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＜九九艦隊＞：海上自衛隊がポスト４次防で立案した艦隊構想。DDG（イージス艦）２隻、DDH１隻、DD６隻からなる艦隊で、ヘリコプター９機を運用し、バリア警戒２機、攻撃用４機を常時可動状態に置き、対空・対潜共に万全の体勢を取る。冷戦崩壊などで八八艦隊のままになった。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜９Ａ３４＞：9K35地対空ミサイルシステムの自走ミサイルランチャー。9A35から電波誘導システムを除いたものである。参考：月刊PANZER6,’02

＜９Ａ３５＞：9K35地対空ミサイルシステムの自走ミサイルランチャー。MT-LBに全周旋回式ターレットを取り付け、２連装ミサイルランチャー２基を搭載している。ミサイルランチャー間には電波誘導照準装置の索敵レーダーと思われるパラボラアンテナが付く。車体には予備ミサイル８発が収納できる。使用ミサイルは9M37だが、予備ミサイルのうち４発は9M31で、目標が妨害システムを持たない場合にはこちらを使用する。全長6.6m、全幅2.85m、全高2.3m、重量12.3トン。エンジンはYaMZ-238Vディーゼル（240馬力）で、最大速度62km、航続距離500km。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(2)

＜９Ａ３９＞：9K37地対空ミサイルシステムを構成する予備ミサイル運搬・再装填支援車。9A310と似ているが、レドームが無い。9A310と同じランチャーに４発と、再装填用ミサイル４発の計８発を搭載する。備え付けの１トンクレーンで9A310に迅速な再装填（13-15分）を行う他、緊急時には9A310の指令を受けてランチャーに装填されているミサイルを発射することもできる。参考：月刊軍事研究2,’98、10,’14、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ａ５１＞：ロシア軍9K59多連装ロケットシステムを構成する自走ロケットランチャー。自走車体はウラル4320トラック（６輪駆動）で、車体後端両側に安定用ジャッキを持つ。車体後部に122mmロケットランチャー50本（10列５段）を搭載しており、俯仰角0-55度、旋回角58度ずつ。単発、選択連射、斉射が可能で、30秒で全弾発射できる。使用ロケット弾は9M53F、9M43、地雷搭載弾（１発あたり対戦車地雷３個または対人地雷５個を収容）などで、目標上空で爆発する新型弾頭や、子爆弾収容型も用意されている。再装填用のトラックもあるが、手動なので、50発積み込むのに相当時間がかかる。全備重量13.9トン。乗員３名。参考：月刊軍事研究9,’00、世界AFV年鑑2002-2003

＜９Ａ５２シリーズ＞：ロシア軍300mm多連装ロケットシステム9K58用ロケットランチャー、別名Smerch。1987年就役。西側は1983年に存在を確認したため、M1983のコードを付けた。参考：月刊丸4,’99、月刊軍事研究10,’02

　＜９Ａ５２−１＞：８×８輪トラックMAZ543Mに搭載される12連装300mmロケットランチャー。発射時には後２軸の間のスタビライザーアーム２本で車体を固定する。車体には再装填用クレーンを装備する。全長12.4m、全幅3.1m、全高3.1m、戦闘重量43.7トン。エンジン出力525馬力、路上最大速度60km、航続距離650km。旋回角左右30度ずつ、仰角0-55度、最大射程70kmないし90km。使用弾は通常弾頭型9M55/9M55F、クラスター弾型9M525（子爆弾72個）／9M531（子爆弾646個）、誘導クラスター弾型9M532（子爆弾20個）、キャニスター弾9M55K、２波長赤外線シーカー付き貫通型子爆弾（装甲貫徹力70mm）５発入り9M526、対戦車頂部攻撃弾薬・対戦車地雷敷設弾５発を詰めた高性能炸薬弾9M528、対装甲小爆弾収容型9M55K1、対戦車地雷25発入り9M527、燃料気化爆弾9M55S/9M529、R-90小型無人機など。乗員４名。ロシアの他、クウェート陸軍（27基）とUAE陸軍（６基）に輸出された。参考：月刊丸4,’99、月刊軍事研究10,’02、6,’14、3,’03

　＜９Ａ５２−２＞：改良型で、別名スメルチＭ。参考：月刊丸4,’99、月刊軍事研究10,’02

＜９Ａ８２＞：ロシア軍S-300V地対空ミサイル用ミサイルランチャー。9M82ミサイルキャニスター２連装または４連装ランチャーをMT-TM装軌車体後部に搭載している。発射時にはキャニスターを垂直に立てる。車体前方上部には限定旋回・俯仰が可能な目標照射・ミサイル誘導用レーダーアンテナを持つ。参考：月刊軍事研究10,’98、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ａ８３＞：ロシア軍S-300V地対空ミサイル用ミサイルランチャー。9M83ミサイルキャニスター４連装ランチャーをMT-TM装軌車体後部に搭載している。発射時にはキャニスターを垂直に立てる。また、車体前部には起倒式で俯仰及び360度旋回可能な目標照射・ミサイル誘導用レーダーアンテナを持つ。参考：月刊軍事研究10,’98、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ａ８４＞：ロシア軍S-300V地対空ミサイルの9M82用ミサイルコンテナ再装填車両。

＜９Ａ８５＞：ロシア軍S-300V地対空ミサイルの9M83用ミサイルコンテナ再装填車両。

＜９Ａ９２＞：ロシア軍S-300V地対空ミサイルの9S32ミサイル管制・誘導車両用管制レーダー。

＜９Ａ９３＞：ロシア軍S-300V地対空ミサイルの9S32ミサイル管制・誘導車両用管制レーダー。

＜９Ａ３１０＞：ロシア軍9K37地対空ミサイルシステム用ミサイルランチャーで、TELAR（Transported Erector Launcher And Radar）と呼ばれる。GM-569装軌車両に全周旋回ターレットを載せ、その前部に誘導レーダー、後部に9M38用並列４連装ランチャーを搭載したものである。レーダーは西側名称ファイア・ドーム（2K12と同じＤ・Ｇ・Ｈ・Ｉバンドを使用するストレート・フラッシュまたはフラップ・リッドという資料もある）とみられる。ドーム内に収容されており、ダブル・リフレクターのカセグレン型で、水平方向走査範囲左右60度ずつ、ビーム垂直幅７度、走査範囲はマイナス５度からプラス75度。レーダー波は動目標選出用のパルス波と、パルス・ドップラー様の疑似連続波、目標照射用連続波の３種。ロックオン可能距離100km（RCS３平方メートル）／80km（２平方メートル）。迎撃可能範囲は距離3-35km、高度15-22000m。バックアップとして光学照準装置も搭載されており、この場合は無線コマンドリンク方式の誘導となる。迎撃可能な目標速度は向かって来る目標でマッハ2.5、遠ざかる目標でマッハ0.9。１目標に最大３発のミサイルを誘導でき、システム全体で最大６目標に対処できる。全長9.3m、全幅3.25m、全高3.8m、重量32.4トン。最大装甲厚9mm。エンジンはV-6Rディーゼル（240馬力）、最大速度65km、航続距離350km。乗員４名。1983年からは9M38-M1を搭載している。参考：月刊軍事研究10,’14、2,’98、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ａ３３０＞：GM-569（装軌車体）を参照。

＜９Ａ３３１＞：9K330（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜９Ａ６２１＞：ソ連空軍６砲身30mmガトリング砲で、MiG-27、Su-24に搭載されている。発射速度毎分6000発。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜９Ａ４０７１Ｋ＞：GSh-301（機関砲）を参照。

＜９Ａ４１７２＞：ロシア軍の対戦車ミサイル、ミサイル名称9M120Mまたは9M121、別名ヴィキールＭ（Vikhr M。ヴィーフリ-1？）、米軍コードAT-16、NATOコードはScallion。9M120ヴィキールの改良型で、大型のロケットモーターを搭載して射程を延伸した。誘導はレーザー・ビーム・ライディング方式に変更されている。全長2.8m、直径0.13m、翼スパン0.40m、重量72kg、弾頭重量8.6kg。飛翔速度マッハ1.8、最大射程8-10km（昼間）／5km（夜間）。装甲貫徹力900mm。円筒形の発射筒に収められ、６発１組でKa-50シリーズのパイロンに搭載される。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン7,’00、月刊JWings9,’23

＜９Ａ４２７３＞：ロシア軍30mm機関砲ポッド。NR-30またはGSh301と弾薬150発を内蔵する。全長3.03m、重量480kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜９Ｂ１１０３Ｍ＞：ロシアのAGAT社が開発した小型ミサイル用赤外線シーカー。幅150mmで、全方位攻撃を可能とする。参考：月刊軍事研究1,’09

＜９Ｅ２４１３＞：3M12（陸上発射巡航ミサイルシステム）を参照。

＜９Ｆ３８０＞：BM-21（36連装）の補給用運搬車。

＜９ＧＲ６００＞：スウェーデンの艦載対空・対水上捜索レーダーで、楕円形アンテナを持つ。使用周波数Ｉバンド、ピーク出力200kW、パルス繰り返し周波数1000または3000pps、走査回数最大毎分60回。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜９Ｋ１１＞：ソ連軍対戦車ミサイルシステム、別名Malyutka、米軍コードAT-3、NATOコードはSagger。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ２５＞：クラスノポール（レーザー誘導砲弾）を参照。

＜９Ｋ３１＞：ソ連陸軍自走式地対空ミサイルシステム、別名ストレラ１（Strela-1）、米軍コードSA-9、NATOコードはガスキン（Gaskin）。1968年に採用された。BRDM-2の車体に9M31ストレラ１または9M31Mをコンテナごと４発装着できる旋回式ランチャーを搭載した9A31と、中隊に配備されているBTR-60PベースのPU-12装甲指揮車で構成される。9A31のランチャー基部には防弾ガラス窓のある射手席があり、車内には予備ミサイル２発が搭載されている。再装填時間は５分。全長5.75m、全幅2.35m、全高2.31m、重量７トン。最大装甲厚14mm。エンジンはV-6Rディーゼル（240馬力）、最大速度95km、航続距離750km。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’02、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ３３シリーズ＞：ソ連陸軍自走式地対空ミサイルシステム、別名オサ（Osa、スズメバチ）、米軍コードSA-8、NATOコードはゲッコー（Gecko）。牽引式対空機関砲の代替として1960年から開発され、1974年から配備された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’02

＜９Ｋ３３＞：ZIL-131水陸両用６輪トラックの車体に管制・目標追跡レーダー付きのランチャーを搭載、9M33ミサイルを剥き出しで４発搭載する。全長9.14m、全幅2.8m、全高4.2m、重量17.5トン。エンジン出力200馬力、最大速度60km、航続距離500km、乗員５名。支援車両として、9T217を同行する。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｋ３３Ｍ２＞：別名オサAK（Osa-AK）。ミサイルをコンテナ搭載の６連（３連装が２基）としたもの。同時に２発を発射する。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’02、月刊軍事研究12,’09

＜９Ｋ３３Ｍ３＞：別名オサAKM（Osa-AKM）、米軍コードSA-8B、NATOコードはゲッコー（Gecko）。搭載ミサイルを9M33M3オサAKMに変更したもの。1980年に登場し、ソ連や友好諸国に供与され、湾岸戦争当時のイラク軍にも40基が配備されていた。全長9.14m、全幅2.8m、全高4.2m、戦闘重量17.5トン。エンジンはD20B-200ディーゼル（200馬力）、最大速度80km、水上速度8km、航続距離500km。乗員５名。参考：月刊軍事研究2,’03、月刊PANZER6,’02、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ３４＞：ソ連軍携帯地対空ミサイル、別名ストレラ３（Strela-3）、米軍コードSA-14、NATOコードはギムレット（Gimlet）。9M32の二次改良型で、シーカーをアルゴンガス低温冷却型として熱源探知範囲を40度に広げ、目標に対する正面射撃を可能とした。弾頭も化学エネルギー破片式として威力を増大し、熱電池も30秒保つようにしてある。全長1470mm、直径72mm、翼スパン300mm、重量10.5kg、弾頭重量1.17kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ1.75、射程500-2000m（4100m？）、交戦高度15-1500m。1974年からソ連軍に配備され、1978年から東側各国に配備された。艦載型（米軍コードSA-N-8、NATOコードはグレムリンGremlin）もあり、４連装発射機が用意され、タランタル型などに搭載されている。参考：月刊軍事研究12,’02、3,’04、7,’95、月刊世界の艦船1,'15増刊、2,’17、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＳＡ−Ｎ−８＞：西側推定諸元は以下の通り。全長1.4m、直径0.075m、重量9.9kg、炸薬重量2kg。固体燃料ロケット推進、最大速度マッハ1.8、射程6km。誘導は赤外線パッシブ。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜９Ｋ３４海外シリーズ＞

　＜ＳＡＭ−８６＞：フィンランド陸軍地対空ミサイル。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜９Ｋ３５シリーズ＞：ソ連陸軍の連隊防空用自走地対空ミサイルシステム。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｋ３５＞：別名ストレラ-10SV（Strela-10SV）またはストレラ-10M3（Strela-10M3）、米軍コードSA-13、NATOコードはゴーファー（Gopher）。BRDM-2ベースの9K31ストレラ-1の後継として1960年代末から開発され、1977年から配備された。9A34ランチャー３両、9A35ランチャー１両、9S80MSVまたは9S80-1MSV誘導レーダー車１両、PU-12またはPU-12M指揮車１両で１個小隊を形成し、戦車連隊などに配備される。9M37/9M31地対空ミサイルは無煙推進薬を使用しているため、ミサイルが発射されたことに気づくのが難しく、飛翔方向を判断するのも困難で、２発を指向されるとまず逃げられない。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’02、月刊軍事研究9,’09、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜９Ｋ３５Ｍ３＞：別名ストレラ10（Strela-10）、米軍コードSA-13、NATOコードはゴーファー（Gopher）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ３６＞：ロシア軍の携帯地対空ミサイル、別名ストレラ−３（Strela-3）、米軍コードSA-14、NATOコードはグレムリン（Gremlin）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ３７シリーズ＞：ソ連陸軍の方面軍防空（師団防空？）用地対空ミサイルシステム、別名ブーク（Buk、ブナ）。米軍コードはSA-11、NATOコードはガドフライ（Gadfly、ウシアブ）。2K11クルーグや2K12クーブの後継となる高々度迎撃用ミサイルとして1972年から開発、1980年（1979年？）から配備されたが、財政難で完全に交替しきっていない。アゼルバイジャン、インド、ウクライナ、エジプト、北朝鮮、グルジア／ジョージア、シリア、中国、フィンランド、ブルガリア、ベラルーシ、旧ユーゴなどに輸出もされた。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究2,’98、10,’14、世界の軍用車両(2)、月刊JWings10,’14

＜９Ｋ３７＞：西側のホーク地対空ミサイルシステム相当で、S-300と9K330トールの間を埋める。１個射撃中隊は9A310ミサイル車両２両と9A39予備ミサイル再装填支援車両１両で構成され、9M38ミサイルを使用する。１個射撃大隊は３個射撃中隊、司令部、技術小隊、整備中隊、地対空ミサイル小隊からなり、9A310ミサイル車両６両、9S470連隊指揮車両１両、9S18クポール長距離目標捜索レーダー車１両、9A39予備ミサイル再装填支援車両3-6両で構成され、9TM229再装填ミサイル搭載トラックを伴っていることもある。整備車両はZIL-131トラックを基にした9B95M1、MTO-ATCなど。地対空ミサイル小隊は自衛用のMANPADSを装備する。２個射撃大隊編成の連隊または４個射撃大隊編成の旅団単位で運用され、１個連隊の最大同時交戦数は24で、同時ミサイル発射数も６個射撃中隊で24発。旅団は旅団司令部、４個射撃大隊、目標捕捉／早期警戒中隊、整備中隊、資材支援中隊、化学防護小隊を隷下に置く。参考：月刊軍事研究10,’14、2,’98、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(2)、月刊JWings10,’14

＜９Ｋ３７Ｍ１＞：1983年に登場した改良型。ミサイルが9M38-M1ブークM1に換装されている。参考：月刊軍事研究10,’14

　＜９Ｋ３７Ｍ１−２＞：1998年から配備された改良型Buk-M2、米軍コードはSA-17、NATOコードはグリズリー（Grizzly）。レーダーをプラナー・アレイ・アンテナの9S36パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダーに換装、ミサイルを9M317にしている。迎撃範囲が拡大し、多目標同時対処や戦術弾道ミサイル対処が可能となった。参考：月刊軍事研究10,’14、月刊PANZER7,’10

＜９Ｋ３７海外シリーズ＞

　＜ブークＭＢ（アゼルバイジャン陸軍）＞：アゼルバイジャン陸軍自走地対空ミサイルシステム。2011年にブークからのアップグレード契約が締結され、2013年6月の軍事パレードで最初のブークMB大隊が登場した。１個大隊は9A310MB自走ランチャー６両、9A39MB再装填車両３両、80K6Mレーダー車１両、9S470MBコマンドポスト１両、兵站支援車両で構成され、9M38M1/9M317地対空ミサイルを使用する。参考：月刊軍事研究3,’15

＜９Ｋ３８＞：ソ連軍の携帯地対空ミサイル、ソ連通称イグラ（Igra、針）、米軍コードSA-18、NATOコードはグラウス（Grouse）。艦載型の米軍コードはSA-N-14、NATOコードはグラウス（Grouse）。9K310に比べ全長が長くなり、直径も僅かに拡大、２周波赤外線シーカーを使用してジャミングに強くなっている（9K34と同じシーカーを使用しているという説もある）。また、弾頭炸薬に加えて残存推進薬を目標に吹き付ける機能を持ち、加害力が増した。ミサイルノーズの赤外線レンズ窓にエアロダイナミック・スパイクという細い針状の棒が１本突き出ており、超音速時の衝撃波を遠ざけて抗力を減らす。全長1.708m、直径0.0722m、発射重量10.8kg、弾頭重量1.17kg。固体燃料ロケット推進、最大速度マッハ２、、最大射程5.2km 最大射高3.5km。1983年から配備された。コソボ紛争でセルビア軍が使用した。参考：月刊軍事研究1,’18、12,’02、3,’04、11,’11、6,’14、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17

＜９Ｋ４０＞：ロシア海軍艦対空ミサイルシステム、別名ヨーシュ（イェズ？）、米軍コードSA-N-12、NATOコードはグリズリー。3K90ウラガンの改良型で、9M317艦対空ミサイルを使用する。発射機やレーダーは3K90と共通である。ソブレメンヌイ級15番艦ベスポコイニイ以降に搭載された。輸出型の名称はシュチル１。参考：月刊世界の艦船12,’18、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜９Ｋ５１＞：ソ連陸軍122mm多連装ロケットシステム。BM-21自走発射機、次発装填用ロケット弾運搬車9F37で構成される。基本的に師団火力であり、１個師団あたり１個大隊12自走発射機が配備され、戦時には18両に強化される。軍管区司令部直轄火力としても使用されており、独立連隊（３個大隊編成）として配備されている。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊丸4,’99

＜９Ｋ５７＞：ソ連陸軍220mm自走多連装ロケットシステム、別名ウラガン（Uragan、暴風）。1969年（1964年？）から軍・フロント用直轄火力として開発され、1976年（1975年？）から配備された。9P140自走発射機、9T452再装填支援車などから構成される。発射統制システムはカプストニークＢと呼ばれ、大隊指揮車はBTR-80、指揮司令部車はウラル4320トラック（幹部を乗せるだけ）である。他に測位、偵察、気象観測などのサブシステムも持ち、全て１台のデータ・プロセッサに接続されている。アフガニスタン侵攻、チェチェン紛争で使用された。また、シリアにも輸出され、イスラエルとの紛争で使用されたらしい。2004年現在もロシア戦車師団及び自動車化狙撃師団の砲兵連隊に配備されている。１個大隊には自走発射機12両が配備されており、戦時には18両に増強される。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER4,’02、月刊軍事研究9,’00

＜９Ｋ５８＞：ソ連陸軍300mm自走多連装ロケットシステム、別名BM-30スメルチ（Smerch、竜巻、死）。各軍管区に１個旅団４個大隊が配備されており、9K57ウラガンと共に運用される。１個大隊は9A52自走発射機12両、9T234-2弾薬車12両、1K132コントロールシステム数両、PM-2-70修理車両数両、1112-2地形観測車数両、1B44気象観測車数両からなる。1987年に採用され、105両（300両？）が配備されて1989年から運用された。クウェート、UAE、インドに輸出されている。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、月刊丸4,’99、月刊PANZER8,’18

＜９Ｋ５８海外シリーズ＞

　＜９Ｋ５８（インド陸軍）＞：インド陸軍自走多連装ロケットシステム。2007年に9A52自走発射機28両の購入契約を結び、更に24両を追加調達する予定。9A52のベースは10×10輪タトラ・トラックになる。参考：月刊軍事研究9,’10

＜９Ｋ５９＞：ソ連陸軍122mm自走多連装ロケットシステム、別名プリマ（第１音）。BM21グラードの後継で、1982年に開発完了し、1987年頃から部隊配備された。9A51自走発射機、9T232M次発装填用ロケット弾運搬車、デジタル・コンピュータを中心とする発射統制システム（中隊または大隊単位で付属する）などにより構成される。１個師団あたり１個大隊（自走発射機12両）が配備された。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊丸4,’99

＜９Ｋ７２＞：ソ連陸軍野戦軍・方面軍用弾道ミサイルシステム、米軍コードSS-1c、NATOコードはスカッドＢ（Scud B）。1961年から配備され、当初8K14と呼ばれており、スカッドＡと同じISU-152ベースの2P19自走発射機にR-17スカッドＢを搭載した。後に自走発射機は８×８輪の2P20（後に9P113に改称。9P113M、9P113M-1なども使用される）に改められた。1980年代、R-17ミサイルが9M72と改称されたため、システム名も9K72エルブルス（Elbrus。火山の名前）に変わった。風に流されると命中率が下がるので、気象レーダー装備の気象班が随伴し、ゾンデを上げて風の観測を行ってから発射する。参考：月刊PANZER9,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、軍事分析湾岸戦争

＜９Ｋ７９シリーズ＞：ソ連陸軍師団砲兵ミサイルシステム、別名OTR-21、米軍コードSS-21、NATOコードはスカラブ（Scarab、甲虫型の宝石）。1960年代後半から開発され、1971年にルナ戦術ミサイルの後継として制式化され、1976年から配備された。敵地対空ミサイルシステムの無力化に用いられるため、「パトリオットバスター」と呼ばれていたこともある。1999年11月からチェチェン紛争にも投入され、130発以上が撃ち込まれた。1984年以降、チェコスロバキア、東ドイツ、ハンガリー、ポーランドに引き渡された。参考：月刊PANZER9,’02、月刊丸4,’99

＜９Ｋ７９＞：別名トチカ（Tochka、トーチカの意）。9M79ミサイルを搭載した６輪自走発射機9P129と、9T218ミサイル輸送・再装填支援車両で構成される。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER9,’02

＜９Ｋ７９−１＞：別名トチカ−Ｕ（Tochka-U）、米軍コードSS-21B、NATOコードはスカラブ（Scarab）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ７９Ｍ−１＞：ミサイルを9M79M-1に換えたもの。2017年12月22日のロシア国防省拡大幹部会議で、国防相がシリア内戦での使用を報告した。参考：月刊PANZER9,’02、月刊軍事研究3,’18

＜９Ｋ８１＞：S-300V（地対空ミサイル）を参照。

＜９Ｋ１１１＞：ソ連軍対戦車ミサイル、別名ファゴット（Fagot）、米軍コードAT-4、NATOコードはスピゴット（Spigot）。全備重量39.5kg（発射機含む）、ミサイル重量12kg、発射筒直径135mm、弾頭直径120mm。飛翔速度毎秒185-200m、射程2000-2500m、飛翔時間11秒。装甲貫徹力500-600mm。誘導は半自動式。参考：月刊戦車マガジン2,’81、兵器最先端５、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１１海外シリーズ＞

　＜Ｍ−８２＞：フィンランド陸軍対戦車ミサイル。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜９Ｋ１１２−１＞：ソ連陸軍の腔内発射ミサイルシステム、別名コーブラ。T-64Bに搭載されており、9S461ミサイル誘導制御装置、9S461-1（GTN12）誘導用アンテナ、9V387コントロールパネル、PO900コンバータ、9M112-1ミサイルで構成される。射撃方式は３種類で、基本方式は発射炎による誘導障害を防ぐため、戦車砲を照準線より３度上に向けて発射する方法である。戦車が目標より高い位置にある場合や、夜間などで視界が悪い場合には、目標までの距離をマニュアル入力して３度の仰角をかけて発射すると、一度照準線より3-5m上に飛び上がった後にプログラムに従い照準線位置に降下し、終末段階で誘導装置の指示を受けて目標に向かう。目標が1000m以内に突然出現した場合、仰角40分でミサイルを発射し、砲口から40-100mで照準にのせて誘導する。参考：月刊軍事研究8,’01

＜９Ｋ１１３＞：ロシア陸軍対戦車ミサイルシステム、別名Konkurs、米軍コードAT-5、NATOコードはSpandrel。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１４＞：ロシア陸軍対戦車ミサイルシステム、別名Shturm、米軍コードAT-6、NATOコードはSpiral。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１５シリーズ＞：ソ連陸軍対戦車ミサイルシステム。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１５＞：1979年に開発された。別名メティス（Metis）、米軍コードAT-7、NATOコードはサクソフォーン（Saxhorn）。9M115ミサイルを使用する。参考：月刊PANZER2,’02、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１５−１＞：別名メティスＭ（Metis-M）、米軍コードAT-13、NATOコードはサクソフォーン２（Saxhorn 2）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１５−２＞：別名メティスM1（Metis-M1）、米軍コードAT-13、NATOコードはサクソフォーン２（Saxhorn-2）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１６−１＞：ソ連陸軍腔内発射ミサイルシステム、別名シェクスナ、米軍コードAT-12。9M117ミサイル、1K13または1K13-1照準器などから構成される。参考：月刊PANZER9,’04

＜９Ｋ１１６−１＞：ロシア陸軍個人携帯対戦車ミサイル（MANPATS）システム、別名Bastion、米軍コードAT-10、NATOコードはStabber。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１１９＞：ソ連陸軍腔内発射ミサイルシステム、別名リフレクス。9M119リフレクスミサイル及び戦車側のシステムから構成されており、T-90Sに搭載された。参考：月刊PANZER9,’06

＜９Ｋ１２０＞：ソ連陸軍腔内発射ミサイルシステム、別名スヴィリ。9M120スヴィリ（9M119スヴィリ？）及び戦車側のシステムから構成されており、T-72BMなどに搭載された。参考：月刊PANZER9,’06

＜９Ｋ１２０＞：ロシア陸軍対戦車ミサイルシステム、別名アタカ（Ataka）、米軍コードAT-9、NATOコードはスパイラル２（Spiral 2）。BMP-Tに搭載された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１２３＞：ロシア陸軍対戦車ミサイルシステム、別名フリザンテマ（Khrisantema）、米軍コードAT-15、NATOコードはスプリンガー（Springer）。フリザンテマＳ自走対戦車ミサイルに搭載されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ１３２＞：シュトゥルム−SM（対戦車ミサイル）を参照。

＜９Ｋ１３５＞：ロシア陸軍対戦車ミサイルシステム、別名コルネットＥ（Kornet-E）、米軍コードAT-14、NATOコードはスプリガン（Spriggan）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ３１０＞：ソ連軍の携帯地対空ミサイル、別名イグラ１（Igla-1）、米軍コードSA-16、NATOコードはギムレット（Gimlet。グレムリンGremlin？）。艦載型は米軍コードSA-N-10、NATOコードはグラウス（Grouse）。9K34よりもミサイル全長、発射筒直径、弾頭重量共に大型化し、アンチモン化インジウムと硫化鉛による二波長（赤外線・紫外線）シーカーを使用した第３世代赤外線受動誘導を採用（9K34と同じという説もある）、改良電子回路及びFM追随ロジック機能を用いる冷却型シーカーの検知性能と対妨害能力も向上した。IFFも搭載されており、IFFアンテナはヘルメットに装着する。システム重量17kg。ミサイル全長1.673m、直径72mm、ミサイル重量10.6kg、弾頭重量1.27kg、炸薬重量0.39kg。最大速度マッハ1.68、最大射程5200m、交戦高度10-3500m。射撃班長は半径12km以内の目標を４個同時にプロットする電子表示板を用いる。1981年から配備され、湾岸戦争、チェチェン紛争、アンゴラ、コソボ紛争、南米などで使用された。参考：月刊軍事研究10,’13、12,’02、3,’04、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ３１０海外シリーズ＞

＜９Ｋ３１０改（イラク軍）＞：イラク軍の携帯地対空ミサイル。9K310イグラ１の改造型で、イラク戦争後にイラクで発見された。前端に赤い改善型シーカーを取り付けており、ミサイル直径・全長も増大している。ロシアの協力下にイラクで改造されたものらしいが、詳細不明。参考：月刊軍事研究6,’04

＜９Ｋ３３０シリーズ＞：ソ連陸軍の低中高度用地対空ミサイルシステム（ZRK）、別名トール（Tor、円環面）。9A331ともいうらしい。米軍コードSA-15、NATOコードはガントレット（Gauntlet）。9K33オサの後継として1975年に開発され、1986年から配備された。運用単位は中隊で、４個中隊と連隊指揮統制車両と支援車両（ミサイル運搬車など）で１個連隊を構成、各師団に配備され、2S6ツングースカと組み合わせて運用される。ロシア本土防空空軍に配備される場合、P-19または9S18自走長距離捜索レーダーシステムと共に運用される。参考：月刊PANZER7,’02、世界の軍用車両(2)

＜９Ｋ３３０＞：自走ミサイル発射機の車体は2S6と同じGM-569（装備名称9A330）で、全周旋回式８連装（４×２列）VLSターレットを搭載する。ターレット上面に捜索レーダー（Ｃバンドのパルス・ドップラー型。パラボラ・アンテナで、ECCM機能も持つ）、前面に追尾・ミサイル誘導レーダー（フェイズド・アレイ式。Ｋバンドのモノパルス・ドップラー型で、ミサイル誘導可能範囲はレーダー軸線から上下左右15度以内）を装備。誘導方式はレーダーとTVモニター（バックアップ用）の併用式で、有効探知距離25km（40km？）、48目標の捜索が可能で、うち10-12目標を同時追尾・２目標を同時攻撃でき、各目標に２発ずつミサイルを発射する。発射以外は走行したまま行うことができ、ミサイル発射間隔は３秒。使用するミサイルは9M330トールで、４発ごとに１つのコンテナに納められ、再装填はコンテナごと行う。コンピュータ３台でシステムは完全自動化されており、目標発見から迎撃作業開始までの時間は5-8秒。戦術弾道ミサイルにも対応可能とされ、テスト時にBMD-20のロケット弾迎撃に成功したとされる。戦闘室と操縦室はNBC防護され、ガスタービンAPUを搭載する。全長7.84m、全幅3.47m、戦闘重量34トン。最大装甲厚10mm。エンジンはV-59ディーゼル（520馬力）、最大速度65km。乗員３名。参考：月刊PANZER7,’02、4,’11、月刊軍事研究8,’99、2,’08、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(2)

＜９Ｋ３３１＞：別名トールM1（Tor-M1）。捜索レーダーをフェイズド・アレイ式に変更したもの。戦闘重量34.25トン。最大速度65km。ギリシャ、キプロス、中国に輸出されている。参考：月刊軍事研究8,’99、月刊PANZER7,’00、7,’02

＜トールＭ１Ｂ＞：輸出用廉価版。参考：月刊PANZER7,’02

＜トールＭ１ＴＡ＞：トールM1をウラル5323装輪トラックに搭載したもの。参考：月刊PANZER7,’02

　＜トールＭ１ＴＢ＞：輸出用廉価版で、牽引式トレーラー上にトールM1を搭載している。参考：月刊PANZER7,’02

　＜トールＭ１ＴＳ＞：トールM1の拠点防空用地上固定型。参考：月刊PANZER7,’02

　＜トールＭ２ＤＴ＞：連結式装軌車両にシステムを搭載したもの。参考：月刊軍事研究1,’19

　＜９Ｋ３３２＞：別名トールM2E（Tor-M2E）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ３３０海外シリーズ＞

　＜トールＭ１（イラン軍）＞：イラン軍地対空ミサイルシステム。2007年1月までに29両を導入した。2007年2月7-8日の防空演習で試射に成功したと発表している。参考：月刊軍事研究4,’07、2,’08

　＜トールＭ１（中国陸軍）＞：中国陸軍地対空ミサイルシステム。1997年に60両以上を輸入した。参考：月刊軍事研究5,’07

＜９Ｋ３３０中隊＞：9M330地対空ミサイル用自走発射機４両と9S737ランジール中隊指揮統制車１両に、支援車両として、9T244ミサイル装填運搬車（9T231？）、9T245運搬車、9V887整備車、9F399SPTA車が付随する。参考：月刊軍事研究8,’99、月刊PANZER7,’02

＜９Ｋ３３１＞：9K330シリーズ（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜９Ｋ３３２＞：9K330シリーズ（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜９Ｋ３３３＞：ロシア陸軍携帯地対空ミサイルシステム、別名ヴェルバ（Verba）。ミサイル名称は9M336である。2014年から運用されている。参考：月刊軍事研究1,’18、11,’15

＜９Ｋ３３８＞：ロシア軍携帯地対空ミサイル／短距離艦対空ミサイル、別名イグラＳ（Igla-S）、米軍コードSA-24、NATOコードはグリンチ（Grinch）。9K38の改良型で、弾頭を強化し、射程を延伸している。2004年に発表された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｋ７１４＞：ロシア軍野戦軍／方面軍用弾道ミサイルシステム、別名OTR-23オカ（Oka、川の名前）、米軍コードSS-23、NATOコードはスパイダー（Spider）。自走ランチャーはBAZ-6944トラックを改良した８輪トラック9P71で、車体中央に9M714（R-400）ミサイルを搭載し、移動時は装甲カバーで隠蔽できる。全長11.76m、全幅3.13m、全高3m、重量24.07トン。エンジンはD-144ディーゼル（580馬力）、最大速度70km。車内に２発の予備弾を搭載できる9T230も同時に開発された。1986年から配備されたが、中距離核兵器削減条約に引っかかって早々に引退した。ブルガリアのみ条約を拒否して装備を続けている。参考：月刊PANZER9,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、核兵器事典

＜９Ｋ７２０＞：イスカンデルＭ（弾道ミサイル）を参照。

＜９Ｋｈ９４９＞：ソ連軍の9M119/9M119Mミサイル用射出カートリッジ。125mm滑腔砲弾用装薬と同じ形状で、自動装填装置に収容でき、減装薬と緩衝スペーサーから構成され、ミサイルを低速で発射する。参考：月刊PANZER9,’06

＜９．００ＫＰ２０００＞：MP5海外シリーズ（短機関銃）を参照。

＜９ＬＶ２００Ｍｋ２＞：スウェーデンの艦載戦闘システム。対空・対水上捜索レーダーは100トン級の高速艇にも搭載できるようコンパクトな外見をしており、ディッシュアンテナを持つ。使用周波数はKuバンド、ピーク出力65kW、パルス繰り返し周波数2000pps。追尾レーダーはＪバンドで、追尾中の目標をTVカメラやオプションの赤外線追尾装置により確認することができる。これらで得た情報は直径410mmのPPIを持つ戦術情報ディスプレイに表示され、それを元に57mm砲、76mm砲、対艦ミサイル、魚雷発射管などの射撃管制を行う。参考：ザ・マーチ39号、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船8,’82増刊

＜９ＬＶ２００Ｍｋ３＞：スウェーデンのスウェディッシュ・オードナンス社が開発した艦載戦闘システム。分散処理システムを採用しており、データ処理はセンサーや武器システムに配置された個別のコンピュータで行われ、そのデータはイーサネットIEEE802.3LANによって別のセンサーや武器システムに送られる。コンピュータはモトローラ社製68020（32ビット）、RAMは４メガバイト、使用言語はAda。捜索レーダー、航海レーダー、射撃指揮装置、ソナー、砲、対潜武器、対艦ミサイル、電子戦システム、マン・マシン・インターフェースなどが統合されており、処理データは20インチ（508mm）カラーCRT１台及び12インチ（305mm）CRT２台に表示される。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９ＬＶ２００Ｍｋ３Ｅ＞：スウェーデンの艦載戦闘システムで、9LV Mk3Eともいう。民間用オペレーター・コンソール、20インチフルカラーTFT方式液晶ディスプレイ、ステルス型方位盤セロスなどを使用している。ヴィスビー級に搭載された。参考：月刊軍事研究3,’99

＜９ＬＶ３００＞：スウェーデンの艦載戦闘システム。9LV200にC3機能を追加したもので、9LV200のレーダーシステムと9LV100の目視サブシステムを両方搭載している。参考：ザ・マーチ39号

＜９Ｍ１２＞：ソ連軍有線誘導式対戦車ミサイル、別名オヴォド。装甲貫徹力180-200mm（弾着角）。有効射程500-2600m。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ１４シリーズ＞：ソ連軍有線誘導式対戦車ミサイル。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ１４＞：別名マリュートカ（Malyutka）、米軍コードAT-3、NATOコードはサガー（Sagger、陶器を焼く時に使う鞘）。誘導ワイヤーを介する目視指令誘導式（MACLOS）で、目標とミサイルを射手が確認しながらコントロール・レバーで誘導操作を行う。全長860mm、直径125mm、重量10.9kg。装甲貫徹力410mm、飛翔速度毎秒120m、有効射程500-3000m。発射機は小型ボックスと発射レールのみの構成で、歩兵の運搬が容易。ミサイルは２つに分解してケースに収められており、組み立てて使用する。また、9P122などへの車載も可能。実戦初使用はベトナム戦争イースター攻勢中の1972年4月23日である。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’00、月刊丸1,’98、兵器メカニズム図鑑、月刊軍事研究10,’08

＜９Ｍ１４Ｍ＞：別名マリュートカＭ（Malyutka M）、米軍コードAT-3b。弾頭は成型炸薬と高性能炸薬をタンデムに配置したもので、誘導形式をSACLOSに変更した（MACLOSでも誘導可）。弾頭重量3.5kg。射程400-3000m。装甲貫徹力800mm（400mm？）。歩兵携行型、車載型、ヘリ搭載型（逆三角形配置の３連装ランチャーに剥き出しで搭載する）がある。参考：月刊軍事研究10,’98、3,’99、月刊PANZER6,’00

＜ＡＴ−３ｃ＞：米軍コードで、ソ連制式名称不明。SACLOS型で、1960年代末に登場した。飛翔速度毎秒120m、射程300-3000m。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊軍事研究7,’95

＜マリュートカ２＞：米軍コードAT-3D。先端にプローブを付けたタイプで、装甲貫徹力800mm。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜９Ｍ１４海外シリーズ＞

＜９Ｍ１４−２Ｍ＞：マヨルカ・シリーズを参照。

＜９Ｍ１４−２ＭＴ＞：マヨルカ・シリーズを参照。

＜マヨルカ＞：マヨルカ・シリーズを参照。

＜ラアド＞：イラン軍対戦車ミサイル。9M14のイラン生産型である。全長860mm、直径125mm、重量10.9kg。装甲貫徹力400mm未満、最大射程3000m。参考：月刊軍事研究11,’11、10,’98

＜ラアドＴ＞：イラン軍対戦車ミサイル。ラアドをタンデム弾頭にし、ノーズスパイクを装着、固定フィン４枚を追加したものである。参考：月刊軍事研究11,’11

＜Ｉ−ラアド＞：イラン軍対戦車ミサイル。イラン製9M14Mで、2000年前後に登場した。誘導はSACLOSで、ビデオカメラを装備する。最大飛翔速度毎秒120m、最大射程3000m。参考：月刊軍事研究10,’98

＜Ｉ−ラアドＴ＞：イラン軍対戦車ミサイル。I-ラアドをタンデム弾頭にし、ノーズスパイクを装着、固定フィン４枚を追加したものである。全長982mm、発射重量11.78kg。装甲貫徹力400mm未満、最大射程3000m。参考：月刊軍事研究11,’11

＜９Ｍ２１＞：R-65（弾道ミサイル）を参照。

＜９Ｍ２２＞：BM21用122.4mmロケット弾。全長2.87m、重量66kg、弾頭重量20.45kg。最大射程20.4km。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ２２Ｋ＞：BM-21グラッド１（36連装）用122mmロケット弾。全長1.9m。最大射程15km。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ２２Ｍ＞：BM-21-P用122mmロケット榴弾。重量46kg。最大射程10.8km。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ２２Ｕ＞：ソ連軍A-215/BM21用122mmロケット弾。高性能爆薬破片弾頭型で、尾部に折り畳み式安定翼４枚を持つ。安定翼はロケットの軸線に対して１度傾いており、発射後は旋転して弾道を安定させる。また、発射筒自体にも螺旋状の金具１本が設けられている。安全装置は150-400m先で解除される。発射重量66.5kg、弾頭重量18.4kg。射程5-20.1km。1971年に焼夷弾頭型が開発され、次いで発煙弾頭型や化学弾頭型も製作された。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊世界の艦船9,’20

＜９Ｍ２７Ｆ＞：9K57用220mmロケット弾。全長5.187m、重量280kg、弾頭重量100kg、炸薬重量51.7kg。有効射程10-35km。弾頭は高性能榴弾で、人員、戦闘資材、滑走路、渡河施設、指揮所、補給所などを攻撃する。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ２７Ｋ１＞：9K57用対戦車・対人兼用クラスター弾。9N210破片型子爆弾30発を収容する。全長5.178m、重量270kg、弾頭重量90kg。子弾は全長263mm、直径65mm、重量1.85kg。炸薬0.3kgを内蔵し、2gの破片370個を飛散させ、破片は6mm（距離10m）／2mm（距離20m）の鋼板を貫徹でき、ロケット弾１発で約1000平方メートル、16発で4.26平方キロメートルを制圧できる。子弾は１分後に自爆する。参考：月刊PANZER4,’02、月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ２７Ｋ２＞：9K57用対戦車地雷撒布ロケット弾。9M27K9という資料もある。PTM-1地雷24個を内蔵する。全長5.178m、重量270kg、弾頭重量89.5kg。16発の斉射で150ヘクタールをカバーする。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊PANZER4,’02、2,’99

＜９Ｍ２７Ｋ３＞：9K57用対人用子爆弾撒布弾。PFM-1子弾312発を収容する。長さ5.178m、重量270kg、弾頭重量89.5kg。16発の斉射で60ヘクタールをカバーする。参考：月刊PANZER4,’02

＜９Ｍ２７Ｋ９＞：9M27K2（ロケット弾）を参照。

＜９Ｍ２８Ｆ＞：BM-21グラッドと共に開発された新型高性能爆薬破片弾頭型ロケット弾。9M22Uの弾頭重量を21kgに増加させる代わりに射程を1.5-15kmと短くし、ロケット弾総重量も56.5kgに軽量化している。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ２８Ｋ＞：BM-21用対戦車地雷撒布ロケット弾。総重量57.7kg、弾頭重量22.8kg。射程13.4km。対戦車地雷は円筒形で、重量5kg、炸薬量1.85kg。一端に近接信管があり、戦車の接近を探知して炸裂するが、ちゃんと戦車の方に向かって爆発するかは不明。16-24時間の自爆時限を設定できる。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ３１シリーズ＞：ソ連軍の地対空ミサイル。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ３１＞：別名ストレラ１（Strela-1）。全長1.8m、直径0.12m、重量32kg。赤外線誘導式。有効射高10-6100m、有効射程560-8000m。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ３１Ｍ＞：9M31の改良型で、1970年に登場した。重量が30kgに増加し、有効射高と射程が延伸されている。参考：月刊PANZER6,’02

＜９Ｍ３２シリーズ＞：ソ連軍の携帯地対空ミサイル。参考：月刊軍事研究12,’02

＜９Ｍ３２＞：別名ストレラ２（Strela-2）、米軍コードSA-7、NATOコードはグレイル（Grail）。R-13空対空ミサイルの赤外線追尾技術を基にシーカーを製作している。ミサイル全長1420mm、直径72mm、翼スパン300mm、重量9.2kg、弾頭重量1.15kg。最大速度マッハ1.13、最小射程800m、最大射程3200m（2100m？）、最小射高50m、最大射高2000m（3500m？）。ミサイル発射筒はガラス繊維製で、初弾の他に４回まで再利用可能。上面に簡単な照星・照門を持つ。トリガー前方に熱電池を付ける。発射筒全長1490mm、直径100mm、システム重量14.5kg。射手と副射手１名ずつ、発射筒１基、トリガー部１基、予備ミサイル２発、熱電池４個を一組にして構成される。目標を発見すると熱電池前方のスイッチを回して非冷却硫化鉛シーカーに給電、本体を構えて目標を照準器に捉える。照準完了すると、緑色灯が点灯し、トリガーからブザーが鳴るので、トリガーを半分引く。4-6秒後にミサイルジャイロが回転するので、リード角をとってトリガーを引ききるとブースターに点火、発射される。0.05秒でブースターが燃え尽きた後、0.2秒の間をおいてサステナーが点火（射手からの距離6m）し、1.8秒飛行した後、射手から45mの地点で信管が作動状態となる。外れた場合は発射15-20秒後に自爆する。目標のエンジン排気口を捉えねばならない、熱電池の寿命が10秒しかないのでその間に照準から発射までしなければならない、シーカーが非冷却式で太陽・地表・フレアに惑わされやすい、ジェット戦闘機には威力が小さすぎる（テールパイプを壊す程度）などの欠点があった。1968年から配備されたが、シーカーの性能があまりに悪く、回収されてしまったらしい。参考：月刊軍事研究12,’02、10,’13、3,’04、月刊丸3,’90

＜９Ｍ３２Ｍ＞：9M32の一次改良型、別名ストレラ2M、米軍コードSA-7B。実戦使用に耐えられるのはこのタイプからで、1972年から配備された。真目標と囮目標を識別するフィルターをシーカーに取り付け、推進薬を強化して速度と射程を増大、破片弾頭も改良して威力を強化した。ミサイル全長144mm、直径72mm、重量9.85kg、弾頭重量1.8kg。最大速度マッハ1.7、最小射程800m、最大射程4200m（5800m？）、最小射高30-50m、最大射高2300m。発射筒全長1490mm、直径100mm、システム重量15kg。初陣は1972年3月下旬のベトナム戦争イースター攻勢、初撃墜は1973年10月の第４次中東戦争である。ベトナム戦争時は赤色照明弾に惑わされたが、第４次中東戦争時は赤外線フィルターを変えて惑わされないようにしてあった。それでもジャミングには弱く、3000発を発射して４機撃墜・28機損傷のスコアに留まっている。これも艦載型がある。参考：月刊軍事研究12,’02、10,’13、4,’04、わかりやすいアフガニスタン戦争、月刊丸3,’90

＜９Ｍ３２（艦載型）＞：別名ストレラ２（Strela-2）、米軍コードSA-N-5、NATOコードはグレイル（Grail）。9M32の艦載型で、単装発射機、４連装発射機、サイロからの発射が可能な他、潜水艦のセイル内に装備するタイプもある。参考：月刊軍事研究12,’02、10,’13、3,’04、月刊丸3,’90、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＳＡ−Ｎ−５＞：西側推定諸元は以下の通り。全長1.45m、直径0.07m、重量10kg、炸薬重量1.1kg。固体燃料ロケット推進、最大速度マッハ1.7、射程5.5km。誘導は赤外線パッシブ。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜９Ｍ３２海外シリーズ＞

　＜ＨＮ５Ｂ＞：HN5Bを参照。

　＜ＳＡＭ−７８＞：フィンランド陸軍地対空ミサイル。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜９Ｍ３３シリーズ＞：ソ連軍の地対空／艦対空ミサイル。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ３３＞：9K33地対空ミサイルシステム用。全長3.15m、重量130kg、弾頭重量19kg。最大飛翔速度マッハ2.4、有効迎撃速度25-5000m、有効射程1500-10000m。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ３３Ｍ３＞：9K33M3地対空ミサイルシステム用で、9M33の誘導システム向上型。全長3.158m、直径0.2m、発射重量170kg。最大速度マッハ2.4、有効射高12000m、有効射程15000m。誘導はレーダーまたはTVモニターによる目視。参考：月刊軍事研究2,’03、12,’09、月刊PANZER6,’02

＜９Ｍ３３Ｍ５＞：オーサＭ艦対空ミサイルシステム用。

＜９Ｍ３６＞：ロシアが開発中の空対空ミサイル。S-400地対空ミサイルシステム用9M96ミサイルがベースである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜９Ｍ３７シリーズ＞：ソ連軍の地対空ミサイル。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ３７＞：9M31の改良型で、各種ジャミングに対応でき、誘導方式として赤外線、サーマル式目標識別、紫外線、TVモニターなどを組み合わせている。全長2.19m、重量39.5kg、弾頭重量3kg。迎撃高度10-3000m、有効射程800-5000m。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’02、世界の軍用車両(2)

＜９Ｍ３７Ｍ３＞：9K35地対空ミサイルシステム用で、9M37の改良型。VT信管作動による威力を増すため、弾頭重量を5kgに増やし、最低迎撃高度が10mに下がった。参考：月刊PANZER6,’02

＜９Ｍ３８シリーズ＞：ソ連軍の地対空／艦対空ミサイル。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ３８＞：別名ブーク（ブナ）、米軍コードSA-N-7（艦対空型）、NATOコードはガドフライ。弾体中央にストレーキ、尾部に操縦翼を持ち、外見はスタンダード艦対空ミサイルに似ている。全長5.55m、直径0.4m、翼スパン0.86m（1.2m？）、発射重量690kg、弾頭重量70kg（HE）。飛翔速度マッハ３以上（2.5？）、有効射程3500-32000m、有効射高25-20000m（14000m？）。機動最大荷重23Gといわれる。迎撃可能範囲は航空機では高度15-15000m、射程3.5-25km、速度毎秒420-830m、対艦ミサイルでは高度10m-10000m、射程3.5-12km（30km？）、速度毎秒330-830m。誘導は慣性誘導＋セミアクティブ・レーダー・ホーミング。9A310ランチャーに搭載され、9K37地対空ミサイルシステムを構成する。3K90艦対空ミサイルシステムの3S90単装発射機から発射可能。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’18、月刊軍事研究10,’14、月刊戦車マガジン2,’81

