）、最大速度100km、航続距離483km。積載量14.969トン（16.5ショート・トン）。乗員２名。参考：月刊軍事研究5,’17

＜Ｍ１０７５＞：アメリカ陸軍重輸送車。10×10輪大型重機動トラックで、車体後部にパレット化積荷システムPLSを備え、16.5トンのパレットコンテナを積んで更にM1076トレーラーを牽引しても時速56kmを出せる。全長10.8m、全幅2.4m、全高3.2m、自重24.8トン、全備重量39トン、牽引時重量62トン。エンジンは8V92TA８気筒Ｖ型ディーゼル（500馬力）、最大速度91km、航続距離360km。乗員２名。参考：月刊軍事研究8,’03

＜Ｍ１０７６＞：アメリカ陸軍16.5トントレーラー、別名パレット化積荷システムトレーラー、略称PLST。３軸６輪（前１軸、後２軸）のトレーラーで、M1077フラット・ラックを載せられる。全長8.2m、全幅2.4m、自重7.5トン。M1075、M1120、M1977に牽引される。参考：月刊軍事研究8,’03、9,’16、月刊PANZER3,’05

＜Ｍ１０７８＞：アメリカ陸軍４×４貨物トラック。LMTVファミリーを構成する。全長6.4m、全幅2.4m、全高2.8m、自重7.5トン。エンジン出力225馬力、最大速度94km、航続距離645km。積載量2.5トン。乗員３名。参考：月刊軍事研究8,’03

＜Ｍ１０８３＞：アメリカ陸軍６×６貨物トラック。MTVファミリーを構成する。全長6.9m、全幅2.4m、全高2.8m。自重8.9トン。エンジン出力290馬力、最大速度94km、航続距離480km。積載量５トン。乗員３名。参考：月刊軍事研究8,’03

＜Ｍ１０８８＞：アメリカ陸軍６×６輪トラクター。MTVファミリーを構成する。キャビンが装甲化されている。25ショート・トン積みセミトレーラーM172A1の牽引が可能。エンジン出力330馬力。参考：月刊軍事研究10,’16、9,’16

＜Ｍ１０９０＞：ドイツ海軍エンスドルフ級掃海艇ペグニッツ（Pegnitz）。1990年就役。2012年5月11-13日、ハンブルク港まつりに参加。2018年6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。参考：月刊世界の艦船8,’12、9,’18

＜Ｍ１０９３＞：ドイツ海軍エンスドルフ級掃海艇５番艇アウエルバッハ（Auerbach）。1991年就役。2015年5月15-28日、バルト海でオープン・スピリット2015に参加。参考：月刊世界の艦船5,’15、8,’15

＜Ｍ１０９８＞：ドイツ海軍エンスドルフ級掃海艇ジークブルク（Siegbirg）。2016年6月3-20日、バルトップス2016に参加。6月18-26日、キール・ウィーク2016に参加。参考：月刊世界の艦船3,’07、9,’16

＜Ｍ１０９９＞：ドイツ海軍クルムバッハ級掃海艇ヘルテン（Herten）。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜Ｍ１１０３＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇アルフリストン（Alfriston）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１０９＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇ビッキントン（Bickington）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１１０＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ビルデストン（Bildeston）。1953年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１１３＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１１３＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ブレレトン（Brereton）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１１４＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１１４＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ブリントン（Brinton）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１１５＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ブロニントン（Bronington）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１１６＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１１６＞：イギリス海軍ウイルトン級実験掃海艦ウイルトン（Wilton）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１１７シリーズ＞：アメリカ陸軍警備用装甲車、別名ガーディアン。キャデラック・ゲージ社が1995年から開発した４輪装甲車両ASV150を1999年に試験採用し、制式化したものである。参考：月刊グランドパワー5,’04、月刊軍事研究4,’12

＜Ｍ１１１７＞：車体は避弾経始に優れ、装甲鋼板、セラミック製アップリケアーマー、破片防護ライナーで固めてあり、250m先からの12.7mm徹甲弾射撃や15m上空での榴弾炸裂に対抗できる。また、車体底面はTNT火薬1.8kg（5.5kg地雷）の炸裂に耐える。車体左右と後面右にドアがあり、後面のドアは機関室右の通路を通って出入りする。銃塔はAAVP7A1のものと類似しており、12.7mm機銃（800発）、40mmてき弾発射機Mk19Mod1（400発）を搭載する他、銃塔右側面に溶接された棒状マウントに7.62mm汎用機銃またはM249分隊支援火器を装備する。銃塔後部左右に４連装発煙弾発射機１基ずつ、上面に全周ペリスコープ付ハッチを持つ。車重13.4トン。エンジンはカミンズ製ディーゼル（260馬力）、変速機はアリソン製MD3560オートマチック、最大速度100km。乗員３名（車体前部右の車長、左の操縦手、銃塔の銃手）。火力・防御力に劣るHMMWVの代替として、1300両がMP部隊などに配備された。参考：月刊グランドパワー5,’04、月刊PANZER10,’01、月刊軍事研究10,’07、4,’12

＜Ｍ１１１７ファミリー＞

　＜ＡＳＶ＞：Armored Security Vehicle（装甲警備車両）の略。武装をUGWS40/50に換装したものである。参考：月刊軍事研究10,’07

　＜Ｍ１２００＞：砲兵観測車型、別名アーマード・ナイト（Armored Knight）。レーザー測距器、レーザーデジグネーター、M700ナイト砲兵支援装置（AN/TAS-4野戦砲兵戦術監視装置とG/VLLDレーザー照射装置からなる）、GPS、デジタル指揮管制装置などを搭載しており、航空部隊への目標指示も行える。アメリカ陸軍旅団戦闘団野戦砲兵隊戦闘監視レーザー照準チームCOLT（Combat Observation and Lasing Teams）に配備された。参考：月刊グランドパワー3,’11、月刊PANZER10,’12、月刊軍事研究10,’07

　＜ＲＳＴＡ＞：偵察車両型で、Reconnaissance Surveillance and Target Acquisitionの略。偵察用センサーマストを装備している。参考：月刊軍事研究10,’07

＜Ｍ１１１７海外シリーズ＞

　＜Ｍ１１１７（イラク国民軍）＞：イラク国民軍警備用装甲車。43両を発注しており、うち41両は車体を延長した装甲兵員輸送型、２両は指揮車型である。独立懸架装置、電動操舵装置、NBC防護装置、タイヤ圧調整システムを標準装備する。装甲兵員輸送型は10名を輸送でき、自衛用に12.7mmまたは7.62mm機銃１丁をルーフに搭載可能。テキストロン・マリーン＆ランド・システムズ社が生産して2005年頃から引き渡し予定。参考：月刊軍事研究12,’04

＜Ｍ１１１７海外ファミリー＞

　＜ＭＡＳＶ＞：アフガニスタン国軍警備用装甲車で、中型装甲警備車（Medium Armored Security Vehicle）の略。ASVの改良型で、M1117とコンポーネントの70%を共通化し、地雷やIEDに対する防御力強化や、サスペンション能力向上といったESV（Enhanced Survivability Standard）改修を加えており、12.7mm機銃と40mm自動てき弾銃を装備した１名用砲塔を搭載した標準の警備型の他に、装甲兵員輸送型、救急型、指揮統制型、工作型、補修型、迫撃砲搭載型、偵察型、自走対戦車ミサイル型、装甲工兵車型といったバリエーションもある。2012年6月までに240両、12月までに更に200両がアメリカ陸軍からFMSで提供される予定。参考：月刊軍事研究11,’11、月刊PANZER10,’12

＜Ｍ１１２０＞：M977重輸送トラック・ファミリーを参照。

＜Ｍ１１２４＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇クライトン（Crichton）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１２５＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇カクストン（Cuxton）。1953年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１２６＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１２７＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１２８＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１２９＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１３０＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１３１＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１３２＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１３３＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１３３＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ボシントン（Bossington）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１３４＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１３５＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１１４０＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ガヴィントン（Gavinton）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１４１＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇グラサートン（Glasserton）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１４６＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇ホッジストン（Hodgeston）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１４７＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ハバーストン（Hubberston）。1955年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１５０＞：M-1戦車ファミリーを参照。

＜Ｍ１１５１＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１５１＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇イヴェストン（Iveston）。1955年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１５１Ａ１＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１５２Ａ１＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１５３＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ケドルストン（Kedleston）。1955年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１５４＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ケリントン（Kellington）。1955年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１５６＞：アメリカ陸軍の精密誘導信管キット、別名PGK（Precision Guidance Kit）。弾頭信管内部にGPS誘導装置を内蔵し、信管外側に制御翼を装着したものである。155mm通常砲弾に本信管を装着するだけでGPS誘導砲弾にすることができ、CEP50m以下。価格10000ドル以下を目指している。アメリカ海軍127mm砲向けも開発中。参考：月刊軍事研究6,’16、月刊世界の艦船8,’19

＜Ｍ１１５７＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇カークリストン（Kirkliston）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１５８＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇レイルストン（Laleston）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１６１＞：M1163牽引車ファミリー（武装車）を参照。

＜Ｍ１１６３＞：アメリカ海兵隊の遠征火力支援システム用迫撃砲／弾薬トレーラー牽引車、別名ITV（Internally Transportable Vehicle）。４×４輪オープントップ小型車両で、M327重迫またはM1164弾薬トレーラーを牽引したままMV-22Bに積み込まれる。空輸地点の不整地でも走行できるよう、４輪操向装置、サスペンション調整による車高変更機構、タイヤ圧中央制御装置を持つ。全長3.08m、全幅1.5m、全高1.19m（MV-22B搭載時）、車重1.796トン、全備重量2.703トン。エンジンはナブスター・ディフェンス社製直列４気筒ターボチャージド・ディーゼル（132馬力）、最大速度104km、燃料搭載量20ガロン（75.7リットル）、航続距離550km。乗員２名（M327用）／３名（M1164用）。参考：月刊軍事研究12,’12

＜Ｍ１１６３ファミリー＞

　＜Ｍ１１６１＞：武装四輪駆動車型、別名ITV-LSV（Internally Transportable Vehicle-Light Strike Vehicle）。後部ルーフ・フレーム上にM2機銃、Mk19てき弾銃、M240機銃などを装備できる。MV-22やCH-53Eで空輸される他、AAV7の兵員室に収容することも可能。全長4.1m、全幅1.5m、全高1.5m、車体重量2.155トン、全備重量3.062トン。エンジンはディーゼル（132馬力）、最大速度104km、航続距離550km。積載量0.907トン。乗員１名＋乗車兵員３名。１個海兵歩兵大隊あたり15両を配備する予定。参考：月刊軍事研究3,’13

＜Ｍ１１６４＞：アメリカ海兵隊の遠征火力支援システム用弾薬トレーラー。迫撃砲弾30発収容キャニスターを搭載している。積載量816kg。M1163で牽引される。参考：月刊軍事研究12,’12

＜Ｍ１１６５＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１６５＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇マクストン（Maxton）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１６５Ａ１＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１６６＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇ナートン（Nurton）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１６７＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇レプトン（Repton）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１６７Ａ１＞：HMMWVシリーズ（輸送車両）を参照。

＜Ｍ１１７３＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇ポリントン（Pollington）。1958年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１８０＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇シェイヴィントン（Shavington）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１８１＞：イギリス海軍トン級機雷掃討艇シェラトン（Sheraton）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１８７＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇アップトン（Upton）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１１９５＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇ウォットン（Wotton）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１２００＞：M1117装甲車ファミリー（砲兵観測車）を参照。

＜Ｍ１２００＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇ソバートン（Soberton）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１２０４＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇スタビントン（Stubbington）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１２０８＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇ルイストン（Lewiston）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１２１６＞：イギリス海軍トン級沿岸掃海艇クロフトン（Crofton）。1958年竣工。後にトン級機雷掃討艇に改装された。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ１２５１＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１２５２＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１２５３＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１２５４＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１２５５＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１２５６＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１２５７＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｍ１２９６＞：ストライカー・シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜Ｍ１３１１＞：自衛隊の電子管。新日本無線製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜Ｍ１４３７＞：自衛隊の電子管。新日本無線製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜Ｍ１４３７Ｂ＞：自衛隊の電子管。新日本無線製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜Ｍ１６３５（ＧＣＡ装置用）＞：自衛隊の電子管。新日本無線製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜Ｍ１８７１＞：ザクセンのペーター・パウル・マウザーが開発した単発式ボルトアクションライフル。参考：月刊軍事研究11,’02

