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＜サー＞：日本海軍士官のスラングで、踊り子のこと。ダンサーのサー。参考：帝国陸海軍事典

＜サーガ＞：P257（潜水艦）を参照。

＜サーカス戦術＞：防御円陣を参照。

＜サー・ガラハド＞：L-3005（補給揚陸艦）を参照。

＜サー・ガラハド＞：イギリス海軍サー・ガラハド級戦車揚陸艦Sir Galahad。1987年就役。2006年に退役し、ブラジルに売却されてG29ガルシア・ダヴィラになった。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜サー・ガラハド級＞：イギリス海軍戦車揚陸艦Sir Galahad級。フォークランド紛争で沈没したL-3005サー・ガラハドの代艦として建造された。兵員340名、戦車18両を搭載できる。サ−・ガラハドが1987年に就役した。参考：月刊世界の艦船12,’12、ミリタリー・バランス1989-1990

＜サー・ガラハド級・海外シリーズ＞

　＜サー・ガラハド級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍戦車揚陸艦。退役したイギリス海軍戦車揚陸艦サ−・ガラハドを購入したものである。全長140.5m、満載排水量8723トン。主機はディーゼル、速力18ノット。ヘリ１機、戦車16両、その他車両34両、兵員343名を搭載可能。G29ガルシア・ダヴィラが2007年に就役した。参考：月刊世界の艦船12,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サーキット・アナログ＞：CAを参照。

＜サーク＞：R-13（弾道ミサイル）またはR-21（弾道ミサイル）を参照。

＜サーグッド・マーシャル＞：T-AO-211（給油艦）を参照。

＜サー・ゲライント＞：L-3027（補給揚陸艦）を参照。

＜サーゴ＞：SS-188（潜水艦）またはSSN-583（スケート級攻撃原潜）を参照。

＜サーゴ型＞：アメリカ海軍の潜水艦用鉛蓄電池。電池槽は硬質ゴムで薄いソフトゴムを挟み込んだサンドイッチ構造とし、クラックによる電解質液漏洩を防止した。寿命６年。新Ｓ級第２群・Ｔ級・ガトー級・テンチ級潜水艦に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜サーゴ�U型＞：アメリカ海軍の潜水艦用鉛蓄電池。サーゴ型の改良型で、短時間放電量を低くする代わりに寿命を延ばしている。ガピー�TＡ・�TＢ・�UＡ改装艦、ダーター級・バーベル級・グレイバック級・グラウラー級・セイルフィッシュ級潜水艦に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜サージ＞：アメリカが開発したUGV、SARGE（Surveillance And Reconnaissance Ground Equipment、監視・偵察用地上装置）。軽４輪駆動不整地用装甲バギーであるヤマハのブリーズがベースで、上部に電子光学センサー・ターレットを備える。夜間でも1km以上の距離で歩行者を発見可能。参考：月刊軍事研究1,’03

＜サージ部隊＞：大量急速輸送部隊を参照。

＜サージャント＞：アメリカ陸軍弾道ミサイル、制式名M-15（後にMGM-29A）。コーポラル地対地ミサイルの後継としてスベリー社が開発し、1961年に完成した。全長10.51m、直径0.79m、翼スパン1.78m、発射重量4.58トン。推進は固体燃料ロケット、射程40-135km。弾頭はW52核弾頭（60キロトン。200キロトン？）または0.65トン通常弾頭。1962年から配備され、1963年からはヨーロッパ駐留アメリカ軍への装備が始まり、在韓米軍にも配備された。パーシングに後を譲って退役した。参考：アメリカの核兵器、月刊丸4,’99、月刊軍事研究10,’10

＜サージャント・フレッチャー３４−０００空中給油ポッド＞：プローブ・アンド・ドローグ方式の空中給油ポッド。燃料タンクを内蔵しないドライポッドで、先端に発電用のラムエアタービン、内部に油圧ポンプ及び燃料ポンプ、給油ホースを収容する。全長5.1435m、直径0.8836m、重量453.6kg。給油速度毎分400ガロン、給油可能高度限界12192m、給油可能速度200-325ノット。参考：月刊JWings5,’07

＜サージャント・ベイ＞：CVE-83（護衛空母）を参照。

＜サージャント・マティ・コカック＞：T-AK-3005（事前配備船）を参照。

＜サージャント・マティ・コカック級＞：アメリカ海軍事前配備船SGT Matej Kocak級。ウォーターマン社のコンテナ船を改造したもので、２連ジブ・クレーンとコンテナ用ガントリー・クレーンを装備しており、上構後部にヘリ甲板、船尾にランプを持つ。コンテナ532個、車両、航空燃料、弾薬、飲料水などを搭載可能。全長250.2m、満載排水量48754トン。主機は蒸気タービン２基１軸30000馬力、速力20ノット。積載能力25000トン。乗員は民間人29人＋技術者10人。T-AK-3005サージャント・マティ・コカックなど３隻が1984-85年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜サージャント・ヨーク＞：M247（自走高射機関砲）を参照。

＜サージング＞：スタグネーションを参照。

＜サージング＞：Surging、前後揺れ。前後方向の直線往復運動のこと。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜サース＞：AKA-25（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜サーズデイ作戦＞：チンディット作戦を参照。

＜サース・フィールド＞：DD-837（駆逐艦）を参照。

＜サーダ＞：SS-488（潜水艦）を参照。

＜サーダー＞：P226（潜水艦）を参照。

＜サーチマスター＞：N22Bシリーズ（洋上哨戒機）を参照。

＜サーチマスター多機能レーダー＞：タレス社の多機能レーダー。対潜戦、戦術航空支援、洋上捜索、地上捜索、マッピングの５任務をこなせるので、タレス社ではファイブ・イン・ワン・レーダーという愛称を付けている。ラファール戦闘機用RBE2レーダーがベースのAESAレーダーで、胴体下面フェアリングに収容して全周をカバーする。使用周波数Ｘバンド、探知距離370km。アトランティック２哨戒機の近代化改修で搭載される予定。参考：月刊JWings1,’15、月刊航空ファン1,’15

＜サーチャー＞：D40（護衛空母）を参照。

＜サーチャー・シリーズ＞：イスラエルのIAI社が開発した無人機Searcher。参考：月刊軍事研究3,’00

＜サーチャー＞：単発プロペラ機で、光学追跡装置とFLIRを装備する。飛行高度5400m、滞空時間18時間。機材ペイロード100kg。参考：月刊軍事研究3,’00

　＜サーチャーＭｋ．�U＞：全長5.85m、全幅8.54m、全高1.25m、最大離陸重量500kg。エンジンは４サイクルレシプロ（47馬力）単発、最大速度200km、運用高度6100m、航続時間18時間。ペイロード68kg。1100km進出して5-6時間の偵察が行える。システムはUAV３機と管制装置１基からなる。参考：月刊JWings8,’11、月刊軍事研究9,’11、10,’17

＜サーチャーＳ＞：合成開口レーダーを搭載する。参考：月刊軍事研究12,’04

＜サーチャー海外シリーズ＞

　＜サーチャー（インド軍）＞：インド軍UAV。Mk1とMk2を導入した。参考：月刊軍事研究5,’09

　＜フォルポスト＞：ロシア海軍UAV。南オセチア紛争で無人機の必要性を痛感したため、2009年にイスラエル製UAVを３種類テストし、サーチャーMk2を採用したものである。当初はIAIとオボロンプロムの合併会社でライセンス生産する予定だったが、イスラエルが技術流出の懸念を表明したため、ノックダウン生産することになった。最大離陸重量454kg。最大速度204km、最大行動半径250km、航続時間17.5時間。2011-13年にシステム10セット分の契約が結ばれ、2013年12月に最初の量産機６機と地上管制ステーションが引き渡され、ロシア海軍初の無人機部隊が太平洋艦隊エリゾヴォ基地に新編されて2014年から運用された。2015年に追加10セット分の契約が結ばれたらしいが、真偽は不明らしい。参考：月刊軍事研究11,’11、12,’14、10,’17、月刊世界の艦船4,’14

　＜フォルポストＭ＞：ロシア軍が開発中のUAV。フォルポストの改良型で、システムを全てロシア製とし、地上局を経由せずに衛星や航空機との間で直接データリンクを行えるようにする。参考：月刊軍事研究10,’17

＜サーチライト・ソナー＞：QCS（ソナー）を参照。

＜サーティス＞：P241（潜水艦）を参照。

＜サーディン＞：鷹撃１型（対艦ミサイル）または鷹撃８型（対艦ミサイル）を参照。

＜サアド＞：S138（潜水艦）を参照。

＜サード＞：THAADシステム（対空ミサイル）を参照。

＜サード＞：パキスタン軍装甲兵員輸送車。M113の改良型で、車体を延長して下部転輪を片側６組とし、兵員室側面にガンポートを左右３ヵ所ずつ設け、機関を強化した。戦闘重量14.5トン。エンジンはMTU6VTE20（400馬力）、トランスミッションはZF社製LSG1000オートマチック、最大速度75km。乗員・乗車歩兵計15名が搭乗可能。オプションで増加装甲、エアコン、破片防止ライナー、NBC防護キットを追加できる。参考：月刊軍事研究6,’07

＜サード１６＞：イラクのモスル郊外にあった軍事施設。アル・フセイン弾道ミサイルの開発などを行っていた。参考：軍事分析湾岸戦争

＜サード１６計画＞：コンドル�U弾道ミサイル開発計画のイラク名称。

＜サード・パーティ・ルール＞：他国から得た機密情報は公表しない国際慣習のこと。参考：月刊軍事研究3,’13

＜サードニクス＞：H26（駆逐艦）を参照。

＜サー・トリストラム＞：L-3505（補給揚陸艦）を参照。

＜サーニ＞：2S12（自走迫撃砲）を参照。

＜サーネット＞：イギリス海軍駆逐艦。1942年1月26日、エンドウ沖海戦で沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜サー・パーシヴァル＞：L-3036（補給揚陸艦）を参照。

＜ザーパド２００９＞：ロシア軍の2009年秋季大演習。モスクワ・レニングラード軍管区が担任し、モスクワ軍管区及び沿ウラル＝ヴォルガ軍管区6000名、ベラルーシ軍7000名が参加、戦車228両、装甲戦闘車両470両、火砲234門、固定翼機60機、ヘリコプター40機、艦艇30隻を投入した。西側諸国の軍事介入に対抗するのが要目だったらしく、ポーランドへの戦術核攻撃もシミュレートしたとされる。参考：月刊軍事研究12,’13、12,’14、10,’10

＜ザーパド２０１３＞：ロシア軍の2013年秋季大演習。西部軍管区が担任、ベラルーシ軍も参加し、ロシアのカリーニングラード特別区フメリョヴォ演習場、プラヴディンスキー演習場、ベラルーシのブレスツキー演習場、ゴジュスキー演習場、オブズ・レセノフスキー演習場で実施された。参加兵力はカリーニングラード特別区での演習がロシア軍9400名、ベラルーシ軍200名、戦車10両、航空機40機、艦船10隻、ベラルーシでの演習がロシア軍2520名、ベラルーシ軍10000名、戦車70両、火砲50門、航空機50機。長距離機動で演習場に展開し、9月20-22日に実動フェーズ第１段階（CSTO地域集団軍合同司令部創設、部隊展開配備など）、9月23-26日に第２段階（対テロ戦による情勢安定化）が行われた。参考：月刊軍事研究12,’13

＜ザーパド２０１７＞：ロシア軍が2017年9月14-20日に実施した秋期大演習「西方2017」。ロシア軍とベラルーシ軍から人員12700名（ロシア5500名、ベラルーシ7200名）、装甲戦闘車両680両（うち戦車250両、火砲200門）、航空機70機、艦船10隻が参加したと発表されたが、実際は数倍に上るらしい。関連する図上演習は3月に開始されている。近隣諸国では演習ついでにロシアが攻めてくる説が流れ、リトアニアは国境沿いに高さ2mのフェンスまで立てた。ロシアのレニングラード州ルシュスキー演習場、プスコフ州ストゥルーギ・クラウスヌィエ演習場、カリーニングラードのプラヴディンスイー演習場、ベラルーシのレペリスキー演習場、ロスヴィド演習場、ボリソフスキー演習場、オシポヴィチェスキー演習場、ルジャンスキー演習場、ドマノフスキー演習場で行われ、カリーニングラードとベラルーシに外部の支援を受けた過激主義グループが侵入したという想定で、CSTO地域連合軍（西方連合）を編成して合同司令部を設置、部隊を活動地域に展開して武装勢力を孤立させ、航空作戦と黒海艦隊による海上封鎖で武装勢力の補給路遮断・脱出阻止を行い、特殊作戦で武装勢力を殲滅し情勢を安定化させる流れを演練した。同時期に中央・南部・東部軍管区、北洋艦隊、黒海艦隊でも演習が行われ、RS-24ICBMやTu-160爆撃機搭載巡航ミサイルの発射実験も実施されている。参考：月刊軍事研究12,’17

＜サーバル＞：フランス陸軍４×４輪軽量多目的装甲偵察車両（VBMR）。名称は砂漠に住むネコ科動物と、2012-14年のマリ内戦介入で戦闘を行ったセルバールに由来するもので、日本のアニメに造詣の深いフランスが監督降板に抗議して命名した訳では決して無い（何の話だ）。重量15トン。2017年11月に開発元がネクスター社に決定した。2025年までに400両を納入する予定で、それ以降更に578両を追加する。参考：月刊PANZER8,’18

＜サービスシューズ（アメリカ軍）＞：アメリカ軍の制服用短靴。全軍共通で、19世紀以来オックスフォード・スタイルの黒い牛革靴を使用しており、1970年代にはワックス掛けの手間を省くためにエナメル加工が施された。1990年代には見た目がオックスフォード・スタイルで、中身がスニーカーというシークレット・スニーカーが登場した。海兵隊将校に限り、くるぶしまでのチェッカ・ブーツや、紐でなくベルトで閉じるタイプを履くことが出来る。海軍では、航空関連隊員作業服用のブラウン・シューズ（航空関連以外は作業服でも黒を履く）や、将校夏服用の白いシューズが用意されている。参考：月刊丸8,’95

＜サービスステーション方式＞：戦線後方に弾薬トラック、タンカー、補給トラック、衛生班、整備班、捕虜収容区域、遺体安置業務地点を纏めて設け、そこを通り抜けながら再補給を行う方式。１個戦車中隊の再補給にかかる時間は60-90分と短く済むが、敵襲を受けると非常に危険である。参考：月刊軍事研究8,’03

＜サービスストライプ（アメリカ陸軍）＞：通称スリー・イヤーズ・サービス・ストライプまたはハッシュマーク（Hash Mark、Hashmark）。下士官・兵に勤務３年につき１本与えられる線状のパッチで、左袖口に斜めに縫いつける。1881年には既に規定があり、戦争、戦闘、軍務の３種類が存在し、３年または５年に１本付けていた。1912年、軍務のみ・期間３年のみになった。1926年の規定では軍と州兵で別々のものになっていたが、第２次大戦時は州兵が軍に編入されたため、軍で３年服務した州兵は軍のサービスストライプを受章されている。参考：月刊コンバットマガジン11,’03、7,’06

＜サービス・モデル＞：拳銃・ライフルの軍用モデルのこと。参考：GUN用語事典

＜サーフ＞：P239（潜水艦）を参照。

＜サーブ＞：R-21（SLBM）またはR-27シリーズ（SLBM）を参照。

＜サーブ＞：Svenska Aeroplan AB（スウェーデン航空機会社）の略。スウェーデン王国が中立の維持に必要な軍備を整えるため1936年に設立を決定した国防産業会社で、1937年4月にトロルヘッタンに本社を創設した。Ju86K爆撃機（スウェーデン軍名称B-3）及びノースロップN-8A-1急降下爆撃機（スウェーデン軍名称B-5）のライセンス生産から開始し、1939年にもう１つのスウェーデン航空機メーカーだったABJA（AB　Svenska Jarnvagsverkstadernas）を買収して国産のB17/B18爆撃機を完成させている。1943年にはJ22戦闘機の量産とJ21戦闘機の開発が始まった。戦後はジェット機のJ21R、J29、サーブ32、サーブ35を開発。以降はジェット戦闘機に奇数番号を付けることになり、サーブ37、JAS39を開発した。また、1949年からは自動車も生産している。1968年、スカニアと合併してサーブ・スカニア社になったが、1991年にサーブがインベスター社に買収されて1995年にサーブとスカニアが分割された。その後自動車部門をアメリカのジェネラル・モーターズに売却し、民間機部門を廃止、軍事メイン（８割くらい）の総合企業となっている。2000年、セルシウスを買収し、セルシウス傘下ボフォース社の重火器・火砲部門をユナイテッド・ディフェンスに売却、その他の兵器部門はサーブ・ボフォース・ダイナミクス（後にサーブ・ダイナミクス）が引き継いだ。2006年、エリクソン・マイクロウェーブを買収し、サーブ・マイクロウェーブ・システムズ社とした。2010年、サーブ・マイクロウェーブ・システムズ社をサーブ社の一部門とした。2014年7月、コックムス社を買収してサーブ・コックムス社とした。2015年、サーブ・インターナショナルAB日本支社が設立された。参考：月刊航空ファン8,’16、月刊JWings11,’12、月刊軍事研究11,’08、1,’16、1,’17、1,’18

＜サーブ１７＞：B17（爆撃機）を参照。

＜サーブ１８＞：B18シリーズ（爆撃機）を参照。

＜サーブ２１＞：J21シリーズ（戦闘機）を参照。

＜サーブ２９＞：J29シリーズ（戦闘機）を参照。

＜サーブ３２／Ａ３２シリーズ＞：スウェーデン空軍国産複座ジェット攻撃機、別名ランセン（Lansen、槍）。原型機は1952年11月3日に初飛行、1955年に実戦配備され、各型計450機が生産された。1997年に退役した。参考：月刊JWings5,’05、8,'20、3,'23、月刊軍事研究10,’02

　＜Ａ３２Ａ＞：主任務はソ連水上艦攻撃である。ロールスロイス社製エイボン・エンジンをライセンス生産したRM5を機体後部に１基搭載し、空気取り入れ口は機体前方両脇に開口する。主翼は後退角39度。PN-50A/-51A航法レーダー、PS-43A偵察レーダー、PH-11A電波高度計、BT9爆撃・ロケット射撃用コンピュータを装備する。コクピットはタンデム複座。全長14.9m、全幅13m、全高4.65m、自重7.5トン、総重量13.6トン。エンジンはスベンスカRM5A（ミリタリー推力3.6トン、A/B時4.5トン）、最大速度1125km、実用上昇限度15000m、最大航続距離1850km。固定武装は機首下部の20mm機関砲４門。主翼下パイロンに18cmロケット弾12発または13.5cmロケット弾24発、250kg爆弾４発または600kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。1955-57年に287機が生産された。1960年からはRb04C空対艦ミサイル２発を搭載・運用可能となっている。参考：月刊JWings5,’05、月刊軍事研究10,’02、月刊航空ファン2,’11

＜サーブ３２／Ａ３２ファミリー＞

　＜Ｊ３２Ｂ＞：全天候戦闘攻撃機型。エンジンを出力５割増しのRM6A（RB90エイボンMk47A。ミリタリー推力５トン、A/B時6.52トン）に換装し、エアインテイク形状を改良、固定武装を30mmアデン砲４門に換え、PS-42測距レーダー、S6全天候射撃照準装置兼火器管制装置、リアー自動操縦装置、ヒューズ赤外線センサーなどを装備した。Rb24サイドワインダー４発、ロケットポッド４基（7.5cmロケット弾19連装または13.5cmロケット弾24連装）、空対地・空対艦ミサイルを搭載できる。1957年1月7日に初飛行し、1958年から部隊配備され、1960年4月までに111機が生産された。練習機や標的曳航機としても使用され、1997年まで現役にあり、退役後も放射性物質サンプリングポッドを搭載して調査任務に使用されている。参考：月刊JWings5,’05、月刊軍事研究10,’02、月刊航空ファン2,’11

　＜Ｓ３２Ｃ＞：偵察機型。A32Aの機首を再設計し、PS-431/A偵察レーダーとカメラ５基を搭載した。主翼下には照明弾12発を装備する。1957年3月26日に初飛行し、44機が生産されて1960年から部隊配備された。参考：月刊JWings5,’05、月刊軍事研究10,’02

＜サーブ３５／Ｊ３５シリーズ＞：スウェーデン空軍国産迎撃戦闘機。機体形状からドラケン（Draken。竜・凧）と呼ばれる。軍配にも似ている。高度11000mを亜音速で飛来する爆撃機を迎撃する超音速戦闘機として1949年から開発し、1950年5月から実験機リルドラケン（小竜・小型凧）を製作、1952年1月21日に初飛行し、1953年からドラケンの試作に移り、1955年10月25日に初飛行、1956年に制式採用した。運用構想も並行して策定し、1958年にBAS60として採用している。1972年までに612機（606機？615機？）が生産され、うち87機が輸出向けだった。参考：月刊軍事研究10,’02、月刊エアワールド10,’03、月刊JWings2,’20、8,’20

　＜Ｊ３５Ａ＞：前生産型。道路で運用できるSTOL性能と、迎撃に必要な高速性能を両立させるため、主翼はダブルデルタ翼とした。胴体のほぼ全長にわたる翼弦を持ち（水平尾翼は無い）、前方は中翼配置、後方は低翼配置となっている。内翼部の前縁後退角は80度で、胴体と一体構造になっており、主翼というよりストレーキと言った方が通りが良い感じである。前縁にエアインテイクが開口し、燃料タンク、主脚収容部、パイロン取り付け部としても利用されている。外翼部は前縁後退角57度の薄翼で、ここにもパイロンが取り付けてある。また、外翼部を外せば道路上をトレーラーで移動できる幅（4.4m）になる。中期生産型までは１機ずつ微妙に機体仕様が異なっており、アフターバーナー無しのRM5Aエンジンを搭載していたが、63機目で漸く仕様が固まり、エンジンをロールスロイス社製エイボンのライセンス生産型とし、加速と上昇力を重視した。このエイボン搭載型はモデル66アフターバーナーを装着しているため、尾部が0.8m長く、引き込み式の尾輪を追加した。機首にはレーダーを持つ。無装備離陸重量11.4トン、最大離陸重量15トン。エンジンはSFA　RM6B（ミリタリー推力5.8トン、A/B時推力８トン）単発、最大速度マッハ２、上昇限度55000フィート（16764m）以上、戦闘行動半径635km。乗員１名。90機が生産され、1960年3月から実戦配備された。参考：月刊JWings12,’06、8,'20、世界の軍用機1979、1982、月刊軍事研究10,’02、軍事力バランス78年版、月刊航空ファン2,’17

　＜Ｊ３５Ｂ＞：改良型。防空能力向上型で、STRIL60半自動防空システムとのインターフェースを追加した。最大速度マッハ1.8。固定武装は30mm機関砲２門。Rb24サイドワインダー、75mm空対空ロケット弾、135mm空対地ロケット弾、250kg爆弾を搭載可能。1959年11月29日に開発され、73機（77機？89機？）が生産された。参考：月刊JWings12,’06、月刊軍事研究10,’02

　＜Ｊ３５Ｄ＞：エンジンをエイボン300シリーズ（RM6C）に換装し、最大速度マッハ２に向上させたもの。1960年12月27日に初飛行し、120機が生産された。参考：月刊軍事研究10,’02、月刊JWings5,’05、12,’06

　＜Ｊ３５Ｆ＞：S7火器管制装置とエリクソン製レーダーを搭載し、HM55/58ファルコン空対空ミサイルを装備可能としたもので、防空システムとのインターフェースも改良した。ファルコン用電子機器を搭載したため、左側の機関砲を撤去している。キャノピー形状も改良され、視界が改善した。機首下面にIRSTを装備する。胴体後部上下左右にスピードブレーキがあり、胴体後部下面には大迎角での着陸時に胴体を擦らないように引き込み式の尾輪を持つ。主翼後縁には内翼・外翼共にエレボンが付く。垂直尾翼付け根にドラッグ・シュートがあり、着陸距離は600mで済む。全長14.28m、全幅9.42m、全高3.89m、自重7.71トン、総重量11.4トン、離陸重量19.7トン。翼面積49.2平方メートル。エンジンはフライグモーターRM6C（ミリタリー推力13トン、A/B時推力18トン）単発、最大速度マッハ２（クリーン状態、高度12200m）／マッハ1.8（空対空ミサイル４発、高度12200m）、実用上昇限度18500m、航続距離1755海里、戦闘行動半径540海里（Hi-Lo-Hi、増槽２本）。固定武装は30mm機関砲１門（90発）。ハードポイントは５カ所で、Rb27空対空ミサイル、Rb28空対空ミサイル、爆弾など2.5トンを搭載可能。乗員１名。208機が生産され、1965年から部隊配備された。参考：世界の軍用機1979、月刊JWings12,’06、空軍、月刊軍事研究10,’02

　＜Ｊ３５Ｆ−�U＞：J35Fに赤外線センサーを搭載したもの。参考：月刊JWings5,’05

　＜Ｊ３５Ｊ＞：J35Fの能力向上・寿命延長型。J35Fから64機が改造され、1990年代末期まで運用された。参考：月刊軍事研究10,’02、月刊JWings5,’05、12,’06

＜サーブ３５／Ｊ３５ファミリー＞

　＜Ｓ３５Ｅ＞：戦術偵察機型。J35Dベースで、機首のレーダーと内翼の機関砲を外し、偵察カメラをそれぞれ５基と２基装備した。全長15.35m、全幅9.4m、総重量11.4-15トン。翼面積49.2平方メートル。エンジンはRM6C（ミリタリー推力5.8トン、A/B時推力８トン）単発、最大速度マッハ２、実用上昇限度18500m、戦闘行動半径300-500海里（増槽２基）、航続距離1530海里。乗員１名。1963年6月27日に初飛行し、31機（32機？）が生産され、J35Dから28機（27機？）が改修された。参考：空軍、月刊軍事研究10,’02、月刊JWings12,’06

　＜Ｓｋ３５Ｃ＞：複座練習機型。J35Aベースで、迎撃レーダーを外して機首にバラストを詰め込んでいるが、対地攻撃は可能である。後席から直接前が見えないので、キャノピー上に突き出したペリスコープを使う。J35Aから25機が改造された。参考：月刊JWings12,’06、月刊軍事研究10,’02、月刊航空ファン2,’17、12,’17

＜サーブ３５／Ｊ３５海外シリーズ＞

　＜Ｆ−３５＞：デンマーク空軍戦闘機。1970年から配備し、1993年に退役した。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜Ｊ３５Ö＞：オーストリア空軍戦闘機。J35Dを1987年に採用したもので、1988年に24機を中古で購入した。10年で後継機と交代する予定だったが、後継機選定に手間取り、EF2000に後を譲って2005年に退役している。参考：月刊航空ファン7,’16、月刊JWings5,’05

　＜サーブ３５／Ｊ３５（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍戦闘機。1972-77年にJ35B/C/F型33機（うち12機はライセンス生産）を配備した。1980年代にJ35C/F型18機を追加採用しており、2007年頃まで使用予定。参考：月刊軍事研究10,’02

＜サーブ３５／Ｊ３５海外ファミリー＞

　＜ＲＦ−３５＞：デンマーク空軍偵察機。S35Eを採用したものである。参考：空軍、月刊軍事研究10,’02

　＜ＴＦ−３５＞：デンマーク空軍複座攻撃機。デンマークの独自開発である。参考：月刊軍事研究10,’02

＜サーブ３７シリーズ＞：スウェーデン空軍攻撃／戦闘／偵察機、別名ビゲン（Viggen、電光）。サーブA32及びサーブJ35の後継として1952年からサーブ社が研究し、1962年に軍の要求仕様が出され、10月に正式な開発計画が結ばれた。1967年2月8日に初飛行し、1971年7月に量産型が引き渡されている。輸出はされていない。JAS39と交替して2005年に実戦部隊から全機退役した。参考：月刊軍事研究10,’02、11,’08、月刊JWings5,’15

　＜ＡＪ３７＞：攻撃機型。最優先で開発された。高速道路の直線補強部分500mを利用して運用できるよう、主翼は前縁後退角が二段になった低翼配置のダブルデルタ（後縁にエレボン付き）とし、離着陸時の仰え角を低減してアスファルトを溶かさないよう、中翼配置の前方カナード翼（後縁にフラップ付き）を備えるタンデムデルタ機とした。エンジンは逆噴射装置付きで、着陸距離を短縮している。着陸はTILSまたはGCAの誘導とAFCSを利用した自動方式で、全天候下で氷雪状態の滑走路にヘッドアップ15.5度で接地可能。垂直尾翼は背が高く、大仰え角でもラダーの効きは良好で、岩盤をくり抜いて作った戦時格納庫に収容できるよう折り畳み式にした。油圧作動系は二重で、非常動力源としてラムエアタービンを搭載する。全長15.45m／16.3m（ピトー管含む）、全幅10.6m、全高5.6m／4m（垂直尾翼折り畳み時）、自重10トン、総重量16.8トン。エンジンはフライグモーター製RM8Aターボファン（ミリタリー推力6.7トン、A/B時推力11.7トン）単発、最大速度マッハ２、戦闘速度マッハ1.6、戦闘行動半径600海里（標準兵装Hi-Lo-Hi）／300海里（Lo-Lo-Lo）。固定武装は無い。ハードポイントは胴体下３カ所＋主翼下４カ所＋追加２カ所で、Rb04/Rb05空対艦ミサイル、Rb28空対空ミサイル、爆弾など６トンを搭載できる。乗員１名。1971年7月から部隊配備された。参考：月刊軍事研究10,’02、4,’97、月刊JWings5,’05、8,'20、世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91、空軍

　＜ＡＪＳ３７＞：AJ37攻撃機、SF37偵察機、SH37哨戒機の仕様を共通化したもの。電子機器や通信装置などを改良し、防空、攻撃、戦闘の各任務に使用できるようになった。1991年5月から改修され、1993年から就役している。参考：月刊JWings5,’05

　＜ＪＡ３７＞：迎撃戦闘機型。迎撃用レーダー、空対空ミサイルと共に開発され、1968年に設計が完成したが、生産契約は1974年9月6日、初飛行は9月27日になった。主任務は超低空で侵攻する敵機を全天候下で迎撃することで、ルックダウン・シュートダウン能力のあるPS-46/Aパルス・ドップラー・レーダー、新型デジタルコンピュータ、HUD、新型慣性航法装置、胴体下面半埋め込み式30mmアデン機関砲を装備する。エンジン強化に伴い後部胴体が0.1m延び、垂直尾翼がやや高くなった。全長16.4m（機首プローブあり）／15.5m（無し）、全幅10.6m、全高5.9m、運用自重12.2トン、総重量16.8トン（空対空ミサイル２発）、最大総重量22.5トン。エンジンはボルボRM8Bターボファン（ミリタリー推力7.35トン、A/B時推力12.75トン）単発、最大速度マッハ2.1、戦闘行動半径216海里（迎撃）／260海里（対地攻撃）。固定武装は30mm機関砲KCA１門（150発）。スカイフラッシュ空対空ミサイル２発と赤外線誘導式空対空ミサイル２発を装備できる。乗員１名。量産型は1977年11月4日に完成し、1979年から部隊配備され、1990年までに149機が生産された。2004年までに退役した。参考：月刊軍事研究10,’02、月刊JWings12,’03、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982

　＜ＪＡ３７モードＤ＞：JAS39グリペン戦闘機と同等の通信設備・武器システムに換装したもの。AIM-120AMRAAM空対空ミサイルを搭載可能。2004年までに退役した。参考：月刊軍事研究10,’02、月刊JWings5,’05

　＜ＳＦ３７＞：写真偵察機型。機首のレーダーを外し、ノーズコーンを改設計して高々度用長焦点カメラ２基、低高度用広角斜めカメラ４基、VKR赤外線ラインスキャナを装備、コクピット下方に目視偵察用ペリスコープとECM検知装置を、胴体内にレーダー警戒受信装置とELINTレコーダーを搭載した。胴体側面には夜間偵察用の低空用赤外線カメラ３基とフラッシュの入ったポッドを装着し、自衛用に短射程空対空ミサイルとECMポッドを装備できる。データカメラとテープレコーダーも搭載しており、自機の航法データや目標距離・方位などを記録可能。全長15.45m、全幅10.6m、総重量16トン。エンジンはRM8Aターボファン（ミリタリー推力6.79トン、A/B時推力11.7トン）単発、最大速度マッハ２、戦闘行動半径600海里以上／300海里（Lo-Lo-Lo）。乗員１名。1973年5月21日に初飛行し、28機が生産されて1977年4月から配備された。参考：世界の軍用機1979、スパイ機、月刊軍事研究10,’02、月刊JWings5,’05

　＜ＳＨ３７＞：哨戒攻撃型。機首にLMエリクソン製マルチモード監視レーダーと電子戦装置を搭載し、SF37と同様の偵察カメラも装備している。胴体下面中央パイロンに増槽、胴体下面左パイロンに赤外線ラインスキャン／LLLTV収容ポッド、胴体下面右パイロンにレッドバロン偵察ポッドまたは長距離カメラポッド、主翼内側パイロンにパッシブ電子戦ポッドまたはアクティブ・ジャマー・ポッドを装着しての哨戒任務の他、空対艦ミサイルを搭載しての洋上哨戒に当たっていたとされる。1973年12月10日に初飛行し、1975年6月から配備された。生産数27機。参考：月刊JWings5,’05、スパイ機、月刊軍事研究10,’02、世界の軍用機1979

　＜ＳＫ３７＞：複座練習機型。前部胴体を設計し直してコクピット後方に操縦席を追加、レーダーと武装は外した。着陸時に後席が前方視界不良となるので、ペリスコープが付いている。1970年7月2日に初飛行し、1972年に就役した。参考：月刊軍事研究10,’02、月刊JWings5,’05、世界の軍用機1979

＜サーブ９１＞：スウェーデン空軍単発レシプロ練習機、別名サフィール（Safir、サファイア）。サーブ社が1940年代に開発した。オランダでライセンス生産もされ、計323機が製作されている。参考：月刊JWings8,’20

＜サーブ９１海外シリーズ＞

　＜Ｘ１Ｇシリーズ＞：X1Gシリーズ（実験機）を参照。

＜サーブ１０５＞：Sk60シリーズ（練習機）を参照。

＜サーブ３４０シリーズ＞：サーブ社製双発ターボプロップ機SAAB 340。元はフェアチャイルド社と共同開発し、1983年1月25日に初飛行、1984年5月15日に形式証明を取得したSF340で、1985年にサーブ社の単独事業となって改称された。サーブ社民間機部門の経営不振により、1999年半ばに量産が打ち切られた（パーツ供給は継続）が、それまでに459機が生産され、コミューター便や離島便として使用されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ、月刊軍事研究1,’17、4,’09

　＜サーブ３４０Ａ＞：最初の量産型で、1984年6月から引き渡された。胴体は直径2.3mの円形断面で、座席数35（標準）／37（最大）。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜サーブ３４０Ｂ＞：改良型。エンジンを強化してプロペラ直径を拡大、最大離陸重量を引き上げてペイロードと航続距離を増やした。機体構造材は金属製で、プロペラ、ドア、フロア、操縦翼面などに複合材を適用し、機体寿命45000時間・離着陸回数90000回を誇る。降着装置は前輪式で、主脚は主翼直付けのエンジンナセルに引き込む。巡航速度522km、航続距離1520km（乗客35名）。1989年に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜サーブ３４０Ｂ　Ｐｌｕｓ＞：改良型。1994年2月から開発され、1995年末にFAAの形式証明を取得した。キャビンインテリアをサーブ2000仕様に変更し、アクティブ・ノイズ・コントロールにより機内騒音を6dB減らしている。全長19.73m、全幅21.44m、全高6.97m、最大離陸重量13.155トン。エンジンはGE製CT7-9Bターボプロップ（1870軸馬力）双発、プロペラは複合材製４翅、巡航速度522km、航続距離1520km。乗員２名。座席数35-37。通算360機目以降が本仕様で、1995年末にカナダのカームエアで就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜サーブ３４０Ｂ−ＷＴ＞：SAAB 340B Plus with extended WingTipsの略。サーブ340B Plusの機体に空力学的改良を加え、主翼端を0.66m延長し、離陸性能を改善して最大ペイロードでの1200m滑走路運用や高温高地運用を可能とした。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サーブ３４０ファミリー＞

　＜Ｔｐ１００＞：Tp100（輸送機）を参照。

＜サーブ３４０早期警戒機＞：S-100Bを参照。

＜サーブ３４０海外ファミリー＞

　＜サーブ式ＳＡＡＢ　３４０Ｂ型＞：海上保安庁中型飛行機、公式略称サーブ340型。特殊警備隊SST用輸送機として導入した中古（サーブが事業見直しで1999年にサーブ340の生産を打ち切ったので新品は買えなかった）のサーブ340B Plusである。2007年に２機が就役した。参考：月刊世界の艦船7,’18、10,’20

　＜サーブ・スカニア式ＳＡＡＢ　３４０Ｂ型＞：海上保安庁中型飛行機、公式略称サーブ340型、サーブ社名称サーブ340B Plus SAR-200。サーブ340B Plusの胴体前部下面フェアリングに捜索レーダー、胴体下面に引き込み式自動追尾赤外線カメラ、胴体後部側面に物件投下口兼用大型ドアを追加したものである。全長19.7m、全幅22.75m、全高6.97m、自重8.488トン、最大離陸重量13.155トン。エンジンはターボプロップ（1870馬力）双発、巡航速度198ノット、最大速度250ノット、実用航続距離1840海里。最大搭乗者数27名。1997年に２機が就役した。参考：月刊世界の艦船7,’18、10,'20、世界航空機年鑑2018-2019

＜サーブ２０００＞：サーブ社の旅客機SAAB 2000。経済性の高いターボプロップ機でありながらターボジェット並の速度・上昇性能を持つ50席級旅客機というのがコンセプトで、原型初号機は1992年3月26日に初飛行し、1994年3月31日に形式証明を取得した。サーブ340がベースで、構造材にも複合材を適用して軽量化、胴体直径は2.3mのまま長さを7.3m延長して客席数を増やし、キャビン後方貨物室容積も3.4平方メートル増しの10.2平方メートルとした。主翼はアスペクト比をそのままに翼端を3.3m延長している。プロペラをダウティ製６翅に換装し、回転数を下げて騒音を抑制、アクティブ・ノイズ・コントロールも適用して機内騒音を78dBに抑えた。計器板はCRT６基によるグラス・コクピット。全長27.28m、全幅24.76m、全高7.73m、運航自重14.5トン、最大離陸重量23トン。エンジンはアリソン製AE-2100Aターボプロップ（4152軸馬力）双発、最大巡航速度685km、最大速度700km以上、実用上昇限度9450m、航続距離2400km。乗員２名。客席数50。1994年9月から就航したが、63機しか売れず、1999年に生産ラインが閉じた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究4,’09、1,’17

＜サーブ２０００ファミリー＞

　＜サーブ２０００ＡＥＷ＆Ｃ＞：AEW&C型。PS890エリアイ早期警戒レーダーを搭載し、内部にオペレーター席５席を設けた。2005年にパキスタンが６機を発注している。サウジアラビア空軍も２機を導入した。参考：月刊軍事研究4,’09、月刊JWings1,’21

＜サーブ２０００海外ファミリー＞

　＜サーブ２０００飛行点検機（日本）＞：国土交通省航空局飛行点検機。YS-11の後継で、1997年2月に採用を決めた。５機を導入する予定だったが、最初の２機を発注したところで生産打ち切りになったため、残る３機は別の機種を再選定している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サーブ２１０５＞：JAS39シリーズ（戦闘機）を参照。

＜サーファル＞：ドイツ陸軍特殊部隊用４輪軽歩兵機動車Serval。ラインメタル・ランドシステムズ社が開発した。メルセデス・ベンツ社製Ｇクラスワゴンをベースに装甲車体を架装している。参考：月刊航空ファン9,’16

＜サーフィス・ダクト現象＞：大気の状態によって高周波の電波が地表に沿って異常伝播する現象のこと。気温の逆転層が生じていると起きやすい。参考：月刊軍事研究10,’07

＜サーフィス・プロペラ＞：プロペラの下半分だけを水中に位置させたもの。シャフトやプロペラ付け根の大部分など、抵抗部分は水面上にある。スーパー・キャビテーティング・プロペラの一種で、高速モーターボートに使用されるが、波が高くなると使えない、振動が大きいのが欠点。参考：図解雑学　船のしくみ

＜サーブ式ＳＡＡＢ　３４０Ｂ型＞：サーブ340海外ファミリーを参照。

＜サーブ・スカニア式ＳＡＡＢ　３４０Ｂ型＞：サーブ340海外ファミリーを参照。

＜サーベイランナー＞：トピー工業が福島第一原発内部の放射線量測定用に開発した装軌式UGV。箱型車体の前部上面に21倍ズームカメラ、四周に俯瞰カメラ、中央のマスト上に線量計（地上高0.8m）を搭載しており、カメラは強い放射線下でも1000時間の運用に耐えられる。無線中継装置も装備していて、同時に運用している他の無線操縦式UGVが無線到達外に入ってしまった際の救出用としても使える。前脚フリッパー付きの装軌式走行装置を持ち、傾斜45度・幅0.7mの階段を昇降することが可能。防水能力はIP56（猛烈な雨にも抗堪）で、観測を終えて戻って来たらシャワーをかければ除染が終わる。全長505mm／755mm（前脚フリッパー展張時）、全幅510mm、全高830mm、総重量45kg。動力はリチウムイオン電池による電動モーター、運用速度2km、航続時間５時間。操縦は長さ400mの光ファイバーによる有線式。2011年10月から開発し、2012年3月には東電に貸与して運用を開始した。量産化すれば１両900万円程度で販売できるという。試料収集用アームを追加するなどの改良型も開発中。参考：朝雲

＜サー・ベディヴィア＞：L3004（補助艦隊車両輸送艦）を参照。

＜サーペンタイン・ロック＞：火縄銃の元祖。Ｓ字金具の一方に火縄を付け、もう一方を操作して発射薬に点火する方式の発火方式を持つ銃である。参考：GUN用語事典

＜サーボアナライザ＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜サーボ・タブ＞：タブを参照。

＜サーマル・シールド＞：アメリカ海軍核兵器搭載機のコクピットにある格納式ファイバーグラス板。射出座席上方に４分割で格納されており、核攻撃時に手動またはスイッチ操作（空気圧により0.2秒で展開する）で前方に延ばし、計器板上部の反射避けカバーに固定、核爆発時の閃光から乗員の目を守る。参考：月刊エアワールド8,’05

＜サーマル・ジャケット＞：サーマル・スリーブを参照。

＜サーマル・スリーブ＞：砲身被筒、サーマル・ジャケットともいう。素材はアルミ合金やFRPなどで、砲身周囲に被せることで砲身全体の温度を均一に保ち、砲身の局所的な熱膨張による命中精度低下を防ぐ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜サーミスタ・パワー・メータ＞：自衛隊の機器。キーサイトテクノロジー製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜サーモバリック弾＞：燃料気化爆弾を参照。

＜サーモン＞：N65（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはSS-19（Ｄ級潜水艦）またはSS-182（新Ｓ型潜水艦グループ１）またはSSR-573（セイルフィッシュ級潜水艦）またはXFV-1（VTOL機）を参照。

＜サー・ラモラク＞：L3532（揚陸艦）を参照。

＜サー・ランスロット＞：L3029（揚陸艦）を参照。

＜サー・ランスロット級＞：イギリス海軍補給揚陸艦Sir Lancelot級、別名ラウンド・テーブル（Round Table）型。元はイギリス陸軍向けに建造された艦で、1970年からイギリス王国艦隊補助部隊RFAが運用した。船型は船首尾楼型で、船尾楼前端に艦橋、その後ろに煙突がある。艦内に全通車両甲板を持ち、前後のランプから揚陸させることが可能。ウエルデッキと後甲板はヘリ甲板で、ヘリコプターによる強襲上陸も行える。全長125.1m、幅19.6m、吃水4.3m、満載排水量5674トン。主機はディーゼル、出力9400馬力、速力17ノット。有事に40mm機関砲２門を装備する。上陸部隊340名、戦車16両を搭載可能。L3027サー・ゲライント、L3029サー・ランスロット、L-3036サー・パーシヴァル、L-3505サー・トリストラム、L-3005サー・ガラハド、L3004サー・ベディヴィアの６隻が1964-68年に就役した。フォークランド紛争でL-3005サー・ガラハドが沈没、L-3505サー・トリストラムが被弾している。参考：月刊世界の艦船5,’83、11,’19、12,’12、月刊丸12,’90、ミリタリー・バランス1989-1990

＜サー・ランスロット級・海外シリーズ＞

　＜サー・ランスロット級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍揚陸艦。L3004サー・ベディヴィアを購入し、2009年にG25アルミランテ・サボイアとして就役させた。全長134.4m、満載排水量6748トン。主機はディーゼル、速力17ノット。ヘリ１機、戦車18両、その他車両34両、兵員340名を搭載可能。参考：月刊世界の艦船12,’12、4,'20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サーリ級＞：イギリス海軍重巡洋艦Surrey級。1928-29年度計画で建造が予定された10000トン型重巡で、ノーフォーク級の防御力改善型である。機関出力が減ったため、速力も低くなった。基準排水量10000トン。機関出力60000馬力、速力30ノット。兵装は20.3cm連装砲４基、10.2cm連装高角砲４基、533mm魚雷４連装発射管２基。水上偵察機２機を搭載する。サーリとノーサンバーランドの２隻が発注されたが、起工前にキャンセルされた。参考：近代巡洋艦史

＜サーリヒレイス＞：F246（フリゲート）を参照。

＜ザール＞：ドイツ海軍ザール級潜水母艦。1933年起工、1934年進水、1934年竣工。1945年、バルト海で宿泊艦として使用されるようになった。第２次大戦終結後はアメリカに引き渡され、更にフランスに引き渡されてグスタヴ・ゼデとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜サール級＞：イスラエル海軍ミサイル艇。1965年にリュールセン社に設計を依頼し、1967年からフランスのCMN社で12隻が建造された。全長44.9m、排水量250トン。速力40ノット。兵装には各種バリエーションがあり、ミサイル艇の他、砲艇や魚雷艇としても使用できる。ミサイル艇ではガブリエル�T対艦ミサイル３連装旋回式発射機２基＋単装固定式発射機２基＋40mm機関砲１門、ガブリエル�T対艦ミサイル３連装旋回式発射機２基＋76mm砲１門、ガブリエル�T対艦ミサイル３連装旋回式発射機１基＋単装固定式発射機２基＋40mm機関砲２門という組み合わせから選択する。最後の５隻は進水後にフランスの禁輸措置によって引き渡しを拒否されたが、1969年12月25日夜にイスラエル人が乗り込んでノルウェー旗を掲げシェルブールから脱出、12月31日にイスラエルに着いた。第４次中東戦争でシリアやエジプトのミサイル艇を相手に奮戦している。参考：月刊丸12,’92

＜ザール級＞：ドイツ海軍潜水母艦。全長100.5m、幅13.5m、平均吃水4.29m、基準排水量2710トン。機関出力4800馬力、速力18.3ノット。兵装は10.5cm高角砲３門、20mm機関砲８門。ザールが1934年に竣工した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜サール�T型＞：イスラエル海軍砲艇Saar�T型。後にサール�U型仕様に改装された。参考：月刊世界の艦船9,’22

＜サール�U型＞：イスラエル海軍ミサイル艇Saar�U型。サール�T型砲艇にガブリエルMk1艦対艦ミサイルを搭載したものである。全長44.9m、満載排水量250トン。主機はディーゼル、速力42ノット。兵装はガブリエルMk1艦対艦ミサイル単装発射筒２基（前甲板両舷）、同３連装発射筒１基（後甲板）。３隻が1968年に就役した。参考：月刊世界の艦船9,’22

＜サール４型＞：イスラエル海軍ミサイル艇Sa’ar 4型、別名レシェフ（Reshef）級。イスラエル国産の大型ミサイル艇で、サール級の拡大改良型である。全長58m、基準排水量415トン。主機はディーゼル、速力32ノット、航続距離4000海里（17.5ノット）。兵装は76mm単装砲２門、20mm機関砲２門、ガブリエル艦対艦ミサイル5-8発。相手の対応を困難にするため、ハープーン艦対艦ミサイル2-4発を混載することも多い。1973-80年にヤッフォなど９隻（８隻？）が竣工した。2015年現在の兵装は以下の通り。ガブリエル�U艦対艦ミサイル単装発射筒4-6基、RGM-84Cハープーン艦対艦ミサイル連装または４連装発射筒Mk140が１基、324mm短魚雷３連装発射管２基、ファランクス１基。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、月刊丸12,’92、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サール４型・海外シリーズ＞

　＜ナンディミスラ級＞：ナンディミスラ級を参照。

　＜サール４型（チリ海軍）＞：チリ海軍ミサイル艇、別名Casma級。兵装はガブリエル�T艦対艦ミサイル発射筒４基、76mm砲２門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サール４型（南アフリカ海軍）＞：南アフリカ海軍ミサイル艇、別名ジャン・スマッツ級。兵装はガブリエル艦対艦ミサイル発射筒６基。2015年にはミサイルを外して76mm砲１門のみとなっている。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サール４．５型＞：イスラエル海軍ミサイル艇Sa’ar4.5型、別名Hetz型。ヘリ格納庫に傾斜が付けられており、ステルス性を考慮したともいわれるが、船体や上構は垂直なので、偶然かもしれない。兵装はガブリエル�U艦対艦ミサイル単装発射筒６基、RGM-84Cハープーン艦対艦ミサイル連装発射筒Mk140が２基、バラク１艦対空ミサイル用Mk56垂直発射機16-32セル１基、バルカン砲１基、タイフーン機関砲１基、76mm砲１門。８隻が1980年から竣工した。レーダーをIAI社製EL/M2258に換装する予定。参考：月刊丸2,’07、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究10,’14

＜サール５型＞：イスラエル海軍コルベットSa’ar5型、別名エイラート（Eilat）級。船体はステルス性を考慮しており、上構は全て傾斜平面で構成されている。エルタ社製EL/M2248MF-STARを装備する。全長85.6m、全幅11.9m、吃水10.5m（3.2m？）、基準排水量（満載排水量？）1275-1295トン。主機はCODOG方式、出力30000馬力、２軸推進、速力33ノット、航続距離6500km（17ノット）。兵装はRGM-84Cハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk140が２基、ガブリエル艦対艦ミサイル単装発射筒８基、バラク１艦対空ミサイル用32セルVLS２基、76mm単装砲１門、20mmCIWSシー・バルカン１基、324mm短魚雷Mk46用３連装発射管Mk32が２基。AS565SA対潜ヘリ１機を搭載できる。乗員64名＋航空要員10名。エイラート、ラハヴ、ハニトの３隻が1994年から就役した。シリアが投入した3K55ヤホント対艦ミサイルに対抗するため、艦対空ミサイルをバラク８に、レーダーをEL/M-2258アルファ（アディル？）に換装する改装を行っており、2015年現在で１隻、2020年現在で２隻が改装済みである。残るラハヴはサール６型コルベット用EL/M-2248のテストベッドに使用された。参考：JShips Vol.24、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究10,’06、6,’14、2,'16、月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’05、11,’19、5,'20、月刊丸2,’07、JShips VOL.70

＜サール６型＞：イスラエル海軍コルベットSa’ar6型、別名マゲン（Magen）級。2015年にティッセンクルップ・マリン・システムズ社に発注した。ブラウンシュヴァイク級コルベットをベースに上構を再設計してヘリ格納庫を追加するなどしており、船型は長船首楼型で、ナックルラインより上の船体側面を逆傾斜にしてステルス性に配慮し、マストも前後共に傾斜平面構成の太いタワーマストとした。ただ艦中央の艦対艦ミサイル４連装発射筒４基は剥き出しで搭載されている。煙突は無く、船体中央から後部にかけての舷側に左右４カ所ずつ排気口（主機及びディーゼル補機用）がある。上構後端がヘリ格納庫、後甲板はヘリ甲板で、ヘリ格納庫上面後端にRHIBやコンテナを扱うためのステルス形状伸縮式クレーンを備える。EL/M-2248MF-STAR多機能レーダーを搭載し、アンテナは前部タワーマスト前面・両側面と後部タワーマスト後面にある。全長90.3m、幅13m、満載排水量1900トン。主機はディーゼル、速力26ノット。兵装は艦対艦ミサイル４連装発射筒４基（船体中央上面両舷に内向きで２×２）、バラク８艦対空ミサイル用32セルVLS１基（艦橋前方甲板室、前後４×左右８）、76mm単装砲１門（ステルス砲塔。前甲板）。SH-60Fヘリ１機を搭載可能。１番艦マゲン、２番艦オズ、３番艦アツマウト、４番艦ニツァホンの４隻が2020-21年に納入された。C-DOME（ミサイル20発）を追加予定で、2022年にマゲンから実射試験を行っている。参考：月刊世界の艦船4,'21、3,’20、1,’19、5,’19、8,’19、6,’20、2,’21、6,’21、10,’21、5,’22

＜サールズ・ライオン携帯式熱線暗視装置＞：オランダ陸軍の小銃用熱線暗視装置。STAIR Aを搭載し、2km先の車両を識別できる。参考：月刊PANZER1,’02

＜ザール・プティザ＞：K-12（爆撃機）を参照。

＜西安＞：106（駆逐艦）を参照。

＜サイーフ＞：253（フリゲート）を参照。

＜在イラン米国大使館占拠事件＞：イーグル・クロウ作戦を参照。

＜ザイール＞：元は1960年に独立したコンゴ共和国で、独立１週間後に軍が反乱を起こしてコンゴ動乱が発生、1965年にクーデターが起きてモブツ独裁政権が成立し、1971年に総合的脱植民地化政策として国名をザイールに変更した。その後30年以上に渡り独裁政権を維持してきたが、1990年以降は経済が低迷し、年平均2477%のインフレが発生。更に1994年に発生したルワンダ内戦で、ルワンダ共和国からザイール東部にフツ族武装勢力が流入し、ザイール国内のツチ系民族（政権側）に攻撃をかけ、これに反政府ゲリラ３派が合流したコンゴ・ザイール解放民主勢力連合ADFLが加勢し、1997年にモブツ政権は崩壊、国名はコンゴ民主共和国になった。参考：月刊軍事研究7,’05

＜ザイール海軍＞：

＜ザイール海軍（１９７７年）＞：兵力400名。上海級高速哨戒艇２隻、沿岸哨戒艇１隻、P4級魚雷艇３隻、スチュワート型河川哨戒艇11隻、スイフト級哨戒艇６隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ザイール海軍（１９８９年）＞：兵力1500名（うち海兵隊600名）。バナナ、ボマ、マタディ、キンシャサ、カレミエに基地がある。上海�U級哨戒艇４隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ザイール空軍＞：

＜ザイール空軍（１９７７年）＞：兵力3000名。ミラージュ�XＭ戦闘機14機、ミラージュ�XDM戦闘機３機、MB326GB攻撃機17機、AT-6G攻撃機８機、AT-28D攻撃機12機、C-130H輸送機８機、DHC-4A輸送機２機、DHC-5輸送機３機、DC-6輸送機２機、C-54輸送機４機、C-47輸送機８機、Mu-2輸送機２機、アルエート�Vヘリ15機、ピューマ23機、ベル47ヘリ７機、SF260MC練習機24機、T-6練習機15機、セスナA150練習機15機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ザイール空軍（１９８９年）＞：兵力2500名。ミラージュ�XＭ戦闘機７機、ミラージュ�XDM戦闘機１機、MB326K対ゲリラ戦機６機、AT-6G対ゲリラ戦機６機、BN-2輸送機１機、C-47輸送機８機、C-130H輸送機５機、DHC-5輸送機３機、MU-2J要人輸送機２機、AS-332ヘリ１機、SA-316ヘリ７機、SA-321要人輸送ヘリ１機、SA-330ヘリ９機、セスナ150練習機12機、セスナ310練習機９機、MB326GB練習機８機、SF260C練習機９機、ベル47練習ヘリ６機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ザイール陸軍＞：

＜ザイール陸軍（１９７７年）＞：兵力30000名。戦車大隊１個、機甲大隊２個、機械化大隊１個、歩兵大隊14個、空挺大隊５個、奇襲大隊２個、近衛大隊４個からなる。62式軽戦車60両、AML90装甲車44両、AML60装甲車122両、パナールM3偵察車、70mm/75mm/122mm/130mm榴弾砲、82mm/120mm迫撃砲、107mmロケットランチャー、57mm対戦車砲、75mm/106mm無反動砲、3M6対戦車ミサイル、20mm/37mm/40mm高射機関砲を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ザイール陸軍（１９８９年）＞：兵力22000名。軍管区３個、歩兵師団１個、特殊部隊師団１個、独立機甲旅団１個、独立歩兵旅団１個からなる。62式軽戦車50両、AML-60偵察車95両、AML-90偵察車60両、M-113装甲兵員輸送車12両、YW531装甲兵員輸送車12両、M-3装甲兵員輸送車60両、75mm砲M-116を30門、56式85mm砲20門、122mm砲M-1938/D-30を20門、60式122mm砲30門、59型130mm砲８門、63型107mm多連装ロケット20基、81mm迫撃砲、107mm迫撃砲M-30、120mm迫撃砲50門、57mm無反動砲M-18、75mm無反動砲M-20、106mm無反動砲M-40、107mm無反動砲、12.7mm/14.5mm対空機銃、20mm高射機関砲、37mm高射機関砲M-1939、60口径40mm高射機関砲を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜彩雲シリーズ＞：日本海軍高速艦上偵察機、略符号C6N、連合軍コードはマート（Myrt）。昭和15年頃から艦爆と艦攻の共通化方針が検討されるようになり、敵迎撃戦闘機も高性能化して従来通り艦攻に偵察任務を兼務させるのが困難になるとみられたため、偵察専門の高速艦上機として昭和16年9月2日に定められた16-19年度実用機試製計画で十六試艦上偵察機の名称で計画され、昭和17年1月30日に中島に正式に発注されて社内名称Ｎ五〇が付き、6月12日の16-19年度実用機試製計画改正で十七試艦上偵察機に改称された。昭和19年9月に制式化されたが、量産は4月、部隊配備は5月に始まっている。総生産数398機（463機？）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings9,’03、月刊丸3,'18別冊、2,’12別冊付録

　＜十七試艦上偵察機＞：要求は巡航速度389km、最大速度648.2km（高度6000m）、上昇力6000mまで８分以内、航続距離2778km（正規）／4630km（過荷時）で敵戦闘機を振り切って長駆の強行偵察を行うというもので、何よりも強力なエンジン（2000馬力級）が必要だったが、事前研究の段階では1000馬力級のエンジンしか無かったため、中島飛行機の設計技師はエンジン２基を胴体内にタンデムに配置し、延長軸で両主翼のプロペラを回すという特殊な方式を捻り出した。ちょうど大出力の誉エンジンの完成見込みが立ったため、通常の単発機とする計画に変更したが、初期型の誉二一型は1600馬力（高度6000m）と必要な出力より２割も少なく、機体設計の工夫で補うこととしている。最終的にはそれでも足りなかったため、推力式単排気管で解決した。胴体は誉の直径に合わせて絞り込み、胴体長はエレベーターに乗せられる11mという制限があるため方向舵ヒンジラインを前傾させている。外板は胴体・主翼とも厚板構造とし、飛行中に皺が生じることによる抗力増を予防した。重量増は鋲数の大幅減（工数減にも貢献）と所々に補強材を配置することで最小限に抑えている。主翼は付け根K151・翼端K159のＫシリーズ層流翼を採用、翼面荷重を高くして高速性能を発揮させつつ、スラット、ファウラーフラップ、フラッペロンといった高揚力装置と、低速時にも大推力を発揮できる大直径プロペラで、発着艦性能も確保した。主翼桁は超々ジュラルミンの押し出し材を機械工作で削り出し、強度を保ちつつ軽量化している。高揚力装置作動時に揚力中心の移動に伴う機首下げの力が働くので、水平安定板の取り付け角をフラッペロンとの連動で変更する装置を搭載した。主翼幅はエレベーターに収まる範囲にしたため折り畳み機構は無く、主翼内部は大型セミインテグラル・タンクとして航続距離を確保している。大直径プロペラの地上クリアランス確保のため主脚柱を長くする必要があったが、そのまま内側に引き込むと薄い主翼前縁から主脚柱がはみ出す上に胴体中央で左右の主輪がぶつかるので、主脚付け根を前後桁の間まで後退させつつ斜めにして引き込む方式にした。昭和17年7月11日に社内計画書が海軍の一般審査に合格して試作が開始され、昭和18年4月に初号機が完成、5月15日に社内初飛行し、10月に海軍飛行審査を開始、最大速度654kmを記録した。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜彩雲一一型＞：略符号C6N1。NK9K誉エンジンを搭載し、高速性を優先して主翼の小型化・層流翼の採用、胴体直径の絞り込み、直径3.5mの大直径プロペラ装備を行った。本来は誉二二型エンジンに４翅VDMプロペラを組み合わせる予定だったが、エンジンの開発が遅れたため、誉二一型エンジンと３翅ハミルトンプロペラの組み合わせに変更している。胴体は搭乗員３名と無線機、方向探知器、酸素瓶、後方機銃（7.92mm１丁）、カメラ、着艦装置などを詰め込むために細長いデザインとした。これでも要求速度に達しなかったため、推力式単排気管によりジェット効果を生み出すことで解決している。発着艦性能確保のため、ファウラー・フラップ、フラッペロン、油圧式手動主翼前縁スラットを装備した。自動操縦装置により定速直線飛行が行える。全長11.15m、全幅12.5m、全高3.96m、自重2875kg、全備重量4500kg、過荷時重量5274kg。翼面積25.5平方メートル（23.5平方メートル？）。エンジンは誉二一型空冷星型複列18気筒レシプロ（1990馬力）単発、巡航速度389km、最大速度619km（高度6100m。609km？）、実用上昇限度10740m、上昇力6000mまで８分９秒、航続距離3080km／過荷（増槽搭載）時5308km。武装は7.92mm旋回機銃１丁。長距離偵察時には胴体下に容量700リットルの統一増槽七型を装備可能。乗員３名（操縦員、偵察員、電信員）。398機が生産されたが、空母配備はされず、全て陸上運用された。量産化に際しての工作不良やパイロット技量低下などにより、量産機の実測平均最大速度は555.6kmに止まっている。昭和19年6月20日、硫黄島からマリアナ偵察に向かった横須賀航空隊所属機がアメリカ艦上機の追撃を受けたものの高速で振り切り、電信員が「我に追いつく敵戦闘機なし」の名言を打電したが、偵察自体は失敗で、調子に乗りすぎた電信員は懲罰を受けたらしい。終戦間際には増槽の代わりに魚雷や爆弾を搭載して艦攻を兼務させる計画が出された。戦後のアメリカによるテストでは高性能点火プラグとパフォーマンス価130のガソリンを使用して時速694.5kmを記録している。参考：歴史群像6,’14、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings9,’03、月刊丸3,'18別冊、続日本海軍よもやま物語、日本航空母艦史、月刊航空ファン6,’16、1,’18

　＜彩雲一一型改造夜間戦闘機＞：昭和19年11月に厚木の第304航空隊で20mm斜め銃２門を装備した機体、昭和20年6月に横須賀空実験部で五式三〇粍固定機銃１丁を斜めに取り付けた機体が少数生産され、B-29迎撃に用いられた。しかし、胴体構造が華奢で機動や発射反動に耐えられず、戦果は殆ど挙げられていない。参考：月刊JWings9,’03

　＜彩雲一二型＞：彩雲改ともいう。昭和20年2月に２機が完成し、7月に初飛行したが、そのまま終戦になった。参考：月刊航空ファン8,’16

＜崔瑩＞：981（駆逐艦）を参照。

＜サイエド１＞：S-75海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜サイエド２＞：イランの地対空ミサイルSayyad-2。RIM-66スタンダード１艦対空ミサイルの地対空版である。参考：月刊軍事研究2,’15

＜濟遠＞：日本海軍三等海防艦Saien。元は清国海軍北洋艦隊巡洋艦で、日清戦争終結に伴い明治28年に日本海軍に編入された。明治31年、三等海防艦に類別された。明治37年11月、双島湾外で触雷して沈没した。参考：月刊丸6,’14

＜在欧米海軍＞：USNAVEURを参照。

＜在欧米海兵隊＞：MARFOREURを参照。

＜在欧米空軍＞：USAFEを参照。

＜在欧米空軍−空軍アフリカ＞：USAFE-AFAFRICAを参照。

＜在欧米空軍暫定レンジレス訓練システム＞：AN/ASQ-T38シリーズを参照。

＜在欧米陸軍＞：USAREURを参照。

＜災害救難用特殊携帯無線機＞：自衛隊の無線機。東通電子またはネットコムセック製。参考：月刊軍事研究5,’08、3,’13

＜災害情報ネットワーク＞：災害時に公共機関以外の団体から各地域の情報を自衛隊に提供してもらい、初動対応に役立てるシステムで、隊友会や京都北都信金などが参加している。2005年に開始された。参考：朝雲

＜災害対処能力強化支援事業（ジブチ）＞：自衛隊がジブチ政府の要請で2016年度から３カ年の予定で実施している事業。ジブチ軍工兵部隊に対し、災害対処時に必要となる重機操作法を教育するものである。第１回は2017年1月8日から3月8日で、施設学校主力の11名がジブチで講義と実習の教育を行った。第２回は2017年10月21日から12月14日で、施設学校主力の11名がジブチ軍工兵10名に施設機械操作教育を実施した。第３回は2018年9月21日から12月16日で、施設科隊員13名がジブチ軍工兵に重機操作指導、教官要員教育、施設器材整備・維持指導などを行った。第４回は2019年10月19日から12月10日で、第５施設群12名がジブチ軍工兵に重機操作、教官要員練度評価、機械整備法の各教育を行った。第５回は2021年10月22日から12月24日で、第５施設群13名がジブチ軍工兵部隊に重機操作・整備教育を行った。参考：朝雲、MAMOR vol.135

＜災害派遣＞：自衛隊が大規模災害に対して派遣されること。警察予備隊発足時には規定が無く、初の災害派遣では警察の出向という用語を流用、保安庁になって災害派遣の用語が生まれた。根拠は自衛隊法第83条で、所轄大臣、都道府県知事、その他政令で定める者（海上保安庁長官、管区海上保安本部長、空港事務所長）は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、防衛大臣／防衛庁長官、方面総監、師団長、連隊長、駐屯地司令、航空総隊司令官、航空団司令、自衛艦隊司令官など防衛大臣／防衛庁長官又はその指定する者に、部隊等の派遣を要請することができる。防衛大臣又はその指定する者は、要請を受け、事態やむを得ないと認める場合には、各部隊等に派遣命令を出して部隊等を救援のため派遣することができる。大規模地震対策特別措置法第11条第１項に規定する地震災害警戒本部長からの同法第13条第２項の規定による要請や、原子力災害対策特別措置法第17条第１項に規定する原子力災害対策本部長からの同法第20条第４項の規定による要請があった場合にも、防衛大臣が部隊等を支援のため派遣できる。1995年1月の阪神淡路大震災における反省を元に、災害派遣が自衛隊の付随的任務から自衛隊法第６章第83条に基づく本来任務（従たる任務）に格上げされ、大規模災害では防衛庁長官／防衛大臣が災害派遣命令を発出できるようにすると共に、市町村長が都道府県知事などに災害派遣要請を出すよう要求できるようになり、緊急を要する場合には直接派遣要請を出すことも可能となった。また、知事などが派遣要請を出す際に必要な事項も簡略化されている。災害対策基本法も改正され、従来は自衛隊法第94条に基づく警職法一部準用で警察官がその場にいない時に限り人命・身体・財産に対する危害防止や救出のため警告・避難等の措置や土地建物への立ち入りができるだけだったのが、警戒区域を設定しての立ち入り制限・禁止・退去、警察官がいない場合に限り妨害車両等の移動等の措置（ただし交通統制はできない）、市町村長がその場にいない場合に限り災害発生・拡大防止のための応急措置の実施を容易にする措置（土地建物や工作物などの一時使用、物件の使用・収用、支障物除去、現場にいる者の業務への従事など）の権限が追加された。三等海曹以上の海上自衛官は、海上保安庁法第16条の規定を職務の執行に準用される。軍隊組織が要請だけで隊員と装備品により活動を行うものであり、決して便利屋代わりに使って良いものではなく、災害派遣を行うかどうかは、公共性（本来、国または地方公共団体が実施すべき内容である）、緊急性（生命に関わるなど、即時に行う必要がある）、非代替性（他の団体や組織では実行不可能である）を厳正に総合判断して決める。自衛隊法第83条２で自主派遣（天災地変その他災害で特に緊急事態と認められる際には要請を待たず派遣。震度５弱以上の地震が発生した際の情報収集、緊急を要する救援など）、第83条３で近傍派遣（防衛省の施設やその近傍で火災その他の災害が発生した場合に部隊等の長が派遣）も可能で、1985年の日航ジャンボ機墜落事故では、運輸大臣や知事の要請を待たずに出動した。終わる時は派遣要請を出した者が撤収要請を出し、それに基づいて撤収命令が出される。年間数百件行っており、海外では国際緊急援助活動として実施する。天災での救難活動の他、消火や除雪、重油除去、急患輸送なども行う。陸上自衛隊の大隊以上の部隊は警備担当地区（連隊・大隊は警備隊区、師団は警備地区、方面隊は警備区域と称する）を持っており、まず担当部隊が出動し、人手不足の場合には隊長が増援を要請、逐次他の部隊が投入される。大災害（東海地震や関東南部巨大地震など）の場合には隣接方面隊や全国の施設科部隊が集中し、全力で対処する体制を整えている。海上自衛隊の航空群も担当区域を持っていて、北海道・東北の第２救難区は第２航空群、関東・東海の第４救難区は第４航空群、北陸・中国の第５救難区は第31航空群、九州の第７救難区は第１航空群、沖縄の第９救難区は第５航空群が担当する。阪神淡路大震災後は全国の三自衛隊が24時間態勢で初動部隊（ファスト・フォース）の待機を行っており、陸上自衛隊は隊員2810名、車両470両、航空機27機、不発弾処理部隊、化学防護部隊を60分待機させていて、海上自衛隊は地方総監部ごとに初動艦１隻と各基地で初動航空機（15分−２時間待機）計17機を指定、航空自衛隊は各基地に救難機計10機と緊急輸送機計３機を15分−２時間待機させている。震度５弱以上の地震が発生した場合には当該地域の三自衛隊は非常勤務態勢（震度６弱またはマグニチュード７以上なら第３種非常勤務態勢）となり、航空機などを自主派遣して情報収集を行い、官邸などに情報を伝達すると共に、必要があれば地方自治体に連絡幹部LO（Liaison Officer）を派遣する。首都直下地震では隊員11万名、海自艦艇60隻＋航空機50機、空自航空機70機を派遣する計画を立てていたが、東日本大震災ではそれを大きく上回る災害派遣を実施した。2005年度の実績は、件数892件（急患輸送609件、自然災害16件、捜索救助55件、消火支援147件、その他65件）、2006年度の実績は、件数812件（自然災害24件、急患輸送579件、捜索救助46件、消火支援117件、その他46件）だった。2007年度の実績は、件数679件（自然災害９件、急患輸送467件、捜索救助40件、消火支援120件、その他43件）だった。2008年度の実績は、件数606件（自然災害６件、急患輸送424件、捜索救助38件、消火支援95件、その他43件）、延べ派遣人数41191名、車両9585両、航空機1410機、艦艇26隻だった。創設から2008年度末までの実績は、件数35900件、人員延べ774万名、車両延べ108万台以上、航空機延べ７万機以上、艦船延べ12100隻である。うち海上自衛隊は11900件、962000名、6500両、16900機、12100隻。2009年度の実績は、派遣件数559件（自然災害11件、急患輸送353件、捜索救助48件、消火支援86件、その他61件）、人員延べ33700名、車両延べ3909両、航空機延べ885機、艦艇延べ126隻であった。2010年度の実績は、件数529件（自然災害15件、急患輸送414件、捜索救助27件、消火支援60件、その他13件）、人員延べ39646名、車両延べ6637両、航空機延べ649機、艦艇延べ２隻であった。2011年度の実績は、東日本大震災を除くと586件、人員延べ43494名、車両延べ12177両、航空機延べ968機、艦艇数延べ２隻だった。同年度の東日本大震災（2011年4月1日から12月26日）における実績は、人員延べ8787370名、航空機延べ49062機、艦船延べ3783隻だった。2012年度の実績は、件数520件（急患輸送410件、風水害・地震等６件、捜索救助26件、消火支援62件、その他16件）、派遣人員延べ12410名、車両延べ2068両、航空機延べ684機、艦艇延べ１隻だった。2013年度の実績は、件数555件（急患輸送401件、風水害・地震等23件、捜索救助25件、消火支援93、その他13件）、派遣人員延べ89049名、車両延べ7949両、航空機延べ1255機、艦船延べ51隻だった。2014年度の実績は、件数521件（急患輸送407件、風水害・地震等13件、捜索救助17件、消火支援73件、その他11件）、延べ派遣人員66267名（広島県土砂災害・御嶽山噴火計46462名、その他災害4060名、急患輸送6060名、消火支援7285名、捜索救助1457名、その他4764名）、車両9621両、航空機1232機だった。2015年度の実績は、件数541件（急患輸送419件、消火支援61件、捜索救助22件、風水害・地震など13件、その他26件）、派遣人員延べ30035名だった。2016年度の実績は、件数516件（急患輸送409件、消火支援57件、捜索救助25件、風水害・地震など11件、その他14件）、派遣人員延べ85万名（うち熊本地震814000名、その他33123名）だった。2017年度の実績は、件数501件（急患輸送401件、消火支援66件、捜索救助16件、風水害・地震など５件、その他13件）、派遣人数延べ105788名（うち九州北部豪雨81950名、消火支援11073名、福井県大雪4960名）だった。2018年度の実績は、件数443件（急患輸送334件、消火活動49件、捜索救難17件、風水害・地震17件、その他26件）、派遣人数延べ119万名（うち西日本豪雨957000名、北海道胆振東部地震211000名、特定家畜伝染病・豚コレラ6200名）だった。2019年度の実績は、件数449件（急患輸送365件、消火活動46件、捜索救助12件、風水害・地震７件、その他19件）、派遣人数延べ106万名（うち台風19号88万名、台風15号96000名、九州北部豪雨32000名、新型コロナウイルス20000名）だった。2020年度の実績は、件数531件（うち新型コロナウイルス関連含む急患輸送349件、急患輸送以外の新型コロナウイルス関連97件、消火活動33件、鳥インフルエンザ対応28件、風水害・地震等11件、捜索救助７件、偵察活動４件、豚熱対応２件）、派遣人数延べ43万名（新型コロナウイルス関連12400名）だった。参考：月刊航空ファン6,’11、11,’15、11,’16、MAMOR vol.100、vol.104、兵器最先端５、月刊JWings5,’05、6,’15、8,’11、日本の戦力、月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船8,’10、8,’12、8,’13、9,’14、月刊軍事研究4,’17、朝雲

＜災害派遣（実例）＞：警察予備隊時代の1951年10月20日、ルース台風で初の災害派遣（当時は出向と称した）を実施。1954年9月26日の青函連絡船洞爺丸転覆・沈没事故で9月27日から10月11日に遭難者捜索のため館山航空隊が出動し、海自航空部隊初の災害派遣となった。1955年5月11-14日、宇高連絡船紫雲丸遭難で災害派遣を実施。7月、台風による名寄地区水害で災害派遣を実施。道北の電話幹線が切断されたため、電電公社旭川局長の依頼により天塩川を越えて有線を復旧させることになり、バズーカ砲の演習弾先端部に有線を引っかけて発射、復旧に成功した。1958年8月13-25日、伊豆沖で全日空機が墜落したため、遭難者捜索の災害派遣を実施。9月28日から10月10日、伊豆狩野川水害の被災者救援を実施。12月28日から1959年1月22日、奄美大島古仁屋の大火被災者救援を実施。1959年9月28日から12月5日、伊勢湾台風で災害派遣を実施。1960年5月24-30日、チリ地震津波で災害派遣を実施。12月30日、北陸豪雪で災害派遣を実施。1961年8月16-25日、四国・紀伊方面台風水害の災害派遣を実施。1962年8月24日から9月15日、三宅島噴火による島民避難に協力。1963年1月21日、三八豪雪で災害派遣を実施。1964年6月16日から7月4日、新潟地震で災害派遣を実施。1965年10月7日、マリアナ周辺海域で台風29号により避泊していた日本漁船７隻が遭難したため、10月9-22日に艦艇４隻とP2V-7哨戒機11機が海自初の海外災害派遣を実施。1966年2月4日から5月10日、羽田沖全日空機墜落事故で捜索救難を実施。11月13日から12月20日、松山沖全日空機墜落事故で捜索救難を実施。

1972年2月29日から3月1日、紀伊半島南沖でパナマ貨物船救難作業に第11護衛隊と対潜哨戒機が参加。1974年5月19日、伊豆沖地震で派遣され、延べ200万名派遣を達成した。11月、東京湾でLPGタンカー第十雄洋丸が貨物船と衝突して炎上漂流したため、実弾射撃で撃沈した。12月23日から1975年2月3日、三菱石油水島製油所重油流出事故で派遣された。1976年7月12-14日、伊豆南部集中豪雨で派遣された。9月11日から10月3日、小豆島台風被害で派遣された。1977年8月7日、有珠山噴火で派遣された。1978年1月14日、伊豆大島近海地震で派遣された。1983年5月26日から6月14日、日本海中部地震で派遣された。10月3-25日、三宅島噴火でAGB-5001ふじやAGB-5002しらせなどが派遣された。1985年8月12日、日航123便墜落事故で派遣された。1986年8月5日、台風10号による豪雨で小貝川や那珂川の堤防が決壊し、住宅多数が水没して住民が取り残されたため、茨城県知事から第７航空団に災害派遣要請が出された。百里救難隊、第501飛行隊、百里基地警務隊が救出や偵察を行い、8月7日1800に撤収した。11月21日から12月22日、三原山噴火に派遣された。1987年11月16-17日、三原山噴火で派遣された。

1990年11月、雲仙普賢岳噴火で災害派遣を実施、1658日にわたる長期派遣となった。1993年7月13日から8月10日、北海道南西沖地震で派遣された。8月1日から24日、九州豪雨・台風被害で派遣された。1995年1月17日、阪神淡路大震災で災害派遣を実施。1997年1月2日、ナホトカ号沈没事故で流出油回収のため海上自衛隊に災害派遣命令が出され、1月6日から2月24日に延べ艦船920隻、航空機220機、人員77222名で回収に当たった。4月8-14日、対馬沖で韓国タンカーが油流出事故を起こしたため派遣された。7月2-4日、東京湾でパナマ船籍タンカーが触礁し、油が流出したため、派遣された。

2000年4月8日から7月25日、北海道有珠山噴火で派遣（延べ海自艦艇100隻、海自航空機30機など）された。6月26日から7月2日、三宅島火山活動で派遣された。8月20日、三宅島噴火に対する災害派遣要請が出され、輸送艦LST-4153さつまとLST-4152おじかが陸自第１師団350名と車両50両を搭載して横須賀を出港し、翌日に三宅島に到着した。全島避難後も護衛艦１隻が8月27日まで警戒に当たっている。2001年3月24日1528頃、マグニチュード6.4の芸予地震が発生したため、航空機32機（うち海自機12機）で偵察を行い、翌日には支援船６隻（水船20号、曳船73号など）を離島に派遣して給水支援を行った。4月3日2357頃、静岡県中部を震源とする震度５強の地震が発生したため、航空機５機（うち海自機１機）で偵察を行った。8月10日から12月16日、ASR-403ちはやがえひめ丸引き揚げ協力の災害派遣に参加。2004年7月13日に発生した新潟・福島豪雨の災害派遣に参加。10月、台風23号に伴う災害派遣に参加。10月21日、水没したバスの天井に登って救助を待つ乗員乗客を海自ヘリで救出した。2006年8月26日、送水トンネル岩盤崩落に伴う呉・江田島の断水に際し、広島県知事から第13旅団と呉地方総監に災害派遣が要請され、LST-4001おおすみ、AOE-422とわだ、AOE-423ときわ、呉警備隊と佐世保警備隊の水船４隻などが9月11日まで給水活動を実施した。2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震で災害派遣を実施。救出作業中の松島救難隊UH-60J救難ヘリの前上方で報道ヘリがホバリングを続け、緊急離脱時の飛行ルートを塞いでダウンウォッシュを浴びせかけてきたため、自衛隊が強く抗議し、救助ヘリと報道ヘリの空域を明確に分ける紳士協定が締結された。以降は防振支持機構と超望遠レンズの発達もあり、報道ヘリによる異常接近が激減している。12月28日1530、山梨県笛吹市大蔵経寺山で山林火災が発生したため、12月29日1006に山梨県知事から陸上自衛隊第１特科隊に災害派遣要請が出された。第１師団第１特科隊、第１飛行隊、第12ヘリコプター隊、東部方面航空隊、第１ヘリコプター団から延べ航空機36機、車両85両、人員290名が派遣され、空中消火354回で水1890トンを散布し、2009年1月1日1700に鎮火した。

2009年3月7日、南鳥島からUS-2救難飛行艇による急患輸送を実施。US-2救難飛行艇による初の災害派遣となった。4月5日、青森湾で漁船が行方不明となり、第二管区海上保安本部長から海上自衛隊大湊地方総監に災害派遣要請が出され、第25航空隊、第73航空隊大湊航空分遣隊、大湊警備隊、第45掃海隊水中処分隊、大湊水中処分隊などが捜索に当たり、延べ航空機10機、艦艇６隻、潜水員60名が参加した。4月10日、宮城県角田市の山林火災で、東北方面航空隊、第２施設団、東北方面通信群、第１ヘリコプター団から人員延べ1464名、車両延べ151両、航空機延べ35機が参加した。4月11日夕方、山梨県甲州市で山林火災が発生したため災害派遣要請があり、第１師団第１特科隊、特科直接支援隊、第１飛行隊、東部方面航空隊、第１ヘリコプター団、第12ヘリコプター隊、東部方面通信群、山梨地方協力本部が消火活動を行い、延べ573名、車両105両、航空機30機を派遣した。4月12日、大分県中津市で山林火災が発生し、第41普通科連隊に災害派遣要請が出され、第４師団第４飛行隊及び西部方面ヘリコプター隊と共に、情報収集や消火活動を行った。4月14日、長崎県平戸沖で漁船が転覆して乗員22人中12人が行方不明となり、佐世保地方隊、第２護衛隊群、第13護衛隊、第２掃海隊、第43掃海隊、第22航空隊、第72航空隊、第１海上訓練支援隊などが4月27日まで捜索を行った。参加艦艇はDDG-176ちょうかい、DD-110たかなみ、MSC-685とよしま、PG-826おおたか、PG-829しらたか、水中処分母船２隻など延べ85隻であった。4月30日1240頃、山梨県甲州市勝沼町深沢で山林火災が発生したため、1546に山梨県知事から第１特科隊長に災害派遣要請があり、1404から第１師団第１特科隊隊員、1415から東部方面航空隊UH-1多用途ヘリ１機が出動、隊員延べ280名、車両50両、航空機９機が消火活動にあたり、5月1日1145に山梨県知事の撤収要請を受けた。5月14日の連絡を最後にマグロ延縄漁船第21共栄丸が消息を絶ったため、5月18日1320に第２管区海上保安本部長から第４航空団司令に災害派遣要請があり、1401に松島救難隊のUH-60J救難ヘリが離陸して捜索を開始した。翌日も捜索したが見つからず、5月20日に第２航空群P-3C哨戒機２機が加わった。1203、八戸沖240kmの海上でP-3C哨戒機が第21共栄丸の救命浮舟を発見。海上保安庁が乗っていた２人を救助したが、１人（船長）は死亡が確認された。5月21-22日も捜索を継続したが、残る乗員２名は見つからず、5月22日1549に第２管区海上保安本部長からの撤収要請を受けて撤収した。5月27日1520頃、和歌山県御坊市塩谷町の御坊総合運動公園東側で山林火災が発生したため、1952に和歌山県知事から第37普通科連隊長に災害派遣要請が出された。2006、第３師団第37普通科連隊隊員150名が和歌山駐屯地に向かった。5月28日0400から第３飛行隊OH-6D観測ヘリ１機と中部方面航空隊UH-1多用途ヘリ４機が離陸して映像伝送や消火活動を開始。0831、第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ１機が離陸し、明野駐屯地で待機に入った。1122に山火事が鎮火したため、1155に県知事から撤収要請があり、撤収した。ヘリから80回30トンを散水し、延べ派遣人数は560名、車両は60両、航空機は６機だった。7月11日0507頃、駿河湾を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、静岡県で最大震度６弱の揺れを観測したため、三自衛隊の航空機や隊員が情報収集にあたった。7月21-31日、中国・九州北部豪雨の災害派遣を実施。三自衛隊から隊員延べ3710名、車両1180両、航空機16機、艦船19隻が参加した。8月9日から台風９号の影響で中国地方を豪雨が襲ったため、第３師団第３特科隊長や第13旅団第13特科隊長に災害派遣要請が出され、捜索活動、給水支援、孤立者救出などを行った。9月20日、台風８号により発生した漂流木の回収作業のためAMS-4303あまくさが派遣され、付近を航行中のAGS-5102ふたみ、DD-113さざなみも回収を行った。

2010年2月28日から3月1日、チリ中部地震に伴う情報収集を実施。3月1日、船形山で登山者３人が遭難したため、第６師団第22普通科連隊と東北方面航空隊が捜索し、全員救助した。5月1日、第８師団第43普通科連隊などが宮崎県で発生した口蹄疫の災害派遣を実施。8月11日、第71航空隊US-1A救難飛行艇が韓国海軍イージス駆逐艦991セジョン・デワンから急患を輸送し、初の韓国艦からの急患輸送を実施した。10月21-31日、奄美大島豪雨に対する災害派遣を実施。陸自第８師団第12普通科連隊、第８飛行隊、西部方面ヘリコプター隊、海自第１航空群、空自南西航空混成団、第１輸送航空隊、奄美通信隊などから延べ1450名、車両470両、航空機24機が参加した。11月9日夜、西表島の南340kmのところを航行していたパナマ船籍の貨物船（乗員25人、全員中国籍）が遭難したため、11月10日に第11管区海上保安本部長から海自第５航空群司令に災害派遣要請が出され、空自那覇救難隊や台湾コーストガードも加わって捜索を行い、漂流していた乗員５人を確保して３人を那覇救難隊UH-60J救難ヘリで石垣島に医療搬送した。11月13日1947に捜索を終了したが、残る乗員は見つけられなかった。12月15日、前日に犬吠埼東方沖を航行していたパナマ船籍貨物船で発生した中国人船員負傷者を救助するため、海上保安庁第２管区海上保安本部長から空自第４航空団司令に対して災害派遣要請が出され、松島救難隊U-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリが出動し、負傷者を松島基地まで空輸した（その後負傷者は石巻市立病院に搬送された）。

2011年1月1日、前日から国道９号線で立ち往生した1000台の車両を救出するため、第８普通科連隊に災害派遣要請が出され、隊員70名と車両10両が救出・除雪作業にあたった。美保関町では大雪で集落が孤立したため、第13旅団第13偵察隊と第４施設団第304施設隊が除雪や障害物除去を行っている。1月24日0600過ぎ、兵庫県高砂市阿弥陀町の鷹巣山で山林火災が発生し、高御位山に延焼したため、1313に兵庫県知事から第３特科隊に災害派遣要請が出された。1400以降、第３師団第３飛行隊のOH-6D観測ヘリ２機が情報収集を実施。現地対策本部には第３特科隊と第３飛行隊の連絡員が派遣され、1600-1700過ぎまで第３飛行隊UH-1多用途ヘリ２機が22回11トンの散水を行った。1月25日、0600過ぎから第３飛行隊OH-6D観測ヘリ２機、中部方面航空隊UH-1多用途ヘリ２機が情報収集を行い、第３飛行隊UH-1多用途ヘリ３機と航空学校明野本校CH-47輸送ヘリ１機・UH-1多用途ヘリ１機が空中消火を実施、200回260トンを散水した。1月26日、1000から第３飛行隊と航空学校のUH-1多用途ヘリ３機とCH-47輸送ヘリ１機が92回185トンの散水を行い、1600過ぎに撤収要請を受けた。1月27日、霧島連山新燃岳で爆発的噴火が起きたため、災害派遣に備えて1月28日夕方に西部方面通信群のヘリ映伝用車両２両をえびの駐屯地に派遣。1月31日1200、防衛省に災害対策連絡室を設置し、第８師団第８戦車大隊の装輪装甲車７両をえびの駐屯地と国分駐屯地に前進待機させた。気象庁の依頼で第22航空群第72航空隊UH-60J救難ヘリ１機が気象庁職員と火山予知連絡委員を乗せて上空から新燃岳を観測した。2月1日、西部方面特科隊の砲側弾薬車４両と第８戦車大隊の戦車回収車１両をえびの駐屯地と国分駐屯地に前進待機させた。2月3日、気象庁の依頼で第22航空群第72航空隊UH-60J救難ヘリ１機が気象庁職員と火山予知連絡委員を乗せて上空から新燃岳を観測した。2月7日、気象庁の依頼で第22航空群第72航空隊UH-60J救難ヘリ１機が気象庁職員と火山予知連絡委員を乗せて上空から新燃岳を観測した。3月11日、東日本大震災の災害派遣を開始。4月4日、兵庫県姫路市の山林火災を消火するため、兵庫県知事から第３特科隊長に災害派遣要請が出され、第３師団第３飛行隊、中部方面航空隊、航空学校からOH-6観測ヘリ、UH-1多用途ヘリ、CH-47輸送ヘリが１機ずつ出動、4月6日までに253回527トンの放水や情報収集を行った。また、高知県香美市の山林火災を消火するため、高知県知事から中部方面総監に災害派遣要請が出され、第14旅団第14飛行隊、中部方面航空隊、西部方面航空隊のOH-6観測ヘリ、UH-1多用途ヘリ、CH-47輸送ヘリが１機ずつ出動、4月6日までに58回290トンの放水や情報収集を行っている。4月6日、岩手県山田町の山林火災を消火するため、岩手県知事から第９師団長に災害派遣要請が出され、OH-6観測ヘリ、UH-1多用途ヘリ、CH-47輸送ヘリなどが出動、43回230トンの放水を行った。5月9日、栃木県足利市で山林火災が発生したため、1500前に栃木県知事から東部方面総監に災害派遣要請が出され、東部方面航空隊UH-1多用途ヘリと第12ヘリコプター隊OH-6観測ヘリ及びCH-47輸送ヘリが出動、5月10日1330まで消火活動を行った。6月2日1133頃、新潟県中越地方で震度５強の地震が発生したため、新潟救難隊UH-60J救難ヘリと第４航空群P-3C哨戒機が１機ずつ離陸して情報収集を行った。6月22日、沖縄県東方沖で１人乗り小型漁船が行方不明になったため、1400前に第11管区海上保安本部長から南西航空混成団司令に災害派遣要請があり、那覇救難隊U-125A救難捜索機１機が捜索を実施。翌日以降も捜索が続き、24日には海自第31航空群第71航空隊のUS-1A救難飛行艇１機も加わり、2030に撤収要請を受けて捜索を終了した。6月23日0651頃、岩手県宮古市の東北東50kmで震度５弱の地震があり、津波注意報も出されたため、0700から第２対戦車ヘリコプター隊、第９師団第９飛行隊、第25航空隊、第２航空隊、DD-156せとぎり、第３航空団、松島救難隊、秋田救難隊が航空機計11機で情報収集を実施した。6月30日0816に発生した長野県中部を震源とする震度５強の地震を受け、第12ヘリコプター隊、第４航空群、新潟救難隊の航空機で情報収集を行った。7月5日1918に発生した和歌山県北部を震源とする震度５強の地震を受け、1940から浜松救難隊、第24航空隊、徳島航空分遣隊、第202教育航空隊が航空機計４機で情報収集を行った。7月25日0351に発生した、福島県沖を震源とする震度５弱の地震を受け、東北方面航空隊、第６師団第６飛行隊、第４航空群、松島救難隊、百里救難隊が航空機計６機で情報収集を行った。7月28日、航空大学校帯広校のビーチクラフトA36（４人搭乗）が墜落したため、1100前に東京空港事務所長から北部航空方面隊司令官に災害派遣要請が出され、1115から千歳救難隊、警戒航空隊、第５旅団第５飛行隊、第４普通科連隊、北部方面航空隊が捜索し、1400前に機体と遭難者３人を発見、1700前に撤収した。8月9日、瀬戸内海の石島で山林火災が発生したため、香川県知事から第14旅団長、岡山県知事から第13特科隊長に災害派遣要請があり、8月10日から中部方面航空隊UH-1多用途ヘリ２機、第14旅団第14飛行隊OH-6観測ヘリ２機が情報収集を行い、第14飛行隊UH-1多用途ヘリ２機、西部方面航空隊CH-47輸送ヘリ１機、航空学校明野本校CH-47輸送ヘリ１機、第13旅団第13飛行隊UH-1多用途ヘリ２機が消火活動を行った。延べ41機が1637回3165トンの散水を行い、8月12日に撤収している。9月3日から10月14日、台風12号被害対処の災害派遣に第３師団、第10師団、第４施設団が参加。9月20-22日、台風15号被害対処の災害派遣に第10師団第35普通科連隊、第10後方支援連隊、第６師団第22普通科連隊、第６特科連隊、第１輸送航空隊が参加。11月20日1023頃、茨城県日立市で震度５強の地震が発生したため、第１師団第１飛行隊、第４航空群、第７航空団、百里救難隊が航空機４機で情報収集を実施した。11月21日1916頃、広島県北部を震源とする震度５弱の地震が発生し、第13旅団第13飛行隊、第31航空群、第８航空団、芦屋救難隊が情報収集を行った。11月24日1925頃、北海道浦河沖を震源とする震度５弱の地震が発生し、第７師団第７飛行隊、北部方面航空隊、第２航空群、千歳救難隊が情報収集を行った。12月31日、小笠原諸島父島で痙攣発作を起こした男性の空輸要請が都知事から出され、第73航空隊硫黄島航空分遣隊UH-60J救難ヘリが硫黄島まで、第71航空隊US-1A救難飛行艇が羽田まで搬送した。

2012年1月1日、硫黄島東方100kmを航行中の漁船で脳梗塞を発症した疑いのある患者が発生したため、第３管区海上保安本部長から空輸要請が出され、第３航空隊P-3C哨戒機が付近の海上で情報収集を実施、第71航空隊US-1A救難飛行艇が着水収容して厚木航空基地に搬送した。母島でダイビング中にパニックを起こして呼吸困難に陥った男性の空輸要請が都知事から出され、第73航空隊硫黄島航空分遣隊UH-60J救難ヘリが硫黄島基地隊の医官を乗せて母島で患者を収容、硫黄島まで搬送し、第３航空隊P-3C哨戒機が厚木航空基地に運んだ。1月17日、埼玉県秩父郡小鹿野町にある父不見山で山林火災が発生したため、1300に埼玉県知事から第１師団長に災害派遣要請が出された。東北方面航空隊と第１飛行隊のUH-1多用途ヘリ３機とOH-6観測ヘリ２機が情報収集を行い、1500-1700に第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ２機が９回45トンの空中消火を実施。1月18日もUH-1多用途ヘリ＋OH-6観測ヘリ６機とCH-47輸送ヘリ３機で同様の消火活動を行い、1430過ぎに撤収要請を受けた。２日間で延べ18機が47回330トンの空中消火を行っている。2月2日2300頃、南鳥島西320kmで操業中のマグロ延縄漁船から漁労長兼機関長が下半身のしびれなどを訴えており脳梗塞が疑われるとの通報が海上保安庁運用司令センターに入り、2月3日0330、第３管区海上保安本部から海自に急患輸送の災害派遣要請があった。第３航空隊P-3C哨戒機と第71航空隊US-1A救難飛行艇が１機ずつ厚木航空基地を離陸したが、周辺海域の波が高くUS-1A救難飛行艇は着水を断念、1600前に撤収要請を受けた。1600過ぎ、海上保安庁巡視船やしまがMH-560艦載ヘリで患者を吊り上げて船内に収容。2120、第３管区海上保安本部から海自に再度急患輸送の災害派遣要請があり、第73航空隊硫黄島航空分遣隊UH-60J救難ヘリが空自硫黄島基地隊の医官を乗せてやしまに向かい、患者を収容して硫黄島に搬送、海保のガルフストリームに引き渡した。2月19日0300前、茨城県日立市で震度５弱を観測するマグニチュード5.1の地震が発生したため、0330から百里救難隊UH-60J救難ヘリ、第４航空群P-3C哨戒機、第１師団第１飛行隊OH-6D観測ヘリが１機ずつ離陸して情報収集を実施した。3月14日2100過ぎ、千葉県東方沖でマグニチュード6.1の地震があり、震度５強を観測したため、2116から第７航空団F-15戦闘機２機とU-125A救難捜索機１機、第１師団第１飛行隊UH-1多用途ヘリ１機、第４航空群P-3C哨戒機１機、第21航空群UH-60J救難ヘリ１機が離陸して情報収集を行った。4月1日2300過ぎ、福島県沖を震源とするマグニチュード5.9の地震で震度５弱を観測したため、2323から東北方面航空隊UH-1多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）２機、第６師団第６飛行隊OH-6観測ヘリ１機・UH-1多用途ヘリ１機、第４航空群P-3C哨戒機１機、百里救難隊UH-60J救難ヘリ１機が離陸し、4月2日0300前まで情報収集を行った。5月18日、利根川水系の浄水場で基準値を超えるホルムアルデヒドが検出されたため、5月19日朝から浄水場５カ所の取水が停止され、千葉県で35万世帯以上が断水した。1630、千葉県知事が第１空挺団長に給水支援の災害派遣を要請。1700、第１空挺団第２普通科大隊第４中隊14名が車両14両（１トン水トレーラー７両含む）で八千代市に、需品学校、需品教導隊、第２高射特科群の15名が車両10両（５トン給水車３両、１トン水トレーラー３両含む）で野田市に向かい、1800から給水支援を開始、5月20日0730に撤収要請を受けた。派遣規模は延べ人数40名・車両30両で、給水量は22トンだった。5月29日1100過ぎ、徳島県那賀郡那賀町大殿で落雷が原因と見られる山林火災が発生したとの通報があり、1230前に徳島県知事から第14旅団長に消火活動の災害派遣の要請が出された。1240から第14飛行隊OH-6観測ヘリと中部方面航空隊UH-1多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）２機が情報収集を行い、徳島航空分遣隊UH-60J救難ヘリ１機と第14飛行隊UH-1多用途ヘリ３機が空中消火を実施、1730頃に鎮圧した。5月30日早朝から第14飛行隊OH-6観測ヘリ１機が情報収集を行い、0800に撤収した。延べ35回の散水で32トンの水を投下している。7月11-14日に発生した平成24年7月九州北部豪雨で、7月12日0700前に熊本県知事から第８師団長に災害派遣要請があり、第42普通科連隊主力の隊員380名と車両100両が水防活動を行い、第８飛行隊UH-1多用途ヘリが孤立者17人を救助した。0800前に大分県知事から西部方面特科隊長に災害派遣要請があり、第４師団第４飛行隊などを含む隊員110名、車両20両、UH-1多用途ヘリ２機、OH-6観測ヘリ２機が出動、孤立者人を救助し、捜索、物資輸送、給水支援を行った。7月14日、第４戦車大隊と第41普通科連隊が大分県での災害派遣に加わった。1200過ぎ、福岡県知事から第５施設団長と第４特科連隊長に災害派遣要請が出され、避難支援や水防活動などを実施した。7月21日までに延べ隊員5300名、車両1300両、航空機35機を派遣して撤収している。11月16日昼頃、三宅島で山林火災が発生したため、1320に東京都知事から第１師団長に災害派遣要請が出された。1400過ぎ、第１飛行隊OH-6観測ヘリ２機と東部方面ヘリコプター隊UH-1多用途ヘリ３機が情報収集を開始。1500過ぎ、第12ヘリコプター隊・第１ヘリコプター団CH-47ヘリ計３機が消火活動を行った。11月17日、第１ヘリコプター団CH-47ヘリ２機が消火活動を実施。11月18日、午前に第12ヘリコプター隊・第１ヘリコプター団CH-47ヘリ１機ずつ、午後に第12ヘリコプター隊CH-47ヘリ２機が消火活動を実施。延べ19機が46回223.5トンの散水を行い、11月19日に鎮火した。11月27日、北海道登別市で暴風雪による大規模停電が発生、1620に北海道知事から第７師団長へ災害派遣要請が出された。第71戦車連隊が発電機などを支援のため幌別駐屯地に届け、北部方面施設隊第13施設隊の隊員40名と車両10両が幌別駐屯地から登別市内の避難所４カ所に出動、天幕用ストーブを設置し、毛布や発電機などを届けた。

2013年3月15日0908、女満別空港を離陸した２人乗りモーターグライダーが行方不明になり、1508に東京空港事務所長から北部航空方面隊司令官に災害派遣要請が出た。千歳救難隊（U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリ）、北部方面航空隊（AH-1S対戦車ヘリ、OH-1観測ヘリ、UH-1多用途ヘリ）、第５旅団第５飛行隊（OH-6観測ヘリ、UH-1多用途ヘリ）、第７師団第７飛行隊（OH-6観測ヘリ、UH-1多用途ヘリ）が捜索を行い、3月18日0606に千歳救難隊UH-60J救難ヘリが日高山脈幌尻岳南東10kmのところでモーターグライダーを、0629に乗員２人を発見してヘリに収容、0752に十勝飛行場で救急隊に引き継いだが、帯広市内の病院で死亡が確認された。4月13日0533頃、兵庫県淡路島付近を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生し、震度６弱を観測したため、中部方面航空隊、第３師団第３飛行隊、第14旅団第14飛行隊、第24航空隊、第72航空隊徳島航空分遣隊、第202教育航空隊、第６航空団、小松救難隊から航空機計15機が出動し、0546から1100前まで情報収集を行った。4月17日1757頃、三宅島近海でマグニチュード6.2の地震があり、震度５強が観測されたため、1806から東部方面航空隊、第１師団第１飛行隊、第３・第73航空隊、第７航空団、浜松救難隊の航空機11機が2052まで情報収集を行った。5月8日、山梨県韮崎市で山林火災が発生したため、1530過ぎに山梨県知事から第１特科隊長に災害派遣要請があり、1600から東部方面航空隊と第１師団第１飛行隊がOH-6観測ヘリとUH-1多用途ヘリによる情報収集・空中消火を開始。5月9-10日は第12ヘリコプター隊CH-47ヘリなどによる空中消火、第１特科隊の背負い式消火水のう（ジェットシューター）による地上消火を行い、5月11-12日は待機、5月13日1500に撤収した。5月18日1448頃、福島県沖を震源とする震度５強の地震が発生したため、1501から東北方面航空隊、第６師団第６飛行隊、八戸航空基地隊、第７航空団、松島救難隊の航空機計６機が1802まで情報収集を行った。6月21日0756頃、宮城県金華山の南東1200kmで太平洋横断を目指していた２人乗りヨットのエオラス号が浸水転覆し、乗員が救命艇で漂流したため、1000に第２管区海上保安本部長から航空集団司令官に災害派遣要請が出された。1049、第４航空群P-3C哨戒機１機が離陸。1139、第31航空群US-2救難飛行艇１機が離陸。救命艇付近に達したものの、波が高く着水できなかったため帰投した。1508、第４航空群P-3C哨戒機１機が離陸。1508、第31航空群US-2救難飛行艇１機が離陸。1814、シーステート５・波高4mの海上に着水して救命艇から乗員２人を救助し、2230に第３エンジン停止・プロペラフェザリング状態で厚木航空基地に着陸した。9月16日、台風18号が愛知県に上陸し、気象庁が京都、滋賀、福井に特別警報を発令、各地で豪雨被害が発生したため、第３師団第７普通科連隊、第３戦車大隊、中部方面後方支援隊、第７施設群第102施設機材隊、関西補給処桂支処、第10師団第14普通科連隊、第10戦車大隊、第６施設群第372施設中隊、第12旅団第２普通科連隊、第９師団第９特科連隊が、行方不明者捜索、孤立者救出、水防活動などを実施した。10月16日、台風26号による豪雨で発生した伊豆大島大規模土石流の災害派遣に参加。

2014年2月14-15日、関東甲信越・東北地方が豪雪に見舞われたため、東京、埼玉、群馬、山梨、長野、静岡、福島、宮城の各知事から災害派遣要請があり、第１師団や東部方面航空隊などから隊員延べ5060名、航空機131機、車両990両が出動し、2月23日1200まで活動、73人を救助し、患者３人を空輸、物資44トンを輸送し、281.2kmを除雪した。3月2日、室戸岬の南420kmでマグロ漁船第八海星丸が火災を起こし乗員が行方不明となったため、第５管区海上保安本部長から航空集団に災害派遣要請があり、第１航空群P-3C哨戒機と第31航空群US-2救難飛行艇が3月4日まで捜索した。3月6日、千葉県野島崎の南東2200kmで中国船籍漁船が火災を起こしたため、第３管区海上保安本部長から災害派遣要請があり、第４航空群P-3C哨戒機と第31航空群US-2救難飛行艇が3月7日まで捜索した。3月25日、茨城県日立市の山林で火災が発生したため、茨城県知事から施設学校長に災害派遣要請があり、1640から第１師団第１飛行隊UH-1多用途ヘリ３機、第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ１機が消火活動を実施。3月26日は東部方面航空隊と第１飛行隊のUH-1多用途ヘリ４機が情報収集、第１飛行隊OH-6観測ヘリ１機が火点誘導を行い、第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ２機が消火活動を実施、1505に撤収要請が出された。CH-47輸送ヘリは延べ46回138.25トンを散水した。3月30日、沖ノ鳥島の工事現場で桟橋が逆さまになり、作業員16人が海に落ちて２人が行方不明となったため、第３管区海上保安本部長から航空集団司令官に災害派遣要請があった。3月31日、第31航空群US-2救難飛行艇１機と第５航空群P-3C哨戒機１機が捜索と支援活動を行い、1344に撤収要請が出された。4月2日0846頃、チリ沿岸でマグニチュード8.2の地震が発生し、4月3日0300に北海道から千葉にかけての太平洋岸に津波注意報が発令されたため、北部方面航空隊UH-1多用途ヘリ１機、第２対戦車ヘリコプター隊AH-1S対戦車ヘリ１機、第６師団第６飛行隊OH-6観測ヘリ１機・UH-1多用途ヘリ１機、東北方面航空隊UH-1多用途ヘリ１機、第９師団第９飛行隊OH-6観測ヘリ１機が1800まで情報収集を行った。4月15日、群馬県黒川ダム付近で火災が発生し、第12ヘリコプター隊、第１ヘリコプター団、東部方面航空隊からヘリ延べ43機が出動し、4月19日までに656回3900トンを散水した。4月24-25日、大分県別府市湯山付近で発生した火災の災害派遣で、第４師団第41普通科連隊、第４飛行隊、西部方面航空隊から隊員延べ680名、車両100両、ヘリ８機が出動した。4月27-29日、岩手県盛岡市玉山区付近で発生した火災の災害派遣で、第９師団第９飛行隊、第９特科連隊、三沢ヘリコプター空輸隊から隊員延べ110名、車両15両、ヘリ６機が消火活動を行った。5月8日、東京都多磨町境付近で火災が発生したため、東北方面航空隊、第１師団第１飛行隊、第１施設大隊、第12ヘリコプター隊の隊員延べ50名、車両10両、ヘリ７機が出動した。5月10日1700頃、熊本県の平家山で山林火災が発生したため、5月11日0700に熊本県知事から第８師団長に災害派遣要請が出された。0735、第８飛行隊UH-60JA多用途ヘリ１機が消火活動を開始。0747、第８特科連隊FAST-Forceの隊員30名と車両10両が駐屯地を出発。西部方面航空隊UH-1多用途ヘリ２機とCH-47輸送ヘリ３機も情報収集と消火活動に入った。5月12日も0410から第８特科連隊（150名、車両30両）が地上消火活動を行い、1054に撤収要請を受けた。7月7日1620頃、金華山の東1130kmで、日本漁船のインドネシア人乗員が腸閉塞を起こしたため、第２海上保安本部に救助要請があり、2325に海自へと災害派遣要請が出された。2357、第４航空群P-3C哨戒機１機が状況偵察のため厚木航空基地を離陸。7月8日0026、第71航空隊US-2救難飛行艇１機が東海大学医学部付属病院の医師２人と看護師１人を乗せて厚木航空基地を離陸。0308、US-2救難飛行艇が現場に到着し、海面状況調査に入った。0415、US-2救難飛行艇が着水。0431に患者を収容して0438に離水し、0443に現場を離脱した。0757、P-3C哨戒機が厚木航空基地に帰投。0814、US-2救難飛行艇が厚木航空基地に帰投し、0832に救急車へと引き継いだ。これにより第71航空隊は救難出動1000回を達成している。8月20日、広島県広島市安佐南地区で発生した大規模な土砂崩れの災害派遣に参加。9月7日、和歌山県太地町漁協所属の鮪延縄漁船が南鳥島北端に座礁。船員５人はゴムボートで脱出して海自南鳥島航空基地の隊員に保護された。9月8日、第３管区海上保安本部長から航空集団司令官に災害派遣要請があり、第31航空群US-2救難飛行艇１機により船員を輸送した。9月27日から御嶽山噴火の災害派遣に参加。11月22日2208頃、長野県北部を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生したため、2210に長野地方協力本部から２名を長野県庁に連絡要員として派遣し、第６航空団F-15戦闘機２機、第12ヘリコプター隊OH-6Dヘリ１機、第４航空群P-3C哨戒機１機が偵察のため離陸、第12旅団第12偵察隊と第13普通科連隊が情報収集のため駐屯地を発した。11月23日0225頃、断水した白馬村への給水に係る災害派遣要請が長野県知事から第13普通科連隊長に出され、2000までに491リットルを給水して撤収した。この地震では第12旅団第２普通科連隊、第13普通科連隊、第12ヘリコプター隊、第12偵察隊、東部方面ヘリコプター隊、第４航空群、第23航空隊、第６航空団、航空救難団が災害派遣に参加し、派遣規模は隊員延べ138名、車両43両、航空機19機だった。12月6日、徳島県で豪雪により道路が寸断され、集落が孤立したため、徳島県知事から第14旅団長に災害派遣要請が出され、道路啓開のため第15普通科連隊、第14施設隊、中部方面通信群が、情報収集のため中部方面航空隊UH-1多用途ヘリと第14飛行隊UH-1多用途ヘリが出動した。12月22日2342頃、山形県酒田港南防波堤燈台の南7.2kmの海岸付近でパナマ船籍貨物船MSTAR1が砂浜に乗り上げ座礁した。12月23日0000頃、貨物船MSTAR1から第２管区海上保安本部に座礁の通報があった。0210、第２管区海上保安本部から秋田救難隊当直に事前情報が入り、アラートクルーに非常呼集がかけられ、必要な隊員も追加招集された。0530、積雪で海保新潟航空基地からのヘリ発進が困難なため、第２管区海上保安本部長から航空救難団司令へ災害派遣要請が出された。0607、秋田救難隊UH-60J救難ヘリが秋田分屯基地を離陸。0618、秋田救難隊U-125A救難捜索機１機が秋田分屯基地を離陸。0623、新潟救難隊U-125A救難捜索機が新潟分屯基地を離陸。0630、新潟救難隊UH-60J救難ヘリが新潟分屯基地を離陸。0636、秋田救難隊U-125A救難捜索機が現場に到着。0642、秋田救難隊UH-60J救難ヘリが現場に到着。UH-60J救難ヘリ計２機により0739に乗員18人全員を救助し、0744に秋田救難隊UH-60J救難ヘリ（救助者10人）、0746に新潟救難隊UH-60J救難ヘリ（救助者８人）が庄内空港に到着、乗員を第２管区海上保安本部関係者に引き継いだ。救助時間短縮のため秋田救難隊の救難員３名がMSTAR1の船上に残っており、0750に庄内空港を離陸した秋田救難隊UH-60J救難ヘリが0802までにピックアップを完了。0822に新潟救難隊U-125A救難捜索機、0834に秋田救難隊U-125A救難捜索機・UH-60J救難ヘリ、0842に新潟救難隊UH-60J救難ヘリが分屯基地に着陸し、0842に撤収命令が出されて任務を完了した。