＜９Ｍ３８−Ｍ１＞：別名ブークM1。9M38の命中精度向上型で、1983年から登場した。誘導は中間慣性誘導・終末セミアクティブ・レーダー・ホーミングで、9A310ランチャーの目標情報を受けて目標に突入する。ミサイル重量690kg、弾頭重量70kg、有効加害半径17m。推進は１段式固体燃料ロケット、最大速度マッハ３、射程25000m。最大許容荷重23Gで、弾道ミサイルの迎撃も可能とされる。9K37M1地対空ミサイルシステムと3K90艦対空ミサイルシステムを構成する。参考：月刊軍事研究2,’98、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊世界の艦船4,’21

＜９Ｍ３８−Ｍ２＞：別名ブークM2またはウラル、米軍コードSA-17（地対空型）／SA-N-12（艦対空型）、NATOコードはグリズリー。9M38-M1の改良型である。全長5.5m、胴体直径0.38m、発射重量720kg、弾頭重量70kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ４（3.5？）、有効射程3000-50000m（35000m？）、有効射高10-25000m。誘導はセミアクティブ・レーダー・ホーミング。捜索・誘導レーダーはNATOコードでチェアー・バックと呼ばれ、フェイズド・アレイ式で、有効捜索距離120km。ミサイル発射機に備え付けの追尾レーダーは有効距離160kmといわれる。どこまで開発が進んでいるかは不明であり、情報も少なくて資料の正確性も怪しい。ミサイルが小型なのに重量が増えているとか、捜索レーダーが追尾レーダーより有効距離が短いところとか。2011年のモスクワ航空ショーでは9A317E装輪式自走発射機に搭載されて展示されたが、ロシアにはまだ配備されていないようである。3K90艦対空ミサイルシステム用としては輸出向けらしい。参考：月刊軍事研究2,’98、3,’15、11,’11、10,’14、月刊世界の艦船11,’17、3,’05、12,’18、4,’21

＜９Ｍ３８−Ｍ３＞：別名ブークM3。射程2500-70000m、射高15-35000m。迎撃可能目標速度秒速3km。2010年度から配備中らしい。参考：月刊軍事研究2,’11、10,’14

＜ＳＡ−Ｎ−７＞：西側推定諸元は以下の通り。ミサイル全長5.6m、直径0.4m、翼スパン1.2m、重量600kg、弾頭重量80kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ３、射程28000m、射高14000-30000m。誘導はセミアクティブ・レーダー・ホーミング。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜９Ｍ３８海外シリーズ＞

　＜ブークＭ２Ｅ（アルジェリア）＞：アルジェリア空軍地対空ミサイル。2013年に発注した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ブークＭ２Ｅ（シリア）＞：シリア陸軍地対空ミサイル。2010-13年に８個中隊160発を調達した。ヒズボラにも引き渡そうとしているらしい。参考：月刊丸7,’14

＜９Ｍ３９Ｍ１＞：3K90（艦対空ミサイルシステム）を参照。

＜９Ｍ４２＞：9K51ロケットシステム用照明ロケット弾。直径122mm、重量27kg。射程1000-5000m。500m離れた場所を２ルクスで90秒以上照明できる。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ４３＞：9K59ロケットシステム用発煙弾。全長2.949m、重量66kg。内部に５個の発煙弾を内蔵し、320秒にわたり光学・赤外線遮蔽煙幕を展張する。10発が発射単位となっており、幅1000m・縦深800mに煙幕を張る。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ５３Ｆ＞：9K59ロケットシステム用ロケット榴弾。重量70kg、弾頭重量26kg、炸薬量1.8kg。推進薬重量21kg、最大射程20.5km。発射されると時限信管が作動し、一定時間後に弾頭が切り離され、パラシュートで垂直に落下し、近接信管で空中炸裂して破片２種類計2500個を水平方向に飛散させる。50発の斉射で19万平方メートルを制圧可能。射程5000-20500m。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊丸4,’99

＜９Ｍ５５＞：9K58ロケットシステム用300mmロケット弾。クラスター弾頭を含む各種弾頭を搭載可能。重量800kg、弾頭重量300kg。射程20-70km。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ５５Ｆ＞：9K58ロケットシステム用300mmロケット榴弾。炸薬重量92.5kg。最小射程20km、最大射程70km。参考：月刊PANZER 2,’99、月刊丸4,’99

＜９Ｍ５５Ｋ＞：9K58ロケットシステム用300mmロケット弾。対人・ソフトスキン用子爆弾（重量2kg）72発を収容する。12発で672000平方メートルを制圧可能。最小射程20km、最大射程70km。参考：月刊丸4,’99

＜９Ｍ５５Ｋ１＞：9K58ロケットシステム用300mmロケット弾。MOTIV-3F熱線誘導式子弾頭５発を収容する。最小射程20km、最大射程70km。参考：月刊PANZER 2,’99

＜９Ｍ５５Ｓ＞：9K58ロケットシステム用FAE弾頭付きロケット弾。目標上空半径25mにFAE燃料を撒布して着火する。全備重量800kg、弾頭重量100kg。最小射程20km、最大射程70km。参考：月刊軍事研究3,’03

＜９Ｍ５９＞：9P140用対戦車地雷撒布型ロケット弾。全長5.178m、重量270kg、弾頭重量89.5kg。PGMDM対戦車地雷９個を内蔵し、16発の斉射で250ヘクタールに撒布する。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊PANZER 2,’99

＜９Ｍ７２＞：スカッドＢ（弾道ミサイル）を参照。

＜９Ｍ７９シリーズ＞：ソ連陸軍地対地ミサイル。参考：月刊PANZER9,’02

＜９Ｍ７９＞：別名トチカ（Tochka）。9K79ミサイルシステムを構成する。全長6.4m、本体直径0.65m、重量２トン、弾頭重量0.485トン。推進は１段式ロケット、最小射程15km、最大射程70km（120km？）。半数必中界50-100m。AA-60核弾頭（10-100キロトン）、化学弾頭、単一通常弾頭（重量482kg）、9M123Kクラスター弾頭を搭載できる。最大到達高度を30kmに抑える事が可能で、迎撃しにくい。参考：月刊PANZER9,’02、4,’04、核兵器事典、月刊軍事研究7,’09、7,’15、月刊丸4,’99、月刊戦車マガジン6,’89

＜９Ｍ７９Ｍ−１＞：別名トチカ−Ｕ。1990年代に入って開発された射程延伸型で、9K79M-1を構成する。参考：月刊PANZER9,’02

＜９Ｍ８２シリーズ＞：ソ連軍地対空ミサイル。S-300V地対空ミサイルシステム用9A82ランチャーに搭載される。参考：月刊PANZER7,’02

＜９Ｍ８２＞：米軍コードSA-12A、NATOコードはグラディエーター（Gladiator）。コンテナに収容されており、そのままランチャーに搭載して発射できる。目標との距離や相対速度などのパラメータで起爆・爆発方向を最適にする近接信管を搭載しているという。全長9.91m、直径最大1.215m、重量4.64トン。弾頭は0.15トン炸薬または核。推進は２段式固体燃料ロケット、平均飛翔速度毎秒1800m、最大飛翔速度毎秒3000m、有効迎撃高度1-30km、最大射程100km。パーシング級の弾道ミサイル迎撃能力、超高々度航空機撃墜能力、早期警戒管制機・電子妨害機迎撃能力を持つとされ、撃破率は40-60%といわれる。10年間は整備不要らしい。参考：月刊PANZER7,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究10,’98

＜９Ｍ８２Ｍ２＞：9M82の改良型で、最大飛翔速度を毎秒4500mに、最大射程を200kmに向上している。1998年に完成した。参考：月刊PANZER7,’02

＜９Ｍ８３＞：ソ連軍地対空ミサイル、米軍コードSA-12B、NATOコードはグラディエーター（Gladiator。ジャイアントGiant？）。S-300V地対空ミサイルシステム用9A83ランチャーに搭載される。コンテナに収容されており、そのままランチャーに搭載して発射できる。また、10年間は整備を必要としないとされる。目標との距離や相対速度などのパラメータで起爆・爆発方向を最適にする近接信管を搭載しているという。全長7.9m、直径最大0.925m、重量3.5トン。弾頭は0.15トン炸薬または核。推進は２段式固体燃料ロケット、平均飛翔速度毎秒1200m、有効迎撃高度25-25000m、最大射程75000m。地上攻撃機迎撃能力（迎撃距離75km）に加え、スカッドやランス級の弾道ミサイル迎撃能力（迎撃距離40km）も持ち、撃破率は50-65%。参考：月刊PANZER7,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究10,’98

＜９Ｍ９６シリーズ＞：ロシア軍S-300PS地対空ミサイルシステム／3K96リドゥート艦対空ミサイルシステム用地対空／艦対空ミサイル。参考：月刊軍事研究3,’99

　＜９Ｍ９６＞：誘導は中間INS＋コマンドリンク、終末アクティブレーダー。飛翔速度マッハ15、射程150km（40-50km？）。参考：月刊世界の艦船9,'22、12,’18

　＜９Ｍ９６Ｄ＞：全長5.65m、直径0.24m、発射重量240kg、弾頭重量24kg。誘導は中間管制誘導・終末ARH。最大速度マッハ15、最大射程120-150km、最大射高30000-35000m。参考：月刊世界の艦船12,’18、3,’20

＜９Ｍ９６Ｅ＞：9M96E1かも。弾体前部に折り畳み式可動コントロール翼４枚、後部に折り畳み式フィン４枚を持つ。発射筒に４発１組で装填され、コールド・ランチで射出され、高度30mでロケットが作動する。全長4.75m、直径0.24m、発射重量333kg、弾頭重量24kg。誘導は中間が慣性誘導＋指令誘導、終末がARH。最大射程40km、最大射高25km。限界荷重は60-65Gもあり、誘導終末ではトランスバース誘導用推力偏向エンジンを作動させ、命中率は対航空機で90%、対弾道ミサイルで80%、弾道ミサイルのパーツ（切り離された弾頭部分など）に対して70%に達するという。参考：月刊軍事研究3,’99、1,’18、月刊グランドパワー9,’03、月刊世界の艦船5,’13、8,’13、11,’17、12,’18

＜９Ｍ９６Ｅ２＞：9M96Eの全長を0.9m延長し、最大射程を120km、最大射高を30kmに延伸したものである。全長5.65m、直径0.24m、重量420kg。参考：月刊軍事研究3,’99、1,’18、月刊グランドパワー9,’03、月刊世界の艦船8,’13

＜９Ｍ９６Ｍ＞：全長4.75m、直径0.24m、発射重量333kg、弾頭重量26kg。誘導は中間管制誘導・終末ARH＋パッシブ赤外線。最大射程50km。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜９Ｍ１００＞：ロシア海軍3K96リドゥート防空システム用艦対空ミサイル。誘導は中間慣性誘導・終末パッシブ赤外線。全長2.5m、直径0.125m。射程10-15km。参考：月刊軍事研究1,’18、月刊世界の艦船8,’13、11,’17、3,’20

＜９Ｍ１００Ｅ＞：ロシアのResurs艦対空ミサイルシステム用艦対空ミサイル。全長3.66m、重量200kg。射程1-10km、射高5-4000m。参考：月刊世界の艦船9,’21

＜９Ｍ１１１＞：ソ連軍の対戦車ミサイル、別名コンクールス（Konkurs、競技）。射程2000m。

＜９Ｍ１１２−１＞：ソ連陸軍9K112-1用腔内発射ミサイル、別名コーブラ、米軍コードAT-8、NATOコードはソングスター。自動装填装置内ではHEAT弾頭・サステナーで構成される前部と、射出用ブースター・バッテリー・誘導装置・照準用光源で構成される後部の２つに分割されており、装填時に結合される。重量25kg。ブースターで主砲から初速毎秒125mで発射され、サステナーに点火して秒速500mで飛翔する。有効射程100-4000m、最大射程までの飛翔時間は約10秒で、飛翔速度から対ヘリコプター能力に劣るとされる。誘導方式は無線指令式半自動誘導型。装甲貫徹力300mm（弾着角60度）／600mm（90度）。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜９Ｍ１１３＞：ソ連陸軍の対戦車ミサイル、別名コンクールス（Konkurs、競技）、米軍コードAT-5、NATOコードはスパンドレル（Spandrel）。射程4000m。誘導は指令誘導式半自動誘導で誘導される。参考：月刊軍事研究7,’03、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９Ｍ１１３改シリーズ＞：ソ連陸軍の対戦車ミサイル、別名コルネットＥ。参考：月刊PANZER4,’04、6,’03

＜９Ｍ１１３−１＞：前部からコントロール・ユニット（２枚の飛翔制御翼あり）、弾頭、ロケットモーター、尾部安定翼となっている。弾頭はタンデムHEATで、ERA付き 1000-1200mm圧延装甲を貫徹可能。レーザー誘導式で、射程5500m（昼間）／3500m（夜間）。運搬用を兼ねた発射筒に収容され、9P163-1ランチャーや9P163-2車載用４連装ランチャーに搭載される。イラン経由でヒズボラに渡り、南レバノン侵攻で実戦初使用された。参考：月刊PANZER4,’04、6,’03、月刊軍事研究11,’06

＜９Ｍ１１３Ｆ−１＞：弾頭を燃料気化爆弾としたタイプ。参考：月刊PANZER4,’04、6,’03

＜９Ｍ１１３ＦＭ−３＞：射程延伸型で、最大射程は10000mに達する。コルネットＤシステムに搭載された。参考：月刊軍事研究11,’11

＜９Ｍ１１４シリーズ＞：ソ連陸軍の対戦車ミサイル。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ１１４＞：別名ココンまたはシュツルム（Shturm）、米軍コードAT-6、NATOコードはスパイラル（Spiral）。半自動無線誘導式で、チューブ型の発射筒に収められる。全長1.63m、直径0.13m、翼スパン0.30m、発射重量35kg、弾頭重量5.4kg。装甲貫徹力600-700mm（560mm？）。飛翔速度毎秒60m、射程400-5000m、発射速度毎分3-4発。高度3000mまでの対空目標にも射撃できる。Mi-24E攻撃ヘリやシュトゥルム−Ｓ自走対戦車ミサイルに搭載されている。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊軍事研究3,’99

＜９Ｍ１１４Ｍ１＞：別名シュツルム２、米軍コードAT-9、NATOコードはスパイラル２。9M114をタンデム弾頭に改良したものである。全長1.75m、直径0.13m、翼スパン0.30m、重量38.5kg、弾頭重量7.4kg。飛翔速度毎秒280m、最大射程6000m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究7,’95

　＜９Ｍ１１４Ｍ２＞：別名シュツルム２、米軍コードAT-9、NATOコードはスパイラル２。9M114のFAE弾頭型である。全長2.04m、直径0.13m、翼スパン0.30m、重量40kg、弾頭重量7.4kg。最大射程7000m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ１１５＞：ソ連陸軍の対戦車ミサイル、別名メティス（Metis）、米軍コードAT-7、NATOコードはサクソホーン（Saxhorn）。弾頭直径94mm。射程1000m。9K115ミサイルシステムを構成する。参考：月刊軍事研究1,’05

＜９Ｍ１１６＞：ソ連陸軍腔内発射ミサイル、別名バスチオン。100mmライフル砲D-10Tから発射可能で、最大有効射程4000m装甲貫徹力550mm。誘導はレーザー・ビーム・ライディング。T-55/55A原型は発射できないが、改修型各型が発射できる。参考：月刊グランドパワー5’03、7,’03

＜９Ｍ１１７シリーズ＞：ソ連陸軍腔内発射ミサイル。参考：月刊PANZER9,’04

＜９Ｍ１１７＞：別名シェクスナ、システム名称9K116-1。9M116とほぼ同様のもので、115mm滑腔砲U-5TSから発射可能としており、T-62原型は発射できないが、改修型各型が発射できる。また、BMP-3からの発射も可能。先端には空気取り入れ口があり、その後方にフィンとフィン作動部を持ち、その後ろに9W890管制装置用インターフェース、弾頭部、サステナー機関部、エレクトロニクス、動力部、ジャイロ調整部、安定翼と続き、底部がレーザー受信ユニットとなっている。ミサイル本体と発射薬を連結した弾薬は3UBK-10-1と呼ばれる。誘導は1K13または1K13-1サイトで行う。最大飛翔速度毎秒960mm、有効射程100-4000m、最大射程5000m。装甲貫徹力550mm。参考：月刊PANZER9,’04、7,’09、7,’11、月刊グランドパワー5’03

＜９Ｍ１１７Ｍ＞：タンデムHEAT型で、発射薬と合わせた名称は3UBK-10M-1。ERAに守られた600mm装甲を貫徹できる。参考：月刊PANZER9,’04、月刊軍事研究12,’00

＜９Ｍ１１７Ｍ１＞：別名アルカン。BMP-3MとBMD-4の100mm滑腔砲2A70から発射できる。最大射程5000-5500m。参考：月刊軍事研究12,’00

＜９Ｍ１１７＞：ソ連陸軍腔内発射ミサイル、別名カステット。9M116バスチオンとほぼ同じで、レーザー誘導式、有効射程100-4000m、装甲貫徹力660mm。T-12またはMT-12対戦車砲から発射でき、三脚で地上に置いての使用も可能。参考：月刊PANZER8,’01

＜９Ｍ１１９シリーズ＞：ロシア陸軍腔内発射ミサイル。参考：月刊PANZER9,’97

＜９Ｍ１１９＞：別名レフレクス。発射されると４枚の尾部フィンと２枚の前部フィンを展開して飛翔する。発射重量17.2kg、弾頭重量4.2kg。飛翔速度毎秒340m、有効射程100-5000m。装甲貫徹力700mm。レーザー誘導式で、レーザーは妨害を防ぐためにコード化されている。9Kh949射出カートリッジとの組み合わせで3UBK14と呼ばれる。T-80U、T-90Sから発射できる。参考：月刊PANZER9,’97、9,’06、月刊グランドパワー8,’03

＜９Ｍ１１９Ｍ＞：9M119の改良型で、弾頭をタンデムHEATにしたタイプ。9Kh949射出カートリッジとの組み合わせで3UBK20と呼ばれる。参考：月刊PANZER9,’06

＜９Ｍ１２０＞：ロシア陸軍腔内発射ミサイル、別名スヴィリ（アタカという資料もある）。米軍コードAT-11、NATOコードはスナイパー。レーザー誘導式で有効射程100-4000m、装甲貫徹力700mm。T-72Bから発射できる。射程6kmの対艦ミサイルとしても（こちらの愛称はアタカらしい）使用されている。参考：月刊グランドパワー8,’03、月刊軍事研究3,’02

＜９Ｍ１２０シリーズ＞：ロシア軍の空対地・空対空ミサイル。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜９Ｍ１２０＞：別名ヴィキール（Vikhr）またはアタカ（Ataka）、米軍コードAT-12、NATOコードはスウィンガー（Swinger）。9M114の改良型で、弾体前部に全遊動式折り畳みフィンがあり、後方に安定フィンを持つ。無線指令誘導式で、弾頭は対戦車用のタンデムHEAT（装甲貫徹力850mm）と対空用の高性能炸薬・ロッド（距離4mで炸裂する近接信管付き）の２種が用意されている。円筒形の発射筒に収められ、Mi-24攻撃ヘリやKa-50攻撃ヘリなどに８連装パイロンで装着される。Su-25への搭載も可能。全長2.696m、直径0.128m、翼スパン0.32m、重量47kg、弾頭重量8kg。最大射程8km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究3,’99

　＜ヴィキールＳ＞：陸上発射型で、Ｓはスホプティヌイ（陸上発射）の略。シーカーはセミアクティブ・レーザー、赤外線、レーダーの３種類がある。弾頭はタンデムHEATまたは熱圧弾頭。最大射程15km（昼間）／7km（夜間）。参考：月刊軍事研究7,’99

＜９Ｍ１２０Ｍ＞：9A4172（ミサイル）を参照。

＜９Ｍ１２１＞：9A4172（ミサイル）を参照。

＜９Ｍ１２３シリーズ＞：ロシア軍の対戦車ミサイル、別名コンコース。誘導はミリ波レーダーまたはレーザー・ビーム・ライディング。参考：月刊軍事研究2,’00

　＜９Ｍ１２３＞：タンデムHEAT弾頭型で、装甲貫徹力1000mmといわれる。全長2.057m、直径0.15m。射程6000m。参考：月刊軍事研究2,’00

　＜９Ｍ１２３Ｆ＞：燃料気化弾頭型。参考：月刊軍事研究2,’00

＜９Ｍ１３１＞：ロシア軍の対戦車ミサイル、別名メティス２またはメティスＭ、米軍コードAT-7、NATOコードはサクソフォーン。9M115メティスの発展型で、直径を130mmに拡大してタンデム弾頭にし、有効射程を1500mに延ばしている。ERAを装着した厚さ900mmの装甲板を撃ち抜けるという。熱圧弾頭も用意されている。1PN86熱映像照準器、9P151発射機と組み合わせて使用する。ロシアが債務代わりに韓国に数千発を譲り渡したという。またイラン経由でヒズボラに渡り、南レバノン侵攻で実戦初使用された。参考：月刊軍事研究1,’05、月刊PANZER2,’02

＜９Ｍ１３３シリーズ＞：ロシア軍の対戦車ミサイル、別名コルネット（Kornet）、米軍コードAT-14。参考：月刊PANZER10,’12

　＜９Ｍ１３３−１＞：タンデムHEAT弾頭型。最大射程5000m。参考：月刊PANZER10,’12

　＜９Ｍ１３３Ｆ−１＞：サーモバリック弾頭型。参考：月刊PANZER10,’12

　＜９Ｍ１３３−ＦＭ３＞：射程延伸型。最大射程10000m。参考：月刊PANZER10,’12

　＜コルネットＥＭ＞：全長1.2m、直径0.152m、重量27kg。誘導はレーザー・ビーム・ライディング方式、弾頭はタンデムHEAT、装甲貫徹力1300mm、射程8000m。参考：月刊軍事研究7,’16、5,’17

＜９Ｍ１６６Ｐ４Ｍ（ＨＦ無線機）＞：自衛隊の電子管。リチャードソンエレクトロニクス製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜９Ｍ３１１シリーズ＞：ロシア軍の地対空／艦対空ミサイル。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜９Ｍ３１１＞：2S6地対空システム用地対空ミサイル、米軍コードSA-19、NATOコードはグリフォン（Grison？）。キャニスターは発射筒兼用で、ミサイルが密閉されている。誘導は無線コマンド式で、照準十字線上に目標を捉えるだけで命中するが、光学追尾なので夜間悪天候時は苦しい。偏差修正は１段目ブースターが発する赤外線または２段目サステナー尾部のフレア（後にパルス式ライト）を追尾することで行う。ミサイル誘導信号はビーム幅が狭いため、ジャミングに強いとされる。目標から1km以内で信管の安全装置が追尾レーダーからの指令で解除され、外れた時は目標がいる筈の位置から1km以上離れたところで再び安全装置がかかる。信管は８ビーム型レーザー近接式で、低高度や小型目標を迎撃する場合は信管作動半径が自動変更され、炸裂すると弾片が環状に飛散する。キャニスター全長2630mm、直径170mm（152mm？）、重量55kg。ミサイル第２段サステナー直径76mm、重量42kg、弾頭重量9kg。推進は固体燃料ロケット２段式（１段目ブースター＋２段目サステナー）、ブースター燃焼終了時速度毎秒900m、平均飛翔速度毎秒600m、迎撃可能敵機速度毎秒500m、最大荷重32G、有効射程2400-8000m、有効迎撃範囲は水平4000m・高度15-3500m。有効加害半径5m。参考：月刊軍事研究2,’00、3,’00、月刊世界の艦船12,’18

＜９Ｍ３１１Ｋ＞：3M88（艦対空ミサイル）を参照。

＜９Ｍ３１１−Ｍ＞：9M311の改良型で、2S6M1に搭載されている。内部装置の作動寿命を延ばして有効射程を10000mに延長し、近接信管用アンテナを円環型にして小型目標に対応できるようにし、ミサイル追尾用光源をパルス型（パルス率変更可能）と連続発光型の選択式としたものである。参考：月刊軍事研究2,’00

＜９Ｍ３１３＞：ロシア軍の携帯地対空ミサイル、米軍コードSA-18。ギブカ近接防御システムにも使用可能。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜９Ｍ３１７シリーズ＞：ロシア軍の地対空／艦対空ミサイル、別名ヨーシュ（Ezh/Yezh）。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究11,’15

＜９Ｍ３１７＞：9K37M1-2地対空ミサイルシステム・9K40ヨーシュ／シュチル艦対空ミサイルシステム用で、2007年に配備された。全長5.55m、直径0.36m、発射重量715kg、弾頭重量70kg。誘導は慣性誘導＋SARH。固体燃料ロケット推進、最大速度マッハ３（マッハ4.5？）、最大射程50km（32km？45km？）、有効射高0.01-25km（最大射高25km？）。限界荷重24Gで、速度毎秒1230mまでの目標に対応できる。参考：月刊軍事研究11,’11、10,’14、3,’15、月刊JWings10,’14、月刊世界の艦船12,’18

＜９Ｍ３１７Ａ＞：9M317にアクティブ・レーダー・ホーミングを追加したもの。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９Ｍ３１７Ｍ＞：9K40改／シュチル１用3S90M/E垂直発射機に収容できるよう、安定翼と操縦翼を小型化したもので、飛翔安定性と機動性を補うためサイドスラスターを追加し、固体燃料ロケットモーターを改良して速度毎秒1550mまでの目標に対応できるようになった。誘導は慣性誘導＋SARH。参考：月刊世界の艦船12,’18、1,'15増刊、3,’20

＜９Ｍ３１７ＭＥ＞：9M317Mの輸出型。ミサイルはコンテナのガスジェネレータにより射出され、目標に向けてミサイルが傾斜した後にロケットモーターが作動する。全長5.083m、重量581kg。MC-487コンテナに収容すると全長5.4m、直径0.68m、重量1.04トン。誘導は中間指令誘導・終末セミアクティブ・レーダー・ホーミング＋アクティブ・レーダー・ホーミング、最大射程30km前後。参考：月刊軍事研究11,’09、11,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９Ｍ３３０＞：ソ連軍9K330地対空ミサイルシステム用地対空ミサイル、別名トール（円環面）。先端はVT信管で、その後部に方向制御用可動フィン４枚と駆動装置、その後ろに弾頭と制御装置、方向安定用固定フィン４枚、尾部後端に誘導用信号受信部となっている。全長3.5m、直径0.3m、重量165kg、弾頭重量14.8kg。推進は２段式固体燃料ロケットモーター（ブースター・サステナー一体型）、飛翔速度毎秒800m、有効射程1500-12000m、有効射高10-6000m。対処可能目標速度は毎秒700m。誘導方式は無線指令式で、レーダーとテレビモニターの併用によりジャミングに強い。キンシャール／クリノク用3M95艦対空ミサイルはこれの海軍版である。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究8,’99、12,’02、月刊PANZER7,’02、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05

＜９Ｍ３３０海外シリーズ＞

　＜紅旗１７＞：中国軍地対空ミサイルHQ-17。中国が国産化したもの。参考：月刊軍事研究5,’07

＜９Ｍ３３０−２＞：3M95（艦対空ミサイル）を参照。

＜９Ｍ３３５＞：ロシア軍の地対空ミサイルで、9M311の改良型。重量65kg。最大速度毎秒1100m、迎撃高度150-6000m。半自動誘導式。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｍ３３６＞：ロシア陸軍の9K333携帯地対空ミサイルシステム用地対空ミサイル。発射重量17.25kg、弾頭重量1.5kg。３波長赤外線・紫外線センサー（近赤外線、中赤外線、紫外線）誘導、最大射高4.5km、最大射程6.5km。参考：月刊軍事研究1,’18、11,’15

＜９Ｍ３３７＞：ロシア軍の地対空／艦対空ミサイル、別名ソスナＲ（Sosna R）。9M335ミサイルに似るが、小型である。誘導は最初はレーダーによるコマンドリンクを使用し、１段目ブースターを切り離して２段目サステナーが作動した段階でレーザー・ビーム・ライディングに切り換える。全長2.27m、ミサイル本体直径0.072m、ブースター直径0.13m、発射重量42kg（26kg？）、弾頭重量6kg（5kg？）。最大速度毎秒1200m（マッハ４）、有効射程1300-8000m、最大射程10000m、有効射高3500m。陸軍のソサナ地対空システム、海軍の3M89パラシCIWSに使用されている。3K96艦対空ミサイルシステムに含まれる説もある。参考：月刊軍事研究11,’11、11,’15、4,’99、月刊世界の艦船3,’20、8,’13、11,’21

＜９Ｍ３４２＞：ロシア軍の携帯式地対空ミサイル、別名イグラＳ、米軍コードSA-24、NATOコードはグリンチ。9P522グリップストックを装着して使用する。リビアに輸出された。参考：月刊軍事研究11,’13

＜９Ｍ５１０＞：BM-21シリーズ（自走多連装ロケット）を参照。

＜９Ｍ５１９−１−７＞：BM-21用通信妨害ロケット弾（ECM弾）で、別名リリヤ２。ブルガリアのエレクトロン・プログレス社がソ連と共同開発した。弾頭部に収容された妨害装置は目標上空で放出され、アンテナを展開しながら降下、地面に刺さり、1.5-120MHz（短波から中波）の妨害電波を出す。１発あたり有効半径700m、連続発振時間60分。７発で１セットのため、７連射される。全長3.025m、重量66kg。射程4.5-18.5km。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｍ５２１＞：ソ連軍A-215/BM-21グラード用新型122mmロケット弾。ロケット弾形状を改良し、ロケットモーターの推進剤も変更して射程を40-50kmまで伸ばしている。弾頭重量21kg。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊世界の艦船9,’20

＜９Ｍ５２８＞：9K58多連装ロケットシステムの子弾搭載ロケット弾。分離式高性能炸薬弾片弾頭または子弾72発または自己標定子弾５発（それぞれ対戦車地雷25発を撒布）または成型炸薬−弾片子弾646発を搭載でき、最大射程70km（通常）／90km（射程延伸型）。重量900kg。参考：月刊軍事研究3,’03

＜９Ｍ５３４＞：9K58多連装ロケットシステム用UAV収容ロケット。内部にRRPAVを収容している。参考：月刊軍事研究11,’06

＜９Ｍ７１４＞：9K714オカ用弾道ミサイル。全長7.52m、本体直径0.97m、重量4.99トン、弾頭重量１トンで、核弾頭（100キロトン）も用意されている。固体燃料ロケット推進、射程400km。CEP350m。参考：月刊PANZER9,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、核兵器事典、ミリタリー・バランス1989-1990

＜９Ｍ７２３＞：イスカンデルＭ（対地ミサイルシステム）を参照。

＜９Ｍ７２８＞：イスカンデルＭ（対地ミサイルシステム）を参照。

＜９Ｍ７２９＞：ロシア軍が開発したらしい地対地巡航ミサイルシステムで、米軍コードSSC-8。9M728の射程延伸型（3M14カリブルの地上発射型。射程1500-2500km）とも、Kh-101/-102（射程3000-5000km）の地上発射型ともいわれるが、いずれにせよINF条約違反である。参考：月刊軍事研究5,’17、5,’18

＜９Ｍ７３０＞：ロシア軍が開発中の原子力推進核巡航ミサイル、別名ブレヴェスニク（ウミツバメ）、米軍コードSSC-X-9、NATOコードはスカイフォール。2018年3月1日にプーチン大統領が年次教書演説で発表した新型戦略兵器の１つである。弾体は矩形断面で先端が尖っており、恐らく対レーダー・ステルス形状で、中央に高翼配置の後退角付き展開翼を持つ。長大な航続力確保のため原子力エンジンを積んでおり、発射後に数ヶ月間飛び続けて攻撃指示を待つこともできるらしい。ただ重要なのは原子力エンジンを積んでいることではなく、巡航ミサイルなので新STARTの対象外、かつ射程5500km超なのでINF条約の対象外であり、開発・保有し放題、ということとみられる。2017年から白海に面したバンコヴォリ射場で発射実験を行っているが、2019年8月8日に爆発事故を起こし、ロスアトム職員5-7人が死亡、海上実験施設から放射性同位体が付近にばらまかれ、耐放射能薬を緊急調達して住民を避難させる羽目になった。参考：朝雲、月刊JWings11,’19、月刊世界の艦船5,’19

＜９ｍｍ×１９ＮＡＴＯ標準弾＞：NATO標準拳銃弾。市販の9mm×19ルガー弾（9mmパラベラム弾）よりも弾薬重量が0.55g重い8gとなっており、火薬圧も数％高い36500psi（市販のものは24080-25000psi）である。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン7,’11、日本の防衛戦力Part8

＜９ｍｍ×３９ＶＳＳ＞：ロシア軍9mm普通弾。弾丸重量16g。初速毎秒282-292m。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜９ｍｍ機関拳銃＞：陸上自衛隊9mmサブマシンガン、略称M9、愛称エムナイン（マシンガン9mmの略）。9mm拳銃の制式化で、兵站上同じ弾を使うサブマシンガンが必要になったため、M3A1サブマシンガンの後継として1999年に採用された。メイン・レシーバーとグリップ・フレームからなり、どちらも削り出し加工である。フロントグリップは銃身と離れて機関部前端から更に前方に突き出ており、剥き出しの銃身は冷却効果が高い。イスラエルのUZIと同じＬ型ブリーチブロックを内蔵したオープン・ブリーチ・ファイアのセミ／フルオート・セレクティブ機構を採用しており、ブリーチの移動による振動のため弾丸撒布界は広くなる。コッキング・レバーはメイン・レシーバー上面、フロントサイトの直後にあり、後ろに引けばコッキングが完了する。フロントサイトとリアサイトは固定式。リアグリップ付け根の左側面にセレクターがあり、後ろからア（安全、セイフティ）、タ（単発）、レ（連射）と書いてある。セイフティからの切り替え操作は少し持ち上げながら前にスライドさせる感じで、慣れが必要らしい。リアグリップに箱形弾倉を差し込む構造のため、グリップはかなり太くなっている。ストックは無い。全長399mm、銃身長120mm、本体重量2.8kg、弾倉重量0.2kg。ライフリングは６条右回り、250mmで１回転する。作動方式は単純ブローバック。機関部重量が軽いため、発射速度は毎分1100発と速く、銃身と一体化したマズルブレーキが付いているものの、銃のコントロールは難しそうである。マガジンは25発入り箱形で、使用弾は9mm普通弾（9mm×19弾）。初速毎秒247m、有効射程100m（40-50m？）。レシーバー左側面とレシーバー後端にスリング・フックがあり、ここにスリングを付けて携帯する。国産ミネベア製で、1999-2003年度に266丁が調達され、第一空挺団幹部級指揮官、西部方面隊指揮官、空中機動部隊（第12旅団）対戦車中隊指揮官の自衛用などとして配備された。ちなみに戦車搭乗員用M3A1の後継は89式小銃折り畳み銃床型である。航空自衛隊では基地警備や航空機警護のため基地警備教導隊などで使用中。海上自衛隊も配備しており、2012年度も調達されている。平均価格は38万円。参考：スピアヘッドNo.13、No.7、月刊PANZER8,’01、月刊軍事研究3,’04、日本の防衛戦力Part8

＜９ｍｍ空砲＞：自衛隊の火工品。ミネベア製。参考：月刊軍事研究5,’12

＜９ｍｍ拳銃＞：陸上自衛隊の拳銃。M1911A1の後継として採用したスイスのSIG/ザウエル・モデルP220拳銃で、ミネベアでライセンス生産（銀座銃砲店も受注している）され、指揮官（３佐以上）、戦車乗員、警務隊員、無反動砲手などの自衛用として1982年度から配備された。改良型のSIG/ザウエル・モデルP226の方が名銃なのだが、グリップが太くて日本人には合わないためにこちらが採用されている。しかし元のP220にはアメリカへの輸出を考慮して.45ACPとコンパーチブルにする予定があったらしく、言うほどグリップは細くなく、トリガーまでの距離はM1911A1よりも遠い。使用弾は9mm普通弾（9mm×19弾）、弾倉はシングルカラムで９発入りである。弾倉交換の際にはグリップ底部の爪を動かさないといけないので、弾倉落下防止には役立つが、タクティカル・リロードには向かない。全長206mm、銃身長112mm、重量830g（弾倉込み）。初速毎秒345m、発射速度毎分40発。作動は遅延（ショートリコイル）ブローバックで、シングル・ダブルアクション両方が可能。原型銃の製造中止を受け2017年度予算で後継拳銃候補を購入し、2019年12月6日にSFP9を選定した。参考：月刊JWings8,’02、2,’20、自衛隊装備年鑑1996、自衛隊図鑑2002、陸上自衛隊地上戦力の全容、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.7、No.14、月刊軍事研究10,’11

＜９ｍｍ拳銃用銃身＞：自衛隊の機器。ミネベア製。参考：月刊軍事研究4,’11

＜９ｍｍ拳銃用特殊工具セット＞：自衛隊の工具。ミネベア製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜９ｍｍ普通弾＞：自衛隊の9mm普通弾。全長29mm、薬莢底部径10mm。旭精機工業製。参考：MAMOR vol.132、月刊軍事研究10,’08

＜９ｍｍ普通弾改善型（試験用）＞：自衛隊の火工品。旭精機工業製。参考：月刊軍事研究2,’15

＜９ｍｍ普通弾（無鉛）＞：自衛隊の火工品。JALUXが受注している。参考：月刊軍事研究12,’08

＜９ｍｍフランジブル弾＞：自衛隊の火工品。JALUXまたは旭精機工業が受注している。参考：月刊軍事研究3,’11、10,’12

＜９ｍｍペイント弾＞：自衛隊の弾薬。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜９Ｎ２１８Ｆ＞：BM9P140用220mmロケット弾。炸薬51.7kgを内蔵した単一弾頭弾である。参考：月刊丸4,’99

＜９Ｎ２１８Ｋ１＞：BM9P140用220mmロケット弾。内部に対人・対ソフトスキン用子爆弾30個を収容する。参考：月刊丸4,’99

＜９Ｎ２１８Ｋ２＞：BM9P140用220mmロケット弾。内部に対戦車地雷24個を収容する。参考：月刊丸4,’99

＜９Ｎ２１８Ｋ３＞：BM9P140用220mmロケット弾。内部に対人地雷312個を収容する。参考：月刊丸4,’99

＜９Ｐ７１＞：9K714弾道ミサイルシステム用の自走ミサイルランチャー。水陸両用８輪トラックBAZ-6944がベースで、9M714（R-400）弾道ミサイルを搭載し、車体上面の観音開きのドアで完全に隠すことができる。全長11.76m、全幅3.13m、全高3m、重量24.07m。エンジンはD-144（580馬力）、最大速度70km。参考：月刊PANZER9,’02

＜９Ｐ７８Ｅ＞：イスカンデルＥ（弾道ミサイル）を参照。

＜９Ｐ１１０＞：BRDM-1装甲車ファミリーを参照。

＜９Ｐ１１２＞：ルナＭ戦術ミサイルシステムの自走ランチャー。PT-76の車体をベースにしている。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｐ１１３＞：ルナＭ戦術ミサイルシステムの自走ランチャー。野外用８輪重トラックZIL-135LMがベースで、ミサイル搭載用レール１基を背負い式に搭載している。全長10.3m、全幅2.8m、全高3.66m、重量23トン。エンジン出力360馬力、最大速度65km。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER8,’02

＜９Ｐ１１３＞：スカッドＢ用８×８輪自走ミサイルランチャー、別名2P20カシャロート（マッコウクジラ）。MAZ543がベースで、前２軸がステアリングでき、車体前部の乗員キャビンはミサイル搭載の関係で左右に分かれている。車体中央部両側には機器操作室があり、乗降ドアが付く。発射時は４カ所をジャッキアップして車体を固定する。全長13.15m、全幅3.02m、全高3.5m、重量30.8トン。エンジンはD-12A（525馬力）、最大速度70km。乗員７名。9P113M、9P113M-1という派生型もある。参考：月刊PANZER9,’02

＜９Ｐ１１４＞：ルナＭ戦術ミサイルシステム用牽引ランチャー、別名Br-257。短距離なら自力移動が可能である。全長8.95m、全幅2.43m、全高1.54m、重量7.5トン（ミサイルあり）／4.5トン（無し）。最大速度10km（ミサイルあり）／15km（無し）。路上航続距離40-45km。試験運用のみで終了した。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｐ１２２＞：BRDM-2装甲車ファミリーを参照。

＜９Ｐ１２９＞：9K79トチカ・ミサイルシステムのミサイル運搬車両。水陸両用６輪トラックBAZ-5921（BAZ-5937？）を元に製作されており、9M79を背負い式に搭載する。車内のミサイル格納庫前部には弾頭部保護用とみられる円錐状金属カバーがある。移動時には左右スライド開きのハッチを閉じて完全にミサイルを隠し、輸送トラックを装うことが可能。発射時は第１・第２輪間と、第３輪後部にある安定ディスク４つを地表に降ろして車体を固定、ミサイルを車体後部に直立させて発射する。全長9.48m、全幅2.78m、全高2.37m、重量18.1トン。エンジンは5D20B（200馬力）、最大速度60km。乗員４名。参考：月刊PANZER9,’02、月刊戦車マガジン6,’89

＜９Ｐ１３２＞：BM-21-P（自走多連装ロケット）を参照。

＜９Ｐ１３３＞：BRDM-2装甲車ファミリーを参照。

＜９Ｐ１３８＞：BM-21グラッド１自走多連装ロケット（36連装）を参照。

＜９Ｐ１４０＞：9K57用自走ロケットランチャー。８輪重トラックBAZ-135L4（ZIL-135LM）に16連装（4-6-6発の３段）220mmロケットランチャーを搭載している。旋回角は左右30度ずつ、俯仰角は0-55度。発射機左には光学照準器と、そこまで登るための梯子が付いている。発射の際は車体後端両側の安定用ジャッキを降ろし、キャビンの窓に鋼製シャッターを取り付け、発射機後端のカバー板を下に開く。単発、選択連射、斉射の発射選択が可能で、20秒で全弾発射できる。発射位置への進入後から発射までの時間は３分、再装填時間は15分、撤収時間は３分。全長10.8m、全幅2.8m、全高3.2m、戦闘重量20トン。エンジン出力177馬力、最大速度65km、航続距離570km。使用できるロケット弾は9M27F、9M27K1、9M27K2、9M27K3、9M59。乗員４名。参考：月刊軍事研究9,’00

＜９Ｐ１４８＞：BRDM-2装甲車ファミリーを参照。

＜９Ｐ１４９＞：MT-LB装甲車ファミリーを参照。

＜９Ｐ１５７−２＞：フリザンテマＳ（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜９Ｓ１５Ｍ＞：S-300V地対空ミサイルシステムの目標捜索車両、別名オブゾル３、NATOコードはビルボードＡ。MT-TM装軌車体にフェイズド・アレイ式三次元捜索レーダーを搭載している。アンテナは俯仰角0-55度、全周旋回可能で、6-12秒で１回転する。最小捜索距離10km、最大捜索距離240km（航空機）／150km（弾道ミサイル）。最大200個の目標を探知・追尾でき、捜索情報は9S457コマンドポストに送られる。操作要員４名。参考：月刊軍事研究10,’98、7,’12、11,’00、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｓ１８＞：9K37地対空ミサイルシステムの長距離目標捜索レーダー、別名クポール（丸屋根）、NATOコードはスノー・ドリフト。フェイズド・アレイ式長距離捜索レーダーをGM-569装軌車両に載せたものである。アンテナ上部にはIFFアンテナがあり、航空機捜索時には３・６・９秒ごとに360度旋回しながら垂直方向40度を走査し、戦術弾道ミサイル迎撃時には120度旋回しながら垂直方向55度を走査する。独立して捜索用にも使用できるとされる。使用周波数Ｅバンド。最大捜索距離160km（85kmとも）、追尾可能距離70km、最大捜索高度22km（25kmとも）。高度100mの目標では探知距離35km、30mの目標では探知距離23km、追尾可能距離10km。重量35トン。参考：月刊軍事研究2,’98、月刊戦車マガジン2,’81、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｓ１８ＭＴ＞：9S19M2（目標捜索車両）を参照。

＜９Ｓ１９Ｍ２＞：S-300V地対空ミサイルシステムの目標捜索車両、別名インビル。9S18MTという資料もある。MT-TM装軌車体にフェイズド・アレイ式三次元捜索レーダーを搭載している。戦術・戦域弾道ミサイル迎撃用レーダー（航空機も捜索できる）で、左右30度（45度説もある）ずつ、上下75度、距離20-175kmの範囲を捜索し、高速目標を捕捉すると追尾を開始、9S457コマンドポストに情報を送ると、9S457から目標優先順位が送り返され、追跡すべき目標の指示を受ける。最大16目標の同時追尾と最大６個の電子妨害源探知または最大20個の同時追尾と最大３個の電子妨害源探知が可能。参考：月刊軍事研究10,’98、11,’00、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｓ３２＞：S-300V地対空ミサイルシステム用目標捕捉・ミサイル誘導レーダー。MT-TM装軌車体上にフェイズド・アレイ式三次元レーダーを搭載する。アンテナは俯仰角0-42度、旋回角340度で、RCS２平方メートル（戦闘機やパーシング弾道ミサイル）の目標なら旅団司令部からの自動モードで150km、自律マニュアルモードで140kmとされる。距離200km以内の2000W/MHzの対電子妨害源を制圧できるという。自走発射機のレーダーを遠隔操作でき、個々のミサイル誘導はそちらに任せる可能性がある。参考：月刊軍事研究10,’98、7,’12、11,’00

＜９Ｓ８０シリーズ＞：ソ連陸軍9K35地対空ミサイル中隊管制用自走捜索レーダー。参考：月刊PANZER6,’02

＜９Ｓ８０＞：別名オヴォード（あぶ）。参考：月刊PANZER6,’02

＜９Ｓ８０−１＞：9S80の性能向上型、別名スボールカ（ひだ）。参考：月刊PANZER6,’02

＜９Ｓ４５７＞：S-300V地対空ミサイルシステム用指揮車両。ベースはMT-TM装軌車体で、内部に司令部指揮要員７名を収容し、発射機24基を統制できる。9S32、9S14、9S19M2からのデータを受け、自動的に目標コースをモニターし、目標種類を特定する。目標捕捉数最大200個、最大追尾可能目標数70個。自動的に24目標の迎撃指令を出せる。参考：月刊軍事研究10,’98、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｓ４７０＞：9K37地対空ミサイルシステム連隊指揮車両。上級指揮組織からの戦術情報や、9S18目標捕捉レーダー車からの情報を処理し、各発射機に目標を割り当てる。デジタル・コンピュータや各種ディスプレイ、通信システム（無線・有線）、陸上航法装置、伸縮式アンテナマストなどを搭載し、目標捕捉追尾レーダーからの75目標を追尾し、うち15個を自動追尾できる。発射機が必要以上の迎撃行動を取った場合にミサイル発射禁止命令を出すことや、ある発射機のレーダー照射を止めて別の発射機のレーダー情報を送りミサイルを発射させることも可能。司令部とは100km、目標捕捉追尾レーダーとは5km、発射機とは10km離れて交信できる。重量29.87トン。乗員６名。参考：月刊軍事研究2,’98、10,’14、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９Ｓ５１５＞：9M119リフレクス対戦車ミサイルの誘導システム。レーザー照射装置などから構成される。参考：月刊PANZER9,’06

＜９Ｓ５５２＞：イスカンデル−Ｅ（弾道ミサイル）を参照。

＜９Ｓ７３７＞：9K330自走地対空ミサイルシステムの中隊指揮統制車、別名ランジール。MT-LBu装輪多目的車両がベースで、他の発射中隊指揮車両などとのデータリンク機能を持ち、共同作戦が可能である。隷下の自走ミサイルランチャーから送られる12個のデータを同時処理する他、連隊司令部から送られる24個のデータも表示して隷下の自走ミサイルランチャーに転送できる。通信範囲30km（通常アンテナ）／40km（走査型マストアンテナ）。乗員４名。参考：月刊軍事研究8,’99

＜９Ｓ９２０＞：イスカンデル−Ｅ（弾道ミサイル）を参照。

＜９Ｔ８３＞：S-300V（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜９Ｔ２１７Ｂ＞：9K33地対空ミサイルシステムの自走ランチャー支援車両。ZIL-131トラックに再装填用ミサイルを搭載している。参考：月刊PANZER6,’02

＜９Ｔ２１８＞：9K79弾道ミサイルシステムの輸送・再装填支援車両。BAZ-5922水陸両用６輪トラックがベースで、9M79弾道ミサイル２発を搭載できる。参考：月刊PANZER9,’02

＜９Ｔ２３０＞：9K714弾道ミサイルシステムのミサイル運搬・再装填車両。9P71自走ランチャーにそっくりな外見をしており、同系の車体に9M714（R-400）弾道ミサイル２発を搭載し、9P71自走ランチャーと同時運用される。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER9,’02

＜９Ｔ２３４−２＞：9K58自走ロケットシステム用の弾薬車両。８輪駆動トラックMAZ-534Aに予備ロケット12発を搭載している。参考：月刊丸4,’99

＜９Ｔ２４４＞：9K330自走地対空ミサイルシステムのミサイル運搬・再装填車両。６×６輪ウラル4320トラックにミサイル４発を収容したパック２基を搭載し、再装填用のクレーンも持っている。乗員２名。参考：月刊軍事研究8,’99

＜９Ｔ２４５＞9K330自走地対空ミサイルシステムのミサイルパック運搬車。６×６輪ウラル4320トラックがベースで、空のパック４基を荷台に、３基をトレーラーに搭載する。。参考：月刊軍事研究8,’99

＜９Ｔ２５０Ｅ＞：イスカンデル−Ｅ（弾道ミサイル）を参照。

＜９Ｔ４５０＞：BM-21グラッド１自走多連装ロケット（36連装）を参照。

＜９Ｔ４５２＞：9K57ウラガンの予備ロケット弾搭載・再装填支援車。BAZ-135L4（ZIL-135LM）の後部荷台に左右８発ずつの予備弾薬を搭載している。キャビン背後にはクレーンがあり、これでロケット弾を吊り上げてラマーで装填する。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜９ＵＥＴ４４／５５＞：三菱造船製の艦船用ディーゼルエンジン。直列９気筒トランクピストン型ターボチャージド中速２サイクルディーゼルである。重量66トン。出力6000馬力。回転数380rpm。DE-202いかづちに搭載された。参考：丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船6,’11