＜Ｍ１８７８＞：ナガン兄弟が開発した軍用拳銃。無煙火薬を使用した9mm弾の６連発リボルバー拳銃である。ベルギー、アルゼンチン、ブラジル、ノルウェー、スウェーデンなどで使用された。参考：月刊PANZER9,’03

＜Ｍ１８８８＞：ドイツ軍の小銃。1888年に採用された。口径7.92mm。弾倉はマンリッヒャー式尾筒弾倉、装弾数５発。参考：月刊軍事研究11,’02

＜Ｍ１８９１小銃弾＞：ロシア陸軍M1891モシン・ナガン小銃用銃弾。円頭弾頭で、ボトルネック型有起縁薬莢を持つ。全長76mm、弾頭直径7.62mm、重量9.72g。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ１８９１ライフル＞：イタリア軍の小銃、別名マンリカ・カルカノ銃。遊底はモーゼルと同じ方式だが、尾筒を軽量化したため、脆くなってしまった。使用弾は口径6.5mmの円頭弾で、弾道性能が悪く、弾速が急に落ちるという欠点があった。第１次大戦時には既に旧式の部類だったが、第２次大戦でも主力小銃だった。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１８９１ライフル・シリーズ＞：ロシア陸軍主力小銃、別名モシン・ナガン。ツーラ兵器工廠のセルゲイ・イワノビッチ・モシンが作った５連発小銃と、ベルギーのエミール・ナガンが開発した５連発小銃を比較試験したロシア陸軍が、双方の長所を取り入れた新型小銃の開発を両名に命じ、1891年に採用した。当時はロシアに生産設備が無く、1893年から外国で生産され、1922年にロシア国内が統一されてから漸く国内生産に移っている。日露戦争からベトナム戦争まで使用された。また、中国に輸出されたものが日本軍に鹵獲され、露式小銃として教練に使用された。1945年までに2280万丁以上が生産されたと推定される。参考：月刊PANZER12,’03

　＜Ｍ１８９１＞：使用弾はM1891小銃弾（円頭弾、13g）だったが、日露戦争で日本陸軍三〇年式小銃弾の性能に驚き、これを参考にM1908タイプＬ（小弾頭、9g）を製作して使用するようになった。この時照尺も改良している。後にM1930タイプＤも使用可能とした。全長1.2843m／1.705m（着剣時）、重量4.4kg。口径7.62mm、ボルトアクション単発、弾倉は垂直箱型、装弾数５発。排莢孔から弾倉を押し込む形で装填する。セーフティは遊底部の尾栓を左に回すとかかるが、堅い。参考：月刊PANZER12,’03、大日本帝国陸海軍軍装と装備

　＜Ｍ１８９１ドラグーン＞：竜騎兵用。全長を短縮し、背負い革環の位置を変えて馬上で背負った時に遊底レバーが邪魔にならないようにしてある。全長1.2188m、重量3.97kg。参考：月刊PANZER12,’03

　＜Ｍ１８９１／３０＞：M1891ドラグーンがベースの改良型。1930年に採用された。銃剣の着脱方法を簡単にし、引き金を２段引きにして発射のタイミングを取りやすくし、照星を保護する円形フードを付けた。銃床と木被を固定する上帯・下帯をネジ止めからバネ止めにして分解しやすくし、生産性を上げるため尾筒部の断面を円形にし、照尺もスタンドアップ型からタンジェント型にして強度を上げ、単位もソ連独自のアルシン（約710mm）とライン（約2.5mm）からメートル法に変更した。軽量化されて取り回しは良くなったが、発射時の反動がきつくなった。参考：月刊PANZER12,’03

　＜Ｍ１８９１／３０スナイパーライフル＞：狙撃銃型。M1891/30の命中精度の良いものを選び、銃の左にPE型スコープ（４倍）を付けたものである。スコープ装備の際にボルトハンドルが邪魔になるため、下に折り曲げて長くした。第２次大戦中にスコープをPU型（3.5倍）に換装している。太平洋戦争末期の日ソ戦では30秒も頭を出していると数百メートル先から鉄帽と眉間の間数ミリを撃ち抜かれたという話もあるほどで、後に採用されたM1940トカレフ自動式狙撃銃を押しのけて1970年代まで生産され、SVDドラグノフ狙撃銃が配備されるまで使用された。参考：月刊PANZER12,’03、1,’04

　＜Ｍ１９１０＞：カービン型。M1891の銃身を500mmに短縮したもので、木被が銃口近くまで付いており、着剣できない。全長1.02m、重量3.4kg。1910年に制式化され、1930年代まで使用された。参考：月刊PANZER12,’03

　＜Ｍ１９３８＞：カービン型。M1910の後継で、M1891/30の銃身を500mmに短縮し、着剣装置を除去した。朝鮮戦争でも使われている。参考：月刊PANZER1,’04

　＜Ｍ１９４４＞：カービン型。M1938に着剣装置を取り付けたもので、軽量の銃剣を装着可能。全長1.01m、重量4.04kg。口径7.62mm。装弾数５発。1948年までソ連で量産され、ポーランド、ハンガリー、中国などでも1950年代まで製造された。参考：月刊PANZER1,’04、世界の軍用銃

＜Ｍ１８９１ライフル海外シリーズ＞

　＜Ｇｅｗ２５２（ｒ）＞：ドイツ国防軍小銃。M1891を第２次大戦時に鹵獲したものだが、長いのと、照尺の単位がアルシンだったのとで使い勝手が悪く、あまり使用されなかった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

　＜Ｇｅｗ２５４（ｒ）＞：ドイツ国防軍小銃。M1891/30を第２次大戦時に鹵獲したもので、現地部隊や親独国部隊に配備した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

　＜Ｇｅｗ２５６（ｒ）＞：ドイツ国防軍狙撃銃。M1891/30スナイパーライフルを第２次大戦時に鹵獲して使用したもので、ボルトをターンダウンしてある。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

　＜５６式小銃＞：中国で生産されたM1944カービン。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ１８９２＞：クラグ・ライフルを参照。

＜Ｍ１８９２拳銃＞：アメリカ軍の回転式拳銃。ピースメーカーの後継で、コルト社製。使用弾は.38口径、装弾数５発。フィリピン独立派との戦闘で、全弾撃ち込んでもそのまま突っ込んでくるフィリピン人ゲリラが続出し、.45口径のM1911に後を譲った。参考：スピアヘッドNo.14

＜Ｍ１８９３／９６＞：フランス軍274.4mm列車砲。シュナイダー製。砲身基部にドーム状の覆いが付けられているおり、仰角が25度しか取れない。最大射程22000m。４門が生産された。参考：月刊PANZER5,’03

＜Ｍ１８９３／９６海外シリーズ＞

　＜２７．４ｃｍＫ（ｆ）Ｍ９３／９６＞：ドイツ国防軍列車砲。第２次大戦時に鹵獲して使用した。参考：月刊PANZER5,’03

＜Ｍ１８９４＞：ノルウェーのコンクスベルゲ兵器工廠が生産したボルトアクション式小銃。口径6.5mm、装弾数５発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１８９４海外シリーズ＞

　＜Ｇｅｗ２１１（ｎ）＞：ドイツ国防軍小銃。第２次大戦時に接収して使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１８９５＞：オランダ陸軍小銃、通称ダッチマンリカライフル。制式化は1895年だが、第２次大戦に入ってもまだ配備されていた。参考：日本戦車隊戦史

＜Ｍ１８９５＞：帝政ロシア軍／ソ連軍の回転式拳銃。1895年に制式採用され、1944年まで製造された。回転弾倉はソリッドフレーム式で、分解しないと取り出すことはできず、スイングアウトも不能で、装填・排莢は面倒だが、構造が頑丈なので採用している。弾薬はフレーム右側のローディングゲートを開け、撃鉄をハーフコックにして弾倉を空回りするようにした後、１発ずつ装填する。発射後は同じようにローディングゲートを開けてハーフコックにし、銃身下に格納されているエジェクターロッドを少しずつ回転させながら前方一杯に引き出すと１発ずつ排莢される。ガスチェック式メカニズムを備えており、撃鉄を上げると弾倉が前にスライドして銃身との間を塞ぎ、発射時のガス漏れを防ぐ。また、弾丸も7.62mmナガンと呼ばれる特殊なもので、弾頭が完全に薬莢内に入っており、こちらも発射ガスが漏れない構造となっている。銃身長112.5mm。初速毎秒330m。装弾数７発。ポーランドもライセンス生産した。参考：月刊PANZER9,’03

＜Ｍ１８９７＞：アメリカ軍のトレンチガン。ウィンチェスター社製。有鶏頭のポンプアクション式で、放熱筒と着剣装置を装備し、M1917エンフィールド銃剣を装着可能とした。銃身長20インチ（508mm）。使用弾は12ゲージの00バックショット、装弾数５発。参考：参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１８９７シリーズ＞：アメリカ軍75mm榴弾砲。フランス製で、第１次大戦時に導入した。第２次大戦では大部分が訓練部隊や他国に回されており、ごく一部が実戦投入された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１８９７＞：第１次大戦後は機械化牽引を考慮してゴムタイヤを装備した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１８９７Ａ４＞：高速牽引を可能とするため、砲架の後部を400mm短縮したもの。砲口部のローラーを鋼鉄製軌条及び青銅片に変更した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１８９８＞：アメリカ軍ボルトアクション式ライフル。オレ・クラグ大尉とエリフ・ヨルゲンセン氏が開発した。弾薬を１発ずつ装填する必要があり、スペインとの戦争で５発クリップ使用のモーゼルに性能の面で劣ることが判明したため、M1903の生産に移った。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９００カノン砲＞：アメリカ軍５インチ（127mm）カノン砲。1900年に制式化された。最大仰角15度。口径127mm、砲身長50口径。弾頭重量26.75kg、初速毎秒792m、最大射程10780m。参考：月刊軍事研究9,’10

＜Ｍ１９００拳銃＞：アメリカ軍の自動式拳銃。ジョン・Ｍ・ブローニングが1900年に開発した。発注は1901年からなので、M1901ミリタリーと呼ばれることもある。スライドの前端側面にスライド操作時の滑り止め用チェッカリングが掘られている。全長226mm、重量1100g。使用弾は.38口径、装弾数7+1発。参考：月刊PANZER7,’98

＜Ｍ１９００拳銃・海外シリーズ＞

　＜Ｐ６２０（ｂ）＞：ドイツ国防軍の自動式拳銃。第２次大戦時に接収して使用したものである。全長162.5mm、銃身長102mm、重量620g。口径7.65mm、装弾数７発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９００速射砲＞：アメリカ軍６ポンド速射沿岸砲。1900年に制式化された。口径57mm、砲身長49口径、最大仰角12度。弾頭重量2.7kg、初速毎秒731m、最大射程5700m。参考：月刊軍事研究9,’10

＜Ｍ１９００パラベラム・ピストル＞：ゲオルグ・ルガーが開発した拳銃で、パラベラムは戦争用・軍用という意味のラテン語。ルードウィク・ローヴェの拳銃工場で一緒に働いていたヒューゴ・ボルハルトが開発したボルハルト・ピストルを（勝手に）改良したもので、ハンドグリップを傾斜させて照準を容易にした。使用弾は92グレイン（6g）と重くしている。1900年4月にスイス軍が3000丁を発注し、グリップ・セーフティや120mm銃身を装着、ストック装着基部を外すなどして納入した。参考：グラフィックアクション２

＜Ｍ１９０１＞：M1900（拳銃）を参照。

＜Ｍ１９０１拳銃＞：イギリスのウェブリー＆スコット社が開発したオートマチック・リボルバー。作動は反動利用式で、射撃時の反動により撃鉄のコッキングとシリンダーの回転を行う。排莢・装填は中折れ式で、クイック・ローダーもある。採用はされなかった。全長260mm、銃身長150mm、重量1.2kg。口径11.4mm（0.455インチ）、装弾数６発。参考：月刊PANZER8,’02

＜Ｍ１９０２拳銃＞：アメリカ軍の拳銃。M1900の改良型で、フレームの左にスライドストップを追加し、残弾ゼロが一目で分かるようになった。ハンマーの形状でラウンドタイプとスパータイプに分かれる。後期生産型では滑り止めのチェッカリングをスライド後端に移した。全長230mm、重量1080g。参考：月刊PANZER7,’98