2015年1月20日、岩手県大船渡市三陸町で山林火災が発生したため、1月21日0921に県知事から第９特科連隊長に災害派遣要請が出され、0940過ぎに第９師団第９飛行隊UH-1多用途ヘリ２機と三沢ヘリコプター空輸隊CH-47輸送ヘリ１機が離陸して消火活動を実施、1455に撤収した。延べ派遣機数５機、散水回数21回、散水量45トンだった。2月6日1025頃、徳島県南部を震源とするマグニチュード5.0・最大震度５強の地震が発生したため、第14旅団第14施設隊、第６航空団など12部隊が情報収集を行った。2月17日1346、岩手県沖を震源とするマグニチュード5.7・最大震度５強の地震が発生したため、1350に防衛省が災害対策連絡室を設置。1356に第２航空群P-3C哨戒機と松島救難隊U-125A救難捜索機が情報収集を開始し、第３航空団F-2戦闘機２機、三沢ヘリコプター空輸隊CH-47J輸送ヘリ１機、第25航空隊SH-60J哨戒ヘリ１機、東北方面航空隊OH-1偵察ヘリ１機、AH-1S対戦車ヘリ１機、第９師団第９飛行隊OH-1偵察ヘリ１機、UH-1多用途ヘリ１機も加わった。3月11日未明、北海道付近で発生した大型の低気圧の影響により、カンボジア船籍貨物船トン・ヤン・ハイ（総トン数2958トン。乗員14人）が能登半島沖（小松市北西190海里付近）が浸水した。0510、中国の海難救助調整センターから海上保安庁運用司令センターに救助要請があり、第９管区海上保安本部が巡視船と新潟航空基地の航空機を出動させた。0901、貨物船は小松沖北西280kmにあると通報があった。0904、貨物船は右に10度傾斜していると通報があった。0929、第９管区海上保安本部から第６航空団司令に災害派遣要請が出された。0959、第６航空団が航空救難団に災害派遣協力依頼を発出、航空救難団が災害派遣態勢に入り、小松救難隊に出動を命じると共に、乗員数が多いことから新潟救難隊UH-60J救難ヘリも増強派遣することにした。1007、小松救難隊U-125A救難捜索機が小松基地を離陸。1009、小松救難隊UH-60J救難ヘリが小松基地を離陸。1036、新潟救難隊UH-60J救難ヘリが新潟分屯基地を離陸。1123、U-125A救難捜索機が現場と貨物船の状況を報告。北西の風35ノット（毎秒18m）、シーステート７・波高6mでうねり大、視程10km、僅かな低層雲で雲底高度3000フィート（914.4m）、中層雲には隙間あり、貨物船は右10度傾斜で左後方から波を受け、怪我人は無い模様で、前方甲板は波に洗われており後方の船橋から救出可能とのことだった。その後、傾斜が拡大し船舶後方に油が流出、操船不能で120度方向に流されているとの続報を送信している。1150、小松救難隊UH-60J救難ヘリが現場に到着。船上に乗員の姿は無く、後部船橋02甲板に救難員２名を降ろし、船橋内に乗員14人全員が避難しているのを確認した。1156から救難員３名で乗員の救出を開始。新潟救難隊UH-60J救難ヘリは到着しておらず、小松救難隊UH-60J救難ヘリ機長が小松救難隊長の許可を得て14人全員を小松救難隊UH-60J救難ヘリに乗せることにし、1215に乗員14人の収容を完了した。1205、次直機の小松救難隊U-125A救難捜索機が小松基地を離陸。1223、小松救難隊UH-60J救難ヘリが現場を離れて帰投を開始。新潟救難隊UH-60J救難ヘリは新潟分屯基地へと引き返した。1225、先発の小松救難隊U-125A救難捜索機が小松基地に帰投を開始。1248、無人となった貨物船が沈没した。1306、先発U-125A救難捜索機が小松基地に着陸。1323、新潟救難隊UH-60J救難ヘリが新潟分屯基地に着陸。1327、小松救難隊UH-60J救難ヘリが小松基地に着陸。1337、次直U-125A救難捜索機が小松基地に着陸。1341、検疫を終えた乗員14人を衛生隊に引き渡した。同時刻に第９管区解放保安本部長から撤収要請が出され、1618に撤収している。この功績で小松救難隊と第６航空団に第９管区海上保安本部長から感謝状と盾が贈呈された。3月31日、長野県岡谷市で山林火災が発生したため、1426に長野県知事から第13普通科連隊長に災害派遣要請が出された。第12ヘリコプター隊OH-6D観測ヘリ１機と東部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ２機が情報収集を行い、1608に第12ヘリコプター隊CH-47J/JA輸送ヘリ２機が離陸して30トンを散水した。4月1日、第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリとOH-6D観測ヘリが情報収集、CH-47J/JA輸送ヘリ３機が102トンの散水を行った。4月2日、第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリ１機、CH-47J/JA輸送ヘリ４機、東部方面航空隊UH-1多用途ヘリ１機が離陸したが、鎮火確認により0642に撤収要請が出されたため、消火活動前に撤収した。4月28日1000頃、秋田県大仙市で山林火災が発生したため、1518に県知事から第21普通科連隊長に災害派遣要請が出された。第９師団第９飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機と三沢ヘリコプター空輸隊CH-47J輸送ヘリ１機が離陸して1602から10回28.5トンを散水し、翌日も第９飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機が24回16.8トンを散水、1115の撤収要請を受け撤収した。5月13日0612頃、宮城県沖を震源とするマグニチュード6.8の地震があり、最大震度５強を観測したため、0630に防衛省が災害対策連絡室を設置し、0632から東北方面航空隊、第９師団第９飛行隊、第９特科連隊、第73航空隊大湊航空分遣隊、第２航空群、第３航空団、第７航空団、松島救難隊が延べ11機で情報収集を行った。5月29日、口永良部島噴火の災害派遣に参加。5月30日2024頃、小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード8.5の地震が発生し、最大震度５強を観測したため、2029に防衛省が災害対策連絡室を設置、2045に第７航空団Fast-ForceのF-15戦闘機２機が情報収集のため離陸し、2100に第１師団連絡要員２名が東京都庁に向かい、硫黄島航空基地分遣隊UH-60J救難ヘリ１機、第21航空群UH-60J救難ヘリ１機、第４航空群P-3C哨戒機１機、第１師団第１飛行隊UH-1J多用途ヘリ１機、東部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ１機が情報収集を行った。6月16日0930頃、浅間山で小規模な噴火が起きたため、偵察航空隊RF-4偵察機１機、第７航空団F-15戦闘機２機、東部方面航空隊UH-1多用途ヘリ２機が情報収集を行った。7月12日1830頃、長崎県高島漁港で軽トラックが海に落ち、幼児１人が行方不明になったため、第７管区海上保安本部長から災害派遣要請が出された。2202にMSC-686うくしま（隊員40名）、2252に佐世保警備隊曳船１隻（隊員20名）が現場に向かい、2346に佐世保警備隊の水中捜索員が幼児を発見、消防に引き継いだ。7月13日0252頃、大分県南部を震源とするマグニチュード5.7の地震が発生し、最大震度５強を観測したため、第８航空団F-15戦闘機２機、航空救難団U-125A救難捜索機１機、第１航空群P-3C哨戒機１機、第71航空隊US-1A飛行艇１機、西部方面航空隊LR-2連絡偵察機１機が情報収集を行った。9月10日から関東・東北豪雨の災害派遣に参加。9月17日0754頃、チリ中部沖でマグニチュード8.3の地震が発生し、9月18日0300に北海道から九州にかけて津波注意報が発令されたため、0400から第２航空群P-3C哨戒機１機、北部方面隊・第５旅団第５飛行隊UH-1ヘリ１機ずつ、第８航空団F-2戦闘機２機、第６航空団F-15戦闘機１機、第83航空隊T-4練習機１機、那覇救難隊U-125A救難捜索機１機が情報収集を実施した。9月28日1600、与那国島に台風21号が上陸し、島内全域が停電したため、9月29日1145に沖縄県知事から第15旅団長に災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊が1320と1637にCH-47輸送ヘリ１機ずつで沖縄電力、NTT西日本、NTTドコモ、ソフトバンクの社員や沖縄県庁職員ら30人と器材を与那国島に空輸した。また、西部方面情報隊は与那国町役場に連絡幹部１名を派遣して情報収集を行い、15名が道路啓開作業にあたっている。2257、沖縄県知事の撤収要請を受け帰隊した。10月19日、徳島県那賀町で山林火災が発生したため、10月20日1420に徳島県知事から第14旅団長に災害派遣要請があり、1445までに第14飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機とOH-6D観測ヘリ１機が離陸して消火活動と情報収集を実施。1512、中部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ(ヘリ映伝搭載)２機が離陸。また、西部方面航空隊CH-47輸送ヘリ２機が北徳島分屯地で待機に入った。10月23日1500に撤収要請を受けた。延べ派遣隊員数28名、航空機数24機、散水数78回265.3トン。

2016年1月24-25日、九州・中国地方が豪雪に襲われ、水道管の凍結などにより九州で348000世帯が断水するなどの被害が出たため、福岡、佐賀、長崎、宮崎、大分、鹿児島、広島、島根の各県知事から災害派遣要請があり、1月25日から１週間ほど給水支援を行った。福岡県では大牟田市など６市７町に第４師団、第５施設団、第２高射特科団、第８航空団、第７高射隊から延べ隊員594名と車両280両を派遣し、82ヵ所で685.8トンを給水した。佐賀県では伊万里市など２市に第４特科連隊と第４高射特科大隊から延べ隊員155名と車両90両を派遣し、27ヵ所で53.3トンを給水した。長崎県では平戸市など５市１町に第４師団、第７高射特科群、対馬警備隊、西部方面普通科連隊、南西航空混成団、長崎地本から延べ隊員570名と車両247両を派遣し、88ヵ所で193.86トンを給水した。大分県では杵築市に第４師団から延べ隊員55名と車両30両を派遣し、４ヵ所で84.21トンを給水した。宮崎県では都城市など２市に第８師団から延べ隊員175名と車両75両を派遣し、26ヵ所で58.9トンを給水した。鹿児島県では垂水市など２市に第８師団と鹿児島地本から延べ隊員120名と車両60両を派遣し、17ヵ所で31.8トンを給水した。島根県では安来市など２市に第13旅団、第４施設団第304施設隊、島根地本から延べ隊員144名と車両58両を派遣し、34ヵ所で83.25トンを給水した。広島県では北広島町に第13旅団から延べ隊員46名と車両35両を派遣し、10ヵ所で93.43トンを給水した。3月3日、栃木県鹿沼市谷倉山で山林火災が発生したため、第12旅団第12特科隊と栃木地本が県庁と鹿沼消防本部に連絡要員を派遣した。3月4日0400に栃木県知事から第12特科隊長に消火活動の災害派遣要請が出され、0520に第12ヘリコプター隊OH-6D観測ヘリ１機が離陸、次いでCH-47輸送ヘリ３機、東部方面航空隊UH-1多用途ヘリ（ヘリ映伝装備）２機、第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリ１機が順次離陸し、消火活動と情報収集を行った。1700に撤収要請が出され、それまでにCH-47輸送ヘリは49回245トンを散水している。3月26日午前、北海道の羊蹄山で雪崩が発生し、山スキー中の１人が巻き込まれて行方不明になったため、3月27日0600に北海道知事から倶知安駐屯地司令に災害派遣要請が出された。北部方面対舟艇対戦車隊と第13施設群第361施設中隊の隊員24名が捜索にあたり、3月28日には39名に増員、1220に深さ5-6mの雪の中から心肺停止状態の男性を発見して収容した。3月30日、福島県伊達市で山林火災が発生したため、1510に福島県知事から第６師団長へ災害派遣要請が出された。それに先んじて第44普通科連隊の連絡要員が福島県庁に派遣されており、1523には第44普通科連隊の連絡要員が伊達市役所にも派遣されている。1524、第６飛行隊OH-6D観測ヘリ１機とUH-1J多用途ヘリ２機が情報収集と消火のため神町駐屯地を離陸。UH-1J多用途ヘリが20回14トンを散水した。3月31日、第６飛行隊OH-6D観測ヘリ、UH-1J多用途ヘリ、東部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）２機、第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ２機が情報収集と消火活動を行い、71回193トンを散水した。4月1日、東部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）が情報収集を行い、神町駐屯地で第６飛行隊OH-6D観測ヘリとUH-1J多用途ヘリが待機、火の勢いが弱まったため1330に撤収要請を受けた。4月14日から熊本地震の災害派遣に参加。6月8日、北海道喜茂別町で女性が行方不明になったため、道知事から北部方面対舟艇対戦車隊長に災害派遣要請が出され、北部方面対舟艇対戦車隊28名、北部方面施設隊第13施設群第361施設中隊11名、第120地区警務隊３名が6月9日0500に倶知安駐屯地を出発して0620から捜索を開始したものの見つからず、1630に捜索を中断した。6月10日の早朝に捜索を再開し、0705頃に行方不明者を発見、消防が本人と確認したため撤収した。6月16日1421頃、北海道内浦湾を震源とするマグニチュード5.3の地震が発生し、函館市で最大震度６弱を記録したため、1424に防衛省が災害対策室を設置し、第25航空隊SH-60哨戒ヘリ、第２航空群P-3C哨戒機、第20高射隊、第23高射隊、第11旅団第28普通科連隊などが情報収集や連絡要員派遣を実施。北部航空方面隊と東北方面航空隊はヘリ映伝搭載UH-1多用途ヘリ１機ずつを待機させた。大きな被害は無く、災害派遣要請には至らなかった。活動規模は隊員36名、車両10両、航空機４機。7月14日、舞鶴湾で釣りをしていた男性１人が行方不明になったため、1120に第８管区海上保安本部長から舞鶴地方総監に災害派遣要請が出され、第44掃海隊と舞鶴警備隊から隊員15名が捜索を行い、1450に撤収した。8月23日、北海道美幌町と赤平市で台風による大雨を原因とする浄水場機能低下が発生したため、北海道知事から災害派遣要請があり、第４特科群と第２師団第２後方支援連隊の隊員延べ300名と水トレーラー車など10両が8月23-28日に美幌町の延べ48ヵ所で462トン、第10普通科連隊の隊員延べ40名が8月26-27日に赤平市の延べ４ヵ所で５トンを給水した。8月30日から台風10号被害に対する災害派遣を実施。9月4日1830頃、長崎県対馬市美津島町の白嶽で登山中に韓国人男性が行方不明になったため、9月5日1312に長崎県知事から対馬警備隊長に不明者捜索の災害派遣要請が出された。対馬警備隊150名、第４師団第４飛行隊OH-1観測ヘリ、UH-1多用途ヘリで捜索を行い、9月7日0859に対馬警備隊レンジャー隊員が男性を発見、救急車まで搬送した。9月29日、宮城県蔵王山で山菜採りの男性１人が行方不明となったため、9月30日1026に宮城県知事から第２施設団へ災害派遣要請が出された。第10施設群が連絡員を蔵王町役場に派遣すると共に捜索部隊を派遣し、第６師団第６飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機とOH-6D観測ヘリ１機も加わった。10月1日も捜索を行い、消防が行方不明者を発見したため0945に撤収要請を受けた。10月21日1407頃、鳥取県中部を震源とするマグニチュード6.6・最大震度６弱の地震が発生したため災害派遣を行い、第13旅団、米子駐屯地業務隊、第23航空隊、第24航空隊、第81航空隊、第３輸送航空隊、鳥取地本などが参加した。倉吉市などでは16000戸が断水したため、1922に鳥取県知事から第８普通科連隊長に給水支援の災害派遣が要請され、2040に第８普通科連隊隊員25名と水トレーラー３両を含む車両10両が出発。第13偵察隊、第13後方支援隊なども出動し、瓦礫除去も行っている。10月28日1700に撤収要請を受けた。派遣規模は延べ800名、車両180両で、延べ13ヵ所で26トンの給水を行い、公共施設など56ヵ所の周辺整備を実施した。11月22日0559頃、福島沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生し、最大震度５弱を記録したため、0602に防衛省が災害対策連絡室を設置。0603、百里救難隊UH-60J救難ヘリ１機が情報収集のため離陸。0620、防衛大臣から航空偵察、地上偵察、連絡幹部派遣、情報収集、被災者救命救助に万全を期すよう指示が発せられた。0622、第７航空団F-4戦闘機２機が離陸。0730、第９師団第９飛行隊UH-1J多用途ヘリ１機が離陸。0632、第73航空隊UH-60J救難ヘリ１機が離陸。0655、第44普通科連隊ファスト・フォース（隊員10名、車両５両）が南相馬市馬事公苑に向かった。0849、第７航空団T-4練習機１機が離陸。大きな被害は無く、災害派遣命令の発出には至らなかった。隊員90名、車両５両、航空機20機で情報収集を行っている。11月28日、新潟県関川村で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたため、11月29日0437に新潟県知事から第12旅団長に殺処分などの災害派遣要請があり、第30普通科連隊170名と第12化学防護隊15名が0930から殺処分や鶏舎の清掃・消毒を開始。11月30日、第２普通科連隊140名が増援に加わった。同日、上越市の養鶏場でも高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたため、2015に追加派遣が第12旅団長に要請され、第５施設群隊員10名が夜に上越市柿崎総合体育館に前進。12月1日0400、第５施設群が上越市での殺処分などを開始した。12月2日、上越市に第２普通科連隊と第12化学防護隊が増援として派遣され、120名態勢で殺処分などを実施。関川村では12月2日まで、上越市では12月4日まで作業を行い、延べ隊員2800名を派遣した。12月7日1844頃、岩国基地VMFA-115所属F/A-18C+戦闘機が２機編隊で飛行中、うち１機が高知県土佐清水沖90kmの太平洋に墜落し、パイロットが緊急脱出した。機体からの遭難信号を受け、1910に在空の第71航空隊US-2救難飛行艇が現場に向かい、1913に新田原救難隊U-125A救難捜索機１機、1920に新田原救難隊UH-60J救難ヘリ１機、1925に第24航空隊SH-60哨戒ヘリ１機が離陸した。2137、第５管区海上保安本部長から第31航空群司令に災害派遣要請があり、第71航空隊US-2救難飛行艇、第91航空隊UP-3D電子妨害訓練機、第24航空隊SH-60哨戒ヘリ、第72航空隊鹿屋航空分遣隊UH-60J救難ヘリ、芦屋救難隊U-125A救難捜索機、新田原救難隊U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリ、DDH-183いずも、DE-230じんつう、ATS-4202くろべ、ATS-4203てんりゅうなどが捜索を行った。12月8日、浜松救難隊、那覇救難隊、MST-463うらが、MSO-303はちじょうも加わって範囲を拡大して捜索にあたり、1400頃に新田原救難隊U-125A救難捜索機が室戸岬南東90kmで着色マーカーを発見、1505に第71航空隊US-2救難飛行艇が要救助者を発見して1510に収容、1632に岩国基地に戻り、1648にアメリカ海兵隊に引き渡したが、死亡が確認された。派遣規模は延べ艦艇11隻、航空機27機。12月12日、奈良県吉野郡辻堂山で山林火災が発生したため、0954に奈良県知事から第４施設団長に災害派遣要請が出され、1058に第３師団第３飛行隊UH-1J多用途ヘリが消火のため離陸し、中部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ２機も情報収集のため離陸、第４施設団隊員30名が上北山村役場に前進した。12月13日1426、鎮火が確認されたため撤収。隊員延べ60名と航空機４機を派遣し、13回6.4トンを散水した。12月22日、新潟県糸魚川市商店街で火災が発生し、折からの強風で燃え広がったため、1359に新潟県知事から第12旅団長に被災者捜索救助の災害派遣要請が出された。1405、第２普通科連隊地上偵察部隊が現地に向かい、1535に第２普通科連隊隊員120名が出発。東部方面航空隊も上空から情報収集にあたり、12月23日1330に撤収要請が出された。派遣規模は隊員延べ310名。12月28日2138頃、茨城県北部を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生したため、2200-2300に第６航空団F-15戦闘機２機、第21航空群UH-60J救難ヘリ１機、第１師団第１飛行隊UH-1多用途ヘリ１機が離陸して情報収集を実施。12月29日朝も第１飛行隊UH-1多用途ヘリなどが情報収集を行い、派遣規模は延べ隊員20名、航空機11機だった。

2017年3月5日1330過ぎ、長野県鉢伏山付近で冬期遭難訓練中の長野県消防防災ヘリと連絡が取れなくなり、1437過ぎに長野県警へと捜索要請が出され、1500過ぎに長野県警ヘリによって墜落が確認されたため、1548に国土交通省東京空港事務所長から中部航空方面隊司令官に、1550には長野県知事から第13普通科連隊に災害派遣要請が出された。1726、救難教育隊U-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリが小松基地を離陸。1748、第12旅団第13普通科連隊30名が松本駐屯地を出発。3月6日0520、小松救難隊U-125A救難捜索機が離陸。0603、第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリが離陸。0858、浜松救難隊U-125A救難捜索機が離陸。乗員全員が発見されたため、1327に第13普通科連隊長、1332に中部航空方面隊司令官に撤収要請が出された。派遣規模は延べ隊員70名、航空機６機だった。乗員９名は全員死亡が確認されている。3月27日、栃木県那須町のスキー場で雪崩が発生し、雪山登山講習に参加していた高校生らが行方不明になったため、第12特科隊と栃木地本が那須町役場に連絡幹部を派遣。1037に栃木県知事から第12特科隊長に災害派遣要請が出され、第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリ、東部方面ヘリコプター隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ、第12旅団第12特科隊、第２普通科連隊などが捜索にあたった。1723に撤収要請が出されている。4月29日1630頃、福島県浪江町の十万山で山林火災の発生が確認され、一旦は鎮圧したが、強風に煽られて再燃・延焼したため、4月30日1200に福島県知事から第６師団長に災害派遣要請が出された。第６飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機、第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ２機、東北方面航空隊UH-1J多用途ヘリ３機などが空中消火、第44普通科連隊隊員200名が地上からの消火を開始した。福島原発事故の帰還困難区域内であるため、戦闘服の下に放射線防護服を着用、防護マスクも付けて消火に当たっている。5月6日1800頃に双葉町が山林火災の鎮圧を宣言したが、再々燃する可能性があり消火活動を継続、5月10日1505に鎮火したため撤収要請を受けた。派遣規模は延べ人員2650名、航空機101機、散水量4567トンだった。5月1日、静岡県浜松市麻生山で山火事が発生し、鎮火に至らなかったため、5月2日1115に静岡県知事から第34普通科連隊長に災害派遣要請が出された。第34普通科連隊は連絡員２名を県庁などに派遣して情報収集を開始、第１師団第１飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機と第12旅団第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ２機が空中消火にあたり、東部方面航空隊CH-47輸送ヘリ１機が情報収集を実施、日没までに10回41トンを散水した。5月3日も第34普通科連隊連絡員４名が情報収集を行い、0400から第１飛行隊UH-1J多用途ヘリ３機と第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ３機で95回435トンを散水し、火災を鎮圧した。5月8日1200頃、岩手県釜石市尾崎白浜地区で山林火災の発生が確認され、地元消防団が消火に当たったが鎮火できず、1258に岩手県知事から第９特科連隊長に災害派遣要請が出された。1344、第９師団第９特科連隊、第９戦車大隊、第９高射特科大隊の隊員計25名がファスト・フォースとして釜石市役所に前進し、第９飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機が駐屯地を離陸、空中消火に向かった。1500、尾崎白浜地区と佐須地区に避難指示が出された。1620、UH-1J多用途ヘリが空中消火を開始。5月9日には第１ヘリコプター団CH-47J輸送ヘリや三沢ヘリコプター空輸隊CH-47J輸送ヘリが加わり、第９飛行隊OH-1観測ヘリが空域統制を実施、5月15日1320に鎮圧が確認されたため撤収要請が出された。派遣規模は延べ隊員87名、航空機44機、散水量4203トンだった。6月3日1423頃、富山空港から松本空港に向かっていた民間セスナ機が北アルプスで墜落したため、1656に東京空港事務所長から中部航空方面隊司令官に災害派遣要請が出され、小松救難隊UH-60J救難ヘリ１機とU-125A救難捜索機１機が離陸して捜索を開始。1828には中部航空方面隊から中部方面総監部に協力要請があり、1925に第10師団第14普通科連隊連絡幹部２名が情報収集のため現地対策本部のある上市警察署に向かい、1928には先遣初動小隊と先遣初動小隊情報収集班からなる第14普通科連隊FAST-Force31名が軽装甲機動車など車両７両に分乗して上新川郡丸山総合公園へと出発した。6月4日も未明から第６航空団と第７施設群第382施設中隊の計20名が捜索を実施。0300にはスキー指導官などを主体とする第14普通科連隊災害派遣隊本隊45名が車両10両で立山黒部アルペンルートに向かい、0600には第14普通科連隊管理支援隊16名が車両５両で立山黒部アルペンルートへと出発、捜索を実施した。0953に県警ヘリ隊が墜落している機体と乗っていた４名を発見・収容したため、1100に撤収要請が出された。6月20日2327頃、大分県豊後水道を震源とするマグニチュード５の地震が発生したため、第４師団司令部７名と第１航空群P-3C哨戒機１機が情報収集を行った。6月25日0702頃、長野県南部を震源とするマグニチュード5.6の地震が発生したため、第４航空群P-1哨戒機１機、東部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ１機、浜松救難隊U-125A救難捜索機１機で情報収集を行った。7月5日から九州北部豪雨の災害派遣に参加。7月11日1156頃、鹿児島湾を震源とするマグニチュード5.3・最大震度５強の地震が発生したため、鹿児島地本が連絡幹部３名を鹿児島県庁と南九州市役所に、第８師団第８施設大隊が連絡幹部２名を川内市役所に、第12普通科連隊が連絡幹部２名を鹿児島県庁に派遣した。第72航空隊、同鹿屋航空分遣隊UH-60J救難ヘリ１機、第１航空群、西部方面航空隊、第８飛行隊、新田原救難隊など航空機計８機が情報収集を行っている。8月8日午後、宮城県金華山沖1900kmの太平洋上でマグロ延縄漁船の乗員が腹痛を訴えたため、8月9日未明に第２管区海上保安本部巡視艇ざおうが患者を収容、0600に同本部長から航空集団司令に急患空輸の災害派遣要請が出された。第２航空群第２航空隊P-3C哨戒機１機が八戸航空基地、第31航空群第71航空隊US-2救難飛行艇が岩国航空基地を離陸し、US-2救難飛行艇は厚木航空基地で医師を乗せてP-3C哨戒機の誘導で現場に到着、厚木航空基地に戻り患者を救急隊員に引き継いだ。8月22日0330頃、長崎県平戸の北東6kmで、砂利運搬台船と連結した押船が沈没して乗組員数名が行方不明になったため、0915に第７管区海上保安本部長から佐世保地方総監に災害派遣要請が出された。1000に佐世保警備隊佐世保水中処分隊の隊長以下15名と特別機動船17号・24号が佐世保基地を出港。海保の情報を基に沈没船の予定錨地付近を捜索したが発見できず、1138と1445には第72航空隊UH-60J救難ヘリ１機ずつが大村航空基地を離陸。予定錨地の北東1.7kmに油膜が見つかったため、特別機動艇の測深儀とポータブル測深儀で捜索を行ったところ、水深26-50mに起伏を探知し、水中処分員が水深50mの海底で右150度に傾いた沈没押船を発見した。1552、水中処分員が船内で心肺停止状態の行方不明者１名を発見し、海保巡視艇に引き渡した。8月23日も第22航空隊SH-60J哨戒ヘリ１機、佐世保水中処分隊YDT-05水中処分母船５号、特別機動艇24号、水中処分員10名で捜索を行い、行方不明の船長が船内や周辺からは見つからなかったため午前中に捜索を終了し、1810に撤収要請を受けた。8月27日、福島県福島市不動沢橋付近に２人が乗ったモーターグライダーが墜落したため、災害派遣要請があり、百里救難隊と松島救難隊が捜索を行い、8月28日0817に松島救難隊UH-60J救難ヘリが事故機を発見し、0940に福島県防災ヘリが生存者１人を救出した。残る１人は死亡している。9月17日、台風18号の大雨を受け、大分県臼杵市で河川が氾濫したため、1525に大分県知事から第41普通科連隊長に水防等活動を目的とする災害派遣要請が出された。第４師団第41普通科連隊から隊員110名、車両20両、西部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ、第４飛行隊OH-6D観測ヘリ１機が臼杵市と津久見市で情報収集と水防活動を行い、9月18日1300に撤収した。12月18日、山梨県上野原市で山火事が発生し、消防では鎮火できなかったため、1140に山梨県知事から第１特科隊長に山林火災空中消火の災害派遣が要請された。第１師団第１特科隊が連絡幹部を山梨県庁に派遣し、東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリと第12ヘリコプター隊OH-6D観測ヘリが情報収集を実施、第１飛行隊UH-1J多用途ヘリが情報収集及び空中消火、第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリが空中消火を行い、15回43.5トンを散水した。12月19日も27回99トンを散水し、1636に鎮圧が確認された。

2018年1月3日、東京都西多摩郡奥多摩町で山火事が発生し、消防では鎮火できなかったため、1月4日0811に東京都知事から第１師団長に山林火災空中消火の災害派遣要請が出された。第１師団第１飛行隊UH-1J多用途ヘリ、東部方面航空隊東部方面ヘリコプター隊第１飛行隊UH-1J多用途ヘリ、第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリが情報収集が行い、第１飛行隊UH-1J多用途ヘリと第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリで空中消火を実施、第１施設大隊と東京地本の隊員延べ10名も地上から支援し、航空機延べ９機が17回85トンを散水、1643に鎮圧した。1月10日、群馬県南牧村で山林火災が発生したため、1215に群馬県知事から第12旅団長に災害派遣が要請された。1300、第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリが離陸。第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ、東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリも離陸して情報収集や消火活動にあたり、1月11日夕方に鎮圧されたため1605に撤収要請が出された。第12旅団、第12ヘリコプター隊、東部方面ヘリコプター隊、第１ヘリコプター団から連絡幹部延べ12人、航空機延べ19機を派遣し、101回505トンを散水している。1月23日0959、草津白根山が噴火し、群馬県吾妻郡草津町の草津国際スキー場では雪崩も発生した。同スキー場では1月22-26日の予定で第12ヘリコプター隊隊員30名が積雪地訓練を行っており、８名が噴火と雪崩に巻き込まれて病院に運ばれ、うち１名は部下をかばった際に噴石が背中を直撃しており死亡、残る７名も重軽傷を負った。スキー客にも負傷者やロープウェー山頂駅での孤立者約80人が発生したため、1051に群馬県知事から第12旅団長に人命救助などの災害派遣要請が出された。第12旅団では連絡要員を群馬県庁に派遣、第48普通科連隊ファスト・フォースと第12偵察隊を草津国際スキー場に向かわせ、1102に東部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）が情報収集のため離陸、1112に第12旅団長を乗せたOH-6D観測ヘリ１機が草津国際スキー場に向け離陸した。第２普通科連隊や第13普通科連隊もスキー場での捜索にあたっている。1310、中部航空方面隊T-4練習機１機が情報収集のため離陸。1815に撤収要請が出された。延べ人員284名、車両79両、航空機９機を派遣し、陸自ヘリで14人を救助している。1月28日夜、新潟県佐渡市で凍結した水道管が破裂し断水が発生したため、１月29日0915に新潟県知事から第30普通科連隊長に災害派遣要請が出され、第12旅団司令部、第30普通科連隊、第46警戒隊、新潟地本などが延べ隊員720名と車両380両などを派遣し、2月2日までに206.4トンを給水して撤収した。1月30日0700には石川県輪島市でも水道管破裂による断水で石川県知事から第14普通科連隊に災害派遣要請が出され、第10師団第14普通科連隊、第23警戒群、第６航空団から延べ隊員70名と車両30両が2月2日までに111.4トンを給水して撤収した。2月5日、兵庫県志方町で山林火災が発生したため1420に兵庫県知事から第３特科隊長に災害派遣要請が出された。1550頃、中部方面航空隊UH-1多用途ヘリ２機が情報収集のため離陸。第３師団第３飛行隊UH-1多用途ヘリ２機も消火用バケットを吊り下げて離陸し、加古川市の溜め池で水を汲み、1700から散水した。2月6日0840に撤収要請を受け、活動規模はヘリ４機・散水量3.2トン・散水回数８回だった。2月6日、福井県の豪雪により国道８号線で車両1500両が10kmにわたり立ち往生したため、1400に福井県知事から第14普通科連隊長に災害派遣要請が出された。1415、第10師団第14普通科連隊と第６施設群第372施設中隊の計170名が駐屯地を出発し、1700から除雪作業を開始した。1900、第10師団司令部要員25名が福井県庁に指揮所を開設し、師団長が災害対策本部に入った。2月9日には私鉄路線除雪支援の追加要請が福井県知事から第14普通科連隊長に出されたため、第372施設中隊25名と第14普通科連隊60名が1400頃に出発。2月10日0320頃まで除雪支援活動を行い、1049に撤収要請を受けた。派遣規模は第10師団第14・第35普通科連隊、第10通信大隊、第10後方支援連隊、第10施設大隊、第10戦車大隊、第10飛行隊、第６施設群第372施設中隊、第７施設群第382施設中隊の延べ隊員4925名、車両805両で、累計活動実績は除雪距離31.8km、救出車両1190両、食糧配布6750食、給油支援15320リットルだった。2月20日、アメリカ空軍F-16戦闘機が増槽２本を青森県小川原湖に投棄し、油漏れが発生したため、2月21日に災害派遣要請が出され、北部方面隊司令部、第３航空団、大湊地方総監部、函館基地隊などが状況確認や回収を実施、3月4日までに長さ3m・幅1mのアルミ製部品を含む85個の破片を引き上げ、3月5日からは金属製底引き網での回収作業を行い、重量ベースで94%を回収、3月7日1130に県知事の撤収要請を受けた。派遣規模は延べ人員255名、車両45両、ボート34隻などで、3月7日には東北町主催の撤収セレモニーが行われ、アメリカ空軍三沢基地副司令官からメダルと感謝状が贈呈されている。3月1日1100頃、鹿児島県霧島山新燃岳が噴火し、宮崎県高原町で降灰が確認されたため、1228-1420に西部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1多用途ヘリによる情報収集を行い、第８師団第24普通科連隊連絡幹部２名を高原町役場に派遣した。3月2日、千歳市から苫小牧市に向かう林道で暴風雪により４人が行方不明となり、３人は警察が安否を確認したが残る１人が見つからなかったため、0000に災害派遣要請があり、北部方面総監部、第７師団第71・第73戦車連隊が隊員延べ25名と車両延べ５両などで捜索し、0335に第73戦車連隊が発見して0600に活動を終了した。3月29日0645、前日に島根県隠岐郡隠岐の島町で発生した山林火災の災害派遣要請が島根県知事から第13偵察隊長に出され、中部方面航空隊、第13旅団第８普通科連隊、第13飛行隊、第13偵察隊、島根地本が航空機延べ８機などを派遣して消火活動を実施、22回165トンを散水して3月30日0715に撤収要請を受けた。4月2日、長野県飯田市で山林火災が発生したため、1420に長野県知事から第13普通科連隊長に災害派遣要請があり、第12旅団第12ヘリコプター隊、第13普通科連隊、東部方面航空隊、第１航空団が隊員延べ８名、車両延べ４両、航空機延べ10機を派遣、11回55ドンを散水して4月3日1050に撤収要請が出された。4月6日、長野市若穂綿内の近傍で山林火災が発生したため災害派遣要請があり、第12旅団第12ヘリコプター隊、第13普通科連隊などが隊員25名、車両５両、航空機３機を派遣、1625に撤収要請を受けた。4月11日、宮崎県東臼杵郡美郷町で山林火災が発生したため、0715に宮崎県知事から第８師団長に災害派遣要請が出された。第８師団では連絡幹部を県庁と町役場に派遣し、西部方面ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリが空中統制、ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ２機が情報収集活動、CH-47輸送ヘリ３機が空中消火を行い、4月12日1900に撤収要請が出された。派遣規模は延べ隊員10名、車両３両、航空機８機だった。4月11日未明、大分県中津市耶馬溪町で土砂崩れにより住宅３棟が土砂に埋まり住人６人が行方不明となったため、0620に大分県知事から第41普通科連隊長に人命救助の災害派遣要請が出された。0715に第４師団第41普通科連隊25名と車両５両からなるファスト・フォースが駐屯地を出発し、0723に主力50名と車両15両も加わり、0725に西部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ２機が離陸。大分地本などは連絡幹部を大分県庁などに派遣して情報収集にあたった。0932に第４施設大隊10名と施設器材５両、1300に第２施設群30名と車両10両、1800に第41普通科連隊95名、13日に第８師団第８施設大隊５名と西部方面戦車隊35名が加わって昼夜兼行で人命救助にあたり、4月22日までに６人全員を発見収容し、4月23日1126に撤収要請が出された。派遣規模は延べ隊員3250名、車両845両、航空機２機だった。4月12日、岩手県宮古市田老町で山林火災が発生したため、1450に岩手県知事から第９特科連隊長に災害派遣要請があり、第９師団第９特科連隊、第９飛行隊、第１ヘリコプター団、東北方面航空隊などが、東北方面通信群による通信支援を受けつつ消火活動を実施、4月14日0640に撤収要請を受けた。派遣規模は航空機延べ30機だった。5月25日2113頃、長野県北部を震源とするマグニチュード5.2の地震が発生し、最大震度５強を観測したため、長野県庁に連絡幹部４名（長野地本と第12旅団第13普通科連隊から２名ずつ）を派遣し、2215に新潟救難隊UH-60J救難ヘリ、2220に第４航空群P-1哨戒機が離陸して情報収集を行った。6月18日に発生した大阪北部地震の災害派遣に参加。6月26日、宮城県蔵王山で登山に出掛けた男性が行方不明となったため、6月27日に災害派遣要請があり、第２施設団と東北方面後方支援隊が隊員90名と車両15両で捜索、6月28日1510に撤収要請を受けた。8月4日、長野県大桑村城山で山林火災が発生し、鎮火できなかったため、8月7日に長野県知事から第13普通科連隊長に災害派遣要請が出された。同日、長野県庁と大桑村役場に連絡幹部と偵察部隊を派遣。8月8日0518、第12ヘリコプター隊OH-6D観測ヘリ１機が相馬原駐屯地を離陸して情報収集を開始。0523、第12ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ１機が離陸して空中統制を開始。0558、第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ１機が離陸して消火活動を開始。その後東部方面航空隊ヘリ映伝装備UH-1J多用途ヘリ、第12ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ１機とCH-47輸送ヘリ２機、第１航空団が加わり、1719まで空中消火活動を行った。活動規模は延べ隊員４名、車両２両、航空機７機、散水回数71回、散水量355トンだった。8月10日1000頃、草津白根山上空付近で群馬県の防災ヘリが行方不明となったため、1245に東京空港事務所長から中部航空方面隊司令官、1343に群馬県知事から第12旅団長に捜索救助の災害派遣要請が出され、百里救難隊、新潟救難隊、中部航空方面隊司令部支援飛行隊、第12旅団第13普通科連隊、第12ヘリコプター隊、第12偵察隊、第12後方支援隊、東部方面混成団第48普通科連隊が延べ隊員340名、車両80両、航空機13機を派遣した。1445頃、百里救難隊UH-60J救難ヘリが墜落したヘリを発見し、乗員７人を収容して相馬原駐屯地に搬送した。新潟県防災ヘリが残る乗員２人を収容して全員の死亡が確認され、8月11日1135と1210に撤収要請を受けている。8月15日、口之永良部島に噴火警戒レベル４・避難準備の噴火警報が発令されたため、防衛大臣から情報収集の指示が出され、第１航空群、第８師団第12普通科連隊、鹿児島地本が航空機１機などで1314まで情報収集を行った。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。9月27日、サイパン島から新千歳空港に向かっていた小型機が福島県沖で行方不明になったため、1344に東京空港事務所長から中部航空方面隊司令官に災害派遣要請が出された。1438、第７航空団F-4戦闘機２機が百里基地を離陸し、1450に太平洋上で不明機を視認した。第３航空団F-2戦闘機２機が三沢基地を離陸し、百里救難隊U-125A救難捜索機１機とUH-60J救難ヘリ１機、松島救難隊U-125A救難捜索機１機も加わり、1723頃にUH-60J救難ヘリが機体の一部を発見したが、1826に日没で捜索活動を終了した。9月28日、百里救難隊U-125A救難捜索機と松島救難隊UH-60J救難ヘリが捜索を実施。9月29日、松島救難隊U-125A救難捜索機が捜索活動を実施。9月30日と10月1日は台風で捜索できず、10月2日に再開、同日1824に東京空港事務所長から撤収要請が出された。10月5日0858頃、北海道胆振地方中東部を震源とするマグニチュード5.2の地震が発生し、最大震度５弱を観測したため、北部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ２機と第７師団第７飛行隊OH-6D観測ヘリ１機が丘珠駐屯地を離陸し、在空の千歳救難隊UH-60J救難ヘリと共に情報収集を行った。大きな被害は確認されていない。10月22日、山口県大島大橋に外国船が接触して送水管が脱落、断水が発生したため、10月24日1430に山口県知事から第12飛行教育団司令に給水支援の災害派遣要請が出された。航空教育隊の連絡要員が周防大島町役場に向かい、2100以降に第12飛行教育団と航空教育隊の隊員30名が非常用給水装置２基（空自災害派遣では初使用）と水タンクを車載して出発、10月25日0930頃から第１航空団、西部航空警戒管制団、防府管制隊、防府気象隊なども加わって造水・給水支援を行い、第13旅団司令部や第17普通科連隊も山口県庁や周防大島町役場に連絡要員を派遣、11月7日に撤収要請が出された。派遣規模は延べ隊員500名、車両170両（２トン水タンク82基含む）などで、島内94カ所で490トンを給水し、海水から94トンの真水を製造した。11月21日0800頃、硫黄島で揚油作業を行う予定の民間船舶が座礁し、係留作業用ゴムボートが転覆したため、人命救助などの災害派遣要請があり、第21航空群と第21航空隊硫黄島航空分遣隊のUH-60J救難ヘリが要救助者４人と乗員12人を救助、うち１人を第４航空群P-1哨戒機で搬送した。11月22日、硫黄島に待避した乗員を民間船舶に輸送する人員輸送の災害派遣要請があり、第21航空群と第21航空隊硫黄島航空分遣隊のUH-60J救難ヘリで輸送支援を行った。12月6日0142頃、VMFA(AW)-242所属F/A-18D戦闘機１機とVMGR-152所属KC-130J空中給油輸送機１機が夜間空中給油訓練中に室戸岬南南東99kmの海上で墜落した。0330に第５管区海上保安本部長から中部航空方面隊司令官に災害派遣要請があり、0406に浜松救難隊UH-60J救難ヘリ、0408に新田原救難隊U-125A捜索救難機が離陸し、新田原救難隊UH-60J救難ヘリ、第24航空隊SH-60J哨戒ヘリ、第31航空群US-2救難飛行艇なども続いた。0543、第24航空隊SH-60J哨戒ヘリがF/A-18D戦闘機のWSOを収容し、小松島航空基地に搬送、生存を確認した。1222、TV-3518せとゆきがF/A-18D戦闘機のパイロットを収容し、第24航空隊SH-60J哨戒ヘリが小松島航空基地に搬送したが、後に死亡が確認され、12月7日にMV-22輸送機で岩国基地に運ばれた。KC-130J空中給油輸送機と乗員５名は12月10日まで捜索したものの手掛かりが全く得られず、12月11日0600に第５管区海上保安本部長から撤収要請が出された。捜索には芦屋救難隊、警戒航空隊E-767早期警戒管制機、第22航空隊なども参加しており、派遣規模は延べ航空機31機、艦艇11隻（ASR-404ちよだ、TV-3519やまゆき、TV-3518せとゆき）で、海保巡視船、アメリカ軍P-8A哨戒機、MC-130J特殊作戦機、C-130J輸送機、KC-135空中給油輸送機、CV-22特殊作戦輸送機、MV-22輸送機、RQ-4無人偵察機など、オーストラリア空軍P-8A哨戒機も捜索を行っている。12月25日、岐阜県関市の養豚場で豚コレラが発生したため、岐阜県知事から第10師団長に豚の殺処分などの支援に係る災害派遣要請が出された。第10師団司令部、第35普通科連隊、第10通信大隊、中部方面警務隊第130地区警務隊、岐阜地本から隊員延べ1260名と車両240両が参加し、４個隊がローテーションで24時間作業を実施、8000頭の殺処分を終えて12月27日に撤収要請を受けた。

2019年1月3日、群馬県安中市で山林火災が発生し、消防の消火活動では鎮火しなかったため、1247に群馬県知事から第12旅団長に災害派遣要請が出された。第12旅団と第48普通科連隊が連絡幹部を群馬県庁と安中市役所に派遣し、1418に東部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ１機、1423に第12ヘリコプター隊OH-6D観測ヘリ１機が離陸して情報収集を開始、1450に第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ３機が離陸して1528から消火活動にあたった。また、消火活動中の群馬県消防隊員が滑落したため、1558に群馬県知事から第12旅団長に人命救助に係る災害派遣要請が出され、1623に第48普通科連隊25名が現地に向かい、1940に消防隊員を収容して第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリで高崎ヘリポートに搬送し、消防に引き渡している。消火活動の方は延べ航空機15機で110回550トンを散水し、1月4日1332に撤収要請が出された。1月3日1810頃、熊本地方を震源とする最大震度６弱の地震が発生したため、1812に防衛省が災害対策室を設置、1814に岩屋防衛大臣が情報収集や災害対応の指示を発出し、1846に西部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ２機が離陸、1853に第１航空群P-3C哨戒機１機、1908に第８航空団F-2戦闘機２機が続いた。第８師団第42即応機動連隊も熊本県庁などに連絡幹部を派遣している。1月4日も西部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ１機と第８師団第８飛行隊UH-60JA多用途ヘリ１機が情報収集を行い、第８師団司令部などが連絡幹部を派遣、第22航空群、新田原救難隊、熊本地本連絡幹部も派遣され、異状が無いことを確認して0837に航空機による情報収集を終了した。派遣規模は人員19名（連絡幹部含む）、車両５両、航空機延べ11機だった。1月16日0114頃、８人が乗った漁船が座礁したため、0531に第９管区海上保安本部長から第６航空団司令部に乗組員の人命救助などに係る災害派遣要請があり、小松救難隊U-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリが離陸、0708からUH-60J救難ヘリがホイストで乗組員８人全員を救出し、輪島市営球場に搬送して海保に引き継いだ。1月23日、埼玉県比企郡で山林火災が発生したため、1540に東部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリを情報収集目的で離陸させたが、直後の1548に埼玉県知事から第１師団長に災害派遣要請が出された。連絡幹部を埼玉県庁とときがわ町役場に派遣すると共に、第１飛行隊UH-1J多用途ヘリと第12ヘリコプター隊OH-6D観測ヘリで情報収集にあたり、1715から第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ２機で空中消火を開始。1月24日には第12ヘリコプター隊・第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ計６機が空中から、第１師団第32普通科連隊が地上から消火活動に当たり、1月25日には東部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ２機で情報収集を行い、1006に撤収要請を受けた。派遣規模は延べ隊員280名、車両65両、航空機19機で、440トンを散水した。1月24日、和歌山県田辺市で山林火災が発生したため、1718に県知事から第37普通科連隊長に災害派遣要請が出された。第３師団第37普通科連隊はFast-Forceを田辺市に向かわせ、和歌山県庁と田辺市消防本部に第37普通科連隊と第３飛行隊の連絡幹部を派遣。1月25日、中部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリが情報収集、同航空隊CH-47輸送ヘリ２機が空中消火を実施。1月26日、第３飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機の空中統制の下、中部方面航空隊CH-47輸送ヘリ２機で空中消火を実施し、1330に撤収要請を受けた。派遣規模は延べ隊員15名、車両７両、航空機13機で、120トンを散水した。1月29日、岐阜県各務原市の養豚場で豚コレラが発生したため、0700に岐阜県知事から第10師団長に殺処分等の支援に係る災害派遣要請があり、第10師団司令部／司令部付隊、第35普通科連隊、第10後方支援連隊、第10通信大隊、岐阜地本から延べ隊員265名と車両55両が参加し、1800頭を殺処分して1月30日0900に撤収要請が出された。2月5日、愛知県豊田市の養豚場で豚コレラが発生し、出荷先でも疑似患畜が確認されたため、2月6日0830に愛知・岐阜県知事から第10師団長に豚の殺処分などの支援に係る災害派遣要請があり、第10師団司令部、第14・第33・第35普通科連隊、第10特科連隊、第130地区警務隊から両県に140名ずつを派遣し、2月8日に岐阜県知事、2月9日0700に愛知県知事から撤収要請を受けた。2月6日1222、長野県宮田村の養豚場で豚コレラの感染が確認されたため、長野県知事から第13普通科連隊長に災害派遣要請が出され、第12旅団第13普通科連隊、第２普通科連隊、第12化学防護隊、第12後方支援隊、第１施設団第306施設隊から延べ370名が派遣され、2月8日0900に撤収要請を受けた。2月21日2122頃、北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度６弱の地震が発生したため、2122に防衛省に災害対策室が設置され、2125には岩屋防衛大臣が万全な対応を指示した。2147、第３航空団F-2戦闘機２機が情報収集のため三沢基地を離陸。2148、北部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ１機が情報収集のため丘珠駐屯地を離陸。第７師団第７飛行隊UH-1J多用途ヘリ１機、第11旅団第11飛行隊UH-1J多用途ヘリ１機、第25航空隊SH-60哨戒ヘリ１機、第２航空群P-3C哨戒機１機、千歳救難隊UH-60J救難ヘリ１機、第７師団第７偵察隊、第７特科連隊も情報収集を行った。2月22日、北部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ２機、第７特科連隊、第72戦車連隊、第11普通科連隊などが情報収集を行い、1018に航空機による情報収集を終えた。北部方面総監部や第12施設群も参加している。派遣規模は延べ人員195名、車両50両、航空機11機だった。被害は確認されず、自治体からの災害派遣要請も受けなかった。3月24日、埼玉県飯能市で山林火災が発生したため、1715に埼玉県知事から第１師団長に空中消火の災害派遣要請が出され、第１師団司令部、第32普通科連隊、第12ヘリコプター隊、東部方面航空隊から延べ隊員20名、車両８両、航空機２機が参加、3月24日0855に撤収要請を受けた。3月25日、栃木県足利市で山林火災が発生したため、朝に東部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ２機で情報収集を開始、第12旅団第12特科隊などが連絡要員を栃木県庁などに派遣。1313に栃木県知事から第12特科隊長に災害派遣要請が出され、1341から第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリが離陸して空中消火を開始した。第12旅団第12特科隊、第12ヘリコプター隊、東部方面航空隊、栃木地本から航空機延べ16機と連絡要員17名が参加、98回490トンを散水し、3月26日1230に撤収要請が出された。4月4日、広島県呉市で山林火災が発生したため、広島県知事から第13旅団長に災害派遣要請があり、第13旅団司令部、第13飛行隊、第46普通科連隊、中部方面航空隊から隊員２名、車両１両、航空機５機で消火活動を実施、118回計590トンを散水し、4月5日に撤収要請を受けた。4月5日、静岡県浜松市で山林火災が発生したため、静岡県知事から第34普通科連隊長に災害派遣要請があり、第１師団司令部、第34普通科連隊、第１飛行隊、東部方面航空隊、第１ヘリコプター団、第１航空団、静岡地本から延べ隊員150名、車両30両、航空機５機で消火活動を実施、19回計95トンを散水し、4月6日に撤収要請を受けた。4月5日、長野県佐久穂町で山林火災が発生したため、長野県知事から第13普通科連隊長に災害派遣要請があり、第12旅団第13普通科連隊、第12ヘリコプター隊、東部方面航空隊、長野地本から延べ隊員35名、車両10両、航空機15機が参加、105回525トンを散水し、4月7日に撤収要請を受けた。4月6日、長野県喬木村で山林火災が発生したため、長野県知事から第13普通科連隊長に災害派遣要請があり、第12旅団第13普通科連隊、第12ヘリコプター隊、東部方面航空隊、第１ヘリコプター団、第１航空団から航空機延べ17機などが参加、47回235トンを散水し、4月7日に撤収要請を受けた。4月9日、福島県田村町で山林火災が発生したため、福島県知事から第６師団長に災害派遣要請があり、第６師団司令部、第６特科連隊、第６飛行隊、東北方面航空隊、第１ヘリコプター団から航空機延べ18機などが参加、51回120トンを散水し、4月10日に撤収要請を受けた。4月19日、長野県軽井沢町で山林火災が発生したため、1420に長野県知事から第13普通科連隊長に災害派遣要請があり、第12旅団第13普通科連隊、第12ヘリコプター隊、東部方面航空隊、長野地本から航空機５機などが現場に向かったが、自治体で対応可能となったため消火活動開始前の1600過ぎに撤収要請を受けた。4月19日、沖縄県宮古島市の海岸に油状の物体が漂着したため、1119に沖縄県知事から宮古警備隊長と南西航空方面隊司令官に災害派遣要請があり、宮古警備隊、南西航空方面隊司令部、第53警戒隊から延べ隊員155名と車両25両などが参加、一斗缶33缶分を回収し、4月20日0914と0916に撤収要請を受けた。4月22日、群馬県下仁田町で山林火災が発生したため、1513に群馬県知事から第12旅団長に災害派遣要請があり、第12旅団司令部、第12ヘリコプター隊、第12施設隊、東部方面航空隊、群馬地本から航空機５機などが参加、９回45トンを散水して1900前に撤収要請を受けた。4月23日、青森県南部町で山林火災が発生したため、1214-1215に第４地対艦ミサイル連隊連絡幹部を南部町役場、第９師団司令部連絡幹部を青森県庁に派遣。1300に青森県知事から第９師団長に災害派遣要請が出され、1308に第９飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機、1408に東北方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリが離陸した。1437に第９飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機が消火のため現場に向かったが、自治体で対応可能な状況となったため、消火活動には入らず、1554に撤収要請を受けた。5月2日、岐阜県焼岳付近に２人が乗った民間グライダーが不時着したと乗員から連絡があり、警察と消防が捜索したが見つからなかったため、5月3日0125に東京空港事務所長から中部航空方面隊司令官に捜索救難の災害派遣要請が出された。0425頃に小松救難隊U-125A救難捜索機１機とUH-60J救難ヘリ、0514頃に新潟救難隊UH-60J救難ヘリが離陸し、0629頃に小松救難隊UH-60J救難ヘリが要救助者２名をホイストで救助して0646に飛騨エアパークに搬送、0730に撤収要請を受けている。5月10日0848頃、宮崎県日向灘を震源とするマグニチュード6.3・最大震度５弱の地震が発生したため、第８師団第43普通科連隊、第８通信大隊、宮崎地本が宮崎県庁などに連絡幹部17名を車両７両で派遣し、西部方面航空隊と第８師団第８飛行隊が1120まで航空機３機などで情報収集を行い、被害が無いことを確認した。5月17日、愛知県田原市の養豚場で豚コレラが発生したため、1500に県知事から第10師団長に災害派遣要請が出され、5月20日までに4700頭の殺処分を行い、0730に撤収要請を受けた。参加規模は第10師団司令部、第10施設大隊、第130地区警務隊から延べ隊員290名、連絡幹部８名、車両25両だった。5月18日、鹿児島県屋久島で大雨による土砂崩れが発生し、登山者などが孤立したため、2100に鹿児島県知事から第12普通科連隊長に災害派遣要請が出された。5月19日0100から第８師団第12普通科連隊基幹の災派部隊が国分駐屯地に集結、第２輸送航空隊C-1輸送機や海保巡視船あまぎで屋久島に移動し、救助活動を開始。西部方面総監部、西部方面衛生隊、第８師団司令部、第12普通科連隊、第８情報隊、第８施設大隊、第８通信大隊、第８偵察隊、第８後方支援連隊、佐世保地方総監部、第２輸送航空隊、鹿児島地本から隊員延べ180名（330名？）、LST-4003くにさき、航空機２機が参加し、孤立者314人を救助、5月20日1700に撤収要請を受けた。5月18日、鹿児島県口之永良部島で大雨により床上浸水や導水管破損による断水が発生したため、5月19日2300に鹿児島県知事から第12普通科連隊長に災害派遣要請が出された。連隊長は西部方面総監部幕僚らと被害状況を確認し、5月21日1100に第８師団第12普通科連隊60名が西部方面航空隊CH-47JA輸送ヘリで口之永良部島に到着、復旧作業や流木・土砂除去に入っている。派遣規模は延べ隊員270名、連絡要員18名、航空機22機で、5月24日に撤収要請を受けた。5月26日未明、千葉県銚子市犬吠埼沖で民間貨物船２隻が衝突して千勝丸が沈没し、乗員３人が行方不明となったため、5月27日1730に第３管区海上保安本部長から自衛艦隊司令官に捜索救助の災害派遣要請が出された。2022、ASR-404ちよだが徳島県沖を抜錨し、現場に向かった。5月28日、ASR-404ちよだに第21航空群UH-60J救難ヘリが着艦し、潜水医学実験隊医官など３名を移乗させた。1356、ASR-404ちよだが現場に到着し、捜索支援を開始。ソナーで沈没船の位置を確認し、潜水士を巡視船いずに派遣、いずから海保ヘリで特殊救難隊員９人が搭乗し、救助方法などを海保と共有した。2100、海保特殊救難隊員が潜水捜索を開始。沈没船内や周辺で行方不明者が見つからなかったため、5月29日1500にASR-404ちよだが支援を終了、代わりに第４航空群P-1哨戒機が5月31日まで周辺海域の捜索を行い、1755に撤収要請を受けた。5月27日、東京都檜原村で山林火災が発生したため、2055に東京都知事から第１師団長に災害派遣要請があり、夜に第１施設大隊ファスト・フォース10名が駐屯地を出発。第１飛行隊UH-1J多用途ヘリ１機、東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ１機、第12ヘリコプター隊CH-47J/JA輸送ヘリ５機が消火活動や空中統制などのため現地に向かった。第１師団司令部、第１飛行隊、第１施設大隊、第12ヘリコプター隊、東部方面ヘリコプター隊、東京地本から延べ隊員10名、車両１両、ヘリ９機などが参加、70回350トンを散水し、5月29日0907に撤収要請を受けた。5月27日、北海道雄武町で山林火災が発生したため、1435に道知事から第２師団長に災害派遣要請があり、第２師団司令部、第25普通科連隊、第２飛行隊UH-1J多用途ヘリ、北部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ、第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ２機、三沢ヘリコプター空輸隊CH-47輸送ヘリ、入間ヘリコプター空輸隊から航空機延べ27機などが参加、6月4日に撤収要請を受けた。6月5日、岐阜県山県市の養豚場で豚コレラの発生が確認されたため、1530に県知事から第10師団長に災害派遣要請が出され、6月8日までに7400頭の殺処分を完了、0800に活動を終えた。派遣規模は第10師団司令部、第35普通科連隊、第10後方支援連隊第３普通科直接支援中隊、第130地区警務隊から延べ隊員580名、連絡幹部８名、車両80両だった。6月18日2222頃、山形県沖を震源とする最大震度６強の地震が発生したため、2239に第６航空団F-15戦闘機２機が情報収集のため離陸。更に第３航空団F-2戦闘機、小松救難隊U-125A救難捜索機、秋田救難隊UH-60J救難ヘリ、第２航空群P-3C哨戒機、第４航空群P-1哨戒機、第23航空隊SH-60哨戒ヘリ、第25航空隊SH-60哨戒ヘリ、東北方面航空隊UH-1J多用途ヘリ、東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ、第12ヘリコプター隊OH-1観測ヘリ・UH-1J多用途ヘリ、第６師団司令部、第20普通科連隊、第21普通科連隊、第６飛行隊、第12旅団第２普通科連隊、第30普通科連隊、第10師団第14普通科連隊、中部方面航空隊、新潟基地分遣隊、舞鶴警備隊、MSC-682のとじま、新潟救難隊、第23警戒群、第46警戒隊、山形地本、新潟地本が延べ航空機20機などで情報収集活動を行った。大きな被害は確認されず、災害派遣要請も出されなかったため、6月19日0700に情報収集活動を終えている。6月20日、高知県北川村で山林火災が発生したため、6月21日1700に高知県知事から第50普通科連隊長に災害派遣要請が出された。第14旅団第14飛行隊UH-1J多用途ヘリ、中部方面航空隊第３飛行隊CH-47輸送ヘリ、航空学校明野本校CH-47輸送ヘリが離陸し、平鍋ダムで取水して放水を開始。中部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ２機がヘリ映伝で映像を統幕・陸幕・中部方面総監部に送り、第14飛行隊UH-1J多用途ヘリが空中統制を行った。6月22日0600、撤収要請を受けて活動を終えた。派遣規模は航空機延べ７機などで、第14飛行隊が16回、中部方面航空隊が21回、航空学校明野本校が８回の散水を行い、計153トンを散水した。6月29日、愛知県西尾市の養豚場で豚コレラの疑似患畜が確認されたため、愛知県知事から第10師団長に豚の殺処分などの支援に係る災害派遣要請があり、第10師団司令部、第10特科連隊、第130地区警務隊から延べ隊員470名と車両55両などが参加、7月2日に撤収要請を受けた。7月3日1453、6月28日から続く大雨（総雨量900mm）で土砂・洪水災害の恐れが高まったため、鹿児島県知事から第８師団長に土砂災害・洪水災害の準備及び対処に係る災害派遣要請があり、第８師団司令部、第12普通科連隊、第８飛行隊、西部方面航空隊などから延べ隊員200名、車両30両、航空機４機が参加、7月4日に撤収要請を受けた。7月3日、岐阜県恵那市の養豚場で豚コレラの疑似患畜が確認されたため、愛知県知事から第10師団長に豚の殺処分などの支援に係る災害派遣要請があり、第10師団司令部、第35普通科連隊、第10後方支援連隊、第130地区警務隊から延べ隊員270名と車両40両などが参加、7月5日に撤収要請を受けた。8月4日1923頃、福島県沖を震源とするマグニチュード6.4・最大震度５弱の地震が発生したため、福島地本、第６師団第22即応機動連隊、第44普通科連隊の連絡幹部５名を福島・宮城県庁に派遣して情報収集を行った。目立った被害は無く、災害派遣要請は出されなかった。8月7日2208頃、浅間山で小規模噴火が発生したため、2255に長野地本連絡幹部が長野県庁に、2325に群馬地本連絡幹部が群馬県庁に到着。8月8日0300に東部方面情報処理隊、0400前に第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリ１機、0636に偵察航空隊RF-4E偵察機１機が駐屯地や基地を出発・離陸し、1500まで情報収集を行った。被害は無く、災害派遣要請も出されなかった。8月28日から佐賀県豪雨の災害派遣を実施。9月9日未明に千葉市付近に上陸した台風15号の災害派遣を実施。9月12日、広島県江田島市で山林火災が発生したため、9月13日に広島県知事から第13旅団長に災害派遣要請が出され、中部方面ヘリコプター隊、第13飛行隊、第46普通科連隊、海自第１術科学校から航空機延べ４機などが参加、同日中に撤収要請を受けた。9月21日、山梨県道志村のキャンプ場で女児１人が行方不明になったため、9月24日1700に山梨県知事から第１特科隊長に行方不明者捜索の災害派遣要請が出された。第１師団第１特科隊と第１通信大隊の隊員175名が駐屯地を出発し、東部方面航空隊ヘリ映伝装備UH-1J多用途ヘリと東部方面情報処理隊無人機が上空からの情報収集を開始。山梨地本は連絡員を山梨県庁などに派遣して情報収集を行った。9月26日0600から第１特科隊と第１通信大隊の隊員175名がグループ３個に分かれて地上からの捜索を開始。上空からの情報収集も継続したが、発見には至らず、9月28日1200に撤収要請が出された。10月12日に上陸した台風19号の被害により各地で災害派遣要請が出され、10月13日1600に防衛大臣が災統合任務部隊の編成を下命、10月25日の台風21号による大雨の災害派遣にも引き続き参加した。12月12日0109頃、北海道宗谷地方北部を震源とする最大震度５弱の地震が発生したため、陸上総隊、北部方面総監部、第２師団、第11旅団、北部方面後方支援隊、第301沿岸監視隊が情報収集にあたり、北部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）が豊富町方面を偵察した。被害は確認されていない。

2020年1月8日、沖縄県うるま市で豚コレラの発生が確認されたため、0940に沖縄県知事から第15旅団長に災害派遣要請が出された。第15高射特科連隊長を派遣部隊指揮官とする対処部隊（第15高射特科連隊、第51普通科連隊）が1202に現地で活動を開始し、第15旅団司令部の連絡幹部チームが県との調整、第15後方支援隊が農水省からの物資輸送、第15通信隊が県庁と現地の間の通信、第136地区警務隊が派遣車両の誘導を行った。1月10日までに2000頭の殺処分支援を完了したが、同日以降も沖縄市やうるま市で豚コレラ発生確認が相次ぎ、1月17日に殺処分などの支援を完了し、1月18日に養豚農場の清掃を終了、1月20日1315に県知事から撤収要請が出された。派遣規模は延べ6500名、車両550両だった。1月31日、新型コロナウイルスが流行している中国からの帰国邦人の一時滞在施設としてチャーター船はくおうを自主派遣する災害派遣命令が出された。3月13日0218頃、能登地方を震源とする最大震度５強の地震が発生したため、第10師団第14普通科連隊初動対応部隊20名と、第３航空隊P-1哨戒機など航空機６機が情報収集と偵察を行い、被害は確認されなかった。3月24日、宮崎県えびの市で山林火災が発生したため、1550に宮崎県知事から第８師団長に災害派遣要請が出された。1710、西部方面ヘリコプター隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ２機が離陸。1845、第８飛行隊UH-60JA多用途ヘリ１機が空中消火を実施。西部方面混成団第24普通科連隊が地上支援を行っている。3月25日0800に県知事から撤収要請が出され、活動を終了した。3月27日、茨城県久慈郡大子町で山林火災が発生したため、1845に茨城県知事から施設学校長に災害派遣要請があり、3月28日0830に東部方面ヘリコプター隊ヘリ映伝搭載UH-1J多用途ヘリ１機と映像中継用UH-1J多用途ヘリ１機が離陸し、1050に第１師団第１飛行隊UH-1J多用途ヘリ、1317から第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ２機が空中消火を行い、1505に茨城県知事から撤収要請を受け活動を終了した。4月30日、山形県南陽市で山林火災が発生したため、1501に山形県知事から第６師団長に消火活動に係る災害派遣要請が出された。第20普通科連隊が連絡要員２名を南陽市役所に派遣し、第６飛行隊と東北方面航空隊がUH-1J多用途ヘリ１機ずつで情報収集を実施。5月1日0300に第20普通科連隊初動対応部隊が神町駐屯地を出発し、0522から第６飛行隊の統制下に東北方面航空隊が情報収集、第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ２機が0522から空中消火を実施、同日1449に撤収要請を受けた。派遣規模は航空機延べ６機、散水量70トンだった。5月7日、兵庫県朝来市で山林火災が発生したため、5月8日2300に兵庫県知事から第３師団長に消火活動に係る災害派遣要請があり、5月9日0600から第３飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機と中部方面ヘリコプター隊第３飛行隊CH-47輸送ヘリ１機が消火活動を実施。5月10日は悪天候で活動中止となったが、5月11日にUH-1J多用途ヘリ１機とCH-47輸送ヘリ１機で活動を再開し、鎮火したため1440に撤収要請を受け撤収した。活動規模は航空機延べ５機、散水量80トンだった。7月4日に発生した九州豪雨の災害派遣に参加。7月28日、山形県が大雨に襲われたため、第６師団第６飛行隊UH-1J多用途ヘリ１機、第20普通科連隊、東北方面航空隊UH-1J多用途ヘリ１機が情報収集を開始。7月29日にかけ最上川が複数箇所で氾濫し、尾花沢市と大石田町で断水が発生したため、7月30日1510に山形県知事から第６師団長に災害派遣要請が出され、7月31日から第20普通科連隊30名が３カ所で１トン水タンクトレーラー６両により8月2日1900まで給水活動（延べ40トン）を行った。9月4日1300、台風10号接近で離島住民の避難が必要となったため、鹿児島県知事から第８師団に災害派遣要請があり、同日に西部方面航空隊CH-47輸送ヘリ４機、第22航空隊鹿屋航空分遣隊UH-60J救難ヘリ２機、那覇ヘリコプター空輸隊CH-47輸送ヘリ２機、9月5日に西部方面航空隊CH-47輸送ヘリ１機が十島村から200人を鹿児島市谷山ヘリポートに空輸した。9月6-7日、台風10号の影響により沖縄県北大東島で停電が発生し、北大東島空港では通信器材不具合により民航機が運航不能となったため、9月7日0715に沖縄県知事から第15旅団長に沖縄電力社員12人の輸送に係る災害派遣要請が出された。0925、第15ヘリコプター隊CH-47JA輸送ヘリ１機が社員12人と器材を輸送。また、天候回復後の被害情報収集に自第305飛行隊F-15戦闘機２機、那覇救難隊UH-60J救難ヘリ１機、新田原救難隊U-125A救難捜索機１機とUH-60J救難ヘリ１機、芦屋救難隊UH-60J救難ヘリ２機などが参加した。10月15日、山口県周南市の山林で火災が発生したため、1315に山口県知事から第17普通科連隊長に災害派遣要請があり、第13旅団第13飛行隊UH-1J多用途ヘリ２機と中部方面ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ１機が消火活動を開始、10月16日1324に県知事から撤収要請が出された。117回370トンを散水している。12月24日、千葉県いすみ市の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、1000に千葉県知事から第１空挺団長に鶏の殺処分等の支援に係る災害派遣要請があり、夕方から第１空挺団と高射教導隊基幹の対処部隊が650名態勢で活動を開始、12月31日1200に千葉県知事から撤収要請が出された。114万羽を殺処分している。12月29日、宮崎県小林市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したため、宮崎県知事から第24普通科連隊長に災害派遣要請が出され、西部方面混成団第24普通科連隊と西部方面特科連隊第３大隊を基幹とする260名態勢で活動を開始、12月30日夜に撤収した。15万羽を殺処分している。

2021年1月5日、秋田県横手市で積雪が170cm（例年の４倍超）に達し、除雪が追いつかなくなったため、夕方に秋田県知事から第21普通科連隊に災害派遣要請があり、1月6-10日に第６師団第21普通科連隊・第９師団第39普通科連隊の最大370名・延べ1110名が横手市、湯沢市、羽後町、東成瀬村で除雪作業を行った。1月7日からの大雪により、北陸道と東海北陸道で車両が立ち往生したため、1月10日0400に富山県知事と福井県知事から第14普通科連隊長に災害派遣要請があり、第10師団第14・第35普通科連隊、第10施設大隊、第10後方支援連隊、第10戦車大隊、第６・第７施設群の250名が除雪、燃料・食料配布、滞留車両牽引などを行い、1月11日夜に撤収した。1月11日、千葉県いすみ市の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、1200に千葉県知事から第１師団長に鶏の殺処分等の支援の災害派遣要請が出され、第１・第32普通科連隊、第１後方支援連隊、第１空挺団、高射学校の５個対処部隊1000名が夜から殺処分などを行い、1月19日1500に完了して千葉県知事から第１師団長に撤収要請が出された。115万羽を殺処分している。1月30日、宮崎県新富町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、1月31日0700に宮崎県知事から第43普通科連隊長に鶏の殺処分等の支援の災害派遣要請が出され、第８師団第43普通科連隊と第５航空団からなる対処部隊が200名態勢で活動し、2月1日1712に撤収要請が出された。2月1日、茨城県城里町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、2月2日0700に茨城県知事から施設学校長に鶏の殺処分等の支援の災害派遣要請があり、施設学校、第１施設団、武器学校の隊員210名が1000から６個対処部隊で活動を行った。2月6日、千葉県旭市の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、第１空挺団が2月7日までに42万羽を殺処分した。2月7日、千葉県多古町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、第１空挺団、第２高射特科群、高射学校、需品学校が2月11日までに115万羽を殺処分した。宮崎県新富町の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したため、第８師団第43普通科連隊と第５航空団が2月8日までに24万羽を殺処分した。2月9日、千葉県匝瑳市の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、第１空挺団が2月10日までに25.6万羽を殺処分した。2月12日、千葉県匝瑳市の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、第１空挺団が2月14日までに計35.7万羽を殺処分した。2月13日2308頃、福島県沖を震源とする最大震度６強の地震が発生したため、2309に菅総理から、2315に岸防衛大臣から防衛省・自衛隊に情報収集に努め災害対応に万全を期す指示が出された。陸自第６師団第22即応機動連隊・同第44普通科連隊ファスト・フォース計60名、東北・東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ、海自第２航空群P-3C哨戒機、第４航空群P-1哨戒機、第21航空群UH-60J救難ヘリ、空自第６航空団F-15J戦闘機、第７航空団、松島救難隊、百里救難隊U-125A救難捜索機・UH-60J救難ヘリなどが2329から情報収集を行い、2月14日には５県55市町村に連絡幹部LO計140名を派遣、0900と1600に福島県知事から第44普通科連隊長に給水支援に係る災害派遣要請があり、第６師団第44普通科連隊が新地町で、東北方面特科連隊が天栄村で給水支援を実施し、2月15日1550に撤収要請を受けた。活動実績は第44普通科連隊が30名7.2トン、東北方面特科連隊が30名2.2トンだった。仙台駐屯地業務隊はキッズルームを開設して派遣隊員支援にあたっている。2月21日、栃木県足利市両崖山で山火事が発生して延焼し、2月22日1035に栃木県知事から第12特科隊長に災害派遣要請が出されたため、第12旅団第12特科隊連絡員３名を足利市役所に派遣、1157頃から第12ヘリコプター隊CH-47JA輸送ヘリ２機で消火活動を行った。2月23日、強風で更に延焼したため、第１師団第１飛行隊UH-60JA多用途ヘリ２機が空中統制を行い、第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ４機が消火活動を実施。2月24日、東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）の情報収集及び指揮統制を受け、第12ヘリコプター隊と第１ヘリコプター団のCH-47輸送ヘリ計６機で消火活動を継続。2月25日、CH-47輸送ヘリ８機で消火活動を実施。2月26日、焼損面積が100ヘクタールに達し、CH-47輸送ヘリ８機で消火活動を継続した。2月27日、第12ヘリコプター隊、第１ヘリコプター団、入間ヘリコプター空輸隊のCH-47輸送ヘリ計８機で消火活動を実施。2月28日、CH-47輸送ヘリ６機で消火活動を行い、炎が見えなくなったため、目視と赤外線で監視した。3月1日1600、消防庁が鎮圧を発表し、3月3日1430に栃木県知事から撤収要請が出されて撤収した。延べ401回2005トンを散水している。2月23日、東京都青梅市で発生した建物火災が山林に延焼したため、東京都知事から第１師団長に災害派遣要請が出され、東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ１機と第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ２機が消火活動を行い、56回散水して同日1714に撤収要請が出された。2月25日、群馬県桐生市で山火事が発生したため、群馬県知事から第12旅団長に災害派遣要請が出され、第12ヘリコプター隊がUH-60JA多用途ヘリとUH-1J多用途ヘリで情報収集を行い、CH-47輸送ヘリで消火活動を開始、第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリも加わり、118回590トンを散水して2月28日1130に撤収要請が出された。4月16日0515、福岡県知事から航空支援集団司令官に肺移植が必要な子供１人の急患輸送に係る災害派遣要請があり、第１輸送航空隊C-130H輸送機が小牧基地で航空機動衛生隊と機動衛生ユニットを載せ、福岡国際空港で患者を収容し1047に離陸、1156に伊丹空港に着陸して患者を救急車に引き渡した。4月17日、栃木県那須塩原市内の養豚場２カ所で豚熱の感染が発生したため、1800に栃木県知事から第12特科隊長に豚の殺処分等の支援に災害派遣要請があり、第12旅団第12特科隊と第１施設団第307施設隊の計200名が豚の追い込み・殺処分・積載などを行い、4月20日1300に県知事から撤収要請を受けて活動を終えた。4月21日、茨城県大子町で山林火災が発生したため、4月22日0400に茨城県知事から施設学校長に空中消火に係る災害派遣要請が出された。施設学校連絡要員２名を大子町役場、第１師団第１飛行隊連絡要員２名を大子町広域公園に派遣し、0631からUH-1J多用途ヘリ２機による航空偵察と空中統制支援の下で第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリによる空中消火を行い、７回35トンを散水して0925に撤収要請が出された。4月22日1200過ぎ、群馬県みどり市で住宅火災があり、山林に延焼したため、1350に群馬県知事から第12旅団長に災害派遣要請が出された。第12ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリ１機と東部方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）１機が航空偵察を行い、1553から第12ヘリコプター隊CH-47J輸送ヘリ１機とCH-47JA輸送ヘリ１機で空中消火を開始。4月23日からは第１ヘリコプター団CH-47JA輸送ヘリ２機も加わり、2055に撤収要請を受けた。144回720トンを散水している。4月23日、福島県郡山市で山林火災が発生したため、福島県知事から第44普通科連隊長に空中消火に係る災害派遣要請が出され、第44普通科連隊が福島県庁に連絡員を派遣し、第６師団第６飛行隊UH-1J多用途ヘリ１機と東北方面航空隊UH-1J多用途ヘリ（ヘリ映伝搭載）が航空偵察を行った。5月27日2355頃、愛媛県今治市来島梶取鼻灯台北北東4kmで北星海運Ro-Ro船白虎と興亜海運ケミカル船ウルサン・パイオニアが衝突し、白虎が沈没、乗員12人のうち３人が行方不明になったため、5月28日0330に第６管区海上保安本部から呉地方総監に行方不明者捜索に係る災害派遣要請があり、0944からASR-404ちよだ、MST-464ぶんご、MSC-690みやじま、MSC-683つのしま、第111航空隊MCH-101掃海輸送ヘリ１機、第24航空隊SH-60J哨戒ヘリで捜索を実施、海保による潜水捜索終了を受け6月1日0800に撤収要請を受けた。7月3日から静岡県熱海市土石流の災害派遣を実施。7月10日早朝、鹿児島・宮崎・熊本県に大雨特別警報が発令されたため、西部方面航空隊、第８師団第８通信大隊・第８施設大隊、西部航空警戒管制団などが自主派遣で車両・ヘリ・無人機による情報収集を行った。8月13日から九州豪雨の災害派遣に参加。10月3日、和歌山市紀の川に掛かる六十谷水道橋の一部が崩落し、６万世帯が断水したため、2300に和歌山県知事から第37普通科連隊に災害派遣要請が出された。市役所と加納浄水場に連絡員２名ずつを派遣し、10月4日未明から第３師団第37普通科連隊先遣部隊60名を派遣し、0700から給水支援を開始。10月5日には第３師団第36普通科連隊、同第３後方支援連隊、中部方面後方支援隊なども参加して和歌山市内10カ所で給水支援を行い、この日時点の活動規模は隊員150名、水トレーラー16両、３トン半水タンク４両で、給水実績は50トンに達した。10月9日200に和歌山県知事から第37普通科連隊長に撤収要請が出された。派遣規模は延べ人員1000名、１トン水トレーラー96両、３トン半水タンク車22両、高機動車60両で、給水実績は1000トンだった。10月7日2241頃、千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9・最大震度５強の地震が発生したため、2243に首相官邸対策本部が設置され、2245に岸防衛大臣が情報収集を指示し、東京都庁、千葉県庁、埼玉県庁に連絡員を派遣すると共に、陸自東部方面航空隊、第４対戦車ヘリコプター隊、第１師団第１飛行隊、第１普通科連隊、第１偵察隊、海自第21航空隊、空自第６航空団、百里救難隊が、同日に隊員19名、車両13両、航空機７機で、8日に隊員18名、車両10両、航空機４機で情報収集を行った。海上保安庁も本庁と第３管区海上保安本部に地震災害対策本部を設置し、千葉県庁に職員を派遣、船艇や航空機で東京・神奈川・千葉沿岸部の状況調査を行っている。

2022年1月22日0108頃、日向灘を震源とするマグニチュード6.6・最大震度５強の地震が発生したため、UH-1多用途ヘリ、P-1哨戒機、MCH-101掃海輸送ヘリ、F-15戦闘機、空自UH-60J救難ヘリで情報収集を行った。被害は確認されず、災害派遣要請も出されていない。3月16日2336頃、福島県沖を震源とする最大震度６強の地震が発生し、2338に岸田首相から防衛省に応急対策及び情報提供の指示があり、2345に岸防衛大臣が人命救助と情報収集を下命したことを受け、陸自東北方面航空隊UH-1J多用途ヘリ、第９師団第９飛行隊UH-1J多用途ヘリ、海自第２航空群P-3C哨戒機、第４航空群P-1哨戒機、第21航空隊SH-60K哨戒ヘリ、第25航空隊SH-60K哨戒ヘリ、空自第３航空団F-15J戦闘機、第７航空団F-2A戦闘機、松島救難隊U-125A捜索救難機、UH-60J救難ヘリなどで情報収集を行った。死者３人と負傷者230人の人的被害に加え、福島県と宮城県で断水が発生したため、3月17日に福島県知事が第44普通科連隊長に、宮城県知事が第22即応機動連隊長に給水支援の災害派遣要請を発出。福島県相馬市、南相馬市、新地町で第６師団第44普通科連隊、第６後方支援連隊、第６特殊武器防護隊、第６高射特科大隊、東北方面特科連隊、東北方面後方支援隊が、宮城県栗原市、大崎市、美里町などで第22即応機動連隊が給水支援を行い、宮城県では延べ110名が60トンを給水して3月20日1830に、福島県では延べ950名が790トンを給水して3月24日に撤収要請を受けた。3月17日1246、前日に発生した大分県竹田市での山林火災が鎮火に至らないため、大分県知事から第４師団長に災害派遣が要請された。西部方面航空隊CH-47輸送ヘリ２機が熊本県高森町大谷ダムで取水して16回80トンを放水し、西部方面特科隊と第41普通科連隊の連絡員２名ずつを竹田市消防本部と大分県庁に派遣、第４飛行隊UH-1多用途ヘリ１機が航空偵察を、西部航空方面隊UH-1多用途ヘリ２機が映像伝送を、第41普通科連隊と第４通信大隊が地上からの映像伝送を行い、3月18日0741に撤収要請を受けている。4月10日1430、宮崎県綾町で山林火災が発生したため、1918に宮崎県知事から第43普通科連隊長に空中消火に係る災害派遣要請が出された。4月11日早朝から第８師団第８飛行隊と西部方面航空隊のUH-60JA多用途ヘリ２機とCH-47JA輸送ヘリ１機で消火活動を行い、９回26トンを放水して0935に撤収要請を受けた。第43普通科連隊が宮崎県庁と綾町役場に連絡員２名ずつ、第８飛行隊が宮崎空港防災航空センターに２名を派遣している。4月23日1315頃、北海道知床沖で乗員・乗客26人を乗せた観光船KAZU�Tから第１管区海上保安本部に沈没しかけているとの通報があり、1417頃を最後に連絡が取れなくなったため、1630頃に潜水士２人を乗せた海保ヘリが現場海域に到着して捜索したが見つからず、1940に第１管区海上保安本部長から第２航空団司令に要救助者捜索の災害派遣要請が出され、第２航空群P-3C哨戒機、千歳救難隊UH-60J救難ヘリ、秋田救難隊UH-60J救難ヘリが捜索を開始。4月24日、北部方面航空隊UH-1J多用途ヘリ２機（映像伝送担当）、DE-232せんだい、MSO-305ひらど、MSC-687いずしまが捜索に加わった。0801に千歳救難隊UH-60J救難ヘリが要救助者１名を発見し、0824に収容している。4月24-26日、飛行警戒監視群E-2C早期警戒機延べ４機が捜索活動支援を実施。4月25-27日、飛行警戒管制群E-767早期警戒管制機延べ３機が捜索活動支援を実施。4月28日、MSC-687いずしまが知床半島東の海上で行方不明者２人を発見・収容し、海保に引き渡した。4月29日に海保測量船天洋がソナーにより水深115mの海底で観光船らしき陰影を発見し、MSC-687いずしまがPAP104機雷処分具の水中カメラで確認した。5月15日、MSC-606はつしまが捜索に加わった。5月26日、MSC-605ちちじまが捜索に加わった。6月1日、第１管区海上保安本部長からの要請でKAZU�T行方不明者捜索の災害派遣を終了した。5月9日1150、青森県十和田市で山林火災が発生したため、2000に青森県知事から第９師団に空中消火に係る災害派遣要請が出された。第９師団は青森県庁に連絡員３名、東北方面隊第101高射特科隊は十和田市役所に連絡員１名、三沢ヘリコプター空輸隊は現地活動拠点に連絡員１名を派遣している。5月10日早朝、第９飛行隊と東北方面航空隊のUH-1J多用途ヘリ計４機が離陸して散水を開始。5月11日はUH-1J多用途ヘリ３機とCH-47J輸送ヘリ２機で消火活動を行い、1755に撤収要請を受けた。87回102トンを散水している。5月16日1005、青森県八戸沖の漁船乗組員１人の急患空輸に係る災害派遣が第２管区海上保安本部から航空集団司令官に要請され、1350に第２航空群P-3C哨戒機と八戸航空基地で給油中だった第31航空群US-2救難飛行艇が離陸、1600頃にUS-2救難飛行艇が患者を機内に収容し、1800頃に八戸航空基地で救急隊に引き渡した。6月28日1030頃、第11管区海上保安本部から海自航空集団司令部に、沖縄本島南東780kmを航行しているアメリカ船籍３人乗りヨットから救助要請を受けたとの情報提供があり、1104に第11管区海上保安本部長から航空集団司令官に救助を目的とする災害派遣要請が出された。1500、第５航空群P-3C哨戒機が現場海域に到着してヨットの位置を確認し、1628に第31航空群US-2救難飛行艇が救助を開始、アメリカ人１人とフィリピン人２人を収容して1714に離脱し、1915に那覇基地に着陸して厚生労働省那覇空港検疫支所に移管して活動を終了した。３人はその後那覇病院に搬送されている。8月3日0700、北海道知事から航空支援集団司令官に緊急患者空輸を目的とする災害派遣要請が発出されたため、航空機動衛生隊が機動衛生ユニットを第３輸送航空隊C-2輸送機に搭載し、患者を千歳基地から羽田空港に輸送した。これがC-2輸送機搭載機動衛生ユニットによる初患者搬送である。8月15日、愛媛県から広島県に向かっていた民間ヘリに遭難した可能性が出たため、1520に東京空港事務所長から西部航空方面隊司令官に捜索を目的とする災害派遣要請が出され、芦屋救難隊U-125A捜索救難機１機、同UH-60J救難ヘリ１機、新田原救難隊U-125A捜索救難機１機、第111航空隊MCH-101掃海輸送ヘリ１機が捜索を行った。その後ヘリと乗員１人が発見されたため、1937に撤収要請が出されている。11月17日、栃木県日光市で山林火災が発生したため、2030に栃木県知事から第12特科隊長に災害派遣要請が出された。第12旅団第12特科隊が日光市役所と日光市消防本部に連絡員２名ずつ、第12ヘリコプター隊が現地指揮本部に連絡員２名を派遣し、11月18日0623から第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ２機と第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ１機が空中消火を開始、第12ヘリコプター隊UH-60JA汎用ヘリ１機が空中統制を行った。11月19日0808からも第12ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ１機と第１ヘリコプター団CH-47輸送ヘリ１機が空中消火を行い、1515に撤収要請が出された。延べ57回285トンを散水している。

2023年3月8日、福島県郡山市と白河市で山林火災が発生したため、1518に福島県知事から第44普通科連隊長に航空偵察と空中消火を目的とする災害派遣要請が出された。1700から第６師団第６飛行隊UH-1Jヘリ２機が白河市で、1720から東北方面航空隊UH-1Jヘリ１機が郡山市で航空偵察と空中消火を行っている。

参考：月刊JWings3,’09、5,’10、11,’10、2,’11、3,’11、6,’11、6,’12、6,’13、9,’13、1,’14、5,’14、6,’14、11,’14、12,’14、2,’15、3,’15、5,’15、6,’15、7,’15、8,’15、10,’15、11,’15、12,'15、1,'16、5,'16、6,'16、9,’16、12,’16、2,’17、5,’17、6,’17、9,’17、11,’17、12,’17、3,’18、4,‘18、5,’18、7,’18、8,’18、9,’18、10,’18、11,’18、12,’18、2,’19、3,’19、4,’19、5,’19、7,’19、9,’19、11,’19、12,’19、1,’20、6,’20、9,’20、11,'20、5,'21、7,'21、8,'21、9,'21、12,'21、6,'22、7,'22、9,'22、10,'22、11,'22、2,'23、5,'23、月刊世界の艦船5,’02増刊、11,’00、6,’01、3,’10、8,’10、12,'15、1,’17、12,’19、8,'21、12,'21、7,'22、月刊軍事研究7,’09、2,’12、3,’14、月刊丸1,’10別冊、スピアヘッドNo.7、月刊PANZER4,’11、月刊航空ファン3,’13、10,’14、10,'15、11,’15、2,’17、5,’17、11,’17、2,’19、5,’19、11,’19、MAMOR vol.118、vol.135、vol.137、vol.140、vol.142、vol.144、vol.145、vol.150、vol.151、vol.153、vol.154、vol.155、vol.162、vol.163、朝雲、日本の防衛戦力Part1

＜在外邦人等の保護措置＞：自衛隊の行動の１つ、略称RJNO。2016年3月施行の平和安全法制に基づいて自衛隊法が改正されたのを受け、新たに追加された任務で、在外邦人等輸送に加え、警護と救出が可能となったために改称された。防衛大臣は、外務大臣から外国における緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられる恐れがある邦人の警護、救出、輸送など、当該邦人の生命又は身体の保護のための措置を行うよう依頼があった場合、外務大臣と協議して、以下の項目全てに該当すると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、部隊等に当該保護措置を行わせることができる。１．当該外国領域の当該保護措置を行う場所で、当該外国の権限ある当局が公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ戦闘行為が行われることが無いと認められる。２．自衛隊が当該保護措置（武器の使用を含む）を行うことについて、当該外国（国連総会又は安保理決議に従って当該外国で施政を行う機関がある場合は当該機関）の同意がある。３．予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と第１号に規定される当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれる。また、防衛大臣は、保護措置を行わせる場合に、外務大臣から緊急事態に際して生命又は身体に危害が加えられるおそれがある外国人として保護することを依頼された者など、当該保護措置と併せて保護を行うことが適当と認められる者の生命又は身体の保護のための措置を、部隊等に行わせることができる。保護措置を行う際には、やむを得ない必要がある場合に限り、任務遂行型の武器使用が認められている。在外邦人等保護措置訓練として訓練を行っており、2019年には国際緊急援助活動や災害対応などの訓練を含む統合展開・行動訓練も実施している。参考：自衛隊法、朝雲

＜在外邦人等輸送＞：TJNO（Transport of Japanese Nationals Overseas, etc）と略す。治安情勢が悪化した外国から自衛隊が日本人を日本まで連れ帰る作戦のことで、一般に言う非戦闘員避難作戦NEOである。根拠は自衛隊法第84条の４で、防衛大臣は、外務大臣から外国に於ける災害、騒乱、その他の緊急事態に際し、生命や身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があった場合、当該輸送において予想される危険と、これを避けるための方策を外務大臣と協議し、当該輸送を安全に実施できると判断したときは、当該邦人の輸送を行うことができる。また、外務大臣から同様の保護を要する外国人として同乗させることを依頼された者、当該外国との連絡調整その他の当該輸送の実施に伴い必要となる措置をとらせるため当該輸送の職務に従事する自衛官に同行させる必要があると認められる者、当該邦人または当該外国人の家族など関係者で、当該邦人や当該外国人に早期に面会させ、もしくは同行させることが適当であると認められる者を同乗させることができる。輸送は基本的に自衛隊法第100条の５で規定する国賓等の輸送の用に主として供するための航空機（要するに政府専用機）で行うが、空港施設や輸送対象者の数といった各種事情により困難である場合は、輸送の用に主として供するための航空機（政府専用機除く）、輸送に適する船舶、それに搭載された回転翼航空機（輸送の用に主として供しないもの。船舶と陸地との間の輸送に限る）を使用できる。在外邦人等輸送のため外国の領域で職務に従事する自衛官は、自己、自己と共に職務に従事する隊員、保護措置対象の邦人、その他の保護対象者、職務を行うに伴い自己の管理下に入った者の生命・身体防護または職務妨害行為排除のため、やむを得ない必要があると認める相当の理由がある時は、合理的に必要と判断される限度で武器を使用できる。ただし、刑法第36条（正当防衛）または第37条（緊急避難）に該当する場合の他、人に危害を与えてはならない。当初は空港か港まで自力で来てもらい、自衛隊が空海路で輸送する想定だったが、2013年のアルジェリア邦人人質事件で治安悪化地域での自力移動が困難であることが認識され、自衛隊法第84条四の３に基づき、特に必要があると認められるときは当該輸送に適する車両の使用が可能となり、陸路も自衛隊が迎えに行くことになった。それに伴いブッシュマスター装輪装甲車（輸送防護車）を導入している。2022年4月20日、前年の在アフガニスタン邦人等輸送を踏まえた改正自衛隊法第84条四が施行され、輸送対象に日本人と結婚した外国籍配偶者・子供と、在外公館や国際協力機構JICAなど独立行政法人で勤務する外国人現地職員が加わり、外国人のみの輸送ができるようになった。また、「使用機は原則として政府専用機とする」という規定を廃止して輸送機の選択を容易にし、「輸送を安全に実施できると判断したとき」という安全規定を「予想される危険を避けるための方策を講ずることができる」場合に変更して派遣判断を迅速化している。1999年11月7日、陸自・海自（艦艇５隻）・外務省が共同で初の在外邦人等輸送訓練を行った。2004年4月、イラクにおける邦人を含む外国人拘束事件に際し、在イラク邦人等10名をC-130H輸送機でイラクからクウェートに輸送した。これが初の在外邦人等輸送である。2013年1月、アルジェリア邦人拘束事件で在アルジェリア邦人７人と遺体９人を政府専用機で日本まで輸送した。2016年7月3-5日、バングラデシュのダッカで発生したレストラン襲撃テロで死亡した日本人７人、遺族、救出された１人を政府専用機で日本まで輸送した。7月、在南スーダン日本大使館員４人をC-130H輸送機でジュバからジブチに輸送。2021年8月、アフガニスタン情勢悪化により現地邦人１人とアフガニスタン人14人をC-130H輸送機でカブールからイスラマバードに輸送した。これが初の在外邦人等輸送に基づく外国人輸送である。2023年4月15日、スーダン共和国の首都ハルツームで大規模な武力衝突が発生したため、4月20日に在スーダン邦人等輸送統合任務部隊を編成し、4月28日まで輸送任務にあたった。2023年10月13日、イスラエル・パレスチナ情勢悪化に伴い、外務大臣が防衛大臣にイスラエル滞在邦人等輸送の実施に係る準備行為の要請があり、空自輸送機の中東での待機を決定、KC-767空中給油輸送機とC-2輸送機をジブチ及びヨルダンに派遣した。10月18日、外務大臣から防衛大臣に自衛隊法第84条の４に基づく在外邦人等輸送の依頼があり、防衛大臣が在イスラエル邦人等輸送の実施を下命、ヨルダンで待機していたKC-767空中給油輸送機１機が10月20日にイスラエルに移動し、邦人60人・外国籍家族４人と韓国人18人・外国籍家族１人をヨルダン経由で日本に輸送した。11月2日夜、KC-767空中給油輸送機が邦人20人・外国籍家族２人、韓国人15人・ベトナム人４人・台湾人１人・外国籍家族４人を乗せてイスラエルを出発し、日本に向かった。参考：月刊軍事研究7,’16、月刊JWings10,’16、5,’16、7,'23、月刊世界の艦船6,'22、自衛隊法、朝雲

＜災害用ドローン２型改＞：陸上自衛隊の無人機。参考：月刊JWings7,’22

＜載貨重量＞：船が積載できる旅客、貨物、燃料、水などの重量のこと。参考：図解船の科学

＜載貨容積トン数＞：貨物の最大容積を示すトン数で、40立方フィート（1.1327立方メートル）を１トンとして計算する。粉や粒を積む際のバラ荷容積トン数、包装物や袋詰め荷物を積む際の包装容積トン数がある。参考：図解船の科学

＜在韓特殊作戦コマンド＞：SOCKORを参照。

＜在韓国連軍＞：朝鮮戦争勃発を受けて採択された国連安保理決議を基に編成された国連軍。ソ連が欠席していたので正規の国連軍ではなく、在韓が頭に付いている。1950年8月5日、韓国軍の作戦指揮権が委譲された。1954年11月、韓国軍に対する作戦統制権（限定的な作戦指揮権）の行使を認める米韓合意議事録が締結された。1961年5月26日、韓国国内の治安維持を韓国軍に委譲することになり、韓国陸軍第30・第33師団と憲兵中隊５個が韓国軍の指揮下に移った。1978年11月7日、米韓連合軍司令部の新編に伴い、韓国軍に対する作戦統制権がそちらに移され、休戦協定維持に関する事項だけを担当することになった。参考：月刊軍事研究10,’18

＜在韓米海軍＞

＜在韓米海軍（１９８８年）＞：兵力473名。戦闘部隊は無く、釜山と鎮海のアメリカ第７艦隊補給支援施設を管理する。参考：月刊軍事研究6,’16

＜在韓米海軍（１９９８年）＞：兵力293名。支援部隊のみが配置されている。参考：月刊軍事研究6,’16

＜在韓米海軍（２０１５年）＞：兵力331名。釜山に司令部のみ置かれている。参考：月刊軍事研究8,’16

＜在韓米海兵隊＞

＜在韓米海兵隊（１９８８年）＞：兵力3473名。1987年の720名から急に増えているのは、ソウルオリンピックの警備で増援を呼んだためらしい。参考：月刊軍事研究6,’16

＜在韓米海兵隊（１９９８年）＞：兵力52名。支援部隊のみが配置されている。参考：月刊軍事研究6,’16

＜在韓米海兵隊（２０１５年）＞：兵力136名。司令部とキャンプ・ムジュクの管理部隊のみが配置されている。参考：月刊軍事研究8,’16

＜在韓米空軍＞：モットーはReady to Flight Tonight。1986年まで第５航空軍隷下だったが、第７航空軍（第314航空団が拡大改編）として独立している。1992年2月、第51戦術戦闘航空団を第51航空団に、第８戦術戦闘航空団を第８戦闘航空団に改編した。参考：月刊軍事研究6,’16、月刊JWings9,’14

　＜在韓米空軍（１９８８年）＞：兵力11643名。第７航空軍司令部（烏山）、第51戦術戦闘航空団（烏山）、第８戦術戦闘航空団（群山。F-16戦闘機）、第５戦術航空管制団（烏山。OV-10対ゲリラ戦機）からなる。第51戦術戦闘航空団は第36戦術戦闘飛行隊（烏山。F-4戦闘機）、第25戦術戦闘飛行隊（水原。A-10攻撃機）、第497戦術戦闘飛行隊（大邸。F-4戦闘機）を隷下に置く。烏山には第５偵察飛行隊（U-2戦略偵察機３機）が置かれているが、これは第７航空軍隷下部隊ではなく、第９偵察航空団（ビール空軍基地）の隷下にある。参考：月刊軍事研究6,’16

　＜在韓米空軍（１９９８年）＞：兵力8322名。第７航空軍司令部（烏山）、第８戦闘航空団（群山）、第51戦闘航空団（烏山）からなる。U-2戦略偵察機３機も韓国に展開しているが、これは在韓米空軍の隷下には無い。参考：月刊軍事研究6,’16

＜在韓米空軍（２０１５年）＞：兵力8020名。第７航空軍（烏山基地）、第９偵察航空団第５偵察飛行隊（U-2S戦略偵察機３機。烏山基地）、航空機動軍団第731空輸飛行隊（烏山基地）、第33救難飛行隊第１分遣隊（烏山基地）、第25航空軍第480情報偵察監視団第694情報偵察監視群（第６・第391情報隊、第694情報支援隊。烏山基地）からなる。F-16C/D戦闘機40機、A-10C攻撃機24機などを保有する。参考：月刊軍事研究8,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜在韓米軍＞：USFK（United States Forces, Korea）と略す。司令官は陸軍大将で、米韓連合軍司令官と在韓国連軍司令官を兼務する。司令部はソウルの龍山基地にあり、米韓連合軍司令部と在韓国連軍司令部も同じ基地にある。1957年7月、太平洋陸軍隷下に新編され、核武装に着手すると発表した。1958年1月、核武装化を正式発表。2月、第４ミサイルコマンドに配備されたMGR-1オネスト・ジョン弾道ミサイルを公開した。1975年、MGR-1オネスト・ジョン弾道ミサイル用核弾頭80発、サージャント弾道ミサイル用核弾頭12発、ナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイル用核弾頭144発、155mm核砲弾152発、203mm核砲弾56発、核地雷25-50発、F-4戦闘機用核爆弾192発が配備されていたとみられる。1977年、サージャント弾道ミサイルとMGR-1オネスト・ジョン弾道ミサイルを撤去し、第４ミサイルコマンドを解隊した。1978年、チーム・スピリットでランス弾道ミサイルの試射を実施。1987年、ランス１個大隊が配備された。1990年4月、アメリカ国防省が３段階の兵力削減を発表。第１段階として、兵力7000名と非戦闘員2000名を削減し、水原基地を烏山基地に統合、大邸基地のRF-4C偵察機を韓国空軍に移管し、光州基地の第42戦闘通信部隊を撤収、在韓米軍は水原・大邸・光州基地を戦時のみ使うこととし、実行に移した。1991年3月、国連軍司令部・軍事休戦委員会主席委員がアメリカ軍少将から韓国軍少将となり、DMZ警備を韓国軍だけで実施することとなった。9月、北朝鮮核開発に正当性（口実）を与えないため、ブッシュ大統領が韓国からの戦術核撤去を公表。11月、アメリカ国防総省が第２段階の削減計画延期を決定。1992年10月、米韓定期安全保障協議会で第２段階の削減計画凍結を確認。削減は第３段階まで行う予定だったが、第１段階のみで終了した。12月、米韓連合軍地上構成軍司令官がアメリカ軍大将から韓国軍大将となった。1993年、司令官がアメリカ陸軍第８軍司令官を兼務しなくなった。1994年12月、米韓連合軍平時作戦統制権をアメリカ軍大将から韓国軍大将に移行。1998年、北朝鮮の特殊部隊輸送用半潜水艇／小型潜水艇に対処しやすくするため、特殊部隊浸透阻止に投入するAH-64攻撃ヘリは米韓連合軍海軍構成軍の指揮下に入ることとなった。P-3C/P-8対潜哨戒機が水上で目標を発見したら、AH-64攻撃ヘリを呼んで直ちに沈める。2003-04年に再編協議が行われ、43ある基地を16に再編し、兵力を削減することとなった。2004年から削減が開始され、第２歩兵師団第２旅団戦闘団がアメリカ本土に戻った。ソウル北方のトリップ・ワイヤーを形成していた部隊は全てソウル南方に移る予定（演習場は残す）。2010年3月、第51戦闘航空団がA-10C攻撃機の配備を開始。2012年4月17日の戦時作戦統制権返還に伴い、米在韓軍USKORCOMに改編される予定だったが、2010年3月26日の天安轟沈事件勃発により、戦時作戦統制権の返還が2015年12月1日に延びた（その後これも延期されて未定になっている）。2014年2月1日、北朝鮮の張成沢氏が処刑されたのを受け、兵力を800名増やして29300名とした。10月、米韓安全保障会議で韓国側の要請により第２歩兵師団第210野戦砲兵旅団（キャンプ・ケーシー）と第１騎兵師団第２装甲旅団戦闘団（キャンプ・フーベイ）をソウル北方のトリップ・ワイヤー部隊として残すことが決まった。2017年3月6日、THAAD発射機２機を含むTHAADシステム器材の第一便がC-17輸送機で烏山基地に到着し、星州郡の防空大隊に配備された。9月7日、韓国国内へのTHAAD大隊１個の展開を完了した。2019年3月2日、韓国国防相とアメリカ国防長官代行の電話会談で、フォール・イーグルとキー・リザルブ両演習の終了が決定した。3月4日、韓国軍との小規模演習ドン・メン（同盟の意）を実施。本土のアメリカ軍は参加せず、水陸両用演習は韓国軍のみで行っている。参考：月刊丸4,’99、2,’08、月刊世界の艦船9,’09、月刊軍事研究6,’16、9,’10、1,’11、12,’15、7,’17、2,’18、月刊JWings5,’19、朝雲

　＜在韓米軍（１９８９年）＞：兵力43200名（陸軍31600名、空軍11600名）。軍司令部１個、歩兵師団１個、ランス地対地ミサイル中隊１個、空軍航空団２個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜在韓米軍（２００８年）＞：司令部はソウルにある。陸軍は第８軍司令部がソウルにあり、隷下に第２歩兵師団（AH-64装備の第２戦闘航空旅団、旅団戦闘団１個、砲兵旅団１個。M-1戦車116両、M-2歩兵戦闘車126両などを装備）、第35防空砲兵旅団（パトリオット地対空ミサイル装備）、特殊部隊司令部を置く。兵力18336名。空軍は戦闘司令部である在韓米空軍・第７航空軍司令部が烏山基地にあり、隷下に第８戦闘航空団（F-16CG/DG戦闘機）、第51戦闘航空団（F-16CG/DG戦闘機、A/OA-10A攻撃機、C-12輸送機、HH-60Gヘリ）、第９偵察航空団（U-2S戦略偵察機）、第731空輸航空隊、第303情報隊を置く。兵力8369名。海軍・海兵隊は兵力379名。参考：月刊軍事研究9,’08