＜９ＵＥＴ５２／６５＞：三菱造船製の艦船用ディーゼルエンジン。9UET44/55のピストンを大型化して出力を強化したものである。出力8000馬力。回転数330rpm。DE-212もがみに搭載された。参考：丸スペシャルN0.78

＜９Ｖ８８７＞：9K330の整備車。システムチェックと各サブシステムの点検を行う車両で、６×６輪ウラル4320トラックを改造してある。乗員３名。自走発射機４両に本車両１両が配備されている。参考：月刊軍事研究8,’99

＜９Ｖ９２１＞：2S6のミサイル点検トラック。GAZ-66トラックのシャシーにK-66車体を載せている。参考：月刊軍事研究2,’00

＜�\号戦車＞：ドイツ軍広報誌であるシグナル・マガジンの1944年3月号に掲載された、架空の戦車。車体は長方形の饅頭のような形状で、前部が一段高くなっており、潰れた半円形の砲塔の下半部を隠すようになっている。戦後に連合軍が計画戦車として公表してしまったため、実在するかのように扱われていた。参考：月刊グランドパワー8,’10

＜九号爆弾＞：日本海軍の対浮上潜水艦用ロケット弾。三式一番九号爆弾が完成し、上陸用舟艇も対象とした仮称五式一番九号爆弾や仮称五式六番九号爆弾も開発されたが、間に合わなかった。参考：日本海軍の爆弾

＜九試大型飛行艇＞：九七式飛行艇シリーズを参照。

＜九試単座戦闘機（三菱）＞：九六式艦上戦闘機シリーズを参照。

＜九試単座戦闘機（中島）＞：日本海軍試作艦上戦闘機。七試艦上戦闘機が三菱・中島共に性能不足だったため、昭和9年に再度試作された艦戦の中島バージョンである。キ−11の海軍向け改良型で、胴体は全金属製セミモノコック、主翼は木金混合骨組みに羽布張り。三菱の試作型に負けて採用されなかった。全長7.5m、全幅10.8m、全高3.4m、自重1210kg、全備重量1500kg。エンジンは寿三型（700馬力）単発、最大速度410km、航続距離900km。固定武装は7.7mm機銃１丁。乗員１名。

＜九試中型飛行艇＞：九九式飛行艇を参照。

＜九試特種偵察飛行艇＞：九六式夜間水上偵察機を参照。

＜九糎臼砲＞：日本陸軍の臼砲。口径90mm、放列砲車重量446.6kg。俯仰角はマイナス８度からプラス68度。使用弾は鋳鉄破甲榴弾と榴霰弾で、初速毎秒245m、最大射程4150m。参考：大砲入門

＜九段線＞：中国が領有権を主張している南シナ海のエリアで、形状からＵ字線や牛舌線とも呼ばれ、2009年に国連大陸棚限界委員会に提出した。南沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、東沙諸島はおろか、ベトナム、インドネシア、ブルネイ、マレーシア、フィリピンの領海スレスレまで自国領域としていて、見るからに無茶な主張である。フィリピンが2013年1月に国連海洋法条約違反などとして国際司法仲裁裁判所に提訴し、2016年7月12日の判決で案の定中国の主権は認められなかったが、中国は審判も判決も拒否して勢力拡大と軍事力展開、関係国への威嚇を続けている。参考：月刊航空ファン4,’16、月刊世界の艦船10,’16

＜９メートル型カッター＞：日本海軍の艦載カッター。上陸、運搬、錨作業などに使用するもので、必要に応じて帆を張って進むことも可能。片舷６本ずつの櫂（長さ4.5m、直径76mm、重量10kg。重量バランスを取るため直径38mmの鉛４個が埋めてある）、爪竿２本、繋留索２本、垢汲み２個、舵柄２つ、舵２基、防舷物12個が用意されており、舵は艇尾に取り付ける。漕ぎ手は12名で、艇座に座って櫂を漕ぐ。右舷が奇数番、左舷が偶数番であり、1-4番は背の低い者、5-8番（推進力担当で、中頃と称する）は腕っ節の強い者、9-12番（漕ぎ手のペースメーカー）は几帳面で責任感の強い者が位置する。最後尾左舷側に艇長（後部で舵を取る）１名、右舷側に艇指揮（チャージ。艇長の隣に位置する）１名が座り、他に人員31名を乗せられる（２名が艇首で爪竿を持つこともある）。全長9m、幅2.45m、深さ0.83m（1.5m？）、重量1.5トン。定員45名。参考：海軍兵学校岩国分校物語、月刊丸7,’14、図解日本の戦艦、小艦艇入門、写真で見る海軍糧食史、海軍よもやま物語、海軍兵学校よもやま物語

＜９メートル型内火艇＞：日本海軍内火艇。全長9m、最大幅2.3m、深さ1.4m、吃水0.6m、排水量4.7トン。機関出力30馬力、速力8.0ノット。搭乗人員30名。参考：小艦艇入門、写真で見る海軍糧食史

＜９メートル救命艇＞：海上自衛隊ふじ型砕氷艦の左舷に２隻搭載されている救命艇で、石原造船所高砂工場製の商船用である。木製で、オレンジ色に塗られており、丸型船型の平張り船体で、船底下両舷にはビルジキールを持つ。第１救命艇は前部に固定式の波よけがあり、船尾にパルピットを持つ。第２救命艇は内部全周にデッキが張ってあり、両側のデッキ間に５本ほど腰掛けが渡してある。全長9m、最大幅3.2m、深さ1.2m。主機は第１救命艇がいすゞDL201MF4R44ディーゼル１基１軸30馬力、第２救命艇が不明（手動推進器のみ？）。定員62名。参考：丸スペシャルNo.77

＜９メートル作業艇＞：海上自衛隊の艦載作業艇。つがる型敷設艦に２隻、ちはや型潜水艦救難艦（初代）に２隻が搭載された。参考：丸スペシャルNo.77

　＜９メートル作業艇（つがる用）＞：陸上や他艦への連絡任務、生鮮食料などの受け取り、救命、母艦作業補助などに使用される。鋼製溶接構造で、船型は角型、船底にバーキールがあり、その後方にシューピースを持つ。前方から前部浮力室、コクピット、機関、後部浮力室で、前後部浮力室と両舷にデッキが張られていて、滑り止めストリップが付いている。操舵ポジションは後甲板で、操舵方式はティラー方式。全長9m、最大幅2.5m、深さ1.1m、排水量4.5トン。主機はディーゼル１基、１軸推進。1969年度特別改装の際に９メートル作業艇も２代目に変更されており、防舷材などの構造が異なっている。参考：丸スペシャルNo.77

　＜９メートル作業艇（ちはや用）＞：母艦作業が潜水艦救難のため、その補助として行う曳航などに適する設計をとっている。船型は角型で、前部両舷にフレアが付けられており、船首は扁平で押船作業が行える。後部には低めのブルワークが設けられていて、追波の際に海水が入り込むのを防ぐ。前方から前部浮力室、コクピット、機関、舵取り機室兼後部浮力室という配置で、前後と両側にデッキが張られている。操舵は舵輪方式。全長9m、最大幅2.5m、深さ1.1m、排水量4.5トン。主機はディーゼル１基１軸90馬力。これも２代目が作られた。参考：丸スペシャルNo.77

＜９メートル通船＞：日本海軍の通船。全長9m、幅2m、深さ0.79m、重量1.11トン。搭載人員33名。櫓３本を搭載する。参考：写真で見る海軍糧食史

＜９メートル内火ランチ＞：日本海軍の内火ランチ。全長9m、最大幅2.5m、吃水0.7m、排水量5.4トン。機関出力30馬力、速力8.0ノット。参考：小艦艇入門

＜九粒＞：ダブル・オー・バック（散弾）を参照。

＜九龍＞：K136（自走多連装ロケット）を参照。

＜９０＞：イギリス海軍ヨーク級重巡洋艦ヨーク（York）。1930年竣工。1941年3月、クレタ島スダ湾でイタリアの爆装艇の攻撃を受けて損傷した。修理中の5月22日にドイツ軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜９０Ｈシリーズ＞：スウェーデン軍の高速戦闘艇で、Tpbs200級の後継としてドックシュタヴァルヴェット社が開発した。参考：月刊軍事研究10,’08

＜９０Ｈ＞：制式名称Strib90H、輸出名称CB90（Combat Boat 90）。船体は非装甲のモノハル型で、前部に貨物室、中央部に操縦室、後部に兵員室があり、前部ハッチに舳先を付けて岸壁に移ることが可能である。全長15.9m、吃水0.7m、満載排水量20.5トン。主機はスカニアDSI14ディーゼル（625馬力）２基、推進はカメワFFウォータージェット２基、速力40ノット、航続距離440km（20ノット）。兵装は12.7mm機銃1-3丁。乗員３名。兵員21名を搭載可能。揺れが凄まじいため、熟練海兵隊員でも酔っぱらう。1990年6月に発注され、1990年代に各種合わせて187隻が生産された。参考：月刊軍事研究10,’08、9,’06、11,’02、月刊世界の艦船5,’15

　＜９０Ｈ（ダイバー支援艇型）＞：ダイバーチーム用で、兵員室に高圧チェンバーが据え付けてある。参考：月刊軍事研究10,’08

　＜Ｓｔｒｉｂ９０ＨＳ＞：装甲型で、27隻が発注された。PKO/PKF任務を考慮しており、エアコンや冷却器などが追加されている。参考：月刊軍事研究10,’08

　＜Ｓｔｒｉｂ９０ＨＳＭ＞：推進はウォータージェット。兵装は遠隔操作式12.7mm機銃トラックファイア１基（操舵室後上方）。2017-18年に18隻を配備した。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜９０Ｈファミリー＞

　＜９０Ｈ（ＡＭＯＳ搭載）＞：スウェーデン軍武装高速艇。艦橋後部に120mm迫撃砲連装砲塔AMOSを搭載したもので、1999年にパトリア・ヘグンルズ社が自主開発して採用された。参考：月刊軍事研究11,’02

＜９０Ｈ海外シリーズ＞

　＜９０ＨＥＸ級＞：マレーシア海軍戦闘艇。スウェーデンで建造された。満載排水量19トン。速力45ノット。17隻を導入した。参考：月刊世界の艦船7,’13

　＜ＣＢ９０ＨＣＧ＞：ギリシャ沿岸警備隊戦闘艇。1998年から３隻を配備中。参考：月刊軍事研究10,’08

　＜ＣＢ９０ＨＭＮ＞：メキシコ海軍戦闘艇。1991-2001年に40隻を購入し、ライセンス生産権も取得した。麻薬取り締まりにも使用中。参考：月刊軍事研究10,’08

　＜ＣＢ９０ＨＮ＞：ノルウェー海軍戦闘艇。沿岸猟兵と地上発射型ヘルファイアを搭載し、島嶼に上陸させて敵部隊を撃退する。1996年に20隻を導入した。参考：月刊軍事研究9,’06、10,’08

　＜ＲＣＢ級＞：アメリカ海軍河川制圧艇（Riverine Command Boat）。2007年からテストして採用、セーフ・ボーツ・インターナショナル社でライセンス生産した。船体は軽合金製で、小火器に耐えられる装甲を施してある。全長14.9m、幅3.8m、吃水0.9m、満載排水量22.8トン。主機はディーゼル２基、出力850馬力、推進はウォータージェット２基、速力40ノット。兵装は12.7mm機銃３丁（7.62mm機銃や40mmてき弾発射機も可）。乗員６名＋搭乗兵員15名。６隻が就役した。参考：月刊世界の艦船2,’13、5,’14、4,’15

＜９０Ｋ＞：ソ連海軍52口径85mm単装砲。河川哨戒艇や駆潜艇などに搭載するため、当初は85mm戦車砲ZIS-S-53をベースに開発したが、砲架が対空射撃に向かないという欠点があり、高射砲ベースに変更した。マウント重量8.7トン。全周旋回可能、旋回速度毎秒12度、俯仰角マイナス５度からプラス85度、俯仰速度毎秒８度。砲弾重量9.2kg。初速毎秒792m、射程15.5km。発射速度毎分15-18発。122bis型クロンシュタット級警備艇などに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９０Ｒ＞：ソ連海軍212mm対潜ロケット弾で、RBU6000またはRPK-8から発射される。全長1.83m、直径0.212m、発射重量112.5kg、弾頭重量20kg。射程5000-6000m（最大射程4300m？）、最大深度1000m（500m？）。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、9,'20、月刊軍事研究1,’18

＜９０−ＲＵ＞：ソ連海軍核爆雷投射ロケット弾、別名RPK-2ヴューガ（Viyuga、吹雪）、米軍コードSS-N-15、NATOコードはスターフィッシュ（Starfish）。アメリカ海軍のサブロックにあたるもので、コピーともいわれる。潜水艦（タイフーン級、971型アクラ�T級、09710型アクラ�U級、949A型オスカー�U級、671RTMK型ヴィクター�V級、945型シエラ�T型、945B型シエラ�U型）または水上艦（ネウストラシムイ級フリゲートなど）の533mm魚雷発射管から発射でき、潜水艦からでも水上艦からでも水中を一定距離航走した後で空中に跳び出し、ロケットで飛翔する。全長8.17m、直径533mm、重量2445kg。弾頭は200キロトン（５キロトン説あり）の核。推進は固体燃料ロケット、発射深度50-60m、投射距離46km、射程10-45km（40km？）。誘導はINS。1973年に制式化され、後にUMGT-1M通常魚雷搭載型82Rも開発された。650mm魚雷発射管用（短魚雷弾頭型82Rまたは核爆雷弾頭型86R）も実用試験まで行ったが、650mm魚雷発射管は空母雷撃用大型魚雷のみ運用することになり、こちらは制式化されなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船9,'20、3,’05、2,’17、11,’17、11,’22

＜９０ＴＫ＞：90式戦車（陸自）を参照。

＜９０Ｚｈ６Ｅ２＞：中国軍のS-300PMU2ミサイル中隊。30N6E2多目的Ｘバンド照射・誘導レーダー１基、マルチビーム・フェイズド・アレイ・アンテナ付き96L6E全高度目標指示レーダー１基、８輪駆動シャシーMAZ搭載5P85SE発射機８基からなる。使用ミサイルは48N6E2。参考：月刊軍事研究12,’04

＜９０圧縮干粮＞：中国軍の戦闘糧食。素材は面粉（小麦粉）、白砂糖、葡萄糖粉、精練油、粉ミルクなどで、真空圧縮製法によりコンパクトにし、761圧縮干粮よりも食感や味を改善した。アルミパックに収められており、取っ手付きの金属缶で持ち運ぶ。保存期間４年。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン1,’11

＜９０型＞：中国軍の航空機搭載用ロケット弾。弾頭はHEとHEATの２種類。全長1.21m、直径0.09m、翼スパン0.34m、重量17.1kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜九〇式一号飛行艇＞：日本海軍初の国産長距離大型飛行艇、略符号H3H。広海軍工廠が開発した３発単葉飛行艇で、昭和6年1月に試作機１機が完成し、２年間にわたり試験飛行を行った。参考：月刊JWings9,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九〇式二号飛行艇＞：日本海軍飛行艇、略符号H3K1、連合軍コードはベル（Belle）。ショート社が開発、川西航空機が製作し、昭和7年10月に採用された。日本初の全金属製大型飛行艇で、水線下はモノコック構造である。エンジンが国産出来なかったため、４機だけが製作された。全長22.55m、全幅31.05m、自重10030kg、全備重量15000kg。エンジンはロールスロイス社製H-10バザード水冷12気筒Ｖ型（825馬力）３発、最大速度226km、実用上昇限度4040m、航続時間９時間。昭和7年に館山・サイパン間の飛行を行った。参考：月刊JWings5,’05、9,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九〇式二働信管＞：日本陸軍の弾頭二働信管。九三式榴弾、九三式尖鋭弾などに使用された。参考：大砲入門

＜九〇式三米測高機＞：日本陸軍の高度測定機で、カールツァイス社製。国産化も試みられたが、精巧すぎて出来ず、簡易版の九三式測高機が開発された。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九〇式三連装水上発射管二型＞：日本海軍の魚雷発射管。十二年式水上発射管では段差が付いていた真ん中の発射管の高さを両端と合わせ、装填を容易にしたものである。また、縦舵機一斉発動装置も装備した。初春型と有明型に搭載された。参考：日本駆逐艦史

＜九〇式五糎七戦車砲＞：日本陸軍の八九式中戦車用戦車砲で、大正15年2月から開発され、昭和2年7月に試作砲が完成した。テストの結果、照準操砲機構を肩当て式に変更することとし、昭和4年3月から試験を実施、昭和5年4月25日に制式化された。復座機は水圧式。口径57mm、砲身長1030mm、砲身重量60kg、放列砲車重量147kg。使用弾は九〇式榴弾弾薬筒と九二式徹甲弾弾薬筒で、後に九〇式代用弾弾薬筒と空包が開発された。初速毎秒350m、最大射程5700m。ノモンハン事件ではBT-7の装甲に弾き返され、苦汁をなめさせられた。参考：月刊丸3,’13、大砲入門、月刊PANZER8,’13、戦車の戦う技術

＜九〇式五糎七戦車砲内とう銃＞：日本陸軍の戦車砲射撃訓練用内とう銃で、八九式中戦車の主砲の中に入れて主砲代わりに射撃を行う。三八式歩兵銃を大幅に改造して製作され、昭和11年6月13日に制式化された。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜九〇式二十四糎列車砲＞：日本軍の列車砲で、移動式二十四糎加農とも呼ばれる。フランスのシュナイダー社製で、1925年に欧米を視察した際にフランスのポリゴンで列車砲を見学したのが採用のきっかけであり、口径を24cmにするか28cmにするかシュナイダー社も交え検討して24cmに決定、全長15mの５軸台車上に設置した。砲車の他に弾薬車と動力車、兵員車を繋いで機関車により牽引する。射撃時にはベトン砲座上に移動し、台車を支柱で支える。砲身長12.823m、仰角0-50度、全周射撃可能で、放列砲車重量136トン。二重後座式で、後座長は砲身が0.475m、小架が1.4m。射撃準備にかかる時間は、陣地進入後十数分。弾種は榴弾・破甲榴弾（弾量165kg）、初速毎秒1050m、最大射程50120m。東京湾要塞用に輸入し、昭和4年3月に到着、千葉県富津の射場に格納され、昭和6年3月に制式化された。ちなみに富津射場付近は要塞なども建設されていた機密地帯で、付近を通る房総線の民間列車は木更津を過ぎたあたりから海側の窓にブラインドを下ろしていたという。昭和7年の発射試験では最大射程での着弾誤差は100m前後だった。昭和13年に満州広軌鉄道で使用するための台車が完成して大陸に送られ、昭和16年11月に木材砲床を製作、昭和17年1月に満州鉄道で組み立て運行試験を行い、2月に一旦虎頭要塞に配備された後、少し後方の水克の列車砲陣地に移動した。昭和20年8月9日のソ連侵攻時には分解整備中で、何もできぬまま鹵獲されてしまった。参考：月刊グランドパワー3,’03、大砲入門、丸エキストラ版No.71、日本戦車隊戦史

＜九〇式艦上戦闘機シリーズ＞：日本海軍複葉艦上戦闘機、略符号A2N/A3N。三式艦上戦闘機の後継として中島が自主開発し、昭和6年5月に試作機が完成、昭和7年4月に制式化された。一型、二型、三型、練習用戦闘機があり、昭和11年までに40機弱を生産、空母加賀から配備された。全長6.2m、全幅9.4m、全備重量1500kg。エンジンは寿二型改一（460馬力）単発、最大速度292km。日華事変初期まで実戦配備されていた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解日本の空母、日本海軍戦闘機隊

　＜試作ＮＹ海軍戦闘機＞：三式艦戦の後継として昭和4年から中島飛行機製作所が自主製作した原型機。NYは中島飛行機製作所・吉田孝雄設計技師の略で、輸入したブリストル社製ブルドック戦闘機とボーイング社製P-12戦闘機／F4B艦上戦闘機（の輸出型モデル100D）を参考としており、吉田ブルドッグとも呼ばれた。エンジンが三式艦戦と一緒だったのでさしたる改良にならず、ＮＹ改が製作されることになった。参考：月刊丸2,’12別冊付録、月刊JWings12,’22

　＜ＮＹ改＞：主任設計者を栗原甚吾技師に変更、P-12／F4B艦上戦闘機をベースに全面改設計したもの。エンジンを寿に変更しており、能力が向上、九〇式艦上戦闘機として採用された。参考：月刊丸2,’12別冊付録

　＜九〇式艦上戦闘機一型＞：エンジンは寿二型（433kW）単発、最大速度158ノット。参考：月刊世界の艦船3,'21

　＜九〇式艦上戦闘機二型＞：量産型。燃料タンクを大型化して航続距離を延伸した。参考：月刊世界の艦船3,'21

　＜九〇式艦上戦闘機三型＞：上翼に上反角を付けた。全長6.183m、全幅9.37m、全備重量1400kg。エンジンは寿二型改一（460馬力）単発、最大速度158.2ノット、航続時間３時間。固定武装は7.7mm機銃２丁。60kgまでの爆弾を搭載できる。乗員１名。参考：日本航空母艦史、月刊世界の艦船3,'21

＜九〇式艦上戦闘機ファミリー＞

　＜九〇式練習用戦闘機＞：複座練習機型、略符号A3N1。参考：丸メカニック別冊１

＜９０式艦対艦誘導弾シリーズ＞：海上自衛隊の艦対艦ミサイル。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜９０式艦対艦誘導弾＞：別名SSM-1B。1986年から88式地対艦誘導弾をベースに開発され、1988年に護衛艦に搭載してテストを実施、1990年に制式化された。ハープーンの後継として、ミサイル艇１号級（連装）、はやぶさ型ミサイル艇（連装）、むらさめ型護衛艦（４連装）以降まや型護衛艦１番艦まで（ひゅうが型といずも型除く）装備されている。発射筒はキャニスターで、発射後は空の発射筒を外してミサイル入りのものを架台に載せる。管制システムはハープーンと共通のHSCLSか、ハープーンも管制できる艦対艦ミサイル艦上装置２形（SSMS-2）で、架台もMk141を使え、逆に本ミサイル用架台にハープーンを積むこともできる。ただし90式艦対艦誘導弾用のインターフェース・ユニットでミサイルと管制システムを接続する必要があるため、同じ架台にハープーンと90式艦対艦誘導弾を混載することはできない。全長5.1m、直径0.349m、翼幅1.16m、発射重量661kg、弾頭重量225kg（HE）。固体燃料ロケットブースターで射出され、TJM2ターボジェットエンジンで海面すれすれを亜音速巡航し、公称射程は100km以上だが、実際は150-200kmくらいらしい。誘導は中間が慣性誘導、終末がARH（捜索モード４種）。生産は三菱重工である。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、10,’19、1,’95、1,’02、3,’10、3,’05、6,'23、月刊PANZER1,’03、月刊軍事研究7,’99、6,’93別冊

　＜９０式艦対艦誘導弾（Ｂ）＞：SSM-1B(B)。三菱重工製。参考：月刊軍事研究5,’11

＜９０式艦対艦誘導弾用火工品（国産）＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’16

＜９０式艦対艦誘導弾用火工品等＞：自衛隊の火工品。エムエイチアイロジテック製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜９０式艦対艦誘導弾用信管パワーカートリッジ＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜９０式艦対艦誘導弾用ブースタ＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜九〇式機上作業練習機シリーズ＞：日本海軍の機上作業練習機、略符号K3M、略称キサレン、連合軍コードはパイン（Pine）。日本海軍初の機上作業練習機で、操縦士以外の航空機搭乗員に対する訓練（偵察、爆撃、通信、航法、機銃操作、写真撮影など）を纏めて行える。それまで同様の訓練は一三式艦攻で行っていたが、座席が独立していて指導しづらかったため、三菱重工が専用機を提案し、昭和4年に海軍が発注、昭和5年に試作機が完成した。テストしてみると三菱重工でライセンス生産したイスパノスイザ水冷Ｖ型８気筒ガソリンエンジン（300馬力）の過熱振動や機体安定性不足に悩まされ、東京瓦斯電製天風一一型空冷星型９気筒ガソリンエンジンに積み替えて解決、昭和6年10月に制式化された。三菱重工、九州飛行機、愛知航空機で各型計624機が生産され、連絡機や軽輸送機としても使用されている。参考：月刊丸3,’18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九〇式一号機上作業練習機＞：略符号K3M1。当初は単に九〇式機上作業練習機だったが、後に九〇式二号機上作業練習機が採用されたので本名称となった。胴体は鋼管フレーム羽布張り。主翼は木製単葉、肩翼配置で、胴体との間に支柱が２本取り付けられている。降着装置は尾輪式固定脚。全長9.7m、全幅15.8m、全高3.8m、自重1180kg、全備重量1900kg。エンジンは瓦斯電製天風一一型空冷星型９気筒ガソリン（離昇出力340馬力）単発、最大速度185km、実用上昇限度4600m、上昇力は高度2000mまで11分36秒、航続時間３時間。武装は7.7mm旋回機銃１丁。30kg爆弾４発を搭載可能。乗員１名（操縦士）＋教官・訓練生計4-5名。317機が生産された。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九〇式水上機上作業練習機＞：略符号K3M2。水上機型で、少数のみ生産された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜九〇式二号機上作業練習機＞：略符号K3M3。エンジンを中島製寿二型改二に換装したもので、燃料タンクを増やして航続時間も延ばし、尾翼を再設計した。全長9.5m、全幅15.8m、全高3m、自重1360kg、全備重量2200kg。エンジンは寿二型改二空冷星型９気筒ガソリン（離昇出力580馬力）単発、巡航速度148ノット、最大速度235km、実用上昇限度6390m、航続距離800km。武装は7.7mm旋回機銃１丁。乗員4-5名。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九〇式機上作業練習機ファミリー＞

　＜九〇式陸上輸送機＞：略符号K3M1-L。輸送機に改造したもの。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九〇式陸上輸送機二型＞：略符号K3M3-L。九〇式陸上輸送機に落下傘降下用装備を追加し、空挺降下訓練を行えるようにしたもの。参考：月刊丸3,'18別冊

＜九〇式魚雷＞：日本海軍の魚雷で、昭和8年に制式化された。八年式魚雷のエンジンを改良、雷速を向上させたものである。全長8.6m、直径0.61m、重量2605kg、炸薬重量373kg。空気を装気圧225気圧で詰めてある。航走距離15km（雷速35ノット）／10km（42ノット）／7km（46ノット）。吹雪型の途中から搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’11、日本駆逐艦史

＜９０式空対空誘導弾＞：AAM-3を参照。

＜９０式空対空誘導弾用部品＞：自衛隊の機器。エムエイチアイロジテック製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜９０式空対空誘導弾用部品（着発信管）＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,'17

＜九〇式空聴音機＞：日本軍の対空警戒用聴音機。ラッパ型の聴音装置４つが付いており、航空機のエンジン音をキャッチする。参考：戦場写真で見る日本陸軍実戦兵器

＜九〇式軽迫撃砲＞：日本陸軍の迫撃砲。口径150mm、放列砲車重量514kg、仰角45-90度、射界は左右20度ずつ。使用弾は九〇式榴弾（弾量20kgの軽弾と40kgの重弾）で、初速毎秒163m、最大射程1700m（軽弾）または800m（重弾）。昭和6年に制式化したが、秘匿兵器とのことで図面だけが完成して技術本部にしまい込まれ、結局生産されなかった。参考：大砲入門

＜９０式時限信管シリーズ＞：陸上自衛隊の時限信管。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜９０式時限信管＞：電子式の対地信管で、着発機能も持つ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜９０式時限信管�T型＞：着発機能も持つ。リコーエレメックスまたは横河電子機器製。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究1,’08、5,’11

＜９０式自走多連装ロケットシステム・シリーズ＞：中国陸軍自走ロケットシステム。NORINCOが開発し、1990年に制式化された。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜９０式自走多連装ロケットシステム＞：車体は６×６輪トラックSC2030で、車体前部のキャビンには乗員３名が乗り、後部荷台前方に再装填用ロケット弾、後方にランチャーを搭載する。ランチャーは射界左右102度ずつ、仰角0-55度で、10列４段。ロケット弾は直径122mm、射程30km。20秒で全弾発射でき、３分で再装填可能。HJ-1コンピュータを搭載し、上級司令部とリンクして自動で発射できる。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜９０Ａ式自走多連装ロケットシステム＞：最大射程40kmの新型ロケット弾を搭載し、コンピュータを新型にしてGPSを装備したもの。オマーンに輸出された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER7,’02

＜九〇式手動圧縮空気喞筒＞：日本陸軍の手押しポンプ。火砲の復座機や平衡機に圧縮空気を充填するために使用する。４名でハンドルを毎分40回上下させて最大圧力155気圧の空気を送り込むことが可能である。箱を分解すれば台座にできる甲型と、軽い箱に入れた乙型の２種類がある。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九〇式焼夷弾＞：日本陸軍75mm焼夷弾。三八式野砲、改造三八式野砲、四一式騎砲から発射できる。全長231mm、重量6.96kg。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九〇式乗車二馬曳輜重車＞：日本陸軍の補給部隊用荷車で、馬２頭により牽引する。全長6.2m、車輪中径1.2m、空車重量405.5kg、全備重量830kg。牽引速度4.5-7km。参考：機甲入門

＜九〇式小聴音機＞：日本陸軍の対空警戒用聴音機。野戦照空隊用で、三脚に設置して使用する。参考：大砲入門

＜九〇式照明弾弾薬筒＞：日本陸軍75mm照明弾。三八式野砲、改造三八式野砲、四一式騎砲、四一式山砲、九四式山砲から発射できる。照明半径1.5km。全長251.5mm、重量7.25kg。参考：日本陸軍兵器資料集、月刊丸5,’13

＜９０式信管＞：海上自衛隊の127mm艦載砲用対空電波式近接信管で、着発機能も付いている。横河電子機器製。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究10,’09

＜９０式信管（改）＞：自衛隊の火工品。横河電子機器製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜９０式信管（改）（試験用）＞：自衛隊の火工品。横河電子機器製。参考：月刊軍事研究5,’11

＜九〇式信号喇叭＞：日本軍の信号喇叭で、昭和9年に制式化された。３つ巻ラッパである。参考：MAMOR vol.126

＜九〇式水上偵察機シリーズ＞：日本海軍水偵。1920年代後半に実用的なカタパルトが完成したのを受け、これで運用する艦載水偵として昭和5年に試作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本航空母艦史

　＜九〇式一号水上偵察機＞：略符号E3A1。ハインケルHD-56を国産化したもので、昭和6年に制式化された。複葉双フロート機である。全長8.5m、全幅11.1m、全備重量1600kg。エンジンは天風（300馬力）、プロペラは２翅、最大速度200km、航続距離760km。実用性に乏しく、12機が生産されたのみで二号が採用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九〇式二号水上偵察機＞：略符号E4N2。一号が性能不十分だったため、ボート社製O2Uコルセアを昭和6年12月に制式採用して中島飛行機でライセンス生産したものである。第一次上海・日華事変に投入された。全長8.9m、全幅11m、全備重量1800kg。エンジンは寿二型改一（580馬力）１基、最大速度232km、上昇限度5800m、航続距離1000km。武装は7.7mm固定機銃１丁、7.7mm旋回機銃１丁。30kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊世界の艦船2,’87、日本航空母艦史

　＜九〇式二号艦上偵察機三型＞：略符号E4N2-C。O2Uコルセアの陸上機型を導入し、艦上爆撃機として試用したもので、少数が昭和8-9年に龍驤に搭載されて急降下爆撃実験や訓練に使用された。参考：図解日本の空母、歴史群像8,’17

　＜九〇式三号水上偵察機＞：略符号E4N3（E5K1？）。三座水偵として昭和7年4月に制式採用された。後期型は水冷エンジンを搭載しており、計17機が製作された。全長10.972m、全幅14.5m、全備重量3000kg。エンジンはジュピター（450馬力）単発、最大速度96ノット、航続時間6.5時間。武装は7.7mm固定機銃１丁、7.7mm旋回機銃２丁。250kgまでの爆弾を搭載できる。乗員３名。参考：日本航空母艦史、月刊丸1,’77

＜九〇式水上初歩練習機＞：日本海軍練習機、略符号K4Y1。一三式水上練習機の後継として昭和5年から横須賀海軍工廠で開発され、昭和6年に試作機が初飛行、昭和8年5月に制式化された。胴体は鋼管溶接羽布張り、主翼は複葉で木製桁羽布張り。胴体下面に支柱を介してフロート２基が取り付けられている。降着装置を車輪に変更して陸上運用が可能だが、ほぼ水上専用で運用された。全長9.05m、全幅10.9m、全高3.3m、自重740kg、全備重量990kg。エンジンは瓦斯電製神風二型空冷星型７気筒ガソリン（離昇出力130馬力）単発、巡航速度93km、最大速度163km、実用上昇限度3460m、航続距離315km、航続時間3.5時間。固定武装は無い。乗員２名。渡邊鉄工所で制式化前の昭和7年に量産が始まり、日本飛行機も加わって211機（うち試作機２機）が生産され、太平洋戦争初期まで使用された。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九〇式尖鋭弾弾薬筒＞：日本陸軍75mm榴弾。弾量6.034kg（6.4kg？）、全備重量7.095kg。炸薬は茶褐薬、一号硝斗薬、二号硝斗薬のどれかで、重量0.54kg。威力半径20m。三八式野砲、改造三八式野砲、四一式騎砲、九四式山砲、九五式野砲に使用できる。参考：月刊丸5,’13

＜９０式戦車シリーズ（中国陸軍）＞：中国陸軍主力戦車。88C式戦車の車体を新型に変えたもので、FCSなどに西側技術を導入している。NORINCOが開発し、パキスタンのタヒラで生産された。参考：月刊グランドパワー9,’04、AFV’94、月刊軍事研究4,’02

　＜９０式�U型＞：中国版T-72。主砲はソ連の125mm滑腔砲2A46Mが基本設計で、125-�UAPFSDS（タングステン弾芯、直径26mm、重量7.44kg、初速毎秒1740m）を使用すると射距離2000mで装甲貫徹力460mmとされる。発射速度毎分10-12発の自動装填装置を搭載しており、主砲弾は自動装填装置内に22発、予備に17発の計39発を収容し、APFSDS、HEAT、HE-FRAG（破片効果榴弾）を４対３対３の割合で積んでいる。IFCSという新型射撃統制装置が搭載されており、デジタルコンピュータ、砲手用安定化照準器、車長用旋回式安定化視察装置、レーザー測遠機、環境センサーなどからなる。砲手用照準器はフランスのSAGEM社製HL-60で、2E28砲二軸安定化装置と同調し、高い命中精度を有するという。車長用照準器はSFIM製HL-70で、オーバーライド射撃も可能。行進間射撃能力は、射距離1500mまでの移動目標への命中率71%、複数の停止目標に対する攻撃間隔は７秒、移動目標では10秒。同軸に86式7.62mm車載機銃（2000発）を装備する。砲塔上の対空用85式12.7mm機銃（500発）は俯仰角マイナス4.5度からプラス70度。砲塔内配置では車長席が右に移った。車体はT-72M類似で、車体前面上部には複合装甲を使用し、防御力は均質圧延鋼板換算で450mm（対APFSDS）／540mm（対HEAT）。砲塔前面も複合装甲で、防御力は車体前面と同レベルらしい。砲塔・車体前面にERAを取り付け可能である。NBC防護装置、対中性子線ライナーも装備する。フェンダーは燃料タンク一体型で、下部転輪もT-72と同型のものを使用している。サイドスカートは鋼製（前半部が分割式ERA、後半部が分割式ラバーともいわれる）、履帯はダブルピン・ダブルブロック式。エンジンは自主開発しようとしたが、３年かかっても実用化できず、海外のものを導入した。全長10.06m、全幅3.5m、全高2.37m、重量46トン。エンジンはドイツのMTU396ターボチャージャー付き８気筒４サイクルディーゼル（1200馬力）またはイギリスのパーキンス製CV12-1200TCA水冷12気筒ディーゼルで、油気圧機械式トランスミッション（前進４速、後進２速。フランスのSESM製ESM500またはドイツのレンク社製LSG3000）と一体化してパワーパック化され、路外平均速度35-45km、路上最大速度62.5km、航続距離450km。参考：月刊グランドパワー9,’04、世界AFV年鑑2002-2003、AFV’94、月刊軍事研究4,’00、4,’02、7,’97

　＜モデル２０００＞：1999年4月に公開されたタイプ。ウクライナ製の6TDディーゼル（1200馬力）を搭載し、中国独自開発の熱線暗視装置を備える。ただし輸出車にはパーキンスCV12-1200TCA液冷ディーゼルとSESM社製ESM500オートマチックトランスミッションを搭載するらしい。パキスタン用に開発されており、中国では採用の予定は無い。参考：月刊軍事研究4,’00、月刊PANZER3,’01

　＜０９１０工程＞：99A�U式戦車ともいう。99式戦車は重い、値段が高い、超信地旋回が出来ないといった欠点があったため、新たに開発している戦車の開発名称である。90式�U型の車体に横置き1500馬力ディーゼルとトランスミッションを組み合わせたパワーパックを搭載し、99式戦車と同じ複合装甲と99式よりも厚い楔形追加装甲を組み合わせた砲塔を載せている。主砲はロシア製125mm滑腔砲またはその改良型で、対空機銃は02式14.5mm重機関銃。FCSやC4I能力も強化され、GPSや車両間情報交換システムを装備する。2007年に中国の展示会で初期試作車両が展示されたといわれる。全長6.5m、重量50トン未満。参考：月刊軍事研究2,’10、2,’13

＜９０式戦車（中国）海外シリーズ＞

　＜９０式�U型（ペルー）＞：ペルー陸軍戦車。80-120両を購入する計画だったが、2010年に延期が発表された。参考：月刊PANZER12,’10

＜９０式戦車シリーズ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の戦後戦車第３弾／第３世代戦車。略称90TK、愛称はキュウマル。研究開発当初は1988年に完成させる予定で、88式戦車と仮称されていた。1973-74年には計画が始動、1976年に技術研究本部で研究が始まり、1977年からエンジン、砲・弾薬、射撃統制装置の試作を行い、1978年から砲・弾薬、新型装甲、サスペンション用油圧ポンプの試作に入り、1979年に砲塔・車体関係の研究試作を開始、1982年から試作車を製作し、一次試作車２両と二次試作車４両が完成して1989年から実用試験を実施、1990年8月6日に制式採用された。高価なため配備ペースが遅く、富士教導団と北部方面隊にのみ配備されている。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’04

　＜ＴＫ−Ｘ＞：試作名称。当初は自動装填装置付き120mm滑腔砲装備、複合装甲採用、戦闘重量42-43トン、油気圧懸架装置装備といった要目で、防衛庁側は戦闘重量を47-48トンにしたかったが、ZFエンジンの改良では出力1300馬力が限界だったため、この重量に抑えたようである。ただ120mmクラスの戦車砲と複合装甲を装備するとなるとこの重量に収めるのは無理で、全体試作が始まる頃には戦闘重量が47トン級に引き上げられた。主砲は当初国産開発もされており、技術研究本部第１研究所と日本製鋼所で1977年から開発に入った。口径90mmと105mmの試作砲を製作した後、1985年6月初めに120mm試作砲が完成。砲弾はAPFSDSをダイキン工業、HEAT-FSを小松製作所で製造する予定で研究を行い、APFSDSの方は初速1650m、射距離2000mでの装甲貫徹力500mmを達成、射弾散布は射距離2000mで直径50cm以内であり、ラインメタル社製44口径120mm滑腔砲と同等レベルだった。しかしHEAT-FSの方は開発に苦慮したようで、1982年頃に三井物産経由で西ドイツから炸薬200kgを輸入するなど研究開発を続けたものの結局ものにならず、弾薬は西ドイツからの輸入品に頼ることとなった。ならば主砲も西ドイツ製にすれば良いということになり、日本から西ドイツに厚さ20cmの標的用装甲板３枚を送ってラインメタル社で同社製滑腔砲の射撃試験を行うなどして比較検討の結果、陸上幕僚監部はM-1A1とのインターオペラビリティも考慮してラインメタル砲の採用を1985年8月に決定した。車体と砲塔は圧延鋼板の全溶接製で、主要部に複合装甲、他は中空装甲を適用している。砲塔は上面を前に向かって絞り込ませ、正面投影面積を減らした。その分主砲俯仰角が制限されるが、油気圧懸架装置による車体姿勢制御で補う。車体は前部左に操縦室、右に弾薬収容スペース、中央に戦闘室、後部に機関室という配置で、排熱が探知されないよう、排気は車体後面両側から下向きに放出される。エンジンはZGシリーズ液冷２サイクルＶ型10気筒ディーゼル（ZFシリーズと同サイズのシリンダーを使い、圧縮比を高めて出力を強化する）で、所定の1500馬力を発揮させるのにかなり苦労したようである。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪とスカートが付く。砲塔は中央右に車長、左に砲手が位置し、自動装填装置の採用に伴い装填手は廃された。砲塔後部の張り出し部分は自動装填装置と弾庫が占める。主砲はラインメタル社製44口径120mm滑腔砲で、副武装は防楯右の主砲同軸74式7.62mm車載機銃１丁、車長用キューポラ左ピントルマウントの12.7mm機銃M2が１丁。FCSは光学式視察照準装置、パッシブ式赤外線暗視装置、炭酸ガスレーザー測距器、車長用パノラマ・ペリスコープ、環境センサー、弾道コンピュータなどで、砲安定化装置、砲塔制御装置などと連動する。車長によるオーバーライド機能を持つ。参考：月刊PANZER10,’85、月刊軍事研究7,’16

＜９０式戦車＞：量産型。車体・砲塔共に全溶接構造で、主要部にはオリジナルの複合装甲が採用されている。これはチタンメッシュで保持されたセラミックを鋼板でサンドイッチしたものといわれ、イギリスのチョーバムアーマーと比較試験を行い、遜色無かったといわれる。また、自車の装備する120mm戦車砲を前面に撃ち込んだ（多目的榴弾３発とAPFSDS弾１発）が貫徹されず、エンジン始動して自走が可能だったという。砲塔前面の複合装甲にはキャンバスがかけられているが、これは赤外線輻射抑制のためともいわれる。側面装甲には複合装甲は適応されておらず、35mm機関砲耐弾程度（装甲厚80mmくらい？）らしい。車体前部左に操縦手、右に予備弾薬を配置し、操縦手用ハッチにはペリスコープ３基が付く。床には非常用脱出ハッチがある。操向装置はハイドロスタティックで、操向操作はバイクと同じバーハンドル式。車体後部の機関室は74式戦車よりはゆとりがあるようで、パワーパック交換が楽になった。燃料給油口が砲塔にかぶるので、左に少し旋回させておくと給油しやすい。また、１名が車体上で給油ホースを支える必要がある。下部転輪はダブルタイプ片側６組で、サスペンションは第１・２・５・６輪が油気圧式、３・４輪がトーションバー式で、車体を前後に５度ずつ傾けられ、車高は上170mm・下255mmで調整可能。ただし油気圧式サスペンションは２輪１組の連結式であり、サスが柔らかいため主砲発射後の縦揺れが収まりにくい。起動輪は後方、誘導輪は前方にある。路上走行の際は履帯にゴムパッドをボルト止めする。サイドスカートは鋼板製。シュノーケルを使用した潜水渡渉が可能で、砲塔正面右の車長用キューポラにシュノーケルをセット、車体中央左右の通風口を閉塞し、排気管先端に水中排気弁を取り付け、操縦席左のスイッチボックスにある潜水モード切り替えスイッチを潜水に入れれば、シュノーケル上面までの高さで水に潜れる（流速は時速10kmくらいまで）。この際、エンジン吸気はシュノーケルから行われ、排気は水中に出される。排気は水圧に負けないよう圧力を高めてから排出されるが、エンジンが停止した場合には水中排気弁が自動的に閉じて水がエンジンに入り込むのを防ぐ。砲塔はレオパルト２と同様の垂直面構成で、右に車長、左に砲手が座る。車長用ハッチの前には独立照準潜望鏡があり、二軸安定化してある。左右90度の旋回が可能で、倍率３／10倍の切り替え式。ただし背が低いので、左前にある砲手用照準潜望鏡が邪魔になる。砲手用ハッチの前には固定式砲手用照準潜望鏡があり、俯仰角のみ安定化され、倍率10倍、レーザー測遠機と熱線暗視装置（暗視距離3000m以上）を内蔵する。砲手用熱線暗視装置の画像はケーブルまたは民用電送装置を使って外部のテレビに写すことができるので、車外要員による訓練指導などに活かすことが可能。砲手席前面の射撃関係スイッチの配置に問題があり、照準潜望鏡を覗きながらの操作が難しいらしい。スイッチの数も車長用28個（潜望鏡操作パネル周囲。ランプ含む）、砲手用34個（正面パネル14個、サイドパネル20個）、操縦手用58個（計器含む）と多く、射撃の際には砲手が操作ハンドルを握りながら追尾スイッチ、角速度ボタン、レーザー発射スイッチ、撃発安全レバー、撃発ボタンを操作する必要がある。砲塔前部中央には12.7mm重機関銃M2が装備されていて、砲手が操作するが、ハッチから上半身だけ出して左側を撃つのは機銃の位置的に無理であり、車長に掃射してもらうしかない。車内から操作できるかは不明。機銃前方には角張ったレーザー検出器があり、敵レーザーを感知してその方向を表示すると共に発煙弾を自動発射する。主砲は120mm戦車砲（ラインメタル社製44.17口径120mm滑腔砲）で、自動装填装置を持ち、装置内部には16発＋装填機構内１発の17発を搭載でき、走りながらでも４秒で次弾を発射できる。装填時には一時的に主砲を水平位置に戻す必要があるが、装填完了後は自動的に元に戻る。非常時には手回しハンドルでの手動装填も可能。自動装填装置の信頼度は統計上95%程度とのことだが、統計的に99%の信頼性を持たせようとすると試験期間が1.5倍に延びてしまうため、仕方の無いところではある。上方から給弾して４本の爪で弾薬を固定する方式であり、激しく揺さぶられながら走行中に装填しようとするとFCS異常と判断されてエラー表示が出され、装填不能になってしまうため、運用に注意が要る。自動装填装置への砲弾補給の際は、地上の１名が車体上に乗った給弾要員２名に弾頭部を前に向けて弾薬を渡す。給弾要員は砲塔上面の搭載口から砲弾を自動装填装置に給弾する。主砲は照準器と連動し、二軸安定化されている。使用弾はJM33APFSDS-T、JM12A1HEAT-MP-T、00式120mm戦車砲用演習弾で、車内の予備弾を合わせると33発以上が搭載されているとみられる。同軸に74式車載7.62mm機銃を備える。砲塔後部上面はブロウオフパネルとなっており、主砲弾誘爆時に吹き飛んで被害を軽減する。砲塔後部中央には前方に折り畳み可能な環境センサーを持つ。FCSは熱線暗視装置（戦車なら距離3000mで識別可能らしい）、炭酸ガスレーザー測遠機（100-4000m）、デジタル・コンピュータなどによる高度なもので、追尾ボタンと角速度ボタンを押せば熱線暗視装置画像をロックオンして自動追尾を開始、弾種と射距離に応じたリードを取ってくれるので、正確な走行間射撃や移動目標射撃が可能である。車長が独立照準潜望鏡により砲手と別の目標を照準するＭ（Move）モードを持ち、砲手が第１目標に射撃している間に車長が第２目標を捜索・照準、第１目標を撃破したらオーバーライドで第２目標に主砲を向け、第２目標を砲手に射撃させる間に車長が第３目標を捜索し、という戦闘機用レーダーで言うところのトラック・ワイル・スキャンが可能だが、砲手との間で目標情報の授受に多少の時間を要するのと、独立照準潜望鏡の視野が前方180度に限られるのが欠点。ちなみに車長と砲手が同一目標を照準するのはＬ（Lock）モードと呼ばれる。車内通話装置が更新され、乗員胸元の切り替えスイッチが無くなった。カルフェックスにおいて射距離3000mの走行間射撃訓練で目標に初弾命中させ、アメリカ軍関係者の度肝を抜いたという話がある。初期には激しい機動時にFCSが故障（揺れに伴う自動装填装置のエラー表示？）したり、走行中に突然コンピュータシステムが全停止して動けなくなったりという、戦車としてあるまじき故障が頻発したらしいが、カルフェックスでの訓練を重ねると共に、00式演習弾を開発して東富士演習場などでの走行間射撃訓練を可能とし、適切な射撃法を編み出しているようだ。自動装填装置を採用して砲塔を小型化しているとはいえ、50トンの全備重量は第３世代戦車としては軽量の部類に入るため、被弾経始の無い砲塔と相まって防御力に不安を持たれている。また、車体と砲塔の間がショットトラップになっており、前面投影面積の１割もあるので危ない。橋の通過が時々問題とされるが、日本の橋は設計荷重35トンくらいでも90式戦車の１両や２両は通れるようにできており、大型の民間用セミトレーラーが通行できる橋梁ならば問題無く通過可能で、全国主要国道の橋梁17920カ所の65%を渡れる。そもそも90式戦車が必要になる事態では爆撃で橋が落とされている可能性も高いので、92式浮橋などによる強行渡河能力整備の方が問題になると思う。ただし特大型運搬車に積載しての移動では重量が問題になり、砲塔と車体を分割して73式特大型セミトレーラで移動させるとなると60個の結合ボルトを外すのに１時間かかる。全長9.755m、車体長7.5m、全幅3.43m（スカート含む）、全高2.335m、戦闘重量50.2トン。エンジンは10ZG32WG水冷２ストロークＶ型10気筒ディーゼル（1500馬力。10ZG32WT？）、過給器はターボとメカニカルの２段式、トランスミッションはMT1500トルクコンバータ付きオートマチック前進４段・後進２段（超信地旋回可能）、最大速度70km、航続距離300-340km。乗員３名。主砲は日本製鋼所製、FCSは三菱電機・富士通・NEC製、それ以外は三菱重工製。配備当初の価格は１両10億円前後だったが、2004年度契約では６億7195万8000円となっている。配備された当時はあまりに最先端過ぎてベテラン乗員がコンピュータ用語を理解できずに苦労したようだが、訓練で克服した。20010年3月までに341両が生産されて調達を完了し、北部方面隊各部隊と、東部方面隊第一機甲教育隊、富士教導団戦車教導隊、武器学校に配備された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’04、5,’04、4,’99、10,’05、3,’08、5,’08、12,’14、月刊PANZER4,’05、9,’05、3,’10、9,’10、2,’12、月刊JWings8,’06、月刊丸8,’87、10,’10、スピアヘッドNo.6、No.7、No.14、戦車隊長、戦車の戦う技術、MAMOR vol.91、vol.116

