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＜シ＞：日本海軍／海上自衛隊の略号で、司令または司令官のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜士＞：自衛隊の階級。幹部や曹の指揮を受け、各種任務を直接遂行する。陸上自衛隊は陸士、海上自衛隊は海士、航空自衛隊は空士となる。参考：MAMOR vol.102

＜師＞：中国軍の部隊単位で、師団に相当する。参考：月刊軍事研究5,’16

＜シア＞：逆鈎を参照。

＜シア型＞：092型（潜水艦）を参照。

＜シアサッカー＞：海鷹２型（空対艦ミサイル）または海鷹２型（地対艦ミサイル）を参照。

＜ジアツィント＞：2S5（自走榴弾砲）を参照。

＜ジアツィントＢ＞：ソ連軍牽引式49口径152mm榴弾砲。

＜ジアツィントＳ＞：2A37（榴弾砲）を参照。

＜シアトル＞：AOE-3（高速戦闘支援艦）またはCA-11（重巡）を参照。

＜シアメン＞：515（フリゲート）を参照。

＜シアラ＞：P-42（哨戒艇）を参照。

＜シアリーズ＞：I59（軽巡）を参照。

＜シアリーズ級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Ceres級。Ｃ級巡洋艦の１つで、カレドン級の改良型であり、幅を0.3m広げ、艦橋とマストを後ろにずらし、1-2番砲を背負い式とした。全長137.7m、幅13.3m、吃水4.4m、常備排水量4190トン、基準排水量4190トン。主機は蒸気タービン、出力40000馬力、速力29ノット。兵装は15.2cm単装砲５門、7.6cm単装砲２門、533mm魚雷連装発射管４基。乗員400名。I58カーディフ、I59シアリーズ、I43コベントリー、I41キュラソー、I42カーリューの５隻が1917-18年に就役した。I43コベントリー、I41キュラソー、I42カーリューには1936年以降に防空巡洋艦への改造が施されており、砲と魚雷発射管を外して10.2cm高角砲10門（I41は10.2cm連装高角砲４基）と高射指揮装置２基、２ポンド８連装高射機関砲２基（I41は２ポンド４連装高射機関砲１基）を装備した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船2,’87

＜シアロウ＞：SS-225（潜水艦）を参照。

＜シアン化水素＞：青酸ガス（化学兵器）を参照。

＜シアンジャン＞：611（哨戒艇）を参照。

＜しい＞：PF-297（警備船）を参照。

＜椎＞：日本海軍松型駆逐艦29番艦。昭和20年3月13日竣工。昭和20年6月5日、豊後水道で触雷して損傷した。10月15日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年7月5日に賠償艦としてナホトカでソ連に引き渡された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜ジー＞：日本海軍士官のスラングで、街娼、私娼のこと。Girlの頭文字。参考：帝国陸海軍事典、海軍兵学校よもやま物語

＜シーＴＣ−１＞：台湾海軍艦対空ミサイルSea TC-1。海剣羚艦対空ミサイルシステム用で、天剣空対空ミサイルをベースに開発した。誘導は中間がINS＋データリンク、終末が赤外線画像で、発射後ロックオンやデータリンクによる発射後目標変更も行える。最大射程9000m、最大射高3000m。参考：月刊世界の艦船2,’20、12,’15、11,’17

＜シーア＞：舷弧を参照。

＜シー・アーク級＞：アメリカ海軍高速哨戒艇Sea Ark級、別名CR34または34フィート・ドーントレス・シー・アーク型。主任務は港湾水路警備と対テロ作戦で、航空輸送できるので緊急展開が可能。船体と上構は軽合金製で、操舵室前方にコクピット式銃座、操舵室後方左右と最後部に銃座があり、7.62mm機銃や12.7mm機銃を装備でき、最後部銃座には40mmてき弾銃も積める。全長10.4m、幅3.7m、吃水0.8-1.3m、満載排水量9-9.3トン。主機はディーゼル２基、出力740馬力、プロペラまたはウォータージェット２軸推進、速力36ノット。乗員６名。2002年から134隻が就役した。参考：月刊世界の艦船2,’13、4,’15、5,’14、1,’10

＜シー・アーチャー１＞：GSA7（射撃指揮装置）を参照。

＜シー・アーチャー３０＞：GSA8（射撃指揮装置）を参照。

＜シー・アーチン＞：BAe社の沈底・係維機雷。円筒形で、潜水艦から敷設できる。直径0.53m、炸薬量150-1200kg。最大敷設深度200m。磁気・音響・水圧式信管を持つ。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜シーアール＞：日本海軍士官のスラングで、淋病予防用クリームのこと。Creamの頭２文字。参考：帝国陸海軍事典

＜シー・アイ＞：518型（レーダー）を参照。

＜シー・アウル＞：SS-405（潜水艦）を参照。

＜シーアベンジャー＞：ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社が開発している艦載UAV。プレデターＣアベンジャーがベースで、リンクス合成開口レーダーとEO/IRカメラを装備し、ペイロードは機内・機外共に3000ポンド（1.36トン）ずつである。主翼を折り畳めばF/A-18よりも甲板専有面積が小さくなる。2011年2月15日に風洞試験を完了した。参考：月刊軍事研究7,’11

＜シー・アロー＞：Mk48シリーズ（長魚雷）を参照。

＜シー・アロー＞：川崎造船が中速LPG船向けとして2003年に開発した船首形状SEA-Arrow（Sharp Entrance Angle bow as an Arrow）。船首上端とバルバス・バウの先端を結んで垂直艦首にし、水線部付近の前縁を尖らせて波切りを良くしたものである。水線長が長くなるのでフルード数が増え、造波抵抗の減少にも繋がる。最大で１割の機関出力削減を達成したとされる。参考：月刊世界の艦船8,’17

＜シーアン＞：106（駆逐艦）またはSSG-77（潜水艦）を参照。

＜シー・イーグル＞：381型（レーダー）またはATR72海外ファミリー（洋上哨戒機）を参照。

＜シー・イーグル＞：BAe社の空対艦ミサイルSea eagle。マルテル空対艦ミサイルのエンジンをターボファンに換え、射程を延ばした。弾体中央下部にエアインテイクを持つ。誘導は中間が慣性誘導、終末がアクティブレーダー。全長4.145m、直径0.396m、翼スパン1.2m、重量590kg、弾頭重量230kg。推進はミクロチュルボTRI60ターボファン（ターボジェット？推力3kN）、射程59海里以上・130km。1981年4月24日に最初の試験飛行に成功した。参考：ザ・マーチ17号、世界軍用機年鑑1990-91、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97

＜シー・イーグル電子光学センサー・シリーズ＞：イギリスのチェス・ダイナミクス社が開発した電子光学センサー・システムSea Eagle。参考：月刊世界の艦船12,’21、月刊軍事研究3,’14

　＜シー・イーグルＥＯＣＴ＞：電子光学センサー型Sea Eagle Electro Optical Compact Turret。小型架台に電子光学センサー（可視光・赤外線撮像装置）を搭載したもので、船舶自動識別装置AISや電子海図情報表示装置ECDISとリンクしての目標自動探知追尾を行える。参考：月刊世界の艦船12,’21

　＜シー・イーグルＥＯＳＳ＞：電子光学センサー型Sea Eagle Electro Optical Surveillance System。電子光学センサー（可視光・赤外線撮像装置）のみの捜索用で、目標自動探知機能を持つ。参考：月刊世界の艦船12,’21

　＜シー・イーグルＥＯＳＳ　Ｅ＞：電子光学センサー＋ESM型Sea Eagle Electro Optical Surveillance System, Enhanced。シー・イーグルEOSSに電波センサーを追加したものである。参考：月刊世界の艦船12,’21

　＜シー・イーグルＦＣＥＯ＞：艦載方位盤型Sea Eagle Fire Control Electro Optical System。電子光学センサー（可視光・赤外線撮像装置）、レーザー測距器、電波探知器からなる。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜シー・イーグルＦＣＲＯ＞：艦載方位盤型Sea Eagle Fire Control Radar Optical system。FM-CWドップラーレーダーと電子光学センサー（可視光・赤外線撮像装置）を組み合わせており、艦砲の対空・対水上・対地射撃に使用する。レーダーはビーム幅４度×４度・出力10Wの低被探知方式で、周波数アジリティによりECCM性が高く、ジャミング源追尾（Track on jam）能力も持つ。オプションでレーザー測距器を追加可能。参考：月刊世界の艦船12,’21、月刊軍事研究3,’14

＜シー・イーグルＳ／Ｃ＞：382型（レーダー）を参照。

＜シーイェン９７０＞：試験970（試験艦）を参照。

＜シーイェン９７０級＞：試験970級（試験艦）を参照。

＜シー・インスペクター＞：コングスベルグ社の自律型無人潜水艇C’Inspector。本体は魚雷状をしており、光源付きテレビカメラ、高分解能スキャニングソナー、側方走査ソナー、垂直ソナー、深度計、水中高度計といった各種センサーを搭載、データを光ファイバーにより射出母艦に送信する。推進は本体両側の電動モーターで、前進速度６ノット、後進速度３ノット、垂直速度4.2ノット。最大遠隔操作距離4000m、最大潜航深度300m。参考：月刊軍事研究1,’08

＜シー・ヴァイパー＞：イギリス海軍45型駆逐艦の対空戦闘システム。PAAMSのサンプソン多機能レーダー使用型で、PAAMS(S)とも呼ばれる。S1850M広域捜索レーダー、サンプソン多機能レーダー、アスター15/30艦対空ミサイルなどで構成される。対艦弾道ミサイル迎撃能力を付与する計画があるらしい。参考：月刊軍事研究10,’10、月刊世界の艦船10,’17、11,’17、5,’22

＜シー・ウォッチャー１００＞：アイ・マスト用対水上捜索／ヘリコプター管制レーダーSea Watcher 100。水上目標や潜望鏡だけでなく、浮遊機雷や泳ぐ人間も探知できる。アンテナは４面固定アクティブ・フェイズド・アレイ式。使用周波数Ｘバンド（I/Jバンド）、最大探知距離40km、距離／角度分解能は短・中距離モードで7.5m／１度、長距離モードで30m／１度。参考：月刊軍事研究8,’11、1,’14、3,’13、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シーウォリア＞：SF.260SW（哨戒機）を参照。

＜シーウィズ＞：CIWS（近接防御兵器）を参照。

＜シーウルチン＞：イギリス軍の機雷。音響・磁気・水圧の複合信管を持ち、それぞれの感度を事前に調節できる。弾頭を２つにすることも可能。全長2.54m、直径0.533mm、重量1.058トン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜シーウルフ＞：N47（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはRWWS（回転翼兵器学校）またはSS-28（Ｈ級潜水艦）またはSS-197（新Ｓ級潜水艦）またはSSN-575（シーウルフ級原潜）またはSSN-21（シーウルフ級原潜）またはTBY-2（艦上攻撃機）を参照。

＜シーウルフ＞：ドイツのアトラス・エレクトロニクス社が開発したUUV、SeaWolf。魚雷型をしており、スポットライト付き撮像カメラを持ち、前方・側方に高解像度捜索ソナーを搭載している。慣性航法装置で自律航行を行い、光ファイバーケーブルにより管制所へソナー情報や画像を送ることが可能。自爆して機雷処分を行うこともできる。全長2m、重量110kg。前進速力５ノット、後進速力0.5ノット、最大潜航深度300m、連続作動時間３時間。参考：月刊軍事研究12,’09

＜シーウルフ・シリーズ＞：イギリス海軍艦対空ミサイルシステムSeawolf（Sea Wolf？）。シー・キャットの後継で、1964年から開発され、1975年に試射に成功（1973年実戦配備？）し、22型フリゲート、インビンシブル級空母、42型駆逐艦、23型フリゲートに搭載された。レイピア地対空ミサイルと同系統で、射程は短いがリアクションタイムが短く、シースキマーに強い。精度や運動性も良く、中口径砲弾も撃墜できるとされる。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船8,’82増刊、3,’05、11,’17、2,’20

　＜ＧＷＳ２５Ｍｏｄ０＞：最初の量産型。固定翼４枚と後部動翼４枚を持つ。全長1.98m、直径0.18m、翼幅0.56m、全備重量82kg、炸薬重量14kg。推進は固体ロケット、最大速度マッハ２、射程5.6km（6.5km？）。６連装旋回式発射機に装填される。捜索レーダーは967型と968型で、910型追跡レーダーまたはTVカメラで目標とミサイルを追跡し、指令照準線追随CLOS方式で誘導される。射撃指揮コンピュータはフェランティFM1600B。シースキミング・ミサイルの全天候下迎撃が可能とされる。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、5,’91、2,’20、軍事分析湾岸戦争、ザ・マーチ39号、月刊丸3,’90

　＜ＧＷＳ２５Ｍｏｄ１＞：レーダーをブラインド・ファイアと910型の組み合わせに変更したもの。計画中止となった。参考：月刊世界の艦船5,’83

　＜ＧＷＳ２５Ｍｏｄ２＞：別名VM40。採用されなかった。参考：月刊世界の艦船5,’83

　＜ＧＷＳ２５Ｍｏｄ３＞：追跡レーダーを911型Mod1に換装し、967型／968型捜索レーダーのECCM機能を強化したもの。参考：月刊世界の艦船5,’83、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜ＧＷＳ２６Ｍｏｄ１＞：垂直発射用固体燃料ロケットブースターを追加したもの。1966年に垂直発射の検討が実施され、発射後の推力偏向制御実験にも成功したが、この時は実用化されず、1980年代になって実験を再開し、1990年に艦上テストが成功、制式化された。全長3m、直径0.18m、翼幅0.56m、発射重量140kg、炸薬重量14kg（HE）。推進は固体ロケット、射程10km（6km？）。誘導は指令照準線追随CLOS方式。発射機は８セルVLS、レーダーは911型Mod2。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’99、月刊世界の艦船5,’91、1,'15増刊、3,’05

　＜ＧＷＳ２６Ｍｏｄ２＞：レーダーを911型Mod3に、発射機をシー・キャット用４連装発射機としたもの。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜シーウルフ級＞：Ｈ級（アメリカ潜水艦）を参照。

＜シーウルフ級（初代）＞：アメリカ海軍原子力潜水艦Seawolf級。ノーチラス級の加圧水型原子炉が失敗だった際のバックアップとして開発した液体金属冷却炉の試験用という性格が強い。セイル下半分が司令塔で、その部分が前方と左右に大きく膨らんでいる。AN/BQR-4Aパッシブソナーを艦首上部に纏めて収容したため、ノーチラス級より艦首が一段高くなり、凌波性は良かったが、基本的に入出港以外は水上航行しないので、この形状は本級のみの採用となった。艦首上面右舷寄りにはAN/SQS-4アクティブソナーの分厚いフィン状フェアリングが付く。艦尾両舷に張り出しを設けてスクリューを配置しており、十字舵はその後ろに置いて横舵の効きを良くした。全長102.9m、全幅8.4m、吃水6.7m、水上排水量3741トン、水中排水量4150-4287トン。主機は原子力蒸気タービン方式、S2G液体冷却式原子炉１基・GE式ギヤード蒸気タービン２基、出力15000馬力、２軸推進、水上速力19ノット、水中速力20ノット以上（19-20ノット？）。安全潜航深度213m。兵装は533mm魚雷発射管６門（艦首。魚雷22本または機雷）。乗員105名。SSN-575シーウルフが1957年に就役した。原子炉トラブル（ナトリウム漏れ）が多発したため、1958年12月から２年かけてS2Wa加圧水型原子炉に交換している。ただ騒音などの問題があって攻撃原潜としては使い勝手が悪く、海洋調査や通信傍受などに使用され、1987年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船6,’13、8,’18、2,’10、月刊軍事研究9,’06、5,’17、ザ・マーチ17号

＜シーウルフ級（２代目）＞：アメリカ海軍攻撃型原子力潜水艦Seawolf class。冷戦末期にソ連の攻撃型原子力潜水艦（特にアクラ�U級）、対潜機、対潜艦などからなる対潜防御陣バスティオン（砦）を突破して北極海、バレンツ海、オホーツク海に殴り込みをかけ、戦略原潜狩りを行える潜水艦として計画され、スタージョン級・ロサンゼルス級の後継として29-33隻を330億ドルで建造する予定だったが、１隻目が建造中に冷戦が終わってしまい、１隻あたり24億ドル（3360億円。53億ドル？）とあまりに高価なのも手伝って３隻のみが建造されるに止まった。船体は涙滴型、耐圧船殻は内フレーム単殻構造で、HY130高張力鋼（HY100？）を使用しており、試験潜航では594mまで潜った。ただ建造中に溶接部に亀裂が見つかり、工期が大幅に遅れている。耐圧船殻外の前後にメイン・バラスト・タンクを持つ。船体外殻には全体に吸音無反響特殊ゴムが張られていて、ラフト（筏）構造に主機を載せ船体から分離し、低回転大型プロペラを採用して静粛性に優れ、ポンプジェット推進により最大速力でもキャビテーションが生じず、水中雑音は95dBくらいで、20-25ノットで航走してもロサンゼルス級攻撃原潜の停泊時、ソ連原潜の７ノット航行時以下の雑音しか出ないといわれる。艦首ソナードームはグラスファイバーで表面処理された合成ゴムを使用し、ソナー特性向上を図った。艦首に引き込み式潜舵を持つ。船体両舷の吃水線下には３ヵ所に側面ソナー用フランク・アレイを装着する。セイルは水中抵抗を減らしつつ氷海で確実に浮上できる形状をとった。セイル付け根前面には整流フェアリングを持ち、船体とセイルの間の乱流を抑える。艦尾舵は十字で、横舵下部両舷にTASSディスペンサーが装備されている。魚雷発射管は762mmを８本装備する予定だったが、533mmに変更され、最終的にはMk48ADCAPをスイムアウトで発射できる660mmになった。弾切れで作戦行動期間が短くなるのを防ぐため、魚雷やミサイルを50発も積めるようにしてある。３番艦はSSN-683パーチの後継となる特殊部隊支援攻撃原潜となっており、セイル直後で船体を30mほど延長して耐圧船殻を細い耐圧通路で繋ぎ（横倒しの砂時計状で、Wasp waist・スズメバチのくびれと呼ばれる）、外部船殻との間にSEAL支援施設などを設けており、SEAL50名を収容可能で、ASDSやDDSの運用能力を持ち、攻撃原潜としての能力も完全に保有している。全長107.6m（３番艦は138.1m）、全幅12.9m、吃水10.9m（３番艦は11m）、水上排水量8189トン（8060トン？３番艦は10460トン）、水中排水量9285トン（9138トン？３番艦は12353トン）。主機は原子力蒸気タービン方式、S6W原子炉１基・ギヤード蒸気タービン２基、出力45000馬力、シュラウド・リング付ポンプジェット１軸推進、水上速力18ノット以上、水中速力25ノット以上（39ノット出せるらしい）。補助電動機１基を搭載する。安全潜航深度594m、最大潜航深度610m。兵装は660mm魚雷発射管Mk69が８門（スイムアウト式。艦首両舷下部４門ずつ）。Mk48魚雷、トマホーク、UGM-84C/Dハープーンなど50発を搭載する。Mk57係維式機雷、Mk60キャプター、Mk67自走沈底機雷など機雷なら100発を搭載可能。ソナーはAN/BQS-13・AN/BQR-21バウ・ソナー、AN/BQG-5側面アレイ・ソナー、艦尾横舵右のAN/BQR-16D（TB-16）及び左のAN/BQR-29TASS（TB-29）、艦内のAN/BQR-22DIFAR及びAN/WLR-9A逆探ソナーで構成されるAN/BQQ-5Eと、セイルトップのAN/BQS-15機雷探知ソナーで、戦闘システムはAN/BSY-2。潜望鏡は攻撃用２型（左舷側）及び捜索用18型（右舷側）で、セイルにはAN/BPS-15またはAN/BPS-16航海用レーダー、AN/WLQ-4ESM（AN/WLR-8？）、AN/BRD-7方向探知装置（シュノーケルにアンテナを装着）、通信用アンテナ、GPSアンテナを装備する。通信装置はUHF、VHF、HF、衛星通信、水中通話器、セイル後方のフローティング・アンテナによるVLF/ELF。航海装置はジャイロ、ログ、測深儀、艦船慣性航法装置、GPS。自衛用にAN/WLY-1対魚雷デコイを持つ。乗員140名（133名？士官14名と下士官・兵120名計134名？）。１番艦SSN-21シーウルフ、２番艦SSN-22コネチカット、３番艦SSN-23ジミー・カーターが1997-2005年に就役した。後にソナーシステムはAN/BQQ-10に、氷塊・機雷探知ソナーはAN/BQS-24に換装された。参考：アメリカ潜水艦史、月刊軍事研究4,’97、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’04増刊、2,’13、6,’13、2,’10、1,’10、4,’10、9,’12増刊、8,’18、5,'23、現代の潜水艦、ザ・マーチ33号、42号、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シーウルフ級＞：シンガポール海軍ミサイル艇Sea Wolf級。西ドイツのラーセン45m級を導入したものである。排水量226トン。速力35ノット。兵装は70口径57mm機関砲１丁、12.7mm機銃２丁、ミストラル艦対空ミサイル連装発射機シンバッド１基、ハープーン艦対艦ミサイル連装発射筒２基またはガブリエル�U艦対艦ミサイル発射筒５基。参考：月刊軍事研究3,’02、ミリタリー・バランス1989-1990

＜シーエイチ＞：CH-47J輸送ヘリ（陸上自衛隊）またはCH-47JA輸送ヘリ（陸上自衛隊）を参照。

＜シー・エクスプローラー＞：フランスのACSA社が開発した海洋観測用UUV、Sea Explorer。本体はアルミニウム製で、海水をバラストタンクに出し入れする方式の浮力変更機構により、速力１ノットで海面から深度700mまでを行き来して各種海洋データを集め、浮上時にデータを尾部のアンテナで送信する。全長2.2m／2.9m（尾部アンテナ含む）、直径0.25m、重量59kg。動力源はリチウムイオン電池、平均速力0.5ノット、最大潜航深度700m、航走距離1500km、行動期間20日。2014年から製造されている。参考：月刊軍事研究2,’17、3,’13

＜シィエナ＞：インド海軍先進短魚雷TAL（Torpedo Advanced Lightweight）。A244-Sがベースで、2010年代に運用可能となった。全長2.75m、直径0.324m、重量220kg、弾頭重量50kg。推進は電動モーター、雷速33ノット、最大航走距離19km、最大運用深度500m以上。誘導は事前プログラム捜索パターン＋アクティブ・パッシブ音響。ミャンマー海軍も導入し、2019年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜シー・エルク＞：VMM-166（海兵中型ティルトローター飛行隊）を参照。

＜シー・オービット作戦＞：アメリカ海軍原子力水上艦隊による65日間無補給世界一周航海。CVN-65エンタープライズ、CGN-25ベインブリッジ、CGN-9ロング・ビーチからなる第１原子力機動部隊が実施した。1964年7月31日、地中海からジブラルタル海峡を通過して大西洋に出た。その後はアフリカ西海岸に沿って南下し、8月10日に喜望峰を回り、南アフリカ海軍と合同演習を行っている。更にインド洋に入ってアラビア海を縦断、パキスタンのカラチ港に寄港して乗員の休養と親善を行った。カラチ出港後はスリランカ沖からインドネシアに到達、イギリス空母38ヴィクトリアスと演習を行い、南に向かってオーストラリアのパースとフリーマントルで親善飛行を実施、9月4日にシドニーに入港。9月6日に出港して南太平洋を東に進み、南アメリカ大陸のホーン岬を経て大西洋に入り、9月20日にリオデジャネイロに寄港した。その後は北上して西インド諸島を通過し、10月3日にノーフォークに帰港して作戦を終了。平均速力20ノット、航海距離30565海里・49190km（30216海里？）。演習などで艦上機は1600回発艦し、爆弾など弾薬240発を消費した。参考：月刊丸12,’92、月刊軍事研究5,’03、6,’07、月刊世界の艦船2,’22、10,’23

＜シー・オッター・シリーズ＞：イギリス空軍水上機Sea Otter。スーパーマリン社がウォーラスの後継として開発し、1938年8月に初飛行、1944年11月に就役し、1946年7月までに290機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜シー・オッターＭｋ．�T＞：ウォーラスの機体を木金混合とし、プロペラを推進式から牽引式としている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜シー・オッターＭｋ．�U＞：全長11.94m、全幅14.02m、全備重量4200kg。エンジンはブリストル社製マーキュリー30（855馬力）単発、最大速度241km、実用上昇限度4880m、航続距離910km。固定武装は7.7mm機銃２丁。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜シー・オッター・シリーズ＞：デンマークのアトラス・マリダン社が開発中の完全自律型UUV、Sea Otter。参考：月刊軍事研究2,’07

　＜シー・オッターＭｋ．�T＞：側方走査ソナー、マルチビーム音響測深儀、海底音波探知機などを搭載し、入手したデータを音響リンクで管制システムに伝送する。対機雷戦や対潜戦などに投入可能。全長4.5m、重量1.5トン。推進は電動モーター、最大速力５ノット、最大航続時間15時間、最大運用深度600m。参考：月刊軍事研究2,’07

　＜シー・オッターＭｋ．�U＞：大型版で、シーフォックスを搭載しての機雷掃討任務も考慮されている。全長3.45m、重量1.1トン。推進は電動モーター、推進はシュラウド・プロペラ２軸、最大速力８ノット、最大航続時間24時間、最大運用深度600m。参考：月刊軍事研究2,’07、1,’15

＜シー・オリックス＞：海剣羚（艦対空ミサイル）を参照。

＜シーカー�U＞：南アフリカ空軍の戦術偵察用無人機Seeker�U。デネル社製。UAE陸軍も採用し、アフガニスタンで使用した。参考：月刊軍事研究3,’11、8,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シーカー４００＞：デネル・ダイナミックス社の戦術UAV。巡航速度150km、標準運用高度1500-3000m、最大高度5500m、航続距離700km、滞空時間16時間、運用半径250km／700km（地上局使用）。ペイロード100kg。合成開口レーダーと光学システムを搭載する。モポカ対戦車ミサイルやインプリ対地ミサイルの装備も可能。アビオニクスと地上ステーションはシーカー�Uと同じである。2014年2月に初期飛行テストを終えた。参考：月刊軍事研究4,’14、1,’09、12,’12

＜シーカーＳＢ７Ｌ−３６０＞：イラク空軍の監視用軽飛行機。ヨルダンのシーバード・アビエーション社がSOFEX’04で発表し、2004年に採用された。機首下部に全天候監視システムを搭載する。キャノピーは大型で、視界も良好。全長7m、翼スパン11.07m、重量925kg。時速65ノットで7.25時間の監視が可能である。離陸滑走距離264m、着陸滑走距離198m。参考：月刊軍事研究7,’08、12,’04

＜シーカー計画＞：U-2G偵察機によるフランス核実験（南太平洋ムルロア環礁）モニタリング計画。CV-61レンジャーにU-2Gを搭載し、1964年5月から開始した。

＜シー・ガーディアン＞：ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社の無人機。MQ-9Bがベースで、STANAG4671対応である。機首上半は衛星通信用アンテナフェアリングで膨らんでおり、主翼は翼スパンの長い直線テーパー翼でウイングレット付き、後部にＹ字尾翼があり、後部胴体上面尾翼間にエアインテイクを持ち、胴体尾部に４翅プッシャー・プロペラを装備する。降着装置は前輪式引き込み脚で、全て胴体内に引き込まれる（前脚は前方、主脚は後方引き込み）。機首にリンクス合成開口レーダーと離着陸用前方監視カメラ、機首上部内にKuバンド衛星通信アンテナ、その後ろにブレードアンテナ、更に後ろにバックアップ用インマルサット衛星通信アンテナ、機首下面に電子光学センサー、その後ろにESM/DF用ブレードアンテナと離着陸用見通し内ＣバンドC2（Command Control）データリンクアンテナ、胴体下にAN/APS-148レーダー、主翼端にESMアンテナを装備し、船舶自動識別装置受信機、自動衝突回避装置、放送型自動位置情報伝達機能ADS-Bなどを備え、衝突回避用レーダーも積める。携帯電話の基地局機材を積んで臨時の通信基地局にすることも可能。全長11.7m、翼スパン24m、離陸重量5.67トン。エンジンはハネウェル社製TPE331-10ターボプロップ（1000馬力）、推進はプッシャー・プロペラ、最大速度210ノット、最大飛行高度12000m、航続距離5500海里以上、航続時間35時間以上。ペイロード0.363トン（機内）／2.155トン（機外）。地上管制ステーションはコンテナ式で、操縦員１名とセンサー操作手１名が位置し、前面にモニター６枚（３列２段）を装備したコンソールで操作する。他に電源トレーラーや通信アンテナ搭載トレーラーが用意されており、全て20フィート・コンテナに収容できるので、C-130級の輸送機で空輸可能。運用要員はシー・ガーディアン１機あたり操縦員・センサー操作員４組８名と整備チーム２組12名の計20名。アメリカ海軍に対潜哨戒機（主翼下パイロンにＡサイズ・ソノブイ40本を積む）として提案している。2021年4月17-25日、アメリカ海軍無人兵器統合演習Unmanned Systems Integrated Battle Problemに参加。8-9月、NATO向けの洋上デモンストレーションを実施。イギリス空軍・オランダ空軍航空管制官が航空交通管制を行いつつ、イギリス空軍レーワルデン基地から北海を渡ってオランダ空軍レーワルデン基地を往復する２日間の飛行などを行っている。参考：月刊世界の艦船1,'21、7,'21、月刊JWings1,’21、4,’21、12,’21

　＜シー・ガーディアンＳＴＯＬ＞：計画中の無人艦上機型。折り畳み主翼やSTOL機能追加の改修キットを装着し、強襲揚陸艦クラスの飛行甲板で運用できるようにするもので、１日未満で改修できる。翼スパン24m。作戦行動半径2400海里。参考：月刊世界の艦船8,’22

＜シー・ガーディアン海外シリーズ＞

　＜シー・ガーディアン（インド軍）＞：インド軍UAV。2023年6月15日、インド国防省防衛調達評議会が15機をFMS導入する必要があると認定した。参考：月刊JWings9,’23

　＜シー・ガーディアン（海上自衛隊）＞：海上自衛隊試験用無人機。海保リース３機目を海自との共同リースとし、試験運用する。塗装はライトグレイ単色で、機首側面にEXPERIMENTAL、胴体後部側面にN477SGの民間登録番号が灰色ロービジ塗装で記入されているが、海上自衛隊やJAPAN COAST GUARDの文字は無い。2023年5月9日、第２航空群が実運用試験を開始した。実際には第51航空隊がテストフライトの内容を指示し、それに基づいてジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社スタッフが運用していて、八戸航空基地の無人機格納庫内にシー・ガーディアン作戦センターSGOCを設置し、GCS（Ground Control Station）によるUAV飛行制御管制や、MOS（Mission Operator Station）卓及びMIS（Mission Intelligence Station）卓での情報解析を行っている。2023年第１四半期のフェーズ１で機体・センサー性能確認、2023年第２四半期のフェーズ２で情報収集要領検証、2023年第３四半期から2024年第２四半期のフェーズ３で模擬警戒監視による運用検証を行い、有人・無人チームMUM-T試験にも投入する予定。参考：月刊JWings9,’23、5,’23、7,'23、10,'23、月刊世界の艦船7,’23、9,’23

　＜シー・ガーディアン（海上保安庁）＞：海上保安庁無操縦者航空機RPAS（Remotely Piloted Aircraft Systems）。2020年10月15日から11月10日、八戸航空基地で海保向け実証飛行試験が行われ、計13回150飛行時間フライトし、自衛隊訓練空域（太平洋、日本海、硫黄島周辺）を使用した行方不明者捜索・巡視船誘導・火山観測・船舶調査などへの適合性や有人機との衝突回避機能をテストした。センサーの性能は有人機と同等以上で広範囲長時間の監視が可能（第８管区の美保航空基地から尖閣諸島はおろか小笠原諸島まで届く）だが、電子光学センサーが１つだけなので同時全周監視・同時多目標追尾は行えず、巡航速度が低いので緊急展開能力に問題があると評価されている。2022年に導入を決定し、３年契約でGA-ASI社から３機をリース（よって機体の所有者はGA-ASI社）した。機首下面に電子光学・暗視センサー・ターレット、後部胴体下面に海洋監視レーダー・フェアリングがある。機首上部に衛星通信アンテナを収容し、その後方にバックアップ用衛星通信アンテナの円筒形フェアリングを持つ。塗装は海保航空機と同じく白地に青系ラインで、胴体中央側面上部にJAPAN COAST GUARDと記入されている。操縦と整備はGA-ASI社に委託しており、海保では13人態勢で情報を分析する。全長11.7m、翼スパン24.08m、自重3.855トン、最大離陸重量5.67トン。エンジンはターボプロップ（950馬力）単発、最大速度210ノット・390km、最大飛行高度12000m、最大航続距離5500海里・10200km、最大航続時間35時間以上。当初は加工した映像を海自に提供するが、2023年度以降は海自と共同運用する予定で、情報を海保と海自でリアルタイム共有する。共同運用機（３号機）は塗装がライトグレイ単色である。2022年10月19日から海自八戸航空基地で初号機の運用を開始した。２号機は2022年度、３号機は2023年度に海自八戸航空基地に配備されている。2023年10月4日、秋田沖で海上自衛隊との共同訓練に参加。参考：月刊世界の艦船11,'23、2,'23、6,’22、1,’23、12,'23、月刊JWings1,’23、10,’23

＜シー・ガード＞：エリコン社とコントラベス社を中心に、イギリス、イタリア、西ドイツの企業も参画して開発したCIWS、Sea guard。25mm４連装機関砲シー・ゼニスとFCSを組み合わせたもので、仰角が125度とれるので真上からミサイルが落下してきても迎撃できる。FCSは各種モジュールを組み合わせられるのが特徴で、艦の大きさにより複数を組み合わせて装備できる。トラッキング・モジュールは専用架台に搭載され、CIWSトラッキング・モジュールとGPS（General Purpose System）トラッキング・モジュールがある。CIWSトラッキング・モジュールはKuバンドレーダー（使用周波数15.7-17.5GHz。航空機なら16km、対艦ミサイルなら10kmで追尾可能）、FLIR（使用波長8-13ミクロン、視野は水平３度、垂直２度）、レーザー（使用波長1064ミクロン、ビーム幅２ミル）から構成される。GPSトラッキング・モジュールはＸバンドレーダー、FLIRまたはTVカメラ、レーザーで構成され、艦砲や艦対空ミサイルの制御も可能。捜索レーダー・モジュールは使用周波数Ｃバンド（5.4-5.9GHz）、アンテナ回転数毎分60回転。他にコントロール・コンソールとコモン・サポート・モジュールから構成される。リアクションタイムは２秒弱で、100発発射すればミサイル１発を撃ち落とせるという。トルコ海軍が採用し、Kuバンド射撃指揮レーダーTMKuと組み合わせてヤウズ級とバルバロス級に搭載した。参考：ザ・マーチ33号、41号、月刊丸3,’90、月刊軍事研究3,’02、月刊世界の艦船8,’82増刊、2,’21

＜シーカモア＞：オーストラリア海軍多用途支援船Sycamore。オランダのダーメン社がOPV2400型をベースに設計したもので、オーストラリア海軍の委託によりダーメン社関連民間会社が運用する。魚雷揚収装置やヘリ甲板を備え、災害派遣、ヘリ発着艦訓練、魚雷揚収など多任務をこなす。排水量3000トン。2017年4月、造船所公試を終了。同年中に実任務に入る予定。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜シーガル＞：SOCシリーズ（哨戒観測機）を参照。

＜シーガル＞：エルビット・システムズ社の無人水上艇Seagull。全長12m。航続時間96時間。シーステート５まで航行可能。DSEi2017の会場から衛星経由でイスラエルのハイファにあるシーガルを遠隔操作し、L3ハリス・オーシャン・システムズ社製HELRAS（Helicopter Long-Range Active Sonar）吊り下げソナーにより潜水艦を探知するデモンストレーションを行った。2020年、ジオスペクトラム・テクノロジーズ社製TRAPS-USV可変深度ソナーを搭載し、遠隔操作により展開・揚収する試験や、L3ハリス・テクノロジーズ社製ソナーを搭載しての対潜戦試験を行った。参考：月刊世界の艦船12,’17、7,’20、9,’20

＜シーガル�X＞：オーストラリア軍艦載水陸両用飛行艇。スーパーマリン社が開発し、1933年6月に原型機が初飛行した。艇体は全金属製。主翼は複葉で、金属骨格羽布張り、後方折り畳み式で艦載時のスペースを節約できる。尾翼も金属骨格羽布張り。エンジンは艇体と上翼の間に置いて波飛沫がかからないようにした。プロペラはプッシャー式。27機が生産された。後にイギリス軍がウォーラスとして採用している。参考：月刊JWings1,’21

＜シーガルＣ＞：364型（レーダー）を参照。

＜シーキャット＞：SS-399（潜水艦）を参照。

＜シーキャット＞：アトラス・エレクトロニクの自律型UUV。直径0.4m、重量400kg。ドイツ海軍が機雷捜索用UUVとしてフランケンタール級掃海艇に搭載予定。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜シーキャット＞：アメリカ海軍主催多国間訓練SEACAT。海上安全保障強化を目的とする東南アジア協力訓練で、2002年に始まった。参考:朝雲

　＜シーキャット２０２０＞：2020年7月21-23日に実施され、アメリカ、ASEAN各国、イギリス、インド、オーストラリア、海自（初。海幕幹部が参加）、韓国、カナダ、ドイツ、フランスなど22カ国が参加した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で実動演習は無く、オンライン形式によるシンポジウムのみ行われている。参考：朝雲

＜シー・キャット・シリーズ＞：イギリス海軍艦対空ミサイルシステムSea Cat。発射機は４連装（２×２）と３連装の２種がある。1963年に就役（1962年実戦配備？）した。1980年以降、高度維持機構を追加し、高度6m以下で接近する対艦ミサイルにも対応できるようにした。フォークランド紛争で使用され、アルゼンチン機4-8機を撃墜している。オーストラリア海軍も採用し、スワン級フリゲートなどに搭載した。インド海軍やオランダ海軍も採用している。参考：月刊丸3,’90、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’87、8,’82増刊、4,’14、11,’17、2,’20

＜ＧＷＳ２０＞：誘導に光学照準装置を使用する。ミサイルは全長1.48m、直径0.19m、翼スパン0.65m、重量63kg、弾頭重量2.3/17kg。推進はデュアル・スラスト固体燃料ロケット、最大速度マッハ0.6（0.9？）、水平射程5.5km、垂直射程3300フィート（1km）。ロスシー級フリゲートや強襲揚陸艦に搭載された。参考：月刊丸3,’90、ザ・マーチ17号

＜ＧＷＳ２０Ｍｏｄ１＞：誘導を無線コマンドリンク方式としたもので、ミサイル後部のフレアを見ながらリモコン操作する。ミサイルは全長1.48m、直径0.19m（0.22m？）、翼スパン0.65m、全備重量68kg、炸薬重量20kg。水深は固体燃料ロケット、射程5km、有効射高1km。後にTVカメラによる自動追跡モードが追加された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’87、5,’91、2,’20

＜ＧＷＳ２１＞：40mm機関砲用射撃統制装置を流用したもの。最大速度マッハ0.6、最大射程5km。40mm機関砲に代わるCIWSとして、カウンティ級駆逐艦、トライバル級フリゲートなどに搭載された。参考：月刊丸3,’90、月刊世界の艦船12,’21

＜ＧＷＳ２２＞：TV照準を採用し、射撃指揮レーダーによる自動CLOS誘導式としたもの。リアンダー級フリゲートに搭載された。参考：月刊丸3,’90、月刊世界の艦船2,’20

＜ＧＷＳ２４＞：誘導装置をWSA-4火器管制装置としたもの。21型アマゾン級フリゲートに搭載された。参考：月刊丸3,’90

＜シーキャット２０ｍｍ＞：ヒットロール20mm（遠隔操作銃塔）を参照。

＜シー・キューブド・アイ＞：C3Iを参照。

＜シー・キラー・シリーズ＞：イタリアのシステル社が開発したシースキミング艦対艦ミサイルSea Killer。シー・インディゴ艦対空ミサイルがベースで、マルテ空対艦ミサイルと同系であり、発展型はマルテMk2/Nになった。参考：ザ・マーチ５号、月刊世界の艦船11,’17

　＜シー・キラーＭｋ１＞：基本型。推進は固体燃料ロケット。参考：ザ・マーチ５号、月刊世界の艦船11,’17

　＜シー・キラーＭｋ２＞：改良型。全長4.7m、直径0.206m、翼スパン0.999m、重量300kg。弾頭は半徹甲、炸薬重量70kg。信管は触発または近接。推進はSEP299ブースター（推力4400kg、燃焼時間1.7秒）＋SEP300サステナー（推力100kg、燃焼時間73秒）、飛翔速度毎秒300m、射程25km。誘導はレーダー・ビーム・ライディングまたは無線コマンドリンク。参考：ザ・マーチ17号、５号

　＜シー・キラーＭｋ３＞：誘導を中間レーダー・ビーム・ライディング＋終末ARHとしたもの。参考：ザ・マーチ５号

＜シーキラー海外シリーズ＞

　＜シー・キラーＭｋ２（イラン）＞：イラン軍艦対艦ミサイル。1970年代に購入した。参考：月刊軍事研究11,’11

　＜ファジル・エ・ダルヤ＞：イラン軍艦対艦ミサイル。シー・キラーMk2の改良型で、胴体前部（誘導部と弾頭部）が一回り太くなった。全長4.8m、発射重量320kg、弾頭重量70kg。推進は二段式固体燃料ロケット、最大射程25km。誘導は慣性＋ARH。1990年代後半から生産された。21世紀に入り、ASH-3Dシーキングからの発射試験も行われている。参考：月刊軍事研究11,’11

＜シーキング＞：SH-3シリーズ（対潜ヘリ）を参照。

＜シーク＞：F82（駆逐艦）を参照。

＜ジーク＞：零式艦上戦闘機シリーズを参照。

＜ジークフリートＫ（Ｅ）＞：ドイツ国防軍38cm列車砲。ビスマルク級戦艦の主砲である38cmSK C/34を列車砲にしたもので、砲を搭載した車台は７軸14輪の台車２両で支える。全長24m、砲身長19.63m、後座長6m、全備重量294トン。最大仰角45度。使用弾は榴弾（弾丸重量800kg、炸薬重量69kg、装薬重量261kg、射程42km）、陸軍開発軽量弾（弾丸重量495kg、炸薬重量48kg、装薬重量298kg、初速毎秒1100m、射程55.7km）、ロケット・アシスト弾（弾丸重量510kg、射程68km）。1938年からクルップ社が開発し、1939年に８門が発注され、1943-45年に３門が完成した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ジークフリート級＞：Ｏ級（計画巡洋戦艦）を参照。

＜ジークフリート級＞：ドイツ海軍海防艦Siegfried級。フランス海軍海防戦艦に対抗するもので、24cm単装砲を前甲板に並列２門、後甲板中心線上に１門搭載する。全長79m、常備排水量3500トン。ハーゲンなど６隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船12,’17

＜ジークフリート・シュネル＞：シュネル（ドイツ空軍エース）を参照。

＜ジークフリート線＞：ドイツ国防軍の対フランス用要塞線。1938-40年に建設したもので、バーゼルからオランダ南部国境までの630kmに亘り、化学戦防護装置を備えた18000以上の掩体壕や、高さ1.2mの四角錐台形コンクリート対戦車障害（竜の歯）などを設置、自家発電装置なども備えていた。ただし縦深は薄く、実際の防衛陣地としてはあまり役に立たないものだったが、プロパガンダで難攻不落の要塞線に見せかけている。連合軍はこれに引っかかり、ノルマンディ上陸後の攻撃準備に余計な時間を掛けることになった。1944年9月19日、アメリカ第１軍がマーケット・ガーデン作戦で攻略対象となっていたアーヘンのすぐ南にあるドイツ・ベルギー国境のヒュルトゲンの森に対して攻撃を開始。ドイツ国防軍は第275歩兵師団と第353歩兵師団の計5000名（うち1000名）が戦車も重火砲も無い状態で防衛にあたっていたが、ジークフリート線と樹木の生い茂る地形を活かして１ヶ月以上に亘り攻勢を阻止した。10月1日、作戦が進捗しないため、アメリカ軍はアーヘンを直接攻略する方針とし、10月22日に両軍とも戦死者2000名・戦傷者3000名ずつを出す激戦の果てにアメリカ軍が市街を占領した。しかしヒュルトゲンの森ではまだドイツ国防軍が踏ん張っており、11月7日にはアメリカ第112歩兵連隊がドイツ第89歩兵師団のバイアー戦闘団に包囲され降伏。結局ヒュルトゲンの森を制圧するのに12月15日までかかり、アメリカ第１・第９軍は戦死傷・行方不明57039名、ドイツ軍は戦死・行方不明12000名、捕虜95000名の損害を出した。ジークフリート線が連合軍により完全制圧されたのは1945年春のことである。参考：月刊PANZER8,’13

＜ジークフリート砲＞：SK C/34艦砲（38cm）を参照。

＜ジークブルク＞：M1098（掃海艇）を参照。

＜ジークムント＞：ドイツ海軍Ｕボート用試作音響妨害装置Siegmund。爆発音を発生して敵のソナーを一時的に使用不能にする。�]�]�Y型に装備する予定だったが、完成前に終戦となった。参考：ナチスＵボート、月刊丸5,’07、Ｕボート入門

＜シーグライダー（技術研究本部）＞：水中グライダー型無人航走体を参照。

＜シーグライダー＞：アイロボット社の海洋観測ロボットSeaglider。本体は細長い紡錘形で、後部に安定翼、尾部に長さ1mの衛星通信用アンテナを持つ。艦上から海面に射出され、ヴィークル制御用可動マスと呼ばれる錘を移動させて姿勢を制御しながら海流に乗って海中を自律航行し、外部ブラスターと呼ばれるバルーンを油圧ポンプで膨張・縮小させることで深度1000mまでを浮潜しながら内部の温度センサーで海中温度層データを計測する。得たデータは浮上時（１日３回前後）にGPS位置情報と共に衛星回線で基地局に飛ばす。温度センサーの他に音響探知センサー、化学物質分析装置、放射性物質センサーなども用意されている。航路指示にはイリジウム衛星電話回線を使う。全長1.8m、最大直径0.3m、翼スパン1m、重量55kg。電源はリチウム電池、移動速度0.5ノット、最大航続距離5000km、最大計測期間10ヶ月。アメリカ海軍に135台が納入された。日本でも東陽テクニカが代理店契約を結んでおり、2011年度予算で水産庁東北海区水産研究所（地球温暖化調査用）と独立法人海洋研究開発機構（漁業資源調査用）が１台ずつを購入した。放射線検出用の超高感度シンチレーション検出器搭載型も3500万円（税抜き）で発売中。参考：月刊軍事研究7,’12、2,’13、2,’12、1,’12

＜シー・クラッター＞：Sea clutter。海面が電波を反射することで生じるクラッターのことで、波によるドップラー周波数偏移を伴う。海面状況（波の向き、波高、うねり、風向き、風の継続時間、風と海面までの距離など）で大きく変化し、冬で荒れた日本海では夏に比べて1000倍のシー・クラッターが生じるという。海面付近の風速が毎秒数メートルになると波飛沫によるエコーが出始め、毎秒5m以上になると明瞭に出現し、降水粒子と同じくらいの直径なので特に気象レーダーで観測の邪魔になる。逆にシー・クラッターを利用して波高を測るレーダー（この場合はクラッターでなく観測対象だが）も研究されている。海面の状態と電波照射条件が同じなら世界中どこの海でもクラッターのレーダー断面積密度が同じになるが、モデル化して理論計算でシー・クラッターの予想値を算出することは、まだ出来ていない。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊世界の艦船10,’14、航空用語事典増補改訂版、レーダの基礎

＜シークラッド＞：SEACLAD（デコイ・システム）を参照。

＜シー・グラディエーター＞：イギリス海軍艦上戦闘機Sea Gladiator。グラディエーターに着艦フックやカタパルト・フックなどの艦上運用装備を追加したものである。38機が改造され、60機が新規生産されて1940年まで使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ジークリゼー＞：M862（掃海艇）を参照。

＜シー・グリフィン＞：グリフィンＣ（ミサイル）を参照。

＜シーグリペン＞：JAS39海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ジークリンデ＞：ドイツ海軍Ｕボート用音響デコイSieglinde（勝利の菩提樹）。６ノットで航行するＵボートと同様の雑音を発する。第２次大戦末期に試作されたが、実用化はされなかった。参考：ナチスＵボート、月刊丸5,’07、Ｕボート入門

＜シークレットイーグル＞：第203飛行隊を参照。

＜シークレット・サービス＞：アメリカ財務省に所属する、要人警護及び金融犯罪捜査担当組織。同時多発テロ後、国土安全保障省創設に伴い、その所属に移った。2008年現在、特別捜査官（要人警護及び金融犯罪捜査）3200人、制服警備要員（ホワイトハウス及び外国公館警備）1300人、その他支援要員2000人からなり、国内118ヵ所、国外20ヵ所に支局を持つ。参考：月刊軍事研究11,’08

＜シークレット・スクレル作戦＞：アメリカ空軍B-52爆撃機初の巡航ミサイル作戦任務。デザート・ストーム作戦中の1991年1月16日0730、第２爆撃航空団B-52G爆撃機７機がAGM-86C空中発射型巡航ミサイル39発を搭載し、ルイジアナ州バークスデール空軍基地から離陸、1月17日未明にサウジアラビア領内から35発を発射した。31発が目標を直撃し、他の４発も有効範囲内に着弾している。参考：月刊軍事研究10,’02

＜シーゴ＞：UR100（ICBM）を参照。

＜シーコブラ＞：AH-1J（攻撃ヘリ）を参照。

＜シーコブラ＞： フランス海軍の電子光学センサー。イギリスのチェス・ダイナミクス社が開発した。可視光撮像装置、赤外線撮像装置（使用波長3.7-5ミクロン）、レーザー測距器、ジャイロスコープを一体化しており、可動機構により旋回俯仰する。全備重量37kg。探知距離13km（人間）／20km（小型船舶）、類別距離4km（人間）／8km（小型船舶）、識別距離2km（人間）／4km（小型船舶）。９基を配備した。参考：月刊軍事研究1,’12

＜シーコブラ＞：イタリアのブレダ社が開発したCIWS、Sea Cobra。マウザー社製30mm機関砲Mk30モデルＦ（艦載型）連装砲塔に追尾レーダーを組み合わせたものである。2020年現在、どこにも採用されていない。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、12,’20

＜シーザー＞：R07（駆逐艦）を参照。

＜シーザー計画＞：SOSUS（ソナー）を参照。

＜シーシアン＞：R-29RMU2（SLBM）を参照。

＜シー・ジェット＞：アメリカ海軍研究本部小型実験艇Sea Jet。ズムウォルト級駆逐艦の船体形状と統合電気推進方式のテストのため建造した。ヘリ格納庫と砲を抜いたズムウォルト級を小型化したような形状をしている。全長40.5m、満載排水量122トン。2005年11月からテストに入った。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜シージープ＞：VZ-8シリーズ（垂直離着陸機）を参照。

＜シー・シールド２０１７＞：NATO軍水上部隊が2017年2月1-11日に黒海で実施した水上戦闘艦部隊演習。アメリカ、カナダ（FFH340セント・ジョンズ）、スペイン（F102アルミランテ・ドン・ファン・デ・ボルボン）、トルコ、ブルガリア、ルーマニア（F111マラセスティ、F221レジール・フェルディナンド）から水上艦13隻と潜水艦１隻が参加した。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜シーシャーク・シグマ＞：イギリスのMSIディフェンスシステムズ社が開発した遠隔操作砲塔。シーシャークの改良型で、25mm機関砲M242、エリコン30mm機関砲、LMM多目的ミサイル７発、ミストラル艦対空ミサイル３発などを搭載できる。参考：月刊軍事研究12,’09

＜シージャーズォアン＞：116（駆逐艦）を参照。

＜シー・シャドーズ＞：VQ-5（艦隊航空偵察飛行隊）を参照。

＜シーシャドー＞：S-3哨戒機ファミリーを参照。

＜シー・シャドー＞：IX-529（実験艦）を参照。

＜シージャパン＞：日本で開催されている国際海事展。第10回のシージャパン2012は2012年4月18-20日に東京ビッグサイトで開催され、海自（模型、写真パネル、海賊対処講演）と技本（将来護衛艦コンセプト）が初出展した。参考：朝雲

＜シーシュース＞：イギリス海軍コロッサス級空母６番艦Theseus。1946年2月9日（1月説あり）竣工。1947年8月30日、太平洋艦隊第１空母戦隊旗艦として第14空母航空群シーファイア戦闘機及びファイアフライ戦闘機を搭載してニュージーランドのオークランドに入港。1958年退役。1962年、スクラップとして売却された。参考：月刊世界の艦船2,’21

＜シー・シュライク＞：アメリカ海軍がヴァージニア級攻撃原潜用に開発を予定している兵装モジュールSea Shrike、略称APM（Advanced Payload Module）。ノースロップ・グラマンが担当する。極超音速通常兵器CPSを搭載する説がある。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜シー・ジラフ・シリーズ＞：スウェーデンのサーブ社が開発した艦載レーダー。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜シー・ジラフ＞：対空・対水上捜索レーダーSea GIRAFFE。アンテナは楕円形。使用周波数Ｇバンド、ピーク出力15-60kW、パルス繰り返し周波数1000-1700pps、走査回数毎分30または60回。探知距離100km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜シー・ジラフ１Ｘ＞：三次元レーダーSea Giraffe 1X。アンテナは毎分60回転する。使用周波数Ｘバンド。最大探知距離100km。参考：月刊軍事研究1,’17

＜シー・ジラフ４Ａ＞：三次元対空捜索レーダーSea Giraffe 4A。陸上用ジラフ4Aを艦載化したもので、ほぼ正方形のアクティブ・フェイズド・アレイ・アンテナ（使用周波数S/E/Fバンド）を毎分30回転または毎分60回転または固定で仰角70度までの走査を行う。船体動揺は電子的に修正する。対空・対水上目標捜索追尾、ジャミング源追尾、ヘリコプター識別、射撃管制、対ロケット／臼砲弾レーダーといった機能や、サイドローブ局限、定誤警報率CFAR、特定方向送信、低被探知LPIといったECCM能力を持つ。最大探知距離280-350km。同時対処目標数1000。参考：月刊軍事研究2,’15、1,’17、月刊世界の艦船11,’21

＜シー・ジラフ４A　ＦＦ＞：三次元対空捜索レーダーSea Giraffe 4A Fixed Face。上構内部４面にシー・ジラフ4Aの固定型アクティブ・フェイズド・アレイ・アンテナを配置して全周を監視する。参考：月刊軍事研究5,’18

＜シー・ジラフ５０＞：２次元対空・対水上捜索レーダー。アンテナは略楕円形ディッシュ・パラボラ型で、毎分30または60回転する。使用周波数Ｃバンド（5.4-5.9GHz）、ピーク出力15kW、パルス繰り返し周波数1000-7000pps、探知距離100km。ストックホルム級哨戒艇に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シー・ジラフ１５０ＨＣ＞：２次元対空・対水上捜索レーダー。アンテナは略楕円形ディッシュ・パラボラ型で、毎分30または60回転する。使用周波数Ｃバンド（5.4-5.9GHz）、ピーク出力60kW、パルス繰り返し周波数1000-7000pps、探知距離100km。イェーテボリ級コルベット、オーストラリア海軍アンザック級フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シー・ジラフ１８０＞：アンテナはアクティブ・フェイズド・アレイ式。探知距離180km。カナダ海軍ハリファックス級フリゲートの改装で搭載された。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜シー・ジラフＡＭＢ＞：三次元対空・対水上捜索レーダーで、AMBはAgile Multi Beamの略。ジラフAMB車載レーダーの艦載版で、探知追尾・弾着観測も可能であり、艦内FCS経由で砲やミサイルの管制にも使用され、艦載ヘリの管制も行える。フェイズド・アレイ・アンテナを使用したマルチビーム（電波ビーム12本）方式で、サイドローブは極限してあり、周波数アジリティにより電子妨害にも強い。進行波管を使用した高出力送信モードの他に、低出力送信のLPIモードがあり、被探知率を下げることもできる。毎分30回（通常時）または60回（防空時）の機械的旋回で全周を捜索し、上下方向の覆域は仰角0-70度である。船体動揺に対し、ロール25度・ピッチ10度までの電子的自動修正を行える。使用周波数Ｃバンド（5.4-5.85GHz）、ピーク出力25kW。捜索距離は30km/60km/100km/180kmの切り替え式。最大探知高度20000m。探知追尾目標数200（対空）／400（対水上）／50（電波妨害源）。スウェーデン海軍ヴィスビー級コルベット、UAE海軍バイヌナ級コルベット、シンガポール海軍ヴィクトリー級コルベット、フィリピン海軍グレゴリオ・デル・ピラル級フリゲートに搭載された。また、インディペンデンス級LCSにもAN/SPS-77(V)1という制式名で搭載されている。参考：月刊軍事研究3,’14、3,’17、12,’07、5,’18、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シー・ジラフＬＴ＞：シー・ジラフAMBの軽量化型で、LTはLight weighTの略。二次元レーダーに簡易化し、アンテナを矩形スロット・アレイ式に変更、アンテナ部分の重量を250kgに軽量化した。毎分30または60回転して全周を捜索し、仰角0-30度をカバーする。使用周波数Ｃバンド（5.4-5.85GHz）、ピーク出力25kW。捜索距離は40km/100km/180kmの切替式。参考：月刊軍事研究3,’14、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シー・スカウト＞：MQ-8B（無人機）またはP253（潜水艦）を参照。

＜シースキミング＞：海面上を低高度（概ね20-30m以下）で飛翔すること。艦船から見て水平線の下に潜っているうちは艦載センサーで発見できないため、気付かれないまま距離20-40kmくらいまで接近できる。水平線の上に出ても、シー・クラッターなどに紛れるので、やはり発見されにくい。ただしシースキミングしている方も目標が水平線の下にあるうちは相手を発見できないので、水平線上に出てきた目標をシーカー視野内に確実に収めるための手段（ポップアップによるシーカー捜索範囲増大、他センサーからのデータリンクによる目標位置情報取得など）を講じる必要がある。参考：月刊軍事研究6,’07、月刊世界の艦船3,’18、戦闘機のしくみ

＜シースキミング・モジュール＞：ニシャンMk2TJ（飛翔体）を参照。

＜シースキャン＞：IAI1124ファミリー（洋上哨戒機）を参照。

＜シースキュア・シリーズ＞：イギリス海軍のヘリコプター（リンクスなど）用短射程空対艦ミサイルSea Skua。1980年代初めから運用されており、フォークランド紛争や湾岸戦争で使用され、哨戒艇などを撃沈した。後に哨戒艇クラスにも装備できる艦載型も開発され、クウェート海軍の高速ミサイル艇に搭載されている。2017年3月24日、イギリス海軍リンクスHMA.Mk8が退役したのに伴い、イギリス海軍での運用を終了した。参考：月刊JWings4,’02、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’05、月刊航空ファン6,’17

＜シースキュアＭｋ．１＞：全長2.5m、直径0.25m、翼幅0.72m、重量147kg、弾頭重量35kg。誘導方式はSARフェランティ社製シースプレー・レーダー・シーカーによるセミアクティブ・レーダー誘導で、可動フィンにより飛翔制御を行う。推進は固体ロケット、射程15km。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings4,’02、ザ・マーチ17号

＜シースキュアＭｋ．２＞：射程延伸型。参考：月刊JWings4,’02

＜シースター＞：T-33シリーズ（練習機）を参照。

＜シースター＞：イスラエルのエアロナティック・ディフェンス・システムズ社が開発したUSV。主任務として湾内の警備や臨検警戒などを想定している。全長11m、全幅3.5m、重量６トン。推進はウォータージェット、巡航速力45ノット、作戦行動範囲300海里。ペイロード0.25トン（2.5トン？）。FLIRと安定化装置付き12.7mm機銃を搭載する。参考：月刊軍事研究10,’05、9,’06

＜シースター・システム＞：イスラエルのエアロナティック・ディフェンス・システムズ社が開発したUSVシステム。ターミナル１基でシースターUSV数隻を制御する。アンゴラとナイジェリアに配備される予定。参考：月刊軍事研究9,’06

＜シースタリオン＞：CH-53シリーズ（ヘリ）を参照。

＜シー・ステート＞：Sea State、波浪階級。波浪状態を表す尺度である。参考：月刊軍事研究11,’06、9,’13

　＜シー・ステート０＞：海面に波が無い状態。参考：月刊軍事研究11,’06

　＜シー・ステート１＞：波高0-0.1m。参考：月刊軍事研究9,’13

　＜シー・ステート２＞：波高0.1-0.5m。参考：月刊軍事研究9,’13

　＜シー・ステート３＞：波高0.5-1.25m。参考：月刊航空情報8,’12

　＜シー・ステート４＞：波高1.25-2.5m。参考：月刊軍事研究11,’06

　＜シー・ステート５＞：波高2.5-4m。参考：月刊軍事研究11,’06

　＜シー・ステート７＞：波高6-9m。参考：月刊航空ファン11,’19

＜シー・ストリーク＞：イギリスが開発中の艦対空ミサイル。全長1.4m、直径0.27m。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ4.5、射程7km。誘導はレーザー・ビーム・ライディング。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜シー・スパイダー＞：ドイツのアトラス・エレクトロニク社が開発したアクティブ魚雷防御装置（対魚雷用魚雷）Sea Spider。全長2.25m（1.94m？）、直径0.21m、重量107kgの小型魚雷で、先端に傘状のパーツが付いている。専用の４連装発射機や潜水艦用専用発射管の他、NGDSデコイ発射機やRAM艦対空ミサイル発射機、既存の潜水艦用魚雷発射管、潜水艦専用外装発射管などに装填され、爆発しても自艦に被害が及ばない距離までロケットブースターにより射出され、アクティブ／パッシブソナーにより敵魚雷を探知、固体燃料ロケットで水中を進み、破壊する。212A型潜水艦に搭載された。カナダ海軍にも売り込みを図っており、2019-23年にカナダのマゼラン・エアロスペース社と改良型を共同開発することになった。参考：月刊軍事研究6,’15、2,’07、4,’07、月刊丸2,’12、月刊世界の艦船1,'15増刊、7,’19

＜シー・スパロー艦対空ミサイル＞：RIM-7シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜シースパロー関連器材維持部品＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究3,’17

＜シー・スパロー・システム＞：アメリカ海軍の個艦防空用短距離艦対空ミサイルシステム。1964年から開発された。参考：丸スペシャルNo.77

　＜ＢＰＤＭＳ＞：第１世代で、Basic Point Defense Missile Systemの略。当初BPDMSとして予定していたMIM-46モーラー地対空ミサイルの艦載型の開発が頓挫したが、1967年のエイラート撃沈を受けて個艦防空システムの必要性が高まったため、あり合わせのシステムを流用して急遽完成させた。アスロック発射機を流用したMk25旋回型発射機、AIM-7空対空ミサイルを流用したRIM-7Eシー・スパロー艦対空ミサイル、F-4ファントム戦闘機のイルミネーターを流用したMk51（Mk115？）手動式イルミネーター・レーダー、Mk115射撃指揮装置などから構成される。対空レーダーで目標を捕捉すると、データがFCSに送られ、オペレーターにより射撃諸元が手動で計算される。そのデータはイルミネーター・レーダーに送られ、オペレーターが手動で目標をロックオン。ミサイル発射機もレーダーと同調して旋回俯仰しつつ発射態勢を取り、ミサイル本体に目標諸元が入力される。発射後、ミサイルはまずレーダー照射線の上方を飛翔し、ロケットが燃え尽きると下降して目標に向かう。手動操作部分が多く、実用性はそれほど高くなかった。1967年、空母CVN-65エンタープライズの改装時に最初に搭載された。参考：艦船メカニズム図鑑、丸スペシャルNo.77、月刊軍事研究12,’02、月刊世界の艦船4,’14、3,’05、1,’20

　＜ＮＳＳＭＳ＞：NATO軍共用型、Mk57 NATO Sea-Sparrow Missile System。BPDMSの改良型としてアメリカ、イタリア、オランダ、デンマーク、ノルウェー、ベルギーが1968年から共同開発したもので、1972年3月に初の試射が行われ、1973年に評価試験が実施されて生産に移され、ノルウェー海軍KNMバーゲンを皮切りにNATO各国で使用された。小型軽量のMk29旋回型発射機、RIM-7Hシー・スパロー艦対空ミサイル、Mk91ミサイル射撃指揮システム、Mk95遠隔操作式イルミネーター・レーダーなどから構成され、迎撃処理が完全自動化されている。オランダはFCSとしてWMシリーズを開発し、イタリアも自国製のものを使ってシステムにアルバトロスという名称を付けた。後にミサイルがRIM-7M/-7P/-7Rなどに改良され、VLSも使用可能としている。韓国は韓国製KDCOM�T戦闘システム、STIR-180レーダー、Mk48VLS、RIM-7Mを組み合わせた。参考：丸スペシャルNo.77、月刊軍事研究12,’02、ザ・マーチ23号、月刊世界の艦船1,’15、12,’18、4,’19

　＜ＩＰＤＭＳ＞：改良型で、Improved Point Defence Missile Systemの略。NSSMSにMk23目標捕捉システムを追加したもので、NTDSとリンクしつつ８目標に同時対処できる。スプルーアンス級から装備された。参考：丸スペシャルNo.77、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船12,’21

＜シー・スパロー・システム海外シリーズ＞

　＜シー・スパロー・ミサイル・システム１型＞：海上自衛隊しらね型護衛艦用。BPDMSの人力操作式Mk115射撃指揮装置をレーダー自動追尾式WM-25射撃指揮装置に換装したもので、Mk25Mod1発射機とRIM-7EミサイルはBPDMSと同じである。OPS-12対空レーダーまたはOPS-28対水上レーダーで目標を探知すると目標指示装置TDSがデータを処理して発射諸元をWM-25に送り、WM-25が目標追尾を開始、ミサイルを目標に向ける。参考：丸スペシャルNo.77、月刊世界の艦船5,’14

　＜シー・スパロー・ミサイル・システム２型＞：海上自衛隊はつゆき型護衛艦用。NSSMSの改良型で、79式射撃指揮装置２型12、Mk29Mod0発射機（1-5番艦）／GMLS-3発射機（６番艦以降）、RIM-7E-5ミサイル（RIM-7Hと同等）からなる。OPS-14B対空捜索レーダーで目標を探知すると、OYQ-5目標指示装置がデータを処理して79式射撃指揮装置２型12に送り、これが目標を追尾してミサイルを目標に向ける。後にミサイルをRIM-7F/-7Mに換装した。参考：丸スペシャルNo.77、月刊世界の艦船1,’20

＜シースパローミサイルＲＩＭ−７Ｍ用訓練頭部＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜シースプライト＞：UH-2シリーズ（ヘリ）を参照。

＜シー・スプリント＞：GECマルコーニ社が開発中のCIWS。可視光テレビ、8-12ミクロン帯の赤外線暗視装置、波長1.06ミクロンのレーザー測距器からなるセンサーと、炭酸ガスレーザー誘導装置、センサー両脇のシー・スプリント艦対空ミサイル４連装発射機２基、安定化旋回俯仰架台から構成される。ミサイルはADATSをベースにしており、全長2.05m、直径0.152m、重量51kg。弾頭は成型炸薬と破片の両用型で、弾頭重量12.5kg。信管は電波近接信管と機械式着発信管。最大速度マッハ３以上、旋回性能60G、射程400-8000m、最大射高4000m。参考：月刊軍事研究3,’99

＜シースプレー７３００＞：セレックスES社が開発した海洋監視用AESAレーダー。長距離捜索追尾、トラック・ワイル・スキャン、SAR、ISARといったモードを持ち、全周捜索が可能で、探知距離590海里（気象モード）／200海里（地上・海面捜索）、同時目標追尾数200。参考：月刊JWings5,’15

＜シーズベッヒャー＞：ドイツ国防軍小銃てき弾発射機。Kar98k小銃、MP43/1突撃銃、StG44突撃銃に装着し、てき弾を中に入れ、Ｇ弾（空包）を使用して発射する。使用弾は対人てき弾、対戦車弾（大小２種）、発煙弾、照明弾、宣伝弾（ビラが入っている）、演習弾などで、全長140mm、直径30mm。対人てき弾は着発信管の他に遅延時間11秒（4.5秒？）の遅延信管が付いており、底部のプラグを捩れば手榴弾としても使用できる。射程500m。対戦車大型てき弾は射程100m、装甲貫徹力80mm（弾着角30度）。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜シーズベッヒャー海外シリーズ＞

　＜タテ器＞：日本軍小銃てき弾発射機。二式穿甲銃榴弾を発射する。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、月刊PANZER11,’86

＜シー・スライス＞：アメリカ海軍研究局とロッキード・マーチン社が開発した変形SWATH型船体実験艦Sea Slice。涙滴型の水中全没ポッド（長さ12.2m、直径2.4m）を船体舷側下部前後に計４基装着している。水線部面積が少ないため、航跡が小さい。後甲板は平らで、兵装モジュールを装備可能。全長32m、全幅16.8m、吃水4.3m、満載排水量180トン。主機はディーゼル２基、出力6850馬力、推進は前部ポッド後端のプロペラ、巡航速力23-27ノット、最大速力31ノット／30ノット（波高4m時）。1997年竣工。2002年7-8月、艦隊戦闘訓練ジュリエットに参加し、モジュール兵装を積み換えて対機雷戦訓練や水陸両用作戦訓練を行った。参考：月刊世界の艦船7,’11、月刊軍事研究2,’04

＜シースラグ・シリーズ＞：イギリス海軍初の艦対空ミサイルSeaslug。1943年から開発され、実験艦ガールド・ネスで試験が行われ、1950年代後期に概ね完成し、1961年に発射テストを完了してカウンティ級ミサイル駆逐艦に搭載された。弾体とランチャーはアームストロング社製、誘導装置はGE社及びスペリー社製である。システムが大がかりで装弾数が少ない、誘導方式が小型高機動目標に向かないといった欠点があり、搭載艦は早々と第一線から退いた。余ったミサイルも1982年に全てチリ海軍に売却したらしい。参考：月刊丸2,’07、月刊世界の艦船5,’86、6,’16、11,’17

　＜シースラグＭｋ１＞：本体周囲に固体燃料ロケットブースター４本を装着している。普段は艦内前部の弾庫にミサイル24発が水平位置で格納されており、使用時に引き出して整備区画に送り、艦内通路を移動させる間に安定翼や誘導翼を取り付け動作チェックを行い、艦後部の枠型発射機に装填する。目標１機を撃墜するのに３発必要と計算されたため、当初は３連装発射機を検討したが、大型大重量すぎるとして連装発射機とした。全長6m、直径0.41m、翼スパン1.44m、重量900kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ1.8-2、射程24km（28km？30km？24海里以上？25海里？）、最大射高50000フィート（15240m）。誘導は901M型レーダーによるレーダー・ビーム・ライディング方式。参考：月刊丸2,’07、月刊世界の艦船12,'21、5,’86、6,’16

　＜シースラグＭｋ２＞：射程延伸型。誘導もセミアクティブ・レーダー方式に変更しており、低空目標対処能力や、ある程度の対艦攻撃能力も持つ。フォークランド紛争では駆逐艦D18アントリムがミサイルを弾道飛行させてポート・スタンレー飛行場への対地攻撃を行った。射程43km。参考：月刊丸2,’07、月刊世界の艦船5,’86、6,’16、12,’21

＜シー・スワップ方式＞：乗員の休養のために艦船ごと母港に戻るのは手間がかかるので、艦船は展開場所に置いておき、乗員だけを交替させる方式。2002年からアメリカ海軍が試みており、艦船の展開日数を３割強増加できたが、外国の港での休養が減って仕事が増え、艦に対する愛着が失われて整備が雑になったため、再検討中である。参考：月刊軍事研究5,’05

＜シー・ゼニス＞：エリコン社製４連装92口径（65口径？）25mm機関砲Sea-Zenith（海の頂上）。エリコン社製25mm機関砲KBBを４門纏めて架台に搭載している。砲塔重量4.6トン＋給弾機構2.15トン（総重量5.45トン？）。砲口初速毎秒1355m（1470m？）、弾種はAMDS（対ミサイル用装弾筒付砲弾）、APDS-T、APP-T、HE-I、TP-T、TPで、発射速度は１砲身あたり毎分850発、搭載弾数1660発、有効射程1000m以下、最大射程2000m。砲架は旋回軸を垂直から35度傾けてあり、旋回角左右200度ずつ、旋回速度毎秒143度、俯仰角マイナス14度からプラス127度、俯仰速度毎秒143度と高速追尾が可能で、1.6-2秒のバースト射撃を行い、シースキミング・ミサイルからハイダイブ・ミサイルまで迎撃できる。シー・ガードCIWSとして艦船に搭載される。参考：ザ・マーチ18号、月刊世界の艦船1,'15増刊、8,’82増刊、12,'20、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’02、月刊丸3,’90

＜シーセプター＞：CAMM（対空ミサイル）を参照。

＜シーセンチュリオン＞：イギリス海軍補助艦艇部隊の短期戦略海上輸送用艦船。1998年11月に引き渡された。全長599フィート（182.6m）。速力22.5ノット、航続距離6000海里。乗員17名。参考：月刊軍事研究2,’02

＜シー・セントー＞：2170型（魚雷防御装置）を参照。

＜シーソー型ローターヘッド＞：Seesaw rotor。偶数枚のローターブレードをジンバルリング式ローターハブと一体結合し、ローターシャフトとローターハブ中心をフラッピング・ヒンジ（AH-1/UH-1ではローターハブ・トラニオンと称する）で連結、フラッピング・ヒンジの線より下にフェザリング・ヒンジの線を位置させ、ローターハブをローターシャフトに吊り下げたもので、リード・ラグ・ヒンジは省略する。つまり半関節型ローターの一種で、フラッピング・ヒンジとフェザリング・ヒンジの位置関係はローターブレードがフラッピングした際の幾何学的不平衡を防止する目的がある。向かい合わせのローターブレードがシャフトを介してシーソーのように反対向きに上下（フラッピング）するためこの名がある。ローターハブを吊り下げているので吊り下げ式ローター（Underslung rotor）ともいう。ローターブレードは平均コーニング角を以てローターハブに取り付けられており、２翅ローターではローターブレードの周期的ピッチ量を常に等しくするため、制御リンクを追加する。シーソー運動が発生した際、駆動軸とローターコーン中心軸との角度差に応じて１回転あたり２回のトルク変動が起きるので、ローター構造をエンジンやトランスミッションごと機体構造から離して支持することが多い。ローターハブがフェザリング・ヒンジと一体で周期的フェザリングを起こすので、全関節型ローターのようなローターの幾何学不均衡を無くすことができる。リード・ラグ・ヒンジ省略により構造が単純になり、軽量化でき、機動性も高くなるが、ループ（宙返り）はできない。ローターブレードのフラッピングやラグ運動により、ブレード付け根への過度な負荷が生じるという欠点がある。ベル47、UH-1、AH-1、OH-23／ヒラー360などが使用している。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No34、月刊JWings10,’09別冊付録、10,’19

＜ジーソミア＞：軍事情報包括保護協定を参照。

＜シーゾンデ＞：アメリカのコダール社が開発した海面状況監視レーダーSeasonde。短波を使用するレーダーで、地上に設置する送信アンテナ１基と受信アンテナ１基からなり、潮流や海面データの計測に使用される。使用周波数11.5-14MHzまたは24-27MHz（距離20-60km）／4.3-5.4MHz（100km超）、最大監視距離200km、距離精度0.5-3km（測定距離20-60km）／3-12km（100km超）。参考：月刊軍事研究4,’11

＜シーダーストロム＞：DE-31（護衛駆逐艦）を参照。

＜シーダート＞：GWS30（艦対空ミサイルシステム）またはYF2Yシリーズ（超音速水上機）を参照。

＜シー・タイガー＞：DRBV15（レーダー）またはNFH-90シータイガー（ドイツ海軍）を参照。

＜シータス計画＞：イギリス海軍大型無人水中艇開発計画Project Cetus。甲板は２層で、モジュラー化ペイロード収容部を持つ。全長12m、直径2.2m、重量17トン。航続距離1000マイル。貨物コンテナに収容できる。参考：月刊世界の艦船2,’23

＜シーチーフテン＞：イギリス海軍補助艦艇部隊の短期戦略海上輸送用艦船。1998年11月に引き渡された。全長599フィート（182.6m）。速力22.5ノット、航続距離6000海里。乗員17名。参考：月刊軍事研究2,’02

＜シーチャチョワン＞：116（駆逐艦）を参照。

＜シー・チャパラル＞：RIM-72F（艦対空ミサイル）を参照。

＜シーチャン＞：82（航空練習艦）を参照。

＜シーチャン級＞：世昌級（航空練習艦）を参照。

＜シーチャン級＞：タイ海軍戦車揚陸艦Sichang級。フランスが設計してタイで建造した。艦首にバウ・ドアとランプ、艦後部にヘリ甲板を持つ。満載排水量4235-4520トン。小型揚陸艇４隻、戦車14両、揚陸隊員384名を搭載できる。スリンなど２隻が1987-88年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’11、12,'20

＜シーツ・オン薬莢＞：ストレート薬莢を参照。

＜シー・デイズ＞：イギリスのスタッフ・カレッジが毎年実施している公開演習Sea Days。イギリス軍の幕僚候補に海軍の実力を展示するのが目的である。参考：月刊世界の艦船1,’02

　＜シー・デイズ２００１＞：2001年10月15-16日に開催された。42型駆逐艦バッチ３D98ヨーク、23型フリゲートF-239リッチモンド、F-231アーガイル、F-229ランカスター、ハント級掃海艇M34ミドルトン、サンダウン級掃海艇M110ラムゼイ、ニムロッド対潜哨戒機、ホーク練習機、E-3D早期警戒管制機、マーリン対潜ヘリ、シーキング対潜ヘリが参加している。参考：月刊世界の艦船1,’02

＜シー・ディフェンダー＞：UMS4550（魚雷防御装置）を参照。

＜シー・ディフェンダー＞：ベルギーのFNハースタル社が開発した遠隔操作機銃システムSea deFNder。ディフェンダー車載遠隔操作兵装ステーションの艦載版で、5.56mm機銃M249、7.62mm機銃M240（即応弾1000発）、12.7mm機銃M2（即応弾500発）、40mm自動てき弾発射機AGLを搭載できる。安定化旋回架台右にEO/IRセンサーを持つ。全周旋回可能、旋回速度毎秒90度、俯仰角マイナス40度からプラス70度、俯仰速度毎秒60度。カストール級哨戒艇に12.7mm版が搭載された。参考：月刊軍事研究2,’15、月刊世界の艦船1,’21

＜シー・デビル＞：P244（Ｓ級潜水艦第２グループ）またはSS-400（ガトー級潜水艦）またはSSN-664（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜シーデボンＭｋ．２０＞：イギリス海軍輸送機。デハビランド社製DH104ダブ４を採用したものである。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜シード＞：SEADを参照。

＜シー・ドッグ＞：P216（Ｓ級潜水艦第２グループ）またはSS-401（ガトー級潜水艦）を参照。

＜シートヒップ・ラペル＞：ラペリングを参照。

＜シードラゴン＞：MH-53E（ヘリ）またはSS-194（新Ｓ級潜水艦）またはSSN-584（スケート級攻撃原潜）を参照。

＜シードラゴン＞：艦載CIWS。口径30mmの７砲身機関砲で、発射速度は１門あたり毎分600発、砲口初速毎秒1150m。俯仰角マイナス25度からプラス85度。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜シードラゴン＞：アメリカ海軍の固定翼哨戒機多国間共同訓練。参考：朝雲

　＜シードラゴン２０２０＞：2020年1月20-31日、グアム島周辺海域で実施された。アメリカ海軍、オーストラリア空軍、海上自衛隊（初参加。第５航空隊P-3C哨戒機１機と隊員30名）、韓国海軍、ニュージーランド海軍が参加し、対潜戦訓練を行っている。参考：朝雲

　＜シードラゴン２０２１＞：2021年1月14-28日、グアム島周辺海域で実施され、アメリカ、インド、オーストラリア、海自第１航空群P-1哨戒機２機、カナダが参加し、対潜戦訓練を行った。参考：朝雲

　＜シードラゴン２０２２＞：2022年1月2-20日、グアム島周辺海域で実施され、アメリカ、インド、オーストラリア、海自第４航空群第３航空隊P-1哨戒機２機と隊員50名、カナダ、韓国が参加し、対潜戦訓練を行った。参考：朝雲

　＜シードラゴン２０２３＞：2023年3月13日から3月30日、グアムと周辺海空域で実施され、アメリカ、インド、海自第１航空隊P-1哨戒機と人員40名、カナダ、韓国が対潜戦訓練を行った。潜水艦模擬標的に対する短魚雷攻撃競技でP-1哨戒機が優勝している。参考：月刊世界の艦船6,’23

　＜シードラゴン２０２４＞：2024年1月8-24日、グアム島周辺海空域で実施され、海上自衛隊から第３航空隊P-1哨戒機と隊員40名が参加、対潜戦訓練を行った。参考：月刊世界の艦船4,’24

＜シードラゴンズ＞：VAH-3（重攻撃飛行隊）またはRVAH-3（偵察攻撃飛行隊）を参照。

＜シー・トリニティ＞：トリニティ・システム（機関砲）を参照。

＜シードルフィン／ワイルドキャット級＞：韓国海軍高速哨戒艇Sea Dolphin/Wildcat級。名称の違いは建造所の違いで、韓国海軍の正式名称は大鷲（チャムスリ、Chamsuri）級らしい。全長37m、幅6.9m、吃水1.7m、満載排水量148-150トン。主機はディーゼル２基２軸6000馬力、最大速力37ノット（38ノット？）。兵装はボフォース40mm単装機関砲、エマーソン30mm連装機関砲EX-74、エリコン20mm連装機関砲、12.7mm機銃で、バリエーションが多い。乗員31名。1978-80年代にPKM-288やPKM-353など90隻弱（100隻以上？）が建造され、一部はフィリピン海軍にも引き渡された。2002年6月29日に黄海で北朝鮮の警備艇と交戦、１隻が曳航されて帰還する途中に沈没した。後継としてPKX(B)を20-34隻くらい建造する予定。参考：月刊世界の艦船4,’09、7,’13、9,’17、9,’01、1,'15増刊、10,’17、月刊軍事研究5,’05

＜シー・トレイン＞：DARPAのUSV開発計画Sea Train。航続距離14000海里を目指すもので、2020年9月に契約をギブス＆コックス社、アプライド・フィジカル・サイエンス社、Inmarテクノロジーズに発注した。参考：月刊世界の艦船2,’21

＜ジーナ＞：SINA（通信暗号化システム）を参照。

＜シー・ナイト＞：AH-1S C-NITE攻撃ヘリ（陸上自衛隊）を参照。

＜シーナイト＞：CH-46シリーズ（ヘリ）を参照。

＜シー・ナット＞：NATO標準130mm艦載チャフ・フレア・デコイカートリッジ。NATOが1970年代から開発し、1980年代に実用化した。Mk214/Mk216チャフ・カートリッジ、Mk245フレア・カートリッジ、Mk251アクティブ・デコイ・カートリッジがある。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シー・ナット・システム＞：イギリス海軍の艦載チャフ・フレア・デコイ発射システム。DL発射機シリーズにシー・ナットを搭載する。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ジーニー＞：AIR-2A（空対空ロケット）を参照。

＜シーニム＞：AKA-63（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜シーニン＞：108（旅大�T型駆逐艦）または171（052C級駆逐艦）またはFF1203（フリゲート）を参照。

＜シー・ニンフ＞：P223（潜水艦）を参照。

＜シーノサス＞：K360（コルベット）を参照。

＜シーバー＞：CBAAR（レーダー）を参照。

＜シーパー＞：SEAPAR（レーダー）を参照。

＜ジーハウ＞：日本海軍士官のスラングで、娼婦宿のこと。ジーのハウスの略。参考：帝国陸海軍事典

＜シーハーク＞：KC-130J（空中給油機）を参照。

＜シーパイク＞：ドイツのアトラス・エレクトニク社が開発中のロケット投射式低価格対潜魚雷Seapike。イタリア製A200対潜魚雷にロケットを取り付けたもので、母艦から投射されるとパラシュートで着水、送信音響ビーム１本と受信音響ビーム４本で前方半頂角42度・距離300mの円錐範囲を捜索し、発見した潜水艦を撃破する。全長2.3m、直径0.14m、重量56kg。対潜魚雷は全長0.88m、直径0.124m、重量12kg、炸薬重量4.5kg。バッテリーによる電動モーター推進、最大雷速17ノット、射程700m。参考：月刊軍事研究2,’07、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シーバスター＞：88式地対艦誘導弾または88式地対艦誘導弾システムを参照。

＜シーバスター弾頭＞：防衛装備庁陸上装備研究所が開発中の対艦弾頭。CIWSの防御が薄い艦艇上方からハイダイブで突入し、先駆弾頭で装甲甲板に穴を開け、主弾頭により艦艇深部を破壊するというコンセプトである。参考：月刊JWings2,’19

＜シーバット・シリーズ＞：デンマークのレゾン社が開発した小型軽量高解像度ソナーSeaBat。小型船やUSVに取り付け、フロッグマンや吸着機雷の探知などに使用する。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜シーバット７１１２＞：全周に周波数100kHzの音波を送信し、音波ビーム208本を受信する。送信アレイは直径12mm、高さ100mm、受信アレイは直径533mm、高さ122mm。最大探知距離1000m、距離分解能37.5mm。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜シーバット７１２８＞：送信アレイは240×86×99mmで重量4.5kg、受信アレイは102×496×131mmで重量9.6kg。使用周波数は200kHzまたは400kHzで、俯仰27度・旋回128度の範囲に音波を送信し、俯仰30度・旋回0.5-1度のマルチビームとして受信する。距離分解能25mm、角度分解能0.5-1度、最大探知距離500m（200kHz）／200m（400kHz）。参考：月刊軍事研究12,’09、4,’11

＜シーハブ＞：２ハブプラス３サイト体制を参照。

＜シーハリアー＞：ハリアー・シリーズ（VTOL攻撃機）を参照。

＜シー・バリオルＴ．２１＞：イギリス海軍高等練習機。ボールトン・ポール社が1950年から生産した。参考：月刊JWings5,’23

＜シーハリケーン・シリーズ＞：イギリス海軍艦上戦闘機。ハリケーン戦闘機の艦上型で、1941年にチャーチルから製作命令が出された。参考：月刊JWings8,’00

　＜シーハリケーンＭｋ．�TＡ＞：CAMシップ向け、別名ハリキャット。カタパルトスプールを持つが、着艦フックは無く、陸上基地に帰還するか不時着水・落下傘降下するしかない。1941年から50機が生産され、商船護衛に就いた。参考：月刊JWings8,’00、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜シーハリケーンＭｋ．�TＢ＞：着艦フックを備えたもの。ハリケーンMk.�Tから300機、ハリケーンMk.�UＡから25機が改造された。MACシップに配備され、対ソ援助輸送船団PQコンボイの護衛に活躍している。参考：月刊JWings8,’00

　＜シーハリケーンＭｋ．�TＣ＞：武装を20mm機関砲４門に換えたもの。1942年３月から投入された。参考：月刊JWings8,’00

　＜シーハリケーンＭｋ．�UＢ＞：ハリケーンMk.�UＢの艦上戦闘機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜シーハリケーンＭｋ．�UＣ＞：ハリケーンMk.�UＣの艦上戦闘機型。陸上型からの改造でなく、新規に生産された。全長9.46m、全幅12.19m、全備重量3550kg。エンジンはロールスロイス社製マーリン20（1480馬力）単発、最大速度547km、実用上昇限度10800m、航続距離740km。固定武装は20mm機関砲４門。乗員１名。参考：月刊JWings8,’00、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜シーバリュー＞：AN/APS-134（レーダー）を参照。

＜シーバルカン・シリーズ＞：20mmバルカン砲シリーズ／ファミリーの艦載型。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜シーバルカン２０＞：別名EX-84。３砲身20mmバルカン砲M197を遠隔操作砲塔に搭載している。マウント重量435kg。旋回率毎秒80度、俯仰角マイナス10度からプラス55度、俯仰率60度。初速毎秒1030m、発射速度毎分750-1500発。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜シーバルカン２０Ｐ＞：６砲身型20mmバルカン砲M61シリーズをピントル・マウントまたは密閉砲塔に搭載したもの。操作は人力。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜Ｍｋ２５＞：7.62mmミニガン搭載型。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜シーバルカン２５＞：25mmガトリング砲搭載型。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜シーバルカン３０＞：30mmガトリング砲GAU-8/A搭載型、別名EX-83。架台に機関砲関連兵装のみ取り付けてあり、目標捜索追尾はシータイガーやカストール�UＪといった別のレーダーで行う。装弾数1190発。精度1.2ミル。ゴールキーパーCIWSの原型にもなった。参考：ザ・マーチ42号、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜シーバルカン海外シリーズ＞

　＜ＪＭ６１−Ｍ＞：海上自衛隊艦載バルカン砲。シーバルカン20Pを採用したもので、住友重機械工業（以前は日特金属）がライセンス生産した。口径20mm、砲身長76口径、マウント重量300kg。最大仰角85度。砲弾重量100g、初速毎秒1100m、有効射程1500m、最大射程4500m。発射速度毎分450発。給弾は100発ベルトリンク方式。VASSを構成する。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、10,’19、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、自衛隊装備年鑑1996、丸スペシャルNo.75

　＜ＪＭ６１−ＲＦＳ＞：海上自衛隊艦載遠隔操作式バルカン砲。JM61-Mを安定化装置付き動力無人砲塔に搭載したもので、上部に赤外線カメラを持つ。総重量1.5トン（弾薬300発含む）。射程4500m、発射速度毎分450発。ミサイル艇１号型、掃海艇MSC-606はつしま、あわじ型掃海艦に搭載された。海上保安庁巡視船にも装備しているものがある。参考：月刊世界の艦船3,’10、1,’95、10,’19

＜シーパワー＞：各国が海洋に及ぼす戦略的影響力のこと。海軍力に加え、民間船腹量、シーレーン防護能力、海洋調査力、海洋開発力などを総合的に判断する。参考：日本の防衛戦力Part3

＜シーパワー２１＞：アメリカ海軍がトランスフォーメーションで推進中の計画。シー・ストライク（海から陸上への迅速・精密・持続的攻撃力）、シー・シールド（海上部隊及び本土を含む汎地球防御態勢）、シー・ベーシング（海上基地化と独立性のある統合運用）をフォースネット（海底から宇宙まで全てのセンサー情報を融合し、指揮官やウェポンシステムに提供するネットワーク）で結びつけることにより、高度な作戦能力を有する。参考：月刊世界の艦船1,’10、月刊軍事研究10,’07

＜シーハン＞：DE-541（護衛駆逐艦）を参照。

＜シー・パンサー＞：SS-528（潜水艦）を参照。

＜シー・ハンター＞：DARPAがLCS対潜ミッションパッケージ用に開発している無人水上艇Sea Hunter。以前はACTUVという名称で、2016年1月に進水し、4月7日の命名式典でシーハンターになった。小型の外側船体を両側に取り付けた支柱２本を、主船体後甲板に載せた感じの３胴船で、シーステート５でも運用でき、シーステート７でも浮いていられる。主船体は複合材製、上部構造物はアルミニウム製。全自動航行装置、バウ・スラスター、中周波アクティブ／パッシブソナーなどの対潜センサーを装備し、潜水艦を長期間追尾するのが主任務で、対潜兵装は積まない。全長40.2m、幅14.3m、基準排水量135トン、満載排水量145トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基、プロペラ２軸推進、最大速力27ノット、燃料搭載量45トン、航続距離24800km（12ノット。10000海里？）、連続行動日数70日間（90日間？）。実験艇には人が乗る小さい艦橋が付いている。2018年9月までテストを行い、2020年に実用化する予定。運用コストが駆逐艦（人件費など含め１日70万ドル）の30分の１以下（1.5-2万ドル）と激安で、疲れ知らずであり、対潜戦だけでなく対水上戦や対機雷戦などでの捜索追尾や、通信中継装置としての運用も期待され、高度150-450mにセンサーや通信装置を積んだ凧を揚げるTALONS（Towed Airborne Lift of Nacal Systems）の運用実験も行われた。2017年8月、トライデント・ウォーリア演習に参加し、レーザー長距離通信で音声や映像などの各種データを中継する実験に成功した。テスト中にある程度実用化の目途が付いたのか、2017年12月にDARPAでなく海軍研究局ONRから２隻目（シーハンター�U。後にシーホークに改称）が発注され、2018年4月にはシー・ハンターが海軍研究局に移管された。水陸両用作戦などでISR任務、ECM、航空攻撃を担任する安価な無人機を大量に搭載する無人機母艇としての運用も検討されている。2018年秋、サンディエゴとホノルルを自律航行で往復した。2021年4月17-25日、アメリカ海軍無人兵器統合演習Unmanned Systems Integrated Battle Problemに参加。2022年6月29日からリムパック2022に参加。参考：月刊世界の艦船8,’19、7,’16、3,’18、1,’19、6,’19、7,'20、7,'21、9,'22、月刊軍事研究10,’18、2,’17、7,’16、朝雲

＜シーバンパイア＞：DH100シリーズ（戦闘機）を参照。

＜シービーズ＞：アメリカ海軍設営大隊（Naval Construction Battalion）の別名Seabees。由来はConstruction Battalionの頭文字CBにSeaとBeeを当てはめたものである。モットーは”Can Do!”。アメリカ海軍は陸上施設建設を平時には海軍士官の指導の下で民間業者が行っていたが、戦時には民間人を前線で築城作業などに充てる訳にいかないので、第１次大戦時に軍人だけで固めた建築業務連隊を創設したものの、この時は出番が無かった。第２次大戦勃発を受け、再び５個中隊規模の海軍設営隊を1941年10月28日に創設した直後、真珠湾攻撃でアメリカの参戦が決定。12月28日には民間で建設事業従事者だった将兵3000名を集めて海軍設営連隊を実験的に新編したが、海兵師団の隷下などに適宜配属するにはもう少し小規模の部隊の方が良いということで、全く別枠の組織として海軍設営大隊が創設された。兵力は士官30-35名と下士官・兵1100-1200名くらいで、隷下には職種別（木工、土工、金工、重機など）の概ね４個中隊を置き、更に細かい機能別の小隊に分かれていて、展開先で行う工事により編成を変える。多種多様な器材を使うので、指揮官には全器材を漏れなく用意して輸送船に詰め込む能力も求められた。滑走路設営、道路敷設、洞窟陣地攻略器材作成から、腕時計に入れ歯の修理まで、何でもこなしている。太平洋戦争終戦時には人員数250000名に達していた。参考：比島決戦

＜シービクセン＞：DH110シリーズ（戦闘機）を参照。

＜シーピン＞：544（フリゲート）を参照。

＜ジープ＞：AT-9（練習機）を参照。

＜シープ＞：アメリカ陸軍の水陸両用車で、Sea-going Jeepの略。ベースはフォード社製ジープで、上陸作戦にも使用できるよう、車体を延長して舟型にした。水上走行はスクリューで行う。全長4.623m、重量1.647トン。エンジンは水冷４気筒ガソリン（総排気量2200cc、出力54馬力）。乗員４名と貨物0.16トンを載せられる。DUKWに比べて積載量が少ない、ジープと同じ調子で整備せずに放っておいたら故障する、などという文句が付けられて1942年9月から1943年6月に12778両が生産されたに止まったが、実際の性能は高く、1950-51年にオーストラリア人技術者が改造を施した本車で大西洋の横断に成功した。参考：歴史群像10,’08

＜ジープ＞：チャリオット・シリーズ（人間魚雷）を参照。

＜ジープ＞：Jeep。アメリカ陸軍４×４輪小型汎用車両MB・GPWのニックネームで、同様の軍用車両や民間小型四輪駆動車の愛称としても広まり、護衛空母までこの名で呼ばれた。ただしウイリス・オーバーランド社が商標登録しており、第２次大戦後にそのジープ部門をカイザー社から買収したアメリカン・モーターズ・カンパニーAMC（のゼネラル・プロダクツ事業部門カイザー・ジープ社、改称したジープ・コーポレーション、更に改称したAMゼネラル）、AMゼネラルを傘下に入れたLTV社が引き継いでいて、制式名称や商品名としては勝手に使えず、あくまでも「愛称」である。名前の由来は、General Purpose（汎用）の頭文字GPから説、フォード社製試作車GPから説、アメリカ漫画ポパイに出てくる何でもでき、どこにでも現れ、どこにでも行けるという特技を持つ超能力犬ユージン・ザ・ジープから連想した説、民間自動車修理工場向け万能テスター「ジープ」と同様に万能だから説、鉄道関係者が大出力ディーゼル機関車に付けた愛称ジープを流用した説、アメリカ陸軍が1939年頃から軍用トラック全般に付けていた愛称ジープがこれに特化した説、ミネソタ州陸軍第109補給部隊ジェームス・オブライアン軍曹が所管の大型砲牽引車をジープと呼んでいて、配備されたこの車両をテストした際にこれもジープだと叫んだのが広まった説など、百家争鳴である。参考：THE JEEP、歴史群像2,’01

　＜ジープ（アメリカ陸軍）＞：1939年9月に第２次大戦が勃発し、イギリスやフランスからアメリカに軍需物資援助の寄せられるようになると、野戦用新型戦闘車両の開発機運が高まり、1940年6月にドイツ国防軍が電撃戦でフランスを制圧したことを受け、アメリカ陸軍は機甲部隊・自動車化部隊向けの各種新型車両を開発することになった。その一環として、早速同月に小型偵察車委員会を設立し、不整地踏破力が高く、偵察・連絡・輸送など各種任務に使用できる小型車を開発することとし、100社以上の国内自動車メーカーに４×４輪汎用車輌Generarl Purpose Carの要求書（ホイールベース2.03m、トレッド1.19m、エンジン出力40馬力以上、重機関銃装備可能）を送付。応じたのはバンタム社、ウイリス・オーバーランド社、フォード・モーターズ社の３社で、締め切りに間に合ったのは既製品を流用しまくって9月に試作車を完成させたバンタム社だけだった。ホラバード兵器試験場で１ヶ月のテストを受け合格し、改良試作型のMk�Uに進んで70両が実用試験に供されている。また、ウイリス社とフォード社にもMk�Uと同等の試験車両を作ってもらうことにし、クオッド及びピグミィと命名されてテストが行われた。1941年3月、前量産型の製作が決定し、バンタム社が40BRC、ウイリス社がMA、フォード社がGPを1500両ずつ生産。規格を統一して量産化することになったが、バンタム社は生産能力が低いため脱落し、1941年7月からウイリスMBとフォードGPWが量産された。アメリカ軍は量産型を配備し、前量産型は量産化決定の段階でレンドリース法に基づきイギリスやソ連に送られている。第２次大戦中に639300両（ウイリスMBが361349両、フォードGPWが277896両）が生産された。7.62mm機銃M1919A4または12.7mm機銃M2装備型はガン・ジープ、105mm無反動砲M27装備型はバズーカ・ジープ、前線指揮用または航空機交信用無線機搭載型はラジオ・ジープ、水陸両用型フォードGPAはアンフィビアス・ジープと呼ばれる。第２次大戦で連合軍を勝利に導いた三種の神器の１つ（他の２つはバズーカ砲とC-47ダコタ輸送機）であり、連合軍総司令官ドワイト・Ｄ・アイゼンハワー元帥はジープとC-47輸送機とイーガー・ビーバー（２・1/2トン標準戦術カーゴ・トラックCCKW）無しには勝利が更に困難だった、アメリカ陸軍参謀総長ジョージ・Ｃ・マーシャル元帥はジープとDUKWが第２次大戦で勝利するために最も必要な存在だった、と絶賛した。後継としてM38シリーズ、海兵隊向け小型版M422シリーズ、M38シリーズの後継としてM151シリーズが製作され、見た目からジープと通称されるが、登録商標なので正式ニックネームではない（M151シリーズの正式ニックネームはマットMUTT）。M151シリーズの後継はHMMWVシリーズで、大型化して搭載量が５倍になり、クローズドボディ化で外見も大きく変わったため、ジープではなくHMMWVの語感からハマーHUMMERと呼ばれている。参考：THE JEEP、歴史群像10,’08、月刊PANZER12,’01、2,’12、4・5,’17

＜ジープ海外シリーズ＞

　＜ジープ（陸上自衛隊）＞：警察予備隊発足時にアメリカから中古のウィリスMBとフォードGPWを供与された。民間型なのでウインドシールドが左右に分かれていて、中央に支柱がある。ウインドシールドが大型１枚の軍用型M38が配備された記録は無いが、テスト用に少数導入したらしく、技術研究本部所属車の写真が残っている。警察予備隊時代に1/4トントラックとして国産化し、更に73式小型トラックへと進んだ。73式小型トラック（新）はジープというよりパジェロミニである。参考：月刊PANZER4・5,’17

＜ジープ海外ファミリー＞

　＜武装ジープ（ＳＡＳ）＞：イギリスSASの襲撃車。砂漠での行動用にラジエーターのサージタンクを装備し、ジェリー缶を至る所に搭載、ある程度の単独行動を可能とした。M2重機関銃やヴィッカーズＫ機銃などを3-4丁装備し、後方部隊の襲撃任務に就く。参照：月刊グランドパワー3,’02

＜ジープＧＭＶ＞：ヘンドリック・ダイナミクス社がアメリカ陸軍陸上機動車GMVに提案している４×４輪高機動車Jeep GMV。ジープがベースで、キャビンや荷台の上側面をパイプフレームで覆った。CH-47輸送ヘリに搭載可能。自重2041kg、全備重量3493kg。エンジンはターボチャージド・ディーゼル（197馬力）。ペイロード1452kg。乗員９名（キャビン前列２名、後列３名、荷台４名）。参考：月刊軍事研究12,’16

＜シーファー＞：CEA-FAR（レーダー）を参照。

＜シーファイア・シリーズ＞：イギリス海軍艦上戦闘機。第２次大戦勃発時の艦上戦闘機がロックMk1複座戦闘機（爆撃機の改造型）とシー・グラジュエーター複葉戦闘機しか無かったため、急遽スピットファイア戦闘機を艦上戦闘機型に改造したものである。各型合わせて2408機（スーパーマリンが382機、キャッスル・ブロムウィッチが50機、ウエストランドが1472機、カンリッフェ・オーウェンが504機）が新規生産された。主脚ホイール・トラックが狭いために事故が多発し、現存する空母上で撮影された写真も事故時のものが半分ぐらいだという。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04

　＜シーファイアＭｋ．�Tｂ＞：社内名称タイプ340。スピットファイアMk.�Xａ／�Xｂに着艦フック（Ａフレーム型で、15-16フレーム間に装備）を付け、着艦に耐えられるよう胴体下部縦通材を補強、速度計の目盛りを海軍式ノット表示に変更するなどして艦上機仕様に改造したものである。主脚ホイール・トラックが狭いまま（1.74mで零戦の半分）なので、発着艦には相当気を遣った。エンジンはマーリン32、プロペラはデハビランド5/29または5/39または45/1金属製３翅またはロートル・ジャブロRX5/10（直径3.12m）またはRX5/14（直径3.27m）木製３翅。主翼は全てＢウイング。まずはMk.�Xを56機借り受けて着艦フックを取り付けた改造機で空母上での発着艦訓練を行い、本格的な改造型は1942-43年に166機が製作され、1942年6月から空母に搭載された。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜シーファイアＭｋ．�Uｃ＞：新規生産型。Mk.�Xｃがベースで、シーファイアMk.�Tｂと同じ改造を施し、前部カタパルト・スプール取り付け部を９フレーム、後部カタパルト・スプール取り付け部を16フレームに設け、コクピット後方の無線機点検扉を強化した。主翼に折り畳み機構は無く、主翼付け根上面にRATOGを装備可能としており、機体軸に対して下向き12度・外向き13度に装着する。エンジンはマーリンMk45/Mk46/Mk32、プロペラはデハビランド5/29または5/39または45/1金属製３翅またはロートル・ジャブロRX5/10（直径3.12m）またはRX5/14（直径3.27m）木製３翅またはロートル・ジャブロ４翅。主翼はＣウイング。1943年5月までに各型計372機（スーパーマリンで262機、ウエストランドで110機）が生産された。1942年半ばから配備されたが、主翼が折り畳めないため収容や艦上整備に支障を来し、主脚ホイール・トラックも狭いため事故が続出した。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、月刊JWings2,’00、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、英独航空決戦

　＜シーファイアＦ　Ｍｋ．�Uｃ＞：社内名称タイプ351。Mk.�Uｃのうち、マーリンMk45/Mk46エンジンを搭載したもの。参考：スピットファイア

　＜シーファイアＦ．Ｒ　Ｍｋ．�Uｃ＞：Mk.�Uｃの偵察機型。後部胴体に垂直カメラ１基と斜め下カメラ１基を装備する。参考：スピットファイア

　＜シーファイアＬ．Ｆ　Ｍｋ．�Uｃ＞：Mk.�Uｃの低高度艦戦型、社内名称タイプ357。エンジンはマーリン32。一部に切断翼を装備したものがある。参考：スピットファイア

　＜シーファイアＭｋ．�Uｃハイブリッド＞：シーファイアMk.�Vを参照。

　＜シーファイアＭｋ．�V＞：主翼に手動式折り畳み機構を備えたもので、社内名称タイプ358。スピットファイアMk.�Xcがベースで、主翼は主脚収容部外側で上に折り畳み、更に翼端を外側に折り畳んで天井にぶつからないようにした。全長9.14m、全幅11.23m、全備重量3250kg。エンジンはロールスロイス社製マーリン55（1470馬力）／マーリン55M単発、プロペラはロートル・ジャブロR2/4F5/1木製４翅、最大速度585km、航続距離750km。主翼はＣウイングまたはＥウイング。固定武装は20mm機関砲２門＋7.7mm機銃４丁（Ｃウイング）。胴体下面に500ポンド（226.8kg）までの爆弾または爆雷を搭載できる。後期生産型では主翼下面に25ポンド（11.3kg）／60ポンド（27.2kg）ロケット弾左右２発ずつを搭載可能。乗員１名。1945年7月24日までに各型合計1220機（ウエストランド870機、カンリッフェ・オーウェン350機）が生産され、1943年11月27日から引き渡され、1944年春から前線に配備された。ウエストランド生産の初期30機は主翼折り畳み機構が間に合わず、Mk.�Uｃハイブリッドと呼ばれている。参考：月刊JWings2,’00、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、スピットファイア

　＜シーファイアＦ　Ｍｋ．�V＞：Mk.�Vのマーリン55搭載型。参考：スピットファイア

　＜シーファイアＦ．Ｒ　Ｍｋ．�V＞：Mk.�Vの艦上戦闘偵察機型。後部胴体に垂直用F.24カメラ１基と斜め下用F.24カメラ１基を搭載した。カンリッフェ・オーウェン生産の後期129機がこれである。参考：スピットファイア、月刊JWings2,’00

　＜シーファイアＬＦ　Ｍｋ．�V＞：Mk.�Vの低高度性能改良型。エンジンをマーリン32またはマーリン45（55M？）、プロペラをデハビランド5/29または5/39または45/1金属製３翅またはロートル・ジャブロRX5/10（直径3.12m）またはRX5/14（直径3.27m）木製３翅にした。排気管を推力式単排気管に換装しており、機首下面の気化器エアインテイクはユニバーサル型である。参考：スピットファイア、英独航空決戦

　＜シーファイアＭｋ．�]�X＞：シーファイア初のグリフォン・エンジン搭載型、社内名称タイプ377。スピットファイアMk.�]�Uがベースで、主翼下面の冷却器が左右対称になっている。主翼は標準翼で、シーファイアMk.�Vと同じ手動式の折り畳み機構を持つ。尾輪前方にガードパイプが付いた。エンジンはグリフォン�Y、プロペラはロートルR22/4F5/8金属製４翅（直径3.17m）。1943年11月末に原型機が完成し、12月にテストを開始、1944年末に量産体制が整い、390機（スーパーマリン６機、ウエストランド250機、カンリッフェ・オーウェン134機）が生産され、1945年5月から配備（太平洋方面は9月）され、1946年1月に最終号機が引き渡された。着艦時につんのめるのを防ぐため、ウエストランドの49号機、カンリッフェ・オーウェンの50号機からはスティング・フックと呼ばれる着艦フックを装備している。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜シーファイアＭｋ．�]�Z＞：Mk.�]�Xの改良型、社内名称タイプ384。キャノピー形状を涙滴型に変更、それに合わせて後部胴体を細くし、主脚を強化、方向舵面積を増やした。後部胴体にはF.24カメラ２基（垂直・斜め下１基ずつ）の装備スペースを設けている。着艦フックはスティング・フック。エンジンはグリフォン�Yまたはグリフォン26、プロペラはロートルR22/4F5/8金属製４翅（直径3.17m）。主翼はＥウイングが標準で、外翼下面に爆弾やロケット弾の搭載が可能。1944年2月にカンリッフェ・オーウェンに200機、3月にウエストランドに213機が発注されたが、ヨーロッパ戦終結で減らされ、232機（ウエストランド212機、カンリッフェ・オーウェン20機）が生産され、1945年9月から配備された。後期型では150リットル入り燃料タンクを追加している。参考：スピットファイア、英独航空決戦

　＜シーファイアＭｋ．�]�[＞：計画艦上戦闘偵察機型、社内名称タイプ395。エンジンをグリフォン36または37に換装し、ロートル５翅プロペラを装備、胴体を延長した。キャンセルされている。参考：スピットファイア

　＜シーファイアＭｋ．４５＞：スピットファイアMk.21にシーファイアMk.�]�Zと同じ改造を施したもの。主翼折り畳み機構が無い暫定型で、主脚ホイール・トラックを広げて事故を減らした。エンジンはグリフォン61、プロペラはロートル・ジャブロR14/5F5/2木製５翅（直径3.60m）。1945年1-12月に50機のみが生産（全てキャッスル・ブロムウィッチ）され、主に訓練部隊が装備した。参考：スピットファイア、英独航空決戦

　＜シーファイアＭｋ．４６＞：スピットファイアMk.22にシーファイアMk.45と同様の改造を施したもの。一部はグリフォン85エンジン（2045馬力）とロートル・ジャブロ６翅二重反転プロペラ（直径3.17m）を装備する。24機のみ生産（全てスーパーマリン）され、1945年11月5日から1947年3月に引き渡されたが、前線部隊には配備されなかった。参考：スピットファイア、英独航空決戦、月刊航空ファン8,’96

　＜シーファイアＭｋ．４７＞：スピットファイアMk.24の艦上機型。油圧式（初期は手動式）主翼折り畳み機構を持ち、機関砲収容数ペース外側の１カ所のみで折り畳まれる。外翼下面にはコンバット・タンクと呼ばれる低抵抗増槽（104リットル）を装着可能。エンジンはグリフォン87、プロペラはロートル・ジャブロ６翅二重反転（直径3.16m）。90機が生産（全てスーパーマリン）され、15機目からF.R仕様で完成した。1946年4月から1949年1月に引き渡され、朝鮮戦争にも参加している。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜シーファイアＦ．Ｒ　Ｍｋ．４７＞：艦上戦闘偵察機型。シーファイアMk.47の後部胴体にF.24カメラ２基を搭載し、エンジンをグリフォン88（2145馬力）に換装、気化器エアインテイクをスピナー直後まで延ばした。参考：スピットファイア、月刊JWings2,’00

＜シーファイア・海外シリーズ＞

　＜シーファイアＭｋ�]�X（ビルマ空軍）＞：ビルマ空軍COIN機。1952年にイギリス海軍から中古で20機を導入した。陸上基地からCOIN機として運用しており、着艦フックは外したらしい。1958年、シー・フューリーに後を譲って退役した。参考：月刊航空ファン12,’16

＜シー・ファイア＞：フランス海軍計画多機能レーダーSea Fire。タレス社が開発している。アクティブ・フェイズド・アレイ式で、三次元捜索、探知、追尾、アスター艦対空ミサイル管制、主砲射撃指揮などが可能。送受信モジュールは窒化ガリウム半導体製で、ボード１枚あたり８モジュールが組み込まれており、このボード８枚でアセンブリ１個を構成、アンテナ１面あたりアセンブリ12個・ボード96枚・送受信モジュール768基が取り付けられていて、タワーマスト四周のアンテナ４面で全周・高角90度をカバーする。使用周波数Ｓバンド、更新レート10Hz、最大探知距離500km（対空）／80km（対水上）、同時追尾目標数800。次世代空母PA NGとアミラル・ロナルク級フリゲートに搭載予定。参考：月刊世界の艦船11,'21、8,’21

＜シーファイア５００＞：フランス海軍計画アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー。アンテナはプラナー・アレイ４面固定型、使用周波数Ｓバンド。FREMMフリゲート対空型に搭載予定。参考：月刊世界の艦船6,’19

＜シー・ファイター＞：FSF-1（実験艇）を参照。

＜シー・ファイター級＞：アメリカ海軍沿岸戦闘実験艦Sea Fighter級。高速水上艦の実験艦で、当初はＸクラフトと呼ばれていた。船体は軽合金製の双胴式で、ステルス性を意識した形状となっており、バルバス・バウを採用、船底に姿勢制御用フィンを持つ。ミッションモジュールの交換により、揚陸、機雷掃討、対潜戦、強襲上陸支援などを行うことが可能。船体内部には格納庫が設けられ、20フィート型貨物コンテナ12個を搭載でき、貨物の代わりにUSV、UUV、11m複合型作業艇を搭載し、艦尾ランプから発進・収容することも可能である。艦橋は船体左に寄せて設けられ、頂部のマスト共々ステルス性重視の設計をとっている。艦橋後方はヘリコプター発着スペースで、MH-60Sヘリ２機やUAVの運用が可能だが、格納庫は無い。全長83m（79.9m？）、幅22m、吃水3.5m、深さ3.5m、満載排水量1422トン（1150トン？）。主機はCODOG方式、ジェネラル・エレクトリック社製LM2500ガスタービン２基・MTU社製16V595ディーゼル２基、出力60000馬力、推進はウォータージェット４基、速力50ノット、航続距離4000海里（20ノット）。乗員17名（26名？海軍と沿岸警備隊）。FSF-1シーファイターが2005年に就役した。参考：月刊世界の艦船10,’06、4,’15、1,’10、7,’11、月刊丸2,’07、月刊軍事研究11,’06

＜シーファング＞：イギリス海軍試作艦上戦闘機Seafang。スパイトフル戦闘機の艦上型で、スーパーマリン社に発注（社内名称タイプ396）され、スパイトフル量産型６号機に着艦フックを取り付けた実験機は1946年1月に初飛行し、試作機２機でテストを行った。シーファイア艦上戦闘機の後継としてジェット艦上機登場までの繋ぎにする予定だったが、ワイバーンやシー・フューリーに負けて採用されなかった。参考：月刊JWings1,'21、スピットファイア、月刊航空ファン3,’13

　＜シーファングＦ　Ｍｋ．３１＞：主翼折り畳み機構は無い。エンジンはグリフォン61、プロペラは５翅。10機が生産された。参考：月刊JWings1,'21

　＜シーファングＦ　Ｍｋ．３２＞：主翼に折り畳み機構を追加し、プロペラをトルク対策の二重反転式にしたもの。エンジンはグリフォン89、プロペラはロートル社製二重反転式（３翅×２）。６機が生産された。参考：月刊JWings1,'21

＜シー・フェレット＞：アメリカのUL-UAV実験機。フェレット巡航ミサイルにハープーンと同じ固体ロケットブースターと中間誘導装置を搭載、防水カプセルを被せている。1996年2月に潜望鏡深度で航行中のSSN-758アッシュビルのCSAランチャーから発射され、テレビ画像を潜水艦に送信、その後陸上で回収され、実験は成功した。参考：月刊軍事研究10,’05、4,’03

＜シーフォース・クランズマン＞：イギリス海軍潜水作業支援船Seaforth Clansman。潜水作業支援船リクレイムの退役後、K07チャレンジャー竣工までの繋ぎとしてチャーターしたものである。船体中央に再圧タンク室とムーンプール、船尾にランプを持つ。前甲板の門型マストには放水銃も装備する。全長78.6m、幅14.1m、吃水5m、総トン数1977トン。主機はディーゼル、出力7320馬力、速力13ノット。1977年竣工、1978年就役。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜シーフォード＞：サンダーランドMk.�W（飛行艇）を参照。

＜シーフォックス＞：SS-402（潜水艦）を参照。

＜シーフォックス＞：イギリス軍の巡洋艦用艦載複葉水上機、Seafox。フェアリー社が開発し、1936年5月27日に初飛行した。胴体は金属製で翼面のみ羽布張り、タンデム複座で後席だけ密閉式である。全長10.82m、全幅12.19m、全備重量2360kg。エンジンはネピア・レピア６（395馬力）単発、最大速度200km、実用上昇限度3360m、航続距離710km。固定武装は7.7mm機銃１丁。小型爆弾２発を搭載できる。乗員２名。1938年までに64機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜シーフォックス・シリーズ＞：ドイツのSTNアトラス・エレクトロニクス社が開発した機雷処分システムSea Fox。有線誘導式のワンショット型UUVで、CIC内の管制卓、バッテリー充電器・バッテリーケース、投入ランチャー、遠隔管制機、ケーブルリール、揚収システム、シーフォックスC/Ｉから構成される。1999年からドイツ海軍やイギリス海軍が運用している。アメリカ海軍も採用し、ペルシャ湾に配備した他、MH-53Eから運用できるタイプをAN/AQS-232として制式化した。参考：月刊軍事研究8,’01、2,’17、月刊防衛技術ジャーナル10,’06、月刊世界の艦船10,’12、1,'15増刊

　＜シーフォックスＣ＞：Ｃはcombatの略。音響測深機や位置設定ソナーを使って母艦からの手動操作または事前のプログラム通りに航行し、分解能可変式360度全周ソナー、サーチライト付きテレビカメラにより機雷を探知、本体後部の全長3000m（1200m？）の光ファイバーにより母艦にデータを送信する。機雷を処分する場合には、重量1.5kgの成形炸薬弾頭により機雷もろとも爆発する。全長1.3m、直径0.2m、重量40kg。４基の水平スラスターにより最大速力６ノットを出し、最大進出距離は1200m、最大潜航深度300m。垂直スラスター１基により水中でのホバリングが可能である。参考：月刊軍事研究3,’09、8,’01

　＜シーフォックスＩ＞：ＩはIdentification and Inspectionの略。シーフォックスＣとほぼ同様の訓練型で、爆破処分の訓練も可能。回収して再利用できる。参考：月刊軍事研究1,’15

＜シーフォックスＴ＞：ＴはTrainingの略。弾頭を外してバラストと安全装置を積んだ捜索探知専用バージョンで、乗員訓練用にも使用される。参考：月刊軍事研究1,’15、3,’09、8,’01

＜シーフォックス・コブラ＞：Sea Fox Cobra。シーフォックス本体前方に爆破処分用付属品コブラを追加したものである。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ジープ空母＞：護衛空母（アメリカ海軍）を参照。

＜シープスコット＞：アメリカ海軍給油艦。昭和20年6月5日、沖縄付近で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜シープドッグ＞：A250（曳船）を参照。

＜シー・ファイア５００＞：SF500（多機能レーダー）を参照。

＜シーフュース＞：AKA-18（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜シー・フューリー＞：イギリス海軍艦上戦闘機Sea Fury。1942年9月からテンペスト戦闘機の小型艦上機版としてホーカー社が開発し、海軍要求が二転三転するうちに第２次大戦が終わり、1945年10月12日に初飛行した。空軍でも採用予定だったが、終戦で中止になっている。全長10.6m、全幅11.7m、全高4.9m。エンジンはブリストル社製セントーラス空冷星型（2480馬力）単発、巡航速度625km、最大速度740km、航続距離1127km。固定武装は20mm機関砲４門。３インチ（76.2mm）ロケット弾12発または爆弾2000ポンド（907.2kg）を搭載できる。乗員１名。860機が生産された。1950年12月から朝鮮戦争に参加して地上攻撃に投入され、MiG-15戦闘機と交戦して撃墜したこともある。参考：月刊JWings1,’07、2,’14

　＜シー・フューリーＦＢ．１１＞：戦闘爆撃機型。参考：月刊JWings10,’19

＜シー・フューリー海外シリーズ＞

　＜シー・フューリーＦＢ．１１（ビルマ空軍）＞：ビルマ空軍COIN機。スピットファイア及びシーファイアの後継としてイギリス海軍の中古機18機を1957年に購入し、陸上基地でCOIN機として使用した。1961年2月15日、シャン州に潜む国民党軍部隊に物資を投下しに来た台湾空軍第34中隊PB4Y-2を３機で迎撃して撃墜したが、防御砲火により１機を撃墜されている。後に３機がシーフューリーTT.11仕様に改造され、標的曳航機として使用された。1967年に退役した。参考：月刊航空ファン12,’16

　＜シー・フューリーＴ．２０（ビルマ空軍）＞：ビルマ空軍練習機。３機を導入した。うち１機が1979年にアメリカに売却され、レース機に改造されている。参考：月刊航空ファン12,’16

＜シー・フライヤー＞：IX-515（実験艦）を参照。

＜シー・ブリーズ演習＞：アメリカ軍の多国間共同演習Sea Breeze（海のそよ風）。1997年から実施されている。参考：月刊世界の艦船10,’12、月刊軍事研究6,’18

＜シー・ブリーズ２０１２＞：2012年7月9-24日に行われ、地中海周辺を中心にアメリカ、ウクライナ、トルコなど15カ国が参加した。参考：月刊世界の艦船10,’12

＜シー・ブリーズ２０１５＞：2015年8月31日から9月14日に黒海で実施され、ベルギー、ドイツ、ギリシャ、イタリア、モルドバ、ルーマニア、スウェーデン、トルコ、イギリス、ウクライナ、アメリカが参加した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シー・ブリーズ２０１７＞：アメリカ軍とウクライナ軍が主催して2017年7月に黒海で行われ、アメリカ（CG-66ヒュー・シティ、DDGカーニー、P-8A哨戒機１機、海軍特殊戦隊２個、艦隊対テロ警備隊、アメリカ海兵隊）、イギリス、イタリア、ウクライナ（ウクライナ海兵隊）、カナダ、ギリシャ、ジョージア、スウェーデン、トルコ（揚陸艦）、ノルウェー、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、モルドバ、リトアニア、ルーマニアが参加し、防空戦、対潜戦、水陸両用戦、海上阻止、捜索救難、ダメコンなどの訓練を行った。参考：月刊軍事研究6,’18

＜ジーブルージュ港閉塞戦＞：第１次大戦時にイギリス海軍がフランダースのドイツ潜水艦基地ジーブルージュを旧式巡洋艦で閉塞した作戦。港は内陸部にあり、海岸に繋がる運河口に巡洋艦３隻を沈めて封鎖すれば使えなくなるが、当然ながらドイツ軍も沿岸要塞を築いて厳重な警備をしているため、綿密な作戦が練られた。まずは砲艦が遠距離からドイツ沿岸砲の並ぶ防波堤に砲撃を仕掛けると共に、モーターランチが港内外へと展開して煙幕を展張。海兵隊員を乗せた巡洋艦ヴィンディクティブが防波堤に着岸し、ドイツ沿岸防備部隊と白兵戦に入った。更に防波堤へと繋がる鉄橋には爆薬を積んだ潜水艦が突っ込み、乗員が脱出した後で爆砕した。この隙に旧式巡洋艦３隻が運河口へと侵入し、予定位置で自沈。乗員は煙幕の展張を終えたモーターランチで回収された。ドイツ軍は増援部隊を自転車で急派したが、破壊された鉄橋に気付かず、そのまま海に落ちてしまった。海兵隊は白兵戦ついでに防波堤に繋留されていたドイツ駆逐艦１隻を沈め、ヴィンディクティブに乗り込んで撤収。作戦は成功した。参考：日本潜水艦物語

＜シー・プロテクター＞：コングスベルグ社の艦載機銃システム。プロテクターの艦載版で、可視光・赤外線カメラとレーザー測距機を組み合わせた電子光学センサーと、5.56mm機銃M249、7.62mm機銃M240、12.7mm機銃M2のいずれかを装備した銃座を統合している。銃架は船体動揺に対して安定化されており、撮影された映像はCICのモニターに送られ、遠隔操作による射撃が可能。マウント重量135kg（機銃除く）。全周旋回可能、旋回速度毎秒100度、俯仰角マイナス20度からプラス60度、俯仰速度毎秒50度。12.7mm機銃M2搭載型はフリチョフ・ナンセン級フリゲート、ショルド級ミサイル艇、R2000級高速艇に搭載された。40mmてき弾発射機、2.75インチ（70mm）ロケット弾、ジャベリン対戦車ミサイルを積めるものもある。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、1,'21、月刊軍事研究1,’08

＜シーヘイク＞：DM2A3海外シリーズ（長魚雷）を参照。

＜シー・ベーシング構想＞：アメリカ軍の戦略構想Sea Basing。陸上に拠点を置かず、攻撃・兵力展開・兵站輸送を海上から（または海を越えて）迅速に行うものである。陸上への兵力投射は空輸または海上輸送で行われる。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜シーベノム艦上戦闘機シリーズ＞：イギリス海軍艦上戦闘機Sea Venom。DH.100バンパイアをベースにデハビランド社が開発した。参考：月刊JWings3,'23、10,’19

　＜シーベノムＦＡＷ．２２＞：

　＜シーベノムＦＡＷ．５３＞：全天候型。機首に大型レドームを持ち、コクピットは並列複座である。オーストラリア海軍も採用し、空母メルボルンに搭載した。参考：月刊JWings10,’19

＜シーベノム空対艦ミサイル＞：MBDAが開発している艦載ヘリ用空対艦ミサイル、フランス向け名称ANL（Anti Navire Léger）。シースキュアとAS15TTの後継で、双方向データリンクを装備し、発射後に目標を変更できる。重量110kg。射程20km。イギリス海軍で採用されればワイルドキャットHMA.2で運用する予定。2017年6月21日、ドーファンから試射を行った。2019年に実用化される予定。参考：月刊航空ファン9,’17、月刊世界の艦船12,’17

＜シーベルト（実効線量）＞：Sv。各臓器の等価線量（シーベルト）に各臓器の組織荷重係数を掛けて、全臓器の和を取ったもの。組織荷重係数は生殖腺0.2、骨髄・結腸・肺・胃0.12、皮膚・骨表面0.01、他臓器0.05。ちなみに胸部Ｘ線写真を撮ると0.05mSv、腹部Ｘ線で1.4mSv被曝する。参考：放射線健康科学

＜シーベルト（等価線量）＞：Sv。組織・臓器の平均吸収線量（グレイ）に放射線荷重係数を掛けて求められる値。荷重係数は、γ線、Ｘ線、電子線では１、陽子では５、α線・重粒子線では20、中性子線では5-20。参考：放射線健康科学

＜シーホーク＞：HH-60H（ヘリ）またはHUS-1ヘリ（アメリカ海軍）またはMH-60R（ヘリ）またはSH-60B（ヘリ）またはSH-60F（ヘリ）を参照。

＜シーホーク＞：アメリカ海軍無人水上艇Seahawk。シー・ハンターUSVの改良型で、2017年12月に海軍研究局ONRがシー・ハンター�Uとしてレイドス社に発注、後にシーホークに改称された。船体両側に支柱２本を介してアウトリガーが付いているのはシー・ハンターUSVと同じ。排水量145トン。主機はディーゼル２基、燃料搭載量14000ガロン・53200リットル。2021年4月、アメリカ海軍に引き渡され、SURFDEVRON1（Surface Development Squadron 1）に配備された。4月17-25日、アメリカ海軍無人兵器統合演習Unmanned Systems Integrated Battle Problemに参加。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜シーホーク・シリーズ＞：イギリス海軍ジェット艦上戦闘機。1945年10月からホーカー・アビエーションがP.1040として自主開発を開始し、1946年5月にイギリス海軍から試作機の発注を受け、1947年9月2日に試作初号機（空力試験機）、1948年8月31日に２号機（原型機。着艦フック、主翼折り畳み機構、武装あり）、1949年10月に３号機（量産プロトタイプ）が初飛行し、1949年11月に制式採用された。各型計542機が生産され、1969年に全機退役した。参考：月刊JWings9,’18、1,’05、3,’23

　＜シーホークＦ．１＞：最初の量産型。主翼は中翼の直線テーパー翼で、両主翼付け根前縁に横倒し三角形のエアインテイク、付け根後縁に排気口を持つが、単発機である。エンジンはニーン101。初号機は1951年11月に初飛行し、95機が生産され、1956年（1953年？）3月から実戦配備された。参考：月刊JWings1,’05、9,’18、月刊航空ファン11,’92

月刊航空ファン11,’92

　＜シーホークＦ．２＞：F.1に動力操作補助翼を付けたもの。1954年4月24日に初飛行し、40機が生産された。参考：月刊JWings1,’05

　＜シーホークＦ．Ｂ．３＞：朝鮮戦争で対地攻撃力の必要性が認識されたため、F.2の主翼を強化して爆弾やロケットを装備できるようにしたもの。参考：月刊JWings1,’05

　＜シーホークＦ．Ｇ．Ａ．４＞：F.B.3の兵器搭載量を増大したタイプ。主翼を強化してハードポイントを片側５カ所としている。参考：月刊JWings1,’05

　＜シーホークＦ．Ｂ．５＞：F.B.3のエンジンをロールスロイス・ニーン103（推力2.36トン）に換装したもの。参考：月刊JWings1,’05

　＜シーホークＦ．Ｇ．Ａ．６＞：F.G.A.4の対地攻撃力強化型。全長12.09m、全幅11.89m／4m（主翼折り畳み時）、全高2.64m／5.1m（主翼折り畳み時）、自重4.208トン、総重量6.17トン。最大速度964km、実用上昇限度13600m、最大航続距離772km。固定武装は機首下面の20mm機関砲４門。乗員１名。参考：月刊JWings1,’05

＜シーホーク・ファミリー＞

　＜Ｐ．１０５２＞：後退翼試験機で、主翼を後退角35度のものに変更している。２機が作られ、テストではマッハ0.86を出した。２号機は1949年9月20日の着陸事故で失われている。参考：月刊航空ファン11,’92

＜シーホーク海外シリーズ＞

　＜シーホークＭｋ．５０＞：オランダ海軍艦上戦闘機。シーホークF.G.A.6を空母カレル・ドールマン用に22機を導入、1957-64年に使用した。参考：月刊JWings1,’05

　＜シーホークＭｋ．１００＞：西ドイツ海軍戦闘機。シーホークF.G.A.6の垂直尾翼面積を増大したもので、1958-66年に使用した。参考：月刊JWings1,’05

　＜シーホークＭｋ．１０１＞：西ドイツ海軍戦闘機。Mk.100の右翼下にレーダー・ポッドを搭載した全天候型で、1958-66年に使用した。参考：月刊JWings1,’05

　＜シーホーク（インド海軍）＞：インド海軍艦上戦闘機。1959年にF.G.A.3をF.G.A.6に改造して９機を導入、その後F.G.A.6の新造機14機と改修機23機を追加導入し、西ドイツ海軍を退役したMk.100を10機とMk.101を18機購入して1983年まで空母ヴィクラント用に使用した。参考：月刊JWings1,’05、月刊航空ファン5,’16

＜シーホーク機関砲システム＞：イギリスのMSIディフェンス・システムズ社が開発した艦載機関砲システムSeahawk。20mm/25mm/30mm機関砲と電子光学方位盤、レーザー測距器、FCSを統合したもので、有人型や無人型があり、従来のDS機関砲塔シリーズもこれに統一された。DSEi2007で遠隔操作型の新型が発表された。DSEi2011ではデネル社製20mm機関砲G12と組み合わせたバージョンが発表されている。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究1,’08、1,’12、2,’12

　＜シーホークＡ２＞：艦載戦闘システムでのネットワーク運用を可能としたもの。遠隔操作式30mm機関砲マージョンがアルジェリア海軍MEKO A-200型フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜シーホーク・シグマ＞：DSEi2013で発表した艦載機関砲／近距離艦対空ミサイル・システム型で、シグマはStabilized Integrated Gun Missile Arrayの略。シーホーク機関砲システムの機関砲架台右に７連装近距離艦対空ミサイル（LMMやミストラルなど）キャニスターを取り付けたものである。参考：月刊軍事研究3,’14、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シーホークｍｏｄ４ＥＲ＞：ドイツのアトラス・エレクトロニク社が開発した超長射程魚雷。射程は140kmもあり、トラックの荷台に発射筒を積み、海岸で発射筒をガントリーで海中に沈めて射出することで、地対艦魚雷として運用することができる。UAEが2014年頃に輸入してドイツ製魚雷艇に搭載した。参考：月刊軍事研究3,’16

＜シーホークス＞：VAW-126（空中早期警戒飛行隊）またはVMAQ-4（電子戦飛行隊）を参照。

＜シーホース＞：S98（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはSS-304（ガトー級潜水艦）またはSSN-669（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜シーホース＞：アメリカ海軍特殊作戦支援用UUV、Seahorse。自律行動が可能で、機雷探知・航路啓開・索敵を行える。全長8.2m、直径0.97m。オハイオ級SSGNで運用され、2003年にSSGN-728が射出試験に成功した。参考：月刊世界の艦船6,’13、2,’10

＜シーホース型＞：台湾海軍潜水艇。ドイツ製で、潜航調査用とみられている。全長14.5m、幅2.3m、水中排水量52トン。主機は電動モーター、水中速力５ノット、潜航深度250m。乗員４名＋水中要員２名。１隻が就役した。参考：現代の潜水艦

＜シー・ポーチャー＞：SS-406（潜水艦）を参照。

＜シーホーネット・シリーズ＞：イギリス海軍単座双発艦上戦闘機DH103Sea Hornet。ホーネットの艦上機型で、原型機３機がホーネットF.Mk1から改造され、1945年4月19日に初飛行した。1947年6月1日に初実戦部隊である第801飛行隊が編成されている。1955年頃まで実戦配備されていた。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜シーホーネットＦ．Ｍｋ２０＞：主翼を折り畳み式にし、着艦に耐えられるよう主脚支柱を強化、拘束フックとレーダーを装備し、無線機を海軍用に換装した。兵装はホーネットF.Mk3と同じである。1946年8月13日に初飛行し、78機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜シーホーネットＮＦ．Ｍｋ２１＞：複座夜間戦闘機／攻撃編隊先導機型。ヘストン・エアクラフト社が開発した。機首にASHレーダーを搭載、消炎排気管を装備し、胴体後部にレーダー手席を追加している。1946年7月9日に初飛行し、79機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82、月刊JWings12,’15

＜シーホーネット・ファミリー＞

　＜シーホーネットＰＲ．Ｍｋ２２＞：写真偵察機型。シーホーネットF.Mk20にF.52カメラ２基またはK.19B夜間撮影用カメラ１基を搭載したものである。43機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜シーボブ・ダイブジェット４１４＞：ドイツのロティノール社が開発した水中スクーターSeabob Divejet 414。全長1.3m、重量64kg。参考：月刊軍事研究1,’11

＜シーボブ・ブラック・シャドー７３０＞：ドイツのロティノール社が開発した水中スクーターSeabob Black Shadow 730。前方照明灯、ソナー、コンパスを搭載している。全長1.77m、重量110kg。主機は電動モーター、バッテリーはリチウムイオン電池、推進はウォータージェット、水中最大速力11.4km、作動時間３時間以上、作戦距離20km、最大潜航深度60m。乗員１名。参考：月刊軍事研究1,’11

＜シーマージン＞：常用出力と最大出力との差を最大出力との比（％）で示したもの。15-20%くらいのことが多い。参考：図解船の科学

＜シーマイン＞：機雷を参照。

＜シーマスター＞：P6Mシリーズ（飛行艇）を参照。

＜シーマスター・シリーズ＞：アイ・マスト用三次元対空／対水上捜索レーダーSea Master。参考：月刊軍事研究8,’11

　＜シーマスター１００＞：シーマスター400の簡易版。アイ・マスト100に搭載される。参考：月刊軍事研究8,’11

　＜シーマスター４００＞：アンテナは４面固定アクティブ・フェイズド・アレイ式。使用周波数Ｓバンド（Ｅ／Ｆバンド）、探知可能仰角70度、最大探知距離250km。アイ・マスト400に搭載される。参考：月刊軍事研究8,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シーマットレス＞：イギリス海軍５インチ（127mm）ロケットランチャーシステム。化学戦用に開発されたロケット弾に焼夷剤や炸薬を詰めて６連装ランチャーに搭載、上陸用舟艇に計1080発積んだものである。最初は全弾斉射していたが、発射炎で船が燃えたり、反動で船が沈んだりするので、72発斉射を反復するシークエンスに変更した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊グランドパワー4,’98

＜シーマン＞：DD-791（駆逐艦）を参照。

＜シーマンシップ＞：海上要員としての躾。人間が海に乗り出して以来培ってきた、洋上安全確保のための船乗りの智恵のこと。参考：月刊軍事研究4,’18

＜シーマンシップの３Ｓ精神＞：日本海軍のモットー。Smart（迅速）、Steady（確実）、Silent（静粛）の頭文字を取ってこう称する。状況変化に迅速に対応し、確実に措置を行うため、指揮官の命令を静粛に拝聴して着実に実行する。参考：海軍兵学校よもやま物語、MAMOR vol.115

＜シーミュウ・シリーズ＞：イギリス海軍対潜哨戒機で、カモメの意。1951年にイギリス海軍が要求した軽空母用艦上対潜哨戒機にショート社が応じたもので、1952年4月に採用された。海岸仮設滑走路でも運用できるとして空軍にも売り込んでいる。参考：月刊丸6,’14、月刊JWings7,’18

＜シーミュウＡＳ．１＞：海軍向けで、ASはAnti-Submarineの略。コクピットはエンジンの上に載せて出来るだけ前に出し、着艦時の前下方視界を確保した。乗員席はタンデム配置で、キャノピーは別々になっている。機首下面にレドームを持つ。主翼は中翼配置のテーパー翼で、中央付近から後ろに捻って折り畳める。主翼前縁に固定スラット、後縁にエルロンと隙間フラップを持つ。降着装置は尾輪式で、アレスティング・フックを降ろすと尾脚柱が延びる機構が付いていて、着艦姿勢はほぼ水平になる。全長12.5m、全幅16.76m／7.01m（主翼折り畳み時）、総重量14400ポンド（6.532トン）、最大離陸重量15100ポンド（6.849トン）。エンジンはマンバ・ターボプロップ（1475ehp）単発、プロペラは４翅（直径3.05m）、哨戒速度120ノット、最大速度378km、急降下最大速度325ノット、哨戒時間４時間。兵装ペイロードは1800ポンド（0.816トン）以上で、胴体内ウェポンベイに魚雷１本または爆雷４発、外翼下面にロケット弾を搭載可能。ソノブイは20本積める。乗員２名（操縦士、観測員）。試作機は３機が作られて1953年8月23日に試作初号機が初飛行し、量産機30機が発注されて海軍志願予備役に配備される予定だったが、実用性があまり無かったのと、海軍志願予備役が海軍予備役に統合されたため、７機が納入されたところで量産打ち切りになり、スクラップにされた。参考：月刊JWings7,’18、月刊丸6,’14

＜シーミュウＭＲ．２＞：空軍向けで、MRはMaritime Reconnaissanceの略。沿岸コマンドが陸上から運用する予定で、1955年2月に量産機30機が発注されたが、４機が作られたところで配備中止が決まり、３機はシーミュウAS.1仕様に改造されて海軍に引き渡され、１機はショート社が売り込みに使ったが1956年6月9日に墜落した。参考：月刊JWings7,’18

＜シームルグ＞：イランが開発している衛星打ち上げロケット。ペイロードが100kgしかないので、ICBMへの転用は無理らしい。参考：月刊軍事研究6,’15

＜シームルグ・シリーズ＞：イラン空軍戦闘機Simorgh（不死鳥）。イラン・イスラム革命後にF-5AとF-5Bを国産化したものである。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings5,’15

　＜シームルグ＞：単座型。参考：月刊航空ファン9,’19

　＜シームルグ�U＞：複座型。シームルグから改造されたものもある。参考：月刊航空ファン9,’19

＜シーメンス事件＞：日本海軍の贈収賄事件。大正3年1月21日、ドイツの総合電機シーメンス社の元東京駐在員カール・リヒテルが、会社の書類を盗んで東京支店長を恐喝した事件の裁判で、シーメンス社が海軍無線電信所船橋送信所設置に関して日本海軍高官に賄賂を送っていることを暴露したと、外電が報じた。これが1月23日の新聞に載り、開会中の第31回帝国議会（衆議院予算委員会）で大問題に発展。調査の結果、船橋無線電信所に関連してシーメンス社から日本海軍大佐が賄賂を受け取っており、更に3月12日には少将と艦政本部長が金剛の建造に関してヴィッカーズ商会から三井物産経路で賄賂を受け取っていたことも判明した。収賄額が現在の価値で十億単位という巨額なもので、軍法会議では最大懲役４年半の判決が出ている。3月24日には内閣が総辞職に追い込まれ、後に三井物産社長も引責辞任した。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊軍事研究7,’05、続海軍よもやま物語

＜シー・モーラー＞：XRIM-46（試作艦対空ミサイル）を参照。

＜シーモスキート＞：モスキートTR.Mk33（艦上機）を参照。

＜ジーヤン＞：FF932（フリゲート）を参照。

＜シーラ＞：98（軽巡洋艦）またはDMUX20（ソナー）を参照。

＜シーライオン＞：M4中戦車・海外ファミリー（戦車回収車）またはN72（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはNFH-90（ヘリ）またはNFH-90シーライオン（ドイツ海軍）またはS07（ポーパス級潜水艦）またはSS-195（新Ｓ級潜水艦）またはSS-315（ガトー級潜水艦）を参照。

＜シー・ラム＞：アメリカとイギリスが共同開発した艦載近接防御兵器Sea RAM。ファランクス・ブロック�TＢの機関砲を取り除き、代わりにRAM近距離艦対空ミサイル11セル発射機を搭載したもので、大型高速対艦ミサイルを確実に破壊するため開発された。Kuバンドレーダーと遠赤外線センサーにより目標捜索追尾を行い、複数目標同時対処が可能。ファランクス装備艦なら小改修のみで搭載できる。総重量7.8トン。搭載艦により微妙にバージョンが違うらしく、Mk15Mod31、Mk15Mod32、Mk15Mod33といったタイプがある。イギリス海軍42型駆逐艦D98ヨークで2001年に試験が行われた。アメリカ海軍ではインディペンデンス級沿海戦闘艦などに搭載されている。参考：月刊軍事研究6,’01、8,’11、3,’99、月刊世界の艦船2,’14、9,’09、6,’01、12,’18、1,’20、月刊JWings6,’15

＜シー・ラム海外シリーズ＞

　＜シーＲＡＭ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊CIWS。11連装発射機Mk15Mod31とRIM-116C艦対空ミサイルを組み合わせている。最小射程0.4km、最大射程15km。1986年度計画・1989年就役開始のあぶくま型護衛艦に後日装備スペースが用意されたが搭載されず、2010年度計画・2015年就役開始のいずも型護衛艦が漸く初装備し、もがみ型護衛艦にも搭載された。参考：月刊世界の艦船10,’19、12,’22

＜シー・ランス＞：アメリカ海軍がアスロック及びサブロックの後継として開発した長距離対潜ミサイルSea Lance。艦対潜型のRUM-125Aと潜対潜型のUUM-125Aがある。1982年からASW-SOW（Anti-Submarine Warfare StandOff Weapom）計画の名称でボーイング社とグールド社が開発を始めたが、開発の遅れと予算超過で1990年に計画中止となった。参考：月刊世界の艦船3,’05、11,’17、月刊丸3,’90、アメリカの核兵器

　＜ＲＵＭ−１２５Ａ＞：艦対潜型で、Mk41VLSから発射される。UUM-125との同時開発にリスクが伴い、また垂直発射型アスロックで済むという意見もあって、1983年に計画延期が決まった。しかしUUM-125の開発が進まなかったため、1988年に再度開発が決定したものの、最終的に計画中止となった。参考：月刊世界の艦船3,’05

　＜ＵＵＭ−１２５Ａ＞：潜対潜型で、魚雷発射管から発射される。核（W89弾頭）もしくはMk50ホーミング魚雷（重量340kg、速力40ノット超）を弾頭とし、発射されると空中を飛翔、発射前に入力された諸元をもとに目標に向かい、空中で弾頭を切り離す。弾頭部はパラシュートで降下し、着水直前にパラシュートを切り離して魚雷または核爆雷として作動する。全長6.1m、重量1.35トン。推進は固体燃料ロケットで、最大速度マッハ１以上、射程185km（1830km？）。1992年頃から装備予定だったが、計画中止となった。参考：月刊世界の艦船3,’05、月刊丸3,’90、ザ・マーチ39号

＜シーランドＭｋ２（インド海軍）＞：インド海軍哨戒飛行艇。1953年から10機を配備した。参考：月刊航空ファン5,’16

＜シーリハム＞：A197（曳船）を参照。

＜ジーリン＞：APA-3（攻撃輸送艦）を参照。

＜シーリング＞：Ceiling。雲底までの高度のこと。空一面が同じ高さの雲で覆われている場合は、その雲の底までの高さ。何層もの雲で覆われている場合は、下から数えて雲量が８分の５以上に達した雲の層までの高さ。目測、観測気球、シーロメーター（Ceilometer）などで測定する。参考：航空用語事典増補改訂版、朝雲

＜シーリング＞：航空機の上昇限界高度のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜シール＞：M37（ポーパス級潜水艦）またはSEAL（特殊部隊）またはSS-19 1/2（G-1級潜水艦）またはSS-183（新Ｓ型潜水艦）を参照。

＜シール・イラン１＞：FV4030/2（戦車）を参照。

＜シール・イラン２＞：FV4030/3（戦車）を参照。

＜シー・ルージュ＞：南アフリカ海軍の12.7mm遠隔操作機銃で、装甲車用を改造して艦載用にしたものである。12.7mmM2機銃にビデオカメラと赤外線暗視装置を組み合わせてあり、重量はターレット120kg、モニターコントローラーが40kg。俯仰角はマイナス40度からプラス60度。装弾数200発。7.62mm機銃や40mmてき弾発射機への換装も可能である。参考：月刊軍事研究12,’06

＜シールズ＞：DD-596（駆逐艦）を参照。

＜シールダー＞：アメリカのアライアント・テクシステムズ社が開発した車両発射地雷撒布システムで、イギリス陸軍が導入した。車体は装軌式でストーマーとの共通部分が多い。車体後部に撒布システムVLSMS（垂直発射撒布地雷システム）が搭載されており、上面両側に外を向いた２段のラックがある。１段目はキャニスター40本、２段目は20本が搭載されており、２段目のラックは後部に移動できる。キャニスターには対戦車地雷６発が装填されており、最大720発を撒布可能。また、再装填用の地雷30発を車内に搭載し、NBC防護装置を持つ。車体前部が３名の乗員を収容するアルミ合金製戦闘室になっている。自衛用に7.62mm機銃１丁を持ち、車体前面上部両側に４連装発煙弾発射機を１基ずつ装備する。参考：月刊PANZER12,’99、12,’04、月刊軍事研究2,’04

＜シールド・オブ・ピース９６＞：1996年6月7日に行われた、NATOと東欧諸国の多国間演習。参考：月刊PANZER3,’10

＜シーレ＞：イタリア海軍潜水艦Scire。SLCマイアーレの格納筒を装備している。1940年10月、３隻のSLCを搭載してアレキサンドリア軍港を襲撃したが、３隻とも故障してしまった。1941年9月、３隻のSLCを搭載してジブラルタルに侵入し、イギリスのタンカー２隻と貨物船１隻をSLC隊員が設置した吸着機雷で撃沈した。12月、沈没したイギリス海軍駆逐艦F31モホークから回収した機密文書に基づき、３隻のSLCを搭載してアレクサンドリア港に向かった。12月18日、アレクサンドリア港沖1.3海里でSLCを発進。駆逐艦が入港するため防潜網が開かれた隙に港内に浸入し、イギリス戦艦ヴァリアント、クイーン・エリザベス、駆逐艦ジャーヴィス、タンカーのサゴナにフロッグマンが吸着機雷を取り付けた。ヴァリアントを襲撃した２名は操縦ミスでヴァリアントの艦底に激突してSLCが沈没してしまい、40分かけて漸く機雷を取り付けたが、浮上したところを見つかって艦内に捕らえられ、爆発の15分前に艦長に対して機雷の存在と爆発時刻を通告した。そのまま機雷は炸裂し、ヴァリアントは１番砲塔付近左舷バルジ下に、クイーン・エリザベスは２番缶室付近に大穴が開いて大量に浸水し、両艦共着底した。ジャービスとサゴナも損傷した。1942年8月、イギリス海軍トローラーのイズレイによる爆雷攻撃を受けて沈没した。1984年に艦前部が引き揚げられ、イタリアで展示されている。参考：月刊世界の艦船6,’09、月刊丸11,’72

＜シーレ＞：ウォルター・Ｔ・フォン・シーレ少佐。第１次大戦勃発を受けてアメリカに入り、1915年からドイツ海運会社専用桟橋に停泊中の商船機関室に潜んでサボタージュを開始した。硫酸とピクリン酸を仕込んだ葉巻型焼夷弾（シーレ型焼夷弾）を仲間12人に渡し、連合国向け物資を積んだ商船に仕掛ける手口を使い、36隻の船に火災を起こさせ、損害は1000万ドルを超えるといわれる。1918年4月にキューバで拘束され、裁判開始前に肺炎で病死した。参考：月刊丸6,’14

＜シー・レイス＞：ヴォスパー・ソーニクロフト社が1996年に発表したステルスフリゲート。レーダーのみならず、可視光、赤外線、音響、電磁波などに対するステルス性も考慮している。全長115m。参考：月刊軍事研究3,’99

＜シー・レイス�U＞：ヴォスパー・ソーニクロフト社が1997年に発表したステルスフリゲートで、シー・レイスの改良型。アンテナをマスト内に収容するなどして上部構造物とマストのステルス性を増大し、海水噴霧により赤外線及び可視光ステルス性を獲得している。コーナー・リフレクターを上下させてRCSを変化させる欺瞞装置も持つ。電子機器はサンプソン多機能レーダー、LPI水上捜索レーダー、航海レーダー、砲射撃指揮レーダーなど。全長138m。推進はCODLAG方式で、２軸推進、巡航速力15ノット、最大速力28ノット以上。兵装は大口径砲１門、中口径砲２門、小口径砲２門、VLS16連装ランチャー２基、隠顕式対艦ミサイル発射機８基、ロケット砲２門など。参考：月刊軍事研究3,’99

＜シーレイブン＞：SS-196（潜水艦）を参照。

＜シーレーン＞：海上交通路のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜シーレーン防衛＞：海上輸送ルートの安全確保のこと。日本は輸出入の99.6%（重量ベース世界貿易の11%にあたる）、国内物流の４割（重量品に限れば８割以上）を海運が担っており、シーレーン防衛が非常に重要で、内航交通路と外航交通路（サイパン方面航路、南西航路など）の安全確保を図っている。ただ海上自衛隊に全航路を守る戦力は無いので、有事には在日米軍と本土との兵站・増援供給路（これも一応シーレーンではある）を防衛し、アメリカ海軍と共同でシーレーンを守ることになる。参考：月刊JWings1,’99、図解船の科学、月刊世界の艦船10,’15、日本の防衛戦力Part3、月刊軍事研究6,’17

＜シーレグス＞：ニュージーランドのシーレグス社が開発したRHIB、Sealegs。船体前後に折り畳み式の車輪が付いており、陸上を時速10kmで走行できる。全長6.1mまたは7.1m。水上最大速力38ノット。参考：月刊軍事研究1,’11

＜シー・レパード＞：SS-483（潜水艦）を参照。

＜シーレンジャー＞：TH-57シリーズ（練習ヘリ）またはXPBB-1（試作飛行艇）を参照。

＜シーレンジャー２０＞：ラインメタル社の遠隔操作式20mm機関砲Searanger 20。エリコン製85口径20mm機関砲、電子光学センサー、レーザー測距器を組み合わせている。旋回角左右155度ずつ、俯仰角マイナス18度からプラス60度、旋回俯仰速度毎秒60度。初速毎秒1050-1150m、有効射程2000m、最大発射速度毎分1000発。参考：月刊軍事研究2,’15

＜シーロ＞：Tu-22シリーズ（爆撃機）を参照。

＜シー・ローバー＞：P218（潜水艦）を参照。

＜シー・ロビン＞：SS-407（潜水艦）を参照。

＜シー・ロビン＞：アメリカ海軍のUAV射出装置Sea Robin。中にISR用UAVを収容し、トマホーク用キャニスターに詰めて潜水艦から射出、海面に到達するとUAVが発進する。武装UAVの場合、サイズとペイロードの関係で兵装が手榴弾程度となるため、せいぜいアンテナ破壊くらいにしか使えない。2013年5月にSSN-719プロヴィデンスのトマホーク用VLSでテストし、XFC-JAS無人テスト機の発進に成功した。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜ジーン＞：九六式艦上攻撃機を参照。

＜シーン・シフター＞：イギリス軍の列車砲。14インチ（355.6mm）カノン用列車砲架と13.5インチ（342.9mm）砲身を組み合わせたもので、第２次大戦中の1940年6月から製作され、1941年5月に完成した。ドーバー海峡近くのリッデンに配備されて対岸のドイツ軍を砲撃したものの、着弾観測と照準修正が困難であまり役に立たず、1943年11月には内陸部に移され、1944年末にはスクラップにされている。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜シーンマグ・マーベリック＞：AGM-65B（空対地ミサイル）を参照。

＜ジウ＞：カール自走臼砲６号車。

＜シヴァティテル・ニコライ・チュドットヴォーレッツ＞：B-445（キロ級潜水艦）を参照。

＜シヴァトイ・ゲオルギイ・ポベドノセッツ＞：K433（原潜）を参照。

＜シヴァリク＞：F47（フリゲート）を参照。

＜シヴァリク級＞：インド海軍フリゲート、プロジェクト17型Shivalik級。クリヴァク�V型警備艦がベースで、船体はステルス性を考慮しており、船型は中央船楼型、艦首は全てブルワークで囲まれていて、上部構造物舷側は船体側面と同一面となっている。艦橋頂部に3M54TEクラブＮ用アパルナMFCS、その後ろに76mm砲用シカリGFCSを持つ。その後ろのメインマストはタワー型で、頂部にフレガットM2EMトップ・プレート三次元対空レーダー、中段両舷にMR-90フロント・ドーム射撃指揮装置を搭載する。ヘリ格納庫上面には太短いタワー型の後部マストがあり、頂部にエルタ社製EL/M-2238STAR（AMDR？ADMR-ER？）三次元レーダー、中段両舷にMR-90フロント・ドーム射撃指揮装置を装備している。全長143m、幅16.9m、吃水5.3m、満載排水量6299トン。主機はCODOG方式、LM2500ガスタービン２基（計44000馬力）・PA6STCディーゼル２基（計8900馬力）、出力44000馬力、２軸推進、速力30ノット、航続距離4500海里（18ノット）。兵装はオットー・メララ社製76mmスーパーラピッド砲（ステルスシールド付。前甲板）１門、3K90ウラガン／カシミール艦対空ミサイル単装発射機１基（主砲後方。シュチル１運用可能説あり）、バラク１艦対空ミサイル用８セルVLS４基（煙突と後部マストの間の両舷にタンデムで２基ずつ）、3M54TEクラブＮ／PJ-10ブラーモス艦対艦ミサイル用８セルVLS１基（SAM単装発射機とRBU6000の間）、RBU6000対潜ロケット発射機２基（SAM単装発射機後方両舷）、324mm短魚雷３連装発射管ILAS２基（上構下部中央両舷）、AK630近接防御兵器２基。ヘリ格納庫にシーキングMk42Bまたはドゥルブを定数１機・最大２機搭載可能だが、実際にはヘリックスを運用している。乗員257名。F47シヴァリク、F48サップラ、F49サヒャディの３隻が2010-12年に就役した。７隻を追加する計画もあったが、改良型のプロジェクト17Aシヴァリク�U級の建造に移った。参考：月刊世界の艦船11,'21、3,’16、12,’19、8,’13、8,’10、10,’11、9,’10、6,’11、11,’11、10,’17、7,'21、月刊軍事研究1,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シヴァリク�U級＞：インド海軍フリゲート、プロジェクト17A型Shivalik�U級、別名ニルギリ（Nilgiri）級。シヴァリク級の兵装強化型で、多機能レーダーをEL/M-2248MF-STARに、艦対空ミサイルをバラク８に、艦対艦ミサイルをPJ-10に、主砲を127mm砲に、巡航用ディーゼル主機をMAN社製にした。全長149m、幅17.8m、吃水5.22m、満載排水量6670トン。主機はCODOG方式、巡航用MAN社製ディーゼル２基・高速用GE社製LM2500ガスタービン２基、出力44000馬力、２軸推進、最大速力28ノット、航続距離5500海里。兵装はバラク８艦対空ミサイル用VLS２基計32セル、PJ-10ブラーモス艦対艦ミサイル用VLS２基計８セル、127mm単装砲１門、AK630M近接防御兵器４基、324mm短魚雷３連装発射管２基、RBU6000対潜ロケット発射機２基。シーキング対潜ヘリ１機を搭載可能。乗員226名。７隻をインドで建造予定で、１番艦F-33ニルギリは2019年9月に進水した。２番艦F-34ヒムギリは2020年12月14日進水。３番艦F-35ウダイギリは2020年9月10日に起工式を行っている。４番艦F-36ドゥナギリ、５番艦F-41タラギリ、６番艦F-42ヴィンデャギリ、７番艦マヘンドラギリ（Mahendragiri。2022年6月末起工、2023年9月23日進水）を建造中。参考：月刊世界の艦船11,'21、2,'21、2,’19、12,’19、12,’20、3,’21、12,’22

＜シウス＞：CIWSを参照。

＜シウダ・ボリバル＞：ベネズエラ海軍補給艦Ciudad Bolivar。韓国海軍チョンジー級補給艦を小型化したものである。参考：月刊世界の艦船4,’09

＜シウハイ＞：193（揚陸艦）を参照。

＜紫雲＞：二式水上偵察機を参照。

＜試運転最大速力＞：最大速力を参照。

＜シェアウォーター＞：L39（コルベット）を参照。

＜シエイ＞：T-AKR-302（車両輸送艦）を参照

＜自衛ＴＩＭＥＳ★静岡＞：FMしみずで毎週水曜日1000-1010（以前は毎週土曜日1130-1140だった）に放送されている自衛隊情報番組。清水自衛隊友の会の提供である。参考：朝雲、MAMOR vol.114

＜シェイヴィントン＞：M1180（沿岸掃海艇）を参照。

＜シェイカー＞：戦闘機同士の格闘戦訓練で使用する空域のこと。直径１海里くらい。参考：月刊JWings9,’22

＜自衛艦＞：海上自衛隊の艦船区分で、一般に言う軍艦に該当し、警備艦と特務艦に分かれる。建造基準は船舶設計基準、自衛艦工作基準で細かく規定されていて、資材の材質や通路の角度まで決まっているが、最終艤装の際に艤装員長や艤装員の意見を反映する余地はある。４年ごとに特別修理を行う。1954年7月1日の海自発足時は警備艦、警備艇、掃海艦、敷設艦、掃海艇、駆潜艇の種別に分けられていた。1960年10月1日に改訂され、大分類の警備艦と特務艦に分けられた。1979年7月1日、大分類の特務艦を補助艦に改称した。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、11,'17増刊、9,’10、8,’11増刊

＜自衛官＞：自衛隊員のうち、陸海空自衛隊に所属する者のことで、将軍や兵士とは言わない。見た目の服装から、制服組と通称される（自衛隊員だが自衛官で無い事務官・技官は背広組）。任用の際には「服務の宣誓文」が書かれた宣誓書に署名する。幹部（将官・佐官・尉官）、曹、士に分類され、名字に階級を付けて呼称する。自衛隊法55条と防衛省令に基づき、幹部自衛官と准尉は営舎外に、曹長以下の隊員は営舎に居住する（船舶に乗組を命じられた者などを除く）。土日祝日は休日で、代休も取れるが、自衛隊法第54条に基づき、有事や災害派遣などの緊急時はいつ何時でも職務に従事する。台風が近づくと１時間以内に帰るよう連絡が来たりする。２名以上は部隊として行動し、長を決めて隊列を組み、長の号令に従い一斉に動く。参考：MOLIBITO Vol.3、MAMOR vol.42、vol.85、vol.93、vol.116、月刊JWings6,’15、6,’20、11,'20、朝雲、自衛隊法

＜自衛館＞：自衛隊の募集広報施設。自衛隊初となる民間委託運営の募集広報施設で、JR渋谷駅からすぐの宮益坂下交差点にあり、2008年4月に仮開館、7月に正式開館した。事業終了に伴い、2010年3月8日に閉館した。総来館者数26000人。参考：朝雲

＜自衛館＞：岐阜地方協力本部の広報センター。2020年6月22日にリニューアルオープンした。参考：朝雲

＜自衛艦旗＞：自衛隊の旗の１つ。内閣総理大臣から自衛艦（自衛隊法第２条第３項に規定する海上自衛隊の部隊の編成に加えられる自衛艦）に公布され、自衛隊法第102条に基づく掲揚義務がある。また、自衛艦その他の自衛隊の使用する船舶以外の船舶は、自衛艦旗または自衛艦旗と紛らわしい旗を掲げてはならない。警備隊旗は視認性に問題があり、海上自衛隊発足にあたって新しい旗を定めることにし、部隊にアンケートを採ったところ、日本海軍の軍艦旗と同じものが良いという意見が多数寄せられた。ただ世論などを鑑みて全く同一にするのも難しいと考えられ、部内公募などを行ったが妙案は出ず、米内光政大将の親戚で歴史画の大家である米内穂豊氏に依頼。10日間で20枚ほど原案を描いたがしっくり来ず、軍艦旗を参考にしたいとのことだったので送付し、更に５日後に連絡があったので第２幕僚監部総務総長が訪ねたところ、軍艦旗以上に良いデザインが無いということで、保安庁での議論を経て1954年6月9日の閣議に附され、吉田首相は世界中でこの旗を知らない国は無く、日本の艦であることが一目で分かると即時採用を決定、軍艦旗が自衛艦旗として制定された。21世紀に入って大分経ってから何故か軍国主義の象徴などとイチャモンを付けられているが、只の国籍マークであり、似たようなデザインは民間でも商店街の旗から新聞社旗まで広く使用されていて、言いがかりが過ぎる。旗布は国産の苧麻で完全に精錬された長綿糸またはナイロンで作られ、縦２・横３の寸法で、地の色は白である。基準寸法は縦430mmで、その1.5倍、２倍、３倍、４倍のものがあり、誤差はプラスマイナス10mm。布の中心から風上に水平に縦の長さの６分の１ほどずらした点を中心とし、縦の長さの半分を直径とする赤の日章を描き、円の中心点より垂線及び水平線に中心を合わせる光線を基本とし、幅及び間隔を各11.25度に取って放光状に光線を描く。以上は自衛隊法施行令・昭和29年政令第179号で規定されている。停泊中は0800に艦尾旗竿に掲揚され、日没時に降ろされる。掲揚・降下時は自衛艦旗に対して敬礼を行う。航海中は艦尾旗竿に常に掲揚されるが、戦闘・訓練中は（前部）マスト上に掲揚され、非公式に戦闘旗と呼ばれる。掲揚できるのは就役後なので、就役前の公試時などは代わりに国旗を掲揚している。参考：艦船メカニズム図鑑、ペルシャ湾の軍艦旗、自衛隊法、月刊世界の艦船8,’11増刊、5,’02増刊、月刊丸4,’99、日本の防衛戦力Part3

＜自衛艦旗授与式＞：自衛艦の就役に際して行われる式典で、引渡式に引き続いて実施される。音楽隊が「国の鎮め」を演奏（潜水艦SS-508せきりゅうでは「海の防人」を呉音楽隊が演奏し横須賀音楽隊中川海士長が歌唱した）する中、式台の前で防衛省代表から艦長に自衛艦旗が手渡され、更に艦長から副長に渡される。副長は「乗組員乗艦」の号令を掛け、頭上に自衛艦旗を掲げて乗員の先頭を行進し、音楽隊が「軍艦マーチ」を演奏する中、総員乗艦が始まる。当直士官と当直員が舷門に、海士が舷梯前に整列、音楽隊は「海の防人」を演奏し、艦長が乗艦する。舷門ではサイドパイプが吹かれ、マストに指揮官旗が掲げられる。艦長が整列に加わると、サイドパイプに迎えられて防衛省代表が乗艦。全員で後甲板に整列して挙手の敬礼を行い、音楽隊の「君が代」演奏が加わり、自衛艦旗が艦尾旗竿に、艦首旗が艦首旗竿に掲揚される。続いて防衛省代表による訓示、乗員艦内配備、艦長先導での防衛省代表による艦内視察が行われ、防衛省代表が退艦して儀仗隊に迎えられると式は終了し、自衛艦は国際法上の軍艦としての権利を付与され、責務を負うことになる。乗員は出港準備に入り、整ったら艦長と乗員に花束が贈られ、艦長の挨拶を経て艦は出港、汽笛と舷側に並んだ乗員の帽振れとで岸壁の関係者に別れを告げ、最寄りの基地で弾薬搭載を行い、定係港に向かう。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、朝雲

＜自衛艦旗返納式＞：自衛艦の除籍に際して行われる式典。乗員は艦に乗り込み、突堤には儀仗隊が並ぶ。乗員が後甲板に整列して自衛艦旗に向かって敬礼する中、自衛艦旗を降ろし、総員退艦して艦長が「退艦終わり、異状なし」と地方総監に報告、自衛艦旗を返納する。参考：月刊世界の艦船9,’10、朝雲

＜自衛官候補生＞：自衛隊の採用制度。2010年7月1日に募集受付が始まり、2011年度に開始された。自衛官に必要な基礎教育訓練（自衛官候補生課程）を３ヶ月間集中して施すものである。応募資格は日本国籍を有する18歳以上33歳未満（2018年9月30日までは27歳未満だった）の男女で、陸海空自のどれに入るかを志願票で希望し、夏から秋にかけて試験（中学校卒業程度の筆記試験、口述試験、適性検査、身体検査）が行われ、翌年春に採用される。身分は特別職国家公務員（定員外の防衛省職員。防衛大学生などと同じ）で、陸上自衛隊では小銃を抱えての駆け足、射撃訓練、フル武装での10km行軍、同25km行軍といった各種訓練が行われる。各種免許や資格の取得機会もある。修了すると２士として引き続き自衛隊に勤務するか、自衛隊以外の職業に移るかを選択する。２士に任官されたら、任期制自衛官として陸自技術系職種、海自、空自は２年９ヶ月、陸自技術系職種以外は１年９ヶ月の勤務（いずれも手当が支給される）を行う。２士に任官する際には一時金が出るが、２士任用後15ヶ月未満で退職すると償還金を払わなければならない。2018年10月1日に防衛省令を改正し、採用年齢の上限を26歳から32歳（採用予定日の次年度4月末までに33歳にならない者）に引き上げた。参考：朝雲、月刊JWings11,’12、6,’14、MAMOR vol.87、vol.110、vol.147

＜自衛官候補生課程（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の自衛官候補生教育。教育隊（女性自衛官は横須賀教育隊）で4月から8月までの５ヶ月間行われる。日課に従い共同生活を送りつつ、訓育、体育、基本教練、陸上警備訓練、短艇訓練、応急訓練、隊務（一般教養、勤務一般、諸法規など）といった教務や、分隊点検、短艇訓練・短艇競技会、乗艦・航空・防火実習、小火器射撃、水泳競技会、海面訓練、持久走競技会、史跡研修などの行事をこなす。5月の乗艦・航空実習を終えて将来就きたい職種を決め、6月から職種別の基礎教育である要員別教育が始まる。参考：MAMOR vol.117

＜自衛官候補生課程（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の自衛官候補生教育。第１教育群と第２教育群で４ヶ月弱行われる。日課に従い共同生活を送りつつ、座学や実技を受講し、導入期点検、基地研修、行進露営訓練などの行事をこなす。参考：月刊JWings9,’16

＜自衛艦隊＞：海上自衛隊の部隊Self Defense Fleet、SFと略す。海上自衛隊各種艦船部隊・航空機部隊の大半を擁する機動戦闘部隊で、国土防衛とシーレーン防護を主任務とし、特定の警備区域を持たず、必要に応じて作戦地域に適宜派遣される。保安庁警備隊時代に船隊群３個を別々に運用したところ、上級部隊指揮官の必要性が認識されたため、自衛隊設置と同時に新編された。トップは自衛艦隊司令官（海将）で、フォース・プロバイダーである隷下部隊から提供された戦力を運用するフォース・ユーザーであり、防衛大臣の指揮監督を受けて隊務を統括し、自衛艦隊旗艦に海将旗を掲揚する。司令部要員は50名くらいと大人数なので、旗艦には司令公室、幕僚長室、幕僚事務室、幕僚庶務室といった設備が設けられる。地方隊警備区内で大規模災害などが発生し、地方総監が派遣部隊指揮官となった場合には、派遣部隊指揮官／地方総監からの要求と、国土防衛・シーレーン防護に必要な戦力とを勘案し、隷下艦艇を派遣部隊指揮官／地方総監に派出する。1954年7月1日に新編され、第１護衛隊群、第２護衛隊群、第１警戒隊群を隷下に置いた。1956年5月、DE-301あけぼのが配備された。1957年4月1日、DD-102ゆきかぜが旗艦となった。1961年9月1日、U-2撃墜事件やベルリンの壁構築など冷戦激化でソ連を見据えた対潜戦能力強化が必要となり、空水共同体制強化及び有事即応体制整備のための改編を実施。水上艦部隊を護衛艦隊、地方隊隷下だった対潜航空部隊を航空集団として隷下に入れ、第２掃海隊群や３個海上訓練指導隊なども新編した。旗艦はDD-161あきづきである。1962年10月、AO-411はまなが配備された。1963年3月、司令部を吉倉地区に陸上移転させた。3月31日、呉地方隊隷下だった第１潜水隊が直轄部隊となった。1964年、移転で空いた私立栄光学園中学校旧校舎を司令部とした。1965年2月、第１潜水隊群が新編された。1969年3月15日、第１掃海隊群が編入された。1973年10月、プログラム業務隊が新編された。10月16日、第２潜水隊群が新編された。1978年7月1日、開発指導隊群が新編された。1979年3月30日、AOE-421さがみが配備された。1981年2月10日、潜水艦隊が新編され、第１・第２潜水隊群がそちらの隷下に移った。1994年6月24日、ATS-4201あづま、ATS-4202くろべ、AOE-421さがみ、AOE-422とわだ、AOE-423ときわ、AOE-424はまなが護衛艦隊に移った。1997年1月20日、情報業務群が新編された。2001年3月27日、隷下に特別警備隊SBUが新編された。2006年4月3日、第１輸送隊が護衛艦隊隷下に移った。

2012年11月5-16日、キーン・ソード13に参加。2013年8月31日、南海トラフ巨大地震を想定した平成25年度広域医療搬送訓練に参加。10月25日、平成25年度日米共同統合防災訓練に参加。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。5月10-27日、平成26年度自衛隊統合訓練（実動訓練）に参加。9月29日から10月3日、平成26年度在外邦人等輸送訓練に隊員160名で参加。11月8-19日、キーン・ソード15に参加。2015年1月26-30日、自衛隊統合指揮所演習に参加。2月9-20日、コブラゴールド15に参加。2月17日、司令部にイギリス海軍連絡士官サイモン・ステイリー中佐が着任した。これが海自初のイギリス連絡士官受け入れである。着任式は記念艦三笠の司令長官室で行われた。2月24-27日、横須賀と佐世保でBMD特別訓練に参加。3月2-12日、アメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。6月7日、平成27年度日米共同統合防災訓練に参加。8月31日から9月4日、平成27年度海上自衛隊演習（図上演習）に参加。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。11月、自衛艦隊司令部に日本水難救済会から洋上救難制度30周年記念盾が授与された。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。2月16-25日、平成27年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。6月29-30日と7月5-8日、平成28年度自衛隊統合防災演習に参加。9月3日、八重山諸島南西沖地震を想定した平成28年度離島統合防災訓練に参加。9月12日、伊勢志摩サミット支援の功績で、防衛大臣から一級賞状が授与された。9月26日から10月9日、平成28年度海上自衛隊演習（図上演習〈日米共同演習〉）に参加。10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。12月12-16日、平成28年度在外邦人等保護措置訓練に参加。2017年1月23-27日、平成28年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。1月24日から2月24日、コブラ・ゴールド17に参加。2月6-16日、アメリカ海軍大学校で平成28年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2月17日と21-24日、司令部がアメリカ海軍とのBMD特別訓練に参加。5月3-22日、日仏英米共同訓練に参加。6月20-23日、平成29年度自衛隊統合防災演習に参加。9月2日、沖縄県と周辺海空域で沖縄本島北西沖地震を想定した平成29年度離島統合防災訓練に参加。11月5日、平成29年度日米共同統合防災訓練に参加。11月6-24日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。2月12-22日、平成29年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に司令官以下司令部が参加。2月13-23日、コブラ・ゴールド18に参加。2月16日と20-23日、平成29年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に司令部が参加。3月18日、司令部を安倍首相が視察し、隊員を激励した。3月19日、2016年以降北朝鮮の弾道ミサイルに対処した功績で、小野寺防衛相から１級賞状が授与された。6月14日、司令部が横須賀港で日米共同衛生訓練に参加。6月19-22日、平成30年度自衛隊統合防災演習に参加。7月6日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。2019年1月21-26日、平成30年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月12-22日、コブラ・ゴールド19に参加。2月22日と2月25日から3月1日、平成30年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。9月1日、令和元年度離島統合防災訓練に参加。9月4-9日、令和元年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。9月7日、内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練に参加。11月11-21日、令和元年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。12月9-14日、令和元年度在外邦人等保護措置訓練（国内）に参加。2020年1月8-9日、海自幹部学校で海自部隊中東派遣の図上演習に参加。1月24-31日、キーン・エッジ2020に参加。1月26日から3月9日、コブラ・ゴールド20に10名で参加。1月30日、横須賀基地に停泊するDD-110たかなみで、中東のシーレーンを航行する日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動を行う艦艇派遣に先立つ図上演習に参加。1月31日に発出された新型コロナウイルス感染症拡大防止の災害派遣に参加。2月21-23日、令和元年度日米共同統合防災訓練TREXに参加。2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。2月24日から3月5日、アメリカ海軍大学校で行われた令和元年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に司令部が参加。4月7-8日、幹部学校で行われた、中東における情報収集活動のための部隊派遣に伴う図上演習に参加。10月1日、司令部が横須賀基地船越地区の海上作戦センターに移った。情報業務群を廃止し、艦隊情報群を新編した。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。

2021年2月12-13日、日米共同統合防災訓練TREXに参加。2月22-26日、令和2年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練に参加。7月10日から8月23日、コブラ・ゴールド21にオンラインで参加。9月28日から10月1日、令和3年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。佐世保地方隊、システム通信隊群、補給本部と共に、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊と、海上作戦センター及び参加部隊などの所在地で、上級指揮官情勢判断や部隊運用要領などを演練した。11月2日、令和3年度離島統合防災訓練に参加。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。12月22日、司令部が、DD-110たかなみ、DD-152やまぎりと共に、伊豆大島東方海域で海上保安庁との共同訓練に参加。2022年1月27日から2月3日、キーン・エッジ2022に参加。2月18日から3月4日、コブラ・ゴールド22に参加。2月21-25日、令和3年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。8月25-26日、幹部学校で派遣海賊対処行動水上部隊に係る図上演習に参加。2023年1月27日から2月3日、令和4年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。2月17日と20-22日、令和4年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。8-10月、パシフィック・パートナーシップ2023に参加。10月3-6日、令和5年度海上自衛隊演習（図上演習（共同演習））に参加。11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2024年2月1-8日、令和5年度日米共同統合演習（指揮所演習）に参加。2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。2024年2月16日と19-22日、令和5年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。

参考：自衛艦隊ホームページ、月刊世界の艦船1,’79増刊、11,’18、6,’01、1,’02、3,’10、11,’11、1,’13、4,’13、10,’13、12,’13、7,’14、1,’15、5,’15、9,'15、10,'15、1,'16、3,'16、5,'16、12,’16、4,’17、5,’17、8,’17、1,’18、5,’18、9,’18、3,’19、10,’19、11,’19、1,’20、3,’20、4,'20、5,'20、6,'20、12,'20、1,'21、4,'21、12,'21、1,'22、3,'22、5,'22、11,'22、4,'23、12,'23、月刊丸1,’10別冊、自衛隊装備カタログ1981、月刊JWings12,’14、4,’15、11,’16、5,’19、11,’19、4,'20、5,’20、5,'21、2,'22、5,'23、月刊航空ファン8,’15、1,’17、日本の防衛戦力Part3、Part7、MAMOR vol.140、vol.160、自衛隊法、朝雲

　＜自衛艦隊（１９７８年）＞：自衛艦隊司令部（横須賀）、護衛艦隊、航空集団、第１潜水隊群、第２潜水隊群、第１掃海隊群、第２掃海隊群、開発指導隊群、第１輸送隊、プログラム業務隊、直轄艦（はまな、あづま）を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79別冊、日本の防衛戦力Part3

　＜自衛艦隊（１９８０年代前半）＞：トップは自衛艦隊司令官で、司令部は横須賀・船越にある。隷下にあきづき、護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊、第１・第２掃海隊群、開発指導隊群、海洋業務隊などを置く。参考：日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981

＜自衛艦隊（２００１年度）＞：司令部は横須賀にある。隷下に護衛艦隊、潜水艦隊、掃海隊群、開発指導隊群（横須賀。ASE-6101くりはま、ASE-6102あすか）、航空集団、直轄艦（横須賀のLST-4153さつま、呉のLST-4001おおすみ）を置く。参考：月刊世界の艦船1,’02

＜自衛艦隊（２００７年度、改編前）＞：司令部は横須賀にある。隷下に護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊、掃海隊群、情報業務群、開発隊群などを置く。参考：月刊JWings6,’07

＜自衛艦隊（２００９年）＞：司令部は横須賀船越地区にある。隷下に護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊（船越）、掃海隊群（横須賀）、情報業務群（横須賀）、海洋業務群（横須賀）、開発隊群（横須賀）などを置く。参考：月刊軍事研究3,’10、月刊航空ファン4,’10、月刊丸1,’10別冊

＜自衛艦隊（２０１１年）＞：司令部は横須賀にある。隷下に護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊、掃海隊群、情報業務群、海洋業務群、開発隊群を置く。参考：海上自衛新聞

＜自衛艦隊（２０１２年）＞：司令部は横須賀にある。隷下に護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊、掃海隊群、開発隊群、海洋業務群などを置く。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜自衛艦隊（２０１５年）＞：司令部は横須賀にある。隷下に護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊、掃海隊群、開発隊群、海洋業務群（12月1日に海洋業務・対潜支援群に改編）、情報業務群を置く。参考：月刊世界の艦船6,’15、月刊航空ファン4,’16

＜自衛艦隊（２０２０年）＞：司令部は横須賀にある。隷下に護衛艦隊、潜水艦隊、掃海隊群、開発隊群、海洋業務・対潜支援群などを置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜自衛艦隊システム＞：SFシステムを参照。

＜自衛官の５箇条＞：自衛官の心構えともいう。使命の自覚、個人の充実、責任の遂行、規律の厳守、団結の強化。1961年6月28日（27日？）に制定された。参考：日本の戦力、MAMOR vol.99、日本の防衛戦力Part1

＜自衛官の心構え＞：自衛官の５箇条を参照。

＜自衛官俸給表＞：自衛官の俸給（給与）を定めた表。陸海空共通で、階級別になっている。更に勤務成績や勤続年数などで○号棒という細分があり、尉官や曹などは100以上に分かれていて、やる気を削がない給与体系となっている。他に年２回の賞与や各種手当が支払われる。参考：月刊JWings6,’16、7,’14

＜自衛官募集相談員＞：自衛官募集に協力するボランティア。地方協力本部長と市区町村長が連名で委嘱し、自衛官志願者に関する情報提供や、地本が実施する募集広報活動への援助協力を行う。任期は２年で、再委嘱も多い。2021年3月31日現在の人員数は7600人。参考：朝雲

＜ジェイク＞：零式三座水上偵察機シリーズを参照。

＜シェイク・アンド・ベイク＞：アメリカ陸軍の砲兵戦術で、名前の由来はアメリカ食品会社の鶏肉味付けパウダー商品名。白燐弾と榴弾を混ぜて敵陣に撃ち込み、白燐弾の煙に驚いて飛び出してきた敵兵を榴弾で殲滅する戦法である。第２次大戦時から使用されていたものだが、この名前が付いたのはイラク戦争のファルージャ掃討作戦レポートから。参考：月刊軍事研究4,’09

＜シェイク・イサ基地＞：イサ基地を参照。

＜シェイクスピア＞：P221（潜水艦）を参照。

＜シェイクスピア級＞：イギリス海軍嚮同駆逐艦。全長100.3m、幅9.7m、吃水2.8m、基準排水量1480トン。主機は蒸気タービンで、出力40000馬力、速力36.5ノット。兵装は12cm単装砲２門、7.6cm単装砲１門、533mm３連装魚雷発射管２基。1919-25年にD84ケッペルなどが竣工した。第２次大戦時にはD84ケッペル、D83ブローク、L64ウォーレスの３隻が残っており、うちL64ウォーレスは従来の兵装を全て撤去して10.2cm連装高角砲２基、２ポンド４連装高角砲１基、20mm機関砲を装備し、護衛駆逐艦として使用された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜自衛権＞：Self-defense。個別的自衛権（Individual self-defense）と集団的自衛権（Collective Self-defense）がある。国連憲章第51条で、国連憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安保理が国際の平和及び安全の維持に必要な措置を執るまでの間、個別的・集団的自衛権を阻害しない、と規定されている。つまり自衛権行使の要件として武力攻撃の発生がある訳だが、実際に武器が使用されて被害が出た後でないと自衛権を行使できないとすると、同時着弾で核兵器を撃ち込まれたら自衛権行使前に国が滅んでしまうことになる。よって、相手が武力攻撃への不可逆的で明らかな行動に入った時を武力攻撃の発生とみなし、その時点で自衛権を行使するというInterceptive self-defenceの考えが生まれた。また、条文をそのまま解釈すれば、武力攻撃が発生する前、武力攻撃の恐れがあるらしいという段階での先制攻撃は自衛権とみなされず、相手からの武力攻撃が急迫していて他に手段が無い場合での先制的自衛（Anticipatory self-defense）論に基づく先制攻撃も認められないが、同条文にある個別的・集団的自衛の固有の権利を害するものではないという部分の固有の権利に先制的自衛が含まれているという意見もあり、決着は付いていない。参考：月刊軍事研究4,’18、11,’13、ベーシック条約集2018

＜自衛権発動の３要件＞：日本が自衛権を発動するのに必要な３要件のこと。従来は日本に対する急迫不正の侵害で、排除のための他の適当な手段が無い場合に限り、必要最小限度に止めるという個別的自衛権の発動に限定していた。2014年7月1日の閣議で改訂され、日本または日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生して日本の存立や国民の生命・自由幸福追求権が根底から覆される明白な危険がある場合（存立危機事態）で、これを排除して日本の存立と国民を守るのに他の適当な手段が無い場合に限り、必要最小限度に止めるという、集団的自衛権にも言及したものとなった。何時を以て武力攻撃の発生とするかは、1969年に内閣法制局長官が相手が武力攻撃に着手した段階という考えを示し（着手論）、1999年3月3日に防衛庁長官が着手段階でも自衛権を発動して敵基地を攻撃できると答弁、国際情勢、敵国の明示された意図、攻撃手段、態様等を総合的に判断して武力攻撃の着手とするとした。敵国の意図を掴むことは非常に難しく、自衛権発動後の国民への説明や国連憲章第51条に基づく国連安保理への報告でもキーポイントとなるため、各種情報収集手段の整備が必要不可欠である。参考：月刊軍事研究4,’18、10,’14、月刊世界の艦船12,’15

＜ジェイコブス・Ｊ・ルロー＞：ルロー（南アフリカ空軍エース）を参照。

＜ジェイシ・アル・ファティーン＞：イラクのスンニ派テロ組織で、2006年1月6日にイラク・イスラム軍から分離した。西部のアンバール州でアメリカ軍やイラク国家保安隊に対して活発なテロ活動を行っている。参考：月刊軍事研究10,’06

＜ジェイソン・ダンハム＞：DDG-109（駆逐艦）を参照。

＜自衛隊＞：わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し、わが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ公共の秩序の維持にあたる組織で、自衛隊法に定められている。防衛大臣、防衛副大臣、防衛大臣政務官、防衛大臣補佐官、防衛大臣政策参与、防衛大臣秘書官、防衛省事務次官、防衛審議官、防衛省本省内部部局、防衛大学校、防衛医科大学校、防衛会議、統合幕僚監部、情報本部、防衛監察本部、地方防衛局、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、防衛装備庁を含む。組織として武器を所有でき、防衛出動（自衛隊法76条）、領空侵犯に対する措置（84条）、治安出動（78条）、自衛隊施設や在日米軍施設・区域の警護（第81条の２）、海上警備行動（82条）、災害派遣（83条）、不発弾・機雷処理（99条）、弾道ミサイル等に対する破壊措置（82条の２）、国民保護等派遣（77条の４）、民生協力などを行う。国際緊急援助活動、国際平和協力業務、在外邦人等輸送、重要影響事態における後方地域支援、重要影響事態におけるアメリカ軍・オーストラリア軍・イギリス軍に対する物品または役務の提供、重要影響事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動も行っている。自衛隊の訓練目的に適合する場合には、国や地方公共団体などの土木工事、通信工事などを実施でき、関係機関から依頼があれば自衛隊の任務遂行に支障の出ない範囲でオリンピックや国体など運動競技会の運営に協力し、国が行う南極地域に於ける科学的調査で政令で定める輸送などを行い、国の機関から依頼があれば自衛隊の任務遂行に支障の出ない範囲で航空機により国賓や内閣総理大臣を輸送する。防衛大臣は、任務遂行上特に必要があると認める場合には、海上保安庁等（海上保安庁、地方航空局、航空交通管制部、気象官署、国土地理院、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律第１条第３項に規定する会社、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社）に対し協力を求めることができ、海上保安庁等は特別の事情がない限り、これに応じなければならない。軍事指揮権を有するのは内閣総理大臣、防衛大臣、統合幕僚長である。最高指揮官は内閣総理大臣。防衛大臣は自衛隊の隊務を統括するが、統幕の所掌事務に係る三自衛隊の隊務は統幕長、陸幕の所掌事務に係る陸自の隊務は陸幕長、海幕の所掌事務に係る海自の隊務は海幕長、空幕の所掌事務に係る空自の隊務は空幕長を通じて行う。自衛隊法で適用除外となっているものを除き、日本国内では当然日本の法律に従わなければならないので、車幅が2.5mを超える装備車両は、道路運送車両法の規定に基づいて所轄警察署の許可を得ないと公道を走れない。当然ながらメーカーが自衛隊に納入する際にも法律が適用されるから、幅が広く重い戦車などを納入する際には許可を得る手続きが煩雑になる。港での弾薬荷揚げはＣバースの昼間のみ、列車での弾薬輸送も１両あたりの重量制限と１編成あたりの両数制限がある上に隊員を同じ貨車に乗せることができない。何よりも憲法の範囲内で戦略守勢・専守防衛に特化しており、攻撃能力はアメリカに全面的に依存している。つまり侵略国が安全な自国領域に十分な予備兵力を準備して短期間に波状攻撃を仕掛けると、自衛隊は戦力をすり減らされて負けが確定するので、その弱点をアメリカ軍に補ってもらっている。発足当時のMSA協定締結交渉で、アメリカ側から32万5000名の兵力整備を求められたが、日本側は18万名を主張、この時の日本側の数字が陸上自衛隊定数へと発展している（一次防での整備を目指したが達成したのは四次防）。入隊時には「我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感を持って専心職務の遂行にあたり、事に望んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応えることを誓います」と宣誓する。今のところ交戦規則が曖昧で軍法も存在せず、暴走にブレーキをかける法的な拘束力に乏しい。一方で、敵前逃亡は死刑でなく７年以下の懲役または禁固なので、いざという時に脱走が続出する可能性もあるともいわれるが、各種大規模災害派遣実績を見る限り、その心配は無さそうである。定数に比較して実数が少ないが、予算編成時に充足率86%程度となるよう抑えられている影響もある。冷戦後のリストラで定数も減っているが、1-3士ばかりを切ったために他国軍と比較しても高齢化が進み、一方で人件費はあまり減らせなかった。防衛力は1958-61年度の第１次防衛力整備計画（１次防）、1962-66年度の２次防、1967-71年度の３次防、1972-1977年度の４次防による整備の後、防衛計画の大綱を策定するようになり、2022年からは国家防衛戦略・防衛力整備計画に沿って揃えることになった。1954年6月21日、自衛隊への切り替えに伴い直接防衛の宣誓を実施したが、保安隊警察予備隊の6300名、警備隊の10名、保安大学の６名が拒否し、その殆どは自衛隊設立時に退職した。7月1日、防衛庁設置法と自衛隊法が公布され、保安隊警察予備隊と警備隊に航空自衛隊を加えて創設された。1960年11月2日、自衛隊記念日で昭和天皇が皇居で三自衛隊等幹部20名に御会釈を賜った。これが自衛隊幹部と天皇との初会見である。1964年、東京オリンピックで隊員7674名（防衛大学校生含む）と車両740両を派遣して支援を行った。1974年8月26日、三自衛隊共同大地震対処演習を実施。1979年3月、自衛隊統合演習を実施。1986年2月、初の日米共同統合指揮所演習を実施。1986年（1981年？）10月、自衛隊とアメリカ４軍との初の共同統合実動演習を実施。統合幕僚会議事務局と三自衛隊から隊員6000名、艦艇10隻、航空機50機が参加した。1987年1月24日、安全保障会議と閣議で今後の防衛力整備を決定。1990年11月12日、隊員と防衛大学校・防衛医科大学校学生計1250名が即位の礼を支援し、即位礼正殿の儀で礼砲を発射、祝賀御列の儀で儀仗・堵列・奏楽を行った。また、11月8-18日に参列各国要人1000名以上を輸送している。1994年2月、平成天皇の小笠原諸島行幸啓・硫黄島御訪問に際し、隊員2000名、護衛艦10隻、航空機（C-1輸送機、US-1救難飛行艇、HSS-2対潜ヘリなど）20機以上で支援した。硫黄島内の移動も宮内庁御料車でなく自衛隊のオリーブ・ドラブ４輪駆動車を使い、硫黄島戦戦没者を慰霊すると共に、海自硫黄島航空基地隊と空自硫黄島基地隊を行啓幸している。1995年11月、キーン・エッジ95を実施。1996年1月25日から2月2日、キーン・エッジ96を実施。11月、キーン・ソード97を実施。1998年2月12-20日、キーン・エッジ98を実施。11月2-13日、キーン・ソード99を実施。11月15日、初の三自衛隊統合演習を硫黄島で実施。

2000年2月、キーン・エッジ2000を実施。11月2-18日、キーン・ソード2001を実施。2002年11月11-22日、キーン・ソード2003を実施。2004年2月、キーン・エッジ2004を実施。11月10-19日、キーン・ソード2005を実施。12月、インド洋大津波の救援のため、インド洋派遣任務から帰投中の護衛艦３隻を国際緊急援助隊として派遣し、2005年1月7日にインドネシア派遣を正式決定した。2006年3月27日、統合運用体制に移行。統合幕僚会議が統合幕僚監部に改編され、統合幕僚会議議長が統合幕僚長になり、権限が強化された。2007年2月、キーン・エッジ2007を実施。11月5-16日、キーン・ソード2008を実施。2008年3月、指揮通信システム隊を新編。2009年1月、キーン・エッジ2009を実施。1月15-27日、日米共同統合指揮所演習を実施。3月27日、北朝鮮のテポドン２号発射に際し、弾道ミサイル等に対する破壊措置実施の自衛隊行動命令が発令され、BMD任務部隊を編成し、初の自衛隊統合運用を実施した。9月1日、政府主催の総合防災訓練に参加。11月5-11日、自衛隊統合演習（実動演習）を実施。統幕、陸海空幕、西部方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、航空総隊、航空支援集団、航空教育集団などから人員41800名、車両1170両、航空機300機、艦艇６隻が参加した。

2010年1月13-29日、日米共同統合演習（指揮所演習）／キーン・エッジ2010を実施。2月1-11日、コブラ・ゴールド10に参加。2月15-18日、平成21年度自衛隊統合防災演習（指揮所演習）を実施。防衛省内局、統幕、陸海空幕、情報本部、指揮通信システム隊、各方面隊、中央即応集団、通信団、警務隊、中央輸送業務隊、中央管制気象隊、航空学校、補給統制本部、自衛艦隊、横須賀地方隊、システム通信隊群、海自幹部学校、海自第２術科学校、海自補給本部、航空総隊、航空支援集団、航空システム通信隊、空自補給本部、内閣官房、内閣府、警察庁、消防庁、海上保安庁などが参加した。7月7-9日、東海地震を想定した平成22年度自衛隊統合防災演習（指揮所演習）を実施。防衛省、統幕、三自衛隊、防衛医科大学校、静岡県庁などから総計1000名弱が参加した。8月29-31日、東海地震を想定した平成22年度自衛隊統合防災演習（実動演習）機能別訓練を実施。8月30日から9月1日、防衛省総合防災訓練を実施。8月31日から9月1日、平成22年度自衛隊統合防災演習（実動演習）総合訓練を実施。12月3-10日、キーン・ソード2011を実施。2011年2月7-18日、コブラ・ゴールド11に参加。2月22-25日、平成22年度自衛隊統合指揮所演習を実施。4月22日、陸自本部付警務隊、海自東京地方警務隊、空自東京地方警務隊を中央警務隊に統合した。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。6月20-30日、アヤラ・ガーディアン11演習に統幕と統幕校から計７名が参加。9月19-22日、マレーシアのクアラルンプールで開催された第40回太平洋アジア地域後方補給セミナーに統幕主席後方補給官ら５名が参加。11月14-18日、平成23年度自衛隊統合演習（実動演習）を実施。35000名、車両1300両、艦艇６隻などが参加し、九州南西・沖縄方面を中心に、海上作戦、航空作戦、弾道ミサイル対処、基地警備、統合輸送、島嶼防衛などの演習を行った。2012年1月11-31日、平成23年度日米共同統合演習（通算19回目）を実施。自衛隊から1380名、アメリカから500名が参加した他、内閣官房や外務省など関係省庁も初めて加わり、省庁間調整などを演練した。2月5日から3月20日、GPOIキャプストーン演習に参加。3月30日から4月13日、弾道ミサイル等に対する破壊措置実施の自衛隊行動命令が発令された。6月3日、九州電力玄海原発の事故を想定した初の総合防災訓練に、第４師団第19普通科連隊、第４特殊武器防護隊、LST-4003くにさき、佐世保水中処分隊、第72航空隊、芦屋救難隊、春日気象隊などが参加した。7月16-20日、平成24年度自衛隊統合防災演習（指揮所演習）を防衛省などで実施。9月1日、横浜市で実施された９都県市合同防災訓練に参加。11月5-16日、キーン・ソード13に参加。12月7-12日、弾道ミサイル等に対する破壊措置実施の自衛隊行動命令が発令された。2013年2月5日、静岡県の航空受援訓練に参加。2月25-28日、平成24年度自衛隊統合演習（指揮所演習）を実施。統幕、陸海空幕、情報本部、各方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、各地方総監部、航空総隊、航空支援集団などが参加し、武力攻撃など各種事態における統合運用を演練した。3月25日から4月7日、シャンティ・プラヤー２演習に参加。5月7-10日、タイでASEAN地域フォーラム災害救援実動演習に参加。6月10-26日、統合実動演習ドーン・ブリッツ2013に参加。6月17-20日、ブルネイでADMMプラスの人道支援・災害救援・防衛医学実動演習に参加。7月1-5日、平成25年度自衛隊統合防災演習（指揮所演習）を実施。防衛省内局、統幕、陸海空幕、情報本部、三自衛隊から3000名と、関係省庁、地方自治体、在日米軍などが参加した。10月25日、平成25年度日米共同統合防災訓練を実施。統幕30名、中部方面隊200名、車両20両、UH-1多用途ヘリ２機、自衛艦隊・呉地方隊200名、SH-60J/K哨戒ヘリ２機、DDH-182いせ、航空総隊100名、U-125A救難捜索機１機、CH-47輸送ヘリ３機、UH-60J救難ヘリ１機、在日米軍第３海兵遠征軍20名、MV-22B輸送機２機が参加した。11月1-18日、平成25年度自衛隊統合演習（実動演習）を実施。統幕、情報本部、三自衛隊から隊員34000名、車両900両、艦艇６隻、航空機380機が参加し、島嶼防衛、着上陸に係る統合作戦、陸海空作戦、統合輸送などを訓練した。宮古島に88式地対艦誘導弾システム、03式中距離地対空誘導弾、改良ホーク地対空ミサイルを展開させるなどしている。

2014年1月12日、第８師団第12普通科連隊・第８飛行隊、第１航空群、第５航空団、鹿児島地本が鹿児島市で桜島火山爆発総合防災訓練に参加。1月15日から2月4日、平成25年度日米共同統合演習（指揮所演習）を実施。防衛省、統幕、陸海空幕、情報本部などが参加した。2月7日、平成25年度日米共同統合防災訓練TREX（Tomodachi Rescue Exercise）を実施。東部方面隊、中部方面隊、中央即応集団などから隊員450名、車両20両、DDH-181ひゅうが、AMS-4304げんかいが参加した。2月11-21日、コブラ・ゴールド14に参加。3月26日に北朝鮮が弾道ミサイル２発を発射したのを受け、防衛大臣が警戒監視と情報収集に万全を期すよう下命。弾道ミサイルの破壊措置命令も出したらしく、4月7日から防衛省などにペトリオットPAC3地対空ミサイルが展開し、イージス護衛艦も迎撃態勢に入ったようである。ただ北朝鮮との間で進めている政府間交渉への影響を避けるため命令発出や解除は非公開とされ、4月28日からペトリオットPAC3地対空ミサイルやイージス護衛艦は撤収した。4月24日から5月2日、ASEAN災害救援実動演習に参加。5月10-27日、奄美群島江仁屋離島（無人島）と沖縄東方海域で平成26年度自衛隊統合演習（実動訓練）を実施。三自衛隊による初の島嶼奪還訓練で、掃海隊群司令を訓練統制官とし、西部方面普通科連隊、西部方面航空隊、CH-47JA輸送ヘリ２機、UH-60JA多用途ヘリ２機、AH-64D戦闘ヘリ２機、自衛艦隊、DDG-178あしがら、DDH-144くらま、MST-464ぶんご、LST-4002しもきた、SH-60K哨戒ヘリ３機、F-2戦闘機２機が参加し、着上陸訓練、LCAC航行訓練、統合火力誘導訓練などを行った。6月2-6日、平成26年度自衛隊統合防災演習（通算15回目）を実施。在日米軍、関係省庁、地方自治体も含め3000名が参加した。8月25日から9月5日、統合多国間訓練の南十字星14に参加。8月30日、南海トラフ巨大地震を想定した内閣府主催の広域医療搬送訓練に参加。9月3-6日、宮古島沖地震を想定した沖縄県主催の総合防災訓練に参加。9月29日から10月3日、平成26年度在外邦人等輸送訓練を実施。指揮所演習と実動演習が行われ、後者には中部方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、MST-463うらが、航空総隊、航空支援集団が参加した。10月19日、平成26年度和歌山県津波災害対応実践訓練に参加。陸自10100名、車両214両、航空機７機、海自325名、DDH-182いせ、空自60名、航空機４機が南海トラフ地震を想定した各機関との連携を演練した。11月8-19日、キーン・ソード15に参加。12月1日から２年間、NATO本部に陸幕防衛課付二等陸佐（女性自衛官）を女性・平和・安全保障分野のNATO事務総長特別代表アドバイザーとして派遣。NATOへの自衛官派遣はこれが初である。

2015年1月26-30日、平成26年度自衛隊統合演習（指揮所演習）を実施。防衛省、統幕、陸海空幕、情報本部などが参加した。2月9-20日、コブラゴールド15に参加。5-8月、パシフィック・パートナーシップ2015に参加。5月16-17日、LST-4001おおすみ、SH-60J/K哨戒ヘリ、西部方面総監部、西部方面航空隊CH-47J輸送ヘリ、UH-60JA多用途ヘリ、アメリカ海軍イージス駆逐艦DDG-88プレブル、フランス海軍強襲揚陸艦L9015ディズミュード、フリゲートF713アコニトが、九州西方海域で共同訓練（日米仏の３カ国では初）を実施。ヘリ相互発着艦訓練、クロスデッキ訓練、PHOTOEXなどを行った。5月25-28日、ASEAN地域フォーラム災害救援実動訓練に参加。6月7日、高知県沖でマグニチュード9.1クラスの地震が発生したとの想定で平成27年度日米共同統合防災訓練（高知県総合防災訓練、第14旅団災害対処演習と連携）を実施。統幕、中部方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、呉地方隊、航空総隊、航空支援集団などから隊員1150名、航空機18機、LST-4003くにさきが、在日米陸軍と第３海兵遠征軍から人員15名と航空機２機が参加した。6月29日から7月3日、平成27年度自衛隊統合防災演習を実施。自衛隊、海上保安庁、東京都、日本赤十字社などから計7000人が参加した。8月11-24日、GPOIキャップストーン演習2015に参加。8月18日から9月9日、ドーン・ブリッツ2015に参加。8月26-30日、平成27年度方面隊災害対処演習ノーザン・レスキュー2015を実施。9月5日、沖縄県、熊本県、鹿児島県、周辺空海域で平成27年度離島統合防災訓練を実施。隊員520名、車両70両、LST-4001おおすみ、航空機15機が参加した。9月26日から10月12日、PHIBLEX2015に統幕、海自、西部方面隊から７名がオブザーバー参加した。9月28日から10月7日、赤道15に統幕５名、空幕１名、中央即応集団１名で参加。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習（通算20回目）を実施。統幕、陸海空幕、情報本部、各方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団などから隊員25000名、車両5200両、艦艇10隻、航空機250機が参加し、防空作戦、艦隊防空、対艦攻撃、水陸両用作戦、弾道ミサイル対処、基地警備、統合後方補給、サイバー攻撃対処、捕虜取扱、武器防護などを訓練した。12月17-18日、平成27年度在外邦人等輸送訓練を防衛省市ヶ谷地区、相馬原演習場、府中基地、入間基地、相模湾などで実施。陸上自衛隊から東部方面隊、中央即応集団、中央情報隊など隊員180名、車両17両（輸送防護車４両含む）、CH-47輸送ヘリ１機、海上自衛隊から隊員120名、LST-4003くにさき、航空自衛隊から航空総隊や航空支援集団など隊員150名、C-130H輸送機２機が参加した。

2016年1月12日から2月2日、平成27年度日米共同統合演習（指揮所演習）を実施。各方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、アメリカ太平洋軍司令部、在日米海軍などが参加し、防衛省市ヶ谷地区、在日米軍横田基地などで指揮所演習を行った。2月3-8日、弾道ミサイル等に対する破壊措置実施の自衛隊命令を発令。3月16日、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて弾道ミサイル等に対する破壊措置命令を発出（非公表）。5月11日、弾道ミサイル等に対する破壊措置命令を解除した（非公式）。5月14日、中部国際空港で伊勢志摩サミット支援部隊である国賓等空輸隊（指揮官は第１ヘリコプター団長）の編成完結式を実施。5月22日から6月4日、モンゴルでGPOIキャップストーン演習に参加。5月30日、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、防衛大臣が弾道ミサイル等に対する破壊措置命令を発出。5月31日、北朝鮮が弾道ミサイル発射に失敗したため、弾道ミサイル等に対する破壊措置命令を解除した。6月21日、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、防衛大臣が弾道ミサイル等に対する破壊措置命令を発出。6月22日、北朝鮮が発射したBM25弾道ミサイルをレーダーで捕捉し、高度1000km以上に達したことを確認した。6月23日、弾道ミサイル等に対する破壊措置命令を解除。6月29-30日（机上演習TTX）と7月5-8日（指揮所演習CPX）、平成28年度自衛隊統合防災演習を実施。防衛省内局、統幕、陸海空幕、情報本部、各方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団などから隊員4500名、在日米軍、外務省、警察庁などが参加し、南海トラフ地震での対処能力維持向上を図った。これに合わせて東部方面隊では方面隊計画訓練、中部方面隊では南海レスキュー28を行っている。8月3日、北朝鮮が発射したノドン弾道ミサイルが秋田県沖250kmのEEZ内に着弾した際、TEL搭載型のため発射兆候を掴めず、事前に破壊措置命令を出せなかったため、8月8日（16日？）に防衛大臣が破壊措置命令を常時発令された状態で下命した。取り敢えず３ヶ月ごとに更新する予定。8月6日、南海トラフ地震を想定した内閣府の平成28年度大規模地震時医療活動訓練に統幕、第１師団第１飛行隊、第10師団第10飛行隊、第１ヘリコプター団など隊員200名、航空機６機、車両25両で参加。8月23日から9月1日、平成28年度第１回在外邦人輸送訓練を実施。アメリカ軍と連携しての在ジブチ邦人輸送を想定し、統幕、陸幕、空幕、情報本部から隊員計10名、中央即応集団などから隊員計70名、航空支援集団から隊員70名と第１輸送航空隊KC-767空中給油輸送機１機が参加した。9月1日、埼玉県で行われた第37回９都県市合同防災訓練に第１師団第32普通科連隊、第１飛行隊、第12ヘリコプター隊、中部航空方面隊司令部支援飛行隊、百里救難隊などが参加。相浦駐屯地で行われた佐世保市総合防災訓練に海自第72航空隊UH-60J救難ヘリ、第４師団第16普通科連隊などが参加。9月3日、八重山諸島南西沖地震を想定した平成28年度離島統合防災訓練を実施。航空総隊、航空支援集団、第１輸送航空隊、那覇ヘリコプター空輸隊、那覇救難隊から隊員60名、U-125A救難捜索機１機、CH-47J輸送ヘリ１機、UH-60J救難ヘリ１機、E-2C早期警戒機１機、C-130H輸送機２機、車両10両、自衛艦隊と佐世保地方隊から隊員190名、P-3C哨戒機２機、C-130R輸送機１機、LST-4001おおすみ、LCU-2001輸送艇１号、西部方面隊、第15旅団、第15ヘリコプター隊から隊員160名、UH-60JA多用途ヘリ１機、CH-47輸送ヘリ５機が参加した。9月3-9日、タイで行われたADMMプラス人道支援・災害派遣及び防衛医学実動演習に隊員210名、LST-4003くにさき、C-130H輸送機１機で参加。10月13-15日、平成28年度国内における統合訓練を実施。統幕５名、西部方面隊50名、掃海隊群30名、航空総隊５名が参加し、海自佐世保地区で水陸両用作戦に係る指揮幕僚活動を演練した。10月30日から11月11日、キーン・ソード17演習を実施。11月9-10日、日本周辺海域で日米韓共同弾道ミサイル情報共有訓練を実施し、DDG-176ちょうかいと航空総隊が参加した。11月30日、コロンビアと防衛協力・交流覚書を交わし、防衛大臣が署名した。12月12-16日、平成28年度在外邦人等保護措置訓練を実施。東部方面隊、中央即応集団、警務隊、CH-47輸送ヘリ２機、自衛艦隊、LST-4001おおすみ、航空総隊、C-130H輸送機１機、隊員計490名が参加し、市ヶ谷地区、相馬原演習場、入間基地、相模湾で図上訓練や実動訓練を行った。

2017年1月8日から3月8日、ジブチで災害対処能力強化支援事業を実施。1月23-27日、平成28年度自衛隊統合演習（指揮所演習）を実施。防衛省内局、統幕、情報保全隊、指揮通信システム隊、各方面隊、中央即応集団、中央管制気象隊、自衛艦隊、各地方隊、システム通信隊群、東京業務隊、航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、航空開発実験集団などから隊員8700名が参加し、防衛省市ヶ谷地区などで、米軍等の部隊の武器等の防護や、在外邦人等の保護措置といった事態に於ける図上訓練を行った。1月24日から2月24日、コブラ・ゴールド17に参加。4月14日から5月18日、パシフィック・パートナーシップ2017に参加。5月3-22日、アメリカ、イギリス、フランスと共同訓練を実施。統幕から10名、陸幕、西部方面隊、通信団、中央輸送業務隊から50名とCH-47輸送ヘリ１機、海幕、自衛艦隊、横須賀地方隊から160名とLST-4003くにさきが参加し、フランス海軍強襲揚陸艦L-9013ミストラル、フリゲート・クールベ、フランス陸軍150名、イギリス海軍・海兵隊70名、マーリン哨戒ヘリ２機、アメリカ海兵隊100名と、日本周辺海空域及びグアム・北マリアナ諸島周辺海空域で、着上陸訓練、通信訓練、発着艦訓練、偵察用ボート発進・収容訓練、総合訓練などを行った。5月8-19日、バリカタン17演習に参加。6月20-23日、平成29年度自衛隊統合防災演習を実施。各方面隊、自衛艦隊、航空総隊などから隊員13000名が参加した。ASEAN加盟10カ国の佐官級とASEAN事務局から計11名がオブザーバー参加している。7月19-20日、沖縄県で美ら海レスキュー2017に参加。7月29日、内閣府主催平成29年度大規模地震時医療活動訓練に隊員250名（自衛隊呉・佐世保病院医官含む）、統幕、陸自（中部方面隊UH-1多用途ヘリなど）、海自（LST-4001おおすみ、C-130R輸送機など）、空自（C-130H輸送機、CH-47輸送ヘリ１機など）が参加した。8月2-8日、相浦駐屯地でイギリス海軍・海兵隊から教官を招いて水陸両用作戦教育を実施。西部方面隊20名、掃海隊群司令部など海自から３名、アメリカ海軍・海兵隊から７名が参加した。8月10日、北朝鮮がグアム沖に弾道ミサイル４発を発射すると予告したため、8月12日に飛翔ルートの出雲駐屯地、海田市駐屯地、松山駐屯地、高知駐屯地に第４高射群ペトリオットPAC3部隊を展開した。8月14日には島根、広島、愛媛、高知の各県知事が防衛省を訪問し、防衛副大臣に住民の安全確保などを求める緊急要請書を手渡している。9月1日、神奈川県小田原市で行われた第38回９都県市合同防災訓練ビッグレスキューかながわに、第１師団第１高射特科大隊、東部方面混成団第31普通科連隊、自衛隊横須賀病院、横須賀衛生隊、中部航空方面隊司令部支援飛行隊などが参加。LST-4001おおすみによる洋上広域搬送拠点臨時医療施設訓練、LCACによる広域応援部隊輸送訓練、YDT-03水中処分母船３号やSH-60K哨戒ヘリによる救助訓練は、台風の影響で中止された。9月2日、沖縄県と周辺海空域で沖縄本島北西沖地震を想定した平成29年度離島統合防災訓練を実施。統幕10名、陸自120名（西部方面隊、第15旅団第51普通科連隊、第15偵察隊、第15ヘリコプター隊）、海自360名（自衛艦隊、佐世保地方隊、佐世保衛生隊）、空自40名（航空総隊、航空支援集団、那覇救難隊、那覇ヘリコプター空輸隊）、航空機10機、DDH-182いせ、車両40両が参加した。9月25日から10月2日、平成29年在外邦人等保護措置訓練（国外）を実施。統幕、陸幕、空幕、情報本部から隊員20名、陸自中央即応集団などから隊員70名と軽装甲機動車１両、空自航空支援集団などから隊員20名と第404飛行隊KC-767空中給油輸送機が参加し、宇都宮駐屯地、小牧基地、ジブチ共和国などで、部隊国外展開、現地での輸送行動、拠点からの撤収、ジブチ共和国及び周辺国への航空機運航、アメリカ軍との連携・調整要領（C-130輸送機への軽装甲機動車搭載・卸下など）を訓練した。11月5日、四国とその周辺海空域で南海トラフ地震を想定した平成29年度日米共同統合防災訓練を実施。統幕、中部方面隊（第14旅団第15普通科連隊、第14施設隊など）、中央即応集団、自衛艦隊、呉地方隊、航空総隊、航空支援集団（新田原救難隊など）から隊員1445名、車両200両、LST-4003くにさき、航空機15機、在日米陸軍第１軍団10名が参加し、部隊進出、孤立地域進出、医療支援、物資輸送、情報、津波浸水対策、通信事業者との連携の各訓練を行った。11月6-24日、平成29年度自衛隊統合演習（実動演習）を実施。中央即応集団、第２師団、西部方面普通科連隊、西部方面特科隊第112特科大隊、西部方面ヘリコプター隊、第３対戦車ヘリコプター隊、第５施設団、自衛艦隊、航空総隊、航空支援集団、指揮通信システム隊、自衛隊中央病院などから隊員15000名、車両1500両、艦艇６隻（DDH-181ひゅうが、LST-4003くにさき、LCAC-2104エアクッション艇４号など）、航空機170機（AH-64D戦闘ヘリ、CH-47JA輸送ヘリなど）が参加し、日本周辺海空域、自衛隊施設、沼津海浜訓練場、種子島および対馬周辺区域で、水陸両用作戦、防空作戦、海空作戦、武器等防護、統合後方補給（ナッチャンWorldを使用した第２師団部隊の苫小牧港から大分港までの海上輸送など）、サイバー攻撃対処、基地警備などの訓練を行った。12月初旬、全自衛隊弓道大会、同柔道大会、同合気道演武大会を実施。

2018年1月9日から2月3日、平成29年度日米共同統合演習（指揮所演習）キーン・エッジ2018を市ヶ谷地区など演習参加部隊等所在地、ハワイ、在日米軍横田基地などで実施。三自衛隊各部隊、アメリカ軍、内閣官房、外務省などが参加した。2月16日と20-23日、平成29年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練を実施。これまで海自BMD特別訓練として実施していたのを日米共同統合訓練に格上げしたもので、統幕、自衛艦隊司令部、DDG-173こんごう、DD-116てるづき、航空総隊司令部、第２高射群、第５高射群、アメリカ第７艦隊司令部、艦艇数隻が参加し、弾道ミサイル対処と防空戦闘に関するシミュレーション訓練を行った。4月20-21日、ジャカルタで開催されたアジア太平洋女性軍人セミナー2018に女性２等陸佐が参加。5月8-24日、九州西方海域、種子島、種子島周辺海域で水陸機動団演習を実施。陸自隊員450名、水陸機動団、第１ヘリコプター団、西部方面航空隊、CH-47輸送ヘリ、AAV-7水陸両用車、DDH-181ひゅうが、LST-4002しもきた、LCAC２隻などが参加した。6月2日、日本武道館で第55回全自衛隊空手道選手権大会を実施。6月8日、中国軍との海空連絡メカニズムの運用を開始。6月19-22日、市ヶ谷などで平成30年度自衛隊統合防災演習（指揮所訓練）を実施。防衛省、統幕、陸幕、海幕、空幕、情報本部、防衛装備庁、陸上総隊、各方面隊、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団などから12000名が参加し、初めて陸上総隊司令部を統合任務部隊司令部として災害対処訓練を行った。6月30日、初めて部外にも開放して第12回全自衛隊拳法富士山大会を実施。7月31日、北朝鮮軍による弾道ミサイル発射の恐れが当面低くなったとして、昨年8月から出雲・海田市・松山・高知駐屯地に展開していた第４高射群などのPAC3部隊、9月から函館駐屯地に展開していた第６高射群PAC3部隊を撤収した。また、昨年3月から市ヶ谷の防衛省グラウンドで迎撃態勢を取っていた第１高射群第１高射隊市ヶ谷分遣班PAC3を省内の施設に収容した。8月4日、内閣府主催平成30年度大規模地震時医療活動訓練に隊員130名、航空機６機、車両15両で参加。9月1日、沖縄県と周辺海空域で行われた平成30年度離島統合防災訓練に統幕と三自衛隊から隊員430名、航空機10機、LST-4001おおすみ、車両60両が参加。神奈川県東扇島などで行われた九都県市合同防災訓練に第１師団第１飛行隊、第１後方支援連隊、第１特殊武器防護隊、東部方面混成団第31普通科連隊、DDH-183いずも、中部航空方面隊、空自基地警備犬などが参加。

特別輸送ヘリコプター隊はEC-225LP要人輸送ヘリで安倍総理を東扇島東公園に空輸した。9月1-9日、ジブチ共和国などで平成30年度在外邦人等保護措置訓練（国外）を実施。統幕、陸幕、情報本部から20名、陸上総隊など80名と軽装甲機動車１両、航空支援集団など20名と第403飛行隊C-2輸送機１機が参加し、国外拠点への展開、現地における陸上輸送と当該拠点からの撤収、ジブチ共和国とその周辺国への航空機の運航などを行った。10月5-19日、種子島と周辺海空域で日米共同離島奪還訓練を実施。自衛隊から隊員230名、LST-4001おおすみ、戦闘強襲偵察用舟艇CRRC、水陸機動団、第１ヘリコプター団CH-47JAヘリ２機など、アメリカ第３海兵師団第４海兵連隊から90名が参加した。10月9-19日、アラバマ州マックスウェル空軍基地で開催されたアメリカ空軍宇宙コマンド多国間図上演習シュリーバーに防衛省内局５名、統幕３名、空幕６名で参加。他に内閣府、外務省、文科省、経済産業省、国家安全保障局、内閣衛星情報センター、JAXAなども職員を派遣している。10月13-14日、平成30年度日米共同統合防災訓練を実施。隊員2500名、車両250両、DDH-181ひゅうが、航空機30機が参加し、大阪府、広島県、愛媛県などで南海トラフ地震を想定した在日米軍（第３海兵遠征軍CH-53強襲ヘリ２機、在日米陸軍UH-60汎用ヘリ２機）との共同対処訓練を行った。10月13日、防衛省慰霊碑地区で平成30年度自衛隊殉職隊員追悼式を実施。10月14日、朝霞駐屯地で平成30年度自衛隊中央観閲式を実施。10月15-24日、統合水陸両用作戦訓練（実動訓練）を実施。統幕10名、陸自300名、陸上総隊司令部、水陸機動団AAV水陸両用車４両、第１ヘリコプター団CH-47JAヘリ２機、海自200名、LST-4002しもきた、LCACが参加し、佐世保地区から種子島に至る海空域、種子島周辺海空域、種子島から横須賀地区に至る海空域で、ボート・AAV・ヘリによる着上陸及びLCACによる揚陸から沿岸支援地域開設までの一連の行動を演練した。10月18-19日、アメリカ空軍第384医療群が主催して在日米軍横田基地で初開催された日米航空医学相互運用カンファレンスに、統幕、陸自、空自、自衛隊中央病院から衛生職域隊員20名（空幕主席衛生官や航空総隊医務官など）が参加。10月29日から11月8日、キーン・ソード19を実施。11月21-23日、平成30年度自衛隊音楽まつりを実施。12月11-14日、平成30年度在外邦人等保護措置訓練（国内）を実施。統幕10名、陸自（陸上総隊、西部方面隊など）200名、車両20両、CH-47JA輸送ヘリ２機、偵察用無人機、輸送防護車、海自250名、DDH-181ひゅうが、空自（航空総隊、航空支援集団、航空教育集団）70名、C-2輸送機２機、外務省などが参加し、日光演習場、米子駐屯地、美保基地、境港と周辺海空域などで、机上訓練（関係機関との連携・調整要領）と実動訓練（偵察用無人機で情報を収集し、一時避難場所に集合した邦人を輸送防護車などで美保基地に送り、C-2輸送機に乗せて待避させるか、CH-47JA輸送ヘリでDDH-181ひゅうがに輸送）を行った。

2019年1月21-26日、平成30年度自衛隊統合演習（指揮所演習）を実施。統幕、陸幕、海幕、空幕、陸上総隊、自衛艦隊、航空総隊などが参加し、防衛省市ヶ谷地区及びその他演習部隊等の所在地で、武力攻撃事態に於ける対応などを想定した演習を行った。2月12-22日、コブラ・ゴールド19に参加。2月22日と2月25日から3月1日、平成30年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練を実施。統合幕僚監部、第２高射特科団、第15旅団第15高射特科連隊、自衛艦隊司令部、DDG-173こんごう、DDG-175みょうこう、DD-117すずつき、DD-115あきづき、航空総隊司令部、西部航空警戒管制団、南西航空警戒管制団、第２高射群、第５高射群、アメリカ海軍第７艦隊司令部、艦艇数隻が参加し、陸自飯塚駐屯地、八重瀬分屯地、海自横須賀地区、佐世保地区、空自横田基地、春日基地、那覇基地、アメリカ海軍横須賀基地で、弾道ミサイル対処と防空戦闘における日米共同対処をシミュレーション訓練した。3月3日からパシフィック・パートナーシップ2019に参加。5月21-24日、自衛隊統合防災演習を実施。東京オリンピック・パラリンピック期間中に首都直下地震が発生したとの想定で、防衛省、第１師団、東京地本などが参加した。9月1日、令和元年度離島統合防災訓練RIDEXを実施。統裁官は西部方面総監で、統幕15名、陸自西部方面隊（宮古警備隊など）240名、UH-60JA多用途ヘリ１機、CH-47JA輸送ヘリ１機、車両50両、海自自衛艦隊と佐世保地方隊170名、LST-4002しもきた、P-3C哨戒機１機、空自航空総隊、航空支援集団、自衛隊那覇病院計100名、CH-47J輸送ヘリ１機、UH-60J救難ヘリ１機、KC-130H空中給油輸送機１機、C-2輸送機１機、U-125A救難捜索機１機、F-15戦闘機２機、車両５両が参加し、八重山諸島南方沖大地震により宮古島などに甚大な被害が出たという想定で、被災者救出、避難者搬送、物資輸送、空路進入・偵察・人命救助、艦内広域搬送拠点臨時医療施設開設などの訓練を行った。C-2輸送機は下地島空港を自衛隊固定翼機として初めて使用している。第40回九都県市合同防災訓練に第１空挺団、MST-463うらが、AMS-4305えんしゅう、百里救難隊、千葉地本などが参加。室蘭市地震津波避難訓練に第13施設群とAMS-4302すおうが参加。9月7日、内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練に参加。統幕15名、陸上総隊・東北方面隊・東部方面隊・自衛隊中央病院の100名とCH-47JA輸送ヘリ２機、自衛艦隊50名、航空総隊・航空支援集団の120名とC-1輸送機・C-130H輸送機・CH-47J輸送ヘリ計４機、防衛医科大学校20名が参加し、広域医療搬送等訓練や航空搬送拠点輪時医療施設運営支援等訓練を行った。9月29日から10月6日、ジブチ共和国で令和元年度統合展開・行動訓練を実施。10月6-23日、カマンダグ19に参加。11月10日、祝賀御列の儀に隊員800名、特別儀仗隊（第302保安警務中隊・中央音楽隊）、東部方面音楽隊、東京音楽隊、航空中央音楽隊、と列隊（三自衛隊100名ずつ、防大生20名、防医大生10名）、儀仗隊（三自衛隊計120名）で参加。11月11-21日、令和元年度自衛隊統合演習（実動演習）を実施。統幕、陸幕、海幕、空幕、陸上総隊、各方面隊、自衛艦隊、呉地方隊、航空総隊、航空支援集団、指揮通信システム隊、自衛隊中央病院などから隊員32000名、車両1600両、艦艇８隻、航空機160機が参加し、種子島、日本周辺海空域、自衛隊施設、在日米軍射爆場などで、水陸両用作戦、総合ミサイル防空を考慮した防空作戦、海空作戦、統合電子戦、サイバー攻撃等対処、統合後方補給、協同基地警備、空挺作戦などの訓練を行った。11月26日から12月2日、ジブチ共和国豪雨・洪水被害に対する国際緊急援助活動を実施。12月9-14日、令和元年度在外邦人等保護措置訓練（国内）を実施。統幕20名、陸上総隊、中部方面隊、警務隊の計200名、車両20両、CH-47JA輸送ヘリ２機、自衛艦隊250名、DDH-182いせ、航空総隊、航空支援集団、航空教育集団の計80名、C-130H輸送機１機、内閣官房、外務省などが参加し、日吉原演習場、豊川駐屯地、小牧基地、三河港及びこれらを結ぶ経路並びに周辺海域で、図上訓練（関係機関との連携・調整要領）と実動訓練（一時集合場所の邦人を日吉原演習場でCH-47JA輸送ヘリに乗せて三河湾のDDH-182いせと小牧基地に移送し海路及びC-130H輸送機による空路で退避させる）を行った。

2020年1月24-31日、キーン・エッジ2020に参加。1月26日から3月9日、コブラ・ゴールド20に参加。2月21-23日、令和元年度日米共同統合防災訓練TREX（南海レスキュー01と連動）に統幕20名、陸自2000名、中部方面隊第14旅団第15即応機動連隊、第10師団第33普通科連隊82式指揮通信車、同第10飛行隊UH-1J多用途ヘリ７機、第７施設群第102施設器材隊92式浮橋、第１ヘリコプター団第105飛行隊CH-47 JA輸送ヘリ４機、AH-1S攻撃ヘリ１機、海自450名、自衛艦隊、横須賀地方隊、呉地方隊、DDH-183いずも、SH-60K哨戒ヘリ１機、MCH-101掃海輸送ヘリ１機、空自110名、航空総隊、F-15J戦闘機２機、U-125A救難捜索機１機、C-2輸送機１機、C-130H輸送機１機、CH-47J輸送ヘリ１機、浜松救難隊UH-60J�U救難ヘリなどが参加。在日米軍第374空輸航空団C-130J-30輸送機や関係機関などと共に、関東・東海・近畿・中国・四国地方及びその周辺海空域で、南海トラフ地震を想定した防災訓練を行った。2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練を実施。統幕、陸自陸上総隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、第２高射特科群、第３高射特科群、第７高射特科群、第８高射特科群、高射学校、高射教導隊、海自自衛艦隊、DDG-174きりしま、空自航空総隊、第２高射群、第５高射群、第６高射群、第５基地防空隊、第８基地防空隊、第９基地防空隊、南西航空警戒管制団が参加し、アメリカ海軍第７艦隊司令部、艦艇数隻などと共に、松戸駐屯地、下志津駐屯地、青野原駐屯地、飯塚駐屯地、竹松駐屯地、八重瀬分屯地、横須賀基地、三沢基地、横田基地、築城基地、春日基地、新田原基地、那覇基地、アメリカ海軍第７艦隊司令部、同横須賀基地で、弾道ミサイル対処と防空戦闘の日米共同対処シミュレーション訓練を実施した。11月4-5日、統幕５名、空幕９名、防衛省内局４名がシュリーバー演習2020に参加。11月7日、自衛隊殉職隊員追悼式を防衛省慰霊碑地区で実施。11月26日から12月3日、令和2年度在外邦人等保護措置訓練を実施。統幕から20名、陸自（陸上総隊、東部方面隊、警務隊など）から隊員200名、車両20両（軽装甲機動車、高機動車など）、CH-47JA輸送ヘリ２機、携帯式長距離音響発生装置LRAD、空自（航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、補給本部など）から80名、C-2輸送機１機、C-130H輸送機１機、外務省から職員10人が参加し、朝霞訓練場、朝霞駐屯地、百里基地、これらを結ぶ経路や周辺で、図上訓練（自衛隊及び関係機関の連携）と実動訓練（先遣調査チームと派遣統合任務部隊の現地活動、関係機関との連携）を行った。

2021年2月12-13日、関東、東海、近畿、中国、四国、九州ならびにこれら周辺海空域（主に高知と徳島）、高知駐屯地、徳島航空基地などで、南海トラフ地震を想定した日米共同統合防災訓練TREX（Tomodachi Rescue EXercise）を実施。統幕20名、陸自450名、陸上総隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、CH-47JA輸送ヘリ１機、UH-60JA多用途ヘリ１機、UH-1J多用途ヘリ９機、LR-2連絡偵察機１機、海自280名、自衛艦隊、横須賀地方隊、呉地方隊、LST-4002しもきた、MSC-684なおしま、SH-60J哨戒ヘリ１機、MCH-101掃海輸送ヘリ１機、空自80名、航空総隊、航空支援集団、F-2戦闘機２機、C-1輸送機１機、C-2輸送機１機、C-130H輸送機３機、CH-47JA輸送ヘリ２機、U-125A捜索救難機１機、UH-60J救難ヘリ１機、DMATなど、在日米空軍・在日米陸軍から人員60名、固定翼機１機、回転翼機３機が参加し、指揮所訓練として陸上総隊などの指揮幕僚活動、実動訓練として航空機などを用いた被害状況の把握、部隊集中のための増援部隊などの展開、各種輸送手段を用いた物資輸送、アメリカ軍との共同訓練（救援物資物量投下、捜索救難活動）、LST-4002しもきたを拠点とする捜索救難活動、洋上航空搬送拠点臨時医療施設SCUの設置、災害派遣医療チームDMATとの連携を行った。2月22-26日、令和2年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練を実施。統合幕僚監部、陸上総隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、第２高射特科群、第３高射特科群、第７高射特科群、第８高射特科群、第２高射特科団、第15旅団第15高射特科連隊、高射学校、高射教導隊、自衛艦隊、DDG-173こんごう、DDG-177あたご、航空総隊、南西航空方面隊、南西航空警戒管制団、第１高射群、第３基地防空隊、第６基地防空隊、第７基地防空隊、アメリカ第７艦隊司令部、艦艇数隻などが、松戸駐屯地、古河駐屯地、下志津駐屯地、青野原駐屯地、飯塚駐屯地、宮古島駐屯地、八重瀬分屯地、横須賀地区、三沢基地、百里基地、横田基地、入間基地、小松基地、那覇基地で、弾道ミサイル対処、防空戦闘、不測事態発生時に於ける統合ミサイル防空能力維持の各訓練を行った。4月13-16日、統幕と指揮通信システム隊がロックド・シールズ2021に参加。4月27日、菅総理が岸防衛大臣に、高齢者への新型コロナウイルス予防接種促進を目的とする自衛隊運営の大規模接種センターを、東京及び大阪に設置するよう指示した。5月11-17日、アメリカ軍及びフランス陸軍との共同実動訓練ARC21を実施。5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練を実施。東京オリンピック・パラリンピック期間中に東京23区を震源とするマグニチュード7.3・最大震度７の地震が発生したとの想定で、防衛省内局、統幕、陸海空幕、情報本部、防衛装備庁、陸上総隊、各方面隊、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団などから隊員10000名が参加した。6月9-19日、LST-4002しもきた、LCAC-2105エアクッション艇５号、LCAC-2106エアクッション艇６号と水陸機動団が九州西方海域などで水陸両用作戦協同訓練を実施。6月18-24日、第４護衛隊群護衛艦６隻（DDH-184かが、DD-113さざなみ、DD-104きりさめ、DD-105いなづま、DD-106さみだれなど）とE-767早期警戒管制機、F-35A戦闘機、F-15J戦闘機、F-2戦闘機が協同訓練（海空混成部隊による対抗戦形式での実戦的な防空戦）を実施。7月1日から9月1日、パシフィック・パートナーシップ2021に参加。7月10日から8月23日、コブラ・ゴールド21にオンラインで参加。8月2-27日、アメリカ主催大規模広域訓練LSGE2021（Large-Scale Global Exercise 2021）に参加。10月30日、内閣府主催令和3年度大規模地震時医療活動訓練が東北地方を中心に行われ、統幕・陸空自隊員90名、陸自CH-47JA輸送ヘリ２機、空自C-2輸送機１機が参加し、霞目・北宇都宮駐屯地に広域搬送拠点臨時医療施設SCUを開設した。11月2日、令和3年度離島統合防災訓練を実施。統幕10名、西部方面隊150名、UH-60JA多用途ヘリ１機、CH-47JA輸送ヘリ１機、海自180名、自衛艦隊、佐世保地方隊、LST-4003くにさき、空自60名、航空総隊、航空支援集団、KC-130H空中給油輸送機１機、CH-47J輸送ヘリ、在日米軍100名が参加し、沖縄県と周辺海空域で、主要部隊や関係防災機関などとの連携訓練を行った。11月7日、神奈川県横浜市臨港パークで行われた第42回九都県市合同防災訓練（令和3年度横浜市総合防災訓練）に東部方面混成団第31普通科連隊、横須賀地方総監部、中部航空警戒管制団が参加。11月13日、第12旅団第30普通科連隊とLST-4003くにさきが柏崎市原子力防災訓練に参加。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）を実施。自衛隊から統幕、陸幕、海幕、空幕、情報本部、情報保全隊、指揮通信システム隊、陸上総隊、水陸機動団、各方面隊、第１空挺団、情報教導隊、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団、宇宙作戦隊、隊員30000名、車両1900両（AAV7水陸両用車など）、艦艇10隻（DDH-182いせ、DD-113さざなみ、LST-4001おおすみ、LST-4003くにさき、LCAC４隻、AOE-423ときわ）、航空機140機（AH-64D戦闘ヘリ、SH-60J哨戒ヘリなど）、アメリカ海軍第７艦隊、アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍、アメリカ太平洋空軍から5800名が参加し、種子島、津多羅島、自衛隊施設、在日米軍射爆撃場、日本周辺海空域などで、領域横断作戦に重点を置き、水陸両用作戦、統合ミサイル防空、共同統合対艦攻撃、統合後方補給、基地警備、空挺作戦、宇宙状況監視に係る連携、サイバー攻撃等対処、統合電子戦、指揮所活動などの訓練を行った。

2022年1月27日から2月3日、インド太平洋軍と令和3年度日米共同統合演習（指揮所演習）を実施。2月10-11日、南海トラフ地震を想定した令和3年度日米共同統合防災訓練を実施。統幕170名、陸自520名、UH-1J多用途ヘリ５機、LR-2連絡偵察機１機、海自160名、MSC-684なおしま、空自70名、戦闘機２機、U-125A捜索救難機１機、C-130H輸送機１機、C-1輸送機１機、C-2輸送機１機、在日米軍５名、C-130輸送機１機が参加し、和歌山県、参加部隊所在地、関東、東海、近畿、中国、四国、九州周辺海空域で、災害対処に係る在日米軍との共同連携、災害対処に係る主要部隊等間の連携、災害対処に係る関係地方公共団体その他の関係機関との連携を図り、指揮幕僚活動、ヘリ映伝等による情報収集・被害状況の把握、航空機による救援物資の輸送、アメリカ軍との共同救援物資輸送の各訓練を行った。2月13-15日、愛知県蒲郡市と共同防災訓練を実施。第10師団、LST-4002しもきた、LCAC-2101エアクッション艇１号、蒲郡市消防、市民病院などが参加し、南海トラフ地震発生時の災害対処を想定した訓練を行った。2月21-25日、令和3年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練（通算５回目）を実施。統幕、陸上総隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、高射学校、自衛艦隊、航空総隊、アメリカ第７艦隊司令部、艦艇数隻などが参加し、松戸駐屯地、下志津駐屯地、青野原駐屯地、飯塚駐屯地、宮古島駐屯地、八重瀬分屯地、横須賀基地、横田基地、入間基地、春日基地、築城基地、新田原基地、那覇基地で、シミュレーションによる弾道ミサイル対処と防空戦闘に係る日米共同対処訓練、シミュレーションによる弾道ミサイル対処と防空戦闘に係る日米共同での不測事態対処訓練を行った。3月23日、航空総隊司令部、航空戦術教導団、海幕総務課、統幕最先任室の女性自衛官各１名が、横田基地で行われたアメリカ第５航空軍WPS（Women, Peace and Security）シンポジウムに参加し、アメリカ空軍３名、アメリカ陸軍２名、アメリカ海軍１名、アメリカ海兵隊１名、アメリカ沿岸警備隊１名、アメリカ空軍女性活躍推進チームWIT（Women’s Initiative Team）、インド太平洋軍WPS事務局と会議を行った。4月23日、知床で遊覧船沈没事故が発生したため、熊本県にいた岸田総理が高遊原分屯地（熊本空港）でC-130H輸送機に搭乗し、羽田空港で陸自ヘリに乗り換え、首相官邸に戻った。6月5日、日米共同弾道ミサイル対処訓練を実施。DDG-178あしがらや空自高射部隊によるミサイル対処訓練などを行った。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習を実施。防衛省、統幕、陸海空幕、情報本部、防衛装備庁、陸上総隊、各方面隊、第１ヘリコプター団、化学学校、通信学校、自衛艦隊、呉地方隊など各地方隊、MSC-684なおしまなど、航空総隊、航空支援集団から12000名が参加し、南海トラフ地震を想定した指揮幕僚活動・防災関係機関や在日米軍などとの連携・航空機や車両による要員輸送の各訓練を行った。7月8日、安部元総理殺害事件が発生したため、山形県で遊説中の岸田総理は急遽神町駐屯地に向かい、東北方面ヘリコプター隊UH-1J多用途ヘリで松島基地に到着、第402飛行隊U-4多用途支援機で羽田空港に飛び、UH-1J多用途ヘリに乗り換えて首相官邸に戻った。8月28日、埼玉県北本総合公園で行われた第43回九都県市合同防災訓練に参加。第１師団第32普通科連隊、中央特殊武器防護隊、中部航空方面隊などが、情報収集、警備犬による捜索、座屈建物からの救出、除染車による消毒などを行った。8月31日から9月7日、令和4年度在外邦人等輸送訓練を実施。府中基地、入間基地、千歳基地、八雲分屯基地、計根別場外着陸場、これらを結ぶ空路・周辺空域で、統合幕僚監部など40名、陸上自衛隊（陸上総隊、警務隊など）隊員120名と車両20両、航空自衛隊（航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、補給本部など）隊員120名、C-2輸送機２機、C-130H輸送機２機、CH-47J輸送ヘリ１機が、統合任務部隊司令部での指揮幕僚活動、在外邦人等輸送に係る部隊の一連の行動、自衛隊と関係機関との連携の各訓練を行った。11月9日、東京都神津島、伊豆大島、これらの周辺海空域などで、令和4年度離島統合防災訓練及び日米共同統合防災訓練を、東京都・神津島村合同総合防災訓練と連携して実施。統幕、陸上総隊、東部方面隊、輸送航空隊V-22輸送機、横須賀地方隊、航空総隊、航空支援集団、在日米陸軍航空大隊、第36空輸飛行隊、第３海兵遠征軍が参加し、情報収集、機動展開、捜索救助、道路啓開、生活支援、負傷者輸送、主要部隊・関係地方公共団体その他の防災関係機関・在日米軍との連携の各訓練を行った。11月10-19日、南西諸島周辺など日本周辺海空域で令和4年度日米共同統合演習（実動演習）キーン・ソード23を実施。11月18-19日、武道館で令和4年度自衛隊音楽まつりを実施。

2023年1月27日から2月3日、令和4年度自衛隊統合演習（指揮所演習）を実施。防衛省内局、各幕、情報本部、情報保全隊、サイバー防衛隊、陸上総隊、各方面隊、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団などが参加した。2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。2月17日と20-22日、令和4年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練を実施。統幕、陸上総隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、高射学校、自衛艦隊、航空総隊、アメリカ第７艦隊司令部、アメリカ第５航空軍、アメリカ艦艇数隻が参加し、松戸駐屯地、下志津駐屯地、青野原駐屯地、飯塚駐屯地、宮古島駐屯地、八重瀬分屯地、横須賀基地、佐世保基地、千歳基地、三沢基地、横田基地、入間基地、小松基地、春日基地、築城基地、新田原基地、那覇基地で、シミュレーションによる弾道ミサイル対処及び防空戦闘に係る統合運用及び日米共同対処訓練を行った。4月18-21日、NATOサイバー防衛演習ロックド・シールズ2023に参加。4月19日に北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを発表したことを受け、4月22日に防衛大臣から弾道ミサイル等に対する破壊措置の準備に関する自衛隊一般命令が発出された。命令の細部事項は統合幕僚長が指示する。陸上総隊司令官は本命令の実施に関して西部方面総監を指揮し、弾道ミサイル等が落下した際の被害局限のため沖縄県への部隊展開を含む準備を行う。自衛艦隊司令官は、スタンダード・ミサイルSM-3搭載護衛艦を含む所要の準備を実施する。航空総隊司令官は、沖縄県地区へのペトリオット・ミサイルPAC-3部隊機動展開などを準備し、破壊措置の実施に関して陸上総隊司令官、自衛艦隊司令官、航空システム通信隊司令が準備した所要の部隊を指揮する。陸上総隊司令官、佐世保地方総監、航空総隊司令官は、沖縄防衛局長との協力または統合幕僚監部が設置した統合連絡調整所の調整の下、関係地方公共団体その他の関係機関と所要の調整を行う。情報保全隊司令、サイバー防衛隊司令、陸上総隊司令官、中央管制気象隊長、警務隊長、中央会計隊長、中央輸送隊長、中央業務支援隊長、補給統制本部長、自衛艦隊司令官、各地方総監、システム通信隊群司令、海自警務隊司令、海自補給本部長、航空総隊司令官、航空支援集団司令官、航空開発実験集団司令官、航空システム通信隊司令、航空警務隊司令、航空中央業務隊司令、空自補給本部長は、本命令の実施に関し、所要の支援を実施する。5月15日から8月19日、アメリカ主催大規模広域訓練LSGE23（Large-Scale Global Exercise 2023）に参加。5月29日、北朝鮮が衛星発射及び危険区域の設定を通報したため、防衛大臣が、自衛隊法第82条の３第３項の規定により、我が国領域に落下することが確認された弾道ミサイル等に対する破壊措置の実施に関する自衛隊行動命令を発出した。実施に関し、航空総隊司令官はBMD統合任務部隊指揮官、指揮を受ける部隊はBMD統合任務部隊と呼称する。部隊はスタンダード・ミサイルSM-3搭載護衛艦、ペトリオット・ミサイルPAC-3が配備されている高射部隊、航空警戒管制部隊、移動通信部隊及びその他所要の部隊で、命令の期間は別命が無い限り本年6月11日を以て終結、破壊措置の対象は北朝鮮から発射されたと考えられる弾道ミサイル等であって、我が国の弾道ミサイル防衛システムにより我が国領域に落下することが確認されたものであり、SM-3搭載護衛艦を東シナ海、PAC-3部隊を那覇駐屯地、与那国駐屯地、宮古島分屯基地、地方公共団体との調整で決定される石垣島の地区に配置し、SM-3またはPAC-3を発射して我が国領域または我が国周辺の公海（排他的経済水域含む）上空で破壊する。陸上総隊司令官、自衛艦隊司令官、航空システム通信隊司令は、所要の部隊を航空総隊司令官の指揮下に入れる。陸上総隊司令官、自衛艦隊司令官、各地方総監、教育航空集団司令官、航空総隊司令官は、弾道ミサイル等が我が国の領域または我が国周辺の公海に落下すると予期された場合、直ちに落下推定地域で状況確認のための情報収集を行う。陸上総隊司令官、佐世保地方総監、航空総隊司令官は、統合幕僚監部が設置した統合連絡調整所の調整下で、関係機関との所要の調整を実施する。陸上総隊司令官、中央管制気象隊長、警務隊長、中央会計隊長、中央輸送隊長、中央業務支援隊長、補給統制本部長、自衛艦隊司令官、各地方総監、システム通信隊群司令、海自警務隊司令、海自補給本部長、航空総隊司令官、航空支援集団司令官、航空開発実験集団司令官、航空システム通信隊司令、航空警務隊司令、航空中央業務隊司令、空自補給本部長、情報保全隊司令、サイバー防衛隊司令は所要の支援を実施する。細部事項は統合幕僚長が指令する。5月31日、PSI訓練イースタン・エンデバー23に参加。6月11日、5月29日に発出した弾道ミサイル等に対する破壊措置の実施に関する命令を、本日以降も当分の間維持することにした。8月13-26日、多国間共同訓練GPOIキャップストーン演習クリス・アマン２に参加。8月17日から10月20日、パシフィック・パートナーシップ2023に参加。10月14-21日、拡大ASEAN国防相会議（ADMMプラス）人道支援・災害救援演習に参加。10月20-21日、令和5年度福井県原子力総合防災訓練に参加。LST-4001おおすみ、LCAC-2101エアクッション揚陸艇１号、SH-60K哨戒ヘリ、AAV7水陸両用車、CH-47J輸送ヘリ、UH-1J多用途ヘリ、空自UH-60J救難ヘリが、住民避難訓練支援を行った。11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）を実施。自衛隊施設、在日米軍施設・区域、民間空港・港湾、川崎市、柏崎市、御前崎市、唐津市、佐世保市、諫早市、対馬市、壱岐市、奄美市、奥尻町、東通村、楢葉町、東海村、大和村、徳之島町、天城町、伊仙町、与那国町、日本周辺海空域で、各幕、情報本部、情報保全隊、サイバー防衛隊、陸上総隊、各方面隊、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団（自衛隊参加規模30800名、車両3500両、艦艇20隻、航空機210機）、アメリカ太平洋陸軍、太平洋艦隊、太平洋空軍、太平洋海兵隊、在日米軍（アメリカ軍参加規模10200名）が参加し、統合任務部隊・主要部隊司令部の指揮所活動、陸上・海上・航空・水陸両用・空挺作戦、特殊作戦、統合後方補給・衛生、宇宙・サイバー・電磁波領域と従来の領域との連携の各訓練を行った。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランド、フィリピン、韓国、ドイツ、NATOからオブザーバーが参加している。11月18日から12月2日、ソロモン諸島でパシフィック・パートナーシップ2024に参加。12月21-30日、パラオ共和国でパシフィック・パートナーシップ2024に参加。

2024年2月1-8日、令和5年度日米共同統合演習（指揮所演習）を実施。防衛省内局、各幕、情報本部、情報保全隊、指揮通信システム隊、陸上総隊、各方面隊、自衛艦隊、各地方隊、航空総隊、航空支援集団など、アメリカ軍、オーストラリア軍（初参加）が、防衛省市ヶ谷地区など演習参加部隊等所在地、在日米軍横田基地、パールハーバー・ヒッカム統合基地で、日米豪連携向上を図る演習を行った。2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。2月16日と19-22日、令和5年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練を実施。統幕、陸上総隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、高射学校、自衛艦隊、航空総隊、アメリカ第94防空ミサイル防衛司令部、第７艦隊司令部、第５航空軍、第１海兵航空団、艦艇数隻などが参加し、松戸駐屯地、下志津駐屯地、青野原駐屯地、飯塚駐屯地、竹松駐屯地、宮古島駐屯地、八重瀬分屯地、横須賀基地、佐世保基地、千歳基地、三沢基地、横田基地、入間基地、百里基地、小松基地、春日基地、築城基地、新田原基地、那覇基地で、シミュレーションによる弾道ミサイル対処及び防空戦闘に係る統合運用及び日米共同対処訓練を行った。

参考：自衛隊法、自衛隊図鑑2002、月刊軍事研究4,’07、10,’07、2,’08、8,’09、9,’11、9,’12、10,’12、8,’14、11,’15、2,’16、日本の戦力、歴史群像10,’04、自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船5,’02増刊、6,’09、1,’10、3,’10、3,’05、4,’10、9,’10、4,’11、3,’12、9,’12、5,’13、9,’13、12,’13、3,’14、4,’14、7,’14、8,’14、1,’15、4,’15、8,’15、10,’15、1,'16、2,'16、3,'16、9,’16、10,’16、1,’17、2,’17、4,’17、6,’17、8,’17、1,’18、3,’18、5,’18、9,’18、10,’18、12,’18、1,’19、2,’19、12,’19、1,’20、2,’20、4,'21、7,'21、9,'21、1,'22、4,'22、5,'22、9,'22、2,'23、4,'23、10,'23、1,'24、月刊JWings4,’10、11,’10、1,’12、1,’13、1,’14、4,’14、12,’14、1,’15、4,’15、9,'15、10,’15、11,’15、9,’16、11,’16、7,’17、10,’17、11,’17、12,’17、2,’18、7,’18、11,’18、12,’18、1,’19、3,’19、11,’19、4,’20、5,’20、2,'21、4,'21、5,'21、10,'21、1,'22、2,'22、5,'22、6,'22、10,'22、11,'22、月刊航空ファン4,’10、8,’15、7,'16、10,’16、11,’16、11,’18、スピアヘッドNo.2、月刊PANZER7,’10、月刊航空情報11,’10、MAMOR vol.87、vol.91、vol.104、vol.129、vol.139、vol.141、vol.144、vol.157、日本の防衛戦力Part7、朝雲

＜自衛隊（２０１５年）＞：内閣総理大臣（国家安全保障会議が補佐）−防衛大臣（防衛大臣補佐官、防衛副大臣、防衛大臣政務官、防衛事務次官、防衛大臣秘書官が補佐）−統合幕僚監部・陸海空幕・防衛省内局という序列になっている。統合運用時にはこの序列で統合幕僚長から統合任務部隊指揮官に命令が出され、統合任務部隊指揮官が隷下部隊を指揮する。地方機関として地方協力本部が設けられている。現役総隊員数247150名（陸上151000名、海上45500名、航空47100名、統合幕僚監部3550名）、予備役56100名（陸上予備自衛官46000名、陸上即応予備自衛官8200名、海上1100名、航空800名）。ジブチにソマリア海賊対処部隊170名、P-3C哨戒機２機、アデン湾・インド洋にソマリア海賊対処護衛艦２隻、南スーダンにUNMISS要員272名、施設中隊１個を派遣している。在日米軍50000名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊JWings6,’15

＜自衛隊（２０２０年）＞：最高指揮官は内閣総理大臣。トップは防衛大臣で、防衛副大臣、防衛大臣補佐官、防衛大臣政策参与（３人以内）が補佐し、副大臣の下に防衛大臣政務官２人、防衛事務次官、防衛審議官、防衛大臣秘書官が置かれている。ただし内閣総理大臣は防衛省所属でも自衛隊員でもなく、防衛大臣以下の人員は防衛省所属だが自衛隊員ではないから、自衛隊の組織そのものには所属しない。自衛隊の部隊・機関は統幕、陸海空幕、陸海空自、情報本部、防衛監察本部、指揮通信システム隊、情報保全隊、地方協力本部、自衛隊中央病院、自衛隊地区病院、体育学校、地方防衛局、防衛大学校、防衛医科大学校、防衛研究所、防衛省本省内部部局（大臣官房、防衛政策局、整備計画局、人事教育局、地方協力局）、外局（防衛装備庁）である。参考：月刊JWings6,’20、防衛省ホームページ

＜自衛隊入間病院＞：自衛隊の病院。入間基地にあり、航空自衛隊が管理する。航空自衛隊が管理する自衛隊三沢・岐阜・那覇病院を集約するもので、2015-16年度に基本検討・調査、2016-17年度に実施設計、2018年度から本体工事を行った。トップは病院長（空将補）、隊員数200名。内科、小児科、精神科、外科、整形外科、麻酔科、救急科、歯科、歯科口腔外科に加え、航空身体検査・精密検査や航空業務への影響を考慮した治療・疾病管理を航空医学実験隊第３部と連携して行う航空医学診療科がある。病院棟は鉄筋コンクリート３階建てで、延床面積19000平方メートル、入間基地が広域医療搬送拠点であることから災害時の大量患者受け入れ対応能力を有し、病床数60床（通常、HCU含む）／120床（最大）。敷地面積284000平方メートルで、病院棟以外にも教育棟（航空医官、救急救命士、衛生技術など７課程を教育する）、隊舎（居住人数90名）、陸上競技場（市民利用可）、サッカー場兼ソフトボール場（市民利用可）を備え、病院地区以外の敷地は災害対処拠点となっており、陸自部隊が展開できる。2022年3月17日に開院した。2023年8-10月、パシフィック・パートナーシップ2023に参加。11-12月、パシフィック・パートナーシップ2024に参加。2024年2月5-23日、コープ・ノース24に参加。参考：朝雲、月刊JWings1,’23、4,’24

＜自衛隊員＞：防衛省職員（事務官等）と自衛官のこと。防衛大臣、防衛副大臣、防衛大臣政務官、防衛大臣補佐官、防衛大臣政策参与、防衛大臣秘書官、一部の一般職事務官などは除く。予備自衛官と即応予備自衛官は普段は一般人だが、招集されると自衛官になる。日本の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、強い責任感を持って専心その職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身を以て責務の完遂に務め、以て国民の負託に応える。よって、何時でも職務に従事することのできる態勢になければならない。成年被後見人または被保佐人、禁錮以上の刑に処せられて執行を終わるまでまたは執行を受けることがなくなるまでの者、法令の規定による懲戒処分を受けて当該処分の日から２年を経過しない者、日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成する又はこれに加入した者は自衛隊員になれない。既に自衛隊員である者がこれらに該当するに至った場合は、防衛省令で定める場合を除いて失職する。参考：月刊JWings6,’15、6,’20、自衛隊法

＜自衛隊江田島病院＞：海上自衛隊の地区病院。参考：日本の防衛戦力Part3

＜自衛隊大湊病院＞：海上自衛隊の地区病院。2013年11月14日、むつグランドホテルで現場力をメインテーマに第53回東北防衛衛生学会を開催。2014年9月2日、服務無事故4000日を達成。2017年5月29日、服務無事故5000日を達成。11月16日、大湊衛生隊と共に、むつ市で第57回東北防衛衛生学会を開催した。2022年3月17日に廃止され、機能は大湊衛生隊に移管された。参考：日本の防衛戦力Part3、朝雲

＜自衛隊音楽まつり＞：自衛隊最大の音楽イベント。陸海空自の各音楽隊が一堂に会し、自衛隊記念日の一環として1963年から毎年一回（11月中旬頃）、日本武道館で開催される。在日米軍など海外の軍楽隊がゲスト出演することもある。入場券申し込みは往復はがきまたはインターネットで、倍率５倍弱。2015年度は11月13-15日に行われ、在日米陸海空軍海兵隊の４軍が初めて全参加（在日米陸軍軍楽隊、第７艦隊音楽隊、アメリカ空軍太平洋音楽隊、第３海兵機動展開部隊音楽隊）し、日韓国交正常化50周年で韓国海軍軍楽隊も15年ぶりに参加した。観客は３日間で計39600人だった。2016年度は11月11-13日に行われ、在日米陸軍軍楽隊、第３海兵遠征軍音楽隊、インド陸軍軍楽隊（10年ぶり）が参加した。2017年度は11月16-18日に行われ、第３海兵遠征軍音楽隊、在日米陸軍軍楽隊、タイ空軍軍楽隊が参加した。2018年度は11月21-23日に行われ、在日米陸軍軍楽隊、アメリカ海兵隊音楽隊、フランス海軍バファッド・ド・ラン＝ビウエ軍楽隊、シンガポール軍楽隊が参加した。2019年度は11月30日と12月1日に国立代々木競技場第１体育館で行われ、各音楽隊、自衛太鼓15チーム、在日米陸軍軍楽隊、第３海兵機動展開部隊音楽隊、ドイツ連邦軍参謀軍楽隊（初参加）、ベトナム人民軍総参謀部儀礼団軍楽隊（初参加）などが参加した。2020年度は新型コロナウイルスの影響で中止され、代わりに青少年のための３自衛隊合同コンサートを開くことになった。2022年度は11月18-19日に武道館で開催された。参考：MAMOR vol.81、vol.109、vol.157、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊航空ファン2,’18、月刊JWings12,’20、月刊世界の艦船2,'23、朝雲

＜自衛隊旗＞：連隊旗を参照。

＜自衛隊記念日＞：11月1日。1966年に正式に制定された。防衛庁／防衛省と自衛隊の発足日は防衛庁設置法と自衛隊法の施行日である7月1日だが、梅雨から台風までの災害派遣シーズンに記念行事が来るのを避けて11月1日としている。自衛隊記念日中央式典として、1996年から３自衛隊持ち回りで中央観閲式、観艦式、航空観閲式が実施される。他にも航空自衛隊による体験飛行といった行事や、満艦飾が行われる。参考：月刊世界の艦船1,’14、朝雲

＜自衛隊岐阜病院＞：航空自衛隊の病院。1962年、岐阜基地で開設された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2014年7月17日、航空中央音楽隊が士気振作演奏を実施。2015年2月27日、航空安全管理隊教育研究部主任研究官が安全講話を実施。2018年1月31日、病院長が、航空身体検査証明審査会委員を長年勤めた功績で、国土交通相航空局長から感謝状を贈呈された。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings8,’14、MAMOR vol.52、朝雲

＜自衛隊気ままにトーク＞：水戸市を中心とする地元FMラジオ（FMぱるるん）で放送されているラジオ番組で、パーソナリティは自衛隊員である。1997年の開局当初には単なる自衛隊CM放送だったが、1999年にこの名称の広報番組にパワーアップした。放送時間は毎週水曜1830-1845で、サイマル放送を使えば全国で聴ける。取り敢えず半年間の予定で開始されたが、2009年10月に放送10周年を迎えた。参考：MAMOR Vol.43、朝雲

＜自衛隊熊本病院＞：陸上自衛隊の地区病院で、西部方面隊直轄である。2009年4月、防衛省／自衛隊で２箇所目となる庁内託児所ハロー保育園が開設された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。参考：MAMOR vol.52、朝雲、日本の防衛戦力Part1

＜自衛隊呉病院＞：自衛隊の病院。2017年7月29日、内閣府主催平成29年度大規模地震時医療活動訓練に医官が参加。2022年8月26日から9月12日、パシフィック・パートナーシップ2022に参加。参考：月刊世界の艦船11,’22、朝雲

＜自衛太鼓＞：自衛隊の和太鼓演奏。1965年に幌別駐屯地司令が隊員の士気高揚及び市民との連携強化を図り、駐屯地名物として太鼓を育成するよう指示したのが始まりで、隊員が日本初のプロ太鼓打ちであり北海太鼓の創始者でもある大場一刀氏に教えを受け、太鼓クラブの自衛隊北海太鼓が発足、1970年に自衛隊音楽まつりで披露し、郷土芸能の部で優勝した。これにより大場氏から北海を最初に持ってくることを許可され、北海自衛太鼓に改称、太鼓クラブも課外音楽活動として三自衛隊に広まった。「し」を書くように体を揺らしながら叩く「しの字」という振り付けが特徴で、様々なオリジナルの演目がある。自衛隊音楽まつりでは全国から選抜された200名前後が合奏を披露する。参考：MAMOR vol.162、vol.118

＜自衛隊高級課程＞：自衛隊の幹部教育。三自衛隊の一佐と二佐が対象で、陸海空幹部学校の幹部高級課程に入校し、統合幕僚学校で７週間の３幹校合同統合教育を受け、各幹部学校で20週の幹部高級課程教育を行い、統合幕僚学校で21週の統合高級課程を受講する。参考：朝雲

＜自衛隊サイバー防衛隊＞：自衛隊のサイバー防衛部隊。2022年3月17日、統合幕僚監部指揮通信システム部指揮通信システム隊から改編され、同隊サイバー防衛隊や三自衛隊のサイバー部隊を統合して態勢を強化、防衛大臣直轄部隊として市ヶ谷で新編された。トップは隊司令（将補。初代は陸将補）で、隊員数540名。隊本部、サイバー作戦隊、ネットワーク運用隊、中央指揮所運営隊からなり、防衛情報通信基盤の防衛を主任務とする。2023年1月27日から2月3日、令和4年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。4月18-21日、サイバー防衛演習ロックド・シールズ2023に参加。11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2024年2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。参考：朝雲、月刊世界の艦船4,'23、月刊JWings6,'22

＜自衛隊佐世保病院＞：自衛隊の病院。1980年、海上自衛隊佐世保地区病院として開設された。2017年7月29日、内閣府主催平成29年度大規模地震時医療活動訓練に医官が参加。2022年3月17日に廃止され、機能は佐世保衛生隊に移管された。参考：佐世保地方隊ホームページ、日本の防衛戦力Part3、朝雲

＜自衛隊札幌病院＞：自衛隊の病院。1955年1月、豊平駐屯地で陸上自衛隊北部方面隊直轄の札幌地区病院として開設された。3月、診療業務を開始。1959年12月、第328会計隊が廃止され、総務部会計課が新編された。1988年4月、自衛隊札幌病院に改称された。2007年、保険医療機関に指定され、一般の患者も受け入れられるようになった。2011年度、真駒内駐屯地に新しい病院の建設を開始。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月14日1300、巡回診療のため２個医療チームを宮古市避難所に派遣した。2014年12月、真駒内駐屯地に新病院が竣工した。病床数は200床だが、災害など緊急時には400床まで増やせる。2015年3月26日、真駒内駐屯地で新病院が開院した。4月1日、一般外来が開院した。8月20日、道内高校生を対象とした看護体験学習に協力した。8月26-30日、ノーザン・レスキュー2015に参加。2017年9月15日から北演29に備えた機能別訓練を実施。第102対特殊武器治療隊による対特殊武器衛生隊との連携規定（案）に基づく連携要領実効性の検証などを行った。9月19-24日、北部方面隊総合戦闘力演習（北演29）に参加し、真駒内駐屯地と丘珠駐屯地でヘリ緊急後送患者受け入れ訓練を行った。9月28日、第42期準看護学生25名（男性14名、女性11名）の戴帽式を実施。11月13-17日、世界糖尿病デーイベントを実施。2018年2月15日、北部方面隊の衛生運用を考える−事態対処をテーマとした北部防衛衛生学会を開催した。3月6日、第41期初級陸曹特技課程准看護師23名の卒業式を実施。4月4日、第43期准看護学生26名の入校式を実施。5月24-25日、感染症対処基幹要員養成訓練を実施。隊員30名が、新型インフルエンザ等強毒性感染症患者診療業務や高病原性鳥インフルエンザ発生時感染防護支援に必要な、個人用防護具・感染対策マスク着脱訓練やマスク密着性確認用フィットテストなどを行った。5月31日から6月6日、禁煙週間イベントを実施。9月4日、平成30年度北部方面隊総合戦闘力演習総合訓練に参加し、患者シミュレート装置シムマンＲを使用した訓練などを行った。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。10月2日、第43期准看護学生25名の戴帽式を実施。11月12-16日、世界糖尿病デーイベントを実施。2019年1月23日、北海道青少年会館コンパスで平成30年度衛生科幹部等集合訓練（第62回北部防衛衛生学会）を実施。5月31日から6月6日、世界禁煙デーと禁煙週間に合わせ、病院職員、通院患者、札幌・真駒内駐屯地隊員・家族を対象とした禁煙啓発を実施。9月26日、河野防衛大臣が視察した。2020年1月29日、北海道青少年会館コンパスで令和元年度衛生科幹部等集合訓練（第63回北部防衛衛生学会）を実施。2月5-15日、第44期初級陸曹特技課程「准看護師」学生24名が市内スキー場と北海道大演習場真駒内射場地区で滑降・滑走訓練を実施。2月14日2000、医療情報システムの換装を開始。2月15日0800、医療情報システムのデータ移行を完了し、旧端末を撤去。1800、医療情報システムの換装を終了。2月17日、新医療情報システムの運用を開始。3月5日、准看護学院が第43期准看護学生25名の卒業式を実施。4月2日、准看護学院が第45期准看護学生28名の入校式を実施。4月21日、令和2年度第１回即応態勢点検を実施。0450頃に道東地区で震度６強の地震が発生したという想定で、非常呼集訓練を行った。6月25日、准看護学院が丘珠駐屯地で初級陸曹特技課程准看護師第44期生24名に北部方面航空隊UH-1Jヘリによる患者後送訓練を実施。10月23日、准看護学院で第45期准看護師課程学生26名の戴帽式を実施。2021年3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、１級賞状が授与された。4月19日、即応点検を実施。震度６の地震が発生したという想定で非常呼集をかけ、携行資材搬出・集積を実施、救護班が資材点検と車両積載を行って終了した。6月12日、創立66周年記念式典を実施。12月5日、最大震度６の札幌直下型地震が発生したという想定で災害対処訓練を実施。2022年1月26日、Team Buildingをテーマに、衛生科幹部集合訓練を実施。3月2日、准看護学院で第45期初級陸曹特技課程を修了した准看護師25名の卒業式を実施。4月1日、准看護学院が第47期初級陸曹特技課程准看護師の入校式を行い、隊員27名（男性９名・女性18名）が入校した。4月22日、令和4年度第１回即応態勢点検を実施。医官、看護官、北部方面衛生隊など70名が参加し、最大震度６強の地震を想定した非常呼集、携行資材搬出・集積、人員・装備・携行資材点検−車両積載を行った。参考：自衛隊札幌病院ホームページ、月刊航空ファン6,’11、MAMOR Vol.71、朝雲、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、日本の防衛戦力Part1

＜自衛隊施設警護＞：自衛隊法第95条の３に規定がある。自衛官は、日本にある自衛隊の施設のうち、自衛隊の武器等（武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備、液体燃料）を保管・収容・整備するための施設設備、営舎、港湾・飛行場に係る施設設備が所在するものを職務上警護するにあたり、当該職務を遂行するため又は自己・他人を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合、当該施設内において、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。ただし、刑法第36条（正当防衛）または第37条（緊急避難）に該当する場合の他、人に危害を与えてはならない。参考：自衛隊法

＜自衛隊自動車教習所＞：自衛隊の基地や駐屯地に設けられた自動車教習所で、もちろん公安委員会の認定を受けている。車両操縦教官が教習を行い、普通、中型、大型、大型特殊、けん引、普通二輪車の免許を取得可能。陸自は各地の駐屯地、海自は下総航空基地（第３術科学校）、空自は芦屋基地（第３術科学校）にある。参考：MAMOR vol.108、vol.109

＜自衛隊就職掩護情報ネットワークシステム＞：自衛隊の機器。NECネッツエスアイ製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜自衛隊殉職隊員追悼式＞：任務遂行中に殉職した自衛隊員を追悼する式典で、防衛庁長官・防衛大臣が主催して1957年から実施されている。平成26年度は2014年10月25日に防衛省慰霊碑地区で実施された。2013年9月1日から2014年8月31日までの公務による死亡は11柱で、警察予備隊以来の殉職隊員は1851柱となった。平成27年度は2015年10月17日に防衛省慰霊碑地区で実施された。殉職者は27柱（陸自８柱、海自12柱、空自６柱、沖縄防衛局１柱。過重な業務によるもの９柱、在職中のアスベスト暴露によるもの７柱、持続走訓練直後に倒れたもの３柱、訓練飛行中の墜落３柱など）で、警察予備隊創設以来の殉職隊員は1878柱（陸自1027柱、海自417柱、空自409柱、その他25柱）となった。平成28年度は2016年10月22日に防衛省慰霊碑地区で実施された。殉職者は31柱（陸自７柱、海自12柱、空自10柱、防衛大１柱、防衛医大１柱。災害派遣中に倒れたもの１柱、訓練中に倒れたもの１柱、体力測定中に倒れたもの１柱、過重な業務等によるもの８柱、在職中のアスベスト暴露によるもの13柱、勤務中の事故によるもの１柱、航空機墜落事故によるもの６柱）で、警察予備隊創設以来の殉職隊員は1909柱（陸自1034柱、海自429柱、空自419柱、その他27柱）となった。平成29年度は2017年10月28日に防衛省慰霊碑地区で実施された。殉職者は25柱（陸自14柱、海自11柱。過重な業務等によるもの４柱、在職中の訓練事故によるもの１柱、訓練中に倒れたもの２柱、訓練中の事故によるもの１柱、勤務中の事故によるもの６柱、勤務中に倒れたもの１柱、急患輸送に向かう途中の事故によるもの４柱、在職中のアスベスト暴露によるもの６柱）で、警察予備隊創設以来の殉職隊員は1934柱（陸自1048柱、海自440柱、空自419柱、その他27端）となった。平成30年度は2018年10月13日に防衛省慰霊碑地区で実施された。殉職者は30柱（陸自８柱、海自15柱、空自６柱、南関東防衛局１柱。訓練中の事故によるもの11柱、在職中のアスベスト暴露によるもの10柱、過重な業務等によるもの７柱、公務災害による負傷に起因するもの１柱、勤務中の事故によるもの１柱）で、警察予備隊創設以来の殉職隊員は1964柱（陸自1056柱、海自455柱、空自425柱、その他28柱）となった。令和元年度は2019年10月13日に防衛省講堂で実施された。殉職者は12柱（陸自４柱、海自４柱、空自３柱、防大１柱。過重な業務等によるもの５柱、勤務中の事故によるもの３柱、在職中のアスベスト暴露によるもの２柱、訓練中に倒れたもの１柱、教育訓練中に倒れたもの１柱）で、警察予備隊創設以来の殉職隊員は1976柱（陸自1060柱、海自459柱、空自428柱、その他29柱）となった。令和2年度は11月7日に防衛省慰霊碑地区で行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、出席者を菅総理、岸防衛大臣以下部内者、遺族に限定し、来賓は参列せず、規模を３分の１以下に縮小している。殉職者は25柱（陸自14柱、海自８柱、空自２柱、機関１柱。過重な業務等によるもの11柱、在職中のアスベスト暴露によるもの５柱、勤務中の事故によるもの３柱、訓練後に倒れたもの２柱、訓練中に倒れたもの２柱、訓練中の事故によるもの２柱）で、警察予備隊創設以来の殉職隊員は2001柱（陸自1074柱、海自467柱、空自430柱、その他30柱）となった。令和3年度は11月20日に防衛省講堂で行われた。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、出席者を岸田総理、岸防衛大臣以下部内者、遺族に限定し、来賓は参列せず、規模を３分の１以下に縮小している。殉職者は18柱（陸自12柱、海自３柱、空自２柱、機関１柱）で、警察予備隊創設以来の殉職隊員は2019柱（陸自1086柱、海自470柱、空自432柱、その他31柱）となった。参考：朝雲

＜自衛隊仙台病院＞：陸上自衛隊の地区病院で、東北方面隊直轄である。1971年4月10日、仙台地区病院として仙台駐屯地で開設された。2009年8月22日、東北方面衛生隊と共に、仙台駐屯地で新型インフルエンザの流行に備えた対処訓練を実施。2010年12月11日、霞目駐屯地において、東北方面衛生隊、東北方面航空隊、宮城県DMATと協同で災害発生時医療訓練を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月11日2217、被災者20人を収容した。4月7日2330頃に発生した震度６強の余震で屋上のFRP製高置水槽パネル板が破損し、配水管が脱落、断水したため、4月8日に緊急修理して仮復旧させた。東日本大震災の災害派遣では被災関連患者4800人を診療している。2014年4月1日から自衛隊員以外も診療を受けられるようになった。2015年4月、衛生技術実務訓練を実施。各部隊の衛生科隊員が持つ国家資格や技術に応じ、病院内で１週間の実務訓練を施した。2020年4月4-6日、延べ70名（うち医官２名）が仙台市内で新型コロナウイルスPCR検体採取支援を行った。4月13-15日、延べ70名（うち医官２名）が仙台市内で新型コロナウイルスPCR検体採取支援を行った。2021年3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、１級賞状が授与された。2022年3月6日、佐官級予備自衛官（衛生職域）職務訓練を実施。参考：月刊航空ファン6,’11、日本の防衛戦力Part1、MAMOR vol.104、仙台駐屯地ホームページ、朝雲

＜自衛隊体操＞：朝礼後、ラジオ体操代わりに自衛隊員が行う体操。体力向上を目的に体育学校が考案したもので、その場駆け足、脚前腕斜上振、腕回旋膝半屈、腕水平振側開、首の運動、片膝屈伸、胸の運動、体の前後屈、体の前屈前倒、体の斜前屈、その場跳躍、統制運動、体の側屈、体の前屈前倒振、体の回旋、開脚跳躍、開閉跳躍、腕前上脚後振、腕屈伸膝半屈、腕側振もも上げ、深呼吸の21動作からなり、うち７動作は戦前に行われていた大日本青年体操のものである。５分間で消費エネルギーは31kcal。結構キツいらしく、このための準備体操が必要といわれる。朝礼の時の制服が常装（スーツ姿、男女とも）であってもわざわざ着替えたりはしない。武山駐屯地と大津駐屯地の創立記念行事で展示される。参考：MAMOR vol.145、vol.43、vol.100、月刊丸4,’99、7,’14、月刊JWings8,’14

＜自衛隊逮捕術＞：自衛隊の警務隊が使用する逮捕術。警察の逮捕術がベースで、格闘訓練を受けた自衛官をスムーズに逮捕できるよう、即効性と威力に優れたバージョンになっている。参考：MAMOR vol.55

＜自衛隊中央病院＞：自衛隊の職域病院・最終後送病院・基幹型臨床研修病院。三自衛隊共同機関で、1993年から一般患者の診療も行っており、二次救急医療機関（2016年から）及び第一種感染症指定医療機関に指定（2017年から）されている。隊員及び隊員家族の健康増進、疾病予防、治療を主任務とする。放射線技師の養成も行う。1954年11月1日、病院起工式を実施。1955年11月1日、病院組織が新編された。12月19日、病院建設工事竣工。1956年3月1日、病院開設許可が下りた。4月1日、職業能力補導所を付置。1959年4月14日、三宿病院と診療協定を締結。12月4日、婦人自衛官養成所を設置し、職業能力補導所を病院組織として編入した。1962年8月15日、診療エックス線技師養成所を設置。9月1日、診療放射線技師養成所を開設。1964年10月4日から医官７名と看護師11名で東京オリンピック大会救護支援を実施。1968年7月13日、臨床研修病院指定を受けた。1972年2月1日、札幌冬季オリンピックを支援した。3月31日、高等看護学院、診療放射線技師養成所教育棟、看護師独身寮、放射線治療棟が竣工した。1974年4月1日、医局を開設。1979年4月3日、防衛医科大学第一期生40名に対する病院実務研修を開始。1980年5月15日、防衛医科大学第一期生に対する医官等初任実務研修を開始。1981年3月31日、本館全面改修工事、リハビリテーション棟改修工事、RI研究棟拡充工事が完工。1982年4月21日、婦人自衛官隊舎竣工式を実施。1984年6月1日、防衛医科大学卒業生への専門医研修制度を開始。1985年6月11日、薬剤官実務研修を開始。1992年9月8日、UNTACに医官２名を派遣。1993年11月1日、保険医療機関に指定され、一般患者の診療も受け入れるようになった。1994年9月20日、ルワンダ難民救援隊に医官３名を派遣。1995年1月22日から阪神大震災の災害派遣に参加。1996年3月14日、阪神大震災の災害派遣協力に対して二級賞状が授与された。1998年11月13日、ホンジュラスの国際緊急援助活動に医官１名を派遣。1999年4月1日、保健管理センターが開所した。2000年10月1日、医官５名と看護官５名で官邸医療チームを編成し、官邸支援（首相健康管理業務）を開始。2001年3月19日、遠隔地医療支援システムを導入。2003年7月26日、新病院起工式を実施。地上10階・地下３階で、免震構造（震度７を震度３程度に軽減）により災害にも強く、屋上にはCH-47JAが着陸できるヘリポートがあり、正面エントランスは災害時のトリアージスペースを兼ねる。病床は４床室74室、２床室36室、個室118室で、緊急時には1000床まで収容可能。2004年3月25日、第１次イラク復興支援群に医官１名と臨床心理士１名を派遣。5月27日、イラク・サマワの医療関係者の研修受け入れを実施。9月27日、サマワ総合病院、サマワ母子病院医師の研修受け入れを実施。2004年10月27日から新潟県中越地震に増強救護班を派遣。2005年1月14日、インドネシア国際緊急援助隊に医官２名を派遣。2006年3月11日、創立50周年記念式典を実施。2009年1月30日、新病院（500床）の鍵引渡式を実施。3月18日、新病院落成式を実施。4月1日、入院患者を新病院に移送。4月3日、新病院での外来診療が開始された。8月30日、東京都・世田谷区・調布市合同総合防災訓練に参加。2010年7月、救急告示医療機関として東京都に認定され、目黒区、世田谷区、渋谷区の救急搬送患者を受け入れるようになった。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2013年11月23日、首都直下地震を想定した平成25年度大量傷者受入訓練を実施。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。4月10日、第29期薬剤実務研修生９名が院内で成果発表を行い、全員が薬剤官の資格を獲得した。2015年2月14日、平成26年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練を実施。防衛医科大学校、東部方面総監部、衛生学校、第１ヘリコプター団、東部方面衛生隊、第１後方支援連隊、統合幕僚監部、陸上幕僚監部、中央即応集団、東部方面隊管内各部隊、在日米軍医療関係者、民間医療関係者が参加し、首都直下地震の際の災害対処能力向上を図り、対処計画や業務継続計画試行案を検証した。11月27日、三宿駐屯地で第53回東部防衛衛生学会を開催。テーマは大規模災害対処 首都直下地震への取り組みで、衛生部隊隊員など500名が参加した。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。3月12日、平成27年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練を実施。病院職員、統合幕僚監部、陸上幕僚監部、中央即応集団、東部方面管内各部隊、衛生学校、部隊医学実験隊、第１ヘリコプター団、第32普通科連隊、世田谷区医師会、日本赤十字社などから500人が参加し、首都直下地震を想定した訓練や研修を行った。3月28日、高等看護学校が閉校となった。5月31日、世界禁煙デーに合わせて禁煙イベントを実施。8月10日、演芸家を招いて職業能力開発センター運動療法室で慰問演芸会を実施。10月13-16日、カザフスタン軍医療関係者に対する能力構築支援事業に協力した。10月20日、海上自衛隊衛生特別訓練に参加。2017年2月4日、大量傷者受け入れ訓練を実施。東京湾北部を震源とする大地震が発生したとの想定で、衛生学校、第１ヘリコプター団、東部方面衛生隊、第１師団、関東補給処用賀支処などと共に、発災直後や発災28時間半後の超急性期における対応の訓練を行った。4月、１類・２類感染症の治療が行える第一種感染症指定病院となった。7月、健康管理センターでメタボリック症候群対策の教育入院プログラムを初めて開催。初日は東部方面隊で採血や生活指導を受け、2-10日目は自衛隊中央病院に教育入院して各種検査、栄養指導、運動療法、個別指導、自己管理目標設定、体重日記作成などを受講、退院後は毎月第１週の金曜日に自衛隊体育学校で運動指導を受け、３ヶ月後と６ヶ月後に自衛隊体育学校で体力検定を受けてメタボリック症候群から脱却する。8月24日、世田谷区主催の感染症地域医療体制ブロック協議会の一環として、１類感染症患者受入訓練を実施。9月5日、健康管理センターでメタボリック症候群対策の教育入院プログラム（第２回）を開始。10月7日、自衛隊中央病院大量傷者受入訓練を実施。病院職員500名、衛生学校、第１ヘリコプター団、第１師団第１飛行隊、東京消防庁17人、民間医療機関などが参加し、マラソン大会ゴール付近で爆弾テロが起きて300人が負傷したとの想定で、三宿駐屯地体育館に模擬患者40人を配置し、東京消防庁によるNBC検知、現場救護、トリアージ、応急処置、搬送、院内処置、CH-47JAとUH-1Jによる拠点病院（亀田総合病院、東海大学医学部付属病院）への搬送、中央病院会議室を指揮所とした作戦会議などの各種訓練を行った。11月6-24日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2018年2月1-2日、防衛省と三宿地区で平成29年度防衛医学セミナーを実施。7月7日、大量傷者受入訓練を実施。自衛隊中央病院、東部方面隊、衛生学校、警察、消防、世田谷区、世田谷医師会などが参加し、世田谷公園にドローンで化学剤が撒布された40分後に避難地域で爆発物によるテロが発生したという想定で訓練を行った。東部方面隊は朝霞訓練場で現場の隊員が超小型ライブカメラ（民生品）をヘルメットに装着して画像を自衛隊中央病院にリアルタイム送信し、医師の指示で応急処置を行う遠隔医療を試行している。10月18-19日、アメリカ空軍第384医療群主催の日米航空医学相互運用カンファレンスに衛生職域隊員が参加。10月18日、平成30年度感染症患者受入訓練（通算第７回）を実施。隊員66名が参加し、新型インフルエンザ患者と１類感染症（エボラ出血熱疑い）患者の受け入れを想定した訓練を行った。2019年5月21-25日、自衛隊統合防災演習に連動した東部方面隊防災訓練に参加。5月25日、大量傷者受入訓練を実施。防衛医科大学校、東部方面隊、衛生学校などから隊員390名、日本赤十字社などから職員30人が参加し、患者搬送や遠隔連携医療などの訓練を行った。7月6日、第５回感染症患者受入訓練を実施。初めて東京都が主催する一類感染症患者受入訓練の一環として行い、対特殊武器衛生隊などを加えた隊員80名が東京都や関係機関と共にエボラ出血熱を想定した患者を受け入れる実動訓練を行った。9月7日、内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練に参加。10月17日、アトゥール・カレ国連事務次長が視察した。11月11-21日、令和元年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2020年1月29日、新型コロナウイルス感染症流行地の武漢から在留邦人を乗せて帰国するチャーター機に看護官の派遣を開始。2月6日夜に羽田空港を出発した武漢からの帰国者向け日本政府チャーター機第４便に看護官２名を派遣し、検疫作業や健康チェックを行った。4月10日、新型コロナウイルス治療薬候補アビガンの治験を開始。5月14日、自衛隊家族会から勤務者に激励品が贈呈された。12月17日、開院以来の隊員への医療提供、一般患者診療、平成12年以降の官邸医療支援、近年の新型コロナウイルス感染拡大防止の功績で、内閣総理大臣特別賞状が授与された。

2021年3月8日、新型コロナウイルスワクチンの優先接種を開始。11月12日、明治安田生命保険から医療従事者への感謝を示すメッセージカードが贈呈された。2022年5月12日、千葉地本に協力し、薬剤学科大学生８人に対する研修を行った。7月8-10日、モンゴル軍に対する衛生分野の能力構築支援事業に協力し、大量傷者受入訓練に関する知見共有・意見交換を行った。8月26日から9月12日、パシフィック・パートナーシップ2022に参加。2023年11-12月、パシフィック・パートナーシップ2024に参加。

参考：MAMOR vol.52、vol.100、vol.104、vol.113、vol.120、vol.133、vol.162、朝雲、日本の防衛戦力Part1、月刊世界の艦船11,’19、11,’22

　＜自衛隊中央病院（１９７７年）＞：診療科28科目、病床数500床。高等看護学院、放射線技師養成所、職業能力補導所が置かれている。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜自衛隊中央病院（２０１５年）＞：病院長、副院長２名（陸上自衛官１名・海上自衛官１名）、企画室、医療安全評価官、官邸医療支援官、総務部（総務課、管理課、会計課、医事課、健康管理課）、診療科（外科・消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、脳神経外科、麻酔科、病理診断科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、整形外科、リハビリテーション科、小児科、皮膚科、形成外科、眼科、総合診療科、腎臓内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、神経内科、代謝内科、血液内科、感染症内科、リウマチ科、産婦人科、歯科、精神科、放射線科、救急科）、診療技術部（技術管理課、臨床検査課、放射線技術課、リハビリテーション技術課、病理課、栄養課）、衛生資材部（衛生資材課、薬剤課、臨床薬剤課）、臨床医学教育・研究部（研究課、教育訓練課）、看護部（第１・第２看護科）、診療放射線技師養成所、職業能力開発センター、保健管理センターからなる。参考：自衛隊中央病院ホームページ

＜自衛隊中央病院官邸医療チーム＞：自衛隊中央病院の医療チーム。首相など政府要人に対し、健康管理や緊急時対応を含む各種医療支援を行うのが主任務で、官邸や公邸だけでなく、国内外問わず出張先にも同行し、24時間態勢で医療支援にあたる。2000年10月1日、医官５名と看護官５名で発足した。2017年11月8日、内閣総理大臣特別賞状が授与された。参考：朝雲

＜自衛隊中央病院高等看護学院＞：陸上自衛隊看護師の養成機関で、自衛隊中央病院の付属機関である。採用されると陸上自衛官としての階級が付与され（１学年は二等陸士、２学年は一等陸士、３学年は陸士長。給与も出る）、宿舎で生活し、看護師としての教育に加え、自衛官としての戦闘訓練なども受ける。３年次2月に国家試験を受け、看護師免許を取得すると２等陸曹に昇任、卒業後は自衛隊中央病院、陸上自衛隊病院、衛生科などに配属される。元は1958年に陸自衛生学校で発足した看護学生課程で、1959年に自衛隊中央病院に移管され婦人自衛官養成所となり、1971年に自衛隊中央病院高等看護学院と改称された（教育課程の名称は看護学生課程のまま）。1999年、一般教育課程の教育基準が変更されたのに伴い、第42期生から武器訓練、射撃、通信、格闘などの教育を開始。2002年、第45期生から男性自衛官の募集を開始。2016年3月4日、第56期生66名の卒業式を実施。3月22日、隊旗返還式を実施。学院長から自衛隊中央病院長に隊旗が返還された。3月25日、第56期生が看護師国家試験に全員合格した。1958年以来看護学生課程修了者4160名を輩出し、防衛大学校看護学科に後を譲って3月28日に閉校した。参考：MAMOR vol.60、vol.99、vol.100、朝雲

＜自衛隊中央病院職業能力開発センター＞：以前は職業能力補導所という名称で、新施設が自衛隊中央病院の新病院に併設されたのに伴い改称された。公務中の負傷や疾病で障害を負い、国家公務員災害補償法の障害等級に該当する自衛官・事務官等の部隊勤務・社会復帰を促進させるための施設で、三宿にある。入所生はプログラム開発、情報システム、木工、建設設計、機械設計、一般事務の各機能指導科に所属して技能修得にあたる。収容人数は20名で、職能補導所よりもバリアフリー化や女性隊員受け入れ能力を強化拡大している。2009年3月12日、第53期生９名の修了式を実施。4月8日、開所式と第54期生13名の入所式を実施。2012年3月8日、第56期生９名に対する修了式を実施。4月11日、第57期生10名の入所式を実施。2013年3月14日、第57期生10名の修了式を実施。2014年3月13日、第58期生の修了式を実施。2015年3月12日、第59期生９名の修了式を実施。陸自の７名は原隊に復帰し、空自の２名はもう１年学習を続ける。2016年3月10日、第60期生13名の修了式を実施。2017年3月9日、第61期生10名の修了式を実施。2018年3月8日、第62期生12名（陸自９名、海自１名、空自１名、技官１名）の修了式を実施し、継続１名を除く11名が原隊に復帰した。4月4日、第63期生８名の入所式を実施。2019年3月7日、第63期生８名（陸自７名、海自１名）の修了式を実施。継続２名を除く６名が原隊に復帰した。4月5日、第64期生10名（陸自７名、海自２名、空自１名）の入所式を実施。2021年2月26日、第65期生の研修成果発表会を実施。3月4日、第65期生６名（陸自５名、海自１名）の修了式を実施し、継続１名を除く５名が部隊に復帰した。4月8日、第66期生２名（一般事務課継続１名、木工科新規１名）の入所式を実施。9月10日、第66期後期研修生２名が入所した。2022年3月3日、第66期生４名（全て陸自）の修了式を実施。4月7日、第67期生13名（陸自11名、海自１名、空自１名）の入所式を実施。参考：朝雲

＜自衛隊中央病院職業能力補導所＞：1956年に創設された。2009年4月、自衛隊中央病院職業能力開発センターに改称された。参考：朝雲

＜自衛隊デジタル通信システム（指揮統制用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜自衛隊デジタル通信システム（前線航空統制用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜自衛隊デジタル通信システム（戦闘機搭載用）＞：航空自衛隊の要求に基づいて技本が2009-2013年度に開発したデータリンクシステムJapan self defence force Digital Communication System （Fighter）、JDCS(F)。F-15JのプレMSIP機（改修費用がかさむ）や、F-2（スペースが無い）といった、リンク16の搭載が能力的に困難だった機体にも装備可能なデータリンクである。技本が1999年度から開発していたソフトウェア無線機の技術をベースとしており、僚機、F-35A、F-15J近代化改修形態２型、JADGEとリアルタイムでデータを交信し、情報を得ることが可能。リンク16との互換性は無く、E-2Dなどと直接リンクはできないが、JADGEで処理された戦術情報をリンク16端末搭載機（自衛隊機だけでなく在日米軍機も含む）と共有でき、JADGEを中心とした国産ネットワーク戦闘が行える。経費はリンク16末端の半額の予定。主契約社は三菱重工で、日本電気、三菱電機、日立製作所が協力している。開発完了を受け、2015年度予算からF-2への搭載が開始された。改修機は見た目では分からない模様。F-15JプレMSIP機に対しては、2011年度予算で２機（ラジオコールナンバー867、897）が試改修され、エアブレーキ左にブレードアンテナ、右に小さいボタン状アンテナフェアリングが付いた。ただF-35A戦闘機に後を譲って退役することになったので、量産改修は見送られている。参考：月刊軍事研究4,’13、10,’09、5,’10、7,’13、10,’13、11,’14、11,’15、月刊航空ファン11,’11、8,’15、月刊JWings9,’16、9,’23

＜自衛隊デジタル通信システム（戦闘機搭載用）の計測システム＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜自衛隊統合演習＞：自衛隊の演習で、1979年度に開始された。実動演習と指揮所演習を隔年で実施する。参考：朝雲

＜自衛隊統合防災演習＞：JXRと略す。自衛隊が2013年から実施している統合防災演習で、南海トラフ地震などを想定し、自治体・警察・消防など各関係機関とも連携して大規模災害への対処能力維持向上を図るものである。これに合わせ、東部方面隊はビッグレスキューあづま、中部方面隊は南海レスキューを行っている。参考：MAMOR vol.133

＜自衛隊那覇病院＞：自衛隊の病院。2019年9月1日、令和元年度離島統合防災訓練に参加。2020年6月4日、病院長と南西航空方面隊司令部医務官以下隊員11名が在日米海兵隊キャンプ・フォスターの在沖米海軍新型コロナ統合対策本部と在沖海軍病院を研修した。8月18-31日、沖縄県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、看護官らが沖縄県内医療機関で医療支援を行った。2023年3月17日、空自から陸自に移管され、所在地が那覇基地から南那覇駐屯地になった。参考：月刊JWings8,’14、11,’19、MAMOR vol.166、朝雲

＜自衛隊の施設等の警護出動＞：自衛隊の任務の１つで、自衛隊法第81条の２に規定されている。内閣総理大臣は、日本国内にある自衛隊の施設、日米安保条約第６条に基づく施設・区域、在日米軍地位協定第２条第１項の施設・区域において、政治上その他の主義主張に基づき、国家または他人にこれを強要したり社会に不安や恐怖を与えたりする目的で、多数の人を殺傷したり重要施設その他のものを破壊したりする行為が行われる恐れがあり、かつ被害防止のため特別の必要があると認める場合には、当該施設・区域警護のため、部隊等の出動を命じることが出来る。その場合、内閣総理大臣が予め関係都道府県知事の意見を聴取すると共に、防衛大臣と国家公安委員会で協議した上で、警護対象の施設・区域と警護期間を指定する。警護期間内であっても、必要性が無くなった場合には、速やかに撤収を命じる。自衛官が職務を執行する際は、警察官職務執行法第５条（犯罪の予防及び制止）、第７条（武器の使用）の規定を準用する。また、警察官がその場にいない限り、警察官職務執行法第２条（職務質問）、第４条（避難等の措置）、第６条第１項・第３項・第４項（立入）の規定を準用する。武器の使用は、警察官職務執行法第７条に基づいて部隊指揮官が命じる場合、刑法第36条（正当防衛）・第37条（緊急避難）に該当する場合の他、職務上警護する施設が大規模な破壊に至る恐れのある侵害を受ける明白な危険があり、武器を使用する以外に排除できないと認める相当な理由がある場合に、事態に応じて合理的に必要と判断される限度で部隊指揮官の命により行える。警察官職務執行法による権限や、武器使用の権限は、警護のためやむを得ない必要がある時は、必要な限度において、警護対象の施設または施設及び区域の外部で行使することもできる。参考：自衛隊法