＜在韓米陸軍＞：1971年、第７歩兵師団が韓国から撤退し、第２歩兵師団のみとなった。1992年7月、米韓連合野戦軍が解体され、第２歩兵師団司令部が議政府のキャンプ・レッド・クラウドに移駐した。1994年11月、アメリカ本土から派遣されていた第７防空砲兵連隊第２大隊（パトリオット発射機48基装備。水原基地）が在韓米陸軍の隷下に入った。2004年、第２歩兵師団第２旅団戦闘団がイラクに派遣された後でコロラド州フォート・カーソンに移駐。2005年、第２歩兵師団第１旅団戦闘団を第１重旅団戦闘団に、司令部付砲兵を火力旅団に拡大改編し、第６騎兵旅団と第17航空旅団を第２戦闘航空旅団に統合、第８人事コマンドと第175財政コマンドを解隊した。2011年、第８軍が太平洋陸軍から在韓米陸軍司令官を介さずに直接命令を受けることになった。2013年10月、攻撃ヘリと観測ヘリからなる攻撃偵察飛行隊の韓国へのローテーション配備が開始され、派遣部隊は第２歩兵師団第２戦闘航空旅団隷下に置かれることとなった。2015年春、MLRS大隊がローテーション配備され、第２歩兵師団第210野戦砲兵旅団の隷下に入ることとなった。6月、第２歩兵師団を中核とする米韓連合師団が創設された。戦時には韓国陸軍第16機械化歩兵旅団を隷下に入れる。第２歩兵師団第１機甲旅団戦闘団が解隊され、アメリカ本土から機甲旅団戦闘団が東豆川のキャンプ・フーベーにローテーション配備されるようになった。2016年5月、第８軍司令部がキャンプ・ハンフリーに移駐した。2018年6月、在韓米軍司令部がキャンプ・ハンフリーに移駐した。参考：月刊軍事研究6,’16、8,’16、10,’18

＜在韓米陸軍（１９８８年）＞：兵力32473名。第８軍司令部（ソウルの龍山駐屯地）、米韓連合野戦軍（議政府）、第２歩兵師団（東豆川のキャンプ・ケーシー）、第19支援コマンド（大邸）、第501軍事情報大隊からなる。米韓連合野戦軍は第２歩兵師団と韓国陸軍第３軍（２個軍団）で、戦時には３個軍団14個師団に増強される。参考：月刊軍事研究6,’16

＜在韓米陸軍（１９９８年）＞：兵力26987名。第８軍司令部（ソウルの龍山駐屯地）、第２歩兵師団、第６騎兵旅団（空中戦闘）、第17航空旅団、第164航空管制業務群、第18医療コマンド、第19戦域陸軍地域コマンド、第501軍事情報旅団からなる。参考：月刊軍事研究6,’16

＜在韓米陸軍（２０１５年）＞：兵力16412名。第８軍（ソウルの龍山駐屯地）、在韓特殊作戦コマンド（ソウルの龍山駐屯地。第39特殊部隊分遣隊を隷下に置く）からなる。M-1戦車、M-2歩兵戦闘車、M-3騎兵戦闘車、M-109自走榴弾砲、M270MLRS、AH-64攻撃ヘリ、OH-58D観測ヘリ、CH-47輸送ヘリ、UH-60汎用ヘリ、パトリオット地対空ミサイル、アヴェンジャー自走地対空ミサイルなどを保有する。参考：月刊軍事研究8,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜佐伯栄養専門学校＞：東京都大田区にある栄養士学校。昭和3年に日本海軍から栄養士養成教育を依託され、海自も引き続き栄養士教官養成のため給養員の教育を委託している。2017年度までに日本海軍・海自計143名が卒業した。2017年度卒業生は２名で、卒業式典において三浦２曹は理事長賞、田中３曹は努力賞と全国栄養士養成施設協会会長表彰を受賞している。参考：朝雲

＜佐伯基地分遣隊＞：海上自衛隊の分遣隊。佐伯港に面し、佐伯重工の隣に位置する。2016年4月2-3日、さいき春まつりの一環として艦艇広報を実施。AMS-4304げんかいとYDT04水中処分母船４号の一般公開、SS-593まきしおの特別公開、交通船や標的曳航船バラクーダによるクルージングを行った。参考：月刊世界の艦船2,’12、朝雲

＜佐伯基地分遣隊（２００１年４月１日）＞：呉警備隊隷下で、ASU-84特務艇84号を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜佐伯飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜在京武官団研修＞：陸上幕僚監部が東京に駐在する各国駐在武官を対象に毎年実施している研修会で、陸自に対する理解促進と信頼醸成、日本文化や伝統芸能の紹介などを目的とする。2012年度は6月6-8日に行われ、18カ国29人が参加、東日本大震災からの復興状況の見学などを実施した。一行からは被災地への寄付金が寄せられている。参考：朝雲

＜西京丸＞：日本海軍特設巡洋艦（当時の正式艦種は巡洋艦代用）／病院船Saikyo maru。元は日本郵船の客船で、日清戦争勃発に伴い明治27年8月11日に徴用された。全長99.1m、総トン数2904トン。主機はレシプロ蒸気機関、速力14ノット。兵装は12cm単装砲１門、57mm単装砲１門、47mm単装砲２門。明治27年8月17日、海軍艦籍に入り、西海艦隊附属として報知艦役務に就いた。9月17日、黄海海戦に参加。大口径弾など12発を被弾し、水雷艇の肉薄攻撃も受けたが、何とか生き残った。明治28年9月10日、常備艦隊に転属した。その後横須賀鎮守府非役艦となり、明治29年3月5日に除籍されて徴用を解かれた。日露戦争勃発で再び日本海軍に徴用され、病院船として使用されている。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜在グアテマラ・スペイン大使館占拠事件＞：1980年1月、左翼系原住民がグアテマラにあるスペイン大使館を襲撃、パーティーに参加していた政治家ら33人を人質に取り、同志の釈放などを要求した。グアテマラは1月31日に警官隊を突入させたが、銃撃戦になって人質２人が死亡、多数が負傷し、2月1日にスペインはグアテマラとの国交を断絶している。参考：月刊軍事研究7,’97

＜サイクリック・スティック＞：ヘリコプターの操縦桿Cyclic stick、別名サイクリック・ピッチ・レバー（Cyclic pitch lever）。リンク機構とスウォッシュ・プレートを介して前進側と後進側でメインローターブレードの角度を別々に制御し、ローター回転面を傾けることで機体姿勢と速度を制御（サイクリック・ピッチ・コントロール）するもので、倒した方向にローターと機体が傾き、そちらの方向に速度が生まれる。最初に開発したのはスペインのラウル・ペスカラである。参考：JWings5,’03、10,’09別冊付録、ザ・マーチ40号、航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究6,’15

＜サイクリック・ピッチ・コントロール＞：Cyclic pitch control、周期的ピッチ制御。ローターブレードのピッチ角を回転に応じて周期的に変化させ、ローター回転面を望む方向に傾斜させること。ローターブレードが前進側に来た際にピッチ角が小さくなり（前進速度最大時にピッチ角最小）、後退側に来た際にピッチ角が大きく（後進速度最大時にピッチ角最大）なるよう、周期的にピッチ角を変化させると、前進側の揚力が小さく、後退側の揚力が大きくなり、ローターにモーメントが発生する。すると、ジャイロスコピック・プレセッション現象（回転体のモーメントの効果が回転方向に90度遅れて出現する現象）により、ローター回転面が前傾し、回転翼機が前進する。この際、ローター回転面の前傾にやや遅れて回転翼機の機体自体もローター推力によるモーメントで前傾する。後進や左右進も同じ原理で行う。このサイクリック・ピッチ・コントロールの操作を行うのがサイクリック・スティックである。参考：航空用語事典増補改訂版

＜サイクリック・ピッチ・レバー＞：サイクリック・スティックを参照。

＜サイクリック・フェザリング＞：Cyclic feathering。ローターブレードが回転する際、ピッチ角が周期的に変化すること。回転翼機が水平飛行を行う時は、これで前進側ブレードと後進側ブレードの揚力を調節し、アンバランスが生じないようにする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜サイクロジャイロ機＞：外周に翼型ブレードを並べた円筒（サイクロジャイロ）を高速回転させて揚力を得る航空機。トルクを打ち消すため、複数個をセットして互いに逆回転させたりする。それぞれの揚力を変化させれば推進、方向転換、高度変換が可能で、舵が要らない。1920年代に発案され、1930年代に実験が行われたが、この時は実用化できなかった。21世紀に入り、UAV用としてテストされている。参考：月刊軍事研究7,’14

＜サイクロプス＞：AC-4（給炭艦）を参照。

＜サイクロプス＞：イギリスのイムベック社が開発した爆発物処理ロボット。リモコン操縦で階段を上ることができ、作業用アームの先端には視察用カメラ、探知機、作業用クランプ、制御爆破装置（爆発物を爆発させずに破壊する）を装備する。全長750mm、幅360mm、全高240-1200mm、本体重量18kg。参考：月刊軍事研究4,’99

＜サイクロン＞：A111（航洋曳船）またはCH-148シリーズ（ヘリ）またはPC-1（哨戒艇）を参照。

＜サイクロン９＞：R-1820（エンジン）を参照。

＜サイクロン級＞：アメリカ海軍哨戒艇Cyclone級。沿岸哨戒及び特殊作戦を主任務とする。ボリンジャー・シップヤード社製で、イギリスのヴォスパー・ソーニクロフト社製ラマダン級ミサイル艇をベースに上構をステルス設計としているが、アンテナマストはラティス型である。船体は鋼製、上構は軽金属製。シー・ステート５までで運用できる。14番艦は船体を延長して艦尾に特殊部隊用舟艇シュートを設けており、２番艦、４番艦、８番艦、13番艦にも同様の改装が行われた。ドック型揚陸艦LSDに搭載可能。全長51.9m／54.6m（搭載艇シュートあり）、全幅7.9m、吃水2.4m、満載排水量354-385トン。主機はディーゼル４基４軸13400馬力、最大速力35ノット、航続距離3704km。兵装は7.62mm機銃２丁、12.7mm機銃2-4丁、87口径25mm機関砲Mk38が１門（前甲板）、遠隔操作式安定化87口径25mm機関砲Mk96が１門（後甲板）、40mm自動てき弾発射機２門。スティンガー艦対空ミサイル６連装発射機１基の装備も可能。乗員28名（23名？39名？）＋特殊部隊員８名（９名？）。艦後部にRIBを搭載し、特殊部隊員の揚陸に使用する。PC-1サイクロン、PC-2テンペスト、PC-3ハリケーン、PC-4モンスーン、PC-5タイフーン、PC-6シロッコ、PC-7スコール、PC-8ゼファ、PC-9チヌーク、PC-10ファイアボルト、PC-11ファールウインド、PC-12サンダーボルト、PC-13シャマル、PC-14トルネードの14隻が1993-2000年に就役した。2004年にPC-1サイクロンがフィリピンに譲渡されている。2004-05年に５隻がコースト・ガードに貸し出されたが、2009-11年に全てアメリカ海軍籍に復帰した。Mk60システムを搭載してBGM-176グリフィン対艦ミサイルを運用できるようにする改修を行っており、2017年7月18-20日にPC-2テンペスト、PC-7スコール、PC-9チヌーク、PC-10ファイアボルト、PC-12サンダーボルトがグリフィンの試射を行った。2023年3月28日、最後の２隻（PC-4モンスーンとPC-9チヌーク）が退役した。参考：月刊世界の艦船5,’14、1,’10、4,’04増刊、12,’13、2,’13、11,’11、7,’14、1,'15増刊、10,’17、6,'23、月刊軍事研究3,’02、月刊JWings12,’01、月刊丸10,’97、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、JShips Vol.24

＜サイクロン級哨戒艇・海外シリーズ＞

　＜サイクロン級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍哨戒艇。PC-3ハリケーン、PC-6シロッコ、PC-12サンダーボルトが2023年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船6,’23

　＜サイクロン級（バーレーン海軍）＞：バーレーン海軍哨戒艇。PC-2テンペスト、PC-5タイフーン、PC-7スコール、PC-10ファイアボルト、PC-11ファールウインドが引き渡され、2022年3月30日にアル・グライリアー、アル・サヒール、アル・ファルーク、ジェナン、ダムサとして就役した。参考：月刊世界の艦船7,’22

　＜ジェネラル・マリアーノ・アルヴァレス級＞：フィリピン海軍哨戒艇General Mariano Alvarez級。2004年にPC-1サイクロンがアメリカから譲渡され、ジェネラル・マリアーノ・アルヴァレスとして就役した。PC-4モンスーンとPC-9チヌークも取得する予定。参考：月刊世界の艦船6,'23、THE MILITARY BALANCE 2016

＜最敬礼＞：日本陸軍の制裁で、編上靴の手入れを怠った場合に行われる。靴紐を首にかけて靴をぶら下げ、各内務班で敬礼をするものだが、敬礼の度に靴紐が耳の付け根に当たって激痛が走る。参考：帝国陸海軍事典

＜在ケニア・タンザニア米大使館爆破事件＞：アメリカ大使館爆破事件を参照。

＜彩虹１＞：中国航天空気動力技術研究院の無人偵察機CH-1（Cai Hong-1。Chang Hong-1？）。2000年から開発された。ツインテールブーム機で、主翼は高翼配置の直線翼、垂直尾翼はテイルブーム後端にあり、水平尾翼が両テイルブーム後端を繋いでいる。胴体尾部下面に射出ロケットを持ち、トラックの荷台から発射され、胴体下部のスキッド２本で着陸する。翼スパン4.4m。推進はプッシャー・プロペラ、巡航速度120-150km、最大速度170km、上昇限度3000m、航続時間６時間。参考：月刊航空ファン6,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜彩虹４シリーズ＞：中国航天空気動力技術研究院の高々度無人偵察爆撃機CH-4。2010年から開発され、2011年9月に初飛行し、2013年9月に一般公開された。参考：月刊航空ファン6,’16、月刊軍事研究2,’17

　＜彩虹４Ａ＞：基本型CH-4A。主翼は中翼配置の直線翼、尾翼はＶ字。降着装置は前輪式。前脚収容部後方にセンサーターレットを持ち、可視光カメラ、赤外線カメラ、レーザー測距器、レーザー照準器を搭載する。機内に合成開口レーダーを装備する。パイロン４カ所にFT-5/-9誘導爆弾やAR-1空対地ミサイル最大６発を搭載可能。巡航速度180km、最大速度235km、上昇限度8000m、航続時間30時間。参考：月刊航空ファン6,’16

　＜彩虹４Ｂ＞：爆撃能力強化型CH-4B。全長8.5m、翼スパン18m。巡航速度180km（150km？）、最大速度210km（235km？）、上昇限度7500m、航続距離3500km、航続時間14時間。ペイロード345kg。2014年から中国で運用されている。UAE、イラク、エジプト、サウジアラビアに輸出された。参考：月刊軍事研究2,’17、月刊航空ファン6,’16

＜彩虹４海外シリーズ＞

　＜彩虹４Ｂ（イラク）＞：イラク軍無人偵察爆撃機。2015年10月10日にイラク国防部がAR-1空対地ミサイルによる射撃実験を公開した。12月6日にはイスラム国拠点をAR-1空対地ミサイルで破壊している。参考：月刊航空ファン6,’16

＜彩虹５＞：中国航天科技集団公司が開発した無人攻撃機CH-5。翼スパン21m、最大離陸重量3.3トン。実用上昇限度7000m、航続時間60時間（30時間？）。兵装ペイロード1.2トン（胴体内ウェポンベイ0.2トン、翼下１トン）。2015年8月に試作機が確認され、2017年7月14日に量産機が初飛行した。参考：月刊軍事研究1,’18、4,’16

＜在郷軍人会＞：正式名称は帝国在郷軍人会。兵役の終わった男子を予備軍として軍事的に組織する団体で、少尉以上は生涯、准士官・下士官以下は予備役・後備役・第一国民兵役の期間は会員となる。日露戦争後、出征兵士や戦死者の戦後処理を行う全国組織が必要となり、動員の際の連絡組織も兼ねて明治43年11月3日に日本陸軍が創設した。大正元年に強制加入となり、大正3年に海軍のものが吸収合併されて全軍組織になっている。昭和11年に勅令が出て政府から補助金が出る公的機関となり、陸海軍大臣の監督を受けることになった。会の目的は、未入営者（第２国民兵や国民義勇戦闘隊）の軍事教育や青年訓練所の訓練を行ったり、防護団結成を補助したりすることなどである。また、必要に応じて陸海軍大臣が徴募、召集、徴発、防衛などの協力を求める。参考：戦時用語の基礎知識、月刊丸9,’03

＜最高戦争指導会議＞：昭和19年7月31日の大本営政府連絡会議で小磯首相が提案し、8月5日に創設された。戦争指導の根本方針を策定したり、政略と戦略の調整を図ったりする機関で、総理大臣、外務大臣、陸軍大臣、海軍大臣、参謀総長、軍令部総長から構成され、必要に応じて他の国務大臣、参謀次長、軍令部長が加わる場合もある。構成員６名全員の出席を以て会議の決定効力が生じるが、法的根拠を持たないため、決定事項は更に閣議などで正式決定する手順をとる。小磯首相が主張していた大本営に首相を参加させる案が蹴られたため、代わりに設置したものだが、実質的には大本営政府連絡会議とあまり変わらない機関だった。第１回会議は8月9日に開催され、世界情勢判断の検討と現状及び将来の日本の国力分析を行っている。結果、中部太平洋と南太平洋を進む連合軍は10月頃にフィリピンと南西諸島方面を攻略するだろうとの判断に至り、8月12日の第２回から第７回までは今後採るべき戦争指導の大綱の審議を行った。8月19日、昭和天皇が臨席して第８回が開催され、今後採るべき戦争指導の大綱を決定した。昭和20年1月18日、今後採るべき戦争指導の大綱を決定した。参考：比島決戦、帝国陸海軍事典、太平洋海戦史

＜最後のガンファイター＞：F-8シリーズ（戦闘機）を参照。

＜最後の有人戦闘機＞：F-104シリーズ（戦闘機）を参照。

＜サイゴン謀略放送局＞：日本軍が太平洋戦争ジャワ島攻略作戦に先立って昭和17年2月上旬に開設した謀略放送用放送局。昭和16年7月の南部仏印進駐時に開設したサイゴン放送局がベースで、ジャワのバンドン放送局と同じ波長に変更し、3月1日からジャワ島に向けてデマ放送を流した。本来のバンドン放送でニュース以外の番組を放送している時間帯に同じ波長で偽ニュースを流すことにし、日本軍が各地に上陸しているなどという偽情報を軍当局発表として放送、ニュースの最後には「デマ放送に注意」という一文を加えている。3月6日からはバンドン無血占領を目的として焦土戦術を採らないよう呼びかける放送を行い、3月8日には交戦停止や降伏決定といった偽ニュースを24時間流し続けた。ジャワ島の蘭印軍が降伏したのは翌9日である。参考：月刊軍事研究8,’08

＜西貢丸＞：日本海軍盤谷丸型特設巡洋艦兼敷設艦Saigon maru。昭和19年9月18日、バターン半島沖でSS-249フラッシャーの攻撃を受け沈没した。参考：月刊モデルアート9,’15増刊、アメリカ潜水艦史

＜サイシアン＞：P237（潜水艦）を参照。

＜済州＞：958（フリゲート）を参照。

＜済州＞：日本海軍測天型敷設艇。昭和17年4月15日竣工、鎮海警備府に配属され、哨戒や鎮海湾での機雷敷設を行った。昭和19年6月、佐世保鎮守府に転属し、鹿児島−沖縄の船団護衛を実施。7月から横須賀−父島の船団護衛を実施。12月12日から佐世保方面で機雷敷設と船団護衛を実施。終戦時は佐世保にいた。終戦後は特別輸送艦として引揚輸送を行い、その後賠償艦として特別保管船に指定され、佐世保に係留された。昭和22年10月3日、中国に引き渡されて永靖となり、昭和30年代後半まで使用されたとされる。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門

＜最終減速装置＞：ファイナルギア。トランスミッションで駆動輪と同じ回転数まで落とすと、その分トルクが増大し、それに耐えられる構造を取らなければならず重くなるため、トランスミッションの外に別枠で減速ギアを設けたものである。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜最終防御射撃＞：突撃破砕射撃を参照。

＜最小回転半径＞：ハンドルを一杯に切って旋回した時の、外側車輪接地面中心による旋回半径のこと。実際にこの半径スレスレで旋回すると、オーバーハングがはみ出してぶつかるので注意。参考：クルマのすべてがわかる事典、自動車メカニズム図鑑

＜最少間隔離陸＞：MITOを参照。

＜最小限核抑止＞：Minimum or minimal nuclear deterrence。仮想敵国の大都市や政経拠点を目標とする最小限の報復核戦力を保有することで、仮想敵国の核攻撃を抑止する戦略のこと。核兵器の役割を確証破壊のみに限定し、先制攻撃能力は持たず、敵対国と緊張状態になってもいきなり核戦争が起きないようにする。仮想敵の先制核攻撃に対して核戦力を生き残らせるため、戦略原潜が必要になる。最小限がどれくらいか定めるのが難しく、大都市数個を壊滅させても継戦意志が挫けない仮想敵なら多めに用意しなければならないし、用意しすぎると最小限核抑止にならず、かえって核戦力壊滅を狙った仮想敵からの核先制攻撃を誘発しかねない。実際に報復核攻撃を行っても相手の継戦意志が挫けない場合、相手からの核第２撃により自国の大都市や政経拠点が壊滅的な損害を受ける可能性もある。参考：月刊世界の艦船5,’15、月刊軍事研究9,’18

＜最小操縦速度＞：VMCを参照。

＜再処理＞：使用済み核燃料棒からウラン、プルトニウム、超ウラン元素を抽出回収し、兵器用・医療用・農業用などに必要な放射性物質を取り出して残りを安全に処理すること。溶媒抽出法、沈殿法、イオン交換法などの方法があるが、最も一般的なのは溶媒抽出法で、燃料棒を裁断して濃硝酸に溶解し、化学薬品によりプルトニウムやウランを分離精製する。溶解度の差を利用するので、ウラン濃縮よりも簡単にプルトニウムの純度を上げることが可能。溶解時にトリチウムやクリプトンなどの放射性ガスが発生するが、このうち不活性ガスのクリプトンは大気中に拡散していくため、これをキャッチすれば証拠が掴める。WC-135Wなどがクリプトンの探知分析システムを搭載しており、監視にあたっている。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究9,’05

＜在スイス・ポーランド大使館占拠事件＞：1982年9月6日、スイスの首都ベルンにあるポーランド大使館にポーランドの反体制組織愛国者革命軍のメンバー４人が拳銃などで武装して押し入り、14人を人質に取ってポーランドの戒厳令解除や政治犯釈放などを要求した。スイスは警察の対テロ部隊を投入し、催涙ガスとスタン・グレネードで行動力を奪って全員を逮捕した。死傷者は出なかった。参考：月刊軍事研究7,’97

＜在スーダン邦人等輸送統合任務部隊＞：統合任務部隊（スーダン邦人退避）を参照。

＜サイズミック振動検知器＞：振動検知器の１つ。地面が振動すると検知器本体も振動するが、内部でスプリングに吊られている慣性体の振動がワンテンポ遅れるため、慣性体に直結したコイルと本体に固定された磁石の間で電流を生じ、これを感知する仕組みになっている。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜砕石機＞：日本陸軍の機力器材。道路構築の際に使用する小石を製造する機械である。自重９トン。自走速度10km。砕石能力毎時20トン。参考：工兵入門

＜最先任下士官（統合幕僚監部）＞：統幕に2012年4月1日に新設された階級で、陸自の最先任上級曹長、海自の先任伍長、空自の准曹士先任にあたる。准曹士の立場で統幕長を直接補佐し、統幕、統幕学校、指揮通信システム隊の准曹士計1000名を束ねる役目を持つ。2015年9月17日、２代目（三等陸尉）が定年を迎えたため、３代目（准海尉）が着任した。参考：朝雲

＜最先任上級曹長（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の役職、略称CSM。海自の先任伍長、空自の准曹士先任にあたり、ベテラン准尉・曹長が任命される。各部隊陸曹士の最上位者として陸曹士を纏め上げ、服務指導を統括し、上級指揮官を補佐する。最上位は陸上自衛隊最先任上級曹長で、陸上総隊や各方面隊の最先任上級曹長が続く。参考：MAMOR vol.155、vol.81、vol.85、朝雲

＜最大運用限界速度＞：Maximum operating speed、VMOまたはVmoと略す（以前はVNOだった）。航空機の通常の上昇・巡航・降下といった運用に際し、故意に超過してはならない速度のこと。機体構造強度が機体の受ける空気圧（動圧）に余裕を持って耐えられる速度の限界で、高度が下がるほど空気密度が上がって遅くなり、空気密度の最も大きい海面高度が最も遅くなる。最大運用限界マッハ数とペアで用いられる数値で、どちらか遅い方の速度が最大運用速度になる。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019

＜最大運用限界マッハ数＞：Maximum operating Much number、MMOまたはMmoと略す（以前はMNOだった）。航空機の通常の上昇・巡航・降下といった運用に際し、故意に超過してはならないマッハ数のこと。衝撃波の発生に伴い機体に生じるバフェットを防止するための限界速度で、高度に関係無く一定のマッハ数になるため、高度が上がると対気速度は遅くなる。最大運用限界速度とペアで用いられる数値で、どちらか遅い方の速度が最大運用速度になる。主翼の翼型や後退角で決定されるが、高度や重量によっては最大運用限界マッハ数に達する前にバフェットが起きることもあり、この速度まで出せなかったりする。単純な数値比較には便利だが、具体的な対気速度の算出には標準大気表を使用して特定高度でのマッハ数を知る必要があるので面倒。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019

＜最大運用速度＞：機体構造強度が衝撃波によるバフェットや空気圧に耐えられる最大の対気速度で、最大運用限界マッハ数と最大運用限界速度のうち、遅い方の速度を指す。最大運用限界マッハ数から算出される対気速度は高度が上がるほど遅くなり、最大運用限界速度は高度が下がるほど遅くなるので、両者が一致する高度より上では最大運用限界マッハ数、下では最大運用限界速度が最大運用速度となる。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜最大射高＞：ある砲を仰角90度で発射した場合、弾丸が到達しうる最大高度。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜最大射程＞：ある火砲と弾薬で射撃した場合、弾丸が到達しうる最大距離。ミサイルの場合、要求性能で示された撃墜率を発揮できる最も遠い距離。ミサイル自体の最大飛翔可能距離が大きくても、射撃指揮装置の能力が低いと、そちらに最大射程が制限されてしまう。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊世界の艦船9,’20

＜最大射程角＞：弾丸に最大射程を与える角度のこと。真空中では45度、大気中では空気抵抗があるので30-35度。弾丸の最大高度が宇宙空間に到達するような場合は、早めに空気の薄いところに打ち上げた方が有利なので、45度よりもやや大きい角度になる。参考：GUN用語事典、月刊軍事研究2,’12

＜最大巡航速度＞：荒い操縦をしても制限荷重を超えない最大の速度のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜最大静止推力＞：ジェットエンジンが５分間連続を限度に発揮できる最大の静止推力のこと。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜最大設計離陸重量＞：飛行機が小さい制限降下率で接地した際の地面反力による機体構造への荷重を算定する時の最大重量。最大離陸重量と同じ値にすることが多いが、本来はやや大きめにとるのが原則である。参考：航空用語事典増補改訂版

＜最大零燃料重量＞：Maximum zero fuel weight。Ｔ類飛行機（大型輸送機）特有の設計重量で、翼内に燃料と潤滑油を搭載しない場合の最大許容重量のこと。主翼付け根には、揚力による上方向の曲げモーメントと、主翼重量による下方向の曲げモーメントが掛かり、総合すると両者の差による上方向への曲げモーメントが掛かることになる。Ｔ類飛行機では主翼に燃料タンクや潤滑油タンクを備えており、これらの重量で上方向曲げモーメントを相殺できるが、消費するに伴って相殺量が減っていき、翼内燃料も潤滑油も使い切った最軽量状態で主翼の曲げモーメントが最も大きくなる。これが主翼強度を超えれば主翼が折れて墜落するので、最大零燃料重量とは主翼強度上の限界重量であるといえる。最大零燃料重量と運航自重の差が最大ペイロード（重量制限ペイロード）である。エンジンを強化するなどして最大離陸重量を増やしたとしても、翼内に積める燃料が多くなるだけで、ペイロードを増加させるためには主翼を強化するなどして最大零燃料重量の方を増やさなければならないが、構造強化に伴い運航自重も大きくなるので、思ったよりペイロードが増えないこともある。参考：世界航空機年鑑2018-2019、航空用語事典増補改訂版

＜最大潜航深度＞：潜水艦が圧壊を免れることができる最大水深で、潜水艦の性能を示す重要な数値であるため、極秘となっていることが多い。また、安全のために実際の圧壊深度よりも浅く設定されており、アメリカでは圧壊深度の４分の３、イギリスでは７分の４、ドイツでは２分の１、日本海軍では2.5分の１を最大潜航深度にしているという。耐圧船殻の素材により値を推定できる。参考：現代の潜水艦、日本潜水艦物語

＜最大戦速＞：最速の戦闘速力のこと。当然ながら艦や艦隊によりまちまちであり、日本海海戦で連合艦隊がバルチック艦隊に接敵して砲撃位置を占位しようとした際の最大戦速は15ノットだった。参考：月刊丸9,’03

＜最大総重量＞：安全に空を飛べる最大の重量。これより重くなると機体構造の耐用重量をオーバーするので、安全が保障できない。参考：JWing11,’02、2,’13

＜最大速度＞：Maximum speed。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜最大速度（航空機）＞：航空機がエンジン連続最大出力／推力で水平定常飛行中に出せる最大の速度。理論的には航空機に掛かる抗力（要求／必要推力）がエンジン推力（利用推力）と同じになる（余剰推力がゼロになる）速度である。飛行高度、航空機の重量、エンジン出力状態などで変化するため、正しく表記するのは意外と難しい。空気圧に対する機体構造強度の限界や衝撃波によるバフェッティング発生などで制限される最大速度は最大運用速度という。機体表面温度や排気温度による限界もある。軍用機の最大速度は外部兵装を積まない状態で発揮できるもので、武装を積み戦闘を行える状態での速度限界は戦闘速度という。当初は戦闘時の巡航速度と殆ど差が無かったが、アフターバーナーを装備するようになると2-3倍の差が付くようになった。しかし格闘戦時にアフターバーナーを付けっぱなしにして水平飛行する訳にはいかないので、格闘戦性能としてはあまり意味の無い数字になっている。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019、図解現代の航空戦、世界の傑作機No.113、月刊JWings10,’09別冊付録、戦闘機のしくみ

＜最大速力＞：艦船が機関最大出力で平穏な海域を航行した際に出せる速力。海上公試の際に測定するので、試運転最大速力ともいう。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜最大ソナー速力＞：自艦のソナーで潜水艦を探知し続けることができる最大速力のこと。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜最大タクシー重量＞：最大ランプ重量を参照。

＜最大着陸重量＞：Maximum landing weight。飛行機が大きい制限降下率（Ｔ類飛行機なら毎分600フィート・182.9m）で接地した際、安全に着陸できる最大の重量。スペック上の設計最大着陸重量と、滑走路などの条件により決まる許容最大着陸重量がある。着陸時は降着装置にかかる負荷が離陸時より大きいので、設計の際に最大離陸重量と同じ重量での着陸に耐えられるよう機体強度を設定するとかなりの構造重量増を強いられるが、普通は着陸までに燃料を消費しているので、最大離陸重量よりも軽い値を設定し、減らした構造重量をペイロードに回す。離陸直後に機体トラブルで引き返すような場合には最大着陸重量まで燃料を投棄してから着陸するが、緊急燃料放出装置も故障してどうにもならない場合には、降下率を極力小さくして機体の損傷を抑える。小型機では機体に対する構造部材の比率が大きく頑丈なため、最大着陸重量と最大離陸重量を等しい値に設定できる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings4,’04

＜最大着艦重量＞：飛行機が空母に着艦できる最大の重量のこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜最大有効射程＞：有効射程を参照。

＜最大揚力係数＞：Maximum lift coefficient、CLmax。迎え角に対する揚力係数の変化をグラフにした際の揚力係数の最大値。ちなみに最大揚力係数における迎え角は失速迎え角という。亜音速二次元翼では翼厚、最大翼厚位置、キャンバー、最大キャンバー位置、マッハ数、レイノルズ数、乱流、翼表面の粗さなどで変化し、三次元翼では翼平面形やアスペクト比の影響も加わる。厚い翼ではマッハ数による影響が大きく、マッハ0.2くらいから最大揚力係数の低下が始まる。高揚力装置で最大揚力係数を増加させることが可能。参考：航空用語事典増補改訂版

＜最大ランプ重量＞：Maximum ramp weight。最大タクシー重量（Maximum taxing weight）ともいう。最大離陸重量にエンジン始動時や駐機中・タキシング中の消費燃料重量を足したもので、静的状態における航空機の最大重量である。最大離陸重量と同じく降着装置の強度に基づいて算出されるが、最大離陸重量とは降着装置にかかる荷重が異なるので、値が違ってくる。燃料消費量の多いタービン機（特に大型ジェット輸送機）のペイロードや航続距離を稼ぐために用いられる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、世界航空機年鑑2018-2019

＜最大離陸重量＞：Maximum take-off weight。滑走路から離陸が可能な最大重量で、厳密には離陸滑走を開始するため車輪ブレーキを離す時の最大重量。主に降着装置の強度に基づく重量限界で、これにより離陸速度や離陸距離が決定される。飛行を通じての最大重量であり、重心移動許容範囲の後方限界や、安定性・操縦性を決定する際にも使用される。スペック上の設計最大離陸重量と、ある滑走路から安全に離陸できる最大重量を示す許容最大離陸重量がある。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊航空情報5,’18、世界航空機年鑑2018-2019

＜最大離陸出力＞：離昇出力を参照。

＜埼玉県平和資料館＞：戦時中の埼玉県の資料を展示する資料館で、物見山公園にある。所在地は埼玉県東松山市岩殿241-113。開館時間は0900-1630（最終入館1600）。休館日は月曜（祝日の場合は翌日）、12月29日から1月3日。入館料は一般100円。参考：MAMOR vol.58

＜最短時間での連続離陸＞：MITOを参照。

＜採泥器（シベック２型）＞：自衛隊の採泥器。鶴見精機製。参考：月刊軍事研究6,’08

＜採泥器（柱状ブルーク改２）＞：自衛隊の採泥器。鶴見精機製。参考：月刊軍事研究6,’08

＜最低気象条件＞：Whether minima。離着陸が可能な気象条件の限界のこと。ある高度に達するまでに着陸に必要な目標を視認出来ない場合に降下を止める高度上の判断基準として、精密進入の際の決心高DH（Decision Height）と非精密進入の際の最低降下高度MDA（Minimum Descent Altitude）が定められており、航空機の性能、飛行場にある航法援助施設の能力、飛行場周辺の障害物の高さなどにより決められている。また、DHやMDAの高度、進入灯など照明施設の有無などによる視程の判断基準として、目視観測による地上視程VIS（Ground Visivility）と透過率計による滑走路視距離RVR（Runway Visual Range）が定められている。離陸時に適用される離陸最低条件（Take off minima。RVRまたはVISで表示）、着陸時に適用される着陸最低条件（Landing minima。DHまたはMDAと、RVRまたはVISで表示）、代替飛行場に適用されるオルタネイト・ミニマ（Alternate minima。最低雲高シーリングとVISで表示）があるが、離陸後に同じ空港に引き返してくる場合があるので、離陸最低条件と着陸最低条件は通常同一条件に設定する。ICAOや各国の基準で決定したステイト・ミニマ（State minima）、それを超えない範囲で各航空会社が独自に設定したカンパニー・ミニマ（Company Minima）という分類もある。参考：航空用語事典増補改訂版、航空管制のはなし

＜サイテーション�]＞：セスナ社のビジネス・ジェット機Citation �]、別名サイテーション・モデル750。大西洋無着陸横断が可能な機体として1990年から開発され、1992年8月21日にサイテーション�Z改造試験機、1993年12月21日にサイテーション�]原型機が初飛行し、1997年6月3日にFAAの形式証明を取得した。航続距離は長いが、長時間飛行にならないよう、巡航速度は高くし、機内に9.6psiの与圧をかけて高々度を飛べるようにした。主翼は低翼配置で、胴体下面に大型の翼胴フェアリングを設け、その中に桁を通すことで、キャビンを圧迫しないようにしてある。横操縦はエルロンとスポイラーの併用で、主翼前縁にフルスパンの自動スラット、後縁に３分割のファウラー・フラップを持つ。尾翼はＴ字、水平安定板は全遊動式。油圧システムは二重。全長22.05m、全幅19.48m、全高5.87m、自重9.81トン、最大離陸重量16.37トン。翼面積48.96平方メートル。エンジンはロールスロイス社製AE3007C-1（推力3.07トン）双発、最大巡航速度マッハ0.91（高度11280m）、最大運用マッハ数0.92、実用上昇限度15550m、海面上昇率毎分1219m、最大燃料搭載量5.897トン、航続距離5960km。乗員２名。客席数12。量産機は1997年7月から引き渡され、2018年に生産を終えた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーション５６０ＸＬ＞：サイテーション・エクセル（ビジネス・ジェット機）を参照。

＜サイテーション６８０＞：サイテーション・ソブリン（ビジネス・ジェット機）を参照。

＜サイテーション６８０Ａ＞：サイテーション・ラティテュード（ビジネス・ジェット機）を参照。

＜サイテーション７５０＞：サイテーション�]（ビジネス・ジェット機）を参照。

＜サイテーションＭ２＞：セスナ社のビジネス・ジェット機Citation M2。サイテーション・ジェット（サイテーション500シリーズ）とセスナ510マスタングの間を埋めるサイズで、ホンダジェットやフェノム100のライバル機である。2012年3月28日に試作機が初飛行し、2013年にFAAとEASAの形式証明を取得した。機体はアルミ合金主用のセミモノコック構造で、胴体尾部両側にエンジンを備えるリアジェット方式。主翼は低翼配置で翼端に小さいウイングレットがあり、尾翼はＴ字。フライトデッキ・システムはガーミン3000である。全長12.98m、全幅14.4m、全高4.24m、最大離陸重量4.853トン。エンジンはウイリアムズ社製FJ44-1AP-2ターボファン（推力8.74kN）双発、最大巡航速度741km、最大速度748km、最大巡航高度12495m、航続距離2852km（乗員１名＋ペイロード0.5トン）。乗員１名。客席数７。売れ行きは好調で、2015年11月に早くも100機目の引き渡しを終えた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーションＸＬＳ＞：セスナ社のビジネス・ジェット機Citation XLS。サイテーション・エクセルの改良型で、2004年3月23日にFAAの形式証明を取得した。サイテーション�]の胴体を短縮し、サイテーション�Xウルトラの主翼（直線翼）を装着、ベントラル・フィン２枚を追加したものである。全長16m、全幅17.17m、全高5.23m、空虚重量5.788トン、最大離陸重量9.162トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW545B（推力1.868トン）双発、最大巡航速度817km、最大運用マッハ数0.75、実用上昇限度13725m、航続距離3441km。乗員２名。客席数6-8。2009年6月に最終号機が引き渡され、サイテーションXLS+の量産に移行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーションＸＬＳ＋＞：セスナ社のビジネス・ジェット機。サイテーションXLSの改良型で、2007年に初号機が初飛行した。キャビンの快適性を向上させ、エンジンをデュアルFADEC付PW545Cに換装、フライトデッキ・システムをコリンズ社製プロライン21としている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーション・エクセル＞：セスナ社のビジネス・ジェット機、別名サイテーション560XL。サイテーション�Xウルトラの派生型で、1996年2月に初飛行し、1998年4月22日にFAAの形式証明を取得した。後継機サイテーションXLSの完成により、2004年に生産を終了した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーション・ソブリン＞：セスナ社の長距離ビジネス・ジェット機Citation Sovereign、別名サイテーション680。広く快適なキャビンを備え、地方空港でも運用でき、アメリカ大陸無給油横断能力を持つビジネス・ジェット機として1998年10月に開発が発表され、原型機は2002年2月27日に初飛行した。サイテーション�]の胴体を延長し、後退角16度18分の超臨界翼を上反角３度の低翼配置で装備した。エンジンはリアジェット型式だが、尾翼はＴ字ではなく、垂直尾翼下寄りに水平尾翼を上反角３度で取り付けている。全長19.35m、全幅19.3m、全高6.2m、空虚重量7.92トン、最大離陸重量13.743トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW306C（推力2.617トン）双発、最大巡航速度850km、最大運用マッハ数0.8、実用上昇限度13725m、海面上昇率毎分1224m、航続距離3441km。乗員２名。客席数8-12。2004年6月2日に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーション・ヘミスフィア＞：セスナ社のビジネス・ジェット機Citation Hemisphere。サイテーション・シリーズのハイエンド・モデルで、2015年11月に発表された。機体の大きさはサイテーション・ロンジテュードより小さめだが、キャビン容積は大きく、航続距離も長い。主翼は低翼配置で、翼端にウイングレットが付く。エンジンはリアジェット方式。尾翼はＴ字。飛行制御装置はテキストロン・アビエーション製フライ・バイ・ワイヤ、フライトデッキ・システムはハネウェル製プリウム・エピックで、テキストロン・アビエーション製自己診断システムを装備する。キャビン幅2.59m。エンジンはサフラン・エアクラフト・エンジン製シルバーキャストC2ターボファン（推力53.4kN）双発、最大航続距離8334km。2019年に初飛行する予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーション・ラティテュード＞：セスナ社の中型ビジネス・ジェット機Citation Latitude、別名サイテーション680A。サイテーション・ソブリンの廉価型で、キャビンを小さくし、航続距離を短くした。機体は金属製、主翼は低翼配置、エンジンはリアジェット方式で後部胴体両側に付き、尾翼は通常型で、後部胴体下面左右に小さいベントラル・フィンがある。フライトデッキ・システムはガーミン製G5000。全長19.87m、翼スパン22.05m、全高6.38m、最大離陸重量13.971トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW306Dターボファン（推力26.28kN）双発、巡航速度826km、実用上昇限度14000m、航続距離5278km。有効搭載量14.084トン。乗員２名。客席数９。2014年2月18日に初飛行し、2015年6月8日にFAAの形式証明を取得した。航空自衛隊がU-125後継のU-680A飛行点検機として採用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイテーション・ロンジテュード＞：セスナ社のビジネス・ジェット機Citation Longitude。2009年に計画が凍結された航続距離4000海里級ビジネス・ジェット機コロンバスの代替で、2012年5月に開発を発表した時にはサイテーション・ラティテュードの胴体延長型だったが、同クラスに居並ぶライバル機を打倒するため2014年10月に設計変更を公表し、翼端にウイングレットを追加、フラップをフライ・バイ・ワイヤ制御にするなど多数の変更を加えた。フライトデッキ・システムはガーミンG5000。エンジンはサフラン・エアクラフト・エンジン製シルバーキャストC2の予定だったが、開発が遅れたため、ハネウェル製HTF7700Lに変更した。全長22.3m、全幅20.42m、全高5.92m。エンジンはハネウェル製HTF7700L（推力33.6kN）双発、巡航速度882km、巡航高度14000m、航続距離6482km。乗員2-3名。客席数12。2016年10月8日に飛行試験機が初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜サイト＞：照準器を参照。

＜サイド＞：DE-256（護衛駆逐艦）を参照。

＜サイド＞：日本海軍士官のスラングで、痔のこと。まっすぐ座れないことからきている。または横痃（鼠径リンパ節腫脹。性行為感染症の波及が原因となることが多い）のこと。参考：帝国陸海軍事典、海軍こぼれ話

＜サイトＷ＞：マンハッタン計画を参照。

＜サイトＸ＞：オークリッジ・リザベーション（核施設）を参照。

＜サイドアーム＞：AGM-122（ミサイル）を参照。

＜サイドアーム＞：腰にベルトなどで装着する武器のこと。拳銃、ナイフ、刀など。参考：GUN用語事典

＜在ドイツ英国支援軍団＞：イギリス陸軍の主要戦闘部隊の１つ、略称UKSCG。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜在ドイツ英国支援軍団（１９９７年）＞：機甲偵察連隊（シミター装備）２個、重砲兵連隊（MLRS装備）１個、航空連隊２個、防空連隊１個からなる。NATOヨーロッパ連合軍隷下で、ドイツに駐留しており、第１機甲師団に不足している砲兵火力と偵察能力を提供する。参考：月刊軍事研究7,’97

＜斉藤昭彦氏襲撃事件＞：斉藤昭彦氏は1979年から陸上自衛隊第１空挺団に籍を置き、1981年に退役、1983年6月にフランス外人部隊に入隊し、第２外人落下傘連隊、第４外人教育連隊小隊長、第１外人工兵連隊警務小隊小隊長、第１外人連隊本部の司令部要員などを勤め上げ、20年程在籍して退役した。除隊前に受講した職業訓練課程は一般警備職で、フランス大手スーパーの警備責任者への就職が決まっていたが、2004年12月頃からイギリス民間軍事会社ハート・セキュリティでセキュリティ・マネージャーとして勤務し始めたとみられる。2005年5月8日朝、イギリスの民間軍事会社ハート・セキュリティ所属の斉藤昭彦氏ら外国人５人とイラク人警備員が警備車両３両に搭乗し、アメリカ軍のアル・アサド基地に物資を輸送するPWCロジスティックスの大型トラック２台の護衛に就いた。その帰り道、スンニ派トライアングルにあるヒートの北西30kmのところでアンサール・アル・スンナのアンブッシュ攻撃に遭遇。先頭車両が遠隔操作の爆薬で破壊されて車列が停止したところに銃撃を受け、警備員６人と従業員12人が殺害され、斉藤氏は重傷を負ったまま他の警備員と共に連れ去られた。外国人警備員２人とイラク人警備員４人が何とか生き残っている。5月10日にハート・セキュリティ社から在ロンドン日本大使館に連絡が入り、日本政府が事件を把握、安否確認を進めていたが、5月27日にアンサール・アル・スンナがウェブサイトで斉藤氏とされる遺体や、斉藤氏のパスポート・コントラクターIDカードなどの映像を公開した。斉藤氏の弟が映像の人物を本人であると確認したが、遺体は身代金取引材料（死亡保険金・遺族年金が下りるのには遺体による死亡確認が必要なため、この保険金を目当てにテログループが遺体引き渡しの代わりに金銭を要求する）にされたためか発見されていない。参考：月刊軍事研究12,’14、8,’05、7,’10

＜齋藤三朗＞：日本海軍エース。大正6年、山形県生まれ。昭和9年に海軍に入隊し、艦隊勤務に就いた後、昭和14年1月に操縦練習生を卒業し、大分航空隊と大村航空隊で教育を受けた。昭和14年10月、第12航空隊配属となり、漢口に進出。その後南支に進出し、12月30日の桂林攻撃で初陣を飾った。昭和15年1月、空母赤城に搭乗。その後大分航空隊、徳島航空隊、築城航空隊に転属となり、昭和17年11月に上飛曹に昇進し、空母瑞鶴に搭乗した。昭和18年1月、ガダルカナル島撤退作戦支援のためラバウルに進出。2月1日、ツラギ沖で初戦果を挙げた。2月4日、２機を撃墜。2月7日、２機を撃墜。4月、い号作戦に参加。7月、トラックに前進。11月1日、ろ号作戦参加のためラバウルに派遣された。P-38戦闘機、F4U艦戦、B-25爆撃機など８機（うち１機は共同撃墜）のスコアを残して11月13日にトラックに帰還。11月26日、ルオット島に進出。12月3日、タロア島に進出。12月5日、ルオットに帰還。12月6日、中攻でトラックに引き揚げた。昭和19年7月、第252航空隊戦闘317飛行隊に転属した。10月13日、捷一号作戦参加のためフィリピンに進出。10月24日、ルソン島東方で１機を撃墜したが、被弾不時着して負傷し、後送されて治療中に終戦となった。総飛行時間2118時間、総撃墜数確実18機・不確実及び共同撃墜６機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜斉藤正午＞：日本陸軍エース。大正7年、青森県生まれ。昭和10年2月、少年飛行兵として所沢陸軍飛行学校に入学。昭和11年11月、明野で戦闘機教程を修了し、飛行第11連隊に配属されてハルビンに着任した。昭和13年9月、飛行第24戦隊に転属となり、ハイラルに移動。12月、曹長に進級。5月26日、ノモンハン事件で初陣を飾り、I-15戦闘機２機を撃墜。6月22日、ソ連軍機迎撃のため２回出撃。２回目の出撃で３機を撃墜し、１機を追い詰めて乗員を落下傘降下させ、不時着した３機を銃撃して炎上させた。弾切れになったため帰還しようとしたが、敵８機に囲まれたため体当たりをかけ、右主翼で垂直尾翼を破壊して１機を撃墜した。自身も右水平尾翼を半分失ったが、何とか基地に辿り着いている。この機体は後に靖國神社遊就館に展示された。7月21日、５機を撃墜（不確実１機含む）。7月23日、SB爆撃機１機を撃墜したが、防御砲火で左脚に重傷を負い入院。退院後任務に復帰し、ノモンハン事件全体では不確実含み25機を撃墜した。昭和16年12月、准尉に昇進。太平洋戦争開戦後はフィリピン戦に参加。昭和17年3月、飛行第78戦隊に転属し、航空士官学校を卒業して少尉となった。昭和18年12月下旬、ニューギニア戦線に派遣された。昭和19年春、アメリカ軍がホランジアに上陸したため陸路で後退したが、その途中の7月2日に戦死した。総撃墜数26機以上。最終階級は中尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜斉藤千代治＞：日本陸軍エース。北海道生まれ。昭和12年2月、操縦学生として所沢陸軍飛行学校に入学し、明野飛行学校を昭和13年2月に卒業、飛行第24戦隊第２中隊配属となった。昭和14年5月21日、ノモンハン事件でLZ偵察機を撃墜した。6月22日、４機を撃墜（不確実１機含む）。ノモンハン事件停戦までに21機を撃墜した。太平洋戦争開戦後は南方戦線で任務に就いている。昭和18年5月、ニューギニアに配属された。6月10日、視界の悪い中で着陸滑走中に衝突事故を起こし、重傷を負った。回復後も空戦に従事し、8月20日の迎撃戦で戦死した。総撃墜数28機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜サイドカー１９２８モデル＞：日本陸軍のサイドカー付きオートバイ。ハーレー・ダビットソンのサイドカー付きモデルで、バイクの左にサイドカーが付いている。昭和初期に電信隊に配備された。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜サイド・グローブ＞：MRP-150（ECM）を参照。

＜催吐剤＞：嘔吐剤を参照。

＜サイドスキャンソナー＞：トランスデューサー・アレイをプラットフォーム側面に装備するアクティブソナー。機雷、海中障害物、海底地形の探査などに使用される。参考：月刊軍事研究2,’14

＜サイドスキャンソナー４型＞：海上自衛隊のソナー。クライン5500マルチビーム・サイドスキャンソナーを採用したもので、作戦海域の海底を事前にスキャンして機雷掃討に必要な情報を収集する。サイドスキャンソナー２型の倍以上の速力で使用可能。日立製作所製。ひらしま型・えのしま型掃海艇に搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’13、月刊軍事研究6,’11

＜サイドスラスター＞：吃水線下の船首や船尾にトンネルを設け、可変ピッチプロペラを横向きに取り付けたもので、着岸・離岸など低速時の横移動や回頭に使用する。船首はバウスラスター、船尾はスターンスラスターと呼ぶ。速力が５ノット以上になるとスラスターによる水流が後方に流されてしまい、効果が無くなる。参考：図解雑学　船のしくみ

＜再突入体＞：RVを参照。

＜サイド・バイ・サイド＞：Side-by-side。横に並んでいること。または並列複座コクピットのこと。左に正操縦士（機長）、右に副操縦士が座る。通常の１名用射出座席を装備すると、１人目が脱出した時に射出の反動で機体が回転してしまい、もう１名の脱出が困難になるという欠点がある。参考：JWings5,’03、アメリカ空軍の第一線機

＜サイド・バイ・サイド・ローター＞：Syde-by-side type rotor、並列ローター。互いに逆回転する回転翼を胴体左右パイロンまたは両主翼端に取り付けてあること。回転翼の縦横比が横長になるので、前進飛行時に必要な誘導パワー（揚力を生む力）が小さくなる。前面投影面積が大きいので抵抗が増え、重量も大きくなるという欠点があり、ヘリコプターでは数機種に使われただけで廃れ、V-22やAW609のようなティルト・ローター式VTOLで使用されている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜サイドパイプ＞：号笛を参照。

＜サイドフォーク（蓄電池式）（２．５トン）＞：自衛隊の車両。双信商事が受注している。参考：月刊軍事研究9,’14

＜サイド・フレア・クイック・ストップ方式＞：アメリカ海兵隊が匍匐飛行NOEを応用して生み出したヘリコプター用戦術機動。後ろにつこうとする敵に対し、十分に引きつけてからエンジン出力を絞って減速し、フット・ペダルとサイクリック・スティックを逆に動かして機体のトリムを失わせ、機体を横転させる。敵は旋回に入ったものと勘違いし、追随するために横転するが、実際は旋回していないのでそのまま前に飛び出してしまう。そこで加速して旋回し、後上方に付く。敵に仕掛けられたら、オーバーシュートした時にエンジンを全開にしてそのまま急上昇し、相手よりも上に出る。この際減速も行われるので、逆に相手をオーバーシュートさせられる。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜サイドプロＡＴＲ＞：スイスのラーグ社が開発した戦車用モジュラー式増加装甲。厚さ400mmで、NATOレベル２の基本装甲に付加すれば、対戦車ロケット、APFSDS弾、IEDに対する防御力が得られる。参考：月刊軍事研究12,’13

＜サイド・プローロッソ＞：スイスのラーグ社が開発した対RPG用格子状装甲。見た目は金網状のフェンスで、従来の格子状装甲よりも軽量化した。参考：月刊軍事研究10,’10

＜サイト用人員輸送車＞：航空自衛隊マイクロバスBG437F。積雪地や山の上の分屯基地に物資を運べるよう、民生用４×４輪30人乗りマイクロバスを採用したものである。全長6.95m、全幅1.995m、全高2.9m、車重3.85トン。エンジン出力120馬力、最大速度95km。最大積載量2.41トン。三菱ふそうトラック・バスまたは三菱自動車工業製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊丸3,’13、月刊軍事研究8,’07、3,’97

＜ザイドリッツ＞：ドイツ海軍ザイドリッツ級巡洋戦艦Seydlitz。1913年5月22日竣工。1915年1月24日、第１偵察群に所属し、ヒッパー少将旗艦としてドッガーバンク海戦に参加。巡洋戦艦ライオンの34.3cm砲弾が５番砲塔バーベットの後部砲塔操作室に命中、装薬６トンが断続的に誘爆して４番砲塔に延焼し、火薬庫にも達しかけたが、注水措置で事無きを得た。その後揚弾器に自動防火扉を設置。1916年4月24日、ヤーマスとロストフを砲撃するため出撃。帰投する途中で触雷し、魚雷室右舷側水線部装甲帯直下の船体フレーム130-137間に90平方メートルに及ぶ破孔が発生した。11名が戦死、1200トン浸水して一部魚雷の空気タンクが破裂したが、誘爆は無く、区画閉鎖とメインポンプ及び携帯ポンプによる緊急排水でダメージ・コントロールを行い帰投している。5月31日、第１偵察戦隊所属でジュットランド海戦に参加。主砲弾21発、中口径弾４発、魚雷１本を被弾して大破し、98名が戦死、70名が戦傷を負い、帰投時の艦首波流入も加わって5300トンも浸水し艦首から沈没しかけたが、ヘルゴラント・バイトで擱座しつつ最終的には後進でヴィルムスハーフェンまで何とか辿り着いた。1919年6月21日、スカパフローで自沈した。参考：歴史群像6,’16、近代戦艦史、月刊世界の艦船9,’17、6,’16、4,’17、歴史群像6,’16

＜ザイドリッツ＞：ドイツ海軍ザイドリッツ級空母Seydlitz、秘匿名称ヴェーザー。1935年12月29日（1937年？）にプリンツ・オイゲン級重巡２番艦として起工され、1939年1月19日に進水した。1942年8月に空母に改造されることになったが、12月（1943年6月説あり）に建造中止となり、砲は沿岸要塞に流用され、装甲も外され、1945年1月29日（4月10日？）にケーニッヒスベルグで自沈した。後のソ連が引き揚げて工事を続けたが、1950年に放棄され、1958年に解体された。参考：月刊丸3,’14、写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史

＜ザイドリッツ級＞：ドイツ海軍巡洋戦艦Seydlitz級。ドイツ海軍での正式艦種は大巡洋艦である。モルトケ級の改良型で、船体を延長し幅を狭めて高速を出せるようにし、長船首楼型船体の前半部にもう１段船楼を追加して露天甲板を３段重ねにし凌波性を向上させ、司令部設備を追加、艦橋の位置を高くした。ただ舵の効きが悪く、旋回時に速力がかなり低下するという欠点が出ている。相変わらずの防御重視で、装甲重量は排水量の32.7%に達した。主砲塔バーベット装甲は防御甲板まで到達しており、主装薬は真鍮製、副装薬は鋼製の容器に入れて誘爆の危険性を減らしている。全長200.5m、幅28.5m、吃水8.2m、常備排水量24549-24988トン。主機はパーソンズ式高低圧並列複式直結蒸気タービン２基、主缶はシュルツ・ソーニクロフト石炭専焼缶（蒸気性状1.57MPa、飽和蒸気）27基、出力89000馬力、４軸推進、プロペラ直径3.88m、速力26.5ノット（29ノット？）、航続距離4700海里（14ノット）。兵装は50口径28.3cm砲SK L/50連装砲塔５基、45口径14.9cm単装砲12門、45口径8.8cm単装砲12門、50cm水中発射管４門。装甲厚は艦中央水線部150-230mm（水線下1.7mから上甲板に向かい厚くなる）＋魚雷防御隔壁50mm、その前後の舷側120mm、艦首尾舷側100mm、甲板57mm（25-30mm？）、砲塔200mm（250mm？）、バーベット230mm（露出部）／100mm（第２甲板レベル）／30mm（第３甲板・防御甲板レベル）。乗員1068名。ザイドリッツが1913年に竣工した。ジュットランド海戦前に主砲仰角を16度に引き上げている。参考：近代戦艦史、歴史群像6,’16、月刊丸11,’09、12,’11、4,’17、月刊世界の艦船1,’12、6,’16

＜ザイドリッツ級＞：ドイツ海軍計画空母。元はプリンツ・オイゲン級重巡として建造されていたが、95%完工時点の1942年8月にヴェーザーという秘匿名称で空母に改造されることとなった。飛行甲板は長さ200m・幅30mで、右舷側に煙突と一体化したアイランドを持ち、前部にカタパルト２基、前後に内舷式エレベーター１基ずつを装備する。格納庫は長さ137.5m・前部幅17m・中央−後部幅12mで、Bf109G艦上戦闘機５機とJu87D艦上爆撃機５機を搭載可能。全長216m、幅21.8m、吃水6.08m、基準排水量17139トン。主機はデシマーク式ギヤード・タービン３基、主缶はヴァグナー式高圧水管缶９基、出力132000馬力、３軸推進、速力32ノット、燃料搭載量4250トン、航続距離6500海里（19ノット）。兵装は10.5cm連装高角砲５基、37mm連装高射機関砲５基、20mm４連装高射機関砲６基。ザイドリッツが改造されたが、未完成のまま計画中止になり、自沈した。参考：月刊丸3,’14、写真集ドイツの巡洋艦

＜ザイドリッツ作戦＞：第２次大戦時にドイツ中央軍集団が行った、ルジェフ付近のソ連軍突出部攻撃作戦。1942年7月2日に開始され、ルジェフの西にあるオレニノと、その南西のベールイからドイツ第23軍団が出撃した。突出部のソ連第39軍を包囲する予定だったが、航空支援が不完全ですぐに頓挫してしまい、7月5日からドイツ第46軍団がスチェフカ方面からソ連軍を牽制し、第23軍団は進撃を再開、包囲網を形成することに成功した。7月7日、ドイツ第２装甲師団が包囲網の真ん中に突入し、7月11日までにソ連第39軍は壊滅した。これに対してソ連軍は7月30日に第30軍が反撃を実施。8月4日には第20・第29・第30・第31軍がルジェフ後方に回り込む攻勢をかけた。8月5日には第５軍も加わったが、ドイツ軍の必死の防戦に攻撃は頓挫。ソ連軍は攻撃軸を南に移し、8月22日にはルジェフ南東のカルマノヴォを占領したが、それ以上の前進は阻止された。そのため、ソ連軍は再びルジェフに攻撃軸を移し、市街が廃墟と化すまで猛烈な砲撃を浴びせかけたものの、ドイツ軍は9月10日に反撃に出てソ連軍を撃退。10月に入ってソ連第29軍がルジェフに攻撃を仕掛けたが、これも失敗した。そこでソ連カリーニン方面軍は11月25日にマルス作戦を発動、ルジェフ方面での冬季攻勢に出た。参考：月刊軍事研究5,’09

＜サイドローブ＞：アンテナ特性の関係で、メインビーム以外に発生してしまう不必要な電波ビームのこと。現用の実用アンテナでは必ず発生してしまう。サイドローブ・レベルはメインビーム最大点のアンテナ利得に対してサイドローブの極大点がどれだけ低下しているか（単位デシベルdB）で表される。レーダーのサイドローブ・レベルが大きいと、サイドローブの方向にいる目標からの反射波を受信してしまい、メインビームの方向に目標がいるかのように誤ってスコープに表示されるし、更にメインビームで同一目標を探知することで、１つの目標を２目標として表示してしまう。また、サイドローブが地面や海面に当たって生じる反射波をアンテナが拾うと、アンテナ雑音（大地雑音Ground noise）の原因になる。よって、通常マイナス20-30dBくらいのサイドローブ・レベルを、アンテナの工夫によってマイナス35-45dBくらいに下げる事が求められるが、形状を精密に作る必要があって量産が難しくなる、アンテナ開口効率も下がってしまいビーム幅が広くなってアンテナ利得が低下する、といった欠点がある。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊軍事研究3,’99

＜サイドローブ消去＞：SLCと略す。不必要な反射信号の受信を抹消することにより、サイドローブ妨害を無効化するECCM装置である。抹消はIFレベル部またはビデオ・レベル部で行う。参考：月刊エアワールド4,’00

＜サイドローブ除去＞：SLBと略す。サイドローブ妨害があるとレーダー送受信を停止させ、不必要な受信波を除去するECCM装置である。パルス妨害では妨害時間が短時間なので、送受信が停止してもあまり影響は無い。参考：月刊エアワールド4,’00

＜サイドワインダー＞：AIM-9シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜サイドワインダー作戦＞：ポスト・イラク戦争砂漠のサソリ作戦における第４歩兵師団の掃討作戦で、2003年6月29日から7月7日に行われた。作戦域は北中部区域のスンニ派トライアングル一帯で、歩兵・機甲・航空部隊からなるタスクフォースを投入して旧政権幹部20人を含む282人を捕らえ、重機関銃やRPG-7対戦車ロケットを初めとする武器弾薬を押収した。参考：月刊軍事研究9,’04

＜サイドワインダーズ＞：VFA-86（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜サイドン＞：P259（潜水艦）を参照。

＜済南＞：105（旅大�U型駆逐艦）または152（052C級駆逐艦）を参照。

＜済南軍区＞：中国軍の大軍区の１つで、戦時には中部軍になる。山東省、河南省を統括しており、交通の要所を押さえる形になっているので、人民解放軍の総予備と位置づけられている。1955年5月1日に創設された。1985年6月の改編で山東省、河南省、青島警備区が管轄地域になった。2013年8月、渤海湾で演習中に陸軍補給船艇部隊が上陸用舟艇６隻で物資補給任務を行っていた際、突然の空襲に遭い、完全に意表を突かれて高射機関砲に取りつく兵員すらいないという事態が発生、再教育を施す羽目になった。2016年2月1日、山東省は北部戦区、河南省は中部戦区に改編された。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊航空ファン5,’16、朝雲

　＜済南軍区（１９８９年）＞：山東省軍区、河南省軍区からなる。集団軍４個、機甲師団１個、歩兵師団７個、空挺師団３個が配置されている。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜済南軍区（２０１５年）＞：山東省軍区、河南省軍区からなる。第20集団軍（機甲旅団１個、機械化歩兵旅団２個、砲兵旅団１個、防空旅団１個、工兵連隊１個）、第26集団軍（特殊部隊旅団１個、機甲旅団１個、機械化歩兵旅団１個、自動車化歩兵旅団３個、航空連隊１個、砲兵旅団１個、防空旅団１個、工兵連隊１個、電子戦連隊１個）、第54集団軍（特殊部隊旅団１個、機甲旅団１個、即応機械化歩兵師団２個、自動車化旅団１個、航空連隊１個、砲兵旅団１個、防空旅団１個、工兵連隊１個）、北海艦隊、北海艦隊航空兵第２海軍航空師団（Y-8J/JN/W/X/Y-9JB電子戦・偵察・早期警戒機連隊１個、SH-5/AS365/Ka-28/SA321/Z-8/Z-9洋上哨戒連隊１個）、同航空兵第５海軍航空師団（殲轟７型Ａ攻撃機連隊１個、殲撃８型Ｆ飛行連隊１個）、済南軍区空軍第５攻撃師団（強撃５型Ｅ攻撃機連隊２個、殲轟７型Ａ攻撃機連隊１個）、同空軍第12戦闘機師団（殲撃10型A/S戦闘機連隊１個、殲撃８型Ｂ戦闘機連隊１個、殲撃７型Ｇ戦闘機連隊１個）、同空軍第19戦闘機師団（Su-27SK戦闘機連隊１個、殲撃７型戦闘機連隊１個、殲撃７型／殲教７型訓練連隊１個）、同空軍第32戦闘機師団（殲撃11型Ｂ戦闘機連隊１個、Y-5/Y-7/Z-9輸送連隊１個、殲撃７型／殲教７型練習機連隊１個）、初教６型／教練８型飛行教官訓練基地１個、地対空ミサイル大隊４個が配置されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜済南事変＞：昭和2年、国民革命軍が漢口・南京を襲撃して占領するなどの内乱が発生し、日本も南京領事館が襲撃されたことから、第１艦隊の一部を派遣した。しかし革命軍の勢いは強く、各所で日本軍との衝突が発生、日本は第１次山東出兵を決定している。この時は２ヶ月ほどで終結したが、翌年に再び革命軍が済南で蜂起したため、第２次山東出兵を行い、第６師団に加え第３師団も動員して翌昭和4年に戦闘は終結した。参考：月刊PANZER4,’04

＜在日中国人帰還業務＞：太平洋戦争終結後、在日中国人を中国に帰国させる業務で、サンフランシスコ講和条約締結後も国交が回復しなかったため時間を要した。昭和28年3月に中国からの日本人引揚が開始されたことに伴い、中国紅十字会は日本から中国に向かう往路船に帰国希望中国人と遺骨を乗せるよう要望。日本赤十字社が日本政府、日中友好協会、日本平和連絡会と協議したが、なかなか決まらないうちに中国側が第４次引揚船の受け入れ予定日を引き延ばすなど圧力をかけ始めたため、第４次引揚船興安丸に帰国希望中国人551人と遺骨を乗せることにした。しかし出航前に遺骨の取扱との絡みで帰国希望者の乗船拒否が起きるなどしたため、興安丸には帰国希望者551人だけ乗せて6月27日に舞鶴を出港、遺骨561柱は黒潮丸に乗せて7月2日に神戸を出港し、両船とも天津に入港した。第２次帰国は第６次引揚船興安丸の往路で1069人を帰還させる予定だったが、8月11日に台湾政府から、中国からの引揚船の往路には中国への人員や物品を乗せないとする台湾政府との了解事項に反する、帰還中国人に相当数の台湾出身者が含まれていることも約束に反するという抗議があったため、興安丸は帰路に引揚者を乗せず引揚船の扱いから外し、代わりの引揚船として高砂丸を割り当てることにして8月20日に中国紅十字会にその旨を打電。返電を待つうちに既に舞鶴に集まっていた帰国希望中国人が台湾政府や日本政府に対する抗議活動を活発化させデモも実施、検察庁からは帰国希望者の中に犯罪容疑者３人が含まれているとして引き渡し要請が出され、その夕方には集団食中毒が起きて100人が発症、大混乱に陥ったが、8月24日1445に中国紅十字会から8月28-30日の天津入港を許可する返電があり、8月26日1100に帰国希望中国人1096人と遺骨615柱を乗せた興安丸が舞鶴を出港し、8月30日に天津に入港、9月8日に門司に帰港した。10月29日、第３次帰還船興安丸が帰国希望中国人1003人と遺骨204柱を乗せて舞鶴を出港し、11月3日に天津に入港、11月16日に下関に帰港した。昭和30年2月9日、第４次帰還船興安丸が帰国希望中国人277人を乗せて舞鶴を出港。3月16日、第５次帰還船興安丸が帰国希望中国人76人を乗せて舞鶴を出港。第６次帰還では興安丸に155人を乗せて11月20日に出港する予定だったが、11月3日に浜松収容所で発生した台湾帰国希望者を巡る乱闘事件で逮捕された中国人17人に帰国予定者４人が含まれており、更に別の帰国予定者１人が滞在期限切れで逮捕され、これら５人の帰還を強く主張する帰国希望中国人、在日華僑総会、中国紅十字会と日本側との間で折り合いが付かず、２週間ほど出港できない状態が続いた。結局11月30日に５人が近く帰国できるという保証が得られれば在日華僑を説得するという中国紅十字会の電報が届き、12月4日に155人を乗せて舞鶴を出港した。昭和31-33年、602人が８回に分けて帰国した。昭和33年7月までに延べ15次の輸送で計3771人が帰国している。参考：日本赤十字社社史稿第６巻、第７巻、人道・博愛−百年のあゆみ

＜在日中国大使館員スパイ事件＞：中国共産党中央軍事委員会総参謀部第２部に所属する在日中国大使館一等書記官が、機密文書漏洩などの疑いで警視庁公安部に事情聴取のため出頭を要請されたものの、無視して出国していたことが2012年5月末に発覚した事件。一等書記官は1989年に河南大学外国語学部日本語科を卒業して河南省洛陽市外事処国際文化交流センターに就職し、主任に昇進して1993年3月に初来日したが、その頃には既に総参謀部第２部に所属していたとみられる。1995-97年に福島大学大学院修士課程で学んで修士を取得、中国で中国社会科学院日本研究所研究室副主任となった後、1999年4月に松下政経塾特別塾生として日本で半年を過ごし、11月に帰国して北京の弁護士資格（いつの間に勉強していたかは不明）を得た。2002年に浜松大学客員研究員、2003年に東京大学客員研究員、2004年に中国社会科学院大学院博士、2005年に日本学術振興会研究員となり、2007年から在日中国大使館二等書記官として勤務を開始、後に通商担当一等書記官になって日本の政界に人脈を広げた。その間、賃貸マンションを購入して家賃を得たり、健康食品会社やその関連会社から顧問料や役員報酬を受け取ったりしており、農水副大臣が進めていた農林水産物等中国輸出促進協議会の利権に食い込んで農水省内基準「機密性３」（最高機密）文書４件を漏洩させるといった行為に及んでいたことが発覚。警視庁公安部外事二課は賃貸マンション購入の際に外国人登録証取得に嘘の身分を記載したとして公正証書原本不実記載の容疑で出頭を要請したが、大使館側は拒否して2012年5月23日に一等書記官は帰国した。参考：月刊軍事研究8,’12

＜在日朝鮮人帰還業務＞：太平洋戦争終結後、在日朝鮮人を北朝鮮に帰還させる業務。昭和31年2月、日本赤十字社と朝鮮赤十字会が北朝鮮からの引揚を話し合った平壌会談で共同コミュニケが調印され、在日朝鮮人帰還問題の解決についても継続的努力を行うことが確認された。3月15日、朝鮮赤十字会から日本赤十字社に電報があり（16日受領）、朝鮮赤十字会代表の日本派遣による諸問題円満解決の要望が記されていた。4月6日、朝鮮人50人が日本赤十字社本社を訪れ、北朝鮮からの引揚船こじまに乗船しての北朝鮮への帰国を要望した。日本赤十字社は韓国の安導券が得られないため不可能と説明したが埒が開かず夜になり、国会議員と日中協会理事長を引き受け保証人として上京者20人の構内宿泊を要求してそのまま居座り、4月9日には引き受け保証人が責任を持つとして構内テント仮泊に移行したものの拡声器やビラで示威行動を開始、4月17日まで座り込みを続けた。4月20日から再び日本赤十字社本社構内での座り込みを開始し、日本赤十字社に対して行き先の無い８世帯30人に居住先の斡旋と生活保障を要求、日本赤十字社側は福祉事務所を斡旋したが拒絶し埒が開かないため、4月21日に警察が退去させた。以降も日本赤十字社本社前での座り込みを続け、5月28日には日本赤十字社側に自費帰国の援助を要請、5月29日に日本赤十字社から朝鮮赤十字会に通知したが進捗が無く、6月18日に北朝鮮への帰国希望者47人は啓明寮に移動。7月8日に九州の三池を出港する湖南号で上海を経由して北朝鮮に戻ることになったが、出港直前に乗船拒否されて大牟田に留まった。7月16日、赤十字国際委員会が日本赤十字社と南北朝鮮赤十字に対し、問題の最終的解決に関連する当事者全てが介入に同意し、日本または朝鮮（韓国・北朝鮮）に居住していて朝鮮（北朝鮮・韓国）に帰国を希望している朝鮮人の移動と、選択した居住地への定着を容易とするために必要な全ての措置を執ると保証するなら、赤十字国際委員会で問題解決を図るという覚書を送付した。法務省入国管理局長、外務省アジア局長、厚生省引揚援護局長で協議の結果、日本政府は赤十字国際委員会の提案に異議が無いということで、8月1日に赤十字国際委員会に対して日本赤十字社がその旨を打電、北朝鮮政府からも8月6日に異議無しとの発表があり、後は韓国政府待ちとなった。8月5日、大牟田に留まっていた北朝鮮への帰国希望者48人が日本赤十字社本社に対して帰国船の手配と生活保証を要求した。もちろん日本赤十字社単独で可能な話では無いが、帰国希望者は聞く耳を持たず、8月26日に期限付き要求決議文を送りつけて8月29日から10人が日本赤十字社福岡県支部でハンストに入った。最終的に赤十字国際委員会から旅券が発給され、帰国希望者の内20人が12月6日の門司発ノルウェー船ハイリー号で密かに上海経由で北朝鮮に帰国、残る28人は昭和32年3月31日に日本漁船で博多を出港し4月4日に北朝鮮清津港へと入港した。昭和31年12月12日付（22日受）で赤十字国際委員会委員長から日本赤十字社に覚書が送付され、帰国希望在日朝鮮人の帰国に関して日本・韓国・北朝鮮の各赤十字社に7月16日付で送った覚書に対し、二者から受諾、一者から拒否の回答があり、拒否の理由は政治問題が関連しているため赤十字で無く政府間で解決すべきとのものだったが、人道的見地からは速やかに問題を解決すべきで、日本・韓国・北朝鮮の各赤十字社はこれをそれぞれの国の政府に通報し、必要な行動を求めるよう要望する、との内容だった。昭和32年2月26日付（3月4日受）で赤十字国際委員会委員長から日本赤十字社に再度覚書が送付され、関係者の立場を検討した結果、現状では在日朝鮮人の朝鮮への帰国のみが実施可能であるとし、責任の所在や費用などの具体的措置が記されていた。4月5日付（4月9日受）の赤十字国際委員会執行部長から日本赤十字社への書簡では、韓国または北朝鮮への帰国を希望する在日朝鮮人の帰国を他と切り離して実施するのが得策であると考えている、とのことだった。4月16日の赤十字国際委員会執行部長から日本赤十字社への書簡には、赤十字国際委員会による帰国問題討議の打診を韓国赤十字が拒んでいることから、在日朝鮮人の北朝鮮への帰国が韓国の反対により実施できない可能性があるとの日本側の懸念に対し、赤十字国際委員会が日本の船を使用せずに対応するなら、不都合な諸事項は避けられると判断している、と書かれていた。これらの覚書や書簡に基づき、8月16日に日本赤十字社が外事第57/264号で総理・外務・法務・厚生の各大臣に在日朝鮮人帰国の人道的解決を提案。9月20日に外務大臣臨時代理岸信介内閣総理大臣から日本赤十字社に回答があり、帰国を円満に行うには、韓国政府から協力するとまでいかなくても黙認するという程度の意向を予め確認するのが不可欠で、国際赤十字が直接または韓国赤十字社を通じて韓国政府を説得してほしいとのことだった。昭和33年6月28日、赤十字国際委員会駐日代表と日赤本社外事部長が九州の大村収容所を訪問し、北朝鮮赤十字からの収容朝鮮人への慰問金を分配したが、この際に一部北朝鮮帰国希望者がハンストを行っていることを知り、赤十字国際委員会と日本赤十字社でも解決を図ることになった。9月16日、北朝鮮外務相が日本からの北朝鮮帰国希望者を引き取る用意があると声明を出した。12月30日、北朝鮮外務相が輸送及び旅費を負担して日本からの北朝鮮帰国希望者を引き取ると声明を発表。昭和34年1月20日、日本赤十字社理事会が、帰国希望在日朝鮮人が故国に帰還できない状態を、1957年の第19回赤十字国際会議決議第20の精神に基づき、日韓会談などの政治問題と切り離し純人道問題として解決すべきである、との決議を行った。2月13日、日本政府が、北朝鮮への帰国希望在日朝鮮人を日本赤十字社が赤十字国際委員会の協力を得て帰還させる、と閣議決定した。2月14日、日本政府から日本赤十字社に赤十字国際委員会への協力斡旋要請が出された。2月21日、日本赤十字社が外事部長をジュネーブに派遣した。3月15日、日本赤十字社が副社長をジュネーブに派遣。4月8日、北朝鮮赤十字が副社長以下代表団をジュネーブに派遣。4月13日、ジュネーブで第１回日朝赤十字会談を開催。4月15日に第２回、4月17日に第３回、4月20日に第４回と第５回、4月24日に第６回、4月27日に第７回、4月29日に第８回、5月2日に第９回、5月4日に第10回、5月6日に第11回、5月8日に第12回、5月20日に第13回、5月25日に第14回、6月1日に第15回、6月4日に第16回、6月10日に第17回会談が行われ、6月24日に日朝赤十字社が帰国協定に署名、同日に赤十字国際委員会の承認を得るため同委員会へと提出した。7月24日、日本赤十字社が臨時帰還業務対策本部規定と臨時帰還業務中央対策本部規定を制定。8月7日、赤十字国際委員会が日朝両赤十字の協定そのものを承認する立場には無いが帰還に協力すると正式に表明し、日本に居住する朝鮮人でその出身国内の自ら選択する土地に行く希望を表明する人々を帰還させるため日本赤十字社に協力することを決定したとするコミュニケを発表した。8月10日、日本政府関係各省の事務次官会議で、帰還業務に関する連絡調整を行う在日朝鮮人北朝鮮帰還業務連絡会議の設置が決まった。関係局長会議と関係課長会議の２つがあり、構成員は内閣府、警察庁、自治庁、法務省、公安調査庁、外務省、大蔵省、厚生省、通商産業省、運輸省、海上保安庁、国鉄、日本赤十字社の局長クラスと課長クラスで、関係局長会議は内閣官房副長官、関係課長会議は厚生省引揚援護局長が招集する。8月13日、日本赤十字社副社長と朝鮮赤十字社副社長がカルカッタで「日本赤十字社と朝鮮民主主義人民共和国赤十字会との間における在日朝鮮人の帰還に関する協定」に調印した。帰還開始予定は昭和34年11月13日である。8月23日、赤十字国際委員会副委員長が来日し、新潟センターを訪問して助言すると共に、日本赤十字社、日本政府関係当局、帰還申請窓口となる地方自治体、朝鮮総連代表、韓国居留民団代表などと協議を行った。9月3日、日本赤十字社が帰還の手続きや日本に留まる場合の居住条件などを記した帰還案内を公表。事前に赤十字国際委員会副委員長にも文書を送り、内容に満足であるという回答を得た。9月21日、帰国希望者・帰還者の登録を開始。在日本朝鮮人総連合会、日朝協会、北朝鮮赤十字会などが帰還案内の一部について反対運動を起こしたため当初は登録が滞ったが、日本赤十字社が関係省庁、赤十字国際委員会、日朝協会、帰国協力会関係国家議員などと協議調整し、帰還業務実施に当っての措置を定めて解決した。9月25日、北朝鮮帰還者に対する応急援護の関する事務を分掌するため、厚生省令第30号で厚生省引揚援護局新潟出張所を設置。10月13日、日本赤十字社と北朝鮮赤十字会との間で第１次帰還船派遣に関する連絡を開始。11月9日、年内に帰国者3300人を３次に分けて送還すると北朝鮮赤十字会に連絡。12月7日、北朝鮮赤十字会から日本赤十字社に、帰還船２隻の細目が通知された。客船クリリオン（総トン数5034.39トン、船客収容数673人。船員95人で全員ソ連籍。北朝鮮赤十字会代表８人と北朝鮮赤十字会作業員57人同乗）と貨物船トボルスク（総トン数3498.23トン、船客収容数342人。乗員76人で全員ソ連籍。北朝鮮赤十字会代表１人と北朝鮮赤十字会作業員45人同乗）である。12月14日、第１次帰還船２隻が新潟港を出港し、238世帯975人が帰国した。12月21日、第２次帰還船が出港し、976人が帰国した。12月28日、第３次帰還船が出港し、991人が帰国した。昭和35年1月15日、第４次帰還船が出港し、998人が帰国した。1月22日、第５次帰還船が出港し、999人が帰国した。1月29日、第６次帰還船が出港し、998人が帰国した。2月5日、第７次帰還船が出港し、1002人が帰国した。2月12日、第８次帰還船が出港し、1015人が帰国した。2月12日、第８次帰還船が出港し、1015人が帰国した。2月19日、第９次帰還船が出港し、1015人が帰国した。2月26日、第10次帰還船が出国し、1024人が帰国した。3月4日、第11次帰還船が出国し、1029人が帰国した。3月11日、第12次帰還船が出国し、1046人が帰国した。3月18日、第13次帰還船が出国し、1000人が帰国した。3月25日、第14次帰還船が出国し、1004人が帰国した。4月1日、第15次帰還船が出国し、1067人が帰国した。4月8日、第16次帰還船が出国し、1059人が帰国した。4月15日、第17次帰還船が出国し、1076人が帰国した。4月22日、第18次帰還船が出国し、1093人が帰国した。4月28日、第19次帰還船が出国し、1061人が帰国した。5月6日、第20次帰還船が出国し、1041人が帰国した。5月13日、第21次帰還船が出国し、1039人が帰国した。5月20日、第22次帰還船が出国し、1073人が帰国した。5月27日、第23次帰還船が出国し、1131人が帰国した。6月3日、第24次帰還船が出国し、1114人が帰国した。6月10日、第25次帰還船が出国し、1085人が帰国した。6月17日、第26次帰還船が出国し、1048人が帰国した。6月24日、第27次帰還船が出国し、1107人が帰国した。7月1日、第28次帰還船が出国し、1065人が帰国した。7月8日、第29次帰還船が出国し、1100人が帰国した。7月15日、第30次帰還船が出国し、1030人が帰国した。7月20日、帰還協定の更新時期になったため、日本政府と日本赤十字社が協定延長方針を決定、7月21日新潟到着の第31次帰還船に搭乗していた北朝鮮赤十字会代表に申し入れ書を渡した。7月22日、第31次帰還船が出港し、1037人が帰国した。7月23日、第31次帰還船出港と入れ違いで北朝鮮赤十字会から協定延長提案電報が到着。新潟で協定延長に関する会談を行うことにしたが、北朝鮮側が通信員（労働新聞と朝鮮中央通信の要員）の同行を求めたのに対して日本政府が許可しないという問題が発生、北朝鮮側が肩書きだけ北朝鮮赤十字会出版情報部長に変更して解決を図り、8月25日から新潟県庁で日本赤十字社と北朝鮮赤十字会が協定延長の会談に入ろうとしたものの、通信員が北朝鮮への通信にプレス電を使用していいかどうかで再び揉め、記者としての活動や取材権は認めないがプレス電の使用は認めるということで9月2日に漸く会談が始まった。しかし帰還希望者一斉登録による帰還人員増の提案に北朝鮮側が猛反対して会談は決裂、10月17日に日本赤十字社が北朝鮮赤十字会に延長協議再開の書簡を送り、10月27日の第44次帰還船で来日した北朝鮮赤十字会代表と会議を行った結果、協議を再開することになり、11月10日（第46次帰還船来日）・17日（第47次帰還船来日）・24日（第48次帰還船来日）に協議を実施、昭和36年3月1日から帰還人員を１回1200人に増加することで合意した。昭和35年7月29日、第32次帰還船が出港し、1094人が帰国した。8月5日、第33次帰還船が出港し、1023人が帰国した。8月12日、第34次帰還船が出港し、981人が帰国した。8月19日、第35次帰還船が出港し、1066人が帰国した。8月26日、第36次帰還船が出港し、1059人が帰国した。9月2日、第37次帰還船が出港し、1070人が帰国した。9月16日、第38次帰還船が出港し、1027人が帰国した。9月23日、第39次帰還船が出港し、997人が帰国した。9月30日、第40次帰還船が出港し、987人が帰国した。10月7日、第41次帰還船が出港し、1049人が帰国した。10月14日、第42次帰還船が出港し、1172人が帰国した。10月21日、第43次帰還船が出港し、1037人が帰国した。10月28日、第44次帰還船が出港し、1083人が帰国した。11月4日、第45次帰還船が出港し、1073人が帰国した。11月11日、第46次帰還船が出港し、971人が帰国した。11月18日、第47次帰還船が出港し、968人が帰国した。11月26日、第48次帰還船が出港し、884人が帰国した。12月2日、第49次帰還船が出港し、820人が帰国した。12月9日、第50次帰還船が出港し、668人が帰国した。12月16日、第51次帰還船が出港し、653人が帰国した。昭和36年1月13日、第52次帰還船が出港し、883人が帰国した。1月20日、第53次帰還船が出港し、669人が帰国した。1月29日、第54次帰還船が出港し、751人が帰国した。2月、日本でインフルエンザが流行したため、北朝鮮赤十字会の希望で2-3月の帰還を中断、4月14日に再開した。4月14日、第55次帰還船が出港し、901人が帰国した。4月28日、第56次帰還船が出港し、1145人が帰国した。5月6日、第57次帰還船が出港し、1112人が帰国した。5月12日、第58次帰還船が出港し、1125人が帰国した。5月19日、第59次帰還船が出港し、1068人が帰国した。5月26日、第60次帰還船が出国し、1027人が帰国した。6月2日、第61次帰還船が出国し、1187人が帰国した。6月9日、第62次帰還船が出国し、931人が帰国した。6月16日、第63次帰還船が出国し、1125人が帰国した。6月23日、第64次帰還船が出港し、988人が帰国した。6月30日、第65次帰還船が出港し、887人が帰国した。7月7日、第66次帰還船が出港し、878人が帰国した。7月14日、第67次帰還船が出港し、763人が帰国した。7月21日、第68次帰還船が出港し、659人が帰国した。7月28日、第69次帰還船が出港し、424人が帰国した。7月28日、北朝鮮赤十字会から帰還協定１年延長の提案があり、7月31日に日本赤十字社が異存無しの電報を発した。8月4日、第70次帰還船が出港し、737人が帰国した。8月11日、第71次帰還船が出港し、861人が帰国した。8月25日、第72次帰還船が出港し、507人が帰国した。9月1日、第73次帰還船が出港し、492人が帰国した。9月8日、第74次帰還船が出港し、672人が帰国した。10月6日、第75次帰還船が出港し、493人が帰国した。10月13日、第76次帰還船が出港し、693人が帰国した。10月20日、第77次帰還船が出港し、299人が帰国した。10月27日、第78次帰還船が出港し、430人が帰国した。11月3日、第79次帰還船が出港し、351人が帰国した。11月10日、第80次帰還船が出港し、228人が帰国した。帰還者減少に伴い、11月17日出港の第81次帰還船から毎回１隻に減便し、96人が帰国した。11月25日、第82次帰還船が出港し、141人が帰国した。12月1日、第83次帰還船が出港し、32人が帰国した。12月9日、第84次帰還船が出港し、122人が帰国した。12月15日、第85次帰還船で来日した北朝鮮赤十字会代表から帰還船を毎月１回にしたいとの希望があり、日本赤十字社で帰還予定者の帰還希望時期などを検討した結果、昭和37年1月は１回、2-4月は２回とし、5月以降は基本２回とするが状況に応じて調整することとした。昭和36年12月16日、第85次帰還船が出港し、124人が帰国した。昭和37年1月22日、第86次帰還船が出港し、87名が帰国した。2月10日、第87次帰還船が出港し、75人が帰国した。2月23日、第88次帰還船が出港し、66人が帰国した。3月10日、第89次帰還船が出港し、50人が帰国した。3月25日、第90次帰還船が出港し、233人が帰国した。4月7日、第91次帰還船が出港し、227人が帰国した。4月21日、第92次帰還船が出港し、351人が帰国した。5月26日、第93次帰還船が出港し、272人が帰国した。6月9日、第94次帰還船が出港し、337人が帰国した。6月23日、第95次帰還船が出港し、278人が帰国した。6月23日、北朝鮮赤十字会から帰還協定１年延長の提案が届いた。これに対し、7月6日に日本政府（法務省、外務省、厚生省）は帰還者減少に伴い新協定を締結すべきとの閣議了解を行った。また、6月29日には韓国赤十字社から抗議書簡が届き、北朝鮮に「追放」（韓国赤十字社書簡内の表現）した在日朝鮮人は全ての自由と権利とを奪われ苦痛と窮乏下に置かれており、協定を即時打ち切るべきという内容だったが、日本赤十字社は7月9日に、在日朝鮮人が自由に表明した意思に反して居住地を指定し、長年住み慣れていた土地から離れるのを強要することは、人権及び赤十字の原則を蹂躙するものであり、帰還者の意思の自由も確保されていて帰還継続に問題は無いと回答している。7月7日、第96次帰還船が出港し、166人が帰国した。7月16日、日本赤十字社が日本政府関係当局と協議し、帰還を毎月１回200人に減らし、期間満了３ヶ月前に当事者のいずれもが意思表示しない場合には１年ずつ自動延長する修正案を纏め、7月19日に第97次帰還船で来日した北朝鮮赤十字会代表に説明した。7月21日、第97次帰還船が出港し、164人が帰国した。7月31日に台湾から門司に帰着した日本船でコレラ患者が発生したため、8-9月に北朝鮮赤十字会がコレラの危険を理由として帰還船の派遣を中断、10月1日から再開した。8月5日、帰還協定の修正には反対するという北朝鮮赤十字会からの電報が届き、8月7日に日本赤十字社は修正無しで協定を１年延長すると電報を発した。10月4日、第98次帰還船が出港し、203人が帰国した。10月21日、第99次帰還船が出港し、301人が帰国した。11月8日、日赤新潟県支部で日本赤十字社と北朝鮮赤十字会の代表が会談を行い、協定はそのまま延長する形を取るが、帰還回数は月1-2回、帰還者数は毎回200名にすることで合意した。11月11日、第100次帰還船が出国し、350人が帰国した。12月16日、第101次帰還船が出国し、337人が帰国した。昭和38年1月28日、第102次帰還船が出港し、228人が帰国した。2月22日、第103次帰還船が出港し、174人が帰国した。3月15日、第104次帰還船が出港し、123人が帰国した。4月5日、第105次帰還船が出港し、190人が帰国した。5月10日、第106次帰還船が出国し、290人が帰国した。6月9日、第107次帰還船が出港し、311人が帰国した。7月5日、第108次帰還船が出港し、296人が帰国した。8月1日、北朝鮮赤十字会から協定期間１年延長の提案があり、日本赤十字社も同意した。8月9日、第109次帰還船が出港し、278人が帰国した。9月20日、第110次帰還船が出港し、236人が帰国した。10月18日、第111次帰還船が出港し、223人が帰国した。11月8日、第112次帰還船が出港し、104人が帰国した。12月1日、厚生省令第49号で厚生省援護局新潟出張所の設置に関する省令を廃止する省令が施行され、厚生省援護局新潟出張所が廃止された。同日、在日朝鮮人帰還業務処理のため、日本赤十字社新潟センターが設置された。12月13日、第113次帰還船が出港し、114人が帰国した。昭和39年1月24日、第114次帰還船が出港し、68人が帰国した。2月、インフルエンザ発生で帰還が１ヶ月中断した。3月22日、第115次帰還船が出港し、162人が帰国した。4月24日、第116次帰還船が出港し、266人が帰国した。5月30日、第117次帰還船が出港し、344人が帰国した。6月16日の新潟地震で新潟センターや港湾施設が損害を受けたため、第118次帰還が３ヶ月遅れて9月になった。7月28日、北朝鮮赤十字会から協定期間１年延長の提案があり、日本赤十字社も同意した。9月26日、第118次帰還船が出港し、303人が帰国した。10月30日、第119次帰還船が出港し、308人が帰国した。11月27日、第120次帰還船が出港し、182人が帰国した。12月25日、第121次帰還船が出港し、189人が帰国した。昭和40年1月22日、第122次帰還船が出港し、69人が帰国した。2月、インフルエンザ流行により期間が１ヶ月中断した。3月27日、第123次帰還船が出港し、191人が帰国した。4月23日、第124次帰還船が出港し、192人が帰国した。5月23日、第125次帰還船が出港し、205人が帰国した。6月26日、第126次帰還船が出港し、269人が帰国した。7月24日、第127次帰還船が出港し、222人が帰国した。7月30日、北朝鮮赤十字会から協定期間１年延長の提案があり、日本赤十字社も同意した。8月27日、第128次帰還船が出港し、263人が帰国した。9月25日、第129次帰還船が出港し、294人が帰国した。10月22日、第130次帰還船が出港し、197人が帰国した。11月26日、第131次帰還船が出港し、226人が帰国した。12月18日、第132次帰還船が出港し、127人が帰国した。昭和41年1月22日、第133次帰還船が出港し、109人が帰国した。2月26日、第134次帰還船が出港し、138人が帰国した。3月25日、第135次帰還船が出港し、210人が帰国した。第1-135次の帰国者数は計85377人だった。昭和41年度、1718人が帰国した。昭和42年12月に帰還業務を終了、同年度に1516人が帰国し、計88611人を送還した。ただ在日朝鮮人連盟と北朝鮮赤十字会は希望者が残っていると主張したため、赤十字国際委員会が斡旋して再度日本赤十字社と北朝鮮赤十字会が話し合い、昭和46年4月に合意書が調印されて10月までに1081人が帰還した。12月以降は自主的に北朝鮮に帰還する者に対する援助という協定に変更され、昭和52年3月までに3057人（昭和46年402人、昭和47年981人、昭和48年636人、昭和49年423人、昭和50年354人、昭和51年264人、昭和52年270人、昭和53年125人、昭和54年61人？）が帰還している。参考：日本赤十字社社史稿第７巻、人道・博愛−百年のあゆみ、赤十字の旗なにわに百年

＜在日米海軍＞：サンディエゴから横須賀までは4900海里、真珠湾から横須賀までは3500海里で、この分だけ作戦海域への進出時間を短縮できる。在日米海軍基地には本土主要基地に準じる造修能力と、恐らくは大規模作戦も長期に支援できる高い燃料弾薬貯蔵能力があり、アメリカ海軍（というかアメリカ軍）の世界戦略に必須の存在となっている。1964年4月、アメリカ海軍機が町田市商店街に墜落し、４人が死亡、27人が重軽傷を負い、14棟が全半壊した。2015年3月2-12日、アメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習に参加。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。2月16-25日、平成27年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。6月30日、横須賀地方総監部主催の第１回横須賀地区日米史跡研修に18名が参加し、東京湾要塞千代ヶ崎砲台跡を見学した。10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。2017年2月6-16日、司令部がアメリカ海軍大学校で平成28年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。2月12-22日、司令部がアメリカ海軍大学校で平成29年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2020年2月24日から3月5日、アメリカ海軍大学校で行われた令和元年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に司令部が参加。参考：月刊世界の艦船11,’18、5,’15、3,’16、5,’16、4,’17、5,'20、月刊航空ファン1,’17、朝雲、人道・博愛−百年のあゆみ

　＜在日米海軍（２００８年）＞：司令部は横須賀にあり、人員3716名。第７艦隊司令部は横須賀またはLCC-19ブルーリッジに置かれている。隷下には第５空母打撃群のCV-63キティ・ホーク、第５空母航空団、イージス巡洋艦２隻（１隻がBMD対応）、イージス駆逐艦及びフリゲート６隻（４隻がBMD対応）、第７潜水艦群司令部（司令部は横須賀にあるが、保有する攻撃原潜20隻はハワイとサンディエゴを母港としている）、LHD-2エセックス遠征打撃群からなる。CV-63キティ・ホークはCVN-73ジョージ・ワシントンに交替して退役する。参考：月刊軍事研究9,’08

＜在日米海軍（２００９年）＞：アメリカ軍では艦船部隊乗員を洋上配備としており、在日米海軍という部隊は厳密には存在しない。日本を拠点とするアメリカ海軍部隊は太平洋艦隊の第５空母打撃群（横須賀）、太平洋海軍航空部隊の第５空母航空団（厚木）と西太平洋艦隊航空司令部（厚木）、太平洋海軍水上部隊の第15駆逐隊（横須賀）、第１遠征打撃群（ホワイトビーチ）、第11水陸両用艦隊（佐世保）、太平洋潜水艦部隊隷下の第７潜水艦群司令部（横須賀。潜水艦自体はアプラ港が母港）であり、所属部隊は東太平洋（日付変更線が境界）を行動する際には第３艦隊、西太平洋やインド洋を行動する際には第７艦隊、ペルシャ湾周辺を行動する際は第５艦隊の隷下に置かれる。横須賀に前方展開しているのはLCC-19ブルーリッジ、CVN-73ジョージ・ワシントン、CG-63カウペンス、CG-67シャイロー、DDG-54カーティス・ウィルバー、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケイン、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-63ステザム、DDG-82ラッセン、DDG-85マッキャンベル、DDG-89マスティン。佐世保に前方展開しているのはLHD-2エセックス、LPD-9デンバー、LSD-46トーテュガ、LSD-49ハーパーズ・フェリー、MCM-5ガーディアン、MCM-7ペイトリオット、ARS-50セイフガード。三沢基地には６ヶ月ローテーションでハワイや本土からP-3C哨戒機が展開しており、作戦任務に就く時には第５／第７艦隊哨戒偵察部隊司令官の指揮下に入る。参考：月刊軍事研究8,’09

＜在日米海軍（２０１１年）＞：司令部は横須賀海軍基地にある。要員は6000名（地上部隊のみ）／13000名（航空部隊含む）／20000名（航空部隊・艦上要員含む）で、所属艦船は北朝鮮に拿捕されているAGER-2プエブロだけであり、第７艦隊及び軍事海上輸送コマンドの艦船が横須賀と佐世保を事実上の母港として活動しているという形になっている。主任務は第７艦隊の作戦支援。横須賀海軍基地は揚陸指揮艦LCC-19ブルーリッジ（第７艦隊司令部が置かれている）、CVN-73ジョージ・ワシントン、CG-63カウペンスなど11隻が、佐世保海軍基地はLHD-2エセックスなど揚陸艦４隻と掃海艇４隻が事実上の母港としている。CVN-73ジョージ・ワシントンに搭載されている第５空母航空団CVW-5と、その他の横須賀所在艦に搭載される第51軽ヘリコプター隊HSL-51は、横須賀入港中には厚木基地に展開する。P-3C哨戒機部隊は三沢基地に置かれており、分遣隊を嘉手納に派出している。沖縄近海で訓練を行う場合や、沖縄の部隊を揚陸艦に搭載する場合には、ホワイトビーチ海軍施設を使用する。参考：月刊JWings2,’11、写真で見るトモダチ作戦

＜在日米海軍（２０１５年）＞：総兵力19600名。横須賀と佐世保に基地があり、司令部は横須賀基地にある。空母１隻、タイコンデロガ級イージス巡洋艦３隻、アーレイ・バーク級イージス駆逐艦６隻、LCC-19ブルーリッジ、MCO４隻、LHD１隻、LPD１隻、LSD２隻などを擁する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜在日米海軍（２０１７年）＞：司令部は横須賀基地にあり、司令官はアメリカ太平洋艦隊第７艦隊司令官が務める。兵力19000名。参考：月刊JWings9,’17、月刊軍事研究7,’17

＜在日米海兵隊＞：平時には常駐でなく６ヶ月ローテーションで部隊が展開しており、６ヶ月本土で訓練し、６ヶ月沖縄に配備され、１ヶ月本土で即応体制を維持し、編成が解除されて５ヶ月間の準備期間に入るというサイクルになっている。1995年、沖縄で12歳の少女に対する集団暴行事件が発生して大問題となった。2003年11月、ラムズフェルド国防長官が沖縄県知事と会談。知事が国防長官に対して沖縄県民の基地に対する感情をぶつけたため、地元住民に望まれる所にアメリカ軍を配備するという米軍再編の第１原則に鑑み、在沖縄海兵隊の削減が検討されるようになった。2004年8月13日、CH-53D強襲輸送ヘリが沖縄国際大学の敷地内に墜落した。2005年10月の日米安全保障協議委員会で、第３海兵機動展開部隊司令部をグアムに移転し、在沖縄海兵隊部隊を再編してMEB（海兵機動展開旅団）規模に縮小、7000名の将兵・家族を沖縄外に移転することが決定した。2006年5月の日米安全保障協議委員会では海兵隊員8000名（第３海兵機動展開部隊指揮部隊、第３海兵師団司令部、第３海兵後方群司令部、第１海兵航空団司令部、第12海兵連隊司令部を含む各部隊要員）と家族9000名が2014年までに沖縄からグアムに移転することになった。また、普天間飛行場代替施設への移転をまず行い、その後に普天間飛行場を返還、グアムへの要員移転を実施し、最後に沖縄の施設・区域を統合、嘉手納飛行場より南の相当規模の土地を返還することも決定した。グアムへの移転費用は102.7億ドルと算定され、日本は60.9億ドルを負担することになった（根拠は無く、何となく６割負担になった）。残る部隊は佐世保の揚陸艦隊、沖縄の第４海兵連隊・第36海兵航空群で、第31海兵遠征隊を揚陸可能だが、正面作戦のできる戦力ではなく、有事の際に一時的に港湾や空港を確保して在留アメリカ人を避難させる任務を行うとみられる。2007年、第３海兵師団が軍事転換チーム４個を編成し、イラク軍兵士の訓練を実施した。また、訓練支援チーム５個を編成し、アフガンで治安部隊への訓練を行った。5月、日米安全保障協議委員会で、2006年5月の合意に従い、2014年までに普天間飛行場代替施設を完成させ、その後に第３海兵機動展開部隊のグアムへの移転や沖縄の施設・区域統合が行われることを確認した。2008年には第３海兵師団戦闘強襲大隊の60名がイラクのアンバル州でIED探知処理支援などを行い、第３偵察大隊の180名が反米武装勢力に対する偵察監視襲撃作戦を実施した。第１海兵航空団第172海兵航空団支援隊の560名はヘリポート整備や貨物輸送に従事。第３海兵兵站群第４戦闘兵站大隊の200名が補給路警備や車両修理を行った。第９工兵大隊の400名は2009年にかけてイラクでの建設工事などに従事した。アフガニスタンにもアフガン軍訓練のため2008年1月に20名、4月に80名が派遣された。2009年2月、日米両政府はアメリカ海兵隊のグアム移転の実施に関する日米政府間協定を締結した。2010年1月、第５空海射撃連絡中隊の一部がアフガニスタンに派遣された。5月、第152空中給油輸送飛行隊の一部が半年の任務を終えてアフガニスタンから普天間基地に帰投。10月、第３海兵遠征軍第３情報大隊の一部がアフガニスタンに派遣された。10月1日、第31海兵遠征隊が強襲揚陸艦LHD-2エセックス艦上で非戦闘員救出作戦訓練を行った。2011年9月30日、在日米海兵隊司令部がアメリカ海兵隊太平洋基地司令部に改編され、在日米海兵隊基地のみならず、ハワイ基地、カネオヘ航空基地、ムジャック基地（韓国）を統括する太平洋全域の海兵隊司令部となった。12月1-18日、沖縄の負担軽減の一環として、アメリカ第12海兵航空群F/A-18A/C戦闘機が、当初予定していた嘉手納飛行場でなく、グアム島アンダーセン空軍基地及び北マリアナ諸島ファロラン・デ・メディニラ島を使用して訓練を行った。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。2018年2月5-14日、アメリカ海兵隊による沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の分散実施を日出生台演習場で行い、海兵隊員150名、155mm榴弾砲６門、車両50両が参加した。参加部隊は2月15日に九州電力八丁原地熱発電所などの見学、2月17日に地元の子供達とのスポーツ交流を行っている。2021年4月6日、在日米陸軍との統合強襲上陸訓練フジ・ヴァイパー2021に参加。2023年7月10日、沖縄を除く日本国内での山岳地帯におけるMV-22B輸送機の最低飛行高度を、平日0700-2200に限り、500フィート・152.4mから200フィート・61mに引き下げた。参考：月刊軍事研究12,’09、2,’10、1,’11、月刊世界の艦船4,’10、月刊JWings5,’10、6,’19、7,'21、9,'23、月刊航空ファン6,’10、2,’12、月刊丸12,’11、朝雲

　＜在日米海兵隊（２００８年）＞：沖縄のキャンプ・コートニーに第３海兵遠征軍司令部が置かれており、人員13771名。第１海兵航空団（F/A-18戦闘機、AV-8B攻撃機、KC-130R空中給油輸送機、AH-1W攻撃ヘリ、CH-46E輸送ヘリ、CH-53E強襲ヘリ、UH-1N汎用ヘリを装備。キャンプ・フォスター、普天間、岩国）、第353特殊作戦群、第３海兵師団からなる。参考：月刊軍事研究9,’08

＜在日米海兵隊（２００９年）＞：沖縄のキャンプ・コートニーに第３海兵遠征軍司令部があり、直轄部隊の第７通信大隊（キャンプ・ハンセン）と第３情報大隊も日本にある。キャンプ・コートニーには第３海兵師団司令部があり、キャンプ・シュワブに第４海兵連隊がいて、隷下の歩兵大隊が６ヶ月ローテーションでアメリカからキャンプ・シュワブに展開し、第31海兵遠征隊の隷下となる。2003年以降は対テロ作戦で忙しく、４個歩兵大隊のうち１個しか沖縄に来ていない。第12海兵連隊と第３部隊偵察大隊はキャンプ・ハンセン、戦闘強襲大隊はキャンプ・シュワブにいる。キャンプ瑞慶覧には第１海兵航空団司令部、第１海兵航空団本部中隊、第17海兵航空団支援群が配備されている。岩国海兵航空基地には第12海兵航空群と、隷下の第171海兵航空団支援隊、第12海兵航空兵站隊、第242海兵戦闘攻撃飛行隊（F/A-18D戦闘機12機）が配備されており、他に海兵戦闘攻撃飛行隊（F/A-18A/C戦闘機12機）、海兵戦闘攻撃飛行隊（F/A-18D戦闘機12機）、海兵／海軍電子戦飛行隊（EA-6B電子戦機５機）、海兵攻撃飛行隊（AV-8B攻撃機６機）、海兵大型ヘリ飛行隊（CH-53強襲ヘリ８機）がアメリカ本土からローテーションで派遣されている。普天間基地には第36海兵航空群と隷下の第36海兵航空兵站隊、第262海兵中型ヘリ飛行隊（CH-46E輸送ヘリ24機）、第265海兵中型ヘリ飛行隊（CH-46E輸送ヘリ24機）、第152海兵空中給油輸送飛行隊（KC-130R/J空中給油輸送機12機）がおり、海兵大型ヘリ飛行隊（CH-53E強襲ヘリ15機）、海兵軽攻撃ヘリ飛行隊（AH-1W攻撃ヘリ10機とUH-1N汎用ヘリ７機）がアメリカ本土からローテーションしてくる。他に、普天間基地には第18海兵航空管制群（と隷下の第18海兵戦術航空指揮隊、第６海兵航空団通信隊、第４海兵航空管制隊、第２海兵航空支援隊）、第17海兵航空団支援群第172海兵航空団支援隊がいる。キャンプ・キンザーには第３海兵兵站群司令部と隷下の第35・第37戦闘兵站連隊がある。キャンプ・ハンセンには第31海兵遠征隊司令部があり、地上部隊はアメリカ本土やハワイから６ヶ月ローテーションで派遣され、航空部隊は普天間基地の海兵中型ヘリ飛行隊のうち１個を中心に編成される。横須賀基地には対テロ警備チーム１個小隊が６ヶ月ローテーションで派遣される。参考：月刊軍事研究12,’09