＜Ｍ１９０２パラベラム・ピストル＞：M1900パラベラム・ピストルの改良型。銃身長を102mmに短縮し、レシーバーも短くした。使用弾はドイツ軍の要求で開発した9mmリムレス・カートリッジで、パラベラム弾と呼ばれた。参考：グラフィックアクション２

＜Ｍ１９０２野砲＞：ロシア陸軍76mm野砲。砲身下部にロシア野砲として初めて駐退復座機を備えており、発射速度が高く、日露戦争では１発撃ったら砲を元の位置に戻す所から始めなければならない日本陸軍野砲を圧倒した。参考：MAMOR vol.146

＜Ｍ１９０３拳銃＞：アメリカ軍の自動式拳銃。コルト社製で、.32口径版と.380ACP（9mm×17）版の２種があり、将軍はどちらか好みで選べたらしい。第１次大戦ではアメリカ軍の将軍、軍医、軍看護婦などが護身用に携帯した。第２次大戦では17000丁がアメリカ軍に納入されて諜報関係者に渡された。.380ACP版は全長171mm、銃身長96mm、重量650g。装弾数７発。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９０３銃剣＞：イギリス軍リー・エンフィールド小銃用銃剣。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９０３小銃シリーズ＞：アメリカ陸軍の小銃。1898年の米西戦争で、スペイン軍のスパニッシュ・モーゼルに、アメリカ軍制式のクラグ小銃が性能で劣ったため、モーゼルGew98をコピーして1903年に制式化したもので、スプリングフィールド・モーゼルとも呼ばれた。しかし無断で構造を流用したのがばれ、後でパテント料20万ドルを払ってライセンス生産に切り替えている。第２次大戦時には1936年に制式化したM1ガーランドに換わられ始めていたが、オーバーロード作戦時にも第一線部隊で使用されていた。M1ガーランド及びBAR軽機関銃と弾薬が共通のため、補給面では苦労しなかったようである。1940年までに170万丁（スプリングフィールド兵器廠が130万丁、ロックアイランド兵器廠が40万丁）が生産された。1944年11月に限定制式となり、1947年7月24日に廃制された。参考：月刊PANZER7,’04、GUN用語事典、世界の軍用銃

＜Ｍ１９０３＞：使用弾は当初1903年制式の.30-03円頭弾（220グレイン・14.3g）だったが、重い割に威力が低く、1906年にドイツのものを.30-06尖鋭弾（150グレイン・9.7g）としてコピーした。この時に薬室を削り直し、銃身が5mmほど短くなっている。全長1.072m、銃身長0.584m（24インチ・609.6mm？）、重量3.5kg。作動はボルトアクション式。装弾は５発入りストリップ・クリップ。銃剣は当初スパイク式だったが、後にM1905ナイフ型銃剣に換装した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊PANZER7,’04、GUN用語事典

＜Ｍ１９０３Ａ１＞：銃床をＣ型ピストル・グリップに換えたタイプ。1928年に製作され、1929年に制式化された。参考：GUN用語事典、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９０３Ａ１狙撃銃＞：アメリカ海兵隊の狙撃銃。国際射撃競技用に調整したものにジョン・ユナートル社製の競技用８倍スコープを載せてある。スコープがやたらと長く、使用しない時には長さ0.6mの金属製ケースに収納した。M1941やM1942などと通称されるが、制式名称ではない。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９０３Ａ３＞：イギリス向けで、1941年から量産された。生産性向上のため、徹底的な簡略化を図っており、レシーバーブリッジ上に孔照門を持つ。全長1.097m、銃身長0.61m、重量3.63kg。レミントン社とL.C.スミス＆コロナ・タイプライター社で1944年2月までに945856丁が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、GUN用語事典

＜Ｍ１９０３Ａ４＞：狙撃銃型。1943年1月にアメリカ軍が採用した。M1903A3がベースで、銃床はM1903A1と同様に下面の張り出しが付いており、操作時にスコープにぶつからないようボルトハンドルが曲げられていて、照尺と照星を外してウェーバー社製M73B1スコープを載せてある。スコープが民生用なので水に弱い、スコープが機関部の真上にあるので装弾クリップが使えない、照尺と照星が無いのでスコープが壊れると照準不能になるという欠点があった。全長1.092m、重量3.9kg（スコープ込み）。28365丁が生産され、戦後は陸上自衛隊にも配備された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃

＜Ｍ１９０３小銃・海外シリーズ＞

　＜Ｇｅｗ２３９（ａ）＞：ドイツ国防軍の小銃。第２次大戦時に鹵獲した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｍ１９０３Ａ４（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の狙撃銃、通称スナイパー。2.2倍のスコープを標準装備する。口径7.62mm。全長1105mm、銃身長609.6mm、重量4.26kg（スコープ含む）。有効射程1700m、最大射程3150m。装弾数５発。普通科分隊に１丁ずつ配備され、狙撃手は小隊長や中隊長の指揮を受けて行動する。参考：スピアヘッドNo.13

＜Ｍ１９０４マリーネ・モデル＞：ドイツ海軍の拳銃。M1902パラベラム・ピストルの改良型で、銃身長を152mmに延ばし、カービン銃としても使用できるよう着脱式ストックを追加、グリップセーフティと２定点リアサイトなどを装着した。参考：グラフィックアクション２

＜Ｍ１９０５拳銃＞：アメリカの拳銃。M1900拳銃がベースで、口径を0.45インチ（11.4mm）とし、作動をガス圧から反動式に変更した。使用弾はコルト社製.45ACP。ハンマーは当初ラウンド型だったが、1909年以降スパー型となった。全長197mm、重量920g。装弾数7+1発。参考：月刊PANZER7,’98

＜Ｍ１９０５銃剣＞：アメリカ軍のナイフ型銃剣。スパイク銃剣が不評だったM1903スプリングフィールド用として1905年に制式化された。刃渡りは当初400mmあったが、長すぎて取り回しが不便なため、第２次大戦時にM1銃剣と同じ250mmに切断した。M1ガーランドでも使用されている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９０６＞：フランス海軍クールベ級戦艦用44.6口径305mm艦砲。砲身重量53トン。弾丸重量432kg、初速毎秒783m。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜Ｍ１９０８＞：メキシコ軍の自動小銃。マニュエル・モンドラゴン将軍が設計、1908年に採用され、スイスのSIG社が生産した。全長1.1m、重量4.2kg。口径7mm。作動はガス圧利用式。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９０８タイプＬ＞：ソ連軍7.62mm×54Rライフル弾、別名7.62mmモシン・ナガン。1908年式軽弾薬の意で、日露戦争で日本軍が使用した三〇年式小銃弾を参考に開発した。M1891モシン・ナガン系小銃の他、マキシムDPやSMGなど同口径の機関銃にも使用されている。軽量の尖頭型小弾頭により高初速を出せ、弾道が低伸して命中率が向上した。今でも主力弾薬だが、旧式な有縁式薬莢（底部に排莢を容易にするためのリムが付いている）を使用しており、自動火器での使用時にはトラブルも多い。弾薬全長76.7mm、弾薬重量21.4g、弾丸重量11.98g（9.59g？）、装薬3.24g。初速毎秒818m、エネルギー3629J。弾種は普通弾（ニッケル被覆）、曳光徹甲弾、焼夷徹甲弾、焼夷曳光弾など。参考：月刊PANZER12,’03、1,’04、最新軍用ライフル図鑑、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜Ｍ１９１０＞：M1891シリーズ（ライフル）を参照。

＜Ｍ１９１０アックス＞：アメリカ軍の手斧。樹木を伐採したり、薪を作ったりする際にも使用できる。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９１０エントレンチング・ツール＞：アメリカ軍のエントレンチング・ツール。柄の部分がＴ字をしているので、Ｔボーンスコップと呼ばれる。第１次大戦で使用され、1943年にM1943が登場するまで生産された。M1943の配備には時間がかかったので、ノルマンディー作戦あたりまで使われている。参考：月刊JWings1,’02、月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９１０カノン砲＞：ソ連陸軍107mmカノン砲。フランスのシュナイダー社が開発したものを採用した。最大射程17500m。参考：日本戦車隊戦史、月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９１０艦砲＞：ロシア海軍ガングート級戦艦用50.56口径305mm艦砲。砲身重量51.85トン。弾丸重量471kg、初速毎秒762m。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜Ｍ１９１０拳銃・海外シリーズ＞

　＜Ｐ６２１（ｂ）＞：ドイツ国防軍の拳銃。ブローニングM1910拳銃を第２次大戦時に接収して使用したものである。全長154mm、銃身長88.5mm、重量570g。口径7.65mm、装弾数７発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９１０サスペンダー＞：アメリカ軍の個人装備装着用サスペンダー。バックパックのストラップと連結して使用する。腰の周囲に弾薬ポーチが巻かれていて、バックパック左に銃剣を差す所がある。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９１０ピック・マトックス＞：アメリカ軍のツルハシ。ブレードを取り外すことができる。キャリアーにはダブルフックワイヤーが付いており、ベルトやバックパックに取り付ける。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17、月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９１０／３０カノン砲＞：ソ連陸軍107mmカノン砲。107mmカノン砲M1910の砲身改良型である。砲身長38口径、戦闘重量2.38トン。俯仰角マイナス５度からプラス37度、方向射界左右６度ずつ。射程16350m。砲架などは旧式のままだったが、第２次大戦でも使用された。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９１０／３０カノン砲・海外シリーズ＞

　＜１０．７ｃｍＳ．Ｋ３５２（ｒ）＞：ドイツ国防軍107mmカノン砲。第２次大戦時に鹵獲して使用したもので、大西洋城塞にも据え付けた。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９１０／３０カノン砲＞：ソ連陸軍122mmカノン砲。122mmカノン砲M1910の改良型である。実口径121.92mm、行進時重量2.53トン、戦闘重量1.466トン。俯仰角マイナス３度からプラス43度、方向射界５度。射程8940m、発射速度毎分6-7発。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９１０／３０カノン砲・海外シリーズ＞

　＜１２．２ｃｍ　ｌｅＦＨ３８８（ｒ）＞：ドイツ国防軍122mmカノン砲。第２次大戦時に鹵獲して使用したもので、フィンランド軍にも供与した。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９１０／３０榴弾砲＞：ソ連陸軍152mm榴弾砲。シュナイダー社製M1910榴弾砲を1930年に改良したものである。車輪をゴム付きにしたトラクター牽引型も開発され、第２次大戦時にも二線級部隊で使用されていた。戦闘重量2.58トン、行軍時重量3.23トン。俯仰角マイナス6.5度からプラス39.5度、射界4.5度。射程9854m。参考：月刊グランドパワー2,’99、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１９１０／３０榴弾砲（１５２ｍｍ）海外シリーズ＞

　＜ｓＦＨ４４６（ｒ）＞：ドイツ国防軍152mm榴弾砲。第２次大戦時に鹵獲したもので、東部戦線で使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９１１シリーズ＞：アメリカ陸軍の自動式拳銃、別名コルト・ガバメント。1902年にフィリピンのモロ族と戦った際、.38口径のM1892リボルバー／M1900オートマチックではストッピングパワーに欠けたため、コルト社製.45口径自動式拳銃を1911年に制式化したものである。第１次・第２次世界大戦を経て長期にわたり使用されたが、貫徹力不足でボディアーマーを撃ち抜けなくなり、M9に後を譲って1985年に退役した。参考：スピアヘッドNo.14、コンバット・バイブル、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃、歴史群像10,’11

　＜Ｍ１９１１＞：M1905の改良型で、スライド強度を増し、グリップ・セーフティとサム・セーフティを採用した。ただ前者は戦場では不便ということでガムテープを巻いたりしている。作動はティルト・バレル式遅延（ショートリコイル）ブローバック。全長211mm、銃身長127mm、重量1070g（弾薬無し）。使用弾は.45ACP、装弾数7+1発。アメリカ軍のテストでは6000発の連続発射に成功した。参考：月刊PANZER7,’98、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、歴史群像10,’11、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜Ｍ１９１１Ａ１＞：改良型で、1923年の採用当初はM1911M1という名称だったが、1926年6月に改称された。フロントサイトが厚くなり、トリガーの位置が後退、グリップ全体にチェッカーが入り、グリップ後下部がアーチ型になった。全長217mm、銃身長127mm、グリップ厚32mm、重量1130g。ライフリングは６条左回り、照準器は照星照門式、銃口初速毎秒253m、有効射程50m、最大射程1500m。弾薬は.45ACP、マガジンはシングルカラム、装弾数7+1発。最後の１発を発射するとスライドは後退したままとなる。弾種はM1911通常弾、M9空包、M1931ダミー弾、M26曳光弾、M15ショット弾、XM261対人用ショット弾。ホルスターはM1916、M3、M9など。コルト社の他、レミントン、イサカ、ユニオン・スイッチ＆シグナルなどで190万丁が生産された。レンドリースでイギリスにも供与され、Not English Madeの刻印を遊底に施されて海を渡った。参考：コンバット・バイブル、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜コルト・ガバメント・モデルＭｋ�Wシリーズ‘７０＞：1970年代にコルト社が独自近代化を施したタイプ。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’12