＜９０式戦車ドーザー装着型＞：車体前面にドーザーブレードを装着するため、前照灯が中央に寄せられている。参考：月刊JWings4,’02

＜９０式戦車ファミリー＞

　＜９０式戦車回収車＞：陸上自衛隊戦車回収車、略称90TKR、愛称はリカバリー。90式戦車の砲塔を撤去して固定式戦闘室を増設、ドーザー（作業中の車体固定用にも使用する）、クレーン、ウインチを装備した。作業時の姿勢維持などに便利なよう、サスペンションは全て油気圧式に変更されており、下部転輪間隔は全て等間隔である。クレーンは車体右に搭載され、吊り上げ可能重量は25トン以上。ウインチの牽引力は50トンで、74式戦車なら横向きでも引っ張っていける。牽引バーを取り付ける頑丈なフックが車体後面グリル下部に設けられているが、車内からは全く見えないので、牽引バーをフックに引っかける際は車外電話を使って他の隊員に指示してもらう。エンジン排気口は車体後部側面に移された。車体左の固定式戦闘室前面には横一直線に８連装発煙弾発射機を、戦闘室上部には自衛用の12.7mm機関銃M2を装備する。車体後部は平坦になっていて、パワーパックなどを搭載可能。全長9.2m、全幅3.4m（ドーザー無し）、全高2.7m（3.4m？）、重量50トン。エンジンは10ZG32WT空冷２サイクルＶ型10気筒ディーゼル（1500馬力）、最大速度70km、航続距離350km。乗員４名。1990年に制式化された。生産は三菱重工で、値段は2004年度契約で１両４億9481万2500円。北海道の90式戦車装備部隊、富士学校、武器学校、第１機甲教育隊などに配備された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、自衛隊装備年鑑1996、月刊PANZER9,’05 、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.6、No.7、No.14

＜９０式戦車エンジンのロックナット分解工具＞：90式戦車のエンジンに不具合が発生した場合、クラッチ全体を交換する必要があったため、一部の部品交換だけで済ませることができるようにした工具で、点検作業の効率が向上し、部品交換時のコストが低減された。考案した小山田２等陸曹には平成31年度文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞が授与されている。参考：朝雲

＜９０式戦車回収車＞：90式戦車（日本）ファミリーを参照。

＜９０式戦車車体用特殊工具セット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜９０式戦車砲塔用特殊工具セット（戦車砲用・その１）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜９０式戦車砲塔用特殊工具セット（砲塔用・その１）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜９０式戦車砲塔用特殊工具セット（砲塔砲用・その１）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜９０式戦車用鉄履帯＞：自衛隊の90式戦車用履帯。三菱重工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜９０式戦車用部品（照準制御器ＡＳＳＹ）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’19

＜９０式戦車用部品（潜望鏡）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜九〇式潜水艦方位盤＞：日本海軍の潜水艦用魚雷射撃指揮装置で、水上発射の際に使用する。精度が悪く、不評だった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜９０式装甲兵員輸送車シリーズ＞：NORINCOが開発した装甲兵員輸送車で、別名YW535。1991年に存在を公表した。YW531Hの足回りにBMP-1の車体を組み合わせたような構成である。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究6,’05

＜９０式装甲兵員輸送車＞：車体は装甲鋼板の全溶接製で、前部左に操縦手、その後ろに車長、前部右にエンジンと油圧式トランスミッション（前進４段・後進１段）を収める機関室を配し、中央が戦闘室、後部が兵員室となっている。操縦手用ハッチの前方にはペリスコープ３基があり、中央は光量増幅式暗視ペリスコープに換装可能。車長用ハッチにもペリスコープ１基が設けてある。兵員室両側にはガンポートとペリスコープ３基ずつが装備され、兵員室後面に右開きのドア、上面に小ハッチ２つと長方形大型ハッチ２つが用意されている。戦闘室上部には銃手用ハッチがあり、防楯付き12.7mm機銃（俯仰角マイナス５度からプラス85度）を装備。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪片側３個を持つ。水上浮航能力もあり、履帯で航行する。NBC防護装置付。全長6.63m、全幅3.15m、全高2.39m、重量14.5トン。エンジンはKHD BF8L413F（320馬力）またはKHD BF8L513C（360馬力）、最大速度65km、水上速度７km、航続距離500km。乗員２名＋乗車兵員13名。1998年までに2000両が生産されたという説と、生産・装備化が進んでいないという説がある。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究6,’05

＜歩兵戦闘車＞：車体を延長して下部転輪を１組増やし、23mm/25mm/30mm機関砲のいずれかと7.62mm機銃を装備する２名用砲塔を搭載したもの。エンジンはKHD BF8L513C（360馬力）。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜９０式装甲兵員輸送車ファミリー＞

　＜１２２ｍｍ自走榴弾砲＞：歩兵戦闘車版の車体を流用した自走榴弾砲型。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＷＺ５３４＞：歩兵戦闘車版の車体を流用した地雷撒布車型。兵員室上面に段を付け、22連装地雷撒布装置を片側３基ずつ搭載している。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜自走迫撃砲＞：82mmまたは120mm迫撃砲を搭載した自走迫撃砲型。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜自走ロケット砲＞：130mmロケットランチャーを搭載した自走ロケット型。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜戦車駆逐車＞：レッドアロー対戦車ミサイル搭載型。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜装甲回収車＞：

　＜装甲救急車＞：

　＜装甲指揮車＞：

＜九〇式大延弾底信管＞：日本陸軍の弾底信管。九〇式破甲榴弾に使用されている。参考：大砲入門

＜九〇式代用弾乙弾薬筒＞：日本陸軍の75mm榴弾。鋼性弾殻の代わりに鋳鉄弾殻を使用したものである。全備重量7.097kg。四一式山砲、九四式山砲で使用できる。参考：月刊丸5,’13

＜九〇式代用弾弾薬筒＞：日本陸軍の九〇式五糎七戦車砲用砲弾。全備重量2910g、弾量2360g。参考：月刊丸3,’13、大砲入門、月刊PANZER8,’13

＜九〇式代用弾弾薬筒＞：日本陸軍の75mm榴弾。鋼性弾殻の代わりに鋳鉄弾殻を使用したものである。全備重量8.002kg。四一式山砲、九四式山砲で使用できる。参考：月刊丸5,’13

＜九〇式駄載操舟機＞：日本陸軍の渡河器材で、舟艇の後部に取り付けて推進に使用するエンジン付きプロペラである。重量168kg。動力は水冷式水平対向２気筒ガソリン、最大出力10馬力以上。参考：工兵入門

＜九〇式鉄兜＞：日本陸軍のヘルメット。それまでの仮制式ヘルメットが重く、製造に手間も掛かったため、昭和2年4月から他国のヘルメットを収集・参考にして開発し、昭和5年6月17日に制式化された。裾広がりの形状で、前面には金属の星章が取り付けられている。特殊鋼製で、弾片防御は可能だが、ライフル弾を防ぐには不十分（7.7mm普通弾の直射だと射距離1000mでも撃ち抜かれる）であり、上海事変では命中したライフル弾のうち45%が貫通、命中衝撃を和らげる効果も乏しかった。長径280mm、短径236mm、全高153mm、重量1kgの大と、長径268mm、短径234mm、全高150mm、重量0.95kgの小がある。板厚1mm。参考：工兵入門

＜九〇式爆撃照準機＞：日本軍の光学式爆撃照準器。精度が悪く、編隊爆撃と訓練により命中精度を補う必要があった。参考：月刊丸1,’07

＜九〇式発煙弾弾薬筒＞：日本陸軍の75mm発煙弾。全備重量7.03kg。四一式山砲、九四式山砲から発射できる。参考：月刊丸5,’13

＜九〇式方位盤＞：日本海軍の魚雷戦用射撃指揮装置。望遠鏡が付いており、これで照準線を決定し、射撃指揮官の観測や射表などから射線を決定する。参考：日本駆逐艦史

＜九〇式防毒衣＞：日本陸軍の対化学兵器用のゴム衣服。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜九〇式砲兵軽観測自動車＞：日本陸軍の砲兵観測機材運搬車。観測機材、観測員、観測手８名をキャビンと荷台に収容する。最大速度50km。砲兵中隊に配備された。参考：機甲入門

＜九〇式砲兵重観測自動車＞：日本陸軍の砲兵観測機材運搬車で、東京瓦斯電気工業製。九二式六輪自動貨車の荷台に観測通信機材を載せたもので、砲兵連隊や大隊に配備された。参考：機甲入門

＜九〇式野砲シリーズ＞：日本陸軍75mm野砲。大正14年に視察したフランスのシュナイダー社製75mm野砲を基に改造三八式野砲を改良したもので、昭和5年に制式化された。当初は重さから有効性が疑問視され、軽量の九五式野砲の方が大量生産されたが、満州事変に参加して長射程が威力を発揮し、以降は配備が進められた。とはいえ総生産数は786門に留まっている。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊PANZER5,’05、日本陸軍兵器資料集、大砲入門

＜九〇式野砲＞：シュナイダー社から開脚式砲架、液気圧式駐退復座機、砲口制退機などの技術を導入して製作した。単肉自緊式砲身を採用し、製造を楽にしているが、単肉なので内筒交換ができず、砲身命数が短いという欠点があった。閉鎖機は隔螺式。口径75mm、砲身長38.4口径、放列砲車重量1400kg。俯仰角はマイナス８度からプラス43度で、旋回角は左右25度ずつ。一式破甲榴弾で初速毎秒522.6m、装甲貫徹力100mm（射距離450m）／75mm（900m）。九五式破甲榴弾では、装甲貫徹力90mm（射距離100m）／65mm（1000m）／47mm（1500m）。榴弾の威力半径は25m。最大射程13890m。馬６頭で牽引する。昭和7年5月に仮制式となり、北満州でテストを受けたが、2000発でエロージョンとライフリング起縁部破損が起こり、3000発前後で射程が著明に短縮するという砲身短寿命が判明、師団砲兵の主力火砲としては採用が見送られた。ただ日本軍にはそんなに弾が無かったので、太平洋戦争中も特に問題は無かったようである。砲口制退機のガスが後ろに抜けるので、連続射撃を行うと砲手が発射ガスを吸い込んで危険だった。重量が改造三八式野砲よりも更に200kg増加したため、牽引用の馬の必要数が増えて世話をする人員や施設も増やさねばならなくなるという悪循環に陥り、取り敢えず九〇式野砲機動台車を製作した他、機動九〇式野砲が開発されることとなった。車載型も開発され、一式七糎半自走砲や三式中戦車に搭載されている。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊PANZER2,’02、5,’05、日本陸軍兵器資料集、機甲入門、月刊丸10,’93、大砲入門

＜機動九〇式野砲＞：牽引車で移動できるよう、板バネ式サスペンションとパンクレスタイヤを装備したもの。九四式四屯牽引車や九八式四屯牽引車により時速45kmで牽引することができる。放列砲車重量1600kg。その他の諸元は九〇式野砲と同じ。昭和8年6月から設計され、昭和10年8月に制式となり、日華事変の初期から少数が配備されたが、本格的な配備が始まったのは昭和17年に新編された戦車師団からである。600門が製造された。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、日本陸軍兵器資料集、月刊丸10,’93、大砲入門

＜九〇式野砲機動台車＞：九〇式野砲を牽引車で牽引できるようにする台車で、機動九〇式野砲までの繋ぎとして昭和5年度から開発され、昭和10年に制式化された。九〇式野砲の車軸下に小車輪を取り付け、牽引時には車軸を浮かして引っ張る。時速45kmでの牽引が可能。参考：大砲入門

＜九〇式陸上輸送機＞：九〇式機上作業練習機ファミリーを参照。

＜九〇式榴霰弾弾薬筒＞：日本陸軍の75mm榴霰弾。信管は五年式複働信管修／加。弾量7kg、全備重量8.09kg。三八式野砲、改造三八式野砲、四一式山砲、九〇式野砲、試製九一式騎砲、九四式山砲、九五式野砲に使用できる。参考：月刊丸5,’13

＜九〇式榴弾弾薬筒＞：日本陸軍の九〇式五糎七戦車砲用榴弾。全備重量2910g、弾量2360g、炸薬重量250g（茶褐薬）。威力半径16m。信管は八八式短延期信管野山砲加。参考：月刊丸3,’13、大砲入門、月刊PANZER8,’13

＜九〇式榴弾弾薬筒＞：日本陸軍の75mm榴弾。信管は八八式瞬発信管野／山／加または八八式短延期信管野／山／加、伝火筒は甲種四〇瓦伝火薬筒、炸薬は茶褐薬。全長505.7mm、口径75mm、弾量5.71kg、全備重量6.8kg。威力半径25m。三八式野砲、改造三八式野砲、四一式騎砲、四一式山砲、九五式野砲に使用できる。参考：月刊丸5,’13

＜九〇式練習用戦闘機＞：九〇式艦上戦闘機ファミリーを参照。

＜９０度ビーム攻撃＞：リード・コリジョン攻撃を参照。

＜９０年度指揮所演習＞：アメリカ中央統合軍が1990年7月にフロリダ北西部とアラバマ州に突出したパンハンドル地区にあるエグリン空軍基地で実施した演習で、イラク軍の中東方面の行動を中心にシミュレートされた。これに基づいて作戦計画1002-90が策定された。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜９０−２式対空自走砲システム＞：中国軍が1999年10月の軍事パレードで公開した自走対空機関砲・地対空ミサイルシステム。装軌式で、車体中央に砲塔がある。砲塔には25mm機関砲を片側２門ずつ、撃ちっ放し式連装地対空ミサイルを片側１基ずつ装備しており、後部に捜索レーダー（探知距離11km）、前部にレーザー測距器・TV追尾カメラ（有効距離6000m）・赤外線追尾カメラ（有効距離5000m）などを搭載する。機関砲の発射速度は１門あたり600-800発。砲塔内に1000発の弾薬を搭載する。戦闘重量22.5トン。航続距離450km。乗員３名。本車6-8両を纏めて指揮統制を行う指揮車両（捜索距離45kmの起倒式レーダーを有する）も製作された。参考：月刊PANZER3,’01

＜９０／５３高射砲＞：イタリア陸軍53口径90mm高射砲。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス２度からプラス85度。重量10.33kgの榴弾だと砲口初速830m、最大射高12000m。重量10kgの徹甲弾だと装甲貫徹力は射距離450mで140mm。イタリア降伏後はドイツ軍に接収され、Flak309/l(i)として使用された。生産数は500門。参考：月刊PANZER5,’05

＜９１＞：イギリス海軍アーク・ロイヤル級空母アーク・ロイヤル（Ark Royal、聖櫃）。1935年9月16日起工、1938年11月16日就役。1940年7月2日、Ｈ部隊の一員としてカタパルト作戦のためフランス領アルジェリアのメルス・エル・ケビール軍港に向け出撃。1941年5月26日、ラインユーブング作戦行動中のビスマルクをソードフィッシュで雷撃し、艦尾を破壊した。11月13日、戦闘機輸送を終えてマルタ島からジブラルタルに帰投する途中、地中海でドイツ海軍潜水艦U81の雷撃を受け、右舷に２本が命中して大破、１名が戦死した。曳航されてジブラルタルに向かったが、11月14日にジブラルタルから25海里の地点で沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸3,’90、8,’87、歴史群像4,’16、月刊世界の艦船2,’18

＜９１＞：シンガポール海軍ヴィクトリー級ミサイル艇４番艇ヴァリアント（Valiant）。2016年9月12-24日、カカドゥ2016に参加。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。2018年8月30日から9月15日、カカドゥ2018に参加。10月23日、DDH-184かが、DD-105いなづまとチャンギ港周辺海空域で親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船12,’16、2,’18、12,’18、1,’19

＜９１ＰＥシリーズ＞：ロシア海軍の対潜ミサイル（キリル文字表記）で、アルファベットでは91REシリーズ。81R型と100RU（86R型）をベースに1990年代に開発された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究11,’11、11,’00

　＜９１ＰＥ１＞：アルファベット表記では91RE1。キロ級の533mm魚雷発射管から発射できるタイプ。全長7.83m、直径533mm、重量2050kg。発射可能深度20-150mで、深度150m以上を15ノットで推進でき、空中に出るとターボジェットにより毎秒830mで飛翔、AB-122E慣性航法システムによる慣性誘導で目標に向かい、深度20-50mでの発射なら5-50km、深度150mなら5-35kmを飛行して弾頭を切り離す。発射準備時間は４秒（10秒？）で、ミサイル４発を同時に１目標に指向できる。弾頭にはAPL3ME短魚雷またはMPT-1UME短魚雷を使用する。参考：月刊軍事研究11,’11、11,’00、ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17

　＜９１ＰＥ２＞：水上艦発射バージョンで、アルファベット表記では91RE2。全長6.2m、直径514mm、重量1200kg。射程40km以上。VLS発射式（弾頭はMTT短魚雷）と傾斜ランチャー発射式がある。参考：月刊軍事研究11,’00、11,’11

　＜９１ＰＴＥ１＞：潜水艦発射型で、アルファベット表記では91RTE2。射程50km。誘導は慣性＋GLONASS。弾頭はMTT短魚雷を使用する。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜９１ＰＴＥ２＞：水上艦発射型で、アルファベット表記では91RTE2。ミサイル本体は91PE1がベース、ランチャーやFCSは3M14TEと共通で、発射されると固体燃料ブースターを分離、サステナー（ターボジェット？）に切り換えて毎秒570mで飛翔、慣性誘導で目標に向かい、最大40km先で弾頭を切り離す。全長8.9m、直径0.645m、重量3.105トン。弾頭はMTT短魚雷を使用する。参考：月刊軍事研究11,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17

＜九一式七糎砲隊鏡＞：日本陸軍の砲隊鏡で、重砲部隊用に開発された。カール・ツァイス社製のコピーで、重量50kg。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九一式十糎榴弾砲シリーズ＞：日本陸軍の榴弾砲。参考：大砲入門

＜九一式十糎榴弾砲＞：大正14年に陸軍中将がシュナイダー社を視察して採用を決定した。口径105mm、放列砲車重量1.5トン。俯仰角はマイナス５度からプラス45度、旋回角左右20度ずつ。後座長1.10-1.17m、発射速度毎分6-8発／毎分１発（持続）。初速毎秒454m、最大射程10800m。使用弾は九一式榴弾（弾量16.0kg、炸薬量2.52kg、威力半径31m）、九一式尖鋭弾（弾量15.7kg、炸薬量2.27kg、威力半径28m）、九五式尖鋭弾、一式曳火榴弾など。参考：大砲入門

　＜機動九一式十糎榴弾砲＞：牽引車で牽引できるようにしたもので、サスペンションとパンクレスタイヤを装備している。時速40kmでの牽引が可能。放列砲車重量1.75トン。参考：大砲入門

＜９１式１０５ｍｍ多目的対戦車榴弾＞：74式戦車用のHEAT-MPで、小松製作所製。装薬が徹甲弾よりも少ないので、発射時には発砲炎が少ない（ブラストは盛大だが）。参考：月刊PANZER6,’00、月刊軍事研究11,’07

＜９１式１０５ｍｍ多目的対戦車榴弾（特てん弾）＞：自衛隊の火工品。小松製作所製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜９１式１０５ｍｍ多目的対戦車榴弾（特てん弾）（検圧保持具付）＞：自衛隊の弾薬。小松製作所製。参考：月刊軍事研究6,’16

＜９１式２０３ｍｍ榴弾砲空包＞：自衛隊の203mm榴弾砲用空包。旭化成ケミカルズ社製。参考：月刊軍事研究1,’08

＜九一式一酸化炭素検知器＞：日本陸軍の化学戦闘器材。参考：工兵入門

＜九一式貨車＞：日本陸軍の鉄道器材。本土用から大陸用まで３種類の軌道幅に対応できる応急運転用四輪貨車として昭和3年8月から開発され、昭和5年11月に最終試験を終えて制式化された。台車２基、荷匡１基、旋回架２基からなり、台車の車軸幅は1067mm、1435mm、1524mmの３種類に対応できる。台車２基の上に荷匡を載せると無蓋貨車（自重2.7トン、積載量５トン）として使用でき、台車２基の上に旋回架を１基ずつ載せれば長さ10mまでの材料を搭載できる長材料運搬車（自重1.54トン、積載量９トン）になる。長材料運搬車は敷設車として鉄道敷設用の材料運搬にも使用することが可能で、軌条を載せる場合は軌条車、枕木を載せる場合は枕木車と呼ばれる。参考：工兵入門

＜九一式気球＞：日本陸軍の観測用気球。容積1200立方メートル。最大高度1500m。日華事変で使用された。参考：大砲入門

＜九一式気球気嚢＞：日本陸軍の気球器材。参考：工兵入門

＜９１式機雷＞：海上自衛隊の機雷で、開発名称はK-RX1新型機雷（航空機用）。航空機投下型複合感応式上昇追尾機雷で、投下されると機雷本体が中深度に繋止される。水上艦や潜水艦を高感度磁気センサー及びアクティブ音響センサーで探知すると、音響センサーで測的を行って命中予想点を割り出し、繋止索を切断して浮上、傾斜計と方位計により基準となる重力と磁北を検出して姿勢を制御しつつ目標を追尾し、炸裂して破壊する。石川製作所製。参考：月刊軍事研究9,’10、3,’07、11,’10、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９１式機雷整備用器材＞：自衛隊の機器。石川製作所製。参考：月刊軍事研究4,’17

＜９１式空対艦誘導弾＞：ASM-1Cを参照。

＜９１式空対艦誘導弾用カートリッジスタータ＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’16

＜９１式空対艦誘導弾用火工品＞：自衛隊の火工品。エムエイチアイロジテック製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜九一式軽構桁鉄道橋＞：日本陸軍の分解組み立て式鉄道橋で、昭和3年8月から開発された。九一式軽構桁道路橋と同じ構桁６組を橋礎の上に配置し、軌匡（12キロ軌条と桁枕からなる）を直接構桁の上に固定する。桁枕には軌条を幅1524mm、1435mm、1067mm、600mmでセット可能。最大張間32m。自重20トン。九一式貨車３両を引っ張る九一式広軌牽引車を通過させることができる。九一式軽構桁鉄道橋架設機で組み立てと分解を行う。工兵（丙）中隊に配備された。参考：工兵入門

＜九一式軽構桁鉄道橋架設機＞：日本陸軍の九一式軽構桁鉄道橋用架設撤収器材。九一式軽構桁鉄道橋と同時期に開発された。架設起重機、架設櫓、桁吊機、転輪などからなる。参考：工兵入門

＜九一式軽構桁道路橋＞：日本陸軍の分解組み立て式道路橋で、昭和3年8月から開発された。渓谷や両岸の切り立った河川などに設置し、牽引式十糎加農砲や軽戦車を通過させる。九一式軽構桁鉄道橋架設機を使用して橋礎上に構桁４組を設置し、橋板を敷き、欄干を付ければ組み立て完了。最大張間32m、有効幅2.9m、自重15トン。自動車や二馬曳輜重車で運搬可能。参考：工兵入門

＜９１式携帯地対空誘導弾シリーズ＞：陸上自衛隊の携帯式地対空ミサイル、別名SAM-2。略称は携SAMで、P-SAM（Portable-SAM）と呼ばれることもある。愛称はハンドアロー。参考：スピアヘッドNo.12

＜９１式携帯地対空誘導弾＞：対空火器が12.7mm機銃M2しか無かった前線部隊用対空兵器として1979年から開発されたが、アメリカがスティンガを導入させたために一旦開発中止になりかけた。ただFMSによる輸入で供給不安があったこと、初期型のFIM-92Aしか導入できなかったこともあり、1982年からスティンガの後継として研究開発が行われ、1992年から普通科部隊の低高度防空用装備品として配備された。1993年からは海上・航空自衛隊でも基地防空用に配備されている。ランチャーに封入されたミサイル、IFFアンテナ、外部電池、画像表示器、IFFトランスポンダー、IFFプログラム（数日ごとに更新されるので、手動入力する）から構成される。外見はスティンガそっくりだが、IFFアンテナ（味方識別機空中線と称する）の孔が２段になっている。誘導はCCDカメラによる可視光画像＋赤外線パッシブで、撃ちっ放し式であり、フレアやデコイにも対抗でき、アメリカ軍が情報提供を求めてきたという高性能のものである。総重量17kg。ミサイル全長1.43m、直径0.08m、重量11.5kg（9kg？）、炸薬重量3kg。推進はブースター＋固体燃料ロケット、飛翔速度マッハ1.9、IFF有効距離10km、最大射程（有効射程？）5km前後。信管は着発式。運用は射手１名と補助要員１名で行う。生産は東芝で行われている。低価格も重視されており、ミサイル本体は1000万円台、ランチャーなどを含めた価格も5000-8000万円に抑えた。2007年からは改良型（携SAM改）を導入中。参考：月刊JWings6,’02、月刊PANZER3,’10、1,’98、自衛隊装備年鑑1996、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究3,’07、11,’16、スピアヘッドNo.12、No.6、朝雲

＜９１式携帯地対空誘導弾（Ｂ）＞：自衛隊の誘導弾。東芝製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜個人携帯地対空誘導弾改＞：2007年度から導入されている改良型で、SAM-2Bともいう。CCDカメラなどを改良し、誘導方式を可視光画像＋赤外線画像誘導に変更して夜間・悪天候・低空目標への対処能力を強化、無煙ロケットモーターを搭載している。ジャイロにはCOTS品を使用したが、テストで発射・飛翔時の高周波振動に耐えられないという欠点が判明し、振動対策を施した。参考：スピアヘッドNo.12

＜９１式携帯地対空誘導弾（Ｂ）ＭＴＳ追随訓練装置＞：自衛隊の火工品。東芝製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜９１式携帯地対空誘導弾（Ｂ）訓練器材＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜９１式携帯地対空誘導弾訓練器材＞：自衛隊の訓練器材。東芝製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜９１式携帯地対空誘導弾訓練器材（演習弾）＞：自衛隊の火工品。東芝製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜９１式携帯地対空誘導弾用縮射弾＞：自衛隊の火工品。東芝製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜９１式携帯地対空誘導弾用味方識別装置用点検整備アダプタ＞：自衛隊の機器。東洋無線システム製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜九一式軽便貨車＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九一式広軌牽引車＞：日本陸軍の鉄道器材。石川島自動車の試製九〇式広軌牽引車をベースに開発された軌道・路上両用６輪装甲車で、日野重工業でも生産された。鉄道を敷設する際や、軌道障害部分を修復する際に、機関車よりも軽量な本車で器材を積んだ貨車を引っ張り、必要な部品を持ってくるのが主任務である。軌道が途切れた部分から先に進出できるよう、軌道外も走れるようにした。装甲列車の前衛、軌道周辺の警備、鉄道の占領、偵察、列車応急運航などの任務もこなせる。昭和3年5月から丙種自動車T.G.E L型をベースとして開発が始まり、試験結果を基に昭和4年5月から丙種自動車スミダA6型ベースの試作車が製作され、昭和5年11月に鉄道第１連隊で最終テストを実施して制式化された。車体前部が機関室で、後部がクローズドの乗員室兼貨物室となっており、乗員室前部右に操縦手席がある。乗員室中央上部に銃塔が設置されているが、固定武装は無く、歩兵が持ち込む軽機関銃などを取り付けて使用する。また、乗員室周囲には銃眼が設けられ、小銃などを突き出して射撃することが可能。装甲は分解式で、厚さは車体側面5mm、前後面3mm、上面2mm。機関車と違ってエンジンは蒸気機関ではないので水が要らず、給水設備の無い地域でも支障無く運用できる。1435mmの標準軌、1524mmの広軌いずれにも対応でき、軌道走行用の鉄輪帯をゴム輪帯（ソリッドタイヤ）に換えれば路上走行も可能である。使わない方の車輪は車体側面に付けておく。転換には作業員12名で15分かかる。車体前後には扛重器（ジャッキ）があり、車輪交換の際に便利である。また、軌道上と路上への移行の際にはジャッキで車体を持ち上げ、移行用軌条（防滑布が付いた長さ2.5mのＩ型鋼）を地面にセットし、ジャッキ脚部にある転輪により移行用軌条の上を移動する。車体前後には連結器が用意されており、320-730mmの範囲で中心高を変えられ、九一式貨車など各種車両を繋げて牽引することができた。トランスミッションはスミダ６輪自動貨車のものをそのまま使用しており、後進時の速度が遅かったため、本車２両を前後逆向きに繋ぎ、重連化して運用することが多かった。全備重量７トン。エンジンはスミダA6型ガソリン（50馬力）で、木炭ガス発生装置による運航もできる。トランスミッションは前進５段・後進１段、速度性能は軌道上も路上も一緒で、巡航速度20km、最大速度35km、後進速度8km。牽引重量30トン（軌道上）／１トン（路上）。乗員10名。満州事変に投入された。参考：世界の軍用車両(4)、工兵入門、月刊丸3,’13

＜九一式航空魚雷シリーズ＞：日本海軍の航空機搭載用魚雷。昭和6年に制式採用され、昭和8年から実戦配備された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜九一式航空魚雷＞：推進はイタリアの技術を導入した８気筒レシプロエンジン。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜九一式航空魚雷改一＞：魚雷の空中姿勢を安定化させるため、尾部安定板から後方に伸びる框板を取り付けるようにしたもの。框板は搭載機種に合わせて九七式框板小型、同小型改一、四年式框板が開発された。炸薬重量149.5kg。参考：月刊丸3,'18別冊

＜九一式航空魚雷改二＞：真珠湾攻撃用の改造型。真珠湾は水深12mで、通常通り投下すると航空魚雷が60mも沈下して海底にぶつかってしまうが、イギリス軍が水深13m以下のタラント港で航空魚雷による奇襲攻撃（ジャッジメント作戦）に成功したのを受け、解決可能として開発に移った。魚雷尾部に装着した框板が着水の衝撃で吹き飛び潜り込みを抑制すると共に、魚雷後部両側に追加した水中雷道安定舵（ジャイロ組み込み式の横安定機）が魚雷姿勢を制御し、沈下を10mくらいに抑える。通常の航空魚雷は高度50-80m・射距離800-1000mで投下していたが、真珠湾では高度20m・射距離200m・時速160ノットで投下することになっていた。基礎訓練は浅海の鹿児島県阿久根で実施され、高度10mを維持できるようにし、次いで鹿児島湾に移り、城山の斜面を降下して鹿児島市街上空を低空飛行、フォード島に見立てた桜島めがけて雷撃を行う実戦に即した訓練を行った。また、通りがかりの漁船や母艦の蒼龍・飛龍を敵艦に見立てた訓練も行い、衝突の危険を感じた漁師が海に飛び込んだり、空母の飛行甲板よりも低く飛んできて乗員を驚かせたりしたという。必要数の40本は昭和16年11月17日に完成し、空母加賀に載せられて11月23日に単冠湾に到着した。真珠湾攻撃で40本が発射され、36本が命中している。参考：月刊JWings7,’01、月刊丸12,’92、3,'18別冊、パールハーバー、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜九一式航空魚雷改三＞：威力強化型で、炸薬重量が235kgに増えた。参考：月刊丸3,’18別冊

＜九一式航空魚雷改七＞：最終生産型。炸薬重量420kg。参考：月刊丸3,’18別冊

＜九一式高射装置＞：日本海軍の対空射撃統制装置。昭和12-14年の演習では、高度2000m・距離6300mを飛行する85ノットの標的に対し、2.2%の命中弾を与えることが出来た。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜九一式時限信管＞：日本海軍の時計式時限信管。三年式五〇口径一二.七サンチ砲や三年式五〇口径二号二〇サンチ砲の通常弾用信管（高仰角で対空弾として発射する時に用いる）として使用された他、弾丸の外側に自動信管調定用歯車を付けたタイプが八九式四〇口径一二糎七高角砲用に用いられた。参考：月刊丸2,’08

＜九一式車載機銃＞：日本陸軍の車載機銃で、十一年式軽機関銃を車載化したものである。装弾は当初貯弾槽を大型にして済ます予定だったが、戦闘中に乗員が給弾するのは不便なので、箱形弾倉に変更された。機銃上部に油壺、左にマガジンが設置されているため、照準器を右に持って来ざるを得ず、ストックは照準に便利なよう右に大きくひねってある。照準器は基本的に照準眼鏡（射距離300mに設定）を使用するが、破壊された時に備えて照星照門式照準器も用意された。クリップと薬莢が車内に散乱するのを防ぐため、排莢口には布製の袋が取り付けられている。銃身に装着する防弾器（カバー）も製作された。ボールマウントに装備された他、高射具に取り付けて対空機銃としても使用されており、バイポッドを付けて歩兵が使うことも可能。参考：月刊戦車マガジン10,’78、拳銃・小銃・機関銃、月刊PANZER8,’13

＜九一式手榴弾＞：日本陸軍の手榴弾で、昭和6年に採用された。擲弾筒で投射することを前提に製作されたため、時限信管の調定時間が7-8秒と長く、斜面の上の敵に投げたら自陣に転がってきて爆発することもあったらしい。全長125mm、直径50mm、重量530g。内部にTNT65gを収め、加害半径は7m。参考：戦場写真で見る日本陸軍実戦兵器

＜９１式小銃＞：台湾軍の小銃。伸縮式ストックを持ち、取り回しが良い。全長880mm、口径5.56mm、重量3.1kg。装弾数30発。暗視装置を装着しての夜間戦闘も可能である。参考：月刊丸4,’07

＜九一式小浮嚢舟＞：日本陸軍の渡河器材。ゴム引き綿布または麻布でできた２名用手漕ぎボートであり、１名で背負える。ただしオールは無いのでスコップなどで漕ぐ。全長2.1m、幅1.1m。横に並べて長さ2m・幅0.6mの木製橋床を渡せば全長10mの軽徒橋にもなる。参考：工兵入門

＜九一式水上偵察機＞：日本海軍の潜水艦搭載水上偵察機。イギリス海軍バーナーベルト水上偵察機を基に昭和4年から横廠式二号水上偵察機として試作され、昭和7年1月に制式採用された。全備重量750kg。エンジンは神風一三十馬力発動機（130馬力）、最大速度168km。武装は無い。乗員１名。飛行操作と無線操作を１名で行う必要があるのであまり役に立たなかったが、伊５潜水艦に搭載されて使用された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜９１式戦車橋＞：74式戦車ファミリーを参照。

＜９１式戦車橋用鉄履帯＞：自衛隊の履帯。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜九一式戦闘機シリーズ＞：日本陸軍初の国産戦闘機。大正15年11月、陸軍航空本部長が陸軍大臣に対して甲式四型戦闘機の後継となる単座戦闘機の試作を申請。民間航空機会社に試作させることになり、昭和2年2月の計画認可を受けて中島飛行機、三菱航空機、川崎造船航空機部、石川島飛行機製作所が設計を開始した。日本人技師のみでは設計が困難だったため、中島飛行機はフランスのニューポール社設計長アルベル・マリー技師とブレゲー社設計係マキシム・ロバン技師、三菱航空機はアレクサンダー・バウマン教授、川崎造船はリヒャルト・フォークト技師、石川島飛行機製作所はグスタフ・ラハマン教授に協力してもらい設計を完了、11月の陸軍審査で中島が１等、三菱と川崎が２等となり、石川島が落選した。１・２等の３社に試作指示が出されたが、その後陸軍から視界の良いパラソル翼を採用するよう要求されたため、元々パラソル翼だった中島（NC型）以外の三菱（隼型）と川崎（KDA3）は設計変更を加えている。昭和3年春に各社の試作機が揃ってテストに入ったが、6月13日の急降下試験で三菱試作機が空中分解した（パイロットはパラシュート降下して無事）。これを受けて地上強度試験（破壊試験）を行い、要求荷重を満たした中島機が増加試作に入ることになったが、昭和4年8月13日の急降下試験で主翼の脱落事故が発生（パイロットはパラシュート降下で無事）。開発が頓挫しかかったものの、主翼取り付け部強化改修を行って昭和6年12月26日に制式採用（仮制式制定）された。飛行第１連隊、飛行第３連隊、飛行第５連隊、所沢・明野・下志津・浜松陸軍飛行学校に配備され、満州事変で飛行第11大隊所属機が初実戦参加したとみられる。第一次上海事変で独立飛行第３中隊が装備して派遣されたが、到着時にはほぼ事変が終わっていたため、実戦参加はしていないらしい。昭和11年11月の綏遠事件では内蒙古軍飛行隊として満州航空が組織した臨時独立飛行隊に４機が配備されて機銃掃射を行っている。日華事変では飛行第11連隊所属機が対地攻撃を実施したが、空対空戦闘は無かったらしい。昭和10年9月、中華民国広西省の李宗仁軍に九一式戦闘機二型８機が貸与された。昭和15年、満州国軍に練習機として10機、中央航空機乗員養成所に３機が貸与された。参考：月刊航空ファン7,’18、8,’18、11,’17、2,’18、日本陸軍戦闘機隊、月刊JWings1,’13

　＜ＫＤＡ３＞：川崎試作機で、Kawasaki Dockyard Army type 3の略。主翼はパラソル翼単葉。エンジンはBMW�Y水冷Ｖ型12気筒ガソリン（630馬力）単発、最大速度285km。固定武装は7.7mm機銃２丁。昭和3年3月に初飛行したが、強度不足で採用されなかった。参考：月刊丸1,'17別冊、月刊航空ファン7,’18

　＜ＮＣ型＞：中島試作機で、昭和3年5月に初号機、6月に２号機が完成した。主翼はパラソル翼単葉で、支柱が前後に２本あり、前方のものは主輪軸、後方のものは胴体に繋がっている。主脚は固定脚で、スパッツは無い。プロペラ直径2.76m。その後増加試作機２機が追加されてテストを行っていたが、試作初号機が昭和4年8月13日の急降下試験で主翼脱落事故を起こしたため、主翼支柱を太くし、主翼前方支柱を主輪軸でなく胴体に取り付け、前後支柱間に補強支柱と張り線を追加、ついでに翼型と取り付け角も変更し、エルロンや方向舵の形状を改めた５号機（増加試作３号機）を製作した。６号機（増加試作４号機）はエンジンをジュピター�Y空冷星形（ジュ式六型420馬力発動機）からジュピター�Z空冷星形に換装し、振動の問題があったプロペラを金属製から木製に変更、機銃を胴体内装備とし、後にタウネンドリングを追加している。７号機（増加試作５号機）は垂直尾翼の形状を変更し、タウネンドリングを装備して昭和6年1月に完成し、後に量産型と同じ改造を行った。参考：月刊航空ファン7,’18、9,’18、11,’19

　＜九一式戦闘機一型＞：当初は単に九一式戦闘機と呼ばれ、二型が制式化された際に一型になった。胴体は金属製セミモノコック構造、主翼は金属桁・木製リブの羽布張り、尾翼は木金混合羽布張りである。主脚後方支柱に照明火保持架があり、マグネシウムを電気燃焼させて夜間離着陸時の照明に使用する。プロペラは後ろから見て反時計回りに回転する。エンジンに発電機が無いので、左主脚支柱に風車式発電機を装着して電力を供給する。後に発電機の位置が左主翼前方支柱に変更された。全長7.27m、全幅11m、全高2.77m、全備重量1530kg。エンジンはジュ式四五〇馬力発動機（450馬力）、プロペラは木製２翅（直径2.8m、ピッチ2.52m）、最大速度300km、航続時間２時間。固定武装は7.7mm機銃２丁。乗員１名。昭和6年秋から昭和9年3月に中島飛行機で320機、昭和7年9月から昭和9年3月に石川島飛行機で101機が生産された。中島製137号機／石川島製初号機（501号機）から左主翼前縁のピトー管を支柱上方から下方取り付けに変更した（中島製136号機までにもレトロフィット）。垂直尾翼も増積しており、それに伴い垂直尾翼前縁のカーブが緩やかになっている。中島製300号機／石川島製550号機から主翼支柱の斜材を追加して張線を撤去、胴体に尾灯を追加した。主翼支柱間に二型と同じ補強材を付けたものもある。二型量産以降、主翼を二型用のものに交換してピトー管が右主翼に付いている機体が数機存在している。木製プロペラが飛行中の雨滴で損傷するという欠点があり、昭和8年4月には満州で飛行中にプロペラが吹き飛ぶ事故が発生、前縁包装金具を追加したり、被包式プロペラ（乙型）を採用（昭和9年頃。直径2.768m、ピッチ2.52m、重量26kg）したりした。また、昭和8年6月には関東軍向けに試験用金属プロペラ（多分リード式）30セットを送付している。参考：月刊JWings1,’13、日本陸軍戦闘機隊、月刊航空ファン2,’18、8,’18、9,’18、9,’19、11,’19

　＜九一式戦闘機二型＞：エンジンを九四式450馬力発動機／ハ一（寿五型直結式。寿二型？460馬力）を装備したもので、プロペラもアルミニウム合金鍛造製に換装したが、重量が木製プロペラの倍以上で、基部を中空にして多少の軽量化を図ったものの、振動にも悩まされた。主翼支柱間下部に補強材を追加し、プロペラ回転方向が逆になったのに伴いピトー管を右主翼に移しているが、一型と同じ支柱間張線または追加主翼支柱斜材を持ちピトー管を左主翼に付けたものもある。垂直尾翼が増積前のものもあり、一型からの改造らしい。プロペラは金属製固定ピッチ２翅（直径2.6m、ピッチ2.4m、重量61.4kg）。昭和9年7-9月に中島飛行機で22機が製作されたとされるが、実戦部隊だけでも３個中隊（合計定数36機）に配備され、金属プロペラの調達数は157本もあり、実際には50機以上製作されたとみられる。参考：日本陸軍戦闘機隊、月刊航空ファン8,’18、9,’18、11,’19、1,’20

＜九一式戦闘機ファミリー＞

　＜九一式戦闘機（実験機）＞：エンジンを換装して金属プロペラを採用したテストベッド機。昭和8年4月に中島飛行機で１機が製作された。参考：月刊航空ファン8,’18

＜九一式大浮嚢舟＞：日本陸軍の渡河器材。全長4.5m、幅1.6m、重量83kg。完全武装兵10名を乗せられる。２隻の間に板を渡せば門橋に、横に並べて板を渡せば浮橋になる。参考：工兵入門

＜９１式地対空誘導弾（ヘリ用誘導弾）＞：陸上自衛隊のOH-1搭載空対空ミサイル。91式携SAMがベースで、誘導は画像赤外線方式。参考：JGround Vol.23

＜九一式中間練習機＞：日本海軍練習機。初歩練習機と実用機の間を繋ぐ練習機として昭和5年から横須賀海軍工廠が開発した。胴体は鋼管フレーム木材・羽布張り。主翼は一葉半で、上下翼共に上反角や後退角は無い。降着装置は尾輪式固定脚。コクピットはタンデムで、前席に訓練生、後席に教官が座る。エンジンは東京瓦斯電気工業製天風一一型空冷星型９気筒ガソリン（340馬力）、最大速度204km、上昇力3000mまで15分、航続時間３時間。昭和6年4月に初号機が完成し、２機でテストした結果、速度・航続性能は申し分無かったが、練習機として肝心の横安定性と操縦性が劣悪で、制式化はされたものの量産には移されず、九三式中間練習機の開発に移った。参考：月刊丸3,'18別冊、月刊JWings11,’22

＜九一式中浮嚢舟＞：日本陸軍の渡河器材。全長3.5m、幅1.4m、全重量59kg。騎兵８名を乗せられる（馬は自力で泳ぐ）。参考：工兵入門

＜九一式徹甲弾＞：日本海軍が重巡以上の艦に搭載した平頭徹甲弾（APCBC弾）。八八式徹甲弾の射程延伸型で、風防の形状を先鋭化（頂角23度30分）し、弾尾をボートテイル状に成型（絞り込み角６度30分）している。15.5cm及び20.3cmは平頭弾体、円錐状被帽頭、風防から構成され、36cm、40cm、46cmは椎の実型弾体、平頭被帽、円錐状被帽頭、風防から構成されており、それぞれハンダ（昭和2-6年はBi-Sn-Pb系、昭和6年以降はCd17%、Zn32%、Pb50%、融点138-142度のものを使用）で結合された。弾体底部には弾腔を開け、内部に炸薬を詰めていたが、炸薬が鋭敏なため緩衝スペースを確保する必要があった。このため側面部分が薄くなり、弾体強度はアメリカの同口径弾に比べると低い。終戦後の調査では15.5cm及び20.3cm用の試作被帽が発見されており、被帽付き中口径弾の試験は行われていたようである。ただ日本海軍の巡洋艦用装甲板は表面硬化鋼でなく均質圧延鋼板を採用していたため、巡洋艦を相手にする中口径砲弾における被帽の効果はあまり大きくないとされたようだ。命中すると風防が吹き飛び、硬化鋼で作られた被帽と被帽頭が装甲板の表面硬化層を粉砕して自らも砕け散り、弾体が装甲板を貫通する。敵艦手前の水中に落ちた場合、風防と被帽頭が外れ、平頭弾となって水中を200口径ほど突き進み（通常弾では100口径弱しか進まない）、水線下の舷側装甲を貫通する。連装以上の砲塔で斉射すると、発射された砲弾同士が互いに干渉して撒布界が大きくなるという欠点があり、時間差で射撃する九八式発砲装置を開発して解決した。参考：続・海軍製鋼技術物語、月刊丸2,’08、8,’87、戦艦入門

　＜九一式徹甲弾（１５．５ｃｍ砲用）＞：全長678.2mm（26.7インチ）、外径154.2mm（6.07インチ）、重量123ポンド（55.8kg）、炸薬重量2.1%。参考：続・海軍製鋼技術物語

　＜九一式徹甲弾（三年式二号二〇サンチ砲用）＞：全長906.2mm（35.7インチ）、外径7.96インチ（202.2mm）、重量125.85kg（277ポンド）、炸薬量3.1kg（2.5%）、被帽頭・風防重量6%。発射装薬重量33.8kg。同口径の八八式徹甲弾に比べ、9%の射程延伸に成功した。弾体はSL3鋼を使用し、鋳型に鋳込んだ後、780度で5-15時間加熱して300度に炉冷、再び680度まで加熱して8-20時間保持する。次いで端を切除した後、1080-1150度に加熱し、炸薬を詰めるための孔を開け、すぐに炉に戻して300度以下にゆっくりと冷却、最終寸法に近いところまで荒削りを行う。被帽頭はSL3鋼を使用し、正方形の鋳型に鋳込み、熱間鍛造で円筒形にして700度に加熱・保持した後300度以下まで冷却する。これを仕上がり最大径に近いところまで荒削りし、1100-1150度に加熱して500トン水圧プレスで円盤に切断、プレスで型鍛造し、300度以下まで炉冷して最終寸法に近いところまで荒削りする。弾体の荒削りが終了したら800度に予熱した後、竪型円筒形ガス焚火炉に逆さに吊り、毎分一回転させながら850度で30分加熱する。その後種子油の中に浸して弾腔先端温度が150度になるまで（約40分間）保持し、ズブ焼き入れを行う。次いで焼き戻し工程に入る。３列24個のバーナーがある直火炉に逆さに吊り、弾頭部を水に浸しつつ回転させながら加熱、一定時間ごとに弾体を引き上げながらバーナーを上から下に切っていき、弾底部を20分で770度、中央部を35分で620度、弾頭部を45分で550度になるようにする。その後加熱開始から105分まで放置すると弾腔部先端が300度に下がるので、弾頭部１インチ（25.4mm）を400度の鉛に30分間浸した後、大型の開放タンクに移して被帽接着ハンダの融点以下になるまで空冷する（弾頭部分は水に浸しておく）。この時点で弾体の硬度を測定し、規格外ならばもう一度熱処理をやり直した。荒削りの終わった被帽頭は850度の鉛に30分間浸し、次いで種子油中に５分間浸し、380度の油中に７分間保持し、室温まで空冷する。後面のショアー硬度が70-75なら合格である。これらを成型してハンダ付けし、組み上げれば完成。参考：続・海軍製鋼技術物語、巡洋艦入門、月刊丸2,’08

　＜九一式徹甲弾（四一式四五口径三六サンチ砲用）＞：全長1.5247m（60.1インチ）、外径0.3547m（13.97インチ）、重量673.5kg（1480ポンド）、炸薬重量1.7%、被帽頭・被帽・風防重量15.5%。弾体はSL4鋼を使用し、成型法は20サンチ砲用と同じである。被帽はSL4鋼を使用し、鋳型に鋳込んだ後、10時間掛けて700度に加熱、40時間保持し、炉内で300度まで冷やした後に取り出して端部を切断する。その後1080-1150度に加熱、4000トン水圧プレス機で底部を平らにし、弾体形状に合わせてポンチで穿孔したら炉に戻して300度以下に冷却、最終寸法に近いところまで荒削りを行う。被帽頭はSL4鋼を使用し、製鋼法は20サンチ砲用と同じである。荒削りが終了したら竪型円筒形ガス焚炉に逆さに吊り、２時間かけて700度に加熱、更に２時間かけて850度に加熱し、１分間空中に引き上げては20分かけて850度に加熱、を３サイクル計１時間行う。終了後は速やかに炉から出して30℃の水タンクに逆さに吊り、40分間の傾斜焼き入れを行う。この間に水面を弾底部から弾肩部まで低下させる。これで弾頭部分がブリネル硬度550程度、弾底部が450程度になる。焼き戻しは20サンチ砲用と同じだが、温度は弾底部が60分で680度、中央部が75分で610度となるようにする。また、鉛中での冷却は行わない。硬度試験終了後は水中に24時間放置した。荒削りの終わった被帽は竪型円筒形ガス焚き炉で１時間かけて650度に予熱、逆さの状態で４インチ（102mm）ほど端を出して竪型マッフル炉に吊るす（被帽上部だけ炉の中に入れる）。ゆっくりと回転させながら40分かけて850度に加熱し、１分引き出して冷却後また850度に加熱、を５回繰り返し、60分後に引き出して30度の水中に20分間浸して焼き入れを行う。その後頭を上にして底部を60mmほど650度の鉛に５分間浸し、焼き戻しを行う。ここで硬度チェックを行い、不合格なら再度熱処理に回す。被帽頭は650度の鉛に１時間浸して予熱し、850度の鉛で30分間加熱、種子油中に15分間浸し、室温まで空冷する。底部のブリネル硬度が477-601なら合格。これらを成型してハンダで組み立てれば完成である。装薬は薬嚢式で、薬嚢長0.45m、薬嚢数４、装薬量は常装薬で142.8kg。参考：続・海軍製鋼技術物語、図解日本の戦艦、月刊丸7,’14