＜在日米海兵隊（２０１１年）＞：主力は第３海兵遠征軍（17000名）で、第７艦隊の指揮下に置かれており、キャンプ・フォスターの在沖縄海兵隊司令部が在日米海兵隊部隊の活動を調整している。殆どの部隊は本国からのローテーション展開で、有事には佐世保のアメリカ海軍揚陸艦に搭載されて出撃する。普天間基地に第１海兵航空団のヘリ部隊（第262海兵中型ヘリ飛行隊、第265海兵中型ヘリ飛行隊など）、岩国基地に第１海兵航空団の固定翼機部隊（第12海兵航空群第212海兵戦闘攻撃飛行隊など）が置かれており、普天間基地には第152海兵空中給油輸送飛行隊も展開している。キャンプ・ハンセンには第12海兵砲兵連隊などが所在する。訓練場はキャンプ富士、沖縄の北部訓練場、キャンプ・ハンセン内の訓練地区、伊江島補助飛行場など。参考：月刊JWings2,’11

＜在日米海兵隊（２０１５年）＞：主力は太平洋海兵隊第３海兵遠征軍で、定数は在沖縄19000名、在本州3200名（ほぼ岩国基地。少数がキャンプ富士）だが、実数は15700名で、数千人少ない。キャンプ・コートニーに第３海兵遠征軍司令部、第３海兵遠征旅団司令部、第３海兵師団司令部、キャンプ・ハンセンに第３海兵師団第12海兵連隊（砲兵）本部、同第３戦闘強襲大隊、同第３偵察大隊、キャンプ瑞慶覧に第１海兵航空団司令部、第１海兵航空団本部中隊、岩国基地に第12海兵航空群、普天間基地に第36海兵航空群、第18海兵航空管制群、キャンプ・キンザーに第３海兵兵站群司令部が置かれている。参考：月刊軍事研究7,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜在日米海兵隊基地消防隊＞：Marine Corps Bases Japan Fire Department。在日米海兵隊基地と基地住宅に火災が発生した際の消火活動や、救急搬送を行う消防隊である。本署はキャンプ・フォスター近くにあり、各基地に９つの分署がある。隊員の９割は地元雇用の日本人。沖縄市、うるま市、北谷町、嘉手納町、読谷村、国頭村と相互支援協定を結んでおり、基地周辺の火災では消火活動を手伝い、代わりに基地内や基地住宅の火災では日本の消防隊の応援を得る。日本の消防隊との共同訓練も行っており、日本の消火栓を使うためのアダプターなども完備する。参考：月刊軍事研究3,’12

＜在日米空軍＞：2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。2017年6月7日、アメリカ空軍太平洋音楽隊が防衛省講堂でビッグバンドジャズコンサートに参加。2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。2021年2月12-13日、日米共同統合防災訓練TREXに参加。参考：朝雲、月刊世界の艦船4,’21

　＜在日米空軍（２００８年）＞：第５航空軍司令部が横田にあり、人員13164名。横田の第374空輸航空団（C-130E/H輸送機）、嘉手納の第18航空団（F-15C/D戦闘機、E-3B/C早期警戒管制機、KC-135R空中給油輸送機、HH-60R救難ヘリ）、嘉手納の第55航空団分遣隊（RC-135V電子偵察機、RC-135W電子偵察機、RC-135U電子偵察機）、三沢の第35戦闘航空団（F-16CJ/DJ戦闘機）からなる。参考：月刊軍事研究9,’08

＜在日米空軍（２００９年）＞：三沢基地に第35戦闘航空団、嘉手納基地に第18航空団、横田基地に第374空輸航空団が置かれている。参考：月刊軍事研究10,’09

＜在日米空軍（２０１１年）＞：太平洋航空軍隷下の第５航空軍がこれにあたり、司令部は横田基地にあり、司令官は在日米軍司令官を兼ねる。総人員数13000名。有事の際の指揮は太平洋航空軍司令部があるパールハーバー・ヒッカム統合基地の第13航空軍が行うが、BMDなどにおける自衛隊との調整は横田基地の日米統合作戦調整センターが実施する。横田基地に第374空輸航空団（第36空輸飛行隊、第459空輸飛行隊）、第13航空軍第１分遣隊、第730航空機動隊が置かれている、嘉手納基地には第18航空団（第44戦闘飛行隊、第67戦闘飛行隊、第909空中給油飛行隊、第961空中管制飛行隊、第33救難飛行隊）、第55航空団第82電子偵察飛行隊、空軍特殊戦軍団第353特殊作戦群（第１特殊作戦飛行隊、第17特殊作戦飛行隊）が所在している。三沢基地には第35戦闘航空団（第13戦闘飛行隊、第14戦闘飛行隊）が置かれている。府中、所沢、柚木、八重岳などに通信所を持ち、嘉手納基地には弾薬庫（在日米軍共用）が、出砂島、鳥島、久米島、天ヶ森などには射爆撃場がある。沖縄周辺の射爆撃場は嘉手納計測訓練システム（KITS）の管理下に置かれており、在日米空軍以外の部隊も訓練を実施可能。参考：月刊JWings2,’11

＜在日米空軍（２０１５年）＞：兵力12400名。第５航空軍司令部、F-16C/D戦闘飛行隊２個（機数22機）、F-15C/D戦闘飛行隊２個（機数27機）、KC-135R飛行隊１個（機数15機）、E-3B飛行隊１個（機数２機）、HH-60G飛行隊１個（機数10機）、輸送飛行隊１個（C-130H輸送機10機、C-12J輸送機３機）、特殊作戦群１個（MC-130H飛行隊１個／機数５機、MC-130J飛行隊１個／機数５機）、RC-135V/Wリベット・ジョイント飛行隊１個などからなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜在日米軍＞：United States Forces, Japan（USFJ）。日米安全保障条約に基づいて日本に駐留しているアメリカ軍のことで、占領軍、進駐軍、駐留軍を経て1957年7月に太平洋軍隷下に創設された。日本有事の際には統合任務部隊を編成し、統合任務部隊指揮官（恐らく在日米軍司令官が兼務）が指揮を執る。地上戦は陸軍と海兵隊の地上部隊が編成した統合地上構成部隊、航空作戦は空軍・海軍・海兵隊の航空部隊が編成した統合航空構成部隊が行う。日米安保条約により日本の国内法の適用外となっているため、道路運送車両法に合わないアメリカ軍車両が普通に走っていたりする。1945年4月6日、硫黄島南部の千歳飛行場に第15戦闘航空群が進出。7月2日、沖縄に第５航空軍司令部が移駐した。7月14日、沖縄に第７航空軍司令部が移駐した。8月30日、マッカーサーが海軍厚木飛行場に降り立った。9月25日、第５航空軍が入間川飛行場に移動。1946年1月、第７航空軍がハワイに移動し、隷下部隊も多くが沖縄を離れた。陸上部隊は４個師団（第１騎兵師団、第７・第24歩兵師団、第25師団）に縮小され、戦車中隊にはM4A3E8中戦車ではなくM24軽戦車が配備されている。1947年、第５航空軍が名古屋に移動。1948年12月、第13航空軍が嘉手納に移動。1949年5月、第13航空軍がクラーク・フィールドに移動し、代わりに第20航空軍が嘉手納に配置された。入隊したばかりで素行の悪い兵士も多く、朝鮮戦争時には250名が小倉の米軍キャンプを脱走して強盗・強姦を行っている。朝鮮戦争勃発により、朝鮮半島に応援を送る必要があったが、M24軽戦車では力不足のため、十条補給所でM4A3E8中戦車装備の戦車大隊を急遽編成して送り込んだ。1951年9月8日、日米安全保障条約が締結された。1953年、米兵が数寄屋橋から日本人を川に投げ込む事件が２件発生。1957年、演習場で薬莢拾いをしていた農婦を警備兵が射殺。6月30日、極東軍が解隊されて在極東米軍が太平洋軍隷下に組み込まれた。7月1日、在日米軍という名称になった。極東航空軍FEAFに代わり太平洋航空軍PACAFが組織された。1958年、西武鉄道めがけてカービン銃を撃ち込み１人を死亡させた。1971-72年度、NATOや在欧州派遣米軍向けの車両を相模デポで修理していることが明らかとなり、日本政府が違法であるとの見解を出した。また、ベトナムから相模デポに持ち込まれる車両にはベトナムの土が付いたままで、植物防疫法上の問題があるとも指摘されている。1975年11月、第５航空軍司令部が府中から横田に移動。基地が沖縄に集中するようになってから、米兵犯罪の過半数が沖縄で起こるようになった。1977年11月30日、立川基地が日本に全面返還された。1989年現在、兵力50500名（陸軍2000名、海軍8300名、海兵隊23700名、空軍16500名）。2005年2月10日、司令官がトーマス・ファーゴ海軍大将となった。沖縄では本土復帰から2005年7月までに航空機事故362件（墜落41件）が発生し、2005年3月までに米兵及び軍属による犯罪5328件（凶悪犯罪541件）が起きている。2006年、統合航空構成部隊の編成法が変更され、ハワイのヒッカムにあるケニー司令部と、在日米軍司令部・航空自衛隊との間の連絡調整を行う部署が必要となり、2007年1月に横田基地に在日ケニー司令部が創設された。2009年現在、兵力は34554名（陸軍2585名、艦船を除く海軍4036名、海兵隊15243名、空軍12690名）。2009年2月18日、陸上自衛隊中央即応集団司令部のキャンプ座間への移転に伴い、移転先にある在日米軍施設（キャンプ座間の車両整備施設１棟と倉庫２棟、相模原住宅地区のコミュニティー活動センター１棟）の移設に合意した。2010年9月9日、アメリカ国防総省は在日米軍基地にMV-22輸送機を配備することを日本政府に伝達済みであると発表。2011年1月20日、航空機訓練の一部をグアムに移転することで合意。3月11日に発生した東日本大震災を受け、トモダチ作戦に参加。2015年12月1-13日、司令部がヤマサクラ69に参加。2016年1月12日から2月2日、司令部がキーン・エッジ2016に参加。4月14日に発生した熊本地震を受け、輸送支援を実施。10月30日から11月11日、司令部がキーン・ソード17に参加。11月30日から12月13日、ヤマサクラ71に参加。2018年1月9日から2月3日、司令部がキーン・エッジ2018に参加。2019年2月5日、在日米軍兼第５航空軍司令官がジェリー・Ｐ・マルティネス中将からケビン・Ｂ・シュナイダー中将に交代した。2021年4月6日、在日米海兵隊と在日米陸軍の統合強襲上陸訓練フジ・ヴァイパー2021を実施。7月19日、イギリスのウォレス国防相、第１海軍卿兼海軍参謀長ラダキン大将、空軍参謀長ウィグストン大将が司令部を視察した。2023年11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。参考：月刊軍事研究9,’01、4,’08、8,’08、12,’09、7,’12、月刊JWings4,’05、8,’06、4,’11、7,'21、世界の軍用機1979、スピアヘッドNo.3、月刊丸11,’72、月刊航空ファン5,’11、1,’17、4,’19、写真で見るトモダチ作戦、MAMOR vol.114、朝雲

　＜在日米軍（２００８年）＞：司令部は横田基地にあり、在日米陸海空軍海兵隊からなる。参考：月刊軍事研究9,’08

　＜在日米軍（２０１１年）＞：在日米陸海空軍海兵隊の４軍からなり、司令部は横田基地にある。司令官は第５航空軍司令官を兼ねる。参考：月刊JWings2,’11

　＜在日米軍（２０１５年）＞：USPACOM隷下で、総兵力50000名。在日米陸軍、在日米海軍、在日米空軍、在日米海兵隊からなる。また、USSTRATCOM隷下のAN/TPY-2レーダー部隊が車力と経ヶ岬に１個ずつ配置されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜在日米軍（２０１７年）＞：アメリカ太平洋軍USPACOMの隷下統合軍で、司令部は横田基地にある。司令官は第５航空軍司令官兼在日米空軍司令官。在日米陸軍（第１軍団、2000名）、在日米海軍（第７艦隊、19000名）、在日米空軍（第５航空軍、11000名）、在日米海兵隊（第３海兵遠征軍、18000名）からなる。在日米軍施設総面積の７割が沖縄にあり、多くは演習場が占めている。参考：月刊JWings9,’17、11,’18、月刊軍事研究7,’17

＜在日米軍駐留経費負担＞：思いやり予算または同盟強靱化予算を参照。

＜在日米軍の再編協議＞：DPRI（Defence Posture Review Initiative）と略す。2005年2月19日に日米安全保障協議委員会が日米共通の戦略目標を決定、10月29日に「日米同盟：未来のための変革と再編」に合意し、2006年5月1日に再編実施のための日米のロードマップを策定した。これに基づき、沖縄の第３海兵遠征軍8000名はグアムに移転する。普天間飛行場は沖縄県内に代替施設を建設して日本に返還される。在日米陸軍司令部も改編され、第１軍団司令部がキャンプ座間に移動、相模総合補給廠にアメリカ軍資金で戦闘指揮訓練センターなどが建設される。参考：月刊世界の艦船9,’09、月刊軍事研究12,’09

＜在日米軍の地位協定＞：日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第６条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定。1960年1月19日にワシントンで署名され、6月23日に発効した。アメリカ軍が使用する施設及び区域（要するに在日米軍基地のこと）に関する協定は、合同委員会を通じて両政府が締結する。アメリカは、基地内での設定、運営、警備、管理のために必要なあらゆる措置が執れる。ただし、日本の航海、航空、陸上交通、通信を不必要に妨げることはせず、アメリカの使用する電波周波数は両政府間で取り決める。在日米軍基地を返還するにあたっては、原状回復の義務は無い。アメリカにより、アメリカのためもしくはアメリカ管理下に公共目的で運航される船舶・航空機（アメリカ以外の国のものを含む）は、入港料・着陸料無しで日本の港や飛行場に出入りできる。また、船舶は強制水先を免除される。アメリカの軍用車両が基地に出入りしたり基地間を移動したりする時は、道路使用料その他の課金を課さない。アメリカ軍は、日本政府機関に適用されている条件よりも不利でない条件で、優先的に公益事業や公共役務を利用できる。日本は、アメリカ軍に気象データ（地震・津波情報含む）を提供する。アメリカ軍構成員、軍属及び家族は、パスポート・ビザに関する日本の法令適用から除外される。代わりに軍の身分証明書、日本への旅行命令書を携帯する。アメリカ軍構成員、軍属及び家族は、アメリカの運転免許証で日本国内を運転できる。アメリカ軍構成員、軍属、家族のために輸入する資材には関税などの課徴金を課さない。アメリカ軍部隊、公用郵便物、軍事貨物は税関検査をしない。アメリカ軍が公用のため日本で調達する資材は、物品税、通行税、揮発油税、電気ガス税を免除される。アメリカ軍の保有財産には租税を課さない。アメリカ軍構成員、軍属、家族はアメリカ軍からの給与に関し、日本の租税を納付する義務を負わない。PXなどの販売所は、日本の規制、免許、手数料、租税などの管理に服さない。アメリカ軍は、軍法を日本で行使する権利を持つ。日本は、アメリカ軍構成員、軍属、家族に日本の領域内で犯す罪で日本の法令により罰することができるものにつき、裁判権を持つ。アメリカ軍は、アメリカの法令で罰せられるが日本の法令では罰せられないものにつき、専属的裁判権を行使できる。逆も然り。裁判権が競合する場合、アメリカの財産または安全のみに対する罪、アメリカ軍構成員または軍属またはその財産に関する罪、公務執行中の作為または不作為から生ずる罪に関してはアメリカが裁判権を第１次に行使し、その他の罪は日本が裁判権を第１次に行使する。アメリカ軍の正規部隊は、在日米軍施設で警察権を行使できる。自衛隊・アメリカ軍が公務中に他方に損害を与えた場合、全ての請求権を放棄する。また、いかなる場合においても、1400ドルまでの額については請求権を放棄する。公務中のアメリカ軍が日本政府以外の第三者に損害を与え、賠償が発生した時は、アメリカのみ責任がある場合は日本が25%、アメリカが75%を分担し、日本とアメリカに責任がある場合は50%ずつ分担する。在日米軍基地では、アメリカの軍票を使用できる。また、軍事郵便局を設置・運営できる。在日米軍の維持経費は、基地及び路線権の提供費用以外はアメリカが負担する。2016年に沖縄県で元海兵隊員の軍属が女性を殺害する事件が発生したのを受け、7月5日にアメリカ側が優先裁判権を持つ軍属の対象範囲から在留資格を持つ人を外し、アメリカ政府予算などで雇用され在日米軍のために勤務する文民被雇用者、アメリカ軍運航の船舶・航空機に搭乗する文民の被雇用者、アメリカ軍に関連する公式目的で日本に滞在するアメリカ政府の被雇用者、在日米軍の公式招待で在日米軍のために日本に滞在する技術アドバイザーやコンサルタントに限定した。参考：軍縮条約・資料集第２版、朝雲

＜在日米陸軍＞：USARJ（United States ARmy Japan）と略す。司令部はキャンプ座間にある。1994年、キャンプ座間に第９戦域陸軍地域コマンドが創設され、隷下に第17地域支援群（キャンプ座間）と第10地域支援群（沖縄のトリイ・ステーション）を置いた。1995年9月、第９軍団司令部が解隊され、第１軍団連絡分遣隊が派遣された。2002年10月、第17地域支援群が解隊され、在日米陸軍基地管理本部が置かれた。第９戦域陸軍地域コマンドは第９戦域継戦コマンドに改称されている。2007年7月、相模総合補給廠の第35継戦支援大隊に第623移動統制チームが配属された。9月15日、第９戦域継戦コマンドが解隊され、第10地域支援群はハワイに新設された第８戦域継戦コマンドの隷下となった。2010年9月、戦闘指揮訓練センターが相模総合補給廠で完成する予定。2012年11月5-16日、キーン・ソード13に参加。2013年、第83兵器大隊が解隊され、秋月弾薬庫、川上弾薬庫、広弾薬庫が第35継戦支援大隊に移管された。2014年11月8-19日、キーン・ソード15に参加。2015年3月16-17日、日米兵站幕僚会議に参加。6月7日、平成27年度日米共同統合防災訓練に参加。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。2月27日、在日米陸軍軍楽隊が兵庫県立美術センターで中部方面隊主催の方面隊音楽まつりに参加。3月6日、在日米陸軍軍楽隊が神奈川自衛隊音楽まつりに参加。3月11-12日、在日米陸軍軍楽隊サムライ・オブ・ロックが宮城県石巻市の仮設大森第３団地や仙台市一番街商店街などで慰問演奏を実施。5月7-8日、軍楽隊が西部方面音楽隊と共に、熊本市南区役所と錦ヶ丘公園で熊本地震被災者への慰問演奏会を開催。5月14日、在日米陸軍軍楽隊が中央音楽隊、航空中央音楽隊、アメリカ空軍太平洋音楽隊−アジアとビッグバンドを組み、朝霞市民会館で演奏を行った。7月5-9日、中部方面隊が実施した日米豪共同防災訓練南海レスキュー28に４名で参加。10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。11月30日から12月13日まで、ヤマサクラ71に参加。2017年3月16-17日、横浜ノースドックで東部方面隊との日米共同災害対処訓練に相模総合補給廠第35戦務支援大隊主力の人員60名、車両10両、航空機２機、LCU-2000級汎用揚陸艇１隻で参加。6月7日、防衛省講堂でビッグバンドジャズコンサートに参加。6月20-26日、東部方面隊が実施した南海トラフ地震対処演習ビッグレスキューあづま2017に参加。LCUで陸自車両を横浜ノースドックから沼津海浜訓練場まで輸送した。8月27日、軍楽隊アンクル・サムズ・オール・アメリカン・ブラス・バンドが青森県つがる市の馬市まつりで演奏した。11月5日、平成29年度日米共同統合防災訓練に参加。11月29日から12月13日、ヤマサクラ73に参加。2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。6月13-28日、ヤマサクラ74に参加。10月13-14日、平成30年度日米共同統合防災訓練に参加。10月31日、相模総合補給廠に第94陸軍防空ミサイル防衛コマンド第38防空砲兵旅団司令部を新編した。AN/TPY-2運用部隊や嘉手納基地のPAC-3大隊を隷下に置き、将来的にはグアム州軍THAAD部隊も隷下に入る。12月3-17日、ヤマサクラ75に参加。2019年7月17-30日、ヤマサクラ76に参加。2020年12月2-15日、ヤマサクラ79に参加。

2021年2月12-13日、日米共同統合防災訓練TREXに参加。4月6日、航空大隊が在日米海兵隊との統合強襲上陸訓練フジ・ヴァイパー2021に参加。2022年11月9日、航空大隊が令和4年度離島統合防災訓練及び日米共同統合防災訓練に参加。2023年1月17日、航空大隊UH-60Lヘリ３機が第１ヘリコプター団令和5年年頭編隊飛行に参加。9月14-23日、オリエント・シールド23に参加。11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に参加。

参考：月刊軍事研究12,’09、9,’17、月刊世界の艦船1,’13、1,’15、1,’18、12,’18、4,'21、7,'21、月刊航空ファン8,’15、1,’17、1,’19、月刊JWings1,'23、4,'23、朝雲

　＜在日米陸軍（２００８年）＞：司令部はキャンプ座間にあり、兵力2417名。キャンプ座間の第１軍団前方司令部、第94防空ミサイル防衛コマンド（青森県車力のFBXRTレーダーと沖縄県嘉手納のパトリオット発射隊）、青森県姉沼の長距離通信施設からなる。参考：月刊軍事研究9,’08

　＜在日米陸軍（２００９年）＞：司令部はキャンプ座間にある。戦闘部隊は嘉手納基地の第１防空砲兵連隊第１大隊（PAC-3部隊）と、沖縄トリイ・ステーションの第１特殊部隊群第１大隊（いわゆるグリーンベレー。３個中隊18個小隊400名）。他に、第78通信大隊（地上戦ネット運用部隊）、第78航空大隊（輸送部隊。UH-60A汎用ヘリとUC-35A連絡機を装備）、憲兵大隊、第88憲兵分遣隊、第441軍事情報大隊がキャンプ座間に、第58通信大隊（衛星通信部隊）とアメリカ陸軍宇宙ミサイル防衛コマンド隷下の衛星管制大隊Ｅ中隊がキャンプ瑞慶覧に、第83兵器大隊（弾薬庫管理）が呉周辺に、第836輸送大隊が横浜ノースドックに、第505補給大隊がトリイ・ステーションに、国際技術センター太平洋（アメリカ陸軍改編支援のため、科学技術に関与する海外組織と交流する）がハーディ・バラックス（赤坂プレスセンター）に所在する。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜在日米陸軍（２０１１年）＞：兵力2300名。アメリカ太平洋陸軍隷下で、司令部はキャンプ座間にあり（第１軍団前方司令部もある）、前線司令部と兵站などを担当し、前線部隊は配備されていない。横浜ノースドックには揚陸艇、桟橋、タグボート、クレーンなどが保管されていて、朝鮮有事の際に被害を受けた港湾での作業を行えるようになっている。キャンプ座間の北にあるキャスナー飛行場地区には第78航空大隊が配備され、UH-60A汎用ヘリによる連絡輸送を主任務とする。ただ装備するUC-35A連絡機の方は滑走路が短すぎて運用できないので、厚木基地の方に配置してある。読谷村のトリイ・ステーションにはグリーンベレー（特殊作戦コマンド第１特殊部隊群第１大隊400名）と諜報部隊が存在する。キャンプ車力には第94陸軍防空ミサイル防衛コマンドＸバンドレーダー分遣隊が展開していて、AN/TPY-2レーダーによる弾道ミサイル監視を行っているが、在日米陸軍の直接の指揮下には無い。参考：月刊JWings2,’11、写真で見るトモダチ作戦

　＜在日米陸軍（２０１５年）＞：兵力2301名。アメリカ太平洋陸軍隷下で、司令部はキャンプ座間にある。第１軍団前方司令部（キャンプ座間）、第14ミサイル防衛中隊（経ヶ岬通信所）、第１防空砲兵連隊第１大隊（パトリオットPAC-2/PAC-3。嘉手納）、第１特殊部隊群第１大隊（グリーンベレー。トリイ・ステーション）、第10支援群（地域）（トリイ・ステーション）、第10支援群（地域）第35継戦支援大隊（相模総合補給廠。秋月弾薬庫、川上弾薬庫、広弾薬庫の管理も担当）、第835輸送大隊（那覇軍港）、第836輸送大隊（横浜ノースドック）、第516通信旅団第78通信大隊（キャンプ座間）、第１宇宙旅団第53通信大隊Ｅ中隊（キャンプ瑞慶覧）、第500軍事情報旅団第441軍事情報大隊（キャンプ座間）、在日米陸軍航空大隊（キャンプ座間。厚木基地に第52航空連隊第６大隊第１分遣隊UC-35A1連絡機を派遣）からなる。参考：月刊軍事研究7,’15、7,’17、月刊JWings9,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜西寧＞：171（駆逐艦）を参照。

＜サイバー駅伝＞：防衛省が2014年2月12日から実施したサイバー防御演習CYBER EKIDEN。総務省によるサイバー防御演習CYDER（CYber Defense Exercise with Recurrence）の一環で、総務省のシステムを利用してウイルス感染時の対応能力を競うものである。各課題は駅伝と同じく区間に分けられており、１区（通常レベル）・２区（難関レベル）・３区（最難関レベル）に順々にチャレンジし、区間ごとの対処時間を競い、時間がかかりすぎた場合には繰り上げスタートもある。防衛省、三自衛隊、統幕、装本、技本、防大、防医大、防研から計32チームが参加した。参考：朝雲

＜サイバー・ガード２０１５＞：アメリカ軍のサイバー戦訓練Cyber Guard 2015。2015年6月8-12日に開催された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サイバー共通教育課程＞：三自衛隊共通のサイバー戦教育。2004年に陸自システム防護課程内の１科目として開始され、2019年度に統幕予算のサイバーセキュリティ人材育成教育を加えて三自衛隊共通科目になった。教育担任は陸自通信学校で、システム防護一般、サイバー戦基礎、サイバー戦技術（敵のサイバー攻撃要領、各種防護要領）、現地実習、総合実習（敵の攻撃要領、攻撃等対処要領）からなる。修了後は原隊でのサイバー防護任務に就いたり、統合サイバー専門部隊などに配置されたりする。参考：朝雲

＜サイバー空間防衛隊＞：防衛省が新設を予定していたサイバー防衛部隊。三自衛隊のサイバー攻撃対処部隊を束ねて一元化したもので、コンピューターウイルスやサイバー攻撃からの防御を主任務とする。当初は指揮通信システム隊の隷下に2011年度に60名規模で創設する筈だったが、高度・複雑化するサイバー攻撃に対応するため準備期間を延長し、2013年度末に100名規模で創設することになった。2013年2月15日、防衛省にサイバー政策検討委員会が発足した。5月16日、防衛省にサイバー防衛隊準備室が設置された。2014年3月26日、サイバー防衛隊という名称で発足した。参考：スピアヘッドNo.2、朝雲、月刊JWings12,’12、月刊世界の艦船8,’13

＜サイバー軍＞：アメリカ軍のサイバー戦部隊USCYBERCOM（United States Cyber Command）。陸海空軍で独立していたサイバー戦部隊を１つに纏めたもので、アメリカ戦略軍USSTRATCOMの隷下にあり、トップは国家安全保障局長官で、司令部はメリーランド州フォート・ミード（国家安全保障局と同じ場所）にある。隷下には情報戦部隊が多数含まれており、サイバー戦だけでなく、通信傍受なども行っている。2009年6月、USSTRATCOM隷下に新編され、隷下に陸軍サイバーコマンド（フォート・ベルボア）、海軍第10艦隊（フォート・ミード）、海兵隊サイバーコマンド、空軍第24航空軍（テキサス州ラックランド）を置いた。2010年5月、初期運用を開始。10月、本格運用に入った。2018年5月、統合軍に格上げされた。参考：月刊軍事研究9,’18、12,’18、4,’12、1,’12、7,’12、5,’13

　＜サイバー軍（２０１３年）＞：アメリカ戦略軍USSTRATCOM隷下で、司令部はメリーランド州フォート・ミードにあり、司令官は国家安全保障局局長が兼務している。隷下にアメリカ陸軍サイバーコマンド（第２軍）、アメリカ艦隊サイバーコマンド（第10艦隊）、海兵隊サイバーコマンド、空軍サイバーコマンド（第24航空軍）を置く。参考：月刊軍事研究5,’13

＜サイバー・コアリション＞：NATO主催サイバー防衛演習。防衛省・自衛隊も2019年から正式参加した。参考：朝雲

　＜サイバー・コアリション２０１９＞：2019年12月2-6日に行われた。NATO加盟27カ国と日本（防衛省内局、統幕、指揮通信システム隊など20名）を含むパートナー国７カ国から1000名が参加し、エストニアのタルトゥに置かれた統裁部と各国を結んで連携要領やサイバー防衛戦術技量の向上を図っている。参考：朝雲

＜サイバー・サンダー＞：陸上自衛隊とアメリカ陸軍の日米共同サイバー戦競技会。2019年8月22日、旗取り合戦CTF（Capture The Flag）形式で行われ、陸自はシステム防護隊、通信学校、東部方面通信群、西部方面システム通信群から計６チーム、アメリカ陸軍はサイバー学校の６チームが参加、リバースエンジニアリングや暗号解読などの競技をチーム対抗戦形式で実施した。参考：朝雲

＜サイバー戦＞：コンピュータやコンピュータネットワークに対して攻撃を行ったり、それに対して防御したりすること。システムを混乱させたり、情報を盗み出したり（サイバー・スパイ）する。インターネットなどでのプロパガンダ活動を含むこともある。防御のために相手のネットワークに侵入することもあり、どこまでが攻撃でどこまでが動的防御なのか判断が難しい。武力による直接攻撃よりも圧倒的に敷居が低いため、ちょくちょく行われ、日常的な防護が欠かせない。アメリカ連邦緊急事態管理庁の分析によると、2006年から2010年の５年間で6.5倍に増加したという。2012年、NATOサイバー防衛センターが法律専門家チームに依託してタリン・マニュアルを策定し、一定条件の下では、サイバー攻撃に対して軍事的対応を取りうるとした。2016年5月26-27日の先進７カ国首脳会議伊勢志摩サミット首脳宣言附属文書「サイバーに関する先進７カ国の原則と行動」で、サイバー空間に国際法を適用し、一定の場合にはサイバー攻撃を国連憲章と国際慣習法に基づく武力行使または武力攻撃と見なして、国際人道法を含む国際法に従い国連憲章第51条による個別的・集団的自衛権を行使できるとした。2021年6月、主要７カ国首脳会議G7サミットのコミュニケに、身代金目的のサイバー攻撃（ランサムウェア）の犯罪ネットワークによる脅威に対処することが盛り込まれた。参考：月刊軍事研究12,’10、5,’13、12,’13、月刊世界の艦船1,'22、朝雲

　＜サイバー戦（アメリカ）＞：1990年代から各軍が個別にサイバー部隊を設立し、2009年にそれらを統括するサイバー軍（長官はNSA長官が兼務）をアメリカ戦略軍隷下に創設、2010年5月から運用している。2011年10月10日、空軍無人偵察機操縦システムにキー入力を監視するウイルスが仕込まれていたことが判明した。2012年、アメリカ国防総省がサイバー任務軍（Cyber Mission Force）の編成を開始。国防総省をサイバー攻撃から守るサイバー防護軍（Cyber Protection Forces）、アメリカや重要関連国へのサイバー攻撃からの防衛を担当する国家任務軍（National Mission Forces）、軍のサイバー関連部隊を支援する戦闘任務軍（Combat Mission Forces）隷下に133チームを置いている。10月、オバマ大統領がサイバー攻撃の脅威に晒されている連邦機関に対する明確な対処基準を定めた大統領令20号に署名。アメリカ下院情報特別委員会が中国の通信機器メーカー華為技術と中国政府・人民解放軍との深い関連を指摘し、アメリカ政府のシステムから排除するよう求める調査報告書を提出した。2013年、サイバー科がアメリカ陸軍の正式な兵科になった。2014年5月20日、アメリカ企業のコンピュータに不正侵入し企業秘密を盗んだとして、アメリカ司法省が中国軍サイバー戦部隊将校５名を起訴し、FBIが指名手配書をホームページに掲載した。9月17日、USTRANSCOMが契約している民間企業のコンピュータ・ネットワークが2012年6月から2013年6月の１年間に少なくとも20回のハッカー攻撃を受けていたことが判明した。中国政府が関与しているとして非難している。2015年にアメリカ国防総省が公表したサイバー戦略では、サイバー攻撃がテロリズムを越えてアメリカにとり一番の戦略的脅威となった、と記載されている。2015年現在での軍サイバー機関はサイバー・コマンドで、USSTRATCOMの隷下にあるが、NSAとの関係が深く、NSAの所長がサイバー・コマンドのトップを兼務する。陸軍にはアメリカ陸軍サイバー・コマンドARCYBER、海軍には艦隊サイバー・コマンド／第10艦隊、空軍には第24航空軍、海兵隊には海兵サイバー・コマンドが編成されている。2016年、大統領選挙でロシアによる大規模なサイバー干渉が行われた。4月18日から5月12日、アメリカ国防総省がハッカーに攻撃させてセキュリティの脆弱性を探る試験プログラムを実施。ハッカー1400人が一般公開用サイト５つを攻撃し、数百ヵ所の修正すべき脆弱性を見つけ出した。2017年、アメリカ政府が選挙を重要インフラに指定し、アメリカ軍サイバー部隊が選挙に対するサイバー防衛行動を取れるようにした。2020年、大統領選挙でイランによるサイバー干渉が行われた。12月、ロシアがセキュリティ会社ソーラーウインズ社の脆弱性を利用して国防総省や核安全保障局にサイバー攻撃をかけていたことが発覚した。2021年4月15日、前年のサイバー攻撃に対する制裁として、ロシア債権取引制限を拡大し、駐米ロシア外交官10人を国外追放した。5月7日、アメリカ東部の石油パイプラインがロシアのハッカー集団ダークサイドによるサイバー攻撃を受け、大規模障害が発生した。参考：月刊軍事研究12,’11、9,’14、月刊世界の艦船9,’14、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サイバー戦（イスラエル）＞：イランの核開発を妨害するため、スタクスネットと呼ばれるコンピュータウイルスを感染させた。原子炉施設の閉鎖ネットワークに仕込むため、ここの勤務員を利用したとされる。2012年、サイバー関連技術開発、人材育成、国際協力を担当するイスラエル国家サイバー局INCB（Israel National Cyber Bureau）を大統領府に創設した。10月末、INCBとイスラエル国防省がMASADと呼ばれる軍民サイバー防衛研究開発計画を立ち上げた。軍側の担当部門として、ユニット8200と呼ばれるELINT部隊の名前が挙がっており、2012年中にC4I部門と共同でサイバー攻撃能力・サイバー戦開発部隊を新編している。サイバー戦専門家育成コースもあり、４ヶ月間に及ぶ「サイバー・シールド」活動を含む。2015年6月、イスラエル国防軍は2017年までにサイバー・コマンドを立ち上げ、軍のサイバー戦能力を移管すると発表した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究11,’11

　＜サイバー戦（韓国）＞：2009年に大規模DDoS攻撃を受けたため、2010年初めに200名規模のサイバー戦コマンドセンターを創設した。2012年6月、中央日報のコンピュータシステムがサイバー攻撃を受け、新聞製作サーバーのデータが削除された。最初にハッキングしてから１ヶ月以上情報を収集し、サーバー管理者のパソコンを乗っ取って攻撃したもので、北朝鮮逓信省朝鮮逓信会社からアクセスを受けた痕跡があり、北朝鮮によるサイバー攻撃とされている。2013年3月20日、大規模サイバー攻撃を受けて32000台のコンピュータが使用不能になった。攻撃に使用されたIPアドレスが中国のものだったため、北朝鮮が中国経由で攻撃したと発表したが、実際には攻撃を受けた銀行のものであり、声明を取り下げている。2014年、新しい米韓共同サイバー防衛ワーキンググループの初会合が開かれた。参考：月刊軍事研究10,’13、5,’13、3,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サイバー戦（北朝鮮）＞：1970年代から電子戦能力を磨いていたが、湾岸戦争を受け、情報戦能力を加えた電子情報戦の概念を構築した。1998年、サイバー攻撃担当の北朝鮮人民軍偵察総局第121局（総員5900名、うちサイバー戦専門要員1200名）を創設。中国、ロシア、東ヨーロッパ、東南アジアなどの海外拠点や、偽装会社を利用して特定を防いでいる。要員は小学生を選抜して中学から大学まで専門教育を施し、第121局に入った後も中国軍サイバー戦関連機関への留学などで腕を磨く。北朝鮮人民軍総参謀部の電子戦部隊にも総参謀部情報統制センターの指示を受けるサイバー戦部隊があるといわれる。逆に政治的グループからのサイバー攻撃を継続的に受けており、ハッカーグループのアノニマスも攻撃声明を出した。2011年4月、韓国農協の金融システムにサイバー攻撃を行った。この際、半年前に工作員を韓国に潜ませてソウルのコーヒーショップに映画の無料ダウンロードチケットを置いておき、ウイルス入りとは知らずにダウンロードした金融機関サーバー管理者のパソコンを乗っ取って金融機関ネットワークにトラップを仕掛け、最終的に農協金融システムを狙うという、現実世界の工作員とサイバー空間を組み合わせた攻撃を行っている。2012年6月、韓国の中央日報のコンピュータシステムにサイバー攻撃を仕掛け、新聞製作サーバーのデータを削除した。2013年3月20日、韓国の放送局や金融機関にサイバー攻撃を仕掛けた。2014年末に北朝鮮諷刺映画ジ・インタビューの配給元ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント社へのサイバー攻撃を行ったのは北朝鮮だとFBIが断定し、１ヶ月後には逆に北朝鮮国内のインターネットが接続不能になったり、国外から北朝鮮のサイトへのアクセスが不能になったりといったサイバー攻撃を受けている。2017年5月、アメリカやロシアの情報セキュリティ会社が、北朝鮮のハッカー集団による銀行・金融機関へのサイバー攻撃を指摘し、マルウェアにより多額の現金を奪取した可能性が高いとした。偽の送金依頼により、バングラデシュ中央銀行が8100万ドル、ベトナムの銀行が100万ドル、エクアドルの銀行が1200万ドルの被害に遭っており、使用されたマルウェアは2014年にソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント社に対するサイバー攻撃でのプログラムコードと同じものだった。参考：月刊軍事研究3,’15、10,’13、8,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サイバー戦（中国）＞：サイバー戦の主要ドクトリンは統合ネットワーク電子戦INEW（Integrated Network Electronic Warfare）という文書に纏められているが、新戦術として、複数軍種に跨がる電子的・非電子的情報戦を統合した信息対抗という概念を構築中とされる。実施するのはサイバースパイ（情報の盗み出し）、サイバー侵入撹乱工作（ネットワーク妨害による後方活動阻害）、サイバー攻撃（軍事作戦と組み合わせたサイバー戦）の３種類に分類される。サイバー攻撃部隊は網軍と呼ばれ、2010年を過ぎて陸海空第二砲兵に次ぐ主要部隊に発展、2015年12月31日に５番目の軍である戦略支援部隊となった。アメリカ、ヨーロッパ、日本に対してサイバー攻撃を日常的に行っているとみられる。中国共産党中央軍事委員会総参謀部第四部（電子戦部。ECM担当）が統括とサイバー攻撃を担当、総参謀部第三部（技術偵察部。ELINT担当）がサイバー・スパイ活動を行う。総参謀部信息化部信息安全局も総部直属信息作戦力という別名を持ち、ハッカー部隊（紅客）によるサイバー攻撃・サイバー防衛を実施している。ちなみに中国語でハッカーは黒客だが、中国では黒という語にマイナスイメージがあるため、わざわざ紅客と呼び変えているらしい。各軍種の司令部や艦隊には信息化処が設けられており、ネットワーク信息作戦部隊を編成している。陸軍の軍には信息化弁公室が設置され、信息戦大隊によるサイバー戦を指揮する。総参謀部第四部は主要部局４つと１個電子戦旅団２個連隊からなり、海南島に衛星ネットワーク攻撃部隊２個以上を置いているといわれる。総参謀部第三部は主要部局12局（第1-12局）、研究機関３つ（第56調査研究所・江南電脳科技研究所、第57調査研究所・西南電子電信技術研究所、第58調査研究所・西南自動化研究所）、技術偵察局を隷下に置く。主要部局は北京に第１・第３・第５・第7-11局、上海に第２局（サイバー攻撃専門の第61398部隊を隷下に置く）・第12局、武漢に第６局、青島に第４局（第61419部隊）が置かれていて、上海が北米、青島が日本と朝鮮半島、武漢が台湾と東南アジアを担当し、分室を各地に設けている。技術偵察局は軍管区７個と海空軍第二砲兵司令部に１個ずつ配置されていて、北京に空軍第１技術偵察局、海軍第１技術偵察局、第二砲兵技術偵察局、北京軍区技術偵察局、瀋陽に瀋陽軍区技術偵察局、南京に空軍第２技術偵察局、南京軍区第１技術偵察局、山東省済南に済南軍区技術偵察局、福州に南京軍区第２技術偵察局、アモイに海軍第２技術偵察局、蘭州に蘭州軍区第１技術偵察局、ウルムチに蘭州軍区第２技術偵察局、成都に空軍第３技術偵察局、成都軍区第１技術偵察局、昆明に成都軍区第２技術偵察局が置かれており、各技術偵察局は分室を各地に設けている。日本を担当するのは瀋陽軍区技術偵察局と済南軍区技術偵察局で、拠点が日本海と東シナ海沿いに10カ所設けられている。また、民間のIT研究組織や企業、ハッカーとも広く協調関係にあるとみられる。海南島には陵水信号部隊という網軍部隊最大の実動部隊が置かれているらしく、アメリカに対するサイバー攻撃の発信元の多くが海南島だったことが発覚している。また、山東省のサーバーを経由した不正アクセスも多数ある。アメリカ国防総省とインターネットトラフィックを監視するため、キューバにネットワークスパイ駐在所を２カ所設置したらしい。アメリカ政府機関への攻撃は難易度が高くなってきたためか、軍事関連企業やそのセキュリティシステム担当企業に対するサイバー攻撃にシフトしているとされる。2009年、跨越2009演習でサイバー戦（攻撃と防御）・情報戦訓練を実施。2010年7月、情報保障基地を設置。2011年、連合2011演習でサイバー戦（攻撃と防御）・情報戦訓練を実施。5月、広州軍区に網監軍司令部を創設。中国国務院はインターネット規制検閲を担当する新組織を作った。7月、中国中央第７電視台のドキュメンタリー番組で、アラバマ大学の法輪功関連ウェブサイトに中国軍がDDoS攻撃を仕掛ける様子が放映されたため、調査を行ったところ、中国軍電子技術大学が開発したソフトウェアなどを使用して10年以上前から攻撃が行われていたことが判明した。2012年3月11日、イギリスのサンデー・タイムズ紙が、BAEシステムズ社のコンピュータにアメリカ安全保障局などを装った中国ハッカーが侵入、F-35戦闘機などの情報を１年半に亘り盗み出していた可能性があると報じた。BAEシステムズ社はノーコメントである。2015年12月31日の中国軍大規模改編で、戦略支援部隊が新編され、ここがサイバー戦を担当するとみられる。2019年9月、エアバスが中国によるサイバー攻撃を受け、民間機形式証明取得プロセスやA400M輸送機用エンジンなどに関係する文書が盗まれたとの報道があった。中国側は9月27日に関与を否定する声明を出している。10月14日、中国商用飛機有限責任公司のC919旅客機開発に関連し、2010-15年に中国国家安全部江蘇省局が欧米航空関連メーカーにサイバー攻撃を仕掛けて情報を盗み出したというセキュリティファームのクラウドストライクが纏めた報告書の内容を、ZDnetが報じた。2021年4月22日、宇宙航空研究機構JAXAへのサイバー攻撃に関与したとして、警視庁が中国籍の男を書類送検した。警視庁は青島市の中国軍部隊が関与した可能性が高く、他に企業200社などにも一連のサイバー攻撃を仕掛けたと発表している。参考：月刊軍事研究4,’12、12,’11、7,’13、11,’13、4,’16、5,’16、月刊JWings6,’12、月刊航空ファン7,'16、12,’19、1,’20、THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

　＜サイバー戦（日本）＞：警察庁には2009年からウイルス入りのメールが170件以上届いており、2011年1-6月に届いた29件のうち14件が中国のサーバーに強制接続されるものだった。警察庁の調査では2011年3月11日から9月20日までに防衛・ハイテク関連企業4000社に890件のウイルスメールが届いていたことが判明。2011年9月19日、三菱重工にサイバー攻撃があったことが報道され、9月20日には川崎重工とIHIもサイバー攻撃を受けていたことを公表した。10月15日には日本航空宇宙工業会のコンピュータ端末がウイルスに感染し、そのパソコンからウイルス感染メールが発信されていたことが報道された。11月15日、防衛省が防衛関連企業サイバー攻撃に対する対策案を発表。防衛省への迅速な報告、セキュリティ対策強化、企業における教育訓練強化を求めるとした。11月24日、防衛省が防衛関連企業140社に対して装備品等および役務の調達における情報セキュリティの確保に関する特約条項改正に関する説明を行った。2012年9月、防衛省が初のサイバー指針を策定。サイバー空間を陸海空宇宙に並ぶ５番目の領域とし、攻撃を受けた場合には自衛権発動の要件を満たすとした。2013年7月12日、防衛省でサイバーディフェンス連携協議会の発足会が開かれた。10月、サイバー防衛政策ワーキンググループを設置。2014年2月3-4日、防衛省で日米防衛当局によるサイバー防衛政策ワーキンググループの初会合を実施。2月12日、防衛省がサイバー防御演習サイバー駅伝を開始。3月26日、防衛省がサイバー防衛隊を新編した。2015年3月18日（サイバーの日）、総務省と内閣サイバーセキュリティセンターが主催する省庁対抗のサイバー防衛競技会が実施され、12省庁が参加し、警察庁が優勝、金融庁が準優勝となった。2016年5月の伊勢志摩サミットに先進７カ国G7の一員として参加しており、サイバー攻撃は武力行使・武力攻撃となりうるもので、個別的・集団的自衛権を行使できるという立場を取っている。2019年3月、陸自方面隊野外情報通信システムのサイバー防衛を担当する方面システム防護隊が新編された。最初の部隊は西部方面隊西部方面システム通信群隷下の第301システム防護隊である。2019年度概算要求でサイバー防衛隊を70名増員して220名態勢とし、防衛省にサイバー情報収集装置、空自にセキュリティ監視装置を装備する。2019年4月19日、日米安全保障協議委員会で、日本がサイバー攻撃を受けた場合に日米安保条約第５条が適用されうることを確認した。10月8日、防衛省で第５回日NATOサイバー防衛スタッフトークスを実施。防衛制作局戦略企画課長らと新規安全保障課題局サイバー防衛課長らが情報共有や意見交換を行った。12月2-6日、防衛省内局、統幕、指揮通信システム隊など20名がNATO主催サイバー防衛演習サイバー・コアリション2019に参加。2020年3月に東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定する前に、ロシア軍参謀本部情報総局GRUが大会関係者、スポンサー企業、物流業者などのシステムに対し、サイバー攻撃を仕掛けていたと、イギリス政府が発表した。ロシア側は当然ながら否定しているが、国家ぐるみのドーピングで出場禁止になったことへの報復とみられる。2021年3月18日、市ヶ谷駐屯地に陸自サイバー防護隊が新編された。4月13-16日、NATOサイバー防衛協力センターCCDCOEのサイバー防衛演習ロックド・シールズ2021に防衛省内局、統幕、指揮通信システム隊の計10名と、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター、総務省、情報処理推進機構などの計17人が参加。4月22日、宇宙航空研究機構JAXAへのサイバー攻撃に関与したとして、警視庁が中国籍の男を書類送検した。警視庁は青島市の中国軍部隊が関与した可能性が高く、他に企業200社などにも一連のサイバー攻撃を仕掛けたと発表している。8月9日、中山防衛副大臣がフォート・ミード陸軍基地でサイバー軍司令部を視察し、サイバー軍司令官ナカソネ陸軍大将と会談、サイバー空間での脅威増大を背景に、日米連携の重要性を確認し、協力方針の議論や脅威動向の情報交換を行った。11月23日、防衛審議官とベトナム国防次官が防衛省でサイバーセキュリティ分野での協力に関する覚書と衛生分野での協力に関する覚書に署名した。2022年3月1日、陸自通信学校で陸自主催令和3年度多国間サイバー防護競技会をオンラインで実施。統幕、三自衛隊、防衛大学校、防衛装備庁から隊員30名と、アメリカ、インドネシア、オーストラリア、フィリピン、フランス、ベトナムから６名ずつが参加し、３名１組で防護演習形式の競技を行った。3月17日、防衛大臣直轄の自衛隊サイバー防衛隊を新編した。4月、ロックド・シールズ2022に参加。12月に閣議決定された国家安全保障戦略で、欧米主要国と同等以上のサイバー安全保障対応能力確保と、能動的サイバー防御の導入を図ることになった。4月18-21日、サイバー防衛演習ロックド・シールズ2023に防衛省などが参加。5月12日、日米サイバー防衛政策ワーキンググループCDPWGがアメリカ国防総省で行われ、防衛省から防衛政策局次長ら、アメリカ国防総省からサイバー政策担当国防次官補代理らが出席し、情報・認識共有や意見交換を行った。2023年7月4日、名古屋港コンテナ搬出入管理用コンピュータがランサムウェアによるサイバー攻撃を受けて機能停止に陥り、復旧に３日間かかった。ロシアのハッカー集団が製作したとみられ、身代金を要求してきている。参考：月刊軍事研究12,’11、月刊航空ファン2,’12、月刊JWings6,’19、月刊世界の艦船1,'22、4,'23、9,’23、朝雲

　＜サイバー戦（ブラジル）＞：2008年の防衛戦略と2012年7月発行の防衛白書でキー・コンポーネントに挙げられている。2011年、陸軍がブラジルサイバー防衛センターCDCiber（Cyber-Defence Center）を発足させ、陸海空軍のサイバー活動を統合した。2013年、最初のサイバー作戦シミュレータSIMOC（Cyber Operations Simulator）が設置された。2013年末に締結された戦略通信衛星の契約は、政府用通信システムのサイバー防衛能力強化を目的としているとされる。2016年のオリンピックなどブラジル主催の大規模スポーツイベントに関するサイバー防衛にも、実戦訓練や統合運用訓練を兼ねてCDCiberが大きく関与している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サイバー戦（南アフリカ）＞：2011年、国家サイバー保安政策の概要を発表した。これに伴い、南アフリカ軍は2016年初めまでにサイバー戦略を纏める予定で、2018-19会計年度にはサイバーコマンドセンター司令部が完全作戦状態になる予定。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サイバー戦（ロシア）＞：サイバー戦は非接触戦と呼ばれるハイテク戦争の一種とみなされている。最高指揮官は大統領で、安全保障会議（情報安全保障問題局がある）が補佐し、参謀本部電子戦総局が実施する。実施に関する各省庁の調整は情報安全保障に関する省庁間委員会で行われ、参謀作戦総局長、連邦保安庁副長官、内務次官など各省庁次官、モスクワ大学（大学内に情報安全保障問題研究所を擁する）学長、国営企業副社長などがメンバーに連なっている。参謀本部電子戦総局は1997年頃には各地にサイバー戦要員養成機関を設置し、2008年に空軍航空技術大学電子戦（情報安全保障）課程に統合した。戦略ロケット軍隷下のピョートル大帝記念軍事アカデミーにも電子・情報戦学部がある。他の国防省サイバー関連部隊としては、連邦電子戦・低観測性研究評価センター（第33872軍事部隊）、参謀本部偵察総局第18研究所（第11135軍事部隊）、第27中央研究所（第00168軍事部隊）がある。1980年代にはKGB第16総局がアメリカ国防総省ネットワークなどにサイバー戦を仕掛けていたが、ソ連崩壊とKGB解体で第16総局は連邦政府情報通信局として独立、2003年に連邦保安庁FSBの傘下に組み込まれた。また、FSBには2002年に情報安全保障センター（第64829軍事部隊）と呼ばれるインターネット監視・コンテンツ分析部隊が創設され、即時操作手段保証システムSORMという通信検閲システムを運用している。ちなみに、ロシアの全通信事業者は、運用する機器に電話回線盗聴用SORM-1やインターネット回線盗聴用SORM-2の関係ハード／ソフトウェアを組み込んでおかなければならない。他にもFSBには電子通信監視センター（第71330軍事部隊。元KGB第８総局）、通信安全保障センター（第43753軍事部隊）などのサイバー戦関連部隊が置かれている。内務省では過激派・反政府団体監視担当のＥ局、サイバー犯罪対策のＫ局がサイバー関連組織で、後者は2011年に設立されたインターネット安全保障協議会（連邦通信マスメディア大臣をトップとし、国営企業やインターネットセキュリティ企業などで構成される）とも協力してネット上での違法・違反行為などを監視する。連邦警護局には特別通信・情報局（第32152軍事部隊）があり、政府秘密通信システムATS-1/-2の運用などを行っている。連邦通信マスメディア省通信監督庁はマスメディア統制とプロパガンダ抑止の権限を持ち、一定以上のアクセス数のあるウェブサイトをマスメディアとする法律に基づいてサイトを封鎖することができる。2011年末、初の軍によるサイバー戦ドクトリンを発行したが、軍のサイバー戦への関与は小さく、サイバー攻撃の項目は無く、防御のみに焦点を置いた内容となっていた。しかし2012年1月には、サイバー攻撃ソフトウェアの導入を含む敵対的情報システム破壊、自軍情報指揮システムの防御、メディアやインターネットなどを使用した自国・他国での公的オピニオンへの働きかけ、という３つの主要任務を発表している。ロシア政府機関やロシア軍によるサイバー攻撃が疑われる事例としては、2007年のエストニアに対するサイバー攻撃、2008年の南オセチア紛争におけるサイバー攻撃、2009年のキルギスタンのインターネット・プロバイダー２社に対するDDoS攻撃が挙げられる。2000年以降はインターネットを介して世界規模での世論操作を行っており、SNSにも積極的に介入して2014年にはネット世論工作を正規軍事ドクトリンに取り入れたらしく、ロシアに有利なフェイクニュースを流しまくり、ウクライナ侵攻やシリア内戦関連のみならず、アメリカ民主党のサーバーから内部情報を盗んで2016年のアメリカ大統領選挙にも介入し、イギリスのEU離脱国民投票、フランス大統領選挙、カタルーニャ州独立運動などでも大規模工作をかけている。2018年2月16日にはSNS荒し（トロール）によるサイバー戦（プロジェクト・ラフタ）に関与していたロシア企業３社とロシア人13人がアメリカで起訴された。2020年3月に東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定する前に、ロシア軍参謀本部情報総局GRUが、大会関係者、スポンサー企業、物流業者などのシステムに対し、サイバー攻撃を仕掛けていたと、イギリス政府が発表した。ロシア側は当然ながら否定しているが、国家ぐるみのドーピングで出場禁止になったことへの報復とみられる。12月、セキュリティ会社ソーラーウインズ社の脆弱性を利用してアメリカ国防総省、アメリカ核安全保障局、イギリス政府機関などにサイバー攻撃をかけていたことが発覚した。参考：月刊軍事研究8,’13、6,’18、THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

＜サイバーディフェンス連携協議会＞：防衛省と防衛産業のサイバー攻撃対処協議会、略称CDC（Cyber Defence Council）。防衛省と防衛関連企業11社が参加し、2013年7月12日に発足した。サイバー攻撃防止に役立つ情報や最善の対処手順を共有したり、ライバル企業間で共有が難しい情報に関して防衛省が仲介し共有を図ったりすることが主目的である。参考：朝雲

＜サイバー紛争に関する国際会議＞：CYCONを参照。

＜サイバー防衛政策ワーキンググループ＞：日米サイバー防衛政策作業部会、略称CDPWG。2013年8月の日米防衛相会談でサイバーセキュリティー分野における防衛協力促進を決定したことを受け、10月に設置された。2014年2月に防衛省で初会合を実施。人材育成やサイバー防衛技術での連携で一致した。8月18-19日、アメリカ国防総省で第２回会合を実施。より迅速な情報共有、訓練や人材育成に関する教訓や成功事例の共有、これらによるサイバー防衛能力向上で一致した。2016年1月21日、アメリカ国防総省で第４回会合を実施。防衛省防衛政策局次長、整備計画局、統幕など10名、アメリカ国防次官補代理、統合参謀本部、アメリカ太平洋軍など10名が参加し、情報共有や連携のあり方などに関して意見公開を行い、日米の安全を脅かす重大なサイバー事案には緊密に協議して適切な協力行動を取るといった共同声明を発表した。2018年9月25日、防衛省で第６回会合を実施。防衛政策局次長、国防次官代理（サイバー政策担当）らが出席し、迅速な情報共有や連携の在り方などについて具体的な議論を行った。参考：朝雲

＜サイバー防衛隊＞：防衛省の組織。元はサイバー空間防衛隊という名称で発足準備が進められていた。2013年5月23日に統合幕僚監部にサイバー準備室を設置して新編準備に入り、2014年3月26日に市ヶ谷で統合幕僚監部指揮通信システム部指揮通信システム隊隷下に新編された。主任務は防衛省及び自衛隊のサイバー攻撃対処、防衛情報通信基盤（自衛隊共通ネットワーク）監視、サイバー攻撃に関する情報収集分析・研究調査と省全体での成果共有である。隊員は三自衛隊から抽出された90名で、初代隊長は佐藤雅俊一等空佐。その後人員数が110名に増えた。2018年度に人員を150名に増やした。2019年度には220名に増やす予定で、増員70名のうち50名はサイバー攻撃を含む実戦的訓練態勢強化、20名は初動・高度対処を担当する。2021年度は400名態勢だった。2022年3月17日、自衛隊サイバー防衛隊に改編された。参考：月刊世界の艦船6,’14、月刊JWings2,’14、MAMOR vol.89、月刊軍事研究12,’18、朝雲

＜サイバー防護隊＞：陸上自衛隊のサイバー防衛部隊。システム防護隊を拡大改編したもので、各方面システム通信群隷下のシステム防護隊を指揮統制するのが主任務である。2021年3月18日、システム通信団隷下に市ヶ谷駐屯地で新編された。隊員数130名。11月22日、アメリカ陸軍サイバーコマンド司令官フォガティ中将とアメリカ陸軍参謀本部第６部長モリソン中将が部隊を視察した。2022年3月17日、隷下に第303システム防護隊が新編され、150名体制となった。参考：朝雲

＜サイバー防護分析装置システム設計及びプログラム製造（その２）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜サイパン＞：CVL-48（軽空母）またはLHA-2（揚陸艦）を参照。

＜サイパン級＞：アメリカ海軍軽空母Saipan級。バルチモア級重巡の船体にコメンスメント・ベイ級護衛空母の航空艤装を組み合わせたもので、インディペンデンス級軽空母よりも艦上機運用能力を向上させた。全長209m、幅35.1m、基準排水量14500トン、満載排水量18750トン。主機は蒸気タービン、速力33ノット、航続距離11000海里（15ノット）。搭載機数50機。CVL-48サイパン、CVL-49ライトが1946-47年に就役した。艦上機の発達ペースに追いつけず、第一線での運用は困難で、1956-57年には予備役に回されて練習空母になっている。ただ艦上機のジェット化で練習空母としても使えなくなってしまい、通信中継艦や指揮艦に改造され、1970年に退役した。参考：月刊世界の艦船10,'22、2,'22、6,’18、6,’17

＜サイパン島上陸作戦＞：アメリカ軍名称フォーリジャー作戦（Operation Forager）。サイパン島は面積116平方キロメートル、日本から2360km離れており、19世紀までスペイン領で、その後ドイツ領となり、第１次大戦後の大正8年（1919年）から日本の委託統治領となった。日本はアスリート飛行場（アスリートは現地の地名）を建設し、島はサトウキビ畑となっていて、南洋興発の製糖工場があり、南洋群島経済の中心地だった。昭和18年9月、絶対国防圏が設定され、サイパン島防衛のため海軍特別根拠地隊・特別陸戦隊に加えて陸軍部隊を増強することになり、昭和19年3月に満州から第29師団が到着、陣地構築に入った。その後第29師団はグアムに移り、3月下旬に到着した第１派遣隊がこれを引き継いでいる。更に高射砲第25連隊（八八式七糎野戦高射砲）、戦車第９連隊第３・第４・第５中隊（九七式中戦車改４両、九七式中戦車32両、九五式軽戦車27両。ちなみに第１・第２中隊はグアムに派遣）、独立工兵第７連隊が到着し、昭和18年7月に編成されたばかりの第43師団も送り込むこととした。大本営は、これにより戦線1kmあたり軽砲５門が配置できるので、防衛は完璧と判断したらしい。4月20日、第43師団の動員を下令。5月8日、名古屋駅から第43師団主力が出発。5月19日、第43師団１次部隊が輸送船２隻でサイパン島に到着した。5月30日、第43師団２次輸送隊が館山を出港したが、輸送船が触雷沈没し、兵力の３分の１、32cm臼砲16門、25cm臼砲26門を失った。第43師団は直ちに陣地構築に入ったが、資材不足から工事が捗らず、水際防御を行うことにしたものの水際障害が１つも無いという状態だった。また、大本営はサイパン侵攻作戦を9月以降とみていたため、部隊配備や陣地構築に遅れが出ている。日本海軍は昭和19年3月4日に中部太平洋艦隊を編成し、第４艦隊と第14航空艦隊を隷下に入れた。アメリカ軍上陸時の防御兵力は陸軍第31軍北部マリアナ地区集団（第43師団基幹）28500名、海軍中部太平洋艦隊隷下の15100名で、海軍陸戦隊には特二式内火艇10両（防御戦のためフロートは付けず）が配備されていた。アメリカはマリアナ占領を10月に予定していたが、トラックを空襲で無力化したため、昭和19年3月11日にサイパン上陸日を４ヶ月繰り上げて6月15日とすることに決定し、作戦を開始した。参加兵力は第５艦隊第58機動部隊（CV-6エンタープライズ、CV-16レキシントン、CVL-23プリンストン、CVL-30サン・ジャシントなど空母15隻、戦艦７隻など）・第52機動部隊（BB-43テネシー、CL-48ホノルル、CL-57モントピーリアなど）及び第５上陸作戦部隊27000名（第２・第４海兵師団）、後詰めの陸軍第27歩兵師団、それを乗せた輸送船団535隻である。昭和19年2月23日、アメリカ機動部隊がサイパンを空襲。3月、サイパンにアメリカ軍偵察機が飛来し、高々度で写真撮影を行った。4月中旬からは低空での爆撃及び写真偵察を繰り返すようになり、潜水艦による偵察も観察されたため、日本海軍軍令部第５課はサイパンへの上陸を警戒していた。また、5月7日にサンフランシスコでアメリカ海軍首脳の会議が行われたことを掴んでおり、重要会議の１ヶ月後に作戦を始めることが多いというアメリカ軍の傾向から、6月上旬頃に大規模な作戦が実施されるとみて軍令部に進言したが、少数意見として聞き入れられず、軍令部はアメリカ軍がフィリピンの後にマリアナ諸島にやってくると考えていた。5月28日、サイパン防衛担当第31軍司令官はサイパンでなくパラオにアメリカ軍が上陸すると考え、防衛指導のためパラオに向かった。6月6日、アメリカ第58機動部隊がメジュロ環礁とエニウェトク環礁を出撃。サイパン・テニアン島には第２・第４海兵師団と第27歩兵師団が上陸に向かった。6月11日、アメリカ機動部隊がグアム島東方に達して空襲が開始され、マリアナに延べ480機、サイパンに190機が来襲したが、防衛隊は陽動作戦と判断した。6月12日、サイパン島にアメリカ艦上機延べ480機が来襲して５時間にわたり徹底的な爆撃を実施。日本軍はマーシャル諸島から索敵機を飛ばしたが、機動部隊のみで輸送船団が見えないことから、マリアナ方面への上陸は無いものと判断した。6月13日、BB-61アイオワ・BB-62ニュージャージーなど第58任務部隊戦艦８隻を含むアメリカ艦隊が艦砲射撃を開始。砲弾18万発が降り注ぎ、水際陣地や海岸の市街地は悉く吹き飛ばされた。現地部隊は目標がサイパンであると漸く気づき、中部太平洋艦隊司令部は連合艦隊司令長官に14日または15日に上陸してくると伝えたが、大本営ではカロリン諸島侵攻説をとり、連合艦隊の決戦準備が遅れた。第43師団は司令部を南郷神社（サトウキビ豊作祈願のため建立された南興神社とは別物だが、戦史叢書にも間違って南興と記載されている）に移した。6月14日、第31軍も今夜か15日朝には上陸してくると打電したが、同日昼に東条首相兼参謀総長は天皇に対してカロリン諸島侵攻の可能性が高いと上奏している。0900、アメリカ海軍水中破壊班が上陸用舟艇４隻に分乗して艦砲射撃の援護の下に海岸線に接近、ゴムボートに乗り換えて陸地から800m地点に達すると水中に潜り、海岸線付近の測量を実施。25mごとに水深を測定して引き返した。これにより、第２海兵師団の戦車隊が上陸を予定していたコースは水深が深すぎて使用できないことが判明し、ルートを大幅に変更している。6月15日、２個海兵師団がLVT719両（うちLVT(A)1及びLVT(A)4が138両）に分乗し、沿岸6kmの地点でLSTから発進、0830にサイパン島南西にあるチャランカノア市街南北の海岸に上陸を開始した。水際陣地は砲爆撃で殆ど破壊されており、15cm榴弾砲12門とススペ岬の側射陣地により抵抗を試みたが、アメリカ軍は夕方までに幅1km・縦深数百ｍの海岸堡を確保している。第31軍司令官小畑中将はパラオを視察していて不在であり、立場上は中部太平洋艦隊司令長官南雲中将が最高指揮官となるが、陸戦ということで第43師団長斉藤中将が実質的な戦闘指揮を執った。日本軍は夜間突撃を行ったが、戦艦からの照明弾により奇襲に失敗、撃退されている。6月16日、ススペ岬の陣地が制圧されて水際第一線陣地が全滅し、重砲が配置されていたヒナシス丘に海兵隊が進出した。これに対して戦車第９連隊（稼動30両全車）と跨乗歩兵部隊による夜間攻撃（オレアイ飛行場夜襲）を実施したが、履帯音により事前に察知されて失敗、艦砲射撃とバズーカにより戦力の60%以上を喪失した。6月17日、日本軍は後退を余儀なくされ、6月18日にはアスリート飛行場を放棄してタッポーチョ山に後退した。飛行場には航空機24機が残されていてアメリカ軍に鹵獲され、弾薬庫や燃料庫も無傷で、アメリカ軍がそのまま利用している。6月22日、アメリカ軍はタッポーチョ山に攻撃を開始。しかし日本軍の激しい抵抗で３日間に亘り前進を阻まれ、海兵中将が第27歩兵師団長の陸軍少将を更迭するという異常事態に発展した。6月24日、あ号作戦の失敗を受けてサイパン島への救援が不可能となり、大本営は奪回作戦のＹ作戦を中止、守備隊に向け「帝国はサイパン島を放棄することとなり、来月上旬にサイパン守備隊は玉砕すべし」と打電した。日本軍は残存戦車７両で反撃を試みたが、M4中戦車と75mm自走砲により壊滅した。6月26日、海兵隊がタッポーチョ山を制圧。7月5日、守備隊からの訣別電が大本営に送られた。7月7日0330、南雲中部太平洋艦隊司令官と第43師団長以下幹部は地獄谷で自決、サイパン島守備隊、中部太平洋艦隊、第６艦隊の残存部隊と在留邦人3000名がガラパンに向かい突撃を敢行して玉砕した。7月9日、海兵隊はサイパン島北端に到達、占領を宣言した。この時マッピ岬や島の最北端の崖から在留邦人１万人前後（南洋興発社員と南洋庁立実業学校生徒及びその家族が中心）が次々と身を投げたため、前者はスーサイド・クリフ、後者はバンザイ・クリフと呼ばれることとなった。7月18日、絶対国防圏崩壊の責任を取り、東条内閣が総辞職した。日本軍戦死者41200名、アメリカ軍戦死者3400名、アメリカ軍戦傷者11500名、在留邦人死者8000-15000人、邦人収容者（戦闘終結時の生存邦人）10424人。戦闘終結後、アメリカは犠牲者覆い隠すために成長の早いタガンタガンの種を撒布、現在は島中がこれに覆われている。滑走路は1200mから2600m級に拡張され、イスレー飛行場と改称されてB-29爆撃機基地になった。参考：激闘！太平洋戦争地上戦、激闘太平洋戦記、月刊軍事研究9,’06、軍事用語の基礎知識、帝国陸軍戦車と砲戦車、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像6,’02、6,’10、太平洋戦争情報戦、月刊丸11,’72、グラフィックアクション29、日本戦車隊戦史

＜サイパン歴史博物館＞：サイパン島にある歴史博物館。1975年にガラパン・ガーデンで開設され、1978年にチャランカノア町に移設され、1980年にはハイアット・リージェンシー・ホテル前に移った。戦車をはじめ、各種日本軍兵器も展示されている。参考：グラフィックアクション29

＜砕氷艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1965年3月18日、区分・自衛艦−大分類・特務艦−中分類・特務艦艇の下の種別として定められた。艦種記号はAGB、艦番号は5001以降である。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜砕氷艦（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。大正10年、砕氷艦大泊の竣工に合わせ、特務艦の下の類別として艦種が制定された。シベリア出兵の終了で必要性が無くなり、後継艦は暫く建造せず、昭和13年の張鼓峯事件をきっかけに昭和14年度計画で新型砕氷艦（計画番号J-19）を作ることにしたが、中止になった。マル五計画でも6800トン型砕氷艦（計画番号J-23）を建造、昭和22年に竣工させる予定だったが、戦況の推移から計画中止になり、結局砕氷艦は大泊１隻だけだった。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊丸3,’14

＜サイフ＞：パキスタン海軍ソード型フリゲート３番艦Saif。2010年9月17日就役。2011年12月6-10日、LIMA2011に参加。2014年8月25日から9月12日、カカドゥ14演習に参加。2016年2月9日、DD-114すずなみと共同訓練（通信訓練、近接運動）を実施。参考：月刊世界の艦船12,’10、4,’12、11,’14、4,’16

＜サイファー＞：シコルスキーとユナイテッド・テクノロジー社が共同開発したダクテッドファン型小型UAV。直径1.98mの円盤状で、胴体高さ0.6m、総重量136kg。エンジンはAR801ロータリー（52馬力）、推進は二重反転ローター、巡航速度130km、最大速度140km、上昇限度1525m、航続距離30km、滞空時間2.5時間。大型だったため運用の柔軟性に欠け、採用されなかった。参考：月刊軍事研究10,’12、7,’03

＜サイファーＴ＞：シコルスキー・エアクラフト社製UAV、別名ドラゴンウオーリア。サイファーの飛行性能改良型で、垂直離着陸可能なダクテッドファン型の機体（まさに「空飛ぶ円盤」状）に移動翼とプッシャー・プロペラを付けている。最大速度231km。185km先での戦場情報・監視・偵察任務が可能。ペイロード9.3kgで、NBCセンサーを搭載したり、リモートセンサーを設置したり、発煙弾、催涙ガスキャニスターなどを投下したりできる。市街地での偵察・監視任務にも適する。アメリカ海兵隊が２機を導入して2002年11月からテストしたが、推進用エンジンの開発が遅れて採用されなかった。参考：月刊軍事研究10,’12、3,’00

＜財部彪＞：海軍兵学校15期卒。明治41年12月10日から明治42年12月1日、第１艦隊参謀長を務めた。直後に少将に昇任して海軍次官に就いている。シーメンス事件で引責辞任したが、直接関わっていなかったことが判明した。大正4年2月5日から12月13日、第３艦隊司令長官を務めた。その後加藤内閣で海軍大臣を務めている。昭和5年、ロンドン会議の時も海軍大臣で、全権を務めロンドン条約に調印。昭和7年、予備役に入った。昭和42年1月13日、82歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜サイブリ＞：458（フリゲート）を参照。

＜サイプレス＞：二式陸上初歩練習機または四式練習機シリーズを参照。

＜在ベンガジ米領事館襲撃事件＞：2012年9月11日、リビアのベンガジにあるアメリカ領事館が襲撃され、大使らアメリカ人４人が殺害された事件。当日、領事館にはクリストファー・スティーブンス大使、ジョン・スミス情報分析官、警護官４人（国務省契約警備要員。どうやら民間軍事会社の派遣社員らしい）、臨時地域警備官１人（国務省臨時契約警備要員。同上）、リビア人警備員５人（非武装。民間軍事会社ブルー・マウンテン社が雇ったが、殆ど訓練はしていなかったらしい）、警備の地元民兵４人がいた。0645、地元自治政府警察の制服を着た男が領事館の写真を撮りまくっているのを、リビア人警備員が発見。注意するとパトカーで立ち去ったが、リビア人警備員は警護官２人に報告した。2102、地元自治政府警察のパトカーが領事館メインゲート前に乗り付け、40分程後に走り去った。この際、地元住民は乗っていた警官から「巻き添えになる恐れがあるので建物に近寄るな」と警告されたらしい。その直後、数十人の武装集団がメインゲートを突破して領事館の敷地内に突入。監視カメラでこれを確認した警護官は館内に警報を鳴らし、800m先の領事館別館と、トリポリにあるアメリカ領事館に救援要請を行った。リビア人警備員と地元民兵は全員逃げている。大使と情報分析官は警護官１人と共にＣ別邸におり、他の警護官３人と臨時地域警備官はＢ別邸で武装した後Ｃ別邸に向かおうとしたが、既に武装集団に囲まれていたため、Ｂ別邸と戦術作戦センターに２人ずつ立て籠もって応戦することにした。2142、領事館別館で救出チームの編成を開始。2200過ぎ、武装集団が領事館各所に放火。Ｃ別邸で大使と情報分析官を連れて脱出窓のあるバスルームに向かっていた警護官は途中で２人とはぐれてしまい、単独で脱出して屋上に逃れた。2205、領事館別館から救出チーム（国務省またはCIAに所属する民間軍事会社派遣社員）が車両２台に分乗して出発。トリポリのアメリカ領事館で対応司令部が立ち上げられ、リビア大統領と首相に空軍による輸送を要請した。2300、トリポリから７名の特別救援チーム（２名がアメリカ軍所属。他の５人は民間軍事会社社員らしい）がプライベートジェットに搭乗してベンガジに向かった。アメリカ国防総省は無人機２機をベンガジの領事館上空に向け離陸させている。Ｂ別邸と戦術作戦センターにいた警護官４人のうち、３人がＢ別邸近くの防弾車両に乗ってＣ別邸に到着。屋根に避難していた警護官、ちょうど現場に到着した領事館別館からの救出チームと共に、Ｃ別邸内の捜索を行い、情報分析官を発見したが、既に死亡していた。本館警護官を別館に退去させた後、別館救出チームは武装集団第二波に襲撃され、対戦車ロケットを含む激しい攻撃を受けたため、大使の捜索は断念して全員が別館に引き揚げた。9月12日0200、トリポリのアメリカ領事館に警護官の携帯電話（襲撃時に大使に渡していた）からアラビア語で連絡があり、大使がＣ別邸内で地元住民に発見されて0100頃にベンガジ医療センターに搬送され、0145頃に死亡が確認されたとのことだった。未明から領事館別館にも武装集団が襲撃を開始。0500、トリポリの特別救援チーム７名が別館に到着。0515、武装集団が迫撃砲や対戦車ロケットを含めた総攻撃を開始。屋根を貫通した３発以上の迫撃砲弾により、警護官２人が死亡、２人が負傷した。0630、地元自治政府の民兵が到着し、武装集団に対して攻撃を開始。その隙に別館の職員40人は空港に向かい、0730にチャーター機がトリポリに向け離陸。0825、大使の遺体を乗せた救急車がベンガジ医療センターから空港に到着し、大使本人であると確認された。1130、残りの職員を乗せたリビア空軍C-130輸送機がトリポリに向け離陸。大使を含む４人の遺体は地元の病院に運ばれた。２人の負傷者は地元の病院で治療を受けた後、国防総省の輸送機２機でベンガジを発ち、2230にラムシュタイン空軍基地に到着した。アメリカ政府は当初、アメリカで製作されて2012年7月にユーチューブで予告編がアップロードされた映画イノセント・オブ・ムスリムスに抗議するイスラム教徒の犯行としていたが、後にそれとは関係無いテロ組織によるものであると修正している。参考：月刊軍事研究5,’13

＜再保証作戦＞：リアシュアランス作戦を参照。

＜在ポルトガル・トルコ大使公邸占拠事件＞：1985年7月27日、ポルトガルのリスボンにあるトルコ大使公邸にアルメニア革命軍のメンバー５人が拳銃で武装して押し入り、二十数人を人質に取ってメンバーの釈放などを要求した。ポルトガルの対テロ部隊GOEが包囲して突入、犯人は身体に巻いた爆弾を炸裂させて全員が死亡し、巻き添えになった大使夫人とGOEの１人も死亡している。参考：月刊軍事研究7,’97

＜サイポン＞：埼玉地方協力本部のマスコットキャラで、陸海空と３バージョンあるのでサイポン３兄弟ともいう。ゆるキャラデザインコンテスト2011の一般公募により決定した。サイポンは埼玉地本の略で、動物のサイと県章の勾玉がモチーフである。2012年11月24-25日、ゆるキャラさみっとin羽生に参加。2015年4月25日、りくとうみが東京台場でトークイベントに参加。参考：朝雲

＜在香港英軍＞：主任務は、中国との境界線の防衛と治安維持、密輸と不法移民取り締まり、消防、捜索救難など。駐留経費は香港が75%、イギリスが25%である。朝鮮戦争時は後方支援の役割を果たし、３万名規模になった。その後縮小され、1981年4月1日には三軍合計8250名とすることを香港政庁とイギリス政府が合意。1988年、駐留経費負担が香港65%、イギリス35%となった。1995年には文官を含め3250名となった。編成は、司令部、イギリス陸軍歩兵大隊１個、グルカ歩兵大隊３個、グルカ工兵・通信・輸送部隊、軍需修理廠、補給処、艦艇大隊１個（大型哨戒艇３隻）、海兵隊突撃小隊１個、陸軍直協飛行中隊１個（ヘリ８機）、整備隊、飛行支援隊、業務隊などである。構成は陸軍が90%で、うちグルカ兵が43%、現地雇用が38%。1995年9月、香港警察支援にあたっていた王立香港連隊が解散。1997年6月30日、香港返還に伴い総司令部が閉鎖され、解隊された。参考：月刊軍事研究7,’97

＜在香港中国人民解放軍＞：1990年10月2日に編成を開始、江沢民主席は第一に思想工作を強固に行うよう指示した。1994年10月25日、軍旗が授与された。1995年12月6日、江沢民主席が部隊を検閲。1996年1月28日に編成を完結したと発表された。幹部は高専または大卒以上、兵士は高卒以上の学歴を持ち、身長は男性170cm以上、女性160cm以上である。駐留に際しては中華人民共和国香港特別行政区駐軍法が制定され、香港の内政に干渉しないこと、経済活動に従事しないことが規定されている。1997年4月21日、先遣部隊が香港に到着、7月1日の主権回復に伴い本格的な駐留を開始した。陸海空三軍で構成され、指揮部隊は元イギリス軍総司令部ビルに展開しており、陸軍部隊は第53320部隊と呼ばれる１個増強歩兵旅（4000名）、海軍は第38081部隊と呼ばれる艦艇大隊（侯建級哨戒艇など10隻）、空軍は第39968部隊と呼ばれる独立ヘリコプター飛行大隊（Z9ヘリ10機）である。各部隊はイギリスから引き継いだ軍事施設14箇所に駐留している。参考：月刊軍事研究7,’97

＜サイマン２０２＞：イタリア軍連絡機。元はイタリアのサイマンが1936年に開発した民間用軽飛行機で、第２次大戦勃発後に軍が徴用したものである。全長7.72m、全幅11.17m、全備重量930kg。エンジンはアルファロメオ110（130馬力）単発、巡航速度200km、最大速度230km、実用上昇限度5000m、航続距離700km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜サイマン２０４＞：イタリア軍連絡機。サイマン202の胴体とキャノピーを拡大して４名乗りにしたものである。全長8.02m、全幅10m、全備重量1290kg。エンジンはアルファロメオ115-1（185馬力）単発、最大速度295km、実用上昇限度5000m、航続距離1000km。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜済民＞：満州国海軍砲艇Chimin。全長19.4m、排水量20トン。主機はガソリンエンジン、速力10ノット。兵装は重機関銃３丁。1934年就役。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜サイモーム＞：P225（潜水艦）を参照。

＜崔茂宣＞：063（潜水艦）を参照。

＜サイモン・ボリヴァー＞：SSBN-641（ラファイエット改級戦略原潜）を参照。

＜済陽＞：FF932（フリゲート）を参照。

＜在ヨーロッパ航空軍団＞：USAFEを参照。

＜在来型潜水艦＞：潜水艦を参照。

＜在来任務改良計画＞：B-1BブロックＢ（爆撃機）を参照。

＜サイリーナＵＭＥ＞：ロシアの自走潜水員搬送艇Sirena UME。魚雷型をしており、前方から貨物コンテナ、電池、潜水員・制御装置収容部、モーターとなっている。貨物コンテナには全長2.2m、直径0.42m、重量420kgまでの貨物を収容でき、潜水員は２名が乗れる。全長10.5m、直径0.532m、重量1.447トン。推進はNiCd電池による電動モーター、速力2-4ノット、航続距離８マイル、最大潜航深度40m。航走は手動または自動。参考：月刊軍事研究11,’09

＜在リビア米領事館襲撃事件＞：在ベンガジ米領事館襲撃事件を参照。

＜最良上昇速度＞：Best rate of climb speed。上昇率が最大となる上昇速度のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜材料切断用成型爆薬＞：自衛隊の弾火薬。中国化薬製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜催涙剤＞：眼の粘膜を刺激する化合物で、皮膚にも軽い刺激性がある。クロロアセトフェノン、クロロベンジリデンマロニトリル、ブロムベンジルシアニドなど、多種多様の化合物が開発されている。参考：化学・生物兵器概論、図解雑学生物・化学兵器

＜催涙筒＞：日本陸軍の催涙ガス手榴弾。臭化ベンジル（みどり一号）を入れた甲型と、塩化アセトフェノン（みどり二号）を入れた乙型の２種がある。主として防毒面装着訓練や演習における毒ガス状況のシミュレートに用いられたが、実戦でも使用された。参考：日本陸軍兵器資料集

＜サイレックス＞：60RUシリーズ（対潜ミサイル）またはURPK-3（対潜ミサイルシステム）またはURPK-4（対潜ミサイルシステム）またはURPK-5（対潜ミサイルシステム）を参照。

＜サイレット・マトカル＞：イスラエル軍参謀本部直属空挺コマンドー部隊。サイレットは偵察部隊、マトカルは参謀長の頭文字である。第２次大戦時にイギリス軍コマンドー部隊の一部として創設された部隊がベースで、イスラエル独立戦争時からゲリラ戦に従事した。1973年には青春作戦を実施。1976年のヨナタン作戦ではハヘブレ（野郎ども）という通称で呼ばれた。参考：兵器最先端５、月刊軍事研究12,’07

＜サイレン＞：P-50（艦対艦ミサイル）またはP-120（潜対艦ミサイル）を参照。

＜サイレンサー＞：消音器。小火器の銃口に装着して発射音を低減する装置で、消音といっても完全に音を消せるわけではない。小室やバッフルを組み込み、発射ガスを徐々に膨張させることにより銃口からの音の発生を抑制する。また、弾丸が超音速になると衝撃波の音が出るので、亜音速に落とす必要がある。シリンダーと銃身の継ぎ目から音が漏れるリボルバー式の銃では、付けても意味が無い。射手の居場所の曝露を防げる、人質解放作戦では人質を驚かせずパニックを防止できるという利点がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典、月刊軍事研究7,’97

＜サイレンサー固定式（Ｆ−１０４Ｊ戦闘機用）＞：自衛隊の消音装置機材。全長22.1m、全幅10.4m、全高11.4-14.2m。エンジン後方80mで30デシベルにまで騒音を抑制する。エアー・ロジスティック社または三菱重工製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜サイレントアイ＞：レイセオン社製ミニUAV。プレデターＢに搭載予定で、放出されるとGPSにより予定航路を飛行、下降すると共に目標周囲を円形パターンで行動し、雲の下の目標を確認する。全長0.5m、全幅0.7m。巡航速度80-100ノット。参考：月刊軍事研究10,’04

＜サイレントアロー＞：アメリカ海兵隊戦闘研究所との契約でアメリカのイェーツ・エレクトロスペース社が開発している使い捨て無人輸送グライダー。電動モーター駆動でペイロード454kgのUAVとして開発していたのを海兵隊側の要求で無動力化したもので、C-130輸送機、MV-22B輸送機、CH-53E強襲ヘリなどに搭載し、補給物資を積んで高度10000-25000フィート（3048-7620m）から投下、前線部隊に届ける。ペイロード317kgで、45mのスペースがあれば着陸できる能力を目指し、10種類ほど作ってテストする予定。参考：月刊JWings3,’18

＜サイレント・イーグル＞：F-15SE（戦闘機）を参照。

＜サイレント・オットー＞：クレッチマー（Ｕボートエース）を参照。

＜サイレントガーディアン＞：レイセオン社が開発中の非致死性ビーム照射システム。アメリカ軍向けに開発したADSの輸出型で、周波数95GHzのミリメートル波を照射して痛点を刺激し、暴徒を近づけさせない。参考：月刊軍事研究7,’08

＜サイレントシャーク演習＞：アメリカ海軍と韓国海軍の合同対潜戦・水上戦演習で、2011年から２年ごとに実施されている。2015年は6月8-12日にグアム近海で行われ、アメリカ海軍からロサンゼルス級原潜、CG-67シャイロー、P-8A哨戒機、韓国海軍から潜水艦、P-3哨戒機が参加した。参考：月刊軍事研究11,’15

＜サイレントナイト＞：AN/APQ-187（レーダー）を参照。

＜サイレントハンター＞：中国のポーリー・テクノロジーが開発した小型UAV迎撃用レーザー砲システム。指揮通信装置、ミリ波レーダー、電子光学センサー、目標追尾照準装置、レーザー砲などを統合しており、トラック１台に車載し、電源車１両と組み合わせて運用する。対処可能な目標は直径2mまで、速度毎秒60mまで。レーザー出力5-30kW、射程200-800m(出力5kW)／200-2000m(10kW)／200-3000m(30kW。4000m？）。通常目標は10秒でソフトキルでき、最大200秒までレーザーを照射可能で、出力30kWなら800m先の厚さ2mmの鉄板５枚に孔を開けられる。レーザー発射間隔６秒。システム重量200kg。2016年9月の杭州G20サミットで配備されていたらしい。2017年のIDEXで展示された。参考：月刊軍事研究6,’17、3,’18、月刊世界の艦船11,’21

＜サイレント・ハンマー演習＞：アメリカ海軍戦略原潜SSBN-729ジョージアが2004年10月にサンディエゴ沖で行った演習Silent Hammer。SSGN改装後のネットワーク戦を想定している。ロサンゼルス級潜水艦、タラワ級強襲揚陸艦、海洋哨戒機、電子戦機、宇宙配備レーダー、UAV、UUV、地上部隊も参加した大がかりなもので、SSBN-729ジョージアはUAVなどを射出して事前偵察や情報収集を行い、戦闘管制センターの指揮管制ネットワークを駆使したネットワーク戦を実施、統合指揮官はグローバル情報グリッドにより戦域指揮官とリンクしつつ作戦を遂行した。トマホークの射撃シミュレートも行っている。参考：月刊世界の艦船10,’13

＜サイレントブロック＞：ドイツ国防軍の開発した鋼製転輪で、ゴムを内蔵している。参考：月刊PANZER2,’05

＜サイロ＞：Silo。ICBMを発射位置に挙上して発射するか、シェルター内から直接発射する設備を持つ、地中の穴状強化構造物。サイロ頂部はカバードアに覆われている。付近にはコントロールセンター、支援施設、通信アンテナなどが用意される。参考：ワイルドウエポン

＜ザイロン＞：東洋紡のアラミド繊維。NASAが開発した繊維を織布にしたもので、ケブラーの２倍の引っ張り強度と耐衝撃性を持つ。ただ衝撃吸収時の凹みが深いことと、値段がケブラーの４倍もすることから、普及は滞っている。参考：月刊軍事研究12,’04、8,’08

＜在ロンドン・イラン大使館人質占拠事件＞：1980年4月30日1130、イラン西部の自治を目指す武装テロ組織のメンバー６人がロンドンにあるイラン大使館を襲撃し、26人を人質に取り、イランが拘留中の仲間91人を5月1日までに釈放するよう要求。イギリスはこれを拒否し、警察が大使館周辺を封鎖、SASが出動準備に入った。5月5日、テロリストは30分ごとに人質を１人ずつ殺害すると宣言し、1850に１人を殺害して外に投げ出した。このためイギリス政府は強行突入を決断し、1923にSAS隊員12名が窓ガラスや壁を破って大使館に突入、11分で犯人５人を射殺して１人を逮捕。犯人の銃撃で人質２人が負傷した。この様子はテレビ中継されており、SASの実力を世界に知らしめている。参考：月刊軍事研究4,’97、防衛技術ジャーナル1,’07

＜サヴァ＞：P831（潜水艦）を参照。

＜サヴァ＞：ユーゴスラビア海軍潜水艦。元はドイツ海軍UIT7型ＵボートUIT19で、ポーラで沈没しているのを引き揚げて修理し、1949年に就役させたものである。1971年に退役した。参考：ナチスＵボート

＜サヴァ級＞：ユーゴスラビア海軍潜水艦Sava級。船体は単殻構造、外殻はGRP製。全長55.7m、全幅7.2m、耐圧殻全長42.7m、耐圧殻直径5.1m、吃水5.1m、水上排水量830トン、水中排水量960トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基・電動モーター１基、出力2040馬力、１軸推進、水上速力10ノット、水中速力16ノット。潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門（魚雷10本または機雷20個）。乗員35名。P831サヴァとP832ドラヴァが1978-81年に就役した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜サヴァンナ＞：LCS-28（沿海戦闘艦）を参照。

＜サヴァンナ＞：アメリカ海事局原子力貨客船Savannah。全長181.6m、総トン数12220トン。主機は原子力蒸気タービン方式、バブコック・アンド・ウィルコックス社製加圧水型原子炉（一次冷却水系平均圧力12MPa、平均温度537K）１基、出力22000馬力、速力21ノット、航続距離336000海里（20ノット）。載貨重量9250トン。1962年竣工。1969年、燃料交換を実施。1970年に退役し、チャールストンに保存されている。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜サヴィエア＞：トンガのパシフィック級哨戒艇。2013年10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。参考：月刊軍事研究2,’15

＜サヴェジ＞：AJシリーズ（艦上攻撃機）またはDE-386（護衛駆逐艦）またはG20（Ｓ級駆逐艦）またはRS-12（ICBM）を参照。

＜サヴェナカ＞：フィジー海軍哨戒艇Savenaca。SEA3036でオーストラリアのオースタル社ヘンダーソン造船所が建造し、2020年3月6日に引き渡し式典が行われた。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜サヴォ・アイランド＞：CVE-78（護衛空母）を参照。

＜サヴォイア・マルケッティ社＞：イタリアの航空機会社。1951年に倒産した。参考：月刊JWings8,’19

＜サヴォイ・ホテル立て籠もり事件＞：1975年3月5日、イスラエルのテルアビブ海岸にあるサヴォイ・ホテルに突撃銃などで武装したパレスチナ過激派８人が押し入り、三十数人を人質に取って立て籠もった。イスラエル軍100名が包囲して突入し、犯人全員を射殺したが、人質のうち８人が死亡、６人が負傷し、突入部隊からも死者３名、負傷者５名が出ている。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ザウコ＞：フィンランド海軍沿岸用潜水艦。ドイツ海軍のダミー会社が建造に関与した。全長33m、全幅3.2m、水中排水量142トン。水上最大速力10ノット、水中最大速力6.3ノット、水上航続距離926km（８ノット）、水中航続距離92km（４ノット）。兵装は魚雷発射管２門（魚雷２本）、機雷９個、13mm機銃１丁。乗員15名。1930年竣工。参考：Ｕボート入門

＜ザウコップ型防楯＞：ドイツ国防軍駆逐戦車・突撃砲用防楯Zaukopfblende（豚の鼻）。先端を絞り込んだ形状をしており、開口部が少なく避弾経始も良く、砲架が前に突き出すため戦闘室内スペースも広くできた。�W号駆逐戦車に装備し、�V号突撃砲Ｇ型やヘッツァーなどにも次々採用されている。参考：異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス

＜サウザート＞：アメリカ海軍掃海駆逐艦。1942年11月10日、伊172潜水艦を撃沈した。1945年1月6日、フィリピン付近で神風特攻機１機に突入されて損傷した。3月27日、沖縄付近で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。5月27日、菊水８号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜サウサリト＞：PF-4（フリゲート）を参照。

＜サウザンプトン＞：83（軽巡洋艦）またはAKA-66（攻撃貨物輸送艦）またはD-90（42型駆逐艦）を参照。

＜サウザンプトン級シリーズ＞：イギリス海軍軽巡洋艦Southampton級、別名タウン級。日本海軍最上型やアメリカ海軍ブルックリン級に対応する軽巡で、第２次ロンドン条約の制限一杯で建造されている。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸4,’17

　＜サウザンプトン級第１グループ＞：単にサウザンプトン級とも呼ばれる。15.2cm砲12門を装備し、舷側に114mmの装甲を張った。機関はシフト配置である。前部煙突脇に格納庫、煙突の間にカタパルトを持つ。全長180.4m、幅18.8m、吃水6.2m（5.2m？）、基準排水量9100トン。主機は蒸気タービン、出力75000馬力、４軸推進、速力32ノット。兵装は15.2cm３連装砲４基、10.2cm連装高角砲４基、２ポンド４連装ポンポン砲２基、533mm魚雷３連装発射管２基。航空機３機を搭載する。乗員748名。艦番号76ニューキャッスル、83サウザンプトン、19バーミンガム、21グラスゴー、24シェフィールドが1937年に就役した。1943-44年にカタパルトを撤去し、艦橋背面に271型レーダーを装備している。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船10,’06

　＜サウザンプトン級第２グループ＞：防御力強化型、別名グロスター（Gloucester）級またはリバプール級。砲塔装甲を25mm厚の弾片防御から102mm厚に強化した。全長180.4m、幅19.2m、吃水6.3m（5.3m？）、基準排水量9400トン。主機は蒸気タービン４基、出力82500馬力、４軸推進、速力32.5ノット。兵装は15.2cm３連装砲４基、10.2cm連装高角砲４基、２ポンド４連装ポンポン砲２基、12.7mm４連装機銃２基、533mm魚雷３連装発射管２基。カタパルト１基を装備しており、水上偵察機３機を搭載する。乗員800名。艦番号11リバプール、15マンチェスター、62グロスターが1938-39年に就役した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船1,’17、10,’06

　＜サウザンプトン級第３グループ＞：防御力・対空兵装強化型、別名ベルファスト（Belfast）級またはエジンバラ（Edinburgh）級。機関区画を後方に移し、煙突を艦橋と分離して後ろに移動、カタパルトを艦橋と煙突の間に設置し、後部マストを煙突の前に設け、後部主砲の装備位置を一段高くした。基準排水量は10000トンに収める予定だったが、500トンほどオーバーしている。全長187.1m、幅19.3m、吃水6.5m（5.3m？）、基準排水量10550トン、満載排水量13175トン。主機はパーソンズ式ギヤード蒸気タービン、出力82500馬力、４軸推進、速力32.5ノット。兵装は15.2cm３連装砲４基、10.2cm連装高角砲４基、２ポンド４連装ポンポン砲２基、533mm魚雷３連装発射管２基。装甲厚は舷側114mm、甲板51mm、司令塔102mm、砲塔25-63.5mm。航空機３機を搭載する。乗員850名。艦番号35ベルファストと16エジンバラが就役した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船10,’06、週刊ワールドウェポン17

＜サウジアラビア＞：サウド家の支配するアラビア、の意。1932年9月18日にサウド家のアブドルアジズ国王がアラビア半島のネジド、ヘジャスを併合して誕生した。人口2920万人、首都はリヤド。石油確認埋蔵量は世界の原油の25%を占め、イスラム２大聖地（メッカとメジナ）がある。厳格なイスラム教国で、アルコール、豚肉、賭博は厳禁、映画館や劇場も無く、女性は自動車の運転も認められていない。第２次世界大戦でＵボートの通商攻撃により巡礼者が激減し、国家財政が危機に陥ったため、イギリスとアメリカの援助を受けて切り抜けた。アメリカは連合軍最大の軍事基地となるダーラン空港を建設。1945年にはアブドルアジズ国王とルーズベルト大統領が重巡洋艦CA-71クインシーの艦上で会談した。イスラエル誕生後はアメリカがイスラエル寄りになったため、サウジアラビアはPLOに資金援助を開始している。1955年、日本と国交を樹立。1957年、日本がカフジ油田の採掘権を獲得して油田開発を開始。1990-91年の湾岸戦争ではイラクから攻撃を受ける恐れがあったため、アメリカ軍の駐屯を許可したが、これをイスラムの聖地にキリスト教徒を勝手に入れたと判断したイスラム原理主義者が批判し、アメリカ軍の駐屯が長引いたためテロ攻撃が開始された。2001年9月11日の同時多発テロでは、犯人のうち４分の３がサウジアラビア国籍だったため、アメリカ人の対サウジアラビア感情が極度に悪化した。また、サウジアラビアの慈善資金がアルカイダに流れていたことも判明し、2004年頃から慈善基金の閉鎖やアルカイダの摘発に乗り出している。2016年1月2日、アラブの春に関連してサウジアラビア東部州で発生したシーア派のデモを支持し、2012年6月に逮捕されたシーア派指導者ニムル師の死刑を執行した。イランが猛反発してテヘランのサウジアラビア大使館が暴徒により焼き討ちされ、イラン政府は大使館放火を強く非難したものの、結局双方の国交断絶に至っている。2017年4月26日、イエメン反政府勢力がイエメンの小島から発進させた無人船が34ノットでサウジアラビア領海に侵入し、石油コンビナートに突っ込んできたため、国境警備隊が機関部を撃ち抜いて停船させた。サウジアラビア海軍で臨検したところ、内部から爆発物が発見されている。2019年9月14日、石油関連施設が無人機18機の攻撃を受けた。9月20日、石油関連施設攻撃にイランが関与したとして、アメリカ政府がイラン中央銀行に制裁を行うと発表、エスパー国防長官はサウジアラビアへのアメリカ軍増派を表明した。イランはイエメン武装勢力フーシ派が行ったとしている。参考：月刊軍事研究9,’05、3,’16、10,’17、MAMOR vol.90、月刊JWings3,’16、朝雲

＜サウジアラビア海軍＞：1980年、バドル級コルベット４隻が就役開始。1985年、F2000S級フリゲート４隻が就役開始。2003年、サワリ�U級フリゲート３隻が就役開始。2007年、サンダウン級掃海艇３隻が就役開始。2017年1月30日、フリゲートのアル・マディナがイエメン反政府勢力（イラン系テロリスト？）の自爆船３隻（有人か無人かは不明）による攻撃を受け、兵士２名が死亡した。参考：月刊世界の艦船3,’16、月刊軍事研究10,’17

＜サウジアラビア海軍（１９７７年）＞：兵力1500名。高速ミサイル哨戒艇１隻、ジャガー級高速哨戒艇３隻、大型哨戒艇１隻を配備している。参考：軍事力バランス78年版

＜サウジアラビア海軍（１９８９年）＞：兵力7200名（うち海兵隊1200名）。海軍司令部はリヤド、西部艦隊司令部はジッダ、東部艦隊司令部はジャバイルにあり、アル・ワジ、ヤンブー、アル・カティーフ、ラス・タヌラ、アル・ダンマン、ラス・アル・ミシャブに基地がある。F2000級フリゲート４隻、バドル級フリゲート４隻、アル・シディク級ミサイル艇９隻、ヤグアル級魚雷艇３隻、ペガサス級水中翼艇１隻、内海哨戒艇９隻（保管中）、MSC-322級沿岸掃海艇４隻、ボライダ級洋上給油工作艦２隻、航洋曳船３隻、王室ヨット１隻、AS-365N捜索救難ヘリ４機、AS-365Nヘリ（AS-15TT空対艦ミサイル装備）20機、海兵歩兵連隊１個、BMR-600P装甲車140両を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サウジアラビア海軍（２０１５年）＞：現役兵力13500名（うち海兵隊3000名）。海軍司令部はリヤド、東部艦隊司令部はジュバイル、西部艦隊司令部はジッダにある。サワリ�U級ミサイル駆逐艦３隻、F2000級ミサイル・フリゲート４隻、バドル級フリゲート４隻、アル・シディク級ミサイル艇９隻、哨戒艇56隻、MSC-322級沿岸掃海艇４隻、サンダウン級掃海艇３隻、LCU-1610級汎用揚陸艇４隻、LCM-6級中型揚陸艇４隻、兵站支援船17隻、AS365Nドーファン２汎用ヘリ６機、AS565汎用ヘリ（AS-15TT空対艦ミサイル装備）15機、ベル406CS汎用ヘリ13機、AS332B/F汎用ヘリ（エグゾセAM39空対艦ミサイル装備）12機を保有する。海兵隊は水陸両用歩兵連隊（歩兵大隊２個）１個からなり、BMR-600P装甲兵員輸送車140両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア・嘉手納暫定訓練システム＞：AN/ASQ-T47を参照。

＜サウジアラビア空軍＞：1995年、F-15S戦闘機の配備を開始。2009年、タイフーン戦闘機の配備を開始。タイフーン戦闘機とF-15S戦闘機のパイロット養成能力を強化するため、2012年5月22日、BAEシステムズからホーク練習機22機、PC-21練習機55機、初等練習機（機種未定）25機、訓練支援システムを導入する契約を締結した。2013年、A330-200MRTT空中給油輸送機の配備を開始。2014年、PC-21練習機の配備を開始。2016年、F-15SA戦闘機とホークMk128練習機の配備を開始。2018年7月12日、トーネードIDS戦闘機が訓練飛行から帰る途中に機体の不具合で墜落した。パイロット２名は無事だった。参考：月刊JWings8,’12、6,’13、3,’17、月刊航空ファン10,’18

　＜サウジアラビア空軍（１９７７年）＞：兵力15000名。F-5E戦闘機70機、BAC167練習機・COIN機30機、ライトニングF52/F53戦闘機37機、C-130E/H輸送機39機、AB205ヘリ24機、KC-130空中給油機４機、B707輸送機１機、ファルコン20輸送機２機、ジェットスター輸送機２機、アルエート�Vヘリ12機、AB204ヘリ１機、F-5B練習機20機、ライトニングT54/T55練習機７機、T-41A練習機６機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜サウジアラビア空軍（１９８０年）＞：ライトニングF52/F53戦闘機/T54/T55練習機40機、F-5E/F-5B/F-5F戦闘機112機、ストライクマスターMk80/88練習機45機、B707-320輸送機１機、C-130E/H輸送機36機、C-140B輸送機２機、F-27輸送機１機、AB204B/205Bヘリ25機、ベル206ヘリ24機、ベル212ヘリ、AS-61A-4ヘリ２機、アルエート�Vヘリ34機、KC-130H空中給油機、T-41A練習機12機保有している。参考：ザ・マーチ18号

＜サウジアラビア空軍（１９８９年）＞：兵力16500名。F-5E戦闘機63機、トーネードIDS攻撃機20機、F-15C戦闘機42機、RF-5E偵察機10機、E-3A早期警戒管制機５機、KE-3A空中給油機８機、KC-130H空中給油機８機、F-5B転換訓練機15機、F-5F転換訓練機22機、F-15D転換訓練機17機、C-130E輸送機10機、C-130H輸送機25機、L-100-30HS患者輸送機９機、C-212輸送機35機、AB204ヘリ１機、AB205ヘリ14機、AB206Bヘリ25機、AB212ヘリ29機、KV107捜索救難輸送ヘリ17機、ホークMk60練習機30機、BAC-167Mk80練習機30機、PC-9練習機30機、ジェットストリーム31練習機２機、セスナ172練習機13機を保有する。王室飛行隊はBAe125-800輸送機２機、C-140輸送機２機、CN-235輸送機４機、ガルフストリーム�V輸送機１機、リアジェット35輸送機２機、VC-130H輸送機２機、AS-61ヘリ５機、AB212ヘリを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サウジアラビア空軍（２０１５年）＞：兵力20000名。F-15C戦闘機56機、F-15D戦闘機25機、F-15S戦闘機70機、トーネードIDE戦闘機69機、EF2000タイフーン戦闘機53機、トーネードGR1A偵察機12機、ビーチ350ERキングエア偵察機２機以上、E-3A早期警戒管制機５機、サーブ2000エリアイ早期警戒管制機２機、RE-3A電子偵察機１機、RE-3B電子偵察機１機、A330MRTT空中給油輸送機６機、KC-130H空中給油輸送機７機、KE-3A空中給油機７機、C-130H輸送機30機、C-130H-30輸送機３機、L-100-30輸送機３機、ビーチ350キングエア輸送機10機以上、CN-235輸送機４機、ジェットストリームMk31輸送機１機、ホークMk65練習機24機（アクロバットチーム含む）、ホークMk65A練習機16機、MFI-17ムシュシャク練習機20機、PC-9練習機20機、PC-21練習機24機以上、SR22T練習機24機、ベル412/AB412救難ヘリ15機、AS532戦闘捜索救難ヘリ10機、ベル412/AB412汎用ヘリ20機、Gongji-1重偵察ヘリ数機（を保有しているという報告あり）、AGM-65空対地ミサイル、シー・イーグル空対艦ミサイル、ストーム・シャドー空対地巡航ミサイル、ALARM対レーダーミサイル、AIM-7/-7M/-9P/-9L/-9X/-120C空対空ミサイル、IRIS-T空対空ミサイル、GBU-10/-12ペイブウェイ�U、ペイブウェイ�W、GBU-31JDAMを保有する。王室飛行隊はC-130H輸送機５機、L-100-30輸送機３機、セスナ310輸送機１機、リアジェット35輸送機２機、A340要人輸送機１機、B737-200要人輸送機１機、B737BBJ要人輸送機２機、B747SP要人輸送機２機、BAe-125-800要人輸送機４機、ガルフストリーム�V要人輸送機２機、ガルフストリーム�W要人輸送機１機、AS-61輸送ヘリ２機、S-70輸送ヘリ１機、ベル212（AB-212）ヘリ数機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア軍＞：1988年、東風３型弾道ミサイル120発を導入。イランに対抗するため、2011-20年にアメリカから600億ドルの航空兵器を導入する予定。F-15SA戦闘機を84機購入して配備機をアップグレードし、AH-64D攻撃ヘリ60機とUH-60汎用ヘリ70機も購入する。2015年、イエメン内戦介入レストアリング・ホープ作戦を開始。2017年11月4日、イエメン反政府勢力がイエメンのリヤドからキングハリド国際空港に向け弾道ミサイルを発射したため、着弾前に迎撃した。破片を分析した結果、サウジアラビア側はイラン製クアン短距離弾道ミサイルであると発表し、イランが反政府勢力を支援しているとしたが、イエメン反政府勢力はブルカン2H弾道ミサイルと発表している。参考：月刊JWings12,’10、月刊軍事研究6,’05、4,’18、5,’18、MAMOR vol.139、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サウジアラビア軍（１９８９年）＞：現役総兵力65700名。湾岸協力会議諸国の半島防衛部隊１個歩兵旅団2000名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜サウジアラビア軍（２０１５年）＞：現役総兵力227000名（陸軍75000名、海軍13500名、空軍20000名、防空軍16000名、戦略ミサイル軍2500名、国家防衛隊100000名）、準軍事組織24500名以上（国境警備隊10500名、沿岸警備隊4500名、施設警備軍9000名以上、一般民間防衛省部隊、特殊保安軍500名）。バーレーンに湾岸協力会議ペニンスラ・シールド作戦要員1500名（国家防衛隊）、イエメンにレストアリング・ホープ作戦要員750名、M-ATV装甲車、MIM-104D/FパトリオットPAC-2GEM/PAC-3地対空ミサイル２基以上を派遣している。バーレーン空軍レストアリング・ホープ作戦F-16C戦闘機６機、クウェート空軍レストアリング・ホープ作戦F/A-18A戦闘機４機、カタール空軍レストアリング・ホープ作戦ミラージュ2000ED戦闘機４機、スーダン空軍レストアリング・ホープ作戦Su-24攻撃機３機、UAE空軍レストアリング・ホープ作戦F-16E戦闘機12機、アメリカ中央軍350名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア国家警備隊＞：2014年、AH-64E攻撃ヘリの配備を開始。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア国家警備隊（１９８９年）＞：内務省の隷下にあり、総兵力56000名（現役10000人、予備役20000人、部族徴集兵26000人）。機械化歩兵旅団２個、儀仗騎兵大隊１個からなる。V-150装甲車700両以上、105mm砲M-102を50門、106mm無反動砲、TOW対戦車ミサイル、20mmバルカン砲M40を30基保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サウジアラビア国家警備隊（２０１５年）＞：現役兵力100000名（うち部族徴集兵25000名）。機械化旅団（偵察中隊１個、機械化歩兵大隊３個、自走砲兵大隊１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）４個、歩兵旅団（諸兵科連合大隊３個、砲兵大隊１個、兵站大隊１個）５個、特殊保安旅団2-3個、儀仗騎兵大隊１個、憲兵大隊１個からなる。LAV-AG偵察車（90mm砲装備）214両、LAV-25歩兵戦闘車647両、LAV-A装甲兵員輸送車119両、LAV-AC装甲兵員輸送車30両、LAV-CC装甲兵員輸送車296両、LAV-PC装甲兵員輸送車73両、V-150装甲兵員輸送車290両（＋保管中810両）、155mm自走砲カエサル132両、105mm砲M102を50門、155mm砲M198を58門、81mm迫撃砲少数、120mm自走迫撃砲LAV-Mを119両、LAV-AT自走対戦車ミサイル183両、TOW-2A対戦車ミサイル、M47ドラゴン対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1、20mmバルカン砲M167を30基、90mm高射砲M2を130門、LAV-E装甲工兵車58両、LAV-R装甲回収車111両、V-150ARV装甲回収車、AH-64E攻撃ヘリ４機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア戦略ミサイル軍＞