＜自衛隊番号表＞：自衛隊特有の車両ナンバーで、道路運送車両法の適用が除外されている代わりに自衛隊法第114条の３で防衛大臣の定めるところにより他の自動車と明らかに識別することができるような番号と標識を付すことが規定されていて、自衛隊の使用する自動車に関する訓令として発出されている。２桁の数字＋ハイフン＋４桁の数字で、最初の２桁が01-38と50-98は陸自、39-43は海自、44-49は空自の車両を指し、後ろの４桁は固有番号である。自衛隊の使用する自動車以外の自動車は、これと同じか紛らわしい番号や標識を付してはならない。参考：MAMOR vol.123、自衛隊法

＜自衛隊阪神病院＞：自衛隊の病院。1966年2月、陸上自衛隊阪神地区病院として中部方面隊隷下に開設された。1988年、３自衛隊共同機関となり、自衛隊阪神病院に改編された。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の災害派遣に参加。2009年3月6日、阪神病院準看護学院第32期生25名の卒業式を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月、保険医療機関となり、自衛隊員以外の患者も受け入れるようになった。2013年9月1日、兵庫県・播磨広域・姫路市合同防災訓練に参加。2019年2月17日、兵庫県国民保護共同訓練に参加。4月2日、奈良地本が行った女性のための事務・医療系職場見学会に協力した。2020年4月8日、法務省からの依頼で大阪拘置所職員に新型コロナウイルス衛生教育（防護服着脱要領）を実施。2023年11-12月、パシフィック・パートナーシップ2024に参加。参考：MAMOR vol.52、朝雲、日本の防衛戦力Part1、月刊軍事研究4,’17、月刊JWings5,’19

＜自衛隊百科＞：山形コミュニティーFMのラジオ番組。毎週火曜日0930-0945に放送されている。参考：朝雲

＜自衛隊病院＞：病院（自衛隊）を参照。

＜自衛隊福岡病院＞：自衛隊の病院。1955年、陸上自衛隊福岡地区病院として西部方面隊隷下に開設された。2006年、保険医療機関となった。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2013年12月7日、福岡県保健衛生課、筑紫保健福祉環境事務所、春日・大野城・那珂川消防署と共に、新型インフルエンザ対処訓練を行った。2020年4月10日、官庁間協力の一環で、副院長以下８名を福岡県内宿泊施設に派遣し、宿泊医療に携わる医師や県職員らに対して個人用防護服タイベックススーツ着脱要領などの衛生教育を実施。地上７階・地下１階・延床面積26000平方メートルで16診療科とベッド200床を備える神病院を建設予定で、2022年度予算概算要求で準備工事費が盛り込まれた。参考：MAMOR vol.52、朝雲、日本の防衛戦力Part1

　＜自衛隊福岡病院（２０１５年）＞：総務部、診療科（内科、小児科、外科、精神科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、歯科、眼科、禁煙外来、泌尿科）、診療技術部、看護部、衛生資材部、企画室、建替準備室、準看護学院からなる。参考：自衛隊福岡病院ホームページ

＜自衛隊富士病院＞：陸上自衛隊の地区病院で、東部方面隊直轄。2020年2月7日、新型コロナウイルス感染症が発生したダイヤモンド・プリンセス号に救急車を派遣し、患者搬送支援を開始。5月2-14日、コスタ・アトランチカの新型コロナウイルス感染症診療支援のため、CT診断車１両と隊員を現地に派遣した。2021年3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、１級賞状が授与された。参考：日本の防衛戦力Part1、朝雲

＜自衛隊別府病院＞：自衛隊の病院。主に温泉を利用したリハビリを行う。1974年3月30日、陸上自衛隊の地区病院として西部方面隊隷下に開設された。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。2019年3月24日、別府駐屯地修親会、曹友会、陸士会と共に、別府市内で境川清掃ボランティアに参加。参考：日本の防衛戦力Part1、朝雲

＜自衛隊法＞：1954年3月8日に国会に提出され、1954年6月9日法律第165号で公布され、7月1日に施行されて自衛隊が誕生した。自衛隊の任務、部隊の組織編成、自衛隊の行動と権限、隊員の身分取扱など自衛隊の総てについて定めた法律で、隊法と略す。第１章総則で定義と任務、第２章指揮監督で指揮系統、第３章部隊で組織と編成、第４章機関で付属機関、第５章隊員で服務規定と階級、第６章自衛隊の行動で出動内容、第７章自衛隊の権限で権限、第８章雑則で雑則、第９章罰則で罰則が定められている。2005年の改正で防衛出動が下命されていなくても弾道ミサイル等に対する破壊措置が行えるようになった。2007年の改正でPKOが付随的任務から本来任務に格上げされた。2012年11月16日に一部改正案が国会で成立し、100条に第８項を追加して日豪物品役務相互提供協定の規定を設け、航空救難団を航空総隊隷下に移し、防衛医科大学校に看護師養成課程を新設した。アルジェリア人質殺害事件を受け、2013年11月15日に在外邦人の輸送手段に車両を追加し、陸上輸送を可能とする一部改正案が成立した。輸送対象者も内乱やテロ事件に巻き込まれた者だけでなく、家族や企業関係者も含めることとなった。2015年9月19日に成立した平和安全法制整備法で、第76条（防衛出動）、第84条の３（在外邦人等の保護措置）、第84条の５（後方支援活動等）、第94条の５（在外邦人等の保護措置の際の権限）、第95条の２（合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用）が改正・追加された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊JWings2,’16、3,’16、月刊世界の艦船6,’22、朝雲、MAMOR vol.115、vol.120

＜自衛隊舞鶴病院＞：海上自衛隊の地区病院。2009年6月21日、有志ボランティアが地元住民からの依頼で青葉山への資材運搬登山を行った。2014年度、生活習慣病サポートプロジェクトチームを設立。2015年10月30日、AMS-4301ひうち乗員に対する健康意識向上イベントであるひうち健康の日に協力した。2016年10月27日、自衛隊体育学校スポーツ科学科マルチサポート班による支援の下、生活習慣病サポートプロジェクトチームが座学（トップアスリートの食生活から学ぶ自衛官の食事）と実技（ウオーキング、ランニング、ストレッチ）などの講習を受けた。2022年3月17日に廃止され、機能は舞鶴衛生隊に移管された。参考：日本の防衛戦力Part3、朝雲

＜自衛隊三沢病院＞：自衛隊の病院。周辺三自衛隊員とその家族を対象に診療を行うと共に、北海道と東北の分屯基地に衛生資材を補給する。1989年10月2日、三沢基地で開設された。参考：三沢基地ホームページ、月刊JWings8,’14

＜自衛隊横須賀病院＞：自衛隊の病院。1956年3月1日、海上自衛隊横須賀地区病院として横須賀市長瀬に開設された。1964年4月1日、教育部が准看護人養成所に指定された。1967年2月1日、潜水医学実験部が新編された。1969年9月19日、准看護人養成所が准看護師養成所に改称された。1977年12月27日、潜水医学実験部が防衛庁長官直轄の潜水医学実験隊に改編された。1988年3月31日、横須賀市田浦港町に移転した。4月8日、３自衛隊共同機関となり、自衛隊横須賀病院に改称された。1990年4月1日、准看護師養成所を准看護学院に改称した。1999年1月1日、保険医療機関となり、自衛隊員以外の患者も受け入れるようになった。2009年7月21日、神奈川県綾瀬市で救急救命士養成所の教官５名と救急救命課程学生10名が湘央生命科学技術専門学校救急救命科生徒40人との合同訓練を実施。2012年9月1日、教育部が久里浜から田浦に移転した。2014年10月8日、アメリカ海軍との共同衛生特別訓練に参加。2015年5月25-28日、マレーシアでASEAN地域フォーラム災害救援実動演習に参加。9月14日、アメリカ海軍との衛生特別訓練に参加。2016年10月20日、海上自衛隊衛生特別訓練に参加。2017年9月1日、神奈川県横須賀市で９都県市合同防災訓練に参加し、酒匂川河川敷で現場救護所訓練を行った。10月17日、海自とアメリカ軍との衛生特別訓練が行われた。2018年6月14日、横須賀港で日米共同衛生訓練に参加。9月21日、衛生特別訓練に参加。11月1-3日に北九州国際会議場で開催された第38回日本臨床麻酔学会で、診療部麻酔科石垣２等海佐が第６回MSD Awardを受賞した。2019年9月20日、衛生特別訓練に参加。2021年3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、１級賞状が授与された。2022年5月20日、横須賀地方総監部、横須賀基地業務隊、横須賀衛生隊と共に、自衛隊横須賀病院と横須賀米海軍病院で行われた日米共同訓練に参加。横須賀米海軍病院と、衛生関係部隊連携要領及び負傷者対応能力向上を目的とした訓練を行った。6月24日から7月1日、フィジー軍医療従事者８名に対する能力構築支援事業に協力した。2023年8-10月、パシフィック・パートナーシップ2023に参加。11-12月、パシフィック・パートナーシップ2024に参加。12月13日、自衛隊横須賀病院と横須賀米海軍病院で行われた第25回衛生特別訓練に参加。横須賀地方総監部、横須賀衛生隊と共に、横須賀米海軍病院40名と、日米関係部隊の連携要領及び負傷者への対応能力（トリアージ、傷者処置、搬送及び医療活動）の向上を目的とする訓練を行った。参考：自衛隊横須賀病院ホームページ、月刊丸11,’72、日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船1,’17、12,’17、9,’18、12,’18、12,’19、8,'22、3,'24、朝雲

　＜自衛隊横須賀病院（２０１５年）＞：横須賀基地田浦地区にあり、三自衛隊共同機関ではあるが海上幕僚長の監督下に置かれている。病院長、副院長、医療安全評価官、企画室、総務課、会計課、医事課、看護課（第１病棟、第２病棟、外来、手術室、内視鏡室、中央材料室）、検査研究課、診療部（内科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、麻酔科、眼科、リハビリテーション科、泌尿器科、精神科、小児科、婦人科、耳鼻咽喉科）、歯科診療部（第１歯科、第２歯科、第３歯科）、衛生資材部（薬剤課、衛生資材課）、衛生管理課、教育部（教務課）からなる。参考：自衛隊横須賀病院ホームページ、月刊世界の艦船11,’18

＜自衛隊ラジオ広報室＞：徳島のFMびざんと徳島地方協力本部が共同製作しているFMラジオ番組で、自衛官がメインパーソナリティーを務め、火曜夜に放送されている。自衛隊気ままにトークを聞いたFMびざん社員が同様の番組を企画、徳島地本に提案したのがきっかけで、2009年7月から始まった。参考：朝雲

＜ジェイナス＞：F53（駆逐艦）を参照。

＜ジエイのお仕事＞：岡山地方協力本部ホームページに掲載されている自衛官募集マンガ。2011年11月25日に公開され、11月29日に１日のアクセス件数が22900件（2010年のアクセス件数は１年間で15000件だった）にも達して岡山地本が地元テレビ局の取材を受けた。参考：朝雲

＜ジェイホーク＞：MU300（ビジネスジェット）またはT-1A（練習機）またはHH-60J（捜索救難ヘリ）またはMH-60T（捜索救難ヘリ）または第７軍団（アメリカ陸軍）を参照。

＜自衛用高エネルギーレーザー実証器＞：SHieLDを参照。

＜ジェイムス・ジョイス＞：アイルランド海軍サミュエル・ベケット級外洋哨戒艦２番艦James Joyce。2015年9月就役。参考：月刊世界の艦船6,’19

＜シェー＞：アメリカ海軍敷設駆逐艦。1945年4月44日、沖縄付近で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ジェーソン＞：AV-2（水上機母艦）を参照。

＜ジェーソン級＞：アメリカ海軍水上機母艦Jason級。元は給炭艦AC-12ジェーソンで、1931-32年に改造された。基準排水量19250トン。速力14ノット。水上機20機くらいを搭載可能。AV-2ジェーソンが就役した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜シェーダー作戦＞：イギリスによるイスラム国への航空作戦。2014年8月12日からトーネードGR.4をアクロチリに展開させてISTAR任務を行っていたが、議会によりイスラム国への軍事作戦が認可されたのは9月26日である。9月30日、初の爆撃ミッションを行い、ボイジャーKC.Mk2/3から空中給油を受けたトーネードがペイブウェイ�Wとデュアルモード・ブリムストーンを投下している。また、RC-135WやセンチネルR.Mk1による電子偵察も実施した。参考：月刊航空ファン1,’15

＜ジェームズ・Ｃ・オーエンス＞：DD-776（駆逐艦）を参照。

＜ジェームス・Ｅ・ウイリアムス＞：DDG-95（駆逐艦）を参照。

＜ジェームス・Ｅ・キース＞：DD-787（駆逐艦）を参照。

＜ジェームズ・Ｅ・クレイグ＞：DE-201（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジェームス・Ｋ・ポーク＞：SSBN-645（ラファイエット改級戦略原潜）またはSSN-645（SEAL支援特殊任務原潜）を参照。

＜ジェームズ・オハラ＞：APA-90（攻撃輸送艦）を参照。

＜ジェームズ・マディソン＞：SSBN-627（ジェームズ・マディソン級戦略原潜）を参照。

＜ジェームズ・マディソン級＞：ラファイエット級シリーズ（戦略原潜）を参照。

＜ジェームズ・モンロー＞：SSBN-622（ラファイエット級戦略原潜）を参照。

＜ジェーン＞：イギリス軍の沿岸砲。キング・ジョージ�X世級と同じ15インチ（381mm）艦砲（356mm砲Mk�Z？）を、1942-43年にワンストン農場に設置したものである。射程44km。対岸のカレー地区には届かないので、ドーバー海峡を通る敵艦船専用だった。参考：歴史群像12,’03

＜シェクスナ＞：9M117（対戦車ミサイル）または9K116-1（対戦車ミサイルシステム）を参照。

＜ジェス・Ｌ・ブラウン＞：FF-1089（フリゲート）を参照。

＜ジェス・ラザフォード＞：DE-347（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジェゼベル＞：AN/AQA-3（対潜システム）を参照。

＜シェック＞：ノルウェー海軍ストルム級高速攻撃艇。1966年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ジェッターＰＲＦ＞：Jettered PRF。パルス繰り返し周波数（PRF）を擬似ランダムに変化させる手法のこと。スタガーPRFと同様に、パルスレーダーの二次（多次）周回エコーによる目標誤認を防ぐため使用される。参考：レーダの基礎

＜ジェット・エンジン＞：Jet Engine。ターボファン・エンジン、ターボジェット・エンジン、ラムジェット・エンジン、パルスジェット・エンジンなど、空気を酸化剤として燃料を燃焼させ、その燃焼ガスを噴射して反動により推進力を得るエンジンの総称で、Air-breathing Engineとも呼ばれる。日本では太平洋戦争終結までロケット（噴射推進機関）と呼んでいた。参考：丸エキストラ版No.114、月刊世界の艦船3,’05、月刊軍事研究4,’12

＜ジェット機＞：ジェット・エンジンを搭載した飛行機のこと。プロペラの先端失速の問題が無く、推力が大きいので、プロペラ機に比べて大幅な最大速度向上が見込める。代わりに低速時の効率や安定性に劣る。第２次大戦中にイギリスとドイツがそれぞれミーティアとMe262を実用化した。アメリカはターボチャージャーを優先したため、開発が遅れた。日本はMe262の資料を基にして橘花の開発を進めたが、実用前に終戦となった。初期のジェット機はレシプロ機と大差無い飛行性能だったが、後退翼の採用で解決している。参考：飛行機のしくみ、月刊JWings8,’16、月刊世界の艦船2,’22

＜ジェット気流＞：Jet stream。対流圏界面近くに生じる、速度数百ノットにも達する高速気流のこと。偏西風が原因で発生し、冬期に発達する。晴天乱流の原因となり、西に向かう飛行機にとっては強烈な逆風になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジェットコースター＞：DDG-163（駆逐艦）を参照。

＜ジェット・ジープ＞：XH-26（試作ヘリ）を参照。

＜ジェットスコール＞：F1300（練習機）を参照。

＜ジェットスター＞：C-140シリーズ（輸送機）を参照。

＜ジェット・スパイトフル＞：アタッカー・シリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜ジェット燃料＞：Jet fuel。航空機用ガスタービンエンジン（広義）で使用する燃料のこと。ケロシン系（灯油の一種）と、低温環境でも流動性が高いワイドカットガソリン系がある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’22

＜ジェットパイプ温度＞：Jet Pipe Temperature（JPT）。排気ガス温度EGT（Exhaust Gas Temperature）ともいう。ガスタービンエンジンのタービンブレードを通過した直後の燃焼ガス温度のこと。燃料供給量を増やして出力を増大させた際、タービンブレードが耐熱限度を超えてしまわないかどうか監視するのに使用される温度で、タービンブレードそのものの温度を測るのが難しいため、排気温度で代用する。500-800度くらいが適正。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジェットパック＞：ノースロップ・グラマン社が開発した異世代戦闘機間通信装置。第５世代ステルス戦闘機と第４世代非ステルス戦闘機との間でステルス性を損ねない直接通信を可能とするもので、従来のように特殊装置を積んだ衛星やAWACSを介する必要が無くなる。ハネウェル社製デュアルバンド先進戦術データリンクアンテナを使用し、内蔵型とポッド型がある。参考：月刊軍事研究11,’14

＜ジェットブーツ＞：アメリカのPATRIOT3社が開発した個人用水中推進装置JETBOOTS。膝関節のすぐ上辺りにシュラウド付きプロペラ、腰に動力装置を装着するタイプで、両手を自由に使える状態で水中を長時間移動できる。陸上でも装着したまま行動できる重さなので、手持ち式大型推進装置のように上陸後に隠す必要も無い。陸上重量12kg、水中重量4kg。推進は低騒音ブラシレスモーターで、水中最大速度3.3ノット、最大駆動時間６時間。どこかの特殊部隊が採用したらしく、日本でも売り込み中。参考：月刊軍事研究4,’17

＜ジェット・ブラスト・デフレクター＞：Jet Blast Deflector、JBDと略す。空母飛行甲板のカタパルトまたは発艦滑走開始地点後方にある板状の構造物で、普段は飛行甲板と面一になっているが、発艦時に斜めに立ち上がり、高温のジェット排気を上方に逃がす。背面には冷却水を循環させるパイプが張り巡らされているが、セラミック製耐熱板を使用して水冷システムを省いたタイプもある。参考：月刊JWings1,’02、月刊世界の艦船2,'22、3,'21、2,’16

＜ジェット・プロボスト・シリーズ＞：イギリス空軍単発練習機Jet Provost、パーシバル社内名称P.84、BAC名称BAC145。プロボスト練習機をジェット化したもので、パーシバル社が1951年から開発し、1953年3月にイギリス供給省から開発契約を受注、各型計600機が生産された。ツカノ練習機に後を譲り、1990年代に退役している。参考：月刊JWings5,’23、2,'17、軍事力バランス78年版、空軍

　＜ジェット・プロボストＴ．Ｍｋ１＞：試作機。胴体を再設計して内部にアームストロング・シドレー社製バイパー５ターボジェットエンジン１基を仕込み、主翼付け根前方の胴体両脇にエアインテイクを、機体尾部に排気口を設けた。主尾翼はプロボストの流用である。降着装置は前輪式引き込み脚で、主脚柱はプロボストから流用して位置だけ重心より後ろにずらし、主脚に合わせた脚長の長い前脚を取り付けた。初号機は1954年6月24日に初飛行し、12機が生産された。参考：月刊JWings5,’23

　＜ジェット・プロボストＴ．Ｍｋ２＞：増加試作機。エンジンをバイパー８ターボジェット（推力0.794トン）に換装し、後部胴体形状を変更してドーサル・フィンを追加、一部空気圧系統だったのを全油圧系統とし、脚柱を0.55m短縮して地上での安定性を強化した。４機が生産された。参考：月刊JWings5,’23

　＜ジェット・プロボストＴ．Ｍｋ３＞：量産型。主翼は直線翼で、翼端増槽を持つ。コクピットは並列複座。201機が生産された。参考：月刊JWings5,'23、2,’17

　＜ジェット・プロボストＴ．Ｍｋ３Ａ＞：アビオニクス強化型。70機が生産された。参考：月刊JWings5,'23

　＜ジェット・プロボストＴ．Ｍｋ４＞：エンジン強化型。エンジンはバイパー11ターボジェット単発。198機が生産された。参考：月刊JWings5,'23

　＜ジェット・プロボストＴ．Ｍｋ５＞：前部胴体を再設計してコクピットに与圧を付け、主翼を強化した。自重3.17トン、全備重量4.173トン。最大速度440マイル、上昇限度36750フィート（11201m）、戦闘行動半径480km。乗員1-2名。1969年に就役した。参考：軍事力バランス78年版、空軍

＜ジェット・プロボスト海外シリーズ＞

　＜ジェット・プロボストＴ．Ｍｋ５１（スリランカ空軍）＞：スリランカ空軍の練習機で、スリランカ空軍初のジェット機でもある。1958年に12機導入した。1960年にネゴンボ沖で１機が墜落、その際にスリランカ空軍で初めて射出座席を使っている。1970年に一旦退役して保管されていたが、1971年4月5日にスリランカ人民解放戦線が武装蜂起したため、３日間の整備で現役に復帰、主翼下パイロンにロケット弾や小型爆弾を吊り下げCOIN機として使用された。1979年に再び倉庫にしまわれてそのまま除籍されている。参考：月刊航空ファン9,’17

＜ジェットヘリ＞：ターボシャフト・エンジンを搭載したヘリコプターのこと。実際にはジェット推進ではないが、細かいことは気にしない。参考：月刊丸12,’11

＜ジェットマスター＞：XB-43（試作爆撃機）を参照。

＜シェットランド＞：イギリスのショート社が開発した長距離大型哨戒飛行艇Shetland。1940年から試作され、1944年12月14日に初飛行したが、軍用には採用されず、民間型としてもテストのみに終わった。全長33.53m、全幅45.82m、全備重量56700kg。エンジンはブリストル・セントーラス11（2500馬力）４発で、巡航速度295km、最大速度423km、実用上昇限度5180m、航続距離7000km。乗員11-14名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ジェットレンジャー＞：CH-139（ヘリ）またはベル206シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ジェットレンジャーＸ＞：ベル505（ヘリ）を参照。

＜ジェド＞：K235（フリゲート）を参照。

＜ジェドバーグ・チーム＞：OSS（情報機関）を参照。

＜シェトランド＞：P298（哨戒艦）を参照。

＜シェナンゴ＞：ACV-28（護衛空母）またはAO-31（給油艦）を参照。

＜ジェナン＞：バーレーン海軍サイクロン級哨戒艇Jenan。2022年3月30日、就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜シェナンドー＞：AD-44（駆逐艦母艦）を参照。

＜ジェニスタ＞：K200（コルベット）を参照。

＜ジェネヴィエーヴ＞：A150（曳船）を参照。

＜ジェネシス＞：ドイツのFFG社が開発した８×８輪装甲車。８輪全てがステアする。サスペンションは独立懸架式。主砲は30mm機関砲。エンジンはハイブリッド電気推進式、最大速度100km、航続距離150km（電池のみ、速度40km）。乗車兵員10名。参考：朝雲

＜ジェネラル・Ｗ・Ａ・マン＞：AP-112（輸送艦）を参照。

＜ジェネラル・アトミックス社＞：1955年7月18日、ジェネラル・ダイナミックス社の原子力研究開発部門として設立された。その後石油企業に買収されたが、1986年にブルー一族が買収し、独立企業となっている。参考：月刊軍事研究4,’07、月刊世界の艦船12,’16

＜ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ社＞：ジェネラル・アトミックス社の関連企業で、GA-ASIと略す。元はヒューズ・エアクラフト社の関連会社だったリーディング・システムズ社で、1991年（1990年？）に買収して改称された。ナット750、プラウラー�T、RQ-1プレデター、アトラス、ナットXP、I-ナット、プラウラー�U、MQ-1L武装型プレデター、MQ-9リーパー、アルテア、Ｉ-ナットER、マリナー、MQ-1Cといった高性能無人機や、センサー類を開発・生産している。参考：月刊軍事研究4,’07、月刊JWings7,’14、6,’23

＜ジェネラル・アントニオ・ルナ＞：PG-141（哨戒艇）を参照。

＜ジェネラル・エミリオ・アギルナド＞：PG-140（哨戒艇）を参照。

＜ジェネラル・エミリオ・アギルナド級＞：フィリピン海軍哨戒艇General Emilio Aguinaldo級。ドイツの技術供与で国産した。満載排水量279トン。兵装は40mm機関砲２門、20mm機関砲２門、12.7mm機銃４丁。PG-140ジェネラル・エミリオ・アギルナド、PG-141ジェネラル・アントニオ・ルナ、PG-142の３隻が就役した。参考：JShips Vol.20

＜ジェネラル・エレクトリック社＞：アメリカの航空機エンジンメーカーGeneral Electric。1892年に創設された。1917年、ターボチャージャーのテストを開始。1942年、イギリス製W1ジェットエンジンのライセンス生産を開始。1945年7月、航空機ガスタービン部門を創設。以降は軍民航空機用各種ジェットエンジンを製作している。2007年、イギリスの大手装備メーカーであるスミス・アビエーションを買収し、ジェネラル・エレクトリック・アビエーション・システムズと改称して傘下に収めた。参考：月刊JWings9,’12

＜ジェネラル・カシミエルツ・プラスキ＞：ポーランド海軍ジェネラル・カシミエルツ・プラスキ級ミサイル・フリゲートGeneral Kazimierz Pulaski。アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート５番艦FFG-11クラークが2000年3月に供与されたものである。参考：月刊世界の艦船9,’02、JShips Vol.24

＜ジェネラル・カシミエルツ・プラスキ級＞：オリヴァー・ハザード・ペリー級・海外シリーズ（フリゲート）を参照。

＜ジェネラル級＞：アメリカ海軍輸送艦General級。客船に準じた船型（P2-S2-R2型）を採用しており、戦線後方の港湾に人員を輸送する。全長189.7m、幅23m、吃水7.6m、満載排水量19650トン。主機は蒸気タービン、出力17000馬力、２軸推進、速力20.6ノット。兵装は127mm単装砲４門、40mm機関砲８門。AP-112ジェネラル・Ｗ・Ａ・マンなど10隻が就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ジェネラル・グラント＞：M3海外シリーズ（中戦車）を参照。

＜ジェネラル・シャーマン＞：M4シリーズ（中戦車）を参照。

＜ジェネラル・ダイナミクス社＞：1899年にアイルランド系アメリカ人のジョン・ホランドが創設したエレクトリック・ボート社（潜水艦メーカー）が大元で、1946年にカナデア社を買収した後、1952年にこの社名に変更した。潜水艦建造部門はエレクトリック・ボート事業部として引き継がれている。1953年3月、コンベア社を吸収合併し、コンベア事業部とした。1976年、カナデア社をカナダ政府に売却。1982年、クライスラー・コンバット・システムズ社を買収した。1985年、セスナ社を買収。1992年、ミサイル部門をヒューズ・エアクラフトに売却。5月、セスナ社を売却。1993年3月、戦術戦闘機（F-16など）部門をロッキード社に売却。1994年、宇宙システム部門をマーチン・マリエッタに、航空機製造部門をマクダネル・ダグラスに売却。航空宇宙部門から一旦撤退した。1995年、バス鉄工所を買収した。1998年、ナショナル・スチール＆シップ・ビルディングNASCCOを買収した。1999年、ガルフストリーム・エアロスペースを買収して再び航空部門に参入。2003年、シュタイア・ダイムラー・プフ社を吸収合併。2008年、ジェット・アビエーションを買収。2011年11月、フォース・プロテクション社を買収した。参考：月刊JWings8,’12、6,'23、12,’06、7,’14、4,’18、月刊軍事研究9,’07、5,’12

＜ジェネラル・タデューツ・コシチェンコ＞：273（フリゲート）を参照。

＜ジェネラル・バウマール級＞：ガボン海軍哨戒艇General Ba’Oumar級。フランスのP-400級を導入したものである。兵装は57mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジェネラル・フランク・Ｓ・ベッソンＪｒ．級＞：アメリカ陸軍兵站支援艦LSV（Logistic Support Vessel）General Frank S. Besson Jr.（フランク・Ｓ・ベッソン・ジュニア大将）級。Ro-Ro船で、艦首と艦尾にランプを持つ。全長83m、幅18m、最大吃水3.7m、満載排水量4199-6000トン。速力11.5ノット（満載時）／12.5ノット（軽荷時）、航続距離6500海里（満載時）／8200海里（軽荷時）。M-1戦車24両またはストライカー37両または20フィート・コンテナ50個（２段積み）など貨物2000トンを搭載できる。水深1.2mだと900トンに減る。自衛用にM2重機関銃４丁、M249軽機関銃２丁、Mk19自動てき弾発射機２丁を装備可能。乗員29-31名（陸軍軍人）。LSV-2ハロルド・Ｃ・クリンガー３等准尉などが就役した。参考：月刊世界の艦船4,’19、3,’19、1,'22、1,'23、5,'23、月刊軍事研究7,’17

＜ジェネラル・マリアーノ・アルヴァレス＞：フィリピン海軍ジェネラル・マリアーノ・アルヴァレス級哨戒艇General Mariano Alvarez。元はアメリカ海軍サイクロン級哨戒艇PC-1サイクロンで、2004年2月にフィリピンに譲渡され、3月17日に再就役した。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜ジェネラル・マリアーノ・アルヴァレス級＞：サイクロン級・海外シリーズ（哨戒艇）を参照。

＜ジェネラル・モーターズ＞：アメリカの自動車企業。第１次大戦後、アリソン・エンジン社を傘下に入れた。1933年、ノースアメリカン社をジェネラル・アビエーション部門に吸収合併し、ジェネラル・アビエーション・コーポレーション社とした。その後ジェネラル・アビエーション・マニュファクチャリング・コーポレーションに改称し、すぐにノースアメリカン・アビエーション・インコーポレイテッドに変更している。1942年2月、アメリカ政府の要請で民需生産を停止し、軍需生産に切り換えた。太平洋戦争中にグラマン艦上戦闘機4000機、アヴェンジャー艦上攻撃機7000機、アリソン航空エンジン、リバティー航空エンジン、水上艦・潜水艦用ディーゼル、航空魚雷、CCKW貨物トラック50万両以上、DUKW水陸両用車、M24軽戦車、M8自走砲、シボレー１トン半軍用トラック、陸軍向け37mm機関砲、航空機用7.7mm/12.7mm機銃などを生産している。1967年9月、ノースアメリカン社をロックウェル・インターナショナルに売却した。1985年、ヒューズ・エアクラフトを買収した。1995年、アリソン・エンジン社をロールスロイス社に売却した。2009年、会社更生法の適応を受けた。参考：月刊JWings2,’20、THE JEEP

＜ジェネラル・リー＞：M3海外シリーズ（中戦車）を参照。

＜ジェノサイド条約＞：集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約。1948年12月9日に国連第３回総会で採択され、1951年1月12日に発効した。集団殺害は、国民的・人種的・民族的または宗教的集団を全部または一部破壊する意図をもって行われた行為（集団構成員の殺害、構成員に対する重大な肉体的または精神的加害、肉体的破滅をもたらすために意図された生活条件を課すこと、出生防止を意図する措置の施行、集団の児童の他の集団への強制移住）を指す。また、共同謀議、教唆、未遂、共犯も含めてこれらは平時でも戦時でも国際法上の犯罪であるとしている。審議は国際刑事裁判所で行う。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜ジェパード＞：M4SA1（対物狙撃銃）を参照。

＜シェパード作戦＞：船団護衛作戦における対潜戦の別名。第２次大戦時に狼群戦法を取る潜水艦から商船（羊）を守るものとして名付けられた。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜シェパード・ミル＞：スペインのEXPAL社が開発した固定翼機型UAV。鷹に似せた形状・塗装をしており、主翼を羽ばたかせる機構も付いている。重量2.8kg。推進は機首のプロペラ、航続距離20km、航続時間60分。参考：月刊軍事研究12,’13

＜ジェバト＞：29（フリゲート）を参照。

＜シェバフヨニム作戦＞：日本語訳は鳩小屋作戦。イスラエルが第３次中東戦争後に立案した、エジプト軍侵攻時のシナイ半島防衛作戦である。バーレブ・ラインの突破に手間取っている隙に半島深部に配置された機動予備部隊が反撃するというものだったが、第４次中東戦争では対戦車複合陣地の前に大損害を出して失敗した。参考：歴史群像2,’05

＜シェバライン＞：イギリス海軍ポラリスSLBM用改良弾頭Chevaline。ソ連のガロッシュ対弾道ミサイルシステムを突破するために開発された。当初は囮弾頭を改良したがこちらは採用されず、弾頭に機動能力を持たせてガロッシュを突破するタイプが採用されたらしい。1982-97年に配備された。参考：核兵器事典

＜シェバリエ＞：DD-451（駆逐艦）を参照。

＜ジェファーズ＞：DD-621（駆逐艦）を参照。

＜ジェファーズ＞：アメリカ海軍掃海駆逐艦。昭和20年4月12日、菊水２号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ジェファーソン＞：SSN-759（潜水艦）を参照。

＜シェフィールド＞：24（軽巡）またはD-80（42型駆逐艦）またはF96（フリゲート）を参照。

＜シェフィールド撃沈＞：フォークランド紛争中の1982年5月4日0700頃（現地時間）、アルゼンチン空軍のSP-2H哨戒機がAPS-20レーダーによりフォークランド南60海里（北西70海里？）にいるイギリス機動部隊水上艦３隻（15海里間隔でピケット任務中の42型ミサイル駆逐艦グラスゴー、同シェフィールドと同型もう１隻）を発見。0945、リオ・グランデ基地からシュペル・エタンダール攻撃機２機が発進した。途中でKC-130Hの給油を受けて目標に向かった２機は、1052にSP-2Hからの目標最終位置情報を受け取り、艦隊レーダー圏直前で高度15m以下の超低空飛行に移り、目標から110海里で高度150mにポップアップ。１回目はレーダーに反応が無かったが、数分後の２回目のポップアップで目標をロックオンした。1056、グラスゴーがESMでシュペル・エタンダールのレーダー波を探知。1102、シュペル・エタンダールがAM39エグゾセミサイルを射距離27海里で１発ずつ発射した。グラスゴーはこれを探知して警報を発令し、チャフを撒布したが、シェフィールドは電波管制中で自艦レーダーやESMによる探知に失敗、グラスゴーからの警報も受け取れず、1104（1115？）に１発がシェフィールドの右舷中央部に命中した。天候は曇り、視程は1.5kmで、第２哨戒配備の艦橋当直士官が命中直前にミサイルを視認したが、警報を発する暇も無く、艦橋下右舷の吃水線から1.8m上方に60度の角度でミサイルが突入。弾頭は不発だったが、弾体は右舷通路、調理室、前部補機室を貫通して前部機械室に到達した。高熱のロケットモーター噴射炎と炸薬の燃焼により、機械室や水線部重力式燃料タンクの燃料と潤滑油に引火して大火災が発生、船体や上構は鋼製だったため熱に耐えられたが、アルミ合金製だった機関区画の主通風ダクトと機器搬入出口が溶解して密閉消火ができなくなり、電線と通風ダクトを介して延焼し、電線が焼け落ちたため停電となって被弾30分後に消防主管が機能停止に陥った。電線絶縁物から有毒ガスが発生して消火活動もままならず、バケツをロープで下ろして海水を汲み上げるといった涙ぐましい作業も実らず、後部機械室や後部補機室も炎に包まれて航行不能となった。被弾から５時間後にF173アローが到着して注水を開始したが、艦の３分の２が炎上して手が付けられず、前部弾薬庫の温度が上昇して誘爆の恐れが出たため、1800に総員退去が下命された。5月6日、火災が自然鎮火したため、アセンション島への曳航を開始。5月10日、荒天で破孔から海水が大量に流入した上、船底に穴が開いて沈没した（荒天による曳航困難で処分したともいわれる）。戦死者・行方不明者20名、負傷者24名。イギリス艦隊には早期警戒機が配備されておらず、防空ミサイルは射程16海里のシーダートで、射程30海里のエグゾセにアウトレンジされてしまった。ポップアップの際に42型駆逐艦D88グラスゴーがレーダーで２回とも探知していたが、軽空母インビンシブルの機動部隊対空戦指揮官に上手く伝わらず、警戒態勢がホワイトのままになっていた。アルミニウム合金が火災に脆弱だったともいわれるが、イギリス海軍では42型に特にアルミ合金を多用していた訳では無く、沈没とは関係が無いと結論づけている。参考：月刊軍事研究8,’04、8,’18、U.S.ウェポン・ハンドブック、JShips Vol.20、月刊世界の艦船5,’91、9,'22、2,’87、5,’83

＜シェブロン＞：R51（駆逐艦）を参照。

＜ジェベル・シュヌア級＞：アルジェリア海軍コルベットDjebel Chenoua級。中国の支援でアルジェリアが建造した。兵装はC-802艦対艦ミサイル連装発射筒２基、AK630CIWS１基、76mm単装砲１門。３隻が1988-2002年に就役した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船7,’18

＜ジェマア・イスラミア＞：インドネシアのイスラム過激派グループ。ムジャヒディン評議会のアブ・バカル・バシル議長と友人のアブトゥッラー・スンカル師を精神的指導者とする地下武装組織で、マレーシアやシンガポールも行動範囲に置いているが、パキスタンのカラチ支部は2003年に壊滅した。1999年にスンカル師が死去すると、テロ攻撃に消極的なバシル議長と積極的なハムバリ幹部との間で内部分裂を起こし、ハムバリ派がテロ訓練を始めたために2002年10月にアメリカ国務省から国際テロ組織に指名された。マレーシア・ムジャヒディン運動と名乗るマレーシアの地下組織と一体化しているようだ。アルカイダとの繋がりも深いとされていたが、実際には幹部同士の個人的な付き合い程度だったらしい。活動目的は、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン南部、タイ南部に跨がるイスラム国家を創設することである。勢力は数百から数千人とみられる。2001年12月、シンガポールの外国大使館ビル（アメリカとイスラエルの大使館、イギリスとオーストラリアの外交団が入っていた）を攻撃する予定だったとシンガポール政府が明らかにした。2002年10月12日、バリ島で自動車爆弾や自爆ベストによる爆破テロ事件（死者202人、うち日本人２人、負傷者209人）を行ったとされる。2003年時点での勢力は5000人とみられる。2003年8月5日、ジャカルタのマリオットホテルで自動車爆弾による爆破テロ（死者12人、重軽傷者147人）を起こした。8月11日、ハムバリがタイのアユタヤでタイ警察特殊部隊に拘束された。その後グアンタナモ刑務所送りにされている。2008年、バシル議長がイスラム布教団体一神教救済者集団を創設、組織は完全に分裂した。2011年1月、パキスタンのアボッタバードで2002年のバリ島テロ事件容疑者とされるウマル・パテックが拘束され、インドネシアに送還された。参考：月刊軍事研究7,’12、8,’06、8,’04、12,’02、11,’17、月刊丸9,’03

＜ジェミニ・ディンギー＞：海上自衛隊の水中処分班用ゴムボート。固形式と膨張式があり、艇体は先端の尖った五角形状で、素材は化学繊維に合成ゴムを塗りつけたものである。艇首は上方に持ち上がっており、上部に布製の波避け材が付いている。艇首と両舷に円筒形の気室、船底に床気室があって、二酸化炭素で膨らませる。艇内には敷板、艇周囲には救命索が張られている。艇尾部にはエンジン架があり、５馬力の舷外機を搭載して４ノットで航行可能な他、両舷にオール・クラッチが取り付けられていて、オール２本で漕いでいくこともできる。作業の際は艇側部の梯子を使って水中に降りる。揚収の際は吊り索４本を使ってダビットで吊り上げ、掃海艇艦橋後方に艇尾を下にして立てかける。参考：丸スペシャルNo.77

＜ジェム２Ｍｋ１００４Ｄ＞：ロールスロイス社のターボシャフト・エンジン。圧縮機４＋１段、圧縮比11.5、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋１＋２段。離昇出力1018馬力。全長43.1インチ（1.095m）、直径23.5インチ（0.597m）、重量313ポンド（142kg）。A129攻撃ヘリに搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ジェム４＞：ロールスロイス社のターボシャフト・エンジン。圧縮機は低圧部が軸流式４段、高圧部が遠心式１段で、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧１段、中圧１段、低圧２段。最大連続出力865馬力、離昇出力985馬力、瞬間最大出力1050馬力。全長1.095m、直径0.596m、重量156kg。リンクス汎用ヘリに搭載された。参考：世界の軍用機1979

＜ジェム６０−３＞：ロールスロイス社のターボシャフト・エンジン。圧縮機４＋１段、圧縮比14.4、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋１＋２段。離昇出力1257馬力。全長43.3インチ（1.1m）、直径23.5インチ（0.597m）、重量342ポンド（155.1kg）。リンクス汎用ヘリに搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜シエラ�T型＞：945型（攻撃原潜）を参照。

＜シエラ�U型＞：945A型（攻撃原潜）を参照。

＜ジェライ＞：12（掃海艇）を参照。

＜ジェラウルド＞：APA-174（攻撃輸送艦）を参照。

＜シェラオ＞：カタール海軍ムシェリブ級哨戒艇２番艦Sheraouh。2021年6月進水。2022年7月7日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜シエラ級＞：メキシコ海軍哨戒艇Sierra級。兵装は57mm砲１門。MD-902ヘリ１機を搭載可能。2015年現在、３隻が配備されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シェラトン＞：M1181（トン級機雷掃討艇）を参照。

＜ジェラルド・Ｒ・フォード＞：CVN-78（空母）を参照。

＜ジェラルド・Ｒ・フォード級＞：アメリカ海軍原子力空母Gerald R. Ford級。1993年に将来海上航空基地ワーキンググループが発足してCVXとして計画を開始、フォレスタル級の延長であるニミッツ級に代わる、各種最新技術を盛り込んだ完全新設計の省力型空母（乗員2500名以下目標）として、１番艦をエンタープライズ退役予定年の2013年に就役させることにした。船型や推進方式などが違う70種類にも上る計画案を作ったが、完全新設計だと間に合わない、新技術が多すぎて完成しない、費用が掛かりすぎるといった欠点が指摘され、1998年に計画が頓挫、ニミッツ級10番艦を間に合わせで建造する羽目になった。それでもニミッツ級後継の検討は続き、原子力推進にする事だけ決まってCVNXに名称を変更、ニミッツ級10番艦CVN-77を移行期空母としてCVNXの技術テストに使用し、CVNXは１番艦をCVNX-1、２番艦をCVNX-2として段階的に技術を煮詰めることになった。2000年6月に計画が正式に開始された際にはCVNXまたはCVN-21と呼ばれている。2002年、３段階で建造するのではなく、１番艦からCVN-21として完成させる事になり、CVN-77（とCVN-76）も一歩後退してニミッツ級（改）程度の改修に止め、2005年に１番艦のファースト・スチール・カットが行われた。船体各所にはHSLA-65（High-Strength Low Alloy steel 65、高強度低合金鋼65）と呼ばれる強度が高く価格の安い鋼材を使用し、飛行甲板とエレベーターのみ高強度超強靱鋼115（High Strength Toughness Steel 115。最小降伏応力が115000ポンド／平方インチ）を使って重量を875トン（HSLA-65により700トン、高強度超強靱鋼115により175トン）ほど軽減した。ちなみに鋼材・鋼板の総重量は50000トンである。艦首底部にはCVN-76から導入されたシリンドリカル・バウを装備しており、凌波性が高い。吃水線下防御のため、ダイナミック装甲防護システム（Dynamic Armor Protection System）と呼ばれる電磁装甲を採用する予定だったが、2007年に２番艦以降への装備を検討するという表現へと後退し、結局開発中止になった。代わりに燃料庫や弾薬庫の装甲を強化している。船体は甲板11枚からなる10層構造で、前後に10以上の横隔壁を持ち、区画数2608、スーパーリフトと呼ばれる大型ブロック162個（工程合理化で２番艦は155個、３番艦は131個に減る）を組み立てて構成され、大型対艦ミサイルを数発喰らっても耐えられるといわれる。飛行甲板は04甲板であり、03甲板がギャラリー・デッキ、02甲板から第１甲板（主甲板）までが航空機格納庫、第６甲板が船底である。飛行甲板はエンクローズド・バウの全通式で、長さ332.8m、幅78m、アイランド後方と左舷エレベーター後方でニミッツ級よりも拡大され、総面積は20000平方メートルとニミッツ級より2000平方メートル広い。EMALS（電磁航空機発艦装置）と呼ばれる電磁カタパルト４基（艦首右に第１、左に第２、アングルドデッキ前端右に第３、左に第４）を搭載し、ニミッツ級とは配置を変更して第４カタパルトからも過荷重状態の艦上機を問題無く発艦できるようにした。着艦装置は先進着艦拘束装置AAGに変更し、信頼性や安全性、整備性を向上させる。後に電磁着艦拘束装置EARS（Electromagnetic Aircraft Recovery System）を装備する計画もある（当初EARSの予定だったがAAGに変更？）。パッシブ・ジェット・ブラスト・デフレクターには内部に特殊冷却パイプを仕込んで将来戦闘機の強烈なジェット排煙にも耐えられるようにした。GPSを利用したJPALS（統合精密進入着艦誘導装置）と呼ばれる全天候着艦誘導装置を装備する予定だったが開発が間に合わず、後日搭載する。JPALS非対応の従来機向けにAN/SPN-41やAN/SPN-46もアイランドに装備している。アングルド・デッキ左舷側にIFLOLSを持つ。アルミ合金製航空機用エレベーター（25.9m×18.4m、重量120トン）は航空機２機を載せられる容量があり、右舷アイランド前方に２基、飛行甲板左舷張り出し部後端に１基設置されている。先進型兵器エレベーター（AWE）と呼ばれる武器用エレベーターが弾薬庫から02甲板の荷役所・弾薬仕分け区画まで７基、荷役所・弾薬仕分け区画から飛行甲板右舷寄りまで４基（最前部の１基は舷側配置。３基？）設置されていて、兵装搭載作業を飛行甲板右舷寄りのスペースで一括して行う（ピットストップ方式）ことにより再出撃にかかる時間を短縮した。AWEに兵装を載せたドリーを出し入れするのは人力だが、機体への兵装搭載は新開発の電動式自走ロボットアーム（Shipboard Weapon Loader。シーステート5-6でも3000ポンド・1.36トンの弾薬を１名で輸送・装着可能）などで効率化している。武器弾薬の管理を効率的に行う飛行データ管理管制システムも搭載する。給油も所定のスペースで一括して実施するピットストップ方式にして時間を短縮し、燃料補給用ホースをニミッツ級よりフレキシブルにして扱いやすくした。03甲板には係船装置などを収容。艦首左右02甲板レベルにダンフォース型ストック・アンカー（重量13.5トン）を持つ。アイランドはニミッツ級で右舷後部エレベーターがあった位置まで43mくらい後退し、右舷側にも0.9mほど寄せられており、飛行甲板中央部に広いスペースが出来たため、燃料・弾薬再搭載の効率化も相俟ってエレベーターを１基減らしてもニミッツ級より出撃回数が25%増しになった。アイランドを小型化してステルス性と生残性を向上させるため、指揮管制センターは船体内に移している。アイランドは長さ18.28m、幅9.14m、高さ22m、重量555トン（鋼材493トン＋装備類62トン）、ニミッツ級より42.6m後方・1m右舷側にずらされており、８層構造で、最下層の床が04甲板（飛行甲板と同レベル）、最上層の天井が012甲板。レーダーはズムウォルト用に開発されているDBRを搭載し、縦4.1m×横3.9m（3.1m？）のAN/SPY-4VSR用アンテナ（下段）と、縦2.7m×横2.1mのAN/SPY-3MFR用アンテナ（上段）を、アイランド外壁３面（前面と左右後方）に取り付け、それぞれ120度ずつをカバーする。アイランド上面後ろ寄りにタワーマストがあり、IFF用リング状アンテナなどが装着されている。航空管制用にATCRB（Air Traffic Control Radar Beacon）を装備する。自衛用対空戦指揮管制装置はSSDS ICS、艦載戦闘システムはSSDS Mk2Mod6C、艦載コンピュータ・ネットワーク・システムはCANESで、CEC、リンク４/11/16/22も積んでいる。洋上補給装置はアイランド後方に用意されていて、強化型を採用しており、F-35C用F135エンジンを含む5.4トンの物資を90m離れた所から移送でき（ニミッツ級では2.6トンを55m先からだった）、シーステート5-6でも補給艦と安全な距離を保てるようになった。新型の空調装置（能力1100トン級）９基を装備する。海水淡水化装置は半透膜による逆浸透法を利用（Reverse Osmosis Desalinization System）して１日1514トンの飲料水を作り、廃棄物処理装置はプラズマ・アークによる超高温処理装置（Plasma Arc Waste Destruction System）で分別の手間を省き、金属類から残飯まで１日あたり３トン処理できる。主機はシフト配置で、原子炉は艦中央前後にかなりの距離を開けて１基ずつ配置した。主機の蒸気バルブ数をニミッツ級の1500から300以下に減らすなど、整備工数・要員を削減できるよう工夫を凝らしている。発電容量はニミッツ級の３倍あるが、発電機の数は半分に減らした。情報システムは18ヶ月周期でバージョンアップするという仮定に基づき、起工から竣工までの６年間も含めた技術進歩にも対応できるよう、十分な余裕を持った設計になっている。１番艦の艦内には艦名の由来となったフォード大統領のメモリアル・ホールが設けられた。全長332.8m、飛行甲板最大幅78m、船体幅40.8m、吃水12.4m、満載排水量101605トン。主機は原子力蒸気タービン方式、A1B原子炉（14万馬力）２基・蒸気タービン４基、５翅銅製固定ピッチ式スキュード・プロペラ（直径6.4m、重量30トン）４軸推進、速力30ノット以上。舵は２枚。発電機は26MWターボ発電機４基（計160MW？）、給電系は13800V。標準搭載機数75機、最大138-144機。１日に160ソーティ（航空機出撃）が可能で、緊急時には220-270ソーティを行うことができ、乗員が慣熟すれば通常時１日220ソーティ・緊急時310ソーティに達する。その分、弾薬搭載量をニミッツ級の倍にし、航空燃料もニミッツ級より大幅に増やしたらしい。兵装はシースパローESSMブロック�TJUWL８連装発射機Mk29が２基（艦首右舷・艦尾左舷スポンソン）、RAM21連装発射機Mk49が２基（艦首左舷・艦尾右舷スポンソン）、20mmCIWSファランクスMk15ブロック�TＢが３基（艦首右舷・艦中央左舷・艦尾中央やや右スポンソン）、12.7mm機銃M2が４丁。電子戦装置はAN/SLQ-32(V)6SEWIPブロック�UまたはAN/SLQ-32(V)7SEWIPブロック�VとAN/SRQ-6SSEE。魚雷防御装備はAN/SLQ-25で、将来的にはSSTD/CATも積む。艦内使用可能電力はニミッツ級の３倍の192MW。乗員は航空要員含め4297名（4539名？4550名？4660名？うち士官508名）、航空要員除き2630名。CVN-78ジェラルド・Ｒ・フォード、CVN-79ジョン・Ｆ・ケネディ、CVN-80エンタープライズ、CVN-81ドリス・ミラーなど10隻を建造する。最終艦は2060年就役、2110年頃退役予定。EMALS、AAG、AN/SPY-4VSR、先進武器エレベーターは開発が遅れており、１番艦CVN-78の就役が予定より２年遅れの2017年7月22日となったのに完成が間に合わず、仮搭載状態での実艦テストが続く。１番艦の建造費は51億7100万ドルの予定だったが、62億4000万ドルまで上昇するかもしれない。研究費などを含む最終コストは128億8700万ドルで、2008年要求105億ドルの23%超過だと会計検査局からクレームを付けられている。ついでに１番艦は建造期間が長すぎて建造中に艦長（海自でいう艤装員長）が交代した。2018年末、先進武器エレベーターの最初の１基が領収され、2021年12月22日に１番艦に全11基の搭載を終えた。２番艦CVN-79は工数を18%減らし、VSRをAN/SPY-6(V)3エンタープライズ対空捜索レーダー・ヴァリアント２に、MFRをAN/SPQ-9B＋Mk9トラッキング・イルミネーターに換装するなどして10億ドルのコスト削減を目指す。参考：月刊世界の艦船9,'23、8,'22、8,'21、8,'20、12,’17、12,’16、9,’13、10,’14、11,’15、10,’18、9,’12、1,’10、4,’12、8,’11、1,’14、4,’15、7,’17、5,’18、4,’19、8,'21、3,'22、11,'22、2,'23、月刊軍事研究9,'15、4,’14、7,’07、7,’09、9,’09、6,’15、7,'15、7,’16、7,’17

＜ジェラルド・ジョンソン＞：1919年7月10日、ケンタッキー州生まれ。第２次大戦では16.5機を撃墜したが、1944年3月27日に対空砲で撃墜されてドイツ軍の捕虜になった。1974年9月に退役した。最終階級は中将。参考：歴史群像6,’10

＜シエラレオネ海軍（１９８９年）＞：兵力150名。フリータウンに基地がある。上海�U級哨戒艇２隻、汎用揚陸艇３隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シエラレオネ軍＞：

＜シエラレオネ軍（１９７７年）＞：兵力2200名。歩兵大隊１個からなる。モワグ装甲車10両、60mm/81mm迫撃砲、上海級砲艇２隻、MFI-15サファリ練習機２機、ヒューズ300/500ヘリ３機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜シエラレオネ軍（２０１５年）＞：現役総兵力8500名。歩兵旅団３個からなる。81mm迫撃砲27門、82mm迫撃砲２門、120mm迫撃砲２門、84mm無反動砲カール・グスタフ、Mi-17/Mi-8汎用ヘリ２機、12.7mm対空機銃４丁、14.5mm対空機銃３丁を保有する。水上部隊は兵力200名で、哨戒艇２隻を保有する。レバノンにUNIFIL要員３名、マリにMINUSMA要員４名、スーダンにUNAMID要員２名とオブザーバー８名、UNISFAオブザーバー１名を派遣している。イギリス軍27名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シエラレオネ内戦＞：シエラレオネは1961年にイギリスから独立したが、世界最貧国と呼ばれるほど国力が衰退していた。唯一かつ最大の資源は質量共にトップクラスといわれるダイヤモンドで、これに目を付けた隣国リベリアが反政府組織の革命統一戦線に武器援助を行い、1991年3月から政府軍との間で内戦状態に入った。1995年、首都を制圧されそうになった政府軍は民間軍事会社のグルカ・セキュリティ・グループ社に救援を要請したが、2月に待ち伏せ攻撃に遭って社員が殲滅されてしまったため、3月にエグゼクティブ・アウトカムズ社と契約を結んでいる。革命統一戦線は6月に首都から36kmの地点まで迫ったが、エグゼクティブ・アウトカムズ社が投入した武装ヘリ、装甲車、ナパーム弾、クラスター爆弾、燃料気化爆弾の前に大敗を喫して100km以上の後退を余儀無くされた。1996年1月に停戦が結ばれたものの、革命統一戦線が10月に破棄。これに対してエグゼクティブ・アウトカムズ社は革命統一戦線本部の破壊で応じ、11月に再度和平協定が結ばれ、1997年1月にエグゼクティブ・アウトカムズ社は撤退、3月に民主的な選挙が実施された。しかしその後も内戦状態が継続し、西アフリカ経済共同体やイギリス民間軍事会社のサンドライン社が介入したが収まらず、西アフリカ経済共同体兵士2500名以上とシエラレオネ市民10000人以上の犠牲者を出して2002年3月に漸く内戦は終結した。エグゼクティブ・アウトカムズ社があと１年長く止まっていれば内戦は長引かなかったと考えているシエラレオネ市民も多いという。参考：月刊軍事研究7,’08

＜シエラレオネ陸軍（１９８９年）＞：兵力3000名。歩兵大隊２個、砲兵中隊２個、工兵中隊１個からなる。FV601サラディン偵察車４両、ピラーニャ装甲兵員輸送車10両、81mm迫撃砲、84mm無反動砲カール・グスタフ、9M32地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ジェランバク＞：ブルネイ海軍ナホド・ラガン級外域哨戒艇３番艇。2002年進水。参考：月刊軍事研究12,’02

＜シェリアク＞：AKA-62（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ジェリー缶＞：イギリス軍の水缶。第２次大戦時にドイツ軍のものを真似て作った。似たような形状の缶は使用国を問わずこう呼ばれる。参考：コンバット・バイブル

＜ジェリオ・チェザーレ＞：イタリア海軍コンテ・ディ・カブール級戦艦Giulio Cesare。1914年竣工。1948年、賠償艦としてソ連に引き渡され、ノヴォロシースクと改称された。1955年、セバストーポリ水道で触雷して沈没した。参考：近代戦艦史

＜ジェリコ＞：イスラエルの軍用拳銃。CZ75のコピーである。参考：JGround Vol.11

＜ジェリコ１＞：イスラエル軍短距離弾道ミサイルJericho 1（都市の名前）。1968年からダッソー社製MD600ミサイルをベースに開発した。全長10m、直径1m、発射重量4.5トン、弾頭重量0.3トン（0.75トン？）。推進は２段式固体燃料ロケット、射程700km（450km？）。50発生産し、TELに搭載してヨルダン山麓のシェルター内に配備しているらしい。参考：月刊軍事研究6,’05、軍事分析湾岸戦争

＜ジェリコ２＞：イスラエル軍中距離弾道ミサイルJericho 2。1987年5月に初の飛翔試験が行われた。全長12m、直径1.2m、発射重量6.5トン、弾頭重量１トン。推進は２段式固体燃料ロケット、最大射程1500km。ジェリコ１同様、TELに搭載されてシェルター内に50発配備されているらしい。参考：月刊軍事研究6,’05、軍事分析湾岸戦争、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジェリコ３＞：イスラエル軍地対地ミサイル。2008年1月17日に発射実験に成功した。全長15.5m、発射重量29トン、弾頭重量１トン。推進は３段式固体燃料ロケット、射程4500km。参考：月刊軍事研究7,’08、1,’09

＜ジェリコー＞：79（戦艦）を参照。

＜ジェリコー作戦＞：第２次大戦時にイギリス空軍が実施した、レジスタンス脱走作戦。フランスのアミアン市街にある刑務所の壁を爆撃して捕らえられているレジスタンスを脱走させるというもので、誤爆を防ぐためにモスキート爆撃機による超低空精密爆撃を行うことになった。1944年2月18日1030、第140航空団第21・第464・第487飛行隊のモスキートF.B.Mk�Y爆撃機計18機が吹雪の中でハンスドン空軍基地を離陸、イギリス南岸で護衛のタイフーン戦闘機３個飛行隊19機と合流した。モスキートのうち４機が編隊を見失って引き返したが、残る14機は高度15mで英仏海峡を飛び抜け、ディエップの北からアミアンに侵入し、壁４カ所と刑務官官舎を爆砕してレジスタンス数百人を脱出させることに成功している。ただ一部の爆弾が監房に命中してレジスタンス数十人が死亡、第140航空団隊長機がFw190戦闘機の迎撃で撃墜された。参考：月刊JWings2,’13

＜シェリコフ＞：AVP-52（飛行艇支援艦）を参照。

＜シェリダン＞：APA-51（攻撃輸送艦）またはM551シリーズ（空挺戦車）を参照。

＜シェリフ＞：アメリカ軍が開発中の高出力マイクロ波非殺傷兵器。ミリメートル波を人員に照射するADSを搭載しており、人員に焼けるような苦痛を与えて退散させる。有効射程1km以内。M1117装甲車、ストライカー装甲車、LAV装甲車に搭載し、2007年からイラクで対民間人制圧任務に試験投入する予定。参考：月刊PANZER11,’04、月刊軍事研究8,’06

＜ジェル化スラリー爆薬＞：GSXを参照。

＜シェルシェン級＞：ソ連海軍高速魚雷艇。兵装は533mm魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シェルシェン級・海外シリーズ＞

　＜シェルシェン級（アンゴラ海軍）＞：アンゴラ海軍魚雷艇。兵装は533mm魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜シェルシェン級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍哨戒艇。兵装は８連装122mm多連装ロケットランチャー１基または12連装240mm多連装ロケットランチャー１基または533mm魚雷発射管４基。2015年現在、12連装240mm多連装ロケットランチャーBM24を１基と9K32艦対空ミサイル発射機１基（手動照準）を搭載する高速哨戒艇型４隻と、８連装122mm多連装ロケットランチャーBM21を１基と533mm魚雷単装発射管４門を搭載する哨戒魚雷艇型２隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シェルシェン級（北朝鮮海軍）＞：北朝鮮海軍魚雷艇Shershen級。1968年にソ連から３隻が引き渡された。全長34.7m、排水量173トン。主機はディーゼル、速力45ノット。兵装は533mm魚雷発射管４門（上構両舷タンデム）、30mm連装機関砲２基（前甲板、上構後端上面）。参考：月刊世界の艦船9,’17、7,’13、ミリタリー・バランス1989-1990

＜シェルシェン級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍魚雷艇Shershen級。兵装は533mm単装魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シェルシェン級（ユーゴスラビア海軍）＞：ユーゴスラビア海軍魚雷艇、別名トップサイダー級。兵装は533mm魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ジェルジンスキイ＞：ソ連海軍スヴェルドルフ級巡洋艦Dzerzhinski。1948年12月21日起工、1950年8月31日進水、1952年8月18日竣工。8月30日、黒海艦隊に配属された。1957年10月から1958年12月、大改装を実施。M-2艦対空ミサイルシステムを搭載し、３番砲塔を撤去してV-753艦対空ミサイル連装発射機を積み、後部甲板室上にミサイル管制レーダーを、前部煙突直後に測高レーダーを設置して70E型巡洋艦となった。1961年8月3日、練習巡洋艦に種別変更された。1964年8月、ルーマニアを訪問。1967年6月、エジプト軍援護作戦に参加。7月、エジプトを訪問。1969年8月、ブルガリアを訪問。1971年4月、フランスを訪問。12月、シリアを訪問。1973年10月、エジプト軍援護作戦に参加。1977年6-7月、チュニジアを訪問。1978年10月、ギリシャを訪問。11月、トルコを訪問。1980年2月19日、予備役に編入されてセヴァストーポリ海軍基地で保存された。1988年10月12月に除籍され、解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜ジェルジンスキイ＞：ソ連海軍クリヴァク�V型フリゲートDzerzhinsky。1985年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜シェルター・ハーフ＞：アメリカ軍の個人装備用テント。1940年に採用された。シートは防虫防水処理を施した厚いコットン製で、ポール３本、ペグ５本、ロープ１本が付属して重さ3kg。シートは1.54m×1.65mの長方形生地の１辺に1.32m×1.44mの三角形フラップを縫い合わせたもので、兵士２名の持つシェルター・ハーフを繋げると１つのテントになる。組み立てに掛かる時間は５分以内。悪天候時や寒冷地では４つ組み合わせてダブルテントを作る。1944年にはフラップを両側に縫い付けた改良型が採用された。連結には最初ボタンを使用したが、ベトナム戦争時にはプレス・スタッド・ファスナー式となっている。参考：月刊コンバットマガジン7,’09、コンバット・バイブル、ミリタリー・イラストレイテッド17

＜シェルタ（３・１／２トン施設工作車用）＞：自衛隊の機器。新明和工業製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜シェルタ（化学軽整備車用）＞：自衛隊の機器。新明和工業製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜シェルタ（化学重整備車用）＞：自衛隊の機器。新明和工業製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜シェルタ（火砲修理車用）＞：自衛隊の機器。トノックス製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜シェルタ（修理車用）＞：自衛隊の機器。ヤナセテックまたは新明和工業製。参考：月刊軍事研究1,’11、2,’12

＜シェルタ（有蓋車用）＞：自衛隊の機器。トノックス製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜シェルディルス＞：パキスタン空軍アクロバットチーム。使用機はT-37練習機を経てL-8練習機となった。参考：月刊航空ファン2,’11

＜シェルドレイク＞：L06（コルベット）を参照。

＜シェルトン＞：DD-790（駆逐艦）またはDE-407（護衛駆逐艦）を参照。

＜シェルパ＞：C-23シリーズ（輸送機）またはJPADS（空中貨物投下システム）を参照。

＜シェルパ・シリーズ＞：ルノー・トラック・ディフェンス社製装甲車。参考：月刊軍事研究9,’06

＜シェルパ２＞：開発中の４×４輪装甲車型。４名用装甲キャビンを持つ。防御レベルは全周N2（7.62mm弾抗堪）、車体下面N1（耐地雷防御）。戦闘重量9.3トン。カーゴスペース2.5立方メートル、ペイロード２トン。エンジンはユーロ４（215馬力）、トランスミッションはオートマチック前進５速・後進１速、最大速度110-120km、航続距離800-900km。参考：月刊軍事研究9,’06

＜シェルパ３＞：シェルパ２の２名用装甲キャビン版。室内容積が７立方メートルあり、後部にハッチを持つ。戦闘重量12.5トン。ペイロード3.5トン。兵站車両としてシェルパ２と一緒に行動する他、武装プラットフォームとしての使用も考慮されている。参考：月刊軍事研究9,’06

＜シェルパ３Ａ＞：対テロ部隊輸送車。室内容積を10立方メートルに拡大しており、装甲レベルは１だが、耐地雷・対銃弾モジュラー地雷を装着できる。ランフラットタイヤ、タイヤ空気圧調整装置、エアコンを標準装備し、ルーフ装着式遠隔操作武装システムをオプションで搭載できる。戦闘重量13.3トン。巡航速度70km、最大速度120km、航続距離800km。ペイロード2.9トン。乗員４名。参考：月刊軍事研究12,’07、10,’08

＜シェルパ５＞：６×６輪装甲車型。ペイロード７トン。参考：月刊軍事研究9,’06

＜シェルパ１０＞：６×６輪装甲車型。ペイロード12トン。カエザール自走砲の車体として使用されている。参考：月刊軍事研究9,’06

＜シェルパ・ファミリー＞

　＜シェルパ３フォース・スペシアル＞：特殊部隊向け。車体をオープントップとし、ロールバーを追加した。全周や底面の装甲は残している。航続距離1000km。ペイロード３トン。参考：月刊軍事研究10,’08

　＜シェルパ３Ａ　ＧＶ＞：シェルパ３の車内容積拡大型で、GVはグランド・ボリュームの略。ペイロード４トン。VXB-170の後継としてフランス国家憲兵隊に採用された。参考：月刊軍事研究10,’08

　＜シェルパ３Ａ　ＨＩ＞：HIはハイ・インテンシティの略。装甲を強化して前線任務を行えるようにしたもの。ペイロード1.5トン。参考：月刊軍事研究10,’08

＜シェルビー＞：APA-105（攻撃輸送艦）を参照。

＜ジェルフォー＞：フランス海軍エーグル級駆逐艦Gerfaut。1932年竣工。1944年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ジェルフォー・シリーズ＞：フランスSFECMAS/SNCANの試作軽戦闘機で、ジェルフォーは大鷹の意。ノール1500グリフォンの実用テストに使用された。参考：月刊JWings6,’14

　＜ジェルフォー�T＞：別名SFECMAS1402またはノール1402。ジェットエンジンをそのまま胴体にしたような小型無尾翼デルタ翼機で、主翼は低翼配置、前縁後退角57度。垂直尾翼上部に小さな水平安定板がある。全長10.98m、全幅6.58m、自重3.9トン、総重量4.75トン。エンジンはアター101Cターボジェット（推力2.7トン）単発。参考：月刊JWings6,’14

　＜ジェルフォー�TＡ＞：試作初号機、別名ノール1402A。1954年1月15日に初飛行した。8月3日には超音速水平飛行に成功している。参考：月刊JWings6,’14

　＜ジェルフォー�TＢ＞：試作２号機、別名ノール1402B。翼スパンを7.5mに広げ、エンジンをアター101Dに換装した。参考：月刊JWings6,’14

　＜ジェルフォー�U＞：試作３号機、別名ノール1405。エンジンをアター101Fに換装した。参考：月刊JWings6,’14

＜ジェレマイア・デントン＞：DDG-129（イージス駆逐艦）を参照。

＜ジェローム・カウンティ＞：LST-848（輸送艦）を参照。

＜ジェロング級＞：マレーシア海軍哨戒艇Jerong級。ラーセン45（Lurssen 45）級を導入したものである。兵装は57mm単装砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジェンキンス＞：DD-447（駆逐艦）を参照。

＜シェンク＞：DD-159（駆逐艦）を参照。

＜ジェンクス＞：DE-665（護衛駆逐艦）を参照。

＜シェンゴン２＞：神弓２（地対空ミサイル）を参照。

＜支援整備隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の部隊。航空群の隷下で、機体や装備品の整備を主任務とする。参考：日本の防衛戦力Part3

　＜支援整備隊（１９７８年）＞：航空群隷下で、本部、航空機整備隊、電子整備隊、武器整備隊、検査隊からなる。参考：日本の防衛戦力Part3

＜支援船＞：海上自衛隊の艦艇及び部隊の円滑な運用を行うための艦船。符号はＹ（Yardの略）。船尾には自衛艦旗でなく日章旗を掲げる。参考：月刊世界の艦船1,’95、自衛隊装備カタログ1981

　＜第１種支援船＞：自衛艦の直接的後方支援を行う艦船で、港湾に於いて海務などに従事する。曳船、水船、油船（重油船、軽質油船）、運貨船、起重機船、設標船、清掃船、廃油船、消防船、作業船、交通船がある。一部を除いて固有の乗員は配置されていない。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊

　＜第２種支援船＞：沿海海域で補助的業務に従事する艦船。練習船、敷設船、特務船、水中支援母船がある。船内編成は自衛艦と同じである。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、1,’11

　＜第３種支援船＞：学生などの教育訓練に使用する艦船。機動船、カッター、ヨット、伝馬船がある。固有の乗員は配置されておらず、教育訓練費で建造される。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊

　＜第４種支援船＞：保管船のこと。少数の保管要員が配置されている。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊

　＜第５種支援船＞：2001年に新設された支援船。同年に創設された特別警備隊が使用する特別機動船（11mRHIB）のことである。参考：月刊世界の艦船1,’11

＜支援戦闘機＞：Support fighter。航空自衛隊の航空機のうち、対艦攻撃・空対地攻撃任務を主とするもの。第１任務は航空阻止で、日本が島国であること、専守防衛を旨とし敵地攻撃は行わないことから、対水上戦がメインになる。第２は直接支援で、陸自や海自の作戦を経空支援する。第３は防空で、平時は要撃戦闘機のようにスクランブル任務に就く。1968年頃から、F-104J戦闘機の配備に伴い、余ったF-86F戦闘機に支援戦闘部隊としての付与任務を付けたのが最初である。ただしF-86F戦闘機による対艦攻撃訓練は1962年から行われていた。その後は防衛基盤育成の必要性もあり、要撃戦闘機に準ずる性能を持たせた国産機を採用することにし、F-1支援戦闘機とF-2支援戦闘機を配備している。F-1は戦闘攻撃機、F-2は多用途戦闘機と言った方が通りが良いが、国際命名基準がある訳では無いので、目くじらを立てる必要も無かろう。2005年に要撃戦闘機と合わせて戦闘機に統一された。参考：月刊軍事研究8,’04、12,’14、9,’11、月刊JWings12,'23、10,’09別冊付録、月刊世界の艦船10,’15、月刊航空ファン12,’16

＜支援戦闘機飛行隊＞：航空自衛隊の飛行隊。１個あたり配備定数は18機または22機。稼働数をこの数にする必要があるため、実際に配備される支援戦闘機はもっと多い。参考：月刊JWings1,’04

＜ジェンタイル＞：ドミニク・サルバトーレ・ジェンタイル。イタリア系アメリカ人で、1920年12月6日生まれ。第２次大戦勃発に伴い1941年にアメリカ陸軍航空隊を志願し、イタリア系であることを隠すためにファーストネームをドミニクからドンに変更したが、２年の大学教育修了という資格を満たしておらずに落ち、隣のカナダ空軍に入隊した。1942年、少尉となって志願アメリカ人パイロット中心のイギリス空軍第133飛行隊に配属された。8月1日、Fw190戦闘機とJu88爆撃機を撃墜し、イギリス空軍殊勲十字章を授与された。8月22日、所属飛行隊がアメリカ第４戦闘航空軍隷下の第336戦闘飛行隊となった（使用機はスピットファイアMk�Xのまま）ため、こちらに移った。1943年3月、P-47戦闘機に機種変更した。1944年1月5日、Fw190戦闘機を撃墜。1月14日、Fw190戦闘機２機を撃墜。1月25日、Fw190戦闘機を撃墜してエースとなった。1944年3月にP-51B戦闘機へと機種転換し、3月8日にダブルエース、3月27日にはトリプルエースになった。この活躍に、僚機のジョン・Ｔ・ゴッドフレイ大尉共々、ヘルマン・ゲーリングから賞金首をかけられている。4月8日、25機撃墜を達成。帰投した基地に多数の報道陣がいたため、滑走路を低空でパスしたが、高度を下げすぎて滑走路に接触し、緊急着陸で機体が大破してしまい、出撃停止処分を喰らった。4月11日、アメリカ陸軍航空軍殊勲十字章を授与された。その後はアメリカ陸軍航空軍の規定により本国に帰還、6月にライト・フィールド基地の航空兵站軍団でテストを担当し、P-51D戦闘機に搭乗しての戦争募金集めも行った。1946年6月に退役。12月、再入隊し、戦闘機射撃プログラム計画訓練士官となった。その後航空戦術学校の教員となり、1949年6月にメリーランド州立大学軍事科学学部に入学。1951年1月28日、アンドリュース空軍基地をT-33練習機で離陸した後、メリーランド州フォレストビル付近に墜落して死亡した。空中撃墜機数25.83機、地上撃破機数７機。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜シェンツェン＞：167（駆逐艦）を参照。

＜ジェンティアン＞：K90（コルベット）を参照。

＜ジェントリー＞：DE-349（護衛駆逐艦）を参照。

＜支援部隊早期展開プロジェクト＞：国連の事業、略称RDEC。国連三角パートナーシップ・プロジェクトの一環で、施設部隊早期展開プロジェクトを衛生分野など他の支援任務にも広げたものである。2019年8月17日、第12施設群副群長以下14名が出国し、8月26日から11月15日にウガンダでウガンダ軍工兵30名に建設重機操作・整備要領を教育、11月20日に帰国した。10月3日、衛生学校三等陸佐１名と一等陸尉１名が日本を出国し、ウガンダのエンテベにある国連エンテベ支援センターで野外衛生救護補助員課程UNFMACの試行訓練を行った。10月26日、第６施設群19名がベトナムに向け出国し、11月4日から12月13日にハノイ近郊の第249工兵旅団駐屯地で重機操作法などを指導、12月18日に帰国し、防衛省で山本防衛副大臣に帰国報告を行った。2020年1月21日、2月1日からベトナムに派遣される第10施設群28名のうち幹部自衛官５名が防衛省で河野防衛大臣と湯浅陸幕長に出国報告を行った。2月1日、第10施設群28名がベトナムに向かった。2月10日から3月13日、第10施設群28名がハノイ近郊の第249工兵旅団駐屯地を拠点にベトナム軍及び東南アジア計８カ国の工兵20名に対し重機操作整備教育を実施。3月18日、ベトナムで任務にあたっていた第10施設群のうち幹部自衛官５名が防衛省で湯浅陸幕長に帰国報告を実施。2021年12月6-10日、施設学校がインドネシア、カンボジア、ベトナムを結び、各国工兵に対する作業工程管理課程オンライン教育を実施。2022年1月19日から3月18日、第６施設群20名（とPKO事務局調整員企画・管理幹部１名）がケニアで工兵に重機操作訓練を実施。3月30日、ケニアで任務にあたっていた第６施設群のうち４名が防衛省で吉田陸幕長に帰国報告を実施。6月13-17日、ウガンダで行われた国連野外衛生救護補助員コースUNFMSAC試行訓練に衛生学校医官１名を教官要員として派遣。2024年2月10日から陸幕運用支援・訓練部運用支援課の二等陸佐１名を国連活動支援局特別活動部パートナーシップ支援課に派遣し、国連野外衛生救護補助員コースUNFMSAC等に関する業務を行った。参考：朝雲

＜シェンヤン＞：115（駆逐艦）を参照。

＜ジェンヤン＞：DDG912（駆逐艦）を参照。

＜支援要撃管制システム＞：アメリカ軍の防空システム、略称BUIC（BackUp Interceptor Control）。SAGEシステムのバックアップで、地下に設けられており、核攻撃によりSAGEが破壊された際に使用する。1961年から建設され、1966年5月に13の地下基地が完成した。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜汐風＞：日本海軍峯風型駆逐艦８番艦Shiokaze。大正10年7月29日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第３駆逐隊、兵力部署では第４航空戦隊に所属していた。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。昭和20年1月31日、台湾南方で爆撃を受けて損傷した。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、船体は宮城県女川港の防波堤になった。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜塩沢幸一＞：海軍兵学校32期卒。昭和4年9月6日、第２艦隊参謀長となった。昭和4年12月1日から昭和5年12月1日、第１艦隊参謀長を務めた。日華事変バイアス湾上陸作戦に第５艦隊司令長官として参加。艦政本部長、軍事参議官などを務め、昭和13年2月1日から12月15日、第５艦隊司令長官に就任した。昭和14年、大将に昇任。横須賀鎮守府司令長官を経て昭和16年9月に軍事参議官となった。昭和18年5月、山本五十六連合艦隊司令長官の国葬で司祭長を務めた。11月17日、60歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜シオス級＞：ギリシャ海軍戦車揚陸艦Chios級。ヘリ１機が発着艦できるヘリ甲板を持つ。兵装は76mm砲１門。LCVP４隻、兵員300名を乗せられる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜塩屋＞：日本海軍足摺型給油艦Shioya。昭和18年11月9日竣工、運送艦に類別された。昭和19年1月28日、ミンダナオ島南西で砲撃により小破した。6月8日、セレベス北西にあるメナドの西120海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて沈没した。8月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜志賀＞：日本海軍海防艦。昭和21年12月31日、運輸省に移管され、中央気象台気象観測船志賀丸となった。昭和29年1月1日、海上保安庁に移管され、海上保安大学校こじまとなった。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸5,’07

＜シカーラ＞：A263（通船）を参照。

＜歯科医官（日本陸軍）＞：日本陸軍の歯科医将校。それまで平時は民間歯科医、戦時は軍医（または白衣を着て軍医のふりをした歯科医出身他兵科将兵）が歯科治療を行っていたが、昭和15年9月に制度が開始された。階級は少尉から少将まで。配属されているのは各種病院で、部隊には配属されておらず、前線ではまず軍医が診察して応急処置をしてから後方で本格的な治療を行った。参考：軍医サンよもやま物語

＜歯科医官（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊衛生科幹部自衛官で、歯科医師の国家資格を持ち、歯科治療や歯科健康管理を行う。参考：MAMOR vol.120

＜司会従事者集合訓練＞：陸上自衛隊の集合訓練。駐屯地記念行事や音楽まつりなどで司会進行を務めるための発声、話術、表情、アナウンサー資質涵養といった訓練を行う。参考：朝雲

＜紫外線＞：波長10-380nmの電磁波。10-100nmを極遠紫外線（UV-C）、100-280nmを遠紫外線（これもUV-C）、280-315nmを中紫外線（UV-B）、315-380nmを近紫外線（UV-A）と分類する。参考：図解・電波のしくみ

＜市街戦（日本陸軍）＞：住民地は視界が通らず機動が難しく、指揮が困難で、防御側には堅固な支撑点を成形し、攻撃側には攻撃の拠点となり、時に障害として利用される。特に上空に対して軍隊を遮蔽できるが、ガス攻撃や爆撃の目標になりやすく、攻撃側は戦車、爆薬、火焔放射器、焼夷弾などを有効に利用できる機会が多い。住民地で直接戦闘を行う兵力は最小限とし、外部の戦闘と連携して目的を達成する。住民地を攻撃する際は、森林戦と同様の方式を取るが、砲兵は大威力の火砲で破壊を行いつつ火災の発生を防ぎ、工兵は爆薬で所要の破壊を行い、堅固な家屋（特に地下室）を利用して抵抗する敵は爆薬・戦車・手榴弾・火焔放射器などにより掃討する。逐次の抵抗を排除しつつ地区ごとに攻略する場合、街路に沿う家屋や庭園を利用（時に破壊）して進路を開設し、必要なら屋根伝いに近接する。夜間攻撃の際は奇襲が必要で、夜中に攻略を終えねばならない場合は、奇襲で囲壁や縁端を奪取し、同時に少数部隊を内部に送り込み要所を制圧、その後に全体の攻略を進めると良い。住民地を防御する際も森林戦と同様の方式を取るが、各地区の防備に独立性を付与し、一区域に侵入されても他区域の防衛に支障を来さないようにする。消火・ガス防護・灯火管制の準備も必要である。参考：作戦要務令

＜紫外線センサー＞：エンジンやロケットモーターから発せられる紫外線は自然界に存在しない波長で、赤外線やレーダー波のように地面では反射しないため、対空ミサイル用センサーとして有用で、ドイツのMBB社が開発したMILDSミサイル警報システムに搭載されている。また、EADS社の多機能自衛システムMUSSには改良型のP-MILDSが搭載されており、レーザー検知器と合わせて使用することでミサイル発射地点を誤差2.5度で特定できる。フランスのGIATインダストリー社もKBCMという赤外線ジャマーと紫外線検知器を組み合わせた自衛用システムを開発し、AMX-10RC装甲車に搭載した。参考：月刊PANZER12,’03

＜市街戦装備（陸上自衛隊）＞：顔面防護用ゴーグル、単眼式タクティカル暗視ゴーグル、肘・膝用プロテクター、ダットサイト、フラッシュライト、小型ミラー、ペリスコープを装備する。参考：JGround　Vol.19

＜鹿追然別中演習場＞：然別演習場を参照。

＜鹿追駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は北海道河東郡鹿追町笹川北12線10。JR帯広駅からバスで70分、新得駅からタクシーで30分。1957年12月に開設され、第５特車大隊が帯広駐屯地から移駐した。1959年、第５偵察隊が釧路駐屯地から移駐した。1962年、第５対戦車隊が新編された。1965年、第５偵察隊が別海分屯地に移った。1991年、第319戦車中隊が新編された。2003年、第319戦車中隊が廃止された。2004年3月、第５戦車大隊が第５戦車隊に改編された。第５対戦車隊が第５対舟艇対戦車中隊に改編されて帯広駐屯地に移った。2009年6月11日、浦幌幾千世老人クラブ千寿会のお年寄りが駐屯地を訪問し、第５後方支援連隊第２整備中隊戦車直接支援小隊を部隊見学した。10月17日、第５飛行隊の支援を受けて周辺住民に対する航空機体験搭乗を実施。2011年3月、第５戦車隊が第５戦車大隊に改編された。2016年7月31日、帯広地本の募集広報ミニ・ノーザンスピリットに協力し、90式戦車体験搭乗などを行った。参考：第５旅団ホームページ、JGround Vol.23、朝雲

　＜鹿追駐屯地（２０１５年）＞：第５旅団第５戦車大隊、第５後方支援隊第２整備中隊戦車直接支援小隊、第302基地通信中隊鹿追派遣隊、第121地区警務隊鹿追派遣隊、北部情報保全隊鹿追情報保全派遣隊、北部方面会計隊第403会計隊（3月26日から第374会計隊鹿追派遣隊）、鹿追駐屯地業務隊、帯広地方協力本部鹿追常駐組が駐屯している。参考：第５旅団ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜鹿追駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2008年12月18日、ボランティア活動として特別養護老人ホームしゃくなげ荘を慰問し、清掃作業や餅つきを行った。2015年12月7日、委託売店売り上げ向上と福利厚生の功績で陸幕長から２級賞状と副賞を授与された。参考：朝雲

＜滋賀海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。滋賀県滋賀郡にある。飛行予科練習生教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜仕掛け障害装置＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜シカゴ＞：CA-29（ノーザンプトン級重巡洋艦）またはCA-136（バルチモア級重巡洋艦）またはSSN-721（潜水艦）を参照。

＜シカゴ・トリビューン紙事件＞：1942年6月7日、シカゴ・トリビューン、ニューヨーク・デイリー・ニュース、ワシントン・ヘラルド・タイムズ（全てシカゴ・トリビューン紙系）にミッドウェイ海戦に関する情報が掲載された事件。ミッドウェイ海戦では従軍記者を乗艦させていなかったが、第１面に「アメリカ海軍は日本の海上攻撃計画通信を知っていた」という見出しで、5月31日1221にニミッツ提督がCV-2レキシントン宛てに送った無線通信の内容が全て掲載されており、日本海軍の意図や艦名に至るまでそのまま書かれていた。漏洩元はレキシントンの副長で、電報をシカゴ・トリビューンの記者ジョンストンに見せ、ノックス海軍長官が社主を務めるシカゴ・デイリー・ニュース社とライバル関係にあり、ルーズベルトに批判的だったシカゴ・トリビューン社がそのまま掲載したものである。シカゴ・トリビューンの社主、記者、副長のスパイ活動防止法違反での告訴が考慮されたが、日本の暗号を解読しているのがばれることになるため、取りやめとなった。開戦による国交断絶で在外公館が閉鎖され、アメリカ在住の日本人や日系人から直接新聞を入手することはできなかったものの、日本海軍は中立国経由などでこの新聞を手に入れて暗号が解読されていると疑う事はいくらでも出来た筈だが、そういった動きは見られず、乱数表を変更するだけで暗号システム自体はそのまま利用し続けた。参考：ラバウル航空戦、太平洋戦争情報戦、月刊軍事研究1,’12、日本海軍艦隊総覧

＜シカゴピアノ＞：アメリカ海軍が第２次大戦中に艦船に配備した４連装12.7mm機銃の通称。参考：月刊丸8,’95

＜シカ・シャーシン＞：クロタルを改良した地対空ミサイル。全長3m、直径0.15m、翼スパン0.54m、重量90kg、炸薬重量15kg。飛翔速度マッハ2.5、最小射程0.5km、最大射程10km。参考：ザ・マーチ17号

＜自活車＞：航空自衛隊の車両U-FT3HGAL。４輪トラックの後部荷台のシェルターに２段ベッド３基、シャワー、トイレ、流し、給湯器、冷蔵庫、テーブルなどを搭載したもので、部隊が機動展開した際、隊員６名が2-3日自活するために用いる。野外展開時にはテントよりもこちらを使うことが多いが、発電機の音がうるさいのが欠点。ベッドは1.88m×0.7mの大きさで、上下段間隔は0.89m、上段の横にはシェルターの窓が位置する。トイレは１回ごとにビニールにラッピングして処理する方式である。全長8.46m、全幅2.32m、全高3.71m、車重9.06トン。エンジンはH07D直列６気筒ディーゼル（総排気量7412cc、出力195馬力）、トランスミッションは常時咬合式前進５段・後進１段、最大速度105km、燃料搭載量300リットル。最大積載量0.24トン。乗員３名。日野車体工業製。参考：MAMOR vol.126、vol.58、自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜鹿野丸＞：日本海軍輸送船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。昭和17年7月31日、キスカ港外でSS-216グラニオンを砲撃して撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜滋賀ぽん＞：滋賀地方協力本部のマスコットキャラ。信楽焼のタヌキがモチーフで、陸ぽん、海ぽん、空ぽんがいる。2013年10月28日に決定された。2018年10月14日、空ぽんが饗庭野分屯基地の2018分屯基地祭で広報を実施。2020年6月16日、空ぽんが地元ケーブルテレビZTVのCM動画第４弾撮影に参加。11月10日、海ぽんが大津駐屯地で地元ケーブルテレビのCM撮影を行い、ついでに中部方面広報室のユーチューブ向け番組に出演した。参考：朝雲

＜志賀正美＞：日本海軍エース。大正8年、茨城県生まれ。昭和12年、海軍に入隊し、昭和15年6月に操縦練習生を卒業、昭和16年9月に千歳航空隊に配属された。太平洋戦争後はタロア島の防空任務に就き、昭和17年2月1日に初戦果を挙げた。昭和18年7月、第201航空隊に転属し、ブインに配属された。昭和19年2月、横須賀航空隊に転属。6月に硫黄島に派遣され、坂井三郎の列機となった。昭和20年2月、第203航空隊に配属され、沖縄方面で任務に就いた。戦後は航空自衛隊に入隊し、定年まで勤めた。総撃墜数16機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜シカモア・シリーズ＞：イギリス軍多用途シングルローター・ヘリコプターSycamore（セイヨウカジカエデ、シカモアカエデ。種に飛距離稼ぎのローターブレードが付いている）。イギリス初の国産ヘリで、ブリストル社がブリストル171として1944年6月から開発し、1947年7月に試作機VL958が初飛行した。各型計180機強が配備されている。オーストラリア空海軍、ドイツ空海軍、ベルギー空軍でも使用され、民間型も製作された。参考：月刊JWings11,’17、5,’20

　＜シカモアＨＲ１４＞：イギリス空軍捜索救難ヘリ、別名シカモアMk.4。胴体前部がコクピットとキャビン、中央がエンジン室、後部が燃料タンク・VHF無線機・貨物収容スペースで、尾部上縁からテイルブームが延びており、テイルブーム後部には上反角が付いて後端右舷側にテイルローターがある。エンジンはエンジン室底部に縦置きされていて、ドライブシャフトが真上に延びて胴体上のトランスミッションに繋がり、３翅の全関節式メインローターを回す。テイルローターも３翅。降着装置は前輪式固定脚である。キャビン右にはホイストを持つ。全長18.62m、メインローター直径14.81m、最大離陸重量2540kg。エンジンはアルビス・レオニードMk.173レシプロ（550馬力）単発、最大速度212km、航続距離531km。ペイロード454kg。乗員２名。85機が生産され、1953年4月から配備された。参考：月刊JWings11,’17、5,’20

＜シカモア海外シリーズ＞

　＜シカモアＨＲ．５０＞：オーストラリア海軍救難ヘリ。メインローターを後方に折り畳める。乗員含め５名を乗せられる。空母R21メルボルンに搭載された。参考：月刊JWings10,’19

＜シカリ＞：D85（駆逐艦）を参照。

＜然別演習場＞：陸上自衛隊の演習場で、鹿追然別中演習場ともいう。然別湖に隣接しており、面積3283万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。2018年2月、築60年以上が経過した廠舎の建て替え工事を開始。2019年8月末、鉄筋コンクリート３階建て（延床面積3000平方メートル。女性自衛官専用区画付き）の新廠舎が竣工し、9月から本格運用を開始した。警衛所、厨房、屋外トイレなどの関連施設も一新している。参考：MAMOR vol.138、月刊軍事研究4,’10、朝雲

＜士官＞

＜士官（アメリカ軍）＞：士官学校を卒業する、一般大学から予備士官として入隊する、上級軍事大学を卒業する、士官候補生学校を卒業する、文民から直接任官する、戦場で活躍して下士官から戦地任官する、といったコースがある。参考：月刊軍事研究3,’16

＜士官（日本海軍）＞：将官（将校、将校相当官）、佐官、尉官に分かれる。また、士官用個室の名称別に士官室士官、一次室士官（ガンルーム士官）、二次室士官と区別した。兵科の場合、中学校卒業後に海軍兵学校または海軍機関学校に入り、３年間の教育を受けて少尉候補生となり、練習艦隊に配属された後、砲術／水雷／通信／航海／潜水／飛行の術科学校に入って選科学生となり、卒業して士官となる。軍医科、薬剤科、歯科医科、法務科は、大学または高専卒業後に採用され、幹部教育を受けて士官となる。主計科は、中学校卒業後に海軍経理学校で３年間学んだものが多い。技術科は海軍に学校が無かったため、一般大学や採用後の実習で教育を済ませていたが、明治30年には東京帝大学生を海軍委託学生として採用する海軍委託生制度を設けた。大正時代には海軍委託生の対象が７帝大に広げられている。参考：海軍技術研究所、海軍よもやま物語、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜士官（日本陸軍）＞：尉官のこと。陸軍幼年学校を卒業するか、召募試験に合格して陸軍士官学校予科（昭和12年以降は陸軍予科士官学校）に入り、隊付教育を経て陸軍士官学校本科で士官候補生として教育を受け、部隊での見習士官を経て少尉に任官し、隊付勤務に就く。兵科職能向上のため、実施学校で適宜教育を受け、また陸軍大学校への進学を目指し受験勉強を行う。参考：陸海軍学校と教育、軍医サンよもやま物語

＜士官学校＞：下級士官となる若い人材に、平時の部隊訓練や兵の教育法、戦時の部隊指揮法、上級士官任務に必要な軍事学などを教育する学校。日本軍には陸軍士官学校と海軍兵学校が存在した。江田島兵学校、ウェストポイント（アメリカ）、サンドハースト（イギリス）、サンシール（フランス）など、所在地が通称となっていることが多い。参考：月刊軍事研究12,’04

＜士官室（日本海軍）＞：分隊長以上の士官が使用する個室のこと。参考：海軍よもやま物語

＜指揮＞：Command。部隊指揮官が指揮権を行使すること。参考：月刊軍事研究2,’09

　＜指揮（日本陸軍）＞：指揮官が部下を確実に掌握し、明確な企図の下に適時適切な命令を与えること。隷下部隊の行動を律するものであるが、隷下部隊指揮官による独断専行の余地は大きく残しておく。統帥の大権に根源し、厳正なる軍紀により全うされる。基礎を成すのは指揮官の決心であり、堅確強固な意志により遂行し、動揺することの無いようにしなければならない。そのため、常に敵に対して主導権を握り行動の自由を獲得し、特に敵の意表を突くようにするのが極めて重要である。敵に主導権を握られると後手に回ることになり、失敗に終わる。指揮を適切に行うには常に状況判断を行うことが必要で、自軍の状態、敵情、地形、気象などの資料を収集し、積極的に方策を定める。敵情のうち特に敵の企図を推し量ることは困難だが、得られた敵情、敵の国民性、装備、戦法、敵指揮官の性格、当時の作戦能力などにより敵の行動を推定することに努める。指揮官はこの状況判断に基づき、戦機を明察し周到なる思慮と迅速なる決断を行い、地形気象の不利や敵情不明などにより躊躇することなく決心を定め、決心に基づいて適時適切な命令を発する。決心はみだりに変更すべきではないが、状況の変化には臨機応変に対応しなければならない。参考：作戦要務令

　＜指揮（陸上自衛隊）＞：部下を確実に掌握し、明確な企図に基づいて適時適切な命令を下し、隷下部隊を任務達成に導く。この際、統制（指示）は必要最小限に留めて信頼する部下に任せ、部下が自主積極性を十分に発揮できるようにする。部下を掌握しないで任せると、収拾が付かなくなるので注意。参考：月刊軍事研究11,’16、1,’17

＜子儀＞：FFG1107（フリゲート）を参照。

＜磁気オレンジパイプ＞：AN/SPU-1W（掃海具）を参照。

＜指揮官旗＞：指揮官の所在を示すためにメインマストに掲げる旗。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜指揮官旗（海上自衛隊）＞：序列順に内閣総理大臣旗、防衛大臣旗、統合幕僚長旗、海上幕僚長旗、海将旗、海将補旗、代将旗、長旗（隊司令旗、司令官旗）がある。乗艦者のうち序列の一番高いものだけを掲げるが、海上幕僚長は指揮官ではないので、海上幕僚長旗は他の指揮官旗と併揚する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜指揮管制支援ターミナル＞：C2Tを参照。

＜指揮管理通信システム＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜指揮管理電子交換装置用プログラム＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究7,’12

＜磁気機雷＞：機雷を参照。

＜次期攻撃ヘリコプター計画＞：AAHを参照。

＜磁気コンパス＞：地磁気を利用して方位を知るコンパスのこと。磁気を帯びた針（磁針）が地磁気に反応して南北を指すのを利用しており、磁針を水に浮かべた液体式と、軸芯で支えた乾式がある。紀元前300年頃には中国で液体式が使われており、11世紀頃にはヨーロッパに伝わり、荒天でも使えるよう乾式に改良された。その後、液体で満たしたコンパスボウルを３軸ジンバルで支えて荒天でも磁針が暴れないようにしたタイプが開発され、今に至っている。磁性体が近くにあると指す方向が狂う、北磁極・南磁極を指すので真北・真南との間に方位偏差があるといった欠点があるが、船の動力が全てダウンしても使えるので、船舶の法定備品に指定されている。参考：図解船の科学

＜磁気軸受振動制御実験装置＞：自衛隊の機器。新川電機製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜敷島＞：日本海軍戦艦。装甲板は表面硬化鋼のハーヴェイ甲鈑である。兵装はアームストロング社製40口径30cm連装砲Mk.B�W、アームストロング社製40口径15cm単装速射砲14門、40口径7.6cm単装速射砲、47mm単装速射砲、45cm魚雷発射管５門。明治33年1月26日竣工。4月17日、呉に到着した。明治38年7月15日、三笠が修理に入ったため、連合艦隊旗艦を務めることになった。8月29日、三笠に連合艦隊旗艦任務を譲った。9月11日、三笠が大破着底したため、連合艦隊旗艦を務めることになった。9月20日、東郷長官が将旗を掲揚した。10月11日、連合艦隊を率いて佐世保を出港。10月20日、横浜沖に到着。10月23日、日露戦争勝利凱旋観艦式に参加。12月20日、連合艦隊解散により旗艦任務を外れた。12月21日、艦上で連合艦隊解散の辞が読み上げられた。ワシントン条約締結で特務練習艦敷島に改造された。参考：月刊世界の艦船12,’10、9,’13増刊、9,’17、日本海軍艦隊総覧

＜敷島＞：日本海軍特務練習艦。排水量11275トン。元は戦艦敷島で、ワシントン条約締結に伴い特務練習艦に改造したものである。佐世保海兵団の兵舎として使用された。昭和22年4月1日、佐世保で解体が開始された。参考：小艦艇入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜指揮車＞：ドイツ軍装甲列車BP42・BP44に接続された装甲貨車。探照灯や無線アンテナを装備している。指揮将校、列車運行要員、情報要員、衛生隊、てき弾兵が乗り込んでいた。車体４隅と側面に銃眼22カ所があり、左右２枚ずつの装甲扉（銃眼２つ付き）を持つ。参考：月刊グランドパワー5,’03

＜指揮車両（陸上自衛隊）＞：73式装甲車ファミリーを参照。

＜指揮所演習＞：図上演習を参照。

＜指揮所訓練＞：図上演習を参照。

＜指揮所訓練統裁システム＞：ICE（Intelligent Combat Exercise）と略す。自衛隊の指揮所訓練装置で、大規模震災などの災害訓練にも使用できる。参考：月刊軍事研究8,’14

＜指揮所用大型表示装置＞：自衛隊の機器。リコー製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜磁気処理用電源システム＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜士気振作演奏＞：自衛隊の音楽隊が隊員の緊張緩和、精神安定、士気向上を図るために行う演奏のこと。参考：朝雲

＜磁気掃海具＞：磁気機雷を掃海するための装置。電線に電流を流して艦船と同様の磁場を発生させ、磁気機雷を爆破処分する。最初に船首に電磁石を装着した機雷破壊船が開発されたが、誘爆した機雷により船ごと吹っ飛ばされるという欠点があり廃れ、筏にソレノイドを積んで曳航するタイプも筏ごと吹っ飛ぶので難があり、ワイヤーに棒磁石を多数取り付けたタイプが開発され、イギリスではヒラメやエイに棒磁石を括り付けるという迷案が出されたりした。その後電線に電流を流すタイプが開発され、曳航時に電線がＬ型になるようにして電流のパルス化や反転といった調整を行えるようになった。電線は１本で閉回路を構成する場合と、末端に電極の付いた短ケーブルと長ケーブルを曳航してケーブル間に電流を流す場合がある。参考：月刊世界の艦船4,’18、小艦艇入門、丸スペシャルNo.76、丸エキストラ版No.71

＜磁気掃海電源装置（２１ＭＳＣ用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜磁気掃海電源装置（２３ＭＳＣ用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜磁気掃海電源装置（２５ＭＳＯ用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜磁気測定所（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の施設で、船体磁気測定業務を主任務とする。トップは磁気測定所長（３等海佐）で、基地隊司令の指揮監督下に磁気測定所の所務を統括する。総務科と測定科からなり、必要に応じて所長が規律維持や隊員の身上取扱等のため分隊を編成する。参考：磁気測定所の編制に関する訓令

＜磁気測定装置センサ部（その２）＞：自衛隊の機器。島津製作所製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜次期中型ＳＴＯＬ輸送機＞：AMSTを参照。

＜指揮通信開発隊＞：海上自衛隊の部隊。開発隊群隷下で、横須賀基地に置かれている。2020年4月1日、技術調整官が廃止された。2023年4月1日に解隊された。参考：月刊世界の艦船6,’23、朝雲

＜指揮通信システム隊＞：自衛隊の中央指揮システム（CCS）・防衛情報通信基盤（DII）運用部隊で、自衛隊初の常設統合部隊であり、統合幕僚長直轄である。2008年3月、統合幕僚監部指揮通信システム部指揮通信システム運用課中央指揮所管理運営室、同課防衛情報指揮通信基盤管理運営室、同課サイバー防護保全班を統合して市ヶ谷駐屯地で新編された。隊本部、ネットワーク運用隊（DIIを24時間態勢で管理運営する。陸自システム防護隊と連携して情報流出防止やDIIへのサイバー攻撃対処も行う）、保全監査隊（DIIや関連システムの脆弱性検査などを行う）、中央指揮所運営隊（CCSの管理運用と中央指揮所の管理を行う）からなる。要員160名で、トップは隊司令（一佐）。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。3月、保全監査隊を廃止してサイバー防衛隊を新設した。2016年9月12日、伊勢志摩サミット支援の功績で、防衛大臣から一級賞状が授与された。2017年1月23-27日、平成28年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。11月6-24日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2019年11月11-21日、令和元年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。12月2-6日、サイバー・コアリション2019に参加。2020年1月24-31日、キーン・エッジ2020に参加。2021年4月13-16日、ロックド・シールズ2021に参加。7月10日から8月23日、コブラ・ゴールド21にオンラインで参加。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2022年1月27日から2月3日、キーン・エッジ2022に参加。2月18日から3月4日、コブラ・ゴールド22に参加。3月17日、自衛隊サイバー防衛隊に改編された。2024年2月1-8日、令和5年度日米共同統合演習（指揮所演習）に参加。参考：月刊軍事研究10,’11、1,’12、月刊JWings2,’22、朝雲

＜指揮通信車＞：指揮装備や通信装備を搭載した車両で、指揮官や幕僚・参謀らが搭乗して指揮統制を行う。参考：月刊軍事研究2,’13

＜指揮通信模擬処理ソフトウェア＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜しきなみ＞：DD-106（護衛艦）を参照。

＜敷波（初代）＞：日本海軍敷波型駆逐艦１番艦。元はロシア海軍水雷砲艦ガイダマーク（Gaidamak）で、明治38年1月に鹵獲し、10月7日に引き揚げて整備に入り、10月31日に敷波と命名した。12月12日、駆逐艦として艦籍に編入。明治40年、整備完成。大正元年8月28日に三等駆逐艦に類別変更された。大正2年4月1日に除籍され、大正3年8月23日に雑役船に編入され、大正4年6月28日に廃船となり、10月7日に売却された。参考：日本駆逐艦史

＜敷波（２代目）＞：日本海軍吹雪型駆逐艦12番艦。昭和4年12月24日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制も兵力部署も第19駆逐隊に所属していた。昭和17年3月1日、バタビア沖海戦に参加、被弾損傷した。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。9月12日夜、ルンガ泊地に突入して砲撃を実施。9月15日、ガダルカナル島に青葉支隊主力の一部を揚陸。11月14日、第３次ソロモン海戦に参加。昭和18年3月2日、81号作戦に参加。8月1日、シンガポール付近で訓練中に座礁した。昭和19年3月1日からサ号作戦に参加。9月12日、海南島の東250海里でSS-215グロウラーの雷撃により沈没し、10月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像12,’09、日本海軍艦隊総覧、海軍操舵員よもやま物語、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜敷波型＞：日本海軍駆逐艦。元はロシア海軍水雷砲艦だったのを旅順で鹵獲、整備したものである。この時艦首の魚雷発射管を外し、残りの魚雷発射管も38.1cmから45cmに換装した。全長58m、全幅7.4m、平均吃水3.4m、常備排水量400トン。主機は直立式三連成レシプロ蒸気機関２基、主缶は宮原式石炭専焼水管缶２基で、出力3000馬力、２軸推進、速力22ノット。兵装は５サンチ単装砲（露式３ポンド砲／露式５サンチ砲）６門、37mm単装砲３門、45サンチ単装魚雷発射管２門。乗員64名。敷波、巻雲の２隻が就役したが、小型で使い勝手が悪く、程無く除籍された。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜しきね＞：MSC-613（掃海艇）を参照。

＜指揮幕僚課程（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の一般教育で、CSと略す。高級指揮官や高級幕僚を養成するのを主目的とし、幹部学校で教育が行われる。選抜試験（論文と面接）は一尉・三佐が対象で、受験は３回まで。参考：月刊軍事研究10,’14、陸海軍学校と教育

＜指揮幕僚課程（陸上自衛隊）＞：陸自幹部学校・教育訓練研究本部で行われている課程教育。幹部初級課程を修了した一等陸尉・三等陸佐が選抜試験を受けて入校し、幕僚として必要な知識技能を習得する。参考：陸海軍学校と教育、MAMOR vol.137

＜自記表層水温塩分計３型＞：自衛隊の計測器。鶴見精機製。参考：月刊軍事研究6,’08

＜敷生飛行場＞：日本陸軍の飛行場で、しきふと読む。参考：月刊JWings11,’18

＜識別旗＞：海上自衛隊の内火艇などに幹部自衛官を乗せる場合に掲揚される、最先任幹部の職または階級を示す旗。艦隊司令官、群司令、地方総監なら黄、艦隊幕僚長は黄赤、艦隊幕僚長以外の将補以上の自衛官は黄青、隊司令及び一佐である幕僚は赤、艦長は赤青、これら以外の幹部自衛官は青。ただし青と言っても実際には緑に近い。参考：丸スペシャルNo.77

＜識別帽＞：自衛隊の各部隊が製作しているオリジナルキャップで、艦船、航空機、自衛隊施設内などで勤務上必要があると認めた場合に着用可能。所属部隊識別のため、スコードロンマークや部隊識別マークなどが前面に入れられており、帽子の色でもある程度識別できるようにしてある。デザインは所属隊員の考案である。参考：MAMOR vol.70

＜磁気偏差＞：Magnetic variation。磁気偏角（Magnetic declination）ともいう。地理学的な北と、地磁気の北（磁北）との差のこと。時と共に変化していくので、ちゃんと調べておかないと磁気コンパスによる航法が狂う。参考：航空用語事典増補改訂版

＜自機防御装置＞：航空自衛隊の防御装置で、SPSと略す。同時多発テロや北朝鮮の武装工作船事件を機に2001年度から生産が開始された。AN/AAR-47ミサイル警報装置とALE-47フレアが組み合わされており、C-130に搭載されている。参考：月刊軍事研究3,’04

＜自機防御装置評価器材＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜自機防御マスタデータ作成装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜至急官報（日本陸軍）＞：電信部隊が構成する通信網内での電報や、軍用通信網に関連する電報のうち、軍機電報に次いで２番目に緊急重要度が高い。陸軍大臣、参謀総長、兵站総監、軍司令官、航空兵団司令官、兵站監、独立して作戦する団隊の指揮官、要塞（要塞系）司令官、防衛司令官、防務条例による戦時指揮官、師団長、飛行集団長、陸軍次官、参謀次長、大本営参謀たる少将（大佐）、兵站総監に隷属する長官、陸軍省局長、参謀本部部長、運輸通信長官部隷属機関の高級先任者、参謀長やこれに準ずる者、独立して行動する部隊の長、分遣された幕僚、兵站司令官やその支部の長、鉄道・船舶輸送諸部の司令官やその支部の長、海岸監視哨、要塞監視哨、防空監視哨、将校斥候長が発信権を有する。参考：作戦要務令

＜持久戦（日本陸軍）＞：作戦要務令第二部第五編に記載がある。時間の余裕を得たい場合や、敵を牽制抑留したい場合などは、決戦を避けて持久戦を行う。持久戦では守勢に立つことが多いが、攻勢に出なければ目的を達成できないことも少なくない。持久戦のため、軍隊の部署と戦闘の指導は、目的、持久時日の長短、地形、敵の行動などにより大きな差異があるが、勉めて爾後の行動の自由を保持し、かつ成るべく決戦に陥らないようにする必要がある。そのため、可能なら十分な予備隊を置き、なるべく多数の砲兵や重火器などを巧みに使用する。軍隊が受領した任務に基づいて攻勢を取る場合は、常に断乎たる決心を以て攻撃を実行し、守勢に立つ場合は全力を尽くして支持された地域又は陣地を保持する必要がある。持久戦のため攻撃を行う場合、上級指揮官は攻撃目標を制限し、軍隊を地区から地区に前進させるなど、適宜その行動を控制する。また、この場合は第一線各部隊を通常兵力に比べ広い正面に展開させる。持久戦のため防御を行う場合で、一時敵の前進を遅滞させる時は、状況の許す限り砲兵や重火器などを使用し、歩兵の大部分を戦闘に参加させないようにする。一陣地で敵を食い止める時間を長く予定するほど歩兵の使用率を低くする（ゼロでも良い）。数個陣地で逐次抵抗する場合、指揮官は爾後の企図のため特に有力な部隊を控置して後方を整理し、爾後占領を企図する陣地と退路の偵察を行わせるなどの諸準備を整えるのが重要である。この際、後方陣地に予め所要の部隊を配置すると有利になることがある。例え守勢に立っている場合でも、好機を見つけたら直ちに敏速果敢な攻撃を行い、任務の達成を図るようにする。味方兵力や企図を敵に察知されないことや、またはこれらを誤認させることは、持久戦で特に緊要である。そのため、偽工事を行う、陽動をかける、隠蔽地の兵力を減らして開豁地に増勢する、砲兵を分散配置する、猛烈な積極的行動に出るといったことにより、敵に判断の憑拠を得させないようにする。また、必要に応じて揚言を流布したり宣伝を行ったりする。これらの処置を行うため、時として軍隊の部署が複雑化し、労力が増大することになるが、面倒くさがってはいけない。参考：作戦要務令

＜次期輸送機（量産機形態）全機疲労強度試験供試体＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜自強シリーズ＞：台湾空軍ジェット高等練習機Tzu-Chung。参考：世界軍用機年鑑1990-91、THE MILITARY BALANCE 2016

＜自強＞：AT-3。初の台湾国産ジェット機で、T-33/T-38の後継としてAIDCがノースロップ社の協力で1975年7月から開発、1980年9月16日に試作機XAT-3が初飛行し、量産初号機は1984年2月6日に初飛行、650機が生産された。胴体両側にナセル方式でエンジンが付いており、そこから主翼が出ている。主翼は低翼で、25%翼弦後退角は７度20分。コクピットはタンデム複座で、スルーキャノピー方式のゼロゼロ射出座席を装備しており、後席が0.3m高くなっている。前脚は２段伸長式で、最大限に延ばすと地上滑走時の迎え角を３度30分増やすことが可能であり、離陸距離の短縮に成功した。全長12.90m（機首プローブ含む）、全幅10.46m、全高4.36m、自重3.855トン、クリーン離陸重量5.216トン、最大離陸重量7.938トン。エンジンはギャレット・エアリサーチTFE731-2-2Lターボファン（推力1.885トン）２基で、最大巡航速度マッハ0.83、最大速度マッハ0.85、最大制限マッハ数1.05、実用上昇限度14625m、最大航続距離1230海里。乗員２名。最大2.721トンの兵装（爆弾やロケット弾ポッド）を搭載して対地攻撃を行うこともでき、サイドワインダー２発の装備も可能である。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊丸3,’90、12,’92、世界の軍用機1982、月刊航空ファン10,’14

　＜ＡＴ−３Ｂ＞：機首にAN/APG-66Tレーダーを搭載し、胴体下面に１カ所、主翼下面に２カ所ずつのハードポイントを設けたタイプ。参考：月刊JWings11,’14

＜自強ファミリー＞

　＜自強（雷虎小組使用機）＞：台湾空軍アクロバットチーム雷虎小組が使用しているもので、スモーク供給装置を追加した。塗装は空軍士官学校戦闘機訓練航空群のものと概ね同じで、垂直尾翼に金色で雷虎と文字が入っている。参考：月刊航空ファン11,’17

　＜雷鳴＞：試作単座攻撃機XA-3。機首下面右に30mm機関砲を装備する。乗員１名。２機が製作された。参考：月刊航空ファン6,’16

＜指揮用秘匿電話モデム＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜時局パン＞：代用食の１つ。小麦粉に加えてライ麦粉、大豆粉、玉蜀黍粉、ジャガイモ、高粱、蕎麦粉のうち１種を混ぜ込んで作ったパンである。参考：写真で見る日本陸軍兵営の食事

＜至近距離射撃＞：通常よりも短い距離（50m以内程度）での射撃のこと。CQBなどがこれにあたる。参考：JGround　Vol.19

＜紫金山＞：929（揚陸艦）を参照。

＜シギント＞：SIGINT（信号情報）を参照。

＜自緊砲身＞：自己緊搾砲身の略。砲身内腔を小さめに作り、内側から数千気圧の圧力をかけて予定の口径まで押し広げて完成させた砲身のことで、元の内径に戻ろうとして常に内側に向けて圧縮力が働くため、発射時の火薬圧力にも耐えられる強固な砲身となる。参考：大砲入門

＜ジク３＞：ポーランドのAMZ-クツノ社が開発したパトロール車両。車体は全溶接製で、兵員８名を搭載できる。自衛用に7.62mmPKT機銃を装備し、902A発煙弾発射機２門を搭載する。指揮車型ではVHF無線機を改良し、自衛武装をNSV重機関銃に変更してある。車両間の交信はGPS受信機内蔵のモジュラー式デジタルインターコム、フォネットで行う。イラク軍が2005年から2008年にかけて600両を調達する予定。参考：月刊PANZER9,’05

＜シクヴァル＞：ソ連が開発した超高速水中対艦／対潜ミサイル、VA-111 Shkval（スコール）。アメリカ原潜を撃沈するため1963年にM-4として設計が始まり、1966年5月に613RV型に搭載してテストを開始、1972年に改良型のM-5の試験が開始され、1977年11月29日に制式化された。発射管から射出されると後部安定翼４枚が引き出され、メインロケット噴出口周囲にある８本のアクセラレータにより50ノットに加速し、弾頭部からキャビテーションを発生させる。これを弾頭先端部に３段で取り付けてある傘上金具から気体を噴出させることにより増幅し、魚雷全体を包み込むスーパー・キャビテーションを発生させて弾体後部中央からロケットを噴射、最大雷速194ノットを出す。一応ソナーは備えているが、キャビテーション発生後は使えなくなるため無誘導に等しく、20ノットで航走する目標を6000m先から狙った場合、最大雷速で突き進んでも目標が600mも移動してしまうため、後に発射母艦からの有線誘導式（推力偏向で針路転換する）に変更された。左右20度以内の進路変更が可能。胴体側面に折り畳み式のアーム（安定翼）が４本付いており、水中に張り出して方向転換するとも、尾部を安定させてテール・スラップ現象を防ぐためともいわれている。全長8.2m、直径534.4mm、重量2.7トン、炸薬重量0.21トン。最大雷速194ノット（秒速100m）、航走距離7km（10km？15km？）。運用可能深度400m。信管は着発式。1977年からマイク級、アクラ級、シエラ級攻撃型原潜に核弾頭付きのものが配備されていたらしい。671RTMヴィクター�V級には建造時から搭載された。水上艦でも運用でき、その際は発射後海面に落下するまでにアクセラレータで50ノットに加速、海中に潜ってからメインロケットを作動させる。西側が存在を認識したのは1990年代である。通常弾頭の輸出バージョン（VA-111E）はフランス、イラン、中国に輸出されていたといわれる。また、ソ連崩壊時に資料を持ち出そうとした中国とアメリカの情報将校がロシア軍事防諜局に逮捕された。高速なので回避は困難、水中を40ノットで高速航行する原潜にも追いつけるといわれるが、射程が短すぎて実用性に乏しい。対魚雷用魚雷としては使えるかもしれないし、運が良ければ有線／方位線誘導中で魚雷の延長線上にいる敵潜水艦にぶつかるかもしれない。参考：月刊軍事研究11,’09、11,’11、9,’01、6,’08、月刊PANZER6,’06、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊、9,’10、11,’16、11,’17、月刊丸2,’12

＜シクヴァル海外シリーズ＞

　＜フート＞：イラン海軍装備型で、クジラの意。2006年4月2日に保有を発表した。イランは独自開発を主張しているが、キルギスタンのTNKドスタム・ジョイント・ストック・カンパニー（更に中国を経たという説もある）経由でシクヴァルを入手し、これを元に開発したとされる。参考：月刊軍事研究6,’08、月刊PANZER6,’06

＜シクヴァル級＞：プロジェクト23560（駆逐艦）を参照。

＜竺可�驕пF872（海洋観測艦）を参照。

＜軸距＞：ホイール・ベースを参照。

＜シグ・ザウエル＞：SIG Sauerを参照。

＜シグ・サワー＞：SIG Sauerを参照。

＜軸出力＞：軸馬力を参照。

＜シグスビー＞：DD-502（駆逐艦）を参照。

＜シグナール社＞：Hollandse Signaal Apparaten社。後にタレス社に吸収されてタレス・ネーデルランド社になった。参考：月刊軍事研究8,’11、月刊世界の艦船3,’22

＜軸内機関砲＞：モーターカノンを参照。

＜シグナス＞：A330-200MRTT空中給油輸送機（韓国空軍）を参照。

＜シグナルアナライザ＞：自衛隊の機器。アンリツまたはローデ・シュワルツ・ジャパンまたはキーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究12,’12、7,’15、11,’16

＜シグナルアナライザ（８７式自走高射機関砲用計器校正セット）＞：自衛隊の機器。キーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜シグナル・ゼネレータ４型＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜シグナル・ゼネレータ９型＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜シグナルゼネレータ１０型＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜シグナルゼネレータ１１型＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜シグナルゼネレータ１２型＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパンまたはキーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究12,’15、2,’17

＜シグナルゼネレータ１３型＞：自衛隊の機器。キーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜シグナルゼネレータ１４型＞：自衛隊の機器。キーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜シグナルゼネレータ１５型＞：自衛隊の機器。キーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜シグナル・ソース・アナライザ＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜シグナル・ピストル＞：信号拳銃を参照。

＜シグナル・ピン＞：インジケーター・ピンを参照。

＜シグナル・ミラー＞：サバイバル用個人装備で、捜索航空機に対して太陽光を反射し、位置を知らせる。中央に孔が空いており、捜索航空機を見通せるようになっている。ミラーの背部には自分の顔が写るが、その顔に光点が見えた場合には航空機の方に反射光が向いていないので、光点をミラー中心の孔の中に入れて見えなくなるようにする。晴天なら15km先に反射光が届く。光沢のある金属片の中央に十字の穴を開ければ代用品になる。参考：米海軍サバイバルマニュアル、ミリタリー・イラストレイテッド17

＜シグネット＞：P261（哨戒艇）またはU38（スループ）を参照。

＜軸馬力＞：Shaft horse power（shp）。回転軸から取り出される出力を馬力で表したもので、軸出力、正味出力、制動出力、有効出力（Effective power）ともいう。タービンやピストンで取り出された出力（指示馬力）のうち、摩擦や補機動力といった損失動力を差し引いた分で、実際に出力軸を回転させるのに使用される仕事を馬力換算したものである。動力計を繋いで測定する。指示馬力と軸馬力の比は機械効率と称し、レシプロエンジンはだいたい0.9くらいなので、指示馬力に0.9を掛けると概算できる。タービンエンジンの場合は、推進軸のトルクと回転数から計算する。参考：月刊丸11,’09、月刊JWings10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版

＜シグマ＞：イギリスのMSIディフェンスシステムズ社が開発した遠隔操作式艦載ガン・ミサイル・ターレットSIGMA（Stabilised Integrated Gun Missile Array）。遠隔操作式機関砲シーホークの機関砲マウント右側に７連装近距離対空ミサイル発射機を組み合わせたもので、LMMミサイルやミストラルを搭載できる。機関砲口径は25mmもしくは30mm（有効射程5100m、発射速度毎分200発）。参考：月刊軍事研究12,’09、2,’12

＜シグマ＞：ロシア海軍艦載戦闘システムSigma。マルス社が開発した。艦運用制御、戦闘管制、情報相互伝達のサブシステムで構成され、イーサネット10/100/1000及びRS-485艦内LANを使用する。センサーや兵装とのインターフェースにはイーサネット、MIL STD-1553B、RS-232、RS-422、RS-485を使う。参考：月刊世界の艦船8,’13

＜シグマＥ＞：ロシア海軍艦載戦闘システムSigma-E。戦術状況データ処理、対空戦・対潜戦指揮管制、航空管制能力を持つ。20380型ステレグシュチイ級コルベット、21630型ブヤン級哨戒艇に搭載された。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜シグマ型＞：オランダのダメン・シェルデ造船所が開発したコルベットで、Ship Integrated Geometrical Modularity Approachの略。モジュール構造をしており、要求に合わせて全長を52-105m（150m？）、全幅を9-14m、排水量を520-2370トンまで変更することができ、数字の最初の2-3桁が全長、下２桁が幅を示す。インドネシア（シグマ10514型、ディポネゴロ級）、メキシコ（シグマ10514型）、モロッコ（スルタン・ムーライ・イスマイル級、タリク・ベン・ジヤード級）が採用した。ベトナムが４隻、オマーンが４隻の導入を検討中。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船1,’12、11,’17、10,’17

　＜シグマ型（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍コルベットで、マルタディナタ（Martadinata）級ともいう。シグマ10514型を導入したもので、主任務は沿岸警備などである。船型はステルス性を考慮し、上構を船体幅一杯に広げ、前甲板にブルワークを装着、マストはタワー型とした。マスト頂部にSMART-S Mk2レーダー、上構後部にヘリ格納庫を持つ。艦橋後方の煙突は左右２本である。76mm砲・VL-MICA用方位盤はタレス・ネーデルランド社製STIR1.2EO Mk2。ソナーはUMS4132ハルソナー。全長105.1m、幅14m、吃水3.7m、満載排水量2365トン。主機はCODAD（CODOE？）方式、ディーゼル４基２軸36960馬力、最大速力30ノット、航続距離は18ノットで4000海里。兵装はエグゾセMM40対艦ミサイル４連装発射筒２基（艦橋と煙突の間。前が右舷向き、後ろが左舷向き）、VL-MICA用６セルVLSシルヴェールA35を２基（艦橋直前の前甲板）、76mm単装砲スーパーラピッド１門（前甲板。１番艦は非ステルス砲塔、２番艦はステルス砲塔）、35mm単装機関砲ミレニアム１門（艦橋前面）、324mm短魚雷３連装発射管２基。ヘリ１機を搭載できる。乗員100名で、予備ベッド20名分が用意されている。モジュールをオランダで建造してインドネシアで組み立て・艤装する方式で、２隻が2014年に起工され、１番艦艦番号331ラディン・エディ・マルタディナタは2017年4月、２番艦艦番号332グスティ・ングラ・ライは2018年に就役した。計６隻を建造する。1-2番艦の就役時の兵装は76mm砲のみで、機関砲やミサイルなどは後日搭載する。参考：月刊世界の艦船6,'20、3,’16、8,’13、10,’17、5,’20、2,’21、4,’22

　＜シグマ型（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍コルベット調達計画向け、社内名称シグマ10514HN型。全長107.5m、幅14m、排水量3000トン。主機はCODOE方式、最大速力27ノット、航続距離5000海里（15ノット）。兵装はオットー・メララ社製76mm単装砲スーパーラピッド、VL MICA NG艦対空ミサイル用VLS16セル、RIM-116RAM艦対空ミサイル21連装発射機、エグゾセMM40ブロック3C艦対艦ミサイル８発、短魚雷３連装発射管２基、遠隔操作式30mm機関砲１門、12.7mm機銃M2。参考：月刊世界の艦船3,’22

　＜シグマ型（メキシコ海軍）＞：メキシコ海軍哨戒艦。計画名は長距離哨戒艦POLA（Patrulla Oceánica de Largo Alcance）で、シグマ10514型を導入したものである。船型は船首楼型で、ステルス性を考慮して船体と上構の幅を同一にし、ナックルラインより上の舷側を船体とは逆傾斜にしてある。マストはタワー型。上構後端はヘリ格納庫で、ヘリ１機を搭載できる。後甲板はヘリ甲板。艦尾中央に大型ドアがあり、タレス社製CAPTAS-2VDSを繰り出す。全長107.5m、満載排水量2850トン。主機はディーゼル、速力27ノット。兵装はボフォース社製57mm単装砲Mk3が１門（前甲板）、ハープーン４連装発射筒２基、RAM艦対空ミサイル21連装発射機１基（ヘリ格納庫上）、25mm単装機関砲Mk38Mod3（上構前面フラット）。乗員122名。１番艦の艦番号101レフォルマドールは2017年8月17日に起工した。参考：月刊世界の艦船4,'20、3,’20、11,’17

　＜スルタン・ムーライ・イスマイル級（モロッコ海軍）＞：スルタン・ムーライ・イスマイル級を参照。

　＜タリク・ベン・ジヤード級（モロッコ海軍）＞：タリク・ベン・ジヤード級を参照。

　＜ディポネゴロ級＞：ディポネゴロ級を参照。

＜シクラ＞：ベトナム海軍UAV。ベトナムのヴィッテルが開発した。垂直離着陸用の電動モーター駆動ローター８基と推進用の２サイクルエンジン駆動プッシャー・プロペラ２基を持ち、見通し線内での運用が可能。電子光学／赤外線センサーやレーザー測距器などを搭載できる。全長2.5m、翼スパン3.25m、最大離陸重量26kg、ペイロード1.8kg。速度70-100km、航続距離30km、最大飛行時間２時間。2018年から引き渡される予定。参考：月刊JWings2,’19

＜シクラメン＞：K83（コルベット）を参照。

＜軸流式圧縮機＞：圧縮機を参照。

＜軸流タービン＞：蒸気タービンを参照。

＜時雨（初代）＞：日本海軍神風型駆逐艦10番艦。明治39年7月11日竣工。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正13年12月1日に除籍され、大正15年5月5日に売却された。参考：日本駆逐艦史

＜時雨（２代目）＞：日本海軍白露型駆逐艦２番艦Shigure。昭和11年9月7日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には第27駆逐隊に所属していた。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、第27駆逐隊所属で珊瑚海海戦に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月11日、柱島を出撃。8月17日、トラックに到着。8月21日、トラックを出撃してガダルカナルに向かった。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。11月13日、第３次ソロモン海戦に参加。昭和18年8月6日、ベラ湾夜戦に参加。8月17-18日、ベラ・ラベラ沖海戦に参加。10月6日、ベラ・ラベラ島沖夜戦に参加。11月2日、ブーゲンビル島沖海戦に参加。12月24日、豊後水道出口で大型漁船と衝突した。昭和19年2月17日、トラック空襲で損傷した。6月8日、渾作戦に参加。マノクワリ付近で水上部隊と交戦して損傷した。10月22日、比島沖海戦に参加。11月7日、海防艦千振、海防艦13号と共にマニラ湾でSS-215グラウラーを撃沈した。昭和20年1月24日、マレー半島東方沖でSS-322ブラックフィンの雷撃を受けて沈没し、3月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜シクロ１，３，５トリメチレン２，４，６トリニトラミン＞：RDXを参照。

＜シクローヌ＞：フランス海軍ブーラスク級駆逐艦Cyclone。1927年竣工。1940年、ダンケルク撤退作戦でドイツ魚雷艇S-24の雷撃を受けて艦首を喪失した。1940年に自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、写真集ドイツの巡洋艦

＜シクローヌ（２代目）＞：ランスクネー（駆逐艦）を参照。

＜シクロテトラメチレンテトラニトラミン＞：HMX（爆薬）を参照。

＜シクロトール�T＞：混合爆薬の一種で、RDX75%、TNT25%からなる。参考：月刊軍事研究7,’10

＜シクロトリメチレントリニトラミン＞：RDX（爆薬）を参照。

＜シクロナイト＞：RDX（爆薬）を参照。

＜シ・クンバン＞：NU-200（試作COIN機）を参照。

＜シケ＞：九八式四頓牽引車を参照。

＜シゲール４００＞：チリ軍の機雷で、イタリアのマンタを元にして開発されたらしい。ヘリコプターからの敷設が可能である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜シゲトヴァール＞：オーストリア＝ハンガリー帝国ツェンタ級防護巡洋艦Szigetvar。1901年9月30日竣工。1918年、水雷学校宿泊艦兼標的艦となった。11月、第１次大戦終戦でイギリスに引き渡され、1920年にイタリアで解体された。参考：月刊世界の艦船8,’13

＜重松康弘＞：日本海軍エース。大正5年、東京生まれ。昭和13年9月、海軍兵学校を卒業し、昭和16年4月に飛行学生を修了、9月に飛龍に配置された。昭和17年1月、分隊長となった。ミッドウェイ海戦後は隼鷹の分隊長となり、10月26日、南太平洋海戦に参加。昭和18年春、い号作戦に参加。その後横須賀航空隊に転属となり、10月、第263航空隊飛行隊長となった。昭和19年2月、マリアナに進出。7月8日、ヤップ島上空で戦死した。総撃墜機数10機以上。戦死後に２階級特進で中佐となった。参考：日本海軍戦闘機隊

＜シケン＞：スウェーデン海軍アヴォレン級（２代目）潜水艦３番艦。元はU1級潜水艦U6である。1974年7月1日退役。参考：月刊軍事研究2,’03、1,’03

＜試験９７０＞：中国海軍試験970級試験艦１番艦の艦番号で、シーイェン970と読む。正式な艦名は不明。1997年8月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜試験９７０級＞：中国海軍の試験艦で、正式なクラス名称は不明。ミサイル、砲、レーダーの試験を行う。後部にヘリ甲板があるが、格納庫は無い。全長132m、全幅17.7m、吃水7m、満載排水量6000トン。主機はディーゼル２軸、速力20ノット。乗員80名。艦番号試験970が就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜試験火管＞：自衛隊の火工品。中国化薬製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜試験艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。自衛艦−大分類・補助艦−中分類・補助艦艇の下の種別として、1979年7月1日に定められた。艦種記号はASE、艦番号は6101以降。研究開発中の装備品を搭載して洋上試験を行うのが主任務である。1980年4月、くりはま型試験艦１隻が就役。1995年3月、あすか型試験艦１隻が就役。参考：月刊世界の艦船1,’18、11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜試験艦用情報処理模擬装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜時限信管付き榴弾＞：空中炸裂させて対人・対装甲トップアタックを行うための砲弾。最適破裂高は150mm級で20m、105mm級で10m、75mm級で10mくらい。くらい、というのは信管の誤差が大きいので（155mm砲の最大装薬では60mに達する）、各国とも真面目に決めていないためである。過高破裂弾は効果が無いが、地面に達した場合は着発信管で炸裂するので、ある程度の効果は期待できる。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜試験長＞：海上自衛隊の役職で、試験艦に配置される。試験艦は１隻なので、試験長も海自全体で１名しかいない。艦長の命により、試験艦で行う試験業務の連絡調整に関する事務を司り、技本などが計画した試験計画案を艦内で調整して実現できるようにしたり、試験計画が計画通りに進むよう艦内調整を行ったりするのが主任務である。参考：朝雲

＜試験統制管理装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜試験飛行操縦士＞：テストパイロット（空自）を参照。

＜試験飛行操縦士課程＞：航空自衛隊のテストパイロット養成コースで、TPC（Test Pilot Course）と略す。各種航空機（主に固定翼ジェット機）により、テストパイロットとして必要な専門的かつ高度な知識技能を習得させ、航空機の新規開発計画などに参画できる能力を付与するのが主目的であり、飛行開発実験団飛行実験群飛行隊で教育が行われる。理系大卒者なら部隊経験５年以上・飛行時間1000時間以上、それ以外は部隊経験７年以上・飛行時間1500時間以上で、部隊から推薦を受けた者が年間4-6名入校し、10ヶ月間（5月中旬から翌3月中旬）に亘り三自衛隊の全機種に関する教育（大半は実際に操縦もする）を受け、標準ピトー管付T-4練習機を新型機（試験機XT-4）に見立てて模擬試験評価を行う。単に航空機を性能一杯まで操縦するだけでなく、性能に関する運用側と技術側の意見を仲介し、第三者にも分かり易い評価を行うことが要求されるため、航空自衛隊の操縦関連教育で最難関といわれる。卒業後は飛行開発実験団でテストパイロットとしての任務に就く。C-1輸送機、T-2練習機、F-1支援戦闘機などを開発していた当時に大量のテストパイロット養成が課題となり、1968年8月から1969年4月に小田康夫一等空尉を、1969年2-9月に吉田圭助一等空尉をアメリカ空軍テストパイロットスクールに留学させ、両名帰国直後の1969年10月1日に実験航空隊で第１期課程を開始した。伝統あるアメリカ空軍テストパイロットスクールで９ヶ月かかる訓練を、出来たばかりの課程で年度内（６ヶ月間）に終わらせるという無茶なスケジュールだったが、1970年3月31日にC-1輸送機要員２名とF-4技術審査要員２名が無事に課程を修了している。2010年3月19日、岐阜基地で創設40周年記念行事が行われた。2019年5月19日、第73期学生５名（戦闘機４名、輸送機１名）への教育を開始。T-4にエンジン改修が必要となったため、F-4EJ戦闘機を使い、全員が最終学科試験と最終操縦検定に合格して2020年3月19日に卒業式が行われた。２名がＡフライト（F-15戦闘機及び将来戦闘機）、２名がＢフライト（F-2戦闘機）、１名がＣフライト（C-2輸送機）に配属されている。参考：朝雲、月刊航空ファン2,’16、月刊軍事研究8,'15、月刊JWings8,’18、5,’20、6,’20

＜試験評価装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜試験用１２．７ｍｍＭ２徹甲弾＞：自衛隊の弾薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究9,’14

＜試験用１２．７ｍｍ普通弾＞：自衛隊の弾薬。JALUXが受注している。参考：月刊軍事研究8,’14

＜試験用機関銃（その１）＞：自衛隊の機器。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究8,’17

＜試験用器材（潜水艦酸素供給装置の性能試験用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜試験用磁探信号処理装置＞：自衛隊の機器。島津製作所製。参考：月刊軍事研究7,’13

＜試験用車両（ＳＵＶ）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜試験用対物狙撃銃（その２）＞：自衛隊の小火器。JALUX製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜試験用弾薬（閉所射撃用対戦車榴弾）＞：自衛隊の弾薬。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究10,’14

＜試験用てき弾発射装置＞：自衛隊の機器。JALUX製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜試験用防弾板（その１）＞：自衛隊の機器。東洋物産が受注している。参考：月刊軍事研究11,'15

＜試験用防弾板（その２）＞：自衛隊の機器。東洋物産が受注している。参考：月刊軍事研究11,'15

＜試験用ロケットモータ（スレッド滑走用）＞：自衛隊の機器。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜事故＞：自衛隊用語で、勤務や休暇などにより、点呼時に隊列に加わっていない隊員のこと。参考：MAMOR vol.164

＜自己位置標定器受信ユニット＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省または富士重工に発注している。参考：月刊軍事研究4,’13、1,’17

＜自己位置測定・航法装置＞：POS/NAVを参照。

＜資江＞：612（哨戒艇）を参照。

＜自貢＞：558（フリゲート）を参照。

＜死光Ａ＞：中国軍が開発したらしい自由電子レーザー砲。出力は3000km先で１平方センチメートルあたり35キロジュールあり、この距離でミサイルを破壊できる他、30000km先での衛星無力化能力や殺傷力を持つ。重量10トン。対衛星兵器として配備されているらしい。弾道ミサイル防衛、地上施設攻撃、潜航原潜の攻撃にも使用予定。重量の関係で現時点では陸上と海上にしか置けないらしいが、10トンなら大型輸送機には余裕で積めると思うので、コクピットから見える範囲全ての地上物を焼き尽くせるレーザー攻撃機が作れる。宇宙空間で組み立てて軌道上に投入すれば、ゲーム「ギアーズ・オブ・ウォー」に出てくる「ドーンハンマー」ごっこが可能。脆弱なプラットフォームに積むのが億劫なら、陸上に置いて地面に向かって撃てば地球を貫通してホワイトハウスやクレムリンを燃やせる。ただ流動性のあるマグマが穴を塞いでくるので実際には難しいと思うが、在韓米軍基地あたりなら岩盤越しで撃ち抜けると思うので、まあガンバってください（岩盤だけに）。参考：月刊軍事研究8,’17

＜自講員＞：自動車運転講習員を参照。

＜自行火砲＞：自走砲を参照。

＜自航式音響・磁器機雷掃海具＞：SAMを参照。

＜嗜好食＞：日本海軍の特殊糧食で、昭和6年3月の海軍糧食表改訂で制定された。平日に限り、兵食10食あたり１食分の食費を使用し、嗜好糧食品と呼ばれる好みの食材を購入して食事に追加するものである。刑務所食と、拘留・護送中の兵員に対する食事は対象外。参考：写真で見る海軍糧食史

＜指向信号灯＞：ライトガンを参照。

＜指向性エネルギー機動短距離防空システム＞：DE M-SHORAD（レーザー砲）を参照。

＜指向性散弾＞：陸上自衛隊が航空基地防御用として導入した指向性地雷で、アメリカのクレイモアに似ているが、スウェーデン製FFV013である。地雷と呼ばないのは対人地雷禁止条約対策。1986年に参考購入して1987年から実射テストを行い、採用した。三脚上に設置され、作動すると多数の金属球を前方に飛ばす。金属球は前方150mで幅100m・高さ4mに広がり、その範囲内にする兵員を殺傷する。距離が近ければ軽装甲目標やヘリコプターも撃破できる。ただし地面上に露出しているため、見つかりやすく、攻撃準備射撃を喰らうと誘爆してしまう。本体幅420mm、高さ250mm、重量24kg。対人地雷禁止条約発効で水際防御などにも使用することになり、監視装置、指令装置、制御装置、設置用器材、遠隔発火器、指向性散弾からなる対人障害システムを2002年に開発、遠隔操作できるようになった。参考：月刊JWings12,’05、スピアヘッドNo.7、月刊PANZER11,’86

＜指向性赤外線対抗システム＞：AN/AAQ-24(V)シリーズを参照。

＜視号通信（日本陸軍）＞：通信器材と通信所の適切な選定、暗号の使用などにより、通信の秘匿に勉める。参考：作戦要務令

＜字号布板＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜シゴーニー＞：DD-643（駆逐艦）を参照。

＜自己緊搾砲身＞：自緊砲身を参照。

＜自己鍛造弾＞：SFFを参照。

＜シコルスキー＞：F4U（艦上戦闘機）を参照。

＜シコルスキー＞：イゴール・イワノビッチ・シコルスキー。1889年、ウクライナのキエフ生まれ。幼少期にジュール・ベルヌの小説である征服者ロビュールを読み、それに出てくる垂直離着陸機に強く惹かれ、12歳の時にはゴム動力の模型ヘリコプターを製作した。1908年のライト兄弟による人類初の動力飛行を受けてパリの航空機研究所ETACAに入り、1909年にブレリオ航空機のエンジンを購入してロシアに帰国、螺旋推進器を持つヘリコプターを試作したが、上手く飛ばなかった。その後は固定翼機の設計に移り、国営バルト飛行機設計部に所属して世界初の４発機であるルースキー・ヴィチャージ旅客機を開発。ロシア軍には爆撃機型のイリヤ・ムロウメツの他、S-16戦闘機、S-22などが採用されたが、1917年のロシア革命で支援者が処刑されてしまい、身の危険を感じて1919年にフランスに逃れ、同年にアメリカに亡命した。1923年（1925年？）にシコルスキー社を設立。暫くは飛行艇を設計していたが、1931年にシングルローターヘリの特許を取り、1939年にオートジャイロの研究を開始、9月14日に世界初のヘリコプターVS300を初飛行させた。その後は各種ヘリコプターの開発にあたり、1957年に引退、1972年10月26日に死去した。コネチカット州ストラットフォード工場本館２階の執務室が死去前日まで執務していた状態で保存されている。参考：月刊JWings11,’17、12,’12、6,’17、月刊軍事研究2,’07、ウォーマシン・レポートNo.67

＜シコルスキー７６Ｄ型＞：S-76ヘリ海外シリーズを参照。

＜シコルスキー７６型＞：S-76ヘリ海外シリーズを参照。

＜シコルスキー式Ｓ７６Ｃ型＞：S-76ヘリ海外シリーズを参照。

＜シコルスキー式Ｓ７６Ｄ型＞：S-76ヘリ海外シリーズを参照。

＜シコルスキー社＞：Sikorsky。1923年（1925年？）、イゴール・シコルスキーがシコルスキー・エアロ・エンジニアリング社の名称で創設したのが始まりである。1927年、S-34試作双発飛行艇を製作。1929年、シコルスキー・アビエーション・カンパニーに社名変更してユナイテッド・エアクラフト・アンド・トランスポート社の傘下となった。1934年、親会社の分割に伴い、ユナイテッド・エアクラフト社シコルスキー事業部となった。S-42クリッパー飛行艇を開発。1935年、S-43ベイビー・クリッパー飛行艇を開発。1937年、VS-44飛行艇を開発。1938年、S-45飛行艇を開発。しかし資金繰りが悪化し、ヴォート事業部と合併してヴォート・シコルスキー事業部になった。1939年にVS300ヘリを初飛行させると1941年にR-4ヘリを開発して成功し、1942年にヴォート事業部を分離してシコルスキー事業部になった。第２次大戦中はF4U艦上戦闘機の生産にも加わっている。1946年、S-51ヘリを開発。1947年、H-18ヘリを開発。1949年、S-55ヘリを開発。1953年、H-37ヘリを開発。1959年、SH-3ヘリを開発。1962年、CH-54ヘリを開発。1964年、CH-53ヘリを開発。1974年、UH-60ヘリを開発。1975年、親会社の名称変更に伴い、ユナイテッド・テクノロジーズの傘下となった。2004年、親会社がシュワイザー・エアクロフト社を取得し、同社が子会社になった。2009年、シュワイザーなどの傘下企業を統合してシコルスキー・グローバル・ヘリコプターズ（SGH）を設立し、民間市場を強化。2010年、ポーランドのミエレツにある工場を買収してS-70シリーズの組み立て工場とした。2015年11月（12月？）6日、ロッキード・マーチン社に買収され、ユナイテッド・テクノロジーズ傘下からそちらに移った。ミッションシステムズ・アンド・トレーニング部門（後にロータリー・ミッション・システムズ部門）としてシコルスキーの名称は存続している。参考：月刊JWings11,’17、12,’12、5,’13、10,’15、1,'16、6,’19、月刊航空ファン10,’15、月刊軍事研究2,’16、世界航空機年鑑2018-2019

＜事故をつける＞：日本陸軍用語で、事故を起こすこと。民間人とケンカをしてくることもこう言う。参考：帝国陸海軍事典

＜シザー式戦車橋＞：戦車橋の一種で、橋梁を２つ折りにして搭載し、それを垂直に立ててから両側に開いていく方式。鋏を開くように橋梁を展開するので、この名がある。橋梁を立てた時に相当目立つ。参考：月刊PANZER12,’04

＜シザーズ＞：ブレイクを繰り返して減速し、攻撃側をオーバーシュートさせる空中戦機動。２機の軌跡がハサミの動きに似ているので、こう呼ばれる。防御側が優れた旋回能力を持つ場合、特に有効である。両機とも相手の後方に付けなくなる手詰まり状態に陥ることがあるので、その場合はブレイク後に相手と正反対を向くまで旋回を継続、降下して速度を上げた後太陽に向かって急上昇し、自機を見失わせる。参考：図解現代の航空戦、戦闘機のしくみ

＜シザースカーゴ＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バスまたはアルティア製。参考：月刊軍事研究5,’09、8,’10

＜シザーズ式エレベーター＞：エレベーター（空母）を参照。

＜資材運搬車＞：陸上自衛隊の装軌式小型輸送車両。普通科、特科、施設科に配備され、不整地や山間部での短距離資材輸送に使用される。前部がキャビン、その後ろがクレーン、中央から後部が荷台という構成で、後部荷台中央に12.7mm重機関銃M2のピントル・マウントを取り付けることができる。下部転輪は片側６枚で、２枚を１組としてボギーに繋ぎ、ガーダーに固定している。上部転輪１枚を持つ。履帯はゴム製。大型トラックの荷台に載せて運搬可能。全長4.3m、全幅2.15m、全高2.185m、重量５トン。最大速度20km。最大積載量３トン。クレーン揚重能力最大２トン。小回りが効いて使い勝手が良く、大雪や土砂崩れの災害派遣でも活躍している。諸岡またはテクス清水が受注している。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究12,’08、8,’13、スピアヘッドNo.7、No.20

＜資材運搬用軽トラック＞：航空自衛隊の軽トラック。市販車を購入してオリーブドラブに塗っている。全長3.395m、全幅1.475m、全高1.87m、車両重量760kg。エンジン出力34kW。ペイロード350kg。ダイハツまたは三菱またはスズキ製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜資材統制隊＞：航空自衛隊の補給部隊。1956年10月15日、臨時資材統制隊として霞ヶ関で新編され、1957年9月2日に資材統制隊に改編されて目黒基地に移った。1961年7月15日、補給統制処に改編され、檜町に移った。参考：補給本部ホームページ

＜しさか＞：MSC-605（掃海艇）を参照。

＜四阪＞：日本海軍日振型海防艦Shisaka。昭和19年12月15日竣工、呉防備戦隊に編入された。昭和20年1月27日、横須賀防備戦隊に転出した。3月8日から横須賀−八丈島の船団護衛に就いた。6月24日、横須賀−函館の1624船団を護衛中にアメリカ潜水艦を爆雷で損傷させた。終戦時は横須賀にいた。参考：月刊丸7,’14

＜試作ＮＹ海軍戦闘機＞：九〇式艦上戦闘機シリーズを参照。

＜試作軽自走砲（４５ｍｍ砲搭載）＞：T-60軽戦車ファミリーを参照。

＜試作甲砲＞：日本海軍試作51cm砲。マル五計画で51cm砲搭載の第798・第799号艦（通称超大和型）を建造することにしたため、テスト用として昭和15年に２門の試作命令が出された。砲身全長23.56m、口径510mm、口径長45、砲身全重量227トン。徹甲弾頭重量２トン、装薬重量0.48トン（常装薬、８嚢）。亀ヶ首射場に運び込んだところで太平洋戦争が始まり、１発も撃たないまま超大和型共々放棄されている。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜試作水陸両用車（三菱重工）＞：三菱重工が試作している装軌式水陸両用車。2015年6月24日にロイターが開発を報じ、9月25日に防衛政務官のフェイスブックで画像が出た。車体はかなり背の高い（2m台くらい）箱形で、下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前部にあり、上部転輪を持つ。水上速度は37-46kmと記事にあるが、前面が切り立った車体形状を見る限りちょっと無理そうで、増加装甲兼用水切り形状フェアリングなどを追加するのかもしれない。参考：月刊軍事研究5,’16

＜試作中戦車チニ＞：日本陸軍試作中戦車。八九式中戦車の後継として九七式中戦車チハと競争試作されたもので、参謀本部第三課がコンセプトを作り、大阪砲兵工廠が製作を担当した。ベースは九五式軽戦車で、当時の軍事費削減下でも量産できるよう性能を絞っている。車体は十分に避弾経始を取り入れた形状で、装甲板の製作には神戸製鋼所の協力を得た。車体前部右に九一式6.5ミリ車載機銃を装備する。転輪形状と車体長の関係からチハよりも超壕能力に劣るため、尾ソリを装着した。下部転輪はダブルタイプ小転輪片側８組で、２組ずつボギーに取り付けられる。サスペンションはボギー２本を水平コイルスプリング１本で緩衝する方式で、コイルスプリングにはカバーを被せた。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側３枚。砲塔は１名用で、九〇式五糎七戦車砲１門を装備するが、小さくて砲操作には不便だった。車長用ハッチに頭がぶつからないよう、ハッチ部分を上に盛り上げている。全長5.26m、自重9.8トン。最大装甲厚25mm。エンジンは三菱製A6120VDe空冷直列６気筒ディーゼル（120馬力）、最大速度30km。乗員３名（車長兼砲手、操縦手、固定銃手）。日華事変勃発で、経済的な本車よりも性能の良いチハを生産することになり、採用されなかった。参考：日本の戦車と装甲車両、月刊PANZER10,’12、11,’02、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、機甲入門

＜自殺用拳銃＞：九四式拳銃を参照。

＜獅子＞：第341航空隊を参照。

＜シジール＞：ASTROS�U海外シリーズを参照。

＜志自岐＞：志自岐丸を参照。

＜志自岐丸＞：日本海軍志自岐丸型給油艦Shijiki maru。大正5年5月15日竣工。5月17日、運送船に類別された。大正8年8月、タラカンから石油を積んで帰投する途中で暴風雨に遭遇し、１週間に渡り悪天候と格闘した末8月15日に種子島南方で座礁、波浪に破壊されて沈没した。大正9年4月1日、志自岐に改称された。6月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜志自岐丸型＞：日本海軍初の給油艦Shijiki maru型。八八艦隊で使用する燃料の石油を輸送するために建造されたもので、速力12ノットという要目以外はほぼ全て三菱造船に設計を丸投げした。船尾に機関室を置く中型タンカーで、軍港での物資輸送用に３トンデリック３基（前部マスト付け根に２基、後部マスト付け根に１基）を装備する。垂線間長91.44m、最大幅12.8m、吃水6.14m、常備排水量5300トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は艦本式石炭専焼水管缶４基、出力2500馬力、１軸推進、速力12ノット、石炭搭載量345トン。石油搭載量3000トン。兵装は安式40口径8cm単装砲２門だが、ボルネオからの平時石油輸送に投入されたため、実際には装備していないようである。乗員116名。志自岐丸が大正5年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜ししじま＞：MSC-691（掃海艇）を参照。

＜指示対気速度＞：対気速度を参照。

＜指示電気計器試験装置＞：自衛隊の機器。TFF製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜指示馬力＞：レシプロ・エンジンの各気筒の指圧線図から計算される出力を馬力で表したもので、燃料の熱エネルギーがピストンに与えた仕事のことである。参考：月刊丸11,’09、航空用語事典増補改訂版

＜四至本広之丞＞：ししもとひろのじょう。日本陸軍エース。大正9年、大阪府生まれ。昭和16年3月、陸軍航空士官学校を卒業し、明野で戦技教育を受け、11月末に飛行第11戦隊所属となり、12月24日からマレー作戦に参加した。昭和17年5月、ビルマ上空で初陣を飾った。12月、ラバウルに展開し、12月31日にP-38戦闘機を撃墜して初戦果を挙げた。昭和18年6月、本土に帰還。11月、中南支戦線に移動。昭和19年2月12日、遂川進攻において編隊共同で４機を撃墜。本土に帰還して四式戦闘機に機種改変し、10月上旬から台湾に進出。10月12日、艦爆１機を撃墜。11月１日、本土に帰還。12月17日、フィリピンのポーラック基地に進出。昭和20年1月末、台湾に後退。2月末、本土に帰還。4月、飛行第１戦隊長となった。終戦時は高萩基地で防空にあたっていた。総撃墜数11機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜磁石発電機＞：マグネトーを参照。

＜磁石方位盤＞：磁針と倍率4-5倍の単眼式望遠鏡を組み合わせたもので、地磁気上の南北に対して敵が何度に位置するかを測定する機械である。参考：日本陸軍兵器資料集

＜自重＞：Empty weight。航空機自体の重量、略称We（Weight Empty）。生産ラインから出て燃料を入れ、また抜き取った後の重量で、塗料、固定武装、使用不能・抜き取り不能燃料、油圧系機械油、冷却液、潤滑油、トイレ用化学洗浄剤、空虚重量に規定された可動装備（航法用具、カメラ、緊急用酸素瓶と酸素、照明弾、非常装備、救命衣、救命筏）、固定バラストなどを含む。弾薬、弾架、取り付け式パイロン、ロケットパックなどは除外する。空虚重量や基本重量とほぼ同意語だが、細かく見ると軍用機、輸送機、旅客機など機種によって自重に含む装備類が微妙に違ったりするので注意。航空機は引力に逆らって空中を飛行するため、宇宙船に次いで軽量化を至上命題としており、自重が1kg増えるとフライト当たりプロペラ機で数万円、ジェット機で数十万円のロスが出るといわれ、自重を1kg減らす努力を行うと設計者の体重も1kg減るといわれる。参考：月刊JWings10,’02、9,’10、航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019

＜侍従武官＞：天皇に対して軍事に関する上奏を行い、奉答及び命令の伝達などを行う他、観兵式、演習、謁見、儀典などに参加する。参考：月刊軍事研究8,’07

＜侍従武官長＞：陸海軍大将・中将が充てられた。参考：月刊軍事研究8,’07

＜侍従武官府＞：侍従武官長と侍従武官の総称。参考：月刊軍事研究8,’07

＜自主防衛五原則＞：日本の国防方針。1970年3月に中曽根康弘防衛庁長官が発表した。憲法を遵守し国土防衛に徹する、外交と一体となり諸国間調和を図る、文民統制を全うする、非核三原則維持、日米安保体制での補完の５つである。参考：月刊軍事研究1,’15

＜シシュマール＞：S-44（潜水艦）を参照。

＜シシュマール級＞：209/1500型（潜水艦）を参照。

＜時鐘＞：真鍮製の小さな鐘で、軍艦のシンボル。除籍になると外される。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船8,’11増刊

　＜時鐘（海上自衛隊）＞：停泊中に舷門付近でカンカン、カンカンというリズムで鳴らす。0800が８点鐘（８回鳴らす）で、0830が１点鐘、30分ごとに１つずつ増え、1200に８点鐘になったら1230にまた１点鐘に戻る。1800は４点鐘だが、次の1830は１点鐘、1900は２点鐘、1930は３点鐘となる。これは1797年にイギリス海軍のある軍艦の水兵が1830の５点鐘を合図に反乱を起こそうと企てたため、艦長が欺瞞のために1830に１点鐘から打ち直したという故事にちなむ。その後の2000には８点鐘に戻る。ただし夜間は鳴らさない。現在は腕時計があり、要員も足りないのでほぼ使われていない。しかし艦の象徴であるので、ぴかぴかに磨き上げられている。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、海軍よもやま物語

　＜時鐘（日本海軍）＞：真鍮製で、茶褐色をしており、最大径30cmくらい。水上艦では舷梯近くに設置されており、潜水艦では後部上甲板に吊される。時鐘番兵は標準時計と腕時計を見つつ、時間になると副直将校に打ちますと報告、副直将校が打てと命じると時鐘番兵が中央の紐を引っ張り、カンカン、カンカンというリズムで鳴らす。1200が８点鐘（８回鳴らす）で、1230に１点鐘に戻り、以降30分ごとに１回ずつ増えていく。1600に８点鐘になって1630に１点鐘に戻り、1800に４点鐘になるが、1830は１点鐘である。これはトラファルガー海戦の時に時鐘番兵が1830の時鐘を１回鳴らしたところで被弾戦死したという故事にちなむ。1900は６点鐘に戻り、昼夜を問わず鳴らし続ける。参考：海軍よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語

＜シシリー＞：CVE-118（護衛空母）を参照。

＜支持輪＞：上部転輪を参照。

＜シシル・Ｇ・フォスター＞：フォスター（エース）を参照。

＜刺針飛弾車＞：HMMWV輸送車・海外ファミリーを参照。

＜地震爆弾＞：グランドスラムまたはトールボーイを参照。

＜シスＨＭＶ＞：フィンランドのシス・ディフェンス社が開発した軍用装甲トラック。４×４、６×６、８×８、10×10のバリエーションが存在する。キャブは装甲鋼板の全溶接製で、STANAG4569レベル１の防御能力（ライフル通常弾抗堪）を持ち、増加装甲を追加すればレベル2-3への強化が可能。エンジンブロックやキャビンはレベル3a-3b相当の防御力を持っており、ラジエターはキャビンの後ろに配置して被弾を避けている。加圧式NBC防護装置を標準装備。エンジン出力はそれぞれ275馬力、400馬力、450馬力、550馬力で、ペイロードは５トン、15トン、20トン、25トン。参考：月刊軍事研究10,’07

＜示数盤＞：艦の射撃距離を後続艦に知らせるための信号盤。円形の掛け時計に似ていて、0-9までの数字が円形に配置されており、これを長針と短針で指して距離（千と百の位）を表示する。針１つの示数盤を２つ並べたりもする。日本海軍では数字の代わりに射撃号令詞のカタカナ頭文字を配して針で示すものも使っていた。戦艦の交戦距離が10000mを超えるようになると使用されなくなった。参考：図解日本の戦艦、月刊世界の艦船1,’22

＜雫石空中衝突事故＞：1971年7月30日1404、全日空ボーイング727型機の尾翼部分と編隊飛行訓練中の松島基地所属F-86F戦闘機の主翼が接触し、両機とも墜落、F-86F戦闘機乗員は緊急脱出して生還したが、全日空機の乗客乗員162人が全員死亡した。当時、F-86F戦闘機は高々度管制空域を有視界飛行中だった。当初はF-86F戦闘機が全日空機に衝突したとされたが、F-86F戦闘機の主翼が後方から切断されており、巡航速度が速い全日空機が左斜め前方を飛行していたF-86F戦闘機に直前まで気付かず追突したことが判明している。8月2日に防衛庁長官が辞任、8月10日に空幕長が更迭され、自衛隊編隊の教官は1983年9月に最高裁で禁固３年・執行猶予３年の有罪判決を受け、訓練生は無罪だった。民事裁判では1989年5月の控訴審での国・全日空過失割合２対１で決着した。この事故を受け、航空路と自衛隊訓練空域の分離、雲上有視界飛行の禁止、特別管制区の新設及び拡大、防衛庁に対する運輸大臣の権限強化が行われた。全面中止されていた空自飛行訓練は防衛庁と運輸省の空域分離協議が終わった後の8月30日（プロペラ機・回転翼機）／9月27日（ジェット機）に再開されている。訓練空域が狭く遠くなったため、パイロットは無論のこと、防空監視所によっては担当訓練空域が大幅に減少して要撃管制官の技量にも影響が出た。参考：航空管制のはなし、月刊軍事研究12,’14、7,’11、12,’15、月刊航空ファン1,’20

＜シスコ＞：SS-290（潜水艦）を参照。

＜シスター・サラ＞：CV-3（空母）を参照。

＜シスター・シップ＞：Sister Ship。同型艦のこと。または友好交流関係を結んだ艦のこと。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜シスター・シップ・クルーズ＞：友好交流関係を結んだシスター・シップ同士で親善航海を行うこと。参考：月刊世界の艦船11,’11

＜シスタク＞：ポーランドのAMZクツノ社が開発した特殊部隊用オープントップ車両。車体下部にNATOレベル１の耐地雷装甲を持ち、ボディもNATOレベル１の耐弾装甲化が可能である。エンジンはディーゼル（176馬力）。乗員６名。参考：月刊軍事研究12,’11

＜システム＞：アメリカ海軍輸送駆逐艦。1945年5月18日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜システム４３７＞：アメリカ空軍の地上発射式衛星攻撃ミサイルシステム。PGM-17ソア中距離弾道ミサイル（核弾頭搭載）と同じもので、高々度で核爆発させて衛星の機能を麻痺させる。1964年9月からジョンストン島に発射機２基を置いていたが、1972年8月の台風で施設が破壊され、1973年3月末に復旧したものの、1974年8月に休止状態とされ、1975年4月に退役した。参考：月刊軍事研究5,’07

＜システムＦ６＞：DARPAが開発中の衛星System F6。多数の小型衛星に機能を分散して無線データリンクにより相互を連接することで、多機能大型衛星と同等の機能を持たせ、打ち上げを容易にして安価に済ませるというものである。データリンクはF6WICS（F6 Wireless Inter-Module Communications System）と呼ばれ、Ｋバンドによる時分割多元接続（TDNA）技術を使用するものを、サウスウェスト研究所で開発中。参考：月刊軍事研究4,’14

＜システムＺ＞：フランスのトムソン・ブラント社が開発した100mmロケット弾。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

　＜ＺＥＢＵＬＯＮ＞：対戦車型。自己鍛造弾頭SFFにより戦車側面を貫通する。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

　＜ＺＥＣＬＡＩＲ＞：照明弾型。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜システムアナライザー＞：自衛隊の機器。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究3,’14

＜システム・インテグレーション＞：メーカーや規格が異なる軍用品をシステム化するため、適正な調整を行うこと。参考：月刊軍事研究4,’11

＜システム開発実証＞：SDDを参照。

＜システム開発隊＞：陸上自衛隊の標準化システム（C4ISR関連システム）開発管理部隊で、市ヶ谷駐屯地に置かれている。隊本部、システム管理隊、分析設計隊、プログラム開発隊からなる。2008年3月、中央システム管理隊を改編して創設され、研究本部の隷下に入った。参考：月刊軍事研究8,’14

＜システム監査ツール＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜システム試験管理装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜システム実証テスト機＞：SDTAを参照。

＜システム通信隊群＞：海上自衛隊の組織。防衛大臣直轄で、防衛省、海幕、各基地、艦艇などの通信網を構成するのが主任務である。2002年3月22日に中央通信隊群を改編して創設され、東京通信隊から改編された中央システム通信隊と、各地方隊隷下の通信隊から改編されたシステム通信隊（横須賀システム通信隊など）を隷下に収めた。2013年8月31日、南海トラフ巨大地震を想定した平成25年度広域医療搬送訓練に参加。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。9月12日、伊勢志摩サミット支援の功績で、防衛大臣から一級賞状が授与された。2017年1月23-27日、平成28年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2019年9月4-9日、令和元年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。2020年1月24-31日、キーン・エッジ2020に参加。2021年6月15日、DDH-183いずも艦内でアメリカ海軍情報作戦コマンド横須賀NIOC-Y（Navy Information Operations Command Yokosuka）と日米共同訓練（サイバー攻撃等対処）に参加。9月16日、アメリカ海軍横須賀基地でアメリカ海軍情報作戦コマンド横須賀NIOC-Yと日米共同訓練（サイバー攻撃等対処）に参加。9月28日から10月1日、令和3年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。自衛艦隊、佐世保地方隊、補給本部と共に、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊と、海上作戦センター及び参加部隊などの所在地で、上級指揮官情勢判断や部隊運用要領などを演練した。10月8日、中央システム通信隊、横須賀システム通信隊、保全監査隊が、保全監査隊（市ヶ谷地区）で、アメリカ海軍情報作戦コマンド横須賀NIOC-Yとの日米共同訓練（サイバー攻撃等対処）に参加。2022年1月27日から2月3日、キーン・エッジ2022に参加。2月18日から3月4日、コブラ・ゴールド22に参加。2023年2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。4月18-21日、サイバー防衛演習ロックド・シールズ2023に参加。10月3-6日、令和5年度海上自衛隊演習（図上演習（共同演習））に参加。2024年2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。参考：月刊世界の艦船6,’01、11,’19、9,'21、12,'21、1,'22、12,’23、月刊丸1,’10別冊、朝雲

　＜システム通信隊群（２０１０年）＞：司令部は市ヶ谷にある。隷下に中央システム通信隊、横須賀システム通信隊、呉システム通信隊、佐世保システム通信隊、舞鶴システム通信隊、大湊システム通信隊、移動通信隊、保全監査隊、厚木システム通信分遣隊、下総システム通信分遣隊、館山システム通信分遣隊、岩国システム通信分遣隊、大村システム通信分遣隊、鹿屋システム通信分遣隊、那覇システム通信分遣隊、八戸システム通信分遣隊、船越保全分遣隊を置く。参考：月刊丸1,’10別冊

＜システム通信団＞：陸上自衛隊の部隊で、英語名称はC5 Commandであり、C5はCyber, Communication, Computer, Command and Controlの略。2018年3月27日、通信団と研究本部システム開発隊を統合して陸上総隊隷下に市ヶ谷で新編され、部隊の一部を朝霞駐屯地に移した。2019年1月28日、即応・機動をテーマとする准曹士発表会を開催。2021年3月18日、隷下にサイバー防護隊が新編された。2022年8月26日から9月12日、パシフィック・パートナーシップ2022に参加。2023年4月18-21日、サイバー防衛演習ロックド・シールズ2023に参加。参考：月刊軍事研究6,’18、陸上総隊ホームページ、月刊PANZER6,’18、月刊世界の艦船11,’22、朝雲

　＜システム通信団（２０２０年）＞：陸上総隊隷下で、市ヶ谷駐屯地にある。参考：月刊JWings6,’20

＜システム防護隊＞：陸上自衛隊の部隊。自衛隊通信システムへのサイバー攻撃に対抗するのが主任務である。2005年に新編された。2019年8月22日、日米共同サイバー戦競技会サイバーサンダーに参加。11月12日、創設以来のサイバー脅威に対する即応態勢維持によるサイバーセキュリティ確保の功績で、内閣総理大臣特別賞状が授与された。2021年3月18日、従来の部隊はサイバー防護隊に拡大改編され、本部隊は方面システム通信群隷下の部隊となり、サイバー防護隊の指揮統制を受けてサイバー防衛任務に就くようになった。参考：MAMOR vol.156、朝雲

＜システム連接試験装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究

＜静内対空射撃場＞：陸上自衛隊の対空射撃場。静内駐屯地の隣にあり、半径40kmの扇形の海域に向けて対空射撃を行うことができ、国内で唯一81式短距離地対空誘導弾及び11式短距離地対空誘導弾の実射や、MQM-74Eチャカ�V無人標的機の運用が可能。訓練期間は210日間で、陸自だけでなく空自の基地防空部隊も全国から集結する。射場の管理は静内駐屯地業務隊、無人標的機の運用は第301無線誘導標的機隊／第101無人偵察機隊が行う。1960年に創設された。1972年、２階建てのコントロールタワーが竣工。2010年12月20日、既設コントロールタワーの老朽化に伴い新設されていた鉄筋コンクリート３階建てのコントロールタワーが完成し、使用を開始した。参考：月刊軍事研究10,’14、MAMOR vol.82、朝雲

＜静内駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地で、しずないと読む。駐屯地創設記念・連隊創隊記念行事では、対空射撃訓練場で対空火器の実射が行われる。敷地面積140000平方メートル。所在地は北海道新ひだか町字浦和125。JR東静内駅から徒歩10分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。大元は1960年に開設された北部方面隊東静内対空射撃場で、1964年3月に静内分屯地となり、1985年7月に静内駐屯地に昇格した。同月、第301無線誘導標的機隊が下志津駐屯地から移駐した。1989年3月、第301無線誘導標的機隊が第101無人偵察機隊に改編された。2000年3月、第７後方支援連隊第２整備大隊高射直接支援中隊が新編された。2013年3月、北部方面無人偵察機隊が新編された。2015年3月26日、第432会計隊が第324会計隊静内派遣隊に改編された。参考：静内駐屯地ホームページ、MAMOR vol.82、JGround Vol.23、スピアヘッドNo.15、高射学校ホームページ、月刊PANZER6,’18

　＜静内駐屯地（２０１５年）＞：第７師団第７高射特科連隊（連隊本部／本部管理中隊、第５高射中隊、第６高射中隊）、第７後方支援連隊第２整備大隊高射直接支援中隊、第101無人偵察機隊、北部方面無人偵察機隊、北部方面情報保全隊静内派遣隊、第313基地通信中隊静内派遣隊、北部方面会計隊第432会計隊（3月26日から第324会計隊静内派遣隊）、第122地区警務隊静内連絡班、静内駐屯地業務隊、札幌地方協力本部静内分駐所が駐屯している。参考：静内駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜静内駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜静内分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。元は1960年7月に創設された東静内対空射撃場で、1964年3月に北千歳駐屯地の分屯として開設され、第１高射特科群第118特科大隊第４中隊と同群無線誘導標的機隊が駐屯した。1971年7月、東千歳駐屯地の分屯となり、第７特科連隊第５大隊が移駐した。第７特科連隊第４中隊は名寄駐屯地に移駐している。1981年3月25日、第７特科連隊第５大隊が第７高射特科連隊に改編され、連隊本部／本部管理中隊と第５高射中隊が駐屯した。1985年3月、第７特科連隊第６高射中隊が新編された。7月、静内駐屯地に改編された。参考：静内駐屯地ホームページ、MAMOR vol.82

＜シズネ・ブランコ＞：ブラジル海軍シズネ・ブランコ級帆走練習艦Cisne Branco。2000年2月就役。2012年5月23-30日、米英戦争200周年記念ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。2013年5月9-13日、ハンブルク港まつりに参加。7月4日から8月6日、ザ・トール・シップ・レース2013に参加。参考：月刊世界の艦船8,’12、8,’13、12,’13

＜シズネ・ブランコ級＞：ブラジル海軍帆走練習艦Cisne Branco級。船型は３檣シップ型。満載排水量1055トン。シズネ・ブランコが2000年に就役した。参考：月刊世界の艦船8,’13

＜静浜管制隊＞：航空自衛隊の管制隊。航空保安管制群隷下で、静浜基地に置かれている。大元は1958年8月に新編された航空保安管制気象群静浜分遣隊である。参考：航空保安管制群本部ホームページ、月刊JWings4,’16、8,’14

＜静浜気象隊＞：航空自衛隊の気象隊。静浜基地に置かれている。参考：月刊JWings8,’14

＜静浜基地＞：航空自衛隊の基地。滑走路は1500×45m、ランウェイ09/27。所在地は静岡県志太郡大井川町上小杉1602。航空祭ではJR東海道線藤枝駅から臨時バスが出る。元は1944年（昭和19年）1月に設営された日本海軍藤枝基地で、敷地内に第131航空隊（芙蓉部隊）の記念碑がある。太平洋戦争終結後の1948年3月にアメリカ軍が接収し、1954年11月に返還されて防衛庁に移管され、1958年8月に静浜基地として開設されて第２操縦学校第２分校が新編された。1959年6月、第15飛行教育団が新編された。1964年3月、第５術科学校第２分校が設置された。5月、第15飛行教育団が廃止され、第11飛行教育団が小月基地から移動してきた。1975年4月、第５術科学校第２分校が廃止された。2016年5月12日、基地援護室が静岡地本本部で陸海空援護担当者会同に参加。2019年8月7-8日、静岡地本と連携して静岡県内中高生39人に青少年防衛講座を実施。2020年1月18日、するが准曹会が児童養護施設春風寮を慰問した。1月19日、するが准曹会が特別養護老人ホーム大井川睦園を慰問した。6月11日、静岡地本広報官にT-7練習機飛行体験を実施。2021年11月12日、静岡県自衛隊家族会が静岡地本静岡募集案内所の支援で基地を研修した。2022年5月24日と26日、静岡地本がT7初等練習機体験搭乗を実施。6月6日、静岡市立城南静岡中学校２年生19人が総合的な学習の時間の一環として基地を訪問し、装備品見学などを行った。参考：静浜基地ホームページ、MAMOR vol.126、月刊JWings6,’10別冊付録、月刊航空ファン5,’13、月刊航空情報5,’18、朝雲

＜静浜基地（２００７年度）＞：第11飛行教育団（T-7）、静浜管制隊、静浜気象隊が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜静浜基地（２０１５年）＞：第11飛行教育団（T-7）、静浜管制隊、静浜気象隊、静浜地方警務隊が所在している。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜沈み込み射撃＞：90式戦車が停止した際に前傾姿勢になるが、その後安定した姿勢になるのを待たず、すぐに射撃すること。命中率の低下は練度で補う。参考：月刊軍事研究3,’09

＜しずぽん＞：静岡地方協力本部のマスコットキャラクター。体はミカン、腕はお茶、足は黒ハンペンと、静岡名産で構成されている。2008年に誕生し、着ぐるみは2011年4月8日に初披露された。2015年1月5日、静岡地本庁舎前で新職務任命式に参加。営業部長兼応援団長に任命された。2016年2月10日、焼津市役所で焼津市主催自衛隊入隊激励会に参加。2018年5月4日、御前崎渚の交番ゴールデンウィーク祭に参加。2019年5月17-19日、下田市の第80回黒船祭に参加。2022年5月14-15日、第60回静岡ホビーショーで広報を実施。参考：朝雲、MAMOR vol.99

＜シスム＞：アメリカ海軍輸送駆逐艦。1945年5月24日、菊水７号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜シスラー＞：T-AKR-311（輸送艦）を参照。

＜シズラー＞：3M54（対艦ミサイル）または3M54E1（対艦ミサイル）または3M54T（対艦ミサイル）を参照。

＜試製一式七糎半山砲＞：日本陸軍の試作山砲。九四式山砲の後継として昭和15年から開発されたが、昭和18年に開発中止となった。口径75mm、放列砲車重量600kg。俯仰角はマイナス８度からプラス45度、射界は右60ミル・左50ミル。初速毎秒400m、最大射程8500m。参考：大砲入門

＜試製一式十糎山砲＞：日本陸軍の試作山砲。揺架の重量が130kgにもなり軽量化に難渋、九九式十糎山砲の技術を参考にして開発を継続したものの上手く行かず、昭和18年に開発中止となった。口径105mm、放列砲車重量900kg。俯仰角はマイナス10度からプラス45度、射界６度。初速毎秒330度、最大射程7500m。参考：大砲入門

＜試製一式三十七粍高射機関砲＞：日本陸軍の37mm高射機関砲で、昭和15年4月に設計が開始され、ラ式三十七粍高射機関砲の設計を加えて昭和18年3月に30門の製作が決定した。しかし民間工場に委託した車輪などの生産が遅れ、殆ど完成しなかった。参考：大砲入門

＜試製一式小型牽引車＞：日本陸軍の試作全装軌式小型装甲牽引車で、別名ソケ車。九八式装甲運搬車と四七粍対戦車砲牽引車を統合したもので、昭和16年3月から池貝自動車で試作された。全長4.17m、全幅2.01m、全高1.64m、自重4.7トン、ペイロード１トン、牽引力３トン。エンジンは空冷６気筒直列ディーゼル（平均出力67馬力、最大出力82馬力）、最大速度40km、燃料搭載量132リットル。乗員８名。完成が昭和19年にずれこみ、試作のみに終わった。参考：機甲入門

＜試製一式装軌貨車＞：別名ソキ車。全長4.7m、全幅2.19m、全高2.58m、自重6.42トン、ペイロード1.5トン。エンジンは統制型一〇〇式空冷直列六気筒ディーゼル（平均出力100馬力、最大出力134馬力）で、最大速度42km、燃料搭載量155リットル。乗員２名。参考：機甲入門

＜試製二式船舶用中迫撃砲＞：日本陸軍が対潜水艦用に開発した艦載迫撃砲。護衛駆逐艦を作る余力が無かったので、簡単な対潜兵器として計画され、昭和18年5月に完成した。口径150.5mm、総重量2.555トン。俯仰角はマイナス５度からプラス80度。使用弾は二式水中弾で、初速毎秒214m、最大射程3.9km。参考：コンバット・バイブル２、大砲入門

＜試製三式重迫撃砲＞：四式重迫撃砲を参照。

＜試製三式水中弾＞：日本陸軍が昭和18年頃から輸送船の自衛用に開発した水中弾。信管は深度調定が可能な三式水中信管である。各種口径で開発され、配備が進められた。参考：大砲入門

＜試製四式七糎噴進砲＞：日本陸軍の試作7cm対戦車ロケット。ロケットは砲弾と同一距離を飛ばすのに２倍の火薬が必要なため、無煙火薬の原料となる綿の生産が限られる日本では研究が進まなかったが、昭和18年頃には砲の原料となる鉄が綿以上に枯渇したため、4月頃からドイツのパンツァーシュレッケの図面を元に試作を開始、昭和19年7-9月に完成した。ランチャーはロタ砲とも呼ばれ、バイポッド付きで、２分割になっており持ち運びが容易である。口径74mm、砲身長1.5m、全備重量8kg。使用弾は試製四式七糎噴進穿甲榴弾（ロタ弾）で、内部に円筒状の推進薬が７本入っており、底面の６つの穴から30度の角度で燃焼ガスを噴射、旋転して弾道を安定させる。弾丸全長359mm、最大速度毎秒160m、弾量4.08kg、空弾量2.83kg、炸薬重量710g、推進薬重量260g、装甲貫徹力80mm（弾着角60-90度）。信管は四式瞬発信管（五式ろ弾用瞬発信管？）。50m・100m用の照星が付いており、命中率は射距離100mで60%、有効射程200m、最大射程750m。発射速度は毎分６発。砲手、射手、弾薬手の３名で運用する。終戦までに3500門が生産されたが、作戦立案が遅れてフィリピンには投入できず、本土決戦用に温存するため沖縄には運ばれず、九州の部隊に配備されたのみで実戦では使用されていない。参考：月刊PANZER4,’93、大砲入門、月刊丸5,’13、日本戦車隊戦史

＜試製四式七糎半舟艇砲＞：日本陸軍が船舶自衛用に開発した75mm砲で、当初は四一式山砲をベースに製作して昭和19年5月に完成した。全備重量1.048トン。俯仰角はマイナス10度からプラス60度、全周旋回可能。初速毎秒358m。揺れる船上での装填に困難があったため、�U型が開発されることになった。参考：大砲入門

＜試製四式七糎半舟艇砲�U型＞：試製四式七糎半舟艇砲の改良型で、自動開閉式閉鎖器の付いた九九式七糎半戦車砲を流用して昭和20年1月に完成、テスト中に終戦となった。全備重量830.5kg。俯仰角はマイナス12度からプラス60度、全周旋回可能。参考：大砲入門

＜試製四式九糎噴進砲＞：日本陸軍の9cmロケット砲で、空挺部隊用に開発された。使用弾は榴弾とタ弾の２種類で、前者は全長433mm、全備重量8.6kg、炸薬重量1.73kg、推進薬重量0.62kg、最大射程1050m。後者は全長470mm、全備重量9.03kg、炸薬重量1.59kg、推進薬重量0.62kg、最大射程950m。信管はどちらも五式ろ弾用瞬発信管である。参考：大砲入門

＜試製四式十二糎自走砲＞：九五式軽戦車ファミリーを参照。

＜試製四式十五糎自走砲＞：日本陸軍の試作自走砲。本土決戦用として九五式軽戦車の車体に三八式十五糎榴弾砲を載せ、装甲板で覆ったものである。試作のみで終戦となった。参考：月刊PANZER12,’10

＜試製四式十五糎噴進砲＞：日本陸軍のロケット砲。使用弾は試製四式十五糎噴進榴弾。参考：大砲入門

＜試製四式十五糎噴進榴弾＞：日本陸軍のロケット榴弾。25度傾斜した噴進孔が８つ開いており、毎分1000-3000回転して弾道が安定する。全備重量30.39kg、炸薬重量5.17kg。推進薬はＧ無煙薬乙で、重量4.43kg、燃料時間0.7秒、最大速度毎秒190m、最大射程4200m。信管は五式ろ弾用瞬発信管。参考：月刊丸4,’99

＜試製四式二十糎噴進砲＞：日本陸軍のロケット砲で、昭和18年7月から第一陸軍技術研究所が設計を開始、陸軍野砲兵学校の協力も得て昭和19年4月から実射テストを行った。ランチャーは肉薄の鋼管に固定脚を付けた迫撃砲のような外見で、発射筒の後ろ半分が開き、ここからロケット弾を装填する。現地部隊でも製造できる木製の簡易発射台も使用可能で、資材不足から終戦間際には殆ど木製発射台が割り当てられていた。口径203mm、砲身長1.92m、砲重量85kg。射角40-65度。ロケット弾は榴弾弾頭を持ち、長さ1.019m、全備重量83.7kg、炸薬重量16.54kg、威力半径31m。推進薬重量9.85kg、最大射程2500m。信管は一〇〇式二働「迫」信管。昭和19年5月から陸軍野砲兵学校で教育が開始され、昭和20年5月の段階で噴進砲隊16個が編成されており、沖縄、硫黄島、中国戦線で実戦投入された。参考：大砲入門、月刊軍事研究4,’02、月刊PANZER6,’13

＜試製四式二十糎・二十四糎共通木製噴進砲＞：日本陸軍のロケット砲で、20cmロケットと24cmロケットの両方を発射できる木製ランチャーを使う。ランチャーは現地で製作する。試作中に終戦となった。参考：月刊丸5,’13

＜試製四式二十糎木製三連装噴進砲＞：日本陸軍のロケット砲で、木製３連装ランチャーに20cmロケット弾を装填する。ランチャーは現地製作する予定だった。実戦参加前に終戦を迎えた。参考：月刊丸5,’13

＜試製四式二十四糎噴進砲＞：日本陸軍のロケット砲。使用弾は榴弾で、全長97.5cm、全備重量110.7kg、炸薬重量24.70kg、推進薬重量13.16kg、最大射程2900m。信管は一〇〇式二働「迫」信管。試製四式二十糎噴進砲より射程が長く、陸軍野砲兵学校などはこちらの量産を推したが、試製四式二十糎噴進砲の方が優先生産されることになった。参考：大砲入門、月刊丸5,’13

＜試製四式四十糎噴進砲＞：日本陸軍が開発した40cmロケット砲。砲身は金属製筒状のもの、金属製レール２本のもの、木製レール２本のものの３種が試作され、昭和19年8月には各砲身がテストされ、木製のものが一番軽くて（200kg）使いやすく、現地製作も可能なため、これを中心に開発が進められた。レールは木枠上に組まれ、前方脚で支えられる。仰角は45度で固定され、射程はロケットのノズルで調節する。レール左には砲口照準具が装備された。使用弾は試製四〇糎噴進榴弾で、直径0.4m、全長1.874m、全備重量509.6kg、炸薬重量98.28kg、推進薬重量66kg。威力半径50m。安定翼が無く、ロケット弾自体が旋転して安定性を保つ。最大速度毎秒220m、最大射程4000m、最小射程2000m。信管は一〇〇式二働信管「迫」。弾丸の装填は丸太の支柱を組み、滑車を取り付けて人力で引っ張り上げて行う。硫黄島や沖縄に少数が投入され、アメリカ軍は飛翔音からバブリー・ワブリーというニックネームを付けた。参考：月刊戦車マガジン8,’78、大砲入門、月刊丸5,’13、日本戦車隊戦史

＜試製四式重迫撃砲＞：四式重迫撃砲を参照。

＜試製四式船載二十糎噴進砲＞：日本陸軍のロケット砲で、試製四式二十糎噴進砲を大発に搭載できるようにしたものである。実戦参加前に終戦となった。参考：月刊丸5,’13

＜試製四式特殊弾＞：日本海軍の試作チャフ爆弾。参考：日本海軍の爆弾

＜試製五式四十五粍簡易無反動砲＞：日本陸軍が開発した個人携帯対戦車兵器で、あか抜けないパンツァーファウストのような感じである。後部がラッパ状に広がった鉄製の筒で、後方にトリガーが付いている。全長1000mm、口径45mm、砲身長600mm、砲身肉厚4mm。筒の前から口径80mm、弾丸全長700mm、薬筒全長180mm、全備重量2.3kg、炸薬重量0.675kg、装薬重量0.1kgの円柱状の試製五式穿甲榴弾弾薬筒を差し込んで腰だめで発射する。初速毎秒40m、有効射程30m、最大射程150m。後方5m以内が危険区域。参考：大砲入門、月刊PANZER4,’93

＜試製五式四十七粍自走砲＞：九五式軽戦車ファミリーを参照。

＜試製五式軽戦車＞：五式軽戦車を参照。

＜試製五式砲戦車＞：日本陸軍の重駆逐戦車で、別名ホリ。五式中戦車の車体に長砲身105mm戦車砲を搭載したものである。昭和17-18年に日本陸軍がM4中戦車、M1重戦車（T1試作重戦車またはM26重戦車らしい）、KV-1重戦車、KV-2重戦車の情報を入手、これらに対抗するため105mmカノン砲を固定式戦闘室に搭載し最大120mmの装甲を持つ砲戦車が必要として、昭和18年の兵器開発方針で試製砲戦車甲として開発が決定した。主砲は試製十糎戦車砲（長）という名称（秘匿名称はホリ砲）で大阪造兵廠が開発し、昭和19年12月に２門が完成してテストを行い、昭和20年5月に完成したが、車両自体は計画のみに終わった。参考：月刊丸5,’13、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

　＜ホリ�T＞：機関室を車体前方に移し、車体後部に固定式戦闘室を設けて主砲を搭載したタイプ。参考：月刊丸5,’13、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

　＜ホリ�U＞：機関室は移動させず、車体中央に固定式戦闘室を設けて主砲を搭載したタイプ。戦闘室上面に車長用ペリスコープ、両側面にピストルポート、後面に両開き式大型ハッチを持つ。全長6.5m（8.03m？）、全幅3.05m、全高3.1m、全備重量40トン。主砲は試製十糎戦車砲（長）１門（試製二式徹甲弾と榴弾を計48発。戦闘室両側面に６発ずつの即応弾、戦闘室床面弾薬箱４個に８発ずつの予備弾）で、射界左右11度ずつ、俯仰角はマイナス10度からプラス20度。副武装は一式三十七粍戦車砲１門（車体前部左。俯仰角マイナス15度からプラス20度、射界左右10度ずつ。一式徹甲弾、四式徹甲弾、一式榴弾を計100発）、九七式車載重機関銃１丁（37mm戦車砲の左に同軸装備。4980発）、四式基筒双連二十粍高射機関砲１基（機関室上面ピントルマウントに剥き出しで搭載。480発）。最大装甲厚125mm。エンジンはBMW改造水冷12気筒Ｖ型ガソリン（ボア160mm、ストローク170mm、排気量42000cc、出力は回転数1500で550馬力）で、最大速度40km、航続距離200km。乗員６名（車長、操縦手、通信手兼副武装射手、照準手、第一装填手、第二装填手）。参考：月刊丸5,’13、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

＜試製七糎高射砲＞：日本陸軍の試作高射砲。口径75mm、放列砲車重量3741kg。俯仰角は0-85度、旋回角360度。初速毎秒790m。参考：大砲入門

＜試製七糎随伴砲＞：日本陸軍の試作砲で、平射と曲射の両方が可能である。歩兵部隊への配備を予定していた。参考：大砲入門

＜試製七糎半重高射砲＞：日本陸軍の試作高射砲で、大阪造兵廠で１門が完成したところで終戦となった。初速毎秒959m。参考：大砲入門

＜試製七糎半戦車砲（長）�T型＞：日本陸軍が五式中戦車用に開発した長砲身75mm砲で、四式七糎半高射砲をベースに製作され、砲尾に装弾機が付いており、自動装填機能を持っていた。全備重量2.284トン。昭和19年7月に２門が完成し、テストを実施。うち１門は四式中戦車用の五式戦車砲（の試作型の試製七糎半戦車砲（長）�U型）製作に回されている。結局自動装填装置がものにならず、未完成のまま終戦を迎えた。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜試製七糎半戦車砲（長）�U型＞：五式戦車砲を参照。

＜試製七糎半対戦車砲シリーズ＞：日本陸軍の対戦車砲で、ナト車用として四式七糎半高射砲の砲身を使用して昭和18年から設計された。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

　＜試製七糎半対戦車砲�T型＞：昭和19年4月に設計を完了し、7月11-17日に試射が行われた。この時自動開放蹴出機構の作動が上手くいかなかったため、八八式七糎野戦高射砲と同様の緩衝装置付自動開閉器に変更している。昭和20年にはナト車に搭載しての試験が行われ、良好な成績を修めたが、五式戦車砲との共通化を図った方が生産整備に有利なことが指摘され、�U型の開発に移った。砲口径75mm、砲身長4230mm、全備重量1.745トン、砲身重量761kg。使用弾重量6.6kg、砲口初速毎秒830m。参考：大砲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

　＜試製七糎半対戦車砲�U型＞：五式戦車砲と揺架を共通化したタイプ。後座長が短くなった分、反動が３倍大きくなり、ナト車への取り付け部分の強化が必要となった。昭和20年5月からテストされ、7月20日に五式七糎半対戦車砲として制式化されたが、実戦には間に合わなかった。砲口径75mm、砲身長4230mm、砲身重量840kg、全備重量2680kg。使用弾重量6.6kg、砲口初速毎秒830m。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門

＜試製九糎空挺隊用噴進砲＞：日本陸軍の空挺部隊用試作対戦車ロケットで、試製四式七糎噴進砲と同時期に開発された。口径93.5mm、重量20.3kg。俯仰角マイナス６度からプラス56度、最大射程1000m。装甲貫徹力120mm。少数が生産された。参考：月刊PANZER4,’93

＜試製十糎加農搭載車＞：カト車を参照。

＜試製十糎加農砲（長）＞：日本陸軍試作戦車砲、秘匿名称ホリ砲。米ソ重戦車に対して試製機動五十七粍砲では威力不足が懸念されたため、昭和18年8月から試製五式砲戦車用に大阪陸軍造兵廠で開発され、昭和19年12月に２門が完成してテストが行われ、昭和20年5月に開発を終了した。駐退機は液圧式で砲身下方に１本あり、復座機はバネ式で砲身上方に２本用意されている。閉鎖器は水平鎖栓式で、その後ろに半自動式装填装置を持つ。撃発は砲手足下のペダルを踏んで行う。口径105mm、砲身長5500mm、砲身は単肉自緊式、ライフリングは右回り。砲重量5.7トン、放列砲車重量25トン、後座抗力24トン。使用弾は九二式十糎加農砲用試製二式徹甲弾及び一四年式十糎加農砲用九一式榴弾・代用弾の弾帯幅を拡大したものを用いる。完全薬筒式、弾薬全長1.23m、弾薬重量30kg、弾頭重量16kg、装薬重量6.11kg（二十六番管状薬）。初速毎秒900m、装甲貫徹力150mm（射距離1000m）。照準器はシＨ一号直接照準器、倍率６倍、視野８度、有効距離3000m。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門、月刊丸5,’13

＜試製一〇糎対戦車砲＞：日本陸軍試作戦車砲。カト車用に開発された。砲身及び弾薬は試製一〇糎加農砲と同じである。口径105mm、ライフリングは右回り。使用弾は弾頭重量16kg、弾薬総重量30kg、初速毎秒900m、装甲貫徹力150mm（射距離1000m）。大阪陸軍造兵廠で昭和20年5月までに２門が製作された。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜試製十糎半陣地高射砲＞：日本陸軍試作高射砲。口径105mm、放列砲車重量14トン。俯仰角はマイナス５度からプラス85度、旋回角360度。初速毎秒918.6m、最大射程20900m、最大射高1700m。参考：大砲入門

＜試製十糎半無反動砲＞：日本陸軍試作無反動砲。第一陸軍技術研究所が昭和18年9月に大阪陸軍造兵廠に発注した。ライフル砲で、１軸２輪の車輪が付いており、射撃時には三脚を降ろして固定する。発射試験前に終戦となった。参考：大砲入門

＜試製十二糎自走砲＞：九五式軽戦車ファミリーを参照。

＜試製十五糎多連装噴進砲＞：日本陸軍の試作多連装ロケット砲。５列４段の金属製ランチャーで、軽装甲車やトラックで牽引されるが、射撃試験の際には４輪トラックの後部荷台上に車載されていた。使用弾は試製四式十五糎噴進榴弾、十五糎噴進タ弾、十五糎噴進阻塞弾。電気点火式発射装置を持つ。昭和19年に陸軍技術本部で１門が製作され、試射の結果着弾にばらつきがあったため、砲身長を延ばして砲口を改造する予定だったが、試作中に終戦となった。参考：月刊丸4,’99、5,’13

＜試製二十糎臼砲＞：日本陸軍の試作臼砲。ラ式十五糎榴弾砲の砲架に口径20cmの砲身を載せたものである。放列砲車重量5.4トン。俯仰角は0-45度、射界は右270ミル・左200ミル。使用弾は榴弾と破甲榴弾で、初速毎秒320m、最大射程7000m。昭和18年に１門が試作された。参考：大砲入門

＜試製二十一糎榴弾砲＞：日本陸軍の試作榴弾砲。九六式十五糎加農の砲架に21cm榴弾砲身を搭載したもので、昭和18年に１門が製作された。口径210mm、俯仰角0-45度、旋回角50度。使用弾は破甲榴弾と榴弾で、最大射程15000m。参考：大砲入門

＜試製四十一糎榴弾砲＞：日本陸軍の榴弾砲で、１門のみ製作された。砲身は２層複肉で、重量が80トンあり、日本製鋼所で製作して大阪工廠火砲製造所の専門工場で組み立てた。口径41cm、砲身長32.8口径、放列砲車重量318トン。閉鎖器は段隔螺式。方向射界360度、俯仰角マイナス５度からプラス75度。使用弾は破甲榴弾で、重量１トン。運搬車から電動機で持ち上げ、人力で薬室に押し込む。初速毎秒580m、最大射程20000m。大正15年8月に完成して四〇榴と呼ばれ、千葉県富津で試射を行うことになり、海上輸送では積み降ろし困難や海難の恐れがあるため鉄道で輸送、半月かけて試射場に設置した。制式の試射前日に射撃を行ったところ、腔圧が予想以上に高かったため閉鎖器が開かなくなるというトラブルに見舞われたが、徹夜で復旧し、無事に試射を終えた。その後は要塞砲に海軍の砲塔加農を使用することになったため、暫く放置されていたが、昭和10年10月に改修整備を施して再び実用試験を行った。昭和16年、ソ連が満州国境のイマン河上流に虎頭要塞を迂回する鉄道線路を建設し、三〇榴では届かないことが判明したため、秘密裏にこの砲を設置することになった。ソ連侵攻では反撃の砲火を浴びせた末に砲身が破裂し、最期を迎えた。参考：大砲入門、月刊戦車マガジン10,’78、日本戦車隊戦史

＜試製四十七粍高射砲＞：日本陸軍の試作高射砲で、昭和14年7月に完成した。口径47mm。俯仰角は0-85度で、水平から最大仰角まで30秒かかる。全周旋回可能。初速毎秒854m、最大射程10000m、最大射高は榴弾で5500m、尖鋭弾で6800m。参考：大砲入門

＜試製５３式普通掃海具＞：67式普通掃海具を参照。

＜試製５４式５３センチ単装水上発射管シリーズ＞：海上自衛隊の魚雷艇用発射管で、試製54式魚雷３型を発射するため製作された。甲板固定式で、旋回は出来ない。参考：丸スペシャルNo.76、月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜ＨＯ１０１＞：発射管は65式53センチ４連装水上発射管のものと似ており、アルミニウム合金製で、射出は圧縮空気である。発射管前部は下開きになっていて、発射された魚雷はやや下向きで海面に突入する。魚雷艇1-6号に２基、魚雷艇７号型に４基が搭載された。参考：丸スペシャルNo.76

＜ＨＯ１０１Ａ＞：魚雷艇10号に搭載されたタイプで、発射管前部の下開き部分が無くなり、下面に俯角の付いた軌条が設けられていて、装填時には魚雷頭部が露出する。参考：丸スペシャルNo.76

＜ＨＯ１０１Ｂ＞：魚雷艇11号型に搭載されたタイプで、72式１型魚雷を搭載できる。形状はHO101Aに似る。参考：丸スペシャルNo.76

＜試製５４式５３センチ４連装水上発射管＞：65式53センチ４連装水上発射管を参照。

＜試製５４式５３センチ連装水上発射管＞：65式53センチ連装水上発射管を参照。

＜試製５４式魚雷シリーズ＞：海上自衛隊が65式53センチ４連装水上発射管と共に1952年頃から開発した対水上艦・対潜水艦用魚雷で、ドイツが第２次大戦中に開発した音響誘導魚雷をベースとしている。本体は三菱造船、ホーミング部が日本電気が担当し、1955年3月に水中音響標的という名称の試作品が完成した。制式化はされなかったが、各型合わせて170本（３型以降120本）程度が生産された。参考：丸スペシャルNo.76、艦船メカニズム図鑑

　＜試製５４式魚雷１型＞：非誘導の試作型とみられ、魚雷艇用として1955-56年度に製作された。発射訓練後に引き揚げてもバッテリー液が漏れないような構造をしている。全長7.5m、直径0.533m、重量1.6トン。主機は鉛電池モーター１基で、推進は二重反転プロペラである。雷速は30ノット級らしい（バッテリー重量がかさみ、１型は22.1ノットという説もある）。発射後９分で6600m先に達する。テストの結果、発射管に装填できない、水中に入るとそのまま沈むといった欠点があり、２型が開発されることになった。参考：丸スペシャルNo.76、月刊世界の艦船5,’13、艦船メカニズム図鑑、自衛隊装備カタログ1981

　＜試製５４式魚雷２型＞：１型の改良型で、パッシブ音響の二次元ホーミング機能を追加しており、水上艦への攻撃が可能。雷速24ノット、射程5000m。警備艦の４連装発射管に搭載すべく開発されたが、強度不足とホーミング性能不足などの問題が判明し、３型が開発されることになった。参考：丸スペシャルNo.76、月刊世界の艦船5,’13、11,’11

　＜試製５４式魚雷３型＞：1959年度に完成した三次元パッシブ音響ホーミングを可能としたタイプで、潜水艦も攻撃できる。魚雷頭部は受波感度を上げるためゴムで覆われており、内部は油で満たされている。受波器は磁歪素子を４列４段に配置しており、それぞれに整合・遅延回路を配して探知目標音の方位を掴むようにしている。ただ追尾可能深度が50mくらいしか無かったらしく、実用テスト中に行方不明になる魚雷が多発した。全長7.6m、直径533mm、重量1.6トン、炸薬重量0.1トン。鉛蓄電池による直流電動モーター推進で、出力45馬力、雷速24ノット、航走距離6km。あやなみ型、あきづき型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.76、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船5,’13、11,’11

　＜試製５４式魚雷３型改１＞：３型の改良型で、1961年3月に実用テストを終了した。潜水艦用として開発されたが、いすず型護衛艦3-4番艦にも搭載されている。参考：月刊世界の艦船5,’13、丸スペシャルNo.76、艦船メカニズム図鑑

＜試製５５式４連装水中魚雷発射管＞：海上自衛隊がおやしお型潜水艦用に開発した魚雷発射管HU-401（発射管／潜水艦用／４連装その１）。日本海軍の潜水艦用無気泡発射管をベースとしたらしく、発射管上部に前部扉開閉用の油圧シリンダーがある。安全のため、前後の扉は同時には開かない。発射は圧縮空気によるもので、射出途中に空気を浸水タンクに導くため、気泡が出ない。全長8m前後、内径533mm。艦首左右に上下２門ずつ並んでいる。参考：丸スペシャルNo.76

＜試製５６式Ｂ探信儀１型＞：JQS-1を参照。

＜試製５６式Ｂ聴音機＞：JQO-1またはJQO-3を参照。

＜試製５６式自走８１ｍｍ迫撃砲＞：60式自走81mm迫撃砲を参照。

＜試製５６式自走１０５ｍｍ無反動砲＞：戦後初の国産装甲戦闘車両。SS-1/-2のことか？参考：月刊軍事研究9,’03

＜試製５６式自走１０５ｍｍ榴弾砲＞：陸上自衛隊の自走砲。1956年に試作が決定したもので、M24軽戦車の車体に105mm榴弾砲M2A1の車載型を搭載している。車体上には大型の箱形戦闘室（一部オープントップ）が置かれ、右前方にオープントップの12.7mmM2機関銃塔がある。全長5.59m、全幅2.84m、全高2.34m、重量20トン。主砲弾搭載数は65発。エンジンは8HA21WT空冷V8ディーゼル（230馬力）、最大速度45km、航続距離200km、燃料搭載量330リットル。乗員７名。主砲最大仰角35度、射程7.5kmと性能が不足しており、予算も無く、制式化はされなかった。参考：月刊PANZER7,’98、スピアヘッドNo.13

＜試製５６式自走１０７ｍｍ迫撃砲＞：60式自走107mm迫撃砲を参照。

＜試製５６式装甲車�T型＞：60式装甲車シリーズを参照。

＜試製５６式装甲車�U型＞：60式装甲車シリーズを参照。

＜試製５６式装甲車�U型改＞：60式装甲車シリーズを参照。

＜試製五七粍戦車砲＞：日本陸軍の戦車砲で、ノモンハン事件でソ連戦車に対抗できなかったために開発された。砲身長49口径、砲口初速毎秒830m。重量1.54トン。俯仰角はマイナス6.1度からプラス19度。使用弾は重量2.7kgの試製一式徹甲弾、信管は試製一式徹甲小三号弾底信管で、装甲貫徹力は射距離1000mで60mmの予定だった。一式四七粍戦車砲よりも威力は高く、昭和18年に完成直前までいった（2月に射撃試験を実施？）が、対戦車砲との弾薬共通化のため6月の審議会で不採用が決定、試製十糎戦車砲の開発に移った。四式中戦車の初号車に搭載されて試験を受けている。参考：月刊PANZER5,’06、4,’93

＜試製５８式３連装水中魚雷発射管＞：海上自衛隊の魚雷発射管で、別名HU-301（発射管／潜水艦用／３連装その１）。潜水艦用として初めて水圧式を採用した。はやしお型及びなつしお型用で、発射用の水圧筒を装備する関係で発射管の本数が３本になり、３連装発射管として新規開発されることになった。発射管の大きさは不明だが、使用魚雷は試製54式３型魚雷なので、試製55式４連装水中魚雷発射管とほぼ同じようだ。左舷側に上下２本、右舷上部に１本が装備されており、右舷下部には水圧筒がある。水圧筒は発射管より長さは短いが、内径はほぼ同じで、内部にピストンがあり、水圧筒外部にある油圧シリンダー内の空気ピストンと繋がっている。発射管後部扉から魚雷を装填し、扉を閉めると、補水タンクから管内に海水が注入され、空気が艦内に排出される。艦内の海水を外と同じ圧力に調整し、前部扉を開ければ発射準備が整う。発令所で発射操作が行われると、油圧装置が作動して空気ピストンが押され、それに連動して水圧筒内のピストンも押し出され、発生した高い圧力が連通管を通じて発射管内部に伝わり、魚雷を射出する。その後前扉が閉鎖され、艦内の海水は補重タンクに導かれる。１基の水圧筒で３門の発射管を作動させるため、２連射しかできないのが欠点である。参考：丸スペシャルNo.76

＜試製６６ｍｍてき弾銃＞：技術研究本部、豊和工業、日産自動車が1972年度から開発した66mmグレネードランチャー。試製てき弾銃の性能不足を補うため、口径を一回り大きくして後装式に変更、銃身上部に駐退復座機を取り付けて発射反動を吸収し銃本体に無理な力が掛からないようにした。使用弾は榴弾（有効射程200m）とHEAT。1981年度までテストされたが、性能不足で没になり、カールグスタフM2を84mm無反動砲として採用している。参考：月刊軍事研究5,’17

＜試製七五馬力牽引車＞：日本陸軍が八九式十五糎加農砲用に開発した牽引車。全高2.75m、重量7.1トン。エンジンは75馬力の６気筒水冷式で、最大速度12km。牽引力６トン。乗員７名。大正12年と15年に１両ずつが完成（大正2年に１両のみ？）し、昭和5年までテストが繰り返された。しかし昭和4年に制式化した八九式十五糎加農砲の重量が予定より1.5トンも増加してしまったため、エンジンなどの故障が多かったこともあり、九二式八頓牽引車が新たに作られることとなった。参考：機甲入門、月刊PANZER5,’81

＜試製八十一粍無反動砲＞：第一陸軍技術研究所が昭和19年5月に大阪陸軍造兵廠へ発注した無反動砲で、砲身が長めの�T型と、ブラスト放出口の径が太い�U型が試作された。滑腔式で、機銃架や三脚架に搭載して３名により運搬する。参考：大砲入門

＜試製九〇式広軌牽引車＞：日本陸軍の試作鉄道用装甲車。石川島自動車製作所が開発し、昭和5年に完成した。スミダ六輪自動貨車に広軌線路走行用の鉄輪を装着可能としたもので、ゴムタイヤに換装すれば路上も走れる。線路に登り降りする時は車体四隅のジャッキを使用する。使わない方の車輪は車体側面に付けておく。車体前後に連結装置があり、貨車の牽引も可能。車体上に全周旋回銃塔があり、乗車歩兵の機銃を装着することができる（他兵科との管轄の関係で固有装備はできなかった）。満州事変で活躍し、九一式広軌牽引車が開発されることになった。参考：月刊丸3,’13

＜試製九一式重戦車＞：試製第一号戦車を改修して支援用戦車としたもので、昭和5年4月に完成し、昭和6年に仮制式化された。主砲を70mm砲とし、各部の無駄を省いて２トン以上軽量化し、車長・操縦手用にストロボスコープ（回転式のスリット）を搭載している。エンジン出力も強化された。全長6.3m、全幅2.4m、全高2.78m、自重18トン。副武装は機銃３丁。装甲厚は最大20mm。エンジンはBMW改造ガソリンで、最大出力224馬力（150馬力？）、最大速度25km。乗員５名。試作のみで生産はされなかった。参考：日本の戦車と装甲車両、月刊丸10,’97、機甲入門

＜試製九二式十五糎榴弾砲＞：日本陸軍が昭和8年に試製した榴弾砲。砲身と砲架の２つに分けて運搬する。参考：大砲入門

＜試製九二式装甲自動車＞：九一式広軌牽引車を路上専用に改良したもの。日本陸軍で使用された。参考：世界の軍用車両(4)

＜試製九四式三十七粍機関砲＞：日本陸軍の試作高射機関砲。大正15年から研究を開始し、昭和8年と10年に１門ずつが製作されたが、連射機構に問題があり、実用化には至らなかった。口径37mm、放列砲車重量930kg。俯仰角はマイナス15度からプラス80度、旋回角360度。砲口初速毎秒610m、最大射程6200m。参考：大砲入門

＜試製九四式高射機関砲＞：日本陸軍の試作高射機関砲で、昭和9年11月に８門が完成した。昭和12年5月までテストが行われ、改良が行われて九八式高射機関砲に進んだ。参考：大砲入門

＜試製九七式四十七粍砲＞：日本陸軍の試作47mm対戦車砲。放列砲車重量567kg、俯仰角はマイナス10度からプラス20度、射界は左右500mmずつ。参考：大砲入門

＜試製九七式歩兵連隊砲＞：日本陸軍の試作歩兵砲。昭和13年に試作されたが、四一式山砲が連隊砲として使用されることになったため、採用が見送られた。口径75mm、放列砲車重量465.6kg。俯仰角はマイナス10度からプラス21度、射界左右350mmずつ。参考：大砲入門

＜試製九八式牽引自動貨車＞：日本陸軍の四式七糎半野戦高射砲用半装軌式牽引車で、別名コヒ。全長5.67m、全幅1.9m、全高2.3m、自重5.28トン、全備重量6.3トン、牽引力3.5トン。エンジンは水冷直列６気筒ディーゼル（平均出力88馬力、最大出力120馬力）で、トランスミッションは二重差動式、最大時速48km、燃料搭載量190リットル。乗員15名。池貝自動車製造株式会社で、値段は昭和17年度で65800円。車体前方に除雪用アタッチメントを付けた簡易除雪車も製造された。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜試製九八式装軌自動貨車＞：東京自動車工業株式会社日野製作所が製作した装軌式トラックで、別名ソキ車。下部転輪は片側４枚、誘導輪は九七式と同じものが前方にあり、起動輪は後方にある。履帯は九五式軽戦車と同じ。全長4.6m、全幅2.1m、全高2.5m、自重5.5トン、ペイロード1.5トン。エンジンは空冷直列６気筒ディーゼル（平均出力63馬力、最大出力90馬力）、最大速度40km、燃料搭載量110リットル。乗員２名。値段は昭和17年度で５万円。少数が生産され、少年野砲兵学校や内地・満州部隊などに配備された。参考：日本の戦車と装甲車両、日本戦車隊戦史

＜試製九八式中戦車＞：日本陸軍試製中戦車チホ。一式機動四七粍速射砲を搭載した中戦車として開発が進められたもので、大量装備を可能とするために車体を小型軽量（11トン）としている。1939年7月に試作車が完成したが、中戦車というにはあまりに軽すぎ、九七式中戦車改と一式中戦車が制式化されることとなった。全長4.75m、全幅2.3m、自重12.5トン。副武装は機銃２丁。装甲厚は最大25mm。エンジンは空冷V8ディーゼル（160馬力）で、最大速度30km。乗員3-4名。参考：月刊グランドパワー5,’04、機甲入門

＜試製九九式練習用爆撃機二一型＞：明星二二型を参照。

＜試製一〇〇式重擲弾筒＞：日本陸軍の試作擲弾筒で、八九式重擲弾筒の射程を改善したものである。口径50mm。試製二式有翼榴弾を使用すると最大射程800mで、試製一式目標指示弾も使用できる。昭和10年から開発されたが、制式化には至らなかった。参考：大砲入門

＜試製一〇〇式重榴弾砲（短）＞：日本陸軍の試作榴弾砲。口径410mm、放列砲車重量200トン。最大射程15km。参考：大砲入門

＜試製一〇〇式重榴弾砲（長）＞：日本陸軍の試作榴弾砲。口径410mm、放列砲車重量300トン。俯仰角はマイナス５度からプラス75度、全周旋回可能。初速毎秒580m、最大射程20km。参考：大砲入門

＜磁性ＲＡＭ＞：RAMの一種で、入射電磁波により発生した物質内の導電電流エネルギーを、物質の導電性・誘電性・誘磁性により熱に転換し、その分だけ反射電磁波のエネルギーを減らす。入射電磁波をなるべく多く取り込み、効率良く熱に転換できる素材が求められる。発生する熱エネルギーはごく微量であり、磁性RAMが高温になるようなことは無い。導電性繊維で作った抵抗布、導体金属を蒸着した誘電体シート、導電塗料をポリエチレンフィルムに塗布した抵抗皮膜、炭素粉などをゴム・発泡ウレタン・発泡ポリスチロールの誘電体に混ぜ込んだ誘電性素材、フェライト（酸化鉄主体の磁性体）やカルボニル鉄の微粒子をゴムなどに混合した誘磁・誘電性素材などが開発されており、塗装するか、タイル状に成型して貼り付けて使用する。Ｘバンドで15dB前後の電波吸収能力を持つ。薄くても効果が高く、複数を重ね塗りすることもできるが、金属や磁性体粉末を樹脂に混入するため強度が低くなり重量がかさむ、酸化で効力が無くなるといった欠点がある。鉄の代わりにカーボンナノコイルを使用したり、炭化珪素繊維を使ったりといった工夫が継続されている。参考：レーダの基礎、歴史群像2,’01、月刊軍事研究10,’11

＜試製馬防毒面＞：日本陸軍の防毒具。参考：工兵入門

＜試製機械化歩兵車＞：日本陸軍の試作兵員輸送車で、昭和13年に完成した。独立懸架式サスペンションを持つ４輪駆動車である。全長5.5m、全幅2m、全高2.3m、自重4.5トン。装甲厚は全周6mm、上面4mm。エンジンは空冷直列６気筒ディーゼル（90馬力）で、最大速度62km、航続距離10時間。参考：機甲入門

＜試製機動五十七粍砲＞：ノモンハン事件後半で登場したBT-5戦車に対し、47mm対戦車砲でも不安があったため、昭和16年10月から新たに開発した対戦車砲。試作砲の完成は昭和17年夏になり、既に時代遅れだったため、開発中止となった。口径57mm、放列砲車重量1.54トン、俯仰角はマイナス６度からプラス19度、射界は左右合わせて47度。使用弾は試製一式徹甲弾で、初速毎秒870m、最大射程8000m。装甲貫徹力は射距離1000mで60mm。参考：大砲入門、月刊丸1,’07

＜試製曲射大隊砲＞：日本陸軍の試作迫撃砲で、九七式曲射歩兵砲の軽量化威力増大型である。採用されなかった。参考：大砲入門

＜試製掘進機＞：日本陸軍の坑道戦器材で、利根ボーリング社が技術提案を行い、昭和10年から陸軍技術本部で研究を開始した。地上のトーチカなど堅牢な構造物を地下から爆破するのが主任務である。地下坑道に備え付け、鉄パイプを横に繰り出して（赤土なら300m先まで到達する）先端を目標の真下に到達させ、爆薬を送り込んで空間を作る。ここに圧縮空気でアルミニウムにくるんだ球状爆薬を大量に送り込んで爆破、地上の構造物を吹き飛ばす。掘進機と装薬装置を数組製作して対ソ連戦に備えたが、太平洋戦争では主戦場が南方になり、実戦投入はされなかった。参考：工兵入門

＜試製軽装甲自動車＞：試製装甲自動車シリーズを参照。

＜試製建築車＞：日本陸軍の演習用車両で、６輪トラックの荷台に掘削用作業用機材を搭載している。満州の厳寒期に生活用水を確保するため、川に張った厚さ2mにも達する氷を削る目的で開発された。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜試製高圧水素発生車＞：日本陸軍の水素発生装置。兵士の体に水素入り風船を括りつけて軽量化（？）し、機動力を増そうという計画があり（誰だ考えたの）、このために開発された水素補給車である。６輪トラックの荷台に水素発生・供給装置を搭載していた。風船に弾片が命中すれば爆発して火だるまになることくらい想像がつきそうだが。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜試製甲号自動貨車＞：日本陸軍が明治44年5月に完成させた後方輸送用トラック。重量２トン、最大速度28km。野砲１門または山砲２門を搭載できる。２両が製作され、陸軍初の自動車戦力の礎となった。参考：機甲入門

＜試製湿地牽引車＞：別名トサ車。全長4.3m、全幅2.4m、全高2.4m、自重3.4トン、全備重量４トン、牽引力2.5トン。エンジンは空冷Ｖ型８気筒ディーゼルで、最大速度40km、携行燃料150リットル。乗員３名。参考：機甲入門

＜試製重牽引車＞：日本陸軍の九六式一五糎加農砲もしくは九六式二四糎榴弾砲用牽引車で、別名チケ車。牽引のみならず、操砲に必要な動力やクレーンも積んでいる。ベースは九五式一三頓牽引車で、エンジンを統制型一〇〇式12気筒ディーゼル（240馬力）に変更して車体中央に載せている。全長5.36m、全幅2.5m、全高2.45m、車両重量15.7トン。全備重量16.7トン。最大速度26km、燃料搭載量350リットル。航続時間10時間。牽引力15トン。乗員13名。昭和20年に試作車のみ完成した。参考：月刊PANZER5,’81、機甲入門、日本戦車隊戦史

＜試製重装甲自動車＞：試製装甲自動車シリーズを参照。

＜試製重歩兵砲＞：日本陸軍の試作歩兵砲で、連隊砲としての使用を考慮していた。口径70mm、放列砲車重量330kg。昭和7年に試作されたが、採用されなかった。参考：大砲入門

＜試製小作業機＞：い号装置を参照。

＜試製消毒計＞：日本陸軍の消毒器材。参考：工兵入門

＜試製水陸両用装甲自動車＞：日本陸軍の騎兵用装甲車。大正11年4月10日に出された装甲自動車研究がおおもとで、大正15年に装輪装軌併用式の案が出されたが没になり、ハーフトラック式に設計し直して昭和5年度に試作されたのがこれである。車体は船型で、上に銃塔らしきものが載っている。履帯部分は前部に誘導輪、後部に起動輪を持ち、下部転輪は４枚。操向は陸上では履帯、水上では前輪で行う。全長4.39m、重量2.5トン。エンジンはフォードAA（40馬力）で、最大速度45km、水上速度9km（プロペラ推進）。兵装は軽機関銃１丁で、装甲厚は5mm。乗員２名。試作車でテストが行われ、実用に適すると判定されたが、量産はされなかった。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜試製スミダ乗用車＞：石川島自動車製作所が試作した将校指揮連絡用４輪乗用車。前線を走り回れるよう頑丈に作ってある。自重2.3トン。エンジンはXA型（68馬力）で、最大速度85km。乗員７名。九三式四輪乗用車のベースとなった。参考：月刊PANZER11,’86

＜試製装軌自動貨車＞：試製兵員輸送車を参照。

＜試製装軌自動貨車＞：日本陸軍の試作装軌式輸送車TC。九二式重装甲車初期型を改造して製作された。車体前方が操縦手席、中央から後ろが荷台で、後部の荷台床下に機関室がある。操縦手席前方にはワイパー付きの大型窓ガラスがあり、開閉可能なスリット付き装甲板が取り付けられた。荷台側面には乗降・貨物搭載用扉が付いており、装甲板付きの窓が用意されている。ラジエーターが邪魔で荷台後部中央にドアが取り付けられないので、両脇に小さなドアが設けられた。また、オープントップだが、幌をかぶせる支柱が取り付けてある。エンジンは水平対向水冷ガソリンで、大きなラジエーターが剥き出しになっており、後部から荷物を出し入れする時にはぶつけないように注意が要る。転輪は片側６枚、１つ１組でリーフスプリングにより懸架され、起動輪は前方にある。乗員２名、ペイロード１トンで、1.5トントレーラーを牽引できる。昭和8年に石川島自動車製作所で１両が試作された。参考：日本の戦車と装甲車両、日本戦車隊戦史

＜試製装甲自動車シリーズ＞：日本陸軍がシベリア出兵の際に製作した装甲車で、与えられた工期が短かったため、既存のトラックに三八式野砲の防楯用装甲板を貼り付け、銃塔や無線装備などを搭載して２ヶ月で完成させた。テスト走行で誤って電車に衝突した際、本車は無傷で電車の方がへこみ、装甲の効果が証明されたかに見えたが、実戦では銃弾が貫通して負傷者が出ている。参考：機甲入門

　＜試製軽装甲自動車＞：３トン自動貨車を改造したもの。機銃１丁を装備する銃塔を後部車体上面に持つ。２両が完成し、１両がシベリアに投入された。参考：機甲入門

　＜試製重装甲自動車＞：４トン自動貨車を改造したもの。機銃２丁を並列配置した銃塔を装備する。２両が完成し、どちらもシベリアに投入された。参考：機甲入門

＜試製装載砲床＞：日本陸軍が試作した対戦車戦用ターンテーブルで、射界の狭い砲を上に載せて全周旋回を可能とする。昭和17年に試作され、四一式山砲の砲架に対戦車砲の砲身を載せた試作砲でテストされた。参考：大砲入門

＜試製ソキ車＞：ソキ車を参照。

＜試製第一号戦車＞：日本初の国産戦車で、秘匿名称はチイ（中戦車イ号）。大正14年8月に陸軍技術本部が開発を上申し、陸軍技術本部が設計を行い、大正15年5月に大阪工廠に発注され、昭和2年2月に完成した。要求は、掩蓋付き重火器陣地を破壊できる57mm砲を砲塔に、機関銃塔を車体前後に装備し、37mm砲の攻撃に耐えられるよう主要部で17mmの装甲を持ち、総重量を16トンに抑え、最大速度24kmの４トン自動貨車（トラック）に追随するため時速25kmを出せ、10時間行動ができるようにするというものである。ガソリンエンジン搭載のヴィッカースＣ型戦車が日本での試験中に火災を起こしたため、ディーゼルエンジンを搭載することとし、当時唯一の制式エンジンだった30馬力の自動貨車用のを大型化して搭載した。遊星歯車式の変速装置とクラッチ・ブレーキ装置を持ち、前者を使用した定半径旋回と後者を使用した信地旋回を使い分けることで操縦者からは好評を得た。サスペンションは弓形板バネを平行四辺形に組み立てたもので、その両端に転輪を取り付けている。全長6.03m、全幅2.4m、全高2.78m、自重18トン。エンジンはＶ型８気筒水冷ディーゼル（140馬力）で、最大速度20km。武装は試製57mm砲１門（110発）、7.7mm重機関銃２丁（5000発）。装甲厚は主要部17mm、側面8mm、底面6mm。乗員５名。昭和2年6月21日のテストで性能が確認され、戦車の国産化に入ることとなったが、実用上やや大きすぎるとされたため、八九式中戦車や試製九一式重戦車が開発されることとなった。その後車体軽量化改修が行われ、昭和5年5月に完了、自重が16トンに、最大速度が21kmになった。参考：日本の戦車と装甲車両、日本戦車隊戦史、月刊PANZER3,’98、8,’13、11,’02、10,’12、月刊丸10,’97、機甲入門

＜試製第二号戦車＞：八九式中戦車シリーズを参照。

＜試製大威力十糎加農＞：日本陸軍の試作カノン砲で、九六式十五糎榴弾砲の砲架に試製十糎半陣地高射砲の砲身を載せたものである。最大射程20km。参考：大砲入門

＜試製対空戦車＞：九八式軽戦車ファミリーを参照。参考：世界の軍用車両(1)

＜試製単銃身旋回機関銃一型＞：テ一を参照。

＜試製中型牽引車＞：日本陸軍の試作高速牽引車で、別名ハニ車。機械化部隊に追随できるよう、時速40kmで九二式一〇加または九六式一五榴を牽引するために開発された。全長5m、全幅2.28m、全高2.3m、自重11トン、全備重量12トン、牽引力6.5トン。エンジンは水冷Ｖ型８気筒ディーゼル（平均出力135馬力、最大出力160馬力）で、最大速度40km、燃料搭載量250リットル。乗員９名。製作が間に合わず、試作のみに終わった。参考：機甲入門

＜試製超重戦車＞：オイを参照。

＜試製てき弾銃＞：技術研究本部、豊和工業、ダイキン工業が1966年頃から開発した40mmグレネードランチャー。前装式で、直銃床と二脚を備え、銃床部を外して持ち運ぶことが可能。重量6kg。使用弾は榴弾（有効射程400m）とHEAT（有効射程300m）。1969年度の第一次試作では銃身に発射ガス放出用の小孔が多数開口していたが、1970年度の第二次試作では全て潰された。試作銃４丁で1970-71年度に試験を行ったが、所定の性能が発揮できず、制式化には至らなかった。参考：月刊軍事研究5,’17

＜試製凍土掘開機＞：日本陸軍の試作器材。満州の凍土を掘るための器材で、装軌車両にコールカッター式ノコギリを搭載しており、前進しながら凍土に溝を掘ることができる。その後、溝の間を掘れば壕を作ることが可能。参考：月刊丸4,’17

＜試製凍土植杭機＞：日本陸軍の試作器材。満州の凍土に杭を立てるための孔を掘る機械で、中径15cm・深さ80cmの孔を１分間で形成できる。参考：月刊丸4,’17

＜試製特殊牽引車＞：日本陸軍の試作牽引車、別名トニ。全長4.3m、全幅2.15m、全高2m、自重3.4トン、牽引力2.5トン。水冷直列６気筒ガソリンエンジンを搭載し、最大速度40km、燃料搭載量146リットル。乗員２名。参考：機甲入門

＜試製梯子車＞：日本陸軍の試作装軌式観測車。車体左後部に折り畳み式の長ばしごを搭載しており、この上に登って砲兵観測などを行う。気球やオートジャイロなどの方が有効と考えられたため、採用されなかった。参考：機甲入門

＜試製半永久建築車＞：日本陸軍の半永久有線通信路用建築作業車。九四式六輪自動貨車の荷台に穿孔装置、梯子設備（植柱作業と柱上作業に使用）、延線装置などを搭載する。中径0.25m・深さ1.2mの植柱用の孔を５分（凍結地なら10分）で掘れる。参考：工兵入門

＜試製半装軌装甲兵車＞：日本陸軍の試作ハーフトラックで、九八式牽引自動貨車を改造したものである。全長6m、全幅2m、全高2.2m、自重7.28トン、ペイロード1.5トン。装甲厚は前面8mm、側面6mm。エンジンは統制型一〇〇式６気筒ディーゼル（110馬力）で、最大速度45km、航続時間15時間。乗員15名。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜試製兵員輸送車＞：日本陸軍の試作装甲兵員輸送車TE。試製装軌自動貨車のエンジンを空冷に変更して車体前方に積み替えたものである。車体前方左が操縦手室、右が機関室、後方が兵員室となっており、操縦手室にはタンデムに座席が用意されている。右の機関室は一段低くなっており、操縦手席には３面に大型の窓が取り付けられていて、視界は良好である。兵員室はオープントップ（幌付き）で、四方には大型の窓が取り付けてあり、左右と後面に大型窓付き乗降ドアがある。エンジンは空冷６気筒ガソリン。足回りは九四式四屯牽引車と共通で、下部転輪は片側４枚、起動輪は後方にあり、上部転輪１枚を持つ。兵員室を貨物搭載用の荷台に換えた自動貨車バージョンもあり、昭和9年に自動車工業株式会社で１両ずつが試作されてテストに使用された。また、上部転輪を無くして下部転輪を大型化し、兵員室の扉を後部のみとしたバージョン（TG）も昭和10年に製作され、テストに賦された。参考：日本の戦車と装甲車両、日本戦車隊戦史

＜姿勢方位位置計測装置＞：自衛隊の機器。多摩川精機製。参考：月刊軍事研究9,’09

＜試製野戦除毒車（甲）＞：日本陸軍の除染車両で、撒毒された地区（主に細菌）を通過した兵士の服を除毒するために開発した。６輪トラックに消毒用機材を積んでおり、消毒液入りの木製の酒樽（金属だと化学反応を起こすためと思われる）も搭載していて、汚染された服などを突っ込んで棒でかき回して除染する。参考：月刊戦車マガジン1,’88、工兵入門

＜次世代化カーゴポッド＞：NGCPを参照。

＜次世代警戒管制レーダー＞：MIMOを参照。

＜次世代航空支配戦闘機＞：アメリカ空軍が構想を発表した第６世代戦闘機Next Generation Air Dominance、略称NGAD。F-15C/DとF-22の後継で、高度な防空網が張られている敵地でも航空支配を行える超高性能戦闘機である。ただロシアや中国の防空網開発状況やF-35の運用結果などを見て修正が入るかもしれない。アメリカ海軍では共同開発の予定は無く、そういう任務は空軍か長射程ミサイルに任せる。2020年9月14日、アメリカ空軍が、技術実証機の飛行試験を行っていると明らかにした。T-7A練習機の開発で初使用した、デジタル・エンジニアリング＋機動的ソフトウェア開発技術＋オープン・アーキテクチャーの組み合わせを活かし、コンセプトを纏めてからデモンストレーターの初飛行までを１年未満で済ませたとしており、新たな開発コンセプトであるデジタル・センチュリー・シリーズを適用したとみられている。参考：月刊JWings8,’19、12,’20、朝雲

＜次世代ジャマー＞：AN/ALQ-249を参照。

＜次世代水陸両用技術の研究＞：日米共同研究Research of New Generation Amphibious Technologies(NGAT)。将来の水陸両用車に反映できる洋上高速航行能力と乗員安全性を兼ね備えたデジタルモデルを完成させるもので、日本側はエンジンなど主要コンポーネントを実際に作ると共に水槽模型試験も行ってモデル作成用データに反映させ、アメリカ側は遠征戦闘車EFVの知見や数値流体力学検討結果とモデルベース・システムエンジニアリングの検討結果を供出する。期間は2019-24年を予定している。2019年5月、次世代水陸両用技術の研究に関する事業取り決めを締結。2020年2月27日、第１回共同運営委員会JSCがアメリカ海軍研究所で開催され、防衛装備庁装備官（陸上担当）柴田陸将とアメリカ海軍研究所司令官ハーン海軍少将が出席、進捗状況を確認した。参考：朝雲

＜次世代装備研究所＞：防衛装備庁の施設。電子装備研究所と先進技術推進センターを統合したもので、先進技術の育成段階から装備品としての実現までを一貫して研究するのが主任務である。2021年4月1日に三宿地区で防衛装備庁隷下に新編され、開所式が行われた。参考：朝雲

　＜次世代装備研究所（２０２１年４月１日新編時）＞：防衛装備庁隷下で、人員数160名。領域横断機能研究部、先進技術研究部、センサ研究部、電子退所研究部、飯岡支所などからなる。参考：朝雲

＜次世代データリンク高速・高信頼化技術（その２）の研究試作（２）＞：自衛隊の研究試作。三菱電機が受注している。参考：月刊軍事研究12,’18

＜次世代ミサイル＞：NGMを参照。

＜施設（航空自衛隊職域）＞：航空自衛隊の職域の１つで、土木建築、電気、設備機械、給汽、消防の各職種を含む。基地設備などの維持補修管理、航空機事故時の消防救難活動が主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜施設Ｓ＞：ソ連の核兵器国家保管施設。保管用の掩蔽壕、兵員ブロック、技術・支援ブロックなどから構成される。参考：核兵器事典

＜施設員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の科員。地方総監部や航空基地に配備され、建造物、港湾、飛行場、道路などの施設整備管理を行う。重機操作に必要な大型自動車免許などを取得し、海自第３術科学校施設課程を修了すると任命される。任務や民間施工業者との調整に必要な知識を得るため、建築士、電気工事士、ボイラー技士といった国家資格を積極的に取得する。参考：MAMOR vol.149

＜施設科＞：陸上自衛隊の職種で、工兵にあたる。職種色はえび茶色。職種徽章は城をアレンジしたものである。情報（地図作成、測量など）、障害処理（敵陣地破壊、地雷原処理など）、築城作業（陣地構築、障害物構成、土嚢作成など）、架橋渡河、交通作業（道路橋梁構築・修復など）、破壊作業（道路橋梁破壊など）により戦闘部隊を支援するのを主任務とする。災害派遣やPKO活動でも活躍しており、海外派遣員の３割は施設科隊員である。地図作製専門の中央地理隊も施設科所属。自衛隊創設期にはアメリカから大量の土木機械を供与され、日本で最も高度な建築器材を有しており、地区施設隊を編成して民生支援を行い、退職後の生活にも困らなかったらしい。施設中隊の中隊長以下全員が退職後にそのまま建設会社を作った例もあるという。1960年代には民間レベルに追い付かれ、1970年代以降の民生支援は縮小の一途となっている。参考：スピアヘッドNo.17、MAMOR vol.62、vol.86、vol.113、月刊JWings9,’19

＜施設学校＞：陸上自衛隊施設科職種学校。施設器材の運用整備修理、土木、築城、交通、障害物構成処理、渡河などの教育を行う職種学校で、教育支援部隊である施設教導隊も所属する。モットーは「磨、輝、絆」（ま、き、ばと読む）。架橋渡河訓練は那珂川の水戸渡河演習場で実施する。1952年1月7日に開校した。2010年2月15-17日、勝田演習場整備を実施。集中野営を行いつつ整備を行い、篠竹密生地域を教育訓練に使えるようにするなどの成果を得た。2011年1月30日、セシウム137を含むダーティ・ボムによるテロを想定した国民保護共同実動訓練に参加。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。発災後直ちに偵察部隊を派遣して情報収集にあたると共に、茨城県や市町村に連絡幹部を派遣、県庁や筑波山などに通信中継所を開設した。1600過ぎに茨城県知事から災害派遣要請があり、施設教導隊を大洗町に派遣。夜に到着した第１師団の茨城第１支援隊に、第１施設団、武器学校の要員を加えて救援活動を開始した。3月18日、第１師団の茨城第２支援隊が配属され、県全域で給食・給水支援を行った。4月6日、ひたちなか市役所で災害復興応援コンサートを実施。4月9日、神栖市平泉コミュニティセンターで災害復興応援コンサートを実施。4月27日、茨城県知事から撤収要請を受けて活動を終了。4月29日、第１師団の災派部隊が帰隊した。2012年7月17日、勝田駐屯地と那珂川河川敷で首都直下地震に備えた水陸両用災害対処訓練を実施。指揮所開設、予備指揮所への移転、情報収集、施設教導隊による07式機動支援橋と92式浮橋の連接、94式水際地雷敷設装置による人員輸送などを訓練した。11月10日、茨城県日立市総合防災訓練に参加。2013年4月25日、学校本部庁舎の指揮所で首都直下地震を想定した災害対処訓練を実施。東京湾北部を震源とするマグニチュード8.4の大地震を想定し、第３種非常勤務態勢から首都直下地震司令部勤務態勢に移行、第１施設団や武器学校とテレビ会議を行うなどの訓練を行った。7月13-15日、茨城県大洗町の海開きカーニバルで94式水際地雷敷設装置や高機動車の体験搭乗を実施。2014年3月12日、モンゴル軍将校５名が測量の実地教育を研修した。2015年9月10日から関東・東北豪雨の災害派遣に参加。2016年3月、戦史教育施設が竣工した。12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。2017年10月21日から12月14日、ジブチで災害対処能力強化支援事業に参加。2018年4月6-29日、モンゴル陸軍への能力構築支援事業に参加。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。11月12-13日、パプアニューギニア軍とフィジー軍の佐官級３名ずつ６名が来校し、ブリーフィングを受けた後、災害対処などに関する訓練展示や装備品見学を行った。11月20日、ラクロワ国連平和維持活動局長の視察を受けた。2019年1月18日、アメリカ陸軍工兵隊日本地区司令官ら５名が学校を訪問した。2月28日、平成30年度施設団長等会議を実施。3月1日、平成30年度施設科セミナーを実施。4月5日、有識者５名に対する研修を実施。4月28日から5月3日、オタワで行われた第３回国連PKO参加国工兵部隊マニュアル改訂専門家会合に、教育部主任教官が議長、一等陸尉が議長補佐として出席した。5月21-24日、自衛隊統合防災演習に参加。陸災首都圏部隊司令部施設調整所を編成し、統合部隊司令部などに増強幕僚を派遣、施設教導隊による増強偵察組と中継組を茨城県内被災地に展開して被害状況把握や通信組織構成を行った。6月3日、カナダのサージャン国防相が視察した。7月24日、環境整備マニュアル作成・普及の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が贈呈された。10月13日から台風19号・21号被害の災害派遣に参加。11月10日、茨城県内の入浴支援を終了し、台風19号・21号被害の災害派遣を完了した。2020年2月17-26日、ラオス人民軍21名に対する道路復旧要領の能力構築支援事業を実施。2月20-21日、茨城県警と治安出動を想定した共同訓練を実施。3月5-6日、施設団長等会議を実施。4月13-23日、勝田小演習場、水戸渡河演習場、七会訓練場、長岡基本射撃訓練場、勝田駐屯地を整備した。8月21-28日、第91期幹部上級課程学生が富士学校で令和2年度幹部上級課程（前期）合同兵棋演習に参加。

2021年1月19日、防衛省働き方改革推進コンテストで大臣賞を受賞し、オンライン表彰式に出席した。2月2日、茨城県城里町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの災害派遣に参加。4月22日、茨城県大子町で発生した山林火災の災害派遣に参加。7月2-8日の平日、施設技術展示会を実施。10月10-15日、白河布引山演習場で第101期幹部初級課程・第236期初級陸曹施設課程学生計119名に実爆総合教育を実施。12月6-10日、支援部隊早期展開プロジェクトに参加。インドネシア、カンボジア、ベトナムを結び、各国工兵に対する作業工程管理課程オンライン教育を行った。2022年5月21日、茨城県取手緑地運動公園で水防演習に参加。

参考：月刊軍事研究9,’05、11,’11、MAMOR vol.52、vol.60、vol.113、vol.135、vol.150、陸海軍学校と教育、朝雲、月刊JWings8,’12、11,’15、7,’21、8,’22

　＜施設学校（２０１５年）＞：勝田駐屯地に置かれ、施設科関連22課程の教育を行っている。企画室、総務部、教育部（教務課、教材課、運用教官室、戦闘・戦技教官室、建設技術教官室、補給整備教官室、共通教官室）、研究室、施設教導隊からなる。参考：MAMOR vol.113、vol.117

＜施設学校戦史教育施設＞：施設学校の正門近くにある鉄筋コンクリート２階建ての戦史教育用施設。学生と施設科隊員が２年かけて建造し、2016年3月に竣工した。参考：MAMOR vol.113

＜施設科部隊＞：陸上自衛隊施設科のうち、土木作業任務にあたる部隊のこと。各師団隷下の施設大隊、旅団編制部隊である施設中隊／施設隊、方面隊直轄の施設団（中隊規模）があり、混成団・空挺団にも施設中隊が配置されている。普通科連隊には作業小隊があるが、これはシャベルを装備した普通科隊員である。ただ人力では作業に限界があるとのことで、1975年頃に小型ドーザーを装備した施設作業小隊に改編された。富士教導団には教育支援施設隊が、施設学校には施設教導隊がある。民生支援を担当する地区施設隊も編成されていたが、経済成長と共に縮小されて1990年代に消滅した。参考：月刊軍事研究8,’04、5,’12、スピアヘッドNo.17、MAMOR vol.84、vol.136

＜施設管理小隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の小隊。基地業務群施設隊隷下で、電気班、設備機械班、給汽班からなり、基地のライフラインを維持管理したり、クラッシュ・バリアの運用を行ったりする。参考：MAMOR vol.109

＜施設器材小隊＞：陸上自衛隊の施設科小隊。油圧ショベルやドーザなどの施設器材を装備し、陣地構築など土木作業を行う。参考：MAMOR vol.84

＜施設機材隊＞：施設団隷下の大隊規模部隊で、主に架橋機材を集約管理する。各種資格を取れるので、退職後も困らない。参考：月刊軍事研究8,’04、8,’09

＜施設機材隊（２００４年）＞：本部、架橋中隊、浮橋中隊、軽渡河機材小隊からなり、本部の特殊機材小隊には舗装機材を装備する。参考：月刊軍事研究8,’04、8,’09

＜施設機材中隊（２００４年）＞：架橋小隊のＡ小隊１個と、土木機材を持つＢ小隊２個で編成される。参考：月刊軍事研究8,’04

＜施設器材用エンジン＞：自衛隊の機器。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜施設教導隊＞：陸上自衛隊の教導隊で、施設学校に付属する。2010年7月10日、水戸市内の那珂川河川敷枝川地区で公開訓練Rescue 2010 in EDAKAWAを実施。94式水際地雷敷設装置による溺者捜索救難訓練、07式機動支援橋・92式浮橋による架設訓練などを行った。2016年7月25日から9月9日まで、モンゴルで19名が能力構築支援事業に参加し、道路構築教育を行った。2019年6月3日、施設学校を視察したカナダのサージャン国防相に、07式機動支援橋架設訓練展示や各種施設装備展示を行った。7月20-21日、勝田駐屯地が行った夏休みキャンプ教室を支援した。2020年6月16日、北茨城市で防災に関する偵察訓練に参加。参考：月刊JWings10,’10、朝雲

＜施設群＞：施設団隷下の施設科部隊で、第１−第13施設群が編成された。21世紀に入って改編が行われ、第１・第３・第８施設群が廃止、第13施設群が第13施設隊に縮小された。2017年3月、第14施設群が新編され、第13施設群が再編された。参考：スピアヘッドNo.17、上富良野駐屯地ホームページ、倶知安駐屯地ホームページ

　＜施設群（１９８５年）＞：定員450名。本部中隊、施設中隊３個、施設機材中隊、地区施設隊からなる。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜施設群（２００４年）＞：本部、本部管理中隊、３個施設中隊、施設機材中隊で編成される。参考：月刊軍事研究8,’04

＜施設作業管理車＞：航空自衛隊の車両、U-FT3HGAL。４輪トラックの後部荷台のシェルターにトイレ、流し、湯沸かし器、冷蔵庫、机、イスなどを搭載しており、施設作業の現場事務や休憩に使用する。全長7.47m、全幅2.32m、全高3.71m、車重7.41トン、最大積載量0.24トン。エンジンはH07D型直列６気筒ディーゼル（7412cc、195馬力）で、トランスミッションは常時咬合式前進５段・後進１段、最大速度105km、燃料タンク容量250リットル。乗員３名。日野車体工業製。1993年度から配備された。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜施設作業車＞：99式施設作業車を参照。

＜施設作業車用機関＞：自衛隊のエンジン。富永物産が受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜施設作業車用鉄履帯＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜施設隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の部隊。基地業務群隷下の基地施設維持管理部隊で、滑走路を初めとする各施設の補修整備を行う。有事に滑走路が破壊された時に備え、被害復旧訓練を実施している。トップは施設隊長で、総括班、土木建築小隊、施設管理小隊、消防小隊からなる。参考：MAMOR vol.109、月刊JWings11,’23

＜施設大隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の施設科部隊。師団全般の戦闘支援を行ったり、普通科連隊などに部隊の一部を派遣して戦術行動を支援したりする。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜施設大隊（陸自、１９７７年）＞：師団隷下で、隊員600名（甲師団）。大隊本部、本部管理中隊（器材小隊、渡河器材小隊など）、施設中隊４個（乙師団は３個）からなる。土木器材、渡河器材、70式地雷原爆破装置、戦車橋（一部師団のみ）などを装備する。参考：日本の防衛戦力Part1

＜施設大隊（陸自、１９８０年代半ば）＞：師団隷下で、大隊本部、本部管理中隊、施設中隊４個（乙師団は３個）からなる。いわゆる戦闘工兵を主体としており、本部管理中隊の渡河機材小隊による渡河支援も行える。参考：兵器最先端５

＜施設大隊（陸自、２００４年）＞：本部、本部管理中隊、施設中隊3-4個からなり、各師団所属の普通科連隊を１個施設中隊で支援できる。参考：月刊軍事研究8,’04

＜施設団＞：陸上自衛隊の施設科部隊で、1961年8月17日に新編された。各方面隊隷下に１個ずつが編成されており、各種施設器材により障害の構成及び処理、陣地構築、渡河作業などを実施する他、災害派遣や部外土木工事などの民生協力も行う。隷下には施設群が編成されているが、方面隊の師団・旅団に特有の任務を支援するため、坑道中隊や水際障害中隊などの任務別直轄部隊を独自に組み込んでいることもある。21世紀に入り改編が行われ、北部方面隊隷下の第３施設団が北部方面施設隊に縮小された。参考：スピアヘッドNo.17、日本の戦力、日本の防衛戦力Part1

　＜施設団（１９７７年）＞：方面隊管内の交通路や建築物などを構築維持するのが主任務である。施設群数個、施設機材隊、ダンプ車両中隊、地区施設隊などを隷下に置く。参考：日本の防衛戦力Part1

＜施設団（２００４年）＞：施設大隊のみでは師団の戦闘能力維持が苦しいので、それを支援するために方面隊から派遣される中隊規模の部隊である。また、戦域全体の兵站支援も行う。団本部、本部付隊、施設群2-3個、施設機材隊、ダンプ車両中隊からなり、坑道中隊や水際障害中隊などの直轄部隊を持つこともある。参考：月刊軍事研究8,’04

＜施設中隊（旅団隷下、２００４年）＞：本部、施設小隊3-4個などからなり、各旅団所属の普通科連隊を１個支援小隊で支援できる。参考：月刊軍事研究8,’04

＜施設部隊早期展開プロジェクト＞：国連の事業で、RDEC（project for Rapid Deployment of Engineering Capabilities）と略す。国連三角パートナーシップ・プロジェクトの一環で、PKO活動に参加する工兵部隊に対して器材の操作法を教育し、活動への早期展開を行えるようにするものである。元はアフリカ施設部隊早期展開プロジェクトで、2018年11月から対象をアジアにも拡大することになったのを受けて改称された。11月5日から12月14日、第６施設群19名と内閣府連絡調整要員１名がハノイのベトナム軍第249工兵旅団宿営地でベトナム軍やネパール軍など東南アジア９カ国の工兵16名（15名？）に重機操作を指導した。2019年6月3日から8月23日、第９施設群など23名をケニア国際平和支援訓練センターに派遣し、ウガンダ軍工兵35名を対象とした重機（中型ドーザ、ロードローラ、バケットローダ、油圧ショベル、グレーダ）操作訓練を実施。8月26日から11月15日、第12施設群など23名がウガンダ早期展開能力センターでウガンダ軍工兵に重機操作訓練などを実施。その後衛生分野にも範囲を広げることになり、支援部隊早期展開プロジェクトの略になった。参考：朝雲、MAMOR vol.152、vol.157、vol.160

＜施設補給処＞：陸上自衛隊の補給処。1998年3月、関東補給処古河支処に改編された。参考：古河駐屯地ホームページ

＜自然吸気エンジン＞：NAエンジンを参照。

＜事前集積船団＞：MPFを参照。

＜自然循環式原子炉＞：軽水炉を参照。

＜自然放射線＞：世界平均では一人あたり年間2.4mSvで、宇宙から0.39mSv、食物から0.29mSv、大地から0.48mSv、空気（ラドン）から1.26mSvを被曝している。場所によっては線量が高いところもあり、ブラジルのガラパリでは年平均10mSvとなっている。参考：血液フロンティア12,’11

＜時装＞：陸上・航空自衛隊スラングで、制服に統一せず適宜の服装で済ませること。参考：MAMOR vol.164

＜自走運搬車＞：自衛隊の車両。大和商工が受注している。参考：月刊軍事研究8,’13

＜自走カノン砲＞：自走砲の１つで、自力で移動できるカノン砲のこと。

＜自走機雷＞：機雷を参照。

＜自走高射機関砲＞：自走対空砲を参照。

＜自走高射砲＞：自走対空砲を参照。

＜自蔵航法＞：Self-contained navigation。地上の航法援助施設は使わず、航空機に搭載した航法装置のみで航法を行うこと。INS、GPS、ドップラー・レーダーなどを使用する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜自走コンプレッサ＞：陸上自衛隊の施設器材。動力源用圧搾空気を供給する他、架橋器材のゴム浮嚢を膨らますのにも使用される。車体部（いすゞ製）は２・1/2トントラックで、本体部（北越工業、三井精機工業製）は荷台に載せられている。全長6.69m、全幅2.25m、全高2.59m、全備重量8.07トン。走行用エンジンはいすゞDA640（125馬力）、最大速度74km。コンプレッサ用エンジンはいすゞDA120P（65馬力）、空気圧縮機型式は可動翼回転型二段圧縮油冷式。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜自走式機雷処分具＞：自衛隊の機器。三井造船製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜自走式機雷処分用弾薬＞：海上自衛隊のワンショット機雷処分具、略称EMD（Expendable Mine Destructor）。三井造船が開発した小型無人潜水機に対戦車ミサイルの弾頭技術を組み合わせている。本体は円筒形で、先端にTVカメラと照明、内部に高精度ソナーと深度測定ソナーと成型炸薬、後部外周に推進用スラスター３基、スラスター後方の本体尾部外周にフィンを装備する。母艦から発進すると光ファイバーで遠隔操作され機雷の近傍に到達、ソナーとカメラで機雷を確認し、成型炸薬で機雷を吹っ飛ばす。対潜用深々度機雷にも対応可能。全長1.8m、主胴径0.23m、重量90kg。塗装は黒。あわじ型掃海艦に搭載された。一旦海中に投入すると回収不能で爆破処分するしか無いので、繰り返し使える教育訓練用（塗色が違う）も開発されており、2023年の第８師団第８飛行隊UH-60JA多用途ヘリ宮古島沖墜落事故で海中捜索に参加、複雑で激しい潮流をかいくぐり機体を発見している。三菱造船製で、平成27年度防衛基盤整備協会賞を受賞した。参考：朝雲、月刊世界の艦船10,’19、5,’13、1,’19、1’24

＜自走式機雷処分用弾薬管制装置＞：自衛隊の機器。三井造船製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜自走式機雷処分用弾薬用試験器＞：自衛隊の機器。三井造船製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜自走式水上標的＞：自衛隊の試作水上標的。日本飛行機が1993-95年に試作し、1997年までテストしたが、ヘリでスリングする際の安定性不良が問題となり、実用化には至らなかった。参考：月刊軍事研究9,’17

＜自走式デコイ１型＞：海上自衛隊OLQ-1魚雷防御装置を構成する音響デコイ、略称MOD（MObile Decoy）。魚雷型をしており、旋回架台上の２列２段４連装円筒形ランチャーから圧縮空気で海面に向け射出され、音響を発しながら水中を自走、敵の魚雷を誘引しつつ艦船から遠いところで爆発させる。全長1m、直径0.152m、重量26kg。三菱重工製。あきづき型護衛艦やいずも型護衛艦に搭載された。参考：JShips Vol.48、月刊軍事研究6,’15、12,’13、6,’12、7,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊、8,’21

＜自走式電源車＞：自衛隊の車両。C-2用もある。シンフォニア・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究9,’10、7,’16

＜自走対空砲＞：機甲部隊を航空攻撃から防御するため、対空砲を自走車体に積んで戦車並の機動力を持たせたもので、自走高射砲ともいう。戦車の車体を流用したものは対空戦車（Anti Air Tank）とも呼ばれる。取り敢えず機動車体に対空砲を載せたのが第１世代、これにレーダーを組み合わせたのが第２世代で、航空機の性能が向上して低空を高速で飛来できるようになったため、比較的小さな口径の対空機関砲により弾幕を張るようになり、自走対空機関砲／自走高射機関砲が主流となった。第３世代では捜索レーダーと追尾レーダーを別に設け、攻撃ヘリの対戦車ミサイルに対抗するため長射程の大口径機関砲を装備した。参考：月刊PANZER4,’03、7,’09、軍事力バランス78年版

＜自走地対艦ミサイル（北朝鮮）＞：北朝鮮軍自走地対艦ミサイル。152mm自走カノン砲と同系の装軌車体上に、中国製シルクワーム対艦ミサイル単装ランチャーを搭載している。参考：月刊軍事研究7,’02

＜自走破砕機＞：陸上自衛隊の装軌式施設車両。岩石、コンクリート、アスファルトなどを細かく破砕して陣地や障害物の構築に必要な砂利を作ることができる。重量24トン。参考：スピアヘッドNo.13

＜自走砲＞：中国語では自行火砲。自力で移動できる火砲のこと。主に間接照準による遠距離射撃により、第一線部隊に対する火力支援を行う。後座長の長い大口径火砲を大射角で運用するため、砲塔の背が高い。各部は発射時の衝撃と反動に耐えられるだけの頑丈さを持つ必要がある。当初は砲が剥き出しだったり、防楯だけだったりしたが、弾片防御と対空防御の必要性から密閉砲塔を使用することが多くなった。方位角変更は砲塔旋回で行うが、車体と砲塔の向きを揃えた方が安定するので、超信地旋回能力を備えているのが望ましい。運用主体は砲兵になるので、車両の扱いには慣れておらず、操縦や整備の容易な車体を用意する。搭載火砲の種類により、自走榴弾砲、自走カノン砲、自走対空砲、自走ロケット砲、自走迫撃砲、自走無反動砲などに分類される。利点は、牽引車両が要らないこと、陣地転換が迅速に行えること、多少の不整地でも車体の安定が取れれば地面を固めるなどの準備無しに射撃に入れること、前線の機甲部隊に追随して自在に火力支援を実施できること、砲兵の負担が少ないことなど。欠点は、砲単独よりも大型のため発見されやすいこと、弾薬使用量が大きいため持続射撃時には車外から補給する必要があるが、この時補給車両や補給員が無防備になること、固定砲塔の自走砲では機関を損傷すると射界が確保できなくなること、相当大型の掩体を構築しないとその効果が得られないこと、高価なことなど。特に価格がネックであり、第２次大戦中から戦後すぐにかけて本格的に開発・配備できたのはアメリカだけだった。第２次大戦時の中戦車に火砲を搭載した第１世代（M7やM12など）、軽戦車の車体を使用した小型の第２世代（M37やM41など）、戦後型戦車とファミリー化してNBC防護も取り入れた第３世代（M44、M52、M53、M55など）、空輸向けにアルミ合金を使用して軽量化した第４世代（M109やM110など）に分類される。参考：月刊JWings6,’03、月刊戦車マガジン1,’88、スピアヘッドNo.13、兵器メカニズム図鑑、機甲入門、兵器最先端５、ザ・マーチ５号、月刊PANZER6,’14、月刊軍事研究12,’15

　＜自走砲（日本陸軍）＞：最初は歩兵直協用の突撃砲的な任務を担うものとして開発されたが、戦車師団の師団砲兵用としても使用されるようになり、最終的に自走対戦車砲の任務を負うようになった。本土決戦が迫った昭和20年初めから漸く一式自走砲ホニ�Tの生産が急がれ、本土防衛部隊に配属されたが、数は非常に少ない。実戦参加したのはフィリピンの戦車第２師団に配属された４両の１回だけである。また、四式十五糎自走砲がフィリピンで実戦投入されたが、一式一〇糎自走砲は輸送途中で沈められ、他の自走砲は内地に留まり終戦を迎えた。参考：月刊PANZER1,’05、日本の戦車と装甲車両

＜自走砲架＞：砲架を参照。

＜自走砲分隊（日本陸軍）＞：自走砲１両と弾薬車（装軌式装甲兵員輸送車１両＋機動九〇式野砲用弾薬車１両）で構成され、自走砲に分隊長、操縦手、砲手３名、無線手兼車内弾薬手が乗り、弾薬車に弾薬車長、操縦手、予備操縦手、砲手４名が搭乗する。配置の際には弾薬車長と弾薬車の砲手２名が車外弾薬の準備に当たる。戦闘時には無線で逐次報告される状況を元に分隊長が車体の停止位置を決定し、停止するまでに射撃諸元を定めて弾薬を装填、停止後数秒で射撃を開始する。参考：機甲入門

＜自走榴弾砲＞：Self-Propelled Howitzer。自走砲の１つで、自力で移動できる榴弾砲のこと。射撃位置への迅速な展開や、発射後の速やかな射点移動が可能である。参考：月刊JWings9,’00、兵器メカニズム図鑑

　＜戦後第１世代＞：自走車体に固定式に榴弾砲を搭載したもの。M44など。参考：月刊軍事研究6,’16

　＜戦後第２世代＞：全周旋回砲塔に榴弾砲を搭載したもの。M109、75式自走155mm榴弾砲など。参考：月刊軍事研究6,’16

　＜戦後第３世代＞：長砲身榴弾砲を搭載して最大射程を40km以上に延伸し、自動装填装置により速射を可能としたもの。PzH2000、99式自走155mm榴弾砲、PLZ05、2S19、2S35など。参考：月刊軍事研究6,’16

＜持続型脅威探知システム＞：PTDSを参照。

＜持続型地上監視システム＞：PGSSを参照。

＜持続発射速度＞：発射速度を参照。

＜しだ＞：LSSL-431（警備艇）を参照。

＜シターラ＞：HJT-36（練習機）を参照。

＜支隊（日本陸軍）＞：特別な目的のために編成され、本隊から一時的に独立して作戦行動を行う部隊。規模は中隊クラスから旅団クラスまで様々で、任務に応じて本隊の各兵科から戦力を抽出する。参考：歴史群像6,’14、帝国陸海軍事典

＜師団＞：Division。中国軍では師。陸上兵力の基本戦略単位。軍の主要な兵科を有する諸兵科連合部隊で、補給部隊の裏付けを持ち、隷下部隊により独立して戦闘を行える最小単位部隊である。機動兵科（戦車、偵察、歩兵など）、火力支援兵科（砲兵、対空、攻撃ヘリなど）、技術支援兵科（工兵、通信など）、兵站支援兵科（補給、整備、輸送、会計、衛生など）を組み合わせ、その比率によって様々な種類の師団を構成している。一般的に、攻勢戦略をとる国は師団数と装甲化率が高く、防勢戦略をとる国は低くなっているが（予算の関係もある）、予想戦場や国力によっても差がある。規模が大きすぎて機動力などに難のある常備軍（当時は10万名規模）を数個の諸兵科連合部隊に分けて独立運用するというコンセプトで、1778年にフランス軍がノルマンディー州の大演習において、山岳戦に参加する部隊を数個に分割し、別経路を進ませたのが始まりである。各部隊は別経路を進撃中に敵と遭遇しても対応できるよう、諸兵科連合の編成とされており、分割部隊ということでディヴィズィヨンと呼ばれ、師団の語源となった。第１次大戦後は、隷下にそれぞれ３個部隊を隷属させる３単位師団をとる国が多くなり、指揮統制を容易にしている。第２次大戦初期には戦車を主力とする機甲師団が戦場を闊歩したが、その後の対戦車兵器の発達により、戦車を中心とした諸兵科連合師団が世界の趨勢となった。参考：兵器最先端５、月刊PANZER6,’13、月刊軍事研究5,’15、5,’16

＜師団（イラク共和国親衛隊、湾岸戦争時）＞：戦車師団定数は13800名、T-72戦車312両、歩兵戦闘車197両、自走砲126両。機械化師団定数は13800名、T-72戦車222両、歩兵戦闘車277両、自走砲126両。歩兵師団定数は14300名、T-72戦車44両、牽引式野砲90門。参考：月刊軍事研究4,’08

＜師団（イラク陸軍、湾岸戦争時）＞：戦車師団定数は12100名で、戦車旅団２個、機械化旅団２個、師団砲兵大隊、防空砲兵大隊、偵察大隊、野戦工兵大隊、通信大隊、補給輸送大隊、医務隊、憲兵隊、化学防護隊で編成され、T-55/T-62/59式戦車252両、装甲車180両、2S1自走砲54両を装備する。機械化師団定数は12200名で、戦車旅団１個、機械化旅団２個、師団砲兵大隊、防空砲兵大隊、偵察大隊、野戦工兵大隊、通信大隊、補給輸送大隊、医務隊、憲兵隊、化学防護隊で編成され、T-55/T-62/59式戦車180両、装甲車252両、2S1自走砲及び牽引式野砲54門を装備する。歩兵師団定数は14100名で、T-55/T-62/59式戦車35両、牽引砲54門を装備する。参考：月刊軍事研究7,’08、4,’08

＜師団（日本陸軍）＞：諸兵種連合の建制部隊で、統御、経理、衛生の各機関を持ち、その長の直接命令によって日々行動できる最大単位である。明治21年5月12日に６鎮台が６個師団に改編された。平時編制は歩兵旅団２個（１個旅団は歩兵連隊２個で構成）、騎兵大隊、砲兵連隊、工兵大隊、輜重兵大隊で、歩兵大隊が４個中隊編成、砲兵連隊が４個大隊編成の４単位編成師団であり、第１師団が東京、第２が仙台、第３が名古屋、第４が大阪、第５が広島、第６が熊本に本部を置く。砲兵火力により甲師団（野山砲中隊９個36門）、乙師団（野山砲中隊６個24門）、丙師団（師団火砲無し）に分かれる。基本的には徴兵した者を教育するのが常設師団の役目であり、戦時には教育済みの予備役や補充兵役を動員して定数を満たし、戦闘を行える野戦師団に移行、必要ならば二倍動員をかけて特設師団も併設する。出征した後には留守師団が残る。明治24年12月、東京に近衛師団を編成。明治31年までに第７（旭川）、第８（弘前）、第９（金沢）、第10（姫路）、第11（善通寺）、第12（久留米）が創設され、明治32年、騎兵大隊を連隊に改正、日露戦争に突入した。日露戦争中の明治38年には第13（高田）、第14（宇都宮）、第15（豊橋）、第16（京都）を編成。明治40年に第17（岡山）、第18（久留米）が編成された。大正4年、第19（羅南）、第20（龍山）を編成。大正14年、軍縮により第12、第13、第15、第17師団が廃止された。昭和11年の帝国国防方針策定を受け、昭和17年度末までに平時師団を17個から27個に増加させる必要が出たため、旅団司令部２個、歩兵連隊４個、１個砲兵連隊４個大隊だった編成を歩兵司令部・砲兵司令部、歩兵連隊３個、１個砲兵連隊３個大隊の３単位制に縮小して23個師団に増やし、大正14年の軍縮で廃止された４個師団を復活させることとした。昭和12年、日華事変勃発により24個師団に増加。昭和15年の軍令における標準編成では、１個師団の平時の定員は8872名（初年兵と２年兵が半々）・馬1401頭。師団司令部、１個歩兵団（団司令部、３個歩兵連隊）、捜索連隊（本部、装甲車中隊、乗車中隊、乗馬中隊）、野砲兵連隊（本部、砲兵大隊、観測中隊）、工作連隊（本部、３個工作中隊）、師団通信隊、輜重兵連隊（本部、自動車中隊、２個輜重兵中隊）から成っていた。これが有事になると在郷軍人を３年度分召集、総員25000名と外国の軍団規模になる。ノモンハン事件で対戦車能力と火力の強化が急務となり、モデルとなる師団編制（３個歩兵連隊、１個捜索連隊、１個工兵連隊、１個山砲／野砲連隊、１個輜重兵連隊。兵員18600名、馬匹2650頭、大隊砲18門、連隊砲12門、九四式37mm速射砲18門、一式47mm速射砲12門、九四式山砲／九五式野砲24門、九九式10cm山砲／九一式10cm榴弾砲12門、四年式重砲12門、九五式軽戦車12両）を考えたところで太平洋戦争が勃発した。開戦時には51個師団（内地・朝鮮10個、満州13個、中国28個）が編成されており、モデル師団に近づける予定だったが、南方戦線に船舶で長距離輸送せねばならず、輸送力不足から逆に砲や人員を減らす羽目になっている。昭和19年には31個師団が新規編成され、うち16個が7月に新編されたため、母体の師団が編成作業に追われ、この時期に夏期訓練を行う委託学生に構っている暇が無くなってしまった。本土決戦では従来の野戦師団（番号２桁、計12個。兵力32400名、馬匹12900頭、歩兵砲36門、四一式山砲12門、九四式山砲71門、一式47mm速射砲36門、12cm迫撃砲18門）に加えて機動打撃用の師団（200番台、計16個。３個歩兵連隊、１個迫撃砲連隊、１個野砲／山砲連隊。兵力17000-19000名、迫撃砲84門、九四式山砲24門、九九式山地榴弾砲12門または九五式野砲24門または改三八式野砲24門、九一式榴弾砲12門、四式基筒双連高射機関砲９基、火炎放射器46基）と水際防衛用の師団（140-199番、300番台。４単位師団で、４個歩兵連隊のうち３個が海岸堡拡大阻止、１個が予備・逆襲兵力。海岸堡破砕のためロケットによる瞬間火力重視、速射砲は逆襲用歩兵連隊と連携。兵力17000名、九二式歩兵砲54門、九四式37mm速射砲24門、一式47mm速射砲12門、口径75-300mmの各種重砲８門、九一式榴弾砲４門または試製四式20cm噴進砲36門、四一式山砲８門、戦車砲塔トーチカ54基、火炎放射器18基）を編成することにし、野戦師団と機動打撃師団を決戦師団と称した。この本土決戦戦力を揃えるため、昭和20年の第一次兵備で18個野戦師団、第二次兵備で８個野戦師団、第三次兵備で19個野戦師団が動員され、留守師団の動員も加わり、終戦時には164個師団を数えている。編成が終わっておらず、３種類どころか細かく分けると15種類もあった。師団長も足らず、機動打撃師団には少将も充てられている。本土に残っていた火砲を転用したので重火力の充足率は高かったが、逆に前線へと送られていった小銃などの小火器や銃剣は不足していた。参考：戦時用語の基礎知識、帝国陸海軍事典、月刊PANZER6,’13、太平洋海戦史

＜師団（陸上自衛隊）＞：教範では、陸上自衛隊最大の編制部隊で、方面隊の基幹部隊として主要作戦正面を担当する、諸職種連合の基本的な作戦部隊（作戦基本部隊）と定義される。一定期間独力で戦闘を継続することが可能で、諸職種連合部隊の総合戦闘力により、気象や地形を克服し、あらゆる地上の作戦を遂行する。トップは師団長（陸将）で、師団司令部、連隊、その他直轄部隊からなる。1961年1月13日の国防会議で管区隊と混成団を師団（甲師団／乙師団）に改編することを決定。1962年1月18日に第１、第２、第３、第５、第10、第11、第12、第13師団、8月15日に第４、第６、第７、第８、第９師団が創設された。1980年代後半になると定数18万名に対して充足15万名という現実から生じる弊害がフォローしきれなくなり、政治方面から防衛予算削減の圧力もかかったため、改編に着手。定数18万名甲乙２種類13個師団を定数15万名地域別・任務別９個師団６個旅団に再編することになり、平成８年度以降に係る防衛大綱で師団１型（在道）／（内地）、師団２型、師団３型、師団４型が規定された。平成17年度以降に係る防衛計画の大綱で総合近代化師団と即応近代化師団の２種になった。平成23年度以降に係る防衛計画の大綱で各師団編制に細かい修正が加えられた。平成26年度以降に係る防衛計画の大綱で、機動運用部隊と地域配備部隊に分けることになり、第２・第６・第８師団が即応機動連隊を主力とする機動師団に改編され、第７師団は既に機動運用されているので機動運用部隊のカテゴリーに入れ、第１・第３・第４・第９・第10師団が地域配備部隊となる。参考：兵器最先端５、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1、月刊軍事研究8,’11、8,’16、6,’18、自衛隊法

＜師団（陸自、１９６１年）＞：管区隊６個と混成団４個に人員1500名をプラスして13個師団に改編した。人数枠が18万名に限られている関係上、大隊を廃止して単位数を増やしている。定員9000名で普通科連隊４個・普通科中隊16個を持つ甲師団と、混成団から格上げとなった定数7000名で普通科連隊３個・普通科中隊12個を持つ乙師団が創設された。規模から言えば旅団相当の小型師団で、機動力重視のアメリカ陸軍ペントミック師団を意識したとみられる。普通科の移動手段は概ね徒歩。隷下部隊は師団司令部、司令部付隊、普通科連隊3-4個、特科連隊、戦車大隊、施設大隊、通信大隊、対戦車隊、偵察隊、武器隊、補給隊、輸送隊、衛生隊、音楽隊である。参考：月刊軍事研究4,’07、8,’16、兵器最先端５、スピアヘッドNo.12

＜師団（陸自、１９７７年）＞：甲師団（第１、第２、第３、第４、第６、第11、第13）、乙師団（第５、第８、第９、第10、第12）、機甲師団（第７師団）からなる。隷下部隊は師団司令部、司令部付隊、普通科連隊3-4個、特科連隊、戦車大隊、施設大隊、通信大隊、対戦車隊、偵察隊、武器隊、補給隊、輸送隊（第７師団は装甲輸送隊）、衛生隊、音楽隊である。甲・乙師団では普通科連隊以外の部隊は固有の車両で移動でき、普通科連隊は師団輸送隊で１個を自動車化できる。有事の際には方面隊から戦車、野戦特科（中・重砲や67式30型ロケット）、高射特科（ホーク）、施設部隊、師団飛行隊／方面ヘリコプター隊／第１ヘリコプター団、装甲輸送隊、化学科部隊、資料・調査・会計隊などの増援が送り込まれ、師団長の指揮下に入る。参考：日本の防衛戦力Part1

＜師団（陸自、１９８０年代半ば）＞：歩兵師団12個と機甲師団１個からなり、歩兵師団は甲師団（9000名、４個普通科連隊を持つ）７個と乙師団（7000名、３個普通科連隊を持つ）に分類される。具体的には、甲師団が第１、２、３、４、６、８、11師団、乙師団が第５、９、10、12、13師団、機甲師団が第７師団である。主力の普通科部隊が機動力に劣るのが欠点で、甲・乙師団は輸送隊のトラックをフル活用しても隷下の１個普通科連隊しか輸送できない。参考：兵器最先端５

＜師団（陸自、２０１５年）＞：定数6000-8000名で、他国軍の旅団クラスである。師団司令部／司令部付隊、普通科連隊、戦車連隊・戦車大隊、特科連隊、高射特科連隊・高射特科大隊、対戦車隊・対舟艇対戦車隊、偵察隊、施設大隊、通信大隊、飛行隊、化学防護隊・特殊武器防護隊、通信大隊、後方支援連隊、整備大隊、補給隊、輸送隊、衛生隊からなる。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究9,’18

＜師団１型＞：平成7年度の防衛計画の大綱改正に基づいて規定された陸上自衛隊師団編成で、Ａタイプ師団ともいう。機甲部隊の活動に有利な地点に上陸した敵を水際で阻止するため、強力な火力を有する。普通科連隊も重迫撃砲中隊、対戦車中隊を有し、各連隊の１個中隊は装輪装甲車化される。参考：月刊軍事研究8,’02

＜師団１型（在道）＞：具体的には第２師団。師団本部、普通科連隊３個、自走化特科連隊１個、戦車連隊１個、高射特科大隊１個、施設大隊１個、通信大隊１個、96式多目的誘導弾装備対舟艇／対戦車隊１個、後方支援連隊１個からなる。参考：月刊PANZER9,’03、月刊軍事研究8,’02

＜師団１型（内地）＞：具体的には第４・第９師団。師団本部、普通科連隊４個（うち１個はコア連隊）、特科連隊１個、戦車大隊１個、高射特科大隊１個、施設大隊１個、通信大隊１個、96式多目的誘導弾装備対舟艇／対戦車隊１個、後方支援連隊１個からなる。参考：月刊PANZER9,’03、月刊軍事研究8,’02

＜師団２型＞：平成7年度の防衛計画の大綱改正に基づいて規定された陸上自衛隊師団編成。具体的には第６・第８・第10師団である。侵攻を受けている、または受ける危険が高い地域に対し、方面隊の作戦地境を越えて増援に向かうのが主任務で、迅速な機動性と、あらゆる地形で戦える柔軟性を兼ね備えるため、重迫撃砲中隊、対戦車中隊を持つ普通科連隊中心の編成になっている。普通科連隊４個（うち１個はコア連隊。各普通科連隊のうち１個中隊は小型装甲車で自動車化）、特科連隊１個、戦車大隊１個、高射特科大隊１個、１個後方支援連隊、施設大隊１個、通信大隊１個からなる。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊PANZER9,’03

＜師団３型＞：平成7年度の防衛計画の大綱改正に基づいて規定された陸上自衛隊師団編成。政経中枢防衛部隊とも呼ばれ、市街戦を主任務とする。具体的には第１・第３師団である。師団本部、普通科連隊４個（うち１個はコア連隊）、特科隊１個、戦車大隊１個、高射特科大隊１個、施設大隊１個、通信大隊１個、後方支援連隊１個からなる。普通科連隊には重迫撃砲中隊、対戦車中隊は無く、各連隊で１個中隊ずつは小型装甲車で自動車化される。参考：月刊PANZER9,’03、月刊軍事研究8,’02

＜師団４型＞：平成7年度の防衛計画の大綱改正に基づいて規定された陸上自衛隊師団編成。具体的には第７師団で、沿岸配備の師団１型（沿岸）及び旅団１型（第２師団、第５旅団、第11旅団）が敵を食い止めているところに機動打撃を加えるのを主任務とする。師団本部、普通科連隊（機械化）１個、特科連隊（自走化）１個、戦車連隊３個（うち１個はコア連隊）、高射特科連隊１個、施設大隊１個、通信大隊１個、後方支援連隊１個からなる。参考：月刊PANZER9,’03、月刊軍事研究8,’02

＜師団２１編成＞：アメリカ陸軍の部隊編成。1994年に承認されたフォース21構想により新たに編成された。重師団は兵力16000名、２個旅団（６個大隊）と戦闘航空旅団からなり、師団86編成よりもスリム化している。ただし兵員あたりのコストは、デジタル化のためもあって、かなり高い。参考：月刊軍事研究8,’02

＜師団８６編成＞：アメリカ陸軍の部隊編成。エア・ランド・バトルに対応した編成として1970年代から研究され、1980年に改編が承認された。でも名前は1986年編成である。ヨーロッパでワルシャワ条約軍を受け止める重師団と、重師団でカバーできない所に展開する10K軽師団で構成される。重師団は兵力19024名で、師団司令部、３個旅団（６個戦車大隊・４個機械化歩兵大隊）、１個砲兵旅団、１個航空騎兵旅団、兵站部隊からなる。これに基づき、M-1戦車、M-2歩兵戦闘車、M-3騎兵戦闘車などが開発された。湾岸戦争に投入されている。参考：月刊軍事研究8,’02、8,’13、兵器最先端５

＜師団機甲砲兵（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の砲兵。野戦砲兵の一種で、戦車部隊に随伴し、翼側制圧・援護任務を行う。第２次大戦時にはM7プリーストを装備して任務に従事、陸軍の使役馬と称された。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜師団工兵（日本陸軍）＞：指揮官は直接作業を指揮しない場合は師団長の付近に位置するよう勉める。参考：作戦要務令

＜師団司令部（日本陸軍）＞：戦闘の際は師団司令部構成部隊を適当に区分し、直接戦闘行動に関与しない部隊は適宜の位置に置く。師団長は必要に応じて彼我の状況を観察し、戦闘指揮に便利な場所に戦闘司令所を設けて必要な幕僚などと共に位置する。参考：作戦要務令

＜師団司令部（陸上自衛隊）＞：陸自師団長の幕僚機関。参考：日本の防衛戦力Part1

＜師団司令部（陸自、１９６２年）＞：師団長、副師団長、幕僚長、幕僚庶務室、法務官、監察官、第１部、第２部、第３部、第４部、総務課、会計課、衛生課、施設課、補給科、武器課、輸送課、通信課からなる。スピアヘッドNo.12

＜師団司令部（陸自、１９７７年）＞：幹部のみで構成されており、一般幕僚（幕僚長、一部長、二部長、三部長、四部長）と特別幕僚（施設課長、通信課長、武器課長、補給課長、衛生課長など）の並列制で、特別幕僚の一部は師団隷下の各部隊長を兼ねる。参考：日本の防衛戦力Part1

＜師団司令部（陸自、１９８０年代半ば）＞：師団長、副師団長、幕僚長、一部（総務）・二部（情報）・三部（作戦）・四部（後方）の各幕僚からなる一般幕僚と、施設、武器、通信、補給、輸送、衛生の特別幕僚が並列しており、作戦遂行や助言にあたる。他に監察官、法務官、司令部付隊がある。有事には主指揮所、戦闘指揮所、後方指揮所、予備指揮所を開設し、司令部付隊長が管理する主指揮所に師団長、幕僚長、一般幕僚、戦闘指揮所に師団長、戦闘指揮に直接必要な幕僚、総務課長の管理する後方指揮所に一部・四部幕僚、特別幕僚が位置する。予備指揮所は主指揮所の予備としての役目を果たし、普通科連隊や特科連隊の指揮所に兼用させることが多い。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、兵器最先端５

＜師団司令部付隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の部隊で、師団司令部の活動を支援する。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜師団司令部付隊（陸自、１９７７年）＞：トップは付隊長で、師団司令部の監理、補給、整備、輸送を主任務とする。また、師団直轄の保安警務隊（警護、交通統制、規律保持、犯罪捜査、捕虜取扱などを担当）と、師団司令部の部課長の指揮を受ける司令部勤務班も編成されている。参考：日本の防衛戦力Part1

＜師団司令部付隊（陸自、１９８０年代半ば）＞：師団司令部隷下で、師団司令部の管理、輸送、補給整備、警戒などを主任務とする。保安警務隊、司令部勤務班、管理小隊、車両小隊などで構成される。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、兵器最先端５

＜磁探信号処理装置用テストベンチ付加器＞：自衛隊の機器。島津製作所製。参考：月刊軍事研究6,'17

＜師団対空情報処理システム＞：陸上自衛隊の装備品。師団高射特科部隊に配備され、対空指揮統制や対空射撃に必要な情報処理を行う。対空戦闘指揮所装置、対空戦調整所装置、受信装置、送信装置、各種連接端末装置から構成され、師団指揮所、対空戦闘指揮所、対空レーダー、連隊／大隊本部をネットワーク化して対空情報を一元処理する。それまで50秒かかっていた師団対空情報収集処理伝送を10秒に縮めるのを目標として1986年度から研究され、1990年に制式化された。日本電気製。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊地上戦力の全容、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究5,’16

＜師団段列（陸上自衛隊）＞：師団兵站支援の中心地域で、師団作戦地域の後方にあり、食料、燃料、各種資材が交付され、整備処や負傷者収容施設が開設される。輸送隊、武器隊、補給隊、衛生隊、会計隊、その他人事兵站部隊からなる。参考：日本の防衛戦力Part1

＜師団長（日本陸軍）＞：日本陸軍師団の長で、陸軍中将（勅任官一等）が親補される。特に宮中で親任されるため、同じ勅任官一等の官選知事などより扱いが上である。平時は天皇直隷で、軍の最高指揮官だが、戦時には独立師団長を除いて軍司令部の隷下に入る。軍政・人事は陸軍大臣、動員・作戦は参謀総長、教育は教育総監の指示を受ける。主任務は、動員計画立案、徴兵・召集・簡閲点呼の指示、部隊訓練、師管内の防衛、軍法会議の管轄で、地方長官から出兵の要求を受けた場合にはこれに応じ、危急の場合には独断で派兵することもある。近衛師団長は皇宮守衛も任務となる。戦闘間は必要に応じて指揮に便利な場所に戦闘司令所を設け、幕僚などと共に位置する。戦闘に際しては、各種手段を尽くして終始全局の戦闘を統一指導する。戦勝を予期したら、敵を戦場で捕捉殲滅する態勢に移行させる。戦勝を得たら、放胆かつ統一ある追撃に移り、戦勝の成果を全うする。参考：帝国陸海軍事典、戦時用語の基礎知識、作戦要務令、月刊軍事研究11,’12

＜師団長（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊師団の長で、方面総監の指揮監督を受け、師団の隊務を統括する。参考：自衛隊法

＜師団通信システム＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究3,’10

＜師団通信隊（日本陸軍）＞：日本陸軍の通信機関。師団司令部と、直属部隊や飛行機など所要部隊との通信を主任務とする。通常戦闘の全経過に亘り師団長と部下指揮官その他所要の機関とを連絡し、諸兵種の運用と協同を容易にさせる。各種通信機関の特性を発揮し、長短相補い、戦闘指揮上緊要な方面と時期とにおいて特に完全を期し得るよう通信網を構成し、確実迅速に連絡を行えるようにする。参考：作戦要務令

＜師団等指揮システム＞：FiCSと略す。陸上自衛隊の師団規模C4ISRシステムで、師団本部以下各部隊をネットワークで結び、ReCS、FCCS、ADCCSといった他の陸自ネットワークシステムともリンクしている。本部に置かれているのはモニターとパソコン端末くらいで、それまで壁一面に貼っていた手書き情報は全てパソコンにリアルタイムで表示され、隷下部隊各員にも同時に送られるので会議や伝令の必要が無い。火力支援要請もネットワークに情報を流すだけで済むので、迅速な部隊行動が可能である。富士通製で、2004年から調達中。参考：スピアヘッドNo.20、月刊軍事研究3,’10、11,’14、朝雲

＜師団飛行隊＞：陸上自衛隊の航空科部隊で、各師団に配属されている。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜師団砲兵（日本陸軍）＞：戦闘にあたり、歩兵直接協同（歩兵の直接支援、歩兵の行動に直接関係ある敵の阻止、障害物や側防機能の破壊など）、戦車の支援、対砲兵戦などの遠距離戦、陣地設備の破壊などを主任務とする。指揮官はなるべく師団長の付近に位置するよう勉める。歩兵に直接協同する場合、指揮官は戦闘に支障が無い限り、歩兵の指揮官と同一地点に位置する。指揮官は師団長の企図に基づき各部隊に対し機を失せず状況の推移に応じた任務を与え戦闘させる。この際、戦闘に関する諸準備を周到にするため、所要の事項はなるべく速やかに指示する必要があり、特に歩兵との協同を適切に行うため、必要な部隊に対して主にその直接協同すべき歩兵部隊と時期を予め指定しておく。この際、同一砲兵部隊が常に一定の歩兵部隊と協同するようにすると戦闘の成果が大きくなる。指揮官は師団固有の砲兵連隊長に所要の部隊を指揮させ、主に重点方面における歩兵に直接協同させる。この際にも爾余の砲兵部隊で適時歩兵直接協同火力を増強できるよう準備しておき、また直接協同を行う部隊の火力を必要に応じて指定以外の歩兵部隊の正面にも指向したり、その目的に使用したりできるよう準備を整える。参考：作戦要務令

＜シチート・サユーザ２０１１＞：ロシア軍とベラルーシ軍が2012年9月に行った二国間演習「同盟の盾」。参加したのはロシア軍中央軍管区第20軍の兵員7000名、航空機30機、戦車65両、戦闘車両200両、ベラルーシ軍の兵員5000名（空中機動中隊100名含む）、航空機20機、戦車35両、戦闘車両80両で、仮想敵に対する機動防御・防空、追撃を演練した。参考：月刊軍事研究12,’11

＜七星＞：韓国陸軍第７師団のニックネーム。

＜シチャン級＞：タイ海軍戦車揚陸艦Sichang級。フランスのPS-700級を導入したものである。兵員300名、戦車14両を搭載できる。ヘリ２機が着艦できるヘリ甲板を持つ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜支柱＞：ストラットを参照。

＜市町村国民義勇隊＞：国民義勇隊を参照。

＜輜重隊＞：補給隊を表す日本陸軍用語。参考：機械化部隊の主力戦車

＜輜重兵＞：日本陸軍の兵。輜重兵科に所属し、武器弾薬、糧食、各種資材といった補給物資を貨物廠や兵器廠から前線に運んだり、衛生隊や野戦病院で患者を後送したりするのが主任務である。輸送手段は輓馬（輜重車を曳く）、駄馬（直接荷物を背負う）、人力。輜重輸卒がいた頃はこれを指揮する必要があり、乗馬での指揮能力も必須だった。そこで軍馬の世話も主任務に加わる。昭和14年、輜重輸卒と一体化され、階級が上等兵、一等兵、二等兵となった。参考：歴史群像6,’16

＜輜重兵科＞：日本陸軍の兵科で、輸送や兵站を担当する。部隊としては師団の輸送を行う師団輜重（輜重兵連隊）、連隊に所属して補給物資などの輸送を行う行李輜重、兵站業務を行う兵站輜重があり、物資別に編成されたものは縦列、糧食や宿営地資材を輸送するのは大行李、歩兵用弾薬を輸送するのは小行李と称した。ちなみに砲兵弾薬は砲兵科の砲兵段列が輸送する。日華事変以降は大隊規模の師団輜重隊や、師団に所属しない独立輜重兵連隊も編成された。衛生隊や野戦病院にも配属されており、傷病者の後送を担当する。昭和に入ると師団隷下に輜重兵科の自動車中隊が編成され、軍用トラックで兵士や貨物を運搬するようになったが、太平洋戦争終結まで馬が主力だった。参考：歴史群像6,’16

＜輜重輸送車＞：日本陸軍の後方輸送用手押し車で、明治12年10月に徒歩車として仮採用され、明治14年2月に制式化された。自重71kg、ペイロード112kg。95kg以下の物資を輸送する場合は１名で、それ以上は２名で運用する。明治19年1月に除籍された。参考：機甲入門

＜輜重輸卒＞：日本陸軍の兵種。補給軽視といわれる日本陸軍の中で、更に輜重兵に使役される立場だったため、最低ランクと見なされており、「輜重輸卒が兵ならば、トンボ・チョウチョも鳥のうち、電信柱に花が咲く」とまでいわれた。通常の兵科は兵役２年だったのに対し、輜重輸卒は２ヶ月で現役終了だったため、やっかみもあったのかもしれない。日本陸軍誕生当時は民間人を雇った軍属だったが、日清戦争頃に軍人が務めるようになっている。輜重兵の統率を受け補給物資を前線に運ぶのが主任務で、自衛武装は銃剣だけだったが、後に小銃も装備した。昭和6年、輜重兵特務兵（現役３ヶ月）に改称された。昭和12年、輜重兵二等兵に改称された。昭和14年、輜重兵に組み込まれて制度が廃止された。参考：歴史群像6,’16、月刊丸4,’99

＜シチリア島上陸作戦＞：ハスキー作戦を参照。

＜実尾島事件＞：穴熊作戦を参照。

＜実開口レーダー＞：側視レーダーを参照。

＜シツキ＞：海上自衛隊の略号で、司令部付のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜実機雷処分訓練＞：海上自衛隊が硫黄島周辺海域で毎年行っている掃討訓練。業務掃海がほぼ終了し、機雷の実爆を体験した隊員の減少が予想されたため、1972年から部隊研究作業が始まり、漁業・航行船舶の少ない硫黄島で実施することになった。機雷敷設艦、掃海母艦、掃海艇、掃海ヘリ、水中処分隊、アメリカ海軍掃海部隊が参加し、周辺海域の海面と海底を調査して敷設に最適な場所を探して実機雷を設置、掃海艇と水中処分隊が爆破処分する。鮫が多い海域なので、水中処分員が潜る際には避難用の鮫檻も用意しておく。爆破に失敗して実機雷が行方不明になるような事態は絶対に許されないため、何重もの安全策が取られている。参考：月刊軍事研究10,’13

＜シック＞：日本海軍士官のスラングで、淋病のこと。Sickから。参考：帝国陸海軍事典

＜シックス・シューター＞：６連発リボルバーのこと。参考：GUN用語事典

＜シックス・パック＞：XM214（ガトリング砲）を参照。

＜シックル＞：P224（潜水艦）またはRS12M2（弾道ミサイル）またはRT-2PM（弾道ミサイル）を参照。

＜シックルＢ＞：RT-2PM2（弾道ミサイル）を参照。

＜実験機械化部隊＞：イギリス陸軍が1927年に編成した部隊で、戦車、装軌／装輪装甲車、火砲牽引トラック、兵員輸送トラックなどにより完全に機械化されている。３週間の訓練の後、1927年9月から歩兵・騎兵連合部隊との対抗演習を行い、敵を圧倒した。成果は機械化及び装甲部隊のハンドブックに纏められ、1929年に発行されたが、イギリスではあまり活かされなかった。参考：歴史群像12,’09

＜実験航空隊＞：航空自衛隊の航空研究部隊で、APGと略す。トップは隊司令で、飛行隊、航空機技術隊（総括班、航空機班、電子班、器材班）、計測隊、飛翔体実験隊、整備隊、整備技術隊、修理隊、装備隊などを隷下に置く。1955年12月1日、整備学校隷下に浜松基地で創設された。1957年に岐阜基地に移動したが、滑走路が短いので小牧や千歳で試験飛行を行うことも多かった。1959年5月から1960年3月、飛行隊長高岡迪一等空佐を中心にT-1練習機の試験を実施。1961年9月、T-33A練習機が岐阜基地を離陸直後に原因不明のエンジン推力低下を起こし、市街地を避けて何とか岐阜基地に戻ってきたが、そのまま基地内の劇場に墜落、乗員２名が死亡した。1963年12月から1966年12月、F-104Jの試験を実施。1963年12月16日、千歳派遣隊を編成。1967年5月から1968年3月、AAM-1の実用試験を実施。1968年8月から1969年1月、YS-11輸送機の試験を実施。1970年9-11月、ナイキＪの飛翔試験を実施。1971年2月から1973年3月、C-1の試験を実施。1971年7月、F-4EJ戦闘機初号機と２号機を受領。8月（10月？）から1972年6月、F-4EJの実用試験を実施。1971年12月から1974年3月、T-2練習機の試験を実施。1972年1月から1975年8月、F-4EJ戦闘機でXAAM-2空対空ミサイルの技術試験に協力。1974年4月、航空実験団に改編された。参考：世界の傑作機No.104、月刊航空ファン2,’16、1,’15、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究7,’17、月刊JWings2,'21、1,’20

＜実験用呼吸マスク＞：自衛隊の機器。東京航空計器製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜実験用耐Ｇウェア＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜実効線量＞：シーベルト（実効線量）を参照。

＜シッシ＞：フィンランド国防軍の精鋭ゲリラ部隊。参考：月刊軍事研究11,’08

＜湿式ガスマスク＞：ガスマスクを参照。

＜湿式水爆＞：水素爆弾を参照。

＜湿式多板クラッチ＞：クラッチの一種で、オイルを入れて断続をスムーズにしている。参考：自動車メカニズム図鑑

＜湿式弾庫＞：弾架を水槽で囲ったもの。水量に限りがあるために誘爆を完全に防ぐことはできないが、被弾した車両から負傷クルーを引っぱり出す時間は稼げる。参考：月刊PANZER3,’03

＜湿式履帯＞：履帯を参照。

＜執銃訓練＞：自衛隊の小銃動作訓練。指揮官の号令で、控え銃などの基本動作を行う。参考：MAMOR vol.161

＜シッスル＞：N24（潜水艦）を参照。

＜実践６＞：中国軍のELINT/SIGINT衛星Shijian 6。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究3,’18

＜実践１１＞：中国軍の早期警戒（ELINT/SIGINT？）衛星Shijian 11。参考：月刊軍事研究3,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜失速＞：ストール（Stall）。主翼上面の気流に渦ができるなどして完全に翼面から剥がれ、揚力係数が減少して抗力係数が増大し、機体を支えるだけの揚力が無くなってしまった状態。迎え角が大きすぎるとこうなる。補助翼も効かなくなり、操縦不能に陥る他、片翼のみが失速に入るとスピン（錐揉み）を起こして非常に危険であり、高度の無い離着陸時に失速に陥ると致命的である。予兆として断続的な気流の剥離によるバフェットが生じるので、エンジン出力を上げて機首を下げれば失速を防止できる。また、航空機の重心を調整し、失速しかかると自動的に機首が下を向くように設計してあることが多い。減速しすぎて機体を支えるだけの揚力を発揮できなくなっても失速に陥り、特に低速の着陸時に追い風の突風が吹くと一気に失速に陥ることがあるので、パイロットはすぐフルパワーにできるよう準備しておく。接地の瞬間に失速させるとスムーズな着陸が可能で、ベテランパイロット（パワーを絞る）や鳥（翼を立てる）がこの技術を身に付けている。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、戦闘機のしくみ、月刊JWings5,’04

＜失速警報計算機試験装置（Ｃ−１用）＞：自衛隊の機器。日本航空電子工業製。参考：月刊軍事研究6,’12

＜失速後機動＞：ポスト・ストール・マニューバを参照。

＜失速速度＞：Stalling speed。飛行機が失速する時の対気速度で、Vsと略す。重量やフラップ位置など飛行状態によって異なり、Ｇがかかると大きくなる。プロペラ機ではプロペラ後流でも変化する。最大重量での着陸状態（フラップ下げ、脚下げ）における失速速度をVS0、最大重量での飛行状態（フラップ上げ、脚上げ）における失速速度をVS1と略す。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019

＜失速迎え角＞：最大揚力係数を与える迎え角のこと。これを超えて迎え角を増やすと、失速状態に陥り、揚力係数は下がっていく。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジッターＰＲＦ＞：レーダーのパルス周波数をランダムに変更する方法で、同期型パルス妨害に対抗できる。ただし、MTIとの同時使用ができない。参考：月刊エアワールド4,’00

＜実大ＲＣＳ試験模型＞：技術研究本部が将来戦闘機ATD-X開発にあたり作成したRCS試験用模型で、2000年度から実施している高運動飛行制御システム研究試作の一環として製作された。2005年9月下旬から11月上旬にかけ、フランス装備庁の試験設備でRCSの測定を行っている。国際航空宇宙展2008で展示されたが、写真撮影は禁止されていた。参考：月刊軍事研究12,’08

＜実体刻標器＞：日本陸軍の測量器材。戦場での空中写真による測量に使用する。参考：工兵入門

＜実弾＞：All-Up-Round、AURと略す。魚雷ではWar Shotと呼ぶ。爆弾やロケット、ミサイルでは、炸薬が入っているものは黄色、ロケット推進薬が入っているものは茶色の帯状塗装が施されている。参考：月刊JWings3,’12、月刊航空ファン6,’18

＜実弾下訓練＞：陸上自衛隊の訓練の１つ。横では土嚢で囲んだ穴に仕込んだ爆薬が爆発し、M2重機関銃の実弾が前方から頭上を通過する状況で、匍匐前進していくものである。参考：スピアヘッドNo.17