　＜九一式徹甲弾（三年式四五口径四一サンチ砲用）＞：全長1737.4mm（68.4インチ）、外径410mm（16.11インチ）、重量1.02トン（2242ポンド）、炸薬重量1.5%、被帽頭・被帽・風防重量16%。素材や製鋼法は36サンチ砲用と同じ。荒削り終了後の熱処理も同じだが、850度まで加熱した後は１分間空中引き上げ・30分再加熱を３サイクル繰り返す。傾斜焼き入れの時間は60分。焼き戻しは36サンチ砲用と同じだが、温度は弾底部が60分で680度、中央部が140分で610度、弾頭部が160分で550度となるようにする。水中24時間放置も同じ。被帽は36サンチ砲用と同じ製法だが、焼き入れサイクルは１分間引き出し・850度再加熱を９回で、75分後に引き出す。水冷時間は30分。焼き戻しは底部から100mmを７分間浸して行う。被帽頭は650度の鉛に１時間浸して予熱し、850度の鉛で30分間加熱、種子油中に20分間浸し、室温まで空冷する。底部のブリネル硬度が477-601なら合格。これらを成型してハンダで組み立てれば完成である。初速毎秒780m。主砲仰角２度30分で飛翔距離5000m、落角３度24分、終速毎秒685m。仰角５度42分で飛翔距離10000m、落角７度30分、終速毎秒610m。仰角９度12分で飛翔距離15000m、落角11度48分、終速毎秒539m。仰角13度30分で飛翔距離20000m、落角17度30分、終速毎秒495m。仰角18度48分で飛翔距離25000m、落角24度30分、終速毎秒465m。仰角25度30分で飛翔距離30000m、落角34度、終速毎秒462m。仰角43度で最大射程37900m。参考：続・海軍製鋼技術物語、月刊世界の艦船12,’15

　＜九一式徹甲弾（九四式四五口径四〇サンチ砲用）＞：全長1.97m（77インチ）、外径0.458m（18.07インチ）、重量1.46トン（3215ポンド）、炸薬重量1.6%（33.85kg）。装甲貫徹力は射距離30kmで垂直（舷側）装甲板416.5mm／水平（甲板）装甲板231mm、射距離20kmで垂直装甲板566.4mm／水平装甲板167.6mm。大和型戦艦９門斉射での投射弾量は計13.14トンで、長門型の６割増しである。命中すればアイオワ級（垂直装甲厚329mm・水平装甲厚152mm）でも射距離30km以上でノックアウトでき、射距離20-29km（落角17-30度）なら目標手前90m以内の至近弾でも平頭弾の効果で水中弾防御の無い戦艦の水線下に孔を開けられる。素材や製鋼法は36サンチ砲用と同じ。荒削り終了後の熱処理は、3-4時間かけて700度に加熱、更に２時間かけて800度、もう１時間かけて850度にし、２分間空中に引き上げては１時間加熱を３回計３時間行う。傾斜焼き入れの時間は90分。焼き戻しは36サンチ砲用と同じだが、温度は弾底部が60分で680度、中央部が150分で610度、弾頭部が170分で530度になるようにする。水中24時間放置も同じ。被帽は36サンチ砲用と同じだが、焼き入れの加熱温度は860度で、１分間引き出し・860度再加熱を15回繰り返し、120分後に引き出す。水冷時間は24分。焼き戻しは底部から110mmを380度の鉛に７分間浸して行う。36サンチ砲用・16インチ砲用と比べて硬度は高く、表面硬化層の破壊能力に優れている。被帽頭は300度の電気抵抗炉で１時間加熱、700度の鉛に40分間浸して予熱し、850度の鉛で40分間加熱、種子油中に30分間浸し、室温まで空冷する。底部のブリネル硬度が477-601なら合格。これらを成型してハンダで組み立てれば完成である。参考：続・海軍製鋼技術物語、図解日本の戦艦、戦艦入門、月刊世界の艦船9,’21、3,’15、9,’21

　＜九一式徹甲弾（４８サンチ砲用）＞：1920年代初期に試作された19インチ砲用の九一式徹甲弾。太平洋戦争終戦後、亀ヶ首射撃試験場から発見された。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜九一式動力作井機＞：日本陸軍の自走型動力式井戸掘り機。大正10年9月に制式の深井戸掘機をテストしたところ、実用性が不十分だったため、大正12年から日本製やアメリカ製の各種井戸掘り機を試験した結果、車載して機動力を発揮でき、エンジンから動力も取り出せる自動車式水圧回転掘機が最適であると判明した。これを受け、軍用自動車補助法で生産が始まった丙種自動車を使用した井戸掘り機を作ることになり、昭和3年11月から日本鑿泉合資会社で開発、昭和5年10月に実用化された。丙種自動車（４輪）の後部に折り畳み式の作井機を搭載しており、直径115mm・深さ80mの井戸を掘ることが出来る。車体装備重量４トン。燃料はガソリンまたは木炭ガス。参考：工兵入門

＜９１式爆弾用誘導装置＞：GCS-1を参照。

＜九一式爆薬シリーズ＞：日本海軍の爆薬。参考：日本海軍の爆弾

＜九一式爆薬＞：TNA（トリニトロアニソール）のことで、下瀬火薬は腔発が多かったため、衝撃を受けても爆発しない艦砲用爆薬として昭和6年に制式化した。参考：火器弾薬技術ハンドブック、日本海軍の爆弾、月刊航空ファン7,’17

　＜九一式二号爆薬＞：メタノール精製工程を省略した簡易製造バージョン。参考：日本海軍の爆弾

＜九一式爆雷シリーズ＞：日本海軍の爆雷で、八八式の改良型である。全長775mm、直径450mm、重量160kg、沈降速度毎秒2m。炸薬は八八式爆薬で、炸薬重量100kg、威力半径33m。調定深度は25mまたは50m。参考：小艦艇入門、日本駆逐艦史、丸スペシャル第49号

＜九一式爆雷一型＞：

＜九一式飛行艇＞：川西が製造した飛行艇で、昭和8年に初号機（H4H1）、昭和12年に２号機（H4H2）が製作され、日華事変に投入された。高翼の主翼上に架台を設け、エンジン２基を搭載している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九一式防毒面＞：日本陸軍のガスマスク。覆面、連結管、吸収缶、携帯袋からなり、吸収缶を携帯袋の中に入れて首から胸の前にぶら下げる。全備重量1.7kg。参考：工兵入門

＜九一式方位盤＞：日本海軍の魚雷戦用射撃指揮装置。九〇式の望遠鏡を改良し、斜進角発信器を追加したものである。参考：日本駆逐艦史

＜９２＞：イギリス海軍イラストリアス級空母インドミタブル（Indomitable）。1941年10月竣工。10月24日、東洋艦隊に編入された。1942年8月、ペデスタル作戦に参加。8月12日、Ju87急降下爆撃機約30機の爆撃を受け、爆弾３発を被弾し、飛行甲板が使用不能になった。1945年4月1日、沖縄付近で特攻隊と基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。5月4日、沖縄付近で菊水５号作戦特攻機の特攻を受けて損傷した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船6,’17、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜９２＞：シンガポール海軍ヴィクトリー級ミサイル艇５番艇ヴィガー（Vigour）。2016年9月12-24日、カカドゥ2016に参加。2018年8月30日から9月15日、カカドゥ2018に参加。参考：月刊世界の艦船12,’16、12,’18

＜９２Ｎ６Ｅ＞：ロシア軍S-400防空システム用射撃管制レーダー。ミサイル射撃可能距離は第４世代戦闘機で300km強、第4.5世代戦闘機で175km、F-35で35km、F-22で20kmくらいらしい。参考：月刊軍事研究8,’17

＜９２型５６口径１００ｍｍ連装砲＞：79A式56口径100mm連装砲を参照。

＜九二式一瓩移動式発電機＞：日本陸軍の工兵器材。坑道戦・野戦用照明などの電力供給に使用する。参考：工兵入門

＜九二式四連装水上発射管シリーズ＞：日本海軍の61cm４連装魚雷発射管で、九三式魚雷用に開発された。駆逐艦梨から外したものが海自第１術科学校に保存展示されている。参考：歴史群像8,’98、月刊世界の艦船12,’15

＜九二式四連装水上発射管一型＞：重巡用で、防盾を持つ。参考：歴史群像8,’98

＜九二式四連装水上発射管二型＞：重量軽減のため、それまでの油圧旋回方式を空気旋回に変更し、発射管の素材も高張力鋼に換えて厚さを減らしてある。白露型以降の駆逐艦（丙型／島風型除く）に搭載された。参考：日本駆逐艦史

＜九二式四連装水上発射管三型＞：一型の防盾を外し、旋回角を105度にしたもの。重雷装艦大井・北上に搭載された。参考：歴史群像8,’98

＜九二式五瓩移動式発電機＞：日本陸軍の工兵器材。坑道戦・野戦用照明などの電力供給に使用する。参考：工兵入門

＜九二式五屯牽引車シリーズ＞：日本陸軍牽引車、別名イケ。五〇馬力牽引車の後継で、九二式一〇糎加農砲牽引用に石川島自動車製作所が製作し、昭和6年11月に試作車が完成、昭和8年に制式採用された。参考：機甲入門、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊PANZER2,’02、日本戦車隊戦史

　＜九二式五屯牽引車甲型＞：ガソリンエンジン搭載型で、足回りは八九式中戦車のものを踏襲しており、マンガン鋼を使用した履帯を装着しているが、不整地走行時に外れやすいという欠点があった。ウインチを装備している。全長3.55m、全幅1.8m、全高2.45m、重量4.6トン（自重5.11トン？）。エンジンはスミダD6A水冷直列６気筒ガソリン（平均出力64馬力、最大出力98馬力）、最大速度18km、燃料搭載量180リットル。牽引力５トン。乗員６名。昭和7年12月に４両、昭和8年2月に６両が生産された。参考：機甲入門、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊PANZER2,’02

　＜九二式五屯牽引車乙型＞：ディーゼルエンジン搭載型。八九式中戦車がディーゼルに換装したため、こちらも変更したもので、石川島自動車製作所がエンジンを製作、昭和12年に完成した。全長3.65m、全幅1.8m、全高2.36m、自重5.3トン。エンジンは空冷直列６気筒ディーゼル（平均出力63馬力、最大出力90馬力）、最大速度19km、燃料搭載量120リットル。牽引力５トン。乗員６名。参考：機甲入門、月刊PANZER2,’02

＜九二式七．七粍機銃＞：日本海軍の艦載機銃で、留式機銃の国産バージョンである。全長990mm、銃身長601mm、重量11.3kg。作動方式はガス圧利用式、銃身冷却は空冷式、発射速度毎分600発、給弾は47発入りドラム弾倉。防楯付きＡ型銃架に搭載すると俯仰角マイナス15度からプラス75度で、小艦艇への銃撃や急降下爆撃機に対する弾幕射撃に用いられた。他に簡易ポール式Ｂ型銃架、潜水艦用Ｃ型銃架に搭載可能。昭和7年に制式化されたが、生産は昭和9年以降にずれこみ、艦載対空機銃としては旧式化していたため、留式機銃の代替として少数のみ装備された。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊丸4,’13

＜九二式七粍七旋回機銃＞：日本海軍の航空機用旋回機銃。留式七粍七旋回機銃のライセンス製造権獲得交渉が上手く行かなかったため、横須賀海軍工廠造兵部でコピーしたものである。初速と発射速度がやや低くなり命中率に劣ったが、信頼性は高く、昭和7年に制式化された。参考：歴史群像8,’17、月刊丸3,'18別冊

＜九二式八屯牽引車シリーズ＞：日本陸軍装軌式牽引車、別名ニク。試製七五馬力牽引車に換わる大口径榴弾砲・加農砲（八九式十五糎加農など）牽引用車両として東京瓦斯電気工業が開発し、新潟鉄工所や久保田鉄工所でも製作された。参考：機甲入門、月刊PANZER2,’02、11,’86

　＜九二式八屯牽引車甲型＞：ガソリンエンジン搭載型で、昭和7年に制式化された。外見は足周りが八九式中戦車なトラクターで、九二式五頓牽引車を一回り大きくした感じである。エンジンは回転を抑えて余力を持たせてあり、良好な牽引性能を発揮した。全長4.3m、全幅2m、全高2.58m、重量8.5トン（８トンという説もある）。エンジンは水冷式６気筒ガソリン（平均出力75馬力、最大出力130馬力）、最大速度22km、牽引速度19km。燃料搭載量220リットル。牽引力7.5トン。乗員７名。値段は昭和17年度で51750円。十五糎加農砲牽引用のみならず、牽引自動車隊の中牽引車としても使用され、攻城重砲兵の展開にも活躍した。参考：月刊PANZER5,’81、2,’02、機甲入門、戦場写真で見る日本軍実戦兵器

　＜九二式八屯牽引車乙型＞：ディーゼルエンジン搭載型。エンジンは新潟鉄工所製で昭和11年8月に完成した。全長4.3m、全幅2m、全高2.58m、重量8.35トン。エンジンは水冷式６気筒ディーゼル（平均出力105馬力、最大出力120馬力）、最大速度20km。燃料搭載量220リットル。牽引力８トン。乗員７名。値段は昭和17年度で66400円。ケーブル制御の土工板を取り付けてブルドーザーにしたタイプが50両生産されている。参考：月刊PANZER5,’81、2,’02、機甲入門、月刊グランドパワー8,’10

＜九二式一〇瓩移動式発電機＞：日本陸軍の工兵器材。坑道戦・野戦用照明などの電力供給に使用する。参考：工兵入門

＜九二式一〇糎加農砲＞：日本陸軍105mmカノン砲、アメリカ軍通称ピストル・ピート。十四年式十糎加農砲の後継で、大正14年から開発され、昭和2年に試作砲が完成したが、重量過大で、新技術の導入もあったために改めて設計をやり直し、昭和7年8月に試作砲が完成、昭和9年6月に砲身長を延伸して昭和10年10月に制式化された。精密射撃が可能で、照準目盛の半分まで修正が行えたという。九二式五屯牽引車により時速16kmで移動可能。口径105mm、砲身長45口径、重量3.73トン。俯仰角マイナス５度からプラス45度、旋回角は左右18度ずつ。使用弾は九五式尖鋭弾や九八式榴弾などで重量15.76kg、砲口初速毎秒765m（900m？）、最大射程18200m。初速が速いため、演習では弱装薬しか使用しなかったが、昭和14年7月のノモンハン事件で実戦投入して遠距離用一号強装薬を使用したところ、脚が折れてしまった。また、打ち込み式の駐鋤が凍結地面に刺さらないという問題もあった。１個中隊（中隊段列、指揮小隊、砲車隊、弾薬小隊からなる）に４門が配備され、弾薬は１門あたり３基数180発を用意した。２個中隊で１個大隊、２個大隊で１個連隊（将校55名、下士官148名、兵1114名）を編成する。ガダルカナル島に１門持ち込まれ、ヘンダーソン飛行場を砲撃した。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、大砲入門

＜九二式十五瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和8年3月29日に制式化された。炸裂すると1700個の破片を生じ、有効殺傷半径は30.5mある。全備重量14.7kg、炸薬重量2.5kg（黄色薬）。参考：日本海軍の爆弾

＜九二式二〇瓩移動式発電機＞：日本陸軍の工兵器材。坑道戦・野戦用照明などの電力供給に使用する。参考：工兵入門

＜九二式二十センチ回光機＞：日本陸軍の有線通信器材。参考：工兵入門

＜九二式二〇馬力空気圧縮機＞：日本陸軍の工兵器材。鑿岩機などの動力源として使用する。参考：工兵入門

＜九二式三十糎探照灯＞：日本陸軍の照明器材。参考：工兵入門

＜九二式五十瓩投下きい弾甲＞：日本陸軍の化学爆弾。内部にイペリットとルイサイトを50:50で混ぜたものを充填している。参考：日本海軍の爆弾

＜九二式百瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾。炸薬重量48.4kg。参考：日本海軍の爆弾

＜九二式二百五十瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和8年7月10日に制式化された。主要交通路の破壊が主目的である。全長2.01m、直径0.3m、全備重量250kg、炸薬重量107.2kg（黄色薬または茶褐薬）。参考：日本海軍の爆弾

＜九二式五百瓩爆弾＞：日本陸軍のベトン構造物破壊用爆弾で、昭和8年7月11日に制式化された。信管は弾頭と弾底にある。全備重量495kg、炸薬重量229kg。安定翼を外して特攻にも使用されたが、弾体が脆いので装甲に激突すると弾殻が壊れる恐れがあり、弾頭に補強帯、弾尾に補強環を巻く必要があった。参考：日本海軍の爆弾

＜九二式隠顕灯＞：日本陸軍のカンテラで、昭和8年6月12日に制式化された。重量1.04kg。付属品として、箱（重量1.28kg）、蝋燭入甲、蝋燭入乙、燐寸入、硝子板缶などが付く。参考：工兵入門

＜九二式曳光弾＞：日本陸軍の九二式車載十三粍機関砲用曳光弾。九二式普通弾の弾丸底部に曳火剤（ストロンチウム、マグネシウム、パラフィン、硫黄などの混合物）1gと点火剤（過酸化バリウム、マグネシウム、セラックの混合物）0.4gを入れた内管を仕込んであり、発射されると1400m先まで赤色の光を発する。九二式普通弾と混ぜて発射する。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜９２式演習対戦車地雷＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜九二式回光通信機シリーズ＞：日本陸軍の回光通信機で、昭和2年頃から開発された。手回し発電機と電球を光源とし、鏡で所定の方向に反射させて光の明滅による通信を行う。参考：工兵入門

　＜九二式携帯回光通信機＞：歩兵用で、単脚が取り付けられており、５ワット電球を使用する。重量1kg。通信距離は昼間で3km。参考：工兵入門

　＜九二式小型回光通信機＞：通信隊用で、15ワット電球を使用し、紫外線装置を取り付けられる。三脚に載せて使う。反射鏡直径100mm、通信距離は昼間で6km。参考：工兵入門

　＜九二式中型回光通信機＞：電信隊・騎兵用で、40ワット電球を使用し、紫外線装置を取り付けられる。三脚に載せて使う。反射鏡直径200mm、通信距離は昼間で10km。参考：工兵入門

＜九二式角形双眼鏡＞：日本陸軍の双眼鏡で、昭和8年4月10日に制式化された。潜望鏡形式で、小型の三脚が付いており、補助観測具として歩兵、騎兵、工兵部隊に配備されている。倍率８倍、視野６度。重量2.1kg。参考：日本陸軍兵器資料集、工兵入門

＜九二式艦上攻撃機＞：日本海軍艦攻、略符号B3Y1。八九式艦攻の性能が低く、昭和7年から三菱と中島が後継機の試作を行ったが要求を満たさなかったため、予備として空技廠が一三式艦攻の改良型として製作していた十三式艦上攻撃機改造型を採用したものである。胴体は鋼管骨組み羽布張り。全長9.5m、全幅13.5m、全高3.7m、全備重量3200kg。エンジンは九一式600馬力発動機（液冷Ｗ型12気筒、640馬力）単発、最大速度218km、航続時間4.5時間。武装は7.7mm固定機銃１丁、7.7mm旋回機銃１丁。800kg魚雷または爆弾500kgを搭載できる。乗員３名。昭和8年8月に制式化され、130機が生産された。昭和9年に鳳翔などに搭載され、日華事変初期に実戦参加したが、エンジン不調で稼働率が上がらず、九六式艦攻が開発されることとなった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録

＜九二式管制機雷＞：日本軍の管制機雷。九二式機雷に水中聴音機付きのケーブルを取り付けたものである。ケーブルは地上見張り所の電鍵に接続されており、潜水艦の音が聞こえたら遠隔操作で爆破する。参考：小艦艇入門

＜九二式魚雷シリーズ＞：日本海軍の潜水艦用電池式魚雷。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九二式魚雷＞：太平洋戦争開戦前に完成していたが、酸素魚雷より性能が悪く本格生産には入らなかった。しかし戦争準備中に魚雷が足りなくなると、生産性の高い本魚雷が注目され、昭和17年までに1000本が量産された。ただ整備が面倒なため現場で嫌われ、蓄電池の電解液が漏れると海水と反応して塩素ガスを発生する恐れもあり、実戦では殆ど使用されていない。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九二式魚雷改一＞：起爆装置などを改良したタイプで、昭和17年以降に生産された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九二式魚雷改二＞：ドイツのG7e魚雷をコピーしたタイプ。設計が間に合わずに採用されなかった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九二式魚雷方位盤シリーズ＞：日本海軍の潜水艦用魚雷射撃指揮装置。212基が生産されて海大六型・巡潜三型以降に搭載され、太平洋戦争時の主力魚雷射撃指揮装置となった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

　＜九二式魚雷方位盤＞：先行量産型。雷速、自艦速度、発射間隔を戦闘前に入力し、戦闘時に目標速度、相対角度、目標針路を入力すると、潜望鏡、ジャイロコンパス、測程機から自動入力されたデータと組み合わされて魚雷偏射角度、発射までの自艦針路、魚雷発射距離及び弾着時間が計算される。戦闘時に如何に正確な目標情報を入力できるかが命中のカギで、九八式対勢儀対勢盤との連動機能は持っておらず、操作員の熟練度にかかっていた。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

　＜九二式魚雷方位盤改一＞：量産型。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

　＜九二式魚雷方位盤改二＞：改良型。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九二式距離苗頭盤＞：日本海軍の水上射撃用計算装置で、昭和10年頃から装備された。限定的だが、低空飛行する航空機に対しても使用できたとされる。参考：日本駆逐艦史

＜九二式機雷＞：日本軍の機雷。全長1.48m、直径1m、炸薬重量500kg。参考：小艦艇入門

＜九二式携帯回光通信機＞：九二式回光通信機シリーズを参照。

＜九二式軽門橋＞：日本陸軍の騎兵旅団騎砲兵用渡河器材。浮嚢２隻からなる艀で、オール４本により手漕ぎで進む。全長6.5m、艀幅4.5m。騎砲１門または騎兵40名を乗せられる。参考：工兵入門

＜九二式経路機＞：日本陸軍の測量器材。夜戦の際に目的地へ確実に到達できるよう開発され、昭和9年5月に制式化された。本体は直方体をしており、首からベルトでぶら下げて使用する。本体左の羅針盤で方角が、木綿糸の解脱で距離が入力され、本体上部の自記装置により行進経路が地図などに半自動的に出力される。歩兵部隊や工兵部隊に配備された。参考：工兵入門

＜九二式牽引自動貨車＞：日本陸軍の八八式七糎半野戦高射砲牽引用６輪トラック。ベースは石川島自動車製作所製スミダPB型６輪トラックで、昭和8年6月に制式化された。ただしこの時点ではかなり旧式化しており、補修用部品にも事欠いたらしい。全長5.7m、全幅1.9m、全高2.65m、自重4.6トン。最大速度50km。乗員15名。参考：機甲入門

＜九二式広軌牽引車＞：日本陸軍の鉄道用装甲車。九一式広軌牽引車の改良型で、補助変速機を搭載してバックでも高速が出せるようにしてある。昭和7年に制式化された。参考：月刊丸3,’13

＜九二式小型回光通信機＞：九二式回光通信機シリーズを参照。

＜九二式実包＞：日本陸軍の7.7mm重機関銃用弾薬。薬莢はセミリムドである。強装薬なので軽機や小銃には使用できない（これらは九九式実包を使う）。参考：世界の軍用銃、拳銃・小銃・機関銃

＜九二式射撃盤＞：日本海軍の射撃盤で、愛知時計電機製。九二式測的盤改一から目標相対針路・速力データの入力を受ける。ジャイロコンパスを内蔵しており、北基準の地理的運動解析システムや地球の自転の影響を考慮した弾道修正システムが組み込まれていて、煙幕を展張した敵に対しても有効な射撃ができる。参考：戦艦入門、月刊世界の艦船4,’17

＜九二式射撃盤改一＞：日本海軍の射撃盤。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜九二式車載十三粍機関砲＞：日本陸軍の13.2mm車載機銃。大正9年7月20日から研究され、大正11年4月10日に戦車と高度2000m以下の飛行機に対して有効な口径13mm前後の平射／高射機関砲という要求が出され、昭和3年11月に毘式0.5インチＤ型機関砲をテストしたが不採用となり、昭和4年4月に保式十三粍双連高射機関砲を購入することにして昭和5年1月からテストを実施、成績良好だったので昭和6年7月からこれと同じ弾薬を使用する装甲自動車用機銃を開発することにした。昭和7年2月に試作砲が完成し、射撃テストと改良を行い、装用に問題はあったものの昭和7年12月7日に仮制式化申請が行われ、昭和9年11月に仮制式化されて九二式重装甲車に搭載された。作動はガス圧式で、銃身下部左右にガスポンプを持つ。ガスポンプと規整子を防御するため、その前面には防弾器（装甲カバー）が装着されている。銃身基部には放熱ヒダを装着した放熱筒が取り付けられており、銃身先端には消炎器が付く。弾倉は30発入りと15発入りの２種類で、機関部上方から装着する。使用弾は九二式普通弾、九二式徹甲弾、九二式曳光弾、九二式焼夷弾、九二式除銅弾、空包（弾丸を木製にしてある。発射薬は二号空包薬11g）、擬製弾（炸薬と雷管が無い普通弾）で、保式十三粍高射機関砲と共通である。全長1.36m、銃身長1.0m、口径13.2mm、薬室長98.2mm、砲重量26kg、揺架重量14kg。ライフリングは８条左回りで、初速毎秒745m（九二式普通弾）、最大射程6000m、発射速度毎分450発。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜九二式重機関銃＞：日本陸軍の重機関銃。三年式機関銃が口径6.5mmで威力不足だったため、7.7mmに拡大したもので、陸軍航空隊の八九式機関銃（口径7.7mm）用実包を使用できるようになった。銃尾の握把が固定式からハの字の起倒式になり、トリガーが押し金になったので、手袋をしたまますぐに撃てる。照準器は照門がタンジェント式からピープ・サイトに換えられ、射程が4300mに伸びたので間接照準装置まで付いている。間接照準射撃の際は10丁くらいで纏めて発射することになっていたが、１個連隊に24丁しか装備されていなかったので、ほぼ無理である。発射速度は精度確保のため毎分450発に抑えられ、キツツキがつつくような発射音がする。弾薬不足を考慮して３点・５点バーストも可能とした。全長1.2m、銃身長0.72m、重量28kg（本体のみ）／55.5kg（三脚込み）。作動はガス圧利用式で、送弾は30発保弾板。工作精度に問題があり、工場からできあがった状態ではそのまま射撃ができず、引き渡されるとまず分解して部品を磨き、組み立てて部品を合わせ、ということを何回か繰り返す必要があったらしい。また、長時間射撃時には銃身冷却板に水をかけるが、防錆が不完全でサビだらけになったという。参考：月刊PANZER6,’02、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、世界の軍用銃

＜九二式重機関銃用照準眼鏡＞：九六式眼鏡照準具を参照。

＜九二式重装甲車シリーズ＞：日本陸軍騎兵用装甲車。というより当時の分類では戦車に近いが、戦車は歩兵科の所属だったため、この名になった。昭和5年10月の特別騎兵演習で、軍馬より装甲車の方が高威力という結果が出たため、騎兵部隊から装甲車の要望が出され、昭和6年5月の軍需審議会で13mm機銃を搭載した全装軌式車両の採用が決定、石川島自動車製作所で試作が始まり、昭和7年3月に試作車（試製九二式装甲自動車）が完成、九二式装甲自動車として制式化され、昭和8-14年に167両が生産された。九二式重装甲車に改称されたのは昭和10年5月31日である。価格は１両25000円。昭和8年の熱河作戦で実戦テストが行われたが、騎兵第４旅団では路上を疾走する装輪車のスピードについて行けず、途中で放棄されてしまった。川原挺身隊百武戦車中隊に装備されたものは、高速性能を発揮して活躍した。海軍にも３両が納入されており、全て献納車で、報国1-3号と名付けられた。ちなみに１号は藤倉工業、２・３号車は藤倉電線からの献納である。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、6,’10、機甲入門、月刊PANZER5,’79

＜初期型＞：車体は溶接構造で、後部に機関室、車体前部にトランスミッションがある。車体中央の戦闘室周囲には断熱のためアスベストが張られ、左に操縦手、右に銃手が座り、１名用砲塔が載っていて車長が位置する。下部転輪は小型の２個をボギー１基で懸架する方式であり、ボギーは片側２基装着されている。懸架装置はリーフスプリングで、性能に劣ったが、基本的に騎兵部隊が路上で使用するため、あまり問題にはされなかった。操向方式はクラッチ・ブレーキ式で、操縦は左右２本の操向槓桿で行い、変速槓桿は右、始動用釦は左に付く。足下には左に連動機践板、中央奥に瓦斯践板、右に制動機践板がある。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側３個。武装は九一式六.五粍車載機銃２丁（車体・砲塔１丁ずつ）のものと、九二式車載十三粍機関砲１門を車体前部右に、九一式六.五粍車載機銃１丁を砲塔に搭載したものがあった。また、砲塔右後部に対空機銃を装備したものもある。十三粍機関砲は特殊な照準眼鏡（接眼部が折れ曲がるので対空・対地照準を兼用できる）を持ち、対空射撃も可能とされたが、ボールマウント式（旋回角35度ずつ、俯仰角マイナス15度からプラス70度）なので現実的ではない。無線は装備していないが、千葉で送信実験は行われている。全長3.94m、全幅1.63m、全高1.87m、自重3.228トン、全備重量3.5トン。装甲厚6mm。エンジンはアメリカから輸入（後に国産化）したフランクリン空冷直列６気筒ガソリン（45馬力、総排気量4690cc）、最大速度40km、航続距離200km。乗員３名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、6,’10、日本の戦車と装甲車両、機甲入門

＜中期型＞：下部転輪を片側６個・ボギー３組に増やしたタイプ。他にも小バリエーションが多数存在する。参考：月刊グランドパワー6,’10、10,’00別冊

＜後期型＞：下部転輪を中型４個に変更、上部転輪を２個に減らしたタイプ。誘導輪の形状も変更され、砲塔ハッチが丸型とされた。13mm機関砲にはフラッシュハイダーが追加されている。全長4.08m、全幅1.68m、全高2.2m、自重3.23m、全備重量3.9トン。エンジンは空冷直列６気筒ガソリン（平均出力45馬力、最大出力75馬力）、最大速度40km、燃料搭載量110リットル、航続距離200km。乗員３名。参考：日本の戦車と装甲車両、月刊グランドパワー10,’00別冊、機甲入門

＜九二式重爆撃機＞：日本陸軍大型爆撃機、キ−20。ちなみにキ番号が付けられるようになったのは昭和8年5月頃だが、この時点ではキ−３までしか番号が無く、間を飛ばして20にしたのか、キ−19の開発が始まった後で本機にキ番号を後付けしたのかは不明である。昭和2年に陸軍航空本部総務部長小磯国昭少将が井上幾太郎陸軍大臣に提出した、台湾屏東から出撃して900km先のコレヒドール要塞を爆撃する爆撃機の構想が開発のきっかけで、昭和3年2月21日に陸密第53号で陸軍大臣の開発命令が出された。要求仕様は爆弾2000kgを搭載して行動半径1000km＋目標上空行動・予備500km以上、飛行高度は5000mを目途とし、護衛戦闘機無しに行動できる自衛武装を持ち、夜間航法・照明器材を装備するというものである。設計試作には民間航空機製造会社を利用しても良い、ということで陸軍航空本部が昭和3年8月に三菱航空機に監督班を派遣し、三菱航空機が9月に機体とエンジンのライセンス生産権を得たユンカース社製G38超大型旅客機（Grossflugzueg38。1929年11月26日初飛行、２機でベルリン−ロンドン間に就航）をベースとして設計研究を重ね（ユンカース社でG38の爆撃機型K51／Kampflugzeug51を計画していて、それを更に改修したという説もある）、昭和4年12月に基本設計が完成した。改造に伴い重量が増えるので、主翼と胴体後部を強化した。エンジンも換装しており、設計変更はドイツで行って図面を送ってもらい、燃料系統は日本で図面を描いてユンカース社で細部を詰めた。全金属製、胴体・主尾翼とも波板外板を使っている。機首下面左右に照明灯を持つ。コクピットと風防は少し右寄りにオフセットされており、左はG38旅客機と同じく通路がある模様。制式書類ではコクピット後方の胴体上面銃座も右にオフセットされているが、中心線上や左にオフセットしているという説もあり、はっきり分かる写真が残っていないので実際どうだったかは不明である。コクピットが地面から6mくらいの位置にあるので、地上との位置感覚が分かりにくく、機首下に支柱を介して着陸高探知杖という竹の棒を装着して補助した。主翼は単葉の分厚い直線テーパー翼で、大きめの前縁後退角を有し、後縁は内翼部（内舷側エンジンのすぐ外側あたりまで）のみ前進角が付く。翼面積294平方メートル、翼弦長は付け根10.4m・翼端2.8m、テーパー比3.7:1。翼厚比は20%もあってXB-35全翼機（18%）を上回り、主翼内（エンジンの後ろ、提灯型燃料タンクの前）には胴体内から立って歩いていける通路が設けられていた。エンジンは主翼に内外１基ずつ計４基取り付けられていて、内外エンジン間に引き込み式（下に出る）ラジエーターがあり、外舷側エンジンの後方にあたる主翼上面にはフェアリングが設けられ、後部下面に引き込み式銃座、後縁に露天銃座が用意されている。プロペラは木製４翅だが、木で４翅を一体に作ると技術や強度の問題があったため、２翅プロペラを前後に組み合わせて同方向に回転させ４翅とした。写真ではプロペラ前縁だけ色が薄くなっていて、金属カバーがかけられている模様。地上姿勢ではエンジンが地上から6mくらいに位置するので、起動車を使ってのエンジン始動が困難なことから、三菱内燃機がフランスから生産権を取得した圧縮空気式ヘルツマーク始動機を搭載した。引き込み式銃座は上下２段に窓が並んでいて、制式書類では円筒形だが楕円断面という説もあり、具体的な引き込み・旋回機構や銃架の構造は不明である。また、露出させると抗力により飛行性能が一気に悪化するので、実用性はほぼ無い。左主翼の内舷側エンジン内側は写真室で、後に下面に円筒形のカメラ用フェアリングが設けられた。水平尾翼は２枚、垂直尾翼は３枚で、胴体尾部上面に水平尾翼下翼があり、中央と翼端に垂直尾翼が付いていて、垂直尾翼上端に水平尾翼上翼が渡してある。全垂直尾翼に方向舵、全水平尾翼に昇降舵が付き、操舵力は単発機並みで済んだらしい。降着装置は尾輪式固定脚で、ステアリングは無く、タキシングでの方向転換は外側エンジンの出力差を使う。片道5-6時間（うち半分が海の上）かかる爆撃行で、開発命令には夜間航法装置を装備するとあるが、実際には無かったようで、昼間も含めて航法をどうするつもりだったかは不明である。全長23.2m、全幅44m、全高7m、空虚重量15000kg、全備重量25000kg（25500kg？）。エンジンはユ式一型八〇〇馬力発動機（800馬力。ユンカース社製L88Ｖ型12気筒ガソリンの陸軍制式名で、制式化前はユンカース式L88a型と称した）４発、プロペラは木製４翅（直径4.5m、ピッチ3.5m）、最大速度205km、実用上昇限度2050m（爆弾２トン搭載時）／3750m（爆弾非搭載時）、航続距離2500km。防御兵装は機首の7.7mm連装機銃１基、胴体上面の九四式旋回機関砲１門、主翼後縁フェアリング下面引き込み式銃座の八九式旋回機関銃（単身）２丁（左右１丁ずつ）、主翼後縁フェアリング後端銃座の八九式旋回機関銃（双連）２基（左右１基ずつ）。爆弾２トンを搭載できる。昭和6-11年に６機が試作された。初号機は昭和6年8月に三菱航空機第２金属飛行機工場（本機製作のため建設）で完成し、分解して船で遡行して各務ヶ原飛行場に運び込み、組み立てて昭和6年10月26日に初飛行した。昭和6年12月19日には陸軍航空本部技術部のある立川飛行場に移され、昭和7年5月に基本審査を終了、同月から浜松飛行場の飛行第７連隊で実用試験に入り、6月に準制式化申請が出され、昭和8年7月に準制式制定されて飛行第７連隊戊中隊に配備された。任務上、存在は機密とされ、試作時には超特殊試験機という仮名が付けられていたようで、昭和6年3月には新聞記事になってしまった事に対して掲載禁止の確認と超重爆機でなく超特殊試験機の名称を用いることを確認する書類が出されている。ただ隠し通すにも無理があったらしく、昭和6年9月には機体サイズや飛行諸元を解禁し、12月19日の立川飛行場飛来の際には新聞に超重爆撃機と写真入りで掲載された。準制式化で第一級秘密兵器になると再度検閲が厳しくなり、昭和12年7月に第二級秘密兵器、10月に普通兵器になったものの、一般初披露は昭和14年に九七式重爆に後を譲って退役した更に後、昭和15年1月の陸軍観兵式で、これが最後の花道となった。昭和9年5月10日から6月末にかけ、エンジンをユモ４型重油発動機（ユモ４ディーゼルエンジンのこと。720馬力）に換装した機体が浜松陸軍飛行学校で試験飛行を行う予定となっており、航続性能改善を狙って昭和12年頃にエンジンが寿命を迎えるまで陸軍でテストしたらしい。製造時期からして5-6号機がユモ４を積んだとされるが、何号機だったかは陸軍書類に記載は無い。除籍後は１機が所沢航空参考館、１機が西宮航空園／関西国民航空錬成場に終戦まで展示されていた。2010年にXC-2が飛行するまで、日本が開発した最大の航空機だった。ちなみに全幅はB-29（43m）より大きい。参考：月刊航空ファン11,’18、12,’18、2,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings4,’10、世界の傑作機No.125、歴史群像8,’17

＜９２式手槍シリーズ＞：中国軍の拳銃。参考：月刊軍事研究5,’09

　＜９２式手槍（９ｍｍ）＞：9mmパラベラム弾を使用するタイプで、1998年に開発された。フレームとグリップはプラスチック製で、安全装置はスライド両側にある。作動はショートリコイル、トリガーはダブルアクション。全長190mm、全高135mm、重量760g（空弾倉込み）／943g（弾薬込み）。装弾数15発。参考：月刊軍事研究5,’09

　＜９２式手槍（５．８ｍｍ）＞：5.8mm小口径高速弾を使用するタイプで、2000年に開発された。グリップ上に星印が無いことと、トリガーガード前方が丸くなっていて指をかけられないことが9mm版との違い。全長188mm、全高131mm、重量760g（空弾倉込み）／879g（弾薬込み）。初速毎秒480m、装弾数20発。実包全長33.5mm、薬莢全長21mm、実包重量5.96g、弾頭重量2.99g。参考：月刊軍事研究5,’09

＜九二式焼夷散弾投下器＞：日本海軍が試作した水上機・飛行艇用クラスター弾キャニスター。内部に九二式焼夷散弾子を185-187発収容しており、駐機中の敵機に散布する。九六式水上偵察機などへの搭載を検討していたようだが、実戦使用はされなかった。参考：日本海軍の爆弾

＜九二式焼夷弾＞：日本陸軍の九二式車載十三粍機関砲用焼夷弾。頭部弾芯と底部弾芯を被銅黄銅でくるみ、頭部弾芯と被銅黄銅との隙間に黄燐1.7gを詰めたものである。航空機の燃料タンクや、気球の浮嚢に命中させて炎上させる。全長136.4mm。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜九二式小時限発火機＞：日本陸軍の爆破器材で、昭和8年4月に制式化された。参考：工兵入門

＜九二式小被覆線＞：日本陸軍の有線通信器材。参考：工兵入門

＜九二式除銅弾＞：日本陸軍の九二式車載十三粍機関砲用弾薬。弾丸は弾丸鋼第四号製で、円柱部に帯溝を有し、これにより銃身内面にこびりついた被銅を除去する。九二式普通弾や九二式徹甲弾に混ぜて射撃を行う。全長136.4mm。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜９２式地雷原処理車＞：陸上自衛隊の地雷原処理車両、略称MCV、愛称マインスイーパ。主任務は敵が海岸堡に敷設した地雷原を爆破処理し、機動打撃部隊による海岸堡への突進を容易にすることで、1988年から開発され、1992年に制式化された。87式砲側弾薬車の車体（元を正せば73式牽引車）をベースとしており、車体上に２連装の処理ロケットランチャーを搭載する。全長5m・最大投射距離700m（飛翔距離は制動索の長さで調整する）の処理ロケット内部には爆薬26個が装着された導爆索が収容されており、処理弾後部に取り付けた推進用ロケットで発射されるとこれが引き出され、地上に落下して炸裂、幅5.5m・長さ200mの車両用通路を開設できる。再装填にかかる時間は１時間。車体前部にはドーザーを装備。大型のランチャーを高々と掲げるため目立つので、敵の攻撃に備えてレーザー検知器と発煙弾発射機を装備する。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前方、誘導輪は非接地式のもの（下部転輪よりも一回り小さい）が後方にあり、上部転輪は無い。サスペンションはトーションバー式。全長7.63m、全幅3m、全高2.77m、全備重量25トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル製8V-71YT水冷Ｖ型８気筒ディーゼル（411馬力）、トランスミッションは日立製作所製トルクコンバーター付きオートマチック（前進４段・後進１段）、最大速度50km、航続距離300km。積載重量2.5トン。乗員２名（３名？）。処理弾には92式地雷原処理用ロケット弾実弾、92式地雷原処理用ロケット弾減装弾（爆薬を４分の１に減らしたもの）、92式地雷原処理用ロケット弾演習弾がある。投射距離が長く、爆薬威力も大きいので、実弾での演習は矢臼別演習場でしか行えない。使用後のロケットは処理車が履帯で踏み潰した後に回収する。処理車は三菱重工、処理弾はIHIエアロスペース社、92式地雷原処理車用鉄履帯は日立製作所の生産（主契約社はIHIエアロスペース社で、最終組み立ても同社）で、値段は2004年度契約で１両３億5238万円。予備弾２発を積んだ73式大型トラックとペアで運用され、処理車２両と再装填トラック２両で１個小隊を編成する。北部方面隊隷下の師団施設部隊、他の方面隊の方面施設部隊に配備されている。参考：月刊軍事研究8,’99、8,’04、12,’06、12,’07、7,’95、11,’08、自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.7、No.8

＜９２式地雷原処理車用鉄履帯＞：自衛隊の履帯。日立製作所製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜９２式地雷原処理ローラ＞：陸上自衛隊の地雷原処理ローラ。敵海岸橋頭堡の小規模地雷原に対処するため1988年度から開発され、1992年度に制式化されて戦車連隊本部管理中隊施設小隊に配備された。歯車状のローラで、74式戦車に装着する場合は片側４枚、90式戦車の場合は片側５枚を履帯前方に位置させ、地雷を踏み潰して処理する。ローラ前方には棒状の磁気発生装置が片側３本ずつ付いている。90式戦車用の諸元は全長3.6m、全幅4.3m、全高1.7m、重量11.8-11.9トン。生産は三菱重工で、１基3958万1850円（1999年納入）。参考：月刊JWings10,’04、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊PANZER5,’99、月刊軍事研究8,’04、10,’08、自衛隊装備年鑑1996、JGround Vol.11

＜９２式信管＞：陸上自衛隊の対地信管。電波式近接、時限、着発機能を持ち、近接は３段切り替えが可能。全野砲・重迫撃砲弾に使用できる。横河電子機器製。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究10,’08

＜九二式戦闘機シリーズ＞：日本陸軍複葉戦闘機で、国産初の水冷エンジン搭載戦闘機である。基は川崎が自主開発（設計はリヒャルト・フォークト博士）したKDA5型で、昭和5年に初飛行した。テストでは日本機として初めて高度10000mに到達している。九一式戦闘機があったので、最初は採用に難渋したが、満州事変勃発を受け昭和6年12月に制式採用され、各型合わせて385機（380機？ 320機？）が完成した。参考：月刊丸9,’97、週刊エアクラフトNo.137

　＜九二式戦闘機一型＞：最初の量産型。胴体は金属製セミモノコック構造、主翼は金属骨格羽布張りの複葉張線式、尾翼は木金混合構造羽布張りである。左主翼下翼下面に照明火保持架が２基装着してあり、マグネシウムを電気燃焼させて夜間離着陸時の照明を行う。降着装置は尾輪式固定脚。プロペラは当初前縁包装金具付き木製で、昭和8年秋頃から被包式プロペラ（甲型）に換装された。全長7.2m、全幅9.55m、全高3.1m、全備重量1800kg。エンジンはBMW�Y液冷Ｖ型12気筒ガソリン（750馬力。500馬力？700馬力？）単発、プロペラは木製２翅・直径3.1mの被包式プロペラ（甲型）、最大速度320km、実用上昇限度9500m、航続距離850km。武装は7.7mm機銃２丁。乗員１名。参考：月刊JWings1,’13、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸1,'17別冊、週刊エアクラフトNo.137、日本陸軍戦闘機隊、月刊航空ファン2,’18、9,’19、11,’19

　＜九二式戦闘機二型＞：構造を強化し、エンジンを川崎製BMW-7に換装したタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、週刊エアクラフトNo.137

＜九二式操舟機＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜９２式装輪装甲車＞：WZ551を参照。

＜九二式測距器＞：日本陸軍の測量器材。昭和7年に完成して工兵隊に配備され、渡河や偵察測量などに使用された。測距距離30-1500m。参考：工兵入門

＜九二式大時限発火機＞：日本陸軍の爆破器材で、昭和8年4月に制式化された。参考：工兵入門

＜９２式対戦車地雷＞：自衛隊の対戦車地雷。石川製作所製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜９２式対戦車地雷実爆訓練地雷＞：自衛隊の訓練用地雷。石川製作所製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜９２式対戦車地雷用安全化装置＞：自衛隊の地雷用安全化装置。石川製作所製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜九二式脱線器＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九二式中型回光通信機＞：九二式回光通信機シリーズを参照。

＜九二式偵察機シリーズ＞：日本陸軍偵察機。参考：月刊航空ファン10,’18

＜九二式偵察機＞：八八式偵察機が大柄で機動性能や離着陸性能に劣り、地上部隊と共に行動して偵察や対地支援を行うには不向きだったため、機動性の高い近距離偵察機を配備することになり、候補として昭和4年に三菱航空機が服部技師らを中心に設計した2MR7（複座三菱偵察機モデル７の意）複葉機を提出、更に昭和5年にはフランスのベルニス技官（Michel Henri Mauris Vernisse。大正9年に勲六等旭日単光章、昭和8年に勲四等旭日小賞を授与されており、叙勲書類ではマウリス・ヴェルニッスと表記されている）の設計協力を得て2MR8単葉機を提案して採用された。ちなみに外国人技術者が関与した最後の陸軍機、機体とエンジンの両方を国産開発した初の陸軍機で、機体・エンジン・プロペラなど機体まるごと三菱航空機一社で製作している。試作初号機（320馬力の三菱A2エンジン搭載）は昭和6年3月28日に初飛行したが、試作初号機・２号機をテストした結果、重量と翼面積が過大だったため、３号機で軽量化と翼面積縮小を行ってエンジンを三菱A2改三（345馬力）に換装、４号機で更にエンジンを三菱A5（475馬力）に強化し、要求性能を達成して昭和7年に制式化された。テスト中の昭和6年10月29日に３号機が着陸時のエンジン火災で墜落大破（乗員は両手に火傷を負った）したため、更に数機が試作機として製作されたようである。地上部隊への直接協力が主任務であり、偵察、写真撮影、通信筒投下・吊り取り、機銃掃射、爆撃、弾着観測などを行う。胴体は鋼管構造で、前部が金属外皮・後部が羽布張り、主翼は支柱付きパラソル翼単葉の金属骨格羽布張り、尾翼は金属骨格羽布張りである。エンジンに発電機が付属していないので、右主脚上に風車式発電機を装備する。降着装置は尾輪式固定脚。主輪は剥き出しだが、流線型の車輪カバーを開発していたらしく、愛国91川村号が装着している写真がある。主脚後方支柱に照明火保持架が装着されており、マグネシウムを電気燃焼させて夜間離着陸時の照明に使用する。通信筒吊り取りの際は、地上部隊が長さ4-5mの棒を２本用意してその間に通信筒を結びつけた紐を張り、本機に錨の付いた長さ10mくらいの索を取り付け、錨で紐を引っかけて回収する。エンジンは三菱航空機製九二式四〇〇馬力発動機、プロペラはリード式金属製固定ピッチ２翅（直径2.8m）。武装は7.7mm固定機銃１丁、八九式旋回機関銃１丁。50kg爆弾なら２発、15kg爆弾なら６発を搭載可能。乗員２名。三菱飛行機で130機、名古屋陸軍工廠で100機が生産された。エンジンを三菱A4複列14気筒（600馬力）やジュ式450馬力発動機に換装したり、減速器を追加したり、木製プロペラを装備したりした試験機が製作されている。主に満州方面に配備され、九四式偵察機配備後も昭和12-13年あたりまで使われていた。参考：月刊航空ファン10,’18、2,’18、9,’18、10,’19、11,’19、月刊丸11,’09、歴史群像8,’17

　＜九二式偵察機（Ｋ装置付き）＞：胴体下面爆弾ラックを外し、Ｋ装置と呼ばれるアレスティングフックを装着したもの。昭和12年3月下旬に飛行第２連隊が特別支給を受けている。参考：月刊航空ファン10,’18