　＜サウジアラビア戦略ミサイル軍（２０１５年）＞：現役兵力2500名。東風３型短距離弾道ミサイル10基以上（配備状態は不明）、東風21型準中距離弾道ミサイル少数（を保有しているとの報告あり）を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア防空軍＞：1980年、シャヒネ１自走地対空ミサイルの配備を開始。1986年、シャヒネ２自走地対空ミサイルの配備を開始。参考：世界の軍用車両(2)

＜サウジアラビア防空軍（１９８９年）＞：兵力4000名。AMX-30SA自走高射機関砲53両、M163高射機関砲100基、35mm高射機関砲180門、70口径40mm高射機関砲120門（保管中）、シャヒネ自走地対空ミサイル141基、MIM-23B改ホーク地対空ミサイル128基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サウジアラビア防空軍（２０１５年）＞：現役兵力16000名。クロタル自走地対空ミサイル40両、M1097アヴェンジャー自走地対空ミサイル400両、シャヒネ自走地対空ミサイル73両、クロタル／シャヒネ自走地対空ミサイル68両、MIM-23B改ホーク地対空ミサイル128基、MIM-104D/FパトリオットPAC-2GEM/PAC-3地対空ミサイル108基、ミストラル携帯地対空ミサイル500基、自走20mmバルカン砲M163を92両、30mm自走高射機関砲AMX-30SAを850両、35mm高射機関砲GDFを128基、70口径40mm高射機関砲150基（全て保管中）、AN/FPS-117防空レーダー17基、AN/TPS-43防空レーダー28基、AN/TPS-59防空レーダー、AN/TPS-63防空レーダー35基、AN/TPS-70防空レーダーを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア陸軍＞：2014年、AH-64E攻撃ヘリの配備を開始。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジアラビア陸軍（１９７７年）＞：兵力45000名。機械化師団１個、機甲旅団１個、歩兵大隊２個、空挺大隊１個、近衛大隊１個、砲兵大隊３個、高射砲大隊６個、ホーク地対空ミサイル大隊10個からなる。AMX-30中戦車400両、M47/M60中戦車75両、M41軽戦車60両、スコーピオン／AMX13軽戦車150両、AML60/90装甲車200両、スタッグハウンド装甲車、グレイハウンド装甲車、フェレット偵察車、M113装甲兵員輸送車、パナールM3装甲兵員輸送車、コマンド装甲兵員輸送車、105mm砲、75mm無反動砲、SS-11／ドラゴン／ビジラント／ハープン対戦車ミサイル、高射砲、レイピア地対空ミサイル、ホーク地対空ミサイルを配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜サウジアラビア陸軍（１９８９年）＞：兵力38000名。機甲旅団２個、機械化旅団４個、歩兵旅団１個、空挺旅団１個、王室警備隊連隊１個、砲兵大隊５個、高射砲中隊18個からなる。AMX-30戦車300両、M-60A1戦車50両、M-60A3戦車200両、AML-60/-90偵察車250両、AMX-10P歩兵戦闘車500両、M-113装甲兵員輸送車1100両、EE-11装甲兵員輸送車30両、パナールM3装甲兵員輸送車170両、56式105mm砲24門、105mm砲M-101/-102を40門（保管中）、155mm砲FH-70を70門、155mm砲M-198を34門、M-109自走砲224両、GCT自走砲51両、アストロス�U自走多連装ロケット６両、107mm迫撃砲M30を360門、CSS-2地対地ミサイル発射機９基、BGM-71A対戦車ミサイル、VCC-1自走TOW対戦車ミサイル200両、M-47ドラゴン対戦車ミサイル、HOT対戦車ミサイル、HOT装備AMX-10P自走対戦車ミサイル、75mm/90mm/106mm無反動砲、カールグスタフ無反動砲450門、M42自走高射機関砲、90mm高射砲M-117を15門、スティンガー携帯地対空ミサイル、レッドアイ携帯地対空ミサイル500基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サウジアラビア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力75000名。機甲旅団（偵察中隊１個、戦車大隊３個、機械化大隊１個、野戦砲兵大隊１個、防空大隊１個、対戦車大隊１個、工兵中隊１個、兵站大隊１個、整備中隊１個、医療中隊１個）４個、機械化旅団（偵察中隊１個、戦車大隊１個、機械化大隊３個、野戦砲兵大隊１個、防空大隊１個、対戦車大隊１個、工兵中隊１個、兵站大隊１個、整備中隊１個、医療中隊１個）５個、王国警護連隊（軽歩兵大隊３個）１個、空挺旅団（空挺大隊２個、特殊作戦中隊３個）１個、航空司令部（攻撃ヘリ旅団１個、輸送ヘリ旅団１個）１個、砲兵旅団（野戦砲兵大隊５個、多連装ロケット大隊２個、ミサイル大隊１個）１個からなる。AMX-30戦車140両、M-1A2/A2S戦車200両（＋保管中170両以上）、M60A3戦車390両、AML-60/-90偵察装甲車300両、TPz-1フクスNBC偵察車10両、AMX-10P歩兵戦闘車380両、M-2A2歩兵戦闘車385両、M113A1/A2/A3装甲兵員輸送車1190両、パナールM3装甲兵員輸送車150両、AF-40-8-1アル・ファハド装甲兵員輸送車40両（全て保管中）、アラヴィス装甲車73両、M-ATV装甲車160両、155mm自走砲AU-F-1を60両、155mm自走砲M109A1B/A2を110両、155mm自走砲PLZ-45を54両、105mm牽引砲M101/M102を100門（全て保管中）、155mm牽引砲M114を50門、155mm牽引砲M198を60門、203mm牽引砲M115を８門（全て保管中）、127mm多連装ロケットASTROS�UMk3を60両、81mm自走迫撃砲70両、107mm自走迫撃砲M30を150両、81mm/107mm迫撃砲70門（107mm迫撃砲M30含む）、120mm迫撃砲ブラント110門、120mm迫撃砲M12-1535を37門、HOT装備AMX-10P自走対戦車ミサイル90両、I-TOW装備VCC-1自走対戦車ミサイル200両、M47ドラゴン対戦車ミサイル、TOW-2A対戦車ミサイル、84mm無反動砲カールグスタフ、106mm無反動砲M40A1、90mm無反動砲M67、112mmロケットランチャーAPILAS、クロタル自走地対空ミサイル、FIM-92A携帯地対空ミサイル、AN/TPQ-36/-37対砲迫レーダー、M728装甲工兵車15両、ACV ARV装甲回収車８両、AMX-10EHC装甲回収車、AMX-30D戦車回収車55両、ルクレール戦車回収車、M88A1戦車回収車125両、M578装甲回収車90両、AMX-30戦車橋10両、アードヴァークMk2地雷戦車両、AH-64D攻撃ヘリ11機、AH-64E攻撃ヘリ24機、AS365N医療後送ヘリ６機、ベル406CS汎用ヘリ15機、S-70A1汎用ヘリ12機、UH-60A汎用ヘリ22機（うち医療後送用４機）、UH-60L汎用ヘリ24機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サウジホークス＞：サウジアラビア空軍アクロバットチーム。使用機はホークMk65練習機７機。参考：月刊JWings4,’16

＜サウスウォルド＞：L10（駆逐艦）を参照。

＜サウス・カロライナ＞：BB-26（戦艦）またはCGN-37（巡洋艦）を参照。

＜サウス・カロライナ級＞：アメリカ海軍初のド級戦艦South Carolina級。議会で排水量制限が設けられたため、船体を長船首楼型にして後部を3mほど低くし、排水量を抑えたが、荒天時に船体後部が波を被るという欠点があった。主砲塔を全て中心線上に配置し、ドレッドノート級よりも排水量を2000トン減らして同等の攻撃力を持たせている。また、主砲塔の配置は前後甲板とも背負い式を採用し、死角も減らした。機関はレシプロで、速力ではドレッドノート級に劣る。籠マストを採用して上部の射撃指揮所の安定を図った。全長138m、幅24.5m、吃水7.5m、常備排水量16000トン。主機は直立三段膨張式三気筒レシプロ蒸気機関２基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式石炭専焼缶12基（蒸気圧力1.82MPa、過熱）、出力16500軸馬力、２軸推進、速力18.5ノット。兵装は30.5cm砲Mk5連装砲塔４基、7.6cm単装砲22門、533mm水中発射管２門。装甲厚は水線部279mm、甲板76mm。乗員869名。BB-26サウス・カロライナとBB-27ミシガンの２隻が1910年に竣工（ミシガンの方が２ヶ月早い）した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、10,’12

＜サウスダウン＞：L25（護衛駆逐艦）を参照。

＜サウス・ダコタ＞：BB-49（サウス・ダコタ級計画戦艦）またはBB-57（サウス・ダコタ級戦艦）またはSSN-790（原潜）を参照。

＜サウス・ダコタ級計画戦艦＞：アメリカ海軍計画戦艦South Dakota級。第１次３年計画の1917-18年計画艦で、メリーランド級の拡大型である。主機はBB-50とBB-51がGE社製、その他がウェスティングハウス社製。缶室は左右に６室ずつで、当初は４本煙突にする予定だったが、左右３室ずつを逆Ｙ字の煙路で結び、前後２群を壷型の結合煙突１本に纏めた。全長208.5m、水線幅32.3m、基準排水量41400トン、常備排水量43200トン。主機はターボ・エレクトリック方式、BB-50とBB-51がカーチス単胴蒸気タービン２基、それ以外が改良パーソンズ単胴蒸気タービン２基、バブコック＆ウィルコックス式重油専焼缶（蒸気性状1.96MPa、飽和温度）12基、5000V三相交流発電機（定格出力28000kW）２基、主電動機（定格出力11200kW、15000軸馬力）４基、出力60000馬力、常用最大速力23ノット。兵装は50口径40.6cm砲Mk2の３連装砲塔４基、53口径15.2cm砲16門など。装甲厚は水線部343mm（下部203mmのテーパー）、中甲板89mm、主砲塔前楯457mm、主砲塔側面254mm、主砲塔天蓋127mm。BB-49サウス・ダコタ、BB-50インディアナ、BB-51モンタナ、BB-52ノース・カロライナ、BB-53アイオワ、BB-54マサチューセッツの６隻が1920年1月から1921年4月に起工されたが、ワシントン条約で建造中止となった。参考：月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史、月刊丸11,’09

＜サウス・ダコタ級戦艦＞：アメリカ海軍戦艦South Dakota級。当初はノース・カロライナ級の同型艦となる予定だったが、装甲を対40.6cm砲弾防御に強化することになり、排水量を第２次ロンドン条約エスカレーター条項内の35000トンに抑えつつ、45口径40.6cm砲を搭載し、同クラスの砲弾に耐えられる装甲を持つ艦として設計され、最優秀条約型戦艦と呼ばれた。ただし建造開始は条約失効後の1938年度計画（第１次ヴィンソン法）である。水線部には傾斜装甲（19度）を採用しており、ノース・カロライナ級と同じ厚みながら防御力に優れているとされるが、魚雷防御隔壁は実験をしておらず、実際どうだったかは不明。装甲は射距離16400-27400mで40.6cm砲弾に耐えられるよう設計されていたが、建造中に開発されたアイオワ級向け新型40.6cm砲弾に対しては射距離18700-24100mでしか抗堪できない。バルジを上甲板から１甲板分下にした関係で、船体中央から前方にかけての舷側上部には凹みがある。水中防御として４層の多層式水中防御方式を採用した。船底は三重底で、外舷軸はスケグで覆われており、機関区画は前から右外舷軸用、左外舷軸用、右内舷軸用、左内舷軸用と並んでいて、それぞれに主機１基と主缶２基が収容されるシフト配置であり、高い防御力を持つ。排水量制限をクリアするため、集中防御区画をノース・カロライナ級より3mほど短くしている。全長も15mほど短縮しており、速力は当初アメリカ戦艦標準の23ノットで我慢する予定だったが、ノース・カロライナ級との共同作戦に支障が出ることや、大改装後の長門型（推定速力26ノット）に対抗するため、球状艦首を装備するなど速度性能改善に努めた。船体短縮の影響で居住区をかなり節約しており、乗員からは不評で、BB-57サウス・ダコタは司令部スペースを確保するため高角砲を撤去せざるを得ず、それでもトップヘビー気味だった。煙突は１本。ノース・カロライナ級で問題になった高速航行時の振動を解決するため、ダブル・スケグを外側推進軸被覆方式としたが、プロペラへの海水流入が悪化しただけだった。全長207.3m（BB-57、BB-58、BB-60。207.4m？）／207.6m（BB-59）、幅33m、満載時吃水10.3m、基準排水量35000トン（38000トン？）。主機はGE式（BB-57とBB-59）／ウエスティングハウス式（BB-58とBB-60）高低圧ギヤード・タービン４基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式（BB-57とBB-59）／フォスター・ホイーラー式（BB-58とBB-60）重油専焼水管缶（蒸気圧力3.98MPa、温度454℃）８基、出力130000馬力、４軸推進、速力27.5ノット、重油搭載量6950トン（BB-57とBB-59）／7340トン（BB-58とBB-60）、航続距離17000海里（15ノット。15000海里？）。兵装は45口径40.6cm砲Mk6搭載３連装砲塔３基、38口径12.7cm連装両用砲10基（BB-57は旗艦・司令部設備に場所を取られたため８基）、27.9mm４連装機関砲７基（BB-57とBB-59）／40mm４連装機関砲６基（BB-58とBB-60）、20mm単装機関砲35門（BB-57とBB-59）／16門（BB-58）／22門（BB-60）、12.7mm単装機銃８丁。装甲厚は水線部329mm、甲板146mm（最上甲板37mm、上甲板127mm＋16mm、中甲板8mm）、バーベット439mm、砲塔前楯457mm、砲塔天蓋184mm、司令塔406mm。カタパルト２基と水上偵察機３機を搭載する。乗員1793名（士官115名、下士官・兵1678名。計2500名？）。BB-57サウス・ダコタ、BB-58インディアナ、BB-59マサチューセッツ、BB-60アラバマの４隻が1942年に就役した。第２次大戦中は漸次高射機関砲を増設し、最終的にはボフォース40mm４連装機関砲を計68-72門搭載、隙間にはエリコン20mm単装機関砲を配置している。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船1,’12、3,'21、3,’15、4,’17、丸エキストラ版No.71、月刊丸12,’10

＜サウスランド＞：F104（フリゲート）を参照。

＜サウヤン＞：DDG-929（駆逐艦）を参照。

＜サウル１＞：ルーマニアが開発した装輪装甲車。装甲は射距離30mからの7.62mm徹甲弾や距離80mで炸裂した155mm榴弾に耐えられる。エンジンはカミンズ社製ディーゼル、トランスミッションはアリソン社製MD3060Rで、ユーロ３排ガス規制をクリアしている。2007年に発表された。参考：月刊PANZER5,’10

＜サウル２＞：ルーマニアのS.Cウズィーナ・オートメカニカ・モレニが開発した８×８輪装甲車Saur 2。サウル１の改良型で、エンジンをドイツ製にし、タイヤを大直径にして底面高を上げ、対地雷・対IED性能を向上させた。車体上面には大型砲塔の搭載も可能。全長7.7m、全幅2.95m、全高2.22m、重量16トン。機関出力325馬力、最大速度100km、航続距離600km。乗員３名＋乗車歩兵９名。参考：月刊PANZER5,’10

＜サウロ級＞：1018型（潜水艦）を参照。

＜サウンド・サプレッサー＞：減音器を参照。

＜サウンド・チャンネル＞：Sound Channel。海水温度が2-4度で一定となり、音速が最小となる地点のこと。ここにある角度で音が入ってくると、サウンド・チャンネル面の上下で音波が正弦波を描き、距離に反比例する円筒拡散損失を熱損失のみで伝播していくため、数千海里先まで音が届いていく。よって、サウンド・チャンネル付近の海中にパッシブソナーを設置すると、遠距離の潜水艦が発する雑音も探知できるが、周辺数千海里から発せられる全ての音からそれを判別しなければならない。参考：ザ・マーチ39号、月刊世界の艦船3,’07、8,’14

＜サウンドパワー＞：海上自衛隊の艦内通信機、通称無電池電話。大きめの送話口が付いたヘッドセットで、音声を電気信号に変換し、永久磁石を利用して増幅、相手側に送る仕組みになっており、電源が要らない。参考：MAMOR vol.100

＜左営＞：台湾海軍キッド級ミサイル駆逐艦Tsoying。元はアメリカ海軍キッド級ミサイル駆逐艦DDG-993キッドで、2006年に台湾海軍で再就役した。2014年9月17日、漢光30号演習に参加。2016年1月27日、高雄沖の南シナ海で公開訓練に参加。2019年5月、漢光35号演習に参加。2022年7月25-29日、漢光38号演習に参加。参考：月刊世界の艦船12,’14、6,’16、11,’19、11,'22

＜サエクィ１＞：イラン陸軍の対戦車ミサイルSaeqhe 1。ドラゴンまたは9M14Mマリュートカまたは9K113コンクールスの改造型といわれ、タンデム弾頭にしてあるらしい。参考：月刊PANZER3,’02、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サエゲ＞：イランが開発している武装UAV。ステルスUAVシムルグを武装化したものだが、兵装は胴体下に外装するので、ステルス性は無い。降着装置も付いておらず、テレビの映像では架台に載せられていた。参考：月刊軍事研究5,’17

＜サエゲ・シリーズ＞：イラン空軍国産戦闘爆撃機Saeghe（Saeque？Saegheh？雷の意。読みはサエク？サエケ？）、S100。イラン航空機製造工業が開発し、イラン歴1380年（西暦では2001年）に初飛行させる予定だったので、当初はサエゲ80と呼ばれていたが、開発遅延で80が外れ、試作初号機の初飛行は2004年5月30日になった。アザラフシュから24機が改造されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン9,’19

＜サエゲ＞： F-5EにF/A-18の双垂直尾翼を取り付けたような格好で、機首に小型レーダーを搭載するなどロシア製アビオニクスを積んで対地攻撃能力を強化したらしい。HUDも装備する。エンジンをどう調達しているかは不明で、最大速度的にアフターバーナーが付いていないという説があり、ロシア製エンジン輸入説や民間用エンジン流用説が出ている。全長15.89m、全幅8.3m。エンジンは双発、最大速度1700km、航続距離3000km。固定武装は20mm機関砲２門。爆弾など3.2トンを搭載できる。乗員１名。2006年から演習などに参加、2010年2月27日から部隊運用された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings12,’06、5,’15、2,’14、11,’14、月刊軍事研究4,’07、8,’11

＜サエゲ�U＞：高等練習機型Saeghe（雷電）�U。タンデム複座にしたもので、F-5FにF/A-18の双垂直尾翼を取り付けたような格好をしている。2015年2月9日に公開された。参考：月刊JWings4,’15、月刊軍事研究8,’15

＜サエゲ−８０＞：サエゲ・シリーズ（戦闘爆撃機）を参照。

＜サエッタ＞：MC200シリーズ（戦闘機）を参照。

＜嵯峨＞：日本海軍嵯峨型砲艦Saga。大正元年11月8日竣工、二等砲艦に類別された。昭和4年6-7月、佐世保工廠で改装を実施。8cm単装砲３門を撤去して8cm高角砲３門に積み替えた。昭和6年6月1日、等級が廃止されて単なる砲艦になった。昭和12年7月7日、日華事変勃発時は第５水雷戦隊に所属していた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第15戦隊所属だった。香港占領時にイギリスの船舶51隻を捕獲し、弾薬や軍需品を接収した。昭和18年9月12日、香港港外で爆撃を受けて小破した。昭和19年5月12日、中国沿岸の擔杵島南東70海里で敵機が前部マストに衝突し、損傷した。9月26日、香港沖で触雷して沈没した。浮揚して修理を受けていた昭和20年1月22日、香港第２工作部岸壁で爆撃を受けて大破着底した。3月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊世界の艦船2,’13、日本海軍艦隊総覧

＜サガー＞：9K11（対戦車ミサイルシステム）または9M14シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜サカール＞：イラクのパッシブ赤外線誘導爆弾。1989年のバグダッド武器展示会で発表された。固定翼及び前方カナード翼を持ち、先端に赤外線シーカーを内蔵する。投下角度25度以下という制限がある。最大射程8km。参考：軍事分析湾岸戦争

＜坂井菴＞：さかいいおり。日本陸軍エース。明治42年、岐阜県生まれ。所沢陸軍飛行学校で民間操縦士となる訓練を受け、昭和3年2月に陸軍予備下士官を志願、航空兵伍長として飛行第６連隊に配属された。5月、第２次山東出兵で中国に派遣された。11月、明野航空学校教官に転属。昭和7年、陸軍士官学校に入学、昭和8年末に卒業して少尉となり、明野で甲種学生教程を修了、所沢陸軍飛行学校の教官となった。その後明野の教官になり、昭和13年3月に飛行第２大隊に転属、3月11日に西安攻撃に参加した。3月25日、第１次帰徳攻撃でI-15戦闘機１機を撃墜。4月10日、第２次帰徳攻撃でI-15戦闘機３機を撃墜。5月20日、蘭封上空で１機を撃墜。飛行第64戦隊に移り、昭和14年8月20日からノモンハン事件に参加。終結後は東京城に移り、昭和16年7月に明野航空学校所属となった。昭和18年3月、少佐に昇進して航空審査部テストパイロットとなり、三式戦闘機のテストを実施、B-29爆撃機１機を撃墜した。その後は五式戦闘機のテストを行い、昭和20年2月11日に初飛行させ、終戦を迎えた。総撃墜数９機。最終階級は少佐。戦後は川崎重工にテストパイロットとして勤め、T-33練習機国産初号機を初飛行させている。昭和56年に病気で死去した。参考：日本陸軍戦闘機隊、月刊丸6,’14

＜坂井三郎＞：日本海軍エース。大正5年8月26日、佐賀県生まれ。昭和8年5月1日、佐世保海兵団に四等水兵（佐志水14749号）として入団した。9月、佐世保海兵団を卒業して三等水兵となり、10月1日に霧島の第15番副砲に配置された。昭和10年5月、海軍砲術学校に入校。200名中２番目の席次で卒業し、榛名の主砲分隊に配置された。昭和12年5月、霞ヶ浦航空隊第38期操縦練習生となった。7月、初歩練習機教程を修了し、中間練習機教程に移行。11月、第38期操縦術練習生教程を首席で卒業し、三等航空兵曹に進級した。佐伯航空隊で３ヶ月間の延長教育を受講し、高雄航空隊に転属。昭和13年9月、第12航空隊に配属された。10月5日、九六式艦上戦闘機で初陣を飾り、初撃墜を記録した。昭和15年5月1日、二等航空兵曹に進級。7月末、大村航空隊に移った。10月17日、高雄航空隊に移り、零戦への機種転換訓練を受けた。11月1日（昭和16年6月？）、一等航空兵曹に進級。昭和16年4月10日、第12航空隊零戦隊の横山保大尉から要請があり、第12航空隊に臨時で配属された。8月11日、成都飛行場攻撃に零戦で出撃し、I-16戦闘機を地上撃破した。10月1日、台南空に配属された。12月8日1045、太平洋戦争開戦で零戦を駆り、フィリピンのクラークフィールド飛行場攻撃に出撃。12月10日、ルソン島上空でアメリカ陸軍航空隊の英雄だったコーリン・ケリー大尉の搭乗するB-17爆撃機を撃墜した。昭和17年4月、ラバウル及びラエに進出。6月9日、B-26爆撃機編隊を襲撃し、ジョンソン上院議員（後に大統領）が搭乗していたB-26爆撃機を大破させた（とされ、ジョンソン上院議員にはシルバースターが授与されているが、実際にはジョンソン議員同乗機は戦闘前に故障で引き返していたらしく、別のB-26爆撃機を大破させたようである）。8月7日0800、ニューギニアのラビに向け出撃予定だったが、ツラギとガダルカナルに連合軍が上陸したため、初のガダルカナル行きに転用された。中攻27機を零戦18機で護衛することとなり、560海里先のガダルカナル島に出撃。ガダルカナル島付近でF4F戦闘機２機を撃墜し、小隊長機に合流するため高度を4000mに上げたところ、左から射撃を受けて風防を貫通された。見るとSBD艦爆が飛んでいたため、後下方から射撃を浴びせて撃墜。今度は東に敵艦上機８機編隊を発見し、F4F戦闘機と思い込んでしまい列機２機を引き離し一気に後方から100m以内にまで接近したが、後方銃座に連装機銃を装備するSBD艦爆だったため相打ちとなり、至近距離で集中砲火を浴びて頭部に１発被弾した。意識が朦朧となりつつも５時間かけてラバウルに帰還。西澤廣義一等飛曹と太田敏夫一等飛曹に支えられながら指揮所で司令に報告した後、ラバウル海軍病院で緊急手術を受けたが、頭部、顔面、右眼に食い込んだ弾片が除去できず、8月12日に九七式飛行艇で内地に送還された。この際、笹井中隊長からバックルを手渡されている。8月15日夕方、追浜に到着。8月16日に横須賀海軍病院に入院して弾片摘出手術を受け、佐世保海軍病院に移って右眼の治療を行ったが、視力は相当に低下している。担当医から原隊復帰を拒否されたため、病院を脱走して愛知県豊橋の第251航空隊に駆け込んだ。10月31日、飛曹長に進級。その後大村航空隊で教官となった。昭和18年4月13日、横須賀航空隊戦闘第701飛行隊に転属。8月1日、少尉に昇任。昭和19年6月16日、硫黄島元山飛行場に展開して迎撃戦に参加。しかし視力低下のため空戦が困難となり、部隊が横須賀に帰還すると第343航空隊に移って教官を務めた。昭和20年6月、横須賀航空隊に転属し、8月15日の終戦を迎えた。8月17日、B-32爆撃機を相手に最後の空戦を実施。9月5日、海軍中尉となった。9月30日に復員した。日華事変・太平洋戦争中に200回以上の空戦に出撃し、64機を撃墜した。その間の僚機乗員戦死はゼロ。空中戦で勝利するコツは、先に見付けて先に撃つこと。最終階級は海軍中尉。昭和23年、GHQ本部に呼ばれ、戦犯として取り調べられるかと思ったらAP通信のインタビューだった。以降は著作活動や海外を含む講演にも活躍。自分の書いた一字一句に責任を持たなければならないし、時には一部分だけが著者を離れて一人歩きを始めることもあるが、こんなに面白いことは無い、民主主義で言論の自由を認められたんだから、嘘はいけないが、思った通りに書いても検挙される心配はもう無いし、批判なんか怖くない、と娘に語っていたという。昭和32年、坂井三郎空戦日誌（昭和29年発行）の英語版”SAMURAI!”がアメリカで出版され、ベストセラーとなった。アメリカ海軍西太平洋艦隊航空司令官に招待され、厚木基地を訪問。昭和42年12月28日、来日したカンボジアのシアヌーク殿下の弟とカンボジア大使館で会見した。昭和53年8月15日、プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館の零戦五二型が日本で飛行を行った際の平和祈願慰霊祭に参加。昭和58年5月30日、坂井三郎戦史”Winged SAMURAI”をアメリカで出版したヘンリー・サカイダ氏がロサンゼルス近郊の自宅で開催した出版パーティに招かれ、自分を撃ったSBD艦爆後部射撃手ハロルド・ジョーンズ二等通信士（当時）と面会。飛行帽とゴーグルを損傷させたお詫びとして、テンガロンハットを受け取った。平成2年5月18-19日、月刊「丸」誌が企画した零戦50周年記念零戦体験ツアーでプレーンズ・オブ・フェイム航空博物館を見学し、零戦五二型の飛行音を聞いただけで出力を絞って飛んでいることを指摘するなど、往年のエースぶりを発揮した。この時はP-38戦闘機誕生50周年記念航空ショーも開催されており、P-38主任設計技師のホール・Ｌ・ヒッバード氏と握手を交わした他、訪れていたP-38の元パイロットらを相手に１時間以上もサインを書いていたという。平成6年11月25日、外国特派員協会での講演で天皇の戦争責任について問われた際、天皇は最高指揮官であるから責任は当然あると答え、巣鴨警察署から身辺警護の申し入れがあったが、断っている。平成7年、アメリカ空軍指揮幕僚大学卒業式典でチャック・イェーガーと面会した。平成12年9月22日、厚木基地でアメリカ海軍西太平洋艦隊航空司令部50周年記念祝賀夕食会に招かれたが、帰り際に体調不良を訴え、搬送先の病院で体調が急変し84才で死去した。10月14日のお別れの会での見送りの号令は「総員見送りの位置に着け、帽振れ」だった。参考：月刊丸1,’15増刊、12,’90、零式艦上戦闘機、月刊JWings12,’00、歴史群像8,’98、日本海軍戦闘機隊、世界の傑作機No.155

＜栄エンジン・シリーズ＞：日本海軍の航空機用ガソリンエンジン、略号NK1、試作名称は十試空冷エンジン、社内名称はNAM。中島飛行機製作所が昭和8年から設計し、昭和9年に試作初号エンジンが完成、昭和13年に採用された。光エンジンの大容積シリンダーに燃焼と冷却の問題が生じていたことから、シリンダーは光エンジンはおろか寿エンジンよりも小さいものを使用している。完成当初に始動困難が指摘され、空母発艦時の向かい風状況下では始動不可能とまで言われたが、単に熟練の問題だったため、要領さえ掴めば普通に始動できた。陸軍も一〇型系列を九九式九五〇馬力発動機ハ二五、二〇型系列をハ一一五として採用している。各型計30000基以上が生産された。参考：丸メカニック別冊１、歴史群像6,’08、月刊丸3,'18別冊、4,’99、1,'17別冊

　＜栄一一型＞：陸海軍統合名称ハ35-11、略符号NK1B。14気筒空冷複列星形ガソリンエンジンで、外径1150mm、乾燥重量530kg。ボア130mm、ストローク150mm、圧縮比7.2、総排気量27900cc。減速歯車の減速比は0.6875。気化器は中島製二連降流一〇〇甲型気化器。一段式過給器を持ち、増速比は7.12。燃料は92オクタンのガソリンである。離昇出力1000馬力（海面高度、回転数2550rpm、ブースト圧250mmHg）、公称出力980馬力（高度3000m、回転数2500rpm、ブースト圧150mmHg）。九七式三号艦上攻撃機に搭載された。当初は全力上昇（ブースト圧200mmHg、回転数2700rpm）時にピストン焼損事故が多発したが、上昇するにつれ薄くなる空気に対して手動でガソリン噴射量を調節する混合気調整装置に問題があり、ガソリン過濃となって異常燃焼が生じるためと分かり、自動混合機調整装置AMCを開発して解決した。参考：月刊丸4,’99、3,'18別冊、丸メカニック別冊１

　＜栄一二型＞：陸海軍統合名称ハ35-12、略符号NK1C。栄一一型の改良型で、過給器翼車直径を10mm増やして290mmとし、増速比を7.53にして高空性能を改善している。乾燥重量590kg。離昇出力940馬力（海面上、回転数2550rpm）、公称出力950馬力（高度4200m、回転数2500rpm）。零戦一一型、零戦二一型、二式水上戦闘機に搭載された。参考：月刊丸4,’99

＜栄二一型＞：陸海軍統合名称ハ35-21型、略符号NK1F。過給器を２速にして高空性能を強化したもので、栄二二型エンジンの全長に合わせるため、減速機ケースを延長した。エンジン後部に電動慣性起動器一型を装備する。２速メカニカル・スーパーチャージャー付14気筒空冷複列星形。全長1.63m、外径1.15m、乾燥重量590kg。ボア130mm、ストローク150mm、容積27900cc、圧縮比7.2。減速比0.6833。最大トルク500kgm。離昇出力1130馬力（回転数2750rpm、ブースト圧300mmHg）、第一速公称出力1010馬力（回転数2700rpm、ブースト圧200mmHg、高度2850m）、第二速公称出力980馬力（高度6000m。無過給だと481馬力）、常用最大出力820馬力（回転数2520rpm、ブースト圧75mmHg）。使用燃料は航空92揮発油。燃費は公称出力で毎時420リットル、同4/10（440馬力）で毎時122リットル。十三試双発陸上戦闘機用に開発され、二式陸上偵察機、月光、零戦後期型に搭載された。参考：月刊丸10,’93、4,’99、3,’18別冊、歴史群像6,’08、丸メカニック別冊１

＜栄二二型＞：十三試双発陸上戦闘機用に開発されたもので、二一型とはエンジンの回転を逆にして反対翼の二一型とトルクを打ち消すようにしてある。減速機に逆転機構を追加したため、全長が延びた。参考：歴史群像6,’08

＜栄三一型＞：水メタノール噴射装置を追加して出力増大を図ったもの。水メタノール噴射装置の開発に失敗して予定の出力が出ず、失敗作に終わった。第一速公称出力1180馬力（高度2700m）、第二速公称出力980馬力（6000m）。参考：丸メカニック別冊１、月刊丸3,'18別冊

＜栄三一型甲＞：水メタノール噴射装置を省いたもの。第一速公称出力1100馬力（高度2850m）、第二速公称出力980馬力（6000m）。参考：丸メカニック別冊１、月刊丸3,718別冊

＜サカガウェア＞：T-AKE-2（補給艦）を参照。

＜嵯峨型＞：日本海軍砲艦Saga型。治安が悪化した中国で日本の権益を保護するため建造されたもので、中国の旧式巡洋艦などにも対抗できるよう、強力な火砲を搭載している。船体は長船首楼型として航洋能力と居住性を高めた。前後２本のマストに加え、艦首に無線マストを持つ。全長67.7m、垂線間長64m、最大幅8.99m、吃水2.31m、基準排水量685トン、常備排水量785トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶はイ号艦本式石炭専焼水管缶２基、出力1600馬力、２軸推進、速力15ノット、燃料搭載量190トン。兵装は四〇口径四一式一二サンチ砲１門（前甲板）、四〇口径四一式八サンチ砲３門（艦中央両舷、後甲板）、6.5mm機銃４丁。乗員87名。大正元年に嵯峨が竣工した。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、月刊世界の艦船2,’13、月刊モデルアート9,’15増刊

＜坂川敏雄＞：日本陸軍エース。明治43年、兵庫県生まれ。昭和6年10月、陸軍士官学校を卒業して航空兵少尉となり、所沢で操縦学生課程を修了、明野で戦技教育を受け、飛行第１連隊に配属された。昭和11年7月、明野飛行学校甲種学生を修了、飛行第11連隊に配属され、第２中隊長となった。昭和14年3月、明野教官となった。9月、飛行第24戦隊第３中隊長となった。9月15日、ノモンハン事件のタムスク攻撃に参加。昭和16年8月、少佐となり、独立飛行第47中隊中隊長となった。12月8日、二式単戦を装備してサイゴンに進出。マレーとビルマで作戦に就き、本土に戻った。昭和17年10月、飛行第25戦隊戦隊長となった。昭和18年8月21日、漢口でB-24爆撃機１機を撃墜。昭和19年5月6日、P-51戦闘機３機を撃墜。昭和19年7月、明野に帰還。10月、飛行第200戦隊副戦隊長となり、フィリピンに展開。12月1日、飛行第22戦隊に転属。12月19日、本土帰還を命じられて輸送機に搭乗したが、離陸直後に墜落、死亡した。総撃墜機数十数機。最終階級は中佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜榊（初代）＞：日本海軍樺型駆逐艦２番艦。大正4年3月26日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正4年5月1日、第11駆逐隊に編入された。大正6年3月11日、第２特務艦隊第11駆逐隊の一員としてシンガポールを出撃して地中海に向かい、海上護衛作戦を行った。6月11日、オーストリア＝ハンガリー帝国海軍潜水艦U27の雷撃を受け大破したが、その後復旧した。昭和7年4月1日に除籍され、廃駆逐艦第１号となった。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’15

＜榊（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦41番艦。昭和19年12月29日に起工されたが、昭和20年4月17日に建造中止となり、戦後に解体された。参考：日本駆逐艦史

＜佐賀県豪雨（２０１９年）＞：2019年8月28日、佐賀県が大雨に襲われたため、0804に佐賀県知事から西部方面混成団長に情報収集と人命救助の災害派遣要請が出された。第４師団第４通信大隊や西部方面システム通信群がUAVで情報収集を行い、西部方面特科連隊第４大隊30名、第４師団第４施設大隊40名、第４高射特科大隊60名が孤立住民救助や救援物資輸送を開始。第４後方支援連隊や西部航空警戒管制団などは県内４カ所で野外風呂による入浴支援を行った。また、大町町の鉄工所が冠水して焼入油50キロリットルが市街地や農地に流出したため、佐世保地方隊20名がオイルフェンスなどを展開、西部方面特科連隊、第４師団第16普通科連隊、西部航空方面隊なども加わって油回収作業を実施している。第１輸送航空隊KC-767輸送機と第２輸送航空隊C-1輸送機は救援物資を輸送した。8月30-31日、第３輸送航空隊C-2輸送機が入間基地から佐賀空港に油吸着マットを輸送した。8月30日、入浴支援を開始。9月2日現在、防衛省統合現地調整チーム、西部方面ヘリコプター隊、西部方面混成団、西部方面後方支援隊、第４師団司令部、第41普通科連隊、第４偵察戦闘大隊、第４飛行隊、第４特殊武器防護隊、第４音楽隊、第８師団第８後方支援連隊、九州補給処、西部航空警戒管制団、西部航空施設隊、第５・第８航空団、第２高射群、新田原救難隊、長崎地本、佐賀地本なども加わり、延べ2000名が鉄工所からの油流出対応、入浴・給水、廃棄物集積、防疫、物資輸送、人命救助、音楽隊演奏などの各種支援を行っている。9月10日、油吸着マット15万枚による流出油回収作業を終了し、山口県知事を迎えて大町町で作業完了式を実施。9月18日現在、第４師団第４後方支援連隊、第８師団第８後方支援連隊、西部方面後方支援隊が４カ所で入浴支援を、第４後方支援連隊が大町町総合福祉保健センターで給食支援を実施中。10月6日、入浴支援を終了。延べ4200人が支援を受けた。大町町で災害支援活動終了式を実施。10月7日、武雄市で災害支援活動終了式を実施。佐賀県知事から撤収要請を受け、全活動を終了した。派遣規模は延べ10700名だった。参考：朝雲

＜佐賀駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。V-22輸送機装備輸送航空隊の駐屯地で、2014年7月に佐賀空港の北西側に建設が決定し、当初は2019年に開設する予定だったが地元の理解が得られず、2018年8月に佐賀県が受け入れを決定、2022年11月に有明漁協が自衛隊利用を認可し、2023年2月27日に佐賀県がアメリカ軍の非常駐や周辺環境・農漁業への配慮を条件に建設に合意、5月15日に有明漁協が駐屯地予定地の売却を正式に決め、6月12日から着工した。2025年6月までに隊庁舎、管理棟、格納庫３棟、駐機場、タキシーウェイ２本、1200キロリットル燃料タンク２基などを完成させて最低限の駐屯地機能を持たせ、以降は追加の駐機場、火薬庫、車両整備場、倉庫、体育館などの建設に入る。V-22輸送機17機に加え、目達原駐屯地のヘリ50機も移駐する予定。参考：月刊JWings9,’23

＜さかて＞：MSC-643（掃海艇）を参照。

＜サカテ＞：オーロラ・フライト・サイエンス社の無人機Skate。静音プロペラを２基装備しており、垂直離着陸と水平飛行が可能である。小型電子光学カメラや赤外線センサーの搭載が可能。参考：月刊軍事研究2,’11

＜坂戸飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和16年、埼玉県入間郡坂戸町に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜ザカフカス軍管区（ソ連軍、１９８９年）＞：南部戦略方面隷下で、トビリシに司令部がある。自動車化狙撃師団12個、空挺師団１個、砲兵師団１個、ヘリコプター620機（うちMi-8/-24ヘリ150機、Mi-6ヘリ20機）、Su-17/-24/-25/MiG-27対地攻撃戦闘飛行連隊６個240機、MiG-23/-29戦闘飛行連隊２個80機、Su-17/MiG-25偵察機30機を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜さがみ＞：AOE-421（補給艦）を参照。

＜相模＞：日本海軍戦艦。元はロシア海軍ペレスウェート級戦艦ペレスウェートで、1905年1月に鹵獲したものである。1916年4月、ロシアに有償譲渡された。参考：月刊世界の艦船6,’14

＜さがみ炎上事故＞：1988年7月6日、AOE-421さがみが四国沖を主機7/10全力・速力20ノットで航行していたところ、2240頃に１号主機４番シリンダーの連接棒が折れて主機下部クランクドアが脱落、損傷した部品が飛び散って運転諸元自動記録用データロガーに繋がる燃料細管や油圧配管を破壊し、損壊時の火花で発火して火柱が上がった。機械室には運転員２名がおり、初期消火を行おうとしたが、機械室右舷側を中心に急速に燃え広がったため、断念して一旦退室。激しい煙と高熱で消火作業は難航し、2330頃には主発動機も停止した。更に機械室のすぐ前方にある貨油タンクに延焼すれば大惨事になりかねなかったが、乗員全員による応急作業と７波に及ぶ消火チーム投入で7月7日0000過ぎに何とか消火している。0200、主発動機の再起動に成功。主機起動用圧縮空気タンクが生きていたため、焼けた電気ケーブルを張り直し、0400に２号主機を再起動して１軸運転により呉に帰港した。一酸化炭素中毒で１名が意識不明の重体となり、数名が負傷したが、治療により回復している。その後は取り敢えず応急修理で２号主機を復帰させ海上自衛隊演習に参加し、本格修理に入った。参考：月刊世界の艦船7,’14

＜相模海軍工廠＞：日本海軍の工廠。神奈川県寒川町にある。元は海軍技術研究所平塚出張所で、昭和17年に独立した。爆弾、焼夷弾、防毒マスクを担当する。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜さがみ型＞：海上自衛隊補給艦。はまな型給油艦はアスロックやミサイルを積めないなど能力に限界があり、護衛隊群（八六艦隊）を支援するのは無理があったため、１個護衛隊群の長期作戦を支援できる補給艦として４次防で建造された。護衛隊群の高速進出を支援するため、20ノット以上の最大速力を持たせることにしたが、洋上補給自体はやや後方の海域で行うことにしており、マスカーなどのノイズ対策や魚雷防御デコイ搭載などは実施せず、チャフも竣工後かなり経ってからの装備となっている。船舶用燃料と水だけでなく、ヘリコプター用JP-5燃料や、弾薬・部品といったドライカーゴも搭載し、給兵・給糧能力も持っており、はまな型よりも排水量が５割増しになった大部分を弾薬格納所に充てた。船型は船首楼型で、艦首にブルワークと短いナックルを持つ。主錨は艦首左右に１基ずつ用意されている。作業甲板は01甲板と第１甲板で、船首楼後方では第１甲板両舷が開放式になっているため乾舷が低く、波が入ってきて作業効率と安全性に問題を生じた。01甲板前部から中央に門型補給ポスト３基（補給ステーション計６カ所）があり、中央がドライ・カーゴ用、前後は燃料用となっている。また、上構直前の中心線上に力量４トンの補給物資搭載用中折れ式デッキクレーンがある。燃料補給ポストは上部にデリックブームを一体化したタイプで、プローブ式洋上給油に対応しているが、受油艦にはフランジ継手を使うものも多かったため、受油艦（くも型以降の護衛艦）のプローブ・レシーバー搭載改修が済むまではステーション２基をプローブ式、２基をフランジ式とした。JP-5用送油装置は後部補給ポスト（5-6番ステーション）に設置されており、フランジ継手の蛇管を艦船燃料用蛇管と一緒に繰り出す。送油ポンプは防爆性を考慮して蒸気駆動を採用しており、機械室後部のボイラー室に駆動用二胴水管缶（蒸気性状1.52MPa・215℃、蒸気発生量毎時15トン）を搭載している。スライディング・ブロックとラム・テンショナーにより、受油給艦との間に渡したワイヤの張力を艦の動揺や艦同士の距離に応じて自動調整するシステムを備えており、作業の効率化を図っているが、肝心の補給要員が少なく、ステーションの同時運用は２基が限度だった。洋上補給はスライディング・パッドアイとVERTREPで行う。艦内の第１甲板レベルには倉庫、第１弾薬格納所、荷扱所、補給用冷蔵庫などが設けられており、後方の冷蔵庫と中央前寄りの荷扱所は長さ40mのコンベア（荷扱所内で更に二股に分かれて両舷に達する）で結ばれている。艦内第2-4甲板レベルには倉庫、ドラム缶格納所、第2-4弾薬格納所、1-10番貨油タンク（４番と７番がバラストタンク兼用、９番と10番がJP-5専用）、1-6番燃料タンク（自艦用）、7-8番燃料兼臨時真水タンク（実際には全て真水を搭載）、真水タンク、1-2番臨時真水タンク、機械室、ボイラー室、修理部品格納所、舵機室などがある。貨油タンクは隣接区画が火災になっても60分耐えられる防熱能力を持たせた。船体が小型だったため、バラストタンクを貨油タンク兼用としているが、復元性を維持するためには貨油を使った分だけ常にバラスト水を入れておかねばならず、洋上給油や燃料搭載を行う度に手間のかかる注排水作業を行わねばならなかった。艦内左舷寄り前後に第１・第２昇降機があり、第１甲板の荷扱所まで補給物品を輸送するのに使用される。同一甲板レベルでの弾薬輸送用として天井クレーンが用意されており、昇降機に積み込む際などに使う。ドライカーゴの荷扱は高度な自動化を目指したが、冷蔵庫−コンベア−洋上移送用モッコの糧食パレット移し替え、弾薬パレットのワイヤー固定・取り外し、荷扱所から補給ステーションへのドライカーゴ移送などが人力のままだった。艦後部に箱形４層構造の上部構造物があり、航海艦橋（両舷一杯のウイング付き）、応急兼補給指揮所、CICを最上部04甲板に設置していて、補給作業と航海作業の監視を１カ所で行えるが、門型補給ポストの水平部分に前方視界の一部が塞がれるという欠点があった。03甲板は艦長室、上級指揮官用士官寝室、第１電信室、電信／レーダー機器室、02甲板は士官室、士官寝室、先任海曹室、先任海曹寝室、補給科事務室、01甲板は科員居住区、医務室、第２ポンプ制御室などに充てられている。上構両舷にスーパーバード衛星通信装置、上構04甲板後部にポールマスト（OPS-18対水上レーダー装着）を持つ。上構の後ろに太い煙突が１本立っており、両舷に重力式ダビットがあって左舷に7.9メートル型内火艇、右舷に11メートル型作業艇がぶら下がっている。煙突後方から艦尾にかけての上甲板がヘリ甲板で、煙突後端区画上部のヘリコプター管制室を使ってのHSS-2級ヘリコプター運用（VERTREP）が可能だが、格納庫は無い。全長146m、全幅19m、深さ10.8m、吃水7.3m、基準排水量5000トン、満載排水量9000トン（11600トン？）。主機は三菱重工製12DRV35/44ディーゼル２基２軸18500馬力、速力22ノット、航続距離9500海里（20ノット）。載貨重量5000トン。艦船用燃料送油能力毎分10キロリットル、JP-5送油能力毎分3.5キロリットル。主発電機は出力600kWのものを４基搭載し、洋上給油の際には３基を使用する（残る１基は予備）。兵装は35mm機関砲の後日装備を考慮していたが、結局積まなかった。乗員130名。日立造船舞鶴工場で建造され、AOE-421さがみが1979年に就役した。2000年度定期修理（2001年完工）で対艦ミサイル防御改修を施し、旗甲板（03甲板）にMk36チャフ発射機を搭載、艦橋ウイング下を拡張して機器室やチャフ弾庫を増設した。2005年に除籍された。参考：月刊世界の艦船7,’14、11,'17増刊、1,’04、1,’95、1,’79増刊、4,’98、5,’02増刊、6,’83、1,’02、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史

＜相模総合補給廠＞：在日米陸軍の補給施設Sagami General Depot。神奈川県相模原市にある。元は1938年（昭和13年）に開設された日本陸軍造兵廠東京工廠相模兵器製造所で、1945年にアメリカ軍に接収された。終戦時にフィリピンに残されていた大量の兵器と資材を整備することになり、1947年から小松製作所と日立製作所がここを利用して役務を負担している。1949年にアメリカ陸軍横浜技術廠相模工廠となり、1961年に相模工廠と相模倉庫地区が統合されてこの名称となった。ベトナム戦争で戦闘車両の修理を受け持ったため、反戦運動のターゲットにされている。ベトナム戦争後は機能を縮小、一部が日本に返還され、残りは物資の保管や修理施設に充てられた。2000年、メデックス2000演習が実施された。2006年5月の日米安全保障協議委員会で、戦闘指揮訓練センター（その後任務指揮訓練センターに改称）を設置することになった。2011年、指揮所演習用シミュレータを持つ任務指揮訓練センターが開設された。2013年9月1日、相模原市総合防災訓練が初めて本補給廠を会場として開催され、陸自、海自、在日米陸軍など121団体5000人が参加した。2014年9月1日、９都県市合同防災訓練が行われた。9月30日、17ヘクタールの土地が日本に返還された（再編の実施のための日米ロードマップに基づく本土での初返還）。2018年10月31日、第38防空砲兵旅団司令部が新編された。参考：月刊軍事研究4,’10、6,’13、7,’15、月刊航空ファン1,’19、MAMOR vol.98、朝雲

＜相模野海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。神奈川県高座郡にある。飛行機整備教育を行う。後に第一相模野海軍航空隊に改称された。参考：陸海軍学校と教育

＜相模飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和15年、神奈川県愛甲郡中津村で用地買収を行った。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく機密飛行場に指定された。参考：首都防空網と空都多摩

＜相模丸＞：日本海軍特設艦船（輸送船）。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第９根拠地隊所属、兵力部署では馬來部隊第２航空部隊第12航空戦隊所属で、マレー攻略戦に参加。昭和17年2月18日、バリ島攻略作戦に参加。参考：日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜サカラ＞：M314（掃海艇）を参照。

＜サガラ＞：P822（哨戒艦）を参照。

＜相良丸＞：日本海軍相良丸型特設水上機母艦Sagara maru。昭和15年11月12日、日本郵船の貨物船として竣工。昭和16年9月11日に徴用され、9月20日に特設水上機母艦となった。昭和17年12月1日、特設運送艦に転籍した。昭和18年6月23日、御前崎西でSS-257ハーダーの雷撃を受け座礁し、放棄された。9月1日に解役された。参考：日本航空母艦史、写真集日本の小艦艇

＜相良丸型＞：日本海軍特設水上機母艦Sagara maru型。元は日本郵船Ｓ型高速貨物船で、海軍が将来の徴用を見込んで２軸推進にしておいたらしい。後甲板のデリックを撤去して水上機移送軌条を設け、左舷側にカタパルト１基を搭載、兵装や舷外電路などを追加した。船倉には発動機調整所、補機格納庫、弾火薬庫、軽質油庫、居住区などを設置している。水線長146.22m、最大幅19m、平均吃水9.83m、総トン数7189トン。主機は三菱マン式ディーゼル２基２軸9600馬力、速力19.6ノット。兵装は四〇口径安式十五サンチ単装砲２門（前後甲板）、五年式短八サンチ高角砲２門（上構後部両舷）、25mm連装機銃２基（艦橋ウイング両舷）、7.7mm単装機銃２丁。カタパルト１基と水上機12機（前部に零式水観２機と零式三座水偵２機、後部に零式水観６機と零式三座水偵２機）を搭載する。相良丸と讃岐丸が昭和16年に就役した。讃岐丸は後に15cm砲を撤去している。参考：日本航空母艦史、月刊世界の艦船11,’00、月刊モデルアート9,’15増刊

＜サガリカ＞：インド軍潜水艦発射弾道ミサイルK-15 Sagarika。アリハント級戦略原潜用に開発されたが、計画公表当初は正体がはっきりせず、プリトヴィをベースとした射程250-300km・ペイロード0.5トンのSLBMという説、シャウルヤMRBMをベースとした射程1000-2000km級のSLBMという説、巡航ミサイルという説まで出されていた時期があった。全長10m、直径0.74m、発射重量5-7トン、弾頭重量0.18-1トン。Mk4（重量0.18トン、威力17キロトン）／Mk5（重量0.34トン、威力50キロトン）／Mk6核弾頭（重量0.55トン、威力150キロトン）の搭載も可能。推進は固体燃料ロケット２段式、１段目ロケットで高度5000m・２段目ロケットで高度33000mに達し、慣性で高度50000mまで上昇した後、後翼制御で下を向いて目標に向かうが、この際に巡航滑空もできるらしい。最大射程750km（最大ペイロード）−1900km（最小ペイロード）で、インド洋からパキスタン国土の半分を狙える。誘導はGPS、CEP50-100m（民間GPS）／3-5m（軍用GPS）。2008年、深度50mの水中プラットフォームからの発射実験に成功。2011年1月20日に発射実験を行う予定だったが、ポンツーンの準備が間に合わずに延期された。2013年1月27日、発射実験に成功した。高度70kmで第１段を切り離し、第２段は高度200kmに到達、飛翔速度はマッハ７だったという。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、4,’11、5,’13、5,'20、月刊軍事研究12,’16、10,’17、7,’05、5,’01、1,’11、月刊丸2,’12、5,’13

＜サカリャ＞：トルコのロケットサン社が開発した自走多連装ロケットシステム。122mmロケット（射程40km）と107mmロケット（20連装）が用意されており、ロケット弾は複合材製密閉式ランチャーに入っていて、発射後はランチャーごと交換すれば射撃準備が整う。参考：月刊軍事研究8,’09

＜サガル・パワン＞：インド海軍航空隊のアクロバットチーム。HJT-16キラン練習機を使用する。参考：月刊世界の艦船3,’10

＜サカルヤ＞：S354（潜水艦）を参照。

＜酒匂＞：日本海軍阿賀野型軽巡洋艦。昭和17年11月21日起工、昭和19年11月30日竣工。既に洋上作戦を行える戦況では無く、竣工後は瀬戸内海西部で訓練に回された。昭和20年5月26日、北九州水道で触底した。重油欠乏で訓練がままならなくなると、待機部隊に編入されて呉から舞鶴に回航され、そのままほぼ無傷で終戦となった。戦後は兵装を撤去して特別輸送艦となり、復員任務に就いた。昭和21年2月、アメリカ軍に接収された。昭和21年7月1日、ビキニ環礁でクロスロードＡ作戦の標的艦となり、7月2日に沈没した。参考：連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船7,’11、日本海軍艦隊総覧

＜査干湖＞：967（補給艦）を参照。

＜鷺（初代）＞：日本海軍隼型水雷艇Sagi。明治37年3月22日竣工。大正12年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜鷺（２代目）＞：日本海軍鴻型水雷艇７番艦Sagi。昭和12年9月20日竣工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第５艦隊、兵力部署では北方部隊主隊に所属していた。昭和18年8月31日、南シナ海で潜水艦の雷撃を受けて中破した。昭和19年2月7日0800、モタ〇二船団の護衛として六連島を出撃。11月8日、ルソン島の西でSS-253ガンネルの雷撃を受けて沈没した。昭和20年1月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、小艦艇入門、輸送船入門、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜さきちゃん、もりくん＞：徳島地方協力本部のマスコットキャラ。名前の由来は地元阿波踊り連のさきもり連で、モチーフはブランド地鶏、双子の姉弟という設定で、阿波踊りのコスチュームに迷彩柄の法被を着ており、徳島地方協力本部の阿波踊り連に所属している。総務課隊員の長女・次女がデザインした案をベースとし、徳島市内に製作スタジオがあるアニメ会社が完成させ、2009年8月に誕生した。参考：朝雲、MAMOR vol.132

＜さきと＞：MSC-607（掃海艇）を参照。

＜崎戸＞：日本海軍日振型海防艦Sakito。昭和20年1月10日竣工、呉防備戦隊に編入された。2月28日、佐世保を出港して朝鮮南部へ向かう船団の護衛に付いた。6月27日、朝鮮の長久水道で触雷して損傷した。終戦時は釜山にいた。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜崎戸丸＞：日本郵船貨物船。総トン数9245トン。昭和18年3月27日、アッツ島沖海戦に参加。昭和19年3月、沖大東島南で雷撃を受けて沈没し、2475名が戦死した。参考：輸送船入門、日本海軍艦隊総覧

＜サギノー＞：LST-1188（戦車揚陸艦）を参照。

＜サギノー・オジブワ・アニシナベ＞：T-ATS-8（航洋救難曳船）を参照。

＜サギノー・ベイ＞：CVE-82（護衛空母）を参照。

＜崎辺分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地で、さきべと読む。相浦駐屯地の分屯で、長崎県佐世保市崎辺地区にあり、佐世保湾内の岬の突端部に位置する。元は佐世保重工がアメリカ海軍LCAC整備拠点にしていた場所で、LCAC用スロープが設置済みであり、海自LCACを陸揚げしたり、AAV7の運用に転用したりできる。海自佐世保教育隊やアメリカ海軍LCAC停泊場に隣接していて、相互運用にも便利。敷地面積134000平方メートル。隊舎、体育館、入水点検槽（AAV7漏水点検用。水深4.4m）、シャワー設備、陸上訓練場、着上陸訓練場などがある。2017年度末に開設して水陸機動団戦闘上陸大隊の本部と第１戦闘上陸中隊が新編される予定だったが、工事が遅れて2018年3月27日の水陸機動団新編に間に合わず、両部隊は相浦駐屯地で新編された。2019年3月26日に開設され、水陸機動団戦闘上陸大隊本部／本部管理中隊と第１戦闘上陸中隊の隊員160名及びAAV水陸両用装甲兵員輸送車８両が移駐した。6月5日、東部方面隊３自衛隊統一就職援護広報に協力し、研修を行った。参考：朝雲、月刊PANZER6,’18、MAMOR vol.158

＜サキ砲�U型＞：日本陸軍の高射機関砲。試製一式三十七粍高射機関砲を二式多連二十粍高射機関砲と同様の多連式にしたものである。発電車や指揮具が富士電機で製作されたが、肝心の機関砲の生産が遅れたため、開発中止となった。参考：大砲入門

＜先細りコーティング＞：潜水艦側面に貼り付けるおがくずの混合物。音響吸収効果がある。参考：月刊丸8,’98

＜さきモン＞：大分地方協力本部のマスコットキャラ。防人／高崎山のさきとモンキーのモンを組み合わせたネーミングで、2014年に製作された。陸海空の３パターンある。参考：MAMOR ｖol.132、朝雲

＜作業船＞：海上自衛隊第１種支援船YD（Yard Diving）。ドック内の潜水作業（船底やスクリューの修理など）を主任務とする船舶である。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、1,’95、自衛隊装備カタログ1981

＜作業船１号＞：海上自衛隊作業船。ヤマハの市販モーターボートを購入したものである。FRP製で、全長7.6m、全幅1.9m、深さ0.8m、常備排水量0.46トン。エンジンは船外ガソリンエンジン、出力25馬力。YD-01、YD-02の２隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜作業船３号＞：海上自衛隊作業船。FRP製で、全長6m、全幅2.4m、深さ1.2m、吃水0.4m、基準排水量1.6トン。推進はガソリンエンジン、速力14ノット。１隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜作業船４号＞：海上自衛隊作業船。FRP製で、全長6.4m、全幅2.1m、深さ0.7m、吃水0.7m、基準排水量1.6トン。ガソリンエンジン船外機で推進する。１隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜作業艇揚収装置＞：カヤバシステムマシナリー社の11メートル作業艇用揚収装置。荒天時でも揚収作業を安全に行えるよう、揚収用フックを従来のフォーリングフック（重量56kg）からボールフック（3kg）へと大幅に軽量化し、自動ロック機構を追加した。また、作業艇着水時の衝撃吸収能力を向上させるため、従来のバネ式衝撃緩和機構（最大衝撃吸収幅0.15m）に換えて油圧式ショック・アブソーバー・ウインチ（最大衝撃吸収幅1.7m）を装備している。ましゅう型補給艦、あたご型護衛艦、ひゅうが型護衛艦、あきづき型護衛艦などに搭載され、使い勝手の良さから平成23年度防衛調達基盤協会賞を受賞した。参考：朝雲

＜作業服＞：迷彩服（陸上自衛隊、旧型）を参照。

＜作業服（アメリカ海兵隊）＞：アメリカ海兵隊の戦闘服。1942年中頃にヘリンボンツイルと呼ばれる頑丈なコットン生地を使用した作業ズボンと上着が開発され、サービスドレス・ユニフォームに替わって戦闘時に着用されるようになった。しかしベースが日常作業用の服なので、上着の下方左右に付けられた上開きのポケットがサスペンダーで塞がって取り出しにくい、ズボンの腰ポケットも普通のものと同じで出し入れしにくいなどの欠点があり、戦闘用としては使い勝手が悪く、1944年頃に改良型が登場している。両胸に大型のポケットを装備し、内方に縦開きの入り口が用意されていて、サスペンダーを付けても出し入れがしやすい。左胸のポケットの上にはもう１つ小さなポケットが付いていて、こちらは上方に横開きの入り口がある。ズボンの方には両脇のポケットの他に臀部にも大型ポケットが付いていて、レーションや靴下を入れるのに使用された。また、前開きはボタン留めで、内側に大きなフラップがあり、化学兵器を浴びても中にまで入り込まないようになっていた。ただ配布が間に合わず、硫黄島上陸作戦時にも大部分の海兵隊員は1942年モデルを着用している。参考：月刊丸5,’07

＜作業部署＞：海上自衛隊の部署の１つ。出入港部署（総員配置）、航海保安部署、狭視界航行部署（霧中航行部署）、荒天部署、派遣防火隊部署、洋上補給部署、ハイライン部署、洋上弾薬補給部署、臨戦準備部署、艦内閉鎖部署、灯火管制部署、曳船・曳かれ船部署、航空機救難部署、海難救助隊派遣部署、出入渠部署、非常配食部署、貯糧品搭載部署、弾薬搭載部署、ヘリコプター発着艦部署、艦内公開部署、礼砲部署など22に細分されており、それに応じた各種作業を行う。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊

＜狭霧＞：日本海軍吹雪型駆逐艦16番艦Sagiri。昭和6年1月30日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第20駆逐隊、兵力部署では馬來部隊主隊に所属していた。12月24日、クチン北方30海里でオランダ潜水艦の雷撃を受けて沈没した。昭和17年1月15日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜サギング＞：艦首と艦尾に波の山、中央に波の谷が位置すること。艦首尾で浮力が増加、中央で浮力が減少し、船体中央部に下向きの力がかかる。参考：図解船の科学、艦船メカニズム図鑑

＜サクール１＞：サウジアラビアのキングアブドゥルアジズ科学技術都市が開発したUAV。自動離着陸を行える。巡航高度6000m、航続距離2500km、航続時間24時間。FT-9誘導爆弾、M-4/M-3空対地ミサイル（中国航天科技集団公司製AR-1に似ている）で武装化が可能。2017年5月11日に公開された。参考：月刊軍事研究11,’17

＜作壕車＞：日本陸軍の立射散兵壕構築用装軌車両。バケツ状の掘削装置を全周に取り付けた巨大な車輪を回転させ、毎時600mで壕を掘ることができる。日野重工業が試作したが、制式化には至らなかった。参考：工兵入門

＜サクサ＞：海上自衛隊の略号で、作戦幕僚のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜サクシフラージュ＞：イギリス海軍アンチューサ級スループSaxifrage。1918年1月進水。第１次大戦ではＱシップとして使用された。1922年、プレジデントに改称された。テムズ川で就役当時のダズル迷彩（配管を組み合わせたような奇妙なもの）を施して展示されている。参考：月刊世界の艦船4,’15

＜サクシフレイジ＞：K04（コルベット）を参照。

＜さくしま＞：MCL-727（掃海管制艇）またはMSC-671（掃海艇）を参照。

＜朔州＞：610（コルベット）を参照。

＜鑿井車＞：日本陸軍の車両。日野重工業製。参考：工兵入門

＜作井中隊＞：日本陸軍の工兵部隊。太平洋戦争ではボルネオと蘭印で油田掘削も行っている。参考：工兵入門

＜鑿井トラック＞：日本陸軍の車両。日野重工業製。参考：工兵入門

＜サクセサー級＞：ドレッドノート級（戦略原潜）を参照。

＜サクセス＞：G26（駆逐艦）を参照。

＜サクセス＞：オーストラリア海軍サクセス級補給艦１番艦Success。1986年就役。1996年5月22日から6月22日、リムパック96に参加。2009年9月13-17日、東京港に寄港。9月17-20日、日豪共同訓練に参加。9月21-24日、呉に寄港。9月24-26日、日米豪共同訓練に参加。2014年12月、ソマリア海賊対処のためアデン湾に派遣された。2015年2月4日、フランス海軍ミサイル駆逐艦D621シュヴァリエ・ポール、フリゲートF714ゲプラット、ドイツ海軍フリゲートF214リューベック、イギリス海軍フリゲートF78ケントに洋上補給を行った。2016年4月22日、L01アデレード、FFH155バララトなどと共に、シドニー沖で海上自衛隊DD-132あさゆき、DD-158うみぎり、SS-503はくりゅう、SH-60Jヘリ２機との共同訓練に参加。9月12-24日、カカドゥ2016演習に参加。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2019年4月、インドとの共同演習AUSINDEXに参加。6月、最後の航海を実施。9月29日、シドニーで退役式典を実施。参考：月刊世界の艦船9,’96、6,’05、7,’15、7,’16、8,’16、12,’16、10,’18、9,’19、朝雲

＜サクセス級＞：オーストラリア海軍補給艦Success級。フランス海軍デュランス級補給艦をベースに国産したものである。艦橋構造物と煙突の間に門型補給ポスト２基があり、給油及びドライ・カーゴ用移送装置がそれぞれ用意されている。後部甲板にはVERTREP用ヘリ格納庫（１機分）がある。全長157.2m、満載排水量17933トン。主機はディーゼル、出力20800馬力、２軸推進、速力20ノット。艦艇用燃料8707トン、弾薬250トンなど計10200トンを搭載できる。防御兵装は40mm単装機関砲３門、20mmCIWS２基、12.7mm機銃４丁。1986年にサクセスが就役した。参考：月刊世界の艦船6,’05、11,’00

＜作戦＞

＜作戦（アメリカ陸軍教範ＦＭ１００−５）＞：戦略目標達成のために計画、遂行、維持されるもの。運用方策に基づき戦術部隊に役割を付与する。参考：月刊軍事研究2,’98

＜作戦（陸上自衛隊）＞：防衛目的を達成するための戦闘を含む行動。諸職種連合部隊が侵略事態などにおける任務を達成するため、１ないし数正面で行う、数次の戦闘を主体とする一連の行動。そのための計画は防衛計画と呼ばれる。参考：月刊軍事研究2,’13、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜ザクセン＞：F219（フリゲート）を参照。

＜ザクセン＞：ドイツ海軍ザクセン級計画戦艦Sachsen。1916年11月21日に進水したが、1918年に建造中止になり、1919年11月3日に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’12、近代戦艦史

＜作戦９００９＞：ディスカバラー14号衛星によるソ連撮影作戦。ソ連領土165万平方マイルを撮影し、作戦は成功した。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ザクセン・アンハルト＞：F-224（フリゲート）を参照。

＜ザクセンヴァルト級＞：ドイツ連邦海軍敷設艦。機雷600個以上を搭載できる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜作戦基本単位＞：軍隊の編成・運用の基本となるもので、様々な作戦機能を持ち、一定に期間に亘り重要正面の作戦を担当できる、諸兵科連合最大の編制部隊。陸軍では歩兵や機甲部隊（戦車、装甲車）を中心に、戦闘支援部隊（砲兵、対空部隊、航空部隊）、技術支援部隊（工兵、通信、NBC防護）、兵站部隊（輸送、補給、整備、医療衛生）、行政支援部隊（憲兵、会計、音楽）などを配したものである。参考：月刊軍事研究11,’09

＜ザクセン級＞：F124型フリゲートを参照。

＜ザクセン級計画戦艦＞：ドイツ海軍計画戦艦。バイエルン級超弩級戦艦の小改良型で、バイエルン級に含むこともある。全長182.4m、幅30m、吃水8.4m、常備排水量28345トン（ザクセン）／28247トン（ヴュルテンベルク）。主機は改良パーソンズ式高低圧串型直結蒸気タービン２基＋MAN型２サイクル６気筒ディーゼル機関２基（ザクセン）／AEG−フルカン式直結蒸気タービン３基（ヴュルテンベルク）、主缶はシュルツ・ソーニクロフト混焼缶12基、出力48000馬力（ザクセン）／43800馬力（ヴュルテンベルク）、３軸推進、速力22ノット（ザクセン）／21.5ノット（ヴュルテンベルク）、航続距離5000海里（13ノット）。兵装は45口径38cm連装砲（最大仰角16度）４基、45口径14.9cm単装砲16門、60cm水中発射管５門。装甲厚は水線部350mm、甲板120mm、バーベット350mm、砲塔前楯350mm、司令塔350mm。乗員1165名（ザクセン）／1196名（ヴュルテンベルク）。ザクセンとヴュルテンベルクの２隻が1916-17年に進水したが、完成前に第１次大戦が終わって建造中止となった。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’20

＜作戦計画３７＞：アメリカ海軍太平洋艦隊が1941年7月に策定した、対日戦争計画。オレンジ計画に基づいており、日本軍がフィリピン・グアム・インドネシアを攻撃したと仮定し、これに対してハワイを拠点に開戦13日後にはミクロネシアに上陸作戦を行って反撃に出るというものだった。実際には第２次大戦中で戦力が大西洋艦隊に引き抜かれており、全面攻勢による対処は無理で、進撃する日本海軍艦隊を迎え撃つ形でウェーク島またはミッドウェイ島の近くで陸上航空部隊の支援を受けて空母決戦に入り、勝利したら主力艦隊の決戦を実施、敗北して制空権が確保できなければ主力艦隊は撤収して次の機会を待つこととしている。参考：月刊世界の艦船4,’17、歴史群像2,’01

＜作戦計画１００２−９０＞：アメリカ中央統合軍の作戦計画、略称テン・オー・ツー。1990年7月に行った1990年度指揮所演習に基づいて作成したが、直後に湾岸戦争が発生し、これに基づいてデザート・シールド作戦を発動した。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜作戦計画１００３Ｖ＞：アメリカ軍によるイラク戦争の作戦計画。特殊部隊が3月20日0300（日本時間。イラク時間3月19日2100）からイラク領内に侵入（Ｓデイ）し、3月22日0300（イラク時間3月21日2100）に大規模爆撃を実施（Ａデイ）、その９時間後に地上部隊が侵攻する（Ｇデイ）予定だったが、イラク首脳部に対するピンポイント攻撃が急遽行われることになり、Ａデイを１日延期し、ＧデイをＡデイと同時刻に変更して作戦が実施された。参考：月刊軍事研究6,’03

＜作戦計画５０１５＞：2015年6月にアメリカと韓国が署名した、対北朝鮮用作戦計画。作戦計画5027の後継で、全面戦争のみならず、軍事衝突のレベルに応じた具体的対応を計画している。北朝鮮が局地的な挑発に引き続いて核兵器やミサイル攻撃を行うと予想される際には、4D作戦などで対応する。奇襲核攻撃の恐れが高く韓国に甚大な被害が予想される場合には、奇襲攻撃兆候探知後30分以内に特殊部隊による作戦を含む先制攻撃を行い核戦力無力化を実施、更には平壌急襲作戦や金正恩襲撃作戦で政治・軍事指揮系統を壊滅させることも想定している。同時に速やかにアメリカ軍増援戦力を展開させ、米韓連合軍で全面反攻を行う。韓国軍も北朝鮮首脳部急襲作戦に類似したKMPR作戦を発表した。2015年8月27日、アメリカ海軍と韓国海軍が海軍構成軍司令部・作戦計画5015の基本文に署名した。参考：月刊軍事研究6,’16、7,’16、8,’16、8,’17、月刊世界の艦船12,’16

＜作戦計画５０２６＞：アメリカ太平洋軍による北朝鮮先制攻撃計画OP5026。1993-94年の北朝鮮核危機の時に計画された、寧辺周囲核施設の先制攻撃計画をベースに製作されたとされる。韓国など周辺各国の協力無しに、アメリカ軍単独で航空攻撃をかけ、短期間に北朝鮮の軍事・政治機構を完全に破壊して体制崩壊を図る内容らしい。参考：月刊軍事研究1,’05

＜作戦計画５０２７＞：アメリカ軍が1992年から２年ごとに作成した、米韓連合軍による北朝鮮との戦闘計画OP5027。1994年3月23日に韓国国防相が韓国国防委員会に資料を提出して存在が公表された。奇襲兆候を早期に探知してアメリカ軍増強により開戦を断念させ、失敗した場合にはソウル北方で攻撃を阻止し、後方を爆撃、アメリカ軍の増援を待って反撃し武力統一を行う計画である。当初は戦争兆候探知・アメリカ軍戦力急派による戦争抑止の第１段階、ソウル以北での南進阻止と後方壊滅の第２段階、増援到着・反撃北進・海兵隊北朝鮮上陸の第３段階、ピョンヤン占領の第４段階、南北統一の第５段階から成る。1996年版では日本の後方拠点基地としての役割が明確になった。1998年版では、1994年の核危機の際の検討を元に、北朝鮮が先制奇襲攻撃の際に生物化学兵器（弾道ミサイル弾頭含む）を使用する可能性が高いと判断、ソウルの機能不全による国家機能不全を防ぐため、ソウル防衛を最優先事項とし、ソウル周辺を射程に収める重火器・航空戦力を真っ先に殲滅させることになった。平時の消防用マスクと有事の防護マスクを兼ねる多目的防護マスクを開発し、有事にソウル市民から優先配布する計画も立てている。元山上陸作戦に加え、西海岸の南浦付近にも小規模の上陸作戦を行うことが検討された。第６段階として軍政実施プログラムが加わったが、北朝鮮を自国領土の修復地域と見なす韓国と、占領地域と見なすアメリカとの間で立場の隔たりがあり、具体的にどういう軍政を敷くかは決まっていないらしい。2000年度版では、アメリカの投入兵力として69万人という数字が出された。2002年版ではアメリカ単独の先制攻撃や金正日暗殺などが盛り込まれたらしい。2004年版では、弾道ミサイル防衛が加えられ、イラクやアフガニスタンに部隊を回した分、韓国軍を主力として想定しているという。2015年6月、新たに作戦計画5015が採用されたが、その後も引き続き使用されている。参考：月刊軍事研究6,’16、7,’16、8,’16、1,’05、5,’03、6,’03

＜作戦計画５０２８＞：アメリカ軍の作戦計画OP5028。朝鮮半島有事を想定したものだが、内容は不明。参考：月刊軍事研究6,’16

＜作戦計画５０２９＞：アメリカ軍の作戦計画OP5029。北朝鮮崩壊後の安定化政策で、1999年8月に存在が明らかとなったが、内容は不明。参考：月刊軍事研究1,’05

＜作戦計画５０３０＞：アメリカ軍の作戦計画OP5030。北朝鮮への謀略戦・心理戦計画で、2003年5月にラムズフェルド国防長官が製作させた。偽情報を流して混乱させるくらいの内容で、挑発行動を取って臨戦態勢を取らせ、軍の物資を浪費させたりもするらしい。参考：月刊軍事研究10,’03、1,’05

＜作戦計画５０５１＞：アメリカ軍の作戦計画。1978-81年に作成された。ソ連が日本に侵攻するシナリオで、第一波として空挺部隊が３方向から攻め入り、続いて２個師団が上陸してくる。これに対し、アメリカが本土から日本に３個師団を展開させるのに最低２週間かかるので、その間自衛隊が本土を守りきるという計画だった。参考：月刊PANZER1,’98

＜作戦計画５０５２＞：アメリカ軍が作成しようとした、極東有事が日本に波及するシナリオ。あまりに生々しく、日本を交えて議論するには無理があったので、作成が中止された。参考：月刊PANZER1,’98

＜作戦計画５０５３＞：アメリカ軍の作戦計画。1983-95年に作成された。中東で発生した戦争が東西代理戦争となり、ソ連軍がアメリカの後方支援基地となっている日本に攻撃を仕掛けるというもので、主に基地に対する航空攻撃と、艦船に対するミサイル攻撃を想定していた。参考：月刊PANZER1,’98

＜作戦行動半径＞：戦闘行動半径を参照。

＜作戦支援空輸軍団＞：OSACOM（Operational Support Airlift COMmand）と略す。参考：月刊航空ファン10,’16

＜作戦システム運用隊＞：航空自衛隊の組織、Operations Support Wing。航空情報の収集、関係部隊などへの情報提供、横田基地での隊員生活等に関する業務を主任務とする。2014年3月26日、航空総隊隷下に横田基地で新編された。2016年5月5日、アメリカ空軍横田基地内のジョアン・ケイ・メンデル小学校で餅つき体験に協力した。2017年5月25日、アメリカ空軍横田基地のヨコタハイスクールで実施されたアジアンパシフィックデイに協力し、餅つき体験を行った。2018年2月14-15日、航空総隊直轄部隊対抗調理競技会に参加。2019年9月9日に上陸した台風15号被害の災害派遣に参加。2020年3月1日、通信電子隊隷下に監視対処班（班長以下13名）を新編し、作戦システムセキュリティ監視装置の運用を開始、同装置の火入れ式を行った。12月26日、西多摩郡イオンモール日の出店で東京地本が行ったイベント防災フェアに協力し、軽装甲機動車を展示した。2021年3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、１級賞状が授与された。2022年3月30日、指揮所運用隊が首相官邸で岸田首相から令和3年度内閣総理大臣特別賞状を授与された。2023年4月18-21日、サイバー防衛演習ロックド・シールズ2023に参加。参考：航空総隊ホームページ、月刊JWings8,’14、3,'21、朝雲、MAMOR vol.155

　＜作戦システム運用隊（２０１５年）＞：航空総隊隷下で、横田基地に置かれている。隷下に作戦システム管理群などを置く。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊航空ファン4,'16

＜作戦システム管理群＞：航空自衛隊の部隊。JADGEなどのソフトウエア管理を主任務とする。2014年、プログラム管理隊から改編されて作戦システム運用隊隷下に入間基地で創隊された。2015年度、航空総隊戦術データリンク巡回教育を開始。2017年2月8-9日、入間基地で航空総隊サイバー攻撃等対処等集合訓練（基礎）を実施。各部隊から集合した19名に、情報セキュリティの概論と関係規則や、サイバー攻撃等の脅威といったテーマで、サイバー攻撃などへの対処能力向上訓練を行った。6月2-9日、那覇基地で航空総隊戦術データリンク巡回教育を実施。参考：朝雲

＜作戦システム管理群（２０１５年）＞：作戦システム運用隊隷下で、入間基地に置かれている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜作戦システムセキュリティ監視装置＞：航空自衛隊のサイバー防衛装置、略称PITS3（Platform Information Technology Security Surveillance System）。作戦系システムのセキュリティ監視が主任務で、検知情報の高度な分析を行える。2020年3月1日に作戦システム運用隊通信電子隊監視対処班で運用が始まった。参考：朝雲

＜作戦システム通信隊＞：航空自衛隊の部隊。横田基地に置かれている。2015年3月12日、平成26年度体力測定�T練成成果の部で２位となり、空幕長から表彰された。参考：朝雲

＜作戦術＞：Operational Art。戦略と戦術の間を埋め、両者を結ぶ概念で、戦術的勝利を戦略的勝利に繋げるものである。ソ連軍が1920年代に定義したのが始まりだが、19世紀後半にプロイセン軍の大モルトケが同様の概念を「作戦的な」という形容詞で表しており、こちらを元祖とする説もある。第２次大戦中期以降、ソ連軍が戦役として実行し、ドイツ軍への勝利に繋げた。アメリカ軍では導入が遅れてベトナム戦争では戦術的勝利を重ねても戦略的に勝利できず、FM100-5の1986年改訂で漸く本格的に取り入れた。戦略と違い、政策との接点が無いので、軍ではこちらを重視する傾向も生まれたが、イラク戦争では作戦術に成功したものの戦略では相変わらず失敗している。参考：月刊軍事研究9,’16、歴史群像4,’16、8,’17、MAMOR vol.163

＜作戦情報＞：情報を参照。

＜作戦情報支援隊＞：海上自衛隊の部隊。情報業務群の隷下にある。2020年10月1日に廃止された。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜作戦情報処理器材（解析用増設器材）＞：自衛隊の機器。三菱スペース・ソフトウェア製。参考：月刊軍事研究8,’17

＜作戦情報隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の部隊。2020年10月1日、艦隊情報群隷下に新編された。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜作戦情報隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の情報部隊Air Intelligence Wing。作戦情報処理群、電波情報収集群、情報資料群を隷下に置き、福岡県背振山と沖縄県宮古島にSIGINT施設（地上電波測定装置）を持つ。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2012年3月26日、府中基地から横田基地に移駐。2020年7月1日、隊員自主募集の功績で、丸茂空幕長から第５級賞状を授与された。2021年9月30日、電波情報収集群第４収集隊が空自第５回品質管理QCサークル全国大会でゴールド賞を、第４収集隊がシルバー賞を受賞した。参考：月刊軍事研究9,’11、MAMOR vol.52、月刊JWings8,’14、朝雲

＜作戦情報隊（２０１０年）＞：航空総隊隷下で、府中基地に置かれている。隷下に情報資料群（市ヶ谷）などを置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜作戦情報隊（２０１５年）＞：航空総隊隷下で、横田基地に置かれている。隷下に情報資料群などを置く。参考：月刊航空ファン4,’16

＜作戦展開型予備・訓練空母＞：アメリカ海軍の空母。普段は発着艦訓練に使用し、必要に応じて現役復帰する。所定の空母航空団は無く、特定空母に配属されていない航空団を適宜搭載して出撃する。固有の乗員は20%が予備役に編入され、年間２週間の訓練のみとして経費を節約する。CV-67ジョン・Ｆ・ケネディがこの任に充てられた。実際は訓練時の旅費が高くて節約にならず、丸１年訓練させることにしたら乗員が集まらなかった。また、訓練に充てる時間よりも海外に出撃している時間の方が長く、結局2000年10月から現役に復帰している。参考：月刊軍事研究5,’05

＜ザクセンハウゼン強制収容所＞：ナチスがダッハウに続いて開設した強制収容所。1933年3月末に作られた。当初は反体制分子の留置場だったが、1936年7月に強制収容所となり、収容者を使って巨大なものに作り替えられた。門には「働けば自由になる（Albeit Macht Frei）」というアーチが飾ってある。収容者は共産主義者、社会民主主義者、反社会分子で、更に非占領国の抵抗者や捕虜も収容されるようになった。1939年8月31日、ポーランド軍が国境を越えてラジオ局を破壊しようとしたという事件をでっち上げて白作戦の口実にしたが、この時ポーランド軍兵士の死体役を演じさせられたのがここの収容者である。収容者は1944年末には47700人おり、工場で強制労働に従事させられた。大規模な処刑も行われ、1941年9月にはソ連の捕虜12000人が銃殺されたが、あまりに手間がかかり、1943年3月にガス室が作られた。毒薬入り銃弾を撃ち込む人体実験も行われている。延べ収容人数20万人、死者は10万人。1945年4月21日に撤収された。参考：月刊軍事研究8,’04

＜作戦幕僚＞：海上自衛隊の職名で、略号はサクサ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜作戦部＞：北朝鮮工作機関の１つ。工作員に対し基本教育を行う他、対外連絡部所属の工作員を目的地に案内する任務を負う。東海岸の清津港を日本浸透の母基地として、元山港を日本・韓国浸透の母基地として運営している。工作母船や潜水艦を使用して潜入を図る。参考：月刊軍事研究12,’02

＜作戦法規集合教育＞：陸上自衛隊の集合教育。三自衛隊幹部自衛官が対象で、小平学校で行われる。アメリカ同時多発テロなどを受けた自衛隊法改正で防衛法制に関する教育が重要となったため、2002年度に開始され、2003年度から毎年２回開かれている。受講対象者は各学校の法令担当教官だったが、2003年に武力攻撃事態対処関連３法が成立したため、各部隊の訓練基幹要員に対象を広げた。大課目は作戦法規総論、作戦法規各論、総合実習で、小課目は作戦法規総論の下の作戦法規一般、作戦法規各論の下の国際人道法（武力紛争法）、防衛関係法令、部隊行動基準等、総合実習の下の総合実習、細目等は防衛関係法令の下の事態対処法、警察官職務執行法、平素の権限等、災害派遣、自衛隊法（行動）、総合実習の下の部隊運用、教育実習、野外実習からなる。法令を知識として理解するだけでなく、実際の状況に当てはめて正しく適用し、それに基づいて行動できるよう、座学と実習訓練を行う。参考：朝雲

＜作戦命令（海戦要務令）＞：敵軍及び友軍の状況、自軍の企図、各軍隊の任務及び行動、その他必要事項（補給、通信、連絡、天候など）の順に要点のみを記載する。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜作戦命令（日本陸軍）＞：命令（日本陸軍）を参照。

＜作戦目標（日本陸軍）＞：作戦を遂行するための目標のこと。敵主力または戦略要点を据える。参考：歴史群像6,’14

＜作戦用通信回線制御システム＞：自衛隊の機器。参考：月刊軍事研究6,’11

＜作戦用通信回線統制システム（ベース用装置等）＞：自衛隊の機器。日本電気または三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’10、8,’11、8,’13

＜作戦要務令＞：日本陸軍の師団戦闘教範。それまでの陣中要務令と戦闘綱要を１つに纏めて改良したもので、昭和13年9月29日に軍令陸第19号で制定した。陣中勤務と諸兵連合の戦闘に関して一般に準拠すべき事項を示しており、諸兵連合では歩兵中心の協同作戦を主眼とする。綱領、総則、第１部、第２部、第３部、第４部からなり、昭和13年に第１・第２部、昭和15年に第３部が印刷された。第４部は仮想敵国のソ連用に纏められた教範であり、毒ガス用法なども含んでいるために秘密取扱となっている。第１部で戦闘序列、軍隊区分、指揮連絡、情報、警戒、行軍、宿営、通信、第２部で戦闘指揮、攻撃、防御、追撃と退却、持久戦、諸兵連合の機械化部隊及び大なる騎兵部隊の戦闘、陣地戦及び対陣、特殊地形戦闘、第３部で輸送、補給及び休養、衛生、兵站、戦場掃除、気象、憲兵、宣伝及び宣伝の防衛、陣中日誌及び留守日誌、第４部で特殊陣地の攻撃、大河の渡河、湿地及び密林地における行動、ガス用法、上陸戦闘について述べられている。綱領の第１には、軍の主任務は戦闘であり、よって全ての事は戦闘を基準にすべきであり、戦闘の目的は敵を迅速に圧倒殲滅して勝利することであると述べられていて、短期決戦重視が見て取れる。第２では勝利するには敵に勝る威力を重点配備することが重要であると述べられている他、十分な訓練を行って必勝の信念を堅くし、攻撃精神を充実させることにより、物質的威力を超える力を発揮できるとしている。第３でも訓練による必勝の信念の培養が重要であると述べられており、その後も度々必勝の信念や攻撃精神の重要性が説かれている。敵兵力が著しく優勢でも、機先を制されても、攻撃を断行して戦勢を有利にせよという記載があり、このあたりは1936年発布臨時労農赤軍野外教令に対抗している。綱領の第９で敵の意表を突くことも勝利を得るのに重要とされ、奇襲と機動力により主導権を握り、敵に対応の暇を与えないことが緊要とされた。綱領の第８で資材や補給は必ずしも受けられるとは限らないので、堅忍不抜の精神で耐えろと書いてあるが、具体的にどうするという文言は無い。内務班の学科の時間で授業があり、暗記することが求められた。古参兵に聞かれた時にすぐ答えられないと殴られるので注意。参考：作戦要務令、歴史群像6,’08、8,’11、月刊軍事研究11,’08、新兵サンよもやま物語

＜サクソニア＞：キュナード所属北大西洋航路中間船Saxonia。全長182.9m、幅19.6m、深さ11.5m、総トン数14281トン、重量トン数14000トン。主機は四連成汽機２基２軸10500馬力、航海速力15ノット、最大速力16.8ノット。船客定員一等164名、二等200名、三等1600名。1900年5月竣工。5月22日、リバプール−ボストン航路に就航。1909年、ニューヨーク−トリエステ航路に就航し、客室を二等と三等だけにした。第１次大戦時は兵員輸送船やドイツ軍捕虜留置船として使用されている。1918年12月、ロンドン−ニューヨーク航路に復帰。1925年、売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜サクソフォーン＞：9K115（対戦車ミサイルシステム）または9M131（対戦車ミサイル）を参照。

＜サクソフォーン２＞：9K115-1（対戦車ミサイルシステム）または9K115-2（対戦車ミサイルシステム）を参照。

＜サクソン＞：AT105（装甲車）を参照。

＜索道＞：ロープウェイのこと。第一次大戦時、イタリア・オーストリア国境のアルプス山脈で交通に使用されたのが初である。日本陸軍も東寧の南にある山脈地帯で使用するため装備しており、太平洋戦争ではフィリピンに送られる予定だったが、輸送船を沈められて使われなかった。ビルマのサルウィン河を渡る時にモチ鉱山の機材を徴発して昭和20年6月下旬に全長500mの索道を敷設、２ヶ月で兵士24000名、牛馬1000頭、自動車数百両に軍需物資多数を渡河させた。参考：工兵入門

＜サクトゥリス＞：D-214（駆逐艦）を参照。

＜削土機＞：日本陸軍の機力器材。斜面の削土に使用する。重量1.5トン。エンジンは統制型水冷６気筒、最大運航速度10km。削土容量毎時15平方メートル。参考：工兵入門

＜サクブ＞：M113装甲車・海外ファミリーを参照。

＜炸薬＞：弾丸の中にあり、目標物を破壊するエネルギーを発生させる火薬。火薬（将来的には電磁力も）により発射される弾丸に内蔵され、弾着地点において炸裂し、弾殻を高速度の金属破片にして放出することを目的とする。弾丸は砲身内で数万Ｇの加速度を受けるため、これに耐えられる機械的物性を持つ必要がある。TNT爆薬、PBXなどがある。参考：火薬のはなし、火器弾薬技術ハンドブック

＜さくら＞：PF-290（警備船）を参照。

＜サクラ＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Sakura。６機が五角形の頂点と中心（４番機）に位置して会場右から高度600-1500mで進入し、全機が250ノット・3.5Gで水平に左360度旋回して６つの円を描く。１つの円の直径は500m、桜全体の直径は1500m。2004年の航空自衛隊創設50周年記念で新たに制定された。参考：月刊JWings7,’16、6,’10別冊付録、11,’13、8,’15

＜サクラ＞：警察庁の対日本共産党スパイ工作担当極秘部隊。参考：月刊軍事研究11,’04

＜櫻（初代）＞：日本海軍櫻型駆逐艦１番艦。明治45年5月21日竣工。大正元年8月28日、二等駆逐艦に類別変更された。昭和7年4月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史

＜櫻（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦13番艦。昭和19年11月25日竣工。昭和20年5月25日、福岡県部埼灯台の南7kmで触雷して小破した。7月11日、大阪湾外で触雷して沈没した。8月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜櫻型＞：日本海軍駆逐艦。海風型と同時に計画されたもので、予算の関係から大型駆逐艦を多数建造できないため、半分くらいの駆逐艦を作ったものである。蒸気タービンは海風型での運用実績待ちだったため、レシプロ蒸気機関を積んだ。全長83.5m、水線幅7.3m、吃水2.2m、基準排水量530トン。主機は直立式４気筒三段膨張レシプロ蒸気機械３基、主缶はイ号艦本式混焼水管缶（蒸気性状1.72MPa、飽和温度）５基、出力9500馬力、３軸推進、速力30ノット、航続距離2400海里（15ノット）。兵装は40口径12サンチ単装砲１門、40口径８サンチ単装砲４門、45サンチ魚雷連装発射管２基。乗員94名。櫻と橘の２隻が明治42年に就役した。大正6年頃に１番煙突を増高した。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜桜木町分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。1957年1月、第391会計隊が横浜駐屯地に移った。1966年3月、京浜港湾処理隊が横浜駐屯地に移った。参考：横浜駐屯地ホームページ

＜桜弾＞：日本陸軍の特攻機用成型炸薬弾。四式重爆撃機や九七式重爆撃機などの機首に棒状の電気信管を付け、コクピット後方の機体重心位置に巨大な成型炸薬弾を載せるもので、空中炸裂で大型艦を撃沈するには炸薬２トン以上が必要という海軍の実験結果に基づいて開発されたようだ。参考：月刊軍事研究2,’04、日本海軍の爆弾

＜さくらちゃん＞：東京地本のマスコットキャラの女の子。東京都の花であるソメイヨシノが名前、東京都の鳥であるユリカモメが体のモチーフで、しなやかなボディは海自、たくましい翼は空自、しっかりとした足は陸自を体現している。2010年頃から地本ホームページにイラストが掲載され、2020年4月1日に着ぐるみが登場した。2022年5月21-22日、在日米軍横田基地主催日米友好祭で広報を実施。参考：朝雲

＜佐倉丸＞：日本陸軍防空基幹船。元は昭和15年に竣工した日本郵船の貨物船で、昭和16年1月21日に陸軍期間傭船となった。改造時に舷外電路を装備している。全長146.2m、全幅19m、吃水9.8m、総トン数9246トン。主機はディーゼル２基２軸9600馬力、巡航速力17ノット、最大速力19.54ノット。兵装は八八式七糎野戦高射砲６門、九八式二十粍高射機関砲８門、三八式七糎野砲１門。乗員87名。太平洋戦争勃発後はマレー攻略コタバル上陸作戦に参加、爆撃を受けて損傷した。次いでジャワ攻略戦に参加、バタビア沖海戦で左舷に雷撃を受けて沈没した。参考：歴史群像8,’02

＜サクラメント＞：AOE-1（高速戦闘支援艦）を参照。

＜サクラメント級＞：アメリカ海軍高速戦闘支援艦Sacramento級。船舶燃料520万ガロン（19700キロリットル）とジェット燃料270万ガロン（10200キロリットル）を積み、各種砲弾・ミサイル6000トンを搭載、食料1000トン以上を供給でき、空母戦闘群１個が必要な物資全てを１隻で賄える。補給ステーションは左舷に８箇所、右舷に６箇所あり、連接補給CONREPに使用する。ヘリ格納庫は３機分あるが、標準搭載機数はCH-46Eヘリ２機で、垂直補給VERTREPを行う。全長241.7m、全幅32.6m、満載排水量51400-53600トン。主機は蒸気タービン（１・２番艦は未完成アイオワ級戦艦BB-66ケンタッキーのものを流用）２基２軸100000馬力、最大速力30ノット。兵装は76.2mm砲４基（艦前後２基ずつ）、シー・スパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、12.7mm機銃４丁。乗員601名。AOE-1サクラメント、AOE-2カムデン、AOE-3シアトル、AOE-4デトロイトの４隻が1964-70年に就役した。後に76.2mm砲を全て撤去し、20mmCIWS２基を搭載した。参考：世界の艦船4,’04増刊、月刊軍事研究5,’03

＜サクル３０＞：エジプトが開発した122mmロケット弾30連装ランチャー。参考：軍事分析湾岸戦争

＜サクル３０海外シリーズ＞

　＜サクル３０（イラク軍）＞：イラク軍自走122mmロケットランチャー。MT-LB装甲車またはスカニア社製４×４輪トラックSBA�Vに載せて自走化している。参考：軍事分析湾岸戦争

＜サクル８０＞：エジプト陸軍地対地ミサイル（ロケット？）Sakr-80。1980年代半ばにイラク、北朝鮮、フランス企業と共同開発した。弾頭重量200kg。射程80km。参考：月刊丸4,’99、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サグレス＞：ポルトガル海軍帆走練習船。元は1938年にドイツ海軍で就役した帆走練習船アルベルト・レオ・シュラゲターで、第２次大戦終結でアメリカに接収され、その後ブラジル海軍帆走練習船グアナバラとなったのを1961年に購入したものである。全長90.8m、幅12.02m、吃水5.5m、排水量1949トン。帆走速力16.5ノット。乗員139名（艦長・士官９名、下士官16名、兵114名）＋訓練生79名。2010年1月19日、リスボンを出港。7月24-29日、横浜港に寄港。8月2日、種子島に寄港。8月3-8日、長崎港に寄港。9月15日、東ティモールのディリ港に入港。駐ティモール日本大使の訪問を受け、翻訳文付きの朝雲誌（日本寄港時の記事を掲載した8月5日号）を受領した。9月16日、ディリ港引渡式（日本の無償援助で改修工事を行っていた）に参加。参考：月刊丸10,’10、朝雲

＜炸裂弾＞：Explosive Cartridge。弾丸内部に炸薬を詰めたもので、着弾と共に炸裂する。主に対空機銃弾として開発されたが、小口径では威力が少ないので、.50口径以上の弾丸に使用されることが多い。一時、高いストッピング・パワーを期待されて対人用拳銃弾としての開発も行われたが、思った程の効果が無く、廃れた。参考：GUN用語事典

＜サゲ＞：フランス海軍遠距離用チャフ／フレア・ディスペンサー。旋回俯仰架台の両側に弧状のランチャーが装着されており、ここに片側５基ずつキャニスターを搭載できる。最大射程5000m。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜サゲー＞：ERC-90F4（装甲車）を参照。

＜サゲム＞：ダッソー社が開発中の無人偵察機。巡航速度300kmで3-4時間の哨戒飛行が可能だが、マッハ1.6に達するダッシュ性能を持ち、強行偵察も行える。最大運用重量500kg。2007年現在、設計段階にある。参考：月刊軍事研究2,’07

＜酒類運搬車＞：MiG-25シリーズ（戦闘機）を参照。

＜左舷＞：PortまたはPortside。艦首・機首に向かって左を指す。日本海軍・海自では「ひだりげん」と読む。参考：米海軍サバイバルマニュアル、艦船メカニズム図鑑、月刊軍事研究6,’15

＜サ号＞：日本陸軍が昭和19年7月まで開発していたロケット弾。地対空ミサイルとも、特殊小型爆撃機と同じものともいわれるが、詳細不明。参考：月刊丸5,’13

＜サ号作戦＞：太平洋戦争時に日本海軍が実施したインド洋海上交通破壊作戦で、南西方面艦隊から第６戦隊に発令された。参加艦艇は重巡青葉（第６戦隊旗艦）、足柄、軽巡鬼怒、大井、駆逐艦敷波、浦波、天霧などを予定したが、作戦発令直前に足柄が第５艦隊に移ったため、第７戦隊重巡利根と筑摩が代わりに加わっている。重巡３隻が海上交通破壊を担当するが、輸送船不足を補うため、発見した商船はなるべく拿捕することにし、沈めるのは連行するのに距離がありすぎるココス島南200海里以遠か、敵艦や航空機が接近するなどの緊急時に限る方針とした。軽巡や駆逐艦は重巡の護衛・援護を行う。昭和19年2月27日、作戦部隊がスマトラ島バンカ海峡に集結して作戦会議を実施。3月1日、作戦部隊がバタビア港を出港。中央に青葉、右に利根、左に筑摩がそれぞれ30000mずつ離れて横に並び、インド洋へと前進した。3月9日1130、重巡利根が武装商船ビハール号（ベハー号ともいう）を発見。ココス島南200海里以遠であり、一応は拿捕しようと距離9000mで軍艦旗と停戦を命じる旗旒信号をマストに掲げたが、緊急救難信号を打電しつつ逃げ始めたため、主砲で撃沈した。南西方面艦隊司令部から捕虜は取らない方針を指示されていたが、艦長の方針で乗員115人を救助し、中部居住甲板に収容している。3月17日、作戦を終了。戦果はビハール号撃沈のみで、損害は無かった。利根に収容した乗員のうち女性とインド人15人はバタビアに降ろしたが、残る65人は上陸許可が得られず、乗せたままで3月18日にシンガポールに向け出港、3月19日0000から全員を殺害して海に投げ込んだ（ビハール号事件）。参考：海軍操舵員よもやま物語、日本海軍艦隊総覧

＜左近司政三＞：海軍兵学校28期卒。大正12-13年、長門艦長を務めた。この際、操艦を誤って陸奥と衝突したが、鈴木貫太郎連合艦隊司令長官兼第１艦隊司令長官が将来のことを考えて手を回し、懲罰を免れたといわれる。昭和2年、軍務局長に就任。昭和4年、ロンドン軍縮会議首席随員を務めた。昭和5年10月1日から昭和6年10月1日、練習艦隊司令官を務めた。その後海軍次官に就任。昭和7年6月28日から12月1日、第３艦隊司令長官を務めた。第３次近衛内閣で商工大臣に就任。太平洋戦争末期の鈴木貫太郎内閣では国務大臣を務めた。昭和20年8月9日の御前会議直前、米内海軍大臣に、ポツダム宣言受諾の可否は多数決でなく天皇の御聖断で決するべきと進言した。昭和44年8月30日、90歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜左近允尚正＞：さこんじょうなおまさ。海軍兵学校40期卒。水雷学校教官、水雷戦隊参謀を経て昭和11年に摂津艦長となった。昭和15年、舞鶴鎮守府参謀長に就任。昭和18年9月、第16戦隊司令官となった。昭和19年12月15日、支那方面艦隊参謀長となった。昭和20年8月15日の終戦時は支那方面艦隊参謀長だった。戦後、第16戦隊司令官時代の昭和19年3月18日に利根で起きたイギリス商船ビハール号乗員殺害事件の責任を問われ、昭和23年1月21日に香港で絞首刑となった。辞世の句は「絞首台何のその、敵を見て立つ艦橋ぞ」参考：日本海軍艦隊総覧

＜笹井醇一＞：ささいじゅんいち。日本海軍エース。大正7年、東京市（当時）生まれ。昭和11年4月、海軍兵学校に入校し、同期生から軍鶏というニックネームを付けられた。昭和14年7月2月、海軍兵学校第67期卒。練習艦磐手で練習航海を行い、霞ヶ浦海軍航空隊で航空実習を受講し、九三中練で宙返りするという荒技をやってのけた。巡洋艦利根で艦隊配乗訓練を終えて少尉となり、昭和15年11月25日に第35期飛行学生として霞ヶ浦海軍航空隊で訓練を受け、昭和16年10月15日に中尉に昇任、11月17日に飛行学生を卒業した。配属先の台南空戦闘機隊では古参搭乗員の坂井三郎に教えを請うている。12月8日に太平洋戦争が始まると出撃基地の上空哨戒を実施。12月10日にフィリピンへと初出撃したが、エンジン故障で引き返した。その後フィリピン南部、マニラ、ボルネオ、スラバヤ、ジャワ、ラバウルと各地に展開、昭和17年2月3日のマジュン攻撃でジャワ上空においてP-39戦闘機を共同撃墜し、初撃墜を記録した。昭和17年4月1日、ラバウルに進出。以後スコアが急増し、ラバウルのリヒトホーフェンと称されるようになった。4月末、ラエに進出し、坂井三郎、西澤廣義とトリオを組んだ。5月末、第２中隊長として零戦９機を率いラエからポートモレスビーに出撃。上空6000mで索敵と地上偵察を行い、予定時間になったので帰投しようとした時、坂井三郎が高度4000mにP-39戦闘機３機編隊を発見。「中隊長に差し上げます」とハンドサインを送ってきたため、「了解」と左手を軽く挙げて単機で格闘戦を挑み、全機撃墜した。帰路に送り狼の敵機１機に奇襲されそうになったが、たまたま後方を遅れて付いてきた坂井三郎機が撃墜している。8月7日、坂井三郎が負傷して後送される際、必ず返ってくるようにと虎が彫り込まれたベルトのバックルを渡した。8月26日、陸攻16機を護衛して零戦９機で出撃し、ガダルカナル島上空で第23海兵戦闘飛行隊F4F戦闘機12機（15機？）と空戦となり、アメリカ海兵隊エースのマリオン・カール大尉に撃墜され戦死、バックルのみが坂井三郎の手元に残された。公認撃墜数27機。死後に二階級特進で少佐となった。参考：ラバウル航空戦、日本海軍戦闘機隊、月刊丸1,'15増刊

＜佐々木勇＞：日本陸軍エース。大正10年、広島県生まれ。昭和13年4月、東京陸軍航空学校に入学。昭和16年3月卒業、飛行第50戦隊に配属され、台湾に着任した。太平洋戦争勃発後はフィリピン作戦に従事し、初陣は12月10日である。昭和17年1月中旬にタイに向かい、ラングーン上空で初撃墜を記録した。以降ビルマ上空の航空戦に従事、小型機20機と大型機12機を撃墜した。昭和19年4月、審査部のテストパイロットとなり、本土に帰還した。昭和20年5月25日、四式戦闘機疾風でB-29爆撃機の夜間迎撃を行い、３機を撃墜。7月15日に武功章が授与され、准尉に昇進した。終戦までにB-29爆撃機６機を撃墜し、３機を撃破する戦果を挙げている。戦後は空自に入隊した。総撃墜機数は38機。最終階級は准尉（空自では三等空佐）。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜佐々木原正夫＞：日本海軍エース。大正10年、青森県生まれ。昭和16年9月、甲種飛行予科練習生を卒業し、翔鶴戦闘機隊に配属された。太平洋戦争開戦後は真珠湾攻撃、インド洋作戦に参加。昭和17年5月8日、珊瑚海海戦で４機を撃墜した。6月、隼鷹に搭乗してアリューシャン作戦に参加。その後翔鶴に復帰し、8月24日の第２次ソロモン海戦に参加。8月28日、ブカ島基地に派遣され、8月29-30日にガダルカナル島上空で１機ずつを撃墜した。10月26日、南太平洋海戦に参加。昭和18年2月、ラバウルに派遣され、2月4日に艦爆２機と戦闘機２機を撃墜、更に１機と戦闘を交え、正面から撃ち合って相打ちとなり、不時着水して負傷した。本土に送還され、昭和20年6月に第343航空隊に転属し、終戦を迎えた。総撃墜数12機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜捧げ銃（自衛隊）＞：ささげつつ、と読む。小銃を持っている時の敬礼である。小銃を右手で体の中央前方に上げ、同時に左手で引き金室前部のハンド・ガードを握り、前腕を水平にして体に付け、小銃を体から10cm離して地面と垂直に把持し、右手で銃把（銃床付け根）を握る。参考：MAMOR vol.76、vol.116

＜捧げ銃（日本陸軍）＞：三八式歩兵銃では左手で負い革を掴まないようにする。九九式短小銃では左手で負い革ごと銃を掴む。参考：軍医サンよもやま物語

＜捧げ刀（自衛隊）＞：ささげとう、と読む。帯刀した際の敬礼で、抜刀して右手親指を鼻先数センチメートルに位置させ、刃面を顔の中央に向け刀を直立させた後、右前方に振り下ろす。参考：MAMOR vol.152