＜湿地オートバイ＞：日本陸軍が試作した湿地帯偵察用オートバイ。前輪を空気袋に変更し、後輪にFB器と同様のゴム浮嚢式履帯を装備している。ノモンハン事件前後に実験が行われた。参考：工兵入門

＜湿地橋＞：日本陸軍の特殊交通器材。参考：工兵入門

＜湿地車第１号車＞：SB器を参照。

＜湿地車第２号車＞：FB器を参照。

＜湿地測定器＞：日本陸軍の特殊交通器材。参考：工兵入門

＜湿地帯渡板敷設車＞：日本陸軍の器材。日野重工業製。参考：工兵入門

＜湿地偵察車＞：日本陸軍の湿地用偵察車両。非武装・非装甲の湿地車（FB器）に替わり、偵察にも使える湿地用車両として開発された。ノモンハンで湿地帯に嵌り込んで苦労した経緯から開発を進めたものである。車体は箱形で、足周りは装軌式だが、履帯に浮き袋が付いていて、湿地や水上も走れる。車体後部には舵とプロペラがあり、これで水上航行した。全長4.175m、全幅2.16m、全高1.925m、重量1.8トン。エンジンは空冷４サイクルガソリン（25馬力）で、最大速度は陸上12km、湿地上10km、水上5km。自衛用に軽機関銃を装備可能。乗員は車長と機銃手の２名。値段は昭和17年度で39500円。参考：月刊PANZER9,’01、機甲入門

＜湿地板敷設車＞：日本陸軍の試作敷設機材で、日野ジーゼル工業が開発した。軸棒に巻いた湿地突破用のすだれ板（長さ50m、幅2.5m、厚さ0.04m）を車両前方に敷設していくものである。装軌式で自重７トン。エンジンは150馬力のディーゼルで、敷設速度6km。水流のあるところや泥濘の深いところでは使えない、すだれ板装備数の関係で敷設長500-1000mが限度になるといった欠点があり、少数の試作車による研究のみに終わった。参考：工兵入門、月刊PANZER8,’01

＜ジッツクリーク＞：ファニー・ウォーを参照。

＜シッティング・ポジション＞：座り撃ち姿勢。重心が低く、接地面も広いので、プローン・ポジションに次いで安定した射撃姿勢である。参考：コンバット・バイブル

＜実動訓練評価支援器材＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究5,’15

＜ジットラ防御線突破＞：ジットラ防御線は、英印軍がマレー北部のタイ国境付近に設置した22kmの縦深陣地で、三重の鉄条網・トーチカ陣地に１個師団6000名が配備されており、敵の侵攻に３ヶ月持ちこたえられる予定だった。太平洋戦争劈頭の昭和16年12月8日、第25軍安藤支隊（第３戦車団戦車第１連隊含む）がマレー攻略のためタイのシンゴラ南東海岸地区に揚陸された。12月9日、戦車第１連隊はマレー国境付近の部隊集結地に進出。12月10日夜、戦車第１連隊先鋒として佐伯捜索挺身支隊（捜索第５連隊。連隊長は佐伯静夫中佐）が編成され、戦車第１連隊第３中隊（九七式中戦車10両、九五式軽戦車２両）、軽装甲車中隊２個（九七式軽装甲車16両）、歩兵２個中隊が隷下に入った。安藤支隊主力の第５師団歩兵第９旅団がタイ・マレー国境で待機中、辻政信参謀が旅団長に無断で兵力の一部を指揮し、ジットラ防御陣地に攻撃を行ったが撃退され、大損害を受けた。12月11日、佐伯捜索挺身支隊の戦車中隊は各車に２名の車外要員を乗車させ、チャンルン北端の応急陣地に対する攻撃及びペラク河の橋梁確保に向かった。しかし橋梁は占領前に爆破されてしまったため、工兵隊が補修を行い、1830に完了した。スコールの中で前進を再開した戦車隊はアースン付近でインド騎兵連隊（装甲車偵察）の防御陣地に遭遇、スコールに紛れて陣地内に突入し、1910までに制圧した。そのまま前進を続けた戦車隊はペラク河にかかる別の橋梁に到達、仕掛けられていた爆薬の導火線を破壊し、友軍の第４装甲車中隊に地雷を処理してもらって進撃を再開した。2040、橋梁付近の掃討を完了し、2210にジットラ防御陣地に向けて前進。2300、戦車隊が防御陣地前面に到達。佐伯捜索挺身支隊主力の進出を待って12月12日0350に攻撃を開始した。トーチカは九七式中戦車の直接照準射撃で潰し、突撃破砕射撃を制圧、僅か581名の佐伯捜索挺身支隊の猛攻撃で1730に陣地防御兵力である２個歩兵旅団は退却を開始した。1930、ジットラ防御陣地の制圧を完了。戦車の損害は対戦車砲で破壊された九七式中戦車１両のみである。12月13日未明にジットラを占領し、アロルスターへの進撃を開始した。参考：日本戦車隊戦史、月刊軍事研究4,’15、月刊丸3,’01、激闘！太平洋戦争地上戦、激闘太平洋戦記

＜湿燃室缶＞：主缶の１つで、主缶胴内に燃焼室が入っているものを指す。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜実爆を伴う滑走路被害復旧訓練（２０１７年）＞：西部航空方面隊が担任し、2017年8月30日に実施された。2017年5-7月に西部航空施設隊と南西航空施設隊が日出生台演習場に25m四方の模擬滑走路を製作し、滑走路下1.7mに500ポンド爆弾１発を埋設。8月30日1000に第６飛行隊F-2戦闘機が上空を航過すると同時に遠隔操作で爆弾を爆破、滑走路に直径11m・深さ2mの大穴が開いた。無人機で現場を偵察し、NBC兵器の使用の有無などを確認した後、調査隊員が被害を調べた。1215、復旧訓練を開始。西部航空施設隊第３作業隊器材班が土砂や浮上コンクリートを撤去し、運搬班がダンプで穴に砕石を投入、ドーザーや８トンローラーなどで固め、モーターグレーダーで不陸修正を行って滑走路と補修面を面一にし、検査隊員が測量して確認、ブラシで路盤を掃きならし、弾痕復旧小隊マット班がFFM型滑走路復旧マットを被せ、アンカーボルト54本でコンクリートに固定、ブロアーで異物を吹っ飛ばし、予定より１時間早い３時間で復旧を完了した。参考：朝雲

＜シップ・スワップ＞：ハル・スワップともいう。新旧配備艦を交替させる際に、旧配備艦の乗員を新配備艦にそのまま乗せ替えること。参考：月刊世界の艦船4,’13

＜実物風洞＞：風洞を参照。

＜シップハム＞：M2726（通船）を参照。

＜シップレイ・ベイ＞：CVE-85（護衛空母）を参照。

＜シップレック＞：P-700（対艦ミサイル）を参照。

＜疾病検査（日本海軍）＞：日本海軍の性病検診で、風呂などを介して伝染するのを防ぐため、ほぼ１ヶ月おきに行われる。下士官と兵は褌一枚で上陸札を手に病室前に並ぶ。下士官は軍医、兵は看護科下士官が担当する。順番が来たら直立不動で褌の前垂れを後ろに回す。陰茎を根元から絞り上げられて膿が出ないか確認を受けると、四つん這いになって肛門の視診を受ける。この時軍医または看護科下士官に向けて放屁する強者（？）もいたらしいが、ともかく何事もなければ「よし」と言われて終わりである。異常が認められると上陸札を回収されてしまい、後で念入りに検査と治療を受けることになる。参考：海軍よもやま物語

＜ジッペンハフト法＞：ドイツ帝国指導員のロベルト・ライが提唱し、ヒトラーが1944年に制定を許可した法律。軍や党の上層部が重大な過失を犯した場合、親族までが処罰されるというものである。参考：月刊PANZER10,’01

＜実包＞：小型銃用の弾薬で、弾丸、発射薬、雷管、薬莢から構成される。発射薬にはダブルベース、シングルベース、黒色火薬が用いられる。薬莢は一般に黄銅製であるが、散弾では紙で、ポリエチレンなどの合成樹脂が使われることもある。参考：火薬のはなし

＜実用最小回転半径＞：ハンドルを一杯に切った際、車体（フロントオーバーハング）の最も外側の部分が描く円の半径のこと。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜実用実験隊＞：海上自衛隊の組織。1960年1月16日に新編された。1968年3月16日、鹿児島試験所が隷下に新編された。1978年7月1日、開発指導隊群に改編された。参考：月刊世界の艦船6,’22、日本の防衛戦力Part3、朝雲

＜実用射高＞：高射砲を仰角90度で発射した時、砲弾の自爆信管が作動するまでに到達できる高度。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜実用上昇限度＞：Service ceiling、Zcと略す。標準大気中で毎秒0.5m（毎分100フィート）の上昇率が得られる最大高度で、ヘリコプターでは前進飛行時の値を使う。これを超えると上昇に時間がかかりすぎる上、航空機にかかる力の釣り合いが不安定になって水平飛行が困難になるため、航空機の上昇限度としては通常これを使用する。ただ余剰出力・推力が小さすぎて実用的ではないので、航空機運用上は民間機では運用上昇限度、軍用機では戦闘上昇限度の方を使う。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings4,’01、10,’09別冊付録、5,’18、飛行機のしくみ

＜実用発射速度＞：発射速度を参照。

＜視程＞：Visibility。目標物の形状を識別できる最大距離で、単位はメートル。目標物として、昼間は黒または黒に近い色の物体、夜は中等度の光度を持つ集光されていない光や、空がバックの地形輪郭などを使う。飛行中の航空機から着陸に必要な目標を視認できる飛行視程、飛行場地表付近の地上視程、方位によって視程が異なる際に視程の大きい方からその値が占める角度を加算して合計180度以上となる時の視程である卓越視程、離陸滑走開始地点または着陸設置地点の高度5mから離着陸する方向を見た場合の滑走路の最も遠い部分までの水平距離である滑走路視距離がある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜シティ・オブ・コーパス・クリスティ＞：SSN-705（潜水艦）を参照。

＜シティ・オブ・パリス＞：イギリスのエラーマン・グループのシティ・ライン所属客船City of Paris。全長153.6m、幅18.1m、深さ13.1m、吃水9.93m、総トン数10902トン、重量トン数10100トン。主機は蒸気タービン３基、出力6500馬力、１軸推進、航海速力14.5ノット。船客定員一等230人・二等100人。1920年12月進水。1922年2月に引き渡された。第２次大戦勃発で兵員輸送に就いた。1942年8月、日英交換船としてボンベイ−ロレンソ・マルケスの人員輸送を実施。1947年、小改装（総トン数10877トン。船客定員一等168人）を施してアフリカ航路に復帰。1956年に解体された。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜視程外射程空対空ミサイル＞：BVRAAMを参照。

＜シティ級＞：26型（フリゲート）を参照。

＜指定充足隊員＞：平時は駐屯地業務隊に所属しているが、自衛隊法に基づく行動が発令されると、指定された部隊に転属して職務を遂行する隊員のこと。参考：朝雲

＜視程内射程空対空ミサイル＞：WVRAAMを参照。

＜シディ・フェルーク＞：フランス海軍ルドゥダブル級潜水艦Sidi Ferruch。1939年竣工。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シディ・モハメッド・ベン・アブダラー＞：モロッコ海軍ニューポート級戦車揚陸艦Sidi Mohammed Ben Abdallah。元はアメリカ海軍ニューポート級戦車揚陸艦LST-1198ブリストル・カウンティで、1994年に購入して1995年に再就役させた。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜ジテリ＞：R-330Zh（電子戦装置）を参照。

＜紫電シリーズ＞：日本海軍局地戦闘機N1K1、連合軍コードはジョージ（George）。川西が強風をベースに開発した。強風の実用化時点では水上戦闘機の出番があまり無さそうだったため、昭和16年12月に川西が新たな海軍向け戦闘機の開発を検討、太平洋戦争で占領した地域から運用する局地戦闘機の需要が最も増えるという予想を立て、強風を陸上機化すれば設計も楽ということで昭和17年初めに海軍航空本部に案を提示し、4月には試作指示が出された。総生産数1007機。中翼だったので視界が悪い、長い主脚が折れやすいという欠点があり、エンジンとプロペラの不調、グラウンドループ（＋主脚損壊）、急旋回時の失速傾向、不意自転傾向によるフラットスピンなどに悩まされた。離着陸時など低速での左偏左傾も強風と変わらないままだった。訓練を行っているだけで１個戦闘飛行隊常用36機・補用12機を４ヶ月で全機事故損耗するという有様で、紫電改が開発された。ただ川西の生産能力の問題で昭和19年度発注機の製作に時間がかかりまくり、終戦まで紫電改と一緒に製造が続けられている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings8,’05、日本海軍戦闘機隊、月刊丸3,'18別冊

　＜仮称一号局地戦闘機＞：試作機で、社内名称X-1。強風のエンジンを十五試ル（誉の試作型）に換装し、浮舟を引き込み脚に変更して最大速度650kmを狙い、防空に必要な強兵装として20mm機関砲４門を搭載したものである。主翼と水平尾翼は強風の流用で、胴体も強風のものをほぼそのまま使う予定だったが、三点姿勢で迎え角が大きくなりすぎるため、胴体下部を下に延ばす必要が生じ、これに伴う前部胴体の改設計で下方視界が悪くなった。主翼は単桁構造（主脚収容部除く）で、片翼分を一体削り出しにしてコストを削減している。翼断面型はLB層流翼。開発期間短縮のため主翼配置を中翼のままにしているが、脚長が1.7515mもあるため、萱場工業と共同開発した二段引き込み式主脚（最大短縮時0.385m）を採用した。それでも主翼のスペースを圧迫、主翼自体も薄かったため、100発入りドラム弾倉付きの九九式二十粍一号機銃４門を片翼２門ずつ収容するのは不可能で、半数をガンポッド式にして主翼下面に吊り下げることにした。これに伴う抗力増加はエンジン出力増加で何とかなる予定にしている。護衛戦闘機との空戦も考慮してフラップは強風譲りの空戦フラップを採用することにし、水銀柱によるＧを検知して自動的に無段階で開く自動空戦フラップ（包絡線フラップともいう）に進化させた。水平尾翼は着陸時の大迎え角に対応するため全遊動式にする予定だったが、後に通常型に変更された。基本三舵には腕比変更装置と呼ばれる油圧式調整装置が装着されており、操縦装置と舵を繋ぐリンクの位置を変更することにより、高速域でも舵が重くならないようにしてある。プロペラは整備性を考慮して最初から４翅の通常型を採用している。昭和17年12月に試作初号機が完成したが、初飛行のためには伊丹飛行場まで運ばねばならず、鳴尾工場（水上機メーカーなので海に面している）から艀で大阪湾を渡って築港からトレーラーに載せ、深夜にこっそり移動し、12月31日に初飛行した。エンジンが誉一一型（1800馬力）で予定より出力が１割低く、更に不調による出力制限と機体の洗練不足も加わって最大速度が574kmしか出ず、性能はイマイチだったが、それでも空戦フラップによる運動性能は良好で、装甲も備えており、昭和19年10月（11月？）に制式採用されて量産が決定した。参考：月刊丸3,'18別冊、2,’12

　＜紫電一一型＞：N1K1-J。量産の容易化を狙ってエルロンには腕比変更装置を装着していないが、高速時のロールで舵が重くなり、ドッグファイトでの切り返しが難しくなった。翼面荷重１平方メートルあたり166kg。全長8.885m、全幅12m、自重2897kg、全備重量3900kg、過荷時総重量4321kg。エンジンは誉二一型（1825馬力）単発、最大速度583km、実用上昇限度12100m、上昇力6000mまで５分50秒、燃料搭載量716リットル＋増槽400リットル、航続距離正規1432km／過荷時2545km。固定武装は機首の7.7mm機銃２門と主翼の九九式二〇粍一号三型固定機銃４門（翼内１門ずつ、ガンポッド１門ずつ）。60kg爆弾２発を搭載できる。乗員１名。エンジンの量産遅れで生産数は300機に止まっている。参考：月刊丸3,'18別冊、2,’12、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜紫電一一型甲＞：一一甲型かも。昭和19年11月に制式化されたタイプ、N1K1-Ja。301号機以降で、20mm機関砲を長砲身型に換装した。機首の7.7mm機銃は廃止されたが、発射口は残ったままである。全長10.6m、全幅12m、全高4.8m、自重2.9トン、全備重量3.9トン。エンジンは誉二一型（2000馬力）単発で、プロペラは定速４翅、最大速度583km、実用上昇限度11200m、航続距離1400km。兵装は翼内の九九式二〇ミリ二号三型固定機銃２門、翼下の20mmガンポッド２門で、装弾数は全て100発。乗員１名。生産途中で風防に防弾ガラスを追加した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,’18別冊、2,’12、月刊JWings8,’05

　＜紫電一一型乙＞：N1K1-Jb、一一乙型かも。20mm機関砲をベルト給弾方式の九九式二〇ミリ二号四型固定機銃に換装して全て翼内に収容したタイプで、装弾数は内側が100発、外側が200発である。ガンポッド廃止により飛行性能は向上したとみられるが、海軍の性能表に記載が無いので、具体的な数値は不明である。機首の7.7mm機銃口は後上方に移動し、主翼下面に250kg爆弾を搭載できる爆弾架を追加した。フィリピン戦末期から実戦投入されたが、制式化手続きが終わる前に終戦になったので、名称は仮称である。参考：月刊丸2,’12、3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜紫電一一型丙＞：N1K1-Jc。250kg爆弾架を片翼２カ所ずつに増やした戦闘爆撃機型。試作のみで、生産機数は不明である。参考：月刊丸2,’12、3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜マルＪ＞：特攻用の試作機。紫電一一型丙の胴体下面に500kg爆弾と増速用ロケット４基（６基説あり）を一体化したポッドを装着したもので、ポッドは機体下面と密着して大型のフェアリング状になるよう形状が工夫されている。ロケット噴射により50ノットほど加速することが可能。操縦席と機体下面に防弾板を装着、機銃は全廃した。昭和19年9-10月に設計され、年末までに16機が改造された。参考：月刊丸2,’12

＜紫電改シリーズ＞：日本海軍局地戦闘機N1K2。連合軍コードはジョージ。横須賀航空隊や第343航空隊では開発時の略符号からＪ改と呼んでいた。紫電の改良型で、紫電がテスト中だった昭和18年1月に仮称一号局地戦闘機兵装強化第三案（機首機銃を三式十三粍固定機銃２丁にし、主翼に20mm機関砲計４門を装備）として川西が提案（海軍航空本部が計画？）し、2月に一号局地戦闘機改N1K1-J改として開発を開始、昭和18年末に試作初号機が完成し、昭和19年1月から本格的なテストを実施、3月に海軍が正式に開発許可を出して4月4日に試作初号機が海軍に納められた。機体性能は良好で、信頼性も向上、海軍第343空は装備して半年間に敵機170機を撃墜、厚木ではヘルキャット12機相手に１機で奮闘し４機を撃墜したという記録もあったが、太平洋戦争末期の工業力低下で品質が落ち、所定の性能を発揮できないことも多かった。また、急降下制限速度は計器速度450ノットだったが、急降下制限速度360ノットの零戦を380-390ノットで運用していたパイロットが490ノット（真速度だとマッハ0.9を超える）出しても大丈夫と勘違いし、更に戦闘機動までかけたため、空中分解する事故が多発した。昭和20年1月に11800機の量産計画が立てられたが、総生産数は406機で、海軍第343航空隊に集中配備された。不時着水した機体が紫電改展示館に展示されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,’18別冊、1,’12、10,’93、5,’07、6,’14、丸メカニック別冊１、月刊JWings1,’14

　＜紫電二一型＞：N1K2-J、別名紫電改。紫電（のベースになった強風）の胴体形状は空技廠の紡錘形理論に基づくものだが、プロペラ後流が収縮流であることを見落としていて空力的に思ったほどの効果を発揮せず、大型フィレットを追加する羽目になったため、主翼取り付け位置変更に合わせて断面型を楕円形（主翼部分はオニギリ状）に変更した。テイルアームを0.4m延長して低速時の左偏左傾を防止しているが、方向安定性が良くなりすぎたらしく、方向舵を機体尾部下端まで延ばして効きを良くした。カウリング形状も変更され、視界が改善している。プロペラブレードは長さ1.6m、最大幅0.27m、重量50kg。主脚トラブルの原因となり下方視界も妨げていた中翼の主翼は低翼に変更し、主脚を1.424mに短縮、二重引き込み機構を廃止した。翼面荷重161.5kg。主翼後縁内側のフラップは川西独自開発の自動空戦フラップで、水銀槽で検知した機体の状態に応じ自動的に最適な角度を取り、旋回性能を良好に保つ。自動空戦フラップの操作ボタンは操縦桿頂部にある。射爆照準器は九八式または四式。部品点数を紫電の66000個から43000個に減らして生産性も向上させた。全長9.346m、全幅11.99m、全高3.96m、自重2660kg（2527kg？）、全備重量4200kg（4000kg？）、過荷時総重量4360kg。エンジンは誉二一型空冷二重星型18気筒ガソリン（1825馬力）単発、プロペラは直径3.3mのN1K2J-P2可変ピッチ４翅、最大速度594km（高度5600m）、実用上昇限度10760m、上昇力6000mまで５分50秒、航続距離1713km（正規）／2392km（過荷時）。固定武装は翼内の九九式二〇ミリ二号固定機銃四型４門（600発。200発？）。30kgまたは60kg爆弾２発を主翼下に搭載できる。乗員１名。99機が生産された。51号機からは翼内機銃の取り付け角が上向き３度に変更された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,’18別冊、月刊JWings10,’17、5,’08、1,’14、歴史群像6,’08、世界の傑作機No.141、月刊航空ファン8,’19

　＜紫電二一型甲＞：N1K2-Ja。戦闘爆撃機型で、主翼下に250kg爆弾計２発を積めるようにした。60kg爆弾なら小型爆弾架を追加して計４発搭載できる。横安定性が強すぎたので、垂直尾翼の面積を13%ほど減らした。不時着水用救命筏が搭載されるようになり、操縦席後方の胴体右側に取り出し口が追加されている。100機が生産された。参考：月刊丸1,’12、3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜紫電三一型＞：N1K3-J、通称紫電改一。機首を0.15m延長して三式十三粍固定機銃２丁を搭載した武装強化型である。パイロンは引き込み式の九七式懸吊架改一に変更し、電気式投下装置を装備した。昭和19年5月から開発され、試作機の写真は残っているが、昭和20年1月に既存型量産を優先する方針が出されて開発中止となった。パイロン関係の改良のみを行った機体も存在する。参考：月刊丸1,’12、3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜紫電三二型＞：N1K4-J、通称紫電改三。三一型のエンジンを誉二三型に換装したもの。517号機と520号機の２機の存在が確認されており、517号機は二一型または二一型甲からの改造とみられ、520号機は13mm機銃を搭載しているので三一型の試作機ともいわれる。参考：月刊丸3,'18別冊、1,’12、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜紫電四一型＞：N1K3-A、通称紫電改二。紫電三一型に着艦フックを付けて艦上戦闘機としたものである。空母信濃で着艦テストを行った。参考：月刊丸3,'18別冊、1,’12

　＜紫電四二型＞：N1K4-A、通称紫電改四。三二型に着艦フックを付けて艦上戦闘機としたタイプである。案は出されたが、実際に製作されたかは不明。参考：月刊丸3,'18別冊、1,’12、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜紫電五三型＞：紫電二五型かも。N1K5-J、通称紫電改五。二一型甲のエンジンをハ43-11型（2200馬力）に換えたタイプで、推力線を機体中心線から0.7mほど上げて直径3.5mの４翅プロペラを装備している。三菱重工名古屋発動機製作所が空襲を受けてエンジンを生産できなくなり、計画のみ（試作のみ？）に終わった。参考：月刊丸3,'18別冊、1,’12、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜紫電改（誉四四搭載型）＞：二段三速過給器付きの誉四四型エンジンを搭載したタイプ。エンジンが実用化されず、計画のみに終わった。参考：月刊丸1,’12

　＜紫電改（鋼製）＞：アルミが枯渇したため、素材を鋼鉄に切り換えたタイプ。重量が増えた分は翼端延長による翼面積増加でカバーする。計画のみ。参考：月刊丸1,’12

＜紫電改ファミリー＞

　＜練習機型＞：コクピットを複座にした練習機型。少数が改造された。参考：月刊丸1,’12

＜紫電改展示館＞：愛媛県にある日本唯一の紫電改展示施設で、引き揚げた場所の見える山の上に立てられている。開館時間は0900-1730で、休館日は12/29-1/1。参考：月刊丸2,’08付録

＜自転降下飛行＞：オートローテーションを参照。

＜自転車こぎ＞：日本陸軍の私的制裁。脚を宙に浮かせ、空中で自転車をこぐマネをする。上官が来たと声をかけられたら、そのまま敬礼する。参考：帝国陸海軍事典

＜自転車式降着装置＞：Bicycle type landing gear。機体の重心を挟んで前後に降着装置を配置したもので、倒れないよう翼端に補助輪を持つ。主翼が薄く、胴体中央に爆弾倉があって降着装置の取り付け位置が限られるジェット爆撃機（XB-51、B-47、B-52など）や、通常の配置だと主脚を排気が直撃するハリアーなどに採用されている。後輪が重心よりもかなり後方に位置するため、離陸滑走時に機首を持ち上げることが困難であり、その分地上姿勢を上向きにしている関係で加速が鈍く、滑走距離が長くなる。着陸時に前主輪から着地するとバウンドしてバルーニング現象を起こし、かといって後主輪から着地するとポーポイジイング現象を生じるので、姿勢をきっちり維持する必要がある。補助輪から着地しても脚や主翼が折れないようにしなければならず、構造強化で重量がかさむ。メリットは横滑り着陸ができることくらいである。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings6,’07

＜自転車部隊＞：銀輪部隊を参照。

＜自動ＥＬＩＮＴ輻射位置測定システム＞：AEELSを参照。

＜自動安定装置＞：ASE（Automatic Stabilization Equipment）と略す。VTOLやヘリコプターなど、推力をそのまま揚力として使用するため気流による静安定性が得られない機体に対し、静安定性を付与するための装置である。参考：月刊JWings11,’10

＜自動印刷電信機＞：日本陸軍の有線通信器材。参考：工兵入門

＜自動貨車取付消毒器＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜自動機構＞：引き金を引くことにより、作動の８行程を自動的に行わせる機構のこと。ブローバック式、反動利用式、ガス圧利用式、ガトリング式、チェーン駆動式などがある。黒色火薬時代にはファウリングで炭素や腐食成分が銃にこびり付くため作動不良が続出、無煙火薬が開発されてから大いに発展した。参考：火器弾薬技術ハンドブック、グラフィックアクション２

　＜全自動機構＞：フルオートマチック。引き金を引いている限り、作動の８行程が連続して行われ続けるもの。調子に乗って連射していると銃身が過熱劣化して射撃精度が落ち、最悪クック・オフ現象を起こすので、セミオートやバーストに止めたり、銃身交換を行ったりする必要がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究6,’14

　＜半自動機構＞：セミオートマチック。引き金を１回引くと、作動の８行程が１サイクル行われるもの。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜自動空中貨物汎用システム＞：アメリカ海軍研究局の要請でオーロラ・フライト・サイエンス社が開発したヘリコプター無人化システム、略称AACUS（Autonomous Aerial Cargo Utility System）。有人ヘリに自律操縦用ハード・ソフトウェア、レーザー・レーダー、カメラなどを追加して無人ヘリにする。K-MaxとOH-6Uに搭載して無人ヘリ化に成功した。2017年にはUH-1Hに搭載してテストに入る予定。2017年末、クアンティコ海兵隊基地で最終飛行実証試験を実施。UH-1HにAACUSを搭載し、事前訓練を受けていない海兵隊員が15分間の講習で飛行に移らせ、テストに成功した。2018年5月、海兵隊空地戦センターでUH-1Hベースの機体が演習に参加して実証実験を行い、水・ガソリン・食料520ポンド（236kg）の空輸に成功した。参考：月刊JWings2,’17、月刊航空情報3,’18、月刊航空ファン3,’18、8,’18

＜自動空母着艦装置＞：AN/SPN-46(V)レーダーを参照。

＜自動警戒管制システムソフトウェア評価装置用メッセージ模擬装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究3,’10

＜自動警戒管制システムソフトウェア評価装置用メッセージ模擬装置（中ＳＡＭ連接模擬機能）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜自動警戒管制システムと０３式中距離地対空誘導弾の間のインターフェース設計＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜自動警戒管制システム等（Ｊ／ＦＰＳ−７連接機能等）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜自動警戒管制システム等（中ＳＡＭ連接機能）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜自動警戒管制システムの弾道ミサイル対処機能整備（ＢＭＤ）（ＦＭＳ）＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究5,’18

＜自動懸吊装置＞：潜水艦を自動的に懸吊させる装置。昭和15年に日本海軍友永英夫技術大佐が開発し、伊74潜水艦でテストが行われて実用化された。注水タンク、排水タンク、深度検知機からなり、水圧の変動を感知すると自動的に電磁弁が作動して注排水を行い、潜水艦の潜航深度を一定（誤差2m以内）に保つ。海上自衛隊も初の国産艦SS-511おやしおから搭載しており、こちらはネガティブ・タンクを注水タンク、セイフティ・タンクを排水タンクとして使用している。潜水艦運用の変化で懸吊の必要性が無くなると廃れた。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、続潜水艦気質よもやま物語、日本潜水艦物語

＜自動高々度給油＞：AHRを参照。

＜自動式拳銃＞：オートマチック・ピストル。自動式の中でも殆どが半自動（セミオートマチック）である。回転式拳銃と比べて装弾数が多い、発射速度が速い、発射後に自動的に撃発準備を整えてくれる、再装填が速いという利点があり、連射性に優れることから回転式拳銃に替わって軍用拳銃の主役となった。不発弾が出ると、スライドを引いて排莢しなければならないため、対応が遅くなる。1908年にドイツ陸軍が採用したルガーP08と1911年にアメリカ陸軍が採用したコルトM1911が初期の軍用拳銃で、使用弾の9mmルガー／9mmパラベラムと.45ACP（特に前者）は永らく拳銃弾の主流となった。参考：日本の防衛戦力Part8、GUN用語事典、拳銃・小銃・機関銃

＜自動式散弾銃＞：散弾銃を参照。

＜自動地面衝突防止装置＞：自動地上衝突回避装置を参照。

＜自動車運転講習員課程＞：日本海軍の高級幹部専門運転手養成課程。水兵と機関兵の志願者が対象で、運転だけでなく整備も行う。特技章は無い。参考：海軍よもやま物語

＜自動車化狙撃師団＞：ソ連陸軍の標準師団。西側の機械化歩兵師団に相当する。参考：兵器最先端５

　＜自動車化狙撃師団（１９８０年頃）＞：自動車化狙撃連隊１個（BMP-1/2装備）、自動車化狙撃連隊２個（BTR装輪装甲車装備）、戦車連隊１個、砲兵連隊１個、防空連隊１個、師団偵察大隊、地対地ロケットまたは短距離弾道ミサイル大隊、多連装ロケット大隊、対戦車大隊、工兵大隊、通信大隊、輸送大隊、整備大隊、化学防護大隊、衛生大隊、交通統制中隊、糧食中隊からなる。兵員数13000名。参考：兵器最先端５

　＜自動車化狙撃師団（１９８５年頃）＞：自動車化狙撃連隊のBTRを全てBMP-1/2に更新し、戦車数を約２倍の276両に強化、牽引式野砲を122mm自走榴弾砲に変更した。兵員数14000名。行動正面5-15km、展開縦深30-35kmで、侵攻目標縦深は50-70kmとされる。完全機械化師団のため補給所要量も膨大で、燃料だけで70トンに達する。参考：兵器最先端５、月刊丸8,’87

　＜自動車化狙撃師団（１９８９年）＞：自動車化狙撃連隊３個、戦車連隊１個、砲兵連隊１個、地対空ミサイル連隊１個、地対地ミサイル大隊１個、対戦車大隊１個、多連装ロケット大隊１個などからなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜自動車化狙撃師団（東ドイツ陸軍、１９７９年）＞：兵力12000名。戦車215両、装甲車481両を装備する。参考：月刊PANZER5,’79

＜自動車化狙撃師団（ワルシャワ条約軍、１９７９年）＞：ソ連地上軍以外にワルシャワ条約締結国で38個が編成されている。師団司令部、司令部中隊、ヘリコプター中隊、自動車化連隊３個、戦車連隊１個、砲兵連隊、重地対地戦術ミサイル大隊、ロケット砲兵大隊、高射砲連隊、機甲偵察大隊、工兵大隊、通信大隊、化学戦防護中隊、補給大隊、衛生大隊、ヘリコプター中隊、後方勤務隊からなる。自動車化連隊の主要装備は120mm重迫撃砲M1943が18門、107mm無反動砲B11が６門、RPG-7が197門、85mm対戦車砲M1952が６門、ZU23連装機関砲６門、ZSU-23-4が４両、SA-7搭載BRDM-2が４両、PT-76軽戦車４両、T-54/55戦車40両、BTR-70P装甲車105両（１個連隊はBMP-1装甲車105両）、BRDM-1/-2装甲車34両。一部はチェコスロバキア製のOT-62/-64/-65/-66やハンガリー製のFUG65/70、ルーマニア製のTAB70/72を装備する。自動車化狙撃大隊はBTR-152、BTR-60P、BTR-60PB、BTR-50P、BMP-1/-2を装備する。野戦砲兵連隊はT12対戦車砲18門、D30榴弾砲18門、152mm重榴弾砲M1955を18門、160mm迫撃砲M160を12門、240mm重迫撃砲M1953を６門装備していて、自走化はされていない。ロケット砲兵大隊はSIL151改造の140mm自走ロケット及び240mm自走ロケットを装備する。高射砲連隊はZSU-57-2とM1955高射砲、４連装14.5mm機銃KPV、23mm連装高射機関砲ZU-23を装備する。機甲偵察大隊はT-54/55戦車11両、PT-76軽戦車５両、BRDM-1/-2装甲車24両、BTR-152/60P装甲車４両などを装備する。参考：月刊PANZER5,’79

＜自動車化狙撃旅団（ソ連陸軍）＞：ソ連陸軍の旅団。機動戦において戦車部隊と共に目標を攻略・確保し、敵歩兵・対戦車火器から戦車部隊を防衛するのが主任務である。1942年1月から1943年9月に38個旅団が編成され、26個が戦車軍団の隷下に入った。13個は親衛自動車化狙撃旅団に改称されて12個が親衛戦車軍団に配備されている。参考：月刊PANZER12,’13

＜自動車化狙撃旅団（ソ連陸軍１９４３−４４年編成）＞：旅団本部、本部中隊、３個自動車化狙撃大隊、１個旅団重迫撃砲大隊、１個旅団砲兵大隊、１個旅団偵察中隊、１個旅団対戦車銃中隊、１個旅団短機関銃中隊、１個旅団高射機関銃中隊、１個旅団工兵地雷敷設中隊、１個旅団兵器・整備中隊、１個旅団自動車輸送中隊、１個旅団衛生小隊からなる。兵力3238名で、装備はBA-64A装甲車７両、BA-64B兵員輸送車10両、76.2mmカノン砲M1936を12門、45mm対戦車砲M1942を12門、120mm重迫撃砲M1938を６門、82mm中迫撃砲M1937を30門など。参考：月刊グランドパワー4,’98

＜自動車化狙撃旅団（ソ連陸軍、１９４４年９月改編後）＞：旅団本部（自動車化通信小隊、自動車化化学戦防護小隊、自動車化本部小隊、自動車化管理小隊）、自動車化狙撃大隊（大隊本部、自動車化狙撃中隊４個、自動車化対戦車銃中隊に14.5mm対戦車銃M1941が18丁、自動車化重迫撃砲中隊に82mm重迫撃砲M1937が６門、自動車化対戦車砲小隊に45mm対戦車砲M1932/M1942が４門、自動車化重機関銃小隊に7.62mm重機関銃M1939/49が９丁、自動車化補給小隊）３個、自動車化重迫撃砲大隊（大隊本部、72mm重迫撃砲M1937を６門装備する自動車化82mm重迫撃砲中隊２個、120mm重迫撃砲M1938/M1943を６門装備する自動車化120mm重迫撃砲中隊１個）、自動車化軽砲兵大隊（76.2mmカノン砲M1936/M1942を12門装備。大隊本部、自動車化軽砲兵中隊３個）、自動車化対戦車銃中隊（14.5mm対戦車銃M1941が27丁）、自動車化重機関銃中隊（7.62mm重機関銃M1939/43が93丁）、機械化偵察中隊（中隊本部、装甲車小隊にBA-64B装甲車７両、機械化狙撃小隊、自動車化偵察小隊２個）、自動車化兵器整備中隊、自動車化工兵地雷処理中隊、自動車化対空機関銃中隊、自動車化輸送中隊、自動車化衛生小隊からなる。兵力3238名で、小火器2952丁、迫撃砲36門、火砲24門、装輪装甲車７両、装甲兵員輸送車10両、トラック299両、炊事車17両、無線機44基を装備する。参考：月刊PANZER12,’13

＜自動車化狙撃連隊（ワルシャワ条約軍、１９７９年）＞：連隊本部、本部管理中隊、自動車化狙撃大隊３個、戦車大隊１個、駆逐戦車中隊１個、偵察中隊１個、対空中隊１個、工兵中隊１個、化学戦防護小隊１個からなる。参考：月刊PANZER5,’79

＜自動車化部隊＞：機動手段として主に非装甲車両を使う部隊のこと。移動速度は速いが、調子に乗って前線近くまで移動させると敵にやられる。かといってあまり後方で下車させると前線までの移動にかえって時間がかかる。参考：歴史群像4,’11

＜自動車化歩兵師（中国、２００７年編成）＞：兵力13000名。歩兵団３個、装甲団１個、砲兵団１個、防空団１個、偵察営、工程営、防化営、通信営、電子対抗営、指揮組、救護所、修理所、軍需庫、燃料庫、弾薬庫、機材庫、輸送隊、警衛通信隊からなる。参考：月刊軍事研究5,’07

＜自動車勤務用作業衣袴＞：日本陸軍の自動車搭乗員用被服で、大正10年に制定された。帽子、衣、袴、手袋、襟巻きからなる。戦車搭乗員は衣と戦車帽を組み合わせて着用していた。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜自動射撃監査写真機＞：写真銃（日本陸軍）を参照。

＜自動車操縦徽章＞：日本陸軍の徽章で、桜花の真ん中に正面向きの自動車を配したデザインである。一般教育として自動車の操縦教育を行う部隊（野戦重砲兵隊は除く。高射砲兵隊は含む）で、自動車操縦教育を修業した第２年次の兵のうち、成績優秀、品行方正、勤務勉励な者に授与される。優劣の判断は連隊長や独立した中隊長の規定による自動車操縦・調整技能検定で決定し、各中隊の第２年次兵16名あたり１名の割合で授与する。授与式は連隊を整列させて連隊長の名で行い、賞状と共に連隊長が該当者に授ける。徽章は軍衣の左肋で第３・第４ボタンの中間の高さに付け、他の徽章と一緒に装着する時は授与された順に左から右へと並べる。将校や准士官となった時を除く全服役間にわたり付けることが可能。参考：自動車操縦教範

＜自動車番号標＞：自衛隊車両が表示しているナンバープレートで、自衛隊の使用する自動車に関する訓令に規定がある。XX-YYYYという６桁で、前２桁が所属・種類別番号（01-38と50-98が陸自、39-43が海自、44-49が空自、99が技本／防衛装備庁。01-03は1/2トントラック、20-37は大型トラック、80は需品器材車両などと細分される）、後４桁が固有番号。ナンバープレートが取り付けにくい車両の場合、車体の見えやすい所に直接書き込んである。参考：MAMOR vol.56、vol.127

＜自動車用鉛蓄電池（８０Ｄ２６Ｒ）＞：自衛隊の機器。新神戸電機製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜自動車用鉛蓄電池（１０５Ｄ３１Ｒ）＞：自衛隊の機器。新神戸電機製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜自動車用鉛蓄電池（２４５Ｈ５２）＞：自衛隊の機器。新神戸電機製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜自動銃型写真機＞：写真銃（日本陸軍）を参照。

＜自動小銃＞：元はセミオートマチック・ライフルを指していたが、第２次大戦後は.308口径の突撃銃（セミ・フルオート切り替え式）もこの名で呼ばれるようになった。現在は突撃銃一般をこう称することが多い。ボルトアクション式ライフルは１発撃つ度に照準をし直さねばならないため、自動で装填・排莢してくれる自動小銃が考案された。1880年にはオーストリアのＶ・マンリッヘルが数種類を設計し、1898年にメキシコでモンドラゴン自動小銃が製造された。第１次大戦時には機関銃陣地を攻撃する際の対抗火力として必要性が認識され、ドイツで開発されたが、重すぎて実用に耐えられなかった。第１次大戦後には弾薬消費数の増加や構造が脆弱なこと、修理が難しいことが批判され、あまり開発が進まなかったが、ソ連では1929年から開発を進め、シモノフM1936やトカレフM1938、トカレフM1940を採用した。アメリカも1936年にM1ガーラントを採用し、第２次大戦時にはドイツなどがこれに続いた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、GUN用語事典、世界の軍用銃、拳銃・小銃・機関銃、日本の防衛戦力Part8

＜自動小銃＞：自衛隊の小火器。JALUXが受注している。参考：月刊軍事研究3,’13

＜自動制御式マニュアル・トランスミッション＞：AMT（Automated Manual Transmission）と略す。マニュアル・トランスミッションに自動クラッチ・自動ギア変更システムを組み込んでオートマチック・トランスミッション化したもので、完全自動変速が可能。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜自動操艦装置＞：自衛隊の機器。ユニバーサル特機またはJMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊軍事研究9,’16、1,’18

＜自動操縦装置＞：AFCS（Automatic Flight Control System）と略す。オートパイロット（Autopilot）ともいう。互いの動線が重なりにくいので衝突の危険が少なく、途中に障害物が無いので直線的に移動でき、静安定性を持つので何もしなくても自然に元の姿勢に戻る航空機の分野で発達し、1912年には早くもスペリー社が開発に成功（ジャイロで傾きを検出してエルロンとエレベーターを作動させる）、カーチス飛行艇がパリ飛行大会で手放し飛行を行っている。1930年代にはパイロットの負担を軽減して長時間飛行を行えるように高度や進路を保つタイプが出現、８日間世界一周を達成するなどの成果を挙げた。また、ドイツではレートジャイロにより操舵量をフィードバックする機構が開発され、横滑りせず望み通りの旋回率を維持する装置が開発された。第２次大戦時にはパイロットの操縦指令を実行できるタイプがアメリカの爆撃機に搭載されている。戦後は航法装置とリンクされ、コンピュータが進路を判断して自動的に操縦してくれるようになり、離着陸まで行えるようになり、ただの装置からシステムへと進化した。1947年にはC-47がオートパイロットのみでの離陸−飛行−着陸（パイロットは座っているだけで操縦装置を一切動かさず、着陸後のブレーキもオートパイロットが操作した）を行っている。軍用機では接敵地点や爆弾投下地点を入力するだけで航法から攻撃・投下シークエンス、離脱に帰投まで全自動で実施できるようになった。パイロットが操作板（パネル）で指令や動作信号を入力すると、機体側で自由ジャイロ、レートジャイロ、加速度計、遠隔コンパス、各種空力データ（速度、加速度、方位、対気速度、高度、温度など）検知計、航法電波受信機、レーダーなどから得た情報に基づいて計算機が操縦諸元を計算し、サーボモーターなどに出力して操舵や速度調節を実施してくれる。悪天候時の着陸では人間よりも安全といわれるが、離陸時はとっさの危険対応ができないため、今も人間の手で行われている。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’10、飛行機のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録

＜自動即時電話網（ＶｏＩＰ）用電源機器＞：自衛隊の機器。守谷商会が受注している。参考：月刊軍事研究11,’15

＜自動打鋲機＞：オートマチック・リベッタを参照。

＜自動地上衝突回避装置＞：アメリカ空軍のCFIT回避装置で、自動地面衝突防止装置とも称し、AGCASまたはAuto-GCAS（Automatic Ground Collision-Avoidance System）と略す。地上接近警報装置GPWSに自動回避操作を加えたもので、F-16による死亡事故の75%がCFITによるものであるとの分析結果を受け、地形追随飛行時の地面衝突事故に悩まされていたアメリカ空軍とスウェーデン空軍がNASA及びロッキードマーチンと共同で開発した。航空機センサーからの情報（GPS位置情報や高度情報）、航跡、速度、地形データベースなどを解析し、地上衝突の危険が高いと判断できる状態であるにも関わらず、パイロットが回避操作を取らなかった場合に作動し、自動的にHUD画面中央やや上にFLYUPの文字を表示すると共に、音声で警告する。パイロットが回避操作を行わないと自動で5G引き起こしによる機首上げとアップライト・ロールを行い、自動的に安全な飛行コースを取る。パイロットは介入しないので、G-LOC、ブラックアウト、空間識失調の際にも有効である。電波高度計やレーダーといった新たなハードウェアは不要なのでソフトウェア改修のみで済み、ステルス性も損ねない。2014年からF-16に搭載され、2018年までに６機が墜落せずに済んでいる。F-22Aにもインクリメント3.2で搭載されて効果を上げており、開発チームは2019年4月5日に全米航空協会からロバート・Ｊ・コリアー・トロフィーを受賞した。F-35Aもブロック４仕様で2026年からの予定を2019年7月24日に前倒ししてインテグレーション作業を開始した。F-35B/Cにも積む予定。ラファールもF3R仕様から搭載する。参考：月刊航空ファン7,’19、月刊JWings2,'19、9,’17、5,’18、12,’10、10,’19、8,’20

＜自動着陸装置＞：Automatic landing system。航空機が完全に接地するまで自動的に誘導してくれる装置のこと。ILSの電波を受信して滑走路に進入（電波の精度が悪くなったら直前の情報に基づく着陸姿勢を維持し降下を続ける）し、滑走路上に差し掛かって反射電波のノイズが減ったら電波高度計で測定した高度を元に機体を自動減速させると共に、昇降舵を作動させて引き起こしを行い、接地に至る。横風着陸時に機体縦軸と滑走路軸線を自動的に平行に保つシステムを備えるものもあるが、横方向の制御は滑走路側にも設備が必要なため、特に民間では手動にしておくことも多い。着陸復行も自動で行うことができ、上昇速度と方位を保ちつつ一定高度まで機体を持ち上げてくれる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜自動直射曲射迫撃砲＞：ADIMを参照。

＜自動追跡レーザー統合システム＞：ATLISを参照。

＜支とう点＞：機動防御を行う際、機動打撃の足がかりとなる地域のこと。参考：歴史群像12,’03

＜自動電圧調整器＞：自衛隊の機器。守谷商会が受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜自動電話交換装置用構成品＞：自衛隊の機器。海洋電子工業製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜自動ドラム缶塗装装置２型＞：陸上自衛隊の機器。ドラム缶を自動で塗装する機械である。参考：月刊JWings10,’18

＜自動発射速度＞：発射速度を参照。

＜自動ビデオ・ノイズ・レベリング＞：AVNLを参照。

＜自動変速機＞：オートマチック・トランスミッションを参照。

＜自動変歪修正機＞：日本陸軍の工兵器材。航空写真を地図におこす時に使用する器材で、航空機搭載カメラの地表面に対する角度を入力すると、その分を修正して下に投影してくれるので、それを写し取れば歪みの無い地図が完成する。測量中隊に配備された。参考：工兵入門

＜自動方向探知器＞：ADFを参照。

＜自動レーダー衝突予防援助装置＞：レーダーによる船舶衝突防止装置で、ARPA（Automatic Radar Plotting Aids）と略す。レーダーで捉えた目標（他艦）の針路や速力を割り出し、最接近時間、最接近距離、将来予測位置などと共にモニターに表示すると共に、自艦の針路や速力などと比較して衝突の危険性を分析、衝突の恐れがあれば操船者に警報を発する。参考：図解船の科学

＜シトーラ＞：ロシアのT-90Sが装備するソフトキル方式アクティブ防御装置（対戦車ミサイル撹乱装置）TShU-1-7 Shtora。半自動ミサイルに対しては、スモークディスチャージャーで煙幕を展張し、そこに砲塔両側に装備されたOTShU-1-7電磁・赤外線照射システムを照射して赤外線乱反射界を作り出し、第２世代有線誘導式ミサイル尾部にあるフレアから放出される赤外線にジャミングをかけ、誘導を妨害する。目視・TV誘導・レーザー誘導ミサイルに対しては、砲塔上面の２個のセンサーでレーザーを探知してスモークディスチャージャーからレーザー遮断煙幕弾3D17もしくは3D6Mを発射するTShU-1-11により妨害する。システム重量（スモークディスチャージャー除く）は35kg。参考：月刊グランドパワー8,’03、月刊軍事研究11,’00、月刊PANZER9,’06

＜シトカ＞：APA-113（攻撃輸送艦）またはPF-94（タコマ級パトロール・フリゲート）またはPF-97（タコマ級パトロール・フリゲート）を参照。

＜ジドクチル＞：池�ｺ七（ミサイル艇）を参照。

＜シトコー・ベイ＞：CVE-86（護衛空母）を参照。

＜刺突爆雷＞：円錐爆雷を参照。

＜シドニア＞：AKA-42（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜シドニー＞：03（アデレード級フリゲート）または42（ホバート級イージス艦）を参照。

＜シドニー（初代）＞：オーストラリア海軍タウン級軽巡洋艦第３グループ（チャタム級）、Sydney。1913年6月竣工。1914年11月1日、ANZAC軍を乗せた輸送船38隻を護衛してアルバニーを出港し、フリーマントル経由でヨーロッパに向かった。11月8日、ドイツ軽巡エムデンを座礁させた。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜シドニー（２代目）＞：オーストラリア海軍パース級軽巡洋艦Sydney。元はフェートン（Phaeton）という艦名でイギリスで進水し、その後オーストラリア海軍に引き渡され、シドニーに改称されて1935年9月24日に竣工した。1940年7月9日、プンタ・スティロ海戦で損傷した。7月19日、スパダ岬沖海戦に参加。1941年11月19日、ドイツ特設巡洋艦コルモランを撃沈したが、自らも雷撃を受けて沈没、乗員645名全員が戦死した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船11,’00、7,’15

＜シドニー（３代目）＞：オーストラリア海軍シドニー級空母Sydney。元はイギリス海軍マジェスティック級軽空母テリブルで、進水後の1947年6月に購入し、1948年12月16日（1949年2月？）就役。1949年5月、オーストラリアに到着。1951-52年、朝鮮戦争に参加。1955年4月（1953年？）、練習空母となった。1962年3月、高速輸送艦となった。1973年11月12日に除籍され、1975年10月に韓国の製鋼会社に売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船2,’18、11,’00

＜シドニー級＞：オーストラリア海軍空母Sydney級。元はイギリス海軍マジェスティック級軽空母テリブルで、第２次大戦終結により進水後に工事が止まっていたのを、1947年6月に購入して完成させた。全長212.3m、基準排水量15740トン（14512トン？）。主機は蒸気タービン２基、２軸推進、速力24ノット（25ノット？）。搭載機数38機（シー・フューリー艦戦やファイアフライ艦戦など）。兵装は40mm連装機関砲６基、40mm単装機関砲18門。シドニーが1948年（1949年？）に就役した。参考：月刊世界の艦船2,’18

＜シトラ＞：HJT-36（練習機）を参照。

＜シドラ湾＞：リビア北部の地中海にある湾で、ベンガジからミスラタを結ぶ線から南を1973年にリビアが一方的に内海であると宣言した。アメリカは公海と認識しており、第６艦隊を派遣して威圧している。1981年8月18日、アメリカがシドラ湾演習を開始。1986年3月、アメリカがプレイリー・ファイル作戦を開始。4月14日、アメリカがエルドラド・キャニオン作戦を開始。参考：月刊エアワールド8,’05、F-14トムキャット

＜シドラ湾演習＞：1981年8月18日、リビアが自国の領海と一方的に主張するシドラ湾内で、アメリカ海軍が演習を開始した。参加したのは第６艦隊タスクフォース60（２個空母戦闘群。CV-59フォレスタル、CVN-68ニミッツ、巡洋艦４隻、駆逐艦４隻、フリゲート４隻、護衛艦２隻）である。リビア側は戦闘機（MiG-23、MiG-25、ミラージュF1など）70機を飛行させて警戒・威嚇した。8月19日0714、CVN-68ニミッツ搭載VF-41所属F-14A戦闘機２機がCAP任務中に、リビア軍機２機が右前方から接近してくるのをレーダーで探知。E-2C早期警戒機と艦船のレーダーでは気象条件の関係で捉えられなかった。F-14A戦闘機パイロットは距離13kmでSu-22攻撃機と視認。左に切り返して後方に付こうとしたところでSu-22攻撃機１機がK-13空対空ミサイルを発射した。F-14A戦闘機は急旋回してミサイルを回避するとそれぞれSu-22攻撃機の後方に回り込み、0715に２機ともAIM-9空対空ミサイルで撃墜した。撃墜位置はリビア沿岸から100km前後の地点とされる。リビア空軍機はミサイル発射準備を基地に報告しており、その交信はアメリカ海軍に傍受されていた。その後、F-14A TARPSがリビア空軍に対する偵察を行っている。参考：月刊JWings3,’00、F-14トムキャット、月刊軍事研究7,’11

＜シナーラ＞：BRY（対戦車ロケット）を参照。

＜シナイ会戦＞：第２次中東戦争を参照。

＜シナイ州＞：Wilayat Sinai。イスラム国の分派で、シナイ半島を拠点に置く。シリアやリビアから9K338イグラＳ携帯地対空ミサイルや9K129コルネット対戦車ミサイルを入手している。参考：月刊軍事研究2,’16

＜品川台場＞：江戸幕府が外国船の来航に備えて建設した海上砲台。1837年から江川太郎左衛門英龍が進言し、1853年6月3日のペリー来航により建設を決定、8月21日に建造が開始された。本来ならば三浦半島観音崎から房総半島富津の間に建造して東京湾を閉塞する予定だったが、予算や工期、技術からみて困難だったため、品川沖に台場11基を建造することにしている。ただし予算不足で西半分の台場のうち第1-3、第５、第６、御殿山下の６ヵ所が1854年末までに完成したのみで、第４・第７台場は建造途中で放棄され、東側に建造する予定だった台場群は手つかずのままだった。基礎には石板（亀張り）を張り巡らせてあり、周囲に塁壁を築き、内部に土塁で囲まれた火薬庫や弾薬庫を設置した。後方には船着き場があり、兵員や物資は必要に応じて船で輸送される。簡単な陣屋しか設けられていないため、籠城戦はできない。据えられた大砲は国産の80ポンド砲、36ポンド砲、24ポンド砲、12ポンド砲、６ポンド砲、ランゲホイッスル砲、５貫目砲、１貫目砲で、有効射程は最も長くて1000m強である。2002年現在、第１・第５台場は埋め立てられて品川埠頭の一部となり、埋め立てで内陸部となった御殿山下台場には台場小学校が建てられ、第２台場は航路開設のため撤去され、第３台場が台場公園として開放され、第６台場が史跡として立ち入り禁止状態で保存されている。参考：歴史群像6,’02

＜シナジー＞：スイスのフォナックス社が開発した特殊部隊用ヘッドギアSynergy。ヘッドギア内部にマイクが仕込んであり、周辺の音から雑音や騒音を除き、音響レベルを適切なレベルに調整して耳に伝えてくれるので、耳を痛めずに周囲の音情報を把握でき、骨伝導型スピーカーから流れてくる通信内容が周辺の騒音に邪魔されることも無い。SEALチーム６も採用し、オサマ・ビンラディン殺害ネプチューン・スピア作戦で使用したといわれる。参考：月刊軍事研究2,’13

＜支那事変＞：日華事変を参照。

＜ジナナー＞：UAE海軍揚陸艇。全長64m、幅12m。人員56名、貨物85トン、燃料245トン、真水430トンを搭載可能。参考：月刊軍事研究5,’07

＜信濃＞：日本海軍信濃型空母１番艦Shinano。昭和15年4月7日（5月4日？）、大和型戦艦３番艦第110号艦として横須賀海軍工廠第６船渠で起工された。建造中に小改良を施すことになり、工期が４ヶ月ほど遅れている。昭和16年12月8日、下部構造の工事まで終わったところ（船体進捗率70%）で太平洋戦争が始まり、建造が中断された。昭和17年6月30日、ミッドウェイ海戦敗退を受けて空母への改造が決定したが、水上機母艦千代田の空母への改造や損傷艦復旧工事が優先されたため、工事は行われなかった。昭和19年6月、マリアナ沖海戦で空母３隻を失ったため、7月に突貫工事（昭和20年2月の竣工予定を昭和19年10月15日に繰り上げ）で完成させることになった。このため、軍令部が横須賀海軍工廠長に対し、居住設備は最小限のみ、事務倉庫以外の倉庫は極力簡易化し、木部や舷梯の一部を省略、中甲板（水線部より１甲板くらい上）以上の防水区画・防毒区画の気密・水密試験は実施せず、造機・造兵関係工事も極力後回しにするという命令が出されたが、実際には進水前に気密試験、進水後に10区画前後の抜き打ち注排水試験を行い異常が無いことを確認した、中甲板以上の防毒区画気密試験以外は全て行い応急注排水装置を含む保安関連設備試験も完全に行った、とする資料が残っている。8月15日、阿部俊雄艤装員長が着任した。10月1日、阿部艤装員長が艦長となった。10月5日0800、３日後の命名・進水式に備え、ドックに海水を注水して浮揚を開始。しかし扉船の上部タンクに注水するのを忘れたため、扉船が急激に浮上してドック内に海水が押し寄せ、流された信濃は何度もドックの壁に船体を叩き付けられてしまい、バルバス・バウが圧壊してソナーが破壊され、呉から予備品を取り寄せる羽目になった。ビルジキールやプロペラも損傷し、修理を行っている。10月8日、命名式を実施。10月23日進水、沖合の３番ブイに繋留されて工事を続けた。11月11日、東京湾で公試を実施。主缶４缶が間に合わず、最大速力は21ノットだった。零戦と天山が発着艦テストを行っている。11月12日、紫電改、流星、彩雲などの発着艦テストを実施。11月19日竣工、引き渡し式が行われ、連合艦隊第１航空戦隊所属となった。ただ工事は完了しておらず、呉に艦籍があること、B-29の爆撃を受ける恐れがあることなどから11月28日に呉に向かったが、11月29日に潜水艦アーチャーフィッシュの雷撃を受け、和歌山県潮岬の東55海里で沈没した。昭和20年1月1日に第２艦隊第１航空戦隊に転属。4月20日に連合艦隊付属となり、8月31日に除籍された。参考：歴史群像10,’18、月刊世界の艦船11,'22、激闘太平洋戦記、図解日本の空母、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸2,’12別冊付録

＜信濃型＞：日本海軍空母Shinano型。マル四計画において当初は大和型戦艦３番艦第110号艦として建造が開始されたが、船体下部がほぼ完成（船体工事進捗率70%）したところで太平洋戦争が勃発。空母建造や損傷艦修理のためドックを空ける必要があり、工事を中断したが、ドックから引き出すにも解体するにも中途半端な状態で、宙に浮いていた。昭和17年6月のミッドウェイ海戦で空母の補充が必要となり、6月20-21日に柱島泊地の戦艦大和で航空母艦改良意見研究会が開催され、空母への改造検討を開始。海軍艦政本部では、ミッドウェイ海戦で脆弱性が明らかになった従来の防御力の低い空母はもっと後方に配置し、本空母は防御力を活かして前方に置き、艦上機の帰路分の燃料を補給したり、再出撃用の兵装を積んだりする、という運用法を考え、誘爆による損害を防ぐため艦上機は積まないか、艦戦用格納庫に上空直掩機しか搭載しない、という防御全振りの案を出した。しかし軍令部と海軍航空本部は攻撃任務も行えないと戦力に入らないとして艦攻も積むことを主張、最終的には艤装は海軍艦政本部に準じるが艦攻も搭載する重防御正規空母となっている。自衛用に20-30cm連装砲塔を積む予定もあったが、さすがにこれは廃案になった。昭和17年9月に建造が再開され、昭和20年2月末に竣工する予定だったが、ガダルカナル戦で損害が続出すると修理や急造に追われて第110号艦を作っている暇が無くなり、再度工事を中断。昭和19年6月のマリアナ沖海戦でいよいよ空母が無くなると、9月末には突貫工事で取り敢えず前線に出せる状態にして10月15日に竣工させるという無茶な計画が出された。ちゃんとした工事は前線から内地に戻ってきた際に適宜行う予定にしている。艦首・船体は大和型と同じ設計で、水中防御も同等の筈だったが、実際には魚雷４本で沈没してしまった。甲板装甲も大和型と同レベルだが、舷側装甲は対８インチ（20.3cm）砲程度のVH甲鈑200mmに減らされている。船体前部のガソリンタンク周囲には水が入れられていて、ガソリンが漏れないようになっていた。艦首直下の艦底部には前方に3mほど突出した大型のバルバス・バウを持つ。錨甲板には飛行甲板を支えるための大型支柱２組があり、前端には飛行甲板とほぼ同じ幅の機銃座が設けられ、25mm３連装機銃４門が配置された。機銃射撃指揮装置は無く、射撃指揮官の指示で砲側照準射撃を行う。艦首両舷には十二サンチ二八連装噴進砲が片舷３基ずつ搭載されており、砲座後方には発射炎に巻き込まれないための砲員待避所が用意された。戦艦当時の最上甲板が格納庫甲板で、その上に飛行甲板を設置している。格納庫は１層で、高さは２甲板分、前後に分かれており、前部125mの開放部に攻撃機36機（流星18機＋補用２機？流星17機＋補用１機？）、後部83mの密閉部に戦闘機18機（烈風18機＋補用２機？烈風24機＋補用１機？）を収容する予定だった。艦上偵察機彩雲は６機を飛行甲板に露天繋止し、補用１機を艦内に収容する。密閉部は厚さ25mmのDS鋼板２枚で囲われており、ブラストデフレクターで爆風を逃がすようにした。格納庫両端のエレベーター側面にある鎧戸は厚さ7mmのDS鋼板で製作され、数カ所に石綿製の防火幕がある。格納庫の天井には20mmと14mmのDS鋼板を重ね張りし、天井や壁に泡沫式消火装置を装備した。エレベーターは前後に１基ずつあり、前が縦15m・横14m・重量180トン、後ろが縦13m・横13m・重量110トンで、75mmのNVNC鋼板による装甲防御が施されていた。格納庫密閉部両側は高角砲甲板で上下に仕切られ、航空員室や兵員室などに充てられている。飛行甲板は全長256m、前端幅22m、中央幅40m、後端幅30mで、飛行甲板中央の長さ210m・幅30m（29m？）の範囲に厚さ75mmのNVNC鋼板を使用して対500kg爆弾急降下爆撃／203mm砲弾用装甲防御を施した。その上に木かラテックスを張る予定だったが、実際には厚さ150mmの大鋸屑入りセメントが使用されており、長期使用の際にはセメント粉や破片が発生して着艦制動装置などに詰まる恐れがあった。飛行甲板重量は大和型戦艦の主砲・副砲関連重量と同じに設定しており、船体内の弾庫や揚弾装置の重量分まで最上甲板の一段上に持って行ったため、トップヘビー状態だった。着艦制動装置は三式一〇型５基でアレスティングワイヤーは15本、滑走制止装置は三式一〇型３基。４層の大型アイランドが飛行甲板右舷中央にあり、外側に26度傾斜した高さ17mの煙突を後方に持つ。艦橋の飛行甲板レベルから一段下の舷側には缶室吸気口が開いており、スポンソンが２カ所設けられて高角砲指揮所（四式射撃装置と2m高角測距儀）が１つずつ用意された。また、後方のスポンソンには25mm３連装機銃も装備されている。艦橋の飛行甲板レベルには機銃弾薬庫、方位測定室、搭乗員待機室などがあり、前方の舷側スポンソンに25mm３連装機銃が１基装備された。その上が下部艦橋甲板で、第１防御指揮所、休憩室などが設けられている。前後には露天甲板があり、前方のものには1.5m測距儀、25mm単装機銃２門、後方のものには二一号電探のアンテナと25mm３連装機銃１基が装備された。その上が上部艦橋甲板で、操舵室、作戦室などがあり、その上が羅針艦橋甲板で、羅針艦橋、海図室、発着艦指揮所などが設けられている。羅針艦橋甲板の前後には露天甲板があり、前方のものには探照灯管制器兼上空見張方向盤が、後方のものには方位測定器用ループアンテナが装備された。最上部は露天式の防空指揮所甲板で、防空指揮所、二一号電探のアンテナ、一三号電探のアンテナ、信号マストが設けられ、後部から煙突が突き出している。操舵室と第１防御指揮所は40mm鋼板により弾片防御がなされており、その他の部分も大型機銃弾に耐えられるよう装甲化されていた。艦尾甲板は上甲板にあたり、飛行甲板支柱、機銃台（艦尾に３基）と噴進砲台（両舷に３基ずつ）が設けられている。高角砲は九八式一〇サンチ高角砲を搭載する予定だったが、生産が間に合わず、八九式12.7cm連装高角砲８基を飛行甲板両舷スポンソンに４基ずつ装備した。射撃指揮装置は九四式の予定だったが、これも数が足りず、四式射撃装置と九七式二メートル高角測距儀と組み合わせて４基を搭載した。対空機銃は25mm３連装機銃を艦首に４基、艦尾に３基、両舷に15基ずつ装備したが、射撃指揮装置は４基（機銃12基分）しかなく、他は指揮官による射撃指揮となった。また、二五ミリ単装機銃40門を機銃台や飛行甲板に装備した。十二サンチ二八連装噴進砲12基を松山で装備する予定だったが、その前に沈められている。全長266m、最大幅38m、平均吃水10.31m、基準排水量62000トン、推定満載排水量71900トン。主機は艦本式オールギヤードタービン４基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり25kg・温度325℃）12基、出力150000馬力、４軸推進、速力27ノット、重油搭載量9000トン、航続距離10000海里（18ノット）。搭載機は紫電改二20機（常用18機、補用２機）、流星27機（常用24機、補用３機）の計47機（烈風18機＋補用２機、流星18機＋補用２機、彩雲６機＋補用１機の計47機？烈風24機＋補用１機、流星17機＋補用１機、彩雲７機の計50機？）。兵装は八九式12.7cm連装高角砲８基、25mm３連装機銃35基（37基？）、25mm単装機銃40丁。装甲厚は飛行甲板95mm、甲板190mm、舷側160-270mm。乗員2400名。信濃が昭和19年11月19日に竣工した。参考：日本航空母艦史、図解日本の空母、歴史群像10,’18、激闘太平洋戦記、月刊丸2,’12別冊付録、月刊世界の艦船11,'22、6,'20、9,’14

＜信濃沈没＞：昭和19年11月10日、SS-311アーチャーフィッシュはサイパンを出撃、八丈島北方海域でB-29の搭乗員救難任務にあたっていた。11月19日、空母信濃が竣工して海軍に引き渡されたが、工事は終わっておらず（前日に阿部俊雄艦長が引き渡し式で未完成の航空母艦信濃を受け取りますと言ってやろうかと愚痴をこぼす程だった）、B-29の来襲が予想される関東地方の横須賀から呉に移して残りの工事を行うことにした。護衛は比島沖海戦から帰投した長門に連れ添った第17駆逐隊（濱風、雪風、磯風）で、11月25日1450に長門と共に横須賀軍港に入港。第17駆逐隊司令代理（司令は浦風に搭乗していて11月21日に戦死）の濱風艦長前川中佐・同航海長磯山中尉と信濃艦長阿部大佐が信濃の艦長公室で打ち合わせを行い、阿部艦長は翌日の出港を提案したが、前川艦長は１年振りの内地帰投で乗員に休暇を与えたいとのことで、11月28日に出港することが決まった。呉までのルートとして、阿部艦長は空襲を避けるため夕方に出港して夜に伊豆諸島の列島線を通過、沖合を通っていく航路を提案し、第17駆逐隊には敵潜水艦を深追いせず直衛に専念するよう求めた。これに対し、前川艦長は潜水艦対策を重視、列島線では潜水艦の待ち伏せ攻撃を受ける可能性が高いので夕方に館山湾に入って早朝に出港、昼間に陸沿いを通って外洋側だけを集中的に哨戒すると共に哨戒機の掩護も受け、紀伊水道まで一気に高速航行する案を出した。呉までのルート決定は11月25日説、27日に第17駆逐隊全艦長（＋全航海長説もあり）との間で行った説、激論を戦わせた説と穏便に済んだ説があるが、最終的には阿部艦長が自案を押し通している。11月28日、B-29による爆撃予定が無かったため、SS-311アーチャーフィッシュは0556に潜航して哨戒任務に就いた。1332、空母信濃は乗員1871名（うち便乗者２名、横須賀工廠工員・軍属60名）、艦爆３機、桜花50機、震洋若干を乗せ、護衛の第17駆逐隊を伴って横須賀を出港。1507-1650、東京湾で避雷航行し、三浦半島の金田湾に入って時間調整のため仮泊した。1718、アーチャーフィッシュが浮上。1800、信濃と第17駆逐隊は日没を待って抜錨し、南下した。1930、信濃と第17駆逐隊は20ノットに増速し、大島を右舷側に見つつ南下を継続。信濃の前方に濱風、左舷側に磯風、右舷側に雪風がそれぞれ信濃から1500m離れて護衛にあたっていた。その後信濃と第17駆逐隊は西に変針して列島線を横切り（通ったのは大島・利島間、三宅島北方、三宅島・御蔵島間と諸説ある）、更に南西へと変針して外洋寄りに向かった。2048、アーチャーフィッシュがSJレーダーにより距離24700ヤード（22586m）で目標を探知、水上を全速（18ノット）で航行し、右側から接近を開始した。2230、アーチャーフィッシュは信濃の右に駆逐艦を認めたため、反転して信濃に併走した。しかし信濃の方が速力が速いため、攻撃地点への進出が不可能と判断し、太平洋潜水艦部隊指揮官に空母発見を電信した。2245、信濃の見張り指揮所が右舷艦首前方8-9海里に正体不明の物体を発見。砲撃はせずにやりすごしたが、これがアーチャーフィッシュの艦影だった。護衛の駆逐艦はレイテ沖海戦から帰投したばかりで、レーダーの整備が不完全であり、濱風と磯風は水中探信儀も使用不能で、アーチャーフィッシュの探知に失敗した。信濃はジグザグ航行を続けたため、アーチャーフィッシュとの距離は開きつつあった。11月29日0241、太平洋潜水艦部隊指揮官宛の電報が受信されたという報告がアーチャーフィッシュに届いた。0242、信濃はアメリカ潜水艦の無線通信を傍受。感度が強いため至近距離に潜水艦がいると推定され、0256に210度に変針した。この時アーチャーフィッシュは信濃を真方位030、距離16000ヤード（14630m）に捉えており、正面から向かってくる形になった。0305、距離11700ヤード（10698m）でアーチャーフィッシュが潜航を開始。距離7000ヤードで潜望鏡により信濃を視認したが、このまま進むと接近しすぎるため針路を090に変更した。0316、信濃は左に30度変針。0317、アーチャーフィッシュは方位角右70度、距離1400ヤード（1280m）の信濃に向けてMk14魚雷６本を斉射した。47秒後、信濃の艦尾194番、162番、118番、104番フレームに魚雷が命中して炸裂、高角砲弾薬庫や第２応急指揮所に海水がなだれ込んだ。アーチャーフィッシュは護衛駆逐艦の反撃を避けるため深深度に潜航した。信濃は傾斜13度で一旦停止し、注排水操作を行って復元に努めると共に潮岬方面に移動しようとしたが、水密が不完全なのと乗員不慣熟及び艦内工事継続中でダメージ・コントロールが不十分なのとで浸水が止まらず傾斜が増大、機関が停止した。0800、駆逐艦での曳航を試みたが、ワイヤーが切れて失敗。1037、傾斜は35度を超えたため、艦長は総員退艦を命令して艦長室に入った。1057、信濃は潮岬から55マイルの位置で転覆して艦尾から沈没、水深4000mの海底に沈んだ。戦死者は艦長以下1435名（791名？軍属、工員含む）、生存者1080名。参考：激闘太平洋戦記、月刊世界の艦船11,'22、3,’07

＜支那派遣軍＞：昭和14年9月、第27師団が編入された。昭和19年3月、第27師団が北支那方面軍の隷下に移った。参考：歴史群像4,’18

＜支那派遣軍（昭和１９年後半）＞：司令部は南京にある。隷下に北支那方面軍、第６方面軍、第13軍、第５航空軍を置く。参考：比島決戦

＜支那方面艦隊＞：日本海軍の艦隊。日華事変や第二次上海事変を受けて昭和12年10月20日に新編され、第３艦隊、第４艦隊、第１連合航空隊が隷下に入った。司令長官は長谷川清第３艦隊司令長官の兼務である。昭和13年2月1日、第５艦隊が隷下に新編された。3月22日、第１連合航空隊が連合艦隊直轄に移った。昭和14年11月15日、第３艦隊が第１遣支艦隊、第４艦隊が第３遣支艦隊、第５艦隊が第２遣支艦隊に改編された。昭和16年4月10日、第23航空戦隊と元山航空隊が編入された。昭和17年9月20日、元山航空隊戦闘機隊が第22航空戦隊に転出した。昭和19年2月1日、隷下に第256航空隊が新設された。参考：日本海軍艦隊総覧、日本海軍戦闘機隊、月刊世界の艦船9,’16、月刊航空ファン3,’17

　＜支那方面艦隊（昭和１６年１２月８日、太平洋戦争開戦時）＞：連合艦隊とは独立した艦隊である。司令長官は古賀峯一大将。隷下に第１遣支艦隊、第２遣支艦隊、第３遣支艦隊、海南警備府部隊、上海方面根拠地隊を置く。参考：日本海軍艦隊総覧、帝国陸海軍事典

＜ジニア＞：K98（コルベット）を参照。

＜シニア・アイス＞：アメリカ空軍B-2戦略爆撃機のプロトタイプ。ノースロップ、ボーイング、LTBが開発した。垂直尾翼２枚を持つ無水平尾翼機である。全長21m、全幅52m、離陸総重量159トン。1981年に採用が決定した。参考：月刊航空ファン6,’02

＜シニア・イヤー＞：Senior Year。U-2Rの機首センサー装備形態の１つで、長距離斜めカメラとパノラマカメラを搭載し、機首の円形カメラ窓（左右に回転可能）からデジタル写真を撮影する。画像はシニア・イヤー電子光学偵察システムSYEARSにより、地上管制局にリアルタイム送信される。参考：月刊軍事研究5,’05、11,’18、月刊JWings5,’20

＜シニア・オープン＞：U-2偵察機の機首に搭載されるLOROPカメラシステムSenior Open。KA-102カメラを前向きに搭載し、可動式反射鏡で斜め前方下方向を撮影する。参考：月刊軍事研究11,’18

＜シニア・グラス＞：U-2用SIGINTパッケージSenior Glass。シニア・ルビーELINTシステムとシニア・スピアCOMINTシステムからなり、U-2両主翼下のスーパーポッドにそれぞれ１システムずつ収容する。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊JWings5,’19

＜シニア・サプライズ計画＞：AGM-86C（ミサイル）を参照。

＜シニア・スパー＞：U-2用の衛星中継システムSenior Spur。ASARAS合成開口レーダーから得た画像情報を衛星通信データリンクで伝送するシステムで、アンテナは胴体上面のシニアスパン用アンテナフェアリング内または主翼下のスーパーポッド内に収容する。世界中どこにいても受信可能である。湾岸戦争後に実用化された。参考：月刊軍事研究5,’05、11,’18

＜シニア・スパン＞：U-2用の通信衛星系データリンク装置、Senior Span。胴体上部に大型涙滴型アンテナポッドを載せる。参考：月刊軍事研究11,’18

＜シニア・スピア＞：Senior Spear。U-2用のCOMINT装置で、スーパーポッド後部に搭載される。スーパーポッド下面カヌー型アンテナフェアリング後部がシニア・スピアのアンテナで、胴体・主翼下面にもＬ字型ブレードアンテナの極超短波指向性（UHF/DF）アンテナとテーパー型ブレードアンテナの超短波指向性（VHF/DF）アンテナを多数配置している。短波、極超短波、超短波にわたる周波数帯を、24台の高性能受信機を使用して自動スキャンし、AM、FM、SSBから連続波まであらゆる無線信号を検出して傍受できる。収集した信号はデータリンクでリアルタイム伝送可能。参考：月刊軍事研究5,’02、11,’18

＜シニア・トレンド計画＞：ハヴ・ブルーで得たステルス技術を実用機として活かす計画。主翼後退角を72.5度から67.5度にして安定性を増し、機首の形状を変え、エンジン排気口を改設計し、垂直尾翼を外側に傾斜させた。胴体にはペイブウェイ�Uを２発並列で搭載するウェポンベイが作られ、B57/B61核爆弾も搭載できるようにした。ピトー管の開発に最も手間取り、フライバイワイヤが四重なので４本が機首に装備されている。ピトー管着氷防止の加熱装置がステルス性を低下させるため、電熱線を髪の毛ほどの太さにして対応した。1981年6月18日初飛行、計５機が生産されて試験に賦され、F-117Aの礎を築いた。参考：月刊軍事研究4,’00

＜シニア・ブック＞：U-2用のSIGINTシステム。メルファー信号情報収集装置にスペリー社のデータリンクを組み合わせている。参考：月刊軍事研究5,’02

＜シニア・ブレード＞：U-2のシニア・イヤーで得られた画像を処理・判読する地上管制局。空輸可能である。参考：月刊軍事研究5,’05

＜シニア・ペグ＞：空軍B-2爆撃機のプロトタイプで、ロッキードとロックウェル社が開発した。F-117を大型化したものといわれ、全長29m、全幅18.3m、離陸総重量90.7トン。シニア・アイスに負けて採用されなかった。参考：月刊航空ファン6,’02

＜シニア・ボウル計画＞：D-21B（無人偵察機）を参照。

＜シニア・ルビー＞：Senior Ruby。U-2用のELINT装置で、システムはスーパーポッド後部に搭載され、アンテナはスーパーポッド前部側面の平面部に収容される。レーダー波を受信して電波諸元を測定し、発信源を特定する。参考：月刊軍事研究5,’05、11,’18、月刊JWings5,’19

＜シニア・レベル・セミナー＞：略称SLS。陸上自衛隊、アメリカ太平洋陸軍、アメリカ太平洋海兵隊のトップが意見交換を行い、関係強化を図る会合で、2001年度からハワイと日本で毎年２回開催されている。第22回は2012年7月9-12日にハワイで開催され、オーストラリア陸軍の陸軍本部長が初めてオブザーバー参加した。参考：朝雲

＜ジニー＞：AIR-2A（空対空ロケット）を参照。

＜ジニヴァ＞：APA-86（攻撃輸送艦）を参照。

＜シニャルドヴィ＞：ポーランド海軍マムリー級掃海艇Sniardwy。1994年1月竣工。2014年6月6-21日、バルトップス2014に参加。その後キール・ウィークにも参加した。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜シネシュ＞：ポルトガル海軍哨戒艦。2021年5月20-30日、ステッドファスト・ディフェンダー21に参加。参考：月刊世界の艦船8,’21

＜シネワ＞：R-29RMU2（SLBM）を参照。

＜死の光線＞：SOFLAM（レーザー目標指示器）を参照。

＜死のサークル＞：ソ連空軍Il-2攻撃機の戦車攻撃法。高度500-700mで戦車隊に接近し、旋回しながら緩降下して目標を定め、戦車後方から接近して機関砲で機関室を撃ち抜くものである。参考：兵器メカニズム図鑑

＜信太山演習場＞：陸上自衛隊の演習場。1975年7月30日、第３師団第37普通科連隊が、夏休み期間中の広報活動として、第１空挺団の支援を得て空挺降下統合展示演習を実施。2003年から信田山クロスカントリー大会がここで行われるようになった。2010年1月10日、第57回信太山クロスカントリー大会が実施され、信太山駐屯地所在部隊が支援した。10kmの部には第37普通科連隊持続走訓練隊隊員が参加し、1-3位を独占している。参考：朝雲、月刊軍事研究6,’12

＜信太山駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地で、しのだやまと読む。日本陸軍野砲兵第４連隊将校集会所が修史館（日本軍関係資料館）兼幹部集会所となっている。屋外に61式戦車、74式戦車、60式自走106mm無反動砲、60式装甲車、105mm榴弾砲、74式自走105mm榴弾砲、KV-107、UH-1、OH-6、三八式野砲、2000ポンド不発弾が展示されている。所在地は大阪府和泉市伯太町。JR信太山駅または和泉府中駅から徒歩20分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。駐屯地内に信太千塚古墳群鍋塚古墳があり（掘ると事故が起こるといわれる）、これだけを目当てに見学に訪れる人も多く、近くの学校が歴史の授業で駐屯地を訪問することもある。大元は1919年（大正8年）11月に開設された陸軍野砲兵第４連隊の駐屯地で、太平洋戦争終結により1945年から1957年までアメリカ海兵隊科士官養成学校として使用され、1957年9月に陸上自衛隊信太山駐屯地となり、第７普通科連隊第３大隊と信太山駐屯地業務隊が駐屯した。1959年8月13日、第２教育団第４陸曹教育隊と同第108教育大隊が新編された。1961年12月2日、第108教育大隊が小野駐屯地（後の松山駐屯地）に移駐した。1962年1月18日、第７普通科連隊第３大隊が第37普通科連隊に改編された。1969年7月29日、第４陸曹教育隊が松山駐屯地に移駐した。2009年3月1日、信太山演習場・訓練場の周辺住民や地域協力者51人に対するヘリコプター体験搭乗を実施。8月1日、駐屯地修史館長にマスコットガールの猫であるタマが就任した。10月6日、新レンジャー訓練塔（高さ17mと10m）の安全祈願行事と初降下を実施。2010年3月7日、岸和田中央小学校校区子供会とボーイスカウト泉大津第一団64名に対する部隊見学が行われた。2012年4月6日、駐屯地修親会48名が八坂町にある大東亜戦争殉国之碑と池田下町にある忠魂碑の清掃ボランティアを実施。11月25日、和泉高校21人の職場体験学習を支援。2013年3月1日、駐屯地曹友会が黒鳥山公園で清掃ボランティア活動を実施。7月10-11日、貝塚市第２中学校生徒４人の総合的な学習を支援した。2015年5月11-20日、春の防衛省交通安全運動を実施。2016年4月9日、平成28年度自衛官候補生入隊式を実施。2017年1月9日、駐屯地太鼓隊が兵庫県立芸術文化センターで平成28年度中部方面隊音楽まつりに参加。2月18日第３師団第３飛行隊UH-1Jの協力で周辺住民と協力団体の44人に航空機体験搭乗を実施。2019年7月24日、大阪地本が大阪技能専門学校学生４人の職場体験を実施。参考：信太山駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、中部方面混成団ホームページ、月刊軍事研究6,’12、朝雲

　＜信太山駐屯地（２０１５年）＞：第３師団第37普通科連隊、第３後方支援連隊第２整備大隊第３普通科直接支援中隊、第398会計隊、信太山駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜信太山駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1957年9月、信太山駐屯地で新編された。参考：信太山駐屯地ホームページ

＜東雲（初代）＞：日本海軍東雲型駆逐艦１番艦。明治32年2月1日竣工、水雷艇（駆逐艇）に類別された。明治33年6月22日、軍艦（駆逐艦）に類別変更。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更。大正2年7月20日に座礁沈没した。大正2年8月6日除籍。沈没したまま11月29日に売却された。参考：日本駆逐艦史

＜東雲（２代目）＞：日本海軍吹雪型駆逐艦６番艦Shinonome。昭和3年7月25日竣工、第40号駆逐艦という名称で一等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日、東雲に改称された。昭和6年9月1日、第12駆逐隊に所属して横浜に寄港。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第12駆逐隊に所属していた。12月17日0850、ボルネオ島ミリの沖でアメリカ軍機の攻撃を受け沈没し、昭和17年1月15日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14、12,’18、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜東雲型＞：日本海軍駆逐艦。イギリスＤ型駆逐艦をベースにソーニクロフト社で建造された。船体規模は雷型よりもやや小さいが、これと同等の兵装を持つ。船型は平甲板型で、打ち込んできた波飛沫を排除できるよう、前甲板はタートルバックになっている。舵の一部が海上に露出しているので、損傷を受けやすいのが欠点。煙突は２本。垂線間長63.6m、全幅6m、平均吃水1.7m、常備排水量322トン。主機は斜動式４気筒３連成レシプロ蒸気機械２基、主缶はソーニクロフト式石炭専焼水管缶（蒸気圧力1.52MPa、飽和温度）３基、出力5475馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装は安式十二斤速射砲１基、保式六斤速射砲５基、45サンチ魚雷単装発射管２基。乗員58名。東雲、叢雲、夕霧、不知火、陽炎、薄雲の６隻が明治31-33年に就役した。後に前部艦橋上の保式六斤速射砲を安式十二斤速射砲に換装し、残りも防楯無しの山内式六斤速射砲に換えている。日露戦争で実戦参加した。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜死の灰＞：フォールアウトを参照。

＜死のハイウェイ＞：湾岸戦争におけるクウェート・バスラ間の国道６号線のこと。1991年2月27日、タイガー戦闘旅団第67機甲連隊第３大隊と航空戦力により封鎖され、無数のイラク軍車両が破壊された。参考：月刊グランドパワー4,’95

＜篠原弘道＞：日本陸軍エース。大正2年、栃木県生まれ。昭和6年、騎兵第27連隊に入隊。昭和7年4月、満州事変に出征。昭和8年6月、所沢飛行学校に入校。昭和9年1月に卒業し、航空兵伍長となり、ハルビンの飛行第11大隊に配属された。昭和13年末、准尉に昇進。昭和14年5月27日、ハルハ川上空で初陣を飾り、九七式戦闘機を駆ってI-16戦闘機４機を撃墜した。5月28日、LZ偵察機１機とI-15戦闘機５機を撃墜。6月27日、タムスク上空でI-15/I-16を11機撃墜した。7月25日、４機を撃墜したが、被弾して不時着、敵戦車隊に包囲されてしまい、青柳豊曹長が助けようとしたが戦車の対空機銃を受けてこちらも不時着、岩瀬孝一曹長が着陸して九七式戦闘機の後部胴体に２名を詰め込んで救出した。8月27日、３機を撃墜した後に被弾炎上し、モホレヒ湖付近に墜落、戦死した。戦歴３ヶ月余りでの総撃墜数58機、１日最高撃墜数11機は日本陸軍最高記録である。参考：日本陸軍戦闘機隊、月刊航空情報9,’17

＜忍び返し＞：第２次大戦時にドイツが大西洋の壁に設置した障害で、鉄道用レールを曲げて製作されている。参考：グラフィックアクション

＜志乃武神社＞：三沢海軍航空隊の基地内に昭和18年に建立された神社。太平洋戦争終戦後はおいらせ町木ノ下の気比神社に納められ、その敷地内に祭祀された。2020年6月21日、三沢基地准曹会が空自関係有志80人から募金を募り、鳥居を奉納した。参考：朝雲

＜ジハード＞：イスラムを守るために努力すること。その１つが異教徒との戦争なので、聖戦と意訳される。参考：月刊軍事研究10,’04、12,’14

＜ジハード軍団＞：第７軍団（イラク）を参照。

＜芝浦分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。1978年、東部方面音楽隊が朝霞駐屯地から移駐した。1994年7月27日、東部方面音楽隊が朝霞駐屯地に移駐した。2000年3月に廃止された。参考：東部方面音楽隊ホームページ

＜柴垣博＞：日本海軍エース。大正13年、新潟県生まれ。昭和17年5月、海軍に入隊。8月、丙種飛行予科練習生として岩国航空隊に入った。昭和18年7月、飛行練習生課程を卒業し、第201航空隊に配属され、ラバウルに進出した。11月7日、初撃墜を記録。昭和19年1月、第204航空隊に転属となった。1月22日に戦死した。公認撃墜数13機。最終階級は飛行兵長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜淄博＞：156（コルベット）を参照。

＜自爆テロ＞：テロリストが死ぬことで攻撃を成功とするテロリズムのこと。確実に損害を与えられ、ニュース性が大きく、犯人が生きて余計な証言をする恐れも無い。テロリストの多くは復讐を動機の一部としており、更にイスラム過激派ではテロリストを英雄として扱い、親族に賞金が与えられ、宗教的にも天国に行ける、アラーに拝謁できる、処女72人による奉仕を受けられる、親族70人までを天国に招くことができるなどの特権を得られるとすることで殉教者として徹底的に教育される。まあ上層部に自爆テロを命じられたら拒否できるとも思えないが。現地で４年間に亘り普通に暮らした後に自爆した例もあり、洗脳などという生易しいレベルの話ではない。よって、阻止よりも予防が重要となる。イスラム教では自殺を禁じているので、自爆テロを殉教とみなすかどうかはイスラム内でも意見が分かれる。参考：月刊軍事研究2,’02、10,’04

＜紫把式戦闘機＞：MiG-15海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜新発田駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。1874年（明治7年）に新発田城跡に建設された歩兵第16連隊兵舎を移設した白壁兵舎広報史料館（2014年5月開館）には日本軍や自衛隊、新発田藩政の史料2000点以上が展示されている。敷地面積141000平方メートル。所在地は新潟県新発田市大手町6-4-16。JR新発田駅からバス「神明前」下車徒歩10分。大元は1874年（明治7年）に新発田城址に開設された日本陸軍東京鎮台第８番大隊で、太平洋戦争終結後に新潟大学分校となっていたのを1953年に駐屯地としたものである。2010年11月2日、新潟県中越沖地震で被災した刈羽村立刈羽小学校の生徒と家族らが、災害派遣のお礼を伝えるため駐屯地を訪問した。2011年4月17日、予備自衛官１日間招集訓練を実施。4月27日、新隊員教育受講中の自衛官候補生50名が加治川堤防までの往復10kmをフル装備で行進した。7月19-21日、新潟職業能力開発短期大学の２年生７人に対する職場体験を実施。2014年1月9日、駐屯地援護室が第２回任期制隊員等ライフプラン集合訓練を実施。2016年2月23日、白壁兵舎広報史料館が来館者５万人を達成した。2018年4月8日、自衛官候補生入隊式を実施。2019年4月6日、高田駐屯地と共に高田自衛隊パレードを実施。新潟県上越市高田公園で隊員163名と車両26両が高田公園司令部通りを行進した。2020年5月4日、新潟地本新発田地域事務所が新隊員教育隊を訪問し、新潟県出身自衛官候補生を激励した。5月19日、駐屯地援護室が令和2年度第２回任期制隊員ライフプラン集合訓練を実施。2021年1月14日、新潟地本が精神教育として白壁兵舎広報史料館などを研修した。2月26日、駐屯地援護室が定年２年前教育・任期制隊員退職前教育を実施。2022年1月27日、新発田駐屯地援護室が定年２年前教育・任期制隊員退職前教育を実施。5月18日、白壁兵舎広報史料館が来館者15万人を達成。参考：月刊JGround Vol.23、MAMOR vol.91、vol.113、朝雲、月刊PANZER6,’18

　＜新発田駐屯地（２０１５年）＞：第12旅団第30普通科連隊、東部方面会計隊第382会計隊（3月26日から第379会計隊新発田派遣隊）、新発田駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜新発田駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2016年12月10日、高田駐屯地で越後の絆�U訓練に参加。参考：朝雲

＜柴田力男＞：日本陸軍エース。大正6年、静岡県生まれ。昭和11年2月、少年飛行兵となり熊谷陸軍飛行学校に入学し、昭和12年11月に卒業、明野で戦闘機教育を受け、昭和13年3月に航空兵伍長となり、飛行第11連隊第４中隊所属となった。昭和14年6月24日、ノモンハン事件で初陣を飾った。9月15日の停戦までに14機を撃墜。昭和16年3月、飛行第85戦隊第１中隊に転属。昭和18年6月、中国戦線に進出。12月、准尉に昇進。12月18日、漢口大空襲の迎撃戦で戦死した。総撃墜数27機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜師範徴兵＞：師範学校卒業生に対する兵役短縮・免除制度の通称。昭和2年改定兵役法では、師範学校の卒業証書を持つ28歳未満の官公立小学校教員は、兵役を免除されるか、兵役期間が陸軍なら６ヶ月、海軍なら10ヶ月に短縮された。昭和14年改定で廃止された。参考：歴史群像8,’15

＜シビール＞：ソ連アルクティカ級原子力砕氷船２番艦Sibir。1977年竣工、ムルマンスク−ベーリング海航路に就航した。1992年に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’00、月刊軍事研究11,’18

＜シピオーネ・アフリカーノ＞：イタリア海軍カピタニ・ロマニ級軽巡洋艦Scipione Africano。1943年竣工。1948年にフランスに引き渡された。参考：近代巡洋艦史

＜シビリアン・コントロール＞：文民統制。文民をトップとする行政府が軍隊や軍事（一般政策、人事、予算、運営、緊急権）を統制すること。軍隊が勝手に暴れ出して大量の凶器を持つ人殺し集団に成り下がらないようにする仕組みの一種で、軍のトップは憲法秩序と行政府の統制下に置かれ、裁判所は軍に対し民主主義の基本的権利を擁護する責任を負う。民主主義法治国家では国民が選んだ議員が制定した法律に基づいて行政府が軍隊を統制するから、国民が軍隊を統制して行動に責任を持つということでもある。17世紀のイギリスで発生したピューリタン革命や名誉革命をきっかけに、国王の権限だった軍隊の統制が議会に移ったのが始まりである。参考：月刊軍事研究8,’13、8,’12、4,’13、月刊航空ファン7,’17、海軍こぼれ話

＜シビリアン・コントロール（日本）＞：憲法第66条２項に内閣総理大臣その他の国務大臣は文民でなければならないという規定がある。退役・退官後の就任は自由で、元日本海軍主計士官（短現）の中曽根康弘氏（総理大臣）、元陸上自衛官の中谷元氏（防衛庁長官／防衛大臣）、元航空自衛官の森本敏氏（防衛大臣）がいるが、それ以外は軍事専門家でない普通のおじさんおばさんが国民を代表して国家を指導し自衛隊を指揮し、国家の安全と国民及び自衛官の生命を預かっている。2015年3月6日の衆院予算委員会で安倍内閣の中谷防衛大臣が文民統制に関する政府統一見解を示し、日本の文民統制には国会における統制、内閣（国家安全保障会議含む）による統制、防衛省における統制があり、防衛省における統制とは文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営統制することであるとした。官房長や局長といった防衛省文官は、防衛大臣を補佐するが、自衛官に指示を出したり監督したりする（文官統制）役割は持たないとしている。安倍総理は同日の予算委員会答弁で、国民により選ばれた首相が自衛隊の最高指揮官で、文民である防衛大臣が自衛隊を指揮するというのがシビリアン・コントロールであるとした。参考：月刊軍事研究8,’13、8,’12、4,’13、朝雲

＜シビリヤコフ＞：ロシア海軍シビリヤコフ級海洋観測艦Sibiriyakov。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜シビリヤコフ級＞：ロシア海軍865型海洋観測艦Sibiriyakov級。海洋観測装備に加え、消磁装置とNBC防護装置も搭載している。全長85.7m、満載排水量3477トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、速力14ノット。1990-92年にシビリヤコフなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜シビル＞：P217（潜水艦）を参照。

＜シビル（初代）＞：ロシアのプロジェクト10520型原子力砕氷船２番船Sibir。1977年就役。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜シビル（２代目）＞：ロシアのプロジェクト22220型原子力砕氷船２番船Sibir。2015年5月、バルチック造船所で起工、2017年9月進水、2021年12月14日就役。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜シビル・シリーズ＞：サウジアラビアのアーマード・ビークル＆ヘビー・イクイップメント・ファクトリー社が開発した小型装甲車で、シビルは子獅子の意。サウジアラビア陸軍に採用された。参考：月刊軍事研究5,’11

　＜シビル１＞：足回りはトヨタのランドクルーザーの流用で、車体は7.62mmNATO弾に耐えられる装甲を持つ。戦闘重量3.6トン、ペイロード0.6トン。乗員３名。参考：月刊軍事研究5,’11

　＜シビル２＞：シビル１のホイールベース延長型。乗員９名。参考：月刊軍事研究5,’11

＜ジブ＞：560（ナヌチュカ�V型）を参照。

＜ジフェニルクロルアルシン＞：嘔吐剤の一種。常温では白から褐色の固体で、刺激臭がする。半数致死量は10000mg・min／立方メートル。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜ジフェニルシアノアルシン＞：嘔吐剤の一種で、DCと略す。融点32度なので、通常は固体である。爆発と共に微粒子となり、吸引などにより毒性を発揮する。日本陸軍があか１号として使用した。参考：化学・生物兵器概論

＜渋川茂＞：日本海軍エース。大正12年、大阪府生まれ。昭和15年に海軍に入隊し、昭和17年9月に飛行練習生を卒業、12月に第253航空隊に配属された。昭和18年初め、カビエンに進出。5月、サイパンに後退。9月上旬、ラバウルに進出。11月1日、F6F戦闘機１機を撃墜したが、被弾して左手を負傷し、本土に帰還した。治療後は筑波航空隊に配属され、そのまま終戦を迎えた。総撃墜数15機、飛行時間767時間。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜ジプキン＞：トルコ陸軍短距離地対空ミサイルシステム。ランドローバーにPMADSを搭載したものである。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ジプシー＞：H63（駆逐艦）を参照。

＜ジブチ海軍＞：

　＜ジブチ海軍（２０１５年）＞：現役兵力200名。哨戒艇12隻、EDIC700級LCT１隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジブチ空軍＞：

　＜ジブチ空軍（２０１５年）＞：現役兵力250名。セスナU206G輸送機１機、セスナ208輸送機１機、L-410UVP輸送機１機、MA60輸送機１機、Mi-35攻撃ヘリ２機（全て保管中）、Mi-17汎用ヘリ１機、Mi-8T汎用ヘリ１機、AS335F汎用ヘリ２機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジブチ軍＞：2007年、フランス軍駐屯地跡地にジブチ軍統合士官学校を創設した。2014年2月、中国と戦略防衛パートナーシップを締結した。参考：朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ジブチ軍（２０１５年）＞：現役総兵力10450名（陸軍8000名、海軍200名、空軍250名、憲兵2000名）、準軍事組織2645名（内務省国家防衛軍2500名、沿岸警備隊145名）。ソマリアにアフリカ連合AMISOM要員1850名、歩兵大隊２個を派遣している。フランス軍1700名、海兵混成機甲連隊（偵察隊２個、歩兵中隊２個、砲兵中隊１個、工兵中隊１個）１個、ヘリ分遣隊１個、SA330ヘリ４機、SA342ヘリ２機、LCM１隻、ファルコン50MI輸送機１機、飛行隊１個、ミラージュ2000C/D戦闘機７機、C-160輸送機１機、SA330汎用ヘリ２機、AS555汎用ヘリ１機、ドイツ軍アタランタ作戦AP-3C哨戒機１機、自衛隊170名、P-3C哨戒機２機、ニュージーランド軍P-3K2哨戒機１機、スペイン軍アタランタ作戦P-3A哨戒機１機、USAFRICOM1200名、輸送機飛行隊１個、C-130H/J-30輸送機、特殊作戦飛行隊１個、MC-130H、PC-12（U-28A）、戦闘捜索救難飛行隊、HH-60G、海軍航空基地１個が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジブチ憲兵隊＞：

　＜ジブチ憲兵隊（２０１５年）＞：現役兵力2000名以上。大隊１個からなり、哨戒艇１隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジブチ・スクールバス占拠事件＞：1976年2月3日、東アフリカのジブチで、フランス領アファルイッサの独立を求めるソマリア海岸解放戦線のゲリラ６人がフランス人の乗るスクールバスを占拠し、政治犯の釈放などを要求した。フランスはGIGN９名と落下傘部隊数十名を派遣。睡眠薬を入れた昼食で子供を眠らせた上で、バスにいたゲリラのうち５人を遠距離狙撃で射殺した。残る１人がソマリア軍の援護射撃の下でバスに戻って人質１人を殺害したが、直後にGIGNに射殺された。参考：月刊軍事研究7,’95

＜ジブチ陸軍＞：

＜ジブチ陸軍（１９８９年）＞：兵力4230名（うち海上部隊60名、航空部隊100名、憲兵隊1200名）。歩兵大隊１個、機甲中隊１個、支援大隊１個、国境コマンドー大隊１個、空挺中隊１個、憲兵大隊１個からなる。BRDM-2偵察車10両、AML-60偵察車４両、AML-90偵察車16両、M-11VBL偵察車15両、BTR-60装甲兵員輸送車18両、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲９門、73mm/89mmロケットランチャー70基、106mm無反動砲18門、20mm自走高射機関砲M693、23mm自走高射機関砲ZSU-23-2を４両、内海哨戒艇５隻、N-2501輸送機２機、C-212輸送機２機、セスナ206G軽輸送機１機、ソカタ253GT軽輸送機１機、SA-330ヘリ１機、SA-313ヘリ２機、AS-355ヘリ３機、哨戒ボート１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ジブチ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力8000名。タジュラ、ディキル、アリ・サビエ、オボックの各軍管区に分かれる。機甲連隊（偵察隊１個、機甲隊３個、対密輸保安中隊１個）１個、歩兵連隊（歩兵中隊3-4個、支援中隊１個）４個、即応連隊（歩兵中隊４個、支援中隊１個）１個、共和国護衛連隊（保安隊１個、近接護衛保安隊１個、戦闘支援隊１個、支援隊１個）１個、砲兵連隊１個、地雷除去中隊１個、通信連隊１個、戦闘情報保安セクション１個、兵站連隊１個、整備中隊１個からなる。AML-60偵察車４両、AML-90偵察車17両、VBL偵察車15両、ラーテル偵察車16-20両、BTR-80A歩兵戦闘車８両、BTR-60装甲兵員輸送車12両、プーマ装甲兵員輸送車６両、クーガー４×４輪装甲車12両、RG-33L装甲車10両、155mm自走砲M109Lを10両、122mm砲D-30を６門、122mmロケット弾６連装ランチャー搭載トヨタ・ランドクルーザー70シリーズ６両、122mmロケット弾30連装ランチャー搭載イヴェコ110-16を２両、122mmロケット弾30連装自走発射機２両、81mm迫撃砲25門、120mm迫撃砲ブラント20門、106mm無反動砲M40A1を16門、105mm自走砲PTL-02を１両、20mm自走高射機関砲M693を５両、23mm高射機関砲ZU-23を５基、70口径40mm高射機関砲５門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シフト配置＞：推進装置を複数にし、独立した区画に収容して前後に分離配置したもので、１カ所の区画が浸水しても行動できる。アメリカ海軍は太平洋戦争中に建造した戦闘艦艇ほぼ全てに採用しており、日本海軍は松型駆逐艦から採用、イギリス海軍は戦後のウェポン級駆逐艦から採用した。蒸気タービンでは推進軸ごとに主機と主缶を纏めてそれぞれ別区画に配置したり、更に完璧を期すため缶室と機械室を交互に配置したりする。ディーゼルやガスタービンなどでは機関室の間に補機室（造水機、雑用ボイラーなどを配置）を挟んで距離を取り、一撃で複数の機関室が浸水したり破壊されたりしないよう工夫している。機関区画とスクリューシャフトが長くなりスペースを取る、煙路を纏めるのが難しいといった欠点がある。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船4,’98、月刊軍事研究3,’16

＜シフトレバー＞：変速槓杆。トランスミッションの操作を行うレバーのこと。オートマチック・トランスミッションではセレクトレバーまたはセレクターが正式名称だが、シフトレバーと通称される。床面に配置するフロアシフト、インスツルメントパネル（インパネ）に配置するインスツルメントパネルシフト（インパネシフト）がある。オートマチック・トランスミッションのマニュアルモードでは、ハンドルの裏にアップ（右側）とダウン（左側）のシフトパドルを備えたものもある。トランスミッションと機械的に接続させず、レバーの動きを電気信号に変換してトランスミッションを制御する方式も誕生しており、電子制御式シフトと呼ばれる。レバーを所定の位置に差し込んでおく必要が無いので、手を離すと元の位置に戻るジョイスティック方式や、思い切ってスイッチ操作式にしてしまったタイプもある。電気自動車ではトランスミッションが無いが、制御コンピュータに速度や後進の指示を与える必要があるため、同様のレバー（セレクター）が付いている。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜シブヤン海海戦＞：太平洋戦争比島沖海戦において、栗田艦隊（第１遊撃部隊本隊）は昭和19年10月24日早朝にミンドロ島に到達、0743にはタプラス海峡を北上していた。艦隊は12kmの間隔を空けて第１部隊と第２部隊が輪形陣をとっており、第１部隊の中心には戦艦大和がいて、2km離れた円周上に前方から時計回りで能代、妙高、武蔵、羽黒、長門、鳥海が、更に1.5km離れた円周上に前方から時計回りで島風、早霜、岸波、沖波、濱波、藤波、秋霜が配置され、第２部隊の中心には戦艦金剛がおり、2km離れた円周上に前方から時計回りで矢矧、熊野、鈴谷、榛名、利根、筑摩が、更に1.5km離れた円周上に右方から時計回りで清霜、雪風、磯風、浦風、浜風、野分が配置されていた。アメリカ海軍第38任務部隊は0600から索敵機を発艦させて栗田艦隊を発見しており、栗田艦隊がタプラス海峡を抜けた1025に第１次攻撃隊44機が到達、武蔵に魚雷１本を命中させた。重巡妙高も魚雷を受け大破、速力が15ノットに落ちて艦隊に付いていけなくなり、ブルネイ泊地に引き返した。1206、マリンゲス島の南方で第２次攻撃隊が来襲、武蔵が魚雷３本と至近弾数発を被弾した。1325、シブヤン島北東に差し掛かったところで第３次攻撃隊68機が攻撃をかけ、武蔵は魚雷１本と爆弾４発が命中して輪形陣から脱落し、大和は１番砲塔前部に直撃弾２発と至近弾を受けた。長門と矢矧も被弾損傷している。1426、シブヤン島北方で第４次攻撃隊25機の攻撃が始まり、大和に爆弾１発が命中して錨甲板を貫通後に炸裂し、艦首左舷水線部に孔が開いた。続いて1455に第５次攻撃隊が来襲し、武蔵は集中攻撃を受けて魚雷４本と爆弾10発が命中して行動不能となり、第１艦橋と作戦室を直撃した爆弾１発により艦長が重症を負い、航海長や高射長ら80名が戦死傷した。1530に第５次攻撃隊が去った後、栗田艦隊は290度一斉回頭を行って18ノットで退避し、行く先にある最小幅7kmのマスバテ水道を夜に通過することにした。ただこれにより突入時刻が５時間遅れ、レイテ湾口スルアン水道の60海里手前で夜明けを迎えることになり、泊地突入前に空襲を受けることが確実になってしまった。1830、反転した栗田艦隊と行動不能になった武蔵がすれ違った。武蔵は艦長が総員退艦を命じた直後の1935に左舷に傾斜して転覆沈没。艦長以下1023名が戦死した。参考：歴史群像12,’10、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船5,’19

＜ジブラルタル作戦＞：第２次印パ戦争でパキスタン軍が行ったカシミール占領作戦。インド側カシミールに侵入したゲリラが地元イスラム教徒を蜂起させ、それに呼応してパキスタン軍が侵攻、主要都市を制圧してカシミールのインドからの独立を宣言させる予定であった。参考：月刊航空ファン9,’02

＜シブリング＞：R-2（弾道ミサイル）を参照。

＜シブレイ＞：APA-206（攻撃輸送艦）を参照。

＜時分割多元接続＞：TDMAを参照。

＜四平＞：544（フリゲート）を参照。

＜四平陸軍戦車学校＞：日本陸軍戦車学校。公主嶺戦車学校を四平街に移動して改称したもので、教育内容は以前と変わっていない。昭和17年12月（11月？）に開設された。昭和18年11月入隊の在満部隊丁種学生はここで教育を受けた。昭和19年7月（8月？）、本土決戦に備えて本部と教導隊が戦車第４師団要員として内地に移動。幹部候補生教育のみを行うことになった。昭和20年5月、学校令廃止により閉校して関東軍の隷下に入り、7月に独立戦車第９旅団（戦車第51連隊・第52連隊からなる）に再編された。ソ連侵攻を受け、四平地区で反撃準備中に終戦を迎えた。参考：陸海軍学校と教育、機甲入門

＜標津分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は北海道標津郡標津町南２条西5-3-1。1972年、第302沿岸監視隊羅臼分室が配備された。参考：JGround Vol.23、朝雲

　＜標津分屯地（２０１５年）＞：北部方面情報隊第302沿岸監視隊、第302基地通信中隊標津派遣隊、北部情報保全隊標津連絡班、釧路駐屯地業務隊標津管理班が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜シベリア送り＞：1926年に制定されたソ連刑法の第58条などに規定されていたシベリアへの流刑処分のこと。収容所管理本部（GULAG）の下で肉体労働を課せられ、ノルマを達成できなければ食料を減らされる。過酷な環境のため平均生存期間は1-4年といわれ、受刑者は次々と斃れていったが、粛正の巻き添えになった知識人や軍人及びその家族、ブルジョワ的と判断された者、ユダヤ人、ウクライナ人、ポーランド分割後はポーランド人まで次々と送られてきたため、人員不足に陥ることは無かった。太平洋戦争終結後は日本人もシベリアに抑留され、1961年の刑法改正後も制度は残されている。参考：グラフィックアクション39

＜シベリア出兵＞：第１次大戦中の大正6年11月にロシアで10月革命が起こり、ボルシェビキ（後のソ連共産党）が政権を奪取、ドイツと停戦した。これを受け、ロシアの戦線復帰を促し、ドイツへの軍事物資流出を防ぐため、西部戦線で戦闘を続ける英仏連合軍がロシアに軍隊を派遣することになり、それに乗ったのが日本のシベリア出兵である。これによりシベリア一帯を日本の軍事的緩衝地域とすることを狙った。正式な出兵要請はまず大正6年12月3日にフランスから来たが、この時は断り、大正7年1月1日にイギリスが軍艦派遣を要請した時に海軍が旧式戦艦２隻をウラジオストクに派遣した。陸軍はアメリカの反対があって派兵できなかった。2月には東部戦線が消滅し、ドイツ勢力の東方進出への危機感が高まった。更に、ロシアに投降していたチェコ軍がロシア革命でフランス軍の隷下に入る予定だったが、ボルシェビキによる足止めを喰らったため、チェコ軍とボルシェビキとの間で軍事衝突が生じるに至り、7月にはアメリカもチェコ軍に対する救援目的にシベリアへの派兵を決定、日本陸軍のシベリア出兵も容認した。8月4日、派遣の奉勅命令が出された。シベリアには8月初めにアメリカ、カナダ、イギリス、中国、イタリア、チェコ、日本の各軍がチェコ軍の救援という名目で派遣された。日本陸軍は航空第１大隊に第１航空隊（モ式４機、ソ式一型２機）と第２航空隊（モ式四型４機、モ式６型３機、ソッピース一／二型２機）を新編し、シベリアに派遣している。最初は日本軍の指揮下に各軍が所属していたが、8月末には各軍がばらばらに行動を始めた。ウラジオストクを出発した派遣軍は革命軍（日本軍は過激派と称した）を蹴散らしてハバロフスクに向かい、日本の指揮を離脱したイギリス・フランス・チェコ軍はザバイカル方面に向かった。日本軍は戦域を北満州にも拡大し、10月には派遣兵力は６万人を超えたため、アメリカから抗議が出て兵力を２万６千に削減。11月、反革命勢力のオムスク政権が英仏の後押しで成立したが、人心掌握に失敗してパルチザンが跋扈し、民間人ごと掃討したために住民の反発を買った。派遣軍は鉄道周辺に釘付けとなり、オムスク政権は11月に崩壊、大正9年までに日本以外の軍隊は撤退した。日本軍は満州里以東に活動地域を縮小して駐留を続け、大正9年1月にアメリカが撤兵を通告したのを受けて撤退のタイミングを図ったが、2月に尼港事件が発生、世論が撤兵反対に傾いて引くに引けなくなり、北樺太のサハリンまで占領することになった。結局撤退は大正11年6月から開始されて10月に終了、日本軍は死者3000名の損害を出し、全従軍者の３割が凍傷になったとされる。サハリンからも大正14年に撤退している。この際、バイカル湖東のチタに緩衝地帯としてソ連が極東共和国を設立したが、撤兵後にソ連に吸収されてしまい、シベリア出兵の意味はあまり無くなってしまった。参考：歴史群像6,’04、4,’17、月刊航空ファン1,’15、大日本帝国陸海軍軍装と装備、人道・博愛−百年のあゆみ

＜シベリア抑留＞：1945年8月23日、スターリンが日本軍捕虜をシベリアで強制労働させるよう極秘の命令を発出。満州、樺太、千島、朝鮮北部の日本軍捕虜に加え、女性200人以上を含む民間人も次々にシベリアに移送され、日本政府の推計で抑留者は575000人に達し、2-10年に及ぶ強制労働で55000人が死亡した。1992年、スターリンの極秘命令の存在が明るみに出た。1993年、エリツィン大統領が来日し、非人間的な行為について謝罪した。2010年、シベリア抑留者特別措置法が成立し、元抑留者への補償、遺骨収集、抑留の実態調査が漸く始まった。参考：朝雲

＜シベル＞：フランス海軍シルセ級機雷掃討艇Cybele。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜シボイガン＞：PF-57（フリゲート）を参照。

＜時報受信機＞：日本陸軍の器材。昭和8年9月に制式化された。参考：工兵入門

＜磁針方位＞：方位角を参照。

＜ジ・ホスゲン＞：窒息剤の１つで、DPと略す。無色の気体で、干し草臭がする。半数致死量は3200mg／立方メートル。参考：戦争がやってくる

＜シボネイ＞：CVE-112（護衛空母）を参照。

＜シポラ＞：アクマット、タレス、GIATの３社がベンチャーで開発している偵察用４輪装甲車。４ドアタイプで、車内には固有の航法装置を持つ。車体上には発煙弾発射機と視察・照準装置付き12.7mm機関銃塔（遠隔操作式）を装備する。ターレットには30mm機関砲まで搭載できるらしい。ユーロサトリ2002で発表された。参考：月刊軍事研究2,’03

＜シボレー１９３９年型（軍用型）＞：ドイツ国防軍の軍用車。民間用シボレー1939年型乗用車を軍用に改造したもので、ルーフを外してオープントップにしている。ボディを平面構成の統制型に変更した本格的な改造型もある。参考：月刊グランドパワー3,’11

＜シポン＞：IAI社の歩兵用肩撃ち式対戦車ロケット。FCSは倍率６倍の昼間照準器、測距器、温度センサー、横風センサーなどからなる。ロケット弾はB300SMAWベースの翼安定式で、弾種はタンデムHEAT（装甲貫徹力ERA＋800mm）、バンカーバスター、対人弾、訓練弾。全長1000mm（発射筒伸長時）、発射筒直径106mm、全重量9kg。ロケット弾直径100mm、射程600m。参考：月刊軍事研究12,’99

＜シマ〇四船団＞：日本の輸送船団で、護衛艦４隻と輸送船４隻からなる。昭和19年11月1日、シンガポールを出港し、マニラに向かった。その後潜水艦と艦上機の攻撃で輸送船２隻を沈められている。11月14日朝、ミンドロ島西方を航行中にアメリカ軍に発見され、アメリカ第38任務部隊第１任務群空母CV-10ヨークタウンを0923に発艦したVF-3所属F6F-5戦闘機７機による500ポンド爆弾反跳爆撃を受けた。これは全て外れたが、機銃掃射を喰らって2TM型戦時標準船あやきり丸と1C型戦時標準船豊丸が炎上。更に1150に発艦したVF-3所属F6F-5戦闘機19機に襲撃され、対空射撃で２機を撃墜したが、機銃掃射であやきり丸が更に炎を吹いて沈没した。参考：月刊丸4,’17

＜しまかぜ＞：DDG-172（護衛艦）またはTV-3521（練習艦）を参照。

＜島風（初代）＞：日本海軍峯風型駆逐艦４番艦。大正9年11月15日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和9年、静岡県下田市で行われた第１回黒船祭に参加。昭和15年4月1日に哨戒艇に転籍となり、第１号哨戒艇に改称された。参考：日本駆逐艦史、写真集日本の小艦艇、朝雲

＜島風（２代目）＞：日本海軍島風型駆逐艦。昭和18年5月10日竣工。昭和18年7月7日、キスカ島撤退作戦に参加。昭和19年10月22日、比島沖海戦に参加。11月11日、レイテ島への輸送任務（第３次多号作戦）に従事中、オルモック湾でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没し、昭和20年1月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、ラバウル航空戦

＜島風型＞：日本海軍駆逐艦で、丙型とも呼ばれる。速力28ノット以上とみられたサウス・ダコタ級戦艦率いる艦隊に対抗するため、マル４計画で建造された。敵艦隊の速力が大きく遠距離雷撃戦は困難なので、39ノットの高速を活かして巡洋艦の輪形陣を突破、15射線という世界最強の雷装により戦艦を撃沈するのが主任務である。再装填装置は以前までの演習の結果から実戦向きでないと判断され、搭載されていない。また、７連装魚雷発射管を装備する案も出されたが、非常時の人力旋回が不可能なので没になっている。船体は細長く、艦首水線下の大きな湾曲を廃止し、艦尾水線下にナックルを付け、高速性能を発揮できるようにした。機関系の配置は全缶全機で、缶室３室の後ろに機械室２室を置き、前機室に左舷主機、後機室に右舷主機を設置している。竣工時から二二号電探を装備した。全長129.5m、水線長126m、水線幅11.2m、吃水4.1m、基準排水量2567トン。主機は艦本式高圧・第１中圧・第２中圧・低圧４胴型オール・ギヤード・タービン（巡航タービンは第２中圧タービンに結合）２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（収熱器・空気予熱器付き。蒸気圧力3.92MPa、温度400℃）３基、出力75000馬力、２軸推進、速力39ノット（兵装搭載状態の公試で39.9ノット、軽荷で40.9ノットを出した）、航続距離6000海里（18ノット）。兵装は五〇口径三年式十二糎七連装砲塔Ｄ型３基、25ミリ連装機銃１基、13ミリ連装機銃１基、零式５連装水上発射管３基（魚雷15本）。乗員267名。16隻（昭和17年度計画で17隻？）を建造する予定だったが、量産向きでなく、太平洋戦争の戦局も不利になったため、島風（２代目）１隻のみ昭和18年に竣工した。参考：日本駆逐艦史、歴史群像10,’06、月刊世界の艦船5,’11、7,’11、9,’14、月刊軍事研究3,’16

＜志摩清英＞：明治23年（1890年）、東京生まれ。明治44年、海軍兵学校39期卒。大正7年、大尉に昇任。海軍水雷学校を卒業した。大正8年、海軍水雷学校特修学生を卒業。大正10年、海軍大学校（甲）学生に入校。大正12年、海軍大学校（甲）学生を卒業し、第２艦隊参謀となった。昭和4年、連合艦隊参謀に着任。昭和5年、海軍通信学校教官に着任。昭和8年、駐満海軍部参謀長に着任。昭和9年、軍令部４部８課長に着任。昭和12年、海軍通信学校教頭に着任。昭和14年、舞鶴参謀長に着任。昭和15年11月、第19戦隊司令官となった。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第19戦隊司令官で、ギルバート攻略部隊指揮官を務めた。昭和17年7月、第16戦隊司令官に着任。昭和18年9月、横須賀海軍通信学校長に着任。昭和19年2月15日、第５艦隊司令長官に着任。10月、台湾沖航空戦でアメリカ海軍の損傷艦を攻撃するため岩国から出撃したが、途中でアメリカ機動部隊が健在で待ち伏せされている可能性があることに気付き、引き返した。比島沖海戦では第５艦隊の出撃を強硬に要求し、西村艦隊に後続したが、スリガオ海峡海戦で西村艦隊が壊滅すると突入を諦めて引き返している。昭和20年2月5日、第５艦隊司令長官を退いた。5月10日、高雄警備府長官兼第１航空艦隊司令長官に着任。6月15日、第１航空艦隊司令長官を退いた。最終階級は中将。昭和48年11月7日、83歳で死去した。参考：比島決戦、日本海軍艦隊総覧

＜島田健二＞：日本陸軍エース。明治43年、東京生まれ。昭和8年7月に陸軍士官学校を卒業し、11月に航空兵少尉となった。昭和9年7月、所沢飛行学校を卒業し、明野飛行学校を10月に卒業、昭和10年3月にハルビンの飛行第11大隊に配属となった。昭和13年3月、大尉となり、飛行第11大隊第１中隊長となった。昭和14年5月、ノモンハン事件勃発に伴い、5月24日にハイラルに進出、その後採塩所飛行場に展開した。5月27-28日にI-15/I-16戦闘機の迎撃を行い、中隊で30機を撃墜し、自身も８機のスコアを挙げた。9月15日、I-16戦闘機の迎撃戦で行方不明となり、戦死認定された。総撃墜数27機。最終階級は少佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜嶋田繁太郎＞：しまだしげたろう。海軍兵学校32期卒。比叡艦長などを経て昭和4年12月1日に第２艦隊参謀長となった。昭和5年12月1日から昭和6年12月1日、第１艦隊参謀長を務めた。昭和7年2月2日から6月28日、第３艦隊参謀長を務めた。昭和10年12月、軍令部次長に就任。昭和12年12月1日から昭和13年11月15日、第２艦隊司令長官を務めた。呉鎮守府司令長官、支那方面艦隊司令長官（昭和15年5月1日から昭和16年9月1日）、横須賀鎮守府司令長官、海軍大臣を歴任。支那方面艦隊司令長官当時は南進政策に批判的で、重慶政府屈服による事変早期決着を優先していたが、海軍大臣時の日米開戦には保科兵器局長に「反対すれば内乱に陥る」と語って賛成し、海軍部内では東条の副官、東条の腰巾着と揶揄された。ただ陸軍では東条の方が嶋田の言いなりと悪評を立てられていたという話もある。太平洋戦争中に軍令部総長を務めた。昭和51年6月7日、93歳で死去した。最後まで生存していた海軍大将である。参考：日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船12,’17、月刊航空ファン6,’18

＜島津製作所＞：明治8年、理化学機械製造メーカーとして島津源三氏が京都で創設した。明治10年、日本初の有人気球による飛行に成功。明治42年、日本初の医療用Ｘ線撮像装置を製作。昭和8年、擲弾筒の生産を開始。昭和11年、航空機部品の製造を開始。昭和20年8月、太平洋戦争終戦で操業停止となったが、10月から再建し、昭和22年には日本初の電子顕微鏡を販売している。参考：月刊丸6,’14、月刊JWings5,’20、8,’20

＜しまね丸＞：日本海軍しまね丸型戦時標準油槽船兼特設航空母艦。昭和19年6月8日起工、昭和19年12月19日進水、昭和20年2月29日竣工。しかし搭載機も無く、輸送を行うにも制空権・制海権も無い状態で、役に立たないと判断されたためか兵装を搭載せずに工程90%で完成としており、公試終了後は神戸港沖に停泊したままの状態だった。3月12日、アメリカ海軍第58任務部隊所属軽空母サン・ジャシント艦上機の爆撃を受け、エレベーターやや右舷寄りの士官居住区に爆弾１発が命中し、操舵室が全損して行動不能になった。香川県志度湾に曳航され、擬装が施されたが、3月28日にイギリス海軍機動部隊の攻撃を受けて爆弾の至近弾及びロケット弾の直撃弾多数を浴び、上部構造物を全損、船体も船尾楼前端部分で切断され、着底した。戦後に解体され、メインマストのみ四国の村の消防サイレン塔として残っている。参考：月刊丸2,’08、戦時標準船入門

＜しまね丸型＞：日本海軍特1TL型戦時標準油槽船兼特設航空母艦（護衛空母）。速度性能に優れた1TL型油槽船をベースに開発されており、戦況が好転したら正規空母の補助として使用する予定で、艦爆も搭載できるよう考慮された。川崎重工神戸造船所で建造していた1TL型油槽船２隻を昭和19年10月に購入して改造しており、建造時期（工事も遅れていた）から船体は2TL型に近い簡略形状になっていて、シーアは殆ど無く、上甲板や船首楼が直線に仕上がっている。油槽船としても使用できるが、1TL型に比べて搭載量が20%少ない（原油15000トン）。船型は平甲板型空母で、燃料タンクを残すために格納庫は通常の空母よりも一段高い船首尾楼甲板レベルに設置されており、船体中央に片舷８本の柱を設けて支えた。上甲板上には前部居住区とエレベーター機室がある。艦橋は格納庫前方にあり、格納庫と艦橋の上に長さ155m・幅23mの飛行甲板を載せ、前後に支柱を設けた。12m四方の正規空母用電動エレベーター１基（格納庫前端にあたる飛行甲板中央前寄り）、呉式着艦制動装置７基、着艦制止索１基（エレベーター前方）、起倒式マスト（着艦制止索の右舷側にあるスポンソン）を装備する。格納庫内に12機の九三式中間練習機または10機の烈風を収容可能。最大速力が20ノットを切っており、烈風の発艦はギリギリ、流星艦爆の発艦は通常では不可能であり、RATOの補助が必須の状態であった。煙突は飛行甲板と船尾楼甲板の間の艦後部右舷側にあり、右後方に向けて排気を行う。全長160.5m、垂線間長153m、幅20m、深さ11.5m、吃水9.183m、飛行甲板長さ155m、幅23m、基準排水量20469トン。主機は蒸気タービン１基１軸8600馬力、最大速力19.4ノット（18.5ノット？）。搭載機は烈風または九三式中間練習機12機。兵装は12.7cm単装高角砲２門（エレベーター前方両舷）、25mm３連装機銃９基（船体中央両舷４基ずつ、艦尾１基）、25mm単装機銃２丁（22丁？25丁？）、爆雷16個。しまね丸と大滝山丸の２隻が起工されたが、搭載機が確保できない状況では役に立たず、しまね丸は兵装を搭載しない状態で完成して神戸沖に繋がれ、大滝山丸は進水後に貨物船に改造されることになった。参考：月刊丸2,’08、10,’97、2,’12別冊付録、戦時標準船入門、護衛空母入門、月刊世界の艦船9,’14

＜島松駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。史料館には駐屯地や恵庭市の歴史などが展示されている。所在地は北海道恵庭市西島松308。最寄り駅はJR島松駅（タクシーで５分）、恵み野駅。創立記念行事では恵庭駅、恵み野駅、島松駅からシャトルバスが出る。1952年12月1日、保安隊の駐屯地として開設され、12月10日に北海道地区補給廠が移駐した。1953年5月30日、北海道地区補給廠が北海道地区補給しょうに改称された。1954年7月1日、保安隊が自衛隊となり、北海道地区補給しょうが北海道地区補給処に改編された。1962年8月1日、第315武器中整備中隊が上富良野駐屯地に移駐した。2009年10月25日、公募40人に対する駐屯地見学ツアーを実施。10月27日、北広島市の中学生４人に対する職場体験学習を実施。2016年2月13日、一般公募当選者70人に対する駐屯地見学ツアーを実施。2017年8月8日、駐屯地隊員・家族ふれあい行事を実施。北海道補給処本部庁舎前広場で1200人による大バーベキュー大会が開催された。8月19日、第７師団第７飛行隊の支援を受け、駐屯地モニターや協力団体などの15人にUH-1Jヘリ体験搭乗を実施。8月21日、自衛隊家族会千歳支部会員14人が駐屯地を見学した。2018年2月4日、一般公募者49人に駐屯地見学ツアーを実施。2月18日、第30回記念恵庭クロスカントリースキー大会の運営支援を行い、60名が選手として参加した。4月16-20日、任期制隊員ライフプラン教育を実施。4月25日、駐屯地修身会、事務官等親交会、曹友会の隊員ら880名が駐屯地周辺清掃クリーン作戦を実施。8月5日、隊員90名が第15回しままつ鳴子まつりに参加。11月19日、駐屯地さくらの会から寄贈された桜の苗木３本を記念植樹した。2019年2月24日、駐屯地曹友会５名が恵庭市社会福祉協議会の依頼で高齢者民家除雪のボランティア活動を実施。4月24日、駐屯地修親会、事務官等親交会、曹友会が、駐屯地周辺でボランティア清掃を実施。7月29日、駐屯地モニター４人を引率し、駐屯地内を案内した。10月6日、第７師団第７飛行隊の協力で、駐屯地モニターや協力団体18人にUH-1Jヘリ体験搭乗を実施。2020年1月24日、新成人隊員25名に成人祝賀行事を実施。2021年4月8日、駐屯地モニター委嘱式を実施。参考：北海道補給処ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、朝雲、上富良野駐屯地ホームページ

　＜島松駐屯地（２０１５年）＞：北海道補給処、北部方面後方支援隊、第１高射特科群第303高射中隊、同第304高射中隊、第101全般支援大隊、第101高射直接支援大隊第１直接支援中隊、第313基地通信中隊島松派遣隊、第122地区警務隊島松連絡班が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜島村速雄＞：海軍兵学校７期卒。明治20年、海軍戦術一般を翻訳。日清戦争では黄海海戦で単縦陣を進言して勝利に導いた。明治36年10月28日、第１艦隊参謀長に就任。日本海海戦時は第２艦隊第２戦隊司令官で、敵に海戦を知る提督が一人でもいるなら対馬水道を通ると断言し、その通りになったが、日露戦争での作戦面の功績は全て秋山真之に譲り、自らを誇ることは決して無かった。また、撃沈したアドミラル・ウシャーコフから海上に脱出した敵将兵の救助を指揮し、巡洋艦イズムルードが戦場を離脱するのを武士の情けで見送っている。明治38年12月19日から明治39年11月19日、練習艦隊司令官を務めた。明治42年12月1日から明治44年12月1日、第２艦隊司令長官を務めた。大正時代には軍令部長として加藤友三郎海相と共に八八艦隊を推進した。大正12年1月8日、65歳で死去した。最終階級は大将。参考：日本海軍艦隊総覧

＜島村三芳＞：日本陸軍エース。大正9年、三重県生まれ。昭和12年2月、少年飛行兵として熊谷陸軍飛行学校に入学、明野でも教育を受け、飛行第１戦隊所属となった。昭和14年6月27日、ノモンハン事件タムスク攻撃で初陣を飾り、停戦までに撃墜９機（不確実３機含む）のスコアを挙げた。昭和16年3月、飛行第85戦隊に転属。8月、曹長に昇進。昭和18年10月、航空士官学校に入学し、昭和19年3月に卒業して少尉となり、航空審査部戦闘班テストパイロットとなった。昭和19年末からはB-29爆撃機に対する防空戦闘も行い、昭和20年3月にはキ−102乙の57mm機関砲による攻撃を行っている。総撃墜数10機。最終階級は中尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜しまゆき＞：DD-133（護衛艦）またはTV-3513（練習艦）を参照。

＜しまゆき型＞：海上自衛隊練習艦。1998年度にはつゆき型護衛艦12番艦DD-133しまゆきを艦種変更したもので、後に２番艦DD-123しらゆき、８番艦DD-129やまゆき、10番艦DD-131せとゆきも加わった。ヘリコプター格納庫内にプレハブ式の講堂を設置し、居住区を女性自衛官対応に変更、TACANや着艦拘束装置を撤去している。ヘリ関連以外の装備はほぼそのままで、ヘリ関連器材もパーツ自体は搭載しており、必要があればすぐに護衛艦へと復旧可能。全長130m、全幅13.6m、深さ8.5m、吃水4.4m（しらゆきは4.1m）、基準排水量3050トン（しらゆきは2950トン）、満載排水量4200トン（しらゆきは4000トン）。主機はCOGOG方式、ガスタービン４基２軸45000馬力、速力30ノット。兵装は76mm単装砲１基、20mmCIWS２基、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、アスロック艦対潜ロケット８連装発射機１基、シースパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、３連装短魚雷発射管２基。乗員200名（うち実習員36名）。TV-3513しまゆき、TV-3517しらゆき、TV-3518せとゆき、TV-3519やまゆきが艦種変更された。参考：月刊世界の艦船1,’04、1,’11、1,’13、1,’14、1,’15、1,’19、JShips VOL.70

＜シマロン＞：アメリカ海軍給油艦。1942年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜シマロン級給油艦＞：アメリカ海軍給油艦。1939-40年に建造されたアメリカ海事委員会T3-S2-A-1型標準油槽船を、1940-41年にアメリカ海軍が接収して使用したものである。重油600万ガロン（22712.5キロリットル）を搭載可能。全長158.5m、全幅20.7m、総トン数10000トン、基準排水量7256トン、満載排水量22430トン。主機は蒸気タービン１基１軸9000馬力、速力18.3ノット。兵装は12.7cm砲または7.6cm砲１門、40mm単装機関砲４門、20mm単装機関砲８門。AO-23ネオショーなどが就役した。後に４隻がサンガモン級護衛空母に改造されている。参考：月刊丸8,’95、輸送船入門、護衛空母入門

＜シミー＞：Shimmy。航空機がある速度範囲（比較的低速の場合が多い）で地上滑走中に、何らかのきっかけで舵取り車輪（前輪式降着装置なら前輪、尾輪式なら尾輪）が急に首を振られるなどした際、激しい首振り振動に陥ること。地面とタイヤの間の摩擦による横方向の変位と、車輪の旋回軸回りの首振り振動の２自由度間連成振動であり、互いに増幅し合って最終的に舵取り脚を破壊する。シミーダンパー、左右一体回転ダブルタイヤ、中央溝付きタイヤなどで防止できる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジミー＞：CCKWシリーズ（トラック）を参照。

＜シミーダンパー＞：Shimmy damper。シミーを防止するため、舵取り脚に付けるダンパーのこと。方向転換の際のゆっくりとした動きは邪魔せず、シミーのような速い振動は抑制する。機械的摩擦を使うフリクションダンパーと、ピストン内のオイルがオリフィス（小穴）を通る時の流体摩擦を使うオイルダンパーがあり、効率が良い後者が良く使用される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジミー・カーター＞：SSN-23（潜水艦）を参照。

＜清水海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。清水市にある。飛行予科練習生教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜清水一男＞：日本陸軍エース。大正7年、東京生まれ。野戦重砲兵として入営し、昭和16年5月に大刀洗飛行学校を卒業、母港で助教を勤めて昭和17年2月に飛行第59戦隊に転属し、ジャワに配置された。昭和18年初めに初戦果を挙げた。6月、ニューギニアに進出。昭和19年2月14日、B-25爆撃機をタ弾で攻撃し、３機編隊に命中させた。2月15日、P-47戦闘機をタ弾で攻撃し、２機を撃墜、賞詞を授与された。3月、芦屋に帰還。本土防空を行い、終戦を迎えた。総撃墜数18機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜清水清＞：日本海軍エース。大正8年、京都生まれ。昭和15年、海軍に入隊し、昭和17年末に飛行練習生課程を卒業して第253航空隊に配属された。昭和18年11月、第204航空隊に転属となり、昭和19年1月4日に初撃墜を記録。1月25日に第253航空隊に戻ったが、1月26日に戦死した。公認総撃墜数12機。最終階級は上飛曹。参考：日本海軍戦闘機隊

＜清水武＞：日本海軍エース。大正2年、富山県生まれ。昭和8年、飛行第12大隊に入隊し、昭和11年11月に操縦学生教程を修了、明野飛行学校助教となった。昭和14年6月、飛行第64戦隊に転属。8月、ノモンハン事件に参加。停戦までに４機（不確実１機含む）を撃墜した。12月、准尉に昇進。昭和16年12月、太平洋戦争開戦後は南方に進出。昭和17年5月21日、アキャブ基地に前進。ブレニム迎撃に出撃したが、エンジン故障で飛行不能となり、不時着した際に負傷して気を失い、イギリス軍の捕虜となった。総撃墜数９機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜清水光美＞：しみず・みつみ。海軍兵学校36期卒。昭和15年6月1日から9月20日、練習艦隊司令官を務めた。昭和15年9月30日から昭和16年7月5日、第３遣支艦隊司令長官を務めた。昭和16年7月21日、第６艦隊司令長官となった。太平洋戦争開戦時は第６艦隊司令長官だった。昭和17年2月1日、クェゼリン島付近でCV-6エンタープライズ艦上機の攻撃を受け負傷し、本土に帰還した。3月16日、第６艦隊司令長官を退いた。7月14日、第１艦隊司令長官となった。昭和18年の陸奥爆沈事故で引責辞任し、予備役に編入された。最終階級は中将。昭和19年4月、日本倉庫統制会社社長に推挙された。太平洋戦争終結後は水中特攻戦没者の慰霊に力を尽くし、昭和46年5月5日に83歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜シミター＞：スコーピオン・シリーズ（偵察戦車）またはH21（駆逐艦）を参照。

＜シミター＞：イギリス海軍艦上戦闘機Scimitar。スーパーマリン社がタイプ525として自主開発していたのを採用したものである。1956年1月19日に初飛行し、1958年から運用された。近接航空支援能力を持ち、低空を遷音速飛行できたため、核攻撃機としても使用された。参考：月刊JWings3,’23

＜シミュレーション演算装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’13

＜シミュレーション演算装置の機能付加装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜シミュレーションシステム用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。リアルビズ製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜シミュレーション部＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜シミュレーションラボ＞：陸上自衛隊の戦傷者処置訓練用シミュレータ。2015年7月に策定された陸自救命ドクトリンに基づき、第一線での隊員戦傷治療に関する各種技能の向上を目的に導入した機材で、最前線を模した室内に人体模型シムマン3Gを配置し、戦傷状況を再現、衛生科隊員や衛生隊の技能向上を図る。初号機は衛生学校に配備された。２号機は西部方面衛生隊に配備され、2018年4月6日に健軍駐屯地で開所式が行われた。参考：MAMOR vol.135、朝雲

＜シミュレータ・アップグレードキット（Ｅ−２Ｄ）＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究10,’18

＜シミラン＞：タイ海軍補給艦Similan。福清型がベースである。参考：月刊世界の艦船3,’13

＜シムーン＞：フランス海軍ブーラスク級駆逐艦Simoun。1926年竣工。1950年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シムーン級＞：イギリス海軍駆逐艦Simoun級。全長105.9m、幅10.2m、吃水4.2m、基準排水量1319トン。主機は蒸気タービンで、出力33000馬力、速力33ノット。兵装は13cm単装砲４門、37mm単装砲２門、55cm３連装魚雷発射管２基。H03ミストラル、H16ウーラガンなどが竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜事務官さくら＞：防衛省職員生活協同組合のマスコットキャラ。生協さくらがカバーしていなかった事務官等の加入強化を図るため、2022年春に制作された。顔や髪型は変わらないが、服装が萌え袖スーツの背広組になっている。参考：朝雲

＜事務官等＞：自衛隊員のうち、自衛官以外の者で、事務官、技官、教官に分かれる。自衛隊の業務のうち、軍事的な知識を要しないものを担当し、戦闘訓練は行わない。総務、人事、厚生といった職域に分かれ、1-10級の職務等級があるが、階級ではなく、名字の後ろに職域や職務等級を付けて呼んだりはしない。参考：月刊JWings12,’20

＜事務共通システム＞：航空自衛隊の業務処理システム、略称ALCOSS。人事、会計、教育訓練、整備、補給など21の業務に関する処理を纏めて行うシステムで、航空幕僚監部・補給本部電算機、補給処電算機、基地補給分散処理装置補給３システム、同装置空自データ処理近代化システムなどを統合しており、後方関連業務を効率的に行える。2013年3月、補給本部で運用を開始した。2017年3月1日、補給本部が事務共通システム換装記念行事を実施。参考：朝雲

＜事務共通システム用システム設計、プログラムの設計及び製造＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜占守＞：日本海軍占守型海防艦１番艦Shimushu。昭和15年6月30日竣工。建造費は5342000円である。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では南遣艦隊、兵力部署では馬來部隊第２護衛隊に所属していた。昭和19年11月25日、フィリピンのコレヒドール島西でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて中破した。昭和22年7月、ソ連に引き渡された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊丸6,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜占守型海防艦＞：日本海軍海防艦Shimushu型、別名甲型海防艦。千島列島やアリューシャン列島周辺のソ連との漁業紛争には従来駆逐艦で対応していたが、軍縮条約締結で制限された主力艦を駆逐艦で補う必要が出たため、漁業保護に回す余裕が無くなり、その代艦としてマル三計画で建造された。船型は船首楼型で、強度を高めて耐氷構造にしてあり、船首はダブルカーベチャー型を採用、北洋の荒海や流氷にも耐えられるよう二重底にした。前甲板に12cm単装砲、船首楼のすぐ後方に艦橋、その後ろの前後に長い甲板室上に前部三脚マスト、煙突、後部三脚マスト、12cm単装砲、後甲板に12cm単装砲、爆雷投射機を配置している。前部マストから煙突にかけての両舷に艦載艇２隻ずつをタンデムで搭載する。暖房用にホ号小型艦本式缶を２個積んだ。舵は半釣り合い舵。全長78m、水線長76.2m、最大幅9.1m、基準排水量860トン、公試排水量1020トン。主機は二二号一〇型ディーゼル（10気筒）２基、出力4050馬力、最大速力19.7ノット、燃料搭載量220トン、航続距離8000海里（16ノット）。兵装は三年式四五口径一二サンチ平射砲３門、25mm連装機銃２基、九四式爆雷投射機１基、爆雷投下台６基、九五式爆雷18個。占守、国後、八丈、石垣の４隻が昭和15-16年に竣工した。後に艦橋前面にフラットを追加して三式14口径8cm迫撃砲を搭載し、前部マスト中段に二二号電探、後部マスト中段に一三号電探を装備、船首楼甲板後端と後部マスト直前の両舷に機銃台を設けて九六式25mm３連装機銃を追加している。参考：小艦艇入門、月刊丸6,’14、月刊モデルアート9,’15増刊、日本海軍艦隊総覧

＜シムション＞：C-130J-30輸送機（イスラエル空軍）を参照。

＜シムス＞：APD-50（高速輸送艦）またはDD-409（駆逐艦）またはDE-154（護衛駆逐艦）を参照。

＜シムス級＞：アメリカ海軍駆逐艦Sims級。クレイブン級後期型の改良型で、魚雷発射管を１基減らして主砲を１門増やし、艦橋に厚さ13mmの防弾板を仕込んでいる。全長106.1m、幅11m、吃水3m、基準排水量1570トン。主機は蒸気タービン、出力49000馬力、２軸推進、速力38ノット。兵装は12.7cm単装両用砲５門、533mm魚雷４連装発射管３基。乗員250名。DD-409シムス、DD-410ヒューズ、DD-411アンダーソン、DD-412ハンマン、DD-413マスティン、DD-414ラッセル、DD-415オブライエン、DD-416ウォーク、DD-417モリス、DD-418ロー、DD-419ウェインライト、DD-420バックの12隻が1939-40年に就役した。予想以上に重量増が激しく、重心が上昇して復元性能が落ちたため、魚雷発射管１基と防弾板を撤去、バラストを搭載する羽目になった。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜シムセック＞：F-4海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ジムノート＞：フランス海軍の潜水艦Gymnote（デンキウナギ）。1888年（1880年？）に海軍技師のグスタフ・ゼードが完成させて制式化された。内燃機関と蓄電池を搭載した世界初の近代潜水艦である。全長18m、水上排水量30トン。55馬力の内燃機関と蓄電池564基を装備し、電動モーターで推進する。兵装は356mm魚雷発射管１門。潜航中の深度変更に専用の縦置き推進器を使っていたため、水中抵抗が大きく、長期の改良を経て３番艦モールスで実用性がかなり向上した。参考：現代の潜水艦、Ｕボート入門、月刊丸6,’01、月刊世界の艦船11,’20

＜シムファイア＞：ドイツ語ではKanonenabschu Darstellungsgeraet（KADAG）という名称で、感知装置をAusbildungsgeraet Duellsimulator（AGDUS）と呼ぶ。参考：月刊グランドパワー10,’94

＜シムフェローポリ＞：ソ連海軍ウダロイ�T型ミサイル駆逐艦Simferopol。1987年12月就役。後にセヴェロモルスクに改称された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’15

＜シムラ協定＞：第３次印パ戦争の終結のため、1972年7月にインド・パキスタン両国首脳が調印した協定。カシミール地方の領海線として管理ライン（元は停戦ライン）が設定され、見解や法的解釈の違いから一方的変更を試みてはならないことになっているが、さっぱり守られない。参考：月刊軍事研究8,’99

＜シムリック＞：ホワイト・スター・ライン所属北大西洋航路中間船Cymric。全長182.6m、幅19.6m、深さ11.5m、総トン数13096トン、重量トン数13000トン。主機は四連成汽機２基２軸6800馬力、航海速力14.5ノット。船客定員一等258人、三等1160人。1989年2月5日に引き渡され、2月11日からリバプール−ニューヨーク航路に就航した。1900年、ボーア戦争勃発で輸送船として南アフリカに２回の輸送任務を行った。1903年、ボストン航路に就いた。1913年、一等客室を二等に改編。1915年、ニューヨーク航路に復帰。1916年5月8日、アイルランド南西ファストネット岩礁西北西140海里でドイツ海軍U20潜水艦の雷撃を受け大破し、数日後に沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’20

＜シムリト級＞：イスラエル海軍水中翼ミサイル艇。アメリカのフラグスタッフ２級を導入したものである。兵装はハープーン４基、ガブリエル２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シムルグ＞：イランが開発した衛星打ち上げ用ロケットで、2010年2月3日に公表され、打ち上げにも成功したとされる。全長27m、重量85トン。推力143トン。ペイロード60kgで、高度500kmの衛星軌道に投入可能。このロケットを４基束ねてペイロード700kg・投入高度1000kmを目指している。参考：月刊軍事研究9,’10

＜シムルグ＞：イランが開発中のステルス無人機。RQ-170をコピーしたらしい全翼機で、2015年5月に公開され、2016年にはカシャーン国際空港で離着陸する映像がテレビ放送された。参考：月刊軍事研究5,’17

＜使命行動２０１０＞：中国軍が2010年秋に実施した演習。戦略予備の北京軍区第38集団軍、済南軍区第54集団軍、広州軍区第15空挺軍が参加しており、戦略機動打撃を演練したものとみられる。参考：月刊軍事研究2,’13

＜四明山＞：986（揚陸艦）を参照。

＜シメーリ＞：2K15（対戦車ミサイルシステム）または2K16（対戦車ミサイルシステム）または3M6（対戦車ミサイル）を参照。

＜地面効果＞：Ground effect。翼（固定翼、回転翼共に）が地面に近接していると、翼と地面との間で圧縮された空気により、揚力が大きくなる現象。翼に揚力が発生すると、後引き渦による吹き下ろしが発生し、これにより翼に誘導抗力が生じるが、地面に近接すると吹き下ろしが地面により制約されて誘導抗力が減少し、揚抗比が増大する。固定翼の場合は翼幅、回転翼の場合はメインローター直径と同じくらいの高度内ならば地面効果が得られる。主翼だけでなく水平尾翼にも生じるため、地上付近の引き起こしには上空よりも大きい操舵が必要になる。回転翼機やVTOL機の場合は、回転翼やエンジン排気から生じる空気流が地面に叩き付けられることによる反動でも揚力が増大するが、対気速度が加わったり、10ノット以上の風が吹いていたり、地面が傾いていたりすると、この効果は得られない。VTOL方式によっては地面に叩き付けられた空気流が渦を形成し、機体を下に引っ張るため、地面効果が得られないこともある。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、11,’03、航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン5,’16、航空機設計法

＜地面効果機＞：WIGを参照。

＜シモーネ＞：ドイツのディールBGTディフェンス社が開発した赤外線監視システムSIMONE（Ship Infrared Monitoring, Observation and Navigation Equipment）。8-12ミクロンの赤外線を探知する非冷却式赤外線センサー・モジュール（視野角は俯仰50度・方位40度）を複数箇所に設置し、画像を電子的に繋げて360度全周・俯仰角60度の範囲の画像を得る。精度は1km先で方位１ミリラジアン・距離1m。探知距離0.5-1km（人間）／2-3km（RHIB）。1000目標以上の同時探知追尾が可能とされ、情報は自動的に分析されて脅威判定を受け、必要なら乗員に警告が出される。F125型フリゲートにセンサー・モジュール10基以上が搭載される予定。参考：月刊軍事研究4,’11、1,’09、5,’07、5,’09

＜下川幸雄＞：日本陸軍エース。福岡県出身。昭和13年4月、東京陸軍航空学校に入学し、熊谷飛行学校と大刀洗飛行学校で教育を受け、昭和16年3月に卒業、飛行第５戦隊に配属された。昭和17年1月、飛行第50戦隊第２中隊に転属、南ビルマに赴任した。4月、本土に帰還して明野で一式戦闘機に転換。6月、シンガポールに進出。9月、ラングーンに配置された。昭和18年秋、B-24爆撃機を攻撃中に被弾して片眼を失明し、内地に送還された。復帰後は航空機輸送を行っている。昭和20年3月19日、広島上空でF6F戦闘機１機を撃墜したが、被弾して火傷を負った。その後新潟に移って特攻訓練中に終戦を迎えている。総撃墜数16機。最終階級は曹長。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜しもきた＞：LST-4002（初代）またはLST-4002（２代目）を参照。

＜下北試験場＞：技術研究本部／防衛装備庁の試験場。青森県下北郡東通村の猿ヶ森砂丘内にあり、広さは南北13.5km、東西1km、総面積13.75平方キロメートル。火器弾薬の試験が主任務で、海自艦砲、陸自戦車砲弾、ロケット弾など年間千数百発の実射テストが行われる。1959年、技術研究本部隷下に設立された。2015年10月1日、技術研究本部から防衛装備庁の隷下に移った。2017年1月19-25日、砲弾射撃試験（領収試験）を実施。実施に際しては東北防衛局が関係漁協との間で操業制限（毎日0900-1600まで）や損失補償に関する合意書を交わし、周辺40平方キロメートルの海域を射撃試験海面に設定、警戒船での監視などを行った。参考：朝雲、MAMOR vol.85、vol.105、vol.136

＜下甑島分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地で、第９警戒隊が駐屯している。所在地は鹿児島県薩摩川内市下甑町長浜無番地。1953年にアメリカ空軍レーダー基地が設営され、1958年に空自に移管された。2009年3月、J/FPS-2に換わってJ/FPS-5レーダーが配備された。2016年6月18日、春日ヘリ空輸隊の協力で、隊員家族と島民79人にCH-47J輸送ヘリ体験搭乗を実施。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、5,’12、朝雲

＜下志津駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。正門近くに鈴木貫太郎大将の遺品や佐倉第57連隊の史料などを収容した史料館があり、その前には退役した高射火器や日本軍高射砲の一部が展示されている。所在地は千葉県千葉市若葉区若松町902。JR四街道駅からバス「自衛隊前」下車徒歩５分。創立記念行事では両駅からシャトルバスが出る。駅から徒歩でも行くことが可能で、四街道駅からは北口を出て左に暫く進み、四街道交差点を左折して真っ直ぐ行けば着く（約20分）が、四街道交差点が意外と小さいので注意。元は下志津陸軍飛行学校で、1955年12月10日に高射学校が習志野駐屯地から移駐し、1956年4月14日に開設された。1969年、高射教導隊が新編された。1985年、第301無線誘導標的機隊が静内駐屯地に移駐した。2010年5月25日、浴場のリニューアルと入浴後に休憩できる東屋が完成し、完成式が行われた。11月から毎月第２火曜日に広報ツアーを開始。2011年10月22日、自衛隊殉職隊員千葉県追悼式を駐屯地内の鎮の庭で実施。49柱の冥福を祈った。12月14日、正門改修工事が終了し、竣工記念行事が行われた。2012年7月10日、広報ツアー参加者が500人に到達。2013年1月18日、新成人隊員19名の成人行事を実施。4月10日、千葉県内16市町村、近隣警察、消防署と共同災害対処訓練を実施。10月8日、広報ツアー参加者が1000人を達成。2014年10月18日、殉職隊員千葉県追悼式を実施。2015年4月29日、創設60周年記念行事を実施。7-12月、千葉地本が曹士食堂で予備自衛官等制度食堂広報を実施。7月6-7日と9日、千葉募集案内所が大原簿記専門学校千葉校学生114人に駐屯地研修を実施。2020年2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。2021年7月28-29日、千葉大附属中学校生徒23人の職場体験学習に協力した。2022年4月24日、千葉地本が若者・保護者・大学教員ら17人に下志津駐屯地記念行事総合予行見学を実施。参考：高射学校ホームページ、月刊JWings5,’20、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、朝雲

　＜下志津駐屯地（２０１５年）＞：高射学校、高射教導隊、東部方面後方支援隊高射教育直接支援中隊、第２高射特科群第334高射中隊、東部方面後方支援隊第301高射直接支援中隊第４直接支援小隊、東部方面通信群第105基地システム通信大隊第320基地通信中隊志津派遣隊、東部方面警務隊第127地区警務隊下志津連絡班が駐屯している。参考：高射学校ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜下志津飛行場＞：日本陸軍の飛行場。明治42年、臨時軍用気球研究会が飛行場候補地に選定したが、落選した。大正8年3月、フランス航空団が航空術練習を行った際、偵察班が練習に使用した。大正9年9月、陸軍航空学校分校の候補地となった。大正10年4月1日に千葉市若松町で開設され、航空学校下志津分校が設置されて偵察教育が行われた。大正13年5月、航空学校下志津分校が下志津陸軍飛行学校に改編された。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく陸軍大臣所管の機密飛行場に指定された。参考：首都防空網と空都多摩、月刊航空ファン9,’16、月刊航空情報8,’12

＜下志津陸軍飛行学校＞：日本陸軍飛行学校。大正13年5月、航空学校下志津分校から改編されて創設された。昭和4年、八八式一型偵察機が配備された。昭和5年7月、拓務省の本領樺太北部森林調査に協力し、八八式偵察機４機（予備１機）を派遣した。参考：月刊航空ファン6,’18

＜下瀬火薬＞：明治21年に下瀬雅允が合成に成功したピクリン酸主体の火薬で、明治26年に海軍で採用された。陸軍でも明治33年に黄色薬として採用している。これは爆破部分が黄色く着色されるためである。炸薬として使用され、日露戦争で威力を発揮した。しかし酸であるため金属と反応して不安定な塩（ピクリン酸鉄など）を生じ、暴発しやすいため、紙製の被包内に入れて（成型火薬）から弾丸内に挿入する必要があった。日露戦争中には戦艦三笠が筒内暴発を３回起こしている。また、充填作業が不完全で発射時の加速度により弾底部に叩きつけられ、腔発を起こす事例も生じ、青島攻略戦で四五式二十糎・二十四糎榴弾砲が腔発を起こした他、大正7-8年に各部隊が黄色薬を充填した三八式野砲弾の腔発が多発した。爆弾の炸薬としても使用されたが、日華事変中の昭和13年6月16日に敵機の機銃弾が命中した60kg爆弾が誘爆して高雄空九六式陸攻１個小隊３機が巻き込まれ墜落する事故が発生、九八式爆薬に後を譲った。参考：月刊軍事研究7,’05、火器弾薬技術ハンドブック、大砲入門、手榴弾・迫撃砲、日本海軍の爆弾、月刊航空ファン7,’17

＜下館飛行場＞：日本陸軍の飛行場。茨城県真壁郡黒小村の用地を昭和15年に買収した。参考：首都防空網と空都多摩

＜霜月＞：日本海軍秋月型駆逐艦７番艦。昭和19年3月31日竣工。昭和19年10月20日、比島沖海戦に参加。11月25日、ボルネオ西のアナンバス諸島でSS-244カヴァラの雷撃を受けて沈没し、昭和20年1月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜下対馬警備所＞：海上自衛隊の警備所。1969年、佐世保地方隊隷下に開設された。2012年9月21日、九州管区警察局長と九州交通安全協会長から交通安全功労団体として表彰され、対馬南警察署での表彰式に所長が参加した。参考：佐世保地方隊ホームページ、朝雲

＜シモネ＞：シモーネ（赤外線監視装置）を参照。

＜下関基地隊＞：海上自衛隊の基地隊。関門海峡と周辺の防衛・警備・爆発性危険物処理、下関港寄港艦艇支援、新造・修理艦艇支援を主任務とする。大元は1942年（昭和17年）2月に創隊された日本海軍呉鎮守府下関防備隊である。1953年9月16日、佐世保地方隊隷下に新編された。2009年1月2日1230、北九州市新門司防波堤灯台の北東2.3kmの海域で、掃海艇なおしまの支援の下、水中処分員がアメリカ製Mk25機雷（2008年10月9日、浚渫作業中に深度13mで発見）を水中爆破処分した。2011年5月31日、下関市地球温暖化対策地域協議会23年度総会において、ノーマイカーデー（2008年9月から毎月第３金曜日に実施）で効果効果を挙げたとして、優秀賞を受賞した。2013年8月13日、関門海峡で浚渫工事中に発見されたアメリカMk25機雷を爆破処分した。2015年6月13日、下関市蓋井島で大地震を想定した防災訓練に掃海艇とよしまなどが参加。7月18-20日、下関港あるかぽーと岸壁で、護衛艦くらまの特別・一般公開を支援した。12月5日、餅つき大会を実施。12月14日、イギリス式教育訓練の導入に尽力した服部潜蔵大佐の顕彰碑と墓を参拝し、清掃などを行った。2016年5月13日、甲板士官12名が下関吉見地区で戦没者慰霊之碑の清掃を実施。6月12日、下関美化美化大作戦に参加し、古宿海岸300mの清掃活動を行った。8月19-22日、下関市あるかぽーと岸壁に入港したAOE-422とわだの出入港作業と広報活動の支援を行った。12月17日、基地に隊員家族を招いて年末恒例の餅つき大会を開催。2017年6月11日、下関美化美化大作戦に参加。12月16日、海曹会の企画で年末恒例の餅つき大会を実施。2019年6月9日、隊司令以下11名がしものせき美化美化大作戦に参加。10月28日、熊本市自衛隊家族会20人が基地を研修した。10月29日、下関市吉見地区で開催された第８回地震・津波避難訓練を支援した。12月14日、山口県防衛協会・青年部会・女性部会の各下関支部16人に対する部隊研修（MSC-685とよしま研修、顕彰資料室えびら見学、隊員との食事会など）を実施。2020年6月8日、海上保安庁門司保安部の依頼で、浚渫業者が関門海峡で発見した爆発性危険物らしき物体の調査と回収を実施。第43掃海隊水中処分員８名が巌流島付近の岸壁に進出し、うち４名が処分艇で現場海域に到着、水深4mの海底で物体が砲弾であることを確認し、安全に運べると判断して回収、陸上で待機する水中処分員に引き渡し、後日処分するため下関基地隊で水蓄保管した。物体は太平洋戦争中の３インチ砲弾２発・総重量90kgで、腐蝕が激しく、日本軍のものかアメリカ軍のものかは特定出来なかった。6月14日、隊員11名がしものせき美化美化大作戦に参加。9月17日、基地モニター７人と大学生３人を招き、佐世保地方総監の巡視を公開した。10月27日、第９回よしみ地区合同地震・津波避難訓練に参加。2021年3月4日、隣接する双葉幼稚園の園児20人が遠足に訪れた。7月3日、下関市民会館で佐世保音楽隊による演奏会「海峡に響くシンフォニー2021」を開催。参考：朝雲、月刊世界の艦船4,’13、佐世保地方隊ホームページ、MAMOR vol.158

＜下関基地隊（１９７８年）＞：佐世保地方隊隷下で、六連警備所、第43掃海隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜下関基地隊（２００１年４月１日）＞：佐世保地方隊隷下で、第43掃海隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜下関基地隊（２０１１年）＞：佐世保地方隊隷下で、本部、六連警備所、第43掃海隊からなる。参考：海上自衛新聞、月刊世界の艦船6,’11

＜下関基地隊（２０１５年）＞：佐世保地方隊隷下で、本部（総務科、厚生科、警備科、経理科、補給課、造修科、通信所）、第43掃海隊からなる。参考：下関基地隊ホームページ、月刊世界の艦船6,’15

＜下関基地隊（２０２０年）＞：佐世保地方隊隷下で、本部（総務科、厚生科、警備科、経理科、補給科、造修科、通信所）、第43掃海隊からなる。参考：MAMOR vol.158、月刊世界の艦船6,’20

＜シモノフ自動小銃＞：AVS M1936を参照。

＜下総救難飛行隊＞：海上自衛隊の救難飛行隊。1993年9月27日に新編され、下総航空基地隊の隷下に入った。2008年3月に解隊され、第73航空隊に統合された。参考：下総航空基地ホームページ、教育航空集団司令部ホームページ、月刊世界の艦船6,’22

＜下総教育航空群＞：海上自衛隊の操縦士教育部隊で、固定翼操縦士の実用機教育と、固定翼航空士の教育を行う。1974年2月16日、下総航空基地で新編され、教育航空集団の隷下に入った。1987年12月1日、第206教育航空隊が隷下に新編され、P-3Cを装備した。1997年3月24日、第206教育航空隊が第203教育航空隊に、第201支援整備隊が第203支援整備隊に改称された。1998年12月8日、第203支援整備隊を第203整備補給隊に改編した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。6月1日、第205教育航空隊が解隊された。7月2日、千葉地本に協力し、P-3Cによる体験搭乗を実施。11月29日、第203整備補給隊が事故機収容部署訓練を実施。除籍されたYS-11T練習機を使用してクレーン車による機体吊下検証作業などを行った。2012年3月7日、千葉柏記者クラブ所属の記者４人に対する施設見学・P-3C体験搭乗を実施。3月15日、千葉県防災危機管理監と防災危機管理課副参事との意見交換や、P-3C体験搭乗を実施。2014年1月7日、初飛行訓練を実施。2015年1月9日、初訓練飛行を実施。4月6日、第2702期実用機（VP）課程11名と第2601期航空士戦術実用機課程４名の終業式を実施。2016年1月7日、第203教育航空隊P-3C哨戒機３機で初訓練飛行を実施。2017年1月6日、P-3C哨戒機３機で初訓練飛行を実施。5月18日、第203整備補給隊の海曹長が、火災初期消火活動の功績で千住消防署から感謝状を贈呈された。2018年1月9日、第203教育航空隊P-3C哨戒機２機で教育訓練飛行を実施。11月2-13日、柏市立風早南部小学校の総合的な学習の時間を支援した。2019年1月8日、P-3Cの初訓練飛行とミニP-3Cの初訓練走行を実施。2月22日1600頃、基地近隣の民家で火災が発生したため、派遣防火隊11名・車両５両を自主派遣して消火活動を行った。3月27日、基地近隣民家火災での消火活動の功績により、柏市消防局から感謝状を贈呈された。9月9日に上陸した台風15号被害の災害派遣に参加。2020年3月25日、千葉県鎌ケ谷市と災害時における応援等に関する協定を締結した。7月15日、地域交流の功績で、隊員２名が千葉県自衛隊協力会連合会から感謝状を贈呈された。8月3日、第0201対潜課程８名の信号弾発射訓練を実施。9月23-26日、隊員家族を対象にファミリーウィークを実施。10月21日、下総航空基地開設の日に合わせ、資料訓練や野外訓育を実施。2021年1月20日、基地周辺の清掃活動を実施。2月4日、解体予定のP-3C哨戒機で脱出訓練を実施。3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、第203整備補給隊に１級賞状が授与された。2023年1月10日、訓練飛行始めを実施。参考：下総航空基地ホームページ、教育航空集団司令部ホームページ、MAMOR vol.70、vol.52、vol.155、月刊航空ファン11,’92、月刊JWings3,’17、3,'23、月刊世界の艦船4,’17、朝雲

　＜下総教育航空群（１９７４年２月１６日創設時）＞：教育航空集団隷下で、司令部は下総航空基地にある。第205教育航空隊、第201支援整備隊、下総航空基地隊を隷下に置く。参考：下総航空基地ホームページ、教育航空集団司令部ホームページ

＜下総教育航空群（１９７８年）＞：教育航空集団隷下で、下総に司令部がある。第205教育航空隊（P-2J、YS-11TA）、第201支援整備隊、下総航空基地隊を隷下に置く。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜下総教育航空群（２００７年度、改編前）＞：教育航空集団隷下で、第203教育航空隊（P-3C）、第205教育航空隊（YS-11T-A）、第203整備補給隊、下総航空基地隊を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜下総教育航空群（２０１０年）＞：教育航空集団隷下で、下総航空基地にある。隷下に第203教育航空隊（P-3C）、第205教育航空隊（YS-11T-A）、第203整備補給隊、下総航空基地隊を置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜下総教育航空群（２０１５年）＞：教育航空集団隷下で、司令部は下総航空基地にある。隷下に第203教育航空隊（P-3C）、第203整備補給隊、下総航空基地隊を置く。参考：下総教育航空群司令部ホームページ、月刊航空ファン4,’16

　＜下総教育航空群（２０２０年）＞：教育航空集団隷下で、下総航空基地にある。第203教育航空隊などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜下総航空基地＞：海上自衛隊の航空基地で、「しもふさ」と読む。滑走路は長さ2250m、幅45m、ランウェイ01/19。所在地は千葉県柏市藤ヶ谷。最寄り駅は東武野田線六実駅。記念行事では東武野田線・新京成線・北総鉄道新鎌ヶ谷駅からシャトルバスが出る。大元は1945（昭和20）年4月に開設された陸軍藤ヶ谷飛行場で、太平洋戦争終戦に伴い9月にアメリカ第５航空軍が進駐し、白井エアベースになった。1959年10月に白井術科教育隊が創設され、12月にアメリカ第５航空軍が撤退した後、1960年6月に全面返還されて下総航空基地となった。1959年10月21日、白井術科教育隊が新編された。1961年2月1日、白井術科教育隊が第３術科学校に改編された。9月、航空集団が新編された。1962年5月、下総警務分遣隊が新編された。8月、滑走路や６階建ての管制塔などが竣工した。9月、第４航空軍が新編された。1963年3月、第14航空隊が徳島から移駐。4月、第51航空隊が八戸から移駐。1965年3月、下総救難飛行隊が新編された。1967年、下総航空基地慰霊碑が建立された。1968年3月、移動通信隊が新編された。1972年3月、第４航空群の一部が厚木に移駐。1973年2月20日、航空教育集団司令部が宇都宮航空基地から移駐。12月、航空集団司令部と第４航空群が厚木に移駐。1974年2月、下総教育航空群が新編された。1981年10月31日、第51航空隊が厚木に移駐。1987年12月、第206教育航空隊が新編された。1989年1月、第111航空隊が岩国に移駐。1997年3月、第206教育航空隊が第203教育航空隊、第201支援整備隊が第203支援整備隊に改称された。1998年12月、第203支援整備隊を第203整備補給隊に、下総航空工作所を航空補給処下総支処に改編した。2008年3月、下総救難飛行隊が第73航空隊に編入されて解隊された。2010年11月17-18日、千葉県内の中学生９人に対する職場体験を実施。2011年3月11日、東日本大震災で建物の一部が破損した。6月、第205教育航空隊が解隊された。2014年1月14日、９階建て・高さ38mの新管制塔の運用を開始した。2015年3月末、下総クラブ分館（1948年にアメリカ軍が建設、1964年から隊員クラブとして使用）が老朽化により閉鎖された。2016年1月7日、初訓練フライトを実施。2017年5月28日、土浦駐屯地で公益財団法人海原会主催予科練戦没者慰霊式を支援した。2018年2月10日、DMAT関東ブロック訓練に参加。6月2日、家族支援イベントのファミリーデーを開催し、基地内一周バスツアー、P-3C体験搭乗、ビーフカレー体験喫食などを行った。10月11日、下総航空基地海曹会が発足。2019年2月23日、下総航空基地海曹会が特別養護老人ホームひかり隣保館でボランティア活動を実施。5月24日、下総航空基地自衛隊地区自治会144名が柏市ゴミゼロ運動に参加し、基地周辺道路脇などのゴミを回収した。2020年3月18日、千葉県赤十字血液センターの依頼で献血協力を実施し、155名が献血した。6月30日、千葉県赤十字血液センターの献血に152名が協力した。11月1日、下総水交会、千葉県隊友会沼南支部、下総教育航空群司令部首席幕僚、監理幕僚、先任伍長が下総航空基地慰霊碑を清掃した。11月13日、茨城地本が採用試験合格者・受験希望者計11人に海自下総航空基地ツアーを実施。11月12日、献血延べ56年間・25000名以上の功績により、日本赤十字社社長感謝状を受賞し、授賞式が行われた。2021年1月7日、P-3C哨戒機３機で初訓練飛行を実施。3月19日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期されていた新成人28名の祝賀行事を実施。6月8-9日、自衛官採用試験受験予定者30人に基地見学を実施。2022年2月9日、柏市の太田市長が就任後初めて基地を訪問した。3月11日、入隊予定者に基地研修を実施。3月17日、入隊予定者に基地研修を実施。2023年6月、P-1哨戒機用操縦訓練装置が配備された。参考：下総航空基地ホームページ、教育航空集団ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、4,’14、11,’18、3,’21、11,'23、MAMOR vol.99、月刊世界の艦船4,’16、朝雲、月刊航空情報5,’18

＜下総航空基地（２００７年度、改編前）＞：教育航空集団司令部、下総教育航空群、第３術科学校が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜下総航空基地（２０１２年度）＞：第203教育航空隊（P-3C）、第203整備補給隊、第３術科学校などが所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜下総航空基地（２０１５年）＞：教育航空集団司令部、下総教育航空群司令部、第３術科学校などが所在している。参考：月刊世界の艦船12,’15

＜下総航空基地隊＞：海上自衛隊の航空基地隊。1974年2月16日、下総教育航空群隷下に下総航空基地で新編された。1993年9月27日、下総救難飛行隊が隷下に入った。2008年3月、下総救難飛行隊が廃止された。2016年1月29日、前年12月22日に交通事故を起こして横転した車両から負傷者を救出した運航隊気象班の三等海曹２名に善行褒賞を授与した。2019年5月23日、航空警備隊地上救難班が柏市消防局、鎌ケ谷市消防本部と共に下総航空基地で消火訓練（救難消防車1B型による救難消火活動、給水車4500L型３両による給水支援）を実施。参考：教育航空集団司令部ホームページ、月刊JWings4,’14、朝雲

＜下総航空基地隊（２００７年度、改編前）＞：下総教育航空群隷下で、下総救難飛行隊（UH-60J）を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜下総航空基地隊（２０１３年）＞：本部、管理隊、警衛隊、運航隊、経理隊、厚生隊、航空衛生隊などを隷下に置く。参考：月刊JWings4,’14

＜下総航空基地隊（２０１５年）＞：下総教育航空群隷下で、下総航空基地に置かれている。本部、管理隊、警衛隊、運航隊、経理隊、厚生隊、航空衛生隊からなる。参考：下総教育航空群ホームページ

＜下総航空工作所＞：海上自衛隊の航空工作所。1998年12月、航空補給処下総支処に改編された。参考：下総航空基地ホームページ

＜下総自動車教習所＞：海上自衛隊の自動車教習所。公用車両操縦手の育成を主任務とし、主に大型、大型特殊、けん引自動車の操縦教習を行う。自衛官の特例により、普通免許がなくても19才以上で大型免許を取れる。1964年7月13日、第３術科学校に開設された。2015年1月28日、50年間車両無事故走行と公用車両操縦手育成8000人の功績により、海幕長から２級賞状を授与された。参考：朝雲

＜シモルフ＞：シームルグ・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜シャー＞：D21（護衛空母）を参照。

＜シャーウッドの森＞：オハイオ級弾道ミサイル潜水艦等の弾道ミサイル格納／発射区画の愛称。発射筒が林立する様子から、こう呼ばれる。参考：世界の艦船4,’04増刊

＜ジャーキン＞：イギリス連邦軍（オーストラリア軍など）の着用していたチョッキのような上着。制式名称が防護外套だったことから、北アフリカでイタリア軍が防弾チョッキと間違えた。参考：月刊PANZER4,’02

＜シャーク＞：Ar196A-3水上機（ブルガリア海軍）またはG03（Ｓ級駆逐艦）またはN54（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはSHARK（アクティブ防御装置）またはSS-8（Ａ級潜水艦）またはSS-314（ガトー級潜水艦）またはSSN-591（スキップジャック級原潜）またはエンストロム280シリーズまたはトリートン暗号またはピラーニャ装甲車ファミリーを参照。

＜シャーク・ギル＞：MGK-400（ソナー）またはMGK-500（ソナー）を参照。

＜シャークス＞：スリヤ・キラン（アクロバットチーム）を参照。

＜シャーク・ティース＞：シャーク・マウス（塗装）を参照。

＜シャーク・ティース＞：ソ連海軍潜水艦用船底ソナーのNATOコード。アクティブ・パッシブ式の捜索・攻撃用で、低中周波を使用する。探知距離13km。デルタ�V型やデルタ�T型などに搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜シャーク・ノーズ＞：F8U-3（戦闘機）を参照。

＜シャーク・ハイド＞：ソ連海軍潜水艦用パッシブ式船体側面ソナーのNATOコード。低周波を探知する。デルタ�V型やデルタ�W型に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜シャーク・マウス＞：主に軍用機の機首に描かれる鮫の口のマーキングで、シャーク・ティースともいう。アメリカ空軍の場合、元祖は第２次大戦北アフリカ戦線のイギリス空軍第112飛行隊で、フライング・タイガースがこれをパクり、現在はその末裔のノースカロライナ州ポープ空軍基地の第23戦闘群23FGが正式に描くことを許されている。第１次大戦中から似た様なマーキングは存在し、ドイツ空軍では第２次大戦前にJu87急降下爆撃機、開戦前後にBf109戦闘機とBf110戦闘機（第76駆逐航空団第�U飛行隊・通称鮫飛行隊Haifisch Gruppeが有名）がマークしていた。参考：月刊JWings12,’99、世界の傑作機No.157

＜シャーク・リブ＞：ソ連海軍潜水艦用パッシブ式船体側面ソナーのNATOコード。低周波を探知する。タイフーン級やシエラ�U級などに搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ジャージー＞：F72（駆逐艦）またはP295（哨戒艦）を参照。

＜シャー・ジャハン＞：パキスタン海軍CH級駆逐艦Shah Jahan。1971年12月4日、第３次印パ戦争でインド海軍の攻撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ジャー戦＞：陸上自衛隊用語で、上着が戦闘服、ズボンがジャージという服装のこと。当然ながら課業外限定である。海空自ではこういう格好はしない。参考：MAMOR vol.100、vol.164

＜シャーパー＞：パキスタン陸空軍UAV。2013年11月25日に存在を公表した。GIDS（Global Industrial & Defence Solution）社で国産していると謳っているが、中国航天科技集団公司製CH-3無人機と瓜二つである。重量470kg。エンジンはレシプロ（100馬力）、最大速度150km、滞空時間７時間。参考：月刊軍事研究6,’14、7,’14

＜シャーバーン＞：APA-205（攻撃輸送艦）を参照。

＜ジャービス＞：DD-393（クレイブン級駆逐艦）またはDD-799（フレッチャー級駆逐艦）またはF00（Ｊ級駆逐艦）を参照。

＜ジャービス・ベイ＞：イギリス海軍特設巡洋艦。1940年11月5日、HX-84船団に所属して北大西洋を航行中、ドイツ重巡アドミラル・シェーアに襲撃され、船団本隊を逃がすために囮となってアドミラル・シェーアに突撃、撃沈された。戦死した艦長エドワード・フィーゲン大佐にビクトリア・クロス勲章が授与されている。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ジャービス・ベイ＞：オーストラリア海軍輸送艦Jervis Bay。元はインキャット社製86m級045型双胴船で、船型は波浪貫通型双胴船体、艦内に車両甲板２カ所がある。全長284フィート（86.6m）、満載排水量1250トン。主機はディーゼル４基、出力38000馬力、推進はウォータージェット４基、最大速力46ノット（軽荷時）／40ノット（満載時。43ノット？）、航続距離1500海里（満載時）。自動車200両など貨物380トンや兵員500名などを搭載可能。乗員20名（海軍15名＋陸軍５名）。1999年4月（6月？）から２年間のチャーターで運用した。参考：月刊軍事研究1,’00、2,’04、月刊世界の艦船11,’00、7,’11

＜シャーフ−２＞：WZ551海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜シャープ・アイ＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲートがプロジェクトSEA1448フェイズ2B改装で搭載した航海・状況認識レーダーSharp Eye。アメリカのケルヴィン・ヒューズ社が開発した。窒化ガリウム（GaN）半導体送受信モジュール（平均出力39W、ピーク出力200W、パルス圧縮比1:1000、パルス繰り返し周波数2300pps）、新型NMD（Naval Mantadigital Display）、デジタル・シグナル・プロセッサーによる高精度デジタル処理により、悪天候でも小型目標を正確に探知する。アンテナは全長2.5m・総重量50kg・使用周波数Ｘバンド（9-9.5GHz）・ピーク出力300W・探知距離0.04-90kmのものと、全長3.9m・使用周波数Ｓバンド（2.9-3.1GHz）・ピーク出力200Wの２種類が用意されており、毎分12/24/46回転する。アンテナの台座部分はステルス形状の六角錐台形で、CFRP製であり、内部にアンテナ旋回モーター、送受信モジュール、デジタル・シグナル・プロセッサーを収容していて、あとは電源をセットし、LANで艦内のNMDと接続すれば装備が完了する。探知距離4.3海里（RHIB、シーステート５）／5.9海里（RHIB、シーステート３）／15.5海里（ヘリコプター、シーステート５）。参考：月刊軍事研究12,’09、3,’14、1,’14、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シャープ・ガード作戦＞：1994年12月にNATOが発動した、セルビア・モンテネグロへの武器密輸監視作戦。参考：月刊軍事研究5,’03

＜シャープシューター＞：AN/AAQ-19（ターゲッティング・ポッド）またはL129A1（ライフル）またはデジグネイテッド・マークスマンを参照。

＜シャープシューターズ＞：VMFAT-101（海兵戦闘攻撃訓練飛行隊）を参照。

＜シャープ・ソード＞：DDG-168（護衛艦）を参照。

＜シャープ・ハイル＞：GBU-39/B誘導爆弾（イスラエル空軍）を参照。

＜シャーマク＞：M4海外シリーズ（戦車）を参照。

＜シャーマン＞：M4シリーズ（戦車）を参照。

＜シャーマン＞：フォレスト・Ａ・シャーマン。1917年、アナポリス海軍兵学校卒。戦闘機パイロットを経て太平洋戦争では空母ワスプ艦長を務め、太平洋艦隊幕僚となった。戦後は第６艦隊司令官となり、1949年に大将に昇任、海軍作戦総長となった。1951年、在任中に心臓発作で死去した。参考：月刊軍事研究4,’16

＜シャーマンＡＲＶ　Ｍｋ�T＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマンＡＲＶ　Ｍｋ�U＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマンＤＤシリーズ＞：イギリス軍浮航戦車Sherman Duplex Drive。イギリスがシャーマン戦車をDD浮航戦車化したものである。改造を受けたのは75mm砲搭載VVSSサスペンションのシャーマン�T／�U／�V／�Xで、操縦手・副操縦手のハッチ部にナックルが設けられた旧型車体にのみ装着された。�T・�Uはアメリカで、�V・�Xはイギリスで改造を受け、総生産数は800両以上とみられる。DDとDDMk.�Tは随時アップグレードされており、それが途中で終わっているものもあるので、判別は難しい。イギリス第79機甲師団に配備され、ノルマンディー上陸オーバーロード作戦で実戦投入されてLCTから発進、海岸に上陸した。参考：月刊PANZER6,’99、British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＤＤ＞：初期生産型Sherman �V／�X DD。バレンタインDDのほぼ流用で、車体下部に水密処理を施し、車体にキャンバス・スクリーン取り付け枠を追加、車体後部に推進用スクリュー２軸を装備した。キャンバス・スクリーンのゴムパイプに空気を送って柱にし、金属支柱を止めて補強すれば発進準備が整う。スクリーンを付けた状態だと車体前方機銃が使えない。水上速力9km。車長が車体後部の指揮台に立って舵を操作し、操縦手もスクリューの方向転換で操縦できる。参考：異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER6,’99、British and American tanks of World War Two、歴史群像4,’16

　＜シャーマンＤＤ　Ｍｋ．�T＞：中期生産型Sherman �V／�X DD Mk�T。キャンバス・スクリーン取り付け枠と支柱を強化したもので、ノルマンディー上陸オーバーロード作戦に参加したのは全てこれである。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’99

　＜シャーマンＤＤ　Ｍｋ．�U＞：ノルマンディー上陸オーバーロード作戦の戦訓を元にした改良型Sherman �V DD Mk�U。後部キャンバスを高くし、スクリーン展張用の圧縮空気ボンベを外してエアコンプレッサーを搭載、ビルジポンプの排水能力を強化した。多くがダックビルズ・エンドコネクターを装着している。参考：月刊PANZER6,’99、British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＤＤ　Ｍｋ．�V＞：Mk.�Uの細部改良型Sherman �V／�VAY DD Mk�V。シャーマン�Vの方はアメリカがイギリス向けに改造した。76mm砲搭載HVSSサスペンションのシャーマン�VAY（M4A2）の方は、アメリカで２両が試験され、200両発注されて極東に送られている。ただし両方とも配備は1945年末になり、第２次大戦には間に合わなかった。参考：月刊PANZER6,’99、British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＤＤ　ＡＰＣ＞：装甲兵員輸送車型Sherman �X DD APC。シャーマンDDの砲塔を外し、開口部をマッシュルーム型の装甲蓋で塞いである。量産されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜シャーマンＤＤ　ＢＥＬＣＨ装置＞：火災でキャンバス・スクリーンが失われないよう、水を噴霧するシステムを追加したもの。1944年にテストされたが、量産には至らなかった。参考：異形戦車ものしり大百科、British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＤＤ　Ｍｋ．�U（ジナンディット付）＞：Sherman DD Mk�U with Ginandit。軟弱泥濘地通過用マットを車両前方に投射する装置を搭載したもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜シャーマンＤＤトペー＞：Sherman Topee。シャーマンDDの車体四周に浮力強化用ポンツーンを装着したもの（キャンバス・スクリーン周囲を取り巻く軽装甲キットを搭載したもの？）。使用数は少ない。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜シャーマンＤＤロケット・エグレス＞：Sherman �V DD Rocket Egress。航空機短距離離陸用JATOG No5Mk1ロケットを車体両側に装着し、川岸を登る際の補助にしたもの。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜シャーマン・アダー＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・オクトパス＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・カーペット＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・クラブ＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・クリブ＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・クロコダイル＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・コンガー＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・サラマンダー＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・ジェフリーズ＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・ジャンボ＞：M4A3E2（戦車）を参照。

＜シャーマン・スコーピオンＭｋ．�X＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・スネーク＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・センチピード＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜ジャーマンタウン＞：LSD-42（揚陸艦）を参照。

＜シャーマン・テープワーム＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・トワビー・アーク＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・バジャー＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・ファイアフライ＞：ファイアフライ・シリーズ（戦車）を参照。

＜シャーマン・プラム＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・プリマス＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・ブルズホーン＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・ポーキュパイン＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・マーキーズ＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・ルル＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーマン・ロブスター＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜シャーラ＞：AKA-58（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜シャーリングマシン�V型＞：自衛隊の機器。東亜工業製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜シャール１シリーズ＞：フランス陸軍試作戦車。シュナイダー戦車の量産前から計画された。参考：月刊戦車マガジン6,’89

　＜シャール１Ａ＞：重量40トン。主兵装は旋回砲塔の75mm砲。乗員７名。1917年12月にFCM社で試作車が完成した。参考：月刊戦車マガジン6,’89

　＜シャール１Ｂ＞：シャール1Aの兵装を105mm砲に換装したタイプ。試作車のみ製作された。参考：月刊戦車マガジン6,’89

　＜シャール１Ｃ＞：シャール1Aベースの重戦車型で、動力系をエレクトリック・トランスミッションに変更している。重量70トン。兵装は75mm砲と機銃４丁。乗員10名。プロトタイプのみ製作された。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜シャール２Ｃ＞：2C戦車を参照。

＜シャールＢ１シリーズ＞：B1シリーズ（戦車）を参照。

＜シャーレッド＞：アメリカ海軍駆逐艦。1944年2月4日、護衛駆逐艦フェーアと共に呂39駆逐艦を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜シャーロック＞：K395（コルベット）を参照。

＜シャーロッツビル＞：PF-25（フリゲート）を参照。

＜シャーロット＞：A210（曳船）またはPF-60（フリゲート）を参照。

＜シャーロットタウン＞：FFH339（フリゲート）を参照。

＜シャーロット・マクセク＞：S-102（潜水艦）を参照。

＜ジャイアット＞：DD-712（駆逐艦）またはDE-550（護衛駆逐艦）を参照。

＜シャイアン＞：AH-56A（攻撃ヘリ）またはCL-117（軽巡洋艦）またはSSN-773（潜水艦）を参照。

＜ジャイアント・シャドウ演習＞：Giant Shadow。SSBN-728フロリダが2003年1月にフロリダ沖で実施した、SSGN改装後の敵地攻撃作戦想定演習である。弾道ミサイル発射筒にはMACが仮設され、1月14日と1月16日に実射テストが行われた。他に浅海域での偵察、膨張式筏（SEAL搭乗）の船体上部からの発進、シーホースUUVのMACからの放出などもテストされている。参考：月刊世界の艦船10,’13

＜ジャイアント・スケイル作戦＞：SR-71A戦略偵察機による東南アジア偵察作戦。1968年3月8日から嘉手納基地に展開し、3月21日からベトナム戦争終結まで東南アジア、北朝鮮、中国、ソ連に対する偵察を行った。参考：月刊JWings7,’12

＜ジャイアント・ドラゴン作戦＞：ラッキー・ドラゴン作戦を参照。

＜ジャイアント・バイパー＞：イギリス軍の地雷原突破用導爆索トレーラーGiant Viper。ギリシャ陸軍、タイ陸軍も配備している。参考：月刊軍事研究12,’98、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャイエル＞：K305（フリゲート）を参照。

＜シャイスター＞：R-5（弾道ミサイル）を参照。

＜シャイニング・ブラス計画＞：OP-35（ホーチミンルート急襲作戦）を参照。

＜シャイロー＞：CG-67（巡洋艦）を参照。

＜ジャイロ＞：地球に対して垂直軸、水平軸、進行方向へのロール軸などを安定化させたもので、加速度の計測に用いる。機械的に軸を支持するジャイロでは摩擦により誤差が生じるため、レーザージャイロが開発された。参考：兵器メカニズム図鑑

＜ジャイロ効果＞：回転している物体の軸を傾けても転倒しないこと。椎の実型弾丸など、静不安定な飛翔体を安定飛行させるために応用される。また、働いた力が回転方向に90度ずれて作用するという特徴もあり、単発プロペラ機がヨーイング操作を行うと、ジャイロ効果でプロペラ回転方向に90度ずれて機首のピッチングが生じる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊JWings8,’23

＜ジャイロコンパス＞：転輪羅針儀、gyrocompass。ジャイロが常に一定方向を指す性質を利用したコンパスである。ジャイロの回転軸を水平にした時、地球の自転によって回転軸が変化しない方位が東西となるのを利用し、地磁気に関わらず真北を求めることが可能。ジャイロ回転軸を内側リングに固定し、内側リングを外側リングに回転軸で繋ぎ、外側リングを台に固定する。内側リングに錘を付けて重力により内側リングを常に水平に保つようにすれば、内側リングに固定されたジャイロ回転軸も常に水平になり、ジャイロ回転軸が常に子午線方向を示す。ただしジャイロコンパスが北向き速度や東向き速度を持つ場合には補正が要るし、緯度による修正も入れる必要がある。ジャイロコンパスの情報は電気信号として出力できるので、オートパイロットと連動させることもできる。ただ航空機用としてはジャイロコンパスよりINSの方が便利なので、あまり使われなくなった。参考：図解船の科学、自衛隊装備カタログ1981、航空用語事典増補改訂版

＜ジャイロ式照準器＞：第２次大戦後期に実用化された戦闘機用照準器。光像式照準器にジャイロを組み込んだもので、自機の加速度を計測して射撃修正に必要な見越し角を割り出し、それをビーム・スプリッターに映し出す照準情報に反映させる。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ジャイロダイン＞：Gyrodyne。ヘリコプターにプロペラやジェットエンジンなどの補助推進装置を取り付け、速度性能の改善を図ったもの。揚力はメイン・ローターが担うため、ある程度の速度で回転させておかねばならず、前進側ブレード速度や、前進側・後進側ブレード速度差に起因する問題が残り、前進速度に限界が生じる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジャイロダイン＞：Gyrodyne。シェルバ社（後にフェアリー社に移籍）のベネット主任技術者が開発した回転翼機で、ヘリコプターのテイルローターの代わりとして、右スタブウイング端に推進式プロペラを装着したものである。試作機は1948年12月7日に初飛行、1949年6月に200.04kmの速度記録を立ててイギリス陸軍から６機が発注されたが、1949年4月に事故で墜落してそれ以上の試作はされなかった。参考：月刊JWings8,’11、5,’20

＜シャウプ＞：DDG-86（駆逐艦）を参照。

＜シャウプ＞：デイヴッド・Ｍ・シャウプ。1926年、インディアナ州デボー大学予備役将校訓練課程卒。タラワ上陸作戦に第２海兵師団幕僚として参加したが、上陸第一波の第２海兵連隊長が神経衰弱になったため代理として連隊を率い、自ら重傷を負いながら作戦を成功させて名誉勲章を授与された。1960年、大将に昇任し、1963年まで海兵隊総司令官を務めた。参考：月刊軍事研究4,’16

＜シャウリャ＞：インド海軍が開発中の潜水艦／陸上発射型巡航ミサイルShaurya。発射されると高度40kmまで上昇してから目標に向かう。推進は固体燃料ロケット２段式、最大速度マッハ６、射程740km。アリハント級原潜2-3番艦に搭載されるらしい。参考：月刊軍事研究6,’10、月刊世界の艦船12,’11

＜シャウリャイ＝ムタヴァ作戦＞：第２次大戦時の1944年7月5日にソ連軍第１バルト方面軍が開始した、リトアニア方面攻勢。リトアニア国境から西進してリトアニア西部のシャウリャイを占領し、北に転じてラトビアのリガに南西から迫り、7月末にはラトビアのエルカヴァ前面に到達、ドイツ中央軍集団と北方軍集団の分断を図った。ドイツ軍は中央軍集団第３装甲軍にグロスドイッチュラント装甲擲弾兵師団などを増強して8月16日に東プロシアから反撃、シャウリャイに迫ったが、第５親衛戦車軍に阻止されている。9月17日、第１バルト方面軍の北に配置された第２バルト方面軍と、更に北の第３バルト方面軍がラトビア国境を越えて西に進撃を開始。ドイツ北方軍集団はリガ付近まで後退して防御陣地を構築し、ドイツ中央軍集団との連絡を何とか維持したが、10月5日に第１バルト方面軍がリトアニア西部からバルト海に向け突進、北方・中央軍集団を結ぶ回廊を維持していたドイツ軍部隊はメーメルに閉じ込められ、孤立した北方軍集団はヒトラーがリガを放棄してクールラントに撤退する方針を許可したため10月23日までにクールラントに後退して持久戦に入った。参考：歴史群像4,’18

＜シャウルヤ＞：インド国防研究開発局が開発中のMRBM。全長10m、直径0.74m、発射重量6.2トン、弾頭重量１トン。核弾頭の搭載も可能。飛翔速度マッハ６、最大射程750-1900km。参考：月刊軍事研究1,’11

＜舎営（日本陸軍）＞：宿営の１つ。例え貧弱な住民地でも人馬の給養上露営に勝るので、戦術上及び衛生上問題が無ければ宿営は舎営に依るのが最良である。宿営地が大きい時は、いくつかの舎営区に分ける。戦闘で占領した住民地に準備無く大部隊を舎営させる場合、高級指揮官は速やかに所要戦力で内外の警戒や静粛維持を行い、速やかに舎営地内外の要点、給水、交通、通信、照明などの諸機関を占領管理し、住民の慰撫鎮圧、敗残兵と化学兵器などの捜索、武器の押収、消火や消毒の準備、貯蔵品の監視などを実施する必要があり、この際には敵の詭計に陥らないよう注意する。住民が敵意を有する時は、必要に応じ舎営地防御設備を為し、有力な対空射撃部隊、消毒部隊、対戦車部隊など必要な部隊に厳粛な戦備を保持させ、これら部隊には警急舎営を行わせる。参考：作戦要務令

＜舎営衛兵（日本陸軍）＞：舎営区に１または数個置かれる衛兵。数や兵力は危険度、地形、舎営区の大小などに応じて定められ、諸兵種混合の舎営区では通常歩兵部隊から要員を派出し、喇叭手１名と必要に応じて機関銃などが付属する。舎営日直将校の指揮を受けて舎営区内外を警戒するのが主任務で、担任区域の外囲と内部の要点に単哨・複哨・分哨などを配置し、主力は交通容易な位置に集結、隣接衛兵との連絡を保ちつつ舎営区を直接警戒すると共に、住民の行動を監視し、舎営区内の安寧秩序を維持する。勤務は小哨の要領に準じる。時に舎営司令官が対空監視任務の兼務を命じることがあり、その場合は所要の哨兵に対空監視を兼務させるか、特に対空監視哨を配置する。参考：作戦要務令

＜舎営区（日本陸軍）＞：舎営の際に宿営地が大きい時は、いくつかの舎営区に分ける。また、小さい舎営地が近接している時は、舎営区として一纏めにする。トップは舎営司令官で、舎営区の配宿、内務、警戒に関する事項を統括する。各舎営区に舎営日直将校（大尉。大部隊では佐官）１名と、必要に応じ巡察将校／下士官若干名を置く。舎営日直将校は舎営司令官の命を受け、舎営衛兵、舎営司令官直轄対空監視哨、同対空射撃部隊などを指揮すると共に、内務や警戒に関する舎営司令官の指示を部隊日直将校／下士官に伝え、舎営司令官の業務を補佐する。巡察将校／下士官は舎営司令官の命を受け内務や警戒に関して舎営区内の警視に任ずる。また、各舎営区に１または数個の舎営衛兵を設ける。大隊やこれに準ずる部隊（輜重兵では中隊）は小隊長またはこれに準じる者１名を、独立中隊またはこれに準ずる部隊（輜重兵では小隊）が将校または下士官１名を部隊日直とし、通常部隊衛兵１個を置く。部隊日直を置かない部隊がある場合は、適宜最寄りの部隊日直将校／下士官がその業務を兼務する。部隊日直将校／下士官は所属部隊長の命を受け同部隊の部隊衛兵を指揮すると共に速やかに舎営日直将校に報告し、内務及び警戒に関する指示を受け、これを所属部隊長に報告し、これに基づく部隊長の命令が実行されたかどうかを警視する。各部隊はその内務の実行を容易にするため、必要に応じて衛戌地における要領に準じて日直下士官や日直上等兵を置く。各部隊は配当された地域内に配宿するが、行李は舎営司令官の命で当該部隊の地区外に休宿することがある。参考：作戦要務令

＜シャオコアン＞：553（フリゲート）を参照。

＜シャオシン＞：510（フリゲート）を参照。

＜シャオロン＞：JF-17シリーズ（戦闘機）を参照。

＜遮音タイル＞：無反響タイル、吸音タイルともいう。ゴム系の吸音材で、潜水艦外面に装着することにより騒音とアクティブ・ソナーの反射を軽減し、被発見率を低下させる。水上戦闘艦の船体水線下に適応する例は無く、マスカーやプレーリーを使う。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船12,'21、9,’12増刊

＜ジャガー＞：HM-4（ヘリ）を参照。

＜ジャガー＞：イギリス海軍41型フリゲートJaguar。1959年就役。1978年にバングラデシュ海軍に引き渡され、アリ・ハイデルとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜ジャガー＞：防衛装備庁とイギリス国防省が共同開発する次期戦闘機／テンペスト戦闘機向け試作レーダーJAGUAR（Japan And Great britain Universal Advanced Radio frequency system）。2018年3月から日英共同研究を行った次世代RF（Radio Frequency）センサーシステムの実機版で、航空機搭載用アンテナの設計・製造・試験評価を行うもので、防衛装備庁とイギリス国防省が2022年2月15日に技術実証に関する取り決めに署名した。多数の電波ビームを同時形成するタイプで、ペンシルビーム１本で走査するよりも格段に短い時間で広範囲を捜索でき、逆探知や妨害を受けにくい。2022年4月から５年間で試験評価まで終わらせる予定。参考：朝雲

＜ジャガーズ＞：HSL-60（ヘリコプター飛行隊）を参照。

＜ジャカード＞：DE-355（護衛駆逐艦）を参照。

＜社会主義ムスリム革命組織＞：アブ・ニダル派を参照。

＜射角＞：射線と水平面のなす垂直角。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜シャカル＞：フランス海軍シャカル級駆逐艦Chacal。1926年竣工。1940年5月24日、ダンケルク撤退戦に参加中、ブーローニュ沖でドイツ軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シャカル級＞：フランス海軍駆逐艦Chacal級。巡洋艦の不足を補うために建造された大型駆逐艦で、イタリア駆逐艦を撃破するのが主任務である。船体は船首楼型で、クリッパー型の艦首を持ち、艦尾は水線に向けて傾斜している。機関部は前部の缶室５室と後部の機関室で構成され、シフト配置ではない。煙突は３本で、前部煙突が１缶、中・後部煙突が２缶ずつの排気を担当する。全長126.8m、幅11.4m、吃水4.1m、基準排水量2126トン、満載排水量3050トン。主機は蒸気タービン２基、主缶（蒸気圧力１平方センチあたり18kg、温度215℃）５基、出力50000馬力、２軸推進、最大速力35.5ノットで、34ノットでの連続航行が可能である。航続距離2900海里（16ノット）。兵装は1919年型40口径13cm単装砲（防楯付き）５門（前甲板に２基、後部煙突直後に１基、後部マスト直後に２基）、7.5cm単装高角砲２門、55cm魚雷23DT用３連装発射管２基（中・後部煙突間と後部マスト前方に１基ずつ。）、爆雷投下軌条２条など。当初は36隻を建造する予定だったが、1922年度計画の６隻のみに止まり、ジャグアール、パンテール、レオパール、ランクス、シャカル、ティグールが1926-27年に竣工した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船10,’06、6,’01

＜シャカル級（改装）＞：1930年頃に３番砲と後部魚雷発射管の間にある7.5cm単装高角砲２門を撤去し、13mm４連装機銃２基を搭載。1939年頃、３番砲を撤去。1940年春には13cm砲を10cm連装高角砲に換装する計画があったが、ドイツと戦争に入ったため実施されなかった。レオパールは1940年、ティグールはイタリア降伏後に第１缶と前部煙突を撤去し、燃料搭載量を増加、対空兵装を強化した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜射管員＞：射撃管制員を参照。

＜ジャギュア＞：F34（駆逐艦）またはXF10F（試作戦闘機）を参照。

＜ジャギュア攻撃機シリーズ＞：イギリス空軍・フランス空軍近接航空支援・航空阻止攻撃機Jaguar（動物のジャガー）。1960年代初めからフランスが練習／支援EC/AP（École / Appui）の名称で練習機兼攻撃機の開発を開始し、1964年1月に戦闘練習・戦術支援ECAT（Ecole de Combat et d’Appui Tactique）に改称して継続していたが、同じ頃にイギリスも空軍参謀部目標362（Air Staff Target 362）の名称で練習機兼攻撃機を開発しており、費用節約のため1965年から共同開発したものである。1966年にイギリスBAC社とフランス・ブレゲー社がSEPECATを創設し、1965年1月にECAT向けに採用が決まっていたブレゲー社製Br.121をベースに開発したが、フランス空軍ではミラージュ�W爆撃機の進路を塞ぐレーダー網及び対空火器の制圧を主任務（ECATでの要求性能は低空飛行時最大速度マッハ0.9、航続距離450km）としたのに対し、イギリス空軍では奇襲による敵航空戦力の飛行場での破壊及び北海での対艦攻撃が主任務（AST362での要求性能は最大速度マッハ1.5で可変後退翼案も検討）で、迎撃戦闘機を振り切る飛行性能と不整地滑走路でも運用できるSTOL能力が必要とされたため、胴体を延長してエンジンを強化するなどの改良を加えた。ちなみにイギリスAST362の可変後退翼案の方はダッソー社とのAFVG(Anglo-French Variable Geometru)/GVFA(Géométrie Variable Franco-Anglais)計画になったが後にダッソー社が抜けて没になり、トーネード戦闘機に進んでいる。1968年に初飛行し、1972年からイギリス空軍に203機、フランス空軍に200機が配備され、インド、エクアドル、オマーン、ナイジェリアに輸出もされた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1979、軍事分析湾岸戦争、月刊JWings12,'23、6,’14、11,’14

　＜ジャギュアＡ＞：フランス空軍攻撃機。主翼は肩翼配置の後退翼で、25%翼弦後退角40度、翼厚比5%、下反角３度。ドッグトゥースから外側は前縁スラットで、後縁は全幅に亘るダブルスロッテッド・フラップとなっている。エルロンは無く、スポイラーと水平尾翼の差動でロール操縦を行う。水平尾翼は後退角40度で、下反角付き。垂直尾翼は後退角43度。主輪はダブルタイヤで、前線飛行場での運用を考慮している。燃料系は集合タンク及びエンジンへの供給ラインのみ防弾を施した。燃料タンクはインテグラル式で、両主翼内と胴体内６カ所にある。航法装置はツインジャイロとドップラーレーダー。核戦争の際にはミラージュ�W爆撃機の前路にある対空兵器を粉砕する他、航空阻止やSEAD任務も行える。全長15.52m（ピトー管含まず）、全幅8.96m、全高4.89m、運用自重6.1トン、総重量10.5-14.8トン。エンジンはチュルボメカ製アドーアMk102（ミリタリー推力2.34トン、A/B時推力3.35トン）双発、巡航速度マッハ0.65、最大速度マッハ1.5-1.6、実用上昇限度14000m、戦闘行動半径310海里（機内燃料のみLo-Lo-Lo）／710海里（増槽付きHi-Lo-Hi）。固定武装は30mm機関砲DEFA（150発）２門。ハードポイントは５カ所（胴体下１カ所、両主翼下２カ所ずつ）で、通常爆弾、クラスター爆弾、マーテル対レーダーミサイル、AS-30Lレーザー誘導ミサイル、AN-52核爆弾1-2発など4.54トンを搭載可能で、1200リットル増槽を改造した偵察ポッドも用意されている。主翼上面に赤外線受動誘導式空対空ミサイル用ランチャー１基ずつを装着できる。参考：世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究7,’11、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ジャギュアＧＲ．Ｍｋ１＞：イギリス空軍攻撃機、別名ジャギュアＳ。1969年10月12日に初飛行した。地上支援無しに電波封鎖を行いつつ自力で目標に到達して攻撃する能力を持たせるため、慣性航法装置を採用し、機首にレーザー測距器を装備（機首先端にガラス窓がある）、HUDやレーダー警戒装置（垂直尾翼上部など）を搭載した。全長16.83m（ピトー管含む）／15.52m（ピトー管含まず）、全幅8.96m（8.69m？）、全高4.89m、運用自重6.1トン（７トン？）、総重量10.5-14.8トン、最大着陸重量8.45トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製RB172アドーアMk102（ミリタリー推力2.34トン、A/B時推力3.35トン）双発、巡航速度マッハ0.65、最大速度マッハ1.5-1.6（高度11000m）、実用上昇限度14000m、燃料容量機内4200リットル＋900リットル増槽２個＋1200リットル増槽１個（増槽は1200リットルのみ３個も可能）、戦闘行動半径310海里（機内燃料のみLo-Lo-Lo）／710海里（増槽付きHi-Lo-Hi）。固定武装は30mmアデン砲（150発。50発？）２門。外部兵装搭載量4.5トン。ハードポイントは胴体下１カ所と両主翼下２カ所ずつで、主翼上面に赤外線受動誘導式空対空ミサイル用ランチャー１基ずつを装着可能。EMI社製偵察ポッドを運用できる。乗員１名。参考：世界の軍用機1982、1979、世界航空機年鑑2018-2019、軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究7,’11、月刊JWings9,’12

　＜ジャギュアＧＲ．Ｍｋ１Ａ＞：全長16.893m（機首プローブ含む）、全幅8.69m、全高4.89m、最大離陸重量15.7トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製アドーアMk104（推力35.8kN）双発、最大速度917ノット、実用上昇限度14000m、戦闘行動半径469海里（Hi-Lo-Hi）。参考：月刊JWings12,’06

　＜ジャギュアＧＲ．Ｍｋ３Ａ＞：ヘルメット装着式照準器とASRAAMを運用可能としたもの。ペイブウェイ�U・�V誘導爆弾も搭載でき、赤外線画像・レーザー照準ポッド、ECM、チャフ／フレア・ディスペンサーを装備、計器板をグラス・コクピット化し、HUDを追加した。GPS、地形照合航法装置、NVGも搭載して夜間航法攻撃能力を強化している。エンジンはアドーアMk.106に換装した。参考：月刊航空情報2,’10、月刊JWings12,’06

　＜ジャギュアＭ＞：フランス海軍試作艦上機型。エタンダール�Wの後継として計画されたもので、エンジンレスポンスが遅いため、着艦時にはパーシャルアフターバーナーを使用して補うことにした。１機が製作され、空母クレマンソーで1972年までに200時間の適合試験を行ったが、パーシャルアフターバーナーが不調で、採用されなかった。参考：月刊航空ファン4,’10、月刊JWings12,’23

　＜ジャギュアＳ＞：ジャギュアGR.1を参照。

＜ジャギュア・ファミリー＞

　＜ジャギュアＥ＞：フランス軍複座練習機。機関砲を１門に減らした。参考：世界の軍用機1982、1979

　＜ジャギュアＦＢＷ＞：イギリス軍CCV実験機。デジタル式フライ・バイ・ワイヤを搭載し、制御増強と静安定性緩和を付与している。1981年に初飛行した。参考：日本の防衛戦力Part8

　＜ジャギュアＴ．Ｍｋ２＞：イギリス空軍複座練習機。慣性航法装置と攻撃航法計算機は付いたままである。機関砲は１門。参考：世界の軍用機1982、1979

＜ジャギュア海外シリーズ＞

　＜ジャギュア（インド空軍）＞：インド空軍攻撃機。1978年からジャギュアIMとジャギュアISを導入しており、第１バッチ18機はイギリスから貸与され、第２バッチ40機はジャギュア・インターナショナル仕様をイギリスから輸入し、第３バッチはHALでノックダウン生産を行い、第４バッチ以降はHALでのライセンス生産に切り替えるついでに改良を施したシャムシールに切り替え（第３バッチ以降の機数は計120機）て配備した。うち３分の１を事故で失っている。1990年代半ば以降、ライトニング照準ポッド運用能力追加などの近代化改修を行った。88-125機に対し改良を施すダーリン�V計画があったが、コストパフォーマンスが悪いということで2019年に断念し、代わりにSu-30MKIの配備数を増やすことにした。参考：月刊JWings4,'23、月刊軍事研究6,’11、月刊丸12,’11、月刊航空ファン11,’19

　＜ジャギュア（オマーン空軍）＞：オマーン空軍攻撃機。1977年からジャギュアS/Bを27機導入した。1997年、近代化改修を実施。主翼を改修して延命させる計画もあったが、F-16の配備が進んだので2014年に全機退役した。参考：月刊JWings11,’14、月刊航空ファン1,’15

　＜ジャギュアＩＭ＞：インド空軍対艦攻撃機。機首にアゲブ・レーダーを搭載し、シー・イーグル空対艦ミサイルを運用できる。参考：月刊航空情報2,’10、月刊軍事研究6,’11

＜ジャギュアＩＳ＞：インド空軍攻撃機。高温環境下での運用のためエンジンをアドーアMk804（ミリタリー推力2.39トン、A/B時推力3.63トン）に換えた。戦闘行動半径908km（増槽２本装備時）、フェリー航続距離3500km。固定武装は30mmDEFA機関砲２門。兵装ペイロード4.5トン。参考：世界の軍用機1979、月刊軍事研究6,’11、11,’03

＜ジャギュア・インターナショナル＞：輸出型。エンジンをアドーアMk804（推力3.65トン）またはアドーアMk811（推力4.2トン）に換装している。アゲブ・レーダーを追加すれば空対艦ミサイルを運用可能。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ジャギュア・ダーリン�V＞：インド空軍試作近代化改修型DARIN�V。エンジンをハネウェル製F125IN（F1251N？）に換装し、自動操縦装置を採用、計器板をグラス・コクピット化し、ハープーン空対艦ミサイル運用能力を付与する。2012年に初飛行し、88-125機を改良する計画だったが、コストパフォーマンスが悪いということで2019年に断念された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings4,’23

＜シャムシール＞：インド空軍攻撃機。ジャギュア第４バッチ（HALライセンス生産版）以降で、エンジンをロールスロイス・チュルボメカ製アドーアMk811ターボファンに換装し、インド・イギリス・フランス共同開発のDARIN（ダリン）航法攻撃システムを搭載した。12機はフランス製アガベ・レーダーを搭載しており、シーイーグル空対艦ミサイルを運用できる。参考：月刊JWings4,’23

＜射距離＞：発射原点から目標までの直線距離の水平成分。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ジャグ＞：P-47シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ジャグア＞：フランス陸軍６×６輪装甲戦闘車Jaguar。AMX-10P歩兵戦闘車、ERC-90装甲戦闘車、VAB-HOT自走対戦車ミサイルの後継で、スコーピオン近代化計画に基づき、ネクセター社、ルノー・トラック・ディフェンス社、タレス社が2014年に創設したTBG（Temporary Business Grouping）が2014年末から開発した。２名用の全周旋回砲塔に40mmテレスコープ機関砲CTAI、MBDA製MMP対戦車ミサイル用隠顕式上下２連ランチャー（砲塔右。即応２発＋予備２発）、7.62mm機銃装備遠隔操作銃塔（砲塔左上面）を装備する。ディアマンAPS、狙撃探知装置、レーザー警報、ミサイル警報、広帯域ノイズ・ジャマー、SCIS（Scorpion Combat Information System）戦場ネットワークも搭載する。重量25トン。エンジン出力500馬力、最大速度90km（80km？）、航続距離800km。乗員３名（車長、操縦手、砲手）。2020年から300両（＋オプション48両）を配備する予定だったが、2022年からになり、第１アフリカ猟兵連隊に20両が配備された。ベルギー軍も60両を2025-30年に配備する予定である。参考：月刊軍事研究11,’18、10,’18、11,’17、THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

＜ジャグアール＞：フランス海軍シャカル級駆逐艦Jaguar。1926年竣工。1940年5月23日、ダンケルク撤退作戦でドイツ魚雷艇S21とS23の雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船6,’01、10,’06

＜尺三横鋸＞：日本陸軍の木工器材。参考：工兵入門

＜弱装弾＞：通常のカートリッジよりも発射装薬を減らしたもの。反動が軽くなり、銃器が長持ちする。参考：GUN用語事典

＜ジャクソン＞：LCS-6（沿海戦闘艦）を参照。

＜ジャクソンビル＞：SSN-699（潜水艦）を参照。

＜シャクティ＞：A57（給油艦）またはA57（補給艦）またはL880（揚陸艦）を参照。

＜シャクティ級＞：074型揚陸艦（スリランカ海軍）を参照。

＜シャクト＞：イスラエル国防軍のC2Iシステム端末で、アーモンドの意。スマートフォンと同じ形状をしており、地図、進路、敵味方の位置情報などを表示でき、リアルタイム情報交換が可能。イスラエル国防軍とエルビット・システムズが開発しているデジタルグランドフォースC2システム、軍用移動電話システム、イスラエル国防軍ブロードバンド・クラウドネットワークの端末としても使え、火力支援部隊への目標指示も行える。連続48時間の使用が可能。2019年から配備予定。参考：月間軍事研究7,’18

＜尺取り虫機構＞：トグル・ロックを参照。

＜尺八＞：日本海軍航空隊では吹くと必ず未帰還になるというジンクスがあった。参考：続日本海軍よもやま物語

＜若鷹＞：韓国が開発した空対地巡航ミサイル。射程500km。性能不足だったらしく、タウルス巡航ミサイルの導入を決めている。参考：月刊軍事研究8,’13

＜ジャクる＞：日本海軍用語で、進級が遅れたり、転勤先が気に入らなかったりして、周囲に当たり散らすこと。参考：海軍よもやま物語

＜シャクルトン・シリーズ＞：イギリス空軍４発対潜哨戒機Shackleton。イギリス軍最後の大型レシプロエンジン機で、世界で最も遅くまで現役を務めた大型レシプロエンジン機でもある。アブロ社が開発した。元はリンカーンASR.Mk3という名称でアブロ社が開発していたが、改造が大がかりだったので、この名称に変更された。大元を辿るとランカスターに行き着く古い設計で、乗員からは「密集編隊で飛ぶ１万個の緩んだリベット」などという俗称が付けられている。二重反転プロペラから凄まじい騒音が発生し、乗員は漏れなく高周波難聴になったという。参考：スパイ機、月刊JWings8,’05、月刊航空ファン2,’18

　＜シャクルトンＭＲ．Ｍｋ１＞：初の量産型で、1949年3月9日に初飛行し、1951年に就役した。参考：スパイ機、月刊航空ファン2,’18

　＜シャクルトンＭＲ．Ｍｋ２＞：改良型。参考：スパイ機

　＜シャクルトンＭＲ．Ｍｋ３＞：1969年までにニムロッドと交替して退役した。参考：スパイ機

＜シャクルトン・ファミリー＞

　＜シャクルトンＡＥＷ．Ｍｋ２＞：イギリス空軍空中早期警戒機。1960年代末、低空飛行する航空機を地上レーダーで探知することが難しいことが判明し、空中早期警戒機を製作することになった。このため、退役して保管されていたシャクルトンMR.Mk2を引っ張り出し、海軍航空隊ガネットAEWが装備していたAN/APS-20B（元は1950年代にスカイレーダーAEWが積んでいた）を搭載したのが本機である。垂直尾翼は双尾翼で水平尾翼端に付き、降着装置は尾輪式。機首下面に大型レドームを持ち、機体背面には絶縁ガイシが付けられている。全長26.59m、全幅36.58m、全高5.1m、最大離陸重量49トン。エンジンはロールスロイス社製グリフォン57A液冷Ｖ型12気筒（2455馬力）４基、プロペラは二重反転式（直径4m）、最大速度480km、実用上昇限度6100m、航続距離4665km、航続時間18時間。1971-72年に初飛行し、12機が製造され、第８飛行中隊に配備された。フォークランド紛争時にも現役だったが、空中給油受油能力が無く、参加していない。後継のニムロッドAEWが頓挫したため、E-3が配備されるまで現役に止まり、1991年に退役した。参考：スパイ機、月刊JWings8,’05、月刊航空ファン2,’18

＜ジャケ＞：ベルギー空軍エース、フェルディナント・ジャケ。1917年4月17日、ベルギー空軍第１飛行隊に所属して空中戦での初撃墜を記録した。第１次大戦中に７機を撃墜し、ベルギー空軍初のエースとして第１次大戦空戦殊勲十字章をパイロットで唯一受章している。参考：月刊航空ファン5,’18

＜射撃＞：海上自衛隊の職域。艦艇の機関砲、艦砲、ミサイルランチャーの取扱や整備などを行う。参考：月刊JWings9,’19

＜射撃員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の砲雷科員。艦艇砲熕兵器の運用整備管理が主任務である。参考：MAMOR vol.148

＜射撃監査写真機＞：写真銃（日本陸軍）を参照。

＜射撃管制員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の砲雷科員で、射管員と略す。艦艇用FCSの操作と整備を担当する。参考：MAMOR vol.148、vol.56

＜射撃管制レーダー＞：射撃指揮レーダーを参照。

＜射撃徽章＞：陸上自衛隊の徽章。銃の照星・照門と的をデザインしており、射撃技能検定で陸上幕僚長が定める基準以上の成績を収めた者が付ける。特級の射撃徽章（金）と準特級の射撃徽章（銀）があり、（金）では照星・照門と的の上方の桜が金色になる。参考：MAMOR vol.62、vol.100

＜射撃競技用弾薬（ラプア）＞：自衛隊の火工品。銀座銃砲店製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜射撃指揮訓練装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜射撃訓練装置（携帯型）＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜射撃指揮算定装置＞：FADACを参照。

＜射撃指揮装置２型改造用器材＞：自衛隊の機器で、CIWSに水上射撃機能を付加するための改造器材である。三菱電機製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜射撃指揮レーダー＞：Fire Control Radar、射撃管制レーダーともいう。艦船の砲熕兵器を管制する方位盤と連動し、目標をロックオンする追尾レーダーのこと。ビーム幅は極力狭くして方位分解能を上げ、精密な連続測距を行い、目標を正確に追尾し続ける。測定データは計算機に送られ、目標未来位置の算出に使用される。ロックオンされた方はいわば銃口を突きつけられた状態なので、自衛のため反撃に出る可能性があり、不測の交戦から戦争が始まるきっかけにもなりかねないことから、各種国際規則で不用のアンテナ指向やレーダー波照射が禁じられている。また、電波情報が相手に渡ってECMを作られると、戦時に相手をロックオンできない羽目に陥り、同じレーダーを使用している全艦艇（自国軍だけでなく他国軍も含む）と、その乗員数百名の生命を危険に曝すので、安易な使用は機密漏洩と利敵行為により軍法会議で銃殺刑に処されてもおかしくない行為である。参考：月刊軍事研究5,’13、11,’08、月刊世界の艦船3,’19、4,’17

＜射撃統制＞：Fire Control。射統と略す。目標を正確に照準して効果的な射撃を行うため、火器の発射方向、射撃時間・弾量、弾丸の爆発を制御すること。目標捜索、敵味方識別、目標捕捉・追尾、未来位置修正角算定が基本要素となる。必要な諸元は、敵の針路、速力、距離、上下左右動揺角、自分の針路、速力、空気湿度、温度、地球自転速度、弾種、発射薬の種類・量・温度・経年変化、風向、風速、砲口高さ、砲と照準装置との距離、砲齢などである。単純に敵を測的しても相対的な針路や速力しか分からず誤差が生じるので、自分及び敵の地球表面に対する位置、針路、速力などに変換し、弾道計算を行い、照準点を自分からの相対的な方位角・射角として発砲諸元を算出し直し、火器を指向して発射する。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊世界の艦船4,’17、8,’82増刊、1,’12

＜射撃統制装置＞：Fire Control System、FCSと略す。射撃統制を行う機械装置で、照準器、測距器、弾道データ・センサー（砲耳軸傾斜計、横風センサー、装薬温度計など）、射撃統制用コンピュータ（弾道計算、自動追尾、目標未来位置算出などを行う）、砲制御装置、砲安定化装置などからなる。艦砲の長射程射撃に対応するため、19世紀末には基線長式測距儀（1892年にイギリスのバー＆ストラウド社が基線長1.5mのものを開発）、照準望遠鏡、方位盤が開発され、20世紀初めには単位時間あたりの距離の変化を観測して目標の未来位置を計算する変距率盤（レンジクロックやドゥマリック計算尺など）が完成し、更に相対針路・速力と組み合わせて未来位置を算出する測的盤に発展、各国のド級・超ド級戦艦にそれらや更に発展させた射撃盤（距離苗頭表示器、レート・レゾルバー、レンジ・キーパーなど）が搭載された。1930年代末からレーダーが実用化され、早速射撃統制にも使用されている。第２次大戦後にはコンピュータが導入されると共に、射撃統制に必要な諸元を測定する個々の装置が連接統合され、システムとして運用されるようになって正式にFCSという言葉が誕生した。ミサイルの登場で、砲射撃統制装置GFCSとミサイル射撃統制装置MFCSという分類が出来た。参考：火器弾薬技術ハンドブック、戦車の戦う技術、月刊世界の艦船4,’17、1,’12、12,’15

＜射撃による偵察＞：偵察を参照。

＜射撃盤＞：艦船の砲熕兵器を管制する装置（射撃統制装置）の１つ。発令所やプロッティング・ルームに収容されており、方位盤から照準データ、測距儀から距離データの入力を受け、自分と敵の針路や速力を算出し、弾道計算を行い発砲諸元を求め、各砲へと出力する。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜射撃評価システム＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜射撃評価装置＞：自衛隊の機器。明星電気製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜射撃評価装置（えい航標的機用）＞：自衛隊の機器。エーティーエー製。参考：月刊軍事研究11,’09

＜射撃用電探＞：日本海軍用語で、射撃指揮レーダーのこと。参考：レーダシステムの基礎理論

＜ジャケッテッド・ソフト・ポイント＞：ソフト・ポイント（弾丸）を参照。

＜ジャケッテッド・ブレット＞：鉛などの弾芯に金属製のジャケットを被せた弾丸のこと。銃身内に鉛がこびりつくのを防ぐ役目がある。材質は、銅とニッケル・亜鉛などの合金のことが多い。参考：GUN用語事典

＜ジャケッテッド・ホロー・ポイント＞：ホロー・ポイント（弾丸）を参照。

＜ジャコブ＞：日本海軍用語で、縄ばしごを指す。語源はJacob’s ladder。参考：帝国陸海軍事典

＜ジャコブ・ジョーンズ＞：DD-130（護衛艦）またはDE-130（護衛駆逐艦）を参照。

＜車載型衛星通信器材＞：自衛隊の機器。KDDI製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜車載／機載機関銃＞：自衛隊の火器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜車載機載機関銃用弾薬（試験用）＞：自衛隊の火工品。住商エアロシステムまたは双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究6,’13

＜車載レーダー＞：自動運転、自動停止、車間距離制御、先行車追随などの目的で車両に搭載されるレーダーのこと。近距離を高分解能で捜索するため、ミリ波レーダーが主用されており、遠距離に届かないので他車のレーダーとの干渉も防げる。1960年代初めにアメリカで車両後方監視用として開発されたが、後に前方の車両を検知するためのFM-CWレーダーに変更された。開発当初は10GHz帯の大型レーダーを使っていたが、1970年代に34GHzと50GHzのパルスレーダーがドイツで試作に入っている。ただ実用化に手間取り、市販されたのは1993年の大型車用24GHzレーダーが初で、近距離用車載レーダーとして更に発展した。1990年代後半には76GHzも車載レーダー用国際周波数となり、有効距離200m強の遠距離車載レーダーとして開発が進められ、79GHzの広帯域（帯域4GHz）レーダーも分解能数十cmの高空間分解能車載レーダーとして研究されている。日本では26GHz（Ｋバンド）、60GHz（Ｖバンド）、76GHz（Ｗバンド）、79GHz（Ｗバンド）の周波数帯が使用できる（2016年までは24GHzもあった）。俯仰方向の走査は不要なので、俯仰方向では固定狭ビーム幅とし、高分解能が必要な水平方向の走査にはフェイズド・アレイ方式やデジタル・ビーム・フォーミング方式を使う。前方左右10度ずつ・距離150mくらいの車両を探知して車間距離制御や先行車追随を行う遠距離用レーダーと、方位30度から60度ずつ・距離20-50mくらいの車両や人員などを探知して自動運転や自動停止などを行う近距離用レーダーがある。遠距離用レーダーは解像度1mくらいで十分なため、占有帯域幅500MHz以下と法令で規定されている60GHzまたは76GHz帯を使い、主にFM-CW方式や２周波CW方式で運用する。近距離用レーダーは人間も検知するため解像度0.1-0.2mくらいが必要で、占有帯域幅1GHz以上を取れる26GHzまたは79GHz帯を使い、パルスレーダー、FM-CW方式、ウルトラワイドバンド方式（使用周波数帯域幅4GHz程度）で運用する。また、全周の監視が必要なので、複数を搭載する。多数の目標が入り交じり、路面や建造物などからクラッターやマルチパスが入りまくるので、確実な目標分離が課題となる。車載レーダーが普及するほど、他車搭載レーダーからの干渉波の影響も出てくる。全天候性や目標形状認識能力を互いにカバーするため、光学テレビカメラやレーザーレーダーと併用し、センサーフュージョンで統合表示したりもする。参考：レーダシステムの基礎理論、レーダの基礎

＜射三角＞：無誘導魚雷で攻撃を行う際に計算する射撃諸元のこと。目標の速度（的速）と針路（的針）を測定し、魚雷命中時に予想される目標の未来位置を割り出す。自艦と目標の現在位置を結ぶ線を照準線、自艦と目標の未来位置を結ぶ線を基準線、照準線と基準線がなす角を射角と言い、自艦は照準線上に目標を捉えつつ基準線上に魚雷を発射し、目標に命中させる。ちなみに照準線と的針がなす角度は方位角という。しかし発射後に相手が変針すると未来位置が予想とずれるので命中しないし、各数値には必ず誤差があるので相当近づかないと必中とはならず、命中確率を上昇させるため可能な限り接近する（日本海軍潜水艦では敵艦艦首から50-60度、射距離1500mが理想）と共に、複数の魚雷を少しずつずらして発射することが多い。この命中率の低さを解決するため、多少計算が甘くても誘導装置が補ってくれるホーミング魚雷が開発された。参考：現代の潜水艦、月刊世界の艦船10,’17

＜シャシ１・１／２トントラック（野外通信システムノード車両用）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜シャシ３・１／２トントラック基地防空用地対空誘導弾射撃統制装置＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜シャシ７トントラック（対砲レーダ装置用）＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究3,’16

＜シャシー＞：Chassis。車体下部で動力ユニットやサスペンションを組み付ける部分、フレーム構造をしている自動車のフレーム部分のこと。エンジン、サスペンション、ステアリングなどを固定する部分であり、走行装置を積めばそれ自体で走行することができる。参考：自動車メカニズム図鑑、British and American tanks of World War Two

＜車軸懸架式サスペンション＞：リジッドアクスル式サスペンションを参照。

＜斜射＞：機関銃を上下左右に振りながら連射すること。参考：コンバット・バイブル

＜シャジャハーン＞：D-164（駆逐艦）を参照。

＜射出型ＥＣＭ装置用スクイブ＞：自衛隊の機器。日本工機製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜射出機＞：カタパルトを参照。

＜射出座席＞：Ejection seat。緊急脱出装置の１つ。乗員が飛行機から脱出する際、座席から離れてキャノピーや脱出口を開け自ら飛び出す、としている暇が無いことが多いので、パイロットを座席ごと飛行機から射出してパラシュート降下させるものである。ロールスロイス社を創設したチャールズ・ロールスが複葉機の事故で死亡したのを受け、友人の発明家エヴェラルド・カルスロップが1916年にイギリスで圧縮空気式射出座席の原理を考案して特許を取得したが、実用化には至らなかった。1934年にはイギリスのマーチン・ベイカー社が研究を開始し、火薬式の方が良いという結論を出している。1938年にドイツで実用的なタイプの開発が始まり、1941年3月に初飛行したHe280試作ジェット機が圧縮空気式射出座席を装備してテスト飛行時の事故で初使用され、パイロットを生還させた。1944年にHe219が圧縮空気式射出座席を量産機として初装備したが、パワー不足が問題であった。1946年7月にマーチン・ベイカー社がMk1火薬式射出座席の試験に成功している。他にもスイングアーム式、ロケットカタパルト式、カプセル式などが開発され、最終的にはロケットカタパルト式が残った。ロケットカタパルト式の射出座席では、パイロットが射出スイッチを押すと導爆線から信号が伝達され、ガス発生装置が作動してキャノピーが吹き飛ばされ（キャノピーにMDCケーブルなどでヒビを入れ、座席頂部でキャノピーを割るスルー・キャノピー方式もある）、座席もろともパイロットが空中に射出される。すると座席に組み込まれた加速度計が座席の姿勢を検知し、最適な状態にロケットモーターの作動を制御、十分な高度まで座席ごとパイロットを持ち上げる。安全な状態になってからパイロットと座席が分離され、パラシュートが開いて降下する。射出時の衝撃は20Gに達し、姿勢が悪いと背骨が潰れる。座席内には食料や医薬品、着水時用のゴムボート、緊急用無線機などが収容される。複数の乗員が乗り込む航空機の場合、乗員をカプセルやモジュールで纏めて射出するものもある。参考：火薬のはなし、月刊JWings2,’15、10,’19、10,’03、7,’05、8,’05、5,’08、10,’09別冊付録、ワイルドウエポン、戦闘機のしくみ

＜射出座席訓練装置（航空自衛隊）＞：航空医学実験隊低圧訓練科が装備する器材。T-4練習機の射出座席を模しており、訓練生が座って射出ハンドルを引くと、圧縮空気によりレールに沿って6Gで射出される。加速度は実際の射出座席の半分だが、正しい姿勢を取らないと負傷する恐れがあるため、座席には姿勢センサーがあり、訓練主任がモニター、正しい姿勢を取るまで安全スイッチを押して射出ハンドルが作動しないようにする。射出の様子は高速ビデオカメラに収録され、後でブリーフィングに使う。参考：月刊軍事研究7,’14

＜射出式妨害システム＞：AN/ALE-49（チャフ・フレアディスペンサー）を参照。

＜射場監視装置＞：自衛隊の機器。アイ・エヌ・シー・エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜射場多目的車＞：航空自衛隊の支援車両。メルセデス・ベンツ社のウニモグを採用したもので、空対地射爆撃訓練場での標的整地、訓練弾により発生した林野火災の消火などを行う。全長5.5m、排土板付きで6.85m、全幅2.125m、排土板付きで2.49m、全高2.8-2.97m、車重5.92トン、排土板付きで6.47トン。エンジンは356型直列６気筒ディーゼル（5958cc、136馬力）で、トランスミッションは同期咬合式前進８段・後進８段、最大速度90km、燃料タンク容量160リットル。乗員６名。天ヶ森射爆場に配備された。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊丸3,’13

＜射場保安システム＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究10,’12

＜写真員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊各基地や海上幕僚監部の広報室などに配置され、広報用の写真や映像、隊員の身分証明写真などを撮影編集印刷する。教育課程は第３術科学校での海曹士専修科写真課程などがある。参考：MAMOR vol.104

＜写真員（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の通信科隊員で、広報や資料などに必要な写真や動画を撮影編集印刷する。教育課程は通信学校の初級陸曹特技課程「写真」など。参考：MAMOR vol.104

＜写真銃＞：Camera gun。軍用機の機銃代わりに取り付けるカメラで、訓練時に標的機を射撃するタイミングで写真を撮影、命中判定に使用する。形状まで機銃に似せたものもあれば、普通のカメラに流線型カバーを付けただけのものもある。１枚だけだと適切なリードを取って射撃したのか照準が外れているのか見分けが付かないので、連写できるものや、活動写真を撮れるものもあった。第１次大戦時には早くも登場しており、戦後に普及した。参考：月刊航空ファン3,’20

　＜写真銃（日本海軍）＞：大正10-12年に招いたセンピル教育団がCamera Gun 12を携行した。また、海軍艦政本部要員がイギリスに出張した際にハイス（Hythe）社製写真銃の設計図を手に入れ、これをベースに一五式写真銃を製作、昭和2年に採用した。昭和6年、活動写真が撮れる八九式活動写真銃を採用。参考：月刊航空ファン3,’20

　＜写真銃（日本陸軍）＞：日本陸軍の書類では大正9年に銃型写真機という名称が見られ、連写可能なものは自動銃型写真機と称し、昭和4-5年に射撃監査写真機／自動射撃監査写真機に改称した。この頃にハイス型やルバロア型を採用したとみられる。写真機に照準環を描いたフィルターを挿入することでフィルムにクロスヘアと分画環を写し込み、撮影した標的機のミル角を測定、実際の大きさと比較して射距離を割り出す。これを元に、機銃弾が射距離に達するまでの時間が計算できるので、標的機の速度を掛ければ、機銃弾が射距離に達するまでに標的機が移動する距離が算出できる。また、標的機の写り具合から相対位置角を判定する簡易表が用意されており、これにより射撃時の機体位置が分かる。写真機ごとに命中効力圏（ルバロア固定式ならクロスヘア中心から直径1mm、ルバロア回転式なら1.5mm、ハイス固定式なら2mm、ハイス回転式なら2.5mm）が指定されており、判定・算出した射撃時の機体位置と標的機移動距離による補正分だけ命中効力圏をスライドした所が予想着弾点となり、命中判定や効果判定に使う。ただし写真１枚だと自機や標的機が一定速度で直進している仮定での補正しかできないので、活動写真形式の写真銃を使うことになった。九五式戦闘機には九三式固定式射撃監査写真機も搭載したようだが、どんな写真銃だったのかは不明。その後、活動写真形式の一式固定式射撃監査写真機を採用している。参考：月刊航空ファン3,’20

＜写真偵察（航空偵察）＞：軍用航空カメラにより目標地域を撮影し、写真判読して偵察を行うもの。敵情を探る他、地図や地誌資料を作成するために実施することもある。真下を撮影する垂直カメラ、斜め方向を撮影する斜めカメラ（水平線を入れるのは高斜写真、入れないのは低斜写真と称する）が基本で、低空撮影用垂直カメラと斜めカメラを合わせたダイシング（Dicing）写真、垂直双眼のソン（Sonne）写真、垂直カメラと斜めカメラ２基により左水平線から右水平線まで一気に撮影するトライメトロゴン（Trimetrogon）写真、１台のカメラで回転ミラーを併用して全周を一気に撮影するパノラミック（Panoramic）写真などがある。航空機には4-5台以上のカメラを積む必要があり、安定化装置、可動マウント、特殊ファインダー、撮影制御コンピュータ、精密航法装置などを加えると、かなり機内スペースを圧迫する。敵防空網を突破するため、高度70-300mを飛行しながら撮影することが多く、低高度用には特殊な広角レンズを使い、高度15000m以上でも撮影できるよう、各種焦点深度のレンズを用意する。夜間の写真偵察ではフラッシュ弾（照明時間1000分の１秒から10000分の３秒）を使うが、連続撮影が難しい。明瞭な写真を得るためには対象地域を一定速度で水平飛行する必要があり、敵の攻撃に脆弱という欠点がある。また、雲などの悪天候に弱い。同一地域を２航過するとほぼ撃ち落とされるので、撮影は一発勝負である。参考：空軍、月刊航空ファン6,’16

　＜写真偵察（航空偵察、日本陸軍）＞：正確な情報が得られ、地図作成に活かせる上に地図の代わりにもなり、価値は高いが、広範囲をカバーするのが難しいので、作戦上重要な地域に限って撮影する。写真捜索の下命にあたっては、捜索目的、撮影地域または撮影目標、提出時期、部数、必要なら写真の種類、梯尺などを明示する。垂直写真は地図的な価値を持ち、斜め写真は目標や地形、特に高低起伏の観察に便利である。同一目標または地域を違う時期に前後数回撮影して比較すると、状況変化や敵の企図などを判断しやすい。空中写真は双眼写真として利用すると有利である。写真捜索を命じられた部隊は、写真を完成させる前に主要事項を命令者に報告するのが緊要である。広範囲の写真捜索は軍司令官が統一して実施する。参考：作戦要務令

＜シャスタ＞：AE-6（級兵艦）またはT-AE-33（給兵艦）を参照。

＜ジャスティス＞：シンガポール海軍インディペンデンス級哨戒艦４番艦Justice。2017年3月進水。参考：月刊世界の艦船2,’18

＜ジャスト・コーズ作戦＞：アメリカ軍のパナマ侵攻作戦Just Cause。パナマはコスタリカとコロンビアに挟まれた面積77082平方キロメートル、人口227万人の小国で、パナマ運河が通っており、アメリカにとっては戦略的に重要な地域である。1981年7月31日、クーデターで政権を握っていたパナマのトリホス将軍が飛行機事故で死亡。アメリカのCIA及びDIAと密接な関係にあったパナマ情報機関司令官のノリエガ将軍が実権を握った。しかし1985年頃からアメリカとの関係が悪化。アメリカ大統領補佐官がノリエガ将軍にニカラグアの反政府ゲリラであるコントラをパナマ国内で訓練させるよう要請したが、ノリエガ将軍は拒否した。また、パナマ運河条約の再検討を拒否したともいわれる。更にキューバと接近するなど反米色を強めたため、1988年2月にはフロリダ州マイアミ連邦大陪審がコロンビアのメデシン・カルテルと結託して麻薬密売に関与した罪でノリエガ将軍を起訴する事態に発展、関係悪化は決定的となった。当時、パナマにはアメリカ南方軍の大部分が駐留しており、陸軍は第193歩兵旅団や第７特殊部隊群第３大隊など、空軍はA-7、OA-37、C-130などを装備する１個航空師団や特殊部隊分遣隊１個、海軍は第26特殊ボート隊及び第８特殊作戦隊（SEAL部隊）を配置していた。1989年5月、パナマの大統領選挙でノリエガ派と親米派がどちらも勝利宣言を行って国内が大混乱したため、アメリカ軍は1900名を増派。10月3日、パナマ国防軍将校がクーデターを起こしたが、鎮圧された。12月15日、ノリエガ将軍がアメリカとの戦争状態を宣言、12月16日、パナマ市内でアメリカ軍兵士１名がパナマ国防軍兵士に射殺された。これを受け、アメリカ東部時間12月20日0100（日本時間12月20日1500）、ジョージ・ブッシュ大統領の命により、パナマ侵攻作戦「ジャスト・コーズ」を開始。表向きはパナマ在住の米国民の保護、パナマ民主活動支援、運河の安全確保、ノリエガ将軍の逮捕が目的であったが、実際はCIAの手先の筈のノリエガ将軍が云う事を聞かなくなったので、国防軍ごと叩き潰す、ということであった。参加兵力はパナマ駐留米軍13000名と、アメリカから増派された9500名で、タスクフォース・アトランティック（第82空挺部隊、第７軽歩兵師団）、タスクフォース・センパー・フィデリス（海兵隊、軽装甲歩兵中隊）、タスクフォース・レッド、タスクフォース・バヨネット（第193旅団など）の４グループに分かれて作戦を実施した。手順は、まず第75レンジャー連隊が飛行場３カ所（トクメン軍飛行場、トリホス国際空港、リオ・ハト空港）を空挺強襲して占領し、バヨネット支隊がノリエガ派司令部を攻撃してパナマ市を占領、アトランティック支隊が市の北部（東部？）の送電所と刑務所を制圧、センパー・フィデリス支隊が市の西部（アメリカ橋及びハワード米空軍基地周辺）を制圧する、というものだった。また、作戦開始２日前から、20名のSEALがノリエガ将軍の逃亡を防ぐため将軍専用のパイティラ飛行場に展開した。地上支援火力としてF-117ステルス攻撃機、AC-130Hスペクター、AH-64Aアパッチを投入し、地上火力としてM551シェリダンを空挺投下している。12月22日、アメリカは2000名を増派。12月24日、ノリエガ将軍はバチカン大使館に逃げたが、独裁政権と軍組織は解体された。ノリエガ将軍も1990年1月3日に逮捕され、麻薬密輸やマネーロンダリングなどで懲役40年の刑が下されてマイアミの連邦刑務所で服役中である。アメリカ軍は死者23名、負傷者330名、パナマ国防軍は死者29名、負傷者129名、捕虜4640名の損害を出し、爆撃の巻き添えで4000人以上の市民が死亡、5000-13000人が難民となった。参考：月刊軍事研究11,’03、歴史群像6,’02、月刊丸3,’90

＜ジャスミン＞：K23（コルベット）を参照。

＜ジャスミン革命＞：チュニジア革命またはそれを含めた一連の中東の民主化運動のこと。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ジャセグァイ＞：ブラジル海軍インハウマ級コルベットJaceguai。1991年4月2日就役。2019年9月18日に退役した。参考：月刊世界の艦船9,’19

＜射線＞：発射直前の砲身軸の延長線。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜車体銃＞：戦車や装甲兵員輸送車の車体前面に固定装備する機関銃のこと。1950年代あたりまで付けられていたが、射界が狭い、防御上の弱点になる、NBC防護が困難、車内スペースを圧迫するなどの欠点があり、廃れた。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜車体幅除去レーキ＞：FWMP（地雷処理器材）を参照。

＜射弾散布＞：火砲の発射諸元を一定にして射撃を行った際の、弾着位置のばらつきのこと。弾薬の製造公算誤差や、気象条件などで生じ、一般には標準偏差で表す。射撃試験により標本を得て母集団の射弾散布を推定する。この際、射撃試験で生じた不規弾を除く棄却検定を行う。参考：朝雲

＜射弾評価用器材＞：自衛隊の機器。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究7,’16

＜シャチ級＞：インド海軍哨戒艦Shachi級。サリュー級の改良型である。全長105m、最大幅14.5m、満載排水量2300トン。５隻を配備予定で、1-2番艦は2017年7月に進水した。参考：月刊世界の艦船5,’18

＜車長＞：コマンダー。車両を指揮する兵士。受けた命令に基づいて他の乗員に指示を出し、走行中は進路の監視を行い、戦闘中には全周を見張り、上級指揮官に報告を行い、攻撃目標を選定し、使用武器と弾種を決定して攻撃を命令し、被弾や故障の際は緊急行動を命じる。有能な戦闘車両車長は自ら下車偵察に精を出すという。顔を出して周囲を視察する際にレーザー測距器やレーザー照準装置の照射を浴びることも多いため、サングラスやレーザー防護用ゴーグルは必需品である。参考：月刊JWings1,’03、月刊軍事研究8,’07、2,’09、月刊アーマーモデリング1,’13

＜ジャッカル＞：F22（駆逐艦）を参照。

＜ジャッカル＞：南アフリカのアームスコー社が開発した、空挺部隊用ミニ・ジープ。車体はグラスファイバー製で、積載量350kgの牽引用トレーラーと共に運用される。C-130に10セット搭載可能。全長2.41m、全幅1.21m、全高1.23m。エンジンはガソリン（63馬力）、航続距離200km。参考：月刊PANZER7,’00

＜ジャッカル１＞：HMT400特殊作戦車両ファミリーを参照。

＜ジャッカル２＞：HMT400特殊作戦車両ファミリーを参照。

＜ジャッキングアダプタ及びスリングキット＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ジャッキングスリングアダプタ及びスリングキット＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ジャック＞：SS-259（ガトー級潜水艦）またはSSN-605（スレッシャー級原潜）または雷電シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ジャック・Ｃ・ロビンソン＞：APD-72（高速輸送艦）またはDE-671（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジャック・Ｈ・ルーカス＞：DDG-125（駆逐艦）を参照。

＜ジャック・Ｗ・ウィルク＞：DE-800（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジャック・ウィリアムス＞：FFG-24（フリゲート）を参照。

＜ジャック・オブ・オールトレード＞：駆逐艦を参照。

＜ジャック・シュヴァリエ＞：A725（補給艦）を参照。

＜ジャック・シュヴァリエ級＞：フランス海軍補給艦Jacques Chevallier級、計画名BRF（Bâtiment Ravitailleur de Forces）。イタリア海軍ブルカーノ級補給艦がベースで、フランスのネイヴァル・グループ及びアトランティーク造船所に加えてイタリアのフィンカンティエーリも前部船殻セクションの建造に参画しており、艦首を直立型にするなどの細部変更を加えた。船首楼にクレーン１基、艦中央両舷に補給ポスト２基ずつを備える。全長194m、幅27.6m、満載排水量31000トン。主機はCODAE方式、ディーゼル２基＋発電機２基、出力36207馬力、速力20ノット。液体（燃料・清水など）13000キロリットル、ドライカーゴ1500トンを搭載可能。兵装は40mm単装機関砲２門。ヘリ１機を搭載可能。乗員130名＋便乗者用居住区60名分。４隻を建造予定で、１番艦A725ジャック・シュヴァリエは2023年7月18日に就役した。２番艦ジャック・ストスコフ（Jacques Stosskopf）は2022年2月1日にファースト・スチール・カットが行われ、12月6日に前部船殻ブロックの建造を開始している。参考：月刊世界の艦船9,'23、8,’20、5,’21、3,’22、5,’22、7,’22、3,’23、10,'23

＜ジャック・ストーレイ＞：ストーレイ（オーストラリア空軍エース）を参照。

＜ジャック・ストローイング＞：バード・ネスティングを参照。

＜ジャック・ミラー＞：DE-410（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジャック・ラマス中尉＞：T-AK-3011（輸送船）を参照。

＜ジャッジメント作戦＞：第２次大戦中の1940年11月11日にイギリス軍が実施した、艦上機によるタラント空襲作戦。北アフリカ戦に必要な戦力や物資をイギリスから輸送するには地中海の制海権を得る必要があるため、イタリア最大の軍港であるタラント港を空襲し、イタリア海軍主力艦隊を撃滅することにした。当初は空母87イラストリアスと94イーグルが参加する予定だったが、イーグルが故障したため、イラストリアスのみで行っている。使用機はソードフィッシュ艦攻で、航続距離を延伸するため機銃手席を潰して仮設の燃料タンクを積んだ。1940年11月11日2035、タラント軍港南東180海里からソードフィッシュ第一波３個中隊12機が発艦を開始。2125、ソードフィッシュ第二波４個中隊９機（８機？）が発艦を開始し、タラントに向かった。途中で１機がはぐれて軍港に先着し、後続機を待って軍港上空で待機してしまったため、奇襲には失敗、阻塞気球27個に加えて高射砲200門による迎撃を受けたが、2300前に照明弾を投下して停泊するイタリア艦隊を雷撃し、戦艦リットリオ、カイオ・デュイリオ、コンテ・ディ・カブールを大破着底させた。重巡トレントと駆逐艦リベッチオには爆弾１発ずつが命中したが、どちらも不発に終わっている。ソードフィッシュの損害は２機で、２名が戦死、２名が捕虜になった。参考：月刊世界の艦船3,’18、9,’19、1,’12、月刊JWings7’12

＜シャッタレア＞：AMS-40（掃海艇）を参照。

＜シャッドウェル＞：アメリカ海軍上陸舟艇母船。1945年1月24日、フィリピン付近で空襲を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜射程＞：Range。発射原点から落点に至る水平直線距離、兵器が到達可能な水平距離。有効射程や最大射程がある。正確な値を発表する軍隊はまず存在しないので、大半は推定になる。また、対空ミサイルの場合、目標との位置関係、飛翔速度、相対しているか追尾しているか、回避機動の有無などにより大きく変化するので、参考程度である。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究12,’09、月刊航空情報11,’09、月刊JWings10,’09別冊付録

＜射程距離＞：「程」に「距離」という意味が含まれるので、重言である。参考：月刊軍事研究3,’09

＜シャディノータ＞：F111（コルベット）を参照。

＜シャディノータ級＞：056型コルベット（バングラデシュ海軍）を参照。

＜ジャティマティックＧＧ９５＞：フィンランド陸軍サブマシンガン。スオミ短機関銃がベースである。全長375mm、本体重量1.6kg。20発入り箱形弾倉を使用する。1997年から配備された。参考：月刊軍事研究4,’97

＜シャド＞：SS-235（潜水艦）を参照。

＜シャドウェル＞：LSD-15（ドック型揚陸艦）を参照。

＜射統装置＞：射撃統制装置を参照。

＜シャドー＞：アメリカ海兵隊が開発中の野戦偵察車両。HMMWVの後継である。車体はアルミ合金製で、追加装甲を貼り付けて防御力を確保した。サスペンションは油気圧式で、地上クリアランスを100mmまで下げることができ、輸送機への搭載時や停止しての隠密行動時に便利である。車体後部に長さ3mの伸縮式ポールマストを持ち、先端に偵察器材を収容する。ハイブリッド走行が可能で、車輪のハブに永久磁石モーターが組み込まれている。全長5.45m、全幅2m、戦闘重量3.72トン。エンジンはハイブリッド・ディーゼル、出力138馬力（ディーゼル）／110kW（発電機）、最大速度112km、燃料95リットル、航続距離758km（時速50km）。リチウムイオンバッテリーによるモーター走行では時速32km・航続距離32kmの消音走行が可能である。ペイロード1.36トン。乗員４名。2002年に試作車４両が完成してテストされた。参考：月刊軍事研究11,’06、3,’08

＜シャドー２００＞：RQ-7シリーズ（無人機）を参照。

＜シャドー６００＞：RQ-7海外シリーズ（無人機）を参照。

＜シャドーＲ．１＞：イギリス軍の情報収集・捜索・目標捕捉・偵察（ISTAR）機Shadow R1。ビーチ社製キングエア350の胴体下面にカヌー型レドームを配置し、電子光学センサーと合成開口レーダーを搭載している。レイセオン社が開発し、2008年11月に初飛行した。イラクやアフガニスタンに展開する予定。2015年現在、６機が配備されている。参考：月刊JWings3,’09、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャドー・ゾーン＞：不感帯。海水の温度や密度、潮流などにより生じる、音波の伝わらない範囲のこと。外からシャドー・ゾーンに向けて音波を発しても届かず、シャドー・ゾーンから発せられる音をゾーン外で探知することもできない。例えば水温がある深さで急激に低下すると、その深さまでは深度と共に水圧が上昇して音速が増加するが、それより深いところでは水圧上昇の影響を温度低下の影響が上回り深度と共に音速が減少するため、その深さより上では海表面から発せられた音波が上向きに屈折し、下では下向きに屈折する。海表からの音波は、水温変化層への入射角が浅い近距離では海底に向かうが、ある程度遠距離になると全て上向きに屈折して海表に向かい、水温変化層より下には届かなくなってしまう。海水温は深度50-200mくらいまではかなり少しずつ下がり、それより深くなると急激に低下（躍層という）、もっと深くなると極めて少しずつ下がり、深度2000m以下では2-4℃くらいで一定となることが判明しており、潜航深度が躍層より深い潜水艦なら躍層を利用してシャドーゾーンに潜むことができる。ここに潜水艦が潜むと水上艦のソナーでは探知できないので、VDSやTASSをシャドー・ゾーン内に投入してカバーする。参考：月刊世界の艦船6,’18、艦船メカニズム図鑑、ザ・マーチ39号

＜シャドーホークス＞：VAQ-141（電子戦飛行隊）を参照。

＜シャトールノー＞：フランス海軍シャトールノー級防護巡洋艦Chateaurenault。公試時、速力18-21ノットで航行したところ、船体振動が発生した。1902年9月竣工。1917年12月14日、イオニア海でオーストリア潜水艦UC38の雷撃を受け、魚雷２本を被雷して沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’09

＜シャトールノー＞：フランス海軍ド・グラース級二等巡洋艦Chateaurenault。建造中止になった。参考：近代巡洋艦史

＜シャトールノー＞：フランス海軍軽巡洋艦Châteaurenault。元はイタリア海軍カピタニ・ロマニ級軽巡洋艦アッティリオ・レゴロで、戦時賠償艦として1948年に引き渡された。1962年に退役した。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜シャトールノー級＞：フランス海軍防護巡洋艦Chateaurenault級。主任務は通商破壊戦である。垂線間長140m、常備排水量8200トン。主機はレシプロ蒸気機関３基３軸24000馬力、速力23ノット。兵装は16.4cm単装砲２門、13.9cm単装砲６門、47mm単装砲12門、37mm単装砲３門。シャトールノーが1902年に竣工した。参考：月刊世界の艦船4,’09

＜シャドズ＞：ハトフ２（弾道ミサイル）を参照。

＜シャドック＞：P5（対地ミサイル）またはP35 （艦対艦ミサイル）またはSSC-1a（地対艦ミサイルシステム）を参照。

＜シャノン＞：アメリカ海軍敷設駆逐艦。昭和20年4月29日、沖縄方面で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜シャバ＞：F-117（爆撃機）を参照。

＜娑婆＞：日本陸海軍用語で、一般社会のこと。陸軍用語の地方に同じ。新兵がだらけた態度を取っていると、娑婆気満々と怒鳴られて殴られる。参考：帝国陸海軍事典、海軍兵学校よもやま物語

＜シャハド・シリーズ＞：イランが開発中の軽ヘリコプター。イランのシャハド・アビエーション・インダストリーズ・リサーチ・セントラルが設計している。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜シャハド２７８＞：2007年現在３機が製作されており、更に５機を生産予定。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜ＯＨ−７８＞：武装ヘリコプター型。初号機はシャハド278の２号機からの改造で、2005年に初飛行した。FLIR及びテレビカメラを搭載し、機首下に7.62mm機銃を、パイロンに2.75インチロケット弾ポッドM158/LAU-68を装備する。エンジンはロールスロイス製250-C20Bターボシャフト単発。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜シャハド４７８＞：シャハド278の拡大改良型。エンジンをロールスロイス製350-C30R（650馬力）または更に強力なカナダ製のものに変更し、長さ10.67mの４翅ローターを装備する。全備重量2.04トン。ペイロード１トン以上。ナザール空対艦ミサイルを運用可能。参考：月刊軍事研究11,’07

＜シャハブ１＞：スカッド海外シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜シャハブ２＞：スカッド海外シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜シャハブ３シリーズ＞：イラン革命防衛隊空軍の弾道ミサイルShahab-3。参考：月刊軍事研究3,’03、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャハブ３＞：ノドン１号をベースに1993年から開発した。全長16.58m、直径1.38m、発射重量17トン。弾頭重量1.2トン（0.8トン？）。推進は１段式液体ロケット、射程400-1300km。慣性誘導式、CEP2-2.5km。2001年から生産された。参考：月刊軍事研究3,’03、11,’11、4,’04、5,’05

＜シャハブ３Ａ＞：シャハブ３の改良型で、2002年に登場した。弾頭を細く尖った分離型に変更し、弾頭重量を減らして最大射程を延伸、誘導能力を改善している。全長17.58m、弾頭重量0.8トン（0.5トン？）。最大射程1500-1800km。CEP1km。参考：月刊軍事研究11,’11、4,’07

＜シャハブ３Ｂ＞：シャハブ3Aの射程延伸型で、2004年8月に存在が明らかとなった。R-12弾道ミサイルの技術が流用されているという説もある。最大射程2000-2500km。CEP2.5-3.5km。2008年7月9日に試射成功を写真と共に報じたが、実際には失敗だったようで、アメリカのメディアに写真の修正を指摘されてしまった。参考：月刊軍事研究4,’07、9,’08

＜シャハブ４＞：イラン軍MRBM。テポドン１号がベースである。推進は２段式液体ロケット、射程2500km。慣性誘導式。2000年頃から配備されているらしい。参考：月刊軍事研究3,’03

＜シャハブ５＞：イラン軍ICBM。テポドン２号がベースである。推進は２段式液体ロケット、射程6400km。慣性誘導式。2003年現在、まだ配備されていないらしい。参考：月刊軍事研究3,’03

＜シャバブ・オマーン＞：オマーン海軍帆走練習艦Shabab Oman。満載排水量392トン。1979年就役。2013年7月4日から8月6日、ザ・トール・シップ・レース2013に参加。参考：月刊世界の艦船12,’13、4,’14

＜シャバブ・オマーン２＞：オマーン海軍帆走練習艦Shabab Oman 2。先代シャバブ・オマーンの後継で、ルーマニアで建造され、進水後にオランダのダーメン・シェルデ造船所で最終艤装を行い、2014年9月12日にオマーン海軍に引き渡され、同年に就役した。全長84.7m、総トン数750トン。帆装は３檣シップ型で、補機としてディーゼル１基を搭載する。乗員24名＋訓練生34名。2021年10月31日、アラビア海でイギリス海軍空母R08クイーン・エリザベスと共同訓練を実施。参考：月刊世界の艦船12,’14、4,’14

＜シャハブ・サケブ＞：イラン空軍地対空ミサイルShahab Thaqeb。上部にコンテナ化ミサイル４発を載せた高脚砲架を４輪トレーラーに積んでいる。ミサイルは２連装式のもの２基で構成され、その間にミサイル追跡レーダーと電子光学装置を持つ。トレーラーは統合動力供給装置を持ち、安定用の油圧ジャッキも備える。ミサイル再装填はトラックに搭載したクレーンにより手動で行う。ミサイル発射トレーラー２基を、１基のエリコン・コントラヴェス製スカイガード・トレーラー搭載全天候レーダー射撃管制システムでコントロールし、同時に３目標と交戦できる。システムのリアクションタイムは5-6秒。ミサイルは無線指令誘導式で、全長2.9m、直径0.154m、発射重量84kg、弾頭重量13.5kg。推進は単段固体燃料ロケットモーターで、最大速度マッハ2.2。有効射程12km、最大高度5.5km。信管は赤外線近接式。参考：月刊軍事研究12,’02、月刊PANZER11,’02

＜蛇腹鉄条網＞：ダナートを参照。

＜ジャパンエアロスペース＞：国際航空宇宙展を参照。

＜斜盤機関＞：レシプロエンジンの往復運動を斜盤により回転運動に変換する機関。斜盤アキシアルピストン型油圧モーターの作動油を燃焼ガスに代えたバージョンである。回転軸に対して斜めに傾けた円盤（斜盤）にピストンを円周上に置き、同じく円周上にシリンダを配置した円柱状（蓮根状）のシリンダバレルで覆ってある。上死点のあたりでシリンダ内に燃焼ガスを発生させ、ピストンを押してやると、斜盤を滑り落ちようとするピストンがシリンダバレルを回転方向に押し、シリンダバレルが回転するので、シリンダバレルに出力軸を繋げてやれば、回転運動が取り出せる。ピストンはシリンダバレルと一緒に回転し、斜盤の傾斜に沿って往復運動を行うので、下死点を過ぎて戻ってくるところで排気できる。ピストンを長軸方向に並べるので、直径が小さくて済み、細長い魚雷に向いている。Mk48魚雷や89式・18式魚雷などの場合、シリンダバレル外の燃焼室でオットー燃料�Uを燃焼させ、燃焼ガスをシリンダバレル頂部のロータリー分配弁（出力軸と結合されていて同期回転する）にある孔からシリンダ内に導いてピストンを斜盤側に押しつけ、シリンダバレル（とそれに繋がるプロペラシャフト）を回転させている。排気はシリンダバレル頂部の孔から排出され、プロペラシャフト内の排気路を通ってシャフト後端の排気口から水中に出て行く。参考：防衛庁規格水中武器用語NDS Y0041、トコトンやさしい油圧の本

＜シャパンテ＞：MB326海外シリーズ（練習機）を参照。

＜ジャパンマリンユナイテッド＞：ユニバーサル造船とアイ・エイチ・アイマリンユナイテッドが統合した株式会社で、JMUと略す。2013年1月1日に発足した。2019年11月29日、今治造船と資本・業務提携についての基本合意書を締結した。参考：月刊軍事研究3,’13、月刊世界の艦船2,’20

＜ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所＞：2013年1月1日、ユニバーサル造船舞鶴事業所から改称された。参考：JShips VOL.70

＜ジャパンマリンユナイテッド横浜磯子工場＞：2013年1月1日、IHIマリンユナイテッド横浜工場から改称された。参考：JShips VOL.70

＜ジャパンマリンユナイテッド横浜事業所鶴見工場＞：2013年1月1日、ユニバーサル造船京浜事業所から改称された。参考：JShips VOL.70

＜シャヒード・アリ＞：モルディブ海軍哨戒艇Shaheed Ali。2019年7月22日、モルディブ東方海空域で、海自第２航空群第２航空隊P-3C哨戒機１機との親善訓練（捜索救難、通信）に参加。参考：月刊世界の艦船10,’19

＜シャヒード・アル・サドル＞：ダワ党の軍事部門「殉教者サドル部隊」。地下工作活動を主に行っている。フセイン暗殺を７回にわたり試みた他、1981年にはベイルートのイラク大使館に自爆テロを仕掛け、1982年にヒズボラの創設に関与。1983年にはクウェートの米仏大使館爆破テロを行った。参考：月刊軍事研究4,’05

＜シャヒーン＞：イランが開発した防空システムで、鷹の意。ロシアからS-300を導入できなかったため、S-200の改良で間に合わせたものらしい。2010年11月の演習で初公開された。参考：月刊軍事研究6,’11

＜シャヒーン＞：パキスタンが採用した中国製東風11で、ハトフ３とも呼ばれる。弾頭重量500kg、射程300kmで、国境からニューデリーに届く。参考：月刊航空ファン9,’02

＜シャヒーン１＞：パキスタン軍短距離弾道ミサイルShaheen（国王の白ハヤブサ）、別名ハトフ�W（Hatf-4）。中国製東風11弾道ミサイルの拡大型（東風15そのものという説も）とされ、スカッド運搬用トレーラーに似たTELに搭載される。全長9.1m、直径1m、発射重量6.2トン、弾頭重量１トン（0.5トン？）。核弾頭を搭載可能とされる。射程600km（800km？）。1993年に導入し、1999年4月15日に試射を実施、2003年3月6日に公式受領して戦略軍コマンドに配備した。参考：月刊軍事研究6,’03、6,’05、月刊PANZER5,’03、月刊航空ファン9,’02、7,’99、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャヒーン�T＞：イラン陸軍牽引式３連装333mmロケットランチャーShahin-1。射程13km。参考：月刊軍事研究4,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャヒーン１Ａ＞：パキスタン軍弾道ミサイル。2015年12月11日に試射を行った。参考：月刊JWings3,’16

＜シャヒーン２＞：パキスタン軍準中距離弾道ミサイルShaheen-2、別名ハトフ６（Hatf-6）。2001年3月（2000年3月23日？）の軍事パレードで公開された。中国が輸出用に開発したM18弾道ミサイルと同じものである。射程2000-2400km（インドほぼ全土に届く）。12輪の大型TELに搭載される。参考：月刊航空ファン9,’02、月刊軍事研究6,’05、8,’02、10,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャヒーン�U＞：イラン陸軍牽引式３連装333mmロケットランチャーShahin-2。射程20km。参考：月刊軍事研究4,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャヒーン�U＞：イラン軍空対地ロケット弾。シャヒーン�T地対地ロケットの空中発射型である。全長3.9m、直径0.333m、翼スパン1m、重量530kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜シャヒーン３＞：パキスタン軍が開発中の準中距離弾道ミサイルShaheen-3。核弾頭を搭載できる。射程2750km。TELは16×16輪で、中国国営の中国精密機械進出口総公司を経由して輸入した湖北三江航天万山特殊車両（中国航天科工集団公司の子会社）製WS-21200らしい。2015年12月11日に試射した。参考：月刊JWings3,’16、月刊軍事研究10,’17、11,’16

＜シャヒネ・シリーズ＞：サウジアラビア防空軍自走６連装地対空ミサイル発射機Shahine。クロタルの改良型をAMX-30Sに搭載する自走ミサイルとして1975年にトムソンCSFに発注した。参考：世界の軍用車両(2)

＜シャヒネ１＞：タレス社がクロタル2000として開発していたものの改良型で、1979年に試作車が完成し、1980-81年に36両が引き渡された。AMX-30Sの下部車体に箱形の上部構造を溶接し、中央にターレットを装備。ターレット中央には追尾・誘導レーダー（有効距離17km）を、左右にはR-460防空ミサイル３発ずつを縦に装備する。ECM下でも誘導できるよう、TV誘導システムも搭載している。同じ車体にパルスドップラー式捜索レーダー（高度6000mの目標の捜索距離18.5km、同時捜索可能目標数40、同時追尾目標数12）を搭載した捜索レーダー車両も引き渡された。参考：世界の軍用車両(2)、月刊グランドパワー4,’95、月刊軍事研究3,’14

＜シャヒネ２＞：シャヒネ１の改良型で、タレス社がクロタル4000として開発していたものがベースである。ミサイルが赤外線近接信管のみを装備するようになり、捜索レーダー車（捜索距離19.5kmに延長）とのデータリンクも追加されている。1986年から装軌車体搭載型ミサイル車両37両・レーダー車両36両と、牽引式トレーラー搭載型ミサイル車両19両・レーダー車両10両が引き渡された。参考：世界の軍用車両(2)、月刊軍事研究3,’14

＜シャヒネ３＞：シャヒネ２の改良型で、2013年9月初めにフランスとサウジアラビアとの契約交渉が終わり、サウジ国防相の承認待ちらしい。参考：月刊軍事研究3,’14

＜シャヒネ海外シリーズ＞

　＜リバティ１＞：アメリカ軍の新野戦防空システム（FAADS）用の車両として提案されたタイプで、レーダーシステムを改修している。採用されず。参考：世界の軍用車両(2)

＜射表＞：砲の弾道を標準状態に換算して表にしたもの。砲身摩耗、弾種、装薬諸元（温度など）、大気諸元などによる修正データも記載されている。実際に何発も射撃を行って作成する必要があり、広い射場を持たない自衛隊は口径40mm以上の砲の対空射表を作るのがほぼ無理である。参考：月刊世界の艦船8,’12

＜シャヒン＞：AMX-30戦車・海外ファミリーまたはホーク海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜シャファート＞：ブルネイ海軍哨戒艇Syafaat。2019年10月下旬、カラット2019演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜シャファク＞：シャファフ（戦闘攻撃機）を参照。

＜シャファフ＞：シャファクという説も。イラン空軍の戦闘攻撃機で、2008年に初号機がロールアウトする予定。主翼の付け根が半円形の張り出しになっている。胴体下に１基、主翼下に３基ずつのハードポイントを持つ。全長14m、全幅12m、自重５トン。エンジンはJ79単発。参考：月刊軍事研究4,’03、4,’07

＜遮風柵＞：空母などの甲板上で発艦準備を行っている航空機を向かい風から守るための構造物。高さ3mの孔空き鋼板で、使用時に立ち上げる。参考：月刊丸10,’93

＜遮風装置＞：艦橋ウイングや、艦橋上部のパネルに隙間を空けて取り付けられる板。艦首からの風が隙間を通り抜けて風のカーテンを作るので、艦橋上の作業員が風に曝されずに済む。参考：月刊JWings2,’00

＜煮沸給水車＞：日本陸軍の牽引式浄水車で、生水を煮沸消毒して飲めるようにし、兵士に供給する。参考：歴史群像6,’02

＜シャフト・エクステンション＞：自衛隊の機器。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究2,’18

＜シャブリック＞：DD-639（駆逐艦）を参照。

＜シャフリル＞：イスラエル軍赤外線受動誘導式短射程空対空ミサイルShafrir。ラファエル社が開発した。全長2.5m、直径0.16m、翼スパン0.52m、重量93kg、弾頭重量11kg。推進はダブルベース推進薬を使用した固体燃料ロケットで、射程5km（3.2km？）。1973年の第４次中東戦争で初実戦使用された。参考：ザ・マーチ17号、月刊丸10,’97、世界軍用機年鑑1990-91

＜シャフリル２＞：イスラエル軍短射程空対空ミサイルShafrir 2。シャフリルの改良型で、ラファエル社が開発した。前方にカナード翼、後方にロールロン付きの固定フィンを持ち、サイドワインダー類似の翼配置をしている。全長2.47m、直径0.16m、翼スパン0.52m、全重量93kg、弾頭重量11kg。固体燃料ロケット推進で、最小射程0.6km、最大射程5km（15km？）。誘導は赤外線パッシブで、可動フィンにより目標に向かう。2kmまでの目標なら50度のオフボアサイト能力を持つ。参考：世界の軍用機1979、図解現代の航空戦、月刊丸10,’97、軍用機ウェポン・ハンドブック、ザ・マーチ18号

＜シャヘド−１２９＞：イラン革命防衛隊のUAV、Shahed（目撃者）-129。見た目はMQ-9リーパーに似ている。最大高度7300m、航続距離17000km。イラン軍には引き渡されなかったらしく、軍高官による国防大臣への非難も実らず、フォトロスを独自開発する羽目になったようである。シリア軍が配備しており、2017年6月8日と6月20日にシリアで１機ずつアメリカ空軍F-15E戦闘機に撃墜された。参考：月刊軍事研究6,’14、月刊JWings10,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャヘド２８５＞：AH-85シリーズ（攻撃ヘリ）を参照。

＜ジャベリン＞：F61（駆逐艦）を参照。

＜ジャベリン個人携行地対空ミサイル＞：イギリス製の個人携行地対空ミサイルで、ブローパイプの後継としてイギリス海軍艦艇にも装備されている。全長1.4m、重量30kg。誘導方式はミサイル本体のテレビカメラを使用したCLOS方式。参考：月刊軍事研究12,’06、月刊丸3,’90

＜ジャベリン戦闘機シリーズ＞：イギリス空軍全天候戦闘機Javelin（投げ槍）。1947年1月にイギリス空軍が発出した要求に基づいてグロスター社がP.272の名称で開発し、1951年11月26日に原型機が初飛行した。一旦はDH.110に負けたが、1952年のファーンボロ航空ショーでDH110が空中分解して観客に突っ込む大事故を起こしたため、1952年7月に採用され、1954年7月に量産型が初飛行し、1956年2月から各型計436機が引き渡された。1968年4月までに全機退役した。10機がイギリス各地に展示されているが、飛行可能な機体は存在しない。参考：月刊航空情報9,’17、月刊JWings2,’19、3,’09、12,’01

　＜ジャベリンＦＡＷ．１＞：最初の実用型。主翼はデルタ翼で、離着陸時の迎え角が大きいと視界が制限されて夜間運用時の事故にも繋がるため、後縁にフラップを設けた。結果、水平尾翼を装備する必要が出たため、Ｔ字尾翼を採用し、垂直尾翼上縁にデルタ翼の水平尾翼を取り付けている。デルタ翼の翼弦が長く、相対的に薄翼となることを利用し、翼厚は大きく取って中に燃料を詰め込んだ。機首に国産レーダーを装備する。全長17.4m、全幅15.8m、総重量12.3トン。エンジンはアームストロング・シドレー製サファイアSa.6（推力3.63トン）双発で、最大速度1120km。固定武装は30mm機関砲４門。ミサイル４発を搭載できる。乗員２名。参考：月刊JWings3,’09、12,’01、月刊航空情報9,’17、月刊丸9,’03

　＜ジャベリンＦＡＷ．２＞：レーダーをアメリカ製のものに換装したタイプ。機首がやや短くなった。1958年から配備開始。参考：月刊JWings12,’01、月刊航空情報9,’17

　＜ジャベリンＦＡＷ．４＞：水平尾翼を全遊動式水平安定板に換装したタイプ。参考：月刊航空情報9,’17

　＜ジャベリンＦＡＷ．５＞：主翼構造を改良して燃料搭載量を増やしたタイプ。レーダーはイギリス製。参考：月刊航空情報9,’17

　＜ジャベリンＦＡＷ．６＞：ジャベリンFAW.5のレーダーをアメリカ製に換装したもの。参考：月刊航空情報9,’17

　＜ジャベリンＦＡＷ．７＞：エンジンをサファイアSa.7（推力4.99トン）に換装、30mm機関砲を２門に減らし、ファイアストリーク・ミサイルを搭載可能とし、主翼にボルテックス・ジェネレータを装備、機体構造を強化して胴体後部を延長したタイプ。1956年11月に初飛行し、142機が生産された。参考：月刊JWings12,’01、月刊航空情報9,’17

　＜ジャベリンＦＡＷ．８＞：エンジンを簡易型アフターバーナー付きに換装したタイプ。レーダーはアメリカ製で、自動操縦装置による自動迎撃機能を持つ。全長16.8m、全幅15.9m、全高4.9m、最大離陸重量19.3トン。エンジンはアームストロング・シドレー社製サファイアSa7R（ミリタリー推力4.99トン、A/B時推力5.58トン）双発、最大速度1130km。固定武装は30mm機関砲２門。参考：月刊航空情報9,’17

　＜ジャベリンＦＡＷ．９＞：FAW.7にオートパイロットを付け、エンジンをアフターバーナー付きサファイアSa7Rに換装したタイプ。124機がFAW.7から改造され、うち40機には空中給油受油装置も付けられている。全長17.3m、全幅15.8m、全高5m。最大速度998km、航続距離930マイル。固定武装は30mm機関砲２門。ファイアストリーク４発または２インチ（50.8mm）空対空ロケット37連装パック４基を搭載できる。参考：月刊JWings12,’01、月刊航空情報9,’17

＜ジャベリン戦闘機ファミリー＞

　＜ジャベリンＴ．３＞：練習機型。タンデム複座にして複操縦装置に変更、レーダーを簡略化している。参考：月刊航空情報9,’17

＜ジャベリン対戦車ミサイル・シリーズ＞：アメリカ陸軍・海兵隊の歩兵用携帯対戦車ミサイルFGM-148 Javelin。ドラゴン対戦車ミサイルの後継としてAAWS-M（Advanced Anti-tank Weapon-Mwdium）計画の名で開発され、1996年から前生産段階に移行し、1997年から本格生産に入った。製作はテキサス・インスツルメントとマーチン・マリエッタ。弾体中央やや後方寄りに６枚、弾体後部に４枚の安定翼を有する。弾頭部に赤外線画像シーカーを内蔵しており、撃ちっ放し式で、目標にロックオンして発射すると命中まで誘導の必要が無い。弾頭はタンデム式で、直射モードの他、対装甲車用トップアタックモードも用意されていて、ヘリに対する攻撃能力も持つとされる。トップアタックでは500m先で高度160mに達し、700mくらい手前で降下に移って上面を撃ち抜く。目標までの距離が1200m未満なら、最高到達高度を低くして降下角を維持する。発射機や照準器は共用発射ユニット（CLU）と呼ばれる。総重量22.3kg（28kg？）。ミサイル重量11.8kg。最小射程100m（65m？）、有効射程2000m、最大射程2500m。装甲貫徹力600mm。２名で運用する。インド陸軍も2010年に採用を決めた。エストニア陸軍に2014年から納入されている。ベルギーもミランの後継として検討中。参考：月刊軍事研究6,’03、12,’16、4,’01、1,’11、2,’13、11,’17、月刊PANZER9,’97、自衛隊装備年鑑1996、月刊航空ファン5,’16、戦車の戦う技術、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＦＧＭ−１４８Ｆ＞：戦車にも歩兵にも使える多目的弾頭（MPWH）を採用したタイプで、CLUも軽量化した。参考：月刊軍事研究11,’17

＜ジャベリン海外シリーズ＞

　＜ジャベリン（ウクライナ軍）＞：ウクライナ軍個人携行対戦車ミサイル。ウクライナ戦争勃発で供与を受け、ロシア機甲部隊の進撃を阻止した。ロシア戦車は砲塔上面までERAで固めているが、タンデム弾頭なので通用しなかったらしく、更にスラット装甲を追加したものの、こちらも効果が薄いようである。参考：月刊JWings6,’22

＜ジャベリン練習機シリーズ＞：アメリカのATG（アビエーション・テクノロジー・グループ）社とイスラエルのIAI社が開発していた練習機で、個人用ジェット機の改造型である。2008年にATGが倒産して計画が立ち消えになったが、ミネソタ州のStavatti Aerospace社が2016年11月に生産権を獲得し、2017年2月2日には改設計を加えてアメリカ空軍T-38練習機後継計画に提案した。ただ会社に航空機開発の実績が全く無いので、採用されるかは微妙で、案の定BTX-1に負けた。参考：月刊軍事研究9,’05、5,’17、月刊丸4,’07、月刊JWings12,’18

　＜ジャベリンＭｋ１０＞：民間型。コクピットはタンデム複座で視界は良好、グラス・コクピット化されており、Ｖ字の双垂直尾翼に全遊動式水平安定板と戦闘機のような外見をしている。全長11.28m、全幅7.65m、全高3.2m、空虚重量2.111トン、最大離陸重量3.1トン。エンジンはウィリアムズFJ33-4-19J（最大推力８トン）双発。乗員２名。2005年9月30日に初飛行した。価格は280万ドル。初心者向きではなく、1500時間の飛行経験が必要という。参考：月刊丸4,’07、月刊軍事研究7,’17

　＜ジャベリンＭｋ２０＞：民間型のジャベリンにHUDやゼロゼロ射出座席などを搭載した軍用型。機体はモジュラー式の複合材製で、ストレーキと大きな後退角の付いた主翼、全遊動式水平安定板及び双垂直尾翼を持つ。全長11m、全幅7.1m、全高3m。エンジンはウイリアムスFJ33-4-15Mターボファン（推力770kg）２基、巡航速度マッハ0.925、実用上昇限度13716m。参考：月刊軍事研究9,’05、3,’08

　＜ジャベリンＭｋ３０＞：Mk20の電子システムを改良したもの。参考：月刊軍事研究9,’05

＜射法＞：日本海軍の艦砲射撃弾着修正法。実弾射撃試験における着弾撒布を分析し、確率統計データから最適な方法として編み出したもので、砲門数（戦艦数）及び発射速度（水圧の問題で永らく一斉打方ができなかった）の少なさをカバーする。基線長8m/10mの測距儀を使用した際の測距撒布公誤（測距のばらつきの確率50%範囲）は8m測距儀で350m、10m測距儀で280m、戦闘公誤（１斉射弾の半数が着弾する縦深）はどちらも83m、初弾偏倚公誤（初弾CEP）はどちらも縦深350m、といったデータを積み重ねて制定した。主砲の射撃を行う際は、近距離（口径36-41cmクラスでは12000m未満）なら試射無しで最初から斉射を浴びせる。射弾散布が小さいため、これでも十分に第１斉射から夾叉や命中弾を狙えるレベルだった。中距離（口径36-41cmクラスでは12000-20000m）なら初弾観測急斉射（初観急）を命じ、初弾の弾着を確認、反対方向（目標より遠ければマイナス／下げ、近ければプラス／高め）に600m修正して弾着を確認し、修正を加えて目標に斉射を開始する。遠距離（口径36-41cmクラスでは20000-27000m）なら初観２段打方を命じ、初弾の弾着を確認し、反対方向に600m修正して試射、更に600m修正して試射し、捕捉または夾叉したらその試射間の半量修正で斉射に移る。超遠距離（口径36-41cmクラスでは27000m以上）なら初観３段打方を命じ、初弾弾着確認後に反対方向への500mまたは600mまたは800m修正を３回加え、捕捉または夾叉したら半量修正で斉射する。ちなみに修正距離は捕捉濶度と称する。昭和13年から斉射は一斉打方としたが、試射は弾着観測の視認性から交互打方のままにした。参考：月刊世界の艦船4,’17、3,’15

＜シャポー＞：スペインのファアトコ・スパニッシュ・エンジニアリング社が開発したドーム型シェルター。FRP製で、人力でも組み立てが容易である。エアコンの装着が可能で、簡易宿舎・司令部、災害時の避難設備として売り込みを図っている。参考：月刊軍事研究11,’06

＜シャマー＞：PC-13（哨戒艇）を参照。

＜ジャマー＞：妨害装置のこと。一般にはレーダー妨害装置を指す。消費電力が大きく、冷却に手間がかかるので、航空機では機外に搭載することが多い。進行波管を使用して強力なマイクロ波を作り、導波管を経由してホーン型アンテナから出力する。投射式の使い捨てジャマーもある。参考：図解現代の航空機

＜ジャマー・ランチャー＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜ジャマーランチャー改１＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜ジャマイカ＞：44（軽巡洋艦）を参照。

＜ジャマイカ防衛軍＞：2015年、ブッシュマスター装甲車12両の導入を開始。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジャマイカ防衛軍（１９８９年）＞：全軍種が統合されている。兵力2800名、予備役870名。陸軍は兵力2500名、予備役800名。歩兵大隊２個、支援大隊１個、予備役歩兵大隊１個からなる。V-150装甲兵員輸送車20両、81mm迫撃砲L16A1を12門保有する。沿岸警備隊は兵力200名、予備役50名。ポート・ロイヤルに基地がある。フォート・チャールス級高速哨戒艇１隻、小型高速艇４隻を保有する。航空隊は兵力150名、予備役20名。BN-2を２機、セスナ210を１機、セスナ337を１機、キングエア１機、ベル205ヘリ４機、ベル206ヘリ４機、ベル212ヘリ３機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ジャマイカ防衛軍（２０１５年）＞：現役総兵力3450名（陸上戦力2900名、沿岸警備隊300名、航空戦力250名）、予備役980名（陸上戦力900名、海上戦力60名、航空戦力20名）。歩兵大隊２個、工兵連隊１個、支援大隊（憲兵中隊１個、医療中隊１個、兵站中隊１個、輸送中隊１個）１個、予備役大隊１個からなる。LAV-150装甲車４両、ブッシュマスター装甲車３両、81mm迫撃砲L16A1を12門、巡視船11隻、BN-2A輸送機１機、セスナ210M輸送機１機、DA40-180FP輸送機２機、ベル412EPヘリ２機、ベル206B3ヘリ２機、ベル407ヘリ３機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジャマラン＞：イラン海軍ジャマラン級駆逐艦１番艦Jamaran。2010年就役。2020年5月10日、バンダルジャスク沖で演習中に発射した艦対艦ミサイルが誤って支援艦コナラクを直撃し、上構が全損、19名が死亡し、15名が負傷した。コナラクが演習用標的を設置した後、十分に離れなかったのが原因らしい。参考：月刊世界の艦船6,’13、8,’20

＜ジャマラン２＞：イラン海軍ジャマラン級駆逐艦２番艦Jamaran-2。ヴェラヤト（Velayat）という説もある。2013年3月17日就役。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ジャマラン級＞：イラン海軍駆逐艦Jamaran級。アルバンド級フリゲート（元はイギリスのヴォスパーMk5級）を参考に国産化したものである。全長94.5m、満載排水量1372トン。速力39ノット。兵装はC-802艦対艦ミサイル連装発射筒２基、スタンダードSM-1艦対空ミサイル単装発射機２基、76mm砲１門、324mm短魚雷３連装発射管Mk32を２基。ヘリ甲板があり、ヘリ１機が発着艦可能。６隻を建造予定で、2010年にジャマラン、2013年にジャマラン２が就役した。３番艦（２番艦？）ダマヴァンドは電子装備を改良しており、2015年3月9日に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’13、6,’15、10,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シャマル作戦＞：フランスによるイスラム国への航空作戦。UAEのアル・ダフラ基地にラファールＣを展開させ、GBU-12/Bによる爆撃やRECO NG偵察ポッドによる情報収集を行った。KC-135FRが空中給油支援を実施している。フランス海軍アトランティック２はバグダッド西方で哨戒任務に就いた。参考：月刊航空ファン1,’15

＜ジャミング＞：ジャム（弾詰まり）を参照。

＜ジャミング＞：Jamming、妨害。元々は強烈なサーチライトによる幻惑や、煙幕展張などを指していたが、第２次大戦後あたりからレーダーに対する妨害を指すようになった。通信妨害やミサイル誘導指令電波妨害などを含むこともある。自分の姿を隠したり、他の味方の姿を隠したり（二次遮蔽Secondly screening）、敵を牽制（注意を反らし混乱させる）したりするために使用される。レーダー波と同じ性質の強力な電波を放出して妨害するが、中途半端な強さの妨害電波だと、効果が無いだけでなく、敵にこちらの位置を明確に示すことになるので注意。連続波を使うものと、ノイズやパルスで変調した変調波を使うものがあり、前者はシステムが単純で済むが、後者の方が効果が大きいため、変調波を主に使用する。周波数が高く波長が短いほど電波の到達距離が短いため、妨害しにくい。逆に波長が長い電波も、逆探知や妨害のために波長に合わせた大型のアンテナを備えなければならない。指向性の高いアンテナも、妨害電波をその方向から入れてやらないと効果が無いので、妨害が難しく、サイドローブやバックローブに妨害電波を加えるなどの工夫をする。電力供給が続く限り使用可能で、装置本体は高価だが使用時にかかる費用は微々たるものであり、光の速さで相手を無力化できるため、適切な使用によりレーザー砲並の威力を発揮する。参考：空軍、月刊JWings10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン5,’17、月刊世界の艦船4,’18

　＜ＮＳＰジャミング＞：対レーダージャミングで、非同期パルス妨害のこと。パルス信号を送ることにより、レーダースコープには放射状の輝線が入り、時間と共にその輝線が回りながら周辺に広がっていく。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜エスコート・ジャミング＞：エスコート・ジャミングを参照。

　＜カバー・ジャミング＞：ノイズ・ジャミングを参照。

　＜スイープ・スルー・ジャミング＞：Sweep through jamming、掃引妨害。対レーダージャミングで、スポット・ジャミングの周波数を一定時間ごとに変化させる方法である。受信周波数を変えても、一定時間ごとにレーダー画面が見えなくなる。参考：月刊軍事研究4,’03、空軍

　＜スタンドイン・ジャミング＞：レーダー妨害装置を目標付近まで突っ込ませてジャミングをかけること。有人機では危なすぎるので、無人機やデコイを使う。参考：月刊軍事研究7,’14

　＜スタンドオフ・ジャミング＞：スタンドオフ・ジャミングを参照。

　＜スタンドフォワード・ジャミング＞：エスコート・ジャミングを行う機体が攻撃部隊の前方に展開して任務を行うこと。参考：月刊軍事研究7,’14

　＜スポット・ジャミング＞：Spot jamming、点妨害。対レーダージャミングで、CW（連続波）ジャミングともいう。レーダー受信機と同一周波数の連続波を送ることでレーダー画面を真っ白にして何も見えなくしてしまう。ただし受信周波数を変えられると効かなくなるので、周波数変調に合わせられるよう事前のESMが重要となる。参考：月刊軍事研究4,’03、6,’13、空軍

　＜セルフ・プロテクション・ジャミング＞：Self Protection Jaming（自己防御用電子妨害）、SPJと略す。自機や自艦を防衛するための電子妨害である。小型機に搭載する場合は装置も小型化せざるを得ず、能力が制限される。参考：月刊軍事研究2,’13

　＜ディセプション・ジャミング＞：対レーダージャミングで、敵のレーダー波を正確に分析して偽レーダー波を送り返し、距離、方位、速度といったレーダー情報を欺瞞するものである。参考：月刊軍事研究7,’14

　＜ノイズ・ジャミング＞：対レーダージャミングで、敵の発するレーダー波に対応する強力なノイズ信号を送信し、探知を妨害するものである。敵レーダー波全帯域に妨害電波を送り込むため、カバー・ジャミングとも呼ばれる。バラッジ・ジャミングとスポット・ジャミングがある。参考：月刊軍事研究7,’14

　＜パッシブ・ジャミング＞：対レーダージャミングで、チャフなどのこと。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜バラッジ・ジャミング＞：対レーダージャミングの１つ、弾幕妨害（Barrage jamming）。レーダー周波数全域にノイズ電波を撒き散らす方法で、レーダー画面全体に無数の点が現れるので、どれが目標なのか分からなくなる上、周波数を変えても防げない。ただし効率が悪く、レーダー出力を上げられて強引に無効化（バーン・スルー）される恐れがある。参考：月刊軍事研究4,’03、6,’13、図解現代の航空機

　＜リピーター・ジャミング＞：対レーダージャミングで、敵レーダー波を受信した数ミリから数マイクロ秒後に、発信方向に向けて強力な反射波を送信する方法である。これにより、機体よりもレーダー寄りのところに偽の反射物体が表示されるので、これを脅威目標と判断すれば間違ってミサイルを発射することになる。位相を逆にしたレーダー波を送り返し、干渉させて反射波を弱め、距離測定を狂わせることもできる。サイドローブに被せて偽反射波を送信すれば、メインローブ側に偽反射物体が表示されるので、あさっての方向にミサイルを誘導させることが可能。何回も偽反射波を送信すれば、１機の機体を大編隊に見せかけることができる。参考：月刊軍事研究4,’03、図解現代の航空機、空軍

　＜レンジ・ゲート・プル・オフ＞：レンジ・ゲート・スティーリングともいう。リピーター・ジャミングと同様。参考：図解現代の航空機

＜ジャム＞：Jam。銃の装填・排莢時の作動不良、弾詰まりのこと。弾倉に目一杯弾薬を詰めると起こりやすいので、最大装弾数の8-9割くらいにしておく。参考：コンバット・バイブル２、GUN用語事典、月刊JWings10,’09別冊付録

＜シャムシール＞：252（江衛�U型フリゲート）またはジャギュア海外シリーズ（攻撃機）を参照。

＜シャムシール＞：パキスタン海軍ズルフィクアール級フリゲートShamsher。元はイギリス海軍リアンダー級フリゲートF16ダイオミードである。1988年就役。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜ジャムナ＞：F11（ストレジ級測量艦）を参照。

＜ジャムナ＞：インド海軍砲艦。1944年2月12日、ベンガル湾でオーストラリア海軍掃海艇ラーンス、イプスウィッチと共に呂110潜水艦を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜シャムロック作戦＞：CIAの要請でNSAが開始した、アメリカ市民の国際通話内容傍受作戦。1945年10月にアメリカ陸軍保安部が開始し、NSAに引き継がれた。1970年代半ばに議会で追及を受け、一応制限されたことになっている。参考：月刊軍事研究2,’02

＜シャムロック・ベイ＞：CVE-84（護衛空母）を参照。

＜シャメルＭ＞：ロシアのKBPが開発した個人携帯対戦車ロケット。弾頭は多目的弾頭で、対トーチカ用にも使える。口径90mm、弾頭重量5-6kg。最大射程1700m。参考：月刊軍事研究11,’06

＜軍鶏＞：笹井醇一（日本海軍エース）を参照。

＜シャモア＞：フランス海軍シャモア級掃海通報艦Chamois。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シャモア級＞：フランス海軍掃海通報艦Chamois級。エラン級の改良型で、船型を船首楼型にし、艦橋前部の丸みを無くした。全長78m、幅8.5m、吃水2.9m、基準排水量647トン。主機はディーゼル、出力4000馬力、速力20ノット。兵装は10cm単装砲1-2門、４連装13.2cm砲１基、２連装13.2cm砲２基。９隻が就役した。完成時期がドイツによるフランス占領時期に跨ったため、一部はドイツ海軍の警備艇となっている。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シャモジ＞：UH-1シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ジャラオ＞：SS-368（潜水艦）を参照。

＜ジャラシュワ＞：L41（揚陸艦）を参照。

＜ジャラシュワ級＞：オースチン級揚陸艦（インド海軍）を参照。

＜シャラダ＞：インド海軍哨戒艦。2012年6月16日、インド西方海域で海上自衛隊との共同訓練に参加。参考：朝雲

＜シャラバ級＞：コンバタント�U級（リビア海軍）を参照。

＜シャラブ＞：L17（戦車揚陸艇）を参照。

＜シャラム＞：BTR-60装甲車・海外ファミリーを参照。

＜ジャララト級＞：パキスタン海軍ミサイル艇Jalalat級。中国の技術支援を得てパキスタンで国産した。全長39m、満載排水量188トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、速力23ノット。兵装は37mm連装機関砲76A型１基、C802艦対艦ミサイル連装発射筒２基。シュジャートなど２隻が建造された。参考：月刊世界の艦船6,’12

＜シャラン船＞：運貨船（海上自衛隊）を参照。

＜車力通信所＞：アメリカ軍の通信所。2006年5月1日の日米合同委員会で用地提供が決定し、9月に車力分屯基地内に開設され、第94防空ミサイルコマンド車力分遣隊（要員100-130名）が配備された。FBXRTレーダーが運用されており、施設警備に当たるのはPMCのシュネガ・ブラックウォーター・ソリューションズである。参考：月刊軍事研究6,’09、月刊丸4,’17

＜車力分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。所在地は青森県つがる市富萢屏風山１。1980年10月に開設された。12月、八雲分屯基地から臨時第21高射隊が移駐し、第21高射隊になった。1988年3月31日、第11移動警戒隊が新編された。1991年3月、第22高射隊が新編された。1992年3月、第４移動通信隊が新編された。2000年6月30日、第11移動警戒隊が解隊された。2006年5月1日、日米合同委員会で、基地の一部を車力通信所としてアメリカ軍に提供することになった。9月、アメリカ軍車力通信所が開設された。2016年10月17日、アメリカ陸軍車力通信所10周年記念行事を実施。12月21日、アメリカ陸軍車力通信所指揮官、つがる市議会議長、基地協力会長を迎え、基地餅つき行事を実施。2017年10月2-5日、車力市役所新採用職員10人に体験入隊を実施。12月20日、アメリカ陸軍車力通信所隊員やつがる市長などを迎えて基地体育館で餅つき行事を実施。2020年10月27日、第９師団第39普通科連隊が令和2年度車力共同訓練を実施。参考：月刊丸4,’17、三沢基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究6,’09、月刊JWings6,’10別冊付録、朝雲