＜九二式徹甲弾＞：日本陸軍の九二式車載十三粍機関砲用徹甲弾。普通弾の弾芯を銃用鋼第三号（ニッケルクロム鋼）に変更したもので、装甲貫徹力は射距離230mで20mm。全長136.4mm。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜九二式徹甲弾弾薬筒＞：日本陸軍の九〇式五糎七戦車砲用徹甲弾。全備重量3130g、弾量2580g。炸薬は上部が黄色薬、下部が茶褐薬。信管は底部の九二式小延弾底信管。20mm装甲板の貫徹限界距離は1200m。参考：月刊丸3,’13、大砲入門、月刊PANZER8,’13

＜九二式電気地中聴音機＞：日本陸軍の坑道器材。参考：工兵入門

＜九二式電動通風機＞：日本陸軍の坑道器材。参考：工兵入門

＜九二式電話機＞：日本陸軍の有線通信機材で、昭和9年5月5日に制式化された。本体、送受話器、副受話器、鞄、九二式小接続線などで構成され、総重量6.5kg。電信隊から通信班まで各部隊に配備された。参考：工兵入門

＜九二式動力鑿孔機＞：日本陸軍の坑道器材。参考：工兵入門

＜九二式爆破缶＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九二式爆薬＞：TNTを参照。

＜九二式爆雷＞：日本海軍の爆雷。重量95kg。参考：丸スペシャル第49号

＜九二式動力伐採機＞：日本陸軍の機力器材。直径1mまでの木の伐採や木材の鋸断が可能。全重量70kg。エンジン出力６馬力。参考：工兵入門

＜九二式発射指揮盤＞：日本海軍の魚雷戦用射撃指揮装置。九一式方位盤に羅針儀のレピーターを追加したものである。参考：日本駆逐艦史

＜九二式微光灯＞：日本陸軍の照明器材。夜間の指揮連絡や手元確認に使用する照明で、視認距離を200m/300m/400mに制限することができる。参考：工兵入門

＜９２式浮橋＞：陸上自衛隊の浮橋。1989年から開発され、1992年に制式化された。橋間橋節運搬車12両、橋端橋節運搬車２両、動力ボート運搬車７両、道路マット・専用敷設装置搭載車２両（全て特大型トラックがベース）で構成される。まず軟弱な川岸に長さ12.5mの道路マットを敷く。１セット４巻きあるので、50mまで設置できる。次いで動力ボートを水面に降ろす。橋体はＷ型に折り畳まれてトラックに搭載されており、荷台を傾けて川に滑り落ちると自動的に開く。この時、流れていかないように地上から紐で引っ張る。橋体は水に浮くので、筏のように使ったり、動力ボートで押したりして組み立て地点に移動させ、数個を組み合わせて対岸まで繋ぐ。この際、流されないように下流側に動力ボートを配置して押さえる。端には橋端橋節を連結し、油圧装置で段差を解消して設置を終了する。橋自体が浮いているので、通過許容重量が60トンと大きい。橋節中央の導板の幅は4m、両脇の歩道部は各0.93m、橋間橋節の長さは7.5m、橋端橋節の長さは7m、１セットで104mの橋が架けられる。毎秒2.5mの流れの川に設置可能。104mの橋を架ける場合、浮橋の進水、架橋、撤収は2.5時間で終了できる。橋節は水から上げると自動的に折り畳まれる。橋節をいくつか組み合わせ、重門橋として使用（基本は橋端橋節と橋間橋節４基で作る４舟間橋）することもできる。護岸壁の上から設置したり、81式自走架柱橋と組み合わせたりすることも可能で、架橋中隊に２セットが配備されており、２セットを繋げることもできる。メーカーは日立製作所、神戸製鋼所、三菱ふそう、ユニバーサル造船、今治造船、石原造船、飯作造船。東日本大震災でも使用された。参考：月刊PANZER9,’02、スピアヘッドNo.7、月刊JWings9,’02、月刊軍事研究8,’04、11,’08、6,’11、JGround Vol.11

　＜橋節運搬車＞：全長10m、全幅3m、全高3.8m、全備重量24トン。エンジンは水冷４サイクルディーゼル（349馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進７段・後進１段）、最大速度95km。乗員３名（車長、操縦手、助手）。参考：MAMOR vol.127

＜９２式浮橋水密検査用測定具＞：陸上自衛隊関東補給処古河支処施設部工作工場の岡部技官が開発した検査器具。92式浮橋の橋節には浮体が内蔵されており、これで浮力を確保しているが、穴が開いていないかどうか定期的に水密検査が必要である。この際、橋節を地面に展開し、浮体に石けん水などを塗って圧縮空気を送り込み、漏れがないかどうか確認するが、圧縮空気圧を0.05気圧に保つ必要があり、陸自にはその器材が無いので、水密検査を外注していた。これだとオーバーホール時にしか検査が行えず、緊急事態の場合に部隊まで戻すのに時間がかかり、費用も高額となる。これを部隊内で行えるようにしたのが本測定具で、透明ホースの下部にピンク色の不凍液を入れ、鉄の土台付きアルミパイプ（高さ800mm）に装着したものである。浮体の水抜き用ドレーン弁に接続する圧縮空気送気用ホースを二又にし、一方を測定具に繋ぐと、圧縮空気の圧力に応じて不凍液が透明ホース内を上昇していく。0.01気圧で100mm上昇するので、不凍液の高さが500mmになるよう送気量を調整すれば0.05気圧が保てる。これにより外注せず補給処内での試験が可能となった他、橋節を地面に降ろさなくても測定できるため検査時間が５時間も短縮でき、古河支処で汎用型が量産されて全国に配布された。この功績により、岡部技官には平成20年度防衛技術奨励賞が授与された。参考：朝雲

＜九二式普通弾＞：日本陸軍の九二式車載十三粍機関砲用普通弾。弾丸は棒鋼で作った弾芯の先端に硬鉛第二号を被せ、被銅黄銅で覆ったものである。対空射撃や対装甲自動車射撃に使用する。弾薬全長136.4mm。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜九二式方位盤改一＞：日本海軍の潜水艦用魚雷方位盤。発射予定秒時を60秒以内の数値で入力すると、自動入力された潜望鏡方位と組み合わされ、その発射予定秒時における対勢が歯車式計算機で計算されて斜進角が表示される。後はその斜進角に合わせて舵を切り、時間になったら雷撃を行う。目標諸元の自動計算などはできない。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜九二式望遠測角機＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜九二式防弾具＞：日本陸軍の防弾チョッキ。チョッキというよりは鉄の前掛けで、鋼板を布で覆ってあり、吊革で体の前面に固定、胸腹部を拳銃弾や中距離で発射されたライフル弾から防護する。全備重量3.6kg。参考：工兵入門

＜九二式歩兵砲シリーズ＞：日本陸軍の70mm歩兵砲。参考：月刊PANZER4,’93

＜九二式歩兵砲＞：歩兵大隊に２門ずつ装備されたので大隊砲と呼ばれる。ドイツのIG18をコピーして昭和5年に試作砲が完成し、昭和7年に採用された。口径70mm、砲身長11.3口径、放列砲車重量204kg。旋回角は左右20度ずつ。俯仰角は低姿勢でマイナス６度からプラス51度、高姿勢でマイナス８度からプラス70度。使用弾は九二式榴弾で、弾薬重量3.79kg、炸薬量0.59kg、威力半径22m、砲口初速毎秒197m、最大射程2800m。後に試製二式穿甲榴弾も開発された。射撃姿勢を低くする機構が備わっており、直射も可能で、開発当初は対戦車任務も考慮されていたが、初速が遅く戦車装甲の貫徹は無理で、専ら曲射で使用された。砲身が短いため、発射音が強烈で、砲要員が耳を負傷することもあった。中国人民革命軍事博物館に展示されている。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、日本陸軍兵器資料集、大砲入門、月刊丸4,’13、日本戦車隊戦史

＜九二式歩兵砲�U型＞：空挺部隊バージョンで、分解結合を容易にしてあり、二式物料箱に詰めて空中投下できる。昭和18年12月から設計され、昭和19年1月に２門が完成した。口径70mm、放列砲車重量235kg、旋回角40度。使用弾は三式穿甲榴弾（重量3.38kg）で、砲口初速毎秒198m。参考：月刊PANZER4,’93、大砲入門

＜九二式夜光羅針＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜９２Ｂ式自走対戦車ミサイル＞：WZ551装甲車ファミリーを参照。

＜９３＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦第１グループ、ナイアド（Naiad）。1940年竣工。1942年、エジプト北東沖で雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、週刊ワールドウェポン17

＜九三式一瓩投下焼夷弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和9年7月18日に制式化された。小粒薬43gを収容する。参考：日本海軍の爆弾

＜九三式二米測高機＞：日本陸軍の対空用高度測定器。九〇式三米測高機の簡略化バージョンとして日本光学が開発した。実体映像遊動式機内基線長方式で、１万メートルでの測定誤差は1.5%以下。野戦高射砲部隊用として生産された。総重量419kg、測高機重量73kg、三脚重量136kg。基線長2m、測定可能範囲400-20000m、倍率20倍、視野２度15分。俯仰角はマイナス５度からプラス88度。全周旋回可能。参考：日本陸軍兵器資料集、大砲入門

＜九三式四輪乗用車＞：日本陸軍の４輪自動車。試製スミダ乗用車をベースに不整地走行能力を強化したもので、石川島自動車製作所が開発した。参考：月刊丸7,’14、月刊PANZER11,’86

＜九三式六輪乗用自動車＞：日本陸軍の６×４輪自動車。野戦部隊の将校が路上を移動するために使用する。乗員室はオープントップで、悪天候の際には幌を張る。第１軸と第２軸の間に予備車輪があり、不整地走行時に底面がつっかえないようになっている。また、後ろ２軸には履帯を取り付けられる。全長5.2m、全幅1.93m、全高2m、自重2.6トン。エンジンは水冷直列６気筒（68馬力）、最大速度80km、燃料搭載量80リットル。乗員７名。石川島自動車製作所製。参考：機甲入門、月刊丸7,’14

＜九三式十二回線交換機＞：日本陸軍の有線通信機材。重量29kg。参考：工兵入門

＜九三式一三ミリ機銃＞：保式一三ミリ機銃を参照。

＜九三式五十瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾。全備重量48kg、炸薬重量20kg。参考：日本海軍の爆弾

＜九三式五十糎観測機＞：日本陸軍の個人携行ペリスコープ式光学視察装置。木製のグリップが付いており、鏡頭を伸縮させることで潜望鏡の長さを変えることができる。重量0.9kg。視野10度、倍率５倍。潜望高390-540mm。参考：日本陸軍兵器資料集

＜９３式六二口径七六ｍｍ砲対空弾装薬＞：自衛隊の火工品。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究4,’11

＜９３式六二口径七六mm砲対空弾薬包＞：海上自衛隊の76mm対空砲弾。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究2,’07

＜九三式百五十糎照空灯＞：日本陸軍の探照灯。発電自動車、隔離操縦機、射光機からなる。照射距離8km。参考：工兵入門、大砲入門

＜９３式１５５ｍｍ長射程榴弾＞：陸上自衛隊のFH70用ベースブリード弾。弾丸重量43.5kg。最大射程30km。命中精度はアメリカ陸軍制式のM549RAPと同等以上とされる。小松製作所製。参考：月刊PANZER10,’02、月刊軍事研究11,’17

＜９３式１５５ｍｍ長射程榴弾（特てん弾）＞：自衛隊の火工品。小松製作所製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜９３式ＡＰＦＳＤＳ＞：74式戦車用105mmAPFSDS弾。弾体はタングステン合金のモノブロックで、全長直径比は22.5前後。射距離2000mで装甲貫徹力450mmと、カタログスペック上はM900劣化ウラン弾並か、それを少し上回るくらいの威力がある。ダイキン工業が開発し、1993年に制式化され、1994年から量産された。価格は1999年度発注で55万円。参考：月刊グランドパワー5,’04、月刊軍事研究8,’08

＜九三式眼鏡照準具＞：日本陸軍の九二式重機関銃用照準眼鏡。ペリスコープ式で、倍率は６倍、視野は８度。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九三式軌道破壊具＞：日本陸軍の器材で、昭和8年6月に制式化された。参考：工兵入門

＜九三式魚雷シリーズ＞：日本海軍の水上艦搭載用酸素魚雷。呉海軍工廠の開発で、呉海軍工廠魚雷実験部の廃棄８インチ（203mm）砲塔内部に実験装置を作り、酸素着火実験を行ったが、思うようにいかず、一度は中止になりかけた。しかし最初に空気を送って燃焼させ、その後で酸素を供給して燃焼を持続させれば爆発事故が起こらないことが分かり、酸素タンクと加熱装置の間に高圧空気瓶と不還弁を置き、酸素の圧力で最初は高圧空気瓶から空気を供給、徐々に酸素と置き換わっていくような仕組みを完成させ、昭和8年に発射実験に成功、昭和10年に制式採用され、昭和14年頃から配備された。これの酸素を作るため、昭和7年秋に日本酸素社に依頼し、K-2工事と称して呉海軍工廠水雷部魚雷試射場に酸素生産工場を建設、昭和9年3月に完成させている。航走距離が長すぎて試射には苦労し、酸素量を半分にしたり、瀬戸内海を横に使ったりしたが、時々陸地に乗り上げて海沿いの家屋に突っ込んだり、漁網を焼いたりした。九二式四連装水上発射管に装填される。陽炎型以降の駆逐艦に新造時から、朝潮型と白露型に後から搭載され、初春型と特型（吹雪型）の一部も運用した。初実戦使用はスラバヤ沖海戦で、20km以上先の駆逐艦コルテノールを撃沈したが、自爆事故も相次いでいる。参考：日本駆逐艦史、激闘太平洋戦記、歴史群像8,’98、丸エキストラ版No.71、月刊世界の艦船5,’11、9,’14

＜九三式一型魚雷＞：まず始動空気室から空気を機械室に送り込んで複動２気筒の主機を始動させ、純酸素に切り替えて駆動を持続させる。燃焼時に高熱が出るので、冷却装置により燃焼室を冷やすようにした。また、出力が大きいせいで振動が激しく、ジャイロが異常を起こすため、ゴムキャップを被せて解決している。気泡が出ないので雷跡の発見が極めて難しく、回避することは至難の業だった。ただ訓練の時も魚雷の針路が分からないので、魚雷頭部に電球を付けて（艦隊ごとに違う色を使ったりした）目印にした。全長9m、直径0.61m、重量2765kg、炸薬重量492kg。酸素圧力225気圧、容量980リットル。最大雷速48ノット、航走距離22000m（雷速48ノット）／32000m（40ノット）／40000m（36ノット）。長大な航走距離を利用し、後に水中特攻兵器回天１型が開発されている。スラバヤ沖海戦では発射直後の自爆が相次ぎ、調査した結果、高速航行時に先端部でキャビテーションを生じ、信管を誤作動させたことが分かり、改良が加えられた。また、発射艦が最大戦速を発揮している状況下で深度調定を浅くして発射すると空中に飛び上がってしまうことも判明したため、発射戦術も変えられたようである。参考：日本駆逐艦史、月刊軍事研究9,’01、激闘太平洋戦記、歴史群像2,’08、丸エキストラ版No.71

＜九三式一型魚雷改二＞：頭部から炸薬、第２空気室（圧縮気体酸素入り）、燃焼室、第１空気室、機関室、シリンダー、推進軸、縦横舵、二重反転プロペラという構造になっている。全長9m、直径0.61m、重量2800kg、炸薬重量480kg。航走距離40500m（雷速36ノット）／33000m（41ノット）／22000m（52ノット）。参考：歴史群像8,’98

＜九三式三型魚雷＞：航走距離が長すぎたため、気室を短縮して炸薬を増やしたタイプで、昭和19年に採用された。全長9m、直径0.61m、重量2800kg、炸薬重量780kg。航走距離30000m（36ノット）／25000m（40ノット）／15000m（48ノット）。参考：日本駆逐艦史

＜９３式近距離地対空誘導弾＞：陸上自衛隊の近距離野戦防空用自走式地対空ミサイル、別名SAM-3、略称は近SAM、愛称はクローズドアロー。L-90高射機関砲の後継として1990年から開発された。師団対空情報処理システムDADSとデータのやりとりは可能だが、ネットワークには組み込まれておらず、87式自走高射機関砲の補完という役目ではないらしい。高機動車の後部に91式携帯地対空ミサイル８発を搭載する無人ターレット（箱型４連装ランチャー左右２基）を搭載しており、装填時には箱型ランチャーの上下のカバーを内側のヒンジで上下に開いてミサイルを装着する。ターレット中央上部にはIFFアンテナが立っている。ミサイル発射炎対策として、キャビン上部はハードトップに変更し、通信アンテナは車体前部バンパー左右に移設した。操作員は射撃班長、操縦手兼捜索手、発射手の３名。射撃班長は追尾用ヘルメットサイトと各ランチャーに通じる通話装置、対レーザー光防御用ゴーグルを装備し、１ユニットの発射を統合管制する。DADSからデータを受け取るなどして発見した目標に対し、射撃班長がヘルメットサイトで射撃諸元を測定してコンソールに送り、射手がコンソールのモニターで目標を確認し、ターレット中央に搭載されたTVカメラ（一番上の小さい開口部）または赤外線カメラ（一番下にある大きい開口部）で捉え、レーザーでロックオン（中央やや左下の小さな開口部が発振部、その上の大きめの開口部が受信部）してIFFで確認後、ミサイルを発射する。2008年までに110両が生産され、師団高射特科大隊第１高射中隊や旅団高射特科中隊に配備された。参考：月刊JWings6,’02、月刊PANZER3,’10、8,’97、1,’98、JGround Vol.11、月刊軍事研究12,’16、7,’95、スピアヘッドNo.6、No.13

＜９３式空対艦誘導弾＞：ASM-2を参照。

＜９３式空対艦誘導弾（Ｂ）＞：ASM-2(B)を参照。

＜九三式繰出し標尺＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜九三式軽電話機＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九三式軽爆撃機＞：日本陸軍軽爆撃機キ−３、試作機の川崎航空機社内名称はKDA-6。複葉固定脚機で、上翼よりも下翼の翼スパンが短い。全幅13m。エンジンはBMW�\12気筒Ｖ型（800馬力）、プロペラは２翅・直径3mの被包式プロペラ（甲型）、最大速度260km。武装は7.7mm機銃２丁。爆弾500kgを搭載可能。乗員２名。川崎航空機で243機が生産されて昭和9年から配備され、日華事変に投入された。また、原型機は朝日新聞社が購入して使用している。参考：週刊エアクラフトNo.137、月刊航空ファン9,’19、11,’19

＜九三式軽被覆線＞：日本陸軍の有線通信器材。参考：工兵入門

＜九三式軽便牽引車＞：日本陸軍の鉄道器材。軌間600mmの軽便鉄道用機関車で、オープントップの車体に２名が座って操作棒により操縦、九二式軽便貨車を牽引する。参考：工兵入門

＜九三式係留触発機雷＞：日本海軍の係維触発機雷。ヴィッカーズ社が開発したものをコピーして昭和8年に採用した。機雷本体には触角が突き出しており、船体が接触すると炸裂する。機雷本体は海底に沈む係維器と係維索で繋がれており、海面に投下されると係維器から錘が深度索により繰り出され、次いで係維索が延びて機雷本体と係維器が分離、係維器だけが海中に沈んでいく。係維索が延びきると機雷本体も係維器に引っ張られて海中に沈み、係維器が海底に到達した所で止まる。この際、機雷本体が水深1-3mを漂うように係維索の長さを決めておく。本体直径870mm、炸薬重量100kg。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、小艦艇入門

＜九三式斜法盤二型＞：日本海軍の魚雷戦用射撃指揮装置で、魚雷の射角を速やかに計算できる。昭和11年頃から配備され、九一式方位盤と組み合わせて使用された。参考：日本駆逐艦史

＜九三式重構桁鉄道橋＞：日本陸軍の分解組立式鉄橋。各部材は電気溶接で重量を軽減するなどして500kg以内に抑えられており、車両で運搬する。145トン機関車に45トン貨車を直結した列車の通過に耐えられる。構桁の段と列の数を変化させて荷重に対応し、5m（１段３列）、8m（１段４列）、11m（１段５列）、14m（１段６列）、17m（１段７列）、20m（２段５列）、23m（２段５列）、26m（２段６列）、32m（２段７列）の橋を架けることが可能。昭和5年から開発され、石川島造船所が横河橋梁の協力を得て昭和10年に完成させ、50セットが製作された。太平洋戦争終戦後にも国鉄が応急修理用として使用している。参考：工兵入門

＜九三式重爆撃機＞：日本陸軍重爆撃機で、日本軍初の国産重爆撃機である。コクピットはタンデム複座。機首とコクピット後方に開放式銃座を持つ。エンジンは九三式700馬力。参考：月刊JWings5,’06、歴史群像4,’17、月刊航空ファン9,’19

　＜九三式重爆撃機一型＞：プロペラは木製２翅・直径3.7mの包装金具付プロペラまたは被包式プロペラ（乙型）。参考：月刊航空ファン11,’19

　＜九三式重爆撃機二型＞：エンジン強化型。プロペラは木製２翅（直径3.8m、ピッチ2.863m、重量59kg）の被包式プロペラ（乙型）。参考：月刊航空ファン11,’19

＜九三式手動揚水機＞：日本陸軍の作井給水器材。参考：工兵入門

＜九三式小火焔発射機＞：日本陸軍の背負い式火焔放射器。一号火焔発射器の後継として昭和9年9月25日に制式化された。本体を特殊鋼板製にして軽量化、点火管を複数装備としてある。体（油液ボンベ２つ、発射ガスボンベ１つ、背負い紐など）、蛇管、発射管からなり、使用しない時はスパナやねじ回しといった整備器材などと共に付属品の第一号箱・第二号箱に収容する。噴嘴と呼ばれる射出口が３種類用意されており、状況に応じて取り付ける。油液は容積比で揮発油１：石油５：重油２のものを使用するが、夏は揮発油を減らす。点火管は弾倉に５つ（後に10個）装填する。点火管での着火に失敗した場合は油を浸した木綿クズに火を点けたり、発煙筒を着火させたりして代用する。油液量11リットル、発射用窒素ガス容量４リットル（25気圧）、装備重量23kg／44.5kg（付属品含む）。噴嘴5mmで最大射程28m・最大幅2.5m・放射時間17秒、7mmで最大射程30m・最大幅3m・放射時間10秒、9mmで最大射程32m・最大幅3m・放射時間８秒。日華事変で実戦投入されたが、点火管の点火能力がイマイチ、窒素の補給が困難（150気圧の補給用高圧窒素容器から減圧しつつ再充填しなければならない）、燃料の混合が面倒、発射管が長すぎて敵に発見されやすいといった欠点が判明したため、昭和12年4月から改良に入り、昭和14年3月に改良撃発点火式発火管を採用すると共に、改良型の一〇〇式火焔発射機を採用した。参考：工兵入門

＜九三式乗用自動車＞：日本陸軍の４輪乗用車で、九三式六輪乗用自動車の４輪バージョンである。予備車輪は無い。全長5.09m、全幅1.8m、全高1.9m、重量2.2トン。最大速度70km（85km？）、燃料搭載量80リットル。乗員７名。観測小隊に配備され、伝令、連絡、偵察に使用された。参考：機甲入門

＜九三式地雷信管＞：日本陸軍の地雷用信管。上部に安全螺が付いており、「安」と書いてある。九三式戦車地雷や急造戦車地雷に使用する。高さ45.5mm。参考：工兵入門

＜九三式水中探信儀＞：九三式探信儀を参照。

＜九三式水中聴音機＞：九三式聴音機を参照。

＜九三式折畳舟＞：日本陸軍の渡河器材。満州事変勃発後、対ソ戦を踏まえて河川の急速渡河が課題となった。この際、架橋のため先鋒部隊を対岸にボートで派遣し、敵を制圧する必要があったが、軽量の乙車載式架橋器材用の鉄舟でも持ち運ぶのに20名以上を要するため、レースボートを造っていたデルタ造船所の技術を導入して木製合板により製造したのがこれである。運搬に便利なよう折り畳めるようにし、金属部品を極力廃して音も抑えた。作業手３名と武装歩兵12名を乗せられる。ソ連との国境にある川は幅が1kmもあって人力では渡るのに限界があり、軽量動力機付の九五式折畳機舟が開発されることになった。参考：工兵入門

＜九三式窃話機＞：日本陸軍の器材。昭和9年4月に制式化された。参考：工兵入門

＜九三式戦車地雷＞：日本陸軍の対戦車地雷で、通称アンパン。大正14年1月から開発され、昭和2年6月から試作品の試験に入り、炸薬量を2kgから減らしたり、形状を工夫したりするなどして戦車の履帯を切断できる地雷が完成、昭和5年に制式化された。平べったい円筒形で、内部に炸薬を収容しており、中心部に九三式地雷信管を取り付け、上に蓋螺を填める。蓋螺の部分に140kg以上の荷重がかかると炸裂する。側面には環が２組取り付けてあり、２つ上下に重ねて紐で結べば、より頑丈な履帯を破壊可能。埋設の際には地表50mm以内の浅いところに埋め（地面が軟弱なら下に板を敷く）、肉薄攻撃の場合には長さ2.5mくらいの棒の先に付けて使用すると投げ込むよりも確実である。直径170mm、炸薬重量890g（黄色薬）。参考：工兵入門、戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜九三式双眼鏡＞：日本陸軍の分隊長用双眼鏡。プリズムレンズを使わないガリレイ式双眼鏡で、右接眼レンズに５ミル刻みの目盛りが付いており、水平角（左右40ミルずつ）や俯仰角（上下25ミルずつ）の簡易測定機能もある。倍率４倍、視野6-10度。本体重量400g／710g（ケース入り）。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九三式双発軽爆撃機シリーズ＞：日本陸軍軽爆撃機、キ−２。連合軍コードはルイーズ（Louise）。ユンカースK-37をベースに三菱が開発、昭和8年5月に試作初号機が完成した。参考：歴史群像6,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九三式双発軽爆撃機一型＞：キ−２�T。国産の八七式重爆と八八式軽爆が実戦では使えないレベルだったため、実用性最優先で製作されており、三菱が機首密閉銃座や引き込み脚を提案したが却下し、開放式銃座に固定脚を採用した。コクピットも後部銃座も開放式である。機体外板は金属製波板を使用した。双尾翼で、水平尾翼中央上面から垂直尾翼が出ている。輸入したK-37にはリード式金属プロペラが付いていたが、性能が悪かったらしく、木製に変更している。全長12.6m、全幅19.962m、自重2800kg、正規全備重量4550kg。エンジンは中島ジュピター450馬力発動機空冷星形９気筒ガソリン（離昇出力545馬力、公称出力500馬力）双発、プロペラは木製２翅（直径3m）の被包式プロペラ（乙型）、最大速度255km、実用上昇限度7000m、航続距離900km。武装は機首と胴体中央上部の7.7mm機銃１丁ずつ。爆弾500kgを搭載可能。乗員３名。昭和11年までに113機が生産された。参考：歴史群像6,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン11,’19

　＜九三式双発軽爆撃機二型＞：キ−２�U。エンジンを九四式五五〇馬力発動機に強化し、プロペラを金属製に、コクピットを閉鎖式に変更、引き込み脚を採用したもの。プロペラは金属製２翅固定ピッチ（直径2.9m、ピッチ角21度52分、重量63kg）。昭和12-13年に61機が生産された。日華事変に投入されたが、改良しても性能不足で、九七式軽爆完成までの繋ぎにフィアットBR20爆撃機をイ式重爆として導入する羽目になっている。参考：歴史群像6,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン11,’19

＜九三式測高器＞：日本陸軍の基線長式測高器。基線長2m級で、高射部隊が敵機高度を判定する際に使用する。参考：月刊丸12,’11

＜九三式測高計＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜九三式側車付き自動二輪車＞：日本陸軍のサイドカー付きオートバイ。ドイツのBMWを参考に開発した日本自動車製ニッポン号サイドカー付きオートバイの軍用型で、側車は左に付く。全長2.63m、全幅1.76m、全高1.2m、自重440kg。最大速度80km、燃料タンク容量110リットル、航続時間８時間。昭和初期から十一年式軽機関銃を搭載するようになった。参考：月刊戦車マガジン1,’88、機甲入門、日本戦車隊戦史

＜九三式大聴音機＞：日本陸軍の対空用聴音機。受音機と計算装置から構成され、トレーラーに搭載されており、牽引での移動が可能である。参考：大砲入門

＜九三式探信儀＞：日本海軍のアクティブソナー。フランスのSCAM社から昭和初期に購入したものを参考に、海軍技術研究所、日本電気、日立製作所などが共同開発し、昭和8年に制式採用された。超音波送信機、受信増幅器、捕音機などから構成され、方位盤、距離盤、水平儀などの計器を備える。速力12ノットで航行中の水上艦で使用すると、2000m先の潜水艦を方位誤差２度・距離誤差プラスマイナス200mで探知できる。ただし300m以下まで近づくと、潜水艦が超音波送信機の死角に潜ってしまい、失探する。探知距離は世界標準レベルだったが、精度が悪く、探信音を逆探知される恐れがあり、構造が複雑で故障が多く、九三式聴音機の方が重宝された。また、距離300m以下で失探した後は潜水艦がいると思われる場所を通過しつつ爆雷を投下するが、その間に変針して逃げられる事があり、失探する前に仕留める前投兵器も有効なものを開発できなかった。太平洋戦争中に完成した潜水艦には殆ど搭載されていないが、水上艦には昭和19年1月発令の装備予定で軍艦、駆逐艦、水雷艇に34基を搭載することになっていた。後継として三式探信儀が開発された。参考：月刊丸5,’07、小艦艇入門、輸送船入門、日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本駆逐艦史

＜九三式中間練習機シリーズ＞：日本海軍練習機、略符号K5Y、連合軍コードはウィロー（Willow）。横安定性が悪く失敗作だった九一式中間練習機の改良型で、空技廠が川西航空機に依頼して社内名称Ｍ型練習機として開発し、昭和8年12月に試作初号機が完成、昭和9年1月31日に制式採用された。操縦性・安定性が良好で、初等練習機としても使用されている。機体はオレンジ色に塗られており、赤トンボのニックネームで親しまれた。後継機が制式化された後も生産が続けられ、太平洋戦争終戦まで各海軍機メーカー（川西、中島、三菱、日立、渡邊鉄工所、日本飛行機）で5591機（5589機？）が製造されている。前線で連絡や偵察任務にも投入され、最終的に燃料タンクを増設して250kg爆弾を積み特攻機としても使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、10,’97、8,’11、月刊航空ファン11,’17

　＜九三式陸上中間練習機＞：最初の量産型、略符号K5Y1。主翼は一葉半で、上翼に上反角３度と後退角６度、下翼に上反角３度を付与し、上翼の取り付け位置を前方に移動、尾翼も再設計して横安定性と操縦性を高めた。降着装置は尾輪式固定脚。主脚はゴム紐巻き式緩衝装置を持ち、主輪は750×125mm。全長8.05m、全幅10.985m、全高3.2m、自重1000kg、全備重量1500kg。エンジンは東京瓦斯電気工業製天風一一型空冷星型９気筒ガソリン（離昇出力340馬力）単発、最大速度213km、実用上昇限度5700m、上昇力3000mまで13分25秒、航続距離1018km、航続時間３時間（７時間？）。武装は7.7mm固定機銃１丁、7.7mm旋回機銃１丁。30kg爆弾２発または10kg爆弾６発を搭載できる。コクピットはタンデム、乗員２名（前席の練習生、後席の教官）。参考：月刊丸3,'18別冊、2,’12、月刊JWings11,'22、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史

　＜九三式水上中間練習機＞：略符号K5Y2。水上機型で、九三式陸上中練と同時に開発が進められ、量産化された。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜十一試水上中間練習機＞：略符号K5Y3。九三式水上中練のエンジンを500馬力に強化したもの。試作のみ。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九三式陸上中間練習機改＞：略符号K5Y4。九三式陸上中練のエンジンを500馬力に強化したもの。量産はされなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings11,’22

　＜九三式陸上中間練習機一三型＞：略符号K5Y5。量産はされなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings11,’22

　＜九三式陸上中間練習機（龍虎隊）＞：神風特攻龍虎隊で特攻機として使用されたもの。胴体下に爆弾架を装着して250kg爆弾を搭載し、操縦席風防正面に照門、カウリング上に照星を装着している。塗装は褐色と緑の迷彩に変更された。乗員１名。第三龍虎隊の功績により、昭和20年8月1日に龍星という名称が付けられている。参考：月刊丸6,’01

＜九三式中間練習機・海外シリーズ＞

　＜九三式中間練習機（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍練習機で、チューレン（Cureng）と呼ばれた。日本軍から20機以上を接収・鹵獲し、写真偵察、ビラ撒布、薬品撒布などにも使用している。参考：月刊航空ファン12,’17、6,’17、2,’19

＜九三式聴音機＞：日本海軍のパッシブソナー。MV式水中聴音機の改良型で、聴音用マイクロホン16個を艦首底部に半円状に設置している。艦隊の平均探知距離25-30km、速度測定誤差1-3ノット、使用電源100ボルト。水上艦に積んだ場合、速力12ノットで航行中なら、1km先の潜水艦を方位誤差10度、6km先の潜水艦を方位誤差３度で特定できる。水中を３ノットで航行する呂号潜水艦が相手なら、搭載艦が６ノットで航行していれば6km、12ノットなら4km以上の距離から探知できる。条件が良ければ深度18mを２ノットで航行する潜水艦を30km先から探知できた。捕音機を回転させれば方向も分かる。また、ベテラン水測兵ならば音の強弱で距離を判断可能であり、水上艦に積んだ場合、速力６ノットで航行中なら1km先、８ノットなら0.5km先までの潜水艦を測距できた。ただし方位誤差が平均３度・最大23度と悪く、6km以内まで近づかないと単艦を分離して捉えることができず、水上艦は艦尾方向、舷側にのみハイドロホンを配置している潜水艦では艦首及び艦尾方向が死角になるという欠点もあった。参考：月刊丸5,’07、輸送船入門、日本の潜水艦パーフェクトガイド、小艦艇入門

＜九三式鉄道搭卸具＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九三式電気点火機＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九三式転動防楯＞：日本陸軍の伏せ撃ち用防護盾で、昭和9年4月12日に制式化された。上から見るとコの字型をした耐弾盾に車輪とＸ字の取っ手が付いており、中央には小銃を突き出すための穴と照準窓が開いている。全高700m、前楯幅420mm、側楯幅400mm、重量35kg。参考：工兵入門

＜九三式複線器＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九三式防空気球＞：日本陸軍の気球器材。気嚢は全長27m、最大径8.24m、自重425kg、総重量723kgで、前後に長い円筒形をしており、後部上方左右と下部中央にヒレが付いていて、水素で膨らませる。地上の固定台とは主索で繋ぎ、昇騰支点滑車を介して高度2500mに繋留、二連にする場合には２つ目（上部気嚢。１つ目は下部気嚢と呼ぶ）を高度4000mに繋留する。主索を繰り出す際、100mごとに吹き流しを付ける。気球中隊１個あたり１セットが配備され、太平洋戦争終結まで本土防空に使用された。参考：歴史群像4,’18、工兵入門

＜九三式砲隊鏡＞：日本陸軍の歩兵・騎兵用砲隊鏡（観測双眼鏡）。歩兵砲の装備に伴い必要となったため開発された。鏡筒２基にペリスコープ式にレンズを装着しており、三脚の上に左右１つずつ装着、上部を左右に開いて使用する（開けない？）。倍率８倍、視野110ミル、俯仰角は300ミルずつ。重量は本体3kg、三脚4kg、托架1.5kg。参考：日本陸軍兵器資料集、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜九三式夜光歩度計＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜九三式野戦軽測遠機＞：日本陸軍の歩兵・騎兵部隊用測遠機。倒像合致式機内基線長式で、基線長0.75m。右から入った像は上に、左から入った像は下に表示されるので、両者が合致した時の距離尺を読み取れば距離が分かる。距離目盛り150-10000m。倍率12倍、視野は垂直２度・水平３度。重量は本体3.6kg、三脚3.6kg。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九三式両手鉄条鋏＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜９４＞：イギリス海軍イーグル級空母イーグル（Eagle）。元は1913年起工のチリ海軍弩級戦艦アルミランテ・コクレーンで、1917年に購入し、空母に改造した。1920年4月竣工。ただ実際には航空関連の試験が長引き工事が未了で、1923年に完成した。1924年就役。1930年、青島に寄港。この時、ドイツ軽巡ケルンに乗艦していた士官候補生の訪問を受けたが、この中にU-73艦長として後にイーグルを撃沈するヘルムート・ローゼンバウム候補生がいた。1930年代後半、支那艦隊に配備された。1939年、第２次大戦勃発に伴い、セイロン島ツリンコマリに移動。1940年春、スエズ運河を通って地中海艦隊に移った。10月、タラント沖で爆撃を受け至近弾により損傷、1941年2月に地中海方面から撤収した。5月17日、南大西洋に向かい、ドイツ海軍補給艦の捜索攻撃任務に就いた。6月9日、補給艦エルベを艦上機で爆撃して撃沈した。10月21日、グリーノックに帰港。1942年8月11日、ペデスタル作戦（マルタ島への補給任務）従事中にアルジェ北方でドイツ潜水艦U-73の雷撃を受け、沈没した。艦長含む乗員900名が救助されている。参考：Ｕボート入門、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船6,’20

＜九四式一米対空測遠機＞：日本陸軍の高射機関砲部隊用測高機で、昭和12年に制式採用された。三脚上に基線長1m・倍率８倍の測距器と高度器が設置してあり、両眼実体視式の基線長式測距儀で敵機までの距離を測定し、高度器で角度を測定、敵高度を算定する。測高範囲8000m。観測手が2-3秒ごとに結果を報告した。敵機の速度、昇降角、航路角は指揮官が目測で指示する。参考：日本陸軍兵器資料集、大砲入門

＜九四式四屯牽引車＞：日本陸軍の牽引車で、別名ヨケ車。東京自動車鉱工業（株）が製作し、機動九〇式野砲用の牽引車として昭和6年に採用された。装軌式で、下部転輪は片側４枚、前方に誘導輪、後方に起動輪があり、上部転輪は片側１枚。サスペンションは板バネ式。全長3.8m、全幅1.85m、全高2.2m、自重3.55トン。エンジンは空冷Ｖ型８気筒ガソリン（平均出力72馬力、最大出力91馬力）、最大速度40km。燃料搭載量157リットル。牽引力3.65トン。乗員６名。戦車師団の野砲連隊などに配備された。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜九四式四輪自動貨車＞：日本陸軍の４輪トラック。全長5.2m、全幅1.9m、全高2.7m、自重2.6トン。エンジンはガソリン（総排気量4390cc）。積載量1.5トン。

＜九四式六糎双眼鏡＞：日本陸軍の高射機関砲部隊用双眼鏡。八九式十糎対空双眼鏡の対物鏡口径を60mmにしたものである。倍率10倍、視野６度。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九四式六輪牽引車＞：日本陸軍の牽引車。照空燈を積んで牽引するための車両で、照空燈用の発電機を積んでいたものもある。参考：機械化部隊の主力戦車

＜九四式六輪自動貨車シリーズ＞：日本陸軍の６×４輪トラック。満州事変勃発をきっかけに、満州の不毛地を踏破できるトラックとして、輸入したモーリス６輪車、フォード／マーモン・ハリントン６輪車、自動車工業株式会社のちよだ、東京瓦斯電気工業のすみだなどを基に昭和8年から陸軍自動車学校研究部で開発され、自動車工業株式会社と東京瓦斯電気工業が共同で設計し、陸軍で標準自動車部品を取り入れるなど共通化設計に組み直して昭和9年（昭和12年5月？）に制式化された。自動車工業株式会社、東京瓦斯電気工業の他、川崎車両でも製造されている。性能優先だったため高価で量産向きではなく、前線での評判は高かったが、需要は満たせなかった。参考：月刊PANZER9,’10、歴史群像10,’18、機甲入門、日本の戦車と装甲車両

　＜九四式六輪自動貨車（甲）＞：ガソリンエンジン搭載型で、当初は九四式六輪自動貨車という名称であり、乙型が制式化されてから甲が付いた。後方２軸には履帯を履かせることができる。全長5.43m、全幅1.95m、全高2.25m（2.7m？）、自重3.4トン、全備重量5.3トン。エンジンはXA型直立６気筒水冷４サイクルガソリン（総排気量4390cc、標準出力43馬力／1500rpm、最大出力68馬力／2800rpm）、トランスミッションは前進４段・後進１段、最大速度60km、燃料搭載量100リットル、燃費はリッター3.1km。積載量2.7トン（路上）／1.5トン（不整地）。乗員３名。参考：月刊PANZER9,’10、歴史群像10,’18、機甲入門

　＜九四式六輪自動貨車（乙）＞：エンジンをディーゼル（総排気量4850cc）に換装したもので、ラジエーターグリルが可動式となっており、フロンドマスクの形状が変更された。燃費がリッター5.5kmに向上している。自重が3.7トン、全備重量が5.6トンとなった他は甲型と同じ諸元である。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜九四式六輪自動貨車ファミリー＞

　＜自走高射機関砲＞：自走高射機関砲型で、後部荷台に九八式高射機関砲を搭載している。荷台は起倒式のオープントップ装甲板で覆われており、射撃時には倒してプラットフォームとする。参考：機甲入門

　＜大四式患者車＞：救急車型で、負傷者12名または担架４床を収容できる。満州での使用を考慮し、暖房を持つ。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜九四式七糎戦車砲＞：日本陸軍の戦車砲。口径70mm、放列砲車重量325kg。使用弾は九二式榴弾と九五式徹甲弾。参考：大砲入門

＜九四式十瓩代用爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和9年6月30日に制式化された。弾殻に溶滓マグネシウム系セメントを使用しており、内部に小粒薬550gを収容する。信管は弾頭の十二年式投下瞬発信管。昭和11年度の調達価格は９円85銭。参考：日本海軍の爆弾

＜九四式三十七粍戦車砲＞：日本陸軍37mm戦車砲。九四式三十七粍速射砲の車載型で、狙撃砲（ルノー戦車用）の後継として九五式重戦車に搭載するため昭和8年に設計を開始、昭和10年8月9日に制式化された。九五式軽戦車と九七式軽装甲車にも搭載されている。車載化に伴い、薬室を30mm、砲身長を10口径切り詰めて製作したため、装薬が30%、初速が20%も減り、威力が低くなってしまった。また、弾薬の互換性も無い。全長1.787m、砲身長1.3585m（薬室含む）／1.25m（含まず）、口径長37、全備重量184.5kg、砲身重量64kg。閉鎖機は自動開閉垂直鎖栓式、後座長200mm、復座機は水圧式。使用弾は九四式榴弾弾薬筒と九四式徹甲弾弾薬筒で、搭載比率は中戦車連隊所属車両で１対１、軽戦車連隊所属車両で２対１。初速毎秒575m、最大射程7000m。榴弾の威力半径は8m（5m？）で、直撃しないとほぼ効果が無い。徹甲弾の装甲貫徹力は垂直装甲板に対して19mm（射距離500m）／15mm（1000m）。後に九四式徹甲弾代用弾薬筒、九四式榴弾代用弾薬筒、一式徹甲弾弾薬筒も使用できるようになった。九五式軽戦車はノモンハン事件に参加し、BT-7を1500m先から撃ち抜いたこともあるが、太平洋戦争では倍以上の装甲厚を持つM3軽戦車に苦戦した。日華事変で徹甲弾の弾頭部が薬莢から抜ける事態が多発したため、填め込む部分にワニスを塗布する改良が加えられている。参考：月刊PANZER12,’10、7,’03、8,’13、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門、月刊丸3,’13

＜九四式三十七粍速射砲＞：日本陸軍37mm対戦車砲。十一年式平射歩兵砲の後継として昭和8年12月に試作砲が完成し、昭和11年2月13日に制式化された。ラインメタル社製Pak35/36を参考にし、当初は射距離100mで30mm（弾着角０度）の装甲貫徹力を実現する筈だったが、砲弾の硬度が不足したため、やや低くなった。砲身は単肉自緊砲身、閉鎖機は自動式で、試作時には垂直鎖栓式や右開き水平鎖栓式が試されたが、砲の右に位置する砲手兼装填手が操作しやすいように量産型では左開き水平鎖栓式となった。空薬莢は自動的に排出される。厚さ4mmの鋼板製防楯を持つ。方位角は照準手兼射手、射距離に合わせた射角は砲手兼装填手がハンドルで調整するため、着弾の遠近がずれた場合には照準手の号令で砲手が修正を行う必要があった。脚は開脚式で、尾部に固定用の駐鋤を持つが、兵士が押さえても射撃可能。１軸２輪の車輪が付いており、発射時の固定補助としてハの字に動かすことができた。馬１頭または兵士３名での牽引が可能。分解すれば駄馬４頭の背中に乗せて運ぶことができ、第１号馬に砲身、担棍、轅桿、第２号馬に砲架、第３号馬に揺架、車輪、第４号馬に脚、第１属品箱、第２属品箱、防楯、槌を載せた。実際には弾薬箱４個を運ぶ弾薬馬も追加される。100kg以下の部品に分解して人力担送も行えた。全長2.87m、口径37mm、砲身長1.706m、口径長46.1、放列砲車重量327kg、牽引時重量340kg。俯仰角はマイナス10度からプラス25度、方向射界左右30度ずつ。照準器は倍率2.5倍の直接照準眼鏡で、砲架左上部に付く。使用弾は完全薬筒式で、九四式徹甲弾（弾量700g、初速毎秒700m）、九四式榴弾（弾量600g、炸薬量60g、初速毎秒706m、威力半径7m）、一式徹甲弾があり、最大射程2870m（榴弾6000m・徹甲弾6700m？）。装甲貫徹力30mm（射距離350m）／20mm（500-1000m、弾着角０度）。発射速度毎分30発。弾薬は12発入り弾薬箱に収容し、弾薬車に８箱を載せる。昭和18年までに3400門以上を生産し、歩兵連隊に2-12門を配備、一部の騎兵連隊、捜索連隊、独立速射砲大隊、同中隊も装備した。昭和10年には砲を乗せたまま射撃できる騎兵用運搬車が開発されている。昭和13年には車両牽引用としてゴムタイヤを付けた九四式三十七粍速射砲用機動運搬車が開発され、時速45kmでの牽引が可能となった。ノモンハン事件では射距離700mでBT戦車を破壊したり、連隊砲や野砲と協力して１日に150両以上の戦車・装甲車を破壊したりする活躍を見せたが、総じて弾薬不足で有効な反撃とはならなかった。参考：月刊戦車マガジン6,’89、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊PANZER7,’03、7,’05、日本陸軍兵器資料集、大砲入門、日本戦車隊戦史

＜九四式四五口径四〇サンチ砲＞：大和型戦艦の主砲で、九四式砲塔に三連装で搭載される。40cmは秘匿のためで、実際は45.7cm砲である。以前に試作した48cm砲で砲身内部の欠陥により射撃試験に失敗したことがあり、超音波探傷装置などの検査法もまだ開発されていなかったことから、当時世界の主流だった自緊法による層成砲は採用せず、欠陥があってもワイヤー１本の損傷だけで済む鋼線砲を使用している。口径457mm、口径長45（44.5？）、砲身重量162.4トン。俯仰角マイナス５度からプラス45度、砲口初速毎秒780m、最大射程41400m（42030m？仰角45度）。発射速度毎分1.8発（40秒に１発）。弾丸は砲身内で1.4回転して砲口から飛び出し、毎秒60回転しながら目標に向かう。砲腔圧力3000気圧、砲身寿命200発（250EFC？）。最大射程での砲弾飛翔時間は90秒で、最大到達高度11000m。30km先の目標に発射する時は仰角23度12分をとり、命中時の落下角は31度21分、存速は毎秒475m。使用弾は九一式徹甲弾で、装甲貫徹力は射距離30kmで垂直装甲板なら416.5mm、水平装甲板なら231mm、射距離20kmで垂直装甲板なら566.4mm、水平装甲板なら167.6mm。装填角度は３度固定。弾丸は弾庫に縦積みで収容されており、そのまま上・下部給弾室に送られて水圧で揚弾される。装薬は上・下部火薬庫に貯蔵されており、上・下部給薬室で揚薬筒に入れられ、水圧で鋼索を巻き取って揚薬される。命中率5%とすると、砲身寿命が尽きるまでに10発を命中させることができるが、277.4トンの弾丸と装薬が無駄に消費される。参考：戦艦入門、図解日本の戦艦、月刊世界の艦船8,’82増刊、1,’12、3,’15

＜九四式五十瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和9年11月21日に制式化された。炸薬重量19.3kg。参考：日本海軍の爆弾

＜九四式百瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和9年11月21日に制式化された。炸薬重量45.5kg。参考：日本海軍の爆弾

＜九四式四五〇馬力発動機＞：寿シリーズ（エンジン）を参照。

＜九四式五五〇馬力発動機＞：寿シリーズ（エンジン）を参照。

＜九四式馬防毒脚絆＞：日本陸軍の軍馬用化学防護器材。軍馬の脚に巻いて地面に付着した化学兵器による被害を防ぐ。参考：工兵入門

＜９４式演習水際地雷２型（水上投下用）＞：94式水際地雷シリーズを参照。

＜九四式眼鏡照準具＞：日本陸軍の九二式重機関銃用照準眼鏡。倍率５倍、視野177ミル。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九四式艦上軽爆撃機＞：日本海軍艦爆、略符号D1A1。後に九四式艦上爆撃機と改称された。日本海軍が昭和8年に八試特殊爆撃機として要求を出し、愛知航空機がハインケル社製He66をベースに開発を開始。エンジンを寿二型改一に換え、主翼に５度の後退角を付け、急降下爆撃時に爆弾がプロペラに当たらないようにする特殊な投下装置をドイツから取り寄せた。中島の試作機と競争の結果、昭和9年12月に制式採用され、翌年から162機が生産された。全長9.4m、全幅11.37m、全備重量2400kg。エンジンは中島製寿二型改一（460馬力）単発、最大速度281km、制限急降下速度500km、実用上昇限度7000m、航続距離1100km。武装は7.7mm機銃３丁（7.7mm固定機銃１丁＋7.7mm旋回機銃１丁？）。250kg爆弾１発または30kg爆弾２発を搭載できる。日華事変初期に空母鳳翔や加賀などに搭載され、実戦投入された。参考：第二次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空情報10,’05、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録