＜笹子丸＞：日本の輸送船。昭和16年12月8日、マレー攻略戦に参加。昭和17年2月18日、バリ島攻略作戦に参加。参考：日本海軍艦隊総覧

＜さざなみ＞：DD-113（護衛艦）を参照。

＜漣（初代）＞：日本海軍雷型駆逐艦４番艦。明治32年8月28日竣工、水雷艇（駆逐艇）に類別された。明治33年6月22日、軍艦（駆逐艦）に類別変更された。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更された。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正2年4月1日に除籍された。大正3年8月23日、雑役船に編入された。大正5年10月18日に廃船となり、大正6年1月9日に売却された。参考：日本駆逐艦史

＜漣（２代目）＞：日本海軍吹雪型駆逐艦19番艦Sazanami。昭和7年5月19日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には第７駆逐隊に所属していた。昭和17年2月27日、スラバヤ沖海戦で損傷した。3月2日、ジャワ海に於いて、SS-176パーチを潮と共同で爆雷及び砲撃により撃沈した。4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、MO攻略部隊に所属して珊瑚海海戦に参加。9月12日夜、ガダルカナル島に補給物資を揚陸した。昭和18年8月17-18日、ベラ・ラベラ沖海戦に参加。昭和19年1月14日、西カロリン諸島付近でSS-218アルバコアの雷撃を受けて沈没した。3月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像12,’09、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜ささゆり＞：LSSL-444（警備艇）を参照。

＜ザザランド＞：DD-743（駆逐艦）またはF-81（フリゲート）を参照。

＜ザ・サリヴァンズ＞：DD-537（フレッチャー級駆逐艦）またはDDG-68（アーレイ・バーク級イージス駆逐艦）を参照。

＜サザン・アコード２０１５＞：多国籍・PKO演習Southern Accord 2015。2015年8月3-14日にザンビアで行われ、ザンビア、アメリカ、アンゴラ、イギリス、オランダ、タンザニア、ドイツ、ナミビア、ボツワナ、マラウィが参加した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サザンウォッチ作戦＞：イラク国内の北緯32度線以南の飛行禁止区域に対する監視作戦。湾岸戦争後にイラク政府がイラク南部のシーア派に対する爆撃を強化、共和国親衛隊２個師団を含む９個師団を展開し、運河建設・干拓と銘打ってシーア派反政府勢力が潜む湿地帯と生活基盤の漁業を破壊しようとしているとして、シーア派保護を名目にアメリカ、イギリス、フランスが実施したもので、1991年4月の国連安保理決議686（戦術機飛行禁止）と688（イラク民間人抑圧中止）を拡大解釈して1992年8月27日1015に開始された。クウェートのアーメド・アル・ジャベル基地とサウジアラビアのキング・アブドゥル・アジズ基地（1996年6月のテロ以降はプリンス・サルタン航空基地）を中心に、バーレーンのシャイク・イサ航空基地（補給物資備蓄）・カタールのアル・ウディード航空基地・UAEのアル・ダフラ航空基地（空中給油機）・オマーンのセーブ国際空港（空中給油機、輸送機）を加えて作戦行動を行っている。参加機数はアメリカ空軍が100機、アメリカ海軍が90機、イギリス空軍がトーネードGR1/1A戦闘機６機、フランス空軍がミラージュ2000戦闘機（ジャギュア攻撃機？）10機。アラブ諸国は、イラク分割に繋がり地域の安定を乱すとして、クウェートを除き支持しなかった。イラクは作戦機を北緯32度より北に退避させ、衝突を避けている。1993年1月17日、アメリカ海軍が巡洋艦１隻と駆逐艦３隻からトマホーク46発を発射。1996年に北緯33度以南に対象が広げられたが、この時フランスが離脱した。デザート・フォックス作戦以降はノーザンウォッチ作戦と合わせて連日のように爆撃が行われ、防空施設はおろか通信所や石油精製施設まで爆撃目標に加えた。この頃からイラク軍が軍事施設や部隊を民間地域や遺跡付近に配置するようになり、巻き添えの民間人がかなり出始めた。アメリカ軍は「確認できない」としているが、レーザー誘導爆弾の弾頭をコンクリートのみにしたものを使ったりして付随被害の軽減に努め出している。2002年10月4日、イラク査察に関する国連決議が採択されると、ノーザンウォッチ作戦と本作戦は「航空査察」だと言い出した。2003年のイラク戦争開戦に伴い終結した。参考：月刊軍事研究1,’03、2,’03、5,’03、2,’00、5,’18、月刊JWings11,’02、9,'21、月刊戦車マガジン11,’92、月刊航空ファン11,’92

＜サザン・ジャッカルー＞：日米豪共同訓練Southern Jackaroo（南のカウボーイ）。2013年に開始された。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー（２０１３年）＞：2013年5月18-25日、オーストラリアのパッカパンニャル諸職種訓練場で実施された。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー（２０１４年）＞：2014年5月17-28日、オーストラリアのパッカパンニャル訓練場で実施された。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー（２０１５年）＞：2015年5月21日から6月19日までオーストラリアのクイーンズランド州タウンズビル訓練場などで実施され、陸自（第１師団第32普通科連隊第５中隊１個小隊基幹）、アメリカ陸軍、アメリカ海兵隊（初参加）、オーストラリア陸軍から50名ずつ計200名が参加した。機能別訓練では小火器射撃訓練と市街地訓練場での各国別戦闘訓練、小隊訓練では各国別指揮系統による市街地戦闘と相互研修を行っている。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー（２０１６年）＞：2016年5月16-30日にオーストラリアのクイーンズランド州ショールウォーターベイ訓練場などで実施され、陸自から第９師団第21普通科連隊第１中隊基幹の50名、アメリカ陸軍から150名、アメリカ海兵隊から150名、オーストラリア陸軍から250名が参加し、5月16-24日に機能別訓練（実弾射撃、第一線救護、市街地戦闘など）、5月29日に総合訓練（陣地防御訓練）を行った。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー（２０１７年）＞：2017年5月17-28日にオーストラリアのダーウィン州マウント・バンディ演習場で実施された。陸自から第13旅団第17普通科連隊第２中隊基幹の100名（小銃小隊２個、迫撃砲小隊、対戦車小隊）、アメリカ陸軍150名、アメリカ海兵隊150名、オーストラリア陸軍300名が参加し、5月17-23日の機能別訓練では錯雑地における実弾射撃、第一線救護、市街地戦闘、MV-22B輸送機を使用した空中機動など、5月24-28日の総合訓練では攻勢から防御への移行を演練している。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー（２０１８年）＞：2018年5月7日から6月8日にオーストラリアのクイーンズランド州タウンズビル・フィールド演習場で行われた。陸自から第12旅団第２普通科連隊１個中隊基幹130名、オーストラリア陸軍第３旅団１個大隊基幹720名、アメリカ陸軍第25歩兵師団１個中隊基幹50名、アメリカ海兵隊第１海兵遠征軍１個中隊基幹180名が参加し、機能別訓練（射撃評価システムを使用した狙撃訓練など）と総合訓練（市街地戦闘、戦闘射撃など）を実施している。オーストラリアで初めて01式軽対戦車誘導弾を射撃し、命中させた。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー１９＞：2019年5月10日から6月14日にオーストラリアのクイーンズランド州ショールウォーターベイ演習場で実施された。陸自から第12旅団第13普通科連隊普通科中隊１個と第12特科隊射撃中隊１個の隊員160名、アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍１個中隊基幹250名、オーストラリア陸軍第７旅団１個大隊基幹720名が参加し、5月19-31日に機能別訓練（小火器・対戦車火器・迫撃砲・155mm榴弾砲FH70による戦闘射撃、防御、市街地戦闘、空中機動）、6月2-3日に総合訓練（後退行動における総合戦闘射撃）を行っている。陸自はオーストラリアで初めてFH70を砲撃した。参考：朝雲、MAMOR vol.151

　＜サザン・ジャッカルー２０＞：新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー２１＞：2021年7月4日まで１ヶ月半に亘り、オーストラリアのノーザンテリトリー州マウント・バンディ演習場で実施された。陸自から第14旅団第50普通科連隊基幹60名、オーストラリア陸軍から第１旅団410名、アメリカ海兵隊から第３海兵遠征軍280名が参加している。6月15-24日、実動訓練を実施。機能別訓練では長距離射撃や日米豪共同市街地戦闘訓練など、総合訓練では森林錯雑地内での日米豪共同攻撃訓練を行った。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー２２＞：2022年5月9-23日、オーストラリアのクイーンズランド州ショールウォーターベイ演習場とガリポリバラックス基地で行われた。陸自第12旅団第13普通科連隊と中央即応連隊から隊員70名が参加し、オーストライラ陸軍第７旅団第６歩兵連隊１個中隊規模100名、アメリカ海兵隊第１海兵遠征軍１個中隊規模100名と、対ゲリラ・コマンドー作戦訓練を実施している。参考：朝雲

　＜サザン・ジャッカルー２３＞：第９回で、2023年6月22日から7月13日、オーストラリアのクイーンズランド州タウンズビル演習場などで行われた。陸上自衛隊第６師団第44普通科連隊１個普通科中隊と東北方面特科連隊１個特科中隊、アメリカ海兵隊第１海兵遠征軍ダーウィン・ローテーション部隊、オーストラリア陸軍第７旅団が参加し、オーストラリア軍コンバットトレーニングセンター統裁対抗演習に陸自が初参加している。参考：陸上自衛隊ホームページ

＜サジェール＞：ASTROS�U海外シリーズ（ロケットシステム）を参照。

＜サジェール３０＞：サジェール用ロケット弾。SS-30の全長を短くしたものである。全長2.95m、直径127mm、全備重量68.1kg、弾頭重量21kg（HE）。ロケット推力1650kg、燃焼時間2.25-2.75秒、最小射程9km、最大射程30km。参考：軍事分析湾岸戦争

＜サジェール４０＞：サジェール用ロケット弾。SS-40の全長を短くしたものである。弾頭は対装甲・対人子爆弾20発を内蔵しており、5.2秒以上に設定できる可変式時限信管により目標上空で散布する。全長3.978m、直径180mm、全重152kg。ロケット推力2070kg、燃焼時間4.1-5.1秒、最小射程15km、最大射程35km。参考：軍事分析湾岸戦争

＜サジェール６０＞：サジェール用ロケット弾。SS-60の全長を短くしたものである。弾頭に対装甲・対人子爆弾65個を内蔵し、5.2秒以上に設定できる可変式時限信管により目標上空で散布する。全長5.281m、直径300mm、全備重量587.65kg。ロケット推力4600kg、燃焼時間6.2-8.8秒、最小射程20秒、最大射程60km。参考：軍事分析湾岸戦争

＜サジェム社＞：フランスの情報通信企業で、Societe d’Applications Generales de l’Electricite et de la Mecaniqueの略。1924年に創設された。2005年、スネクマ社と合併してサフラン社になった。参考：月刊JWings2,’14

＜さしくる＞：日本陸軍用語で、盗んでくること。参考：帝国陸海軍事典

＜サジタリオ＞：F565（ルポ級フリゲート）またはRe2005（戦闘機）を参照。

＜サジタリオ・シリーズ＞：イタリア空軍試作ジェット戦闘機Sagittario（射手座）。S.7練習機の主翼を前縁後退角45度にしたフレッチア（1952年8月1日初飛行）のエンジンをジェットにしたものである。参考：月刊JWings1,’24

　＜サジタリオ＞：試作ジェット機型。フレッチアの機首にあるレシプロエンジンを外し、チュルボメカ製マルボレ遠心式ジェットエンジン（推力0.4トン）に換装したもので、エアインテイクは機首先端、排気口はコクピットの真下あたりにある。地上で高温排気が機体後部を焼かないよう、尾脚柱を延ばした。SAIアンブロジーニ社が開発して1953年1月4日に初飛行し、3月末にイタリア空軍飛行試験部が受領している。参考：月刊JWings1,’24

　＜サジタリオ２＞：試作ジェット戦闘機型。SAIアンブロジーニ社を吸収合併したアエルフェル社が開発した。コクピットをバブルキャノピーにし、ドーサル・スパインを装着、降着装置を前輪式に変更し、エンジンをロールスロイス社製ダーウェント９遠心式ジェット（推力1.633トン）に強化して排気口を後ろにずらした。固定武装はイスパノ・スイザ30mm機関砲２門（機関部はコクピット直後左右、発射口は機首上面左右）。主翼に１カ所ずつのハードポイントがあり、500ポンド爆弾、318kgナパーム弾、ロケット弾ポッド、ガンポッド、増槽を搭載可能。初号機は1956年5月19日に初飛行した。12月3日、急降下で音速を超えている。２号機は1957年4月25日に初飛行した。NATO共通攻撃機計画NBMR-1に応募したが、締め切りを過ぎていて、採用以前の問題だった（G.91攻撃機が採用）。性能もイマイチで、ロールスロイス社製ソア軸流式ターボジェット（推力0.82トン）を胴体尾部に追加したアリエテ（牡羊座）を1958年3月27日に初飛行させたが1959年2月に開発中止となり、アエルフェル社ではメインエンジンをブリストル製オーフュース12軸流式ターボジェット（推力3.09トン）に変更してエアインテイクにレーダー内蔵ショックコーンを仕込み、尾部にデハビラント製スペクター推力可変式液体ロケット（ケロシン＋過酸化水素。推力0.454-4.54トン）を積んだレオーネ（獅子座）を自主設計して粘ったが、これもイタリア空軍が採用を決めたF-104戦闘機より性能が悪いということで没にされている。参考：月刊JWings1,’24

＜サジテール＞：M650（掃海艇）を参照。

＜サシン＞：R-9A（ICBM）を参照。

＜サスカチュアン＞：DDE-262（護衛駆逐艦）を参照。

＜サスカトーン＞：M709（哨戒艇）を参照。

＜サステナー・ロケット＞：ブースター・ロケットで加速した飛翔体の飛翔速度を維持するために使用されるロケット。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜サスニッツ＞：東ドイツ海軍プロジェクト151型ミサイル哨戒艇。ドイツ統一後にノイストレリッツとなった。参考：月刊軍事研究7,’95

＜サスペンション＞：懸架装置。車体と車軸を結ぶ装置で、車両の重量を支持すると共に、路面から来る振動を緩和・吸収し、車輪全てを接地させることで走行安定性を向上させる。サスペンション・スプリングとショック・アブソーバーからなり、左右の車輪を１本の車軸で連結したリジッドアクスル・サスペンションと、各車輪に装着される独立懸架式（インディペンデント）サスペンションがある。開発されたのは馬車時代から。参考：自動車のサスペンション、クルマのすべてがわかる事典

＜サスペンション・ラグ＞：Suspension lug。爆弾や増槽に付けられている金具で、ラックに引っかけて固定するために使用する。参考：月刊JWings3,’12

＜サスペンド式エレベーター＞：エレベーター（空母）を参照。

＜ザ・スモウズ＞：VMGR-152（海兵空中給油輸送飛行隊）を参照。

＜ザスロン＞：N007（レーダー）を参照。

＜ザスロン＞：ウクライナのMicro Base Centerが開発し、Ukrainmash CorporationやブルガリアのDefence Group Plc.が販売しているアクティブ装甲Zaslon。箱型モジュールに迎撃チューブ（破片炸薬弾）２本が内蔵されており、別に装備する脅威探知レーダーからの指令を受けると、脅威に近い方の迎撃チューブがモジュールから伸びる。チューブには小型レーダーが仕込まれていて、これにより2m先の脅威を捉え、チューブが炸薬を炸裂させて脅威を1m先で撃破または無力化する。箱型モジュール７個で上面を含む全周をカバー可能。参考：月刊軍事研究5,’12

＜ザスロンＡＭ＞：MiG-31BM戦闘機に搭載予定のレーダー。N007ザスロンのフロントエンド（アンテナ）部分はそのままで、セントラルプロセッサをバゲート55に換装するなどの改良を施したものである。探知距離280-320km、同時追尾目標数24、同時攻撃目標数８。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ザスロンＭＦ−ＲＬＫ＞：ロシア海軍のレーダー・システムで、MF-RLKは多目的海軍レーダー・システムの略。タワー型マストに回転型レーダー、壁面固定プラナー・アレイ・レーダー、ECM/ESMなどを取り付けたものである。回転型レーダーは使用周波数Ｓバンド、壁面固定型レーダーは使用周波数Ｘバンド、最大探知距離300km、最大追尾目標数50。パッシブモードでも運用でき、方位180度の範囲のL/S/C/X/Kuバンド・レーダー波を最大距離200km・最大追尾数200で探知できる。ECMはX/Kuバンドで、全周妨害可能。プロジェクト20385コルベットに搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜サセ＞：日本海軍用語で、佐世保の略。参考：帝国陸海軍事典

＜サセックス＞：96（重巡洋艦）を参照。

＜サセックス撃沈＞：第１次大戦中の1916年3月24日、乗客325人を乗せたドーバー海峡横断蒸気船サセックスをドイツ海軍潜水艦UB-29が兵員輸送船と誤認し、無警告で撃沈した。死傷者50人が出た上、半分がアメリカ人だったため外交問題に発展。商船と思われる船に対しては、臨検を行った後に拿捕・攻撃せざるを得なくなった。参考：Ｕボート入門

＜佐世保一〇一特別陸戦隊＞：山岡部隊を参照。

＜佐世保一〇二特別陸戦隊＞：山岡部隊を参照。

＜佐世保衛生隊＞：海上自衛隊の衛生隊。1970年、佐世保地方隊隷下に新編された。2009年8月1日、長崎県済生会病院の移転を支援した。2017年9月2日、沖縄県と周辺海空域で沖縄本島北西沖地震を想定した平成29年度離島統合防災訓練に参加。2023年11-12月、パシフィック・パートナーシップ2024に参加。参考：佐世保地方隊ホームページ、朝雲

＜佐世保音楽隊＞：海上自衛隊の音楽隊。佐世保基地に置かれており、海軍佐世保海兵団の建物を営内居住区として利用している。1975年、佐世保地方隊隷下に新編された。2011年12月22日、中国海軍北海艦隊青島基地を訪問し、日中合同演奏会で北海艦隊軍楽隊と共に「海を越えた握手」などを演奏した。2012年5月18日、垂水市文化会館で瀬戸口藤吉翁（行進曲軍艦の作曲者）を偲ぶ演奏会を実施。2014年9月11-12日、第２回世界サンタクロース会議in天草でパレード演奏とミニコンサートを実施。2015年10月10日、横須賀芸術劇場で海上自衛隊バンドフェスティバルに参加。10月11日、横須賀パレードに参加。2016年1月24日、うるま市石川会館で行われた沖縄基地隊主催のふれあいコンサートで演奏した。1月30日、石垣市市民会館で佐世保音楽隊ふれあいコンサートin石垣で演奏した。2月27日、呉市文化ホールで呉音楽隊定期演奏会に参加。6月25日、下関市生涯学習プラザで開催された下関基地隊主催演奏会の海峡に響くシンフォニーで演奏した。2017年6月3日、佐世保自衛隊パレードに参加。7月11日、下関市市民会館で開催された下関基地隊主催演奏会の海峡に響くシンフォニーで演奏した。2018年4月18日、第22航空群が大村航空基地「殉空の碑」の前で行った基地追悼式で演奏支援を行った。7月29日、鹿児島本港区北埠頭で開催された明治維新150周年記念第13回自衛隊みなとまつりで演奏会を行った。2019年1月25-26日、沖縄基地隊に協力し、うるま市民芸術劇場で音楽教室とふれあいコンサートを行った。2月11日、佐世保教育隊、陸上自衛隊水陸機動団と共に、長崎県佐世保市四ヶ町商店街で建国記念の日奉祝パレードに参加。2020年3月14日、アルカスSASEBOで第48回定期演奏会を無観客で実施。地元テレビ局で放送され、後日Youtube海自公式チャンネルでも配信された。9月19日、隊員８名が活水中学校・高等学校を訪問し、吹奏楽部の演奏指導を行った。2021年7月3日、下関基地隊が下関市民会館で開催した演奏会「海峡に響くシンフォニー2021」で演奏した。2022年5月3-4日、博多どんたく港まつりに参加。参考：朝雲、月刊JWings5,’19

＜佐世保海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。昭和19年7月4日1630頃、父島派遣隊の二式水上戦闘機が、父島を空襲した空母CV-12ホーネット所属第76夜間戦闘飛行隊F6F-3N戦闘機４機及び空母CV-10ヨークタウン所属第77夜間戦闘飛行隊F6F-3N戦闘機２機を迎撃した。日本側は戦果として２機確実撃墜・２機不確実撃墜と損害として不時着含め６機損失、アメリカ側は戦果として８機撃墜と損害として２機損傷（36発被弾と４発被弾）を報じている。参考：月刊丸3,'18別冊

＜佐世保海軍工廠＞：日本海軍の工廠。艦船の修理艤装や補給が主任務で、艦船建造は軽巡洋艦、駆逐艦、潜水艦といった中小型艦が中心であり、大型艦建造は横須賀・呉海軍工廠や長崎造船所に任せた。大元は明治22年に発足した佐世保鎮守府造船部で、明治30年に佐世保海軍造船廠と改称され、明治36年11月に佐世保海軍工廠となった。明治37年、船台や船渠の建設を開始し、大正2年度に竣工した。昭和初期に主力艦修理用の第七号船渠を建設、船台を拡張し、浮き桟橋を設置、更に350トン海上起重機船を１隻建造している。これらは後に戦艦武蔵の艤装を行う際に役立てた。太平洋戦争後は佐世保重工業株式会社になり、工廠時代のクレーンを使用している。参考：月刊世界の艦船1,’10、3,’10、5,’11、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜佐世保海兵団＞：日本海軍の海兵団。太平洋戦争終結後は海自佐世保音楽隊と婦人／女性自衛官の営内居住区として使用されている。参考：日本海軍艦隊総覧

＜佐世保基地（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍基地。元は日本海軍佐世保鎮守府で、太平洋戦争終戦により接収した。敷地面積56万８千平方メートルで、針尾島弾薬庫（129万７千平方メートル）、佐世保弾薬補給所（51万８千平方メートル）、赤崎貯油所・横瀬貯油所など貯油所３カ所（159万９千平方メートル、貯油能力82万５千キロリットル）などを足すと総面積471万平方メートルになる。1964年11月、SSN-584シードラゴンが入港。11月13日にデモ隊が警官隊と衝突した。1975年、基地の縮小が発表され、一時ここに前方配備される艦船がゼロになった。1980年代からインド洋や南シナ海を睨んで基地を拡充、貨物揚陸艦１隻と通常型潜水艦２隻が配備されるようになった。その後、揚陸艦艇や掃海艇も配備されている。2009年12月、第７掃海戦隊が移駐し、MCM-1アベンジャーとMCM-2ディフェンダーが新たに前方展開した。2010年1月19日、海自佐世保地方総監部と共催で日米安保条約改定50周年記念式典が開催された。12月19日、平瀬係船池・ジュリエット・ベイスン内に完成した新岸壁（2004年3月着工）の使用開始記念式典を実施。2012年3月末、横瀬貯油所内にLCAC施設（暫定的に使っていた崎辺海軍補助施設の代替となる恒久施設として2004年12月に着工）が完成した。4月、座礁除籍されたMCM-5ガーディアンに代わり、MCM-10ウォーリアが前方展開した。4月23日、平瀬岸壁でLHD-2エセックスとLHD-6ボノム・リシャールの交代式を実施。乗員はシップ・スワップで佐世保に残っている。2013年8月、LSD-46トーテュガがLSD-48アシュランドと交代した。9月4日、韓国合同軍事大学正規課程学生354名の訪問を受けた。10月20日、基地関係者と西海市民が参加し、横瀬浦公園グラウンドで第８回米軍基地・西海市親善ソフトボール大会が行われた。2014年6月30日、MCM-9パイオニアとMCM-14チーフが重量物運搬船で到着し、MCM-1アベンジャー、MCM-2ディフェンダーと交代して配備された。乗員はシップ・スワップでそのまま乗艦している。7月、LPD-9デンバーがLHA-5ペリリューに交代した。2014年末、LHA-5ペリリューがサンディエゴに戻った。2015年2月19日、LPD-20グリーン・ベイが前方展開した。2016年9月1日、佐世保基地消防隊が相浦駐屯地で佐世保市総合防災訓練に参加。2017会計年度予算でズムウォルト級ミサイル駆逐艦の係留施設を整備する予定。2018年3月15日、呉地方総監部主催の米海軍家族支援講演会を支援した。1月14日、LHD-6ボノム・リシャールと交代してLHD-1ワスプが前方展開した。9月28日、タイ海軍ナレースアン級フリゲート422タクシンとクラビ級コルベット551クラビが業務訪問した。2019年9月4日、LHD-1ワスプが出港して本国に戻った。12月1日、LPD-18ニューオリンズが前方展開した。12月6日、LHA-6アメリカが前方展開した。2021年11月17日、LSD-42ジャーマンタウンと交代してLSD-47ラシュモアが前方展開した。参考：月刊軍事研究1,’11、5,’15、8,’16、月刊世界の艦船3,’12、9,’14、5,’15、12,’18、2,'22、月刊JWings11,’16、11,’19、月刊航空ファン5,’19、朝雲、人道・博愛−百年のあゆみ

　＜佐世保基地（アメリカ海軍、２００９年）＞：第11水陸両用戦隊、LHD-2エセックス、LPD-9デンバー、LSD-46トーテュガ、MCM-5ガーディアン、MCM-7パトリオット（12月からMCM-1アベンジャーとMCM-2ディフェンダーも）が前方展開している。参考：月刊軍事研究5,’15

　＜佐世保基地（アメリカ海軍、２０１４年）＞：第11水陸両用戦隊、LHD-6ボノム・リシャール、LPD-9デンバー（7月からLHA-5ペリリュー）、LSD-48アシュランド、MCM-7パトリオット、MCM-9パイオニア、MCM-10ウォーリア、MCM-14チーフが前方展開している。参考：月刊軍事研究5,’15

　＜佐世保基地（アメリカ海軍、２０１７年）＞：LHD-6ボノム・リシャール、LPD-20グリーン・ベイ、LSD-42ジャーマンタウン、LSD-48アシュランド、第７掃海戦隊MCM-7パトリオット、MCM-9パイオニア、MCM-10ウォーリア、MCM-14チーフが前方展開している。参考：月刊軍事研究5,’17

＜佐世保基地（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の基地。佐世保地方総監部、第２護衛隊群司令部、佐世保教育隊、佐世保戦術訓練装置運用隊、佐世保造修補給所太田貯油所、佐世保造修補給所南埼貯油所などが所在する。在日米海軍の施設と入り乱れているので、施設間の交通の便が悪い。大元は佐世保鎮守府で、太平洋戦争後にアメリカ海軍が駐留し、1953年に海上警備隊佐世保基地として開設され、佐世保地方総監部と佐世保基地防備隊が創設された。2006年4月、干尽地区倉島岸壁を東西420m・南北80m・水深10mに拡張する工事が完了して供用を開始。おおすみ型輸送艦が着岸して陸自車両を積載できるようになった。2014年10月24日、第８護衛隊司令部が呉基地から移ってきた。2017年12月12日、航空自衛隊のPAC-3機動展開訓練に協力し、第２高射群が展開した。12月22日、航空自衛隊のPAC-3機動展開訓練に協力し、第５高射隊が倉島地区に展開した。2018年10月27日、創設65周年自衛隊記念日記念式典を行い、感謝状授賞式などを実施した。2019年6月6日、東部方面隊３自衛隊統一就職援護広報に協力し、研修を行った。7月4日、ベトナム軍佐官級研修プログラムで来日したベトナム軍佐官級訪日団14名が視察した。参考：JShips Vol.44、Vol.48、月刊世界の艦船10,'15、2,’12、2,’15、月刊JWings3,’18、朝雲

＜佐世保基地（２００７年、改編前）＞：第２護衛隊群、佐世保地方隊、自衛隊佐世保病院などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜佐世保基地（２０１１年）＞：第２護衛隊群、第13護衛隊、第16護衛隊、第２掃海隊、佐世保地方隊などが所在している。参考：JShips

＜佐世保基地（２０１５年）＞：第２護衛隊群、第２護衛隊、第５護衛隊、第６護衛隊、第８護衛隊、佐世保地方隊、第13護衛隊、第２掃海隊、第３ミサイル艇隊などが所在している。参考：JShips VOL.70

＜佐世保教育隊＞：海上自衛隊の教育隊。総務科、厚生科、補給科からなる。1965年3月25日、佐世保地方隊隷下に新編された。2008年12月6日、佐世保市内の児童養護施設清風園で餅つき慰問を実施。2009年1月16日、防火・防水訓練施設完成披露式を実施。7月3日、第２期一般海曹候補生課程と第351期練習員課程隊員による短艇競技を実施。一般海曹候補生課程は第２分隊第４班、練習員課程は第４分隊第４班、分隊対抗では練習員課程第４分隊が優勝した。2010年3月18日、佐世保地方隊から平成21年度優秀部隊として表彰を受けた。6月28日と30日、第３期一般海曹候補生課程と第353期練習員課程による短艇競技を実施。分隊対抗の部で第１分隊、班対抗の部で第３分隊第１班が優勝した。11月10日、第113期初任海曹課程学生短艇競技を実施。分隊対抗では第２分隊、班対抗では第１分隊第３班が優勝した。2011年7月1日、第１期自衛官候補生課程56名の修了式と、第354期練習員課程始業式を実施。2013年1月8日、第118期初任海曹課程学生77名が入隊。3月11日、第118期初任海曹課程77名が持久走レースを実施。分隊対抗では第３分隊が優勝した。8月30日、第６期一般海曹候補生課程170名の修業式を実施。10月15日、平成24年度縁故募集での功績により、海幕長から二級賞状を授与された。2014年8月22日、第361期練習員課程217名の修業式を実施。8月29日、第７期一般海曹候補生課程199名の修業式を実施。10月1日、第121期初任海曹課程105名の始業式を実施。2015年10月7日、海曹上級課程１期生60名の始業式を実施。10月28日、海曹上級課程１期生の課題答申発表会を実施。12月17日、第123期初任海曹課程学生161名の修業式を実施。2017年1月6日、第２期海曹予定者課程の始業式を実施し、海士長237名が入校した。1月23日、第2802期海曹上級課程学生55名の始業式を実施。1月25日、第2802期海曹上級課程学生が佐世保東山海軍墓地への保健行軍と清掃奉仕作業を実施。5月13-14日、第10期一般曹候補生課程・第13期自衛官候補生課程学生計304名がDDH-182いせ艦艇実習とアメリカ海軍佐世保基地でのアメリカ軍人との交流を実施。6月3日、第10期一般海曹候補生課程・第13期自衛官候補生課程隊員計293名が佐世保自衛隊パレードに参加。10月4日、第14期自衛官候補生課程の烏帽子岳登山を実施。2018年5月27日、第11期一般海曹候補生・第16期自衛官候補生324名が113周年日本海海戦記念式典に参加。10月2日と17日、第12期一般曹候補生課程48名に艦艇・潜水艦・航空部隊実習を実施し、DD-132あさゆき搭載武器見学などを行った。10月8日、第12期一般曹候補生課程48名に烏帽子岳登山を実施。2019年2月11日、佐世保音楽隊、陸上自衛隊水陸機動団と共に、長崎県佐世保市四ヶ町商店街で建国記念の日奉祝パレードに参加。3月18日、第６期海曹予定者課程127名の水泳競技を実施。第12分隊が優勝した。4月15-19日、第13期一般海曹候補生課程及び第19期自衛官候補生課程学生計387名に潜水艦乗艦実習を実施。5月10-21日、第13期一般幹部候補生課程及び第19期自衛官候補生課程計385名が東山海軍墓地清掃活動を実施。5月27日、新隊員40名が東山海軍墓地で第114回日本海海戦記念式典に参列。8月27日、第13期一般海曹候補生課程283名（うち佐世保教育隊初の女性自衛官47名）と第373期練習員課程88名の集合式を実施。10月4日、第14期一般海曹候補生課程の烏帽子岳登山を実施。11月4日、佐世保市アーケードで佐世保自衛隊パレードに参加。12月6日、第７期海曹予定者課程（11・12分隊）の水泳競技を実施。2020年1月8日、第８期海曹予定者課程134名の始業式を実施。3月17日、第８期海曹予定者課程の水泳競技を実施。第11・第12分隊が競い、第12分隊が勝利した。3月25日、第８期海曹予定者課程132名の修業式を実施。5月1-22日、第15期自衛官候補生課程の結索訓練を実施。5月11-14日、第15期一般曹候補生と第22期自衛官候補生に、DDH-182いせでの艦艇実習（停泊実習）と佐世保史料館研修を実施。5月22日、一般海曹候補生第23分隊81名の陸上警備教務（実弾射撃前の小銃基本動作確認）を実施。10月5日、第９期海曹予定者課程95名の始業式を実施。12月18日、第９期海曹予定者課程の修業式を実施。2021年1月6日、第10期海曹予定者課程140名の始業式を実施。4月8日、第16期曹候補生課程306名と第23期自衛官候補生課程95名の入隊式を実施。4月9日、第16期一般海曹候補生と第23期自衛官候補生課程の烏帽子岳登山を実施。4月13-22日、第16期一般海曹候補生305名と第23期自衛官候補生課程95名に航空実習を実施。8月3日、第16期一般曹候補生と第377期練習員計385名の海面訓練を実施。8月27日、第16期一般曹候補生課程・第377期練習員課程学生計385名の修業式を実施。2022年1月6日、第12期海曹予定者課程学生112名の始業式を実施。4月8日、第17期一般海曹候補生303名、第24期自衛官候補生92名（男性）、第15期自衛官候補生51名（女性）の入隊式を実施。女性専用第６隊舎の運用開始を受け、１個分隊を増員している。6月3日、第17期一般海曹候補生、第24期自衛官候補生、第15期自衛官候補生（女性）の球技競技を実施。種目はバレーボールで、６個分隊からそれぞれ４チームを編成し、男性16チーム・女性８チームでトーナメントを行い、男性では一般海曹候補生第21分隊Ｄチーム、女性では自衛官候補生（女性）第32分隊Ｂチームが優勝した。2023年4月9日、新隊員の入隊式を実施。初めて女性自衛官が入隊した。参考：佐世保教育隊ホームページ、教育隊の編制に関する訓令、朝雲、月刊世界の艦船7,’23

＜佐世保軍港＞：日本海軍の軍港。明治19年（1886年）5月に軍港設置の勅令が出され、明治20年から本格的な工事を開始。金比良山を崩して低地をかさ上げし、佐世保鎮守府を建造、明治22年7月に開庁した。明治31年には鉄道が敷かれ、明治34年に佐世保海軍工廠第１船渠が完成した。大正2年に設置されたイギリスのサー・ウイリアム・アロル社製250トン・ハンマーヘッド起重機は現在も使用されている。周辺には防備砲台が設置されており、二八糎榴弾砲４門や克式二四糎加農砲４門などを配備した他、太平洋戦争時には高角砲も据え付けた。太平洋戦争終戦後には引揚船が次々と入港し、1396468人が外地から日本に帰還している。参考：月刊世界の艦船1,’10、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜佐世保警備区＞：海上自衛隊佐世保地方総監部／佐世保地方隊の管轄区域で、山口県から鹿児島に至る日本海・東シナ海、内陸では大分と宮崎を除く九州各県と沖縄を担当する。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜佐世保警備戦隊（日本海軍）＞：日本海軍の警備戦隊。昭和8年12月、佐世保鎮守府で新編された。参考：日本海軍艦隊総覧

＜佐世保警備隊＞：海上自衛隊の警備隊。1953年9月16日、佐世保地方隊隷下に新編された佐世保基地警防隊がベースで、1961年6月に改称された。2009年3月27日、平成20年度優秀部隊として佐世保地方総監から表彰された。12月12日、開隊50周年記念行事を実施。2015年7月12日2252、長崎県高島漁港で海中に転落した幼児を捜索するため、曳船１隻を出港させた。2346、水中捜索員が幼児を発見し、消防に引き継いだ。2017年1月31日、YT-08曳船08号が配備された。4月3日、LCU-2001輸送艇１号とAMS-4303あまくさが隷下に入った。8月22日、長崎県平戸沖で沈没した押船の乗組員捜索の災害派遣に特別機動船２隻と水中処分員で参加。8月23日、長崎県平戸沖で沈没した押船の乗組員捜索の災害派遣に水中処分母船１隻と水中処分員10名で参加。2022年4月7日、LCU-2001輸送艇１号が除籍された。参考：朝雲、月刊世界の艦船7,’17、11,’17、月刊JWings11,’17、6,'22

＜佐世保警備隊（１９７８年）＞：佐世保地方隊隷下で、奄美基地分遣隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜佐世保警備隊（２０１１年）＞：佐世保地方隊隷下で、本部、佐世保陸警隊、佐世保港務隊、佐世保水中処分隊、奄美基地分遣隊、第３ミサイル艇隊からなる。参考：海上自衛新聞、月刊世界の艦船6,’11

＜佐世保警備隊（２０１５年）＞：佐世保地方隊隷下で、第３ミサイル艇隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜佐世保警備隊（２０２０年）＞：佐世保地方隊隷下で、第３ミサイル艇隊、LCU-2001輸送艇１号、AMS-4303あまくさなどを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜佐世保工作所＞：海上自衛隊の工作所。1961年、佐世保地方隊隷下に開設された。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜佐世保港務隊＞：海上自衛隊の港務隊。2015年12月11日、YT-04曳船４号が配備された。2016年2月12日、YO-42油船42号が配備された。3月4日、YO-43油船43号が配備された。参考：月刊世界の艦船7,’16

＜佐世保システム通信隊＞：海上自衛隊のシステム通信隊。2002年3月22日、システム通信隊群隷下に新編された。2012年9月4日と6日、長崎県川棚町の特攻殉国の碑を清掃した。参考：朝雲、月刊世界の艦船7,’19

＜佐世保重工＞：1946年10月、佐世保海軍工廠の設備を引き継いで設立された。2022年1月13日、最後の新造船を引き渡した。その後は艦艇・船舶修繕事業と機械事業に集中する。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜佐世保水中処分隊＞：海上自衛隊の水中処分隊。2012年2月20日、長崎県佐世保市船越町で岸壁から乗用車１台が海中に転落した。運転手は近くの漁船に救助されたが、同乗者の有無が不明だったため、長崎県知事から佐世保総監に災害派遣が要請され、隊員10名が1730頃から海中の車内と周辺の捜索を実施。同乗者は確認されなかったため、1830前に撤収した。6月3日、九州電力玄海原発の事故を想定した総合防災訓練に参加。2013年6月12-13日、汚染水域潜水器を使用した潜水訓練を実施。6月20-28日、水中処分員１名が硫黄島沖で実機雷処分訓練に参加。2016年6月24日、創隊以来無事故での爆発物処理の功績により、防衛大臣から１級賞状が授与された。2017年8月22-23日、長崎県平戸市沖で沈没した押船乗員捜索の災害派遣に参加。2021年8月13日に発生した九州豪雨の災害派遣に参加。2023年11月17-27日、令和5年度機雷戦訓練（日向灘）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。2024年2月1-10日、令和5年度機雷戦訓練（伊勢湾）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。参考：月刊世界の艦船9,’13、1,'24、4,'24、朝雲

＜佐世保水中処分隊（２００９年）＞：佐世保地方隊佐世保警備隊隷下で、YDT-05水中処分母船５号が配備された。参考：MORIBITO Vol.3

＜佐世保水雷整備所＞：海上自衛隊の水雷整備所。1977年、佐世保地方隊隷下に新編された。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜佐世保造修所＞：海上自衛隊の造修所。1970年、佐世保地方隊隷下に新編された。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜佐世保造修補給所＞：海上自衛隊の造修補給所。2009年3月27日、平成20年度優秀部隊として佐世保地方総監から表彰された。8月20日、第２ドックが入渠250隻を達成。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。参考：朝雲

＜佐世保第２海兵団＞：日本海軍の海兵団。昭和16年11月、相浦で新編された。昭和19年1月、相浦海兵団に改称された。参考：歴史群像6,’16

＜佐世保弾薬整備補給所＞：海上自衛隊の弾薬整備補給所。1998年12月の改編で佐世保造修所火工科、佐世保補給所弾薬補給部門、水雷整備所、誘導弾整備所を統合して誕生した。2010年1月16日、安全無事故3000日を達成した。11月25日、97式魚雷や07式VLAの整備組み立てに使用する第４調整場が完成。2013年7月、ESSM整備用器材を装備した。2015年2月9日、ESSM初弾の整備を終え、ESSM輸送初出荷式を実施。7月9日、弾薬無事故日数5000日（2001年10月30日から）を達成。2017年3月8日、アメリカ海軍弾薬司令部東アジア地区佐世保前畑部隊との間で、海自弾薬輸送車両がアメリカ軍施設内を通行することに関する合意書を交わした。参考：朝雲

＜佐世保弾薬補給所＞：在日米海軍の弾薬庫、通称は前畑弾薬庫。面積58万平方メートル。日本海軍の火薬庫を1945年にアメリカ軍が接収したもので、当初は陸軍が管理していたが、1955年に海軍に移管された。トンネル式弾薬庫12棟、建造物式弾薬庫22棟からなる。海に面しているため荷揚げには便利だが、市街地の傍にあるので、佐世保市は針尾島弾薬集積所への機能移転を訴えている。参考：月刊軍事研究4,’10

＜佐世保地方総監部＞：海上自衛隊の地方総監部。所在地は長崎県佐世保市平瀬町無番地。保安庁警備隊時代の1953年9月16日、佐世保地方隊隷下に新編された。2014年8月1日、佐世保総監がアメリカ大統領からリージョン・オブ・メリット勲章を授与され、来日中の第５空母打撃群司令官から伝達された。5月14-15日、佐世保基地で第26回コンプライアンス講習会を防衛監察本部と共催した。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。5月30日、ASY-91はしだてに近隣自治体関係者80人を招いて洋上懇談会を実施。9月26日から10月9日、平成28年度海上自衛隊演習（図上演習〈日米共同演習〉）に参加。2017年4月19日、佐世保市自衛隊家族会、隊友会佐世保支部、水交会佐世保支部、海自佐世保OB会と災派に携わる艦艇乗員の家族の安否確認を行う協定を締結。5月26日、陸自相浦駐屯地、佐世保市と大規模災害時等に従事する隊員の家族支援に関する協定を締結。10月15日、佐世保基地平瀬体育館でソマリア沖海賊対処水上部隊28次隊留守家族に中間説明会を実施。2018年3月8日、佐世保市民文化ホールで家族支援講演会を実施。8月18-19日、まつり宮崎2018に協力した。2019年5月18-20日、鹿児島県屋久島で大雨により孤立した登山者などの救助に係る災害派遣に参加。2020年8月18日、青少年広報の一環として、27人に隊内生活体験（DD-157さわぎり乗艦実習、佐世保史料館見学、体験喫食、警備犬訓練展示見学など）を実施。10月21日、東シナ海で海上保安庁との不審船対処共同訓練に参加し、DE-229あぶくまと共に、第10管区海上保安本部、巡視船あかいし、とから、かいもん、たかちほ、固定翼機と、重要施設に向かう不審船対処を想定し、情報共有、共同追跡・監視、停船措置の各訓練を行った。2022年10月19日、東シナ海で海上保安庁との共同訓練に参加。DD-157さわぎり、PG-826おおたか、SH-60K哨戒ヘリと共に、第７管区海上保安本部、巡視船あまみ、ほうおう、ちくごと、重要施設等に向かう不審船を想定した共同追跡・監視、停戦措置、情報共有の各訓練を行った。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、月刊世界の艦船12,’16、1,'22、1,'23、MAMOR vol.151、朝雲

＜佐世保地方総監部（１９７８年）＞：佐世保地方隊隷下で、佐世保基地にある。管理部、防衛部、経理部、補給監理官、技術監理官、衛生監理官、監察官を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜佐世保地方総監部（２０１５年）＞：佐世保地方隊隷下で、佐世保基地にある。佐世保地方総監、幕僚長、監察官、衛生監理官、技術補給監理官、管理部、防衛部、経理部からなる。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜佐世保地方隊＞：海上自衛隊の地方隊Sasebo Regional District。佐世保警備区を担当する。関門海峡、対馬海峡、南西諸島という重要地域を防衛するため、対馬防備隊、下関基地隊、沖縄基地隊を擁する。保安庁警備隊時代の1953年9月16日に創設され、佐世保地方総監部、下関基地隊、佐世保基地警防隊を隷下に置いた。12月1日、鹿屋航空隊が新編された。1954年、対馬連絡所が新編された。1955年12月、鹿屋第２航空隊が新編された。1956年12月1日、鹿屋第２航空隊が大村航空隊に改編された。1957年、第１駆潜隊が新編された。1958年12月16日、鹿屋航空隊が鹿屋教育航空隊に改編された。1960年、第５駆潜隊が新編された。1961年、第13揚陸隊、佐世保補給所、佐世保工作所、鹿屋工作所が新編された。1962年、奄美基地分遣隊が新編された。1965年、佐世保教育隊が新編された。1969年、下対馬警備所が新編された。10月19日、DD-101はるかぜが直轄艦として編入された。1970年、佐世保造修所、佐世保衛生隊、対馬防備隊が新編された。1971年、第34護衛隊が新編された。2月1日、DD-101はるかぜが第12護衛隊に移った。1973年10月26日、沖縄基地隊が新編された。1975年、佐世保調査隊が新編された。1976年、佐世保音楽隊が新編された。1977年、佐世保水雷調整所が新編された。12月1日、第11護衛隊が隷下に入った。1980年、佐世保地区病院が新編された。1983年2月8日0730頃、対馬の北東55kmを南下するアムール型工作艦艦番号PM-5と、それに曳航される改ペチャ�U型警備艦艦番号664を、HSS-2対潜ヘリが確認した。1986年2月中旬、LST-4102もとぶが沼津市今沢海岸で輸送艦総合訓練に参加。1987年2月20日、第21護衛隊が隷下に入った。1988年3月17日、LCU-2001輸送艇１号が編入された。1991年、第39護衛隊が新編された。

2001年10月20-22日、隊員７名がアメリカ海軍警戒用ボートなどに搭乗し、LHD-2エセックス出港時の周辺警戒にあたった。2003年、第３ミサイル艇隊が新編された。2008年、第13・第16護衛隊が新編された。2009年3月27日、地方隊会議と平成20年度優秀部隊等表彰式を実施。佐世保警備隊、佐世保造修補給所、LCU-2001輸送艇１号、優秀隊員９名、技能検定優等者40名が佐世保地方総監から表彰され、うち５名に５級賞詞、１名に４級賞詞が授与された。4月14-27日、長崎県平戸沖漁船転覆事故による行方不明者捜索に参加。7月24日、離島検診海上輸送支援（1973年から36年間にわたる見島への検診車２両の輸送）の功績で山口県萩市から感謝状を授与された。9月上旬から台風８号により台湾から流出したとみられる流木が黒潮に乗って屋久島や種子島付近に接近し、船舶の航行や漁業に障害を生じたため、9月20日0730に鹿児島県知事から佐世保地方総監へ漂流木回収の災害派遣要請が出された。9月21日から10月1日にAMS-4303あまくさ、AGS-5102ふたみ、DD-113さざなみ、ATS-4202くろべが回収作業を行い、10月2日に撤収要請を受けて撤収した。2011年2月3日、佐世保市高島町で自然災害を想定した災害対処訓練を実施。LCU-2001輸送艇１号やAMS-4303あまくさなどが参加した。2012年11月5-16日、キーン・ソード13に参加。2013年5月22-27日、奄美大島で鹿児島県総合防災訓練に参加。8月3-4日、第９回させぼシーサイドフェスティバル2013に参加。2015年1月31日、石垣市民会館で海自佐世保音楽隊ふれあいコンサートin石垣を実施。5月14-15日、コンプライアンス講習会を実施し、隊員700名が受講した。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。10月24日、ソマリア海賊対処第22次海上部隊の留守家族に対する中間家族説明会を実施。2016年1月30日、石垣市市民会館で佐世保音楽隊ふれあいコンサートin石垣を開催。4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。9月3日、八重山諸島南西沖地震を想定した平成28年度離島統合防災訓練に参加。10月15日、佐世保基地でソマリア海賊対処第25次水上部隊の隊員留守家族88家族261人に中間家族説明会を実施。10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。2017年2月26日、ソマリア海賊対処第26次水上部隊の留守家族に対する中間説明会を実施。4月3日、直轄艦のLCU-2001輸送艇１号とAMS-4303あまくさが佐世保警備隊の隷下に移った。9月2日、沖縄県と周辺海空域で沖縄本島北西沖地震を想定した平成29年度離島統合防災訓練に参加。10月21日、佐世保市東公園の海の防人之碑前で佐世保地区殉職隊員追悼式を挙行。11月22日、長崎県雲仙市などで平成29年度長崎県国民保護共同訓練に参加。2018年3月20日、DDG-173こんごう就役25周年記念祝賀会を実施。2019年8月28日に発生した佐賀県豪雨災害の災害派遣に参加。9月1日、令和元年度離島統合防災訓練に参加。10月12日に上陸した台風19号の災害派遣に参加。2021年3月16日、YT-14曳船14号が配備された。9月28日から10月1日、令和3年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。自衛艦隊、システム通信隊群、補給本部と共に、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊と、海上作戦センター及び参加部隊などの所在地で、上級指揮官情勢判断や部隊運用要領などを演練した。11月2日、令和3年度離島統合防災訓練に参加。2022年5月3-4日、博多どんたく港まつりに参加。2023年7月8日、佐世保地方隊創設70周年展示訓練を行う予定だったが、悪天候で中止になり、代わりに参加予定護衛艦８隻（DDH-182いせなど）の特別公開を実施、6000人が訪艦した。参考：佐世保地方隊ホームページ、教育航空集団ホームページ、月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船5,’83、5,’86、1,’13、4,’13、1,'16、11,’17、11,’19、1,'20、7,'21、12,'21、1,'22、10,'23、月刊軍事研究2,’14、日本の防衛戦力Part3、朝雲、月刊JWings11,’16、11,’19、月刊航空ファン1,’17

　＜佐世保地方隊（１９７８年）＞：佐世保地方総監部、第11護衛隊、第34護衛隊、下関基地隊、沖縄基地隊、大村航空隊、佐世保教育隊、佐世保通信隊、佐世保警備隊、佐世保防備隊、対馬防備隊、佐世保衛生隊、佐世保音楽隊、佐世保水雷調整所、佐世保補給所、佐世保造修所、鹿屋航空工作所、直轄艦（LST-4102もとぶ、AGS-5112海洋観測艇２号、ASU-81特務艇81号）、ASH-06高速６号を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

　＜佐世保地方隊（２００１年４月１日）＞：第23護衛隊、第26護衛隊、下関基地隊、沖縄基地隊、LCU-2001輸送艇１号などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜佐世保地方隊（２００７年度、改編前）＞：第23護衛隊（DD３隻）、第26護衛隊（DD３隻）、大村航空隊（SH-60J）などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜佐世保地方隊（２０１０年）＞：AMS-4303あまくさ、LCU-2001輸送艇１号、佐世保警備隊、下関基地隊、沖縄基地隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’11

＜佐世保地方隊（２０１１年）＞：佐世保地方総監部、下関基地隊、沖縄基地隊、佐世保教育隊、佐世保警備隊、対馬防備隊、佐世保造修補給所、佐世保弾薬整備補給所、佐世保基地業務隊、佐世保衛生隊、佐世保音楽隊、LCU-2001輸送艇１号、AMS-4303あまくさを隷下に置く。参考：海上自衛新聞

＜佐世保地方隊（２０１５年）＞：トップは佐世保地方総監。佐世保地方総監部、AMS-4303あまくさ、LCU-2001輸送艇１号、佐世保警備隊、佐世保教育隊、佐世保衛生隊、佐世保音楽隊、佐世保基地業務隊、佐世保造修補給所、佐世保弾薬整備補給所、下関基地隊、沖縄基地隊、対馬防備隊、奄美基地分遣隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船10,'15、6,’15

＜佐世保地方隊（２０２０年）＞：佐世保基地に置かれている。佐世保警備隊、下関基地隊、沖縄基地隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,'20

＜佐世保調査隊＞：海上自衛隊の調査隊。1975年、佐世保地方隊隷下に新編された。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜佐世保鎮守府＞：日本海軍の鎮守府。第３海軍区を管轄する。明治22年7月1日に開庁した。明治32-36年、佐世保鎮守府艦隊が置かれた。昭和8年12月、佐世保警備戦隊が新編された。太平洋戦争終結後は海自佐世保地方総監部として使用されている。令和元年7月1日、佐世保市が鎮守府開庁記念式典を実施。参考：月刊世界の艦船1,’10、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧、朝雲

＜佐世保鎮守府第１特別陸戦隊＞：昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は佐世保連合特別陸戦隊の隷下にあった。参考：日本海軍艦隊総覧

＜佐世保鎮守府第２特別陸戦隊＞：昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は佐世保連合特別陸戦隊の隷下にあった。参考：日本海軍艦隊総覧

＜佐世保鎮守府部隊＞：日本海軍の鎮守府部隊。昭和19年4月10日、第４海上護衛隊と沖縄方面根拠地隊が編入された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜佐世保東山海軍墓地＞：長崎県佐世保の天神山中腹にある海軍墓地で、東公園とも呼ばれる。1892年（明治25年）から日本海軍が殉職者の埋葬に使用していたところで、太平洋戦争後は一時荒廃していたが、1959年から佐世保市の管理となり、再整備された。艦隊や軍艦（金剛、那智、足柄、羽黒、妙高、雲龍、瑞鳳、矢矧など）ごとの慰霊碑、20分の１スケール海大７型潜水艦を墓碑にした佐世保鎮守府潜水艦合同慰霊碑、個人碑が並んでおり、佐世保鎮守府管内の英霊176000柱と海上自衛隊佐世保警備区管内殉職隊員が祀られている。参考：月刊世界の艦船2,’10

＜佐世保飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜佐世保防備隊＞

＜佐世保防備隊（１９７８年）＞：佐世保地方隊隷下で、向後崎警備所、第３港湾哨戒隊、佐世保水中処分隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜佐世保補給所＞：海上自衛隊の補給所。1961年、佐世保地方隊隷下に新編された。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜佐世保連合特別陸戦隊（昭和１６年１２月８日、太平洋戦争開戦時）＞：建制上は連合艦隊直率で、佐世保鎮守府第１特別陸戦隊、佐世保鎮守府第２特別陸戦隊からなる。兵力部署では比島部隊付属部隊に所属する。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T、日本海軍艦隊総覧

＜サソリの毒針作戦＞：砂漠のサソリ作戦を参照。

＜佐多＞日本海軍知床型給油艦３番艦Sata。大正10年2月24日竣工、運送艦に類別された。昭和14年（13年？）、沈没潜水艦揚収用大型クレーンを装備し、簡単な潜水艦救難作業を行えるようにした。2月に伊63の救難活動に参加している。昭和17年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。昭和19年2月17日、パラオ北方でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。3月30日、パラオでアメリカ機動部隊の空襲を受けて沈没した。5月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史、日本の潜水艦パーフェクトガイド、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜サターリー＞：DD-626（駆逐艦）を参照。

＜サターン＞：T-AFS-10（戦闘給糧艦）を参照。

＜サターン・アーチ＞：RO-6Aシリーズ（偵察機）を参照。

＜サターン・ポッド＞：フランスのSAT社が開発したヘリコプター用熱線暗視射撃管制装置。広視野（5.7×8.6度）と狭視野（1.9×2.9度）の２モードがあり、走査角度は左右30度ずつ、上下15度ずつ。6km先の戦車を探知できる。参考：月刊軍事研究3,’97

＜佐竹式ウルツブルグレーダー＞：日本陸軍試作レーダー、別名た号改４型。ドイツから入手したウルツブルグ・レーダーの資料を基に陸軍多摩技術研究所が開発したもので、使用周波数を200MHzに変更し、八木アンテナ４本を２列２段でセット、２軸４輪の台車に取り付けている。製作は東芝が担当し、昭和19年秋に試作機でテストを開始、昭和20年から量産されたが、すぐ終戦となった。参考：レーダシステムの基礎理論

＜佐多射撃場＞：陸上自衛隊の射撃場。鹿児島県南大隅市（佐多岬北東20km）にあり、面積28万平方メートルで、しょう舎地区と射撃場地区に分かれている。海に向かって射撃するので、ヘリコプターから洋上舟艇を射撃するドアガン射撃訓練、79式対舟艇対戦車ミサイルや多目的誘導弾などの対舟艇実射訓練、FH-70射撃訓練などが可能。訓練の際は九州防衛局が農林水産大臣、鹿児島県知事、宮崎県知事から意見聴取を行い、関係漁協などと協議して同意を取得、射撃場南側洋上に半径12キロメートル・面積113平方キロメートルの制限水域を設定して漁船の操業を禁止し、対象者に損失を補償する。2012年6月10日から8月31日、陸自部隊が実弾射撃訓練を実施。2015年6月、九州地方豪雨で場内にある高さ6mのコンクリート擁壁が倒壊した。熊本防衛支局土木課が監督して修復工事を行っている。参考：MAMOR vol.133、vol.125、朝雲

＜サタデイ・ナイト・スペシャル＞：週末に犯罪に使用されるような、粗雑な安物銃のこと。参考：GUN用語事典

＜サダム＞：D-30海外シリーズ（榴弾砲）を参照。

＜サダム挺身隊＞：Saddam Fedayeen。イラクのフセイン親衛民兵組織である。参考：月刊軍事研究2,’04

＜サダム・フェダイーン＞：サダム挺身隊を参照。

＜サダム・ライン＞：湾岸戦争時、イラク軍がサウジアラビア・クウェート／イラク国境線沿いに400kmに亘って構築した防御陣地。高さ3.6mの砂壁（元はサウジアラビアが密入出国防止のため建造した）、総計97種類800万個の地雷、重油を満たした火炎壕、対戦車壕、鉄条網障害などからなる障害帯と、その後方にある三角陣地、バンカー、砂に埋められた戦車、火砲陣地などからなる防御陣地で構成される。海兵隊正面のクウェート国境ラインでは障害帯が強力で、陸軍正面のイラク国境ラインでは防御陣地に重点が置かれていた。参考：月刊軍事研究12,’98

＜サダム・ライン突破作戦＞：湾岸戦争時に多国籍軍が行った、イラク国境防衛線サダム・ライン突破作戦。まず地雷原をMICLICで爆破、マインプラウ（TWMP）・マインローラー（TWMR）・レーキ（FWMP）などで誘爆しなかった地雷を除去し、戦闘工兵がその通路を確認して標識を置いていく。そこから機械化歩兵小隊M2A2歩兵戦闘車４両がM9装甲ドーザーと共に突入、M2A2歩兵戦闘車の支援射撃の下にM9装甲ドーザーが塹壕を端から敵兵ごと埋め立て、M2A2歩兵戦闘車から下車した歩兵が制圧を確認する。機械化歩兵の進出を待たず、プラウとローラーで塹壕を埋め立ててしまうこともあった。また、MICLICで地雷原に守られた塹壕を地雷ごと吹っ飛ばしたりもした。ただし、砂漠の地面は柔らかいためMICLICでの破砕にはムラがあり、ローラーも圧力が分散されて使えないことも多く、湾岸戦争後は工兵用地雷原突破機材の開発に勤しむこととなる。クウェート側から侵入した第１海兵師団は通路４本を開設、この際TWMR装備M60戦車１両がイギリス製ダブル衝撃棒形地雷（２回目の衝撃で炸裂するため、ローラーが通過した直後に履帯の下で爆発した）で擱座している。そのすぐ西から突入する第２海兵師団は右翼で強力な地雷原に遭遇、TWMP装備M60戦車が立て続けに３両破壊され、TWMP装備M1A1戦車も１両が砲塔リングが歪むほどの損傷を受け、橋頭堡の確保に８時間以上掛かっている。陸軍第１歩兵師団は防御陣地にM1A1戦車による直接射撃を喰らわせて無力化し、薄い地雷原をあっさりと突破して塹壕を埋め立て進撃した。参考：月刊軍事研究12,’98、11,’08

＜サタン＞：M3軽戦車ファミリーまたはRS-20（ICBM）またはRS-20V（ICBM）を参照。

＜サチ＞：日本海軍の略号で、参謀長のこと。または海上自衛隊の略号で、幕僚長のこと。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊軍事研究10,’13

＜さちしお＞：SS-582（潜水艦）を参照。

＜雑役船（日本海軍）＞：日本海軍艦船の大分類の１つ。救難船兼曳船、曳船兼交通船、曳船、交通船、砲艇型交通船、飛行機救難船、敷設艇型曳船、駆潜艇型曳船、内火艇、砲艇型内火艇、輸送船、特型運貨船、飛行機運搬船、魚雷運搬船、水船、重油船、軽質油船、潤滑油船、起重機船、浮船渠、工作船、動力船、浚渫船、岩砕船、標的船、測量船、測量艇、消火艇、魚雷追躡艇、雷艇、海洋観測船、測量船兼海洋観測船、交通船兼海洋観測船、練習船、潜水作業船、長官艇、カッターなどに分類され、解体・売却待ちの艦船もあるが、これらは正式の種別／類別ではなく、全部纏めて「雑役船」である。日章旗を掲揚する。軍艦年鑑などには記載が無く、船名も四桁以下の番号で済まされることが多かった。固有の乗員はおらず、港務部などの基地要員や水兵がその都度運用した。参考：小艦艇入門、月刊丸3,’14、月刊モデルアート9,'15増刊

＜雑音指数分析器＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜雑音信号源測定器＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜サッカー戦争＞：1969年6月27日、ワールドカップサッカー北中米カリブ海地区予選の第３戦がメキシコで行われ、エルサルバドルがホンジュラスに３対２で勝利し、エルサルバドルはその後ワールドカップへの出場を決めた。第１戦（ホンジュラス開催）と第２戦（エルサルバドル開催）ではホームのサポーターが敵チーム宿舎周辺で騒音を立てて睡眠妨害を行うなど険悪な雰囲気で、エルサルバドルとホンジュラスは国境や不法入国者で揉めていたこともあり、間も無くホンジュラスはエルサルバドルに対して国交断絶を宣言してエルサルバドル人を国外追放、ホンジュラス国内ではエルサルバドル人に対する略奪などが行われている。このため、エルサルバドルは7月14日にホンジュラスの首都を爆撃し、戦争が始まった。7月15日、エルサルバドルがホンジュラスに8kmほど侵攻。7月17日、ホンジュラス空軍F4U-5コルセア戦闘機とエルサルバドル空軍キャバリエ・マスタング�U戦闘機が史上最後のレシプロ戦闘機空中戦を行い、キャバリエ・マスタング�U戦闘機１機が撃墜された。双方とも軍備があまり整っておらず、国連の調停などで7月18日には武力衝突が終結している。戦死者は3000-6000名とみられる。懸案の国境線が画定したのは1998年だった。参考：歴史群像8,’02、月刊JWings10,’17

＜サッカーボール＞：ADPAアンテナを参照。

＜擦過信管＞：触発信管を参照。

＜皐月（初代）＞：日本海軍皐月型駆逐艦１番艦。元はロシア海軍駆逐艦ベドウィで、日本海海戦で負傷したバルチック艦隊司令長官ごと明治38年5月28日に鹵獲した。6月6日に皐月と命名され、12月12日に駆逐艦として艦籍に編入された。明治39年、整備を完了し、第３水雷戦隊に編入された。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正2年4月1日、除籍された。大正3年8月23日、雑役船に編入された。大正10年に廃船となった。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜皐月（２代目）＞：日本海軍睦月型駆逐艦５番艦。大正14年11月15日竣工、第27号駆逐艦という名称で一等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日、皐月に改称された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第22駆逐隊に所属していた。昭和18年2月1日、イサベル島沖海戦に参加。5月28日、ショートランドで座礁した。7月5日、クラ湾夜戦に参加。7月12-13日、コロンバンガラ島沖夜戦に参加。7月17日、ショートランドで爆撃を受けて小破した。昭和19年1月4日、カビエン港外で爆撃を受けて小破した。9月21日、マニラ湾で艦上機の攻撃を受けて沈没した。昭和20年8月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜さつき１号＞：呂500（潜水艦）を参照。

＜さつき２号＞：呂501（潜水艦）を参照。

＜皐月型＞：日本海軍駆逐艦。元はロシア海軍ボイキー級350トン型駆逐艦ベドウィ（Biedovy）で、日露戦争時に鹵獲して整備したものである。艦首の38.1cm固定式魚雷発射管を廃止して旋回式45cm魚雷発射管に換装した。垂線間長64m、全幅6.4m、平均吃水1.8m、常備排水量350トン。主機は直立式三連成レシプロ蒸気機関２基、主缶は宮原式石炭専焼水管缶４基、出力5700馬力、２軸推進、速力27ノット。兵装は８サンチ単装砲１門、５サンチ単装砲（露式３ポンド砲／露式５サンチ砲）５門、45サンチ単装魚雷発射管２門。乗員62名。皐月が明治38年に就役した。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜サッケイド＞：鷹撃２型（対艦ミサイル）または鷹撃83（対艦ミサイル）を参照。

＜殺人光線＞：Ｚ兵器を参照。

＜雑船＞：警備隊の船種で、雑務に従事する船舶を指す。1952年10月に制定され、8月1日に遡って適用された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜サッター・シリーズ＞：イランのレーザー誘導式空対地ミサイル。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜サッター１＞：全長2.5m、直径0.3m、重量210kg、弾頭重量50kg。最大射程20km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜サッター２＞：Mk80汎用爆弾シリーズを弾頭にしたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜サッター３＞：サッター２の改良型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜サッタヒップ級＞：タイ海軍哨戒艇Sattahip級。兵装は76mm砲Ka.html#艦砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サッチ＞：FFG-43（フリゲート）を参照。

＜サッチ・ウィーブ＞：アメリカ海軍戦闘機パイロットジミー・サッチ少佐が考案した対零戦用戦闘法Thach Weave。零戦１機に対して２機で戦闘を仕掛け、無線で連携を取りつつ急上昇して高度を上げたところで１機が零戦に攻撃をかけ、零戦が射線を逃れるため急降下したら追尾して一撃を浴びせ、格闘戦には持ち込まずにすぐに離脱する。機上無線機の信頼性が高いのと、零戦が急降下で高速になると運動性能が極端に低下するのを突いた戦法である。第251海軍航空隊の戦訓所見には、敵が２機の協同を良く行い、こちらが１機を攻撃追跡しているともう１機が極めて適切に攻撃してくるのが常なので、長追いは厳禁、後方注意を怠らず、味方相互の後方支援が肝要であり、巴戦でP-39戦闘機やP-40戦闘機は零戦が1-2旋転かければ容易に追跡できるが、横の巴戦は長時間を要するので実施しないこと、と記されている。参考：太平洋戦争情報戦、月刊丸1,'15増刊、月刊航空情報5,’18、月刊世界の艦船8,’21

＜サッチャー＞：DD-514（駆逐艦）を参照。

＜サッチャム＞：M2790（通船）を参照。

＜サッドアイ＞：BLU-26/B（子爆弾）を参照。

＜サッドサック＞：海鷹４型（艦対艦ミサイル）または海鷹４型（空対艦ミサイル）を参照。

＜サットン＞：DE-771（護衛駆逐艦）を参照。

＜ザッパーズ＞：VAQ-130（電子戦飛行隊）またはVAW-13（空中早期警戒飛行隊）を参照。

＜サッパースフォワード＞：アメリカ陸軍第３歩兵師団工兵旅団の愛称。参考：月刊軍事研究9,’03

＜サップウッド＞：R-7（ICBM）を参照。

＜ザップ・フラップ＞：フラップを参照。

＜サップラ＞：F48（フリゲート）を参照。

＜札幌航空ページェント＞：札幌飛行場で1964年から数年おきに開催された航空ショーで、主催は北海道航空協会と北海道スカイスポーツ協会。民間機やスポーツ機だけでなく、アメリカ軍機や自衛隊機も参加する。2008年の第25回で一旦終了となったが、アンコールに応えて2012年に第26回が開催された。参考：月刊JWings10,’12

＜札幌試験場＞：防衛装備庁／技術研究本部の試験場。東千歳駐屯地の南隣にある。車両の走行性能試験と航空機やミサイルに関する性能試験を担当し、車両定地試験施設（外周4.3km。60%登坂路、20-40%斜面横行路、1.25km平坦直線路、1.65km・1%勾配緩斜面路、0.55km機動試験路、砂利道、泥濘路などを持つ）、空力推進研究施設（三音速風洞試験装置、エンジン高空性能試験装置、燃焼風洞試験）を有する。車両定地試験施設は90式戦車の開発をきっかけに1983年度に設置され、それまで演習場の仮設試験場で行われていた車両試験を恒常的に行えるようになった。軟弱地を想定した走行試験の際は手作業で水を撒いて土とかき混ぜ、所定の柔らかさに調整する。空力推進研究施設は1991年度から整備された。三音速風洞試験装置は装置の組み替えによってマッハ0.3-4に対応し、亜音速、遷音速、超音速のテストが可能。エンジン高空性能試験装置は高度0mから22860m、空気温度マイナス72度からプラス270度、速度ゼロからマッハ2.5の状況を再現できる。燃焼風洞試験はラムジェットエンジンのテスト用である。1957年、札幌市丘珠に開設された。その後真駒内に移転し、更に千歳市駒里に移っている。2015年10月1日、技術研究本部から防衛装備庁の隷下に移った。2018年4月2日、千歳試験場に改称された。参考：MAMOR vol.105、朝雲

＜札幌第一飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜札幌第二飛行場＞：日本陸軍の飛行場。後に丘珠駐屯地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜札幌駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は北海道札幌市中央区南26条西10丁目。1966年2月、第423会計隊が丘珠駐屯地に移った。2013年3月26日、北部方面情報隊が新編された。2018年7月18日、第第３高射群がPAC-3機動展開訓練を実施。2022年9月7日、第３高射群がPAC-3機動展開訓練を実施。参考：JGround Vol.23、北部方面隊ホームページ、丘珠駐屯地ホームページ、月刊JWings10,’18、11,’22

　＜札幌駐屯地（２０１５年）＞：北部方面総監部、北部方面総監部付隊、北部方面通信群、北部方面情報隊、北部方面後方支援隊第101通信直接支援隊、北部方面会計隊、北部方面警務隊本隊、会計監査隊北部方面分遣隊、第301保安警務中隊、北部情報保全隊、札幌駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜札幌雪祭り＞：自衛隊が「野戦築城訓練」という名目で民生協力を実施しており、独自に出品する他、一般作品の台座部分を作っている。夜間修復や除雪、終了後の片付けも支援する。雪像製作の責任者は中隊長で、自治体、民間企業、広報などへの対応や、資材配分、日程調整など、実際の築城や危機対応にも応用できる内容が多いという。真駒内駐屯地は同時期に駐屯地開放を行っていた。雪像製作は9月の製作対象偵察から開始される。本格的な協力は年明けから始まり、札幌郊外から雪像製作用の雪を運んでくる（市街地の雪は使わない）。以前は全雪像の雪を自衛隊が運んでいたが、輸送代の負担が大きいため、民間製作分は民間企業の手に委ねられた。期間中は訓練時間が削られるため、終了後に遅れを取り戻すべく一気に訓練が入り、１ヶ月間冬山で野営することもあったらしい。2005年に真駒内会場は廃止となり、雪像製作部隊も普通科連隊メインの第３雪像製作隊（城が得意）と、特科連隊メインの第１雪像製作隊（キャラクター物が得意）の２部隊に統合された。参考：月刊軍事研究4,’08、日本の戦力

＜さつま＞：LST-4153（輸送艦）を参照。

＜薩摩＞：日本海軍薩摩型戦艦。明治38年5月起工、明治43年3月25日竣工。明治44年12月、主砲塔天蓋に子砲を搭載。大正7年4月、高角砲を追加した。大正12年9月に除籍され、大正13年に実艦的となった。参考：月刊世界の艦船9,’18、月刊丸4,’13

＜薩摩型戦艦＞：日本海軍準ド級戦艦。日本初の国産戦艦で、明治37年臨時軍事費の艦艇補足費で仮称艦名乙号戦艦として建造され、仮称艦名甲号戦艦／戦艦安芸より先に竣工した。全長146.9m、幅25.5m、常備排水量19372トン、排水量20100トン。主機は蒸気タービン、速力18.25ノット。兵装は30.5cm連装砲２基、25.4cm中間砲12門、12cm副砲12門、7.6cm砲４門。装甲厚は舷側229mm、甲板51mm、砲塔254mm。薩摩が明治43年に竣工した。参考：月刊丸4,’13、月刊世界の艦船7,’18、4,’17

＜薩摩隼人記念館＞：陸上自衛隊国分駐屯地にある史料館。日本陸軍郷土部隊や、所在部隊の資料が展示されている。事前予約で見学可能。所在地は鹿児島県霧島市国分福島2-4-14。開館時間は0830-1700。休館日は一応土日祝日だが、事前予約すれば見学できる。参考：MAMOR vol.42

＜サッヤード２＞：サヤド２（地対空ミサイル）を参照。

＜サッヤード２Ｃ＞：サヤド2C（地対空ミサイル）を参照。

＜雑用投下のう１号＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜沙堤基地＞：中国軍航空基地。民間の佛山空港と共用である。2700m滑走路、掩体12基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜サティール＞：P214（潜水艦）を参照。

＜サデュース・パーカー＞：DE-369（護衛駆逐艦）を参照。

＜サテライトＭ＞：ベラルーシのBARPが開発した電子戦ジャマーポッド。長方形コンテナに収容されており、パイロン内に組み込むことができる。イタリアがインドのMiG-35戦闘機用に開発したELT/568(V)エレトロニカと同様の能力を持つという。参考：月刊軍事研究2,’10

＜佐渡＞：日本海軍択捉型海防艦。昭和18年3月27日竣工、第１護衛隊に編入された。4月18日、横須賀を出港。門司−高雄の輸送船護衛に就いた。7月10日、門司−シンガポールの輸送船護衛に就いた。昭和19年5月8日、ルソン北方でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。8月22日、台湾からマニラに向かう途中、マニラ西方でSS-255ハッドの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜作動＞：銃から弾丸を発射するために必要な銃尾機関の運動で、８工程に区分される。ちなみに日本陸軍の典範令では「槓桿により遊底前進するや円筒頭部は実包を薬室内に進入せしむ。撃茎の撃発段逆鉤頭に鉤するに至れば撃茎前進を阻止せられ円筒のみ前進す。この際円筒後端の鍔部安全子内面の段部に鉤するため、撃茎ばねを圧迫しつつ安全子は円筒の前進に伴う…」と解説されていて、何が何やら分からない。参考：火器弾薬技術ハンドブック、新兵サンよもやま物語

　＜送弾＞：feed。遊底により、弾薬を薬室後端まで送ること。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜装填＞：champering。薬室に弾薬を入れること。またはロケット弾、ミサイル、キャニスターなどをランチャーにセットして発射準備を整えること。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜閉鎖＞：lock。閉鎖機構によって薬室を閉じること。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜撃発＞：firing。弾薬の雷管を撃針で打撃し、発火させること。装薬が燃焼し、数千分の１秒の間に燃焼ガスに変化、１平方センチメートルあたり数トンの圧力を生じ、弾丸を銃身前方に向けて加速する。参考：火器弾薬技術ハンドブック、拳銃・小銃・機関銃

　＜開放＞：unlocking。薬室を閉鎖している閉鎖機構を解き、薬室を開くこと。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜抽筒＞：extracting。打殻薬莢または不発弾薬を薬室から引き抜くこと。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜蹴出＞：ejecting。打殻薬莢または不発弾薬を銃外に蹴り出すこと。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜撃発準備＞：cocking。撃鉄や撃針を撃発準備完了状態とすること。発射サイクルが遊底閉鎖状態から始まる閉鎖遊底式（クローズドボルト式。撃発準備状態で弾薬が装填され、閉鎖が完了している。大部分の小火器がこれ）と、開放状態から始まる開放遊底式（オープンボルト式。撃発準備状態で弾薬が装填されず、遊底が後退位置にある。オープン・ブリーチ・ファイア機構を採用している銃器一般を指す）がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜差動エルロン＞：Differential aileron。下がる側のエルロンの動きを抑制し、上がる方の動きを拡大したエルロンのこと。両者の作動時の抗力アンバランスを抑制し、アドバース・ヨーや低速操作時の失速を防ぐことができるので、ほぼ全てのエルロンがこのタイプである。参考：航空用語事典増補改訂版

＜佐藤鐵太郎＞：日本海軍中将。慶応2年生まれ。明治35年に帝国国防論、明治40年に帝国国防史論を執筆し、日本海軍は戦略的防衛を主任務とし、制海権確保とシーレーン防衛に重点を置き、侵攻艦隊が邀撃艦隊に対し５割以上の優勢を必要とすることから逆算して保有戦力は仮想敵国の７割以上とすべきであると説いた。昭和17年に死去した。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜佐藤ブリッジ＞：イラク共和国サマワのワルカに日本の支援で作られた橋の名前。陸上自衛隊イラク復興支援活動先遣隊の佐藤隊長が名前の由来である。参考：月刊軍事研究7,’05

＜サトゥルン＞：ソ連のエンジン製造所Saturn。元は1916年に設立されたルィービンスク自動車工場である。後にリューリカ設計局と合併して株式会社化し、A.リューリカ＝サトゥルン特殊設計局になった。参考：月刊JWings1,’21

＜サドーヴニッツァ＞：BMD-4M（空挺戦闘車）を参照。

＜サド・コクラン＞：DDG-135（イージス駆逐艦）を参照。

＜佐渡分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。所在地は新潟県佐渡市金井新保丙2-27。敷地面積50万平方メートル。1948年10月に新潟県相川町春日崎へと展開したアメリカ空軍警戒監視部隊が1954年10月に金北山頂へと移り、1955年10月に航空自衛隊も展開、1960年5月に空自へと移管されて分屯基地として開設され、東部訓練航空警戒隊第２中隊が配備された。1992年3月、第302基地防空隊が新編された。2000年3月、第46警戒群が第46警戒隊に改編された。2010年3月18日、J/FPS-2レーダーに換わって配備されたJ/FPS-5Bレーダーの領収記念行事を実施。7月、J/FPS-5Bレーダーの運用を開始。2021年5月14日、佐渡市自衛隊協力会や隊友会など８団体の長を招き、見学会を実施。参考：佐渡分屯基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究7,’10、9,’11、5,’12、月刊JWings6,’10別冊付録、朝雲

　＜佐渡分屯基地（２０１５年）＞：第46警戒隊、中部航空施設隊第１作業隊佐渡作業班が所在している。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜サドラー＞：R-16（弾道ミサイル）を参照。

＜サドラル＞：ミストラル１艦対空ミサイルを参照。

＜サトル＞：P251（潜水艦）を参照。

＜サドル・シティ＞：バグダッド北東にある貧民街。フセイン政権で迫害されていたシーア派住民の居住区域で、元はサダム・シティと言われていたが、イラク戦争後にサドル師の父親を讃えてこう呼ばれるようになった。参考：月刊軍事研究3,’05

＜サドルタンク構造＞：潜水艦の船体構造の１つ。単殻船体の両側にメイン・バラスト・タンクをサドル（馬の鞍）のように取り付けたものである。サドルタンクは剥き出しだったり、外殻で覆ったりするが、いずれにせよ艦底部は単殻である。参考：月刊世界の艦船6,’09、8,’11増刊

＜ザドルヌイ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートZadorny。1979年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜早苗＞：日本海軍若竹型駆逐艦３番艦。大正12年11月5日竣工、第６駆逐艦という名称で二等駆逐艦に類別された。大正13年4月24日に第６号駆逐艦と改称された。昭和3年8月1日、早苗に改称された。昭和18年11月18日（15日？）、セレベス海でSS-222ブルーフィッシュの雷撃にを受けて沈没した。昭和19年1月5日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、アメリカ潜水艦史

＜真田山陸軍墓地＞：日本陸軍初の墓地。大阪市天王寺区にある。明治4年に創設され、西南戦争から太平洋戦争までの死者（訓練中の事故などを含む）を祀っており、墓碑5100基以上と遺骨8200柱以上を納めた納骨堂がある。参考：朝雲

＜サニタリー・ブロー＞：潜水艦の汚物タンク内にある汚物を艦外の海中に捨てる際に使用した高圧空気を排出すること。昔の潜水艦ではシュノーケル航行中に便器経由で艦内に排出していたため、悪臭で悲惨なことになった。更に、トイレを使用中にこれを喰らうともっと悲惨なことになった。参考：JShips Vol.46

＜サニテック・システム＞：フランスのサニテール・エキプマン社が開発した野戦用簡易トイレ。1200回の連続使用に耐える。湾岸戦争でフランス国防相がシュワルツコフ将軍に１基を寄贈したといわれ、1993年のミシシッピ河の洪水では7000基が用意された。参考：月刊軍事研究4,’97

＜讃岐丸＞：日本海軍相良丸型特設水上機母艦Sanuki maru。昭和14年5月1日、日本郵船の貨物船として竣工。昭和16年8月17日に徴用され、9月5日に特設水上機母艦となった。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は兵力部署では比島部隊主隊に所属していた。昭和17年1月27日、バリクパパンで爆撃により小破した。2月18日、バリ島攻略戦を支援するため、マカッサル付近に水上基地を設営、搭載機により対潜哨戒を行った。12月1日、特設運送船に艦種変更された。昭和20年1月28日、黄海でSS-411スペードフィッシュの雷撃を受けて沈没した。3月10日に解役された。参考：日本航空母艦史、月刊丸1,’07、第２次大戦日本海軍作戦年誌、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜さぬき夢っ娘＞：香川地方協力本部のマスコットキャラ。陸上のりー（姫カット）、海上のみー（ツインテール）、航空のくー（おかっぱ）の３人組である。参考：MAMOR vol.117

＜サネット＞：H29（駆逐艦）を参照。

＜佐野飛行場＞：日本陸軍の飛行場。大阪にある。昭和19年に開設され、飛行第53戦隊や明野陸軍教導飛行隊が配備された。参考：月刊丸8,'15別冊

＜サバイバー・シリーズ＞：オーストリアのアハライトナー社が開発した４×４輪装甲車。参考：月刊軍事研究11,’10

　＜サバイバー�T＞：戦闘重量８トン。参考：月刊軍事研究11,’10

　＜サバイバー�U＞：サバイバー�Tを一回り大きくして防御力を強化したもの。装甲は全周でNATOレベル３、対IED・地雷でレベル4aに強化できる。最大戦闘重量15トン。エンジンはディーゼル（320馬力）、航続距離1000km。乗員２名＋乗車歩兵８名。車体後部に120mm迫撃砲M12を搭載して自走迫撃砲にもできる。参考：月刊軍事研究11,’10

＜サバイバー・スリング＞：航空救難団の救出器材。ボイヤントスリングの軽量化版である。装着法は同じで、両脇を通して背中に回す方式のため、体重を背中と脇で支える必要があり、一定の負荷に耐えられる元気な要救助者向け。参考：月刊航空ファン9,’19

＜サバイバル・キット（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の航空機乗員用サバイバル用具。特殊毛布、救命保温具（使用時間70時間）、海水脱塩キット、救命糧食、応急修理用具（救命浮舟補修用）、救難信号灯、ライフバルーン（救難信号発信バルーン）などを収容袋に収めている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜サバイバル・フード・ポケット＞：インディビジュアル・フード・ポケット（戦闘糧食）を参照。

＜鯖江駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は福井県鯖江市吉江町4-1。JR鯖江駅からバスが出ており、創立記念行事ではシャトルバスが出る。1963年3月31日、鯖江分屯地（金沢駐屯地の分屯）として開設され、第322地区施設隊と第417会計隊が大久保駐屯地から移駐した。1966年2月1日、鯖江駐屯地に昇格した。1968年3月1日、第306基地通信中隊鯖江派遣隊が新編された。1971年4月1日、通信所が開設された。12月25日、第114地区警務隊金沢派遣隊鯖江連絡班が新編された。1993年3月30日、第322地区施設隊が第302施設隊に改編された。2004年3月29日、第302施設隊が第372施設中隊に改編され、第104施設直接支援大隊第１中隊鯖江派遣隊が新編された。2008年3月26日、第114地区警務隊金沢派遣隊鯖江連絡班が第130地区警務隊鯖江連絡班に改編された。2013年9月21日、創設50周年を記念して福井県内で初となる市中パレードを実施。第372施設中隊の他、第10師団第14普通科連隊、第10偵察大隊、第10戦車大隊、第10飛行隊（UH-1Jヘリ）、海自第23航空隊、舞鶴音楽隊、空自第６航空団（F-15J戦闘機）、小松救難隊、第４高射群も参加した。2016年3月5-6日、鯖江市役所JK課の女子高生５人に体験入隊を実施。2018年7月4日、福井県自衛隊家族会・隊友会と、隊員家族の支援に対する協力に関する協定を締結した。2020年10月16日、献血協力の功績で、日本赤十字社から金色有功章を贈呈された。参考：鯖江駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、朝雲

　＜鯖江駐屯地（２０１５年）＞：第６施設群第372施設中隊、第104施設直接支援隊鯖江派遣隊、第306基地通信中隊鯖江派遣隊、第130地区警務隊鯖江派遣隊、中部方面会計隊第417会計隊（3月26日から第336会計隊鯖江派遣隊）が駐屯している。参考：鯖江駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜サバ型＞：サヴァ型（潜水艦）を参照。

＜砂漠の嵐作戦＞：デザート・ストーム作戦を参照。

＜砂漠の狐＞：ロンメルを参照。

＜砂漠の狐作戦＞：デザート・フォックス作戦を参照。

＜砂漠の剣作戦＞：デザート・セイバー作戦を参照。

＜砂漠のサソリ作戦＞：ポスト・イラク戦争で、2003年6月15日から7月7日にアメリカ軍などがイラク全土で行った、大規模掃討作戦Desert Scorpion。作戦総称であり、第２機甲騎兵連隊がバグダッドで行ったのはサソリの毒針作戦、第３歩兵師団がファルージャ一帯で行ったのはスパルタ人のサソリ作戦、第４歩兵師団が北中部地区で行ったのはサイドワインダー作戦と命名されている。アメリカ軍だけで４個師団と２個機甲連隊が参加し、詳しい戦果は不明だが、最初の15日で1300人以上を勾留、多数の武器弾薬を押収した。参考：月刊軍事研究9,’04、月刊軍事研究12,’14

＜砂漠の盾作戦＞：デザート・シールド作戦を参照。

＜砂漠の星＞：マルセイユ（ドイツ空軍エース）を参照。

＜砂漠迷彩戦闘服（アメリカ）＞：アメリカ軍の砂漠用戦闘服。イラク戦争時に使用された。上着前面やズボンのポケットは装具を付けると使えなくなるので、自分でポケットを別の場所に縫いつけたりしている。股の部分から波損することが多く、汚れによると思われる。前線では１ヶ月以上クリーニングに出せないことも多いため、洗濯板を望む兵士も多いという。参考：月刊軍事研究4,’04

＜サパタ作戦＞：ピッグズ湾事件を参照。

＜サパティスタ民族解放軍＞：メキシコ南部のチアパス州に支配権を確立している先住民族ゲリラ。左翼学生運動出身の外国人活動家が組織した。参考：月刊軍事研究3,’05

＜ザパド＞：RPK-8（機雷）またはRPK-8（対潜ロケット発射機）を参照。

＜ザパド８１＞：ソ連軍が1981年にバルチック軍管区で実施した大規模演習。戦闘車両5000両以上がドニエプル川を渡河するという大規模渡河作戦演習が行われたが、対岸への攻撃準備射撃がいつまで経っても後方に移動せず、渡河しようとした戦闘車両が川の真ん中で立ち往生し、後続部隊に停止命令が伝わらなかったため衝突事故が多発した。漸く砲兵の射撃が後方に移行し、先遣部隊が渡渉地点に到着してみると、砲撃で鋤返されていて障害物が散乱、またまた立ち往生する羽目になり、仮想敵の工兵車両が整地を終えるのを待っていたという。参考：月刊PANZER5,’83

＜サハブ３＞：イランの弾道ミサイル。スカッド弾道ミサイルの改良型で、核弾頭を搭載できる。射程1000km以上。2018年1月2日に発射試験を行ったらしい。参考：月刊軍事研究1,’19

＜サハラ＞：ブレゲー765（輸送機）を参照。

＜サハラ人民解放軍＞：モロッコ反政府組織ポリサリオの軍事部門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜サハラ人民解放軍（１９８９年）＞：現役4000人、予備役11000人。T-55戦車、T-62戦車、BMP-1歩兵戦闘車、EE-9歩兵戦闘車20-30両、122mm榴弾砲M-1931/37、122mm自走多連装ロケットBM-21、120mm/160mm迫撃砲、9K111対戦車ミサイル、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4、2K12/9M32/9K31地対空ミサイル、モロッコ軍からの鹵獲兵器（AML-90装甲車、エランド90mm戦車駆逐車、ラテル20歩兵戦闘車、パナール装甲兵員輸送車、スティルSK-105自走対戦車砲など）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サバラン＞：M-47海外シリーズ（戦車）を参照。

＜サハリン＞：UPAZ-1A（空中給油ポッド）を参照。

＜サバロ＞：S-31（209/1300型潜水艦）またはSS-302（ガトー級潜水艦）を参照。

＜サバロ級＞：209/1300型潜水艦（ベネズエラ海軍）を参照。

＜サバン＞：AKA-19（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜砂盤＞：地形を縮小立体模型にしたもので、戦闘状況の把握や部隊移動・戦闘のシミュレートに使用される。もちろん本格的な模型を作る時間は無いので、その辺の土を盛って形を整え、チョークの粉を降らせたり苔や紐を載せたりしてそれらしく見せ、敵味方の兵棋を置いて計画を練る。陸自輸送学校では同学校木工所のおがくずを廃品利用している。参考：月刊丸7,’14、自衛隊図鑑2002、MAMOR vol.131

＜サハンド＞：イラン海軍駆逐艦Sahand。イギリスのアルヴァンド級フリゲートがベースである。2012年9月18日に進水したとイランが発表したが、9月6日の衛星写真では艦前部と後部が結合されておらず、実際にはまだらしい。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜サバンナ＞：CL-42（軽巡洋艦）を参照。

＜サバンナ・リバー工場＞：アメリカ軍の核物質・核弾頭生産施設で、サウスカロライナ州エイケンにある。生産炉４基を持ち、３基はプルトニウム、１基は三重水素用で、三重水素は金属ボトルに詰め込まれる。核燃料の再処理、高レベル核廃棄物管理なども行っている。1950年に稼働した。参考：核兵器事典

＜ザ・ビッグ・レッド・ワン＞：第１歩兵師団（機械化）を参照。

＜錆天組＞：天保銭組を参照。

＜サヒ２０９シリーズ＞：トルコが開発しているレールガンSahi 209。2018年に公表された。陸上砲台化、艦載、車載が可能。参考：月刊世界の艦船4,’21

　＜サヒ２０９ブロック１＞：初期型。射距離10km。参考：月刊世界の艦船4,’21

　＜サヒ２０９ブロック２＞：改良型。2019年のテストでは口径35mm・重量1kgの弾丸を砲口初速マッハ６・砲口エネルギー10MJで発射し、有効射程50kmを記録した。その後のテストでは厚さ1mのコンクリート壁を破壊したらしい。参考：月刊世界の艦船4,’21

＜サヒブ＞：P212（潜水艦）を参照。

＜サヒャドリ＞：F49（フリゲート）を参照。

＜座標（日本陸軍）＞：直角座標または極座標を使う。直角座標の場合、地図方眼番号の１の位が1000mになっているので、横座標をＸ、縦座標をＹとし、小梯尺の地図でだいたいの座標（例・横座標23400m、縦座標56000m）を示す場合にはX23.4, Y56.0（横書き）またはＸ二三・四−Ｙ五六・〇（縦書き）、大梯尺の地図で精密な位置（例・横座標3456.5m、縦座標6070.0m）を示す場合にはX3.4565, Y6.0700（横書き）またはＸ三・四五六五−Ｙ六・〇七〇〇（縦書き）などと記す。極座標の場合、基準点、方位角（単位は密位、記載はミリ）、距離（単位はメートル、記載はｍ）の順で示す。参考：作戦要務令

＜ザファール＞：D-356（駆逐艦）を参照。

＜サファイア＞：アームストロング・シドレー社のジェットエンジン。元はメトロポリタン・ヴィッカーズ社がベリル軸流式ターボジェットの改良型として開発しており、1947年にエンジン事業をアームストロング・シドレー社に売却したのに伴い、同社が完成させた。カーチス・ライト社がJ65としてライセンス生産している。参考：月刊JWings5,’14

＜サファイア＞：スペリー・ジャイロスコープ社とマルコーニ・レーダー・システム社が開発した小型艦用自動艦砲制御システム。マルコーニ社製ST802自動追尾レーダー（探知距離は対空25-30km・海上30km）、スペリー1412コンピュータ、コンソール、ジャイロ、ログ、艦砲（ヴィッカーズ社製114mm艦砲Mk8、エリコン社製30mm連装機関砲GCM-A01、ボフォース70口径40mm連装機関砲、オットー・メララ社製76mmコンパクト砲に対応）で構成される。要員は１名で、高々度から低空までの対空目標、海上目標（60ノット以上の高速目標含む）、陸上目標（間接射撃含む）に対応できる。エジプト海軍が小型哨戒艇用に採用した。参考：ザ・マーチ42号

＜サファイア＞：フランスの実験用２段式固体燃料ロケット。参考：月刊軍事研究2,’01

＜サファリ＞：P211（潜水艦）を参照。

＜サファリ＞：サーブ社製練習・連絡機。元はマルメ社のMFI-15で、会社吸収合併に伴い名称変更したものである。MFI-9小型軽飛行機の改良型で、機体を大型化してプラス6Gからマイナス3Gまでの機動に耐えられるよう強化した。主翼は支柱付き高翼配置で、翼下にパイロン４基を装着でき、300kgまでの物資を搭載可能。失速速度55ノット、巡航速度105ノット、最大速度145ノット。乗員３名（前列がサイド・バイ・サイド、後列が後ろ向き単座）。ノルウェーが初等練習機として1981年に22機を導入しており、シエラレオネにも４機が輸出された。参考：月刊JWings3,’11、世界の軍用機1979

＜サファリアナ＞：AS42（偵察車）を参照。

＜サフィール＞：S-602（潜水艦）またはサーブ91（練習機）を参照。

＜サフィール＞：フランス海軍サフィール級機雷敷設潜水艦Saphir。1930年竣工。1942年12月にビゼルトでドイツ軍に接収され、イタリアに引き渡されてFR.112となったが、部品不足で動けなくなり、1943年に処分された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜サフィール２３＞：ソ連空軍MiG-23M戦闘機用レーダー、NATOコードはハイラーク。アンテナ径0.9m、探知距離85km、追尾距離55km。ルックダウン能力を持ち、R-23空対空ミサイルを１目標に誘導できる。参考：月刊航空情報11,’09

＜サフィール２５＞：ソ連防空軍MiG-25PD/PDS戦闘機用レーダー、別名N005、NATOコードはハイ・ラーク�W。MiG-25亡命事件でRP-25スメルチＡレーダーが西側に渡ってしまったため、サフィール23をベースに急遽開発した。探知追尾距離はRP-25と同程度で、ルックダウン／シュートダウン機能が追加されている。使用周波数はＪバンド。捜索範囲は方位56度ずつ、俯仰６度ずつ、最大探知距離100km、最大追尾距離75km。参考：世界の傑作機No.172

＜サフィール２９＞：N019（レーダー）を参照。

＜サフィール７４＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜サフィール級＞：フランス海軍機雷敷設潜水艦Saphir級、別名ノルマン・フグー級。1925-29年計画で建造された。船体は複殻構造である。全長65.9m、幅7.1m、吃水4.3m、水上排水量761トン、水中排水量925トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力1300馬力、水上速力12ノット、水中速力９ノット。兵装は55cm魚雷発射管３門、40cm魚雷発射管２門、7.5cm単装砲１門、ノルマン・フグー式縦型機雷敷設筒16基、機雷32個。サフィール、テュルコアーズ、ノーティリュス、リュビ、ディヤマン、ペルルの６隻が1930-37年に就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊丸5,’07、月刊世界の艦船6,’09、9,’12増刊

＜ザフィエル＞：F253（フリゲート）を参照。

＜サフィル２＞：イランの衛星打ち上げ用ロケット。シャハブ３のロケットを流用している。長さ22m、直径1.25m、重量26トン。2010年2月2日に重量27kgの衛星発射に成功した。参考：月刊軍事研究7,’09

＜サフォー＞：AKA-38（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜サフォーク＞：55（重巡洋艦）またはAKA-69（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜サフォーク・カウンティ＞：LST-1173（戦車揚陸艦）を参照。

＜サフォーク・カウンティ級＞：アメリカ海軍戦車揚陸艦Suffolk County級、基本計画番号SCB-119。テレボーン・パリッシュ級の速力・搭載兵員増大型で、船型を細長くし、艦首形状も改良、機関出力を増やした。艦内の車両船倉は長さ88mあり、75トンまでの車両を載せられる。艦橋両舷のボート・ダビットにLCVPを計４隻搭載でき、上甲板にはLCU１隻やヘリ５機を積むことが可能。全長134.7m、幅18.9m、吃水5.03m、軽荷排水量4164トン、満載排水量8000トン。主機はディーゼル６基、出力15000馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、速力17ノット、航続距離9000海里（15ノット）。兵装は50口径7.6cm連装速射砲３基（艦首２基、艦尾１基）。乗員184名。兵員634名と車両・貨物500トンを搭載可能。８隻を建造予定だったが１隻が中止になり、LST-1171デ・ソト・カウンティ、LST-1173サフォーク・カウンティ、LST-1174グラント・カウンティ、LST-1175ヨーク・カウンティ、LST-1176グラハム・カウンティ、LST-1177ロレイン・カウンティ、LST-1178ウッド・カウンティの７隻が1957-59年に就役した。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船12,’13

＜サフォーク・カウンティ級・海外シリーズ＞

　＜サフォーク・カウンティ級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍戦車揚陸艦、別名デューク・デ・カザイス級。兵員600名、戦車18両を搭載可能。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サブキャリバー・バレル＞：本来の使用口径よりも小さな弾丸を発射するために銃腔に挿入する銃身のこと。参考：GUN用語事典

＜サプサン＞：Mi-34S2（ヘリ）を参照。

＜サブ・スキマー＞：イギリス海兵隊特殊舟艇隊SBSのゴムボート。5-6名が搭乗でき、空気を抜くと水中推進器としても使用できる。参考：月刊軍事研究4,’99

＜サブスケール空中標的＞：使い捨て無人標的機のことで、SSAT（Sub-Scale Aerial Target）と略す。使い捨てといっても、被弾撃墜されなかった場合にはパラシュートなどで回収して再利用したりする。参考：月刊航空ファン3,’17

＜サブハ＞：バーレーン海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲートSabha。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-24ジャック・ウィリアムスで、1996年に就役した。参考：月刊世界の艦船9,’09、3,’16

＜サブマシンガン＞：短機関銃、Submachine Gun。略称SMG。中国語では冲鋒槍という。拳銃弾をフルオート射撃できる銃のことである。塹壕戦で歩兵が機関銃に対抗するには携帯式の連射火力が必要で、敵の塹壕に突入した後は長い小銃では取り回しに不便な上、接近戦では射撃のためにボルトを操作している暇が無く、かといって強力な装薬を持つ小銃弾を連続発射できる自動小銃の開発は当時の技術では無理があったため、拳銃弾を連続発射するサブマシンガンが誕生した。当初はドイツでマシーネン・ピストーレ、イギリスでマシン・カービンと呼ばれていたが、アメリカのトンプソン・サブマシンガンが登場してこの名称になっている。拳銃弾を使用するので、8-9インチ（203-229mm）銃身を使用した際の命中精度は90mから落ち始め、有効射程は概ね180m、最良射距離は135m以下である。作動は単純ブローバックが多く、オープン・ブリーチ・ファイアを採用しているため、初弾発射時に復座バネで遊底が押されるなどして銃が動揺し、正確な射撃が難しい。また、遊底の高速運動と反動により連射中も銃口が跳ね上がる傾向があり、射弾撒布界が広くなる。発射速度は弾幕効果、命中率、弾倉１個あたりの交戦時間の兼ね合いから毎分600発前後が多い。最初に開発したのはイタリアで、第１次大戦時にヴィラル・ペローサを開発して塹壕への突入部隊や山岳部隊に配備したが、構造に問題があり適切には使用されなかった。ドイツもMP18を開発してそれに続き、1918年4月のフランダース戦線でサブマシンガン装備の電撃部隊が塹壕内の拠点に先んじて侵入するという戦術を使用したが、短機関銃手に弾薬手や弾薬車を付けるといった実戦向きではない運用法を考えており、結局第１次大戦では用法が定まらなかった。1932年、南米中央部のグランチャコで起きた戦争で使用され、ジャングル地帯の近接戦闘に威力を発揮した。1936年からのスペイン内乱で大規模に使用され、戦術が確立。バイポッドなど邪魔な部品は付けず、歩兵が１名で運用し、歩兵部隊に大火力を提供することが可能となり、ドイツ、イタリア、ソ連で大量生産が開始された。第２次大戦中には各国が使用し、戦車部隊に随伴する機械化歩兵が味方戦車に肉薄攻撃を仕掛けてくる敵歩兵を間近で掃射するという新たな戦術が加わっている。自動小銃や突撃銃よりコンパクトなので、装甲車の中で携行するにも便利だった。日本軍は機甲部隊が貧弱だったためか、あまり活用していない。生産を容易にするため構造を極めて簡素化し、取り敢えず大戦中だけ保てば良いくらいのものも作られた。第２次大戦後は折り畳み銃床の突撃銃や自動小銃に役目を奪われて軍用としては廃れていったが、流れ弾による被害を避けたい市街地での作戦用として治安・公安部隊が重用している。参考：拳銃・小銃・機関銃、世界の軍用銃、GUN用語事典、日本の防衛戦力Part8、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、月刊軍事研究5,’09

＜サブ・ミリメートル波＞：波長1-0.1mmの電磁波で、電波でもあり赤外線でもある。参考：図解・電波のしくみ

＜サブラ戦車シリーズ＞：イスラエルのIMIが開発した輸出用戦車Sabra。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER6,’05

＜サブラＭｋ�T＞：M60A3戦車がベースで、マガフ7Cと同様の砲塔にイスラエルTASSインダストリー社製120mm滑腔砲MG251（メルカヴァMk.3と同じ。俯仰角はマイナス９度からプラス20度。装弾数42発）を搭載し、FCSもエルビット社製ナイトに換装している。主砲弾は耐火コンテナに４発ずつ収容する。砲塔旋回は電動式、主砲俯仰は油圧のハイブリッド式を採用した。副武装は同軸、車長用、砲手用の7.62mm機銃FN-MAGと、60mm迫撃砲C07。砲塔前側面、車体前面、スカートには分厚い増加装甲が装着されていて、砲塔前面は楔形、側面は浅い傾斜平面となった。砲塔上にはレーザー検知器が装着されていて、砲塔両側面の発煙弾発射機と連動している。サスペンションはトーションバーで、車重の増加に合わせて素材に4350H高張力合金を使用して強化が図られた。履帯はシングルピン金属製スケルトン型で、原型のM60A3よりも1.7トンほど軽い。全長9.4m、車体長8.26m、全幅3.63m（スカート無し）、全高3.05m、戦闘重量55トン。エンジンはAVDS-1790-5A（950馬力）、トランスミッションはCD-850BX（前進４段・後進２段）、最大速度48km、航続距離450km。乗員４名。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’10、6,’05、6,’18

＜サブラＭｋ�U＞：トルコに提案したもので、当初はマガフ6Dと呼ばれた。主砲はメルカヴァMk.�Vと同じ120mm滑腔砲（40発）で、7.62mm/5.56mm同軸機銃１丁と他に機銃２丁を砲塔頂部に搭載する。車体外側に60mm迫撃砲C07を１基装備可能。FCSもメルカヴァMk.�Vと同じエルビット／El-Op製ナイト�Vで、砲手用照準器はレーザー測距器・自動目標追跡機付き二軸安定化昼夜間照準器であり、車長も砲手用照準器の映像を共有できる。爆発反応装甲と複合装甲をボルト止めで追加しており、重量が56-59トン（装甲パッケージにより違う）に増加したため、トーションバーを強化し、油圧ダンパーを新型に変更した。パワーパックはMTU製ディーゼル（1000馬力）またはGDLS製AVDS1790-9ARディーゼル（1200馬力）から選択できる。履帯をゴムパッド付ダブルピン式とした。改修型がM-60T戦車としてトルコ陸軍に採用された。参考：月刊軍事研究11,’00、月刊PANZER9,’10、6,’05、6,’18

＜サブラＭｋ�V＞：サブラMk�Uの改良型。装甲を強化し、レーダー・赤外線警戒装置を追加、メルカヴァMk�Wと同じ履帯を装着した。参考：月刊PANZER6,’18

＜サプライ＞：A195（オーストラリア補給艦）またはAOE-6（高速戦闘支援艦）またはT-AOE-6（高速戦闘支援艦）を参照。

＜サプライ級＞：アメリカ海軍高速戦闘支援艦Supply級。サクラメント級の後継で、機動部隊に随伴して洋上補給を行うのが主任務であり、ジョン・ルイス級給油艦並の補給用燃料を搭載しつつ機動部隊に追随できる速力を備える。船体後部に煙突が２本タンデムに立っているが、前方は左舷、後方は右舷にやや寄せられている。上構最後部がヘリ格納庫、後甲板がヘリ甲板で、VERTREPが行える。全長229.7m、全幅32.6m、吃水11.6m、満載排水量48500-49278トン。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン４基２軸105000馬力、最大速力30ノット。燃料24804キロリットル（156000バレル）、弾薬1800トン、食料400トン、一般貨物250トンの他、緊急用として水20000ガロン（75700キロリットル）も搭載できる。CH-46Eヘリ３機（後にMH-60Sヘリ２機）を搭載可能。兵装はシー・スパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、20mmCIWS２基、25mm単装機関砲２門、12.7mm単装機銃４丁など。乗員は民間人170人＋海軍軍人20名。11隻を建造予定だったが、予算不足と空母建造数削減でAOE-6サプライ、AOE-7レイニア、AOE-8アークティク、AOE-10ブリッジの４隻のみ1994-98年に就役した。2001-04年に軍事海上輸送コマンドMSCに配置換えとなり、艦種記号がT-AOEに変更されており、この時補給ポストがＭ型からカンチレバー型となり、武装は全て外された。補給ポストは右舷側が燃料用２基とドライカーゴ用３基、左舷側が燃料用３基とドライカーゴ用３基（前から燃料、ドライカーゴ、ドライカーゴ、燃料、燃料、ドライカーゴの順）。参考：月刊世界の艦船5,’14、4,’15、8,’19、2,’13、1,’10、5,'23、月刊軍事研究5,’03

＜サプライ級＞：オーストラリア海軍補給艦Supply級。補給艦サクセス及び給油艦O226シリウスの後継で、プロジェクトSEA1654フェーズ３MOSC（Maritime Operational Support Capability）として計画され、スペインのナバンティアと韓国の大宇造船海洋DSMEが争い、ナバンティアが選定された。スペイン海軍給油艦A15カンタブリアがベースで、船型は船首尾楼型、前後に上構を備え、凹甲板に門形ポスト２基を配置、その間に監視用甲板室を置き、艦尾にヘリ甲板を持つ。前部上構直後の凹甲板に大型クレーン、監視用甲板室上面に小型クレーンを装備する。後部上構は中型ヘリ２機分の格納庫で、上面に各型煙突１本を備える。前後上構上にタワーマストが１本ずつ立っている。全長173.9m、幅23m、吃水8m、満載排水量19500トン。主機はMAN製18V32/40ディーゼル、出力24000馬力、最大速力20ノット、航続距離6000海里（13ノット）。発電機はMAN7L21/31ディーゼル４基。兵装はファランクス１基（ヘリ格納庫上）。艦艇燃料8200キロリットル、航空燃料1450キロリットル、清水1400キロリットル、ドライ・カーゴ740トン（うち弾薬270トン）を搭載可能。乗員130名。居住区は196名分ある。１番艦A195サプライ、２番艦A304ストルワートが2020-21年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,'21、2,’18、11,’19、11,'20、2,'22、月刊軍事研究8,’16