＜Ｍ１９１１海外シリーズ＞

　＜Ｍ１９１１／.４５５＞：イギリス軍の自動式拳銃。ウェブリー＆スコットMk.�TＮと同じ口径0.455インチ（11.6mm）の自動式拳銃用銃弾を発射できるようにしている。リボルバー用の.455弾は撃てないが、.45ACP弾は発射できる。スライド右側面の口径表示スタンプが0.455になっているのが原型との違い。参考：月刊PANZER8,’02

　＜Ｍ１９１１Ａ１（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の自動式拳銃。幹部自衛官の自衛用として警察予備隊時代の1951年からアメリカ軍が貸与した。他にも戦車乗員、迫撃砲射手、無反動砲射手などが装備する。M1911A1だけでなく、M1911だったり、M1911とM1911A1のチャンポンだったりしたらしい。全長218.4mm、銃身長128.4mm、口径11.43mm、重量1090g（弾倉込み）。作動は反動利用式。初速毎秒250m、有効射程50-80m、最大射程1500m。弾倉は７発入り箱型。発射速度毎分10発（持続）／21-28発（最大）。1982年に後継として9mm拳銃が採用された。参考：スピアヘッドNo.13、月刊JWings8,’02、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｍ１９１１弾薬ごう＞：ドイツ軍Kar98Kカービン／Gew98小銃／Gew41小銃用弾薬ごう。黒革製で、ベルトとサスペンダーに取り付けられる。３室に分かれており、それぞれ５発クリップ２個を入れることが可能。戦闘時には弾薬ごう２個を携帯する。元は騎兵向けで、1933年から全軍配備になり、後にGew41小銃用10発入り固定弾倉も入れるようになった。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｍ１９１１普通弾＞：アメリカ軍M1911自動式拳銃用弾薬。鉛合金の芯にメタルジャケットを被せている。人員及び軽量目標に対し使用する標準弾である。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ１９１２艦砲＞：フランス海軍ブルターニュ級戦艦用46口径340mm艦砲。砲身重量65.89トン。弾丸重量575kg、初速毎秒780m。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜Ｍ１９１２機雷＞：ソ連の繋維触発機雷。直径0.9m、炸薬重量90kg。繋留ワイヤー長120m。参考：グラフィックアクション29

＜Ｍ１９１２小銃＞：ロシア軍の自動小銃。フェデリフ大尉が1910年から試作し、1912年に完成した。使用弾はM1908タイプＬで、リムが大きいため装弾数が５発しか無く、装填不良が多発し、反動も大きすぎて銃の耐久性にも問題があった。参考：月刊PANZER2,’04

＜Ｍ１９１２迫撃砲＞：ドイツのクルップ社が1912年に自主開発した迫撃砲で、弾丸形状からトッフィー・アップル（リンゴ飴）迫撃砲というニックネームが付けられた。車輪２個を装着できる底板に砲架が固定されており、砲身は滑腔式である。弾丸直径は砲口径よりも大きく、底部に直径２インチ（50.8mm）の棒が付いていて、これを砲身に差し込み、無煙火薬を装填して発射する。口径50.8mm、射角43-80度。弾丸重量187ポンド（84.8kg）、最大射程350m。信管は着発式。第１次大戦で使用され、イギリス軍も鹵獲したものをコピーして使用した。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１９１３＞：イギリス軍P14小銃用銃剣。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９１４＞：ドイツ軍の拳銃、別名ランゲ・ピストーレ.08。1914年に開発された。ルガーP.08を長銃身化（銃身長203mm）しており、銃床を取り付けてライフルもどきにすることができる。弾倉はトロンメルマガジン（Trommelmagazin）.08と呼ばれる32発入りスネイル・マガジン（蝸牛型弾倉）だったが、衝撃に弱く、戦場での使用には難があった。ライフルが邪魔になる砲兵や兵器係に配備されている。フルオート版が試作されたが、故障が多い上に発射速度が速すぎて命中率が悪く、ものにならなかった。参考：グラフィックアクション２

＜Ｍ１９１５＞：ヴィッカーズ海外シリーズ（重機関銃）またはヴィラル・ペローサ（短機関銃）を参照。

＜Ｍ１９１６＞：ロシア軍の自動小銃。M1912の改良型で、使用弾を日本の三八式実包（口径6.5mm）に変更して反動を小さくすると共にフルオート機構を追加し、全長を短縮して取り回しを良くしている。閉鎖機は独特のもので、銃身後部にＬ字型の閂子が１個ずつあり、これが遊底と銃身の閉鎖・結合を行う。発射時には銃身がショート・リコイルし、Ｌ字型の閂子が降下、銃身と遊底の開放を行い、同時に抽筒子が薬莢を掴んで排莢する。全自動と半自動の選択式で、全長990mm、銃身長480mm、重量4.4kg。銃口初速毎秒654m、発射速度350-400発（全自動）。25発入り箱型弾倉を使用する。9000丁前後が生産され、ロシア革命でも使用された。しかし閉鎖機の機構が複雑で量産に向かず、また日露戦争の敵だった日本の弾薬を輸入しなければならないので、ロシア革命後は製造されず、突撃銃の始祖といえる存在ではあったが、歴史に埋もれてしまった。参考：月刊PANZER2,’04、日本の防衛戦力Part8

＜Ｍ１９１７＞：C17S海外シリーズ（榴弾砲）を参照。

＜Ｍ１９１７カノン砲＞：フランスのシュナイダー社が開発した155mmカノン砲。最大射程17300m。410門が生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１９１７カノン砲・海外シリーズ＞

　＜Ｋ４１６（ｆ）＞：ドイツ国防軍155mm カノン砲。第２次大戦時に鹵獲したもので、沿岸防衛部隊や東部戦線で使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１９１７カノン砲シリーズ＞：フランス陸軍155mmカノン砲、別名GPF。参考：月刊グランドパワー2,’05

　＜Ｍ１９１７＞：M101榴弾、M112B1徹甲榴弾、M104化学弾を発射可能。参考：月刊グランドパワー2,’05

　＜Ｍ１９１７Ａ１＞：M1917の砲身にM1918A1の砲尾ブロックを組み合わせたもの。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜Ｍ１９１７カノン砲・海外シリーズ＞

　＜Ｋ４１８（ｆ）＞：ドイツ国防軍155mm カノン砲。第２次大戦時に鹵獲したもので、沿岸防備部隊が使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜Ｍ１９１８Ａ１＞：アメリカ陸軍155mm カノン砲。アメリカ国産版で、ゴムタイヤを履いており、ハイウェイを活用して沿岸陣地を点々とする戦法を考慮していた。M101榴弾（重量43kg）だと最大射程18000m。参考：月刊グランドパワー2,’05、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１９１７重機関銃シリーズ＞：アメリカ軍の水冷式重機関銃。第１次大戦勃発に伴い軍備を強化する必要に迫られたため、ジョン・モーゼス・ブラウニングが独自開発して以前にテストしていたM1895空冷機関銃に注目、ブラウニングが水冷化するなどの大改造を加え、1917年5月に採用した。同盟国にも供与された他、国共内戦で共産党軍が鹵獲したものを朝鮮戦争で共産軍側が使用し、ベトナム戦争では南ベトナムから鹵獲したり、中国から供与されたりしたものを北ベトナム軍が使っている。参考：スピアヘッドNo.2、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｍ１９１７＞：ヴィッカーズMk.�T機銃に似ているが、尾筒後端にピストル・グリップと引き金が付いているのが特徴。冷却筒には４リットルの水を入れる。全長978mm、銃身長610mm、本体重量15kg、三脚重量24kg。作動はショートリコイル、使用弾は.30-06弾、発射速度毎分500-600発。給弾は250連保弾板（布ベルト？）。後座部分が軽量なので、発射速度を毎分1000発まで上げることができ、航空機用機銃としても重宝された。レミントン社、コルト社、ニューイングランド・ウェスティングハウス社で第１次大戦中に68389丁（42000丁？）が生産された。第１次大戦で銃身受けの下面にひび割れが起こるという欠点が見つかり、1920-21年に改修を受けている。第２次大戦中には10000丁がイギリスに送られ、ホームガードに装備された。また、ロシアにも一部が供与されている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃、スピアヘッドNo.2

　＜Ｍ１９１７Ａ１＞：改良型で、1936-37年に採用された。実包を新型にし、それに合わせて照尺を換装している。銃口にはフラッシュハイダーを装着可能。三脚は調節精度を向上させたM1917A1（重量24kg）となり、俯仰角マイナス28度からプラス35度を取れるようになった。冷却水3.3リットルを要する。全長981mm、銃身長607mm、重量14.8kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は.30-06弾、最大射程5000m。発射速度毎分75発（持続）／440-550発（最大）、給弾はベルト式、装弾数250発。第２次大戦が勃発すると、青銅製のパーツを止めて鋼鉄製に変更するなど生産性向上のための小改良が加えられ、大戦末期には金属リンクが開発された。第２次大戦中だけで53859丁が生産され、M60が登場するまで制式兵器の座にあった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、陸上自衛隊地上戦力の全容、スピアヘッドNo.2

＜Ｍ１９１７戦車＞：アメリカ陸軍６トン戦車。ルノーFT軽戦車をベースに開発したが、第１次大戦には間に合わなかった。参考：月刊JWings11,’03

＜Ｍ１９１７バヨネット＞：アメリカ陸軍ロング・バヨネット。刃渡り420mm。M1917ライフル用で、ショットガンにも着剣された。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ１９１７ライフル＞：アメリカ陸軍のライフル銃、俗称アメリカン・エンフィールド。第１次大戦参戦以降ライフル銃が不足したため、イギリス軍向けに生産していたエンフィールドNo.3小銃を.30-06弾対応に改造して装備したものである。220万丁が生産された。第１次大戦後は倉庫にしまわれ、1939年に限定制式となったが、第２次大戦で引っ張り出されて後方部隊や訓練部隊に配備され、フィリピン陸軍、イギリスのホームガード、中国軍に供与もされ、1945年10月3日に廃制された。参考：GUN用語事典、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９１７リボルバー＞：アメリカ軍の回転式拳銃。M1911自動式拳銃の不足を補うべく第１次大戦中に開発した。弾丸は共通だが、リムレス弾なのでシリンダーにそのまま装填すると滑り落ちてしまうため、ハーフムーンクリップを使って３発ずつ纏めて装填した。スミス＆ウェッソン社のハンドエジェクターベースのものは全長274mm、銃身長139mm、重量1140g。コルト社のニューサービスベースのものは全長270mm、銃身長139mm、重量1040g。どちらも装弾数は６発。15万丁が生産された。第２次大戦時も現役で、オーバーロード作戦時、海水に漬かってM1911が故障することを恐れた兵士が、二線級部隊に装備されていた本銃を要求したという。1950年に日本の制式拳銃とされ、ニューナンブM60が採用されるまで現役にあった。参考：月刊PANZER7,’04、7,’98、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９１７榴弾砲＞：アメリカ軍の榴弾砲。第１次大戦時にイギリス軍18ポンド砲を導入したものである。後に車輪をゴムタイヤにして機械化牽引を可能とし、第２次大戦初期まで使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１９１７列車砲＞：フランス軍28口径27.4cm列車砲。1887年式野戦重カノン砲を列車に搭載したものである。砲車長12.884m、全備重量90トン。俯仰角プラス38度からマイナス２度、全周射撃可能。発射速度は4-5分に１発程度。使用弾は全長670mm、弾量159kg。初速毎秒575m、最大射程17100m。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜Ｍ１９１７列車砲・海外シリーズ＞

　＜２４ｃｍＫ（Ｅ）５５７（ｆ）＞：ドイツ国防軍列車砲。第２次大戦で鹵獲して使用した。参考：月刊グランドパワー3,’03

　＜２４ｃｍＫ（Ｅ）５５７／１（ｆ）＞：ドイツ国防軍列車砲。24cmK(E)557(f)の薬室長を変更したものである。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜Ｍ１９１８＞：BARシリーズ（自動小銃）またはC17S海外シリーズ（榴弾砲）を参照。