　＜車力分屯基地（２０１５年）＞：第６高射群第21高射隊、同第22高射隊、第４移動通信隊が駐屯している。参考：車力分屯基地ホームーページ

＜シャリマー＞：P242（潜水艦）を参照。

＜車両間情報交換システム＞：IVISを参照。

＜車両重量＞：燃料タンク容量の９割以上の燃料、潤滑油、冷却水など走行に必要なものを積載し、人間が乗車しない場合の車両の重量。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜車両総重量＞：車両重量に定員分の人間の体重を足したもの。日本では１人あたり55kgで計算する。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜車両人員揚陸艇＞：LCVPを参照。

＜車両整備（航空自衛隊職域）＞：航空自衛隊の職域の１つで、車両整備、動力器材整備の職種を含む。車両、動力器材、無動力器材の整備が主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜車両整備係用工具セット＞：自衛隊の機器。東邦商工または大木製。参考：月刊軍事研究7,’09、1,’11

＜車両操縦教官＞：自衛隊自動車教習所の教官。運転免許を取得し、自衛隊自動車教習所で事前教養を受け、都道府県指定自動車教習所協会主催の新任教習指導員養成講習を受講、公安委員会による教習指導員審査を受けて合格し、教習指導員の資格を得るとなれる。参考：MAMOR vol.109

＜車両ナンバー（自衛隊）＞：自動車番号標を参照。

＜車両無線機＞：自衛隊の機器。ネットコムセックまたは日本電気製。参考：月刊軍事研究5,’10、7,’11

＜車両無線機乙＞：日本陸軍の車載無線機で、地上無線機五号に相当する。ツマミの操作で甲・乙２種類の周波数を切り替えることができ、混信した際に有効である。連隊・大隊内の通信に使用する。参考：機甲入門

＜車両無線機甲＞：日本陸軍の車載無線機で、地上無線機三号に相当するものである。遠距離通信用に使用される。参考：機甲入門

＜車両無線機丙＞：日本陸軍の車載無線機で、地上無線機六号に相当する短距離無線機である。昭和16年から研究が開始され、昭和18年に制式化され、200台が製作されて三式中戦車に搭載された。重量130kg。使用周波数は20-30MHz、交信距離500m。参考：日本の戦車と装甲車両、機甲入門

＜車両無線空中線＞：自衛隊の機器。電気興業製。参考：月刊軍事研究7,’13

＜車両輸送艇＞：LCVを参照。

＜車両用走行装置＞：陸上自衛隊が1968年から研究した装輪装甲車で、73式装甲車とハイローミックスを構成することも考えられていた。試作車は1975年に完成し、1976年末まで試験が行われたが、駆動系の試験結果を得るに止まり、採用はされなかった。参考：月刊軍事研究5,’08

　＜車両用走行装置（Ａ）型＞：４×４輪型で、小松製作所が1974年から試作した。機関室をキャビン後方に置き、Ｖ型８気筒直噴ディーゼルを搭載、トレーリングアーム式コイルスプリングサスペンションを持つ。前輪のみがステアリングする。参考：月刊軍事研究5,’08

　＜車両用走行装置（Ｂ）型＞：６×６輪型で、三菱重工が1974年から試作した。機関室は車体後部にあり、エンジンは直列６気筒予燃焼式ディーゼルを搭載、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを持つ。前後２軸がステアリングする。（A）型との比較のためこのような変更が加えられていたが、前後軸ステアリングのため高速旋回時の安定性に劣り、エンジン配置（兵員室の後ろにあるので乗降に不便）にも問題があった。参考：月刊軍事研究5,’08

＜車両用標識＞：自衛隊の車両に搭乗する指揮官の階級や所属などを示す標識で、長方形の金属プレートに桜花（防衛省職員と国会議員・賓客は別のマーク）をあしらっている。文官のプレートには金枠があるが、将・将補には無い。プレートの地色は内閣総理大臣が紫、防衛大臣、防衛副大臣、政務官、補佐官、政策参与がえび茶色、事務次官、防衛審議官、防衛装備庁長官が深緑、官房長・局長、衛生監、施設監、施設等機関の長、統合幕僚監部総括官、防衛監察監、防衛省職員、国会議員・賓客が白、陸自が赤、海自が群青、空自が水色。内閣総理大臣と防衛大臣は金色桜花５個が五角形の頂点に配置されている。防衛副大臣、事務次官、防衛審議官は金色桜花４個、政務官、防衛装備庁長官は銀色桜花４個、補佐官、政策参与は赤銅桜花４個が四角形の頂点に配される。官房長・局長、衛生監、施設監、施設等機関の長、統合幕僚監部総括官、防衛監察監は金色桜花３個が三角形の頂点に配置されている。幕僚長たる将なら４個、将なら３個、将補なら２個の銀色桜花が横一列に並ぶ。防衛省職員は桜の花弁をモチーフにした金または赤銅のマーク、国会議員・賓客は菊と桜星をモチーフにした金または銀のマークが中央に大きく描かれる。航空機に搭乗する際にコクピット周辺に掲げる標識もデザインは基本的に同じで、プレートが簡略版（紙だったりする）となっている。参考：月刊JWings12,’17、MAMOR vol.127

＜シャルキ＞：S-46（潜水艦）を参照。

＜シャルダグ級＞：イスラエル海軍哨戒艇Shaldag級。兵装は25mm単装機関砲タイフーン１門（前甲板）など。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜シャルダグＭｋ�X級＞：フィリピン海軍哨戒艇Shaldag Mk�X。FAIC-M（Fast Attack Interdiction Craft - Missile）計画の名称でイスラエル造船所に2021年に８隻を発注し、もう１隻追加した。全長32.65m、幅6.2m、排水量95トン。最大速力40ノット以上、航続距離1000海里（12ノット）。兵装は30mm機関砲タイフーン１基、ミニ・タイフーン機銃２基。４隻はスパイクNLOSミサイルも積む。１番艇ネストル・アセロ、２番艇ロリナト・トオンなどが2022年から就役した。３番艇と４番艇は2023年4月11日に引き渡されている。参考：月刊世界の艦船12,'22、8,’21、2,’23、7,’23

＜シャルダル＞：L16（ゴールパッド級戦車揚陸艦）またはL16（マガル級戦車揚陸艦）を参照。

＜シャルダル級＞：マガル級戦車揚陸艦（２代目）を参照。

＜シャルビット・クサミーム＞：ダビデ・スリング（迎撃ミサイルシステム）を参照。

＜シャルマニュー＞：SS第33擲弾兵師団を参照。

＜シャルル・ド・ゴール＞：R-91（空母）を参照。

＜シャルル・ド・ゴール級＞：フランス海軍原子力空母Charles de Gaulle級。フランス海軍初の原子力空母で、クレマンソーの後継としてPA88の名称で計画されたが、建造が遅れて同級２番艦フォッシュの退役にも間に合わなかった。フランスから太平洋の領土に展開できる航続距離を持たせるため、原子力空母を採用することにし、ル・トリオファン級原潜用と共通の原子炉を開発した。空母として初めてステルス性を考慮しており、アイランド外壁には傾斜を付け、頂部にタワーマストを装備する。ドックのサイズから船体を小型に纏めたため、ジェット機の運用にはぎりぎり（どころか公試時にE-2C運用には飛行甲板長が足りないことが判明）であり、着艦後すぐに機体を格納庫に降ろしていかないと後続機の着艦スペースが足りなくなってしまう。飛行甲板は全長261.5m、最大幅64.4m、面積12000平方メートルで、左舷側に8.5度開いたアングルド・デッキ（長さ200m）を持ち、カタパルトはアメリカ製C13-3蒸気カタパルト（ニミッツ用のC-13の短縮型）を前甲板左舷側とアングルド・デッキに１条ずつ装備していて、23トンまでの航空機を運用できる。アレスティング・ワイヤはアメリカ海軍制式Mk7を３本装備する。COGITEという船体ローリング制御システムを搭載しており、これは船体中央部の飛行甲板直下に置いた鉛バラスト（重量22トン）搭載台車を、コンピュータ制御で左右に移動するもので、４度のローリングを0.5度に抑制でき、シーステート６での艦上機運用が可能。格納庫は長さ138.5m、幅29.4m、高さ6.1m（２甲板分）あり、固定翼機23機＋ヘリ２機を収容できる。エレベーターはアイランド後方の右舷側に外舷式で２基装備し、長さ19m、幅12.5m、容量36トン。アイランドは右舷側前寄りに設けられていて、波浪からエレベーターを防御しているらしい。艦載戦闘システムはSENIT8、対空戦闘システムはSAAM-FR。レーダーはアラベル多機能射撃指揮レーダー（マスト上段レドーム内）、DRBV26D対空捜索レーダー（マスト中段）、DRBV15C二次元対空・対水上捜索レーダー、DRBJ11B対空捜索レーダーなど。全長261.5m、船体幅31.5m、飛行甲板幅64.4m、吃水8.5-9.4m、海面から飛行甲板までの高さは16m強、基準排水量37085-37680トン、満載排水量40550-43182トン。主機は原子力蒸気タービン方式、K15加圧水型原子炉（出力65MW）２基・蒸気タービン（出力41500馬力）２基、出力83000馬力、４翅固定ピッチ式スキュードプロペラ２軸推進、最大速力27ノット。主発電機は蒸気タービン（出力4MW。蒸気は原子炉から供給）４基。自衛用兵装はアスター15用８セル垂直発射機A43が４基（右舷アイランド前方スポンソンと左舷中央スポンソンに２基ずつ）、サドラル近接防御SAM６連装発射機２基（両舷１基ずつ）、20mm単装機関砲F2が８門（後にナーワル20B遠隔操作機関砲４基）。搭載機数はラファールＭ、シュペル・エタンダール、E-2Cホークアイなど固定翼機標準32機・最大40機と、AS565、AS322、AS365などヘリコプター４機。乗員1298-1380名（うち司令部要員42-90名）、航空要員542-610名。海兵隊員800名も収容できる。R91シャルル・ド・ゴールが1989年4月に起工され、1998年に就役する予定だったが、E-2Cの運用のためにアングルド・デッキの先端を4.4m延長せねばならず、その他プロペラの破損など試験中のトラブルが多発し、就役は21世紀（2001年5月）にずれ込んだ。参考：月刊軍事研究6,’01、6,’02、月刊世界の艦船10,’16、8,’17、8,'22、8,'23、10,'23、11,’15、10,’14、9,’12、9,’13、9,’02、8,’11、10,’02、3,’00、10,’11、1,'15増刊、3,'21、月刊JWings11,’05、JShips Vol.24、月刊航空ファン4,’10、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜シャルル・ド・ゴール級（改装）＞：2007年7月31日からの核燃料棒交換作業の際に改装を受けた。指揮通信システムとプロペラを改良し、ラファールF3用のASMP-A、SCALP-EGを収容できる保管庫を新設、満載排水量が42500トンに増加している。2017年2月から2018年11月の核燃料棒交換作業でも改装を行い、艦上機が全てラファールＭとなるのに合わせた設備を積み、冷凍機２ユニットと厨房２カ所中１カ所を更新、アイランド上面後部のDRBJ11Bレーダーを撤去してSMART-S Mk2三次元対空レーダーを装備し、高精度航海レーダーとアルテミス赤外線監視装置を搭載、ネットワークのデジタル化を含む戦闘指揮システムの換装を行い、スタビライザー再生補修や、自動化システム近代化などを実施、2038年まで任務に就けるようになった。全長261.5m、飛行甲板最大幅64.4m、水線幅31.5m、吃水9.4m、基準排水量37680トン、満載排水量43182トン。主機は原子力蒸気タービン方式、K15加圧水型原子炉（65MW）２基・蒸気タービン２基、出力83000馬力、２軸推進、速力27ノット。兵装はアスター15艦対空ミサイル用垂直発射機A43シルヴェール４基32セル、ミストラル艦対空ミサイル６連装発射機サドラル２基、ナーワル20B遠隔操作機関砲４基。自衛用にSLAT魚雷防御装置用デコイ12連装発射機４基を装備する。固定翼機32機、ヘリ４機を搭載可能。乗員1290名、航空要員600名、司令部要員90名。海兵隊員800名を乗せられる。2038年に就役する後継空母PANGに後を譲る予定。参考：月刊JWings3,’09、2,'21、月刊世界の艦船12,’18、2,’19、6,’19、8,’20、3,’21、12,’21

＜シャルロッテ・シールマン＞：ドイツ海軍洋上補給艦。1928年竣工。1939-41年、アゾレス諸島ラス・パルマスに展開して洋上補給任務に就いた。イギリスの圧力でアゾレス諸島が拠点として使えなくなると、1942年4-6月にインド洋へと移動して武装商船28号艦に対する洋上補給を実施。その後は日本で補給物資や燃料を積み込み、東南アジア方面に向かった。1943年1月4日、シンガポールを出港。イギリスはウルトラ情報でこれを掴み、イギリス極東艦隊の空母戦隊が捜索にあたったが、発見できず、引き続き周辺海域を捜索した。1月28日、モーリシャス島南東でU-178とU-510に補給を実施。その後はモーリシャス島東1440kmの洋上補給予定地点に向かった。2月11日、イギリスはウルトラ情報でモーリシャス島付近の補給海域を掴み、空母戦隊や哨戒機を展開。午後にカタリナ飛行艇により発見されてしまい、深夜に駆逐艦H85リレントレスの攻撃を受けて沈没した。補給を受ける予定だったU-532は会合地点付近にカタリナ飛行艇がいるのを見つけてBdUに報告したが、BdUでは暗号がばれたためではなく偶然と判断している。参考：Ｕボート入門

＜シャルロット＞：SSN-766（潜水艦）を参照。

＜シャルロットタウン＞：FFH339（フリゲート）を参照。

＜シャルンホルスト＞：ゲルハルト・ヨハン・ダフィト・フォン・シャルンホルスト（Gerhard Johann David von Scharnhorst）、1755年生まれ。1773年、ヴィルヘルム・ビュケブルク伯が創設した士官学校に入学。1778年に卒業するとハノーバー軍に入隊し、1782年から多数の軍事雑誌を創刊した。1801年、プロイセン軍に移籍し、ナポレオンに完敗したプロイセン軍を参謀長として建て直したので、プロイセン参謀本部の父といわれる。1813年、リュッツェンの戦いで負傷し、敗血症で死亡した。後継者はグナイゼナウ。参考：月刊PANZER1,’00、歴史群像8,’11

＜シャルンホルスト＞：ドイツ海軍シャルンホルスト級戦艦Scharnhorst（プロイセン軍の再建・近代化を行ったゲルハルト・フォン・シャルンホルスト将軍から）、仮称艦名Ｄ。1935年6月15日（5月？）起工、1936年10月3日（6月？）進水。進水式で洗礼親を務めた14歳の少女は数日後に古代ゲール語で「私は魅了された」と書かれた手紙を残し自殺している。全力公試では機関出力160050馬力、速力31.65ノットを記録した。1939年1月7日竣工。4月1日、ヴィルヘルムスハーフェンに停泊中、ヒトラーとレーダー提督が視察に訪れた。6月にドックインし、凌波性向上のため艦首をアトランティック・バウに変更、メインマストを後部に移動させ、煙突に逆流防止用キャップを付けるなどの改装を実施。1939年秋、測距儀の上方に射撃指揮レーダー用アンテナを装備した。11月21日、戦艦グナイゼナウ、軽巡ライプチヒ、ケルン、駆逐艦Z11ベルント・フォン・アルニム、Z12エーリヒ・ギーゼ、Z20カール・ガルスターと共にヴィルヘルムスハーフェンを出港。11月23日、フェロー諸島沖海戦でグナイゼナウと共にイギリス特設巡洋艦ラワルピンディを撃沈した。ただイギリス本国艦隊に通報されて追撃を受ける恐れが高くなったため、大西洋での通商破壊戦は諦めてノルウェー北方経由で本国に戻っている。1940年3月、３番主砲塔上のカタパルトを撤去。4月7日からノルウェー攻略ヴェーゼル演習作戦に参加。6月4日、ハルスターのイギリス軍基地を砲撃するため、グナイゼナウ、アドミラル・ヒッパー、駆逐艦４隻と共にキールを出港。6月8日、ノルウェー沖海戦に参加。イギリス空母77グローリアスを撃沈したが、駆逐艦H09アカスタの雷撃を受けて右舷後部に魚雷１本を被雷、損傷した。トロンハイムで応急修理を受けて6月20日にキールに帰港。1941年1-3月、グナイゼナウと共に大西洋で通商破壊作戦に就いた。1942年2月11日、ケルベロス作戦に参加。7月に修理を終え、ノルウェーに配備されることになったが、イギリス海軍の隙を突かねばならず、出港は先送りにされた。1943年12月25日、ソ連向け英輸送船団JW55Bを攻撃するため、ノルウェーの北北西に向け出撃。12月26日、北岬沖海戦で沈没した。乗員1968名（1800名？）のうち生存者は36名のみで、士官は１人もいなかった。参考：近代戦艦史、月刊丸4,’07、3,’90、4,’13、4,’17、写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション44、月刊世界の艦船1,’12、7,'15、9,’17、JShips VOL.70

＜シャルンホルスト＞：ドイツ連邦海軍改ブラック・スワン級フリゲート。元はイギリス海軍改ブラック・スワン級フリゲートU30マーメイドで、1959年5月5日に引き渡された。1961年6月から1962年7月、改装を受けた。1990年に退役した。参考：JShips VOL.70

＜シャルンホルスト級＞：ドイツ海軍戦艦（実質的には巡洋戦艦）Scharnhorst級。1935年3月のドイツ再軍備宣言後、6月に締結した英独海軍協定に基づいて最初に建造された主力艦で、前弩級戦艦エルザスとヘッセンの代艦であり、Ｄ及びＥという仮称艦名が付けられていた。1931年に設計を開始した当初はドイッチュラント級装甲艦の防御力強化型（19700トン、MZ42/68ディーゼル８基２軸70000軸馬力、26ノット）を予定したが、フランス海軍がドイッチュラント級対応のダンケルク級高速戦艦を計画したため、これに対抗すべく打撃力も強化することにし、未成巡洋戦艦マッケンゼン級をベースに26000トン級として再設計、完成したら35000トン弱の蒸気タービン艦になっていた。ちなみに英独海軍協定の1935年改訂で新型戦艦に26000トンの排水量制限が付いていたため、公称基準排水量は26000トンのままである。主戦場が濃霧の多い北海・北大西洋・バルト海のため、近−中距離砲戦を考慮して口径は小さいが発射速度の速い主砲を採用し、垂直装甲は厚く、水平装甲は薄めにした。38cm連装砲塔の装備も考慮したが、開発が進んでいなかったため、砲塔リングは38cm連装砲塔用で設計して長砲身28cm砲塔を搭載し、後日換装する予定としている。船型は平甲板型で、艦首は垂直、乾舷が低くシーアも小さく、荒天時や高速航行時には主砲射撃指揮装置や第２主砲塔まで波を被ることがしばしばで、損傷に至ることもあった。そのため竣工直後に艦首をアトランティック・バウに変更し、その後更に波飛沫の原因となる主錨の位置も変えているが、元々乾舷が低いので根本的な解決にはならなかったらしく、やはり荒波での損傷を起こしている。舷側上部の非装甲帯には舷窓が上下２段で並ぶ。マストは艦橋後面の前部マストと煙突後面の後部マストで、キール運河の鉄橋を通れるよう伸縮式にしてある。煙突後方が航空機格納庫となっており、その後方にある塔上と、第３主砲塔上にカタパルトを１基ずつ装備する。搭載機数は４機だが、格納庫には２機しか入らないので、残る２機はカタパルト上に１機ずつ置いた。前部マスト頂部及び後部上構に10.5m測距儀及びゼータクト射撃指揮レーダー、艦橋両舷と煙突両舷に半球ドーム状の4m測距儀付きSL-6高射装置を持つ。射撃指揮計算機はc/35。機関区画は前方が全缶収容の缶室、後方が全主機収容の機械室である。航続距離延伸のため燃費の良いディーゼルの搭載が考慮されたが、大出力ディーゼルが無かったので速力30ノット超を発揮するのに必要な数を積むだけの機関スペースが確保できず、結局高温高圧蒸気タービンとし、舷側防御も兼ねたウイング・タンクを採用して大量の燃料を積んでいる。機械室は艦後方の３区画（前方に左右並列で１区画ずつ、その後ろ中央に１区画）で、各区画に主機を１基ずつ収容して１軸ずつを動かす。缶室は機械室前方の艦中央に縦３区画で並んでおり（前方から第３缶室、第２缶室、第１缶室）、４基ずつを２×２の配置で収容する。缶室は補機室と発電機室で挟み込んで（第１缶室は左舷側に第１補機室、右舷側に第２発電機室、第２缶室は左舷側に第３発電機室、右舷側に第２補機室、第３缶室は左舷側に第３補機室、右舷側に第４発電機室を配置）ガードした。主缶は自然循環式のヴァグナー缶を採用したが、予定より大きくなったため、缶室天井を700mmもかさ上げする必要があり、周辺装甲甲板との段差を厚さ80mmの垂直装甲壁でカバーしたが、上甲板を貫通後に装甲甲板で弾く筈の落角の浅い砲弾により、垂直装甲壁を撃ち抜かれる恐れが生じている。というかシャルンホルストは北岬沖海戦で実際撃ち抜かれた。全長229.8m、水線長226m、幅30m、吃水8.2m、基準排水量34841トン、機関部重量2909トン。主機はブラウン・ボヴェリ式（シャルンホルスト）／ゲルマニア式（グナイゼナウ）高中低圧ギヤード・タービン３基、主缶はヴァグナー式重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり52kg、450℃）12基、計画連続出力125000馬力、公試時過負荷全力出力163400軸馬力（シャルンホルスト）／154000軸馬力（グナイゼナウ）、３翅プロペラ（直径4.45m）３軸推進、回転数毎分265回転（前進）／200回転（後進）、舵２枚並列、計画最大速力32ノット、公試時最大速力31.65ノット（シャルンホルスト）／30.7ノット（グナイゼナウ）、計画航続距離10000海里（17ノット）／8100海里（19ノット）、公称航続距離は19ノットで7100海里（シャルンホルスト）／6200海里（グナイゼナウ）。発電機は460kWターボ発電機６基、430kWターボ発電機２基、300kWディーゼル発電機２基、150kWディーゼル発電機２基で、ディーゼル発電機は全て非常用発電機である。艦内所要電力3620kW（直流220V/110V）。兵装は54.5口径28.3cm艦砲SK C/34の３連装砲塔DrcL C/28が３基（10.5m測距儀付。前甲板背負い式、後甲板１基。）、55口径14.9cm砲SK C/28の連装砲塔DrcL C/34が４基（艦中央両舷２基ずつ）、55口径14.9cm単装砲４門（砲室式。初速毎秒875m、俯仰角マイナス10度からプラス35度、最大射程22km。艦中央両舷２基ずつ）、65口径10.5cm高角砲SK C/33のDopp LC/31連装砲塔７基（初速毎秒900m、最大仰角80度。艦中央両舷３基ずつ、後部主砲塔直前１基）、3.7cm機関砲SKC30のDopp LC/30連装砲架８基、2cmFlak38単装機関砲８門。カタパルト２基とHe114水上偵察機（後にAr196水偵）４機を搭載する。装甲厚は舷側水線部350mm（下に向かいテーパーして最小170mm）、舷側水線上45mm、缶室天井段差部舷側80mm、上甲板50mm＋装甲甲板80mm（舷側水線部装甲に繋がる斜め部分は105mm）、バーベット前後部200mm、側面350mm、砲塔前楯360mm、側面180mm、後面350mm、天蓋180mm、司令塔350mm。乗員1669名（シャルンホルスト）／1840名（グナイゼナウ）。シャルンホルストとグナイゼナウが1938-39年に竣工した。1938-39年、凌波性向上のため艦首を5.1m延長してクリッパー型（シーアとフレアも大きくしたアトランティック・バウ）に変更、全長が235.4m（234.9m？）に延びた。また、煙突頂部に排煙逆流防止用キャップを付け、格納庫を拡大している。シャルンホルストのみ後部マストを煙突後面から前部カタパルト直後に移した。1940年3月、３番主砲塔上のカタパルトを撤去し、搭載機数が３機に減った。1941年（1940年夏？）、シャルンホルストが船団攻撃用として、軽巡から外した533mm魚雷３連装発射管を舷側中央14.9cm単装砲の後方に１基ずつ装備した。1942年からグナイゼナウが修理ついでに主砲を38.1cm連装砲に換装する工事に入ったが、結局中止となっている。通商破壊戦では２隻で22隻115622トンを撃沈した。参考：月刊世界の艦船7,'15、9,'20、8,’13、1,’12、近代戦艦史、月刊丸4,’17、JShips VOL.70、歴史群像8,’08、写真集ドイツの巡洋艦

＜ジャレット＞：FFG-33（フリゲート）を参照。

＜遮浪甲板型＞：Shelter Deck Type。平甲板型で、全通甲板が２枚（強度甲板の上に全通甲板を持つ）あるもの。長船首楼型の船首楼を艦尾まで延ばしたものでもあり、広い船内スペースを確保できる。参考：月刊JWings2,’00、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船1,’17、6,’13

＜ジャロスラフル＞：B-808（キロ級潜水艦）を参照。

＜シャロン＞：フランス陸軍装甲車。1904年に開発され、オーストロ・ダイムラーと共に世界初の装輪装甲車とされている。乗用車のボディを装甲化し、オチキス機関銃塔を搭載したもので、ウインドシールドは跳ね上げ式の装甲板である。側面の窓にスライド式装甲板、車体前面中央にヘッドライト、後部車輪にスカートを持つ。１両が使用され、もう１両はロシアに輸出され、追加発注も受けた。参考：世界の軍用車両(4)

＜ジャワ＞：オランダ海軍スマトラ級軽巡洋艦Java。1925年竣工。1942年2月19日、バリ島沖海戦に参加。2月28日、スラバヤ沖海戦で戦没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代巡洋艦史

＜シャワーコンテナ＞：陸上自衛隊の野外シャワーセット。国際標準20フィートコンテナに８つのシャワー室を設置したもので、灯油ボイラーを収容しており、温水シャワーも供給できる。参考：スピアヘッドNo.20

＜ジャワ海海戦＞：スラバヤ沖海戦を参照。

＜ジャワ沖海戦＞：太平洋戦争時、バンダ泊地を出撃してボルネオ攻略部隊を攻撃に向かった連合軍艦隊を発見した日本海軍航空部隊（第11航空艦隊隷下の第１空襲部隊／第21航空戦隊、ケンダリー飛行場所在）が、これに対して反撃を行ったものである。連合軍側は特に名称を付けていない。昭和17年2月1日、連合軍はマカッサルやパンジェルマシンに日本軍が侵攻してくるのに備え、オランダ海軍カレル・Ｗ・Ｆ・Ｍ・ドールマン少将を指揮官とするABDA（American, British Dutch and Australian）艦隊を編成し、オランダ海軍軽巡デロイテル、トロンプ、駆逐艦バンゲルト、ファンゲント、コルテノール、ヴァンネス、アメリカ海軍重巡ヒューストン、軽巡マーブルヘッド、駆逐艦DD-224スチュアート、エドワーズ、バーカー、DD-222バルマー、DD-230ポール・ジョーンズ、DD-227ピルスバリー、DD-217ホイップル、油槽船ペコスを編入、2月2日にマドゥラ島バンタ泊地に集結した。2月3日、Ｚ作戦中にケンダリー基地からジャワ島を攻撃しに向かった第１航空隊九六式陸攻が、帰途にマドゥラ島沖で戦艦２隻、甲巡１隻、乙巡２隻、駆逐艦９隻からなる連合軍艦隊が錨泊しているのを発見した。南方部隊航空部隊指揮官塚原二四三中将は翌日に第21航空戦隊の陸攻で攻撃することを決定。2月4日0130、連合軍哨戒機からマカッサル海峡付近を日本の船団が航行中との報を受け、連合軍艦隊が泊地を出撃。旗艦デロイテル、ヒューストン、マーブルヘッド、トロンプの巡洋艦単縦陣を両側からアメリカ駆逐艦７隻が固め、オランダ駆逐艦が後衛を務めてマカッサル海峡へと向かった。早朝、セレベス島ケンダリー飛行場から日本軍の飛行艇２機が離陸し、マドゥラ島に向かった。0410、飛行艇１機が連合軍大型巡洋艦３隻と駆逐艦２隻を発見。0536、もう１機の飛行艇が東に航行する大型巡洋艦１隻と駆逐艦４隻を発見。0800頃、ケンダリー飛行場から鹿屋空の一式陸攻27機、高雄空の一式陸攻９機、第１航空隊の九六式陸攻24機が離陸して連合軍艦隊に向かった。1135、ジャワ海カンゲアン島南30海里で連合軍艦隊と交戦に入り、高雄空と鹿屋空第１・第２中隊が９機ずつＶ字編隊を組んで高度4000mから時速280kmでデロイテル及びヒューストンに爆弾を投下したが、全て外れ、高雄空の陸攻１機が高角砲で撃墜された。次いで鹿屋空第３中隊がマーブルヘッドに250kg爆弾14発を投下し、艦前部と艦尾に１発ずつが命中して艦内で炸裂。病室、将官公室、艦尾操舵室が破壊されて操舵できなくなり、１軸推進として後退せざるを得ず、15名が負傷した。1240から第１航空隊がヒューストンとデロイテルに計４回の爆撃を実施。ヒューストンは250kg爆弾１発を後部砲塔に被弾し、内部の弾薬が誘爆して48名が戦死した。デロイテルは至近弾で対空射撃指揮装置を破壊されている。第１空襲部隊指揮官多田少将はジャバ型２隻、デロイテル型１隻、マーブルヘット型１隻、駆逐艦７隻からなる敵船団を攻撃し、ジャバ型１隻を撃沈、デロイテル型１隻を大破、その他輸送船１隻を撃破したと報告した。日本側の損害は１機で、16機が被弾した。連合軍側は輸送船団攻撃を諦めて退却している。参考：日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊エアワールド8,’05、月刊丸2,’07、太平洋海戦史

＜ジャワ島攻略作戦＞：日本軍秘匿名はＨ作戦。太平洋戦争時、昭和17年2月中旬までに日本軍はスマトラ、マレー、ボルネオ、セレベス、チモール島の攻略を完了し、ジャワ島攻略戦に移った。総兵力は４万名、攻略部隊主力は陸軍第16軍で、事前にバリ島を占領して航空部隊を展開した後、ジャワ島の東西に上陸して攻略する作戦を立て、東部攻略部隊はスラバヤの西にあるクラガンに、西部攻略部隊はバンタム湾、メラク湾、パトロールに同時上陸することとなった。東部攻略部隊は第48師団及び坂口支隊（坂口静夫少将指揮）で、輸送船40隻（38隻？）に分乗し、第１護衛隊の第４水雷戦隊（軽巡那珂、第２駆逐隊、第９駆逐隊第１小隊）、第５戦隊（重巡那智、羽黒、第７駆逐隊第１小隊）、第５戦隊直衛第24駆逐隊、第２水雷戦隊（軽巡神通、第16駆逐隊）、掃海艇12隻、駆潜艇９隻、敷設艦１隻などが護衛する。西部攻略部隊は第16軍司令官今村均中将直率の第16軍主力（司令部及び第２師団、東海林支隊）で、輸送船56隻に分乗し、第３護衛隊（第５水雷戦隊旗艦軽巡名取、由良、第５駆逐隊、第22駆逐隊、第３水雷戦隊第11駆逐隊、第12駆逐隊、第７戦隊第２小隊重巡三隈、最上、駆逐艦敷波、掃海艇６隻、敷設艦１隻など）が護衛に就く。また、東部攻略部隊には第２航空部隊（瑞穂、千歳、第34・第38・第39号哨戒艇、漁船６隻、海上トラック１隻）、西部攻略部隊には第１航空部隊（神川丸、山陽丸、第35号哨戒艇、駆潜艇２隻、漁船２隻）が支援に当たった。特設水上母艦讃岐丸も参加する予定だったが、バリクパパンで損傷を受けて航行不能状態だったため、飛行隊だけがセレベス島のバハ水上基地に進出し、作戦に協力した。ジャワ島南沖には空母機動部隊と第２艦隊司令長官率いる南方部隊本隊が展開し、ジャワ島からオーストラリアに逃れようとする連合軍艦船の阻止を図った。2月18日、西部攻略部隊がカムラン湾を出撃。2月19日、東部攻略部隊がフィリピンのホロ島を出撃。バリ島を占領。2月20日、チモール島とスマトラ島タンジェンカランを占領。2月21日、第１航空部隊が西部攻略部隊の護衛を開始。2月22日、蘭印部隊指揮官からジャワ海周辺に有力な敵艦隊があるため上陸を２日遅らせて2月28日とするよう連絡が入り、西部攻略部隊は反転して北上。東部攻略部隊も反転してサブヌン河口沖に停泊した。2月23日、西部攻略部隊は再び南下を開始。2月24日、東部攻略部隊は南下してラウト島コタバル沖で停泊した。2月25日、東部攻略部隊は南下を再開、夜にジャワ海に入った。2月26日、東部攻略部隊は西に針路を変えた。2月27日、東部攻略部隊を載せた輸送船団が敵艦隊と遭遇、スラバヤ沖海戦となった。3月1日0000、西部攻略部隊がバンタムワンに上陸を開始。直後のバタビア沖海戦で襲撃してきた連合軍巡洋艦を退けたが、輸送船龍城丸（本当は日本陸軍上陸舟艇母艦兼作戦指揮艦神洲丸）が沈没、司令部の無線機が海没してしまい、司令部と各部隊との連絡が取れなくなった。それでも何とか上陸を終え、第２師団は二手に分かれてバタビア及びボイテンゾルグに向かい、東海林支隊（第38師団第230連隊）はカリジャチー飛行場を占領してバンドン・バタビア間の遮断に向かった。0400、東部攻略部隊がクラガン岬に上陸。直前に爆撃を受けて徳島丸が擱座、ジョホール丸が150名の死傷者を出したが、作戦を続行した。オランダが現地の道路を舗装整備してあったため、陸軍は自転車を使用して一気に進撃した。3月2日、第２航空部隊はカランドヴォに水上機基地を設営して航空支援にあたった。3月3日、カリシャチー飛行場に第３飛行集団が進出。3月4日、東海林支隊がバタビア・バンドン間の鉄道を遮断。給油艦襟裳がバリ島方面でオランダ潜水艦O15の雷撃を受けて擱座。3月5日、第２師団がバタビアを占領し、ボイテンゾルグ正面に前進した。第３飛行師団はバンドンの偵察を行い、各地から後退してきた敵兵力がバンドンに集結中であることを掴んだ。しかし第16軍主力の第２師団がボイテンゾルグ到達の過程で敵の反撃を受けて前進速度が鈍っていることも判明、無線機が海没したため司令部に指示を仰ぐこともできず、東海林支隊が独断でバタビアに対して攻撃を行うことにした。3月7日正午、東海林支隊は敵の第一線陣地を突破してレンバンに進出、バンドンを眼下に収めた。この時中野学校卒業生で先遣特殊工作任務を受けていた１名が部下１名及び通訳と共にバンドンの蘭印軍陸軍省に突入、テルポールテン蘭領東インド陸軍長官に降伏を要求した。2130、オランダの軍使が東海林支隊に停戦を申し入れた。3月8日、オランダのチャルダー総督とボールテン軍司令官が全面降伏を了承。東部攻略部隊もスラバヤに到達、作戦を終了した。ジャワ島南沖では駆逐艦３隻、小艦艇・商船14隻を撃沈し、商船４隻を拿捕している。参考：激闘！太平洋戦争地上戦、太平洋海戦史、月刊丸1,’07、2,’07、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T、太平洋戦争情報戦、続日本海軍よもやま物語

＜ジャンウェイ�U型＞：江衛�U型（フリゲート）を参照。

＜ジャンカイ�U型＞：054A級（フリゲート）を参照。

＜シャン級＞：093型（潜水艦）またはLST-1型戦車揚陸艦（中国海軍）を参照。

＜シャンクシュ＞：S-45（潜水艦）を参照。

＜ジャンクション・シティ・オルタネート作戦＞：ベトナム戦争中の1967年2月22日にアメリカ軍が行った空挺作戦。カンボジア国境付近のタイニン省にあるベトコン及び北ベトナム軍基地を目標としたもので、第173空挺旅団、第１歩兵師団、第25歩兵師団、第１機甲偵察連隊、第196軽歩兵旅団、第４歩兵師団の一部、第９歩兵師団の一部、南ベトナム軍部隊が参加した。0900に第173空挺旅団の１個大隊がC-130からパラシュート降下して退路を遮断、更に２個大隊がヘリで空輸され、重量物も次々と投下された。この時パラシュートがヘリのダウンウォッシュで巻き上げられて着陸を妨害する場面もみられた。残る部隊も大部分がヘリで輸送され、合わせて9518名が空から進撃。３ヶ月にわたる作戦期間中、１日平均50トンの物資がヘリで空輸され、３個航空大隊延べ9700機のヘリが参加した。北ベトナム側は2700名の戦死者を出し、大量の武器弾薬、800トン以上の米を含む軍需物資を失った。参考：現代の空挺作戦、月刊軍事研究11,’03

＜シャングリ・ラ＞：CV-38（空母）を参照。

＜シャングリラ会合＞：イギリス国際戦略研究所アジア安全保障会議を参照。

＜シャンクル＞：S-47（潜水艦）を参照。

＜ジャングル・ウォー＞：イギリス軍が太平洋戦争時に製作した小冊子。辻政信中佐がマレー半島電撃戦の様子を詳細に語った新聞記事を元に作成された。これを読んだインド方面の現地部隊では、日本軍得意の側背攻撃法を防ぐために側面及び背面を火力でカバーする戦法や、逆に日本軍の側背に回り込む戦法を開発している。日本軍はこれらの戦法に対する新たな対策を講じなかったため、英印軍はビルマでの日本軍攻勢を凌ぐことが出来た。参考：太平洋戦争情報戦

＜ジャングル・ウォーフェア・トレーニング・センター＞：北部訓練場を参照。

＜ジャングル・カービン＞：No.5Mk1（小銃）を参照。

＜ジャングルジム分遣隊＞：戦闘乗員訓練飛行隊を参照。

＜ジャングル・ペネトレーター＞：アメリカ軍の救難具。ヘリに人員を引っ張り上げる時に使用する。ジャングルでも地上に届くよう、投下時には先端の尖った杭のような形に折り畳まれており、地上で救難対象の人員が展開し、腰掛けて救助してもらう。参考：月刊軍事研究2,’07

＜ジャンシェン＞：軍神（車両）を参照。

＜ジャン・スマッツ級＞：サール４型ミサイル艇（南アフリカ海軍）を参照。

＜ジャンセン＞：DE-396（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジャンダルマリ＞：憲兵を参照。

＜シャンティ・プラヤー２＞：2013年3月25日から4月7日までネパールで実施されたGPOIキャップストーン演習。アメリカとネパールが共催し、イギリス、インド、オーストラリア、ガーナ、カザフスタン、韓国、カンボジア、自衛隊（統幕、統幕校、北部方面隊、中央即応集団）、スイス、ノルウェー、パキスタン、パラグアイ、バングラデシュ、フィリピン、フランス、ベトナム、モンゴルなど計28カ国が参加、PKO活動に関する実動訓練と幕僚訓練を行った。参考：朝雲

＜シャンティ・プラヤ３＞：2017年3月20日から4月3日までネパールで実施されたGPOIキャップストーン演習。インド、インドネシア、オーストラリア、韓国、カンボジア、自衛隊（中央即応集団２名）、フィリピン、マレーシアなど34カ国が参加し、PKO活動に関する実動訓練などを行った。参考：朝雲

＜シャンデリア＞：AV-10（水上機母艦）を参照。

＜シャントウ＞：561（フリゲート）を参照。

＜ジャン・ド・ヴィエンヌ＞：D643（駆逐艦）を参照。

＜ジャン・ド・ヴィエンヌ＞：フランス海軍ラ・ガリソニエール級軽巡洋艦２番艦Jean de Vienne。1937年竣工。1942年11月にツーロン軍港中部のミシシー係船堀のドックで自沈した。イタリア海軍に引き揚げられてFR.11と命名された。1943年9月9日にイタリアが降伏したため、ドイツの許可のもとフランス海軍が保管していたが、11月24日に連合軍の爆撃を受けてドック内で転覆、破壊され、戦後に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ジャンヌ・ダルク＞：R97（ヘリ巡洋艦）を参照。

＜ジャンヌ・ダルク＞：フランス海軍ジャンヌ・ダルク級練習巡洋艦Janne d’Arc。1931年竣工。フランス降伏後はマルティニク島に停泊していたが、1943年に連合軍側に移管され、対空機銃の強化などを受けた。1943年秋、コルシカ解放のため兵員輸送任務に就き、1944年8月にはシェルブールにフランス臨時政府要員を輸送した。1966年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ジャンヌ・ダルク級装甲巡洋艦＞：フランス海軍装甲巡洋艦Jeanne d’Arc級。高速発揮のため主缶を36基も積み、機械室を挟んで前後の缶室から３本ずつの煙突が突き出している。常備排水量11092トン。計画速力23ノット、最大速力21.8ノット。兵装は19cm連装砲２基、14cm単装砲14門。1902年にジャンヌ・ダルクが竣工した。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜ジャンヌ・ダルク級練習巡洋艦＞：フランス海軍練習巡洋艦Jeanne d’Arc級。1927年度計画でジャンヌ・ダルク１隻が建造された。船首楼甲板の上に長い甲板室を設け、候補生の居住区としてある。主砲はデュゲイ・トルーアン級と同じ15.5cm砲を搭載して陸軍との弾薬共通化を図った。全長170.0m、幅17.7m、吃水6.4m、基準排水量6496トン。主機は蒸気タービンで、出力32500馬力、２軸推進、速力25ノット。兵装は15.5cm連装砲４基、7.5cm単装高角砲４門、37mm機銃４門、55cm単装魚雷発射管２基。固有の乗員505名（450名？）の他、士官候補生156名、教官20名を収容する。戦時乗員は648名。カタパルト２基を搭載する予定もあったが、結局装備されなかった。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のフランス軍艦

＜ジャンヌ・ダルク級ヘリコプター巡洋艦＞：フランス海軍ヘリコプター巡洋艦Jeanne d’Arc級。平時は士官候補生用の練習艦だが、有事には小改造で対潜ヘリ母艦・揚陸作戦指揮艦に転用できる。艦中央部から後部に広い飛行甲板を持ち、その直下がヘリ８機収容の格納庫で、エレベーター（能力12トン）は飛行甲板後端にある。全長180.0m、幅24.0m、吃水6.3m、基準排水量10000トン、満載排水量12365トン。主機は蒸気タービンで、出力40000馬力、２軸推進、速力26.5ノット、航続距離は15ノットで6000海里。兵装は10cm単装両用砲（最大射程17km、有効射高6-8km、最大射高11km）４基で、艦橋前方にはマズルカSAMの装備スペースが設けられた。センサーはDRBV22D対空捜索レーダー１基、DRBV50対水上レーダー１基、DRBN32航法レーダー１基、DRBC-32射撃指揮レーダー、DRBI-10レーダー１基、503ソナー１基。平時はHSS-1／アルーエト�Vヘリコプター４機を搭載するが、有事には８機に増やす。乗員は730名で、士官30名と士官候補生192名が乗艦する。コマンドー母艦として使用する際には兵員700名を搭載する。ジャンヌ・ダルクが1964年に竣工した。マズルカSAMは結局搭載されず、装備スペースには後にエグゾセMM38発射筒６基が装備された。2010年に退役した。参考：近代巡洋艦史、ザ・マーチ23号、月刊丸12,’90、月刊世界の艦船8,’10、4,’12、8,'15、1,'15増刊、月刊軍事研究2,’12

＜シャンパーニュ・アルトワ会戦＞：第２次シャンパーニュ会戦／第３次アルトワ会戦ともいう。第１次大戦時の1915年5月、第２次アルトワ会戦でドイツ軍陣地の突破に失敗したフランス軍は、砲兵火力を強化し、密集兵力でドイツ軍重層陣地を一気に突破する作戦を立て、シャンパーニュとアルトワで同時攻勢を実施、間のドイツ軍を包囲にかかることにした。アルトワ付近にはイギリス軍も展開しており、こちらにも同時攻勢を要請している。用意した戦力はシャンパーニュ方面の30km正面に第一梯団として歩兵15個師団、第２梯団として歩兵９個師団、第３梯団として騎兵８個師団、野砲1482門、重砲773門、迫撃砲／臼砲393門、アルトワ方面のフランス30km正面に第一梯団として歩兵15個師団、第２梯団として歩兵９個師団、第３梯団として騎兵８個師団、野砲700門、重砲460門、迫撃砲230門、イギリス8km正面に第１梯団として歩兵５個師団、第２梯団として歩兵４個師団、第３梯団として騎兵５個師団である。しかし兵力集中に時間が掛かり、1915年9月8日の開始予定が9月25日に延期され、ドイツ軍にも準備がバレバレで、防御の増強を許してしまった。9月21日、アルトワ方面でフランス軍が攻撃準備射撃を開始。9月22日からフランス軍はシャンパーニュ方面で攻撃準備射撃を開始。３日間に精密照準で155000発を撃ち込んでドイツ軍第一線陣地をクレーター地帯に変えた。ただ雨が降っていたため観測用気球が使えず反斜面陣地への効果は限定的で、第二線陣地は射程外にあって無傷だった。9月25日、フランス軍は３時間の攻撃準備射撃の後に1000から前進を開始。シャンパーニュ方面ではフランス植民地第２軍団と第14軍団が10分でドイツ軍第一線陣地を突破して第二線陣地まで進み、一部は第二線陣地も突破した。しかし他所では鉄条網の残骸や生き残った掩蓋からの機関銃掃射に妨害されて前進できず、第１梯団と同時に前進を開始した第２梯団はドイツ軍の阻止砲火を浴びて３個師団が失われてしまった。それでもフランス軍は23km正面を突破、縦深最大4kmまで喰い込み、一時は防衛するドイツ第３軍司令部に撤退を考慮させるところまで追い込んでいる。アルトワ方面でもフランス・イギリス軍が前進を開始したが、攻撃準備射撃の効果が薄くドイツ軍からの猛反撃を受けて初日で攻撃が頓挫した。9月25日午後、ドイツ参謀総長がシャンパーニュ方面の戦線を視察し、第二線陣地での死守を決定。補給部隊まで投入して踏ん張り、1700に増援１個師団を送り込んで第二線陣地を突破したフランス軍を壊滅させた。9月26日、シャンパーニュ方面のフランス軍は第一線陣地の掃討戦と第二線陣地への攻撃準備射撃を開始。午後から攻勢に出たが、前日からの大雨で路面が悪く前進できず失敗。9月27日、シャンパーニュ方面のフランス軍は再度攻撃準備射撃の後で攻勢に出たが、やはり失敗し、前線部隊に損害が続出したため、他方面の部隊と交替させた。その間に野砲部隊を前進させて第二線陣地を射程内に収める予定だったが、路面が戻らず展開に10月4日までかかり、その間にドイツ軍が兵力を会戦開始前の2.5倍に増強した上、10月5日の１日だけの攻撃準備射撃ではドイツ陣地を十分に制圧できず、10月6日の攻勢は失敗した。アルトワ方面では10月5日にドイツ軍が153個大隊（会戦開始時99個大隊）まで戦力を増強しており、10月13日にフランス・イギリス軍は作戦を中止した。損害はドイツ軍が141000名、フランス軍が191000名、イギリス軍が61000名。この戦訓から、突破を防ぐため双方が塹壕を三重以上に連ねることになり、ますます戦線突破が困難となった。参考：歴史群像8,’11

＜シャンパーニュ冬季戦＞：第１次大戦において、1914年末からフランス軍がシャンパーニュ方面で実施した、ドイツ軍に対する攻勢。塹壕がスイス国境から英仏海峡まで延びて側面に回り込むことができず、野戦戦術で突撃しても鉄条網と機関銃に阻まれて死傷者が増えるだけだったため、事前に塹壕に対して砲兵による攻撃準備射撃を行い、敵陣に向けて塹壕を掘り進む対壕作業を実施、敵の塹壕を一つ一つ制圧していく戦法をとった。しかしドイツ軍が砲兵による強力な阻止砲火を浴びせ、生き残った側防陣地から機関銃の猛烈な射撃を行い、その間に予備兵力で戦線を立て直したため、塹壕線を突破することはできず、1915年初めに攻勢は終了した。この戦いで、フランス軍は側防陣地の排除、攻撃正面の拡大、第２梯団による戦線突破口からの急速進撃、ドイツ軍は2-4層の塹壕線による縦深陣地と反斜面陣地の構築といった戦訓を得て、第２次アルトワ会戦に進んだ。参考：歴史群像8,’11

＜ジャン・バール＞：D615（ミサイル駆逐艦）またはオセアン（戦艦）を参照。

＜ジャン・バール＞：フランス海軍リシュリュー級戦艦２番艦Jean Bart。1936年起工。第２次大戦勃発時はサン・ナゼール港ノルマンディー・ドック（当時世界最大の客船ノルマンディー用に作ったドック）で建造中で、ドイツ軍の黄作戦を受けフランスが休戦交渉に入った翌日の1940年6月18日、ドイツ軍の接収を逃れるため防御用機関砲・機銃を仮装備し、推進軸にタービン駆動装置を取り付け、軍艦旗を掲揚し、急ごしらえの水路を使って夜中にサン・ナゼール港を脱出、6月22日にモロッコのカサブランカに到着した。その後１番砲塔にのみ搭載されていた主砲を使用可能にし、陸上に射撃指揮所を設けて1942年秋の連合軍北アフリカ上陸時に反撃を行ったが、11月8日と10日にアメリカ戦艦マサチューセッツの40cm砲弾８発とCV-4レンジャー艦上機からの攻撃を受けるなどして大破した。11月11日、連合軍に降伏。1945年、応急修理を完了して11月にサン・ナゼールに戻り、1946年からブレストで工事を再開。主砲をクレマンソー用のものに換装し、対空装備を整えて1955年5月1日に竣工、世界で一番最後に完成した超ド級戦艦となった。航空艤装は搭載されておらず、竣工時の基準排水量は42806トンである。1961年（1970年1月？1969年？）に除籍され、倉庫船として使用された後、解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船7,’13、1,’12、4,’17、月刊軍事研究1,’17

＜上海�U型＞：中国海軍哨戒艇62C型のNATOコードShanghai �U型。現代版河用砲艦とも呼べる乾舷の低い小型艦で、沿岸部及び河川での哨戒を主任務としており、オープン・ブリッジを持つ。全長39m、基準排水量120トン、満載排水量134.8トン。主機はディーゼルで、速力30ノット。兵装は37mm連装機銃２基（艦前後）または57mm連装機銃１基、25mm連装機銃２基（艦橋直後両舷）、機雷投下軌条２本。1960年代初期（1982年？）から1988年にかけて300隻以上が建造され、アルバニア、アンゴラ、カメルーン、北朝鮮、バングラデシュなどに輸出もされた。参考：月刊世界の艦船2,’87、7,’13、月刊軍事研究4,’05

＜上海�U型・海外シリーズ＞

　＜上海�U型（北朝鮮）＞：北朝鮮海軍哨戒艇Shanghai �U型。1967年から艦番号381-388、391-395が就役した。全長38.5m、幅5.4m、吃水1.7m、満載排水量131トン。主機はディーゼル４基４軸4220馬力、速力30ノット。兵装は37mm連装機関砲２基、25mm連装機関砲２基、76mm単装無反動砲２門。乗員34名。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜上海�V型＞：海鳩型（哨戒艇）を参照。

＜上海海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。偵察を担当する練習航空隊である。参考：歴史群像4,’16

＜上海基地＞：中国海軍基地。上海港の主要部分を軍用埠頭として使用しているもので、2003年に上海保障基地、2012年に上海水警区となり、2017年に上海基地に戻った。2019年現在、東海艦隊護衛艦第14支隊が配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜上海協力機構＞：SCO（Shanghai Cooperation Organization）と略す。中国、ロシア、カザフスタン共和国、キルギス共和国、タジク共和国、ウズベキスタン共和国で構成する国際協力機構で、1996年に上海で調印された国境信頼醸成条約が元になっている。NATOの中央アジア版を目指して当初はウズベキスタンを除く５ヵ国で始まり、1997年には国境兵力引き離し条約も調印された。2001年にウズベキスタンが加わり、上海に事務局を置いて常設組織となった。同年のアメリカ同時多発テロ勃発をきっかけに対テロ対策、独立要求対策、原理主義対策が共通目標に掲げられ、中国は東トルキスタン運動の脅威を取り除くことを主眼に、2002年から合同軍事演習を積極的に開催している。ただ資源確保を主要な目的とし、欧米との摩擦は避けたい中国と、CSTOと合わせNATOに対抗する軍事同盟に育て上げたいロシア（中国の中央アジア進出に警戒感もある）との間で温度差も生じ始めている。2002年、演習01を開催。2003年、連合2003演習を開催。2005年、パキスタンやインド、イランが準加盟国となった。オブザーバーとしてアメリカも加盟を申請したが、地域国ではないとのことで拒否されている。和平使命2005演習を開催。2006年、協作2006演習を開催。2007年、和平使命2007演習を実施。ロシアはCSTOとの合同演習も提案したが、中国が拒否している。8月16日、キルギスの首都ビシケクでオブザーバー各国や招待国（アフガニスタン、トルクメニスタン）を含めた首脳会議を開き、長期善隣友好協力条約に調印し、テロ対策やエネルギー分野での協力とアメリカの影響力排除を謳ったビシケク宣言を採択した。2010年、和平使命2010演習を実施。2012年、和平使命2012演習を実施。2014年、和平使命2014演習を実施。2016年、和平使命2016演習を実施。参考：月刊軍事研究4,’07、9,’07、10,’07、1,’17

＜上海事変＞：第１次上海事変または第２次上海事変を参照。狭義には前者を指す。参考：歴史群像8,’08

＜上海崇明基地＞：中国軍の航空基地。2600m滑走路と航空機用掩体29個を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜上海大場基地＞：中国軍の航空基地。2400m滑走路と耐爆シェルター14個を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜上海特別陸戦隊＞：日本海軍の陸戦隊。元は大正15年に上海に設置された警備隊本部で、昭和5年に第１遣外艦隊から派遣された陸戦隊700名が配属され、この名称が付いた。昭和12年7月7日の日華事変勃発時は第３艦隊隷下だった。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時は上海方面根拠地隊隷下だった。参考：歴史群像8,’08、日本海軍艦隊総覧

＜上海特別陸戦隊戦車隊＞：日本海軍装甲車両部隊。チャッポロ事件をきっかけに創設し、当初はビッカース・クロスレイM25装甲車、ヴィッカーズ・カーデンロイド装甲車などを装備して済南紛争、第１次上海事変に投入され、後に八九式中戦車なども装備して第２次上海事変などに投入された。参考：月刊PANZER4,’04

＜上海方面根拠地隊＞：日本海軍の根拠地隊。参考：日本海軍艦隊総覧

　＜上海方面根拠地隊（昭和１６年１２月８日、太平洋戦争開戦時）＞：支那方面艦隊隷下で、司令官は牧田覚三郎中将。出雲、鳥羽、栗、栂、蓮、上海海軍特別陸戦隊を隷下に置く。参考：日本海軍艦隊総覧

＜ジャンピング・ジープ＞：プロディガル計画（試作車両）を参照。

＜ジャンプ艇＞：グリロ（特殊艇）を参照。

＜ジャンプ・ブレーキ＞：マズルブレーキを参照。

＜ジャンフランコ・ガッツァーナ・プリアロッジア＞：S-525（潜水艦）を参照。

＜ジャンフランコ・ガッツァーナ・プリアロッジア＞：イタリア海軍テンチ級潜水艦Gianfranco Gazzana Priaroggia（第２次大戦時のイタリア潜水艦エース）。元はアメリカ海軍テンチ級潜水艦SS-490ヴォラドア（SS-524ピカレル説あり）で、1972年8月18日に貸与された。1977年12月、アメリカから購入した。1983年12月31日に除籍された。参考：月刊世界の艦船3,’15

＜シャンプレン級＞：バトラル級（戦車揚陸艦）を参照。

＜ジャンボ＞：M4A3E2（戦車）を参照。

＜シャンヤンホン１０＞：向陽紅10（海洋調査船）を参照。

＜シュアイバ上陸計画＞：湾岸戦争時に検討された水陸両用作戦The Ash Shuaybah Plan。上陸地点はクウェート東海岸にある港町シュアイバの北側海岸地帯（クウェート市南方13km）で、北側にレッドビーチ、南側にゴールドビーチを設定した。まずLHA-1タラワから第13海兵遠征隊第３連隊第１大隊上陸チームがCH-46輸送ヘリ24機に分乗して夜のうちにレッドビーチ後方へとヘリボーンを行い、阻止拠点を構築。直後に第５海兵遠征旅団第５連隊上陸チームがレッドビーチに、第４海兵遠征旅団第２連隊第１・第３大隊上陸チームと機甲支隊（M60戦車中隊とLAV-25軽装甲歩兵中隊からなる）がゴールドビーチに上陸する。この際に使用する上陸用舟艇はLCU13隻（貨物1625トン）、LCAC17隻（戦車17両）、AAV7水陸両用車115両（兵員2415名）である。実施に備えてイミネント・サンダー演習やシー・ソルジャー演習が行われたが、海兵隊が支援砲撃に必要として12隻を要求したのに対して海軍はアイオワ級戦艦２隻含む７隻が限度と回答、掃海能力や地雷除去能力も不足しており、上陸地点のイラク軍戦力も第11歩兵師団（兵力10000名）及び機甲予備（戦車・装甲車300両、兵力3000名）と強力で、水陸両用作戦前の掃海に10日間、海岸陣地への砲爆撃に3-5日間掛かるとして計画倒れになった。参考：月刊軍事研究7,’12

＜シュイチョウ＞：530（フリゲート）を参照。

＜ジュイット＞：DD-396（駆逐艦）を参照。

＜シュイップ＞：フランス海軍アンクル級一等通報艦Suippe。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜銃＞：中国語では槍械。小銃と拳銃がある。14世紀末に中国かアラビアで誕生し、15世紀初頭からヨーロッパで戦史に現れた。最初の銃は前装式滑腔火縄銃で、天候などによる使用制限があり、球形弾のため殺傷力も乏しく、発射速度も遅く、敵軍を混乱させるのが主要目的だった。17世紀初めにフリント・ロックが登場して発射速度が改善され、銃剣が登場して銃の他に槍を持つ必要が無くなった。19世紀にパーカッション・ロックと金属薬莢が開発され、後装式連発ライフル銃が登場し、命中精度、発射速度、殺傷力、有効射程が向上した。更にレバーアクションやボルトアクションが誕生、セミオート（自動小銃）やフルオート（機関銃、短機関銃、突撃銃）へと発展を遂げた。参考：世界の軍用銃、月刊軍事研究5,’09

＜重ＩＣＢＭ＞：RS-20ICBMのこと。START条約では発射重量106トン以上または投射能力4.35トン以上のICBMのこと。参考：月刊軍事研究9,’11

＜重ＭＡＴ＞：79式対舟艇対戦車誘導弾を参照。

＜シュヴァリエ・ポール＞：フランス海軍ヴォークラン級駆逐艦Chevalier Paul。1934年竣工。1940年6月13日からヴァード作戦に参加。1941年6月16日、シリア沖でイギリス軍機の雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船2,’18

＜シュヴァルベ＞：Me262シリーズ（戦闘機）を参照。

＜充員召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜シュヴェア・ブルノ＞：ブルノ・シリーズ（列車砲）を参照。

＜重営倉＞：日本軍の処罰。軍法会議にかからない程度の罪状に対する罰で、営倉に入れられ、塩と米だけの食事しか出されなくなり、寝具なども与えられない。ただし３日に１日は普通の兵食と寝具ありになる。参考：写真で見る日本陸軍兵営の食事、帝国陸海軍事典

＜シュヴェーデネック級＞：ドイツ海軍試験艦Schwedeneck級。新装備テスト艦で、後甲板が試験機材搭載スペースとなっており、高さを抑えて積み降ろしが楽なように設計した。艦尾にはＡフレーム・クレーンを持つ。全長56.5m、満載排水量1018トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、速力13ノット。Y861クロンソルトやY862ヘルムサントなど３隻が1987-88年に竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’07、2,’10

＜就役＞：Commission。艦船などが軍の戦力となること。竣工して引き渡されると同時に就役（海上自衛隊）することもあれば、竣工・引き渡しを受けた後、１年以上の慣熟訓練を経て就役（フランス海軍）となることもある。参考：月刊世界の艦船8,’11、2,’13

　＜就役（海上自衛隊）＞：竣工して建造所で引渡式を行った後、すぐに自衛艦旗授与式が挙行され、就役する。艤装員長は艦長・艇長に、艤装員は乗員に名称変更され、各役職に正式に任命される。就役後は定係港に向かいつつ、初の洋上訓練として運動能力検測や部署訓練に入る。参考：月刊世界の艦船8,’11、MAMOR vol.137

＜就役訓練＞：艦が就役した後、乗員が個艦術科力の基礎を確立するために行う訓練のこと。参考：月刊世界の艦船12,’22

＜重掩蓋＞：厚さ4.2mの土に相当する強度を持つ掩蓋。長さ1.5m・直径0.25mの丸太を敷き詰め、通常の土層に等しいくらいに固めた厚さ1.1mの盛り土をし、厚さ1mの砂利を敷き詰めたくらいのものである。低射角射撃なら200mm級榴弾砲で最強装薬での最大射程の55%、150mm級カノン砲で最大射程の40%、150mm級榴弾砲で最大射程の30%以内でないと破壊できず、高射角射撃でも200mm級榴弾砲以外では破壊不能である。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜重延線車＞：日本陸軍の野戦有線通信路架設車両。損傷しやすい大被覆線に替わる２対または４対入りキャプタイヤケーブルを敷設するのが主任務で、６輪トラックの荷台に器材を積み込んであり、時速6kmで敷設できる。参考：工兵入門

＜周回進入＞：Circling approach。所定の方式で特定方位の滑走路に計器進入し、飛行場や滑走路を操縦士が目視で確認した後、別の方位の滑走路に着陸するため、滑走路などの地上目標物を目視しつつ進入着陸すること。最低気象条件設定時には、直進進入以外の進入を全て周回進入として扱う。操縦士の目視が原則なので、周回飛行中に地上目標物を見失った場合には進入復行に入る。参考：航空用語事典増補改訂版

＜銃型写真機＞：写真銃（日本陸軍）を参照。

＜臭化ピリドスチグミン＞：有機リン系神経剤の予防薬。アセチルコリンエステラーゼと結合する能力を持ち、神経剤によりアセチルコリンエステラーゼが減ると徐々に分解してアセチルコリンエステラーゼを供給する。しかし人によっては分解しないことがあり、副作用に繋がるともいわれる。湾岸戦争時にアメリカ軍が兵士に服用させたが、この時は神経剤予防薬としてFDAの認可を受けておらず、実験用として投与されていた。参考：化学・生物兵器概論

＜銃眼閉塞具＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜重観砲隊鏡＞：九八式砲隊鏡を参照。

＜重観砲隊鏡＞：日本陸軍の砲隊鏡。三七式砲隊鏡の後継として開発された。重観測車の備品扱いのため、制式名称は付けられていない。参考：日本陸軍兵器資料集

＜主機械減速装置（２７ＤＤＧ用）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜重機関銃＞：中国語では重機槍。三脚架に載せて安定した射撃を可能とし、水冷式または分厚い銃身を持つ空冷式として長時間使用に耐える機関銃である。重いので機関銃座に固定されていることが多く、突撃してくる歩兵をなぎ倒すのを主任務とする。敵との距離が縮まってくると興奮と恐怖心から命中率が低下する（平時の5-10分の１）が、これを補って余りある発射速度と安定性を持っていた。このため日露戦争や第１次世界大戦で絶大な威力を発揮したが、軽機関銃の登場により戦場での優位性が低下している。第２次大戦中から戦後にかけて自動小銃と汎用機関銃が広まると、軽装甲車レベルを撃ち抜け、ヘリに対する対空射撃も可能な大口径機関銃といった感じの定義になった。重さ16kg以上と重量で区分することもある。参考：月刊軍事研究11,’02、8,’14、日本陸軍兵器資料集、拳銃・小銃・機関銃

＜重機関銃用弾薬箱＞：日本陸軍の重機関銃用弾薬箱。三八式機関銃・三年式機関銃・九二式重機関銃の弾薬を入れる箱で、歩兵用の甲は30発装填の保弾板を18個、騎兵用の乙は25個収容できる。重量は口径6.5mmの三八式・三年式 では甲19kg・乙25kg、口径7.7mmの九二式 では甲22.133kg・乙30.043kg。甲は馬１頭に４箱、乙は２箱を載せられる。参考：日本陸軍兵器資料集

＜重機槍＞：中国語で重機関銃のこと。参考：月刊軍事研究5,’09

＜重機操縦手＞：陸上自衛隊の施設科隊員。重機による作業を行うのが主任務で、教育も施設科部隊で行われ、自衛隊内の資格を順次取得して扱える重機を増やしていく。参考：MAMOR vol.132

＜周期的ピッチ制御＞：サイクリック・ピッチ・コントロールを参照。

＜重機動力拡張戦術トラック＞：HEMTTを参照。

＜就業（日本陸軍）＞：傷病により軍医の診察を受けた結果、全ての勤務を行って良いと軍医が診断したもの。参考：軍医サンよもやま物語

＜終極荷重＞：Ultimate load。極限荷重ともいう。制限荷重に安全率（民間機では1.5）を掛けた荷重で、通常は破壊荷重を意味する。航空機全体の終極荷重と、各部材の終極荷重があり、航空機構造は終極荷重に最低３秒間は耐えられるよう設計される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜終極荷重倍数＞：Ultimate load factor。制限荷重倍数に安全率を掛けたもので、通常は破壊荷重倍数を意味する。耐空類別によって様々な値が設定されている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜重魚雷＞：長魚雷を参照。

＜州軍＞：National Guard。州兵ともいう。アメリカ独立戦争時の民兵が大元で、1916年施行の国家防衛法により、この名称になった。管轄も州からアメリカ連邦政府に変更されている。大統領及び国防長官と州知事の双方の指揮を受け、平時には州知事の指揮下で所属州の緊急事態に対応し、有事には大統領の命令に基づき国防省の指揮下に入って軍との共同作戦を行う。トップはアメリカ軍州軍総監で、陸軍州兵及び州航空軍からなり、海軍・海兵隊は無い。練度は部隊によってまちまちで、すぐに実戦投入できる者もいれば名前だけ登録している者もいる。参考：月刊軍事研究7,’05、4,’16、5,’16

＜従軍看護婦（日本海軍）＞：傷病兵にとっては畏怖の対象であり、頭が上がらない。海軍病院では普通の病院と同じく朝夕の体温測定や脈拍測定などを行う。脈拍測定では「脈用意」「はじめ」の号令で患者に30秒間脈を測らせ、体温計を回収する時に２倍した数字を聞いてカルテに記入していく。参考：続日本海軍よもやま物語

＜従軍手帳＞：日本陸軍の手帳。陸軍恤兵部が出征兵士に支給しており、前線で常に携帯して雑記帳として使用する。参考：歴史群像8,’17

＜重慶＞：133（駆逐艦）を参照。

＜重慶爆撃＞：日本軍が昭和13-18年に行った、重慶に対する爆撃。南京から重慶に移動した中国国民党政府に対して行われたものだが、民間人含め１万人を超える死者が出たため、無差別爆撃と認識されている。参考：月刊軍事研究4,’03

＜襲撃機＞：日本陸軍の航空機区分の１つ。昭和13年7月の陸軍航空本部兵器研究方針改訂で新設された。敵飛行場の飛行機と敵地上軍に対する襲撃が主任務で、同一機種により軍偵察機の任務も行う。超低空／降下爆撃を主用するため低空運動性の良い機体を求めている。昭和13年1月から開発中の九九式軍偵察機が九九式襲撃機に振り替えられた。参考：月刊JWings4,’20

＜銃剣＞：バヨネット（Bayonet）。銃に取り付けて槍のように使用する剣（大型ナイフに近い）のことである。装填作業中に無防備になる銃兵が自衛できるよう、17世紀半ばにフランスで開発され（現存最古のものは1647年製）、19世紀までにヨーロッパに広まった。バヨネットの語源は、銃剣が最初に使用されたフランスのバイヨンヌという町（農民同士の紛争があった）の名前からきており、この時はマスケット銃の銃口に狩猟用ナイフの柄をねじ込んで使用したようである。開発当初はロッド式と呼ばれる突き専門のタイプで、銃口に直接差し込んで使っていた。ただ銃を撃てない、刺した後に抜けてしまうという欠点があり、17世紀末には銃口に差し込むソケットが付いたタイプが開発されている。19世紀初め頃に多用途に使える刃付きのソード式（刀身長25-30cm）が出現し、第１次世界大戦の塹壕戦で短縮バージョンのナイフ式（刀身長20cm前後）が登場した。折り畳み構造で銃身に作り付けられている一体型も発明されている。白兵戦用として長らく使用されていたが、近年のCQBではあまり使われない。参考：歴史群像12,’09、世界の軍用銃、日本陸軍兵器資料集

　＜銃剣（日本陸軍）＞：三〇年式銃剣、九九式銃剣などが使用された。長剣を持たない下士官や兵は、訓練・戦闘時や正装時には常に携帯する。普段は刃が付いておらず、出征する時に磨いで刃を付けた。日華事変以降は刀身を黒く塗り、目立たないようにしている。太平洋戦争末期には資材不足のため鞘が木製になり、満州の動員部隊では銃剣自体が10万本も不足した。参考：戦時用語の基礎知識

＜銃剣術＞：日本軍の必須格闘技。剣道着のような防具と三八式歩兵銃を似せた木銃を使用する。フランス陸軍からバイヨネット・フェンシングを学んだのが始まりで、明治22年に剣術教範を発行し、その後日本独自の刀槍術も取り入れ、明治27年に日本式銃剣術として定められた。昭和15年に銃剣道と改称されている。太平洋戦争終結後の銃剣道は武道だが、こちらは敵を倒すための武術であるため、単なる乱闘になることもしばしばだった。参考：続海軍よもやま物語、歴史群像8,’17

＜銃剣道＞：着剣した銃に見立てた木製の木銃（先端にタンポと呼ばれる緩衝ゴム付き。小学生以下は1335mm・800g以上、中学生以上は1660mm・1100g以上）を使用し、防具（面、胴、胴布団、肩、垂、左手用籠手、右手用指袋）を身につけ、10m四方のコート内で１対１で競う武道。有効部位は喉、左肩、上胴（左腕の上から左胸を突く）、下胴（左腕の下から左腕を突く）、小手で、技は突きのみ。相手を声で圧倒し、正しい姿勢で突き、残心の動作（突いた後に木銃を抜く所作）が行えていると審判員３人のうち２人が判定すると一本になる。制限時間は３分ないし５分。全日本銃剣道連盟がルールを定めている。自衛隊では体育訓練種目の１つとして訓令で採用した。中学校で武道が必修化された際にもその他の武道として採用されており、2021年から銃剣道として独立明記される予定。太平洋戦争時に日本陸軍がビルマ独立義勇軍に伝えており、ミャンマー国軍でも普及するかもしれない。参考：MAMORvol.128、vol.82、vol.76、朝雲

＜銃口蓋（日本陸軍）＞：銃口に填めておく異物侵入防止・照星保護用の真鍮製キャップ。構造上かなり落としやすい物品だが、小さいとはいえ一応は天皇陛下から賜ったものであるから、無くすと大事である。他人の銃に手を掛けるのが困難な内務班であっても、なぜか良く盗まれるので、要らない厚紙で自作して被せておき、本物はしまっておく方が賢明。盗まれた初年兵が古井戸に身投げし、三日月の夜に幽霊となって銃口蓋を求めさまよい歩くという怪談まで生まれるほどであった。参考：新兵サンよもやま物語

＜銃口蓋（日本海軍）＞：ゴミなどが入ったり、破損したりするのを防ぐため、銃口と照星に被せる真鍮製のフタのこと。陸軍と違ってただのキャップ扱いで、出入りの業者が予備を売っていた。女性のことも銃口蓋と呼び、既婚者は銃口蓋持ちと称した。参考：海軍よもやま物語、海軍こぼれ話

＜自由降下課程＞：陸上自衛隊の教育で、空挺教育隊が行う。高々度から降下し、空中遊泳により方向転換しながら目標に接近、低高度でパラシュートを開いて隠密進入する技術（HALO）を習得するものである。降下技術優秀な幹部・陸曹で、落下傘降下20回以上の経験を積み、空挺レンジャー課程をクリアし、航空生理テストなどに合格した者が受講できる。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜自由降下徽章＞：陸上自衛隊の徽章。自由降下課程の教育訓練を修了した者が付ける。参考：MAMOR vol.62

＜自由降下傘＞：陸上自衛隊の落下傘。パラフライト社製で、長方形のパラグライダータイプである。自由降下課程を修了すると運用資格が得られる。傘体幅8.7m、奥行き4m、重量20kg。開傘時間3.5秒以内。参考：月刊JWings4,’15、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜自由降下傘ＭＣ−４（自動開傘装置）＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜重航空機＞：Heavier-than-air aircraft。機体の平均比重が空気よりも重い航空機。主翼で生じる動力学的浮力により空を飛ぶ。浮力を得る方式で固定翼機と回転翼機、転換翼機（ティルト・ローター機）に分かれる。また、離着陸で水平離着陸機、短距離離着陸機（STOL機）、垂直離着陸機（VTOL機）に分かれる。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊JWings6,’02

＜集合訓練＞：自衛隊の訓練。全国で勤務している隊員を教育機関に一時的に集合させ、特定の教育を行い、修了後は原隊に復帰させるものである。参考：月刊JWings6,’23

＜重合体電解質半透膜＞：PEM燃料電池方式を参照。

＜重興丸＞：日本海軍特設運送船（給油船）。元は早山石油小型油槽船神風丸で、昭和13年11月に竣工し、昭和14年に大洋興業に売却されてこの船名になり、昭和16年2月に徴用されて特設運送船となった。垂線間長47.5m、幅7.8m、深さ4.1m、総トン数478トン、重量トン数617トン。主機はディーゼル１基１軸450馬力、航海速力11ノット、最大速力11.38ノット。徴用後は支那方面艦隊に配備され、更に高雄警備府に異動。昭和20年1月9日、台湾高雄沖でアメリカ第38機動部隊艦上機の空襲を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜重小型戦車＞：1943年5月13日にドイツ陸軍とラインメタル社が行った会合で基本案が纏められた駆逐戦車で、設計はポルシェ博士である。傾斜装甲を持つ固定式戦闘室に10.5cm軽榴弾砲leFH43を搭載し、主砲射界は左右８度ずつ、俯仰角はマイナス７度からプラス15度。装弾数60発。戦闘室上面中央には10基のペリスコープを持つ車長用キューポラがあり、戦闘室側面と後面にはガンポートを持つ。機関室は車体後部にあり、起動輪も後方にある。転輪は千鳥型配置。戦闘重量25トン。装甲厚は前面120mm、側後面80mm、上面80mm、底面前部50mm、後部30mm。エンジンはポルシェ製10気筒空冷ガソリン。乗員４名（戦闘室前方左の操縦手、右の砲手、戦闘室中央の車長と装填手）。1943年5月15日の戦車委員会で車長用キューポラを30mm機関砲MK108装備の対空用小型砲塔に変更することが決定。機関砲俯仰角は0-90度で、装弾数は700発（100発ベルトリンク７本）だが、搭載スペース確保と重量軽減のため主砲弾薬数は44発に減り、装甲厚が側後面70mm、上面70mmになった。ただ戦闘重量は結局27トンに増えている。1944年2月3日には装甲厚が車体前面上部80mm、下部60mm、側面40mm、後面60mm、上面60mmとなり、厚さ20mmのスカートを装備するようになった。全長6.75m、全幅3.15m、全高2.2m。装弾数は主砲77発、機関砲600発である。1944年4月7日には主砲が10cm砲PAW（射界左右10度ずつ、装弾数56発）に変更され、6月1日には車長用キューポラに1.28m測距儀が設置された。このあたりで開発がストップしたらしい。参考：月刊グランドパワー8,’10

＜重国防軍用牽引車＞：sWSを参照。

＜舟山＞：529（江凱�U型フリゲート）または537（チャンフー�W型フリゲート）を参照。

＜蕭山＞：762（哨戒艇）を参照。

＜舟山基地＞：中国海軍基地。舟山群島の定海港区を軍用に使用しているもので、東西8km・南北4km、水深10m。2019年現在、東部戦区海軍／東海艦隊駆逐艦第３・第６次支隊、作戦第２支隊偵測船大隊（815A型情報収集艦、636A型海洋観測艦など）が配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’20、2,’19

＜蹴子＞：エジェクターを参照。

＜十字鍬＞：「じゅうじしゅう」または「じゅうじくわ」と読む。日本陸軍の土工器材で、つるはしのこと。参考：工兵入門、機械化部隊の主力戦車、日本戦車隊戦史

＜十字射撃パターン＞：交差射撃パターンを参照。

＜重師団（アメリカ陸軍イラク戦争時）＞：戦車大隊３個から成る。１日あたり燃料227万リットル、弾薬2000トン、水1200トン、食料200トンを消費する。参考：月刊軍事研究7,’03、8,’03

＜重師団砲兵（フォース２１デジタル重師団２００４年）＞：師団砲兵司令部付中隊１個（M7BFIST３両）、M109パラディン砲兵大隊３個、MLRS大隊１個で構成される。参考：月刊軍事研究3,’04

＜重質燃料油＞：軽油や灯油のこと。参考：月刊軍事研究11,’15

＜縦射＞：機関銃を上下に振りながら連射すること。参考：コンバット・バイブル

＜蹴出＞：作動を参照。

＜ジュージュツ＞：イラン陸軍の格闘術。日本の柔術である。参考：MAMOR vol.150

＜重巡洋艦＞：巡洋艦を参照。

＜銃床＞：butt stock。床尾ともいう。機関部に接続し、銃の保持、肩付、照準などを行い、銃の肩付射撃を可能にするために用いる部品。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜折り畳み銃床＞：銃床部を折り畳める構造の銃床。普通、機関部との接合部に蝶番がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜曲銃床＞：床尾の肩付け部位が銃身軸線の延長線上よりもかなり下にあるタイプ。照準線が直銃床よりも低くできる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜固定式銃床＞：銃尾に固定され、折り畳み・伸縮などができないタイプ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜伸縮式銃床＞：銃床を前後方向に伸縮できるタイプ。銃床自体が二重構造になっていたり、銃床のロッドを尾筒側面に差し込めるようになっていたりする。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜直銃床＞：床尾の肩付け部位を銃軸線の延長線上付近に配置したタイプ。反動を抑え込めるので、速射を行う自動小銃に使用される。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜十条基地＞：航空自衛隊の基地。補給本部、第２補給処十条支処が置かれている。所在地は東京都北区十条台1-5-70で、陸自十条駐屯地、海自補給本部（1998年から）と同居している。元は東京第一陸軍造兵廠十条工場である。1997年12月1日、補給本部が市ヶ谷基地から移駐した。2013年8月1日、第１補給処東京支処が第２補給処十条支処に改編された。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、8,’14、11,’16、補給本部ホームページ

＜十条駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は東京都北区十条台1-5-70で、空自十条基地、海自補給本部（1998年から）と同居している。大元は1905年（明治38年）に小石川から移駐した東京砲兵工廠銃包製造所で、後に東京第一陸軍造兵廠十条工場と改称され、太平洋戦争終結でアメリカ軍が占領し、1959年に自衛隊に移管され、武器補給処十条支処が置かれた。1998年3月、補給統制本部が新編された。参考：北区観光ホームページ、JGround Vol.23

　＜十条駐屯地（２０１５年）＞：補給統制本部が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜重除雪車（ロータリー式放雪型）＞：航空自衛隊の除雪車。２軸トラックの前面にオーガと呼ばれるローターとシュートと呼ばれる旋回式の雪捨て器を取り付けたもので、スノープローや除雪ドーザで集めた雪を脇にどけるのに使用する。ローターを回転させて雪を削り取り、シュートから遠くに吹き飛ばす。日本除雪機製作所製。参考：MAMOR vol.124、自衛隊装備カタログ1981、月刊軍事研究2,’17

　＜ＨＴＲ−３００＞：全長7.6m、全幅3m、全高3.4m、車両重量12.7トン。エンジンは日産ディーゼル製UD4水冷２サイクル直噴型で、最大速度34km。除雪装置用エンジンは日産ディーゼル製UD6型水冷２サイクル直噴型で、最大除雪幅3m、標準除雪高1.8m、投雪距離第１段15m、第２段30m、第３段50m、除雪量毎時2000トン以上。乗員３名。日産ディーゼル及び日本除雪機製作所製。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜ＨＴＲ−３０１Ａ＞：全長8.1m、全幅2.8m、全高3.4m、重量14.6トン、車両総重量14.8トン。エンジンは日産ディーゼル製UD4型６気筒（135馬力、総排気量4941cc）で、最大速度34km、燃費は１リットルあたり1km。作業用エンジンは日産ディーゼル製UDV8型８気筒（272馬力、総排気量9882cc）。乗員３名。日本除雪機製作所製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＨＴＲ６０１＞：全長8.06m、全幅2.6m、全高3.49m、車重17.7トン。エンジンはS6R直列６気筒ディーゼル（24510cc、600馬力）。乗員３名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜重心＞：クラウゼヴィッツが戦争論で提唱した概念で、全てがこの一点から放出されるような力と運動の中心のこと。戦争の際には総力を挙げて敵の重心を叩くのが必須であるとした。アメリカ国防総省では行動の自由、行動する意志、士気、物的戦力を供給する力の源と定義している。参考：月刊軍事研究5,’15

＜銃身＞：Barrel。弾丸に所定の速度と弾道を与える部分のこと。参考：GUN用語事典

＜銃身ＡＳＳＹ７４式車載７．６２ｍｍ機関銃＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜銃身受け＞：barrel extension。尾筒の前方に配される部品で、銃身後部を結合し、閉鎖時には遊底の閉鎖を確保する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜縦深火制理論＞：ソ連軍の戦闘理論。「１秒間に1m正面を２発の銃弾が通過する時、生身の歩兵の突撃は死を意味する」。参考：月刊PANZER10,’04

＜縦深航空阻止＞：ディープAIを参照。

＜縦深射撃パターン＞：アメリカ陸軍M-1戦車小隊の射撃パターンで、敵部隊が縦列で接近してきた時に使う。左翼のM-1はまず最も遠い位置の敵を撃ち、前方に向かって攻撃していく。その僚車は敵縦隊の真ん中から後方に射撃。右翼のM-1は最も近い位置の敵を撃ち、後方に向かって砲撃する。その僚車は最も近い敵を攻撃し、順次遠い目標に砲撃を移す。参考：月刊軍事研究7,’03

＜就寝動作（海軍兵学校）＞：就寝用意、寝ろの号令でベッドの足側にある毛布の上に置いた枕と寝間着を頭側に投げ、毛布４枚を広げて残りを枕元のチェストの上に置き、靴を脱いで草履を履き、靴下をベッド下の桟に掛け、事業服と下着を脱ぎ、きちんと畳んでチェストの毛布の上に置き、寝間着を着て毛布の下に潜り、体を左右に回転させて毛布を体に巻き付け、姓名を申告する。１個分隊全員が終わるのに２分弱くらいである。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜銃身部５．５６ｍｍ機関銃ＭＩＮＩＭＩ用＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜銃身命数＞：発射弾数からくる銃身の寿命。参考：GUN用語事典

＜ジュース＞：日本海軍士官のスラングで、女性の体液のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜秋水＞：三菱十九試局地戦闘機。日本陸海軍共同開発で、陸軍名称はキ−200ロケット局地戦闘機、海軍名称はJ8M1ロケット局地戦闘機秋水である。秋水は切れ味鋭い日本刀のことで、秋草が初飛行した日の夕食時に、海軍第312航空隊の搭乗要員だった岡野少尉が「秋水三尺露を払う」という詩を詠み、これに因んで命名された。海軍では制式局地戦闘機に「雷」または「電」を付けることになっていたので、あくまでも制式化されるまでの秘匿名称としての命名である。駐独海軍武官がドイツでロケット戦闘機を開発しているという情報を入手し、日独軍事技術協定に基づいて製造権を得ようとしたが、ドイツ側は日本の技術レベルでは手に余ると判断、設計図を日本に送る際に連合軍に鹵獲される恐れもあり、一旦は頓挫した。しかし昭和19年3月14日に伊29が戦略物資を満載してドイツに到着すると、製造権の取得が許可され、帰りの便でMe163B（とMe262A）の資料を日本に持ち帰ることとなった。ドイツから譲渡された呂501にも同じMe163Bの資料を積んで昭和19年3月30日にドイツを出発したが大西洋で撃沈されてしまい、4月16日にロリアンを出港した伊29潜水艦もフィリピンと台湾の間で沈められてしまったが、シンガポールで一足先に降りて航空機で日本に向かった海軍中佐が携えていたMe163Bの資料の一部（機体は設計説明書20ページ、数値無しの三面図・翼型、薬液耐性素材説明書のみ。ロケットは燃料噴射弁数種類に関する燃焼比較試験速報20ページのみ）を元に、液体ロケット実験の経験があった三菱重工（機体は名古屋航空機製作所、ロケットは名古屋発動機研究所）で8月1日から設計され、翼型だけ空技廠の風洞実験で線図を決め、9月8日から第１回木型審査に入った。ちなみに8月19日には軍令部と航空本部が協同で体当たり専門局地戦闘機に関する意見を発出し、非武装の小型高速機（差し当たり既存機改造、将来はロケットで護衛戦闘機を振り切るタイプの新造機を陸海軍協同開発）による重爆に対する局地防空を提案している。当初は10月末に試作機を完成させる予定だったが、資料が少なすぎて無理があり、昭和20年6月に漸くロケットが運用可能となり、7月に試作機が完成した。設計段階で海軍は防弾鋼板を付けずに燃料タンクもコクピット左右の甲液タンクを廃止、その分乙液タンクも減らすと発表して陸軍と揉めたが、高度10000mまで３分で上昇するために必要な軽量化であるとして押し切った。また、B-29に対抗するため、20mm機関砲でなく30mm機関砲を搭載することにし、陸海軍で同じ機関砲を装備した。胴体はジュラルミン製のモノコック構造で、コクピット後方にあたる胴体中央部にロケット燃料（呂号乙薬）の甲液（独逸Ｔ液ともいう。過酸化水素80%）タンク、その後ろにロケット（海軍名称KR-10、陸軍名称特呂二号）が収容されている。本来ロケットの開発は陸軍の担当だったが、空技廠でKR-10を独自製作した。無線電話を積むためMe163よりも胴体前部を延長し、コクピット前部に収容した。主翼は全木製の後退翼で、中翼配置、内部にロケット燃料（呂号乙薬）の乙液（独逸Ｃ液ともいう。水化ヒドラジン＋メタノール＋銅シアン化カリ液）タンクが設けられており、固定式スラットとエルロンを持ち、付け根には30mm機関砲１門ずつを装備する。翼面荷重は１平方メートルあたり216kg。尾翼は垂直尾翼のみである。エルロンがエレベータを兼ねるため、低速時には機首引き起こしが不十分になるという欠点があった。バッテリーを搭載しており、機首に発電用プロペラは無い。ロケットには甲液と乙液を重量比10対3.6で送り込む。離陸滑走時には車輪を使うが、離陸後に切り離され、着陸は昇降式のソリを使用する。戦闘時には高度10000mまで３分30秒で上昇した後に前上方から降下しつつ攻撃をしかけることとし、制限速度は840kmとしたが、12000mから攻撃を仕掛けて急降下離脱する時には機体速度マッハ1.2も想定していた。被弾損傷した場合、ロケット燃料が漏れて不時着が不可能となるため、機体からパラシュートで脱出し、高々度の場合は携帯酸素ボンベから酸素を吸入することにした。高々度でパラシュートが開かなかった場合は酸素吸入が必要無い高度5000mまで30秒で降下し、それから手動でパラシュートを開く。搭乗員は防寒のため毛皮を貼り付けた飛行服を着用し、その上に甲液から身を守るゴム製の被服と靴を装着する。与圧・空調装備は搭載されていない。体当たりによる攻撃も考慮されたが、航空隊司令が許可を出さなかった。厚木飛行場に横穴式のロケット燃料貯蔵設備を建造したが、滑走路東側の２本は昭和20年6月に一応完成して検査に入った所で終戦となり、西側の2-3本は未完に終わっている。全長6.05m、全幅9.5m、全高2.7m、自重1505kg、全備重量3990kg（3885kg？）。推進はKR-10／特呂二号ロケット発動機（静止推力1500kg、全速時推力495kg）１基、最大速度900km（高度10000m）、実用上昇限度12000m、上昇力10000mまで３分30秒、燃料2030kg（呂号乙薬甲液／過酸化水素1550kg、呂号乙薬乙液／水化ヒドラジン混合液480kg）、航続距離80km。固定武装は30mm機関砲ホ155が２門。乗員１名。海軍向け初号機は昭和19年12月に竣工し、ロケットの完成を待って海軍第312航空隊に配備され、昭和20年7月7日1655の初飛行で400mまで上昇したが、燃料を満載しなかったため甲液の吸い込み不調（液面とポンプとの高度差が400mmもあり、スロットルを押し込んで吸気圧力を高め、無理矢理動かしている状態だった）を生じ、ロケットが停止して墜落してしまった。その後燃料タンク後方最下部に燃料貯留室を追加し、フレキシパイプを使用して口が移動するような改設計を加えたが、ロケット不調で飛行はできず、そのまま終戦を迎えた。生産計画は昭和20年3月までに155機、9月までに1200-1300機、昭和21年3月までに3600機を完成させる予定だったが、終戦までに完成したのは５機のみだった。配備予定が立てられていたのは霞ヶ浦飛行場の第312航空隊（定数秋水36機、九三式中練30機）、大村飛行場の第362航空隊（定数秋水24機、九三式中練15機）、第３岡崎飛行場の第322航空隊（定数秋水24機、九三式中練15機）だった。参考：月刊JWings3,’02、7,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸8,'15別冊、3,'18別冊、1,’77、8,’95、4,’99、歴史群像6,’08、10,’10、日本海軍戦闘機隊、図解世界の軍用機史、月刊航空情報5,’18

＜秋水ファミリー＞

＜秋水軽滑空機＞：MXY8。日本海軍空技廠が開発した秋水の操縦訓練用グライダーで、陸軍名称は秋水軽滑空機である。ちなみに秋草という命名に関しては、配備された海軍第312航空隊の元中尉によれば不明とのことで、部隊ではそう呼ばれていなかったらしい。秋水のロケット関連装備と武装を外して全木製羽布張りにしたもので、尾輪は引き込まれない。降着装置は胴体下面のソリなので、着陸時に主翼が地面に直接接触して破損しないよう、翼端近くの主翼下面にＵ字型金具が装着されていた。昭和19年12月26日に天山一一型に曳航されて初飛行した。工作不良や風圧などで車輪の離脱が上手くいかないことがあり、上空で漸く外れた車輪が飛行場で20-30mもバウンドを繰り返し、地上にいた要員が逃げ惑うこともあったという。全長6m、全幅9.5m、全高2.7m。乗員１名。終戦までに４機が完成した。うち２機は陸軍に引き渡されて柏飛行場に配備され、曳航機には九九式軍偵を使い、パイロット訓練の他、陸軍航空審査部特兵部特兵隊で秋水の飛行特性研究にも使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、1,’77、8,’15別冊、4,’99、日本海軍戦闘機隊

＜秋水式火薬ロケット＞：日本海軍の試作無人機。秋水をベースとしており、発射レールから射出されると固体燃料ロケット（推力120kg）４基で加速、無線操縦で爆撃機に向かい、体当たりで破壊し、滑空して地上に戻る。昭和19年3月から開発されたが、実用化前に終戦を迎えた。参考：月刊丸5,’13

＜秋水重滑空機＞：日本軍の秋水用練習グライダー。秋水からロケット、燃料タンク、機関砲を撤去したものである。昭和20年1月8日、百里原海軍航空隊で初飛行した。操縦性は良好と判定され、実機の完成を急ぐことになり、２号機以降は終戦までに完成しなかったらしい。初号機はその後陸軍柏飛行場に移され、機体色がオレンジイエローで目立つため、無蓋掩体壕でなく飛行場付近の松林の中に隠して偽装網を被せた。参考：月刊丸8,'15別冊

＜重水素＞：Deuterium、Ｄと略す。１個の陽子と１個の中性子からなる原子核を持つ元素で、水素の安定同位体である。地球上の水を構成する水素のうち0.015%がこれで、重水素を含む水は重水（D2O）と呼ばれる。常温では気体であり、初期には冷却して液化していたが、後に固体の重水素化リチウムとして水爆に使用されるようになった。参考：核兵器事典、月刊軍事研究3,’16

＜重水平穿孔機＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜重水炉＞：原子炉の１つで、減速材に重水を使用するタイプのこと。燃焼効率の高いガス冷却重水炉、天然ウランを使えるCANDU炉、天然ウラン・プルトニウム混合燃料（MOX燃料）を使える新型転換炉（日本のふげんが初）がある。参考：月刊世界の艦船2,’10、9,’17

＜シュー・ストリング作戦＞：ガダルカナル上陸作戦を参照。

＜ジュースンナ・ハーフ＞：アメリカ軍２トン半（Deuce and a half）トラックの通称。第２次大戦時にはCCKWシリーズ、US6シリーズ、M5H6トラック計80万両以上が生産された。朝鮮戦争後半でM211戦術トラックが投入されたが不良品で、ベトナム戦争ではM35戦術トラックが使用されている。参考：THE JEEP

＜修正＞：日本海軍用語で、違反した者を殴ること。鉄拳制裁のこと。下士官や兵はバッターでの罰直だが、海軍兵学校では修正オンリーである。海軍兵学校創設当初は主に士族が入学したので、面体を殴ることはしなかった筈だが、明治後半には鉄拳制裁が横行していた。大正7年12月に就任した鈴木貫太郎校長の時から全面禁止になったが、昭和2年頃（第55期が一号生徒の時）から復活し、ロンドン軍縮条約締結で量より質が叫ばれるようになるとエスカレート、最下級生は平均すると１日１回以上殴られる状態になった。ただしお嬢さんクラスと土方クラス、分隊トップの伍長の人柄などで大幅な差が出る。参考：帝国陸海軍事典、海軍兵学校よもやま物語、月刊丸7,’14

＜修正四年式十五珊榴弾砲＞：四年式十五珊榴弾砲シリーズを参照。

＜十堰＞：637（コルベット）を参照。

＜重戦車＞：第２次大戦までは25トン以上、それ以降は40トン以上の戦車をこう称した。機動力を無視して火力と防御力に重点を置き、陣地突破や拠点防御を主任務とするが、電撃戦などの機動戦は不得意である。アメリカ軍では第２次大戦末期から口径100mm以上の砲を積んだ戦車をこう称した。1950年以降は性能が中戦車と変わらなくなり、主力戦車として一本化された。参考：月刊戦車マガジン1,’88、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

＜重戦車大隊（ドイツ陸軍、第２次大戦時）＞：師団の行う機動戦には合わず、師団ごとに配属するには数が少ないので、軍団直轄の独立重戦車大隊として運用された。初めて編成されたのは1942年で、8月15日付けの戦力定数表に基づいている。この時は本部中隊と２個重戦車中隊で、�Y号戦車ティーガーと�V号戦車との混成だった。また、補修中隊が配属されていた。1943年3月5日に全て�Y号戦車の３個重戦車中隊となり、戦車定数は45両になった。また、補給中隊が独立した。11月1日には各戦車中隊に整備班、補給班などが加わって中隊の独立性が高まったが、1944年6月1日には支援車両が足りないためこれらの班が補給中隊に集約された。この時、対空戦車とベルゲパンターが配備されることとなったが、実際には車両不足で殆ど配備されていない。参考：ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

＜重戦術車両ファミリー＞：FHTVを参照。

＜銃前哨（日本陸軍）＞：日本陸軍の駐軍時警戒部隊。前哨中隊の位置に直接警戒のため１個を配置するが、中隊掩蔽下に入るか、地形隠蔽する時には、複数を置く。動作と守則は歩哨に準じ、報告は通常その位置を離れずに行う。参考：作戦要務令

＜終戦詔書＞：「朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク　朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四國ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ抑抑帝國臣民ノ康寧ヲ図リ萬邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳拳措カサル所曩ニ米英二国ニ宣戦セル所以モ亦実ニ帝國ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス　然ルニ交戦已ニ四歳ヲ閲シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ盡セルニ拘ラズ戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス加之敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フトコロ真ニ測ルヘカラサルニ至ル　而モ尚交戦ヲ継続セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ心霊ニ謝セムヤ是レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ　朕ハ帝國トトモニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝國臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内為ニ裂ク且戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ惟フニ今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ哀情モ朕善ク之ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス　朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム宜シク挙国一家子孫相伝ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ　御名御璽　昭和二十年八月十四日　各国務大臣副著」。8月14日の閣議決定に至るまで内容に関して激しい議論が繰り広げられ、国立公文書館に保存されている原本には、紙を貼って修正した跡や、括弧付きで字句を挿入した箇所があり、清書する暇は無かったようである。参考：毎日新聞、戦時用語の基礎知識、朝雲

＜重戦闘機＞：翼面荷重が大きく、大出力のエンジンを付けたスピード重視の戦闘機で、主として一撃離脱戦法を使用する。参考：ジェット戦闘機

　＜重戦闘機（日本陸軍）＞：速度と火力を重視した戦闘機のこと。参考：世界の傑作機No.24

＜秋草＞：秋水ファミリー（練習グライダー）を参照。

＜銃創＞：Gun shot wound。銃で撃たれた際に出来る創傷のこと。殺傷力は弾丸から人体に伝わる運動エネルギーに規定され、弾丸の有する運動エネルギー（弾速の２乗と弾丸重量に比例）、弾丸の形状や構造（フルメタルジャケット、ダムダム弾、炸裂弾など）、射距離、人体内での弾道変化（回転や揺れ）や弾丸状態変化（粉砕）、被弾した組織の性状によって変化する。小口径弾は体内で砕けて損傷範囲を広げるので、7.62mmクラスより5.56mmクラスの方が近−中距離では殺傷力が高くなったりする。命中時の弾速が毎秒150-300m程度では弾道経路に沿った裂傷のみで周囲組織の損傷は殆ど無いが、毎秒750-800mを超えると衝撃波及び弾丸後方に生じる陰圧により組織中に気泡が発生、弾丸径の10-15倍にも達する空洞を生み（一過性空洞形成）、そこに含まれる組織が挫滅して大きな損傷を引き起こし、四肢への被弾であっても失血死する恐れがある。人体を貫通しなくても、胸腔や腹腔を貫通して反対側の組織に達する体腔貫通創となることが多く、横隔膜を貫通して胸腔と腹腔両方に多数の損傷臓器を生じることもある。長管骨に命中すると粉砕骨折となり、骨片が二次弾丸となって周囲組織を傷つける。骨盤や脊椎では粉砕されず貫通創となることが多いが、大量出血や神経損傷を引き起こす。服の破れが小さくても中の人体がメチャクチャになっていることがあり、傷を確認するには服を切らなければならないが、動脈が傷ついているとその暇も無く失血死するので、取り敢えず服の上から縛り上げて血止めをし、後送してから確認する。参考：新プレホスピタル外傷学、月刊軍事研究8,’16、3,’17

＜重装甲戦闘車＞：

＜重装甲戦闘車（ＣＦＥ条約）＞：CFE条約での定義は、「口径75mm以上の直接照準火砲を一体として又は固有に装備し、空車重量が６トン以上の装甲戦闘車両で、装甲人員輸送車の定義にも装甲歩兵戦闘車や戦車の定義にも入らないもの」。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜重装備輸送車システム＞：HETSを参照。

＜重装輪回収車＞：陸上自衛隊の８輪重レッカー車。1999年に三菱重工の試作８輪重車両と車載重クレーンを購入、2000年から両者を組み合わせて試作車を製作した。キャブオーバー型の大型装輪車両で、キャビン後方に第１軸・第２軸が位置し、この上にエンジンが載っている。96式装輪装甲車などの回収・整備に使用される。全長11m、全幅2.5m、全高3.8m、重量24.8トン。エンジンは三菱製水冷直列６気筒ディーゼルで、最大速度100km。ウインチ（リモコン式）牽引力15トン、クレーン吊り上げ能力12トン。乗員３名。三菱重工製で、値段は2004年度契約で１両１億4511万円。2002年から北部方面隊に優先的に配備されている。参考：月刊軍事研究1,’05、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.6、No.7、月刊丸3,’13

＜重装輪車両＞：自衛隊の８×８輪装輪車。重装輪回収車の回収作業装置を外して汎用車両のベースとしたものである。中SAM射撃レーダ装置空中線部用、中SAM射撃レーダ装置信号処理部用、中SAM発射機用、中SAM運搬装填装置車用、中SAM信号処理部用、中SAM空中線部用、対空監視レーダー装置車用、対空レーダー装置１号空中線装置用、88式地対艦誘導弾システム（改）発射機用がある。また、この車体をベースにした火力戦闘車と特殊トラック（PLS付）を開発中。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’10、12,’11、1,’18

＜収束帯＞：CZを参照。

＜シューター＞：カタパルト士官の通称。参考：月刊JWings1,’17

＜重対戦車兵器＞：HAWを参照。

＜重大な国際人道法違反の処罰に関する法＞：人道違反法を参照。

＜集団安全保障＞：Collective Security。ある加盟国が侵略的行動などに出た場合に、他の加盟国が結束して強制的措置を発動することでこれを阻止し、紛争を解決する制度のこと。国連憲章７章に基づく国連軍による武力行使、国連憲章８章に基づき安保理が許可した地域的取極・機関による武力行使、安保理決議に基づく国連憲章７章の下での有志連合等による武力制裁（例・湾岸戦争）、PKOに伴う自衛・任務妨害排除のための武力行使がこれにあたる。日本は国連に加盟しているので国連による武力制裁への参加義務があるが、憲法９条に引っかかるので実際には参加しない。参考：月刊軍事研究9,’12、1,’14、月刊世界の艦船5,’16、朝雲

＜集団安全保障条約＞：1992年5月にロシア、アルメニア、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンの間で調印された条約で、DKB（Dogovior o Kollektivnoi Bezopasnosti）またはCST（Collective Security Treaty）と略す。ウズベキスタンの首都タシケントで調印されたのでタシケント条約とも呼ばれる。1993年にアゼルバイジャン、グルジア、ベラルーシも加わり、1994年に発効、1995年に国連で正式承認された。加盟国のうち１つが任意の国家または国家群から侵略を受けた場合、加盟国全体に対する侵略とみなし、国連憲章第51条の集団防衛権に従って軍事的措置を含めた支援を行うという規定がある。しかし事務局や合同司令部などは作られず、1995年に採択した集団安全保障戦略で創設することになっていた地域集団軍も結成されず、実際に軍事的措置を行うことはできなかった。1999年に条約加盟延長が行われたが、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、グルジアは延長せずに脱退している。同年、ロシアがCSTO加盟国に対して武器を安売りする方針を決定。2000年、加盟各国が軍事技術協力に関する基本原則で合意。2001年5月、中央アジア合同緊急展開部隊（KSBR TsAR）の設立を決定。2002年5月に集団安全保障条約機構の創設を決定、2003年に正式発足させた。参考：月刊軍事研究9,’12、8,’16

＜集団安全保障条約機構＞：ODKB（Organizatsiia Dogovior o Kollektivnoi Bezopasnosti）またはCSTO（Collective Security Treaty Organization）と略す。CSTの軍事機構で、ロシア、ウズベキスタン、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンが加盟している中央アジア安全保障機構である。最高機関は集団安全保障会議で、各国首脳が議員を務め（議長は持ち回り）、年一回開催される。他の協議機関には外相会議、国防相会議、安全保障会議書記会議がある。常設機関は集団安全保障条約機構事務局と集団安全保障条約機構合同参謀本部（国防相会議の下に置かれている）である。2003年に正式発足し、2004年に国連オブザーバー資格を得た。実動部隊として地域集団軍があり、ロシアとベラルーシの東ヨーロッパ地域集団軍、ロシアとアルメニアのカフカス地域集団軍、ロシアとウズベキスタン・カザフスタン・キルギスタン・タジキスタンの中央アジア地域集団軍で構成されるが、各国に平時に駐留しているロシア軍部隊はアルメニアの第102ロシア軍基地（5000名）とベラルーシの弾道ミサイル早期警戒レーダー部隊だけで、中央アジア地域集団軍はまだ編成されておらず、有事の際に協力関係を持つという程度の意味合いらしい。創設以来、毎年中央アジア麻薬取り締まりのカナール作戦を行っており、毎回数十トンから100トン以上の麻薬及び合成麻薬用化学薬品を押収している。加盟国はロシアから武器の供与、研究開発、修理、近代化を特恵的条件で受けることが可能。2003年、キルギスタンにカント空軍基地を創設し、ロシア空軍部隊が駐留を開始した。2004年、事務局長がNATO事務総長に協力関係樹立を提案する書簡を送ったが、返事が来なかった。2006年、ロシアが加盟国に対して兵器をロシア向け価格で提供することを決定。ウズベキスタンが加盟国に復帰したが、度々拒否権を発動し、全会一致が基本の議決が遅れる事態となっている。2007年、合同平和維持部隊の設立で各国が合意し、条約が調印された。2009年、合同機動対応部隊（KSOR）を創設した。合同平和維持部隊設立条約が発効したが、まだ実際の活動は行われていない。2010年、キルギスタンの政変で多数のウズベキスタン側住民が殺害される事態が生じたが、キルギス暫定政府の救援要請に対してCSTOは何も手を打たなかった。2011年12月、加盟国が他の加盟国からの承認無しに非加盟国の軍事基地を自国領内に設置することを禁止した。2012年、カナール作戦で中央アジアを経由できなくなった麻薬ルートが中国から極東ロシアへの経路に変更されたのを受け、極東ロシアでカナール・ヴォストーク作戦が実施された。6月、ウズベキスタンが参加停止を通告。2013年、カント基地でロシア連邦麻薬取締局特殊部隊グロムなどが参加し、アルマ・トゥ・アンチテロル2013演習を実施。10月7-11日、敗れざる兄弟愛2013演習を実施。2015年8月23-28日、相互連携2015演習を実施。ロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンが参加した。9月30日から10月4日、不朽の絆2015演習を実施。参考：月刊軍事研究9,’12、4,’07、12,’11、12,’13、3,’14、9,’15、12,’15、8,’16、月刊丸12,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜周端渦流空洞現象＞：チップ・ボルテックス・キャビテーションを参照。

＜集団軍＞：中国人民解放軍陸軍序列の１つ。西側の軍団に相当するもので、兵力35500-60000名を擁する。1985年に歩兵軍35個を再編して24個が誕生した。2003年、18個に減った。2017年4月、第71−第83の13個に再編された。指導部が軍部に改称され、参謀部、政治工作部、保障部の三部編成に改編されている。参考：月刊軍事研究5,’07、9,’17

　＜集団軍（２００６年）＞：指導部（司令部、政治部、後勤部、装備部）、警衛団、歩兵師３個、装甲兵師（いわゆる戦車師団）１個、炮兵師１個、高射炮兵師１個、工程兵（いわゆる工兵）、防化兵（NBC防護を担当）、電子対抗兵（通信・航空妨害を実施）などから編成され、野戦兵站の部隊も持つ。参考：月刊軍事研究5,’07

＜集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約＞：ジェノサイド条約を参照。

＜集団的自衛権＞：ある国が武力攻撃を受けた場合、その国の要請に基づき、直接攻撃されていない第三国が協力して共同防衛を実施する国際法上の権利のことで、同盟関係にある国家間や国家集団での自衛権を指す。常任理事国が拒否権を行使して国連安保理が機能不全に陥る事態を想定し、集団安全保障体制の不備を補うために国連憲章第51条で明文化されたもので、安保理が必要な措置を執るまでの間、本憲章のいかなる規定も個別的または集団的自衛の固有の権利を害さないと規定されている。ただし国連憲章には集団的自衛権の定義は載っていない。国際法上の発動要件は、武力攻撃の発生、攻撃を受けた国からの支援要請、必要性と均衡性の確保、国連安保理への報告、国連安保理が必要な措置を執るまでの間の行使、とされる。1981年、ニカラグアが周辺諸国ゲリラ組織を支援しているとしてアメリカが集団的自衛権を主張して爆撃や機雷封鎖を行ったが、1984年4月にニカラグアが国際司法裁判所に提訴、1986年6月に違法との判断を下している。2001年のアメリカ同時多発テロでNATOが北大西洋条約第５条に基づいて発動した。また、北朝鮮がアメリカに対して攻撃を行った場合には同じく条約第５条の規定に基づいてNATO全体への攻撃とみなす、と2013年4月15日にNATO事務総長が発言している。ちなみに中国と台湾で戦争になってアメリカ軍が台湾を支援する場合、アメリカは台湾を国家として承認していないので集団的自衛権の行使にならず、内戦への軍事介入という形になる。参考：月刊軍事研究1,’16、1,’14、9,’17、11,’13、2,’05、月刊世界の艦船12,’15、朝雲

　＜集団的自衛権（アメリカ国防省）＞：Collective Self-Defense。2001年発行の国防省公式辞書には、指定されたアメリカ以外の他国軍隊を防衛する行為で、認可できるのは大統領と国防長官、となっている。2007年に交わされたチリ海軍との覚書では、指定されたアメリカ以外の他国軍隊、外国人、資産を、敵対行為または示威的敵対意思から防衛すること、である。2010年発行の国防省公式辞書には、集団的自衛権という用語が載っていない。参考：月刊世界の艦船12,’15

　＜集団的自衛権（国際司法裁判所）＞：アメリカによるニカラグア攻撃に対する1986年6月の判決では、集団的自衛権は慣習国際法上の権利であり、行使するには攻撃の犠牲になっている国家が武力攻撃を受けていると自ら宣言し、その国家からの要請を受けることが必要であり、正規軍による攻撃といった最も重大な形態の武力行使に対してのみ行使可能であるとした。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜集団的自衛権（日本）＞：自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないのに、実力を以て阻止する権利のこと。サンフランシスコ講和条約に集団的自衛の固有の権利を有するとあり、国連に加盟していて国連憲章第51条の適用を受けている。1951年12月の外務省条約局長の答弁以来、国家として集団的自衛権は保有しているが、軍備と戦争という紛争解決手段を放棄した憲法第９条に基づいて行使はしないという立場だった。日米安保条約が双務条約に変更された際も、アメリカ合衆国に対する防衛義務は定められず、アメリカが攻撃を受けても集団的自衛権に基づいて自衛隊が援軍に駆けつけるということは無い。リムパック80参加の際には、リムパック自体は多国籍演習だが、海自はアメリカ軍との演習しか行わない、という説明で誤魔化した。1981年5月29日の政府答弁でも、集団的自衛権を国際法上保有しているが、行使は憲法第９条の許容範囲を超えるものであり許されないという見解を示した。また、その立場をとったとしても、日本の防衛に必要な最小限度の実力は行使できるから、不利益を生じることは無いとした。自衛隊の海外派遣に際しても、他国軍の武力行使と一体化しなければ（後方支援など）、集団的自衛権の行使にはあたらないとした。2014年5月28日の衆議院予算委員会答弁で安倍首相は30年前と比して安全保障環境が大きく変わっており、集団的自衛権を行使しないと明らかに不利益が生じる場合もあると述べ、7月1日の臨時閣議で「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」を閣議決定し、この中で従来の自衛権行使の３要件を改訂して限定行使を容認した。日本と密接な関係にある他国に武力攻撃が行われ、日本国民の生命・権利が覆される明白な危険があり（存立危機事態）、国民を守るために適当な手段が他に無い場合、必要最小限度の実力行使により集団的自衛権を発動するとし、国際法上の集団的自衛権行使要件に存立危機事態の発生を加えたものを発動要件としている。ただ想定事例として挙げられているのが憲法９条を改正しないと無理のあるものだったり、ROE（部隊行動基準）を改訂すれば済むだけの話だったり、PKOの範疇だったりと、集団的自衛権容認とはあまり関係なかったりする。また、発動の要件に武力攻撃を受けている国からの要請が入っていないが、頼まれてもいないのに他国に勝手に自衛隊を乗り込ませるつもりなのかは不明。集団的自衛権の発動が容認される状況になっても、自衛隊が自動的に行使するような法律や規定は無いので、閣議決定や国会の承認などを経る必要がある。憲法解釈変更による行使容認で、政権が変わった途端に行使できなくなるという事が起こりうるため、憲法改正という根本的な手続きを行ってからにすべきという批判も多い。弾道ミサイル防衛はほぼ日米共同対処となっており、あたご型護衛艦のイージスシステム・ベースライン6.0Jへの改修や、E-2D導入で、自衛隊の装備品にCECデータリンクが搭載されれば、アメリカ海軍のNIFC-CAキル・チェインに組み込まれ、アメリカの防衛体制の中で共同交戦を行う事態も生じるが、日本に対する攻撃が行われていない時点での自衛艦による米艦防護や、弾道ミサイル発射警戒時に米艦への武力攻撃を察知した際の自衛艦による米艦防護には集団的自衛権行使容認が必要とされており、その道が開けたことになる。2017年5月1-3日にDDH-183いずもとDD-113さざなみがT-AKE-4リチャード・Ｅ・バードに対する米艦防護を行ったが、これは武器等防護（自衛隊法第95条の２、合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用）によるもので、集団的自衛権の行使ではない。参考：月刊軍事研究11,’13、1,’14、6.’14、10,’14、8,’17、9,’17、月刊世界の艦船12,’15、1,’15、4,’14、9,’14、7,’15、月刊JWings9,’14、2,’15、月刊航空ファン10,’14

＜絨毯爆撃＞：エリア・ボミングを参照。

＜集団防衛＞：Collective Defense。ある加盟国が非加盟国から攻撃を受けた場合、加盟国が結束して対抗する制度のこと。参考：月刊軍事研究9,’12

＜集中電話指令装置システム＞：自衛隊の機器。大井電気製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜集中防御方式＞：All or nothing protection。ネバダ級戦艦で初めて採用された艦船の防御方式で、主要部分に重点的に装甲を施し、他の部分は非装甲にしてある。非装甲部分に弾丸（徹甲弾）が命中した場合、船体を突き抜けて海中に沈んでしまうので、中に重要機材が無ければ浸水防止措置を施すだけで十分であることが判明し、この方式が採用された。参考：近代戦艦史

＜袖珍戦艦＞：ドイッチュラント級（装甲艦）を参照。

＜縦通材＞：Longitudinals、Stringer。艦船ではキールと平行に走るフレームのこと。航空機では外板内側に長軸方向に取り付ける細めのフレームのこと。圧縮力や引っ張り力を分担し、外板の座屈強さを強め、外板の亀裂が広がるのを阻止する。参考：航空用語事典増補改訂版、米海軍サバイバルマニュアル

＜シューティングスター＞：P-80シリーズ（戦闘機）またはT-33シリーズ（練習機）を参照。

＜自由で開かれたインド太平洋＞：安倍総理が2016年8月にケニアのナイロビで開催された第６回アフリカ開発会議TICADの基調演説で提唱した概念で、FOIP（Free and Open Indo-Pacific）と略す。アジア太平洋とアフリカを一体として捉え、太平洋とインド洋における法の支配・航行の自由・経済の連携などを中核に、東アジアから南アジア・中東を経てアフリカに至る地域で、各種支援を展開し国造りを進めていくという構想である。経済的繁栄が基本理念だが、インド太平洋における平和と安定を基盤になるため、防衛省では、太平洋島嶼国、南アジア、中東、アフリカ、中南米の各国と、防衛協力や交流を強化している。2020年7月1日、防衛省防衛政策局にFOIPビジョンの実現に向けた防衛協力・交流強化を担当する課長級ポストの防衛政策局参事官（インド太平洋地域製作担当）を新設した。参考：朝雲、月刊JWings4,’21

＜充電器＞：自衛隊の機器。五甲商事またはグローバル電子が受注している。参考：月刊軍事研究1,’12、3,’13

＜自由電子レーザー＞：FEL（Free Electron Laser）と略す。電子ビームを電磁場（Ｎ極とＳ極を交互に並べたウィグラー）に通すことでコヒーレント光を発生させ、レーザーに収束させるものである。電子ビームのエネルギーや電磁場の強度を変更することにより波長を自由に変化させることができるため、水蒸気や大気の影響が問題となる海面近くでの使用に向いており、アメリカ海軍がテスト中。2006年10月には波長1.61ミクロン・出力14.2kWのレーザー照射に成功し、2010年9月からボーイング社で出力100kW級FELの開発に入っていて、2018年の完成を目指している。参考：月刊軍事研究2,’14、2,’08、2,’12、2,’18、月刊世界の艦船3,’16

＜充電池＞：二次電池を参照。

＜充電池＞：自衛隊の機器。グローバル電子製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜重点分散化交戦スキーム＞：DWESを参照。

＜自由闘士式戦闘機＞：F-5海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜重投擲機４０＞：sWG40（ロケットランチャー）を参照。

＜重投擲機４１＞：sWG41（ロケットランチャー）を参照。

＜シュート・シュート・ルック＞：敵に２発連続してミサイルを発射する方法。余裕が無い時はこうする。参考：月刊JWings3,’00

＜シュートダウン能力＞：Shoot down。クラッターに紛れた低高度目標をルックダウン能力を持つレーダーで探知し、空対空ミサイルで攻撃できる能力のこと。空対地兵器は基本的に下方の目標を攻撃するが、これが可能だからといってシュートダウン能力を持つとは言わない。下方にいる対空目標を目視して機関砲で攻撃するのもシュートダウンとは言わない。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜シュート・ルック・シュート＞：敵にまずミサイルを発射し、命中しなかった場合に２発目を同目標に発射する方法。参考：月刊JWings3,’00

＜柔軟反応戦略＞：1961年に就任したJ.F.ケネディ大統領の特別顧問となったテーラー前陸軍参謀長が提唱した核戦略。それまでは大量報復戦略をとっていたが、双方が亡びる可能性が高いので実際には抑止力とならず、朝鮮戦争やインドシナ戦争など局地戦争に対してもさっぱり効き目が無いので、通常兵器には通常兵器で、戦術核には戦術核でと敵の戦闘規模に応じて攻撃手段を柔軟に変化させる（梯子状のエスカレート、エスカレーション・ラダー）というもので、核兵器を戦争遂行の手段としている。最終的には戦略核戦争に行き着くので、戦略核による抑止力が強く働いていく（エスカレーション抑止）ようになる。ソ連の戦略爆撃機配備数がアメリカに追いつきつつあり、ICBMロケット開発ではアメリカを抜いていたという時代背景もある。ケネディ政権で採用され、テーラー大将は統合参謀本部議長に任命された。これを基に通常兵器の開発が進み、空軍内では陸軍部隊を輸送する軍事空輸コマンド、直協の戦術航空コマンドの重要性が増した。欠点は、いかなる戦争でもエスカレートすれば最終的に全面核戦争に行き着いてしまう可能性があることである。また、エスカレーション・ラダーを段飛ばししないよう、カウンター・バリューよりカウンター・フォース攻撃を重視したが、ソ連からするとソ連の核反撃能力を喪失させるためにアメリカがカウンター・フォース攻撃を優先していると判断することもでき、軍事的緊張が高まった際にはソ連がアメリカから核攻撃を受ける前に先制核攻撃をかましてくる可能性があった。ベトナム戦争開始後は確証破壊戦略、ニクソン・ドクトリンに替わった。参考：月刊軍事研究7,’05、10,'15、9,’18、アメリカの核兵器、月刊JWings5,’05、アメリカジェット戦闘機

＜柔軟抑止オプション＞：FDOを参照。

＜銃に謝る＞：日本陸軍の制裁。銃の手入れを怠った時や、分解整備中に部品を落とした時に行われるもので、捧げ銃の姿勢を取るか、直立不動で腕を真っ直ぐ伸ばして両手で銃を持ち、「○○二等兵、○○式小銃殿に用事。○○二等兵は畏くも天皇陛下より御下賜の○○式小銃どのの○○を不注意により床に落としました。これは兵隊としてあるまじき行為であり、深く反省致し、今後は絶対にこのような不始末は致さぬことを誓い、ここに寛大なお心を持ちまして、お許しを頂きたくあります」「九九式短小銃どの、大変粗相をつかまつりました。以後、現役はおろか、予備、後備、頭に白髪の生えるまで、決して決して粗相は致しません。何とぞ、何とぞご勘弁のほど」などと謝る。姿勢が乱れたらやり直しで、歩兵銃が許してくれるまで（要するに古参兵の機嫌が直るまで）続ける。参考：新兵サンよもやま物語、陸海軍学校と教育、帝国陸海軍事典

＜ジューノ＞：F52（リアンダー級フリゲート）を参照。

＜自由の空輸作戦＞：航空自衛隊がテロ対策特措法に基づいて2001年11月から行っている空輸支援作戦。日本国内やグアムなどのアメリカ軍基地間輸送を肩代わりしている（2002年4月からは国内のみ）。参考：月刊JWings5,’06

＜自由のための４１隻＞：UGM-27シリーズ（SLBM）を参照。

＜自由の番人作戦＞：不朽の自由作戦アフガンに引き続きNATO軍が行った、アフガン軍への訓練を主体とする対テロ作戦Operation Freedom’s Sentinel（OFS）。2015年1月1日から開始された。2015年10月3日、クンドゥズで国境なき医師団が運営する病院をアメリカ軍機が誤爆し、22人が死亡した。アフガニスタン治安部隊の要請でアメリカ軍機が爆撃したとされ、病院の位置は事前にアメリカ軍司令部に伝達しており、爆撃開始後に国境なき医師団が中止を要請したが、１時間以上にわたり爆撃が続いたとされる。10月15日、アメリカのオバマ大統領が2016年末に予定していた駐留米軍撤収計画を見直し、現在の9800名から5500名規模に縮小するに止めると発表した。その後、タリバンの勢力拡大に伴い、駐留兵力を8400名への削減に止めるとしている。2015年12月6日から2016年1月2日、ロタの二重モード作戦を実施。2015年中のアメリカ軍死者は22名だった。2016年7月3日、バグダッドのカルラダ地区でイスラム国が冷凍トラックに爆薬を積んで自爆テロを起こし、324人を殺害、223人を負傷させた。8月16日、アメリカ空軍が、B-52H爆撃機をカタールのアル・ウデイド空軍基地に展開し、4月から270ソーティで目標325ヵ所以上に1300発以上の兵装を投下した、と発表した。11月24日、ヒッラの石油施設をイスラム国が自爆トラック（硝酸アンモニウム500リットルなど搭載）で攻撃し、125人を殺害、95人以上を負傷させた。2016年中のアメリカ軍死者は９人だった。2017年1月1日から2月24日までに直接戦闘でアフガン軍将兵807名が死亡、1328名が負傷し、アメリカのアフガン復興特別監察官がアフガン政府軍に治安維持能力が無いという報告書を出した。4月、アメリカ陸軍特殊作戦コマンド第75レンジャー連隊50名とアフガニスタン軍コマンドー40名が特殊作戦ヘリでイスラム国拠点に夜襲をかけ、35名を殺害し、レンジャー２名が戦死した。4月29日、オバマ政権時代の決定に基づき、2014年に一旦撤退した海兵隊をアフガン軍支援のため再度派遣することになり、海兵隊員300名がアフガンのヘルマンド県キャンプ・ショラブに展開した。5月31日、カブールでタリバン（ハクァニ・ネットワーク？）が作った1.5トン爆薬搭載バキュームカーが自爆テロを起こし、150人以上が死亡、日本大使館の日本人職員２人を含む413人が負傷、道路には直径20m・深さ5mの穴が開き、4km先の建物が損壊した。8月21日、トランプ政権が増派を決定。9月、アメリカ軍3500名が空路で増派され、派遣規模が14500名になった。9月15日、不朽の自由作戦開始以来のアメリカ軍の人的被害は死亡2388名、負傷20321名となった。2017年中のアメリカ軍死者は14名だった。2018年9月27日、LHD-2から第13海兵遠征隊VMFA-211所属F-35Bが出撃し、カンダハルの反政府勢力に対する航空攻撃を行った。2018年中のアメリカ軍死者は14名だった。2019年中のアメリカ軍死者は21名だった。2020年2月29日、アメリカとタリバンが和平合意を締結し、翌年4月末までにアメリカ軍が完全撤退することになった。2020年中のアメリカ軍死者は11名だった。2021年4月14日、アメリカのバイデン大統領が、タリバンによるテロ活動継続を理由として、トランプ大統領によるアメリカ軍撤退期限5月1日を破棄し、9月11日までにアメリカ軍と多国籍軍を完全撤退させると発表した。これを受けタリバンは自身の勝利とアメリカの敗北を宣撫すると共に、撤退期限破棄を受けて外国軍に対する攻撃活動再開を宣言した。5月1日、タリバンが本格的な攻勢を開始。午後にはカンダハル飛行場にロケット弾を撃ち込んだが、被害は出なかった。5月8日、カブールの女子学校付近で自爆テロが起き、生徒ら63人が死亡した。アフガニスタン軍の士気低下により治安維持作戦はほぼ不可能な状態で、治安情勢悪化を受け、アメリカ軍がB-52H爆撃機６機とF/A-18戦闘機12機を追加派遣している。7月初め、タリバンが全土407郡のうち69郡（一説には142-195郡）を制圧。7月2日、アフガニスタンのバグラム基地から外国軍が完全撤退し、軍人撤退及び非戦闘員退避作戦の拠点がカブール空港（アメリカ国防総省監察局報告書で防衛能力不十分と指摘）のみになった。バグラム基地からの撤退は現地アフガニスタン司令官に無通告で深夜に行われ、基地の電源まで切っていたらしい。7月8日、アメリカ政府はアフガニスタンを見捨てないと述べ、地方の治安部隊及び女性の権利を支援すると発表した。7月14日、アメリカ軍が軍用・民間機による撤退作戦アライス・リフュージ（Allies Refuge）を発動。アフガニスタン空軍機の整備運用を全任されていたアメリカ民間業者が撤収を開始した。7月末、ラシュカルガでアフガニスタン陸軍Mi-17ヘリがタリバンに撃墜された。8月6日、タリバンが大攻勢を開始。アメリカ情報機関では撤退から政権崩壊まで半年から１年掛かると読み、バイデン大統領はタリバンによるアフガニスタン全土支配はほぼ無いとまで述べていたが、タリバンはあっという間に各地を制圧し、首都カブールに迫った。これを受け、アメリカはじめ世界中の国が慌てて撤退作戦を練る羽目になっている。8月10日、ラシュカルガ付近をB-1B爆撃機が爆撃。8月14日、バイデン大統領が、アメリカ軍撤収に際する声明を発表し、アフガニスタン軍が自国を守る事ができない又は守る意思が無いなら、アメリカ軍が１年居ても５年居ても意味は無い、と述べた。外務省が防衛省に自衛隊機の派遣を打診。8月15日、タリバンがカブールを制圧してアフガニスタン全土を掌握し、アフガニスタン政府が崩壊。カブール空港の敷地外にタリバンが検問所を設けてアフガニスタン人を排除したため、カブール市内の外国避難民は集団でバスに乗り込み、検問を通り抜けた。アメリカ軍がアフガニスタンからの空路退避作戦全体を仕切ることになり、カブール空港の離着陸機を軍用機またはアメリカ軍チャーター機のみに制限し、同盟13カ国とエアブリッジ協定を締結して空路撤退アライス・リフュージ作戦フェイズ２を開始、各国のC-17A輸送機、C-130輸送機、A330MRTT輸送機などを総動員して避難者を中東や西アジア経由へとピストン輸送した。アフガニスタン各地からカブール空港への搬送には特殊部隊を、中東や西アジアからヨーロッパ各地の空軍基地への移送には民間チャーター機も使用している。UAE、インド、インドネシア、ウクライナ、カタール、韓国、パキスタン、ロシアはカブール空港から自前の軍用輸送機（パキスタンだけパキスタン国際航空所属機）で直接自国へと退避させた。万が一の事態に備え、北アラビア海に展開するCVN-76ロナルド・レーガンがF/A-18戦闘機をカブール上空に飛ばしている。夕方、外務省が防衛省に対し、カブール空港が大混乱に陥っているため、自衛隊機派遣の検討を一時停止するよう伝えた。8月16日、バイデン大統領が記者会見で、アフガニスタン人自身が戦う意思の無い戦争でアメリカ軍兵士が戦って死ぬべきでは無い、と述べた。カブール空港に退避を求める民間人が乱入したため、AH-64Eのダウンウォッシュで吹っ飛ばすなどして対応した。日本大使館員12人がアメリカ軍ヘリの護衛でカブール国際空港に向かったが、空港内には辿り着けなかった。8月17日、日本大使館員が漸く空港内に入り、イギリス空軍機でドバイに脱出。8月19日、バイデン大統領がABCテレビのインタビューで、アフガニスタンに兵力2500名を残すべきと軍幹部が進言したという話を否定した。8月20日夜、外務省と防衛省が改めて自衛隊機派遣の検討に入った。8月22日、防衛省情報収集チーム第１波が出国。8月23日、日本政府が国家安全保障会議で自衛隊法第84条の４「在外邦人等輸送」に基づく自衛隊の派遣を決定し、午後に外務大臣臨時代理が岸防衛大臣に対して自衛隊機による邦人等輸送を依頼、岸防衛大臣が在アフガニスタン・イスラム共和国邦人等輸送統合任務部隊派遣命令を発出した。C-2輸送機が入間基地で隊員や機材を搭載して美保基地に運んでいる。8月24日未明、C-2輸送機１機が美保基地を離陸。C-130H輸送機２機が入間基地で隊員や機材を搭載して昼過ぎに小牧基地に戻った。夜、C-2輸送機がパキスタンのイスラマバード国際空港に到着。8月25日夜、C-2輸送機がカブール国際空港に到着。8月26日、カブール市内の日本人（現地情報収集チーム、外務省職員、現地職員・民間人など）が車両27両で空港に向かったが、空港の通用門で自爆テロが発生したため引き返し、C-2輸送機もイスラマバードに戻った。C-130H輸送機がイスラマバード国際空港に到着し、カブール空港間を２往復したが、アメリカからの要請でアフガニスタン人14人を輸送したに止まった。B777政府専用機が千歳基地から小牧基地に飛来して隊員と機材を搭載し、出国した。8月27日夜、C-130H輸送機がカブール空港間を２往復し、第１便に自力でカブール空港へと到着していた日本人１人、第２便にカブール空港内の防衛省・外務省職員を乗せてイスラマバード空港に移送した。8月28日、B777政府専用機が帰国。8月30日2359（現地時間）、最後のアメリカ空軍C-17A輸送機がカブール空港から離陸し、撤退を完了。退避作戦中にアメリカ軍13名が自爆テロで死亡した。アフガニスタン民間人・軍人計124000人がアフガニスタンを脱出した。8月31日0010、アメリカ空軍によるカブール空港アンコントロールNOTAMが有効となった。8月31日昼、外務大臣が防衛大臣に輸送終結を依頼し、自衛隊の撤収が決定した。9月3日、C-2輸送機が入間基地に帰投。9月4日、C-130H輸送機が小牧基地に帰投。9月28日、アメリカ上院軍事委員会がオースティン国防長官、マッケンジー中央軍司令官、ミリー統合参謀本部議長を招聘して公聴会を開き、３名ともアフガニスタンに数千名規模の部隊を残すよう大統領に進言したと証言した。撤収時の大混乱の責任を問われると、３名全員が黙り込んでいる。参考：月刊軍事研究5,’16、1,’17、7,’17、10,’17、11,’17、月刊航空ファン12,’18、月刊JWings11,'21、7,’21、9,’21、朝雲

＜重爆撃機＞

　＜重爆撃機（アメリカ）＞：第２次大戦中はB-17を指した。元々は洋上での艦隊攻撃を想定しており、艦上戦闘機の攻撃を寄せ付けずに敵艦隊上空に進出、精密爆撃により大損害を与えるのが主任務だったため、防弾装備を強力なものとし、防御兵装には12.7mm機銃を採用、ハリネズミのように武装して編隊を組んで出撃した。第２次大戦ではドイツ軍による迎撃をはねつけて昼間精密爆撃を繰り返している。1948年にB-36の配備が開始されたことにより、B-36を重爆と呼ぶようになった。アメリカ議会調査局が2014年6月4日に出した報告書では、重爆撃機の主任務を対テロ／不正規戦争、侵略の阻止及び打破、パワープロジェクション、対大量破壊兵器（WMD）、サイバースペース作戦、核抑止、安定のためのプレゼンス、COIN作戦としている。参考：歴史群像2,’08、航空ジャーナル9月号臨時増刊、月刊軍事研究4,’15

　＜重爆撃機（イギリス）＞：機体をなるべく軽くし、爆弾搭載量をできるだけ多くすることに主眼を置いた。防御兵装は7.7mm機銃を数丁装備しただけで、第２次大戦緒戦ではドイツ軍による迎撃で多大な損害を出したため、夜間絨毯爆撃を担当した。初期には夜間航法技術に問題があり、天体測定とコンパスで誤差が1.6km、機上航法装置のみだと10km以上にもなったため、1941年に投弾した爆弾のうち90%が目標を外れ、航法の失敗による不時着も多かった。そこで1942年からGEE装置とオーボエ計器爆撃システムを搭載し、次いでH2Sレーダーを装備、高い戦果を挙げた。第２次大戦時にはスターリング重爆などを使用している。参考：歴史群像2,’08、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜重爆撃機（日本陸軍）＞：日本陸軍が昭和9-11年に仮想敵をソ連極東軍に絞り込んだのを受け、対ソ戦劈頭に沿海州のソ連軍航空基地を爆撃して配備機ごと破壊するのが主任務となったため、爆弾搭載量よりも高速で長駆飛行して敵地に到達する能力が重視され、爆弾750kg搭載で行動半径600kmの双発機が基本要求になった。昭和13年2月、九七式重爆（爆弾搭載量1000kg）を仮制式化。昭和15年制定の陸軍航空兵器研究方針での定義では、「主として敵飛行場にある飛行機と諸施設、地上軍の攻撃に使用する航空機で、行動半径1000-1500km、爆弾搭載量500-750kg」となっており、ほぼ戦術爆撃機である。同時期に採用された一〇〇式重爆も爆弾搭載量1000kgだった。昭和19年から四式重爆を量産したが、これも爆弾搭載量800kgである。参考：月刊JWings5,’06、1,’05、11,'23、歴史群像4,’17

＜重迫撃砲＞：口径120mm以上の迫撃砲。ライフルタイプもある。射程の長さから野砲に分類されることもある。参考：月刊PANZER9,’02

＜重迫撃砲＞：日本陸軍が開発した迫撃砲。口径95mm、放列砲車重量468.5kg。初速毎秒60m、最大射程350m。参考：大砲入門

＜重迫撃砲中隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊普通科連隊隷下の中隊。120mm迫撃砲RTなどの重迫撃砲を装備し、前線部隊への火力支援を主任務とする。参考：MAMOR vol.140

＜重迫牽引車＞：高機動車シリーズを参照。

＜周波数アジリティ＞：レーダーの運用周波数を迅速に変更可能なこと。ジャミングを受けると、直ちに周波数をランダムに変更して対抗する。手動同調型のスポット・ジャマーに対抗できるECCM手段である。参考：月刊エアワールド4,’00、月刊丸3,’90

＜周波数安定化レーザーシステム＞：自衛隊の機器。エーピーエフ製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜周波数応答特性特定装置＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜周波数カウンタ＞：自衛隊の機器。衛星可搬局装置用もある。東陽テクニカまたは日本電計が受注している。参考：月刊軍事研究1,’11、1,’13、8,’18

＜周波数カウンタ（１型）＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜周波数カウンタ６型＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜周波数カウンタ（８型）＞：自衛隊の機器。東陽テクニカが受注している。参考：月刊軍事研究11,’10

＜周波数カウンタ９型＞：自衛隊の機器。東陽テクニカが受注している。参考：月刊軍事研究3,’17

＜周波数カウンタ１０型＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究11,’14

＜周波数カウンタ１１型＞：自衛隊の機器。東陽テクニカが受注している。参考：月刊軍事研究9,’15

＜周波数カウンタ１２型＞：自衛隊の機器。東陽テクニカまたは日本電計が受注している。参考：月刊軍事研究10,’14、7,’18

＜周波数カウンタ１３型＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜周波数カウンタ（衛星固定局装置用）＞：自衛隊の機器。アンリツ製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜周波数カウンタ（衛星通信固定局装置用）＞：自衛隊の機器。アンリツ製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜周波数感応式ショック・アブソーバー＞：ショック・アブソーバーを参照。

＜周波数選択膜＞：FSS（Frequency Selective Surface）と略す。特定周波数の電磁波だけを反射・透過させる遮蔽材のこと。誘電体の表面に三角形・四角形・六角形など特有の形状の金属箔を並べた薄膜で、レドームやアンテナドームに使用され、自分で使う周波数の電波は透過させつつ、他の周波数の電波を反射させることができる。ステルス形状にしておけば、内部に敵レーダー波が入り込みアンテナなどで後方散乱を生じるすることが無いため、ステルス性能を損ねない。ただし敵レーダーの周波数と自分が使っているレーダーの周波数が同じ場合には用をなさないので注意。参考：レーダの基礎

＜周波数走査方式フェイズド・アレイ・レーダー＞：フェイズド・アレイ・レーダーを参照。

＜周波数帯（電波）＞：

　＜周波数帯（アメリカ電気電子学会ＩＥＥＥ）＞：アメリカ軍の呼称をベースに1970年代後半に正式採用し、一般的に使用されるようになった。3-30MHzが短波（HF）、30-300MHzが超短波（VHF）、300-1000MHz（1000-300mm）が極超短波（UHF）またはＰバンド、1-2GHz（300-150mm）がＬバンド、2-4GHz（150-75mm）がＳバンド、4-8GHz（75-38mm）がＣバンド、8-12GHz（38-25mm）がＸバンド、12-18GHzがKuバンド、18-27GHzがＫバンド、27-40GHzがKaバンド、40-75GHz（波長7.5-4mm）がＶバンド、75-110GHz（波長4-0.27mm）がＷバンド、110-330GHz（波長2.7mm以下）がmmバンド。国連国際電気通信連合ではこの中でレーダー用の標準周波数帯を勧告しており、各国の民間用レーダーシステムはその範囲内で適当な周波数を使っている。参考：レーダシステムの基礎理論、レーダの基礎

　＜周波数帯（新ＮＡＴＯ表示）＞：0.25GHz以下（波長1200mm以上）がＡバンド、0.25-0.5GHzがＢバンド（波長1200-600mm）、0.5-1GHz（波長600-300mm）がＣバンド、1-2GHz（波長300-150mm）がＤバンド、2-3GHz（波長150-100mm）がＥバンド、3-4GHz（波長100-75mm）がＦバンド、4-6GHz（波長75-50mm）がＧバンド、6-8GHz（波長50-38mm）がＨバンド、8-10GHz（波長38-30mm）がＩバンド、10-20GHz（波長30-15mm）がＪバンド、20-40GHz（波長15-7.5mm）がＫバンド、40-60GHz（波長7.5-5mm）がＬバンド、60-100GHz（波長5-3mm）がＭバンド。参考：レーダの基礎、月刊軍事研究4,’04

＜周波数ダイバーシティ＞：複数の周波数を同時に送受信できるレーダーで、妨害の少ない受信信号を選択使用することにより、疑似目標やRGPOなどのECMに対抗できる。ただし、運用には複数のレーダーが必要なので、コストや整備性に劣る。参考：月刊エアワールド4,’00

＜周波数変換器＞：自衛隊の機器。日新電装製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜周波数変換器（７５ｋＶＡ）＞：自衛隊の機器。YAMABISHI製。参考：月刊軍事研究9,’09

＜周波数変換交流安定化電源（二ＫＶＡ）＞：自衛隊の機器。協友測器製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜周波数変換交流安定化電源（四ＫＶＡ）＞：自衛隊の機器。東陽テクニカが受注している。参考：月刊軍事研究9,’11

＜周波数変換交流安定化電源（六ＫＶＡ）＞：自衛隊の機器。東陽テクニカが受注している。参考：月刊軍事研究9,’11

＜周波数変換装置＞：自衛隊の機器。ジュピターコーポレーションまたは三社電機製作所または日新電装製。参考：月刊軍事研究8,’11、1,’15

＜周波数変換装置５ｋＶＡ＞：自衛隊の機器。YAMABISHI製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜周波数変換装置１０ｋＶＡ＞：自衛隊の機器。日新電装製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜周波数変換装置４００Ｈｚ＞：自衛隊の機器。日新電装製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜周波数変換装置（ＯＨ−１用）＞：自衛隊の機器。日新電装製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜周波数変換装置（短ＳＡＭ用）＞：自衛隊の機器。日新電装製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜周波数変調連続波＞：FM-CWドップラー・レーダーを参照。

＜周波数ホッピング方式＞：レーダーの送信周波数を周期的に変化させ、逆探知されにくくする方法のこと。参考：月刊軍事研究3,’99

＜週番（日本陸軍）＞：営内及び兵営付近の自隊所属建造物などにおいて、週番勤務を行うのが主任務で、土曜日正午から次の土曜日正午までの１週間交替で任じられる。週番司令、週番副官、週番士官、週番下士官、週番上等兵、厩週番上等兵がいる。週番士官を除き、通常の勤務や演習には参加しない。参考：内務教育の参考、月刊丸4,’17

＜週番下士官（日本陸軍）＞：日本陸軍の週番で、連隊本部週番下士官、大隊本部週番下士官、中隊週番下士官がいる。連隊本部・大隊本部週番下士官は本部付下士官のうち炊事掛下士官・衛生部下士官・獣医部下士官を除く１名、中隊週番下士官は中隊の軍曹・伍長・伍長勤務上等兵から１名が任じられ、本部週番下士官は本部事務室、中隊週番下士官は中隊事務室を定位とする。週番士官の指揮を受け（連隊本部週番下士官は連隊副官、大隊本部週番下士官は大隊本部副官の指示も受ける）、週番上等兵を指揮し、軍紀風紀の維持と諸法則の実施を監視することにより営内の取締を行い、営内での火災や盗難を予防し、消防に責任を持つ。基本的に事務室にいる。本部週番下士官は所属事務室におり、諸官退庁後は連隊本部事務室に移る。初日の正午に下番者から申し送りと引き継ぎを受け、中隊長や週番士官など関係上官に報告、人馬の員数と状況を調べる。交代が完了したら受け持ち掃除区域、兵舎、厩、砲廠、付属建物を巡察し、上官の指示や注意事項を受け服務計画を修正し、週番上等兵に所要の注意を与え、午後の勤務者（消防隊や風紀衛兵など）の再調査を行う。起床前には週番、当番、専務兵などが起床時間前に起きてちゃんと服務しているか、その他の者が起床時間前に起きていないかを確認、不寝番から報告を受ける。日朝点呼の際は週番士官に随行して人員を報告すると共に、厩週番上等兵から報告を受け、その内容も週番士官に伝える。起床動作や乾布摩擦の様子、窓の開閉状況を観察し、衛兵所前に日課を記載する。朝食までの間は、洗面所の使い方、掃除状況、廊下の洗濯物などを見て回り、間稽古の状況を確認し、内務班長から受診馬の連絡を受け週番士官に報告する。週番士官が認印を押した食需伝票を炊事係下士官に送り、週番上等兵に食事を受領分配させ、朝食の状況を巡察する。朝食後は甲種幹部候補生、下士官候補者、特業者同修業者、工務兵同修業者で疾病や事故などにより出場できない者を把握し、教官や主任工長に伝える。窓の開閉を一定とさせ、必要なら週番上等兵に巡察させる。演習に出る人員を確認し、演習開始前に中隊長、関係将校、准尉に報告し、必要に応じ服装や馬装を点検する。学科の場合は所要の準備を行わせ、人員を点検して先任者に報告する。患者を自ら率いて受診させ、病馬がいれば厩週番上等兵に受診手続きを行わせ、結果を中隊長、週番士官、准尉曹長、内務班長に知らせる。部隊が演習に出たら掃除整頓火災予防に特に注意して巡察を行い、結果を関係諸官に伝える。患者の挙動や、昼食前に早く帰班してきた者に注意する。昼食準備は朝と同じだが、翌日行軍などで携行食が要る時は炊事係下士官に通報する。午後の演習前の確認事項は午前と同じ。1300に機関庫の汽笛が鳴るので、時計を規正する。入浴時間を関係諸官に通報し、入浴の様子を監視する。夕食準備は朝と同じで、休日外出で食事の要らない者の数を炊事係下士官に通報する。夕食後は中隊長と教官から翌日の課目、整列時刻、服装などの指示を受け関係諸官に連絡、准尉から諸勤務者を聞き、不寝番担当にそれを伝える。物乾場と洗濯場を含む舎内（必要に応じ酒保）を巡視し、一日の所見を週番士官、内務班長、関係諸官に報告する。日夕点呼は日朝点呼と同じ。火気に関する全てについて週番上等兵の消火報告を受け、自分でも確実に確認する。消灯後は服を着ないで寝ている者や騒いでいる者がいないか確認し、付けっぱなしの電灯、窓の開閉状態、就寝状態、不寝番の勤務状況などを確かめる。夜巡を計画して実行し、必要なら週番上等兵に巡察させる。休日は外出者を内務班長からの報告で把握し、外出証を准尉（不在なら週番士官）から受領して内務班長に交付する。外出直前には週番士官に報告し、必要なら服装検査や注意事項伝達を行う。営内に残る者の言動を監視し、火災を予防する。外出者が帰ってきたら服装や態度に注意し、週番士官に異常の有無を報告する。帰営後の一般状態、掃除、整頓状況に注意する。土曜正午の交代直前に全般の巡察を行い、不備を正す。不時診断が必要な者がいたら週番士官の指示の下に受診させ、結果を中隊長、准尉、関係諸官に報告し、必要なら内務班長と相談して看護人を付ける。公用証が必要な時は准尉（不在なら週番士官）から受領し、本人に交付する。帰ってきたら本人から公用証を受領して准尉（不在なら週番士官）に返す。衛兵が任務に就く時は、服装を検査し、集合所まで引率、週番副官の指示を受ける。この際、自分の服装も上番衛兵と同じにするが、背嚢は背負わない。臨時延灯が許可されたら週番士官の耳に入れてから週番腹案に伝える。脱営舎、帰営遅刻者、犯罪者が出た時や、盗難、紛失、習得などがあった時は、週番士官に報告して指示を受ける。週番士官がいない場合には臨機応変に対処する。営倉入りの者がいる時は、週番副官に通報、服装と所持品などを検査し、罰目、日数、隊号、官等級氏名を記入した覚紙と共に風紀衛兵司令に引き渡す。営倉から出る者がいる時は、風紀衛兵司令から引き渡しを受ける。営倉入りの者に食事や寝具を差し入れる時は、上番上等兵に検査をさせ、風紀衛兵営舎係に渡す。食後の食器や用済みの寝具は週番上等兵から受領する。衛兵所から面会人の通知が来たら、下士官以上なら直接本人に、兵なら准尉（不在なら週番士官）に報告の上で速やかに本人に伝える。本人が不在なら行き先や予定帰営時刻を風紀衛兵所に通報する。本人が営倉に入っていたり、傷病で入室していたら、准尉または週番士官の指示を受ける。非常呼集がかかったら、命令受領者を速やかに連隊本部に出し（曹長が不在なら先任下士官副命令受領者１名を連れて行く）、営外者と衛戌地に外泊している下士官に非常呼集を通知するため伝令に非常呼集令票を渡し、連隊本部警戒のため軍旗衛兵３名を選んで週番司令の指揮下に置き、下士官以下兵器を携帯させて営舎前に中隊を整列させ、週番（日直）勤務員全員、中隊当番、厩当番、銃砲廠１名を警戒及び火災予防のため残置して各部署に配置し、所要に応じ巡察を派遣する。火災呼集がかかった場合、直ちに兵舎に延焼する恐れがあり消防隊を出す暇も無いなら、各自兵器、非常持ち出し箱、公用書類、被服等の順に安全な場所に運び監視者を付け、必要なら隣の中隊に応援を要請、各室の扉と窓を閉鎖し、漏電防止のため必要なら消灯、厩に延焼しそうなら馬匹を避難させた後に馬具を持ち出す。馬を引き出している暇も無い時は、寝張綱または頭絡を取るか切断するが、なるべく営門外に出ないようにする。延焼までに時間の余裕があるなら、命令受領者（曹長が不在なら他の下士官）を週番司令の下に向かわせ、使役兵３名（なるべく軍旗衛兵）を連隊本部に出して週番司令の指揮下に置き、営外者と衛戌地内に外泊している営内下士官に火災呼集令票を渡し、消防隊を出して給水線を配置、軽便消火器を出し、委員関係下士官・兵を各受け持ち場所に配置、非常呼集時と同様の中隊残留員を置く。必要なら救援隊の派遣準備に入る。公務のため外出する時は週番士官の許可を受ける。私用で外出する時は中隊長の許可を受け、新たに命じられた代理者と共に週番士官に報告する。検査官や巡察者が来たら随行して注意事項を書き留め、関係諸官に伝える。主任者不在の際は庶務を受理し、恒例外の事項は週番士官の指示を受ける。臨時点呼の際は週番士官に随行する。本部週番下士官の場合、臨時点呼の際は週番副官の立ち会いも受ける。装蹄が必要になったら、装蹄請求簿に記入し、厩週番上等兵に装蹄させ、結果を報告する。その他週番勤務上必要な事項はその都度週番士官に報告する。交代時は上番者に申し送りと引き継ぎを行い、週番上等兵の申し送りが適切かを監督する。中隊長、週番士官、関係上官に報告し、週番勤務録に中隊長と週番士官の認印を受ける。参考：内務教育の参考、月刊丸4,’17

＜週番勤務（日本陸軍）＞：日本陸軍の部隊勤務の１つ。営内及び兵営付近の自隊所属建造物などにおいて、軍紀風紀の維持、諸法則実施状況の警視、取締、火災盗難予防、消防などを行うもので、週番が担当する。連隊や大隊で行う部隊週番勤務と、中隊で行う中隊週番勤務がある。参考：月刊丸4,’17、内務教育の参考

＜週番士官（日本陸軍）＞：日本陸軍の週番で、１週間だけ中隊の責任者となる士官のこと。階級は中尉、少尉、見習士官、少尉候補者、特務曹長／准尉、曹長である。週番司令の指揮と中隊長の指示を受け、中隊長の方針に基づいて中隊内務の監督指導を行い、週番下士官以下を指揮すると共に、軍紀風紀や諸法則実施の状況を監視し、営内の取締を実施する。また、営内の火災や盗難の予防、消防の責任者となる。最も気を遣うのは火災予防である。主任者が不在の場合には庶務を受理するが、管轄外で急を要するなら週番司令の指示を仰ぐ。定位は将校室で、週番としての勤務の他、通常の演習や勤務もこなす。下番者（前の週番士官）と交代する際には申し送りと物品引き継ぎを行い、週番司令と中隊長に交代を報告、週番下士官から報告を受けて所要の注意を与え、なるべく早く兵舎や建物を巡視する。日朝点呼の際には班長から報告を受け、身だしなみなどのチェックを行う。入隊したばかりの見習士官か、叩き上げの士官かでチェックの厳しさにかなりの差が出る。その後は洗面所、勅諭奉唱、掃除、食事受領、朝食の様子などを監視する。午前の課業開始前に傷病者を確認して受診手続きを行い、武器被服の手入れを監視し、週番下士官から演習出場人員の報告を受け、准尉が出勤したら公用証を引き継ぎ、中隊長に状況を報告する。午前の課業中は各所を巡察すると共に受診傷病者の診断結果を把握、自分が演習に出場する場合には週番司令に所在を伝え、週番下士官に自分が不在の間の措置を命じておく。昼食前後も朝食時と同様の監視業務を行い、午後の演習出場人員の報告を受ける。午後の課業中は午前と同様の勤務を行い、課業終了後は入浴状況、武器被服手入れ、洗濯などの監視、兵舎内外や酒保の巡視を実施する。夕食前後は朝食時と同様の監視業務を行う。日夕点呼は日朝点呼と同様で、その後週番下士官や週番上等兵に夜間や翌日の命令を下達し、消灯前後の巡視で消灯、就寝、火災予防、不寝番の服務状況などを確認する。休日や外出に関しては人数や帰営状況を把握し、必要に応じて週番司令や中隊長に報告する。脱営者や帰営遅刻者があれば中隊長と週番司令に直ちに報告し、捜索隊の派遣、憲兵隊への通報、必要に応じて臨時点呼を行う。土曜日1600に消防隊を編成し、器材点検や訓練を行う。その他、毎食の食需伝票を週番下士官から受領し、外来者を監視して盗難や宣伝策動などを予防し、上官からの注意・訓示事項を改善する。犯罪容疑者が出たら中隊長と週番司令に報告して必要な取り調べを行い、逃亡や自殺の恐れがあれば営倉に留置する。参考：内務教育の参考、月刊丸4,’17、新兵サンよもやま物語

＜週番上等兵（日本陸軍）＞：日本陸軍の週番で、中隊上等兵２名が割り当てられる。中隊事務室または居室（内務班）におり、週番下士官の指揮を受けて火災・盗難予防や兵舎内外の清潔といった細務に従事する。食事分配の際は週番下士官から食事数と加給品を確認し、定時に食事当番を率いて食事を受領、班員に平等かつ衛生的に分配し、食後は食器を集めて洗浄させた後に炊事掛下士官に返納する。週番諸官に兵食が必要なら中隊当番に受領させる。毎日当番を集めて内務班に属さない場所を掃除させる。午前激習整列前に使役兵を集めて洗面所の掃除を行う。演習出場前後は１名が整列準備、１名が洗濯場や物乾場の清潔監視にあたる。厠は掃除人夫に掃除を行わせ、清潔管理をチェックし、起床前には１名が肥汲み取りに立ち会い監視する（その間もう１名は舎外を掃除する）。物置の中身をチェックして清掃状態や火災予防に気を遣う。夕食後は１名が入浴監視、もう１名が物乾場の盗難予防にあたる。日夕点呼後は特に念入りに火災予防を行い、命令が無くても各室を回り消火を確認して週番下士官の検査を受け、兵舎内外を巡察して諸物品の保存整理と火災予防を確認し、各所の吸い殻入れ、火鉢、電灯などをチェック、規定外の場所での吸い殻やマッチにも注意する。営倉入の者に食事寝具等を差し入れる際は、検査して風紀衛兵営舎掛に引き渡し、用が済んだら営舎掛から受領する。入退院・入退室患者がいる場合、准尉、週番下士官、内務班長に状況を報告すると共に、軍医と週番下士官の指示を受けて所要の処置を行う。参考：内務教育の参考、月刊丸4,’17

＜週番司令（日本陸軍）＞：日本陸軍の週番。２個中隊以上を擁する部隊において、週番勤務を統括するのが主任務で、階級は大尉。週番司令室におり、週番、消防隊、風紀衛兵、日直看護長、日直看護兵、営倉を管轄する。通常勤務や演習には出ず、週番専任である。参考：月刊丸4,’17

＜週番副官（日本陸軍）＞：日本陸軍の週番で、階級は曹長。週番司令の指揮を受け、軍紀風紀や諸法則実施の状況を監視し、営内の取締を実施する。また、営内の火災や盗難の予防、消防の責任者となり、消防具の監視や消防用ガソリンの補給も担当する。通常勤務や演習は行わず、専ら週番としての勤務にあたる。部隊本部週番副官室が定位で、常に営内に宿直し、定位を離れる際には所在と経路を明らかにしておく。公務で営外に出る時は週番司令の許可を受け、代理者が要るなら外出を許可した者が週番勤務を命じた上官に請求する。私用で外出する時は週番勤務を命じた上官の許可を受け、代理者と共に直上上官に届け出る。初日の正午に下番者からの申し送りと引き継ぎを受け、週番を命じた上官と週番司令に交代を報告し、営内一般の状況を巡視する。起床前後には週番勤務者、炊事担当、連隊本部当番以外の者が既に起床していないかチェックし、下肥汲み取り人の提灯や喫煙を監視して火災を予防、衛兵所を巡視して衛兵司令の報告を受け、服務者の服装や態度を観る。朝食から衛兵交代までは軍紀風紀監視、火災予防、訓練・講堂・練兵場・炊事場・食器洗濯場・衛兵所・哨所の巡察にあたり、これらに関して週番司令の検査を受ける。衛兵交代に立ち会い、上番衛兵の人員検査と服装検査を実施、下番衛兵から物品持ち出し証を受け取り各中隊に交付する。衛兵交代から日夕点呼までは、酒保や浴場での軍紀風紀、工場や倉庫の後始末、火気消滅（特にパン工場）を監視する。営倉入り人員の出入りを確認し、風紀衛兵司令に人員受け渡しをさせ、週番司令に報告する。また、営倉入り人員の服装や所持品を検査し、動静をチェック、営倉の清掃状況や換気も注意する。日夕点呼時には立ち会いを行う。消灯から起床までは火災盗難予防のための建物巡察を行い、衛兵所や哨所を前半夜に巡察、場合によって後半夜も回って勤惰の監督にあたる。その他、臨時延灯の通報があれば週番司令と衛兵司令に報告し、営内参観者があれば週番司令の指示で案内を行い、臨時点呼の際は中隊外全部の箇所に立ち会って週番司令に報告する。野営行軍で部隊が兵営を引き払っている場合、火災と盗難を防止するため巡察回数を増やし、外来人に対する監視を強化する。営内や近所で火災があった場合、急を要すれば自分で火災号音を吹奏し、可能なら非常汽笛も鳴らす。軍旗、御真影、勅諭勅語に延焼する可能性がある場合、各中隊から３名を抽出して搬出警備にあたらせる。炊事係下士官に揚水機を運転させ、必要に応じ各門を閉鎖して延焼を防ぎ、指定中隊が不在の時は下士官１名と兵10名を弾薬庫に向かわせる。駆け付けた民間消防組には入門許可を出す。非常災害に見舞われた場合、建物倒壊の恐れがあれば火災発生に準じた行動を取り、失火の予防に努める。非常呼集がかけられた際には、営内に監視者として残すべき人員（週番勤務者、衛兵、連隊本部当番、炊事機関庫服務者、中隊当番、酒保下士官１名、酒保兵１名、将校集会所上１名、将校集会所兵１名、下士官集合所兵１名、厩兵１名）を確認し、必要に応じ各中隊から増強人員を衛兵に加えて営内の監視を強化する。参考：内務教育の参考、月刊丸4,’17

＜重搬送＞：陸上自衛隊の通信器材で、中央と方面隊を結ぶ骨幹通信網の強化に使用される。無線搬送端局装置１号JMRC-C3、無線搬送中継装置１号JMRC-R3を参照。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜自由飛行風洞＞：風洞を参照。

＜銃尾板＞：尾底を参照。

＜シューフェル＞：ゲルハルト・シューフェル。ドイツ空軍エース。1941年12月6日、第26戦闘航空団司令官となった。1943年1月10日、戦闘機隊作戦将校に着任。その後第４戦闘航空団司令官や第６戦闘航空団司令官を務め、終戦を迎えた。出撃回数700回、総撃墜機数40機（全て西部戦線、うち４発重爆３機）。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜重武装四輪駆動車＞：テクニカルを参照。

＜修武台＞：陸軍航空士官学校のこと。昭和16年に昭和天皇が行幸された際に命名した。参考：朝雲

＜修武台記念館＞：航空自衛隊入間基地内にある展示館。１階が航空自衛隊関係、２階が陸軍航空隊関係で、加藤隼戦闘隊の加藤建夫氏に関する展示や、桜花の実機胴体・ロケット、旧バッジシステム、退役機などが置かれている。老朽化で一旦解体され、2007-09年に新館が建設されて2012年3月1日に開館した。陸軍航空士官学校を一部再現したデザインとなっており、１階に航空自衛隊、２階に日本陸海軍航空関連資料が展示されている。開館日時は平日月曜から木曜までの0900-1600だが、自衛隊・防衛省関係者のみで、一般公開はされない。ただホームページを見ると「当面の間」となっているので、いつか開放されるかも。参考：朝雲、歴史群像12,’03

＜修武台飛行場＞：日本陸軍の飛行場。戦後は入間基地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜重物料投下器材（プラットフォーム）＞：自衛隊の機器。新明和工業製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜重物料投下器材（プラットフォームを除く）＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜重物料投下器材（プラットホーム緩衝機構部転倒防止機構付）＞：自衛隊の機器。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜重物料投下装置（プラットホーム転倒防止機構付）＞：自衛隊の機器。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜自由フランス委員会＞：第２次大戦時の1940年6月17日、フランスがドイツに降伏したのを受け、イギリスに脱出したド・ゴール将軍が樹立した。6月28日、ミュズリエ提督が自由フランス海軍を樹立、空軍の指揮も執ることになった。9月、ダカール作戦にイギリス海軍隷下として参加。外人部隊2400名による上陸作戦を行う予定だったが、在泊していたフランス艦隊の反撃を受けて撤退した。11月、ガボンを攻撃。1941年春、イギリス軍の支援の下にフランス領ソマリアの解放作戦を実施。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シュープリーム＞：73（フリゲート）を参照。

＜従兵（日本海軍）＞：准士官以上の日常の使役に服し、公私室、食器室、浴室、洗面所を受け持つ、要するに世話係で、各分隊から拠出する。准士官以上の朝食時間前に公室の掃除を行い、食事の時は給仕に就く。食事が終われば食器を洗い、公室と食器室を整理し、金物手入れを行い、受け持ちの寝室を掃除し、金物を磨く。自分の食事は常に当番食事である。食器室で各公私室消灯時まで輪番当直を行い、教練などを除いて室を離れる時は代理人を置く。准士官以上が入浴する時は甲板士官に届けて浴場の準備を行い、沐浴が終わったら浴室の掃除を行う。消灯時刻を過ぎたら公室と食器室を片付けて就寝するが、その前に准士官以上用の洗面水を用意しておく。また、巡検後は衣服を掃除し、靴を磨く。航海中は１名が終夜当直を行い、それ以外は当番釣床収めの号令がかかるまで就寝できる。他に洗濯物を洗濯屋に出したり、受け持ちタンスや衣服箱の整頓を行ったりする。人数は士官室が士官２名につき１名、士官次室が候補生２乃至４名につき１名、準士官室が候補生２乃至３名につき１名である。大抵お渡り食器で気の利く者が選ばれた。士官は罰直をしない（牛殺し程度）し、時間に余裕があるので自分の勉強ができ、士官が残した銀飯をたらふく食べられるので、羨望の的であった。参考：海軍よもやま物語、続日本海軍よもやま物語

＜州兵航空隊＞：ANG（Air National Guard）と略す。アメリカ州兵軍隷下の航空部隊で、空軍付属機関ではないが、航空宇宙防衛軍団、空輸軍団、戦術航空コマンド、戦略航空コマンド、ATC、AFCS、PACAFの指揮下に入っている。司令官はおらず監督官として空軍中将が配置され、平時の指揮権は州知事が有し、戦時になると空軍各コマンドの指揮下に入り、戦列に加わる。1947年9月18日に創設された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空ファン7,’15、月刊軍事研究5,’16、12,’18

　＜州兵航空隊（１９８９年）＞：航空団24個、防空戦闘飛行隊12個、F-16A/B戦闘飛行隊４個、F-4C/D/E戦闘飛行隊10個、A-7D/K攻撃飛行隊13個、A-10攻撃飛行隊４個、RF-4C偵察飛行隊５個、EC-130電子戦飛行隊１個、OA-37B前線航空統制飛行隊２個、OA-10前線航空統制飛行隊１個、C-130A/B/E/H輸送飛行隊19個、C-5輸送飛行隊１個、C-141B輸送飛行隊１個、KC-135E空中給油飛行隊13個、捜索救難飛行隊２個、訓練飛行隊７個からなる。F-16A/B戦闘機72機、F-4C/D/E戦闘機188機、防空戦闘機216機、A-7D/K攻撃機270機（＋保管中96機）、A-10攻撃機72機、RF-4C偵察機90機、EC-130電子戦機６機、OA-37B前線航空統制機36機、OA-10前線航空統制機18機、C-130A/B/E/H輸送機168機、C-5輸送機11機、C-141B輸送機８機、KC-135E空中給油機110機、HC-130捜索救難機８機、HH-3E救難ヘリ９機、CH-3救難ヘリ１機、T-33練習機40機、T-43A練習機４機などを配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜州兵航空隊（２０１５年）＞：司令部はワシントンDCにある。現役208名、予備役106380名、民間人24154名。85個航空団に固定翼機600機と回転翼機400機を配備する。アラバマ州航空隊第117空中給油航空団（KC-135R）、同第187戦闘航空団（F-16C/D、RC-26B）、アラスカ州航空隊第168空中給油航空団（KC-135R）、同176航空団（C-130H、HC-130H、HH-60G）、アリゾナ州航空隊第161空中給油航空団（KC-135R）、同第162戦闘航空団（F-16A/B/C/D/CM/DM、RC-26B）、同第214偵察航空群（MQ-1B）、アーカンソー州航空隊第188戦闘航空団（MQ-9A）、同第189空輸航空団（C-130H）、カリフォルニア州航空隊第129救難航空団（MC-130P、HH-60G）、同第144戦闘航空団（F-15C、F-16C、RC-26B）、同第146空輸航空団（C-130J）、同第163偵察航空団（MQ-1B）、コロラド州航空隊第140航空団（F-16C/D）、コネチカット州航空隊第103空輸航空団（C-130H、C-21A）、デラウェア州航空隊第166空輸航空団（C-130H）、コロンビア特別区第113航空団（F-16C/D、C-38A、C-40C）、フロリダ州航空隊第125戦闘航空団（F-15C/D、RC-26B）、ジョージア州航空隊第116空中管制航空団（E-8C、TE-8A）、同第165空輸航空団（C-130H）、ハワイ州航空隊第154航空団（F-22A、KC-135R、C-17A）、アイダホ州航空隊第124航空団（A-10C）、イリノイ州航空隊第126空中給油航空団（KC-135R）、同第182空輸航空団（C-130H）、同第183戦闘航空団、インディアナ州航空隊第122戦闘航空団（A-10C）、アイオワ州航空隊第132戦闘航空団（MQ-1B）、同第185空中給油航空団（KC-135R）、カンザス州航空隊第184情報航空団、同第190空中給油航空団（KC-135R）、ケンタッキー州航空隊第123空輸航空団（C-130H）、ルイジアナ州航空隊第159戦闘航空団（F-15C/D）、メイン州航空隊第101空中給油航空団（KC-135R）、メリーランド州航空隊第175航空団（A-10C）、マサチューセッツ州航空隊第104航空団（F-15C/D）、ミシガン州航空隊第110空輸航空団（C-21A）、同127航空団（A-10C）、ミネソタ州航空隊第133空輸航空団（C-130H）、同第148戦闘航空団（F-16CM/DM）、ミシシッピ州航空隊第172空輸航空団（C-17A）、同第186空中給油航空団（KC-135R、RC-26B）、ミズーリ州航空隊第131爆撃航空団（B-2A。人員のみ）、同第139空輸航空団（C-130H）、モンタナ州航空隊第120戦闘航空団（F-15C）、ネブラスカ州航空隊第155空中給油航空団（KC-135R）、ネヴァダ州航空隊第152空輸航空団（C-130H）、ニューハンプシャー州航空隊第157空中給油航空団（KC-135R）、ニュージャージー州航空隊第108空中給油航空団（KC-135R、C-32B）、同第177戦闘航空団（F-16C/D）、ニューメキシコ州航空隊第150特殊作戦航空団（RC-26B）、ニューヨーク州航空隊第105空輸航空団（C-17A）、同第106救難航空団（HC-130N/P、HH-60G）、同第107空輸航空団（C-130H）、同第109空輸航空団（C-130H、LC-130H）、同第174戦闘航空団（MQ-9A）、ノースカロライナ州航空隊第154空輸航空団（C-130H）、ノースダコタ州航空隊第119航空団（MQ-1B）、オハイオ州航空隊第121空中給油航空団（KC-135R）、同第178戦闘航空団（MQ-1B）、同第179空輸航空団（C-130H）、同第180戦闘航空団（F-16CM/DM）、オクラホマ州航空隊第137空中給油航空団（KC-135R）、同第138戦闘航空団（C-16CM/DM）、オレゴン州航空隊第142戦闘航空団（F-15C/D）、同第173戦闘航空団（F-15C/D）、ペンシルヴェニア州航空隊第111攻撃航空団（MQ-9A）、同第171空中給油航空団（KC-135T）、同第193特殊作戦航空団（EC-130J）、プエルト・リコ自治連邦区航空隊第156空輸航空団（WC-130H）、ロード・アイランド州航空隊第143空輸航空団（C-130J）、サウスカロライナ州航空隊第169戦闘航空団（F-16CM/DM）、サウスダコタ州航空隊第114戦闘航空団（F-16CM/DM）、テネシー州航空隊第118空輸航空団（C-130H、WC-130H）、同第134空中給油航空団（KC=135R）、同第164空輸航空団（C-17A）、テキサス州航空隊第136空輸航空団（C-130H、WC-130H）、同第147偵察航空団（RC-26B、MQ-1B）、同第149戦闘航空団（F-16C/D）、ユタ州航空隊第151空中給油航空団（KC-135R）、ヴァージニア州航空隊第192戦闘航空団（F-22A）、ヴァーモント州航空隊第158戦闘航空団（F-16C/D）、ワシントン州第141空中給油航空団（KC-135R）、ウェスト・ヴァージニア州航空隊第130空輸航空団（C-130H、RC-26B）、同第167空輸航空団（C-5A）、ウィスコンシン州航空隊第115戦闘航空団（F-16C/D、RC-26B）、同第127空中給油航空団（KC-135R）、ワイオミング州航空隊第153輸送航空団（C-130H）を隷下に置く。F-15C戦闘機92機、F-15D戦闘機19機、F-22A戦闘機20機、F-16C戦闘機254機、F-16D戦闘機22機、A-10C攻撃機72機、E-8C地上監視機13機、MC-12W偵察機13機、RC-26B電子情報収集機11機、EC-130J電子戦機３機、HC-130P/N捜索救難機９機、KC-135R空中給油機148機、IC-135T空中給油機24機、C-17A輸送機34機、C-130H輸送機134機、C-130J/J-30輸送機25機、LC-130H輸送機４機、MC-130P輸送機４機、WC-130H輸送機８機、C-21A輸送機２機、C-32B輸送機２機、C-40C輸送機３機、HH-60G捜索救難ヘリ17機、MQ-1B無人機35機、MQ-9A無人機16機を保有する。参考：月刊軍事研究5,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シューベリーネス機雷＞：GA磁気機雷を参照。

＜周辺財産＞：防衛省の国有財産で、騒音などの緩衝地帯として駐屯地・基地などの周辺の土地を購入したものである。地方防衛局で管理を行っており、地元の要望に基づいて公園などを建設したりもする。参考：MAMOR vol.113

＜周辺事態＞：周辺事態安全確保法に基づく定義は、「そのまま放置すれば我が国に対する武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」。1999年4月26日の衆議院特別委員会（日米防衛協力のための指針に関する特別委員会）では、日本周辺で武力紛争が発生した事態、それが差し迫っている事態、ある国の政治体制混乱で発生した大量の避難民が日本に流入する可能性が高い事態、ある国の行動が国連安保理によって侵略行為と認定され、国連決議に基づく経済制裁の対象となった事態、日本周辺地域で発生した武力紛争が停止したものの秩序が維持回復されていない事態、ある国で内乱や難民が発生して国際問題に発展し、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態、が類型として示された。延坪島砲撃事件は武力紛争でなく局地的な事態と判断されたようで、周辺事態には認定されていない。北朝鮮の核実験や飛翔体発射も、国連で経済制裁は喰らったが、侵略行為とまでは判断されなかったらしく、周辺事態には認定されなかった。参考：月刊軍事研究4,’14

＜周辺事態安全確保法＞：日本の法律で、1999年8月25日に施行された。2015年9月19日に成立した平和安全法制整備法により、重要影響事態安全確保法に改正された。参考：月刊世界の艦船12,’15、7,’19

＜重砲＞：口径155mm以上、重量8-22トンの火砲。敵砲兵制圧、ハードターゲット破壊、縦深制圧などを主任務とする。参考：月刊PANZER3,’98、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜重砲運搬車＞：日本軍が計画した臼砲搭載貨車。口径85cmの大型臼砲を貨車に搭載したもので、射撃時は地上に降ろし、射撃後は貨車に載せて迅速に移動する。製造途中で終戦となり、車台部分だけが昭和30年頃まで日立の亀有工場に残された。参考：丸エキストラ版No.71

＜充放電装置＞：自衛隊の機器。日新電装製。参考：月刊軍事研究3,’13

＜重砲兵連隊（日本陸軍、昭和１６年度動員計画訓令）＞：大隊２個中隊４個編成で、四五式二十四糎榴弾砲８門、観測用貨車16両、乗用車17両、牽引用自動貨車54両を装備する。参考：大砲入門

＜終末段階＞：ターミナル・フェーズを参照。

＜重マット＞：79式対舟艇対戦車誘導弾を参照。

＜崇明島＞：東救302（潜水艦救難艦）を参照。

＜重門橋＞：門橋を参照。

＜十文字原演習場＞：陸上自衛隊の演習場。2013年3月26日、陸自初の人工芝を敷いた小火器戦闘射場（長さ200m、幅100m、標的用ピット59カ所、移動標的４カ所）の落成式を実施。第４師団第41普通科連隊第１中隊が射撃展示を行った。参考：朝雲

＜重油＞：原油を蒸留した後、触媒や水素などで精製分解するが、その後に残った残油である。不純物の量でＡ重油（軽油に近い）、Ｂ重油、Ｃ重油（不純物が多い）の３種に分類される。残りカスなのでコストが安く、船舶用に使用されることが多い。粘性が高いので加熱してから使用する。硫黄、バナジウム、ナトリウムなどが多く含まれるため、機関が腐食しやすい。比重0.8-0.86、発熱量は１リットル当たりＡ重油で9293kcal、Ｃ重油で9980kcal。防衛省規格では硫黄分の低い順に特種１号（JIS規格１種１号）、特種２号（JIS規格１種１号）、１種１号（JIS規格１種１号）、１種２号（JIS規格１種２号）と分類され、最小引火点は全て60度である。参考：自動車エンジンの技術、月刊世界の艦船1,’12、月刊軍事研究1,’16、8,’16

＜重油船（海上自衛隊）＞：海上自衛隊第１種支援船、船種記号YO（Yard Oiler）。重油を搭載して大型自衛艦に港内給油を行うのが主任務で、地方隊港務隊に配備されている。船体が小型なので、給油艦のように外洋には出られない。自走型と非自走型に分類される。自衛艦の燃料が蒸留油に切り替えられたのに伴い、軽質油船との区別が明瞭ではなくなった。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜重油船（５００トン型）＞：日本海軍重油船。全長45m、最大幅9.5m、吃水3.4m、排水量906トン。機関出力850馬力、速力11ノット。昭和9年から数隻が建造された。参考：小艦艇入門

＜重油船１号型＞：海上自衛隊重油船。全長23m、幅5m、深さ2.6m、吃水2m、載貨重量100トン。主機はディーゼル、出力90馬力、１軸推進、速力８ノット。１隻（YO-01）が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜重油船２号型＞：海上自衛隊重油船。船体は１号型と同じだが、エンジン出力がやや低い。全長23m、幅5m、深さ2.6m、吃水2m、載貨重量100トン。主機はディーゼルで、出力75馬力、１軸推進、速力８ノット。１隻（YO-02）が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜重油船３号型＞：海上自衛隊重油船。全長33m、幅7m、深さ3.5m、吃水2.6m、載貨重量300トン。主機はディーゼルで、出力150馬力、２軸推進、速力７ノット。YO-03、YO-04、YO-05、YO-06の４隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜重油船７号型＞：海上自衛隊重油船。全長43.9m、幅7.8m、深さ3.7m、満載時吃水3.1m、載貨重量490トン。主機はディーゼルで、出力400馬力、２軸推進、速力９ノット。タンクは６分割されていて、総容積520立方メートル。毎時150キロリットルの能力を持つポンプ２台を搭載している。乗員10名。YO-07、YO-08、YO-09の３隻が建造された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜重油船１０号型＞：海上自衛隊重油船。全長36.5m、幅6.8m、深さ3.5m、吃水2.6m、載貨重量290トン。主機はディーゼルで、出力360馬力、２軸推進、速力９ノット。YO-10、YO-11、YO-12、YO-13の４隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜重油船１４号型＞：海上自衛隊重油船。重油船７号の改良型である。全長45m、幅7.8m、深さ3.8m、吃水2.9m、載貨重量490トン。主機はディーゼルで、出力460馬力、２軸推進、速力９ノット。タンクは片舷に３つずつ用意されていて、総容積は520立方メートル。毎時300キロリットルの能力を持つポンプ２台を搭載する。乗員10名。１隻（YO-14）が建造された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜重油船１０６号型＞：海上自衛隊重油船で、非自走型。全長23m、幅7m、深さ3.5m、吃水2.5m、載貨重量250トン。１隻（YO-106）が建造された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜重油船１０７号型＞：海上自衛隊重油船で、非自走型。全長17m、幅5.2m、深さ2.5m、吃水2.2m、載貨重量100トン。YO-107、YO-108の２隻が建造された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜重油専焼缶＞：燃料に重油を使う主缶のこと。別に重油に限らず燃やせる液体燃料なら何でも良い（ガスタービン導入後の海自では軽油２号艦船用を使った）が、発生熱量や価格などの関係で重油が主流である。燃焼室に設けたバーナーチップから重油を噴射して燃焼させるもので、石炭のように人力で積んだり投入したりする必要が無く、大型化高出力化が容易で、燃え滓も出ず、燃料の品質差も少なく、石炭専焼缶を駆逐した。参考：月刊軍事研究1,’16

＜重油漏洩防止装置＞：日本海軍の潜水艦非耐圧重油タンク用漏洩防止装置で、呉海軍工廠潜水艦部の友永英夫技術大佐（開発当時は少佐）が昭和16年夏に開発した。非耐圧部重油タンクは底にフラッド弁があり、重油を使った分だけ海水を入れて内外圧力差を解消するよう設計されているが、タンクの上下には深度の差があるため、タンク上面には内側から一定の圧力が加わり、外の海水よりも高圧となる。当時の潜水艦は鋲接構造で、配管開口部もタンク上面に取り付けられており、腐蝕も速く、気密・油密を保つのが困難で内部の重油がタンク上面の隙間から漏れ出す事態が多発。昭和15年から二号重油を使用するようになると、従来のパッキングが使えなくなり、ますます漏れまくった。これを解決したのがこの装置で、重油タンクの底部に重油タンクと交通する海水溜タンクを設けて海水を入れ、ポンプで持続的に吸い上げてタンク内の圧力を常に外の海水よりも低く保ち、重油の漏れを防ぐ仕組みとなっている。参考：日本潜水艦物語

＜重要影響事態＞：重要影響事態安全確保法の規定は、そのまま放置すれば我が国に対する武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態。参考：MAMOR vol.122

＜重要影響事態安全確保法＞：平和安全法制整備法に基づき、周辺事態安全確保法が改正された法律で、正式には「重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」（平成11年法律第60号）。周辺事態から「我が国周辺の地域における」を抜いて地理的制約を排除した重要影響事態を定義し、周辺事態安全確保法からの支援内容に加え、アメリカ軍以外の外国軍隊等に対する支援活動や、弾薬の提供（武器は提供禁止）、戦闘作戦行動のため発進準備中の航空機に対する給油・整備などを可能としている。国会の承認を元に、内閣総理大臣の承認を得て防衛大臣が支援を命令する。戦闘行為が行われている現場での支援は禁止で、戦闘行為が起きそうになったり安全確保が困難になったりしたら中止や活動区域変更などを行う（救難活動中など例外あり）。後方支援活動としての役務の提供、捜索救助活動、船舶検査活動を実施する自衛官は、自己、自己と共に現場に所在する他の隊員、当該職務を行うに伴い自己の管理に入った者の生命や身体を防護するため、やむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合は、武器を使用することができる。参考：月刊世界の艦船12,’15、月刊軍事研究1,’16、4,’18、MAMOR vol.122、自衛隊法

＜自由落下爆弾＞：汎用爆弾を参照。

＜修理（海上自衛隊）＞：設計を変更せずに元の性能に戻す工事のこと。参考：MAMOR vol.139

＜修理車搭載用工具セット＞：自衛隊の機器。妙義工商製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜重量制限ペイロード＞：ペイロードを参照。

＜重量物投下機材＞：陸上自衛隊の重量装備品投下用パラシュート。2004年度からエアバッグを追加して着地の衝撃を和らげる方式を採用している。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜大型投下容器＞：大型投下容器投下方式の機材で、物量傘２号を１つ使用する。投下重量0.25-1トン、開傘常用機速240km、最低投下高度180m、落下速度6-9m。藤倉航装製。参考：自衛隊装備カタログ1981、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究12,’18

　＜投下用具１号＞：C-1輸送機用のプラットホーム投下方式機材で、物量傘１号を３つ使用する。積載重量3-4.5トン、開傘常用機速240km、最低投下高度300m、落下速度毎秒6-9m。参考：自衛隊装備カタログ1981、自衛隊装備年鑑1996

　＜投下用具２号＞：C-1輸送機用のプラットホーム投下方式機材で、物量傘１号を２つ使用する。積載重量1.6-3トン、開傘常用機速240km、最低投下高度300m、落下速度毎秒6-9m。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜投下用具３号＞：C-1輸送機用のプラットホーム投下方式機材で、物量傘１号を１つ使用する。積載重量1-1.6トン、開傘常用機速240km、最低投下高度180m、落下速度毎秒6-9m。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜投下用具特１−５号＞：C-130輸送機用で、投下重量1-16トン。開傘常用機速240km、最低投下高度300m、落下速度毎秒6-9m。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、自衛隊装備年鑑1996

＜重量物投下器材（プラットホーム）＞：自衛隊の機器。新明和工業製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜重量物投下器材（プラットホームを除く）＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜重旅団戦闘団＞：アメリカ陸軍モジュラー師団を構成する旅団戦闘団で、HBCT（Heavy Brigade Combat Team）と略す。主任務は重装軌戦闘車両による衝撃効力と機動力により敵部隊を圧倒することである。司令部／司令部大隊、騎兵大隊（機甲偵察大隊）、諸兵科連合大隊２個、砲兵大隊１個、支援大隊１個からなり、兵力3800名、M-1戦車56両、M-2歩兵戦闘車56両、M-109自走砲16両を装備する。常備18個、予備７個を創設予定。参考：月刊軍事研究8,’13、月刊PANZER10,’12

　＜重旅団戦闘団（２００９年）＞：トップは旅団長。兵力3800名。隷下に旅団本部付大隊、コンバインド・アームズ大隊（兵員620名、M-1戦車28両、M-2歩兵戦闘車28両）２個、野砲大隊（兵員340名、M109A6自走榴弾砲16門、AN/TPQ-36/-37対砲レーダー２基、AN/TPQ-48対迫レーダー４基）、偵察大隊（兵員380名、M-3偵察車21両、LRAS3偵察器材12基、120mm自走迫撃砲６門）、旅団支援大隊を置く。参考：月刊軍事研究9,’13

　＜重旅団戦闘団（２０１６年）＞：機甲旅団戦闘団（ABCT）ともいう。兵力4743名（士官365名、准士官41名、下士官・兵4337名）。司令部（185名）、諸兵科連合大隊（635名。本部付中隊、戦車中隊２個、機械化小銃中隊２個からなる）３個、騎兵大隊（429名。本部付中隊、騎兵中隊３個からなる）、砲兵大隊（431名。本部付中隊、射撃中隊３個、目標捕捉小隊１個からなる）、旅団工兵大隊（440名。本部付中隊、工兵中隊２個、通信中隊１個、軍事情報中隊１個、TUAS無人機小隊１個からなる）、旅団支援大隊（1386名。本部付中隊、配分中隊、野外整備中隊、医務中隊）からなる。また、旅団支援大隊以外の大隊には旅団支援大隊から前方支援中隊１個ずつが配属される。M-1A2戦車87両、M-2/M-3ブラッドレイ135両、M-109自走砲18両、M1064自走迫撃砲18両、M88A2戦車回収車33両など装甲車両469両と、ストライカーNBC偵察車３両、M1200装甲車４両、M977重機動カーゴ７両、M984重機動レッカー11両、M978重機動タンカー57両、M1120重機動トラック98両、M1074重機動トラック21両、M1088牽引タンカー15両など装輪車両963両を装備する。現役９個、州兵６個が編成されている。参考：月刊軍事研究3,’17、7,’16

＜ジュール・ベルヌ＞：フランス海軍潜水艦母艦Jules Verne。艦内には修理工場なとが設けられ、潜水艦乗員265名の居住区があり、６隻に補給・修理を施すことができた。全長122m、幅17.2m、吃水6.8m、基準排水量4347トン。主機はディーゼルで、出力7000馬力、２軸推進、速力16ノット。兵装は9cm単装高角砲４門。乗員286名。1926年度計画で建造され、1931年に竣工した。第２次大戦開戦後はビゼルトやダカール、西地中海で作戦に従事。大戦末期には輸送艦としての任務に就いた。1945年からは仏印で工作艦として任務に就き、1960年に退役、1961年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊丸5,’07、月刊世界の艦船4,’10

＜ジュール・ベルヌ＞：フランス海軍工作艦で、1976年9月に就役した。洋上での工作・修理の他、武装の補給も可能である。後部格納庫に３機のアルエート�Vヘリを収容する。全長147m、満載排水量10250トン、速力19ノット。参考：月刊世界の艦船10,’02

＜ジュール・ミシュレ＞：フランス海軍ジュール・ミシュレ級装甲巡洋艦Jules Mischelet。1908年11月竣工。第１次大戦ではアドリア海や地中海方面で任務に就いた。1923年、水上機２機の搭載設備を設けた。1929年、予備役に編入された。1931年、練習艦に艦種変更された。1937年に除籍され、5月8日に実艦的としてツーロン沖で潜水艦テティスの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’16

＜ジュール・ミシュレ級＞：フランス海軍装甲巡洋艦Jules Michelet級。全長146.5m、基準排水量13350トン。主機はレシプロ蒸気機関３基３軸29000馬力、速力22ノット。兵装は19.4cm連装砲２基、16.5cm単装砲12門、4.7cm機砲16門（うち４門は高角砲架）、45cm水中発射管２門。ジュール・ミシュレが1908年に竣工した。参考：月刊世界の艦船9,’16

＜重レッカ＞：陸上自衛隊のレッカー車で、三菱自動車工業または三菱ふそうトラック・バス製。74式特大型トラック／７トントラックの車体後部にレッカー用伸縮式10トンクレーンを搭載しており、各種車両の回収の他、戦車のパワーパック吊り上げにも使われる。車体前後にウインチを持ち、安定用油圧ジャッキ４基を装備する。全長9.32m、全幅2.49m、全高3.18m、車両重量19.02トン、最大吊り上げ能力10トン。エンジン出力355馬力、最大速度95km。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、月刊丸3,’13、月刊軍事研究12,’08

＜重レッカ（�U型）＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜ジュエット＞：CG-29（巡洋艦）を参照。

＜シュガー・ジョージ＞：SG（レーダー）を参照。

＜シュガート＞：T-AKR-295（輸送艦）を参照。

＜シュガート級＞：アメリカ海軍大型中速車両輸送艦LMSR。1981年に建造された車両輸送船を、ナショナルスティール造船所でLMSR規格に改造したものである。艦尾と舷側にランプ、55トン・ツインクレーン２基を持つ。全長276.52m、幅32.2m、吃水10.62m、満載排水量54298トン。主機はディーゼル１基１軸46653馬力、速力24ノット、航続距離12000海里（24ノット）。乗員は軍人50名＋民間人26-45人。T-AKR-295シュガート、T-AKR-297ヤノなど３隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’00、月刊軍事研究5,’03

＜珠海＞：166（駆逐艦）を参照。

＜珠海エアショー＞：エアショー・チャイナを参照。

＜主缶＞：ボイラー。蒸気タービンやレシプロ蒸気機関に必要な高圧高温蒸気を発生させる蒸気釜である。蒸気が高温高圧であるほど機関効率が高くなるが、製造や維持整備が難しくなり、価格も高くなる。発生する蒸気は飽和水蒸気で、そのままタービンやレシプロ機関に送ると内部で結露してタービン翼などを痛めることがあり、過熱器（Superheater。主缶内の過熱管に蒸気を通して再度熱を加える）によりもう一段加熱することも多い（これにより温度と圧力も上昇するので機関効率も上がる）。また、効率を上げるため、排煙路の熱で燃焼用空気や蒸気用の水を予熱する空気予熱器（Air Preheater）や収熱器（石炭の節約になるので節炭器Economizerともいう）を付けたりもする。停止状態から全力発揮までに時間が掛かるのが欠点で、軍艦用大型主缶だと１時間くらい必要である。かといって常に全ての主缶を最大限燃焼させておくと燃料の無駄なので、後方では巡航状態に必要な主缶だけ燃やしておき、戦闘に入ることが予想される状況になったら全缶に点火、全力発揮に備えるようにした。燃料によって石炭のみを使う石炭専焼缶、その燃焼室に重油散布装置を追加した混焼缶、重油のみを使う重油専焼缶に分類される。運転中にボイラー用水（缶水）が減っていくため、海水を蒸留して真水を補給する装置を搭載する必要があるが、余った分は乗員用生活水に流用できる。また、発生蒸気の一部を調理や暖房などに使うことも可能。参考：月刊世界の艦船10,’11、1,’12、12,’13、12,’15、月刊軍事研究1,’16、3,’16

＜シュカンデルベック＞：SS第21山岳師団を参照。

＜主機械（５０トン型運貨船用）＞：自衛隊の機器。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜主機械（５０トン型えい船用）＞：自衛隊の機器。いすゞマリン製造またはいすず自動車エンジン販売が受注している。参考：月刊軍事研究8,’14、1,’18

＜主機械（４９０トン型油船用）＞：自衛隊の機器。ヤンマー製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜主機械減速装置（五〇〇〇トン型護衛艦用）（２５ＤＤ用）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜主機械減速装置（一万九五〇〇トン型護衛艦用・２２ＤＤＨ用）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究7,’12

＜主機械減速装置（一万九五〇〇トン型護衛艦用）（２４ＤＤＨ用）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究8,’14

＜主機械用減速装置（２８ＤＤＧ用）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜主機関＞：主機（もとき）ともいう。船舶の推進用エンジンのこと。参考：図解雑学　船のしくみ、月刊世界の艦船3,’13

＜主脚＞：Main gear。地上や艦上で航空機重量の大部分を支える降着装置。地上滑走時にピッチング（機首上げ下げ）の支点となるため、重心近くに配置される。参考：月刊JWings7,’15、12,’22

＜主脚交換器材＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜需給統制隊＞：海上自衛隊の部隊。防衛庁長官直轄で、装備品の調達配分に必要な資料の作成や、各地方隊にある補給所の在庫管理統制を主任務とする。1957年5月10日、目黒で創設された。1960年1月11日、桧町に移転。1967年2月1日、市ヶ谷に移転。1997年10月16日、十条に移転。1998年12月7日に解隊され、翌日に補給本部が新編された。参考：海上自衛隊補給本部ホームページ、日本の防衛戦力Part3

＜樹空の森＞：富士山交流センターを参照。

＜宿営（日本陸軍）＞：舎営、露営、村落露営があり、舎営は例え貧弱な住民地でも人馬の給養上露営に勝るので、戦術上及び衛生上問題が無ければ宿営は舎営とする。宿営地は敵眼・敵火に対して可能な限り掩蔽し、例え掩蔽が困難な場合でも、勉めて自軍の企図を判断されないよう宿営地の位置を適切に選定し、かつ主力砲兵や戦車などを注意深く秘匿する。宿営地を敵に察知させないため、日没を待って就宿したり、夜間上空に対して偽宿営地を設けたりすると良い。一地に長く滞留する時は諸勤務を衛戌地における要領に準じて規定し、特に防空、交通、衛生、ガス防護、防火、必要なら防寒、防暑などの施設を十分にし、間諜の取締を周到に行い、各司令部、本部、病院、倉庫などは要すれば案内所を設けてその所在を明らかにし、警備上差し支え無ければ宿営地の入口、停車場などにこれを掲示し、かつ適宜道標を設ける。滞留が短い時も、各宿営部隊は前項に準じ、なるべく速やかに必要な工事と施設を行うものとする。宿営地を出発するにあたっては、こちらの兵種、兵力、企図などを察知されてしまう痕跡や物件を残さず、また後方部隊などの使用に供しうるものは勉めて清潔を保持して存知するよう気を付ける。宿営地が大きい時はこれを若干の舎営区や露営区に分け、特に小さい舎営・露営地が接近している時はその若干を合わせて一舎営区・露営区とする。飛行戦隊が宿営を行う場合、その宿営地の勤務は通常当該飛行場の地上勤務部隊が担任する。非常警報は高級指揮官、各舎営区・露営区における高級先任将校、舎営・露営司令官が発する。ただし事態が突発して猶予が無い場合は、将校と衛兵司令が自分の責任で非常警報を発する。飛行機警報と瓦斯警報は舎営・露営司令官、舎営・露営日直将校、部隊日直将校、大隊長及びこれに準じる部隊長（輜重兵は中隊長）以上、分離して行動する部隊の長、特に指定された者が発する。ただし猶予が無い時は部隊日直下士官、衛兵司令、小隊長以上が自分の責任で発する。非常警報に対する動作は舎営と露営を参照。飛行機警報が出たら、対空射撃に任ずる部隊は敵機が有効射界に入り次第直ちに射撃を開始し、他の部隊は事前の規定に従って遮蔽、ガス防護、防火、消灯などを確実に行う。この際、対空射撃の流れ弾が友軍を直撃することの無いようにする。瓦斯警報が出たら、速やかに各個防護を行うと共に、各部隊で適宜防毒処置を講じる。この際、１名たりとも寝こけていてはいけない。警報が出た際に室内にいる者は窓扉を確実に閉塞するのが重要である。撒毒地域は所在の宿営部隊が速やかに標示し、通常部隊衛兵に哨兵を配置させ、必要なら消毒作業を行うか、一部宿営地を移動する。参考：作戦要務令

＜宿営地の共同防護＞：平和安全法制に基づく新任務の１つ。国際平和協力業務に従事する自衛官が、自己または共に宿営地にいる者の生命などを防護するため、一定の要件の下、他国軍と共同して対処にあたり、宿営地を防護すること。合理的に必要な範囲で武器を使用できる。2016年11月15日、南スーダンPKOの陸自施設隊第11次隊に付与することを閣議決定し、11月18日に防衛大臣が命令を発出した。参考：朝雲

＜宿営用天幕一般用（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊のテント、通称は宿天。長さ4.5m、幅2.6m、高さ1.9m、重量50kg。底面積12平方メートル。0.55×2mの簡易ベッドを入れて5-7名（通常６名）が生活する。簡易ベッドを使わない場合はエアマットレスを地面に敷いて寝袋で寝る。１個班に２セットが用意されている。携帯天幕に代わって1987年度から納入されており、細かい改良を加えつつ21世紀に入っても調達中。参考：自衛隊装備年鑑1996、MAMOR vol.126、月刊軍事研究10,’02、スピアヘッドNo.20、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜粛軍クーデター＞：韓国で1979年12月12日に発生したクーデター。10月26日に朴正熙大統領がKCIA部長に暗殺され、韓国軍保安司令官の全斗煥少将（当時）が捜査を開始したが、KCIA相手の捜査は難航を余儀無くされた。これに反発したハナヘ（一心会。韓国陸軍士官学校上位卒業者などを会員とする軍の特権階級で、朴正熙大統領に近い。当時の会長は全斗煥少将）が計画し、12月12日に予定されていた将官進級者発表の打ち合わせと見せかけてハナヘの全斗煥国軍保安司令官、盧泰愚第９師団長、朴俊炳第20師団長、白雲澤第30師団長、朴熙道第１空輸旅団長、崔世昌第３空輸旅団長、長基梧第５空輸旅団長、張世東第30警備団長、金振永第33警備団長らが会合を重ね、韓国第１軍団第９師団の１個連隊と米韓連合第１軍団第20師団の１個連隊をソウルに展開して中枢を制圧した。参考：月刊軍事研究8,’13

＜縮尺射場用移動標的装置＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜縮射装置（７４式戦車用）＞：陸上自衛隊74式戦車用縮射装置。12.7mm機銃M2を流用したもので、105mm戦車砲L7の砲尾内部に装着して主砲射撃シミュレートに使用する。閉鎖機は手動で開閉するが、操作レバーが上がった際に腕にぶつかって骨折した隊員がいたため、装填・排莢の度にレバーを外すことになっている。参考：月刊軍事研究8,’07

＜縮射弾＞：発射薬を少量に抑えて射距離を短縮し、狭い演習場などでも使えるようにした訓練弾。参考：MAMOR vol.132

＜宿州＞：503（コルベット）を参照。

＜宿遷＞：504（コルベット）を参照。

＜宿天＞：宿営用天幕一般用を参照。

＜祝典ギャロップ＞：陸上自衛隊の車両行進曲。2019年10月14日、「陽光を背に」に後を譲った。参考：朝雲

＜シュクバル＞：シクヴァル（魚雷）を参照。

＜殊勲十字章（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の勲章、Distinguished Service Cross（DSC）。自国及び友好国の敵に対する戦闘で、自らの命を省みない英雄的行為に対して授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜殊勲章（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の勲章、Distinguished Service Medal（DSM）。重要な職務遂行時に卓越した功績を挙げた将兵に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜殊勲戦闘勲章（アメリカ軍）＞：アメリカ軍が導入予定だった勲章、Distinguished Warfare Medal（DWM）。無人機操縦やサイバー作戦で功績を挙げた将兵に授与するもので、2013年2月にバネッタ国防長官が導入を決定した。しかしパープルハートやブロンズスターより上位に置いたため批判が続出、Distant Warfare MedalだのNintendo Medalだのと揶揄され、2014年にヘーゲル国防長官が撤回、Ｒを象った小さな徽章を非戦闘員勲章の上に装着することにした。参考：朝雲

＜殊勲飛行十字章（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の勲章、Distinguished Flying Cross（DFC）。飛行時に於いて勇敢な行為を行った者に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜主計科＞：日本海軍の兵科（広義）の１つ。艦や航空隊、根拠地隊などに設けられている。トップは主計長で、その下に掌経理長（金銭関係担当）、掌衣糧長（衣服・食料担当）、庶務主任（文書関係担当）がいる。庶務主任は艦が沈む時や空襲警報で防空壕に待避する際に御真影を持ち出す仕事も行う。庶務主任は平時には書類作成で忙殺されるが、戦闘中には誰も書類を依頼してこないので暇になり、艦長の命で艦橋に配置され、状況に関するメモを取ったりすることもあった。太平洋戦争終結に際しては、武装解除、軍需物資引き渡し、復員給与計算、金銭物品経理に関する残務処理などを行った。参考：歴史群像10,’04、陸海軍学校と教育

＜主計科士官＞：主任務は、常に政治経済の情勢を観察し、作戦要求に適応できるよう、武力の根源である人力の給養経理、物力の整備充実、様々な戦務に対処すること。参考：MAMOR vol.113

＜主桁＞：単桁構造を参照。

＜シュケルト＞：MG-553（ソナー）を参照。

＜珠江＞：617（哨戒艇）を参照。

＜ジュコウスキー飛行場＞：ロシアのモスクワ州ジュコウスキー市にある飛行場で、ロシア空軍の飛行研究所が設置されている。旧ソ連時代にはジュコウスキー市ごと閉鎖都市だったところで、6000mの巨大な滑走路とグロモフ航空実験研究所、TsAGI（中央航空力学研究所）、ミグやスホーイなどの各設計局施設を持つ。ラメンスコイエ飛行場、同飛行センター、グロモフ記念飛行テストセンターなどと呼ばれることもある。1992年に国際航空ショーのモスエアロショー’92が開かれ、1993年からはモスクワ国際航空宇宙ショーを隔年開催中。参考：月刊JWings11,’07、月刊航空ファン11,’92

＜ジュコール鋼＞：DS鋼板を参照。

＜ジュゴン＞：SS-353（潜水艦）を参照。

＜朱式機銃＞：日本海軍の6.5mm機銃で、オーストリアのオーストリッレェ・ワッフルファブリック社が開発したシュワルツローゼ水冷機関銃を導入したものである。発射速度毎分400発。明治44年に20丁の契約を締結し、扶桑型戦艦と金剛型巡洋戦艦に搭載した。参考：月刊丸4,’13

＜ジュ式四五〇馬力発動機＞：日本陸軍の航空機用エンジン。ジュピター７空冷星形９気筒ガソリンエンジンをライセンス生産したものである。ボア146mm、ストローク190mm、重量410kg。常用回転数毎分1750回転、最大回転数毎分1950回転、常用出力450馬力、最大出力580馬力（高度2800m）。プロペラ回転方向は後方から見て左回り。参考：月刊航空ファン9,’18

＜朱日和野戦訓練基地＞：朱日和はジュリホと読む。中国軍の陸空合同戦術訓練基地で、内モンゴル自治区にある。総面積1066平方キロメートル。湾岸戦争でのアメリカ軍圧勝を受け、アメリカ陸軍フォート・アーウィン訓練センターを模倣して1994年から整備した。仮想敵部隊の藍軍旅が駐屯しており、特に中国軍が苦手とする複雑な電磁環境条件下での対抗演習を行っている。参考：月刊軍事研究10,’17

＜シュジャート＞：パキスタン海軍ジャララト級高速攻撃艇２番艇Shujaat。1999年9月就役。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。参考：月刊世界の艦船6,’12、月刊軍事研究5,’07

＜株洲＞：594（コルベット）を参照。

＜シュシュク＞：S-132（潜水艦）を参照。

＜受信型デジタルビームフォーミング合成開口レーダー＞：合成開口レーダーの１つで、DB-SARと略す。通常の合成開口レーダーは解像度と観測幅が相反関係にあるため、デジタル処理によりこれを解決するものである。広域レーダービームを照射し、レンジ方向に分割した領域から後方散乱波のデータを受け取り、これをデジタル処理して解像度10m未満の広域高精度画像を取得する。参考：レーダの基礎

＜受信干渉計方式＞：三次元レーダーの形式の１つ。反射鏡アンテナでファンビームを形成する方式の二次元捜索レーダーに、これと同じアンテナを使用した受信専用アンテナ２枚以上を積み重ねたものである。各アンテナで受信した反射波のアンテナ間位相差、各受信機間の距離、レーダー波の波長から目標仰角を算出する。J/FPS-1レーダーに使用された。参考：レーダシステムの基礎理論

＜受信測定装置＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜受信マルチビーム方式＞：測高レーダーの１つ。航空管制用二次元レーダーの反射波を利用する受信専用のレーダーで、大量の導波管を用意して垂直面内に受信ビームを100本くらい形成し、キャッチした反射波の仰角を割り出す。アメリカ連邦航空局が航空管制用に開発し、AHSR（Air Height Surveilance Radar）-1として試作したが、アンテナが上下面１辺13m・高さ50mの三角柱という超巨大なものになってしまい、費用対効果が悪すぎて実用化されなかった。参考：レーダシステムの基礎理論

＜受信ユニット＞：自衛隊の機器。セキテクノトロン製。参考：月刊軍事研究2,’13

＜ジュスティス＞：フランス海軍リベルテ級戦艦Justice。1908年4月15日竣工。1909年、ニューヨークのハドソン川でハドソン・フルトン祭に参加。1913年、戦艦デモクラティに衝突された。1914年、戦艦デモクラティに衝突された。1921年11月29日に除籍され、1922年に解体された。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜ジュゼッペ・ガリバルディ＞：C551（空母）を参照。

＜ジュゼッペ・ガリバルディ＞：イタリア海軍アブルッチ級軽巡洋艦２番艦Giuseppe Garibaldi。1937年12月竣工。1941年3月27日、マタパン沖海戦に参加。7月28日、イギリス潜水艦N99アップホルダーの雷撃を受けて損傷し、修理に４ヶ月かかった。1942年6月14日、イギリスのマルタ島補給ヴィガラス作戦MW11船団を攻撃するため、戦艦リットリオ、ヴィットリオ・ヴェネト、重巡ゴリツィア、トレント、軽巡エマヌエレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタ、駆逐艦と共にタラントを出撃。1957-62年に改装を受け、ジュゼッペ・ガリバルディ級ミサイル巡洋艦となった。1976年11月（1972年？）に除籍された。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船6,’09、10,’17、1,’12、7,’23

＜ジュゼッペ・ガリバルディ級＞：イタリア海軍ミサイル巡洋艦。元は1937年竣工のアブルッチ級軽巡洋艦ジュゼッペ・ガリバルディで、1957年から改造され、1962年に竣工した。主砲を６インチ（152mm）砲からオットー・メララ社製76mm砲に換装、艦後部にテリア艦対空ミサイル連装発射機と誘導装置を搭載し、後部上構後端にポラリス弾道ミサイル発射筒を片舷２基ずつ追加している。満載排水量11050トン。主機は蒸気タービン、速力31ノット。兵装はポラリス弾道ミサイル単装発射筒４基、テリア艦対空ミサイル連装発射機１基、76mm砲。1962年にテリア艦対空ミサイルとポラリス弾道ミサイルの発射実験を行ったが、ポラリス弾道ミサイルの発射権限はアメリカが掌握しており、実戦用ポラリス弾道ミサイルが実際に搭載されたことは無いらしい。参考：月刊丸2,’07、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船3,’05

＜ジュゼッペ・ガリバルディ級＞：イタリア海軍STOVL空母Giuseppe Garibaldi級。地中海の権益保護とシーレーン防護が主任務で、アンドレア・ドリア級の代替として建造された。空母型で、飛行甲板は長さ173.8m、幅30.4m。前端には勾配6.5度のスキー・ジャンプ台を持つが、角度が緩いので発艦の際には風上に向かって高速航行する必要がある。エレベーターはインボード式でアイランド前後に１基ずつ用意されており、容量は15トン。格納庫は長さ110m、幅15.6m、有効高さ5.6mあり、SH-3Dなら12機を収容可能。アイランドは右舷にあり、司令部施設を収容しているため前後に長い。煙突はアイランド後部の１本だが、主機はシフト配置である。ポールマストがアイランド中央に前後２本立っている。艦載戦闘システムはSADOC2。FCSはアスピーデ管制用RTN-30Xレーダー方位盤３基、40mm機関砲管制用RTN-20Xレーダー方位盤３基、RTN-10X。S-768対空レーダー（艦橋上面前部）、AN/SPS-52C三次元レーダー（後部マストと煙突の間）、SPS-774二次元対空捜索レーダー、SPS-702対水上捜索・航海レーダー、DE1160LFバウソナーを装備する。全長180.2m、幅30.4m、吃水6.7m、基準排水量10100-10262トン、満載排水量13850-14072トン。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン４基２軸81000馬力、最大速力29.5-30ノット。兵装はアスピーデ艦対空ミサイル８連装発射機アルバトロス２基（アイランド前後02甲板レベルに１基ずつ）、テセオ艦対艦ミサイル単装発射筒４基（艦尾両舷スポンソンに２基ずつ）、70口径40mm連装機関砲ダルド３基（艦首両舷に１基ずつと艦尾中央に１基）、324mm短魚雷（Mk46。後にMU90）３連装発射管２基。1920年代半ばに制定された、固定翼戦闘機の海軍配備を禁じた法律が廃止されたのが1989年で、それまではSH-3Dヘリ最大18機のみを運用していた。その後、1994年からはEAV-8Bハリアー�Uを最大16機搭載している（他にSH-3DヘリまたはEH-101ヘリを17機搭載）。強襲上陸の場合はSH-3Dヘリ７機、AB-212ヘリ４機、陸軍AB-205ヘリを６機搭載する。乗員582名、航空要員230名、司令部要員13名。C551ジュゼッペ・ガリバルディが1985年に就役した。2002-03年、近代化改装を実施。テセオ艦対艦ミサイル発射筒を撤去し、その場所に衛星通信ドームを設置して指揮通信能力を強化した。アイランドも右舷側に広げ、CICを拡張している。アスピーデ艦対空ミサイルをアスターに換装する説もあったが、実施されなかった。2009年に空母C550カブールが就役するとEAV-8Bハリアー�Uを取られてしまったため、揚陸ヘリコプター空母（NH-90やEH-101などヘリ18機搭載）として運用されるようになった。2010年代後半にC550カブールが改装に入ると、再びEAV-8Bハリアー�Uを一時的に積んでいる。トリエステ級強襲揚陸艦に後を譲って退役予定。参考：月刊世界の艦船10,’16、8,’17、9,’19、8,'21、8,'23、11,’15、10,’14、9,’13、8,’11、9,’02、3,’05、8,’11、10,’11、1,'15増刊、月刊軍事研究12,’03、6,’01、月刊JWings11,’05

＜ジュゼッペ・フィンチ＞：イタリア海軍ピエトロ・カルヴィ級潜水艦Giuseppe Finzi。1936年6月8日就役。1943年9月9日、輸送潜水艦に改造中のところをドイツ軍に接収され、UIT21となった。参考：ナチスＵボート

＜ジュゼッペ・ミラーリア＞：イタリア海軍水上機母艦Giuseppe Miraglia。中型客船チッタ・ディ・メッシナを建造中に接収して1924-27年に改造したもので、船体中央に船楼、その前後に格納庫、船楼の上に飛行甲板があり、水上機は飛行甲板前後の固定式カタパルトで発艦、前後舷側開口部のクレーンで収容される。基準排水量4880トン。主機は蒸気タービン、速力21ノット。兵装は10.2cm単装高角砲４門。カタパルト２基を装備し、水上機20機を搭載する。1927年竣工。艦の構造が独特すぎて使いにくく、航空機輸送や戦艦・巡洋艦搭載水上機の母艦任務に使用された。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜手槍＞：拳銃の中国語。参考：月刊軍事研究5,’09

＜主操縦舵面アクチュエータ・エア・ブリード用器材＞：自衛隊の機器。ナブテスコ製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜シュターツ・カロッサ＞：ドイツ国家車両・ヒトラー専用車。ベースはメルセデスベンツ770W150グロッサーで、通常型（非装甲型）６両と装甲型２両が確認されている。装甲型は、最大63.5mm厚の防弾ガラスと2.5mm厚の装甲板を張り巡らせており、メルセデスベンツ770KW150�Uと呼ばれた。全長6m、全幅2.1m、全高1.9m、重量3.4-3.6トン（通常型）／4.4-4.8トン（装甲型）。エンジンはスーパーチャージャー付８気筒DM・M150（出力230馬力、総排気量7655cc）、最大速度170km（通常型）／80km（装甲型）、燃料195リットル、航続距離590km。1938-45年に使用された。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８６５６＞：非装甲の乗用車型。1940年後半に登録された。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８６９９＞：非装甲の乗用車型。1940年後半に登録された。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８４６１＞：非装甲の幌付きコンバーチブル型。1940年前半に登録された。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８７６４＞：非装甲の幌付きコンバーチブル型。1938年に登録された。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８７６８＞：非装甲の幌付きコンバーチブル型。1938年に登録された。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８４８５＞：非装甲の幌付きコンバーチブル型。1940年前半に登録された。1943年に事故を起こし、同年9月15日に修理を終えてベルヒテスガルテンの保養地の車庫にしまわれていたが、そのままアメリカ軍に鹵獲された。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８６５５＞：幌付きコンバーチブルの装甲型。1940年後半に登録された。1941年12月にフィンランドのカール・フォン・マンネルハイム元帥へ贈呈された。大戦後、民間人が購入してアメリカに渡った。参考：歴史群像6,’04

　＜ナンバープレートＩＡｖ１４８６９７＞：幌付きコンバーチブルの装甲型。ヨアヒム・フォン・リッペントロップ外務大臣が接遇用に使用した。1940年後半の登録。1945年4月20日、エーリッヒ・ケンプカが運転してベルリンを脱出したものの、北ザルツブルグで放棄、アメリカ軍に鹵獲された。その後IAv148485のエンジンを搭載されてアメリカ第20機甲師団Ａ戦闘団のコーネリアス・Ｍ・ディ准将が暫く使用し、1947年には物品庫に放り込まれ、1956年になって間違ってゲーリングの使用車として競売に出され、1970年にヒトラーの車両と判明、カナダのオタワにある軍事博物館に展示された。参考：歴史群像6,’04

＜シュタールシュミット＞：ドイツ空軍エース、ハンス・アーノルト・シュタールシュミット。1920年9月15日、クルーツタール生まれ。1941年8月20日、第27戦闘航空団第２飛行中隊に士官候補生として配属された。1942年9月7日、Bf109F-4戦闘機に搭乗して出撃したが、エル・アラメインの南30kmでスピットファイア戦闘機に撃墜され、戦死した。1944年1月3日、柏葉騎士鉄十字章を受章した。総出撃回数400回以上、撃墜機数60機。最終階級は中尉。参考：グラフィックアクション36

＜シュタイア＞：シュタイア・ダイムラー・プフ（Steyr-Daimler-Puch）社の略。2003年、ジェネラル・ダイナミクス社に吸収合併された。参考：ジャーマンタンクス、月刊JWings8,’12

＜シュタイナー軍集団＞：武装親衛隊／ドイツ国防軍の軍集団。1945年1月28日、東部戦線の武装親衛隊と国防軍部隊をかき集めて創設された。トップはフェリクス・シュタイナーSS上級大将で、武装親衛隊が国防軍軍集団を指揮したのはこれが最初で最後である。1945年4月、ヒトラーからベルリンを包囲するソ連軍を突破するよう命じられたが、戦力は第56装甲軍団SS義勇第11装甲擲弾兵師団、SS義勇第18擲弾兵師団、国防軍第20装甲擲弾兵師団、空軍師団、第４海兵師団などの残余10000名足らずで、実行不能として命令を無視した。参考：武装親衛隊

＜主体砲＞：M-1989（自走カノン砲）を参照。

＜シュタインバルシェ＞：Ｔ�Z（G7ut）魚雷を参照。

＜シュタインボック作戦＞：ドイツ空軍が第２次大戦時の1944年1月に開始したロンドン爆撃作戦Steinbock（アルプスに住むヤギ、アイベックスのこと）。1943年11月28日の会議で作戦が了承され、He177爆撃機飛行隊２個を含む300機を準備してロンドン爆撃を２回行うことになった。先導するのは第66爆撃航空団第�T飛行隊で、エーゴン及びトルーエ航法装置を初使用してロンドンに向かう。12月3日に開始する予定だったが、1944年1月21日に延期された。1月21日1930、爆撃機計227機が離陸を開始。濃密なチャフをばらまきながらロンドンに向かい、ウォータールー駅周辺に爆弾を投下した。1月22日0400、爆撃機220機で再度ロンドンを空襲したが、16機が敵戦闘機、９機が対空砲火、18機が原因不明により撃墜されたため、以降は１晩で２回の空襲を行わなくなった。1月29日、爆撃機285機が出撃し、サリー商用造船所を含むロンドン市内343カ所で火災を引き起こした。損失は14機だった。イギリス側の人的損失は２回の爆撃で死者100人、負傷者200人。ドイツ側の総損失は57機だった。2月上旬、ドイツがロンドンに小規模爆撃を５回実施。2月18日、ロンドンに爆撃機200機が来襲し、爆弾140トンを投下した。2月20日と22日にも同様の爆撃を実施。2月23日、ドイツ爆撃機161機がロンドンのドック地区に来襲し、AB1000またはAB500クラスター焼夷弾を投下した。2月24日、170機でウエストミンスターへの爆撃を実施。2月中にイギリスでは961人が死亡し、1712人が重傷を負った。ドイツ側の損失は72機だった。3月、ロンドンに４回の爆撃を実施。4月18日に最後の爆撃が行われ、以降はFi-103とA-4による無人爆撃に移行した。参考：世界の傑作機No.145

＜シュタインホフ＞：ドイツ空軍エース、ヨハンネス・シュタインホフ（Johannes Steinhoff）。第２次大戦勃発時は第26戦闘航空団所属で、その後第52戦闘航空団に配属された。1943年、第77戦闘航空団司令となった。1944年、第７戦闘航空団司令となったが、後にゲーリング空軍総司令官を弾劾したため罷免されている。終戦時は第44戦闘団に所属していた。総撃墜数178機。最終階級は大佐。参考：グラフィックアクション36

＜ジュダノフ＞：ソ連海軍スヴェルドルフ級巡洋艦Zhdanov。1950年2月11日起工、12月27日進水、1952年12月31日竣工。1953年1月25日、第８艦隊に配属された。1955年12月24日、バルチック艦隊に配属された。1957年9月、ユーゴスラビアを訪問。9-10月、シリアを訪問。1960年3月27日、予備役となり、クロンシュタット海軍基地で保存された。1965年12月21日、艦艇リストに再編入された。1970年2月31日、黒海艦隊に転属。1971年、68U1型指揮艦に改装され、３番砲塔を撤去して甲板室を設け、甲板室と後部煙突との間に遠距離通信アンテナを装備した第３マストを設置した。12月27日、指揮巡洋艦に艦種変更された。1972年8月、ゴルシコフ総司令官が座乗して北洋艦隊の演習に参加。11月、第５作戦艦隊指揮巡洋艦として作戦に参加。1973年3-4月、大西洋で特別通信訓練に参加。5-8月、地中海で第５作戦艦隊指揮巡洋艦として作戦に参加。1974年6-12月、地中海で第５作戦艦隊指揮巡洋艦として作戦に参加。1975年5月、ユーゴスラビアを訪問。7月、フランスを訪問。1976年9月、イタリアを訪問。1977年2-8月、大改装を受けた。1983年10月、ギリシャを訪問。1984年4月、リビアを訪問。1986年9月から1988年6月に大改装を受けたが、予備役に入ってセヴァストポリ海軍基地で保存された。1989年2月21日、KRU-101に改称された。1990年4月19日に除籍され、1991年2月にインドにスクラップとして売却された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜シュタンダルト戦車回収車＞：レオパルト１戦車ファミリーを参照。

＜シュチカ＞：IS-3（戦車）またはP-1（巡航ミサイル）を参照。

＜シュチュカＢ級＞：971型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜シュチュカ級＞：671RTMK型（潜水艦）を参照。

＜シュチル＞：R-29RM（SLBM）を参照。

＜シュチル・シリーズ＞：ロシアの輸出用中距離艦対空ミサイルシステムShtil。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜シュチル＞：Shtil。9K40ヨーシュ（と3K90ウラガン？）の輸出名称で、米軍コードはSA-N-12、NATOコードはグリズリー。ミサイルはセミアクティブレーダー誘導の9M38/9M38M1または射程延伸型の9M317またはアクティブレーダー誘導の9M317A、発射機は3S90単装発射機、射撃管制レーダーはMR90オレフを使用する。排水量1500トン以上の艦船に搭載可能。中国海軍ソブレメンヌイ�U型ミサイル駆逐艦、052B級ミサイル駆逐艦、インド海軍デリー級ミサイル駆逐艦（後日換装）、タルワル級フリゲートが装備した。参考：月刊軍事研究11,’11、8,’03、12,’15、月刊世界の艦船11,’17、12,’18

＜シュチル−１＞：Shtil-1。シュチルのミサイル発射機を3S90E垂直発射機に換装したもので、9M317ME艦対空ミサイルを使用する。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜シュツェント・イストファン＞：オーストリア＝ハンガリー海軍フィリブス・ウニーティス級戦艦４番艦Szent Istvan。1915年11月17日竣工。1918年6月10日、オトラント攻撃に向かう途中、ポーラとザラの間でイタリア海軍MAS艇MAS15の雷撃を受けて沈没した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船4,’98

＜シュツェント・イストファン撃沈＞：第１次大戦中の1918年6月10日未明、イタリア海軍MAS艇MAS15は、MAS21と共に、アドリア海のプレムダ島とグルイツア島の中間にある水道で敵機雷原の哨戒を行っていた。任務が終わり帰還しようとしたところ、エンジンが故障。30分かけて修理し、航行を始めた0315にルトストラークから6.5海里の地点で右後方に排煙を見つけた。オーストリア＝ハンガリーの駆逐艦に発見されたと判断、エンジン故障の影響で速力が20ノットしか出ず、逃げるのは無理があったため、反転して攻撃に向かうと、正体はオトラント海峡制圧のためポーラ軍港からカッタロ軍港へと移動中の駆逐艦10隻に護衛されたフィリブス・ウニーティス級戦艦シュツェント・イストファンと同テゲトフだった。MAS15は速力12ノットで駆逐艦の間をすり抜け、射距離800mで戦艦シュツェント・イストファンに魚雷２本を発射。同側舷の煙突間缶室と艦後部に命中し、シュツェント・イストファンは急速に浸水して0600過ぎに沈没した。オーストリア・ハンガリー艦隊は潜水艇による攻撃と判断して至近海面に盲目射撃を加えたため、この隙にMAS15は離脱。駆逐艦１隻に発見されたが、爆雷２個を投下したところ駆逐艦の艦首で炸裂し、撃沈した。オーストリア・ハンガリーは宣伝のため駆逐艦の１隻に映画班を乗せていたが、撮影できたのは自国戦艦が沈んでいく姿だけで、後にイタリアが映画に使っている。参考：日本潜水艦物語

＜術科（日本軍）＞：軍事関連の実習教育のこと。参考：陸海軍学校と教育

＜術科学校（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の教育機関。元は1953年9月16日に横須賀市田浦で開校した警備隊術科学校で、1955年6月に改称されて横須賀で創設された。潜水艦はまだ有していなかったが、教育部潜水艦科がちゃんと作られている。後に本校が江田島に移り、元の施設は田浦分校と改称された。1958年4月1日、本校が第１術科学校、田浦分校が第２術科学校に改称された。参考：月刊世界の艦船9,’15

＜術科学校（自衛隊）＞：自衛隊の教育機関で、任務遂行に必要な知識や技術を教育する。陸上自衛隊は術科学校でなく職種学校という。参考：MAMOR vol.117

＜術科学校（日本海軍）＞：日本海軍の学校で、各種技能教育を行う。普通科、高等科、特修科の３段階に分けて教育が施される。砲術学校、水雷学校、通信学校、航海学校、工機学校、工作学校、機雷学校／対潜学校、潜水学校、電測学校、気象学校などがある。参考：日本海軍艦隊総覧

＜術科教育（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の教育。職域での勤務に必要な特技を身に付けるのが目的で、術科学校、潜水艦教育訓練隊（潜水艦乗員向け）、教育航空隊・第51航空隊（操縦士・航空士向け）などで行われる。海士特技課程、中級海曹特技課程、上級海曹特技課程、海曹士特修科課程、海曹士専修科課程、幹部専門課程、幹部衛生医事課程、幹部医科歯科課程、幹部任務課程、幹部特修科課程、幹部専修科課程、中級幹部特技課程、幹部専攻科課程がある。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜術科教育（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の教育。術科学校で各職域特技に応じて行う。空士以上が受講する初級術科課程、三等空曹以上が受講する上級術科課程、幹部候補生や三等空曹候補生以上が受講する幹部術科課程がある。幹部向けには初級幹部術科課程、上級幹部術科課程、術科専攻課程、航空兵器課程、術科研修課程、特別幹部術科課程といったものがある。参考：陸海軍学校と教育、月刊JWings6,’16

＜術科教育本部＞：航空自衛隊の組織。1962年9月、浜松南基地で新編され、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校を隷下に置いた。10月、隷下に第５術科学校が新編された。1989年3月16日、航空教育集団に改編された。参考：浜松基地ホームページ、航空教育集団ホームページ

＜術科教育本部（１９８０年代前半）＞：航空自衛隊の組織で、本部は浜松にある。隷下に第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校、第５術科学校を置く。参考：日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981

＜シュック＞：ヴァルター・シュック。ドイツ空軍エース。1944年6月12日、１日で12機を撃墜した。1945年2月、第５戦闘航空団から第２補充戦闘航空団第３飛行隊に転属。Me262で８機を撃墜した。総撃墜機数206機。参考：グラフィックアクション36

＜ジユッサノ級＞：イタリア海軍軽巡洋艦Giussano級。フルネームでアルベルト・ディ・ジユッサノ（12世紀に活躍した傭兵隊長の名）級または職名からコンドッティエリ（傭兵隊長）級第１グループとも呼ばれる。地中海の制海権を獲得すべく、第１次大戦後初めて建造した軽巡洋艦で、当初は偵察艦として計画されたが、戦時に触接が予想されるフランス海軍軽巡洋艦やシャカル級大型駆逐艦に対抗できるよう、軽巡洋艦クラスに強化した。船型は船首楼型で、前部煙突の所まで船首楼があり、後部煙突、マスト、第３砲塔が１層の後部上構に乗る。艦首は水線下が前に張り出しており、船体舷側には舷窓が並ぶ。主砲はシャカル級大型駆逐艦より一回り大口径にし、単一砲架に２門据えた連装砲塔で、左右同時に俯仰する。砲塔を小型軽量化すべく砲身間隔を狭くしたため、斉射時に弾丸が干渉して散布界が広がるという欠点があったが、敵艦との近・中距離遭遇戦が基本なので、あまり問題は無い。速度性能を重視しており、電気溶接を多用、装甲を薄くして軽量化を図った。機関はトレント級重巡の半分で、缶機缶機のシフト配置である。シフト配置にスペースが必要で船体が細長く、船体軽量化と重武装でトップヘビーになったため、船体中央部をタンブルホーム形状にして水線幅を確保したが、復原力上はマイナスであり、以降の軽巡洋艦には採用されなかった。全長169.3m、幅15.5m、満載吃水5.3m、基準排水量5191トン、満載排水量6954トン。主機はベルッツォ式ギヤード蒸気タービン２基、主缶はヤーロー・アンサルド式重油専焼水管缶６基、出力95000馬力、２軸推進、速力36.5-37ノット、重油搭載量1250トン、航続距離3800海里（18ノット）。兵装は53口径15.2cm連装砲（１門あたり発射速度毎分4-5発）４基、47口径10cm連装高角砲（１門あたり発射速度毎分8-10発）３基、54口径37mm連装機関砲（１門あたり発射速度毎分60発）４基、13.2mm連装機銃４基、533mm魚雷連装発射管２基（３基？）。装甲厚は舷側24mm＋内方18mm、甲板20mm、砲塔23mm、司令塔40mm。カント25AR飛行艇２機を艦橋下部の格納庫に搭載し、１番砲塔前方に火薬式カタパルト１基を持つ。乗員507-520名。1926-27年（1927-28年？）計画で４隻が建造され、アルベリコ・ダ・バルビアーノ、アルベルト・ディ・ジユッサノ、バルトロメオ・コレオーニ、ジョバンニ・デレ・バンデ・ネーレが1931-32年に竣工した。参考：月刊世界の艦船7,'22、4,’19、7,’11、近代巡洋艦史

＜出退表示システム用器材＞：自衛隊の機器。リコー製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜シュツットガルト＞：ドイツ海軍病院船Stuttgart。大元は北ドイツ・ロイドの北大西洋航路船である。全長167.8m、幅19.8m、深さ10.6m、総トン数13387トン、重量トン数8870トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関２基２軸8500馬力、速力16ノット。船客定員一等171名・二等338名・三等594名。1924年1月竣工、1月15日から就航した。1938年、ドイツ労働戦線DAFの歓喜力行船KdF-Schiffとなり、単一クラス定員990名になった。1939年8月、ドイツ海軍病院船となった。1943年10月9日、ゴーテンハーフェンに停泊していたところ、連合軍の空襲を受けて大炎上し、延焼を避けるべく港外に曳航されて処分された。参考：月刊世界の艦船9,’19

＜出動服＞：日本警察の機動隊用暴徒鎮圧防護衣。重要箇所にポケットが作ってあり、ジュラルミン製プレートを入れて使用する。衝撃吸収能力は無い。1960年の安保闘争の際に着用したのが最初で、2002年のサッカーワールドカップまで改良されずに使われ続けた。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ジュットランド海戦＞：Battle of Jutland／Schlacht von Jutland。第１次大戦中の1916年5月31日から6月1日にかけて、ユトランド半島（デンマーク）北西の北海にあるジュットランド海中堆付近で起こった海戦。ノルウェー・デンマーク間のスカゲラック海峡の西方沖でもあるため、スカゲラック沖海戦（Battle of the Skagerrak／Skagerrakschlacht）と呼ばれていたこともある。参加部隊はイギリス海軍が大艦隊総旗艦アイアン・デューク（ジェリコー大将座乗）、第１戦艦戦隊第６小隊（指揮官バーニー中将）マルバラ、リヴェンジ、ハーキュリーズ、エジンコート、同第５小隊（ゴーント中将）コロッサス、コリンウッド、ネプチューン、セント・ヴィンセント、第４戦艦戦隊第４小隊（スターディー中将）ベンボウ、ベルロフォン、テレメーア、ヴァンガード、同第３小隊（ダッフ少将）シュパーブ、ロイヤル・オーク、カナダ、第３巡洋戦艦戦隊（フッド少将）インヴィンシブル、インドミタブル、インフレキシブル、第２巡洋艦戦隊（ヒース少将）装甲巡洋艦４隻、第４軽巡洋艦戦隊（ル・メシュリー代将）軽巡５隻、第４・第11・第12水雷戦隊軽巡１隻・駆逐艦39隻、艦隊・戦隊付属軽巡５隻・駆逐艦２隻、第２戦艦戦隊第１小隊（ジェーラム中将）キング・ジョージ�X世、エイジャックス、センチュリオン、エリン、同第２小隊（レヴソン少将）オライオン、モナーク、コンカラー、サンダラー、第１巡洋艦戦隊（アーバスノット少将）装甲巡洋艦４隻、第11水雷戦隊・戦隊付属軽巡１隻・駆逐艦11隻、巡洋戦艦部隊旗艦ライオン（ビーティ中将座乗）、第１巡洋戦艦戦隊（ブロック少将）プリンセス・ロイヤル、クイーン・メリー、タイガー、第２巡洋戦艦戦隊（パクナム少将）ニュージーランド、インディファティガブル、第５戦艦戦隊（トーマス少将）バーラム、ヴァリアント、ウォースパイト、マレーヤ、第１軽巡洋艦戦隊（シンクレア代将）軽巡４隻、第２軽巡洋艦戦隊（グッデナフ代将）軽巡４隻、第３軽巡洋艦戦隊（ネピーア少将）軽巡４隻、第１・第13水雷戦隊軽巡２隻、駆逐艦19隻、水上機母艦１隻、第９・第10水雷戦隊駆逐艦８隻。ドイツ海軍が外洋艦隊総旗艦フリードリッヒ・デア・グロッセ（シェーア中将座乗）、第１戦艦戦隊第１小隊（指揮官シュミット中将）オストフリースラント、チューリンゲン、ヘルゴラント、オルデンブルク、同第２小隊（エンゲルハルト少将）ポーゼン、ラインラント、ナッソー、ヴェストファーレン、第３戦艦戦隊第５小隊（ベーンケ少将）ケーニッヒ、グローサー・クールフュルスト、マルクグラーフ、クローンプリンツ、同第６小隊（ノルトマン少将）カイザー、プリンツレゲント・ルイトポルト、カイゼリン、第４偵察戦隊（ロイター代将）軽巡５隻、第１・第３・第５・第７水雷戦隊軽巡１隻・駆逐艦31隻、第２戦艦戦隊第３小隊（マウフェ少将）ドイッチュラント、ポンメルン、シュレジエン、同第４小隊（リヒテンフェルス少将）ハノーファー、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、ヘッセン、第１偵察戦隊（ヒッパー中将）リュッツォ、デアフリンガー、ザイドリッツ、モルトケ、フォン・デア・タン、第２偵察戦隊（ベーディッカー少将）軽巡４隻、第２・第６・第９水雷戦隊軽巡１隻・駆逐艦30隻。参加艦艇はイギリス海軍が超弩級・弩級戦艦28隻、巡洋戦艦９隻、重巡洋艦（大型装甲巡洋艦）８隻、軽巡洋艦26隻、駆逐艦78隻、水上機母艦１隻、機雷敷設艦１隻の計103万トン（うち主力艦844450トン、砲門数344門、片舷斉射320門）、ドイツ海軍が弩級戦艦16隻、巡洋戦艦５隻、前弩級戦艦６隻、軽巡洋艦11隻、駆逐艦61隻の計65万トン（うち主力艦482070トン、砲門数244門、片舷斉射202門）である。比率では概ね10対６で、後のワシントン条約でアメリカが日本に要求した比率と同じ。主力艦主砲の内訳は、イギリスが15インチ（38.1cm）砲48門、14インチ（35.6cm）砲10門、13.5インチ（34.3cm）砲142門、12インチ（30.5cm）砲144門で、ドイツが12インチ（30.5cm）砲144門、11インチ（27.9cm）砲100門であり、１斉射の弾量はイギリスが713600ポンド（323.7トン）、ドイツが217246ポンド（98.5トン）であった。ドイツの主力艦は21隻全てが副砲にまで方位盤射撃機構を設けていたが、イギリスはウォースパイト、マラーヤ、バーラム、ヴァリアント、リベンジ、ロイヤル・オークの主砲にのみ装備していた。第１次大戦勃発後、ドイツはイギリス艦隊との戦力差から保全艦隊主義を取り、正面決戦は試みず通商破壊などに従事し、イギリス側も1914年10月30日の戦略上申で艦隊の戦場を北緯50度以北やイギリス本土近海に限るなど積極的な行動を取らず、艦隊決戦は起きなかった。1916年になり、陸上での戦闘が膠着し、出番の無い海軍に対して何らかの打開策が求められるようになり、ドイツ国民の不満も募っていた。2月、ドイツ大海艦隊長官がポール海軍大将からシェーア海軍中将に交代。2月18日、ドイツ皇帝ヴィルヘルム�U世はシェーア長官の意見具申を受け入れ、艦隊運用の全権を海軍長官に委任したため、ドイツ海軍は皇帝の裁定を経ずに艦隊を出撃させることが可能となった。4月、無制限潜水艦作戦がアメリカの抗議によって行えなくなり、ヨーロッパ大陸の東西両戦線も膠着状態に陥り、イギリス海軍による海上封鎖で戦略物資が足りなくなり始め、ドイツ海軍では主力艦隊による行動を考えるようになった。そこで、イギリス東岸のローウエストフとサンダーランドを海から砲撃し、駆け付けるであろうイギリス巡洋戦艦艦隊（7-10隻）をドイツの主力艦艦隊（ヒッパー提督の巡洋戦艦とシェーア提督の戦艦計21隻）で殲滅する作戦が立てられ、スカパフローやクロマーティーにいるイギリス戦艦部隊は潜水艦16隻と機雷原で封じ込めることにした。当初は4月中にローウエストフ、5月17日にサンダーランドを砲撃する計画だったが、天候不良やザイドリッツの修理に手間取り延期され、潜水艦の都合から作戦日時を5月23日から31日の間に変更した。ツェッペリン飛行船による十分な索敵も天候悪化で断念せざるを得なくなり、陸上への砲撃ではなくユトランド半島−ノルウェー間のスカゲラック海峡における通商破壊戦でイギリス艦隊をおびき出す作戦に変更し、5月30日0948にドイツ海軍長官は全艦隊に対して1900までにユェード・ロード（ウィルムスハーフェン軍港沖）に集結するよう命じ、ヘリゴランド海峡の掃海と潜水艦の作戦行動も始まった。イギリス海軍はこの無線を傍受しており、イギリス海軍省は1200に海軍司令長官に対してドイツ大海艦隊が明朝出撃する模様で、洋上には16隻の潜水艦も集結していると伝え、各港湾司令官に即出港準備を命じた。ちなみに海軍省からの指令は有線電話を使用しており、傍受には十分に気を遣っていた。1540、ドイツ大海艦隊長官は全艦に対して「31Gg2490」と無線電信を打電。イギリスは1915年に沈没したドイツ艦マルデブルグから押収していた暗号コード表を元に「スカゲラック海進攻は31日」と解読し、1715にイギリス海軍省が主力全艦に出動準備を命じた。1750、イギリス海軍省が出撃を命令。ジェリコー提督はスカパフローから戦艦16隻など、ジェーラム提督はクロマーティから戦艦８隻など、ビーティー提督はロシスから戦艦４隻・巡洋戦艦６隻などを率いて出撃し、東進してジュットランド沖の集結地点を目指した。5月31日0430、ドイツ艦隊が錨を上げてスカゲラックに向け北上を開始。ツェッペリン飛行船は天候不良で哨戒不能との連絡を入れていたが、クロマーティー東方で哨戒中のU66潜水艦からイギリス戦艦８隻が東航中、ロサイス東方で哨戒中のU70潜水艦からイギリス巡洋戦艦６隻が東航中との報告を受けており、またスカッパ付近で哨戒中のU43及びU44潜水艦からは主力艦隊の動向が視認されなかったため、ドイツ側はイギリス大艦隊が全力で出動しているとは考えず、作戦が順調に進行していると判断した。実際にはU43潜水艦が付近の掃海艇を雷撃したため、駆け付けたイギリス第12駆逐艦隊により付近の潜水艦を退避させざるを得なかったせいで、東進中のジェリコー艦隊を偵察することが出来ていなかった。1410、ビーティー艦隊は90度左転舵し、イギリス大艦隊集結地点を目指し北上を開始した。この時、ヒッパー艦隊が45海里東側を同じく北上していた。1418、ヒッパー艦隊の最左翼にいた軽巡エルビングが左舷にデンマーク汽船エヌ・ジェー・フョールドを発見。駆逐艦B109とB110を派遣して臨検したが、この時駆逐艦がビーティー艦隊の煤煙を発見し、恐らく敵艦隊であると報告した。同時刻、ビーティー艦隊の最右翼にいた軽巡ガラティーが右舷側に煤煙を視認し、恐らく敵艦隊であると報告。２分後には双方とも敵を確認し、敵艦見ゆの無線を同時に発した。ビーティー提督は水上機母艦エンガディンから水上機を発進させ、ドイツ艦２隻を確認した。1430、両艦隊は直ちに敵に向かい転針、1530に15海里まで接近し、互いの主力を認めた。戦力はビーティー艦隊が巡洋戦艦６隻（ライオン、プリンセス・ロイヤル、クイーンメリー、タイガー、ニュージーランド、インディファティガブル）、戦艦４隻（ウォースパイト、マラーヤ、バーラム、ヴァリアント）、軽巡14隻、駆逐艦31隻で、ヒッパー艦隊が巡洋戦艦５隻（リュッツオ、デアフリンガー、ザイドリッツ、モルトケ、フォン・デア・タン）、軽巡14隻、駆逐艦33隻である。ヒッパー艦隊は後続するシーア艦隊のところにビーティー艦隊を誘い出すため、1533に右舷16点逐次回頭を行って針路を南に変更。ビーティー艦隊はヒッパー艦隊の退路を遮断し、主力が到着する前にこれを撃破するため、速力を25ノットに増速して４点正面変換２回の針路変更により南南東に向かい、互いに並航する形となった。この時、ビーティー艦隊第５戦艦戦隊（トーマス隊。戦艦４隻からなる）が反転信号旗を見逃して本隊と10海里ほど離れてしまい、劈頭の戦闘に参加できなくなった。1548、ヒッパー艦隊が射撃を開始。1549、イギリス艦隊が射撃を開始。しかし両艦隊が急速に接近していたため測距を誤り、イギリス側は針路変更の直後だったため各艦バラバラの射撃となり、有効弾を得られなかった。1555、両艦隊の距離は15000mを切り、主力艦同士が並航しながらの撃ち合いになった。イギリス巡洋戦艦は先頭からライオン、プリンセスロヤル、クインメリー、タイガー、ニュージーランド、インディファティガブルの順に、ドイツ巡洋戦艦は先頭からリュッツオ、デアフリンゲル、セイドリッツ、モルトケ、フォン・デア・タンの順に並んで単縦陣で南東航し、ライオンとリュッツオ、プリンセスロヤルとデアフリンゲル、クインメリーとセイドリッツ、インディファティガブルとフォン・デア・タンが砲撃しあい、ニュージーランドとタイガーはモルトケを、モルトケはタイガーを砲撃した。1557、射距離13500mでクインメリー主砲弾がザイドリッツＣ砲塔に命中。ザイドリッツは速やかな防火処置で延焼を抑えた。1600、射距離15000mで放ったリュッツオの30.5cm榴弾がライオンのＱ砲塔（中央砲塔）天蓋の継ぎ目を直撃し、左砲上部で炸裂、砲塔要員全員を殺傷した。装薬にも引火したが、砲台長が両足切断の重傷を負いながらも火薬庫防火扉と注水を指示して延焼を防いでいる。ライオンは右舷３点転舵を行い、戦列から一時離脱した。1604、ドイツ第６駆逐戦隊の駆逐艦G37がドイツ巡洋戦艦前面に煙幕を展張。ジェリコーは第３巡洋戦艦戦隊（フッド隊）にビーティ隊の支援を命じ、フッド隊は針路南東・最大戦速（20ノット）で前進を開始。この際、戦闘前のティータイムが許可されている。1605、フォン・デア・タンが射距離14200mで砲撃した11インチ（27.9cm）砲弾２発がインディファティガブルの砲塔天蓋を撃ち抜いて炸裂し、弾薬庫が誘爆、インディファティガブルは右に傾いた。そこにフォン・デア・タンの11インチ（27.9cm）砲弾２斉射３発が立て続けに命中、ほぼ真上から船体を貫徹する形になり、インディファティガブルは轟沈した（実際には折れた船体中央部が浅い海底に着底し、浸水しきるまで暫く艦前後が海面上に突き出していた）。フォン・デア・タンはニュージーランドを砲撃にかかったが、1612からイギリス第５戦艦戦隊戦艦ヴァリアント及びバーラムの砲撃を受け始めた。本隊に追いついた第５戦艦戦隊はバーラム、ヴァリアント、ウォースパイト、マラーヤの単縦陣で南航しており、1620からヒッパー艦隊の後尾２艦（モルトケ、フォン・デア・タン）に対して集中射撃を開始した。ヒッパー艦隊は最大戦速で南航しつつ、シーア艦隊に状況を報告、シーア艦隊からは50海里南方を北上中であると返答が来た。これがビーティー艦隊に傍受されており、ジェリコー艦隊にも通報された。この頃、リュッツオはライオンと撃ち合い、デアフリンゲルはプリンセスロイヤルとクインメリーの砲撃を受けつつクインメリーに砲撃を行い（ライオン一時離脱により３番艦クインメリーを２番艦と誤認した）、セイドリッツはクインメリーを砲撃、モルトケはタイガー、バーラム、ヴァリアントの砲撃を受けつつタイガーを砲撃、フォン・デア・タンはニュージーランド、ウォースパイト、マラーヤの砲撃を受けつつヴァリアントを砲撃していた。1609、イギリス巡洋戦艦ライオンが第13駆逐戦隊は直ちに攻撃せよと信号を掲げた。1613、イギリス第13駆逐戦隊旗艦チャンピオンがライオンの信号を確認、隷下の駆逐艦ネスター、ノーマッド、ニケーター、ナーボロー、ペリカン、ペタード、ターブレント、ネリッサ、ターマガント、オブデレート、オンスロー、モレスビーがヒッパー艦隊に向けて突撃を開始した。第２軽巡戦隊は、駆逐戦隊護衛のため、軽巡ノッティンガムとダブリンを派遣したが、駆逐艦隊列の真ん中を横切ったため、戦隊が分断されてしまった。1614、ヒッパー提督は駆逐戦隊に出撃を命じ、第９駆逐戦隊11隻がイギリス艦隊に向けて突撃、イギリス駆逐戦隊と戦闘に入った。1624、デアフリンゲルが射距離13200mで砲撃した12インチ（30.5cm）砲弾２発がクインメリーの中央部砲塔を貫通し、作業室を粉砕。1626、セイドリッツ（デアフリンゲル？）が射距離13500mで発砲した12インチ（30.5cm）砲弾がクインメリーの中央部砲塔に命中して火薬庫が誘爆し、クインメリーは轟沈した。クインメリーには日本海軍の観戦武官が搭乗していたが、巻き込まれて死亡した。500ヤード（457.2m）後ろを航行していたタイガーは何とか衝突を免れたが、破片が雨あられと降り注いできたため、甲板員が負傷した。ドイツ側はモルトケとフォン・デア・タンが艦尾水線部付近に被弾しており、いずれも大破未満だったが、艦尾が激しく沈下したため、1627にヒッパー艦隊は針路を東南東に向け、一時離脱を図った。1628、ライオンにデアフリンゲルの砲弾が命中し、無線装置が破壊された。この頃、イギリス第２軽巡洋艦戦隊の軽巡サザンプトン、ダブリン、バーミンガム、ノッティンガムはビーティー艦隊の前方10海里に進出していたが、1630、前方にドイツ海軍シェーア艦隊に所属する軽巡ステッチンを発見し、1633には戦艦数隻を認め、８海里ほど北にいたビーティー艦隊に向けて南東方向に戦艦ありと発光信号を送った。第２軽巡洋艦戦隊は直ちに反転して北西方向に針路を変え、シェーア艦隊戦艦の砲撃をくぐり抜けて後退。ビーティー艦隊及びトーマス隊は２直角転回で反転し、シェーア艦隊から距離20000ヤード（18.3km）を保ちつつ北西に航行、ジェリコー艦隊の方向にドイツ艦隊を誘導しにかかった。1642、シェーア艦隊はビーティ隊を追いかけるため全艦増速し、小隊ごとの左舷２点転針で急速接近をかけた。1643、イギリス第13駆逐艦隊はリュッツオの右舷前方7000ヤード（6.4km）まで接近し、ドイツ駆逐艦隊とも激戦を繰り広げていたが、ビーティー提督は隊列復帰命令を出して呼び戻すことにし、巡洋戦艦ライオンは無線がまだ直っていなかったため、信号旗を掲げた。しかしネスター、ノーマッド、ニケーター、ペタード、ターブレント、ムーアソムは旗が見えなかったためか突進を続け、ヒッパー艦隊まで5000ヤード以内まで接近して砲撃を加え、更にネスター、ニケーター、ムーアソムはシェーア艦隊の方に向かい、待ち伏せ雷撃をかけようとした。シェーア艦隊はこれを発見し、戦艦ケーニッヒ、グロッサー・クルファースト、マーグラフが副砲で射撃、ネスターは機関部を撃ち抜かれて速力が半分に落ち、ノーマッドは4.1インチ（10.4cm）砲を被弾して航行不能になった。両艦は救助を拒否して僚艦を後退させ、シェーア艦隊の砲撃を一身に受けて沈没した。1646、シェーア艦隊戦艦が左舷前方23000ヤード（21km）で転回中のトーマス隊と、26000ヤード（23.8km）で転回中のビーティー艦隊主力に向けて砲撃を開始。1651、ジェリコー提督は「Fleet action is imminent」の無電を海軍省に発した。ヒッパー艦隊が反転してシェーア艦隊と同航、ビーティ艦隊の追撃に入った。1657、ザイドリッツ艦首左舷にイギリス駆逐艦の魚雷１本が命中。12m×4mの破孔が開く損害を受けたが、そのまま前進を続けた。1658、シェーア艦隊のクロンプリンツとケーニヒがバーラムに、マーグラフがヴァリアントに向けて砲撃を開始。1700、ジェリコー提督はビーティー提督と相対位置の報告を行ったが、ジェリコー提督はドイツ艦隊主力の位置を10海里ほどずれて把握した。1701、ビーティー提督はトーマス隊に対し、後衛を務めるよう命じた。トーマス隊はバーラム、ヴァリアント、ウォースパイト、マラーヤの順に単縦陣を組んで北上しており、ビーティー本隊を守るためにドイツ艦隊との距離を19000ヤード（17.4km）に詰めてドイツ艦の砲撃をトーマス隊に集中させるようにし、自らはヒッパー艦隊を狙い撃ちした。ドイツ側はヒッパー艦隊のリュッツオ、デアフリンゲル、セイドリッツ、モルトケ、フォン・デア・タンの後ろにシェーア艦隊のケーニッヒ、グロッサー・クルファースト、マーグラフ、クロンブリンツ（以上第５戦艦戦隊）、カイゼル、プリンツレジェント、カイゼリン、フリードリッヒ・デア・グロッセ（シェーア搭乗）、オストフリースランド、チューリンゲン、ヘリゴランド、オルデンベルグ、ボーゼン、ラインラント、ナッソウ、ウェストハーレンが単縦陣を作り、トーマス隊と併走しながらの撃ち合いになった。1704、バーラムは12インチ砲弾３発を被弾して中破。1709、モルトケが左舷砲塔２個に被弾。1711、セイドリッツはＣ・Ｄ・Ｅ砲塔が被弾により使用不能になり、第４・第５副砲も掃射を受け、２カ所で火災が発生した。1713、バーラムの15インチ砲弾がリュッツオの水線部を貫通。1715、シェーア提督は最大戦速での追撃を命じた。この頃、リュッツオとカイゼリンがバーラムを、デアフリンゲルとケーニッヒとグロッサー・クルファーストがヴァリアントを、カイゼルがウォースパイトを、フォン・デア・タンとクロンプリンツとプリンツレジェントがマラーヤを砲撃しており、バーラムはリュッツオを、ヴァリアントはデアフリンゲルを、ウォースパイトはセイドリッツを、マラーヤはケーニッヒを砲撃していた。射距離は16500-19000ヤード（15.1-17.4km）である。また、シェーア本隊のマーグラーフはビーティー本隊のタイガーを、オストフリースランドは左前方20000ヤード（18.3km）の第２軽巡洋艦戦隊軽巡ノッテンガムを砲撃した。トーマス隊は24.5ノットで北上していたが、公称速力23ノットのドイツ戦艦を引き離すことが出来ず、実際にはそれ以上の速力を発揮できたとみられる。ヒッパー艦隊の巡洋戦艦には速力で負けており、トーマス隊の戦艦４隻はヒッパー・シェーア艦隊の主力艦27隻を相手に20分ほど撃ち合った結果、バーラムは艦中央に被弾、ウォースパイトは水線部と後部砲塔に命中弾を受けた。マラーヤも中部砲塔に３発を被弾し、右舷副砲砲廓天井を貫通されて即応弾が誘爆、連絡通路を爆風が駆け抜けて100名が戦死し、危うく弾薬庫にも爆炎が到達しかけたが、揚弾筒で堰き止められている。ビーティー本隊には第９・第10・第13駆逐戦隊、第５戦艦戦隊には第１駆逐戦隊が付いていたが、積極的な活動は無かった。1717、ヒッパー提督は艦隊減速を命令し、イギリス戦艦の砲弾を避けるよう指示した。トーマス隊は1737までの間にリュッツオに４発、デアフリンゲルに３発、セイドリッツに５発の命中弾を与え、リュッツオは2000トンの浸水をみた。1733、ジェリコー艦隊直属の大型巡洋艦ブラック・プリンスは巡洋戦艦が南南西で交戦中という情報をジェリコー提督に送ったが、想定されるドイツ艦隊航行地点から22海里離れていた。1735、ジェリコー提督はドイツ艦隊主力が南方30海里にいると判断。ビーティー艦隊は北北東に変針。1745に大型巡洋艦デフェンス、1750に軽巡カリオープと戦艦マールボローからジェリコー提督にそれぞれドイツ主力艦隊の位置情報が入ったが、全て異なる地点を示していた。1755、ビーティー提督が北西にジェリコー艦隊の西翼小隊を発見。1756、ビーティー艦隊は北東微東に変針し、ヒッパー艦隊に対し砲撃を開始。1759、ヒッパー艦隊は一時後退を決意し、左舷２直角転舵を命じ南に逃れた。1801、ジェリコー提督はビーティー艦隊の巡洋戦艦ライオンを右舷前方（南西方向）５海里に視認。周辺の視程が６海里しか無く、航行隊形の横陣から戦闘隊形の単縦陣への展開時期を探るため、ジェリコー提督はビーティー提督に対し、シェーア本隊の位置と敵の戦艦が何処にいるかを報告するよう緊急信号を発した。ドイツ軽巡フランクフルトはドイツ全艦隊に対し、イギリス戦艦の砲撃を受けていると打電。1804、イギリス第３巡洋戦艦戦隊がドイツ巡洋艦隊を攻撃しようと急転。ドイツは第12駆逐艦戦隊（V45、V46、V69、S50）、第９駆逐艦戦隊（S35、S52、V28、V48）、第２駆逐艦戦隊（G101、G102、G103、G104）、第11駆逐艦戦隊（B97、B98、B110、B112）をイギリス巡洋戦艦艦隊に向け突撃させた。イギリス側は軽巡カンタベリー、駆逐艦シャーク、オフェリア、アカスタが出撃し、シャークとアカスタはドイツ駆逐艦戦隊の雷撃路上に立ち塞がって応戦したため、ドイツ側は巡洋戦艦艦隊に９本の魚雷しか発射できず、１本も命中しなかった。1805、ジェリコー提督はビーティー提督から敵巡洋戦艦が南東にありとの返信を得たが、戦艦の報告は無かった。1806、ドイツ軽巡フランクフルトはイギリス戦艦複数が025地点にありと打電。実際には第３巡洋戦艦戦隊で、戦艦ではなかったのだが、ドイツ艦隊はイギリス艦隊主力が向かっていると判断した。1808、ジェリコー提督は隷下の４個駆逐艦隊に対し、３隊は東、１隊は西に移動するよう命じた。1810、ジェリコー提督は、ビーティー提督に対し、再び敵の戦艦が何処にいるか報告せよと求めた。1814、ビーティー提督がジェリコー提督に、敵戦艦隊南南西に見ゆ、と発光信号を送った。1815、ジェリコー提督は隷下の戦艦艦隊に左舷方向への転針を命令、針路南東微東としてドイツ艦隊の東側に回り込むことにした。ビーティー提督率いる巡洋戦艦４隻は、27ノットで半円を描きながら東に針路を変えたが、ジェリコー艦隊の目前を横切ったため、ジェリコー艦隊の先鋒であるキング・ジョージ�X世級４隻は戦闘準備を終えていたにもかかわらず、ビーティー艦隊の排煙で目標が見えなくなってしまった。また、大型巡洋艦艦隊（ウォーリア、デフェンス、ブラックプリンス、デューク・オブ・エジンバラ）が両軍主力艦隊の間に挟まる形になってしまい、ドイツ主力艦の集中砲火を浴びてデフェンスが轟沈、ウォーリアが大破した。周辺は航行序列の横隊から戦闘隊形の単縦陣へと陣形を転換しつつドイツ艦隊の東に回り込もうとする駆逐艦や軽巡の吐き出す黒煙に覆われて大混乱に陥り、ジェリコー艦隊はドイツ艦隊を有効射程内に捉えながらも発砲することができなかった。1824、黒煙が晴れてきたため、ジェリコー艦隊はドイツのシェーア艦隊に向けて砲撃を開始。1826、リュッツオがインヴィンシブルの主砲弾２発を被弾。1828、リュッツオが射距離9000mからのインヴィンシブルの主砲弾２発を艦首水線下に被弾し、2000トン浸水して落伍した。1830、巡洋戦艦インヴィンシブルがデアフリンガーの主砲弾２斉射４発をＱ砲塔付近に被弾。アイアン・デュークが４分50秒で９斉射43発を射距離11500mでケーニッヒに叩き込み、７発を命中させた。1833、インヴィンシブルは船体が真っ二つになって爆沈した。1835、劣勢を悟ったシェーア提督はドイツ艦隊に戦術一斉回頭を下命。全艦が回れ右して南南西に向けて退却を開始した（フォン・デア・タンのみザイドリッツとの衝突を避け回れ左して西に退避）。この時、濃霧が辺りを覆い尽くし、風が西から吹いていたため、ドイツ艦隊は自艦の砲煙がイギリス艦隊に被ってしまい、照準が付けられなくなった。イギリス側は日光に浮かび上がったドイツ艦隊に向けて砲撃を行っていたが、靄と煙幕が濃くなってドイツ側を見失い、1844に小隊ごとに南東に10度転進して発見に努めたものの、ドイツ艦隊との距離は２万ヤード以上離れた。1845、ビーティー艦隊が潜水艦を発見したと報告。イギリス駆逐艦シャークはドイツ駆逐艦戦隊の集中砲火を浴びて行動不能となっていたが、ドイツ駆逐艦V48、S54、G42が近くに現れたため、使用可能な１門で砲撃を行い、V48の機関を撃ち抜いて行動不能にしたが、被弾して沈没した（生存者６名は2200に通りがかりのオランダ汽船に救助された）。V48は行動不能のまま接近するイギリス戦艦が近づくのを待って雷撃を行い、マールボローの右舷に１本を命中させ缶室１室の浸水により速力を17ノットに低下させたが、その後沈没して乗員全員が死亡した。1847、イギリス戦艦マールボローが触雷して損傷。1855、ジェリコー提督は南西に転針して広正面に展開すると同時に増速し、ドイツ艦隊に接近することにした。シェーア提督は速力16ノットの旧式戦艦（ドイッチュラント、ポンメルン、シレジェン、シレスウォッヒ・ホルスタイン、ハノーバー、ヘッセン）を連れたままの退却では逃げ切れないと見て、全駆逐艦群も含めイギリス艦隊に突撃することを決定、再び戦術一斉回頭を命じ、駆逐艦隊にＺ信号（水雷戦決行）を送付、ドイツ艦隊は右舷一斉回頭を行った。しかし単縦陣で南東に転針しつつあるジェリコー艦隊に対し、単縦陣で側面から突っ込むという最悪の態勢になってしまった。1900、イギリス第２戦艦隊司令官がジェリコー提督に潜水艦の存在を報告。1904、イギリス戦艦セント・ヴィンセントがドイツ艦隊を発見、砲撃を開始。1906、イギリス戦艦ネプシューン、リヴェンジ、エジンコートが発砲を開始。1915、アイアン・デュークなどイギリス第３・第４戦艦戦隊が砲撃を開始。ドイツ艦隊の先鋒として8500-13000ヤード（7.8-11.9km）まで接近していたヒッパー艦隊は集中砲火を浴びてリュッツオが行動不能に陥り、フォン・デア・タンは全主砲が射撃不能になり、デアフリンゲルは後部２砲塔を破壊され、セイドリッツ、モルトケも数発を被弾した。ヒッパー提督はリュッツオから駆逐艦V39に移乗し、指揮権をデアフリンゲル艦長に移した。1913、シェーア提督はヒッパー艦隊に対し、イギリス艦隊に向け突撃を指示。1915、ヒッパー艦隊は速力を23ノットに上げて南に向かい、イギリス艦隊まで7500ヤード（6.9km）の位置に迫った。デアフリンゲルのＤ砲塔に15インチ（38.1cm）砲弾１発が命中、天蓋を突き破って炸裂したが、弾薬庫の誘爆は防いだ。ヒッパー艦隊所属の第２・第６・第11駆逐艦隊を指揮していたハインリッヒ代将は、隷下の第６駆逐艦隊第11分隊、第９駆逐艦隊に対し、イギリス戦艦艦隊への突撃を命令。1916、セイドリッツが２発を被弾。ロイヤル・オークがドイツ駆逐艦隊に向けて副砲での砲撃を開始。1917-1920、デアフリンゲルが３発を被弾。1917、シェーア提督はヒッパー艦隊に対し、ビーティー艦隊方向への転針を命じた。1918、シーア艦隊先頭のケーニッヒは被弾浸水して速力を減じており、しかも無線が故障してしまい、艦長の独断で煙幕を張りながらの転針を決めた。ちょうどこのタイミングでシェーア艦隊は再度の一斉回頭を実施、西への離脱を開始した。ケーニッヒは無線の故障により速度を合わせることができず、影響はシーア艦隊最後尾の旧式戦艦６隻に現れ、グロッサー・クルファーストがクロンプリンツに進行方向を遮断されて停止してしまった。そこにイギリス艦から４発を撃ち込まれたため、左舷に４度傾斜したが、何とか転回を再開して離脱に成功した。エジンコートとマールボローが駆逐艦隊に対して副砲で砲撃を開始。1919、ヴァンガードが駆逐艦隊に向けて主砲で砲撃を開始、駆逐艦G86が至近弾を浴びて機関の一部が破壊され、司令塔にも破片が飛んで艦長が死亡した。1920、水線部に被弾したセイドリッツは1600トンの浸水をみた。1921、シェーア提督は駆逐艦隊に対し、２回目のＺ信号を送った。ジェリコー提督はドイツ駆逐艦群の襲撃を避けるため、左に２点の転針を命じた。1922、ドイツ駆逐艦G41が被弾、水雷長は片腕を吹き飛ばされたが、残った腕で魚雷を発射した後、死亡した。ドイツ駆逐艦４隻は距離7500ヤード（6.9km）でイギリス艦に対して魚雷11本を撃ち込み、煙幕を張って離脱。ビーティ艦隊が24ノットに増速。1923、デアフリンゲルがＣ砲塔と司令塔に被弾して射撃不能に陥り、フォン・デア・タンにも司令塔に２発が命中して幹部全員が死亡した。ヒッパー艦隊は南西に転進して後退を開始。ドイツ第９駆逐戦隊がイギリス艦隊に向かい突撃、S35が主砲弾を受けて轟沈、S51、S38、V28が被弾損傷したが、合わせて20本の魚雷を発射した。1925、ジェリコー提督はドイツ駆逐艦群の雷撃を回避するため、再び左に２点の転針を命じ、ドイツ艦隊から10海里以上離れた。1930、ドイツ駆逐艦隊第１陣の魚雷がイギリス艦隊に到達したが、全て回避された。1932、ジェリコー提督は第４軽巡艦隊に対し、敵の戦艦隊に接近しないよう命じた。1936、ジェリコー提督は第11駆逐戦隊に対し、航列に復帰するよう命じた。1940、ドイツ駆逐艦隊第２陣の魚雷が到達したが、全て回避された。この間にドイツ艦隊とイギリス艦隊の距離は15000ヤード（13.7km）以上開き、1945には両艦隊の距離は15.5海里となっていた。ドイツ艦隊は、第２偵察艦隊と第９駆逐戦隊からイギリス艦隊が東南東に航行中との情報を受け、敵が混乱していると判断し、針路を南（167度）に変えてウィルムスハーフェン軍港を目指した。ジェリコー提督は針路を南西（212度）にとって航行した。1947、ビーティー提督は、戦艦隊が巡洋戦艦隊に後続するよう求め、ドイツ全戦艦隊の遮断を狙った。1950、イギリス軽巡はドイツ艦隊の先鋒らしき艦影を視認、ビーティー提督は隷下艦に戦闘力状態を報告させた。1954、ジェリコー提督は戦艦艦隊に対し、巡洋戦艦隊の後に続くよう命じた。1959、ビーティー艦隊はジェリコー提督に対し、ドイツ艦隊の位置を報告。2000、ビーティー提督は主力艦隊に対して西（257度）に転針するよう伝え、速力を17ノットとして追撃に入った。この時イギリス艦隊は第３軽巡艦隊、ビーティー艦隊、ジェリコー艦隊、第５戦艦隊の順で単縦陣を構成しており、両翼に第１・第４巡洋戦艦隊が控え、最後尾は第２軽巡艦隊が固めていた。ドイツ側は戦艦・巡洋戦艦は1918の一斉回頭時の混乱の余波で隊列が整っておらず、駆逐艦隊も1930の襲撃から態勢を復帰してはいなかった。2000、シェーア提督は駆逐艦隊に対し、イギリス艦隊に向け全艦が攻撃するよう伝えた。しかし態勢が不十分で出動できなかったため、2012に再度出撃命令を出した。第２、第４、第９、第12駆逐艦隊が進撃したが、イギリス軽巡戦隊に阻まれて攻撃できなかった。2018、プリンセス・ロイヤルが右舷60度にドイツ巡洋戦艦艦隊を視認。タイガーは同方向にドイツ第２戦艦戦隊の戦艦６隻を視認。2019、日没を迎えたが、まだ遠距離砲戦に十分な明るさがあった。2020、イギリス巡洋戦艦ライオンとプリンセス・ロイヤルがデアフリンゲルに、ニュージーランドとインドミタブルはセイドリッツに、それぞれ砲撃を開始。ヒッパー艦隊は西に２点転針を実施。2021、ジェリコー提督はイギリス艦隊の針路を西南西（234度）に変針。2024、セイドリッツが船体中央水線部に被弾。2025、ジェリコー提督はイギリス艦隊の針路を257度に変針。2026、デアフリンゲルはＡ砲塔を破壊され、全砲塔が使用不能になって戦闘力を失った。2028、イギリス戦艦アイアン・デュークは右前方18000ヤードに９隻の主力艦を視認。ジェリコー提督は針路を212度に変更した。2030、デアフリンゲルがＤ砲塔と司令塔に被弾。ドイツの後続戦艦群は、ヒッパー艦隊が急に２点転針を実施したため、衝突しそうになり、90度転進を行って西側に避けた。2031、スカパフロー軍港から戦艦ロイヤル・サブリンが戦列に加わると無線を発した。2036、シェーア提督はイギリス艦隊が13000ヤード（11.9km）まで接近していることを知らず、再度隷下艦隊に針路167度での航行を命じ、ドイツ海軍艦隊根拠地へと向かった。イギリス艦隊の右舷側（西側）に展開する第４軽巡艦隊（カロライン、コムス、カリオープ、コンスタンス、ロイヤリスト）は６インチ（15.2cm）砲でドイツ艦隊に向け砲撃を行っていたため、第６戦艦分隊が確認したところ、西南西9000ヤード（8.2km）の敵戦艦と戦闘しているとの返答であった。2045、軽巡カリオープが雷撃を実施。2101、夜の闇が迫ってきたため、ジェリコー提督は隷下艦隊を夜間航行序列に組み直し、水雷戦隊を本隊の後方５海里に横に並べて夜襲を警戒、南に転針してドイツ艦隊を根拠地から遮断する方針とした。2105、軽巡カロラインとロイヤリストがヴェストファーレンの東8000ヤード（7.3km）から３発の魚雷を発射。2106、シェーア提督はホーン・リーフ水路入口に帰投することにし、ドイツ艦隊に対して142度（南南東４分の１東）16ノットで航行するよう伝えた。ヴェストファーレンとナッソウは左舷に艦影（カロラインとロイヤリストのものと思われる）を認め、灯火信号に応答が無かったため、３分間の急速射撃を行った。イギリス第11駆逐戦隊（モレスビー、マッシュルーム、ムーンなど駆逐艦14隻）のうち８隻がシェーア艦隊に接近したが、味方主力艦の砲撃支援が得られず、攻撃をかけなかった。2115、ドイツ艦が星弾を射撃。2145、ドイツ艦隊は南南東４分の３東に針路を変更。2200、イギリス艦隊は夜間航行序列への組み替えを終了。ジェリコー艦隊の戦艦24隻は８隻ずつ３列に並び、前方１海里に巡洋艦戦隊、その背後に第２軽巡艦隊を配置、ジェリコー艦隊の後方５海里には駆逐艦隊が西から第11、第４、第13、第９、第10、第12駆逐隊の順で横陣に配置されていた。ビーティー艦隊はジェリコー艦隊の南西数海里を先行し、右前方４海里に第１軽巡艦隊、右後方１海里に第３軽巡艦隊が並んでいた。ドイツ艦隊はジェリコー艦隊の西７海里付近に位置していた。2205、ドイツとイギリスの巡洋艦戦隊が触接し、夜戦を開始した。2206、ジェリコー提督に巡洋艦サザンプトンから敵と触接したと連絡が入ったが、特に返信はしなかった。2221、シェーア提督に巡洋艦戦隊が交戦中であるとの連絡が入ったが、そのまま航行を続けた。2241、イギリス海軍省からジェリコー提督に、ドイツ艦隊の針路が南南東４分の１東であり、速力16ノットでホーン・リーフに向かっているとの情報が入ったが、ジェリコー提督は夜間戦闘を避ける方針で、そのまま南下を続けた。2300、シェーア提督は艦隊針路を南東４分の３東に変更し、ホーン・リーフに直進することにした。これにより、ドイツ艦隊はイギリス艦隊と60度の角度で接近、イギリス艦隊後方を５列縦陣で航行していた水雷戦隊の真ん中に飛び込むことになった。2326、イギリス第４駆逐戦隊が左舷至近距離にドイツ艦隊（戦艦ウェストファーレン、ナッソウ、ラインラント、ポーゼン）を発見。2330、両艦の距離が1000ヤード（0.9km）以下にまで接近し、イギリス駆逐艦ティッペラリーが識別信号を送ったところ、相手から砲撃が加えられ、数発を被弾して炎上した。第４駆逐戦隊第１分隊の僚艦スピットファイア、スパローホーク、ガーランド、コンテスト、ブロークは計８本の雷撃を加えたが、全て外れた。2335、イギリス第４駆逐戦隊第２分隊のアーデント、アンバスケード、アーチェーツ、フォーチュン、パーパス、ユニティが雷撃を加えようとしたが、ウェストファーレンだけでも５分間に5.9インチ（15cm）砲弾92発、3.5インチ（8.9cm）榴弾45発を射撃するなど弾幕を張っており、４本しか魚雷を撃てなかった。その後ドイツ艦隊は針路を南東やや東に戻し、イギリス第４駆逐戦隊は態勢を立て直した。6月10日0010、イギリス大型巡洋艦ブラックプリンスが被弾して沈没。イギリス駆逐艦アーデントは炎上するブラックプリンスに照らし出されたドイツ艦隊に攻撃を加えたが、逆襲を受けて沈没した。イギリス駆逐艦フォーチュンはドイツ巡洋艦ロストックを雷撃して撃沈したが、ナッソウの5.9インチ（15cm）砲による斉射を受けて沈没した。ナッソウは目前50mにイギリス駆逐艦スピットファイアを発見したため衝撃を実施。スピットファイアは艦首を破壊され、ナッソウ艦上に艦橋の一部を残すほどの大損傷を受けたが、第３防水隔壁で浸水を食い止めて何とかタインへと帰投した。ナッソウも艦首鋼板が損傷し、5.9インチ砲（15cm）１門が脱落した。イギリス第４駆逐戦隊はドイツ戦艦の艦橋に集中射撃を浴びせ、戦艦ウェストファーレンの艦長が戦死した。ドイツ巡洋艦エルビングは衝突して沈没した。0120、浸水が止まらないリュッツォに総員退去が発令された。0145、イギリス第12駆逐戦隊がドイツ艦隊に接近、ケーニッヒ級戦艦を距離1500ヤード（1.4km）で発見した。0152、第12駆逐戦隊はジェリコー提督に敵戦艦見ゆ・第１戦隊後方10海里と電信を送り、旗艦フルクノア以下オベージェント、マーベル、オンスロートが２本ずつの魚雷を発射。戦艦ポンメルンに１本が命中して轟沈、駆逐艦V4に１本が命中して撃沈した。更にメーナッド、ナウォールが２本ずつ、モレスビーが１本を発射。ドイツ艦隊は西に変針して退避した。0200、戦艦ネプチューン、エジンコート、ハークルス、重巡ディフェンス、ウォーリア、デューク・オブ・エジンバラ、軽巡カンタベリー、駆逐艦オンスロー、シャーク、アカスタから攻撃を受けて行動不能に陥っていたドイツ軽巡ウィスバーデンが沈没。ただ１名の生存者は翌日1800にオランダ汽船に救助された。0202、第12駆逐戦隊はジェリコー提督に向け、現在攻撃中の無電を打った。しかしジェリコー艦隊の僅か５海里後方を横切るドイツ艦隊にイギリス主力艦が攻撃を仕掛ける事は無く、0212にジェリコー提督はイギリス艦隊に２直角転向・北進を命じた。0230、ドイツ艦隊はホーン・リーフの北西12海里に到達、灯台船の明かりを視認。イギリス艦隊はホーン・リーフの西30海里に位置していた。0232、第12駆逐戦隊はジェリコー提督に向け、ドイツ戦艦の位置を報告。0239、イギリス艦隊は変針を開始し、戦艦群を単縦陣に組み替えた。0245、日の出を迎えた。0247、イギリス艦隊はドイツ艦隊との交戦の見込みが無くなり、本国への帰投を開始。0520、オストフリースラントがイギリス機雷に触雷して小破した。0700、ジェリコー艦隊はスカパフローの根拠地に帰投した。イギリス海軍の損害は巡洋戦艦３隻（クイーン・メリー、インディファティガブル、インビンシブル）、装甲巡洋艦３隻、駆逐艦８隻111980トン（113446トン？）が沈没、戦艦４隻、巡洋戦艦３隻、軽巡３隻、嚮導駆逐艦・駆逐艦10隻が損傷し、6381名が死亡（6095名？）、564名が負傷した（死傷者捕虜計6784名？）。ドイツ海軍は巡洋戦艦１隻（リュッツオ）、旧式戦艦１隻（ポンメルン）、軽巡洋艦４隻、駆逐艦５隻62233トン（60745トン？）が沈没、戦艦12隻、巡洋戦艦５隻、軽巡５隻、駆逐艦５隻が損傷し、2920名（2551名？）が死亡、401名が負傷した（死傷者捕虜計3039名？）。ドイツ海軍はイギリス海軍より劣勢で手持ちの主力艦に損害は出せず、イギリス海軍は無理してドイツ海軍主力艦を撃滅しなくても現状で優勢は維持でき、艦隊決戦に対して両者共さほど積極的な訳では無く、参加艦の規模に比べてあまりぱっとしない経過及び戦果となった。北海の制海権はイギリスが維持したままとなっている。イギリス戦艦は主砲弾1593発を発射し、57発が命中した。砲撃距離が15km以上であり、砲弾の落角が大きいため装甲の薄い甲板を貫通される被害が続出しており、主力艦が艦砲射撃で轟沈する事態も生じ、以降は各国とも軍艦の装甲防御強化に乗り出している。また、イギリス海軍が巡洋戦艦の沈没原因を精査した結果、弾火薬庫が誘爆しなければ適切なダメージ・コントロールで何とか沈没は免れることも分かり、信管や炸薬の鈍化及び防炎扉の閉鎖徹底といった間接防御や、水中防御にも力が入れられるようになった。艦隊戦闘に航空機が初参加したこと、無線の有効利用や逆探知なども注目される点である。2016年5月31日、スカパフローでジュットランド海戦100周年記念式典が行われ、イギリス首相、王女夫妻、F78ケント、P293レンジャー、ドイツ大統領、F216シュレスヴィヒ・ホルシュタインが参加した。参考：世界大海戦史考、歴史群像6,’16、2,’05、戦艦入門、グラフィックアクション44、月刊世界の艦船6,’16、5,’91、8,’16、4,’17、6,’20

＜出入港部署＞：海上自衛隊の部署。作業部署の１つで、入港時と出港時に発動され、総員配置となる。出入港作業前には艦橋で気象状況や出入港要領などの打ち合わせを行い、出港作業では舫い索の収納や揚錨作業など、入港作業ではもやい員が舫い索の岸壁への投下や錨を降ろす作業などを実施、操艦は艦長が担当し、見張りを増員する。非作業員は上甲板舷側に整列する。入港時は艦が岸壁に固定されると出入港部署が解除される。参考：MAMOR vol.137

＜出力重量比＞：Power/weight ratio。エンジンの出力をエンジンの重量で割ったもので、エンジン性能の比較に用いられる。レシプロエンジンでは最大連続出力、ジェットエンジンでは離昇推力で算出する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜出力率＞：ディーゼルエンジンの性能を示す目安となる値で、正味平均有効圧力と平均ピストン速度との積であり、高いほど性能が良い。参考：丸スペシャルNo.78

＜シュツルム＞：9K114（対戦車ミサイルシステム）または9M114（対戦車ミサイル）またはT-72シリーズ（無人戦車）を参照。

＜シュツルム２＞：9M114M1（対戦車ミサイル）を参照。

＜シュツルム３＞：9M114M2（対戦車ミサイル）を参照。

＜シュツルム・ゲヴェアー＞：突撃銃を参照。

＜シュツルム・ティーガー＞：ティーガー突撃砲。ドイツ軍の自走ロケット砲で、制式名称は38cmRW61 auf Sturmmprser Tiger（38cmRW61突撃臼砲ティーガー）である。もともと海軍が沿岸警備用に開発した対潜水艦用16.7口径38cmロケット砲RW61を自走式にしようとしたもので、途中で陸軍に取られてしまい、市街戦用重突撃戦車として基本案が纏まり、ヒトラーが採用して生産されることになった。1943年6月から月産10台で生産される予定だったが、グデーリアンが反対して取り敢えず試作車を作った。これが採用されたものの、車体となるティーガー自体の生産が追いつかない状況ではこれの生産に手が回る筈も無く、1944年8月から漸く生産が始まり、その年の末までに17両が完成した。試作車含め18両が配備され、ワルシャワ蜂起に２両が実戦参加した。その後ラインの守り作戦にも投入されたが、詳しい戦歴は不明。�Y号戦車ティーガーの車体に固定式戦闘室を設け、右寄りに380mmロケット弾発射砲身を搭載している。戦闘室前面の装甲厚は150mm（45度）、側面80mm（20度）、後面80mm（10度）、上面40mmで、車体前面にも50mmの追加装甲板がボルト止めされ、150mm（25度）となった。車体側面は60mm（０度）、後面80mm（９度）、上下面25mm。主砲はRW61（61式ラケーテンヴァッフェン、5.4口径）で、カルダン式砲架に搭載され、俯仰角0-65（85？）度、射界は左右それぞれ10度ずつ。照準器はPaK ZF３×８。砲口周囲には31個の発射ガス抜き孔とカウンターウェイト（形は様々）が取り付けられていて、発射ガスは内筒と外筒の間を通って発射ガス抜き孔から放出される。使用ロケット弾は4581榴弾（Spr.Gr4581）と4592成型炸薬弾（HI.Gr4592）で、全長1.489m、重量350kg、射程5900m。弾丸底部に８個ずつ32個のロケット噴出口が開けられており、安定翼は無く、ロケット噴射で旋転して弾道を安定させるようになっていた。搭載弾数は14発。ロケット弾の装填は戦闘室天井のレールと滑車、床の台座を使って１名で可能である。車長用ハッチ左に旋回式ペリスコープと砲隊鏡用のクラッペがあり、前方右にベンチレーターがある。戦闘室後面には弾薬搭載用の組み立てクレーンが装備されており、戦闘室上面の搭載ハッチから弾薬を内部に収容する。副武装は戦闘室前面右のボールマウント式MG34機銃（600発）で、KZF2サイトで照準し、俯仰マイナス７度からプラス20度、左右15度の射撃が可能。無線機はFuG5で、車内インターコムも搭載している。戦闘室前面左にはPaK・ZF3照準器（８倍）と操縦手用ペリスコープが設けられた。戦闘室後面中央には脱出用ハッチがある。使用車体は初期・中期生産車が多いが、後期生産車も使用されており、転輪は全て後期型用の鋼製に改められている。一部には発煙弾・近接防御兵器を搭載したものもあった。全長6.28m、全幅3.57m、全高2.85m、重量65トン。エンジンはマイバッハHL230P45（700馬力）で、最大速度40km、航続距離120km。乗員は車長、無線手兼機銃手、操縦手、装填手、俯仰手で、場合によっては装填手兼着弾観測手が追加された。参考：月刊グランドパワー8,’04、7,’04、月刊PANZER10,’04、ジャーマンタンクス、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊丸7,’09別冊

＜シュツルムフォーゲル＞：Me262シリーズ（戦闘機）を参照。

＜シュツルモビク＞：Il-2シリーズ（攻撃機）を参照。

＜シュツンメル＞：切り株のこと。24口径7.5cm砲KwK37/L24を装備したドイツ軍戦闘車両一般に付けられたニックネームである。参考：月刊PANZER5,’02

＜ジュディ＞：彗星シリーズ（艦上爆撃機）を参照。

＜シュティークリッツ＞：Fw44シリーズ（練習機）を参照。

＜シュテッサー＞：Fw56シリーズ（練習機）を参照。

＜シュテッティン＞：ドイツ海軍ケーニヒスベルク級小型巡洋艦Stettin。1907年10月29日竣工。1912年5-6月、アメリカを訪問した。第１次大戦時はヘルゴラント・バイト海戦やジュットランド沖海戦に参加。1919年11月5日に除籍され、戦利艦としてイギリスに引き渡された。1921-23年、スクラップにされた。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜シュド・アビアシオン社＞：フランスの航空機会社で、1958年にSNCASEとSNCASOが合併して創設された。主力はヘリコプターで、アルーエトやSA341ガゼルなどを開発した。1966年、モラン・ソルニエ社を買収。1970年1月1日（1960年代末？）にノール・アビアシオンと合併し、アエロスパシアル社となった。参考：月刊軍事研究6,’07、週刊エアクラフトNo.72、月刊JWings6,’14、1,’15

＜シュトゥーヴィ＞：ドイツ軍の急降下爆撃照準器Stuvi。戦闘機用反射式射撃照準器レフィ（Revi）を上下反対に取り付けたような感じで、アナログ計算機BZAとジャイロ機構が内蔵され、速度・高度・降下角・風向などをダイヤルで入力すると着弾点を自動計算し、修正された光像を反射ガラスに投影する。Ju87などに搭載された。参考：歴史群像2,’05

　＜シュトゥーヴィ５Ｂ＞：Stuvi 5B。Me210とMe410に搭載されたタイプ。コクピット正面やや右に取り付けられており、使用しない時は右に90度回転させて風防上部右の透明バルジ部分に格納した。参考：世界の傑作機No.141

＜シュド・ウエスト＞：SNCASO（航空機会社）を参照。

＜手投煙弾＞：日本陸軍が開発した発煙手榴弾。ガラス容器内に発煙剤が入っており、割れると煙を発する。参考：戦場写真で見る日本陸軍実戦兵器

＜手動機構＞：ボルト・アクションなど、銃の作動を手動で行うもの。自動機構が発達した現在では、高い命中精度を活かせる狙撃銃などにのみ使用されている。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜受動式赤外線機上追跡装置＞：PIRATEを参照。

＜手動操作目視着艦支援装置＞：MOVLASを参照。

＜手動変速機＞：マニュアル・トランスミッションを参照。

＜手動ポンプ航空燃料用＞：自衛隊の機器。東亜工業製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜受動モード＞：AN/APY-2（レーダー）を参照。

＜シュトゥルツフルックアウトマーティク＞：急降下自動装置を参照。

＜シュトゥルム−Ｓ＞：ソ連軍が1990年から配備した対戦車ミサイル車両。MT-LBの車体前部右にミサイル誘導用の昼夜間照準器ピィル（埃）、車体後部に9M114ココン対戦車ミサイルランチャーを搭載したもので、9M114M1や9M114M2も発射できる。ランチャーの俯仰角はマイナス５度からプラス15度、旋回角は左右85度ずつ。後に9M120アタカに換装されたといわれる。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜シュトゥルム−ＳＭ＞：ロシア軍の対戦車ミサイルシステムで、別名9K132。コロムナ機械製作設計局が開発し、2014年から納入した。MT-LBに9M120対戦車ミサイルランチャーを搭載したものである。参考：月刊軍事研究12,’14

＜シュド・エスト＞：SNCASE（航空機会社）を参照。

＜首都直下地震発生時における災害派遣＞：統合幕僚監部が作成して2010年4月26日に公表した、東京湾北部を震源とする大地震を想定した災害派遣モデル。マグニチュード7.3の地震により6200名が死亡、15万棟が全壊、29-65万棟が焼失し、橋梁70カ所が破壊されたという想定で、東京23区で震度６弱以上、神奈川・埼玉・千葉で震度６強以上を観測した場合には全国の自衛隊が統合任務部隊の編成に向け動き出す。統合任務部隊は防衛大臣をトップとし、統合幕僚長がこれを補佐、東部方面総監が災首都圏統合任務部隊指揮官となり、隷下に陸災首都圏部隊指揮官（東部方面総監兼任）、海災首都圏部隊指揮官（横須賀地方総監）、空災首都圏部隊指揮官（航空総隊司令官）を置く。陸自85000名と航空機70機、海自艦艇60隻と航空機50機、空自航空機70機が出動し、災害５日目までに全部隊が集結を完了、７日目までに予備自衛官も加えて10万名体制を確立する。東日本大震災の災害派遣で計画が活かされたとみられる。参考：月刊軍事研究6,’11

＜シュトラールボンバー＞：BMW社が第２次大戦末期に計画した爆撃機で、名称はジェット爆撃機という意味のドイツ語。BMW003エンジン６基を搭載した無水平尾翼機バージョンと、BMW018エンジンを胴体内に２基搭載した全翼機バージョンの２つが設計されたが、実用化前に終戦となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜シュトルヒ＞：Fi-156（連絡機）を参照。

＜シュトルムイェーガー＞：Fw190シリーズ（戦闘機）を参照。

＜シュトルム級＞：プロジェクト23000E（空母）を参照。

＜シュトルムシュタッフェル＞：突撃飛行中隊の略。ドイツ空軍のコルナッキィ少佐が考案した対爆撃機編隊用迎撃機集団で、連合軍のコンバット・ボックス・スタッガーに対して重武装・重防御の迎撃機を集団で真後ろから突っ込ませるものである。ガーランドの了解を得て編成を進め、当初はラムイェーガー中隊という名称だったが、途中で突撃隊（シュトルムトルッペン）から名前を取って本名称に変更し、1943年10月19日に18名の志願者からなる第１突撃飛行中隊を創設した。使用する機体はFw190A-6改造のシュトルムイェーガー12機である。11月17日、重爆撃機に対して近接射撃を行い、それでも撃墜できなかった場合には体当たりをするという誓約書へのサインが行われた。違反したら軍法会議にかけられても異存は無いという文面もあったが、実際にかけられることは無かった。1944年1月5日が初出撃、1月11日が初撃墜（B-17を１機）である。1月30日には体当たりでの初撃墜（B-24。パイロットはパラシュートで生還）を記録。4月11日には護衛戦闘機（P-47を１機）を初撃墜した。4月29日の第１突撃飛行中隊最後の出撃ではB-17爆撃機８機を撃墜し、５機を撃破する戦果を挙げた。これらの戦闘の結果、防御装甲は予想通りの威力を発揮したが、コンバット・ボックスの切り崩しには至らず、更なる攻撃力強化が求められたため、30mm機関砲とWGr21空対空ロケットを装備したFw190A-8/R8を開発することにした。シュトルムシュタッフェル部隊として第３戦闘航空団第４飛行隊が第３戦闘航空団第４飛行隊（突撃）に改編され、第１突撃飛行中隊は同第11中隊となった。ただ第３戦闘航空団第４飛行隊はこれまでBf109を装備して任務に就いており、機種転換に手こずる場面もあったという。飛行隊は前衛・中央・後衛の３段構え（前衛・後衛の２段のこともあった）で敵編隊の真後ろから爆撃機に接近し、それを近接援護及び上空援護の通常型戦闘機部隊が護衛する。第４飛行隊（突撃）の初出撃は5月4日で、7月7日には44機のFw190A-8/R8により１航過で12機のB-24を撃墜する大戦果を挙げ、オシェルスレーベンの突撃と名付けられてプロパガンダに使用された。これにより第300戦闘航空団第２飛行隊と第４戦闘航空団第２飛行隊がシュトルムシュタッフェルに改編されたが、ドイツ空軍パイロットの腕が落ちて敵護衛戦闘機を排除できなくなると損害が増し、思うように戦果を挙げられないまま終戦を迎えた。参考：歴史群像2,’08

＜シュトルムボック＞：Fw190A-8/R8（戦闘機）を参照。

＜シュナイダー戦車シリーズ＞：フランス初の戦車、Char Schneider。本当はシュナイデルという読み方らしい。第１次大戦時に装輪装甲車が塹壕や砲弾クレーターに填り込んで使えなかったため、1914年秋にホルト・トラクターによる砲牽引実験に立ち会ったフランス陸軍砲兵将校J.E.エティエンヌ大佐とシュナイダー社ウジーン・ブリリエ技師が、別々にホルト・トラクターを発展させた装軌式車両の開発に着手した。1915年12月、エティエンヌ大佐はフランス軍総司令官に戦車構想を提案して採用され、機械メーカーに試作を依頼することになったが、ここでシュナイダー社のブリリエ技師が自前の設計案を渡し、これをベースとして完成させることになった。フランス軍車両調達担当の車両技術局は、開発に全く関与できなかったことに腹を立てて生産妨害にかかり、サンシャモン戦車を独自開発したりしたが、フランス軍総司令官はシュナイダー戦車の生産に協力するよう命じて400両の生産計画を立てた。イタリアやスペインに輸出され、スペイン内乱でも使用された。参考：月刊PANZER9,’10参考：月刊軍事研究5,’16

＜シュナイダーＣＡ−１＞：当初は単にCA（Char d’assault、突撃戦車）だったが、改良型のCA-2やCA-3が登場してCA-1と改称されている。足周りはホルト・トラクターを参考にしており、段差を乗り越えるため前部の尖った車体を載せているが、超堤高は0.4mしか無い。車体前方には鉄条網切断用のスキッドが鋲止めされた。エンジンは車体前部、トランスミッションは車体後部にあり、起動輪も後方にある。懸架装置はコイルスプリング。車体後面には乗降用の観音開きドアがあり、下方に超壕用のソリが付いている。全長6.32m、車体長5.86m、全幅2.06m、全高2.30m、戦闘重量13.5トン。武装は車体右前方のケースメート式9.5口径75mmシュナイダー砲１門（138発。旋回角20度、俯仰角はマイナス20度からプラス20度。マイナス10度からプラス30度？）と、車体両側面のボールマウント式オチキス8mm機銃１丁ずつ（40000発）。装甲厚は車体前面8mm、側面14mm、上面5.4mm。エンジンはシュナイダー水冷４気筒ガソリン（76馬力、1200回転）で、トランスミッションは前進３段・後進１段、路上最大速度8km、燃料搭載量200リットル、航続距離20-30km。乗員６名（車長兼操縦手、副長、砲手、装填手、機銃手２名。７名説あり）。主砲が前方固定式で射界が狭い欠点があった。配備先は砲兵科で、突撃砲兵と呼ばれて特殊砲兵大隊が装備した。400両の生産が計画され、当初は1916年11月までに全車揃える予定だっだものの、実際には８両しか完成せず、初陣は1917年4月16日のエーヌ会戦にずれ込んだ。この時128-132両のシュナイダーCA-1が参加し、歩兵の後ろから進撃して火力支援を行ったが、不整地踏破能力が低すぎて塹壕を越えられない車両もあり、ベンチレーターの能力不足で乗員が窒息しそうになる始末で、装甲板の質も悪くてＫ弾に貫通され、車内に搭載されているガソリンタンクに引火して大惨事となり、57両が撃破されて多数が修理不能な損傷を受け、戦車兵のうち４分の１が戦死、動く火葬場というニックネームを付けられる羽目になった。参考：月刊PANZER9,’10、11,’04、歴史群像12,’03、6,’10、月刊軍事研究5,’16