＜サプライズ＞：PG-63（コルベット）を参照。

＜サフラワー＞：海鷹１型（艦対艦ミサイル）を参照。

＜サフラン＞：フランスの軍事企業Safran。スネクマとサジェムが2005年に合併して創設された。参考：月刊JWings2,’14

＜サブリンティ＞：16（沿海域任務艦）を参照。

＜サブル級＞：フランス海軍哨戒艇Sabre級。全長53m、幅7.1m、吃水3.3m、基準排水量325トン。主機はディーゼル、出力3600馬力、速力19ノット。兵装は76mm単装砲１門、40mm機関砲１門、20mm機関砲５門、爆雷投射機２基。32隻が1944年に就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜サブロック＞：アメリカ海軍の潜対潜ミサイルSUBROC（SUBmarine ROCketの略）、制式名称UUM-44A。1958年からアメリカ海軍オードナンス・ラボラトリで開発され、1964年にIOCを獲得して実用化され、1965年からグッドイヤー・エアロスペース社を主契約社として400発が生産された。W55核爆雷をMk57弾頭部に収容し、２段式固体燃料ロケットに搭載したものである。Mk113またはMk117射撃指揮装置で管制され、533mm魚雷発射管から発射後は空中に飛び上がり、シンガー・キーフォットSD-510慣性誘導装置による慣性誘導で飛翔、目標付近上空でW55核爆雷を切り離し、逆噴射装置で減速して着水、調定深度で炸裂させる。全長6.7m（6.4m？）、直径0.533m、発射重量1.853トン。推進はサイオコールTE-260G固体燃料ロケット、最大速度マッハ１以上、最大射程56km（46-65km？）、破壊半径8km。攻撃原潜に4-6発搭載される。初めて運用能力を持ったのはスレッシャー級攻撃原潜。弾頭にMk44/Mk46対潜魚雷を使用するタイプも計画されたが、敵潜水艦の位置を精密に探知する方法が無く、シー・ランスと被ることもあり、中止された。ホーミング魚雷の進化と核政策の転換により廃制となり、1989年（冷戦終結後？）に退役した。参考：月刊丸3,’90、現代の潜水艦、アメリカの核兵器、月刊世界の艦船8,’82増刊、1,’10、3,’05、4,’18、アメリカ潜水艦史、ザ・マーチ17号、39号

＜サフワン占領＞：湾岸戦争でアメリカ軍が進撃を停止した後の1991年3月1日0200、シュワルツコフ米中央軍総司令官は陸軍部隊司令官ヨーソク中将と電話で協議し、停戦会談場所をサフワン飛行場にすることにした。しかし第１歩兵師団が命令を取り違えてサフワンを占領していないことが分かり、シュワルツコフ司令官は激怒し、直ちに占領するようヨーソク中将に下命。第１歩兵師団は停戦場所がサフワンになりそうだということを察知しており、第７軍団から正式命令が出る前の0240には師団長からサフワン飛行場占領命令が出されている。0350、第７軍団が第１歩兵師団にサフワン市街と飛行場の制圧を命令、自衛以外の戦闘は行わないよう伝えた。0615、１個騎兵大隊が飛行場に到着。そこにはイラク第51機械化師団１個大隊とハムラビ戦車師団３個大隊が布陣しており、0900に撤退を勧告したが、上級司令部の命令無しには不可能であると拒否した。1020に再度交渉を行い、A-10攻撃機２機やAH-64攻撃ヘリを低空飛行させて脅しをかけ、正午までに撤退させた。共和国親衛隊の守るサフワン市街近くの交差点もM-1A1戦車50両とM-2A2歩兵戦闘車装備３個歩兵中隊及びAH-64攻撃ヘリで包囲し、1600までにサフワン市街を含む周辺イラク軍部隊を撤退させた。参考：月刊軍事研究2,’10

＜差分干渉ＳＡＲ＞：干渉合成開口レーダーを参照。

＜サベージ級＞：アメリカ海軍Savage級。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜サベージ級・海外シリーズ＞

　＜サベージ級（チュニジア）＞：チュニジア海軍フリゲート、別名ブールギバ大統領級。全長93.3m、幅10.7m、吃水4.3m、満載排水量1490トン。主機はディーゼル、出力11200馬力、２軸推進、速力19ノット。兵装は76mm単装砲２門、20mm単装機関砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基。１隻を導入した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ザベージ級（フィリピン海軍）＞：フィリピン海軍フリゲート、別名ラジャ・ラカンドラ級。兵装は３連装対潜魚雷発射管２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サベージ級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍フリゲート、別名トラン・カン・ドゥ級。全長93.3m、幅11.2m、吃水4.3m、満載排水量1850トン。主機はディーゼル、出力11200馬力、２軸推進、速力21ノット。兵装は9M32艦対空ミサイル４連装発射機２基、76mm単装砲２門、ヘッジホッグ１基、324mm短魚雷３連装発射管２基、爆雷投下軌条１条。１隻を導入した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜サベッジ・サンズ＞：RVAH-5（偵察攻撃飛行隊）を参照。

＜サボイア社＞：イタリアの航空機メーカー。元はSIAI社で、第１次大戦後にSocieta Anonima Costruzioni Aeronautiche Savoia（ウンベルト・サボイア技師が設立）を買収して社名変更した。1922年、サボイア・マルケッティ社となった。参考：月刊JWings5,’10

＜サボイア・マルケッティ社＞：イタリアの航空機メーカー。1922年、サボイア社にアレッサンドロ・マルケッティ技師が加わって社名変更したものである。1930年代から軍用機を中心に生産を行った。参考：月刊JWings5,’10

＜サボー＞：Sabot。直訳すれば木靴だが、装弾筒のことを指す。軽量金属製で、弾体に取り付けられており、発射ガスを受けて弾体を加速させ、砲身から出ると風圧を受けて飛散する。参考：GUN用語事典

＜サポーター＞：イギリス海軍ロイヤル級通船Supporter。1978年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜サポーター＞：サーブ社製連絡観測軽攻撃機Supporter。サファリの改造型である。胴体は箱形構造。主翼は高翼配置で前進角５度、主翼下６カ所にパイロンを装着でき、内側２カ所は150kgまで、外側４カ所は100kgまで（６カ所計300kgまで）の武装を搭載できる。座席は並列複座で、後方スペースは座席１個を追加するか、貨物室として使用できる。全長7m、全幅8.85m、全高2.6m、自重646kg、総重量900kg、最大総重量1200kg。エンジンはライカミングIO-360-A1B（200馬力）単発、巡航速度112ノット、最大速度127ノット、実用上昇限度4100m、燃料容量190リットル、航続時間５時間10分。乗員２名。1972年に初飛行し、デンマークに32機、ザンビアに20機が輸出され、パキスタンではMFI-17の名称でライセンス生産された。参考：世界の軍用機1982、1979

＜サポート・ローラー＞：上部転輪を参照。

＜サボタージュ＞：Sabotage、妨業。産業革命時にオランダの労働者が紡績工場の機械に木靴（Sabot）を投げ込んで破壊したのが語源で、工作員や煽動された大衆などによる破壊殺傷行為により、組織の機能低下や混乱を図るものである。参考：月刊軍事研究7,’97、1,’12

＜サボ島沖海戦＞：第１次ソロモン海戦を参照。

＜サボ島沖夜戦＞：アメリカ軍名称エスペランス岬海戦。太平洋戦争中の昭和17年10月11日0600、ガダルカナル島タサファロンガへの輸送任務を行うため、輸送隊の水上機母艦千歳及び日進（第２師団728名、野砲、高射砲、特殊潜航艇、上陸用舟艇搭載）、第９駆逐隊（秋月、朝雲、夏雲、綾波、白雪。陸軍将兵260名と重火器搭載）がショートランドを出撃。1120、支援隊の第６戦隊（指揮官五藤存知少将）重巡青葉、衣笠、古鷹、駆逐艦初雪、吹雪がショートランドを出撃した。また、輸送隊に加わる筈だった第９駆逐隊叢雲が機関故障で出撃が遅れ、第６戦隊の方に同行している。支援隊の任務は輸送隊揚陸終了後にガダルカナル島へ艦砲射撃を加えることで、戦艦による本格的な飛行場砲撃の予行だった。1145、ガダルカナル島北西210海里を南下中の輸送隊をB-17爆撃機が発見し、アメリカ海軍南太平洋部隊指揮官ゴームレー中将のガダルカナル増援部隊阻止命令を受けレンネル島付近で警戒にあたっていた第64任務部隊（指揮官ノーマン・スコット少将）のCA-38サンフランシスコ、CA-25ソルトレイクシティ、CL-47ボイス、CL-50ヘレナ、DD-491ファーレンボルト、DD-484ブキャナン、DD-459ラッフィ、DD-485ダンカン、DD-488マツカラがガダルカナルに急行した。1600過ぎ、第６戦隊はガダルカナル島北西200海里を通過。速力を24ノットから30ノットに増速し、青葉、古鷹、衣笠の順で1200mずつ離れて単縦陣を取り、青葉の左右3000mに吹雪と初雪を位置させ、警戒航行序列でガダルカナル島に向かった。1610、第64任務部隊に、日本海軍艦隊がサボ島から100海里に到達したとの情報が入った。1930、第６戦隊はスコールに突入。対潜之字運動を行う必要が無くなり、砲撃予定時間を30分早めた。2000過ぎ、第64任務部隊は輸送隊に付属していると推定される護衛艦隊を警戒してサボ島南東14海里で単縦陣に組み替え、DD-491ファーレンボルト、DD-485ダンカン、DD-459ラッフィ（以上前衛）、CA-38サンフランシスコ、CL-47ボイス、CA-25ソルトレイクシティ、CL-50ヘレナ（以上本隊）、DD-484ブキャナン、DD-488マツカラ（以上後衛）の順で北に進んだ。2020、第６戦隊に輸送隊から目的地到着の報が入った。2030、ガダルカナル島守備隊司令部から上空が快晴であるとの情報を取得。ガダルカナル島周辺を索敵した基地航空隊の陸攻５機からも敵発見の報は無く、飛行場周辺に敵の脅威は無いとみて飛行場砲撃任務に入ることにした。2050、CA-38サンフランシスコから発艦した水上偵察機がガダルカナル島北岸・サボ島沖６海里に大型艦１隻と小型艦２隻を発見（揚陸作業中の輸送隊）したが、識別が不明確で、前のB-17爆撃機の報告とも食い違う点があり、取り敢えずガダルカナル島入口の哨戒を行うことを決定、サボ島西６海里で北東に変針した。2125、CL-50ヘレナのSGレーダーが真方位315度・距離25kmを南東に進む３隻を捉え、次いでCL-47ボイスもSGレーダーで探知したが、方位がずれており、CA-38サンフランシスコが積んでいたSC対空レーダーには何も映らず、スコット少将は判断を保留。2130、CA-38サンフランシスコの水上偵察機から、先に報告した敵艦３隻がガダルカナルに沿って16海里先にいるとの情報が入った。2132、スコット少将はサボ島南水道出口での会敵を図り、サボ島北水道出口付近から南に変針すべく、取舵・針路230度の反転を下命。しかし前衛部隊の変針が遅れて位置が分からなくなってしまい（実際にはDD-491ファーレンボルトとDD-459ラッフィが本隊の右舷側を併進、DD-485ダンカンが後衛の右舷後方に脱落）、隊列が乱れた。2133、イサベル島の南を南東に進む第６戦隊は、前方10海里にサボ島を視認し、叢雲を輸送隊に合流させるため分離した。2138、CL-50ヘレナはSGレーダーで日本艦隊（支援隊）を距離６海里・真方位285度に探知。2142にはCL-47ボイスも探知したが、方位65度・真方位295度に未確認艦艇５隻と報告したところ、CA-38サンフランシスコの通信員が間違えてボギー65（方位65度に未確認航空機５機）とスコット少将に伝えてしまったため、混乱が生じた。スコット少将はCL-50ヘレナの探知した艦が所在不明の前衛隊と疑い、前衛隊指揮官トービン駆逐隊司令に確認したところ、本隊の右舷側を航行していることが判明したため、やはり味方を探知したものと判断してそのまま航行を続けた。2143、飛行場砲撃のため第６戦隊が速力を26ノットに落とした直後、青葉見張り員が左舷15度・距離10km以上先に３隻の未確認艦艇を発見。ちょうど輸送隊が戻ってくる時間だったため、五藤少将以下第６戦隊司令部要員は輸送隊の日進や千歳などであると勘違いし、煙草盆引けを命じたものの、味方識別用発光信号で「ワレアオバ」と送りながら接近した。未確認艦艇はサボ島北水道から出現して支援隊前方を右へと横切る形で航行しており、サボ島南水道から出てきて左に横切っていく筈の輸送隊とは真逆の航進だったが、現場で予定を変更したと判断している。7kmまで近づいたところで青葉の掌航海長が敵艦と報告、青葉艦長は総員配置に付けを下命したが、五藤少将は信じきれず、敵だった場合に同航戦を取れるよう右回頭を命じたものの、味方識別信号を送り続けた。2145、CA-38サンフランシスコのSCレーダーが距離5000ヤード（4572m）・方位300度に目標を探知したが、スコット少将は味方前衛部隊と思っており、攻撃指示は出さなかった。その後、CL-50ヘレナが距離5000ヤード（4572m）未満まで接近したところで肉眼により目標を確認、フーバー艦長がスコット少将に艦内電話（交互の会話のみ可）でInterrogatory Roger?と射撃許可を求めた。スコット少将はフーバー艦長から通話を受け取ったという意味でRogerと返信。アメリカ海軍の無線電話略語ではRogerは単に了解という意味だが、通信用語表にはRogerは射撃開始と書かれており、フーバー艦長はラジャーの意味を知らせ、とスコット少将に確認した。目標を味方前衛部隊と思っているスコット少将は砲撃させるつもりは無かったが、ラジャーに砲撃開始という意味もあることを知らなかったため、ラジャーはラジャーである、と返信。これを射撃認可と受け取ったフーバー艦長は砲撃を下命し、CL-50ヘレナは2146から照明弾に続いて152mm主砲と127mm両用砲によるレーダー援用射撃を開始、初弾から青葉艦橋を直撃した。艦橋右正面を貫通した１発は不発弾だったものの水雷長が下半身を粉砕されて戦死、五藤少将と水雷参謀は両下肢を吹き飛ばされて人事不省に陥り（後に両名とも戦死）、艦橋右側面から斜め後方に命中した１発により副長や機関参謀らが戦死した。古鷹はCL-50ヘレナが射撃を開始した２秒後に反撃を開始。CL-50ヘレナの発砲を見てCA-38サンフランシスコを除く他のアメリカ艦も独断で射撃を開始した。2147、スコット少将は同士討ちと思って射撃中止命令を出したが、2151に前衛の位置を確認して射撃を再開。第64任務部隊は支援隊の前を縦列で横切る形となっており、巡洋艦が右舷側に全砲門を向けて先頭の青葉に射撃を集中した。青葉は主要幹部が人事不省に陥っており回避指示を出せず、二番砲塔、三番砲塔後面、主砲用射撃方位盤、通信装置が被弾破壊され、命中弾により信号マストが倒れ込んで一番砲塔も旋回不能になった。ここで青葉の作戦室から先任参謀が艦橋に到着、第６戦隊司令部や青葉首脳部が機能できない状況を確認し、まだ意識のある五藤少将に反転して再起を図ると叫び艦の指揮権を青葉艦長に委譲、更に独断専行で面舵一杯・針路310度を下命し、煙幕を張って退避。これを見た古鷹は左に回頭したが、右から第64任務部隊がやってくるのを見て右に回頭を行った。これにより青葉に代わって古鷹が第64任務部隊単縦陣の真横に飛び出す形になり集中射撃を喰らい、魚雷発射管に被弾して誘爆、航行不能となった（10月12日0028にサボ島北西22海里で沈没）。衣笠は左回頭し、DD-485ダンカンに砲撃を加えて火災を発生させた。吹雪は青葉に続いて右回頭したが、第64任務部隊の集中砲撃を受けて2153に轟沈した。初雪は左回頭し、２発を被弾したものの、難を逃れた。DD-485ダンカンは2132の変針を襲撃と勘違いして支援隊に突撃をかけたが、支援隊と第64任務部隊の両方から撃たれて大破し（10月12日沈没）、DD-491ファーレンホルトが誤射で小破、戦場を離脱した。初雪と衣笠は第64任務部隊と同航砲戦を実施。CL-47ボイスは魚雷をかわそうとして隊列を外れた際、重巡（青葉または古鷹）をレーダーで探知したため照射射撃を行ったが、衣笠と古鷹の砲撃を受けて大破した。CA-25ソルト・レイク・シティは救出のため両者の間に入ったが、衣笠の砲撃を受けて小破している。同航砲戦は2220まで続き、衣笠は４発を被弾して小破した。2228、第64任務部隊は南南西に変針して戦場を離脱し、第６戦隊も10月12日0800にショートランドに帰投した。日本側の損害は古鷹と吹雪が沈没、青葉が大破、衣笠と初雪が小破で、戦死者は青葉79名、古鷹33名（＋行方不明225名）、吹雪220名。アメリカ側はDD-485ダンカンが沈没、CL-47ボイスが大破、CA-25ソルト・レイク・シティとDD-491ファーレンホルトが小破した。日本の輸送隊は2010からガダルカナル島への揚陸を開始、2300過ぎには揚陸を完了して支援隊の救援に向かったが、叢雲と白雲が沈没した古鷹の乗員を洋上から救出しているうちに10月12日の夜明けを迎えてしまい、朝にアメリカ軍機の空襲を受けて叢雲が航行不能に陥り、退艦命令によって乗員は白雲に退去することになった。叢雲艦長は当初退艦を拒んだが、隊司令や白雲艦長の説得により、叢雲の曳航を条件に白雲に移乗。しかしその後叢雲は爆発炎上して白雲の魚雷で処分されている。他に駆逐艦夏雲が沈没した。参考：歴史群像4,’18、12,’09、2,’05、2,’08、6,’16、日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究8,’08、太平洋海戦史

＜ザポリズヤ＞：U-01（潜水艦）を参照。

＜サマーサイド＞：711（哨戒艦）を参照。

＜サマーズ＞：DD-381（駆逐艦）を参照。

＜サマーズ級＞：アメリカ海軍嚮同駆逐艦Somers級。ポーター級を改良した嚮同駆逐艦で、煙突を１本に纏め、前後マストを簡素化し、煙突撤去後のスペースを利用して４連装魚雷発射管３基を中心線上に置いた。建造当時は最強の雷撃力を持っていたが、相変わらずのトップヘビーだったため、後に４連装発射管１基を撤去している。全長116.2m（DD-394以降は119.2m）、幅11.3m、深さ6.4m、吃水3.1m、基準排水量1850トン、満載排水量2747トン。主機は蒸気タービン２基、主缶は４基（蒸気圧力4.49MPa、温度454℃）、出力52000馬力、２軸推進、速力37.5ノット、航続距離7500海里（12ノット）。兵装は12.7cm連装砲Mk22（密閉砲塔）４基（射撃方位盤は前部に１基のみ）、75口径2.8cm４連装機関砲２基、533mm魚雷４連装発射管３基（Mk15魚雷）、爆雷投下軌条２条（爆雷14発）。乗員270名。DD-381サマーズ、DD-383ウォーリントン、DD-394サンプソン、DD-395デイビス、DD-396ジュエットの５隻が1937-39年に竣工した。太平洋戦争中に機関砲をボフォース40mm機関砲やエリコン20mm機関砲に換装・増設している。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船10,’06、5,’11

＜サマー・パイロットジャケット＞：A-2（フライトジャケット）を参照。

＜サマー・パルス２００４＞：アメリカ海軍が2004年6月2日から２ヶ月間に亘り実施した、世界規模の演習。５つの海域に空母７隻を同時展開させ、反米勢力に対して軍事力を誇示した。参考：月刊世界の艦船3,’05

＜サマール沖海戦＞：太平洋戦争比島沖海戦で、昭和19年10月25日、フィリピンのサンベルナルディノ海峡を突破した栗田艦隊（戦艦４隻、重巡６隻、軽巡２隻、駆逐艦11隻）は、0625に戦艦大和のレーダーにより前方50kmに敵航空機を探知。栗田司令長官は対空戦闘用輪形陣を下命しようとしたが、0645に大和の見張り員が南東方向35km前方にマスト数本を発見。0650にはこれが敵空母艦隊であると分かり、0653に栗田司令長官はアメリカ第３艦隊高速機動部隊と判断してレイテ突入を中断、隊形を整える間も惜しんで各艦に突撃を下命した。実際には正規空母部隊ではなく、第７艦隊第77機動部隊第４任務群第３集団（タフィ３）の護衛空母６隻と駆逐艦・護衛駆逐艦７隻を誤認したものであり、北上していたタフィ３は270度左回頭して東次いで南へと離脱を図り、直掩駆逐艦・護衛駆逐艦群は煙幕を展張、付近にいた第１（タフィ１）・第２集団（タフィ２）の護衛空母から応援の艦上機を呼び寄せた。正規空母を擁する高速機動部隊なら栗田艦隊の戦艦戦隊が追跡しても追いつけない筈だが、艦隊司令部の参謀長らも高速機動部隊との判断に異議を唱えておらず、突然の会敵に混乱が見られたようである。0658、大和が射距離30km超で主砲による砲撃を開始。アメリカ駆逐艦隊は煙幕を張って護衛空母を隠蔽し、更にスコールが降ってきたため、日本戦艦群は一時射撃を中止した。0750、スコールから脱出した戦艦金剛がCVE-73ガンビア・ベイを発見。重巡洋艦利根、羽黒などと共に砲撃を開始した。0814、アメリカ駆逐艦が放った魚雷を避けようと一時的に北進したため味方艦が視界外に消えてしまった大和は、観測機を射出して索敵を実施。0818、大和が200度20kmに戦艦らしき目標を探知し、電探による主砲射撃を14分間行った。実際の相手はDE-749ロバーツで、砲弾は外れている。0820、大和の観測機が火災を起こしている空母を発見。0821、大和の観測機はアメリカ空母群が南東に退避していると伝えたが、アメリカ戦闘機の追跡を受けてサンホセに着陸せざるを得なかった。筑摩と利根はガンビア・ベイを20cm砲で射撃し、直撃弾は護衛空母の船体を突き抜けてしまっていたが、手前に落ちたものが水中弾となって吃水線下に穴を開けている。途中で護衛駆逐艦DE-341レイモンドがガンビア・ベイを守ろうと割り込んで来たため、利根は0825に照準距離5000mで主砲と高角砲による24斉射を加えたが、命中弾は無かった。その後、ガンビア・ベイは煙幕の中に姿を消し、利根は護衛駆逐艦DE-405デニスに目標を変更、３発を命中させている。0829、利根が左舷方向から戦闘機数機の機銃掃射を受け、艦長が負傷したが、そのまま指揮を続けた。大和の右舷後部に127mm砲の至近弾２発があり、右舷短艇庫付近が損傷している。0833、ガンビア・ベイが煙幕から出てきたのを利根が発見し、右30度・照準距離8000mで砲撃を開始。２分間に７斉射24発を浴びせ、行動不能に陥らせた。0834、大和は220度9000mに煙幕から出てきた駆逐艦DD-533ホーエルを発見し、副砲の射撃を浴びせた。0835、駆逐艦ホエールは行動不能となった。利根は右70度・距離9400mに出現した駆逐艦DD-636バトラーに目標を変更し、0838から３分間に５斉射20発を射撃。0840、南西方向に退避するアメリカ空母群（タフィ３）を追跡中の金剛と榛名が、南東方向に別のアメリカ空母群（タフィ２）を発見。金剛は漂流中のガンビア・ベイを右前方に発見し、距離2000mで砲撃を開始。舷側を砲弾が突き抜けたため、水線下を狙って射撃した。0841、前方10000mに空母が出現したため、利根は射撃目標を変更。その時、バトラーの至近弾破片を受けて右舷３番発射管の魚雷が発火したため、投棄を兼ねてガンビア・ベイに向け魚雷２本を発射したが、全て外れた。利根は空母に対し３分間に９斉射32発を砲撃し、0845には右舷70度、距離8000m、方位角左70度に位置していたバトラーに九三式魚雷４本を発射した。空母と利根の間には護衛駆逐艦DE-405デニスが割り込んできたため、利根は目標をデニスに変更し、0846から９斉射29発を砲撃、0850に１発が命中した。0847、大和が第１戦隊の針路を220度にするよう伝達、南西の空母群（タフィ３）を先に叩くことにした。0850、ガンビア・ベイが大爆発を起こし、艦長は総員退避を命令。0851、大和が観測機を発進させ、金剛と榛名が発見したタフィ２の偵察に向かわせた。鳥海の右舷中央部に５インチ砲１発が命中し、速力が低下した。0852、利根はバトラーに目標を変更し、0852から１分間に４斉射15発を命中させた。アメリカ空母はこの隙にスコール及び煙幕内に姿を消したため、利根は右60度のスコールを目指して進路240に変針。この時、利根の前方5kmに筑摩、後方2kmに羽黒と鳥海が位置していた。アメリカ艦爆30機と艦攻６機が来襲し、鳥海の前部機関室に爆弾が命中して行動不能になった。筑摩は駆逐艦DD-532ヒーアマンを射撃して艦首を損傷させたが、艦尾左舷に航空魚雷１本が命中して舵が故障、速力も低下した。0853、第10戦隊司令官が方位210度距離20kmの空母１隻に雷撃を実施する旨を栗田長官に報告。0855、利根が左100度に空母を発見。距離13700mで射撃を開始し、２分間で６斉射28発を発射、１発を命中させたが、空母は再び煙幕内に逃げ込んだ。DD-533ホーエルが能代、矢矧、大和の集中砲火を受け転覆沈没。大和の観測機は方位150度に空母４隻と煙幕展張中の駆逐艦４隻を発見し、南南東に向かっていると報告を入れたが、アメリカ戦闘機の攻撃を受けて被弾し、20分後にサンホセ基地に向かった。金剛は140度方向の敵空母群（タフィ２）に向かうと艦隊司令部に電信したが、榛名の方が距離的に近かったため、栗田長官は榛名にタフィ２の追撃を命じ、金剛は引き続きタフィ３の追撃にあたらせた。0858、利根は前方に護衛駆逐艦DE-405デニスを発見し、３分間で５斉射25発を射撃、２発を命中させた。0900、栗田長官は方針を変更。南西側の空母群は巡洋艦戦隊と水雷戦隊が追尾し、戦艦戦隊は南東の空母群を攻撃することにし、第１戦隊の針路を南東に変更させ、金剛の第３戦隊司令官にも南東に向かうよう命令を送った。0901、利根が330度11kmに空母を発見。３分間に７斉射24発を撃ち込み、命中弾と至近弾それぞれ１発を与えた。南東の空母群（タフィ２）を追跡中の榛名は28km前方の駆逐艦に対して主砲を射撃したが外れ、全速が26ノットのため敵空母群に追いつくことも出来なかった。0905、利根は別の空母に対して１分間に３斉射を浴びせた。0908、利根は330度12kmにいるアメリカ空母群に対して魚雷３本を発射。羽黒に敵の砲撃が集中しているのを見て、利根は砲撃を分散させるため羽黒の後方に付くことにした。0910、羽黒がアメリカ空母群に対して８分間で27斉射163発を発射。0911、ガンビア・ベイが沈没。0911、艦隊司令部は全速力２時間の追撃で燃料が危うくなり、戦況報告も混乱しており、退却中のアメリカ空母群に追いつく見込みも無さそうだったため、追撃中止を決断し、栗田長官は「逐次集まれ、我0900位置ヤヒセ43（スルアン灯台から23度56海里）」と打電した。しかしレイテ湾に向かう方向ではなく、北向きの針路での集結を命じたため、肝心のレイテ湾への突入前に余計な時間を費やすことになっている。0912、利根が羽黒の後方600mに付いた。0915、CVE-70ファンショー・ベイに羽黒の砲弾が命中。CVE-63セント・ローの周辺にも着弾し始めたため、DD-636バトラーがセント・ローを煙幕で遮蔽しにかかった。0920、栗田長官からの変針命令受領に時間がかかっていた金剛が、針路を南東に変更。利根は羽黒から追撃中止命令を受けたが、追撃戦を続行すべきと考え、利根艦長は敵空母群に対して共同雷撃を行いたい旨返信した。また、栗田長官に対し、敵空母は火災を起こしている訳で無く煙幕を張っているだけで、５隻がまだ健在であると打電した。ただ利根の航海長から健在重巡が利根と羽黒の２隻のみであり主力を合同すべきであるとの意見を受け、羽黒からも共同雷撃は効果が無いと思われるとの返信があり、反転して集結することにした。この時、利根と羽黒はレイテから40kmにまで迫っていた。金剛は護衛空母攻撃中にDE-413サムエル・ロバーツも撃沈している。他に栗田艦隊はDD-557ジョンストンを撃沈し、DD-532ヒーアマンとDE-405デニスを大破させた。CVE-73ガンビア・ベイは沈められたが、CVE-68カリーニン・ベイは大和の主砲弾13発を喰らったものの船体が薄すぎて信管が作動せず、沈没は免れている。他にCVE-66ホワイト・プレーンズが砲撃と特攻で大破した。日本海軍側は、重巡鈴谷が艦上機の攻撃で大火災を起こして沈没、重巡鳥海が艦上機の攻撃（金剛の誤射説あり）で航行不能となり駆逐艦藤波により雷撃処分、重巡筑摩が航空魚雷１本を機関室に受けて航行不能となり自沈、駆逐艦野分（筑摩の脱出乗員も乗船していた）がブルネイ帰投中に艦上機の追撃で沈没した。また、重巡熊野が駆逐艦の雷撃を受けて艦首を切断し、重巡利根が爆弾４発と駆逐艦の砲弾１発を受けて損傷している。日本海軍主力艦隊が護衛空母部隊と射程内で遭遇するという絶好のチャンスだった割には、戦果に乏しく損害が大きい結果になってしまった。参考：月刊丸8,’87、戦艦入門、連合艦隊重巡洋艦、丸エキストラ版No.71、比島決戦、日本海軍艦隊総覧、護衛空母入門、山本五十六と米内光政、月刊世界の艦船5,’23

＜サマ・サマ＞：MTA SAMA SAMA（共同訓練）を参照。

＜サマセット＞：LPD-25（揚陸艦）を参照。

＜座間駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。キャンプ座間の中にある。2013年3月26日の中央即応集団司令部移駐に伴い、座間分屯地から改称された。駐屯地司令は中央即応集団幕僚長が兼務する。5月18日、駐屯地開設記念行事を実施。2015年9月11日、駐屯地業務隊長ら200名が在日米陸軍司令部主催の9.11同時多発テロ追悼ランに参加し、アメリカ軍兵士ら400名と共に3kmのランニングを行った。2016年1月14日、成人行事を実施。5月24日から6月8日、神奈川地方協力本部が任期制隊員ライフプラン集合訓練を実施。6月26日、座間青年会議所主催第７回ZAMA坂道マラソンを支援し、選手としても参加した。8月6日、日米親善盆踊り大会をアメリカ陸軍と共催し、地域住民ら22000人が参加した。9月8日、神奈川県自衛隊父兄会会員36人が部隊研修を実施。9月9日、キャンプ座間で行われた９・11同時多発テロ追悼行事に80名で参加。11月9日、基地管理隊緊急業務局在日米陸軍統合消防本部の５名と自衛隊員が秋期全国火災予防運動の一環として消防訓練を実施。11月21日、偕行社主催の相武台陸軍士官学校会を支援した。2017年1月10日、成人行事を実施。7月7日、南関東防衛局が1971年に国と座間市との間で交わされた在日米陸軍キャンプ座間の在り方を巡る覚書を更新し、自衛隊の部隊人数などの制限を撤廃、部隊改編などに際する速やかな情報提供と座間市負担軽減への取組などを追加した。8月5日、アメリカ陸軍と共催で日米親善盆踊り大会を実施。11月10日、秋期全国火災予防運動の一環として、駐屯地ポンプ班、同救護班、在日米陸軍基地管理隊緊急業務局統合消防本部が消防訓練を実施。座間市消防本部消防隊員２名による消火設備・避難器具教育も受講した。12月16日、年末行事（餅つき、家族交流、祝宴など）を実施。2018年1月14日、駐屯地消防隊４名が東原小学校で座間市消防出初式に参加。3月26日、中央即応集団が廃止された。3月27日、陸上総隊日米共同部が新編され、第４施設群第364施設中隊が駒門駐屯地から移駐した。2019年4月8日、座間ゆめっこ保育園と子供の一時預かりに関する協定を締結。2020年5月27日、在日米陸軍兵士と共に、キャンプ座間の雄健神社跡地及び相武台碑を清掃した。6月24日、在日米陸軍と日米女性交流会を実施。2021年1月13日、初のオーストラリア陸軍連絡将校ハウレット少佐を受け入れた。5月14日、駐屯地曹友会18名が、在日米陸軍キャンプ座間最先任上級曹長以下８名、座間市長以下市職員25人と共に、相模川沿い河川敷の清掃を実施。6月25日から7月8日、駐屯地曹友会が自衛隊と在日米陸軍庁舎に七夕の笹を設置。7月下旬から駐屯地曹友会が在日米陸軍を通じてボランティア講師を招き初心者向け英会話教室を開催。2022年1月12日、駐屯地司令がオーストラリア陸軍連絡将校着任１周年記念の会食を開いた。5月4-5日、隊員30名が座間市大たこまつりに協力した。6月14-17日、アメリカ陸軍キャンプ座間で在日米陸軍主催スポーツイベントのアーミーウィークに参加した。参考：スピアヘッドNo.16、No.17、朝雲、月刊JWings6,’18

　＜座間駐屯地（２０１５年）＞：中央即応集団司令部、中央即応集団司令部付隊、第４施設群本部、第４施設群本部管理中隊、第388施設中隊、第390施設中隊、座間駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜座間駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2014年10月23日、大災害時の隊員児童受け入れに備え、地元民間保育施設の研修を実施。参考：朝雲

＜サマディクン＞：インドネシア海軍クロード・ジョーンズ級護衛艦Samadikun。元はアメリカ海軍クロード・ジョーンズ級護衛艦DE-1034ジョン・Ｒ・ペリーである。1973年就役。参考：月刊世界の艦船9,'96

＜サマト・シリーズ＞：フランスの艦対空ミサイル。参考：月刊世界の艦船5,’91

　＜サマト１＞：全長3.1m、重量110kg。固体燃料ロケット推進、最大速度マッハ2.5、射程10km。誘導は赤外線パッシブ。参考：月刊世界の艦船5,’91

　＜サマト２＞：全長3.1m、重量110kg。固体燃料ロケット推進、射程20km。誘導はARH。参考：月刊世界の艦船5,’91

　＜サマト３＞：全長3.5m、重量300kg。固体燃料ロケット推進、射程35km。誘導はARH。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜座間分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地（朝霞駐屯地の分屯）。所在地は神奈川県座間市座間で、キャンプ座間の一部を共同使用している。元は1937年（昭和12年）9月に市ヶ谷から移転した陸軍士官学校の跡地で、終戦によりアメリカ軍に接収されてキャンプ座間となり、1971年10月に共同使用を開始して第１施設団第102建設大隊が移駐、この名称が付いた。その後第３施設群が駐屯し、2001年、第３施設群が廃止され、第４施設群が移駐した。2013年3月26日に中央即応集団司令部が移駐し、座間駐屯地に改称された。参考：JGround Vol.23、MAMOR vol.62、vol.99、スピアヘッドNo.16、朝雲

＜サマム＞：616（ミサイル艇）を参照。

＜さまよえるカエル君＞：陸上自衛隊東部方面総監部の中庭を住処とする石のカエル。いつ頃から住み着いたのかは不明だが、2006年から東部方面総監部を取材する記者として活動しており、東部方面隊ホームページに取材記事を連載している。参考：陸上自衛隊東部方面隊ホームページ

＜サマラ＞：K-295（潜水艦）を参照。

＜サマライ＞：ロッキード・マーチン社が発表した小型無人航空機。全長0.76mと0.305mの２種類があり、楓の葉をモデルとしており、小型カメラを装備し、空中で回転しながら降下、地上を撮影する。参考：月刊軍事研究2,’11

＜サマリタン＞：スコーピオン・ファミリー（装甲救急車）を参照。

＜サマリョート＞：A-135（弾道ミサイル防衛システム）を参照。

＜サマリョートＭ＞：A-235（弾道ミサイル防衛システム）を参照。

＜サマワ温泉＞：イラク人道復興支援活動でサマワに派遣された陸上自衛隊が、宿営地に設営した風呂。後に拡張されて鷲乃湯になった。参考：月刊軍事研究3,’05

＜さみだれ＞：DD-106（護衛艦）を参照。

＜五月雨＞：日本海軍白露型駆逐艦６番艦Samidare。昭和11年12月9日、速力公試を実施。公試排水量2083トン、出力42686馬力、速力34.7ノットだった。昭和12年1月29日竣工、一等駆逐艦に類別され、第２駆逐隊に編入された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第２駆逐隊に所属していた。昭和17年2月27日、スラバヤ沖海戦に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。10月12日1850、ガダルカナル島輸送船団護衛のためラバウルを出撃。10月14日、ガダルカナル島付近で爆撃を受けて小破した。10月24日、ガダルカナル島輸送の途中で爆撃を受けて小破した。11月13日、第３次ソロモン海戦に参加。昭和18年2月4日、イサベル島沖海戦に参加。3月31日、ソロモン諸島のムンダ付近で爆撃を受けて損傷した。4月1日、ショートランド沖で爆撃を受けて小破した。7月7日、キスカ島撤退作戦に参加。10月6日、ベラ・ラベラ島沖夜戦に参加。11月2日、ブーゲンビル島沖海戦で小破した。昭和19年6月8日、渾作戦に参加。マノクワリの北西80海里で爆撃を受けて損傷した。8月18日、パラオ諸島のガルアングル島で座礁した。8月26日、ガルアングル島で座礁中にSS-310バットフィッシュの雷撃を受けて沈没した。10月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、ラバウル航空戦、月刊世界の艦船10,’18、9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜サミュエル・Ｂ・ロバーツ＞：DD-823（ギアリング級駆逐艦）またはDE-413（ジョン・Ｃ・バトラー級護衛駆逐艦）またはFFG-58（フリゲート）を参照。

＜サミュエル・Ｎ・ムーア＞：DD-747（駆逐艦）を参照。

＜サミュエル・Ｓ・マイルズ＞：DE-183（護衛駆逐艦）を参照。

＜サミュエル・エリオット・モリソン＞：FFG-13（フリゲート）を参照。

＜サミュエル・コルト＞：コルトを参照。

＜サミュエル・ゴンパース級＞：アメリカ海軍駆逐艦母艦Samuel Gompers級。泊地で駆逐艦を支援するのが主任務で、舷側に駆逐艦繋留用レセスド・ピットを持つ。全長195.6m、満載排水量20224トン。主機は蒸気タービン、速力20ノット。兵装はシースパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、40mm単装機関砲２門、20mm単装機関砲２門。AD-44シェナンドーなどが就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜サミュエル・チェイス＞：APA-26（攻撃輸送艦）を参照。

＜サミュエル・ベケット＞：P-61（哨戒艦）を参照。

＜サミュエル・ベケット級＞：アイルランド海軍外洋哨戒艦Samuel Beckett級。フィンカンティエーリ社傘下のヴァルド社が提案したOPV90を2010年に採用したものである。UAVの運用能力があるらしい。全長90m、排水量2256トン。速力23ノット、航続距離6000海里。兵装は76mm砲１門、20mm機関砲２門。乗員44名。１番艦P-61サミュエル・ベケット、２番艦ジェイムス・ジョイス、３番艦ウィリアム・バトラー・イェイツ、４番艦ジョージ・バーナード・ショーが2014-18年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’19、月刊軍事研究3,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サム＞：烈風（艦上戦闘機）を参照。

＜サム２８０００＞：VC-25A（要人輸送機）を参照。

＜サム２９０００＞：VC-25A（要人輸送機）を参照。

＜サムカクサン＞：PC703（駆潜艇）を参照。

＜サムサーム＞：M60海外シリーズ（戦車）を参照。

＜サム・セーフティ＞：グリップを握る手の親指で操作する安全装置のこと。参考：GUN用語事典

＜サムソン＞：スコーピオン・ファミリー（装甲回収車）を参照。

＜サムター＞：APA-52（攻撃輸送艦）またはLST-1181（戦車揚陸艦）を参照。

＜サムター級＞：アメリカ海軍攻撃輸送艦Sumter級。C2-S-E1型戦時標準貨物船を攻撃輸送艦に改造したものである。４番艦は載貨能力を強化した。全長142.8m、幅19.2m、最大吃水8.38m、軽荷排水量8355トン、満載排水量13893トン。主機は蒸気タービン１基、主缶はバブコック＆ウィルコックス缶２基、出力6000馬力、１軸推進、速力14.7ノット、航続距離13507海里（12ノット）。兵装は38口径12.7cm単装両用砲２門、28mm４連装機関砲４基（後に40mm連装機関砲４基に換装）、20mm連装機関砲10基。乗員511名。兵員1442名（４番艦は1730名）など1300トン（４番艦は1400トン）を搭載できる。１番艦APA-52サムター、２番艦APA-53ワーレン、３番艦APA-54ウェイン、４番艦APA-94バクスターが1943-44年に竣工した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜サムデュラ＞：P-621（哨戒艇）を参照。

＜サムナー＞：T-AGS-61（海洋観測艦）を参照。

＜サム・ナン＞：DDG-133（イージス駆逐艦）を参照。

＜サム・ピース＞：リボルバー弾倉をスイングアウトさせるためにロックを外す部品のこと。ラッチなどと呼ばれることもあり、メーカーによって呼び名が違う。参考：GUN用語事典

＜サム・ヒューストン＞：SSBN-609（戦略原潜）を参照。

＜サムライ＞：フランスのラクルア社が開発した肩撃ち式76.2mm迫撃砲。市街戦向けで、反動を減らすため、発射時は砲身が大きく後退する。バックブラストが出ないので、室内でも発射可能。砲弾重量1kg。初速毎秒100m、最大射程600m。参考：月刊軍事研究

＜サム・レイバン＞：SSBN-635（ジェームズ・マディソン級戦略原潜）を参照。

＜サムレット＞：SSC-2b（地対艦ミサイルシステム）を参照。

＜サモア＞：CB-6（大型巡洋艦）を参照。

＜サモス＞：オーストリア＝ハンガリー海軍ケレス級河用砲艦２番艦Szamos。1893年竣工。第１次大戦でベオグラード侵攻作戦に参加。1920年、武装解除されて民間ポンツーンとなり、1962年まで使用された。1980年代にユーゴスラビアで解体されたらしい。参考：月刊世界の艦船3,’21

＜サヤド１＞：S-75海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜サヤド２シリーズ＞：イラン防空軍高々度中距離地対空ミサイルSayyad-2。ホルダード３移動発射機に搭載され、ラード３地対空ミサイルシステムを構成する。参考：月刊航空ファン9,’19

＜サヤド２＞：サヤドの改良型で、S-200地対空システム用に装備すると発表されたが、2013年11月9日に公開されたミサイルはスタンダードSM-1艦対空ミサイルにそっくりで、こちらをコピーしたらしい。弾体中央から後部に掛けてストレーキ４枚、弾体尾部に尾翼４枚を持つ。パトリオットによく似た４連装ランチャーに収容される。タラシュ（Talash）射撃指揮装置で運用するらしい。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊航空ファン9,’19

＜サヤド２Ｃ＞：弾頭重量200kg。最大速度マッハ4.5以上、射程75km、射高30km。2019年6月20日にRQ-4A無人偵察機を撃墜したのがこれらしい。参考：月刊航空ファン9,’19

＜狭山飛行場＞：日本陸軍の飛行場。埼玉県入間郡元狭山村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜サユラ＞：P620（哨戒艇）を参照。

＜サユララ＞：P623（哨戒艇）を参照。

＜サラ＞：CV-3（空母）を参照。

＜ザラ＞：イタリア海軍ザラ級重巡洋艦Zara。1931年竣工。194１年3月、マタパン岬沖海戦で戦没した。参考：近代巡洋艦史

＜サラートニク＞：ロシアのカラシニコフ社が開発した戦闘用UGVで、戦友の意。装軌式で、背の高い銃塔にセンサーと機銃を装備し、AIによる自動目標識別で交戦できる。中東方面で実戦投入されたらしい。参考：朝雲

＜サラーブ＞：イラクが1989年のバグダッド武器展示会で発表したUAV。参考：軍事分析湾岸戦争

＜サラーラ＞：UAE海軍ファラジ２型ミサイル艇。2013年就役。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜サラー・ライス＞：アルジェリア海軍ナヌチュカ�U級ミサイル哨戒艇。1981年に建造された。全長194フィート（59.1m）、排水量675トン。2000年に改装を受け、Kh35ウラン艦対艦ミサイル４連装発射筒４基、P20テルミット艦対艦ミサイル連装発射筒２基、オーサＭ艦対空ミサイル、30mmガトリング砲１基を搭載し、ポジティフME1/2捜索レーダー、Kh35艦対艦ミサイル用ガルプンＥ（ブランク・シェイブ）水上目標探知・方向指示レーダー、新型電子戦装備を追加した。参考：月刊軍事研究6,’01

＜ザラール級＞：パキスタン海軍ミサイル艇Zarrar級。兵装はハープーン艦対艦ミサイル単装発射筒４基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ザラ級＞：イタリア海軍重巡洋艦Zara級。トレント級に続く条約型重巡（当初の分類は軽巡で、トレント級との区別のため装甲巡洋艦となり、最終的に重巡になった）で、舷側装甲を150mmに強化し、重量増は船体縮小、魚雷兵装廃止、機関出力・軸数減少で補ったが、制限排水量を15%以上超過した。船型は船首楼型に変更している。ポーラは艦橋を前部煙突と一体化した。全長182.8m、幅20.6m、吃水7.2m、基準排水量11680トン。主機は蒸気タービン、出力95000馬力、２軸推進、速力32ノット。兵装は20.3cm連装砲４基、10cm連装高角砲８基、40mm機関砲4-6門。前甲板にカタパルト１基を装備しており、Ro.43水上偵察機など航空機２機を搭載する。乗員841名。フューメ、ゴリツィア、ポーラ、ザラの４隻が1931-32年に竣工した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’12

＜サラス＞：BMP-2海外シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜サラセン＞：FV603（装輪装甲車）またはP247（潜水艦）を参照。

＜サラソタ＞：APA-204（攻撃輸送艦）を参照。

＜サラダ・フォーク＞：ヘッジロウ・カッターを参照。

＜サラディン＞：FV601シリーズ（装輪装甲車）またはH54（駆逐艦）を参照。

＜佐良土飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和20年春、特攻機出撃用として栃木県那須郡油津上村に開設された。出撃前に終戦を迎えた。参考：首都防空網と空都多摩

＜サラトガ＞：ACR-2（装甲巡洋艦）またはCC-3（レキシントン級計画巡洋戦艦）またはCV-3（レキシントン級空母）またはCV-60（フォレスタル級空母）またはPA-28シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜サラトフ＞：ソ連海軍アリゲーター�W級揚陸艦１番艦Saratov。1966年就役。2022年3月24日、ウクライナ侵攻でウクライナのベルジャンスク港に停泊中、ウクライナ軍の攻撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’12、6,’22

＜サラナック＞：アメリカ海軍給油艦。1944年7月18日、マリアナ付近で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜サラハ・アル・ディン・アル・アイユーブ旅団＞：イラクのスンニ派テロ組織。イラク抵抗イスラム戦線の軍事部門で、アメリカ軍、イラク新政府、シーア派を攻撃対象としており、イラク北部を中心にテロ活動を行っているが、バスラのイギリス軍を攻撃したこともある。参考：月刊軍事研究10,’06

＜さらば祖国＞：ソ連軍45mm対戦車砲に兵士が付けた愛称。独ソ戦緒戦でドイツ軍から真っ先に狙われたため、こう呼ばれた。参考：月刊PANZER12,’03

＜サラフ＞：AH-64D攻撃ヘリ（イスラエル）を参照。

＜サラフィ派＞：イスラム復古主義（復興主義、回帰主義ともいう）派のこと。イスラム教が誕生した当時のイスラム法の教義に従うのを旨とする。参考：月刊軍事研究10,’04、12,’14

＜サラフィヤ・ジハーディヤ＞：モロッコのアルカイダ系テロ組織。スペイン列車爆破事件の犯人がこの組織と繋がっていたらしい。参考：月刊軍事研究5,’04

＜サラベリ＞：140（戦車揚陸艦）を参照。

＜サラマウア＞：CVE-96（護衛空母）を参照。

＜サラマウア級＞：バリクパパン級戦車揚陸艇（パプアニューギニア海軍）を参照。

＜ザラマンダー＞：He162シリーズ（戦闘機）を参照。

＜サラマンドラ＞：ソ連のアントノフ設計局が第２次大戦後に設計した単発ジェット機。He162戦闘機のほぼコピーで、エンジンもユモ004Bをソ連でコピーしたRD-10（推力0.9トン）を使っている。国家航空産業委員会から双発機を設計するように命じられ、開発中止となった。参考：月刊JWings11,’09

＜サラミス＞：F-455（フリゲート）を参照。

＜サラミス級＞：ギリシャ海軍計画戦艦Salamis級。常備排水量19500トン（22000トン？）。速力23ノット（23.5ノット？）。兵装は35.6cm連装砲塔４基、15.2cm砲12門。装甲厚は水線部250mm、甲板75mm。サラミスを1912年にドイツに発注し、1914年に進水させたが、第１次大戦で建造が中断、ドイツが負けて完成の見込みが立たなくなり、ギリシャは未成状態での引き取りを拒否してドイツとの訴訟となり、結局建造費を支払ってサラミスは1932年に解体された。参考：月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史

＜サラワク＞：K591（フリゲート）を参照。

＜サラン＞：インド空軍ディスプレイ・チーム。使用機はドゥルブ汎用ヘリ。2016年1月21-23日、バーレーン国際エアショー2016で展示飛行を実施。2021年11月14-19日、ドバイ・エアショーで展示飛行を実施。参考：月刊JWings4,’16、2,’22

＜サランチャ級＞：ソ連海軍水中翼ミサイル艇。兵装はP-50艦対艦ミサイル連装発射筒２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜サランディ＞：D13（駆逐艦）を参照。

＜サリーチ級＞：ソブレメンヌイ級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜サリー・ライド＞：AGOR-28（海洋観測艦）を参照。

＜サリウォン級＞：北朝鮮海軍コルベットSariwon級。トラル級コルベットをベースとしたらしい。排水量600トン。速力16ノット。兵装は100mm砲１門または57mm連装機関砲２基。参考：月刊世界の艦船7,’13、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サリス＞：リトアニア海軍ストルム級高速哨戒艇。参考：月刊軍事研究6,’12

＜サリスバリー＞：I52（駆逐艦）を参照。

＜サリスバリー・サウンド＞：AV-13（水上機母艦）を参照。

＜サリタ＞：AKA-39（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜サリッシュ＞：SSC-2a（地対艦ミサイル）を参照。

＜ザリフ＞：MRP-14-15（ECM）を参照。

＜ザリャ＞：ME-02（バウソナー）を参照。

＜ザリャ２＞：ロシアの水上艦用バウ・ソナー。ステレグシュチイ級フリゲートに搭載されている。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ザリャ３＞：ロシアの水上艦用バウ・ソナー。アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートに搭載されている。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ザリャＭ＞：ロシア海軍アクティブ／パッシブ・ソナー・システムZarya M。MGK-335船体ソナー、ヴィニエトカVDS、TASS（曳航速力18ノット以下でアクティブ探知距離14-15km）からなり、対潜ヘリも組み込まれているらしい。参考：月刊世界の艦船6,’15、1,'22、月刊軍事研究11,’15

＜サリュー＞：インド海軍スカーニャ級哨戒艦５番艦Saryu。1991年就役。2000年、スリランカ海軍に売却されてP620サユラになった。参考：月刊世界の艦船3,’18

＜サリュー＞：インド海軍サリュー級外洋哨戒艦１番艦Saryu。2012年12月21日（2013年1月23日？）就役。参考：月刊世界の艦船3,’13、7,’13、月刊軍事研究4,’11

＜サリュー級＞：インド海軍外洋哨戒艦Saryu級。インド沿岸警備隊巡視船サンカルプ級の海軍型で、ステルス性と兵装を強化した。船型は平甲板型で、ステルス性を考慮して上構側面を船体と逆傾斜にし、前部上構上面にはタワーマストが立っている。後部上構中央両舷に煙突が１本ずつ立っていて、後部上構後部はヘリ格納庫、後甲板はヘリ甲板である。全長105.3m、幅12.9m、吃水4.9m、満載排水量2230-2251トン。主機はディーゼル２基２軸21725馬力、速力24-25ノット、航続距離6500海里／6000海里（16ノット）。兵装はオットー・メララ社製76mm速射砲１門（ステルス砲塔。前甲板）、AK630CIWS２基。チェタックまたはドゥルブ軽ヘリコプター１機を搭載できる。乗員118名（士官８名＋下士官・兵105名？）。１番艦サリュー、２番艦P57スナイナ、３番艦スメダー、４番艦スミトラが2013-14年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’13、10,’17、5,’18、6,’19、8,’11、11,’13、12,’17、月刊軍事研究4,’11

＜サリュー級・海外シリーズ＞

　＜サリュー級（スリランカ海軍）＞：スリランカ海軍外洋哨戒艦Saryu級。インドで建造され、P623サユララなど２隻が2017-18年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’19

＜サリン＞：Sarin。神経剤の１つで、GBと略す。開発者であるドイツの毒ガス研究者Schrader（タブンも開発した）、Ambros（I.G.ファルベン化学産業連合体の重役）、Rudriger（陸軍需品局中佐）、Van Der Linde（陸軍ガス防護研究所の博士）の頭文字を取ってこう名付けられた。無色無臭の液体だが、生成時の不純物が混入すると異臭が出る。融点マイナス56度、沸点147度（158度？）、比重1.09。気温25度での揮発性は１立方メートルあたり22000mgと非常に高く、速やかに気化して周囲に拡散する。侵入経路は肺・皮膚・眼で、症状は速やかに出現し、半数致死量70-100mg・min／立方メートル、最低中毒濃度は１μg・min／立方メートル、行動不能にできる濃度は0.5mg・min／立方メートル。毒性は、晴天なら４時間、気温が低ければ２日くらい持続する。自然分解するので、長期保存は困難である。水溶性が高く、次亜塩素酸ナトリウムで無毒化できるので、水と次亜塩素酸ナトリウムを４対１で混ぜて除染に用いる。自然分解物はメチルスルホン酸イソプロピル及びメチルスルホン酸で、土壌中にこれらの物質が検出されれば使用の根拠となる。タブンの低い揮発性を改善し、毒性を強化した神経剤として1938年に開発され、第２次大戦末期にファルケンハーゲンに工場が建設されたが、完成前に終戦を迎えた。初使用は1988年3月16日のイラクによるクルド人虐殺である。参考：化学・生物兵器概論、月刊軍事研究5,’17、1,’08、9,’09、戦争がやってくる

＜サリンレスキュー２００７＞：埼玉県、川口市、川口市消防本部、埼玉県警、陸上自衛隊第１師団第32普通科連隊、第101化学防護隊が参加して2006年11月27日に行われたテロ対策実地訓練。川口駅東口ビル内でサリンによる化学テロが発生したという想定で実施され、避難誘導、事情聴取、救護、除染などが行われた。総参加人数350人。化学防護車（装輪）、除洗車Ｂ型などの自衛隊車両も投入され、消防隊員や警察官は化学防護服を、自衛官は化学防護衣４型を着用している。駅周辺を封鎖するなどの処置は取られず、通行人が見守る中での訓練だった。参考：月刊丸2,’07

＜サルヴァー＞：ARS-52（救難艦）を参照。

＜サルヴァトーレ・ペロシ＞：S-522（潜水艦）を参照。

＜サルーキ＞：A182（曳船）を参照。

＜ザルカウィ殺害＞：2006年春、アメリカ特殊部隊の情報収集活動により、アルカイダ系テロ組織イラク聖戦アルカイダ機構の指導者であるアブ・ムサブ・アル・ザルカウィの側近の所在が判明。6月7日、ザルカウィと側近がザルカウィの隠れ家で会合を持つことが分かり、極秘のうちに特殊部隊が包囲、F-16戦闘機２機がそれぞれGBU-12/BとGBU-38/Bを１発ずつ隠れ家に投下して爆殺した。包囲した特殊部隊は隠れ家の捜索を行い遺体を確認、文書を押収して他のテロリストの逮捕に繋げている。参考：月刊軍事研究4,’15、4,’07

＜サルカベイ級＞：トルコ海軍戦車揚陸艦Sarucabey級。兵装はファランクス１基。兵員600名、戦車11両を搭載できる。ヘリ１機分のヘリ甲板を持つ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ザルキイ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートZharky。1975年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜猿島＞：日本海軍夏島型敷設艇３番艇。昭和9年7月20日竣工。太平洋戦争開戦時は横須賀防備戦隊所属で、東京湾に防潜網を設置した。その後は横須賀−鳥羽の船団護衛を実施。昭和17年2月、東京湾南方の公海上でソ連貨物船リオンを臨検した。昭和18年6月から横須賀−父島の船団護衛を実施。昭和18年12月24日、水雷艇千鳥と接触して艦首を損傷した。昭和19年1月3日、横須賀海軍工廠にドックインして修理に入り、1月10日にドックを出た。3月、横須賀−サイパンの船団護衛任務に就いた。7月4日、小笠原諸島兄島西岸で艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船11,’13

＜サルズベリー＞：AV-13（水上機母艦）を参照。

＜サルタ＞：S31（潜水艦）を参照。

＜サルタ級＞：209/1200型潜水艦（アルゼンチン海軍）を参照。

＜サルタン＞：スコーピオン・ファミリー（指揮車）を参照。

＜サルデーニャ＞：イタリア海軍レ・ウンベルト級戦艦３番艦Sardegna。1895年2月16日竣工。1911年、トリポリ占領に参加。第１次大戦では港湾警備に使用された。1923年1月4日に除籍された。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜サルドゥライ＞：S348（潜水艦）を参照。

＜サルトホルム＞：MSD-6（掃海艇）を参照。

＜サルバトーラ・ペルシ級＞：イタリア海軍潜水艦。1018型の改良型である。全長64.36m、幅6.83m、吃水5.66m、水上排水量1476トン、水中排水量1662トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル３基、１軸推進、水上速力11ノット、水中速力20ノット。潜航深度300m、圧壊深度600m。兵装は533mm魚雷発射管６門。乗員50名（士官７名、下士官・兵43名）。２隻が就役した。参考：現代の潜水艦

＜サルバトーレ・トダロ＞：S-526（潜水艦）を参照。

＜サルバドル方式＞：1980年代前半にエルサルバドルで実行された秘密作戦。反政府勢力に対抗するため、暗殺部隊を含む政府軍を全面的にバックアップした。参考：月刊軍事研究3,’05

＜サルパライン＞：フィンランドの対ソ連防衛ライン。1940年3月13日に冬戦争が終結したが、ソ連との国境沿いに建設されていた従来の要塞線が全てソ連領土になってしまったため、講和条約を調印してから１週間後には建設が決まり、1940年4月に起工された。1941年6月のバルバロッサ作戦開始で建設ペースが減速したが、ドイツ軍が劣勢となり継続戦争に至ると作業が再開され、突貫工事で1944年10月に完成した。フィンランド湾からサイマー湖東岸、スオムッサルミ東を通って北極海まで延々連なる要塞線で、戦闘壕350km、対戦車豪130km、バリケード帯225km、障害帯315km、重拠点728カ所、軽拠点3000カ所、戦車砲塔トーチカ26カ所、砲座500カ所、機関銃座1250カ所を組み合わせた縦深陣地となっている。ソ連得意の猛砲爆撃に耐えるために拠点前面・上面は全て厚く防御され、敵に正対する面には銃眼すら設けられておらず、代わりに近くの陣地が側面から十字砲火を浴びせる設計だった。擬装も万全で、バンカーは植物に覆われ、監視塔も岩や切り株にしか見えない。更に地雷を大量に埋めていた。これを知ったソ連軍は1944年9月、要塞線完成前に継続戦争を休戦している。戦後は核兵器の登場で要塞線のような固定陣地は役に立たないと考えられ、放棄された。1990年代になって一部が復元され、博物館となっている。また、遺構や痕跡も多数残されたままである。参考：月刊丸7,’14、月刊PANZER9,’03

＜サルビア＞：K97（コルベット）を参照。

＜ザルフィカ＞：イランの弾道ミサイル。弾頭重量500kg。射程500km。ファタハ313と同じ？参考：月刊軍事研究3,’17

＜サルヘント・アルデア＞：LSDH-91（揚陸艦）を参照。

＜サルボール＞：アメリカ海軍救難艦。2010年5月、カラット2010に参加。参考：月刊丸12,’10

＜サルマ＞：ロシアのラズリート設計局が開発している超長距離無人潜水艇Sarma。AIP機関（原子力ではない）を搭載し、北極海の氷海下を10000km以上潜航しつつ海底地震学調査を行う。2023年から航行テストに入る予定。参考：月刊世界の艦船1,’19

＜サルマート＞：RS-28（ICBM）を参照。

＜サルミエント＞：アルゼンチン海軍フリゲートSarmiento。実際には帆装練習艦である。帆装はシップ型。排水量2733トン。補助機関としてレシプロ機関を搭載し、機走速力13ノット。兵装は12cm単装砲４門、57mm単装砲２門、533mm魚雷発射管３門。1898年就役。1899年、本艦初のアルゼンチン海軍士官候補生遠洋練習航海を実施。1926年10月1日、アルゼンチン海軍士官候補生47名（兵科31名、機関科16名）、士官20名、兵員283名を乗せ、西回り世界一周の遠洋練習航海のためリバプールを出港（改装の関係でイギリスから出発）。12月28日、横浜港に入港。その後神戸にも入港し、ポインターの子犬を購入してマスコットにした。1927年1月14-16日、呉に寄港。4月17日、アルゼンチンに帰国。1939年、37回目のアルゼンチン海軍士官候補生遠洋練習航海を実施。これが本艦最後の遠洋練習航海となった。参考：月刊世界の艦船1,’18

＜サルムソン２Ａ−２（日本陸軍）＞：日本陸軍複葉偵察機。大正7年末に川崎造船所の社長が完成機体・AZ-9エンジンと、それらのライセンス生産権を取得、量産を行った。日本陸軍でもAZ-9エンジンのライセンス生産権を取得し、陸軍補給部所沢支部で生産している。陸軍では機体のライセンス生産権を取っていないのに、見分けが付かないだろうと機体の製作まで行っていたが、機体に製造場所をそのまま記入していたことからあっさりとばれ、特許権侵害告訴されて国際問題に発展した。川崎造船所の航空機事業担当部長が仲介して何とか収めている。払い下げ機を東西定期航空会（朝日新聞が写真の航空輸送などのため大正12年に設立）が導入した。参考：月刊丸6,’14、月刊航空ファン10,’19

＜サルモン＞：フランスが開発したVDS用アクティブソナー。使用周波数12kHz、探知距離11km、曳航深度100m。スウェーデン海軍イェーテボリ級コルベットやデンマーク海軍セティス級フリゲートなどに搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ザレバ＞：第１次大戦時にイギリスがベルギー沿岸部に敷設した対Ｕボート機雷原。1916年までに64kmに亘り敷設された。参考：Ｕボート入門

＜サレム墓地・アリ廟掃討作戦＞：イラク国民会議を10日後に控えた2004年8月5日、シーア派の発言力を高めるため、サドル派マハディ軍がナジャフ北のサレム墓地から警察本部に向け攻撃を行った。これに対しイラク国家警備隊と第11海兵遠征軍が出動して反撃に出たが、戦車４両・歩兵1200名では対応しきれず、8月8日までに民兵350人を殺害したものの、海兵隊に死傷者23名、イラク国家警備隊に死傷者16名が出た。8月9日、バグダッドから移動してきた陸軍３個大隊が到着し、8月11日までにサレム墓地を制圧した。続いてアリ廟のある旧市街を封鎖、戦車を先に立てて強行突破し、アリ廟のモスクを包囲している。8月27日、シーア派最高権威のシスタニ師の仲介で停戦が成り、アリ廟は明け渡された。参考：月刊軍事研究3,’05

＜サレルノ上陸作戦＞：アバランチ作戦を参照。

＜サレルノ・ベイ＞：CVE-110（護衛空母）を参照。

＜サレン（初代）＞：スウェーデン海軍ハヤン級（２代目）潜水艦２番艦。1918年1月31日進水。1942年7月24日退役。1946年にスクラップにされた。参考：月刊軍事研究1,’03

＜サレン（２代目）＞：スウェーデン海軍ハヤン級（３代目）潜水艦２番艦。1953年起工、1955年10月3日進水、1957年4月8日竣工。1970年代一杯現役に止まり、1980年7月1日に除籍された。参考：月刊軍事研究2,’03

＜サロフ＞：B-90（実験潜水艦）を参照。

＜さわかぜ＞：DDG-170（護衛艦）を参照。

＜澤風＞：日本海軍峯風型駆逐艦２番艦。大正9年3月16日竣工、一等駆逐艦に類別され、第２駆逐隊に配備された。昭和9年11月、第２駆逐隊を退いた。昭和19年から対潜学校練習艦及び第一特攻戦隊攻撃目標艦として使用されるようになった。昭和20年9月15日に除籍され、船体は福島県小名浜港の防波堤となった。タービンが記念碑として残されている。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11、7,’17、日本海軍艦隊総覧

＜さわぎく＞：LSSL-428（警備艇）を参照。

＜さわぎり＞：DD-157（護衛艦）を参照。

＜サワシテペ＞：D-348（駆逐艦）を参照。

＜沢田貢＞：日本陸軍エース。明治44年、石川県生まれ。昭和7年、陸軍士官学校を卒業し、操縦学生教程を修了、飛行第４連隊所属となった。昭和10年7月、明野飛行学校戦闘隊教官要員学生課程を修了し、明野の教官となった。12月7日、日華事変勃発で飛行第２大隊に転属し、中国に渡った。10月6日、保定で爆撃機１機を撃墜し、初戦果を挙げた。11月11日、洛陽上空で１機を撃墜。昭和13年1月30日、洛陽上空で３機を撃墜。5月20日、蘭封上空でI-15戦闘機３機を撃墜。昭和14年3月、明野教官となった。昭和16年、飛行第85戦隊に転属。昭和18年3月1日、飛行第１戦隊長となり、ラエ基地に展開。3月5日、故障機でラバウルに帰還するため離陸した後にP-40戦闘機及びP-38戦闘機に包囲され、３機を撃墜したが、被弾して戦死した。総撃墜数11機。最終階級は中佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜さわゆき＞：DD-125（護衛艦）を参照。

＜早蕨＞：日本海軍若竹型駆逐艦４番艦。大正13年7月24日竣工、第８号駆逐艦という名称で二等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日に早蕨に改称された。昭和7年12月5日、基隆北方で時化により転覆し、沈没認定された。昭和8年5月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、海軍技術研究所

＜サワリ�U型＞：サウジアラビア海軍フリゲートF-3000S。ラファイエット級ステルス・フリゲートの拡大改良型で、低周波ハルソナー、カプタス20曳航ソナー、短魚雷発射管を追加し、艦対空ミサイルをアスター15に換装するなどしている。艦橋はラファイエット級よりも低く、DRBV-26ジュピター長距離捜索レーダーを艦橋上の四角錐台頂部、76mm砲用カストール�UＪ射撃指揮装置を艦橋頂部に装備する。メインマスト頂部にDR3000-S2ESM、後部マスト頂部にアスター艦対空ミサイルシステムを構成するアラベル多機能レーダー用球形レドーム、後部マスト両舷に煙突を持つ。上構後部舷側が短艇庫で、通常はシャッターにより閉じられている。FCSはトムソンCSF社製TAVITAC2000システム。フィン・スタビライザーとヘリコプター取扱装置サマエにより、シーステート６でもヘリの発着が可能。全長133.6m、幅17.2m、吃水4.1m、満載排水量4650トン。主機はCODAD方式、ディーゼル、出力28000馬力、２軸推進、速力25ノット。兵装はアスター15艦対空ミサイル用シルベールA43VLS８セル２基（艦橋直前。32セルへの増加が可能）、エグゾセMM40ブロック�U艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、62口径76mmスーパーラピッド砲１門（１番艦は当初非ステルス防楯のGIAT社製55口径100mmコンパクト砲Mk2が１門で、後に換装）、GIAT社製20mm単装機関砲２門、12.7mm単装機銃２丁、533mm魚雷F17P Mod2用単装発射管４門（艦尾左右に２門ずつ）。自衛用としてメインマスト付け根両舷にダゲMk2チャフ・フレアディスペンサーを１基ずつ装備する。SA365D/Nドーファン２対潜ヘリ１機を搭載可能で、格納庫はNH90ヘリを収容できる大きさがある。１番艦アル・リヤド、２番艦814メッカ、３番艦816アル・ダンマンの３隻が2002-04年に就役した。参考：月刊世界の艦船1,’02、10,’02、1,’04、3,’07、10,’11、4,’15、JShips Vol.24、月刊丸9,’97、THE MILITARY BALANCE 2016

＜三亜＞：574（054A型フリゲート）を参照。

＜三亜海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。練習航空隊で、海南島三亜に置かれた。昭和18年10月1日に開隊されて高雄警備府第14連合航空隊の隷下に入り、戦闘機実用教程を開始した。後に陸攻の実用教程も行っている。昭和19年4月に入り在支米軍との戦闘が激化、三亜も前線基地になってきたため移動が決定し、6月1日に解隊された。陸攻練習隊は黄流海軍航空隊に移っている。参考：月刊航空ファン3,’20

＜サン・アントニオ＞：LPD-17（揚陸艦）を参照。

＜サン・アントニオ＞：フィリピン海軍哨戒艦。2023年10月2-13日、SAMASAMA2023訓練に参加。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜サン・アントニオ級シリーズ＞：アメリカ海軍ドック型輸送揚陸艦San Antonio級。ドック型輸送揚陸艦LPD、ドック型揚陸艦LSD、戦車揚陸艦LST、貨物揚陸艦LKAの能力を１つに纏め、アンカレッジ級、オースチン級、ニューポート級、チャールストン級の合計41隻80万トン20000名を12隻30万トン5000名で更新するというのがコンセプトである。参考：アメリカ揚陸艦史

＜サン・アントニオ級フライト�T＞：当初は単にサン・アントニオ級だったが、フライト�Uが採用されたので後ろにフライト�T（Flight�T）が付いた。船体はステルス性を考慮しており、前甲板にブルワークを装備、艦中央舷側から艦尾に続くナックルラインから上を一体構造にして傾斜を付け、アンカー・レセスの形状もステルス重視で、搭載艇は上部構造物側面内に収容し（前方スライド式シャッターで開口部を塞ぐ）、RCSはホイッドビー・アイランド級やハーパーズ・フェリー級の100分の１という。艦首水線下はバルバス・バウである。船体内後部のドック・ウエル（長さ120m、幅15.24m、床が第５甲板、天井が第３甲板）にLCAC２隻またはLCU１隻またはAAV7装甲車30両を収容する。ドック扉は上下２分割の上下開きで、下側にはステルス対策として段が付く。上甲板後部はヘリ甲板で、MV-22輸送機なら２機、ヘリなら2-6機を露天係止できる。発着艦スポットはCH-53/MV-22用が２カ所、CH-46/AH-1/UH-1用が４カ所。AV-8攻撃機は運用できないが、故障機などを非常時に着艦させることは可能。船体内中央部が３層の車両甲板（１層目は床が第３甲板・天井が第１甲板、２層目は床が第４甲板・天井が第３甲板、３層目は床が第４甲板・天井が第５甲板。床面積計2323平方メートル）となっており、EFV14両、戦車、各種車両の搭載が可能で、各層を繋ぐスロープがある他、２層目後方にはドック・ウエルに繋がるスロープもある。船体内前方に貨物甲板（963平方メートル）がある。弾火薬庫は床面積1715平方メートル（708平方メートル？）。第７甲板が二重底で、前部補機室、前部機械室、中部補機室、後部機械室、後部補機室があり、これらは全て天井が第５甲板である。ドック・ウエルの下はバラストタンクに充てられている。上部構造物は前方から艦橋（04甲板レベル）、指揮管制区画（CICや揚陸作戦指揮室など）、居住区画（前部煙突直下あたり）、医療区画（前部煙突後方から後部マスト直下の第１甲板レベル）、居住区画（医療区画の上・後部マスト下の02-03甲板レベル）、格納庫（天井が03甲板。CH-53KヘリやMV-22B輸送機なら１機、CH-46Eヘリなら２機収容）という配置である。医療区画にベッド24床（緊急時はプラス100床）、ICU６床、手術室２室、歯科治療室２室がある。前部煙突から後部マストの間の01甲板レベルは艦載艇揚収用クレーン（前）と艦載艇搭載スペース（後）で、舷側を壁で覆ってステルス性に配慮した。前後のアンテナマストはAEM/Sと呼ばれる八角錐のカバーで覆われており、前部にはAN/SPS-73(V)13対水上レーダー（基部）、AN/SPS-64(V)9航海レーダー、AN/SPQ-9B火器管制レーダー（上面）、電子戦装置、IFFなど、後部にはAN/SPS-48E/G三次元レーダー、IFF、JTIDS、TACANなどを装備する。個艦防空システムはSSDS Mk2Mod2で、艦内ネットワークにはアメリカ海軍で初めて光ファイバーSWAN（Shipboard Wide Area Network）を採用した。揚陸指揮艦としての機能も持たせるため、衛星通信用レドームを多数搭載し、指揮通信能力を強化している。水陸両用作戦時の対地支援用にMGM-140ATACMSを搭載する計画もあったが、没になった。全長208.5m、全幅31.9m、吃水7m、軽荷排水量12500トン、満載排水量24900-25885トン。主機はコルト・ピールスティック16PC2.5STC中速ディーゼル４基、出力41600馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、航海速力22ノット、非常時最大速力24.5ノット、航続距離8000海里（18ノット）。発電機はディーゼル（出力2500kW）５基。自衛用にRAM発射機Mk49を２基（上構左前部、ヘリ格納庫右上面）、暗視装置付30mm機関砲Mk46Mod2を２門（上構前後）、12.7mm機関銃Mk26を４丁（９丁？10丁？）、AN/SLQ-32A電子戦装置、AN/SLQ-25Aニキシー、Mk36チャフ発射機、デコイ発射機Mk53ヌルカを搭載する。前甲板にESSM艦対空ミサイル用Mk41VLS16セル１基の装備スペースがある。乗員365名（360名＋海兵隊警備要員３名？372名＋予備居住施設22名分？）。海兵隊員699名（720名？最大で１個大隊808名）と大量の貨物・装備を搭載できる。12隻を建造予定だったが、開発の遅れと価格高騰で９隻に減らされ、次いで11隻に戻され、2016年度予算まででLPD-17サン・アントニオ、LPD-18ニュー・オーリンズ、LPD-19メーサ・ヴァード、LPD-20グリーン・ベイ、LPD-21ニューヨーク、LPD-22サンディエゴ、LPD-23アンカレジ、LPD-24アーリントン、LPD-25サマセット、LPD-26ジョン・Ｐ・マーサ、LPD-27ポートランドが建造され、2006年から就役した。ただ後継艦の開発が遅れたため、12番艦LPD-28フォート・ローダーデールが復活、更に13番艦LPD-29リチャード・Ｍ・マッコールJr.が発注されている。12-13番艦は一部にフライト�Uの設計を取り入れており、マストを前後ともステルス断面の三脚マストに変更し、上構舷側シャッターや後部上構上面の囲壁を撤去、搭載艇揚収クレーンを通常型とするなど艤装を簡易化し（満載排水量25300トン）、海兵隊員収容数を650名に減らした。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船12,'23、4,’16、3,’19、10,'22、2,’13、4,’04増刊、5,’14、4,’15、2,’14、12,’13、12,’12、4,’10、1,’10、5,’15、8,’16、9,’17、6,'20、7,'22、月刊軍事研究9,'15、1,’16、6,’13、11,’08、2,’02、12,’04、1,’08、1,’10、7,’16、JShips Vol.24

　＜サン・アントニオ級フライト�U＞：通算14番艦以降、San Antonio Class Flight�U。ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦後継・計画名LX(R)として2010年代から開発されたドック型輸送揚陸艦で、2014年にハンチントン・インガルス社がフライト�Tの廉価型を提案し、2018年4月に採用された。艦内区画を変更し、前後マストをステルス断面の三脚マストに換装、人員輸送能力を減らすなどして安価に纏めている。代わりにモジュール設計を採用し、病院船から弾道ミサイル防衛プラットフォームまで様々な任務に投入できるようにした。後甲板は床面積2230平方メートルのヘリ甲板で、MV-22B輸送機対応の耐熱塗装を施してある。LCAC/SSCはフライト�Tと同じく２隻積めるが、４隻収容のホイッドビー・アイランド級からは半減する。フライト�Tで前部上構側面に収容していた艦載艇は前後上構間の甲板上両舷に剥き出しで搭載した。AN/SPQ-9B射撃指揮レーダー、AN/SPS-73対水上・航海レーダー、AN/SPY-6(V)2対空捜索レーダー（後部マストトップ）を装備する。車両甲板面積2313平方メートル、貨物甲板容積509.7立方メートル。全長208.5m、全幅31.9m、吃水7m、満載排水量25300トン（23470トン？）。主機はディーゼル４基、出力41600馬力、２軸推進、最大速力22ノット以上（20ノット強？）。兵装はRAM艦対空ミサイル用21連装発射機Mk49が２基（前部上構左前端01甲板上、後部上構右後端上面）、30mm単装機関砲Mk46が２門（前部上構前端中央など）。MV-22B輸送機２機を搭載可能（ただし固有の搭載機は無い）で、ヘリ甲板に発着スポット２箇所を持つ。海兵隊員631名（700名強？）、LCAC/SSC２隻を収容できる。１番艦LPD-30ハリスバーグ、２番艦LPD-31ピッツバーグ、３番艦LPD-32フィラデルフィアなど13隻を建造予定だが、海兵隊がフォース・デザイン2030など新戦略を開発中で、それに合う艦かどうか定まらないため、３番艦の予算が付いたところで調達が一時中断された。参考：月刊世界の艦船7,'22、9,'23、2,’14、2,’19、12,’20、1,'24、月刊軍事研究9,'15、1,’16

＜散逸率＞：Dispersion。アメリカ軍が航空機用機関砲の命中精度を表す際に使用する値で、発射弾数の80%が収束する範囲をミル単位で表す。30mmガトリング砲GAU-8/Aや25mm機関砲GAU-22/Aは５ミルで、100発撃つと80発が1000フィート（304.8m）先で半径５フィート（1.5m）以内に着弾する。20mmバルカン砲M61A1は８ミルである。参考：月刊航空ファン10,’17

＜サンオ級潜水艦シリーズ＞：北朝鮮軍特殊工作員搬送用小型潜水艦Sang-O（鮫）級。参考：月刊軍事研究3,’02

＜サンオ級＞：ユーゴスラビアの設計を元に1991年（1995年？）から38隻が北朝鮮で建造され、1996年9月の座礁事件で存在が確認された。人民武力省偵察局に配備され、主任務は工作員輸送、偵察、後方攪乱などとみられる。大型船の後を付けてスクリューバブルに隠れ、隠密裏に目的地に接近するらしい。海上捜索レーダーやソナーを搭載しているが、小型のものしか積めないので能力に限界があり、最終的には潜望鏡で目標を確認せねばならないが、潜舵が無いので深度保持が難しいとみられる。全長35.5m、全幅3.8m、全高3.7m、吃水3.6m、水上排水量265トン、水中排水量277-281トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機１基、電動モーター１基１軸、水上速力7.6ノット、シュノーケル航行速力7.2ノット、水中速力8.8ノット、航続距離2700海里。潜航深度180m。兵装は21インチ（533.4mm）魚雷発射管２ないし４門（53-56魚雷）。機雷16個を外装搭載するタイプもある。乗員19名（11名？25名？）＋工作員６名（15名？）。参考：月刊軍事研究3,’02、7,’05、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’16、7,’13、9,’01、10,’16、1,’17、12,’17、JShips Vol.24、現代の潜水艦

　＜サンオ�U級＞：船体を5m延長し、特殊部隊運用能力を向上させたもの。水中排水量320トン。兵装は533mm魚雷発射管４門（53-65長魚雷）。2011年に存在が確認され、2013年現在６隻、2020年現在11隻が就役しているとみられる。参考：月刊世界の艦船7,’13、4,'20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サンオ級潜水艦・海外シリーズ＞

　＜サンオ級潜水艦（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍潜水艦。２隻を北朝鮮から輸入したとみられる。全長34m、幅3.8m、吃水3.2m、水上排水量295トン、水中排水量325トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル１基、１軸推進、水上速力７ノット、水中速力８ノット、潜航深度180m。兵装は533mm魚雷発射管４門と外装式機雷。乗員19名。参考：現代の潜水艦

＜サンオ級潜水艦座礁事件＞：江陵事件ともいう。1996年9月13日、北朝鮮海軍サンオ級潜水艦１隻が工作員26名（推定）を乗せてウォンサンを出港。9月15日、カンヌン市内の海岸線近くに到達し、工作員を上陸させ、工作員は韓国国内に潜入して偵察を行った。9月17日、工作員を回収するため、海岸線に近づいたところ、誤って座礁してしまい、離礁作業中にスクリューを破損。乗員と工作員は武器を持って全員離艦し、カンヌン市の山中に逃れた。9月18日、タクシー運転手が座礁しているサンオ級潜水艦を発見し、韓国軍が５個師団６万名で捜索を開始。9月18日夕方に人民武力省偵察局の上尉が逮捕され、間も無く11名が集団自決しているのが発見された。9月19日に７名、9月23日に２名、9月30日までに２名、11月5日に２名を射殺し、１名は北朝鮮に逃れたとみられる。韓国の軍人８名、民間人４人が死亡した。12月29日、北朝鮮が事件を認めて再発防止の努力を表明、政治的に決着した。潜水艦は座礁地点近くに作られたカンヌン統一公園に展示されており、工作員の所持品は園内の統一安保展示館にある。参考：月刊軍事研究10,’13、3,’02、11,’12、世紀の失敗物語

＜サン・オブ・ブラックバード＞：ボーイング社が研究している極超音速偵察機。名前の通りSR-71ブラックバードの後継を狙っている。機体形状にウェーブライダーを採用し、エンジンはジェット＋スクラムジェット、最大速度マッハ５。参考：月刊軍事研究10,’18

＜散開＞：敵艦を効率的に捜索探知攻撃すべく、複数の潜水艦を一定間隔で配置展開すること。進撃散開、待敵散開（一直線に並ぶ線散開または二線以上で構成する面散開を行い、その場で待ち伏せする）、索敵散開、避敵散開がある。散開線を読まれると展開場所がばれて一網打尽になるので注意。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜散開青々＞：日本海軍の号令。信号員に対するもので、旗艦が麾下艦に散開を命じる時に使用する青色三角旗を掲揚せよ、という意味である。この旗旒信号を見た麾下艦は、同じ旗を掲揚して了解を示し、応答旗は使わない。参考：歴史群像4,’16

＜サンカイ作戦＞：フィリピン台風30号被害に対する国際緊急援助活動を参照。

＜山海関基地＞：中国海軍航空基地で、シャンハイグァン（Shanhaiguan）と読む。河北省秦皇島市にあり、滑走路は長さ2500m級、ランウェイ06/24。2021年現在、北海艦隊海軍航空兵２師（KJ-200H早期警戒機、KJ-500H早期警戒機、高新６号対潜哨戒機、高新８号電子偵察機）、海軍航空兵５師13団（殲轟7A攻撃機）、海軍航空大学校第２訓練連隊（殲教9H練習機）が配備されている。参考：月刊JWings2,’21

＜サンガイン＞：P266（潜水艦）を参照。

＜酸化銀アルミ電池＞：二次電池の１つ。魚雷用として1980年代からドイツ、フランス、イタリアが共同開発し、途中でドイツが抜け、完成後はフランスで生産してブラックシャークとF21に搭載した。銀亜鉛電池より重量比でも体積比でも２倍の蓄電容量を持つが、安定的な電力供給が難しく、製造も困難である。また、発電開始時に爆発する危険があるため、射出後はリチウム電池で駆動して発射艦から安全距離を取り、酸化銀アルミ電池に切り替える方式を取っている。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜山岳陣地＞：敵に向かって山地の入り口付近に軽歩兵中心の陣地を設置し、侵入しようとする敵部隊と近接戦闘を仕掛ける。出口側に陣地を設置し、山地から出てきたところを狙い撃つこともあるが、防御側陣地が攻撃側に曝露しやすいので、攻撃準備射撃で破壊されてしまう恐れがあり、反斜面陣地を設置するなどの配慮が必要となる。また、機甲部隊を予備として配置し、空挺輸送などで後方に浸透した敵に備える他、自らも空挺部隊を用意して敵の後方遮断の準備を行う。攻撃側は敵陣地の要点に指向する主攻部隊、防御側戦力を分散させる助攻部隊、後方遮断を行う空挺部隊・予備隊を揃え、攻撃準備射撃を実施した後、定刻に攻撃開始線を通過して攻撃に移る。この際、戦車、歩兵、火砲、工兵の一体攻撃が重要で、特に迫撃砲掃討及び地雷原啓開がカギとなる。敵陣地に肉薄したら突撃支援射撃を開始、敵が陣地から頭を出せない状態にして突撃を行う。地形上、軽歩兵による突撃となるため、側射陣地及び手榴弾弾幕が最大の障害で、敵陣背後から突撃するなどの工夫も要る。陣地占領後は体勢を整えたり気力を回復したりするため防御に移り、追撃は後続部隊及び空挺部隊に任せる。参考：兵器最先端５

＜三角山＞：PC703（駆潜艇）を参照。

＜山岳師団（ドイツ連邦軍、１９８９年）＞：機甲旅団１個、機甲てき弾兵旅団１個、山岳旅団１個、装甲偵察大隊１個、砲兵連隊（FH-70大隊１個18門、M110大隊１個18両、110mm多連装ロケット大隊１個16両）１個、防空連隊（ゲパルト）１個、飛行隊１個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜山岳波＞：高山地帯に特有の気流。山の斜面に当たった風が上昇気流となり尾根を越え、反対斜面で短時間に上昇下降を繰り返す波のような激しい変化の気流となったもので、時に縦に渦巻くローターと呼ばれる気流となる。航空機が巻き込まれると致命的になりかねず、1966年にはBOACのB707旅客機が富士山上空で山岳波に巻き込まれ、機体がバラバラになってしまった。参考：月刊航空ファン8,’16

＜三角パートナーシップ・プログラム＞：国連三角パートナーシップ・プログラムを参照。

＜山岳猟兵＞：ドイツ軍山岳戦専用戦闘員ゲビルクスイェーガー。シンボルはエーデルワイス。ロッククライミングやスキーなどの特殊訓練を受けたスペシャリストで、1915年に創設した。参考：コンバット・バイブル２

＜サンガモン＞：ACV-26（護衛空母）またはAO-28（給油艦）を参照。

＜サンガモン級＞：アメリカ海軍護衛空母Sanganmon級。1942年度追加予算で起工済みのC3-S-A1型貨物船のうち15隻をボーグ級護衛空母に改造する予定にしたが、11隻しか確保できなかったため、代わりにT2型標準油槽船（全長168m、幅22.9m、総トン数10100トン。T3-S2-A1型？）を給油艦に改造したシマロン級給油艦のうち４隻を、更に護衛空母に改造したものである。全長がC3貨物船より20mほど長いので、飛行甲板も長さ153.1m・幅25.9mと大きくし、主機を換装して速力を増大、航空機運用能力を強化したが、飛行甲板から海面までの高さがボーグ級より3m低い12.8mで、荒天時の運用にはやや難があった。元の船体中央ウェルデッキの１層上に水平な甲板を敷いて長さ60.4m・幅21m・高さ5.3mの格納庫としており、前後船楼上を跨いで飛行甲板を載せ格納庫天井を兼用している。エレベーターは飛行甲板前後に内舷式１基ずつで、長さ10.4m、幅12.8m、最大荷重6.3トン。飛行甲板前部左舷側にカタパルト１基を装備する。船体内艦首下部に重油タンク、その後ろにガソリンタンク、船体中央下部に燃料タンクが配され、6000トンの貯油能力があり、随伴艦艇への給油任務も行えた。機関区画は船尾にあり、前方に機械室１室、後方に缶室１室を配し、煙突は飛行甲板後部両舷に２本ずつ用意されている。舷側の給油艦当時に洋上補給装置装備位置だった部分は開口部となっており、荒天時に波が入り込むという欠点があって後に閉鎖された。全長168.7m、水線長160m、最大幅34.8m、水線幅22.9m、吃水9.8m、基準排水量11400トン、満載排水量24275トン（23235トン？）。主機はGE式（１・２番艦）またはウェスティングハウス式（３・４番艦）蒸気タービン２基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式重油専焼水管缶（蒸気性状3.1MPa、385℃）４基、13500軸馬力、２軸推進、最大速力18.3ノット、重油搭載量5268トン、航続距離23900海里（15ノット）。兵装は51口径12.7cm単装平射砲２門（艦尾両舷）、40mm連装機関砲４基（飛行甲板前部両舷スポンソン１基ずつ、艦尾スポンソン２基）、20mm単装機関砲12門（両舷６門ずつ）。搭載機数30-36機。1945年編成ではF6F-5戦闘機26機とTBM-3艦攻６機を積んでいた。乗員1080名。ACV-26サンガモン、ACV-27スワニー、ACV-28シェナンゴ、ACV-29サンティーの４隻が1942年に竣工した。初陣はトーチ作戦である。後に兵装を38口径12.7cm単装両用砲２門、40mm連装機関砲４基（両舷１基ずつ、艦尾甲板２基）、20mm単装機関砲31門（両舷14門ずつ、艦首甲板３門）に強化した。1945-47年に退役した。参考：月刊世界の艦船6,’17、10,'22、第２次大戦のアメリカ軍艦、護衛空母入門、歴史群像2,’01、月刊丸8,’95

＜サンカルロス＞：AVP-51（飛行艇支援艦）を参照。

＜サンクチュアリ＞：AH-17（病院船）を参照。

＜サンクト・ゲオルク＞：オーストリア＝ハンガリー帝国海軍装甲巡洋艦Sankt Georg。満載排水量8070トン。速力22ノット。兵装は24cm単装砲２門など。1905年7月就役。参考：月刊世界の艦船5,’19

＜サンクト・ペテルブルグ＞：B-585（潜水艦）を参照。

＜サンクト・ペテルブルグ級＞：677型（潜水艦）を参照。

＜サングラム＞：バングラデシュ海軍056級コルベット３番艦Sangram。2019年3月28日、チッタゴン海軍基地に回航された。参考：月刊世界の艦船7,’19

＜サン・クレメンテ＞：AV-1（水上機母艦）を参照。

＜さんくれめんて丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜サン・クロワ＞：DDE-256（護衛駆逐艦）を参照。

＜三軒屋駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は岡山県岡山市宿978。JR法界院駅から徒歩20分、JR岡山駅からタクシー20分。元は陸軍兵器廠三軒屋填薬廠跡地で、1955年4月5日に三軒屋分屯地（水島駐屯地の分屯）として開設された。4月15日、関西地区補給処三軒屋弾薬支処が新編された。1957年9月5日、三軒屋駐屯地に昇格した。1962年1月19日、第324地区施設隊が新編された。1966年2月5日、第331基地通信中隊が新編された。1969年4月1日、第116地区警務隊日本原派遣隊三軒屋連絡班が新編された。1975年3月26日、第331基地通信中隊が第312基地通信中隊三軒屋派遣隊に改称された。1990年3月26日、第324地区施設隊が廃止され、第350施設中隊が新編された。1999年3月29日、第350施設中隊が廃止され、第349施設中隊が出雲駐屯地から移駐した。2006年3月27日、第329施設中隊が廃止された。第305施設隊と第104施設直接支援隊第２直接支援隊が移駐してきた。2012年10月17-18日、倉敷市立味野中学校生徒６人の職場体験学習を支援。2013年1月11日、新成人隊員７名の成人行事を実施。2月6日、岡山商科大学学生32人のインターシップ事業所体験を支援した。7月28日、岡山市北区の日本陸軍墓地を清掃した。2014年1月10日、新成人隊員５名の成人行事を実施。2015年8月17-21日、岡山地本が行った大学生対象のインターンシップに協力した。2016年4月5-7日、民間企業４社の社員32人に対して隊内生活体験を実施。8月1-5日、岡山地本が行った大学生８人に対するインターシップに協力した。8月29日、岡山地本が子ども参観日を実施。9月17日、岡山学芸館高校文化祭で装備品を展示した。2017年10月5日、近くの町内会から住民35人を招待して観月会を開催。2018年9月15日、岡山学芸館高校文化祭の学芸祭に日本原駐屯地と共に協力し、装備品展示を行った。2020年1月23日、岡山県警察学校初任科生21人に隊内生活体験を実施。2021年7月26日、ボーイスカウト岡山連盟総社第３団９人の職場体験を支援した。参考：三軒屋駐屯地ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、出雲駐屯地ホームページ、宇治駐屯地ホームページ、朝雲

　＜三軒屋駐屯地（２０１５年）＞：第４施設団第305施設隊、第104施設直接支援隊第２直接支援隊、関西補給処三軒屋弾薬支処が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、三軒屋駐屯地ホームページ

＜塹壕＞：将兵が構築する野戦壕で、中に入って戦闘を行う。古代から城や砦などで掘や壕は使用されていたが、騎馬隊の突撃や歩兵の密集攻撃を壕の中に入って身動きの取れない状態で防衛することは不可能であり、基本的には壕の後方に布陣して戦闘を行っていた。最初の野外会戦における壕の構築は1503年4月21日のチェリニョーラの戦いとされるが、この時も壕は騎馬隊の突撃を防ぐ目的で作られており、部隊は後方の丘の上に展開している。火砲の発達により鉄砲隊の整列一斉射撃で一定の戦果が挙げられるようになり、銃剣の採用で白兵戦にも対応できるようになると、17世紀後半にはフランスで対壕戦術と呼ばれる塹壕による攻城理論が発明された。ただ小銃や大砲の操作スペースを広く取らなければならず、白兵戦に備えて部隊が動くスペースも確保しなければならないため、壕を深く掘るよりも土塁を積み上げることが重要視されていた。また、箱形砲架のため砲の仰角が取りにくく、榴弾が一般的では無かったことも土塁の有効性を増していた。南北戦争頃からは仰角の取れる臼砲が普及し始め、徐々に壕の有効性が高くなっている。1864年の第２次シュレースヴィヒ戦争ではデンマーク軍が最大厚700mmのコンクリートで固めた多数の火点を塹壕で結んだ陣地を構築し、対するプロイセン・オーストリア連合軍も向かい合わせに塹壕陣地を作り上げ、史上初の塹壕戦といわれる（攻城戦の延長にすぎないという説もある）。19世紀末頃からボルトアクション式小銃、機関銃、仰角の取れる砲、榴弾が一般的になりはじめ、隊列を組んで歩兵が前進することがほぼ不可能になり、土塁も砲撃を防げずかえって標的になったため、壕を深く掘り込むようになった。1904年の日露戦争では野戦における塹壕の有効性が広く認知されるようになり、工兵の到着を待たず歩兵が自ら塹壕を掘って身を隠した。まずは歩兵１名が入れるタコツボ陣地を構築、それを横に繋げて応急の塹壕陣地とし、工兵の協力を得て本格的な塹壕陣地を構成する。塹壕陣地後方には連絡壕を掘り、塹壕陣地同士を連絡する。塹壕の壁は板、土嚢、支柱で補強し、崩落や跳弾を防止する。砲迫が位置する場所は狙われやすいため、念入りな擬装を施す。第１次大戦で塹壕はほぼ完成の域に達し、塹壕線をジグザグにすることで、機関銃の横射による損害を防いだり、砲弾が塹壕内に落ちた時の被害を局限したり、被占領時の反撃を容易にしたり（周囲から十字砲火を浴びせる）する工夫が取られるようになった。雨が降ると川になってしまうので、排水溝を作ってスノコを敷いたが、スノコごと泥の中に沈んでしまうことも多かった。建設資材不足の場合や壁が崩れてしまった時には、応急的に廃材やゴミ、挙げ句の果てに味方戦死者まで詰め込んで補強したが、腐敗して衛生状態が最悪になった。塹壕線も当初は１本だったのが、縦深数キロメートルに渡り塹壕を組み合わせた大規模なものに発展している。第２次大戦では塹壕陣地を連続させて巨大な陣地を構築することは少なくなり、比較的小規模の塹壕を縦深的に配置し、相互支援によって大きな威力を発揮するようにした。参考：歴史群像2,’08、月刊コンバットマガジン11,’03、月刊丸3,’14、月刊軍事研究1,’16

＜塹壕足＞：トレンチ・フット、イマーション・フット（Immersion Foot）。水浸しの塹壕内で発生する疾患で、足が長時間水や湿気に曝されて血行が悪化し、腫れや麻痺などの症状を来すものである。治療は乾燥させて温めることで、こすってしまうと細胞が傷ついて症状が悪化するので注意。１日数回、数分間の運動を行い、靴を弛め、足を乾燥させて温かくすることにより予防できる。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜塹壕銃剣道＞：多賀城駐屯地で行われている銃剣道。実戦的にするため、塹壕を模した狭い穴の中で行う。第22普通科連隊長が1997年に考案し、試行錯誤の末、2009年に塹壕形状が決定した。試合場は長さ5.5m、幅5m、深さ2mの穴の底で、対角線上に幅1mの出入り口があり、空包の合図と共に出入り口から選手が飛び出して銃剣道を行う。参考：スピアヘッドNo.18