＜Ｍ１９１８軽戦車＞：アメリカ陸軍３トン軽戦車。Ｔ型フォードの部品を流用している。十数両のみ完成した。参考：月刊JWings11,’03

＜Ｍ１９１８対戦車ライフル＞：ドイツ軍の対戦車ライフル、制式名称T-Gewehrers（Ｔ銃）。モーゼル社製。全長1.68m、重量16kg／17.3kg（二脚付き）。ボルトアクション式で、使用弾は13mm×92リムド弾。装甲貫徹力10mm（射距離100m）／15mm（300m）。反動が強烈で、7.92mm小銃の４倍に達するとされ、戦車２両と射手の両肩を引き替えにする（Twei-Schus Gewehr、２発しか撃てない銃）といわれた。また、イギリス軍は戦車と歩兵の協同作戦を行ったため、射程の短さもあってあまり有効性は無かった。参考：歴史群像6,’08、月刊グランドパワー10,’03、月刊軍事研究5,’08、世界の軍用銃

＜Ｍ１９１８ベルト・フィーディング・マシーン＞：アメリカ軍の弾薬装着機。チャージャーに7.62mm弾薬を入れ、7.62mm水冷機銃M1917用布製弾帯を挿入し、ハンドルを回すと、弾帯に弾薬が刺さって出てくる。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９１８榴弾砲＞：アメリカ陸軍240mm榴弾砲。沿岸砲としてフィリピンに12門を配備する予定だったが、ワシントン軍縮条約でフィリピンの防備が禁止されたため、輸送途中でハワイに陸揚げされ、ホノルル・オーディナンス・デポにしまい込まれて有事の際にオアフ島に配備することになった。参考：月刊軍事研究9,’10

＜Ｍ１９１８Ａ１＞：M1917シリーズ（カノン砲）を参照。

＜Ｍ１９１９機銃シリーズ＞：アメリカ軍7.62mm機銃、Browning .30 cal machine gun M1919。M1917を空冷式にして近代化したもので、戦車・装甲車の車載機銃としてジョン・Ｍ・ブローニングが1919年に開発した。参考：自衛隊装備年鑑1996、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ１９１９＞：M1917水冷機関銃の銃身を放熱ジャケット付き空冷式に交換したもの。銃身長450mm。戦車・装甲車用として1930年まで使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、歴史群像10,’08

　＜Ｍ１９１９Ａ１＞：地上設置型。二脚を装備する。1931年に制式化され、2586丁が生産されて騎兵部隊に配備された。参考：スピアヘッドNo.2、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、歴史群像10,’08

　＜Ｍ１９１９Ａ２＞：騎兵用。三脚を装備できる。1920年代に開発され、太平洋戦争初期にフィリピンで使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、歴史群像10,’08

　＜Ｍ１９１９Ａ３＞：歩兵用。少数が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９１９Ａ４＞：歩兵・戦車・装甲車兼用型。元は重火器中隊向けで、1936年に制式化された。銃身には太い穴開き冷却用カバーがかけられている。全長963.7mm（1041mm？）、銃身長609mm、重量13.95kg。初速毎秒853m、給弾は250発ベルトリンク（布または金属）、発射速度毎分75発（持続）／450-550発（最大）。連射能力を重視しており、12.7mm機銃M2用M2三脚架（重量6kg、最大仰角21度）を標準装備したが、重いので前進中の素早い移動が難しいという欠点があった。389251丁が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、スピアヘッドNo.2、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings11,’01、月刊PANZER3,’12

＜Ｍ１９１９Ａ４Ｅ１＞：M1919A4の改良型。車内でも装填しやすいよう、機関部に装填棒を追加している。全長1067mm、銃身長610mm。ライフリングは４条右回り。初速毎秒823-853m、有効射程800m、最大射程2890-3200m。作動は反動利用式、給弾はベルトリンク、発射速度毎分400-550発。M47、M48、M48A1、M48A2の一部に搭載された。参考：月刊PANZER10,’04、10,’85

＜Ｍ１９１９Ａ５＞：車載専用型。太平洋戦争で歩兵部隊がM1917より軽くて扱いも容易なM1919A4を我先に装備し、車載向けが足りなくなったために生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９１９Ａ６＞：海兵隊からの要求で二脚を付けて軽機関銃として使用できるようにしたもの。銃身を軽量化し、フラッシュ・ハイダーとキャリング・ハンドルを付けた。射撃時の安定性を向上させるため、グリップの後ろにストックを追加している。重量14.6kg。ストックを外して三脚に載せると重機関銃に早変わりするが、銃身交換に時間がかかるのが欠点。1943年9月23日（2月？）に代用制式として採用され、43479丁が生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜ＡＮ−Ｍ２＞：航空機搭載型。参考：スピアヘッドNo.2

＜Ｍ１９１９海外シリーズ＞

　＜Ｍ１９１９Ａ４（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊機関銃。アメリカから供与され、普通科と61式戦車に配備された。全長963.7mm、銃身長609mm、重量14kg。使用弾口径7.62mm、初速毎秒840m、有効射程600m、最大射程3200m。250発弾薬ベルトを使用し、発射速度毎分75発（持続）／440-550発（最大）。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜Ｍ１９１９Ａ６（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊機関銃。アメリカから供与され、小銃班に１丁ずつ配備された。全長1364mm、銃身長609.6mm、重量14.7kg。使用弾口径7.62mm、初速毎秒840m、有効射程600m、最大射程3200m。250発弾薬ベルトを使用し、発射速度毎分75発（持続）／600発（最大）。62式機関銃に後を譲って退役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ１９１９サブマシンガン＞：アメリカのサブマシンガン。「サブマシンガン」と名の付いた最初の銃である。アメリカ陸軍ジョン・Ｔ・トンプソン（正確にはトムソン）准将が開発した。作動は遅延ブローバック式で、閉鎖機の開放を遅らせるためにＨ型閂子を使用していたが、作動を円滑にするため、常にクリーニングしておく必要があった。銃身には空冷フィンが付けられている。使用弾は.45ACPで、箱型弾倉または50発入りドラム弾倉を使用し、射撃はフルオートのみ。使用弾が重いため、連射すると右上に着弾がずれていく傾向があった。1919年にオート・オーディナンス社から発売されたが、軍には採用されなかった。参考：GUN用語事典、拳銃・小銃・機関銃、世界の軍用銃

＜Ｍ１９１９Ｍｋ�U＞：アメリカ海軍の戦艦用16インチカノン砲。1923年に制式化された。口径406mm、砲身長50口径、最大仰角30度。弾頭重量1.061トン、初速毎秒838m、最大射程38040m。ワシントン軍縮条約で余ったものがハワイのウイリストン砲台に２門設置され、1924年9月から運用された。参考：月刊軍事研究9,’10

＜Ｍ１９２０＞：アメリカ軍14インチ（355.6mm）列車砲。砲架は上下２段式で、射撃時に上段砲架を持ち上げる。装填時は砲身に７度の俯角をかけ、後部のクレーンで引き上げて薬室に滑り込ませる。砲身長50口径、徹甲弾重量708kg、砲口初速毎秒808m、最大射程40000m。４門が完成し、１門はM1920M1、残りはM1920M2と呼ばれた。1927-28年にテストされ、パナマなどに配備された。第２次大戦中まで実戦配備されている。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜Ｍ１９２１拳銃・海外シリーズ＞

　＜Ｐ６４２（ｆ）＞：ドイツ国防軍の拳銃。アストラM1921を第２次大戦時に接収して使用したものである。全長221mm、銃身長150mm、重量1150g。口径9mm、装弾数８発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９２１サブマシンガン＞：アメリカのサブマシンガン。M1919の改良型で、セミオート機能を追加している。冷却フィン付きの銃身と、前方グリップを持ち、銃剣の取り付けも可能である。全長835mm、銃身長266mm、重量4.5kg。作動はディレイド・ブローバック、発射速度毎分800発、使用弾は.45ACP。20発・30発入り箱形弾倉または50発・100発入りドラム弾倉を使用するが、100発入りドラム弾倉は重くてバランスが悪く、あまり使われなかった。コルト社から発売されてアメリカ警察に採用され、アメリカ海兵隊が少数を配備した他、フランスに輸出されている。また、ギャングにも流通した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、GUN用語事典、世界の軍用銃

＜Ｍ１９２１サブマシンガン海外シリーズ＞

　＜ＭＰ７６１（ｆ）＞：ドイツ国防軍のサブマシンガン。第２次大戦時に鹵獲して使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９２１重機関銃＞：アメリカ陸軍12.7mm水冷重機関銃。ジョン・ブローニングが開発した対戦車用重機関銃で、陸軍では対気球用としても使っている。アメリカ海軍の艦船にも対空用として装備された。第２次大戦前から戦時中に80500丁が生産され、戦後に廃制となった。参考：月刊軍事研究8,’14、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃

＜Ｍ１９２２＞：BARシリーズ（自動小銃）を参照。

＜Ｍ１９２２拳銃・海外シリーズ＞

　＜Ｐ６４１（ｂ）＞：ドイツ国防軍の拳銃。第２次大戦時に接収して使用した。全長180mm、銃身長113mm、重量700g。口径9mm、装弾数８発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９２３戦車＞：フロント・ドライブ・モーター社（後にアメリカ装輪装軌製造会社）のオーナーで自動車技師のジョン・ウォルター・クリスティーが開発した水陸両用戦車。水上航行用プロペラを持つ。1924年の上陸演習に参加し、後に戦艦BB-32ワイオミングから海上に降ろされて洋上航行テストを実施したが、安定性と機動性に問題があり、採用されなかった。参考：歴史群像6,’02

＜Ｍ１９２３弾薬ベルト＞：アメリカ軍の弾薬ベルト。弾薬ポーチ10個とベルトを一体化したもので、M1903小銃の弾薬100発、M1ガーランド小銃の弾薬80発を収容可能。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９２３級水雷艇＞：メーヴェ級（水雷艇）を参照。

＜Ｍ１９２４級水雷艇＞：ヴォルフ級（水雷艇）を参照。

＜Ｍ１９２４／２９軽機関銃＞：フランス軍の軽機関銃。全長1.07m、重量9kg。口径7.5mm。作動はガス圧式で、セミオートとフルオートが可能。発射速度毎分550発。25発入り箱型弾倉を機関部の上から填め込む。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜Ｍ１９２４／３０＞：ベルギー軍のライフル銃。ドイツ軍Gew.98bライフルをベースにFN社が製作した。使用弾は.30-06弾、装弾数５発。作動はボルトアクション式。全長1090mm、重量3.5kg。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜Ｍ１９２７拳銃＞：ドイツ国防軍の自動式拳銃。第２次大戦時に使用した。全長114mm、銃身長56mm、重量370g。口径6.35mm、装弾数６発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９２７サブマシンガン＞：アメリカのサブマシンガン。M1921の改良型で、コルト社から発売された。参考：GUN用語事典

＜Ｍ１９２７歩兵砲＞：ソ連陸軍の歩兵砲。1927年に制式化された。大型の車輪にはスポンジが詰め込まれており、弾片防御効果もある。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９２７歩兵砲海外シリーズ＞

　＜ｌＫＨ２９０（ｒ）＞：ドイツ国防軍の歩兵砲。第２次大戦時に鹵獲して使用したもので、照準器はドイツ製に変更した。弾薬はドイツ規格に合わないかったため、国内で新規生産している。口径76.2mm、砲身長16.5口径、戦闘重量780kg。榴弾（重量6.21kg）だと、初速毎秒387m、最大射程8555m。1943年末の段階で1815門が使用されていた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９２８サブマシンガン・シリーズ＞：アメリカ軍のサブマシンガン。トンプソン・サブマシンガン系列である。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９２８サブマシンガン＞：M1927の改良型で、上半分にだけ孔を開けたマズルブレーキ（銃口仰起防止装置）が付いている。これは連射時に右上にずれていくクセを補正するためだったが、あまり効果は無かった。銃床は着脱式だが、銃床を外すと正確な射撃が困難である。コッキングハンドルは銃の上面に付く。1928年に制式化され、アメリカ海軍と、ニカラグア紛争に派遣されたアメリカ海兵隊に少数が採用された。全長857mm、銃身長267mm、重量4.88kg。発射速度毎分600-725発。20発入り箱形弾倉または50発入りドラム弾倉を使用する。ドラム弾倉は１発ずつ弾薬を押し込んだ後、バネを巻きあげる必要があり、異物に弱い上に壊れ易く、必要以上に装弾数が多かった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃、GUN用語事典