＜九四式軌条敷設車＞：日本陸軍の鉄道器材。それまで１日１マイルの速度で敷設していたレールを、１日５マイル敷設できるように開発した器材である。レールを搭載した九一式貨車を連結してレールを補給しつつ、ハンドル操作で枕木の上にレールを所定の幅で落としていく。全体は九一式広軌牽引車で引っ張る。開発開始から半年で試作車が完成し、昭和8年10月に鉄道第一連隊でテストして５マイルのレールを12時間で敷設することに成功、制式化された。参考：工兵入門

＜九四式軽装甲車シリーズ＞：日本陸軍の装甲車、別名ホ号。特殊牽引車の頭文字をとってTK車とも呼ばれた。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜九四式軽装甲車＞：昭和6年9月の陸軍技術本部と歩兵学校との座談会で歩兵用豆戦車の案が出され、昭和7年5月の歩兵学校会議で計画着手（この時は装甲小型弾薬補給車兼毒ガス撒布車・消毒車牽引用装軌車だった）が決定し、２名乗り、操縦席とエンジンを並列にしてスペースを節約、表面硬化鋼の全溶接製で装甲厚12mm（7.7mm機銃用普通弾に抗堪できる）というコンセプトで開発され、カーデンロイド装甲車の実用試験結果も参考にして昭和8年に東京瓦斯電気工業株式会社で試作車が完成、北満州でテストされて修正を受け、昭和9年に九四式軽装甲牽引車として仮制式化され、参謀本部の指示で九四式軽装甲車と改称されて制式採用された。事実上の豆戦車でありながら試作段階では特殊牽引車という名称で通していたのは、戦車にすると三菱の担当になってしまうからという理由だったらしい。車体は全溶接構造で、前部左が機関室、右が操縦室、後部が戦闘室であり、地上から0.6mは水密構造で、車体内側にはアスベストが張ってあって熱気が車内に伝わらないようになっている。操縦室前面と左右には防弾ガラス付きの視察窓があり、左右の視察窓の傍、戦闘室右側、後部扉には視察孔とピストルポートを持つ。車体後部には大きなドアがあり、外部との連絡が容易になっている他、九四式三／四屯被牽引車の着脱を簡単に行える。ただ機関室と戦闘室の間に隔壁が無いため、熱気が直接伝わってしまい居住性が悪い。戦闘室に全周旋回式銃塔を載せており、牽引任務の他、歩兵部隊支援に使用されることが多かった。武装は当初十一年式軽機関銃を車載化した九一式六.五粍車載機銃で、後に九七式七.七粍車載重機関銃になっている。銃塔と上面のハッチの間は隙間が空いており、射撃ガスの排気や冷却ファンによる外気取り込みに便利となっていた。銃塔上面のハッチには左前方に小さな開閉式の孔があり、拳銃射撃孔兼信号旗出し孔とみられる。下部転輪は片側４枚で、２枚が１つのボギーに接続されている。サスペンションは車体側面に横向きにコイルスプリングを置き、前後のサスペンションアーム（ボギーに接続されている）からの衝撃を吸収する関連リンク方式である。上部転輪は片側２枚、起動輪は前方、誘導輪は後方にある。履帯はハイマンガン鋼の鋳造製で、片側85枚。3/4屯全装軌式被牽引車を牽引する時は、履帯の両側に0.3m以上の余裕が無いと、方向転換時に脱輪する危険があった。全長3.08m、全幅1.62m、全高1.62m（1.82m？）、自重3.2トン、全備重量3.45トン。装甲厚は車体前面12mm、側後面8mm、上面6mm、底面4mm、銃塔前面12mm、側後面10mm、上面6mm。エンジンは直列４気筒空冷ガソリン（ボア87mm、ストローク110mm、出力は回転数2000rpmで35馬力）、操向装置はクラッチ・ブレーキ式の二重差動式、最大速度40km、1.5トン貨物牽引時30km、燃料搭載量88リットル、航続距離200km。ただし急な方向転換は横滑りと履帯脱落の元になるので、速度20km以上の際には注意が必要だった。乗員は車体前部右の操縦手と、銃塔内部の車長兼銃手の２名。使い勝手が良くコストも安く、昭和10-15年に瓦斯電、三菱重工、日本製鋼所などで843両が生産された。昭和10年から配備され、昭和11年2月のタウラン事件に出動し、昭和12年7月の日華事変勃発で本格的に実戦投入された。装甲が薄く、中国軍の重機関銃で撃ち抜かれて破壊されたりしたため、九七式軽装甲車が開発されることとなった。参考：月刊グランドパワー6,’10、日本の戦車と装甲車両、月刊PANZER8,’03、5,’02、2,’02、11,’05、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、機械化部隊の主力戦車、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

　＜改修九四式軽装甲車＞：ホイールベースが短く揺れが酷かったため、誘導輪を大型化して接地させ、スイングアームとショックアブソーバーを追加し、フェンダーと牽引フックとナンバープレート支持架を後ろに延長、九四式三十七粍戦車砲または九七式車載重機関銃（1980発）を装備したタイプ。履帯張度調整装置のクランクが長くなったため、車体上部に収容するようにした。全長3.66m、全幅1.8m、全高1.77m、重量4.52トン。最大装甲厚12mm。エンジンは池貝式空冷４気筒ディーゼル（60-65馬力）、最大速度42km。参考：参考：日本の戦車と装甲車両、月刊PANZER11,’05、戦場写真で見る日本軍実戦兵器

　＜九四式軽装甲車後期特殊型＞：エンジンを車体前方に移動させ、誘導輪を接地式にしたタイプ。参考：月刊PANZER9,’05

＜九四式軽装甲車ファミリー＞

　＜無人遠隔操縦戦車＞：銃塔を外し、戦闘室に爆弾を積んで遠隔操縦により敵陣に突入、爆破するもの。最初は人が操縦し、敵陣に接近したところで有線誘導用ケーブルを車体後部から繰り出して遠隔操縦する予定だったが、ケーブルの展開に手間取ったり、履帯に絡まったりして上手くいかなかったので、無線操縦に変更してテストが行われた。実用化には至らなかった。参考：月刊PANZER6,’05

＜九四式軽装甲車・射撃＞：車長は銃口の蓋を外し、防弾器の装着を確かめ、固定用の革紐を外し、機関銃に薬莢受けを付け、薬室に初弾を装填する。銃塔の旋回は、右手で機関銃を持ったまま、左手で銃塔固定レバーを水平にしてロックを解き、レバーを押し引きして行う。旋回後は固定レバーを垂直に戻してロックする。射撃は3-5発の点射、弾着を見ながら照準を補正する連続点射、薙射の３つを主に使用した。参考：参考：日本の戦車と装甲車両

＜九四式軽装甲車・車内連絡用信号＞：車長が操縦手に対して行う信号は、以下の通り。前進の時は操縦手の背を一回押す。後退は、襟を二回連続で引くか、腰を軽く二回押す。停止の際は襟を一回引くか、腰を一回押す。急停止の時は、襟を数回強く引くか、腰を数回押す。増速は背を一回押す。減速は、襟を連続して二回引くか、腰を軽く二回押す。旋回の時は、旋回する方向の肩を引くか、反対側の肩を押す。車長が信号または口答で指示した場合、操縦手は応答するか復唱する。参考：日本の戦車と装甲車両

＜九四式携帯浮嚢舟＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜九四式軽迫撃砲＞：日本陸軍の迫撃砲。砲身両側面に駐退機を配置して反動を軽減しており、構造が複雑で重くなったが、弾丸の威力と射程の長さを買われて制式採用された。ただ本格的な大量生産には移行していない。口径90.5mm、放列砲車重量159kg、仰角45-80度、射界６度。使用弾は九四式榴弾（初速毎秒227m、最大射程3800m）または二式重榴弾（初速毎秒131m、最大射程1450m）。参考：大砲入門

＜九四式拳銃＞：日本陸軍の将校用拳銃。南部式小型拳銃の後継で、十四年式拳銃と弾薬を共通化しており、昭和9年12月に制式化された。撃発機構は撃鉄で撃針を叩くタイプだが、撃鉄が内装式なので、シングル・ダブルアクションでの緊急撃発ができず、不発時にはいちいちスライドを引かないといけないが、リコイルスプリングが強力すぎてコッキングに難渋した。安全装置はサム・セイフティとマガジン・セイフティ（弾倉を入れないと引き金が引けない）の二重。ただし、撃鉄を発砲位置に留めている逆鈎が左側面に露出しているので、ここに打撃を与えるとセイフティがかかっていても撃鉄が落ちて薬室内の弾丸が発射されてしまう。このため、連合軍からは自殺用拳銃などと呼ばれた。グリップが小さいので発射しているうちに銃口があさっての方向を向くこともあった。全体的に小型・軽量化されているが、反動が大きくなって命中精度が落ちた。全長180mm、銃身長100mm、重量0.7kg。口径8mm、銃口初速260m、最大射程1600m。装弾数6+1発。参考：日本陸軍兵器資料集、月刊PANZER6,’01

＜九四式拳銃嚢＞：日本陸軍の九四式拳銃用ホルスター。三角状のフラップを持つ。外側には予備弾倉入れが付いており、弾倉１本とさく杖１本を入れられる。最初は皮革製だったが、戦争に突入して物資が少なくなるとキャンバス製になった。参考：月刊PANZER4,’93

＜九四式甲型撒車＞：日本陸軍の毒ガス散布車で、九四式軽装甲車（前車）と、それに牽引される装軌式撒毒トレーラー（後車）からなる。トレーラーは厚さ3-4mmの鋼板製で、きい剤（イペリット）をいれたタンクと、撒布用加圧ボンベ（２気圧）が入っている。噴出口は11個あり、６分間の流出が可能で、撒毒長さ1100m、幅8m、濃度は１平方メートルあたり50g。乗員はガスマスクと防毒衣を装着する。後車重量1200kg、積載ガス量400kg以上。最大速度30km。昭和10年2月に制式化され、野戦瓦斯隊（甲）部隊に配備された。参考：月刊PANZER9,’03、工兵入門

＜九四式甲型消車＞：日本陸軍の消毒・除染車で、九四式軽装甲車（前車）と、それに牽引される装軌式消毒トレーラー（後車）からなる。トレーラーには540kgのさらし粉を積載し、スクリューによって１平方メートルあたり200-300gを撒布する。幅3-4m、長さ800mを消毒できる。乗員はガスマスクと防毒衣を装着する。後車重量1200kg。昭和7年4月から開発されて昭和10年2月に制式化され、野戦瓦斯隊（甲）部隊に配備された。参考：月刊PANZER9,’03、工兵入門

＜九四式工作機＞：日本陸軍の工兵器材。野外で各種機材の応急修理や現地急造を行う際に必要な物品を車両に搭載したものである。九四式工作車と付随車からなり、前者は六輪自動貨車の荷台に５キロ発電機、電動鞴、万能旋盤、電動鑽孔機、作業台、各種工具、電動研磨機、切断機、充電器、投光器、照明灯甲・乙、室内灯を搭載したもので、全備重量8.8トン。後者は２軸４輪のクローズドトップ・トレーラーで、修理に必要な材料と人員８名を収容でき、重量2.9トン。両方とも側壁を外側に開放することが可能で、荷物の出し入れや作業に便利である。参考：工兵入門

＜九四式高射装置＞：日本海軍の対空射撃統制装置で、昭和13年から搭載された。演習では距離6000m、高度1500m、速度85ノットで直進する標的に対し、6-8%の命中率を得た。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜九四式高射砲牽引車＞：日本陸軍の６輪トラック。十四年式十珊高射砲の牽引用に製作された。参考：機械化部隊の主力戦車

＜九四式更新器＞：日本陸軍の集団防護器材。参考：工兵入門

＜九四式山砲＞：日本陸軍75mm山砲。四一式山砲の後継として開発された。砲身を長くして射程を2000mほど延ばし、電気溶接を多用、閉鎖機を水平鎖栓式に変更している。脚部は開脚式に変更されており、必要に応じて閉じたままでも射撃できる。駐鋤は打ち込み式で、寒冷地でも固定が容易。昭和7年9月に試作１号が完成し、これには高低姿勢変換装置が付けられていたが、重量軽減などの関係で外され、昭和9年9月に量産プロトタイプが完成したが駄載するには重すぎたため、軽量化して昭和10年11月に仮制式化された。歩兵１個連隊あたり４門が配備されたため、連隊砲とも呼ばれている。全長1.56m、口径75mm、砲身長20.8口径、放列砲車重量536kg。俯仰角マイナス10度からプラス45度、旋回角左右20度ずつ。使用弾は四一式山砲と同じだが、太平洋戦争では古い弾薬は使われなくなり、昭和18年4月に九〇式尖鋭弾弾薬筒、九〇式榴弾弾薬筒、九〇式発煙弾弾薬筒、九〇式焼夷弾弾薬筒、九〇式照明弾弾薬筒、九〇式代用弾甲弾薬筒、九〇式代用弾乙弾薬筒、九四式榴弾弾薬筒、九五式破甲榴弾弾薬筒、九七式鋼性銑榴弾弾薬筒、一式曳火榴弾弾薬筒、空包が使用弾として定められている。九〇式尖鋭弾弾薬筒を使用すると、砲口初速毎秒392m、最大射程8300m。馬1-2頭での牽引が可能で、６ブロック（重量は97-110kg、馬具なども入れると145-160kg）に分解すれば馬６頭に乗せて運搬できる。他に弾薬箱２個を馬１頭で運ぶ。人力でも何とかなる。サハリン州立郷土博物館に昭和15年大阪砲兵工廠製のものが展示されている。参考：月刊丸5,’13、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、コンバット・バイブル２、大砲入門、月刊世界の艦船1,’02

＜九四式小発煙筒乙＞：日本陸軍の発煙筒。参考：工兵入門

＜九四式小発煙筒甲＞：日本陸軍の発煙筒。参考：工兵入門

＜９４式除染装置＞：陸上自衛隊の除染装置。化学防護隊向けで、化学加熱器の後継として開発された。73式中型トラック（１・1/2トントラック）に加温装置、シャワーテント、水・除染剤タンク（それぞれ500リットル収容）を搭載してある。加温装置で温水を作り、テント内のシャワーから噴射、NBC兵器で汚染された人員・装備品の除染を行う。温水、熱水、除染剤、泡沫除染剤により１時間あたり人員なら45名以上、大型車両なら４両以上を除染できる。ユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究6,’11、4,’15、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings7,’01

＜９４式水際地雷シリーズ＞：陸上自衛隊の機雷。ただし機雷と呼ぶと海上自衛隊の管轄になるので、水際地雷（すいさいじらい）と呼ぶ。1988年から開発され、1994年に採用された。ボートを使って人力で敷設する他、94式水際地雷敷設装置や94式水際地雷ヘリコプター用敷設器も使える。参考：月刊JWings11,’02

　＜９４式水際地雷�T型＞：実質は沈底機雷で、水深の浅い所に敷設する。直径460mm、高さ140mm、重量39kg、炸薬量25kg。円盤型で、海底に設置し、磁気センサー信管によって炸裂、小型上陸用舟艇なら一撃で破壊できる。感度や通過回数を３段階で調節可能。石川製作所製。参考：月刊JWings11,’02、月刊軍事研究11,’07、11,’10

　＜９４式水際地雷�U型＞：実質は係維機雷で、水深3m以上の所に敷設する。円筒型で、水中に投下されると本体と下部が分離し、下部は海底に沈み、下部と短いワイヤーで繋がれた本体は海底近くの海中に漂う。音源センサーが敵艦をキャッチするとワイヤーが繰り出され、船底近くまで本体が浮かび上がって炸裂、破壊する。人力で敷設する際は爆薬などに防水処置を行い、起爆準備を整えて２隻の渡河ボートの間に吊るす。敷設場所に着いたら２名でロープを持って水中に沈めるが、足場が不安定な上に水が濁っているとすぐに見えなくなるので、両名の息が合っているかが確実な敷設のポイントとなる。直径300mm、高さ600mm、重量45kg、炸薬量10kg。訓練では補助導線を繋いで二次導通試験を完了後に爆破するが、管制機雷として使用できるかは不明。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機またはJMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊JWings11,’02、月刊軍事研究12,’07、11,’10、8,’11、1,’18、朝雲

　＜９４式水際地雷�U型（水上投下用）＞：自衛隊の機雷。ユニバーサル造船製。参考：月刊軍事研究5,’10

　＜９４式演習水際地雷�U型（水上投下用）＞：自衛隊の演習用機雷。ユニバーサル造船またはユニバーサル特機またはJMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊軍事研究12,’07、6,’16、1,’18

＜９４式水際地雷ヘリコプター用敷設器＞：陸上自衛隊の水際地雷敷設装置。94式水際地雷�T／�U型をUH-1ヘリから空中敷設するために使用される。長さ1m、幅2m、高さ1.8m、重量400kg。内部に水際地雷15個（16個？）を収容できる。参考：月刊軍事研究11,’10、スピアヘッドNo.7

＜９４式水際地雷敷設装置シリーズ＞：陸上自衛隊の水際地雷敷設用４輪水陸両用車で、「きゅうよんしきすいさいじらいふせつそうち」と読む。参考：月刊軍事研究11,’10

＜９４式水際地雷敷設装置＞：ヘリや船舶による水際地雷敷設は時間と手間がかかるので、荷台に積んでそのまま敷設できる水陸両用車として1990年から日立造船で開発され、1994年に制式化された。車体はアルミ製で、舟形をしており、後部に水上航行用のプロペラ２基を持つ。前部に操縦室があり、３名乗りで、天井に脱出用ハッチが付いている。操縦室後ろにはラジエーターがある。車体左右には浮力と復原力を確保するためのフロートが付いていて、広げたままだと全幅が4mに達するため、前部を外側に畳んだ後に全体を後部荷台に持ち上げて陸上走行を行う。電波測位式標定記録装置、航海灯、磁気羅針盤、トリム調整レバー、舵角指示器も準備されている。フロートを展張すると水際地雷敷設器２基を搭載可能で、１基あたり94式水際地雷�T型・�U型を36個（18個？）搭載でき、８条の敷設軌条により毎時72個のペースで敷設を行う。波高2mでも敷設が可能。測量などの準備期間含め、正面幅5km・密度４の水際地雷原を３日で構築する。実際の敷設時間は20分で、30mおきに水際地雷を設置した地雷帯をA-Cの３縦深（互いに水際地雷の敷設列を横10mずつずらす）で構築する。全長11.8m、全幅2.8m（陸上）／4.0m（水上）、全高3.5m、全備重量16トン。エンジンは水冷Ｖ型６気筒２サイクルディーゼル（325馬力）、トランスミッションはオートマチック（前進６段・後進１段）、最大速度50km（陸上）／11km（水上）。乗員３名（車長、操縦手、助手）。操縦には大型特殊免許と小型船舶１級（２級？３級？）免許が要るので、隊員は民間の船舶教習所で免許を取る。水際障害中隊に配備された。2011年3月11日の東日本大震災に対する災害派遣では沿岸部での行方不明者捜索などに活躍している。2012年度に手すりユニットが開発され、水際地雷敷設器の代わりに設置することで車体上に30名を乗せられるようになった。参考：月刊丸3,’13、月刊JWing11,’02、月刊軍事研究11,’10、8,’04、9,’05、自衛隊装備年鑑1996、スピアヘッドNo.7、MAMOR vol.127、朝雲

　＜９４式水際地雷敷設装置（Ｂ）＞：標定記録装置をGPSに変更したもの。2001年から調達された。参考：月刊軍事研究11,’10

＜９４式水際地雷敷設装置ファミリー＞

　＜水陸両用車＞：ジャパンマリンユナイテッド・ディフェンスシステムズが開発している水陸両用輸送車。94式水際地雷敷設装置をベースに、陸上は６×６輪（後部が２軸）、水上はウォータージェット２軸推進として機動性能を強化している。左右に展開する折り畳み式フロートを持つ。ソフトスキン車両だが、操縦席周辺に装甲板を追加することができる。路上最大速度65km、水上最大速力10ノット。シーステート３での運用が可能。積載量６トンで、人員28名前後を乗せられる。自衛隊に提案中。参考：月刊軍事研究8,’15

＜九四式水上偵察機シリーズ＞：日本海軍複葉水偵、略符号E7K、連合軍コードはアルフ（Alf）。九〇式三号水上偵察機の性能がイマイチだったので、昭和7年に後継となるカタパルト射出可能な三座水上偵察機を七試水上偵察機として開発することになり、川西が試作したもの（社内名称Ｊ型）が愛知航空機に勝って昭和9年5月に制式採用された。昭和10年から配備され、零式水上偵察機制式化後も太平洋戦争前半まで前線配備が続き、後半に入ると練習機に転用されて終戦まで使用された。総生産数530機（川西473機、日本飛行機ライセンス生産57機）。性能の良さからドイツが製造権を獲得する計画を立てていたとされる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本航空母艦史、月刊丸3,'18別冊、1,’77、3,’90

　＜九四式一号水上偵察機＞：略符号E7K1。機体は金属骨組み羽布張りで、双フロートを持つ。主翼は下翼が低翼配置、上翼がパラソル配置の複葉である。エンジンは液冷式の広廠九一式を採用した。航続時間10時間以上の要求をクリアするため、操縦士席前方にメインタンク（容量680リットル）、その上に上部タンク（200リットル）、操縦士席下方に後部タンク（205リットル）を配置している。全長10.41m、全幅14 m、自重1970kg、全備重量3000kg。エンジンは広廠九一式五〇〇馬力発動機（離昇出力750馬力、公称出力600馬力）単発、最大速度129ノット／239km、航続距離2200km、航続時間12時間。武装は7.7mm固定機銃１丁、7.7mm旋回機銃２丁。60kg爆弾２発または30kg爆弾４発を搭載できる。乗員３名。183機が生産された。参考：日本航空母艦史、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、週刊エアクラフトNo.137、月刊丸3,'18別冊、月刊JWings7,’23

　＜九四式二号水上偵察機＞：略符号E7K2。九二式艦攻を運用したところ九一式発動機の構造的欠陥が見つかったため、エンジンを換装したタイプで、昭和13年秋に制式採用された。全長10.5m、全幅14m（13.9m？）、全高4.55m（4.7m？）、自重2100kg（1984kg？）、全備重量3300kg（3000kg？）。エンジンは瑞星一二型空冷星型複列14気筒ガソリン（一一型？870馬力）単発、巡航速度185km、最大速度277km（268km？）、実用上昇限度7520m、航続距離2463km、航続時間13.5時間。武装は九二式7.7mm固定機銃１丁、7.7mm旋回機銃２丁。爆弾120kg（30kg爆弾４発または60kg爆弾２発。240kg？）を搭載できる。乗員３名。347機が生産された。特攻の際には五〇番通常爆弾二型／同改一を積んだ。参考：月刊JWings7,'23、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本航空母艦史、月刊丸1,’77、週刊エアクラフトNo.137

＜九四式水上発煙筒乙＞：日本陸軍の発煙筒。参考：工兵入門

＜九四式水上発煙筒甲＞：日本陸軍の発煙器材。発煙筒の中央部分に浮き輪が付いていて、水に浮くようになっている。重量9kg。参考：工兵入門

＜九四式製材機＞：日本陸軍の木工器材。６輪自動貨車に動力帯鋸（動力源は自動貨車のエンジン）、帯鋸自動目立機、帯鋸歪取機などを搭載した製材車と、九二式動力伐採機や送材車などを搭載した付随車からなる。製材車の車体底面が地面と同じ高さになるよう作業場所に穴を掘って製材車を乗り入れ、後部荷台の側板を開いて製材場にする。九二式動力伐採機で木を切って所定の長さにし、送材車に載せて製材車に送り込み、電動帯鋸で角材や板材に加工する。幅450mm、高さ600mmまでの角材を作ることができ、製材能力は毎分0.5-1平方メートル。製材車重量6.1トン、付随車重量3.5トン。参考：工兵入門

＜九四式旋回機関砲＞：日本陸軍の航空機用20mm旋回機関砲。昭和8年3月にエリコン社から２門購入したエリコンＬ型機関砲がベースで、昭和9年11月に陸軍技術本部に準制式制定が上申されて制式化された。照準器は照星照門型のル・ブリュエール式で、照門に0-1500mの射距離刻印がある。口径20mm、砲身長60口径。重量54kg。弾倉はドラム式で装弾数13発（＋受弾板上の２発）、１門あたり25個を用意する。使用弾は九四式旋回機関砲弾薬と九四式榴弾弾薬筒（全長81mm、全備重量1295g。曳光榴弾もあり）で、どちらも昭和10年12月に仮制式制定された。九二式重爆に搭載されたが、搭載母機の生産が６機で打ち切られてしまい、本機関砲も量産には至らず、総生産数は不明である。参考：月刊航空ファン12,’18、歴史群像8,’17

＜九四式装甲列車＞：日本陸軍の装甲列車。臨時装甲列車の戦訓を基に昭和8年から製造、昭和9年秋に完成した。警戒車（側面に重機関銃１丁ずつ、30cm探照灯１基、運転機材、軌道修理機材）、火砲車（甲）（十四年式十糎高射砲１門装備全周旋回砲塔、重機関銃２丁）、火砲車（乙）（十四年式十糎高射砲１門装備全周旋回砲塔、重機関銃２丁）、火砲車（丙）（八八式七糎半野戦高射砲１門装備全周旋回砲塔を背負い式で２基）、指揮車（上段が観測室、下段が指揮室。重機関銃２丁、30cm探照灯２基、観測具１式）、機関車（ミカサ貨物機関車の両側面に装甲板を張ったもの）、補助炭水車（側面銃塔に重機関銃１丁ずつ）、電源車（重機関銃２丁、無線機２基、発電機、鉄道器材一式）からなる。鉄道第３連隊が装備した。参考：月刊軍事研究7,’17、工兵入門、戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜九四式大発煙筒乙＞：日本陸軍の発煙筒。参考：工兵入門

＜九四式大発煙筒甲＞：日本陸軍の発煙筒。参考：工兵入門

＜九四式脱線器＞：日本陸軍の鉄道器材。シベリア出兵時、重量物を積んだ貨車や無人機関車が日本軍の列車に向けて突き放され、大損害を受けたので、これに対抗すべく開発された。２本のレールの上にそれぞれ設置し、車輪をレールの外に逸らして脱線させる構造になっている。九一式広軌牽引車のフェンダー左右に取り付けて車内操作により自動設置することも可能。本体重量7.0kg（２個１組なので、１個あたりの重量は3.5kg）。九一式広軌牽引車に取り付ける際の操作具や装着具を含めた全備重量は720kg。参考：工兵入門

＜九四式弾底信管＞：日本陸軍の弾底信管。九四式三十七粍速射砲用徹甲弾に装着するため開発された。弾が外れて地面に落ちた場合でも作動して炸裂し、修正射撃を容易にしている。このため、37mm徹甲弾には曳光剤が入っていない。参考：月刊PANZER11,’03

＜九四式偵察機＞：日本陸軍の偵察機。昭和9年10月に制式化された。試作機がフラットスピンに入りやすい、離着陸時にグラウンドループを起こしやすいといった欠点を露呈したため、量産型では尾部を0.8m延長して安定性を向上させた。プロペラは日本楽器製ハミルトン・スタンダード式金属２翅固定ピッチプロペラ（直径2.9m、ピッチ2.512m、重量63kg）。参考：世界の傑作機No.141、月刊航空ファン8,’16、9,’18、11,’19

＜九四式徹甲弾弾薬筒＞：日本陸軍の九四式三十七粍戦車砲用徹甲弾。全備重量1030g、弾量700g。炸薬は黄色薬。信管は九四式小延弾底信管。装甲貫徹力は垂直装甲板に対して19mm（射距離500m）／15mm（1000m）。参考：月刊PANZER12,’10、7,’03、8,’13、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門、月刊丸3,’13

＜九四式投射機＞：日本海軍の両舷用爆雷投射機。ソーニクロフト社製両舷爆雷投射機をベースに開発、昭和8年にＹ型投射機として仮制式化され、昭和9年9月28日に制式化された。いわゆるＹ砲であり、片舷投射の場合には根本のガス分配室外側に付いている分配弁作動レバーを操作し、射出ガスを片方だけに送るようにする。幅1.484m、高さ1.083m、底部0.9m×0.5m、重量680kg。九一式、九二式、九五式、二式爆雷を射出可能。投射薬包（発射薬）は四号（180g）、五号（200g）、六号（220g）の３種があり、爆雷を仰角50度で射出する。最大投射距離は九一式一型・九五式・二式で75m（斉発）／105m（単発）、九二式爆雷で140m（斉発）／210m（単発）。再装填にかかる時間は５秒。吹雪型以降の駆逐艦や駆潜艇第51号型以降の駆潜艇に装備された。参考：丸スペシャル第49号、小艦艇入門、日本駆逐艦史

＜九四式特殊重砲牽引車＞：日本陸軍の装軌式牽引車で、七年式三〇糎短・長榴弾砲の牽引用に開発した。動力は無く、九五式一三屯牽引車などに引っ張ってもらう。分解した砲部品を載せる車台と、前後左右に１つずつ取り付けられた足回りから構成される。積載装備を取り付ければ三式十二糎高射砲の砲架なども搭載できた。最大速度12km、最大牽引速度6km。参考：機甲入門

＜九四式特殊受信機シリーズ＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

　＜九四式一号型特殊受信機＞：昭和10年4月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式三号型特殊受信機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式四号型特殊受信機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

＜九四式乗越転轍＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九四式爆薬＞：日本海軍の炸薬で、トリニトロアニゾールとヘキソーゲンの混合物。参考：日本海軍の爆弾

＜九四式方位盤射撃装置＞：日本海軍の艦船用方位盤射撃装置で、塔型方位盤ともいう。旋回式の塔の中に方位盤と観測鏡、旋回発信器などを一体装備したもので、射撃所と射撃指揮所を主砲射撃所に纏めることが可能となり、射撃指揮が容易になった。長門型戦艦に第２次大改装で搭載された。参考：戦艦入門、日本駆逐艦史

＜九四式方位盤射撃装置一型＞：日本海軍の方位盤。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜九四式砲塔＞：大和型戦艦の主砲塔で、九四式四五口径四〇サンチ砲を３連装で搭載している。VH甲鈑で防楯650mm、上面270mm、側面250mm、後面190mm、バーベット舷側560mmの重装甲が施され、250kg爆弾を高度1000mから落とされても貫徹せず、457mm砲で20km先から撃たれても弾き返せるように作ってある。実際、シブヤン海海戦で武蔵が急降下爆撃を受けた時に250kg爆弾を弾き返した。仰角5-45度で、俯仰速度は毎秒８度、旋回速度は毎秒２度。装填角度は３度固定で、火薬庫での火薬運搬が人力ということもあり、発射速度は１門あたり毎分1.8発（発射間隔40秒弱）と遅めである。砲塔後部には砲側照準用の15m三重式測距儀があり、砲塔両側前部に10サンチ望遠鏡俯仰用のペリスコープ式特殊照準鏡、上面前部左に10サンチ望遠鏡旋回用のペリスコープ式特殊照準鏡、上面後部右に6.5サンチ動揺観測望遠鏡を装備する。また、砲塔上面中央やや左に照準演習機機動機が突き出している。砲塔の艦内部にはバーベット中央に接する旋回盤ローラーがあり、この下に上部給弾室、下部給弾室、上部給薬室、下部給薬室が重なっていて、揚弾筒が下部給弾室から砲塔内、揚薬筒が下部給薬室から砲塔内までを繋ぐ。下部給弾室の周囲に弾庫、上部給薬室の周囲に上部火薬庫、下部給薬室の周囲に下部火薬庫があり、弾丸と薬のうを収容する。弾丸及び薬のうの装填は機力式で、砲塔駆動は水圧式。動力はブラウン・ホベリー社製ターボ水圧ポンプ（700馬力）で、各砲塔に１基ずつと予備１基、合わせて４基を搭載していた。射撃指揮装置は九八式方位盤照準装置改一と九八式射撃盤改一。基本方位盤管制（通常の方位盤射撃）の際は、旋回手１名と各砲俯仰手３名が受信機に合わせて砲を操作、機力による装填が終われば発令所号令官の号令で方位盤射手が引き金を引くと発射される。砲側照準で発射する場合は、照準手２名、掌尺手３名、動揺手１名などを加えて照準操作を行い、射手または旋回手が引き金を引く。直径12.274m、旋回部重量2774トン（2150トン？）。参考：図解日本の戦艦、戦艦入門、月刊世界の艦船9,'21、1,’12

＜九四式保隔鉄＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九四式無線機シリーズ＞：日本陸軍の無線機。参考：工兵入門

　＜九四式一号無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式二号甲無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式二号乙無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式二号丙無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式二号丁無線機＞：指揮官用無線機で、昭和11年12月に制式化された。重量３トン。交信距離は行動中が電信60km・電話16km、停止中が電信120km・電話16km。九三式六輪乗用車に搭載する。参考：機甲入門、工兵入門

＜九四式三号甲無線機＞：騎兵通信隊用無線機で、昭和11年12月に制式化された。重量110kg。交信距離は停止時で80km。馬または軽車両に搭載する。参考：機甲入門、工兵入門

　＜九四式三号乙無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式三号丙無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式三号丁無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

　＜九四式四号甲無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

＜九四式四号乙無線機＞：装甲自動車用無線機で、昭和11年12月に制式化された。重量40kg。通信距離は電話で行動中1km。九二式重装甲車に搭載された。参考：機甲入門、工兵入門

＜九四式四号丙無線機＞：戦車用無線機で、昭和11年12月に制式化された。重量90kg。通信距離は移動時の電話で1km。八九式中戦車に搭載された。参考：機甲入門、工兵入門

＜九四式四号丁無線機＞：昭和11年12月に制式化された。参考：工兵入門

＜九四式五号無線機＞：AM無線機で、昭和10年（昭和11年12月？）に制式化された。手回し発電機付きで、重量40kg。使用周波数は0.9-2MHzと4-5MHz。兵員１名または駄載で運搬する。参考：ラバウル航空戦、工兵入門

＜九四式六号無線機＞：AM無線機で、昭和10年（昭和11年12月？）に制式化された。手回し発電機付きで、重量47kg。使用周波数25-45MHz。兵員１名または駄載で運搬する。参考：ラバウル航空戦、工兵入門

＜九四式溶接切断機＞：日本陸軍の工兵器材。当初は大型障害物を切断除去するために開発されたが、ガスバーナーによる切断機は溶接にも使えるので、両方を兼ねる機材として完成した。丙種六輪自動車の後部荷台に電弧溶接装置（最大溶接能力25mm）と酸素アセチレンガス切断装置（最大切断能力150mm）などを搭載している。全備重量6.16トン。参考：工兵入門

＜九四式榴弾＞：日本陸軍の十一年式平射歩兵砲用榴弾。十二年式榴弾の威力が低かったため、信管を瞬発に、炸薬を黄色薬に変更して威力半径を8mに拡大している。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九四式榴弾弾薬筒＞：日本陸軍の九四式三十七粍戦車砲用榴弾。全備重量975g、弾量645g。炸薬は上部が黄色薬、下部が茶褐薬。信管は九三式小瞬発信管。威力半径8m（5m？）参考：月刊PANZER12,’10、7,’03、8,’13、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門、月刊丸3,’13

＜九四式榴弾弾薬筒シリーズ＞：日本陸軍75mm榴弾。参考：月刊丸5,’13

＜九四式榴弾弾薬筒＞：四一式山砲用に開発され、三八式野砲、改造三八式野砲、四一式騎砲、八八式七糎野戦高射砲、九〇式野砲、九四式山砲、九五式野砲でも使用できる。弾量6.02kg、弾薬筒重量7.11-7.74kg、炸薬重量0.81kg（茶褐薬）。威力半径20-22m。参考：月刊丸5,’13

＜九四式榴弾弾薬筒（安瓦炸薬使用）＞：九四式榴弾弾薬筒の炸薬を安瓦薬に変更したタイプで、保管には湿気対策が必要。三八式野砲、改造三八式野砲、四一式騎砲、四一式山砲、八八式七糎野戦高射砲、九〇式野砲、九四式山砲、九五式野砲に使用できる。弾量6.02kg、弾薬筒重量7.11kg。威力半径20m。参考：月刊丸5,’13

＜九四式濾函＞：日本陸軍の集団防護器材。参考：工兵入門

＜９５＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦第２グループ、スパータン（Spartan）。1943年竣工。1944年1月29日、アンツィオでシングル作戦を支援中にSD1400Xミサイルを被弾して沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸4,’07、週刊ワールドウェポン17、世界の傑作機No.145

＜９５＞：オーストラリア海軍アーミデール級哨戒艇マリーボロー（Maryborough、都市名）。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜９５ｍｍ軽榴弾砲Ｍｋ．１Ａ＞：イギリス陸軍の車載軽榴弾砲。3.7インチ（95mm）迫撃砲がベースである。口径95mm、全長2.172m、砲身長2.042m、口径長21.5、重量393kg。使用弾はHEAT（装甲貫徹力は30度傾斜装甲板で110mm）など。センチュリオンMk.4に搭載予定だった。参考：ウォーマシンレポート11

＜９５ｍｍ榴弾砲Ｍｋ�T＞：イギリス陸軍の戦車用95mm榴弾砲、95mm Tank Howitzer Ordnance Quick Firing Mk�T。６ポンド砲搭載戦車の近接支援（Close Support、CS）型の主砲で、発煙弾、榴弾、HEATを撃てる。砲口にはカウンターウェイトが付く。口径3.7インチ（95mm）、砲身長80.4インチ（2.042m）、砲全長85.52インチ（2.172m）、重量847ポンド（384.2kg）。弾丸重量25ポンド（11.3kg）、初速毎秒1075フィート（327.7m）、最大射程5490m。HEATの装甲貫徹力は射距離500mで30度傾斜装甲板に対し110mm。セントー�W、クロムウェル�Y／�[、チャーチル�X／�[、アレクト�Tに搭載された。参考：British and American tanks of World War Two、日本戦車隊戦史

＜九五式一型練習機シリーズ＞：日本陸軍中間練習機キ−９、連合軍コードはスプルース（Spruce）。エンジンを積み換えれば初等練習機にも中間練習機にもなる機体として昭和9年4月から石川島飛行機（後の立川飛行機）が開発した。試作初号機（初等練習機型）はエンジン出力不足で不採用になったが、２・３号機（中間練習機型）は強化型エンジンを搭載して昭和10年4月に採用され、2618機が生産された。機体はオレンジ色に塗られており、赤トンボという愛称が付けられている。太平洋戦争勃発後は性能不足で初等練習機に格下げとなった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings7,’12、図解世界の軍用機史

　＜九五式一型練習機甲＞：キ−９甲。最初の量産型で、少数が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九五式一型練習機乙＞：キ−９乙。エンジン取り付け位置を後ろにし、主脚構造を変更したタイプで、無線通信アンテナを持つ。座席はタンデムで、前席に教官、後席に学生が座り、伝声管で会話する。全長7.5m、全幅10.3m、全高3m、自重990kg、全備重量1580kg。エンジンは日立製ハ−13甲空冷星型９気筒レシプロ（350馬力）単発、プロペラは２翅固定ピッチ（直径2.58m、ピッチ1.91m、重量13kg）の被包式プロペラ（乙型）、最大速度240km、実用上昇限度6000m、航続時間3.5時間。乗員２名。昭和19年までに2618機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、丸エキストラ版No.71、陸海軍学校と教育、月刊航空ファン11,’19

＜九五式一型練習機ファミリー＞

　＜立川式小型連絡機＞：日本陸軍連絡機。透明風防を付けて連絡用にしたもので、３機が献納された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九五式二型練習機＞：日本陸軍機上作業練習機キ−８。中島製で、キ−７に勝って採用された。ライセンス生産していたフォッカー社製スーパーユニバーサル輸送機の車輪にスパッツを付け、訓練用装備として航法無線通信機、写真偵察装備、旋回機銃などを搭載している。プロペラは金属製で、２翅と３翅がある。全長11.1m、全幅15.4m、全高2.8m、自重1700kg、全備重量2800kg。エンジンはジュピター６（450馬力。ジュピター７？）単発、プロペラは金属製２翅または３翅固定ピッチ、最大速度230km、実用上昇限度6000m、航続距離1000km。武装は7.7mm機銃１丁。乗員２名＋訓練生４名。昭和11年までに19機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九五式二型練習機乙型＞：昭和15年12月の陸軍調弁書類にある名称で、機体４機、エンジン８基、プロペラ８本が発注されている。名称的にはエンジン換装型らしいが、エンジン名称だけでなく機体自体も詳細不明。参考：月刊航空ファン11,’19

＜九五式三型練習機＞：日本陸軍初歩練習機キ−17、連合軍コードはセダー（Cedar）。昭和10年4月から立川飛行機で開発され、10月に制式採用された。生産数660機。全長7.9m、全幅9.8m、全高2.9m、自重640kg、全備重量910kg。エンジンはハ−12（150馬力）単発、プロペラは木製固定ピッチ２翅（直径2.4m、ピッチ1.084m）の被包式プロペラ（乙型）、最大速度174km、実用上昇限度4200m、航続距離500km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン11,’19

＜九五式三馬力築頭＞：日本陸軍の渡河器材。架橋時に杭打ちを行うための動力機材で、陸上又は舟上に設置し、築頭を爆発力で跳ね上げて杭を打ち込む方式である。櫓高9.8m、全重量2.3トン、築頭重量0.2トン。築頭跳ね上がり高0.9m、毎分標準打数40回で、長さ7m・直径0.25mの杭を打ち込む。参考：工兵入門

＜九五式四瓩演習爆弾＞：日本陸軍の演習用爆弾で、昭和11年3月13日に制式化された。内部に発煙剤190gを収容する。昭和11年度の調達価格は６円75銭。参考：日本海軍の爆弾

＜九五式四瓩演習爆弾（除瓶）＞：日本陸軍の演習用爆弾。酸性平炉の溶滓に二酸化マグネシウムと塩化マグネシウム溶液を加えて固め、外側を亜鉛メッキした鉄板で覆った弾殻に、発煙剤として塩化第二スズを収容している。昭和11年度の調達単価は６円。参考：日本海軍の爆弾

＜九五式七馬力築頭＞：日本陸軍の渡河器材。九五式三馬力築頭の大型バージョンである。高さ11.9mの導柱に摺動装置を取り付けた築頭が設置されている。櫓高11.9m、全重量4.2トン、築頭重量0.53トン。築頭跳ね上がり高0.7m、毎分標準打数40回で、長さ8m・直径0.35mの杭を打ち込む。参考：工兵入門

＜九五式一三屯牽引車シリーズ＞：日本陸軍の牽引車、別名ホフ車。七年式三十糎短・長榴弾砲、四五式二十四糎榴弾砲（これらは元は要塞砲だが、ソ連のトーチカを破壊するため攻城砲に改造した）、九六式二十四糎榴弾砲を牽引するのが主任務で、九二式八屯牽引車をベースに昭和8年から東京瓦斯電気工業で開発され、昭和10年に制式化された。参考：月刊PANZER5,’81、機甲入門

　＜九五式一三屯牽引車甲型＞：ガソリンエンジン搭載型。七年式三十糎短榴弾砲は９個、長榴弾砲は10個に分解し、九四式特殊重砲被運搬車に載せて牽引する。九六式二十四糎榴弾砲は分解して４屯積被牽引車に載せ、２両を連結して牽引する。クレーン及びウインチを搭載しており、工兵作業にも使用できる。全長4.76m、全幅2.3m、全高2.8m、重量13トン。エンジンは水冷直列６気筒ガソリン（平均出力130馬力、最大出力160馬力）、最大速度17km。牽引速度は二十四糎榴弾砲（13トン牽引）で時速14km、三十糎榴弾砲（30トン牽引）で時速5km。燃料搭載量354リットル、航続時間10時間。乗員７名。参考：月刊PANZER5,’81、機甲入門

　＜九五式一三屯牽引車乙型＞：東京瓦斯電気工業製ディーゼルエンジンを搭載したタイプ。全長4.9m、全幅2.3m、全高2.8m、重量13.64トン。エンジンは水冷６気筒ディーゼル（出力140馬力）、牽引速度は二十四糎榴弾砲（13トン牽引）で12km、三十糎榴弾砲（30トン牽引）で時速6km。燃料搭載量270リットル、航続時間10時間。乗員７名。値段は昭和17年度で92250円。参考：月刊PANZER5,’81、機甲入門

＜九五式二十八米観測鏡＞：日本陸軍の光学視察装置。１台のみ生産された。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九五式一五〇馬力発動機＞：神風百三十馬力発動機シリーズを参照。

＜九五式艦上戦闘機＞：日本海軍の艦上戦闘機、略符号A4N1。七試艦戦が採用されなかったため、九〇式艦上戦闘機の性能向上型として昭和8年から中島が製作した。エンジンを光一型に換装し、昭和9年に初飛行したが、それに伴う改修に手間取って制式化が昭和11年1月になり、翌年に九六式艦戦が制式化されたため、第一線からすぐに退いて練習機になった。全長6.664m、全幅10m、全高3.1m、自重1280kg、全備重量1760kg。エンジンは光一型空冷星型９気筒ガソリン（730馬力。670馬力？）単発、最大速度352km、実用上昇限度7740m、航続距離740km、航続時間3.5時間。固定武装は7.7mm固定機銃２丁。爆弾120kgを搭載可能。乗員１名。昭和15年までに221機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解日本の空母、日本海軍戦闘機隊、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録、月刊JWings1,’13、月刊世界の艦船3,'21

＜九五式機銃射撃装置＞：日本海軍の九六式二十五ミリ機銃用射撃指揮装置。機銃群指揮官附が目標を指揮棒で指示しつつ口頭で機銃群指揮官に位置情報（左・右何度、仰角何度）を伝え、機銃群指揮官の命令で操作員が九五式機銃射撃装置の照準装置を俯仰・旋回させて目標に向けると、指揮下にある数挺の機銃も電動で遠隔操作されて目標を向く。射撃も射手の遠隔操作で行える。参考：図解日本の空母、歴史群像8,’15

＜九五式給水槽＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九五式魚雷シリーズ＞：日本海軍の潜水艦用魚雷。九三式魚雷を小型化したもので、三菱長崎造船所兵器部が開発し、昭和10年に制式化、昭和13年から配備した。洋上の漸減戦法で大型艦相手に射撃する訓練ばかりしていて吃水の浅い小艦艇に対する発射法が実用段階に達していなかったため、太平洋戦争では対潜護衛艦への有効な反撃が行えず、アメリカ駆逐艦は５隻しか沈められなかった。また、信管が鋭敏すぎて早爆したり、ジャイロが故障して明後日の方向に進み出したりするものも多く、昭和17年夏にインド洋で通商破壊作戦を行った第８潜水隊の報告では、48本を発射して19本が早爆、９本が明後日の方向に進み、６本が海面に飛び出し、２本が明後日の方向に進みつつ海面に飛び出したという。価格は１本２万円前後。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊世界の艦船6,’09、9,’12増刊、丸エキストラ版No.71

＜九五式魚雷一型＞：最初の量産型。直径533mm。最大雷速49ノット、航走距離9000m（49ノット）／15000m（42ノット）。2200本が生産され、マル三計画以降の潜水艦に搭載された。参考：月刊軍事研究9,’01、日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九五式魚雷二型＞：弾頭を大型化したタイプ。酸素室が狭くなったため、航走距離は減った。昭和19年以降に生産された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九五式軽戦車シリーズ＞：日本陸軍軽戦車。参考：月刊PANZER9,’05

＜九五式軽戦車＞：試作名称はハ号車。昭和5年に陸軍技術研究本部が打ち出した豆戦車構想がベースであり、昭和7年から技術研究本部で設計が始まり、三菱重工が全体試作を実施、昭和9年6月に試作初号車が完成し、軽量化などの改修を施して昭和10年に制式化された。小銃しか持たない中国兵と戦うことを主眼としており（よって装甲が薄い）、また自動車化部隊（路上速度は自動貨車60km、砲牽引車45km）を護衛できるよう走行性能を重視してあり、八九式中戦車の後継と位置づけられている。野砲牽引車と同時行動できるよう機動力が重視しており、八九式中戦車と同じ出力で重量が軽いので1.6倍のスピードが出せ、軍用自動車や野砲牽引車についていけるようになった。ただエンジンの軽量化に失敗したため、装甲がペラペラになってしまった（開発時に装甲厚を30mmに強化する意見も出されたが、蹴られた）。車体は前方にトランスミッションと操縦室と車体銃手席、中央に戦闘室、後部にエンジン室と燃料タンクがある。操縦手は２本のレバーで操向操作を行い、車体銃手は前面の九一式車載機銃（後に九七式車載重機関銃）を操作する。戦闘室やや左に１名用砲塔が載っており、主砲は九四式三十七粍戦車砲（120発）で、照準器（倍率２倍、視野角20度）は砲架の左にあり、車長が操作する。俯仰角はマイナス15度からプラス20度で、左右に10度ずつ動かすことができ、照準微調整が可能。車体上面にハッチ付のキューポラがあるが、ペリスコープは付いておらず、ハッチを開けて身を乗り出すか、覘視孔から覗かないと外が見えない。砲塔後部に九一式車載機銃（後に九七式車載重機関銃）があり、こちらも車長が操作する。機銃弾数は車体前面機銃と合わせて3000発。下部転輪は片側４枚、サスペンションはシーソー式で、下部転輪２枚１組でボギーに接続し、前後ボギーをコイルスプリングで繋いで緩衝している。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側２枚。履帯はハイマンガン鋼の鋳造製で、幅250mm、片側97枚。張度調整は誘導輪を動かして行う。全長4.3m、全幅2.07m、全高2.28m、自重6.7トン、戦闘重量7.46トン。エンジンはA6120VD直列６気筒空冷ディーゼル（NVD-6120？最大出力120馬力／1800rpm、標準出力110馬力／1400rpm）、トランスミッションは機械式（前進４段・後進１段）、操向装置はクラッチ・ブレーキ式、最大速度40km、燃料130リットル（メインタンク100リットル＋予備タンク30リットル）、航続距離250km。装甲板は表面浸炭硬化鋼の溶接＋リベット結合で、装甲厚は車体前面12mm（7.7mm重機関銃の鋼芯実包の直撃に耐える）、側面前部12mm、側面後部10mm、後面8mm、上面前部9mm、上面後部6mm、底部6mm、砲塔全周12mm、上面6mm。一部に九四式無線機を搭載した車両がある。乗員３名（車長、操縦手、車体銃手）。値段は昭和17年度で87190円。神戸製鋼や新潟鉄鋼などでも生産され、昭和11年に30両、昭和12年に80両、昭和13年に53両、昭和14年に115両、昭和15年に422両、昭和16年に685両、昭和17年に755両、昭和18年に234両の計2378両が製作され、海軍陸戦隊にも配備された。昭和14年9月以降、主に独立軽戦車隊に装備されたものには九八式三十七粍戦車砲が搭載されるようになった。初陣はノモンハン事件。機関系の信頼性が高く、マレー作戦では評価が高かったが、装甲は薄く、昭和17年4月にビルマ戦線ペグー南方でイギリス軍スチュアート軽戦車と交戦した際、1500m先から撃ち抜かれて１個小隊全車両と中隊長車が撃破され、乗員全員が死亡した。太平洋戦争を通じて使用され、ポツダム宣言受諾後も占守島でソ連軍を相手に戦い、戦後も車体をブルドーザーに転用したり、装甲板を追加して警視庁予備隊の装甲車としたり、北海道中央バスが牽引車として使用したりした。国共内戦やインドシナ紛争でも使われている。参考：月刊PANZER12,’10、7,’03、2,’02、9,’05、3,’10、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、機械化部隊の主力戦車、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車、月刊軍事研究4,’15