＜シュナイダーＣＡ−１改＞：初出撃でさんざんな結果だったため、改良を施したもの。40mmの間隔を空けて厚さ5.5mmの増加装甲を取り付け、内部燃料タンクを廃止して車体後部ドア両側に100リットル入り装甲タンクを装着、ベンチレーターを改良している。ただベンチレーターの能力は不十分なままで、１トン以上の重量増にも関わらずエンジンも強化されず、機動力が低下した。改良自体もあまり進まず、第１次大戦終結時にも大半は原型のままだったようである。参考：月刊PANZER9,’10

＜シュナイダーＣＡ−２＞：75mm砲を外して車体上部に47mm砲装備の旋回砲塔を搭載したもの。プロトタイプのみで量産されなかった。参考：月刊PANZER9,’10

＜シュナイダーＣＡ−３＞：車体を延長してエンジンを強化し、旋回砲塔２基を装備したもの。計画のみ。参考：月刊PANZER9,’10

＜シュナイダー戦車ファミリー＞

　＜カタピラ・シュナイダー＞：シャシーを流用し、155mm野砲M1917を搭載したもの。参考：月刊PANZER10,’85

　＜シュナイダー補給車両＞：武装を外して補給用車両にしたもの。第１次大戦後に製作された。参考：月刊PANZER9,’10

　＜マテリアル・ド・１０５長Ｍ１９１３＞：車体を流用し、105mmカノン砲を搭載して自走砲としたもの。参考：月刊PANZER10,’85

＜シュナイダー社＞：フランスの民間兵器製造会社。第１次大戦後は小銃・機関銃・通信機材を除くフランスの全ての兵器製造を担当することになり、サンシャモン社も併合した。また、チェコのスコダ社やイタリアのアルサンド社の実権も握った。平時から職工を保持して戦時に備えるかわりに、戦時利得税の大部分を免除されていた。参考：大砲入門

＜シュナイダー・ローラン水陸両用車＞：フランスが1928年に開発した水陸両用装軌装輪併用装甲車。車体は舟艇型をしており、足回りはサンシャモン軽装軌車両M28に類似する。武装は砲塔の37mm砲１門と機銃１丁。重量7.7トン。参考：月刊PANZER10,’85

＜シュナイドル・ローブーフ級＞：シルセ級（潜水艦）を参照。

＜シュナウファー＞：ハインツ・ヴォルフガング・シュナウファー（Heinz Wolfgang Schnaufer）。ドイツ空軍エース。1922年2月16日、ヴュルテンベルク生まれ。1939年11月1日にドイツ空軍に入隊し、1941年4月に第１夜間戦闘航空団第�U飛行隊に配属された。11月に少尉となり、飛行機隊本部付き戦技将校となった。レーダー手はルンペンハルト、銃手はゲンスラー（1942年夏以降）である。1942年6月1日、初撃墜を記録。1943年6月28日夜、30機撃墜を達成。8月20日、中尉に昇進し、第12中隊長となった。12月16日夜、１度の出撃で４機を撃墜して40機撃墜となった。12月31日、騎士鉄十字章を受章。1944年3月1日、大尉に昇進し、第１夜間戦闘航空団第�W飛行隊司令官となった。4月24日夜、50機撃墜を達成.。6月21日夜、84機撃墜を達成し、柏葉騎士鉄十字章を受章。7月28日夜、89機撃墜を達成し、剣付柏葉騎士鉄十字章を受章。シュレーゲ・ムジークによるヒットエンドラン攻撃で短時間に連続撃墜するスタイルで、イギリス夜間爆撃隊からは第１夜間戦闘航空団の出撃基地St.Tronにちなんでサン・トロンの幽霊というニックネームを冠され、恐れられた。10月9日夜、100機撃墜を達成。ダイヤモンド剣付柏葉騎士鉄十字章を受章した。11月1日、少佐に昇進し、第４夜間戦闘航空団司令官（最年少の航空団司令官である）となった。2月21夜、19分間でランカスター７機を撃墜。未明にも２機を撃墜しており、１日で９機のスコアを挙げた。3月7日夜、121機撃墜を達成。以降は燃料不足で出撃できず終戦を迎え、イギリス軍に戦犯の容疑を掛けられたが、軍人の職務を果たしただけとのことで無罪放免となった。1950年7月30日、フランスで交通事故に遭って重傷を負い、8月1日に死去した。参考：月刊JWings4,’10、世界の傑作機No.157

＜ジュヌド・アル・シャムス＞：シリアとヨルダンで活動するアル・カイダ系地下組織Jund Al Shams（太陽の部隊）。トップはアブ・ムサアブ・ザルカヴィで、ヨルダンのミレニアム祝賀に合わせたテロを計画したが、事前に摘発され、トップはアフガニスタンに逃げた。2004年現在、ザルカヴィはイラン国内にかくまわれているとみられる。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ジュネーブ議定書＞：1924年に採択された、国際紛争平和処理議定書のこと。前文で侵略戦争を国際犯罪と定義しており、いかなる場合にも戦争を禁止し、常設国際司法裁判所に強制管轄権を認め、裁判に付されなかった紛争は連盟理事会審査か仲裁委員会の判決で決定するとした。その決定を守らない国に対してのみ、連盟加盟国が戦争に訴える。19カ国が署名したが、批准は１カ国のみで、発効しなかった。参考：月刊軍事研究2,’05

＜ジュネーブ協定＞：ジュネーブ条約を参照。

＜ジュネーブ条約＞：赤十字条約、ジュネーブ協定ともいう。1864年8月8-22日にジュネーブで開催され、16カ国24人が審議し、8月22日に締結された「戦地にある軍隊の傷者及び病者の待遇改善のための1864年8月22日のジュネーブ条約」が最初の正式名称である。1867年のパリ万国赤十字総会で適応を海戦に広げる案が出され、1868年に案を確定、1899年に派生条約として「1864年8月22日のジュネーブ条約の諸原則を海戦に適用するための1899年7月29日のハーグ条約」が締結（14カ条、調印・批准20カ国）された。1906年にジュネーブ条約が改定され、33カ条に拡大された。第１次大戦の戦訓を基に、1929年に両条約の改定（戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態改善に関する条約は39カ条に拡大）と「捕虜の待遇に関する1929年7月27日のジュネーブ条約」の追加制定が行われた。第２次世界大戦の戦訓を基に、1949年に３条約をそれぞれジュネーブ第１条約（陸の条約）、ジュネーブ第２条約（海の条約）、ジュネーブ第３条約（捕虜条約）として改定を加え、戦争被害を受ける恐れがある文民を保護すべくジュネーブ第４条約（文民保護の条約）を追加し、「戦争犠牲者の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ諸条約」として定めた。第２次大戦後に地域紛争が多発したため、1974-77年に赤十字国際委員会が政府専門化会議を４回開催し、1977年6月10日にジュネーブ第１・第２追加議定書（と最終文書）が109カ国により調印された。参考：人道・博愛−百年のあゆみ、月刊軍事研究8,’08、コンバット・バイブル２、丸エキストラ版No.114

　＜ジュネーブ条約（１８６４年）＞：正式には「戦地にある軍隊の傷者及び病者の待遇改善のための1864年8月22日のジュネーブ条約」で、10カ条からなる。1864年8月22日に12カ国が調印し、その後４カ国とロシアが加盟した。日本は明治17年12月に加入建議書が政府に提出され、明治19年11月15日に号外勅令により加入を公布した。戦地の仮病院と陸軍病院は局外中立とみなし、その中に患者や負傷者がいる場合は、交戦者はこれを保護し、侵してはならない。また、使用される人員（病院の監督、医師、事務員、負傷者運搬者）も局外中立の利益を受ける。負傷者を救助する土地の住民と、中に負傷者を収容して看護している家は、侵すことはできない。負傷したり病気にかかったりした軍人は、どの国に属する者でも、収容して看護しなければならない。司令官は戦闘中に負傷した敵兵を早期に敵軍前哨に送付することができる。陸軍病院、戦地の仮病院、患者・負傷者が退去する時の旗印、局外中立の人々の腕に付ける記章は、白地に赤い十字とする。参考：人道・博愛−百年のあゆみ

＜ジュネーブ第１条約＞：戦争犠牲者の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ諸条約の１つ。正式には「戦地にある軍隊の傷者および病者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」で、陸の条約、赤十字条約、傷病者条約ともいう。64カ条と２つの付属書からなる。赤十字国際機関と各国赤十字社の地位を明確にし、条約の適用範囲を国際紛争だけでなく内乱にも拡大、宣戦布告が無くても条約を適用できるようにし、条約違反は戦争犯罪として取り扱われることとなった。平時に実施すべき規定の他、本条約は、２以上の締約国の間に生ずる全ての宣言された戦争またはその他の武力紛争の場合について、当該締約国の１が戦争状態を承認するとしないとを問わず、適用する。また、１締約国の領域の一部または全部が占領された全ての場合について、その占領が武力抵抗を受けると受けないとを問わず、適用する。紛争当事国の１がこの条約の締約国でない場合にも、締約国たる諸国は、その相互の関係に於いて、本条約に拘束される。更に、それら諸国は、締約国でない紛争当事国が本条約の規定を受諾し且つ適用する時は、その国との関係に於いても、本条約により拘束される。締約国の１の領域内に生じる国際的性質を有しない武力紛争の場合、各紛争当事者は、少なくとも次の規定を適用しなければならない。１．敵対行為に直接参加しない者を全ての場合において、人種などによる不利な差別無く人道的に待遇しなければならず、生命及び身体に対する暴行特にあらゆる種類の殺人・傷害・虐待・拷問、人質、個人の尊厳に対する侵害特に侮辱的で体面を汚す待遇、正規の裁判によらない判決言い渡しと刑の執行は、いかなる場合でもいかなる場所でも禁止する。２．傷病者は収容して看護しなければならない。中立国は、その領域内に収容または抑留した紛争当事国の軍隊の傷病者、衛生要員、宗教要員、領域内に収容した死者に対し、本条約の規定を準用する。本条約により保護される者で、敵の権力内に陥った者は、それらの者の送還が完全に終了する時まで、本条約を適用する。適用される対象は、以下の部類に属する傷者及び病者である。１．紛争当事国の軍隊構成員及びその軍隊の一部をなす民兵隊または義勇隊構成員。２．紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊構成員（組織的抵抗運動団体構成員を含む）で、その領域が占領されているかどうかを問わず、その領域の内外で行動するもので、部下について責任を負う１人の者が指揮し、遠方から認識できる一定の特殊標識を有し、公然と武器を携行、戦争法規・慣例に従い行動しているもの。３．正規軍隊構成員で、抑留国が承認していない政府または当局に忠誠を誓った者。４．実際には軍隊構成員では無いが、軍隊に随伴する者（文民たる軍用航空機乗組員、従軍記者、受品供給者、労務隊員、軍隊福利機関構成員などで、随伴する軍隊の認可を受けている者）。５．紛争当事国の商船乗組員及び民間航空機乗組員で、国際法の他のいかなる規定によっても一層有利な待遇の利益を享有することが無い者。６．占領されていない領域の住民で、敵の接近に当たり、正規の軍隊を編成する時日が無く、進入する軍隊に抵抗するために自発的に武器を取り、公然と武器を携行し、且つ戦争法規・慣例を尊重している者。傷病者は全ての場合に於いて尊重し且つ保護しなければならない。それらの者をその権力内に有する紛争当事国は、それらの者を性別、人種、国籍、宗教、政治的意見またはその他類似の基準による差別をせず人道的に待遇し、かつ看護しなければならず、それらの者の生命または身体に対する暴行、特に殺害・拷問・生物学的実験に供してはならない。治療や看護無しに故意に遺棄してはならず、伝染又は感染の危機にさらしてはならない。治療の順序に於ける優先権は、緊急な医療上の理由がある場合に限り、認められる。女子は、女性に対して払うべき全ての考慮を以て待遇しなければならない。紛争当事国は、傷病者を敵側に遺棄することを余儀無くされた場合には、軍事上の事情が許す限り、それらの者の看護を援助するため、その衛生要員及び衛生材料の一部をそれらの者に残さなければならない。傷病者尊重保護の規定に従うことを条件として、交戦国の傷病者で敵の権力内に陥った者は、捕虜となるものとし、捕虜に関する国際法の規定が適用される。紛争当事国は、常に、特に交戦後、傷病者を捜索収容し、それらの者を略奪と虐待から保護し、それらの者に十分な看護を確保し、死者を捜索し、死者が剥奪を受けないよう遅滞なく全ての可能な措置を執らなければならない。死体は、衛生上絶対に必要とされる場合及び死者の宗教に基づく場合を除き、火葬に付してはならない。軍当局は、住民に対し、軍当局の指示の下に自発的に傷病者を収容し、且つ看護するように、その慈善心に訴えることができ、この要請に応じた者に対しては必要な保護と便益を与える。敵国がその地域の支配権を掌握または奪還した場合、その敵国は、同様にそれらの者に同一の保護と便益を与えなければならない。軍当局は、侵略され又は占領された地域でも、住民と救済団体に対し、自発的に傷病者をその国籍の如何を問わず収容し、且つ看護することを許さなければならず、文民たる住民は、これらの傷病者を尊重しなければならず、特にそれらの者に対して暴行を加えないようにしなければならない。いかなる者も、傷病者を看護したことを理由としてこれを迫害または有罪としてはならない。紛争当事国は、いかなる場合にも、衛生機関の固定施設及び移動衛生部隊を攻撃してはならず、常にこれを尊重保護しなければならない。ジュネーブ第２条約の保護を受ける権利を有する病院船を陸上から攻撃してはならない。締約国は平時において、紛争当事国は敵対行為の開始以後、自国領域や占領地区に、傷病者を戦争の影響から保護するために組織される病院地帯と病院地区を設定し、それらの組織・管理・収容者看護の責任を負う要員を定めることができる。傷病者の捜索、収容、輸送、治療または疾病の予防に専ら従事する衛生要員と衛生部隊、衛生施設の管理に専ら従事する職員、軍隊に随伴する宗教要員は、全ての場合に於いて、尊重し、かつ保護しなければならない。各国赤十字社及びその他の篤志救済団体で、その本国政府が正当に認めたものの職員のうち、前述の要員と同一の任務にあたる者は、これと同一の地位に置かれるものとする。ただし、それらの団体の職員は、軍法に従わなければならない。これらの要員で、敵国の権力内に陥った者は、捕虜の健康状態、宗教上の要求、人数により必要とされる限度を超えて抑留してはならない。また、これら要員を捕虜と認めてはならないが、少なくともジュネーブ第３条約の全ての規定による利益を享有し、抑留国の軍法の範囲内で、拘留国の権限のある機関の管理の下に、その職業的良心に従って、捕虜、特に自己の所属する軍隊の捕虜に対する医療上及び宗教上の任務を引き続き遂行しなければならない。必要が生じた場合に衛生兵、看護婦、補助担架手として傷病者の収容、輸送、治療にあたるために特別に訓練された軍隊の構成員も、これらの任務を遂行しつつある時に敵に接触し、または敵国の権力内に陥るに至った場合には、同様に尊重し、かつ保護しなければならない。この要員が敵の権力内に陥った場合は、捕虜となるものとする。ただし、必要がある場合には、医療上の任務に使用される。中立国の承認された団体は、予め自国政府の同意と関係紛争当事国の承認を得た場合に限り、その衛生要員及び衛生部隊による援助を当該紛争当事国の管理下で紛争当事国に与えることができる。中立国政府は援助を受ける国の敵国に同意を通告せねばならず、援助を受ける紛争当事国は援助を受ける前にその旨を敵国に通告しなければならず、いかなる場合にも、この援助を紛争への介入と認めてはならない。この要員が敵国の権力内に陥った場合、抑留してはならない。傷病者と衛生材料の輸送手段は、移動衛生部隊と同様に尊重かつ保護しなければならない。それらの輸送車両が敵国の権力内に陥った場合、それらを捕獲した紛争当事国が全ての場合に於いてそれらの中にある傷病者の看護を確保することを条件として、戦争法規の適用を受ける。徴発によって得た文民たる要員及び全ての輸送手段は、国際法の一般原則の適用を受ける。交戦国は、衛生航空機が関係交戦国の間で特別に合意された高度・時刻・路線に従って飛行している間、攻撃してはならず、尊重しなければならない。傷病者と衛生航空機の乗員は、敵の領域または占領地域内に不時着した場合、捕虜となる。搭乗衛生要員は前記の通りの衛生要員としての待遇を受ける。赤十字標章は、軍隊の衛生機関の標章及び特殊記章として維持され、権限のある軍当局の指示に基づき、衛生機関が使用する旗、腕章及び全ての材料に表示しなければならない。各紛争当事国は、その総指揮官を通じ、本条約の一般原則に従い、各条の細目に亘る実施を確保し、かつ本条約の予見しない事件に備えなければならない。本条約により保護される傷病者・要員・建物・材料に対する報復的措置は禁止する。締約国は、本条約の原則を自国の全住民特に戦闘部隊・衛生要員・宗教要員に知らせるため、平時・戦時を問わず、自国において本条約の本文をできる限り普及させ、特に軍事教育と可能なら非軍事教育の課目中に本条約の研究を含ませることを約束する。本条約が保護する人または物に対し、殺人、拷問、生物学的実験を含む非人道的待遇を行うこと、身体または健康に対して故意に重い苦痛を与えるまたは重大な障害を加えること、軍事上の必要により正当化されない不法かつ恣意的な財産の広範な破壊または徴発を行うことは、本条約に対する重大な違反行為と定義される。締約国はこの重大な違反行為を行うか、行うことを命じた者に対する有効な刑罰を定めた立法を行うことを約束すると共に、これらの者を捜査し、国籍の如何を問わず自国の裁判所に対して公訴を提起しなければならない。被告には、全ての場合に於いて、ジュネーブ第３条約で定めるところよりも不利でない正当な裁判と防御の保障を受ける。違反の容疑に関しては、紛争当事国の要請により、関係国間で定める方法で調査を行う。調査手続きの合意が成立しなかった場合、関係国は、その手続きを決定する審判者の選任について合意しなければならない。違反行為が確認された時は、紛争当事国は、できる限り速やかに違反行為を終止させ、かつこれに対して処置しなければならない。第１付属書には病院地帯および病院地区に関する協定案、第２付属書には本条約の保護対象となる者が携帯する身分証明書の見本が記されている。参考：日本赤十字社社史稿第６巻、人道・博愛−百年のあゆみ、軍縮条約・資料集第２版

＜ジュネーブ第１追加議定書＞：正式には「国際的武力紛争の犠牲者の保護に関し、1949年8月12日のジュネーブ諸条約に追加される議定書」または「国際武力紛争犠牲者の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ諸条約追加議定書」で、全文102カ条と付属書２からなる。1977年12月12日署名開放、1978年12月7日発効。いかなる武力紛争においても、当事国が戦争の方法または手段を選択する権利は、無制限ではなく、余分の危害または不必要な苦痛を生ぜしめる性質を持つ兵器、投射物及び物質、並びにそのような戦争の方法を用いることは禁止する。また、自然環境に対して広範・長期かつ重大な損害を生ぜしめることを意図した、またはそれが予期される戦争の方法または手段を用いることは禁止。締約国は、新兵器が本条約及び国際法などで禁止されているかどうかを決定する義務を負う。背信行為（軍使旗もしくは降伏旗を掲げて交渉を装う、負傷・疾病による行動不能を装う、文民・非戦闘員を装う、国連・中立国・被紛争当事国の徽章や制服などを利用して保護されている地位を装う、など）により敵を殺害・損傷・捕獲することは禁止。偽装、囮、陽動作戦、偽情報などの奇計は禁止されない。赤十字や国連の徽章の濫用、敵国の国旗・標章の軍事行動のための使用は禁止。生存者を残さないように命令したり、それで敵を威嚇したり、その原則に基づいて敵対行為を行ったりすることは禁止。投降の意図を明示するか、意識不明などで行動不能に陥り自己防衛が不能の場合は、その者を戦闘外にあると認め、攻撃してはならない。遭難航空機からパラシュート脱出したものを降下中に攻撃してはならず、着地した場合は、攻撃の対象にされる前に降伏の機会を与えなければならない。ただし、空挺部隊は対象外。紛争当事国の軍隊構成員は戦闘員であり、敵国の権力内に陥ったものは全て捕虜とする。敵対行為の影響から一般住民の保護を促進するため、戦闘員は攻撃に従事する間もしくは攻撃に先立つ軍事行動に従事する間、自己を一般住民から区別すべき義務を負う。敵国の権力内に陥ったものが捕虜として認められず、敵対行為から生ずる違反のかどで敵国により裁判に付される場合は、その者は司法裁判所において捕虜の地位を享有することを主張し、その問題について裁定を受ける権利を持つ。紛争当事国の軍隊構成員で、スパイ活動中に敵国権力内に陥ったものは捕虜でなく間諜として待遇される。傭兵は、戦闘員または捕虜となる権利を持たない。紛争当事国は、一般住民と戦闘員、民用物と軍事目標とを常に区別しなければならず、軍事行動を軍事目標に対してのみ向けなければならない。一般住民及び個々の文民は、軍事行動から生ずる危険に対して一般的保護を享有する。個々の文民と同様、一般住民その者を攻撃の対象にしてはならない。一般住民の間に恐怖を広めることをその主たる目的とする暴力行為または暴力による威嚇は、禁止。文民は、敵対行為に直接参加しない限り、その期間中は保護を享有する。無差別攻撃は禁止。文民や一般住民を復讐のために攻撃してはならない。一般住民または個々の文民を、軍事目標を攻撃から掩護するために所在させもしくは移動させてはならない。民用物（軍事目標でない全てのもの）を攻撃または復讐の対象としてはならない。文民を餓死させることを戦争方法として使用することは禁止。一般住民または敵国に対し、生命維持手段としての価値を否認するために、食料・農業地域・作物・家畜・飲料水設備など生存に不可欠なものを攻撃し、破壊し、役に立たなくすることは禁止。自然環境に大規模な損害を生じさせ、かつそれにより住民の健康若しくは生存を害することを意図した戦争の方法または手段の使用は禁止。ダム、堤防、原子力発電所は、それらが軍事目標である場合でも、その攻撃が危険な威力を放出せしめかつその結果一般住民の間に重大な損失を生ぜせしめるときは、攻撃の対象にしてはならない。それらの直近に所在する軍事目標は、その攻撃がそれらの施設から危険な威力を放出せしめかつその結果一般住民の間に重大な損失を生ぜしめるときは、攻撃の対象にしてはならない。ただし、ダム、堤防、原発が軍事行動直接支援のため使用されており、それに対する攻撃がそのような支援を終了させる唯一の可能な方法である場合にのみ攻撃可能である。軍事行動の実施に際し、攻撃目標が軍事目標であり攻撃することを禁止されていないことを確認し、付随的な文民・民用物の損害を避け、かつ最小限とするためにあらゆる可能な予防措置を執らねばならない。一般住民に影響を及ぼす攻撃については、事情の許す限り、有効な事前の警告を与えなければならない。紛争当事国は、自国支配下にある一般住民、民用物を軍事目標直近地域から移動させ、人口密集地域に軍事目標を設置することを避けるなど可能な限り最大限の保護措置を執らねばならない。無防備地域の攻撃は禁止。非武装地帯への軍事行動拡大は、非武装地域に関する紛争当事国の合意条件に反する場合は禁止。紛争当事国の権力内にある難民及び無国籍者もジュネーブ第４条約の被保護者とする。締約国及び紛争当事国は、武力紛争の結果離散した家族の再開を可能な限りの方法で容易としなければならない。武力紛争に関連する行為のため逮捕され、拘留されまたは抑留されたものは、その理由をその者が理解する言語で直ちに通知されなければならない。刑法の違反行為で逮捕拘留された場合を除き、できる限り早く釈放せねばならず、逮捕拘留・抑留を正当化する事情が存在しなくなった場合は直ちに釈放せねばならない。公平で正規に構成された裁判所が宣告する有罪判決による場合を除き、武力紛争に関連する刑事上の違反行為について有罪と認められるものに判決を言い渡すことはできず、刑を執行することはできない。女子・児童は特別の尊重の対象であり、特にあらゆる種類のわいせつ行為から保護しなければならない。武力紛争地域で危険な職業的任務に従事する報道記者は、文民と見なされ、文民としての地位に不利な影響を与える活動を行わない限り文民として保護しなければならない。報道記者としての地位を証明する身分証明書は、報道記者が国民である国または居住している国またはその者を雇用する報道機関が所在している国の政府により発給される。参考：軍縮条約・資料集第２版、人道・博愛−百年のあゆみ

＜ジュネーブ第二条約＞：戦争犠牲者の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ諸条約の１つ。正式には「海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」で、海の条約、海戦条約ともいう。「1864年8月22日のジュネーブ条約の諸原則を海戦に適用するための1899年7月29日のハーグ条約」の1906年第１回改正版に、第２次大戦の戦訓に基づく改定を加えたもので、63カ条と付属書１からなり、病院船と海上衛生要員をジュネーブ第１条約と同様に保護することを定め、衛生航空機の規定を新たに設けた。締約国は全ての場合に於いて、本条約を尊重し、かつ本条約の尊重を確保することを約束する。平時に実施すべき規定の他、本条約は、２以上の締約国間に生じる全ての宣言された戦争またはその他の武力紛争の場合について、当該締約国の１が戦争状態を承認するとしないとを問わず、適用する。また、１締約国の領域の一部または全部が占領された全ての場合について、その占領が武力抵抗を受けると受けないとを問わず、適用する。紛争当事国の１が本条約の締約国でない場合にも、締約国たる諸国は、その相互の関係に於いては、本条約で拘束される。さらにそれら諸国は、締約国でない紛争当事国が本条約の規定を受諾し、かつ適用する時は、その国との関係に於いても、本条約により拘束される。締約国の１の領域内に生じる国際的性質を有しない武力紛争の場合、各紛争当事者は、敵対行為に直接参加しない者（武器を放棄した軍隊構成員及び傷病・抑留その他の事由により戦闘外に置かれた者を含む）を全ての場合に於いて不利な差別を行わず人道的に待遇せねばならず、これらの者に対してはいかなる場合・場所でも生命及び身体に対する暴行特にあらゆる種類の殺人・傷害・虐待・拷問、人質、個人の尊厳に対する侵害、特に侮辱的で体面を汚す待遇、正規の裁判所で文明国民が不可欠と認める全ての裁判上の保障を与える裁判によらない判決言い渡し・刑の執行は禁止され、傷病者と難船者は収容して看護しなければならない。紛争当事国の陸軍と海軍との間の敵対行為の場合、本条約の規定は、船内の軍隊にのみ適用し、上陸したら直ちにジュネーブ第１条約の適用を受ける。中立国は、その領域内に収容または抑留した紛争当事国の軍隊の傷病者、難船者、衛生要員、宗教要員、その領域内に収容した死者に対し、本条約の規定を準用する。本条約が適用されるのは、海上にある傷病者及び難船者のうち、以下に掲げる者である。１．紛争当事国の軍隊の構成員及びその軍隊の一部をなす民兵隊または義勇隊の構成員。２．紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員（組織的抵抗運動団体の構成員を含む）で、その領域が占領されているかどうかを問わず、その領域の内外で行動しており、部下について責任を負う１人の者が指揮し、遠方から認識できる一定の特殊標章を持ち、公然と武器を携行し、戦争法規慣例に従い行動するもの。３．正規の軍隊構成員で、抑留国が承認していない政府または当局に忠誠を誓った者。４．実際には軍隊の構成員で無いが軍隊に随伴する者、例えば文民たる軍用航空機乗組員、従軍記者需品供給者、労務隊員、軍隊の福利機関構成員など。ただしこれらの者が随伴する軍隊の認可を受けている場合に限る。５．紛争当事国の商船の乗組員及び民間航空機の乗組員で、国際法の他のいかなる規定によっても一層有利な待遇を享有することが無い者。６．占領されていない領域の住民で、敵の接近にあたり、正規の軍隊を編成する時日が無く、侵入する軍隊に抵抗するため自発的に武器を取る者。ただし、それらの者が公然と武器を携行し、かつ戦闘の法規及び慣例を尊重する場合に限る。これらの条約適用者が海上にあり、かつ、傷病者または難船者である者は、全ての場合において尊重し、かつ保護しなければならない。この場合、難船とは、原因の如何を問わず、あらゆる難船をいい、航空機による又は航空機からの海上への不時着を含む。それらの者をその権力内に有する紛争当事国は、それらの者を性別・人種・国籍・宗教・政治的意見またはその他類似の基準による差別をせず、人道的に待遇し、かつ看護しなければならない。それらの者の生命又は身体に対する暴行は厳重に禁止する。特に、それらの者は、殺害し、皆殺しにし、拷問に付し、または生物学的実験に供してはならない。それらの者は、治療及び看護をしないで故意に遺棄してはならず、また、伝染又は感染の危険に晒してはならない。治療の順序に於ける優先権は、緊急な医療上の理由がある場合に限り、認められる。女子は、女性に対して払うべき全ての考慮を以て待遇しなければならない。これらの尊重・保護規定に従うことを条件として、交戦国の傷病者及び難船者で敵の権力内に陥った者は、捕虜となるものとし、捕虜に関する国際法の規定が適用される。それらの者を捕虜とした者は、それらの捕虜を抑留すべきか、自国の港・中立国の港・敵国の領域内の港に送るかを決定することができる。敵国の領域内の港に送った場合、本国に送還された捕虜は、戦争の継続中、軍務に服してはならない。１交戦国の全ての軍艦は、船舶または舟艇の国籍の如何を問わず、軍用病院船、救済団体または私人に属する病院船、商船、ヨット及びその他の舟艇内の傷病者と難船者の引き渡しを要求する権利を有する。ただし傷病者が移動可能な状態にあり、かつ、当該軍艦が必要な医療上の手当を行うのに十分な便益を提供可能な場合に限る。傷病者または難船者が中立国の軍艦または軍用航空機に収容された場合、国際法上の要求がある時は、それらの者が軍事行動に再び参加することができないようにしなければならない。現地当局の同意を得て中立国の港に上陸する傷病者と難船者は、国際法上の要求がある時は、中立国と交戦国との間に反対の取り決めが無い限り、軍事行動に再び参加することができないよう中立国が監視しなければならない。それらの者の入院・抑留の費用は、傷病者及び難船者が属する国が負担する。紛争当事国は、交戦後、傷病者及び難船者を捜索収容し、それらの者を略奪と虐待から保護し、十分な看護を確保すると共に、死者を捜索し、死者が剥奪を受けることを防止するため遅滞無く全ての可能な措置を執らなければならない。死者は、陸に移された後は、ジュネーブ第１条約の適用を受ける。紛争当事国は、中立国の商船、ヨット、その他の舟艇の船長に対し、傷病者と難船者を船内に収容し、かつ看護し、ならびに死者を船内に収容するよう、その慈善心に訴えることができる。この要請に応じた全ての種類の船舶と、傷病者または難船者を自発的に収容した船舶は、それらの援助を行うために特別の保護と便益を享有し、いかなる場合にも、そのような輸送を理由としては捕獲されない。ただし、反対の約束が無い限り、中立違反の行為があった場合には、そのため捕獲される。軍用病院船と、各国赤十字社又は公に承認された救済団体又は私人により使用される病院船は、いかなる場合にも、攻撃または捕獲してはならない。沿岸救助作業のため国又は公に承認された救助団体により使用される小舟艇と、人道的使命のため専らそれらの小舟艇が使用する沿岸固定施設は、作戦上の要求が許す限り、同様に尊重保護しなければならない。軍艦内で戦闘が行われる場合、できる限り病室を尊重し、かつ、これに対する攻撃を差し控えなければならない。それらの病室と設備は引き続き戦争法規の適用を受けるが、傷病者のため必要とされる限り、その使用目的を変更してはならない。もっとも、それらの病室と設備をその権力内に有するに至った指揮官は、緊急な軍事上の必要がある場合に限り、それらの病室内に収容されている傷病者に対する適当な看護を確保した後、それらの病室と設備を他の目的に使用することができる。衛生上の輸送の目的のために庸船された船舶は、その航海に関する明細が敵国に通告され、かつ、敵国によって承認されていることを条件として、専ら軍隊の傷病者の治療または疾病の予防のために充てられる設備を輸送することを許される。敵国は、輸送船を臨検する権利を有するが、捕獲したり、それらが輸送中の設備を押収する権利は有しない。紛争当事国は、衛生航空機が関係紛争当事国間で特別に合意された高度、時刻、路線に従って飛行している間、攻撃の対象としてはならず、尊重しなければならない。各紛争当事国は、その総指揮官を通じ、この条約の一般原則に従い、前各条の細目にわたる実施を確保し、かつ、本条約の予見しない事件に備えなければならない。本条約により保護される傷病者、難船者、要員、船舶、小舟艇、材料に対する報復的措置は禁止する。締約国は、本条約の原則を時刻の全ての住民、特に戦闘部隊、衛生要員、宗教要員に知らせるため、平時と戦時とを問わず、自国に於いて本条約の本文をできる限り普及させ、特に軍事教育及び可能なら非軍事教育の課目中に本条約の研究を含ませることを約束する。本条約が保護する人または物に対し、殺人、拷問、生物学的実験を含む非人道的待遇を行うこと、身体または健康に対して故意に重い苦痛を与えるまたは重大な障害を加えること、軍事上の必要により正当化されない不法かつ恣意的な財産の広範な破壊または徴発を行うことは、本条約に対する重大な違反行為と定義される。締約国はこの重大な違反行為を行うか、行うことを命じた者に対する有効な刑罰を定めた立法を行うことを約束すると共に、これらの者を捜査し、国籍の如何を問わず自国の裁判所に対して公訴を提起しなければならず、違反行為に関して自国が負うべき責任を免れ、または他の締約国にその国が追うべき責任から免れさせてはならない。被告には、全ての場合に於いて、ジュネーブ第３条約で定めるところよりも不利でない正当な裁判と防御の保障を受ける。違反の容疑に関しては、紛争当事国の要請により、関係国間で定める方法で調査を行う。調査手続きの合意が成立しなかった場合、関係国は、その手続きを決定する審判者の選任について合意しなければならない。違反行為が確認された時は、紛争当事国は、できる限り速やかに違反行為を終止させ、かつこれに対して処置しなければならない。第２付属書には本条約の保護対象となる者が携帯する身分証明書の見本が記されている。参考：日本赤十字社社史稿第６巻、人道・博愛−百年のあゆみ、軍縮条約・資料集第２版

＜ジュネーブ第２追加議定書＞：正式には「非国際的武力紛争の犠牲者の保護に関し、1949年8月12日のジュネーブ諸条約に追加される議定書」または「非国際武力紛争犠牲者の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ諸条約追加議定書」で、28カ条からなる。1977年12月12日に署名のため開放され、1978年12月7日に発効した。ジュネーブ第１追加議定書に含まれない武力紛争で、かつ締約国の領域内において責任ある指揮の下に持続的かつ協同的軍事行動を実行し及びこの議定書を実施するのを可能ならしめるような支配をその領域の一部に対して行使する反乱軍隊または他の組織的武装集団と、締約国軍隊との間に生ずる全ての武力紛争に適用する。これら武力紛争により影響を受ける全てのものに不利な差別をせずに適用せねばならない。敵対行為に直接参加せず、または参加することを止めたものは、身体・名誉・信条・宗教活動を尊重される権利を有し、それらのものに対する暴行、殺人、虐待、集団への刑罰、人質、テロ行為、わいせつ行為、奴隷待遇、奴隷売買、個人の権利侵害、略奪、脅迫を行ってはならない。また、いかなる生存者も無くすことを命じてはならない。児童は必要な監護・援助を与えられなければならない。武力紛争に関する刑事犯罪訴追・処罰においては、独立及び公平性について基本的保障を与える裁判所が宣告する有罪判決によらなければ犯罪について有罪とされるものに判決を言い渡してはならず、刑を執行してはならない。暴動、単発的・散発的な暴力行為など、武力紛争でない国内的な騒擾・緊張事態には適用しない。参考：軍縮条約・資料集第２版、人道・博愛−百年のあゆみ

＜ジュネーブ第三条約＞：戦争犠牲者の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ諸条約の１つ。正式には「捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」で、捕虜条約ともいう。1949年8月12日にジュネーブで署名され、1950年10月21日に発効した。日本は1953年4月21日に加盟を通告し、7月29日に国会で承認され、10月21日に公布された。捕虜の待遇に関する1929年7月27日のジュネーブ条約を改正したもので、143カ条と付属書５からなる。前条約で不明確だった点を明確化し、捕虜に与える慰安や娯楽の範囲を拡大、捕虜救済団体を赤十字社だけでなく広範な団体（国内的・国際的、公的・私的、宗教的・非宗教的を問わない）とした。紛争当事国の１つがこの条約の締約国でない場合にも、締約国はその相互の関係においてこの条約に拘束される。捕虜は、敵国の権力内にあり、待遇の責任は抑留国にある。捕虜は常に人道的に待遇せねばならず、作為または不作為に関わらず捕虜を死に至らしめたり健康に重大な危険を及ぼしてはならない。捕虜に対して医療上正当で、利益となると認められない医療行為や科学実験を行ってはならない。捕虜は常に暴行、脅迫、侮辱、公衆の好奇心から保護せねばならず、報復措置は禁止である。捕虜は全ての場合において身体及び名誉を尊重される権利を有し、男女の差別は禁止。捕虜は捕虜となっていた時に持っていた完全な私法上の行為能力を保持する。抑留国は、無償で捕虜を給養し、健康状態に必要な医療を提供せねばならない。捕虜に対し、人種、国籍、宗教的信条、政治的意見やこれに類する基準による差別をしてはならない。捕虜は尋問を受けた場合、氏名、階級、生年月日、軍の名称、連隊の名称及び個人番号または登録番号を応えなければならず、これを拒否したときはその階級または地位に応じて与えられる特権に制限を受けることがある。紛争当事国は、捕虜となる可能性がある者全てにこれらを記載した身分証明書（縦6.5cm、横10cm。２部作成）を発給しなければならず、捕虜は常にそれを携帯し、要求があればこれを提示しなければならない。ただし抑留国が身分証明書を取り上げてはならず、身分証明書を所持していない捕虜にはこれを与えなければならない。捕虜からいかなる種類の情報を得るためにも、肉体的・精神的拷問その他の強制を加えてはならず、脅迫、侮辱、不快若しくは不利益な待遇を与えてはならない。肉体的または精神的状態によって自己が何者であるかを述べることができない捕虜は、衛生機関に引き渡されなければならない。捕虜に対する尋問は、その者が理解する言語で行わなければならない。捕虜の個人用品（武器、馬、軍用装具及び軍用書類を除く）、金属かぶと・防毒面その他身体の防護のために交付されている物品は、捕虜が引き続き所持する。捕虜の衣食のために用いられる物品も、正規の軍用装具に属するかどうかを問わず捕虜が所持する。階級及び国籍を示す徽章、勲章並びに主に個人的または感情的価値のみを有する物品は、捕虜から取り上げてはならない。捕虜が所持する金銭は、将校の命令があり、かつ金額と所持者の詳細を帳簿に記し、受領証を発給した後でなければ取り上げてはならない。抑留国は、安全を理由とする場合にのみ捕虜から有価物を取り上げることができるが、この場合も金銭と同じ手続きを行う。これらは抑留国が保管し、捕虜たる身分の終了の際には原状で捕虜に返還しなければならない。捕虜は、捕虜とされた後できるだけ速やかに戦闘地域から十分に離れた危険の圏外にある地域の収容所に後送しなければならない。また、後送中も不必要に危険に晒してはならない。負傷または病気のため、後送すると危険が増す場合にのみ一時的に危険地帯に止めることができる。捕虜の後送は、常に人道的かつ抑留国軍隊移駐の場合に適用される条件と同様の条件で行わなければならない。抑留国は、後送中の捕虜に対し、食料・飲料水を十分に供給し、かつ必要な被服及び医療上の手当を与えなければならない。また、後送中の安全確保のため全ての予防措置を執り、後送される捕虜の名簿をできる限り速やかに作成しなければならない。捕虜後送中に通過収容所を経由しなければならない場合、その収容所における滞在はできるだけ短期間にしなければならない。抑留国は捕虜を抑留でき、捕虜に対して収容所から一定の限界を超えたり、柵の外に出たりしない義務を課する事ができるが、衛生上の保護のために必要な場合を除いて捕虜を拘禁してはならない。捕虜は、衛生上及び保健上の全ての保障を与える地上の建物にのみ抑留でき、自身の利益になると認められる特別な場合を除いて懲治所に抑留してはならない。捕虜はいかなる場合にも、戦闘地域の砲火に曝される恐れのある地域に送り又は抑留してはならず、捕虜の所在は、特定地点または区域が軍事行動の対象とならないようにするために利用してはならない。捕虜は、現地住民と同程度に、空襲その他の戦争の危険に対する避難所を利用する権利を有し、その危険から営舎を守る作業に従事する者を除き、警報があった後できる限り速やかに避難所に入ることができる。住民のために執るその他の防護措置は、捕虜にも適用しなければならない。抑留国は、ある締約国が捕虜受け入れを表明した場合、本条約を適用する意志・能力を有すると他の締約国が認めた場合にのみ、その締約国に捕虜を移送できる。毎日の食糧の基準配給の量・室・種類は、捕虜を良好な健康状態に維持し、かつ体重の減少または栄養不良を防止するのに十分なもので、食習慣も考慮に入れ、労働させる場合には必要な増配を行わなければならない。飲料水も十分に供給し、喫煙を許可しなければならない。捕虜は出来る限り食事の調理に参加させなければならず、所持する別の食糧を自ら調達する手段を与えなければならない。食糧に影響を及ぼす集団的懲戒は禁止。抑留国は、捕虜が抑留されている地域の気候を考慮し、捕虜に被服、下着、履き物を十分に供給して定期的に交換修繕しなければならず、気候に適する場合は獲得した敵の軍隊の制服をその用に供しなければならない。抑留国は捕虜収容所の清潔・衛生の確保及び伝染病防止のため、必要な全ての衛生上の措置を執らなければならない。重病の捕虜または特別の治療・外科手術・入院を必要とする状態にある捕虜は、近い将来に送還が予定されているとしても、適当な処置をする能力がある軍または軍以外の医療施設に収容しなければならない。捕虜は、なるべくその属する国の衛生要員、できれば自己と同一の国籍を有する衛生要員によって治療を受けるものとする。治療の費用（義歯、補装具、眼鏡などの器具を含む）は抑留国が負担する。捕虜の健康・栄養・清潔状態や伝染病（特に結核、マラリア、性病）を監視検出するため、少なくとも月一回の身体検査（必ず体重の測定・記録を含む）を受けさせなければならない。抑留国は、軍隊の衛生機関に属さない捕虜で、医師・歯科医師・看護婦または看護員である者に対し、同一の国に属する捕虜のために医療上の業務に従事することを要求することができる、この場合、その者は引き続き捕虜とされるが、抑留国が抑留する同階級の衛生要員の待遇に相当する待遇を受け、他の労働を免除される。抑留国が捕虜を援助するため抑留する衛生要員と宗教要員は、捕虜と認めてはならないが、少なくとも本条約の利益と保護を受け、捕虜に対して医療上の看護と宗教所の役務を提供するため必要な全ての便益を与えられ、抑留国の軍法の範囲内で、抑留国の権限のある機関の管理の下に、職業的良心に従って、捕虜のため医療又は宗教に関する任務を引き続き遂行する。捕虜は、軍当局が定める日常の紀律に従うことを条件として、自己の宗教上の義務の履行について完全な自由を享有する。捕虜に対しては、宗教的儀式を行う適当な場所を提供しなければならない。抑留国は、各捕虜の個人的趣味を尊重して、捕虜の知的・教育的・娯楽的活動と運動競技を奨励しなければならない。捕虜に対しては、身体の運動をする機会と戸外にいる機会を与えなければならない。捕虜の行動に関する各種規則・命令・通告・公示は、捕虜が理解する言語により伝えなければならない。捕虜、特に逃走し又は逃走を企てる捕虜に対する武器の使用は最後の手段とし、それに先だって時宜に適した警告を必ず与えなければならない。紛争当事国は、敵対行為の開始の際、同等の階級に属する捕虜間の待遇の平等を確保するため、組織上の名称と階級を相互に通知し、捕虜の階級・年齢に適当な考慮を払って待遇しなければならない。収容所に到着した後に捕虜を移動する場合、抑留国は捕虜自身の利益について、特に捕虜の送還を一層困難にしないことについて考慮し、常に人道的且つ抑留国軍隊の移動の条件より不利で無い条件で行い、常に捕虜が慣れている気候条件を考慮しなければならず、移動費用は抑留国が負担する。移動の条件はいかなる場合も捕虜の健康を害するものであってはならず、十分な食糧、飲料水、被服、宿舎、医療上の手当を供与しなければならない。抑留国は捕虜の身体的・精神的健康状態を良好にしておくため、年齢・性別・階級・身体的適性を考慮して、健康な捕虜を労働者として使用することが出来る。捕虜に対しては、収容所の管理・営繕・修繕に関する労働の他、農業、原料生産・採取、製造工業、軍事的性質・目的を有しない土木建築業・運送業・倉庫業・公益事業、商業、芸術、工芸、家内労働を強制することができる。抑留国は、全ての捕虜に対し、毎月俸給を前払いしなければならない。俸給の額は、軍曹より下の階級は８スイスフラン、軍曹・下士官は12スイス・フラン、准士官及び少佐より下の階級の将校は50スイス・フラン、少佐・中佐・大佐は60スイス・フラン、将官は75スイス・フランをそれぞれ抑留国の通貨に換算したものである。また、抑留当局が捕虜に対して直接に公正な労働賃金（最低日額0.25スイス・フラン）を支払わなければならない。捕虜が属する国は、捕虜たる身分が終了した時に抑留国から捕虜に支払うべき貸方残高を当該捕虜に対して決済する責任を負う。抑留国は、捕虜がその権力無いに陥った時は、直ちに捕虜が属する国に対し、捕虜と外部との関係を保つため本条約第５部で規定された措置を通知しなければならない。捕虜に対して、手紙及び葉書を送付・受領することと、特に食糧、被服、衣料品、捕虜の必要を満たす宗教教育または娯楽用物品を内容とする個人又は集団宛の荷物を郵便その他の経路により受領することを許さなければならない。捕虜宛または捕虜が発送する通信の検閲は差出国及び宛名国のみがそれぞれ一回限り検閲でき、可能な限り速やかに行わなければならない。捕虜宛の荷物検査は、その中の物品を損なう恐れのある条件下で行ってはならず、文書又は印刷物以外については、名宛て人または名宛て人が正当に委任した捕虜の立ち会いの下に行わなければならない。捕虜は、自己を権力内に有する軍当局に対し、抑留条件に関する要請や苦情を申し立てる権利を有する。捕虜は、抑留国の軍隊に適用される法律、規則、命令に服さなければならない。抑留国はそれらに対する捕虜の違反行為について司法上・懲戒上の措置をとることができ、捕虜が行った一定の行為について法律、規則、命令に処罰すべき項目が無い時は、懲戒罰のみを科することができる。捕虜は、軍隊構成員の違反行為に関して非軍事裁判所での裁判が抑留国現行法令により明白に認められている場合を除き、軍事裁判所のみが裁判できる。捕虜は同一行為や同一犯罪事実について重ねて処罰されない。個人の行為に関して集団に科する刑罰、肉体に加える刑罰、日光が入らない場所での拘禁、一般にあらゆる種類の拷問や残虐行為、階級奪取、階級章着用妨害は禁止。捕虜に対して科すことが出来る懲戒罰は、50%以下の減給、本条約で定める待遇以外に与えられている特権の停止、拘置で、将校以外には１日につき２時間以内の労役も可せるが、いかなる場合にも、非人道的なもの、残虐なもの、捕虜の健康を害するものであってはならず、期間は30日を越えず、懲治施設（監獄、懲治所、徒刑場など）に移動させて罰に服させてはならず、女子は男子と分離した場所で拘禁して女子の直接監視下に置かなければならない。懲戒罰は収容所長の資格で懲戒権を有する将校またはその代理またはその懲戒権を委任された責任ある将校のみ言い渡すことができ、いかなる場合にも、捕虜に委任したり、捕虜に行使させたりしてはならない。違反行為の責任を問われた捕虜には、懲戒決定前に、正確な情報を告げ、自己の行為を弁明し、自己を防御する機会を与えなければならない。捕虜の逃走は、捕虜がその属する国またはその同盟国の軍隊に帰着した場合、抑留国またはその同盟国の支配下にある地域を去った場合、捕虜がその属する国またはその同盟国の国旗を掲げる船舶で抑留国の領水内にあり抑留国の支配下に無いものに帰着した場合に、成功したとする。逃走に成功した後に再び捕虜となった場合、以前の逃走について罰を科してはならない。逃走を企てて成功する前に再び捕虜となった場合、それが重ねて行われたものであると無いとを問わず、懲戒罰のみを科し、捕虜収容所内において健康状態を害さない状態で特別の監視下に置くことができる。逃走を容易にするためだけに行った違反行為で、生命や身体に対する暴行を伴わないもの（公の財産に対する違反、利得の意思が無い盗取、偽造文書作成行使、軍服以外の被服着用など）は、懲戒罰のみを科することができる。捕虜は、実行の時に抗力があった抑留国の法令又は国際法によって禁止されていなかった行為については、裁判に付したり刑罰を科したりしてはならない。捕虜に対し、責任を問われた行為について有罪であると認めさせるため、精神的・肉体的強制を加えてはならない。捕虜は、防御方法を提出する機会を与えられ、かつ資格ある弁護人の援助を受けた後で無ければ、有罪の判決をしてはならない。捕虜及び利益保護国に対し、抑留国の法令に基づいて死刑を科すことができる犯罪行為について可能な限り速やかに通知しなければならず、その後はその他の犯罪行為について捕虜が属する国の同意を得ずに死刑を科してはならない。捕虜に対し死刑判決が言い渡された場合、利益保護国が通告を受領した日から少なくとも６ヶ月の機関が経過する前に執行してはならない。捕虜は自己について言い渡された判決に関し、抑留国の軍隊構成員と同様に、判決の破棄・訂正・再審の請求が出来る。適法に確定した有罪の判決により捕虜に対して言い渡した刑は、抑留国の軍隊構成員の場合と同一の営造物において同一条件で執行しなければならない。紛争当事国は、重症・重病の捕虜を輸送に適する状態になるまで治療した後、本国に送還しなければならない。不治の傷病者で精神的または肉体的機能が著しく減退したもの、１年以内に回復する見込みが無いと医学的に診断される傷病者でその状態が療養を必要としており精神的または肉体的機能が著しく減退したもの、回復した傷病者で精神的または肉体的機能が著しくかつ永久的に減退したものは、直接に送還しなければならない。送還されたものは、現役の軍務に服させてはならない。捕虜は、実際の敵対行為が終了した後、遅滞無く解放し、かつ送還しなければならない。捕虜の遺言書は、その本国法で必要とされる要件を満たすように作成しなければならない。捕虜として死亡した全ての者は、捕虜情報局に対して可能な限り速やかに死亡証明書または責任ある将校が認証した表を送付しなければならない。埋葬は捕虜の属する宗教の儀式に従って丁重に行い、同一国で出来る限り同じ場所に各別の墓を作り、墳墓登録機関に記録する。捕虜の死亡又は重大な障害で、衛兵、他の捕虜、その他の者に起因するか起因した疑いがあるものと、捕虜の原因不明の死亡については、抑留国が直ちに公の調査を行う。捕虜はいかなる場合にも保障される権利を破棄することはできない。各紛争当事国は、紛争開始の際及び占領のあらゆる場合に、その権力内にある捕虜に関する公の情報局（捕虜情報局）を設置しなければならない。宗教団体や救済団体といった捕虜に援助を与える団体には捕虜の援助に関して全ての必要な便益を与えなければならない。利益保護国代表者と、抑留国の承認を受けた赤十字国際委員会代表は、捕虜がいる全ての場所、特に収容・拘禁・労働の場所に行くことを許可され、かつ捕虜が使用する全ての施設に出入りでき、移動中の捕虜の出発・通過・到着の場所に行くことができ、それらを自由に選定でき、訪問期間や回数に制限を受けない。締約国は、本条約の原則を時刻の全軍隊と住民に知らせるため、平時も戦時も自国に於いて本条約の本文を出来る限り普及させ、特に軍事教育及び可能なら非軍事教育の課目中に本条約の研究を含ませる。締約国は、本条約に対する重大な違反行為（殺人、拷問、生物学的実験を含む非人道的待遇、身体または健康に対して重い苦痛や障害を故意に加える、強制的に敵国軍隊に服務させる、公正な正式の裁判を受ける権利を奪う）を行うか、行うことを命じた者に対し、有効な刑罰を定めるため必要な立法を行わなければならない。第１付属書として傷病者たる捕虜の直接送還及び中立国における入院に関するひな型協定（第110条関連）、第２付属書として混成医療委員会に関する規約（第112条関連）、第３付属書として集団的救済に関する規約（第73条関連）、第４付属書として身分証明書、捕虜通知書、通信用葉書・手紙、死亡通知書、送還証明書のひな型、第５付属書として捕虜による本国への送金に関するひな型規則（第63条関連）が定められている。参考：日本赤十字社社史稿第６巻、軍縮条約・資料集第２版

＜ジュネーブ第四条約＞：戦争犠牲者の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ諸条約の１つ。正式には「戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」で、文民保護条約または文民条約ともいう。戦争被害を受ける恐れがある文民を保護するのが目的で、1921年の第10回赤十字国際会議で提案されて議論が始まり、1934年の第15回と1938年の第16回に赤十字国際委員会案が出されたが、成案提出は第２次大戦終結後の1948年開催第17回赤十字国際会議になり、1949年8月12日に署名され、1950年10月21日に発効した。日本では1953年7月29日に国会で承認され、10月21日に条約第26号として発効した。第２次大戦時に一部の赤十字社が占領軍によって組織変更や事業制約を強要されたり解散させられたりしたため、占領者が非占領国の赤十字社の存立や事業を損なうことを防ぐ条文も設けられている。159条と３付属書からなる。本条約は２以上の締結国の間に生じる全ての宣言された戦争またはその他の武力紛争の場合について、当該締約国の１が戦争状態を承認するとしないとを問わず、適用する。また、１締約国の全部が占領された全ての場合について、その占領が武力抵抗を受けると受けないとを問わず、適用する。紛争当事国の１が本条約締約国でない場合も、締約国たる諸国は、その相互の関係に於いて、本条約により拘束される。更に、それら諸国は、締約国でない紛争当事国が本条約の規定を受諾かつ適用する時は、その国との関係においても、本条約で拘束される。締約国の１の領域内に生じる国際的性質を有しない武力紛争の場合、各紛争当事者は、少なくとも次の規定を適用しなければならない。（１）敵対行為に直接参加しない者（武器を放棄した軍隊構成員、病気・負傷・抑留その他の事由により戦闘外に置かれた者を含む）は、全ての場合に於いて、人種、色、宗教又は信条、性別、門地又は貧富その他類似の基準による不利な差別をせず人道的に待遇しなければならず、生命及び身体に対する暴行特にあらゆる種類の殺人、傷害、虐待、拷問、人質、個人の尊厳に対する侵害特に侮辱的で体面を汚す待遇、正規に構成された裁判所で文明国民が不可欠と認める全ての裁判上の保障を与えるものの裁判によらない判決の言い渡し及び刑の執行は、いかなる場合にも、またいかなる場所でも禁止する。（２）傷病者は収容して看護しなければならない。本条約で保護される者は、紛争又は占領の場合に於いて、いかなる時・いかなる形を問わず、紛争当事国または占領国の権力内にある者で、その紛争国又は占領国の国民でないものとし、本条約で拘束されない国の国民は、本条約の保護は受けない。中立国の国民で交戦国の領域内にある者及び共同交戦国の国民は、それらの者の本国がそれらの者を権力内に有する国に通常の外交代表を駐在させている間は、被保護者とは認められない。また、戦地にある軍隊の傷病者の状態改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約（ジュネーブ第１条約）、海上にある軍隊の傷病者の状態改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約（ジュネーブ第２条約）、捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーブ条約（ジュネーブ第３条約）で保護される者も対象外である。紛争当事国の領域内で被保護者が個人として紛争当事国の安全に対する有害な活動を行った明白な嫌疑があることや、そのような活動に従事していることを当該紛争当事国が確認した場合は、その被保護者は本条約に基づく権利・特権で、その者のため行使されれば当該紛争当事国の安全を害するようなものを主張することができない。占領地域内に於いて、被保護者が間諜またはサボタージュまたは個人として占領国の安全に対する有害な活動を行った明白な嫌疑がある者として抑留されている場合、軍事上の安全が絶対に必要とする時は、その被保護者は、本条約に基づく通信の権利を失う。適用期間は、紛争または占領開始時から始まり、紛争当事国の領域内では軍事行動の全般的終了時、占領地域内では軍事行動の全般的終了時から１年後に終わる。被保護者はいかなる場合にも本条約及び条約に掲げる特別協定により保障される権利を部分的又は全面的に放棄することができない。本条約の規定は、赤十字国際委員会その他の公平な人道的団体が文民保護救済のため関係紛争当事国の同意を得て行う人道的活動を妨げない。本条約は人種、国籍、宗教、政治的意見などで差別を設けずに紛争当事国の住民全体に適用し、戦争により生じる苦痛を軽減することを目的とする。締約国は平時において、紛争当事国は敵対行為の開始時以後、自国の領域及び必要がある場合には占領地区に於いて、傷病者、老者、15歳未満の児童、妊産婦、７歳未満の幼児の母を戦争の影響から保護するために組織される、病院及び安全のための地帯及び地区を設定することができる。紛争当事国は、戦闘員及び非戦闘員の傷病者と、敵対行為に参加せずその地帯に居住する間いかなる軍事的性質を有する仕事にも時維持していない文民を、差別せず戦争の危険から避難させるための中立地帯を、戦闘が行われている地域内に設定することを敵国に提案できる。傷病者、虚弱者、妊産婦は特別の保護と尊重を受ける。これらを看護するため設けられる文民病院は、いかなる場合にも攻撃してはならず、護送車両、病院列車、病院船も保護される。これらには特殊標章を表示しなければならない。紛争当事国は、傷病者、虚弱者、老者、自動、妊産婦を、攻囲または包囲された地域から避難させるため、並びにそれらの地域に向かう全ての宗教の聖職者、衛生要員、衛生材料を通過させるため、現地協定を締結するよう努めなければならない。陸上にある護送車両隊と病院列車、海上にある特別仕立の船舶で傷病者たる文民、虚弱者、妊産婦を輸送するもの（全て赤十字または赤新月または赤のライオン及び太陽の特殊標章付き）は、文民病院と同様に尊重保護しなければならない。傷病者、虚弱者、妊産婦の輸送または衛生要員・衛生材料の輸送に専ら使用される航空機（赤十字または赤新月または赤のライオン及び太陽の特殊標章付き）は、紛争当事国間で特別に合意された高度、時刻、路線に従い飛行している間は攻撃してはならない。この航空機は敵の領域・占領地域上空の飛行は禁止で、全ての着陸要求に従わなければならない。各締約国は、他の締約国の文民のみにあてられた医療品、病院用品、宗教上の行事に必要な物品からなる全ての送付品を自由通過させねばならない。紛争当事国は、戦争の結果孤児となり、またはその家族から離散した15才未満の児童が遺棄されないこと、並びに生活・信仰の実践及び教育が全ての場合に容易にされることを確保するため、必要な措置を執らねばならない。紛争当事国の領域またはその占領地域にある全ての者に対し、それらの者の家族が所在する場所の如何を問わず、厳密に私的性質を有する消息をその家族との間で相互に伝えることができるようにしなければならない。被保護者は、全ての場合において身体、名誉、家族として有する権利、信仰及び宗教上の行事ならびに風俗および習慣を尊重される権利を有する。被保護者は常に人道的に待遇せねばならず、特に全ての暴行または脅迫並びに侮辱、公衆の好奇心から保護しなければならない。女子は、その名誉に対する侵害、特に強姦、強制売淫その他あらゆる種類のわいせつ行為から特別に保護しなければならない。被保護者を権力内に有する紛争当事国は、健康状態、年齢、性別に関する規定を害することなく、特に人種、宗教または政治的意見に基づく不利な差別をせず、全ての被保護者に同一の考慮を払って待遇しなければならない。被保護者の所在は、特定の地点又は区域が軍事行動の対象とならないようにするため利用してはならない。被保護者または第三者から情報を得るために、被保護者に肉体的または精神的強制を加えてはならない。被保護者に肉体的苦痛を与え、またはそれらの者を皆殺しにするような性質の措置を執ることは禁止する。被保護者に連座刑、脅迫、恐喝を加えてはならず、略奪や報復も禁止する。人質とすることも禁止。紛争開始時または紛争期間中、紛争当事国の領域を去ることを希望する全ての被保護者は、その国の国家的利益に反しない限り、安全・衛生・保健・食糧について満足すべき条件でその領域を去る権利を有する。被保護者は、送付される救済品を受領でき、関係国国民が受けるのと同等な医療上の手当や入院治療が受けられ、信仰の実践及び同一宗派の聖職者から宗教上の援助を受けられ、関係国国民に許されると同等の程度まで戦争の危険に曝されている地区から移転できる。また、15才未満の児童、妊産婦、７才未満の幼児の母はそれらに該当する関係国国民が享有する有利な待遇と同等の待遇を享有できる。戦争の結果収入を得る職業を失った被保護者には、その在留する国の国民が共有する機会と同等に、有給の職業に就く機会を与えなければならない。紛争当事国の統制措置、特に安全上の理由によって、被保護者が適当な条件で有給の職業に就くことを妨げられた場合、その紛争当事国は、被保護者と扶養者の生活を保障しなければならない。被保護者はその在留する国の国民と同等程度以上には労働を強制されず、敵国国民である場合には、人間としての食糧、住居、被服、輸送、健康を確保するために通常必要な労働で軍事行動遂行に直接関係が無いもの以外は強制されない。被保護者を抑留・住居指定するのは、安全性上特に必要な場合に限る。被保護者を本条約締約国以外の国に移送してはならず、いかなる場合にも迫害を受ける恐れのある国に移送してはならない。被保護者を占領地域から占領国の領域または他国の領域に強制移送・追放してはならず、戦争の危険に特に晒されている地区に抑留してはならない。占領国は占領地域に自国の文民の一部を追放・移送してはならない。占領国は、占領地域の住民の食糧と衣料品の供給を確保し、医療上及び病院の施設及び役務並びに公衆の健康及び衛生を、国及び現地当局の協力の下に、確保維持する義務を負う。被保護者が間諜として行った行為、占領国の軍事施設に対して重大なサボタージュまたは１人もしくは２人以上の者を死に至らしめた故意による犯罪行為のため有罪とされた場合で、被保護者が犯罪行為のあった時に18歳以上であった場合にのみ、その被保護者に対して死刑を科すことが出来る。紛争当事国は、本条約の規定による場合を除く他、被保護者を抑留してはならない。抑留者の収容所は、抑留国の正規の軍隊又は行政庁から選ばれた責任ある将校または公務員の指揮下に置かれる。各紛争当事国は、紛争開始時及び占領のあらゆる場合に、被保護者に関する情報の受領伝達について責任を負う被保護者情報局を設置しなければならない。中立国には中央被保護者情報局を置く。抑留国は、宗教団体、救済団体その他被保護者に援助を与える団体の代表者とその正当な委任を受けた代理人に対し、被保護者の訪問、出所の如何を問わず宗教的・教育的・娯楽的目的に充てられる救済用需品・物資の被保護者への分配、収容所内における被保護者の余暇利用援助に関して、全ての必要な便益を与え、この分野に於ける赤十字国際委員会の特別の地位を常に認め且つ尊重しなければならない。利益保護国代表者または代表と赤十字国際委員会の代表は、被保護者が居る全ての場所、特に収容・拘禁・労働の場所に行くことを許可される。締約国は、本条約の原則を自国の全住民に知らせるため、平時と戦時を問わず、自国に於いて本条約の本文を出来る限り普及させること、特に、軍事教育及び可能なら非軍事教育の課目中に本条約の研究を含ませることを約束する。戦時に於いて被保護者について責任を負う文民・軍・警察その他の当局は、本条約の本文を所持し、及び本条約の規定について特別の教育を受けなければならない。本条約における重大な違反行為は、被保護者に対し、殺人・拷問・生物学的実験を含む非人道的待遇を行うこと、身体・健康に対して故意に重い苦痛または重大な傷害を加えること、被保護者を不法に追放・移送・拘禁すること、被保護者を強制して敵国軍隊で服務させること、本条約で定めた公式な正式の裁判を受ける権利を奪うこと、人質にすること、軍事上の必要によって正当化されない不法且つ恣意的な財産の広範な破壊または徴発を行うことである。締約国は重大な違反行為の一を行い、または行うことを命じた者に対する有効な刑罰を定め、必要な立法を行うことを約束する。違反行為が確認された時は、紛争当事国は可能な限り速やかに違反行為を終止させ、且つ対処しなければならない。各締約国は、重大な違反行為以外で本条約に違反する行為を防止するため、必要な措置を執らなければならない。第１付属書は病院及び安全のための地帯及び地区に関する協定案、第２付属書は集団的救済に関する規約案、第３付属書は抑留葉書、手紙、通信葉書のひな型。参考：日本赤十字社社史稿第６巻、軍縮条約・資料集第２版、軍事分析湾岸戦争

＜ジュネーブ毒ガス議定書＞：正式名称は窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書で、1928年2月8日に効力が発生した。日本は1925年6月17日に署名し、1970年5月21日に効力発生、公布した。締約国に窒息性ガス・毒性ガス・これらに類するガスの使用を禁止し、細菌学的戦争手段についてもこの禁止を適用するものである。開発、生産、保有は禁じられていない。第２次大戦後、局地紛争での化学剤使用が増加したため、新たにパリ宣言が調停された。参考：軍縮条約・資料集第２版、軍事分析湾岸戦争、図解雑学生物・化学兵器

＜シュネル＞：ジークフリート・シュネル。ドイツ空軍エース。1943年2月18日、75機撃墜を達成。5月、87機撃墜で第54戦闘航空団第�V飛行隊司令官となり、西部戦線から東部戦線に移動。1944年2月、第54戦闘航空団第�W飛行隊司令官となった。2月25日、ソ連戦闘機との空戦で戦死した。総撃墜機数93機。最終階級は少佐。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜シュネルボンバー＞：BMW社が設計した４発重爆撃機で、名称は高速爆撃機という意味のドイツ語。内翼を前進翼、外翼を後退翼として、境目にBMW028ターボプロップ（3100馬力）及びBMW018ターボジェット（推力3000kg）を１基ずつ搭載した大型機バージョンと、ターボプロップ双発の前進翼機バージョンの２つが開発されたが、実用化前に終戦となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ジュノー＞：CL-52（軽巡洋艦、初代）またはCL-119（軽巡洋艦、２代目）またはF52（リアンダー級）またはF46（Ｊ級駆逐艦）またはLPD-10（揚陸艦）を参照。

＜ジュノー海岸＞：第２次大戦オーバーロード作戦時、東から２番目の上陸地点に連合軍が付けたコードネーム。ラングリュヌからラ・グリエーヌに至る地域で、カナダ第３歩兵師団、カナダ第２機甲旅団、カナダ第６・第10機甲連隊（シャーマンDD装備）、イギリス第79機甲師団第22ドラグーン・ガーズＢ中隊（シャーマン・クラブ装備）、同師団ウエストミンスター・ドラグーンＡ中隊（シャーマン・クラブ）、第５突撃工兵連隊第26・第80突撃工兵中隊（チャーチルAVRE）などが上陸した。参考：月刊PANZER12,’01、歴史群像4,’16

＜ジュノー級＞：アトランタ級（軽巡）を参照。

＜シュノーケル＞：スノート（Snort）ともいう。ドイツ語ではシュノーヘル（Schnochel、豚の鼻）。英語ではSnorkel（スノーケル）。潜水艦の艦内換気やエンジンなどの吸排気を行うための筒状構造物で、使用しない時は艦内に引き込んでおく。戦車などの車両が水面下に潜って走行する際にも使用する。海面上に潜水艦ごと浮上しなくてもディーゼルエンジンを駆動できるが、シュノーケル航走中は高速が出せず、運動も限られる。耐圧船殻を貫通する必要があるため、強度的な欠点でもある。海水が入らないように３段構えのフロート弁が付けられているが、弁が閉まると艦内の換気が止まり、ディーゼルエンジンが艦内の酸素を消費して駆動を始めてしまうため、艦内気圧が一定以下になるとエンジンを自動停止させる装置も開発された。それでも自動停止するまではエンジンが回り続けるので、艦内空気圧が急激に減少し、鼓膜が張り、虫歯に激痛が走る。また、潜航からシュノーケル航行に移る際にはついでに艦内の換気も行うが、その際にはシュノーケルの吸気口を閉じた状態でエンジンを回して艦内の空気をエンジンに吸い込ませ、艦内が負圧になったところで吸気口を開放して一気に換気するので、急激な圧力変動に注意が要る。波の荒い時は短時間で気圧の変化が繰り返されるので、乗員にはかなりの負担である。昔の海自潜水艦では航空機用気圧高度計を艦内に置いておき、これを見ながらシュノーケル頭部の露出具合を調整、エンジン自動停止や艦内気圧の急変動が起こらないようにした。航跡により発見される恐れがあり、レーダーの発達でシュノーケルも探知されてしまうようになり、また排気ガスの熱も探知される原因となったため、後にシュノーケルは航跡が目立たない形状にされ、ESMアンテナを設置、RAMも塗られるようになり、吸気用と排気用を分離して排気用シュノーケルは水面上には出さず、排ガスは水面近くの海中に放出するようになった。一般船舶との衝突防止のため、信号灯も付いている。1894年にアメリカの潜水艦アルゴノートが通風塔を付けたのが始まりで、1906年に日本海軍が導入したホランド潜水艇にも似たようなものが装備されている。しかし開閉は手動だったので、第６潜水艇沈没事故が起こってしまった。1930年代初期にオランダ海軍でフロート弁を取り付けて海水が入らないよう工夫したタイプを開発、1939年に２隻、1940年に６隻の潜水艦に搭載したが、1940年にドイツとイギリスに接収された。この時は興味を持たれなかったが、ドイツ海軍は浮上充電の危険性が増大したため再びシュノーケルに着目し、艦内に空気導入筒を引き込むタイプを完成させ、1942年9月にＵボート�ZＣ型３隻に装備した。ただ波を被ってシュノーケルが塞がると急激に気圧が変化して下手をすると鼓膜が破れる（もっと下手をすると酸欠で死ぬ）、ディーゼル排気が逆流して一酸化炭素中毒になるといった欠点があり、造船所の改装能力不足もあって1944年4月の段階でも装備していたのは30隻前後であった。以降は連合軍の航空戦力に対抗するため一気に装備が進み、8月までにほぼ全艦に取り付けた。日本海軍では特殊充電装置と名付け、昭和19年から装備している。参考：Ｕボート入門、月刊軍事研究2,’01、8,’06、月刊世界の艦船9,’12増刊、5,’91、7,’17、兵器メカニズム図鑑、現代の潜水艦、月刊丸5,’07、ザ・マーチ39号、日本潜水艦物語

＜シュノーケル・スナイパー＞：P2V-4（対潜哨戒機）を参照。

＜ジュノン＞：フランス海軍ミネルブ級潜水艦Junon。1937年竣工。1940年5月、ドイツ軍のシェルブール進駐直前にプリマスに脱出した。1954年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シュパーブ＞：S-109（潜水艦）を参照。

＜シュパーブ＞：イギリス海軍ベレロフォン級戦艦Superb。1909年竣工。1916年5月31日、第４戦艦戦隊第３小隊所属でジュットランド海戦に参加。1922年に除籍された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’16、歴史群像6,’16

＜シュパーブ＞：イギリス海軍マイノトー級軽巡洋艦Superb。1945年竣工。1960年に解体された。参考：近代巡洋艦史

＜シュバインフルト爆撃＞：暗黒の木曜日を参照。

＜受波器アレイ＞：自衛隊の機器。東陽テクニカが受注している。参考：月刊軍事研究9,’15

＜主発条室＞：撃針スプリングを収容する部分のこと。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜主発電機用原動機＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜シュパナー・シリーズ＞：ドイツ空軍の赤外線暗視装置。第２次大戦中に夜間迎撃戦闘機用として開発し、AEG社が生産した。赤外線望遠鏡の視野が狭すぎて、使えなかった。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜シュパナー�T型＞：アクティブ式。機首に赤外線ライトを搭載し、コクピットの昼間用光像式照準器と併設された赤外線望遠鏡で目標を捉える。地上の赤外線サーチライトとも連動可能。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜シュパナー�U型＞：パッシブ式。敵機の排気炎を捉える。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜シュパナー�V型＞：

　＜シュパナー�W型＞：

＜シュバリエ＞：DD-805（駆逐艦）を参照。

＜シュバリエ・ポール＞：D621（駆逐艦）を参照。

＜シュバルム＞：群れの意。ドイツ空軍ベルナー・メルダースがロッテ戦法と共に確立した４機編隊の空戦法で、編隊長機（場合によりもう１機）が攻撃に専念し、残りが掩護に回る。各機の連携が重要で、無線機により連絡を取り合う。日本陸軍も導入して１個小隊を４機編成にしたが、シュバルムは言いにくいのでロッテ戦法に纏めた。参考：月刊航空ファン4,’18

＜襦袢＞：日本陸軍用語で、シャツのこと。参考：帝国陸海軍事典

＜シュパン型＞：636型シリーズ（海洋調査艦）を参照。

＜シュピーカーオーク＞：A1452（砕氷曳船）を参照。

＜シュピーツ＞：41MS（警備艇）を参照。

＜主飛行管制所＞：プライ・フライを参照。

＜ジュピター＞：AC-3（給炭艦）またはF60（リアンダー級フリゲート）またはF85（駆逐艦）を参照。

＜ジュピター＞：アメリカ空軍弾道ミサイルJupiter、制式名称SM-78、後にPGM-19A。ソア弾道ミサイルの開発が遅れていたため、繋ぎとして陸軍フォン・ブラウン技師らとクライスラー社が開発したが、1956年11月に射程100マイル（160.9km。200mマイル・322km？）以上の弾道ミサイルは空軍管理とすることが決定したため、空軍に移管された。全長18.3m、直径2.45m、翼スパン4.35m、発射重量５トン。推進は液体燃料ロケット、最大射程2800km。弾頭はW35の予定だったが開発中止になったため、１メガトンのW49を１発搭載した。1957年に実用化され、1959年3月からイタリアに２部隊30基、同年末からトルコに１部隊15基が配備されている。アトラスICBMとポラリスSLBMの完成で用済みとなり、1963年から退役し、1965年にイタリアから撤去されて実戦配備を終えた。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、核兵器図鑑、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊丸4,’99、月刊世界の艦船6,’21

＜ジュピター＞：インドネシア空軍アクロバットチーム。KT-1B練習機６機で展示飛行を行う。2012年6月29-30日、タイ航空100周年記念イベントでデモフライトを実施。これが初の海外アクロバット飛行である。2015年、LIMA’15での事前リハーサルでソロ２機が空中接触して墜落した。2017年3月21-25日、LIMA’17に参加。参考：月刊JWings10,’12、月刊航空ファン6,’17

＜ジュピター�U＞：トムシー艦載FCS用目標捜索レーダー。使用周波数Ｌバンド。毎分7.5または15回転し、レーダー反射面積２平方メートルの動目標を200km先から捉えられる。参考：ザ・マーチ42号

＜ジュピターＳ＞：アメリカ海軍計画弾道ミサイル。当初は陸軍のジュピター弾道ミサイルをベースにする予定だったが、液体燃料ロケットの搭載が危険すぎるため、ロッキード社の提案で固体燃料に換えてある。1956年3月に開発が認可され、ロケット推力の強化と誘導装置の小型化により潜水艦発射の目処を付けた。1956年12月、ポラリス計画に引き継がれた。参考：月刊軍事研究7,’05、月刊世界の艦船6,'21

＜ジュピター級＞：アメリカ海軍給炭艦Jupiter級。全長165.3m、常備排水量19360トン。主機はターボ・エレクトリック方式、出力7142馬力、２軸推進、速力15ノット。兵装は10.2cm単装砲４門。石炭10457トンと重油2923トンを搭載可能。AC-3ジュピターとAC-4サイクロプスが1910-13年に竣工した。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ジュピター・コブラ＞：アメリカ軍とイスラエル軍の共同演習。2009年10-11月に実施され、AN/TPY-2レーダー、イージス艦DDG-76ヒギンズ、PAC-2地対空ミサイル、EL/M-2080グリーン・パイン早期警戒レーダー、アイアン・ドーム迎撃システムなどが参加し、THAAD防空ミサイルやPAC-3防空ミサイルのシミュレーションも行われた。参考：月刊航空情報3,’10

＜ジュピター作戦＞：第２次大戦時の1944年7月10-11日にイギリス軍が実施した、カーン西方の112高地・113高地制圧作戦。第43歩兵師団、第７・第９王立戦車連隊（チャーチル歩兵戦車装備）が高地に陣取るSS第２装甲軍団SS第１装甲師団の突撃砲大隊とフライ戦隊に襲いかかり、高地の頂上からは追い払ったが、占領するには至らず、両軍が頂上を挟んで向かい合う形となった。参考：月刊丸3,’14

＜ジュピテル＞：SG-1（護衛艦）を参照。

＜シュビムワーゲン＞：VW128（水陸両用車）またはVW166（水陸両用車）を参照。

＜主錨＞：艦首にある錨。参考：月刊JWings2,’00

＜ジュビリー作戦＞：第２次大戦でのドイツのソ連侵攻を受け、ソ連は西ヨーロッパに第二戦線を形成してドイツの圧力を軽減することをアメリカとイギリスに要求した。しかし海上侵攻の準備がまだ整っていなかったため、イギリス参謀本部委員会マウントバッテン卿の提案を受け、予行演習を兼ねてコマンドー部隊を奇襲上陸させることにした。目標地点のディエップはフランス本土のル・アーブルとブローニュの間にある港湾都市で、近くにドイツ軍のレーダー早期警報ステーションがあり、そこを急襲して重要部分を回収し、そのまま撤収する予定であった。当初、ルター作戦の名称で1942年7月4日に行われる予定だったが、悪天候や作戦漏洩の疑いなどで延期され、作戦内容を手直ししてジュビリー作戦となった。参加兵力は、カナダ第２歩兵師団第４・第６歩兵旅団から抽出した６個歩兵連隊と、援護のカナダ第14戦車連隊（別名カルガリー連隊。チャーチルMk.�Vが主力）、イギリス第３・第４コマンドー隊で、予備として海兵コマンドーＡ隊が洋上待機していた。また、アメリカ軍レンジャー部隊からも50名が参加した。7月19日0347、上陸用舟艇と護衛の駆逐艦がドイツ海軍の沿岸輸送艇部隊と遭遇し、戦闘になって損害を被ってしまった。このため、0530頃に上陸した第３コマンドー隊は上陸地点背後の村を制圧することができなくなり、15cm砲台が据え付けられたゲッペルス砲台も一時的に機能停止とするのみに止まった。更にドイツ軍の逆襲を受けて0800には洋上に撤退せざるを得なかった。第４コマンドー隊は、0500前に上陸を開始し、予定通り背後のヴァステリヴァル村を制圧し、ヘス砲台を攻略、洋上に引き上げた。両コマンドー隊の中央から揚陸したカナダ軍は、東側で強力な反撃にあってビスマルク砲台・ロンメル砲台共に制圧できず、西側ではヒンデンブルグ砲台の攻略に失敗した。レーダーステーションの襲撃に向かった空軍の技術軍曹は、フレイア�U型レーダーの心臓部を鹵獲したが、強力な逆襲に遭って他の目標は攻略できなかった。中央ではチャーチル戦車が上陸を開始したが、傾斜がきつく丸石だらけの海岸で履帯が切られてしまい、27両中12両が動けなくなり、持ち込んだ火炎放射戦車チャーチル・オーク３両も搭載揚陸艇が海岸近くで擱座した上、発進した車両も沈没したり波打ち際で埋まったりと全く役に立たなかった。ドイツ軍の強力な反撃に対し、カナダ軍兵士は擱座した戦車に籠もったり、盾にしたりして抵抗。0630には洋上に待機していたカナダ軍予備戦力を投入しようとしたが、上陸予定の海岸が狭い上に配置されたトーチカからの集中砲火を喰らって近づけず、1100から撤収を開始、1220に撤収を完了し、作戦は終了した。カナダ軍参加兵士5000名のうち、損害は戦死593名、行方不明287名、負傷592名、捕虜1901名。イギリス・アメリカ軍被害は戦死247名で、海軍兵550名、空軍兵190名が戦死した。チャーチル29両、ダイムラー・スカウトカー７両、駆逐艦１隻、上陸用舟艇33隻、航空機106機が失われた。ドイツ軍損害は陸海空軍合計で600名の死傷者と、航空機48機、火砲十数門。レーダーシステムの存在を確認し、大陸反攻に向けて貴重な戦訓を得たが、代償は大きかった。カナダ陸軍の２名とイギリス陸軍の１名がビクトリア・クロスを受章している。参考：月刊PANZER1,’02、月刊軍事研究5,’07、1,’15、グラフィックアクション44

＜需品＞：糧食、燃料、被服など武器以外の物品や、それに関係する装備品のこと。参考：MAMOR vol.140

＜需品科＞：陸上自衛隊の職種で、警察予備隊時代には補給科と呼ばれていた。職種色は茶色（後方支援職種統合後は藍色）で、職種章は漏斗に鍵２本を組み合わせたもの。真情あふれる支援により、全部隊・全隊員の戦闘力を維持増進することが主任務で、糧食、燃料、被服といった武器以外の補給や兵站管理を担当し、燃料や弾薬の補給のみならず、給水（川の水を浄化する所から）、給養、入浴、洗濯など隊員の衣食住関連、更には補給管理システムといったIT技能まで幅広く網羅する。科員は需品学校などで教育を受け、方面補給処や、方面後方支援隊、師団後方支援連隊、旅団後方支援隊といった後方支援部隊などに配置される。落下傘修繕担当の落下傘整備員も需品科で、最終点検は自分でパラシュートを身につけて降下することで行う。もちろん物料投下用落下傘も担任し、投下物料の梱包方法や投下法も熟知する。戦闘服、野外調理具、天幕などの開発にも携わっており、野外設備は自ら設営し、隠蔽用の掩体も掘るため、相応の体力が必要である。入隊したばかりの隊員に被服や装備品を供給し、祝賀会場を設営しておくのも需品科（駐屯地業務隊）の役目で、海外派遣では真っ先に現地に着き、駐屯地の設営を行う。参考：スピアヘッドNo.2、MAMOR vol.62、vol.117、vol.134、陸上自衛隊地上戦力の全容、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜需品科検定＞：陸上自衛隊需品科員の技量向上を図って2010年から行われている検定試験。PKOなど需品科の任務拡大に伴い、知識や技能の向上を図るのが主目的である。戦闘中の隊員の水の消費量はいくらか、といった補給に必要な知識から、迷彩服で一番広い面積を占める色はどれか、といった難問まで、様々な問題が出る。2010年11月に第一回が行われ、部隊の部では第５後方支援隊補給中隊、機関の部では武器学校、個人の部では60問全問正解した７名が優勝した。第２回は2011年11月15日から12月上旬にかけて需品学校と各部隊で行われ、隊員1850名が参加した。参考：朝雲

＜需品学校＞：陸上自衛隊の職種学校。糧食・燃料・被服といった需品科物品の整備回収、給養、給水、入浴、洗濯、落下傘整備など、需品科隊員に必要な知識・技能に関する教育や、需品科に関連した調査研究を担当する。校内には「部隊の在るところに需品あり」という標語が掲げられている。教育支援部隊として需品教導隊を隷下に置く。松戸駐屯地の支援業務なども行っている。需品科員だけでは部隊兵站の用が足りず、給食や被服補給といった全職種に関連する特技も教育するので、陸自他職種、航空自衛隊、海上自衛隊の隊員も多数入学する。可食動植物の実習もあり、松戸駐屯地内には300種類以上の植物を揃えた野草園（1961年開設。食用植物だけでなく、ホクチャクソウ、シュロソウ、ヤマトリカブトといった毒草もある）まで用意されている。元は警察予備隊総隊学校第五部補給教育班で、一時業務学校に移管され、1954年1月に松戸駐屯地に移動、9月に独立した。2006年度から年に一回、QMフェアを開催するようになった。2010年9月1日、第31回９都県市合同防災訓練に参加。11月19日、需品科検定試験を初実施。同月下旬までに全国の需品科員1800名が60問の選択・正誤・記述問題に挑戦した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。11月15日、第２回需品科検定試験を実施。学校長を含む隊員172名が参加した。2012年1月12日、東日本大震災の災害派遣に対し、千葉県知事から感謝状を贈呈された。2013年9月1日、第34回９都県市合同防災訓練に参加。2014年11月26日、QMフェアを実施。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。2018年6月13-14日、タイ陸軍に浄水装置の能力構築支援を実施。7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。2019年9月9日に上陸した台風15号被害の災害派遣に参加。2021年2月7日、千葉県多古町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたため、第１空挺団、第２高射特科群、高射学校と共に、2月11日までに115万羽を殺処分した。参考：スピアヘッドNo.2、MAMOR vol.52、vol.134、vol.140、vol.155、千葉県隊友会ホームページ、月刊丸4,’13、朝雲、陸海軍学校と教育

　＜需品学校（２０１５年）＞：松戸駐屯地に置かれている。企画室、総務部、教育部、研究部、需品教導隊からなる。参考：千葉県隊友会ホームページ

＜需品教導隊＞：陸上自衛隊の教導隊。需品学校の隷下にある。2018年6月3日、千葉地本が船橋市京葉食品コンビナート南埠頭で開催したマリンフェスタに協力し、野外入浴セットによる足湯体験を行った。参考：MAMOR vol.117、朝雲

＜需品補給処（陸自、１９７７年）＞：中央補給処の隷下で、松戸駐屯地に置かれている。朝日燃料支処、富士燃料出張所を隷下に置く。参考：日本の防衛戦力Part1

＜シュファクス＞：P611（哨戒艦）を参照。

＜シュフラン＞：D602（駆逐艦）を参照。

＜シュフラン＞：フランス海軍シュフラン級重巡洋艦１番艦Suffren。1930年竣工。1940年6月にはアレキサンドリアに停泊中で、イギリス軍に武装解除された。1943年5月30日から連合軍部隊として行動し、ダカールに回航されてアメリカで改装を実施。1962年12月27日に退役し、オセアン（Ocean）と改称されてハルクとして使用され、1974年に解体された。参考：月刊世界の艦船5,’83、第２次大戦のフランス軍艦、近代巡洋艦史

＜シュフラン＞：フランス海軍シュフラン級攻撃原潜１番艦Suffren。2007年12月（10月？）、ファースト・スチール・カット挙行。2019年7月12日、進水式を実施。実際には7月末（8月？）に進水した。12月17日、原子炉が臨界に達した。2020年4月28日、第１回公試のためネイヴァル・グループのシェルブール工場を出港し、シェルブールで静止潜航試験を行った。7月28日、ツーロンに到着し、海軍公試に入った。10月竣工。10月20日、ビスカロッスのミサイル試験場で、MdCN巡航ミサイル、エグゾセSM39対艦ミサイル、F21長魚雷を１発ずつ試射した。11月6日、ツーロンで引き渡し式典が行われた。2022年6月3日就役。参考：月刊軍事研究9,’12、月刊世界の艦船9,’19、3,’20、7,’20、1,’21、2,’21、9,’22

＜シュフラン級＞：フランス海軍重巡洋艦Suffren級。デュケーヌ級の装甲強化型で、１番艦は水線部に50mm、上甲板・主甲板に25mm、水中防御縦壁として25mmの装甲を持ち、2-3番艦は防御縦壁を廃して54-60mmのインターナルアーマーを設けるなど防御力を強化、４番艦では上甲板・主甲板装甲厚を30mmとして更に防御力強化を図っている。このため、１番艦を第１グループ、２番艦以降を第２グループとして細分することもある。全長196.0m（コルベールとフォッシュは194.2m、デュプレは194.0m）、幅20.0m（コルベールは19.4m、フォッシュとデュプレは19.3m）、吃水7.5m（コルベールとフォッシュは7.3m、デュプレは7.2m）、基準排水量9938トン。主機はギヤード蒸気タービン３基３軸98300馬力、速力33.7ノット。兵装は20.3cm連装砲４基、55cm３連装魚雷発射管４基（シュフラン以外は２基）、7.5cm単装高角砲８門、（コルベール・フォッシュは9cm単装高角砲８門、デュプレは9cm連装高角砲４基）、37mm連装機関砲４基。後部マストの後ろにカタパルト１基を持つ。搭載機はシュフランが２機、それ以外は３機。乗員は平時602名（シュフラン以外605名）、戦時773名（シュフラン以外752名）。1925-28年にシュフラン、コルベール、フォッシュ、デュプレの４隻が就役した。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船5,’83

＜シュフラン級（改装）＞：1943年にアメリカで改装が施された。カタパルト、後部マスト、魚雷発射管を撤去して、レーダーを新設し、対空火器を増強した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シュフラン級＞：フランス海軍ミサイル駆逐艦（フランスの艦種は当初巡洋艦、その後ミサイル・フリゲート）Suffren級。クレマンソー級空母機動部隊の直衛防空用に開発されたもので、フランス国産のマズルカSAM及びマラフォン対潜ミサイルを搭載している。船体は長船首楼型。艦橋後部上面にはDRBI23対空三次元レーダーを収容した巨大なレドームがあり、背の高いマックを艦中央部に装備する。艦載戦闘システムはSENIT1で、後にSENIT2に更新された。低空警戒・対水上レーダーはDRBV15、GMFCSはDRBR51レーダー、GFCSはDRBC33（２番砲と艦橋の間）、ソナーはDUBV23ハル・ソナーとDUBV43VDS。全長157.6m（148m？）、幅15.5m、吃水7.3m、基準排水量5400トン、満載排水量6800トン（6090トン？）。主機はラトー式２段減速蒸気タービン２基、主缶（蒸気圧１平方センチあたり45kg、温度450℃）４基、出力72500馬力、２軸推進、速力34ノット。兵装は55口径100mm単装砲Ml364が２門（前甲板背負い式）、マズルカ連装発射機１基（36発。後甲板）、マラフォン単装発射機１基（マック直後）など。乗員360名。1967年と1970年にD602シュフランとD603デュケーヌが就役した。もっと作る予定だったが、マズルカが大がかりすぎて高価になり、２隻のみで終わっている。1977-79年に改装工事を受け、エグゾセミサイルを装備した。1992年の諸元は、全長157.6m、幅15.5m、吃水6.1m、基準排水量5090トン、満載排水量6910トン。主機は蒸気タービン、出力72500馬力、２軸推進、速力34ノット。兵装はエグゾセMM38単装発射筒４基（後部マスト前方）、マズルカ連装発射機１基（後甲板）、マラフォン発射機１基、100mm単装砲２門（前甲板背負い式）、20mm単装機関砲4-6丁、533mm固定式対潜魚雷発射管４門。乗員355名。2001-08年（07年？）に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,'21、3,’05、10,’11、5,’86、6,’16、12,’18、9,’22

＜シュフラン級＞：フランス海軍攻撃原潜Suffren級。バラクーダ（Barracuda）型ともいう。リュビ級の後継として1998年から開発し、DCN社が建造した。主任務は対水上戦、対潜戦、対地攻撃、情報収集、特殊作戦、危機管理で、偵察や情報収集、特殊作戦支援を行えるように電子光学センサーや電波探知機、通信系を充実させている。船体は複殻式。セイル付け根前縁はフィレットで整形されており、艦橋から出入りしたり見張りをしたりする際にはセイル上面前部が左右にスライドして開く。セイル直後の上甲板に特殊部隊員用ハッチを持ち、小型水中艇格納筒を装着できる。原子炉はシャルル・ド・ゴール級空母やル・トリオンファン級戦略原潜と同じK15加圧水型原子炉で、巡航時は静粛性を重視して電動モーターで推進するが、高速航行時には減速歯車を介してタービンを推進軸に直結し、速力第一で敵を追尾する。艦尾舵はフランス初のＸ舵。潜望鏡は非貫通型電子光学マストで、サジェム社製シリーズ30SOM捜索用とシリーズ30AOM攻撃用を１本ずつ搭載する。戦闘システムはSYCOBS。コントラルトＳ魚雷防御装置を装備する。１年のうち240日行動でき、10年に１回の炉心交換が必要で、６隻建造し、３隻を実任務、２隻を整備訓練、１隻をオーバーホールに就ける。稼働率向上のため、乗員は２クルー制にする予定。フランス潜水艦として初めて女性乗員を配属可能とした。全長99.5m、幅8.8m、吃水7.3m、水上排水量4765トン、水中排水量5200トン。主機は原子力ターボエレクトリック（巡航時）／原子力蒸気タービン（高速時）方式、K15加圧水型原子炉の改良型１基（核燃料濃縮率7.5%）・蒸気タービン発電機２基・電動モーター２基、出力50MW、推進はポンプジェット１軸、水中速力25ノット、最大潜航深度350-400m。兵装は533mm魚雷発射管４門（F21魚雷、スカルプ・ナヴァールSLCM、エグゾセSM39を計24本。20本？40本？FG29機雷も搭載可能）。乗員60名（士官12名、下士官兵48名）＋特殊部隊15名。シュフラン、S-636デュゲイ・トルーアン、トゥールヴィル（Tourville）、ド・グラース（De Grasse）、リュビ（Rubis）、カサビアンカ（Casabianca）の６隻が2022年から就役した。参考：月刊軍事研究4,’05、5,’17、1,’07、2,’07、3,’10、6,’10、9,’12、月刊世界の艦船10,’19、7,'20、1,'21、6,’21、9,'23、10,'23、11,’16、10,’17、3,’07、3,’14、5,’16、10,’17、2,’10、10,’11、2,’17、9,’18、4,'20、10,'20、8,’21、12,'21、9,'22、朝雲、現代の潜水艦

＜シュプリンガー＞：Sd.Kfz.2輸送車ファミリーを参照。

＜シュペープラットフォルム＞：ドイツのドルニエ社が開発したRPVで、索敵プラットフォームの意。ヘリコプター型の繋留式で、ローターの上にTVカメラ、下にジェット噴射式姿勢制御装置を持つ。ローター直径1.2m、重量35kg。エンジン出力33.5馬力で、作戦高度50mまで10秒で浮揚し、１分間偵察して着陸する。小型トレーラーに収容され、ウニモグ1.4トントラックで牽引される。参考：スパイ機

＜シュペールヴァー＞：SPERWER（UAV）を参照。

＜シュペサルト＞：A1442（給油艦）を参照。

＜シュペサルト級＞：ドイツ海軍給油艦Spessart級、タイプ704。民間タンカーを購入して改造したもので、船体中央にデリック式の補給ポストを追加してある。全長130.2m、満載排水量14179-14396トン。燃料11500立方メートル、飲料水400立方メートル、コンテナ２個搭載可能。主機はディーゼルで、速力16ノット。1977年（1976年？1974年？）にA1442シュペサルトとレーン（Rhön）の２隻が就役した。後に補給ポストがリグ方式に変更された。後継としてタイプ707補給艦を計画中。参考：月刊世界の艦船3,’07、9,’14、10,’19

＜シュペル５３０シリーズ＞：フランス・マトラ社製の中距離空対空ミサイルSuper 530。R530をベースに開発された。ミラージュ2000シリーズに標準装備されている。参考：月刊丸10,’97、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜シュペル５３０Ｆ＞：最初の生産型で、1979年に就役した。誘導方式はSARHで、可動フィンにより飛翔制御を行う。全長3.54m、直径0.26m、翼スパン0.90m、重量240kg。固体ロケット推進で、射程35-40km。参考：世界の軍用機1979、月刊丸10,’97

＜シュペル５３０Ｄ＞：Ｆ型の改良型で、1987年に登場した。超低空から高度24kmまでの目標に対処できる。全長3.8m、直径0.263m、翼スパン0.62m、重量270kg、弾頭重量30kg。ブースター燃焼時間２秒、サステナー燃焼時間４秒、最大速度マッハ4.5、最大射程40km。信管は近接式。参考：ザ・マーチ17号、月刊丸9,’97、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜シュペルウエール＞：カナダ軍が使用しているフランスSAGEM社製UAV。電子光学・赤外線センサーを搭載し、ミッション半径200km、滞空時間６時間。主に夜間監視ミッションに使用される他、夕暮れ時の地面温度と地雷温度の差を見分けられるという。アフガンに４機を派遣したが、乱気流による墜落や故障で一時的に全て使えなくなってしまった。参考：月刊軍事研究5,’04

＜シュペル・エタンダール・シリーズ＞：フランス海軍艦上攻撃機Super Etandard。空母から発艦して核爆弾を落とすのが主任務で、ダッソー社が開発し、フランス初の慣性航法攻撃システム搭載実戦機となった。当初はジャギュアＭをエタンダールの後継にする予定だったが、片発停止時の着艦と重量、パーシャルアフターバーナーに問題があって採用されず、A-4M/A-7Eの輸入やミラージュF1の艦載型も検討されたが空母の発着艦システムを強化する必要があり、エタンダール�WＭの改良型に落ち着いて1973年から開発された。フランス海軍では2016年7月12日に退役した。参考：世界の軍用機1979、世界航空機年鑑2018-2019、月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン4,’10、月刊JWings10,’16

　＜シュペル・エタンダール＞：エタンダール�WＭのエンジンをアター9K50のアフターバーナー抜きであるアター8K50に換装し、機首にトムソンCSF／ダッソー社製アガーブ捜索レーダー（Ｘバンド）を搭載してレドームを円形断面に成形、HUDを追加し、重量増加に対応するため主翼後縁ダブルスロッテッド・フラップの面積を拡大、リーディングエッジ・フラップを翼端まで延ばし、スポイラーも開口型に変更した。機首上面には引き込み式の空中給油受油装置を持つ。シンガー・ギアファット社製SKN-2600慣性航法装置をSAGEMでライセンス生産したETAシステムを搭載し、１飛行時間あたりの誤差は１海里以内とされる。揺れる空母上での慣性航法装置整合のため、赤外線レーザーを利用したSATデータリンクシステムが組み込まれており、母艦の基準位置が伝送される。主翼は折り畳み式で、下反角３度30分、後退角45度、アスペクト比３、翼厚比は付け根6%・翼端5%で、強い前縁ドループを持ち、内部はインテグラルタンクになっており、前縁フラップと後縁二重隙間フラップを装備する。横操縦は補助翼とスポイラーで行う。水平尾翼は全遊動式で、発着艦の際のみエレベーター部分が独立作動する。発艦はブライドルワイヤー式で、空母にブライドル・リトリーバーが付いていないため、１本70万円のワイヤー２本を海の藻屑にしながら発艦していく。また、シャトル方式のカタパルトのみを装備したアメリカ空母に着艦すると、自力発艦できなくなる。全長14.31m、全幅9.6m、全高3.85m（4.3m？）、自重6.35トン、総重量9.25-11.115トン（12トン？）。翼面積28.4平方メートル。エンジンはスネクマ社製アター8K50（推力4.96トン）単発、最大速度マッハ1.3（高度11000m）、実用上昇限度13700m、上昇率毎分6100m、燃料容量3300リットル、戦闘行動半径は1100リットル増槽２基・AM39エグゾセ１発で350海里。固定武装は30mm機関砲DEFA（125発）２門。ハードポイントは５カ所で、通常爆弾、AN-52核爆弾1-2発、AM39エグゾセ（右舷の１カ所のみ搭載可）など1.8トンを搭載できる。乗員１名。1974年10月28日（29日？）に原型機、1977年11月24日に量産機が初飛行し、1983年までに71機がフランス海軍に引き渡された。参考：世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91、月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン4,’10、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜シュペル・エタンダール近代化型＞：SEM（Super Etendard Modernisé、シュペル・エタンダール・モダニゼ）と略す。1987-2003年に５段階で実施された近代化改修を受けたタイプ。電子機器を更新し、HOTASを搭載、耐用年数を延長した。アップグレード・スタンダード２（1990年実施）でアネモネ・レーダーを装備し、探知距離が２倍になった。アップグレード・スタンダード３でATLIS�Uレーザー目標指示装置を搭載できるようになり、AS30LやGBU-12などを運用可能としたが、兵装搭載用アクセサリー装備スペースを確保するために機関砲が外されている。アップグレード・スタンダード５でFLIRポッド搭載改修と地形参照航法装置追加が行われ、夜間作戦能力が増大した。残存していた約60機に改良が施され、うち53機にはASMP核ミサイルの運用能力も付加された。ラファールＭに後を譲って2016年7月12日に退役セレモニーが行われた。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン4,’10、10,’16、月刊JWings2,’14、9,’14

＜シュペル・エタンダール海外シリーズ＞

　＜シュペル・エタンダール（アルゼンチン海軍）＞：アルゼンチン海軍攻撃機。1979年に14機を発注した。フォークランド紛争でAM39エグゾセによりアトランティック・コンベアとシェフィールドを撃沈した。フランス海軍で退役したSEM５機（とシミュレーター、予備エンジン８基、予備パーツ、工具など）を2018年5月10日に購入している。参照：月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン4,’10、2,’18、月刊軍事研究11,’18

　＜シュペル・エタンダール（イラク空軍）＞：イラク空軍攻撃機。ミラージュF1の引き渡しが遅れたため、繋ぎとして1983年10月にフランス海軍の装備する機体のうち５機が輸出された。参照：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings3,’16

＜シュペル・ピューマ＞：AS332シリーズ（ヘリ）を参照。

＜シュペル・ピューマＭｋ．�Uプラス＞：EC225（ヘリ）を参照。

＜シュペル・フルロン＞：SA321シリーズ（ヘリ）を参照。

＜シュペル・ミステール＞：ミステール・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜シュペル・ミラージュ４０００＞：ミラージュ4000（試作戦闘機）を参照。

＜酒保＞：「しゅほ」と読むが、元は「しゅほう」らしい。英語ではCanteen、フランス語ではキャンティーヌ。アメリカ軍ではPX（Post Exchange）と略す。兵士のために営内で日用品や嗜好品を売る店のこと。17世紀のヨーロッパには既に存在した。参考：歴史群像2,’05、帝国陸海軍事典、月刊軍事研究9,’13

　＜艦内酒保（アメリカ海軍）＞：艦内での飲酒は禁止なので販売されておらず、軍医が薬としてウイスキーやブランデーを処方するか、こっそり持ち込むしかない。1893年に製氷機や冷蔵装置を備えるようになった。1906年に戦艦ミズーリにアイスクリーム製造器が設置されたのを皮切りに、空母や戦艦など大型艦にはアイスクリーム製造器が備え付けられ、ゲダンク・バーと呼ばれるデザート供給所で提供されるようになった。ちなみにゲダンク・バーは列への割り込み厳禁で、戦艦ニュージャージーのゲダンク・バーで列に割り込んだ新任少尉２名がハルゼー提督に怒鳴られたらしい。1914年、飲酒が禁止された。5000名搭乗のニミッツ級空母となると24時間営業のコンビニ級の売店が設置されている。参考：歴史群像8,’17、MAMOR vol.115、月刊世界の艦船9,’21

　＜艦内酒保（海上自衛隊）＞：艦内売店で、第４分隊補給科が管理を行い、日用品、カップラーメン、スナック、お土産品などを販売している。以前はアルコール類も販売していたが、いつしか停泊中でも航海中でも艦内での飲酒は御法度（医務室の気付け用を除く）になってしまい、現在は酒保といいつつアルコール類は売っていない。行動が長期に渡ったりして上陸の機会が著しく制限されている場合に限り、事前の許可で少量飲酒できる。営業時間は課業終了後の数時間に限られる。参考：月刊軍事研究9,’13、3,’14、自衛隊装備カタログ1981、日本の防衛戦力Part7

　＜艦内酒保（日本海軍）＞：軍艦内に設けられた酒保で、中甲板居住区あたりにある。明治33年に設置規定が出された。昭和15年頃からは物資が不足して戦給品の配給に頼ることになった。潜水艦では酒保員だけ置いてあり、軍港に寄った時に基地隊から品物を仕入れてくる。平日は夕食後、休日は昼食後に酒保開けの号令がかかってオープンするので、班の代表が注文を取って伝票に書き込み、我先に買い物をしに行く。代金は月末に纏めて払う。店員は酒保係と呼ばれ、酒保長１名と助手２名からなる。菓子類といった食品から免税タバコ、石鹸・タオルといった日用品まで様々なものを売っている。イギリス海軍式なので、停泊中でも航海中でもアルコール飲料を買って飲むことが可能。参考：歴史群像2,’05、海軍よもやま物語、自衛隊装備カタログ1981

　＜酒保（アメリカ陸軍）＞：酒保車（Mobile PX）もあり、朝鮮戦争では４輪軍用トラックの後部荷台に売店を搭載して日用品や軽食を販売した。太平洋戦争終戦で日本に進駐した占領軍用の輸送列車にはCommissary Carという酒保車を繋いでいる。参考：月刊戦車マガジン5,’89、月刊軍事研究10,’17

　＜酒保（イギリス軍）＞：基地内の売店はNAFFI、軍人クラブはMESSという。参考：MAMOR vol.93

　＜酒保（海軍兵学校）＞：養浩館を参照。

　＜酒保（自衛隊）＞：隊員の分限、服務等に関する訓令の第10条で、防衛大臣が特に許可した場合を除き、勤務中、駐屯地内、艦船内で酒類を用いてはならず、隊員はいかなる場合においても、品位を失い自衛隊の不名誉となる程度まで酒類を用いてはならないと規定されている。飲酒は隊員クラブや基地クラブで行い、営内では飲まない。参考：隊員の分限、服務等に関する訓令、MAMOR vol.136

　＜酒保（捕虜収容所、ジュネーブ第３条約）＞：ジュネーブ第３条約第２章第28条に規定がある。全ての収容所には捕虜が食糧、石けん、煙草、通常日用品を現地の市場価格を超えない価額で買うことが出来る酒保の設備をしなければならない。得られた益金は捕虜のために用いなければならず、そのために特別の基金を設ける。捕虜代表は酒保と基金運営に協力する権利を持つ。収容所が閉鎖された場合、特別な基金の残額は、その基金を積み立てた捕虜と同一の国籍を有する捕虜のために用いられるよう、人道的な国際機関に引き渡さなければならない。全般的の送還の場合には、関係国間に反対の協定が無い限り、上記益金は、抑留国に残される。参考：日本赤十字社社史稿第６巻

　＜酒保（陸上自衛隊）＞：駐屯地内福利厚生施設として駐屯地の規模に応じ売店（装備用品店、スポーツ用品店、洋品店、靴店、文具店、書店、コンビニ、土産物店、酒店など分野別になっていることもある）、食堂、隊員クラブ、理髪店、クリーニング店、ファストフード店、宝くじ売り場、旅行代理店、薬局などが置かれており、外部民間業者が運営している。酒保とは言わず、アメリカ式にPXと呼んだりするようである。2010年代前半に売店の運営業者の１つが倒産したらしく千葉県駐屯地内の売店が閉鎖されて品物が差し押さえられていたことがあったが、再開されるまで私物の装備用品や雑貨などが購入できず不便だったと思われる。食堂は営外居住隊員や訪問者向けで、営内居住者は隊員食堂で食事をする。隊員クラブは居酒屋やラウンジ型式の酒類提供場所であり、行事などの際に隊員クラブ以外の駐屯地内で飲酒する際は駐屯地司令に申請し、許可を受けた場所で飲む。酒店がある駐屯地でも営舎居室での飲酒は禁止。参考：MAMOR vol.85、vol.93、vol.116、月刊軍事研究5,’12、日本の防衛戦力Part8

　＜酒保（日本陸軍）＞：明治5年に日本陸軍が創設されると共に作られた。営内居住者に質素良質廉価な日用品・飲食物などを販売する場所で、ビールや日本酒、突撃一番まで売られていた。長期演習の際には移動酒保と称して演習先に展開することもある。連隊本部の酒保委員が統括し、民間から物品を仕入れる。運営は兵士が行うが、場合により販売を民間に委託することもある。飲食物は酒保委員が試食を行い、食中毒時の検査のため検査食格納箱に24時間保管した。飲食スペースも付属しているが、これは兵専用で、下士官は下士官集会所で飲食を行う。昭和18年に物品販売所という名前になった。入隊して３ヵ月目に行われる検閲を終えると出入りが許可されるが、古参兵のたまり場になっているので、気楽に行ける所ではない。販売員は4-5年兵などという古々参兵が多く、客の敬礼に答礼もせず、品物を放り出して金銭を受け取り（金銭入という箱に客が入れる方式もある）、客の方がご苦労さんでありますと礼を言うという完全な殿様商売であった。参考：写真で見る日本陸軍兵営の食事、新兵サンよもやま物語、歴史群像2,’05

　＜野戦酒保（日本陸軍）＞：出征に伴い、連隊または大隊本部に設けられた酒保。参考：歴史群像2,’05

＜主砲＞：Main Battery。

＜主砲指揮所＞：砲術長が主砲射撃の指揮を行う所。参考：図解日本の戦艦

＜主砲射撃所＞：方位盤照準装置により全主砲の照準を行い、射手が発砲を行う場所。参考：図解日本の戦艦

＜シュマイザー短機関銃＞：MP38/40を参照。

＜ジュマイティス＞：リトアニア海軍フリーヴェフィスケン級哨戒艇Zematis。参考：月刊軍事研究6,’12

＜シュマルトゥルム＞：�X号戦車Ｆ型を参照。

＜シュマン・デ・ダームの戦い＞：エーヌ会戦を参照。

＜シュミット＞：APD-76（高速輸送艦）またはDE-676（護衛駆逐艦）を参照。

＜占守島防衛戦＞：占守は「しゅむしゅ」と読む。千島列島最北端の島で、港と水上機基地があり、対岸の幌筵（ぱらむしる）島には飛行場（飛行第54戦隊が駐屯）も作られていて、太平洋戦争中はアリューシャン列島を睨む要所だった。防衛は昭和19年4月12日に新編された第91師団隷下の第73旅団が担当しており、5月15日には戦車第11連隊が到着し、6月1日に独立戦車第２中隊（九五式軽戦車装備）も加わり戦車第11連隊第４中隊として編入された。昭和20年5月に本土決戦準備で兵力の一部が引き抜かれたため、守備体制を変更。旅団主力は占守島南西部に複郭陣地を配して立て籠もり、上陸に適する北東部竹田浜付近に北部遊撃隊として独立歩兵第282大隊を配置し、竹田浜を側射できる地点に砲兵、竹田浜を臨む四嶺山に大隊本部を置いて遅滞戦闘を行うことにした。兵力は10000名、九七式中戦車改19両（20両？）、九七式中戦車20両（19両？）、九五式軽戦車25両。これらはあくまでも対米戦に備えた計画である。昭和20年8月15日早朝、ソ連極東軍総司令官は第２極東方面軍司令官と太平洋艦隊司令長官に対し、千島列島に侵攻して25日までに千島列島北部諸島（占守島、幌筵島、阿頼度島、志林規島）を占領するよう命じた。日本がポツダム宣言を受諾して交戦しなくても千島列島北部諸島を入手できるのに作戦を継続した大元のスターリンの企図は明らかでなく、戦略要衝の確実な確保、日本軍戦力軽視、ソ連軍内部での連絡不行き届きなどが挙げられている。第２極東方面軍からはカムチャツカ防衛区司令部へと侵攻命令が下されたが、時間が限られているため、手持ちの兵力で奇襲上陸を行うしかなくなり、ポツダム宣言受諾後の8月15日1500、ペトロパブロフスク・カムチャツキー港に第101狙撃兵師団の将兵が集結、上陸用舟艇（アメリカ供与）16隻と輸送船14隻に加えてかき集めてきた自走浮舟にも乗船を開始。上陸部隊は先遣隊が臨時編成独立海軍歩兵大隊（第60海上国境警備隊から編成）と第302狙撃兵連隊自動銃中隊、同迫撃砲中隊、同化学戦中隊、同偵察小隊、第119独立工兵大隊１個中隊、第１梯隊が第138狙撃兵連隊（２個中隊欠）、第428榴弾砲連隊第１大隊、第279砲兵連隊第２大隊、第169独立対戦車砲大隊（対戦車銃中隊欠）、第２梯隊が第373狙撃兵連隊、第279砲兵連隊（１個大隊欠）、臨時編成独立海軍歩兵大隊１個中隊、陽動上陸部隊が第138狙撃兵連隊２個自動銃中隊、同対戦車銃小隊、同工兵分隊、同化学戦分隊、第279独立対戦車砲大隊対戦車銃中隊で、総兵力8824名、120mm榴弾砲37門、76.2mm野砲44門、45mm対戦車砲、迫撃砲115門だった。8月17日、幌筵島の第91師団司令部で部隊長の会合が開かれ、カムチャツカ半島南端でソ連軍の砲撃が行われたという報告があったが、ソ連が攻めてくるという認識はあまり無く、ソ連が進駐（侵攻ではない）してきた場合には戦闘を行わないことになった。その後、第５方面軍から「8月18日1600を以て一切の戦闘行動を停止する、ただしやむを得ない自衛行動は妨げない」との命令を受領した。0500、海軍艦艇と輸送艦艇計54隻からなるソ連軍はアバチャ湾ペトロハバロフスク港を出撃。昼からソ連軍はロパトカ岬から竹田浜南の小泊崎にある座礁タンカーに向け試射を開始。ソ連海軍飛行連隊の航空機３機も偵察と爆撃を行ったが、守備隊からの反応は無く、ソ連は日本軍が戦意を喪失していると判断した。第91師団ではアメリカ軍の軍使が来たら降伏する方針とし、戦車の投棄準備や砲弾の信管除去作業を開始、第73旅団では夕方に備蓄しておいた食料でささやかな宴会を開いた。2300頃、ソ連軍が上陸作戦を開始。8月18日0200（現地時間。日本時間0000）、ソ連軍先遣隊の一部が竹田浜に上陸を開始。竹田浜の側射陣地が戦闘態勢を整え、北部遊撃隊本部に敵襲を連絡。戦車第11連隊が九五式軽戦車３両で国端崎へと偵察に向かい、竹田浜で砲煙を確認、国端崎手前で敵部隊と遭遇し、上陸してきたのがアメリカ軍でなくソ連軍であることを確認した。0235、ソ連軍はロパトカ岬から占守島に対して25分間の効力射を開始。0330、竹田浜の守備隊が国籍不明の敵が上陸していると北部遊撃隊本部に伝えた。これを受けて北部遊撃隊は竹田浜に向けて上陸阻止射撃を開始。大隊長は四嶺山の戦闘指揮所に走ったが、副官が乗馬をソ連軍先遣隊とみられる狙撃兵に撃たれた。0400過ぎ、第91師団司令部にソ連上陸が伝えられ、師団長はポツダム宣言に基づかない不法侵攻と捉えて0410に戦闘準備を下命、迅速な反撃を命じた。占守島防御陣地は完成前のため、防御戦闘ではなく攻撃による撃退を選択、隷下各部隊には遭遇戦に備えた伝達速度の速い各別命令を発している。0406-0420、ロパトカ岬のソ連軍が占守島に効力射を実施。0422、占守島北部の竹田浜にソ連軍先遣隊主力が上陸。奇襲上陸を行う筈だったが、上陸用舟艇が発砲してしまい、日本軍の反撃を受けた。ソ連軍先遣隊は竹田岬の日本兵８名を陣地ごと砲撃で吹っ飛ばすと１個小隊ずつを国端崎の側射陣地制圧に向かわせ、残りは四嶺山に向かい急進した。0430、戦車第11連隊（戦車40両）に、工兵２個中隊と併せて竹田浜北端の国端崎への急進命令が出された。これを受けて連隊長は大和橋に前方展開していた軽戦車装備の第４中隊に捜索を命じ、連隊本部と他の中隊には非常呼集を掛け、ポツダム宣言受諾で武装解除の準備をしていた戦車の再整備を開始した。0500、四嶺山の九六式十五糎加農が射撃を開始。３発目がロパトカ岬のソ連軍沿岸砲弾薬庫に命中し、陣地を破砕した。ソ連は第１梯団が上陸を開始したが、側射陣地がまだ制圧されておらず野砲の射撃で上陸用舟艇5-7隻を破壊され、無線機が海水に浸かって艦砲射撃も要請できず、砲撃による損害を防ごうと内陸への進撃を急いだ。海軍片岡飛行場には北東海軍航空隊北千島派遣隊九七式艦攻４機と陸軍飛行第54戦隊一式戦闘機４機が配備されており、上陸艦隊・上陸部隊への反撃を開始。0700、戦車第11連隊本部が天神山に集結。戦車の準備は整わず、一緒に進撃する筈の工兵や歩兵も到着していなかったが、時間が無いため0730に戦車22両で進撃を開始した。四嶺山の南麓にある匂い橋を渡ったところでソ連軍の右翼を発見。0820、連隊長は「これより敵中に突入せんとする。祖国の弥栄を祈る」と第91師団長と第73旅団長に無線で訣別電を送り、0850に突撃を開始、戦車３両を失いながらも四嶺山に浸透していたソ連軍を撃退した。0930、第11戦車連隊は四嶺山の頂上に達したが、北部遊撃隊の大隊戦闘指揮所は孤立したままで、ソ連軍が四嶺山北東部で態勢を整えて反撃する兆しを見せたため、集結を続けて戦車30両に増勢した戦車第11連隊は霧による視界不良を突き、0930にソ連軍に攻撃を開始。連隊本部の左翼に第１、第３、第４中隊、右翼に第６、第２中隊を並べ、連隊長は上半身裸で白鉢巻を締め、日章旗を手にして砲塔に馬乗りになり、自ら先陣を切って突入した。これによりソ連軍を竹田浜に押し戻したが、濃霧により視界が20mしか無く、上陸を完了したソ連軍第２梯団が独断で前線に送った対戦車砲４門及び対戦車銃100丁の反撃を喰らって戦車21両を撃破され、連隊長、副官、指揮班長、第１・第２・第３・第５・第６中隊長ら96-97名が戦死した。残った第４中隊長が残存部隊を掌握し、その間に上陸地点を臨む高地への展開を完了した砲兵部隊と共同しての海岸堡撃破を企図したが、1800に第５方面軍から再び停戦命令が届いたため、攻勢は中止することにした。国端崎の砲兵陣地はソ連軍に包囲されたが、砲弾の信管を発射直後に作動させる散弾零距離射撃でソ連兵を吹っ飛ばし、陣地を固守。第91師団はソ連側に軍使を派遣して停戦交渉に入ったが、ソ連の攻撃が続くため占守島では防御戦を継続、第91師団では占守島と幌筵島の日魯漁業女性工員500人を船舶27隻で脱出させた。8月20日に第５方面軍とソ連軍との間で停戦と武装解除が合意され、8月21日に第５方面軍が柏原沖のソ連艦上で降伏文書に調印、8月22日に第91師団が降伏し、8月23日に武装解除された。九七式艦攻２機と一式戦闘機３機は武装解除前に片岡飛行場を脱出して北海道に向かい、九七式艦攻は北海道東部に到着、一式戦闘機は濃霧に阻まれ１機が海に落ち、１機が幌筵島武蔵飛行場に不時着、１機が南樺太に不時着した。日本側戦死者は日本側記録370名／ソ連側記録1018名、ソ連側戦死者は日本側記録3000名／ソ連側記録1567名。その後占守島にはソ連軍が駐屯したが、冷戦終結で撤退し、灯台２箇所に灯台守４人がいるのみで、ほぼ無人島となった。占守島には戦車の残骸が残されており、鹵獲された九七式中戦車改がクビンカ戦車博物館に置かれている。2013-14年にロシアの民間団体とサハリン州調査団が遺骨回収を行い、国端崎と四嶺山で日本兵の遺骨６柱を回収、厚生労働省に引き渡した。参考：歴史群像4,’11、月刊丸8,'15別冊、日本戦車隊戦史、月刊軍事研究9,'15、月刊PANZER12,’01、月刊グランドパワー5,’04

＜シュメーリ＞：A-50（早期警戒管制機）を参照。

＜シュメッターリンク＞：Hs-117（地対空ミサイル）を参照。

＜シュメル１＞：Yak-061（UAV）を参照。

＜シュメル級＞：ロシア国境警備隊哨戒艇Shmel級。兵装は76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シュヤート＞：パキスタン海軍ヤララト級哨戒艇２番艇。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。参考：JShips vol.48

＜主要作戦基地＞：MOBを参照。

＜主翼＞：Main wing。固定翼機が飛ぶのに必要な揚力の大部分を発生させる翼のこと。主翼上面を流れる気流速度が下面よりも速くなるように翼型を工夫してあり、主翼上面には負圧が生じて主翼が引っ張り上げられる。更に適度な迎え角を取って主翼下面の気流をせき止めれば、下面に正圧が生じるので、主翼は下から持ち上げられる。この両者の力により揚力が生まれる。翼の上面に発生する負圧による揚力の方が強いので、こちらの気流を乱さないよう、パイロンを取り付ける際には主翼下面を選ぶことが多い。通常の迎え角で揚力が一番大きくなるのは、翼断面において前縁から翼弦長の25%付近である。飛行中には揚力により主翼を上に曲げようとする大きな荷重が掛かり、上面に圧縮力、下面に引張り力が加わるため、それに堪える構造が必要となる。そこで１−数本の桁を左右方向に通し（単桁／複桁／多桁構造）、前後方向にリブ（小骨）を張り、リブとリブの間をストリンガー（縦通材）で支え、そこに外板を貼り付けている。主翼に働く捻れ力は、外板が負担する。大型機では、強い捻れ力にも堪えるため外板を分厚くし、縦通材と共に曲げへの抗堪力も持たせたボックスビーム構造を採用する。左右主翼を別々に胴体に結合すると、揚力による曲げモーメントを胴体で直接受け止めなければならず、構造設計が面倒になるので、中央翼やキャリースルーで左右を一体化し、左右の曲げモーメントを中央で打ち消し合うことにより解決する。前後方向の取り付け位置は、飛行安定性を保つため、通常は全機重心位置付近、つまり胴体中央部付近になる。上下方向の取り付け位置は、要求される性能や用途などで異なり、高翼配置、肩翼配置、中翼配置、低翼配置がある。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、飛行機のしくみ、戦闘機のしくみ、丸メカニック別冊１、月刊JWings7,’15、12,’23

＜主翼埋め込み式エンジン配置＞：主翼内部にエンジンを埋め込む配置方式。ジェットエンジンを丸ごと主翼内部に埋め込むことで、空力干渉を最小限にする。世界初のジェット旅客機であるコメット旅客機が採用したが、エンジンを通せるように主桁断面を工夫する必要があり、整備時のエンジンへのアクセスが難しく、直径の大きい新型エンジンへの換装が不可能という欠点があり、廃れた。参考：航空機設計法

＜主翼整備作業台＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜主翼前縁延長＞：ストレーキを参照。

＜主翼前縁付け根延長＞：ストレーキを参照。

＜主翼面積＞：翼面積を参照。

＜ジュラーヴリク＞：Su-27シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ジュラート＞：パキスタン海軍ジュラート級ミサイル艇Jurat。2006年就役。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ジュラート級＞：パキスタン海軍ミサイル艇Jurrat級。パキスタンが設計した船体に中国製の兵装を施してある。全長38.9m、満載排水量250トン。主機はMTU社製ディーゼルで、速力32ノット。兵装は25mm連装機銃１基、YJ-83/C-802艦対艦ミサイル連装発射筒２基。2006年にジュラートなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船9,’10、THE MILITARY BALANCE 2016

＜シュライク＞：A-25A（攻撃機）またはAGM-45（対レーダーミサイル）またはMHC-62（機雷掃討艇）を参照。

＜シュライクス＞：VFA-94（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜シュラウド式テイルローター＞：フェネストロンを参照。

＜ジュラルミン＞：Duralumin。1909年にドイツのジューレン工場で初生産されたアルミニウム合金で、工場名からこの名が付いた。現在の2017アルミニウムとほぼ同じもので、銅4.0%、マンガン0.5%、マグネシウム0.5%を含み、引っ張り強さを１平方ミリメートルあたり38kgに強化している。ツェッペリン飛行船を皮切りに航空機への使用が始まり、1915年にユンカースが開発した全金属機はオールジュラルミンだったが、超ジュラルミンに後を譲り、現在ではリベットくらいしか使われていない。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ

＜ジュリアーニ＞：イタリア海軍パグノリニ級潜水艦。1943年5月23日、ボルドーを出港。8月1日、シンガポールに到着。イタリア降伏を受けてドイツに接収され、UIT23となった。参考：月刊丸11,’09

＜ジュリアーノ・プリニ＞：S-523（潜水艦）を参照。

＜ジュリアス・Ａ・レイブン＞：APD-110（高速輸送艦）またはDE-600（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジュリアス・Ａ・ファーラー＞：FFG-6（フリゲート）を参照。

＜シュリー＞：SS-52（Ｔ級潜水艦）を参照。

＜ジュリー＞：AN/APR-58（潜水艦探知追尾システム）を参照。

＜シュリー級＞：Ｔ級（アメリカ潜水艦）を参照。

＜シュリーバー演習＞：アメリカ軍の宇宙作戦図上演習シュリーバー・ウォーゲーム。2001年から実施された。防衛省・自衛隊も2018年から参加している。参考：朝雲

　＜シュリーバー２０２０＞：2020年11月4-5日、アメリカ宇宙軍が主催し、ピーターソン空軍基地で行われた。参加国はアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ドイツ、日本（参加２回目。統幕５名、空幕９名、防衛省内局４名、国家安全保障局、外務省）、ニュージーランド、フランスで、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、アメリカ以外はオンラインで参加し、10年先の将来を想定した宇宙における各種対応要領など、国家戦略から部隊戦術レベルまで各種訓練を行っている。参考：朝雲

　＜シュリーバー２０２１＞：2021年9月29-30日に行われ、10年先を想定した宇宙での各種事態対応要領などを国家戦略から部隊戦術まで訓練した。自衛隊からは井筒空幕長以下空幕８名がリモートで参加している。参考：朝雲

＜ジュリー発音弾１型＞：海上自衛隊の発音弾、別名AN/ASQ-8。プラスチック製の薬室にテトリル70gを入れてあり、深度10mで発火して超音波を発信するので、反射音を機上のAN/ASA-20で解析して敵潜水艦を探知する。重量4kg。北辰電機製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜シュリーフェン計画＞：ドイツ陸軍参謀総長アルフレート・フォン・シュリーフェンが1905年12月20日に作ったフランス侵攻計画の覚え書きと、それをベースに発展した一連の作戦計画。1871年に誕生したドイツ帝国は、有事に際して東西の強国であるフランス・ロシアとの二正面作戦を想定する必要があり、当時の参謀長ヘルムート・フォン・モルトケ元帥（大モルトケ）は、まず平野ばかりで守りにくい東部戦線を優先、ロシアに限定攻勢をかけて戦局を優位に進め、西部戦線ではロレーヌ地方、ライン河、ライン河東岸森林地帯を盾にしてフランス軍に大損害を与え、オランダやベルギーなどの中立国には手を出さないことでイギリス介入の口実を与えず、最終的には外交交渉で有利な講和を結ぶことにしていた。1891年2月7日、シュリーフェンが参謀総長に就任すると、外交交渉達成まで二正面作戦で長期の消耗戦を強いられるのは不利であるとして、鉄道網を利用した急速総動員による短期決戦計画を立案。国土が広く、交通網が整備されていないため兵力の動員が遅いロシア軍を１個軍10個師団で抑えている間に、残り７個軍を全てフランスに投入して６週間でフランス軍を殲滅する計画である。スイス国境から200kmの間にある、ドイツ・フランス間の開けた国境にはフランス軍の要塞が連なっていたため、こちらには８個師団のみを配置してわざと弱くし、フランス軍主力を誘い込む。この隙に右翼から53個師団を進撃させてフランス軍の後ろに回り込み、一気に包囲殲滅する。特にオランダ・ベルギー・ルクセンブルク付近には25個師団もの兵力を重点配置し、開戦と同時にこれらの国に侵入、フランス国境を越え、反時計回りに旋回して最右翼の第１軍はパリの西側でセーヌ川を渡り、パリごとフランス軍を包囲することにしていた。オランダは外交交渉で通過の許可を得るが、ベルギーは強引に侵入するか、もしくはベルギーに迫るドイツ軍に驚いたフランスに先に侵入させ、その後で侵入することにした。フランス軍が消滅した後は、鉄道で兵力を一気に東部戦線に送り込み、ロシア軍を撃破する。ただ動員開始から決戦まで全て事前計画の日程表通りに動くよう部隊に求めており柔軟性に欠け、参謀本部鉄道局長ヴィルヘルム・グレーナー大尉がベルギー南部−フランス間の交通網の限界から最右翼部隊の兵站不足を指摘するなど、問題点も多かった。シュリーフェンは1906年1月1日の参謀総長退任にあたって1905年12月20日にこれを覚え書きに記し、追加覚え書きも加えて後任のヘルムート・フォン・モルトケ上級大将（小モルトケ）へと渡した。モルトケ上級大将が再検討した結果、やはり兵站が不十分になる、西部戦線の兵力配分のバランスが悪い、中立国への侵犯が後顧の憂いを招くといった問題があり、西部戦線右翼と左翼の戦力比を７対１から３対１に変更、オランダを避けてベルギーに侵攻し、最右翼の第１軍がパリを制圧するよう進撃コースを短縮した。作戦開始に備えて兵士を動員し装備を輸送するには１個軍団あたり鉄道車両6000両以上が必要で、44両編成の列車を10分おきに精密ダイヤで走らせねばならず、一旦動員を始めると余程の事が無い限り途中で止める訳にいかないという欠点があった。第１次大戦で、これに従って作戦を実行したが、補給の問題があって右翼の強化に限界があり、西部戦線左翼に配置する兵力にも不安があって16個師団を配置し、ロシア軍も予想外に強化されていてこちらにも余計に兵力を回さざるを得なかった。当初は快調に進撃したものの、考えていなかったイギリス軍の攻撃を受けて進撃が停止している。第２次大戦でも当初はこれに基づいて黄作戦の立案が進んだが、結局はマンシュタイン計画が採用された。参考：歴史群像6,’14、6,’02、月刊軍事研究11,’15、月刊PANZER9,’04、月刊丸3,’01

＜シュリーブポート＞：LPD-12（揚陸艦）またはPF-23（フリゲート）を参照。

＜シュリーレン装置＞：Schlieren System。衝撃波や熱境界層を可視化する装置で、弾丸や航空機から出る衝撃波の画像でおなじみである。1mm×10mmのスリットを通した光源、レンズ数個、測定部、光線を遮る板（ナイフエッジ）、スクリーンで構成され、測定部に衝撃波などの密度勾配がある流れがあると、プリズムと同様に光が屈折し、スクリーンに明暗の模様ができるようになっている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジュリエット級＞：651型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜ジュリオ・ゲルマニコ＞：イタリア海軍カピタニ・ロマニ級軽巡洋艦Giulio Germanico。1956年竣工。1971年に解体された。参考：近代巡洋艦史

＜ジュリオ・チェザーレ＞：イタリア海軍コンテ・ディ・カブール級戦艦２番艦Giulio Cesare（カイオ・ジュリオ・チェザーレCaio Giulio Cesare？）。1910年起工。1933-37年、大改装を実施。1940年7月9日、カラブリア沖海戦に参加。11月27日、スパルティヴェント岬沖海戦に参加。1942年、練習艦となった。第２次大戦終結で賠償艦としてソ連に引き渡され、ノヴォロシースクになった。1955年、セヴァストーポリで残存機雷爆発事故により沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’17、近代戦艦史

＜ジュリオ・デ・ノローニャ＞：V32（コルベット）を参照。

＜シュリホ野戦訓練基地＞：朱日和野戦訓練基地を参照。

＜首里丸＞：日本海軍特設水雷母艦Shuri maru。大元は昭和3年12月に竣工した大阪商船沖縄航路用貨客船で、昭和12年9月に徴用されて11月に特設砲艦となったのを、昭和14年11月15日に艦種変更したものである。垂線間長79.3m、総トン数1857トン。主機はレンツ式レシプロ蒸気機関１基１軸1866馬力、速力14.2ノット。兵装は12cm単装砲４門（艦首、艦橋前方両舷、艦尾）、7.7mm単装機銃２丁。75cm探照灯１基を装備する。昭和15年、支那方面艦隊第３遣支艦隊第12戦隊に配備されていた。昭和20年1月21日、対馬南西沖でSS-199トートグの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’15

＜シュリューズバリー・キャッスル＞：K374（コルベット）を参照。

＜手榴弾＞：Hand granade。手で投擲する榴弾である。語源はスペイン語のグラナダ（石榴の実）。10世紀頃には中国で黒色火薬を使用した投擲爆薬が使用されていた。また、15世紀頃には粘土、真鍮、鋳鉄に火薬を詰めて導火線を繋いだ手榴弾の元祖が登場しており、17世紀頃には城壁を乗り越えようと殺到する攻撃側に投げつける武器として発達、歩兵連隊にてき弾兵中隊が編成されるに至った。しかしその後の小銃や大砲の発達により、誤爆の危険性が高く射程も短い手榴弾の必要性は薄れ、イギリスでは19世紀後半に制式から外されてしまった。エリートとして認識されていたてき弾兵（イギリス、フランス、ロシアでは近衛歩兵連隊に発展した）の名称も廃れている。1904年、日露戦争で日本軍が空き缶に火薬を詰めて導火線を繋ぎ、コルクでフタをしてロシア軍の塹壕に投げたのが重要性を再認識させるきっかけとなり、陣地から身を晒さずに敵を攻撃できる兵器として多用された。第１次大戦前に信管が発明されたが、最初は頂部から落下しないと炸裂しない着発信管装備型だったため、尾部にリボンや柄を付けるなどして空中姿勢を安定させている。第１次大戦中にイギリス軍は塩素酸塩混合物を擦って発火させる摩擦点火手榴弾を開発、次いで投げ易くしたヘアブラシ手榴弾が登場し、更にイギリス軍がセーフティ・ピンとセーフティ・レバーの付いたミルス手榴弾を開発した。柄付き手榴弾では、セーフティ・ピンが柄の底部に付いており、これを外せば延期薬に点火する。アメリカ軍は単純で安全性の高いブッション点火装置を採用。また、装薬を爆薬でなく無煙火薬にして破片を大きくし、殺傷力を向上させた。てき弾筒やてき弾発射機付き小銃で発射できるものも開発され、戦車相手に使用する対戦車手榴弾も製造されている。現在の手榴弾の作動も基本的にはブッション点火装置と同じで、セーフティ・ピンを抜き、セーフティ・レバーを外すと、撃鉄がバネで跳ね上がって雷管を叩き、延期薬に点火、数秒後に信管に到達し、起爆薬次いで装薬が爆発するというものである。着発信管を付けたものもあるが、信管が地面にぶつからない角度で落下すると作動しにくいこと、間違って落としたりぶつけたりすると暴発することから、現在は殆ど遅延信管になった。ブービートラップに使う場合、延期薬を短くしておくと引っかかった瞬間に炸裂するので便利である。慣れないうちは間違って本体ではなく抜いたセーフティ・ピンの方を投げてしまい、慌てて本体を足下に落とすようなこともあるので、単純な兵器とはいえ訓練は重要。陸自でも手榴弾の欠陥などにより幹部候補生学校や富士学校で暴発事故が起きている。参考：コンバット・バイブル、戦時用語の基礎知識、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、兵器最先端５、月刊軍事研究6,’07、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、手榴弾・迫撃砲、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

　＜攻撃型手榴弾＞：攻撃側が使用する手榴弾。遮蔽物に隠れずに投げつけるため、安全を考えて投擲距離よりも殺傷半径を小さくする必要がある。よって、大きい破片が広範囲に飛び散らないよう弾殻を薄くし、主に爆風で被害を与えるようにしてあり（爆裂手榴弾）、オランダでは厚紙を使ったものまで出現した。参考：手榴弾・迫撃砲

　＜防御型手榴弾＞：防御側が使用する手榴弾。遮蔽物の影や塹壕の中から投げつけるため、投擲距離より殺傷半径が大きくても構わない。よって、弾殻を厚くして主に破片で被害を与えるようにしてある（破片手榴弾）。半径15mに破片をばらまくが、伏せていれば有効半径は3m程度に減少する。参考：手榴弾・迫撃砲、コンバット・バイブル

＜手榴弾孔＞：グレネード・サンプを参照。

＜手榴弾用弾薬のう＞：自衛隊の火工品。ハイランドテクノ製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜主力艦＞：戦艦と巡洋戦艦を合わせてこう称する。戦艦の終焉と共に使われなくなった。参考：近代戦艦史、日本の防衛戦力Part3

＜主力艦設計Ｘ＞：金剛代艦計画（平賀私案）を参照。

＜主力戦車＞：Main Battle Tank、MBTと略す。中国語では主戦担克。重戦車並の強力な火力・防御力と、中戦車並の高い機動力を持つ、バランスの取れた戦車のこと。参考：歴史群像10,’08、月刊航空ファン2,’17

＜主力部隊（日本海軍、太平洋戦争第一段作戦第一期兵力部署）＞：連合艦隊隷下で、指揮官は山本五十六連合艦隊司令長官。第１戦隊、第１艦隊からなる。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜シュリンプ＞：アメリカ軍の水爆実験装置。天井から吊した形がエビに似ていたのでこのニックネームが付いた。核融合燃料は乾式固形の重水素化リチウムである。全長4.6m、直径1.37m、重量10.7トン。キャッスル作戦で実験に賦され、後に威力を５メガトンに抑えてMk21水爆となり、実戦配備された。参考：月刊軍事研究8,’99

＜シュリンプ＞：イギリスのサロ社が制作した飛行艇スケールモデルShrimp。1941年からイギリス空軍でテスト飛行に使用された。全長13.05m、全幅15.24m、全備重量2810kg。エンジンはポプジョイ・ナイアガラ（395馬力）４発、巡航速度183km、最大速度245km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜シュルクーフ＞：F711（フリゲート）を参照。

＜シュルクーフ＞：フランス海軍シュルクーフ級潜水艦Surcouf（海賊王とも呼ばれたフランスの私掠船長ロベール・シュルクーフ）、艦番号NN-3。1926年11月30日に発注され、1927年7月1日起工、1929年11月（10月？）18日進水、1934年4月16日竣工。1940年6月25日、修理中に片軸でブレストを出港してイギリスのポーツマス港に脱出。7月3日、イギリス海軍に抑留されたが、この時銃撃戦が発生し、イギリス側は２名が死亡、２名が負傷し、フランス側は１名が死亡、１名が負傷した。8月、自由フランス海軍に返還され、9月に連合軍の指揮下に入った。1941年12月、修理を完了して北大西洋の哨戒任務に就いた。その後、太平洋戦線に回されることになり、1942年2月12日にバミューダ諸島で補給を終えて出港。2月18-19日、メキシコ湾で消息を絶ち、乗員130名は死亡認定された。アメリカ海軍の調査ではパナマ沖でアメリカ貨物船トムソン・ライクスと衝突して沈没したとされ、フランス側の調査ではトムソン・ライクスの損傷が軽微すぎるとして他の物体との衝突またはPBY飛行隊の誤爆としている。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船1,'22、6,’09

＜シュルクーフ級＞：フランス海軍艦隊護衛艦（駆逐艦）Surcouf級、別名T47型。全長128.6m、満載排水量3740トン。主機はラトー式蒸気タービン２基、主缶はACB／アンドレ缶（蒸気圧3.43MPa、温度385℃）４基、出力63000馬力、速力34ノット。兵装は127mm連装砲３基（前甲板１門、後甲板２門）、57mm連装砲３基、533mm魚雷３連装発射管４基など。1955-57年にD630デュ・シャイラなど12隻が竣工した。うち４隻がデュプティ・トアール級ミサイル駆逐艦への改装、５隻がマラフォン艦対潜ミサイル搭載改装、３隻が指揮艦への改造を受けている。1971-91年に退役した。参考：月刊世界の艦船5,’86、12,’18、12,’21

＜シュルクーフ級＞：フランス海軍巡洋潜水艦（Croiseur sous-marin）、Surcouf級。海上交通破壊作戦が主任務で、海外領土警備も行う。船体は二重船殻で、外洋で90日間に亘り作戦行動できるよう船体を大型化し、商船の攻撃に必要な甲板砲、偵察・観測用水上機、臨検用モーターランチに拿捕商船乗員・警備部隊収容スペースまで確保した。甲板砲はワシントン条約で主力艦以外に許された上限口径である50口径20.3cm連装砲M1924C（600発）で、建造中に締結されたロンドン条約により制限が口径15.5cm以下になったが、例外として建造が認められている。砲塔はセイル前方にあり、俯仰角マイナス５度からプラス30度、旋回角左右135度ずつ（射撃可能なのは左右10-12度ずつくらい）、最大射程27.5km、発射速度毎分４発。砲塔直後のセイル前上部に4m旋回測距儀があり、浮上後2.5分で初弾を発射できる。セイル後部にMB.411水上機１機を分解状態で収容する。カタパルトは無く、発進の際は水上に下ろす必要があり、準備に30分かかった。前部上構に臨検用ランチ１隻を搭載可能。速度16ノット・航続距離112kmの飛行船も装備していたが、後に外された。全長110m、幅9m、吃水7.25m（9.1m？）、基準排水量2880トン、水上排水量3250トン（3304トン？）、水中排水量4304トン（4218トン？4373トン？）。主機はズルザー・ディーゼル２基＋電動モーター２基、水上出力7600馬力、水中出力3400馬力、水上巡航速力10ノット、水上最大速力18.5ノット、水中最大速力10ノット、重油搭載量280トン、水上航続距離10000海里・18500km（10ノット）／6800海里・12600km（13.5ノット）。最大潜航深度80m。兵装は魚雷発射管が55cm魚雷発射管V/1924型８門（艦首に固定式４門、後部上構に旋回式外装４連装１基。魚雷14本）と商船攻撃用40cm魚雷発射管V/1926型４連装１基（艦尾上構に旋回式外装。魚雷８本）。魚雷の諸元は55cmの方が雷速44ノット・射程3000m、40cmの方が雷速44ノット・射程1800m。砲熕兵器は50口径20.3cm連装砲M1924Cが１基、37mm単装機関砲２門（連装１基？）、13.2mm連装機銃２基。乗員118名（士官８名、兵員110名）。艦内に捕虜・捕獲船員40名分の収容区画を持つ。1926年度計画で３隻（２隻？）を建造予定だったが、NN-3シュルクーフ１隻のみ1934年に竣工した。参考：月刊世界の艦船1,'22、6,’09、10,’13、9,’12増刊、8,’16、連合軍の傑作兵器駄作兵器、第２次大戦のフランス軍艦

＜シュルツ＞：オットー・シュルツ。ドイツ空軍エース。1911年2月11日、グライフェンベルク生まれ。1934年、ドイツ空軍に入隊。1940年1月3日、第27戦闘航空団第４飛行中隊に配属され、バトル・オブ・ブリテンに参加。8月31日、初撃墜を達成。1941年6月からバルバロッサ作戦に参加。9月、北アフリカに転じた。1942年2月15日、P-40戦闘機５機を10分間で撃墜。5月31日50機撃墜を達成。6月17日、ハリケーン戦闘機１機を撃墜後にP-40戦闘機と空戦を行ったが、その後行方不明となった。出撃回数400回、総撃墜機数51機。最終階級は中尉。参考：グラフィックアクション36

＜シュルツェン＞：Schurzen（装甲エプロン、補助装甲板。直訳すれば前掛け）。ドイツ軍戦車がソ連軍の対戦車ライフル弾から基本装甲を守るために装着した軟鋼板で、1943年から使用された。小さなカギ型の支持架を車体側面及び砲塔側後面に取り付け、前者には5mm厚の、後者には8mm厚の軟鋼板を装着する。スポット溶接で直接取り付けることもあった。砲塔側面ドアの部分には蝶番式のドアを設けている。車体側面用は足回りまでカバーしており、支持架ブラケットの差し込み口は通常履帯と幅広履帯（オストケッテ・ヴィンターケッテ）の両方に対応可能。ただ履帯や転輪などの整備の際に邪魔になるので、外した車両もあった。�W号戦車Ｊ型では金網状のものを使用している。副次効果として、成型炸薬弾を基本装甲手前で炸裂させて威力を減殺できるというものがあり、バズーカなどに対しても有効だった。参考：ジャーマンタンクス、グラフィックアクション２、月刊PANZER9,’12

＜ジュルフォー＞：ティグールHAP（ヘリ）を参照。

＜シュレイ＞：APD-14（高速輸送艦）またはDD-103（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜シュレーゲ・ムジーク＞：Schräge Musik（ジャズ音楽）。斜め銃をドイツ軍で採用したもの。20mm機関砲MG151/20（200発）を４門、仰角70度で固定してある。有効射程200m。Bf110戦闘機用はR8仕様を参照。参考：世界の傑作機No.145、No.157

＜シュレーダー＞：DD-501（駆逐艦）を参照。

＜シュレジェン＞：ドイツ海軍ドイッチュラント級戦艦。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第３小隊に所属してジュットランド海戦に参加。第１次大戦終結後も保有を許可され、練習戦艦となった。1945年5月1日、イギリス軍機の投下した機雷に触雷し、シュウィネムンドで擱座した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、歴史群像6,’16

＜シュレスヴィヒ・ホルシュタイン＞：D-182（駆逐艦）を参照。

＜シュレスヴィヒ・ホルシュタイン＞：ドイツ海軍ドイッチュラント級戦艦５番艦。1908年竣工。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第４小隊に所属してジュットランド海戦に参加。第１次大戦終結後も保有を許可された。1931年、練習戦艦となった。1939年9月、白作戦でダンツィヒのヴェスター・プラッテ要塞を砲撃した。1940年、デンマーク侵攻作戦に参加。参考：写真集ドイツの巡洋艦、歴史群像6,’16、月刊丸4,’17

＜主連動践板＞：クラッチペダルの日本軍名称。参考：機械化部隊の主力戦車

＜シュローア＞：ヴェルナー・シュローア（Werner Schroer）。ドイツ空軍エース。1918年2月12日、ミュールハイム生まれ。1937年、ドイツ空軍に入隊し、第26戦闘航空団第６飛行中隊の地上勤務員となった。1940年5月20日、戦闘機乗員養成課程を修了し、8月27日に第27戦闘航空団第２飛行中隊に配属された。1941年3月1日、第27戦闘航空団第１飛行中隊に配属された。4月19日、北アフリカに移動。1942年3月、第27戦闘航空団第２飛行隊副官となった。10月、59機撃墜を達成。1942年6月22日、第27戦闘航空団第８飛行中隊の中隊長となった。1943年4月22日、第27戦闘航空団第２飛行隊司令となった。1944年3月14日、第54戦闘航空団第３飛行隊司令となった。総出撃回数197機、撃墜機数114機（うち北アフリカ戦線61機、４発重爆26機）。最終階級は少佐。参考：グラフィックアクション36

＜主ローター＞：メイン・ローターを参照。

＜シュロップシャー＞：73（重巡）を参照。

＜シュワイザー３００シリーズ＞：TH-55シリーズ（ヘリ）を参照。

＜シュワイザー３３０シリーズ＞：S-330シリーズ（ヘリ）を参照。

＜シュワルツコフ＞：ノーマン・Ｈ・シュワルツコフ。1934年8月、ニュージャージー州トレントン生まれ。IQ170で、フランス語・ドイツ語・ペルシア語を使いこなす。趣味はクレー射撃、狩猟、釣り、家族サービス。身長190cm、体重110kgで、ニックネームは「熊」「ストーミング・ノーマン（嵐のノーマン）」。メタボを気にしているらしく、朝食はフレークにオレンジジュースとコーヒー、昼食はサラダのみ。父親も軍人で、1953年にイランで起きたクーデターや、イラン秘密警察サバクの創設に関わった人物とされる。1956年、ウェストポイント陸軍士官学校を優秀な成績（ただしオールＡではない）で卒業。その後、ミサイルに関する研究で南カリフォルニア大学修士号を取得した。命令だからといって部下の生命を危険に晒すことはできない、という信念があり、ベトナム戦争に参加した際、後方支援が受けられないことから作戦命令を拒否したことがある。1970年、ベトナム戦争から帰還。1983年、グレナダ侵攻アージェント・フューリー作戦に参加。1985年、陸軍参謀本部作戦・計画部副部長に就任。1987年、同部長となった。1988年11月、アメリカ中央軍司令官に就任。1990年、湾岸戦争に参加。作戦立案時にはB-52爆撃機を作戦初期から投入しろ、さもなくば爆撃目標選定責任者は解任だと怒鳴り散らし、イラク軍防空システムの的になるだけと説明されても聞く耳を持たなかったため、部下が苦労してデザート・ストーム作戦初日に夜間爆撃が行えるよう作戦を組み替えた。湾岸戦争終結後、陸軍参謀総長を打診されたが、断って退役した。2012年12月27日に死去した。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究3,'16、12,’09

＜准尉（自衛隊）＞：自衛隊の階級。３尉と曹長の間で、幹部自衛官を補佐し、曹士を指導する。参考：MAMOR vol.155

＜瞬鋭信管＞：信管を参照。

＜潤滑洗浄剤火器・火砲等用＞：自衛隊の機器。海外物産が受注している。参考：月刊軍事研究6,’18

＜潤滑油＞：Lubricating oil。摩擦抵抗を減らし、摩擦部分を潤滑に作動させるためのオイルで、冷却、腐食防止、気密、洗浄といった役目も持つ。金属表面への付着性が良く、適度な粘性を持ち、油温による粘性変化が少なく、酸化せず腐食性の無いものが選ばれる。参考：航空用語事典増補改訂版、自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典

＜瞬間自動ゲイン・コントロール＞：IAGCを参照。

＜遵義＞：107（ミサイル駆逐艦）または134（駆逐艦）を参照。

＜巡検＞：

　＜巡検（海軍兵学校）＞：2200の巡検ラッパに続いて当直下士官、当直分隊監事、当直分隊週番生徒２名が巡検と叫びながら各分隊の寝室を回り、消灯する。週番生徒はバッターを持っており、下級生の衣服の畳み方が汚いと衣服をチェストから甲板（床のこと）に叩き落としていったりするので、巡検終わりの号令が聞こえた後、消灯後の暗闇の中で畳み直さないといけない。また、寝ている下級生の顔に洗っていない靴下を押しつけていく週番生徒もいるので注意。参考：海軍兵学校よもやま物語

　＜巡検（海上自衛隊）＞：1930から当直士官など４名が艦内を巡回し、点呼、掃除状況点検、火の元確認などを行う。乗員は作業服で持ち場に付く。参考：MAMOR vol.115

＜巡検（日本海軍）＞：毎日2130（2030？）に副長、先任衛兵伍長、甲板士官、甲板下士官が行う艦内または陸上部隊内の点検のこと。2115、巡検用意の号令がかかるので、全員が釣床に入る。2130、巡検ラッパの放送と共に巡検が開始され、懐中電灯を持った先任衛兵伍長を先頭に、巡検メンバーが「巡検」と叫びながら各所を見回る。分隊では当番兵２名を派出し、１名が部署の申告を行い、もう１名が箒と塵取りを持って傍に立つ。ゴミを指摘されたら、その場ですぐに掃き取る。清掃がなっていないなどと巡検メンバーが文句だけ残して去っていった場合、兵は巡検終了後に班長から大目玉を喰らう。舷窓を開けたままにするなど重大なミスが発覚した場合、分隊長が殴られることもある。巡検が終わると巡検終わり、煙草盆出せの号令がかかり、翌日の日程が放送で流れる。海軍記念日や四大節、艦をあげての祝賀行事や大作業の時には、簡易版である火の元点検で済ませた。また、戦時中は一日中警戒配備が行われていたため、巡検をする余裕が無く、火の元点検にすることが多かった。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜巡航（海軍兵学校）＞：Cruise。正式には短艇巡航という。土曜の授業が終わった後から日曜日1700の外出点検まで、同じ分隊の生徒が集まってクルーを編成し、カッターで瀬戸内海に漕ぎ出して錨泊、シーマンシップ涵養を図るものである。正式の教育内容ではないが、兵学校側も奨励しており、請求書を書けばすき焼きの材料から七輪や燃料の木炭まで兵学校持ちで用意した。赤道を通過して兵学校の占有海面を離脱すれば、学年の区別無く無礼講となる。上陸は校則違反なので注意。また、あくまでもシーマンシップ涵養が主目的なので、ズベ巡航はほどほどに。参考：海軍兵学校よもやま物語、陸海軍学校と教育

＜巡航（防衛大学校）＞：生徒のシーマンシップ涵養や団結力強化のため、土日にかけて許可されている。上級生の指示を受けて土曜の午後からカッターに飲食物や毛布などの所要物資を搭載し、防衛大学校海上訓練場でカッターに生徒15-20名が乗り込み（１個小隊単位が主なので2-3隻）、４年生が艇指揮となって富津海岸まで帆走（風がなければ下級生が漕ぐ）、カッターをビーチングしてキャンプとしゃれこみ、艇内で一泊して海上訓練場に帰る。外出や外泊に厳しい制限のある生徒にとって楽しみの１つでもある。参考：月刊軍事研究9,’13

＜巡航形態＞：エンルート・コンフィギュレーション。航空機が降着装置とフラップを完全に引き上げた形態で、抗力が最小になるため、巡航飛行に適する。参考：月刊航空情報4,’18

＜巡航出力＞：Cruising power。巡航飛行状態（速度と高度をほぼ一定に保ち、最も経済的に飛行する）におけるエンジン出力のこと。連続最大出力の5-7割くらい。参考：航空用語事典増補改訂版

＜巡航戦車＞：Cruiser tank。イギリスの戦車分類の１つ。騎兵の馬の代わりを務めるもので、長距離偵察、奇襲攻撃、追撃を担当する。元はプラン1919で考案された中戦車で、1936年にこの名称に変更された。機動力が重視されたため軽量化を図ったが、装甲が薄く防御力が弱いのが欠点。また、歩兵戦車と完全に分離して主砲などを追撃任務に特化しすぎたため、かえって使いにくくなった。A13Mk�Vカヴァナンター以降はCruiserと同じ頭文字Ｃの愛称が付いている。1936年、機動力向上のためクリスティー式サスペンションを導入することになった。1937年8月、A9巡航戦車を制式化。1938年、A10巡航戦車を採用。クリスティー式サスペンション搭載A13巡航戦車の量産を開始。A14/A16重巡航戦車は1939年に開発中止となった。第２次大戦に投入してみると概して性能不足で、開戦後の1940年4月から量産したA13Mk�Vカヴァナンターはエンジン不調で役に立たず、1941年春から配備したA15クルセイダーは速度以外に見るべき所が無かった。戦訓から装甲強化の必要が出たため、重巡航戦車の開発に移ったものの、A24キャバリエはエンジンとトランスミッション不調で使い物にならず、チャーチル歩兵戦車を巡航戦車化したA26は開発中止となり、A27Lセントー（1942年末配備開始）／A27Mクロムウェル（1943年1月量産開始）で漸くドイツ戦車（といっても長砲身�W号戦車あたりだが）と戦えるようになった。北アフリカ戦の戦訓から火力強化を図って17ポンド砲を積んだA30チャレンジャーは失敗作になり、更に歩兵戦車並みの重装甲にした重巡航戦車A41センチュリオンを開発することにしたが、それまでの穴埋めとしてA34コメットを生産している。FV214コンカラー重砲戦車の配備に伴い、センチュリオンは砲戦車と改称され、この名称は廃止された。参考：月刊PANZER12,’11、月刊軍事研究3,’12、月刊グランドパワー11,’12

＜巡航戦車Ｍｋ．�T＞：A9シリーズを参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�U＞：A10シリーズを参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�UＡ＞：A10Mk.�TAを参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�UＣＳ＞：A10Mk.�TA CSを参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�V＞：A13を参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�V改＞：A13改を参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�W＞：A13Mk.�Uを参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�X＞：A13Mk.�Vを参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�Y＞：A15シリーズを参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�Z＞：A24を参照。

＜巡航戦車Ｍｋ．�[＞：A27LセントーまたはA27Mクロムウェルを参照。

＜巡航速度＞：Cruise (Crussing) speed。航空機の燃料消費効率が最良の状態で飛行する速度で、Vcと略す。一定マッハ数による定速巡航速度、高度や機体重量から算出した最大航続率の99%となるような速度である長距離巡航速度（航続率は1%落ちるが、速度は20-40ノット速いので所要時間が短縮でき、速度安定性が良い）、燃費と人件費・整備費の兼ね合い（コスト・インデックス）で決定する経済巡航速度（ECON速度）などがある。エンジン寿命で決まるものもあり、機体重量、エンジン出力、飛行高度など様々な条件で変わってくるので、比較の際にはバックグラウンドを合致させる必要がある。巡航速度が音速を超えているのは、コンコルド、Tu-144、SR-71。F-22は超音速巡航が可能だが、巡航速度は音速以下である。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’03、10,’09別冊付録、世界航空機年鑑2018-2019

＜巡航ミサイル＞：Cruise Missile。ロシア語ではKrylataya Raketa（クルィラータヤ・ラケータ、有翼ロケット）。ジェットエンジンなど空気吸入型エンジンにより長距離を飛行し、自身が装備する航法装置や自動誘導装置により目標に向かう有翼ミサイルのことで、一般的な軍事用語では、更に電波高度計、TERCOM、DSMACといった地形・障害物回避装置を有するものを指すことが多い。INF条約での定義は、「飛行経路の殆どを空気力学的揚力の利用により飛行を維持する、無人で自己推進力を持つ運搬手段」で、少なくとも500kmの飛翔距離を持つものとされている。ミサイル関連技術輸出規制では、「500kg以上の弾頭を300km以上運搬できるもの」とされている。主に対艦ミサイルや対地ミサイルとして使用される。主翼でミサイル重量を支え、推進力はミサイルを前進させるためだけに使用できるので、無翼ミサイルよりも推力が小さくて済むが、主翼に揚力を発生させるため大気圏内を飛翔しなければならない。酸化剤を積む必要が無いので小型軽量化できる。燃焼効率の良い亜音速で飛翔することが多いが、被迎撃時間を短縮するため超音速で巡航するものもある。ただし極超音速巡航ミサイル（マッハ5-10）でも弾道ミサイルの終末速度（マッハ15-20）の半分くらいで、主翼など巡航・飛翔に必要な部分を破壊されると墜落してしまうため、弾道ミサイルよりは迎撃される可能性が高く、探知されないよう目標近くでは低空を飛行することが多い。短距離から中距離では安価なターボジェット、長距離では効率の良いターボファンを使用する傾向にあり、超音速ミサイルではラムジェットエンジンを使用する。第１次大戦末期にケタリング・バグという自爆式無人複葉機が開発されたのが嚆矢で、実用的な巡航ミサイルとしてはドイツが第２次大戦時に使用したFi-103が祖である。第２次大戦後は核弾頭を積む戦略巡航ミサイルが出現したが、核弾頭も航法装置も大型で、エンジンも燃費が悪く大量の燃料を積まねばならず、大型有人ジェット機並の機体がマッハ２弱くらいで高空を巡航する状態では脆弱すぎ、戦略弾道ミサイルに押されて一旦廃れた。その後各部の小型化や高性能化が進むと、ステルス性を高めて超低空飛行するタイプが配備されている。参考：月刊軍事研究4,’05、3,’18、7,’99、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、軍縮条約・資料集第２版、月刊世界の艦船3,’05、1,'15増刊、5,’16、11,’17、2,’18、月刊航空ファン6,’19

＜准士官（日本海軍）＞：兵曹長のこと。下士官を６年勤め上げ、その間に術科学校高等科練習生を卒業し、再現役願を提出して２年の勤務を終え、更に再現役願を出して受理され、術科専門科目と普通学からなる進級試験に合格すると、漸く任命され、准士官学生として士官の教養やマナーを身に付けて准士官になる。士官と同じ帽章を付け、腰から短剣をぶら下げる。格好だけでなく任務もグレードアップし、分隊では分隊士に配員され、掌長（掌砲長、掌水雷長、掌機長など）を任される。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、海軍こぼれ話

＜准士官室（日本海軍）＞：兵曹長が入る部屋のこと。参考：海軍よもやま物語

＜准将＞：Brigadier。旅団（Brigade）を率いる将、という意味である。アメリカでは将官（General）の範疇だが、イギリスでは佐官の上・将官の下といった感じらしい。参考：月刊軍事研究9,’12

＜順序統計ＣＦＡＲ＞：CFAR（定誤警報率）を参照。

＜純粋ブローバック式＞：ブローバック式を参照。

＜浚渫船＞：軍港などに堆積した土砂などを除去する船。太平洋戦争時まではバケツをベルトコンベア式に繋げてすくい上げていたが、戦後はホースを海底に刺して強力なポンプで一気に組み上げるようになった。参考：小艦艇入門

＜巡潜１型＞：日本海軍一等潜水艦で、建造計画書（General Specificationと英文タイトルが付いている）にはSubmarine Cruiser for the Imperial Japanese Navyと記載されていた。ベースはドイツ海軍U142級潜水艦で、ゲルマニア型とも呼ばれている。生産数が少なかったため第１次大戦後に戦利艦として持ち帰ることは出来なかったが、イギリスやドイツに調査員を派遣し、U142の図面を購入、太平洋を行動できる大きな航洋力を持ち、単独で哨戒を行い、洋上の漸減作戦や通商破壊も実施できる潜水艦として開発した。1-3番艦起工後にU-142を建造したゲルマニア造船所の潜水艦設計主部長テッヘル博士を川崎造船所で招聘し、建造のアドバイスを受けている。船殻と兵装が日本版になっている他は、ほぼドイツ製であり、タンクの配置が日本設計艦とは全く違っている。司令塔周囲には対潜艦艇の衝撃に耐えるため特殊鋼による装甲防御が施されていたが、装甲厚を90mmから25mmに減らして内部容積を拡大してあり、南方海域での使用を考慮して冷却器を艦内に設置、無線機を強力なものに換えた。全長97.5m、垂線間長94m、幅9.22m、平均吃水4.94m、基準排水量1970トン、水上排水量2135トン、水中排水量2791トン。主機はラウシェンバッハ式二号ディーゼル２基（6000馬力）、閉鎖通風型電動モーター２基（2000馬力）で、２軸推進、水上速力18.8ノット、水中速力8.1ノット。補助発電機としてラウシェンバッハ式300kW型を１基搭載する。ディーゼル燃料545トンを搭載し、航続距離は水上10ノットで24400海里、水中３ノットで60海里。安全潜航深度75m。兵装は一五式潜水艦発射管６門（艦首４門、艦尾２門。53cm魚雷22本装備）、40口径十一年式14サンチ砲２門（300発。セイル前後）、留式／九二式7.7ミリ単装機銃１丁（セイル上面後部）。乗員60名。大正15年から昭和4年に伊１、伊２、伊３、伊４の４隻が就役した。伊４は司令塔自体を装甲板で製作し、後部甲板砲の直前にヴィッカーズ12mm機銃を装備、内殻を1m延長して電池を増やすなどの変更が加えられている。昭和15年以降に改装を受け、7.7ミリ機銃のかわりに25ミリ連装機銃を装備した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船9,’12増刊、9,’14、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜１型改＞：日本海軍一等潜水艦で、建造計画書にはA Submersible Cruiserと記載されている。巡潜１型に水上偵察機の搭載能力を持たせたものである。予備魚雷庫と砲１門を削って固定式格納筒２本と呉式一号射出機二型（セイル後方）を装備しており、魚雷搭載数が２本減って20本になり、水中速力と運動性能がやや低下した。１型の航続力が大きすぎたので、燃料タンクの一部を真水タンクに換えている。魚雷発射管は無気泡式の八八式潜水艦発射管になり、甲板砲が12.7cm高角砲に換えられ、司令塔の装甲を無くして内部容積を拡大、潜望鏡を9m型に変更し、MV式水中聴音・水中探信儀と無線方位探知装置が追加された。全長98.5m、幅9.22m、平均吃水4.99m、基準排水量2080トン、水上排水量2243トン、水中排水量2901トン。主機はラウシェンバッハ式二号ディーゼル２基（6000馬力）、閉鎖通風型電動モーター２基（2600馬力）で、２軸推進、水上速力18ノット、水中速力7.7ノット。補助発電機はラウシェンバッハ式300kW型１基。ディーゼル燃料530トンを搭載し、航続距離は水上10ノットで20000海里、水中３ノットで60海里。安全潜航深度75m。兵装は八八式発射管６門（艦首４門・艦尾２門、魚雷20本搭載）、40口径八八式12.7サンチ単装高角砲１門、留式／九二式7.7ミリ単装機銃１丁。乗員68名。昭和7年に伊５が就役した。昭和15年の特定修理で発射管を九五式と同等に改造、カタパルトを撤去して艦橋を後ろに拡大し、7.7mm機銃を外して艦橋に25mm連装機銃を追加、司令塔と潜望鏡支基の基部に装甲板を張り付け、補助発電機を撤去した。九五式酸素魚雷の運用能力も追加されたという説があるが、実際に搭載はしていないようだ。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船9,’12増刊、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜２型＞：日本海軍一等潜水艦で、マル一計画により建造された。１型改の速度向上型で、漸減作戦において敵艦を反復攻撃できるようにしたものである。設計は全面的に日本式に改め、主機を艦本式一号甲七型に変更して速力を21.3ノットとした。また、魚雷格納庫の容積を減らしてセイル後方両舷の航空機格納筒２基を半引き込み式にし、水中抵抗を減じている。夜間潜望鏡と複式水中信号機を追加し、MV式聴音機の受信機が九一式特三号受信機（九三式の試作バージョンらしい）に換装された。航空機格納筒後方右舷寄りに呉式一号射出機二型（三型？）を１基搭載したが、航空機運用は実験レベルに留まっている。全長98.5m、垂線間長92.1m、幅9.06m、平均吃水5.31m、基準排水量1900トン、水上排水量2243トン、水中排水量3061トン。主機は艦本式一号甲七型内火機械２基（７気筒複合ディーゼル、6000馬力）、閉鎖通風型電動モーター２基（2600馬力）で、２軸推進、水上速力21.3ノット、水中速力7.5ノット。補助発電機は川崎式450kW型１基。ディーゼル燃料580トンと二号五型エボナイト・クラッド式電池248個を搭載し、航続距離は水上10ノットで20000海里、水中３ノットで60海里。安全潜航深度80m。兵装は八八式発射管６門（艦首４門、艦尾２門。魚雷17本搭載）、40口径八八式12.7サンチ単装高角砲１門（セイル前方）、九三式13ミリ単装機銃１丁。乗員68名。昭和10年に伊６が竣工した。昭和15年に改装を実施し、魚雷発射管を九五式と同等に改造した。九五式酸素魚雷の運用能力も追加されたという説があるが、実際に搭載してはいないようだ。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜３型＞：日本海軍一等潜水艦。マーシャル諸島方面での演習で、日本本土からの作戦通信が途切れ途切れにしか受信できず、潜水艦の作戦行動に支障が出ることが判明した。そこで、一等潜水艦（最大速力23ノットの海大６型）からなる潜水戦隊に随伴でき、通信設備と司令部施設を積んだ旗艦潜水艦として開発されたのがこれである。船体は大型化され、素材をNVNC鋼からDS鋼に変更、内殻厚を22mmから20mmに減らす一方で安全潜航深度を100mに増大した。艦首の士官室区画後方に司令部施設、司令塔前部に通信施設があり、司令塔自体も大型化された。敵艦隊襲撃のため強力な砲を搭載しており、遠距離雷撃時の命中率を高めるため、６門の魚雷発射管を艦首に集めたが、内殻直径が小さいため６基全てを収容できず、艦首のみ上下２段の内殻（上段に２門、下段に４門を収容）となっている。船体が大型化したため潜航に80秒かかること、潜望鏡を全周旋回させるには艦を停止させなければならないこと、カタパルトが後方にあるので発艦時には全速後進をかけなければならないことが欠点。全長109.3m、垂線間長103.8m、幅9.1m、平均吃水5.26m、基準排水量2231トン、水上排水量2525トン、水中排水量3583トン。主機は艦本式複動式ディーゼル一号甲一〇型（10気筒、6300馬力）２基、特Ｂ型電動モーター２基（2800馬力）で、２軸推進、水上速力23ノット以上、水中速力８ノット。補助発電機として川崎式450kW型１基を装備する。ディーゼル燃料806トンと二号六型エボナイト・クラッド式電池480個を搭載し、航続距離は水上16ノットで14000海里、水中３ノットで60海里。九三式聴音機、九三式水中探信儀を搭載する。兵装は53cm魚雷発射管６門（艦首。魚雷20本）、40口径十一年式14サンチ連装砲１門（セイル前方）、九三式13ミリ連装機銃２基（セイル直後両舷）。セイル後方両舷（13mm機銃の後ろ）に飛行機格納筒２基、その後ろの後甲板中央に呉式一号射出機四型（伊７の完成時点では呉式一号射出機二型改。三型改？）１基を持ち、九六式小型水上偵察機の搭載運用が可能である。乗員80名。マル二計画で伊７・伊８の２隻が建造され、昭和12-13年に竣工した。太平洋戦争開始前に魚雷発射管を断気式無気泡発射管に改造し、九五式酸素魚雷の搭載能力を得たが、実際に使用してはいないようである。昭和18年、13mm連装機銃を外して25mm連装機銃１基に換装し、逆探を搭載した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、潜水艦気質よもやま物語、日本潜水艦物語、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊、日本海軍艦隊総覧

＜巡潜乙型＞：日本海軍一等潜水艦。マル三計画で建造した巡洋潜水艦で、巡潜甲型の旗艦設備を除いたものである。その分艦は小型化され、燃料搭載量も減って航続距離が14000海里になった。主任務はアメリカ主力艦隊の水上機による偵察と雷撃による漸減作戦。艦内は最前部から魚雷発射管室、前部兵員室／第１電池室、士官室／第２電池室、通風機室、発令所／補機室、烹炊所、主機械室、管制盤室／電動機室、補助発電機室、後部兵員室と並んでいて、２名がやっと通れるくらいの通路１本により連結されているが、室間を防水扉で閉鎖することができる。発令所の上がセイル付け根の司令塔で、司令塔上面のハッチを開けて上に登ると艦橋に出る。魚雷発射管室の左右底部に予備魚雷が詰め込まれ、その間に組み立て式のテーブルやチスト（衣服箱）を置いて食事をしたり、寝たりする。壁際には折り畳み式の３段ベッドも用意されている。兵員室にも組み立て式テーブル、チスト、折り畳み式2-3段ベッドがあり、隙間は倉庫代わりに米俵や段ボール箱が詰め込まれていて、その上に板を敷いて寝る兵もいる。天井は日用品収容箱のスペースで、床下は二次電池が収容された第一電池室である。兵員室前部が聴音室で、聴音用整相器が２基取り付けてある。整相器の前方は取り外し式のテーブルと書類の収容場所である。兵員室後部には厠がある。士官室にはテーブルが置いてあり、両側にタンス（１名が引き出し１つを使う）付きの寝台を持つ。箱入りの時計もあり、艦内時刻の基準となった。棚には軍人勅諭が奉安されており、神棚も作られていた。士官室の下は第２電池室である。通風機室には通風機が装備されていて、二次電池から発生するガスを艦外に出し、外の空気を艦内に取り入れる。潜航中は呼気中の炭酸ガスを苛性カリで吸収する。発令所の一部に電信室と探信儀室がある。烹炊所は２平米くらいで、電気釜２つと流し場があり、２名で食事を作る。食糧倉庫は無く、空いたスペースに詰め込んであるので、主計長がどこに何を入れたか把握しておかないと献立が成り立たなくなる。その後ろが補機室で、主排水ポンプ、補助海水ポンプ（補助タンクに注排水する）、冷凍機、冷房機、油圧発生器、低圧空気発生器（メインバラストタンクを高圧空気でブローした後の残水除去用）、真水ポンプ、トリムポンプが搭載されている。主機室にはディーゼルエンジンがあり、運転中は騒音が凄まじいため、手話でないと通じない。また、天井には吸気弁と排気弁があり、大量の空気を発令所から吸い込むため、常に暴風が吹き荒れている。ディーゼルの運転に必要な冷却水ポンプ、潤滑油ポンプ、燃料ポンプ、軸受注油ポンプ、予備冷却水ポンプ、予備潤滑油ポンプ、燃料清浄機、潤滑油清浄機、冷却器や、蒸化器（真水製造器）、吸気ファン、排気ファン（艦内及び電池室用）、電池室用予備排気ファンなども収容された。主機室の一角に圧縮ポンプ室があり、浮上した際の圧縮空気製造に使用した。電動機室には推進電動機が収容されており、前後（ディーゼル側とプロペラシャフト側）にクラッチが付いている。水上航行時は通電せずにディーゼル側とプロペラシャフト側両方のクラッチを繋いで航行しながら発電機として使用、潜航中は通電して電動機として使い、プロペラシャフト側のクラッチのみを繋いで航行する。補助発電機も搭載しており、18ノットで水上航行すれば８時間で充電を完了できた。また、発電機は直流のため、交流発電機も搭載して直流電動機で回して使用した。ハッチは５カ所に設けられており、合戦準備の号令がかかると艦橋の１カ所を除いて閉鎖する。艦前部両舷に潜舵、艦尾上面に上部縦舵、下面に縦舵を持つ。セイル基部前方が飛行機格納筒で、その前に起倒式クレーンとカタパルトがある。潜望鏡は索敵用の夜間潜望鏡（対空潜望鏡も兼ねる）と、攻撃用潜望鏡。水上機の組み立てには15-17名で当初２時間もかかったが、猛訓練で5-6分にまで短縮したという。全長108.7m、垂線間長102.4m、幅9.3m、平均吃水5.14m、基準排水量2198トン、水上排水量2584トン、水中排水量3654トン。主機は艦本式二号二〇型（一〇型？）複動内火機械（6200馬力、２サイクル複動式）２基、特五型電動モーター２基（2400馬力）で、２軸推進、水上速力23.6ノット、水中速力８ノット。補助発電機として特型450kW１基を装備する。ディーゼル燃料774トン、二号五型エボナイト・クラッド式電池240個を搭載し、航続距離は水上16ノットで14000海里、水中８ノットで23.6海里、水中３ノットで96海里。安全潜航深度100m。兵装は艦首の九五式魚雷発射管６門（魚雷17本）、後甲板の40口径十一年式14サンチ砲１門、セイル上面後部（艦橋後方）の九六式25mm連装機銃１基。呉式一号射出機四型と零式小型水上機１機を搭載する。乗員94名。昭和15-18年に伊15（初代）、伊17、伊19、伊21（２代目）、伊23（２代目）、伊25、伊26、伊27、伊28、伊29、伊30、伊31、伊32、伊33、伊34、伊35、伊36、伊37、伊38、伊39の20隻が竣工した。昭和18年中期に逆探が搭載され、昭和19年に三式探信儀と二号二型電探（飛行機格納筒上面）を装備、秋以降には伊36と伊37の艦尾砲を撤去して回天搭載装備を追加した。昭和20年春には一号三型電探と水中充電装置が搭載され、伊36は前甲板に回天を搭載するため水上偵察機格納庫と航空艤装を撤去した。参考：続潜水艦気質よもやま物語、日本潜水艦物語、日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像12,’09、月刊世界の艦船8,’14、9,’14、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜乙型改一＞：日本海軍一等潜水艦。マル急計画で建造した巡洋潜水艦で、量産を容易にするため巡潜乙型の主機を低出力だが生産性の高い一号甲（5600馬力、２サイクル）に換え、内殻の素材をDS鋼から軟鋼（MS材）に変更して厚みを1mm増やし（潜航深度は不変）、艤装を簡略化した。速力や航続力に変化は無い。全長108.7m、垂線間長102.4m、幅9.3m、平均吃水5.2m、基準排水量2230トン、水上排水量2624トン、水中排水量3700トン。主機は艦本式一号甲一〇型複動内火機械２基（11000馬力）、特五型電動モーター２基で、２軸推進、水上速力23.5ノット、水中速力８ノット。補助発電機として特型450kW１基を装備する。ディーゼル燃料814トン、一号一三型ペースト式電池240個を搭載し、航続距離は水上16ノットで14000海里、水中３ノットで96海里。安全潜航深度100m。兵装は艦首の九五式発射管６門、40口径十一年式14サンチ砲１門、九六式25mm連装機銃１基。呉式一号射出機四型と水上機１機を搭載する。乗員94名。伊40、伊41、伊42、伊43、伊44、伊45の６隻が建造された。昭和18年中期に逆探が搭載され、昭和19年に三式探信儀と二号二型電探を装備、秋以降には伊44の艦尾砲を撤去して回天搭載装備を追加した。昭和20年春には一号三型電探と水中充電装置が搭載され、伊44は前甲板に回天を搭載するため水上偵察機格納庫と航空艤装を撤去した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜乙型改二＞：日本海軍一等潜水艦。マル追計画、改マル五計画で建造した巡洋潜水艦で、戦時建造に合わせて生産効率を向上させたものである。ほぼ乙型改一と同じで、主機をディーゼル・モーター共に小型の量産向きのものに変更、空いたスペースに燃料を搭載し、魚雷発射管室後方の兵員室を改造して魚雷搭載数を19本に増加させた。通商破壊作戦が主任務だったが、実際には艦隊作戦や回天母艦としての任務に従事することが多かった。全長108.7m、垂線間長102.4m、幅9.3m、平均吃水5.19m、基準排水量2140トン、水上排水量2607トン、水中排水量3688トン。主機は艦本式二二号一〇型内火機械２基（過給器付きディーゼル、7400馬力）、特八型電動モーター２基（1200馬力）で、２軸推進、水上速力17.7ノット、水中速力6.5ノット。補助発電機として特型450kW１基を装備する。ディーゼル燃料895トン、一号一三型ペースト式電池240個を搭載し、航続距離は水上16ノットで21000海里、水中３ノットで105海里。安全潜航深度100m。兵装は艦首の九五式発射管６門（魚雷19本）、セイル後方の40口径十一年式14サンチ砲１門（伊58は装備していない）、セイル上面の九六式25mm連装機銃１基。前甲板中央に呉式一号射出機四型を装備、セイル付け根前方の格納庫に水上機１機を搭載する。乗員94名。21隻を建造する予定だったが、昭和19年に伊54（２代目）、伊56（２代目）、伊58（２代目）の３隻のみ就役した。昭和18年中期に逆探（セイル上面後部。機銃後方）を搭載し、昭和19年に三式探信儀と二号二型電探（格納庫上面後部）を装備、昭和20年春には一号三型電探と水中充電装置を搭載している。昭和20年中期、伊56と伊58は格納庫、カタパルト、甲板砲を撤去し、回天を前甲板に２基、後甲板に４基搭載できるようにした。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜甲型＞：日本海軍一等潜水艦。マル三・マル四計画で建造した旗艦潜水艦で、軍縮条約が切れたので設計に制限が無くなり、巡潜３型の船体を更に大型化して航続力を増大、メインタンクのキングストン弁の配置を変更して急速潜航時間を短縮した。水上速力も強化し、海大型のような艦隊随伴任務もこなせるようにしてある。内殻直径が大きくなったため、艦首も１段内殻となった。潜望鏡は10m型に換装された。全長113.7m、垂線間長108.4m、幅9.55m、平均吃水5.36m、基準排水量2434トン、水上排水量2919トン、水中排水量4150トン。主機は艦本式二号一〇型２サイクル10気筒複動ディーゼル２基12400馬力と特六型電動モーター２基2400馬力で、２軸推進、水上速力23.5ノット、水中速力7.7ノット。補助発電機は川崎型500kW（伊11は特型500kW）１基。ディーゼル燃料877.7トン（928トン？）、二号六型エボナイト・クラッド式電池480個を搭載し、航続距離は水上16ノットで16000海里、水中３ノットで90海里。安全潜航深度100m。兵装は九五式発射管６門（艦首のみ。九五式酸素魚雷18本）、40口径十一年式14サンチ砲１門（セイル後方）、九六式25mm連装機銃２基（セイル上面前後）。飛行機格納筒はセイル艦首側に大型のものが設けられ、呉式一号四型カタパルトも前甲板中央に移して水中機動性は向上したが、航空機発進作業中に波浪の影響を受けやすくなった。乗員100名（旗艦任務時は114名）。昭和16-17年に伊９、伊10、伊11の３隻が就役した。昭和18年中期以降に逆探が装備され、昭和19年以降には三式探信儀を搭載した可能性がある。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船9,’14、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜甲型改一＞：日本海軍一等潜水艦。マル追計画で建造された潜水艦で、甲型の機関を製造が容易な二二号一〇型４サイクル単動式過給器付きディーゼルに変更し、機関が軽くなった分を補正するため機関室前部に燃料タンクを設置、水上最大速力は17.7ノットに低下したものの、航続距離は22000海里に増加した。電動機も特八型に変更され、水中速力が低下した。全長113.7m、垂線間長108.4m、幅9.55m、平均吃水5.36m、基準排水量2390トン、水上排水量2934トン、水中排水量4172トン。主機は艦本式二二号一〇型過給器付きディーゼル２基（4700馬力）、特八型電動モーター２基（1200馬力）で、２軸推進、水上速力17.7ノット、水中速力6.2ノット。補助発電機は特型500kW１基。ディーゼル燃料928トン、一号一三型ペースト式電池240個を搭載し、航続距離は水上16ノットで16000海里、水中３ノットで75海里。安全潜航深度100m。兵装は九五式発射管６門（艦首。魚雷18本）、40口径十一年式14サンチ砲１門（セイル後方）、九六式25mm連装機銃２基（セイル上面前後）。呉式一号射出機四型と水上機１機を搭載する。乗員98名、旗艦任務時112名。昭和19年に伊12が就役した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜甲型改二＞：日本海軍一等潜水艦。マル追計画で建造された巡潜で、当初は改一と同規格で建造される予定だったが、特型（伊400型）の建造数が減らされたため、それを補うべく水上攻撃機を２機搭載できるように改良したものである。格納筒や艦橋、司令塔の形状が変更され、排水量増大による乾舷の減少を抑えるために船体にはバルジが装着された。主機は変更されず、速力が落ちている。水中充電装置、一号三型対空用電探、新型逆探も搭載された。全長113.7m、垂線間長108.4m、幅11.7m、平均吃水5.89m、基準排水量2620トン、水上排水量3603トン、水中排水量4762トン。主機は艦本式二二号一〇型過給器付きディーゼル２基（5200馬力）、特八型電動モーター２基（1200馬力）で、２軸推進、水上速力16.7ノット、水中速力5.5ノット。補助発電機は特型450kW１基。ディーゼル燃料985.2トンと一号一三型ペースト式電池240個を搭載し、航続力は水上16ノットで16000海里、水中３ノットで60海里。安全潜航深度100m。兵装は艦首の九五式発射管６門（魚雷12本）、40口径十一年式14サンチ砲１門（ただし装備している写真は残っていない）、九六式25ミリ３連装機銃２基（セイル上面前後）、九六式25ミリ単装機銃１丁（セイル上面中央）。仮称特Ｓ型射出機（四式一号一〇型射出機。セイル前方やや右舷寄り）と、水上機２機を装備する。乗員104名。昭和19-20年に伊13、伊14の２隻が竣工し、伊15（２代目）と伊１（２代目）は未完成のまま終戦を迎えた。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜丙型＞：日本海軍一等潜水艦。マル三計画で５隻、マル急計画で３隻が建造された巡潜で、建造期間短縮のため巡潜３型の線図を流用、旗艦設備を外し、水偵を降ろして魚雷を増やしたタイプである。潜航性能を改善するためにタンクなどに大がかりな改造を施してあり、45-50秒での急速潜航が可能となった。潜望鏡は10m型に換えられ、フレオン式冷却器を装備して居住性を良くしている。全長109.3m、垂線間長103.8m、幅9.1m、平均吃水5.34m（伊46以降は5.35m）、基準排水量2184トン、水上排水量2554トン（伊46以降は2557トン）、水中排水量3561トン（伊46以降は3564トン）。主機は艦本式二号一〇型複動ディーゼル２基12400馬力（伊46以降は艦本式一号甲一〇型複動ディーゼル２基11000馬力）、特五型電動モーター２基2000馬力で、２軸推進、水上速力23.6ノット（伊46以降は23.5ノット）、水中速力８ノット。波高3mでも最大速力23ノットを出せた。補助発電機は川崎式450kW型（伊46以降は特型400kW）１基で、充電にかかる時間は急速で５時間15分、21.8ノット航行中で９時間。ディーゼル燃料744トン、二号五型エボナイト・クラッド式電池240個を搭載し、航続距離は水上16ノットで14000海里、水中３ノットで60海里（空調機を止めれば77海里）。安全潜航深度100m。艦首の魚雷発射管は敵艦隊に対する公算射撃のため九五式発射管８門に増やし、酸素魚雷運用能力を持たせた。魚雷搭載数は20本。甲板砲はセイル前方の40口径十一年式14サンチ砲１門で、セイル上面後部に九六式25mm連装機銃も装備している。乗員100名。水測兵器は九三式聴音機と九三式探信儀で、伊20のみＵボートが装備していたペリフォン水中電話兼用水中聴音機兼探信儀を竣工直後に搭載した。また、伊46-48は逆探と電探を装備しており、伊48は後甲板に回天を搭載可能な状態で就役した。伊16、伊18、伊20、伊22（２代目）、伊24（２代目）、伊46、伊47、伊48の８隻が昭和15-16年に就役した。就役直後に甲標的搭載改修が行われ、伊47は昭和19年末に後甲板、昭和20年春に前甲板に回天を搭載できるようにされ、14cm砲は撤去された。昭和20年7月、伊47は水中充電装置を追加装備した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜巡潜丙型改＞：日本海軍一等潜水艦で、マル追計画により建造された。ベースは丙型でなく乙型改二で、航空機装備を撤去して14サンチ単装砲を前甲板に１門追加している。弾薬搭載数も２倍に増え、即応弾薬も各門40発になった。全長108.7m、垂線間長102.4m、幅9.3m、平均吃水5.12m、基準排水量2095トン、水上排水量2564トン、水中排水量2644トン。主機は艦本式二二号一〇型内火機械（過給器付きディーゼル）２基7400馬力（4700馬力？）、特八型電動モーター２基1200馬力で、２軸推進、水上速力17.7ノット、水中速力6.5ノット。ディーゼル燃料895トン（842.8トン？）と一号一三型ペースト式電池240個を搭載し、航続距離は水上16ノットで21000海里、水中３ノットで105海里。安全潜航深度100m。兵装は艦首の九五式発射管６門（魚雷19本。17本？）、40口径十一年式14サンチ砲２門（上甲板前後）、九六式25mm連装機銃１基。乗員94名。伊52（２代目）、伊53（２代目）、伊55（２代目）の３隻が昭和19年に竣工した。伊53と伊55は昭和20年3月以降、甲板砲を撤去して前後甲板に回天計６基を搭載できるようにした。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、潜水艦気質よもやま物語、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船9,’12増刊、月刊モデルアート9,’15増刊

＜准曹士＞：准尉、曹、士の総称。参考：MAMOR vol.155

＜准曹士先任＞：航空自衛隊が2006年から試行し、2008年4月1日から開始した制度で、800名が任官した。司令部や部隊などに配属され、指揮官を直接補佐する他、曹士の服務指導、組織活性化、各種行事やボランティア活動への参加、アメリカ軍下士官との交流などを行う。ちなみに陸自では最先任上級曹長、海自では先任伍長という。参考：朝雲、MAMOR vol.155

＜準中距離ミサイル＞：MRBMを参照。

＜順天＞：767（コルベット）を参照。

＜順天＞：満州国江防艦隊順天型砲艦Shuntien。1934年10月1日就役。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜順天型＞：満州国江上軍砲艦Shuntien型。ソ連のアムール川戦隊に対抗できる兵装を備えており、高角砲や曲射砲による高仰角対地射撃も可能。全長52.6m、最大幅8.8m、排水量270トン。主機はディーゼルで、速力13ノット。兵装は十年式45口径12cm連装高角砲１基、13mm連装機銃３基、15cm曲射砲１門。順天と養民が1934年10月1日に就役し、江防艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船7,’11、月刊丸3,’14

＜シュントー＞：771（ミサイル艇）を参照。

＜順徳＞：771（ミサイル艇）を参照。

＜純トン数＞：船内容積から、航海に必要な部分（船橋や機関室など）の容積を引いたトン数で、貨物搭載スペースを示す。国際総トン数と同じ計算式を使うので、値も同じになる。参考：図解船の科学

＜瞬発信管＞：信管を参照。

＜瞬発信管付き榴弾＞：地上に落下した瞬間に炸裂する筈だが、実際は多少地面に潜り込んで炸裂する。水平方向に飛散した破片が破壊効果を及ぼすことになる（垂直に上がった破片は自然落下するだけ）が、被害範囲は着弾角度によって異なる。榴弾が垂直に近い形で落下してくるとほぼ円形の破片撒布を示すが、水平に近い形で飛んでくると飛翔方向には殆ど効果が無くなる。また、着弾時に吹き上げられた土砂で破片が妨げられるので、地面に伏せていると着弾点に近くても破片から逃れることが可能だが、爆風と熱風は防げない。口径150mm以上の榴弾の直撃を受けると、戦車・装甲車内にいても震蕩効果で搭乗員が被害を受ける。200mm級になると、爆風で車両ごと吹き飛ばされることもある。掩体や掩蓋で防御された敵に対しては、側壁に直撃したり、掩体内に飛び込んだり、開口部から爆風が進入したりしない限り効果が無い。特に掩蓋に対しては短遅延信管付き榴弾の方が効果が高い。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜春風作戦＞：第２次大戦でフォン・アルニム率いるドイツ第５機甲軍が行った、北アフリカ大反攻作戦。ファイド峠西に集結中のアメリカ軍を奇襲して撃破、そのまま北に向かってチュニス前面の連合軍後方を進撃して包囲殲滅し、チュニジアでの主導権を握ることを意図していた。1943年2月14日、ドイツ第10・第21装甲師団、�Y号戦車装備の第501重戦車大隊が進撃を開始し、68両のアメリカ軍戦車を撃破。2月15日には救援に来たアメリカ第１機甲師団Ｃ戦闘団を壊滅させ、40両以上の戦車を破壊、2000名以上を捕虜にしてシディ・ブ・ジドを占領した。そのまま北上する予定だったが、ロンメル率いるアフリカ軍団がちょうどアメリカ軍の側面を突く形となったため、当初の予定を変更してロンメルに部隊の一部を譲った。ロンメルはアメリカ軍の右翼を突破してガフサを占領、北上を開始した。アメリカ第２軍団は西に後退、イギリス第６機甲師団、第１近衛歩兵旅団、アメリカ第１機甲師団Ｂ戦闘団を援軍に向かわせた。2月18日に第10装甲師団の一部と第21装甲師団がロンメル指揮下に入り、スベイトラ、テレプテ飛行場、カセリーヌ峠を次々と奪取したが、チュニジアの山地帯では機動戦が展開できず、補給線も延びきり、2月22日以降は圧倒的な物資と航空攻撃の前に攻勢が頓挫して作戦は中止された。ドイツ軍は2月23日に第５機甲軍とアフリカ軍団を統合したアフリカ軍集団を構成して2月26日に雄牛の頭作戦、3月6日にメデニーヌ攻撃を実施した。参考：月刊PANZER9,’02

＜春風作戦＞：ドイツ軍が第２次大戦時に実施した、ソ連軍グラン川西岸橋頭堡制圧作戦。1944年初め、ハンガリー北方のグラン川西岸、エステルゴムからチャタにかけての25kmにおいて、ソ連軍第２ウクライナ方面軍が西に30kmほどの橋頭堡を形成しており、第53、第93、第325、第409、第611歩兵師団、ルーマニア第24、第25歩兵師団、支援戦車部隊を配置してドイツ軍の左翼を圧迫していて、春の目覚め作戦開始の妨げとなっていた。ドイツ軍の攻撃部隊はSS第１装甲軍団で、ライプシュタンダルテ師団、ヒトラー・ユーゲント師団、第44国民てき弾兵師団（ティーガーＢ型25両稼働のフェルトヘルンハレ重戦車大隊を含む）、第211国民てき弾兵師団、第46歩兵師団、第96歩兵師団を隷下に置いた。1944年2月14日からSS第１装甲軍団は橋頭堡北西にあるエールセクーイバール地区に移動。2月17日0420、作戦を開始。ヨーヘン・パイパー率いるライプシュタンダルテ師団の全戦車とSS第503重戦車大隊が右翼から前進し、ソ連陣地を制圧。左翼からはヒトラー・ユーゲント師団が進み、正午頃から攻撃を開始した。各部隊は地雷原や陣地帯を突破しつつ進み、兵力の乏しい歩兵師団は戦車隊が適宜救援して進撃を助け、7月25日までに橋頭堡を制圧した。ソ連の損害は戦死2000名、戦傷6000名、捕虜500名、戦車71両、火砲180門。ドイツの損害は死傷3000名、戦車10両前後。参考：月刊丸11,’09

＜シュンフェン�V＞：雄風�V（対艦ミサイル）を参照。

＜隼鷹＞：日本海軍隼鷹型空母１番艦。昭和14年3月20日、三菱造船所で太平洋航路大型客船橿原丸として起工。昭和15年11月、空母への改造を開始し、昭和16年6月26日進水、昭和17年5月3日竣工、特設航空母艦橿原丸として第１航空艦隊第４航空戦隊に編入され、零戦16機と九九式艦爆24機を搭載することになった。5月8日、飛行隊が佐伯航空隊で訓練を開始。5月18日、隼鷹飛行隊及びミッドウェイ島進出予定の第６航空隊戦闘機隊12機を収容して佐伯基地を撤収。5月22日、瀬戸内海西部を出港。5月25日、大湊に入港。5月26日、アリューシャン作戦のため陸奥湾大湊を出撃。6月4-5日、ダッチハーバーを空襲。6月24日、大湊に帰港。6月29日、大湊を出港。7月1日、飛行隊が岩国で訓練を開始。7月3日、瀬戸内海に到着。7月8日、飛行隊が鹿児島で訓練を開始。7月14日、航空母艦隼鷹に艦種変更・改称され、第３艦隊第２航空戦隊に転属。搭載機は艦戦21機、艦爆18機、艦攻９機となった。9月14日、佐伯で総合訓練を実施。10月4日、トラックに向かった。10月9日、トラックに入港。10月11日、トラックを出港。10月13日、ガダルカナル砲撃作戦部隊の哨戒任務に就いた。10月17日、ガダルカナル泊地攻撃を実施。10月26日、南太平洋海戦に参加。10月30日、トラックに帰投。11月9-13日、ガダルカナル島北方を行動。12月18-20日、ム号作戦に参加し、陸軍のウエワク輸送の援護にあたった。昭和18年1月17日、飛行隊をウエワク飛行場に派遣。1月25日、トラックに帰港。1月末からガダルカナル島撤退作戦に参加。2月21日、佐伯に帰港した。3月22日、佐伯を出港。3月27日、トラックに到着。4月2日、い号作戦参加のため飛行隊がラバウルに進出。4月17日、飛行隊がトラックに帰投。5月22日、本土に帰還。6月10日、横須賀を出港してトラックに向かった。6月15日、飛行隊がルオットに前進。7月2日、飛行隊がブインに進出。9月1日、戦闘機隊が解隊された。11月1日、飛行隊を再編し、艦戦24機、艦爆18機、艦攻９機を定数としてシンガポールで訓練を行った。11月5日、豊後水道でSS-232ハリバットの雷撃を受けて大破した。12月1日、トラックに進出。昭和19年1月25日、戦闘機隊がラバウルに進出。2月20日、戦闘機隊がトラックに後退。6月19日、マリアナ沖海戦に参加。20日、艦橋後部に２発の爆弾を受けて艦橋後部と煙突上部が全壊、方位測定儀ループアンテナが半壊し、更に至近弾を受けて発着艦装置が使用不能となり、50名の戦死者を出した。7月10日、第３艦隊第４航空戦隊に転属。11月10日、ブルネイで駆逐艦卯月と衝突した。11月15日、連合艦隊第１航空戦隊に転属。12月9日、長崎県女島付近でSS-395レッドフィッシュとSS-400シーデビルの雷撃を受けて中破した。昭和20年1月1日、第２艦隊第１航空戦隊に転属。3月末、女島沖で被雷した損害の復旧工事を完了したが、片舷主機が使用不能なままなど完全に直ってはいない状態で、以降は佐世保に繋留されたままとなった。4月20日、佐世保鎮守府部隊に転属。終戦時は佐世保港で中破の状態だった。損傷のため復員輸送にも使用されず、11月30日に除籍された。昭和21年6月1日、佐世保で解体が開始された。参考：日本海軍戦闘機隊、第２次大戦日本海軍作戦年誌、図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊丸10,’93

＜隼鷹型＞：日本海軍空母。元は日本郵船の北米航路用客船橿原丸で、建造中の昭和15年9月に空母への改造が決定、昭和16年2月に海軍が購入して隼鷹として就役した。大鳳にアイランドと直立煙突を採用することが決定したため、こちらも同じ方式で設計が進められ、日本初のアイランド型空母・直立煙突空母となった。艦首はファッション・プレート型で、バルバス・バウを持つ。船首ブルワークは客船設計時の半分に短縮され、舷外電路とパラベーン用のフェアリーダーを装着した。木張りの飛行甲板は客船時のプロムナードデッキを延長したもので、強度甲板のため伸縮継手は設けられていない。大きさは全長210.3m、前端幅16m、中央幅27.3m、後端幅25m。エレベーターは前後に１基ずつあり、大きさは14m×14mである。飛行甲板前端には艦首表示灯、中心線表示灯、風向指示蒸気照明灯があり、昇降式マストと前部エレベーターの間には第１滑走制止柵（移動式）、呉式四型着艦制動装置第１横索、着艦照明灯が装備されている。前後部のエレベーターの間には前から順に第２横索、第２滑走制止柵（空廠式三型、固定式）、第３滑走制止柵（固定式）、第３横索、第４滑走制止柵（移動式）、第4-9横索が設置され、第７横索両端に着艦指導灯の照星灯、第８横索右舷と第９横索左舷に着艦指導灯の照門灯が取り付けてある。後部エレベーター左横と右後方には110cm探照灯があり、左の探照灯直後に起倒式４トンクレーンが装備され、後部両舷に艦尾張出表示灯があり、その右舷側根元に甲板状態信号燈が設けられ、飛行甲板後端には艦尾標示灯が５つ並んでいる。格納庫は２段式。艦橋構造物は飛行甲板の右舷前方にあり、飛行甲板の外側に張り出す形で設置された。艦橋は５層で、一番下の飛行甲板平面には方位測定室、搭乗員待機室などがある。その上が下部艦橋甲板で、無線電話室、方位測定室などが設置され、前方の露天甲板には方位測定器用ループアンテナ、4.5m測距儀（竣工後間も無く九四式高射装置に換装）などが搭載された。後方の露天甲板には探照灯管制機兼上空見張り方向盤が設置されている。３層目が上部艦橋甲板で、操舵室、作戦室兼海図室などが設置されており、前方の露天甲板に探照灯管制機兼上空見張り方向盤が置かれ、右舷スポンソンに60cm信号用探照灯が配置された。その上が羅針艦橋甲板で、羅針艦橋と伝令所、発着艦指揮所などが設置された。最上部の露天甲板が防空指揮所甲板で、双眼望遠鏡、1.5m測距儀、方位測定器アンテナ、無線電話用アンテナ、三脚式アンテナマストなとが設置されており、後部からは26度外側に傾斜した煙突が突き出している。煙突の左と後ろの甲板は見張り用で、高角双眼望遠鏡、60cm信号用探照灯、方位測定器アンテナなどが配置された。艦橋の後方にあたる飛行甲板上には三脚式の信号マストが設置された。舵は中央支持の半釣り合い舵。２軸推進で、プロペラは直径5.5mの４翅プロペラである。艦尾の遮浪甲板上に１組の飛行甲板支柱があり、これと格納庫の間に短艇格納所が設けられて12m内火艇が搭載された。機関室及び缶室は縦横水防隔壁で仕切られており、舷側は本体外板と強度鋼板の二重張りになっている。基準排水量24140トン。主機は三菱ツェリー式四胴型オールギヤードタービン２基、主缶は三菱式三胴型重油専焼水管缶（40気圧、420℃）６基、速力25.5ノット、航続距離は18ノットで10000海里。兵装は八九式12.7サンチ連装高角砲６基（前部エレベーター左舷に２基、右舷に１基、飛行甲板中央右舷に２基、後部エレベーター左舷に１基）、25ミリ３連装機銃８基（左舷中央に４基、右舷後方寄りに４基）で、射撃指揮装置は九四式高射装置２基（艦橋前部と左舷側後方）、機銃射撃装置４基（機銃の間に両舷２基ずつ）。搭載機は、零戦15機（常用12機、補用３機）、九九式艦爆20機（常用18機、補用２機）、九七式艦攻18機（常用18機）の計画で、8-9機を甲板に繋止することとしたが、九七式艦攻の搭載は昭和17年7月にずれこんでいる。隼鷹が昭和17年に就役した。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、日本海軍艦隊総覧

＜隼鷹型（改装）＞：昭和17年、AL作戦時には零戦20機と九九式艦爆19機を搭載した。夏に二一号電探を搭載し、艦橋の防空指揮所甲板にアンテナを設置。マリアナ沖海戦までに艦橋構造物前後の飛行甲板に25mm３連装機銃を１基ずつ、下部艦橋甲板後部の露天甲板に25mm単装機銃を２門追加し、防空指揮所甲板の三脚式アンテナマストに逆探アンテナを設置した。この頃の搭載機は零戦21機、九九式艦爆18機、九七式艦攻９機。南太平洋海戦終了後の12月の搭載機は、零戦27機、九九式艦爆12機、九七式艦攻９機。昭和18年、飛行甲板左舷後部の110cm探照灯を撤去し、そこに二一号対空電探（引き込み式）を増設した。25mm３連装機銃４基（飛行甲板前部両側に２基ずつ）が追加された。昭和19年6月、マリアナ沖海戦時の機銃搭載数は25mm３連装機銃16基、単装12基で、昭和18年時に比較して艦尾に２基、艦橋構造物に１基ずつの３連装機銃、艦橋や飛行甲板前後両端に単装機銃が増設されていた。搭載機は、零戦27機、彗星９機、九九式艦爆９機、天山６機。昭和19年7月6日からマリアナ沖海戦での損傷を修理した際、飛行甲板平面後端の甲板室を後ろに延長して信号マストと一体化、甲板室の天井に25mm３連装機銃１基と単装機銃２門を追加し、艦首にも25mm３連装機銃１基と単装機銃２門を装備した。また、12サンチ28連装噴進砲を前部高角砲前方両舷に４基ずつ装備した。艦橋の飛行甲板平面右舷スポンソンにあった60cm探照灯は撤去され、25mm３連装機銃１基が搭載された。他にも25mm機銃の増設が行われ、総数は３連装19基、連装２基、単装30門となった。信号マストには一三号電探のアンテナが設置された。参考：図解日本の空母

＜巡洋艦＞：英語ではクルーザー（Cruiser）。語源はラテン語のクルス（十字架）で、17世紀にイギリスが敵を求めて外洋を縦横無尽に航行（オランダ語でクルゼイン、Cruisen）することをクルーズ（Cruise）と称したことからこの語が誕生した。前身は植民地とのシーレーン防御用のフリゲートやコルベットで、これに防御用の装甲鋼板を張ったものが大型装甲巡洋艦、甲板下のみに装甲を施した小型のものが防護巡洋艦として分類された。しかしこれらは後に砲艦や海防艦に分類され、巡洋艦の定義は曖昧なものとなった。巡航艦とか偵察巡航艦、通報艦などと呼ばれたこともある。防護巡洋艦は偵察艦（スカウト）と呼ばれるようになり、軽巡洋艦の先祖とされている。しかしこの艦は艦隊と共に行動できないという欠点があり、イギリス海軍はこの点を改善、更に駆逐艦隊旗艦にもなれる能力を持つアリシューザ級を開発した。主任務は高速性能と航続力を活かして戦艦部隊の前衛として索敵を行い、遭遇した敵同種艦や敵駆逐艦を撃破し、敵主力艦に魚雷攻撃を行うというもので、自国の通商保護、敵国の通商破壊も重要な任務である。第１次大戦でイギリスとドイツが使用して大活躍、各国で次々と建造されることとなった。また、イギリスでは本国と植民地の間のシーレーンを防衛する艦種として重視されていた。ワシントン条約で補助艦に基準排水量10000トン以下・砲口径８インチ（203mm）以下の制限がかけられたため、巡洋艦にもこれが適応され、条約型巡洋艦が生まれた。ロンドン条約で巡洋艦が「主力艦または空母以外の水上艦艇で基準排水量が1850トンを超えるまたは口径5.1インチを超える砲を有するもの」と定義され、更に軽巡洋艦と重巡洋艦の２タイプに分類されて後者は戦艦の補助任務を担うこととなった。無条約時代は砲口径15cm以下・排水量10000トン前後の艦が多く、大艦巨砲主義には陥らなかった。第２次大戦後は対艦・対空ミサイルを搭載したミサイル巡洋艦が開発されたりもしたが、段々と廃れていき、軽・重の区別も無くなっておよそ7000トン以上の水上戦闘艦を指すようになった。そうは言ってもキンダ級は4400トン、キーロフ級は22000トンとかなりの幅がある。任務は対潜戦から空母機動艦隊直衛まで幅広く、高い速度性能、航続性能、航洋性、大型船体に積んだ各種兵装を活かして多彩な任務をこなす。第２次大戦後に計画・建造したのはアメリカ、ソ連、フランス、イタリアだけで、新規建造は稀になってきており、アメリカのCG(X)も開発中止になってしまった。参考：巡洋艦入門、近代巡洋艦史、月刊軍事研究9,’04、第２次大戦のイギリス軍艦、帝国陸海軍事典、日本の防衛戦力Part3、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船12,’21

　＜軽巡洋艦＞：舷側水線部に薄めの装甲を持つ軽装甲巡洋艦の略として名称が生まれ、水雷戦隊旗艦、主力艦隊前衛、海上交通破壊などを主任務とした。偵察巡洋艦の火力・航洋力強化型として1910-12年にイギリス海軍で５隻就役したブリストル級が嚆矢である。1930年に制定されたロンドン条約でＢ級巡洋艦として定義され、基準排水量1850トン以上10000トン以下、主砲口径5.1インチ以上6.1インチ（15.5cm）以下の艦の名称となった。日本では二等巡洋艦（乙級巡洋艦）と呼ばれている。1936年の第２次ロンドン条約では基準排水量が8000トン以下に引き下げられた。主任務は元々の巡洋艦の任務である主力艦隊前衛、敵主力艦・駆逐艦雷撃、海上交通防護・破壊などを引き継いでいる。海外植民地警備に最適だったため、イギリス海軍が大量に保有していた。第１次大戦で海外植民地を失ったドイツでは、第２次大戦に参加したのは６隻だけだった。参考：巡洋艦入門、写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史、歴史群像6,’16、月刊世界の艦船4,’18、日本海軍艦隊総覧

　＜航空巡洋艦＞：通常の巡洋艦よりも航空機を多く搭載できる巡洋艦のこと。世界初の航空巡洋艦はスウェーデンのゴトランドで、飛行甲板まで備えた本格的航空巡洋艦はこれと改装後の最上だけである。参考：月刊世界の艦船11,’00

　＜重巡洋艦＞：Heavy Cruiser。1930年のロンドン条約で制定されたＡ級巡洋艦のことで、基準排水量1850トン以上10000トン以下、または主砲口径5.1インチ以上８インチ（20.3cm）以下の艦。日本では一等巡洋艦（甲級巡洋艦）と呼ばれた。ワシントン条約で主力艦が制限されて巡洋艦の建艦競争が始まったため、ロンドン条約で制限をかけることにしたものである。参考：巡洋艦入門、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧

　＜条約型巡洋艦＞：ワシントン条約の補助艦に適合する基準（基準排水量10000トン、主砲口径20.3cm）目一杯で建造された巡洋艦のこと。ワシントン条約では保有トン数の制限が無く、主力艦に代わって建艦競争が始まったため、ロンドン条約で重巡洋艦として定義し、制限を加えることになった。参考：巡洋艦入門、月刊丸2,’08

　＜装甲巡洋艦＞：Armored Cruiser。舷側装甲帯を備えた巡洋艦のことで、大型防護巡洋艦の船体外板水線部付近に帯状の装甲板を追加したものである。主任務は植民地警備やシーレーン防護だったが、後に火力を強化した艦隊随伴型も建造され、巡洋戦艦に進んだ。参考：歴史群像6,’16、月刊軍事研究9,’15

　＜敷設巡洋艦＞：巡洋艦と同等の砲戦能力及び軽巡洋艦以上の速力を持つ敷設艦で、敵地への強行機雷敷設を主任務とする。イギリス海軍が第２次大戦時にアブディール級を建造したが、任務が特殊すぎてあまり出番が無く、他国も追随しなかったため、そのまま廃れた。参考：月刊丸4,’17

　＜防空巡洋艦＞：艦隊防空を主任務とする巡洋艦。航空機の発達を受けて1935-36年にイギリス海軍が初めて建造（Ｃ級巡洋艦を改装）し、アメリカ海軍や日本海軍も配備した。参考：月刊丸4,’17

　＜防護巡洋艦＞：Protected Cruiser。艦内に防護甲板と呼ばれる対小口径弾用装甲化甲板を備えた巡洋艦のこと。防護甲板は艦中央付近では水線上にあるが、舷側や艦前後では水線下に潜るように曲げられており、機関部などの水線下重要区画をカバーする。舷側装甲が無いので、石炭庫を舷側水線上に配置して弾片防護に利用した。1870年代末に登場し、多数が建造されたが、速射砲の発達で水線上を滅多撃ちにされる事態が多発し、大型防護巡洋艦は装甲巡洋艦、中小型防護巡洋艦は軽巡洋艦に進んだ。参考：月刊世界の艦船9,’17、月刊軍事研究9,’15

　＜巡洋艦（アメリカ海軍）＞：1916年計画でオマハ級を建造、駆逐艦隊旗艦に充てた。ただ、駆逐艦隊は嚮導駆逐艦が率いるようになったため、以降の巡洋艦は巡洋艦戦隊に配置されている。ロンドン条約締結後は重巡の整備を優先し、ペンサコラ級（1929-30年２隻竣工）、ノーザンプトン級（1930-31年６隻竣工）、インディアナポリス級（1932-33年２隻竣工）、アストリア級（1934-37年７隻竣工）、ウイチタ級（1939年１隻竣工）を建造した。軽巡は大型のブルックリン級（1937-39年９隻竣工）を作っている。航空巡洋艦として1931年に10000トン型、1934年にその改良型、1939年にCF1やCF2を検討したが、どれも建造されなかった。第２次大戦前後にはアトランタ級軽巡（1941-46年11隻竣工）、クリーブランド級軽巡（1942-46年29隻竣工）、ウースター級軽巡（1948年２隻竣工）、バルチモア級重巡（1943-45年18隻竣工）、デ・モイン級重巡（1948-49年３隻竣工）、アラスカ級大型巡洋艦（1944年２隻竣工）と多くの巡洋艦を建造した。戦後は原子力ミサイル巡洋艦のロングビーチ級１隻が1961年に就役し、その後はレイヒ級ミサイル巡洋艦（1962-64年９隻竣工）、ベインブリッジ級原子力ミサイル巡洋艦（1962年１隻竣工）、ベルナップ級ミサイル巡洋艦（1964-67年９隻竣工）、トラクスタン級原子力ミサイル巡洋艦（1967年１隻竣工）、カリフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦（1974-75年２隻竣工）、ヴァージニア級原子力ミサイル巡洋艦（1976-80年４隻）を就役させた。1960年代初めにタイフォン・ミサイルを搭載した原子力ミサイルフリゲートが設計されたが、ミサイルが完成せず、中止された。1976年、原子力打撃巡洋艦を設計したが、没になった。同時期にCGN-42級原子力ミサイル巡洋艦の建造計画が出たが、高価すぎたため中止になり、替わりに通常動力のタイコンデロガ級イージス艦が1983-94年に27隻竣工した。タイコンデロガ級の後継となるCG(X)級は開発中止になった。参考：近代巡洋艦史、月刊軍事研究12,’15

　＜巡洋艦（イギリス海軍）＞：1901-09年、ドレイク級４隻など装甲巡洋艦35隻が就役。1910年、軽巡洋艦の嚆矢となるブリストル級巡洋艦５隻が就役開始。1911年、巡洋艦委員会が設立され、これの検討結果に基づいてアリシューザ級巡洋艦８隻が1914-15年に竣工した。次いでＣ級巡洋艦（カロライン級、カライアピ級、カンブリアン級、セントー級、カレドン級、シアリーズ級、ケープタウン級）を建造。うちケープタウン級５隻の竣工は第１次大戦終結後の1918-22年になった。第１次大戦勃発でギリシャが発注した巡洋艦を買い取り、バーケンヘッド級（1915-16年２隻竣工）として使用した。第１次大戦中にはドイツが建造中と噂された巡洋艦に対抗すべくＤ級巡洋艦（1918-22年８隻就役）とＥ級巡洋艦（1926年２隻就役）を起工したが、誤報で、就役も戦後になっている。通商破壊艦に対抗するため、大型の改バーミンガム級５隻を1918-25年に就役させた。ドイツが20.8cm砲搭載の巡洋艦を建造しているとの情報も入り、19cm単装砲を搭載した２タイプの巡洋艦を計画したが、終戦により設計のみで中止となった。ワシントン条約締結後はケント級（1928年５隻就役）、ロンドン級（1929年４隻就役）、ノーフォーク級（1930年２隻就役）の各重巡を建造し、更に必要な隻数を確保するため、排水量を8500トン弱に抑えたヨーク級２隻を1930-31年に就役させた。その後は軽巡の建造に移り、リアンダー級（1933-35年５隻就役）、パース級（1930年代後半オーストラリア海軍に３隻就役）、アリシューザ級（２代目。1935-37年４隻就役）といった偵察巡洋艦系統、サウザンプトン級大型軽巡第１−第３グループ（1937-39年10隻就役）、ダイドー級防空巡洋艦第１・第２グループ（1939-44年16隻就役）を配備した。1928-29年度計画のサーリ級重巡は建造中止になった。第２次ロンドン条約締結後はフィジー級軽巡（1940-43年11隻就役）とマイノトー級軽巡（1944-59年６隻竣工）を建造。第２次大戦中の1940年度設計重巡（16000トン、８インチ３連装砲３基）、ネプチューン級軽巡は建造中止になった。1941-43年、アブディール級敷設巡洋艦６隻が就役。1947年計画のマイノトー級防空巡は予算不足で建造中止になった。1948-49年に1960年代就役予定の巡洋艦を４タイプほど設計したが、設計のみで建造されなかった。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’18

　＜巡洋艦（イタリア海軍）＞：1915年5月の第１次大戦参戦時、23隻を保有していた。第１次大戦中に２隻を喪失、新造艦は無く、戦後に戦利艦としてドイツから３隻、オーストリア＝ハンガリーから２隻を取得している。その後も巡洋艦は建造しなかったが、1925年のムッソリーニ独裁体制確立で、地中海の権益を争うイギリスとフランスに対抗する必要が出たため、新型巡洋艦の建造を計画。ちょうどワシントン条約が締結されたため、まず重巡から更新することにし、デュケーヌ級に対応する速力重視のトレント級重巡（1928-29年２隻竣工）を建造し、次いで主力艦の代わりにもなる防御重視のザラ級（1931-32年４隻竣工）を作り、その後はバランスの取れたボルツァーノ級重巡１隻が1933年に竣工した。軽巡はデュゲイ・トルーアン級に対抗してジユッサノ級（1931-32年４隻竣工）、カドルナ級（1933年２隻竣工）、モンテクッコリ級（1935年２隻竣工）、デュカ・ダオスタ級（1935-36年２隻竣工）のコンドッティエリ（Condottieri、傭兵隊長）第１−第４グループを建造。フランスがラ・ガリソニエール級で対抗すると、アブルッチ級２隻（コンドッティエリ第５グループ）を1937年に竣工させた。第２次ロンドン条約締結後はカピタニ・ロマニ級軽巡（1942-56年４隻竣工）を建造。1939-40年計画のコンスタンツォ・チアノ級、タイから取得したエトナ級は建造中止になった。戦後はヘリ搭載巡洋艦のヴィットリオ・ヴェネト級１隻が1969年に竣工した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船7,’23

　＜巡洋艦（ドイツ海軍）＞：1899年からヴィクトリア・ルイーゼ級５隻が竣工。1914-15年、グラウデンツ級２隻が竣工。ピラウ級（1914-15年２隻竣工）には15cm砲を搭載して兵装を強化し、グラウデンツ級の発展型であるヴィースバーデン級（1915年２隻竣工）、それを大型化したケーニッヒスベルク級（２代目。1916-17年４隻就役）、ケルン級（1918年２隻竣工）を就役させて第１次大戦終結を迎えた。他に敷設巡洋艦ブルンマー級２隻を1916年に竣工させている。ケルン級の後にFK級シリーズを建造する予定だったが、終戦で実現しなかった。主砲は中心線よりも両舷配置を重視している感がある。ベルサイユ条約下では1925年にエムデン級軽巡が就役。次いでケーニッヒスベルク級軽巡（３代目。1929-30年３隻就役）、ライプチッヒ級軽巡（1931年１隻竣工）、ドイッチュラント級重巡（1933-36年３隻竣工）、ニュルンベルク級軽巡（1935年１隻竣工）に進んだ。その後は英独海軍協定に基づいて10000トン８インチ（20.3cm）砲のアドミラル・ヒッパー級重巡（1939年２隻竣工）とプリンツ・オイゲン級重巡（1940年１隻竣工）を建造した。Ｚ計画のＭ型軽巡や、その代艦となるSP1型は建造中止となった。参考：近代巡洋艦史

　＜巡洋艦（日本海軍）＞：明治19年、高千穂型巡洋艦２隻が竣工。明治29-32年、須磨型巡洋艦２隻が竣工。明治31年3月に制定された軍艦及水雷艇類別等級標準で軍艦の下に正式に定められ、排水量7000トン以上を一等巡洋艦、3500-7000トンを二等巡洋艦、3500トン未満を三等巡洋艦とした。艦長は大佐。明治31-32年、笠置型二等巡洋艦２隻が竣工。明治37年、春日型装甲巡洋艦２隻と新高型巡洋艦２隻が竣工。明治38年、巡洋艦阿蘇が就役。明治42-44年、鞍馬型装甲巡洋艦２隻が就役。明治45年、筑摩型二等巡洋艦（防護巡洋艦）３隻が竣工。大正元年には排水量7000トン以上を一等、未満を二等に変更している。アメリカとの艦隊決戦時、広大な作戦海域で行動する戦艦群を駆逐艦で護衛するのは、航続力と渡洋力の問題から困難と考えられ、これを代替する戦力として巡洋艦の建造に力を入れることとなった。また、水雷戦隊の旗艦として嚮同駆逐艦のかわりに軽巡洋艦を使用し、敵水雷戦隊に勝る攻撃力と水上機による偵察力を持たせていた。近代巡洋艦の嚆矢は天龍型軽巡（大正8年２隻竣工）で、大正9年から拡大改良型の球磨型軽巡（大正9-10年５隻竣工）、長良型軽巡（大正11-14年６隻竣工）、夕張型軽巡（大正12年１隻竣工）、川内型軽巡（大正13-14年３隻竣工）を建造、水雷戦隊旗艦に充てた。八六艦隊計画で7200トン型、八八艦隊計画で8000トン型軽巡の建造を計画したが、これらはボツになっている。次いで古鷹型（大正15年２隻竣工）を建造し、最小限の軽巡級船体に20cm砲を搭載したが、ワシントン条約の関係で重巡に分類されることになった。ワシントン条約以降、主砲口径15.5cmを超えるものを一等巡洋艦、15.5cm以下を二等巡洋艦と分類し、一等巡洋艦を重視、条約型巡洋艦として青葉型重巡（昭和2年２隻竣工）、妙高型重巡（昭和4年４隻竣工）、高雄型重巡（昭和7年４隻竣工）を建造した。更に二等巡洋艦の規格で最上型（昭和10-12年４隻竣工）を建造し、有事には主砲を換装して一等巡洋艦に改装することにした。条約切れで最上型5-6番艦は重巡利根型（昭和13-14年２隻竣工）として完成し、5500トン型軽巡の後継として水雷戦隊旗艦となる阿賀野型軽巡（昭和17-19年４隻竣工）と、潜水戦隊旗艦用の軽巡大淀（昭和18年竣工）を建造。マル五計画の超甲巡、第810号艦型、第815号艦型、マル急計画の伊吹型は建造されなかった。参考：近代巡洋艦史、連合艦隊巡洋艦、小艦艇入門、歴史群像10,’08、月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’14

　＜巡洋艦（フランス海軍）＞：1887-1903年、18クラス33隻の防護巡洋艦が就役した。1891年、アルジェ級防護巡洋艦が就役開始。1899年、ギシャン級防護巡洋艦が竣工。1902年、ジャンヌ・ダルク級装甲巡洋艦１隻とシャトールノー級防護巡洋艦１隻が竣工。1908年、ジュール・ミシュレ級装甲巡洋艦１隻が竣工。第１次大戦前に計画したラモット・ピケ級やその改型は第１次大戦勃発で建造されず、第１次大戦中も建艦を行わなかったため、近代的な巡洋艦は1922年計画のデュゲイ・トルーアン級軽巡（1926年３隻就役）が初である。速力を重視しており、装甲は殆ど無く、続く条約型巡洋艦のデュケーヌ級重巡（1928年２隻竣工）も同様のコンセプトだった。シュフラン級重巡（1925-28年４隻就役）では防御力を多少強化し、アルジェリー級重巡（1934年竣工）で攻守のバランスが取れるようになった。軽巡はエミール・ベルタン級が1934年に就役し、イタリアがデュゲイ・トルーアン級に対抗してジユッサノ級などを竣工させると、主砲砲門数が１門多いラ・ガリソニエール級軽巡（1935-37年６隻竣工）を配備した。第２次ロンドン条約締結後はド・グラース級軽巡を建造したが第２次大戦勃発で竣工は1956年となり、1940年に計画されたサン・ルイ級重巡は起工されなかった。戦後はコルベール級防空巡洋艦（1959年１隻竣工）やジャンヌ・ダルク級ヘリ搭載巡洋艦（1964年１隻竣工）を建造した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’18

　＜巡洋艦（ロシア海軍）＞：1877-78年に装甲巡洋艦が初めて竣工した。1902年からボガツィリ級防護巡洋艦４隻が竣工。日露戦争で巡洋艦12隻を喪失、５隻を鹵獲されて戦力を失った（太平洋艦隊の４隻とバルチック艦隊の旧式３隻のみ残存）。1905-07年の海軍改革で、同型艦４隻により旅団、旅団２個で師団を編成するようになった。1907年、軽巡洋艦の任務を偵察、警備、哨戒、敵軽巡との単独戦闘、対駆逐艦戦、駆逐艦掩護作戦、機雷敷設に拡大。1913年、スヴェトラーナ級軽巡４隻を起工したが、1928年に１隻のみ竣工した。第１次大戦で攻勢機雷作戦が成功したため、1915年度計画で４隻の敷設巡洋艦（常備排水量4000-5000トン、13cm砲6-8門、機雷350-450個）を設計したが、建造されなかった。1927年、改スヴェトラーナ級軽巡１隻が就役。ワシントン・ロンドン条約期間中はイタリアの援助の下にキーロフ級重巡（1938-40年２隻竣工）、マキシム・ゴルキイ級重巡（1940-44年４隻竣工）、チャパエフ級巡洋艦（1950-51年５隻就役）を建造。1928年、スヴェトラーナ級軽巡１隻が竣工。1932年、クラスニイ・カフカズ級１隻が就役。1930年代半ばからスターリンの要請で国産重巡の開発に入ったが、重巡の定義から決めねばならず、艦種名も大型巡洋艦だったり装甲巡洋艦だったりしている。1935-36年にＸ型巡洋艦、大型巡洋艦、22型装甲巡洋艦といった案が出されたが建造には至らず、イタリアのアンサルド社が提案したアンサルド型巡洋戦艦を参考にした69型クロンシュタット級重巡は起工後に独ソ戦勃発で建造中止になった。第２次大戦後に砲メインのスヴェルドルフ級（1952年から14隻竣工）、対艦ミサイルメインのキンダ級ミサイル巡洋艦（1962-65年４隻就役）とクレスタ�T級ミサイル巡洋艦（1967-69年４隻竣工）、対潜ミサイルメインのクレスタ�U型大型対潜艦（1969-77年10隻竣工）とカーラ型大型対潜艦（1971-79年７隻竣工）、航空巡洋艦としてモスクワ級対潜巡洋艦（1967-69年２隻竣工）を建造。1980年代から大型原子力巡洋艦のキーロフ級（1980-98年４隻竣工）、ガスタービン推進のスラヴァ級ミサイル巡洋艦（1982-89年３隻竣工）を建造した。アドミラル・クズネツォフ級／ウリャノフスク級空母の護衛用として1293型と11990型原子力巡洋艦を計画したが、これらは廃案となっている。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜巡洋艦乙型＞：阿賀野型を参照。

＜巡洋艦丙型＞：大淀型を参照。

＜巡洋艦作戦論＞：ドイツのエーリッヒ・レーダー提督の作戦論。各種巡洋艦によりイギリスの海上補給路を遮断する作戦で、水上戦闘艦を主力とし、Ｕボートを補佐として使用する。これに基づいて1939年からドイツ海軍艦隊の建造計画（Ｚ計画）にとりかかったが、同年9月に戦争が始まってしまったため、不十分な戦力で連合軍艦隊に対抗せざるを得なくなった。参考：英独航空決戦

＜巡洋艦代用＞：特設巡洋艦（日本海軍）を参照。

＜巡洋艦ランコカス号＞：AN/SPY-1シリーズ（レーダー）を参照。

＜巡洋戦艦＞：Battle Cruiser。戦艦並みの攻撃力、巡洋艦以上・戦艦未満の防御力、巡洋艦並みの高速・長航続力を持つ軍艦。敵前衛の装甲巡洋艦を火力で圧倒し、敵戦艦の攻撃は身軽に躱して砲火を交えつつ、味方戦艦の到着を待って共に撃破する。単純に戦艦を高速化しなかったのは、当時の機関出力の限界から、速力を出すために装甲を削って軽量化せざるを得なかったためである。通商破壊用の高速装甲巡洋艦が発展したもので、イギリス海軍第１海軍卿フィッシャー提督が考案し、イギリス海軍インヴィンシブル級が初の巡洋戦艦となったが、当初は装甲巡洋艦という名称のままであり、イギリス海軍では戦闘巡洋艦、ドイツ海軍では大型巡洋艦とも呼ばれていて、初めて巡洋戦艦の名称が付いたのはイギリス海軍ライオン級である。元々敵艦隊との対決用ではないのだが、攻撃力が戦艦並みのため艦隊決戦に転用されることもあり、機動力の高さを活かして戦列先頭の旗艦や最後尾の副旗艦を狙い撃ちする戦術も考案された。第１次大戦のフォークランド沖海戦ではイギリス海軍巡洋戦艦２隻を主力とする艦隊がドイツ海軍巡洋艦隊を圧倒したが、ジュットランド海戦では主力艦隊決戦の矢面に立って薄い装甲を撃ち抜かれ、大損害を出している。第１次大戦後の軍縮条約で建造が制限されているうちに機関技術が発達し、戦艦の速力を巡洋艦並にした高速戦艦を作れるようになったため廃れ、トルコ海軍巡洋戦艦ヤウズが1954年に除籍されて消滅した。参考：歴史群像6,’16、近代戦艦史、月刊JWings2,’00、月刊世界の艦船2,’20、10,’14、11,’21

　＜巡洋戦艦（アメリカ海軍）＞：第１次大戦の戦訓を受けた作戦構想見直しにより、大型偵察巡洋艦の延長のような高速艦を作ることにし、防御力を犠牲にした速力第一の設計を行った。ただ砲門数も同じ頃に建造した戦艦の３分の２しか無く、主力艦隊の一員に加わるには無理があり、イギリスの忠告により金剛型には対抗できるくらいの防御力を持たせてレキシントン級巡洋戦艦として建造が開始されたが、ワシントン条約で結局完成していない。参考：月刊世界の艦船3,’15

　＜巡洋戦艦（イギリス海軍）＞：1908年、イギリス海軍初・世界初の巡洋戦艦であるインビンシブル級３隻が竣工。1911-13年、インディファティガブル級３隻が就役。1912-13年、ライオン級３隻が竣工。1914年、タイガー級１隻が竣工。1915年、インコンパラブル級を計画したが、建造されなかった。1916年、レパルス級２隻が就役。1920年、イギリス最後の巡洋戦艦であるフッド級巡洋戦艦１隻が就役。1921年、G3巡洋戦艦が検討されたが、計画中止になった。参考：月刊世界の艦船6,’16、6,’20、近代戦艦史

　＜巡洋戦艦（オランダ海軍）＞：蘭領東インドを日本海軍の脅威から守るため、1939年に巡洋戦艦３隻を計画し、1940年2月に政府が承認した。ドイツの技術協力を得ており、シャルンホルスト級の艦橋を低くしたような形状の艦（排水量27950トン。速力34ノット。主砲は28cm３連装砲塔３基）を設計したが、第２次大戦でオランダ本土がドイツに占領されて計画のみに終わった。参考：月刊世界の艦船6,’20

　＜巡洋戦艦（ドイツ海軍）＞：戦艦と異なり、４軸推進を採用した。1910年、ドイツ海軍初の巡洋戦艦であるフォン・デア・タン級１隻が竣工。速力だけでなく装甲防御力も重視した。1911-12年、モルトケ級２隻が竣工。1913年、ザイドリッツ級１隻が竣工。1914-17年、デアフリンガー級３隻が竣工。第１次大戦終戦でマッケンゼン級とヨルク代艦級は建造中止となった。第２次大戦開戦時には実質的な巡洋戦艦としてシャルンホルストとグナイゼナウが就役していた。ドイツ海軍の分類は戦艦であり、推進軸も３軸である。後継のＯ型巡洋戦艦は計画のみとなった。参考：月刊世界の艦船7,’15、6,’16、6,'20、月刊丸4,’17

　＜巡洋戦艦（日本海軍）＞：大正元年8月に軍艦の下の類別として艦種が制定され、8月28日に一等巡洋艦筑波、生駒、鞍馬、伊吹がこの艦種に類別変更された。大正2-4年、金剛型４隻が竣工。八八艦隊計画で天城型や第八号艦型が設計されたが、ワシントン条約で没になった。昭和4年、艦種が廃止され、戦艦に統合された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、3,’15

　＜巡洋戦艦（フランス海軍）＞：1913年計画で複数の案を検討した。M.ジルの案は垂線間長205m、常備排水量28100トン。速力28ノット。主砲は34cm４連装砲塔３基（艦前部１基、後部背負い式）。水線部装甲厚270mm。第１次大戦勃発で計画中止になった。参考：月刊世界の艦船6,’20

　＜巡洋戦艦（ロシア海軍）＞：1913年にボロジノ級巡洋戦艦４隻を起工したが、第１次大戦で工事が停滞、ロシア革命で全て解体された。クロンシュタット級巡洋艦やスターリングラード級重巡洋艦は実質的に巡洋戦艦だが、どちらも未成に終わっている。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜隼鷹戦闘機隊＞：昭和17年6月4日、AL作戦第１次攻撃に13機で出撃し、PBY1機を撃墜、地上の飛行艇と自動車を銃撃した。第２次攻撃には６機が出撃し、PBY２機を撃墜した。6月5日、５機で出撃し、P-40戦闘機６機を撃墜した。10月17日、ガダルカナル島泊地攻撃に９機が出撃。10月26日、南太平洋海戦第１次攻撃に12機が出撃、14機を撃墜（うち不確実５機）した。第２次攻撃では５機が出撃したが、２機が行方不明となり、３機が不時着水した。第３次攻撃では６機が出撃した。昭和18年1月17日から1月25日までウエワク飛行場に展開し、B-24の迎撃任務に就いた。4月2日、ラバウルに進出し、い号作戦に参加。4月17日、トラックに帰還。6月15日、ルオットに前進。7月2日、ブイン基地に進出。8月末までに50機以上（不確実13機含む）を撃墜したが、９機を喪失し、9月1日に一旦解隊された。11月1日に再編され、シンガポールで訓練を行った後、12月末からカビエンに派遣され、昭和19年1月25日にラバウルに進出した。2月20日までに70機（不確実30機含む）を撃墜したが、隼鷹戦闘機隊もほぼ壊滅した。参考：日本海軍戦闘機隊

＜順陽丸＞：日本陸軍輸送船Junyo maru。大元は大正2年10月30日に進水したラング＆フルトン社の貨物船アードゴルムで、数度の移籍を繰り返して昭和2年に三陽社が購入、順陽丸に改称した。昭和4年に樺太汽船、昭和13年に馬場商事に移り、その後陸軍に徴用されている。垂線間長123.44m、幅16.15m、深さ8.29m、総トン数5065トン、重量トン数8310トン。主機は三連成汽機１基、公称出力475馬力、１軸推進、航海速力9.5ノット、最大速力10ノット。昭和19年9月18日、ジャカルタからスマトラ島パダンに向かっていたところ、パダン南方でイギリス潜水艦P329トレードウインドの雷撃を受け沈没した。日本側資料では2915人死亡となっているが、連合軍捕虜やジャワ人労働者など6000人以上を詰め込んでおり、実際の死者は5600人以上とされる。参考：月刊世界の艦船9,’15、輸送船入門

＜巡邏隊＞：日本海軍の組織。鎮守府直轄で、憲兵の補助役として軍紀取り締まりにあたる。要員は海兵団から出すが、厳しく取り締まらなければならないので、それなりの強者を選んだ。参考：海軍よもやま物語

＜ショアハム＞：L32（スループ）またはM112（サンダウン級掃海艇）を参照。

＜ジョアン＞：A190（曳船）を参照。

＜ジョアン・クーティニョ級＞：ポルトガル海軍フリゲートJoão Coutinho級。全長84.6m、幅10.3m、吃水3.3m、満載排水量1380トン。主機はディーゼル、出力10560馬力、２軸推進、速力22ノット。兵装は76mm連装砲Mk33が２基、40mm連装機関砲１基。６隻が1970-71年に就役した。最後の１隻は2019年に退役している。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’20

＜ジョイジャトラ＞：バングラデシュ海軍明級潜水艦Zhoizhatra。元は中国海軍明級潜水艦艦番号357で、2016年11月17日に大連の造船所でバングラデシュに引き渡された。2017年就役。参考：月刊世界の艦船2,’17、4,'20

＜ジョイス＞：A193（曳船）またはDE-317（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョイント・ウイング＞：結合翼を参照。

＜ジョイント・ウォーリア＞：イギリス軍が主催して隔年開催されている多国間陸海空共同演習Joint Warrior。参考：月刊世界の艦船7,’18

　＜ジョイント・ウォーリア２０１８＞：2018年4月21日から5月4日にイギリスと周辺海域で開催され、17カ国から11600名、艦艇39隻（イギリス海軍F236モントローズ、揚陸艦L-3007ライム・ベイ、A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-71ロス、T-AKE-12ウィリアム・マクリーン、オランダ海軍エフェルトセン、カナダ海軍FFH340セント・ジョンズ、デンマーク海軍F359ヴァエデレン、ドイツ海軍F214リューベック）などが参加した。参考：月刊世界の艦船7,’18

　＜ジョイント・ウォーリア２０２０＞：2020年10月4-15日に北海で実施され、11カ国から艦艇28隻（イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D36ディフェンダー、給油艦A139タイドフォース、カナダ海軍フリゲートFFH332ヴィル・ド・ケベック、給油艦アステリクス、フランス海軍駆逐艦D650アキテーヌなど）と航空機81機（アメリカ海兵隊F-35B戦闘機、イギリス空軍F-35B戦闘機など）が参加した。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜ジョイント・エンデバー作戦＞：1995年12月から開始された、ユーゴに対する人道援助空輸作戦。空輸任務の25%、全輸送量の43%をC-17輸送機が空輸した。参考：月刊軍事研究12,’03

＜ジョイント・ベンチャー＞：HSV-X1（高速輸送艦）を参照。

＜ジョイント・スターズ＞：E-8シリーズ（地上監視指揮管制機）を参照。

＜ジョイント・プロジェクト２０４８＞：キャンベラ級（強襲揚陸艦）を参照。

＜ショウ＞：DD-373（駆逐艦）を参照。

＜捷一号作戦＞：日本軍が太平洋戦争時に行ったフィリピン防衛作戦。昭和19年7月24日に決定した捷号作戦の１つで、昭和19年3月27日に日本陸軍参謀総長が十一号作戦を下命し、フィリピンに飛行場114箇所を建設して防備を固めることとなった。5月22日には72箇所に減らされたが、労力と資材の不足で完成の目途は立たず、現地の第14方面軍司令官黒田重徳中将が批判の的にしたため、後に更迭されている。マリアナ沖海戦敗戦後、日本海軍の空母航空戦力はほぼ壊滅したが、水上艦隊は健在だったため、燃料があるリンガ泊地に退いて次の機会を待った。7月18-20日、日本陸海軍合同の作戦会議が行われ、敵はフィリピンに上陸するとの判断が出された。しかし本土決戦に備えて連合艦隊を温存し、敵輸送部隊を重点的に叩くとする陸軍と、海上決戦で雌雄を決するとする海軍で意見が対立、結局どうするのか曖昧なままになっている。フィリピンは2000の島嶼からなり、北のルソン島、東のレイテ島、南のミンダナオ島など数個師団を展開して地上戦を行える場所が各所にあって、どこに地上戦の決戦正面を構えるかも問題となり、全正面に戦力をまき散らす訳にもいかず海上機動による戦力再配置も困難なことからルソン島に限定すべきとする陸軍と、フィリピンのどこかに敵航空基地が設営されればその後の作戦が困難になるので何処に上陸してきてもすぐ決戦に入るべきとする航空部隊・海軍で意見が分かれ、最終的に航空・海上決戦は全正面、地上決戦はルソン島で行う事に落ち着いた。敵の上陸時期は、海軍ではこれまでの蛙跳び作戦の間隔がレンドバ島−トロキナ岬124日、トロキナ岬−アドミラルティ島121日、アドミラルティ島−サイパン107日で４ヶ月くらいであり、6月15日にサイパンに上陸しているから10月上旬頃になると考えたが、陸軍ではミンダナオ上陸を11月・ルソン島決戦を昭和20年3月と想定し、10月上旬に戦力の集結を終えるとした。7月24日、捷号作戦が発令された。陸軍の十一号作戦は進捗50%くらいで、7月下旬までの４個飛行師団分の飛行場開設目標には程遠い状態だった。7月28日、フィリピン防衛を行っていた第14軍が第14方面軍に昇格し、フィリピン中南部に第35軍が創設された。満州から地上兵力を引き抜くと共に、第４航空軍隷下に満州の第２・第４航空師団を編入し、海軍も第１航空艦隊を進出させ、第１遊撃部隊（第２艦隊基幹、戦艦大和・武蔵含む）をリンガ泊地に待機させている。しかし第14方面軍への戦力増強は進まず、9月中旬の第１期発送予定将兵32000名のうち現地に到着したのは13%、兵器物資118000トンのうち現地に到着したのは19%という状態だった。9月12-14日、アメリカ機動部隊がフィリピン中部ヴィサヤスに来襲。フィリピン周辺の日本海軍基地航空隊は決戦に備えてアメリカ上陸船団到着まで本格出撃しないことにしていたため、延べ2400機の銃爆撃を喰らって温存した機体は殆ど地上で破壊されてしまい、セブ島に展開させていた第１航空艦隊の一部も壊滅した。9月21日、マニラ港にアメリカ艦上機が飛来し、16隻の船舶が沈められ、埠頭に山積みになっていた軍需物資の70%を喪失、ガソリン720キロリットルが灰になり、ニールソンから迎撃に上がった飛行第17・第19戦隊三式戦闘機40機は質量共に優勢なF6F戦闘機により戦果無く22機を失った。大本営は捷一号決戦方面の概定を発令。主力をルソン島に配置して決戦場とし、他に上陸してきても小規模な反撃に止めることとした。そのため、第８・第26・第103・第105師団、戦車第２師団、独立混成第58旅団など主力を第14方面軍司令部と共にルソン島に配置し、第35軍には第16・第30・第100・第102師団、独立混成第55旅団などを隷属させてレイテ島（第35軍司令部も置いた）やミンダナオ島に置いていた。第35軍はレイテ島に上陸するアメリカ軍を２個師団規模、上陸地点を東海岸タクロバンからドラグあたりと推定しており、レイテ島に配置したのは第16師団だけで、通信や兵站といった後方機能もそれ相応の規模のものしか設けていなかった。また、タクロバンからドラグまでは30kmも離れていて、１個師団では戦力が足りず、第16師団司令部はタクロバンに置き、ドラグに戦力を重点配備した。アメリカは昭和19年夏にマリアナ諸島とニューギニアをほぼ制圧すると、爾後の戦略について検討を開始。アメリカ太平洋方面連合軍ニミッツ提督はマリアナから台湾、フィリピンの一部、南西諸島を攻略して九州に向かうルートを提案した。これに対し、アメリカ南西太平洋方面連合軍マッカーサーはフィリピンの完全解放を主張したものの、アメリカ軍中枢やアメリカ海軍はフィリピン完全解放は時間がかかりすぎるとし、ミンダナオ島は占領するがルソン島は孤立させるに止め、台湾から中国大陸に上陸して日本の輸送ルートを完全遮断すべきとした。しかし戦前フィリピンに利権を持っていて、フィリピン脱出に際し”I shall return”と言った手前もあり、マッカーサーはフィリピン全土の解放を強硬に主張。7月26日に真珠湾に入港したCA-68バルチモア艦上でルーズベルト大統領、マッカーサー、ニミッツが会談し、マッカーサーが説得に成功、フィリピン完全攻略が決定した。9月9日、アメリカ機動部隊がパラオ上陸作戦に先立ってミンダナオ島の空襲を開始。これに対応するため、日本海軍は第１航空艦隊の一部を台湾からセブ島に前進させた。9月12日、ハルゼー第３艦隊司令長官が、フィリピン方面の日本軍情勢分析の結果、レイテ島には日本軍航空戦力も地上戦力もほぼ存在せず、9-11月に予定していたパラオ、タラウド諸島、ミンダナオ島上陸作戦を全てキャンセルし、レイテ島の直接攻略を行うべきとニミッツに進言。ニミッツもヤップ島攻略第３水陸両用軍団と陸軍第24軍団を南西太平洋方面連合軍に回せるとマッカーサーに伝えた。マッカーサーは無線封止をかけてモロタイ島へと向かっており、ゲリラからの情報でレイテ島に日本軍が相応の戦力を配置していると掴んでいたが、ヤップ島攻略部隊を加えれば攻略可能と判断し、無線の使えないマッカーサーに代わってサザーランドが第２次ケベック会談に出席していたアメリカ統合参謀長会議関係者に打電。9月15日、アメリカ統合参謀本部は当初12月20日を予定していたレイテ島上陸（Ａデイ）を10月20日に繰り上げるようマッカーサーに下命し、第６軍第24軍団第７・第96師団をドラグ、同軍第10軍団第１騎兵師団・第24師団をタクロバンに第一次上陸部隊として送り込むこととした。9月25日、連合艦隊司令長官が大本営海軍部指示に基づく捷一号作戦決戦準備として、連合艦隊電令作第311号で、第51航空戦隊主力を関東及び東海道方面基地に展開させることなどを命じた。沖縄・台湾沖にはアメリカ第３艦隊第38機動部隊が展開。第１群は正規空母２隻、軽空母３隻、重巡洋艦３隻、駆逐艦15隻、第２群は正規空母３隻、軽空母１隻、戦艦３隻、軽巡洋艦５隻、駆逐艦14隻、第３群は正規空母２隻、軽空母２隻、戦艦４隻、軽巡洋艦４隻、駆逐艦14隻、第４群は正規空母２隻、軽空母２隻、重巡洋艦１隻、軽巡洋艦１隻、駆逐艦12隻などからなり、総戦力は空母17隻、戦艦７隻、巡洋艦14隻、駆逐艦58隻、艦上機1088機だった。10月10日、アメリカ海軍がマスケーター作戦を発動し、レイテ島上陸に備えた空襲を開始した。10月12日、台湾沖航空戦開始。これにより海軍基地航空隊は戦力の殆どを喪失した。日本軍は戦果を誤認、11月以降までアメリカ軍の上陸は無いと見ており、機動部隊を失ったマッカーサーの部隊が独力で西に進み、ハルマヘラ本島に根拠地を建設してボルネオに向かう線も考えられたため、ボルネオの戦備が整うまでモロタイ方面の斬り込み攻撃を強化して牽制することにした。このため、10月12日には独立混成第26連隊や独立歩兵第184大隊がフィリピンからボルネオへの転進を命令されている。10月17日、第３艦隊機動部隊空母８隻・軽空母７隻・護衛空母29隻・艦上機1400機に護衛された第７艦隊戦闘艦艇157隻、特務艦157隻、アメリカ陸軍第６軍20万名と物資10万トンを乗せた輸送船420隻（輸送艦69隻、戦車揚陸艦89隻など）がレイテ湾に殺到し、前駆部隊がスルアン島に上陸を開始、日本軍守備隊は全滅した。連合艦隊は捷一号作戦警戒、南西方面艦隊は捷一号作戦用意を発出。神風特別攻撃隊の編成命令も発出された。リンガ泊地から燃料を満載した第２艦隊がブルネイ泊地に向け出撃。海軍は内地に石油を還送していた民間タンカーのうち６隻６万総トンの徴用を提案、戦時経済が成り立たなくなる恐れもあり議論は紛糾したが、結局徴用が認められている。これらのタンカーは作戦中に相次いで失われ、軍民共に燃料輸送が完全に立ち行かなくなってしまった。日本軍航空戦力は陸軍実動機100機、第１航空艦隊実動機250機で、第２航空艦隊230機を増援に送ったが、完全に劣勢だった。10月18日、レイテ湾にアメリカ機動部隊が出現したが、台湾沖航空戦の戦果を信じるレイテ島の第16師団は本格攻勢なのか台風回避なのか遁入なのか判断できないという報告を送った。梅津陸軍参謀総長が決戦要域を比島方面とする大陸命第1153号を発し、捷一号作戦を発動。海軍も大海指476号で捷一号作戦を発動すると共に、第２航空艦隊にフィリピンへの前進を命じた。10月20日、アメリカ軍がレイテ島に上陸を開始。タクロバン地区に第10軍団第１騎兵師団及び第24歩兵師団計53000名、ドラグ地区に第24軍団第96歩兵師団及び第７歩兵師団51500名が上陸した。レイテ島は元々決戦を想定しておらず、防衛戦力は第35軍第16師団のみだったが、大本営は台湾沖航空戦の誤報戦果を信じてしまい、前日に発見した80隻の船団から敗残兵２個師団が上陸してきたと判断、ルソン決戦の方針を転換してレイテ島に増援を送り込むこととなった。ルソン島からレイテ島までは600kmも離れており、輸送船舶も少なく、制空・制海権も無く、上空を艦上機が飛び回っていて台湾沖航空戦の戦果が乏しいことを知るフィリピン防衛担当の第14方面軍は大反対している。第２艦隊がブルネイ泊地に到着、大和など大型艦が駆逐艦などに給油を行った。また、徴用した特設給油艦八紘丸と雄鳳丸がブルネイ泊地に到着、燃料15800トンを給油し、第２艦隊の出撃を可能としている。神風特別攻撃隊が編成された。10月21日、アメリカのラジオで３個師団上陸という情報が流れたが、日本軍には正確な敵情を得るための手段が何一つ無く、４個師団が上陸してきたことを知ったのは戦後のことである。大本営、南方軍、第14方面軍でレイテ決戦について討議が行われ、第14方面軍は航空・洋上決戦の結果を見てからレイテ陸上決戦の可否を決めるべきとしたが、南方軍が出した折衷案に押し切られてしまい、10月22日に南方軍総司令官から第14方面軍司令官にレイテ島のアメリカ軍を第16師団の８個大隊と増援５個大隊で殲滅せよという命令が出され、多号作戦が開始された。しかし第16師団のドラグ方面防御陣地は完成７割程度、師団司令部のあるタクロバン方面防御陣地は522高地の遮蔽陣地のみという状況で、上陸前砲爆撃によりほぼ吹っ飛ばされてしまい、第16師団司令部は早々にダガミへの撤退を余儀無くされ、隷下部隊との連絡も取れなくなっている。この状況は上級司令部では全く把握できておらず、第35軍は第１師団と第26師団をレイテ島北岸カリガラに送り込み、内陸部を南下させてダガミに到達させ、第30師団をレイテ島西岸バイバイから東進させドラグ後方を遮断し、第68旅団をドラグに逆上陸させて第16師団が拘束中のアメリカ軍を包囲殲滅するというドラグ会戦計画を立てた。10月24日、比島沖海戦。栗田艦隊がレイテ湾に突入する筈だった10月25日、初の神風特攻隊が出撃した。10月末、アメリカ第６軍がタクロバンとドラグの連絡を付け、縦深25km×幅30kmの海岸堡を確保し、第10軍団はカリガラ、第24軍団はブラウエンへと進撃した。第35軍はカリガラを先に押さえられてしまったため、第１師団と第26師団の上陸先をレイテ島北西部オルモックに変更、カリガラで第10軍団との決戦を行うカリガラ会戦計画を立案した。10月30日、南方軍と第16師団との連絡が取れるようになったが、第16師団司令部は相変わらず隷下部隊の状況を把握し切れておらず、南方軍では第16師団指揮下戦力を2500名程度と判断した。アメリカ軍がダガミを占領。11月1日、空母への特攻と四式戦闘機投入により日本軍が一時的にレイテ島周辺の制空権確保に成功し、第１師団がレイテ島オルモックに上陸。11月2日、第35軍司令部がレイテ島に進出。第１師団はカリガラに向かったが、西のマナガスナスで先遣部隊の捜索第１連隊がアメリカ軍と遭遇戦になり、後方の主力部隊はアメリカ軍から砲撃を喰らって動きを止められ、リモン峠で第10軍団との戦闘に入った。アメリカ軍がカリガラを占領。11月9日、第26師団がレイテ島に向かったが、11月11日にオルモック湾でアメリカ軍の空襲を受けて輸送船全てを撃沈され、将兵は上陸に成功したが、装備の殆どが海の藻屑になった。第14方面軍はレイテ決戦の中止を南方軍に訴えたが、南方軍は続行を厳命。第16師団残存部隊と第26師団に和号作戦を下命した。11月26日、初の空挺特攻である義号作戦で薫空挺隊がドラグ飛行場に突入。12月6日、和号作戦開始。12月7日、アメリカ第６軍予備の第77歩兵師団が背後のオルモック湾イビルに上陸、日本軍は兵站港だったオルモック港を占領されて補給線を絶たれ、寸断されてしまった。レイテ島北西部サン・イシドロに台湾から独立混成第68旅団が上陸したが、空襲で装備を殆ど失っている。12月11日、日本軍は海軍陸戦隊400名（特二式内火艇10両装備）をマニラからオルモック港に逆上陸させ、第26師団と連絡を付けたものの、特二式内火艇は全て撃破されてしまい、レイテ島の戦局も変えられなかった。第35軍司令部がオルモックからファトンに後退。12月14日、アメリカ海軍が正規空母７隻、軽空母６隻、護衛空母８隻でミンドロ島上陸作戦に備えた航空支援を開始。12月15日、アメリカ軍がミンドロ島に上陸。これによりルソン島への侵攻が確実となったため、第14方面軍は第10・第19・第23・第103・第105師団、戦車第２師団、独立混成第58・第61旅団など15万２千名からなる尚武集団を編成して北部拠点を防衛させ、第８師団、第105師団歩兵第81・第82旅団、マニラ防衛隊、藤重支隊、マニラ海軍防衛部隊など10万５千名からなる振武集団（後に第41軍に改編）をマニラ東部の山地に置き、第１挺進集団、吉永支隊、陸海軍航空部隊など３万名からなる建武集団をクラークフィールド西の山地に配置した。マニラは振武集団の担当で、防衛に必要な８個師団が抽出できないため、非武装都市とする方針だったが、大本営が反対し、軍需品などを運び出して開放するという第14方面軍司令官の意見も海軍と陸軍航空部隊が反対して通らなかった。12月17日、レイテ島ファトンをアメリカ軍が急襲し、第35軍司令部と隷下残存部隊はレイテ島北西部カンギポット山に籠もった。これによりレイテ島での日本軍による組織的抵抗は終焉を迎えている。12月20日、震洋隊６隊の統一指揮官が任命された。12月23日、敵艦北上との情報に基づいて震洋隊が作戦準備を行った。結局誤報だったが、準備中に震洋が誤爆して周囲に引火・誘爆し、震洋75隻、陸軍特攻艇14隻が破壊され、150名が死亡した。12月25日、第14方面軍司令官が第35軍に対し、自活自戦、永久抗戦を命じたため、カンギポット山に立て籠もったレイテ島残存兵力はゲリラ戦に入った。レイテ戦に投入された日本軍兵力75000名のうち、レイテ島から脱出または捕虜となったのは1700名だけだった。後に第１師団がレイテ島からセブ島に脱出した際、兵力は10000名から800名にまで減少していた。アメリカ軍の参加兵力は最大257766名、損害は戦死3500名、戦傷12000名だった。12月26日、アメリカ軍がレイテ島とサマール島での主要作戦を完了したと発表。第14方面軍司令部がマニラの北方のイポに移動。昭和20年1月3日、アメリカ海軍が正規空母３隻、軽空母４隻、護衛空母19隻でルソン島上陸作戦に備えた航空支援を開始。1月4日、第14方面軍司令部がバギオに移動。1月5日午後、日本海軍偵察機がミンドロ島西を14ノットで進む艦船300隻と、その後ろを12ノットで進む艦船700隻を発見した。あまりに数が多く、後方は霞んで見えなかったという。これを迎撃する第１航空艦隊第201航空隊には稼働機が40機しか無かった。1月6日、ルソン島リンガエン湾にアメリカ上陸部隊が到達し、上陸準備砲撃を開始。1月7日、機雷誘爆事故で震洋隊の多数が死傷。1月9日0720、第７艦隊の支援の下、艦艇800隻がリンガエン湾に殺到し、上陸用舟艇1000隻を吐き出してアメリカ第６軍第１・第14軍団など19万名がルソン島サンファビアン及びリンガエンに上陸。これに対抗する日本軍航空・海上戦力は航空機実動195機、潜水艦５隻、水上軽艦艇十数隻、低速魚雷艇130-140隻だけだった。陸軍海上挺身隊の挺身艇（マル八）70隻がリンガエン湾内の敵艦船に突入。アメリカ軍は海上特攻実施の情報を事前に得ており、煙幕を厚く張り、戦艦・巡洋艦を揚陸船団の護衛に付けていた。挺身艇をレーダーで発見したアメリカ軍は防御砲火を集中させて大半を撃沈したが、DE-231ホッジス、兵員輸送艦ウォーホーク、戦車揚陸艦LST-610が沈没している。第19師団は上陸準備砲撃で壊滅し、第23師団及び独立混成第58旅団は斬り込み攻撃で反撃したが、戦車などの十字砲火で潰された。マニラの北方、プンカン周辺で守備位置に付いていた第10師団は、大本営から出向してきた参謀に、方面軍が指示したプンカン地区（丘陵地域で遮蔽物に乏しい）への主陣地配置を標高1000mの密林地帯であるバレテ峠（現在の名称はダルトン峠）に変更することを提案、受け入れられたため、1月10日から移動を開始した。ただ方面軍はプンカンでの阻止を諦めておらず、前進陣地として第105師団と第26師団の一部を配置していたが、バレテ峠の主陣地からは30kmも離れており、師団砲兵の支援射撃も望めない位置だった。第10師団がバレテ峠に配置したのは歩兵第63連隊だが、実質的な戦力は１個歩兵大隊分で、これにより主陣地16kmを防衛することになった。1月12日、アメリカ第38任務部隊艦上機が南シナ海に展開して仏印カムラン湾沿岸を襲撃し、ヒ八六船団などの輸送船35隻136000総トンを撃沈した。1月16-17日、挺身隊がアメリカ軍後方に逆上陸しようとしたものの失敗し、これを支援しようと戦車第２師団重見支隊（指揮官は戦車第３旅団長重見少将。戦車第７連隊、機動歩兵第１大隊、機動砲兵第３大隊、工兵中隊１個からなる。第23師団に配属）と歩兵大隊が夜間斬り込み攻撃を実施したが、対戦車砲により戦車９両を破壊されて頓挫した。下旬、リンガエンの日本軍がバギオ山麓に後退。アメリカ軍はバギオ市街地を爆撃して瓦礫の山に変えたため、第14方面軍司令部もバギオ後方の山地に後退した。1月23日未明、戦車第２師団重見支隊の戦車40両と第23師団の歩兵大隊２個が反撃したが、アメリカ第16戦車団のアンブッシュと艦上機の爆撃で全滅した。戦車第２師団はこの日までに2000名が戦死、保有戦車200両のうち180両を喪失し、火砲24門（70%）と自動車500両を破壊され、残存部隊はバレテ峠に向けて北に後退した。1月25日、藤兵団にゲリラ粛正命令が出され、ゲリラ協力住民もゲリラと見なして粛正せよとの命令も出た。アメリカ第14軍団第40歩兵師団がクラークフィールドへの攻撃を開始。1月27日、重見支隊が残存兵力（中戦車６両、軽戦車１名、兵力50名）でサンマヌエル付近の敵に突撃し、対戦車砲の猛火を浴びて重見旅団長、前田連隊長共に戦死、重見支隊は消滅した。1月31日、アメリカ軍がナスブグに上陸、次いでタガイタイに空挺降下し、マニラに向かった。2月3日、アメリカ第１騎兵師団がマニラ市街北部に到達。2月4日、戦車第２師団戦車第６・第10連隊は戦車180両、火砲2417門、自動車370両、将兵2000名を失い、ムニオス−サンイシドロ−ルパオの防衛線から後退、山岳地帯に立て籠もった。2月9日、建武集団がクラークフィールド西方に後退。2月10日、戦艦を含むアメリカ艦隊がマニラ湾に出現し、砲撃を開始。アメリカ第41師団が上陸。第４航空軍司令部がマニラからエアチゲに移動。2月12日、戦車第２師団の生き残りである中戦車７両、自走砲３門、トラック400両、将兵4000名が第10師団の防衛するバレテ峠に後退し、北部後方にあたるドバックス周辺に向かった。2月13日、プンカン陣地に対してアメリカ軍が砲爆撃を開始。2月15日、震洋36隻が出撃し、巡洋艦１隻撃沈などの戦果を上げた。2月16日、第４航空軍司令官が独断で台湾に脱出、敵前逃亡と非難されたが、大きな処分はされなかった。2月16-18日、振武集団がマニラ防衛部隊の救出に向かったが、阻止された。2月17日、プンカン陣地に対してアメリカ第25師団が攻撃を開始。2月18日、マニラ海軍防衛部隊を中心とするマニラ防衛部隊２万名を、北部からアメリカ第１騎兵師団、東部から第37歩兵師団、南部から第１空挺師団が圧迫していたが、マニラ攻略が進まないため、無制限・無差別砲爆撃を開始。2月26日、マニラ海軍防衛部隊指揮官が自決し、マニラでの組織的抵抗が終結。2月28日、マラカニアン宮殿でオスメニア大統領の就任式が行われた。3月3日、アメリカ軍がマニラ作戦の終了を宣言。マニラの水源となっているイポ・ダム及びワワ・ダム付近に展開している振武集団と、サクラサク峠及びバレテ峠に展開している尚武集団への攻撃に移った。尚武集団はアメリカ第25師団及び第32師団が攻撃を担当。第10師団司令部はバレテ峠北の天王山付近にあり、バレテ峠南の金剛山に歩兵第63連隊、その東の妙高山一帯に歩兵第10連隊を配置し、防衛線を敷いていた。サクラサク峠には戦車第２師団が布陣していたが、戦車は全て撃破され、機動砲兵第２連隊第２中隊の一式七糎半自走砲ホニ�T４両が唯一の機甲戦力であり、サンタフェから砲撃して即座にアリタオに移動するというヒットエンドラン戦法を駆使して戦果を挙げている。3月12日、第10師団前進陣地であるプンカン陣地の守備隊が120名に減少したため、後退を開始。3月17日、歩兵第63連隊の前進陣地が玉砕。4月上旬、建武集団はピナツボ山に移動し、終戦までゲリラ戦を続けた。4月3日、バレテ峠南方の妙高山に対するアメリカ第25師団の圧力が増加、防衛する輜重兵第10連隊第２大隊の間隙に小隊が割り込んできたため、歩兵第10連隊及び歩兵第63連隊第３大隊による反撃が企図された。4月6-7日、歩兵第10連隊及び歩兵第63連隊第３大隊が妙高山のアメリカ軍に対して斬り込み攻撃を実施。4月8日、歩兵第63連隊第２大隊の防衛するヤナギが陥落。4月16日、第14方面軍司令部がバギオから北部山岳地帯に移動。妙高山の輜重兵第10連隊第２大隊と、金剛山の歩兵第63連隊第１大隊主陣地にアメリカ軍が浸透。歩兵第10連隊第１大隊は妙高山に斬り込み攻撃を実施。4月19日、輜重兵第10連隊第２大隊が玉砕。歩兵第63連隊第１大隊がアメリカ第25師団第35連隊と交戦し、大隊長が死亡した。歩兵第10連隊第３大隊が金剛山に移動。4月21日、アメリカ第25師団は妙高山の攻撃が上手く行かないため、バレテ峠に通じる５号道路西側（第35連隊の西側）に配置していた予備の第161連隊を主攻、金剛山正面の第35連隊を助攻、妙高山方面の第27連隊を拘束部隊に変更。4月24日、歩兵第10連隊と歩兵第63連隊の間隙にアメリカ軍が浸透、金剛山背後の親山が占領された。4月25日、アメリカ軍がバギオを占領。5月9日、アメリカ軍がバレテ峠に進出し、歩兵第63連隊が包囲された。5月19日、アメリカ軍がイポ・ダムを奪取。5月28日、アメリカ軍がワワ・ダムを奪取。振武集団はラグナ湖東岸でのゲリラ戦を終戦まで実施した。6月1日、アメリカ軍がバレテ峠付近を制圧して北上を開始。6月26日、アメリカ軍がカガヤン河谷を制圧。6月28日、マッカーサー元帥がルソン島解放を宣言した。尚武集団はプログ山の山岳地帯でのゲリラ戦を終戦まで続け、9月2日に第14方面軍司令部が投降し、9月3日にバギオで降伏調印が行われた。終戦時の生存者は振武集団6300名と建武集団1300名だった。フィリピン解放後の政治中枢は戦前のラウエル政権の流れを引き継いでおり、反体制ゲリラであるガナップ党員やフクバラハップは弾圧され、フィリピン解放で武装解除した途端に体制側ゲリラから虐殺されるという事件まで発生している。日本人戦死者は518000人（うち将兵498600名）に達し、太平洋戦争の日本人戦死者の実に４分の１がここで生じた。アメリカ軍死傷者は60628名。アメリカ軍はマニラ市民10万人が死亡したと発表したが、日本軍のゲリラ掃討によるものよりもアメリカ軍の砲爆撃による死者の方が多い。フィリピン全体の死者は111万人（全人口の7%）とされる。フィリピンBC級戦犯として151名が訴追され、137名が有罪で、うち79名が死刑判決を受けたが、昭和28年7月に死刑囚56名を含む105名が恩赦になった。昭和31年7月、日比賠償協定が調印され、平和条約が発効して日本とフィリピンの国交が回復した。昭和35年に日比友好通商航海条約が調印されたが、対日感情が悪化したままで、批准は昭和48年12月になった。昭和48年3月、海外初の日本人戦没者慰霊碑である比島戦没者の碑がフィリピン政府の協力でカリラヤに建立された。昭和49年3月、ルバング島で小野田寛郎陸軍少尉を救出。参考：比島決戦、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊軍事研究10,’04、11,’05、3,’97、4,’97、8,’95、激闘太平洋戦記、太平洋海戦史、山本五十六と米内光政、歴史群像6,’02、太平洋戦争情報戦、月刊丸3,’90、12,’90、日本戦車隊戦史、護衛空母入門、朝雲

＜昭五式背嚢＞：日本陸軍の背嚢。中に糧食や被服などを入れ、上に偽装網と天幕、背面に外套と飯盒、左側面にスコップなどを装着する。参考：歴史群像8,’17

＜ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレ＞：P434（哨戒艦）を参照。

＜上衣＞：日本陸軍用語で、上着のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜焼夷カード＞：セルロイドとゴムで製作された50mm×100mmのカードに焼夷剤を塗ったもの。投下されると自然発火し、十数秒から10分ほど燃焼する。１枚１枚の威力は小さいが、小型機でも数万枚積めるという利点がある。第２次大戦時にイギリス軍が開発してドイツに使用した他、アメリカ軍が日本にも投下した。参考：戦時用語の基礎知識

＜少尉候補生練習航海＞：遠洋練習航海（日本海軍）を参照。

＜焼夷弾＞：目標を火炎により焼き払うための爆弾。参考：戦時用語の基礎知識

　＜エレクトロン焼夷弾＞：エレクトロン（マグネシウム96%とアルミニウム4%の合金）の筒の中にテルミット（酸化鉄粉76%とアルミニウム24%の混合物）を詰めた焼夷弾のことで、エレクトロン・テルミット焼夷弾ともいう。投下されると筒ごと燃え出す。燃焼温度が3000度と高いのが特徴である。ドイツのB1-EL、アメリカのAN-M50、AN-M126などがある。参考：戦時用語の基礎知識、月刊JWings3,’13

　＜黄燐焼夷弾＞：爆弾ケース内に黄燐と少量の火薬を詰めたもの。投下されると火薬によって黄燐が周囲に飛び散って自然発火する。濃密な白煙を生じるので消火の妨げとなる他、水で消火しても乾燥すると再び燃焼を開始するため、飛び散った部分を削って安全な場所に捨てるのが有効である。第１次大戦中の1914年10月にドイツ軍が使用したのが初らしい。参考：戦時用語の基礎知識、日本海軍の爆弾

　＜テルミット焼夷弾＞：弾体にアルミニウムと酸化鉄の混合粉末（テルミット）を充填した焼夷弾。信管で熱を加えて反応を開始させると酸素が無くても数千度の高温を発する。参考：月刊JWings3,’13

　＜油脂焼夷弾＞：油脂にパラフィンやベンジンを混ぜて固化させ、爆弾ケースに詰めて着火用にテルミットを入れたもの。投下されるとテルミットが発火してケース内の油を燃焼させる。熱によって溶けた油脂は流れ出して周囲に燃え広がる。油脂（増粘燃料ともいう）にはガソリン＋メタクリル酸イソブチル、ガソリン＋メタクリル酸イソブチル＋マグネシウム粉末（PT1）、ナパームなどが使用される。参考：戦時用語の基礎知識、月刊JWings3,’13

＜焼夷弾頭＞：英語ではIncendiary Bullets、接尾記号-Iで表す（AP-Iなど）。弾芯前方にテルミットなどの焼夷剤を詰めて銅などで覆い、弾丸形状に仕上げたもので、発射によって着火し飛翔するか着弾により発火し、目標に火を付ける。狩猟に使うと山火事になるので危険。参考：GUN用語事典、MAMOR vol.132

＜焼い筒（信管付）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜焼夷兵器（特定通常兵器条約）＞：目標に投射された物質の化学反応によって生ずる火炎、熱またはこれらの複合作用により、物に火災を生じさせまたは人に火傷を負わせることを第一義的な目的として設計された武器又は弾薬類。火炎放射器、火炎瓶、砲弾、ロケット弾、てき弾、地雷、爆弾及び焼夷物質を入れることのできるその他の容器の形態を取る。焼夷効果が付随的である照明弾、曳光弾、発煙弾、信号弾や、貫通・爆風又は破片による効果と付加的な焼夷効果とが複合するように設計された徹甲弾、破片弾、炸薬弾その他、またこれらと同様の複合的効果を有する弾薬類で、焼夷効果により人に火傷を負わせることを特に目的とせず、装甲車両・航空機・構築物その他の施設のような軍事目標に対して使用されるものは含まない。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜硝宇薬＞：RDX（爆薬）を参照。

＜松運丸＞：日本海軍特設運送船Shoun maru。元は昭和16年6月27日に玉造船所で竣工した松岡汽船貨物船で、太平洋戦争開戦直前に徴用された。垂線間長112m、幅15.8m、深さ9m、吃水7.415m、総トン数4396トン、重量トン数6980トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2300馬力、航海速力12ノット、最大速力15.3ノット。一旦徴用解除された後、昭和18年8月に一般徴用船として再徴用された。昭和19年6月12日、横浜からグアム方面に向かっていたところ、ロタ島付近でアメリカ艦上機の空襲を受け損傷し、ロタ島南部の湾内に退避し、修理に入った。6月24日（アメリカ側資料では21日）、修理中にアメリカ艦上機の空襲を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’21

＜昭永丸＞：日本の貨物船。総トン数2764トン。昭和19年12月30日、船倉の一部を石油タンクに改造して重油2569トンと生ゴム400トンを積み、ヒ八六船団の一員としてシンガポールを出港。昭和20年1月12日、仏印沖で航空攻撃を受け沈没した。参考：輸送船入門

＜消炎器＞：フラッシュ・ハイダーを参照。

＜消炎制退器＞：消炎器と制退器の両方の役目を持つ装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜消音器＞：サイレンサーを参照。

＜上靴＞：日本陸軍用語で、スリッパのこと。軍靴の底の部分を切り取ったもので、底には滑り止めの鉄鋲が打ち込まれているため、上靴ビンタをとられると死ぬ程痛い。参考：陸海軍学校と教育、帝国陸海軍事典

＜哨戒艦＞：Patrol combatants。沿岸や外洋で哨戒任務に就く水上艦。艦型は小型で兵装も銃砲程度だが、冷戦終結で重要性が増して各国で新型艦の建造が進められており、限定的ながら本格的な戦闘任務にも就けるよう、対艦ミサイル、対空ミサイル、対潜兵装を積んだものもある。海外展開を考慮したものでは排水量1500トン超とコルベット並になっていたりする。参考：月刊世界の艦船10,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜哨戒艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊が2023年度以降に調達予定の艦艇。日本近海での中露海軍の行動が活発化し、警戒監視に補給艦などの支援艦艇まで駆り出されている有様のため、専用艦を作る事にしたものである。平時からの警戒監視を主任務とし、長期間の洋上行動が可能で、自動化・省力化を図る。当初は基準排水量1000トンくらいを予定していたが、日本周辺の長期行動に無理があるとのことで倍になった。2022年6月30日、ジャパン・マリン・ユナイテッドを主契約社、三菱重工を下請負者に決定した。ステルス艦で、船型は平甲板・中央船楼型、前甲板はブルワークで囲み、ナックルラインより上の舷側を船体と逆傾斜とし、タワーマストを採用した。バウ・スラスター、アクティブ減揺装置、航海レーダーを装備する。船楼後部に多目的格納庫、その上に多目的クレーンがあり、後甲板はヘリ甲板などとして使える多目的甲板で、艦尾揚収装置を持つ。全長95m、幅12m、基準排水量1920トン。主機はCODLAD方式、速力20ノット。兵装は30mm単装機関砲１門（前甲板の甲板室上）。予定価格は１隻90億円。12隻を建造予定で、令和5年度概算要求では４隻（２番艦は三菱重工、他３隻はジャパン・マリンユナイテッド）を調達する予定となっている。参考：月刊世界の艦船9,’22、11,’22、1,’23

＜哨戒艦艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1960年10月1日、自衛艦の大分類である警備艦の下の中分類として制定された。駆潜艇、魚雷艇、哨戒艇の種別からなる。1987年5月11日、駆潜艇の種別を廃止。1990年6月8日、ミサイル艇の種別が設けられた。2000年頃、魚雷艇と哨戒艇の種別を廃止した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜場外救難車１形＞：航空自衛隊の車両。基地の外に不時着したり、パラシュート降下したりした航空機乗員を救出するために使用される。メガクルーザーにルーフ・ラックや捜索ライトをなどを装着したもので、高機動車だとオープントップで器材が取り付けられないので民間型を採用した。全長5.185m、全幅2.17m、全高2.23m、車両重量3000kg。エンジン出力155馬力、最大速度130km。ペイロード350kg。乗員６名。トヨタ製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、スピアヘッドNo.5、月刊丸3,’13

＜哨戒機用新空対艦誘導弾＞：防衛装備庁が2017年度予算から開発している空対艦ミサイルで、川崎重工と契約した。従来の空対艦ミサイルより射程を延伸し、新艦対艦誘導弾などの技術を取り入れ性能を強化、部品共通化によりコスト削減を図り、2022年度に開発を終える予定。参考：月刊航空ファン8,’18

＜哨戒長（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の職名。艦長を補佐し、航海に関して航海指揮官を指揮監督する。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜哨戒艇＞：Patrol vessel。沿岸哨戒用水上艦で、排水量は1000トン以下くらい。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜哨戒艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1958年2月21日、自衛艦の種別として定められた。艦種記号はPB、艦番号は901以降である。1960年10月1日、区分・自衛艦−大分類・警備艦−中分類・哨戒艦艇の下の種別となった。1999年1月14日に最後の１隻（PB-927哨戒艇27号）が除籍され、1999-2000年頃に艦種も廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜哨戒艇（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。昭和15年4月1日に艦艇の下の種別として艦種が制定された。昭和14年の軍令部機密第456号で一等駆逐艦４隻と二等駆逐艦６隻を改造することにしたが、実際には峯風型一等駆逐艦２隻を哨戒艇第１号型、樅型二等駆逐艦10隻を第31号型と第46号型に改造している。主任務は当初洋上哨戒で、全魚雷発射管と主砲の一部を撤去し、主缶半分を使用停止としたが、太平洋戦争直前に奇襲上陸にも使えるようにし（実質的に高速兵員輸送艦）、艦後部に大発1-2隻を搭載、艦尾甲板を海面に向かって傾け、レールで大発を滑り落とせるようにした。速力は18ノット程度だが、緊急時には25ノット出せたようである。第31号哨戒艇と第46号哨戒艇は旗艦任務に就くため、大発搭載設備は設けられていない。他に太平洋戦争時の戦利艦として第101−第109号哨戒艇がこの艦種に分類されている。参考：丸スペシャル第49号、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊丸3,’14

＜哨戒艇１号＞：PB-901（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１号型＞：海上自衛隊哨戒艇。アメリカ海軍の45フィート哨戒艇を導入したもので、主任務は港湾哨戒である。船体は木製。全長14m、最大幅4.2m、深さ2.1m、吃水0.9m、基準排水量18トン、満載排水量20トン。主機はGM社製64HN9型６気筒２サイクルディーゼル２基２軸450馬力、速力16ノット。兵装は12.7mm連装機銃１基（操舵室天井後部）、爆雷投下台４基（船体中央両舷２基ずつ）。乗員６名。PB-901哨戒艇１号、PB-902哨戒艇２号、PB-903哨戒艇３号、PB-904哨戒艇４号、PB-905哨戒艇５号、PB-906哨戒艇６号、PB-907哨戒艇７号、PB-911哨戒艇11号、PB-912哨戒艇12号、PB-913哨戒艇13号、PB-914哨戒艇14号、PB-915哨戒艇15号、PB-916哨戒艇16号、PB-917哨戒艇17号、PB-918哨戒艇18号の15隻が1958年に貸与され、1965年に供与され、1971-73年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、丸スペシャルNo.76

＜哨戒艇２号＞：PB-902（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇３号＞：PB-903（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇４号＞：PB-904（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇５号＞：PB-905（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇６号＞：PB-906（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇７号＞：PB-907（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１１号＞：PB-911（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１２号＞：PB-912（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１３号＞：PB-913（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１４号＞：PB-914（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１５号＞：PB-915（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１６号＞：PB-916（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１７号＞：PB-917（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１８号＞：PB-918（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１９号＞：PB-919（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇１９号型＞：海上自衛隊の哨戒艇。哨戒艇１号型の後継で、港湾エリアにおける哨戒作業を任務とする。船型はディープＶ型で、チャイン部に波返しが付く。船体は海自初のFRP製作で、上部構造物は耐水合板にFRPを積層してある。船体成型は木製のオス型からFRP製のメス型を作成する方式で、このメス型は他の業務用船艇の船体作成にも流用した。全長17m、最大幅4.3m、深さ2.2m、吃水0.7m、基準排水量18トン、満載排水量20トン。主機はいすゞマリン社製V170T-MF8RC型（170T-MF8RC？）４気筒Ｖ型ターボチャージドディーゼル２基２軸760馬力、速力20ノット。兵装は後甲板の20mm機関砲１門で、後に12.7mm単装機銃に換装した。乗員６名。PB-919哨戒艇19号、PB-920哨戒艇20号、PB-921哨戒艇21号、PB-922哨戒艇22号、PB-923哨戒艇23号、PB-924哨戒艇24号、PB-925哨戒艇25号、PB-926哨戒艇26号、PB-927哨戒艇27号の９隻が1971-73年に就役し、1992-99年に退役した。参考：海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’95、5,’02増刊、月刊JWings1,’99、丸スペシャルNo.78

＜哨戒艇２０号＞：PB-920（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇２１号＞：PB-921（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇２２号＞：PB-922（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇２３号＞：PB-923（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇２４号＞：PB-924（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇２５号＞：PB-925（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇２６号＞：PB-926（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇２７号＞：PB-927（哨戒艇）を参照。

＜哨戒艇第１号＞：日本海軍哨戒艇第１号型、第１号哨戒艇。元は峯風型駆逐艦島風で、昭和15年4月1日に艦種変更された。太平洋戦争開戦後、フィリピン攻略戦に参加。昭和17年1月から蘭印攻略戦に参加。2月、西部ニューギニア攻略戦に参加し、横須賀に戻った。5月15日からMI作戦に参加。5月28日、サイパンであけぼの丸と衝突した。8月16日からソロモン方面に展開。昭和18年1月12日（13日？）、ニューハノーバー島沖でSS-217ガードフィッシュの雷撃を受けて沈没した。2月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号、写真集日本の小艦艇

＜哨戒艇第１号型＞：日本海軍哨戒艇で、峯風型駆逐艦を改造し、昭和15年に艦種変更したものである。まず艦種変更の際に２番砲と１・３番連装魚雷発射管を外しした。太平洋戦争開戦直前に４番砲、２番連装魚雷発射管、後部上構の一部を撤去、後甲板に大発２隻のタンデム搭載スペースを設け、艦尾に発進用スロープを設置、艦橋前方のウェルデッキと２番連装魚雷発射管撤去跡の上甲板に甲板室を設けて船首楼甲板を１番煙突あたりまで延長し、陸戦隊250名を乗せられるようにした。２番砲撤去スペース両舷に25mm連装機銃１基ずつを搭載している。主缶のうち２基は使用を停止した。水線長99.8m、垂線間長97.54m、最大幅8.9m、公試時吃水2.9m、基準排水量1270トン（1500トン？）、公試排水量1700トン。主機は蒸気タービン２基、主缶はロ号艦本式缶２基、出力19250馬力（10000馬力？）、速力20ノット。兵装は四五口径三年式一二サンチ単装砲２門（船首楼甲板、後部煙突後方）、25mm連装機銃３基、25mm単装機銃４丁、爆雷18発（大発を搭載しなければ60発）。大発２隻、陸戦隊250名を搭載できる。哨戒艇第１号（元島風）・第２号（元灘風）が就役した。参考：丸スペシャル第49号、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊モデルアート9,’15増刊

＜哨戒艇第２号＞：日本海軍哨戒艇第１号型、第２号哨戒艇。元は峯風型駆逐艦灘風である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦後はフィリピン攻略戦・蘭印攻略戦に参加。昭和17年5月15日に横須賀を出港してMI作戦に参加。8月17日からラバウル・ショートランド方面で輸送と護衛を実施。昭和18年1月末、横須賀に帰投し、第１海上護衛隊に編入され、船団護衛を実施。12月25日、第22特別根拠地隊に編入され、バリクパパン方面の船団護衛を実施。昭和20年7月25日にジャワ海ロンボク海峡でイギリス潜水艦P238スタボーンの雷撃を受けて沈没し、9月30日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号、日本海軍艦隊総覧

＜哨戒艇第３１号＞：日本海軍哨戒艇第31号型、第31号哨戒艇。元は大正9年12月10日に竣工した樅型駆逐艦菊である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦時は佐伯防備隊所属で、豊後水道で対潜掃討を行っていた。昭和17年9月29日からサイパンへの船団護衛を実施。その後は佐伯に戻り、佐伯−パラオの船団護衛を行った。昭和19年3月20日、船団護衛のため高雄を出港。3月27日、パラオに到着。3月30日、パラオ西水道でアメリカ機動部隊の空襲を受け、直撃弾３発と至近弾６発を被弾して沈没した。5月10日、除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第３１号型＞：日本海軍哨戒艇で、樅型駆逐艦を改造し、昭和15年に艦種変更したものである。艦種変更時に２番砲と魚雷発射管全てを撤去し、九六式25mm単装機銃、爆雷投射器、掃海具を追加した。太平洋戦争開戦直前に哨戒艇第32-39号は後甲板に大発１隻を載せられるようにし、艦尾に発進用スロープを設置、後部マスト付近の上構を前方に延長して陸戦隊を乗せられるようにした。哨戒艇第31号は大発・陸戦隊収容設備を持たず、爆雷及び機銃を強化して船団護衛に使用された。３番缶は使用を停止し、一部は後部煙突も撤去している。水線長85.34m（87.1m？）、垂線間長83.82m、最大幅7.93m、公試時吃水2.98m、基準排水量1162トン（940トン？）。主機は蒸気タービン２基、主缶はロ号艦本式缶２基、出力10000馬力（4000馬力？）、速力18.0ノット（緊急時25ノット）。兵装は四五口径三年式一二サンチ砲２門（船首楼甲板、後部マスト後方。大発搭載改修後は船首楼甲板と前部煙突後方）、25mm連装機銃１基、25mm単装機銃４丁、爆雷18発（大発を載せなければ60発）。大発１隻と陸戦隊230名を搭載できる。哨戒艇第31号、哨戒艇第32号、哨戒艇第33号、哨戒艇第34号、哨戒艇第35号、哨戒艇第36号、哨戒艇第37号、哨戒艇第38号、哨戒艇第39号の９隻が竣工した。哨戒艇第31号は昭和19年に25mm連装機銃３基と25mm単装機銃２丁を追加した。哨戒艇第36・第38号は昭和19年に艦橋前方に25mm連装機銃１基、後部上構上に25mm単装機銃４丁、前部マストに一三号電探を追加している。参考：丸スペシャル第49号、小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊

＜哨戒艇第３２号＞：日本海軍哨戒艇第31号型、第32号哨戒艇。元は大正9年12月10日に竣工した駆逐艦葵である。昭和15年4月1日に転籍した。昭和16年11月20日、呉を出港。タロア・ウォッゼ経由で第６根拠地隊の海軍陸戦隊員を乗せ、12月2日にルオットに集結した。12月8日、太平洋戦争開戦時は兵力部署では南洋部隊ウェーク島攻略部隊所属で、開戦と同時にルオットを出撃。第１次ウェーク島攻略戦に参加したが作戦は失敗し、12月13日にルオットに帰投した。12月21日、ルオットを出撃して第２次ウェーク島攻略戦に参加。12月23日、船体を擱座させて強行上陸を行ったが、敵の砲撃を受けて炎上した。昭和17年1月15日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜哨戒艇第３３号＞：日本海軍哨戒艇第31号型、第33号哨戒艇。元は大正10年4月20日に竣工した駆逐艦萩である。昭和15年4月1日に転籍した。昭和16年11月20日、呉を出港。タロア・ウォッゼ経由で第６根拠地隊の海軍陸戦隊員を乗せ、12月2日にルオットに集結した。12月8日、太平洋戦争開戦時は兵力部署では南洋部隊ウェーク島攻略部隊所属で、開戦と同時にルオットを出撃。第１次ウェーク島攻略戦に参加したが作戦は失敗し、12月13日にルオットに帰投した。12月21日、ルオットを出撃して第２次ウェーク島攻略戦に参加。12月23日、船体を擱座させて強行上陸を行い、大破した。昭和17年1月15日（10日？）に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号、帝国海軍太平洋作戦史�T、日本駆逐艦史

＜哨戒艇第３４号＞：日本海軍哨戒艇第31号型、第34号哨戒艇。元は二等駆逐艦薄である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦後は蘭印攻略作戦に参加。昭和17年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月7日、呉を出港してソロモンに進出。昭和18年3月6日、カビエン南方で駆逐艦（特務艦）矢風と衝突して沈没した。昭和20年1月10日に除籍された。参考：丸スペシャル第49号、第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒艇第３５号＞：日本海軍哨戒艇第31号型。元は樅型駆逐艦蔦である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦後、蘭印攻略作戦に参加。昭和17年1月、タラカン・バリクパパン攻略戦に参加。2月、第11航空戦隊の整備員や通信員を乗せ、ベトナムのカムラン湾を出港し、バンタム湾まで輸送した。6月5日、ミッドウェイ作戦に参加。8月30日、ガダルカナル輸送を実施。9月2日（1日？）、特設水上機母艦山陽丸の基地員を輸送するためショートランドを出港し、レガタ湾に向かったが、ニューギニアのラエで爆撃を受けて沈没した。昭和18年2月10日（20日？）に除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号、日本駆逐艦史

＜哨戒艇第３６号＞：日本海軍哨戒艇第31号型。元は二等駆逐艦藤である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦後は蘭印作戦に参加。昭和17年8月7日、佐世保を出港してソロモン方面に展開し、船団護衛任務に就いた。昭和18年2月、門司−高雄−マニラ−サンジャック間で護衛任務に就いた。12月25日、第22特別根拠地隊に編入され、バリクパパン方面で船団護衛を実施した。昭和19年3月30日、パラオで敵機の攻撃により損傷。5月4日、スラバヤに入港して修理を開始した。5月17日、スラバヤでドックインしている際に艦上機の攻撃を受けて大破した。修復後はスラバヤ方面で船団護衛を行い、終戦を迎えた。終戦後は引揚船として使用されていたが、昭和21年6月にジャワ近海でインドネシア軍に奪われたため、イギリス・オランダ海軍が出動して奪還した。7月にバタビアでオランダ海軍が接収したらしい。8月10日に除籍された。昭和22年に解体された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第３７号＞：日本海軍哨戒艇第31号型、第37号哨戒艇。元は二等駆逐艦菱である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦後は蘭印攻略戦に参加。昭和17年1月24日（23日？）、マカッサル海峡海戦でアメリカ駆逐艦４隻の雷撃を受けて沈没した。4月10日に除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第３８号＞：日本海軍哨戒艇第31号型、第38号哨戒艇。元は二等駆逐艦蓬である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦後はダバオ攻略戦、蘭印攻略戦に参加。昭和17年1月12日、タラカン島にて駆逐艦山風（２代目）と共同してオランダ海軍敷設艦プリンス・ファン・オラーニエを撃沈した。4月、西部ニューギニア攻略戦に参加。8月7日、佐世保を出撃。ラバウルに展開し、ラビ攻略戦と船団護衛を行った。昭和18年4月、佐世保防備隊に編入され、その後第１海上護衛隊に転属し、佐世保−高雄−マニラ−シンガポール間の護衛任務に就いた。昭和19年2月7日0800、モタ〇二船団の護衛として六連島を出撃。11月21日、高雄からマニラに入港。11月25日、マニラからの帰途、ルソン海峡でSS-403アテュールの雷撃を受けて沈没した。昭和20年3月10日に除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号、輸送船入門

＜哨戒艇第３９号＞：日本海軍哨戒艇第31号型、第39号哨戒艇。元は二等駆逐艦蓼である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦時はパラオにおり、昭和17年1月のメナド攻略戦を皮切りに蘭印攻略戦に参加。4月、西部ニューギニア攻略戦に参加。8月7日、佐世保を出港してソロモン方面に展開。昭和18年2月、佐世保に帰投。3月、第１海上護衛隊に転属し、門司−高雄−サンジャックの船団護衛に就いた。4月21日、高雄を出港。石垣島南方で雷撃を受けて漂流中の第二日新丸を監視していたが、4月23日、台湾の東方でSS-197シーウルフの魚雷２本を受けて沈没した。7月1日に除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第４６号＞：日本海軍哨戒艇第46号型、第46号哨戒艇。元は若竹型駆逐艦夕顔である。昭和15年4月1日に転籍した。太平洋戦争開戦時は佐伯防備隊所属で、豊後水道での対潜掃討を行っていた。昭和18年2月14日、呉工廠で火災事故を起こした。5月から佐伯−パラオ間の船団護衛を実施。9月1日、横須賀鎮守府部隊に編入され、横須賀−父島−トラック間の船団護衛を行った。昭和19年1月、鳥羽から船団護衛を実施。11月10日、伊豆半島石廊崎の南西でSS-213グリーンリングの雷撃を受けて沈没した。昭和20年1月10日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第４６号型＞：日本海軍哨戒艇。元は若竹型駆逐艦夕顔で、改造要領は哨戒艇第31号とだいたい同じである。全長86.26m、最大幅8.01m、基準排水量925トン。機関出力4000馬力、速力18.0ノット。兵装は四五口径三年式一二サンチ砲４門、爆雷60個。哨戒艇第46号が就役した。ちなみに本来は哨戒艇第41-45号も若竹型駆逐艦から改造する予定だったらしいが、太平洋戦争開戦で中止になったとされる。昭和19年に25mm連装機銃３基（艦橋前方両舷、後甲板）と25mm単装機銃２丁、爆雷60個を追加装備した。参考：丸スペシャル第49号、小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊

＜哨戒艇第１０１号＞：日本海軍哨戒艇、第101号哨戒艇。元はイギリス海軍駆逐艦スラシアンで、太平洋戦争開戦時に香港アバディーン海軍基地で擱座していたのを引き揚げ、第２工作部で修理したものである。水線長80.79m、垂線間長80.8m、最大幅8.17m、公試時吃水3.01m、基準排水量1150トン、公試排水量1233トン。主機は蒸気タービン２基、主缶２基、出力10000軸馬力、速力25ノット。兵装は10cm単装砲３門、7.7mm機銃１丁、魚雷発射管６門。昭和17年10月7日（7月10日？11月？）に艦籍に編入され、11月2日に修理を完了した。12月4日、横須賀に回航された。昭和18年2月から10月まで、横須賀−神戸間の船団護衛に従事。11月から横須賀に警泊。昭和19年2月6日から横須賀−神戸間の船団護衛に従事。3月15日、雑役船（練習艇）に艦種変更され、特一号練習艇（特一号練習船？）に改称されて備砲を撤去、水雷学校で訓練と試製二三号電探のテストに使用された。終戦時は横須賀にあり、イギリスに接収された。昭和21年に解体された。参考：写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第１０２号＞：日本海軍哨戒艇、第102号哨戒艇。元はアメリカ海軍平甲板型駆逐艦DD-224スチュアート（大正9年竣工）で、バリ島沖海戦で被弾してスラバヤで修理を受けていたが、1942年3月のスラバヤ占領時に浮きドックと共に自沈処分されていたのを浮揚して第一〇二工作部で修理したものである。第１・第２煙突を結合して３本煙突とし、前部マストを三脚式に変更、兵装を全て撤去して現地で接収したオランダ陸軍制式7.5cm高角砲２門と12.7mm機銃２丁に換装した。兵装は昭和19年11月に呉で改装を受けた際に日本海軍式に交換し、ビルジキールを拡大、前部マストに一三号電探を追加し、艦橋上に二二号電探を搭載している。水線長94.90m、垂線間長92.39m、最大幅9.40m、公試時吃水3.32m、基準排水量1270トン、公試排水量1539トン。主機は蒸気タービン２基、主缶３基、出力28500軸馬力、速力26.0ノット、航続距離は12ノットで2500海里。兵装は8cm単装高角砲２門、25mm連装機銃４基（艦橋前方、煙突右舷２基、煙突左舷１基）、25mm単装機銃８丁、爆雷72個。昭和18年6月15日（9月20日？）にスラバヤで整備を終えて艦籍に編入され、9月21日に第102号哨戒艇として軍艦旗を掲揚し、第２南遣艦隊に配属されてボルネオ・セレベス方面の船団護衛を実施した。昭和19年3月9日、バリクパパンからパラオまでの護衛任務中に潜水艦の雷撃を受け、右舷中央に被雷したが、不発だった。3月12日、パラオに入港して工作艦明石による修理を受けた。4月21日、船団を護衛してサンボアンガを出港し、ホロに入港した。4月22日、ボンガオに入港。4月24日、タラカンに入港。4月26日、マニラに入港。第３南遣艦隊に転属した。5月、ハルマヘラ−マニラ間で船団護衛を実施。6月28日、キャビテの浮きドックで修理に入った。7月3日、ドックを出てマニラに向かった。8月から呉−高雄−マニラ−シンガポール間で船団護衛を実施。8月23日、仁洋丸を護衛してマニラを出撃、高雄に向かった。8月24日、海防艦第22号と共に潜水艦ハーダーを爆雷で撃沈した。8月30日、高雄に入港。9月3日、船団を護衛して馬公を出港、基�骭o由で門司に向かった。9月5日、基�驍ﾉ入港。9月11日、呉に入港。10月3日、呉を出撃。撃沈された松本丸と江原丸の乗員の救助を行った。11月3日、高雄に入港。1500、高雄を出港。11月19日、敵戦闘機２機を撃墜した。11月20日、サンフェルナンドに仮泊。11月21日、マニラに入港。11月23日、マニラを出港して高雄に向かった。11月25日、撃沈された哨戒艇第38号とサントス丸の救助にあたった。11月27日、高雄に入港。12月13日、空母海鷹を護衛して1850にシンガポールに入港。すぐ出港して重巡羽黒の護衛に就き、12月23日にシンガポールに入港した。12月26日、シンガポールを出撃。12月31日、キノンに仮泊。昭和20年1月4日、香港に投錨。1月9日、舟山島に寄港。1月13日、門司に入港。1月14日、呉に入港し、第４ドックで三式探信儀、二二号電探、一三号電探、九六式25mm機銃20丁、三年式40口径８サンチ高角砲２門などを搭載した。4月6日、佐世保を出港し、船団護衛を行った。4月12日、揚子江下流の四礁山沖に錨泊。4月25日、四礁沖を離れ、シモ〇三船団の船団護衛に就いた。4月27日、黒山諸島西方でPBYの襲撃を受け、38名が戦死傷したが、切り抜けて六連に投錨した。5月初め、呉に錨泊し、第８特攻戦隊旗艦となった。5月中旬、佐伯湾に錨泊した。終戦時は呉に停泊しており、10月5日に除籍された。10月29日、広湾でアメリカ軍に返還された。アメリカでは喪失とみなされて艦名が他艦（DE-238）に使用されていたため、RAMP（Recovered Allied Military Personnel）-224の艦種記号と艦番号だけ付与されている。アメリカに回航されて1946年4月17日に除籍され、5月23日に退役（なぜか除籍の後に退役している）して標的艦となり、5月24日にサンフランシスコ沖で航空機により沈められた。参考：月刊丸8,’95、写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号、月刊世界の艦船7,’21

＜哨戒艇第１０３号＞：日本海軍哨戒艇、第103号哨戒艇。元はアメリカ海軍掃海艇フィンチで、キャビテで沈没していたのを引き揚げ、修理したものである。水線長55.00m、最大幅10.08m、基準排水量980トン。機関出力1400馬力、速力14.0ノット。兵装は8cm高角砲１門、爆雷36発。昭和18年5月26日にマニラで整備を終えて艦籍に編入され、マニラ付近の哨戒任務を行った。昭和19年3月からマニラ、ハルマヘラ哨区の哨戒を実施。9月からマニラ−シンガポール間の船団護衛に就いた。昭和20年1月12日、船団護衛任務で高雄に向け航行中、仏印南部でアメリカ機動部隊の空襲を受けて沈没した。3月10日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第１０４号＞：日本海軍哨戒艇、第104号哨戒艇。元はオランダ海軍哨戒艇ハルク（排水量1011トン。速力18ノット）である。水線長66.50m、垂線間長66.5m、最大幅7.95m、公試時吃水2.91m、基準排水量795トン（1000トン？）。主機はレシプロ蒸気機関２基、主缶２基、出力3350馬力、速力15.0ノット。兵装は8cm単装高角砲１門、25mm連装機銃２基、20mm単装機銃４丁、爆雷36個。昭和19年1月31日、スラバヤで整備を終えて艦籍に編入された。以後はスラバヤ方面で護衛任務を実施。昭和20年2月15日、仏印南部のパダカン岬付近で爆撃により損傷した。3月から5月まで佐世保で修理を実施、その後は博多湾で哨戒護衛任務に就いた。5月25日、山口県蓋井灯台の東北東5.4kmで触雷して小破した。7月末から紀伊方面で哨戒任務に就いた。8月24日、佐世保に回航される途中、下関海峡西山港防波堤灯台の西北西2.2kmで触雷沈没し、同日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第１０５号＞：日本海軍哨戒艇、第105号哨戒艇。元はアメリカ海軍哨戒艇アラヤット（排水量1200トン）で、キャビテで沈没していたのを引き揚げて修理したものである。基準排水量1200トン。昭和18年9月15日、マニラで整備を終え、艦籍に編入された。以降はマニラ周辺で哨戒護衛任務を実施。昭和19年11月29日、第６次オルモック輸送作戦に参加中、オルモック湾でアメリカ魚雷艇の攻撃を受けて沈没した。昭和20年1月10日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第１０６号＞：日本海軍哨戒艇、第106号哨戒艇。元はオランダ海軍駆逐艦バンケルトで、スラバヤで日本軍の爆撃を受け沈没していたのを引き揚げ、従来の兵装を全て撤去して海軍制式の兵装に変更、後甲板に大発２隻を並列搭載できるようにし、デリック・ポストを装着した。水線長93.50m、垂線間長98m、最大幅9.50m、公試時吃水3m、基準排水量1316トン。主機は蒸気タービン２基、主缶４基、出力31000馬力、最大速力36ノット（34ノット？）。兵装は8cm単装高角砲２門、25mm３連装機銃４基、爆雷24個。昭和19年4月20日、スラバヤで整備を終え、艦籍に編入された。スラバヤ、バリクパパンで哨戒と護衛を行い、スラバヤで終戦を迎えた。昭和22年5月3日に除籍された。戦後はオランダに引き渡され、1949年に標的艦として沈められた。参考：丸スペシャル第49号、写真集日本の小艦艇

＜哨戒艇第１０７号＞：日本海軍哨戒艇、第107号哨戒艇。元はアメリカ海軍曳船ゼネシーで、キャビテにあったのを接収して修理したものである。水線長48.20m、最大幅8.84m、基準排水量900トン。機関出力1000馬力、速力14.0ノット。兵装は8cm高角砲１門、爆雷24個。昭和19年10月28日、マニラで整備を終え、艦籍に編入された。10月30日からオルモック輸送作戦を実施。11月5日、マニラを出航後、マニラ湾コレヒドール島の東南東４海里で艦上機の攻撃により沈没した。昭和20年1月10日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第１０８号＞：日本海軍哨戒艇、第108号哨戒艇。元はオランダ海軍哨戒艇アーレンド（哨戒艇第104号の元になった哨戒艇ハルクと同型）で、チラチャップで閉塞船として沈没していたのを引き揚げて修理した。水線長66.50m、最大幅7.95m、基準排水量1000トン。機関出力3350馬力、速力15.0ノット。兵装は8cm高角砲１門、爆雷36個。昭和19年10月12日、スラバヤで整備を終え、艦籍に編入された。昭和20年1月からバリクパパン付近で哨戒護衛任務を実施。3月28日、セレベス島ボネ湾で爆撃を受けて沈没した。5月10日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、丸スペシャル第49号

＜哨戒艇第１０９号＞：日本海軍哨戒艇、第109号哨戒艇。元はオランダ海軍哨戒艇ファザントで、バタビアにあったのを接収して修理したものである。水線長47.75m、最大幅8.38m、基準排水量624トン。機関出力525馬力、速力12.0ノット。兵装は8cm高角砲１門、爆雷36個。昭和20年4月、整備を終えて艦籍に編入された。4月28日、韓国黒山諸島の西で爆撃を受けて損傷した。４月30日、艦籍に編入され、スラバヤ方面で哨戒・護衛任務に就いた。ジャカルタで終戦を迎え、バタビアでオランダに引き渡され、昭和22年5月3日に除籍された。後にインドネシア海軍で使用されたらしい。参考：写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜哨戒特殊計画部隊＞：VPUを参照。

＜哨戒特務艇（日本海軍）＞：日本海軍の特務艇。損耗が激しい特設監視艇に替わって洋上哨戒を行うもので、一三号対空電探などによりサイパンから飛んでくるB-29を監視するのが主任務である。全国16ヵ所の木造船工場で船体を建造し、工廠で兵装を積む方式を採用、大量生産を目指した。船体は木造漁船型で、強いシーアを有する平甲板型。船体中央から後部にかけて上構があり、前から艦橋、一三号電探、煙突、機銃と並んでいる。前甲板と後甲板に１本ずつポールマストが立っている。60kW発電機、15kW発電機、三式三型探信儀を１基ずつ搭載し、舷側には舷外電路を持つ。全長29.50m、水線長28.50m、最大幅6.14m、基準排水量238トン、公試排水量250トン。主機は中速ディーゼル１基１軸400馬力、速力９ノット、航続距離3500海里（８ノットで4000海里？）。兵装は九六式二五ミリ連装機銃１基（前部マスト前方）、25mm単装機銃２丁（煙突後方両舷）、ロサ弾発射筒２基、爆雷投下軌条２条（艇尾）、爆雷８個（後に12個）。魚雷落射機２基を積む計画もあった。200隻を建造する予定だったが、太平洋戦争後半から末期だったので木材不足が著しく、起工されたのは57隻で、27隻（28隻？）が兵装搭載を完了し、昭和20年4月から配備された。他に10隻が船体だけ竣工している。配備後も木材の乾燥が不十分だったせいで隙間や割れ目だらけになり浸水しまくったり、虫に食われて孔が開いたりと問題が続出した。終戦時には17隻が残っており、木造の船体と出力に余裕のあるエンジンを活かし、戦後は五式掃海具を牽引しての掃海作業にも従事、うきしま型と呼ばれた。また、建造中のものや船体だけ完成したものを含め23隻が昭和22年11月22日に連合軍から漁船への改造許可を出されている。参考：丸スペシャル第49号、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊モデルアート9,’15増刊、月刊世界の艦船8,’11増刊

＜哨戒特務艇第１号＞：日本海軍哨戒特務艇、第１号哨戒特務艇。昭和20年3月28日に兵装搭載工事を終えた。昭和20年8月9日に沈没した。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第２号＞：日本海軍哨戒特務艇、第２号哨戒特務艇。昭和20年4月29日竣工。5月20日に兵装搭載工事を終えて舞鶴防備隊に配属され、終戦まで磁気機雷の掃海作業を行った。参考：写真集日本の小艦艇、丸スペシャル第49号

＜哨戒特務艇第３号＞：日本海軍哨戒特務艇、第３号哨戒特務艇。昭和20年8月2日、兵装搭載工事を終えた。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第４号哨戒特務艇。昭和20年8月1日（4月30日？）竣工、横須賀に引き渡されたが、兵装搭載工事完了前に終戦を迎えた。戦後は連合軍に接収されたが、一時貸与の形で漁船熊野丸となった。昭和23年2月18日、日本側に移管された。参考：丸スペシャル第49号、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第２５号＞：日本海軍哨戒特務艇、第25号哨戒特務艇。昭和20年4月27日、兵装搭載工事を完了した。昭和20年5月22日、新潟港外で触雷して小破した。9月18日、荒天により山口県吉見で浸水着底。昭和21年4月18日、荒天により下関付近で擱座した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜哨戒特務艇第２６号＞：日本海軍哨戒特務艇、第26哨戒特務艇。昭和20年8月2日、横須賀工廠で兵装搭載工事を終えた。終戦時は横須賀にいた。昭和22年11月22日、連合軍から貸与されて漁船に改造され、昭和23年2月26日に日本側に移管された。参考：丸スペシャル第49号、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第３１号＞：日本海軍哨戒特務艇、第31号哨戒特務艇。昭和20年4月29日竣工、7月29日に兵装搭載工事を終えて大阪港湾警備隊に配備された。12月1日、掃海艦に指定され、大阪地方復員局阪神掃海部に配備されて阪神地区の掃海を行った。その後海上保安庁に移管されてMS-18となり、更に海上自衛隊MSI-680となった。参考：丸スペシャル第49号、海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第３２号＞：日本海軍哨戒特務艇、第32号哨戒特務艇。昭和20年6月5日進水、竣工直前に大湊で終戦を迎えた。戦後は連合軍に接収され、昭和22年11月22日に漁船への改造許可が出た。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第３４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第34号哨戒特務艇。昭和19年10月26日起工。建造中に終戦となり、船台上で放置された。昭和22年4月、北海道庁に引き渡され、漁船への転用許可が出たが、もう暫く船台上で放置されていた。参考：丸スペシャル第49号

＜哨戒特務艇第３７号＞：日本海軍哨戒特務艇、第37号哨戒特務艇。昭和20年6月2日、兵装搭載工事を終えた。7月18日、横須賀でアメリカ艦上機の爆撃を受けて損傷（沈没？）した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第５４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第54号哨戒特務艇。昭和20年8月5日、兵装搭載工事を終えた。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第６４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第64号哨戒特務艇。昭和20年4月12日（5月25日？）竣工。舞鶴で兵装搭載工事中に終戦となった。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第６５号＞：日本海軍哨戒特務艇、第65号哨戒特務艇。昭和20年6月8日進水。終戦時は舞鶴工廠で兵装搭載工事中で、工程60%の状態だった。戦後は連合軍に接収され、昭和22年11月22日に漁船への改造許可が出た。参考：丸スペシャル第49号、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第８４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第84号哨戒特務艇。昭和20年4月30日竣工。6月7日、兵装搭載工事を終えた。終戦時は新潟にいた。戦後は新潟掃海部に配備されて掃海にあたり、海上保安庁掃海船を経て海上自衛隊掃海艇MSI-685となった。参考：海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第８５号＞：日本海軍哨戒特務艇、第85号哨戒特務艇。昭和19年9月25日起工。竣工直前に終戦を迎え、連合軍に接収された。昭和22年11月22日、連合軍から漁船への改造許可が出て日本に移管された。漁船に改造されて竣工した際も、まだ日本周辺海域に機雷の脅威が残っていたため、舷外電路が装着されていた。参考：丸スペシャル第49号、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第９０号＞：日本海軍哨戒特務艇、第90号哨戒特務艇。昭和20年4月11日、兵装搭載工事を終えた。昭和20年8月、酒田で触雷して沈没した。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１３４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第134号哨戒特務艇。昭和20年1月20日竣工。2月26日、呉工廠で兵装搭載工事を完了、第４監視艇隊に配備され、その後大阪港湾警備隊に転属した。終戦後は阪神掃海部で掃海任務に従事し、昭和23年に海上保安庁掃海船MS-20となり、昭和27年に警備隊掃海艇MSI-681となった。参考：丸スペシャル第49号、海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１３５号＞：日本海軍哨戒特務艇、第135号哨戒特務艇。昭和20年2月19日竣工。5月23日、呉工廠で兵装搭載工事を完了、呉防備隊に配備され、掃海任務に従事した。戦後は徳山掃海部（下関掃海部？）に配属され、海上保安庁MS-21を経て警備隊掃海艇MSI-686となった。参考：写真集日本の小艦艇、海上自衛隊全艦艇史

＜哨戒特務艇第１３６号＞：日本海軍哨戒特務艇、第136号哨戒特務艇。昭和20年3月21日竣工。6月5日、兵装搭載工事を完了。後にMSI-682となった。参考：海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１３７号＞：日本海軍哨戒特務艇、第137号哨戒特務艇。昭和20年7月15日、兵装搭載工事を完了した。昭和21年4月18日、荒天により下関付近で擱座した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１３８号＞：日本海軍哨戒特務艇、第138号哨戒特務艇。昭和20年8月11日、兵装搭載工事を完了した。昭和20年5月25日竣工。後にMSI-683となった。参考：海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１３９号＞：日本海軍哨戒特務艇、第139号哨戒特務艇。昭和20年7月9日竣工。後にMSI-687となった。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜哨戒特務艇第１５２号＞：日本海軍哨戒特務艇、第152号哨戒特務艇。昭和20年3月15日竣工。5月23日、兵装搭載工事を完了した。後にMSI-684となった。参考：海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１５３号＞：日本海軍哨戒特務艇、第153号哨戒特務艇。昭和20年4月29日竣工。7月23日、兵装搭載工事を完了した。後にMSI-688となった。参考：海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１５４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第154号哨戒特務艇。昭和20年5月竣工。戦後は掃海任務に就いた。昭和24年5月23日1347、下関港外満珠島東方を掃海中、右舷後方10mの海中で機雷が炸裂し、1415に沈没した。死者４名、負傷者３名を出した。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１６３号＞：日本海軍哨戒特務艇、第163号哨戒特務艇。昭和20年1月31日竣工。2月10日、佐世保工廠で兵装搭載工事を終え、第７艦隊第４監視艇隊に配属された。8月22日、石川県七尾湾で触雷して大破着底した。その後浮揚され、漁船に改造された。参考：丸スペシャル第49号、第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１６４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第164号哨戒特務艇。昭和20年5月30日、種子島西表湾で座礁して沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜哨戒特務艇第１６６号＞：日本海軍哨戒特務艇、第166号哨戒特務艇。昭和20年3月2日、兵装搭載工事を完了した。8月12日、蔚山港南東で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１７３号＞：日本海軍哨戒特務艇、第173号哨戒特務艇。昭和20年1月29日竣工、3月26日に呉工廠（佐世保工廠？）で兵装工事を完了した。3月29日、福岡県若松港で触雷して沈没した。5月18日に浮揚され、林兼造船所に係留された。7月1日に除籍された。終戦時は彦島林兼造船所で係留中だった。参考：丸スペシャル第49号、写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜哨戒特務艇第１７４号＞：日本海軍哨戒特務艇、第174号哨戒特務艇。昭和20年5月10日、兵装搭載工事を完了した。6月8日、熊本県天草の下島崎付近で潜水艦の雷撃により大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１７５号＞：日本海軍哨戒特務艇、第175号哨戒特務艇。昭和20年6月6日、兵装搭載工事を完了した。10月30日、静岡県須崎沖で座礁して沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１７９号＞：日本海軍哨戒特務艇、第179号哨戒特務艇。昭和20年4月25日竣工。5月20日、兵装搭載工事を完了した。11月中旬、仙崎で座礁した。後にMSI-689となった。参考：海上自衛隊全艦艇史、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１９１号＞：日本海軍哨戒特務艇、第191号哨戒特務艇。昭和20年3月27日、兵装搭載工事を完了した。10月27日、群山で座礁して沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇

＜哨戒特務艇第１９２号＞日本海軍哨戒特務艇、第192号哨戒特務艇。昭和20年7月27日、兵装搭載工事を完了した。参考：写真集日本の小艦艇

＜哨戒配備＞：艦内哨戒配備を参照。

＜哨戒パトロール＞：パトロールを参照。

＜哨戒飛行隊＞：VPを参照。

＜哨戒飛行艇＞：洋上哨戒・対潜哨戒を主任務とする飛行艇のこと。第２次大戦後は陸上・艦上対潜哨戒機や対潜ヘリの発達で廃れた。参考：月刊JWings3,’15

＜哨戒ヘリコプター＞：洋上哨戒を行うヘリコプターのこと。冷戦終結で対潜ヘリが洋上監視や対水上戦を兼務するようになって改称された。捜索救難や輸送などの任務も行ったりする。参考：月刊JWings5,’18

＜小火器＞：Small Arms。１名で携帯でき、１名で操作できる火器のこと。拳銃（ハンドアームズ）、ショルダーアームズ、機関銃・機関砲、その他（信号拳銃、散弾銃、対戦車ロケットなど）に分かれる。口径20mm以下／未満の弾薬を発射する兵器と定義されることもあり、M2重機関銃などもこれに含めることがある。かつて富士学校機甲科部長が61式戦車の車載M2重機関銃を外して腰だめで連射したというから、前者の定義でもギリギリ小火器かもしれない。手榴弾や火炎放射器を含める場合もある。最も大量に作られ、歩兵に配布されて敵陣制圧に使用される最終兵器であり、兵器の中で最も重要な位置を占める。歩兵に限らず、車両、艦船、ヘリコプター、固定翼機など様々なプラットフォームで運用される。第２次大戦直前までは生産工程がかなり複雑であったが、ドイツが1938年頃から製造の簡素化を開始し、戦時中には連合軍も生産工程を簡略化、ステン短機関銃などの大雑把な小火器が登場した。また、戦略爆撃が本格的に行われたため、専門の製造工場が破壊されることもあったが、火砲と違って組み立てや運搬に大型クレーンや起重機などが必要無いため、靴工場でも時計工場でも機械工場と名の付く所には全て工作機械を運び入れて組み立てた。弾薬は専用の工作機械と火薬取り扱いに必要な安全対策が必要なため、代用が効かず、爆撃に耐えられる工場を作る必要があった。参考：拳銃・小銃・機関銃、GUN用語事典、世界の軍用銃、日本の防衛戦力Part8、戦車隊長

＜小火器射撃評価システム＞：陸上自衛隊の小火器訓練装置。従来は手作業で行っていた着弾位置表示、採点、標的隠顕動作などを完全自動化しており、結果は射座のモニターに表示され、射撃訓練を行った隊員が即座に確認できる。バブコック日立またはバブ日立工業または三菱日立パワーシステムズインダストリー製。参考：朝雲、月刊軍事研究10,’07、12,’13、2,’18

＜小火器弾薬＞：弾薬を参照。

＜小火器用検速装置＞：自衛隊の機器。ノビテック製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜小火器用工具セット＞：自衛隊の機器。参考：月刊軍事研究10,’14

＜小火器用レーザ受信装置＞：自衛隊の機器。東芝電波プロダクツ製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜小火器用レーザー送信装置＞：自衛隊の機器。東芝電波プロダクツ製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜衝角＞：ラム。艦船による体当たり攻撃（衝撃）の威力を増すために設けられる艦首構造のこと。艦砲の出現で一旦廃れたが、蒸気機関の発達とスクリューにより機動性が向上すると再び取り付けられるようになり、艦砲の発達で20世紀初めには再度廃れ、潜水艦の出現で再々度復活し、対潜兵装の発達でまたまた廃れた。参考：月刊軍事研究9,’15、月刊世界の艦船4,’18

＜翔鶴＞：日本海軍翔鶴型空母１番艦Shokaku。昭和12年12月12日起工、昭和14年6月1日1620進水、昭和16年8月8日竣工。9月1日（8月25日？）、新たに編成された第１航空艦隊第５航空戦隊に編入された。昭和16年11月18日、零戦18機、九九艦爆27機、九七艦攻27機を搭載して瀬戸内海から出撃。11月22日、単冠湾に到着。11月26日、単冠湾を出撃。12月8日、第５航空戦隊に所属して真珠湾攻撃に参加。12月24日、呉に帰投。昭和17年1月8日、零戦21機、九九艦爆21機、九七艦攻21機を搭載して呉を出港。1月20日、ラバウルを空襲。1月21日、ラエとサラモアを空襲。2月2日、横須賀に帰投。3月17日、横須賀を出撃。4月5日、セイロン島攻撃に参加。4月下旬、MO作戦に参加。5月6日、第５航空戦隊所属で珊瑚海海戦に参加。5月8日、アメリカ艦上機の攻撃を受け、３発の命中弾により発着不能となり、トラックで応急修理を受けた。5月17日、呉に帰投し、修理に入った。7月14日、第３艦隊第１航空戦隊に転属。8月16日、瀬戸内海を出港。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。被弾大破した上に艦攻・艦爆隊を損耗し、11月2日に横須賀軍港に帰投して修理と乗員補充（整備長、航海長、運用長、機関長らが交替）、航空隊再建に入った。昭和18年2月末、修理を完了。7月9日、瀬戸内海西部を出撃。7月15日、瑞鶴、瑞鳳と共にトラックに進出。9月20日、瑞鶴、瑞鳳と共にブラウン環礁に移動し、マーシャル諸島海域で訓練と索敵を行った。11月1日、飛行隊がろ号作戦参加のためラバウルに進出。11月13日、トラックに帰投した。11月26日、ルオットに進出。12月8日、トラックに帰投。12月12日、トラックを出港し、本土に帰投した。昭和19年6月19日、マリアナ沖海戦でSS-244ガヴァラの雷撃を受けて沈没した。8月10日、第３艦隊付属となり、11月15日には連合艦隊付属とされ、昭和20年8月31日に除籍された。参考：第２次世界大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、図解日本の空母、日本海軍戦闘機隊、月刊丸3,’13、月刊世界の艦船9,’14

＜翔鶴型＞：日本海軍空母Shokaku型。マル三計画で建造された。当初は18000-20000トン級で、艦戦18機と艦爆62機を搭載することになっていたが、艦攻も搭載することにしたため、設備がかさんで25000トン級になった。日本海軍空母として初めてバルバス・バウを採用しており、艦首底部が球状に膨らんでいる。艦首には大きなフレアと軽いシアが付けられた。艦首から10m付近の艦底には魚雷警戒用として零式聴音機（捕音機を両舷で32個装着）を装備しており、状態が良ければ20km先の音を探知できた。錨甲板は発艦後の航空機が接触しないように飛行甲板前端から下向き13度に引いた線より上に構造物が無いようにされており、投揚錨機器の他、飛行甲板用大型支柱が２本取り付けてある。飛行甲板は板張りで、全長242.4m、前端部幅18m、中央部29m、後端部26mで、公試状態での吃水線からの高さは14.2m。８カ所に伸縮継手が付いている。カタパルト搭載スペース（２基分）も用意されていたが、実用化できず、搭載はされなかった。飛行甲板前端中央には蒸気吹き出し孔があり、その直後に放射状の風向標識が描かれていて搭載機に風向きを示すようになっていた。エレベーターは３カ所にあり、前部は縦13m・横16m、中央・後部は縦13m・横12m（14.5m？）。前部エレベーター前方に遮風柵、直後に空廠式三型滑走制止装置の第１・第２固定式滑走制止索があり、呉式四型着艦制動装置の横索は遮風柵直前に１本、前部エレベーター直前に１本、第２滑走制止柵と中央エレベーターの間に３本、中央・後部エレベーター間に５本が張られていた。計画では滑走制止装置として固定式３組、移動式２組を搭載する予定だったが、実際にはエレベーター直後の固定式２組だけだったようである。着艦用として、着艦指導灯、艦尾表示灯、甲板灯、着艦照明灯、風速信号灯などを装備していた。格納庫は上下２段、それぞれ３区画で、上部格納庫の外板はブロウオフ・パネルとなっていたが、ガソリン漏れによる誘爆に対応したもので、南太平洋海戦では爆弾が誘爆して飛行甲板が吹き飛んでしまった。当初は煙突を右、艦橋を左中央に設けて重量バランスをとる予定だったが、赤城の改装結果、飛行甲板の気流が乱れてしまうことが判明し、艦橋を右舷前方に移して建造された。ちなみにこの決定が進水直前だったため、進水式で記念に配られたガラス製文鎮には左舷艦橋の翔鶴が刻まれている。艦橋は５層の甲板からなり、最上部の露天甲板は防空指揮所とされ、双眼鏡、方位測定用ループアンテナ、1.5m測距儀、60cm信号用探照灯、無線電話用アンテナ、九四式高射装置（左舷12.7センチ高角砲用）などが配置された。その下の甲板が羅針艦橋で、後部が発着艦指揮所になっている。その下が上部艦橋甲板で操舵室などが置かれ、そのまた下が下部艦橋甲板で作戦室兼海図室などが配置された。下部艦橋甲板前後面には露天式のスポンソンがあり、探照灯管制器兼上空見張方向盤が設置された。最下層（飛行甲板と同レベル）には艦長・司令官休憩室、トイレ、信号機格納所などが置かれている。その下にあたる機銃甲板舷側には右舷高角砲用の九四式高射装置が配置された。艦橋の後ろには三脚マストがあり、翔鶴には中段に信号燈が設置されていた。主機出力は日本海軍艦艇中最大の16万馬力で、速力は34ノットを超え、随伴駆逐艦を振り切ってしまうこともあった。巡航タービンだけで26ノットを出すことができ、無風でも合成風速13m以上の発艦条件を満たすことができる。缶室は８室あり、1-4缶の排煙は第１煙突、5-8缶は第２煙突に導かれた。両煙突共に海水による熱煙冷却装置と緊急用上面排気口付きで、右舷舷側から下向き35度の角度で突出しており、5-10度後ろを向いている。機関部直上の甲板は厚さ25mmのDS鋼板に厚さ65mmのCNC鋼板を重ねたもので、250kg爆弾（場合によっては500kg爆弾）の急降下爆撃に対抗できる高い防御力を持っていた。機関室舷側も20cm砲弾に抗堪可能。弾薬庫には800kg爆弾や20cm砲弾に耐えられる装甲が付けられている。水中防御は舷側から空間を空けて水雷防御縦壁を設ける空層式で、炸薬重量400kgの魚雷に対抗できる。艦尾の右舷上には飛行甲板支柱１組があり、短艇格納所も設けられた。舵は前後２枚の半平衡舵で、主舵は艦尾オーバーハング部中間に、副舵はその後ろにある。全長257.5m、最大幅26.0m（29m？）、平均吃水8.7m、基準排水量25675トン。主機は艦本式オール・ギヤード高中低圧タービン４基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（30気圧、350℃）８基で、出力16万馬力（後進出力４万馬力）、４軸推進、巡航速力26ノット、最大速力34.2ノット、重油搭載量5000トン、航続距離は18ノットで9700海里。兵装は八九式12.7サンチ連装高角砲８基（飛行甲板前後の両舷に２基ずつ、弾薬１門あたり250発。右舷後方の２基は煙突煤煙避けのシールド付き）、九六式25ミリ三連装機銃12基（両舷に６基ずつで、弾薬は１丁あたり2600発。右舷後方の２基は煤煙避けシールド付き）。九四式高射装置は艦橋上に１基、艦橋右舷に２基、左舷に１基装備しており、九五式機銃射撃装置は機銃の間に片舷３基ずつ搭載した。また、110cm探照灯は４基が搭載されており、３基が飛行甲板上にある（全て隠顕式）。搭載機は戦闘機20機（常用18機、補用２機）、爆撃機32機（常用27機、補用５機）、攻撃機32機（常用27機、補用５機）の予定だったが、昭和16年9月20日に艦上機を初搭載した時には零戦16機（常用12機、補用４機）、九九式艦爆24機（常用18機、補用６機）、九七式艦攻24機（常用18機、補用６機）だった。補用機は分解せずそのまま格納できる。艦載艇は12メートル内火艇３隻、12メートル内火ランチ３隻、８メートル内火ランチ１隻、６メートル通船１隻、９メートルカッター２隻、13メートル中発２隻。装甲厚は舷側30-127mm、甲板63mm。乗員1662名。翔鶴、瑞鶴の２隻が昭和16年に竣工した。真珠湾攻撃時には零戦18機、九九式艦爆27機、九七式艦攻27機を搭載し、作戦終了後は全種とも21機ずつ搭載した。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録、小艦艇入門、月刊世界の艦船9,’14、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜翔鶴型・改装＞：昭和17年5月、珊瑚海海戦で翔鶴が損傷したため、修理のついでに艦首甲板前端下の錨甲板に25mm３連装機銃２基、艦尾に２基、艦橋前後に１基ずつと機銃用射撃指揮装置３基を装備、瑞鶴にも同様の改装が行われた。ただし修理の時間が限られていたため、艦首と艦尾に１基ずつしか装備できなかったという説もある。また、二一号電探が装備され、そのアンテナを艦橋構造物上面の九四式高射装置の上に配置した。瑞鶴は7-8月に同様の改装を行った。昭和17年7月、搭載機が戦闘機と爆撃機27機ずつ、攻撃機18機となった。11月には爆撃機18機、戦闘機・攻撃機27機となった。同月、翔鶴は艦首と艦尾に１基ずつ25mm３連装機銃を追加装備し、二一号電探のアンテナをもう１つ搭載した。昭和18年2月末、翔鶴の搭載機定数が艦戦27機、艦爆18機、艦攻27機になった。8月、偵察機３機を追加搭載。昭和18年12月から翔鶴、昭和19年2月15日から瑞鶴が固有の搭載機を持たなくなった。昭和19年6月のあ号作戦時には25mm単装機銃10門を追加装備。翔鶴沈没後、瑞鶴の信号マスト中段に一三号電探のアンテナを装備。弾火薬庫部分の水線下にバルジを増設。7月、瑞鶴の艦底に零式水中聴音機をもう１基装備し、対空機銃を96門に増設、右舷前部と左舷前部に12cm28連装噴進砲を４基ずつ搭載した。11月、瑞鶴に二一号電探を装備、アンテナを艦橋構造物上面の九四式高射装置の上に配置。参考：図解日本の空母、日本海軍戦闘機隊

＜翔鶴戦闘機隊＞：昭和16年10月7日から大村基地で訓練に入った。12月8日、真珠湾攻撃で第１次攻撃に参加、６機が出撃し、33機を地上で撃破した。第２次攻撃では艦隊上空哨戒に就いた。4月9日、ツリンコマリ攻撃で敵機23機を撃墜、１機を喪失した。5月8日、珊瑚海海戦では攻撃隊を直衛した９機が30機を撃墜し、母艦護衛機９機も21機を撃墜、１機を喪失した。8月24日、第２次ソロモン海戦で４機が出撃、４機を撃墜し１機を失った。8月28日から9月4日、零戦15機をブカ基地に派遣。15機を撃墜したが、６機を失い、２機が不時着した。10月26日、南太平洋海戦で第１次攻撃隊に４機、第２次攻撃隊に５機が護衛に就き、敵機５機を撃墜した。母艦直衛には延べ24機があたり、９機（うち３機が不確実）を撃墜したが、１機を喪失した。昭和18年11月1日からろ号作戦に参加。25機がブナカナウ飛行場に展開、11月2日には47機（うち７機が不確実）を撃墜し、11月13日までに107機（うち23機が不確実）のスコアをあげたが、８名のパイロットを失った。11月26日からルオットに展開したが、12月5日の空戦で損害を受けたため本土で補充することになった。昭和19年2月15日、第601航空隊に再編された。参考：日本海軍戦闘機隊

＜彰化丸＞：日本海軍特設運送船Shokwa maru。元は大阪商船の台湾航路貨物船である。垂線間長108.8m、幅15m、深さ10m、満載吃水7.15m、総トン数4467トン、重量トン数5321トン。主機は三菱ツェリー式タービン１基１軸3600馬力、航海速力14.5ノット、最大速力16.509ノット。昭和10年11月15日竣工。太平洋戦争勃発で海軍に徴用されて特設運送船になり、その後一般徴用船に変更されて輸送任務に就いた。昭和17年5月25日、ラバウルから門司に向かう途中、メレヨン島の南350kmでSS-199トートグの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’13

＜消火用バケット（自衛隊）＞：自衛隊の装備ではなく、各自治体が購入したものを陸上自衛隊の航空隊などで運用している。参考：月刊JWings6,’08

＜紹関＞：553（フリゲート）を参照。

＜韶関基地＞：中国軍航空基地。2100m滑走路を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜上甲板＞：Upper Deck。船体最上部の船首から船尾まで続く甲板で、乾舷として取れる最下部の甲板であり、上部構造の一部をなす。ここより下の船体内は完全水密構造である。参考：図解雑学　船のしくみ、米海軍サバイバルマニュアル

＜鍾馗＞：二式戦闘機シリーズを参照。

＜蒸気カタパルト＞：スチーム・カタパルトを参照。

＜蒸気機関＞：燃料の燃焼により得られた熱エネルギーで水を水蒸気に変え、その圧力により動力装置を動かして機械的エネルギーを得る外燃機関のことで、レシプロ蒸気機関や蒸気タービンがある。原動力となる水蒸気のエネルギーが高ければ得られる機械的エネルギーも大きくなるので、なるべく高温高圧の蒸気を作れるようにする。そのためには熱エネルギーを効率的に水へと伝える必要があり、ボイラー（缶）の熱伝導効率を上げる工夫を施す。また、作った水蒸気を更に加熱して過熱蒸気とし、エネルギーを増大させる過熱機を装着したりする。水蒸気を復水器で水に戻して再利用するタイプを復水式といい、復水器内で水蒸気が水に戻る際に内部が真空に近くなるので真空式ともいう（この圧力減少を利用して次の水蒸気を吸い込む）。参考：月刊軍事研究1,’16

＜蒸気タービン＞：船体内の真水タンクからボイラー（缶）に真水を送り、ボイラー内で石炭や重油を燃焼させて真水を沸騰させ水蒸気とし、タービン（羽根車）に送って軸を駆動するエンジンのこと。水蒸気は羽根車に取り付けられた動翼にぶつかって回転力を発生させた後、後段にある静翼で流れを整えられ、更に後ろへと送られていく。エネルギー効率を高めるため、高圧・中圧・低圧など複数のタービン（高低２基なら２胴式または２気筒式、高中低３基なら３胴式または３気筒式と称する）を設けており、最終段を出た蒸気は復水器に送られて海水で冷却され、真水に戻されて真水タンクに送られる。この際、蒸気の圧力が急激に下がるので、最終段から排出された蒸気を復水器側に加速することになり、最終段タービンの効率が上がる。ただ全てを水に戻すと効率が悪いので、一部を給水加熱器に回して予熱し、缶に送っていた。主缶からの蒸気だけでなく、補機の排気を低圧タービンに送り込む機構を設けると、更なる出力強化が可能。全力運転では高圧タービン全段の排気を中圧・低圧に送るが、部分負荷では高圧タービンの初段のみを通過させた排気を中圧・低圧に送ったり、ノズル使用数を減らしたりして出力を調節する。西暦100年頃にエジプトのヘロンが水の入った金属球にＬ字のノズルを付け、加熱して蒸気をノズルから噴射させて金属球を回すという簡単な蒸気タービンを製作している。ただ実用として使えるほど出力を上げるには回転数を毎分１万回転以上に上げなければならず、音速を超える噴射蒸気の扱いにも難渋し、技術的に困難な時代が続いた。1884年にイギリスのチャールズ・パーソンズ、1888年にスウェーデンのド・ラ・ヴァル、1895年にアメリカのカーチスが実用的な蒸気タービンを次々と発明し、1897年にパーソンズ社は小型船タービニアに搭載してヴィクトリア女王即位60周年記念観艦式で35ノットを発揮、レシプロ蒸気機関よりも効率が高いために軍艦用エンジンとして広く使用されるようになった。1906年に登場した戦艦ドレッドノートも搭載して高速性能を発揮しており、隆盛に拍車を掛けている。第１次大戦のフォークランド島沖海戦とドッガー・バンク海戦では、イギリスの蒸気タービン装備巡洋戦艦がドイツのレシプロ蒸気機関装備装甲巡洋艦を捕捉して撃滅した。当初はタービン軸と駆動軸が直結していたため、タービンの最適効率回転数（毎分数千回転）で回すとプロペラ効率が悪く、逆にプロペラ効率の良い回転数で回すと燃費が悪くなるため、低速航行時にはボイラー出力を落としたり、専用の低速タービン（巡航タービン）を別に搭載したりしたが、後に減速ギアを繋ぐことによりタービンの回転数を落とさずに低速航行を行うことが可能となった。逆回転させるのが難しいので、当初は後進専用のタービンを積んでいたが、こちらも後進ギアの搭載で済むようになっている。比較的小さいスペースと重量で高出力（１基で20000馬力超）が得られる、蒸気供給量を増加させたり、途中段から蒸気を送ったりして定格出力の1.3-1.5倍にも達する過負荷全力出力を誇る、回転運動で出力を取り出すので信頼性と静粛性が高く振動・騒音が少ない、摩耗部分が両端軸受け部分だけなので整備が簡単、製造費が安い、低質なＣ重油（日本海軍名称第三種重油）も使えるという利点があるが、タービンに加えて缶室や缶水関連装置が要るので容積を喰う、蒸気を発生させるのに一手間かかるので起動や増速に時間がかかって即応性が無い、運転時にはタービンと缶室に要員を割り当てなければならず人手が掛かり自動化も難しい、自力で逆回転ができないので後進用に専用タービンまたはギアボックスが要る、ディーゼルより燃費が悪い（特に低速回転）、整備が面倒で運用費がかさむ、補機やバルブ機構などが複雑でボイラー送風機の騒音が大きい、被弾に弱いという欠点がある。また、缶が高圧になったり老朽化したりすると破裂する恐れがあり、危険。第２次大戦後、西側では艦船用燃料が軽油に切り替えられたため、ボイラーの火を落とした際に高温の軽油ガスがボイラー内に充満することが原因で、再着火時の爆発事故が発生するようになった。これらの短所からガスタービンなどに後を譲っており、21世紀に入ってからは化石燃料式蒸気タービン艦はほぼ作られていない（原子力蒸気タービンはまだ現役）。民間船でも蒸気タービンを積んでいるのは気化したガスをボイラー燃料に使えるLNG運搬船くらいである。参考：丸スペシャルNo.78、月刊丸11,’09、4,’17、歴史群像10,’06、月刊JWings2,’00、月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’02、10,’11、11,’11、1,’12、2,’15、12,'21、図解雑学　船のしくみ、グラフィックアクション44、図解船の科学、月刊軍事研究3,’16

　＜圧力複式衝動タービン＞：ノズルとタービンを交互に並べた蒸気タービン。ノズルを通過して膨張した蒸気により後ろのタービンを回転させ、タービンを通過した蒸気を再度ノズルに通して更に後ろのタービン（前段よりも蒸気圧力が落ちるので、後段ほどタービン翼面積を大きくする）で回転力を発生させる、というのを繰り返して効率を上げる。蒸気圧力が１段ごとに低下していくため、圧力複式と呼ばれる。ツェリー式とラトー式があるが、両者にさほどの違いは無い。参考：月刊世界の艦船11,’11

　＜圧力複式反動タービン＞：反動タービンを参照。

　＜オールギヤードタービン＞：オールギヤードタービンを参照。

　＜嵌脱式蒸気タービン＞：巡航タービンのみを使用する場合にはメインタービンとの接続を切り、巡航速力以上では接続するタイプ。手動式と自動式がある。参考：丸スペシャルNo.78

　＜ギヤードタービン＞：ギヤードタービンを参照。

　＜軸流タービン＞：蒸気がタービンの回転軸と平行に流れるタイプ。タービンの一端から蒸気が入って他端に抜ける単流式と、中央から入って両端に抜ける複流式（ダブルフロー、double flow）の２種がある。参考：月刊世界の艦船11,’11

　＜衝動タービン＞：インパルス・タービン。蒸気をノズルから高速で噴射し、それをタービンブレードに当てた衝動（衝撃力）で回転させるタイプ。蒸気がタービンブレードを通過する際に発生する揚力（反動力）を併用するものもあるが、その比率が50%未満なら衝動タービンに分類する（以上なら反動タービン）。タービンブレードは翼車に取り付けられている。高圧少量の蒸気を使用すると効率が良い。カーチス式、ツェリー式、ド・ラヴァル式、ラトー式などがある。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船1,’12、11,’11、月刊軍事研究1,’16

　＜シリーズ・パラレル式蒸気タービン＞：低出力運転時は蒸気を高圧・中圧・低圧の順にタービンに通し、高出力運転時には蒸気を分割して高圧と中圧に同時に送り込み、両方の排気を纏めて低圧に導くタイプ。巡航タービンが不要で、構造が単純になり、効率も良い。参考：丸スペシャルNo.78

　＜双流式蒸気タービン＞：低圧タービン最終段の動翼が長くなりすぎるのを防ぐため、蒸気の流れを二手に分けたもの。参考：月刊丸11,’09

　＜ダブルフロー・タービン＞：軸流タービンを参照。

　＜単式蒸気タービン＞：タービンを１基のみ設けたタイプ。段数を多くして蒸気エネルギーを吸収しきるように工夫するが、後段に行くほど圧力が下がって体積が増えた水蒸気を流すためタービン直径を大きくする必要があり、長さも幅もタービン遠心力も大きくなりすぎるため、素直に複式にした方が楽。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜単列蒸気タービン＞：動翼と静翼を１組配置したもの。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜タンデム式蒸気タービン＞：各圧タービンが同軸上に並んでいるもの。参考：月刊世界の艦船11,’11

　＜直結式蒸気タービン＞：タービン出力軸により直接プロペラを回すタイプ。プロペラ効率の良い低回転を出すために多段式パーソンズ・タービンや大型衝動タービンを使用しており、重量がかさむ、加減速に時間が掛かる、低速回転時のエネルギー効率が悪いといった欠点があった。参考：月刊世界の艦船11,’11、丸スペシャルNo.78

　＜低圧タービン＞：複式タービンを構成するタービンのうち、排気が復水器もしくは大気に送られるタービンのこと。参考：月刊丸11,’09

　＜パラレル式蒸気タービン＞：各圧のタービンを左右に並列したタイプ。タンデム式よりも機関室スペースを有効に使える。参考：月刊世界の艦船11,’11

　＜半径流タービン＞：蒸気がタービン回転軸に対して垂直に流れるタイプ。参考：月刊世界の艦船11,’11

　＜反動タービン＞：リアクション・タービン。タービンブレード断面を主翼のような形状にし、吹き付けた蒸気がタービンブレードを通過する際に揚力（反動力）が生じるようにしたタイプ。タービンブレードに蒸気が吹き付けられた際に衝動力も発生するが、両者を併せた作動力のうち反動力の比率が50%以上のものをこう呼ぶ（未満なら衝動タービン）。回転軸にタービンブレードが直接取り付けられており、通常は多段数で構成されていて、１段通過するごとに蒸気圧力が低下するので圧力複式反動タービンとも呼ばれる。圧力を一定以下に下げてやる必要があり、高圧蒸気では無駄が生じるため、低圧多量の蒸気に向いている。衝動力と反動力の両方で回転力を生み出すので効率が良いが、減速歯車が開発されるまでは高出力と高効率プロペラ回転数をマッチングさせるために段数を増やす必要があり、頻繁な加減速には向かず、軍用としてはあまり使用されなくなった。パーソンズ式などがある。参考：月刊世界の艦船11,’11、1,’12、月刊丸11,’09、月刊軍事研究1,’16

　＜複式蒸気タービン＞：タービンを流す蒸気圧によって2-3基に分け、順番に蒸気を流して効率良くエネルギーを取り出すタイプ。高圧タービンと低圧タービンからなる二段膨張式、高圧・中圧・低圧からなる三段膨張式がある。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜複列蒸気タービン＞：静翼と動翼を２組以上配置したもの。参考：月刊軍事研究1,’16

＜常規導弾＞：通常弾頭ミサイルを表す中国語。参考：月刊軍事研究12,’09

＜小キノコ＞：CH-91（無人機）を参照。

＜商級＞：093型（潜水艦）を参照。

＜商丘＞：618（コルベット）を参照。

＜上級海曹＞：海曹のうち、海曹長や古参一等海曹を指す。普段は先任海曹室に詰めて艦内生活を取り仕切り、職務にあたっては各科の長を務める。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜上級海曹特技課程＞：上級海曹に必要なリーダーシップなどを教育するもので、海曹上級課程として各術科学校で行われる。他職域の研修を行うこともある。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜上級格闘指導官＞：陸上自衛隊の格闘指導官。体育学校で上級格闘指導官課程を修了すると任命され、部隊格闘指導官の養成にあたる。参考：MAMOR vol.150

＜上級空曹課程＞：航空自衛隊の教育で、一等空曹に昇任した航空自衛官が受講する。第２教育群で行う。2003年7月に開始された。参考：防府南基地ホームページ、MAMOR vol.116、月刊JWings9,’16

＜上級軍事大学＞：Senior Military Collage。アメリカの士官養成大学で、南カロライナ軍事大学、ヴァージニア軍事大学、テキサスA&M大学など６校ある。民間大学ではあるが、学生は候補生団を編成し、制服は軍服で、軍事教練を受け、卒業すると士官として軍に入る。参考：月刊軍事研究3,’16

＜上級スキー指導官＞：陸上自衛隊の役職。スキー技術だけでなく、有事や災害時において、積雪地に関する専門知識を部隊指揮官や幕僚などに助言し、部隊の円滑な行動を促進することが求められる。参考：朝雲

＜上級曹長＞：陸上自衛隊の制度で、空自の准曹士先任制度や海自の先任伍長制度を参考に、2006年度から２年間にわたり陸幕と中部方面隊、2008年4月から３年間にわたり全部隊で試行された。大隊・連隊以上の部隊に最先任上級曹長、中隊に先任上級曹長（以前は隊付准尉と称した）を配置し、指揮官の補佐体制を強化するものである。参考：朝雲

＜昭久丸＞：日本陸軍輸送船Shokyu maru。大元はグラスゴーのウィリアム・バレル＆サン社所属ストラスディーで、明治40年4月12日に進水し、大正5年にオーストラリア政府に売却されオーストラルレンジとなり、大正13年に佐藤商会が購入して石狩丸に改称、昭和6年に昭榮汽船が購入して昭久丸となり、昭和7年に東和汽船に移籍、太平洋戦争直前に日本陸軍が徴用した。垂線間長114.6m、幅15.94m、深さ7.74m、満載吃水6.997m、総トン数4486トン、重量トン数7250トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2100馬力、航海速力10ノット、最大速力12ノット。昭和17年2月21日、基�驍ｩら内地に向かっていたところ、済州島南116kmでSS-201トライトンの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’20

＜状況＞：訓練や演習で行われる仮想シナリオのこと。始まる時は状況開始、終わる時は状況終了という。参考：MAMOR vol.136

＜状況図＞：指揮官や幕僚が戦況を把握するために使用する図で、一枚の地図上に敵味方の情報（5W1H）を記したものである。参考：月刊軍事研究1,’08

＜状況伝達位置確認装置＞：自衛隊の機器。NTTドコモ製。参考：月刊軍事研究9,’09

＜状況認識用データリンク＞：SADLを参照。

＜小空気圧縮機＞：日本陸軍のガレリー空気圧縮機で、一〇〇式火焔発射器の噴射ボンベに圧縮空気を充填するため使用される。動力は単気筒２サイクル空冷ガソリンエンジンで、４立方メートルの空気を１分以内で25気圧に圧縮できる。重量40kg。輜重用十五年式駄馬具に載せることが可能。参考：日本陸軍兵器資料集、工兵入門

＜照空燈＞：日本陸軍のサーチライトで、照光距離8000m。九四式六輪牽引車に搭載して移動でき、発電機や通信車両と共に運用される。参考：機械化部隊の主力戦車

＜省軍区＞：中国の軍組織で、各省及び北京市（衛戍区）、上海・天津・重慶直轄市（警備区）に置かれている。徴兵、後備役訓練、戦時動員などを主任務とする。司令部、政治部、后勤部からなる。参考：月刊軍事研究5,’07

＜上下２連式散弾銃＞：散弾銃を参照。

＜衝撃＞：敵艦に自艦を体当たりさせる攻撃のことで、ラミング・ダウン戦法ともいう。蒸気機関の発達で安定した速力を出せるようになったため、艦首水線下の衝角を敵艦にぶつけることにより、敵艦水線下に大穴を開けるのが有効な戦術と考えられ、衝撃専用の艦艇も作られた。日清戦争の黄海海戦などで、接近戦を挑むと速射砲で孔だらけにされることが判明し、廃れた。潜水艦に対する戦術として一時的に復活し、第２次大戦後も暫く使用されていたが、対潜兵装の発達で再び廃れている。参考：月刊世界の艦船8,’16、月刊軍事研究9,’15、続日本海軍よもやま物語

＜衝撃失速＞：Shock stall。衝撃波により主翼表面の気流が剥がれて失速に陥ること。遷音速から超音速に加速していくと、臨界マッハ数を超えたあたりで、翼上面に超音速と亜音速の部分が混在するようになり、その境界面では強い直角衝撃波が生じる。衝撃波の下流では境界層が剥離して渦流が発生し、造波抵抗も加わって揚力が減少、風圧中心も大きく移動して低速での失速と似たような状況となる。参考：航空用語事典増補改訂版、戦闘機のしくみ

＜衝撃と畏怖＞：ショック・アンド・オウを参照。

＜衝撃波＞：Shock wave、Sonic Boom。圧力変化が衝撃的に伝達する現象のこと。爆轟によって生じる進行衝撃波と、超音速流の中にある物体の周囲で起こる圧力や密度の変化が１つの波面に集中して形成される停止衝撃波がある。物体の速度が音速に近づくと、物体に衝突した空気の分子が圧縮されて高温高圧となり、音速を超えるとこれが不連続面となって衝撃波を形成する。衝撃波は高いエネルギーを持っており、衝撃波の前後では気流の速度、圧力、密度、温度が急激に変化する。衝撃波のエネルギーは物体が大きく、速くなると大きくなり、物体から離れると弱まる。銃弾なら命中した人体に広範な組織障害を与え、航空機だとプロペラや機体を損傷させるのみならず離れた位置にある地上建造物の窓ガラスも粉砕し、隕石だと遥か上空を通っただけでチェリャビンスク州周辺の4500棟の建物を破壊したりする。翼に対する対気速度がマッハ0.7になるあたりで上面の気流の一部が音速に達し、それを超えると上面に直角衝撃波が生じて後方の気流が剥離、造波抵抗が急増し始める。更にマッハ0.8程度の遷音速になると、下面にも直角衝撃波が生じて激しいバフェットが起こり、造波抵抗が最大となる。マッハ0.95前後では主翼上下ともほぼ超音速流域に包まれ、マッハ１を超えると主翼前後縁から衝撃波を曳くことになる。参考：世界の傑作機No.120、飛行機のしくみ、戦闘機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、GUN用語事典、月刊JWings10,’09別冊付録、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜衝撃量＞：爆風の時間・圧力曲線の中で、圧力が正の部分の面積を指す。尖頭圧力の半分×正の相の持続時間で近似される。圧力が負の部分は値が小さいので、無視することが多い。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜松原＞：600（コルベット）を参照。

＜象限儀＞：Quadrant。火器などに射角を与えるため、また照準終了後に砲の射角を測定するために使用される。扇形のフレームに支腕と水準器指示台が付いている。支腕を動かして射角目盛りに象限儀をセットし、水準器が水平になるまで火器に射角をかけていけばいい。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜小玄翁＞：日本陸軍の木工器材。参考：工兵入門

＜翔子＞：埼玉地本のマスコットキャラ、空自版。真面目で仕事熱心な陸上自衛官という設定で、陸自版の大地、海自版の海斗と共に2017年に制定された。参考：朝雲

＜紹興＞：134（ミサイル駆逐艦）または510（フリゲート）を参照。

＜湘江＞：611（哨戒艇）を参照。

＜昌江＞：615（哨戒艇）を参照。

＜将校＞：自衛隊では幹部という。参考：MAMOR vol.86

　＜将校（日本海軍）＞：艦船・航空機・兵器を直接使用整備する兵の指揮に当たる士官のことで、兵科所属（つまり海軍兵学校卒）の少尉、中尉、大尉、少佐、中佐、大佐、少将、中将、大将を指す。兵科以外の機関科などでは将校相当官と呼ばれ、機関大監（大佐相当）、大機関士（大尉相当）などと異なる名称が付いており、指揮権は無かった。懲戒免職を受けない限り、退役後も退役時の階級での扱いを受けることができる。明治39年1月、機関科将校相当官の呼称改正が行われ、兵科と同じ呼称の上に機関を付けて呼ばれるようになった（機関大佐）が、相変わらず将校相当官のままだった。大正4年12月、機関科将校相当官が機関将校に改称され、兵科将校が全滅した時に限って指揮権を持てるようになった。大正8年9月、機関将校が機関科将校に改称された。大正13年12月、機関将校は機関を付けず、単に少将などと呼ばれるようになったが、大佐以下は相変わらず機関を付けたままで、指揮権の序列も最後尾だった。昭和17年11月1日と昭和19年2月の軍令承行令改訂で、兵科将校と機関科将校の区別が廃止され、階級と指揮権序列が統一されたが、それまで艦の指揮に関する教育を受けていない機関科将校が、不測の事態とはいえ、いきなり指揮を執るのは無理があるので、駆逐艦以上の大型艦や潜水艦の指揮権は以前のままとする除外規定を設け、海防艦、輸送艦、水雷艇、掃海艇などに限って序列を統一している。兵科・機関科以外の士官は終戦まで将校相当官だった。参考：戦時用語の基礎知識、月刊丸5,’13、月刊世界の艦船9,’13増刊

　＜将校（日本陸軍）＞：少尉、中尉、大尉、少佐、中佐、大佐、少将、中将、大将。兵科所属の将校は兵科将校と呼ばれ、将官以外の兵科将校は各兵科の呼称を付けて呼称された（陸軍工兵大佐）が、昭和15年9月から憲兵以外は兵科呼称を付けないことになった。兵科以外の将校は将校相当官だったが、後に（軍医将校は昭和12年）各部将校へと改称された。ただし兵科将校と各部将校に対する敬礼に差があり、兵科将校に対しては部隊全員に頭右の号令が掛かるが、各部将校に対しては指揮官だけの敬礼で、公平になったのは終戦間際の昭和20年である。参考：戦時用語の基礎知識、軍医サンよもやま物語

＜上構＞：上部構造物の略。

＜昇降計＞：Rate of climb indicator。垂直速度計（Vertical speed indicator）ともいう。静圧変化を測定して昇降率・垂直速度を示す基本計器である。一般的に、９時の位置にゼロがあり、目盛りは毎分100フィート（30.5m）単位で、時計回りに上昇・反時計回りに下降を示す。参考：航空用語事典増補改訂版

＜小口径＞：概ね7.62mm未満の口径を指す。参考：兵器最先端５

＜小口径ライフル＞：.22口径のリム・ファイア・ライフルのこと。参考：GUN用語事典

＜捷号作戦＞：太平洋戦争中の昭和19年7月24日に大本営が策定した、陸海軍爾後の作戦指導大綱の末尾に記載された作戦名。サイパンが占領されたことにより、ニューギニア方面から日本に迫るマッカーサーの南西太平洋方面連合軍に加え、ニミッツ率いる太平洋方面連合軍もマリアナ諸島から日本を攻撃することが可能となったため、日本本土、南西諸島、台湾、フィリピンを結ぶ広範囲を対象とし、あ号作戦で機動部隊が消滅したため艦隊決戦ではなく陸上の航空部隊や地上戦力を主体に、アメリカ軍に対して決戦を仕掛け、戦術的勝利を収めたところで講和に持ち込む作戦で、陸海軍が初めて中央で協同策定した作戦計画である（それまでは中央での協議に基づき陸海軍別で策定していた）。同日、捷号航空作戦に関する陸海軍中央協定も結ばれた。作戦区分はフィリピン方面の捷一号、九州南部・南西諸島・台湾方面の捷二号、本州・四国・九州・小笠原諸島方面の捷三号、北海道方面の捷四号である。海軍は機動部隊の第３艦隊で敵艦隊を引きつけ、その隙に戦艦部隊の第１遊撃部隊（第２艦隊）で泊地攻撃をかける計画とした。第３艦隊の待機位置は瀬戸内海だが、燃料事情で第２艦隊をリンガ泊地に置かざるを得ず、捷一号はブルネイで燃料補給した後でも作戦に間に合うが、捷二号だと困難で、捷三号は瀬戸内海で燃料補給する予定にしたが燃料確保の目処が立たず、捷四号ではフィリピン中北部に進出待機するとされて泊地攻撃の企図すら削除されてしまった。第３艦隊の具体的作戦方針も、捷一号・二号では第２艦隊に呼応しての敵艦隊牽制になっているが、捷三号は基地航空隊に呼応しての敵艦隊牽制とされ、捷四号では自ら主力を務めることになっていて、海軍の思惑通りの洋上作戦が出来るのは実質的に捷一号だけだった。航空部隊は陸海軍で統合運用する予定だったが、どちらがどちらの指揮を受けるかで揉め、結局作戦区分別にすることとし、捷一号では陸海軍協同だが洋上作戦では第１航空艦隊が第４航空軍を指揮し陸上作戦では第４航空軍が第１航空艦隊を指揮、捷二号では第２航空艦隊が第８飛行師団を指揮、捷三号では陸海軍協同（第10飛行師団、第11飛行師団、第12飛行師団、第３航空艦隊、第３艦隊所属航空部隊、教導航空部隊）、捷四号では第12航空艦隊が第１飛行師団を指揮し北海道と千島の直接防衛では第１飛行師団が第12航空艦隊を指揮することにした。撃滅すべき目標も、直接機動部隊は叩かず上陸部隊の輸送船団を全力で攻撃するという陸軍と、機動部隊を撃破して侵攻企図を破砕するという海軍で揉めたため、機動部隊を海軍、上陸部隊を陸軍で攻撃する計画としている。有力なアメリカ軍部隊に対抗するため、悪天候や夜間にまずＴ攻撃部隊（海軍第762航空隊、陸軍飛行第７・第98戦隊）が空襲をかけて艦隊攻撃の突破口を開く方針も決定した。決戦になるまでは部隊を極力温存するが、機動部隊を壊滅させる機会があれば利用するとしている。作戦準備は捷一号・二号を8月末、三号・四号を10月末までに終了させる。大本営で作戦方面が決定されれば、海軍では連合艦隊司令長官が捷○号作戦警戒または捷○号作戦発動を下命する。もし基地航空隊で敵機動部隊を撃滅するチャンスがあれば、連合艦隊司令長官が大本営の決定を待たず単独で基地航空隊に対して基地航空部隊捷○号警戒または基地航空部隊捷○号発動を命じる。日本海軍では大本営で正式に発令される前の7月21日に大海指第431号として嶋田繁太郎軍令部総長が連合艦隊の準拠すべき当面の作戦方針を発出しており、現態勢を保持活用して敵を漸減しつつ機会を見て敵艦隊と敵侵攻兵力の撃滅を図り、陸軍と協同して国防要域を確保し、日本と南方資源要域間の海上交通を確保することを方針に定めた。作戦要領は、機動部隊壊滅を受けて今後は基地航空隊を主力として敵艦隊や敵侵攻艦隊を撃滅する。機動部隊など海上部隊は大部分を南西方面、一部を本土に配し、随時機動作戦を行い、基地航空隊に策応して敵艦隊や敵侵攻艦隊の撃滅を図る。潜水部隊は要撃作戦及び奇襲作戦を行い、一部は偵察、敵補給路遮断、味方基地への輸送に使用する。特殊奇襲兵器による各種奇襲作戦も実施するといったものである。その後7月26日の大海指第435号でこの決戦構想を捷号作戦と称することにした。日本陸軍では大本営正式発令当日の7月24日に大陸命1081号として参謀総長から発令、同日に大陸指2089号として作戦準備要項を指示している。7月24-27日、大本営海軍部が硫黄島・沖縄へのアメリカ軍侵攻を想定した図上演習を実施。航空決戦では基地航空隊1000機でアメリカ空母8-10隻を撃沈破する予定にしていた（ただし基地航空隊も700機以上喪失予定）。終了後、実際にはフィリピンに侵攻する可能性が高いとして、パラオ放棄とフィリピン南部にアメリカ軍が上陸した際の洋上決戦計画を研究した。また、決戦時の戦力集中運用に備え、鎮守府と海上護衛総司令部を連合艦隊司令長官の隷下に置くことにした。海上護衛総司令部作戦参謀大井篤大佐は、水上決戦では勝てそうにないので水上部隊は資源輸送船団護衛に回すべき、と意見具申したが、軍令部は決戦の方針を変えなかった。7月26日、日本海軍が大海指435号で捷号作戦と正式に命名した。8月4日、大本営海軍部が捷号作戦要領として発令。連合艦隊も大海指435号に基づき連合艦隊捷号作戦要領を発したが、航空戦力に水上部隊を加えた洋上決戦を重視する内容となっていた。連合艦隊は続いて基地航空隊に捷号作戦航空戦準則、艦隊に機動部隊捷号作戦要領を下令。どちらも敵上陸部隊を主目標に据えていたが、実際には敵機動部隊撃滅の方針で作戦準備が進められている。8月6-9日、陸軍南方軍が兵棋演習を実施。アメリカ軍がレイテに上陸するとし、レイテ島で航空決戦をかけた後にルソン島で地上決戦を仕掛ける方針としたが、第14方面軍はレイテを完全放棄してのルソン航空・地上決戦を主張、その後もすれ違いが続いて埒が明かないので9月26日に第14方面軍司令官を黒田重徳中将から山下奉文中将に替えた。日本海軍は捷一号作戦発動に備え、第１航空艦隊を台湾に配置、第２航空艦隊も展開準備に入っていたが、9月9日のアメリカ第38任務部隊によるミンダナオ島航空攻撃を受けて第１航空艦隊の一部を更にセブ島に前進させたため、9月13日にセブやパゴロドなどを第38任務部隊が空襲した際に大損害を受けてしまった。9月15日、アメリカ軍がペリリュー島に上陸し、アメリカの次の目標がフィリピンであることがほぼ確定。10月10日、第38任務部隊が沖縄・奄美大島。宮古島の航空基地を空襲。これを受け、10月11日に連合艦隊司令部が基地航空隊捷一号及び捷二号作戦を発動。10月12日に台湾沖航空戦が開始され、第１・第２航空艦隊の実動機数は航空戦前の25%を割り込んだ。10月17日、アメリカ軍がフィリピン中部スルアン島に上陸し、連合艦隊が捷一号作戦警戒、南西方面艦隊が捷一号作戦用意を下命し、10月18日に大海指476号及び大陸命1153号で捷一号作戦を発動した。参考：比島決戦、激闘太平洋戦記、激闘！太平洋戦争地上戦、歴史群像4,’16、月刊世界の艦船4,’17、月刊丸8,’11、12,’90

＜昇降舵＞：エレベータを参照。

＜彰古館＞：陸上自衛隊三宿駐屯地にある医学情報史料館。1956年に設置された陸上自衛隊衛生学校教育部参考品展示室が大元で、陸軍軍医学校が山形に疎開した際、爆撃を受けた軍用列車内にあって奇跡的に全て焼け残った資料が保存されている。具体的には、西南戦争での戦傷記録、征露丸の実物や乃木大将発明の義手（世界初の作業用能動義手）、世界初・日本最古の臨床用レントゲン装置、児玉大将らのレントゲン写真といった医学資料から、衛生兵の携帯する医療用具、各種文献資料、カレーやハンバーグのレシピに至るまで多岐にわたる。衛生学校建て替えに伴い移転が決定したが、2009年度の事業仕分けで予算がカットされてしまい、貴重な資料が喪失の危機に瀕していた。それでも2010年3月に移転を完了し、7月28日から開館している。所在地は東京都世田谷区池尻1-2-24。東京急行電鉄池尻大橋駅から徒歩15分。開館日は平日0900-1600で、２週間前までに予約が必要。参考：歴史群像10,’10、月刊軍事研究4,’10、MAMOR vol.114、vol.91

＜尚古館＞：金沢駐屯地にある史料館。日本陸軍から陸上自衛隊までの各種資料を展示している。駐屯地開放時または事前予約で見学可能。所在地は石川県金沢市野田町１番８号。JR金沢駅からバス「金大附属学校自衛隊前」下車。開館時間は0900-1600。休日は土日祝日、年末年始、夏季休暇。参考：MAMOR vol.42、vol.91

＜松根油＞：松の根株を乾溜して得られる油で、精製するとパフォーマンス価150超のハイオク油ができるため、昭和9年から農水省が生産を奨励したが、労力の割りに得られる量が少ない（戦闘機を１時間飛ばすのに松根200本分が要る）ため、あまり開発は進まなかった。太平洋戦争で南方からの石油はおろか台湾からのエタノールも輸送できなくなり燃料不足が深刻になった昭和19年からは日本全国で松根発掘が強制されるようになり、昭和20年度の燃料生産努力目標によれば、「簡易低温乾留製品」という名称で30万キロリットルの生産が見込まれていた。太平洋戦争中に84万トンの松根が掘り出され、257000バレル（41120キロリットル）の松根粗油が生産されたとみられるが、四日市と徳山の精製工場に運搬されて製品になったのは数百キロリットル程度で、しかも品質が不十分でガソリンと混ぜても使えないため、ジェット燃料に回す予定とされ、実際には全く使用されなかった。アメリカ戦略爆撃調査団の報告では、不足している労働力と装置を更に消費させただけだったとしている。また、松の大量伐採によって山が荒れ、昭和20年9月17-18日の枕崎台風で土砂崩れが多発、大きな被害をもたらした。参考：戦時用語の基礎知識、月刊軍事研究12,’07、2,’08、月刊丸3,’18別冊

＜城塞作戦＞：ツィタデレ作戦を参照。

＜焦作＞：163（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜賞詞＞：自衛隊員が功績に応じて授与される表彰で、特別賞詞、第１−第５級賞詞がある。防衛功労賞も授与され、更に表彰権者は賞詞に沿えて一定額までの賞金その他副賞を授与することができる。参考：MAMOR vol.156、vol.70、朝雲

　＜特別賞詞＞：表彰権者は内閣総理大臣。2019年現在、授与された者はいない。参考：MAMOR vol.156

　＜第１級賞詞＞：防衛出動や治安出動に参加して隊員の模範と認められる顕著な功績があった者、国民保護等派遣、海上警備行動、海賊対処行動、地震防災派遣、原子力災害派遣、対領空侵犯措置による行動に関し危難を顧みず率先挺進して隊員の模範と認められる顕著な功績があった者、技術上推賞に値する発明考案をした者、職務の遂行に当たり推賞に値する顕著な功績があった者、PKO協力法第27条第１項の規定により派遣された自衛官で、国連業務遂行に当たり推賞に値する顕著な功績があった者、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律第２条第１項の規定により派遣された者であって、派遣先機関の業務遂行に当たり、推賞に値する顕著な功績があった者に授与される。表彰権者は防衛大臣。副賞の額は７万円まで。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

　＜第２級賞詞＞：防衛出動や治安出動に参加して隊員の模範と認められる功績があった者、国民保護等派遣、海上警備行動、海賊対処行動、地震防災派遣、原子力災害派遣、対領空侵犯措置による行動に関し危難を顧みず率先挺進して隊員の模範と認められる功績があった者、技術上特に優秀な発明考案をした者、職務の遂行に当たり推賞に値する功績があった者、PKO協力法第27条第１項の規定により派遣された自衛官で、国連業務遂行に当たり推賞に値する功績があった者、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律第２条第１項の規定により派遣された者であって、派遣先機関の業務遂行に当たり、推賞に値する功績があった者に授与される。表彰権者は幕僚長など。副賞の額は２万円まで。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

　＜第３級賞詞＞：職務の遂行に当たり特に著しい功績があった者、技術上優秀な発明考案をした者、PKO協力法第27条第１項の規定により派遣された自衛官で、国連業務遂行に当たり特に著しい功績があった者、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律第２条第１項の規定により派遣された者であって、派遣先機関の業務遂行に当たり特に著しい功績があった者に授与される。隊員募集に関する縁故表彰基準では、単年度５名または２年連続４名または３年連続３名または累積15名入隊で授与される。表彰権者は司令官や学校長など。副賞の額は１万円まで。参考：表彰等に関する訓令、朝雲、MAMOR vol.156

　＜第４級賞詞＞：職務の遂行に当たり著しい功績があった者、技術上優れた発明考案をした者、PKO協力法第27条第１項の規定により派遣された自衛官で、国連業務遂行に当たり著しい功績があった者、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律第２条第１項の規定により派遣された者であって、派遣先機関の業務遂行に当たり著しい功績があった者に授与される。隊員募集に関する縁故表彰基準では、単年度３名または２年連続２名または累積10名入隊で授与される。表彰権者は連隊長や護衛隊司令など。副賞の額は5000円まで。参考：表彰等に関する訓令、朝雲、MAMOR vol.156

　＜第５級賞詞＞：職務の遂行に当たり功績があった者、技術上発明考案をした者、PKO協力法第27条第１項の規定により派遣された自衛官で、国連業務遂行に当たり功績があった者、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律第２条第１項の規定により派遣された者であって、派遣先機関の業務遂行に当たり功績があった者に授与される。隊員募集に関する縁故表彰基準では、単年度１名入隊（平成26年度採用分までは単年度２名）で授与される。表彰権者は中隊長や艦長など。副賞の額は2000円まで。参考：表彰等に関する訓令、朝雲、MAMOR vol.156

＜消磁コイル＞：消磁装置を参照。

＜常時航空糧食＞：航空糧食または航空増加食を参照。

＜消磁所＞：船体が帯びた磁気を消磁処理（Deperming）により消去するための施設。艦艇は建造に数年かかり、その間基本的に一定方向を向いたままなので、地磁気により船体が磁気を帯びる。また、竣工後も地磁気や摩擦で新たな磁気を帯びていき、磁気機雷などに反応しやすくなってしまうため、ここで消磁を行う必要がある。これで処理しきれない磁気は消磁装置で消す。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、10,’17

＜常時増加食＞：航空糧食を参照。

＜消磁装置＞：消磁コイル（Degaussing coil）ともいう。船体に装着したコイル（電線）に電流を通して誘導磁場を発生させ、船体の磁気を打ち消す装置のこと。垂直に設置して左右方向の磁気を打ち消すＡコイル（Athwartship coil）、垂直に設置して前後方向の磁気を打ち消すＬコイル（Longitudinal coil）、水平に設置して上下方向の磁気を打ち消すＭコイル（Main coil）がある。どれくらいの電流を流すかは定期的にキャリブレーションを行って決める。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、10,’17

＜廠舎＞：日本陸軍の施設で、演習場に隣接して建設されており、演習時の宿泊施設として使用する。参考：写真で見る日本陸軍兵営の食事

＜照尺＞：距離目盛りまたは角度目盛りが刻んであり、照門の付いた遊標を垂直に移動させるか弧状の板上を移動させたりして正確な照準を行える器具。遠距離用で、近距離では倒して通常のオープンサイトとして使用する。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜照射指揮所＞：110cm探照灯の照射方向指示に使用する90cm指導灯の指揮を行う場所。参考：図解日本の戦艦

＜小銃手用突撃火器＞：RAWを参照。

＜召集（日本軍）＞：帰休兵、予備兵、後備兵、補充兵、国民兵として在郷にある人員を、兵務に就かせるために軍隊に招致すること。昭和12年以降の召集総数は陸軍590万名、海軍48万名（防衛召集除く）。参考：帝国陸海軍事典

　＜演習召集＞：陸軍が、勤務演習のために在郷軍人を召集すること。または、海軍が、鎮守府司令長官の命に基づいて演習のために在郷軍人を召集すること。白色の令状を発行する。参考：戦時用語の基礎知識

　＜帰休兵召集＞：必要に応じて帰休兵を召集すること。参考：帝国陸海軍事典

　＜勤務召集＞：海軍が、高等商船学校卒業直後の者に初級士官教育を実施するために行う召集のこと。白色の令状を発行する。参考：戦時用語の基礎知識

　＜教育召集＞：陸軍が、教育のため第１補充兵を召集すること。白色の令状を発行する。期間は兵役法では120日以内と規定されているが、実際は90日以内で実施されており、成績優秀者は75日で終了することができた。参考：帝国陸海軍事典、戦時用語の基礎知識

　＜国民兵召集＞：陸軍が、国民兵動員令により、戦時や事変に際して国民兵の動員をかけるために行う召集のこと。淡紅色の令状を発行する。昭和16年11月15日以降は充員・臨時召集に含まれることとなった。参考：戦時用語の基礎知識

　＜充員召集＞：陸軍が、動員計画に基づく動員令により、在郷軍人を動員して諸部隊の要員を充足するためにかける召集のこと。淡紅色の令状を発行する。または、海軍が、充員令に基づき、戦時・事変に伴い在郷軍人を召集すること。紅色の令状を発行する。太平洋戦争では第１・第２国民兵が対象になり、昭和18年には上限年齢が40歳から45歳に引き上げられ、昭和19年には17歳以上の男子は全て召集の対象になった。召集の解除は動員令によって行うが、必要に応じて動員令によらず行うこともできた。参考：戦時用語の基礎知識、帝国陸海軍事典

＜懲罰召集＞：官憲の意に沿わない者に充員・臨時召集をかけ、第一線に送り込むこと。太平洋戦争では72名がこれを喰らった。太平洋戦争末期には軍に志願しない医師に対して召集令状を送りつける措置が執られ、これも通称で懲罰召集と呼ばれた。これを喰らった医師は、一兵卒として前線に放り込まれるよりも、軍医予備員を志願して軍医になる道を選んでいる。参考：戦時用語の基礎知識、軍医サンよもやま物語

　＜防衛召集＞：陸軍が、防衛上の必要に応じて在郷軍人と国民兵役下士官兵を召集することで、防空召集と警備召集の２種があり、昭和17年9月26日に制定された。または、海軍が、防衛上の必要に応じて海軍在郷軍人を召集することで、警備召集と特別召集があり、昭和19年4月21日に制定された。両者とも、まず待命令状（淡青色）が公布された後に召集令状（淡紅色）が発行される。参考：戦時用語の基礎知識

　＜補欠召集＞：陸軍が、在営兵を補充するために帰休兵を召集すること。または、海軍が、臨時兵員補欠などのために帰休兵または服役１年目の予備役下士官兵を召集すること。白色の令状を発行する。参考：戦時用語の基礎知識

　＜臨時演習召集＞：充員召集の演習のために実施する演習召集のこと。参考：帝国陸海軍事典

　＜臨時召集＞：陸軍が、戦時・事変に対応するため臨時動員令もしくは陸軍大臣の命令で在郷軍人を召集するもの。または、警備などに対応するため、帰休兵や服役１年目の予備兵を召集するもの。充員召集後に欠員が生じた場合には、師団長がこれを行うことができる。淡紅色の令状を発行する。関特演ではこれで動員を行っている。参考：戦時用語の基礎知識、帝国陸海軍事典

＜場周経路＞：Traffic pattern。飛行場に着陸してくる航空機の交通整理のため、滑走路周辺に設定された周回飛行経路で、通常は左旋回する。着陸滑走路に平行で着陸方向に設定されたアップウインド・レグ（Upwind leg）、着陸滑走路に垂直で離陸側に設定されたクロスウインド・レグ（Crosswind leg）、着陸滑走路に平行で着陸方向とは逆方向に設定されたダウンウインド・レグ（Downwind leg）、着陸滑走路に垂直で進入側にありダウンウインド・レグから滑走路中心線の延長上まで設定されたベース・レグ（Base leg）、滑走路中心線の延長上でベース・レグから滑走路まで着陸方向に設定されたファイナル・アプローチ（Final approach）を順に辿っていく。参考：航空用語事典増補改訂版

＜漳州基地＞：中国軍航空基地。2300m滑走路、耐爆シェルター22基、掩体23基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜小銃＞：ライフル銃を参照。

　＜小銃（自衛隊）＞：人を殺せる武器であり、日本が侵略を受けた際、国、国民、仲間、自分を守るための武器でもある。参考：朝雲

＜常州＞：549（フリゲート）を参照。

＜小銃小隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の小隊。普通科中隊１個あたり４個が編成されている。小隊長は2-3等陸尉、班長は2-3等陸曹である。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜小銃小隊（陸上自衛隊、１９８０年代半ば）＞：小隊本部（84mm無反動砲２門）、小銃班３個からなる。小銃班は11名で、7.62mm機関銃１丁と64式小銃10丁が配備されている。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、兵器最先端５

＜小銃てき弾＞：小銃で発射するてき弾のこと。手で投げるよりも射程が遥かに長い。小銃と同じく肩付けで発射したり、地面にストックを置いて射撃したりする。1905年にベルギー人のピーダスンが特許を取ったが、実用化には至らなかった。1908年、イギリス人のマーチン・ヘイルが、真鍮の筒に113gのトナイト火薬（綿火薬と硝酸塩の混合物）を入れ、尾部に銃口挿入用の棒を付け、空包で発射するタイプを開発した。射程は300mあり、スペイン政府が採用して1909-10年に実戦使用した。第１次大戦ではイギリスでＪ型やNo.22といった挿入棒付き小銃てき弾が開発されたが、発射ガスによる高圧を受けとめる銃身や反動を支える銃床への負担が大きく、使用しているうちに銃身が膨らんだり、銃床が裂けたりした。そこで17世紀に開発されていたティンカーの迫撃砲をベースに、小銃先端にコップ型発射機を取り付けててき弾を発射するビビアン・ベシェールてき弾が開発された。最初はてき弾中央に穴を開け、ここを弾丸が通過すると撃発装置が作動して発射されるタイプだったが、起爆薬を中央に置けないので炸裂効率が悪い、弾丸が遙か遠くに着弾するので訓練場を広くしなければならないなどの欠点があり、空包の発射ガスで射出するタイプが開発された。ランチャー内部には銃の口径より小さな穴が開いており、空包の発射ガスを高圧にしててき弾を射出する。そのため、肩付けで射撃すると鎖骨や肋骨が折れるという欠点があり、地面に置いて射撃しなければならず、命中精度が悪かった。ガス圧作動式自動小銃が登場すると、発射ガスを高圧にするタイプではガスピストンなどが損傷する恐れがあるため、ガスを減圧するシステムを組み込むようになり、肩付け射撃による精度の高い運用が可能となった。参考：手榴弾・迫撃砲、世界の軍用銃

＜召集兵（日本陸軍）＞：召集により兵役に就いた兵のこと。初めて兵役に就く者は初年兵扱いだが、除隊後に再召集された場合には以前の入隊年が引き継がれ、召集兵「殿」となる。参考：新兵サンよもやま物語

＜小銃用弾薬（試験用）＞：自衛隊の弾薬。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜召集令状（日本軍）＞：召集を通知する令状。戦時に発行される令状は概ね赤系の色だったので、赤紙とも呼ばれた。参考：戦時用語の基礎知識

＜樟樹基地＞：中国軍航空基地。3600m滑走路、掩体10基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜常熟＞：843（掃海艇）を参照。

＜照準＞：目標上に砲弾などを命中させるための特定箇所（照準点）に狙いを定めること。目標が動いている場合は相手の未来位置に向かって照準する見越し射撃を行う。正確に照準しても、各種照準装置の公算誤差、装薬状態のばらつき、気象状態の変化などで命中しない事がしばしばあり、その場合は弾着を観測して照準とのズレを分析し、それに応じた修正を加えていく（直接命中法、射法など）。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜照準眼鏡＞：光学照準器の１つで、スコープともいう。照準用望遠鏡のことで、光学レンズを射撃照準器に組み込んだものである。筒状の本体の前後に対物レンズと接眼レンズを填め込んであり、その間に画像を正位置に戻すためのエクター・レンズや、対象を拡大するためのレンズ、レティクルを書き込んだレンズなどが置かれている。固定倍率のものと変倍式（テレスコピック・サイト）のものがある。倍率を大きくすれば遠くの目標も正確に照準できるが、視野が狭くなるので、自分や敵の動きが激しいと使いにくい。戦闘機の固定機銃用照準器としても使用されたが、動きが激しいので倍率を高くできず視野が肉眼と変わらないのに目は余計に疲れる、外気温の変化で結露して見えなくなる、対物レンズが風防の外に突き出ているので飛行中にオイルなどで汚れても拭けない、抗力が大きいといった欠点があり、光像式照準器が開発された。参考：歴史群像8,’08、GUN用語事典、月刊軍事研究8,’12、月刊丸1,'17別冊

＜照準眼鏡（研究用）＞：自衛隊の機器。オペレーション・トレーニング・サービスが受注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜照準器＞：sight。目標に狙いを定めると共に、火器に射向あるいは射角を与えるために用いる装置。目標に効果的な射撃を行うためには、単に照準器で照準を合わせるだけでなく、正確な射撃統制が必要になる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜照準器（戦闘機）＞：当初は武装（機関銃）に付いている照星照門式照準具や簡単なリード射撃を行える環型照準器を使っていたが、これだと乗員のいる場所にしか機銃を配置できないので、後に機体の方に照準眼鏡を装備し、乗員から離れた位置に固定機銃を装備できるようにした。しかしいちいち顔をずらして覗くのが面倒で視野も狭いという欠点があり、光像式照準器が誕生。次いで見越し角を修正してくれるジャイロ式照準器や、レーダー情報と組み合わせたタイプ、空対空ミサイル対応型、爆撃照準器兼用型などが製作された。更に飛行情報まで一緒に表示してくれるHUDが生み出され、どこを向いていても画面が見えるヘルメット装着式照準器へと進化している。参考：月刊軍事研究8,’12、月刊丸1,'17別冊

＜照準規正＞：ボアサイト（Boresight）。照準線と兵器の中心軸とを一致させること。参考：戦車の戦う技術

＜照準コリメータ＞：コリメーターを参照。

＜照準線対戦車＞：LOSAT（対戦車ミサイル）を参照。

＜照準線長＞：Sight Radius。照星と照門の間の距離のこと。参考：GUN用語事典

＜照準潜望鏡＞：車内から直接照準を行うための潜望鏡を有する照準具。ミラーが砲と連動して俯仰するようになっており、潜望鏡視準線と砲軸線は常に平行を保つ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜照準用支柱＞：エイミング・ポストを参照。

＜照準を付ける＞：日本陸軍用語で、いじめやすい者に狙いを定めること。参考：帝国陸海軍事典

＜小哨（日本陸軍）＞：日本陸軍の警戒部隊。歩哨の支援及び後拠となるもので、警戒上の要点に配置され、必要な捜索を行い、敵襲があった場合には後方部隊が戦備を整える時間を稼ぐ。前哨中隊から派出された時はその中隊内で右翼から一連番号を付与し、前哨中隊以外から派出された時は当該指揮官が適宜名称を付ける。トップは小哨長、兵力は１個小隊以下で、状況に応じて機関銃、対戦車火砲、携帯地雷、犬などを配属する。敵に襲撃される恐れが低い場合は、主に敵方に通じる道路と重要な地点に歩哨を配置し、間隙に斥候や巡察を派遣して警戒する。昼間の開豁地では展望哨から監視するだけで用が足りることもある。敵に襲撃される恐れが高くなるに従い、歩哨の配置間隔を狭くし、敵一名たりとも歩哨線を突破されないようにする。夜間や濃霧などの際は更に近く配置する。歩哨の配置が終わったら、銃を銃架に託すか叉銃し、擲弾筒を背嚢から外して小銃の傍に置き、軽機関銃は銃架・叉銃の近くに置くか陣地に配置する。極寒時は置いた兵器の保温に注意する。小哨の位置にある下士官以下は常に銃剣、弾薬盒、防毒面を身体に付け、許可無しに一名たりとも小哨の位置を離れてはならない。交代の際は静粛かつ隠蔽して行い、警戒を中絶させないのが重要である。よって、旧小哨長は新小哨長に緊要の事項を申し送った後、協同して歩哨を交代させるのが良い。交代と同時に新旧両小哨から共同の斥候を派遣し、新小哨の斥候に歩哨線前の地形を諳識させるようにする。参考：作戦要務令

＜上饒＞：583（コルベット）を参照。

＜賞状＞：自衛隊の部隊等（三自衛隊の部隊及び機関、防衛大、防衛医大、防衛研究所、情報本部、防衛監察本部、地方防衛局並びに防衛装備庁の施設等機関）が模範となるような功績を収めると授与される。特別賞状と第１−第５級賞状がある。表彰権者は、一定金額内で賞金その他の副賞を授与することができ、特に必要がある場合には防衛大臣の承認を得て制限額以上の副賞を授与可能。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.86

　＜特別賞状＞：職務の遂行にあたり、特段の推奨に値する功績があった部隊などに授与される。表彰権者は内閣総理大臣。初受賞は湾岸の夜明け作戦の掃海派遣部隊である。2015年から首相官邸や自衛隊記念日の最大行事会場で首相から直接部隊に表彰が行われるようになり、職務に就いた隊員にも特別部隊功績貢献章が授与されるようになった。参考：月刊世界の艦船1,’19、MAMOR vol.156、朝雲

　＜第１級賞状＞：防衛出動や治安出動で職務の遂行に当たり自衛隊の模範と認められる顕著な功績があった部隊等、国民保護等派遣、海上警備行動、海賊対処行動、地震防災派遣、原子力災害派遣、対領空侵犯措置による行動に際し、危険を冒して活動し自衛隊の模範と認められる顕著な功績があった部隊等、その他職務の遂行に当たり推賞に値する顕著な功績があった部隊等に授与される。表彰権者は防衛大臣。副賞は７万円まで。2015年から職務を行った隊員に第１級部隊功績貢献章が授与されるようになった。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

　＜第２級賞状＞：防衛出動や治安出動で職務の遂行に当たり自衛隊の模範と認められる功績があった部隊等、国民保護等派遣、海上警備行動、海賊対処行動、地震防災派遣、原子力災害派遣、対領空侵犯措置による行動に際し、危険を冒して活動し自衛隊の模範と認められる功績があった部隊等、その他職務の遂行に当たり推賞に値する功績があった部隊等に授与される。表彰権者は幕僚長など。副賞は５万円まで。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

　＜第３級賞状＞：職務の遂行に当たり、特に著しい功績があった部隊等に対して授与される。表彰権者は司令官や学校長など。副賞は３万円まで。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

　＜第４級賞状＞：職務の遂行に当たり、著しい功績があった部隊等に対して授与される。表彰権者は連隊長や護衛隊司令など。副賞は１万円まで。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

　＜第５級賞状＞：職務の遂行に当たり、功績があった部隊等に対して授与される。表彰権者は中隊長や艦長など。副賞は5000円まで。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

＜消磁用ＵＥＰ低減装置＞：海自が開発している水中電界UEP低減装置。UEPで起爆する機雷に対抗するもので、掃海艦艇に新規または後付けで搭載し、艦艇からのUEP起因磁界を抑制する。2016-20年度に研究試作と試験を行う。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜少将旗（日本海軍）＞：日本海軍の旗章。白地の中央に日の丸があり、旭光が８方向に出ていて、旗の上下が赤く縁取りされている。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜上昇機雷＞：機雷を参照。

＜上昇限度＞：Ceiling。航空機が上昇可能な高度の限界。上昇率がゼロになるのが理論上の上昇限度（絶対上昇限度）だが、実用上昇限度で表すことが多い。運用上は運用上昇限度を使う。戦闘上昇限度（Combat ceiling）、１発動機不作動時上昇限度（One-engine inoperative ceiling）、ホバリング高度限界といったものもある。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ

＜上昇性能＞：Climb performance。飛行機が上昇飛行を行う際の性能のこと。上昇限度、上昇率、上昇勾配、上昇速度などの個々の数値で示したり、これらを総合的に勘案したりする。抗力と総重量を減らし、エンジン出力・推力を上げると上昇性能が向上する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜上昇速度＞：Climbing speed。上昇飛行経路に沿った飛行速度のこと。エンジンは連続最大推力／出力または上昇最大推力／出力を発揮した場合を想定する。一般には上昇率が最大になるような上昇速度（と機体姿勢）をとる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜小哨長（日本陸軍）＞：日本陸軍の役職。小哨のトップで、小哨の戦備を確実にし、警戒心が緩まないよう引き締めるのが重要な責務である。歩哨を配置し、必要な事項や歩哨の交付法・交代法を定める。歩哨の配置が終わったら、速やかに銃前哨を配置し、歩哨や銃前哨に充てていない者を若干の斥候と巡察とし、残りの者を他の勤務に就かせる。歩哨が報告した者で、我が軍に属することを確認したら、歩哨線の通過を許可する。それ以外の者や、我が軍に属する間諜は、監視者を付けて直ちに上級指揮官へと送付する。軍使が来たら、直ちに上級指揮官に報告する。参考：作戦要務令

＜上昇率＞：Rate of Climb、R/Cと略す。航空機が単位時間で上昇する高度のことで、単位はメートル毎秒またはフィート毎分またはメートル毎分。エンジン出力（利用馬力）と抗力（要求馬力）の差が最も大きい時に最大となり、揚抗比最大（最小抗力）となる速度より少し速いあたりになる。エンジン出力は海面上で最大になり、基準も取りやすいので、海面高度における上昇率である海面上昇率を航空機の状態として表すことが多い。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019

＜焼尽火管＞：プライマーを参照。

＜哨信儀＞：赤外線を利用した秘匿用通信装置。日本海軍には一式哨信儀、二式哨信儀、仮称三式哨信儀があった。味方識別用秘匿通信機ということで山川灯（合い言葉の山・川から）とも呼ばれている。海上自衛隊では赤外線通信機と称し、OAC-1/-1A/-2A/-2B/-2Cが配備された。参考：丸スペシャルNo.78、艦船メカニズム図鑑

＜昌仁丸＞：日本海軍指定船Shyojin maru。大元は大正7年6月3日に竣工した廣海商事所属の廣永丸で、昭和4年に石原産業に売却されて昌仁丸に改称、昭和16年9月に日本陸軍に徴用され、昭和17年4月に解用されて昭和18年6月に海軍指定船となった。垂線間長109.73m、幅15.54m、深さ8.7m、満載吃水7.05m、総トン数4739トン、重量トン数6810トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2438馬力、航海速力10ノット、最大速力12.25ノット。昭和18年6月20日、三池から海南島に向かっていたところ、福建省泉州市南東38kmの台湾海峡でSS-197シーウルフの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’22

＜焼尽薬莢＞：可燃性の物質（ニトロセルロース含有可燃性樹脂）で作られた薬莢。砲身内で発射薬が燃焼すると同時に薬莢も燃焼させる。薬莢のガス化が十分であれば弾丸の推進力に貢献できるが、不十分であれば炭素の微粒子が形成され、弾丸との摩擦により砲身内部の表面が浸食される。焼尽薬莢は弾丸の保管中にも内部の発射薬の安全性を確保できること、低温・高温でも十分な機械的強度を有すること、耐水性を有すること、ある程度の耐熱性があること、などが要求される。補強剤としてクラフトパルプや化学繊維を、粘結剤として合成樹脂を、安定剤としてフェニル尿素系化合物を添加する。参考：火器弾薬技術ハンドブック、火薬のはなし

＜浄水ストロー＞：アメリカ軍がサバイバルキットとして採用したストロー型浄水器。浄水能力が無くなると、吸い込めなくなる。参考：コンバット・バイブル２

＜浄水セット（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の浄水装置。河川などの水を処理して飲料水にする装置で、師団補給隊と需品教導隊に配備されている。アメーバ、細菌類、ジストマの幼生などを除去できる。濾過器は珪藻土式で、全長0.54m、全幅0.50m、高さ1.32m、重量82kg。濾過筒14個を持ち、毎分190リットルを浄化できる。給水ポンプは２サイクル空冷単気筒ガソリンエンジン（排気量123cc、出力３馬力）付きで、全長0.540m、全幅0.44m、高さ0.48m。15m離れたところの水を毎分210リットル汲み上げることができる。貯水タンクは上麻材製、容量10キロリットルで、直径3.5m、高さ1.43m。メーカーは濾過器が狭山製作所、貯水タンクが小川テント、ポンプが東京発動機。参考：自衛隊装備カタログ1981、自衛隊装備年鑑1996

＜浄水セット逆浸透型＞：陸上自衛隊の逆浸透式浄水装置。神戸製作所製。ウインチ付き73式大型トラックまたは３・1/2トントラック（海外展開用のものはキャビンに防弾板を追加して防弾ガラスを装備している）、水処理装置、揚水ポンプ、排水ポンプ発電機、半球状５トン貯水タンク２基などから構成される車載式で、輸送機による空輸も可能。トラック上の制御盤により自動的に18m離れた場所から毎時9000リットルの淡水をくみ上げ、細菌や化学物質を毎時3500リットル浄化できる。後方支援連隊補給隊などに装備されている。イラクに派遣された際に持って行った。参考：MAMOR vol.70、月刊JWings3,’04、月刊軍事研究5,’04、自衛隊装備年鑑1996、JGround Vol.11、MOLIBITO Vol.3、スピアヘッドNo.13、No.16

＜浄水セット逆浸透２型＞：陸上自衛隊の浄水装置。７トントラックの荷台にディスク式除濁装置、前処理濾過装置、限外濾過膜、逆浸透濾過膜、揚水ポンプ、排水ポンプ、５トン貯水タンク２基、発電機を搭載したもので、従来の装置では無理だった海水の淡水化を可能としており、離島や塩分の濃い地下水しか無い地域でも水道水以上の浄化淡水を入手できる。浄水部だけ（重量3.5トン）を３分割してヘリで吊り下げ輸送することが可能で、機動性が高い。揚水能力は揚程18m、揚水量毎分150リットル。浄水能力は淡水で１日当たり70立方メートル以上、海水で30立方メートル以上。NECファシリティーズ製。2014年5月22日に量産型２基が納入され、初号機が松戸駐屯地、２号機が那覇駐屯地に配備された。参考：月刊軍事研究7,’14、MAMOR vol.70、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜浄水装置（ＢＭＤ及び２５ＤＤ用テストサイト器材）＞：自衛隊の機器。ジャパンマリンユナイテッド製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜照星＞：フロント・サイト。照門と一対となって照星照門式照準具を構成する部品。通常銃身先端付近に装備され、照門から照星越しに目標を捉えることで照準が行える。ちなみに日本陸軍が誕生したばかりの頃は良い訳を思いつかなかったらしく、舳先見当と称していた。参考：火器弾薬技術ハンドブック、陸海軍学校と教育

＜照星照門式照準具＞：主に小火器に取り付ける照準具で、直接射撃に使用する。銃身先端部分の照星、銃本体後部の照門・照尺からなる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜小穿石鎚＞：日本陸軍の石工器材。参考：工兵入門

＜情勢の推移に伴う帝国国策要領＞：昭和16年6月28日に大本営政府連絡会議、7月2日に御前会議で決定された。方針は、世界情勢変転の如何に関わらず大東亜共栄圏を建設し世界平和の確立に寄与する、支那事変の処理に邁進し自存自衛の基礎を確立するため南方にも進出し情勢に応じ北方問題を解決する、これら目的達成のためいかなる障害も排除しそのために必要な武力的準備を整える、速やかに国内戦時態勢の徹底的強化（特に国土防衛）に移行する、の４点。要領は、蒋介石政権に対し南方からの圧力を強化する、適時交戦権を行使して在支敵性租界を接収する、進行中の外交交渉を続行し国内施策を促進し対英米戦備を整備に努め南方進出の姿勢を強化し対英米戦も辞さない、独ソ戦には介入しないが密かに対ソ戦備を整備し外交交渉を行い独ソ戦の戦況をみて武力行使による北方問題解決を図る、各種施策は対英米戦の基本態勢保持に支障が無いようにする、アメリカの参戦防止に努め参戦した場合には三国同盟条約に基づき行動するが武力行使の時期方法は日本独自に定める、速やかに国内戦時体制の徹底的強化（特に国土防衛）に移行する、の７点。参考：太平洋海戦史

＜常装（陸上自衛隊）＞：陸上自衛官が通常着用する制服。6月1日から9月30日までは夏服、10月1日から5月31日までは冬服を着る。1952年の自衛隊発足時は警察予備隊以来のもので、夏服が茶褐色、冬服が緑褐色だった。1958年、冬服を紺灰色の58式冬服に変更。1960年、夏服を灰青色の60式夏服に変更。1970年、冬服を茶灰色の70式冬服に変更。1971年、夏服を淡茶灰色の71式夏服に変更。1991年、淡緑色夏服と濃緑色冬服の91式制服を採用。2018年3月に改定され、夏冬共に紫紺色になった。参考：MAMOR vol.137

＜小掃海具＞：日本海軍の対艦式係維掃海具で、昭和4年に制式化された。内火艇もしくは掃海特務艇２隻が200m離れて牽引する。参考：小艦艇入門

＜小測板測量具＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜焼損＞：エロージョンを参照。

＜小隊＞：Platoon。語源はフランス語のプロトン（包み）から。分隊の上級、中隊の隷下であることが多い。18世紀初めに大隊を細かく分けて交代で射撃を行い火力を強化する輪番射撃（ローリング・ファイア）戦術が編み出され、大隊の下の戦術単位として小隊が誕生した。ちなみに当時は管理単位と戦術単位が完全に分かれていて、平時の連隊−中隊編成を戦時には大隊−小隊編成に組み直して運用していた。参考：歴史群像6,’16

　＜小隊（日本海軍）＞：分隊の隷下にある。海兵団の場合、３個教班で１個小隊を編成し、小隊長は第１・第４・第７・第10教班長（一等兵曹。他班は二等兵曹）が務める。３個小隊で１個分隊になる。参考：海軍よもやま物語

＜湘潭＞：531（フリゲート）を参照。

＜冗長性＞：リダンダンシーを参照。

＜小直径爆弾＞：SDBを参照。

＜昭通＞：555（フリゲート）を参照。

＜小鉄線鋏＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜常働信管＞：信管を参照。

＜衝動タービン＞：蒸気タービンを参照。

＜承徳＞：509（チャンフー�T型フリゲート）またはFF1208（康定級フリゲート）を参照。

＜衝突回避警報システム＞：TCAS（Traffic Allert and Collision Avoidance System）と略す。航空機衝突防止装置の一種で、搭載機器から発した質問信号に対し、相手機から応答信号を受信することで、相手機の方向と距離、高度をキャッチする。この情報をパイロットに表示する他、相手機と衝突する恐れのある場合には警告と回避行動を指示する。参考：航空管制のはなし、月刊JWings10,’09別冊付録

＜衝突防止装置ＴＣＡＳ＞：自衛隊の機器。P-1に搭載されている。参考：月刊軍事研究3,’14

＜衝突防止灯＞：Anti-corrision light。航空機の空中衝突を防止するため、機体に取り付ける赤色閃光灯のこと。色は航空灯の航空赤で、最小実効光度は10-100カンデラ（水平面からの角度による）。投光範囲は水平面上下30度以内の全周で、毎分40-100回点灯する。光源を２個以上設置した場合には、重複部分の点灯回数は毎分180回以下とする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜硝斗薬＞：アマトールを参照。

＜場内不法侵入者等警戒警報システム＞：自衛隊の機器。ドットウエルビー・エム・エス製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜しょうなん＞：AGS-5106（海洋観測艦）を参照。

＜昭南＞：日本海軍鵜来型海防艦（日振型？）Shounan。昭和19年7月13日竣工、呉防備戦隊に編入された。8月7日、第１海上護衛隊に編入された。8月8日からヒ71船団の護衛に参加。9月9日、門司港で浮標に接触し、スクリューを破損した。11月14日からヒ81船団の護衛に参加。昭和20年2月25日、海南島南方でSS-258ホーの雷撃（航空機の爆撃？）を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸7,’14、小艦艇入門、輸送船入門、アメリカ潜水艦史

＜城南＞：773（コルベット）を参照。

＜しょうなん型＞：海上自衛隊海洋観測艦。ふたみ型の後継として2007年度計画で建造された。ベースはにちなん型で、船体を小型化して装備を簡易化し、建造費を低減している。船型は長船首楼型で、艦首にブルワークがあり、バウ・シーブは無い。船底にマルチビーム音響測深装置送受波器が装備されており、海底地形図の作成が可能。船体後部は作業甲板で、Ａフレーム・中折れ式・ギャロス型の３種のクレーンなどを装備、自記表層水温塩分計、超音波ドップラー多層流向流速計、海底設置型超音波多層流向流速計、OQH2C1水温記録装置、CTD観測装置、繋留式自記流向流速計、採泥器といった各種観測機器を水中に投入する。また、曳航式音源装置により潜水艦に似た雑音を発生させ、海底に繋留した音響環境測定システム（ソーナー）により音響伝播状況を測定できる。音響環境測定システムの設置位置は艦艇の観測用測位装置送受波器により判別する。バルバス・バウとビルジ・キール、艦橋構造後部に減揺水槽を持つが、低速から停止時の減揺性能を重視してフィン・スタビライザーは装備されていない。自衛艦として初めてアジマス・ポッドを採用しており、サイドスラスターは４翅スキュード・プロペラのバウ・スラスターのみ装備、スターン・スラスターや舵は省いた。それでも全周旋回できるアジマス・ポッドによりいかなる自然環境でも座標を維持し、海洋観測を行うことが可能である。艦橋上面左右にスーパーバード衛星通信システム用ドームアンテナを持つ。マストは太いポールマストである。全長103.0m、幅16.4m、深さ8.7m、吃水4.5m、基準排水量2950トン、満載排水量4150トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、S16U-MTPKディーゼル（3600馬力）３基・主電動機２基、出力4800馬力、アジマス・ポッド２軸推進、速力16ノット。乗員80名。建造費は167億円で、にちなん型の約半分である。三井造船玉野事業所で建造され、AGS-5106しょうなんが2010年に竣工した。参考：月刊世界の艦船9,’09、2,’10、11,'17増刊、1,’19、1,’11、1,’14、1,’15、1,’18、月刊軍事研究5,’10、朝雲

＜昇任（自衛隊）＞：自衛官が現に任命されている階級より上位の階級に任命されること。自衛官以外の隊員が現に任命されている官職より職制の上で上位にあたる官職に任命されること。参考：自衛隊法

＜少年工科学校＞：陸上自衛隊の技術部門（特科、機甲、高射、航空、施設、通信、武器などの器材整備・器材操作）中堅幹部養成学校で、神奈川県横須賀市御幸浜にある。工科とは、「施設器材・通信機材・火器・航空機などの整備操作その他の技術関係の職務」のことである。中卒者を対象とする自衛隊生徒課程４年間のうち前期教育の３年間を担当、普通高校と同じ授業の他に工科の教育を受けさせる。また、毎年１回の実弾射撃演習もある。生徒の身分は三等陸士。校風は初代校長が制定した明朗闊達、質実剛健、科学精神。1968年7月2日、第３学年第６教育隊第３・第４区隊の生徒80名が乙武装でM1ライフルを背負い、午後の課業として駆け足、匍匐前進、突撃などを行っていた。1430頃、校内東端にある戦闘訓練場に出来ていた人工池（空自ミサイル陣地設営に必要な土砂を掘った跡に雨が溜まった）で立ち泳ぎでの渡河訓練に入ったが、区隊長の予想に反して深さが3-4mもあったため溺れる生徒が続出して13名が死亡、陸自最悪の事故となった。事故後に人工池は殉職生徒数に準じて13分の１に埋められ安らぎの池公園となり、翌年から毎年殉職生徒追悼式（2001年から第12期生殉職生徒顕彰行事）が執り行われている。1975年、情操の涵養などを目的に、生徒会行事の書き初め大会を初開催した。2009年3月14日、第52期生徒242名の卒業式を実施。4月12日、少年工科学校として最後となる第55期生徒228名の入校式を実施。6月26日、音楽・書道・美術教室を集約し、陶芸設備と一般教場も備えた芸術教室舎の落成式を実施。国連総会での少年兵禁止などを受けて校名変更や学生の身分変更を行うことになり、2010年4月、高等工科学校に改編された。参考：日本の戦力、MOLIBITO Vol.3、MAMOR vol.60、陸海軍学校と教育、月刊軍事研究12,’13、月刊JWings9,’14、朝雲

＜少年航空兵＞：日本陸軍の航空機搭乗下士官養成制度。志願により生徒として採用され、所沢陸軍飛行学校（昭和13年以降は東京陸軍航空学校、昭和18年以降は少年飛行学校）で１年間の基礎教育を受け、熊谷陸軍飛行学校（操縦生徒）または航空整備学校・水戸陸軍飛行学校（整備・通信生徒）で２年間の操縦教育などを受講、航空兵上等兵に任じられて飛行戦隊または航空部隊で半年間の隊付教育を受ける。修了後は航空兵伍長として航空部隊での勤務に入る。昭和9年2月1日に第１期生徒170名が入校した。参考：陸海軍学校と教育、帝国陸海軍事典

＜少年術科学校＞：海上自衛隊の術科教育学校。15-16歳の中卒者を少年自衛官（三等海士）として入学させ、ソナー、通信、電子機器整備などの教育を４年間行い、三等海曹として卒業させる。高卒の資格も得られるため、防衛大学校や一般大学に入学し、幹部候補生にステップアップすることも可能。1970年3月2日、第１術科学校から独立して江田島で開設された。1982年10月1日に廃止され、教育は第１術科学校に新設した生徒教育部で行われるようになった。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、6,'22、第１術科学校ホームページ

＜少年戦車兵学校＞：日本陸軍の戦車搭乗員・整備員養成学校。昭和16年に設立され、昭和17年に静岡県富士宮市に校舎が完成した。旧制中学以上の学歴を持つ者が少年戦車兵として入隊し、２年間の訓練後、戦車隊に配属される。昭和20年7月までに4155名が入校し、卒業生のうち622名が戦死している。1965年12月、同窓生が若獅子の塔を建立。1984年10月、若獅子神社が創建され、九七式中戦車１両が安置された。参考：朝雲、機械化部隊の主力戦車

＜少年電信兵＞：陸軍通信学校生徒課程を卒業し、下士官候補者として一年間在営、工兵科現役下士官として採用された者を指す。参考：帝国陸海軍事典

＜少年飛行兵＞：陸軍少年飛行兵または飛行予科練習生を参照。

＜少年兵＞：15才未満の兵士を指す。これは児童の権利に関する条約（子供の権利条約。1989年11月20日国連総会第44回採択、1990年9月2日発効）第38条に規定があり、同条約締結国は15歳未満の者が敵対行為に直接参加しないことを確保するための全ての実行可能な措置を執り、自国の軍隊に採用することを差し控えると規定されている。近代には一旦少年兵は減少したが、20世紀になって徐々に増加、4-5才の幼児までが戦争に駆り出される始末である。2000年5月25日の国連総会第54回会期決議54/263付属書�Tで武力紛争に於ける児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書が採択され、2002年2月12日に発効、18歳未満の軍隊構成員が敵対行為に直接参加しないことや18歳未満の者を軍に強制的に徴収しないことを定め、国の軍隊と異なる武装集団に対しても適用範囲を広げたものの、正規軍、反政府軍、ゲリラ、テロ集団などに数十万人の少年兵が存在していると推定されている。発展途上国では人口の半分が子供であり、強制的に徴集が可能で、未熟故の無謀な勇敢さや残虐性を持ち、精神の支配が容易であることから大人の行きたがらない最前線に放り込まれることが多い。また、地雷原の突破に使われたり、少女の場合は性的なはけ口にされたりすることも多い。自発的に志願することもあるが、理由は復讐だったり、宗教的・民族的・政治的イデオロギーの圧力だったりする。ときに制服や武器がかっこいいから、という単純な理由のこともある。徴集後は激烈な暴行を加えて服従させた上で（逃げれば射殺される）人肉を食べさせるなどの残虐行為を行わせ、麻薬を投与して恐怖心を麻痺させてしまう。その上で最前線に投入して肉弾突撃を実施させ、戦死すれば人知れず処理して少年兵の存在自体を隠蔽する。イラン・イラク戦争ではイランの少年少女15000人が部隊の先頭に立って地雷処理装置のかわりに使用された。ルワンダでもツチ族の大虐殺に民兵（インテラハムエ）の少年兵が加担した。パレスチナでも投石者に年少者が多く含まれる。リベリアでは1989年の内戦勃発時、リベリア国民愛国戦線（NPFL）が10才に満たない少年兵をコマンダーとし、他の少年兵と共に戦闘に参加させ、近代戦史上初めての組織立った少年兵団として世界に衝撃を与えた。イスラム国も少年兵を使い、捕虜を銃殺する映像や訓練の様子をインターネット上に流している。参考：月刊軍事研究3,’98、7,’04、12,’13、4,’15、ベーシック条約集2018

＜正野正＞：しょうのただし。日本陸軍エース。佐賀県出身。昭和13年10月、東京陸軍航空学校に入学し、大刀洗飛行学校を昭和16年8月に卒業、独立飛行第10中隊に配属された。昭和17年11月、飛行第25戦隊への改編に伴い第３中隊所属となった。昭和18年夏から漢口などへの進攻作戦に出動。昭和19年10月28日、荊門上空で戦死した。総撃墜数14機。最終階級は曹長。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜城野分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は福岡県北九州市小倉北区片野新町3-1-1。参考：月刊JWings6,’10別冊付録

＜乗馬休（日本陸軍）＞：傷病により軍医の診察を受けた結果、乗馬勤務を休ませると軍医が診断したもの。痔疾などの際に言い渡される。参考：軍医サンよもやま物語

＜小発＞：日本軍の特型運貨船で、小発動艇（小発動機艇？）の略であり、昭和2年に完成して陸海軍共に使用した（海軍名称は十メートル特型運貨船）。単純なボート型をしており、船体は厚さ2.3mmの鋼板の全溶接構造で、前部に背の低い防楯、中央に主機（大発と同じ）、その後ろに操舵スペースと操舵輪がある。エンジン排気口は右舷中央にあり、排煙が艇後部を覆うという欠点があった。兵員は船から飛び降りて陸地に向かうが、船縁の高さが1.3mあり、完全武装の兵員には辛い。全長10.71m、最大幅2.41m、深さ1.3m、吃水0.5m、自重3.5トン、排水量6.5トン。主機はディーゼル１基１軸60馬力、速力7.5ノット（10ノット？9.5ノット？）、航続時間10時間。ペイロード２トン（３トン？）で、兵員35名（40名？30名？）を乗せられる。乗員3-5名。昭和15年までに200隻、昭和16年に150隻、昭和17年に300隻、昭和18年に30隻の計680隻が生産された。以降は上陸用舟艇の用途が強襲上陸から島嶼間輸送（蟻輸送）に移ったため、大発の生産に集中することになり、生産打ち切りとなっている。参考：小艦艇入門、月刊軍事研究11,’16、写真で見る海軍糧食史、輸送船入門

＜襄樊＞：567（フリゲート）を参照。

＜上番＞：日本陸軍用語で、勤務に就くこと。また、○○上番という形で使うと、何かが始まったり、何かを始めたりすることを表す。参考：帝国陸海軍事典

＜上反角＞：Dihedral angle。主翼取り付け部から上向きの角度が付けられているもの。水平面と主翼基準面との間の角度で表され、主翼に捩り下げが付いている場合には、捩り下げ基準線の投影角で示される。機体が傾く（ローリングする）と傾いた方向に横滑りを起こすが、この時に上反角のある主翼では傾いた側の迎え角が増え、反対側では減るので、機体の傾きを減らす方向に横揺れモーメントが発生し、横安定性が高くなる。安定効果は上反角に比例し、機体の迎え角には影響を受けない。主翼に降着装置が付いている場合、主翼付け根から上反角を付けると支柱が長くなってしまうため、外側部分にだけ上反角を付けることもある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’00、10,’09別冊付録

＜床尾＞：銃床を参照。

＜常備自衛官＞：現職で勤務している自衛官のこと。参考：MAMOR Vol.50

＜常備燃料タンク＞：燃料タンク（潜水艦）を参照。

＜常備排水量＞：戦闘状態での排水量。大正末期までは燃料25%、真水50%、弾薬75%、航空機50%の搭載状態で算出したが、設計者や時代によって搭載量に微妙な差があり不便だったため、その後は全て３分の２搭載で計算するようになった。海上自衛隊では、乗員と弾薬類を定数分、真水、食料、消耗品などを３分の２搭載した状態で算出する。参考：艦船メカニズム図鑑、海軍操舵員よもやま物語

＜床尾板＞：butt plate。銃床の後端に取り付けられる板状の部品。硬質材を使用しており、銃床後端の補助及び肩付け面に利用される。衝撃吸収などのために軟質材を使用した場合、肩当て（recoil pad）と呼ばれる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜床尾板小突き＞：日本陸軍の制裁。小銃の床尾板で額を殴るもので、たんこぶで済めば良いが、額が割れて血まみれになったりする。そのため、大半は脅しだけだった。参考：新兵サンよもやま物語

＜傷病兵条約＞：ジュネーブ第１条約を参照。

＜傷病兵（日本海軍）＞：戦傷者もしくは公務中に負傷した者を第１種症患者、それ以外の者を第２種症患者と称し、休業に対する扱いに差があった。そのためか、第１種と第２種は仲が悪く、海軍病院で入院中（一応階は分けてあった）にも度々衝突したらしい。参考：続日本海軍よもやま物語

＜しょうぶ＞：LSSL-440（警備艇）を参照。

＜上部構造物＞：Superstructure、上構と略す。甲板室ともいう。主甲板上の構造物で、室を構成する部分。煙突やマストなど上部構造上の設備はトップハンパー（Top-hamper）といい、上部構造物とは別である。上甲板の長さに対して短い方が強度上は有利で、あまり長くなると波浪による船体の縦曲げに耐えられなくなる。長くする必要がある場合には甲板伸縮継ぎ手で繋ぐ。潜水艦の場合、耐圧船殻の上に取り付ける整流構造を指し、内部に艤装品や魚雷発射管を収容する。非耐圧なので、潜航する際には水で満たしておく必要があり、素早く満水にできるよう側面にスリットやフリーフラッドホールなどの開口部を多数設け、上面に空気抜きの穴を用意してある。戦車などでは、車体のうち履帯や履帯カバーよりも上に位置し、室を構成する固定式構造物を指す。参考：米海軍サバイバルマニュアル、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船4,’98、6,’09、10,’16、図解雑学　船のしくみ、British and American tanks of World War Two

＜上部支持輪＞：上部転輪を参照。

＜上部転輪＞：サポート・ローラー。（上部）支持輪ともいう。起動輪と誘導輪の間の履帯重量を支えるローラーである。参考：戦車マガジン10,’93別冊、月刊JWings1,’03

＜上部砲架＞：砲身・駐退復座機・揺架などからなる俯仰部を支え、高低装置により砲身を俯仰させ、方向装置により下部砲架上を旋回する装置。ピントルで下部砲架と接合するピントル式砲架、リングギアで接合するリングギア式砲架などがある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜昌平丸＞：嶋谷汽船貨物船Shohei maru。垂線間長132.59m、幅17.68m、深さ10.67m、吃水8.1m、総トン数7255トン、重量トン数9935トン。主機は三井B&Wディーゼル１基１軸3960馬力、航海速力12.5ノット、最大速力14.6ノット。昭和6年3月25日竣工、三井物産が用船した。昭和17年、三井船舶に移籍。太平洋戦争で日本海軍に徴用された。昭和19年5月10日、高雄からマニラに向かう途中、ルソン島の西でSS-224コッドの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜祥鳳＞：日本海軍瑞鳳型空母Shoho。元は潜水母艦剣崎で、昭和15年11月15日から横須賀工廠で空母への改造が開始された。昭和16年12月22日、祥鳳と改称されて空母に類別され、第１航空艦隊第４航空戦隊に編入された。昭和17年1月5日、横須賀で飛行機隊（定数は九六式艦戦12機、九七式艦攻９機、補用７機）が訓練に入った。1月26日、改造を完了し、空母として再就役した。2月1日、南洋部隊の指揮下に入った。2月3日、飛行機輸送任務のため横須賀を出港。2月10日、第４航空隊用の零戦をトラックで積載して出港。2月15日、ラバウルに到着して零戦を降ろし、トラックへの帰路に就いた。2月20日、トラックを出撃し、ソロモン海東方に進出したアメリカ機動部隊の捜索を開始。2月26日、アメリカ機動部隊が去ったため、トラックに帰港。3月7-10日、ラバウルへの飛行機輸送任務を実施。4月8日、トラックを出港。4月11日、横須賀に帰港。九六式艦戦から零戦への機種転換に入った。4月18日、日本本土空襲を行ったアメリカ機動部隊の捜索を行ったが、発見できず、4月22日に帰港した。ツラギ及びモレスビー攻略戦（MO作戦）に参加することになり、第４艦隊第６戦隊に編入され、4月30日に零戦６機、九六式艦戦数機、艦攻12機、組み立て前の零戦数機分（零戦10機、九六式艦戦４機、九七式艦戦６機？）を搭載してトラックを出撃。5月2日、ソロモン周辺に到着。5月3日、ツラギ上陸作戦を支援。5月4日、ラバウルから出撃し、モレスビー攻略船団の直衛に就いた。5月6日、MO攻略部隊に所属して珊瑚海海戦に参加。5月7日、アメリカ艦上機の雷爆撃を受け、魚雷７本と爆弾13発が命中、デボイネ島東北東53海里で沈没した。乗員836名のうち艦長以下636名が戦死、72名が負傷している。5月20日に除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、図解日本の空母、日本航空母艦史、日本海軍戦闘機隊、日本海軍艦隊総覧、歴史群像4,’17、月刊世界の艦船7,'20

＜情報＞：Intelligence。何らかの利益を得るための判断や行動の基準となる知識で、収集した情報資料を分析評価総合して作成する。適切なタイミングや方法で必要とする組織に配布されないと効果が無く、大半が徒労に終わることも多い。政治目的などで恣意的に歪められることもあり、特に独裁政権下で独裁者の立場に反する情報を報告することは不可能に近い。参考：月刊軍事研究1,’09、7,’97、3,’12、陸海軍学校と教育

　＜科学技術情報＞：大量破壊兵器や電子部品などに関する研究開発技術レベル、工業レベルなど、科学技術に関する情報のこと。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜環境情報＞：天候や気象の状況、河川管理、水資源や農作物の状況、大気汚染など、環境に関する情報のこと。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜技術情報＞：Technical Intelligence、TECHINT。他国の兵器、装備、貯蔵施設、製造施設、軍事技術などに関する情報のこと。技術部隊や機関、施設に関する性能や編成、活動などの情報を含む。参考：月刊軍事研究4,’13、7,’97

　＜軍事情報＞：Military Intelligence。戦略情報、作戦情報、技術情報に分かれる。また、収集手段によりIMINT（画像情報）、SIGINT（信号情報）、HUMINT（人的情報）に分かれる。政治、経済、社会などの背景が複雑に絡み合うため、これらの情報も合わせて収集し、分析総合することが必要である。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜経済情報＞：食糧やエネルギー、原材料の自給率や供給力、工業生産力、インフレ率、GDP、貿易収支、兵器輸出入などの経済に関する情報のこと。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜作戦情報＞：敵の活動状況、戦域の地誌、戦闘情報、防空情報、NBC・電子戦情報、治安情報など、師団以下の部隊の運用（作戦や戦闘）に必要な情報のこと。通常は戦時に作成し、作戦部隊指揮官や幕僚が使用する。参考：月刊軍事研究7,’97、2,’13、6,’12

　＜社会情報＞：政権支持率、国民生活の実態、世論の動向、宗教活動、反体制活動の有無及び活動度、亡命や密航の有無、密輸の有無などに関する情報のこと。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜政治情報＞：内政外交政策、政権体制安定度、戦争意図の有無など政治的な情報のこと。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜戦略情報＞：Strategic Intelligence。地誌、環境情報、周辺諸国の軍事力及び戦争遂行能力、侵攻意図の有無、友軍期待度など、平時・戦時を通じて国防政策の判断に寄与する情報のこと。作成に必要な基礎情報は国家全般に及ぶ膨大なものである。戦闘情報や作戦情報と密接に関連しており、使用主体や目的が違うだけで同一の情報だったりもする。参考：月刊軍事研究7,’97、6,’12

　＜動態情報＞：今起こっている動きに関する情報のこと。参考：月刊軍事研究1,’18

＜情報（航空自衛隊職域）＞：航空自衛隊の職域。第４術科学校で教育が行われ、各部隊に配属されて情報活動に従事する。参考：月刊JWings6,’16

＜情報（日本陸軍）＞：情報収集手段は捜索と諜報勤務で、捜索により敵の位置、兵力、行動、施設などを調べ、諜報により捜索で得た情報を補ったり捜索の端緒を探ったりする。また、捜索と同時に諜報資料を獲得するのが重要である。情報収集にあたっては、敵の方から状態や企図を暴露してくれるような手段を講じると良い。収集した情報は、出所、獲得時期、取得方法などを考察して正確かどうかを判断し、他の情報と比較総合して真否や価値を判断する。判断できなかった場合には、他に必要な情報を判定して収集にあたる。一旦判断を確定させても、更に継続して確認するのが重要で、特に逐次変化する敵情を系統的に判断する際には確たる根拠が得られないことが多く、連続的に情報を集めるのが大切である。判断の際には先入観、根拠の無い想像、局部的判断に囚われないよう注意し、敵の欺瞞や宣伝にも惑わされないようにする。審査した情報は直ちに報告・通報し、関係指揮官の利用や情報審査に用いる。高等司令部（時に他の司令部や本部）では審査した情報の整理、利用、伝達を容易にするため、なるべく記録や情報図を併用した情報記録を作る。参考：作戦要務令

＜消防４１号＞：ASH-41を参照。

＜消防４１号型＞：海上自衛隊特務艇。PS-1対潜飛行艇配備に伴い建造されたもので、飛行艇離着水海面の警戒と事故対処を主任務とする。船体は鋼製で、ディーゼル駆動の消防ポンプ（排水ポンプを兼ねる）と泡沫発生装置を装備しており、前後甲板と操舵室上に放水銃を持つ他、消火作業中に自己冷却ができるよう噴霧装置も搭載している。全長23m、最大幅5.5m、深さ2.8m、吃水1m、基準排水量45トン、満載排水量61トン。主機はDH24MKディーゼル（285馬力）２基＋DL24Mディーゼル（440馬力）２基、出力1300馬力、３軸推進、速力19ノット。乗員８名。1964年にASH-41が就役し、大村基地に配備され、後に岩国基地に移って活動した。1977年に消防船に種別変更されてYE-01となり、2001年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊

＜消防員（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の消防職種要員。主任務は事故発生時の人命救助、消火、防火、関連設備点検整備補修である。志願者から選抜して第３術科学校で初級消防員課程（１ヶ月半）を修了すると、各部隊（航空基地の基地業務群施設隊消防小隊など）に配属され、航空救難消防や自衛消防の任務に就く。更に第３術科学校の上級消防員課程（11週間）に進む。参考：MAMOR vol.108、vol.145

＜情報科＞：陸上自衛隊の職種で、2010年3月26日に創設された。徽章は金烏、望遠鏡、鍵、日本刀を組み合わせたものである。各種作戦行動の情報機能や情報保全を行うのが主任務で、地図や航空写真の配布も行う。要員は小平学校で教育を受け、陸上幕僚監部運用支援・情報部、方面情報部、即応集団情報部、各師団司令部第２部、各旅団司令部第２部、中央情報隊、自衛隊情報保全隊、方面情報処理隊、方面情報隊、地方情報保全隊、沿岸監視隊、師団付隊情報処理システム班、情報本部、小平学校、研究本部総合研究部に配属される。参考：朝雲、MAMOR Vol.43、Vol.62、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜情報学校＞：陸上自衛隊の学校。情報に関する専門的・実戦的な教育を一元的に行うのが主任務である。2018年3月27日、富士駐屯地で新編された。庁舎が無いのでプレハブの仮庁舎を使っている。4月1日、富士駐屯地で新編行事を実施し、山崎陸幕長が訓示した。2019年3月26日、隷下に情報教導隊が新編された。5月、新庁舎の建設に着工した。2020年10月、新庁舎が完成。2021年1月、プレハブ仮庁舎から新庁舎への移転を完了。2月1日、新庁舎（鉄筋コンクリート４階建て、延床面積4933平方メートル）の落成式を実施。参考：陸上自衛隊ホームページ、月刊航空ファン6,’18、朝雲

＜情報活動＞：収集努力指向、情報資料収集、情報資料処理、情報使用の４段階からなり、これを循環させることで高度かつ正確な情報を得ることができる。参考：日本の防衛戦力Part1

＜情報管制器＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究2,’11

＜情報機関＞

　＜情報機関（アメリカ）＞：HUMINTはCIA作戦本部とDIA、IMINTは国家偵察局と国家地球空間情報局、SIGINTは国家安全保障局が行う。CIAがこれらを統括するが、多数の省庁や機関が関与しており、CIA、国防総省、国務省がそれぞれホワイトハウスに情報分析評価を送っているため、情報活動が重複したり、情報の共有が困難であったりする。参考：月刊軍事研究4,’09

　＜情報機関（イギリス）＞：主任務は秘密情報の収集活動である。HUMINTはSIS（秘密情報部）、SIGINTはGCHQ（政府通信本部）、IMINTは国防省国防情報本部統合航空偵察情報センターが担当する。また、MI5が防諜を行う。公開情報の収集は国防省国防情報本部で実施する。情報分析は、情報を使用する各省庁や各組織が行い、内閣府合同情報委員会がそれを統合する。情報利用者が優先事項を間違うと、せっかく集めた情報が活かされないという欠点がある。参考：月刊軍事研究4,’09

　＜情報機関（日本）＞：太平洋戦争後に対外情報は外務省の所管になったが、有事やテロのような情報には疎く、海外で何かあったら日本大使館でなくアメリカ大使館に駆け込めと皮肉られるくらいなので、どうにもならない。参考：月刊JWings4,’15

＜情報基盤装置（十条駐屯地）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜情報教導隊＞：陸上自衛隊の教導隊。情報学校の教育支援部隊で、スキャンイーグル／スキャンイーグル２UAVやJTPS-P-23地上レーダ装置１号などを装備し、これらの運用教育などを行う。2019年3月26日、情報学校隷下に新編された。2021年11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。11月23日2036頃、自衛隊統合演習に参加していたスキャンイーグル１機が、対艦攻撃訓練の情報収集活動中に旧種子島空港南東25km付近で通信途絶状態に陥り、行方不明になった。参考：朝雲、月刊JWings6,’19、2,’22

＜情報業務＞：情報収集努力を指向（何を知りたいかを元に計画を作り、命令や要求を与える）し、情報資料を収集（極力公然資料を利用、場合によっては非公然行為を実施）し、情報資料を処理（評価判定や暗号解読）し、情報を使用すること。憶測や風評、政治宣伝や偽装工作に惑わされないよう、注意深い収集処理が必要である。参考：月刊軍事研究7,’97

＜情報業務群＞：海上自衛隊の情報専門組織。情報資料の収集管理配付を主任務とし、国内外で活動する部隊の運用や訓練を支援する。1997年1月20日、自衛艦隊隷下に新編された。2020年10月1日に廃止された。参考：月刊丸1,’10別冊、自衛艦隊ホームページ、月刊世界の艦船11,’18、7,’19、12,’20

　＜情報業務群（２０１０年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。隷下に作戦情報支援隊、基礎情報支援隊、電子情報支援隊を置く。参考：月刊丸1,’10別冊

　＜情報業務群（２０１１年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。作戦情報支援隊、基礎情報支援隊、電子情報支援隊を隷下に置く。参考：海上自衛新聞

　＜情報業務群（２０１５年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀基地船越地区にある。作戦情報支援隊（船越地区）、基礎情報支援隊（市ヶ谷）、電子情報支援隊（船越地区）を隷下に置く。参考：月刊航空ファン4,’16、自衛艦隊ホームページ、月刊世界の艦船11,’18

＜情報業務用車両（現品運搬車）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究11,’16

＜情報業務用車両（資材運搬車・バン型）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜情報業務用車両（セダン）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究10,’10

＜情報業務用車両（セダン４ＷＤ）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜情報業務用車両（マイクロバス）＞：自衛隊の車両。日産自動車またはトヨタ自動車または三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究6,’09、8,’10、11,’18

＜情報業務用車両（ミニマイクロバス）＞：自衛隊の業務用車両。トヨタ製。参考：月刊軍事研究5,’07

＜情報業務用車両（ライトバン）＞：自衛隊の業務用車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究5,’07

＜情報業務用車両（ライトバン２ＷＤ）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車または日産自動車製。参考：月刊軍事研究11,’16、8,’18

＜情報業務用車両（ライトバン４ＷＤ）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究11,’16

＜情報業務用データリンク技術支援＞：防衛省がアメリカ国家安全保障庁に発注している。参考：月刊軍事研究9,’18

＜情報業務用電子計算機（デスクトップ型）＞：自衛隊の機器。富士ゼロックスまたはソフトブレーン製。参考：月刊軍事研究1,’16、10,’18

＜情報業務用電子計算機（ノート型）＞：自衛隊の機器。富士ゼロックスまたはソフトブレーン製。参考：月刊軍事研究1,’16、10,’18

＜情報業務用電子計算機（ノート持出型）＞：自衛隊の機器。ソフトブレーン製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜情報勤務（日本陸軍）＞：敵情、地形、気象などに関する諸情報を収集審査し、指揮官の決心と指揮に必要な資料を取得するのが目的である。重点を確立し脈絡一貫した組織によって始めて目的の達成が可能となるため、高級指揮官は情報勤務規定を定めると共に作戦の進捗に合わせて改訂し、情報勤務全般の統制を図る必要がある。情報勤務規定には情報の報告や通報（会報含む）に関する事項、戦車・砲兵・工兵・飛行機・ガス・気象等に関する特殊情報の統制に関する事項、目標・地点・地域等の符号・番号の配当と命名法など所要の符号等に関する事項、作戦用地図と空中写真に関する事項、捕虜の取扱に関する事項、諜報勤務などに関し永続的に規定すべき事項などを定めておく。参考：作戦要務令

＜情報警察隊＞：CIPを参照。

＜情報支援活動部隊＞：ISAを参照。

＜情報支援システム用符号変換装置�V型＞：自衛隊の機器。日本無線製。参考：月刊軍事研究12,’08

＜情報支援システム用符号変換装置�VＢ型＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜情報支援装置用符号変換装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜消防自動車用水槽（１６００Ｌ積載用）＞：自衛隊の消防自動車用水タンク。ジーエムいちはら工業製。参考：月刊軍事研究11,’08

＜消防車（サイト用）＞：航空自衛隊のレーダーサイト用消防車、U-FT3HGAA（改）。全長6.7m、全幅2.3m、全高3.1m、車重6.305トン、最大積載量2.155トン。エンジンはH07D型直列６気筒ディーゼル（7412cc、195馬力）、トランスミッションはDD5M型（前進５段・後進１段）、最大速度105km、燃料タンク容量100リットル。乗員７名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜情報収集衛星＞：日本の内閣衛星情報センターが運用する偵察衛星で、1998年の北朝鮮による弾道ミサイル発射の徴候を掴む自前の偵察システムが無かったため、12月22日に導入を閣議決定し、急遽開発した。北朝鮮の偵察が主目的で、撮像データは北朝鮮撮影後すぐに上空を通過する九州の受信管制局に送付され、北受信管制局、南受信管制局、中央センター、副センターに送られ、内閣情報調査室内閣衛星情報センター（Cabinet Satellite Intelligence CEnter、CSICE。要員300名）で解析される。光学・レーダー２基ずつで全世界を１日１回撮影する体制の構築を目指しており、衛星の設計寿命は５年なので、５年間に４基のペースで打ち上げる予定。極秘運用の予定だったが、NORADが軌道データを公開してしまったため、軍事マニアの追跡により運用法がばらされてしまったことがある。ちなみに、同一地点上空を４日に１回通過する高度約490kmの太陽同期準回帰軌道（軌道傾斜角97.3度）に乗っており、日本上空を1030頃に通過する軌道と、1130頃に通過する軌道の２種類を使っている。一応災害時に地上画像を提供する役目もあるが、性能がばれない程度に解像度を落とす必要があるので、民間衛星画像の方が使いやすい。2003年3月28日、光学センサー搭載型IGS-O1と合成開口レーダー搭載型IGS-R1を打ち上げた。2003年11月29日、光学センサー搭載型IGS-O2と合成開口レーダー搭載型IGS-R2をH-�Uロケットで打ち上げようとしたが、失敗して両機とも失われた。以降は１基ずつ別のロケットに載せて打ち上げている。2006年9月11日、光学センサー衛星IGS-O2を打ち上げた。2007年2月24日、レーダー衛星IGS-R2と、IGS-O3光学センサー衛星用技術実証衛星を打ち上げた。3月、レーダー衛星IGS-R1が電源故障で機能を喪失した。2009年11月28日、光学センサー衛星IGS-O3を打ち上げた。2010年8月、レーダー２号機IGS-R2の電源が故障し、運用可能なレーダー衛星が一時的に無くなってしまった。2011年9月23日、光学センサー衛星IGS-O4を打ち上げた。12月12日、レーダー衛星IGS-R3を打ち上げた。2013年1月27日、レーダー衛星IGS-R4を打ち上げ、漸く光学２基＋レーダー２基の４基態勢が整った。同時にIGS-O5光学センサー衛星用技術実証衛星も打ち上げている。11月、IGS-O2の運用を終了。2015年2月1日、レーダー衛星予備機の打ち上げに成功した。3月26日、光学センサー衛星IGS-O5を打ち上げた。12月、宇宙開発戦略本部が将来的に光学衛星４基＋レーダー衛星４基＋データ中継衛星２基の計10基体制をとると決定した。2017年3月17日、レーダー衛星５号機IGS-R5がH-�UＡロケット33号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。9月15日、IGS-O3の運用を終了。2018年2月27日1334、光学センサー衛星IGS-O6がH-�UＡロケット38号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。6月12日、レーダー衛星６号機がH-�UＡロケット39号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。8月、１基が退役し、軌道上の衛星数が７基になった。北朝鮮以外の撮像データを送付するのに時間が掛かるので、2019年度にデータ中継衛星を静止軌道に打ち上げて日本上空に来なくてもデータを送れるようにする予定。参考：月刊JWings5,’17、6,’03、月刊軍事研究11,’18、5,’05、7,’05、2,’10、1,’12、月刊航空ファン4,’16、6,’17、5,’18、9,’18

＜情報所（日本陸軍）＞：日本陸軍の高等司令部が設ける情報収集伝達補助施設。交通路の要点かつ空地連絡に便利な場所に設営し、一般の状況を掌握している将校を派遣、その将校は情報所に届けられた情報を点検し、重要性や緊要性を勘案して転送の順序と方法を決める。情報所は無防備にならないよう常に援護下に置き、所属司令部との間に連絡施設を整え、位置を適宜各部隊に通報して所要の表示を行う。参考：作戦要務令

＜消防小隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊基地業務群施設隊の隷下にある救難・消防部隊で、消防員が所属する。主任務は航空救難、建造物火災対処、消防設備点検で、破壊機救難消防車などを装備し、航空事故に備えて滑走路脇に待機する他、航空機が飛ばない時には防火点検や訓練を行う。１年に４回、航空機救難消火訓練（ピットファイアー訓練）を行って練度と士気を高めている。参考：MAMOR vol.108、月刊JWings4,’18

＜情報小隊（陸上自衛隊）＞：連隊以下のレベルでの偵察・斥候活動を行う部隊で、連隊本部第２科長の命を受けて任務を実施する。トップは小隊長（2-3等陸尉）で、３個班からなり、軽装甲機動車や73式小型トラック、オートバイを装備する。対人狙撃銃も配備されている。今後はUAV（近距離用）の配備が始まる予定。参考：スピアヘッドNo.12

＜情報資料＞：Information。ただし、イギリスではIntelligenceがこの意味で使用される。情報を製作するための素材で、各種命令、文書、偵察データなど多岐にわたる。収集法は公然活動、非公然活動（実行組織と行動を隠蔽し、違法行為や非道徳手段を利用して非公開情報を収集する）、特別活動（偽情報流布、プロパガンダ、敵対組織への資金援助などを行う。実行組織と行動は明るみに出るが、それを命じた組織は隠蔽する）に分類される。不要な情報資料（ノイズ）から重要なもの（シグナル）を抜き出す作業がポイントだが、ノイズを補強するノイズに惑わされたり、ノイズの洪水に溺れたりしてしまうことも多く、困難を伴う。参考：月刊軍事研究1,’09、7,’97

＜情報資料群（２０１５年）＞：作戦情報隊隷下で、市ヶ谷に置かれている。

＜情報戦＞：情報収集・分析・配布する手段において優位性を獲得する行動で、敵軍の情報能力低下と友軍の能力向上を図る。諜報、欺瞞、偽情報流布、情報保全などから構成される。参考：月刊軍事研究5,’05

＜消防船（海上自衛隊）＞：海上自衛隊第一種支援船YE（Yard Engin）。飛行艇の火災を消火するのが主任務で、1977年4月に船種が制定された。船体は白、上部構造物は赤に塗られており、艦橋前方に救命筏、後部に救命具を搭載する。火災現場にいち早く駆けつけるため、速力を重視した。YE-01消防船１号が唯一の消防船であり、2001年3月16日の除籍と同時にこの船種も廃止された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、6,’01、自衛隊装備カタログ1981

＜消防船１号型＞：海上自衛隊消防船。ASH-41消防41号が1977年4月に船種変更されたものである。鋼製で、全長23m、全幅5.5m、深さ2.8m、吃水1m、基準排水量45トン。主機は1300馬力のディーゼルで、３軸推進、速力19ノット。YE-01が就役し、2001年に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、6,’01、自衛隊装備カタログ1981

＜情報戦技術に関する基礎調査＞：自衛隊の調査。日本電気が受注している。参考：月刊軍事研究12,’18

＜祥鳳戦闘機隊＞：昭和17年1月5日から横須賀で訓練を実施。5月3日、艦戦３機でツラギ上陸作戦を支援。5月5日、敵偵察機２機を追撃したが、撃墜はならなかった。5月7日、零戦４機と九六式艦戦２機で上空直掩を実施、３機を撃墜したが、母艦が沈没したためデボイネ基地に向かい、３機が不時着した。残る３機は行方不明となった。参考：日本海軍戦闘機隊

＜情報専門部隊＞：陸上自衛隊用語で、情報業務を主任務とする部隊のこと。通信情報部隊、技術情報部隊、調査隊、資料隊、沿岸監視隊などがこれにあたる。参考：月刊軍事研究7,’97

＜消防隊（日本陸軍）＞：日本陸軍の部隊が編成する消防部隊で、隊内などで火災が発生した際の消火にあたる。トップは週番士官で、水ポンプ、筵、砂などにより消火する部隊、鳶口や鋸などで破壊消防を行う部隊、伝令などからなる。参考：月刊丸4,’17

＜情報隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の情報収集部隊。スキャンイーグル２UAVを装備し、24時間以上連続運用して情報収集を行い、大規模災害時の偵察活動などに従事する。2019年3月26日、第８師団隷下に第８情報隊が初編成された。情報教導隊も新編されている。2020年、第６師団第６情報隊と第15旅団第15情報隊が新編された。2022年、第２師団第２情報隊と第14旅団第14情報隊が新編された。参考：月刊JWings6,'22、朝雲

＜消防中隊（日本陸軍）＞：日本陸軍の連隊が編成する消防部隊で、１ヶ月交代で１個中隊が指定され、消防隊を編成して火災時の消火活動にあたる。参考：月刊丸4,’17

＜情報調査局＞：IRDを参照。

＜情報通信網装置�U型＞：自衛隊の情報機器。富士通製。参考：月刊軍事研究11,’08

＜情報の保護に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定＞：日本とフランスが20111年10月24日に締結した軍事情報包括保護協定。国家安全保障のために保護を必要とする政府の秘密情報が対象であり、防衛関連情報だけでなく幅広い範囲を含んでいる。参考：月刊丸2,’12

＜情報幕僚＞：海上自衛隊の職名で、略号はゼウサ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜情報表示サブシステム７型＞：自衛隊の機器で、19DDに搭載されている。OQQ-22テストサイト用、OYQ-11テストサイト用もある。日本アビオニクス製。参考：月刊軍事研究2,’09、3,’10

＜情報表示処理装置３型＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜情報保全コマンド＞：アメリカ陸軍情報部隊のトップで、INSCOMと略す。司令部はバージニア州フォート・ベルボアにあり、隷下に６個軍事情報旅団、３個軍事情報群などを置く。太平洋地域（朝鮮半島以外）は第500軍事情報旅団、朝鮮半島は第501軍事情報旅団が担当する。参考：月刊軍事研究4,’09

＜情報保全隊（自衛隊）＞：自衛隊の常設統合部隊で、陸海空情報保全隊を再編して2009年8月1日に創設された。トップは隊司令（将補）で、隷下に中央情報保全隊、北部情報保全隊、東北情報保全隊、東部情報保全隊、中部情報保全隊、西部情報保全隊を置く。2017年1月23-27日、平成28年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2020年1月24-31日、キーン・エッジ2020に参加。2021年11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2022年1月27日から2月3日、キーン・エッジ2022に参加。2023年1月27日から2月3日、令和4年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2024年2月1-8日、令和5年度日米共同統合演習（指揮所演習）に参加。参考：朝雲、月刊JWings2,’22、月刊世界の艦船4,’23

＜情報保全隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の情報機関で、一般部隊に対する情報保全・部隊保全任務の支援を行う。デモ活動などの自治体・警察への届出情報や、各種団体の出版物、ホームページなどを元に情報の収集を行う他、機密漏洩などが発生した場合にはその調査にあたる。2009年8月1日、自衛隊情報保全隊に統合された。参考：月刊軍事研究8,’07、朝雲

＜情報保全部＞：CSSを参照。

＜情報本部（防衛庁／防衛省）＞：Defense Intelligence Headquarters（DIH）。防衛庁／防衛省情報部門の中枢で、内局、統幕、各幕の戦略情報部門を統合して1997年1月20日に統合幕僚会議内に新編された。トップは情報本部長（将官）、その下は副本部長（防衛事務官）で、情報官４名（事務官１名、自衛官３名）、総務部、計画部、緊急・動態部（突発事項に関する情報、周辺国情報を収集報告。後に統合情報部）、分析部、画像・地理部（航空写真や偵察衛星写真を解析。アメリカの商業衛星の写真なども使用する）、電波部（東千歳通信所、小舟渡通信所、大井通信所、美保通信所、大刀洗通信所、喜界島通信所、象の檻などから傍受した通信情報を分析）などからなり、要員1600名。国家レベルの情報収集、総合的な処理分析、戦略情報作成が主任務で、専ら合法活動により行う。2001年3月、動態情報を担当する緊急・動態部を新編し、技術官を廃止した。2004年3月、画像部を画像・地理部に改編。2006年3月、統合運用体制移行に伴い、統合幕僚会議が統合幕僚監部となったため、防衛庁長官（2007年1月から防衛大臣）直轄部隊に変更された。2012年2月7-17日、コブラ・ゴールド12に参加。11月5-16日、キーン・ソード13に参加。2013年11月1-18日、平成25年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。2月11-21日、コブラ・ゴールド14に参加。11月8-19日、キーン・ソード15に参加。2015年1月26-30日、平成26年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9-20日、コブラゴールド15に参加。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。6月29-30日と7月5-8日、平成28年度自衛隊統合防災演習に参加。8月23日から9月1日、平成28年度第１回在外邦人輸送訓練に参加。2017年3月15日、防衛省講堂で創立20周年記念式典を実施。9月25日から10月2日、平成29年在外邦人等保護措置訓練（国外）に参加。2018年6月19-22日、平成30年度自衛隊統合防災演習に参加。9月1-9日、平成30年度在外邦人等保護措置訓練（国外）に参加。2019年7月30日から8月1日、拡大ASEAN国防相会議人道支援／災害救援演習に参加。9月29日から10月6日、令和元年度統合展開・行動訓練に参加。2020年10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。2021年5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練に参加。7月10日から8月23日、コブラ・ゴールド21にオンラインで参加。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2022年2月18日から3月4日、コブラ・ゴールド22に参加。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。2023年1月27日から2月3日、令和4年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2024年2月1-8日、令和5年度日米共同統合演習（指揮所演習）に参加。2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。参考：月刊軍事研究11,’05、4,’97、1,’18、月刊世界の艦船4,’12、1,’13、4,’14、1,’15、4,’15、1,'16、1,'21、4,'23、スピアヘッドNo.12、月刊JWings1,’14、11,’16、12,’17、2,'22、月刊航空ファン11,’18、朝雲

　＜情報本部（２００６年３月改編前）＞：統合幕僚会議隷下で、総務部、計画部、分析部、緊急・動態部、画像・地理部、電波部、各通信所からなる。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜情報本部（２００６年３月改編後）＞：防衛庁長官直轄で、総務部、計画部、分析部、統合情報部、画像・地理部、電波部、各通信所からなる。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜情報本部（２０１５年）＞：防衛大臣直轄で、本部長、副本部長、情報官４名、情報保全官、情報評価官、総務部、計画部、分析部、統合情報部、画像・地理部、電波部、各通信所からなる。参考：情報本部ホームページ

＜消防用ノズル艦船用万能＞：自衛隊の機器。東京サイレン製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜消防用ホース艦船用２型＞：自衛隊の機器。帝国繊維製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜正味出力＞：軸馬力を参照。

＜照明具（宿営用）＞：自衛隊の機器。東海理研製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜照明具天幕用＞：自衛隊の機器。東海理研製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜照明弾＞：地上や海上を照明する弾薬。発光薬剤の入った筒に落下傘が付いており、発射後に空中で信管が作動して筒が放出され発光を開始、落下傘を開いて長時間の照明を行うようになっている。古くは硝酸バリウムにマグネシウムまたはアルミニウムを混ぜたものを使っていたが、最近ではフレアとしても使用されるマグネシウム・テフロン・バイトン系のものが主流になっている。可視光だけでなく、赤外線照明弾も使用され、この場合はヘキサメチレンテトラミン（ウロトロピン）やセシウムを添加するなどして可視成分を減らしつつ赤外線成分を増強させる。陸上自衛隊の照明弾射撃の場合、高度750mで落下傘が開いて輝き始め、毎秒10-12mの落下速度で50-70秒輝き続ける。有効範囲600mで、連続して撃つ場合は約100ｍの幅をおいて撃つ。ただし何発も続けて撃つと照明弾の煙で地上が覆われ、目標が発見できなくなる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究11,’98、MAMOR vol.132

＜照明筒１形＞：自衛隊の照明筒。細谷火工製。参考：月刊軍事研究4,’08、9,’15

＜照明筒救難用＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜照明筒ちょう光２型＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜照明筒ちょう光２型（落下傘付照明筒）＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究5,’11

＜照明筒発射式＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜正面攻撃＞：攻撃を参照。

＜正面射撃パターン＞：アメリカ陸軍M-1戦車小隊射撃パターン。横列に並んだ小隊全車両が敵部隊を砲撃可能な時に使う。最右翼のM-1が敵部隊の向かって最も右の車両、最左翼のM-1が最も左の車両を射撃し、段々と中央部に攻撃を移す。残り２両は近くから遠くへ、脅威度の高い方から低い方へと順次攻撃する。参考：月刊軍事研究7,’03

＜消耗型移動対潜水艦戦訓練標的＞：EMATTを参照。

＜消耗戦争＞：第３次中東戦争終結から３ヶ月後の1967年9月から1970年7月まで続いた、イスラエルとエジプトの間の小規模戦争。ヨルダン方面でも戦闘が行われている。1969年12月26日にはイスラエル軍がCH-53でエジプトのラスアラブにあるレーダー基地を急襲、ソ連製P12レーダーを車載したトラック２台をCH-53で吊り上げて持ち帰った。参考：現代の空挺作戦

＜小モルトケ＞：第１次大戦開戦時のドイツ軍参謀総長、ヘルムート・フォン・モルトケのこと。叔父で、普仏戦争に勝利した大モルトケと同姓同名だったので、こう呼ばれる。参考：月刊PANZER1,’05

＜照門＞：リア・サイト。照星を通して目標を照準するための器具。視野は狭いが正確な穴照門と、視野は広いが照準誤差が大きい谷照門がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜条約型巡洋艦＞：巡洋艦を参照。

＜小山鋸＞：日本陸軍の木工器材。参考：工兵入門

＜上游１＞：SY-1（艦対艦ミサイル）を参照。

＜上游２＞：SY-2（艦対艦ミサイル）を参照。

＜衝陽＞：568（フリゲート）を参照。

＜邵陽＞：DDG929（駆逐艦）を参照。

＜襄陽級＞：韓国海軍沿岸機雷掃討艇ヤンヤン（Yangyang）級。スワロー級の拡大改良型で、装備をアメリカ製としている。全長59.4m、幅10.5m、吃水3m、満載排水量894トン（730トン？）。主機はディーゼル２基4000馬力、推進はフォイト・シュナイダー・プロペラ２軸、速力15ノット。SQQ32可変深度ソナー、SLQ48遠隔機雷処分具２基を搭載。機雷掃討及び自衛用に20mm機関砲１門、7.62mm機銃２丁を装備する。乗員61名。10隻前後を建造する予定だったが、予算不足で艦番号572オンジンなど３隻が1999年、2004年、2005年に１隻ずつ就役した。参考：月刊世界の艦船7,’13、4,’09、月刊軍事研究5,’05

＜常用最大出力＞：連続して使用できる最大出力のこと。参考：月刊丸4,’99

＜乗用車（ステーションワゴン）＞：自衛隊の車両。日産自動車またはトヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09、2,’16

＜乗用車（ステーションワゴン、全輪駆動）＞：自衛隊の車両。富士重工製。参考：月刊軍事研究5,’09

＜乗用車（セダン）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜乗用車（セダン、援護用）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜乗用車（セダン、警務用）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜乗用車（ライトバン）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜乗用車（ライトバン、全輪駆動）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜乗用車（ワゴン型、全輪駆動）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜常用出力＞：船舶が航海速力を発揮する際の機関出力のこと。最大出力の80-85%くらい。参考：図解船の科学

＜将来３胴護衛艦＞：防衛装備庁艦艇装備研究所が多胴船の最適化に関する日米共同研究の成果としてMASTアジア2017でコンセプトモデルを発表した三胴船。三胴船の特長を活かして広いヘリ甲板を確保し、EH-101を運用できる。全長が短くピッチングしやすいため、各船体の水線下に水中翼を配し、コンピュータ制御でピッチングを抑制するようにした。全長92m、全幅21m、吃水4m、満載排水量1500トン。推進はウォータージェットで、速力35ノット。兵装は76mm砲１門、ファランクス、艦対空ミサイルなど。参考：朝雲

＜将来型緊急展開システム＞：FRESを参照。

＜将来型攻撃偵察機＞：FARA（ヘリ）を参照。

＜将来型ジェット練習機計画＞：M-346（ポーランド）を参照。

＜将来型戦術無人機システム＞：アメリカ陸軍がRQ-7B無人偵察機の後継として計画している次期UAVシステム、略称FTUAS。VTOL式にして発進・回収装置を省き、運用を容易にする方針だが、降着装置やVTOL装置にペイロードを持って行かれる可能性がある。L3ハリス社製FVR-90、マーチンUAV製V-Bat 128、テキストロンシステムズ製エアロゾンデHQ、エアロヴァイオロンメント製ジャンプ20が候補で、2021年2月22日から3月5日にジョージア州レイテ・ウェスト飛行場で比較実証試験FTUASロデオを行った。参考：月刊JWings7,’21

＜将来型戦略給油機＞：ボイジャーKC.Mk2を参照。

＜将来型対地対艦誘導兵器＞：FASGWシリーズを参照。

＜将来型長距離迎撃航空機複合体＞：PAK DPを参照。

＜将来型長距離侵攻航空機＞：FLRAAを参照。

＜将来型歩兵システム＞：各国が20世紀末頃から開発している歩兵用装備システム。暗視装置などを標準装備して全天候での作戦を可能とし、小銃には長距離でも命中率を発揮できるようFCSを搭載する。これまで戦闘に必要な情報は基本的に自分の目と耳でしか得られなかったが、ネットワークシステムにリンクした端末を保有することで広範囲の状況を的確に理解し、戦闘を行えるようにする。アメリカはランドウォリアーまたはネットウォリアー、イギリスはFIST、イスラエルはドミネーター、イタリアはソルダト・フトゥロ、シンガポールはACMS、スウェーデンはFIP、セルビアはVB-10、チェコとポーランドはテタン、ドイツはIdZ-BS、IdZ-ES、オブジェクティブ・システム2008、ノルウェーはNORMANS、フランスはフェラン、陸上自衛隊はACIESを参照。参考：月刊軍事研究2,’13

＜将来近接戦闘車両計画＞：FCCVPを参照。

＜将来航空戦闘システム＞：FCAS（仏英）またはFCAS（仏独）を参照。

＜将来国際軍用輸送機＞：A400Mを参照。

＜将来水上戦闘艦＞：FSCを参照。

＜将来水上戦闘艦プログラム＞：FSCP（Future Surface Combatant Program）と略す。アメリカ海軍が2001年11月1日に発表した次期主力水上戦闘艦開発計画で、DD(X)、CG(X)、LCSを計画した。CG(X)は開発中止になり、ズムウォルト級となったDD(X)は３隻の建造に止まり、LCSは32隻で建造打ち切りと、あまり上手くいっていない。参考：月刊軍事研究8,'15

＜将来戦術支援車両システム＞：FTTSを参照。

＜将来戦闘機システムのバーチャル・ビークルの研究試作＞：自衛隊の研究試作。三菱重工が受注している。参考：月刊軍事研究7,’17

＜将来戦闘機用小型熱移送システムの研究試作＞：自衛隊の研究試作。三菱重工が受注している。参考：月刊軍事研究9,’18

＜将来戦闘航空システム＞：FCASを参照。

＜将来戦闘航空システム実証計画＞：FCAS DPを参照。

＜将来戦闘システム＞：FCSを参照。

＜上陸（自衛隊）＞：味方が確保していない海岸に陸揚げすること。または海自隊員が自由時間に外出すること。艦艇勤務の隊員のみならず、元々陸上で勤務している隊員が外出する際も上陸という。参考：月刊軍事研究10,’98、海上自衛官紹介資料、日本の防衛戦力Part3

＜上陸（日本海軍）＞：日本海軍用語で、艦隊勤務の者が、艦船を降りて陸に上がること。公用や転勤でも上陸するが、主に休暇のため陸に上がることを指し、半舷上陸、入湯上陸、鼠上陸、油虫上陸などに細分される。連合艦隊が入港すると4000名の将兵が上陸して艦上では使い道の無い給料を派手にばらまくので、世界大恐慌の時などは港湾都市から陳情が出され、金の降る風が呉軍港の波止場から吹くと歌われるほどだった。参考：歴史群像6,’16、月刊世界の艦船11,’18

＜上陸作戦＞：水陸両用作戦を参照。

＜上陸支援艇３３号＞：アメリカ海軍上陸支援艇。1945年4月12日、菊水２号作戦特攻機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜上陸止め＞：海上自衛隊用語で、艦艇勤務の隊員に対する外出禁止令のこと。参考：MAMOR vol.100

＜勝利女神力士型防空飛弾＞：ナイキ海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜しょうりゅう＞：SS-510（潜水艦）を参照。

＜翔龍＞：WZ-7（無人機）を参照。

＜蒸溜器＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜小猟犬式轟炸機＞：轟炸５型・海外シリーズ（爆撃機）を参照。

＜檣楼＞：艦橋とマストが一体化した構造物。マストそのものを指すこともある。参考：月刊JWings2,’00

＜昭和飛行機工業株式会社＞：昭和12年6月5日に設立された航空機会社で、工場は北多摩郡に置かれ、敷地面積は55万坪もあり、面積30万坪の自社飛行場に滑走路も設置していた。昭和13年から航空機の生産を開始。まずDC-3のライセンス生産から始め、三式初歩練習機や零式輸送機、九九式艦爆二二型などの生産にあたった。昭和14年、北多摩郡昭和町に東京工場を開設。昭和18年10月、松本分工場を開設。昭和19年3月、青梅町に青梅分工場を開設。昭和20年、西多摩村に小作（おざく）工場を開設。4月4日、東京工場が空襲を受けた。6月11日、東京工場が空襲を受けた。8月2日、東京工場が空襲を受けた。終戦時には小作、篠ノ井、小諸などにも分工場があった。終戦までに617機を生産した。9月3日（2日？）から占領軍が進駐し、9月29日に全施設をアメリカ軍に接収されて在日米空軍昭和基地となり、アメリカ第５航空軍の車両修理を実施。朝鮮戦争勃発後の1952年からは航空機修理や改修も行った。1957年、防衛庁向け燃料給油車用給油装置の生産を開始。1960年6月、工場区域204000坪が接収解除になった。オランダのフォッカー社とフレンドシップ中型輸送機の技術提携を行ったが、YS-11との絡みで生産には至らなかった。そこで動翼素材として使用されていたハニカムコアに注目、1960年にアメリカのヘキセルと技術援助契約を結び、1964年からYS-11向けのハニカムコアを製造した。その前の1963年にはハニカム応用製品としてレーダー格納庫を防衛庁から受注している。1969年8月からゴルフ場、飛行場、軍用犬訓練場、軍人用住宅地の接収が解除され、9月2日に返還式が行われた。その後はPS-1やボーイング旅客機用のハニカムを製作、1990年代にはアルコアからアルミ耐食化技術であるリン酸陽極化処理技術を導入し、宇宙機器製作にも手を伸ばした。航空機製品としては、1962年からKD2R低速標的機の機体製作と修理を担当している。現在の社有地は38万坪あり、敷地面積８万坪の昭島工場の他、昭島駅北口駅前という好立地条件を活かし1970年代後半からてショッピングモールやホテル、ゴルフ場などを建設して収益を上げている。参考：月刊航空情報11,’10、月刊丸12,’90、首都防空網と空都多摩

＜ジョー１号＞：ソ連初の原爆。1949年8月29日に実験に成功した。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ショーヴォルネン（初代）＞：スウェーデン海軍ショーレヨネット級潜水艦２番艦で、海の熊の意。1936年起工、1937年1月15日進水、1938年3月20日就役。1964年11月1日退役。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ショーヴォルネン（２代目）＞：スウェーデン海軍ショーオルメン級潜水艦３番艦。1966年起工、1968年1月9日進水、1969年2月28日竣工。1999年、シンガポールに引き渡されてチャレンジャーとなった。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ショーヴォルレン＞：スウェーデン海軍ショーレヨネット級潜水艦９番艦。1941年起工、1941年6月14日進水、1942年5月20日就役。1942年9月4日に衝突して沈没したが、引き上げられて修理され、再就役した。1959年6月15日退役。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ショーオルメン（初代）＞：スウェーデン海軍ショーレヨネット級潜水艦８番艦で、海の蛇の意。1940年起工、1941年4月5日進水、1941年12月3日就役。1964年1月1日退役。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ショーオルメン（２代目）＞：スウェーデン海軍ショーオルメン級潜水艦１番艦Sjöormen。1965年起工、1967年1月25日進水、1968年7月31日竣工。1996年退役。2000年にシンガポールに引き渡されてセンチュリオンとなった。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ショーオルメン級＞：スウェーデン海軍潜水艦A12型Sjöormen級。船体を葉巻型にしてセイルを船体前よりに設置、ソナーをセイル前部に搭載してＸ舵を装備している。全長50.5m、全幅6.1m、全高5.1m、水上排水量1125トン、水中排水量1400トン。主機はピールスティック12PA-4ディーゼル（1100馬力）２基、ASEA電動機（635kW）２基、１軸推進、水上速力15ノット、水中速力20ノット。行動可能日数21日。兵装は533mm魚雷発射管４門（タイプ61長魚雷10本）と400mm魚雷発射管２門（タイプ42短魚雷４本）。乗員23名。１番艦ショーオルメン、２番艦ショーレヨネット、３番艦ショーヴォルネン、４番艦ショーヘステン、５番艦ショーフンデンの５隻が1968-69年に竣工した。1990年代に４隻が熱帯仕様に改装され、シンガポール海軍に輸出された。参考：月刊軍事研究2,’03、7,’05、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ショーオルメン級・海外シリーズ＞

　＜ショーオルメン級（シンガポール海軍）＞：シンガポール海軍潜水艦で、チャレンジャー（Challenger）級ともいう。1998年に訓練用に１隻を購入してチャレンジャーと命名、2000-01年に部品取りの１隻を含め３隻を追加してセンチュリオン、コンカラー、チーフテンと命名した。エアコン装備、バッテリー冷却機能強化などの改良が施されている。全長51m、全幅6.1m、吃水5.8m、水上排水量1130トン、水中排水量1210-1229トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル発電機２基・電動モーター１基１軸1500馬力、水上速力12ノット、水中速力20ノット。潜航深度150m（200m？）。兵装は533mm魚雷発射管４門と400mm魚雷発射管２門。乗員23名（士官７名と下士官・兵11名？）。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊軍事研究4,’10、月刊世界の艦船11,’16

＜ショーグンズ＞：第18航空団を参照。

＜ジョージ＞：DE-276（エヴァーツ級護衛艦）またはDE-697（バックレイ級護衛駆逐艦）または紫電シリーズ（戦闘機）または紫電改シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ジョージ＞：グリーンハウス実験で使用された、実験用水爆。

＜ジョージ・Ａ・ジョンソン＞：DE-583（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョージ・Ｃ・マーシャル＞：SSBN-654（ラファイエット改級戦略原潜）を参照。

＜ジョージ・Ｅ・デイビス＞：DE-357（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョージ・Ｅ・バジャー＞：DD-196（駆逐艦）を参照。

＜ジョージ・Ｆ・エリオット＞：AP-13（輸送艦）を参照。

＜ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュ＞：CVN-77（空母）を参照。

＜ジョージ・Ｋ・マッケンジー＞：DD-836（駆逐艦）を参照。

＜ジョージ・Ｍ・キャンベル＞：DE-773（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョージ・Ｍ・ニール＞：DDG-131（イージス駆逐艦）を参照。

＜ジョージ・Ｓ・ハワード大佐顕彰優秀軍楽隊賞＞：吹奏楽の発展を目的に設立されたアメリカのスーザ財団が、世界の優れた軍楽隊と指揮者に贈っている最高賞。軍楽隊は国民の財産であるとして多くのコンサートを行ったアメリカ空軍軍楽隊長ジョージ・Ｓ・ハワード大佐にちなむ名称である。1989年にはアメリカ以外の軍楽隊として初めてイギリス王立空軍中央軍楽隊が受賞。1992年に航空自衛隊航空中央音楽隊、1996年にノルウェー陸軍軍楽隊、1999年にポーランド陸軍中央軍楽隊、2010年に陸上自衛隊中央音楽隊が受賞している。参考：朝雲

＜ジョージ・Ｗ・イングラム＞：APD-43（高速輸送艦）またはDE-62（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョージア＞：SSBN-729（戦略原潜）またはSSGN-729（巡航ミサイル原潜）を参照。

＜ジョージア空軍（２０１５年）＞：現役兵力1300名（うち徴兵300名）。Su-25攻撃機３機、Su-25K攻撃機７機、Su-25UB攻撃機２機、An-2輸送機６機、Tu-134A要人輸送機１機、Yak-40輸送機２機、L-29練習機９機、Mi-24攻撃ヘリ６機、Mi-8T輸送ヘリ17機、ベル205ヘリ12機、ヘルメス450無人機１機以上、9K37M1地対空ミサイル1-2個大隊、9K33M2オサAK地対空ミサイル８基（1-2個部隊）、9K33M3オサAKM地対空ミサイル6-10基を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジョージア軍＞：2013-16年の戦略防衛レビューで、オブジェクティブ・フォース2016と称する軍発展計画を発表し、脅威に基づいて軍の発展や構造改革を進めるとした。2014年の防衛白書で、軍の専門化や機動化を進め、即応性を向上させ、情報面や兵站面を含む後方部門の近代化を図るとした。2018年5月31日、防空軍創設23周年記念日に合わせてタレス＝レイセオン社製グランドマスター200機動防空レーダー、グランドマスター400機動防空レーダー、ラファエル社製パイソン地対空ミサイルの写真をウエブサイトとフェイスブックに公開した。参考：月刊軍事研究12,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ジョージア軍（２０１５年）＞：現役総兵力20650名（陸軍17750名、空軍1300、国家防衛隊1600名）、準軍事組織11700名（国境警備隊5400名、内務省軍6300名。国境警備隊の沿岸警備隊は巡視船21隻、ヴィドラ級LCU１隻、兵站支援船１隻を保有）。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員885名・軽歩兵大隊１個、中央アフリカ共和国にEUMAM RCA要員５名、マリにEUTMマリ要員１名、コソボにOSCE要員２名、ウクライナにOSCE要員８名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジョージア国家警備隊（２０１５年）＞：兵力1600名（招集予備役）。軽歩兵旅団１個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジョージア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力17750名（うち徴兵3750名）。特殊部隊旅団１個、軽歩兵旅団５個、海兵大隊２個、砲兵旅団２個、工兵旅団１個、通信大隊１個、SIGINT大隊１個、憲兵大隊１個、医療大隊１個からなる。T-55戦車23両、T-72戦車100両、ディドゴリ２偵察車４両以上、BMP-1歩兵戦闘車25両、BMP-2歩兵戦闘車46両、BRM-1K歩兵戦闘車１両、ラジカ装甲車３両以上、MT-LB装甲車66両、BTR-70装甲車25両、BTR-80装甲車19両、ディドゴリ１装甲車８両以上、ディドゴリ３装甲車３両以上、Ejder装甲車65両、クーガー装甲車10両、122mm自走砲2S1を20両、152mm自走砲M-77ダナ32両、152mm自走砲2S3を13両、152mm自走砲2S19を１両、203mm自走砲2S7を１両、122mm砲D-30を58門、152mm砲2A36を３門、152mm砲2A65を10両、BM-21を13両、122mm自走多連装ロケットGRADLAR６両、122mm自走多連装ロケットRM-70を18両、120mm迫撃砲2S12を14門、120mm迫撃砲M-75を33門、120mm迫撃砲M120を18門、対戦車ミサイル10基前後、対戦車砲40門前後、9K35自走地対空ミサイル、スパイダー自走地対空ミサイル、9K32/9K36/9K310携帯地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジョージ・クライマー＞：APA-27（攻撃輸送艦）を参照。

＜ジョージタウン＞：I40（駆逐艦）を参照。

＜ジョージック＞：イギリス戦時運輸省兵員輸送船Georgic。元はホワイト・スター・ラインの客船で、1932年6月11日に竣工し、1934年に合併でキュナード・ホワイト・スター・ラインに移り、第２次大戦勃発で兵員輸送に使用され、1941年7月にスエズで爆撃を受けて擱座、引き揚げて修理するついでに兵員輸送船に改造され、戦時運輸省が所有した。全長216.7m、幅25.1m、吃水10.7m、総トン数27759トン、重量トン数16834トン。主機はB&Wディーゼル２基２軸26000馬力、航海速力18ノット。1948-53年、移民船（定員1962名）に改造され、オーストラリアへの移民輸送に就いた。1950-54年、夏期シーズンのみキュナードの北大西洋航路で客船として使用されるようになった。1953-55年、朝鮮戦争帰還兵輸送任務に就いた。1955年11月、係船状態とされた。1956年1月にスクラップとして売却された。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ジョージナ＞：A152（曳船）を参照。

＜ジョージ・バーナード・ショー＞：アイルランド海軍サミュエル・ベケット級外洋哨戒艦George Bernard Shaw。2017年起工、2018年就役。参考：月刊世界の艦船6,’19、10,’22

＜ジョージ・バンクロフト＞：SSBN-643（ラファイエット改級戦略原潜）を参照。

＜ジョージ・フィリップ＞：FFG-12（フリゲート）を参照。

＜ジョージ・ワシントン＞：CVN-73（ニミッツ級空母）またはSSBN-598（ジョージ・ワシントン級戦略原潜）を参照。

＜ジョージ・ワシントン・カーヴァー＞：SSBN-656（ラファイエット改級戦略原潜）を参照。

＜ジョージ・ワシントン級＞：アメリカ海軍初の戦略原潜（完成当初はSSGN、1958年6月にSSBNに変更）、George Washington級。SLBMの実用化に目途が立ったため、1963年に実戦化させる予定で開発を開始したが、ソ連が思った以上に早く人工衛星搭載宇宙ロケット（ICBMにもなる）を打ち上げてきたため、スキップジャック級の船体をセイル直後で切って長さ39.6mの弾道ミサイル区画（ポラリスA1ミサイル発射筒２列計16基）を填め込むことにより開発期間を短縮し、材料もスキップジャック級から流用（１番艦は進水済みの艦、２番艦は起工済みの艦を改造）、３年早く実戦配備した。船体は部分複殻式、耐圧船殻はHY-80高張力鋼製で、内部配置は前方から魚雷発射管室／兵員居住区、発令所／士官・兵員居住区、ミサイル区画／兵員居住区、第１補機室（ジャイロ・スタビライザー収容）、原子炉室、第２補機室、主機室となっており、ミサイル区画の高さを稼ぐため、セイル後方に上構を設けている。乗員スペースが圧迫されたため、予備魚雷を減らして居住区画に充てた。北極海でも作戦行動がとれるよう、船体とセイルを強化した。潜舵はセイル・プレーン。ミサイルは圧縮空気発射式で、潜航したまま１分おきに射出でき、15分で全弾の発射が終わる。FCSはSLBM用がMk80ミサイル発射指揮装置、魚雷用がMk112魚雷発射指揮装置。ソナーは艦首上部のAN/BQS-4アクティブ・パッシブと艦首下部のAN/BQR-2Bパッシブ。慣性航法装置は３セット用意した。セイルはスキップジャック級より大きく、AN/BPS-15対水上・航海レーダー用アンテナマスト、ESMマスト、捜索用潜望鏡、攻撃用潜望鏡、天測用潜望鏡、シュノーケルなどを引き込み式で装備する。乗員は艦長も含めてゴールドとブルーの２組を用意して60-66日ごとに交代する方式がとられ、以降のSSBNにも採用された。全長116.3m、幅10.1m、吃水8.1m、水上排水量5959トン、水中排水量6709トン。主機は原子力蒸気タービン方式、S5W加圧水型原子炉１基・２段減速歯車付GE式高低圧２胴型蒸気タービン２基、出力15000軸馬力、５翅プロペラ（直径4.9m）１軸推進、水上速力16ノット、水中速力22ノット。補助電動機２基を装備する。安全潜航深度396m。兵装はポラリスA1発射筒16基、533mm水圧式魚雷発射管Mk54が６門（艦首３列２段。Mk16Mod6またはMk37魚雷12本。後にMk48魚雷12本）。乗員112名。1959-61年にSSBN-598ジョージ・ワシントン、SSBN-599パトリック・ヘンリー、SSBN-600セオドア・ルーズヴェルト、SSBN-601ロバート・Ｅ・リー、SSBN-602エイブラハム・リンカーンの５隻が就役した。1966-67年、SLBMをポラリスA3に換装し、射出をガス発生蒸気式に変更、ミサイル発射指揮装置をMk84に改修した。1981-82年、SALT�UでSLBMを撤去することになり、２隻が退役、３隻が攻撃原潜に艦種変更された。ただ実際には引き続き戦略哨戒を行っていたらしい。1985-86年に残る３隻が全て退役した。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船9,’12増刊、6,’13、月刊軍事研究2,’10、5,’17、ザ・マーチ39号、現代の潜水艦

＜ジョージ・ワシントンと日昇丸の衝突事故＞：1981年4月7日、忽那海運所属の貨物船日昇丸（総トン数2350トン）が綿花など2600トンを積んで神戸港を出港。4月9日には大隅海峡を通過し、夜に鹿児島沖で針路を西北西に変え、上海へと向かった。1030頃、日昇丸は下甑島釣掛岬灯台の243度・37海里の地点に到達し、自動操舵で針路266度を取り、速力11ノットで航行していた。天候は小雨交じりで視程2-3km、風向南西、風速8m、波高1mのうねりがあった。1032、潜望鏡深度で潜航中（速力不明）だったSSBN-598ジョージ・ワシントンのセイルが日昇丸の船底に衝突し、後部機関室左舷に長さ1m・幅0.25mの破孔が生じて一気に浸水。船長はNC旗（我遭難す）を掲げて総員退船を命じた。十数分で日昇丸は船尾から沈没し、15人の乗員は両舷の救命筏に乗り込んだが、左舷側救命筏のロープが船から放れず、乗っていた７人は一旦海に飛び込んだ。日昇丸が沈没するとロープが切れて救命筏が浮上してきたので、５人が再び筏に上がったが、船長と一等航海士は行方不明となった。ジョージ・ワシントンは1026に潜望鏡深度に達し、周辺を観察したが、視界が悪く潜望鏡では日昇丸を発見できず、ソナー員は発見していたものの当直士官に伝えられていなかったという。ジョージ・ワシントンは一旦浮上したものの救助活動はおろか事故の通報すら行わず、戦略哨戒任務に就いていた訳でもないのに５分後にそのまま潜航してその場を去り、１時間27分後に上級司令部に事故報告を行ってグアムに帰投した。付近で共同訓練中のアメリカ海軍P-3Cもジョージ・ワシントンからの事故報告は受けておらず、そのまま去った。救命筏に乗った13人は4月10日0500過ぎに漸く海上自衛隊第23護衛隊DD-119あおぐも、DD-120あきぐもに救助されたが、行方不明の船長と一等航海士は4月21日に屋久島沖で遺体となって発見された。参考：月刊世界の艦船6,’01、ザ・マーチ17号

＜ジョーズ作戦＞：不朽の自由作戦において、第２海兵師団が2012年2月から開始したタリバン掃討作戦Operation Jaws。ヘルマンド州カジャキ県のタリバンに対する攻勢作戦で、すぐに第１海兵師団に引き継がれ、6月9日まで掃討を行った。参考：月刊軍事研究9,’12

＜ジョーダン＞：DE-204（護衛駆逐艦）を参照。

＜翔忠戦闘隊＞：日本陸軍飛行隊。昭和20年6月2日、飛行第33戦隊から改編されて誕生した特攻部隊で、第９飛行師団直属である。南スマトラのベトン飛行場に展開していた。7月26日に７機で出撃し、マラッカ海峡で艦船攻撃を行った。7月27日、メダン飛行場に展開。8月上旬、４機でイギリス艦船を攻撃。終戦時、一式戦闘機10機を保有していた。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜ショート３３０＞：ショート社の30席級ターボプロップ旅客機。SC.7スカイバンの拡大型で、1970年代初めにSD3-30の名称で開発計画が始まり、ショート330に改称されて1974年8月22日に試作初号機が初飛行した。胴体断面は１辺1.98mの正方形で、スカイバンより3.78m長くし、尾部ランプを廃止して手荷物スペースに変更した。主翼は直線翼で高翼配置、胴体中央側面下部の主脚収容バルジとの間に支柱がある。垂直尾翼は双尾翼。1976年8月24日にカナダのタイム・エアで初就航した。1989年までに民間向けだけで195機が生産された。アメリカ空軍がC-23Aとして採用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究12,’08

＜ショート３６０＞：ショート社の40席前後級ターボプロップ旅客機。ショート330の拡大改良型で、1970年代鋼板から開発され、1982年9月にイギリスの形式証明、11月にアメリカ連邦航空局の形式証明を取得した。ショート330の構造を強化して胴体を0.91m伸ばし、エンジンを強化、単尾翼に変更して大型の垂直尾翼を装備している。全長21.59m、全幅22.81m、全高7.21m、運航自重7.666トン、最大離陸重量10.387トン。翼面積42.1平方メートル。エンジンはPT6A-67R（1062kW）双発、巡航速度393km、航続距離806km。乗員２名。座席数39。1982年11月11日にアメリカのサバーバン航空で初就航し、1991年6月までに164機を生産した。アメリカ空軍がC-23B+/C-23Cとして採用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究12,’08

＜ショート３６０海外ファミリー＞

　＜コンスタント・ホーク＞：アメリカ陸軍監視機。ショート360-300を導入したもので、３機が配備されたが、２機はウィスコンシンで空中衝突して墜落してしまった。参考：月刊軍事研究6,’08

＜ショートＳＣ．Ｍｋ９＞：キャンベラ爆撃機ファミリーを参照。

＜ショートアロー＞：81式短距離地対空誘導弾を参照。

＜ショートウイング・ペイブウェイ＞：GBU-10/B（誘導爆弾）を参照。

＜ショート・サーキット＞：日本海軍スラングで、直接の上官を飛ばして更に上の上司に直接報告をあげたり、許可を得たりすることを表す。参考：日本海軍史

＜ショート・サーキット親子爆弾＞：CBU-94/B（クラスター弾）を参照。

＜ショート社＞：イギリスの航空機会社Short社。元は1897年にショート三兄弟が創設した気球製造販売会社で、1908年に航空機製造に切り替えて世界初の航空機製造会社（ショート・ブラザーズ社）となった。1919年、国有化された。1936年、北アイルランドのベルファストに工場を新設した。1947年、ベルファストの工場を拠点とした。1989年、ボンバルディア社傘下となった。参考：月刊JWings9,’16、11,’18

＜ショートストロークピストン式＞：ガス圧作動式を参照。

＜ショートタイム＞：日本海軍士官のスラングで、短時間の遊びのこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ショートテール・ファルコン＞：中国ヘリコプター研究開発院が開発している複合推進ヘリで、2017年9月の中国ヘリコプター展覧会でコンセプトが発表された。プッシャー・プロペラ付きのヘリコプターである。最大離陸重量5500kg、最大ペイロード700kg。巡航速度400km以上、航続距離1100km／650km（最大ペイロード）。参考：月刊軍事研究3,’18

＜ショート・トン＞：重さの単位で、１ショート・トンは重量2000ポンド（907.2kg）に相当する。参考：月刊軍事研究3,’16

＜ショートフィン・バラクーダ・ブロック１Ａ型＞：オーストラリア海軍次期潜水艦計画SEA1000にDCNSが応募した潜水艦Shortfin Barracuda Block 1A。バラクーダ級原潜を通常動力化したもので、船体を一回り小型にしている。通常動力化に伴い内部配置は大幅に変更する。セイル付け根前面に整流フェアリング、艦尾にＸ舵を持つ。原潜と同じシュラウド付きポンプジェットにより静粛性が高いとされるが、通常動力の最大速力20ノットクラスで同様の効果が得られるかは不明で、ましてや航行の大半を占める巡航速力・AIP航走速力域では抵抗源にしかならない。艦載戦闘システムはAN/BYG-1。全長97m、水中排水量4765トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・永久磁石式電動機１基＋燃料電池AIP、ポンプジェット１軸推進、航続距離は10ノットで18000海里、作戦期間80日間。使用魚雷はMk48。オーストラリアの要求に従い、素材や船体サイズなどは再設計される。216型と改そうりゅう型を破って採用された。静粛性が高いのが理由とのことだが、バラクーダ級も建造中の状態なのにその通常動力型ではコンセプト・デザインすら決まっておらず、ポンプジェットの静粛性だけで判断したとみられる。2018年5月にオーストラリア戦略政策協会ストラテジストから通常プロペラに戻せば水中航続距離・時間が６割増しになると突っ込まれ、6月には上院委員会でも取り上げられたが、9月に国防省がポンプジェットで問題無いとしている。12隻を建造予定だが、予算や人員の問題で８隻に減るかもしれない。参考：月刊世界の艦船12,’18、11,’16、2,’16、7,’16、10,’17、月刊軍事研究10,’16

＜ショート・ブロード・キャスト＞：ブロード・キャスト（通信モード）を参照。

＜ショート・マガジン・リー・エンフィールド＞：リー・エンフィールドNo.�T（小銃）を参照。

＜ショート・リコイル・アクション＞：反動利用短後座式を参照。

＜ショート・リコイル・ブローバック＞：ブローバック式を参照。

＜ショーニー＞：H-21（ヘリ）を参照。

＜ジョーフィッシュ＞：SS-356（潜水艦）を参照。

＜ショーフンデン（初代）＞：スウェーデン海軍ショーレヨネット級潜水艦３番艦で、海の犬の意。1937年起工、1938年11月26日進水、1939年12月18日就役。1960年7月1日退役。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ショーフンデン（２代目）＞：スウェーデン海軍ショーオルメン級潜水艦５番艦。1966年起工、1968年3月21日進水、1969年6月25日竣工。竣工後にソナーやFCSの改修を受けた。2001年、シンガポールに引き渡されてチーフテンになった。参考：月刊軍事研究2,’03、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ショーヘステン＞：スウェーデン海軍ショーオルメン級潜水艦４番艦。1966年起工、1968年8月6日進水、1969年9月15日竣工。1997年退役、シンガポールに引き渡される予定。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ショーホステン＞：スウェーデン海軍ショーレヨネット級潜水艦７番艦で、海の馬の意。1940年起工、1940年10月19日進水、1941年7月26日就役。1963年4月1日退役。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ショームト級＞：アメリカ海軍敷設艦Shawmut級。商船を改造したものである。２隻には1919-20年に水上機・飛行艇の母艦任務に就けるような改造が行われたが、艦種は敷設艦のままとされた。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ショーランドＳ６００＞：ブリティッシュ・エアロスペース・オーストラリアが開発した４輪装甲車。重量7.5トン。エンジンはドイツ製で、出力220馬力。乗員12名。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ジョーリング＞：雪上車にロープを付け、スキーを履いた兵員に握らせて牽引すること。参考：スピアヘッドNo.8

＜ショーレヨネット（初代）＞：スウェーデン海軍ショーレヨネット級潜水艦１番艦で、海のライオンの意。1935年起工、1936年7月25日進水、1938年9月21日就役。1959年5月15日退役。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ショーレヨネット（２代目）＞：スウェーデン海軍ショーオルメン級潜水艦２番艦。1965年起工、1967年6月29日進水、1968年12月16日竣工。竣工後にソナーやFCSの改修を受けた。2000年、シンガポール海軍でコンカラーとして再就役した。参考：月刊軍事研究2,’03、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ショーレヨネット級＞：スウェーデン海軍潜水艦で、コックムス社製。全長64.2m、全幅6.4m、全高3.4m、水上排水量580トン、水中排水量760トン。主機はMANディーゼル（1050馬力）２基・電動機（500馬力）２基、２軸推進、水上速力16.2ノット、水中速力10ノット。兵装は533mm魚雷発射管（艦首３門、艦尾１門）、533mm連装旋回式発射管１基（デッキ上）、40mmボフォース機関砲２門（隠蔽式砲架、デッキ上）。1950年代にデッキ上の魚雷発射管とボフォース機関砲を撤去し、司令塔を高くした。1935-42年にショーレヨネット、ショーヴォルネン、ショーフンデン、スファルドフィスケン（２代目）、トゥムラレン（２代目）、ディカーレン、ショーホステン、ショーオルメン、ショーヴォルレンの９隻が竣工した。全て1961-67年にスクラップにするため売却された。参考：月刊軍事研究1,’03

＜徐霞客＞：88（航洋宿泊船）を参照。

＜徐霞客級＞：中国海軍航洋宿泊船（中国の正式名称は海軍生活保障船）Xuxiake級。遼寧の公試を行う海軍要員や技術者の宿泊船として急遽建造されたもので、2500名が宿泊でき、医療施設やレジャー施設（プール、テニスコート、バスケット場など）も完備している。001A型空母の建造に合わせて２隻目が作られた。全長196m（171m？）、幅24.8m、吃水9m、満載排水量30000トン（23000トン？）。主機はディーゼル、速力20ノット。艦番号88徐霞客と艦番号89が2011年と2017年に就役した。参考：月刊世界の艦船2,’20、5,’15、2,’19、10,’11、5,’12、3,’13、月刊軍事研究7,’18

＜初期運用試験・評価＞：IOT&Eを参照。

＜初期作戦能力＞：IOCを参照。

＜初級海曹＞：海曹のうち、若手二等海曹、三等海曹を指す。海士の手本となる立場である。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜初級消防員課程＞：航空自衛隊の消防員養成課程で、第３術科学校が行う。消防技法、救難消火技法、消火設備、消防車点検整備、航空救難、救急法、即応待機法など１ヶ月半の教育が行われる。参考：MAMOR vol.108

＜初級陸曹特技課程（給養）＞：陸上自衛隊の陸曹向け給養教育、略称FEG（Food Enlisted men General Course）。需品学校で行われ、期間は９週間で、給食制度、栄養・食品・食品衛生、食事支給事務、調理科学、調理理論、食卓礼法、調理実習、野外給食、PKO活動などにおける給食、野外給食器材、野外給食実習の各教育を受講、仕上げの組訓練を行う。修了すると中級給養の特技MOSを取得し、給養陸曹または炊事組長として各部隊に配置される。参考：MAMOR vol.163

＜初級陸曹特技課程（普通英語）＞：陸上自衛隊小平学校で行う陸曹向け語学課程。期間は12週間で、日米共同訓練やPKOに必要な一般英語や軍事英語を学習する。参考：MAMOR vol.91

＜初教５型＞：Yak-18海外シリーズ（練習機）を参照。

＜初教６型シリーズ＞：中国空軍練習機Chu Jiao 6、別名BT-6またはCJ-6、輸出名称PT-6。見た目は初教５型／Yak-18だが、機体に全面改修を加えており、近代化と生産性向上を図っている。1986年末までに軍民各型計2100機以上が生産され、中国軍に1466機、他国軍に200機が配備された。2018年末時点では中国向け2648機、輸出243機の計2891機が生産されている。初等−中級練習機として本機で150時間の訓練を行った後、一気に殲教５型に移ってジェット機訓練を行うのが当時の中国空軍の教育法だった。燃料が南京の製油所でのみ製作している航空ガソリン75号（ちなみに民間一般用は航空ガソリン95号）で、供給元が限定されるのが欠点である。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’04、月刊軍事研究3,’08、月刊航空ファン7,’19

＜初教６型＞：機体はアルミ合金製で、主翼は平面形・断面形共に初教５型とは異なる完全新型とし、尾翼や降着装置なども全面更新した。エンジンは原型機では初教５型と同じM-11ER（145馬力）にしたが重量増に対応できず、AI-14P（260馬力）に変更したが今度は操縦性の悪さが問題となり、改修を繰り返す羽目になっている。全長8.46m、全幅10.22m、全高3.25m、自重1095kg、総重量1419kg。エンジンはAI-14P（260馬力）単発、プロペラは２翅、最大速度155ノット、実用上昇限度6250m、燃料容量150リットル、航続距離373海里、航続時間3.6時間。乗員２名（タンデム複座）。原型機は1958年8月27日、前量産型は1961年10月15日に初飛行し、1962年から南京航空機製造で生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings1,’04、月刊軍事研究3,’08

＜初教６型Ａ＞：CJ-6A。エンジンをHS-6A／活塞６甲に強化したもの。全長10.18m、全幅8.46m、全高3.25m、自重1095kg、最大離陸重量1400kg。エンジンはHS-6A／活塞６甲（285軸馬力）単発、最大巡航速度248km、実用上昇限度6248m、航続距離685km。荷重制限マイナス3.5Gからプラス6G。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜初教６型Ｂ＞：国境警備隊向け武装型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ハイヤンＡ＞：輸送・薬剤撒布機。後席を撤去している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜職域＞：自衛隊用語で、内容の似た職種や特技職を纏めたものである。参考：月刊JWings7,’12

＜職域（海上自衛隊）＞：共通職域、艦艇職域、航空職域、経補職域、技術職域、衛生職域、心理適性職域、警務職域、音楽職域などに分かれ、航海・船務、射撃・射管、水雷、掃海機雷、通信、情報、電子整備、運用、電測、航空電機計器整備、航空発動機整備、応急工作、水測、航空武器整備、航空機体整備、衛生、機関、潜水、飛行、航空管制、気象海洋、経理・補給、施設、警務、地上救難、給養、音楽などがある。日本海軍時代は兵科優先主義が強すぎて弊害を生んだため、海自では職域による差別を排除している。参考：日本の防衛戦力Part3、海上自衛官紹介資料、月刊JWings9,’19

＜職域（航空自衛隊）＞：飛行、航空管制、要撃管制・警戒管制、プログラム・電算機、気象、高射、通信、無線レーダー整備、武装、武器弾薬、航空機装備品整備、航空機整備、航空業務、車両整備、施設、輸送、給養・補給、電算機処理、会計、音楽、警備、衛生、救難などがある。参考：月刊JWings7,’12、9,’19

＜職域国民義勇隊＞：国民義勇隊を参照。

＜食育連合義勇戦闘隊＞：国民義勇戦闘隊を参照。

＜食育献立コンテスト＞：海上自衛隊横須賀地区にある各部隊を対象に、２年に１度開催される料理コンテスト。参考：MAMOR vol.70

＜食育の日＞：海上自衛隊が毎月一回定めている記念日。給食では地産地消のメニューが出され、食文化に対する意識向上が図られる。参考：MAMOR vol.70

＜職位等級＞：階級（中国軍）を参照。

＜職業能力開発設計集合訓練＞：自衛隊の退職後就職支援対策。定年制自衛官（概ね50歳台に定年となる）に対し、退職10年前から退職後の生活について教育を行うものである。退職３年前になると業務管理教育や技能訓練などが追加される。参考：月刊JWings7,’13、1,’15

＜職業能力開発センター＞：自衛隊中央病院職業能力開発センターを参照。

＜食事＞：兵食を参照。

＜食事当番（日本陸軍）＞：週番上等兵に引率されて食事を取りに行く。食事が終わると、食器を水洗いして炊事場に運ぶ。その後スチーム消毒にかけるが、中隊ごとに決められた時間があるので、それに間に合うように洗い終えなければならない。冬になると水道が凍り付いて水が出ず、その辺の雪や氷を体温で溶かして洗うという涙ぐましい努力が必要になる。食器を返しに行く際には週番上等兵の引率が無いので、炊事兵に制裁を喰らうことも多かった。参考：新兵サンよもやま物語

＜職種＞：自衛隊における兵科。参考：月刊軍事研究11,’05、MAMOR Vol.43

　＜職種（航空自衛隊）＞：飛行、飛行管理、航空管制、航空管制器材整備、要撃管制、機上要撃管制、警戒管制、機上警戒管制、プログラム、電算機処理、気象観測、気象器材整備、高射操作、基地防空操作、基地防空電子整備、通信、機上無線、地上電子整備、警戒管制レーダー、計測器整備、武器弾薬、火器管制装置整備、油圧整備、計器整備、救命装備品整備、ヘリコプター整備、エンジン整備、工作、車両整備、動力器材整備、土木建築、電気、設備機械、給汽、消防、空中輸送、輸送、給養、補給、燃料、会計、音楽、警備、警務、衛生、放射線、臨床検査、歯科、救難、語学、情報、印刷製図、総務、人事、厚生、教育訓練などがある。2020年5月18日、宇宙が新設された。参考：月刊JWings7,’12、朝雲

＜職種（陸上自衛隊）＞：戦闘行動を主任務とする戦闘職種（普通科、機甲科、野戦特科、高射特科）、戦闘職種を直接支援すると共に戦闘行動にも参加することのある戦闘支援職種（施設科、航空科、通信科、化学科）、全部隊に対する補給支援や行政支援を主任務とする後方支援職種（武器科、需品科、輸送科、衛生科、警務科、会計科、音楽科）からなる。保安隊当時に存在した総務科、法務科、監察科は1960年代に廃止された。2010年3月末に情報科が新設された。参考：月刊軍事研究11,’05、MAMOR Vol.43、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜職種学校＞：陸上自衛隊の学校で、概ね職種ごとに設けられているため、数が多い。富士学校（普通科、機甲科、野戦特科）、航空学校、高射学校、武器学校、施設学校、通信学校、需品学校、輸送学校、衛生学校、化学学校、小平学校（会計科、警務科、情報科）。音楽科には職種学校が無いが、かわりに中央音楽隊で教育を受ける。参考：月刊軍事研究3,’10、月刊JWings8,’12

＜職種き章＞：陸上自衛官の職種を表すバッジで、襟に付ける。海空自には無い。参考：MAMOR vol.62

＜触接＞：敵に近接して動静を明らかにすること。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜触接機雷＞：機雷を参照。

＜植柱作業車＞：日本陸軍の器材。日野重工業製。参考：工兵入門

＜職能隊＞：国民義勇戦闘隊を参照。

＜触発柄付爆雷＞：日本陸軍の対戦車兵器。黄色薬7.2kgに三式地雷の信管を装着し、柄の先に取り付けたもので、戦車の履帯に差し込んで炸裂させ、履帯を切断する。参考：月刊丸1,’07

＜触発信管＞：信管を参照。

＜食糧　戦闘用１型＞：韓国軍のレーション。レトルトパックに詰められており、200mm×155mm×80mmの紙箱に収容される。メニューは２種類で、主食パック、副食パック４種類、紙皿、先割れスプーンがセットになっており、主食パックは加熱剤で包まれていて、15分ほど紙箱の中で加熱してから食べる。メニュー１は牛肉ピラフ、キムチ、ソーセージ炒め、ミートローフ、パウンドケーキ、チョコボールの組み合わせで、黄色・褐色系迷彩紙箱に入っており、メニュー２はハム入り炒飯、キムチ、ソーセージの甘辛煮、大豆と野菜の惣菜、パウンドケーキ、チョコボールの組み合わせで、緑・黒系迷彩紙箱に入っている。参考：ストライクアンドタクティクスマガジン7,’11

＜諸元＞：スペックを参照。

＜女子挺身隊＞：学徒勤労令の適用外となっていた高等女学校女子学生・卒業生（17-18歳）の勤労協力隊で、昭和19年8月23日の女子挺身勤労令に基づいて組織され、47万人が動員された。在学中に学徒動員で勤務していた所に卒業後もそのまま配属されたりもする。軍の各部門にも配属されており、整備を手伝ったりもするが、素人なので単純作業しかできず、仕事も粗いので、結局整備兵がやり直さなければならず、あまり役に立たなかったらしい。軍学校の実習助手に配属された場合は、後から入校してきて何も知らない新入軍人よりも当然ながら手際が良く、軍人の方が感心して眺めていたようだが、これではあまり実習にならない。参考：新兵サンよもやま物語、戦時用語の基礎知識、軍医サンよもやま物語

＜ジョシュア・ハンフレイズ＞：T-AO-188（給油艦）を参照。

＜徐州＞：530（054A型フリゲート）を参照。

＜徐州会戦＞：日華事変中の昭和13年5月初め、徐州付近の中国軍63個師団を包囲殲滅するため発動された。北東から北支那方面軍４個師団（戦車第２大隊含む）、南から中支派遣軍３個師団（戦車第１大隊含む）で攻撃を仕掛け、5月14日には戦車第１大隊が徐州西側の鉄橋を爆破して退路を塞ぎにかかったが、戦力差がありすぎて完全な包囲を行えず、中国軍主力の脱出を許した。参考：日本戦車隊戦史

＜ショショーン＞：AKA-65（輸送艦）を参照。

＜ジョズエ・カルドゥッチ＞：イタリア海軍駆逐艦Giosuè Carducci。1941年3月28日、マタパン岬沖海戦でイギリス駆逐艦ハボックの攻撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜女性自衛官＞：陸上自衛隊はWAC（Women’s Army Corps、ワック）、海上自衛隊はWAVE（Women Accepted/Appointed for Voluntary Emergency service、ウェーブ。当初はウェーブスの予定だったがブスはまずいということでウェーブに）、航空自衛隊はWAF（Women in the Air Force、ワッフ）という。母性保護、近接戦闘の可能性、男女間のプライバシー保護、経済効率などを考慮して採用範囲が決定されており、時代と共に拡大してきている。とはいえ艦艇勤務では女性用設備が無く乗艦できない艦があったりする。航空機搭乗勤務ではトイレに気を遣う（単座機ならまだしも、ヘリにはトイレが無く、トイレ付き大型機でも男女の区別は無い。フライトスーツも上下一体なのでいちいち全部脱がないといけない）。2017年4月まで部隊での戦車操縦は認められていなかったが、戦車で操縦教育を受けて大型特殊免許を取得することは可能だった。髪型は基本ショートで、ロングにするなら前髪を目にかからないようにする、前から見て肩にかからないようにする、三つ編みやネットなどで纏める、といった配慮が要る。ただし日課が忙しくてドライヤーなど使う暇が無いし、災害派遣や有事の際には最悪洗う暇も水も無くなるから、短いに越したことはないらしい。化粧は身だしなみ程度で、アクセサリーは禁止。ただし課業中のことであり、休暇で外出している場合などは自由である。制服の一部など女性用が用意されていることもあるが、ライフルなどは全て男性サイズが基準なので、運用に苦労する（アメリカサイズだと尚更）。男性自衛官の募集に苦労していた時代でも志願倍率が高く、優秀な隊員が多いらしい。訓練内容には基本的に男女差は無く（敵や災害が性差に配慮してくれる訳では無いから当たり前）、少数精鋭ということで男性より期待されることもしばしばという。2003年、婦人自衛官から名称変更された。陸自の教育部隊は女性自衛官教育隊、海自は横須賀教育隊、空自は航空教育隊である。2007年から各駐屯地・基地への託児所の設置を開始。2007年9月、自衛官の育児休業に伴う任期付採用に関する訓令に基づき、育児休業代替要員制度が施行され、育休中の欠員を元自衛官で補充することが可能となり、最大３年間の育休を取得しやすくなった。2009年3月、女性専用区画を設けたひゅうがが就役したのを機に、海自第一線部隊への配置を開始した。6月、女性初のOH-6Dパイロットが誕生した。8月21日、空自初の女性准曹士先任が誕生した。9月18日、海自初の大型艦女性艦長（海洋観測艦わかさ。三等海佐）が誕生した。2010年3月1日、掃海母艦への配置を開始。4月1日、空自初の女性基地司令（防府南基地司令。航空教育隊司令を兼務）が誕生した。5月、空自初の女性機上整備員が那覇救難隊で誕生した。8-9月、厚木基地で行われたアメリカ海軍CPOセレクティ研修に他国海軍関係者として初めて海自女性自衛官が特別参加し、名誉CPOに認定された。2011年3月31日現在、11797名の女性自衛官が勤務している。7月、女性ヘリパイロット初の発着艦資格取得者が海自第21航空隊で誕生した。2012年8月、空自初の女性飛行隊長が第41教育飛行隊に就任した。2012年度末の段階で配置が制限されているのは、普通科の一部、施設科の一部（坑道中隊など）、化学防護隊、空挺隊員、戦車、対戦車ヘリ、潜水艦、ミサイル艇、掃海艦、掃海艇、特別警備隊、戦闘機、偵察機である。2013年3月22日、海自練習艦初の女性艦長（練習艦しまゆき、せとゆき。二等海佐）が誕生した。5月16日、海自第21航空隊第211飛行隊に海自初の女性航空士２名が着任した。2014年、遠洋練習航海に初めて女性艦長（TV-3518せとゆき）が参加した。1月24日、防衛省採用で女性初の課長職（人事教育局服務管理官）が誕生した。3月23日、第１後方支援連隊衛生隊と第10後方支援連隊衛生隊に陸自初の女性衛生隊長が就任した。5月16日、空自三沢基地が三沢市内のホテルで女性自衛官制度40周年記念三沢基地祝賀会を実施。8月1日、自衛隊初の女性音楽隊長が着任した。9月26日、第91航空隊で海自初の女性電波妨害員（Radar Jammer、RJ）が誕生した。2015年1月28日、防衛省女性職員活躍・ワークライフバランス推進本部が、防衛省における女性職員活躍とワークライフバランス推進のための取組計画を決定。2015年度、航空学生採用数の男女区分を撤廃。11月13日、空自戦闘機・偵察機への女性自衛官配備制限の解除を決定した。これで空自での配置制限が全て撤廃される。11月16日、AGB-5003しらせによる南極地域観測事業支援に女性自衛官10名が初参加。2016年2月29日、初の女性護衛艦艦長（護衛艦やまぎり）が誕生した。3月15日、防衛省における女性職員活躍とワークライフバランス推進のための取組計画を改正、女性自衛官の配置制限を見直し、対戦車ヘリ、特殊武器・化学防護隊の一部、ミサイル艇、掃海艦、掃海艇、特別警備隊への配置制限を解除した。これにより、配置制限は陸自の普通科中隊、戦車中隊、偵察隊、施設中隊、坑道中隊、特殊武器防護隊／化学防護隊の一部など、海自の潜水艦となった。6月、初のミサイル艇（PGしらたか）女性乗員が誕生した。2017年4月17日、防衛省が女性自衛官活躍推進イニシアチブを発表し、普通科中隊や偵察隊などへの配置制限を解除した。母性保護や男女間プライバシー保護の関係で潜水艦、労働法制の関係で特殊武器防護隊の一部と坑道中隊には配置制限が残っている。6月、普通科教導連隊第２中隊対戦車小隊に普通科中隊初の女性自衛官が誕生した。7月14日、女性自衛官が教育支援飛行隊対戦車ヘリコプター隊飛行班での幹部戦闘操縦課程（AH-1S）を卒業し、初の女性対戦車ヘリコプターパイロットが誕生した。7月20日、上級格闘指導官課程を初めて女性自衛官が修了した。9月23日、女性自衛官２名が新隊員特技課程「機甲」を修了。その後第９戦車大隊第１・第２中隊に配置され、初の女性戦車中隊員が誕生した。11月9日、P-1対潜哨戒機機長資格を女性自衛官が初めて取得し、12月12日に第４航空群第３航空隊で初訓練フライトを行った。2018年3月6日、初の女性護衛隊司令（第１護衛隊司令）が誕生した。7月12日、航空教育隊で学んだ女性自衛官（1974年8月以降）が10000名を超えた。8月23日、飛行教育航空隊の第109期戦闘機操縦(F-15)課程を女性自衛官が修了し、操縦資格を取得、8月24日付で初の女性戦闘機パイロットとして第305飛行隊に配属された。8月27日、海自一般海曹候補生課程で初めて横須賀教育隊以外の教育隊（佐世保・舞鶴）も教育を担任した第13期一般海曹候補生課程の修業式が行われた。10月、初の女性機上無線員（U-125A）がORとなった。12月、女性初の地方総監部幕僚長が大湊地方総監部に着任した。12月2日、東部方面隊に女性初の陸自方面隊最先任上級曹長が着任した。12月21日、１年間の女性自衛官潜水艦研修の結果を受け、防衛省が潜水艦への女性自衛艦配置制限解除を決定し、海自艦艇・航空機への配置制限が全て無くなった。2019年2月27日、陸自初の固定翼機パイロット（LR-2機長）が誕生した。3月29日、初の女性防衛駐在官が着任した。7月1日、初の女性US-2飛行艇機長（日本初の女性飛行艇機長でもある）が初フライトを行った。8月1日、初の女性特科連隊長・駐屯地司令（第９特科連隊長兼岩手駐屯地司令）が誕生した。12月2日、DDG-175みょうこうに、女性自衛艦初のイージス護衛艦艦長が着任した。2020年1月22日、第3102期幹部専修科潜水艦課程に初の女性学生１名が入校した。2月、海曹士専修科潜水艦課程に初の女性学生５名が入校した。3月4日、初の女性空挺隊員が誕生した。6月18日、第3102期幹部専修科潜水艦課程の女性学生が課程を修了し、練習潜水艦TSS-3609みちしおでの１年間の乗艦実習に入った。10月20日、防衛医科大学校学生隊学生長に初の女子学生が指名された。10月29日、練習潜水艦TSS-3609みちしおでの乗艦実習を終えた海曹士専修科潜水艦課程修了女性学生５名が潜水艦教育訓練隊の潜水艦徽章授与式で潜水艦徽章を授与され、海自初の女性潜水艦乗員として潜水艦隊の潜水艦に配属された。2021年3月10日、水陸両用基本訓練課程（Ｗ）初の女性課程修了者２名が誕生した。3月12日、第15旅団に師団・旅団初の女性最先任上級曹長が上番した。5月18日、練習潜水艦TSS-3609みちしおでの乗艦実習を終えた女性２等海尉１名にドルフィン・マークが授与され、海自初の女性幹部潜水艦乗員が誕生した。8月、第104施設器材隊に女性初の施設器材隊長が誕生した。2023年4月、呉教育隊と佐世保教育隊に女性自衛官が初入隊した。参考：日本の戦力、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1、Part3、Part8、MAMOR vol.140、vol.100、vol.111、vol.57、vol.60、vol.84、vol.93、vol.109、vol.128、vol.143、vol.147、月刊世界の艦船1,’79増刊、6,’01、1,’10、8,’14、5,’16、5,’18、7,’19、2,’20、9,'20、1,'21、8,’21、7,'23、月刊丸3,’14、6,’14、12,’90、月刊JWings10,’09、6,’10、10,’10、3,’13、6,’13、9,’13、4,’16、6,’16、7,’17、11,’18、4,’19、9,’19、3,’20、月刊航空ファン4,’10、2,'16、6,’16、11,’18、9,’19、朝雲、スピアヘッドNo.14、教育航空集団司令部ホームページ

＜女性自衛官教育隊＞：陸上自衛隊女性自衛官の教育部隊で、朝霞駐屯地に置かれている。モットーは「強く・明るく・麗しく」。女性陸曹候補者、一般曹候補生、自衛官候補生に対する基本教育を行うのが主任務で、教育内容は男性自衛官と同じである。トップは女性自衛官教育隊長（二等陸佐）で、もちろん女性。区隊の団結と士気を高めるべく、各種の区隊対抗競技会が開催される。2003年4月、婦人自衛官教育隊から改称されて創設された。2009年1月24日、朝霞駐屯地で創立40周年記念行事を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。福島県内で給食支援を行った。4月11日、第４期一般陸曹候補生課程107名と、第１期自衛官候補生課程184名の入隊式を実施。4月22日、東部方面混成団の隷下に移った。2012年6月20日、隊歌コンクールを実施。2015年6月24日、一般陸曹・自衛官両候補生課程の隊歌コンクールを実施。課題曲（隊歌）では自衛官候補生課程第３区隊、自由曲では一般陸曹候補生課程第１区隊が優秀区隊となった。2016年1月12日、第88期（２次）陸曹候補生62名に戦闘概説教育を実施。2018年4月7日、第11期一般陸曹候補生課程189名と第９期自衛官候補生課程163名の入隊式を実施。2019年4月7日、第12期一般陸曹候補生課程253名と第11期自衛官候補生課程249名の入隊式を実施。2020年4月12日、第15期一般陸曹候補生課程（前期）と第13期自衛官候補生課程の入隊式を実施。5月下旬から6月初旬、第15期一般陸曹候補生課程と第16期自衛官候補生課程の新隊員総合訓練を実施。6月27日、第15期一般陸曹候補生課程（前期）女子と第16期自衛官候補生課程（女子）計530名の卒業式を実施。参考：スピアヘッドNo.13、朝雲、MAMOR vol.60、vol.140、月刊丸6,’14

＜女性自衛官教育大隊＞：航空自衛隊の女性自衛官教育部隊。2003年4月、婦人自衛官教育大隊から改称され、防府南基地で編成された。2011年3月に廃止され、女性自衛官の教育は航空教育隊第１教育群で行うようになった。参考：防府南基地ホームページ

＜女性パイロット部隊＞：WAFSを参照。

＜女性飛行機輸送補助部隊＞：WAFSを参照。

＜除雪車＞：陸上自衛隊の除雪車で、丘珠に配備されている。４×４輪車両で、除雪機を押しながら走行して除雪を行う。全長6m、全幅2.1m、全高2.6m、全備重量6.5トン。除雪幅2m、除雪高1.3m、最大除雪量毎時500立方メートル。川崎重工製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜除雪車�V型＞：自衛隊の車両。TCM製。参考：月刊軍事研究5,’13

＜除雪車（サイト用）＞：65Z�V-QNRT5S。航空自衛隊の除雪車で、除雪装置を外せば土木作業にも使用できる。全長8.26-8.52m、全幅2.5m、全高3.415m、車重13.5-13.85トン。エンジンはW06E直列６気筒ディーゼル（6014cc、120馬力）で、最大速度38km、燃料タンク容量220リットル。乗員２名。除雪装置はNRT-5Sと呼ばれ、最大除雪幅2.5m、標準除雪高1.3m、最大投雪距離20m、最大除雪量毎時900トン。KCM製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究12,’10、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜除雪車（プラウ付）＞：自衛隊の除雪車両で、トラック前面に除雪ドーザーを取り付けたものである。協和機械製作所製。参考：月刊丸3,’13、月刊軍事研究10,’10

＜除雪車（ブラシ式）＞：自衛隊の除雪車両で、トラックの前面に円形ブラシを取り付けたものである。路面の凹凸に対応でき、アイスバーンを削り取ることも可能。参考：月刊丸3,’13

＜除雪車（マルチブレード式）＞：陸上自衛隊の除雪車。ブレード幅3.25mのクイックカプラ式Ｖプラウ（アングル角度前40度・後ろ30度）を装着可能。全長7.79m、全幅3.25m（Ｖプラウ時）、全高3.42m、車両総重量12.02トン。エンジンは６気筒４サイクル（出力88.3kW）。川崎重工製。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜除雪車（ロータリー式）＞：自衛隊の除雪車両で、専用の除雪車体に回転歯式の除雪装置を搭載したものである。日本除雪機製作所製。参考：月刊丸3,’13、月刊軍事研究10,’10

＜除雪車（ロータリー式放雪型）＞：航空自衛隊の除雪車で、型式名はHTR202。全長6.99m、全幅2.6m、全高3.49m、車重13.1トン、総重量13.66トン。エンジンはPE6直列６気筒ディーゼル（7412cc、220馬力）で、燃料タンク容量300リットル。乗員３名。除雪能力は毎時3.1立方メートル。日本除雪機製作所製。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究2,’17

＜除雪ドーザ（装輪式）＞：航空自衛隊の施設機材LK203Z。車体前部に幅4mのプラウを装備しており、プラウのかわりにバケットを付ければ土木作業にも使用できる。全長7.745m、全幅3.7m、全高3.55m、車重14.08トン、総重量14.24トン。エンジンはH06C直列６気筒ディーゼル（6485cc、155馬力）で、トランスミッションはMF16（前進４段・後進４段）、最大速度36km、燃料搭載量220リットル。乗員２名。東京TCM製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究7,’09、8,’10

　＜除雪ドーザ（装輪式）＞：スノープローの入れない狭い場所での雪寄せなどに使用する。全長7.99m、全幅3.975m、全高3.531m、車両総重量15.12トン。エンジン出力128馬力、作業速度10-30km、最大速度34.8km。最大除雪幅4m。参考：MAMOR vol.124、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜除雪トラック６×６（改）＞：航空自衛隊の飛行場除雪用トラック。全長13.09m、全幅4.8m、全高3.45m、車両重量20.51トン。最大速度85km。直進時除雪幅4.8m。三菱自動車工業または三菱ふそうトラック・バスまたは日産ディーゼルトラックスまたはUDトラックスジャパンまたはUDトラックス製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究3,’97、11,’09、7,’10、12,’12、1,’17

＜ジョセフ・C・ハッバード＞：APD-53（高速輸送艦）またはDE-211（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョセフ・E・コノリー＞：DE-450（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョセフ・Ｅ・キャンベル＞：APD-49（高速輸送艦）またはDE-70（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョセフ・Ｊ・フォス＞：フォス（アメリカ海兵隊エース）を参照。

＜ジョセフ・Ｔ・タウシグ＞：DE-1030（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョセフ・Ｔ・ディックマン＞：APA-13（攻撃兵員輸送艦）を参照。

＜ジョセフ・Ｍ・オウマン＞：APD-117（高速輸送艦）またはDE-674（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョセフ・P・ケネディＪｒ.＞：DD-850（駆逐艦）を参照。

＜ジョセファス・ダニエルス＞：CG-27（巡洋艦）を参照。

＜ジョセフ・ヒューズ＞：AP-50（攻撃輸送艦）またはFF-1078（フリゲート）を参照。

＜ジョセフ・マッコーネル＞：マッコーネル（アメリカ空軍エース）を参照。

＜除染＞：NBC汚染を除去すること。対象により装備品除染、人員除染、地域除染の３つに分けられる。野戦で除洗を行う場合、部隊除洗所を設置するが、風向きを考えないと再汚染されるので、風向きが変わっても対応できるようなスペースを確保するのが大変。水で洗い流すのが基本で、更に中性洗剤やエチレンジアミン四酢酸、中和剤、吸着剤（白土など）を混ぜたりする。ただし使用後の水は汚染されているため、その辺に流しっ放しにする訳にはいかない。参考：月刊軍事研究12,’06、10,’10、6,’11

　＜除染（アメリカ軍）＞：現場の兵士が個人で行う個人除染、作戦を続行しつつ部隊単位で除染を行う作戦除染、後方に下がって除染小隊が実施する完全除染の３種類がある。参考：月刊軍事研究6,’11

　＜人員除洗（陸上自衛隊）＞：まず次亜塩素酸カルシウムやDICS溶液で靴を除洗する。待機エリアに移動して人数の確認などを行った後、除洗レーンに入り、持ち物を化学防護隊や特殊武器防護隊の隊員に預け（装備品除洗に回す）、二人一組になって防護マスクをずらさないように防護衣のフードを外し、防護マスクを除洗、防護衣を脱がせて装備品除洗に回す。この段階で化学防護隊や特殊武器防護隊の汚染チェックを受け、合格なら手袋を洗い、防護マスクを外して終了。不合格なら戦闘服や下着など身につけている衣服と手袋を全て脱いで装備品除洗に回し、防護マスクいっちょ（？）で除洗場に入り、シャワーで除洗剤を浴びて防護マスクを外し、新しい服に着替える。参考：月刊軍事研究10,’10

　＜装備品除洗（陸上自衛隊）＞：防護衣や防護マスク、鉄帽、銃など小さいものは除洗剤入りのポリバケツなどで回収して除洗する。車両は上下部装置と呼ばれるシャワー噴出口付きのゲート（上下左右からくまなく放水される）を使用し、予洗い、剤塗布（除洗剤を吹き付ける）、仕上げ洗浄の３段階で除洗を行う。参考：月刊軍事研究10,’10

＜除染車（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の地域・施設・人員用除染器材搭載トラックSKW463。全長6.81m、全幅2.485m、全高2.865m、車重9.15トン、最大積載量2.75トン。エンジンは8PD1ディーゼル（Ｖ型８気筒13346cc、240馬力）で、トランスミッションはMLH5（前進５段・後進１段）、最大速度95km、燃料タンク容量170リットル。乗員２名。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究8,’12

　＜除染車（航空自衛隊）＞：3・1/2トントラックの荷台に水槽と加温装置、車体前後に散布ノズルを装着している。全長6.81m、全幅2.485m、全高2.865m、車両重量9.27トン、ペイロード2.75トン。エンジン出力250馬力、最大速度87km。いすゞ自動車製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜除染車３形（Ｂ）＞：陸上自衛隊のNBC除染車両。車体は73式大型トラック（３・1/2トントラック）で、操縦室の屋根はハードトップのみとなっている。後部荷台には2500リットル入り水タンクと加温装置（燃料は軽油40リットル）、発電機（燃料はガソリン６リットル）が搭載され、車体前下部・側面上部などに撒布ノズルを持つ。水槽後部左右にスプレーガン付きホース（長さ15m）を備えており、必要に応じて後部荷台に隊員が乗り、スプレーガンによる除染を行う。車両自体にはNBC防護能力が無いので、除染員は個人用の化学防護衣を着用する必要がある。フォールアウトなら真水、化学兵器なら中和剤、生物兵器なら消毒剤を使用する。防疫消毒にも使える。全長6.93m、全幅2.485m、全高2.9m、全備重量12.5トン（11トン？）。吐水量毎分110リットル以上。車体はいすゞ自動車、水タンクは東急車輌、加温装置は日立造船が生産している。参考：月刊軍事研究6,’11、スピアヘッドNo.16、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.91、月刊PANZER12,’99、月刊JWings12,’00、JGround　Vol.11

＜除染所運営用器資材（シャワー所）＞：自衛隊の機器。帝国繊維製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜除染セット＞：陸上自衛隊の除染装置。94式除染装置及び除染車３形（Ｂ）の後継で、CBRN汚染を受けた人員・物品・地域などを除染できるのに加え、除染後の排水も処理可能で、精密機器をガスにより除染する機能も有し、C-130輸送機で空輸できる。除染車、除染装置�T型、除染装置�U型と称する車両３種類で構成され、前２者は化学科部隊、後１者は一般連隊・大隊などに配備される。2018年3月26日に化学学校に初号機が配備された。中央特殊武器防護隊に２セットを配備予定で、順次他部隊も装備していく。参考：朝雲

＜除染セット（除染車）＞：自衛隊の機器。ＩＨＩ製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜除染セット（除染車）整備実習用教材＞：自衛隊の機器。ＩＨＩ製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜除染セット（除染装置）＞：自衛隊の機器。ＩＨＩ製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜除染セット（除染装置�T型）整備実習用教材＞：自衛隊の機器。ＩＨＩ製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜除染装置＞：陸上自衛隊の連隊／大隊規模除染装置。温水、熱水、除染剤、泡沫除染剤などにより、１時間あたり隊員45名以上、大型車両４両以上を除染できる。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜初速＞：発射原点で弾丸が有する最大速度。砲口離脱後も弾丸は砲口爆風で加速されるため、砲口爆風の影響が無くなる地点で速度を計測し、その値に空気抵抗・重力・風などによる減速分を加味したものである。実測はできず、あくまでも理論上の値である。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜初弾低下＞：日本海軍用語で、初弾の初速が想定より低くなり、射距離が短くなること。寒冷地で特に顕著となる。参考：歴史群像8,’17

＜ジョッキーズ＞：VAK-208（空中給油飛行隊）またはVAQ-208（電子戦飛行隊）を参照。

＜ショック・アブソーバー＞：Shock Absorber、緩衝装置。車体や機体の振動を抑えるための減衰力を生み出す機能部品。サスペンションの伸縮をゆっくりさせることにより、乗り心地を改善する。車体・機体・乗員などに伝わる地面からの衝撃荷重を和らげ、損傷を防ぐ。自動車では一般にピストン作用をするオイルチューブであるオイルダンパーが使用され、オリフィスと呼ばれる小さい孔をオイルが通過する際の抵抗を減衰力にする。航空機では第２次大戦前まではゴムや板バネを使っていたが、緩衝効率が低め、ゴムが劣化するといった欠点があり、緩衝効率の高いオレオ式緩衝装置が開発されるとこれが一気に広まった。参考：自動車のサスペンション、自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典、航空用語事典増補改訂版

　＜アジャスタブル・ショック・アブソーバー＞：ショック・アブソーバーの減衰力をスイッチで２段階調節できるもの。ピストンバルブの他にオリフィスと呼ばれる孔が開いており、これを開閉して減衰力を加減する。平坦舗装道路ではソフト、悪路ではハードにする。参考：自動車メカニズム図鑑

　＜シングルアクティング・ショック・アブソーバー＞：サスペンションの伸びのみを減速させるもの。突き上げ力をそのまま受け流すので、悪路に強い。参考：自動車メカニズム図鑑

　＜ダブルアクティング・ショック・アブソーバー＞：サスペンションの伸びと縮み両方を減速させるもの。定常的な振動には強いが、突き上げ力には弱い。参考：自動車メカニズム図鑑

　＜ツインチューブ式ショック・アブソーバー＞：標準ショック・アブソーバーともいう。筒２本で構成されており、先端にピストンバルブ、チューブの底にベースバルブを置いてある。チューブの外側にはリザーバ室が設けられており、伸び縮みに応じてチューブ内のオイルが出入りする。ピストンバルブとベースバルブは一方向弁になっていて、前者はショック・アブソーバーが伸びた時、後者は縮んだ時にそれぞれ減衰力を発生させ、振動を抑制する。作動速度が速いとオイルにキャビテーションが発生し、減衰力が低下するが、通常走行時では殆ど問題にならないので、大部分の車に装備されている。参考：自動車のサスペンション、自動車メカニズム図鑑

　＜モノチューブ式ガス入りショック・アブソーバー＞：単筒ガス・ショック・アブソーバーともいう。ツインチューブ式ショック・アブソーバーの改良型で、筒を１本に纏めてガスを封入したリザーバ室をチューブ下端に設けてあり、フリーピストンでチューブ内のオイルがリザーバ室に入らないようにしてある。ベースバルブは無く、ピストンバルブは出入り共に抵抗を生じるようになっており、ショック・アブソーバーが伸びるとピストン上室から下室、縮むと下室から上室にオイルが流れて減衰力を生じる。リザーバ室のガスは、縮む時にピストン上室が負圧にならないよう、高圧に保ってある。減衰力の発生には最も優れるが、全長が長くなる他、ピストン室上部のパッキンを頑丈にしておかないとオイルが漏れる。また、チューブが衝撃で変形するとフリーピストンが動かなくなり、作動不能になる。ガスとオイルを隔離したものをド・カルボン式、ガスとオイルを混ぜて乳化させ高圧で封入しているものをウットヘッド式という。スポーツカーやラリー車に使用される。参考：自動車のサスペンション、自動車メカニズム図鑑

　＜ツインチューブ式ガス入りショック・アブソーバー＞：モノチューブ式ガス入りショック・アブソーバーとツインチューブ式ショック・アブソーバーを足して２で割ったようなもので、ツインチューブ式のリザーバ室に高圧ガスを封入してある。バルブの構造はモノチューブ式ガス入りショック・アブソーバーと同じ。やや高価なので、グレードの高い車に使用されている。参考：自動車のサスペンション

＜ストラット式ショック・アブソーバー＞：ストラット式サスペンション用。構造自体はツインチューブ式、モノチューブ式ガス入り、ツインチューブ式ガス入りのどれかだが、車両構造材の一部でもあるため、ロッドや外筒が頑丈に出来ている。上端は車体に結合され、下端は車輪を支えるナックルが溶接される。参考：自動車のサスペンション

＜別タンク式ショック・アブソーバー＞：ガスとオイルを別のタンクに分離してあるもの。ガスとオイルの混入による減衰力低下を防止でき、走行中の温度上昇を防ぐことが可能で、耐久性向上も図れる。参考：自動車のサスペンション

＜別タンク調整式ショック・アブソーバー＞：本体側で伸側減衰力を、別タンク側で縮側減衰力を別々に調整できるもの。参考：自動車のサスペンション

＜減衰力調整式ショック・アブソーバー＞：バルブに大きさの異なるオリフィス孔が複数開けてあり、バルブを回して流れるオイル量を選択することで減衰力を適切に調節できるもの。手動でもモーターなどの機械でも切り替えられる。参考：自動車のサスペンション

＜周波数感応式ショック・アブソーバー＞：車体の振動周波数に合わせて減衰力を調節できるもの。一般的に振幅が大きいと周波数が低く、振幅が小さいと周波数が大きいので、低周波では高く、高周波数では低い減衰力を得られるように調整される。参考：自動車のサスペンション

＜位置依存式ショック・アブソーバー＞：ピストンが中央付近にある時は減衰力を小さくし、そこから外れると減衰力を大きくして乗り心地と操縦安定性の両立を図ったもの。ピストンが中央付近にある時の制振性に劣るため、あまり使われていない。参考：自動車のサスペンション

＜相互連携ショック・アブソーバー・システム＞：ショック・アブソーバー２本を配管で繋ぎ、途中に中間ユニットを配置したもの。左右輪を連結するとロール時のみ減衰力を高めることができ、対角線で連結するとピッチでも減衰力を高められる。応答遅れが非常に少なく、外輪の沈み込みに合わせて内輪を引き込むなどの効果もあり、性能が高い。ヤマハで開発された。参考：自動車のサスペンション

＜ショック・アンド・オウ＞：衝撃と畏怖。ラピッド・ドミナンスとも呼ばれる。ステルス機や巡航ミサイルなどによる奇襲で敵にショックを与え、立ち直る隙を与えず制圧する戦術である。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ショック・ウェーブ＞：衝撃波を参照。

＜ショックコーン＞：Shock cone。外部圧縮式エアインテイクで使用される構造物。エアインテイク前方に突き出した先端部分で斜め衝撃波を発生させ、これによりエアインテイク外部で圧縮した空気をエアインテイク内に送り込むことで、ラムジェットエンジンのようにマッハ数増大と共にエンジン推力を上昇させることができる。ショックコーンで作り出した斜め衝撃波がエアインテイクの縁に接し、エアインテイクの縁で発生した垂直衝撃波がダクトの最も細い部分（Throat喉部）にあるように設計すると、効率が最大になり、最適マッハ数から多少ずれても効率を維持できる。形状を工夫することで、先端だけでなく各所から多段斜め衝撃波を発生させ、効率を更に高めることも可能である。形状を中凹円錐型にして無限段の斜め衝撃波を発生させるタイプ（等エントロピー型）も開発された。F-104戦闘機に採用され、最高機密としてカバーまで掛けられていたが、同じ頃に開発されたMiG-21戦闘機も使っている。更に幅広い速度に対応するため、ショックコーンを前後させるタイプも開発されたが、究極的にはショックコーン頂角の変更機構が必要になるため、機構が単純で済む二次元エアインテイクに進んだ。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No.172、No.113、No.104

＜ショック・ダイヤモンド＞：Shock Diamonds。アフターバーナー排気中に断続的に見える輪光のこと。排気が超音速になるので衝撃波が発生し、それによる高圧部分で排気温が上昇、排気中に残存するアフターバーナー燃料が燃焼するために生じる。参考：月刊JWings7,’22

＜ショットガン＞：散弾銃を参照。

＜ショット・グレイブル＞：原子砲を参照。

＜ショット・シェル＞：散弾銃の弾薬のこと。参考：GUN用語事典

＜ショップ整備＞：Shop maintenance、工場整備。機体から外したエンジンや部品などに対する整備のこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜ジョッフル級＞：フランス海軍計画空母Joffre級。飛行甲板は長さ200mあり、右舷アイランドと重量バランスを取る関係で左に寄せられている。格納庫は２層式で、艦上機40機を搭載可能。エレベーターは前後に計２基用意されている。排水量18000トン。速力33ノット。兵装は15.2cm連装両用砲４基、37mm連装機関砲４門。1938年度計画でジョッフルとパルンヴェの２隻が、1940年度計画でもう１隻が建造されることとなり、ジョッフルが起工されたが、ドイツ侵攻で未完となった。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ジョティ＞：A58（補給艦）を参照。

＜ジョティ級＞：インド海軍補給艦Jyoti級。ロシアのコマンダルム・フェトコ級給油艦を導入したものである。全長179m、満載排水量35900トン。ディーゼル燃料25000トンなどを搭載可能。A58ジョティが1996年に就役した。参考：月刊軍事研究4,’11、月刊世界の艦船2,’16

＜ジョトヴィンギス＞：N42（掃海母艦）を参照。

＜ショト装甲＞：Schottpanzerung、隔壁装甲。レオパルト2A5戦車から採用された増加装甲で、砲塔前面と側面前部に装着されている。砲塔前面は主装甲板２枚の間に補助装甲板数枚を斜めに配しているとみられており、ここで徹甲弾のエネルギーを吸収し、戦車本体の主装甲で受け止める仕組みになっている。徹甲弾の進行方向を変える効果もあるといわれる。側面は楔形の一枚板で、補助装甲板は無い。参考：月刊軍事研究12,’09、月刊PANZER12,’97、10,’05

＜初度費＞：防衛省用語で、主として防衛装備品を製造する初期段階に支出される費用のこと。特定の防衛装備品を作るためだけに必要な設計費、専用治具・工具費、技術提携費などで、製造数に関わらず一定の費用が発生する。導入後の改良で新たな設計や専用治具・工具が必要になると、これも初度費として計上されるので、量産後暫く立ってから再び初度費を払っていたりする（C-2輸送機14-15号機とか）。事業年度ごとの調達数ごとに割掛けて支払われる。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊JWings4,’15、月刊航空ファン12,’18

＜ジョニー・ウォーカー＞：M4地雷処理戦車（T8地雷爆破装置）を参照。

＜ジョニー・ハッチンス＞：DE-360（護衛駆逐艦）参照。

＜初任海曹＞：３等海曹になったばかりの海上自衛官のこと。教育隊の初任海曹課程に入り、３ヶ月の教育で必要なリーダーシップなどを身に付ける。参考：MAMOR vol.90、vol.110

＜初年兵＞：日本陸軍用語で、新兵のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ジョバンニ・ダ・ヴェラツァーノ＞：イタリア海軍ナヴィガトリ級駆逐艦Giovanni da Verazzano。1930年竣工。1942年に雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜ジョバンニ・デレ・バンデ・ネーレ＞：イタリア海軍ジユッサノ級軽巡洋艦Giocanni delle Bande Nere。1931年竣工。1940年7月19日、スパダ岬沖海戦に参加。1942年に戦没した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船11,’00

＜除氷装置＞：De-icing system。機体表面に付いた氷を取り除く装置のこと。空中の水分が空気の流れによって機体表面にぶつかる場所に結氷しやすく、放っておくと翼前面が凍り付いて翼型が乱れたり、エアインテイクに張り付いた氷がエンジン内に吸い込まれてエンジンを損傷したりするので、これを防ぐ目的で防氷装置と共に使用される。翼の前縁に溝入りゴム袋を付けておき、定期的に溝を交互に膨らませて表面に付いた氷を剥がすブーツ式が代表的。以前は尾翼にも付けていたが、結氷してもあまり影響が無いと判明したので、主翼だけに付けている機体も多い。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ジョブ＞：DE-707（護衛駆逐艦）を参照。

＜処分具用係維索切断機１型＞：自衛隊の係維機雷処分具。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜処分具用係維索切断機２型＞：自衛隊の係維機雷処分具。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜処分具用係維索切断機３型＞：自衛隊の係維機雷処分具。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜処分具用係維索切断機４型＞：自衛隊の係維機雷処分具。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機またはJMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊軍事研究7,’07、6,’11、6,’17

＜処分艇用船外機＞：自衛隊の機器。ヤマハ発動機製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜処分用機雷５型＞：自衛隊の処分用機雷。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜処分用訓練機雷５形＞：自衛隊の機器。ユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜処分用訓練係維索切断機４型＞：自衛隊の訓練用係維機雷処分具。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜処分用訓練爆雷６型＞：自衛隊の訓練用爆雷。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究10,’07、6,’11

＜処分用訓練爆雷７型＞：自衛隊の訓練用爆雷。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜処分用爆雷３型＞：自衛隊の爆雷。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究8,’08、6,’11

＜処分用爆雷４型＞：自衛隊の爆雷。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究12,’09、6,’11

＜処分用爆雷６型＞：自衛隊の爆雷、処分用爆雷６形。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機またはJMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊軍事研究7,’07、6,’11、6,’16、6,’17

＜処分用爆雷７型＞：自衛隊の爆雷、処分用爆雷７形。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機またはJMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊軍事研究7,’07、6,’11、6,’16、6,’17

＜処分用爆雷試験器形＞：自衛隊の機器。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜処分用爆雷試験器２形＞：自衛隊の火工品。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究3,’10

＜諸兵科連合大隊（重旅団戦闘団、２０１６年）＞：重旅団戦闘団１個あたり３個が編成されている。兵力628名（士官48名、下士官・兵580名）。M-1A2戦車29両、M-2A3/M-3A3ブラッドレイ36両、M-113A3装甲車27両、HMMWV32両、トラック12両を装備する。大隊本部／本部中隊、戦車中隊２個、機械化小銃中隊２個、前方支援中隊１個からなる。戦闘時には重旅団戦闘団から工兵中隊や砲兵大隊射撃中隊が配属される。参考：月刊軍事研究4,’17

＜諸兵科連合大隊本部（重旅団戦闘団、２０１６年）＞：指揮グループ（大隊長、副大隊長など９名）、人事幕僚班／S1（９名、M1078トラック１両）、情報幕僚班／S2（18名、M1165HMMWV１両、M1068指揮所車１両）、作戦幕僚班／S3（19名、M-2A3歩兵戦闘車１両、M1068指揮所車２両、M113A3装甲車１両、M1078小型トラック１両、M1152HMMWV１両）、兵站幕僚班／S4（５名、M1152HMMWV１両、M1078小型トラック１両、M1068指揮所車１両）、通信幕僚班／S6（12名、M1152HMMWV３両、M1068指揮所車１両）、連絡士官（２名、M1165HMMWV１両）、無線再送信チーム（３名、M1165HMMWV１両）、従軍牧師（２名、M1152HMMWV１両）、火力支援班（14名、M1165HMMWV１両、M113A3装甲車１両、M1068指揮所車１両）からなる。前線に展開すると指揮グループと幕僚班は主指揮所を開設し、火力支援班は砲兵大隊に配属される。参考：月刊軍事研究4,’17

＜諸兵科連合大隊本部中隊（重旅団戦闘団、２０１６年）＞：中隊本部（７名。M1165HMMWV２両、M1083トラック１両、M1078トラック１両）、斥候小隊（36名。M-3A3騎兵戦闘車３両、M1151A1HMMWV５両）、迫撃砲小隊（24名。M1064A3自走迫撃砲４両、M1068指揮所車１両、M1165HMMWV１両）、医務治療小隊（32名。M557医務治療車２両、M113A3医務後送車８両、M1165HMMWV１両、M1078小型トラック１両）、火力支援小隊（28名。M-3A3BFIST３両）、狙撃分隊（10名。M1152HMMWV１両、12.7mm狙撃銃M107と7.62mm9狙撃銃M110を３丁ずつ）、除雷ローラー班（４名。M916セミトレーラー２両でTWMP/TWMRを運搬）からなる。作戦時は医療治療小隊の医務兵がブラッドレイ小銃小隊に１名ずつ配属され、火力支援小隊も砲兵大隊／射撃中隊に配属される。参考：月刊軍事研究4,’17

＜諸兵連合＞：Combined Arms。指揮、近接戦闘、火力戦闘、戦闘支援、後方支援の諸機能を有し、各兵科部隊の能力を有機的に総合発揮するように編成された、制度上には無い部隊。歩兵、戦車、砲兵、工兵、偵察、兵站、航空といった各種戦力を一元的に指揮するための部隊で、運用の柔軟性が高く即応性を持つ。第１次大戦の戦訓から生まれた概念で、第１次大戦後の各国軍教範で広く採用され、特に歩兵と砲兵の連合が重要視された。その後、更に戦車と歩兵の連合が重視されるようになり、戦車を歩兵の進撃速度に合わせるタイプと、歩兵を戦車の進撃速度に合わせるタイプの２つに分かれたが、第２次大戦では後者が威力を発揮した。参考：月刊軍事研究10,’02、歴史群像10,’08、兵器最先端５、月刊PANZER2,’12

　＜諸兵連合（日本陸軍）＞：作戦要務令綱領第７に、兵種を問わず協同一致することは戦闘の目的を達するため極めて重要で、諸兵種の協同は歩兵が目的を達成することを主眼とすると記載されており、作戦要務令自体も諸兵連合の戦闘（及び陣中勤務）に関して一般に準拠すべき事項を示すものであると作戦要務令総則第１で規定されている。作戦要務令第二部第一編「戦闘指揮」第二章が「諸兵種の運用及び協同」という題で、戦闘のため諸兵を運用する要は、一途の方針に従い各々固有の能力を遺憾なく発揮して克く協同させ、その統合戦闘力を適時適所に指向させることにあり、諸兵種の協同は歩兵をして其の目的を達せしめるを主眼として行うべきものとする、とある。その基礎は、師団長の適切な部署と指導とにあるが、協同を完全に行うには、諸兵種相互の緊密な精神的結合並びに他兵種に対する十分な理解と信頼が必須の要件である。諸兵種特に歩戦砲の協同は戦闘の目的を達成するため極めて緊要で、協同すべき部隊の指揮官は戦闘当初より緊密な連絡を保持し、戦闘の進捗に伴いますます之を密接にする必要がある。歩兵に直接協同すべき戦車・砲兵指揮官は、戦闘開始前、可能な限り該歩兵の指揮官と会同し、勉めて現地に就き各々知得した敵情と地形を通報し、戦闘実行上必要な協定をなす。戦闘間に歩戦砲の協同を緊密とするため、歩兵は機を失せず敵情特に重火器、砲兵等の位置及び状態、対戦車障害物の状況、我が砲兵射撃の効果、戦車及び砲兵進出の難易、観測所及び放列陣地に適する地点の有無などに関して必要事項を通報し、戦車及び砲兵もまた自ら情報収集に勉め、必要事項を他に通報するのが重要である。歩兵は戦車に難路通過その他の必要な場合に於いて援助を与え、また砲兵に最良な陣地特に観測所を設けさせ、かつその陣地偵察及び設置などに援助を与える。また、歩兵は近傍にある戦車と砲兵を掩護する義務を有する。歩兵に直接協同すべき砲兵指揮官は、歩兵指揮官と確実な連絡を保持し、かつ機会を得るごとに会同するに勉め、協定を補てんし、以て歩砲の協同を万全にしなければならない。砲兵は状況が必要とする時は猛烈な歩兵火をも冒し敵に近接して最大威力を発揚し、歩兵に有形無形上至大の援助を与えるのが緊要である。隣接部隊又は同一目的に向かい協同戦闘する部隊の指揮官は、相互の連繋を保持するのが重要だが、連繋しようとして自己の任務遂行を躊躇するのは本末転倒なので、厳に戒めなければならない。歩戦砲間の連絡は、戦車及び砲兵から歩兵に対して行うが、歩兵も可能な限り通信施設を援助し、これに協力する。戦車や砲兵が同一の歩兵部隊に協同する場合の戦車と砲兵との連絡は、通常歩兵を通じて行うが、歩兵に直接関係無い事項は、無線や視号通信などにより直接連絡してもよい。参考：作戦要務令

＜ショベルローダ＞：航空自衛隊の施設器材LK120Z。前方にバケットローダ、後方にショベルを装備する。全長6.11m、全幅2.35m、全高4.415m、車重6.72トン、最大積載量0.16トン。エンジンは4BD1直列４気筒ディーゼル（総排気量3856cc、出力88馬力）、トランスミッションはYT048（前進３段・後進３段）、最大速度34km、燃料タンク容量120リットル。乗員２名。東京TCMまたはTCM製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究6,’09、8,’10、1,’13

　＜ショベルローダ＞：航空自衛隊の施設器材。全長6.74m、全幅2.34m、全高3.33m、車両重量8.25トン。エンジン出力85馬力、最大速度34km。乗員２名。メーカーは小松製作所や新キャタピラー三菱など。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ショベルローダ（教習用）＞：自衛隊の車両。東京TCM製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ショベルローダ（バックホー付き）＞：自衛隊の車両。東京TCM製。参考：月刊軍事研究6,’09、8,’10

＜ショベルローダ（バックホー付き）小型＞：航空自衛隊の施設機材808A-2。排水溝に詰まった土砂を取り除いたり、舗装道路の地下に埋めてある構造物の修理の時に舗装をはがしたりするのに使用する。全長4.2m、全幅1.69m、全高2.96m、車重3.49トン、総重量3.57トン。エンジンはV1502-B直列４気筒（総排気量1487cc、出力28馬力）、最大速度15km、燃料タンク容量33リットル。乗員１名。TCM製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究10,’11

＜曙厖型＞：636型シリーズ（海洋観測艦）を参照。

＜ジョホール砲台＞：シンガポールのベー・ホーに建設された沿岸砲台。15インチ（381mm）砲Mk.�Tが３門据え付けられ、1938年に完成した。太平洋戦争のシンガポール陥落直前に破壊されたが、1991年4月に地下道が偶然発見され、その後復元されて一般公開されている。参考：月刊軍事研究7,’08

＜ジョリー＞：HH-60G（ヘリ）を参照。

＜ジョリーグリーン�U＞：HH-60W（ヘリ）を参照。

＜ジョリーグリーン・ジャイアント＞：HH-3E（ヘリ）を参照。

＜ジョリー・ロジャース＞：VF-103（戦闘飛行隊）またはVFA-103（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜処理弾運搬車用車輌（９２式地雷原処理車用）＞：自衛隊の特殊車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究7,’95

＜処理弾薬運搬車（９２式地雷原処理車用）＞：自衛隊の車両。IHIエアロスぺース製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ショル＞：ノルウェー海軍ストルム級高速攻撃艇。1966年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ショル級＞：ショルド級（高速攻撃艇）を参照。

＜ジョルジュ・レイグ＞：D640（駆逐艦）を参照。

＜ジョルジュ・レイグ＞：フランス海軍ラ・ガリソニエール級軽巡洋艦Georges Leygues。1937年竣工。1944年6月6日、ノルマンディー上陸作戦に参加。オマハ海岸を砲撃して上陸支援を行った。1959年に売却され、解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代巡洋艦史

＜ジョルジュ・レイグ級＞：フランス海軍駆逐艦（公式には対潜コルベットC70A/S）、Georges Leygues級。主任務は空母機動艦隊との共同作戦、単独での通商保護である。船型は長船首楼型で、長い上部構造物を持つ。フランス海軍の水上艦でガスタービンを装備するのは本級のみで、当初はCOGOG方式を採用する予定だったが、熱帯での後進能力が小さいこと、航続距離が短くなることから、CODOG方式にした。DRBV26対空・対水上捜索レーダー、DRBV51C対空・対水上捜索レーダー、DRBC32/33射撃指揮レーダーを搭載する。全長139m（129m？）、幅14m、吃水5.7m、基準排水量3830トン、満載排水量4300トン（1-4番艦）／4380トン（5-7番艦）。主機はCODOG方式、オリンパス高速用ガスタービン（26000馬力）２基・SEMTピールスティックBTC巡航用ディーゼル（5200馬力）２基、出力52000馬力（56600馬力？）、速力30.2ノット、航続距離8000海里（15ノット）。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル単装発射筒４基（1-2番艦）／エグゾセMM40艦対艦ミサイル連装発射筒２基（３番艦以降）、クロタル艦対空ミサイル８連装発射機１基、100mm単装砲モデル1968CADAMが１門（前甲板）、20mm単装機関砲２丁、12.7mm単装機銃４丁、533mm対潜魚雷固定式発射管２門。リンクスMk2/4ヘリ２機を搭載できる。乗員218名。D640ジョルジュ・レイグ、D641デュプレ、D642モンカルム、D643ジャン・ド・ヴィエンヌ、D644プリモゲ、D645ラモット・ピケ、D646ラトゥーシュ・トレヴィルの７隻が1979-90年に竣工した。1990年代にはミストラル艦対空ミサイル・システムを追加した。2015年現在の兵装は、エグゾセMM38艦対艦ミサイル連装発射筒２基またはエグゾセMM40艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、クロタル艦対空ミサイル８連装発射機１基、ミストラル艦対空ミサイル６連装発射機サドラル２基または連装発射機シンバド２基、533mm長魚雷L5用単装発射管２基または324mm短魚雷MU90用単装発射管２門、100mm砲１門。2022年7月1日にD646ラトゥーシュ・トレヴィルが退役し、全艦退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’10、12,'21、10,’02、5,’83、1,'15増刊、10,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ショルダー・アームズ＞：両手で保持し、肩付けして照準する火器の総称。ライフル銃、サブマシンガン、散弾銃、軽機関銃、汎用機関銃、グレネードランチャー、対戦車ロケットなどを含む。参考：GUN用語事典、世界の軍用銃

＜ショルダー・ストック＞：銃床にもなるショルダー・ホルスター。参考：GUN用語事典

＜ショルダー・ホルスター＞：紐で脇の下に吊すタイプの拳銃入れ。参考：GUN用語事典

＜ショルド＞：P960（高速攻撃艇）を参照。

＜ショルド級シリーズ＞：ノルウェー海軍高速攻撃艇Skjøld級。ショルド（ショル？シェル？）は英語読みで、ノルウェー読みはスキョル級らしい。ストルム級高速哨戒艇の後継として開発された。参考：月刊軍事研究3,’11、3,'17、月刊世界の艦船3,’14

＜ショルド級（試験型）＞：量産先行モデルの250トン級高速攻撃艇で、ノルウェーのクヴァールナル・マンダール社が製作し、P960ショルドが1999年に竣工した。ステルス性に優れた船体を持つが、砲塔は取り敢えず従来型の76mm砲を搭載している。主機はCODOG方式で、高速航行用ロールスロイス・アリソンKF571ガスタービン（6000kW）２基＋低速巡航用MTU6R183TE52ディーゼル（275kW）２基を搭載。乗員16名。ノルウェー及びアメリカ海軍で各種試験に使用され、1999年10月に最大速力57.1ノット、2001年2月には59.8ノットを発揮した。参考：月刊軍事研究3,’11、JShips Vol.46

＜ショルド級＞：船体形状は表面効果船（SES）、素材はFRP（繊維強化プラスチック）のサンドイッチ構造で、要所はCRPで補強してあり、角度90度のコーナーは存在せず、電波透過による電磁干渉などが起こらないようにカーボン・真鍮を組み合わせた非反響塗料でシールドした。露天甲板前部のリフト・ファン吸気口、後部甲板のガスタービン用吸気口もレーダー波吸収材メッシュで覆われ、艦橋窓ガラスにもレーダー波吸収材を使用している。乗降用ドアなども、構造物外壁と面一になるよう設計した。対艦ミサイルは後部甲板下の艦内に装備され、使用時に発射筒が40度上を向いて甲板上に顔を出す。艦首形状はショルドに比べて凌波性の高い形状に変更された。メインマストは高さ9.6m、カーボンファイバーで製造されており、形状はステルス性に優れ、腐食防止のためステンレスの替わりにチタンやFRPを使用する。高速化を狙って主機をCOGAG方式に変更しており、艦尾後面左右にガスタービン用排気口があって、排気は海水と混ぜて冷却してから排出する。船体浮上はMTU12VTE95ディーゼルエンジン（735kW）２基で艦首２ヵ所のリフト・ファンを駆動して行う。配線の銅ケーブルは光ファイバーケーブルに置き換え、重量を抑えた。全長47.2m、全幅13.5m、ハルボーン時吃水2.3m、エアクッション航行時0.9m、軽荷排水量200トン、満載排水量274トン。主機はCOGAG方式、プラット＆ホイットニー社製ST18M（4000kW）２基＋ST40M（2000kW）２基で、推進はウォータージェット（直径0.8m）２基、低速巡航速力８ノット、最大速力は静水時60ノット、シーステート３で45ノット、航続距離800海里。艦載戦闘システムは、フランスのDCN社とノルウェーのコングスベルグ社が共同開発したSENIT2000システムで、個艦防御システムはDCN社のOP3Aまたはその改良型。戦闘管制システムは６台のMFDから構成され、艦橋には３台の多機能コンソールを装備、電子海図情報表示システム（ECDIS）からの海図データやレーダー及び光学機器のデータ等を表示する。MRR-3D-NG三次元対空／水上捜索レーダー（アンテナ上部にIFFアンテナ付き）、航海レーダー、射撃指揮レーダー方位盤セロス200Mk4（艦橋上面）、光学方位盤VIGY20、光学目標指示器、CS3701電波探知器（マスト頂部）などを搭載する。兵装はオットー・メララ社製62口径76mm単装砲スーパーラピッド（ステルスシールド付）１門、ミストラル対空ミサイル連装発射機シンバッド１基、NSM対艦ミサイル４連装発射筒２基（艇体後部格納式。発射時に筒を40度上向きとし、甲板の発射口を開け、斜め前方に発射する）、遠隔操作式12.7mm機銃シー・プロテクター２基。MASSチャフ・フレアディスペンサー１基を艦橋直前に装備する。対潜水艦装備は無い。通信機材はHF、VHF、UHF、リンク11、リンク14、リンク16など。INS/GPSも装備される。乗員15-18名（最大21名）。１番艇ストルムと２番艇スクッドが2010年に就役し、3-5番艇（スタイル、グリムト、グニスト）も2013年までに就役した。沈没したF313ヘルゲ・インゲスタの穴埋めで2030年までの寿命延長改修を行う予定。参考：月刊軍事研究3,’17、1,’00、10,’03、3,’02、5,’01、3,’11、月刊世界の艦船4,’11、3,’14、8,'20、1,'21、JShips Vol.46

＜ショルナー軍集団＞：ドイツ国防軍の軍集団。1944年11月、ドイツ国防軍Ａ軍集団を改編して創設された。隷下部隊はSS第10装甲師団、SS義勇第18装甲擲弾兵師団、SS第20擲弾兵師団、SS第２装甲師団で、実質的には武装親衛隊の軍集団である。トップは国防軍フェルディナンド・ショルナー大将。参考：武装親衛隊

＜ジョン・Ａ・Ｂ・ディラードＪｒ．＞：アメリカ陸軍工兵隊海洋デザイン・センター多用途船John A. B. Dillard Jr.。双胴船で、後甲板に15トン・クレーンを装備し、各種海洋観測装置を運用する。満載排水量95トン。速力27ノット。2010年就役。2017年10月1-9日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船1,’18

＜ジョン・Ａ・ボール＞：DD-755（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ａ・ムーア＞：FFG-19（フリゲート）を参照。

＜ジョン・Ｂ・グレイ＞：APD-74（高速輸送艦）またはDE-673（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｃ・カルホーン＞：SSBN-630（潜水艦）を参照。

＜ジョン・Ｃ・ステニス＞：CVN-74（空母）を参照。

＜ジョン・Ｃ・バトラー＞：DE-339（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｃ・バトラー級＞：アメリカ海軍護衛駆逐艦John C. Butler級。長船体型の１つで、WGT（Westing house Geared Turbine）型とも呼ばれる。ラッデロウ（TEV）型の主機を減速ギア付きタービンに変更したものである。全長93.3m、幅11.2m、吃水2.9m、基準排水量1350トン、満載排水量1660トン。主機はウェスチングハウス式蒸気タービン（DE-344、345、348-353、361、364-367、371、372、440、442、445-450、508-510、540はGE式１段減速）２基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式水管缶（DE-339から372、402から424はコンパッション・エンジニアリング式）２基、出力12000馬力、２軸推進、速力24ノット、重油搭載量355トン、航続距離6000海里（12ノット）。兵装は38口径12.7cm単装両用砲２門、40mm連装機関砲２基＋20mm単装機関砲10門（DE-448-450、510、537、538は40mm４連装機関砲１基＋20mm連装機関砲３基＋20mm単装機関砲10門）、533mm３連装魚雷発射管１基（DE-371、372、448-450、510、537、538は装備せず）、爆雷投射機８基、爆雷投下軌条２条、ヘッジホッグ１基。乗員186名（戦時200名）。DE-339からDE-381、DE-402からDE-515、DE-541からDE-562、DE-801からDE-904が計画され、DE-380、DE-381、DE-425からDE-437、DE-453からDE-507、DE-511からDE-515、DE-555からDE-562、DE-801からDE-904が命名前に建造中止となり、DE-339からDE-379、DE-402からDE-424、DE-438からDE-452、DE-508からDE-510、DE-531からDE-538、DE-541からDE-554が起工され、DE-539とDE-540は一旦建造中断された後DER-539とDER-540として竣工し、DE-373からDE-379、DE-451、DE-452、DE-541からDE-554が命名後に建造中止となり、DEとして81隻が1944-45年に就役（DERの２隻は1955年に就役）した。参考：アメリカ護衛艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ジョン・Ｃ・メイヤー＞：メイヤー（アメリカ空軍エース）を参照。

＜ジョン・Ｃ・カルホーン＞：SSBN-630（ジェームズ・マディソン級戦略原潜）を参照。

＜ジョン・Ｄ・エドワーズ＞：DD-216（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｄ・フォード＞：DD-228（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｄ・ヘンリー＞：DD-553（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｅ・キルマー＞：DDG-134（イージス駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｆ・キャンベル＞：キャンベル（陸軍大将）を参照。

＜ジョン・Ｆ・ケネディ＞：CV-67（キティ・ホーク級空母）またはCVN-79（ジェラルド・Ｒ・フォード級空母）を参照。

＜ジョン・Ｆ・ケネディ級＞：キティ・ホーク級（空母）を参照。

＜ジョン・Ｆ・ケネディとベルナップの衝突事故＞：1975年11月22日夜、シチリア島の東70海里の地中海で、発着艦訓練中のCV-67ジョン・F・ケネディと随伴艦のCG-26ベルナップが衝突した事故。当時は風速6-12mの嵐で、互いに反航していたCV-67の飛行甲板左舷張り出し部にCG-26が潜り込む形になり、CG-26の上部構造物がCV-67の航空燃料配管を破壊、両艦共に火災が発生し、CG-26の乗員55名が海に投げ出された。CV-67は10分で火災を消し止めて搭載ヘリによる救助活動に入ったが、CG-26は弾薬が誘爆し、２時間後に漸く鎮火したものの、アルミニウム合金製の上部構造物が炎熱で全て溶け落ち、残骸だけになっている。この事故で11名が死亡し、CG-26は航行不能となってシチリア島に曳航された。CV-67にはCan Openerというニックネームが付けられている。参考：丸スペシャルNo.83、月刊軍事研究9,’18

＜ジョン・Ｆ・レーマン＞：DDG-137（イージス駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｈ・サイズ＞：FFG-14（フリゲート）を参照。

＜ジョン・Ｈ・ダルトン＞：SSN-808（攻撃原潜）を参照。

＜ジョン・Ｊ・ヴァンビューレン＞：DE-753（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｊ・パワーズ＞：DE-528（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｌ・ウィリアムソン＞：DE-370（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｌ・キャンリー＞：ESB-6（遠征用海上基地艦）を参照。

＜ジョン・Ｌ・ホール＞：FFG-32（フリゲート）を参照。

＜ジョン・Ｍ・バーミンガム＞：DE-530（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｍ・ブローニング＞：ブローニングを参照。

＜ジョン・Ｏ・アーン＞：アーン大尉を参照。

＜ジョン・Ｐ・ボボ＞：T-AK-3008（輸送艦）を参照。

＜ジョン・Ｐ・ボボ級＞：アメリカ海軍コンテナ車両輸送艦2nd. Lt. John P. Bobo級。単クレーン１基と容量39トンの二連クレーンを持ち、コンテナ530基を収容できる。艦尾の大型ランプから広さ14140平方メートル（15096平方メートル？）の車両甲板に車両を自走搭載可能。各種燃料6065キロリットルも積める。後甲板はヘリ甲板である。全長206m、満載排水量45039トン。主機はディーゼル２基１軸27000馬力、速力18ノット。T-AK-3008ジョン・Ｐ・ボボ、T-AK-3010バルドメロ・ロペス、T-AK-3012ウィリアム・Ｒ・ボタンなどが就役した。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船5,’23

＜ジョン・Ｐ・マーサ＞：LPD-26（揚陸艦）を参照。

＜ジョン・Ｑ・ロバーツ＞：APD-94（高速輸送艦）またはDE-235（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｒ・グレイグ＞：DD-885（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｒ・ピアース＞：DD-753（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｒ・ベリー＞：DE-1034（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｓ・マッケーン＞：DDG-56（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｓ・マッケーン�V世＞：1967年、ベトナム戦争で乗機のA-4攻撃機を撃墜されて捕虜となった。大佐で退役し、下院議員と上院議員を務めている。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ジョン・Ｓ・マッケーンＪｒ．＞：1931年、アナポリス海軍兵学校卒。第二次大戦では潜水艦長を務めた。1967年、大将に昇任し、在欧米海軍司令官となった。1968-72年、太平洋軍総司令官を務めた。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ジョン・Ｓ・マッケーンＳｒ．＞：太平洋戦争末期に第38／第58任務部隊司令官に就任。1945年9月2日、東京湾で降伏調印式に出席したが、帰国直後に心臓発作を起こして死去した。1949年、死後に大将に昇任した。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ジョン・Ｓ・マッケーン衝突事故＞：2017年8月21日0624頃（日本時間）、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーンがマラッカ海峡でリベリア船籍タンカーのアルニックMC（重量トン数30040トン）と衝突。左舷後部（ハープーン発射筒装備位置あたり）に孔が空いて居住区、機械室、通信室に浸水し、10名が行方不明になり、５名が負傷した。午後にシンガポールのチャンギ海軍基地に入港している。LHA-6アメリカがMV-22Bで行方不明者の捜索活動を行い、同日中にチャンギ海軍基地へと入港、ジョン・Ｓ・マッケーン乗員の支援を行った。シンガポール軍も救難活動を行っている。8月28日、行方不明者10名全員が艦内で発見され、死亡が確認された。10月、艦長アルフレッド・Ｊ・サンチェス中佐が指揮能力不足、副長ジェシー・Ｌ・サンチェス中佐が訓練監督能力不足を理由に更迭された。ジョン・Ｓ・マッケーンは10月5日にチャンギ海軍基地を自力出港し、10月11日に洋上で重量物運搬船トレジャーに搭載された。10月22日に横須賀基地に到着して修理に入る予定だったが、運搬中に新しいクラックが発生したり、台風21号が発生したりと災難続きで、11月6日現在フィリピンのスービックに留まっている。11月1日、事故調査報告書が公表された。事故は回避可能で、艦制御用コンソール操作に関し適切な知識が欠けており、衝突警報も鳴らされなかったとしている。参考：月刊世界の艦船11,’17、12,’17、1,’18、月刊軍事研究9,’18

＜ジョン・Ｕ・Ｄ・ページ＞：T-AK-4543（輸送船）を参照。

＜ジョン・Ｗ・ウィークス＞：DD-701（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・Ｗ・トーマソン＞：DD-760（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・アダムス＞：SSBN-620（ラファイエット級戦略原潜）を参照。

＜ションイン＞：経国シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ジョン・ウィリス＞：DE-1027（護衛駆逐艦）を参照。

＜ジョン・ウォーナー＞：SSN-785（潜水艦）を参照。

＜ジョンウン＞：067（潜水艦）を参照。

＜ジョン・エリクソン＞：T-AO-194（給油艦）を参照。

＜ジョンキル＞：K68（コルベット）を参照。

＜ジョン・キング＞：DDG-3（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜ジョン・グレン＞：T-ESD-2（遠征積替ドック）またはT-MLP-2（機動揚陸支援艦）を参照。

＜ジョン・ショット＞：アメリカ空軍初のAIR-2A空対空核ロケット実射試験。1957年7月19日に行われ、F-89J戦闘機がAIR-2Aを発射、２キロトンの爆発が起きた。参考：核兵器図鑑

＜ジョンストン＞：DD-557（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-821（ギアリング級駆逐艦）を参照。

＜ジョンストン島＞：ハワイの南西にある島で、化学兵器の貯蔵・処理施設である。参考：化学・生物兵器概論

＜ジョンソン基地＞：在日米軍基地。名称の由来は1945年10月7日に東京湾上空で遭難し25才で死亡した第49戦闘群ジェラルド・Ｇ・ジョンソン大佐である。元は日本陸軍航空士官学校で、1945年10月に進駐してジョンソン基地となった。1954年7月、航空自衛隊発足に伴い、空自東部訓練航空警戒隊が新編された。1958年8月、空自が入間基地として共用を開始。1961年6月、日米共同使用協定が締結された。1963年11月、飛行場地区の管理運用を空自に移管。1978年9月、日本に全面返還された。参考：入間基地ホームページ

＜ジョンソン軽機関銃＞：M1941を参照。

＜ジョンソン自動小銃＞：アメリカのＭ・ジョンソン大尉が1936-40年に設計した自動小銃。直銃床で、銃身被筒は穴開き鋼板製であり、銃剣装着機能を廃して無駄な銃身強化を省いている。弾倉は回転式で、尾筒下部に取り付けられており、銃の右から１発ずつ装弾を行う。作動は反動利用式。構造が複雑で故障しやすいという欠点があり、アメリカでは採用されず、オランダ政府が1941年に大量に注文して東インド部隊に配備した。しかし太平洋戦争勃発で注文が取り消され、作ってしまった分はアメリカ陸軍航空軍と海兵隊が購入したが、結局制式化されず、M1ガーランドと交替して退役した。他に薬室を7mmモーゼル用に改造したものが1000丁ほどチリに輸出されている。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜ジョン・ハーベイ号事件＞：第２次大戦時の1943年12月、連合軍の支配下にあったイタリア南部のバリ港をドイツ軍機100機が爆撃。停泊していた貨物船ジョン・ハーベイ号が爆発を起こし、船長は船を自沈させた。この船にはマスタードガス100トンが積載されており、これが漏れて海面の油と混ざったため、急速に拡散し、海上にいたジョン・ハーベイ号や他の船舶から脱出した多数の船員がマスタードガス入りの油に捲かれ、83人が死亡、617人が負傷し、第２次大戦中最大の化学兵器被害を引き起こしている。この際、被害者には白血球著明減少の所見がみられており、白血病の治療薬としてナイトロジェンマスタードが開発されるきっかけになった。参考：図解雑学生物化学兵器

＜ジョン・バジロン＞：DDG-122（イージス駆逐艦）を参照。

＜ジョン・ハンコック＞：DD-981（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・フィン＞：DDG-113（イージス駆逐艦）を参照。

＜ジョン・フッド＞：DD-655（駆逐艦）を参照。

＜ジョンブルー・ギャップの戦い＞：第２次大戦時の1940年5月10日、黄作戦を発動したドイツ軍はベルギーとオランダに侵攻。ドイツＢ軍集団第６軍第16機甲軍団第３・第４機甲師団はベルギーからワーブル・ナミュール間にある平原地域（北にあるディール川と南にある渓谷が途切れている地点で自然障害が無いため、ジョンブルー・ギャップと呼ばれた）に向けて進撃した。フランス軍は騎兵軍団を急派して防衛にあたり、フランス第１軍第２・第３機械化師団を前方に展開させた。5月12日午後、平原に展開する戦車隊を発見したドイツ空軍はJu87スツーカで爆撃を開始、フランス軍が大混乱に陥った所に機甲師団が突入した。オチキスH35、ソミュアS35などを装備するフランス軍は戦車単体の戦闘力ではドイツ軍を圧倒したが、ドイツ側は電撃戦を展開して側面から後方に回り込み、フランス軍を包囲にかかったため、フランス軍は防御陣地に退き、戦車の大半をダックインさせて火点とした。5月13日1130、ドイツ軍はフランス軍防御陣地に対して突撃準備射撃を開始。1230にスツーカの猛爆撃と共に進撃を再開し、フランス軍は第２防衛線に退いた。5月14日0500からドイツ軍は第２防衛ラインへの攻撃を開始、猛砲爆撃の前にフランス軍は戦線を維持できなくなり、機械化師団２個が消滅、残存兵力は歩兵師団に吸収された。ドイツ・フランス共に100両前後の戦車を喪失している。参考：月刊軍事研究3,’07、月刊JGround Vol.11

＜ジョンベラ＞：セーラー服の襟（裏首）の名称。ジャンパーまたはジョンブルがなまったものらしい。参考：帝国陸海軍事典、海軍こぼれ話

　＜ジョンベラ（日本海軍）＞：水兵の通称としても使用された。正式名称は中着襟である。紺色で、幅7mmくらいの白線が周囲に縫い付けてあり、ボタン穴が開いていて、軍服のボタンと結合する。紺色の部分の汚れは目立たないが、白線の部分はそうもいかない（特に胸のあたりは内ポケットに近いのですぐ汚れる）ので、おしゃれを心がける海軍兵としては洗濯が欠かせない。ただ適当に洗うと白線に紺地が染みてくるので、白線部分に塩水をかけて石鹸を塗り、爪先で擦って丁寧に汚れを取った後、よく濯ぐ。参考：続日本海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜ジョン・ベン＞：APA-23（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ジョン・ポール・ジョーンズ＞：DDG-53（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・マーシャル＞：SSBN-611（潜水艦）を参照。

＜ジョン・マクドネル級＞：アメリカ海軍海洋調査艦。満載排水量2054トン。乗員は民間船員23人、海洋学者11人。ジョン・マクドネルなど２隻が就役した。参考：月刊軍事研究4,’09

＜ジョン・ヤング＞：DD-973（駆逐艦）を参照。

＜ジョン・リー＞：358（コルベット）を参照。

＜ジョン・ルイス＞：T-AO-205（給油艦）を参照。

＜ジョン・ルイス級＞：アメリカ海軍艦隊給油艦John Lewis級。ヘンリー・Ｊ・カイザー級の後継で、ルイス・アンド・クラーク級をベースに、ドライ・カーゴ搭載スペースを減らして補給用燃料タンクに回し、艦中央のドライ・カーゴ用移送施設を廃止した。全長227.3m、総トン数32000トン、満載排水量49850トン。主機はディーゼル、速力20ノット。燃料搭載量24800キロリットル、ドライ・カーゴ搭載スペース1576立方メートル、冷蔵施設1362立方メートル。乗員99名。T-AO-205ジョン・ルイス、T-AO-206ハーヴェイ・ミルク、T-AO-207アール・ウォーレン、T-AO-208ロバート・Ｆ・ケネディ、T-AO-211サーグッド・マーシャル、T-AO-212ギンズバーグ、T-AO-213ハリエット・タブマンなど20隻が2022年から就役中。参考：月刊世界の艦船4,'21、9,'23、12,’18、4,’16、12,’16、12,’20、3,'21、5,’23、12,'23、月刊軍事研究11,’16

＜ジョン・レントール＞：T-AO-189（給油艦）を参照。

＜ジョン・ロジャース＞：DD-574（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-983（スプルーアンス級駆逐艦）を参照。

＜シラ＞：F71（リアンダー級フリゲート）を参照。

＜シラ＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦Scylla。1942年竣工。1950年に解体された。参考：近代巡洋艦史

＜シラ＞：オーストラリア海軍コリンズ級潜水艦用統合ソナー。フランス製。艦首ソナー、セイル及び船体のフランク・アレイ・ソナー、曳航アレイ・ソナーを統合運用する。パッシブ・アクティブ両用で、アクティブ使用周波数5kHz、出力4kW。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜地雷＞：地中または地表などに設置し、敵陸上兵器（ときにヘリコプター）・兵士の接近に伴って爆発、殺傷破壊効果をもたらす兵器のこと。特定通常兵器条約での定義は、「土地若しくは他の物の表面に又は土地若しくは他の物の下方若しくは周辺に敷設され、人又は車両の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された弾薬類」。古代中国の地雷火が語源。英語ではmineまたはlandmineで、元々は攻城戦の時に坑道（mine）を掘って爆薬を仕掛けたことからこの名が付いている。諸葛亮孔明は敵大将が陣を敷きそうな場所に予め遠隔操作式の爆薬を設置する、ずばり「地雷」という名の兵器を使用したらしい。14-15世紀の中国では跳躍式地雷が既に使用されており、遠隔操作で打ち上げ用火薬に着火すると地雷が顔の高さに跳ね上がり、炸裂して敵兵を殺傷した。第２次大戦では連合軍戦車の損失の20%が対戦車地雷だったという。また、金属探知器が発達したため、ガラス、陶器、木材などを使用した地雷が開発された。戦後はオール・プラスチック製の地雷も出現している。敵の予想進路上に敷設しておけば防御兵力の節約になり、陣地や拠点周囲に敷設しておけば間隙を埋めて不意の攻撃を防ぐことができる。敷設してあるらしいという雰囲気だけでも敵の進撃速度を大幅に遅らせることが可能。撒布されると半永久的に効力が持続するが、地域住民に被害が出るので、自爆信管を採用する傾向にある。地雷処理時には1000個に１人の死者が出るとされる。参考：月刊軍事研究3,’98、月刊PANZER10,’01、火器弾薬技術ハンドブック、軍縮条約・資料集第２版、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜遠隔散布地雷（特定通常兵器条約）＞：特定通常兵器条約での定義は、「直接敷設されず、大砲、ミサイル、ロケット、迫撃砲もしくはこれらと類似の手段で投射される地雷又は航空機から投下される地雷」。参考：軍縮条約・資料集第２版

　＜対人地雷＞：人員の殺傷を目的とした地雷。特定通常兵器条約での定義は、「人の存在、接近または接触によって爆発することを第一義的な目的として設計された地雷であって、一人若しくは二人以上の者の機能を著しく害し又はこれらの者を殺傷するもの」。空中に跳躍して炸裂したり、地表に設置して水平方向に鋼球を撒き散らしたりするタイプもある。雨で出来た水溜まりを避けて歩きそうな少し高い場所や、銃撃を受けた時に身を隠しそうな場所など、人間の心理を読んで仕掛けると効果的。また、対人地雷の存在は部隊の進撃スピードを遅延させ、心理的衝撃により敵の士気を低下させる。兵を死亡させるよりも負傷させた方が後の社会的影響を考えた時に有効なため、専ら片足を吹っ飛ばすくらいの威力のものを使う。とはいえ足部は跡形も無くなり、下腿軟部組織は爆風で膝あたりまでめくれ上がり、下腿の骨は下部が割れた状態で露出するため、ほぼ必然的に開放骨折（複雑骨折）となって迅速な治療を行えなければ敗血症から死に至る。使用するのは軍だけでなく、カンボジアでは泥棒除けのために自宅や遺跡の周りに埋めたり、避難民除けに民家に仕掛けたりしている。１個あたりの値段は僅か３ドルだが、撤去には3000ドルが必要とされる。参考：月刊軍事研究3,’98、8,’99、7,’99、8,’16、火器弾薬技術ハンドブック、軍縮条約・資料集第２版、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’12

　＜対戦車地雷＞：戦車や装甲車両を撃破するための地雷。炸薬量で対戦車用の重地雷（信管作動圧力110kg以上）と、対装甲車用の軽地雷（信管作動圧力110kg未満）に分類され、足周りを破壊する爆風式と、底面・側面・上面を貫通する成型炸薬式がある。運搬を考えて重量は10kg台までに抑えられているが、車輪や履帯を破壊して行動不能にできるし、成型炸薬地雷は戦車の底部装甲を撃ち抜いて大きな損害を与えうる。補助信管が側面・後面に取り付けられており、2-3個繋げて仕掛けることで地雷除去を妨害できる。対テロ戦でIEDに対抗するため装甲車が耐地雷装甲を強化すると、それを破壊できるよう更に強化され、装甲車ごと数メートル上空に吹っ飛ばし、地面に叩き付けて乗員にダメージを与えるようになった。参考：月刊軍事研究3,’98、8,’16、火器弾薬技術ハンドブック、コンバット・バイブル、スピアヘッドNo.6

＜地雷原（特定通常兵器条約）＞：特定通常兵器条約での定義は、「地雷が敷設された特定の地域」。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜地雷原処理装置（試験用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜地雷除去トラクター＞：イギリスのペアソン・エンジニアリング社が開発した地雷処理車。外見は農業用トラクターだが、車体は装甲化されており、４輪の車輪は中空パイプ製、更に動力アームを搭載して対人地雷除去時の細かい作業もできる。オプションとして、対人地雷処理用ローラー、植栽伐採機、大型伐採カッター、植栽粉砕器、耕耘機兼地雷分別機、マグネットなどを搭載し、地雷除去の助けとする。基本的に対人地雷処理用車両で、人員と共に除去作業を行う。参考：月刊PANZER10,’01

＜地雷処理装置＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜地雷処理装置（陸上自衛隊）＞：ドラム缶にコンクリートを詰め、両端に鉄板を歯車状に溶接、ちょうど履帯幅になるように鉄棒に固定して車体前部に取り付けた簡単な処理装置が61式戦車に装備されたことがある。ただ、仮想敵としてソ連のものを形だけ真似たのかも知れない。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜地雷斥候＞：日本陸軍の地雷捜索処理部隊。トップは将校または下士官で、人員数3-5名。地雷捜索訓練を受けた軍用犬がいると捜索が確実になる。地雷の位置だけでなく、埋設地域の広さ、埋設密度、通過が容易な場所、処理方法と必要器材、埋設地域に向けられた敵兵力と火器、迂回路なども調べる。見つけた地雷は撤去、爆破処理、位置表示、板などで掩蔽、ブービートラップ用導線の切断等による無力化などを行う。直接処理が困難な場合は、誘発筒、誘発索、導爆索、銃砲撃、周囲への着火延焼などで誘爆させる。誘発筒は地上1mくらいに設置して炸裂させれば、左右1.5mくらいの地中にある地雷を処理できる。誘発索は地上に敷いて左右0.2mくらいの地雷を処理する。導爆索は地雷の真上に無いと誘爆させられないので、複数を使ったり、網状に敷いたりする。誘発索や導爆索の敷設には軍用犬、投擲機、三八式騎銃（空包で発射する）、人力（索の先端に1kgの砂嚢を付けて投げる）を用いる。参考：工兵入門

＜地雷探知機画像型セット＞：陸上自衛隊の地雷探知機。89式地雷探知機の後継として2002年度から開発され、2007年度に制式化、2009年から配備された。検知部、表示部、操作・信号処理部などからなり、ヘルメットに単眼式モニターである表示部を装着し、右手で検知部を地面すれすれにかざして磁気・電波センサーにより埋設されている地雷を捜索する。コンピュータ処理した地中の画像が映し出されるため、金属片などを地雷と間違えることが少なく、プラスチック地雷も探知できる。川崎重工製。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究5,’10、月刊PANZER8,’10

＜地雷探知器試験装置＞：自衛隊の機器。明星電気製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜地雷探知車両（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の地雷探知車両。南アフリカのドービル社が開発し、1998-99年に導入した。パルス感応探知器を備える探知車２両と、地雷破壊ローラーを備えるトレーラーからなる。まず探知車が地雷を見つけると乗員にモニターと音声で知らせると共にマーキングがなされ、そこをトレーラーの3m幅のローラーで踏み潰す。通常啓開を時速35km、綿密啓開を10kmの高速で行うことができる。参考：月刊PANZER4,’98

＜地雷用受信器�U型＞：自衛隊の機器。東芝電波プロダクツ製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜白老弾薬支処＞：陸上自衛隊の弾薬支処。1958年2月26日、北海道地区補給処隷下に白老分屯地で新編された。1959年4月1日、所在地が白老駐屯地になった。1962年8月9日、水害が発生。1963年8月31日、豪雨被害が発生。2013年12月9日、特定保健指導による健康保持増進の実績で陸幕長から２級賞状を授与された。2019年7月24日、施設警備に係る各種整備の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が贈呈された。2022年5月11日、北海道防衛局の新規採用者教育研修（後段）に協力した。参考：北海道補給処ホームページ、朝雲

＜白老駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は北海道白老郡白老町字白老782。1959年4月1日、白老分屯地から昇格して開設された。参考：北海道補給処ホームページ、JGround Vol.23、朝雲

　＜白老駐屯地（２０１５年）＞：北海道補給処白老弾薬支処が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜白老分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地（幌別駐屯地の分屯）。1958年2月26日、白老弾薬支処が新編された。1959年4月1日、白老駐屯地に昇格した。参考：北海道補給処ホームページ

＜白神＞：日本海軍測天型敷設艇。太平洋戦争開戦時は大湊警備府付属で、大湊方面で哨戒と機雷敷設を行った。昭和18年、宗谷海峡に機雷を敷設した。昭和18年4月3日、津軽海峡において大湊海軍航空隊九四式水上偵察機と共同でSS-177ピカレルを撃沈した。6月、三陸沖でSS-275ランナーを撃沈した。昭和19年3月3日（2月3日？）、千島列島のウルップ島南方で日欄丸（日菊丸？）と衝突し、3月5日（2月5日？）に沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、輸送船入門

＜白河布引山演習場＞：陸上自衛隊の演習場。福島県天栄村と西郷村に跨っており、面積19.8平方キロメートル。元は1901年（明治34年）に創設された日本陸軍軍馬補充部で、1923年（大正12年）に日本陸軍演習場となり、太平洋戦争終戦後の1956年に陸自東北方面隊演習場となった。参考：MAMOR vol.83、vol.60

＜白川分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は沖縄県沖縄市字白川119番地。1974年4月、沖縄市が発足したのに伴い、コザ分屯地から改称されて創設された。2001年11月、新隊舎の落成式を実施。2014年3月26日、第６高射特科群第323中隊が第15旅団第15高射特科連隊第３高射中隊に改編された。参考：第15高射特科連隊ホームページ、JGround Vol.23

＜白川分屯地（２０１５年）＞：第15旅団第15高射特科連隊第３高射中隊、第15後方支援隊高射直接支援中隊第１直接支援小隊が駐屯している。参考：第15高射特科連隊ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜しらぎく＞：LSSL-417（警備艇）を参照。

＜白菊＞：日本海軍機上作業練習機、略符号K11W。九〇式機上作業練習機の後継で、昭和15年に十五試機上作業練習機の名称で渡邊鉄工所に発注され、昭和17年後半に試作機が完成、昭和19年3月17日（昭和18年？）に制式化された。量産は昭和18年から始められており、渡邊鉄工所で798機が生産された。訓練だけでなく輸送・対潜哨戒も行い、太平洋戦争末期には特攻機として使用され、終戦後は連絡飛行に就いた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本海軍の爆弾、月刊丸8,’11

＜白菊一一型＞：略符号K11W1。十一試機上作業練習機が双発化で大型になりすぎ失敗作となったため、単発機として小型に纏め、九〇式より機内乗員を１名減らした。胴体は全金属製セミモノコック構造で、キャノピー内では立って動けるくらい背が高く、主翼付け根後方側面には乗降用ドアがある。キャノピー後方に開放式の旋回機銃座があり、射撃訓練をしない時は遮風板で塞ぐ。主翼は木製単葉で、中央前寄り下面に爆弾架がある。降着装置は尾輪式、主脚はスパッツ付き固定脚で、主翼内翼部前寄りに付く。胴体前下面左右に開閉式の九二式爆撃照準機取付部窓、胴体中央下面に写真撮影孔、その左前方に照準器・測定器孔を持つ。電信機用のアンテナは両垂直尾翼端前縁と両主翼端後縁・キャノピー両脇をＷ字に結び、必要な長さを確保した。教育の際には操縦練習生１名を含む練習生３名と教官１名が乗る。全長9.98m、全幅14.98m、全高3.93m、自重1677kg、全備重量2644kg、過荷時総重量2800kg。エンジンは東京瓦斯電気製天風二一型（離昇出力515馬力）１基、プロペラは木製固定ピッチ２翅、巡航速度176km、最大速度226km、実用上昇限度5620m、上昇力3000mまで18分37秒、航続距離1176km。武装は7.7mm旋回機銃１丁。30kg爆弾２発を搭載できる。乗員５名（操縦士１名＋教官・訓練生４名）。特攻時は250kg爆弾１発を搭載したが、250kg爆弾２発に増槽まで付けたこともあった。ただ最大速度がどう頑張っても160-180kmしか出ず、片っ端から撃墜されてしまった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、8,’11、日本海軍の爆弾、歴史群像4,’16

　＜白菊二一型＞：略符号K11W2。機体を全木製にしたタイプで、乗員が１名増えて６名になった。昭和18年10月頃に案が出されたらしい。参考：月刊丸8,’11、3,'18別冊

　＜梅花一一型＞：訓練生４名を乗せられるようにした操縦練習機型。昭和18年10月頃に案が出されたらしい。参考：月刊丸8,’11

＜白菊ファミリー＞

　＜南海＞：Q3W1。哨戒機バージョンで、機体を大型化して全木製とし、引き込み脚を採用している。昭和20年4月の海軍機リストには載っておらず、計画がどのあたりまで進んだかは不明。参考：月刊丸8,’11

＜シラキュース�W＞：フランス軍の衛星通信システム。通信衛星、衛星管制施設、地上局200カ所、地上局用通信システムからなる。通信衛星は2015年にタレス・アレニア・スペースにシラキュース4Aとシラキュース4Bの２基を発注しており、2022-23年に打ち上げる予定。2030年までに３基目を打ち上げる計画もある。

＜白雲（初代）＞：日本海軍白雲型駆逐艦１番艦。明治35年2月13日に竣工し、軍艦（駆逐艦）に類別された。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更され、大正元年8月28日に三等駆逐艦に変更となった。大正11年4月1日に特務艦となり、大正12年4月1日に雑役船とされ、大正14年7月21日に標的艦として沈没した。参考：日本駆逐艦史

＜白雲（２代目）＞：日本海軍吹雪型駆逐艦８番艦Shirakumo。昭和3年7月28日竣工、第42駆逐艦という名称で一等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日に白雲と改称した。昭和6年9月1日、第12駆逐隊に所属して横浜に寄港。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第12駆逐隊に所属していた。昭和17年3月1日、バタビア沖海戦に参加。4月5日からセイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月28日、ガダルカナル島ルンガ泊地東方で爆撃を受けて中破した。9月1日、ガダルカナル島ルンガ泊地で爆撃を受けて損傷した。昭和18年7月7日、キスカ島撤退作戦に参加。昭和19年3月16日、北海道厚岸の南方40海里でSS-199トートグの雷撃を受けて沈没し、3月31日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、ラバウル航空戦、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊世界の艦船12,’18

＜白雲型＞：日本海軍駆逐艦で、暁型と同時期にソーニクロフト社に発注した。４本の煙突を持つ。舵は上部が水面に露出している。垂線間長65.9m、全幅6.3m、平均吃水1.9m、常備排水量322トン。主機は直立式４気筒三連成レシプロ蒸気機械（シリンダー口径が高圧559mm、中圧749mm、低圧787mm、行程483mm）２基、主缶はソーニクロフト式石炭専焼水管缶（蒸気圧力16.2気圧、飽和温度）３基で、出力7650馬力、２軸推進、速力31ノット。兵装は、40口径８サンチ単装速射砲１門、40口径5.7サンチ単装砲５門、45サンチ単装魚雷発射管２門。乗員62名。明治35年に白雲と朝潮の２隻が就役した。日露戦争に参加し、日本海海戦の夜戦で敵主力に数百メートルまで肉薄、戦艦ナワリンを撃沈し、シソイ・ヴェリキーを撃破する戦果を上げた。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船12,’10、5,’11、10,’11

＜シラゴ＞：SS-485（潜水艦）を参照。

＜白子飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜しらさぎ＞：KV-107�U-4（ヘリ）またはKV-107A（ヘリ）を参照。

＜白埼＞：日本海軍杵埼型給糧艦Shirasaki。昭和18年1月30日竣工、運送艦に類別された。昭和20年10月5日、除籍された。12月1日、特別輸送艦に指定され、復員輸送に従事。昭和22年10月3日、賠償艦として中国に引き渡され、武陵となった。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜しらさぎ＞：海上自衛隊ちよづる型掃海艇22番艇。元は駆潜特務艇第219号である。1952年8月1日に海上保安庁から移管され、掃海船MS-85となった。1954年7月1日に掃海艇に類別変更された。1956年4月1日、特務艇特務９号に艦種変更され、1957年3月31日に特務雑船YAS-08に変更された。1962年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜シラス・パパレ＞：インドネシア海軍コルベットSilas Papare。2012年5月29日から6月8日、カラット2012演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’12

＜しらせ＞：AGB-5002（砕氷船）またはAGB-5003（砕氷船）を参照。

＜しらせ型（初代）＞：海上自衛隊砕氷船。AGB-5001ふじの後継として文部省予算で建造された南極観測支援船で、海上自衛隊で初めて10000トンを超えた船である。設計にあたっては氷海試験水槽を使うなどして十分な検討を行った。船型は船首楼型で、艦首下部の傾斜角は21度、ふじよりもエンジンを１基増やして合計エンジン出力を３倍にしてあり、３ノットで厚さ1.5mの氷を連続砕氷可能。砕氷補助装置として減揺タンク、トリミング・タンク、ヒーリング・タンクが用意されており、艦の性格上ビルジキールを付けられない分も補っている。前甲板両側に10トン及び12トンデリックを１本ずつ持つ。艦橋は４層構造で、煙突直後に遠距離通信用のログペリ・アンテナを持ち、後方に気象衛星及びラジオ・ゾンデのデータ受信用レドームを配置している。推進軸は３軸で、外舷軸が氷で損傷しても中央軸により航行できるようにしてある。また、２軸推進よりもプロペラ直径が小さくなるので没水深度が大きく取れ、氷との衝突が防げる。機関室は第1-4機械室の４つに分かれており、第１機械室・第２機械室にディーゼル３基と発電機３基、第３機械室に主電動機４基（両舷軸用）、第４機械室に主電動機２基（中央軸用）が収められていて、６基のディーゼルエンジンがそれぞれ１基ずつの交流発電機（4050kW）を駆動させ、生じた電気はダイオード式大容量整流器を通って直流に変換され、６基の直流主電動機（3680kW）を作動させ、２基ずつの主電動機が１本ずつの推進軸を回す。発電機を交流にしたのは、直流よりも大容量電力の発電に適しているためである。艦橋からの機関遠隔操縦が可能。煙突は１本。大規模災害では輸送任務に就くことになっており、1983年の三宅島噴火での災害派遣に参加した。全長134m、幅28m、深さ14.5m、吃水9.2m、基準排水量11600トン、満載排水量19000トン。食料50トン、燃料700トン、その他物資200トンを積載できる。主機は三井造船製12V42M型ディーゼル（5750馬力）６基・主交流発電機（4050kW）６基・推進直流電動機（3680kW）６基、出力30000馬力、３軸推進、舵は１枚、速力19ノット。S-61AまたはCH-53を２機、OH-6Dまたはベル47G-2Aを１機搭載できる。乗員170名で、観測隊員60名分の居住施設も持つ。名前の由来は南極の白瀬雪原から。日本鋼管鶴見製作所で建造され、AGB-5002しらせが1982年に竣工した。2008年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’04、1,’95、11,’18、月刊丸8,’87、月刊JWings1,’99、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究7,’97、丸スペシャルNo.78

＜しらせ型（２代目）＞：海上自衛隊砕氷船。初代しらせの後継で、当初は20000トン級にする予定だったが予算の関係で初代より若干大きいくらいに止まり、2005年度計画で建造された。船型は長船首楼型、艦首下部の傾斜角は19度で、ビルジサークルを小さくしてあり、ラミングの際に砕いた氷が艦底部に回り込まないようにしている。艦首形状は丸みを帯びており、ラミングよりは氷の上に乗り上げての砕氷航行がメインとなる。船体前方下部には融雪用散水装置があり、20個の穴から海水を一斉放水して氷との摩擦を減らすことが可能で、吃水線より下の船体外板はステンレスクラッド鋼を使用、厚さ1.5mの氷を速力３ノットで航行しながら連続砕氷することができる。それ以上の氷はラミング（チャージングともいう）で砕くことになり、200-300m下がって速力10ノットで氷に乗り上げて破砕、１回で数メートルから数百メートル前進する。環境保全を考慮して完全二重船殻構造を採用、汚水浄化装置や固形廃棄物焼却装置、不燃物破砕処理装置を備える。後部ヘリ甲板下は研究室スペースで、コンテナ式の研究室を積み替えることにより、様々な研究内容に対応する。艦橋は５層構造で、煙突は並列２本、煙突の後ろに減揺タンクがあり、その後ろが12フィートコンテナ56個を収容する貨物スペース（貨物ペイロード1100トン）になっていて、４基の15トンクレーンにより搭載・卸下作業を行う。艦内には迎賓用の和室を持つ。主機は統合電気推進方式で、加減速性能とトルク特性に優れ、前後進の切り替えも早く、ラミングによる砕氷能力が向上した。発電用ディーゼルも環境性能向上型を採用している。マルチビーム音響測深装置２型を搭載しており、三次元海底地形図の作成が可能である。通信システムは複数の衛星回線による準リアルタイム外部通信と、光ケーブルLANによる艦内通信。艦内電源は母線電圧6600ボルト（変圧後1050ボルト）の高電圧給配電方式を採用し、電力ロスと事故時のショートの危険性を低減した。艦内神社として富士山本宮浅間大社が神棚に分祀されている（砕氷船ふじ以来の伝統らしい）。大規模災害時では輸送任務に就くことになっており、北海道胆振東部地震の災害派遣に参加した。全長138m、幅28m、深さ15.9m、吃水9.2m、基準排水量12650トン、満載排水量22000トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式（ほぼ統合電気推進IEP）、三井造船製16V42M-Bディーゼル（10500馬力）４基・主交流発電機（7400kW）４基・主交流電動機（7500馬力）４基、出力30000馬力、４翅プロペラ２軸推進、舵は２枚、速力19ノット。CH-101輸送ヘリ２機、観測ヘリ１機を搭載できる。乗員179名＋観測隊員80名。ユニバーサル造船舞鶴事業所で建造され、AGB-5003しらせが2009年に竣工した。参考：朝雲、月刊世界の艦船11,'17増刊、2,’10、8,’10、1,’11、1,’15、11,’18、1,'21、月刊丸1,’10別冊、月刊軍事研究7,’11、12,’13、MAMOR vol.129