＜Ｍ１９２８Ａ１サブマシンガン＞：アメリカ陸軍型。1940-43年に562511丁が生産され、30万丁がレンドリースとしてイギリスに送られたが、３分の２は潜水艦に沈められて到達しなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９２８サブマシンガン海外シリーズ＞

　＜ＭＰ７６０＞：ドイツ国防軍のサブマシンガン。第２次大戦時に鹵獲して使用したもので、アメリカ軍から鹵獲したものはMP760(a)、イギリス軍からのものはMP760(e)、ユーゴスラビア軍からのものはMP760(j)と呼ばれた。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９２８戦車シリーズ＞：フロント・ドライブ・モーター社（後にアメリカ装輪装軌製造会社）のオーナーで自動車技師のジョン・ウォルター・クリスティーが開発した戦車。最大速度160kmを出した。参考：世紀の失敗物語

　＜飛行戦車＞：車体を４トンに軽量化して複葉の主翼、ビーム、尾翼を装着、履帯を外して滑走し、そのまま離陸する。車体は完成したが、その先に進まなかった。参考：世紀の失敗物語

＜Ｍ１９３０Ｄ＞：ソ連軍の小銃弾。銅被甲の重量弾で、弾頭部が黄色く塗られている。直径7.62mm、重量11.8g、装薬重量3.11g。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ１９３１＞：ツェルトヴァン31（携帯天幕）またはスオミ（短機関銃）を参照。

＜Ｍ１９３１カノン砲＞：ソ連陸軍牽引式122mmカノン砲。1931年に開発された。砲架は開脚式で、車輪にはゴムタイヤを履かせてあり、トラクターで牽引できる。砲身長46.34口径、俯仰角マイナス４度からプラス45度、方向射界56度。最大射程20800m。発射速度毎分5-6発。参考：月刊グランドパワー2,’99、日本戦車隊戦史

＜Ｍ１９３１艦砲＞：フランス海軍ダンケルク級戦艦用50.44口径330mm艦砲。砲身重量70.535トン。弾丸重量560kg、初速毎秒870m。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜Ｍ１９３１水筒＞：ドイツ国防軍の個人用水筒。アルミニウム製。容量0.8リットル。後にコップも付けられた。フェルト製のカバーに入れて携帯する。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｍ１９３１戦車＞：フロント・ドライブ・モーター社（後にアメリカ装輪装軌製造会社）のオーナーで自動車技師のジョン・ウォルター・クリスティーが開発した戦車で、いわゆるクリスティー戦車。車体前面は避弾経始に優れ、片側４個の大直径転輪にクリスティー型サスペンションを搭載し、履帯で時速43km（70km？）出せる。装輪装軌併用で、第４転輪を駆動・第１転輪を操向させることもでき、装輪で時速76km（100km？）を出した。銃塔は円筒形で、機銃を搭載する。初号車は1931年1月19日に完成し、９両が試作され、テストでは優れた機動力を発揮したものの、７両を購入したアメリカ軍には理解されずT1コンバットカー・シリーズが作られたのみで、２両を購入したソ連軍がBT快速戦車として発展させた。参考：月刊JWing11,’03、月刊軍事研究2,’07、月刊PANZER5,’83

＜Ｍ１９３１ダミー弾＞：アメリカ軍M1911拳銃用装填訓練弾。薬莢に２つの孔が開いている。参考：コンバット・バイブル

＜Ｍ１９３１飯ごう＞：ドイツ国防軍の個人用調理用具。蓋は食器やフライパンとして使用でき、本体は1.7リットル入りの鍋として使える。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｍ１９３１榴弾砲＞：ソ連陸軍牽引式203mm榴弾砲、別名B4。足回りは装軌式で、軟弱地での運用を考慮しているが、自走はできないのでAT-Tトラクターで牽引してもらう。後に足周りは車輪式に改められた。分離装薬式だが、砲弾重量が100kgくらいあるので、揚弾クレーンが付いている。射撃は拉縄で行う。砲身長25口径、戦闘重量17.7トン。俯仰角0-60度、射角８度。最大射程18025m。発射速度は3-4分に１発。砲要員15名。牽引速度15km。長砲身型や短砲身型（22口径）など６種類の細かいバリエーションが存在する。参考：月刊グランドパワー2,’99、激闘東部戦線（2）、月刊グランドパワー4,’98

＜Ｍ１９３１榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜Ｈ５０３（ｒ）＞：ドイツ国防軍牽引式203mm榴弾砲。第２次大戦時に鹵獲して使用したもので、バリエーションに合わせてH503(r)、H503/1(r)、H503/2(r)、H503/3(r)、H503/4(r)、H503/5(r)がある。実戦使用されたのは砲身長25口径のH503/3(r)、H503/4(r)、H503/5(r)で、22口径型は使っていない。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９３１／３７＞：A19（カノン砲）を参照。

＜Ｍ１９３２戦車砲＞：ソ連陸軍45mm戦車砲。BT-5やBT-7に搭載された。口径45mm、砲身長46.2口径。使用弾重量1.1kg、弾種はBR-240P徹甲弾と榴弾。BR-240P徹甲弾だと初速毎秒1070m（830m？760m？）、装甲貫徹力55mm（射距離100m・衝角30度）／80mm（500m０度）／50mm（1000m０度）／38mm（1000m30度）、最大射程7200m。榴弾だと初速毎秒750m（335m？）、最大射程4100m。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｍ１９３２対戦車砲＞：ソ連陸軍45mm対戦車砲。ラインメタル社製37mm対戦車砲がベースで、装甲貫徹力38mm（射距離1000m）。M1932戦車砲と同じ砲弾を使用できる。参考：日本戦車隊戦史、歴史群像2,’08

＜Ｍ１９３３手榴弾＞：ソ連陸軍柄付き手榴弾。投擲時には柄を引いて半分回した後に元に戻し、弾体の安全装置を外すという面倒な行程が必要で、前線兵士には不評だった。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１９３３野砲＞：ソ連陸軍76.2mm野砲。最大射程13200m。参考：日本戦車隊戦史

＜Ｍ１９３４艦砲＞：イタリア海軍コンテ・ディ・カブール級戦艦用43.75口径320mm艦砲。ヴィッカーズ社製全鋼線砲をボアアップして製作した。砲身重量64トン。弾丸重量0.525トン、初速毎秒830m。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜Ｍ１９３４艦砲＞：イタリア海軍ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦用50口径381mm艦砲。砲身重量100.8トン。徹甲弾は弾薬重量1.95トン、弾丸重量0.885トン、初速毎秒870m、射程42.8km。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜Ｍ１９３４軽戦車＞：ヴィッカーズ・アームストロング社が開発した輸出用軽戦車。カーデンロイド豆戦車の改良型で、銃塔を装備する。装甲厚7-9mm。エンジンはメドウスEST水冷ガソリン（60馬力）、最大速度64.5km。参考：月刊軍事研究10,’06

＜Ｍ１９３４軽戦車海外シリーズ＞

　＜Ｍ１９３４（スイス陸軍）＞：スイス陸軍軽戦車。1935年に６両を輸入した。参考：月刊軍事研究10,’06

　＜Ｍ１９３４（ベルギー陸軍）＞：ベルギー陸軍軽戦車。13.2mm機関銃塔を装備する。参考：月刊軍事研究10,’06

＜Ｍ１９３４拳銃＞：イタリア軍の自動式拳銃。ベレッタ社が開発して1934年に制式化され、第２次大戦時に使用された。全長132mm、銃身長89mm。口径9mm。作動はブローバック。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１９３４拳銃＞：ドイツ軍の自動式拳銃。全長159mm、銃身長87mm、重量600g。口径7.65mm、装弾数８発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９３４背のう＞：ドイツ軍の背嚢。1934年11月に採用した。飯盒、軍靴、テントロープ、下着、生活用品などを入れる為に使用する。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｍ１９３４ピラミッド型テント＞：アメリカ軍の大型テント。側面シートは跳ね上げ可能。大きさ4.8m×4.8m×3.3m。収容人数８名／６名（暖房器具あり）。駐屯地、占領地、前線後方で使用される。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９３４（ＰＰＤ）シリーズ＞：ソ連軍の短機関銃で、PPDはPistolet Pulemet Degtyarev（デグチャレフ短機関銃）の略。1934年にワシリイ・デグチャレフが開発した。参考：月刊PANZER4,’04

＜Ｍ１９３４（ＰＰＤ）＞：ドイツのMP18/Iを参考に開発した。設計は優秀だったものの上層部の理解不足から配備は遅れた。ソ連とフィンランドとの間で冬戦争が起こると、森林地帯では射程の長さよりも瞬間火力の方が優先されたため、早速実戦投入されたが、箱型弾倉が弛んだり、装着が上手くいかなかったり、ジャミングを起こしたりするトラブルが多発し、改良型のM1934/38が開発された。参考：月刊PANZER4,’04、世界の軍用銃

＜Ｍ１９３４／３８＞：PPD M1934の各部を強化し、弾倉装着部にガイド付きの弾倉挿入部を装着したもの。箱型弾倉の他に、フィンランドのスオミ短機関銃を参考にしたドラムマガジン（73発入り）も製作された。銃身の放熱孔は楕円形で、後期生産型では孔が大きくなっている。照門はタンジェント・タイプで、50-500mまで50mおきに調節できる。引き金前方にはセミオート・フルオートの選択レバーがあり、１と73という数字が刻んであって、１を右に向けるとセミオート、73を右にするとフルオートになる。口径7.62mmで、7.62mm×25タイプＰ弾（初速毎秒534m）の他、ドイツの7.63mmモーゼル弾も使用できる。全長780mm、銃身長269mm、重量3.73kg、全備重量5.69kg。作動はブローバック、発射速度毎分800発。第２次大戦勃発と共に第一線部隊に急遽配備され、終戦まで活躍した。参考：月刊PANZER5,’04、4,’04

＜Ｍ１９３５＞：BR2（カノン砲）またはブローニング・ハイパワー（拳銃）を参照。

＜Ｍ１９３５艦砲＞：フランス海軍リシュリュー級戦艦用45.41口径380mm艦砲。最大仰角35度。砲身重量92.64トン。徹甲弾総重量1936kg、弾丸重量884kg。初速毎秒890m（830m？）、最大射程39870m。参考：月刊世界の艦船1,’12、第２次大戦のフランス軍艦

＜Ｍ１９３５軽迫撃砲＞：フランス陸軍60mm軽迫撃砲。使用弾は榴弾（重量1.35kg）と重榴弾（重量2.2kg、射程950m）。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｍ１９３５軽迫撃砲・海外シリーズ＞

　＜Ｇｒｗ．２５５（ｆ）＞：ドイツ国防軍軽迫撃砲。第２次大戦時に鹵獲して使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１＞：アメリカ軍軽迫撃砲。1938年に８門を輸入してテストしたものである。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ１＞：陸上自衛隊軽迫撃砲。アメリカから供与された。滑腔砲身で、口径60mm、砲身長0.83m、重量23kg。射界左右6.5度ずつ、射角40-85度、初速毎秒160m、有効射程200-1800m。発射速度毎分18発（持続）／40発（最大）。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜Ｍ２＞：アメリカ軍軽迫撃砲。M1軽迫撃砲のライセンス生産型で、規格をメートル法からヤード・ポンド法に変更し、M4照準器を装着した。口径60.5mm、砲身長726mm、戦闘重量19.07kg。旋回角14度、仰角40-85度。使用弾はM49A2榴弾（重量1.36kg）やM83照明弾（10万カンデラ、25秒）などで、初速毎秒158m（榴弾）、最小射程90m、最大射程（装薬５個使用）1800m（榴弾）／1450m（黄燐発煙弾）／1000m（照明弾）。発射速度毎分18発（持続）／30-35発（最大）。1940年から生産された。榴弾の威力半径が5mくらいしかないので、実戦投入後すぐに威力不足を指摘されている。陸上自衛隊にも供与され、普通科部隊に配備された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊PANZER9,’01、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜Ｍ１９３５自動小銃＞：イタリア軍の自動小銃。ブレダが開発した。口径6.5mm。作動はガス圧利用式のセミオート。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１９３５対戦車砲＞：オーストリアのボーラー社が開発した47mm対戦車砲。射撃時には車輪を外して砲を固定する。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１９３５対戦車砲・海外シリーズ＞