＜三興丸＞：昭和18年3月27日、アッツ島沖海戦に参加。参考：日本海軍艦隊総覧

＜三江丸＞：日本海軍特設運送船（給炭油船）Sanko Maru。元は昭和14年5月8日に竣工した大連汽船石炭専用貨物船で、昭和15年12月に海軍に徴用されて呉鎮守府所属となった。垂線間長120m、幅16.41m、深さ9.3m、総トン数5461トン、重量トン数8113トン。主機は蒸気タービン１基１軸3556馬力、航海速力13ノット、最大速力15.4ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第４艦隊補給部隊に所属しており、南洋方面で輸送任務に就いた。昭和19年2月16日、パラオからラバウルに向かう途中、ニューハノーバー島北東沖でアメリカ陸軍航空軍第38・第345爆撃隊B-25爆撃機の爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’14、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜珊瑚海海戦＞：太平洋戦争MO作戦中に勃発した、史上初の空母同士の航空決戦。参加部隊は日本海軍側が南洋部隊（第４艦隊、司令長官井上成美中将）MO機動部隊主隊の第５戦隊（重巡妙高・羽黒）、第７駆逐隊（曙・潮）、航空部隊の第５航空戦隊（空母瑞鶴、零戦20機、九九式艦爆22機、九七式艦攻21機、空母翔鶴、零戦17-18機、九九式艦爆21機、九七式艦攻16機）、第27駆逐隊（駆逐艦有明、夕暮、白露、時雨）、給油艦東邦丸、MO攻略部隊の第６戦隊（重巡青葉、加古、古鷹、衣笠）、空母祥鳳（零戦８機、九六式艦戦４機、九七式艦攻６機）、漣、第18戦隊（天龍、龍田）、神川丸、聖川丸飛行隊、特設砲艦３隻、特設掃海艇２隻、第６水雷戦隊（軽巡夕張、駆逐艦追風、朝風、睦月、彌生、望月）、輸送船12隻、敷設艦津軽、第20号掃海艇、潜水艦２隻。アメリカ海軍側が第17任務部隊TF.17（フレッチャー少将指揮）、第17.5任務群TG17.5（空母隊）の空母CV-2レキシントン（F4F艦戦23機、SBD艦爆36機、TBD艦攻12機）、CV-5ヨークタウン（F4F艦戦21機、SBD艦爆38機、TBD艦攻13機）、駆逐艦DD-411アンダーソン、DD-412ハンマン、DD-414ラッセル、DD-417モリス、第17.2任務群TG17.2（攻撃隊）の重巡CA-36ミネアポリス、CA-32ニュー・オーリンズ、CA-34アストリア、CA-27チェスター、CA-33ポートランド、駆逐艦DD-360フェルプス、DD-349デューイ、DD-348ファラガット、DD-355エールウィン、DD-354モナガン、第17.3任務群TG17.3（支援隊）の重巡CA-29シカゴ、オーストラリア重巡オーストラリア、オーストラリア軽巡ホバート、駆逐艦DD-377パーキンス、DD-416ウォーク、第17.6任務群TG17.6（給油隊）の給油艦AO-23ネオショー、ティペカノー、駆逐艦DD-409シムス、DD-352ウォーデン、第17.9任務群TG17.9（索敵隊）の水上機母艦AV-8タンジール、飛行艇12隻。昭和17年5月3日、日本海軍がツラギを占領して水上機基地の建設を開始。アメリカ海軍側は暗号解読で日本海軍のMO作戦を掴んでおり、太平洋艦隊司令長官ニミッツ大将は珊瑚海方面に展開している空母ヨークタウンと真珠湾に在泊していたレキシントンに珊瑚海で会同して第17任務部隊を編成するよう下命していて、第17任務部隊ではレキシントンの到着を待たずにツラギへと反撃を開始することにした。5月4日、アメリカ海軍第17任務部隊ヨークタウン艦上機がツラギを空襲。３次に渡る攻撃をかけたが、戦果は小艦艇４隻撃破、駆逐艦菊月損傷などに止まった。これを受けてMO機動部隊はツラギに急行し、5月5日には珊瑚海に入ってアメリカ機動部隊を捜索したが、発見できなかった。5月6日、MO機動部隊はソロモン海に到達、燃料補給に入った。アメリカ第17任務部隊が第11・第44任務部隊を隷下に置いた。0810、索敵のため0430にツラギを出撃した横浜海軍航空隊九七式飛行艇がツラギから方位192度、距離420海里にアメリカ機動部隊を発見。「敵らしき空母１、戦艦１、重巡１、駆逐艦５を見ゆ針路190度速力20ノット0830」と打電し、そのまま触接を続けた。MO機動部隊からは南に670km離れており、駆逐艦への給油の最中だったため、給油の終わっていない駆逐艦を残して20ノットで南下、攻撃に向かった。第25航空戦隊は在ツラギ横浜空九七式飛行艇に雷撃準備を下命。アメリカ第17任務部隊は日本海軍機動部隊攻撃のため20ノットで北上しており、索敵機を２回発進させていたがMO機動部隊を発見できず（２回目は索敵機がMO機動部隊上空を通ったが雲に阻まれた）、横浜空九七式飛行艇にも気付いていなかった。1200、第17任務部隊に触接中の九七式飛行艇が「敵の航行序列、重巡、戦艦、空母、駆逐艦５は前方３キロに捜索列を張る1200」と打電。第17任務部隊は相変わらず九七式飛行艇やMO機動部隊の存在に気付いておらず、奇襲できる絶好のチャンスだったが、この無電が連絡不備でMO機動部隊司令部や第５航空戦隊司令部には届かず、MO機動部隊では九七式飛行艇が触接を失ったと判断し、1430に第５戦隊が北に転じた。第５航空戦隊はもう少し粘って南下したが、発見されないよう索敵は基地航空隊に任せていたため第17任務部隊の動向が掴めず、アメリカ側も雲に阻まれてMO機動部隊を発見できず、お互いに気付かないまま1800には両機動部隊が130kmまで接近したが、ここで第５航空戦隊も北に反転、横浜空も九七式飛行艇の準備に時間がかかり夜間攻撃を避けて出撃を中止している。MO攻略部隊は連合軍哨戒機に発見され、B-17爆撃機の爆撃を受けるなどしたため、一旦北方に待避した。2000、MO機動部隊は電令作第３号を発し、翌早朝に第５航空戦隊の索敵で敵機動部隊を捕捉し攻撃する予定とした。2230、第５戦隊が第５航空戦隊と会同するため補給を中断して第５航空戦隊の方に向かった。5月7日0000、第５航空戦隊と駆逐艦２隻は再び南下を開始。0338、第17任務部隊はMO攻略部隊阻止のため第17任務部隊第３群と第44任務部隊をジョマード水道南方に向かわせた。航空支援も付けずに戦力を分散させることに異論も出たが、フレッチャー少将は機動部隊同士の決戦でがら空きになったポートモレスビーにあっさり上陸されないよう、展開を下命している。0400、MO機動部隊は南緯13度20分・東経158度に設定したＡ点に到達し、空母翔鶴から索敵機12機（翔鶴と瑞鶴から６機ずつ？）を発艦させ、２機１組の６線で方位180-270度・進出距離250海里の索敵を開始した。0425、ロッセル島南115海里でアメリカ第17任務部隊が針路を025度に変針。0445、ヨークタウンから索敵用艦爆10機が発艦し、北西から東に向かった。0515、MO攻略部隊の祥鳳は戦闘準備を終え、艦戦４機と艦攻１機によりMO攻略部隊の上空直掩を実施。0532、翔鶴索敵機のうち、南（方位180度）に向かった機から、敵空母部隊見ゆ、南緯15度55分、東経155度５分（MO機動部隊から方位182度・距離163海里）、針路15度、速力20ノットという通信が入った。0535、アメリカ索敵機がロッセル島北西170海里に重巡２隻を発見。0553、翔鶴索敵機から敵機動部隊は空母・巡洋艦各１隻を基幹とし（実際には給油艦AO-23ネオショーと駆逐艦DD-409シムスだった）、駆逐艦３隻を伴う、針路０度、速力16ノットという通信が入ったため、0600、翔鶴と瑞鶴は零戦18機、艦爆36機、艦攻24機計78機の攻撃隊を発艦させた。0615、アメリカ索敵機がミシマ島北西（自軍機動部隊の北西225海里）に空母２隻と重巡４隻（巡洋艦２隻と駆逐艦４隻の暗号電文作成ミスで、実際には天龍、龍田、特設砲艦だった）を発見し、18-20ノットで自軍方向に向かってくると打電。第17任務部隊は北に変針し、艦上機の戦闘行動半径内まで接近して全力で攻撃することにした。0620、MO攻略部隊古鷹の水偵がデボイネ南東に機動部隊らしき艦隊を発見。0630、衣笠の水偵がデボイネ南東（MO機動部隊から西方250海里、MO攻略部隊からは南々東方向）に空母１隻を含む敵機動部隊を発見。MO機動部隊は敵機動部隊が２隊いると判断し、古鷹と衣笠の水偵が触接している西側の敵は後にして取り敢えず南側の敵を叩くことにした。祥鳳は艦攻の雷撃準備を開始している。0633、レキシントンとヨークタウンが30海里先に日本海軍索敵機を発見。迎撃に失敗して日本海軍側に存在を知られた事が確実になったが、そのまま前進を続けた。0710、翔鶴・瑞鶴攻撃隊が敵部隊上空に到達。２時間捜索したが空母が見つからなかった。0725、ラバウルを出撃して索敵を行っていた陸攻が戦艦２隻、重巡２隻、駆逐艦２隻を発見。実際には第17任務部隊第３群の重巡CA-29シカゴ、オーストラリア、軽巡ホバート、駆逐艦３隻で、ラバウルから第４航空隊一式陸攻12機が魚雷を積んで出撃し、ラエを出撃した台南航空隊零戦12機の護衛を受けて第３群に向かった。0845、第17任務部隊第３群に触接していた索敵機が敵戦艦２、巡洋艦２、駆逐艦５、ダグラ島西100海里と打電。これを受け、0900に第４航空隊と台南航空隊はロッセル島西の会敵予想地点に針路を変更した。0900、ブナカナウ（ラバウル西）飛行場から元山航空隊九六式陸攻20機が250kg爆弾を搭載して離陸し、ロッセル島西の会敵予想地点に向かった。1051、翔鶴索敵機から目標は油槽船という情報が入ったため1100になって翔鶴・瑞鶴攻撃隊は間違いに気付き、艦攻隊は帰還、1126-1140に艦爆隊が急降下爆撃を加えてDD-409シムスに艦爆９機が爆弾を１発ずつ投下、うち２発を命中させ撃沈し、AO-23ネオショーに艦爆27機が爆弾を１発ずつ投下、うち命中弾８発により大破（漂流しているところを11日にPBY飛行艇が発見、艦内の生存者123名を駆逐艦DD-391ヘンリーが救出した後にアメリカ軍が処分）させ、帰投した。損害は艦爆１機で、目標を誤認した翔鶴索敵機も帰投時に位置が分からなくなりインディスペンザブル礁に不時着している。0726-0830、第17任務部隊は日本海軍艦隊に175海里まで接近し、ヨークタウンとレキシントンから艦戦18機、艦攻22機、艦爆53機計93機（ヨークタウン43機、レキシントン50機）の攻撃隊が発艦。その直後、ヨークタウンに着艦した索敵機乗員の話から先程の暗号ミスに気付き、フレッチャー提督自ら乗員を叱り飛ばしたが、そのまま攻撃を続行させた。アメリカ機動部隊に触接している水偵はアメリカ空母から飛行機が発進したと連絡を入れ、祥鳳は艦攻の雷撃準備を中止して艦戦を発進させることにしたが、直掩機の収容と重なったため、零戦１機と九六式艦戦２機しか発艦できなかった。0840、レキシントン攻撃隊が母艦北方40海里で航跡を発見、追跡に入った。0842、MO機動部隊が西に変針して第17任務部隊への接近を開始。0850、祥鳳が左舷110度・距離40kmに敵機15機以上を発見。0900、レキシントン攻撃隊がMO攻略部隊主力の祥鳳、重巡４隻、駆逐艦漣を発見。0907、祥鳳が回避運動を開始。0910、祥鳳が対空戦闘を下命すると同時にレキシントン艦爆隊13機から爆撃を受けたが、対空砲火で１機を撃墜し、損傷は無かった。0917、祥鳳は零戦３機を発艦させたが、その間の針路を一定にしたため0918からレキシントン攻撃隊が殺到、0920に飛行甲板後部エレベーター前方に1000ポンド爆弾１発を受けて上部格納庫が炎上し、更に右舷後部に魚雷１本が命中して機関、電源、舵機が損傷、南東に定針したままとなってしまった。0925からヨークタウン艦爆25機、0929からヨークタウン艦攻10機に攻撃され、祥鳳は0930までに魚雷７本と直撃弾13発を被弾、0931に総員退艦が命じられ、0933にルイジアード諸島北のデボイネ島から53海里で沈没、636名が戦死した。直掩戦闘機６機のうち零戦１機と九六式艦戦２機が撃墜され、残り３機はデボイネ島に不時着している。アメリカ攻撃隊は艦爆３機を喪失。MO攻略部隊主隊は第２次空襲を避けるために北東に退避した。第４艦隊司令部は0920に水上機部隊に敵機動部隊への触接、MO機動部隊に敵機動部隊への全力攻撃を下命しており、1010にはMO攻略部隊に北への退避、MO機動部隊に夜戦による敵機動部隊の撃滅を命じた。1030から日本海軍攻撃隊が帰投して母艦への着艦を開始。しかしシムスとネオショーを爆撃した艦爆が戻ってくるのに時間がかかり、収容を終わったのは1315になってからだった。1039-1120、アメリカ攻撃隊が母艦に帰投。第17任務部隊は一旦西に向かい、その後南西から南東に変針して周辺警戒を続けた。1200、アメリカ機動部隊が離れたため、駆逐艦漣が祥鳳の生存者救出にあたった。1230、燃料切れが近く第４航空隊から分離して基地に戻る途中の零戦が第17任務部隊第３群を発見し、機銃掃射を実施。対空砲火の発射煙で第４航空隊も第17任務部隊第３群に気付き、指揮官がトツレを打電、1240に第１中隊一式陸攻６機が重巡オーストラリアの左舷から、第２中隊一式陸攻６機が右舷から雷撃を仕掛けた。カリフォルニア型戦艦１隻轟沈、キャンベラ型重巡１隻大破、ウォースパイト型戦艦１隻大損害を報告したが、４機を撃墜され、残る８機も全て被弾し６機が不時着、ブナカナウに帰ってこれたのは２機だけだった。1232、元山航空隊が第17任務部隊第３群上空に到達。編隊公算爆撃を仕掛け、重巡に２発命中（後にウォースパイト型戦艦１隻撃沈に変更）を報告したが、４機が被弾した。実際の第17任務部隊第３群の被害は重巡CA-29シカゴ乗員７名が機銃掃射を喰らっただけで、雷撃も爆撃も全て躱されていた。1300、艦上機の収容に時間がかかり、再攻撃のための発艦地点に到達できないと判断されたため、第５航空戦隊司令部が本日中の攻撃実施の見込みは無いと隷下部隊に伝達。その後、索敵機から敵が反転したとの報告が入ったため、明るい内に発艦させ夜間に収容する予定で攻撃を行うことにした。1415、MO機動部隊は攻撃部隊の再武装を終了し、夜間着艦の可能な熟練パイロットを選抜、艦攻８機の索敵隊と艦爆12機（瑞鶴・翔鶴６機ずつ）及び艦攻15機（瑞鶴９機、翔鶴６機）の攻撃隊が発艦し、第５航空戦隊司令官の命により針路277度・進出距離280海里でアメリカ機動部隊の攻撃に向かった。夜間着艦可能な艦戦パイロットはいなかったので護衛は付けていない。1545、レキシントンがレーダーで22-28海里先に日本海軍機編隊３個を発見。1547、ヨークタウンが18海里先に日本海軍機の大規模編隊を発見。レキシントンも南東48海里先に別の編隊を発見した。レキシントン上空ではF4F戦闘機８機が戦闘空中哨戒を行っており、そのうち燃料に余裕のある４機にレキシントンから発艦した６機とヨークタウンから発艦した12機を加え、迎撃に向かわせた。日本海軍攻撃隊は悪天候で敵機動部隊を発見できず帰投することになったが、1603頃からF4F戦闘機による迎撃を受け、護衛の付いていない攻撃隊は兵装を投棄して待避したものの、艦攻８機（翔鶴３機、瑞鶴５機）と艦爆１機（瑞鶴機）が撃墜された。1645、散り散りになって母艦に戻る途中、艦爆隊がロッセル島から160度・110海里に針路230度で航行中の敵機動部隊を発見。しかしこれを敵と判断できたのは一部だけで、大部分は友軍と勘違いして着艦態勢に入った。1655、ヨークタウンが迎撃機の収容を開始。1658、ヨークタウンの着艦誘導士官が、上空に滞空している機影が多すぎることと、右舷側の編隊が着艦に入っているもののパターンがアメリカ海軍のものでないことに気付いた。収容作業が終わっている筈のレキシントン周辺にも機影があり、駆逐艦DD-360フェルプスに座乗していた第１駆逐隊司令が第17任務部隊司令部に対し、上空に主翼が角張った戦闘機以外の在空機があるか問い合わせている。そうこうしているうちにヨークタウンに３機が着艦してきたが、全て失敗し、右旋回で離脱。アメリカ海軍の着艦復行手順とは逆であることにヨークタウン砲術長が気付き、「着艦準備中の飛行機は味方にあらず、繰り返す、着艦準備中の飛行機は味方にあらず」と艦内放送で叫び、「総員斬り込みに備え」の号令を発令、対空砲火が火を噴いた。日本海軍攻撃隊は慌てて離脱したが、母艦に帰れたのは６機のみだった。まだ着艦していなかったF4F戦闘機が対空砲火に巻き込まれるなどして３機（ヨークタウン１機、レキシントン２機）を喪失している。これでアメリカ側稼動機は122機、日本海軍側は96機となった。南洋部隊司令部では日米艦隊の距離を300海里とみて1640に夜戦中止、MO攻略日の２日間延期、第６戦隊第２小隊重巡古鷹・衣笠のMO機動部隊への編入を下命し、敵機動部隊撃滅を5月8日黎明とするよう命じた。1920、MO機動部隊第５航空戦隊司令部が第４艦隊に対し、敵機動部隊との距離は100海里前後であると通報。第４艦隊参謀長から再度照会を受けたが、薄暮攻撃隊からの情報に基づき誤りは無いと返答している。2010、MO機動部隊司令部は薄暮攻撃隊を収容するため探照灯を付けっぱなしで西に16ノットで航行していたのを発見された可能性があることを考慮し、速力20ノット・針路０度に変針、行動秘匿を図った。2030、第５航空戦隊司令部が第４艦隊に対し、薄暮攻撃の概要と、翌日稼働機が瑞鶴艦戦19機、艦爆14機、艦攻12機、翔鶴艦戦18機、艦爆19機、艦攻14機であることを通報した。アメリカ側もMO機動部隊が至近距離にいるとして夜間攻撃を考慮したが、正確な位置が分からず危険すぎるとして5月8日黎明に再び索敵機を発進させることにし、2200に針路を南東から真西（270度）に変更、一旦MO機動部隊から離れた。5月8日0000、MO機動部隊は南洋部隊が指示した黎明の位置に向かうため240度に変針した。0245、MO機動部隊は前日夜の状況判断に基づいて南洋部隊の指示とは異なる地点に向かう事とし、北西に変針、0310に南洋部隊司令部と各部隊に変針企図を伝達し、0315には北に変針した。0400-0435、レキシントンが索敵のため艦爆18機を全周に発艦させた。進出距離は北側200海里、南側150海里である。更に直掩戦闘機４機も発艦させた。0415-0425、MO機動部隊は索敵のため140-230度（南東から南西）にかけて進出距離250海里で瑞鶴艦攻３機と翔鶴艦攻４機を発艦させた。0425、アメリカ機動部隊が南東に変針。0500、MO機動部隊は215度に変針。0524、ヨークタウンから艦戦４機と艦爆８機が発艦。0550、MO機動部隊に重巡古鷹と衣笠が加わり、空母瑞鶴、翔鶴、重巡４隻、駆逐艦５隻の編成となった。0602、ヨークタウンのレーダーが18海里先に機影を探知。0607、レキシントンのレーダーが330度・22海里に機影を探知。翔鶴索敵機だったが、直掩戦闘機は会敵できなかった。0615、アメリカ索敵機がMO機動部隊を発見。0616、アメリカ機動部隊が翔鶴索敵機を失探。0622、MO機動部隊翔鶴索敵機（九七式艦攻）がアメリカ機動部隊を発見。アメリカ機動部隊が翔鶴索敵機の電信を逆探知し、空母レキシントン艦長は0900頃にMO機動部隊攻撃隊の空襲を受ける恐れありと判断した。アメリカ機動部隊に索敵機から空母２隻、重巡４隻、駆逐艦多数見ゆ、0820の位置はZed点（アメリカ機動部隊）から方位006度、距離120海里、針路120度、速力15ノットの報が入った。0630、MO機動部隊に翔鶴索敵機から敵空母部隊発見の報が入った。0638、アメリカ機動部隊に別の索敵機から敵発見の報が入った。第17任務部隊司令部ではMO機動部隊の位置を自隊から方位028度、距離175海里と判断し、MO機動部隊に接近を続ければ艦上機の戦闘行動半径内に収められるとして全力で攻撃することにした。0640、翔鶴索敵機からMO機動部隊に、敵空母の位置、味方から方位205度、235海里、針路170度、速力16ノット、付近の天候は晴れ、風向120度、風速7m、雲高800m、視界15kmという通信が入った。ラバウルとツラギの基地航空隊は攻撃圏外のため出撃を見合わせている。0700、ヨークタウンからF4F艦戦６機、SBD艦爆24機、TBD艦攻９機が発艦。0707、レキシントンから艦戦９機、艦爆15機、艦攻12機が発艦。0710-0715、MO機動部隊は零戦18機（翔鶴９機、瑞鶴９機）、艦爆33機（翔鶴19機、瑞鶴14機）、艦攻18機（翔鶴10機、瑞鶴８機）を発艦させた。0715、MO機動部隊は200度に変針し、速力28-30ノットで単縦陣を取り、アメリカ機動部隊へと向かった。ヨークタウン攻撃隊は編隊を組み、SBD艦爆は高度5180m、TBD艦攻は高度60mでMO機動部隊に向かった。0725、レキシントン攻撃隊が編隊を組み終えてMO機動部隊に向かった。0740、翔鶴索敵機からMO機動部隊に、敵飛行機30機が味方主力に向かっているとの通信が入った。0755、翔鶴索敵機は残燃料が少なくなったため引き返し、母艦に向かったが、途中で味方攻撃隊に出会ったため反転して機動部隊上空まで誘導にあたり、燃料切れで未帰還となった。0829、アメリカ機動部隊が北東に変針してMO機動部隊へと向かった。0832ヨークタウン艦爆隊がMO機動部隊（空母２隻、戦艦１隻、重巡３隻、軽巡または駆逐艦４隻と判断）を発見、艦攻隊の到着を待った。0843、アメリカ機動部隊が輪形陣を組み、中心点から直径1370m以内に空母２隻、1370-2740mに巡洋艦５隻、2740-3650mに駆逐艦７隻を配置して引き続きMO機動部隊へと向かった。0855、ヨークタウンがレーダーで方位20度・距離68海里に日本海軍攻撃隊を発見。0857、ヨークタウン攻撃隊がMO機動部隊への空襲を開始。MO機動部隊はヨークタウン艦爆隊を発見済みで、直掩戦闘機16機を発艦させていたが、これにより陣形が乱れていて、通信無しに増速していた瑞鶴と後ろの翔鶴が8000-9000mも離れ、瑞鶴と前方の第５戦隊の間隔は4000m、翔鶴と後方の第６戦隊第２小隊の間隔は8000mもあり、エリア・ディフェンスの網を被せる態勢には無く、第５戦隊と瑞鶴はスコールに逃げ込んだものの、翔鶴が500ポンド爆弾２発（錨甲板と後部短艇甲板に１発ずつ）を喰らった。雷撃は全て回避している。瑞鶴は迎撃戦闘機６機を直ちに発進させようとしたものの、最後の２機がエンジン不調で発艦出来なかった。レキシントンが直掩機への防空指揮を開始。0901、レキシントンが艦戦５機と艦爆５機、ヨークタウンが艦戦４機を発艦させ、既に発艦していた直掩機と合わせて艦戦17機と低高度飛来艦攻対策の艦爆23機で迎撃態勢を整えた。0905、日本海軍攻撃部隊は110度に変針して30ノットで退避中のアメリカ機動部隊を発見し、攻撃隊隊長はトツレを打電。アメリカ機動部隊は空母２隻を中心に、重巡４隻、軽巡１隻、駆逐艦７隻が半径2-4kmの輪形陣を張っていたが、空母の洋上機動能力が違うため回避運動の際に陣形が乱れてしまい、隙間から日本海軍機の侵入を許した。0910、日本海軍攻撃隊隊長はト連送を打電。攻撃隊は対空砲火を分散させるため、艦攻・艦爆同時攻撃の態勢に入った。0911、アメリカ機動部隊がレーダーで追跡している日本海軍攻撃隊との距離が15海里を切った。0912、アメリカ機動部隊が隷下艦に針路125度・速力20ノットを下命。0913、アメリカ機動部隊が隷下艦に速力28ノットを下命。0917、日本海軍攻撃隊とアメリカ機動部隊直掩機が交戦を開始。レキシントン左舷から瑞鶴艦攻３機が雷撃をかけ、これは回避されたが、続いて左舷から翔鶴艦攻７機が雷撃を実施。0920に左舷前部に魚雷１本が命中し、前後エレベーターが作動不能に陥り、航空機用ガソリンタンクが損傷、0921には左舷中央部にも魚雷１本が命中して第２・第４・第６缶室に浸水し、速力が24.5ノットに低下、左舷側に6-7度傾斜した。ヨークタウンには瑞鶴艦攻４機が雷撃を行ったが全て外れ、瑞鶴艦攻２機は戦艦と誤認した重巡CA-36ミネアポリスを雷撃したが全て外れた。0921、翔鶴艦爆19機がレキシントンに急降下爆撃をかけ、0923に左舷前部に陸用爆弾１発が命中して６番高角砲要員を吹き飛ばし、司令部区画を炎上させた。煙突左舷にも１発が命中し、至近弾も多数あったが、大きな損害は与えていない。0924、瑞鶴艦爆14機がヨークタウンに急降下爆撃を行い、0927に通常爆弾１発が２番エレベーター中央に命中、第４甲板倉庫まで貫通して爆発し、煙路が損傷したため、ヨークタウンは第７−第９缶室を閉鎖する措置を執り、速力が25ノットに低下した。更に至近弾も含む振動の影響でレーダーが故障し、左舷燃料タンク溶接部から燃料漏れが発生している。0930、レキシントン攻撃隊がMO機動部隊の空母翔鶴を発見。雷撃はかわされたが、艦橋後下部機銃甲板に1000ポンド（500ポンド？）爆弾１発を命中させた。更に翔鶴は前甲板左舷と飛行甲板後部にも1000ポンド爆弾を喰らい、計３発の被弾で109名が戦死、114名が戦傷を負い、飛行甲板が使用不能となっている。アメリカ攻撃隊はF4F戦闘機５機、SBD艦爆５機、TBD艦攻１機を喪失（うち空戦によるものはF4F戦闘機３機、SBD艦爆１機）し、MO機動部隊は直掩零戦２機を喪失した。0931、日本海軍攻撃隊が攻撃を終了。日本海軍攻撃隊は20-22機を喪失（うち空戦によるものは艦爆４機、艦攻６機）し、アメリカ直掩機は艦戦４機と艦爆５機を喪失した。0955、攻撃を終えた日本海軍攻撃隊は再集結して母艦に向かったが、漸く発艦したF4F戦闘機８機の追撃を受け、艦攻４機と艦爆７機が撃墜された。1020、着艦不能となった翔鶴は攻撃隊の収容を瑞鶴に依頼して北へと退避。1022、ヨークタウンのレーダーが復帰。1033、レキシントンは火災を鎮火させ、次いで缶室の排水も完了したが、ガソリンタンクの亀裂から漏れたガソリンが気化して艦内に充満し始めていた。ヨークタウンが攻撃隊の収容を開始。1040、MO機動部隊が北へと針路を変更。1043、レキシントンが艦戦５機と艦爆９機を発艦させて直掩に充てた。1047、レキシントンの発電機から発生した火花が気化ガソリンに引火、大爆発を起こしたが、航空機への燃料補給が不能となったのみで艦の能力は健在とされた。1110-1230、瑞鶴が攻撃隊の瑞鶴所属機24機と翔鶴所属機22機（艦戦24機、艦爆13機、艦攻８機の計45機？）を収容。他に２機が翔鶴へと強行着艦、９機が不時着水している。ただ収容機のうち12機は修理不能で海に棄てざるを得なかった。1120-1214、レキシントンが攻撃隊艦戦５機、艦爆12機、艦攻10機を収容。第17任務部隊ではヨークタウン稼動機が26機のみであることから、再攻撃は無理と判断して南に変針、離脱に入った。1234、レキシントンの火災が艦内に広がり、戦闘不能に陥った。1245、レキシントンで２回目の爆発が発生。1300、MO機動部隊では稼動機が９機しか無く、残存燃料も少なく、戦果を空母２隻撃沈と判断しており、戦場からの離脱を決め引き続き北へと航行した。1400、南洋部隊司令部（第４艦隊司令長官井上成美中将）がMO機動部隊に北上しての離脱を下命。レキシントンが第17任務部隊に鎮火不能を通知。1420、MO攻略部隊への航空支援は不可能と判断し、南洋部隊司令部がMO作戦延期を発令。これを受け陸軍南海支隊を乗せた輸送船団は1700にラバウルに帰着した。1507、レキシントンに総員退艦命令が出された。1715、レキシントンの雷撃処分命令が出され、1752に沈没した。レキシントン機の一部はヨークタウンに移り、ヨークタウンは搭載機71機・稼動機49機となったが、第17任務部隊は態勢を整えるため20ノットで南下し、戦場から去っている。1800、連合艦隊司令部（連合艦隊司令長官山本五十六大将）は機に応じてアメリカ機動部隊を撃滅すべしと命令を出し、5月9日にMO機動部隊では稼動機を艦戦24機、艦爆９機、艦攻６機に復帰させ、第５戦隊の重巡２隻と駆逐艦に燃料補給を実施、珊瑚海へと残敵掃討に向かったが、アメリカ機動部隊はヨークタウンを温存するため既に退却しており、ブナカナウ飛行場の第４航空隊一式陸攻12機と元山空九六式陸攻20機も加えて索敵したものの見つからず、5月10日0830に捜索を中止して16ノットで北上。ナウル・オーシャン攻略に参加することにしたが、1530に連合艦隊司令部からMO作戦中止命令が出たため、トラックに引き返した。5月16日、珊瑚海方面に急行中だったCV-6エンタープライズとCV-8ホーネットも反転し、戦闘は終了した。日本海軍側の損害は、空母祥鳳沈没、空母翔鶴大破、航空機135機中77機喪失（うち攻撃隊は69機中23機喪失）、死傷者1074名。アメリカ側の損害は、空母CV-2レキシントン、駆逐艦DD-409シムス、給油艦AO-23ネオショーが沈没、空母CV-5ヨークタウン中破、航空機140機中69機喪失（うち攻撃隊は84機中10機喪失。レキシントン沈没時に36機を喪失）、死傷者543名。戦術的には日本海軍が勝利したが、MO作戦は延期されることになり、戦略的には失敗した。また、翔鶴の修理と瑞鶴の航空機・パイロット補充に手間取り、両艦ともミッドウェイ海戦に参加できなくなった。5月27日に真珠湾に到着したCV-5ヨークタウンは、本土で３ヶ月の修理を要すると見積もられたが、ニミッツが急速修理を厳命したため1200人が３日で復帰させ、5月30日にはミッドウェイ方面へと出撃、修理中のCV-3サラトガの飛行隊を載せてミッドウェイ海戦に参加している。参考：歴史群像4,’17、帝国海軍太平洋作戦史�T、激闘太平洋戦記、日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’11、9,’13増刊、ミッドウェー運命の３秒間、月刊丸4,’07、5,’07、2,’07、6,’01、日本航空母艦史、太平洋海戦史

＜サン・サバ＞：APA-232（攻撃輸送艦）を参照。

＜サン・シールド＞：イギリス陸軍が第２次大戦時に使用した戦車擬装器材の秘匿名称。陸軍工兵隊擬装工作部隊に志願入隊した手品師のジャスパー・マスケリンが開発したもので、幌付きトラックのハリボテを戦車に被せ、前後の転輪のみをハリボテと同色に塗り、残りの転輪や車体下部は黒く塗って全体を２軸トラックに見せかける。参考：月刊グランドパワー11,’12

＜ザンジバル＞：K596（フリゲート）を参照。

＜サン・ジャシント＞：CG-56（イージス巡洋艦）またはCVL-30（軽空母）を参照。

＜サンシャモン軽装軌車両シリーズ＞：フランスの装輪装軌併用装甲車。1921年から量産された。参考：月刊PANZER10,’85

　＜サンシャモン軽装軌車両Ｍ２１＞：装軌式車体の前後に車軸を設けて車輪を装着、車内での切り替え操作による装輪走行を可能とした。車輪のトレッドが履帯のトレッドより狭く、車輪が履帯の内側に挟まる構造になっている。車体中央の背の高い固定式戦闘室に機銃を装備する。重量3.5トン。参考：月刊PANZER10,’85

　＜サンシャモン軽装軌車両Ｍ２４＞：M21に45mm砲装備の砲塔を載せたもの。参考：月刊PANZER10,’85

　＜サンシャモン軽装軌車両Ｍ２６＞：M24の砲塔を外したもの。参考：月刊PANZER10,’85

　＜サンシャモン軽装軌車両Ｍ２８＞：車輪のトレッドを履帯よりも広くし、クランクで上下できるようにしたもの。武装は車体前部の37mm砲。参考：月刊PANZER10,’85

＜サンシャモン軽装軌車両ファミリー＞

　＜１５５ｍｍ自走榴弾砲＞：自走榴弾砲型。M24の武装を撤去し、155mm榴弾砲を搭載したもので、火砲牽引車を兼ねる。参考：月刊PANZER10,’85

＜サンシャモン戦車シリーズ＞：フランス陸軍戦車。フランス陸軍自動車技術専門部が砲兵部シュナイダー戦車に先を越されたため意地になって設計したらしい。名前の由来はメーカー所在地。世界初の電気駆動戦車でもあるが、故障が多発している。1917年5月5日に16両が初陣を飾ったが、大半が対戦車壕に填まって動けなくなり、３両が戦闘で撃破され、あまり役に立たなかった。参考：歴史群像12,’03、月刊PANZER3,’98、月刊軍事研究5,’16

　＜サンシャモン戦車初期型＞：足周りはアメリカのホルト・トラクターそのままである。ガソリンエンジン（90馬力）で発電機を駆動し、左右１基ずつの電動モーターに伝え、起動輪を駆動する。車体は平面装甲板のボルト止め構造で、車体前面中央やや右に75mm長砲身砲が突き出ている。車体上面前部左右に円形のキューポラを持ち、中央には主砲用照準器がある。履帯前部から車体前方までの距離が長く、超堤高が0.4mしかない。全長7.91m、全幅2.67m、全高2.36m、重量26トン。最大速度8.5km。乗員９名。175両が生産された。参考：月刊PANZER3,’98、歴史群像12,’03

　＜サンシャモン戦車後期型＞：戦訓を元に改造したもの。円形キューポラを廃止し、車体前部上面全体を上に持ち上げ、左に角形キューポラを搭載している。履帯も生産性の良い新型に換装し、車体側面装甲板が足周りをカバーしないようになった。225両が生産された。参考：月刊PANZER3,’98

　＜カノン・ド・１２０＞：主砲を120mm砲に換装したもの。1916年に製作された。参考：月刊PANZER10,’85

＜サンシャモン戦車ファミリー＞

　＜カノン・ド・２２０短＞：自走榴弾砲型。サンシャモン戦車のオープン・シャシーに220mm短榴弾砲を搭載している。参考：月刊PANZER10,’85

＜サンシャモン装輪・装軌併用戦車＞：フランスのサンシャモンが開発した、装輪・装軌併用式戦車。装輪から装軌にする時は10分くらいでタイヤを降ろして完了するが、逆の時は車体を台で支えて車軸を反転させねばならず、かなり時間がかかった。全長3.6m、全幅1.865m、全高1.756m（装輪時）／1.55m（装軌時）。最大速度20km（装輪）／5km（装軌）。日本軍も大正13年に輸入したが、制式採用はされなかった。参考：月刊PANZER5,’04、機甲入門

＜サン・ジュースト＞：L-9894（揚陸艦）を参照。

＜サン・ジョーキン＞：AKA-109（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜サン・ジョルジョ＞：L-9892（揚陸艦）またはポンペオ・マーノ（軽巡洋艦）を参照。

＜サン・ジョルジョ級＞：イタリア海軍ドック型輸送揚陸艦San Giorgio級。古くなった戦車揚陸艦２隻を代替するために建設されたが、経費節約のため、災害救助にも使えるようにして民生省の予算も出してもらっている。船体は商船構造を採用して建造費低減に努めた。船体上面はほぼ全通式の飛行甲板で、アイランドは右に寄せられている。飛行甲板は長さ100m、幅20.5mで、前後に１カ所ずつヘリコプター発着艦スポットがあるが、格納庫は無く、航空機運用能力は低い。飛行甲板直下の車両甲板は長さ110m、幅14m、天井高5mで、装甲兵員輸送車30-36両または中型戦車30両を搭載できる。艦首に跳ね上げ式バイザー型バウランプ、両舷各１カ所に舷側ランプ、艦尾にランプを持つ。ビーチングは考慮されておらず、バウランプは埠頭などでのRo-Ro方式揚陸に使用する。縦13.5m・幅3.5m・容量30トンのエレベーターが車両甲板と飛行甲板を結ぶ。ドック・ウエルは長さ20.5m、幅7mで、海兵隊が装備するMTM217型LCMを１隻（２隻？）収容でき、吃水よりも底が低いので重力により楽に注水できる。車両甲板には更にLCM２隻を搭載可能で、天井走行40トンクレーンによりドック・ウエルに移動させる。民生用にも使用するため、充実した医療設備があり、レントゲン室、手術室、ICU、隔離室などが用意されている。真水製造器３基を搭載しており、１日あたり90トンの生活用水を確保できる。アイランドは右舷側にあり、前方に揚陸艇用ダビット（LCVP３隻またはLCVP２隻＋LCPL１隻収容）を持つ。３番艦は練習艦施設を設けたためアイランドが１・２番艦より一回り大きく、艦首ドアを廃止、揚陸艇用ダビットを舷側スポンソンに移した。全長133.3m、最大幅25m（1-2番艦）／26m（３番艦）、水線幅20.5m、深さ15.7m、吃水5m（1-2番艦）／5.3m（３番艦）、基準排水量6764トン（1-2番艦）／6794トン（３番艦）、満載排水量7665-7960トン（1-2番艦）／7950-8000トン（３番艦）。主機はフィンカンティエーリ社製GMTディーゼル２基、出力16800馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、速力21ノット、航続距離7500海里（16ノット）／4500海里（20ノット）。兵装は76mm単装砲１門、25mm単装機関砲２門、12.7mm機銃２丁。乗員163名（1-2番艦。うち士官17名）／196名（３番艦。うち士官16名）。揚陸部隊400名を収容可能。１番艦L-9892サン・ジョルジョは海軍省の予算で1987年10月就役、２番艦L-9893サン・マルコは民生省予算で1988年3月就役。３番艦L-9894サン・ジューストは海軍省の予算で1994年4月就役、練習艦として使用された。2001年、1-2番艦に対して改装を実施。EH-101ヘリ２機とAB-212ヘリ２機同時運用するため、飛行甲板前端の76mm砲を撤去し、艦首ランプを廃止、LCVPを上甲板ダビットから左舷スポンソン（２隻収容）に移し、飛行甲板を長さ133mに延長して発着艦スポットを４ヵ所に増やした。これにより、甲板上にAB-212ヘリ５機またはASH-3D/-3H/EH-101ヘリ３機を駐機できるようになった。満載排水量7960トン（１番艦）／8088トン（２番艦）。３番艦も後の改装で満載排水量が8000-8128トンに増えている。１番艦は2017年、２番艦は2022年に退役し、代艦トリエステ級とLXDが建造される予定。参考：月刊世界の艦船9,’02、9,’12、8,'15、5,’17、12,'20、12,'23、4,’10、3,’05、2,’14、5,’16、11,’19、JShips Vol.24、月刊軍事研究11,’08

＜サン・ジョルジョ級代艦型＞：サン・ジョルジョ級LPDの後継として1-2番艦、ジュゼッペ・ガリバルディ級空母の後継として３番艦の建造を計画した強襲揚陸艦LHD。飛行甲板には発着艦スポット６カ所があり、AV-8B攻撃機、F-35B戦闘機、ヘリコプター計12-15機を搭載するが、３番艦は艦を一回り大きくしてもっと増やすかもしれない。スキー・ジャンプ台は設置しないようである。車両甲板右舷にサイドランプがあり、車両を自走搭載することができる。貨物積載量360トン。ウェル・ドックにLCACを４隻、左舷レセスにLCVPを４隻搭載可能。艦首水線下にバウ・スラスターを装備する。アイランドは前後分割型。C4Iスペースは500平方メートル、医療区画は1000平方メートルある。全長190m（３番艦は245m説あり）、水線長167m、幅28m、吃水6.3m、満載排水量20000トン（３番艦は32000トン説あり）。主機はCODAD方式、ディーゼル４基、出力32000馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、速力21ノット、航続距離7000海里（16ノット）、行動日数45日。発電機は3400馬力ディーゼル４基。兵装は76mm単装砲２門、25mm単装機関砲３門。乗員210名。搭乗兵員750名。トリエステ級強襲揚陸艦になったが、これは１隻のみで、残る２隻はLXDとして検討中である。参考：月刊世界の艦船5,’16、5,’17、12,’12、2,’14、3,’14

＜斬首戦＞：中国軍が台湾侵攻作戦として立案中とされる、台北短期攻略作戦。福建省から弾道ミサイル（NBC弾頭、電磁パルス弾頭などを含む）800発以上を台湾全域に撃ち込んで政治・軍機能を麻痺させ、空挺降下した特殊部隊が要所を占領、空挺隊本隊及び上陸部隊が首都の台北を制圧する。参考：月刊軍事研究4,’07

＜サンズ＞：APD-13（高速輸送艦）またはDD-243（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜散水車＞：陸上自衛隊の散水車。６×６輪ボンネット型トラック、73式大型トラック、３・1/2トントラックの後部荷台に水タンクと散水装置を搭載している。自動車訓練場などに散水して土埃が立つのを防ぐのが主任務だが、給水車や除染剤運搬車としての使用も可能。幅2.4m。エンジン出力160馬力。日野ヂーゼルまたはいすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.16、月刊軍事研究2,’16

＜散水車４５００リットル積載用＞：自衛隊の散水車。三菱ふそうトラック・バスまたは日野自動車製。参考：月刊軍事研究9,’08、9,’10

＜サン・スースィ級＞：フランス海軍計画水上機母艦Sans Souci級。水上機救難母艦と大型飛行艇母艦を兼ねる艦で、第２次大戦直前に４隻が起工されたが、建造中にフランスがドイツに占領されたためドイツ軍に接収され、砲艦になった。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜三星丸＞：日本海軍特設運送船Sansei maru。元は昭和11年11月30日に竣工した山下汽船の貨物船で、太平洋戦争勃発により海軍に徴用された。垂線間長86.86m、幅13.1m、深さ6.56m、満載吃水5.835m、総トン数2386トン、重量トン数3405トン。主機は低圧タービン付き複二連成汽機１基１軸1691馬力、航海速力11.5ノット、最大速力13.4ノット。昭和19年6月28日、上海から門司に向かう途中、対馬の南南西27kmでSS-315シーライオンの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜残雪除去機材（牽引式）＞：航空自衛隊除雪機材S-350。航空基地の滑走路・誘導路除雪用で、６トンスノープラウに牽引されて使用される。全長8.94m、全幅4.9m（ノズル引き上げ時）／4.7m（ノズル引き下げ時）、全高2.6m、車重8.7トン。エンジンはPD6T04型４サイクル強制循環式ディーゼル（総排気量10308cc、出力200馬力）。パワーユニット用に日産ディーゼル製UD6水冷２サイクルディーゼル（総排気量7412cc、出力180馬力）を搭載する。１時間あたり520トン・3250立方メートル以上の除雪が可能（積雪50mm、雪の比重0.16）で、最大除雪幅は3.7m。除雪速度は積雪10mm以下で時速35km以下。加藤製作所製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜残雪除去器材（けん引式）＞：航空自衛隊除雪器材。６トンスノープラウで牽引して除雪する。全長13.065m、全幅4.7m、全高2.95m、車両重量12.5トン。エンジン出力272馬力。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜残雪除去器材（プラウ付）＞：航空自衛隊除雪器材。前部に推進角可変式プラウを持つ。全幅19.28m、全高5.15m、車両重量29.455トン。エンジン出力420馬力。乗員３名。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜残雪除去器材（フロントブラシ型）＞：航空自衛隊除雪器材。全幅6m、全高3.68m、車両重量16.8トン。エンジン出力354kW。乗員２名。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜三装用＞：日本陸軍用語で、低級なものや安物を指す。三装用の被服というと、４つある注記欄（氏名記入欄）が全部埋まって継ぎ足してあるようなツギハギだらけのお下がり服で、営内の普段着専用だった。参考：帝国陸海軍事典、軍医サンよもやま物語、月刊丸8,’15別冊

＜酸素キャンドル２型＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究7,’17

＜酸素救命器＞：日本陸軍の爆破器材。手持ち鞄の中に酸素マスクやボンベなど一式を回路組み立て済みで収容してある。参考：工兵入門

＜酸素魚雷＞：酸化剤として空気の代わりに酸素を使用する魚雷。窒素が無いので気泡が生じず、射程も長く、昼間でも遠距離からの隠密攻撃が行える。各国海軍が研究していたが、点火時の爆発事故が多発して実用化に至らない中、日本海軍が九三式魚雷として制式化し、昭和13年度から巡洋艦、昭和16年度から駆逐艦に搭載した。また、潜水艦用に九五式魚雷、甲標的用に九七式及び九八式魚雷を開発している。酸素魚雷開発者のうち３名は勲二等瑞宝章を授与された。参考：歴史群像2,’08、丸エキストラ版No.71

＜酸素呼吸器＞：日本陸軍の爆破器材。背中に気蓄缶（右）と加里缶（左）を背負い、胸に気嚢を取り付け、ヘルメットを被り、呼吸管で繋いだものである。参考：工兵入門

＜酸素噴射装置＞：日本軍のエンジン出力増加装置。ターボ・スーパーチャージャーの開発が上手くいかなかったため、その代替として考案されたもので、酸素を燃焼室内に噴射して出力を増大させる。昭和18年頃から開発し、試作機では高度10000mでの出力を30%ほど高めることに成功したが、燃料タンクと酸素タンクが隣接するために危険性も高く、爆発事故も起きた。参考：月刊丸10,’93

＜酸素マスククルー用（Ｔ−４００）＞：自衛隊の機器。兼松が受注している。参考：月刊軍事研究12,’17

＜サンダー＞：F90（フリゲート）またはJF-17（戦闘機）またはK9（自走榴弾砲）を参照。

＜サンダー１＞：イラン陸軍122mm自走榴弾砲Thunder 1、別名ラード１（Raad-1）。ボラク装甲兵員輸送車の後部を１段高くし、その上に砲塔を載せている。下部転輪は片側６枚、誘導輪は後部、起動輪は前部にあり、短めのスカートを持つ。操縦席は車体前部左で、ペリスコープ付ハッチがある。車体前部上面中央にガントラベルロックを持つ。車体前部にトリムベーンがあり、浮航能力もあるらしい。主砲は122mm榴弾砲D-30を車載化した39口径122mm砲2A31とみられ、俯仰角マイナス３度からプラス72度、射程15.3km（通常弾＋ZBK-13装薬）、最大発射速度毎分4-5発、弾薬搭載数35発。ロケット補助推進弾も発射可能だが、イランでは生産されていないらしい。戦闘重量17.5トン。最大速度65km、航続距離400km。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究3,’03、月刊PANZER10,’02、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サンダー２＞：イラン陸軍155mm自走榴弾砲Thunder 2、別名ラード２（Raad-2）。1997年に存在が公表された。車体前部が機関室、車体前寄り左が操縦席、車体後部が戦闘室で砲塔が載り、車体前部上面中央にガントラベルロックがある。下部転輪はダブルタイプ片側６組（T-72戦車の流用らしい）、誘導輪は後部、起動輪は前部にあり、下部転輪上部にかかるくらいのスカートを持つ。履帯はアメリカ系のゴムパッド付きダブルピンである。砲塔はM109自走榴弾砲に似ていて、砲塔左上部前方には初速計測用レーダーと思われるボックスが付いている。主砲の155mm榴弾砲はイラン・イラク戦争時に損傷したM109A1から取り外したものらしい。俯仰角マイナス３度からプラス75度。オリジナルの射程は18.1kmだが、要求は最大射程30kmで、達成には弾薬に改良を加える必要がある。計画では発射速度毎分５発・最大速度70kmだが、達成されたかは不明。2000年あたりから就役しているらしい。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究3,’03、月刊PANZER3,’98、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サンダー２＞：カナダのカンブリグループが中東向けに開発した装甲車。車体はボンネット式装甲車体で、前面にドーザーと油圧アーム、後部兵員室両側面にビジョンブロック付きガンポート３ヵ所ずつ、後面にガンポート付き観音開き乗降ドアを持つ。上面には機銃とスナイパー用銃座があり、日差しを避けるため日除けが付いている。４×４輪型の諸元は以下の通り。戦闘重量18.1トン。エンジンはカミンズ製ディーゼル（315馬力）、トランスミッションはアリソン製オートマチック（前進５速）、最大速度120km。ペイロード2.81トン。乗員・乗車歩兵計12名。６×６輪型もある。参考：月刊軍事研究9,’16

＜サンダー２０００＞：RT2000（多連装ロケット砲）を参照。

＜サンダーＢ＞：グロムＢ（空対地ミサイル）を参照。

＜サンダー級＞：ナイジェリア海軍フリゲートThunder級。元はアメリカ沿岸警備隊ハミルトン級カッターである。兵装は76mm砲１門、25mm機関砲２門、ファランクスMk15が１基。F90サンダーとオクパバナが2011-15年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’19

＜サンダージェット＞：F-84シリーズ（戦闘機）を参照。

＜サンダース＞：DE-40（エヴァーツ級護衛艦）またはDE-273（エヴァーツ級護衛艦）を参照。

＜サンダースティック�U＞：F-105Dサンダースティック�U（戦闘機）を参照。

＜サンダーストーン＞：FH70榴弾砲（陸上自衛隊）を参照。

＜サンダーストリーク＞：F-84F（戦闘機）を参照。

＜サンダーセプター＞：XF-91（試作戦闘機）を参照。

＜サンダータイガース＞：台湾空軍アクロバットチーム、雷虎特技小組／雷虎小組。1954年（1953年？）に台南基地で編成され、後に高雄の岡山基地へと移った。パイロットは空軍軍官学校飛行訓練部教官が務める。当初はF-86F-25戦闘機を使用しており、その後F-5A戦闘機に転換した。1990年時点では自強練習機12機で、2016年時点でもそのままである。参考：月刊航空ファン10,’14、11,’16、月刊丸3,’90、世界の傑作機No.39

＜サンダーチーフ＞：F-105シリーズ（戦闘機）を参照。

＜サンダー・チキンズ＞：VMM-263（海兵中型ティルトローター飛行隊）を参照。

＜サンダーバーズ＞：アメリカ空軍アクロバット飛行専門チームThunderbirds。名前の由来はアメリカ南西部のネイティブ・アメリカンの伝説上の鳥で、瞬きと羽ばたきによって稲妻と雷を起こすといわれる。正式名称はアメリカ空軍航空演技飛行隊（United States Air Force Air Demonstration Squadron）。ホームベースはネバダ州ネリス空軍基地。チームは５機で構成され、うち１機がソロ担当。機体には訪問国の国旗が描かれており、国旗の最後には戦時行方不明・捕虜（MIA/POW）マークが加えられている。1953年5月25日にアリゾナ州ルーク空軍基地で第3600空軍曲技飛行チームとして誕生し、当初はスターダスターズ（Stardasters）という名称が考えられていたが、ルーク空軍基地の隊員によるコンテストでサンダーバーズに決定した。チームはヨーロッパ駐留軍の非公式アクロバットチーム「スカイブレーザーズ」のメンバーと、高等飛行訓練団教官らで編成されている。初代使用機はF-84Gで、支援機材にT-33を加え、1953年6月1日に活動を命じられ、6月16日に公式初展示を実施。1954年、C-119を支援機材に加え、メキシコや南米に初の海外展開を行った。1955年2月7日にF-84Gによるラストフライトを実施し、F-84Fに機種転換した。1956年5月19日にF-84Fによるラストフライトを行い、F-100Cに機種転換して6月30日に初のフライトを実施。ホームベースがネバダ州ネリス空軍基地に変更され、部隊名も第3595空軍曲技飛行チームとなった。1959年10-12月に初の極東訪問を行ったが、この時はF-100Cに空中給油受油プローブが装備されておらず、持って行けなかったため、板付基地第18（第８？）戦術戦闘航空団F-100D戦闘機を改造して使用した。この時日本（ジョンソン基地や横田基地）でも飛行展示を行っており、ブルーインパルス誕生に多大な影響を与えている。1961年11月、デュアルソロにすることを決定。1962年、６機編成で飛行展示を行うことを決定。1963年5月、初のヨーロッパ遠征を実施。1963年12月17日、F-100Cによるラストフライトを行った。1964年はF-105Bでフライトを開始したが、5月に事故を起こしたため15日間６フライトのみの使用となり、1964年秋からF-100Dで再開した。1965年8月11日、1000回目の展示飛行を実施。1968年11月30日、F-100Dによるラストフライトを実施。1969年、F-4Eでフライトを実施することになり、曲技塗装機が到着するまでリザード迷彩機による訓練を行った。トレーニング中の事故でソロパイロットを失ったため、セカンドソロの廃止が決まり、４機＋ソロ１機編成としている。6月4日にF-4Eによる初フライトを実施。テレビ中継で全米3000万人が視聴していたというが、この年のアラスカショーでは観客が30人しかいなかった。1972年、トランスポ72のショーで３号機が墜落。1973年11月10日、F-4Eによるラストフライトを実施。1974年からT-38を使用。1976年、アメリカ建国200年を記念してセカンドソロが限定復活。2000回目の展示飛行を実施。1982年1月18日、ネバダで編隊訓練飛行中に１番機の水平尾翼が故障して宙返りからの引き起こしに失敗し墜落、以下４番機までが地面に激突し４名が死亡した。リーダーを信頼して編隊を最後まで崩さなかった結果であり、Stay with Leaderの精神を持つパイロット達は称賛の意を捧げている。一時解散の危機に陥ったが、存続が決まり、1982年11月30日の再発足以降はF-16A（レーダーと機関砲を外し、発煙システムを付けたもの）を使用するようになった。1987年9月24日、中国軍関係者を対象に、北京の南苑飛行場でエアショーを行った。1990年4月22日、3000フライトを達成。1992年、F-16Cブロック32を導入した。塗装は白地に赤。有事の際はネリス空軍基地の第474戦術戦闘航空団に配属され、機体も72時間以内に戦闘用に戻される。出演料は2004年現在、１回6000ドルで、これに燃料費の差額、メンバー宿泊料の差額、車両の無料提供などの費用が加わる。2004年に来日したが、百里と浜松が天候不良に見舞われて展示飛行が全て中止となった。2006年5月13日、4000フライトを達成。2008年、F-16Cブロック52を導入。構成メンバーは士官12名とメンテナンス・サポート要員140名以上である。士官の役割はそれぞれリーダーポジション、左翼ポジション、右翼ポジション、スロットポジション、リードソロ、オポジングポジション、現地準備進行兼予備パイロット、ナレーション兼予備パイロット、専属医、チーム管理、メンテナンス・サポートチームリーダー、広報担当。2009年10月15-18日、日本でフライトを実施。千歳基地（15日）には平日にも関わらず４万人、浜松基地（17日）には12万人、三沢基地（18日）には26万人の観客が訪れた。2011年5月20-21日、デュアルソロ２機がバイオマス燃料とJP-8を50:50で混合した代替燃料でデモフライトを実施した。6月18日、フィンランドで初となる展示飛行を実施。2013年3月1日に発動された連邦予算強制削減の影響で、2013年の展示飛行は全てキャンセルされることになった。2016年6月2日1315頃、空軍大学校卒業式で祝賀飛行を行った後、６番機のF-16Cがピーターソン空軍基地南10kmにクラッシュランディングした。パイロットは脱出して無事だった。2017年6月23日1220頃、F-16Dがオハイオ州デイトン国際空港に着陸した際、滑走路を逸脱して草地に飛び込み横転した。２名（パイロットと同乗していた整備員）が軽傷を負っている。6月26日に通常展示飛行任務に復帰した。11月、飛行隊長が更迭された。2018年4月3日1030頃、ネリス空軍基地を離陸してネバダ・テスト＆トレーニング・レンジで通常アクロバット飛行訓練中の４番機（F-16CM-52）が墜落し、パイロットが死亡した。8.56Gの加速度が掛かってブラックアウトに陥ったのが原因だった。5月19日、2018年初のフルデモンストレーションフライトを実施。2020年2月25-28日、エルセントロ海軍航空基地に展開し、史上初となるブルーエンジェルスとの協同訓練を実施。2月29日、ネリス空軍基地に戻った。4月11日、ラスベガスで航過飛行を実施。4月18日、空軍士官学校卒業式のためコロラド州デンバーで航過飛行を実施。4月28日、全米で新型コロナウイルス感染症と闘う医療関係者らを表敬し市民を鼓舞する、ブルーエンジェルスとの協同航過飛行アメリカ・ストロング作戦を開始。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings10,’04、8,’06、11,’09、8,’11、9,’11、5,’13、8,’16、9,’17、6,’18、9,’18、1,’19、3,’19、6,’20、7,'20、F-16ファイティングファルコン、アメリカジェット戦闘機、月刊航空ファン10,’14、8,’16、9,’17、6,’18、8,’18、月刊軍事研究7,’14、朝雲

＜サンダーバード�T＞：イギリス陸軍地対空ミサイル。ミサイルは本体の四周にブースター４基が付いた構造で、牽引式ランチャーに搭載される。全長6.35m。推進は固体燃料ロケット１段式、最大射程70km、最大射高20km。フィンランドも1962年に導入した。参考：空軍、月刊丸6,’01

＜サンダーフラッシュ＞：RF-84F（偵察機）を参照。

＜サンダーボルツ＞：VMF-251（海兵戦闘飛行隊）またはVMFA-251（海兵戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜サンダーボルト＞：M110A2自走榴弾砲（陸上自衛隊）またはN25（潜水艦）またはP-47シリーズ（戦闘機）またはPC-12（哨戒艇）またはSC-127（対物ライフル）を参照。

＜サンダーボルト＞：アメリカのユナイテッド・ディフェンス・インダストリーズ社が開発した120mm自走砲システム。M8AGSの車体を流用し、自動装填装置付120mm砲XM291を搭載している。空虚重量16.8トン、全備重量18.15トン。参考：月刊軍事研究2,’02

＜サンダーボルト�U＞：A-10シリーズ（攻撃機）を参照。

＜サンダーボルト作戦＞：ヨナタン作戦を参照。

＜サンダー・ラン戦術＞：アメリカ軍の戦術。M1戦車を前面に押し立てて敵陣を迅速に突破、敵中深くに進撃して中枢を一気に撃破する。イラク戦争で実際に用いられ、クウェートからバグダッドまでの720kmを21日間で駆け抜けた。また、バグダッドでも少数のM1戦車／M2歩兵戦闘車チームが市街に突入して掃討作戦を行うなどしている。参考：月刊PANZER3,’04

＜サンダーランド飛行艇シリーズ＞：イギリス軍飛行艇Sunderland。1933年11月にイギリス航空省が要求を出し、ショート社の案が採用され原型機は1937年10月16日に初飛行した。原型機含め750機が生産されている。Ｕボート哨戒や捜索救難任務にあたったが、途中でドイツ軍機と交戦して撃墜されることも多かった。ドイツ軍機を重武装で追い払って「空飛ぶヤマアラシ」と呼ばれた、というのはプロパガンダ。1959年5月14日に運用が終了した。参考：月刊JWings12,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜サンダーランドＭｋ．�T＞：最初の量産型で、1938年4月21日に初飛行した。主翼は高翼配置で、重心調整のため軽く前縁後退角が付いている。全幅34.4m、全備重量22730kg。エンジンはブリストル社製ペガサス12（1010馬力）４発、最大速度338km、航続距離4700km。固定武装は機首の7.7mm連装銃塔、主翼後方機体上部両側の7.7mm機銃各１丁、機体尾部の7.7mm４連装銃塔。内翼下面に爆弾または爆雷900kgを搭載できる。1938年8月から部隊配備された。生産数は90機。参考：月刊JWings12,’04

　＜サンダーランドＭｋ．�U＞：エンジンを２段過給器付きのペガサス18（1050馬力）としたもので、方位探知ループ・アンテナがフェアリング付きとなった。後期型から側面機銃を廃止して動力式7.7mm連装銃塔を主翼後方の機体上面に設置している。また、ASV Mk.�Uレーダー用垂直アンテナ４本を胴体後部上面に、八木アンテナを胴体側面と主翼下面に装着したものも多数作られた。43機が生産された。参考：月刊JWings12,’04

　＜サンダーランドＭｋ．�V＞：底面のデザインを改良して水上安定性を改善したもの。大部分にASV Mk.�Uレーダーが付いている。一部には機首に7.7mm４連装銃塔を搭載した。全長26.01m、全幅34.39m、全高9.79m、自重15663kg、全備重量26332kg。エンジンはブリストル社製ペガサス18（1050馬力）４発、巡航速度285km、最大速度336km、実用上昇限度4880m、航続距離4640km。防御兵装は7.7mm機銃８丁。ペイロード2250kg。爆弾、爆雷、機雷900kgを搭載可能。乗員11名。1941年6月28日に初飛行し、1943年末までに456機が生産された。参考：月刊JWings12,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜サンダーランドＭｋ．�VＡ＞：レーダーをASV Mk.�WＣに換装して外翼下面にレドームを搭載したもの。参考：月刊JWings12,’04

　＜サンダーランドＭｋ．�W＞：対日戦向け改良型で、後にシーフォード（Seaford）と呼ばれた。全長を1m延長し、主翼と水平・垂直尾翼を強化、エンジンを換装し、武装を強化している。全長26.95m、全幅34.4m、全備重量34020kg。エンジンはハーキュリーズ19（1720馬力。ブリストル社製ハーキュリーズ100、1800馬力？）４発、最大速度390km、実用上昇限度3960m、航続距離4500km。防御兵装は7.7mm単装機銃２丁（胴体両側面）、7.7mm連装機銃１基（前方固定）、12.7mm連装機銃２基（機首・機体後部）、20mm機関砲２門。爆弾など900kgを搭載できる。乗員14名。対日戦には間に合わず、民間型のソレント�U・�Vとなった。参考：月刊JWings12,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜サンダーランドＭｋ．�X＞：Mk.�VＡのエンジンをプラット＆ホイットニー製R-1830-90Bツインワスプ（1200馬力）４発に換装したもの。1943年末から1946年6月14日に150機が生産された。参考：月刊JWings12,’04

＜サンダウナーズ＞：VFC-111（仮想敵飛行隊）を参照。

＜サンダウン＞：イギリス海軍サンダウン級掃海艇１番艇Sandown。後にエストニア海軍に売却されてアドミラル・コヴンとなった。参考：月刊軍事研究1,’12

＜サンダウン級＞：イギリス海軍掃海艇Sandown級。機雷掃討専門である。船体はFRP単板製で、船底を縦肋骨構造、甲板と舷側を横肋骨構造にして骨部材の交差を極力廃し、荷重特性を向上させた。推進はフォイド・シュナイダー・プロペラで、バウ・スラスターも持っており、その場で回頭できる。2093型機雷探知ソナーを装備し、艦尾にPAP処分具２基を搭載する。全長52.5m、満載排水量484-546トン。速力13ノット。兵装は30mm単装機関砲１門。1989-2008年にサンダウン、インバネス、ブライドポート、M108グリムスビー、M109バンゴール、M110ラムゼイ、M111ブリース、M112ショアハム、ペンブローク、ブライスなど９隻が就役した。後に処分具をシーフォックスＣに更新している。2018年からソナーを2093型ワイドバンドに、2020年から指揮管制装置をNAUTISからORCA（Oceanographic Reconnaissance Combat Architecture）に換装した。参考：月刊世界の艦船1,’04、10,'15、6,’01、1,’02、9,’11、8,’12、1,'15増刊、11,’18、8,'20、10,'21、6,'22、JShips Vol.44、月刊軍事研究1,’12

＜サンダウン級・海外シリーズ＞

　＜サンダウン級（エストニア海軍）＞：エストニア海軍掃海艇。イギリス海軍から３隻を中古で購入し、ソナーをアメリカ製に換装、シーフォックスＣ機雷処分具を搭載した。全長52.6m、全幅10.5m、満載排水量450トン。兵装は12.7mm機銃３丁。アドミラル・コヴン、M314サカラ、M315ウガンディが2007-09年に就役した。参考：月刊世界の艦船9,’11

　＜サンダウン級（サウジアラビア海軍）＞：サウジアラビア海軍掃海艇。PAP104機雷処分具２基を搭載する。2007-08年にアル・シャクラーなど３隻が就役した。参考：月刊軍事研究1,’12、月刊世界の艦船5,’22

　＜サンダウン級（ルーマニア海軍）＞：ルーマニア海軍掃海艇。M111ブリースとペンブロークを退役後にイギリスから受領する予定。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜サンタ・エレナ＞：アメリカのグレース・ライン客船Santa elena。全長154.8m、垂線間長147.6m、幅22m、深さ7.86m、総トン数9135トン。主機は蒸気タービン２基２軸12000馬力、航海速力18.5ノット、最大速力20ノット。船客定員一等209人、三等50人。1933年3月竣工、4月4日からニューヨーク−シアトル航路に就航した。1938年、カリブ海航路に移った。第２次大戦で兵員輸送船として使用された。1943年11月6日、KMF25A船団の一員としてリバプールからナポリに向かう途中、アルジェリア沖でドイツ空軍機の攻撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜サンタ・エレナ＞：ドイツ海軍航空母艦（実際には特設水上機母艦）、艦番号FS�U（航空母艦２隻目）。元はハンブルク南アメリカ汽船会社の貨客船で、船橋前後に水上機格納庫を設け、前後マストに揚収用デリックを追加している。格納庫の大きさは前部が17.5m×12m、後部が16.75m×12m。総トン数7415トン、満載排水量13900トン。主機はレシプロ蒸気機関１基１軸2800馬力、速力11ノット。兵装は8.8cm高角砲２門。搭載機定数３機（後に４機）、船倉内の補用機を含めると６機。1907年進水。1914年8月、特設水上機母艦に改造され、大海艦隊に配属された。1915年、格納庫を拡張したが、船倉が塞がれたため、搭載機数は小型水上機６機と変わらなかった。工事終了後、軍艦籍に編入され、8月に東海艦隊に転属した。1919年、アメリカに引き渡された。その後イギリス、フランスを経てイタリアに渡り、1943年9月の第二次大戦イタリア降伏でドイツが入手した。1944年8月、マルセイユで沈没した。1945年に解体された。参考：月刊丸5,’13

＜サンタ・クルーズ諸島海戦＞：南太平洋海戦を参照。

＜サンタ・クルス＞：S41（潜水艦）を参照。

＜サンタ・クルス級＞：TR-1700級（潜水艦）を参照。

＜サンタクロース追跡作戦＞：NORADが毎年11月25日から開始するミッションNORAD Tracks Santa Program。1955年12月24日、シアーズ・ローバック社が子供向けにサンタ直通電話を開設して新聞広告に載せ、ある女の子がサンタクロースの居場所を尋ねる電話をかけたところ、広告の電話番号が間違っていたため北米大陸防空コマンド（CONAD）オペレーションセンターに繋がってしまったが、電話を受けた当直司令ハリー・シャウプ大佐がちゃんと答えてあげたというのが始まりである。ちなみにその日は他にも間違い電話が大量にかかってきたらしい。1958年からNORADのスタッフが計画を立てて実施するようになった。当初は電話をするとサンタクロースの現在位置を教えてくれるものだったが、1997年からはホームページも作られ、日本語を含む世界６カ国語で閲覧可能となっている。ソリを引くトナカイ９頭の先頭を務めるルドルフの赤い鼻からは、強烈な短波赤外線が放出されており、これを弾道ミサイル追跡用DSP衛星またはSBIRS衛星でキャッチする他、各地の固定式弾道ミサイル追跡レーダー、戦闘機、AWACS、イージス艦、浮上原潜のレーダーなどを駆使してサンタクロースがプレゼントを配る全行程に渡り追跡を行い、サンタクロースの安全なフライトを支援する。また、サンタが毎年通過する地点や、追跡に当たる戦闘機・AWACSなどにはサンタ・カム（Santa Cam。サンタクロース撮影用カメラ）が用意されていて、撮影された映像は順次ユーチューブにアップされる。サンタクロース一行に付けられるコードネームはBig Red One。NORADで把握しているサンタクロースのソリの諸元は以下の通り。全長ステッキ型キャンディ75本分（75ステキャン）／ペロペロキャンディ150本分（150ペロキャン）、全幅40ステキャン／80ペロキャン、全高55ステキャン／110ペロキャン、離陸重量グミキャンディ75000個分（75000グミキャン）、離陸時サンタ重量120kg、離陸時プレゼント重量60000トン、着陸重量80000グミキャン（氷雪重量含む）、着陸時サンタ重量570kg（途中でクッキーを食べるため）。エンジンはトナカイ９頭（出力９トナカイ・パワー）、最大速度は星の光以上、最大飛行高度までの到達時間は瞬目１回分、燃料（トナカイ用食料）は干し草、麦、人参。自衛兵装はトナカイの角。S/VTOLが可能で、降着装置はスキッド式。K.クリングル＆妖精社製で、初飛行は343年12月24日とみられる。参考：北米航空宇宙防衛コマンドのホームページ、月刊航空ファン2,’02

＜サンダスキー＞：PF-54（フリゲート）を参照。

＜サンタパーク＞：フィンランド北部ロヴァニエミにあるサンタクロースのテーマパーク。実は核シェルターでもあり、岩山をくり抜いて奥深くに作られていて、ドアは分厚い二重ドア、間に除染用の洗面所が設置されている。参考：月刊軍事研究1,’18、4,’07

＜サンタ・バーバラ＞：LCS-32（沿海戦闘艦）またはT-AE-28（給兵艦）を参照。

＜サンタフェ＞：CL-60（軽巡洋艦）またはSSN-763（潜水艦）を参照。

＜サンタフェ＞：アルゼンチン海軍潜水艦Santa Fe。元はアメリカ海軍ガトー級潜水艦SS-372ランプレイである。1982年4月25日、フォークランド紛争時にイギリス軍ヘリから空対艦ミサイル攻撃を受けて損傷、グリトビケン港内に逃げ込んで座礁し、イギリス軍に鹵獲された。参考：月刊世界の艦船11,’19、月刊軍事研究7,’07

＜サンタ・マリア＞：F81（フリゲート）を参照。

＜サンタ・マリア級＞：オリヴァー・ハザード・ペリー級・海外シリーズ（フリゲート）を参照。

＜サンダヤク＞：J18（測量艦）を参照。

＜サンダヤク級＞：インド海軍測量艦Sandhayak級。満載排水量1960-2050トン。主機は蒸気タービン、速力16.8ノット。兵装は40mm単装機関砲２門。ヘリコプター１機を搭載できる。1981-2002年にJ18サンダヤク、ニルデシャク、ニルパクなど８隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83、6,’16

＜サンダラー＞：イギリス海軍オライオン級戦艦Thunderer。1912年6月15日竣工。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第２小隊所属でジュットランド海戦に参加。1926年に除籍され、11月に売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船1,’12、6,’16、近代戦艦史、歴史群像6,’16

＜サンダル＞：R-12（弾道ミサイル）を参照。

＜サンタン＞：CL400（計画偵察機）を参照。

＜サンタン式始動機＞：フランスで考案されたレシプロエンジン始動機。ピストンが圧縮行程終了位置で停止している気筒を選んで混合気を外部から吹き込み、点火してエンジンを始動させる方式である。機構が単純で、レシプロエンジンの作動機構をそのまま使っているため負荷が少ない。ピストン位置を外部から知る仕組みを作る必要があるのと、混合気を吹き込むためシリンダーか点火栓に穴を開けて配管を通さなければならないのが欠点。川崎造船が大正時代に導入してBMW系液冷エンジンに取り付けた。参考：月刊航空ファン4,’18

＜散弾銃＞：ショットガン。主に鳥獣狩猟及び競技用だが、50m以内の面制圧に優れるため、戦闘にも使用される。構造は単発またはセミオートマチックで、発射ガスのエネルギーにより散弾または一粒弾を発射する。弾薬はバード・ショット、バックショット、ライフル・スラッグ、徹甲弾、ノンリーサル弾、ハットン弾など。軍用としては主にアメリカ軍が配備した他、第２次大戦時には航空部隊のリード射撃練習としてクレー射撃が行われ、この目的でも大量に買い上げられた。参考：火器弾薬技術ハンドブック、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜自動式散弾銃＞：ガス圧またはブローバックで、半自動式に銃尾機構の作動を行うもの。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜上下２連式散弾銃＞：銃身２本を上下に並べて機関部と結合したもの。クレー射撃が盛んになった第２次大戦後に流行した。標準の銃身長は28インチ（711mm）で、下の銃身が初矢でインプルーブド・シリンダ、上の銃身が２の矢でフルチョークになっている。競技銃で30インチ（762mm）のものは上下ともフルチョーク、26インチ（660mm）のものはシリンダとインプルーブド・シリンダである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜水平２連式散弾銃＞：銃身２本を左右に並べ、薄い鉄板２枚のリブ（樋鉄）で結合した元折れ式散弾銃。右銃身が初矢、左銃身が２の矢で、左右でチョークの種類が異なり、一般には右をインプルーブド・シリンダとし、左をフルチョークにするが、右をシリンダ、左をインプルーブド・シリンダとすることもある。また、右と左で弾薬号数を変えたり、状況に応じて先に２の矢を発射したりすることもできる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜単発式散弾銃＞：銃身は元折れ式の１本で、開閉レバーを作動させて銃身を折り曲げ、薬室に１発装填し、閉鎖・撃発後に再び開閉レバーを動かして銃身を折り、打殻薬莢を抽筒・蹴出させるもの。外装式撃鉄を持つのは有鶏頭、内装式のものは無鶏頭という。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜ボルトアクション式散弾銃＞：ボルトアクション式ライフルとほぼ同じ作動方式を取るもの。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜ポンプ・アクション式散弾銃＞：ポンプ・アクションによる単発射撃方式をとるもの。銃身下部に、銃身と平行に設けられた管状弾倉があり、通常４発の散弾を装填できる。トリガー・ガード前方のアクションバロックを押して管状弾倉に取り付けられた先台（さきだい）を引くと、閉鎖が解除される。後方に引ききった後、前方に押すと、遊底で弾薬が押されて薬室に送弾される。前方に押しきると遊底の閉鎖が完了し、撃発準備が終わる。発射後、再度先台を後方に引くと打殻薬莢が薬室から抽筒されて尾筒外に蹴出される。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜散弾銃＞：自衛隊の小火器。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究1,’17

＜散弾銃（Ｍ３）＞：自衛隊の小火器。金子銃砲火薬店が受注している。参考：月刊軍事研究9,’14

＜散弾銃用弾薬�T型＞：自衛隊の弾薬。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究3,’13

＜散弾銃用弾薬�U型＞：自衛隊の弾薬。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究3,’13

＜散弾銃用普通弾＞：自衛隊の弾薬。日邦工業が受注している。参考：月刊軍事研究6,’13

＜サンチ＞：センチメートルを指す日本海軍用語。漢字では糎（日本陸軍では同じ字をセンチと読む）。

＜珊＞：サンチと読む。センチメートルを表す日本陸軍用語で、大正11年までに制式化されたものにはこの字を使用した。大正12年以降は糎（センチ）を当てている。参考：日本陸軍兵器資料集

＜山地戦（日本陸軍）＞：山地は一般に展開区域が狭く、交通が不便で、運動が難しく、補給が円滑にできないので、大部隊の指揮が難しいが、兵力と運動を秘匿できるため、寡兵良く衆敵を扼すことが可能で、奇襲も容易である。部隊の移動や部隊間協同が困難なので、部隊を配置する際は独立性を付与する必要があり、各級指揮官は独断する機会が多くなる。山地を攻撃する際は主力を迂回させて目的を達成するよう努める。山地で防御する際は、鞍部と山頂を占領して谷と斜面を敢射できるようにし、敵方に通じる道路を堅固に守り、また敵の迂回攻撃にも注意する。参考：作戦要務令

＜サンチメトル＞：30F48（レーザー誘導砲弾）を参照。

＜さんぢゑご丸＞：日本海軍特設給油船San Diego maru。元は三菱商事の航洋タンカーで、昭和3年3月8日に竣工した。垂線間長131.06m、幅17.37m、深さ10.52m、満載吃水8.22m、総トン数7269トン、重量トン数10640トン。主機はディーゼル１基１軸2300馬力、航海速力10ノット、最大速力12.881ノット。太平洋戦争終結後は民間タンカーに復帰し、石油輸入や鯨油輸送を行った。昭和35年、係船状態とされ、石油貯蔵用ステーション・タンカーとなった。昭和36年に解体された。参考：月刊世界の艦船5,’18

＜サンディ＞：ADシリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜サンディア国立研究所＞：アメリカの核弾頭設計研究所、略称SNL（Sandia National Laboratory）。ニューメキシコ州アルバカーキ、カリフォルニア州リバモアにあり、1945年のマンハッタン計画発動時から稼働した。核兵器の非核部分（信管、点火装置、中性子製造装置、安全装置、電子回路など）の設計と核実験を行っており、1960年代前半には核爆発の効果を数値評価する技術を完成させた。また、核兵器の他にも製造技術、ロボット技術、シミュレーション技術、環境技術などの最先端研究を行っていて、ベトナム戦争ではイグルー・ホワイト作戦で使用される振動感知センサーを開発している。設立当時はカリフォルニア大学の管理下にあったが、1949年11月からサンディア社が管理を行った。参考：月刊軍事研究12,’08、核兵器事典

＜サンティー＞：ACV-29（護衛空母）を参照。

＜サンディエゴ＞：CL-53（軽巡洋艦）またはLPD-22（揚陸艦）またはT-AFS-6（戦闘給糧艦）を参照。

＜サンディエゴ海軍基地＞：アメリカ海軍基地Naval Base San Diego。カリフォルニア州サンディエゴ（サンディエゴ湾東側）にある。正門が32番街通りに面しているため、32番街海軍基地（32nd Street Naval Station）とも呼ばれる。陸地面積3953700平方メートルで、桟橋13本を持ち、１本あたり駆逐艦なら４隻を同時係留でき、太平洋艦隊水陸両用戦艦隊と水上艦部隊の主要基地となっている。隣にノース・アイランド航空基地があり、空母桟橋と支援施設はそちらにあるので、厳密には空母の母港はノース・アイランド航空基地になるが、面倒なのでアメリカ海軍でもサンディエゴを母港と表現することが多い。1920年から艦船修理解体施設として建設（1918年開設？）され、第２次大戦中の拡張を経て、1990年代にStationからBaseと名称変更された。参考：月刊世界の艦船9,’13、5,’21、8,’22

＜暫定高機動工兵作業車＞：IHMEEを参照。

＜暫定小型ユニット遠隔索敵システム＞：RQ-14A（無人機）を参照。

＜サンティシマ・トリニダー＞：D2（駆逐艦）を参照。

＜暫定装甲車＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜暫定地上ステーションモジュール＞：AN/TSQ-132（通信装置）を参照。

＜暫定旅団戦闘チーム＞：ストライカー旅団戦闘団を参照。

＜サン・テグジュペリ＞：フランス人文学者アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリ。1921年、フランス軍に入隊し、パイロットになった。第２次大戦前には南大西洋で郵便運搬飛行機のパイロットをしており、夜間飛行や南方郵便機を執筆。リビア砂漠に不時着した体験から星の王子さまを書き上げた。第２次大戦でのフランス被占領後はアメリカに渡り、41歳ながら1943年6月から自由フランス空軍第33偵察大隊第２中隊に所属してF-5偵察機（P-38戦闘機の偵察機型）に乗り込み、チュニジアから10回ほど出撃した。その後年齢と知名度に鑑み、アメリカ陸軍航空軍司令部が予備役に編入したが、本人が現役復帰を強硬に訴えたため、1944年5月にアイゼンハワー連合軍遠征軍最高司令官の承認署名により飛行任務に復帰している。7月31日、第33偵察大隊第１中隊の偵察パイロットとして薄いブルーに塗装されたF-5B偵察機（シリアルナンバー42-68223）に乗り込み、0900にコルシカ島を離陸、フランス南東部サボアの山岳地帯を偵察に向かったが、任務を終了して帰投する途中に消息を絶った。無事に帰投すればB-26爆撃機部隊である第31中隊の司令部に転属する筈だった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、歴史群像8,’15、飛行機のしくみ

＜サン・テティエンヌ造兵廠＞：MASを参照。

＜サン・デビルス＞：第302戦闘飛行隊を参照。

＜サンデュー＞：K57（コルベット）を参照。

＜サンド−Ｘ＞：サンド−Ｘモーターシステム社が開発し、ラーグ・ディフェンス社が軍用に販売している砂漠用機動車。スノーモービルのソリを車輪に換えたような形状をしている。自重236kg。最大速度185km、航続距離325km。ペイロード300kg。参考：月刊軍事研究1,’12

＜サンドーヴァル＞：アメリカ海軍上陸作戦用輸送艦。1945年5月27日、菊水８号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜サンドイッチ＞：L12（スループ）を参照。

＜サンドイッチ＞：２機編隊で飛行中、１機が後方から攻撃を受けた場合に使用される機動。攻撃を受けた機は僚機と反対側にブレイクして照準を外し、それを追尾すべく急旋回した敵を僚機に後ろから攻撃してもらう。参考：図解現代の航空戦、戦闘機のしくみ

＜サンドイッチ構造＞：Sandwich construction。２枚の強い外板の間に軽い心材を挟んで一体化したもの。板を曲げた場合、外側に引っ張り力、内側に圧縮力が加わるので、この部分は強力な部材を使わないといけないが、中央部は大して変形しないので、この部分を多少弱くても軽い材料に置き換れば、強度を保ったまま軽量化できる。また、心材を挫屈に強い素材にしておけば、縦通材など支柱の間隔を広くしても構造強度が落ちない。心材にはバルサや硬質フォームプラスチックを充填したり、ハニカム構造やトラスコア構造を使ったりする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜山東＞：17（空母）を参照。

＜汕頭＞：561（フリゲート）を参照。

＜サンドヴァル＞：APA-194（攻撃輸送艦）を参照。

＜サンドキャット・シリーズ＞：イスラエルのプラサン・ササ社が開発した４輪軽装甲車。参考：月刊軍事研究9,’06、9,’09、月刊PANZER1,’11

＜サンドキャット＞：ベースはフォード社製F350小型トラックのホイール・ベースを短縮して装甲化したカラカルで、クローズド・ボディを採用し、7.62mm弾やIEDに耐えられる。重量5.897トン。エンジンはV7ディーゼル（325馬力）、トランスミッションはオートマチック５速。乗員4-8名。イスラエル、スウェーデン、カナダ、ブラジル、ブルガリアなどで採用された。参考：月刊軍事研究9,’06、9,’09、月刊PANZER1,’11

＜サンドキャットＳＯＶ＞：特殊部隊向けで、SOVはSpecial Operation Vehicle（特殊部隊車両）の略。プラサン・ノースアメリカ社が開発した。ボディをオープントップに変更し、底部を平面複合材装甲パネル＋Ｖ字複合材装甲として地雷やIEDの爆発に耐えられるようにしている。また、機関室後方、後部シート下部、タイヤ周囲には装甲板を採用し、耐衝撃シートを装備する。エンジンはディーゼル（325馬力）、最大速度120km。ペイロード３トン。乗員５名。クローズド・ボディ型もあり、こちらはペイロード6.3トン、乗員７名。オランダに提案されている。参考：月刊軍事研究9,’09

＜サンドゲート・キャッスル＞：K373（コルベット）を参照。

＜サンドストーン演習＞：アメリカ海軍とイギリス海軍が2007年10月初めに北アラビア海で行った対潜水艦戦術演習。SSN-755マイアミとS92タラントが参加し、高温環境下でのソナーシステム運用訓練、敵潜水艦の追跡、攻撃回避訓練などを実施した。イランのキロ級潜水艦を意識した訓練とみられている。参考：月刊軍事研究9,’08

＜さんとす丸＞：日本海軍さんとす丸型特設潜水母艦。元は大阪商船の貨客船で、大正14年12月10日に竣工した。12月18日、南米航路に就航。昭和15年5月、大連航路に就航した。昭和16年1月、日本海軍に徴用され、特設潜水母艦への改造工事が始まった。工事中に満珠丸に改称され、3月に改造を終えている。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第２潜水戦隊旗艦、兵力部署では連合艦隊先遣部隊第２潜水部隊所属だった。昭和18年3月、特設運送船に類別変更された。昭和19年11月25日、マニラから高雄に向かっていたところ、ルソン島北方のサブタン島南5kmのルソン海峡でSS-403アトゥルの攻撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船8,’19、日本潜水艦物語、日本の潜水艦パーフェクトガイド、帝国海軍太平洋作戦史�T、アメリカ潜水艦史

＜さんとす丸型＞：日本海軍特設潜水母艦。元は大阪商船の南米航路貨客船で、日本初の大型ディーゼル貨客船であり、自動操舵装置を備え、揚錨機や操舵機といった甲板機械類を電動化した。昭和16年1月に徴用されて特設潜水母艦に改造されている。全長136.55m、幅17.07m、深さ10.97m、吃水7.69m、総トン数7267トン、重量トン数7336トン。主機はスルザー6ST60型ディーゼル２基、最大連続出力6578馬力、２軸推進、航海速力11.96ノット、最大速力16.438ノット。兵装は15cm単装砲２門（前後甲板）、九三式13mm単装・連装機銃。さんとす丸が就役した。参考：月刊世界の艦船8,’19、月刊モデルアート9,’15増刊

＜サンドハースト競技会＞：アメリカ陸軍ウェストポイント士官学校で毎年4月に行われる国際総合戦技競技会。１チームは士官候補生11名で、競技ごとに女性１名を含む９名からなる分隊を編成し、長距離走、障害走、水泳、ロープ技術、救急法、戦闘射撃、手榴弾投擲、特殊武器防護、露営などの競技を行いつつ２日間で数十キロメートルを踏破する。内容やコースは毎年違っており、当日その場に到達してみないと分からない。1967年にウェストポイント士官学校内の戦技競技会として開始され、この時にイギリス陸軍サンドハースト士官学校から剣を贈呈されたので、この名称になった。1975年から内容を広げて総合戦技競技会になり、2002年からアメリカ海軍兵学校・空軍士官学校・沿岸警備隊に他国軍士官候補生が加わり、2010年から参加国を大幅拡大した国際大会になっていて、イギリス、オーストラリア、カタール、カナダ、韓国、中国、チリ、ドイツ、ナイジェリア、メキシコなども参加したが、ウェストポイント士官学校での訓練をベースに競技が組み立てられているので、大分ハンデがある。2015年は防衛大学校が初参加し、59チーム中48位だった。2016年、防衛大学校は61チーム中52位だった。2017年、防衛大学校は61チーム中26位だった。2018年、防衛大学校は62チーム中35位だった。2019年は4月12-13日に実施され、アメリカ、イギリス、オーストリア、カナダ、韓国、ギリシャ、コロンビア、タイ、チリ、デンマーク、ドイツ、ブラジル、防衛大学校、メキシコから49チームが参加し、１日目はファンクショナルフィットネス（担架や水缶などを運ぶ）、6kmチーム走、拳銃射撃、てき弾射撃、水路機動、地図判読、暗記（カードの記号や位置を覚える）、夜間戦術行動（偵察）、ビバーク（野営）、２日目は障害競走、リーダーリアクションコース（分隊長が状況に応じた指示を出す）、小銃射撃、火力誘導、コンバットスイム（模擬小銃を担いで水泳）、重量物運搬、患者輸送が行われ、成績上位10位は１位ウェストポイント士官学校ブラックチーム、２位ウェストポイント士官学校D2チーム、３位ノース・ジョージア大学陸軍予備役将校訓練課程、４位ウェストポイント士官学校ゴールドチーム、５位ウェストポイント士官学校H2チーム、６位イギリス士官学校ブルーチーム、７位防衛大学校、８位カナダ士官学校、９位アメリカ空軍士官学校、10位オーストラリア士官学校だった。2020年は中止になっている。参考：MAMOR vol.160、vol.150、vol.105、vol.142

＜サンドパイパー＞：P263（哨戒艇）を参照。

＜サンドボックス＞：P-500（艦対艦ミサイル）またはP-1000（艦対艦ミサイル）を参照。

＜サンド・ランス＞：SS-381（潜水艦）またはSSN-660（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜サンドリンガム＞：M2791（交通船）を参照。

＜サンドリンガム級＞：イギリス海軍交通船Sandringham級。ハム級内水掃海艇を改造したものである。M2791サンドリンガムが竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜サンドレッド＞：ロープの一方の先にゴム製の錘を付けたもの。ぶん回して他の艦艇や岸壁に放り投げ、他の人に掴んでもらい、もう一端を舫い綱などに繋いで手繰り寄せてもらうと、舫い綱などを互いに渡すことができる。参考：MAMOR vol.139

＜サン・トロンの幽霊＞：シュナウファー（ドイツ空軍エース）を参照。

＜サンノゼ＞：T-AFS-7（戦闘給糧艦）を参照。

＜サン・バイザー＞：ヤコール2M（射撃指揮レーダー）を参照。

＜サンバーン＞：3M80（対艦ミサイル）を参照。

＜サン・パウロ＞：ブラジル海軍ミーナ・ジェライス級戦艦Sao Paulo。1910年竣工。第１次大戦後にアメリカで修理を行い、副砲を片舷あたり５門ずつ撤去した。1946年に除籍された。1951年、イギリスの解体業者が引き取ってイギリスへと曳航したが、アゾレス諸島の北で暴風に遭って曳航索が切れ、行方不明になった。参考：近代戦艦史

＜サン・パウロ＞：A-12（空母）を参照。

＜サン・パウロ級＞：ブラジル海軍空母São Paulo級。元はフランス海軍クレマンソー級空母２番艦フォッシュで、空母A11ミーナ・ジェライスの後継として8000万フラン（1200万ドル）で購入し、ブレストでクロタル艦対空ミサイル発射機撤去などの改装を施して2000年11月に引き渡しを受け、修理と近代化改修の後に配備した。着艦甲板は開角８度のアングルド・デッキとなっている。艦首発艦甲板左舷側と着艦甲板前方左舷側にイギリスのミッチェル・ブラウン製BS5蒸気カタパルト（射出能力20トン、射出速度110ノット）を１基ずつ装備する。アレスティング・ワイヤはアメリカからMk7を導入し、４本装備した。アイランドは右舷中央にある。エレベーターはアイランド前方やや右舷のインボード型と、後方のデッキサイド型１基ずつ。AF-1スカイホーク艦攻、SH-3シーキング対潜ヘリ、UH-14ヘリ、UH-12/-13ヘリ、IH-6Bジェットレンジャーなどを搭載するが、主力航空機が旧式なので（クウェートで余ったA-4艦攻）、戦闘力に劣る。DRBV22/23対空捜索レーダーを装備する。カタパルトやアレスティング・ワイヤの技術は国防部協力交流委員会を設置するなど軍事協力関係を有する中国に流れたといわれる。全長265m、船体幅31.7m、飛行甲板幅51.2m、吃水8.6m、基準排水量27370トン、満載排水量33673トン。主機は蒸気タービン２基、主缶（蒸気圧力4.41MPa、温度450℃）６基、出力126000馬力、２軸推進、最大速力32ノット。兵装はアルバトロスMk2艦対空ミサイルシステム用発射機２基、40mmCIWS２基、12.7mm単装機銃数丁。搭載機は固定翼機10-17機とヘリコプター5-11機。乗員1220名＋航空要員358名。A-12サン・パウロが就役した。後に兵装をミストラル艦対空ミサイル簡易発射機３基を経てミストラル艦対空ミサイル６連装発射機サドラル２基に換装している。2003年と2005-10年に近代化改装を受け、基準排水量が27745トン、満載排水量が34213トン、速力が30ノットになり、2025年まで運用できるようになった。搭載機はAF-1スカイホーク艦上攻撃機10-15機、KC-2トレーダー艦上輸送機兼空中給油母機２機、UH-12/-13ヘリ２機、UH-14ヘリ２機である。AF-1スカイホーク艦上攻撃機15-18機、SH-3D/A/S-70B対潜ヘリ4-6機、UH-12/-13ヘリ３機、UH-14ヘリ２機という組み合わせも可。後継空母の計画が遅れているため、戦闘システム、カタパルト、主機などを一新して運用期間を2039年まで延長する計画を立てていたが没になり、イギリスから購入したオーシャン級揚陸艦A140アツランチコに後を譲って2018年に退役した。参考：月刊世界の艦船11,’15、10,’16、8,’17、10,’14、9,’13、9,’12、8,’11、9,’02、11,’00、1,'15増刊、6,’18、月刊JWings11,’05、9,’03、12,’11、3,’15、5,’17、JShips Vol.24、月刊軍事研究10,’12、4,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜散髪（日本海軍）＞：潜水艦の場合、港に停泊中は上陸中に床屋へ行くが、新兵は金と時間が惜しいので、上陸前の休憩中に同年兵にバリカンで刈ってもらい、自分でカミソリを使ってヒゲともみあげを剃る。航海中は潜水艦内に床屋が無いので、専ら他人に刈ってもらうことになる。兵員室の散髪用具用手箱にバリカン２つと３種類の刃（丸刈り用の短、五分刈りの長、その間の中）、石油入り小瓶（刃の滑りを良くして髪の毛を挟まないようにする）、白布が入っているが、白布の代わりにゴム引き雨衣を使うことが多かった。刈られる方はチストに腰をかけて脚を踏ん張るが、時化の時は体を紐で縛り付けてひっくり返らないようにする。参考：潜水艦気質よもやま物語

＜散髪（日本陸軍）＞：内務班に床屋は無いので、内務休養の時などにお互いにバリカンで刈る。参考：新兵サンよもやま物語

＜サン・パブロ＞：AVP-30（飛行艇支援艦）を参照。

＜サンパリ級＞：インドネシア海軍ミサイル艇Sampari級、別名KCR-60M級。5-6番艇は艦内区画を見直し、安定性を強化した。全長59.8m、満載排水量460トン。主機はディーゼル、速力28ノット。兵装は57mm単装砲Mk3（40mm単装機関砲？）１門、C705艦対艦ミサイル単装発射筒４基（連装発射筒２基？）。３番艇艇番号630ハラサン、５番艇艇番号625カパク、６番艇艇番号626パナなど６隻が2014-23年に竣工した。参考：月刊世界の艦船10,’17、8,'23、7,’15、3,’20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜サンバレイ�U＞：C-130B-�U（電子偵察機）を参照。

＜ザンビア空軍＞：2015年、練15練習機の配備を開始。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ザンビア空軍（１９７７年）＞：兵力1500名。MB326G対ゲリラ戦機18機、DHC-4輸送機５機、DHC-5輸送機７機、DC-6輸送機２機、HS748輸送機１機、DHC-2Mk�Tビーバー４機、Do28輸送機10機、サポーター１機、DHC-1チップマンク練習機６機、SF260MZ練習機８機、AB205ヘリ４機、AB206ヘリ４機、AB212ヘリ１機、ベル47Gヘリ３機、Mi-8ヘリ２機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ザンビア空軍（１９８９年）＞：兵力1200名。J-6戦闘機12機、MiG-21MF戦闘機13機、ガレブG-2対ゲリラ戦機５基、ヤストレブJ-1対ゲリラ戦機18機、MB326GB対ゲリラ戦機18機、An-26輸送機４機、C-47輸送機６機、DC-6B輸送機２機、HS-748要人輸送機１機、Yak-40要人輸送機３機、Do28連絡機９機、CJ-6練習機10機、MFI-17練習機20機、MiG-21U練習機２機、SF260MZ練習機８機、AB205Aヘリ13機、AB212ヘリ２機、Mi-8ヘリ７機、AB47G連絡ヘリ15機、S-125地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ザンビア空軍（２０１５年）＞：現役兵力1600名。MiG-21MF戦闘機８機、MiG-21U戦闘機２機、Do-28輸送機５機、MA60輸送機２機、Y-12（�U）輸送機４機、Y-12（�W）輸送機５機、T-12E輸送機５機、CL-604要人輸送機１機、HS-748要人輸送機１機、K-8練習機15機、MB-326GB練習機10機、MFI-15練習機８機、SF-260TW練習機６機、AW139汎用ヘリ１機、Mi-14汎用ヘリ４機、ベル205汎用ヘリ（UH-1H/AB205）９機、ベル212汎用ヘリ３機、ベル47G練習ヘリ５機、S-125地対空ミサイル、9K11携帯地対空ミサイル、R-3空対空ミサイル、PL-2空対空ミサイル、パイソン３空対空ミサイルを保有するが、可動率は極めて低い。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ザンビア軍＞：

　＜ザンビア軍（２０１５年）＞：現役総兵力15100名（陸軍13500名、空軍1600名）、予備役3000名（全て陸軍）、準軍事組織1400名（警察機動隊700名、警察準軍事ユニット700名）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員531名、歩兵大隊１個、オブザーバー８名、コートジボアールにUNOCIオブザーバー２名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員２名とオブザーバー17名、リベリアにUNMILオブザーバー２名、南スーダンにUNMISS要員３名とオブザーバー３名、スーダンにUNAMID要員７名とオブザーバー５名、UNISFA要員１名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ザンビア陸軍＞：

＜ザンビア陸軍（１９７７年）＞：兵力7000名。歩兵大隊４個、装甲車中隊１個、砲兵中隊１個、地対空ミサイル中隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個からなる。フェレット偵察車28両、M56榴弾砲８門、20mm高射機関砲24門、レイピア地対空ミサイル４基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ザンビア陸軍（１９８９年）＞：兵力15000名。機甲連隊１個、歩兵大隊９個、砲兵中隊３個、高射砲中隊２個、工兵大隊１個からなる。T-54/-55戦車10両、59式戦車20両、PT-76軽戦車30両、BRDM-1/-2偵察車88両、BTR-60装甲兵員輸送車13両、76mm砲M-1942を35門、56式105mm砲18門、122mm砲D-30を25門、130mm砲M-46を25門、122mm多連装ロケットBM-21を50両、9K11対戦車ミサイル、57mm無反動砲M18、75mm無反動砲M20、84mm無反動砲カールグスタフ、３連装20mm高射機関砲M55を50門、37mm高射機関砲M1939を40門、57mm高射砲S-60を55門、85mm高射砲KS-12を16門、9M32携帯地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ザンビア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力13500名。旅団司令部３個、コマンドー大隊１個、機甲連隊１個、歩兵大隊６個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個、予備役歩兵大隊３個からなる。59式戦車20両、T-55戦車10両、PT-76軽戦車30両、BRDM-1/-2偵察車70両（うち稼働30両）、ラテル−20歩兵戦闘車23両、BTR-60装甲兵員輸送車13両、BTR-70装甲兵員輸送車20両、105mm砲モデル56パックハウザー18門、122mm砲D-30を25門、130mm砲M-46を18門、122mm多連装ロケットBM-21を30両（うち稼働12両）、81mm迫撃砲55門、82mm迫撃砲24門、120mm迫撃砲12門、9K11対戦車ミサイル、57mm無反動砲M18を12門、75mm無反動砲M20、84mm無反動砲カールグスタフ、9M32携帯地対空ミサイル、３連装20mm高射機関砲M-55を50基、37mm高射機関砲M-1939を40門、57mm高射砲S-60を30門、85mm高射砲KS-12を16門、T-54/-55戦車回収車（を保有しているという報告あり）を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜サンファイア＞：K128（コルベット）を参照。

＜サン・ファン＞：CL-54（アトランタ級軽巡洋艦）またはS-42（TR-1700型潜水艦）またはSSN-751（ロサンゼルス級攻撃原潜）を参照。

＜サン・ファン級＞：ロサンゼルス級フライト�V（攻撃原潜）を参照。

＜サンフィッシュ＞：N81（Ｓ級潜水艦）またはSS-281（ガトー級潜水艦）またはSSN-649（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜サンプソン＞：DD-394（サマーズ級駆逐艦）またはDDG-102（アーレイ・バーク級イージス駆逐艦）またはRKP-55（潜対地ミサイル）を参照。

＜サンプソン多機能レーダー・シリーズ＞：イギリス海軍45型デアリング級駆逐艦用アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーSampson、イギリス制式名称1045型レーダー。イギリスのDERA（後に民間機関のキネティック）がシーメンス・プレッシー社と開発し、実験モデルとしてメサー及びメサー２を製作、BAEシステムズ社が製品化した。参考：月刊軍事研究5,’01、8,’06、月刊世界の艦船2,’14

　＜メサー・フェーズ１＞：使用周波数2-4GHz（E/Fバンド）・最大出力2Wの送受信モジュール156個をアンテナに埋め込んでいる。1986年から実験された。参考：月刊軍事研究5,’01

　＜メサー・フェーズ２＞：実戦的なハードウェア・ソフトウェアを追加したもの。1990年から製作され、1993年にDERAに引き渡された。参考：月刊軍事研究5,’01

　＜メサー２＞：最大出力10Wの送受信モジュール1264個を埋め込んだもの。1995年から開発され、試験に使用された。参考：月刊軍事研究5,’01

　＜サンプソン＞：実用型。出力5-20Wのガリウム砒素半導体送受信モジュール４個１組で１エレメントとし、2560エレメントを埋め込んだアンテナ（2.6m四方）２面を背中合わせに組み合わせてレドームごと毎分30または60回転させ、全周を捜索する。各モジュールには熱伝導材が装着され、強制空冷で甲板下に放熱する。レドームは炭素繊維系複合材製で、球形をしており、避雷針４本が斜め上に突き出ている。ペンシル・ビーム走査角度はアンテナ中心線からプラスマイナス60度、使用周波数Ｓバンド（E/Fバンド。2-4GHz）、出力25kW以上、最大探知追尾距離418km（RCS２平方メートル）、追尾目標数500-1000、同時交戦目標数12。全備重量3.6トン／4.6トン（レドーム含む）。アスター15/30艦対空ミサイルの慣性誘導用データ更新アップリンク信号も送信可能。ジャミング対策も万全とされ、テストでは10方向以上からの模擬ジャミングに対して妨害を受けにくくする波形を形成できたという。IFF無しに目標種別を識別できるNCTR（Non Cooperative Target Recognition）機能や、弾道ミサイル対処能力を追加する計画もある。参考：月刊軍事研究10,’10、12,’11、4,’07、5,’01、8,’06、月刊世界の艦船1,'15増刊、10,'21、6,’16

＜サンフラワー＞：K41（コルベット）を参照。

＜サンフラワー＞：ロシア軍のOTHレーダーSunflower。水平線以遠及びステルス機の探知を可能とすべく低周波数を使用し、極超音速兵器も追尾できるらしい。最大探知距離500km。水上目標300個、空中目標100個を自動的に探知識別追尾可能。オホーツク海、日本海、カスピ海方面に配備された。北極海、ロシア南部・西部国境にも配備予定で、プロジェクト18290弾道ミサイル・衛星監視艦にも搭載する予定である。参考：月刊軍事研究11,’18

＜サンフランシスコ＞：CA-38（重巡洋艦）またはSSN-711（ロサンゼルス級原潜）またはSSN-810（ヴァージニア級原潜）を参照。

＜サンフランシスコ講和条約＞：太平洋戦争の対日平和条約。日本では自由主義陣営に加わり多数国に対する単独講和を結ぶとする与党側と永世中立全面講和を主張する野党側で揉め、アメリカでも国務省の早期講和と国防省の時期尚早で対立していたが、1947年10月のソ連共産党情報局（コミンフォルム）創設、国共内戦での共産党優位、東欧諸国共産化などで日本を反共拠点にすべきという意見が高まり、1948年10月にアメリカ大統領が承認した国家安全保障会議NSC勧告13/2で、対日政策に関して警察権強化（警察予備隊創設の布石）、公職追放の再検討、経済復興、賠償問題といった点が挙げられた。更に朝鮮戦争勃発で論争は吹き飛び、1951年初めに日米間で講和交渉が開始され、9月4-8日にサンフランシスコで日本を含む52カ国により講和会議が行われ、9月8日にソ連、チェコスロバキア、ポーランドを除く48カ国が調印し、1952年4月28日に発効している。中華民国、インド、ビルマは不参加だが、個別に講和を予定していた。中華人民共和国は会議に招待されていない。役務賠償は主として締約国との個別折衝とし、日本の弁済能力不足に対応している。連合国の賠償請求権は在外資産処分以外は基本的に放棄とされ、政治・経済上の義務も課せられなかった。これにより日本は占領状態から解放され、国家主権を取り戻している。同時に日米安保条約が締結された。参考：月刊世界の艦船1,’13、月刊軍事研究11,’05、6,’13、月刊丸3,’13、日本赤十字社社史稿第６巻

＜サンフランシスコ衝突事故＞：2005年1月7日、ロサンゼルス級原子力潜水艦SSN-711サンフランシスコはグアムを出港し、オーストラリアのブリスベーンに向かった。1月8日正午前、グアムから560km離れたカロリン諸島近海の水深158mを30ノットで南に航行中、海図に載っていなかった海山に激突し、艦首の外殻が大破してソナードームとバラストタンクに浸水、乗員１名が死亡し、23名が重傷、65名が軽傷を負った。すぐに緊急浮上すると速力４ノットでグアムに引き返し、グアムから潜水艦母艦AS-40フランク・ケーブル、哨戒救難船ガルベストン・アイランド、SEALが救援に向かったが、荒天のため接近できず、ヘリで医療チームを輸送している。1月10日昼、グアムのアプラ軍港に到着し、修理に入った。原因は使用した海図が1989年作成の古いもの（E2202）で、海洋偵察衛星によりキャッチしていた海面下30mに達する海山を見逃していたことによる。この情報が記載された別の海図（81023）もあったのだが、海底等高線の記載がまばらだったため、こちらは使用されていなかった。艦長は懲戒処分の上免職になり、副長、正航海士、副航海士、音響測位官が処分を受けている。参考：月刊軍事研究4,’05、10,’05

＜サンフランシスコ造船所＞：アメリカの造船所。大元は1849年に設立されたユニオン・アイアン・ワークス社で、ユナイテッド・ステイツ造船所に吸収された後、1905年にベスレヘム・スティール社に買収されてこの名称となった。第２次大戦中まで潜水艦や駆逐艦の建造を行い、戦後は修理業務のみに特化、サンフランシスコ乾ドック社という名称に変更されている。参考：月刊軍事研究9,’07

＜サンフランシスコ・フリート・ウィーク＞：サンフランシスコで毎年行われている艦艇イベント、サンフランシスコ艦隊週間。ゴールデン・ゲート・ブリッジをくぐってアルカトラズ島正面のピア39まで、軍艦艇や沿岸警備隊艦艇が一列に並んでパレードする。エアショーも同時開催される。参考：月刊JWings1,’01

＜サンプル＞：DE-1048（護衛駆逐艦）を参照。

＜散兵壕掘進車＞：日本陸軍の工兵器材。日野重工業製。参考：工兵入門

＜ザンベシ＞：R66（駆逐艦）を参照。

＜サン・ペドロ＞：PF-37（フリゲート）を参照。

＜サン・ペドロ造船所＞：アメリカの造船所。大元は1917年に開設されたサウスウェスタン造船所で、1921年にベスレヘム・スティール社にリースされ、1925年に同社に買収されてこの名称となった。第２次大戦中は駆逐艦を建造し、戦後は修理用として使用され、1981年にサウスウェスト・マリーン社に買収されてサン・ペドロ船舶修理社となった。参考：月刊軍事研究9,’07

＜サン・ベルナルディノ＞：LST-1189（戦車揚陸艦）を参照。

＜サン・ベルナルディノ・カウンティ＞：LST-1110（戦車揚陸艦）を参照。

＜ザンボアンガ・デル・スル級＞：フィリピン海軍戦車揚陸艦Zamboanga del Sur級。戦車16両、兵員200名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜山砲＞：山岳地や不整地などで行動するため、軽量化を図った牽引砲。分解して人力・馬匹（曳かずに背に載せる）で運べる。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊丸5,’13

＜参謀（日本海軍）＞：艦隊・戦隊などの司令部幕僚の１つで、作戦、軍紀、風紀、教育、訓練などを担当する。各司令部に数名がおり、トップは首席参謀／先任参謀で、纏め役と司令長官への助言担当として参謀長がいるが、小規模な司令部では参謀長がおらず、先任参謀が参謀長の役目も果たした。他は単なる参謀だが、担当兵科を頭に付けた方が分かりやすいので、機関参謀、航海参謀、航空参謀、水雷参謀、通信参謀、砲術参謀などと通称する。ただ概して長ったらしいので、セサ（先任参謀）、コサ（航海参謀）、コクサ（航空参謀）などの略符号を多用した。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜参謀長（日本海軍）＞：日本海軍の役職で、略号はサチ。参謀の纏め役で、司令長官への助言を行う。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、日本の防衛戦力Part3

＜参謀本部（日本陸軍）＞：平時における陸軍統帥に関する中央統轄機関で、天皇の統帥大権を補佐する。毎年の国防・用兵計画の策定、陸軍参謀の統括及び教育、全国の陸地測量が主任務である。トップは参謀総長（大将または中将）で、参謀次長が補佐し、総務課、第１部（作戦担当）、第２部（情報担当）、第３部（兵站担当）、陸地測量部、陸軍大学校、陸軍中野学校が下に置かれている。大本営が設置されると、大本営陸軍部に改称される。昭和20年10月15日に廃止された。参考：帝国陸海軍事典、歴史群像8,’02

＜サンボーン＞：APA-194（攻撃輸送艦）を参照。

＜サン・マーコス＞：LSD-25（揚陸艦）を参照。

＜サン・マルコ＞：L-9893（ドック型輸送揚陸艦）を参照。

＜サンマルコ連隊＞：イタリア海軍陸戦隊の別名。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜サンミン＞：524（フリゲート）を参照。

＜三明＞：524（フリゲート）を参照。

＜三門峡＞：593（コルベット）を参照。

＜三無事件＞：「さんゆうじけん」と読む。1961年12月12日、失業無き、税金無き、戦争無き社会の建設をスローガンに、旧陸軍関係者やスポンサーの実業家ら14人がクーデター計画を企てたかどで逮捕された事件である。猟銃を持って国会に押し入り、要人を殺害する計画だったが、クーデターというより単なるテロ事件で終わりそうな計画だった。最高裁まで争われて８人が有罪になり、初めて破壊活動防止法が適応されている。先輩後輩の関係で自衛官に接触しており、何人かが習志野駐屯地で射撃訓練を行っていて、自衛隊との関係も取りざたされたが、翌日に防衛庁は現職関係者はいないと発表した。参考：日本の戦力、月刊軍事研究8,’95

＜山鷹＞：殲教９型（練習機）を参照。

＜三洋丸＞：浅野物産2TM型戦時標準油槽船。総トン数2854トン。昭和20年1月6日、モタ三〇船団の一員として六連島泊地を出港。1月8日、潜水艦の雷撃を受けて大破座礁した。参考：戦時標準船入門

＜山陽丸＞：日本海軍山陽丸型特設水上機母艦Sanyo maru。昭和5年10月30日に大阪商船の貨物船として竣工した。昭和16年8月6日に徴用されて改造を受け、8月15日に特設水上機母艦に艦種変更された。12月8日、太平洋戦争開戦時には建制も兵力部署も第12航空戦隊に所属していた。昭和17年8月11日、柱島を出撃。8月17日、トラックに到着。8月21日、トラックを出撃してガダルカナルに向かった。8月24日、第11航空戦隊に所属して第２次ソロモン海戦に参加。昭和18年10月10日、特設運送艦に艦種変更された。昭和19年5月26日、セレベス海でSS-288カブリラの雷撃を受けて沈没した。昭和19年7月10日に解役された。参考：日本航空母艦史、月刊世界の艦船11,’00、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜山陽丸型＞：日本海軍特設水上機母艦Sanyo maru型。大阪商船のニューヨーク航路貨物船を徴用して改造したものである。水線長135.94m、最大幅18.44m、平均吃水12.19m、総トン数8360トン。主機は三菱ズルザー式ディーゼル１基１軸7200馬力、速力18.5ノット。兵装は安式40口径15cm単装砲２門、五年式短八サンチ高角砲２門、25mm連装機銃２基、7.7mm単装機銃２丁。艦橋後方にカタパルト１基を装備し、零式水上観測機（常用６機、補用２機）と零式三座水上偵察機（常用２機、補用１機）を搭載する。山陽丸が就役した。参考：日本航空母艦史、月刊モデルアート9,’15増刊

＜サン・ヨン２０１４演習＞：米韓豪共同演習雙龍2014、アメリカ名称ダブルドラゴン2014。2014年3月27日から4月7日に韓国の浦項で行われ、アメリカ第３海兵遠征軍主力のアメリカ海兵隊7500名、CH-53E強襲ヘリ、VMM-265所属MV-22B輸送機、M-1A1戦車、AAV7水陸両用車、M777榴弾砲、アメリカ海軍2000名、LHD-6ボノム・リシャール、LSD-48アシュランド、韓国海兵隊第１海兵師団3500名、KAAV7水陸両用車、韓国海軍1000名、オーストラリア陸軍第８旅団第６歩兵大隊130名が参加した。参考：月刊丸7,’14、月刊軍事研究7,’14、8,’14

＜サン・ヨン２０１８演習＞：米韓合同上陸演習。2018年に行われた。LHD-1ワスプ火力強化型遠征打撃群が参加し、F-35B戦闘機がAN/AAQ-37EO-DASで得た目標情報をLHD-1ワスプに送り、更にDDG-104ステレットとDDG-105デューイに送って艦砲射撃で破壊している。参考：月刊航空ファン3,’20

＜サンライズ＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Sunrise。2010年のブルーインパルス創設50周年記念で初登場した。５機が傘型隊形で会場正面から進入し、編隊宙返りを行い頂点からスモークを焚き、宙返りを終えたところで５方向に散開する。第３・第４区分ではデルタ隊形で会場正面から進入し、そのまま会場上空で５方向に散開する。参考：月刊JWings6,’10、7,’12、8,’15

＜サンライナーズ＞：VFA-81（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜散乱＞：Scattering。物体に電磁波が入射した際、表層部に電流が誘起され、入射した電磁波と同じ性状の電磁波が再放射されること。再放射された電磁波が入射した電磁波と同じ進行方向に進むものを前方散乱波、入射した電磁波が入ってきた方向に跳ね返っていくものを後方散乱波と呼ぶ。金属や海水といった導電率の高い導体は電磁波の大部分を再放射し、乾燥した砂や純水といった表層誘起電流の少ないものは再放射も少ない。物体表面における散乱現象を表面散乱と呼び、物体表面の粗さで差が出る。滑らかな鏡面ではほぼ全てが入射角と同じ反射角で跳ね返される（鏡面反射）が、粗い面ではあちこちに反射する（拡散散乱）。物体内部に部分的な誘電率の差がある場合、その差がある部分でも散乱が生じ、これを多重反射散乱または体積散乱と呼ぶ。樹木の枝葉が重なって間に空気を挟んでいる場合、氷の内部に気泡を含んでいる場合、海氷の内部塩度に差がある場合、雨が降っている場合（雨滴と空気が混じる）、土壌中の含有水分量が違う場合などがこれにあたり、物体への進入深度が大きい波長の長い（周波数の低い）電磁波では顕著に観測され、多くの情報を得ることができるが、あまり進入深度が大きいと物体（特に雨滴など小さい物）を貫通してしまうので、適度な周波数を選択する。これら散乱により再放射された電磁波をキャッチして物体の存在や特徴を掴むのがレーダーである。参考：レーダの基礎

＜山林用多目的車＞：航空自衛隊山林用消防車U1650-�W型（改）。メルセデス・ベンツ社製ウニモグを導入したものである。装輪ながら不整地走行能力を持ち、山間部に航空機が墜落した際の山火事を消火する。また、車体前部に排雪板や草刈り装置を取り付けることで消防以外にも使用できる。全長6.05m、全幅2.16m、全高3.6m、車重7.83トン。エンジンは356型直列６気筒ディーゼル（総排気量5958cc、出力155馬力）、トランスミッションは同時咬合式前進８段・後進８段、燃料タンク容量30リットル。最大積載量２トン。乗員５名。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊丸3,’13

＜サン・ルイ級＞：フランス海軍計画重巡洋艦St.Louis級。1940年4月に３隻の建造が認められた。基準排水量14470トン。速力33ノット。兵装は20.3cm３連装砲３基、10cm連装高角砲３基、55cm魚雷３連装発射管２基。水上偵察機２基を搭載する。ドイツに負けたため、起工前に建造中止となった。参考：近代巡洋艦史

＜サン・ルイス＞：アルゼンチン海軍209/1200型潜水艦San Luis。1974年就役。1982年、フォークランド紛争に参加。1991年、近代化改装に入ったが、中断したまま1996年に予備役に編入され、1997年に除籍されてS31サルタの部品提供艦となった。参考：月刊世界の艦船4,’09、4,’20

＜さんるいす丸＞：日本の油槽船。総トン数7268トン。昭和19年12月30日、ヒ八六船団の一員としてシンガポールを出港。昭和20年1月12日、アメリカ艦上機の航空攻撃を受け沈没した。参考：輸送船入門

＜サン・ローラン＞：DDE-205（護衛駆逐艦）を参照。

＜サン・ローラン級＞：カナダ海軍護衛駆逐艦St. Laurent級。カナダ初の本格的国産水上戦闘艦である。ベースはイギリス海軍ホイットビー級で、着氷を防止するためにガンネル部を丸くし、冬季行動に備えて空調を完備した。タカンマストはポールマスト型の艦とラティスマスト型の艦がある。全長113.1m（111.6m？）、基準排水量2263トン、満載排水量2600トン。主機は蒸気タービン２基２軸30000馬力、速力28ノット。兵装は76mm連装速射砲Mk33（当初は防楯無し、後に装備）２基、リンボー２基、40mm単装機関砲２門、短魚雷落射機２基。DDE-205サン・ローラン、DDE-207スケーナ、DDE-229オタワ、５番艦DDE-230マーガリー、DDE-234アシニボインなど７隻が1955-57年に就役した。1961-66年、ヘリ搭載駆逐艦DDHへの改装を実施。後部76mm連装砲１基、後部リンボー１基、中央40mm単装機関砲、短魚雷落射機を撤去し、ヘリ格納庫とヘリ甲板（上甲板の一段上）を設け、ベアトラップなどのCHSS-2ヘリ運用施設を搭載、煙突を１本増やして並列２本にした。1979-82年、駆逐艦艦齢延長工事DELEXを受けた。1992年の諸元は以下の通り。全長111.6m、幅12.8m、吃水4.3m、基準排水量2260トン、満載排水量3061トン。主機は蒸気タービン２基２軸30000馬力、速力28.5ノット。兵装は76mm連装砲１基、324mm短魚雷３連装発射管２基、リンボー１基。CH-124Aシーキング１機を搭載できる。乗員213名＋航空要員20名。1994年までに全て退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’12、9,’96、3,’10、4,’12、8,’20

＜サン・ローラン・グループ＞：カナダ海軍が1952-64年に建造した護衛駆逐艦サン・ローラン級、レスティゴーシュ級、マッケンジー級、アナポリス級のこと。参考：月刊世界の艦船3,’12

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