＜しらたか＞：PG-829（ミサイル艇）を参照。

＜白鷹（初代）＞：日本海軍白鷹型水雷艇Shirataka。明治33年6月22日竣工。明治34年、竹敷要港部に配備された。大正11年11月15日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜白鷹（２代目）＞：日本海軍白鷹型敷設艦Shirataka。昭和2年起工、昭和4年4月9日竣工・就役。昭和13年7月29日、呉を出港。漢口攻略戦に参加し、12月26日に呉に帰港した。昭和15年、大湊工作部で特定修理が行われ、11月に修理を終えた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第３艦隊第１根拠地隊、兵力部署では比島部隊第３（第４？）急襲（護衛）隊に所属していた。昭和17年2月28日、バタビア沖海戦で高角砲による反撃を行い、敵巡洋艦に命中弾を与えた。3月10日、所属部隊が第２南遣艦隊第21特別根拠地隊に改編された。8月7日、第８艦隊付属となった。昭和18年2月26日、ウエワクで爆撃を受けて損傷した。3月29日から6月17日まで呉で修理を実施。7月5日からウエワク及びホランジア方面の輸送任務に就いた。昭和19年3月、呉で修理に入った。4月（6月1日？）、第１海上護衛隊に編入された。4月21日、竹輸送開始に伴い、竹一号輸送船団の旗艦として上海を出撃。8月31日、バシー海峡でSS-315シーライオンの雷撃（砲撃？）により沈没した。10月10日に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜白鷹型（初代）＞：日本海軍水雷艇Shirataka型。隼型水雷艇との比較のためドイツのシーヒャウ社に発注し、分解輸送して三菱長崎造船所で組み立てた。垂線間長46.5m、最大幅5.1m、吃水1.44m、常備排水量127トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶はソーニクロフト式石炭専焼水管缶２基、出力2600馬力、２軸推進、計画速力28ノット、公試時速力25.14ノット、石炭搭載量25トン。兵装は45cm単装水上発射管旋回式３門（煙突後方両舷、艇尾部）、山内式57mm単装速射砲３門。乗員30名。隼型 に負けて白鷹１隻のみ明治33年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜白鷹型（２代目）＞：日本海軍敷設艦Shirataka型。一四式防潜網及び一四式捕獲網を敷設するのを主任務とする世界初の専用急設網艦である。当初は5000トン級を予定していたが、関東大震災の復旧に予算を取られて３分の１くらいになった。船型は船首楼型。水平の前甲板に機雷揚収レールがあり、艦首にダビットを持つため、菊の御紋は艦首左右に付いている。後甲板は設網作業用の木甲板で、両舷に機雷敷設軌条がある。後部マストは右舷側に寄せられた。艦内に大容量機雷庫を設けた関係で吃水が浅く乾舷が高く、艦が不安定で、救命カッターの揚収だけでもかなり揺れたらしい。全長89.7m、水線長84.00m、最大幅11.55m、吃水3.1m、基準排水量1345トン、公試排水量1540トン。主機は直立式３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶はロ号艦本式石炭専焼水管缶２基、出力2200馬力、２軸推進、速力16.0ノット、石炭搭載量270トン、航続距離は10ノットで2000海里。兵装は十年式45口径12サンチ高角砲３門（前甲板１門、後甲板２門）、毘式12mm単装機銃１丁、爆雷投下台２基、爆雷18個、一四式防潜網または一四式捕獲網24組（６海里分）。網を降ろせば五号機雷100個を搭載できる。乗員148名。昭和4年に白鷹が竣工した。友鶴事件後に復元性能改善のための改装が行われ、バラストを搭載、艦橋を１甲板分低くして２層とし、煙突を短縮、主砲を12cm平射砲２門に換装するなどした。機雷は後に九〇式機雷240個を搭載した。太平洋戦争開戦後は主砲を三年式40口径８サンチ高角砲２門とし、九六式25mm機銃（連装２基、単装２丁）や九三式13mm連装機銃１丁、爆雷投射機、二一型電探、水中探信儀を装備した。参考：日本海軍特務艦船史、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜白露（初代）＞：日本海軍神風型駆逐艦５番艦。明治39年6月6日竣工。大正元年8月28日に三等駆逐艦に類別変更された。昭和3年4月1日除籍、昭和3年7月6日に廃駆逐艦第１号となり、8月1日に雑役船に編入されて公称第725号となり、昭和5年2月12日に廃船とされて売却された。参考：日本駆逐艦史

＜白露（２代目）＞：日本海軍白露型駆逐艦１番艦Shiratsuyu。昭和11年8月20日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には第27駆逐隊に所属していた。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、第27駆逐隊所属で珊瑚海海戦に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月11日、柱島を出撃。8月17日、トラックに到着。8月21日、トラックを出撃してガダルカナルに向かった。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月13日1700、ガダルカナル島輸送船団護衛のためショートランドを出撃。11月13日、第３次ソロモン海戦に参加。11月29日、ニューブリテン島の西で爆撃を受けて中破した。昭和18年11月2日、ブーゲンビル島沖海戦で小破した。昭和19年6月8日、渾作戦に参加。マノクワリの北西80海里で爆撃を受けて損傷した。6月15日、あ号作戦開始で第１補給部隊の護衛としてフィリピンを出撃したが、ミンダナオ島北東沖で潜水艦の雷撃を回避中に特設運送船（油槽艦）清洋丸と衝突し、爆雷が誘爆して沈没、8月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14、4,’19、日本海軍艦隊総覧

＜白露型＞：日本海軍駆逐艦。元は初春型の7-12番艦として設計されたが、初春型が性能不足だったため根本的に設計変更したものである。初春型向けに機関を10基ほど発注していたため、これを流用することにし、ロンドン条約脱退も睨んで船体を1700トン級へと拡大した。主砲は軽量化のため両用砲ではないタイプを採用している。酸素魚雷の長射程を活かして遠距離から敵艦隊に一撃を浴びせ、再装填して近接、もう一撃を加えるのが主任務であり、４連装魚雷発射管を連装装備した。1-6番艦の建造中に第４艦隊事件が発生したため、補強工事を行っており、7-10番艦は最初から改設計を加え、ついでに艦橋軽量化なども実施した。全長110m、水線幅9.9m、吃水3.5m、基準排水量1685トン。主機は艦本式高低圧二胴型オール・ギヤード・タービン（巡航タービンは減速歯車を介して高圧タービンに付く）２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（22気圧300度）３基、出力42000軸馬力、２軸推進、速力34ノット、航続距離は18ノットで4000海里。兵装は三年式50口径12.7サンチ連装砲Ｃ型（密閉砲塔式）２基、50口径12.7サンチ単装砲（密閉砲塔式）１門、40ミリ単装機関砲２門（海風以降は13mm機銃４丁）、九二式４連装魚雷発射管２基（九三式酸素魚雷使用。次発装填装置付）、Ｙ砲２基、爆雷投下台６基、爆雷投下軌条２条。乗員226名。昭和6年度計画の６隻に続いて昭和9年度計画で14隻を建造する予定だったが、補強で排水量が増えた関係などで速力・航続力・凌波性などの要求を満足できず昭和9年度は４隻に減らされ、白露（２代目）、時雨（２代目）、村雨（２代目）、夕立（２代目）、春雨（２代目）、五月雨（２代目）、海風（２代目）、山風（２代目）、江風（３代目）、涼風の10隻が昭和11-12年に就役した。参考：日本駆逐艦史、歴史群像10,’06、月刊世界の艦船5,’11、4,’13、9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜しらとり＞：MSI-694（掃海艇）またはPC-319（駆潜艇）を参照。

＜しらぬい＞：DD-120（護衛艦）を参照。

＜不知火（初代）＞：日本海軍東雲型駆逐艦４番艦。明治32年5月13日竣工、水雷艇（駆逐艇）に類別された。明治33年6月22日、軍艦（駆逐艦）に類別変更。明治38年12月12日、駆逐艦に変更。大正元年8月28日、三等駆逐艦に変更。大正11年4月1日、特務艇に転籍され、大正12年8月1日に雑役船となり、大正14年2月25日に廃船となった。参考：日本駆逐艦史

＜不知火（２代目）＞：日本海軍陽炎型駆逐艦２番艦Shiranui。昭和14年12月20日竣工。昭和16年12月8日、第18駆逐隊に所属して真珠湾攻撃に参加。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。6月27日、キスカ島付近で爆撃を受けて中破した。7月5日、キスカ沖でSS-215グラウラーの雷撃により大破した。昭和18年2月4日、イサベル島沖海戦で損傷した。昭和19年10月21日、比島沖海戦に参加。10月27日、ミンドロ島の南18海里で艦上機の攻撃を受けて沈没し、12月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14

＜白糠の夜明け作戦＞：陸上自衛隊北部方面隊と北海道が2011年2月8-10日に実施した、全国初の大規模エゾシカ捕獲事業。食害による農林業への被害が2009年には51億円に達し、毎年９万２千頭駆除しても13万頭増えるので市町村と猟友会だけでは手に負えず、2010年春に北海道から北部方面隊に駆除協力の打診があり、自衛隊法第100条（地方公共団体からの土木工事などの受託）に基づく事業協定が2011年1月28日に締結された。作戦地域はエゾシカの大量生息が推定される白糠郡白糠町右股地区で、道職員や猟友会会員を乗せた第５飛行隊のヘリがシカの位置と移動方向を地上猟友会会員に伝え、ヘリの音に驚いてシカが森から出たところで駆除し、集積地まで陸自隊員が運んでいく。また、道東のエゾシカ生息状況調査も行う。2月8日は地形が最も険しい地域をヘリで飛行したが、シカが森から出てこなかったため、駆除できなかった。2月9日は道道ゲート付近を飛行、森の奥に入った猟友会会員が３頭を駆除した。2月10日、道道ゲート付近をヘリで飛行して森林外縁部と山中の猟友会会員が駆除する方式に切り換えて25頭を駆除。シカはスノーモービルや資材運搬車で集積場に集められ、ペットフード工場に送られた。シカ生息状況調査では釧路湿原、走古丹、別寒辺牛湿原でエゾシカ990頭を確認した。参考：朝雲

＜しらね＞：DDH-143（護衛艦）を参照。

＜白根斐夫＞：しらねあやお。日本海軍エース。大正5年、東京生まれ。海軍兵学校を卒業し、昭和14年3月に飛行学生教程を修了、9月に第12航空隊に配属された。昭和15年8月19日、重慶攻撃に参加。9月13日、１機を撃墜して初戦果を挙げた。昭和16年5月、大尉に昇進。太平洋戦争時は赤城戦闘機隊分隊長で、昭和17年7月に瑞鶴戦闘機隊分隊長となった。11月、横須賀航空隊に転属して本土に帰投。昭和18年11月、第342航空隊飛行隊長となった。昭和19年10月末、ルソン島に進出。11月24日、オルモック湾上空で戦死した。公認撃墜数９機。最終階級は中佐。参考：日本海軍戦闘機隊

＜しらね型護衛艦＞：海上自衛隊ヘリコプター護衛艦DDH。八六艦隊構想に基づき、第４次防衛力整備計画で建造された。ソ連の対艦ミサイル脅威に対抗できるポイント・ディフェンス能力を持ち、シー・スパロー・ミサイル・システム１型（シー・スパローBPDMSの改良型）と20mmCIWSを装備した初の海自艦である。はるな型の拡大改良型で、対潜戦を中心とする戦術情報処理・通信能力の向上、個艦防空能力の強化、電子戦能力向上を図っている。海自初のシステム艦とも呼ばれ、戦闘指揮システム（CDS）は対潜戦を重視した戦術情報表示装置（TDPS）と目標指示装置（TDS）を採用し、大型２台・小型９台のデジタル・コンピュータを搭載、自艦のソナーと艦載ヘリのソノブイ信号の両方を艦上処理してパッシブ対潜戦を行う。新装備を詰め込みまくったため、花魁の簪と揶揄されたりした。これらのシステムや群司令部設備を収容するため、艦橋は船体ごと6mほど延長され、艦橋甲板は１層増えて４層になった。艦橋と格納庫は一体化されており、上部に２基の射撃指揮装置１型Ａを背負い式に搭載する。ミサイル射撃指揮装置は射撃指揮装置２型シリーズの開発が間に合わなかったため、WM-25を採用した。マック２本を持ち、前部マックにOPN-6Cタカン、OPS-28対水上レーダー、OPS-12三次元レーダー、NOPN-1発着艦誘導レーダーシステム、後部マックにはWM-25シースパロー兼127mm砲管制用レドームを備える。後部マックは右舷に寄せられているが、機体の右に操縦士が座り、左にテイルローターを持つヘリコプターが、発艦後に左舷へ抜け、着艦の際は艦尾左舷後方からアプローチしてくる関係で、排煙による影響を少なくするためである。重心降下とヘリ甲板幅確保のため舷側には全長に渡りナックルを持ち、艦橋付近には逆シアも付けられた。船体大型化に合わせて主機を強化する計画もあったが、建造費節減のためはるな型と同じものを搭載している。船体下部のフィンスタビライザーは左右１組に減らし、１枚あたり面積は８平方メートルと６割増しにした。後部甲板はヘリ甲板で、ベアトラップ２基を搭載する。ヘリ格納庫には左舷前後に１機ずつ、右舷後部に１機の計３機を収容する（右舷前部は煙路）。また、整備員待機所、航空整備室、短SAM弾庫、搭乗員待機室、航空事務室なども配置された。はるな型ではヘリ甲板の下にあった搭乗員待機室が同レベルに移設されたため、運用性が向上している。ヘリ格納庫上にはクレーンを持つが、容量は５トン（２トン？）で、はるな型で考慮されていた不時着水ヘリの吊り上げはできない。これはヘリが不時着水した際、機体下部は水密構造になっているので浮くという建前ではあったが、ローターが回っていないと重量バランスの関係で実際には転覆沈没してしまうので、回収が不可能だったためである。ヘリ甲板の下には航空動力室（ベアトラップ関連装備収容）を設け、後甲板にはVDSと防雷具を搭載した。ヘリ格納庫内右舷側にある短SAM弾庫から予備ミサイルをMk25発射機に装填する際は、エレベーターで格納庫天井甲板までミサイルを引き上げ、専用器具により人力で行う。主機・主缶の構成ははるな型と同じで、機関区画から独立した機関操縦室で運転指揮、電力管理、応急指揮を行う。主発電機はターボ発電機（1500kW）２基、非常用発電機はディーゼル発電機（300kW）２基で、停泊中も主発電機を動かすために主缶を焚いておかなければならない。艦載艇は7.9メートル内火艇２隻。艦内神社はDDH-144くらまが長崎市稲佐山の淵神社。全長159m、全幅17.5m、深さ11m、吃水5.3m（DDH-144くらまは5.5m）、基準排水量5200トン、満載排水量7200トン。主機は石川島播磨重工２胴衝動式蒸気タービン（高圧・巡航一体タービンと低圧タービンの２胴からなるシリーズ・パラレル型で、はるな型と同じ）２基、主缶は石川島播磨重工FW・Ｄ型２胴水管缶（蒸気圧１平方センチあたり60kg、温度480℃、蒸気発生量毎時130トン）２基、減速装置はロックドトレーン二段減速歯車式、出力70000馬力、２軸推進、推進器回転数毎分300回転、最大速力32ノット（DDH-144くらまは31ノット）、航続距離は20ノットで6000海里。兵装はRIM-7Eシースパロー８連装発射機Mk25が１基（第２マック後方のヘリコプター格納庫上）、73式54口径５インチ砲２門（艦前部に背負い式に搭載）、アスロック８連装発射機１基（艦橋直前）、３連装短魚雷発射管２基（艦橋基部左右。Mk46短魚雷）、20mmCIWS２基（第２マック基部左右、最初はDDH-144くらまのみ搭載、1990年4月にDDH-143しらねも搭載）。電子装備は三次元対空捜索レーダーOPS-12、水上捜索レーダーOPS-28、発着艦誘導レーダーNOPN-1、OPN-6Cタカン、72式�T型Ａ射撃指揮装置（主砲管制用。艦橋上背負い式）、OQS-101低周波ソナー（75式探信儀ともいう。バウソナーとして装備）、AN/SQS-35(J)可変深度ソナー、AN/SQR-18A曳航ソナー（DDH-144くらまは最初から搭載、DDH-143しらねは1984年に装備）、OQA-201ソノブイ信号処理装置、SFCS-6水中攻撃装置、戦術情報処理装置OYQ-3/OYQ-3B、目標指示装置TDS-2-2、CP-642B戦術情報処理装置用コンピュータ２基、OPP-2ビデオ信号処理装置など。対潜戦ではAN/SQS-35Jに付加したAN/SQR-18（パッシブ）やOQS-101（アクティブ／パッシブ）で遠距離捜索を行い、得られた方位情報を元に予想海域へHSS-2Bを展開させ、ソノブイを投下してデータをOQA-201により艦上処理し、得られた目標位置情報をHSS-2Bに送り、HSS-2Bがディッピング・ソナーとMADを使用して目標を探知追尾、短魚雷やアスロックで撃破する。対空戦・対水上戦に関する情報はOYQ-3Bでは扱わず、OYQ-3Bで入手した対空レーダー・ESM情報に基づいて得られる脅威度情報をCICにあるTDS-2-2に送り、射撃管制を行う方式である。TDS-2-2とWM-25でシー・スパロー・ミサイル・システム１型を構成しているが、TDS-2-2が故障した際は、WM-25だけでも独立して主砲・シースパローの管制が可能。電子戦兵装はESM/ECM兼用のNOLQ-1、ミサイル警報装置NOLR-9B、Mk36チャフ発射機。無線デジタル通信リンク11及びリンク14、OE-82C衛星通信アンテナを装備している。リンク11の装備で海自初のアメリカ海軍標準TDSに準ずるリンク機能を持つ艦となったが、その後の僚艦への装備が進まず、10年後のあさぎり型配備までは宝の持ち腐れに近い状態となってしまった。HSS-2BまたはSH-60J/K哨戒ヘリ３機を搭載可能。乗員350名（DDH-144くらまは360名）。DDH-143しらねが1980年、DDH-144くらまが1981年に就役した。価格は1976年度建造のDDH-144で427億8500万円。1992年、対潜情報処理装置を搭載し、艦載ヘリをHSS-2BからSH-60Jに更新、ヘリ用データリンクを追加した。1997-99年、CP-642BをUYK-44に換装し、TDS-2-2を撤去。2003-04年にシースパローシステムを更新しており、発射機を国産のGMLS3型に、射撃指揮装置をFCS２型12に、ミサイルをRIM-7Mに換装した。これにより後部マック上部のレドームが球形からドーム型に変更されている。ちなみに発射機とFCSは除籍されたたかつき型からの転用である。2015年と2017年に除籍された。参考：月刊世界の艦船5,’14、6,’14、1,’04、11,'17増刊、1,’17、11,’13、1,’14、1,’95、2,’87、6,’11、3,’92増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、3,’10、8,’82増刊、2,’12、5,’13、5,’17、9,’18、月刊JWings1,’99、月刊軍事研究12,’03、2,’02、艦船メカニズム図鑑、自衛隊装備年鑑1996、海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備カタログ1981

＜白根山丸＞：三井船舶貨物船。総トン数4739トン。昭和19年2月7日0800、モタ〇二船団の一員として六連島泊地を出発。2月8日1600、魚雷１本を被雷して大破し、佐世保に引き返した。10月、雷撃を受け沈没し、1428名が戦死した。参考：輸送船入門

＜白根丸＞：日本郵船Ｃ型戦時標準貨物船。昭和18年12月7日竣工。参考：戦時標準船入門

＜シラノ�Uシリーズ＞：フランスのトムソンCSF社が開発したモノパルスレーダーで、ミラージュ�VＥに搭載されている。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜シラノ�U＞：使用周波数はX/Kuバンドで、後にI/Jバンドとなった。ピーク出力200kW。重量188kg。モードは捜索、追尾、空対空迎撃、空対地、地表マッピング。操縦士用のCSF97補助照準器に目標地点までの直線距離、空対空状況（兵装発射用）、空対地状況（急降下爆撃もしくは低高度爆撃用）、機首方位、地平線などを表示することができる。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜シラノ�UＢ＞：シラノ�Uから空対空モードを抜いたバージョン。参考：月刊エアコマンド6,’94

＜シラノ�WＭ＞：トムソンCSF社が開発したレーダーで、ミラージュF1やミラージュ5PA2に搭載された。モードは空対空捜索、自動追尾、迎撃／射撃計算、ドッグファイト、妨害源追尾、地表マッピング、等高線マッピング、地形回避、盲目降下、対地距離測定、対水上捜索、対水上追尾で、トラックワイルスキャン能力を持つ。参考：月刊エアコマンド6,’94

＜白浜芳次郎＞：しらはまよしじろう。日本海軍エース。大正10年、東京生まれ。昭和13年、横須賀海兵団に入隊し、昭和16年に操縦練習生課程を修了、水上機パイロットとなり、鹿島航空隊に配属された。その後博多航空隊、呉航空隊、第16航空隊に転属となり、太平洋戦争開戦後はミンダナオ島攻略戦に参加。その後第32航空隊、大津航空隊、築城航空隊に転属し、艦上戦闘機パイロットとなった。昭和18年12月、第１航空戦隊司令部付に転属。昭和19年1月、シンガポールに進出し、翔鶴に搭乗した。6月19-20日、マリアナ沖海戦に参加し、４機を撃墜。本土に帰還後、第653航空隊に配属され、大分基地に配置された。昭和19年10月下旬、フィリピンに進出。11月、大分基地に帰還。12月、第601航空隊に転属。昭和20年2月、関東に移動。3月末、国分基地に移動。4月3日、喜界島上空で３機を撃墜。5月、関東に戻った。終戦時は鈴鹿基地に所在していた。総撃墜数11機。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜白羽丸＞：日本陸軍輸送船Shiraha maru。大元はガウ・ハリソン社の貨物船ヴァルヴァーダ（大正7年8月進水）で、竣工直後にキュナード・ラインに売却されてヴァスコニアと改称され、昭和2年に辰馬汽船に売却されて白羽丸となり、太平洋戦争で日本陸軍に徴用された。垂線間長129.02m、幅17.07m、深さ9.57m、総トン数5682トン、重量トン数9600トン。主機は三連成汽機１基、公称出力574馬力、１軸推進、最大速力10ノット。昭和18年1月14日、パラオからマニラに向かっていたところ、パラオ北西250海里でSS-196シーレイブンの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’15

＜ジラフ＞：Bo-105シリーズ（ヘリ）またはパンター（戦車駆逐車）を参照。を参照。

＜ジラフ・シリーズ＞：スウェーデンのエリクソン・マイクロウェーブ・システムズ社（2006年にサーブが買収）が開発した車載型パルス・ドップラー式捜索探知レーダーGiraffe。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフ４０＞：スカニア製６×６輪トラックやピラニア�U、XA-180（TAR87と呼ばれる）に搭載され、後部架台上に折り畳み式アーム（全長12m）を装着、その上にパラボラアンテナを載せてある。使用周波数G/Hバンド、ピーク出力15kW、平均出力0.3kW、レーダー探知距離水平150km（75km？40km？）、高度4-5000m。アンテナ回転数毎分60回。車両総重量6.5トン。RBS15K対艦ミサイル・RBS70対空ミサイルシステム・70口径40mm機関砲m/48用としてスウェーデン軍（制式名称PS-70/R）に、対空大隊用としてフィンランド軍に配備され、タイ空軍も基地上空監視用として1996年末から導入した。参考：ザ・マーチ40号、月刊PANZER2,’01、月刊軍事研究4,’99、4,’97、12,’08

＜ＰＳ７０７＞：ジラフ40の出力強化型。スウェーデン軍がホーク地対空ミサイル用に採用した。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフ５０Ａ＞：最大探知距離を50kmに拡大したタイプで、ノルウェー軍が採用した。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフ７５＞：ジラフ40の改良型。使用周波数G/Hバンド。最大探知距離50km。スウェーデン軍がPS-90として採用した。ギリシャ軍も配備し、セルビア軍はM85としてライセンス生産している。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフＳ＞：ジラフ40の改良型。アンテナを換装して出力も上げ、小型低空目標の探知能力を強化した。最大探知距離110km。シンガポール軍とタイ軍が採用した。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフＡＭＢ＞：第３世代型で、AMBはAgile Multi-Beamの略。パッシブ・フェイズド・アレイ・アンテナを採用して三次元レーダーとしており、塩害対策や温度対策を強化して過酷な気象下でも使えるようにした。４軸トラックの後部荷台にシェルターを搭載し、その上に２つ折りのマストを装着、頂部にアンテナが載っている。電波ビーム数14本、使用周波数G/Hバンド。最大探知距離120km。アンテナ回転数毎分60回転、電波ビーム最大仰角70度。同時探知空中目標数200、砲弾・ロケット弾監視能力毎分100。スウェーデン軍がRBS23用に採用し、タイ海軍、フランス空軍、シンガポール空軍なども配備した。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ＡＲＴＥ７４０＞：スウェーデン軍が水陸両用部隊／沿岸砲兵に配備したタイプ。ジラフ75のフロントエンドにジラフAMBのバックエンドを組み合わせ、低空目標探知専用としている。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフ１Ｘ＞：第４世代のアクティブ・フェイズド・アレイ式三次元レーダー型で、窒化ガリウム素子を使用している。アンテナを全周旋回させて360度を監視するモードと、指定セクターを捜索するモードがある。軽量なので４輪車両にも搭載可能。重量300kg弱、消費電力2.3kW。アンテナ回転数毎分60回、電波ビーム最大仰角70度以上。電波ビーム本数12本、使用周波数Ｘバンド（Ｉバンド）。最大探知距離75km／30km（中−大型戦闘機）／25km（小型戦闘機）／13km（小型無人機）、同時探知目標数100以上、地表監視数毎分200以上。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフ４Ａ＞：第４世代型。アンテナを全周旋回させて360度を監視するモードと、40-120度のセクターで捜索するモードがあり、遠隔操作も可能で、対砲レーダーとしても使える。高いECM/ECCM能力を持ち、超低サイドローブ化に加え、パルス・トップパルス、バースト・ドゥ・バースト、スキャナースキャンにより相手のECMを検知し、最適周波数を自動選択すると共に、対レーダーミサイルや電子戦装置を妨害したり、敵電子戦装置の位置（方位角・俯仰角）を特定して探知追尾したりできる。アンテナ回転数毎分30または60回転、電波ビーム最大仰角70度以上。使用周波数Ｓバンド（E/Fバンド）。最大探知距離280km／200km（中−大型戦闘機）／150km（小型戦闘機）／100km（小型無人機）、同時探知目標数1000以上、砲弾・ロケット弾監視数毎分100以上。平均故障間隔2500時間以上、平均修理時間45分以下。要員２名で展開10分以内・撤収５分以内と即応性が高い。トラックごとC-17AやA-400Mで輸送可能。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフ８Ａ＞：第４世代型。アンテナを全周旋回させて360度を監視するモードと、40-100度のセクターで捜索するモードがあり、遠隔操作も可能。ジラフ4Aと同じECM/ECCM能力を持つ。アンテナ回転数毎分24回、電波ビーム最大仰角65度。電波ビーム本数15本、周波数帯Ｓバンド（E/Fバンド）。最大探知距離470km（大型機）／400km（小型戦闘機）／200km（小型無人機）、同時探知目標数1000以上、弾道ミサイル監視数毎分100以上。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ジラフＥＬＳＳ＞：ジラフAMB/1X/4A向け追加機能（後付けも可能）で、ELSSはEnhanced Low Slow and Smallの略。低高度低速小型目標の探知追尾機能で、レーダー反射波を分析し、飛行物体が人工物なのか鳥や昆虫なのかを識別する能力も有する。参考：月刊軍事研究5,’18

＜しらゆき＞：DD-123（護衛艦）またはTV-3517（練習艦）を参照。

＜白雪（初代）＞：日本海軍神風型駆逐艦６番艦。明治39年8月6日竣工。大正元年8月28日に三等駆逐艦に類別変更された。大正13年4月1日除籍。参考：日本駆逐艦史

＜白雪（２代目）＞：日本海軍吹雪型駆逐艦２番艦Shirayuki。昭和3年12月18日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第11駆逐隊に所属していた。昭和17年2月、イギリス海軍フェアマイルＢ型砲艇310号を撃沈した。3月1日、バタビア沖海戦に参加し、被弾損傷した。4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。9月15日、ガダルカナル島に青葉支隊主力の一部を揚陸。9月21日夜、ガダルカナル島に食料を輸送したが、揚陸中に空襲を受けた。10月11日0600、ガダルカナル島輸送のためショートランドを出撃。10月14-15日、ショートランドとカミンボを往復し、甲標的部隊の要員と器材を輸送した。11月14日、第３次ソロモン海戦に参加。昭和18年2月1日からイサベル島沖海戦に参加。3月3日、81号作戦で沈没し、4月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第二次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸2,’08、歴史群像12,’09、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜シリ＞：S-101（潜水艦）を参照。

＜シリア＞：1963年にバース主義（欧米支配から独立してアラブ独自の発展と復興を目指す）を掲げるバース党が政権を取って事実上の一党独裁政権を確立し、1964年に憲法を制定、1970年にハーフェズ・アル・アサド国防相がクーデターで政権を奪取した。アサド大統領の基盤はイスラム教アラウィー派で、人口比で12%しかないため、ムハバラート（統合情報局）と通称される大統領直轄の秘密警察（国内保安庁、政治保安庁、総合保安庁の３機関にそれぞれ存在する）、内務省総合治安局（アル・アムン・アル・アーム）、軍、シャビーハ（亡霊）やフルカト・アル・マウティ（死の部隊）といった民兵組織により独裁体制を支えている。政治的会話、特に大統領に関する批判は禁物で、電話や手紙はおろか電子メールも盗聴の危険があるため安全には行えないといい、政府庁舎や軍施設などを写真に撮れば身柄を拘束される恐れが高い。1975年、レバノン内戦に介入。1990年、レバノン内戦は終結したが、その後もアラブ平和維持軍と称してレバノンに３万名以上の兵力を派遣し続けていた。2000年6月19日、ハーフェズ・アル・アサド大統領の死去により次男のバッシャール・アル・アサド氏が大統領になったが、この時には憲法の規定にある大統領資格者年齢を40歳から34歳に引き下げて就任させており、世襲制社会主義国家の様相を呈している。2005年2月、イランと相互防衛条約を締結。レバノンのラフィク・ハリリ前首相殺害にシリア政府が関与したという疑惑が持ち上がり、国際的な非難が集中したため、4月にレバノンから軍を完全撤退させた。2006年6月、イランと軍事協力協定を締結。11月、イラクと国交を回復。2007年2月、大統領がイランを訪問。5月、バッシャール・アル・アサド大統領が再任された。イラク戦争後には120-200万人のイラク難民が避難してきている。2011年3月半ば頃から反政府デモが発生、内戦状態に発展した。参考：月刊軍事研究11,’07、1,’08、8,’11、8,’15、9,’15、5,’16

＜シリア海軍＞：2006年、ティーア級高速艇６隻を配備。参考：月刊軍事研究12,’09

＜シリア海軍（１９７７年）＞：兵力2500名、予備役2500名。ペチャ級フリゲート２隻、コマール級ミサイル艇６隻、オーサ級ミサイル艇６隻、T43級掃海艇１隻、沿岸掃海艇２隻、P4級魚雷艇８隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜シリア海軍（１９８９年）＞：兵力4000名、予備役8000名。ラタキア、タルトス、ミネト・エル・バイダに基地がある。ロメオ級潜水艦３隻、ペチャ�U級フリゲート２隻、オサ級ミサイル艇12隻、ズック級内海高速哨戒艇６隻、ナチャ型掃海艇１隻、T-43級沿岸掃海艇１隻、ソーニャ型沿岸掃海艇１隻、バーニア級内海掃海艇２隻、エフゲーニャ級内海掃海艇４隻、ポルノクヌイ級中型揚陸艦３隻、Mi-14対潜ヘリ12機、Ka-25対潜ヘリ５機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シリア海軍（２０１５年）＞：現役兵力4000名だが、一部は他軍種に回されているとみられる。ペチャ�V級コルベット２隻、オーサ�T／�U級ミサイル艇16隻、ティル級ミサイル艇６隻、チュク級哨戒艇８隻、ソーニャ級掃海艇１隻、ナチャ級掃海艦１隻、掃海艇５隻、ポルノクニイＢ級中型揚陸艦３隻、兵站支援船２隻を保有する。沿岸防衛隊は地対艦ミサイル旅団１個からなり、P-35/P-15M/C-802/K-300P地対艦ミサイルを保有する。海軍航空隊はKa-28対潜ヘリ４機とMi-14対潜ヘリ６機を保有しているが、基地をロシア軍に明け渡しており、作戦状態に無いとみられる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シリア核施設爆撃＞：2007年9月3日、シリアのタルトゥス港に韓国国旗を掲げた貨物船が入港した。これは北朝鮮から核物質とみられる貨物を搭載した密輸船で、出港直後からアメリカの偵察衛星などによる監視を受けており、紅海に入ってからはイスラエルのオフェック７偵察衛星及び監視船によりマークされていた。荷下ろしされた貨物は２日以内に420km離れたユーフラテス川沿いのデリエッゾル付近にある実験用黒鉛減速炉に運び込まれたとみられる。この情報を掴んだイスラエルは原子炉爆撃オーチャード（果樹園）作戦を発動。9月5日2030、F-15戦闘機４機とF-16戦闘機４機がイスラエルを離陸。9月6日未明、強力なジャミング（サイバー攻撃も行ったといわれる）をかけてシリア軍の防空網を無力化し、C-130輸送機２機にイスラエル国防軍参謀本部直属の特殊部隊であるサイレット・マトカルの兵員50名と車両を搭載して原子炉付近にある飛行場に向かわせた。C-130は飛行場に強行着陸して管制塔などを制圧、隣接する核施設を襲撃して核関連物質など核開発の証拠を押収するとそのままC-130に乗って引き上げ、直後にF-15とF-16からなる攻撃隊が核施設に爆弾及び対地ミサイルを叩き込んで破壊した。F-15とF-16は0230にイスラエルに帰投している。同日、シリアはイスラエルがシリア領内に爆発物を投下したと非難。イスラエルはコメントを出さなかった。9月11日、CNNが今回の攻撃はイランからシリア経由でヒズボラに密輸される武器弾薬を標的としたものであるという国防総省筋の情報をテレビで放送したが、同日北朝鮮がイスラエルを非難する声明を発表しており、イスラエルの爆撃目標に北朝鮮が関与していた可能性は高いとみられる。9月18日、北朝鮮はシリアの核開発への協力を否定。9月19日、ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー誌はイランとの間の化学兵器開発に絡む動きであると伝えた。10月2日、イスラエルがシリア領内への爆撃を認め、国防軍が政府に無断で行ったものであると発表した。目標が何の施設だったか政府は明らかにしていないが、イスラエル各紙は核施設であると報じており、これによりシリアの核開発は2-3年遅れたとしている。シリア側は爆撃コースに関して地中海からトルコ上空を通過してシリア北部からデリエッゾルに向かうコースと、地中海から直接シリアに侵入し、ほぼ真っ直ぐ東に飛行してデリエッゾルに直行するコースの２種類を発表しており、C-130と攻撃隊とが別コースを取ったようである。ちなみにトルコ領内からは空になったイスラエル国防軍の増槽が発見されている。爆撃から数週間後にシリアは残存施設を爆破して撤去、建屋を建設した。2008年4月、アメリカはこの施設が兵器級プルトニウム抽出のため北朝鮮の支援を受けて建設しようとしていた原子炉であるという情報を発表したが、シリアは否定した。2013年2月、シリア内戦で反政府軍がこの施設を確保し、内部で発射台に固定されたスカッドミサイルを発見した。天井にはハッチがあり、弾道ミサイル発射施設に改造していたともいわれるが、発射炎を逃がす設備が無いことなどから、IAEAに核施設でないことを信用させるためのダミー配備であるともいわれる。2018年3月21日、イスラエル空軍が攻撃を正式に認めた。参考：月刊軍事研究12,’07、12,’11、9,’13、月刊丸7,’14、月刊JWings6,’18

＜シリア空軍＞：1981年2月13日、シリア領空を侵犯したイスラエル空軍RF-4E偵察機２機を迎撃したMiG-25と思われる戦闘機１機がイスラエル空軍F-15A戦闘機の逆襲を喰らいAIM-7で撃墜された。7月29日、イスラエル空軍RF-4E偵察機に接近したMiG-25戦闘機１機がイスラエル空軍F-15A戦闘機にAIM-7で撃墜された。1982年6月、ベッカー高原でイスラエル空軍と本格戦闘が勃発したが、85機を撃墜され、戦果はF-4戦闘機１機のみと完敗した。8月31日、ベイルート上空に侵入したMiG-25R偵察機１機ががイスラエル軍ホーク地対空ミサイルとF-15A戦闘機AIM-7で撃墜された。1989年、Su-24MK戦闘爆撃機を採用。2011年12月、ロシアから35機の戦闘機（MiG-29とみられる）を購入した。参考：月刊JWings4,’12、3,’09、10,’19、世界の傑作機No.172

　＜シリア空軍（１９７７年）＞：兵力25000名。MiG-17戦闘機80機、Su-7戦闘機50機、MiG-23戦闘機45機、MiG-21戦闘機220機、Il-14輸送機８機、An-24輸送機２機、An-26輸送機４機、Yak-11/Yak-18/La9/MiG-15UTI/MBB-233練習機32機、Mi-2ヘリ４機、Mi-4ヘリ８機、Mi-8ヘリ50機、Ka-25ヘリ９機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜シリア空軍（１９８０年）＞：MiG-23B/-27を40機、MiG-21PF/MF/bisを250機、MiG-17Fを50機、Su-20を15機、Su-7BMKを60機、Il-28を10機、An-12を６機、An-24/26を６機、Il-18を４機、Il-14を６機、C-47を３機、Yak-40を１機、ガゼル２L、Mi-8を22機、Mi-6を10機、Mi-4を20機、Ka-25を９機、CH-47Cを６機、SH-3Dを12機、AB-212を18機、L-29を30機、MiG-15UTI、MiG-21U、Su-7U、DHCチプマンクを10機、SIATフラミンゴを32機、Yak-11、Yak-18を保有している。参考：ザ・マーチ18号

＜シリア空軍（１９８９年）＞：兵力40000名。MiG-17戦闘機38機、Su-7攻撃機15機、Su-20攻撃機35機、MiG-23BN戦闘機60機、MiG-25戦闘機30機、MiG-25U戦闘機５機、MiG-21PF/PFMA/bis戦闘機172機、MiG-23MF戦闘機80機、MiG-29戦闘機24機、MiG-25R偵察機６機、An-12輸送機６機、An-24輸送機４機、Mi-24攻撃ヘリ25機、Mi-25武装ヘリ35機、SA342L対戦車ヘリ50機、Mi-6輸送ヘリ10機、Mi-8汎用ヘリ60機、Mi-17汎用ヘリ45機、Mi-4汎用ヘリ10機、Mi-2汎用ヘリ10機、Ka-25対潜ヘリ５機（海軍指定）、Mi-14対潜ヘリ20機（海軍指定）、L-39練習機90機、L-29練習機70機、MBB-233練習機20機、MiG-17練習機10機、MiG-21U練習機20機、Su-7U練習機10機、Yak-11練習機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シリア空軍（２０１５年）＞：現役兵力16500名。シリア内戦で酷使されており、稼働率は極めて低いと思われる。MiG-23MF/ML/UM戦闘機39機、MiG-29A/SM/UB戦闘機30機、MiG-21MF/bis戦闘機60機、MiG-21U戦闘機９機、MiG-23BN/UB戦闘機41機、Su-22戦闘機36機、Su-24戦闘機11機、Il-76輸送機３機、An-24輸送機１機、An-26輸送機６機、PA-31ナバホ輸送機２機、Yak-40輸送機４機、ファルコン20要人輸送機２機、ファルコン900要人輸送機１機、Tu-134B-3要人輸送機４機、L-39アルバトロス練習機17機、Mi-25攻撃ヘリ24機、Mi-17汎用ヘリ27機、SA342L汎用ヘリ30機、Mi-8汎用ヘリ27機、R-3/R-23/R-24/R-27/R-60/R-73空対空ミサイル、Kh-25対地ミサイル、HOT対戦車ミサイル、Kh-31P対レーダーミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シリア軍＞：1966年11月、エジプトと防衛協定を締結。1968年5月と1969年7月、イラクと防衛条約を締結。2007年、ロシアからヤホント対艦ミサイルと移動式防空ミサイルシステムを提供された。2008年から防空能力強化のためブーク2MとパンツィールS1を導入。2009年、ロシアからMiG-31を導入する予定だったが、契約は破棄されたようである。参考：月刊軍事研究6,’11、12,’12、軍事力バランス78年版

　＜シリア軍（１９８９年）＞：現役総兵力404000名、予備役400000名。レバノンに30000名、師団司令部１個、機甲旅団１個、機械化旅団２個、歩兵旅団１個、特殊部隊連隊８個を展開している。国連兵力引き離し監視軍（オーストリア、カナダ、フィンランド、ポーランド）1400名、ソ連軍事顧問団3000名（主に防空軍）が駐留する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜シリア軍（２０１５年）＞：現役総兵力130500名（陸軍90000名、海軍4000名、空軍16500名、防空軍20000名）、準軍事組織150000名（ヒズボラとイラン革命防衛隊に訓練を受けた国家防衛軍100000名、その他アサド政権側民兵50000名、沿岸警備隊哨戒艇６隻）。ヒズボラ4000-8000名、イラン革命防衛隊2000名、ロシア軍4000名、海軍歩兵旅団１個、T-90戦車７両、BTR-82A装甲車20両、2A65が12両、9A52自走多連装ロケット４両、TOS-1A自走多連装ロケット、パンツィールS1自走地対空ミサイル３両が駐留している。また、バセル・アル・アサド空軍基地にロシア軍Su-24M戦闘機12機、Su-30SM戦闘機４機、Su-34戦闘機４機、Su-25SM攻撃機10機、Su-25UBM攻撃機２機、Il-20M電子情報収集機１機、Mi-24P攻撃ヘリ12機、Mi-8AMTSh戦闘捜索救難ヘリ６機が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シリアス＞：82（軽巡洋艦）またはF40（フリゲート）を参照。

＜シリア内戦＞：2011年1-2月のチュニジア・エジプトにおける革命成功に触発され、1月下旬頃からシリア反体制派であるシリア革命2011がフェイスブック上で街頭デモを呼びかけ、2月4-5日に最初のデモが行われる事になった。しかしダマスカス中心部に配置された秘密警察により、15人が集まったところで解散させられてしまった。2月9日、シリア政府がフェイスブックやYoutubeを解禁。インターネットの接続ログを監視することで反体制派を摘発するのが目的だったとみられる。3月6日、エジプト革命のニュースを見た南部の町ダラアの少年グループが政府批判の落書きをしたとして秘密警察に逮捕された。これに反発した少年グループの親ら数十人が秘密警察支部に押しかけ、抗議活動を開始。3月15日、シリア革命2011の呼びかけに応じてダマスカス中心部で250人規模のデモが行われ、これをきっかけに国際世論も漸くシリア情勢に注目し始めた。以降は連日のように民主化要求デモが行われるようになり、シリア国内各所へと飛び火していった。これに対してシリアのアサド大統領は軍、武装警察、治安部隊アムン、体制派民兵シャビハ（幽霊。私服マフィア）、フルカトゥ・アル・マウティ（死の部隊。制服に自動小銃などで武装）を動員して徹底的な弾圧を開始。ロシアやイランからは武器の輸入を継続した。イランは革命防衛隊陸軍や特殊部隊をシリアに派遣してシリア政権側に協力している。Youtubeにデモや弾圧の被害の映像をアップロードして国際世論に訴える反体制派と、それは捏造だというアサド大統領派との宣伝合戦も始まった。3月25日、デモ隊がアサド大統領の肖像画を破壊する映像がアップロードされた。4月、デモが全国に拡大し、治安部隊が実弾でこれを抑えつけて死傷者が出る映像が大量に流出し始めた。4月21日、アサド大統領が非常事態宣言を廃止するよう命じたという報道がなされたが、実際には強硬な弾圧が継続された。5月中旬、デモ鎮圧部隊の中核が軍に移行した。6月、アサド大統領はシリア北西部を中心に軍を投入し、１万人以上の避難民がトルコに押し寄せた。6月1日、アサド大統領が政治犯釈放令を発令。しかし数倍のデモ参加者らが新たに逮捕される状況が続いた。7月末には100万人以上（国民の5%）がデモに参加する事態となり、7月29日には反政府組織が反乱シリア軍大佐を司令官とする自由シリア軍を結成した。ただし内部機構は纏まっておらず（民族や宗教の対立から仲間内での戦闘が始まることもある）、統一指揮は執れていない状態で、国際社会も支援しにくい状況である。7月31日、町全体が反政府デモを起こしていたハマにシリア軍が戦車部隊で侵攻、無差別砲撃で120人を殺害した。これに対してアメリカのオバマ大統領は非難声明を発表。8月3日、国連安保理でシリア政府の弾圧を非難し、即時停止を求める議長声明を採択した。8月6日、国連事務総長がアサド大統領と電話会談を行い、弾圧の即時停止を求めた。8月8日、クウェート、サウジアラビア、バーレーンが駐シリア大使を召還した。8月10日、国連安保理でシリアの弾圧による死者が2000人、行方不明者が3000人、長期拘束者が13000人に上っているという事務次長補報告が行われた。これを受けてアメリカがシリア制裁を強化した。8月12日、アメリカがヨーロッパなどに対し、シリアとの貿易を控えるよう要求。8月13日、シリア軍が西部のラタキアに戦車部隊で侵攻し、艦砲射撃も実施、市街地やパレスチナ難民キャンプに着弾して大きな被害が出た。8月17日、国連事務総長がアサド大統領と電話会談を行い、大統領は作戦停止を明言したが、実際には続行されており、国連職員の一部が国外退避する事態となった。8月18日、国連人権高等弁務官が弾圧を人道に対する罪に当たる可能性ありとする調査報告書を発表した。アメリカ、EU、カナダがアサド政権に退陣要求を表明。イギリス、フランス、ドイツ、ポルトガルが国連安保理で制裁決議案を提出すると発表。スイスとチュニジアが駐シリア大使を召還。8月19日、EUがシリアに対する制裁を強化。日本がアサド政権に退陣を要求。8月21日、アサド大統領がテレビ演説で反政府運動には絶対に屈しないと表明した。8月23日、シリア反体制派が統合組織であるシリア国民評議会を結成。サウジアラビアやカタールが支援を行った。国連人権理事会がアサド政権の非難決議を採択した。シリア政府側武装組織のシャビハは双胴UAV（国産か輸入物かは不明）を運用し、反体制派拠点ホムスへの130mm榴弾砲M46や240mm自走迫撃砲2S4による砲撃で射撃観測に使用しているらしい。9月末、シリア政府の反体制派弾圧に関する非難決議案をイギリス、フランス、ドイツ、ポルトガルが共同提出したが、ロシアと中国が拒否権を発動して否決された。11月、国連総会でシリアにおける人権侵害の非難決議を採択した（ロシアは棄権）。12月23日、ダマスカスで自爆テロが発生。自由シリア軍は関与を否定し、政権側の自作自演としているが、自由シリア軍の統制外にある少数のイスラム過激派が行った可能性はある。

2012年、イラン人戦闘員やヒズボラがアサド政権側で戦闘に参加していることが明らかとなった。反政府勢力にはアラブ各国やチェチェンなどのスンニ派戦闘員が加わっている。2月、国連安保理でシリア政府に対する制裁決議がロシアの拒否権発動で否決された。3月10日、シリア政府軍がロシアから輸入した1L222ELINTシステムの改良型を使用して衛星電話の信号を傍受、活動家の所在を追跡していることが判明した。3月17日、ダマスカス市内の３カ所で爆弾テロが起き、27人が死亡、100人以上が負傷した。ジャブハト・アル・ヌスラ（ヌスラ戦線。反政府側の外国人過激派部隊）がスンニ派の復讐であるという犯行声明を出しており、政府側は反政府テロリストの犯行と断定したが、反政府側は政府側の自作自演と主張している。4月6-7日、自由シリア軍が制圧していたドゥーマでシリア政府軍と自由シリア軍の激しい戦闘があり、住民や家屋などに大きな被害が出た。4月12日、国連とアラブ連盟合同特使がシリア政府に求めた停戦の履行期限となり、一旦はシリア政府軍の攻撃が止んだ。4月15日、シリア政府が国連停戦監視団を受け入れた。4月16日、ドゥーマでシリア政府軍が攻撃を再開。4月24日、シリア政府軍がドゥーマに大規模な攻撃を実施。4月25日、国連監視団がドゥーマを訪問。一緒に来たシリア政府治安部隊がドゥーマをそのまま占拠した4月26日、ドゥーマのシリア政府治安部隊が反政府デモ参加者の強制逮捕を開始。5月10日、ダマスカスで自爆テロが発生。ジャブハト・アル・ヌスラが犯行声明を出した。6月22日、シリア沖の海上を飛行していたトルコ空軍RF-4Eがシリアにより撃墜された。トルコ政府はRF-4Eによる短時間の領空侵犯を認めたが、攻撃を受けたのは海岸線から24km離れた公海上であるとしてシリアに抗議、NATOも非難声明を発表した。墜落現場付近で捜索を行ったトルコ艦艇にもシリアからの砲撃が加えられている。7月、シリア政府軍がシリア北部のコバニから撤退し、クルド人民兵の人民防衛隊が制圧した。シリア政府軍機がクラスター弾の投下を開始。ちなみにシリアはクラスター弾禁止条約には加盟していないが、民間人が巻き添えになっている（というか巻き添えにしている）のでジュネーブ条約違反である。7月中旬、自由シリア軍がダマスカスで一斉決起。7月11日、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスが停戦に応じない場合の経済制裁決議を国連安保理に提出したが、7月19日にロシアと中国の拒否権発動で否決された。7月18日、ダマスカスで治安会議の議場に爆弾が仕掛けられ、国防相や大統領の義兄らが殺害された。これに対して政府軍による弾圧が激化。7月下旬、自由シリア軍がアレッポで武装闘争を開始。8月13日、反政府軍がシリア政府軍のMiG-23戦闘機１機を撃墜。14.5mm重機関銃がたまたま当たったようで、政府側は訓練中の事故と発表した。8月15日、反政府勢力アハラル・アルシャムがアレッポのUAV工場を占領したと発表し、３機のUAVの映像を公開した。ただ製作に必要なエンジン、プロペラ、誘導装置といった部品は映像には見あたらず、実際にUAV工場かどうかは不明。8月20日、アレッポで日本人ジャーナリストの山本美香さんが殺害された。9月16日、イスラム国がシリア北部のクルド人居住地域に大規模侵攻を開始。9月19日までの内戦による死者は政権側兵士が7095人、反体制派民兵が1148人、一般人が20855人とされており、反体制派が潜むと思われる地域（要するにほぼ全土）を政府軍や民兵が住民ごと砲爆撃で一掃しているため、大量の一般人犠牲者が出ていて、毎日３桁に達している。こういった無差別弾圧を拒否する政権側兵士は処刑されているともいわれる。10月末現在でトルコの難民キャンプに脱出したシリア人は10万人、アパートなどを借りて生活する難民も５万人いると推定されていた。11月2日、イドリブ県ハーレム町のモスクが礼拝中に政府軍の爆撃を受け、自由シリア軍10名と市民60人が死亡した。11月21日、アレッポのダル・シファ総合病院が政府軍の爆撃を受け、医師１人と看護師２人を含む市民40人以上が死亡した。11月27日、反政府側が政府軍のMi-8ヘリをイグラ１で撃墜する映像が流れた。イグラ１は政府軍第46連隊の基地で奪ったものらしい。12月12日、シリア政府軍機が反政府勢力に対しクラスター爆弾を使用。12月20日、シリア政府軍がトルコ国境から20km地点のマラにスカッドを撃ち込んだ。12月23日、ホムスでシリア政府軍戦車が反政府軍拠点に黄色のガス弾で砲撃を行い、６名に窒息、４名に麻痺、４名に失明の症状が出たという報道がなされ、エージェント15と呼ばれる神経ガスまたはBZを使用した疑いが出されたが、顔面紅潮や瞳孔開大といったBZの症状が無いことから、アメリカ国家安全保障会議ではシリア政府軍による化学兵器使用は疑わしいと判断された。

2013年1月3日、NATOがトルコのインシルリク基地にパトリオット防空砲兵中隊２個を派遣した。これはシリア政府軍が反政府勢力に多数のスカッドミサイルを撃ち込んでいることから、トルコ国境付近にある難民キャンプを守るのが目的である。更に４個中隊が増派される予定。1月19日から地中海で演習を行っていたロシア海軍艦艇グループの一部が在シリア・ロシア人の脱出作戦を実施。1月30日、ダマスカス北西のアル・ジャムラヤ研究センターに停車していた車両をイスラエル空軍機が爆撃して破壊した。この車両にはヒズボラに引き渡すブークM2Eが積まれていたらしい。ヨルダンにはヨルダン総人口630万人の１割を超える数の難民が押し寄せており、イーガーライオン2013多国籍軍事演習（6月15-20日）に参加したアメリカ軍のF-16C/D飛行隊とパトリオット部隊をそのままヨルダンに駐屯させることになった。7月、イスラエル空軍機がラタキア港を地中海上空から発射した空対地ミサイルで爆撃。ヒズボラに引き渡される予定だったヤホントを破壊したとみられる。8月21日、ダマスカス近郊の反政府勢力域グータでサリンとみられる化学兵器が使用され、1000人を超える犠牲者が出た。同時に政府軍が同地区に対する大規模攻撃を開始しているが、化学兵器の使用は否定。その後国境なき医師団が犠牲者に化学兵器特有の症状が出ていると発表すると、シリア政府は反体制派の自作自演だと主張を変えた。活動を始めたばかりの国連調査団は現地調査を要求したが、シリア政府は同地区への攻撃を５日間にわたり継続し、危険だからと立ち入りを拒否した。アメリカ、イギリス、フランスは機密情報活動に基づいてシリア政府による行為と断定。ロシアは反政府側の仕業とする情報を掴んでいると発表し、国連安保理に提出するとしたが、実際には提出しなかった。8月29日、イギリス下院が軍事介入案を285対272で否決し、イギリス政府はシリア政府化学兵器使用疑惑に対する軍事介入を断念した。9月、国連安保理がシリア政府に化学兵器禁止条約の遵守を求める安保理決議2118を採択。9月1日、アメリカ国務長官が化学兵器による犠牲者が1429名に達していると発表。9月4日、アメリカ上院外交委員会がシリアへの軍事介入を可決したが、上院本会議や下院では可決の見込みが立たなかった。9月5日、G20でシリア内戦が議題となり、主要８カ国のうちロシアを除く７カ国、参加20カ国のうち12カ国が軍事介入を支持した。9月6日、フランスは国連による調査結果が出るまでシリアへの攻撃を控えると表明。9月9日、モスクワでシリアとロシアの外相会談が開かれ、ロシア外相がシリアの化学兵器禁止条約加盟と化学兵器廃棄を提案、シリア外相はこれを受け入れ、9月10日にはシリア政府も了承した。これにより軍事介入は当分の間回避されたが、シリア政府の無差別攻撃によりシリア国民に毎日数百人の死者と数千人の難民が出ている状況に何ら変わりは無い。樽状の金属容器に爆薬と金属片を詰め込んだ通称樽爆弾をヘリから落とす無差別爆撃も連日続けられ、その様子を映した動画がインターネットに大量に投稿されているが、シリア政府はそんなことはしていないと主張、国際社会でもそれが通用している状況である。9月14日、シリア政府が化学兵器を保有していないという立場を一転させて化学兵器禁止条約に加盟。9月19日、国連調査団が8月21日の化学兵器攻撃の報告書を公表。サリンがロケット弾で撃ち込まれたとしたが、誰が使ったのかは不明とした。9月21日、シリア政府が化学兵器禁止機関に保有化学兵器リストを提出。10月、イスラエル空軍機がラタキア近郊でペチョラ2M地対空ミサイルを地中海上空から発射した空対地ミサイルで攻撃。10月13日、自由シリア軍1500名がヨルダンからサウジアラビアに到着し、アメリカ海兵隊からの集中訓練が開始された。10月16日、反政府組織１グループと65の部隊が、自由シリア軍最高軍事評議会の指揮には従わないことを表明した。10月31日、国連と化学兵器禁止機関の合同査察団がシリア国内における化学兵器製造加工施設の廃棄完了を発表。11月14日、ロシア系メディアが民間警備会社Slavonic Corpsに関するスクープを報じた。

2014年2月22日、シリア政府軍が使用している樽爆弾（ドラム缶のようなケースに爆薬、燃料、金属片などを詰め込み信管を付けて航空機から転がり落とす）を無差別兵器に指定し人口密集地への使用禁止を求める安保理決議2139が採択されたが、シリア政府軍はさっぱり守っていない。3月23日、シリア空軍MiG-23攻撃機２機がトルコ国境に接近したため、トルコ空軍がスクランブルをかけた。１機は警告に従い引き返したが、もう１機が1kmほどトルコ領空を侵犯したため、F-16Cがミサイルで撃墜した。MiG-23のパイロットは脱出し、機体はシリア側に墜落、シリアは領空侵犯を否定している。6月3日、大統領選挙でアサド大統領が当選。暴力の応酬は収まる事無く続き、7月までの死者は17万人以上といわれ、国内避難民は650万人、国外難民は285万人に達し、シリア人口の４割が故郷を捨てなければならなくなっている。6月23日、シリアの化学兵器を搭載したデンマーク籍RO-RO貨物船アルク・フューチュラがシリアを出港。デンマーク、イギリス、中国、ノルウェー、ロシアの軍艦１隻ずつが護衛し、7月2日にイタリアのジョイアタウロ港に到着、化学兵器をT-AKR-9679ケープ・レイに移した。7月、イスラム国がクルド人支配地域のコバニに攻撃を開始。8月24日、イスラム国がタブカ航空基地を制圧し、ラッカ県を手中に収めた。更にデルゾール県をほぼ制圧し、アレッポやトルコ国境付近にも進出している。9月10日、アメリカがシリア領内でイスラム国拠点を爆撃すると表明。9月16日、イスラム国がシリア北部クルド人支配区域に攻勢を開始。9月17日、アメリカ下院が穏健派のシリア反政府軍に対する武器供与と軍事訓練を承認した。9月23日、アメリカとアラブ５カ国がシリア領内のイスラム国拠点に対する爆撃を開始。ついでにアルカイダ系イスラム過激派ホラサンも爆撃し、CG-58フィリピン・シー（30発以上）などがトマホークを叩き込んだ。シリア政府はアメリカから事前通告があったとし、テロとの戦いを支持するとして事実上容認している。ロシアは安保理決議が無くともシリア政権の同意があれば容認すると表明した。シリア空軍戦闘機（Su-22らしい）がイスラエル領空を800mほど侵犯し、パトリオットで撃墜された。乗員は機体をシリア領内に戻して脱出、生還したようである。10月6日、イスラム国がクルド人支配区域の中心都市であるコバニ市に侵入。10月10日、イスラム国がコバニ市内のクルド人民防衛隊司令部を制圧。10月13日、イスラム国がコバニ市の半分を制圧したが、クルド人民防衛隊は自爆攻撃を仕掛けるなど必死に抵抗し、アメリカがトルコと協議してペシュメルガ（イラクのクルド人民兵）のトルコ国境経由でのシリア派遣を認めさせ、アメリカも爆撃を強化し、10月22日にはイスラム国をコバニ市から撃退した。11月13日、アメリカがイスラム国やシリア政府に対抗する反政府勢力を育成するための共同統合任務部隊を設立したと発表。12月7日、シリア軍施設２カ所がレバノン上空経由で飛来したイスラエル空軍機により爆撃された。内戦とは直接関係無く、単にイスラエルへの脅威となる施設を破壊したかったらしい。

2015年3月、シリア政府が兵器としての有毒物質を使用していることを非難する安保理決議2209が採択された。3月17日、北西部ラタキアでMQ-1プレデターを撃墜したとシリアが発表した。S-125地対空ミサイルによるとみられるが、アメリカは喪失原因について調査中としている。3月末、主要都市イドリブをヌスラ戦線を中心とした反政府軍が奪還。4月、内戦の犠牲者が22万人（内戦前の人口の1%）を超えた。ロシアがラタキア近郊のフメイミム基地（バーセル・アサド国際空港）にSu-30M2戦闘機とヘリコプターの派遣を開始。夏頃からサウジアラビアの資金で反政府勢力がTOWミサイルを導入し、政府軍に対して優位に立った。7月、トルコがアメリカ空軍部隊のインジルリク基地展開を許可。ロシアが北オセチア共和国モズドク航空基地に２本目の滑走路の建設を開始。7月20日、イスラム国がトルコに越境攻撃を仕掛け、30名以上を殺害した。7月24日、トルコがイスラム国とPKKに対する軍事作戦を開始。8月、イラン革命防衛隊特殊部隊クッズの司令官がモスクワを訪問。ロシア軍事介入の下地を作っていたとみられ、8月中旬頃からロシア軍がシリアに兵力を送り込み始め、フメイミム基地にはプレハブ兵舎や移動式航空管制システムを配置し、アサド国際空港北のイスタモ及びアル・サノバル軍事施設を拡張した。8月12日、インジルリク基地から初出撃したアメリカ空軍F-16C戦闘機がイスラム国を爆撃。ダマスカス県で反体制派が迫撃砲で無差別砲撃を行いロシア大使館周辺などで民間人10人を含む13人が死亡し、60人以上が負傷した。8月26日、ロシアとシリアがシリア領内でのロシア空軍機展開に関する協定（この時点では秘密で、公開されたのは2016年1月、公式発効は11月）に調印。9月上旬、イラン革命防衛隊特殊部隊クッズの司令官がモスクワを訪問。9月7日、押し寄せる難民に音を上げたフランスが、シリア国内でのイスラム国爆撃作戦参加を表明。9月15日、ロシアがフメイミム基地にSu-30SM戦闘機４機を派遣。垂直尾翼の国籍マークを消し、北オセチア共和国モズドク航空基地を離陸してカスピ海とイラン・イラク領空を通って展開したとみられる。9月20日、ロシアがフメイミム基地にSu-25攻撃機12機を派遣。9月21日、ロシアがフメイミム基地にSu-24爆撃機12機を派遣。9月27日、ロシアのプーチン大統領がシリアに戦闘部隊を配置する計画は無く、いかなる作戦にも参加しないと述べた。9月28日、ロシアのプーチン大統領が国連総会で演説し、アサド政権がシリア唯一の合法政権であり、アサド政権を中心にイスラム国に対抗すべきとした。9月30日、３日前の非参戦演説の舌の根も乾かぬうちにプーチン大統領がロシア議会上院にシリア介入を提案して即時了承され、ロシア空軍機がイスラム国への航空攻撃を開始。シリアのフメイミム基地にSu-30SM戦闘機４機、Su-34戦闘爆撃機６機、Su-24M/M2戦闘爆撃機12機、Su-25SM/UM攻撃機12機、Mi-24PN/Mi-35M攻撃ヘリ10機強、Mi-8AMTSh武装ヘリ10機強を展開し、Su-25やSu-30で爆撃を行った。また、フメイミム基地にパンツィールS1短距離防空システムや1L257クラスーハ４電子妨害装置を展開し、滑走路東側に建設された駐屯地にはT-90A戦車６両、BTR-82A装甲車26両、D30榴弾砲12門、R-166-0・5通信システムを防衛のため配備している。シリアへの展開兵力は2000名規模とみられ、兵站はAn-124/Il-76による空路と、ロプーチャ級揚陸艦５隻・アリゲーター級揚陸艦２隻による海路（シリア・エクスプレス）で支えている。一方でロシアはアメリカ中心の有志連合には攻撃を控えるよう要請した。アメリカはロシアがイスラム国だけでなく反政府勢力も攻撃しているとして非難、実際に爆撃の対象は９割方反政府軍支配地域で、しかも無差別爆撃である。10月、アメリカ空軍A-10C攻撃機12機がトルコのインジルリク基地に展開。ロシアがSu-24M攻撃機５機をフメイミム基地に派遣。イラン革命防衛隊フセイン・ハマダニ旅団長がアレッポ近郊で殺害された。これをきっかけに、イランがアサド政権側を支援するため革命防衛隊や民兵組織バシジの高級司令官を送り込み、うち数名が戦死していること、イラン軍陸上部隊が数百名単位でアサド政権軍に加わっていることが判明した。10月1日、Su-34戦闘機がKAB-1500Lレーザー誘導爆弾を投下。10月3日、Su-30SMがトルコ南部で領空を侵犯したため、トルコ空軍F-16戦闘機がスクランブル発進した。10月4日、ロシア空軍機がトルコのハタイ周辺で領空を侵犯したため、トルコ空軍F-16戦闘機がスクランブル発進した。国籍不明のMiG-29戦闘機（恐らくシリア空軍機）がトルコ空軍F-16戦闘機にレーダー照射をかけるなど妨害行為を実施。10月7日、ロシア海軍がカスピ海に展開したカスピ小艦隊所属プロジェクト11661ゲパルド級フリゲートのダゲスタンと、プロジェクト21631ブヤンＭ級コルベットのグラード・スヴァージスク、同ウーグリチ、同ヴェリキー・ウスチューグからカリブルNK巡航ミサイル（3M14Tらしい）計26発を発射し、シリア領内のイスラム国施設11箇所を攻撃した。アメリカはそのうち４発がイランに落ちたと発表したが、ロシアは否定している。無差別爆撃の方が安上がりだが、対地巡航ミサイル運用能力を誇示したかったらしい。地中海には地中海作戦コマンドの艦隊が展開しているが、巡航ミサイル装備艦は無く、ロシア本土との通信中継や、スラヴァ型巡洋艦モスクワのS-300Fによりラタキア付近の防空を行っているらしい。トルコ外務省が、ロシア軍機による事前通告無しのトルコ領空侵入を駐在ロシア大使に抗議。10月9日、ロシア軍機が数日間領空侵犯を続けているとしてトルコ外務省が駐在ロシア大使に抗議した。10月16日、トルコ空軍F-16戦闘機がシリアとの国境付近でロシア製UAVを撃墜した。ロシアはロシア政府やロシア軍が所有するものでは無いとしている。10月19日、ロシア軍地上部隊兵士３名が戦死した。ロシアはウクライナ東部から参加した義勇兵であり、ロシア軍は地上部隊を派遣していないとしている。10月20日、アサド大統領がモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談した。10月22日、プーチン大統領がテロリストを穏健派とそれ以外に区別する必要は無いと発言し、反体制派に対する無差別爆撃を正当化した。10月30日、イスラエル空軍機がスタンドオフ空対地ミサイルでシリアを爆撃した。ロシアはこの日までに1391ソーティをこなし、指揮所249箇所、訓練キャンプ51箇所、爆弾・ロケット工場35箇所、弾薬・燃料倉庫131箇所、火点・強化陣地371箇所、野戦キャンプ・基地786箇所を破壊したと発表した。11月、ロシアがアル・シャイラト空軍基地にMi-24攻撃ヘリ４機を派遣したことと、152mm牽引式榴弾砲2A46ムスタ６門をシリア政府軍が配備したことを発表した。ロシア軍の派遣規模は4000名に増加している。11月1日、イスラエル空軍機がスタンドオフ空対地ミサイルでシリアを爆撃した。11月6日、トルコのインジルリク基地にF-15C戦闘機６機が展開し、F-15C計12機が配備された。ロシア機による領空侵犯に悩むトルコの要求に基づくものである。11月12日、トルコのインジルリク基地にF-15E戦闘機６機が展開。11月15日、フランス空軍ミラージュ2000とラファールF.1がラッカを爆撃。11月17日、ロシア航空宇宙軍がアメリカ中央航空軍合同航空作戦センターに事前通告した上でTu-22M3爆撃機12機とTu-95MS/Tu-160爆撃機13機による航空攻撃を実施。Tu-22M3はロシア時間0500-0530に北オセチア・アラニア共和国モズドク基地を出撃し、カスピ海からイラン・イラク領空を通ってOFAB-250-270破片爆弾などによる無差別爆撃を行い、Tu-160はサラトフ州エンゲルス基地を出撃し、Kh-555及びKh-101巡航ミサイルをイラン上空から発射、Tu-95MSもサラトフ州エンゲルス基地を出撃し、Kh-555巡航ミサイルをイラン上空から発射（巡航ミサイル飛翔距離は千数百kmくらい）したとみられる。イラン上空ではイラン空軍F-14A戦闘機が護衛に就いた。11月18日、Tu-22M3が24ソーティ、Tu-95MSとTu-160が５ソーティの航空攻撃ミッションを実施。11月19日、フランス空母シャルル・ド・ゴールがツーロンを出撃し、中東に向かった。11月20日、ロシア海軍カスピ小艦隊プロジェクト11611ゲパルト型ダゲスタン、プロジェクト21630ブヤンＭ型グラード・スヴァージスク、ウーグリチ、ヴェリキー・ウスチュークがカスピ海からカリブルNK巡航ミサイル（3M14Tらしい）計18発を発射し、イスラム国拠点７カ所を破壊した。ムルマンスク州オレネゴルスク基地を離陸したTu-160爆撃機２機が北極海、北海、北大西洋を経由して地中海からシリアに向けKh-555巡航ミサイル８発を発射した。途中でNATO軍機のスクランブル発進を受けている。11月24日、フメイミム基地から出撃した第２親衛爆撃航空連隊Su-24Mがトルコの領空を侵犯したとして、トルコ空軍F-16C戦闘機２機がスクランブル発進し、AIM-9Xミサイルで撃墜した。乗員２名は脱出したが、１名はパラシュート降下中に地上からの銃撃で死亡している。ロシア軍はMi-8ヘリ２機で乗員の救出に向かったが、うちMi-8AMTShヘリ１機がシリア反政府勢力（トルクメン人武装勢力）の攻撃を受け不時着し、海軍歩兵１名が死亡した。トルコは５分間に10回警告したとしているが、ロシアは領空侵犯は無く警告も受けていないと主張している。12月、ロシア空軍A-50早期警戒管制機がシリア上空でミッションを行っていることが確認された。ロシアから遙々飛んできているとみられる。ロシアがMi-35攻撃ヘリの配備を発表。ロシアがホムス県南部に建設した航空基地に固定翼機やヘリコプター10機以上を展開。イスラエル空軍機がシリアのダマスカス南部を空対地ミサイルで爆撃し、レバノンのテロリストであるサミル・キュンターを殺害した。12月2日、イギリス議会がシリア領内イスラム国拠点の爆撃を承認。12月3日、イギリス空軍トーネードGR.4がレーザー誘導爆弾で爆撃を実施。12月6日、ロシアがS-400地対空ミサイル１個中隊（４連装発射機２基）をシリアのフメイミム基地に配備した。12月7日、シリアのフメイミム基地に配備されているロシア空軍Su-34が４機から８機に増えた。12月8日（9日？）、ロシア海軍636.3型潜水艦ロストフ・ナ・ドヌが地中海からカリブルPL巡航ミサイル（3M14Kらしい）４発を発射し、シリアのアル・ラッカにあるイスラム国指揮所２箇所を攻撃した。12月19日、内戦終結を目指す国連安保理決議が全会一致で採択された。2016年1月初めにシリア政府と反政府勢力が国連の仲介で対話し、半年を目処に暫定政府を発足させて新憲法制定の手続きを開始、１年半を目処に国連監視下で選挙を行うという内容である。12月25日、ロシア国防省が9月30日からこの日までにロシア空軍による航空攻撃5240ソーティ（うち長距離航空コマンド所属大型爆撃機145ソーティ）を行ったと発表した。2015年末までに内戦で25万人以上が死亡、その半数を民間人が占めている。

2016年1月、シリア政府軍がラタキアで攻勢をかけ、トルコ国境ラビア市を制圧してトルコから反体制派への補給路を断った。1月15日、ロシアがシリアのフメイミム基地にKa-52ホーカムＢ攻撃ヘリを派遣したと発表。1月29日、シリア政府と反政府勢力がジュネーブで和平協議を実施。2月1日、ロシアがシリアのフメイミム航空基地にSu-35S戦闘機４機を派遣し、Su-30SMと交代した。2月26日、国連安保理決議2268号が採択され、イスラム国など過激反体制派勢力以外の穏健派反体制派勢力とシリア政府の停戦が定められた。2月27日、シリア政府と反政府勢力の一時停戦が発効。しかしアレッポ、イドリブ、ダマスカスなどでは戦闘が続き、シリア政府軍による無差別爆撃で民間人死者も続出、すぐに停戦が崩壊している。3月12日、シリア軍MiG-21戦闘機が空中警戒飛行中に反政府勢力MANPADSで撃墜されたとロシア国防省が発表した。反政府勢力側は反政府勢力支配地域を爆撃中に事故で墜落したとしている。パイロットは脱出したが、地上で射殺された。3月14日、ロシアがシリアから主要航空部隊を撤収させると発表した。Su-25SM/UMは12機全機が帰投したが、Su-35Sは４機のうち１機、Su-30SMは５機のうち１機、Su-34は８機のうち４機、Su-24M戦闘爆撃機は18機のうち３機が帰還したのみで、S-400やパンツィールといった地対空ミサイルはそのまま残り、Mi-28NやKa-52が新たに配備されている。一旦撤収した固定翼機も後で再展開した。ロシアは航空攻撃の目標に100%命中させたと発表しているが、絨毯爆撃で民間施設（穀物倉庫、パン工場など）や民間人ごと吹っ飛ばしている（ロシア国防省の公開映像でTu-22M3爆撃機が自由落下爆弾を大量に投下している）のは全く意に介していないようである（民間人も目標なのかもしれない）。3月17日、ロシアが帰還した固定翼機の代わりにKa-52ヘリ４機とMi-28ヘリ３機をシリアに配備した。3月23日、シリア派遣ロシア軍司令官がシリアへのロシア軍特殊部隊（ロシア参謀本部特殊作戦軍）展開を公表。3月24日、シリア政府と反政府勢力による和平協議が中断。3月27日、Mi-28Nやロシア特殊作戦軍含むロシア軍による大規模航空支援の下、シリア政府軍がパルミラをイスラム国から奪還。3月29日から4月7日の間にフメイミム基地の滑走路２本のうち西側の１本に×印が付けられているのが、エアバス・ディフェンス・アンド・サテライトイメージ社が公開した衛星画像で判明した。離着陸の急増で滑走路の損傷が激しくなったため閉鎖したとみられる。モスクワ時間4月12日0129、シリアのフメイミム基地に展開していたMi-28N攻撃ヘリ１機がホムス付近で墜落し、乗員２名が死亡した。操縦ミスによる事故とみられる。4月13日、シリア政府と反政府勢力が再開された。4月15日、フメイミム基地の滑走路１本が閉鎖された。面積78000平方メートルの追加ランプ建設工事が進められている。5月14-17日、フメイミム基地南東180kmにあるTiyas基地でロシア軍ヘリ４機が爆発物により破壊された。これに伴い、他のヘリはホムス市南東30kmにあるAl-Shayrat基地などに撤収したとみられる。6月3日、CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン空母打撃群が爆撃を開始。6月5日、アレッポ上空をロシア海軍Tu-142M哨戒機が飛行した。シリアでの作戦支援を行っていたのか、東地中海のCVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン空母打撃群を偵察する途中だったのかは不明。7月、イスラム過激派組織ヌスラ戦線がアルカイダを離脱してシリア・ファタハ戦線に改称。7月9日、アメリカ空軍MQ-9A無人機１機がトラブルで墜落した。地上に被害が出たり、機体が敵勢力に回収されたりはしていない模様。8月、クルド人部隊のシリア民主軍がイスラム国拠点だったマンビジュを制圧。これに対し、反トルコのクルド人組織拠点をシリアに作られるのを防ぐため、トルコ軍がシリアに越境攻撃を仕掛け、シリア反体制派と協力してトルコとの国境近くにあるイスラム国拠点を制圧した。8月16-18日、Tu-22M3とSu-34がイランのハマダン空軍基地から出撃し、アレッポのイスラム国施設を爆撃した。イランからのロシア軍機出撃は初、イランが自国基地を外国軍用機の実戦投入に使用させるのも初で、イラン側は給油のためだけの基地使用としている。8月18日、シリア空軍がクルド人武装勢力の拠点であるシリア北東部ハサカにSu-24で爆撃を開始。8月19日、ハサカを爆撃に向かったSu-24に対し、F-22Aがインターセプトをかけたらしい（公式発表は無く、各種メディア情報による）。F-22Aは無線で退去するよう警告し、Su-24は何も応答せず、そのまま空域を離脱していったとされる。ロシア黒海艦隊プロジェクト21631ブヤンＭ級コルベットのゼリョーヌイ・ドルとセルブノフが地中海東部からカリブル巡航ミサイル３発を発射し、アレッポのイスラム過激派アル・ヌスラ戦線弾薬庫などを破壊した。8月23日、ロシアとイランがイランのハマダン基地へのロシア軍機展開を終了すると発表。結局ハマダン基地から出撃したのは8月16-18日の３日間のみで、各１回ずつ出撃しただけだった。8月27日、アレッポのマアーディー地区で行われていた葬儀会場にアサド政府軍機が樽爆弾２度にわたり投下し、民間人15人が死亡、多数が負傷した。9月4日、政府軍がアレッポ東部を包囲。9月12日、政府軍と反政府勢力が停戦に合意。イスラム国への攻撃作戦は続行された。9月13日、ゴラン高原近くのアル・キューナイトラ地域でシリア政府軍と反政府勢力が交戦した際にイスラエル国境を越えたため、イスラエル空軍が介入して爆撃を実施。これに対してシリア政府軍が地対空ミサイルで反撃、イスラエルはミサイルが外れたとしているが、シリアはアル・キューナイトラ南西でイスラエル軍機１機（とダマスカス南西で無人機１機）を撃墜したと発表している。9月17日、有志連合航空機（F-16戦闘機２機とA-10C攻撃機２機らしい）がデリソール空港近傍のイスラム国勢力を攻撃しようとしてシリア政府軍陣地を誤爆し、90名以上が死亡した。9月19日、シリア政府軍が停戦を一方的に破棄して反政府勢力への攻撃を開始、アレッポの奪回作戦も再開した。アレッポでは無差別爆撃に加えて病院や救急施設を優先目標に設定し全病院を機能停止させた他、援助物資を積んだトラック18両を爆撃してボランティア12人を巻き添えにした。アメリカ中心の有志連合国は航空機を出撃させておらず、シリア政府軍もしくはロシア軍によるものだが、両国とも否定、国際社会の批判を無視して無差別攻撃を続行している。9月20日、ロシア黒海艦隊プロジェクト21631ブヤンＭ級コルベットのゼリョーヌイ・ドルとセルブノフが地中海東部からアレッポにカリブル巡航ミサイル３発を発射した。9月29日、アレッポ県アンダーン市とカルフナーハー村のパン製造工場をシリア政府軍機またはロシア軍機が爆撃して破壊した。11月14日、アレッポ県アターリブ市の病院がシリア政府軍機またはロシア軍機が爆撃し、職員数人が負傷した。アレッポ県カルフナーハー村の病院も同軍機による爆撃を受けている。11月15日、ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフが艦上機による爆撃作戦を開始。アドミラル・グリゴロビッチが地中海東部からカリブルNK／3M14T巡航ミサイル３発以上を発射し、イドリブ県とホムス県のイスラム国及びアル・ヌスラ戦線拠点を攻撃した。シリアに展開したロシア軍K-300Pバスティオン地対艦／地対地ミサイルシステムが地対地巡航ミサイル攻撃を実施。11月17日、ロシア航空宇宙軍がTu-95MSMからKh-101巡航ミサイルを発射し、シリアを攻撃する映像を公開した。12月、シリア政府軍がアレッポを制圧。この際、ヘリで住宅街に塩素をばらまいたとされる。12月5日、反体制派がアレッポ市内でロシア軍移動病院を砲撃し、医師２人が死亡、患者複数、シリア人記者１人が負傷した。12月29日、国連がダマスカス近郊ワディ・バラダ地区で反体制派戦闘員が水源に対する攻撃を行っていると指摘し、懸念を表明した。12月までにロシア軍機は18800ソーティをこなし、71000回の爆撃を行った。ロシア軍はインテリジェンスに基づく精密攻撃により民間人被害は出していないと主張しているが、無誘導爆弾を市街地にばらまいて民間人死者が出ない筈は無い。シリア人権ネットワークの発表によれば、2016年の１年間でシリア内戦により反体制派支配地域で死亡した民間人は、アメリカ有志連合の爆撃によるもの537人、アサド政権の軍事攻撃によるもの8289人、アサド政権の拷問によるもの447人、ロシア軍の爆撃によるもの3967人、クルド人勢力の西クルディスタン移行期民政局の軍事攻撃によるもの140人、西クルディスタン移行期民政局の拷問によるもの６人、イスラム国の軍事攻撃によるもの1502人、イスラム国の拷問によるもの８人、シャーム・ファトフ戦線（旧ヌスラ戦線）の軍事攻撃によるもの14人、シャーム・ファトフ戦線の拷問によるもの４人、シャーム・ファトフ戦線以外の反体制派の軍事攻撃によるもの1038人、シャーム・ファトフ戦線以外の反体制派の拷問によるもの10人、その他の勢力によるもの951人の計16913人である。

2017年1月、ロシアがフメイミム空軍基地及びタルトゥース港の49年間使用、原子力艦を含む艦艇の寄港・領海航行許可、浮揚ターミナル持ち込みによるタルトゥース港浚渫を含むシリアとの軍事協定（有効期間49年、25年ごと自動延長）を締結した。1月6日、アドミラル・クズネツォフ機動部隊が作戦を終了し、ロシアに向かった。1月9日、イスラム国が対戦車ミサイルでシリア空軍L-39軽攻撃機を撃墜した。3月、北朝鮮を出港した貨物船を臨検したところ、シリア化学研究センター向けの化学工場建設機材が発見された。化学兵器生産設備に転用可能とみられる。3月4日、シリア民主軍（クルド人民防衛隊主力）を支援するため、アメリカ陸軍レンジャー部隊とアメリカ海兵隊400名がシリアに展開した。シリア空軍MiG-23戦闘機がシャーム自由人イスラム運動の高射機関砲で撃墜された。3月19日、ロシア海軍改キロ級潜水艦１隻がシリア東部のイスラム国拠点にカリブルPL巡航ミサイル（恐らく３発）を発射。4月4日、シャイラト空軍基地から出撃したとみられるシリア軍機がイドリブ県ハーン・シャイフーン市の反体制派支配地域を化学兵器（サリン）で無差別爆撃し、100人以上を殺害した。4月5日、アメリカのトランプ大統領がマティス国防長官にシリア軍による化学兵器使用に対する懲罰軍事オプションの策定を命じた。4月6日、化学兵器による無差別爆撃に対する報復攻撃として、地中海に展開するアメリカ海軍DDG-71ロスとDDG-78ポーターがトマホーク61発をシリアのシャイラト空軍基地に発射し、59発が巡航飛行に移り、58発が着弾、Su-22戦闘機９機、MiG-23戦闘機3-6機、航空機用バンカー、弾薬庫、燃料庫、レーダー施設などを破壊した。ちょうど米中首脳会談夕食会の最中で、食事終了直前にトランプ大統領が習近平主席に攻撃を伝え、習主席は説明に理解を示したとされる。ロシアに対しても事前に通告してロシア将兵死傷者を出さないようにしていたらしい。4月9日、タルトゥース近郊でパンツィールS1がヘロンUAVをミサイルで撃墜。4月15日、アレッポで避難民のバス車列に自動車爆弾による自爆テロが行われ、126人以上が死亡、55人以上が負傷した。どの勢力によるものかは不明。5月20日、タルトゥース近郊でパンツィールS1がヘロンUAVをミサイルで撃墜。5月27日、タルトゥース近郊でパンツィールS1がRQ-21A無人機をミサイルで撃墜。5月30日、アドミラル・グリゴロビッチ級フリゲートのアドミラル・エッセンと改キロ級潜水艦クラスノダールが地中海からパルミヤのイスラム国拠点にカリブル巡航ミサイル２発ずつを発射。6月8日、アメリカ空軍F-15Eがシリア民主軍を攻撃していたシリア軍シャヘド129無人機をAMRAAMで撃墜。6月11日、タルトゥース近郊でパンツィールS1がトルコ軍バイラクターUAVをミサイルで撃墜。6月15日、アメリカ空軍F-15E戦闘機がヒズボラのUAVを撃墜。6月18日、シリア北部のジャディンでシリア空軍Su-22攻撃機が反政府勢力シリア民主軍を爆撃したため、アメリカ海軍F/A-18E戦闘機（CVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュ所属）が有志連合部隊交戦規則に従って空対空戦闘に入り、AIM-9X空対空ミサイル１発を発射。Su-22はフレアを射出して回避したため、AIM-120空対空ミサイル１発を発射してタブカ付近で撃墜した。シリア政府はイスラム国を攻撃中だったと抗議し、ロシア軍は米ロ間の偶発的衝突回避覚書の破棄を通告している。6月19日、イラン革命防衛隊がイラン西部ケルマンシャーからシリア東部アル・マヤディンに向けゾルファガール弾道ミサイル６発を発射。イスラム国を攻撃するためとしている。6月20日、アメリカ空軍F-15E戦闘機がイラク国境近くのシリア領空でイラン製UAVシャヘド129を撃墜した。オーストラリア空軍がシリア上空での偵察及び空中給油任務を中止した。6月23日、ロシア海軍アドミラル・グリゴロビッチ級フリゲートのアドミラル・グリゴロビッチ、同アドミラル・エッセン、改キロ級潜水艦クラスノダールが地中海からハマ県のイスラム国拠点にカリブル巡航ミサイル６発を発射。7月6日、マスヤーフ近郊でパンツィールS1がヘロンUAVをミサイルで撃墜。9月、ロシア軍事顧問団アサポフ中将がデリゾール攻略戦（シリア軍第５義勇軍団を指揮していたらしい）でイスラム国との戦闘により死亡した。9月5日、ロシア海軍アドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲートのアドミラル・エッセンがカリブルNK巡航ミサイル３発をデリゾールのイスラム国指揮通信センター、弾薬庫、装甲車修理施設に発射。9月7日未明、イスラエル空軍機がレバノン領空からハマ県マスヤフ市のバース党先兵キャンプ及び科学研究センターを爆撃した。9月14日、改キロ級潜水艦ヴェリキー・ノブゴロドとコルピノが地中海からカリブル巡航ミサイル７発を発射し、イスラム国軍事施設を破壊した。9月22日、改キロ級潜水艦ヴェリキー・ノブゴロドがイドリブ県のアル・ヌスラ戦線施設にカリブル３発以上を発射した。10月5日、改キロ級潜水艦ヴェリキー・ノブゴロドとコルピノが地中海からイスラム国拠点にカリブル巡航ミサイル10発を発射。10月16日、レバノン領空を飛行していたイスラエル軍機に対し、シリア軍がS-200地対空ミサイルを発射した。シリア側はシリアへの領空侵犯があったため0851に迎撃したとしている。ちなみにイスラエル軍機はレバノンのミサイル発射基地に対する報復攻撃のため２機で出撃したもので、1138にダマスカスから50kmのところにあるミサイル基地を攻撃した。11月1日、改キロ級潜水艦ヴェリキー・ノブゴロドがイスラム国拠点にカリブル巡航ミサイル３発を発射。11月3日、改キロ級潜水艦コルピノがカリブル巡航ミサイル６発を発射。12月、ロシア議会でシリアのタルトゥース港にあるロシア海軍施設増強案が批准された。12月31日、フメイミム基地にロケット弾と迫撃砲による砲撃が加えられ、パンツィールS1によりロケット弾の大部分を迎撃したものの、迫撃砲が着弾した。ロシア国防省ではヘリ飛行要員２名が死亡したのみとしているが、コメルサント紙はSu-35戦闘機２機、Su-24M戦闘機４機、An-72輸送機１機が破壊され、弾薬庫も損傷して10名が負傷したとしている。シリアのハマにある飛行場でロシア軍Mi-24が墜落し、乗員２名が死亡した。ロシア国防省は機体の不具合が原因としている。

2018年1月6日、フメイミム基地に固定翼無人機（主翼下に小型爆発物10発搭載）13機が編隊を組んでGPS誘導で来襲し、自爆攻撃を仕掛けたが、パンツィールS1が７機を撃墜、対無人機システムが６機を無力化して強制着陸させた。航空機に損害が出たとの報道もあったが、ロシア政府は否定している。2月3日、イドリブ県でロシア空軍Su-25SM攻撃機１機がMANPADSとみられる攻撃で撃墜され、パイロットは脱出したが地上で惨殺された。2月7日、ロシア政府配下の民間軍事会社ワグナーグループが率いるロシア・シリア合同地上部隊がアメリカ軍支援下のクルド人部隊を襲撃したが、アメリカ軍の爆撃を喰らってロシア兵数十名（300名説あり）が戦死した。2月18日、シリア政府軍が反政府勢力の拠点であるダマスカス郊外東グータ地区への無差別攻撃を激化。2月21日、フメイミム基地にロシア空軍T-50戦闘機２機（４機？）が展開し、２日間に亘り試験に附された。2月24日、国連安保理で30日間の停戦決議案が採択されたが、テロ勢力への攻撃は除外されたため骨抜きになり、ロシアは一応2月27日から毎日５時間だけ戦闘を止めると表明したものの、それすら守られなかった。3月5日、ロシア航空宇宙軍An-26輸送機がシリアのフメイミム基地に着陸進入中に墜落し、搭乗していた39名全員が死亡した。4月4日、国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチが、シリアで化学兵器による攻撃が85回行われたと発表した。殆どがシリア政府軍による塩素ガスで、他にシリア政府軍によるサリンが２件、イスラム国によるマスタードガスが３件、反体制派による塩素ガスが１件である。4月7-8日、ダマスカス近郊東グータ地区の反政府勢力に対し、シリア政府軍が化学兵器によるとみられる攻撃を行った。直前にダマスカス近くのドゥマイル基地からシリア政府軍Mi-8ヘリ２機が離陸し、撒布時間帯に東グータ上空を飛行していたのが確認されている。また、ロシアSU-24攻撃機がアメリカ海軍アーレイ・バーク級イージス駆逐艦ドナルド・クックとフランス海軍フリゲートのアキテーヌに示威行動を行った。アメリカとフランスはシリア政府軍が化学兵器を使用した証拠を持っているとして激しく非難し軍事介入を示唆、イギリスやカタールにサウジアラビアも参加を表明した。ロシアは反体制派による自作自演とした後、専門家の現地調査で化学兵器の痕跡は無く、民間ボランティアのホワイトヘルメットによるでっち上げと主張、更にはアメリカがトマホークを撃ち込めば化学兵器の痕跡が消えるなどと化学兵器を使ったかのような発言までしている。呆れたアメリカはポンペオ国務長官が上院で対ロシア宥和政策終了を宣言した。4月9日、イスラエル空軍がホムス近郊のティヤス空軍基地を空対地ミサイルにより爆撃した。シリア側はF-15から発射されたミサイル８発のうち５発を撃墜、３発が基地西側に着弾したとしている。シリア人権監視団はシーア派民兵14名が死亡したと発表した。イスラエル側からの発表は無い。アメリカ空軍RC-135V電子偵察機がクレタ島を出撃してシリア沿岸を飛行。4月10日、東グータへの化学兵器使用に関する独立調査団の設立と化学兵器禁止機関OPCWの現地派遣を求める国連安保理決議がロシアの拒否権で否決され、ロシアが選定した要員による調査団の設立も否決された。4月10-12日、アメリカ海軍EP-3Eアリーズ�U電子偵察機がクレタ島を出撃してシリア沿岸を飛行。4月11-12日、アメリカ海軍P-8A哨戒機がシチリア島から出撃してシリア沿岸の哨戒飛行を実施。4月13日夜−14日未明、アメリカ、イギリス、フランスがシリアの化学兵器関連施設を巡航ミサイルで攻撃した。アメリカ空軍第28爆撃航空団B-1B爆撃機２機（エルスワース空軍基地から出撃）がAGM-158Aを19発、アメリカ海軍CG-61モントレイがトマホーク30発、DDG-58ラブーンがトマホーク７発、DDG-76ヒギンズがトマホーク23発、SSN-785ジョン・ウォーナーがトマホーク６発、イギリス空軍トーネードGR4戦闘機４機（キプロス島アクロチリ空軍基地から出撃）がストーム・シャドー８発、フランス空軍ラファールＢ戦闘機５機（サン・ディジエ基地から出撃）がSCALP-EG10発、フランス海軍フリゲートのラングドックがMdCN巡航ミサイル３発を発射し、計106発を撃ち込んでバルザ研究開発センターにトマホーク57発とAGM-158A巡航ミサイル19発、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設にトマホーク９発、ストームシャドー８発、MdCN３発、SCALP-EG２発、その7km西の化学兵器貯蔵庫にSCALP-EG７発の計105発が着弾した。SCALP-EG１発が外れたらしい。また、フランス海軍は当初アキテーヌとオーヴェルニュで発射する筈だったが、トラブルによりバックアップのラングドックが発射したという説がある。支援のため、アメリカ海兵隊EA-6B電子戦機１機（クウェートのアフマド・アル・ジャービル基地から出撃）、イギリス空軍タイフーンFGR.4、ボイジャー空中給油輸送機１機、センチネルR1戦場監視機、フランス空軍ミラージュ2000-5F戦闘機（リュクスイル・サン・ソバール基地からMICA、電子戦ポッド、増槽３基を積んで出撃）、E-3F早期警戒管制機２機（アボール基地から出撃）、C-135FR空中給油輸送機６機（アボール基地から出撃）も参加した。貯蔵施設破壊で化学兵器が漏れて被害が出たという話は無く、前駆体として貯蔵されているので大丈夫だったのか、シリア側が事前に別の場所に移していたのかは不明。シリア軍は巡航ミサイル110発が飛来し、大半を防空システムで撃墜したと発表、ロシア国防省は103発が発射されて71発を撃墜したとし、共に攻撃を強く非難した。4月14日に撮影された民間画像衛星写真では、３目標へのミサイル着弾跡が確認されている。4月25日、ロシア国防省が、4月14日の西側諸国による巡航ミサイル攻撃について、シリア軍が66発を撃墜して22発が着弾、残りは故障などで目標に到達していないと発表し、撃墜したストーム・シャドーまたはSCALP-EGや不発のトマホークとする写真を公表したが、ストーム・シャドー／SCALP-EGは着弾炸裂後の残骸で、トマホークは前年4月7日にアル・サヤット空軍基地へと発射したのを回収したものらしい。5月3日、フメイミム空軍基地を離陸したロシア航空宇宙軍Su-30SMが上昇中に失速してシリア沖の地中海に墜落、乗員２名が死亡した。ロシア国防省はエンジンへのバードストライクが原因らしいとしている。5月7日、ロシア航空宇宙軍Ka-52戦闘ヘリがトラブルで墜落し、乗員２名が死亡した。8月16日、イラク空軍F-16IQ戦闘機がシリア国内のイスラム国拠点を爆撃した。9月4日、Su-34戦闘機２機がイドゥリブ県内のアル＝ヌスラ戦線拠点を攻撃した。9月10日、シリア軍とロシア軍がイドゥリブ県内などで反体制派への航空攻撃を実施。9月17日、シリア西の地中海上空でロシア航空宇宙軍Il-20電子偵察機がシリア軍S-200地対空ミサイルにより撃墜され、乗員15名全員が戦死した。ちょうどイスラエル空軍機がラタキアにあるヒズボラ向け武器工場を爆撃しており、誤射とみられる。ロシアはフランス海軍フリゲートのオーベルニュが関与した、イスラエル軍機がロシア機を盾にしたなどと主張した挙げ句にシリアへS-300PMU2地対空ミサイルの供与を開始したと発表した。イスラエルは全責任はアサド大統領にあるという声明を出している。10月2日、ロシア国防省がシリアへの電子戦システム展開を発表。これに関連するとみられるアメリカ連邦航空局からのノータムが10月9日に発出され、地中海東部ベイルートFIR（Flight Information Region）では衛星航法システム機能喪失に注意、ベイルート国際空港着陸時は標準ターミナル到着経路使用、という内容だった。12月14日、アメリカのトランプ大統領がトルコのエルドアン大統領と電話で会談し、アメリカが支援するシリアのクルド人勢力に対するトルコの攻撃を中止させようとしたが、エルドアン大統領からイスラム国がほぼ壊滅しているのにアメリカがなぜシリアに居続けるのかと反撃され、12月19日にトランプ大統領がシリアから撤退する方針を表明した。マティス国防長官が反発して辞任している。

2020年3月1日、トルコ国防省がシリア政府軍Su-24攻撃機２機を撃墜し、防空システムを攻撃したと発表した。3月3日、トルコ空軍F-16戦闘機がシリア政府軍L-39軽攻撃機を撃墜した。シリア政府軍は報復としてトルコ軍ベイラクターTB2無人機２機を撃墜している。3月5日、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が会談。トルコとシリアが停戦で合意した。

2021年12月14日、キプロス島を離陸して哨戒中のイギリス空軍タイフーンFGR.4戦闘機２機が、シリア南部で小型無人機を確認し、対イスラム国作戦中の連合軍部隊に脅威をもたらしたため、シリア・イラク国境付近のアル・タンフ空軍基地上空でASRAAMにより撃墜した。

参考：月刊軍事研究11,’12、11,’17、8,’11、10,’11、6,’12、8,’12、2,’13、3,’13、6,’13、7,’13、11,’13、3,’14、8,’14、9,’14、11,’14、12,’14、5,’15、6,’15、7,’15、8,'15、9,’15、12,’15、1,’16、2,’16、3,'16、5,'16、6,’16、7,’16、8,’16、9,’16、11,’16、1,’17、2,’17、3,’17、7,’17、8,’17、2,’18、3,’18、4,’18、6,’18、9,’18、10,’18、月刊JWings9,’12、11,’12、3,’13、9,’13、11,’13、6,’14、12,’14、2,’15、11,’15、12,'15、1,'16、2,'16、4,'16、6,’16、11,’16、12,’16、4,’17、6,’17、9,’17、12,’17、1,’18、3,’18、5,’18、6,’18、7,’18、10,’18、11,’18、12,’18、3,’19、5,’20、3,'22、月刊航空ファン3,’13、2,'16、4,'16、5,’16、6,'16、7,'16、8,’16、10,’16、11,’16、2,’17、9,’17、3,’18、5,’18、7,’18、11,’18、12,’18、1,’19、月刊世界の艦船9,’14、12,'15、1,'16、2,'16、5,’16、8,’16、6,’17、7,’17、11,’17、7,’18、月刊丸7,’14、朝雲

＜シリア・ファタハ戦線＞：シリアのイスラム過激派組織。元はヌスラ戦線で、2016年7月にアルカイダ系を離脱して改称した。カタールなどから助言を受けたらしく、他のシリア反体制派との連携強化やアメリカ有志連合からの攻撃回避が目的とされる。ただし改称後も有志連合による攻撃は継続中。参考：月刊軍事研究2,’17

＜シリア防空軍＞

＜シリア防空軍（１９８９年）＞：兵力60000名。SA-2/-3防空旅団11個、SA-6／高射砲防空旅団10個、SA-5/-8地対空ミサイル連隊２個からなる。SA-2/-3地対空ミサイル392基、SA-6地対空ミサイル200基、SA-5地対空ミサイル48基、SA-8地対空ミサイル60基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シリア防空軍（２０１５年）＞：現役兵力20000名。2K12地対空ミサイル、S-75地対空ミサイル、S-125地対空ミサイル、S-200地対空ミサイル、9K32ストレラ-2/-2M携帯地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジリアム＞：APA-57（攻撃輸送艦）を参照。

＜ジリアム級＞：アメリカ海軍攻撃輸送艦Gilliam級。S4-SE2-BD1型標準貨物船を攻撃輸送艦に改造したもので、ベースが高速小型貨物船のため積載量が少ない。LCVP13隻、LCPL１隻、LCPR１隻を搭載し、兵員986名（252名？）など600トンを積む。全長129.8m、幅17.7m、最大吃水4.72m、軽荷排水量4247トン（4087トン？）、満載排水量7081トン。主機はターボ・エレクトリック方式、ターボ発電機２基＋電動機２基、主缶はバブコック＆ウイルコックス缶２基、出力6000馬力、２軸推進、速力17.7ノット、航続距離は15ノットで5256海里。兵装は38口径12.7cm単装両用砲１門、40mm連装機関砲４基、20mm単装機関砲10門。乗員356名。APA-57からAPA-88の32隻が1944-45年に竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’15、11,’19

＜シリア陸軍＞：2007年9月のイスラエルによる原子炉爆撃を受け、防空強化に乗り出した。2008-13年、パンツィールS1Eを36個中隊700発輸入した。2010-13年、ブークM2Eを８個中隊160発輸入した。2011-13年、ペチョラ2M地対空ミサイルを12個中隊分輸入した。参考：月刊丸7,’14

＜シリア陸軍（１９７７年）＞：兵力20万名、予備役10万名。機甲師団２個、機械化師団３個、機甲旅団３個、機械化旅団１個、歩兵旅団３個、砲兵旅団２個、コマンドー大隊６個、空挺大隊４個からなる。T-34中戦車200両、T-54/55中戦車1500両、T-62中戦車800両、PT-76軽戦車100両、BTR40/50/60/152/BMT/OT64装甲兵員輸送車1600両、122mm/130mm/152mm/180mm砲800門、ISU122/152/SU100自走砲75門、140mm/240mmロケット砲、フロッグ７対地ミサイル30基、スカッド36基、120mm/160mm迫撃砲、85mm/100mm対戦車砲、スナッパー／サガー／スワッター対戦車ミサイル、23mm/37mm/57mm/85mm/100mm高射砲、ZSU-23-4、ZSU-57-2、SA-2/-3/-6/-7/-9地対空ミサイルを配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜シリア陸軍（１９８９年）＞：兵力300000名（うち徴兵130000名）、予備役392000名。軍団司令部２個、機甲師団５個、機械化師団３個、特殊部隊師団１個、独立機械化歩兵旅団２個、砲兵旅団２個、独立特殊部隊連隊７個、フロッグ／スカッド地対地ミサイル旅団２個、SS-21地対地ミサイル旅団１個、SS-21沿岸防衛地対地ミサイル旅団１個、SS-C-1B/SS-C-3沿岸防衛地対艦ミサイル旅団、沿岸防衛旅団２個、予備役機械化／歩兵旅団９個からなる。T-54/-55戦車2100両、T-62M/K戦車1000両、T-72/-72M戦車950両、BRDM-2偵察車500両、BMP-1歩兵戦闘車2350両、BTR-40/-50/-60/-152装甲兵員輸送車1450両、OT-64装甲兵員輸送車、122mm砲M-1931/37を100門（保管中）、ISU-122自走砲、122mm砲M-1938、122mm砲D-30を500門、130mm砲M-46を650門、152mm砲D-1/M-1937/M-1943、180mm砲S23、2S1自走砲72門、T-34/D-30自走砲36門、ISU-152自走砲、2S3自走砲42門、BM-21を250両、220mm多連装ロケットBM-27、BM-24、82mm/120mm/160mm/240mm迫撃砲、フロッグ７発射機18基、SS-21発射機18基、スカッドＢ発射機18基、SS-C-1B、SS-C-3、AT-3対戦車ミサイル1300基（BRDM-2自走対戦車ミサイル含む）、AT-4対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、100mm対戦車砲T-12、ZU-23-2、ZSU-23-4、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射機関砲S-60、ZSU-57-2、85mm高射砲M-1939/M-1944、100mm高射砲KS-19、SA-7/-9/-13を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シリア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力90000名。シリア内戦前の編成を維持しているのは共和国親衛隊と第４機甲師団のみである。軍司令部４個、特殊部隊師団２個（特殊部隊連隊11個、戦車連隊１個）、第４機甲師団（特殊作戦連隊１個、機甲旅団２個、機械化旅団２個、砲兵連隊１個、スカッドB/C地対地ミサイル旅団１個）、機甲師団（機甲旅団３個、機械化旅団１個、砲兵連隊１個）４個、機甲師団１個（機甲旅団３個、砲兵連隊１個）、機甲旅団２個、共和国親衛隊（機械化師団規模。機械化旅団３個、保安連隊２個、砲兵連隊１個）１個、機械化師団（機甲旅団１個、機械化旅団３個、砲兵連隊１個）１個、機械化師団（機甲旅団１個、機械化旅団３個）１個、機械化師団１個（機甲旅団１個、機械化旅団２個、砲兵連隊１個）１個、独立歩兵旅団１個、砲兵連隊３個、地対地ミサイル旅団２個からなる。装備は内戦により大幅に損耗しており、どれくらいが運用可能状態にあるかは不明。T-55A/T-55AM/T-55AMV戦車、T-62戦車、T-72/T-72AV/T-72B/T-72M1戦車、BRDM-2偵察車、BMP-1/-2歩兵戦闘車、BTR-82A歩兵戦闘車、BTR-50/-60/-70/-80/-152装甲兵員輸送車、122mm自走砲2S1、122mm砲D-30搭載T-34/85自走砲、130mm砲M-46搭載トラック、152mm自走砲2S3、122mm砲D-30、120mm砲M-30（M1938）、130mm砲M-46、152mm砲D-20、152mm砲ML-20（M1937）、180mm砲S-23、63式107mm自走多連装ロケット、122mm自走多連装ロケットBM-21グラッド、140mm自走多連装ロケットBM-14、220mm自走多連装ロケット9P140ウラガン、300mm自走多連装ロケット9A52スメルチ、330mm多連装ロケット、82mm迫撃砲、120mm迫撃砲M-1943、160mm迫撃砲M-160、240mm迫撃砲M-240、9P133自走対戦車ミサイル、9P148自走対戦車ミサイル、9K111/9K113/9K115/9K115-2/9K116-1/9K135対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、105mmロケットランチャーRPG-29、9K31/9K33/9K35/9K37/9K317/96K6自走地対空ミサイル、9K32/9K36/9K38/9K338携帯地対空ミサイル、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4、57mm自走高射砲ZSU-57、57mm高射砲S-60搭載2K12車台、23mm高射機関砲ZU-23、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射砲S-60、100mm高射砲KS-19、スカッドＢ／Ｃ／Ｄ地対地ミサイル、9K79地対地ミサイル、ファテフ−110/M-600地対地ミサイル、BREM-1装甲回収車（を保有しているという報告あり）、T-54/55戦車回収車、UR-77地雷戦車両、MTU戦車橋、MTU-20戦車橋、モハジール３／４無人機、アバビル無人機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シリアルナンバー＞：Serial number。軍用機の機体に割り振られた通し番号。参考：JWings8,’03

　＜シリアルナンバー（アメリカ海軍・海兵隊機）＞：正式名称ビューロ・エアクラフト・シリアルナンバー、略称ビューロナンバー（局番号、BuNo）で、海軍航空局（ビューロ・オブ・エアロノーティクス）が付けるためこう呼ばれる。海軍に納入された機体の通し番号で、1940年納入のSB2C-1に00001が付けられた。今は170000を超えている。水平尾翼付け根下方あたりの機体側面にフルナンバーを付けるが、他にも機首などにフルナンバーが書いてあったりする。垂直尾翼に下3-4桁を書いたものはコールナンバーと呼ばれる。参考：月刊JWings4,’12、4,’07、11,’17、7,’22

　＜シリアルナンバー（アメリカ陸空軍機）＞：機体発注を行った会計年度の下２桁と、調達機体の通し番号（空軍は基本的に４桁だが、発注が10000を超えると５桁になる。KC-46Aは頭２桁に46を付けた46001以降。陸軍は20000台の５桁で、CH-47Fだけ０から始まる５桁）をハイフンで繋ぎ、最後に空軍所属ならＡ、陸軍ならＧ、州航空隊ならＮを加えて表示する（No.75-0018A）。あくまでも発注した年度なので、納入された時には2-3年経っている。通し番号はその年度に発注されたミサイルなどもひっくるめて順番に付けられており、キャンセルがあると欠番が出る。更に機体に記入する時にはしばしば通し番号の最初のゼロや、会計年度番号、会計年度番号の上１桁が省略されてしまうので分かりにくい。尾翼にはラジオコールナンバーを記入する。参考：月刊JWings4,’12、6,’00、4,’07、2,’20

　＜シリアルナンバー（イギリス）＞：ＩとＯを除くアルファベットと、数字３文字（100から999）を組み合わせてある。1940年まではアルファベット１文字と数字４文字だったが、Z9999まで埋まったため、AA100から再スタートした。参考：月刊JWings4,’07

　＜シリアルナンバー（海上自衛隊）＞：垂直安定板に付いている４桁の番号。左端が機種で、２（単発対潜哨戒機）、４（双発対潜哨戒機）、５（４発対潜哨戒機。P-3C、P-1）、６（練習機。T-5、TC-90）、７（練習・連絡機）、８（ヘリコプター。OH-6DA、MH-53E、MCH-101、CH-101、SH-60J/K、UH-60J、USH-60K、TH-135）、９（汎用機。LC-90、US-1A/-2、YS-11M、U-36A、OP-3C、UP-3C、UP-3D、EP-3、C-130R、UP-1）が割り振られている。右３桁はラジオコールナンバーである。参考：JWings3,’20、4,’12、2,’15

　＜シリアルナンバー（航空自衛隊）＞：垂直尾翼に付いている６桁の番号。左端の数字は機体領収年号で、領収年（納入された年）の西暦下１桁。２番目が登録順位で、導入を決定した機種順に割り振られている（０：KAL-2、F-1、B747、B777-300ER。１：C-46、E-2D、H-19、T-3、T-33、T-34、T-400、X-2。２：YS-11、F-15J/DJ、F-86F、H-21、T-6、U-125A。３：B-65、MU-2、F-2A/B、S-62J、T-28、バンパイア。４：E-2C、F-86D、KV-107�U、E-767。５：C-130、T-1、U-4。６：F-104J/DJ、T-4、T-7。７：CH-47J、F-4、RF-4E/EJ、KC-767。８：UH-60J、C-1、C-2。９：T-2、U-125、F-35A）。ハイフンの右脇が航空機の機種番号（０：X-2。１：輸送機。３：その他固定翼機。４：ヘリコプター。５：練習機。６：偵察機。８：戦闘機）。残り３桁が製造順番号（ラジオコールナンバー）。参考：JWings3,’20、4,’12、8,’03、2,’19、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究2,’17

　＜シリアルナンバー（陸上自衛隊）＞：機首や機体側面に記入された５桁の数字。最初の１桁が機種で、０が特別輸送機（EC-225LP）、１が固定翼観測機、２が固定翼汎用機（LR-1、LR-2）、３が観測ヘリ（OH-1、OH-6D）、４が小型輸送ヘリ（UH-1H、UH-1J、UH-60JA）、５が中型輸送ヘリ（CH-47J、CH-47JA）、６が練習ヘリ（TH-480B）、７が対戦車ヘリ（AH-1S、AH-64D）、８が固定翼練習機、９がMV-22B。下４桁がラジオコールナンバーである。参考：月刊JWings4,’12、3,’20

＜シリーズ３０＞：サジェム社／サフラン社の非貫通式電子光学マスト、略称SMS（Search Mast System、捜索マスト・システム）。電子光学センサー、ESM/DF、GPS、通信アンテナを統合している。フランス海軍シュフラン級攻撃原潜、スコルペヌ級潜水艦、スウェーデン海軍A19型ゴトランド級潜水艦（改装）、A26型ブレキンゲ級潜水艦、韓国海軍KSS-3型潜水艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船12,’21

　＜シリーズ３０ＡＯＭ＞：攻撃用Attack Optronic Mast。上端が細身になっていて、ステルス性が高い。参考：月刊世界の艦船12,’21、6,’23

　＜シリーズ３０ＳＯＭ＞：捜索用Search Optronic Mast。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜シリーズ２５００＞：イギリス海軍の艦載電子光学方位盤、略称EOGCS（Electro-Optical Gunfire Control System、電子光学方位盤式射撃統制装置）。ウルトラ・エレクトロニクス社が開発した。可視光・赤外線撮像装置とレーザー測距器（探知距離30km以上）を架台に搭載しており、目標捜索追尾を行う。GSA9砲射撃指揮装置の一部を構成して30mmから155mmまでの艦砲に対応し、目標（航空機、水上艦、対艦ミサイル、浮遊機雷など）捜索、飛行甲板監視、航海支援にも使用できる。45型駆逐艦やクイーン・エリザベス級に搭載された。オーストラリア海軍ホバート級イージス駆逐艦も搭載している。参考：月刊世界の艦船3,’22、月刊軍事研究12,’09

＜シリーズ式ハイブリッドエンジン＞：ハイブリッドエンジンを参照。

＜シリーズ・パラレル式蒸気タービン＞：蒸気タービンを参照。

＜シリーズ・パラレル式ハイブリッドエンジン＞：ハイブリッドエンジンを参照。

＜シリウス＞：F40（リアンダー級フリゲート）またはO226（オーストラリア海軍給油艦）またはT-AFS-8（戦闘給糧艦）を参照。

＜シリウス＞：シグナール社／タレス・ネーデルランド社の長距離赤外線捜索追尾装置SIRIUS。IRSCANの改良型で、2000年代に開発された。シースキミングミサイル、水上目標、浮遊機雷の探知追尾用赤外線センサーで、300×８素子のTDI（時間遅延積分）方式長波赤外線センサー（波長8-10ミクロン）と300×10素子のTDI方式中波赤外線センサー（波長3-5ミクロン）を冷却システム付きのヘッドに搭載しており、１分間に60回転する。センサー頭部両側に開いているセンサー窓は開口径150mmで、視野角3.8度（狭視野捜索でマイナス１度からプラス2.2度、広視野捜索でマイナス１度からプラス5.1度）、目標分解能0.23ミリラジアン。センサーヘッド自体の俯仰（マイナス４度からプラス68度）も可能である。超音速ミサイルは中波赤外線センサーで、シースキミングしてくる亜音速ミサイルは太陽光の反射に惑わされにくい長波赤外線センサーで探知する。赤外線素子は絶対温度80度に冷却されており、信号は16ビットのデジタル信号に変換されて伝達される。センサーヘッドには水平精度0.1-0.2ミリラジアンの２軸安定化装置が付いており、揺れる海上でも目標追尾精度0.25ミリラジアンという正確な情報が得られる。方位盤としても使用でき、追尾可能目標数は1500以上、うち優先目標128を武器システムに送り、最優先の32目標に対して警告を発する。センサー重量280kg。探知距離12km（亜音速ミサイル）／17.5km（超音速航空機）。ブースト段階の弾道ミサイルから発せられるロケット噴射炎の探知も可能で、数百キロ離れた所から探知できるという。オランダ海軍デ・ゼーベン・プロヴィンシェン級フリゲート、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートHCM/FELEX、ドイツ海軍ザクセン級フリゲートなどに搭載された。参考：月刊軍事研究10,’06、11,’06、5,’01、4,’18、月刊世界の艦船12,’21

＜シリウス級＞：アメリカ海軍戦闘給糧艦Sirius級。1980年前後の中東情勢の悪化に際し、ペルシャ湾とインド洋に展開する空母戦闘群の補給艦不足を補うため、イギリスのライネス級３隻を1981-1983年にチャーターし、1982-84年に順次購入したもの。当初からMSCに所属しており、1992-96年に高速移送装置の装備、２機分のヘリコプター格納庫新設、通信設備の改良などを受けた。補給ステーションは片舷３基ずつで、１番ステーションのみ液体貨物を扱う。全長159.7m、全幅22m、満載排水量16792トン。主機はディーゼル１基１軸11520馬力、最大速力18ノット。乗員108-119名、海軍軍人29-49名。T-AFS-8シリウス、T-AFS-9スピカ、T-AFS-10サターンが1981-84年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜シリウス級＞：オーストラリア海軍給油艦Sirius級。韓国で建造された民間タンカーを軍用に改装したものである。環境対策のため、船体はダブル・ハル構造を取っている。艦中央やや後ろ寄りの両舷に補給ポストが１本ずつ立っており、その前方の艦中央にクレーン１基が用意されている。各種燃料34806キロリットルとドライカーゴ240トンを搭載可能。全長191.3m、満載排水量46017-46755トン。主機はディーゼル、速力16ノット。2006年にO226シリウスが就役した。参考：月刊世界の艦船7,'21、6,’09、12,’17、月刊JWings10,’20

＜シリ級＞：209/1300型潜水艦（エクアドル海軍）を参照。

＜シリ級＞：ナイジェリア海軍ミサイル艇。フランスのコンバタント級を導入したものである。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル連装発射筒２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜自律火災抑制システム＞：AFSS（Autonomic Fire Suppression System）と略す。DD-21ズムウォルト級に搭載を予定している艦内火災自動消火システムで、火災センサー、火災状況監視カメラ、自動消火装置などを統合したものである。退役したDD-969などに搭載して試験中。参考：月刊軍事研究5,’08

＜自律型水中航走式機雷探知機（その１）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜自律型水中航走式機雷探知機（実用試験用）評価器材＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜自律システム＞：電波航法の１つで、移動体に搭載されたセンサーにより位置を計測し、目的地に誘導するものである。参考：図解・電波のしくみ

＜自律車体実証車＞：アメリカ軍が2010年代初めに製作した武装UGV試験車両で、APD（Autonomous Platform Demonstrator）と略す。６×６輪車両にセンサー・ターレットを装着している。全長4.6m、全幅2.5m、全高2.2m、全備重量9.3トン。直列ハイブリッド電気駆動で、モーター出力1046馬力、最大速度路上80km、路外45km。参考：月刊軍事研究2,’17

＜シリット＞：シリティ（誘導ロケット）を参照。

＜自立ナビゲーションシステム＞：ANSと略す。アメリカ陸軍が開発中のFCSに搭載予定の無人操縦システムである。ノースロップ・グラマン社が開発を担当し、ファイバーオプティックジャイロLN-270PLANS地上ナビゲーションシステム、衛星通信リンク、GPSアンテナ２基、内蔵選択式対妨害モジュール付きGPS、対妨害ユニットから構成される。参考：月刊軍事研究8,’09

＜自律兵站情報システム＞：F-35戦闘機の兵站管理システムで、ALIS（Autonomic Logistics Information System）と略す。F-35の運用管理、整備、補給、予備部品在庫管理・出荷・配送、予算管理を統合して実施するシステムで、自律兵站地球規模支援システムALGSを構成し、F-35各機の飛行時間や自己診断システム情報、配備・展開基地や整備拠点にある予備部品の状況などを全世界規模で把握、F-35の整備や予備部品の補充などを手配する。予備部品在庫を最小限にしつつ、必要な時に迅速な整備補給を可能としており、可動率向上と整備費用削減に貢献している（筈だった）。世界的な通信網を形成するため、サイバー攻撃への対処が重要となる。サーバー重量は予備電源含め800ポンド・363kg超、ハードウェア総重量891ポンド・404.5kg。開発中に次々とバージョンアップと不具合の解消が行われており、2015年12月にF-35B量産機がスチール・ナイト演習に参加した際はALISスタンダード・オペレーティング・ユニット・バージョン２を初使用した。2017年1月、岩国基地へのF-35B配備に伴い、ALISも運ぶことになったが、F-35Bと一緒にアラスカを経由すると低温の影響で不具合を生じる可能性があったため、ハワイ経由の別便で運んだ。4月26日、ALISリリース2.0.2ソフトウェアのアメリカ空海軍基地への導入承認が下りた。6月22日にユマ航空基地でリリース2.0.2に更新したが、問題が発生してVMFA-211のF-35Bが飛行停止となった。6月23日には解決して飛行停止処分も解除されている。ALISリリース2.0.2.2でF-135エンジンのデータが扱えるようになり、飛行後のエンジンデータ取得にかかる時間が数時間から5-10分に短縮された。9月、ネリス空軍基地でリリース2.0.2.4.4ソフトウェアのテストを開始。不具合解消後、11月からネリス空軍基地にリリース2.0.2.4.4を配備した。ただしセキュリティ検査のテストは間に合わず、2018年に入っても試験を継続している。2017年12月7-11日、CVN-72エイブラハム・リンカーンで初の空母艦上運用を行った。リリース3.0が初期バージョン完成版で、開発は2017年3月に完了しており、テストを経て2018年半ばに完成予定である。2019年初め、リリース3.1になった。2019年半ばに不具合解消（300件以上）版のリリース3.5に進み、2020年半ばにウインドウズ10対応のリリース3.6、2021年半ばに訓練・個人装具・腐食管理機能を追加しスペアパーツ管理能力を強化したリリース3.7になる予定。リリース4.0はこれまでの運用結果や輸出国の意見を取り入れたC2D2（連続的能力開発・納入）仕様となる。しかし不具合が多発しまくって解決しきれなかったらしく、運用要員に対する訓練も不十分でデータ入力ミスの修正に余計な時間を取られるといった問題が頻発、機材が大きすぎて機動展開も容易でなく、2020年3月6日のアメリカ議会政府説明責任局の報告書でもシステムが適切に機能しているとは言い難く全面再設計が必要と指摘される始末で、2022年12月までに運用情報統合ネットワークODINに換装することになった。参考：月刊JWings7,’16、4,’17、7,’17、9,’17、3,’18、5,’18、11,’18、6,’19、2,’20、4,’20、6,’20、1,'21、2,'21、4,'22、月刊航空ファン7,’17、月刊軍事研究10,’18、9,’18、朝雲

＜自律兵站地球規模支援システム＞：F-35戦闘機の維持管理・訓練支援システムで、ALGS（Autonomic Logistics Global Sustainment）の略。機体管理システム（各機の状態をネットワークで常時監視し健全性管理や故障予知を行う）、自律兵站情報システムALIS、先進訓練システム（機上ソフトウェアによる模擬訓練を含むパイロットと整備士に対する個別・統合訓練装置）で構成される。参考：朝雲

＜シリティ＞：シリット（Cirit）かも。トルコのロケットサン社が開発中の誘導ロケット。70mmFFARにセミアクティブ・レーザー誘導装置を取り付けたもので、弾頭は対装甲、対人、焼夷の３種類である。全長1.9m、重量14kg。最大射程8km。2008年にAH-1Sからの発射に成功、2011年から生産予定で、T-129にも搭載される。UAE軍も2013年2月にAT-802U軽攻撃機／AH-64攻撃ヘリ用として数千発の緊急導入を決めたが、タロン誘導ロケットの方が先に量産に入ったため、どうなるかは不透明。参考：月刊軍事研究8,’09、7,’10、8,’11、3,’15

＜尻矢＞：日本海軍知床型給油艦Shiriya。大正11年2月8日竣工、運送艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争勃発時は建制上は連合艦隊補給部隊、兵力部署では機動部隊ミッドウェイ破壊隊に所属していた。昭和17年5月10日、舵の流出事故を起こした。昭和18年9月22日（昭和19年9月21日？）、台湾の基隆北東90海里でSS-237トリガーの雷撃により沈没した。10月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜資料隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の部隊。防衛庁長官直轄で、防衛や警備に必要な国内外の各種資料を収集分析し、海上幕僚監部に提供する。参考：日本の防衛戦力Part3

＜資料隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の部隊。アメリカ陸軍軍事情報業務機関（MISO）を参考にしており、主任務は外国文書翻訳、外国情報資料分析、通訳業務、捕虜尋問、地誌整備管理配布などである。1954年9月、越中島で新編された。1956-60年に改編を受け、桧町に中央資料隊を設置、各方面隊に方面資料隊を創設した。1978年、方面資料隊が方面総監部調査部資料課となった。1996年、中央資料隊が市ヶ谷駐屯地に移動。1997年、人員が200名から160名に減った。参考：月刊軍事研究7,’97

＜資料伝送処理装置用ソフトウェア（その２）＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜シリング＞：デビッド・シリング。1918年12月15日、カンザス州生まれ。第２次大戦では22.5機を撃墜、10.5機を地上撃破した。1956年8月14日、交通事故で死亡した。最終階級は大佐。参考：歴史群像6,’10

＜シリング舵＞：断面形状を工夫（魚のような形をしている）して舵角45度以上でも失速を起こさないようにした舵。参考：図解雑学　船のしくみ

＜シリンダ＞：チョーク（散弾銃）を参照。

＜シリンダー＞：Cylinder。回転式拳銃の弾倉のこと。同一円周上で、等間隔に複数の薬室を有する円柱状の弾倉で、回転弾倉とも呼ぶ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜シリンダー・ギャップ＞：回転式拳銃の銃身後端と、シリンダー前面との隙間のこと。狭いと火薬カスでシリンダーが回らなくなり、広いとガスが漏れて弾丸威力が落ちる。M1895ナガン・ピストルは射撃時にこれを塞ぐ機構が設けられている。参考：GUN用語事典

＜シリンダー・バネ式装填機＞：油圧シリンダーによって装填ロッドを装填開始位置まで伸ばし、圧縮されたバネの力で装填ロッドから突き出す装填アームにより弾薬を装填する方式の装填装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜シリンドリカル・バウ＞：ニミッツ級空母9-10番艦やジェラルド・Ｒ・フォード級空母に装着されている、改良型バルバス・バウ。バルバス・バウの下部を前に突き出させ、更なる推進効率・船体安定性向上を図っている。参考：月刊世界の艦船2,’16

＜ジル＞：天山シリーズ（艦攻）を参照。

＜シルヴァニア＞：AFS-2（戦闘給糧艦）またはAKA-44（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜シルカ＞：ZSU-23-4（自走対空機関砲）を参照。

＜シルクパース＞：EC-135H（コマンドポスト機）を参照。

＜シルクワーム＞：海鷹１型（空対艦ミサイル）または海鷹１型（地対艦ミサイル）を参照。を参照。

＜シルステル＞：南アフリカのデネル社が開発したノーターヘリ、Cirstel。エンジン排気をテイルダクトに導いてメインローターのダウンウォッシュにより冷却し、尾部側面から噴射することでメインローターのトルクを打ち消す。テイルローターが無いので安全性や静粛性に優れており、排気が冷却されるので赤外線輻射も減少する。参考：月刊軍事研究3,’97

＜シルセ＞：フランス海軍シルセ級潜水艦Circe。1929年竣工。1942年12月8日、ビゼルトで接収されてイタリア海軍FR.117になった。1943年5月にビゼルト港で自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シルセ級＞：フランス海軍機雷掃討艇Circé級。船体は木製で、DUBM-20機雷探知用ソナーとPAP-104機雷処分具、フロッグマンによる機雷掃討を主任務としており、掃海具は搭載していない。全長50.9m、幅8.9m、吃水3.4m、基準排水量460トン。主機はディーゼルで、速力15ノット。兵装は20mm機関砲１門。乗員48名。1972-73年にシベルなど５隻が就役した。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、月刊軍事研究7,’95

＜シルセ級・海外シリーズ＞

　＜シルセ級（トルコ海軍）＞：トルコ海軍掃海艇。1997年9月24日に契約を結び、1998-99年にフランスから５隻を導入した。船体はラミネート樹脂製で、船型は長船首楼型。船尾甲板に掃海具や揚収用クレーンを積んでおり、作業の邪魔にならないよう、船尾旗竿を船首楼後端に刺している。全長167フィート／50.9m、排水量508トン。掃海装備はトムソン・マルコーニ社製DUBM21D改掃海ソナー、PAPプラス遠隔操作式機雷掃討処分水中艇２隻、戦術データシステムで、精密航法システムも装備する。M261エドレミト、M263エルデクなど５隻が就役した。参考：月刊軍事研究7,’95、月刊世界の艦船8,’20

＜シルセ級＞：フランス海軍潜水艦Circe級、別名シュナイドル・ローブーフ級。1922年度計画で12隻の建造が決定した600トン型潜水艦のうち、シュナイドル社で製作された４隻を指す。艦首下方に潜舵を持つ。全長62.5m、幅5.4m、吃水3.9m、水上排水量615トン。主機はディーゼルと電動モーターで、出力1250馬力、速力14ノット。武装は55cm魚雷発射管７門で、艦首に１門、上構内前中後部に２門ずつを装備する。また、7.5cm単装砲１門を搭載している。シルセ、カリプリ、テティス、ドリスが1929-30年に就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シルドクレーテ＞：ドイツ軍の試作水陸両用装甲車、Schildkrote（亀）。1942年にトリッペル製作所が２両を試作、更に統制３型車体をベースとした１両を製作した。全長5.18m、全幅1.9m。装甲厚は14.5mm-5.5mm。エンジンはタトラ社製空冷Ｖ型８気筒（70馬力）。20mm機関砲MG151を搭載したタイプや弾薬運搬車型なども試作され、1944年までテストが続けられたが、結局必要無しとして量産されなかった。参考：ジャーマンタンクス

＜シルトプト＞：Ｔ�Z（G7ut）魚雷を参照。

＜シルヌイ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートSilny。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜シルバー・イーグルス＞：VMFA-115（海兵戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜シルバー・コンパス＞：シルバーはラテン語で「森」の意味。距離測定スケールの付いたプラスチック板に方位磁石とルーペが装着されている。参考：コンバット・バイブル２

＜シルバーサイズ＞：SS-236（ガトー級潜水艦）またはSSN-679（スタージョン級攻撃原潜）またはSSN-807（ヴァージニア級攻撃原潜）を参照。

＜シルバースターＭｋ.１＞：T-33海外シリーズ（練習機）を参照。

＜シルバースターＭｋ.２＞：T-33海外シリーズ（練習機）を参照。

＜シルバースターＭｋ.３＞：T-33海外シリーズ（練習機）を参照。

＜シルバースター章（アメリカ陸軍）＞：Silver Star（SS）。戦闘に於いて卓越した勇敢な行為を行った将兵に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜シルバースタイン＞：DE-534（護衛駆逐艦）を参照。

＜シルバー・チップ＞：フル・メタル・ジャケット弾の被銅先端をカットし、アルミニウムのチップを付けたもの。ウインチェスター社が開発した。参考：GUN用語事典

＜シルバートン＞：L115（駆逐艦）を参照。

＜シルバーバレット＞：B61シリーズ（核爆弾）またはM829A1（劣化ウラン弾）を参照。

＜ジルバーフォーゲル＞：アンチポーダル・ボマー（計画爆撃機）を参照。

＜シルバー・フォックス＞：アメリカ海軍の小型無人機で、スティレット実験艇に搭載される。機体前部がエンジン、中央部が主翼と燃料タンク・任務用ペイロード部、後部が垂直・水平尾翼となっていて、航法用にGPSを搭載する。任務用ペイロードにはFLIR、電子光学カメラなどを搭載可能で、20海里先までデータを転送できる。全長1.47m、全幅2.4m、最大離陸重量12kg、ペイロード2.27kg。エンジンは単気筒レシプロエンジン（排気量25cc、使用燃料JP5またはJP8）で、最大速度102km、任務飛行高度150-365m、上昇限度3657m、搭載燃料2.6リットル、航続時間8-10時間。重量34kgの小型カタパルトで発進し、胴体のソリで着陸する。参考：月刊軍事研究11,’06

＜シルバーフラッグ訓練＞：アメリカ太平洋空軍施設部隊訓練。滑走路などの基地被害復旧や基地防護を訓練する。2015年、航空自衛隊がオブザーバー参加した。2016年11月29日から12月8日、航空自衛隊から隊員28名が初参加し、アンダーセン空軍航空基地で行われた。参考：月刊航空ファン2,’17

＜シルバープレート＞：B-29シリーズ（爆撃機）を参照。

＜シルバー・マーリン＞：エルビット・システムズ社が開発したUSV。全長10.6m、ペイロード2.5トン。主機はディーゼル（315馬力）で、最大速力81km。参考：月刊丸5,’07、月刊軍事研究8,’10

＜シルベール＞：フランスのDCNS社が開発したアスター15/30用垂直発射機Sylver（SYstème de Lancement VERtical）。スタンダードやトマホークの発射はできなかったが、後にバリエーション化して対応するものも登場した。参考：月刊軍事研究12,’09、5,’01、月刊世界の艦船12,’18

　＜シルベールＡ３５＞：小型バージョン。１基４セル構成で、MICAやVT1に対応する。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜シルベールＡ４３＞：中型バージョン。１基８セル構成で、アスター15を発射できる。空母カブール、空母シャルル・ド・ゴール、FREMM級フリゲート（フランス海軍対潜型）に搭載された。参考：月刊軍事研究12,’09、月刊世界の艦船2,’20

　＜シルベールＡ５０＞：大型バージョンで、最初に完成した。１基８セル構成で、アスター15/30を発射できる。45型駆逐艦、ホライズン級駆逐艦、FREMM級フリゲート（イタリア海軍型）、FREMM級フリゲート（フランス海軍対空型）に搭載された。参考：月刊軍事研究12,’09、月刊世界の艦船2,’20、12,’19

　＜シルベールＡ７０＞：SM-2やTACTOMも発射できるタイプ。１基８セルで構成される。フォルバン級フリゲートに搭載された。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ジルモット＞：L89（コルベット）を参照。

＜シレ＞：S-527（潜水艦）を参照。

＜司令旗（日本海軍）＞：日本海軍の旗章。旗は白地で、旗竿の反対側が燕尾になっており、燕尾を除いた部分の中央に日の丸が描かれていて、上下左右に旭光が出ている。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜司令車＞：コマンドポストを参照。

＜指令照準線一致方式＞：CLOSを参照。

＜司令塔＞：Conning tower。潜水艦のセイル付け根あたりにある指揮所で、真上に艦橋、真下に発令所がある。潜望鏡を発令所の上に設置して高く上げられるようにし、潜望鏡深度を深くするために設けられた。射撃指揮装置、航海機器、通信機器などが用意されており、主に攻撃時に使用される。セイル付け根が太くなるので水中速度が落ちるという欠点があり、第２次大戦後に廃れて発令所に全機能が集中された。参考：月刊世界の艦船6,’13、9,’12増刊、日本潜水艦物語、続潜水艦気質よもやま物語

＜司令部戦術指揮センター＞：戦術旗艦指揮センターを参照。

＜司令部連絡系ＩＰ交換装置＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜司令部連絡系交換装置＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜司令部偵察機＞：日本陸軍の軍用機カテゴリーの１つ。九七式司令部偵察機の開発にあたり、陸軍航空本部兵器研究方針の昭和12年度改訂で誕生した。「情報の迅速な収集と連絡に任じ、挺身的に使用しうる高速機」、つまり敵地内部で偵察行動にあたる高速戦略偵察機のことである。後方奥深くの敵情を偵察して戦場の大局を把握するのが主任務で、発見した重要目標は必要ならば爆撃機に爆撃してもらう。九七式司令部偵察機は昭和12年に制式化され、後継として一〇〇式司令部偵察機が制式化された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸11,’72、月刊JWings4,’20

＜司令部等用装置�T型＞：陸上自衛隊のシェルター搭載トラック。シェルター内部を簡単な司令部施設（人事、総務、会計などの業務を行う）として使用できる。参考：月刊PANZER1,’11

＜指令誘導式＞：Command Guidance（CG）。ミサイル誘導方式の１つで、ミサイルを遠隔操縦して目標まで誘導する方式である。操縦信号によって無線コマンドリンク、有線誘導、レーザー・ビーム・ライディング、レーダー・ビーム・ライディング、指令照準線誘導などに分かれる。ミサイル発射母体の誘導指示は面倒で、同時多目標対処能力を持たせるのも難しいが、ミサイル自体の構造は単純化できる。参考：月刊JWings4,’02、月刊世界の艦船8,’82増刊、1,’15増刊、11,’17

＜シレイラ＞：MGM-51シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜シレーナ＞：フランスのラクロワ社が開発した艦船搭載用デコイ発射システムDLS（Decoy Launching System）、Sylena。発射機は箱状をしており、内部にSEALEM電波デコイ（全長1100mm、直径62mm）12発とSEALIR赤外線デコイ（全長420mm、直径80mm）２発を搭載する。リアクションタイムは２秒で、最大200m先で炸裂、40秒間デコイ効果を維持する。総重量250kg。その後、コーナー・リフレクター型デコイも射出可能となり、発射機の大きさ別にシレーナLW（Light Weight）、シレーナMk1、シレーナMk2の３種類が誕生、シレーナMk2では対魚雷デコイも射出できるようになった。参考：月刊軍事研究2,’07、月刊世界の艦船5,’22

＜シレーヌ＞：フランス海軍シレーヌ級潜水艦Sirene。1927年竣工。1942年11月にツーロンで自沈した。イタリア海軍に引き揚げられたが、1944年に連合軍の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜シレーヌ級＞：フランス海軍潜水艦Sirene級、別名ロワール・シモノ級。1922年度計画で建造された12隻の潜水艦のうち、ロワール造船所で製作された４隻を指す。全長64m、幅5.4m、吃水4.3m、基準排水量609トン。主機はディーゼルと電動モーターで、出力1300馬力、速力13.5ノット。兵装は55cm魚雷発射管７門、7.5cm単装砲１門。シレーヌ、ナンフ、ナイヤード、ガラテの４隻が1927年に就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ジレット＞：DE-270（エヴァーツ級護衛駆逐艦）またはDE-681（バックレイ級護衛駆逐艦）を参照。

＜しれっとする＞：日本海軍用語で、物事に動じないこと。参考：帝国陸海軍事典

＜しれとこ＞：LST-4003（輸送艦）を参照。

＜知床＞：日本海軍知床型給油艦Shiretoko。大正9年9月20日竣工、運送艦に類別された。昭和3年、40cm砲塔運搬のための改装工事を受け、後部マストを重量物の扱いに耐えられる三脚式とし、給炭設備も設置した。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第４艦隊補給部隊に所属していた。昭和17年10月9日、東京湾第２海堡で座礁した。昭和18年9月12日、クェゼリンの西150海里でアメリカ潜水艦の雷撃により中破した。11月13日、マリアナ諸島西方でアメリカ潜水艦の雷撃により中破した。昭和19年10月7日、マニラ北西でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。昭和20年2月1日、シンガポールで修理中に爆撃を受けて沈没し、4月1日に除籍された。昭和21年11月29日に浮揚されて解体された。参考：日本海軍特務艦艇史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜知床型＞：日本海軍運送艦（給油艦。知床は給炭油艦）Shiretoko型。１番艦は能登呂だが、後に水上機母艦に改造されたため、２番艦がタイプ名になっている。外地からの輸入石油還送が主任務で、八四艦隊計画で２隻、八六艦隊計画で５隻が建造された。イギリスから輸入した給油艦野間を参考にしている。上甲板中央や艦尾甲板に給油管を受け渡しするデリックポストとデリックブームが設けられているが、平時のタンカー任務がメインのため、速力は遅く、竣工時には洋上給油設備を持っていなかった。給油艦と言いつつ１番艦能登呂は水上機母艦にされ、知床は砲塔運搬、襟裳は無線傍受、佐多は潜水艦救難にも使用されている。全長139.5m、垂線間長138.68m、最大幅17.68m、吃水8.08m、総トン数7000トン、基準排水量14050トン、常備排水量15400トン、重油搭載量8000トン（9000トン？）。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼円缶（石廊は艦本式水管缶）４基、出力3750馬力、１軸推進、速力12.0ノット、石炭搭載量1350トン。兵装は三年式45口径12サンチ単装砲２門（佐多、鶴見、尻矢は三年式50口径14サンチ単装砲２門）、三年式40口径８サンチ単装高角砲２門。乗員142名（石廊は157名）。能登呂、知床、襟裳、佐多、鶴見、尻矢、石廊の７隻が大正9-11年に竣工した。参考：日本海軍特務艦艇史、小艦艇入門、敷設艦 工作艦 給油管 病院船

＜シレナ・シリーズ＞：ソ連のレーダー警戒装置。1970年代前半から装備が開始されたらしい。参考：月刊エアワールド1,’00

　＜シレナ�T＞：

　＜シレナ�U＞：

　＜シレナ�V＞：SPO-15ともいう。参考：月刊エアワールド1,’00

　＜シレナ�V（３６０°）＞：

＜シレナＵＭＥ＞：ソ連海軍の水中工作員輸送艇。全長11.3m、直径533mm、自重420kg、総重量1644kg。速力４ノット、航続距離８海里、潜航深度40m。乗員２名。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜白馬丸＞：日本郵船Ｃ型戦時標準船。総トン数2858トン。昭和19年3月7日竣工。しかし作業不良が多すぎて航海に耐えず、大阪の木津川ドックで応急修理を行い、その後も乗員が適宜修復して漸く輸送任務に就いている。昭和19年11月10日、モマ〇七船団の一員として六連島泊地を出港し、フィリピンに向かった。11月19日、高雄に入港。11月30日、マニラに到着。12月5日、第８次多号作戦に参加してマニラを出港。12月7日、サンイシドロ沿岸でB-24爆撃機の爆撃を受けて沈没した。参考：戦時標準船入門

＜しろがね丸＞：日本海軍貨物船。垂線間長96m、幅14.2m、深さ7.5m、満載吃水6.389m、総トン数3130トン、重量トン数4836トン。主機は三連成レシプロ蒸気機械１基１軸2210馬力、航海速力11ノット、最大速力13.683ノット。昭和13年12月10日竣工。太平洋戦争勃発で日本海軍に徴用され、特設運送船となった。昭和17年9月19日、トラックからブーゲンビル島に向かう途中でブーゲンビル海峡北方においてSS-219アンバージャックの雷撃を受け、大破した。駆逐艦天霧に曳航されて9月20日にブインに擱座、放棄された。参考：月刊世界の艦船6,’14

＜白紙＞：太平洋戦争時、日本が徴用工を集めるために発行した徴用令状のこと。平時産業と中小企業統廃合で浮いた人員を軍需産業に投入する目的だったが、不慣れな職場を転々とする羽目になり、士気も上がらず、昭和19年7月の段階で欠勤率が21%もあった。参考：歴史群像12,’03

＜白熊＞：初の韓国国産地対地ミサイル、NHK1ベツコム。ナイキ・ハーキュリーズの地対地バージョンである。推進は固体燃料ロケットで即応性があり、慣性誘導によりCEPは50m、射程180kmで、休戦ラインから平壌を狙えた。1978年9月26日に発射実験に成功したが、アメリカの圧力で実戦配備はされなかった。参考：月刊丸12,’11、月刊軍事研究3,’02

＜シロコ＞：ル・コルセール（ル・アルディ級駆逐艦）を参照。

＜シロコ＞：フランス海軍ブーラスク級駆逐艦Siroco。1927年竣工。1940年、ダンケルク撤退でドイツ魚雷艇S-23の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、写真集ドイツの巡洋艦

＜白作戦＞：第２次大戦劈頭のドイツ軍によるポーランド侵攻作戦、ファル・ヴァイス。1938年10月、ヒトラーはポーランドに対してベルサイユ条約でポーランドに割譲したダンツィヒの返還を要求。1939年3月21日にも返還を要求した。5月、ポーランド外相が国会でこれを拒否する演説を行った。当時、ポーランド軍は戦時動員兵力250万名、歩兵師団29個、騎兵師団11個、機械化旅団２個を有しており、戦闘機277機、爆撃機269機、偵察機など199機（うち第一線機はP.7a戦闘機30機、P.11a戦闘機21機、P.11c戦闘機107機、爆撃機86機、偵察機／攻撃機160機）と戦車190両（7TPが169両、ヴィッカーズ６トン戦車が50両、ルノーR35が53両、ルノーFTが67両という説有り。ただし7TPの半分は機銃搭載型）、TK-3/TK-5豆戦車693両、WZ34装甲車100両を配備していた。7TPを配備していたのはポモルツェ軍の独立第１軽戦車大隊とプルシー軍の第２軽戦車大隊（大隊定数49両）などで、R35を装備していたのはロドツ軍の第21大隊、ヴィッカーズ６トン戦車を配備していたのはクラカウ軍の２個中隊、ルノーFTは予備軍の３個中隊である。西部国境に北からポメラニア、ポズナニ、ルージ、クラクフ、カルパチアの５個軍を置き、ワルシャワにモドリン軍団、東部国境にナーレフ軍団を配置したが、ドイツ軍を刺激しないよう、西部国境付近に強固な陣地を構築することは無かった。また、機動戦力として戦車よりも騎兵隊の方を重視していた。予備としてクトノ、ナフレ、ヴィッカワ、プルシーの各集団軍を置いたものの、機動力が低すぎて迅速な増援は不可能であった。ポーランド海軍は大型駆逐艦４隻、潜水艦５隻、敷設艦グリーフ、掃海艇などを配備していた。ドイツ空軍は第１航空軍と第４航空軍の航空機1302機に加え、空軍総司令部直属、防空隊隷下、陸軍所属機など計1929機を投入した。うち戦闘機が210機（Bf109はＤ型のみ４個飛行隊188機）、爆撃機が897機（Ju87は217機）、Ju52輸送機が400機、偵察／直協機100機（他に陸軍所属が150機）。ドイツ陸軍は北方軍集団（２個機甲師団、18個歩兵師団）と南方軍集団（３個機甲師団、35個歩兵師団）をポーランド国境に配置した。戦車は�T号戦車1445両、�U号戦車1226両、�V号戦車98両（A-D型70両。Ｅ型は28両で、ほぼ第３戦車師団教導戦車大隊が配備）、�W号戦車211両（A-C型）、35(t)戦車196両（主に第65戦車大隊）、38(t)戦車78両（主に第67戦車大隊）で、可動数は2626両、指揮戦車は215両（�V号指揮戦車が40-50両、他は�T号A/B指揮戦車）である。当初は識別のため車体に白十字を大書きしていたが、標的にされるので数日で塗り潰された。装甲自動車はSd.Kfz.231/232/263が307両、Sd.Kfz.13/14/221/222/223が718両。先頭を進撃する予定の機械化部隊は戦車や自動車を使用していたが、通常の歩兵部隊や輜重部隊は馬匹や自転車、徒歩が主な移動手段であった。騎兵旅団も１個だけ配備されている。北方軍集団は東プロシアに配備された第３軍と、ドイツ本土の北部ポーランド国境に配備された第４軍からなり、第３軍は右翼がワルシャワ、左翼がブレスト・リトフスクに向かい、第４軍はダンツィヒ回廊を横切ってワルシャワに向かう。南方軍集団は第４軍の南に第８軍、その南に第10軍、最南翼に第14軍が位置し、第８軍はロッズからワルシャワへ、第10軍はクラカウからラドムを経てワルシャワを制圧、ヴィスツラ−サン河の線まで進出し、第14軍はカルパチア山脈に沿って東に進撃する。ドイツ海軍はバルチック海に練習戦艦２隻、第６駆逐隊７隻、第３駆逐隊３隻、第１魚雷艇隊６隻、魚雷艇母艦チンタウ、護送艦４隻、掃海艇９隻、Ｒ型機動掃海艇８隻、掃海艇母艦バン・デル・グローベン、機雷敷設艦４隻を展開した。8月中旬、独ソ不可侵条約が締結された。8月25日、練習戦艦シュレスヴィッヒ・ホルスタインがポーランドへの親善訪問を名目にバルチック海シュイネムンデ港を出港。作戦は当初8月26日に開始される予定だったが、8月25日にイギリスがポーランドに対して同盟の義務を果たすと発表したため、一旦攻撃を延期した。ヒトラーはイギリスがポーランドから手を引くのを待ったが、態度が変わらなかったため、9月1日に侵攻を開始。ドイツはグライヴィッツ作戦を行って侵攻の正当性を見せかけた。0345、空軍が爆撃を行う予定だったが、濃霧のため延期された。0426、東プロイセンのドイツ飛び地とドイツ本国を結ぶ鉄道が通るヴィスツラ川のディルシャワ鉄橋が爆破されるのを防ぐため、第１急降下爆撃航空団第�T飛行隊第３中隊のJu87Bスツーカ３機（編隊指揮官は中隊長ブルーノ・ディライ中尉）が東プロイセン・エルビンク基地を離陸。0434、Ju87Bスツーカ３機が250kg爆弾１発と50kg爆弾４発をそれぞれ投下し、ディルシャワ鉄橋の土手沿いを走る爆破用電線を切断した。0445にドイツ軍がポーランド国境を越え、0545（0445？）には練習戦艦シュレスヴィッヒ・ホルスタインがダンツィヒ市内及びヘラ要塞に28cm砲を撃ち込んだ。霧が晴れるのを待って空からはドイツ第１・第４航空軍の爆撃機が侵入して航空基地を攻撃、ポーランド空軍機を地上撃破したが、ポーランド空軍は最新鋭の機体を疎開させており、破壊されたのは殆ど旧式練習機だった。北方軍集団はポメラニア地方と東プロシアを突破して南に向かい、南方軍集団は真っ直ぐワルシャワとクラカウ西の工業地帯に進んだ。ポーランドの防御陣地は砲爆撃で粉砕され、生き残った対戦車砲はスツーカの爆撃で破壊され、小銃弾と機関銃弾は戦車の装甲に弾き返され、ポーランド軍前線部隊は崩壊。後方では予備部隊が出撃準備をしている最中にドイツ軍戦車が現れて蹴散らされ、布陣しようとした砲兵はスツーカに吹き飛ばされ、ポーランド軍騎兵部隊は横陣による長槍突撃で反撃したが、相手が�U号戦車ではどうにもならず、騎兵部隊は数日で全滅してしまった。ドイツ第１機甲師団は20km前進して2230にはクロブクを占領したが、橋が爆破されていてリスヴァルテ河は渡れなかった。9月2日、ポーランド空軍は温存していた機体を使用して反撃を開始したが、ドイツ軍の進撃が速すぎて航空基地を次々と占領され、後方の補給路も爆撃で寸断され、すぐに活動が衰退してしまった。第１機甲師団は架橋を終えて進撃を継続、ポーランド第７師団を撃破して35km前進し、ヴァルテ河に到達した。第２機甲師団はスピトコウィチェに到達。第３機甲師団は燃料切れを起こし、ポメラニア軍団の一部により一時的に分断された。9月3日、イギリス・フランスがドイツに宣戦布告。ヘラ半島沖でポーランド駆逐艦ウイケル、敷設艦グリーフ、沿岸砲とドイツ海軍が交戦し、15cm沿岸砲の射撃を受け、レーベレヒト・マースが損傷した。敷設艦グリーフは機雷原を構築して対抗したが、慌てて敷設したため安全装置の解除を忘れてしまい、役に立たなかった。第１機甲師団はヴァルテ河を渡り、カミエンスキに到達。一部はピリカ河畔のプルツェドボルツを制圧した。この頃から既にパルチザンが出没していたらしい。ヒトラーは専用列車アメリカに乗り込み、装備されている大型無線機を使用して国防軍総司令部に指示を出していた。9月4日、ヒトラーの専用列車は0156にバード・ポルツェン駅に到着。ここで専用乗用車に乗り換えて前線に向かった。第１機甲師団はロスプルツァを経てミレイェオフに進出。第３機甲師団は100km前進してダンツィヒ回廊を横断、ポメラニア軍団を蹴散らしてグラウデンツ付近に到達した。9月5日、ヒトラーが６輪ベンツ770G4W31に乗って戦線を視察。車列は20-30台もあり、ヒムラー、ボルマンなどナチス高官も顔を揃えていた。当時第19機甲軍団司令部護衛隊長だったロンメルが常に傍に付いており、ワルシャワ陥落まで３週間近く前線視察を続けている。第１機甲師団はペトリカウに迫り、激しく抵抗するポーランド軍を排除して夕方までに市街地をほぼ制圧した。また、第２戦車連隊は北東15kmのウォルボルツを確保した。第２機甲師団はヤルダノフ付近でクラカウ士官学校の抵抗を２日かかって排除した。第３機甲師団はヴィツスラ河を渡河。9月5日夜、ポーランド軍が第１師団司令部まで500mに迫ったため、第37機甲通信大隊第２中隊が装甲無線車６両で反撃し、対戦車砲で３両を撃破されたものの撃退に成功した。9月6日、第１機甲師団はポーランド軍の激しい抵抗に遭ったが、これを撃退して2200にトマスツェフを占領した。第２機甲師団左翼はミスレニーチェに到達。第３機甲師団は列車に積まれてオストプロイセンを横断していった。9月7日、第１機甲師団はピリカ河に沿い前進、夕方までにバブスクに到達した。第２機甲師団左翼はボヒニアを突破。9月8日、第１機甲師団はワルシャワ南方30kmにあるヴィツスラ河畔のゴラ・カルワリヤに進出。第２機甲師団左翼はタルヌフに到達し、迂回していた右翼と合流、ポーランド予備兵力の最終防衛ラインを突破した。第３機甲師団は列車から降りてアリス付近に集結。9月8-9日、イルザ付近でポーランド軍が反撃（イルザの夜）し、ドイツ軍が苦境に陥ったが、空軍の8.8cmFlakで反撃して耐えた。9月9日、第２機甲師団は70km前進してルツェスツォフに到達。第３機甲師団はナレフ河沿いに展開。ワルシャワ郊外で第４機甲師団がポーランド軍ボフォース37mm対戦車砲の待ち伏せ攻撃を受け、３時間の戦闘で手持ちの戦車120両のうち57両を破壊された。それでも1000には第35戦車連隊などがワルシャワ中央駅に到達した。9月10日、第２機甲師団はサン河を渡河。第３機甲師団はナレフ川に沿って南下を開始。夜、ポズナニ軍（４個歩兵師団と２個騎兵旅団）とポメラニア軍残余部隊、クトノ予備軍の一部がブズラ河を渡河して南下、ワルシャワを包囲するドイツ軍の側背を衝いた。ドイツ第８軍は進撃方向を北に転換、第10軍は廻れ右をして対応し、第４軍は南に向きを変えたが、歩兵師団のみで構成されていた第８軍はポズナニ軍の圧力をまともに受けて苦境に陥った。ポーランド政府首脳はルーマニアに亡命。9月11日、ドイツ空軍がポズナニ軍を猛爆して前進を阻止。その間に機甲部隊が駆けつけ、ワルシャワ付近で１週間にわたる激戦が続いた。9月12日、第２機甲師団はルバチェツに到達。第３機甲師団は３日間で100kmほど南下してポーランド軍第35師団を撃破、ビエルスクに進出した。9月13日、第３機甲師団はビアロウィエツァの森の西を通り、カメニエーク・リトフスクに到達、ブレスト・リトフスク要塞の外郭に到達した。9月14日、ブレスト要塞を第３・第10機甲師団と第20自動車化師団が包囲。ポーランド軍の組織的抵抗がほぼ終了。9月15日、ブレスト市を包囲。9月16日、第３機甲師団はブレスト要塞攻略を第10機甲師団と第20自動車化師団に任せ、再び南下した。9月17日、ブレスト要塞が陥落。第３機甲師団はウイロダワの防衛部隊を排除して占領。ドイツ北方軍集団と南方軍集団の連絡が付き、ポーランド軍は完全に包囲された。0540、ソ連軍が６個軍80万名の兵力でポーランド東部に侵攻を開始。北から白ロシア方面軍第３・10・11軍、南からウクライナ方面軍第２・５・７軍が戦車を先頭に攻撃を仕掛け、国境警備隊程度しか配備していなかったポーランドはあっという間に制圧されてしまった。ポーランド空軍機はルーマニアに脱出、ポーランド空軍は消滅した。9月20日、史上空前の大殲滅戦ともいわれるビスワ川の戦いでポーランド軍が壊滅。9月21日、第２機甲師団は8月21日にウィーンを発ってから４週間で1200km前進して戦闘を終了し、オーストリアへと帰投を開始した。第３機甲師団もオストプロイセンへと帰投し始めた。9月25日、ドイツ空軍は爆撃機400機でワルシャワに630トンの爆弾を投下。9月27日、ワルシャワが陥落。ラジオでは「今、ドイツ重砲の発射音が聞こえています。では祖国の皆さん、これが最後です」というメッセージの後にポーランド国歌が流れ、放送が途絶えた。9月28日、モドリン要塞に立て籠もっていたポーランド軍が降伏した。10月1日、ドイツ海軍大型掃海艇M-85がビスツラ河口で触雷して沈没した。10月5日、残存ポーランド兵士の散発的な抵抗も終了。ドイツ側戦死者は北方軍集団1500名、南方軍集団6500名。機甲兵力を分散使用したこと、�T号・�U号戦車の装甲が薄かったこともあって戦車217両を喪失、装甲師団の損害は平均20-30%にものぼった。また、戦車喪失の25%近くが運転ミスや故障、不注意によるものだった。ポーランド兵の捕虜は数十万名にのぼり、ドイツ軍の捕虜となったポーランド兵は軍需工場に送られて生産要員となり、ソ連軍の捕虜となったポーランド兵はカチンの森事件のような目にあった。独ソ不可侵条約秘密条項により、ポーランド東部はソ連、西部はドイツに占領され、ドイツ総督府はクラカウに置かれた。その後、ソ連とドイツは独ソ国境友好条約を締結。ドイツ占領地区にいる50万人のユダヤ人とスラブ人はソ連とドイツとの秘密協定に基づいてポーランド国内に設置されたゲットーに移動させられることになり、9月21日にSS行動隊に向けユダヤ人とジプシーの移動命令が出た。また、ドイツ国内のユダヤ人への移送命令も発令され、10月9日にポーランド国内に強制移動布告が出された。12月からドイツ領ポーランドのゲットーに200万人のユダヤ人が集められ、終戦までに50万人以上が死亡したとされる。また、ポーランド人もドイツ人に隷属する存在として扱われ、財産を没収され、戦略物資生産のための技術教育しか許可されず、18歳から60歳までの人間には労働手帳や労働カードによって仕事が割り当てられるなど差別的待遇を受けた。ワルシャワ・ゲットーではユダヤ人パルチザンが隠していた武器を使用して反乱を起こしたが、最終的に武装SSに制圧され、残っていた収容者は殺害されるか絶滅収容所に送るかされ、ワルシャワ・ゲットーは焼却されて廃止された。ポーランドの駆逐艦３隻はイギリスへの脱出に成功、うちグロムは戦後に返還され、ポーランドのグディニア港で海軍博物館になっている。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊、月刊PANZER5,’79、7,’10、8,’10、ゲシュタポ、WW�U欧州戦史シリーズVol.4、月刊丸3,’01、12,’90、写真集ドイツの巡洋艦、月刊軍事研究6,’09、グラフィックアクション44、月刊JWings6,’12、月刊航空ファン10,’16、2,’17

＜ジロ車＞：九五式重戦車ファミリーを参照。

＜白スカーフの男＞：エダー（ドイツ空軍エース）を参照。

＜白妙＞：日本海軍神風型駆逐艦22番艦。明治39年11月20日竣工。大正元年8月28日に三等駆逐艦に類別変更された。大正3年8月31日に座礁して放棄され、同年10月29日に除籍された。参考：日本駆逐艦史

＜シロック＞：ロシア陸軍の対UAVシステム。自動でUAVを発見して誘導電波を特定、ジャミングをかけるものである。有効距離は数キロメートル。参考：月刊軍事研究1,’19

＜シロッコ＞：F573（フリゲート）またはL-9012（揚陸艦）またはPC-6（哨戒艇）またはS-72（潜水艦）を参照。

＜シロッソ要塞＞：シンガポールの防御要塞。64ポンド前装砲２門及び７インチ（17.8cm）ライフル式前装砲２門を配備した要塞として完成した。その後64ポンド砲は除かれ、1885年には9.2インチ（23.4cm）後装砲１門が配備され、更に７インチ（17.8cm）前装砲が撤去され、1907年に６インチ（15.2cm）速射砲２門が装備された。1930年代に近代化され、それまでの砲を全て撤去して６インチ（15.2cm）砲Mk7を２門と、12ポンド速射砲１門が装備され、この状態のまま太平洋戦争を迎えた。現在はリゾートアイランドであるセントーサ島の観光の目玉となっており、使用されてきた各種大砲から日本軍の14サンチ平射砲に12サンチ高角砲まで展示されている。参考：月刊軍事研究7,’08

＜シロナ＞：AKA-43（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜白旗団＞：イスラム原理主義を標榜する反米テロ組織。イラク戦争終結後、衛星テレビのアル・アラビーヤに反米テロを呼びかけるビデオを送りつけた。参考：月刊軍事研究2,’04

＜白目＞：鋼板の脆性破面のこと。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜城本直晴＞：日本陸軍エース。大正7年、熊本県生まれ。昭和13年7月、陸軍少年飛行兵を卒業し、明野で戦闘機操縦訓練を受け、11月に飛行第11戦隊第４中隊配属となった。昭和14年6月、ノモンハン事件に参加し、6月24日に初撃墜を記録。9月1日、飛行第１戦隊に転属。ノモンハン事件を通して11機を撃墜した。昭和16年11月29日、サイゴンに進出。12月8日、太平洋戦争勃発でマレー攻略戦に参加し、シンゴラに前進。12月9日、アエルタワル進攻でバッファロー１機とブレニム２機を撃墜。昭和18年1月9日、ラバウルに進出。1月31日、ムンダ上空でP-38戦闘機20数機の迎撃にあたり、４機を撃墜した。9月、本土に帰還。昭和19年1月、二式単座戦闘機で宮城防空任務に就いた。7月、飛行第51戦隊に転属し、防府に着任した。昭和20年3月、第11教育飛行隊に転属となり、終戦を迎えた。戦後はシベリアに抑留され、昭和22年に帰国した。総撃墜機数21機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜シロンザク＞：241（哨戒艦）を参照。

＜シロンザク級＞：プロジェクト621（哨戒艦）を参照。

＜新Ｓ級シリーズ＞：アメリカ海軍潜水艦New S Class。Ｐ級の武装強化型で、艦尾発射管を増やし、魚雷発射諸元計算盤を搭載、主機も強化した。巡航速力15ノットの主力艦隊に随伴可能な水上速力20ノットを出せるようになったが、前部発射管が４門で打撃力が不十分という欠点があった。太平洋戦争中にＰ級と同様の改装を行っているが、外装式魚雷発射管はSS-186以外は追加していない。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船9,’12増刊、9,’22

　＜新Ｓ級第１グループ＞：1935年度計画の６隻を指す。船体は全溶接構造で、メイン・バラスト・タンクは燃料タンク兼用のFBT（Fuel Ballast Tank）にした。Ｐ級よりディーゼルの出力を強化したが、電動モーターの出力はそのままなので、完全ディーゼル・エレクトリックにすると強化分の出力が活かせないため、発電用ディーゼル＋直結ディーゼルの構成としている。全長93.9m、最大幅8m、吃水4.3m、水上排水量1449トン、水中排水量2198トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式＋ブースト用ギヤード・ディーゼル直結推進方式、HOR式99DA型９気筒複動型ディーゼル（1-3番艦。1535馬力、700rpm）／GM式16-248型16気筒２サイクルディーゼル（4-6番艦。1600馬力、750rpm）４基（発電用と直結２基ずつ）＋エリオット式主発電機４基＋エリオット式電動モーター４基、水上出力5500馬力、水中出力2660馬力、２軸推進、水上速力21ノット、水中速力９ノット、重油搭載量384トン、ゴウルド・ストレージ・バッテリー社製OLTXA49B蓄電池120セル２群計240セル、水上航続距離11000海里（10ノット）、水中航続時間48時間（２ノット）。安全潜航深度76m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首４門、艦尾４門。魚雷20本＋非耐圧区画４本）、102mm単装砲１門（1-5番艦）／50口径76mm単装砲１門（６番艦）、12.7mm単装機銃２丁、7.6mm単装機銃２丁。乗員59名。SS-182サーモン、SS-183シール、SS-184スキップジャック、SS-185スナッパー、SS-186スティングレイ、SS-187スタージョンの６隻が1937-38年に就役した。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船6,’09

　＜新Ｓ級第２グループ＞：1936-37年度計画の10隻を指す。船体をやや大型化して機関区画を拡大し、セイル上面の潜望鏡支塔覆いも大型化した。蓄電池はサーゴ・バッテリーと通称される大容量の新型で、ひび割れしても電解液が漏れないよう、薄い軟性ゴムを硬質ゴムで挟んだサンドイッチ構造ゴムで電池槽を製作している。ディーゼル・エレクトリック＋ブースト直結では機関区画の配置に余裕が無かったのと、大出力新型モーターの完成見込みが立ったため、SS-194以降は主機を完全ディーゼル・エレクトリック方式としており、新Ｓ級第３グループまたはシードラゴン級と呼ばれることもある。全長94.6m、最大幅8.2m、吃水5.1m、水上排水量1450トン（SS-192は1475トン？）、水中排水量2350トン（SS192-194は2340トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式＋ブースト用ギヤード・ディーゼル直結推進方式（1-6番艦まで）／ディーゼル・エレクトリック方式（7-10番艦）、HOR式99DA型９気筒複動ディーゼル（1-3・７・８番艦。1535馬力、700rpm）／GM式16-248型16気筒２サイクルディーゼル（4-6・９・10番艦。1600馬力、750rpm）４基（1-6番艦は発電用と直結２基ずつ、7-10番艦は全て発電用）＋GE式主発電機４基＋GE式電動モーター４基、水上出力5500馬力、水中出力2740馬力、２軸推進、水上速力20ノット、水中速力8.75ノット、重油搭載量428トン、エレクトリック・ストレージ・バッテリー社製VLA47B蓄電池120セル２群計240セル、水上航続距離11000海里（10ノット）、水中航続時間48時間（２ノット）。安全潜航深度76m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首４門、艦尾４門。魚雷20本＋非耐圧区画４本）、50口径76mm単装砲１門、12.7mm単装機銃２丁、7.6mm単装機銃２丁。乗員59名。SS-188サーゴ、SS-189ソーリ、SS-190スピアフィッシュ、SS-191スカルピン、SS-192スクアラス、SS-193ソードフィッシュ、SS-194シードラゴン、SS-195シーライオン、SS-196シーレイブン、SS-197シーウルフの10隻が1939年に竣工した。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船6,’09

＜神愛丸＞：岸本汽船貨物船。総トン数3793トン。昭和18年2月28日、八一号作戦に参加。3月3日、航空攻撃を受けて沈没した。参考：輸送船入門

＜新アスロック＞：07式垂直発射魚雷投射ロケットを参照。

＜人員除洗（陸上自衛隊）＞：除洗を参照。

＜人員輸送車�T型＞：ドイツ陸軍試作８輪水陸両用装甲車。ダイムラー・ベンツ社、マジルス社、ビュッシング−NAG社（これのみ10輪）が1928-30年に計６両を試作し、1929年にはラインメタル・ボルジッヒ社が砲塔１基を製作した。全長5.45m、全幅2.28m、全高2.14m、重量7.8トン。エンジンはダイムラー・ベンツ社製M36（100馬力）またはマイバッハ製（100馬力。マジルス試作車）またはV8エンジン（150馬力。ビュッシング−NAG試作車）、トランスミッションは前進５速・後進５速、最大速度65km、航続距離250km。武装は砲塔の3.7cmKwK（66発）１門と7.92mm機銃１丁、俯仰角マイナス10度からプラス70度。装甲厚は砲塔・車体共に全周13.5mm。乗員５名。高価すぎるとして採用されず、Sd.Kfz.231の開発基礎資料となるに留まった。参考：ジャーマンタンクス

＜人員輸送車１号＞：自衛隊の50名乗り大型バス。民間用を競争入札で購入している。いすゞ自動車製。参考：月刊丸3,’13、月刊軍事研究3,’18

＜人員輸送車２号＞：自衛隊のマイクロバス。トヨタや三菱ふそうトラック・バスなどの民間用を競争入札で購入している。参考：月刊丸3,’13、月刊軍事研究2,’13、7,’14

＜人員輸送車３号＞：航空自衛隊の60名乗り大型バス。民間の観光バスを競争入札で購入している。参考：月刊丸3,’13

＜人員輸送車大型２号＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜人員輸送車小型１号（４ＷＤ）＞：自衛隊の人員輸送車。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜人員輸送車小型２号＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜人員輸送車中型＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜人員用レーザ受信装置＞：自衛隊の機器。東芝電波プロダクツ製。参考：月刊軍事研究4,’11

＜親衛アドルフ・ヒトラー＞：SS第１装甲軍団またはSS第１装甲師団を参照。

＜親衛戦車軍団（ソ連軍）＞

＜親衛戦車軍団（ソ連軍、１９４４年）＞：実質的には師団規模である。軍団司令部、親衛戦車旅団３個、親衛自動車化狙撃旅団１個、自走野戦軽砲兵連隊１個、自走野戦重砲連隊１個、自動車化戦車駆逐砲兵連隊１個、自動車化高射機関砲連隊１個、自動車化重迫撃砲連隊１個、自動車化ロケット砲兵大隊１個、自動車化対戦車砲兵大隊１個、自動車化偵察大隊１個、自動二輪車大隊１個、自動車化通信大隊１個、自動車化工兵大隊１個、自動車化軍団後方支援大隊１個からなる。兵力11900名。主要装備はT-34/85戦車200両、SU-85自走砲20両、SU-152自走榴弾砲20両、M13カチューシャ８両など。重防御陣地を突破する際にはIS-2戦車21両装備の重戦車突破連隊が配属される。参考：月刊PANZER2,’12

＜親衛隊＞：SSを参照。

＜親衛迫撃砲＞：カチューシャ（ロケット砲）を参照。

＜新欧州ミサイル防衛構想＞：BMD（ヨーロッパ）を参照。

＜新オリエント・エクスプレス＞：X-30（試験機）を参照。

＜震海＞：日本軍試作小型潜水艇、秘匿名称マル九金物。艦首に重量1.2トンの時限式機雷を搭載し、潜水艦から発進して泊地に侵入、磁石か吸盤で目標に機雷を取り付けて戻ってくる。全長12.5m、幅1.2m、排水量11.5トン。主機は電動モーター１基（20馬力）、水中速力９ノット、航続距離40海里。乗員１名。昭和19年春に計画され、8月（7月？）に実験艇が完成してテストに入り、20隻が製造されたが、操縦性やソナーの性能が不十分で接敵できないとみられたため、採用されなかった。実験艇はテスト終了後に大浦湾で放置されており、その後どこにいったかは不明。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜人海級＞：055型駆逐艦シリーズを参照。

＜深海救難艇＞：DSRVを参照。

＜深海救難艇訓練装置＞：海上自衛隊のDSRVシミュレータ、略称DSRVT（Deep Submergence Rescue Vehicle Trainer）、別名DSRVトレーナー。実物の潜水艦を使用したDSRV訓練は故障措置などが困難で、訓練に最適な平坦海底は漁場でもあり補償費用が莫大となるため、シミュレータの出番となった。DSRVのコクピットを再現したシミュレーター、様々な状況を作り出す指導官卓、COTSコンピュータの置かれたコンピュータ室などで構成され、指導官卓のソフト変更によりちはや型（２代目）とちよだ型（初代）双方のDSRVに対応する。DSRVが損傷しまくる中でも救出乗員を連れて母艦まで辿り着く訓練も行われる。参考：月刊世界の艦船12,’13、朝雲

＜深海救難艇用蓄電池＞：自衛隊の機器。ジーエス・ユアサテクノロジー製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜深海救難艇用トリムヒール調整用タンク＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜塵芥収集車＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜人海戦術＞：絶対的優位に達する兵力を集中して敵を消滅させること。火力などの劣勢を圧倒する兵力を集結させて敵を打倒する。参考：朝鮮戦争（下）

＜深海潜水訓練装置＞：海上自衛隊潜水医学実験隊が装備する飽和潜水訓練・研究装置。潜水艦救難艦などに装備されているのと同様のシステムで、主監視制御装置、移乗室、減圧室DDC（Deck Decompression Chamber）２室、水槽で構成される。一度に入れるのは６名で、訓練を行う潜水員２名と、訓練を補助する潜水員１名の計３名で１ユニットを構成し、２ユニットが交互に訓練を行う。潜水員が減圧室に入ると、訓練想定深度と同じ気圧に加圧され、飽和潜水の準備に入る。大気ガスが血中に溶け込んだところで潜水員１ユニット３名がハッチを開いて同気圧の移乗室に移り、訓練を行う２名が潜水具を装着、下の水槽（訓練想定深度と同じ水圧に加圧）で作業訓練を行い、また移乗室を経て減圧室に戻る。減圧室には衛生室区画や居住区画も用意されていて、居住区画は２段ベッドが３組備え付けてあり、外部から二重ハッチ（サービスロック）を経由して食事などを供給できる。味は変わらないが、高圧のせいで食感が違ってくるらしい。外に出る際には減圧室で徐々に圧力を元に戻し、減圧症を防ぎつつ１気圧に復帰する。訓練期間は水深60m想定で１週間、水深200m想定で２週間、水深450m想定だと１ヶ月間もかかり、潜水員は一歩も外に出られないどころか健康状態確認のため24時間監視下に置かれ、寝る時には心電図の電極を付けなければならない。潜水員の体調が悪化したら、空けてある方の減圧室に入れて緊急減圧をかける。参考：月刊軍事研究11,’13、MAMOR vol.153

＜新ガイドライン＞：日米防衛協力のための指針を参照。

＜シンガ級＞：インドネシア海軍魚雷艇Singa級。西ドイツのラーセン57m級を導入したものである。兵装は533mm単装魚雷発射管２門、57mm砲１門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜陣笠弾＞：鋼性銑を参照。

＜新型コロナウイルス感染症＞：COVID-19(Corona Virus Disease-2019)。ウイルス名称はSARS-CoV-2(Severe Acute Respiratory Syndrome-Corona Virus-2)で、βコロナウイルスの一種であり、動物由来だが宿主動物は2021年7月末現在不明である。ヒト−ヒト感染し、潜伏期は1-14日間で５日目くらいでの発症が多く、発症日をピークとして発症前２日から発症後7-10日にかけて飛沫感染を主体に感染が拡大する。ウイルスはアンジオテンシン変換酵素２と結合して�U型肺胞上皮に侵入し、肺炎を引き起こす。３割くらいが無症状だが、ウイルス排出量は有症状者と同じくらいで、感染を広げる一員となっている。症状は発熱、咳、息切れが全体の７割を占め、消化器症状が２割くらいあるが重症急性呼吸器症候群SARS／中東呼吸器症候群MARSよりは少ない。嗅覚・味覚異常は感冒やインフルエンザより頻度が高く、インフルエンザ症状に加えて嗅覚・味覚異常があれば積極的にCOVID-19を疑うが、嗅覚・味覚異常を示すのは有症状者の8%ほどである。突然の高熱はインフルエンザの方を疑う。有症状者の８割は酸素投与を要せず１週間ほどで回復するが、２割は１週間から10日後に呼吸不全に陥り入院や酸素投与を必要とし（入院までの日数中央値７日、在院日数中央値15日）、有症状者の5%が10日目以降重症化してICU管理となり、有症状者の2-4%が死亡する。高齢、悪性腫瘍、慢性閉塞性肺疾患、喫煙、慢性腎臓病、高血圧、脂質異常症、２型糖尿病、妊娠後期、固形臓器移植後免疫不全が重症化のリスクファクターである。また、心障害、症状回復後の心筋炎、血栓塞栓症、炎症性合併症（サイトカイン放出症候群、ギランバレー症候群、多系統炎症性症候群）などを合併する。急性期症状の遷延や、記憶・睡眠障害・集中力低下などの後遺症も示唆されているが、非感染者を対照群とした疫学研究が少なく、2021年7月末現在でCOVID-19との因果関係は不明。感染予防の基本は、正しいマスクの装着（無ければ咳・くしゃみ時に鼻と口を肘やティッシュなどで覆う）、室内の積極的換気、流水と石鹸による30秒の手洗い、十分な睡眠とバランスの良い食事、適度な運動。陸上自衛隊対特殊武器衛生隊隊長によると、感染予防で重要な事の１つは手指消毒の徹底で、帰宅時の手洗いに尽きるという。2019年11-12月、武漢市で原因不明の肺炎が発生。12月末、武漢市当局が肺炎の多発を公表。2020年1月7日、病原体のSARS-CoV-2ウイルスが同定された。1月中旬、武漢の中国軍学校が閉鎖された。1月16日、日本国内で初めて患者が報告された。1月20日、習近平国家主席が国を挙げた対応を指示。1月23日0200、中国が武漢市と湖北省の封鎖を宣言。1月24日、中国陸海空軍病院８個から緊急機動医療部隊のほぼ全力450名をかき集めて武漢に派遣。1月30日、世界保健機関WHOが公衆衛生上の緊急事態を宣言。アメリカ国防総省が軍の健康保護ガイダンスを通達。1月31日、ドイツ空軍A310輸送機が中国に提供する防護服10000人分を載せてケルン・ボン空港を離陸し、武漢に到着した。2月、中国発着クルーズが全て運航を中止。2月1日、ドイツ空軍A310輸送機が武漢からの避難希望者を乗せフランクフルト国際空港に帰国。2月2日、中国空軍が中部戦区からIl-76輸送機８機を武漢に派遣。2月11日、WHOが疾患名をCOVID-19に定めた。2月12日現在、中国本土での感染者は40000人以上、死者1000人以上に達していた。この日までに、中国の大学教授や弁護士ら360人以上が、感染拡大を人民の知る権利の剥奪が原因であるとする書簡を、李首相らに送った。2月13日、日本国内で初の死者が出た。2月16日、湖北省全域が封鎖された。2月22日、中国空軍がY-20輸送機６機を武漢に派遣。3月、感染拡大の影響で、イタリアのF-35戦闘機FACOにロッキード・マーチン社とプラット＆ホイットニー社の現地社員が出勤できず（テレワークは可）、テストパイロットも派遣不能となった。3月3日、G7財務相らが緊急電話会議を開催し、全ての適切な政策手段を用いるとする共同声明を発表。3月中旬、マニラ首都圏にロックダウンが敷かれた。3月11日、世界保健機関WHOがパンデミックを宣言。3月12日、中国外交部報道官がツイッターにアメリカ軍が武漢にウイルスを持ち込んだかもしれないと書き込んだ。3月16-17日、イタリアのF-35戦闘機FACOが消毒のため休業。3月18日、ベルリン国際航空宇宙ショーの中止が発表された。3月20日、アメリカ国防総省が防衛企業を強制閉鎖や隔離から除外すると発表。ファーンボロー航空ショーとエアタトゥーの中止が発表された。3月下旬、CVN-76ロナルド・レーガンで乗員２名の感染が確認された。3月21日、チェコが中国から調達した医療用機器をNATO共同空輸計画SALISのAn-124-100輸送機が宝安空港からパルドゥビツエ空港に輸送。3月23日、エアバス社が社有の飛行試験用A330-800neo旅客機でマスク200万枚と人工呼吸器などを天津からトゥールーズに輸送し、うちスペイン向け分を社有の飛行試験用A400M輸送機でヘタフェ空軍基地に輸送した。3月24日、CVN-71セオドア・ルーズベルトで乗員３名の感染を確認。3月25日、アメリカ国防長官が海外でのアメリカ軍人の移動及びアメリカ本土から海外への移動の60日間停止を下命。海外演習、海外派遣、海外からの帰還、配置転換などが原則禁止となった。インドが全土で21日間の都市封鎖ロックダウン実施を発表。スロバキアが中国から調達した医療物資74トンをNATO共同空輸計画SALISのAn-124-100輸送機が天津からブラチスヴァ空港に輸送。3月26日、ルーマニアが韓国から調達した医療物資などをNATO共同空輸計画SACのC-17輸送機が輸送した。3月27日、CVN-71セオドア・ルーズベルトがグアムのアプラ港に寄港し、隔離と感染者の治療に入った。CVN-76ロナルド・レーガンは1月から整備中のため、インド太平洋で稼働中の空母が無くなってしまい、代わりにLHA-6アメリカ遠征打撃群ESGが5月初めまで海外展開を行っている。その隙を突いて中国海軍遼寧空母戦闘群が4月に太平洋に進出した。3月27日、病院船T-AH-19マーシーがロサンゼルスに到着し、新型コロナウイルス対応で手が回らなくなった他の疾病患者の受け入れを開始した。アメリカのホランド・アメリカ・ライン所属客船ザーンダムで新型コロナウイルスに感染した乗客４人が死亡。他のクルーズ船ではカーニバル・グループのルビー・プリンセスで感染者662人と死者12人、同グランド・プリンセスで感染者103人と死者３人、同ダイヤモンド・プリンセスで感染者712人と死者13人を出している。エアバス社がA330-200MRTT空中給油輸送機に改修中の機体を利用して天津からハンブルクにマスクを輸送。3月30日、病院船T-AH-20コンフォートがニューヨークに到着し、新型コロナウイルス対応で手が回らなくなった他の疾病患者の受け入れを開始した。ただT-AH-19共々、訪れる患者が予想より大幅に少なかったため、方針を切り換えてCOVID-19患者を受け入れたところ、逆にT-AH-19で７名、T-AH-20で１名の乗員が感染してしまっている。3月末、オランダ海軍潜水艦ドルフィンで乗員８名の感染が確認された。4月上旬、ブレマートンに停泊中のCVN-68ニミッツで乗員１名の感染が確認された。他の乗員は検査の結果陰性だった。4月、オーストラリアが新型コロナウイルス発生源の独立調査を中国に要求したところ、中国がオーストラリア輸入品差し止めや追加関税措置などの報復行為を行った。4月5日、アメリカ国防総省が布製フェイスカバーの仕様に関するガイダンスを発表。アメリカ海軍が通達番号NACADMIN100/20でフェイスカバー着用を義務づけた。エアバス社が社有の飛行試験用A350-1000旅客機で天津からハンブルクにマスクを輸送。4月6日、アメリカ空軍が布製フェイスカバーについてのガイダンスを発表。4月7日、中国外交部報道官が3月12日のツイート内容を訂正。4月10日、フランス海軍空母R91シャルル・ド・ゴールで乗員の感染が確認されたため、4月12日にツーロンに帰港、4月17日時点で乗員1760名中1046名が陽性となり、行動不能に陥った。同空母戦闘群のD621シュバリエ・ポールと随行のベルギー海軍F930レオポルド�T世でも感染者が出ている。4月13日、アメリカ本土での新型コロナウイルス感染拡大を受け、CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン空母打撃群の本土帰還延期と、大西洋上での待機が発表された。4月22日、DDG-100キッドで新型コロナウイルス感染症重症患者の発生を確認。アメリカ太平洋空軍が、レッド・フラッグ・アラスカ（6月11日から開催予定）を中止すると発表。4月28日、サンダーバーズとブルーエンジェルスがアメリカ・ストロング作戦を開始。回りきれない地域はアメリカン・リザルブ作戦でアメリカ空軍と州航空隊がカバーした。DDG-100キッドがサンディエゴに寄港し、隔離と感染者の治療に入った。5月、実施予定のICBM迎撃試験FTM-44が11月に延期された。ロッキード・マーチン社フォートワース工場が稼動状況の見直しを行った。5月4日、カナダ空軍スノーバーズが、新型コロナウイルス感染症と闘う医療従事者への感謝と国民の鼓舞を目的に、全国ツアーのインスピレーション作戦を開始。5月17日、インスピレーション作戦のためカムループス空港を編隊離陸したスノーバーズ11番機（予備機）にバードストライクとみられるトラブルが発生しエンジンが停止、空中再点火できず住宅地に墜落し、住民に死傷者は無かったが同乗者の航法担当士官が殉職した。インスピレーション作戦は中止となり、民間機がバックアップ・インスピレーション作戦として引き継いでいる。5月20日、トランプ大統領が、新型コロナウイルス感染症を世界規模の大量殺人と発言し、中国の無能さが原因と述べた。5月下旬、An-225輸送機が天津からモントリオールに医療物資を輸送。途中の5月23日には給油のためセントレア空港に寄っている。その後、天津からトロントへの医療物資輸送にも投入され、5月29日に給油のためセントレア空港に寄港した。5月25-29日と6月2日、フレッチェ・トリコローリが、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けたイタリア国民を鼓舞することなどを目的に、全国ツアー「アブラッチオ・トリコローレ（三色の抱擁）」を実施。6月初旬、An-225輸送機が天津からモントリオールに医療物資を輸送。途中の6月3日に給油のためセントレア空港に寄った。6月4日、CVN-71セオドア・ルーズベルトがアプラ港を出港して作戦航海を再開。7月10日から8月23日、コブラ・ゴールド21をオンラインで実施。7月21-23日、アメリカ海軍が多国間訓練シーキャット2020をオンライン形式で実施。7月29日、フランスからインドにフェリーされるラファール戦闘機の支援ついでにフランス軍医療専門家10名、検査キット10万セット、人工呼吸器70台を乗せたフランス空軍A330-200MRTT空中給油輸送機がインドに到着し、インドでの医療支援を開始した。8月17日、ロッキード・マーチン社フォートワース工場が通常稼働に復帰。8月17-31日、リムパック2020を実施したが、参加キャンセルが相次ぎ、規模は例年の半分以下だった。10月、イギリス情報局保安部MI5長官が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出者が減ったため、容疑者尾行などが困難になっていると発表した。スイス空軍の一般公開訓練フリーガーシーセン・アクサルプ2020が中止された。10月10-11日、テキサス州エリントン飛行場でウイングス・オーバー・ヒューストン航空ショーをドライブイン方式で実施。10月17-18日、テキサス州アライアンス空港でベル・フォートワース・アライアンス・エアショーをドライブイン方式で実施。10月17-30日、スペイン空軍が国際共同訓練オーシャン・スカイ2020を実施。参加はスペイン空海軍の他にフランス空軍とNATO軍のみで、昨年参加のアメリカやトルコは不参加、ギリシャ空軍は直前にキャンセルした。11月4-5日、アメリカ宇宙軍USSFがシュリーバー2020多国籍演習をオンラインで実施。11月10-15日、エアショー・チャイナを開催予定だったが、翌年に延期された。12月、FTM-33試験が延期された。クリスマス・ドロップ作戦でのプレゼント受領をミクロネシア連邦が辞退した。

2021年6月8日、新型コロナウイルスの影響により内装会社が倒産した煽りで、VC-25B大統領専用機の引き渡しが１年遅れて2025年になる見込みと発表された。7月1日から9月1日、パシフィック・パートナーシップ2021をユーチューブでの音楽配信で実施。8月25日、R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21が釜山への寄港中止を発表。8月28日、SSN-792ヴァーモントが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていた就役式典を１年４ヶ月遅れで実施。9月4-12日、キール基地でキール・ウィーク2021を例年の３ヶ月遅れで開催。12月10日、第６回日ASEAN防衛担当大臣会合と第７回拡大ASEAN国防相会議ADMMプラスをASEAN議長国のベトナムがテレビ会議方式で実施した。新型コロナウイルス感染拡大で選定プロセスが遅延していたフィンランド空軍F/A-18C/D後継機計画HXの候補機が、１年遅れでF-35Aに決定した。

2022年、新型コロナウイルスの影響でボーイング社の業務に支障が出たのと、製造現場でテキーラの空き瓶が見つかるなどボーイング社の業務自体に問題があったのとで、VC-25B大統領専用機の引き渡しが2026-27年にずれこむと発表された。1月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で配備が遅れていた韓国空軍向けF-35A戦闘機の最終４機が清州基地に到着し、40機全機の配備を終えた。7月18日、アメリカ疾病予防管理センターがクルーズ乗船客・船社向け感染防止プログラムの終了を発表した。7月21日、アメリカ疾病予防管理センターが安全なクルーズのためのガイダンス９項目を公表した。10月24日、韓国と台湾が外国クルーズ客船の入港を再開。

2023年5月25日、CVN-73ジョージ・ワシントンが新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定より２年弱遅れてRCOHを終え、艦隊に復帰。

参考：朝雲、月刊JWings6,’20、4,’20、5,’20、7,’20、8,’20、9,’20、10,'20、11,’20、1,’21、2,’21、11,'21、12,'21、1,'22、2,'22、3,'22、4,'22、10,'22、8,'23、月刊世界の艦船6,’20、7,’20、9,’20、11,’20、2,’21、10,'21、11,'21、10,'22、1,'23、8,'23、MAMOR vol.162、vol.167、新型コロナウイルス感染症診療の手引き

　＜新型コロナウイルス感染症（日本）＞：2020年1月16日、日本国内で初めて患者が報告された。1月21日、海上保安庁が全管区に新型コロナウイルスの注意喚起を実施。1月27日、日本政府がCOVID-19を感染症法に基づく指定感染症に認定した。1月29日、厚生労働省の要請を受け、武漢から在留邦人を乗せて帰国するチャーター機に自衛隊が看護官の派遣を決定。1月29日夜出発・30日午前到着の第２便と、30日夜出発・31日午前到着の第３便に自衛隊中央病院の看護官２名が同乗し、健康チェックや機内検疫作業を行った。1月30日、内閣府に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置。海上保安庁が本庁に対策本部を設置。1月31日、防衛省が自衛隊法第83条第２項ただし書きに基づき、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策の強化に係る自主派遣による災害派遣を下命。武漢からチャーター機で帰国し、経過観察中の宿泊者に対する生活支援を行うことになった。チャーター船はくおうを中国からの帰国邦人の一時滞在施設とすることを決定し、はくおうが兵庫県相生港を出港した。2月1日、COVID-19を指定感染症に指定。埼玉県からの要請で、防衛医科大学校病院が埼玉県第１例目の患者を受け入れた。はくおうが東京湾に入った。帰国者一時滞在施設に陸自対特殊武器衛生隊、第１師団第１後方支援連隊衛生隊、東部方面衛生隊の計40名を派遣し、生活支援を開始。1月20日横浜発のダイヤモンド・プリンセス号クルーズに参加し、1月25日に香港で下船した乗客が、1月24日から感冒症状を自覚しており検査したところ、2月1日に感染が確認された。2月3日夜、下船者に新型コロナウイルス患者が確認されたダイヤモンド・プリンセス号（乗船者は乗員1045人＋乗客2666人）が横浜沖に錨泊。2月3日午後まで船内に新型コロナウイルス感染確認の情報は流されず、パブリック・スペースは開放されており、症状があるか濃厚接触した乗員・乗客計273人の再検疫を行ったところ、2月7日までに感染者61人が確認された。海上保安庁第３管区本部に対策本部を立ち上げ、巡視船いずを横浜港に派遣して警護と防疫作業支援に充て、巡視艇による感染者搬出などを行っている。2月4日、はくおうが海自横須賀基地に接岸した。外洋練習航海部隊TV-3513しまゆきとTV-3518せとゆきが江田内を出港したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、マーシャル諸島マジュロ島・クェゼリン島とミクロネシアのパリキールへの寄港を取り止めた。2月5日、自衛隊が帰国者一時滞在施設での健康管理支援を開始。2月6日、ダイヤモンド・プリンセス号に対して自衛隊が医官含む100名規模で医療支援を行うこととなり、防衛省・自衛隊に加えて厚生労働省・自治体・各国大使館職員との調整も行う統合現地調整所を開設、船内に携帯電話の電波が入らないので埠頭に移動基地局を、船内に中継装置を設置した。宿泊場所としてはくおうの使用を決定した。夜に羽田空港を出発した武漢からの帰国者向け日本政府チャーター機第４便に、自衛隊中央病院看護官２名が同乗し、検疫作業や健康チェックを行った。2月7日、はくおうが横浜に回航された。自衛隊が東北地方所在の部隊を中心とする医官や薬剤官によりダイヤモンド・プリンセス号に対する医療支援・陽性患者搬出支援と、自衛隊富士病院や東北方面衛生隊などの救急車４両による陽性患者搬送支援を開始。0000、出入国管理法に基づく水際対策の強化措置として、ホランド・アメリカ・ライン客船ウエステルダムの入港拒否を決定（フィリピンとタイも入港を拒否して2月13日にカンボジアに入港）。2月9日、自衛隊がダイヤモンド・プリンセス号に対する船内生活支援を開始。2月10日、ダイヤモンド・プリンセス号の乗員・乗客全員に対しPCR検査を行う方針となり、自衛隊が対特殊武器衛生隊の追加派遣を決定した。2月13日、日本国内で初めての死者が確認された。医師や看護師などの資格を持つ予備自衛官最大50名の招集命令を発出した。2月14日、はくおうの宿泊用個室では派遣自衛隊員分を賄えないことから、川崎近海汽船カーフェリーのシルバークィーンが追加でチャーターされ、横浜港大黒ふ頭に接岸した。ダイヤモンド・プリンセス号の乗員・乗客が下船を開始。下船後は埼玉県和光市の宿泊施設で経過観察を行うことになり、自衛隊が輸送を担当した。2月15日、シルバークィーンの隊員活動・宿泊拠点としての使用を開始。2月16日、ダイヤモンド・プリンセス号から自国民を帰国させるため、アメリカ政府チャーター便カリッタ・エアB747-400BCF貨物輸送機２機が羽田空港に飛来。自衛隊がアメリカへの帰国者330人とその手荷物を大型バス10両と大型トラック４両で横浜港から羽田空港まで輸送した。夜に羽田空港を出発した武漢からの帰国者向け日本政府チャーター機第５便に看護官２名が同乗し、検疫作業や検疫チェックを支援した。2月18日、ダイヤモンド・プリンセス号から自国民を帰国させるため、韓国空軍CN-235M要人輸送機が羽田空港に飛来。夜、河野防衛大臣がはくおうとシルバークィーンを視察し、隊員を激励した。2月19日、ダイヤモンド・プリンセス号から帰国するオーストラリア・ニュージーランド人計170人を自衛隊が羽田空港に輸送した。韓国空軍CN235-220M空軍３号が羽田空港を離陸し、金浦空港に向かった。2月20日、ダイヤモンド・プリンセス号から自国民を帰国させるため、イタリア空軍KC-767A空中給油輸送機が羽田空港に飛来。ダイヤモンド・プリンセス号から帰国するイスラエル人10人を自衛隊が羽田空港に輸送した。2月21-22日、ダイヤモンド・プリンセス号から帰国するイギリス人30人を自衛隊が羽田空港に輸送した。2月21日、ダイヤモンド・プリンセス号の船内検査で陰性だった乗客970人が下船を完了。ダイヤモンド・プリンセス号から帰国するカナダ人130人とイタリア人40人を自衛隊が羽田空港に輸送した。2月22日、ダイヤモンド・プリンセス号から自国民を帰国させるため、ロシア非常事態省An-148-100EM輸送機１機が羽田空港に飛来し、人員を移乗させて滞在１時間半で離陸した。2月23日、自衛隊がダイヤモンド・プリンセス号船内での医官らによる医療支援を終了。船内には乗員が残っているため、引き続き救急車を待機させている。また、無症状陽性者を自衛隊のバスで愛知県の医療施設に搬送する支援も実施中。2月25日、日本政府が水際対策から感染拡大防止策に重点を移した基本方針を提示。河野防衛大臣が来賓と部外者が参加する防衛省・自衛隊行事の３月末までの中止・延期を発表。シルバークィーンとの契約が終了したため、隊員ははくおうや近隣駐屯地に移動した。自衛隊がダイヤモンド・プリンセス号に残っていた外国人ら1000人の羽田空港への輸送を開始。ダイヤモンド・プリンセス号のフィリピン人乗員440人を自衛隊バスで横浜港から羽田空港に輸送。ダイヤモンド・プリンセス号から自国民を帰国させるため、フィリピン航空A330-343旅客機とA321-231旅客機１機ずつが羽田空港に飛来し、数時間後に離陸した。2月26日、ダイヤモンド・プリンセス号のインド人乗員など120人を自衛隊が大型バスで横浜港から羽田空港に輸送。2月27日から3月1日、ダイヤモンド・プリンセス号下船者のうち、陽性者や濃厚接触者など計230人を、一時滞在先となっている国税庁税務大学校に自衛隊が大型バスで輸送した。2月27日、日本政府が全国の小中学校・高校・特別支援学校に対し、3月2日から春休みまでの臨時休校を要請。2月28日、政府の休校要請を受け、防衛省が、子育て中の希望隊員に対し、特別休暇の付与と緊急登庁支援の活用の特例措置を執ることを決定し、3月2日から運用を始めた。2月28日、ダイヤモンド・プリンセス号から自国民を帰国させるため、ガルーダ・インドネシア航空A330-341旅客機が羽田空港に飛来。航空自衛隊浜松広報館が休館に入った。3月、防衛装備庁航空装備研究所で行っていたXF9-1の試験が新型コロナウイルス感染症の影響で一時中断された。3月1日、ダイヤモンド・プリンセス号の全乗員・乗客が下船。ダイヤモンド・プリンセス号のインドネシア人乗員70人を自衛隊が大型バスで横浜港から羽田空港に輸送。夜に自衛隊がダイヤモンド・プリンセス号への支援を終了した。最終的に感染者は712人に達し、13人が死亡した。3月3-13日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校措置を受け、緊急登庁支援の活用の特例措置が取られたことに伴い、空自那覇基地が基地勤務隊員の子供を預かる緊急登庁支援所を厚生センター内に開設した。3月3-24日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校措置を受け、緊急登庁支援の活用の特例措置が取られたことに伴い、海自横須賀地方総監部が横須賀基地勤務隊員の子供を預かる家族一時預かり所を開設した。3月4日、空自OBのつばさ会が防衛省を訪れ、災派活動中の空自隊員への激励品目録を空幕厚生課長に手渡した。3月6日、河野防衛大臣が自衛隊備蓄マスク155万枚のうち100万枚を拠出すると表明。3月8日、自衛隊がダイヤモンド・プリンセス号下船者や中国からの帰国者の一時滞在先となっていた国税庁税務大学校での生活支援を終了。3月9-13日、小牧のF-35戦闘機FACOが休業。3月10日現在、自衛隊病院などが70名態勢でPCR検査陽性者の受け入れを行っており、同日までの受け入れ計122人の内訳は、退院112人、転院２人、入院中８人である。3月13日、川崎近海汽船シルバークィーンが宿泊支援を終えて横浜港を出港。フランスから帰国した統幕所属海自幹部が新型コロナウイルスに感染したと発表した。3日に出国してフランス国立研究所主催のセミナーに出席したが、参加者に陽性者が出たため帰国したもので、無症状だがPCRで陽性だった。3月14日、DD-116てるづきが令和元年度外洋練習航海（飛行）のため江田内を出港したが、海外寄航地への訪問は全て中止し、帰投も予定より２日早めた。3月15日、災派隊員全員のPCR陰性を確認。感染者を１名も出さずに全隊員の経過観察を終了した。3月16日、河野防衛大臣が活動終結命令を発出し、自衛隊が災害派遣を終了。派遣規模は、陸上総隊、東北方面隊、東部方面隊、自衛艦隊、横須賀地方隊、大湊地方隊、教育航空集団、航空総隊、空自補給本部などの隊員延べ8700名（予備自衛官含む）で、自衛隊中央病院などではダイヤモンド・プリンセス号の陽性患者122人を治療した。自衛隊病院などでの感染症患者受け入れは継続する。防衛医科大学校病院が病院長を本部長とする新型コロナウイルス感染対策本部を設置。3月17日、河野防衛大臣が、3月中旬に開催予定の東京ディフェンス・フォーラム、4月5日に東京で開催予定の日・太平洋島嶼国国防大臣会合、同日予定の防衛大学校入校式、4月7日予定の防衛医科大学校・高等工科学校入校式を延期すると発表した。自衛隊家族会の令和元年度第４回全国理事会が中止された。3月18日、新型コロナウイルスの感染拡大防止の災害派遣活動に従事した隊員に、1月31日に遡って最大日額4000円の特例手当を支給する防衛省職員給与法施行令の改正が公布・施行された。3月23日、小池東京都知事が、今後の推移によっては都市封鎖ロックダウンなどの強力な措置を執る可能性がある、と発言。3月24日、東京オリンピック・パラリンピックの１年延期が決定。3月25日、板妻駐屯地が新型コロナウイルス対応要領教育を実施。3月26日、日本政府が改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、政府対策本部を設置。各都道府県も対策本部を設置し、防衛省も夜に新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げて全都道府県対策本部との連携を開始した。3月28日、河野防衛大臣が、自衛隊法第83条第２項ただし書きに基づき、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策強化に係る自主派遣による災害派遣を再び下命。空港でのPCR用検体採取支援、帰国者・入国者の空港から一時滞在施設への輸送支援、一時滞在施設での食事配分等の支援を行うことになり、医官や看護官を含む120名態勢での支援を開始した。4月1日、令和2年度防衛省新規採用者入省式を全国の各基地・駐屯地・機関など150カ所に分散して実施。弘前駐屯地が駐屯地防疫隊を編成した。大本営陸軍部地下壕の一般公開が延期・公開日未定となった。4月2日、自衛隊が拠出したマスク100万枚の返納が完了し、備蓄枚数が155万枚に復帰した。4月3日、感染拡大防止の観点から、令和２年度富士総合火力演習の一般公開中止が発表された。他の自衛隊関連一般公開イベントも軒並み中止、広報館や史料館も臨時休館となっている。宮城県知事から東北方面隊にPCR検査支援の災害派遣要請があり、4月4-6日に自衛隊仙台病院延べ70名（うち医官２名）が仙台市内で支援を行った。4月3日1446、長崎県知事から第22航空群に新型コロナウイルス肺炎患者の急患輸送に係る災害派遣要請が出されたため、肺炎患者１人をUH-60J救難ヘリで壱岐空港から大村航空基地に輸送した。4月5日、初の日・太平洋島嶼国国防大臣会合を東京で開催する予定だったが、延期された。4月6日、東京都知事から第１師団に、民間宿泊施設で受け入れる無症状者・軽症者の生活支援に係る災害派遣要請が発出された。防衛省共済組合が運営するホテルグランドヒル市ヶ谷が一時休業し、PCR検査結果待ち帰国者・入国者一時滞在先として受け入れ（最大137室216人）を開始。AGB-5003しらせが新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定を４日早めて横須賀基地に帰投。4月7日、安倍総理が、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡を対象に、5月6日まで１ヶ月間の緊急事態宣言を発令。第１師団が民間宿泊施設での受け入れ準備、ホテル従業員や委託業者に対する衛生教育、療養者への生活支援を開始。金沢駐屯地が新型コロナウイルス感染症対応訓練を実施。4月8日と10日、長崎海上保安部が、長崎県、消防、病院、医療センターと、離島から本土への新型コロナウイルス感染者搬送を想定した合同検証訓練を実施。4月8日、中部方面総監部、中部方面衛生隊、自衛隊阪神病院の隊員計５名（医官、看護官、救急救命士など）が法務省からの依頼で大阪拘置所職員に衛生教育（防護服着脱要領）を実施。4月10日、第13旅団が岡山県警職員５人に防護服着脱要領などの衛生教育を実施。自衛隊中央病院と防衛医科大学病院が治療薬候補アビガンの治験を開始。自衛隊福岡病院が、官庁間協力の一環で、副院長以下８名を福岡県内宿泊施設に派遣し、宿泊医療に携わる医師や県職員らに対して個人用防護服タイベックススーツ着脱要領などの衛生教育を実施。4月12日、高知県知事からの災害派遣要請を受け、第14旅団20名が高知市内の公共宿泊施設で陽性者に対する生活支援と県職員への衛生教育を開始。4月13-15日、宮城県知事からの災害派遣要請を受け、東北方面隊が自衛隊仙台病院から医官・看護官含む延べ70名を仙台市内に派遣し、PCR検査のための検体採取を行った。4月13-19日、兵庫県知事からの災害派遣要請を受け、第３師団20名が兵庫県内民間宿泊施設で陽性者に対する生活支援と施設スタッフに対する衛生指導・助言を実施。4月13日、統合幕僚監部が新型コロナウイルス感染防止に関する教育資料をホームページ上に公開した。4月14-20日、埼玉県知事からの災害派遣要請を受け、第１師団10名が埼玉県内の民間宿泊施設で陽性者に対する宿泊支援、県職員に対する衛生教育、病院−宿泊施設間の患者輸送を実施。4月14日、第１師団２名が千葉県職員10名に衛生教育を実施。4月15日、山崎統幕長がアメリカ統合参謀本部議長ミリー陸軍大将とテレビ会談を行い、新型コロナウイルス感染防止に関する日米の状況や取り組みについての意見交換を行った。4月16日、緊急事態宣言が日本全国に拡大された。防衛医科大学校病院が救命センターICUを新型コロナウイルス感染症専用ICUとして運用を開始した。4月17-18日、第11旅団などが北海道職員ら50人に衛生教育を実施。4月17-23日、千歳基地が手作りマスクコンテストを開催。4月17日、河野防衛相が教育訓練と勤務態勢の方針に関する大臣指示を発出。複数部隊が集合する教育訓練を控え、駐屯地・基地人員の半数以上が参加する教育訓練は原則中止・延期し、中止・延期が難しい場合は大臣に報告して判断することになった（期間は5月6日まで）。河野防衛相がフランスのパルリ軍事相と電話会談し、一刻も早く新型コロナウイルス感染症を終息させるべく、防衛当局として感染症対策を行う中で得られた情報・教訓・知見の共有で一致した。丸茂空幕長がアメリカ太平洋空軍司令官ブラウンジュニア空軍大将とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染症対応の意見交換を行い、空軍種間の連携強化で一致した。第４師団４名が福岡県職員10人に衛生教育を実施。第10師団10名が石川県職員ら30人に衛生教育を実施。第13旅団が鳥取県内７個町村職員計30人に防護服着脱要領などの衛生教育を実施。4月19日、第１師団が神奈川県職員らに衛生教育を実施。4月20-24日、第１師団が神奈川県の民間宿泊施設で軽症・無症状患者への生活支援を実施。第11旅団などの隊員が北海道の民間宿泊施設で軽症・無症状患者への生活支援を実施。4月20-26日、第１師団２名が千葉県の民間宿泊施設で軽症・無症状患者への生活支援を実施。4月20日から5月1日、第６師団10名が仙台市内でPCR検査場用天幕の展張及び維持管理を実施。4月20日、自衛隊がホテルグランドヒル市ヶ谷への常駐支援を巡回指導に切り換えた。第４師団が福岡県内の病院から宿泊施設への軽症患者輸送支援を開始。第１警戒群が勤務体制を在宅勤務併用に切り換えた。バーレーンのCTF151に勤務する海上自衛官１名が新型コロナウイルスに感染したと統幕が発表した。CTF151宿舎の清掃業者従業員が陽性になったことから検査して判明したもので、無症状であり、バーレーン国立病院に隔離されている。三菱重工長崎造船所香焼工場で係船中のコスタ・アトランチカで乗員１人の感染が判明し、4月25日までに乗員623人中148人が陽性となった。4月21日現在、防衛省・自衛隊は医官や看護官を含む280名が成田・羽田空港での検疫支援（PCR検査用検体採取）、PCR検査結果待ちの帰国者・入国者の空港から宿泊施設への輸送、関東・関西・中部の各宿泊施設に滞在する帰国者・入国者への生活支援などを実施中。4月21日、第14旅団５名が香川県職員ら15人に衛生教育を実施。4月22-24日、西部方面隊医官ら延べ70名がコスタ・アトランチカ船員のPCR用検体採取支援を実施。4月22日、山崎統幕長がオーストラリア国防軍司令官キャンベル陸軍大将と電話会談し、新型コロナウイルスによる状況や感染拡大防止への取り組みなどについて意見交換を行った。第１師団衛生科隊員が、成田空港第２ターミナル駐車場で、民間運輸会社社員に感染予防教育を行った。4月23日、丸茂空幕長がフィリピン空軍司令官パレデス空軍中将とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染症対応の意見交換を行い、空軍種間の連携強化で一致した。4月24日、河野防衛大臣がドイツのカレンバウアー国防相と電話会談し、ドイツ国防相からはダイヤモンド・プリンセス号の乗客だったドイツ人夫妻が自衛隊中央病院の治療で回復し帰国に至ったことに謝意があり、河野防衛大臣はその夫妻から湯浅陸幕長に感謝の手紙が届いたことを報告した。河野防衛大臣がアメリカのエスパー国防長官と電話会談し、新型コロナウイルスへの対応、インド太平洋地域情勢、在日米軍に関する諸課題などについて意見交換した。北海道知事から患者輸送の災害派遣要請があり、北部方面航空隊UH-1Jが利尻空港から稚内空港に患者を搬送した。4月25日、八ヶ岳連峰阿弥陀岳から救助した遭難者に新型コロナウイルス感染の疑いがあると判明したため、救助を担当した長野県のヘリパイロット、整備士、山岳救助隊員など10人が、陰性確認までの２日間に亘り出動できなくなった。4月26日から5月10日、西部方面隊医官ら延べ60名がコスタ・アトランチカ船員延べ20人に船外医療活動を実施。4月27日から5月10日、関東補給処松戸支処の隊員54名が布製迷彩マスク1500枚を製作し、各部隊に配布した。4月27日、自衛隊が自主派遣による患者輸送支援を完了。延べ隊員2920名が参加し、延べ6110人（成田空港4050人、羽田空港1000人、関西国際空港330人、中部国際空港740人）を一時滞在施設に輸送した。ソマリア沖海賊対処行動第38次航空隊P-3C哨戒機２機がジブチに到着したが、ジブチ政府の入国制限により第37次航空隊隊員60名は交代できず、P-3Cだけ入れ替えてそのまま任務を継続した。4月28日、河野防衛大臣がイギリスのウォレス国防相と電話会談し、日英2+2の早期開催を確認、新型コロナウイルスに関する自衛隊の活動や感染予防策などについて説明した。丸茂空幕長が第５航空軍司令官兼在日米軍司令官シュナイダー空軍中将及びインド空軍参謀長バーダウリア空軍大将とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染症対応の意見交換を行い、空軍種間の連携強化で一致した。横田基地司令官が、横田基地の医療機関に送られた海軍兵に少数の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。チャーター便の運行中止に伴い、自衛隊が中部地方での帰国者一時滞在施設生活支援を休止した。4月30日、丸茂空幕長がインド太平洋地域空軍参謀長等とのテレビ会談に参加し、新型コロナウイルス感染拡大への対応に関する連携で一致した。石川県から災害派遣要請を受け、第10師団第14普通科連隊が輸送業務を担う県職員及び民間業者への教育支援を行った。5月1日、河野防衛相がカナダのサージャン国防相と電話会談し、新型コロナウイルスに関する自衛隊の活動や感染予防策などについて説明、新型コロナウイルス感染症に関してカナダ軍が行っている支援活動の状況に関する説明を受けた。鳥取県自衛隊家族会女性部部長・副部長が鳥取地方協力本部を訪れ、部員が作製した布マスク100枚を贈呈した。5月2-14日、コスタ・アトランチカの診療支援のため、自衛隊富士病院CT診断車１両と、西部方面隊及び自衛隊富士病院の隊員計４名を現地に派遣した。5月4日、日本政府が緊急事態宣言を5月31日まで延長すると決定。自衛隊が関西での自主派遣による生活支援を終了。5月7日、河野防衛大臣がオーストラリアのレイノルズ国防相と電話会談し、地域情勢について意見交換を行い緊密な連携で一致、新型コロナウイルスに関する自衛隊の活動や感染予防策などについて説明した。5月8日、河野防衛大臣が、4月17日に発出した教育訓練と勤務態勢の方針に関する大臣指示を、5月31日まで延長したと発表した。河野防衛大臣とインドのシン国防大臣が電話会談し、空自とインド空軍の戦闘機共同訓練を新型コロナウイルス感染症終息後に延期すると決定した。5月13日、出入国在留管理庁からの依頼を受け、東部方面総監部と東部方面衛生隊の医官・看護官ら計９名を派遣し、東京出入国在留管理局などの職員に防護服着脱方法などの教育を行った。空自准曹士先任が水際対策強化の災害派遣に従事する空自隊員を激励した。5月14日、緊急事態宣言の対象地域が北海道、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫に縮小された。自衛隊がコスタ・アトランチカへの支援活動を終了。自衛隊家族会が自衛隊中央病院勤務者に激励品を贈呈した。日本外航客船協会が外航クルーズ船事業者の新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン第１版を発表。5月18日、東京都隊友会台東支部が東京地本台東出張所に手作りの布製マスクを提供した。5月19日現在、自衛隊は看護官を含む50名体制で成田・羽田空港での検疫支援（PCR検体採取）及び関東地方宿泊施設に滞在する帰国者・入国者支援を実施中。5月19日、河野防衛大臣がニュージーランドのマーク国防相、シンガポールのエンヘン国防相、インドネシアのスビアント国防相と電話会談し、２国間防衛協力や地域情勢などの意見交換を行い、新型コロナウイルス対策の知見を共有した。5月20日、河野防衛大臣がイタリアのグエリーニ国防相と電話会談し、２国間防衛協力などの意見交換を行い、新型コロナウイルス対策の知見を共有した。5月21日、緊急事態宣言の対象地域が北海道、東京、神奈川、千葉、埼玉に縮小された。河野防衛大臣が在日イギリス大使館でマデン駐日大使と会談し、新型コロナウイルス対策に関する意見交換を行った。5月22日、河野防衛大臣が、防衛大学校と防衛医科大学校の入校式を中止すると発表した。5月23日、富士総合火力演習の学生向け教育演習が行われ、中止になった一般公開の代わりにインターネットで公開された。第21航空群が手作りマスク96枚を館山市児童養護施設ひかりの子学園に寄贈した。5月25日、緊急事態宣言が解除された。夜、河野防衛大臣が新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催。5月26日現在、自衛隊は看護官ら30名体制で成田・羽田空港での検疫支援（PCR検体採取）及び関東地方宿泊施設に滞在する帰国者・入国者支援を実施中。3月28日からの延べ派遣隊員数は13000名にのぼる。5月26日、防衛省が、防衛省・自衛隊の活動に関する方針を発出。北海道・東京・神奈川・埼玉・千葉との間の異動を伴う教育訓練の6月18日までの自粛、教育訓練時の三密回避・マスク着用・アルコール消毒などの徹底、テレワークを含む在宅勤務・時差出勤・交替制勤務の継続、宴会や会合の6月18日までの自粛、行事等の開催の段階的正常化などを行うことになった。5月27日、丸茂空幕長がイギリス空軍参謀長ウィグストン大将と電話会談を行い、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や地域情勢について意見交換し、日英空軍種間の連携進展で一致した。5月28日、航空自衛隊・航空幕僚監部がオーストラリア空軍との実務者交流・意見交換をテレビ会議で実施。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を含むインド太平洋地域の安全保障環境や、日豪空軍種間連携などについて意見交換した。5月29日、ブルーインパルスが東京で医療従事者に敬意と感謝を示す航過飛行を実施。一周目はデルタ・ローパス、二周目はフェニックス・ローパスで高度3000-5000フィートを時速500kmで周回した。自衛隊が関東地方の宿泊施設に滞在する帰国者・入国者への生活支援を厚生労働省と民間事業者に移管した。防衛省が延期されていた一般幹部候補生及び歯科・薬剤科幹部候補生の採用試験を特例で２回に分けて実施すると発表。一般曹候補生１次試験も複数回行うことにした。5月31日1900、水際対策強化に係る災害派遣の撤収命令が出された。延べ活動隊員8670名／13300名（後方要員含む）で、空港から宿泊施設への輸送人員6110人、生活支援17180人だった。ホテルグランドヒル市ヶ谷も宿泊支援活動を休止。市中感染対応に係る災害派遣等は引き続き実施しており、こちらの活動隊員数は4月3日から5月31日までで延べ2100名である。6月1日、大村航空基地海曹会会長が長崎県大村市ボランティアセンターあいわーくを訪問し、大村市社会福祉協議会会長に手作りマスク52枚を贈呈した。6月2日、河野防衛大臣がモンゴルのエンフボルド国防相と電話会談し、新型コロナウイルス対応などの意見交換を行い、防衛協力強化と東・南シナ海情勢での緊密な連携で一致した。6月4日、自衛隊那覇病院長と南西航空方面隊司令部医務官以下隊員11名が在日米海兵隊キャンプ・フォスターの在沖米海軍新型コロナ統合対策本部と在沖海軍病院を研修した。国際航空宇宙展2021の延期が決定した。6月5日、河野防衛相が、新型コロナウイルス感染拡大防止の災害派遣参加隊員を対象とする夏のボーナス増額支給と、自衛隊病院などの医官や看護官ら医療従事者に対する特別手当支給を発表した。岩手県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、東北方面隊10名が県職員と医療関係者20人に感染防止などの教育支援を行った。6月9日、河野防衛大臣がUAEのボワルディ国防担当国務大臣とテレビ会談し、中東地域における情報活動や、新型コロナウイルス対策で認識を共有した。令和2年度遠洋練習航海（前期）部隊が呉を出港。海外寄港地はシンガポールのチャンギのみで、内容も補給だけである。6月11-12日、鳥取県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第13旅団20名が県職員40人に感染防止などの教育支援を行った。6月11日、岐阜県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第10師団５名が県職員ら10人に衛生教育を実施。6月12日、山崎統幕長がEU軍事委員会議長グラチアーノ陸軍大将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症に関する状況や拡大防止について意見交換を行い、防衛協力・交流の重要性を確認した。山崎統幕長がカナダ軍参謀総長バンス陸軍大将と電話会談し、連携強化を確認すると共に、新型コロナウイルス感染症に関する状況や対策について意見交換した。6月14-18日、幹部学校が海軍作戦計画作成手順教育プログラムAPNIC2021を新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン開催した。6月16日、河野防衛相がパプアニューギニアのソロマ国防相と電話会談し、新型コロナウイルス対策や、新型コロナウイルスの影響で中断している二国間防衛協力・交流などの意見交換を行った。6月17日、石川県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第10師団20名が自治体職員及び医療関係者140人に感染防止などの教育支援を行った。富山県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第10師団20名が医療関係者ら40人に衛生教育を行った。6月22-23日、福岡県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第８航空団延べ10名が自治体職員延べ80人に感染防止などの教育支援を行った。6月22日、陸幕が全国自衛隊地方協力本部長会議を新型コロナウイルス感染症対策でオンラインにより実施。海上自衛隊呉史料館が再開館した。6月23日、山崎統幕長がエジプト軍参謀総長ヘガージ陸軍中将と電話会談を行い、防衛協力推進の重要性を確認し、新型コロナウイルス感染症の状況や対策について意見交換した。第５管区海上保安本部が新型コロナウイルス感染疑い要救助者の移送訓練を実施。6月24-30日、防衛省共済組合運営ホテルグランドヒル市ヶ谷が東館客室の窓をハート型やHOPEの門司に点灯するウインドー・イルミネーションを行い、医療従事者などへの感謝の気持ちを発信した。6月24日、鹿屋航空基地史料館と佐世保史料館が再開館した。6月25日、山村海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官アクイリノ海軍大将とテレビ会議を行い、新型コロナウイルス感染症の情報を共有し、防衛協力・交流などについても緊密な協力と情報交換で一致した。丸茂空幕長がアメリカ空軍参謀総長ゴールドフィン大将と電話会談を行い、新型コロナウイルス感染症拡大下での日米空軍種間防衛協力に関する意見交換を実施、日米同盟の重要性を再認識し、連携強化で一致した。6月27日、陸自広報センターが再開館した。7月1日、航空自衛隊浜松広報館が再開館した。防衛省共済組合運営ホテルグランドヒル市ヶ谷が全館で営業を再開した。7月2日、山崎統幕長がフランス軍統合参謀総長ルコワントル陸軍大将とテレビ会談し、日仏防衛協力・交流の重要性を確認すると共に、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する意見交換を行った。7月5日、鹿児島県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第８師団10名が県庁職員などに対し教育支援を行った。7月8日、湯浅陸幕長がオーストラリア陸軍本部長バー中将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症拡大の現状を踏まえ、自由で開かれたインド太平洋の維持強化のためには、日米豪印の連携や協力が重要であることを確認した。7月13日、名古屋出入国在留管理局の依頼で航空機動衛生隊が小牧情報保全派遣隊の支援を受け同局職員25人に新型コロナウイルス感染症予防教育を実施。7月20日、河野防衛大臣がマレーシアのヤーコブ国防省と電話会談し、新型コロナウイルスに関する情報・教訓・知見の共有を申し合わせた。海上保安庁が大阪府泉大津市の阪九フェリー・ターミナルで新型コロナウイルス感染症患者搬送訓練を実施。7月21日、河野防衛大臣がNATOのストルテンベルグ事務総長と電話会談し、新型コロナウイルスに関する情報・教訓・知見の共有を申し合わせた。日本政府の要請で、在日米軍がホームページ上での感染概要発表を開始。7月23日に令和2年度米国派遣訓練（護衛艦）／リムパック2020に参加するため出国を予定していたDDG-178あしがらで、乗員１名が新型コロナウイルスに感染していたため、出国が8月1日に遅れた。7月22日、山村海幕長がフィリピン海軍司令官バコルド中将とテレビ会談し、コロナ下での防衛協力・交流継続で一致した。7月24日、鹿児島県知事から新型コロナウイルス感染者の急患輸送に係る災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊がCH-47JAヘリ１機を那覇空港−与論空港−奄美大島佐大熊ヘリポート−那覇空港のルートで飛ばし、感染者10人を輸送した。7月25日、鹿児島県知事から新型コロナウイルス感染者の急患輸送に係る災害派遣要請があり、海自鹿屋航空分遣隊がUH-60J救難ヘリ２機を鹿屋航空基地−奄美大島佐大熊ヘリポート−鹿児島市内ヘリポート−鹿屋航空基地のルートで飛ばし、感染者４人を輸送した。7月29日、大阪府知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第３師団６名が宿泊施設従業員などに教育支援を行った。7月31日、沖縄県が沖縄本島全域での不要不急の外出自粛などを求めた沖縄県緊急事態宣言（期間は8月1-29日）を発出した。鹿児島県知事から新型コロナウイルス感染者の急患輸送に係る災害派遣要請が出され、第15ヘリコプター隊がCH-47JAで与論島から奄美大島に陽性者５人を輸送した。8月3日、大阪府知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第３師団３名が民間宿泊施設従業員など20人に教育支援を行った。市ヶ谷台ツアーが再開された。8月4日、山崎統幕長がシンガポール軍司令官キアット陸軍中将とテレビ会談し、防衛協力推進の重要性を確認すると共に、新型コロナウイルスに関する状況を確認し、感染予防などの情報を交換した。陸自中央音楽隊がアメリカ海兵隊軍楽隊と行った、新型コロナウイルスに立ち向かう人たちに元気と勇気を贈るリモート演奏を、ユーチューブ陸自広報チャンネルに配信した。8月5日、感染拡大防止で人間の密集を避ける必要があることから、ブルーインパルスが2020年末まで展示飛行を行わないことになった。山村海幕長がオーストラリア海軍本部長ヌーナン中将とテレビ会談し、コロナ下でも自由で開かれたインド太平洋の維持強化のため緊密に協力することを確認した。8月6日、河野防衛相がパキスタンのバジュワ陸軍参謀長とテレビ会談し、新型コロナウイルス対応に関する意見交換を行った。8月7日、三重県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第10師団10名が県職員20人に教育支援を行った。8月8日、沖縄県知事から新型コロナウイルス感染者の急患輸送に係る災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊がCH-47JAヘリ１機を那覇空港−宮古空港−那覇空港のルートで飛ばし、感染者１人を輸送した。8月12日、河野防衛相がトンガのトゥクイアウラヒ国防相と電話会談し、日・太平洋島嶼国国防大臣会合JPIDDのコロナ終息後の早期開催で一致した。8月13日、静岡県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第１師団３名が県職員10人に教育支援を行った。8月18-31日、沖縄県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第15旅団と那覇病院の看護官10名（看護班）と後方要員10名（輸送班）が沖縄県内医療機関で医療支援を行った。8月22-31日には西部方面隊看護官など10名が加わっている。8月18日、大阪府知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第３師団６名が民間宿泊施設従業員など30人に教育支援を行った。8月19日、河野防衛大臣がフィジーのセルイラトゥ防衛・国家安全保障・警察相とテレビ会談し、日・太平洋島嶼国国防大臣会合JPIDDのコロナ終息後の早期開催で一致した。8月21日、湯浅陸幕長がフィリピン陸軍ソベハナ中将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症拡大の現状を踏まえつつ、自由で開かれたインド太平洋の維持強化のため、感染症終息後を見据えた両国陸軍種間の防衛協力・交流について意見交換した。8月24-28日、北海道周辺で在日米空軍との共同訓練（米軍再編に係る航空機移転訓練）を実施。在日米空軍参加者200名は、全員が日本居住者で、PCR検査陰性であることを確認し、千歳基地と宿泊先のホテル以外への外出禁止を徹底した。8月25-26日、山崎統幕長がインド太平洋参謀長等CHOD会議にオンラインで出席し、新型コロナウイルス感染症下でのインド太平洋諸国の連携の重要性を発信した。8月27日、愛知県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、第10師団６名が民間事業者ら20人に教育支援を行った。河野防衛大臣がフィンランドのカイッコネン国防相とテレビ会談し、防衛当局として新型コロナウイルス感染症対策を行う仲で得られた情報・教訓・知見の共有を確認した。8月28日、日本政府対策本部が、2021年前半までに全国民分のワクチン確保を目指す対応策を表明。TV-3508かしまが令和2年度後期遠洋練習航海のため呉を出港。海外寄港地はアメリカのみである。8月28日1913、長崎県知事から海自第22航空群に新型コロナウイルス患者急患空輸の災害派遣要請が出されたため、8月29日0900に第22航空群第22航空隊UH-60Jヘリが離陸し、対馬空港で患者１人を収容、0950に離陸して1035に大村航空基地に着陸し、救急車に引き継いだ。8月30日に中東地域派遣情報活動第３次水上部隊として横須賀を出港したDD-101むらさめで、9月1日に乗員１名の新型コロナウイルス感染が判明したため、横須賀基地に引き返して当該乗員は退艦し、濃厚接触者16名を隔離、艦は横須賀基地に待機して他に感染者がいないことを確認し、9月16日に再度出港して中東に向かった。9月1日、全国防災訓練は規模を縮小して実施。9月7日、山崎統幕長がインドネシア軍司令官チャフヤント空軍大将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症に関する状況や感染拡大防止の取り組みについて意見交換した。9月8日、長野県知事から新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請があり、9月9-12日に第12旅団延べ30名が県職員延べ80人に教育支援などを行った。9月11日、令和2年度自衛隊音楽まつりの中止が発表された。代わりに青少年のための３自衛隊合同コンサートを行う予定。9月14日、山崎統幕長がマレーシア軍司令官ブアン空軍大将とテレビ会談し、両国の新型コロナウイルス感染状況や感染防止の取り組みなどについて意見交換を行い、情報を共有した。9月18日1850、東京都知事から急患空輸に係る災害派遣要請が出され、第21航空群UH-60Jヘリが患者２人を父島から硫黄島に搬送した。9月19-21日、舞鶴地方隊マリンフェアを事前公募制で実施。9月21日、インターネット上でエア小松航空祭2020を実施。9月24日0012、東京都知事から海自航空集団司令官に新型コロナウイルス患者の急患空輸に係る災害派遣要請が出されたため、患者２人を父島から硫黄島まで第21航空群UH-60Jヘリ１機で、硫黄島から厚木航空基地まで第４航空群P-1哨戒機１機で輸送した。9月29日、湯浅陸幕長がカンボジア軍副司令官兼陸軍司令官マネット中将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症への対応状況について意見交換した。第32回海上自衛隊水泳大会を全国５地区６会場で初のオンライン開催した。9月30日、朝霞駐屯地で新型コロナウイルス感染者が判明。同じ教育課程を受講していた関係者124名にPCR検査を行ったところ、27名が陽性となり、その後の検査でも濃厚接触者らに陽性者が判明、10月13日現在で履修者34名・課程修了後接触者９名が陽性となった。10月7日、日米防衛・外務当局審議官級協議がテレビ会議方式で行われ、防衛政策局次長、北米局参事官、国防次官補代理、国務次官補代理が参加、新型コロナウイルス感染症の影響を含む安全保障環境などについて意見交換した。10月8日、国際航空宇宙展2021の中止が発表された。10月22日、アメリカ太平洋艦隊先任伍長が主催する多国間テレビ会議の上級下士官リーダー・シンポジウムが行われ、海自先任伍長、自衛艦隊先任伍長、横須賀地方隊先任伍長が参加し、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、ニュージーランド、フィリピンの下士官らと、新型コロナウイルス感染症下でも自由で開かれたインド太平洋の実現のため協力を続け、意見交換や交流により関係を深化させることで一致した。10月23日、岸防衛大臣がフィリピンのロレンザーナ国防相とテレビ会談し、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、感染症対策の分野でも防衛協力を推進する方針を伝えた。11月2日、岸防衛大臣がインドネシアのスビアント国防相とテレビ会談し、感染症対策分野での防衛協力推進を申し合わせた。11月4日1330、鹿児島県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス患者の急患空輸に係る災害派遣要請が出されたため、第15旅団がCH-47JAで患者６人を与論島から奄美大島に輸送した。同日1415、鹿児島県知事から第１航空群司令に新型コロナウイルス患者の急患空輸に係る災害派遣要請が出されたため、第１航空群がUH-60J救難ヘリで新型コロナウイルス患者１人を奄美大島から鹿児島県に輸送した。11月5日、太平洋合同安全保障会議2020がテレビ会議方式で行われ、山崎統幕長、海保、オーストラリア国防軍司令官など太平洋島嶼国を中心に25カ国が参加、新型コロナウイルスや自然災害などの対応や教訓について意見交換した。11月6日、鹿児島県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス患者の急患空輸に係る災害派遣要請が出されたため、第15旅団がCH-47で患者12人を与論島から奄美大島に輸送した。第62次南極地域観測協力のため横須賀を出港したAGB-5003しらせは、新型コロナウイルス感染症対策のため日本近海に２週間待機した後で南極観測隊員らを乗艦させ、往復路共にオーストラリアには寄港しないことになった。11月7日、自衛隊殉職隊員追悼式を例年の３分の１以下の規模に縮小して開催。11月10日、岸防衛大臣がドイツのカレンバウアー国防相とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染症流行下の人道支援・災害救援で得られた教訓の共有、感染拡大対処能力の向上に向けた第３国協力を進める新たな機会の模索、自国に有利な国際秩序・地域秩序形成を図る影響工作などに対する意見交換を進めることを申し合わせた。民航機の運航状況が不安定で、ソマリア沖海賊対処活動に必要な物資輸送が滞る恐れがあるため、空輸隊等の人員を90名から130名に拡大した。11月12日、海自と日本造船工業会艦艇部会がコロナ禍における艦船造修の実施に関する申し合わせの署名式を実施。11月16日、岸防衛大臣がベトナムのリック国防相とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、感染症対策分野での防衛協力推進を申し合わせた。11月17-22日、井筒空幕長がパールハーバー・ヒッカム統合基地に出張し、アメリカ太平洋空軍司令官ウィルズバック大将と会談、新型コロナウイルスの影響について話し合った。11月25日、岸防衛大臣がカナダのサージャン国防相と電話会談し、新型コロナウイルス感染症拡大下での人道支援・災害救援活動で得られた教訓の共有、感染拡大対応能力強化のための第３国協力を進める新たな機会の模索、偽情報への対処を含めた法に基づく国際秩序強化のための情報共有・意見交換で互いに協力することを確認した。11月28日、航空観閲式を飛行展示無しなど規模縮小して入間基地で実施。11月30日、山崎統幕長がNATO軍事委員長ピーチ英空軍大将とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染症対策を含めた共通の課題に対し、引き続き共に対応することで一致した。12月3日、空幕人事計画課が編成部隊等以上准曹士先任集合訓練と日米下士官交流を新型コロナウイルス感染症対策でオンラインにより実施。12月7-18日に行われたフォレストライトの期間中、陸自隊員７名の新型コロナウイルス感染が判明した。訓練自体は予定通り完了している。12月7日、政府が、医療体制の逼迫している北海道と大阪府に対し、正式に災害派遣要請があれば、自衛隊の医官や看護官などを派遣する方向で最終調整に入った。岸防衛相がシンガポールのエンヘン国防相とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、感染症対策分野での防衛協力推進で一致した。12月8日、鹿児島県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス患者の急患空輸に係る災害派遣要請が出されたため、CH-47JAヘリで患者９人を徳之島から鹿児島市内に輸送した。北海道旭川市で新型コロナウイルス感染拡大により医療体制が逼迫し、北海道知事から医療支援に係る災害派遣要請が出されたため、岸防衛大臣が陸上自衛隊看護官10名の災害派遣を発表、北部方面総監が災害派遣命令を発出した。12月9-21日、北部方面隊看護官ら10名（看護官１名と准看護師４名からなるチーム２個）を旭川市内の慶友会吉田病院と障害者施設療育園に派遣した。12月9日1125、鹿児島県知事から第１航空群司令に新型コロナウイルス患者の急患輸送に係る災害派遣要請が出され、UH-60J救難ヘリ１機が鹿屋基地を離陸、陽性者２人を屋久島空港で収容し、鹿児島市マリンポートかごしまに空輸、救急隊に引き継いだ。12月10日、ASEAN議長国のベトナムがテレビ会議方式で実施した第６回日ASEAN防衛担当大臣会合と第７回拡大ASEAN国防相会議ADMMプラスに岸防衛相がオンラインで出席。鹿児島県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス患者の急患空輸に係る災害派遣陽性が出されたため、CH-47で患者19人を徳之島から奄美大島まで輸送した。12月11日、大阪府知事から災害派遣要請があり、12月14日に中部方面総監が災害派遣命令を発出、防衛医科大学校所属陸自看護官１名を含む中部方面隊看護官等７名が12月15日に研修を受け、12月16日から大阪コロナ重傷センター（防医大看護官１名、准看護師２名）と大阪府立中河内救命救急センター（看護官１名、准看護師３名）に派遣された。12月15日、岸防衛大臣がブラジルのシルヴァ国防相とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた感染症対策分野での防衛協力推進を申し合わせた。12月16日、第54回自衛隊高級幹部会同を新型コロナウイルスの影響により初のテレビ会議形式で実施。12月21日、海幕長と海幕副長が感染したと防衛省が発表した。16日に14名で行われた会合・会食で感染したとみられ、他に２名が陽性になっている。会食そのものは感染防止策を取っていて問題が無かったが、危機管理官庁の対応としては問題があったとして、岸防衛大臣が指導を行った。海幕長・副長とも無症状だったためテレワークで業務を継続している。12月22日、岸防衛相がインドのシン国防相と電話会談し、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、人道支援・災害救援活動で得られた教訓の共有、感染拡大対処能力向上機会の模索、偽情報対処を含めた国際秩序強化のための意見交換を申し合わせた。

2021年1月7日、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に1月8日から１ヶ月間の予定で緊急事態宣言を発令（その後3月7日までに延長）。1月8日、岸防衛大臣が、緊急事態宣言対象地域の部隊による地域外訓練の原則中止、緊急事態宣言対象地域外の部隊による地域内での訓練中止、対象地域内外を往来する出張の中止、在宅勤務推進による職員出勤回避７割目標を発表した。1月12日1506、沖縄県知事から第15旅団長に急患空輸の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊CH-47ヘリが新石垣空港で新型コロナウイルス陽性患者１人を乗せ、那覇基地に空輸して救急隊に患者を引き渡し、2019に知事からの撤収要請で活動を終了した。1月13日、大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木に2月7日までの予定で緊急事態宣言を発令（その後、栃木以外は3月7日までに延長）。1月23日、近畿中部防衛局が地方防衛局初のオンライン防衛問題セミナーを実施。1月28日、井筒空幕長がカナダ空軍司令官マイジンガー中将とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の強化のため、新型コロナウイルス感染症下でも防衛協力と交流を深化させることで一致した。2312、沖縄県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス陽性者の急患空輸に係る災害派遣要請が出され、第15ヘリコプター隊が陽性者１人をCH-47JAヘリで宮古島から那覇まで空輸した。1月29日0802、沖縄県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス陽性者の急患空輸に係る災害派遣要請が出され、第15ヘリコプター隊が陽性者１人をCH-47JAヘリで宮古島から那覇まで空輸した。1633、沖縄県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス市中感染拡大防止に係る災害派遣要請が出され、看護官１名と准看護師４名を宮古島市に派遣し、1月31日から2月13日1700まで医療機関などで医療支援を行った。宮古警備隊が災害派遣隊管理支援隊を派出して車両や衣類の除染といった後方支援にあたっている。1月30日、岸防衛大臣が防衛医科大学校を視察し、新型コロナウイルス対処などの任務にあたる医官や看護官ら職員を激励した。2月3日、第４回日英2+2が新型コロナウイルス感染拡大の影響によりテレビ会議形式で開催された。宮古地区自衛隊家族会が宮古島駐屯地を訪問し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療支援などを行っている第15旅団災害派遣隊を激励した。2月4日、岸防衛大臣がサウジアラビアのアブドルアジーズ国防副大臣と電話会談し、防衛協力・交流強化で一致、新型コロナウイルスの影響を踏まえた感染症対策の分野での協力推進を申し合わせた。0813、沖縄県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス陽性者の急患空輸に係る災害派遣要請が出され、第15ヘリコプター隊が陽性者１人をCH-47JAヘリで宮古島から那覇基地まで空輸した。2月5日、働き方改革推進コンテスト海幕長表彰がリモート形式で行われ、新型コロナウイルス感染防止対策に取り組んだ岩国航空基地隊が受賞した。2月7日、北方領土の日に合わせ、令和3年北方領土返還要求全国大会をリモート形式で実施。舞鶴音楽隊が第55回定期演奏会を舞鶴市総合文化会館で開催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、部内者のみの実施となり、一般向けには後日海自公式ユーチューブで配信した。2月17日、全国100の医療機関の40000名を対象にワクチン優先接種を開始。2月19日、岸防衛大臣が、防衛省・自衛隊のワクチン優先接種対象者は、自衛隊中央病院、自衛隊病院15カ所、防衛医大病院に勤務する6000名と、３自衛隊衛生隊などの8000名の計14000名となる見込みと発表した。2月23-26日、海自幹部学校が第24回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを新型コロナウイルス感染拡大の影響により初のオンライン形式で実施。2月24日、埼玉県の要請で防衛医科大学校病院が所沢市内の医療機関に勤務する一部医療従事者2500人を対象とする新型コロナウイルスワクチン優先接種を行うと、岸防衛大臣が明らかにした。3月4日、日米防衛・外務審議官級協議が開催され、新型コロナウイルスの影響を含む地域の安全保障環境や二国間防衛協力などについて意見交換した。3月8日、自衛隊中央病院で新型コロナウイルスワクチンの優先接種を開始。3月10日、岸防衛大臣がUAEのボワルディ国防担当国務大臣とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染拡大を受けた感染症対策分野での防衛協力・交流促進を確認した。3月11日、前年の新型コロナウイルス対応で功績のあった７隊員に岸防衛大臣からの１級賞詞、31部隊に岸防衛大臣からの１級賞状が授与された。3月17日、岸防衛大臣が来日したウクライナのタラン国防相と対面で会談する予定だったが、ウクライナ側随行者１人が新型コロナウイルス陽性だったため、テレビ会談に変更した。3月19日、下総航空基地が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期されていた新成人28名の祝賀行事を実施。4月1日、防衛省新規採用者628名の入省式を全国150カ所の会場に分散して実施。4月2-3日、ソマリア沖海賊対処部隊のジブチ拠点で隊員４名の感染が確認されたため、4月6日に残る全隊員を検査したところ、4月7日に17名の陽性が確認され、隔離措置が執られた。4月12日、大阪・宮城などに次いで東京・京都・沖縄にまん延防止等重点措置を開始。4月14日1023、沖縄県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス患者の急患輸送に係る災害派遣要請が出されたため、第15ヘリコプター隊CH-47JAヘリで宮古島から那覇に陽性者９人を空輸した。4月18日、防衛大学校本科第69期生が初の引率外出を実施。新型コロナウイルス感染予防のため、上級生１名が引率できる人数を１年生３名までに制限し、マスクなどの基本的予防策を徹底した。4月22日1120、長崎県知事から第22航空群司令に新型コロナウイルス感染者陽性者の急患空輸に係る災害派遣要請があり、第22航空隊UH-60Jヘリ１機が上五島ヘリポートから大村航空基地に陽性者１人を空輸した。4月27日、菅総理が岸防衛大臣に、高齢者への新型コロナウイルス予防接種促進を目的とする自衛隊運営の大規模接種センターを、東京及び大阪に設置するよう指示した。期間は5月24日から３ヶ月間の予定で、自衛隊東京大規模接種センターを大手町合同庁舎３号館に置いて１日１万人、自衛隊大阪大規模接種センターを大阪府立国際会議場に置いて１日５千人に接種する。これを受け、防衛省は中山副大臣を長とし、政務官２名を本部長代理とする大規模接種対策本部を設置、準備に入った。4月30日、ゴールデンウィーク青森・北海道クルーズ中の客船飛鳥�Uで新型コロナウイルス陽性者１人が確認され、クルーズを中止して5月1日に横浜に帰港した。他に乗員425人と乗客294人が乗っていたが、保健所の調査で濃厚接触者は家族２人のみと判断され、陽性者と合わせて都内に搬送されている。5月9日1245、鹿児島県知事から第１航空群司令に急患輸送の災害派遣要請があり、第22航空隊鹿屋航空分遣隊がUH-60Jヘリで鹿児島県奄美市佐大熊ヘリポートから鹿児島市マリンポート鹿児島に新型コロナウイルス患者１人を空輸、救急車に引き継いだ。5月10日、防衛医科大学校病院が、埼玉県からの要請で、所沢市とその周辺の医療従事者500名を対象とする新型コロナウイルスワクチン接種を開始。5月13日1340、長崎県知事から第22航空群司令に急患空輸の災害派遣要請があり、第22航空隊が新型コロナウイルス陽性患者１人をUH-60Jヘリで壱岐空港から大村航空基地に空輸した。5月14日、第22航空隊が新型コロナウイルス陽性患者１人を壱岐空港から大村航空基地に空輸した。5月17日、東京・大阪大規模接種センターで編成完結式を実施。東京大規模接種センターでは、センター長の自衛隊中央病院診療技術部長が担任官の自衛隊中央病院長に対し、350人（医官50名、看護官等130名、民間看護士等110名など）の編成完結を報告した。大阪大規模接種センターでは、センター長の自衛隊阪神病院長が、担任官の中部方面総監に、240人の編成完結を報告した。東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫の65才以上の１回目接種を対象に、大規模接種センターの予約を開始。5月19日1050、沖縄県知事から第15旅団長に急患輸送の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊がCH-47ヘリで新型コロナウイルス陽性患者１人を那覇空港に空輸した。5月20日1447、沖縄県知事から第15旅団長に急患輸送の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊がUH-60JAヘリで新型コロナウイルス陽性患者１人を那覇空港に空輸した。5月22日、令和3年度富士総合火力演習（教育演習）を無観客で実施。1329、鹿児島県知事から第１航空群に急患空輸の災害派遣要請があり、第22航空隊鹿屋航空分遣隊UH-60Jヘリが屋久島空港からマリンポートかごしまに新型コロナウイルス陽性患者２人を空輸した。5月23日、ブルーインパルスが山形県山形市の東北絆まつりで新型コロナウイルス対応医療従事者への感謝も込めた展示飛行を実施。5月24日、東京・大阪大規模接種センターが開設され、8月下旬までの予定で予防接種を開始。5月26日、令和3年度遠洋練習航海部隊（前期）が呉を出港。感染防止のため寄港地では上陸せず、補給のみ行った。5月31日、東京・大阪大規模接種センターでの予防接種が本格化し、１都２府４県の65歳以上を対象に、東京で１日10000人、大阪で１日5000人の接種を行った。6月4日と7日の1810-1850頃、第５旅団が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で減少したコミュニケーションの機会を得るという旅団長の発案で、旅団長、副旅団長、司令部各部課員によるオンライン飲み会を実施。6月8日2043、沖縄県知事から第15旅団長に急患空輸の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊CH-47輸送ヘリ１機が6月9日に宮古空港から那覇空港に新型コロナウイルス陽性患者１人を空輸した。6月10日、大規模接種センターの接種対象者を全国65才以上に拡大。在日米軍基地勤務の日本人従業員26000人が基地内の病院などでアメリカ軍の医療従事者から接種可能になったと、防衛省が発表した。費用はアメリカ負担で、副反応など健康被害の際もアメリカの制度に基づいて救済される。6月11日1724、沖縄県知事から第15旅団長に新型コロナウイルス患者の急患輸送に係る災害派遣要請が出されたため、第15ヘリコプター隊がCH-47ヘリ１機で患者１人を新石垣空港から那覇空港に空輸し、2200頃に救急車に引き継いだ。6月15日、大規模接種センターの対象者を全国18歳以上64歳以下にも拡大。6月17日、日本イベント産業振興会主催第７回JACEイベントアワードで、新型コロナウイルス感染症に対応中の医療従事者等に対する敬意と感謝を示すためのブルーインパルスによる飛行が、コロナ禍に立ち向かうイベントだったとして、航空自衛隊が特別賞を受賞した。6月18日、陸自がラオス軍に対する能力構築支援セミナーをオンラインで実施。6月25-27日、第５旅団が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で減少したコミュニケーションの機会を得るという旅団長の発案で、旅団長と各部隊長によるオンライン飲み会を実施。7月14日、網走分屯基地准曹会が、新型コロナウイルス集団感染で休校中の日体大附属高等支援学校に、寄付を行った。7月15-22日、王城寺原演習場で在沖米海兵隊による沖縄県道104号越え実弾射撃移転訓練（18回目）が行われたが、訓練公開や、訓練終了後のボランティア活動は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった。7月21日、防衛省が、東京と大阪の大規模接種センター運営を9月25日頃まで１ヶ月間延長すると発表した。7月23日、１年延期されていた東京オリンピックが開幕。大半の競技が無観客開催となった。8月8日1100、東京都知事から第21航空群司令に急患空輸の災害派遣要請があり、1230に硫黄島航空分遣隊UH-60Jヘリ１機が硫黄島航空基地を離陸、父島基地で新型コロナウイルス陽性患者１名を収容し、硫黄島基地に搬送して海保航空機に引き渡した。8月12日0933、沖縄県知事から第15旅団長に医療支援に係る災害派遣要請があり、25日までの予定で入院待機ステーションに看護官１名と准看護官４名を派遣した。8月20日、防衛省・自衛隊の大規模接種センター開設期間延長に伴い、運営に掛かる追加経費93億円を、令和3年度予算予備費から支出することを、閣議決定した。東部方面総監部が朝霞駐屯地で臨床心理士全国参加集合訓練を行い、新型コロナウイルス感染拡大下での精神衛生について討論などを実施した。8月23日、大津駐屯地で新型コロナウイルス感染者１名が確認されたため、保健所の指示で同駐屯地隊員に対するPCR検査を進めたところ、9月1日までに135名の陽性が判明した。8月25日1051、沖縄県知事から第15旅団長に急患空輸の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊UH-60JAヘリ１機が宮古空港から那覇空港まで患者１人を輸送、1900頃に救急車に引き継いだ。8月27日2015頃、沖縄県知事から急患空輸の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊CH-47ヘリで与那国空港から新石垣空港に患者３人を輸送、救急車に引き継いで0800頃に那覇基地に帰投した。8月28-31日、CVN-70カール・ヴィンソン空母打撃群がアメリカ海軍横須賀基地に寄港したが、乗員の基地外への外出は禁じられた。9月2日、防衛省が第13回大規模接種対策本部会議をオンラインで開催し、東京と大阪の大規模接種センターの運営期間を11月30日まで２ヶ月間延長することを決定し、18-39歳対象の３万人分の優先枠を新設した。防衛省主催の大臣級多国間会合である日・太平洋島嶼国国防大臣会合JPIDDが新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンライン形式で開催された。9月4-8日、イギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21がアメリカ海軍横須賀基地に寄港したが、乗員の基地外への外出は禁じられ、一般公開も無かった。9月21日、防衛医科大学校長が自衛隊東京大規模接種センターを視察し、医官・看護官・看護士らを激励、自ら予診業務も行った。9月24日、防衛省が、東京と大阪の大規模接種センターでの新型コロナウイルスワクチン接種対象年齢を18歳以上から16歳以上に引き下げると決定。9月29日、東京と大阪の大規模接種センターでの高校生世代への予防接種について、優先枠や時間帯枠を設けず、他の年齢層と同様に終日実施することにした。10月4日、東京と大阪の大規模接種センターで16歳以上への接種を開始。10月5日、岸田総理とバイデン大統領が電話会談し、新型コロナウイルス対策など地球規模の課題に日米が緊密に連携して対応する事で合意した。10月9日、中国四国防衛局が第32回防衛セミナーをオンラインで開催。10月23日、ブルーインパルスが、山形県庄内地域で、庄内空港開港30周年記念事業と新型コロナウイルス対応山形県医療従事者への敬意・感謝のフライバイを実施。東京と大阪の大規模接種センターでワクチン１回目接種を終了。11月、明治安田生命保険が東京大規模接種センターに医療従事者への感謝を示すメッセージカードを贈呈した。11月4日、豊川駐屯地業務隊が、駐屯地内コンビニが新型コロナウイルス感染拡大の影響で営業できなくなった場合に備え、コンビニ経営業者トモ愛知、訓練用品店経営清水時計店、スポーツ用品店タナカフォトギャラと、代替販売協定を締結した。11月16日、閣議と国家安全保障会議で、ソマリア沖海賊対処支援隊の派遣人数を、新型コロナウイルス感染拡大で調整業務が増えたことから、10名増の240名にすると決定した。11月20日、自衛隊殉職隊員追悼式を例年の３分の１以下の規模に縮小して開催。11月27日、令和3年度自衛隊記念日行事中央観閲式を一般公開無しの関係者のみで実施。11月30日、東京・大阪大規模接種センターが運営を終了し、任務完了式典を実施。東京では132万回、大阪では64万回の接種を行い、両センターに岸防衛大臣から１級賞状が、開設・運営に協力した民間事業者７社に岸防衛大臣から感謝状が授与された。12月4-5日、新田原基地が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されている基地祭の代わりに基地公開行事ウイークエンド新田原を実施。12月21日、東京・大阪大規模接種センター長に岸防衛大臣から１級賞詞が授与された。

2022年1月7日、沖縄県知事から新型コロナウイルス陽性患者緊急空輸の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊がUH-60JA多用途ヘリで久米島空港から那覇基地に患者１人を輸送した。1月9日に第41次水上部隊兼中東地域情報収集活動水上部隊として呉を出港したDD-106さみだれで、1月11日に乗員１名の新型コロナウイルス感染が判明したため、1月12日に呉に戻った。1月10日、東京音楽隊が新型コロナウイルス感染症拡大で延期していた定期演奏会を２年振りに実施。1月11日、新型コロナウイルス感染急拡大を受け、自衛隊による大規模接種センターを再設置することになった。1013、沖縄県知事から陸自第15旅団長に新型コロナの医療支援に係る災害派遣要請があり、自衛隊熊本病院、第８師団第８後方支援連隊、西部方面衛生隊の看護官・准看護士10名を沖縄県内２カ所の病院に派遣、1月17日1013に撤収要請を受けた。1月16日、沖縄県知事から新型コロナウイルス陽性患者緊急空輸の災害派遣要請があり、第15ヘリコプター隊がCH-47輸送ヘリで新石垣島空港から那覇基地に患者１人を輸送した。1月19日、新型コロナウイルス感染拡大により、おびひろ氷まつりの中止が発表された。雪像製作にあたっていた第５旅団第４普通科連隊は製作技術向上・継承を目的に1月21日まで作業を続けて完成させ、同日に帯広市の委託業者が取り壊している。1月24日、朝霞駐屯地で自衛隊東京大規模接種会場開設準備開始式を実施。1月31日、自衛隊東京大規模接種会場が大手町合同庁舎３号館に開設され、運用が始められた。2月7日、新型コロナウイルスワクチンの自衛隊大阪堺筋本町大規模接種会場が開設され、運営が始められた。国立劇場で行われた令和4年北方領土返還要求全国大会を新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客開催し、ユーチューブで配信した。2月10日、岸防衛大臣が自衛隊東京大規模接種会場を視察した。2月11日1245、東京都知事から第21航空群に災害派遣要請があり、新型コロナウイルス陽性患者１人をUH-60J救難ヘリ１機で母島から硫黄島まで輸送し、海上保安庁に引き渡した。2月14日、自衛隊大阪北浜大規模接種会場が開設され、運営が始められた。2月18日、岸防衛大臣が自衛隊東京大規模接種会場で新型コロナウイルスワクチンの３回目接種を行った。2月25日、練馬駐屯地が新型コロナウイルスワクチン３回目職域接種を開始。2月26-27日、父島基地が父島住民の新型コロナウイルスワクチン３回目接種会場に基地内体育館を提供し、隊員含め815人がワクチンを接種した。3月18日、日本外航客船協会が外航クルーズ船事業者の新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン改訂第６版を公表。3月25日、陸自とアメリカ陸軍との日米人事会議を２年連続でオンライン形式により開催。4月4日、陸自幹部候補生学校で入校式を実施。３年振りにグラウンドでなく剛健大講堂で行われたが、来賓は部内関係者のみに限定された。4月23日、第２航空群が３年振りに観桜会を実施。4月30日、第22航空群が３年振りに大村航空基地を一般開放しての基地祭を実施。5月19日、海自遠洋練習航海部隊がスリランカのコロンボに入港し、３年振りに訪問国に上陸した。5月21日、全自衛隊関東地区空手道選手権大会が３年振りに開催された。5月23日、美幌駐屯地で、新型コロナウイルス感染拡大の影響により１年延期となっていた、美幌地方自衛隊協力会寄贈の創立70周年記念碑の除幕式を実施。5月29日、陸自中央音楽隊が第89回東京優駿（日本ダービー）で３年振りにファンファーレなどを演奏した。6月13日、防衛省・自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチン東京・大阪大規模接種会場で４回目接種を開始。7月27日、飛鳥�U船内で新型コロナウイルス陽性者が確認され、クルーズが中止された。7月30日、にっぽん丸船内で新型コロナウイルス陽性者が確認され、クルーズが中止された。7月31日、日本外航客船協会が外航クルーズ船事業者の新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン改訂第７版を公表。8月2-7日のクルーズ中に、にっぽん丸で新型コロナウイルス陽性者が確認されたため、このクルーズ及び8月7日・10日発のクルーズを中止した。8月16日、横浜港に停泊中の飛鳥�Uで乗員の新型コロナウイルス陽性が確認されたため、8月17日から9月12日発までのクルーズを中止した。8月16日発のクルーズ中に、ぱしふぃっくびいなすで新型コロナウイルス陽性者が確認されたため、このクルーズと8月20日・23日発のクルーズを中止。更に停泊中に乗員にも陽性者が出たため、8月25日・29日発のクルーズも中止している。

2023年1月、新型コロナウイルスの影響による事業環境悪化のため、日本クルーズ客船が客船事業を終了した。2月7日、三菱重工が、2022年度第３四半期決算説明会で、FAA形式証明の取得難航、新型コロナウイルス感染拡大による航空需要落ち込み、北米航空会社・パイロット間労使協定スコープ・クローズによる北米市場での優位性低下などを理由に、開発中止を発表した。5月28日、新型コロナウイルス感染拡大後初めて中国本土からクルーズ客船が日本に来港した。

参考：朝雲、月刊JWings6,’20、4,’20、5,’20、7,’20、8,’20、9,’20、10,'20、11,'20、12,'20、1,'21、2,'21、3,’21、4,'21、8,'21、11,'21、1,'22、2,'22、4,'23、月刊世界の艦船4,'20、5,'20、6,'20、7,'20、8,'20、9,'20、10,'20、11,'20、1,'21、2,'21、3,'21、6,'21、7,'21、8,’21、3,'22、10,’22、1,'23、3,'23、8,'23、MAMOR vol.160、vol.162、vol.165、vol.167、新型コロナウイルス感染症診療の手引き

＜新型水中自走標的＞：自衛隊の標的。三菱重工製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜新型水中自走標的整備用機材＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜新型耐寒・耐水服＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜新型タンデムローターヘリコプター＞：ATRHを参照。

＜新型統合デジタル電子戦システム＞：AN/ALQ-211シリーズを参照。

＜新型レンジデータシステム＞：AN/ARQ-52（訓練支援ポッド）を参照。

＜シンガポール海軍＞：1970年代、FPB45型シーウルフ級ミサイル艇が就役。1995年、ランドソルト級掃海艇４隻が就役。1990年、ヴィクトリー級ミサイル艇６隻が就役開始。1996年、フィアレス級哨戒艇12隻が就役開始。1998年、ショーオルメン級潜水艦４隻を購入開始。2000年、エンデュアランス級ドック型揚陸艦４隻が就役開始。2007年、フォーミダブル級フリゲート６隻が就役開始。2017年、インディペンデンス級沿海域任務艦８隻が就役開始。2017年5月15日、20カ国からの招待艦28隻を含む46隻と航空機28機が参加してチャンギ基地と沖合で国際観艦式を実施。海自からはDDH-183いずもとDD-113さざなみが参加した。参考：月刊世界の艦船9,’10、9,’16、8,’17、7,’17

　＜シンガポール海軍（１９７７年）＞：兵力3000名。ジャガー級ミサイル艇６隻、砲艇６隻、哨戒艇４隻、沿岸掃海艇２隻、戦車揚陸艦４隻、上陸用舟艇４隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜シンガポール海軍（１９８９年）＞：兵力4500名（うち徴兵1800名）、予備役4500名。プラウ・ブラニに基地がある。ヴィクトリー級コルベット１隻、シーウルフ級ミサイル艇６隻、インディペンデンス／ソブレンティ級内海哨戒艇６隻、エンデバー級内海哨戒艇１隻、パングリマ級内海哨戒艇１隻、小型内海哨戒艇12隻、ジュピター級沿岸掃海艇２隻、LST-1級戦車揚陸艦５隻、機械化揚陸艇８隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜シンガポール海軍（２０１５年）＞：現役兵力9000名（うち徴兵1000名、招集予備役5000名）、未招集予備役5000名。チャレンジャー級潜水艦２隻、アーチャー級潜水艦２隻、フォーミダブル級フリゲート６隻、ヴィクトリー級コルベット６隻、フィアレス級哨戒艦11隻、哨戒艇18隻、掃海艇４隻、エンデュアランス級揚陸艦４隻、LCU34隻、LCVP100隻、兵站支援船２隻を保有する。海軍水中行動ユニットは特殊部隊群１個、ダイバー群１個、EOD群１個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シンガポール空軍＞：Republic of Singapore Air Force。防諜のため、シリアルナンバーが順番ではなく不連続になっている。1973年、A-4S攻撃機を配備。2005年、A-4S/SU攻撃機が退役した。2007年1月5日に再編を発表、空軍司令官の下に防空作戦司令部など５つの司令部を創設することとなった。2010年、F-15SG戦闘機の配備を開始。2012年7月27日から8月17日、ピッチブラック演習に参加。2016年1月27日から2月3日、プラウパワイ標的施設で空対地攻撃競技会ホットショット・チャレンジ2016を実施。４個飛行隊からF-16またはF-15SG戦闘機５機ずつが参加し、Mk76訓練爆弾による爆撃や20mm機関砲での機銃掃射で競った。7月29日から8月19日、ピッチブラック2016に参加。11月11-14日、戦闘機緊急離着陸訓練エクササイズ・トレント2016（Exercise Torrent 2016）を実施。48時間掛けてテンガー基地脇の一般道（テンガー基地飛行場地区と誘導路が繋がっている）を臨時滑走路に整備してのF-15SG戦闘機及びF-16C戦闘機の離着陸訓練や、テンガー基地の滑走路及び誘導路を使用した通常より速いペースでの戦闘機離着陸訓練を行っている。12月6-9日、コープ・タイガー2017（指揮所演習）に参加。2017年3月20-31日、コープ・タイガー2017（実動演習）に参加。2017年8月下旬から9月上旬、アメリカに派遣されていたCH-47分遣隊がハリケーン・ハービーの災害派遣に参加。参考：月刊軍事研究12,’07、月刊JWings11,’12、12,’14、11,’16、2,’17、11,’17、月刊丸7,’14、月刊航空ファン4,’16、2,’17、6,’17、11,’17

　＜シンガポール空軍（１９７７年）＞：兵力3000名。ハンターFGA/FR74/T75戦闘機32機、A-4S攻撃機40機、BAC167対ゲリラ戦機20機、エアツアラー輸送機６機、スカイバン輸送機６機、アルエート�Vヘリ８機、AB212ヘリ３機、UH-1Hヘリ15機、SF260M練習機16機、TA-4S練習機６機、ブラッドハウンド地対空ミサイル28基、レイピア地対空ミサイルを配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜シンガポール空軍（１９８０年）＞：ハンターF.Mk74A/F.Mk74B/FR.Mk74Aを38機、A-4Sを40機、BAe167ストライクマスターMk81/2/4を25機、スカイバン3Mを６機、C-130Aを４機、アルエート�Vを７機、UH-1Hを17機、ベル212を３機、ハンターT.75を６機、TA-4Sを６機、SF.260MSを14機保有している。参考：ザ・マーチ18号

＜シンガポール空軍（１９８９年）＞：兵力6000名（うち徴兵3000名）、予備役7500名。A-4S/SI攻撃機67機、TA-4S/SI攻撃機13機、ハンターF.74戦闘機24機、ハンターT.75戦闘機４機、F-5E戦闘機33機、F-5F戦闘機９機、ハンターFR.74偵察機４機、E-2C早期警戒機４機、C-130B空中給油輸送機４機、C-130H輸送機６機、スカイバン3M輸送機６機、AS-350ヘリ６機、UH-1Bヘリ18機、AB-205ヘリ４機、ベル205ヘリ５機、UH-1Hヘリ16機、AS-332ヘリ22機、SIAI S-211練習機30機、SF-260MS練習機14機、SF-260WS練習機12機、ブラッドハウンド２地対空ミサイル28基、レイピア地対空ミサイル10基、改ホーク６基、エリコン35mm高射機関砲を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜シンガポール空軍（２０１５年）＞：現役兵力13500名（うち徴兵3000名）、予備役7500名。５個コマンドからなる。F-5S戦闘機20機、F-5T戦闘機９機、F-15SG戦闘機32機以上、F-16C戦闘機20機、F-16D戦闘機40機（予備役含む）、A-4SU攻撃機４機（全て保管中）、TA-4SU攻撃機10機（全て保管中）、F-50洋上哨戒機５機、G550早期警戒機４機、KC-130H空中給油機１機、KC-135R空中給油機４機、KC-130B空中給油輸送機４機、C-130H輸送機５機（うちELINT機２機）、F-50要人輸送機４機、M-346練習機12機、PC-21練習機19機、AH-64D攻撃ヘリ19機、S-70B対潜ヘリ６機、CH-47D輸送ヘリ６機、CH-47SD輸送ヘリ10機、AS332M輸送ヘリ18機（うち捜索救難ヘリ５機）、AS532UL輸送ヘリ12機、H120ヘリ５機（全てリース）、ヘロン無人機８機以上、ハーミス450無人機９機以上、サーチャーMk�U無人機20機、スパイダー自走地対空ミサイル、ミストラル自走地対空ミサイル、RBS-70自走地対空ミサイル、9K38搭載V-200/M113自走地対空ミサイル、ミストラル地対空ミサイル、RBS-70地対空ミサイル、MIM-23ホーク地対空ミサイル、9K38携帯地対空ミサイル、20mm自走高射機関砲GAI-C01、35mm機関砲GDF34基（＋スーパーフレーダーマウス射撃指揮レーダー25基）、AIM-7P/-9N/P/X空対空ミサイル、AIM-120C空対空ミサイル（アメリカに保管中）、パイソン４空対空ミサイル（を保有しているという報告あり）、AGM-65B/G/-114空対地ミサイル、AGM-84／AM-39エグゾセ空対艦ミサイル、AGM-45対レーダーミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シンガポール軍＞：軍だけでなく、市民、経済、社会、心理、デジタルを加えた６本柱のトータル・ディフェンスを国防の旨としている。経済的な発展が著しく、F-15SG（F-15E）、G550早期警戒機、AH-64D、レオパルド2A5、ステルスフリゲート、大型輸送艦など強力な兵器を保有しており、東南アジア屈指（というかナンバー１）の軍事大国となった。ただ国土が狭くて演習場が無い（射爆場はスドン島上空のみ）ので、アメリカ、インド、オーストラリア、タイ、台湾、ドイツ、ブルネイなどに演習場を借り、所によっては兵器を置きっ放しにして訓練を行っている。海空軍は現役兵力がメインだが、陸軍は主要要員のみ現役で、必要時に予備役を大量動員して間に合わせるイスラエル方式を採用した。マラッカ海峡の治安維持のため、PSIにも積極的に参加する。防諜体制が厳重で、軍の施設どころか港湾、橋、高速道路も撮影禁止、上空から国土を撮ることも基本的に禁止である。2013年、サイバー戦部門を創設。2023年8月27日から9月13日、緊急即応連隊GUARDSが多国間演習スーパー・ガルーダ・シールド23に参加。参考：月刊軍事研究3,’10、5,’10、月刊JWings12,’14、MAMOR vol.157、THE MILITARY BALANCE 2016、陸上自衛隊ホームページ

　＜シンガポール軍（１９８９年）＞：兵力55500名（うち徴兵34800名）、予備役182000名。ブルネイに訓練学校500名、台湾に訓練キャンプを置く。ニュージーランド軍支援部隊20名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜シンガポール軍（２０１５年）＞：現役総兵力72500名（陸軍50000名、海軍9000名、空軍13500名。うち徴兵39000名）、予備役312500名（陸軍300000名、海軍5000名、空軍7500名）、準軍事組織75100名（市民防衛軍6100名、シンガポール警察軍・沿岸警備隊12000名、シンガポール・グルカ部隊1800名など）、準軍事組織予備役44000名。オーストラリアに訓練学校２個（オーケイにAS332/AS532ヘリ12機、パースにPC-21練習機。ショールウォーター・ベイ訓練エリアに陸軍重装備）、ブルネイに訓練キャンプ１個、フランスに200名、訓練中隊１個、M-346練習機12機、台湾に訓練キャンプ３個（歩兵・砲兵含む）、タイに訓練キャンプ１個（砲兵、戦闘工兵）、アメリカに訓練ユニット、F-16C/D戦闘機、F-15SG戦闘機12機、AH-64D攻撃ヘリ、CH-47D輸送ヘリ６機以上を置く。アメリカ太平洋軍180名、海軍支援施設１個（チャンギ海軍基地内）、空軍兵站支援隊１個（パヤ・レバル空軍基地内）が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜シンガポール航空ショー＞：アジア地域最大の航空ショーであるアジアン・エアロスペースの通称。偶数年2月に開催される。2006年まで偶数年2月に13回開かれた。2007年からはアジアン・エアロスペースの開催地が香港に移った（２年ごとの9月開催）が、シンガポールでは政府が主催して今までと同じ日程で航空ショー（ビジネス・ショー）を引き続き行うことにし、第１回シンガポール航空ショーは2008年2月19-24日に開催された。この時は空軍のみならず陸軍の戦車や自走砲、海軍の高速警備艇まで展示されている。会場はチャンギ国際空港に隣接しており、展示飛行中は空港の離発着を停止させるため、飛行する時間は１時間半程度と短い。第２回は2010年の予定。第３回は2012年2月14-19日に開催された。第４回は2014年2月11-16日に開催され、47カ国1000社以上が参加した。2016年は2月16-21日に開催され、航空幕僚長が15日のオープニングセレモニーに出席した。2018年は2月6-11日に開催された。丸茂空幕長も招待され、10カ国以上の司令官らと会談している。2月6日午後、離陸しようとしたブラックイーグルスT-50B練習機１機が離陸できずランウェイ02L/20R脇で転覆して炎上し、パイロットが軽傷を負い、滑走路が５時間半閉鎖された。2020年は2月11-16日に開催されたが、新型コロナウイルス感染症の影響で規模を縮小している。参考：月刊JWings5,’06、5,’08、5,’12、5,’14、5,’18、5,’20、月刊航空ファン4,’17、朝雲

＜シンガポール航空偵察＞：太平洋戦争の開戦が避けられない状況となり、日本陸軍は東南アジアの米英基地の状況を偵察するため、司令部偵察隊を仏印のプノンペン飛行場に前進させ、マレーやタイ南部の航空偵察を行った。しかしイギリス極東部隊の根拠地であるシンガポールはプノンペンから1200kmの所にあり、行動半径800kmの一〇〇式司偵�U型では届かず、昭和16年9月から航続距離を伸ばすための現地部隊による研究が開始された。その結果、偵察員席右前上方に100リットル補助タンクを取り付け、北東貿易風、上昇気流、逆貿易風を利用すればシンガポールの写真偵察を行えることが判明、万が一の事態に備えてフーコク島や仏印タイランド湾沿岸の不時着予定地の下見も行った。昭和16年11月25日、偵察を実施。離陸した一〇〇式司偵�U型は毎時25-30kmの追い風を利用してシンガポールに向かった。しかし北緯５度付近に雲塊があり、避けていると燃料が足らなくなるため、高度4500mで強行突入。内部の上昇気流で8500mまで機体が持ち上げられ、途中で無線ポールが凍結してアンテナごともぎ取られてしまい、後席のガラス窓が破損したが、そのまま飛行を続けた。シンガポール上空は晴天で、1120にまずはジョホールバル上空から侵入してシンガポール島を南西に通過しつつジョホール水道にかかる橋とテンガー飛行場を撮影、北東に変針してシンガポール市街地とカラン民間飛行場を撮影し、東方海上で西北西に変針してジョホール水道上の要塞化された島、セレター飛行場、セレター軍港、センバワン飛行場を撮影して帰途に就いた。マレー半島沖で高度を6000mに下げ、カマウ岬沖で4000mまで降下、仏印領空内で無線を入れようとしたが、アンテナが吹き飛んでいて連絡できなかった。プノンペンに帰投したのは予定より20分遅れで、着陸後は直ちに航空写真の現像と焼き付けに取りかかり、飛行集団司令部と海軍派遣参謀に引き渡した。部隊は開戦後も数度のシンガポール偵察飛行を行っている。参考：月刊丸11,’72

＜シンガポール攻略作戦＞：シンガポール島はマレー半島南端にある南北22km・東西42kmの島で、マレー半島とは幅1kmのジョホール水道を挟んでおり、南端にシンガポール市がある。太平洋戦争勃発時にはイギリス直轄植民地で、人口は80万人弱、８割は華僑であり、日華事変勃発を機に国民党への献金も積極的に行っていた。川や湖が殆ど無く、一応貯水池を２つ作ったが全く足らないので、ジョホール水道に架けた橋に水道管を通してマレー半島から飲料水を得ていた。イギリス軍は大正12年（1923年）からジョホール水道の奥にあるセンバワン地区に軍港（現地名称センバワン軍港、日本通称セレター軍港）の建設を開始、10万トンの浮きドックと駆逐艦９隻収容の乾ドックが昭和13年に完成した。これを防衛するため、シンガポール島各地に38cm砲塔５基、24cmカノン砲３門、15cmカノン砲14門などを据え付けて要塞化していたが、殆どは海上を向いており、日本軍は陸路で制圧することにした。昭和12年10月にイギリス軍マレー・コマンド司令官が陸路攻略に備えてジョホール水道側にも防御施設を作るべきと進言したが却下されており、太平洋戦争緒戦で日本軍がマレー半島を一気に南下し始めたのを受け、イギリス軍は慌てて防備を固める作業を開始、ジョホール水道南岸のトーチカを強化し、散兵壕や交通壕を設置、探照灯を据え付け、沿岸砲の一部を陸側に向け直した。ただイギリス海軍部隊は軍港の放棄を決定して撤退している。昭和16年12月7日の太平洋戦争開戦前日、イギリス軍マレー・コマンドはアーサー・Ｅ・パーシバル陸軍中将が司令官に就いており、イギリス軍兵力はシンガポール要塞守備隊など19600名で、他に第８オーストラリア歩兵師団15200名、第３インド軍団第９・第11インド歩兵師団37000名、マレー義勇軍16800名を隷下に置き、陸上兵力の大部分はマレー半島に展開していた。イギリス海軍はセレター軍港のイギリス東洋艦隊戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、巡洋戦艦レパルス、巡洋艦３隻、駆逐艦４隻。イギリス空軍極東コマンドの戦力はバッファロー戦闘機、ブレニム爆撃機、ハドソン爆撃機、ビルデビースト雷撃機、カタリナ飛行艇など計158機。昭和17年1月21日、第22航空戦隊が第４次シンガポール昼間爆撃を実施。第22航空戦隊付属戦闘機隊零戦18機、美幌海軍航空隊九六式陸上攻撃機25機（60kg陸用爆弾12発ずつ）、元山海軍航空隊九六式陸上攻撃機が出撃し、1236にシンガポール市街とテンガ飛行場を爆撃した。美幌海軍航空隊第３中隊第１小隊２番機がハリケーン戦闘機の迎撃で撃墜されている。1月31日、日本軍はマレー攻略作戦を完了し、マレー半島の南端、シンガポール島とジョホール水道を挟んで北側のジョホールバルに達した。また、工兵隊が道路と鉄道を修復し、タイからジョホール州への兵站路を完成させ、弾薬と物資の集積を開始した。独立工兵第15連隊はムアール河口に戻って渡河器材を受領している。マレー半島から撤退する第３インド軍団と第８オーストラリア歩兵師団はジョホール水道を渡ってシンガポール島に到着、2月1日早朝にジョホール堤橋を爆破したが、全長1000mのうち20mしか落とせず、しかも干潮時には歩いて渡れる状況だった。日本軍はジョホールバル周辺で戦力を再編。イギリス軍は日本軍が湿地帯の広がる西側でなくジョホール水道東部から上陸してくると見て水際撃退作戦を取ることとした。日本軍の参加戦車隊は軍直轄の第３戦車団（戦車第６連隊）、第５師団隷下の戦車第１連隊、近衛師団隷下の戦車第14連隊で、参加砲兵隊は近衛野砲兵連隊及び野砲兵第５連隊（九〇式野砲32門、九四式山砲24門、九一式十糎榴弾砲16門）、山砲兵第18連隊（三八式野砲12門、四一式山砲18門）、野戦重砲兵第３連隊（九六式十五糎榴弾砲24門）、野戦重砲兵第18連隊（九二式十糎加農16門。24門？）、独立野戦重砲兵第21大隊（四年式十五糎榴弾砲12門）、独立重砲兵第２大隊（八九式十五糎加農８門）、独立臼砲第14大隊（九八式臼砲16門）、独立気球第１中隊である。2月6日、ジョホール水道を渡河してシンガポール島を制圧する命令が下され、日本軍はジョホール水道東部に陽動渡河を行う隙に西部からブキテマ高地へと進撃、貯水池を制圧して日干しにする作戦を開始した。2月7日夜、日本軍はジョホール水道東部に配置した近衛師団の一部（兵力400名、大発20隻）により、ジョホール水道内のウビン島に陽動上陸を開始。2月8日朝、日本軍はジョホール水道東部に近衛師団砲兵隊による砲撃と航空攻撃を開始。マンダイ山とブキテマ高地のイギリス軍司令部、チャンギ要塞、セレター軍港、テンガー飛行場に砲爆撃を加えた。イギリス軍は東部に増援部隊を派遣した。1000、第25軍砲兵がジョホール水道西側のイギリス軍砲兵陣地・観測所に猛砲撃を開始。2300、日本軍砲兵がジョホール水道西側対岸のイギリス陣地に向け砲撃を開始。2月9日0000、スクダイ河から300隻の舟艇（折畳機舟200隻と小発100隻）に搭乗した第５・第18師団上陸第一波がシンガポール島西側から渡河を開始。そこに配置されていた第８オーストラリア歩兵師団と独立第44インド歩兵旅団は砲撃を避けるため陣地内に伏せており、命令が無いとして探照灯も点けず、舟のエンジン音も砲撃音にかき消され、第５・第18師団は奇襲上陸に成功した。0600、第５・第18師団13000名がムライ河付近とテンガー街道への上陸をほぼ完了し、夕方までにテンガー飛行場を占領。夜には近衛師団もジョホールバルの西側に迂回してジョホール水道を渡河し、シンガポール島中央のマンダイ山に向かった。2月10日未明、イギリス軍が海に流したガソリンに火を着け、陸上ガソリンタンクから立ち上る煤煙や煤も地面を覆う中、第５・第18師団左翼がマンダイ河口への上陸を開始。イギリス軍はジュロン川とクランジ川を盾に防衛線を引いていたが、近衛師団に退路を断たれる恐れがあるとして第27オーストラリア旅団が師団長の許可無く後退し、第22オーストラリア旅団もパーシバル中将が発出した「やむを得ない場合には撤退せよ」という命令の解釈を間違い即時撤退を開始してしまい、日本軍はシンガポール高地を見下ろすブキテマ高地にあっさりと到達、死守する第８オーストラリア歩兵師団及び増援の第18イギリス歩兵師団と激戦に入った。2月11日、山下中将は降伏勧告文を投下したが、返事は無かった。2月12日、日本軍はブキテマ高地を制圧して物資集積所と貯水池を占領し、シンガポール市郊外に到達。2月13日、ブキ・チャンドゥ丘陵でマレー連隊1400名と日本軍との間で激戦が始まった。2月15日、日本軍の野砲弾が１門当たり100発以下に低下。イギリス軍は対空砲弾薬がゼロ、野砲弾薬は残り2-3時間分となり、ガソリンは燃料タンクに入っているだけ、食糧は48時間分を残すのみで、給水設備が破壊されて飲料水の残りが１日分を切った。これを受けて朝にはパーシバル中将が降伏を決定。1600、イギリス軍は白旗を掲げた軍使を派遣、降伏の意思を伝えた。1900、山下奉文中将とパーシバル中将との停戦交渉が行われることとなり、ブキテマのフォード自動車工場事務所で交渉を実施。通訳が不慣れで難航しかかったが、1950にパーシバル中将は降伏文書に署名し、マレー半島の制圧を終了した。この時、山下中将が通訳に対して「パーシバル中将が降伏にイエスと言っているのかノーと言っているのか、通訳が不十分でさっぱり分からないから、もう一度聞いてくれ」と言ったのを、従軍記者が「無条件降伏イエスかノーかとパーシバル中将に迫った」と記事にしてしまったため、終戦後の裁判で不利になった。日本軍の損害は戦死1713名、負傷者3378名（マレー・シンガポール戦全体では戦死傷9824名）。イギリス軍の損害は戦死5000名、捕虜８万名以上だった。2月16日、シンガポール市街地に日本陸軍憲兵隊が入り、連合軍残存部隊の武装解除を開始。2月17日、独立工兵第15連隊第２中隊がシンガポール市内に入り、シンガポール湾に停泊中の船舶を押収。連合軍戦傷者収容所には赤十字の旗が掲げてあり、重傷者が軍医・看護婦と共に残っていた。その後第25軍軍医部が医薬品や衛生材料などを届けている。また、戦況悪化に伴い軍紀が乱れ殺人や放火に走った連合軍将兵がシンガポール陥落で民間人のリンチに遭い、路上に死体が放置されていた。イギリス兵がマレー半島から後退する際に日本の民間人を拉致してシンガポールに連れ込み、ガソリンタンクに放り込んで焼殺したともいう。南方軍はゴミ焼却場でイギリス軍レーダー操作員ニューマンのレーダー技術資料を発見し、ニューマン文書として本土に送付している。シンガポール市は昭和17年2月14日の大本営政府連絡会議の決定により2月17日に昭南（南方をあきらかにする）市と名前を変えることになり、シンガポール戦で日本軍に激しく抵抗した中国人ゲリラの掃討が開始された。2月18日に山下中将が抗日中国人の絶滅を下命、2月19-23日に憲兵隊が18歳から50歳までの全ての華僑男性と一部の女性及び子供を出頭させ、抗日分子の取り調べが行われた。裁判にかけるどころか少しでも怪しいそぶりがあれば即座に郊外や海上に連行されて射殺される有様で、終戦までに数万人が処刑されたという。3月15日には昭南特別市庁が発足して民政に移行したが、統治権は日本が握り、日本兵への態度が悪ければ殴られ、軍の貯蔵庫で窃盗を犯したとして憲兵が住民８人をさらし首にし、恐怖政治が敷かれたままだった。終戦で在シンガポール日本軍（南方軍）の降伏調印式が行われたのは昭和20年9月12日である。参考：歴史群像4,’16、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊PANZER5,’81、激闘太平洋戦記、軍医戦記、月刊軍事研究7,’08、3,’97、月刊丸8,’11、月刊航空ファン5,’19、大砲入門、日本戦車隊戦史、レーダシステムの基礎理論

＜シンガポール戦略爆撃＞：太平洋戦争時の昭和19年11月からアメリカ陸軍航空軍第20航空軍が開始した。11月5日、第58爆撃航空団のB-29が初空襲を実施。迎撃戦力はセレター飛行場の実用訓練部隊である第11航空隊の零戦二一型だけだった。昭和20年1月11日、B-29が２回目の空襲を実施。2月、防空部隊として第381航空隊戦闘第602飛行隊がセレター飛行場に展開。2月24日、第58爆撃航空団B-29爆撃機116機が出撃し、１機が撃墜された。参考：月刊航空ファン1,’17

＜シンガポール飛行艇シリーズ＞：ショート社が開発した双発複葉飛行艇Singapore。原型初飛行は1926年である。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜シンガポールＭｋ．�U＞：エンジンをタンデム化した４発型。試作のみ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜シンガポールＭｋ．�V＞：Mk.�Uを1933年になって量産化したモデル。1937年までに37機が生産され、第２次大戦開戦時も19機が現役で、1941年10月まで配備されていた。全長19.56m、全幅27.43m、全備重量14.69トン。エンジンはロールスロイス社製ケストレル９（675馬力）４基で、最大速度219km、実用上昇限度4570m、航続距離1600km。防御兵装は7.7mm機銃３丁。爆弾や爆雷0.9トンを搭載できる。乗員６名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜シンガポール陸軍＞：1999年からバイオニクス25とバイオニクス40/50を300両ずつ配備。2009年からHIMARSを18基導入し、１個砲兵大隊３個砲兵中隊に配備する。参考：月刊軍事研究6,’10、月刊PANZER4,’11

　＜シンガポール陸軍（１９７７年）＞：兵力30000名、予備役45000名。機甲旅団１個、歩兵旅団３個、予備役大隊18個からなる。AMX-13軽戦車75両、V-250装甲兵員輸送車250両、M113装甲兵員輸送車250両、25ポンド砲６門、155mm榴弾砲20門、120mm迫撃砲50門、106mm無反動砲90門を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜シンガポール陸軍（１９８９年）＞：兵力45000名（うち徴兵30000名）、予備役170000名。歩兵師団１個、機甲旅団１個、コマンドー大隊１個、砲兵大隊１個、自走迫撃砲大隊１個、目標標定大隊１個、工兵大隊１個からなる。予備役部隊は師団司令部２個、機甲旅団司令部１個、歩兵旅団司令部６個、歩兵大隊18個、コマンドー大隊１個、砲兵大隊10個、高射砲大隊２個、工兵大隊２個からなる。AMX-13軽戦車350両、M-113装甲兵員輸送車720両、V-150/-200装甲兵員輸送車250両、155mm砲ソルタムM-71を38門、155mm砲M-114A1を16門（保管中らしい）、155mm砲M-68（保管中らしい）、155mm砲FH88を24門、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲50門、160mm迫撃砲タンペラ12門、ミラン対戦車ミサイル30基、89mmロケットランチャーM-20、84mm無反動砲カールグスタフ、106mm無反動砲M-40A1を90門（保管中）、20mm高射機関砲、30mm高射機関砲、35mm高射機関砲GDF-002を34門、70口径40mm高射機関砲16門、RBS-70地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜シンガポール陸軍（２０１５年）＞：現役兵力50000名（うち徴兵35000名）、予備役300000名。諸兵科連合師団司令部３個、即応師団司令部１個、機甲旅団司令部３個、歩兵旅団司令部９個、航空機動旅団司令部１個、水陸両用旅団司令部１個、コマンドー大隊１個、軽機甲・偵察大隊３個、機甲大隊１個、機械化歩兵大隊６個、歩兵大隊２個、保安大隊２個、砲兵大隊２個、STA大隊１個、工兵大隊２個、EOD大隊１個、架橋大隊１個、情報大隊１個、ISR大隊１個、CBRN大隊１個、通信大隊３個、医療大隊３個、輸送大隊２個、支援大隊３個からなる。予備役部隊はコマンドー大隊１個、軽機甲・偵察大隊６個、機械化歩兵大隊６個、歩兵大隊56個、砲兵大隊12個、工兵大隊８個からなる。レオパルト2SG戦車96両、テンペスト（改センチュリオン）戦車80-100両（が全て保管されているという報告あり）、AMX-13SM1軽戦車350両、AMX-10PAC90偵察車22両、AMX-10P歩兵戦闘車22両、AV-81テレックス歩兵戦闘車135両、IFV-25バイオニクス歩兵戦闘車250両、IFV-40/50バイオニクス歩兵戦闘車250両、M113A1/A2歩兵戦闘車（40mm自動擲弾発射機または25mm機関砲装備）50両以上、M113A1/A2装甲兵員輸送車700両以上、ATTCブロンコ装甲兵員輸送車400両以上、LAV-150/V-200コマンドー装甲車250両、V-100コマンドー装甲車100両、マックスプロ・ダッシュ装甲車15両、155mm自走榴弾砲SSPH-1プリマス54両、105mm牽引砲LG1を37門（全て保管中）、155mm牽引砲FH-2000を18門、155mm牽引砲ペガサス18門、155mm牽引砲FH-88を52門、227mm多連装ロケットM142HIMARS18両、81mm自走迫撃砲、ブロンコ装甲車改造120mm自走迫撃砲40両、M113改造120mm自走迫撃砲50両、81mm迫撃砲500門、120mm迫撃砲M-65を36門、160mm迫撃砲M-58タンペラ12門、ミラン対戦車ミサイル30基、スパイクMR対戦車ミサイル30基、84mm無反動砲カール・グスタフ200門、106mm無反動砲M40A1を90門、スカイラーク無人偵察機、AN/TPQ-36対砲レーダー、AN/TPQ-37対砲迫レーダー、アーサー対砲レーダー、CET装甲工兵車18両、FV180装甲工兵車54両、コーディアック装甲工兵車14両、M728装甲工兵車８両、バイオニクス装甲回収車、ビュッフェル装甲回収車、LAV-150装甲回収車、LAV-300装甲回収車、バイオニクス戦車橋、LAB30戦車橋、レグアン戦車橋、M2戦車橋、M3戦車橋60両、M60戦車橋12両、910-MCV-2地雷処理装置、トレイルブレイザー地雷処理装置を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜新型空中火力支援システム＞：AAFSS（攻撃ヘリ計画）を参照。

＜新型空中センサー＞：AN/APS-154（レーダー）を参照。

＜シンカン＞：526（輸送艦）を参照。

＜信管＞：Fuze。ミサイルの弾頭、砲弾、爆弾などを所望の時期と場所において作動させるため、安全及び安全解除の機能と、弾薬の発火または爆発の系列を作動させる機能とを結合した装置。基本的にメンテナンスフリーであり、確実な作動と安全性、劣化しないこと、発射時の外力に耐えられること、低コストで構造が単純なことなどが要求される。目標検出部、安全機構部、火薬系列、電源（機械信管では存在しないが）からなる。時間を規定して作動する延期信管、対象物に接触して作動する着発信管、磁気を感知して作動する磁気信管、光を感じて作動する光信管、レーザー・電波を発信して対象物に反射した信号を受信して作動するレーザー信管・電波信管などがある。これらの信号で雷管を作動させれば爆弾などを破裂できることから、信管はセンサーと雷管を組み合わせた装置ともいえる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、火薬のはなし

　＜ＣＶＴ信管＞：VT信管に時計式時限装置を組み込み、電波などの発射時期を秒時測合できるようにしたもの。75式自走ロケットランチャーの130mmロケット弾に使用されており、発射後一定時間でVT信管が作動するようになっていて、敵の電波妨害を回避でき、発射機周囲に障害物があっても誤爆することが無い。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER3,’98

　＜ＶＴ信管＞：近接信管（Proximity Fuze）ともいう。VTはVariable Timeの略で、開発時のコードネームがそのまま使われている。電波（連続波、FMCW、パルス波、スペクトラム拡散など）発信・受信機を内蔵し、地面・目標からの電波反射波を受信して近接したことを探知すると作動する。レーザー、赤外線、磁気、超音波、静電容量を使用することもある。バトル・オブ・ブリテンでドイツ空軍と激戦を繰り広げたイギリスが1940年1月から開発を開始したが、最初は可視光を使用して実用化に失敗、次いでレーダーを使用したが、発射時の衝撃に耐えられる小型信管の開発に難渋した。1940年8月からアメリカ海軍防衛技術研究委員会セクションＴでもレーダーを使用した近接信管の開発が始まっており、イギリスは技術資料と技術者をアメリカに移して共同開発を行った。この時近接信管では正体がばれるため、Variable Time Fuse（可変時限信管）という名称が付けられることになったが、VTはVacuum Tube（真空管）の略でもあったため、後で多少揉めたようである。使用した真空管は1940年にレイション社が開発したサブミニチュア・チューブ（全長25mm、直径10mm未満）の陰極フィラメントに緩衝用のバネを取り付けたもので、これを５本使用し、発射時に生じる２万Ｇの加速度と飛翔中の毎分500回転の旋転に耐えるため、回路ごとレジンで固めた。使用電波はVHFの連続波で、信管と弾体を絶縁体で分離してアンテナ代わりにしてある。発射されると遠心力でスイッチが入り、直径30mのドーナツ状電波が放射され、この中に目標が入ると信管が作動する。1942年8月にCL-55クリーブランドで撃墜実験に成功、1942年11月に実戦配備され、1943年1月5日に第67任務部隊CL-50ヘレナが使用して日本軍機２機を撃墜、以降も艦隊防御用に活躍した。1943年末までのVT信管生産数は200万個で、1943年には発射された５インチ高角砲弾36000発のうち9100発がVT信管を付けている。1944年には月産60-200万個と生産ペースが急増したが、５インチ砲装備艦も急増しており、特攻への対処で砲弾の必要数も膨らみ、フィリピン戦で特攻機に対して発射した５インチ高角砲弾33385発のうち、VT信管を付けていたのは7083発だった。イギリスでは1944年7月から配備が始まり、Fi103巡航ミサイルを迎撃した。その後も改良が進み、真空管２本を使用する３インチ（76.2mm）砲バージョンが第２次大戦に投入された。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊世界の艦船6,’16、火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典、月刊PANZER3,’98

　＜延期信管＞：Delay Fuse。時限信管（Time Fuze）ともいう。撃針で発火させる起爆筒の直後に延期薬を置き、作動時間を遅らせたもの。黒色火薬を固めて導火線代わりにし、作動時間を調整したり（火道式時限信管）、タイマー装置を使ったり（機械式時限信管または電子式時限信管）するが、作動誤差をミリ秒単位でコントロールするのは困難で、スピードの速い航空機に対応する高射砲弾の信管としては限界があったため、VT信管が開発されることとなった。参考：GUN用語事典、月刊PANZER3,’98、月刊軍事研究4,’11

　＜火道式時限信管＞：圧搾した黒色火薬の燃焼速度で秒時を決定し、時限作用を持たせたもの。参考：月刊PANZER3,’98

　＜近接信管＞：VT信管を参照。

　＜時限信管＞：延期信管を参照。

　＜瞬鋭信管＞：脆弱な目標の上に着弾しても作動するように、感度を鋭敏にした瞬発信管。瞬発信管の撃針支筒や撃針バネを取り外して浮動撃針としたものを使用する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜瞬発信管＞：Instantaneous Fuze。着発信管の１つ。着弾時の衝撃で撃針が起爆筒を突いて発火させるタイプで、第１次大戦で初使用された。衝撃を受けてから概ね0.0005秒で作動する。参考：大砲入門、月刊PANZER3,’98

　＜常働信管＞：着発信管の１つで、落角・落下方向に関わらず作動するものである。参考：月刊戦車マガジン10,’78

　＜触発信管＞：擦過信管ともいう。非常に鋭敏な瞬発信管で、低初速・低射角の弾薬（無反動砲やロケット砲など）に併設機構として設けられることが多い。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜水圧信管＞：Hydrostatic Fuze。水圧により作動する信管。航空機から投下する爆雷や対潜爆弾などに搭載する場合、着水の衝撃で作動したり壊れたりしないよう、弾底部のみに装着されることが多い。参考：月刊軍事研究4,’11