　＜ＰａＫ（Ｂｏｈｌｅｒ）＞：ドイツ国防軍47mm対戦車砲。第２次大戦時に鹵獲したもので、後方部隊、沿岸防備部隊、訓練部隊に配備した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１９３６＞：AVS M1936（自動小銃）を参照。

＜Ｍ１９３６迫撃砲＞：ソ連陸軍82mm迫撃砲。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１９３７＞：ML20（カノン榴弾砲）を参照。

＜Ｍ１９３７ＢＡＲベルト＞：アメリカ軍M1918BAR用弾薬ベルト。弾薬ポーチ６個がベルトに連結されており、20発入り弾倉計12個を収容可能。ただし重いので、サスペンダーを併用する必要がある。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９３７艦砲＞：ソ連海軍50口径406mm艦砲、別名B37型。射程45500m（仰角45度）。発射速度毎分１発（実用）／２発（最大）。1937年に制式化され、ソビエツキー・ソユーズ級戦艦に搭載予定だった。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜Ｍ１９３７対戦車砲＞：フランス陸軍45mm対戦車砲。重量1070kg。砲身長53口径、砲口初速毎秒855m、装甲貫徹力70mm（射距離800m）。参考：月刊PANZER11,’03

＜Ｍ１９３７対戦車砲＞：ソ連陸軍45mm対戦車砲。ドイツから導入したPaK35/36を口径45mmにスケールアップしたものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１９３７対戦車砲・海外シリーズ＞

　＜ＰａＫ１８４（ｒ）＞：ドイツ国防軍45mm対戦車砲。第２次大戦時に鹵獲して使用した。砲身長2.07m、戦闘重量425kg。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｍ１９３７迫撃砲＞：ソ連陸軍82mm迫撃砲。M1936の改良型で、円形台座により全周射撃が可能である。二脚架にはスプリングによる緩衝装置が２個取り付けられている。射程は射角と装薬（６号まで）で調節する。３分割して持ち運び可能。全備重量50kg。使用弾は安定翼付きで、重量3.6kg。最大射程3000m。同時期の各国迫撃砲は口径81mmだったので、敵の弾は使用できるが敵には使用されない。参考：手榴弾・迫撃砲、コンバット・バイブル２

＜Ｍ１９３８＞：M30（122mm師団砲）またはM1891シリーズ（小銃）またはベレッタ38シリーズ（サブマシンガン）を参照。

＜Ｍ１９３８騎兵銃＞：イタリア軍の騎兵銃。M1938歩兵銃のカービン型である。ライフリングは銃口に近づくほど捩れがきつくなるタイプを採用した。重量2.95kg。６発クリップで装填し、全弾発射するとクリップが弾倉の底から落ちるようになっている。てき弾発射機も用意されていたが、銃の右側に取り付ける方式のため、荷重が偏って安定性が悪かった。第２次大戦中は殆ど使われなかったが、ケネディ大統領暗殺で使用された。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１９３８小銃＞：イタリア軍の小銃。6.5mmライフルM1891の改良型で、一回り大きい7.35mm弾を使用できるようにしたものである。薬室圧力は6.5mm弾と同じだが、弾丸を尖頭弾にしてあり、初速が向上した。1938年に開発されたが、第２次大戦開戦までに全軍には行き渡らないとされ、数千丁が生産されたのみで、倉庫に放り込まれていた。全長1.02m、重量3.4kg。口径7.35mm。参考：拳銃・小銃・機関銃、世界の軍用銃

＜Ｍ１９３８小銃＞：ソ連軍の自動小銃、略称SVT（Samozaryadnaya Vintovka Tokareve、トカレフ半自動小銃）。フェードル・バールビッチ・トカレフ技師の開発した小銃の改良型である。1938年に採用され、AVS M1936と共に第２次大戦を戦った。銃身は固定式で、揺動式遊底閉鎖方式をとっている。薬室は多数の溝を切ったフルーテッド・チェンバーで、排莢時に薬莢が薬室に張り付くのを防ぐ。作動はガス圧利用式セミオートマチックで、銃身上部にはショート・ストローク・ピストンのピストン管が付いており、前半は金属ガード、後半は木製ハンドガードで覆われ、過熱防止・余剰発射ガス排出用の孔が片側６個ずつ開いている。銃口には多孔式の消炎制退機と着剣装置が付く。尾筒はカバーで覆われ、右にコッキング・ノブが付いている。照星はリング状サイドガードが付いたポスト型で、照門は100mおきに1500mまで目盛りの振られた照尺付きのＶノッチ型である。セーフティは引き金をロックする手動式で、撃発機構はロックされない。銃床は製造を容易にするため２分割で、右にクリーニングロッドを収容する。全長1221mm、銃身長625mm、重量4.175kg。口径7.62mm、使用弾はM1908タイプＬ弾、銃口初速毎秒830m、発射速度毎分30-40発。弾倉は垂直式10発入り。まずフィンランド戦争に投入されたが、給弾不良が起きやすい、銃床が破損しやすい、小銃先端部が加熱しやすい、などの欠点があり、改良型のM1940が開発されることとなった。参考：月刊PANZER3,’04、拳銃・小銃・機関銃、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜Ｍ１９３８迫撃砲＞：ソ連陸軍50mm迫撃砲。射角は固定されており、射程は砲身下部のガス調節バルブにより調整する。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１９３８ワイヤーカッター＞：アメリカ軍の鉄条網切断用クリッパー。持ち手にはゴムが履かせてあり、感電しないようになっている。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９３８／４０＞：M10（榴弾砲）を参照。

＜Ｍ１９３９＞：52K（85mm高射砲）または61K（37mm高射機関砲）またはBR5（榴弾砲）またはBR17（カノン砲）を参照。

＜Ｍ１９３９対戦車地雷・海外シリーズ＞

　＜ＰｚＭｉ４１０（ｒ）＞：ドイツ国防軍の対戦車地雷。第２次大戦で鹵獲・接収して使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９３９背のう＞：ドイツ国防軍の背のう。M1934背のうの肩紐を無くしたもので、ベルトサポートとフックを使えば背負える。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｍ１９３９迫撃砲＞：ソ連陸軍50mm迫撃砲。M1938の小改良型である。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１９４０カービン＞：イタリア軍のカービン。口径6.5mm、装弾数６発。作動はボルトアクション式。全長1.02m、重量3.5kg。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜Ｍ１９４０小銃＞：ソ連軍のライフル銃。M1938小銃の改良型で、こちらもSVTと呼ばれる。銃床を一体式とし、銃床先端に多孔式金属ガードを装着、クリーニングロッドを銃床下面に移した。1940年に採用され、独ソ戦に投入された。ただリム付き薬莢に起因する給弾トラブルや、無理な軽量化による強度不足は完全には解決できず、M1891モシン・ナガンを完全に代替するには至らなかった。参考：月刊PANZER3,’04、拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１９４０小銃・海外シリーズ＞

　＜ＳｌＧｅｗ２５９（ｒ）＞：ドイツ国防軍の小銃。第２次大戦で鹵獲して使用したもので、1941-42年に多く用いられた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｍ１９４０狙撃銃＞：ソ連軍の狙撃銃。SVT M1940半自動小銃の尾筒部に倍率3.5倍のOP狙撃用スコープに装着したものである。しかし発射反動でスコープが外れやすく、構造が複雑な自動小銃では命中精度も低く、モシン・ナガンM1891/30が再生産されることとなった。参考：月刊PANZER4,’04

＜Ｍ１９４０迫撃砲＞：ソ連陸軍50mm迫撃砲。M1939の改良型で、底板を変更し、二脚架により射角を45度または75度に変えることが可能となった。細かい射程はガスバルブで調節する。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｍ１９４０ＡＶＴ＞：ソ連軍の自動小銃で、AVTはAvtomaticheskaya Vintoka Tokarev（トカレフ自動小銃）の略。SVT M1940自動小銃に全自動発射機構を組み込んだものである。トリガーが２つ付いていて、それぞれ全自動用と半自動用となっている。使用弾がM1908タイプＬであり、リムが邪魔でジャミングが多発した他、無理矢理全自動にしたため反動が大きくなりすぎて命中精度が悪化したり、弾倉が脱落したりした。それでも独ソ戦終結まで生産が続けられ、ソ連軍の主力自動小銃となった。参考：月刊PANZER4,’04

＜Ｍ１９４０ＰＰＤ＞：ソ連軍の短機関銃。M1934/38PPDを大量生産可能としたもので、銃身放熱用被筒をパイプから加工できるようにし、遊底を単純化、破損しやすかった照星を改良した。1940年だけで81000丁が生産されている。後期型では照門がＬ字型（目盛りは100-200m）になった。全長790mm、銃身長260mm、重量3.63kg、全備重量5.4kg。銃口初速毎秒534m、発射速度毎分800発。参考：月刊PANZER5,’04

＜Ｍ１９４０／Ｍ６０＞：ソ連陸軍122mmカノン砲。M1910カノン砲の近代化型で、152mm榴弾砲M1938と共通の砲架を使用しており、トラクターでそのまま牽引可能。行軍時重量4.285トン、戦闘重量3.957トン。俯仰角マイナス６度からプラス43度、方向射界60度。最大射程17450m。量産が始まって間も無く生産工場がドイツ国防軍に占領されてしまい、殆ど生産されなかった。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９４０／Ｍ６０海外シリーズ＞

　＜１０．７ｃｍＫ３５３（ｒ）＞：ドイツ国防軍122mmカノン砲。第２次大戦時に接収したものだが、使わなかったらしい。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ｍ１９４１ウールニット・キャップ＞：アメリカ軍のニット帽、通称ビーニィ（Beany）。日本ではジープ帽と呼ばれている。兵士の間では愛用されたが、パットン将軍は大嫌いな装備だった。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９４１軽機関銃＞：アメリカ軍の軽機関銃。アメリカ海兵隊メルヴィン・Ｍ・ジョンソン大尉が開発し、クランストン・アームズ社が生産した。作動は反動利用式で、連発は射撃精度の高いクローズドボルト、連射は過熱しにくいオープンボルトで発射されるという複雑な機構を採用している。弾倉は横から差し込むが、重量バランスが悪く命中精度に欠けるという欠点があった。全長1.067m、銃身長0.559m、重量6.45kg。使用弾は.30-06弾、装弾数20発。発射速度毎分300-900発。アメリカ海兵隊とアメリカ陸軍第１スペシャルサービスに配備された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１９４１作業服＞：アメリカ軍４色迷彩服、別名ダックハンター・パターン。カモ撃ち猟師の服を参考にして1941年に採用した。太平洋戦線での使用を考慮しており、緑・茶色ベースのジャングル・緑地用と黄色・茶色ベースの砂浜・土用がリバーシブルになっている。陸軍のごく一部、海兵空挺隊、海兵両用偵察隊などで限定的に使用された。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜Ｍ１９４１フィールド・ジャケット＞：アメリカ軍野戦用・作業用ジャケット。1941年11月に採用し、ほぼ全軍に支給した。表地は綿ポプリン、裏地はフランネルで、前合わせは内側にファスナー・外側にボタン５個を持つ二重止めであり、脇の下にウエスト調節用のアジャスタブル・タブがある。カフスにはリスト・アジャスタブル・タブ、襟にはウインドブレーク・タブを持つ。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９４１ライフル＞：アメリカのジョンソン・オートマチックス（メルヴィン・Ｍ・ジョンソン大尉）が開発したセミオートマチック・ライフル。作動は反動利用式（銃身がショートリコイルする）。全長1156mm、銃身長558mm、重量4.31kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は.30-06弾で、装弾数10発の回転弾倉を使用する。銃口部にスパイク状の銃剣を装備可能。アメリカ陸軍にはM1ガーランドがあったので採用されず、チリに1000丁が輸出され、オランダも蘭印用に採用した。しかし太平洋戦争勃発で蘭印が占領されてしまったため、アメリカ海兵隊が導入して1942年に海兵第１降下大隊が使用、OSS工作員にも配備された。1944年までに７万丁を生産した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、最新軍用ライフル図鑑

＜Ｍ１９４１ライフル・ファミリー＞

＜Ｍ１９４１ライフル・トーガーソン少佐仕様＞：アメリカ海兵第３降下大隊のトーガーソン少佐が、親友だったメルヴィン・ジョンソン大尉に個人的に作ってもらったカービン。M1941ライフルとM1941軽機関銃を合わせて全長を切り詰めたような感じである。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｍ１９４２＞：M42（銃剣）を参照。

＜Ｍ１９４２分隊用テント＞：アメリカ軍大型テント。１個分隊12名を収容できる。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９４２マチェット＞：アメリカ軍18インチ（457.2mm）蛮刀。下草や下枝を落とすのにも使用できる。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９４３＞：D1（榴弾砲）を参照。

＜Ｍ１９４３エントレンチング・ツール＞：アメリカ軍折り畳み式シャベル。M1910の後継で、エイムス社が開発した。ブレードを柄に対して垂直位置で固定することができ、鋤としても使える。1944年から配備された。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９４３重機関銃＞：ソ連陸軍の重機関銃、別名SG43。車載機銃として1943年に採用され、１軸の車輪が付いた銃架に載せて歩兵用としても使用された。マキシム重機関銃の後継という扱いではあったが、生産性が悪く、完全に更新することは出来ていない。全長1.12m、銃身長0.72m、本体重量13.5kg、銃架重量23kg。使用弾は7.62mm×54R弾、給弾は250発ベルトリンク、初速毎秒870m、有効射程1000m。作動はガス圧利用式、発射速度毎分250発（実用）／毎分600-700発（最大）。参考：ザ・マーチ５号、拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１９４３銃弾＞：7.62mm×39弾を参照。

＜Ｍ１９４３フィールド・ジャケット＞：アメリカ陸軍の戦闘服。M1941作業服の改良型で、コートの丈が伸び、首回りがしっかりと閉じられるようになった。1943年8月に制式採用され、1944年から本格的に配備された。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９４３／５２＞：PPS43海外シリーズ（短機関銃）を参照。

＜Ｍ１９４４＞：M1891シリーズ（ライフル）を参照。

＜Ｍ１９４４軽機関銃＞：アメリカ軍試作軽機関銃。M1941の改良型で、10丁作られてテストを受けたが、軽量すぎて連射すると強度に不安がある、汚れに弱いといった欠点があり、太平洋戦争終結もあって採用されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

＜Ｍ１９４４フィールド・ジャケット＞：アメリカ陸軍の戦闘服、通称アイク・ジャケット。杉綾織りの綿布地で、ズボンの左右には大きいベローズ・ポケットが付いている。駐屯地や後方部隊で使用された。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９４４ポラロイド・サングラス＞：アメリカ軍のサングラス。光を反射して敵に位置を曝露する可能性があるため、あまり使用されなかった。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９４５コーラルシューズ＞：アメリカ軍の岩礁地帯用シューズ。1950-60年代にUDTチームが使用した。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜Ｍ１９４７＞：KS-19（高射砲）を参照。

＜Ｍ１９４９＞：アメリカ陸軍の寝袋（スリーピング・バッグ）。防水コットンのキルティング加工で、中に水鳥の羽毛が入っている。ファスナー長1.77m。穴が空いたらつぎあて（直径0.75インチ・19mm）をあててアイロンで加熱すれば塞ぐことができる。マイナス10度からプラス10度の外気温を想定しており、それよりも気温の低い所では一回り大きい極地用（マイナス25度まで）を使用する。1949年に採用された。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17、コンバット・バイブル

＜Ｍ１９５１＞：アメリカ海兵隊の防刃ベスト。ナイロン製ベストにFRPプレートを挟み込んでいる。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ１９５２＞：アメリカ陸軍の防弾ベスト。朝鮮戦争の戦訓を基に開発した。ナイロン製ベストにの防弾ナイロン12層を挟み込んでいる。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｍ１９５５＞：アメリカ海兵隊のボディアーマー。弾片防御能力はあるが、弾丸は止められない。参考：月刊丸12,’90

＜Ｍ１９５６弾薬ポーチ＞：アメリカ軍M16小銃用弾薬ポーチ。20発入りマガジン用と、30発入り用の２種があり、両サイドには手榴弾固定用ベルトが用意されている。参考：世界の軍用銃

＜Ｍ１９６５コンバット・スーツ＞：アメリカ陸軍の戦闘服、別名ジャングル・ファティーグ・スーツまたは熱帯用戦闘服。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜Ｍ１９６７＞：BMP-1シリーズ（歩兵戦闘車）またはYW531A（装甲車）を参照。

＜Ｍ１９７０＞：MT-LB（装甲車）またはYW531A（装甲車）を参照。

＜Ｍ１９７３＞：2S3シリーズ（自走砲）を参照。

＜Ｍ１９７４＞：2S1（自走砲）を参照。

＜Ｍ１９７４＞：北朝鮮軍152mm自走榴弾砲。独自開発の装軌車体にD20榴弾砲をオープントップ式に搭載する。師団砲兵連隊に配備された。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｍ１９７５＞：2S4（自走砲）を参照。

＜Ｍ１９７５＞：2S7シリーズ（自走砲）を参照。

＜Ｍ１９７６＞：ソ連軍152mm牽引砲。1978年に就役した。威力2-5キロトンの核砲弾も撃てる。射程27000m。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｍ１９７７＞：BM9P140（自走ロケット砲）またはM977ファミリー（汎用橋梁運搬車）を参照。

＜Ｍ１９７７＞：北朝鮮軍122mm自走榴弾砲。1977年に存在が確認された。独自開発の装軌車体にD30榴弾砲をオープントップ式に搭載している。旅団砲兵大隊に配備された。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｍ１９７７ファミリー＞

　＜自走地対空ミサイル＞：自走地対空ミサイル型。主砲を外し、戦闘室直前に9K310地対空ミサイル８連装発射機を搭載している。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｍ１９７７＞：北朝鮮軍152mm自走榴弾砲。独自開発の装軌車体にD1榴弾砲をオープントップ式に搭載する。師団砲兵連隊に配備された。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｍ１９７７＞：北朝鮮軍40連装122mmロケットシステム。BM-21のコピーである。参考：月刊丸4,’99

＜Ｍ１９７８＞：谷山（自走砲）を参照。

＜Ｍ１９８０／２＞：T-64B（戦車）を参照。

＜Ｍ１９８１＞：北朝鮮軍122mm自走カノン砲。M1977自走榴弾砲類似の装軌車体にD74カノン砲をオープントップ式に搭載している。旅団砲兵大隊に配備された。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｍ１９８１／１＞：T-64B（戦車）を参照。

＜Ｍ１９８３＞：9A52シリーズ（自走ロケット砲）を参照。

＜Ｍ１９８５＞：北朝鮮軍122mm自走カノン砲。M1977自走榴弾砲類似の装軌車体にA19カノン砲をオープントップ式に搭載している。旅団砲兵大隊に配備された。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｍ１９８５＞：北朝鮮軍水陸両用軽戦車の米軍コード。1985年に存在が確認された。車体は国産VTT-323装甲車（元は中国YW531A）ベースの全溶接製で、PT-76に似るが、車体側面にも避弾経始が付く。車体前部左に操縦手席、右に弾薬庫、中央部に戦闘室、後部に機関室がある。戦闘室に載る砲塔もPT-76類似で、85mmライフル砲、9M14対戦車ミサイル（主砲基部）、12.7mm機銃（砲塔上面）を装備する。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｍ−１９８５＞：北朝鮮軍40連装122mmロケットシステムの米軍コード。BM-21のコピーである。参考：月刊丸4,’99

＜Ｍ１９８５＞：北朝鮮軍12連装240mmロケットシステムの米軍コード。参考：月刊丸4,’99

＜Ｍ１９８９＞：T-80U（戦車）を参照。

＜Ｍ−１９８９＞：北朝鮮軍170mm自走カノン砲の米軍コードで、谷山（コクサン）ともいう。北朝鮮軍通称は主体砲らしい。オリジナルの装軌車体にマズルブレーキ付き170mmカノン砲をオープントップで搭載している。車体前部に乗員室、中央に機関室がある。射程40000m（通常弾）／60000m(RAP)。初代谷山の後継として1990年代中頃から数百両が配備されているらしい。参考：月刊軍事研究5,’18、7,’02

＜Ｍ−１９９１＞：北朝鮮軍122mm自走カノン砲の米軍コード。122mmカノン砲D-74を自走化したもので、直接照準射撃用の対戦車弾も積んでいる。参考：月刊軍事研究5,’18

＜Ｍ−１９９１＞：北朝鮮軍22連装240mmロケットシステムの米軍コード。６×６輪装輪トラックの後部荷台に22連装ランチャー（４列３段の上外側１本抜き11連装ランチャーを左右に並べている）を搭載する。最大射程60000m強。参考：月刊軍事研究5,’18、月刊丸4,’99

＜Ｍ−１９９２＞：北朝鮮軍130mm自走カノン砲の米軍コード。オリジナルの車体にSM/4-1沿岸砲を搭載している。射程29500m。軍団砲兵に配備されている。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｍ−２０００＞：ZUZANA（自走砲）を参照。

＜Ｍ−２００２＞：暴風号（戦車）を参照。

＜Ｍ−２０１０シリーズ＞：北朝鮮陸軍装輪装甲車の米軍コード。どこかから入手した10両くらいのBTR-80Aをリバースエンジニアリングしたらしい。参考：月刊軍事研究5,’18

　＜Ｍ−２０１０（６×６輪）＞：６×６輪型で、車体はBTR-80に酷似している。武装は銃塔の14.5mm連装機銃１基、9K310携SAM発射機。参考：月刊軍事研究5,’18

　＜Ｍ−２０１０（８×８輪）＞：８×８輪型で、武装は６×６輪型と同じ。参考：月刊軍事研究5,’18

＜Ｍ２７０５＞：インド海軍ビムリピタン級内水掃海艇ビムリピタン（Bimlipitan）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ２７０７＞：インド海軍ビムリピタン級内水掃海艇バッセイン（Bassein）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｍ２７１６＞：イギリス海軍ハム級通船パグハム（Pagham）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ２７２０＞：イギリス海軍ハム級内水測量艇ウォーターウィッチ（Waterwitch）。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ２７２６＞：イギリス海軍ハム級通船シップハム（Shipham）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ２７７３＞：イギリス海軍ハム級内水測量艇ソーンハム（Thornham）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ２７８０＞：イギリス海軍ハム級内水測量艇ウッドラーク（Woodlark）。1958年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ２７８１＞：イギリス海軍ハム級通船ポーティシャム（Portisham）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ２７９０＞：イギリス海軍ハム級通船サッチャム（Thatcham）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ２７９１＞：イギリス海軍サンドリンガム級交通船サンドリンガム（Sandringham）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｍ９１１９＞：南アフリカのデネル社が開発した155mm砲弾用信管。着発と遅延（0.1秒刻み）の選択式である。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ９１２０＞：ヴァルキリーMk�Uのロケット弾用電波式近接信管。それ以外の口径120-160mmのロケット弾にも適合する。ランチャーから300mまで飛翔したところで安全装置が外れ、高度9mで作動する。バックアップで瞬発信管を持つ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ９１２１＞：南アフリカのデネル社が開発した155mm榴弾用電子式マルチ選択信管。近接、時限（3-199.9秒、0.1秒刻み）、着発（バックアップ用）から選択できる。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ９１５９＞：160mmロケット弾用電波式近接信管。300m飛翔すると安全装置が外れ、高度8mで作動する。バックアップで瞬発信管を持つ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜Ｍ９２２０＞：南アフリカのデネル社が開発した155mm榴弾用電子式時限信管。時限専用のM9121と言えるもので、バックアップ用に着発モードがセットされている。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ９６０３ＤＰＩＣＭ　ＨＥ　ＨＣ＞：南アフリカのデネル社が開発した155mmクラスター砲弾。外形38mmの子弾42発を内蔵する。子弾は多目的榴弾で、成形炸薬弾頭により120mm厚の装甲板を貫徹できる他、1.6mm厚の軟鋼板を貫徹する破片が１平方メートルあたり２個飛び散り、50平方メートルの致死範囲を持つ。最適撒布高度650-700m、制圧域200×200m。オプションとして、観測用黄色発煙剤を内蔵できる。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ９７０３＞：南アフリカのデネル社がG6-M1A3自走榴弾砲用に開発した155mmV-LAP弾。炸裂すると5500-6000個の破片を生じ、加害半径21m。M64モジュール化装薬で最大射程53.6km。参考：月刊PANZER12,’03、1,’04

＜Ｍ９８０１ＭＯＦＡ＞：南アフリカのデネル社が開発した155mm砲弾用信管。近接、時限、着発の機能選択スイッチを持つ。参考：月刊PANZER1,’04

＜Ｍ１１４２８＞：M977ファミリー（戦術消火トラック）を参照。

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