　＜短遅延信管＞：着発信管の筒尾に0.05-0.1秒の延期を入れたもの。地下構造物を破壊する際や反跳射撃を実施する際に使用される。参考：大砲入門

　＜弾頭点火弾底起爆信管＞：PIBD （Point Igniting Base Detonating）と略す。弾頭部に圧電素子などの点火機構を持ち、弾底に起爆機構を持つ信管。HEATに使用される。参考：火器弾薬技術ハンドブック、グランドパワー2,’05

　＜着発信管＞：Impact Fuze、Percussion Fuse。着弾の衝撃や、急激な速度変化による慣性などで作動する信管。瞬発信管、瞬鋭信管、常働信管、無延期信管がある。参考：月刊軍事研究4,’11

＜電気信管＞：雷管内に電流が流れると、その熱で雷管内の爆薬が発火し、主爆薬を炸裂させる信管。電磁波があると誤作動するので、高圧線の半径25m以内では使用禁止。参考：コンバット・バイブル２

　＜時計式時限信管＞：時計式の歯車機構で時限盤を回転させ、時限作用を持たせたもの。参考：月刊PANZER3,’98

＜二動信管＞：１つの信管内に瞬発と延期の２つの機能を持たせたもの。瞬発では1-2/10000秒、延期では5/100秒に作動秒時が設定されている。発射前に時限セットをしなかったり、セット時間に達する前に弾着したりした時は瞬発で炸裂する。時限機構の違いにより、火道式複動信管と時計式複動信管に分けられる。参考：月刊PANZER2,’00

　＜ピエゾ信管＞：ピエゾ素子（圧電素子）を使用した信管。

＜複動信管＞：二動信管を参照。

　＜無延期信管＞：着発信管の１つ。着弾時の慣性力で撃針または起爆筒が前進し、発火させるタイプ。参考：月刊PANZER3,’98

＜信管（ＦＣ−２）＞：自衛隊の火工品。リコーエレメックス製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜身幹順＞：「しんかんじゅん」と読む。自衛隊用語で、背の順のこと。ただし身長の高い者から前に並ぶ。参考：月刊丸3,’14

＜ジンギャンシャン＞：999（揚陸艦）を参照。

＜晋級＞：094型（潜水艦）を参照。

＜秦級＞：097型（潜水艦）を参照。

＜進級（日本海軍）＞：兵が昇級すること。所属長の名の下に行われる。四等兵を６ヶ月勤めると三等兵の、三等兵を12ヶ月勤めると二等兵の、二等兵を12ヶ月勤めると一等兵の進級資格が得られる。参考：海軍よもやま物語

＜進級（日本陸軍）＞：入隊６ヶ月後に一等兵になる。入隊12ヶ月で成績優秀者2-3名が上等兵となり（一選抜）、以降６ヶ月ごとに成績順で二選抜、三選抜と上等兵に進級した。入隊36ヶ月を経過すればほぼ全員が上等兵となるが、営倉入りなどの懲罰を喰らうと一等兵以上にはなれない。一選抜組はその後も優秀なら入隊18ヶ月で早くも兵長になる。参考：新兵サンよもやま物語

＜神弓＞：韓国のLIG Nex1が開発した携帯式地対空ミサイルで、シングンと読む。誘導は可視光画像＋赤外線パッシブ。重量10kg。最大速度マッハ2.1、最大射程7km。参考：月刊軍事研究3,’18、月刊JWings12,’03

＜神弓２＞：中国の地対空ミサイルで、シェンゴンと読む。天燕の地対空ミサイル型で、４連装ポッドに搭載され、装輪車に装備される。80式軽対空砲と共同運用され、非車載の射撃管制システムにより統制を受ける。参考：月刊軍事研究9,’04

＜新疆ウイグル自治区＞：1944年11月12日、ソ連の支援を受けて東トルキスタン共和国政権が樹立され、独立国の建設が進められた時期もあったが、国際承認を得る前の1949年8月に資源目当ての中国人民解放軍が侵攻して占領し、1955年に自治区とした。その後、共産主義への強引な変革や、大躍進政策及び文化大革命による貧困の拡大・聖職者の処刑、ロプノール湖での地下核実験による放射能汚染などにより住民の反発を招き、東トルキスタン独立運動による武装闘争が続いている。中国政府は上海協力機構を創設して治安確保に努めているが、抵抗運動は一向に収まる気配を見せず、同時多発テロ前後のイスラム過激派の動きや、2008年の北京オリンピックを機に、増加する気配も見せている。2008年1月27日、中国はテロ組織拠点12カ所を制圧し、２名を射殺、15名を拘束して武器を押収したと発表。3月、19歳女性による旅客機のガソリン放火テロ未遂が発生。5月の上海市路線バス放火事件、7月の広州市プラスチック工場爆破事件、温州市警察署襲撃事件はトルキスタン関連のイスラム派テロリストが起こしたとみられている。7月19日、ウルムチ市で自爆テロ用雷管100個を持っていた男が拘束された。7月21日、雲南省昆明市でバス連続爆破事件が発生、トルキスタン・イスラム党が犯行声明を出した。8月4日、カシュガル市の人民武装警察施設が襲撃され、武装警察官16人が死亡、16人が負傷した。8月29日、警察署連続襲撃事件（8月12日と27日に発生、警官２名死亡）の犯行グループを中国が拘束し、東トルキスタン分離独立勢力によるものと発表した。2013年10月、北京の天安門で自動車炎上事件が発生。2014年5月22日、ウルムチで自動車爆弾事件が起きた。2015年の分離独立運動による死者はイギリスの国際戦略研究所によると200人で、2014年から半減しており、治安が向上したか、報道管制が強化されたのが原因としている。独立運動を起こす地域は広東省、河南省、山西省などに広がった。中国は石油や天然ガス、ウランや金属資源が豊富な本自治区を手放すつもりは無く、テロとの戦いを前面に押し出して徹底した弾圧と報道管制を行っており、150万人以上のウイグル人やカザフ人が国外に逃れたともいわれる。2019年、ニューヨーク・タイムズ誌が中国政府のウイグル族弾圧関連内部文書とされる習近平主席の非公開演説やウイグル族強制収容指示を報じた。アメリカ政府は新疆ウイグル自治区内の強制収容所にウイグル族などイスラム教徒100万人以上を収容していると避難したが、中国政府は職業訓練施設で強制では無いとしている。7月、国連人権理事会に新疆ウイグル自治区問題が取り上げられ、日本と欧米は改善を求める共同声明を発出したが、中国は経済的影響力の強いアジア・アフリカ諸国に擁護書簡を提出させた。参考：月刊軍事研究8,’08、2,’09、歴史群像4,’11、朝雲

＜新疆軍区＞：中国軍の大軍区。1955年5月1日に創設された。1985年6月の改編で廃止された。参考：月刊航空ファン5,’16

＜新京丸＞：大連汽船貨物船Shinkyo maru。元は大正7年年6月1日に竣工したイギリスＢ型標準船ウォー・ヴァルチャーで、大正8年にブラダヴォンに改称され、昭和8年に大連汽船が購入して改称した。垂線間長121.9m、幅15.89m、深さ9.45m、吃水7.69m、総トン数5140トン、重量トン数8132トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2800馬力、航海速力9.5ノット、最大速力13.5ノット。太平洋戦争で陸軍の輸送を行った。昭和19年3月2日、門司からトラックに向かう途中、トラック南西350kmでSS-382ピキュダの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜ジンキング＞：空中戦機動の１つで、攻撃側が射撃位置につくのを防ぐために防御側が行う。旋回、横滑り、ヨーヨーなどをランダムに繰り返してとにかく複雑に動き回り、攻撃側に照準させない。機関砲の射撃から逃れるためには加速して射程外に出てしまうのが一番で、アフターバーナーを点火して機動しながら加速する。ミサイルから逃れるには攻撃側軸線から30-60度に位置するのが良く、ここでジンキングを行いながら隙を伺う。参考：図解現代の航空戦

＜シングー＞：EMB-121（多用途機）を参照。

＜真空樹脂含浸製造法＞：VaRTMを参照。

＜シングルアクション＞：引き金を引くと、撃鉄が開放される作動のみが行われるもの。事前に撃鉄を起こしてコック状態にしておく必要がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜シングルアクティング・ショック・アブソーバー＞：ショック・アブソーバーを参照。

＜シングルアナライザ＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジーまたはローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究1,’13、5,’14

＜シングル・オーバー・ヘッド・カムシャフト＞：SOHCを参照。

＜シングル・カラム・マガジン＞：カートリッジが一列に並んだボックスマガジンのこと。日本語では単列弾路単列弾倉という。参考：GUN用語事典

＜シングルキャンセラＭＴＩ＞：MTIを参照。

＜シングル・クローバー・リーフ・ターン＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Single clover leaf turn。４機が縦一列の隊形（トレイル隊形）で会場左から進入し、ダイヤモンド隊形を経てアローヘッド隊形に移行しつつ左270度旋回を行い、会場右手に抜ける。参考：月刊JWings6,’10、6,’10別冊付録、11,’13、8,’15

＜シングル作戦＞：シングルは屋根裏もしくは板葺き屋根の意。第２次大戦時に連合軍が行ったアンツィオ上陸作戦で、ドイツ第10軍が抵抗を続けるグスタフラインの背後にあるアンツィオ海岸に第６軍団の２個師団を上陸させ、ドイツ第10軍を撃滅、その後ローマへと転じるものである。1944年1月12日頃から連合軍はグスタフラインに総攻撃を開始。イタリア防衛を担任するケッセルリンク元帥は陸軍情報部の間違った情報（連合軍は北フランス上陸作戦準備中でイタリアでの上陸作戦は行わない）を元に予備兵力をグスタフライン維持につぎ込んだため、完全な奇襲上陸となった。1月22日払暁、アンツィオ海岸に127mmロケット弾800発が降り注ぎ、次いでイギリス第１歩兵師団隷下の２個コマンドー旅団、アメリカ第３歩兵師団、第504空挺連隊、第6615レンジャー大隊、第509独立空挺連隊が上陸した。ここに配備されていたドイツ軍は第90機甲てき弾兵師団第71機甲てき弾兵連隊隷下の１個大隊のみで、連合軍は0800には海岸堡を確保し、将兵36000名と車両3000両を揚陸した。ケッセルリンクは0300に報告を受け、連合軍上陸兵力を最大４個師団と見積もり、ローマに通じる国道７号線（第10軍の後方連絡線）を望む要地であるアルバン高地が重要地点であると判断、第４降下猟兵師団と第29機甲てき弾兵師団を向かわせて陣地帯を構築した。連合軍第６軍団司令官は海岸堡を固めることに執着しすぎて前進が遅れ、その間にドイツ軍は第715歩兵師団と第114猟兵師団、３個連隊の投入を決定、グスタフラインを死守する第10軍主力も後退させ、予備兵力（第26機甲師団、第１降下猟兵師団、ヘルマン・ゲーリング機甲師団、第71歩兵師団、第３機甲てき弾兵師団）を捻り出して第14軍隷下に置き、海岸堡に反撃に向かわせた。1月23日、第14軍は隷下の５個師団でアンツィオ奪回作戦を発動。1月25日、海岸堡を出ようとしない第６軍団に対し、連合軍第15軍集団司令官はナポリのアメリカ第１装甲師団と第45歩兵師団、イギリス第56歩兵師団隷下の１個旅団を増援に送るから前進せよと厳命、第６軍団は漸く海岸堡を出撃してローマに向け前進を開始した。しかしドイツ軍の待ち伏せ攻撃に遭って大損害を出し、アメリカ軍はレンジャー部隊を戦線後方のチステルナに進出させたが、こちらも待ち伏せに遭い12名が戦死、36名が負傷し、767名が捕虜となって壊滅、戻ってきたのは６名だけだった。1月28日、アンツィオにM4シャーマン250両装備の第１機甲師団と、第45師団が到着。ローマに向けて再度前進を開始したが、ドイツ軍が堤防を決壊させて周辺が泥沼になっていた上、対戦車砲の待ち伏せ攻撃にあって前進速度は鈍かった。1月29日、ドイツ空軍第100爆撃航空団のDo217がSD1400X（Hs293？）によりイギリス巡洋艦95スパルタンを撃沈。2月1日、イギリス第１歩兵師団がアプリリアを占領。2月3日、ドイツ軍が28cm列車砲アンツィオ・アニー（レオポルトとロベルトのニックネームが付けられた２門）を含む砲兵隊を投入し、イギリス軍が確保しているアプリリアに攻勢を掛けたが、撃退された。2月7日2100、ドイツ軍は再度アプリリアを攻撃。2月10日、ドイツ軍はアプリリアを奪回した。次いでドイツ軍はアンツィオ海岸堡そのものを撃破するため、フィッシュ・ファング作戦を策定。第508重戦車大隊（ティーガー�T装備）を投入することにした。2月16日、ドイツ軍はフィッシュ・ファング作戦を開始。しかし泥濘に足を取られて第508重戦車大隊は役に立たず、2月19日には作戦自体が頓挫した。2月24日、第653重戦車大隊（エレファント装備）の１個中隊がドイツ本国から到着。2月28日、ドイツ軍はエレファントの重装甲を盾代わりにしてアプリリア正面から再度前進を開始したが、悪路に足を取られてティーガー�T戦車４両とエレファント２両が破壊され、3月1日には早くも進撃が止まってしまった。以降ドイツ軍は防衛戦に移り、残った重戦車群は性能通りの威力を発揮、連合軍を撃退し続けている。連合軍もオーバーロード作戦準備で忙しく、イタリアでの次の本格的な攻勢は5月11日のダイアデム作戦までお預けとなった。参考：月刊PANZER2,’11、歴史群像12,’10、4,’11

＜シングル・ショット・アクション＞：フォーリング・ブロック・アクションを参照。

＜シングルパスＩｎＳＡＲ＞：干渉合成開口レーダーを参照。

＜シングルバッフル式マズルブレーキ＞：マズルブレーキを参照。

＜シングルベース発射薬＞：ニトロセルロース単剤を主成分とする発射薬で、1884年にフランスの化学者ヴィエイユが発明し、1886年にＢ火薬としてフランス軍に採用された。エチルアルコールなどの溶剤を加えて所定の形状に成形する。ニトロセルロースは硝酸エステルであり分解しやすいので、安定剤としてアミン類（ジフェニルアミン）を加える必要がある。ニトロセルロースの安定性に問題があり、貯蔵時に注意が要る。発火感度が低いので、雷管もしくは強力な点火用火管を使用する。砲口炎を抑えるため、硝酸カリウムなどを加えることもある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、火薬のはなし、GUN用語事典

＜シングル・ラディアス方式＞：単一半径方式。操向変速機の１つで、遊星ギアを用い、旋回する側の起動輪の回転数を落として旋回する。更に小さい半径で旋回する場合は旋回側の起動輪を止める（信地旋回）。参考：月刊PANZER10,’99

＜シングル・ローター・ヘリコプター＞：Single rotor type helicopter。メインローターが１つのヘリコプター。トルク解消と方向操縦のため、尾部にテイルローターを持つ。メインローターとテイルローターは同じエンジンで回転し、オートローテーションの際にはメインローターの回転をトランスミッションや伝導軸経由でテイルローターに伝えるようになっている。メインローターが１つなので機構が単純、飛行性能や操縦性も比較的良好である。テイルローターがトルク解消のためにホバリング時で全消費出力の１割を浪費するのと、機体重心を移動できる範囲が少ないのが欠点。参考：航空用語事典増補改訂版、戦闘機のしくみ

＜シンクロプター＞：交差ローター式（ヘリ）を参照。

＜シンクロメッシュ式トランスミッション＞：マニュアル式トランスミッションの一種で、ドッグクラッチ付き常時咬合式トランスミッションのドッグクラッチをシンクロナイザーに変更したものである。最初はギアの代わりに摩擦面を使用したコンスタントロード型（ボール式ともいう）が開発されたが、急なギアチェンジでは摩擦面による回転数同期が間に合わず、騒音が出るという欠点があったため、シンクロナイザーリングとスプリングにより回転数が同期するまでかみ合いクラッチのギアをかみ合わせないイナーシャロック型が開発された。参考：自動車メカニズム図鑑

＜シンクロ・レゾルバ角度表示器＞：自衛隊の機器。ティー・ピー・ティー製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜シンクロレゾルバシミュレータ＞：自衛隊の機器。ティー・ピー・ティー製。参考：月刊軍事研究6,’18

＜シングン＞：神弓（地対空ミサイル）を参照。

＜じんげい＞：SS-515（潜水艦）を参照。

＜迅鯨＞：日本海軍迅鯨型潜水母艦Jingei。大正11年2月16日、三菱長崎造船所で起工。大正12年8月13日、公試で排水量6997.16トン、出力8401馬力、速力18.481ノットを記録した。8月30日竣工、水雷母艦に類別された。10月、第１潜水戦隊旗艦となった。大正13年12月1日、潜水母艦に艦種変更された。昭和5年6月、佐世保工廠で水偵搭載設備を装着した。6月12-16日、阪神地区に寄港。昭和12年7月7日の日華事変勃発時には第２潜水戦隊に所属していた。昭和14年、練習艦として使用されるようになった。昭和15年、改装工事を受けて潜水母艦任務に復帰。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時は建制上も兵力部署も第７潜水戦隊に所属していた。昭和17年4月から横須賀で修理を実施。その後トラック環礁に展開した。7月14日、第８艦隊第７潜水戦隊に編入された。8月13日、ラバウルに展開。昭和18年1月13日、呉に帰投し、呉鎮守府練習潜水隊に編入された。昭和19年8月11日から南西諸島への輸送作戦を実施。9月19日、佐世保を出港して那覇に向かったが、沖縄の西80海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて航行不能になり、瀬底まで曳航された。10月10日、奄美大島南方で艦上機の攻撃を受け大破炎上、擱座するため陸岸を目指したが、沖縄瀬底島の水深10mの海底に沈没した。11月10日、除籍された。昭和26年秋、台風で艦首部を切断。昭和27年2月17日から日本サルベージがサルベージ作業を開始し、7月7日に引き揚げられた。9月1日、門司港田之浦に曳航され、9月6日に戸畑港に回航されて八幡でスクラップにされた。艦首の紋章は解体前に外されて厚生省復員局に環納され、靖国神社に奉納されている。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船9,’12増刊、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜迅鯨型＞：日本海軍初の潜水母艦Jingei型。八八艦隊に随伴する潜水戦隊（二等潜水艦９隻）に補給を行うと共に、潜水戦隊旗艦として行動でき、敵の特設巡洋艦や駆逐艦に対抗できる能力を持つ艦として開発された。基準排水量5180トン・常備排水量8500トン・速力16ノットの予定で建造されたが、設計が上手くいったので常備排水量7000トン（基準排水量は5180トンのまま）・速力18ノットで完成している。ただし建造費節減のため商船構造をとる予定が軍艦式になってしまった。艦隊決戦時に最前線で行動する訳では無いので、艦首形状は特務艦と同様とし、一号機雷を乗り越える構造にはしていない。実際の潜水母艦としての能力は二等潜水艦２個潜水隊６隻に対するもので、無理をすれば３隊９隻に対する任務も行える。艦内には艦長予備室、作戦室、戦隊機関長室、幕僚室数室、潜水隊司令室２室、潜水艦長室６室（９室？）、潜水隊機関長室３室、潜水艦士官寝室９室、潜水艦特務士官室６室、潜水艦准士官室２室、潜水隊兵員用休憩室（54名収容）、潜水隊事務室、幕僚事務室、潜水隊士官・下士官用浴室・厠、潜水隊用倉庫、真水タンク、補給用重油タンク、補給用魚雷庫、工作施設、潜水隊補給用９メートル内火ランチ２隻といった旗艦・母艦施設を設けており（一時伝書鳩の鳩舎を設けたこともあった）、潜水戦隊旗艦として使用する際は潜水戦隊司令官が艦長室を、艦長が艦長予備室を使う。主砲は14cm砲４門で、当初は単装にする予定だったが、夕張用に開発していた連装砲が完成したため、これを２基搭載している。建造費節約のため主缶は八八艦隊主力艦用のものを転用し、缶室を３室設け、迅鯨は６缶、長鯨は５缶を収容した（合計出力は同じ）。両艦で前部煙突下方の缶室への主缶収容数が違うが、煙突の太さでの区別は難しいらしい。艦橋は当初露天式だったが、昭和11年に密閉構造に換えられた。水線長115.82m（123m？）、最大幅16.15m、吃水6.91m、基準排水量5160トン（5260トン？）。主機はパーソンズ式オール・ギヤード・タービン２基、主缶はロ号艦本式石炭専焼水管缶４基・混焼缶２基（長鯨は専焼缶４基・混焼缶１基）、出力7000馬力（7500馬力？）、２軸推進、速力16.0ノット、石炭搭載量2047トン、重油搭載量402トン、航続距離は14ノットで10400海里。兵装は三年式50口径14cm連装砲２基、三年式40口径8cm単装高角砲２門、留式7.7mm単装機銃２丁、山内式6cm礼砲２門。補給用重油1900トンを搭載する。乗員364名。迅鯨、長鯨の２隻が大正12-13年に就役した。大正末期、潜水艦との連絡用として水線下にフェッセンデン式水中信号機を搭載した。長鯨は大正末期、迅鯨は昭和4-5年、潜水隊用士官室（後部マストと第２煙突の間。大元は潜水艦兵員用休憩室だった）を潰して作った格納庫に一四式水上偵察機１機を搭載し、後部マスト左舷（長鯨は両舷）にデリックを設けた。昭和10年頃、復原性改善のため、舷側水線部にバルジを設け、艦底部にバラストを搭載した。これにより基準排水量6240トン、公試排水量8110トンとなっている。この頃には潜水艦及び魚雷の能力増大に伴って時代遅れとなっていて、日華事変では工作艦や練習艦として使用されていたが、昭和15年に改装工事を受けて再び潜水母艦任務に復帰、呂号潜水艦や練習潜水隊の母艦として終戦まで現役にあった。参考：日本潜水艦物語、日本海軍特務艦船史、日本の潜水艦パーフェクトガイド、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船9,’12増刊、日本海軍艦隊総覧

＜神経剤＞：化学兵器の１つで、第２次大戦中にドイツが開発、終戦後は製造技術が連合国各国（ソ連は生産工場を接収、西側諸国は科学者を確保）に渡った。アメリカでは当初Ｆで始まるアルファベット２字のコードを付けたが、他の略語と間違えやすいのでＧで始まる２文字に変更している。吸入や接触で体内に吸収され、神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合して不活化し、アセチルコリンの分解を阻害する事により神経筋接合部及び副交感神経系を過剰興奮させるため、縮瞳、除脈、痙攣といった症状が出現、最終的には呼吸筋麻痺から死に至る。化学兵器の中で最も致死率が高く、短時間で作用を発揮する。タブン、サリン、ソマン、VXガス、GVなどがある。ノヴィコフ５／ノヴィコフ７（ノヴィチョーク？）といった強力なバイナリー式化学兵器（VXの数倍強力といわれる）も開発され続けている。解毒剤にはアトロピン、PAM、ベンゾジアゼピン系薬物が使用されるが、PAMは曝露から時間が経つと効果が無くなる欠点があり、VXでは46時間、サリンでは５時間以内に使用する必要がある。ソマンでは５分以内に使用しないといけないので、実質的にはPAMが効かない。予防薬は可逆的アセチルコリンエステラーゼ阻害剤のピリドスチグミンで、神経剤と同じ場所に予め結合することにより、神経剤による不可逆的な酵素阻害を防ぐ効果がある。除染には次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウム溶液といった強アルカリ水溶液を使用する。アンモニア水でも可。参考：化学・生物兵器概論、軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究5,’17、1,’08、戦争がやってくる、図解雑学生物化学兵器

＜新江＞：606（哨戒艇）を参照。

＜信号員＞：海上自衛隊の要員。視覚信号による他艦艇・船舶との交信、艦船の現在地確認、海図への航路記入、ラッパ吹奏などが主任務で、艦艇に配置される。視覚信号としては、手旗信号、信号探照灯による発光信号、旗旒信号を使う。教育は第１術科学校の海士航海課程。参考：MAMOR vol.136

＜人工衛星＞：人間が作って打ち上げた衛星。地球に向いている方を天底（Nadir）、反対側を天頂（Zenith）、進行方向を前方（Forward）、逆を後方（Aft）、前方に向かって右を右舷（Starboard）、左を左舷（Port）という。構造体であるバスに任務に応じたミッション機器を積む。動力は宇宙空間のため燃焼によるものは燃料と酸化剤を積む必要があり重量がかさみ、バッテリーも長期運用に必要な分を積むといくらペイロードがあっても足らないので、天候によって太陽光が遮られる事が無く地球や月の陰に入らなければ長期安定的に電力を取り出せる太陽電池パネルが多用されており、太陽の方向に向ける機構を備えるものもある。軍用だと小型原子炉を積んでいったりするが、衛星の寿命が切れて地上に落下する度に地球滅亡論が出るくらい騒がれる。周回軌道の向きで静止軌道、極軌道、傾斜軌道、高さで低軌道、中軌道、高軌道、形で円軌道、長楕円軌道などに分かれる。航法、気象観測、通信、資源探査など軍民問わず広く使用されている。参考：月刊JWings8,’16

＜人工感覚システム＞：Artificial feeling system、Feeling device、Artificial feeling device。動力操縦システムやフライ・バイ・ワイヤなどでは舵の感覚が操縦桿にフィードバックされず、操舵角の大小や操舵面が受ける空気力をパイロットが直接感じられないため、操縦桿やラダーペダルにコイルスプリングや油圧ダンパーを仕込んで抵抗を人工的に作り出し、パイロットに伝えるシステムのこと。操縦桿を急激に倒してしまうことも防げる。エレベーターの場合、計器速度や水平安定板角度を油圧や電気信号に転換し、操舵力を調節する。ラダーの場合、低速時には大きく動いて効きを良くし、高速時には小さく動いて機体尾部への荷重を小さくする必要があるため、フラップの位置と連動して低速飛行中か高速飛行中かの判別信号を送ってラダーペダルの抵抗を調整する装置を組み込んだりする。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録

＜信号旗桁＞：信号旗を掲げる索のヤード。参考：月刊JWings2,’00

＜人工鯨＞：LST-1級（戦車揚陸艦）を参照。

＜信号拳銃＞：フレア・ピストルまたはシグナル・ピストル。信号弾を打ち上げる拳銃である。多くは中折れ式で、水平２連式のものもある。参考：GUN用語事典

＜信号けん銃用マウント＞：自衛隊の機器。ミネベア製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜信号拳銃用マウント（Ｐ−１用）＞：自衛隊の機器。ミネベア製。参考：月刊軍事研究7,’13

＜信号情報収集＞：SIGINTを参照。

＜信号照明弾救難用１７ｍｍ＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜信号照明灯地上ちょう光＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜信号照明灯地上用ちょう光＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜信号照明灯地上用ちょう光（緑）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜信号処理器専用試験装置＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜信号処理装置＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究7,’11

＜人工水平儀＞：Artificial horizon。航空計器の１つで、垂直ジャイロを使用し、機体の縦揺れ角と横揺れ角を表示する。計器中央に後ろから見た飛行機模型があり、水平線横棒の傾き（棒が右に傾くと機体は左バンク姿勢）や上下関係（棒が上に行くと機体は頭下げ姿勢）を見て揺れの種類、目盛板の指標を見て揺れ具合を判断する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜信号セット救難用改＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜信号弾四〇ｍｍ＞：自衛隊の弾薬。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜信号探照灯＞：信号を送るサーチライト。サーチライト前面にはシャッターが取り付けられており、側面の握り手を操作して開閉、モールス信号（発光信号）を発信する。参考：月刊JWings2,’00、MAMOR vol.86

＜信号探照灯（海上自衛隊）＞：信号通信だけでなく、遠距離・近距離の夜間目標照射にも使用される。60cm信号探照灯SL-60X、30cm信号探照灯SL30-1/SL30-2などがある。ふじ型砕氷艦には商船用と思われる40cm信号探照灯が搭載されている。参考：丸スペシャルNo.78

＜秦皇島＞：505（コルベット）を参照。

＜信号筒（海上救難投下用）＞：自衛隊の信号筒。細谷火工製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜信号筒救難用＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜進行波管増幅器＞：TWT（トラベリング・ウェーブ・チューブ・アンプリファイア）と略す。円筒内部を真空にしてあり、一方の端に電子銃、もう一方の端にコレクターが付いていて、常に電子が流れている。ここに電子銃側から電波を流すと、電子ビームと相互作用してエネルギーを吸収しつつコレクターの方向に向かうので、高出力高周波信号を取り出すことができる。大出力高周波の増幅を効率良く行えるため、レーダー送信器や通信衛星中継器などに使用される。参考：月刊丸12,’92

＜信号発煙照明筒＞：自衛隊のマリンマーカー。細谷火工製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜信号発煙照明筒エアクラフトフロートライト２形＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究12,’11、8,’13、1,’15

＜信号発煙照明筒エヤクラフトフロートライト２形＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜信号発煙照明筒マリンマーカ＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究6,’10

＜信号発煙ちょう煙＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜信号発煙筒エアクラフトフロートシグナル改＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜信号発煙筒エヤクラフトフロートシグナル改＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜信号発煙筒エヤクラフトフロートシグナル改一＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜信号発煙筒海上投下用２形＞：海上自衛隊の発煙筒。砕氷船AGB-5003しらせの搭載ヘリが南極の海面に投下しても作動する信号発煙筒として開発した。海上に投下されると一旦沈み、再浮上して作動する。細谷火工製。参考：朝雲、月刊軍事研究4,’08、8,’15

＜信号発煙筒（信管付）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜信号発煙筒対空用＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究5,’17

＜信号発煙筒対空用（白）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜信号発煙筒ちょう煙＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜信号発煙筒ちょう煙（赤）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究11,’10

＜信号発煙筒ちょう煙（黄）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究11,’10

＜信号発煙筒ちょう煙黒＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究1,’16

＜信号発射筒７�T改３＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜信号発射筒７型改３＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜信号発射筒８�T改４＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜信号発射筒８型改４＞：自衛隊の火工品。川崎造船または川崎重工製。参考：月刊軍事研究1,’10、1,’15

＜信号発生器＞：自衛隊の機器。アンリツまたはアジレント・テクノロジーまたはコーンズテクノロジーまたは穂高電子またはローデ・シュワルツ・ジャパンまたはキーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究12,’11、9,’13、1,’14、11,’14、9,’15、5,’18

＜信号発生器（１０ＭＨｚ−１０ＧＨｚ）＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜信号発生器（１０ＭＨｚ−２０ＧＨｚ）＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜信号発生器（８７式自走高射機関砲用計器校正セット）＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜信号発生器２５０ＫＨｚ−１０４０ＭＨｚ＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜信号発生器２５０ＫＨｚ−３ＧＨｚ＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究12,’11

＜信号発生器２５０ｋＨｚ−２０ＧＨｚ＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究7,’13

＜信号発生器（衛星可搬局装置用）＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジーまたはアンリツ製。参考：月刊軍事研究11,’11、2,’13

＜信号発生器（衛星通信固定局装置用）＞：自衛隊の機器。キーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜信号発生器校正装置（８７式自走高射機関砲計器校正セット）＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜信号分析器＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜信号変換器＞：自衛隊の機器。光電製作所製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜新興丸＞：日本海軍特設敷設艦。大元は新興商船が船舶改善助成施設の補助で建造した貨物船である。垂線間長133m、幅17.76m、深さ9.75m、満載吃水7.843m、総トン数6480トン、重量トン数9564トン。主機は横浜MAN製D6Zuディーゼル１基１軸5696馬力、最大速力17.08ノット。昭和10年6月3日に竣工し、川崎汽船で北米航路木材輸送船として使用された。昭和12年、日華事変勃発で日本陸軍に徴用され、青島への部隊輸送を行った。昭和15年12月、日本海軍に徴用されて特設敷設艦となり、中国、朝鮮、南西諸島方面で機雷敷設を実施。昭和19年10月18日、タマ二九Ａ船団としてマニラへの物資輸送中に、ルソン島北部西岸ラポック湾（ルソン島北方バブヤン海峡説あり）でアメリカ艦上機の爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’12

＜侵攻輸送機＞：Assault transport。強襲グライダーの輸送機版で、敵支配領域に強行着陸して空挺部隊を降ろすのを主任務とする。アメリカ陸軍航空軍が第２次大戦末期に曳航機の要らない動力付き強襲グライダーをテストしていたところ、アメリカ陸軍航空軍副司令官から「それはグライダーじゃなく輸送機だろ」と突っ込まれてこの名称になった。アメリカ陸軍航空軍がアメリカ空軍になった頃にYC-122、XC-123、YC-125のテストが始まり、C-123が採用されている。侵攻輸送機という分類はC-123の量産が始まる頃には無くなってしまったが、C-123はベトナム戦争で不整地運用能力を活かし活躍した。参考：月刊JWings6,’20

＜信号用照明筒地上用ちょう光（赤）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究11,’10

＜侵攻用地下トンネル＞：北朝鮮が韓国国境非武装地域の地下を抜けて掘り進んでいる侵攻用トンネル。前線１個師団あたり２本、全部で22本前後が掘られたとみられるが、発見されたのは４本である。最後の数mを攻撃前に掘って貫通させる。参考：月刊軍事研究3,’03

　＜第１トンネル＞：1974年に、ソウルから65kmの高浪浦付近で発見された。高さ1.2m、幅0.9mで、１時間に4000名が通過できる。参考：月刊軍事研究3,’03

　＜第２トンネル＞：1975年にソウルから100kmの鉄原付近で発見された。高さ2m、底面幅2mで、完全武装の兵士２名が並んで通過でき、小型の車両や砲も通れる。１時間に30000名が通過できる。参考：月刊軍事研究3,’03

　＜第３トンネル＞：1978年にソウルから44kmの板門店付近で発見された。第２トンネルと同規模。参考：月刊軍事研究3,’03

　＜第４トンネル＞：1990年にソウルから160kmの県里付近で発見された。第２トンネルと同規模。参考：月刊軍事研究3,’03

＜信号ラッパ（自衛隊）＞：日課の号令・命令・警報などの伝達、士気高揚、儀仗、栄誉礼、式典などに使用するラッパのこと。野外や停電などで放送設備が使えない場合の連絡・伝達手段として有用であり、単なる伝統継承ではない。江戸時代にフランス軍から教育を受けたラッパ手が成績優秀の証として赤房の紐をラッパに着ける栄誉を与えられた事にちなみ、ラッパには赤房の紐が巻かれている。参考：MAMOR vol.126、vol.93

　＜信号ラッパ（海上自衛隊）＞：1884年（明治17年）に完成した日本初の国産ラッパである二ツ巻信号喇叭Ａ♭長がベースで、全長の長い２つ巻ラッパを縦持ちで吹奏する。航海科員は全員ラッパ手としての教育を受けている。参考：MAMOR vol.126、vol.93

　＜信号ラッパ（航空自衛隊）＞：九〇式信号喇叭がベースで、全長の短い３つ巻ラッパを横持ちで吹奏する。日課号令の際は警備小隊の警衛担当者が担当する。参考：MAMOR vol.93、vol.126

　＜信号ラッパ（陸上自衛隊）＞：九〇式信号喇叭がベースで、全長の短い３つ巻ラッパを横持ちで吹奏する。各部隊で養成されたラッパ手が担当する。参考：MAMOR vol.93、vol.126、月刊JWings4,’16

＜新国際軍事秩序＞：NIMOを参照。

＜神国丸＞：日本海軍特設運送船（給油船）Shinkoku maru。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊所属で、真珠湾攻撃に参加。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。昭和19年2月17日、トラック大空襲で爆撃を受けて沈没した。参考：月刊軍事研究12,’07、日本海軍艦隊総覧、月刊モデルアート9,'15増刊、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜新個人装備セット（個人用防護装備・試験用）＞：自衛隊の機器。東洋紡製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜新個人装備セット防弾チョッキ（試験用Ａ）＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜新個人装備セット防弾チョッキ（試験用Ｂ）＞：自衛隊の機器。東洋紡製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜シンサムッタ＞：タイ海軍マッチャーヌ級潜水艦３番艦Sinsamutha。1951年に退役した。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜深山シリーズ＞：日本海軍４発陸上攻撃機、略符号G5N、試作名称は十三試陸上攻撃機または十三試大攻、連合軍コードはリズ（Liz）。昭和11年に定められた航空機種及性能標準で陸攻の兵装ペイロードを魚雷または爆弾1500kgに設定したが、これを達成するには４発大型機を作る必要があり、三菱は一式陸攻、川西は二式大艇の設計で忙しかったため、中島飛行機に開発を依頼した。一から作るのは無理があったため、昭和12年秋に試作機を入手（製造権を獲得？）した４発旅客機DC-4Eをベースにしている。６機が試作されて初号機は昭和16年4月8日に初飛行し、陸軍でもキ−68としてテストしたが問題が多く、太平洋戦争で鹵獲したB-17爆撃機に性能で大きく劣るので採用されず、昭和18年8月に試製深山の名称が付けられたものの、既に連山の開発に移っていた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史、月刊丸3,’18別冊

　＜深山＞：略符号G5N1（1-2号機）／G5N2（3-6号機）。重量増に合わせてエンジンをツインホーネットから護に強化し、自衛武装には動力銃架を採用した。ただ1-2号機はエンジンが間に合わず、火星一二型（離昇出力1530馬力）を搭載している。降着装置が前輪式なので地上姿勢でも背が高く、格納庫の天井につっかえないよう垂直尾翼を３枚尾翼から双垂直尾翼に変更した。全長31.015m、全幅42.135m、全高6.1m、自重20100kg、正規全備重量28150kg、過荷時総重量36000kg。翼面荷重１平方メートルあたり139kg。エンジンは護一一型（1870馬力）４発、巡航速度370km、最大速度420km、実用上昇限度9050m、上昇力2000mまで５分17秒、燃料搭載量8905リットル、航続距離3500km（爆撃過荷時）／4190km。自衛武装は7.7mm旋回機銃４丁、20mm旋回機関砲２丁。1500kg爆弾２発または800kg爆弾４発を搭載できる。乗員７名。予想以上に重量が増えすぎてエンジン強化が間に合っておらず、油圧系統にも不具合が多発、実用化は断念されて連山のテストベッドに使用され、３号機以降は輸送機型深山改に改造された。参考：月刊丸3,’18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜深山改＞：輸送機型。胴体中央から後部にかけて貨物室を設け、天井に手動式クレーンを装備し、水平尾翼付近の胴体後部に格納室を設置、後下方銃座のあった所に下向きの観音開きハッチを装着し、操縦席後方両舷に４名用ベンチシートを１基ずつ設け、兵装を撤去し、操縦系統を完全油圧式から油圧補助の人力式に変更した。全長31.05m、全幅42.135m、自重19500kg。エンジンは護一一型４発、航続距離5667km。搭載量13000kg、貨物ペイロード4000kg。乗員６名。昭和18年から４機（深山試作3-6号機）が改造され、昭和19年2月半ばから香取基地の第1021航空隊（鳩部隊）に配備された。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜新施設作業車＞：99式施設作業車を参照。

＜シンシナティ＞：CL-6（軽巡）またはLCS-20（沿海戦闘艦）またはSSN-693（ロサンゼルス級原潜）を参照。

＜ジンジャー・レイシー＞：ヘンリー・レイシー（イギリス空軍エース）を参照。

＜ジンシャ型＞：722�U型（LCAC）を参照。

＜新車載式渡河器材＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜シンジャン＞：606（哨戒艇）を参照。

＜ジンジャン＞：603（哨戒艇）を参照。

＜ジンジャン級＞：錦江級（哨戒艇）を参照。

＜ジンジュ＞：763（コルベット）を参照。

＜辛集＞：606（コルベット）を参照。

＜晋州＞：763（コルベット）を参照。

＜神鷲＞：中国が開発中の高々度滞空無人機Shendiao、英語名はDivine EagleまたはSacred Eagle。双胴無尾翼機で、翼スパンの長い低翼配置の主翼が左右胴体尾部を貫いており、中央上面にターボファン・エンジン１基が載っている。胴体最前部には左右の機首を繋ぐパーツがある。左右どちらの機首も上面に膨らんでいるが、右側だけ色が違っており、衛星通信アンテナはこちらに内蔵するのかもしれない。垂直尾翼はそれぞれの胴体の尾部にあって、双垂直尾翼となっており、傾けられてはいない。降着装置は車輪式引き込み脚で、それぞれの胴体の前方に前脚、後方に主脚がある。センサーなどの詳細は不明だが、早期警戒、目標指示、電子戦、通信などの任務を行えるとみられる。参考：月刊軍事研究2,’17

＜新舟６０＞：MA60（旅客機）を参照。

＜新舟６００＞：MA600（旅客機）を参照。

＜神州丸＞：日本陸軍神州丸型上陸用舟艇母船。昭和8年4月8日起工。昭和9年1月半ば、呉海軍工廠に回航され、九一式戦闘機や九二式戦闘機によるKY機（カタパルト）試験を含む公試を開始。昭和10年1月（昭和9年12月15日？）竣工。2月、KY機の試験を終了。夏に九一式戦闘機と九二式偵察機をカタパルト射出したらしい。ただカタパルトの運用実績はあまり良くなかったようで、昭和11年に撤去した。昭和11年8月、太沽上陸作戦に参加。昭和16年12月8日、マレー攻略作戦に龍城丸として参加。昭和18年7月、海軍第67警備隊副長がナウル島のハンセン氏病患者39人をポナペの離島にある療養所に移動させるとしてボートに乗せ、これを沖合まで曳航して砲撃で沈め、更に銃撃を加えて全員殺害した。昭和19年11月14日からヒ八一船団の護衛に参加。昭和20年1月、台湾近海でアメリカ艦上機と潜水艦の攻撃を受け沈没した。参考：日本航空母艦史、歴史群像6,’04、8,’17、月刊世界の艦船12,'20、2,'23、小艦艇入門、月刊航空ファン10,’18、月刊軍事研究11,’16、輸送船入門

＜神州丸型＞：日本陸軍上陸用舟艇母船、MT（Military Transport）船。昭和7年の上海事変における七了口上陸作戦で、上陸地点の水深が浅すぎて大発を載せた輸送船が入り込めなかったという戦訓に基づき、昭和8年から開発された。海軍に依頼してR-1運送艦が設計されたが、船型が特殊すぎたためもう一度やり直し、自動車運搬船の形状を流用して完成している。大発29隻（26隻？）、小発11隻（16隻？）、高速装甲艇４隻を搭載でき、うち大発20隻（22隻？）は中甲板の全通式舟艇格納庫に２列で収容、船内で八九式中戦車や人員を乗せ、舟艇迅速泛水装置（レール付きスロープ）で船尾から発進させる。上甲板の軍馬用馬欄甲板には九一式戦闘機12機を搭載でき、同甲板前方（艦橋直前）両舷のカタパルト（KY機、秘匿名称ケ三）２基により射出、上陸地点の制圧や、確保した飛行場での運用を行う。ちなみに着艦拘束装置もKS機として開発していたが、装備されなかったので、上陸部隊が速やかに飛行場を確保できなければ不時着または不時着水するしかない。全長150m、垂線間長144m、幅22m、深さ12m、満載吃水4.2m、満載排水量5596トン、公試排水量7200トン、総トン数8160トン。主機は蒸気タービン２基、２軸推進、最大速力20.4ノット（19ノット？）。２個大隊2200名（1200名？）の将兵を搭載可能。神州丸が昭和10年に就役した。昭和11年、カタパルトを撤去した。太平洋戦争勃発でマレー上陸作戦に参加したが、特大発を載せられないため、九七式中戦車の揚陸には使用できなかった。参考：日本航空母艦史、護衛空母入門、戦時標準船入門、輸送船入門、月刊世界の艦船2,'23、月刊軍事研究11,’16、月刊航空ファン10,’18

＜伸縮式銃床＞：銃床を参照。

＜伸縮継手＞：ユニバーサルジョイント。日本海軍航空母艦の飛行甲板に２ヵ所設けられており、船体がきしんでも飛行甲板が壊れないように伸び縮みする。参考：月刊JWings2,’00

＜真珠の首飾り戦略＞：中国による海洋戦略。ミャンマーのココ島やシットウエ港、バングラデシュのチッタゴン港、スリランカのコロンボ港やハンバントタ港（2017年、対中債務と相殺で中国企業が99年間租借）、パキスタンのグワダル港（2013年、港湾経営権を中国に譲渡。2015年11月11日、隣接280ヘクタールを中国海外港口控股に43年間租借。2016年1月から中国がグワダル国際空港の建設を開始）の整備に協力して海洋進出拠点を確保するものである。インド封じ込めの意図があるとしてインドが警戒している。参考：月刊軍事研究9,’15、朝雲

＜真珠湾攻撃＞：太平洋戦争における日本軍戦略目標である東南アジア資源地帯を確保する上で大きな脅威となる太平洋艦隊が母港としていたハワイ真珠湾を、艦上機により奇襲した作戦で、山本五十六連合艦隊司令長官がＺ作戦の秘匿名で考案した。真珠湾はオアフ島南部にあり、昭和15年5月からアメリカ艦隊が恒久的に配置されるようになった。東西と北を陸地に囲まれ、出入港できるのは南側１ヵ所だけであり、ここを閉塞されると軍港が封鎖されてしまう。魚雷防御網の展開も、航行を阻害するのと、水深が14mと浅い真珠湾での雷撃は不可能として、昭和15年12月に太平洋艦隊キンメル司令長官が断念した。一年の大半で北東の貿易風が吹いており、真珠湾北部のクーラウ山脈に積層雲ができて真珠湾上空まで覆ってくることもあり、北から侵入してきた航空機の姿が確認しにくくなる。真珠湾に配置されていたアメリカ太平洋艦隊は訓練を主任務としており、決まった日程に従って一定期間外洋で訓練を行い、それ以外は港に戻って停泊するという行動パターンを基本的には崩さない、と山本五十六連合艦隊司令長官は読んでいた。アメリカ軍は、日本軍が空母基幹戦力を南方戦線に向けると判断していた。昭和7年にはアメリカ太平洋艦隊司令長官が演習で空母サラトガとレキシントンによるパールハーバーへの模擬奇襲攻撃を行い、見事に成功させているが、省みられる事は無かった。昭和15年10月、情報活動に消極的な郡司ハワイ総領事を更迭し、奥田副領事を総領事代理に昇格させ、総領事館事務員とタクシー運転手の日系アメリカ人による情報収集活動を開始した。昭和15年11月15日、日本海軍軍令部は出師出動準備第一着作業を発動。昭和16年1月14日、山本五十六連合艦隊司令長官が大西瀧治郎少将に真珠湾攻撃計画について意見を聴取。大西少将は第11航空艦隊参謀源田実中佐に意見を求め、源田中佐からは赤城、加賀、飛龍、蒼龍、翔鶴、瑞鶴の全正規空母を作戦に投入すること、第１目標は戦艦で無く空母とすべきこと、可能な限り真珠湾に接近し攻撃終了後に艦上機を収容して反撃に備えること、艦上機発艦直後に空母を撤収させて攻撃終了後の艦上機を不時着水させ乗員を駆逐艦や潜水艦に救助させる安全策は乗員の士気と艦上機損失の面から実施すべきで無いこと、パイロットは有能な熟練者を特に選ぶこと、攻撃寸前まで作戦を極秘にすべきことが伝えられた。1月17日、駐日ペルー公使が在日アメリカ大使館を訪れ、アメリカ艦隊が消滅する、それはサンディエゴでもサンフランシスコでも南太平洋でもない、と外交官パーティで日本人通訳が語っていた、と告げた。駐日アメリカ大使は真珠湾攻撃の可能性ありとして国務省に暗号電を発し、海軍情報部に伝えられたが、現時点ではその可能性は無いとして無価値の情報という評価を受けた。3月14日、ハワイ総領事に広東総領事の喜多氏が赴任。3月26日、森村正ハワイ副領事が着任。ただしこの名前は偽名で、実際には結核という見せかけの理由で海軍を退役し、軍令部第３部第５課に軍属として勤務した後、外務省に書記生として潜り込んだ吉川猛夫退役少尉だった。主任務は真珠湾在泊艦艇の状況を毎日観察して総領事に週１回報告することである。奥田副領事はそのままの地位に留まり、公刊情報収集にあたった。8月15日、出師出動準備第二着作業を発動。8月20日、真珠湾防空担当官パトリック・ベリンジャー海軍少将と、ハワイ方面陸軍航空隊司令官フレデリック・マーチン陸軍少将が５ヶ月前に行った共同発言に関する文書がワシントンに到着。もし日本軍が真珠湾に攻撃をかけるなら、これまでの日本軍がそうであったように宣戦布告はせず奇襲を行い、空母６隻を北方からオアフ島に接近させ、明け方に航空攻撃を実施すると考えられる。アメリカ情報機関の警告は恐らく間に合わず、日本の空母部隊を事前に発見したとしてもアメリカが先制攻撃を仕掛ける訳にはいかない。しかし日本軍が完全奇襲を不可能と判断すれば、攻撃を強行することは無いと予想されるため、ハワイ地域の哨戒飛行を全周長距離（半径800海里）に渡って実施し、空母部隊の早期発見に努め、見つけ次第在泊艦艇を退避分散させ、防備部隊を配置に付けて防御態勢を万全にする事が重要で、ハワイ方面航空隊にB-17Dクラスの行動半径を持つ哨戒用航空機180機を配備する必要がある。ほぼ正確に真珠湾攻撃を読み切った内容だったが、ハワイの防備態勢には全く反映されず、哨戒圏は200海里に止まり、攻撃当日にハワイにあったB-17は僅か12機だった。9月5日、山本五十六連合艦隊司令長官が海軍首脳部にＺ作戦を提示。9月中旬（通常は11-12月だが前倒しした）に海軍大学校で実施された年次特別図上演習で各種想定や問題点の洗い出しが行われた。真珠湾への接近経路として源田中佐が提示したマーシャル諸島経由の南方経路、ミッドウェイ島南経由の中央経路、アリューシャンとミッドウェイの中間（北緯40度線）を通る北方経路のうち、機動部隊指揮官南雲忠一中将はまず燃料補給などが容易で天候に左右されにくい南方経路を選択したが、源田中佐が敵に読まれやすいと指摘したため、冬の嵐の中で駆逐艦に２回の洋上補給を行わねばならないが商船が殆ど利用せず発見される恐れの最も低い北方経路に変更した。開戦予定日は11月16日、参加兵力は第１・第２航空戦隊の空母４隻、重巡２隻、水雷戦隊１個、補給艦、特設監視艇、潜水艦で、アメリカは戦艦と空母のほぼ全てが真珠湾に在泊中、400海里の哨戒圏を有するという想定である。１度目は200海里先で第一次攻撃隊189機と第二次攻撃隊171機を発進させたがアメリカ側に発見され半強襲となり、アメリカ戦艦４隻と空母２隻を撃沈するものの、アメリカ軍による迎撃とその後の反撃で空母２隻と艦上機の半数を失うという判定となり、２度目は見つからないよう行動してほぼ損害無く奇襲に成功という判定が出された。並行して真珠湾攻撃無しの南方攻略を仮定した一般図上演習を行ったところ、蘭印を制圧した時点で航空部隊の半分を喪失、アメリカ軍がミクロネシアを攻略して決戦場となる西太平洋への足がかりを整える間に何とか態勢を立て直せるかどうかといった結果だった。アメリカ太平洋艦隊が一番の脅威である点では連合艦隊も軍令部も一致していたが、アメリカに決戦準備の時間を与えず先制撃滅すべきとする山本連合艦隊司令長官と、石油資源確保後に旧来通りの洋上の漸減作戦で撃滅すべきとする永野軍令部総長の意見は対立したままだった。一部に奇襲攻撃後、上陸部隊を送り込んでハワイを占領してしまおうという意見も出されたが、南方作戦に手一杯で輸送船を回せず、余裕の出た頃には真珠湾の防備が強化されていると予想され、占領後に兵站を維持する見込みも立たず、さすがに山本連合艦隊司令長官も軍令部も却下している。必要な兵装として、浅い湾内でも使用できる九一式航空魚雷改２を開発。また、横並びに停泊している戦艦の内側列は雷撃できないので、水平爆撃で装甲甲板を貫徹できる九九式八〇番五号爆弾を急遽完成させた。艦上機部隊は昭和16年10月から地形が似ている鹿児島湾で高度20mを270kmで飛ぶ超低空飛行から魚雷投下後に急上昇して右急旋回をかける雷撃訓練、高度1500mで急降下して従来の基準より150m低い450mで引き起こす急降下爆撃、優秀な爆撃手に合わせて一斉に投弾する水平爆撃、１日４回の発着艦といった訓練を行った。また、鹿児島湾への進入や離脱の方向、爆弾や魚雷の投下位置も厳格に指定されていた。奇襲に成功した場合、まず艦攻が雷撃を実施、次いで水平爆撃を行い、爆煙に紛れて艦爆が飛行場へ急降下爆撃をかける。奇襲できず強襲となった場合には、艦爆が飛行場に急降下爆撃を掛け、艦攻が水平爆撃で対空砲陣地を潰し、次いで艦戦の掩護を受けて艦攻が雷撃する。どちらにするかは攻撃隊長淵田美津雄少佐がオアフ島接近前に決定し、奇襲なら信号弾１発、強襲なら信号弾２発で合図するので、それに基づいて高度3000mでの攻撃展開を行う。軽巡や駆逐艦だけでなく、赤城、蒼龍、飛龍にも洋上給油が要ると判明、日本海軍自前の艦隊随伴高速給油艦は無かったので、載貨重量12000トン、航海速力16ノット、最大速力20ノット以上の民間高速タンカー８隻を徴用し、昭和16年9月下旬から10月に洋上給油装備を取り付けた。大型艦は北緯20度線を通る比較的穏やかな復路での洋上給油となるが、軽巡と駆逐艦は冬の荒波に晒される往路で行わなければならず、失敗したら分離して置いていくことになる。真珠湾攻撃後はミッドウェイとパルミラの間を抜ける北緯20度線を通り、東経160度で連合艦隊主力部隊と合流するが、奇襲に失敗して大損害を受けたらミッドウェイ島を空襲して哨戒圏を突っ切り合流点に向かうか、本土でなくクェゼリンに帰投地点を変更する。9月24日、東京からホノルル総領事館に暗号電が入り、真珠湾水域を５つの小水域に分け、停泊中（埠頭係留、ドック入り含む）の戦艦と空母の位置・艦型・艦種を報告すること、２隻以上の戦艦が同一埠頭に横付けされているのが判明した場合にはこれも報告することを要求した。この暗号電は10月9日にアメリカが解読してマジック情報にしている。10月上旬、軍令部の同意を得て連合艦隊が図上演習を実施。その結果、軍令部では9月25日に新編されたばかりの第５航空戦隊（翔鶴、瑞鶴）を練度不足もあって南方攻略に使う方針だったが、真珠湾攻撃に振り向けることになり、夜間発進・黎明攻撃の予定を黎明発進・朝方空襲に切り替えた。また、真珠湾攻撃で空母が損傷した場合に備え、曳航艦として第３戦隊（高速戦艦比叡、霧島）を付随させることにした。オアフ島周辺には先遣隊として潜水艦20隻を配置し、長期間の事前偵察を行う。10月3日（11日？）、山本連合艦隊司令長官が連合艦隊旗艦に幹部を集め会議を開催し、真珠湾攻撃への反対意見を聴取。第１・第11航空艦隊司令部は機動部隊を南方攻略に投入すべきと主張したが、山本連合艦隊司令長官はアメリカ空母部隊による首都空襲の危険を挙げるなどして説得し、作戦の遂行を決定した。10月19日、作戦が軍令部に正式に承認された。10月23日、日本郵船定期船龍田丸から海軍士官２名が外務省官吏などを装いハワイに上陸し、情報収集関係者に11月1日ホノルル発の日本船での帰国を命じ、ハワイに潜ませていたドイツ人オットー・キューンに14000ドルを渡してスパイとしての活動開始に備えるよう伝えた。キューンには真珠湾攻撃実施日にアメリカ艦隊が出港していた場合の通信方法を考えるという指令も出されており、艦隊不在ならキューンが潜望鏡でオアフ島を監視する日本潜水艦に対して模型や灯火で信号を送ることになった。10月末、軍令部が山本連合艦隊司令長官に対し、５項目（作戦の成功が奇襲のみに依存している、所要艦艇が60隻と大規模、所要艦艇を開戦１ヶ月前から集結させるため奇襲意図を察知されやすい、米英ソの情報網が強化されている、機密保持に疑問がある）からなる真珠湾攻撃反対文書を送付。これに対し、山本連合艦隊司令長官は黒島大佐に真珠湾攻撃遂行の手紙を持たせて特使として東京に送り、富岡軍令部作戦課長と話し合いが行われたが、決着は付かなかった。機動部隊所属艦艇が有明湾に集結。11月1日、ホノルルに客船大洋丸が入港。日米関係悪化で日米間の定期船が全て欠航していたため、日本やハワイに取り残された一般人を帰国させるという名目だったが、第１航空艦隊参謀と第３戦隊参謀が船客係を装って乗り込んでおり、また軍令部の指示を受けミッドウェイとアリューシャンの中間を通る北方航路を進み気象情報を記録、周辺に船舶がいないかも確認していた。日本海軍は艦隊のコールサインを変更。11月2日、機動部隊構成各部隊指揮官に作戦の概要が伝達された。朝、大洋丸乗員のホノルル上陸が許可され、第１航空艦隊参謀は総領事と面会して真珠湾防備態勢に関する質問状を渡した。午後、総領事が日本人の帰国監督を名目に大洋丸へと乗り込み、質問状の回答、上空から見た真珠湾を描いた絵葉書、真珠湾の略図、ヒッカム飛行場やホイラー飛行場の配置、艦艇停泊計画などを渡した。後に絵葉書は航空地図の方眼線を記入してコピーされ、真珠湾攻撃の際に各機操縦士が携帯した。11月3日、山本連合艦隊司令長官は黒島大佐に電話で作戦計画が採用されない場合は全幕僚と共に辞任すると伝達。これを受け、永野軍令部総長が作戦を承認した。11月5日、森村（吉川）副領事とキューンを残し、大洋丸がホノルルを出港。来栖三郎特派大使がワシントンに着任。東京からワシントンには和平提案調印のための準備期限を11月25日までとする暗号電が打たれた。大海令第１号で連合艦隊に作戦準備が下命され、連合艦隊は機密連合艦隊命令作第１号を発出。山本連合艦隊司令長官は太田艦隊気象長と作戦決行日時について打ち合わせを実施。気象長は月齢から12月10日（ハワイ時間9日）を薦めたが、火曜日なので太平洋艦隊が訓練に出かけている可能性が高く、最も近い日曜日にあたる12月8日（ハワイ時間7日）に決まった。11月6日、空母６隻と艦上機350機が参加して佐伯湾で仕上げの演習を実施。その後機動部隊各艦は補給整備のため各軍港へと散り、艦上機部隊は陸上基地で最後の訓練に入った。11月7日、連合艦隊は連合艦隊命令作第２号を発し、南雲中将にＹ日（決行日）を12月8日（ハワイ時間7日）とし11月22日までに機動部隊を単冠湾に集結させるよう伝えた。11月15日、ホノルル総領事館が真珠湾内の艦艇に関する報告を週２回に増やすよう東京から暗号電で指示された。11月16日、機動部隊が佐伯湾に集結。11月17日、長門が岩国沖から佐伯湾に回航された。アメリカ情報機関は日本海軍空母の大部分が呉と佐世保にいると報告。1520、赤城飛行甲板で山本連合艦隊司令長官が各級指揮官、幕僚、飛行科士官などを前に訓示。11月17-19日、参加艦が逐次出港し、無線封鎖しつつ択捉島単冠湾に向かった。参加艦は、第一航空艦隊（空襲部隊）の第一航空戦隊空母赤城・加賀、第二航空戦隊空母蒼龍・飛龍、第五航空戦隊空母翔鶴・瑞鶴、第一水雷戦隊（警戒隊）の軽巡阿武隈、第17駆逐隊駆逐艦谷風・浦風・浜風・磯風、第18駆逐隊不知火・霞・霰・陽炎、駆逐艦秋雲、支援部隊の第三戦隊戦艦比叡・霧島、第八戦隊重巡利根・筑摩、第二潜水隊（哨戒隊）の潜水艦伊19・伊21・伊23、補給隊の第一補給隊特設給油艦極東丸・健洋丸・國洋丸・神国丸、第二補給隊特設給油艦東邦丸・東榮丸・日本丸、ミッドウェー破壊隊の第七駆逐隊駆逐艦潮・漣、給油艦尻矢で、秘匿のため日時をずらしており、11月17日に加賀と霧島が佐世保を出港、11月18日に比叡が館山湾を抜錨し、佐伯湾からは11月18日0400に第１水雷戦隊、0900に赤城が出港、佐伯湾を出たら陣形を解いて一旦北以外の方角に進んだ後、単冠湾を目指している。第２航空戦隊、第１水雷戦隊、第１・第２補給隊も11月18日に佐伯湾を出撃した。第５航空戦隊は佐伯湾を出た後に別府湾に入り、11月19日0000に抜錨して単冠湾に向かった。甲標的を１隻ずつ搭載した伊16、伊18、伊20、伊22、伊24は11月18日に安芸灘を出港し、ハワイに向かった。艦上機や艦艇が出払ったのを悟られないよう本土に残った部隊の飛行回数や半舷上陸回数を増やして誤魔化し、機動部隊が無線封鎖を掛けても海軍艦艇全体の無線通信の総量が変わらないよう、不要の交信や、九州近辺に連合艦隊艦船がいるかのような欺瞞通信を打ちまくった。無線封鎖中の機動部隊に対し、NHK海外放送終了時に乃木希典大将が詠んだ「山川草木転荒涼…」の詩を流して日米交渉非妥結・行動継続を伝達している。真珠湾攻撃に参加しない部隊には機密連合艦隊命令作第一号のハワイ関連の部分を切り抜いて渡した。機密を徹底しすぎて魚雷の開発が遅れたため、佐世保で加賀に積み込んだ魚雷はまだ完成しておらず、佐伯湾で三菱兵器製作所の係員を乗艦させて11月20日に出港、単冠湾に向かいながら完成させる羽目になった。艦上機の爆弾投下器も改修が未了で、各空母には中島飛行機や海軍工廠の要員が乗り込み、航海中に改修を行った。第２潜水隊への作戦伝達も11月15日となったため、伊19・伊21の横須賀出港が11月20日に遅れている（伊23は出港日不明だが11月19日時点では呉にいた）。乗員には出港時に冬用の防寒服と熱帯用の防暑服が支給され、目的地を知らされていない乗員はアリューシャン作戦だ、フィリピン作戦だと噂しあったが、実際には北方領土経由でのハワイ行きだった。集結する合間にも洋上給油訓練を実施し、時差ボケ防止のため日没前から就寝したり、総員昼寝という号令が掛けられたりしている。特設給油艦としてあけぼの丸も動員する予定だったが、給油蛇管口金のサイズが合わなかったため、内地に残った。11月20日、海防艦国後と水上偵察機２機が単冠湾に到着。海軍機密演習という名目で湾内を閉鎖（とはいえ湾に集まる艦隊が真珠湾攻撃に向かうとは乗員も誰一人知らないが）し、択捉島唯一の郵便局である沙那郵便局の通信業務を停止させると共に、備え付けられていた１台の電信機に水兵の見張りを立てた。11月21日0000、柱島泊地の長門から機動部隊に「フジサンノボレ」の電文が打電され、日米交渉妥結不可能・開戦確実が伝えられた。11月22日、加賀と第２潜水隊以外の機動部隊各艦が単冠湾に到着。11月23日、加賀と第２潜水隊が単冠湾に到着。第１航空艦隊司令長官南雲忠一中将が空母赤城艦上で各級指揮官に訓示を実施。真珠湾攻撃を行う機動部隊は機密機動部隊命令作第１・第２・第３号を発出。11月24日、将校以外の参加艦各乗員に作戦内容が伝えられた。木更津航空隊九六式陸攻14機が主尾翼前縁に凍結防止用プレストン油散布用パイプや電熱ピトー管を装備した寒冷地仕様で美幌基地に展開し、機動部隊の前路哨戒を行う事になった。11月25日、哨戒隊の潜水艦３隻がハワイに向け出港。11月26日朝、南雲機動部隊が単冠湾を抜錨し、巡航速力12ノットでハワイに向かった。先頭に軽巡阿武隈と駆逐艦１隻を縦列に置き、10km後方に戦艦比叡・霧島、その左右に15km離れて重巡利根・筑摩が並んでグループを形成した。その後方に7km間隔で空母赤城・蒼龍が並び、7km後方に空母加賀・飛龍が続き、更に7km後方に空母翔鶴・瑞鶴が続いた。それぞれの空母の後方3kmに駆逐艦１隻ずつが随伴し、空母群の左右15kmに駆逐艦２隻が警戒艦として位置していた。また、哨戒隊として第２潜水隊の伊19、伊21、伊23が同行した。この他、補給隊として補給船８隻、先遣部隊及び特別攻撃隊として25隻の伊号潜水艦が先発した。出撃後も洋上給油訓練が実施されており、12ノットで航行しながらの給油が可能となった。機動部隊は無線封鎖をかけていたが、本土から送信される短波無線を受信できるのが大型艦だけだったため、低周波に直して小型艦や潜水艦に向けて送信し直していた。アメリカ軍には低周波対応の傍受装置が無く、逆探知できなかった。11月27日、アメリカ情報部隊は日本海軍空母が日本の海域にいると報告。11月29日、ホノルル総領事館に東京から真珠湾内の艦艇について動きが無くても報告するよう暗号電で連絡が入った。サンフランシスコからホノルルに向け航行中のナトソン汽船ラーラインに搭乗していた二等航海士が無線装置をいじっていた所、微かな電波を探知。その後も数日にわたり探知できたが、内容は不明だった。南雲機動部隊に対し、軍令部第１部長福留繁少将から日米交渉前途絶望の連絡電が入れられた。12月1日、御前会議で開戦の最終決定がなされた。ラーラインがホノルルに入港。謎の電波が密かにハワイに向かう艦隊から発せられているのではないかとアメリカ軍に通報したが、軍では特に気にしなかった。12月2日、横浜から日本郵船客船龍田丸がアメリカ人引き揚げ者を乗せて出港。14日にアメリカに到着して代わりに日本人引き揚げ者を連れ帰る日米交換船だったが、これは開戦日時を秘匿するための航海で、船長には7日深夜まで開封を禁じられた秘密の封書が渡されており、中には無線連絡が途切れたら日本に引き返すよう書かれた指令書が入っていた。1730、瀬戸内海の連合艦隊旗艦長門が開戦命令を発信、呉通信隊が中継し、船橋送信所と針尾送信所が艦隊に向け送信、2000に旗艦赤城が機密第六七六番電、電令作第一〇号「ニイタカヤマノボレ一二〇八」の電文を受信し、作戦開始が8日0000に決定した。12月3日、艦隊は北緯42度・西経170度の待機地点に到達、東へと針路を取った。12月4日0400、艦隊は北緯41度・西経165度の待機地点Ｃ点を通過し、針路を南東に変更。12月6日、第２補給隊が攻撃前最後の給油を実施、反転して攻撃後の集結点に向かった。アメリカと東南アジアの日本領事館で暗号書の焼却を完了したとの報告が外務省に入った。1100、機動部隊は連合艦隊電令第13号「皇国の興廃繋りて此の征戦に在り、粉骨砕身各員其の任を完うすべし」を受信。1130、赤城がDG信号旗「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」を掲揚。24ノットで接敵地点へと航行を続けた。12月7日、第１補給隊が攻撃前最後の給油を実施、反転して攻撃後の集結点に向かった。0700、艦隊は北緯32度・西経157度、オアフ島北700海里の接敵地点に到達し、南へと針路を転換、24ノットでハワイへと向かった。1330、伊16、伊18、伊22が真珠湾湾口の南30海里で浮上し、甲標的に搭乗員を乗せた。2012、真珠湾湾口から７海里の地点で伊16から甲標的が発進。2030、哨戒のため駆逐艦ワードが出港。2045、真珠湾湾口から９海里の深度30mで伊22から甲標的が発進。2145、真珠湾湾口から12.6海里の地点で伊18から甲標的が発進。2227、真珠湾湾口から5.3海里の地点で伊20から甲標的が発進。2303、真珠湾湾口から10.5海里の地点で伊24から甲標的が発進。2312、アメリカ掃海艇コンドルが真珠湾湾口ブイの南西２海里で潜望鏡の航跡らしきものを発見し、駆逐艦ワードと共に付近を捜索したが、何も見つからなかった。12月8日0100（ハワイ時間7日0530）、艦隊はオアフ島の北230海里の発艦地点に達し、利根と筑摩から水上偵察機１機ずつが発艦。0130、オアフ島の北230海里で各空母は風上に艦首を向けるため北に転舵、第１次攻撃隊183機の発艦を開始。水平爆撃第１集団（目標は戦艦）第１攻撃隊として赤城の九七式艦攻15機（九九式八十番五号爆弾搭載）、同第２攻撃隊として加賀の九七式艦攻14機（九九式八十番五号爆弾搭載）、同第３攻撃隊として蒼龍の九七式艦攻10機（九九式八十番五号爆弾搭載）、同第４攻撃隊として飛龍の九七式艦攻10機（九九式八十番五号爆弾搭載）、雷撃隊第１集団（目標は戦艦または巡洋艦）特第１攻撃隊として赤城の九七式艦攻12機（九一式航空魚雷搭載）、同特第２攻撃隊として加賀の九七式艦攻12機（九一式航空魚雷搭載）、同特第３攻撃隊として蒼龍の九七式艦攻８機（九一式航空魚雷搭載）、同特第４攻撃隊として飛龍の九七式艦攻８機（九一式航空魚雷搭載）、急降下爆撃第２集団第15攻撃隊（目標はフォード島飛行場に17機、ヒッカム飛行場に９機）として翔鶴の九九式艦爆26機（250kg陸用爆弾搭載）、同第16攻撃隊（目標はホイラー飛行場）として瑞鶴の九九式艦爆25機（250kg陸用爆弾搭載）、第３集団第１制空隊（目標はフォード島飛行場とヒッカム飛行場）として赤城の零戦９機、同第２制空隊（目標はフォード島飛行場とヒッカム飛行場）として加賀の零戦９機、同第３制空隊（目標はホイラー飛行場とバーバスポイント飛行場）として蒼龍の零戦８機、同第４制空隊（目標はホイラー飛行場とバーバスポイント飛行場）として飛龍の零戦６機、同第５制空隊（目標はカネオヘ飛行場）として瑞鶴の零戦６機、同第６制空隊（目標はカネオヘ飛行場）として翔鶴の零戦５機が目標に向かった。飛龍の戦闘機１機が発艦に失敗して海に落ち、加賀の攻撃機１機がエンジン故障を起こしている。0135、駆逐艦ワードが標的船アンタレスの曳航する500トンバージ後方に物体を発見。当初はブイと判断したが、よく見ると移動していることが判明した。0203、PBY哨戒機が標的船アンタレス後方の移動物体を発見、付近に発煙弾を投下した。駆逐艦ワードでは艦長が敵潜水艇のセイルであると判断（アメリカ潜水艦は潜航を禁止されている場所だった）し、0215から砲撃を加えたところ、命中して沈み始めたため、付近に爆雷攻撃をかけて撃沈、0223に第14海軍区司令官へ通報した。しかし司令部は全く関心を示さず、掃海艇コンドルと標的船アンタレスを入港させるため開けておいた防潜網を早めに閉じることすらしなかった。また、太平洋艦隊司令部に報告を上げるのも遅れ、キンメル太平洋艦隊司令長官がこれを知ったのは0300のことだった。0245、第２次攻撃隊170機がオアフ島北200海里で発艦を開始。水平爆撃第１集団第６攻撃隊（目標はヒッカム飛行場）として瑞鶴の九七式艦攻27機（９機は九八式二十五番陸用爆弾２発、18機は九八式二十五番陸用爆弾１発と九九式六番通常爆弾６発搭載）、同第７攻撃隊として翔鶴の九七式艦攻27機（18機は250kg陸用爆弾２発搭載で目標フォード飛行場、９機は250kg陸用爆弾１発と60kg通常爆弾６発搭載で目標カネオヘ飛行場）、急降下爆撃第２集団（目標は戦艦、巡洋艦、駆逐艦）第13攻撃隊として蒼龍の九九式艦爆17機（250kg通常爆弾１発搭載）、同第14攻撃隊として飛龍の九九式艦爆17機（250kg通常爆弾１発搭載）、同第11攻撃隊として赤城の九九式艦爆18機（250kg通常爆弾１発搭載）、同第12攻撃隊として加賀の九九式艦爆26機（250kg通常爆弾１発搭載）、制空隊第３集団第１制空隊（目標はフォード島飛行場とヒッカム飛行場）として赤城の零戦９機、同第２制空隊（目標はフォード島飛行場とヒッカム飛行場）として加賀の零戦９機、同第３制空隊（目標はホイラー飛行場とカネオヘ飛行場）として蒼龍の零戦９機、同第４制空隊（目標はホイラー飛行場とカネオヘ飛行場）として飛龍の零戦８機が目標に向かった。艦隊上空では零戦39機が直掩にあたり、空母には40機の予備機が残った。この時オアフ島のハレイワ飛行場には０機、カネオヘ飛行場にはPBY-5哨戒機36機、真珠湾飛行場にはPBY-3及びPBY-5哨戒機33機、雑用機30機、バーバース岬飛行場には０機、エヴァ飛行場には戦闘機11機、哨戒機30機、その他２機、ヒッカム飛行場にはB-12爆撃機２機、B-18爆撃機32機、A-12爆撃機３機、A-20爆撃機13機、B-17D爆撃機12機（フィリピンに向かう予定だった）、B-24爆撃機１機（マーシャル偵察に向かう予定だった）、P-26戦闘機３機、その他２機、ホイーラー飛行場にはB-12爆撃機３機、B-18爆撃機１機、A-12爆撃機２機、P-26戦闘機20機、P-36戦闘機44機、P-40戦闘機100機、その他11機、ペローズ飛行場にはO-47観測機10機、O-49観測機３機がいた。また、民間機のエアロンカ３機、カブ３機、ワコ１機、インターステート・カデットS-1A１機が飛んでいた。ハワイには陸軍が運用する６ヵ所の地上レーダー基地が設置されており、0215にオパナのレーダー基地で国籍不明機１機を探知。重要なものとは見なされなかったが、これは日本海軍の水上偵察機だった。0245には北200kmに大編隊と思われる輝点が出現したためフォート・シャフターの空襲警報センターに連絡したが、カリフォルニアからB-17爆撃機12機が到着する予定だったため、当直将校はその編隊であると勘違いし、また日本軍の奇襲攻撃が来るとは夢にも思っておらず、日曜日だったため責任者も不在であり、警報は出されなかった。0245、第１次攻撃隊隊長淵田中佐が機上でホノルルのラジオ放送局を受信し、天気予報で真珠湾北方の山地に雲がかかっていることを確認。0300、第１次攻撃隊は淵田中佐率いる水平爆撃隊49機の右に雷撃隊40機、左に急降下爆撃隊51機が位置し、上空を零戦43機が護衛しつつオアフ島北部のカフク岬に到達。筑摩の水上偵察機が戦艦９隻、甲巡１隻、乙巡６隻の在泊を打電。上空は雲量７、雲高1700m、風向80度、風速14mと伝えてきた。また、利根の水上偵察機はラハイナ泊地に敵艦はおらず、南を捜索したが空母は発見できないと打電した。ゴルフに行くため自宅を出ようとしていたキンメル太平洋艦隊司令長官に、艦隊司令部当直将校から電話があり、真珠湾口防潜網付近で駆逐艦ウォードが潜水艇に対して爆雷攻撃を行ったと伝えられた。キンメル長官は艦隊司令部に行くことにしたが、0305に再度当直将校から電話があり、ウォードが制限水域内の漁船を警戒しているとのことだった。0310、第１次攻撃隊隊長がトツレ（突撃準備隊形作れ）を打電。第１次攻撃隊はオアフ島を西側から回り込んで各目標へと分かれた。第１次攻撃隊隊長はホノルルのラジオでいつも通りの放送がかかっていることと、敵戦闘機の姿が見えないことを確認し、奇襲の合図である信号弾１発を発射。雷撃隊と水平爆撃隊が攻撃態勢に入った。しかし零戦が動かなかったので、零戦隊の隊長が雲で視界を遮られ信号弾が見えなかったと判断して２発目を発射。これは強襲の合図だったため、急降下爆撃隊がフォード島、ヒッカム飛行場、ホイラー飛行場、カネオヘ飛行場に先制爆撃を行うべく攻撃態勢に移った。雷撃隊は急降下爆撃隊による誤認を視認したが、既に超低空飛行での雷撃態勢に入っていたため、そのまま突撃を続行した。0319、第１次攻撃隊隊長が電信員水木兵曹にト連送の打電を下命。0325、まず急降下爆撃隊の第５航空戦隊所属機が戦闘機基地のホイラー飛行場を爆撃した。ホイラー飛行場では破壊工作に備えて警備員が監視しやすいように戦闘機をＵ型掩体ではなく格納庫の前に並べていたため、爆撃により配備航空機の３分の１と基地の４分の１が全損し、その後の零戦隊による機銃掃射で戦力を喪失した。爆撃機基地のヒッカム飛行場（ホイラー飛行場よりこちらが先？）でも格納庫の前に機体が並んでおり、B-17爆撃機12機の大半が破壊された。飛行艇基地のカネオヘ海軍飛行場、フォード島の建設中の海兵隊航空基地も配備航空機が全損して戦闘能力を失った。雷撃隊は爆撃の黒煙で戦艦群が覆われる前に雷撃を行うため、低空を這いながら先を急いだ。ハワイ海軍航空隊司令部幕僚ローガン・ラムゼイ中佐がフォード島から「パールハーバーが空襲を受けている、これは演習ではない、これは演習ではない（Air raid Pearl Harbor, this is no drill, this is no drill !）」と打電。キンメル太平洋艦隊司令長官は当直将校と電話中だったが、当直将校から真珠湾攻撃の急報を受けて受話器を放り出し、自宅の外に飛び出すと、日本海軍機が太平洋艦隊と飛行場を壊滅させている光景が目に飛び込んできた。0323、第１次攻撃隊隊長機からトラ連送（トラトラトラ）の電文が発せられ、旗艦赤城の他、遙か瀬戸内海に停泊していた戦艦長門でも受信された。報告を聞いた山本連合艦隊司令長官は、断交通告との時間差を懸念し、攻撃開始時刻が予定より早いと思われるので、実際の時刻を慎重に調べるよう参謀に伝えた。0330過ぎ、雷撃隊はオアフ島を西から回り込んで真珠湾に殺到、二手に分かれて戦艦への雷撃を開始した。最初の魚雷はBB-44カリフォルニアに命中、２本目は巡洋艦ラーレイを狙ったが標的艦（旧式戦艦）ユタに当たり、ユタを狙った３本目はそのまま命中してユタが転覆し、４本目は巡洋艦デトロイトに放たれたが外れた。第１撃でBB-44カリフォルニア、BB-37オクラホマ、BB-48ウェスト・ヴァージニア（フォード島南東岸F6戦艦泊地に停泊。左舷に魚雷７本命中。第３主砲塔と１番煙突前方に命中した爆弾１発ずつは不発）が沈没。湾外への脱出を図ったBB-36ネヴァダも魚雷１本を被雷して大破した。BB-37の前方に停泊していた艦隊給油艦ネオショーは航空用ガソリンを満載していたため、誘爆すると大惨事（付近の戦艦４隻に地上の石油タンクも吹っ飛ぶ）になる恐れがあり、慌てて退避を開始。第２撃で巡洋艦ヘレナが転覆し、第３撃で巡洋艦ラーレイに魚雷２本が命中した。第２撃と第３撃の間には急降下爆撃隊の一部による急降下爆撃も加わっている。次いで水平爆撃隊が攻撃に入ったが、アメリカ守備隊の対空砲が火を吹き始めたため、照準を何度もやり直して慎重に目標を定めた。水平爆撃第１集団の艦攻49機（５機編隊10個）は内側戦艦群に対して高度3000mから九九式八十番五号爆弾を投下、うち加賀搭載機の投下した１発がBB-39アリゾナの第２砲塔付近の水平装甲を貫通して前部弾火薬庫に到達して爆発したため、アリゾナは船体が折れ大破着底した。水平爆撃により他にBB-43テネシー（BB-48ヴァージニアとフォード島の間に停泊）とBB-46メリーランドが中破している。零戦は真珠湾・カネオヘ飛行場の味方機を援護し、迎撃に上がってきたアメリカ戦闘機４機を撃墜、他に敵機が見えなかったため真珠湾西のバーバースポイント飛行場に襲いかかった。アンドリュー・フライング・サービス女性インストラクターのコーネリア・クラーク・フォートは受講生のスオマラと共にカデットS-1A複葉機でジョン・ロジャース民間空港への離着陸訓練を行っていたが、最後の着陸のため滑走路にターンした際、戦闘機と覚しき機体が突っ込んできたため、何とか回避。アメリカ陸軍航空隊が民間用空域を無視したと腹を立てて直下を通過した機体を見ると、主翼には日の丸が描かれていた。第１次攻撃隊の損害は艦戦３機、艦爆１機、艦攻５機だった。民間インストラクターのコーネリアは機体を滑走路に滑り込ませ、機銃掃射を浴びつつもスオマラと共に脱出、アンドリュー・フライング・サービスの格納庫に転がり込んで一命を取り留めたが、同校インストラクターのボブ・タイスはワコから脱出して逃げる途中に被弾して死亡した。0340、キンメル太平洋艦隊司令長官が司令部に到着し、真珠湾攻撃をサンフランシスコ海軍基地に打電。ワシントンのノックス海軍長官を経てルーズベルト大統領とハル国務長官に報告されたのはワシントン時間1400前のことだった。キンメル司令長官が攻撃を受ける真珠湾基地を公室から眺めていた際、12.7mm機銃弾が窓を突き破って胸に命中。既に運動エネルギーは失われていて軍服が擦れただけだったが、思わず「いっそのこと死んでしまえれば」と呟いたらしい。0357、駆逐艦モナハンが潜水艇（甲標的）撃沈を報告した駆逐艦ワードの支援のため出港。0405、フォード島の北で水上機母艦カーチスが潜望鏡を発見し、工作艦メドゥーサと共に砲撃を行った。0406、カーチスは雷撃１本を受けたが回避し、魚雷は海岸に乗り上げた。0413、カーチスの潜水艇発見の信号を見た駆逐艦モナハンが付近に潜水艇（甲標的）のセイルを発見、５インチ（12.7cm）砲で砲撃したが命中せず、体当たりするため突っ込んだ。甲標的は反撃の魚雷１本を放ったが、発射管が水面に露出しており魚雷はあさっての方向に航走してフォード島に乗り上げてしまった。モナハンは甲標的に衝撃した後に爆雷攻撃も加え、甲標的は自爆炸薬に点火してフォード島の西で沈没した。第２次攻撃隊到着前にホイラー飛行場からP-40戦闘機２機が離陸。他にも数機が離陸して追撃と迎撃に向かった。0425、オアフ島北東に差し掛かった第２次攻撃隊指揮官島崎重和少佐機からト連送が発信された。制空隊の零戦はアメリカ戦闘機の反撃が無かったのでヒッカム飛行場とカネオヘ飛行場を機銃掃射したが、対空砲火で制空隊指揮官機が被弾、指揮官飯田大尉は攻撃続行を僚機に合図して格納庫に突っ込んだ。続いて九七式艦攻の水平爆撃隊はヒッカム飛行場、フォード島、カネオヘ飛行場を爆撃。真珠湾に直行した艦爆隊は空母を第１目標としていたが、不在だったため第１次攻撃を免れた戦艦を爆撃することにし、最も対空砲火の強い戦艦へと突入。BB-36ネヴァダは命中弾５発と至近弾２発を喰らい、BB-38ペンシルヴェニアも空母赤城の急降下爆撃隊第１中隊９機に襲われ、右舷短艇甲板を貫通した爆弾が５インチ砲郭内部で炸裂して小破した。BB-36ネヴァダがそのまま沈没すれば真珠湾口が塞がれるところだったが、曳船２隻により0510頃に何とか水路西側に座礁させることに成功している。0515、日本軍の攻撃が終了。第２次攻撃隊の損害は艦戦４機、艦爆16機だった。攻撃を受けている最中にB-17爆撃機がヒッカム飛行場に飛来、フェリーのため全機兵装を外しており、飛行場も銃爆撃で炎上していたが、１機がオアフ島南東の飛行場、もう１機が北西岸の緊急着陸滑走路に降りた他はヒッカム飛行場に着陸している。0530、巡洋艦セントルイスが魚雷２本の雷跡を発見。甲標的の攻撃と思われるが、２本とも水面に出てしまい自爆した。推定発射地点に５インチ（12.7cm）砲などで砲撃を加えたが、特に効果は無かった。0710、B-17爆撃機６機が索敵のため南に向け離陸。オパナのレーダーでは北に帰投する日本機を捉えていたが、航空部隊ではその情報を得ようという考えには至らなかったようである。0830、機動部隊は第１次・第２次攻撃隊の収容を完了。淵田攻撃隊長は戦艦４隻撃沈と飛行場破壊の戦果を報告し、再度の強襲を進言したが、南雲中将は、敵空母や潜水艦の位置が不明な上、ヒッカム飛行場のB-17など大型機50機程度が残っていて逆襲を受ける可能性があること（図上演習で空母２隻を沈められている）、態勢を整えた敵から猛烈な反撃を受け損害が倍増する恐れが高いこと、損傷機が120機に達しており修理もできないこと、日華事変の戦訓から基地攻撃の戦果が不確実と考えられたこと、燃料に不安があることなどから、反復攻撃は行わず作戦を終了することとした。2130、甲標的母艦となった潜水艦部隊から南雲機動部隊に対し、甲標的搭乗員を収容していないこと、攻撃状況や戦果が不明であることが伝えられた。機動部隊は高速で北北西に脱出し、ハワイとミッドウェイからの哨戒機の行動圏外を迂回して12月9日に北緯33度・西経161度付近で第１・第２補給隊と合流して燃料補給を実施、12月11日に西に変針してミッドウェイとアリューシャン列島の哨戒圏の間を抜けていった。12月12日0320、甲標的母艦となった潜水艦部隊は甲標的の収容を断念した。12月13日、機動部隊は針路を西南西に変更、12月16日1635に第２航空戦隊、第８戦隊、駆逐艦２隻をウェーク攻撃のため南方に分派して残りは南西に針路を取り、12月20日に西、12月21日には北西に変針して呉に向かい、12月23日午後に瀬戸内海に帰着した。日本海軍機の攻撃命中率は雷撃が90%（36/40本）、水平爆撃26.5%（13/49発）、急降下爆撃47.7%（37/78発）だった。アメリカ軍損害は、撃沈・着底が戦艦アリゾナ、オクラホマ、カリフォルニア、ウェストバージニア（魚雷７本、爆弾２発、戦死105名）、機雷敷設艦オグララ、標的艦ユタ、大破が軽巡洋艦ヘレナ、ラーレイ、駆逐艦ショー、カッシン、ダウンズ、工作船ベスタル、中破が戦艦メリーランド（爆弾２発、戦死４名）、テネシー、ネバダ、水上機母艦カーチス、小破が戦艦ペンシルベニア、重巡ニューオリンズ、軽巡ホノルル、水雷母艦リーゲル、航空機248機（231機？）被撃墜破、将兵死者2334名（2335名？）、負傷者1311名、民間人死者68人、民間機被撃墜３機、行方不明２機、パラシュート脱出１機。太平洋にいた戦艦９隻の内８隻が損害を受け、アメリカ太平洋艦隊戦艦戦力は壊滅した。これを聞いたマッカーサーは、日本人にそんなことができる筈は無い、操縦士は白人が雇われているに違いないと思ったという。実際にハワイにいた人物でも、オアフ島上空で鉤十字マークのBf109が飛んでいたと証言する者までいた。また、イギリス暗号解読チームも真珠湾が攻撃されるとは思っていなかったらしく、攻撃を知ったのはBBCのニュースを通じてだった。ハワイ陸海軍司令官は損害の責任を取らされて解任された。アメリカ将兵のうち15名（５名生存、10名死後。全員海軍）が名誉勲章を受章し、53名が海軍十字章、４名がシルバースター、４名が海軍章または海兵隊章を授与された。日本海軍側の損害は、航空機29機（全出撃数の8.3%、第１次攻撃隊９機、第２次攻撃隊20機。零戦９機・うち加賀４機、九九式艦爆15機・うち加賀６機、九七式艦攻５機・全て加賀所属）、甲標的５隻、潜水艦伊70、戦死65名（航空機搭乗員56名、甲標的乗員９名）、捕虜１名。他に洋上不時着と着艦失敗による損失が数機あり、瑞鶴の艦爆２機が航法の誤り（無線封鎖で空母の位置を知らせることも出来なかった）で燃料が尽き海に突入している。伊24から発進した甲標的のうち１隻はジャイロコンパスが故障しており、航行中に座礁を繰り返して艇首を損傷、魚雷発射不能となり自爆処分を余儀無くされ、乗員２名は洋上に脱出したが１名が死亡、１名が昏睡状態で甲標的と共にオアフ島東岸ワイナマロ浜に打ち上げられ捕虜となった。アメリカ第８機動部隊（指揮官ハルゼー中将。空母CV-6エンタープライズ、重巡３隻、駆逐艦９隻）はウェーク島にF4F戦闘機12機を輸送して帰路に就き、本来12月8日0730に真珠湾に帰投する予定だったが、荒天で随伴駆逐艦への燃料補給ができず、入港予定時刻にはハワイの380km南方に留まっていて損害を免れた。キンメル太平洋艦隊司令長官から真珠湾奇襲の緊急電を受領すると機動部隊のフラッシュ・デッキ型駆逐艦１隻がパニックを起こし、エンタープライズへの敬礼も忘れて全速で西航し始めたため（ハルゼー提督曰く「ありゃ中国大陸に突入しそうな勢いだった」）、ハルゼー提督がエンタープライズへの続航を命じて落ち着かせた。ただエンタープライズ搭載のSBD艦爆18機が0600にハワイへと先発していて、零戦に２機、味方の対空砲火に３機が撃ち落とされ、残る13機がカネオヘ飛行場に着陸している。そのうち９機は500ポンド爆弾を搭載して日本海軍機動部隊を求め0740に離陸した。日本側が目標としなかったため、タンクに貯蔵されていた大量の燃料（地上施設だけで400万バレルを貯蔵できる）や艦艇修理施設は生き残った。また、索敵のため潜水艦22隻などを配備しながらアメリカ空母の動静（大平洋艦隊配備のCV-2レキシントンは海兵隊機輸送のためミッドウェイ島付近を航行、CV-3サラトガはサンディエゴで整備中、CV-8エンタープライズはウェーク島から真珠湾に帰投中）を掴み損ね、真珠湾に帰投中のエンタープライズも取り逃し、逆に伊70を沈められるという失態をやらかしていたが、大戦果に浮かれて顧みられなかった。日本海軍はアメリカ海軍が太平洋で積極的作戦を行えないと判断して空母を南太平洋からセイロン島作戦へと転用したが、アメリカ海軍は残存空母で1942年2月からマーシャル諸島方面を皮切りに反撃を行い、4月18日には日本本土空襲まで実施した。また、1942年から損傷艦船の復旧作業も開始し、アリゾナ、オクラホマ、ユタ以外の艦船を全て戦列に復帰させた。ただ早期にマーシャル諸島方面に進撃するというレインボー計画No.5は修正を余儀無くされた。アメリカでは損害について報道管制をかけ、第一報では旧式戦艦１隻と駆逐艦１隻の沈没と損傷艦船とし、1942年12月6日の発表では戦艦５隻の沈没または損傷に修正、戦後の1966年のマッカーサー報告でも戦艦８隻の沈没または損傷として正確な被撃沈数をぼかしている。真珠湾を経験した最後の生き残り艦は軽巡洋艦フェニックスで、アルゼンチン海軍に渡されてフォークランド紛争に参加、1982年5月2日にイギリス海軍原子力潜水艦コンカラーの雷撃で沈んだ。真珠湾攻撃後、ハワイには当日1240に戒厳令が敷かれ、防衛を強化することになり、取り敢えず前ド級戦艦コネチカット級が搭載していた７インチ（17.8cm）カノン砲Mk�U６門、旧式戦艦用５インチ（12.7cm）砲12門、４インチ（10.2cm）砲11門、３インチ（7.6cm）砲を引っ張り出して各沿岸砲台に設置。1942年1月には空母サラトガとレキシントンから降ろした８インチ（20.3cm）砲塔を据え付けた。沈められた戦艦アリゾナの14インチ（35.6cm）３連装砲塔のうち後部２基も外されて１基ずつ設置されたが、試射ができるようになったあたりで太平洋戦争が終わってしまった。戦艦オクラホマの砲塔や砲身を流用する計画もあったが、こちらは実現しなかった。太平洋戦争終結後には未完の戦艦イリノイ用16インチ（40.6cm）砲塔を据え付ける構想も出されたが、さすがに時代遅れということで中止にされている。1960年6月13日、アメリカ海軍がスキューバダイビング訓練中に真珠湾湾口で甲標的を発見、魚雷の装着された前部を切断して引き揚げ、日本に返還、復元の上で1962年3月15日から海自第１術科学校に展示された。甲標的による真珠湾攻撃の訓練地となった三机湾に近い愛媛県伊方町須賀公園には、甲標的で戦死した９名を祀る９軍神慰霊碑があり、毎年12月8日に呉地方総監や呉音楽隊などが列席して慰霊祭が行われる。2016年12月3-11日、真珠湾攻撃から75年目を迎え（アメリカでは25年ごとが節目）、真珠湾で数々の慰霊行事が挙行された。アリゾナ記念館前では在ホノルル日本総領事館による日米合同の日米戦死者慰霊式典を開催。初めて公式慰霊式典に日本側戦死者が公式に加えられた。12月6日、黒焦げ水筒慰霊祭がアリゾナ記念館で実施された。12月7日、ナショナル・パールハーバー・リメンブランスデー慰霊式典が実施され、日系人のアメリカ太平洋軍司令官ハリー・ハリス大将が締めくくりのスピーチを行った。12月27日、安倍首相とオバマ大統領がアリゾナ・メモリアルを訪問し、初の日米共同追悼慰霊を実施、戦没者に献花した。2017年12月6日、黒焦げ水筒慰霊祭がアリゾナ記念館で実施された。12月7日、第76回パールハーバー公式追悼記念式典をパールハーバー・ビジターセンターで実施。12月8日、ホノルルの日本総領事館とアメリカ海軍が共催して日米合同慰霊祭を実施。参考：パールハーバー、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊JWings7,’01、6,’08、8,’13、戦艦入門、月刊航空ファン7,’00、7,’16、2,’17、3,’18、11,’18、3,’19、歴史群像2,’01、8,’98、4,’18、激闘太平洋戦記、太平洋海戦史、月刊丸4,’13、5,’13、写真集日本の小艦艇、月刊軍事研究10,’09、9,’10、8,’14、月刊世界の艦船9,’13増刊、12,’10、4,’10、11,’15、12,’15、3,’17、4,'20、10,'22、日本航空母艦史、日本海軍の爆弾、朝雲

＜真珠湾攻撃・断交通告＞：昭和16年10月16日、日米関係の緊迫化を受け、日本の外務省は在米大使館員全員に帰国準備を始めるよう訓令が届いた。11月18日、外務省がワシントンの日本大使館に対し、外交関係断絶及び国際通信断絶時の特別訓令放送に関する暗号電を送付。日本語の海外向け短波ニュース放送で、日米関係が危機に陥った場合には「東の風、雨」、日ソ関係が危機に陥った場合には「北の風、曇」、日英関係が危機に陥った場合には「西の風、晴」という天気予報を２回繰り返すので、その場合にはあらゆる暗号文書を破棄するよう命じていた。11月19日、外務省がワシントンの日本大使館に対し、外交関係断絶及び国際通信断絶時の特別訓令放送に関する第２の暗号訓令を送付。外交関係が危険になった時は、一般的な情報放送の最初と最後に、日米関係なら「東」、日ソ関係なら「北」、日英関係（タイ、マレー、蘭印含む）なら「西」を５回繰り返すというものだった。アメリカは11月18日の暗号電を11月28日、11月29日の暗号電を11月26日にそれぞれ解読し、陸海軍傍受局で日本語放送の徹底傍受が始まった。12月1日、御前会議で日米開戦が決定。断交通告から真珠湾攻撃開始までの時間は、奇襲攻撃を可能とするため、少なくとも30分と決まった。在米大使館員６名が転勤を命じられて大使館を退去した。12月2日、在米大使館内の暗号機３台のうち２台を破棄するよう命令が出た。国交断絶だけなら大使館は閉鎖されて大使が召還されるものの大使館員が残って外交上の保護を受け、領事館も機能を継続するが、戦争になると大使館と領事館が接収されてしまうので事前に機密文書や暗号機を破棄しなければならず、明らかに開戦に向けた行動である。12月3日、「東の風、雨」が２回繰り返された。ちなみにイギリスとの断交を意味する特別天気予報「西の風、晴」は8日に放送されている。12月4日0830、アメリカ海軍通信保安課が「東の風、雨」の２回繰り返しを確認。12月6日、在米大使館に901号電が民間電信会社から届けられた。内容は「ハルノートへの回答を14分割して902号電として送る、全文が届くのは明日になるかも知れず、アメリカへの提出時間は追って電報を打つが、訓令が届き次第、いつでもアメリカ側に手渡せるよう万端に準備せよ」である。更に904号電が届き、「902号電の清書にはアメリカ人タイピストを使うな」と書かれていた。日本はアメリカ政府への断交通告（日本政府の交渉停止に関する文書第2115N）を14部に分割し、902号電として東京中央電信局からワシントンの在米大使館に送った。日本時間12月6日2030-7日0020に断交に至る理由を記した1-13部を発信、7日1730に「ワシントン時間12月8日1300に手渡すこと」を記した907号電を発信、1920に902号電14部「よって日本政府は、ここに合衆国政府の態度に鑑み、今後交渉を維持するも妥結に達するを得ずと認むる外なき旨を、合衆国政府に通告するを遺憾とするものなり」を発信した。ワシントン時間12月6日1500までに1-13部の電文が在米大使館に届き、６名の電信員が12月7日0100までに平文化を完了、書記官の清書を待つこととなった。いつでもアメリカに手渡せるよう準備せよ、と命令が下っていたのだが、大使館員で唯一タイプライターによる清書ができる書記官は下書きを机の奥にしまい込んで送別会に出かけてしまった。これら電文はアメリカ側に傍受され、901号電はワシントン時間12月6日1500頃、902号電1-13部は2100頃に解読されており、ルーズベルト大統領には12月6日夜のうちに1-13部の電文が届けられた。大統領は「これは戦争を意味する」とつぶやき、大統領顧問は予防措置を執るように進言したが、大統領はこれを断り、2000及び2100に天皇宛の親電を在米日本大使館に送信している。12月7日0305、断交通告902号電14部がワシントン州ベイブリッジ島の海軍無線電信所で傍受された。0437、手渡す時間を記した暗号電文907号電をアメリカが傍受。傍受した電文はワシントンの海軍省ビル暗号解読分析班に送られ、暗号解読と翻訳が開始された。0715、アメリカは日本の断交通告全文の解読を終了、判断は責任者が出勤するまで保留にされた。0730と0800に解読した907号電・902号電14部が在米大使館に到着。0900、海軍情報部極東課長が出勤、手渡す時間を記したもの以外の電文に目を通すと14通のコピーをとり、0930までに大統領はじめ要人に配布した。0915、アメリカ陸軍情報部極東課長が電文を読み、陸軍参謀総長宅に電話したが、連絡が取れなかった。緊急体制を全く敷いていなかった在米日本大使館では、職員が通常通り出勤し、1000より電信員が至急電（902号電14部及び手交時間を指定した907号電）の平文化を開始し、書記官も1-13部の清書を開始した。アメリカでは漸く陸軍参謀総長と連絡が取れ、1125に極東課長と面会することになった。1020、海軍情報部通信保安課のクレーマー少佐が自室に戻ると、1300に手渡す旨の訳文が届いていた（0900の段階で既に見ていた筈であるとの証言もある）。ただし11月27日に戦争警報が出ていたため、これに加えて海軍向け警報を出すと更に混乱する恐れもあり、警告はなされなかった。ほぼ同時刻、日本の大使館電信員が907号電の平文化を終了、「1300までに手渡すこと」と書かれていたため、大急ぎで清書を行ったが、書記官１人が人差し指でタイピングしていたため、到底間に合いそうになかった。1050、第14部を大統領が目にしたが、特に対応は取らず、耳鼻科で蓄膿症の治療を受けた。1125、陸軍参謀総長と陸軍情報部長、極東課長が面談し、開戦の恐れがあると判断、「日本が最後通告と見られる電文を東部標準時1300に手渡す」ことを陸軍の西部防衛部隊、パナマ防衛部隊、ハワイ・フィリピン部隊、海軍当局に向けて警告することを決定した。1150、暗号化された警告文がアメリカ陸軍省発信室から発信された。1233、ホノルルで警告文を受信。電報には特別や至急といった表示が無かったので、テレタイプでなく民間のバイク便で輸送された。1250、バイク便がフォート・シャフター通信基地に警告文を届けた。1255、真珠湾攻撃開始。1325、南雲機動部隊の艦上機が太平洋艦隊に襲いかかった。1345、ノックス海軍長官に真珠湾攻撃の急電が入ったため、ホワイトハウスへの直通電話で大統領に伝えた。1350、在米日本大使館での浄文タイプが漸く完了し、野村吉三郎大使と来栖三郎大使は大急ぎで国務省に向かったが、到着したのは1405、ハル国務長官に断交通告が手渡されたのは1420（日本時間0550）になってしまった。ハル長官は大統領から1400には攻撃があったことを知らされており、断交通告文に目を通すふりをした後、日本の大使２人に侮蔑の言葉を浴びせて追い返した。ハワイの陸海軍司令官が警告文を発見したのは1900頃のことである。断交通告の清書が遅れるという重大なミスを犯した日本の大使館員達は戦後に昇進を続けて外務次官にまで登りつめており、責任を取らされることは無かった。外務省が断交通告を渡すのが遅れたミスを認めたのは、昭和20年秋に行われた本件に関する調査資料が公開された平成6年11月で、「申し開きの余地はないものと考えている」という見解を示した。ただ最後通牒は日米外交交渉停止を告げるもので、宣戦を布告する内容が含まれていなかったため、時間通り渡したとしてもアメリカ側が奇襲のそしりをしなかったかどうかは不明。参考：太平洋戦争情報戦、激闘太平洋戦記、パールハーバー、月刊世界の艦船12,’10、山本五十六と米内光政

＜申城＞：783（コルベット）を参照。

＜新城基地＞：中国軍航空基地。2100m滑走路、掩体17基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜神祥丸＞：日本海軍特設艦船。太平洋戦争勃発時は第１艦隊付属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜心神＞：ATD-X（実験機）を参照。

＜親仁＞：満州国江上軍江防艦隊親仁型砲艦Chinjen。昭和10年8月31日竣工。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜親仁型＞：満州国江上軍砲艦Chinjen級。順天型砲艦の改良型で、設計は日本海軍艦政本部であり、相生の播磨造船所で仮組みした後に解体して満州に運び、ハルビンの臨時造船所で本組み立てを行った。全長54.6m、排水量290トン。主機はディーゼル、速力12.5ノット。兵装は12cm連装高角砲１基（前甲板）、12cm単装高角砲１門（後甲板）、13mm連装機銃３基（上部構造物頂部）。親仁と定邊（邊定？）が1935年に竣工し、江防艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船7,’11、月刊丸3,’14

＜深々度＞：安全潜航深度近くの深さのこと。参考：続潜水艦気質よもやま物語

＜新人民軍＞：フィリピンの反政府ゲリラで、フィリピン共産党の軍事部門である。1969年に設立された。参考：月刊軍事研究5,’08

＜進水＞：Launch。船台やドックで完成した船体を水面上に下ろすこと。船台から海面に滑り落とす船台進水や、ドックから外に引き出すドック進水などがある。小型艇の場合はクレーンで海上に降ろしたりする。オースタルUSA社が建造しているインディペンデンス級沿海戦闘艦の場合、建造建屋からバージの上に引っ張り出して、隣のBAEシステムズ社サウスイースト造船所の浮きドックに曳航し、着水させて進水となるので、２日がかりの大作業である。河川など幅の狭いところでは、横滑り式の船台進水を行って着水後の滑走距離を最小限に抑えたりするが、着水時の衝撃で転覆沈没する恐れがあり、21世紀に入っても大型軍用艦で横滑り進水を行っているのはフリーダム級沿海戦闘艦くらいになってしまった。その後は造船所の艤装岸壁に繋がれ、艤装工事が行われる。失敗して損傷したり、最悪の場合には転覆・着底・沈没してしまったりするので、入念な準備が必要である。進水途中で船体の一部に荷重が集中することもあるので、臨時のガーダーを取り付けて補強したりする。参考：図解雑学　船のしくみ、月刊世界の艦船8,’11増刊、5,’15、4,’16、6,’17、3,’19

＜進水式＞

＜進水式（海上自衛隊）＞：建造所の主催で、命名式に引き続いて挙行されるので実際には命名・進水式と呼ばれる。艦首前方に設置された進水式台にシャンパン付きのくす玉、モール、国旗、自衛艦旗が飾り付けられ、艦には満艦飾が施される。式台と艦の間には支綱が渡されており、防衛省代表が建造所から渡された進水斧で支綱を切断すると、シャンパンが割れ、船台進水では滑り止めのトリガーが外されて艦が水面に滑り落ち、くす玉も割れる。ドック進水では注水から始めると不慮の事故に巻き込まれる可能性があるため、予め注水を済ませてあり、支綱を切断したら艦はドック・ゲートに向けて移動していくのみである。ただ完全に外に出るまでに時間がかかるので、大抵は出る前に進水式が終わる。BGMは音楽隊の軍艦マーチである。式典終了後は祝宴が開かれ、記念絵はがきが配布される。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜進水式（日本海軍）＞：命名式と同時に行われる。日程は天皇の裁可により決定し、主要軍艦の場合には海軍大臣が執行、天皇または皇族の臨席を仰ぐ。軍の造船所で建造した場合には本籍鎮守府と定員も発布される（民間造船所の場合は引き渡しの際に発布）。明治35年5月、駆逐艦の進水は鎮守府長官が執行できるようになった。大正11年8月、天皇臨幸または皇族差遣のある場合と、戦艦・巡洋戦艦・航空母艦・排水量5000トン以上の巡洋艦の場合は海軍大臣が出席するが、他は海軍大臣代理が参列することになった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜新水中自走標的オーバーホール用交換部品＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜シンスン＞：783（コルベット）を参照。

＜新星２００２＞：中国の４×４輪軽装甲車。南京イベコ社製のトラックに装甲を施したもので、12.7mm機銃を搭載して警備任務に使用される。シャシーはイベコNJ2946で、重量4.5-4.7トン。エンジンはSOFIM8142.43（87kW）。乗員・兵員計9-11名が搭乗可能。PKO活動で使用されている他、ZFB05の名称で海外にも売り込みを行っている。参考：月刊軍事研究5,’07、5,’09

＜神聖なラマダン作戦＞：イラン・イラク戦争において1988年4月17日にイラク共和国親衛隊が実施した攻勢作戦。バグダッド近郊の訓練地域からイラク南端のアル・ファオ半島まで600kmを共和国親衛隊及び陸軍第７軍団20万名が一気に移動、未明のうちに特殊部隊が進撃路上の障害物を撤去し、早朝から進撃を開始した。イラク空軍の318ソーティに及ぶ近接航空支援、攻撃ヘリの対地攻撃、長射程火砲の砲兵による化学弾を含む猛砲撃、機甲部隊による急速進撃、退路を断つための海軍歩兵部隊の揚陸作戦により、防衛していたイラン軍は35時間で壊滅した。参考：月刊軍事研究4,’08

＜シンセキ＞：エリック・Ｋ・シンセキ。アメリカ陸軍初のアジア系外国人大将で、初のアジア系陸軍参謀総長でもある。ハワイ出身で、先祖はもともと新関（シンゼキ）姓だったという。1960年7月、ウエストポイント陸軍士官学校に入学。体育で膝を負傷して手術を受けたため１年遅れたが、1965年6月に卒業して砲兵少尉となった。ジョージア州フォート・ベニング基地で空挺及びレンジャー課程を卒業、ハワイの第25歩兵師団に配属され、12月に第９砲兵連隊第２大隊Ｂ中隊の前進観測員としてベトナム戦争に参加した。カンボジア国境での任務中、1966年4月に迫撃砲の射撃を受けて軽傷を負い、パープルハートを受章。中尉に昇進したが、9月に搭乗中のヘリが墜落して骨折、ホノルルに後送されて治療を受けた（戦闘中では無かったため、この時はパープルハートは受章せず）。1967年4月、第25歩兵師団のホームベースであるスコフィールド・バラックス基地で事務職として復帰。1967年11月、大尉に昇進。機甲科に転身を希望し、1968年8月から1969年6月までケンタッキー州フォートノックスの機甲学校で学んだ。7月、第24軍団の人事総務係としてベトナム中部のフーバイに赴任。1970年2月、第９歩兵師団第５騎兵連隊第３大隊Ａ中隊長となった。4月、戦闘中に銃弾を使ったブービートラップで右足前部を吹き飛ばされ、トリプラー陸軍病院に後送された。この時２度目のパープルハートを受章。1971年3月、陸軍病院を退院。フォート・シャフター基地にあるアメリカ太平洋陸軍司令部で勤務を開始し、1974年8月からはデューク大学大学院に在籍、1975年5月に少佐に昇進した。1975年9月、ウェストポイント士官学校で比較文学の教授となった。1977年、指揮幕僚大学に入学。卒業後の1980年5月、第３機甲騎兵連隊副官として配属された。11月、中佐に昇進。1981年、同連隊第１大隊副大隊長となった。1982年6月、ドイツ駐留の第３機械化歩兵師団第７騎兵連隊第３大隊長に着任。1984年6月、第３機械化歩兵師団の作戦参謀に着任。1985年8月、国防大学に入学。1986年6月、国防大学を卒業し、ペンタゴンに勤務。1987年5月、大佐に昇進。10月、第３機械化歩兵師団第２旅団長となった。1989年10月、ドイツ駐留第７軍団の作戦参謀に着任。1990年6月、NATO南ヨーロッパ地上軍の補給部長に着任。1991年7月、准将に昇進。1992年7月、第３機械化歩兵師団副師団長に着任。1994年3月、第１騎兵師団の師団長に着任。6月、少将に昇進。1995年7月、陸軍参謀本部作戦企画担当陸軍参謀副長補に着任。1996年8月、中将に昇進し、作戦企画担当陸軍参謀副長に着任。1997年7月、在欧米陸軍司令官兼NATO中欧地上軍司令官兼SFOR（ボスニア平定部隊）司令官に着任。この時重装軌車両とHMMWVの間を埋める兵器の必要性を痛感し、ストライカー旅団の設立に向けて動き始めた。8月、大将に昇進。1998年11月、陸軍参謀次長に着任。1999年6月22日、参謀総長に就任。2001年9月11日の同時多発テロの際にはマレーシアのクアラルンプールで会議の最中であり、警戒態勢を指示して急遽帰国した。イラク戦争計画が国防省の文官のみで立てられていた最中の2003年2月、上院軍事委員会でイラク戦争に必要な兵力を数十万と答えたため、10万程度で済むとする国防長官・国防副長官の逆鱗に触れたが、陸軍長官が擁護して譴責は免れた。４年の参謀総長任期を終えた2003年6月11日に退役した。2006年12月、日系二世部隊の広報を行っているNPO組織の全米スポークスパーソンに任命された。2009年1月21日、退役軍人省長官に就任した。2014年5月30日、退役軍人保健局の不祥事により引責辞任した。参考：月刊軍事研究7,’07、5,’09、4,’15

＜シンセサイズド標準信号発生器＞：自衛隊の機器。セキテクノトロン製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜秦川＞：777（コルベット）を参照。

＜深圳＞：167（駆逐艦）を参照。

＜浸洗＞：潜水艦がセイルだけを海面から出している状態のこと。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜新撰組＞：独立飛行第47中隊を参照。

＜新戦車用鉄履帯＞：自衛隊のTK-X用履帯。三菱重工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜新戦車用砲尾装置（液圧試験用）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜新線量率計セット（参考品）＞：自衛隊の機器。富士電機システムズ製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜仁川上陸作戦＞：仁川上陸作戦を参照。

＜人造石油＞：合成石油を参照。

＜新ソキ車＞：九八式装甲貨車を参照。

＜信息化＞：情報化を示す中国人民解放軍用語で、2002年に登場した。作戦システムのネットワーク化、自動化、リアルタイム化、統合化及び兵器の知能化を指す。参考：月刊軍事研究5,’07

＜迅速機動旅団＞：ストライカー旅団を参照。

＜迅速戦闘展開＞：機動的戦闘配置を参照。

＜迅速展開統合任務部隊＞：RDJTFを参照。

＜真速度計＞：True airspeed indicator。真対気速度を示す計器。通常は指示対気速度計で十分（計算尺で真対気速度を出せるし、迎え角計としても使える）なので、試験飛行などの際にしか積まない。参考：航空用語事典増補改訂版

＜神速丸＞：日本陸海軍輸送船Shinsoku maru。大元は大正5年2月竣工の廣海商事所属廣速丸で、大正11年に特設運送船として日本海軍に３ヶ月間徴用され、昭和10年に甲南汽船に売却されて神速丸となり、昭和12年に日本陸軍が徴用した。垂線間長92.96m、幅13.34m、深さ8.31m、満載吃水7.62m、総トン数3192トン、重量トン数5098トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1985馬力、航海速力10ノット、最大速力12ノット。太平洋戦争直前に日本海軍が徴用し、昭和17-18年に陸軍が徴用、その後海軍に戻った。昭和19年2月18日、中国の台州列島下大陳島南南西7.5kmでアメリカ陸軍B-25爆撃機の空襲を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’21

＜真第９１５１＞：飛行第68戦隊を参照。

＜真第９１５２＞：飛行第78戦隊を参照。

＜新隊員特技課程＞：陸上自衛隊の教育。自衛官候補生課程を修了した隊員が進む課程で、各担当部隊において、職種別の知識・技能・資質を身に付ける教育を2-3ヶ月受講する。参考：MAMOR vol.140

＜新対艦誘導弾実用試験用器材（その２）＞：自衛隊の機器。ワイマックス製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜真対気速度＞：対気速度を参照。

＜身体検査（自衛隊）＞：自衛官等の採用のための身体検査に関する訓令（防衛庁訓令第14号、1954年9月13日制定、以降適宜改正）に定められている。自衛官、自衛官候補生、予備自衛官候補生、防衛大学校又は防衛医科大学校の学生、高等工科学校の生徒の、採用予定者を決定する時と、採用予定者を入隊・入学させる時に、医師又は歯科医師たる隊員が実施する。三自衛隊の自衛官が他の自衛官になろうとする場合や、自衛官以外の隊員が自衛官になろうとする場合にも身体検査を行う。自衛官、自衛官候補生、予備自衛官候補生は男女別でそれぞれ同じ基準が定められている。航空機操縦員たる自衛官は、航空身体検査に関する訓令第３条の検査甲の基準を使う。学生は男女別の基準が定められており、生徒は男女共通である。項目は身長、胸囲、体重、肺活量、視力、色覚、聴力、疾患、総合。余人を以て代えられない職務を担当する自衛官で、防衛大臣が特に必要があると認める時は、基準の一部を変更することができる。参考：自衛官等の採用のための身体検査に関する訓令

＜新耐重橋＞：日本陸軍の架橋器材。20トン以下の戦車を含む重車両を迅速に通過させる（耐荷重10トンの簡易版もある）のが主任務で、木製箱舟を川にセットし、岸のレール上に組み立てておいた橋を張綱で対岸まで押し出すという簡単な手順で設置できるので、夜の間に橋を架け、部隊を渡河させて撤収することができる。器材は耐荷重10トンならトラック100両、20トンなら200両で輸送する。全長150m。試作型をクアラルンプールで使用することになり、秋田丸で輸送したが、途中のシンゴラ沖でオランダ潜水艦により沈められてしまい、終戦までに実用化されることは無かった。20トン橋５セット、10トン橋１セットを整備予定だった。参考：工兵入門

＜新対潜用魚雷試験用管制部＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究3,’16

＜新対潜用短魚雷実用試験用武器連接基盤＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜新対潜用短魚雷発射消耗品＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜浸炭鋼板＞：表面硬化鋼を参照。

＜新玉丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第６艦隊補給部隊所属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜新弾道ミサイル防衛用誘導弾の発射試験前検証試験及びロケットモータ認定試験＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜仁丹帽＞：日本海軍用語で、ネルソン帽（士官礼服の帽子）のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜新竹海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。陸攻乗員養成を担当していた木更津航空隊が昭和17年4月1日付（10日？）に外戦部隊に改編されたため、新たな陸攻乗員養成の練習航空隊として、昭和17年4月1日に台湾で新編された。第１・第２・第５・第６分隊が操縦士、第９分隊が偵察員の教育を担当する。秋、２本目の滑走路が完成した。アメリカ軍の反攻で台湾が在支米軍の空襲を受ける可能性が高まった事を受け、本土に陸攻訓練部隊を移すことになり、宮崎海軍航空隊の新編と鹿屋海軍航空隊の改編が決まったため、昭和18年11月24日に九六式陸攻18機を鹿屋海軍航空隊、９機を鹿児島海軍航空隊に移動させた。11月25日、江西省遂川飛行場を1000に出撃した中美混合空軍団CACW所属P-51戦闘機７機、P-38戦闘機８機、B-25爆撃機14機が1410から低空進入して奇襲攻撃を仕掛け、機銃掃射と10kg・60kg爆弾による爆撃を行い、訓練飛行中の九六式陸攻3-4機をP-38戦闘機が攻撃した。対空射撃で２機を損傷させたが、九六式陸攻12機が炎上し、２機が大破、25名が戦死し、９名が戦傷を負った。昭和19年1月1日に解隊された。参考：月刊航空ファン3,’20、7,’19

＜陣地攻撃（日本陸軍）＞：防御陣地を占領した敵に対しては、機動によりなるべく陣地外で決戦を行うと良い。陣地攻撃の際は、敵を急襲して対応する暇を与えず、一挙に全縦深を突破するものとする。攻者は時間の余裕があるので、予め綿密な計画を定めて十分な準備を整え、急襲を可能とすべく敵に企図を秘匿し、統一した攻撃を行う。敵警戒陣地を攻略せず攻撃準備を行う際は、警戒陣地を攻略した後に準備を整えてから主要陣地帯を攻撃するのが普通だが、状況が許せば警戒陣地攻略後にそのまま主陣地帯の攻撃に移ると有利なことがある。前線の敵を撃破した際に敵主力陣地がその後方にあることが判明した場合、後退する敵と一緒に敵主力陣地に浸透すれば一気に攻略できる。夜間に敵に近接して払暁に攻撃を開始すると有利な戦闘展開が可能で、撒毒地域は夜のうちに隠密制毒しておく。敵前至近距離に攻撃準備位置を設定し、黎明を利用して突撃を敢行する場合もある。必要なら攻撃準備射撃を行い、適時十分な火力で敵を制圧して障害物を排除し側防機能を制圧または破壊、突撃に移る。突撃が途中で頓挫した場合でも、第一線部隊は百方手段を尽くして速やかに原因を排除し、突撃を反復する。主抵抗陣地を突破したら、引き続き後方陣地帯を攻撃して全縦深の突破を完成させ、敵を築城地帯外に追い出す。参考：作戦要務令

＜陣地戦（日本陸軍）＞：数帯に設備された堅固な陣地の攻防のこと。各種且つ多量の戦闘資材が必要で、戦闘の状態が自ずから複雑になる。戦闘の原則は根本では運動戦と同じだが、特に敵陣地の施設や戦闘資材などに応じて戦闘の計画及び実施を一層組織的にする必要がある。しかし計画に拘泥して錯綜する戦況に処し戦機を逃してはいけない。陣地戦では状況を明察して機に応じ戦闘方式を更新し、戦闘資材に改善を加え、これらを創意して敵の意表を突くのが特に重要である。陣地戦では敵が化学兵器を大規模に使用してくる場合があるため、これに対する捜索、警戒、防護に関して特に周到な処置を講じる必要がある。参考：作戦要務令

＜信地旋回＞：Axis turn。装軌車両が片方の履帯を停止し、もう一方のみを駆動させて旋回すること。信地旋回という用語は元々馬術用語で、前脚または後ろ脚を軸にして旋回することを指した。参考：戦車の戦う技術、兵器メカニズム図鑑

＜陣地防御＞：防御を参照。

＜しんちゃん＞：長野地方協力本部のマスコットキャラ。名前の由来は信州の信。長野県柄の迷彩鉄帽を被った牛で、リンゴ型のカウベルを付けている。長野募集案内所が善光寺通りにあるので、牛に引かれて善光寺参りということで牛になった。2022年5月14日、なのちゃんと共に、長野県白馬村ウイング21アリーナで行われたオリンピック選手凱旋報告会で広報支援を行った。参考：MAMOR vol.132、朝雲

＜じんつう＞：DE-230（護衛艦）を参照。

＜神通＞：日本海軍川内型軽巡洋艦２番艦Jintsu。大正14年7月31日竣工。昭和2年8月24日、美保関事件で駆逐艦蕨と激突し、艦首を大破した。艦長は自責の念にかられて自決している。この修理の際に艦首をクリッパー型に交換した。昭和12年7月7日、日華事変勃発時は第２水雷戦隊に所属していた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第２水雷戦隊旗艦、兵力部署は比島部隊南比支援隊第２水雷戦隊所属だった。昭和17年2月17日、チモール島攻略作戦に参加。2月27日、スラバヤ沖海戦に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月25日0605、一木支隊第２梯団を乗せガダルカナルに向かう輸送船を護衛中にマラタイ島北方でアメリカ艦爆３機の銃爆撃を受け、第１・第２砲塔間に爆弾１発を被弾して損傷した。昭和18年7月13日、コロンバンガラ島沖夜戦で砲撃と雷撃を受けて沈没した。生存者21名が伊180潜水艦に救助されている。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸1,’07、8,’11、連合艦隊巡洋艦、月刊世界の艦船9,’14、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜じんつう・うらが衝突事故＞：うらが・じんつう衝突事故を参照。

＜人的情報＞：HUMINTを参照。

＜侵徹体＞：Penetrator。飛翔体に内蔵される侵徹を目的とする物体のこと。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜シンデュララ＞：シンドゥララ（哨戒艦）を参照。

＜震電＞：日本海軍十八試局地戦闘機、J7W1。プッシャー・プロペラの高い推進効率を活かせる先尾翼機の研究をしていた空技廠鶴野正敬技術大尉が昭和18年に製作して昭和19年1月6日に初飛行したMXY6実験機のテスト結果を検討した結果、同じくプッシャー・プロペラでツインテールブーム方式の閃電より有望とみられたため、最大速度400ノットを出せる高速迎撃戦闘機として実用化することになり、昭和19年6月から九州飛行機（空技廠は他機の試作設計で手一杯だった）が鶴野大尉の指導を受けつつ試作機を開発した。B-29に対抗するため、高度8700mで最大速度741km、実用上昇限度12000m、航続時間２時間、増槽付きで４時間、固定武装は30mm機関砲４門という高性能を目標とした。空襲などで機体製作は遅れ、昭和20年6月10日に試作初号機が完成、7月末に飛行しようとしたが、機首上げ時にプロペラが滑走路にぶつかって曲がったため、垂直尾翼下端に白菊の尾輪を付けて8月3日に初飛行した。機体はフレーム構造で、機体各部に整備用ハッチや不時着水時に使用する筏の収容部などを設けた関係上、応力外皮にはしていない。機体外板の内側にはビード板を溶接して小骨を省き、工数を減らした。機首両側にスラットと昇降舵兼ダブルスロッテッドフラップ付きのカナード翼を持つ。主翼は低翼の層流翼で、重心調整のため20度の後退角を持つテーパー翼である。高高度迎撃を重視して翼面荷重は高くし、紫電改と同じ自動空戦フラップを付けて最小限の機動性は確保しているが、敵護衛戦闘機との本格的な格闘戦性能は要求されていない。主翼後部中央を貫く形で垂直尾翼が設けられている。エンジンは機体後部の主翼桁上に搭載しているが、後部胴体径の関係でシリンダーが翼桁に最大70mmほど喰い込む位置にあり、この部分を高強度ESD製として桁高を抑制、きちんと収まるようにしてある。量産向きではないので九州飛行機が改設計を申し入れたが、胴体後部が太くなって空力学的に不利だと海軍側からクレームが付いて保留となった。エアインテイクはキャノピー下の胴体側面にあり、地上でもエアインテイクから空気が入るよう、プロペラシャフト後端に強制冷却ファンを取り付けた。プロペラは住友金属製VDM式可変ピッチ推進式６翅（直径3.4m）で、トルクが強烈だったため、飛行時（特に着陸時）は反動修正に難渋し、右に傾きまくったようだ。緊急脱出時に乗員が巻き込まれないようプロペラに爆発ボルトを仕込む予定だったが、初号機初飛行時にはまだ装備されていなかった。燃料タンクは内面にカネビヤン樹脂の耐油皮膜を張って防弾ゴムを装着した内袋指揮防弾タンクである。降着装置は前輪式で、前方引き上げ式の前脚は長さ2.5mもあり、景雲から首振り防止用シミーダンパーを拝借している。主脚は当初彩雲の流用で済ませる予定だったが、結局新規開発になった。垂直尾翼下端に補助輪が付く。固定武装は機首に五式三〇粍固定機銃一型（60発）４門を搭載する予定で、２門発射と全門斉射が可能。照準器は四式射爆照準器である。装甲は第８フレームの16mm装甲板と風防70mm防弾ガラスで、B-29からの強力な反撃に備えて前方に防御を集中した。無線は三式空一号無線電話機。全長9.76m（9.66m？）、全幅11.114m、全高3.92m、自重3525kg（3645kg？）、全備重量4950kg（4928kg？）、過荷時5272kg。エンジンは三菱ハ43-42複列空冷星形18気筒ガソリン（2030馬力）、最大速度750km（高度8700m）、実用上昇限度12000m、上昇力8000mまで10分40秒、燃料搭載量800リットル＋200リットルドロップタンク２本、航続距離1973km（正規。1300km？）／2960km（過荷時）。主翼下の十七試中型爆弾懸吊鉤に60kg爆弾または三番三号爆弾または１キロ演習爆弾を計４発（２発？）まで搭載できる。乗員１名。8月6日と8月8日にもテスト飛行を行い、前翼の取り付け角を１度から３度に増やす、離着陸時のフラップを35度にする、潤滑油温度上昇を防ぐため大型エアスクープを装着する、トルク対策で操縦系に補正機構を追加するといった改修を施すことにした。２号機にはこれらが生産当初から実施されたとみられる。３号機はエンジンをハ43-43に換装し、過給器エアインテイクを機体右側のみに変更、主脚取り付け位置を100mm後ろに下げて垂直尾翼下端の補助輪を廃止する予定だった。試作4-5号機からはプロペラを直径3.4mまたは3.5mの幅広４翅に変更することにしていた。試作８号機はエンジンをハ43-44に換装し、潤滑油タンク容量を減少させ、重心バランスの関係で機体後部を延長、機体右側の過給器エアインテイクを形状変更または冷却空気用エアインテイクと一体化して廃止する予定だった。また、海軍が招聘したヘンシェル社のフランツ・ポール技師の意見を受け、エンジンのマウントを100mm持ち上げて主翼主桁と干渉しないようにし、生産性を向上させる改修も取り入れることにした。しかし終戦で開発中止になり、初号機は破壊され、制作中の２号機以下（増加試作機十数機分が制作中）も焼却された。9月22日に進駐したアメリカ軍が初号機の修理を要求したが、直したのは見てくれだけで、アメリカに運ばれて再度組み立てられた後は飛行試験も行えず、その後どうなったかは不明である。参考：月刊丸8,’11、3,'18別冊、月刊JWings8,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像4,’18、6,’08、丸エキストラ版No.71

＜信天翁式救護機＞：HU-16海外シリーズを参照。

＜震電改＞：日本海軍計画ジェット戦闘機J7W2。震電の搭載エンジンをネ130に換装したもので、九州飛行機で基礎設計に入ったところで終戦になった。計算上の最大速度は780kmである。参考：月刊丸8,’11、8,’95

＜震天制空隊＞：日本陸軍の空対空体当たり部隊で、別名はがくれ隊。高々度を飛行する防御力の高いB-29を確実に撃墜するため、第10・第11飛行師団隷下の各飛行戦隊に師団長命令で１隊８機ずつ編成された。ちなみに、第12飛行師団のものは回天制空隊と呼ばれた。機体からは武装、無線機、防弾装備などが取り外され、上昇力を向上させている。昭和19年12月5日に命名されたが、その前から任務は開始されていた。体当たり後は不時着したり、パラシュート降下したりして帰還する。B-29が低高度無差別爆撃を行うようになると解散した。参考：月刊丸9,’97、1,'17別冊、月刊航空ファン7,’15

＜神殿の丘＞：東エルサレム旧市街にあるユダヤ教の聖地。同時にイスラム教の聖地、ハラム・アッシャーリフでもある。丘を支える形になっている、西側の高さ10mの石垣は、ダビデの子ソロモン王が神殿を建てた後、一旦破壊されたのをユダヤ王ヘロデが再建（第２神殿）、ローマ帝国にまた破壊された後も残った部分である。熱心なユダヤ教徒が、ローマにより世界中に散らばることになった民族の不運をこの壁の前で嘆き悲しんだので、この石垣は「嘆きの壁」と呼ばれるようになった。参考：月刊軍事研究12,’00

＜神殿の丘訪問事件＞：2000年9月28日、イスラエルの右派リクード党のシャロン党首が、神殿の丘を訪問した事件。9月10日頃、訪問の意向を中部軍管区司令官に伝え、イスラム教主要指導者の説得を依頼。司令官は中止するよう説得したがシャロン党首は応じず、司令官は指導者の説得を行ったが、交渉は失敗した。9月28日、シャロン党首はリクード党の国会議員６人を連れて0730頃に神殿の丘を訪問。イスラエル国籍のアラブ人国会議員３人が同行して聖地訪問を非難する中、小銃で武装した警官1000人に護衛されて視察を行った。視察の最終段階で、付近のモスクで朝の祈りを捧げていたパレスチナ住民約200人が警官隊と衝突、投石とゴム弾の応酬でパレスチナ人４人と警官28人が負傷した。マスコミでこれを知ったパレスチナ人は嘆きの壁の下にいるユダヤ人に投石、イスラエル警察が鎮圧に乗り出し、ヨルダン川西岸などではイスラエル軍とパレスチナ人・パレスチナ警察部隊との間で銃撃戦に発展、イスラエル軍は戦車や攻撃ヘリ、ミサイル艇や巡航ミサイル搭載潜水艦まで投入して鎮圧した。10月7日、国連安保理でイスラエルを非難する決議を14ヵ国賛成・１ヵ国（アメリカ）棄権で採択。10月8日、イスラエルのバラク首相は２日以内の戦闘停止を通告したが、国連事務総長の調停で3-4日延長。この間にアラファト議長は衝突回避を指令したが、衝突は収まらず、10月12日にヨルダン川西岸のラマラ自治区でイスラエル兵３名が殺害された。これに対し、イスラエル軍は攻撃ヘリで報復攻撃。パレスチナ自治政府は非常事態を宣言し、収監していたハマス100人近くを釈放した。夜になり、国連が協議してエジプトで中東首脳会談を開くことを提案、10月14日に両者が出席に応じ、一段落した。双方に死者100人、負傷者2000人以上を出した。参考：月刊軍事研究12,’00

＜ジンドヴィク＞：オーストラリアのGAFが開発した無人標的機。翼スパンを倍にして高度20400mを飛行できる超高々度型（航続距離1668km）もある。参考：スパイ機

＜人道違反法＞：ベルギーが1993年6月16日に制定した法律で、正式名称は「重大な国際人道法違反の処罰に関する法」。ジュネーブ諸条約・追加議定書に関する違反を国籍問わず訴えることのできるもので、起訴されると国際刑事警察機構から国際逮捕状が出され、ベルギーを訪問すると逮捕される。1999年4月2日に施行されるとポルポト派幹部やピノチェト大統領からイスラエルのシャロン首相、ブッシュ大統領に至るまで次々と起訴され、ベルギー外務省が外交上の理由から不支持に回ると共に外圧も強まり、アメリカはブリュッセルにあるNATO本部の移転を示唆したため、2003年7月29日のベルギー下院で廃止が決定、廃止された。参考：月刊軍事研究3,’07

＜シンドゥヴィジャイ＞：S-62（潜水艦）を参照。

＜シンドゥヴィル＞：S-58（潜水艦）を参照。

＜シンドゥキリ＞：S-61（潜水艦）を参照。

＜振動計測装置＞：自衛隊の機器。海外物産が受注している。参考：月刊軍事研究1,’17

＜シンドゥケサリ＞：S-60（潜水艦）を参照。

＜シンドゥゴーシュ＞：S-55（潜水艦）を参照。

＜人道支援・災害救援に関する日ＡＳＥＡＮ招へいプログラム＞：第２回は2019年1月28日から2月1日に開催された。1月30日、防衛省でASEAN地域の仮想国に台風の直撃による被害が出たという想定の指揮所演習を実施。陸自８名とASEAN加盟国・事務局の佐官級14名が参加し、４つのグループに分かれて多国間調整所を開設、災害対応に関する標準手順書SASOPに基づく対処を行った。1月31日、参加者が陸自第12旅団を視察し、災害派遣関連装備品を見学した。参考：朝雲

＜人道支援作戦＞：HAO（Humanitarian Assistance Operations）と略す。参考：月刊世界の艦船5,’16、月刊JWings4,’04

＜人道支援任務章（アメリカ陸軍）＞：Humanitarian Service Medal（HSM）。人道支援任務に参加した者に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜振動周波数解析器（輸入）＞：自衛隊の機器。GEアビエーション・ディストリビューション・ジャパンが受注している。参考：月刊軍事研究7,’14

＜振動センサー校正装置＞：自衛隊の機器。穂高電子製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜人道的な国際救援活動（ＰＫＯ協力法）＞：国連総会、安保理もしくは経済社会理事会が行う決議または別表に掲げる国際機関が行う要請に基づき、国際の平和及び安全の維持を危うくする恐れのある紛争によって被害を受け若しくは受ける恐れがある住民その他の者の救援のために又は紛争によって生じた被害の復旧のために人道的精神に基づいて行われる活動であって、当該活動が行われることについての同意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者である場合においては武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意がある場合に、国連その他の国際機関または国連加盟国その他の国によって実施されるもの。PKOとして実施される活動を除く。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜シンドゥシャストラ＞：S-64（潜水艦）を参照。

＜浸透戦術＞：第１次大戦で使用されるようになった対陣地戦術。それまで歩兵は中隊ごとに運用されていたが、機関銃や砲兵射撃による損害が大きすぎるため、部隊を小隊や分隊などに小分けして敵陣地・拠点の間隙を突き、後方に浸透して制圧するようにしたものである。突破に成功した地点には予備部隊を送り込んで突破口を広げ、更に多くの部隊を後方に進めて戦果を拡大、最終的に戦線全体を突破する。ドイツ軍が1915年3月から浸透戦術専門の突撃部隊（短機関銃、手榴弾、短砲身野砲、火炎放射器、鉄条網切断機、刃付きスコップなどを装備）を編成し、ヴェルダン戦から実戦投入して大きな戦果を挙げた。参考：歴史群像10,’10、月刊軍事研究1,’16

＜シンドゥドヴァイ＞：S-56（潜水艦）を参照。

＜シンドゥ・ドゥルグ＞：K72（コルベット）を参照。

＜進藤制雄＞：しんどうのりお。日本陸軍エース。大正5年、山梨県生まれ。昭和11年、陸軍に入隊し、昭和13年8月に歩兵軍曹から航空科に転科、12月に熊谷飛行学校に入学し、昭和14年7月に卒業、航空士官学校助教となった。昭和18年3月、飛行第64戦隊に転属。5月、チッタゴン上空の空戦で初陣を飾った。昭和19年3月12日、４機を撃墜。6月、サイゴンに後退。8月末、ビルマに戻り、終戦を迎えた。総撃墜機数13機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜シンドゥライ＞：S-57（潜水艦）を参照。

＜シンドゥラクシャク＞：S-63（潜水艦）を参照。

＜シンドゥラトナ＞：S-59（潜水艦）を参照。

＜シンドゥララ＞：スリランカ海軍哨戒艦Sindurala。2018年8月30日から9月15日、カカドゥ2018に参加。2022年2月28日、コロンボ沖で日スリランカ親善訓練に参加し、MST-463うらが及びMSO-305ひらどと、戦術運動訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船12,’18、5,’22

＜新トライアド＞：NPRで打ち出された、新たな３本柱。攻撃的打撃システム（核及び非核）、防御システム（アクティブ及びパッシブ）、国防インフラストラクチャーを指す。参考：月刊軍事研究4,’03、8,’02

＜シンナー＞：テンプ−2S（ICBM）を参照。

＜新南＞：日本海軍海防艦。昭和20年1月16日、アメリカ機動部隊の攻撃を受けて損傷した。1月21日、海南海峡で触礁した。3月19日、山口県防府沖で小破した。昭和21年12月31日、運輸省に移管され、気象観測船新南丸となった。昭和29年1月1日、海上保安庁に移管され、舞鶴海上保安部所属のつがるとなった。以降も5月から11月に台風観測のための南方定点業務を行うことになり、中央気象台の職員を乗せて観測任務にあたった。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸5,’07

＜進入角指示灯＞：VASISを参照。

＜進入角・水平指示灯＞：自衛隊の機器。26DD用もある。大石電機工業製。参考：月刊軍事研究11,’11、11,’18

＜進入管制＞：航空交通管制の１つ。進入管制区内の計器飛行方式航空機に対し、進入や出発の順序・経路・方式を指定したり、離陸上昇・着陸降下・待機を指示したりする。空港監視レーダーなどのターミナルレーダーで管制する場合は、ターミナルレーダー管制ともいう。レーダーが故障や修理で使えない場合は音声通信で管制する。飛行場からだいたい100km圏内で行う。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings4,’16

＜侵入者式轟炸機＞：A-26海外シリーズ（攻撃機）を参照。

＜進入速度＞：Threshold speed。着陸時に航空機が滑走路面上15mを通過する時の速度のこと。操縦性、突風、失速に対して余裕を持つ値として定められており、耐空性審査要項で失速速度または最小定常速度の1.3倍（1.3Vs）と決められている。これに基づいて着陸性能（着陸距離や着陸必要滑走路長）が決まる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜進入復行＞：Missed approach。着陸進入中に進入を継続できなくなり、飛行場ごとに定められた所定の方式に従って所定の位置に上昇し直すこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜神農丸＞：日本軍徴用船Shinnoh maru。大元はオランダのロッテルダム・ロイド社所属ビルマで、明治45年3月に竣工し、大正12年に大連のハート汽船に売却されてバーマ丸になり、大正13年に神農丸に改称され塩崎汽船部に売却され、昭和13年に大光商船が購入、昭和16年3月に日本海軍が徴用して雑用船として使用した。垂線間長118.87m、幅15.26m、深さ9.33m、吃水7.49m、総トン数4897トン、重量トン数7700トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1622馬力、航海速力10ノット、最大速力12ノット。昭和16年8月に徴用を解かれ、10月に日本陸軍が徴用し、昭和18年10月から海軍指定船になり、昭和19年4月から再度日本陸軍の徴用船となった。昭和21年3月7日、対馬北端で座礁して沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜シンバ＞：ドイツ空軍第３戦闘航空団第２飛行隊のマスコットで、ライオンの子供。参考：月刊JWings8,’05

＜シンバ＞：フィリピン軍４輪装甲車。GNKディフェンス社がプライベートベンチャーで1990年から開発し、1992年に採用されて150両が生産された。車体前部左に操縦室、右に機関室、操縦室後方に車長席、後部に10名乗りの兵員室を持つ。操縦室は一段高くされており、周囲には装甲シャッター付きの防弾ガラスが配置されている。機関室にはパーキンソン社製210Tiディーゼルエンジンとクラーク社製変速機を一体化したパワーパックを搭載。車長席上部には7.62mm機銃または12.7mm機銃装備の銃塔を置くことができるが、この場合には乗車兵員が８名となる。M901と同様のTOW連装ランチャーや、CM90砲塔を搭載した火力支援型、20mm機関砲を搭載したタイプなど派生型も提案されているが、これらは採用されていない。参考：世界の軍用車両(4)

＜シンバ＞：ポーランドのAMZクツノ社、ワルシャワ軍事技術アカデミー、ワルシャワ軍事工学研究所が南アフリカのチャービー地雷処理システム用地雷啓開車ハスキーを参考に開発中の４輪地雷啓開車両。車体は底部がＶ字型になっており、車幅も狭く、車輪がキャビンよりもかなり前後に離れて配置されていて、地雷の被害を局限するようになっている。前輪の前方にPWMマルチセクション地雷探知システム（ワルシャワ軍事工学研究所とBZEベルマ社が開発中）、IED／地雷無力化装置などを装備する。装甲レベルは耐弾がNATOレベル４、耐地雷がNATOレベル4B。戦闘重量15トン。乗員１名。参考：月刊軍事研究7,’11

＜シンバド＞：ミストラル１シリーズ（対空ミサイル）を参照。

＜ジンバブエ空軍＞

＜ジンバブエ空軍（１９８９年）＞：兵力2500名。ハンターFGA.90戦闘機９機、ハンターT.81戦闘機１機（うち稼働中ハンター計７機）、ホークMk60対ゲリラ戦機７機（うち稼働中３機）、J-7戦闘機48機（うち稼働中48機）、セスナ337対ゲリラ戦機16機（うち稼動機７機）、SF260C/W練習機13機、SF-260TP練習機５機（うち稼働中SF260計10機）、BN-2輸送機７基、C212-200輸送機10機、C212-200要人輸送機１機、C-47輸送機７機、AB205汎用ヘリ６機、SA316汎用ヘリ10機（うち稼働中汎用ヘリ計４機）、AB412要人輸送ヘリ10機（うち稼働中４機）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ジンバブエ空軍（２０１５年）＞：現役兵力4000名。年間飛行時間100時間。F-7�U戦闘機７機、FT-7戦闘機２機、ハンター戦闘機12機（全て保管中）、O-2Aスカイマスター観測機２機、BN-2輸送機５機、C-212-200要人輸送機８機（＋保管中２機以上）、セスナ337輸送機13機、C-47輸送機10機（全て保管中）、K-8練習機10機、SF-260M練習機５機、SF-260TP練習機８機、SF-260W練習機５機、SF-260F練習機５機、Mi-35攻撃ヘリ４機、Mi-35P攻撃ヘリ２機、ベル412汎用ヘリ８機、SA316アルエート�V汎用ヘリ２機、AS532UL要人輸送ヘリ２機、PL-2/PL-5空対空ミサイル（を保有しているという報告あり）、35mm/57mm/100mm高射砲（全て非配備）を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジンバブエ軍＞：

＜ジンバブエ軍（１９８９年）＞：兵力49500名。モザンビークに3000-8000名を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ジンバブエ軍（２０１５年）＞：現役総兵力29000名（陸軍25000名、空軍4000名）、準軍事組織21800名（共和国警察軍19500名、警察支援ユニット2300名）。コートジボアールにUNOCIオブザーバー３名、リベリアにUNMILオブザーバー１名、南スーダンにUNMISSオブザーバー２名、スーダンにUNAMID要員２名とオブザーバー５名、UNISFA要員１名とオブザーバー２名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ジンバブエ陸軍＞：

＜ジンバブエ陸軍（１９８９年）＞：兵力47000名。旅団司令部７個、機甲連隊１個、歩兵大隊26個、砲兵連隊１個、工兵支援連隊１個からなる。T-54戦車８両、59式戦車／69式戦車35両、EE-9偵察車（90mm砲装備）90両、AML-90偵察車28両、YW531装甲兵員輸送車10両、UR416装甲兵員輸送車40両、クロコダイル装甲兵員輸送車50両、76mm砲M1942、25ポンド砲24門、60式122mm砲18門、54式122mm砲、63式107mm多連装ロケット、81mm迫撃砲L16、120mm迫撃砲４門、107mm無反動砲12門、14.5mm対空機銃、23mm高射機関砲ZU-23、37mm高射機関砲M1939、SA-7地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ジンバブエ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力25000名。特殊作戦旅団司令部１個、機械化旅団司令部１個、歩兵旅端司令部５個、特殊作戦連隊１個、機甲隊１個、機械化歩兵大隊１個、歩兵大隊15個、コマンドー大隊１個、パラシュート大隊１個、護衛大隊３個、大統領警護群１個、砲兵旅団１個、野戦砲兵連隊１個、防空連隊１個、工兵連隊２個からなる。59式戦車30両、69式戦車10両、エランド偵察車20両、フェレット偵察車15両、EE-9偵察車80両,63式装甲兵員輸送車８両、VTT-323装甲兵員輸送車22両、TPK4.20VSC ACMAT装甲兵員輸送車55両、122mm自走砲2S1を12両、122mm砲D-30を４両、60式122mm砲（D-74）を16門、63式107mm多連装ロケット16基、122mm自走多連装ロケットRM-70を60基、81mm/82mm迫撃砲140門、120mm迫撃砲M-43を６門、9K32携帯地対空ミサイル、14.5mm対空機銃ZPU-1/-2/-4を36基、23mm高射機関砲ZU-23を45門、37mm高射機関砲M-1939を35門、T-54/-55戦車回収車（を保有しているという報告あり）、MTU戦車橋（を保有しているという報告あり）を保有している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜審判の日の飛行機＞：Il-80（空中指揮機）を参照。

＜陣風＞：日本海軍十八試甲戦闘機、J6K。昭和17年に誉四三型エンジン（２段２速過給器付き、2200馬力）を搭載した単発単座戦闘機である十七試陸上戦闘機J3K1として川西航空機で開発が開始されたが、エンジン製作が遅れたため昭和18年に川西の要望により誉四二型に変更して十八試陸上戦闘機に改称、8月に十八試甲戦闘機J6K1陣風と再改称された。ただ誉四二型の方も製作が遅れ、機体も武装強化などの仕様変更により完成の見込みが立たず、モックアップ審査まで行ったものの昭和19年7月に戦局悪化で開発中止となった。昭和20年5月に紫電改後継機として候補に出たが、そのまま終戦を迎えている。翼面荷重１平方メートルあたり163.5kg。全長10.118m、全幅12.5m、自重3500kg、全備重量4373kg、過荷時総重量6440kg。エンジンは誉四二型（離昇出力2200馬力）単発、最大速度685km（高度10000m）、実用上昇限度12000m、上昇力10000mまで13分20秒、燃料搭載量800リットル＋増槽400リットル、航続距離4000km（過荷時）。固定武装は20mm機関砲６門、13mm機銃２丁。60kg爆弾４発を搭載できる。乗員１名。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜神風特別攻撃＞：組織的戦術として実施する航空機による特別攻撃（体当たり攻撃）で、「しんぷうとくべつこうげき」と読む。海軍呼称であり、陸軍では「と号」と呼ばれた。致命的損傷を受けた航空機が死なば諸共で個別に敵艦に突入するのは日本軍に限らず行われていたが、最初から体当たりを目的として組織的に行ったのは日本軍だけである。考案者とされる大西瀧治郎第１航空艦隊司令長官はこの戦法を統率の外道と呼んでおり、最初は敵空母飛行甲板を１週間だけ使用不能にするという目的でレイテ島沖海戦で初めて実施されたが、戦果を得られる唯一の手段として以降も一般作戦にやたらと使われることになった。海軍長官によれば、特別攻撃の目的は、この事を天皇陛下の耳に入れて停戦講和への道を開くことと、日本民族が滅びようとする時に身をもってそれを防いだ若者たちがいたという歴史を残すことで日本民族の再興を促すことであった。マリアナ海戦後に海軍から依頼を受けて機動部隊への双発攻撃機突入率を川西航空機が計算したが、銀河をモデルとしたところ突入率は5%、帰還率はそのうちの5%で、100機出撃しても爆弾や魚雷を投下できるのが５機、基地に帰ってくるのは7.5割方ゼロということになった。昭和19年7月11日に日本陸軍第３航空技術研究所所長が記載したところに依ると、海軍が行った静爆試験では、炸薬800kgを深度15mで炸裂させれば戦艦の撃沈を狙えるが、1000kg以下の炸薬で戦艦や大型空母を撃沈するには水中攻撃を行うしか無く、空中炸裂で撃沈するには炸薬2000kg以上を炸裂させるか、ドイツのミステールを使うしかないという結果が出たという。そのため、将来的に２トンの炸薬を積める棄身専用機を設計する必要があるとしている。そこで桜花を開発し、空母雲龍に乗せてフィリピンに送り込もうとしたが、潜水艦で沈められてしまった。10月5日、第１航空艦隊の大西司令長官が赴任の途中で台湾沖航空戦を実視、搭乗員の練度低下が酷いことを目の当たりにし、普通の戦法では敵艦に被害を与えることが不能であると判断、10月19日に体当たり攻撃を要望し、軍令部と協議して実施が決定された。同日、大西長官がクラーク地区マバラカット基地の第201航空隊司令部で特攻の話を切り出し、桜花は無いので第201航空隊の稼動零戦24機を250kg爆弾で爆装させることにした。10月19日夜には初の神風特別攻撃隊４隊が編成され、10月21日から出撃を開始したが、悪天候で引き返し、10月25日に初めての特攻（ただし10月15日に第26航空戦隊司令官の有馬少将が単独で特攻を行っている）が行われた。10月27日以降、第２航空艦隊でも同様の部隊の編成がなされた。部隊名は、第３航空艦隊特攻隊は御盾隊で、サイパン島B-29片道攻撃は第１御盾隊、硫黄島周辺機動部隊向けは第２御盾隊、沖縄向けは第３御盾隊、その後ろに所属航空隊を付けて第３御盾隊第252部隊などとなる。陸軍ではこれより前、昭和19年7月に後宮高級参謀次長兼航空総監兼航空本部長の主張で特攻隊（白兵突撃の航空版）の編成が内示されており、九九式双発軽爆撃機の機内に爆弾を積んで機首に起爆用触角３本を付けた特攻機を製作、10月21日に陸軍初の特攻隊である万朶隊が編成されて11月12日に特攻を開始した。高高度接敵法では、高度5000-7000mで接近し、目標を発見したら降下角20度で接近、高度1000-2000m・速度200ノット以下で降下角45-55度の急降下に入り、目標に突っ込む。超低高度接敵法では、高度10-15mで接近し、目標付近で急上昇して高度400-500mに達し、急降下に入って目標に突入する。空母はエレベーターを狙って突っ込み、機能喪失を狙う。特攻隊員は両親か片親が健在で、長男ではなく、兄弟姉妹がいる者を対象とし、一応は自署による志願という建前で募集したが、対象者を全員横一列に並べて志願者を一歩前に出させるなど断りづらい状況を作る部隊もあるなど、実際には半強制に近かった。また、天皇の指示で実施したことにするのは不適当ということで、前線部隊が自由編成したことにし、部隊名も通称扱いで、兵籍簿には○○部隊付という名称だけ残した。昭和19年11月29日、陸軍の下士官または兵で必死の特別攻撃に従事して戦死した者で、殊勲を奏し主将が全軍に布告した時は、戦死の時に遡って下士官を少尉に、兵を准士官に昇任させるという勅令が出された。これにより陸軍特別幹部候補生や陸軍少年飛行兵が特攻に志願した場合、直ちに下士官勤務兵長や伍長に任官し、出撃前に軍曹に昇任させ、戦死と同時に少尉としている。海軍でも特別昇進が認められたが、終戦詔勅の放送後に特攻した第５航空艦隊司令長官宇垣纏中将の部隊は勝手に特攻したとみなされたためか昇進を受けていない。フィリピン戦ではアメリカ軍のルソン島攻略終了までに450機が出撃し、300機が特攻、突入率は日本軍内では14-20%と見積もられた。うち陸軍使用機は202機、戦没者は251名。ミンドロ島上陸からリンガエン湾上陸完了までの１ヶ月で、戦果は撃沈が護衛空母１隻、駆逐艦１隻、大破が戦艦３隻、重巡２隻、軽巡３隻、護衛空母４隻、駆逐艦14隻。アメリカが特攻を日本軍が正式戦術として採用していると認識したのは、昭和19年10月末にアメリカ海軍情報部が日本軍による特攻隊偉勲の全軍布告を傍受した時で、緊急電により前線部隊に警告を発した。この際、情報部が暗号解読表にあった漢字の「神風」を間違って訓読みしてしまったため、Kamikaze attackとして広まっている。アメリカは世論動向を警戒し、日本軍による特攻を公式に報道したのは昭和20年4月14日になってからだった。昭和20年2月の大本営海軍部図上演習では乗員の訓練不足から第３航空艦隊の航空戦力は特攻以外使い物にならないという意見が出た。特攻による戦力消耗に反対する意見や、敵のところに辿り着けなければ特攻も通常攻撃も同じだという意見も出たが、燃料の絶対的不足による訓練不能や、各部隊にいる技量優秀パイロットの腕を頼れば１機や２機は突入できるという意見が出て、結局特攻は継続された。この際の乗員練度は「基地上空の集合すら困難」というくらいだから、相当に低い。更にこの時、練習生が練習機で特攻を行う方法を研究すべきとの声が出て、白菊偵察用練習機が特攻機として戦力化されることとなった。突入角度は20-45度と教えられる事が多かったが、場合によっては0-75度までの角度をとった。沖縄では島づたいに飛べば本島に辿り着けるため、基本的な航法計器のみを装備し、月の無い夜は殆ど特攻が行われなかった。一種の飽和攻撃であるから撃ち漏らさずに迎撃することが困難で、突入機が航空燃料も撒き散らすので焼夷効果も加わるが、爆弾よりも突入速度が遅いため貫徹力が低く、攻撃点が吃水線下でなく艦上面になるため一撃での撃沈は難しく（というか元々撃沈狙いの戦法ではない）、重い爆弾を積んだままの突入は飛行パターンが単純になりやすく、空気圧力のため急な方向転換が不可能で、被撃墜率が高い。また、機体と乗員が確実に失われ、戦果の確認が困難な上、突入時の反省を次回に活かすことができない。これらの欠点は、大型艦に複数機が集中して突入する、護衛戦闘機などに搭乗したベテランパイロットが戦果を確認するなどにより補うとした。昭和20年2月頃の乗員訓練は、最初の10日間が計器飛行の地上訓練、次の10日で離着陸・計器飛行、次の10日で編隊・計器飛行・薄暮訓練・定着訓練、次の10日で航法訓練・薄暮訓練・定着訓練、次の20日で特攻訓練、最後の10日で総合訓練を行うという70日間のメニューだった。標準訓練回数は離着陸８回、編隊飛行７回、計器飛行10回、航法訓練５回、特攻訓練10回、薄暮飛行６回、定着訓練５回。合計飛行時間は100時間弱であり、練度は低かった。更にガソリンやオイルの質も悪く、燃料切れや老朽化で飛べずに埃を被っていた飛行機を引っ張り出して使用したためにエンジン不調が多発、出撃不能になったり、増槽の燃料抽出が行えず途中で引き返したり、不時着水したりする機体が続出した。稼働率は50%未満で、九州から沖縄に向け出撃した部隊では20%が標準だったという。また、ガソリンの質が低下してオクタン価92用のエンジンにオクタン価87のものを入れざるを得ず、航続距離が低下、ガソリン自体も爆撃による道路の損傷で輸送困難となった。フィリピンの特攻では初日から悪天候で引き返しており、あくまでも敵艦を沈めるための一手段としての特攻だったが、徐々に自爆攻撃で死ぬことが目的化してしまい、引き返してきたパイロットに罵声を浴びせて監禁するような事も行われている。ただ出水基地の松島空・豊橋空特攻隊は九六式陸攻による特攻では戦果が挙げられないとして第５航空艦隊に夜間雷撃への変更を進言して許可されており、菊水作戦で特攻を命じられたが通常攻撃で行くと強硬に主張し認められた艦爆隊指揮官もいるようなので（迎撃されて孔だらけの１機しか還れなかったが）、各部隊上層部の考え次第だったのかもしれない。硫黄島戦では2月21日に16機が突入した。3月11日、ウルシー泊地を銀河24機で攻撃。沖縄戦では3月24日から特攻を開始。アメリカ軍の沖縄戦計画はフィリピンで大規模な特攻が始まる以前にほぼ完成していたため、対策は盛り込まれていなかったが、艦隊周囲にレーダー警戒駆逐艦を配置し、沖縄周囲に二重の警戒部署を設けて哨戒を行った。第１次菊水作戦（第１次航空総攻撃）では延べ351機が特攻を行い34隻の艦船に損害が生じ、うち６隻が沈没、死傷者・行方不明者は536名だった。日本の未帰還機は特攻護衛機を含めて417機に達しており、下手をすると人的被害は日本の方が多い。また、航空機生産数は全機種合わせても月産600機前後で、この損害を埋めることは不可能だった。沖縄戦が進むにつれて特攻隊員に条件を付ける余裕も無くなり、転属命令により基地に着任すると特攻隊だった、といった状況も生まれた。5月末頃にはアメリカ軍の特攻対策はほぼ完成しており、レーダー警戒駆逐艦を空中哨戒機と組み合わせ、更に駆逐艦や水陸両用艦の護衛を付け、戦闘空中哨戒隊も配備して万全の態勢を敷いた。また沖縄北部や沖合の小島にレーダーステーションを設け、小型で小回りのきく艦艇をわざと囮にした。艦艇は５インチ砲のエリア・ディフェンスと、ボフォース40mm機関砲とエリコン20mm機関砲による２段構えのポイント・ディフェンスを展開し、突入された場合には特に特攻機の燃料が炎上する事態に対処するダメージ・コントロールにより被害を局限した。更にB-29まで動員して航空基地を爆撃し、特攻機を出撃前に破壊している。沖縄戦全体では延べ約10000機の航空機が投入され、うち2393機が特攻機で、未帰還機は約2800機、突入成功率は13%と見積もられた。陸軍では四式重爆７機、九七式重爆７機（義烈空挺団輸送用）、九九式双軽12機、一〇〇式司偵７機、二式双襲37機、九九襲152機、四式戦119機、三式戦101機、一式戦166機、九七戦213機、九八直協69機が沖縄特攻を行い、第６航空軍の780名（うち88名が義烈空挺隊員）、第８飛行師団の241名が死亡した。海軍特攻機には水上偵察機75機、白菊107機、中級練習機17機を含んでいる。アメリカ軍の沈没艦船は記録にあるだけで26隻（27隻？）、損傷は269隻（164隻？）、アメリカ海軍死者は4000名。特攻隊の編成を命じた大西中将は昭和20年8月16日に特攻隊の英霊に感謝する旨の遺書を残して自殺した。第５航空艦隊の宇垣司令長官は8月15日未明に自ら11機の彗星を率いて沖縄に向け特攻した。最後の特攻は、昭和20年8月19日、南満州の第５練習飛行隊教官率いる11機の九七式戦闘機で、ソ連戦車隊に突入した。本土決戦では海軍は内地練習航空隊配備の中間練習機を主力として特攻に使う予定にし、機体が脆弱でパイロットの練度も低く敵機動部隊への突入は期待できないことから、敵上陸予想地点近くに設置した洞窟格納庫などに収容、道路などを転用した牧場と呼ばれる急造秘匿飛行場から発進させ、上陸船団に突入させることにした。特攻専用の簡易機も試作されていたが、簡易設計を重視しすぎて実用性が怪しく、B-29の爆撃で工場が潰されて量産の見込みも立たなかった。神風特攻作戦全体では海軍機1298機（うち零戦450機）、陸軍機1285機（うち一式戦闘機270機）が特攻を仕掛け（うち８割が爆装戦闘機）、海軍2524名（2525名？）、陸軍1386名（1388名？）が死亡した。連合軍の損害は沈没57隻、大破102隻、中破84隻、小破221隻、戦死6800名、戦傷10000名。航空機に対する特攻では34機が攻撃を行い、67名が死亡した。特攻を志願して譲らない夫を毎晩説得するも変心させることができなかったり、夫の特攻志願がなかなか認可されないのは自分と子供のせいだと思い悩んだりした挙げ句、妻が子供と一緒に投身自殺する悲劇も起こった。第４次菊水作戦に呼応して実施された特攻作戦・第５次航空総攻撃において、ある参加兵はこんな会話を交わしている。「今まで見た敵のあの防御砲火では、とてもあれを突破することはできないだろう。命が惜しくて言うんじゃないが、それで負けたら、どういうことになるんだ」「私たちが死んでも、国民の何人かは生き残るでしょう、その人たちを信じて戦うほかないでしょう」「よし、そうか、生き残った人たちを信じよう」参考：歴史群像8,’15、6,’04、2,’05、8,’08、月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊軍事研究12,’02、3,’04、9,’01、6,’04、激闘太平洋戦記、軍事用語の基礎知識、特別攻撃隊、月刊丸4,’17、8,’95、6,’01、3,'18別冊、月刊戦車マガジン11,’92、陸海軍学校と教育、海軍こぼれ話、月刊JWings1,’17、月刊航空ファン3,’20、朝雲

＜神風特別攻撃隊（出撃機）＞：昭和19年10月21日、第１神風特攻大和隊の爆装戦闘機２機がセブから出撃。10月23日、第１神風特攻大和隊の爆装戦闘機２機がセブから出撃。10月25日、第１神風特攻朝日隊の爆装戦闘機２機、第１神風特攻山桜隊の爆装戦闘機２機、第１神風特攻菊水隊の爆装戦闘機２機がそれぞれダバオから、第１神風特攻大和隊の爆装戦闘機２機と第１神風特攻若桜隊の爆装戦闘機４機がそれぞれセブから、第201航空隊第１神風特攻敷島隊の爆装戦闘機５機と第１神風特攻彗星隊の彗星１機がそれぞれマバラカットから出撃。レイテ沖で敷島隊によりCVE-63セント・ローを撃沈し、敷島隊及び大和隊によりCVE-71キトカン・ベイを損傷させ、菊水隊及び朝日隊によりACV-29を損傷させた。他にレイテ沖でCVE-68カリーニン・ベイを撃沈し、ACV-26サンガモン、ACV-27スワニー、CVE-66ホワイト・プレーンズを損傷させた。10月26日、第１神風特攻大和隊の爆装戦闘機５機がセブから出撃。ACV-27スワニーを損傷させた。10月27日、第１神風特攻大和隊の爆装戦闘機２機がセブから、第２神風特攻忠勇隊の彗星３機、第２神風特攻義烈隊の彗星３機、第２神風特攻純忠隊の九九式艦爆２機、第二神風特攻誠忠隊の九九式艦爆３機がそれぞれ第１ニコルスから出撃。10月28日、第二神風特攻純忠隊の九九式艦爆１機がセブから出撃。レイテ沖でCL-58デンバーを損傷させた。10月29日、第一神風特攻初桜隊の爆装戦闘機３機、第二神風特攻至誠隊の九九式艦爆１機、第二神風特攻零戦隊の九九式艦爆１機、第二神風特攻神兵隊・第二神風特攻零戦隊・第二神風特攻神武隊の九九式艦爆計６機がそれぞれニコルスから出撃。第２神風特攻忠勇隊の彗星１機、第２神風特攻義烈隊の彗星１機がそれぞれ第１ニコルスから出撃。レイテ沖でCV-11イントレピッドを損傷させた。10月30日、第１神風特攻葉桜隊の爆装戦闘機６機がセブから出撃。CV-13フランクリン、CVL-24ベロー・ウッドを損傷させた。11月1日、第２神風特攻天兵隊・第２神風特攻至誠隊・第２神風特攻神兵隊・第２神風特攻零戦隊の九九式艦爆計６機が第１ニコルスから出撃。第３神風特攻桜花隊の爆装戦闘機１機がマバラカットから出撃。第３神風特攻梅花隊の爆装戦闘機１機がニコルスから出撃。スリガオ海峡北口付近で桜花隊、梅花隊によりDD-411アンダーソンを損傷させ、レイテ島タクロバン付近で天兵隊、至誠隊、神兵隊によりDD-526アブナー・リードを撃沈した。11月5日、第３神風特攻左近隊の爆装戦闘機２機がマバラカットから出撃。第３神風特攻白虎隊の爆装戦闘機３機が出撃。両隊のうち２機が1338にルソン沖でCV-16レキシントンに突入、１機が信号艦橋に突っ込み、50名が戦死、132名が負傷した。11月6日、第４神風特攻鹿島隊・第４神風特攻香取・神武隊・第４神風特攻零戦隊の爆装戦闘機計６機がマバラカットから出撃。11月9日、第３神風特攻第２朱雀隊の爆装戦闘機２機が第１ニコルスから出撃。11月11日、第４神風特攻神崎隊・第４神風特攻鹿島隊・第４神風特攻神武隊の爆装戦闘機６機がマバラカットから出撃。11月12日、第３神風特攻時宗隊の爆装戦闘機３機がマバラカットから出撃。第３神風特攻第２白虎隊の爆装戦闘機６機、第３神風特攻第２桜花隊の爆装戦闘機５機がそれぞれアンヘレスから出撃。神風聖武特攻第５聖武隊の爆装戦闘機３機、神風聖武特攻梅花隊の爆装戦闘機４機、神風聖武特攻第６聖武隊の爆装戦闘機３機がそれぞれセブから出撃。陸軍特攻万朶隊の九九式双軽３機がカロカンから出撃。11月13日、第三神風特攻正行隊の爆装戦闘機４機がマバラカットから出撃。陸軍特攻富嶽隊の四式重爆５機がマルコットから出撃。11月14日、第３神風特攻山本隊の爆装戦闘機２機がアンヘレスから出撃。神風銀河特攻烈風隊（第763航空隊攻撃第405飛行隊）の銀河２機がクラークから出撃。11月18日、神風聖武特攻第８聖武隊の爆装戦闘機５機がセブから出撃。陸軍特攻第二百戦隊の疾風４機が出撃。11月19日、第３神風特攻高徳隊の爆装戦闘機４機がマバラカットから出撃。神風聖武特攻第９聖武隊の爆装戦闘機４機がセブ島から出撃。11月21日、第３神風特攻第２高徳隊の爆装戦闘機６機がマバラカットから出撃。第５神風特攻強風隊の銀河３機がダバオから出撃。11月24日、陸軍特攻靖国隊の隼１機がシライから出撃。11月25日、第３神風特攻第３高徳隊の爆装戦闘機５機がニコルスから出撃。第３神風特攻笠置隊の爆装戦闘機５機がエチアゲから出撃。第３神風特攻吉野隊の爆装戦闘機６機と彗星２機がマバラカットから出撃。第５神風特攻強風隊の銀河２機がデゴスから出撃。第５神風特攻疾風隊の銀河４機がクラークから出撃。レイテ湾付近で吉野隊の攻撃によりCV-11イントレピッドに２機、CV-9エセックスに１機、CV-19ハンコックに破片、CVL-28キャボットに１機が命中して損傷させた。11月26日、陸軍薫空挺隊がレイテ島に突入。第３神風特攻右近隊の爆装戦闘機３機、第３神風特攻第10聖武隊の爆装戦闘機３機がそれぞれセブから出撃。陸軍特攻靖国隊の隼４機がシライから出撃。11月27日、第３神風特攻春日隊の爆装戦闘機３機と彗星２機がマバラカットから出撃。神風特攻第１御盾隊の零戦11機がサイパン島アスリート飛行場を攻撃。陸軍特攻八紘隊の隼10機が出撃。レイテ湾付近で八紘隊の攻撃によりSC-744に１機が命中して撃沈し、BB-45コロラド、CL-49セント・ルイスに２機ずつ命中、CL-57モンペリーに１機が至近命中して損傷させた。11月29日、陸軍特攻靖国隊の隼６機が出撃。レイテ湾でBB-46メリーランドに１機が命中、DD-465ソーフレイに１機が命中及び１機が至近命中、DD-569オーリックに１機が命中及び１機が至近命中して損傷させた。12月4日、第５神風特攻怒濤隊の銀河２機がデゴスから出撃。12月5日、第３神風特攻第11聖武隊の爆装戦闘機３機がセブから出撃。陸軍特攻石腸隊の九九式襲撃機７機と、陸軍特攻一宇隊の隼３機がそれぞれバコロドから出撃。陸軍特攻鉄心隊の九九式襲撃機３機がマニラから出撃。DD-366ドレイトンに１機、DD-389マグフォードに１機が命中して損傷させた。12月6日、陸軍挺進第３・第４連隊（高千穂降下部隊）がタクロバンとサンパブロに空挺特攻。第３神風特攻第１桜井隊の爆装戦闘機３機がセブから出撃。12月7日、第３神風特攻千早隊の爆装戦闘機４機と彗星４機がマバラカットから出撃。第３神風特攻第５桜井隊の爆装戦闘機４機と、第３神風特攻第７桜井隊の爆装戦闘機３機がそれぞれセブから出撃。第５神風特攻颱風隊の銀河６機がクラークから出撃。陸軍特攻勤皇隊の二式双発襲撃機10機、陸軍特攻一宇隊の隼２機、陸軍特攻護国隊の隼７機、陸軍特攻八紘隊の隼１機、陸軍特攻靖国隊の隼１機がそれぞれ出撃。レイテ湾でDD-364マハンに３機、上陸用高速輸送艦ワードに１機が命中して撃沈し、DD-367ラムソンに１機が命中、DE-206リドルに１機が至近命中、LST-318に１機が命中、LST-737に１機が命中して損傷させた。12月8日、陸軍特攻石腸隊の九九式襲撃機１機が出撃。12月10日、陸軍特攻勤皇隊の二式双発襲撃機３機がマニラから出撃。陸軍特攻丹心隊の隼６機がカロカンから出撃。レイテ付近でPT-323に１機が命中して撃沈し、DD-410ヒューズに１機が命中して損傷させた。12月11日、神風特攻第１金剛隊の爆装戦闘機４機がセブから出撃。レイテ付近でDD-369レイドに２機が命中して撃沈し、戦車揚陸艦に１機が命中して損傷させた。12月12日、陸軍特攻八紘隊・陸軍特攻石腸隊・陸軍特攻丹心隊の計４機が出撃。レイテ島付近でDD-605コールドウェルに１機が命中し、損傷させた。12月13日、神風特攻第２金剛隊の爆装戦闘機３機がセブから出撃。陸軍特攻一宇隊の隼１機と、陸軍特攻飛行第28戦隊の二式双発襲撃機２機がそれぞれ出撃。ミンドロ島付近でCL-43ナッシュヴィルとDD-585ハラデンに１機ずつが命中して損傷させた。12月14日、神風特攻第３金剛隊の銀河３機がセブから出撃。神風特攻第５金剛隊の爆装戦闘機３機がミライから出撃。神風特攻第６金剛隊の爆装戦闘機17機と彗星３機がマバラカットから出撃。陸軍特攻菊水隊の呑龍９機がクラークから出撃。12月15日、第５回風特攻第１草薙隊の銀河２機がデゴスから出撃。神風特攻第７金剛隊の爆装戦闘機６機がセブから出撃。神風特攻第９金剛隊の爆装戦闘機12機と彗星１機がマバラカットから出撃。神風特攻第10金剛隊の爆装戦闘機２機がダバオから出撃。陸軍特攻旭光隊の九九式双軽爆撃機１機が出撃。ミンドロ島付近でLST-472及びLST-738に１機ずつが命中して損傷させ（両艦とも後にアメリカ軍が処分）、CVE-77マーカス・アイランド、DD-590ポール・ハミルトン、DD-592ハワース、PT-223を至近命中で損傷させた。12月16日、神風特攻第11金剛隊の爆装戦闘機12機と彗星１機がマバラカットから出撃。陸軍特攻富嶽隊の四式重爆２機がクラークから出撃。陸軍特攻旭光隊の九九式双軽爆撃機１機と、陸軍特攻鉄心隊の九九式襲撃機（機数不明）がそれぞれマニラから出撃。12月17日、陸軍特攻丹心隊の隼２機と、陸軍特攻精華隊（機数不明）がそれぞれ出撃。ミンドロ島付近で魚雷艇PT-84を損傷させた。12月18日、陸軍特攻鉄心隊の九九式襲撃機１機が出撃。ミンドロ島付近で魚雷艇PT-300を損傷させた。12月20日、陸軍渡航精華隊の疾風２機、陸軍特攻万朶隊の九九式双軽１機、陸軍特攻若桜隊の九九式双軽１機がそれぞれ出撃。12月21日、陸軍特攻殉義隊の隼５機、陸軍特攻旭光隊の九九式双軽１機、陸軍特攻小泉隊の１機（機種不明）がそれぞれ出撃。ミンドロ島付近でLST-460とLST-749に１機ずつが命中して撃沈し、DD-511フートを損傷させた。12月22日、陸軍特攻殉義隊の隼２機と、陸軍特攻石腸隊の九九式襲撃機１機がそれぞれ出撃。ミンドロ島付近でDD-665ブライアントを損傷させた。12月26日、神風特攻金鵄隊の爆装戦闘機３機がアンヘレスから出撃。12月27日、神風特攻金鵄隊の爆装戦闘機３機がアンヘレスから出撃。12月28日、神風特攻第14金剛隊の爆装戦闘機３機がセブから出撃。神風特攻月光隊の月光１機が出撃。12月29日、神風特攻第15金剛隊の爆装戦闘機４機がバタングスから出撃。陸軍特攻鉄心隊の九九式襲撃機（機数不明）、陸軍特攻旭光隊の九九式双軽１機、陸軍特攻殉義隊の隼１機、陸軍特攻一誠隊の隼１機がそれぞれ出撃。12月30日、陸軍特攻進襲隊の九九式襲撃機５機と、陸軍特攻皇華隊の二式双発襲撃機１機がそれぞれ出撃。ミンドロ島付近で雑役特務艦ポーキュパインに１機が命中して撃沈し、DD-477プリングル、DD-608ギャンスヴァート、魚雷艇母艦オレステスに１機ずつが命中して損傷させた。昭和20年1月1日、神風特攻金鵄隊の零戦１機がアンヘレスから出撃。1月3日、神風特攻第30金剛隊の爆装戦闘機２機と、神風特攻月光隊の月光１機がそれぞれセブから出撃。ルソン島付近でアメリカ給油艦コワネスクに１機が命中し、損傷させた。1月4日、神風特攻旭日隊の彗星２機がサランガニから出撃。陸軍特攻一誠隊の隼２機と、陸軍特攻進襲隊の九九式襲撃機１機がそれぞれ出撃。CVE-79オマニー・ベイに旭日隊の１機が突入して大破させ（後にアメリカ軍が撃沈処分）、給油艦ロスディックに１機が突入して撃沈した。1月5日、神風特攻第18金剛隊の爆装戦闘機16機と、神風特攻旭日隊の爆装戦闘機４機、神風特攻第19金剛隊の爆装戦闘機15機がそれぞれマバラカットから出撃。陸軍特攻一誠隊の隼３機、陸軍特攻石腸隊の九九式襲撃機（機数不明）、陸軍特攻進襲隊の九九式襲撃機１機が出撃。CVE-61マニラ・ベイ、CVE-78サヴォ・アイランド、CA-28ルイヴィル、DD-388ヘルム、DE-411スタフォード、水上機母艦オルカ、掃海艇スクリナイジ、艦隊曳船アパッチ、オーストラリア海軍重巡オーストラリア、オーストラリア海軍駆逐艦アランタが１機ずつによる命中もしくは至近命中により損傷した。1月6日、神風特攻第20金剛隊の爆装戦闘機５機と神風特攻旭日隊の爆装戦闘機１機がそれぞれマバラカットから出撃。神風特攻第22金剛隊の爆装戦闘機５機がアンヘレスから出撃。神風特攻旭日隊の爆装戦闘機１機がリビから出撃。神風特攻八幡隊の天山１機がクラークから出撃。神風特攻第30金剛隊の爆装戦闘機３機がセブから出撃。神風特攻第23金剛隊の爆装戦闘機９機、神風特攻金鵄隊の爆装戦闘機１機、陸軍特攻鉄心隊の九九式襲撃機（機数不明）、陸軍特攻石腸隊の九九式襲撃機１機、陸軍特攻旭光隊の九九式双軽１機、陸軍特攻皇華隊の二式双発襲撃機１機、陸軍特攻皇魂隊の二式双発襲撃機１機がそれぞれ出撃。掃海駆逐艦ロングに１機が命中して撃沈し、BB-40ニューメキシコ、BB-44カリフォルニア、CA-28ルイヴィルに２機ずつが命中して損傷を与え、CA-36ミネアポリス、CL-56コロンビア、DD-692アレン・Ｍ・サムナー、DD-723ウォーク、DD-725オブライエン、DD-586ニューコム、DD-664リチャード・P・リーリィ、DD-770ローリー、高速掃海艦ポップギンス、高速輸送艦ブルックス、掃海駆逐艦サウザート、オーストラリア重巡オーストラリアに１機ずつが命中または至近命中し、損傷を与えた。1月7日、神風特攻第28金剛隊の爆装戦闘機８機と、神風特攻第29金剛隊の爆装戦闘機３機がそれぞれエチアゲから出撃。神風特攻旭日隊の爆装戦闘機１機がマバラカットから出撃。陸軍特攻殉義隊の隼１機と、陸軍特攻若桜隊九九式双軽（機数不明）がそれぞれ出撃。戦車揚陸艦LST-912と兵員輸送艦キャラウェイに１機ずつが命中し、損傷を与えた。1月8日、神風特攻八幡平の天山１機がクラークから出撃。陸軍特攻皇魂隊の二式双発襲撃機（機数不明）、陸軍特攻石腸隊の九九式襲撃機（機数不明）、陸軍特攻一誠隊の隼３機、陸軍特攻進襲隊の九九式襲撃機（機数不明）、陸軍特攻精華隊（機数・機種不明）がそれぞれ出撃。リンガエン湾付近でCVE-71キトカン・ベイに２機、CVE-76カダシャン・ベイに１機が命中し、損傷させた。1月9日、神風特攻第24金剛隊の爆装戦闘機１機がニコラスから出撃。神風特攻第25金剛隊の爆装戦闘機４機と、神風特攻第26金剛隊の爆装戦闘機２機がそれぞれツゲガラオから出撃。陸軍特攻一誠隊の隼２機が出撃。リンガエン湾付近でBB-41ミシシッピー、CL-56コロンビア、DE-231ホッジス、オーストラリア海軍重巡オーストラリアに１機ずつが命中して損傷させた。1月10日、陸軍特攻富嶽隊の四式重爆１機、陸軍特攻皇魂隊の二式双発襲撃機（機数不明）、陸軍特攻護国隊の隼１機、陸軍特攻皇華隊の二式双発襲撃機１機、陸軍特攻精華隊（機種・機数不明）がそれぞれ出撃。リンガエン湾付近で護衛駆逐艦リレイ・ウィルソン、上陸作戦兵員輸送艦デュページに１機ずつが命中して損傷させた。1月11日、陸軍特攻によりリンガエン湾付近で上陸用高速輸送艦ベルナップを損傷させた。1月12日、陸軍特攻富嶽隊の四式重爆（機数不明）、陸軍特攻旭光隊の九九式双軽（機数不明）、陸軍特攻精華隊（機種・機数不明）、陸軍特攻皇華隊の二式双発襲撃機（機数不明）、陸軍特攻小泉隊（機種・機数不明）がそれぞれ出撃。DE-508ギリガン、DE-342リチャード・Ｗ・シューセンズ、上陸作戦兵員輸送艦ゼイリン、戦車揚陸艦LST-700に１機ずつが命中して損傷させた。1月13日、陸軍特攻精華隊（機種・機数不明）が出撃。フィリピン沖でCVE-96サラマウアを損傷させた。1月15日、神風特攻第一新高隊の爆装戦闘機８機が台中から出撃。1月21日、神風特攻一航艦零戦隊の爆装戦闘機２機と、神風特攻新高隊の彗星８機がそれぞれ台南から出撃。神風特攻第３新高隊の爆装戦闘機７機がツゲガラオから出撃。新高隊の攻撃により、台湾東方でCV-14タイコンデロガ、CVL-27ラングレイ、DD-731マドックスを損傷させた。1月25日、神風特攻第27金剛隊の爆装戦闘機２機がツゲガラオから出撃。2月21日、神風特攻第２御盾隊の彗星12機、天山８機が出撃。硫黄島付近でCVE-95ビスマーク・シーを撃沈し、CV-3サラトガ、CVE-94ルンガ・ポイント、防潜網輸送艦キオクク、LST-477、LST-809を損傷させた。3月11日、神風特攻菊水部隊梓特攻隊の銀河24機が鹿屋から出撃してウルシーを攻撃。CV-15ランドルフに１機が命中して損傷させた。3月18日、神風特攻菊水彗星隊の彗星27機が第１・第２国分から出撃。神風特攻菊水銀河隊の銀河16機が大分・鹿屋などから出撃。九州南端の東方100海里でCV-6エンタープライズ、CV-10ヨークタウン、CV-11イントレピッドを損傷させた。3月19日、神風特攻菊水彗星隊の彗星23機が第１・第２国分から出撃。神風特攻菊水銀河隊の銀河８機が鹿屋・出水から出撃。九州東方でCV-13フランクリンを損傷させた。3月20日、神風特攻菊水彗星隊の彗星17機が第１・第２国分から出撃。神風特攻菊水銀河隊の銀河３機が鹿屋・大分から出撃。九州東方でDD-686ハルゼイ・ポーウェルを損傷させた。3月21日、第１神雷攻撃隊の一式陸攻18機、第１神雷桜花隊の桜花16機が鹿屋から出撃。第１神雷戦闘機隊の零戦30機が鹿屋から出撃。神風特攻菊水銀河隊の銀河15機が鹿屋、出水、宮崎から出撃。2月24日、神風特攻小禄彗星隊の彗星２機が小禄から出撃。3月25日、神風特攻小禄彗星隊の彗星２機が小禄から出撃。神風特攻勇武隊の銀河５機と、神風特攻忠誠隊の彗星１機がそれぞれ台中から出撃。基地航空隊と協同で、沖縄方面で敷設駆逐艦ギルマー、ヌードセンを損傷させた。3月26日、陸軍特攻誠第17飛行隊の九九式襲撃機６機と、陸軍特攻独立第23中隊の飛燕６機がそれぞれ石垣から出撃。基地航空部隊と共同で、BB-36ネヴァダ、CL-80ビロキシ、DD-682ポーターフィールド、DD-725オブライエン、駆逐艦マーリイ、キャラガン、DE-633フォーアマン、掃海駆逐艦ドルシー、敷設艦スカーミッシュを損傷させた。3月27日、神風特攻第２菊水彗星隊の彗星12機が喜界島から出撃。神風特攻第１銀河隊の銀河７機が宮崎から出撃。陸軍特攻誠第32飛行隊の九九式襲撃機９機と、陸軍特攻赤心隊の九九式軍偵察機２機がそれぞれ沖縄の中飛行場から出撃。沖縄方面で掃海駆逐艦サウザート、敷設駆逐艦アダムスを損傷させた。3月28日、陸軍特攻赤心隊の九九式軍偵察機（機数不明）が沖縄中飛行場から出撃。3月29日、神風特攻第二菊水彗星隊の彗星４機が第１国分から出撃。陸軍特攻誠第17飛行隊の九九式襲撃機１機が石垣から出撃。陸軍特攻誠第41飛行隊の九七式戦闘機４機が沖縄の中飛行場から出撃。3月31日、陸軍特攻誠第39飛行隊の隼５機が徳之島から出撃。4月1日、神風特攻第２神雷攻撃隊の一式陸攻６機と、神風特攻第２神雷桜花隊の桜花３機が鹿屋から出撃。神風特攻第１大義隊の爆装戦闘機６機と、陸軍特攻飛行第17戦隊の飛燕７機、陸軍特攻誠第17飛行隊の九九式襲撃機（機数不明）がそれぞれ石垣から出撃。神風特攻忠誠隊の彗星４機が新竹から出撃。陸軍特攻誠第39飛行隊の隼６機が新田原から出撃。陸軍特攻第20振武隊の隼４機が知覧から出撃。陸軍特攻飛行第65戦隊の隼１機が出撃。基地攻撃隊との共同により、沖縄付近でBB-48ウェスト・バージニア、DD-561プリチェット、掃海艇スカーミッシュ、上陸作戦資材輸送艦アカーナー、ティレル、上陸作戦用輸送艦エルモア、ビンスデール、アルパイン、LST-724、LST-884、イギリス空母10インディファティガブル、92インドミタブル、イギリス駆逐艦ワルスターを損傷させた。4月2日、神風特攻第２大義隊の爆装戦闘機７機が石垣から出撃。神風特攻第１建武隊の爆装戦闘機30機が鹿屋から出撃。神風特攻第２銀河隊の銀河５機が宮崎から出撃。陸軍特攻誠第114飛行隊の二式双発襲撃機８機が宮古から出撃。陸軍特攻第20振武隊の隼２機と、陸軍特攻飛行第66戦隊の九九式襲撃機１機がそれぞれ徳之島から出撃。基地航空隊と共同で、沖縄付近においてDD-561プリチェット、DE-633フェアマン、上陸作戦用輸送艦チルトン、ヘンリコ、グッドヒュー、テルフェア、LST-599に損傷を与えた。4月3日、神風特攻第２建武隊の爆装戦闘機22機が鹿屋から出撃。神風特攻第３御盾隊第252部隊の第252航空隊爆装零戦（五二型丙の20mm機関砲を外して50番通常爆弾を搭載）４機と彗星３機、神風特攻第３御盾601部隊の彗星17機が第１国分から出撃。第３御盾隊第252部隊のうち爆戦２機は目標を発見できず第１国分基地に戻っている。神風特攻第３銀河隊の銀河８機が宮崎から出撃。神風特攻忠誠隊の彗星４機が新竹から出撃。神風特攻第３大義隊の爆装戦闘機３機と、陸軍特攻飛行第105戦隊の飛燕６機がそれぞれ石垣から出撃。陸軍特攻誠第32飛行隊の九九式襲撃機６機が新田原から出撃。陸軍特攻第22振武隊の隼１機と、陸軍特攻第23振武隊の九九式襲撃機５機が知覧から出撃。陸軍特攻第62振武隊の九九式襲撃機３機が万世から出撃。基地航空隊と共同で、沖縄付近に於いてCVE-65ウェーク・アイランド、DD-577スプロストン、DD-455ハンブルトンを損傷させた。4月4日、神風特攻第４大義隊の爆装戦闘機６機が石垣から出撃。沖縄付近で、上陸用高速輸送艦ディッカースンに１機が突入して撃沈した。4月5日、神風特攻第５大義隊の爆装戦闘機１機と、爆装戦闘機３機がそれぞれ石垣から出撃。陸軍特攻第21振武隊の隼１機が知覧から出撃。4月6日、菊水１号作戦発動。神風特攻忠誠隊の彗星３機が新竹から出撃。神風特攻勇武隊の銀河４機が台南から出撃。神風特攻第３建武隊の爆装戦闘機19機と、神風特攻第１筑波隊・神風特攻第１神剣隊・神風特攻第１七生隊の爆装戦闘機計46機がそれぞれ鹿屋から出撃。神風特攻第３御盾252部隊の爆装戦闘機20機と、神風特攻第３御盾252部隊・神風特攻第３御盾601部隊・神風特攻第201彗星隊の彗星計24機がそれぞれ第１国分から出撃。神風特攻菊水天山隊・神風特攻第３御盾天山隊の天山計16機が串良（菊水天山隊の一部は出撃基地不明）から出撃。神風特攻第１八幡護皇隊・神風特攻第１護皇白鷺隊の九七式艦攻30機が串良から出撃。神風特攻第１正統隊・神風特攻第１八幡護皇隊・神風特攻第１草薙隊の九九式艦爆49機が第２国分から出撃。陸軍特攻誠第36飛行隊の九八式直協10機と、陸軍特攻誠第37飛行隊の九八式直協９機、陸軍特攻第38飛行隊の九八式直協７機がそれぞれ新田原から出撃。陸軍特攻第22振武隊の隼２機、陸軍特攻第43振武隊の隼５機、陸軍特攻第44振武隊の隼４機が知覧から出撃。陸軍特攻第62振武隊の九九式襲撃機５機と、陸軍特攻第73振武隊の九九式襲撃機12機が万世から出撃。陸軍特攻第１特別振武隊の疾風８機が都城西から出撃。DD-529ブッシュ、給弾艦ローガンビクトリア、給弾艦ホップスビクトリアを撃沈、DD-801コルフウン、掃海駆逐艦エモンズ、LST-447を行動不能（後にアメリカ軍が処分）とし、CVL-30サン・ジャシント、DD-417モリス、DD-476ハッチングス、DD-473ベネット、DD-481ロイツェ、DD-528マラニー、DD-573ハリスン、DD-586ニューコム、DD-592ハワース、DD-700ヘインスワース、DD-732ハイマン、DD-746タウシッグ、DE-636ウィッター、DE-640フィーバーリング、DD-456ロッドマン、DD-625ハーディング、掃海艇ファシリティ、ディフェンス、ラムソン、デバステーター、掃海特務艇YMS-311、YMS-321に損傷を与えた。4月7日、沖縄海上特攻部隊が壊滅。神風特攻第４建武隊の爆装戦闘機12機と、陸軍特攻司偵振武隊の百式司偵２機がそれぞれ鹿屋から出撃。神風特攻第３御盾601隊の彗星11機と、神風特攻第３御盾252隊の爆装戦闘機18機がそれぞれ第１国分から出撃。神風特攻第３御盾706隊・神風特攻第４銀河隊の銀河12機が宮崎から出撃。陸軍特攻第22振武隊の隼１機と、陸軍特攻第46振武隊の九九式襲撃機５機がそれぞれ喜界島から出撃。陸軍特攻第29振武隊の隼１機が知覧から出撃。陸軍特攻第44振武隊の隼２機が徳之島から出撃。陸軍特攻第74振武隊の九九式襲撃機７機と、陸軍特攻第75振武隊の九九式襲撃機４機がそれぞれ万世から出撃。沖縄付近でCV-19ハンコック、BB-46メリーランド、DD-559ロングショー、DE-184ウェスン、YMS-81を損傷させた。4月8日、陸軍特攻誠第17飛行隊の九九式襲撃機１機が石垣から出撃。陸軍特攻第29振武隊の隼１機と、陸軍特攻第68振武隊の九七式戦闘機２機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第42振武隊の九七式戦闘機４機が喜界島から出撃。沖縄付近でDD-802を損傷させた。4月9日、陸軍特攻飛行第105戦隊の九七式戦闘機１機が石垣から出撃。陸軍特攻第42振武隊の九七式戦闘機３機と、陸軍特攻第68振武隊の九七式戦闘機１機がそれぞれ喜界島から出撃。DD-407ステレットを損傷させた。4月10日、陸軍特攻第30振武隊の九九式襲撃機１機が徳之島から出撃。4月11日、神風特攻第５建武隊の爆装戦闘機16機が鹿屋から出撃。神風特攻第５銀河隊の銀河17機が宮崎から出撃。神風特攻第３御盾252隊・神風特攻第３御盾601隊・神風特攻第210零戦隊の爆装戦闘機計34機と、神風特攻第３御盾252隊・神風特攻第210彗星隊の彗星計９機がそれぞれ第１国分から出撃。第３御盾252隊の爆戦（零戦に50番通常爆弾搭載）は６機が出撃し、１機が離陸に失敗して中破、２機が未帰還、３機が目標を発見できず引き返し喜界島に不時着している。陸軍特攻飛行第19戦隊の飛燕３機と、陸軍特攻飛行第105戦隊の飛燕２機が宜蘭からそれぞれ出撃。陸軍特攻第22振武隊の隼１機が徳之島から出撃。陸軍特攻第46振武隊の九九式襲撃機１機が喜界島から出撃。基地航空隊と共同で、沖縄付近においてBB-63ミズーリ、CV-6エンタープライズ、CV-9エセックス、DD-642ヘール、駆逐艦ブラード、DD-661キッド、DD-702ハンク、DE-36マンラブ、DE-183サミュエル・Ｓ・マイルズを損傷させた。4月12日、菊水２号作戦を開始。神風特攻常盤忠華隊・神風特攻第２護皇白鷺隊・神風特攻第２八幡護皇隊の九七式艦攻計22機が串良から出撃。第３神風特攻神雷桜花隊の桜花８機と第３神風特攻神雷攻撃隊の一式陸攻８機が鹿屋から出撃。陸軍特攻司偵振武隊の百式司偵２機が鹿屋から出撃。神風特攻第２八幡護皇隊・神風特攻第２草薙隊・神風特攻第２至誠隊の九九式艦爆計20機と、神風特攻第２七生隊の爆装戦闘機19機がそれぞれ串良から出撃。陸軍特攻誠第16飛行隊の隼１機が出撃。陸軍特攻誠第26戦隊の隼１機が出撃。陸軍特攻第20振武隊の隼３機と、陸軍特攻第43振武隊の隼３機、陸軍特攻第103振武隊の九九式襲撃機11機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第46振武隊の九九式襲撃機１機が出撃。陸軍特攻第62振武隊の九九式襲撃機２機、陸軍特攻第75振武隊の九九式襲撃機４機、陸軍特攻第102振武隊の九九式襲撃機12機、陸軍特攻第74振武隊の九九式襲撃機１機、陸軍特攻第104振武隊の九九式襲撃機７機がそれぞれ万世から出撃。陸軍特攻第１特別振武隊の疾風２機が都城西から出撃。沖縄付近でDD-733マンナート・Ｌ・エーブルと上陸支援艇33号を撃沈し、BB-42アイダホ、BB-43テネシー、DD-478スタンリー、DD-734パーディ、DD-777ゼラース、DD-793キャッシン・ヤング、DE-185リドル、DE-304ロール、DE-412ウォルター・Ｃ・ワン、DE-634ホワイトハースト、敷設駆逐艦リンゼイ、掃海駆逐艦ジェファーズ、掃海艇グラディエイターを損傷させた。4月13日、神風特攻第９大義隊の爆装戦闘機28機が台中及び石垣から出撃。陸軍特攻第30振武隊の九九式襲撃機１機と、陸軍特攻第46振武隊の九九式襲撃機１機が喜界島から出撃。陸軍特攻第74振武隊の九九式襲撃機４機と、陸軍特攻第75振武隊の九九式襲撃機１機、陸軍特攻第104振武隊の九九式襲撃機５機が万世から出撃。陸軍特攻第103振武隊の九九式襲撃機５機と、陸軍特攻第107振武隊の九七式戦闘機５機が知覧から出撃。沖縄付近でDE-306コノリーを損傷させた。4月14日、第４神風特攻神雷桜花隊の桜花７機と第４神風特攻神雷攻撃隊の一式陸攻７機が鹿屋から出撃。神風特攻第６建武隊・神風特攻第１昭和隊・神風特攻第２筑波隊の爆装戦闘機計21機と、神風特攻第２神剣隊の爆装戦闘機９機がそれぞれ鹿屋から出撃。神風特攻第10大義隊の爆装戦闘機６機が石垣から出撃。陸軍特攻第29振武隊の隼２機が喜界島から出撃。沖縄付近でBB-34ニューヨーク、DD-502シグスビー、駆逐艦ダシール、DD-674ハントを損傷させた。4月15日、神風特攻第３御盾601隊の零戦10機が第１国分から出撃。陸軍特攻第30振武隊の九九式襲撃機１機と、陸軍特攻第46振武隊の九九式襲撃機１機がそれぞれ喜界島から出撃。4月16日、菊水３号作戦発動。第５神風特攻神雷桜花隊の桜花６機、第５神風特攻神雷攻撃隊の一式陸攻６機が鹿屋から出撃。神風特攻第２昭和隊・神風特攻第３七生隊・神風特攻第３神剣隊の爆装戦闘機計20機が鹿屋から出撃。神風特攻第７建武隊の爆装戦闘機12機、神風特攻第３昭和隊の爆装戦闘機４機、神風特攻第４七生隊の爆装戦闘機12機、神風特攻第４神剣隊の爆装戦闘機４機、神風特攻第３筑波隊の爆装戦闘機10機、神風特攻第４昭和隊の爆装戦闘機８機、神風特攻第７建武隊の爆装戦闘機12機がそれぞれ鹿屋から出撃。神風特攻皇華隊・神風特攻第３護皇白鷺隊・神風特攻第３八幡護皇隊の九七式艦攻計12機が串良から出撃。神風特攻天桜隊・神風特攻菊水天桜隊の天山計９機が串良から出撃。神風特攻第３八幡護皇隊の九九式艦爆17機が第２国分から出撃。神風特攻第２菊水彗星隊の彗星10機と神風特攻第３御盾601隊の爆装戦闘機４機がそれぞれ第１国分から出撃。宮崎から神風特攻第６銀河隊、出水から神風特攻第７銀河隊の銀河計20機が出撃。神風特攻忠誠隊の彗星５機が新竹から出撃。陸軍特攻誠第33飛行隊の疾風１機が桃園から出撃。陸軍特攻第36振武隊の九九式高等練習機１機、陸軍特攻第38振武隊の九九式高等練習機１機、陸軍特攻第40振武隊の九七式戦闘機６機、陸軍特攻第42振武隊の九七式戦闘機１機、陸軍特攻第69振武隊の九七式戦闘機１機、陸軍特攻第79振武隊の九九式高等練習機10機、陸軍特攻第106振武隊の九七式戦闘機９機、陸軍特攻第107振武隊の九七式戦闘機10機、陸軍特攻第108振武隊の九七式戦闘機11機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第75振武隊の九九式襲撃機２機が万世から出撃。沖縄付近でDD-477ピリングルを撃沈し、CV-11イントレピッド、BB-63ミズーリ、DD-665ブライアント、DD-408ウィルスン、DD-724ラッフェイ、DE-637バウアース、DD-464ホブスン、DD-625ハーディング、給油艦タルーガ、LST-407を損傷させた。4月17日、神風特攻第３御盾601隊の彗星５機と爆装戦闘機４機、神風特攻第３御盾252隊の彗星10機と爆装戦闘機14機がそれぞれ第１国分から出撃。第３御盾252隊の爆戦は３機が未帰還となり、帰ってきた３機は風防が閉まらない、油圧低下、増槽燃料吸い上げ不良と全機故障していた。神風特攻第８銀河隊の銀河４機が出水から出撃。神風特攻第12大義隊の爆装戦闘機７機が石垣から出撃。陸軍特攻飛行第62戦隊の四式重爆２機が鹿屋から出撃。4月18日、陸軍特攻飛行第19戦隊の飛燕２機が石垣から出撃。4月22日、神風特攻第３御盾252隊の爆装戦闘機16機（９機？）と彗星５機がそれぞれ第１国分から出撃。第３御盾252隊の爆戦のうち未帰還は３機で、帰還した内10機はエンジン不調、油圧トラブル、燃料・潤滑油噴出、増槽からの燃料吸い上げ不能、主脚収容不能といった故障にみまわれていた。陸軍特攻飛行第19戦隊の飛燕３機が宜蘭から出撃。陸軍特攻第31振武隊の九九式襲撃機１機、陸軍特攻第79振武隊の九九式高等練習機１機、陸軍特攻第80振武隊の九九式高等練習機11機、陸軍特攻第81振武隊の九九式高等練習機11機、陸軍特攻第105振武隊の九七式戦闘機６機、陸軍特攻第109振武隊の九七式戦闘機４機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻誠第119飛行隊の二式復座戦闘機５機が桃園から出撃。沖縄付近で掃海艇スワローを撃沈し、DD-475ハドスン、DD-516ワッズワース、DD-520イシャーウッド、敷設駆逐艦シェー、掃海艇ランソム、掃海艇グラディエーターを損傷させた。4月23日、陸軍特攻第103振武隊の九九式襲撃機１機が知覧から出撃。陸軍特攻第105振武隊の九七式戦闘機１機が徳之島から出撃。4月26日、陸軍特攻第81振武隊の九九式高等練習機１機が知覧から出撃。陸軍特攻飛行第110戦隊の四式重爆２機が出撃。4月27日、陸軍特攻第36振武隊の九九式高等練習機１機と、陸軍特攻第80振武隊の九九式高等練習機１機、陸軍特攻第109振武隊の九七式戦闘機１機が知覧から出撃。陸軍特攻誠第33飛行隊の疾風５機が桃園から出撃。沖縄付近でDD-390ラルフ・タルボット、DE-635イングランド、上陸用高速輸送艦ラスバーンを損傷させた。4月28日、菊水４号作戦を発動。第６神風特攻神雷桜花隊の桜花４機と一式陸攻４機が鹿屋から出撃。神風特攻八幡神忠隊・神風特攻第１正気隊・神風特攻白鷺赤忠隊の九七式艦攻計12機が串良から出撃。神風特攻第３草薙隊・神風特攻第２正統隊の九九式艦爆計22機が第２国分から出撃。神風特攻忠誠隊の彗星６機が新竹から出撃。神風特攻第15大義隊の爆装戦闘機３機と、神風特攻第16大義隊の爆装戦闘機８機がそれぞれ石垣から出撃。陸軍特攻第61振武隊の疾風７機が都城東から出撃。陸軍特攻第67振武隊の九七式戦闘機６機と、陸軍特攻第76振武隊の九七式戦闘機６機、陸軍特攻第77振武隊の九七式戦闘機８機、陸軍特攻第106振武隊の九七式戦闘機３機、陸軍特攻第108振武隊の九七式戦闘機１機、陸軍特攻第109振武隊の九七式戦闘機２機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第102振武隊の九九式襲撃機１機が万世から出撃。陸軍特攻飛行隊105戦隊の飛燕４機が宜蘭から出撃。陸軍特攻誠第119飛行隊の二式複座戦闘機屠龍が桃園から出撃。陸軍特攻第116飛行隊の九七式戦闘機２機が宮古から出撃。陸軍特攻第34飛行隊の疾風４機が台中から出撃。陸軍特攻第104振武隊の九九式襲撃機１機が出撃。沖縄付近でDD-516ワッズワース、DD-513デリー、DD-591トゥイッグス、DD-662ベニオン、DD-636バトラーを損傷させた。4月29日、神風特攻第４筑波隊の爆装戦闘機６機と、神風特攻第５七生隊の爆装戦闘機６機、神風特攻第５昭和隊の爆装戦闘機９機、神風特攻第９建武隊の爆装戦闘機12機が鹿屋から出撃。神風特攻琴平水心隊の水上偵察機２機が指宿から出撃。陸軍特攻第18振武隊の隼６機、陸軍特攻第19振武隊の隼５機、陸軍特攻第24振武隊の二式双発襲撃機（機数不明）が知覧から出撃。陸軍特攻第77振武隊の九七式戦闘機１機が徳之島から出撃。沖縄付近でDD-531ヘイズルウッド、駆逐艦ハーガッド、敷設駆逐艦シャノン、敷設駆逐艦ハリー・F・バウアーを損傷させた。4月30日、陸軍特攻飛行第19戦隊の飛燕１機が石垣から出撃。沖縄付近でDD-662ベニオン、敷設艦テラーを損傷させた。5月1日、陸軍特攻独立飛行第23中隊の飛燕２機が花蓮港から出撃。5月3日、神風特攻振天隊の九九式艦爆４機と九七式艦攻２機、神風特攻帰一隊の天山４機が新竹から出撃。陸軍特攻誠第35飛行隊の疾風５機と、陸軍特攻誠第123飛行隊の二式複座戦闘機１機がそれぞれ台中から出撃。陸軍特攻飛行第17戦隊の飛燕４機が花蓮港から出撃。陸軍特攻飛行第20戦隊の隼５機が龍潭から出撃。沖縄付近でDD-522リュース、DD-560モリソン、DD-803リトルを撃沈し、CL-62バーミンガム、DD-470バッチ、DD-694イングラハム、DD-770ローリー、掃海駆逐艦マッコム、敷設駆逐艦アーロン・ワードを損傷させた。5月4日、菊水５号作戦開始。第７神風特攻神雷桜花隊の桜花７機と第７神風特攻神雷攻撃隊の一式陸攻７機、神風特攻第５神剣隊の爆装戦闘機20機が鹿屋から出撃。神風特攻第17大義隊の爆装戦闘機21機が宜蘭から出撃。神風特攻琴平水心隊・神風特攻第１魁隊の水上偵察機計28機が指宿から出撃。神風特攻第２正気隊・神風特攻白鷺揚武隊・神風特攻八幡揚武隊の九七式艦攻計10機が串良から出撃。神風特攻振天隊の九九式艦爆３機と、神風特攻忠誠隊の彗星４機がそれぞれ新竹から出撃。陸軍特攻第18振武隊の隼１機、陸軍特攻第19振武隊の隼５機、陸軍特攻第20振武隊の隼１機、陸軍特攻第24振武隊の二式複座戦闘機１機、陸軍特攻第42振武隊の九七式戦闘機１機、陸軍特攻第77振武隊の九七式戦闘機１機、陸軍特攻第78振武隊の九七式戦闘機６機、陸軍特攻第105振武隊の九七式戦闘機２機、陸軍特攻第106振武隊の九七式戦闘機１機、陸軍特攻第109振武隊の九七式戦闘機２機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第60振武隊の疾風６機が都城東から出撃。陸軍特攻第66振武隊の九七式戦闘機３機が万世から出撃。陸軍特攻誠第34飛行隊の疾風６機が台中から出撃。陸軍特攻誠第120飛行隊の疾風３機と、陸軍特攻誠第123飛行隊の二式複座戦闘機１機がそれぞれ八塊から出撃。陸軍特攻飛行第19戦隊の飛燕２機と、陸軍特攻飛行第105戦隊の飛燕２機がそれぞれ宜蘭から出撃。沖縄付近で艦番号67フォーミダブル、艦番号92インドミタブル、ACV-26サンガモン、DD-547コウェル、DM-33グウィン、掃海駆逐艦ホプキンズ、掃海艇ゲーティを損傷させた。5月5日、沖縄付近で水上機母艦セント・ジョージ、測量艦パスファインダーを損傷させた。5月6日、陸軍特攻第49振武隊の隼３機と、陸軍特攻第51振武隊の隼１機、陸軍特攻第55振武隊の飛燕３機、陸軍特攻第56振武隊の飛燕４機がそれぞれ知覧から出撃。5月9日、神風特攻忠誠隊の彗星２機が新竹から出撃。神風特攻忠誠隊の九六式艦爆３機、神風特攻振天隊の九九式艦爆２機、神風特攻第18大義隊の爆装戦闘機７機がそれぞれ宜蘭から出撃。陸軍特攻誠第33飛行隊の疾風１機と、陸軍特攻誠第34飛行隊の疾風１機、陸軍特攻誠第35飛行隊の疾風１機、陸軍特攻誠第123飛行隊の二式複座戦闘機１機がそれぞれ台中から出撃。沖縄付近で艦番号38ヴィクトリアス、艦番号67フォーミダブル、護衛駆逐艦オウバレンダー、DE-635イングランドを損傷させた。5月10日、沖縄付近でDD-546ブラウン、敷設駆逐艦ハリー・F・バウアーを損傷させた。5月11日、第８神風特攻神雷桜花隊の桜花４機と第８神風特攻神雷攻撃隊の一式陸攻４機が鹿屋から出撃。神風特攻第６神剣隊・神風特攻第６昭和隊・神風特攻第10建武隊・神風特攻第７昭和隊・神風特攻第５筑波隊・神風特攻第７七生隊の爆装戦闘機計37機が鹿屋から出撃。神風特攻第９銀河隊の銀河８機が宮崎から出撃。神風特攻菊水雷桜隊の天山18機が串良から出撃。神風特攻第２魁隊の水上偵察機６機が指宿から出撃。陸軍特攻第41振武隊の九七式戦闘機１機、陸軍特攻第44振武隊の隼１機、陸軍特攻第49振武隊の隼２機、陸軍特攻第51振武隊の隼７機、陸軍特攻第52振武隊の隼３機、陸軍特攻第53振武隊の飛燕３機、陸軍特攻第56振武隊の飛燕３機、陸軍特攻第65振武隊の九七式戦闘機３機、陸軍特攻第70振武隊の隼３機、陸軍特攻第76振武隊の九七式戦闘機３機、陸軍特攻第78振武隊の九七式戦闘機１機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第60振武隊の疾風３機と、陸軍特攻第61振武隊の疾風３機がそれぞれ都城東から出撃。沖縄付近でCV-17バンカーヒル、DD-552エヴァンス、DD-774ヒュー・Ｗ・ハットリーを損傷させた。5月12日、神風特攻第３正気隊の九七式艦攻１機が串良から出撃。陸軍特攻誠第120飛行隊の疾風２機と、陸軍特攻誠第123飛行隊の二式複座戦闘機１機がそれぞれ八塊から出撃。沖縄付近でBB-40ニューメキシコを損傷させた。5月13日、神風特攻振天隊の九七式艦攻２機が新竹から出撃。神風特攻忠誠隊の九六式艦爆５機と、同１機、陸軍特攻誠第26飛行隊の隼３機がそれぞれ宜蘭から出撃。陸軍特攻誠第31飛行隊の九九式襲撃機３機が八塊から出撃。沖縄付近でCV-6エンタープライズ、駆逐艦バッチ、DE-747ブライトを損傷させた。5月14日、神風特攻第６筑波隊・神風特攻第11建武隊・神風特攻第６筑波隊・神風特攻第８七生隊の爆装戦闘機計28機が鹿屋から出撃。陸軍特攻司偵振武隊の百式司偵３機が蓆田から出撃。5月15日、神風特攻振天隊の九七式艦攻２機が新竹から出撃。神風特攻振天隊の九九式艦爆２機と、神風特攻忠誠隊の九六式艦爆２機がそれぞれ宜蘭から出撃。5月17日、神風特攻忠誠隊の九六式艦爆１機が宜蘭から出撃。陸軍特攻誠第31飛行隊の九九式軍偵察機（機数不明）が八塊から出撃。陸軍特攻誠第26戦隊の隼４機が花蓮港から出撃。沖縄付近でDD-779ダグラス・H・フォックスを損傷させた。5月18日、陸軍特攻第53振武隊の隼８機が知覧から出撃。陸軍特攻飛行第19戦隊の飛燕３機が宜蘭から出撃。沖縄付近で輸送駆逐艦システムを損傷させた。5月20日、陸軍特攻第50振武隊の飛燕９機が知覧から出撃。陸軍特攻誠第204戦隊の隼５機が八塊から出撃。沖縄付近でDD-514サッチャー、DE-339ジョン・Ｃ・バトラー、DE-158チェース、DE-233レジスター、LST-808を損傷させた。5月21日、陸軍特攻飛行第19戦隊の飛燕２機が宜蘭から出撃。陸軍特攻飛行第29戦隊の疾風３機と、陸軍特攻誠第34飛行隊の疾風１機がそれぞれ台中から出撃。5月24日、菊水７号作戦開始。陸軍義烈空挺隊が沖縄に空挺特攻を実施。神風特攻菊水白菊隊の白菊20機が鹿屋から出撃。神風特攻12航戦二座水偵隊の水上偵察機２機が指宿から出撃。陸軍特攻誠第71飛行隊の九九式襲撃機が八塊から出撃。5月25日、神風特攻第10銀河隊の銀河21機が宮崎から出撃。神風特攻第10銀河隊の銀河１機が美保から出撃。串良から神風特攻徳島第１白菊隊・鹿屋から神風特攻菊水白菊隊の白菊計29機が出撃。神風特攻第３正統隊の九九式艦爆10機が第２国分から出撃。第９神風特攻神雷桜花隊の桜花12機と、第９神風特攻神雷攻撃隊の一式陸上攻撃機12機が鹿屋から出撃。陸軍特攻第26振武隊の疾風２機、陸軍特攻第29振武隊の隼２機、陸軍特攻第49振武隊の隼２機、陸軍特攻第50振武隊の隼２機、陸軍特攻第52振武隊の隼５機、陸軍特攻第54振武隊の飛燕６機、陸軍特攻第55振武隊の飛燕２機、陸軍特攻第56振武隊の飛燕２機、陸軍特攻第70振武隊の隼３機、陸軍特攻第78振武隊の九七式戦闘機３機、陸軍特攻第105振武隊の九七式戦闘機２機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第57振武隊の疾風11機、陸軍特攻第58振武隊の疾風10機、陸軍特攻第60振武隊の疾風１機、陸軍特攻第61振武隊の疾風１機がそれぞれ都城東から出撃。陸軍特攻第66振武隊の九七式戦闘機２機と陸軍特攻第432振武隊の二式高等練習機２機、陸軍特攻第433振武隊の二式高等練習機５機が万世から出撃。陸軍特攻飛行第62戦隊の四式重爆２機が大刀洗から出撃。沖縄付近でDE-68ベイツを撃沈し、DD-472ゲスト、DD-780ストームス、輸送駆逐艦ロウパー、DE-188オーネイル、DE-641ウィリアム・Ｃ・コール、DD-636バトラー、掃海艇スペクタクル、輸送駆逐艦バリー、輸送駆逐艦シスムを損傷させた。5月26日、陸軍特攻第21振武隊の隼１機が喜界島から出撃。陸軍特攻第110振武隊の飛燕６機が知覧から出撃。沖縄付近でDD-515アンソニー、DD-630ブレイン、DD-461フォレスト、駆潜艇PC-1603、測量艦ダットンを損傷させた。5月27日、菊水８号作戦開始。神風特攻菊水白菊隊の白菊20機が鹿屋から出撃。陸軍特攻第72振武隊の九九式襲撃機（機数不明）が万世から出撃。陸軍特攻第431振武隊の九七式戦闘機５機が知覧から出撃。基地航空隊と共同で、沖縄付近においてDE-508ギリガン、掃海駆逐艦サウサード、掃海艇ゲーティ、輸送駆逐艦ロイ、輸送駆逐艦レッドノア、上陸作戦用輸送艦サンドーヴァル、消磁船YDG-10を損傷させた。5月28日、神風特攻徳島第２白菊隊の白菊11機が串良から出撃。神風特攻琴平水心隊の水上偵察機15機が指宿から出撃。陸軍特攻第45振武隊の二式複座戦闘機10機、陸軍特攻第48振武隊の隼２機、陸軍特攻第50振武隊の隼１機、陸軍特攻第50振武隊の隼１機、陸軍特攻第51振武隊の隼１機、陸軍特攻第52振武隊の隼３機、陸軍特攻第54振武隊の飛燕３機、陸軍特攻第55振武隊の飛燕１機、陸軍特攻第70振武隊の隼３機、陸軍特攻第213振武隊の二式高等練習機２機、陸軍特攻第431振武隊の二式高等練習機２機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第58振武隊の疾風１機と、陸軍特攻第59振武隊の疾風３機が都城東からそれぞれ出撃。陸軍特攻第432振武隊の二式高等練習機８機と、陸軍特攻第433振武隊の二式高等練習機５機が万世から出撃。沖縄付近でDD-639シュブリックを損傷させた。5月29日、神風特攻徳島第２白菊隊の白菊11機が串良から出撃。神風特攻琴平水心隊の水上偵察機15機が指宿から出撃。陸軍特攻飛行第20戦隊の隼が宜蘭から出撃。陸軍特攻誠第15飛行隊の九九式双軽１機が台中から出撃。沖縄付近で輸送駆逐艦タタムを損傷させた。6月1日、陸軍特攻第433振武隊の二式高等練習機１機が万世から出撃。陸軍特攻飛行第20戦隊の隼２機が宜蘭から出撃。6月2日、菊水９号作戦発動。6月3日、神風特攻第４正統隊の九九式艦爆６機が第２国分から出撃。陸軍特攻第44振武隊の隼１機、陸軍特攻第48振武隊の隼５機、陸軍特攻第111振武隊の九七式戦闘機８機、陸軍特攻第112振武隊の九七式戦闘機９機、陸軍特攻第214振武隊の九七式戦闘機４機、陸軍特攻第431振武隊の九七式戦闘機１機がそれぞれ知覧から出撃。沖縄付近で貨物輸送艦アレガンを損傷させた。6月5日、陸軍特攻飛行第17戦隊の飛燕４機が八塊から出撃。沖縄付近でBB-41ミシシッピ、CA-28ルイヴィル、DD-572ダイスン、掃海艇スカフル、給油艦シープスコットを損傷させた。6月6日、陸軍特攻飛行第20戦隊の隼４機が宜蘭から出撃。陸軍特攻飛行第29戦隊の疾風３機と、陸軍特攻誠第33飛行隊の疾風１機がそれぞれ台中から出撃。陸軍特攻第54振武隊の飛燕１機、陸軍特攻第113振武隊の九七式戦闘機10機、陸軍特攻第159振武隊の飛燕５機、陸軍特攻第160振武隊の飛燕３機、陸軍特攻第165振武隊の飛燕５機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第104振武隊の九九式襲撃機１機が出撃。6月7日、神風特攻第21大義隊の爆装戦闘機７機が石垣・宜蘭から出撃。陸軍特攻第64振武隊の九九式襲撃機６機が万世から出撃。沖縄付近でDD-515アンソニーを損傷させた。6月8日、陸軍特攻第48振武隊の隼２機と陸軍特攻第53振武隊の隼１機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第59振武隊の疾風６機が都城東から出撃。陸軍特攻第141振武隊の隼２機と、陸軍特攻第144振武隊の隼２機がそれぞれ万世から出撃。6月10日、陸軍特攻第42振武隊の九七式戦闘機２機と陸軍特攻第212振武隊の九七式戦闘機１機がそれぞれ知覧を出撃。沖縄付近でDD-579ウィリアム・Ｄ・ポーターを撃沈した。6月11日、陸軍特攻第56振武隊の飛燕１機と、陸軍特攻第159振武隊の飛燕１機、陸軍特攻第215振武隊の九七式戦闘機１機がそれぞれ知覧から出撃。陸軍特攻第64振武隊の九九式襲撃機９機と、陸軍特攻第144振武隊の隼１機がそれぞれ万世から出撃。6月21日、菊水10号作戦開始。神風特攻菊水第２白菊隊の白菊８機が鹿屋から出撃。神風特攻徳島第４白菊隊の白菊８機が串良から出撃。神風特攻第12航戦水偵隊の水上偵察機８機が指宿から出撃。陸軍特攻第26振武隊の疾風４機が都城東から出撃。沖縄付近でDE-305ハロラン、水上機母艦ケネス・ホワイティング、AV-4カーティスを損傷させた。6月22日、第10神風特攻神雷桜花隊の桜花６機と、第10神風特攻神雷攻撃隊の一式陸攻６機、神風特攻第１神雷爆戦隊の爆装戦闘機８機がそれぞれ鹿屋から出撃。陸軍特攻第27振武隊の疾風６機と、陸軍特攻第179振武隊の疾風５機がそれぞれ都城東から出撃。沖縄付近で掃海駆逐艦エリンス、LST-534を損傷させた。6月25日、神風特攻12航戦水偵隊の水上偵察機１機が古仁屋から出撃。神風特攻琴平水偵隊の水上偵察機10機が指宿から出撃。鹿屋から神風特攻菊水第３白菊隊・串良から神風特攻徳島第３白菊隊の白菊計14機が出撃。6月27日、神風特攻琴平水偵隊の水上偵察機１機が古仁屋から出撃。6月28日、神風特攻琴平水偵隊の水上偵察機１機が古仁屋から出撃。7月1日、陸軍特攻第180振武隊の疾風２機が都城東から出撃。7月3日、神風特攻12航戦水偵隊の水上偵察機１機が古仁屋から出撃。7月19日、陸軍特攻誠第31飛行隊の九九式襲撃機１機と、陸軍特攻誠第71飛行隊の九九式襲撃機１機が八塊から出撃。陸軍特攻飛行第204戦隊の隼４機が花蓮港から出撃。駆逐艦サッチャーを損傷させた。7月25日、神風特攻第７御盾隊１次流星隊の流星12機が木更津から出撃。7月29日、神風特攻第３龍虎隊の中等練習機８機が宮古から出撃。沖縄付近で駆逐艦キャラガンを撃沈し、DD-561プリチェット、DD-793カッシン・ヤング、輸送駆逐艦ホレース・Ａ・バスを損傷させた。7月30日、神風特攻第３龍虎隊の中型練習機３機が宮古から出撃。8月9日、神風特攻第４御盾隊の彗星15機が百里ヶ原から出撃。神風特攻第７御盾隊２次流星隊の流星12機が木更津から出撃。本州沖で駆逐艦ボリーを損傷させた。8月11日、神風特攻第２神雷爆戦隊の爆装戦闘機５機が喜界島から出撃。8月13日、神風特攻第４御盾隊の彗星４機が百里ヶ原から出撃。神風特攻第７御盾隊３次流星隊の流星４機が木更津から出撃。沖縄付近で上陸作戦用輸送艦ラグランジを損傷させた。8月15日、神風特攻第４御盾隊の彗星11機が百里ヶ原から出撃。神風特攻第７御盾隊４次流星隊の流星１機が木更津から出撃。第５航空艦隊司令長官宇垣纏中将率いる彗星隊の彗星７機が玉音放送後の午後に大分から出撃。参考：特別攻撃隊、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍の爆弾、月刊航空ファン5,’17、10,’19

＜シンプソン＞：21（潜水艦）またはDD-221（駆逐艦）またはFFG-56（フリゲート）を参照。

＜振武台＞：陸軍予科士官学校を参照。

＜振武台記念館＞：陸上自衛隊朝霞駐屯地にある史料館。座間の陸軍予科士官学校皇族舎を1978年に移設したものである。参考：朝雲

＜神武丸＞：太平洋漁業鮭鱒工船Shinbu maru。大元は明治27年5月に進水したイギリスのインドラ汽船所属インドラニで、明治44年に岸本汽船が購入して神武丸になり、勝田汽船、太洋海運、大洋漁業合資、八木漁業を経て昭和7年に太平洋漁業に移籍した。垂線間長121.92m、幅14.63m、深さ9.83m、満載吃水7.65m、総トン数5168トン、重量トン数7735トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1800馬力、航海速力10ノット、最大速力12.5ノット。太平洋戦争時は船舶運営会の使用船だった。昭和18年6月11日、幌筵島加熊別湾で避泊していたところ、アメリカ潜水艦S-30の雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船8,’21

＜ジンブル＞：B-33（装甲車）を参照。

＜シンフン型＞：北朝鮮海軍魚雷艇Sin Hung型。北朝鮮国産で、1950-70年代に建造された。全長23m、満載排水量43トン。主機はディーゼル。兵装は457mmまたは533mm魚雷発射管２門、14.5mm連装機銃２基（前後甲板）。参考：月刊世界の艦船9,’17、7,’13

＜新兵増加食＞：日本海軍の兵食。昭和6年の海軍糧食表改訂で制定された増加食で、新兵に対して供給される。一日当たり生麺麭60g、白米30g、圧搾麦10g、生野菜80g、白砂糖5gで、基本食と合わせると一日当たりカロリーは3775-3854kcalとなる。参考：写真で見る海軍糧食史

＜新ヘリコプター映像伝送システム＞：陸上自衛隊のUH-1ヘリ搭載映像撮影・伝送システム。ヘリ映像伝送装置の改良型で、２正面同時運用を可能とし、カメラの倍率を48倍から84倍に引き上げ、アナログ・デジタル両方に対応できるようにした。2009年1月に東北方面通信群に配備された。参考：朝雲

＜真方位＞：方位角を参照。

＜新砲塔チハ車＞：九七式中戦車改を参照。

＜シンポ型＞：北朝鮮海軍魚雷艇Sinpo型。ソ連のP6型魚雷艇または中国のシャントウ型魚雷艇を導入したもので、北朝鮮国産化版もある。全長26m、満載排水量74トン。主機はディーゼル、速力45ノット。兵装は533mm魚雷発射管２門（艦中央両舷）、25mm連装機関砲２基（上構前後）。水中翼船に改造されたものもあるらしい。参考：月刊世界の艦船9,’17、7,’13

＜新甫型＞：北朝鮮海軍実験弾道ミサイル潜水艦の西側名称、シンポ（Sinpo）型。2014年8月に新甫造船所の衛星画像で確認されたのでこの名が付いたが、後にゴラエ（Gorae。ゴレ？）型の名称が付いた。船体はかなり小さめで、北朝鮮が1990年代にスクラップとして輸入したゴルフ級（水中排水量3553トン）の半分以下である。耐圧船殻は単殻式。セイル部分に発射筒を仕込んでいるとみられ、セイル上面に長さ4.25m・幅2.25mの開口部がある。設計は小型の船体にSLBMを詰め込むことに集中していて潜航向きの形状を取る余裕は無く、水中発射テストには使用できても作戦哨戒は無理なようである。推定諸元は以下の通り。全長66.8m（65.5m？）、幅6.5-6.7m、水中排水量1000-1500トン（ジョンズ・ホプキンス大学38ノース）／2000トン（韓国報道）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、１軸推進、水上速力16ノット（10ノット？）、水中速力10ノット（16ノット？）、航続距離1500海里・2800km。兵装は北極星１号SLBM発射筒１基（セイル上面開口部の大きさから２基とする説あり）、533mm魚雷発射管６門。乗員30-50名。2015年5月9日、朝鮮中央通信が海中から北極星１号SLBMの試射に成功したと報じたが、これを発射したのが本型とみられる。ただ試射映像に出てくる潜水艦にはSLBMの搭載スペースが無さそうで、こちらが本型なのかは不明。2016年1月8日に北朝鮮がSLBM発射試験の動画を公開したが、これはスカッド弾道ミサイルの発射シーンを組み合わせた合成らしい。4月23日、固体燃料ロケット装備SLBMの発射試験映像が公開され、これも本型から発射されたとみられる。8月24日、北極星１号SLBMの海中発射に成功し、北朝鮮東岸新浦沖で発射されたSLBMは500km東北東に飛翔して日本海に落ちた。2021年10月19日、KN-23SLBMの試射を行った。その後は新浦造船所にドックインし、修理に入っている。参考：月刊世界の艦船12,’19、9,’17、10,’17、11,’17、11,’18、7,’15、5,’15、11,’16、4,'20、5,'22、月刊軍事研究7,’15、8,’15、10,’16

＜神町大高根演習場＞：陸上自衛隊の演習場。山形県にあり、面積131万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。参考：月刊軍事研究4,’10

＜新町駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。防衛館には特攻隊の遺品や自衛隊の史料が展示されている。所在地は群馬県高崎市新町1080。JR新町駅から徒歩10分。1951年8月、警察予備隊駐屯地として開設された。1952年7月5日、第３陸曹教育隊が新編された。1960年3月、第３陸曹教育隊が駒門駐屯地に移駐した。1961年、第12施設大隊が新編された。1962年、第12対戦車隊、第12補給隊、第12衛生隊が駐屯を開始。2001年3月、第12後方支援隊が新編され、第12対戦車隊が第12対戦車中隊、第12施設大隊が第12施設中隊に改編された。2010年3月9日、防衛懇話会が防衛オリエンテーションを実施。会員社の中堅若手社員が装備品研修、訓練展示研修、隊舎・整備工場見学を行った。2011年3月11日、東日本大震災で弾薬庫の避雷針が破損した。2013年3月、第12施設中隊が第12施設隊に改編された。2015年11月20日、群馬地本群馬地域援護センターが定年が近い群馬県内駐屯地勤務隊員40名に援護講話を実施。定年退職前の健康管理、退職共済年金、再就職についての講話が行われた。12月5日、山形地本が入隊予定者とその家族163人に対する見学・説明会を実施。2016年2月3-5日、群馬地本群馬地域援護センターが１年後に任期満了となる任期制隊員10名に就職補導教育を実施。5月17-18日、群馬地本地域援護センターが定年１年前教育を実施。2017年4月15日、群馬地本が予備自衛官補採用試験を実施。2019年5月15日、群馬地本が令和元年度援護業務指揮官等会同を開催。2020年2月26-28日、群馬地本が陸士就職補導教育を実施。2021年1月12日、新成人隊員10名の成人行事を実施。2022年4月1日、駐屯地創設71周年記念行事を実施。参考：第12旅団ホームページ、月刊JGround Vol.23、朝雲

　＜新町駐屯地（２０１５年）＞：第12旅団第12対戦車中隊、第12施設隊、第12後方支援隊、東部方面会計隊第339会計隊（3月26日廃止）、新町駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜新町駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2019年7月24日、不測事態対処マニュアル改善の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が贈呈された。参考：朝雲

＜神町駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。第６飛行隊も書類上はここに籍を置いているが、実際には山形空港（滑走路は2000m×45m・ランウェイ01/19）の一角である第６飛行隊地区に駐屯する。所在地は山形県東根市神町南3-1-1。大元は1944年（昭和19年）に開設された神町海軍航空隊の飛行場で、太平洋戦争終結によりアメリカ軍が進駐して神町キャンプとなった。1954年10月、第６特科大隊第２大隊が秋田駐屯地から移駐した。1956年6月、日本に返還された。12月、神町駐屯地として開設され、第20普通科連隊が青森駐屯地から移駐した。1958年12月、第310地区施設隊が秋田駐屯地に移駐した。1963年8月、第６特科大隊第２大隊が郡山駐屯地に移駐した。2009年1月9日、隊員114名に対する成人式を実施。2010年9月28日、花壇コンクールを実施。第６飛行隊・東北方面管制気象隊第２派遣隊合同チームが優勝した。2011年4月26日、東日本大震災で災害招集命令書の交付を受けた予備自衛官８名が着隊した。2013年1月10日、新成人隊員による綱引き大会を実施。1月11日、新成人隊員92名の成人式を実施。2014年4月15日、山形地方協力本部が平成26年度中隊長等援護教育を実施。副連隊長、大隊長、中隊長ら33名の援護担当者が参加し、就職援護と予備自衛官制度についての教育を受けた。7月4-8日、第１次予備自衛官招集訓練を実施。2015年2月2日、東根市と災害派遣活動に従事する隊員の家族支援に関する協定を締結した。4月7-9日、山形地方協力本部が平成27年度任期制隊員ライフプラン集合訓練を実施。2016年11月19日、山形地本が入隊予定者181人とその家族を対象に神町駐屯地見学会を実施。2017年1月16-17日、新成人隊員105名の駐屯地成人式を実施。6月1日、山形地本が地元大学２校・高校20校の職員を招き自衛官等採用制度説明会を実施。2018年1月21日、山形地本が採用試験合格者や保護者らを引率し、職種説明、教育隊見学、東北方面管制気象隊第２派遣隊装備品見学、体験喫食、第６飛行隊UH-1ヘリ体験搭乗などを行った。11月10日、山形地本の一般曹候補生合格者見学会に協力した。2019年7月17日、駐屯地らっぱ競技会を実施。2020年、第６情報隊が新編された。3月3日、山形地本が自衛官募集のためのPR動画とポスターの撮影を行った。2021年1月21日、新成人隊員48名の成人行事を実施。2022年5月24日、第20普通科連隊新庁舎（Ｂ庁舎）が竣工した。6月1日、第20普通科連隊がＢ庁舎への移転作業を開始。6月20日、第20普通科連隊が新庁舎指揮機能移転完了報告を行った。7月4日、第20普通科連隊が新庁舎落成記念行事を実施。参考：神町駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、月刊JWings6,’10別冊付録、スピアヘッドNo.13、秋田駐屯地ホームページ、郡山駐屯地ホームページ、朝雲、月刊JWings6,’22

＜神町駐屯地（２００７年度）＞：第６師団第６飛行隊（UH-1H/J、OH-6D）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜神町駐屯地（２０１５年）＞：第６師団司令部、第６師団司令部付隊、第20普通科連隊、第６飛行隊、第６後方支援連隊、第６施設大隊、第６通信大隊、第６特殊武器防護隊、第６音楽隊、東北方面管制気象隊、第315基地通信中隊、第105輸送業務隊、第124地区警務隊、神町情報保全派遣隊、第401会計隊、神町駐屯地業務隊、山形地方協力本部援護センターが駐屯している。参考：神町駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜神町駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜新三菱重工＞：1950年に三菱重工が財閥解体により３つに分割されたが、このうちの中日本重工業が1952年に改称したもの。新三菱重工神戸造船所を擁する。1964年に再び三菱重工となった。参考：月刊世界の艦船6,’11

＜新三菱重工神戸造船所＞：三菱重工の財閥解体で神戸造船所は新三菱重工の所属となった。はるかぜ型２番艦ゆきかぜ、DD-104いそなみ、てるづき、潜水艦はやしおを建造している。親会社の三菱重工への統合で、再び三菱重工神戸造船所となった。参考：月刊世界の艦船6,’11

＜人民警察部隊＞：NKVDを参照。

＜人民武装警察＞：中国の治安組織で、1983年の人民解放軍兵力削減による余剰人員を国内治安用に回したものである。憲法・国防法・部警法で軍事力（武装力量）と規定された軍事組織で、戦時には中国人民解放軍の指揮下に入るが、平時でも中央軍事委員会の指揮下にあり人民解放軍との任務の区別はあいまいで、対テロ部隊を保有する他、PKF任務にも従事しており、ダルフール虐殺を止められなかったとして世界的に批判を浴びている。2018年1月、指揮系統が中央軍事委員会と国務院公安部の二重だったのを改め、中央軍事委員会の一元指揮とし、内務軍としての地位が明確になった。7月、沿岸警備組織である海警局を海警総隊に改称して隷下に編入し、内衛総隊、機動総隊、海警総隊の３個総隊編成にした。参考：月刊JGround　Vol.19、月刊世界の艦船6,’18、2,’19、6,'21、月刊航空ファン8,’19

　＜人民武装警察（２０１５年）＞：人員数660000人（国内治安軍400000人、国境警備軍260000人）。国内治安軍は第14師団、独立第22連隊、消防・警備ユニット数個などからなる。国境警備軍は第30師団司令部、第110連隊（国境警備）、第20連隊（水陸両用）などからなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜人民武力部偵察局＞：北朝鮮工作機関の１つ。人民武力部の特殊工作機関で、傘下に特殊８軍団、軽歩兵旅団、907軍部隊、448軍部隊、南浦海上特殊部隊など12万名程度の工作部隊を持つ。1996年、韓国東海岸の江陵海岸で座礁した潜水艦の乗員はここの所属。参考：月刊軍事研究12,’02

＜神武作戦＞：日本海軍が太平洋戦争末期に計画した洋上特攻作戦。空母雲龍と天城からなる小規模空母機動艦隊に爆装零戦を載せ、日本を出港してアメリカ艦隊にゲリラ特攻をかけるものである。次いで空母葛城を燃料事情の良いシンガポールに進出させてここからも特攻を行う予定だった。戦局悪化や雲龍の喪失などで実行には移されなかった。参考：月刊丸2,’12別冊付録

＜人命救助システム＞：陸上自衛隊の災害救助用装備品。1995年1月の阪神淡路大震災の教訓を元に開発され、1996年に部隊配備が始まった。公共機関の機能しない震災発生後72時間以内での救助を目的としており、コンテナ式可搬シェルタ（トレーラーでの牽引やCH-47での空輸が「可能）の中に400名規模の災害出動部隊（２個中隊）の必要機材であるエンジンカッターや油圧ジャッキ、破壊構造物探索器（内視鏡）にアルミ合金製の折り畳みリヤカーまで入っている。中隊用、小隊用、分隊用の部隊規模別装備品に加え、個人用装備という名称の個人携帯用救助用具も用意されており、バックパックの中にゴーグル、防刃マスク、多用途ナイフ、4.4mスリングロープ、難燃性レスキューベスト、ピック付き手斧、携帯トイレなどが詰め込まれていて、これを装備して救助任務にあたる。荷物を出した後のコンテナは救護所として使用する。装備品の殆どが民生品。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究8,’04、月刊JWings12,’00、JGround　Vol.19

＜新明和工業株式会社＞：大元は川西航空機株式会社で、1949年11月5日に社名を明和興業株式会社に変更し、1960年5月にこの社名となった。主力工場は神戸にある甲南工場で、1942年に二式飛行艇生産用に建てられたものを使用しており、格納庫扉の裏には太平洋戦争で機銃掃射を受けた際の弾痕が残っている（表側は塞いだ）。飛行艇組み立ては北工場で行っており、その東側にエプロン、エプロン南にすべり（飛行艇の海上からの揚収に使うスロープ）がある。自衛隊やアメリカ軍（在日米軍以外も）のレシプロ機（P2VやR7V-1など）、アメリカ空海軍沿岸警備隊アルバトロス飛行艇、各種ヘリなどの点検整備を請け負っていた。1967年、PS-1対潜飛行艇試作機が初飛行。1974年、US-1救難飛行艇試作機が初飛行。2003年12月、US-2救難飛行艇試作機が初飛行。参考：月刊航空情報4,’18、月刊JWings5,’05、7,’17、12,'20、月刊軍事研究2,’10、1,’10

＜真面目＞：陸上自衛隊スラングで、「しんめんもく」と読む。本腰を入れて取り組むこと。参考：MAMOR vol.164

＜新野外通信システム（広域多目的無線機）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜新夕張丸＞：日本海軍特設運送船（給炭船）Shin-yubari Maru。元は昭和11年12月7日に竣工した共立汽船の貨物船で、すぐ陸軍に徴用され、昭和13年5月に所有会社が北海道炭礦汽船に吸収されてこちらに移籍し、太平洋戦争勃発で海軍に徴用された。垂線間長118.5m、幅16.4m、深さ9.1m、総トン数5355トン、重量トン数7865トン。主機は三連成汽機１基１軸2600馬力、航海速力12.3ノット、最大速力15.2ノット。昭和18年、三井船舶が設立され、こちらに移籍した。昭和19年2月22日、サイパンで修理中にアメリカ機動部隊が接近しているとの情報があり、緊急出港した。2月23日、サイパンの西74kmでSS-281サンフィッシュの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜シンユウ・マイトゥリ２３＞：航空自衛隊とインド空軍との輸送機共同訓練。2023年2月28日、インド空軍西部航空コマンド第81飛行隊C-17A輸送機１機と人員10名が小松基地に到着。3月1-2日、第３輸送航空隊C-2輸送機１機と隊員10名が、小松基地及び周辺空域で、インド空軍西部航空コマンド第81飛行隊C-17A輸送機１機と、戦術空輸訓練を行った。3月3日、インド空軍部隊が撤収した。ついでにダルマ・ガーディアン22に参加したインド陸軍部隊も乗せてインドに戻っている。参考：月刊JWings5,’23

＜瀋陽＞：115（駆逐艦）を参照。

＜信陽＞：501（コルベット）を参照。

＜神鷹＞：殲教９型練習機・海外ファミリーを参照。

＜震洋＞：日本海軍の特攻ボート。船でなく兵器扱いであり、単位は隻でなく基である。総称として、マル四金物と称した。軍令部の要求に基づき、昭和19年4月に設計開始、5月に試運転を実施、8月28日に兵器として採用された。船体は金属節約も兼ねて当時のモーターボートとしては標準の耐水合板を使い（当然ながらFRPは実用化前）、松根油の抽出で切り倒した松を流用した。ネジも木ネジで、耐水塗装のラッカーやペンキが足りなかったため、一部は漆を塗って仕上げている。主機は質の悪いガソリンでも動かせるトヨタKBトラック用ガソリンエンジンとした。主任務は輸送船団に対しての夜間突入で、小型のため遠くが見通せず、波浪にも弱く、航走中の艦船に命中させることは不可能に近いので、必然的にこの任務となる。舵を固定することが可能なので、敵艦船に接近したら艇だけ突入させて隊員は海に飛び込んで脱出することもでき、救命胴衣や鉄帽も着用しているが、夜に敵輸送船団（と護衛艦）が遊弋する海域のど真ん中に放り出されて泳いで帰ってくるのはほぼ不可能と思われる。ちなみにイタリアが同様の突撃艇を量産して黒海とジブラルタルで使用しているが、この資料は入手していなかったらしく、独自開発となった。長崎の川棚に訓練基地（臨時魚雷艇訓練所）が作られ、昭和19年8月以降、各地に部隊が配備された。開発時には脱出装置の準備なども進言されたが、敵船団の真ん中に脱出しても生還の見込みは無いとして装備されていない。12基で１個艇隊を、４個艇隊及び整備隊、隊本部（２基）の計50基（五型は約25基）で１個震洋隊を編成しており、部隊数は一型装備が68部隊、五型が46部隊。隊長は予備学生、隊員は飛行予科練習生が多く、搭乗員の犠牲者は1000名で、アメリカ軍の損害は撃沈から損傷まで合わせて10-30数隻（385トン級上陸支援艇４隻撃沈、１隻損傷のみ？）といわれる。初陣は昭和20年2月（1月15日？）のコレヒドール島で、第12震洋隊50隻が出撃し、LCS-7、LCS-15、LCS-49を撃沈したとされる。次いで3月27日から4月4日に第22震洋隊が４回と第42震洋隊が１回出撃し、計30隻程度が突入、歩兵揚陸艇１隻を撃沈した。終戦までに各型合わせて6197基（2150基？）が完成し、4500基は出撃の機会が無く残った。参考：小艦艇入門、月刊丸8,'15別冊、月刊軍事研究9,’04、歴史群像12,’03、特別攻撃隊、月刊世界の艦船3,’10、9,’13増刊、日本潜水艦物語、世界の傑作機No.172

　＜震洋一型改一＞：肋材も外板もベニヤ合板製で、力が掛かる曲率の大きい部分や甲板と舷側の合板を固定するクリートなど一部のみ金属製とした。前部から炸薬収容部、機関室、オープントップ操縦室で、甲板前部に炸薬装填口とそれを覆う木製蓋、中央前部左右に通風筒（主機吸気及び換気用）、中央後部に主機扉が用意されている。左舷中央やや後ろ寄りに主機排気口がある。主機とプロペラシャフトは直結で、バックが出来ないため、訓練を終えて帰ってきた際の接岸作業が困難だった。全長5.1m、全幅1.6m、吃水0.3m、排水量1.35トン。主機はトヨタ４トントラックKB用特KC型６気筒ガソリンエンジン、出力62-78馬力、１軸推進、巡航速力16ノット、最大速力23ノット（26ノット？）、航続距離125海里（18ノット）。乗員１名。艇首に炸薬250kgと電気信管２個を搭載し、敵艦に衝突して自爆する。エンジンが陸上用のため、電気系統が海水をかぶるとショートして動かなくなるという欠点があった。昭和20年1月からは、操縦室両舷の甲板上に十二サンチ単装噴進砲（震洋用）１基ずつを装備し、反撃してくる艦船の機銃座目掛けて発射するようにした。ただし照準器は付いておらず、発射機の軸線は外側３度固定であり、仰角（射程）は出撃前に基地で調整する。参考：月刊丸8,'15別冊、4,'99、月刊軍事研究9,’04

　＜震洋五型＞：２名乗り型。全長6.5m、最大幅1.8m、吃水0.6m、排水量2.2トン。機関出力134馬力、最大速力32ノット（25ノット？）。兵装は250kg炸薬、十二サンチ単装噴進砲（震洋用）２発、13mm機銃１丁。一部に無線を装備したものもあった。参考：歴史群像12,’03、小艦艇入門、月刊丸4,’99

＜神鷹＞：日本海軍神鷹型空母。元は昭和10年4月30日に竣工したドイツ客船シャルンホルスト号である。昭和16年8月26日深夜にマニラからシンガポールへと航行していた際、ドイツから最寄りの中立港に入港せよとの緊急暗号電を受信し、9月1日に神戸港に入港したその日に第２次大戦が勃発、乗員乗客はシベリア鉄道でドイツに戻ったため係留されたままになっていた。ミッドウェイ海戦敗北で空母に改造できる客船として白羽の矢が立てられ、昭和17年6月に日本海軍が購入（代金は戦後払い）、呉海軍工廠に回航した。6月30日、空母への改造を決定。9月21日、改造工事を開始。昭和18年12月15日竣工、航空母艦神鷹と命名され、呉鎮守府部隊所属となった。12月20日、海上護衛総司令部に転属。呉を母港とし、瀬戸内海西部で半年ほど完熟訓練を行ったが、主缶トラブルに悩まされ、ロ号艦本式缶に換装した。昭和19年7月6日、第１海上護衛部隊に編入され、磁気探知機装備九七式艦攻を14機搭載して船団護衛任務に就くことになった。同月、大鷹及び海鷹と共にフィリピンへの航空機輸送任務を実施。３隻で零戦95機、雷電10機、月光９機、彗星５機、天山５機を運んでおり、神鷹だけ対潜哨戒用九七式艦攻14機を積んでいた。7月11日、ヒ六九船団を護衛して駆逐艦３隻・海防艦２隻と共に門司を出港。7月20日、敵潜水艦の雷撃を受けたが、発見が早く回避に成功。7月21日、マニラに到着し、輸送船４隻を分離した。7月25日、海防艦２隻を加え、シンガポールに向け出港。7月31日、シンガポールに到着した。帰りはヒ七〇船団を護衛して駆逐艦３隻・海防艦２隻と共に出港。8月14日に門司に帰港した。9月8日（10日？）、ヒ七五船団を護衛して駆逐艦５隻と共に門司を出港。9月22日、高雄経由でシンガポールに到着。帰りはヒ七六船団を駆逐艦５隻・海防艦１隻と共に護衛することになり、10月2日にシンガポールを出港。途中で貨物船１隻が被雷したため、護衛に駆逐艦と海防艦を付けてマニラに向かわせた。10月11日、海南島三亜に入港。10月16日に出港したが、大時化で貨物船１隻が船体に亀裂を生じ、三亜に引き返した。10月17日、空襲の恐れが出たため、貨物船１隻と護衛の駆逐艦２隻を分離して台湾の馬公に向かわせた。10月18日、海防艦２隻と合流して三亜を出港。その後船団分割命令が出たため、貨物船３隻を三亜に残すことになり、後の３隻を駆逐艦１隻及び海防艦４隻と共に護衛して夕方に再度三亜を出港した。10月21日、台湾海峡南口でB-24爆撃機の触接を受けたため、攻撃を避けて先行することになり、船団護衛を海防艦に任せて呉に向かった。11月14日（13日？）、九七式艦攻14機を搭載し、ヒ八一船団を護衛して伊万里湾を抜錨、上海沖に向かった。正午過ぎに護衛艦が潜水艦を探知したため、反転して五島列島に退避。11月15日、五島列島を出港して朝鮮南部に向かったが、1105頃にあきつ丸が潜水艦の雷撃を受けて沈没した。11月16日未明、巨文島泊地に到着。夕方には珍島東錨地に移動。11月17日2309、ヒ八一船団を護衛中に済州島の西150海里でSS-411スペードフィッシュの魚雷３本を右舷に被雷し、航空機用燃料タンクが誘爆して沈没、乗員1160名のうち1100名が戦死した。昭和20年1月10日に除籍された。参考：図解日本の空母、護衛空母入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本航空母艦史、月刊丸11,’09、輸送船入門

＜瀋陽５型＞：Yak-12海外シリーズ（連絡機）を参照。

＜神鷹４００＞：中国が開発した垂直発射式多目的対地ミサイル、別名SY400、米軍コードCSS-X-16。８×８輪トラックの後部に４列２段のミサイルキャニスターを搭載しており、ストレーキと操縦翼の付いたミサイルを発射する。弾頭は通常弾頭、子爆弾、燃料気化爆弾など。全長6.4m、直径0.4m、発射重量1176kg・弾頭重量200kgまたは発射重量1276kg・弾頭重量300kg。推進は固体燃料ロケット、射程150km（弾頭重量300kg）／200km（弾頭重量200kg）。中国エアショー2008で展示された。2017年12月18日、カタールの軍事パレードでBP-12Aと同じ８×８輪TELに垂直発射式４連装発射機２基を並列搭載したものが登場した。参考：月刊軍事研究4,’09、6,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜神鷹型＞：日本海軍の商船改造空母。昭和17年7月の空母緊急増勢計画に基づいてドイツ客船シャルンホルスト（東南アジア航行中に第２次大戦が勃発して神戸に入港し、帰れなくなった）から改造された。ドイツから図面を取り寄せる時間が無かったため、呉海軍工廠で実測して済ませ、鋼材は大和型戦艦４番艦用のものを流用している。船体の上甲板（プロムナード・デッキ）より上の構造物を撤去し、その5m上方に飛行甲板を設置して平甲板型空母に改造、上甲板と飛行甲板の間を格納庫とした。飛行甲板は長さ180m、幅は前端13m・中央24.5m・後端16mで、前後に計２基のエレベーターを持つ。着艦制動装置は三式一〇型が２基で、アレスティング・ワイヤは８本。滑走制止装置は空廠式三型が２基（１基？）搭載されている。カタパルトは無い。格納庫は２段分設置できる船体を持っていたが、工期短縮のため１段としてある。上甲板前端に甲板２層分の高さの構造物を設け、上部を羅針艦橋としており、羅針艦橋後方に海図室、作戦室などがあり、その一段下には艦長休憩室、搭乗員室などが配置された。飛行甲板前部舷側には補助艦橋、防空指揮所、発着艦指揮所が設置され、右舷側に起倒式信号マストがある。これらの改造で重心が高くなり、復元力も低下したため、船体外舷にバルジを増設したが、速力が低下してしまった。機関は客船時代と同じだが、高温高圧のワグナー缶を扱いきれず故障が頻発したため、引き渡しが大幅に遅れた上、結局完成直後にロ号艦本式R94試作缶２基に換装された。また、ターボ・エレクトリック方式も未経験だった。煙突は右舷中央に斜め下向き１本を設置した。二一号電探と一三号電探を装備する。全長189.36m（198.64m？）、全幅25.64m（22.6m？）、平均吃水8.18m、基準排水量17500トン、公試排水量20900トン。主機はターボ・エレクトリック方式、AGEタービン発電機２基、主缶はワグナー缶（蒸気温度470℃、圧力１平方センチあたり50kg）４基・後にロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気温度400℃・圧力１平方センチあたり40気圧）２基、出力26000馬力、２軸推進、速力21ノット、重油搭載量2760トン、航続距離8000海里（18ノット）。兵装は12.7cm連装高角砲４基、25mm３連装機銃10基。搭載機数は艦上戦闘機12機（常用９機＋補用３機。常用18機＋補用３機の21機？）、艦上攻撃機21機（常用18機＋補用３機。常用８機＋補用３機の11機？）。乗員834名。神鷹が昭和18年に就役した。低速のため船団護衛や輸送に使用されている。参考：日本航空母艦史、図解日本の空母、護衛空母入門、月刊丸10,’93、2,’12別冊付録、月刊世界の艦船9,’14

＜瀋陽級＞：051C型（駆逐艦）を参照。

＜瀋陽軍区＞：中国軍の大軍区で、戦時には東北軍となる。黒竜江省軍区、吉林省軍区、遼寧省軍区を統括し、朝鮮半島を睨む位置にあり、中ソ対立でも最前線だった。1955年3月22日に新編された。1985年6月の改編で遼寧省、黒竜江省、遼寧省（旅大警備区）、内蒙古自治区東四盟地域が管轄地域になった。2016年2月1日、北部戦区に改編された。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊航空ファン5,’16

　＜瀋陽軍区（１９８９年）＞：黒竜江省軍区、吉林省軍区、遼寧省軍区からなる。集団軍５個、ミサイル師団２個、機甲師団４個、歩兵師団16個が配置されている。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜瀋陽軍区（２０１５年）＞：黒竜江省軍区、吉林省軍区、遼寧省軍区からなる。陸軍第16集団軍（特殊部隊旅団１個、機甲旅団１個、機械化歩兵旅団３個、自動車化歩兵師団１個、自動車化歩兵旅団１個、砲兵旅団１個、防空旅団１個、工兵連隊１個）、第39集団軍（特殊部隊群１個、機甲旅団１個、機械化歩兵師団１個、機械化歩兵旅団２個、自動車化歩兵旅団２個、航空旅団１個、砲兵旅団１個、防空旅団１個、工兵連隊１個、電子戦連隊１個）、第40集団軍（機甲旅団１個、機械化歩兵旅団１個、自動車化歩兵旅団２個、砲兵旅団１個、防空旅団１個、工兵連隊１個）、北海艦隊海軍航空兵（第５海軍航空師団隷下の殲轟７型Ａ連隊１個と、その他部隊として殲撃15連隊１個、初教６型Ａ訓練連隊１個、HY-7訓練連隊１個、Y-5訓練連隊１個）、瀋陽軍区空軍第１戦闘機師団（殲撃11型Ｂ連隊１個、殲撃10型／10型Ａ／10型Ｓ連隊１個、殲撃８型Ｆ連隊１個）、第11攻撃機師団（殲轟７型Ａ連隊１個、強撃５型連隊１個）、第16特殊任務師団（Y-8/Y-8CB/Y-8G電子戦連隊１個、JZ-8F偵察連隊１個、Y-5/Y-7輸送連隊１個）、第21戦闘機師団（殲撃10型Ｂ／10型Ｓ連隊１個・編成中、殲撃８型Ｈ連隊１個、殲撃７型Ｈ連隊１個）、大連基地（殲撃７型Ｅ／殲撃11型Ｂ／強撃５型旅団２個）、哈爾浜飛行学校（CJ-6/JL-8/Y-5/Y-7訓練旅団２個）、地対空ミサイル・高射砲旅団１個、地対空ミサイル旅団１個が配置されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜瀋陽航空機＞：中国の航空機メーカー瀋陽飛機工業集団Shenyang Aircraft Industry Group　Corporation Ltd。中国航空工業集団公司AVICの傘下で、航空機工場とエンジン工場を有している。参考：月刊JWings9,'15

＜仁洋丸＞：東方汽船貨物船。総トン数6862トン。昭和19年12月、雷撃を受け沈没し、1471名が戦死した。参考：輸送船入門

＜神陽丸＞：日本海軍特設運送船Shinyo maru。元は神陽汽船が発注し、昭和13年3月25日に竣工した中型貨物船で、太平洋戦争勃発直前に日本海軍に徴用された。垂線間長110m、幅15.24m、深さ8.84m、吃水7.32m、総トン数4163トン、重量トン数6378トン。主機は川崎式２段減速蒸気タービン１基１軸3598馬力、航海速力14ノット、最大速力16.561ノット。昭和17年7月13日、サイゴンから門司に向け航行中に仏印バレラ岬の北東18kmでSS-194シードラゴンの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜神雷部隊＞：日本海軍第５航空艦隊第721航空隊の別名。桜花一一型の特攻部隊で、昭和19年6月の特攻専門部隊を編成すべきという第341航空隊司令の意見具申を基に昭和19年10月1日に神ノ池基地で創設された。桜花特攻は戦闘機の十分な護衛（陸攻の４倍）がなければ成功しないという空技廠長の意見具申があったため、陸攻特設飛行隊（定数は陸攻36機）２個（攻撃708・攻撃711飛行隊）に護衛戦闘機特設飛行隊（定数は戦闘機36機）３個（戦闘305・戦闘306・戦闘307飛行隊）を付けた。11月中旬から訓練を開始。当初はフィリピン戦で初陣となる予定だったが、桜花50機と作業員を積んだ空母信濃が11月29日に沈められてしまい、参加できなかった。昭和20年3月1日（2月？）、第５航空艦隊に編入され、陸攻隊は鹿屋基地に、戦闘機隊は宮崎基地に展開した。3月18日、アメリカ艦上機が九州地方を空襲し、攻撃708飛行隊の陸攻11機が地上で破壊された。丹作戦が開始され、戦闘306・戦闘307飛行隊が迎撃に出撃したが、23機が失われた。3月18日午後、第５航空艦隊から攻撃命令が出たため、攻撃711飛行隊の陸攻９機と桜花８機、戦闘307飛行隊の戦闘機24機で第１攻撃隊、攻撃708飛行隊の陸攻８機と桜花７機、戦闘306飛行隊の戦闘機24機で第２攻撃隊を編成した。3月19日0302、一KFGB信電令作第125号で、日出２時間前に発進避退基地に伏勢し、薄暮攻撃を行えるよう準備せよと下命された。しかし天候が悪化したため、1305に攻撃中止命令が出ている。3月20日、悪天候が継続したため、この日も出撃は無かった。夜になり、神雷攻撃準備が命令され、第203航空隊に第721航空隊指揮官隷下に入るよう通達が出た。3月21日0810、偵察第11飛行隊の彩雲４機が鹿屋を離陸し、都井岬の145度320海里にアメリカ機動部隊２群を発見した。戦闘機隊の戦力が整わないままでの白昼の攻撃となるため、隊司令は攻撃中止を具申したが、0945、第５航空艦隊司令部は一KFGB信電令作第147号で攻撃を発令。1000、攻撃711飛行隊の野中五郎少佐が鹿屋飛行場指揮所前で訓辞を行い、「戦わん哉、時至る。我らの血を最後の一滴まで国に捧げる時が来たのである。諸子の健闘を望む」と述べたが、海軍兵学校同期の金子義郎少佐には「湊川だよ」と一言呟いて陸攻に乗り込んだ。1135からベテラン陸攻隊員で構成した神雷攻撃隊攻撃711飛行隊の一式陸攻18機が離陸。うち桜花を搭載していたのは15機で、野中五郎少佐の搭乗する指揮官機を含む３機は誘導と戦果確認のため桜花無しで出撃した。護衛は第721航空隊戦闘306飛行隊・307飛行隊の32機、第203航空隊303飛行隊・312飛行隊の十数機だったが、増槽からの燃料吸い上げ不良で721空の11機が引き返し、編隊構成中に２機が空中衝突して墜落・大破、結局護衛に付けたのは721空の19機と203空の11機で、彩雲と合流して機動部隊に向かった。ただ桜花を吊った攻撃部隊の速度が遅すぎて彩雲では追従が難しく、５分ほどで彩雲は基地へと戻っていった。1347、北緯26度30分・東経134度の位置にあったアメリカ第58.1任務部隊CV-12ホーネットはレーダーで神雷攻撃隊を330度60海里に探知し、CV-12ホーネットのF6F戦闘機16機、CVL-24ベローウッドのF6F戦闘機16機、CV-11イントレピッドのF4U戦闘機を迎撃に向かわせた。この時、陸攻隊は高度13000フィート（3962m）を飛行し、その上を零戦が２段で護衛にあたっていたが、直後にアメリカ戦闘機隊に上空から襲撃された。護衛戦闘機隊は反撃に移ったが、不利な体勢での防御を余儀無くされ、第721航空隊の零戦９機が撃墜され、護衛訓練を全く行っていなかった第203航空隊は陸攻隊から引き離され、陸攻隊は裸のままで機動部隊に向かった。1445、鹿屋基地は神雷攻撃隊から突撃準備の無線を受けたが、陸攻隊も直後にアメリカ戦闘機隊の襲撃を受け、僅か十数分で18機全機が撃墜された。アメリカ戦闘機のガンカメラには重い桜花を投棄することなく、最後まで機動部隊への攻撃位置に付こうとする陸攻の姿が捉えられていた。1447、アメリカ戦闘機隊は母艦に帰投。鹿屋基地には敵発見の電信が入ることは無く、燃料切れが近い時間帯になると陸攻隊に南大東島に向かえと発信したが、応答は無かった。夕暮れになり護衛戦闘機が帰投、陸攻が全機撃墜されたことが判明した。攻撃711飛行隊は飛行隊長と分隊長３名を失い戦力を喪失、終戦まで桜花攻撃に出ることは無かった。3月22-23日の第５航空艦隊による戦訓調査会では護衛戦闘機不足、一式陸攻の防御力不足、偵察不足、敵レーダーの脅威という以前から分かりきっていた原因が挙げられている。これにより、3月末に桜花搭載一式陸攻は少数機を他の特攻機と合同で出撃させることなり、戦闘機隊は部隊名称はそのままだが爆装戦闘機部隊（通称は爆戦隊）に改編された。4月1日0221、攻撃708飛行隊の一式陸攻６機が桜花を積んで鹿屋基地を離陸し、座間味周辺のアメリカ艦隊に向かったが、鹿児島湾の霧を避けるため海面すれすれを飛行しようとした指揮官機がそのまま海に突っ込んでしまい、１機が山に激突、他に２機が未帰還となり、１機は台湾の新竹に不時着、１機は敵を発見できず宇佐基地に戻り、攻撃は失敗した。4月12日1220、攻撃708飛行隊の一式陸攻９機が桜花を積んで鹿屋基地を離陸。1445に戦艦を含む敵艦７隻を発見して６機が桜花を発進させ、1515にDD-733マンナート・Ｌ・エーブルに桜花１機が命中して撃沈した。一式陸攻は５機が撃墜されている。4月16日0658-0710、一式陸攻６機が桜花を積んで鹿屋基地を出撃。一式陸攻４機が未帰還となった。最期の出撃は6月22日で、桜花６機と爆装戦闘機６機である。7月に入り、零戦五二型に五十番（500kg爆弾）を積んでの離着陸テストを実施、特に問題は無かったため、本土決戦の際には爆戦隊は五十番搭載零戦での特攻を行う予定としたが、そのまま終戦を迎えた。実際に出撃した神雷桜花部隊の戦死者は430名で、桜花搭乗員が55名、一式陸攻隊が365名、護衛戦闘機隊が10名。一式陸攻の乗員は７名なので、殆どは桜花もろとも撃墜されてしまったことになる。戦果はDD-733マンナート・Ｌ・エーブル撃沈、駆逐艦など５隻撃破。爆装戦闘機部隊では48名が特攻で戦死した。参考：月刊軍事研究3,’02、月刊丸2,’07、歴史群像12,’03、日本海軍戦闘機隊、丸エキストラ版No.71、月刊航空ファン11,’18、3,’13、5,’11

＜心理幹部（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の職務の１つ。隊員のカウンセリング、メンタルヘルス維持施策の立案、操縦適性検査の結果分析や検査法研究開発などが主任務である。航空総隊司令部など上級司令部、第12飛行教育団、航空医学実験隊、航空中央業務隊、自衛隊中央病院、自衛隊岐阜病院などに配置される。参考：MAMOR vol.137

＜人力操縦方式＞：Manual control system。航空機の操縦方式の１つ。操縦桿やペダルと舵を直接ロッドやワイヤーで結び、てこの原理を利用して動かす。大型機では舵面にタブを付け、タブを人力で操作して間接的に舵面を動かすこともある。航空機の大型化や高性能化で人力だけでの操縦が難しくなると、動力式、油圧ブースト方式、完全機力方式などが開発された。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings9,’10

＜心理戦＞：アメリカ特殊作戦軍では2010年6月に軍事情報支援作戦MISO（Military Information Support Operation）と呼び変えた。アメリカ統合参謀本部の定義によると、外国の政府・組織・団体・個人の感情・動機・目的にある理由・行動に影響を与えるため、海外の聴衆に対して、選定した情報や種々の兆候を知らせる作戦のことである。目的は、発案者の目的に合致するように当該国の態度・行動を誘発したり、促進させたりすることにある。形態としては公然・非公然があり、基本は白（事実ベース）、黒（嘘・虚構ベース）、灰色（その中間）の３種に区分される。参考：月刊エアワールド10,’03、月刊丸8,’11、月刊軍事研究3,’13

　＜心理戦（北朝鮮）＞：韓国に対して常時心理戦を仕掛けている。統括しているのは朝鮮労働党本部で、その下にある煽動・宣伝部局、国際部局、前線統一部局（韓国研究機関、ビラを作る第40室、ビラを撒く連絡将校といった下部組織を持つ）が心理戦を行う他、中央放送委員会を介した国内・対韓国・国外放送、政治総局敵軍破壊工作局隷下の気球宣伝局、軍団政治局・師団政治局隷下の敵軍破壊工作部隊による心理戦も行っている。テレビやラジオは総て心理戦組織に組み込まれており、北朝鮮の宣伝及びアメリカ・韓国・特定人物に対する侮辱や非難を行う他、DMZ近くに設置された拡声器106基からの放送、ゴム風船によるビラ撒布を実施する。目的は、韓国内に反米・反政府気運を醸成して韓米安全保障体制を弱体化すること、共産革命思想を総ての国民層に教化して北朝鮮への支持を増大させること、韓国軍の士気を低下させること、偽装平和攻勢・偽装緊張緩和・アメリカとの講和条約締結などにより北朝鮮に都合の良い国際世論を形成させることなど。参考：月刊軍事研究7,’99

＜侵略＞

　＜アメリカ国防大学資料＞：国家が目的を達成するために、挑発を受けない条件下で始める軍事・準軍事・経済・技術・心理またはサイバー兵器を使用する戦争行為。参考：月刊軍事研究9,’03

　＜国連総会決議３３１４、１９７４年１２月１４日＞：他国の主権・領土保全・政治的独立を侵し、あるいは国連憲章と相反する他のあらゆる方法による一国の武力行使。政治的、経済的、軍事的その他いかなる性質の事由も、侵略を正当化することはできない。参考：軍縮条約・資料集第２版、月刊軍事研究9,’03

　＜防衛研究所用語集、１９７６年＞：ある国が、他国の主権・領域・政治的独立などを直接または間接の手段によって侵害しようとする行為またはその状態。参考：月刊軍事研究9,’03

＜侵略行為＞：侵略行為を行ってでも達成したい目的があり、実施に必要な軍事力を有し、軍事力で目的を達成する絶好の環境があり、正当性を主張できたり国際社会が許容してくれたりすると見込まれる場合に、侵略行為が発生する。参考：月刊世界の艦船3,’17

＜国連総会決議３３１４、１９７４年１２月１４日＞：国家の軍隊による他国の領域への侵入、攻撃、領土の占領・併合や、他国の領域への砲爆撃などあらゆる武器の使用、他国の港・沿岸の封鎖、他国の陸海空軍または船舶、航空機に対する攻撃。他国に駐留する軍隊を合意規定に反して部隊運用または駐留継続する行為。他国に対し、上記に相当する行為を行うため武装集団、団体、不正規兵または傭兵を派遣し、行動させる行為。これらは宣戦布告の有無にかかわらず侵略行為とされる。参考：軍縮条約・資料集第２版、月刊軍事研究9,’03、3,’05

＜侵略国＞

＜ジュネーブ議定書、１９２４年＞：紛争を平和的処理手続きに付託するのを拒絶した国。紛争に関わる判決または理事会の全会一致の勧告を拒否した国。紛争が国内問題であるという理事会の全会一致の報告または判決を無視した国。紛争の平和的な処理手続き中に理事会の命ずる暫定処置に違反した国。理事会による休戦命令を拒絶し、またはその条約に違反した国。参考：月刊軍事研究9,’03

＜ロンドン条約、１９３３年＞：他国に対する戦争の宣言。他国の領域への兵力の侵入。他国の領域、船舶、航空機に対する陸海空軍による攻撃。他国の海岸や港の海上封鎖。他国に侵入を企図する武装集団の支援またはその集団に関わる他国による要求の拒絶。参考：月刊軍事研究9,’03

＜じんりゅう＞：SS-507（潜水艦）を参照。

＜神龍＞：太平洋戦争末期に運輸省航空試験所が考案した対戦車用特攻グライダー。100kg爆弾を搭載する。案のみに終わった。参考：日本海軍の爆弾

＜神龍＞：瀋陽飛機工業集団601研究所が2012年から設計している双胴式UAV、プロジェクト973。前方カナードと高アスペクト比の主翼を持ち、双垂直尾翼の間にターボファンエンジンを搭載する。胴体間に対ステルス用大型レーダーを装備するという説と、胴体内に偵察機器を積むという説がある。参考：月刊軍事研究10,’15

＜神龍特別攻撃隊＞：嵐作戦を参照。

＜�~龍丸＞：日本陸軍輸送船Shinryuu maru。大元は昭和12年5月18日に竣工した内外汽船貨物船で、すぐ陸軍に徴用され、その後海軍に移って昭和16年に特設運送船（雑用船）となり、昭和17年12月から日本陸軍が徴用した。垂線間長112.7m、幅16.5m、深さ8.9m、満載吃水7.249m、総トン数4935トン、重量トン数7120トン。主機は蒸気タービン、出力3325馬力、１軸推進、航海速力13ノット、最大速力16.9ノット。1943年6月、物資輸送のため小樽から松輪島に向かった。6月26日、松輪島東岸磐城島沖で座礁した。離礁できず物資も下ろせないまま、6月29日に爆発して沈没している。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜診療放射線技師（自衛隊）＞：自衛隊病院や駐屯地・基地医務室で医官の指示を受けて放射線を使用する検査や治療を補助する。陸上自衛隊衛生隊に配置され、野外手術システムや天幕内で任務に当たることもある。入隊後に養成所で３年間の教育を受け、診療放射線技師の国家試験に合格して資格を得ると部隊に配属される。参考：MAMOR vol.141

＜森林戦（日本陸軍）＞：森林は視界が通らず、機動や戦車の運用も困難で、指揮が難しく、防衛側には堅固な支撑点を成形し、攻撃側には攻撃の拠点となり、時に障害として利用される。特に上空から軍隊を遮蔽できるが、ガス攻撃や爆撃の標的となることが多い。よって、直接森林の攻防に割り当てる兵力は最小限とし、外部の戦闘と連携して目的を達成する。森林を攻撃する際は、森林外で決戦を行うよう仕向ける。森林を通過したり攻撃前身したりする際は、待ち伏せ攻撃と接近戦に注意。森林で防御する際は、時に森林内部を抵抗地帯としても良いが、樹木が邪魔で射線が通らないため、通常は林縁の後方に抵抗地帯前縁を設定する。ジャングルの場合は林縁の前方に抵抗地帯を設け、ジャングル内は後方部隊の隠蔽のみに使用する。また、森林内を通過する敵を欺く手段を講じておく。参考：作戦要務令

＜シンルン＞：517（油槽艦）を参照。

＜新冷戦＞：2007年頃から始まった、ロシアと欧米諸国の対立。エネルギー資源価格の上昇でロシア経済が回復したことや、アメリカによる中欧へのBMD計画推進に対するロシアの反発などが背景にある。ポーランドにはアメリカがGBIを配備する予定だが、ロシアはポーランドの隣にある飛び地カリーニングラードにイスカンデルＭ弾道ミサイルの配備を発表。GBIは短距離弾道ミサイルに対応していないため、アメリカはポーランドにパトリオットPAC3迎撃ミサイルの配備も発表し、更に確執が広がった。2004年2月、ガスプロムが値上げに応じないベラルーシへの天然ガス供給を停止、下流にあるEUへの供給もストップした。2005年11月、ロシアとウズベキスタンが同盟関係条約を締結し、ウズベキスタンのロシア軍への軍事施設提供、有事の際のウズベキスタンへのロシア軍軍事介入が可能となった。ウズベキスタンがカルシー・カーナバード航空基地へのアメリカ軍駐留を終了させた。12月14日、ガスプロムが天然ガス価格をそれまでの4.6倍に値上げすると発表したため、ウクライナは反発して応じなかった。2006年1月1日、ガスプロムがウクライナ向け天然ガス供給を停止、下流のドイツなども供給が止まってしまった。1月4日、中央アジア産の天然ガスと混ぜることで値上げを当面1.9倍に抑え、５年で段階的に引き上げることで合意、供給が再開された。2006年12月27日、ガスプロムが、ベラルーシに対して要求した値上げに応じない場合、天然ガス供給を停止すると通告。12月31日に５年間での段階的値上げで妥結したが、ベラルーシは2007年1月8日にEUやウクライナ向けのロシア産石油に関税を導入したと発表し、送油を停止した。1月10日、ロシアとベラルーシの大統領が電話会談し、1月11日に送油は再開された。3月19日、ロシア宇宙軍司令官が雑誌インタビューでロシア大使館に弾道ミサイル追尾レーダーを配置すると述べたが、外交協定違反にあたるため、報道官が直ちに発言を否定した。2007年4-5月、エストニアがソ連軍兵士の像を移設したことをきっかけに、エストニアの公共ITネットワークにロシアからと思われるサイバー攻撃が仕掛けられた。8月、ロシアのプーチン大統領は1992年から行われていなかった長距離爆撃機の飛行を再開し、イギリスではスクランブル発進の回数が急増している。8月17日、プーチン大統領が爆撃偵察機による長距離警戒偵察飛行を再開すると表明。10月2日、ガスプロムがウクライナに対して天然ガス代金13億ドル以上が未払いになっているため、10月中に支払うよう通告。ウクライナは猛反発し、10月5日のCIS首脳会議をボイコットした。10月8日、ウクライナのエネルギー相がロシアでガスプロム側と会談し、10月中の支払いで合意。10月18日、オホーツク海の公海上を航行していた海自護衛艦に対し、ロシア国境警備隊らしき水上艦が接近し、探照灯を照射、信号弾を発射した。

2008年2月17日、コソボ自治州が独立を宣言。ロシアは安保理緊急会議を開催して反対したが、アメリカとEUは独立を承認した。3月6日、Tu-95が韓国の防空識別圏を越え、キー・リゾルブ演習中のCVN-68ニミッツを偵察した。同日、Tu-95爆撃機がIl-78給油機２機と共に北極海から太平洋まで15時間に亘る長距離飛行を実施。4月初め、ブカレストでNATO首脳会議が開催され、アメリカがグルジアとウクライナをNATOに加盟させるよう提案したが、フランスとドイツがロシアに配慮して反対、4月3日のブカレスト宣言では12月に加盟行動計画を策定することにした。4月3日、アメリカとチェコとの間で弾道ミサイル防衛用レーダーの設置に関する合意がなされた。4月6日、米ロ首脳会談が開かれたが、弾道ミサイル防衛などに関して対立が続いた。4月16日、ロシアが南オセチア・アブハジアへの援助協定を発表。5月1日、ロシアがベラルーシと軍事協力を強化してNATOに対抗すると発表。5月11日、モスクワのルシコフ市長がセバストポリの黒海艦隊225年記念式典で同地がロシアに帰属すると発言。ウクライナ保安庁が反発し、ルシコフ市長に対してウクライナへの入国禁止を通告した。5月21日、ウクライナ大統領がセバストポリ使用協定を更新しないと発言。6月24日、ウクライナ外務省報道官が、ロシア海軍部隊はセバストポリ使用協定が切れる2017年にロシア海軍がクリミア半島から出て行くよう述べた。7月8日、チェコがアメリカの弾道ミサイル防衛用レーダー設置協定に正式に調印。これに反発したロシアはNATOとの協力関係の停止と中国インドへの関係強化、RS12M2トーポリＭ及びRS-24配備、INF条約からの脱退、イスカンデルＭのカリーニングラードへの配備などを打ち出した。8月、南オセチア紛争勃発。8月13日、ウクライナ大統領はセバストポリ海軍基地に駐留するロシア黒海艦隊及び航空機が移動する際、72時間前に計画をウクライナ側に提出して許可を得ることを義務づける大統領令に署名し、ミサイル攻撃警告などに関するロシアとの協定の効力を停止すると表明した。8月14日、ウクライナ大統領は、ロシア艦艇がセバストポリに帰還する場合にもウクライナの許可を得ることを義務づけた。8月17日、ロシア軍高官の談話として、カリーニングラードを拠点とするバルチック艦隊に核兵器の配備を検討していると、イギリスのサンデー・タイムス紙が伝えた。9月10-15日、ロシアがベネズエラにTu-160爆撃機２機を親善飛行というふれ込みで派遣した。11月初め、ロシアのメドベージェフ大統領が教書演説で、アメリカがBMDの配備を強行するならばイスカンデルＭをカリーニングラードに配備すると述べた。11月10-14日、ロシア海軍北洋艦隊原子力ミサイル巡洋艦ピョートル・ヴェーリキー、ウダロイ�U型駆逐艦アドミラル・チャバネンコ、海洋調査艦１隻、艦隊補給艦１隻（これらの艦は9月22日にセベロモルスクを出港していた）がベネズエラとの合同演習を実施。12月2日、NATO外相会議でグルジアとウクライナのNATO加盟行動計画が先送りになった。

2009年1月28日、スイスで実施された世界経済フォーラムで、プーチン首相は、オバマ政権と新たな軍拡競争をするつもりは無いと述べた。また、イスカンデルＭのカリーニングラード配備計画も保留されたとみられる。2月3日、キルギス大統領とロシア大統領がクレムリンで会談し、ロシアからの経済援助と引き替えに、キルギスのマナス国際空港にあるアメリカ軍基地をアメリカへの通告後６ヶ月以内に撤去させることで合意した。12月、アメリカとポーランドが地位協定を批准。GBIではなくパトリオット（PAC2-GEM+またはPAC-3）をカリーニングラード南70kmにあるポーランドのモロンクに2010年から配備することになり、2012年までに常設駐屯地を建設することになった。それまではポーランド内の駐屯地にローテーションで展開し、ポーランド軍兵士も訓練に参加できる。

2010年3月10日、Tu-160がスコットランド沖のイギリス領空を侵犯したとしてイギリス政府がロシアに抗議したが、ロシア側は否定した。5月27日、ポーランドへのPAC-3配備開始に関し、ロシアの外相が不快感を示し、アメリカとポーランドに詳細な報告を求めた。7月9日、ロシア下院が9月2日（日本が降伏文書を調印した日）を第二次大戦終結の日として制定する法改正案を可決した。ウィーン空港にアメリカとロシアの特別機が着陸し、アメリカが逮捕したロシア諜報員10人とロシアが逮捕したアメリカ諜報員４人を交換した。11月20日、ロシア大統領がNATO加盟国首脳との会談の席で、欧州BMD計画がロシアを標的としたものでないことを証明するためにロシアが参入できる枠組みを作るよう求めた。11月30日、ロシア大統領が年次教書演説で、欧州BMD計画にロシアが参入できないなら軍拡競争になると警告した。

2011年11月23日、欧州BMD計画がロシアを対象としたものではないという法的拘束力のある文書への署名をアメリカが拒否したことに対する措置として、カリーニングラードにある早期警戒レーダーの再稼働や、ベラルーシへのイスカンデルＭ配備などを行うとロシア大統領が発表した。

2013年7月、ロシア海軍がオホーツク海などに23隻を展開して中国海軍との軍事演習を実施。12月、ロシア国防省がカリーニングラードにイスカンデルＭ弾道ミサイルを配備したと認めた。12月下旬、ロシア艦１隻がスコットランド北東部モレイ・ファース沖30海里に出現した。ロシア側は悪天候を避けるためとしているが、イギリス側は本土への接近可能範囲や対応時間を測り、核兵器基地の偵察も行っていたと判断、ポーツマス軍港から駆逐艦D36ディフェンダーを派遣し、12月20日に無線交信を行った。その後ロシア艦はロシア海軍が演習中のバルト海へと去っている。

2014年2月、ウクライナ紛争勃発でヨーロッパ方面でのロシアによる威嚇行為が激しくなった。3月上旬、アメリカ空軍第48戦闘航空団F-15C戦闘機６機がリトアニアに追加派遣され、派遣機数は計10機となった。3月3日、スカンジナビア航空ボーイング737旅客機がスウェーデンのマルメ南東50マイルでトランスポンダーを切っていたロシア空軍Il-20M電子偵察機に異常接近され、空中衝突しかけた。3月下旬、アメリカ空軍がポーランドにF-16戦闘機12機を派遣してポーランド軍との共同訓練を実施。4月12日、黒海でDDG-75ドナルド・クックにロシア軍機が異常接近した。4月下旬、アメリカ陸軍第173歩兵旅団戦闘団600名がイタリアのビセンザ基地からポーランドに派遣された。4月22日、アメリカがポーランド及びバルト三国との共同演習を発表。4月23日、オホーツク海でアメリカ偵察機に対してロシア戦闘機が威嚇行動を取った。4月30日、ロシア軍がエストニア及びラトビアとの国境付近で軍事演習を開始。5月中旬、在欧米陸軍USAREURがドイツで連合の決意�U演習を行い、13カ国4000名が参加した。6月、デンマークのボーンホルム島にロシア軍機が模擬攻撃訓練を実施。6月3日、アメリカのオバマ大統領がワルシャワで欧州再保証イニシアティブを発表し、アトランティック・リゾルブ作戦を開始。7月16日、バルト海でスウェーデン偵察機に対してロシア戦闘機が威嚇行動を取った。7月18日、アメリカ偵察機がスクランブル発進したロシア戦闘機による接近行動を受け、回避行動を取った際にスウェーデン領空を侵犯した。8月、ロシア軍機がフィンランド領空を複数回にわたり侵犯した。9月7日、黒海でカナダ海軍フリゲートのトロントがロシア軍機から妨害行為を受けた。9月17日、ロシアSu-24戦闘爆撃機がスウェーデン領空を侵犯した。9月17-18日、アラスカからカナダの沿岸でアメリカ空軍F-22A戦闘機２機とカナダ空軍CF-188戦闘機２機がロシア空軍MiG-31戦闘機２機、Tu-95爆撃機２機、Il-78空中給油機２機にスクランブル発進した。9月19日、ロシア国境警備隊がバレンツ海でリトアニア貨物船を拿捕した。10月3日、バルト海上空でスウェーデン偵察機にロシア戦闘機が数メートルの距離まで接近。10月28-29日、ロシアが北海、黒海、バルト海にSu-27戦闘機、Su-34戦闘爆撃機、MiG-31戦闘機、Su-24戦闘攻撃機、Tu-95MS爆撃機、Il-78空中給油機計27機を展開し、周辺国の領空を19回侵犯した。ノルウェー空軍F-16戦闘機、イギリス空軍タイフーンFGR.4戦闘機、ポルトガル空軍F-16戦闘機、トルコ空軍F-16戦闘機、フィンランド戦闘機、スウェーデン戦闘機、NATO軍機がスクランブル発進している。12月12日、バルト海上空でスウェーデン民間機にロシア偵察機が異常接近した。

2015年4月11-12日、バルト海のDDG-75ドナルド・クックにロシア軍機が異常接近した。4月12日、バルト海上空の国際空域を飛行していたアメリカ空軍RC-135U電子偵察機に、ロシア空軍Su-27戦闘機が最小距離15mまで接近した。

2016年、スコットランド分離独立運動の激化を受け、ロシアがエジンバラにニュースサイト・スプートニクのラジオ局本拠地を設置、エジンバラ大学に多額の資金を提供してロシア言語・文化センターを設置した。4月11-12日、バルト海を航行中のDDG-75ドナルド・クックにロシア軍機が異常接近した。9月22日、レイキャビクのケフラピーク国際空港を離陸してスウェーデンに向かっていた民間機の下6000-9000フィート（1829-2743m）をロシア空軍Tu-160爆撃機2-3機編隊が通過したと、アイスランド外務相が発表した。NATO軍の演習を偵察していたらしく、ロシアは通常訓練の範囲内で、必要以上に危険性をアピールした発表であると非難している。10月、ロシアがカリーニングラードにイスカンデルＭ弾道ミサイルを配備。10月初め、ロシア空軍Tu-160爆撃機がイギリスとフランスの沖合を飛行し、両国の戦闘機がスクランブル発進した。

2017年4月15-19日、アメリカ空軍第338戦闘航空団第34戦闘飛行隊・第419戦闘航空団第466予備役戦闘飛行隊F-35A戦闘機計８機がイギリスのレイクンヒース基地に着陸し、一時的な派遣を開始した。4月24日、レイクンヒース基地に展開中のF-35A戦闘機２機がエストニアに派遣された。4月28日、レイクンヒース基地に展開中のF-35A戦闘機２機がブルガリアに派遣された。6月19日、バルト海上空でアメリカ空軍第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Uにロシア空軍Su-27戦闘機２機が異常接近した。

2018年1月15日、Tu-160爆撃機２機がMiG-31戦闘機の護衛を受けて空中給油しながらバレンツ海と北海を13時間飛行した。途中でイギリスとベルギーの領空に接近し、両国管制当局の無線交信に応じなかったため、イギリス空軍がタイフーンFGR.4戦闘機、ベルギー空軍がF-16戦闘機をスクランブル発進させた。3月、イギリスで発生した元ロシア人スパイ暗殺未遂事件の報復として、アメリカ政府が外交官含むロシア人60人を国外退去させた。8月24日、アメリカ海軍が北大西洋からバルト海を担当する第２艦隊を再編した。9月12-13日、アラスカ州西側ADIZにロシア空軍Tu-95爆撃機２機が侵入したため、アメリカ空軍第３航空団F-22A戦闘機がスクランブル発進した。11月5日、黒海上空国際空域を飛行していたアメリカ海軍EP-3Eアリーズ�Uにロシア空軍Su-27戦闘機１機が異常接近し、25分間に亘り危険な飛行を行った。アメリカがINCSEA違反としてロシアに抗議している。

2019年8月2日、INF条約が失効した。

2020年3月7日、ロシア軍Tu-142哨戒機２機が北からノルウェーに接近したため、ノルウェー空軍F-16戦闘機とF-35A戦闘機がスクランブル発進し、更に北海へと向かったため、イギリス空軍タイフーン戦闘機もスクランブル発進した。Tu-142哨戒機はIl-76空中給油機から空中給油を受けて13時間以上飛行している。5月上旬、アメリカ海軍DDG-78ポーター、DDG-80ルーズヴェルト、T-AOE-6サプライ、イギリス海軍F78ケントなど米英水上艦部隊計５隻がバレンツ海で演習を実施。5月26日、地中海上空でアメリカ海軍P-8A哨戒機にロシア空軍Su-35S戦闘機が異常接近した。5月29日、ロシア空軍Tu-95MS爆撃機がアラスカに接近したため、アメリカ空軍PACAFがスクランブル発進した。6月10日、ロシア空軍Tu-95MS爆撃機２機がアラスカから32海里に接近したため、アメリカ空軍PACAF第３航空団第90戦闘飛行隊F-22A戦闘機がスクランブル発進した。7月3日、ロシア軍機がノルウェーに接近したため、ノルウェー空軍F-16戦闘機がスクランブル発進した。次いでスコットランド北部の国際空域に達したため、イギリス空軍タイフーンFGR.4がスクランブル発進した。ベスピナ要人輸送機が空中給油支援を行っている。更にアイスランドへと近づいたため、IAPで展開中のイタリア空軍F-35A戦闘機がキエブラヴィーク基地からスクランブル発進した。

2021年3月29日、NORADアラスカ地域司令部が、Tu-142洋上哨戒機２機がアラスカの防空識別圏内を飛行したため追尾を行ったと発表した。アメリカ・カナダ共同防空演習アマルガム・ダート21-2を偵察しに来たらしい。6月23-27日、ロシア軍が北方領土の択捉島や国後島などで10000名規模の演習を実施。7月7日、黒海上空を飛行するアメリカ海軍P-8A哨戒機にロシア海軍Su-30SM戦闘機がスクランブル発進した。10月14-17日、中国海軍055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦172昆明、054A級フリゲート515浜州、同573柳州、福池型補給艦902東平湖、大老級潜水艦救難艦846、通常動力型潜水艦１隻、ロシア海軍ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・トリブツ、ステレグシュチイ級フリゲートのグロームキイ、同アルダー・ツィデンジャポフ、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフが日本海で共同訓練（対潜戦、艦砲実射、クロスデッキなど）を行い、その後10月18日に津軽海峡、10月21日に小笠原諸島須美寿島と鳥島の間、10月22日に大隅海峡を通り、10月23日に長崎県男女群島沖で中国海軍艦艇とロシア海軍艦艇が分離した。10月27日、ノルウェー北部にロシア空軍MiG-31戦闘機、Tu-160戦略爆撃機、A-50空中早期警戒管制機などが接近したため、ノルウェー空軍F-35A戦闘機２機とF-16戦闘機が随伴監視飛行を行った。

2022年2月4日、ノルウェー空軍F-35A戦闘機がバレンツ海上空を飛行するロシア軍機にスクランブル発進した。2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した。9月1-7日、ロシア軍が日本海からオホーツク海（北方領土含む）で多国籍軍事演習ヴォストーク2022を行い、14カ国が参加した。9月29日、黒海上空でイギリス空軍RC-135電子偵察機を追尾していたロシア空軍Su-27戦闘機がミサイルを発射した。RC-135電子偵察機に損害は無く、ロシアは10月10日に国際空域で技術的誤作動により発生したものと伝達、イギリス側も受け入れている。12月21日、アメリカ空軍第55航空団第82偵察飛行隊RC-135V電子偵察機が南シナ海で殲撃11戦闘機に接近され、進路を妨害された。アメリカと中国が互いを非難している。

2023年2月13日、ロシア軍Su-35S戦闘機とTu-95ベアＨ爆撃機がアラスカに接近したため、アメリカ空軍F-16戦闘機がスクランブル発進した。ロシア空軍Su-27戦闘機２機とIl-20電子偵察機１機がポーランドに接近したため、ポーランドのマルボルク基地に展開していたオランダ空軍F-35A戦闘機２機がスクランブル発進した。2月14日、ロシア軍Su-35S戦闘機、Su-30戦闘機、Tu-95ベアＨ爆撃機がアラスカに接近したため、アメリカ空軍F-35A戦闘機がスクランブル発進した。3月29日、シリアの多国籍有志部隊管轄空域（米ロの協議で管轄を決定）で、ミサイルを装備したSu-35S戦闘機がアメリカ空軍F-16戦闘機に接近し、危険な機動を行った。アメリカ中央空軍AFCENT司令部がターゲッティング・ポッドの映像を公開して抗議している。7月23日、シリアの多国籍有志部隊管轄空域で、MQ-9無人偵察機にロシア空軍戦闘機が接近してフレアを射出し、１発がMQ-9を直撃した。MQ-9はプロペラを大破したものの、何とか基地に辿り着いている。

参考：月刊軍事研究12,’08、1,’09、2,’09、3,’09、4,’09、7,’09、1,’10、7,’10、9,’10、12,’10、3,’14、3,’15、月刊世界の艦船6,’09、9,’10、11,’11、12,’11、1,’12、2,’12、3,’12、4,’12、5,’12、9,’12、1,’13、2,’13、3,’13、7,’13、11,’13、12,’13、3,’14、12,'15、1,'16、3,'16、4,'16、10,’16、5,’17、7,’17、11,’17、12,’17、3,’18、4,’18、10,’18、1,’19、7,'20、月刊JWings11,’09、9,’10、12,’12、2,’13、4,’13、6,’13、8,’13、9,’13、11,’13、12,’13、1,’14、2,’14、4,’14、6,’14、7,’14、8,’14、11,’14、12,’14、3,’15、4,’15、6,’15、9,’15、3,'16、4,'16、7,'16、11,’16、12,’16、5,’17、7,’17、8,’17、11,’17、12,’17、1,’18、3,’18、4,’18、5,’18、6,’18、7,’18、8,’18、10,’18、11,’18、12,’18、1,'19、6,'20、9,'20、10,'20、6,'21、10,'21、1,'22、4,'22、5,'22、11,'22、1,'23、3,'23、5,'23、7,'23、10,'23、月刊航空ファン7,’17、4,’10、6,’10、8,’10、2,’11、3,’11、5,’11、11,’11、2,’12、11,’12、3,’13、5,’13、4,’14、1,’15、4,'16、7,’16、9,’16、11,’16、12,’16、1,’17、4,’17、12,’17、1,’18、5,’18、7,’18、12,’18、1,’19、月刊PANZER6,’14、月刊航空情報4,’18、朝雲

＜迅聯専案＞：康定級フリゲートを参照。

＜�~鈴丸＞：日本海軍雑用船Shinrei maru。大元は大正7年5月に進水した茂木商店小型貨物船老松丸で、大正9年に濱口汽船に売却され英正丸になり、昭和3年と昭和4年にも売船されて�~鈴丸に改称され、昭和5年に都汽船に売却され、昭和17年3月に徴用されて雑用船になった。垂線間長57.91m、幅9.45m、深さ5.64m、満載吃水4.83m、総トン数987トン、重量トン数1600トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸490馬力、航海速力8.5ノット、最大速力9.5ノット。昭和19年5月17日、スラバヤ港内で沈船の引き揚げ作業を行っていたところ、空母87イラストリアス艦上機の空襲を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’22

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