＜九五式軽戦車北満型＞：北満州の高梁畑の畝幅が下部転輪間隔と一致しており、足回りのトラブルが多発したため、２個１組で取り付けられている転輪の間に小さな補助転輪を設けたもの。ただ根本的な解決にはならなかったらしく、少数の使用に留まっている。参考：月刊PANZER9,’05、日本の戦車と装甲車両

＜九五式軽戦車ファミリー＞

＜九五式軽戦車・水上推進装置付き＞：車体の前後に木製のフロートを付けたもの。起動輪に水車を取り付けて時速13kmで推進できる。図面を送って現地改造する方式で製作された。参考：異形戦車ものしり大百科

＜火炎放射戦車＞：車体前部左のフェンダー脇に九三式火炎放射器を装備したものがニューブリテン島で鹵獲された。前照灯は外され、最前部中央に反射灯、右に自動車用警報機を付け、排気管カバーも異なるものに換えられている。現地改造らしい。参考：月刊PANZER2,’02

＜警察用装甲車＞：戦後に警察が使用したもの。砲塔を外して背の高い上部構造物（視察スリット、前方・上部ハッチ付き）を設けている。車体前面には大型の前照灯２基とモーターサイレン１基が装着された。昭和40年頃まで配備されていた。参考：月刊PANZER2,’11

＜試製五式四十七粍自走砲＞：試作駆逐戦車型、別名ホル車。砲塔を外して背の低い固定式戦闘室を設け、四十七粍対戦車砲�U型を搭載する。昭和20年2月から開発されたが、そのまま終戦となった。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車、月刊PANZER12,’10

＜試製四式十二糎自走砲＞：試作自走砲型、別名ホト車。砲塔を外して三八式十二糎榴弾砲を搭載した固定戦闘室を設けたものである。試作のみ。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門

＜九五式軽戦車・海外シリーズ＞

　＜九五式軽戦車（フランス植民地軍）＞：フランス軍軽戦車。太平洋戦争後、インドシナ半島でゲリラ鎮圧に使用した。砲塔・車体前面に増加装甲を溶接したり、跨乗歩兵用の手すりやステップを装備したりしている。参考：月刊PANZER8,’01

＜九五式軽操舟機シリーズ＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜九五式軽操舟機＞：九五式折畳舟に取り付けてモーターボートとして使用できるよう、昭和7-8年に池貝鉄工所で開発したが始動装置に不備があり、昭和9年11月に正田飛行機製作所で試作を開始、昭和11年7月に制式化された。参考：工兵入門

＜九五式軽操舟機甲＞：特別工兵演習などで九五式軽操舟機を使用した結果を基に開発した改良型で、R1型やR3型がある。エンジンを改良し、寒冷地対応能力を強化、クラッチを追加するなどしている。参考：工兵入門

＜九五式鋼索鋏＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜九五式小型四輪起動乗用車＞：日本陸軍の４×４輪車両、通称くろがね四起、愛称はダルマ。中国大陸の不整地を踏破できる連絡偵察用大型自動車（従来の将校用大型自動車と偵察用側車付きオートバイの後継）として昭和6年から日本内燃機に開発を依頼、生産能力の関係から小型四輪駆動車に変更され、昭和10年に制式化された。エンジンはイギリスのサンビーム社が開発したオートバイ用エンジンをベースにしている。車体後部左右のバンパー基部に牽引フックを持つ。サスペンションは前輪がコイルスプリング、後輪がリーフスプリング。タイヤパターンは不整地に強い大型ブロックパターンで、鬼タイヤとも呼ばれた。全長3.56m、全幅1.55m、全高1.67m、重量1.3トン。エンジンは空冷45度Ｖ型２気筒ガソリン（総排気量1200cc、33馬力）。乗員３名（前２席、後１席）。昭和11年に総排気量を1300ccとし、昭和12年には1399cc（33馬力）に拡大した。終戦までに陸軍向け4275両、海軍向け480両が生産された。基本的に満州用だったので、南方ではオーバーヒートが多かったらしい。戦場では被弾する機会が多く、後部燃料タンクを主と副の２つに分ける対策が施された。前席中央に車載機銃を取り付けた武装型も作られている。参考：歴史群像6,’14、月刊PANZER8,’04、月刊丸7,’14、月刊航空ファン10,’15

＜九五式小型貨車＞：日本陸軍の小型トラック。全長3.32m、全幅1.58m、全高1.74m、自重1.03トン、全備重量1.75トン。エンジンはガソリン（総排気量1399cc）、最大速度70km、燃料搭載量55リットル、燃費はリッター6.7km。積載量0.5トン。乗員２名。参考：機甲入門

＜九五式小型乗用車＞：日本陸軍の４輪駆動車。全長3.56m、全幅1.5m、全高1.83m、自重1.05トン、全備重量1.3トン。エンジンはガソリン（総排気量1399cc）、最大速度70km、燃料搭載量40リットル、燃費はリッター8.3km。乗員３名（２名？）。エンジンが空冷式で、長時間運行するとオーバーヒートの危険があったため、四式小型貨車が開発された。参考：機甲入門、月刊航空ファン10,’15

＜九五式酸素魚雷＞：九五式魚雷シリーズを参照。

＜九五式酸素発生器＞：第２空気圧縮機を参照。

＜９５式自動歩槍シリーズ＞：中国軍のブルパップ式突撃銃。輸出型は97式自動歩槍と呼ばれる。香港返還時に駐留部隊が装備していたが、使い勝手が悪かったらしく、配備が完了しないうちに後継の03式自動歩槍が開発された。参考：月刊軍事研究5,’09、12,’09、月刊JGround　Vol.19

　＜９５式自動歩槍＞：フレームや弾倉はプラスチック製で、トリガーガード前部がフォアグリップを兼ねる。照準器は照星照門式なので、射撃精度はやや悪いが、ダットサイトを装着できる。全長746mm、銃身長463mm、重量3.25kg。1970年代末に開発した5.8mm×42弾を使用する。初速毎秒930-960m、有効射程400m、装甲貫徹力10mm（射距離300m）、発射速度毎分650発、バーストで毎分100発、セミオートで毎分40発。30発入りバナナマガジンを使用する。銃身命数10000発。参考：月刊軍事研究4,’12、5,’09、月刊JGround　Vol.19

　＜９５式自動小銃（カービンタイプ）＞：銃身を短縮したカービン型。ハンドガード部分を除去したような形状で、銃口にはAK-74S類似のフラッシュハイダーを装着した。特殊部隊が装備している。参考：月刊JGround　Vol.19

　＜９５式分隊支援機関銃＞：95式班用機槍を参照。

＜九五式射撃指揮統制装置＞：日本海軍の九六式二十五ミリ機銃用機械式見越し角計算装置。計算に時間が掛かる、時速380kmまでの航空機しか対応できないといった欠点があった。参考：月刊丸2,’12別冊付録

＜九五式重戦車＞：日本陸軍重戦車。イギリスのインディペンデント戦車を参考にして試製九一式重戦車を基に昭和7年12月から製作し、昭和9年9月に完成、昭和10年に制式採用された。主砲塔に九四式七糎戦車砲１門（100発）と九一式車載機銃１丁をかんざし式に搭載、前部左の砲塔に九四式三十七粍戦車砲１門（250発）、後部の小砲塔に九一式車載機銃１丁（計2940発）を装備する。装甲厚は車体前面35mm、側面30mm、後面25mm、上面12mm、砲塔前面30mm、側後面25mm、上面12mm。小型下部転輪片側９個、上部転輪片側４個、起動輪は後部、誘導輪は前部にある。全長6.47m、全幅2.7m、全高2.9m、自重26トン。エンジンは航空機用BMW液冷V6ガソリン（290馬力）、最大速度22km、燃料搭載量400リットル、航続距離110km。乗員５名（６名？）。九五式軽戦車の方が使い勝手が良かったので、４両しか製作されず、うち２両はジロ車などの試験車両として使用された。参考：月刊グランドパワー7,’02、日本の戦車と装甲車両、機甲入門

＜九五式重戦車ファミリー＞

　＜ジロ車＞：一〇糎加農砲を搭載したもの。三菱重工で製作されてテストされた。参考：月刊丸10,’97

＜九五式消函＞：日本陸軍の消毒器材。参考：工兵入門

＜九五式水上偵察機シリーズ＞：日本海軍水上偵察機、略符号E8N、連合軍コードはデイブ（Dave）。九〇式二号水上偵察機の後継として八試水上偵察機を川西と愛知に国産開発させたが、性能が悪かったため、予備的に中島に発注しておいたO2Uコルセア改造型を昭和10年9月に制式採用したものである。昭和10-15年に748機（755機？うち川西航空機ライセンス生産48機）が生産され、日華事変に投入されて偵察のみならず空対空戦闘や急降下爆撃なども行った。後継の零式水上観測機が基地航空隊に優先配備されたため、太平洋戦争開戦後も艦載されており、昭和17年後半に前線から退きはじめ、内地で訓練や連絡用に使用された。参考：歴史群像8,’17、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九五式水上偵察機＞：略符号E8N2。機体形状を洗練させ、重量増に合わせエンジンも強化、複葉陸上戦闘機相手にも十分戦える性能を持っていた。コクピットはタンデム複座の開放式。主翼は複葉で、軽い後退角が付いている。機体下にメインフロート、翼端下に補助フロートを持つ。搭載エンジンは寿二型改一／改二／改三の３種類あるが、海軍部内ではエンジンが違っても特に機名を変えず、全て九五式水上偵察機と呼んでいる。全長8.81m、全幅10.98m、全高3.8m、自重1390kg（1320kg？）、全備重量2050kg（1900kg？）。エンジンは寿二型改二（630馬力）単発、巡航速度185km、最大速度299km、実用上昇限度7270m、航続距離898km（全備時）／1815km（最大）。武装は7.7mm固定機銃１丁（機首）、7.7mm旋回機銃１丁。主翼下に30kg爆弾または60kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。参考：歴史群像8,’17、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、日本航空母艦史

＜九五式水上偵察機・海外シリーズ＞

　＜九五式水上偵察機（ドイツ海軍）＞：ドイツ海軍水上偵察機。特設巡洋艦オリオンが1940年3月30日にキール軍港を出港し、太平洋で任務に就いた際に、駐日ドイツ大使館の海軍武官の助言を受けて購入した１機をエミラウ環礁で積み込んだ。その後洋上偵察活動に従事して高い評価を得、1941年8月23日にボルドー港に帰った際に陸揚げされた。メーカーのNakajimaをドイツ語読みしたナカイーマというニックネームが付けられたという。参考：月刊丸3,’90、5,’13

＜九五式折畳機舟＞：日本陸軍の渡河器材で、九五式折畳舟に九五式軽操舟機を取り付けたものである。川幅が1kmを超える黒竜江を渡るために開発された。水上速力毎秒3m、航続時間６時間。九五式門橋材料を取り付けて門橋として使用することも可能であり、この場合は馬、野砲、野戦車両を乗せられる。これを装備する専用の部隊として独立工兵（戊）連隊が創設された。参考：工兵入門

＜九五式折畳舟＞：日本陸軍の渡河器材。九三式折畳舟の後継として昭和11年7月に制式化された。折畳方形舟と折畳尖形舟に分解でき、渡河地点の傍まで車両で運び、組み立てた後で８名が担いで渡河地点に持ち込む。九五式軽操舟機を取り付ければ九五式折畳機舟になる。全長7.4m、全幅1.5m、重量226kg、絶対浮力5280kg、実用浮力3000kg。乗員は作業工兵３名。武装歩兵１個分隊16名を乗せられる。分解した歩兵砲や山砲の搭載が可能。参考：工兵入門

＜九五式折畳舟門橋橋床＞：日本陸軍の渡河器材。昭和11年7月に制式化された。参考：工兵入門

＜９５式戦場防空車両＞：中国軍の対空ガン・ミサイルシステム、別名PGZ-95。1999年の軍事パレードに登場した。車体は装軌式で、下部転輪は片側６個。25mm連装対空機関砲左右１基ずつとQW2地対空ミサイル連装発射機左右１基ずつを備える砲塔を搭載している。砲塔後部に全天候捜索レーダー用ディッシュアンテナがあり、前部にLLLTVまたはFLIR、レーザー測距器があって追尾を行う。対空機関砲は有効射程2000m程度、発射速度４門計毎分3000発。本車６両及び６×６輪ミサイル補給車３両、大型対空捜索レーダー（探知距離45km）搭載装軌車両、６輪駆動トラックに小型シェルターを搭載したモニター検測車でシステムを構成する。高価なため、配備ペースは遅く、後継の04A型に切り替えられている。参考：月刊軍事研究4,’00、12,’99、6,’05、5,’07、2,’10

＜九五式戦闘機シリーズ＞：日本陸軍最後の複葉戦闘機、連合軍コードはペリー（Perry）。キ−５の開発が上手く行かなかったため、昭和9年9月に陸軍が川崎と中島に競争試作命令を出し、川崎ではキ−10として開発して昭和10年3月に初号機が初飛行、当初は木製プロペラだったが速度向上のため試作３号機から金属製３翅に変更するなど改良を加え、9月に中島のキ−11に勝って採用され、11月に制式化されて一型が300機、二型が280機生産された。ノモンハン事件では陸軍戦闘機隊における初戦果を記録したが、I-16戦闘機やSB爆撃機に速度で劣り、退役が早まった。ただし太平洋戦争開戦後も練習機として使用されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸9,’97、月刊航空ファン8,’16、11,’19

　＜九五式戦闘機一型＞：最初の量産型。エンジンはハ−９（720馬力）、プロペラは金属製固定ピッチ３翅（直径2.9m、ピッチ3.452m、重量78kg）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本陸軍戦闘機隊、月刊航空ファン11,’19

　＜九五式戦闘機二型＞：主翼と胴体を延長したタイプで、昭和12年6月から生産された。全長7.6m、全幅10m、全高3m、自重1360kg、全備重量1740kg。エンジンはハ−９�U甲（850馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ３翅（直径2.9m、ピッチ3.173m・24度55分、重量85kg）、最大速度400km、航続距離1100km。固定武装は7.7mm機銃２丁。乗員１名。日華事変ではSB爆撃機に振り切られることもあったため、85オクタンの燃料を92オクタンに変更して最大速度を420kmまで向上させた。それでも限界があり、単葉の九七式戦闘機が開発されることになった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像10,’08、月刊航空ファン11,’19

＜九五式戦闘機ファミリー＞

　＜キ−１０性能向上機第三案＞：後継機キ−28の不採用決定直後に川崎の土井技師が究極の複葉戦闘機を目指して自主設計したもの。エンジンをハ９�U型乙（950馬力）に換装し、ラジエーター、風防、降着装置を改良、支柱や張線などの取り付け部の干渉抵抗を減らした。翼面積23平方メートル。昭和12年11月に初号機が完成、２機が製作され、テストでは最大速度445kmを記録、旋回性能は九五式戦闘機のままで上昇時間はキ−28と同等という性能を発揮したが、速度400kmくらいで急横転すると複葉主翼の捻れ剛性不足からエルロンの振動を起こした。これが川崎最後の複葉戦闘機となっている。参考：月刊丸1,'17別冊

＜九五式装甲軌道車＞：日本陸軍の鉄道沿線警備用装甲車、別名ソキ車。開発は東京瓦斯電気工業及び三菱重工で、昭和9年にハ号軽戦車として試作車が完成し、昭和10年（昭和11年5月？）に制式化された。見た目は九四式軽装甲車と似ており、通常の走行は装軌式で行い、履帯の内側の２軸４輪軌道用車輪により鉄道レール（幅1000-1624mm）上を走行する。レール上から地面には40秒、地面からレール上には１分で移動可能。銃塔に固有の武装は無く、銃塔及び車体各部の銃眼から小銃を突き出して発射する。小銃弾を防御できる装甲を持つ。車体前後には連結器があり、小銃兵を乗せた九一式貨車を牽引することも可能。全長4.9m、全幅2.56m、全高2.54m、重量8.7トン。エンジンは６気筒空冷ガソリン（84馬力）、最大速度72km（軌道上）／30km（路上）。装甲厚4-8mm。乗員６名。値段は昭和17年度で98100円。三菱重工で昭和18年までに56両、日野重工業で65両の計121両が生産された。日華事変では鉄道第二連隊が装備して運用した。中国人民革命軍事博物館に展示されている。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、工兵入門、月刊丸3,’13、4,’13

＜九五式側車付自動二輪車＞：日本陸軍のサイドカー。全長2.65m、全幅1.8m、全高1.18m、自重500kg。最大速度82km、燃料容量20リットル。参考：機甲入門

＜九五式大空中聴音機＞：日本陸軍の器材。昭和11年6月に制式化された。参考：工兵入門

＜九五式大舟艇羅針盤＞：日本陸軍の羅針盤。底部直径210mm、高さ380mm。参考：工兵入門

＜九五式断崖攀登具＞：日本陸軍の特殊交通器材。昭和11年3月に制式化された。高さ30mの断崖の上に山砲を引き上げるための道具で、先頭攀登具（作業帯、背負嚢、岩鶴嘴、岩鉄槌、岩釘、ばね環、攀登足袋、確保索、長荷造綱）、鋼索梯子（長さ5mのもの４つ）、組立梯子（長さ5mのもの４つ）、起重機（分解式。吊り上げ能力150kg）、属品からなり、総重量456kg。まず2-3名１組の作業手が確保索でお互いを繋ぎ、5mずつ離れて断崖を登っていく。先頭作業手が他の作業手の補助を受けつつ崖の上に登ったら、先頭作業手は確保索を下に降ろし、これに梯子を括り付けてもらって引き上げ、断崖の上まで梯子を繋ぐ。完成したら起重機の部品を崖の上に運搬して組み立て、山砲などの兵装を持ち上げる。作業にかかる時間は、作業手の攀登に25分、鋼索梯子架設に７分、組立梯子架設に70分、起重機設置に37分の計140分。夜間でも訓練を積めば同じくらいの時間で作業を行える。参考：工兵入門

＜九五式鉄道牽引車＞：日本陸軍の工兵器材。日野重工業製。参考：工兵入門

＜九五式鉄道工作車＞：日本陸軍の鉄道器材。６輪トラックの荷台に各種工作器材を載せたもので、発電装置、ガス溶接切断機、電動鋸、電動ドリルなどを搭載した第一号車、万能旋盤、グラインダーなどを搭載した第二号車、人員11名や補助機材を搭載した第三号車からなる。参考：工兵入門

＜九五式鉄道力作車＞：日本陸軍の鉄道部隊用自走クレーン。走行装置は装軌式で、線路上も走れる。アーム長3m、吊り上げ能力３トン。日野重工業製。参考：工兵入門

＜九五式電信機＞：日本陸軍の有線通信器材で、昭和11年5月に制式化された。現字機や音響器の後継で、真空管発振器を使用して小型軽量に纏めてある。参考：工兵入門

＜九五式動力作井機＞：日本陸軍の深井戸掘り機で、利根ボーリングが開発した。６輪トラックの荷台に折り畳み式の掘進楼を搭載したもので、エンジンの動力を利用して地下80m以上まで掘削、井戸側管を挿入して一晩で井戸を完成させる。揚水には九七式空気圧縮車が作る圧縮空気を使う。作井給水隊に配備され、当初は作井と給水の両方を担当していたが、動力濾過器が開発されて地上の生水が使えるようになると給水の任務を衛生隊に譲り、作井のみを行うようになった。ちなみに地下水が無いと掘っても水が出ないが、地下水探知器の開発には失敗した。参考：工兵入門

＜九五式動力揚水機＞：日本陸軍の作井給水器材。参考：工兵入門

＜九五式爆雷シリーズ＞：日本海軍の爆雷。参考：小艦艇入門

＜九五式爆雷＞：九一式爆雷の調定深度を30mまたは60mにしたもの。参考：小艦艇入門、日本駆逐艦史

＜九五式爆雷一型＞：九五式爆雷の最大調定深度を90mにしたもの。参考：月刊丸5,’07

＜九五式破甲小弾底信管＞：日本陸軍の弾底信管で、九五式破甲榴弾に使用されている。参考：大砲入門

＜九五式破甲大弾底信管＞：日本陸軍の弾底信管で、九五式破甲榴弾に使用されている。参考：大砲入門

＜九五式破甲中弾底信管＞：日本陸軍の弾底信管で、九五式破甲榴弾に使用されている。参考：大砲入門

＜九五式破甲榴弾弾薬筒＞：日本陸軍75mm徹甲榴弾。信管は九五式破甲小弾底信管で、炸薬は黄那薬。全長451.4mm、口径75mm、弾量6.21kg、弾薬重量7.3kg。20mm鋼板の貫通限界は3000m。三八式野砲、改造三八式野砲、四一式騎砲、四一式山砲、八八式七糎野戦高射砲、九〇式野砲、九四式山砲、九五式野砲に使用できる。参考：月刊丸5,’13

＜九五式発射管＞：日本海軍の潜水艦用魚雷発射管。八八式の改良型で、発射には圧縮空気を使用し、ピストンの代わりに発射管内に逆止弁を設けて発射時の空気漏出を防いだ。発射可能深度40m。急速潜航時に調整タンクの中身を浮力タンクに移す必要があり、これを忘れると潜航中に気泡が艦外に漏れて位置を暴露するという欠点があった。海大六型ｂ以降の潜水艦に装備された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像2,’05

＜９５式班用機槍＞：中国軍の分隊機関銃。95式自動歩槍の銃身を肉厚にしてバイポッドを取り付けたものである。全長840mm、重量3.95kg（弾倉無し）。使用弾は5.8mm×42弾、初速毎秒970m。75発入りドラム弾倉を使用する。参考：月刊軍事研究5,’09、月刊JGround　Vol.19

＜九五式物料検知器＞：日本陸軍の化学戦闘器材。参考：工兵入門

＜九五式望遠写真機＞：日本陸軍のカメラ。参考：工兵入門

＜九五式防毒面＞：日本陸軍の防毒面。参考：工兵入門

＜九五式枕木鑽孔機＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九五式門橋橋床＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜九五式野戦力作車＞：日本陸軍の工兵車両、別名リキ。戦場での橋梁修理、障害物除去などに使用される。装軌車体の後部に容量３トンのジブ・クレーン（ブーム長4.5m）を搭載している。武装は無い。日野重工製。値段は昭和17年度で106090円。13両が生産された。参考：月刊PANZER9,’05、工兵入門、日本戦車隊戦史

＜九五式野砲＞：日本陸軍75mm野砲。機動九〇式野砲が重くて機械化砲兵でしか運用できなかったため、軽量型として昭和8年に試作砲が完成、昭和12年10月に仮制式となった。砲架を改良し、砲身を短縮、砲口制退機を撤去したもので、機動九〇式野砲の砲身命数が短いという欠点は最大射程を短縮して解決を図っている。口径75mm、放列砲車重量1.114トン。俯仰角はマイナス８度からプラス43度、初速毎秒520m、最大射程10700m。使用弾は九八式榴弾など。参考：月刊丸10,’93、日本の戦車と装甲車両、大砲入門

＜九五式力作車＞：日本陸軍の機力器材。装軌車体の後部にブーム長4.5mのクレーンを搭載したもので、野外での重量物作業に使用する。下部転輪は片側８枚で、２枚ずつボギーに取り付けられている。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側２枚。全長5.62m、車体長3.99m、全高2.279m（クレーン折り畳み時）、車体高1.6m、全備重量7.8トン。行動時間10時間。九五式野戦力作車と同じ？参考：工兵入門

＜九五式陸上攻撃機＞：日本海軍陸上攻撃機、略符号G2H1。日本海軍初の陸攻であり、九六式陸攻（中攻）が実用化されると、区別のために大攻と呼ばれるようになった。山本五十六海軍航空本部技術部長（当時）の発案により広廠が開発し、昭和8年3月に試作機の七試陸上攻撃機（七試大攻）が完成、5月に初飛行した。胴体はモノコック構造で、ワグナー式張力場梁箱形主桁を使用した大型の単葉主翼を持つ。補助翼はユンカース式二重補助翼である。胴体下面には引き込み式の銃座がある。垂直尾翼は双尾翼。全長20.15m、全幅31.68m、全備重量11000kg。エンジンは双発、最大速度235km。爆弾2000kg（一〇〇〇瓩爆弾なら２発、250kg爆弾なら６発、60kg爆弾なら20発）または魚雷２本を搭載できる。昭和10年に制式採用されたが、エンジン整備に手間がかかる、尾翼の強度が不足している、急降下などで速度が150ノットを超えると補助翼がフラッターを起こすなどの欠点があり、テストを行った横須賀航空隊では馬鹿烏などというニックネームを冠され、８機しか生産されなかった。搭載される筈だった一〇〇〇瓩爆弾も結局開発中止となっている。生産機は横須賀航空隊でテストを受け、昭和11年9月の北海事件では台湾塀東基地に展開した。日華事変勃発で６機が木更津空に実戦配備されて昭和12年9月14日に済州島に移され、上海戦線後方の爆撃任務を行い活躍したが、10月24日に整備中に１機のエンジン起動用ガレリーが火を噴いて爆発する事故を起こし、他の４機も誘爆して失われた。残る１機に横須賀空から追加された２機を加えて王濱飛行場に移動し、12月中旬の南京占領まで実戦任務を続けている。参考：月刊丸1,’77、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン3,’17、日本海軍の爆弾、歴史群像8,’15

＜九五式練習機シリーズ＞：九五式一型練習機シリーズを参照。

＜９６＞：イギリス海軍ロンドン級重巡洋艦サセックス（Sussex）。1929年竣工。1950年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜９６Ｋ６＞：パンツィールS1（自走地対空ガン・ミサイルシステム）を参照。

＜９６Ｌ６Ｅ＞：S-300PMU2地対空ミサイルシステム用三次元捜索レーダー、NATOコードはチーズ・ボード。装輪車両に薄い直方体のレーダーアンテナを搭載する。探知距離300km、同時追尾目標数300。参考：月刊軍事研究6,’14

＜九六式三号乙無線機＞：日本軍の無線通信器材。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜九六式四瓩演習爆弾＞：日本陸軍の演習用爆弾。弾殻には鉄屑をモルタルにして固めたものを使用し、内部に四塩化チタンを収容している。参考：日本海軍の爆弾

＜九六式七号無線機＞：日本陸軍の無線通信器材。参考：工兵入門

＜九六式十五糎加農砲＞：日本陸軍のカノン砲。八九式十五糎加農砲の後継で、最大射程は26200mに延び、野砲としての他、攻城砲や沿岸砲としての使用もできる多目的砲だった。閉鎖機は隔螺式石綿塞環様式。後座長1m。砲身命数300発で、内筒交換式である。口径149.1mm、放列砲車重量30トン、俯仰角マイナス７度からプラス45度、射界左右60度ずつまたは全周旋回可能。使用弾は九五式破甲榴弾と九六式尖鋭弾で、初速毎秒860m、最大射程26200m。参考：大砲入門、月刊PANZER5,’81

＜九六式十五糎榴弾砲＞：日本陸軍の牽引式149.1mm榴弾砲。四年式十五糎榴弾砲の後継となる、自動車牽引及び馬匹牽引可能な最大射程12kmの砲として要求が出され、昭和8年末から開発したが、重量軽減に失敗し、馬での牽引は諦めて昭和13年5月に仮制式化され、日華事変に８門がテストを兼ねて実戦投入された。駐鋤は打ち込み式で、左右３枚ずつ用意されている。口径149.1mm、砲身長24口径、放列砲車重量4140kg。俯仰角マイナス５度からプラス65度、旋回角プラスマイナス15度。後座長は1mで、最大仰角では砲尾がぶつからないように地面を掘り込む必要がある。使用弾は九二式榴弾（弾量36kg、炸薬量7.67kg、威力半径36m）、九二式尖鋭弾（弾量36.0kg、炸薬量6.15kg、威力半径32m）、九五式破甲榴弾（重量31.1kg）で、砲口初速毎秒540m、最大射程11900m、発射速度毎分６発（最大）／毎時45発（持続）。四年式十五糎榴弾砲の弾丸も使用でき、弾帯を交換すれば九二式一〇糎加農の弾丸も撃てる。また、試製三式水中弾も製作された。九八式六屯牽引車で牽引される。440門が生産され、野戦重砲兵連隊に配備された。本砲の配備に伴い、十五榴部隊は馬匹編成から自動車部隊に改編されている。砲弾が重いので、日本人の体格では装填が大変で、コレヒドール島攻略ではマラリアにより砲側装填手が足らなくなり、４門斉射ができなかったという。沖縄戦ではアメリカ軍司令官バックナー中将を戦死させた。野戦重砲兵第27連隊ではタイヤを空気入りに換装し、改良九六式十五糎榴弾砲と称して使用している。参考：月刊軍事研究11,’02、大砲入門、月刊丸5,’07

＜九六式二十四糎榴弾砲＞：日本陸軍の榴弾砲。青島攻略戦で四五式二十四糎榴弾砲が高い威力を発揮したため、より軽量で射程が長く、砲の設置も容易な改良型として開発されたものである。砲床を設置するのに地面を掘り込まなくても済む（水平地ならしと杭打ちは必要だが）ように二重後座方式（揺架が1m後座し、砲身と揺架を載せている小架が1.5m後座する）を採用して後座抗力を減少させ、平衡機に空気圧式を採用して砲身俯仰能力を改善している。昭和11年に試射が行われ、小改良を経て制式化された。口径240mm、放列砲車重量37.562トン。俯仰角は0-65度、射界は左右60度ずつまたは全周旋回可能。使用弾は九六式破甲榴弾と二式曳火榴弾で、弾量185kg、初速毎秒530m、最大射程16km。輸送時には分解して四屯積被牽引車４両（砲身車、小架車、砲架車、砲床車）に載せ、２両ずつ繋げて九五式一三屯牽引車で引っ張る。分解に３時間、組み立てに４時間かかる。実射テスト中に日華事変に突入したため、試験中の１門がそのまま独立重攻城重砲兵中隊に配備され、実戦投入されて北支の正定攻撃に参加。その後南京攻略戦にも投入され、土嚢で守られた中山門の鉄扉を貫通して突撃路を作った。太平洋戦争では独立重砲兵第２中隊に配備され、フィリピン攻略戦に参加、ゲーリー砲台の弾薬庫に命中弾を送り込んで誘爆させ、配置されていた30センチ砲８門ごと砲台を破壊した。参考：月刊丸11,’09、月刊PANZER5,’81、大砲入門、日本戦車隊戦史

＜九六式二五ミリ機銃＞：日本海軍の高射機関砲で、単装、連装、３連装がある。留式7.7mm機銃の後継として毘式40mm機銃、オチキス社製25mm機銃、横須賀海軍工廠開発の試製九四式25mm機銃を比較した結果、オチキス社製25mm機銃を導入することになり、当初は輸入していたが、昭和10年にライセンス製造権を獲得したのに伴い、昭和11年にこの制式名称を付けた。各種艦艇の他、陸上陣地にも設置され、対装甲車用としても使用された。銃身には空冷フィンが多数装着されており、銃口にはフラッシュハイダーを持つ。銃身左の射手席前方に俯仰装置と測距装置、右の旋回手席前方に旋回装置があり、発射は射手がペダルで行う。銃身長1.505m、全幅1.816m（３連装）、重量2.42トン（３連装）。作動はガス圧式。全周旋回可能で、俯仰角マイナス10度からプラス90度。発射速度毎分190発（１門あたり）、有効射程3000m（実際には1500m程度だったらしい）、有効射高1400m、照準可能敵機速度400km。単装はリングサイトのみだが、連装及び３連装には高射算定具が装着されており、射手席と旋回手席の照準眼鏡に自動的に見越し照準点を示す。使用弾は曳光榴弾（重量243g・初速毎秒870m）、曳光焼夷弾、徹甲弾の３種で、箱型弾倉に収容されており、単装で2600発、３連装で7000発を砲側に用意した。１門あたり装填員２名が配員され、空になった弾倉の交換の他、甲板に散らばった空薬莢の掃除、撃針交換、銃身冷却（防火用水の水を直接かけるか、水に濡らした雑布を当てる）などを担当した。九五式機銃射撃装置での遠隔照準射撃が可能で、遠隔操作ができない場合には射手の後ろにいる銃側指揮官の指示で目標を各個射撃する。太平洋戦争時の主力艦載高射機関砲で、32380門（33000門以上？）が生産された。俯仰旋回能力は戦時中の航空機に対して十分だったが、ボフォース40mm機関砲などに比べると威力と射程に劣り127mm空対地ロケット弾にアウトレンジされ、高速機に対応した射撃統制装置も開発されなかった。海軍が借用した鋼板の代わりに単装及び連装型（リングサイト装備）を陸軍に譲り渡しており、昭和19-20年に200-300門が引き渡され、更に4000門を譲渡する予定だった。参考：月刊戦車マガジン11,’92、戦艦入門、図解日本の空母、月刊世界の艦船5,’11、6,’16、月刊丸8,’11、2,’12別冊付録

＜九六式３０．５ｃｍ臼砲＞：日本陸軍の臼砲。第１次上海事変で初陣を飾ったが、射程が3100mしかなく、砲が大型のため隠蔽も困難で、要員200名で射撃したものの、迫撃砲の反撃を受けて20名が死傷してしまった。参考：月刊戦車マガジン10,’78

＜９６式４０ｍｍ演習てき弾＞：陸上自衛隊の96式車載40mm自動てき弾銃用弾薬。ダイキン工業製で、1996年12月に制式化された。30-60m飛翔すると信管がアクティブになり、着弾すると赤い煙を発する。参考：月刊グランドパワー10,’04、月刊軍事研究5,’08

＜９６式４０ｍｍ対人対軽装甲てき弾＞：陸上自衛隊の96式車載40mm自動てき弾銃用弾薬（HEAT-MP）。ダイキン工業製で、1996年12月に制式化された。全長112mm、弾頭部全長77mm、重量371g、弾頭重量245g。砲口初速毎秒235m、最大有効射程1500m。30-60m飛翔後に信管がアクティブになる。参考：月刊グランドパワー10,’04

＜９６式ＭＰＭＳ＞：96式多目的対戦車誘導弾システムを参照。

＜九六式馬防毒面＞：日本陸軍の馬用ガスマスク。参考：工兵入門

＜九六式瓦斯試臭器＞：日本陸軍の化学戦闘器材。参考：工兵入門

＜九六式眼鏡照準具＞：日本陸軍の九二式重機関銃用照準眼鏡で、最初は九二式重機関銃眼鏡照準具と呼ばれた。倍率４度、視野10度。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九六式艦上攻撃機＞：日本海軍最後の複葉艦攻、略符号B4Y1、連合軍コードはジーン（Jean）。一三式艦攻の後継として昭和9年2月から三菱と中島に九試艦攻を開発させたが、性能不足だったため、予備として空技廠が開発していたものを昭和11年11月に採用した。全長10.2m、全幅15m、全高4.4m、全備重量3600kg。エンジンは光二型（840馬力）単発、最大速度278km、航続距離1570km。武装は7.7mm固定機銃１丁と7.7mm旋回機銃１丁。800kg魚雷または爆弾500kgを搭載できる。乗員３名。約200機が生産された。翌年に採用された九七式によりすぐに旧式化したが、ミッドウェイ海戦でも対潜哨戒用として鳳翔に搭載されていた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸8,’87、2,’12別冊付録、日本航空母艦史

＜九六式艦上戦闘機シリーズ＞：日本海軍の艦上戦闘機、略符号A5M、連合軍コードはクロード（Claude）。日本海軍初の単葉戦闘機である。三菱と中島が競作して三菱製のものが制式採用された。日華事変勃発時には第２連合航空隊第13航空隊に６機が配備されていたのみで、昭和12年9月10日から上海公大飛行場での実戦運用（この時点での配備機数は第13航空隊12機と加賀戦闘機隊６機）が始まっている。昭和12年9月19日が実戦初出撃で、迎撃に上がったP26、ホーク�U、ホーク�Vなどを蹴散らした。昭和15年までに各型計1000機が生産された。昭和16年半ば頃から零戦と交替し、九六式四号艦上戦闘機しか使用されなくなった太平洋戦争時には制式名が単に九六式艦上戦闘機とされ、鳳翔や瑞鳳などは昭和17年4月頃まで使用していた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、零式艦上戦闘機、図解日本の空母、月刊丸2,’12別冊付録、月刊航空ファン3,’17、月刊JWings1,’19

　＜九試単座戦闘機（三菱）＞：三菱製の試作機。艦上戦闘機に偵察・爆撃も可能な複座戦闘機の計画（八試複座戦闘機）が出来たことから、区別のため「単座戦闘機」となっている。要求では速力（190ノット以上）と上昇力に主眼が置かれており、七試艦上戦闘機の反省を基に堀越二郎技師が開発した。空気抵抗を減らすため、金属製薄翼の低翼単葉片持ち翼（日本軍初の単葉機で、艦上機としては世界初でもある）とし、世界で初めて沈頭鋲を使用した。エンジンは海軍の要求に従い中島製寿五型（減速器付き）とし、胴体を絞り込んでいる。引き込み脚はカーチスの胴体内引き込み式しか特許を持っていなかったので、細い胴体に引き込むのが無理として諦めた。代わりに逆ガル翼を採用して脚長を短縮し、車輪も小型化している。昭和10年2月4日（3日？）の初飛行で要求速度を100km上回る時速451kmを出したが、後に急降下からの引き起こしに失敗して墜落。２号機は逆ガル翼でなく通常の主翼（楕円テーパー翼）としたが、エンジンの減速器が不調で数時間しか持たないため別のエンジンを積まなければならなくなり、性能不足に陥ってしまい、更なる改造やフラップの採用、主翼捩り下げ追加（12号機でテストして37号機から標準装備。翼小骨ごとに10分、翼端付近で２度40分）などで解決した。試験飛行で優秀な成績を収めたため、ド・ボアチンD-510以外の外国機の発注を全て取り消し、昭和11年11月19日に九六式艦上戦闘機として採用した。参考：零式艦上戦闘機、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本海軍戦闘機隊、日本航空母艦史、月刊丸2,’12、3,'18別冊

　＜九六式一号艦上戦闘機＞：量産型、略符号A5M1。寿五型の減速器の開発に失敗し、後継の寿三型が完成するまで時間が掛かるので、エンジンとして取り敢えず直結式の寿二型改一を積んだものである。主翼は低翼配置、ワグナー張力場式二本桁ボックス構造の楕円テーパー翼で、主翼前縁に捩り下げが付く。当初は全周を覆うキャノピーが装備されていたが、パイロットの視界を妨げるという意見が出て風防のみになった。九試単戦のテストでローリング不安定が指摘されたため、ドーサルフィンを追加している。全長7.71m、全幅11.0m、全備重量1500kg。エンジンは寿二型改一（460馬力・471kW）単発、最大速度219ノット、航続時間３時間。固定武装は毘式／九七式7.7mm固定機銃２丁。乗員１名。エンジン出力不足で上昇性能が悪い、発艦距離が長いといった欠点があり、本来のエンジンが完成するまで時間が掛かるので、ついでに部隊配備で判明した機体の欠点にも大改良を施すことにして九六式二号艦上戦闘機二型に進んだ。また、九六式二号艦戦二型の開発の目途が付いた時点で製造ラインに並んでいた九六式一号艦戦には寿三型エンジンを積むことになり、こちらは九六式二号艦上戦闘機一型と呼ばれた。参考：零式艦上戦闘機、月刊丸3,'18別冊、10,’93、日本航空母艦史、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像4,’17、月刊世界の艦船3,'21

　＜九六式一号艦上戦闘機改＞：略符号A5M1a。両主翼に20mm機関砲エリコンFF20を１門ずつ搭載した試験型で、当初は九六式艦上戦闘機二型と呼ばれた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊

　＜九六式二号艦上戦闘機一型＞：略符号A5M2a。九六式二号艦戦二型の開発の目途が付いた段階で製造ラインに並んでいた九六式一号艦戦のエンジンを寿三型（600馬力）に換装したもので、機体自体は九六式一号艦戦と同じである。プロペラは金属製３翅SS-2D、直径2.98m。降着装置はスパッツ付き固定脚で、主輪は500×125mm。胴体下面に160リットル入り一体化型（スリッパ型）落下増槽を装着できる。参考：月刊丸3,'18別冊、図解世界の軍用機史、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本海軍戦闘機隊、月刊JWings1,’19

　＜九六式二号艦上戦闘機二型＞：略符号A5M2b。エンジンを寿三型（671kW）に換え、機体にも部隊運用に基づく改造を加えたタイプで、大規模改修を加えたため九六式二号艦上戦闘機という名称で開発され、九六式一号艦戦に寿三型エンジンを積んだタイプ（九六式二号艦上戦闘機一型）を生産することが決まると、後ろに二型が付いて九六式二号艦上戦闘機二型になった。九六式一号艦戦を運用した結果、胴体が細すぎて編隊行動に必要な無線を積めない、NACAカウリングの性能が良すぎてエンジンが過冷却になる、主脚が脆く前線基地に着陸しただけで折れる（昭和12年9月に上海に展開した第13航空隊で11機が損傷した）といった欠点があったため、これらの解決を図っている。エンジン換装に合わせカウリングも変更してカウルフラップを付け、胴体も太くし、密閉キャノピーを採用した。プロペラは住友ハミルトンSS-20金属製３翅、直径2.98m。主輪は650×125mmに大型化した。胴体下面に160リットル入りポッド型落下増槽を搭載できる。最大速度428km。アクリルガラスが濁っていて視界が悪く、最大速度もさほど上昇しなかったため、後期型では開放式キャノピーにされている。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史、月刊世界の艦船3,'21

　＜九六式三号艦上戦闘機＞：略符号A5M3a。エンジンをフランスから輸入したイスパノスイザ12×crs（12CRX？）水冷に変更し、モーターカノンを搭載した試験型で、当初は九六式艦上戦闘機三型と呼ばれた。運動性が悪いこと、エンジン量産に不安があったことから採用されなかった。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊

　＜九六式四号艦上戦闘機＞：略符号A5M4。エンジンを寿四型（寿四一型？）に換装したもので、最も多く生産された。コクピットは風防のみの開放型である。九六式空一号無線機を搭載する。全長7.565m（7.581m？）、全幅11.044m、全高3.23m、自重1262.5kg、全備重量1707kg（正規）／1839.6kg（過荷時）。エンジンは寿四型空冷星型９気筒レシプロ（離昇出力785馬力、公称出力680馬力。離昇出力710馬力、公称一速758馬力？）単発、最大速度433km、実用上昇限度9800m、上昇力高度3000mまで３分35秒、航続距離1120km（正規）／1652kg（過荷時）、航続時間３時間。固定武装は7.7mm固定機銃２丁。30kg爆弾２発を搭載できる。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史、日本航空母艦史、月刊丸1,’15別冊、3,'18別冊、月刊JWings1,’19

＜九六式艦上戦闘機ファミリー＞

　＜二式練習用戦闘機＞：複座練習機型、略符号A5M4-K。戦闘機パイロット予定者向けで、九六式四号艦上戦闘機をベースとしており、昭和15年に十五試練習用戦闘機として計画を開始し、昭和16年に渡邊鉄工所に発注、昭和17年12月23日に制式化された。コクピットをタンデム複座に変更し、後部胴体側面にストレーキを追加して安定性を確保、主輪カバーを廃止した。全長7.58m、全幅11.04m、全高3.35m。エンジンは中島製寿四一型（離昇出力710馬力）。武装は無い。乗員２名。制式化された時には既に零戦の時代で、直後に零戦ベースの零式練習戦闘機が採用されたため、30機弱しか生産されなかった。参考：月刊丸3,’18別冊、丸メカニック別冊１

　＜九六式練習用戦闘機＞：既存の九六式四号艦上戦闘機を練習機に改造したもので、昭和17年7月1日に制式採用された。参考：丸メカニック別冊１

＜九六式艦上爆撃機＞：日本海軍艦上爆撃機、略符号D1A2、連合軍コードはスージー（Susie）。九四式艦爆の改良型として愛知航空機が開発し、昭和11年11月に採用された。エンジンを光一型に換装、カウリング形状を抵抗の少ないものとし、主脚にスパッツを装着、後部座席の風防を大型化した。胴体は骨組みが木金混合、前部が金属パネル、後部が羽布張り。複葉の主翼は金属骨組み羽布張りで、後方に折り畳める。燃料タンクは容量565リットルの大燃料タンク、145リットルの小燃料タンク、160リットルの補助タンク、40リットルの洗浄タンクの４つが用意されている。使用燃料は87オクタンのガソリン。全長9.36m、全幅11.395m、全高3.53m（３点姿勢）、自重1775kg、全備重量2800kg、最大重量2900kg。エンジンは中島製光一型（670馬力）単発、プロペラはSS-5金属製固定ピッチ、巡航速度222km、最大速度309km、急降下制限速度537km、実用上昇限度6980m、航続距離925km。固定武装は7.7mm固定機銃２丁（各400発）、九二式七粍七旋回機銃１丁（97発入り弾倉４個）。150-250kg爆弾１発、30kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。試作機１機を含め昭和15年までに428機を生産した。昭和13年頃から空母に搭載され、日華事変で250kg爆弾による精密急降下爆撃を繰り返し、戦果を上げた。参考：月刊航空情報10,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解日本の空母、日本航空母艦史

＜九六式魚雷＞：日本海軍の潜水艦用魚雷。九五式が複雑で整備や生産性に劣るために開発されたもので、純酸素の代わりに酸素濃度を38%に増やした空気を使う。300本が生産され、巡潜型などに搭載されて昭和19年末頃まで使用された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九六式空三号無線機＞：日本海軍の航空機用無線機で、部隊間通信に使用する。九六式陸攻に搭載された。参考：月刊航空ファン6,’18

＜九六式空四号無線機＞：日本海軍の航空機用無線機で、作戦電波受信に使用する。九六式陸攻に搭載された。参考：月刊航空ファン6,’18

＜九六式軽機関銃＞：日本陸軍の軽機関銃。十一年式軽機関銃が黄砂に弱くジャミングを起こしまくったため、改良型として昭和7年から開発され、昭和11年（皇紀2096年）に採用されたが、更に改良を加えて昭和13年に制式化された。外見はZB26軽機関銃に似ていて、銃身には空冷用のフィンが螺旋状に刻まれており、後端に固定式キャリング・ハンドルが付く。照準器は銃の左側面に装着され、照門はピープ・サイトである。また、機関部後端に光学式照準器を装備することも可能。着剣装置も付いており、銃剣突撃まで検討されていたようである。実戦では分隊支援火器として使用されており、汎用機関銃を意図したものではないが、三脚上での運用も考慮されていた。全長1.07m、銃身長0.55m、重量8.7kg。使用弾は6.5mm実包で、当初は三八式歩兵銃との共用を考えていたが、命中精度を考えて弱装弾に換えたため、それができなくなってしまった。航空機用機関銃もそうだが、物資の無い日本軍が共通性の無い弾薬を使用するというのも…。初速毎秒735m、最大射程4000m。作動はガス圧式、発射速度毎分250-550発。給弾は30発入りバナナマガジンで、機関部の上から差し込む。マガジン内に潤滑油を入れていたので、寒い所では凍り付いて作動不能になることがあった。参考：月刊PANZER4,’02、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、日本陸軍兵器資料集

＜九六式軽防毒具＞：日本陸軍の防毒具。参考：工兵入門

＜九六式軽防毒面＞：日本陸軍のガスマスク。参考：工兵入門

＜九六式牽引自動貨車＞：日本陸軍の八八式七糎野戦高射砲牽引用６輪トラック。九二式牽引自動貨車の後継として九四式六輪自動貨車をベースに開発され、昭和12年に制式採用された。ボディを鋼板でカバー、荷台も強化して被弾に耐えられるようにし、車軸間距離を0.3m延長して専用の後部車体（オープントップで、砲要員が乗る）を載せ、ウインチを装着している。また、牽引力増大のため副変速機を設けた。後部荷台には兵員用座席があり、その下が雑具入れになっていて、荷台側面に３枚の扉が用意されている。全長5.75m、全幅1.93m、全高2.6m、自重3.8トン。エンジンはガソリン（75馬力）、最大速度60km。積載量1.5トン、牽引力2.8トン。乗員は運転手と助手を含め15名。後に統制型ディーゼル（85馬力）を搭載した乙型が登場し、従来のガソリンエンジン搭載型は甲型と呼ばれるようになった。参考：月刊PANZER9,’10、機甲入門、月刊丸12,’11

＜九六式小型水上偵察機＞：日本海軍の潜水艦搭載用小型水偵、略符号E9W1、連合軍コードはスリム（Slim）。九一式水上偵察機の後継として開発され、昭和11年に制式化された。呉式一号射出機四型の能力一杯で作られている。浮上してから発進するまでにかかる時間は、海面状態などが良好なら30分以内、悪ければ50分近くになる。全長8m、全幅10m、全高3.7m、自重880kg、全備重量1250kg。エンジンは天風一一型空冷星形９気筒（340馬力）単発、巡航速度148km、最大速度232km、実用上昇限度4640m、航続時間4.9時間。固定武装は7.7mm旋回機銃１丁。無線機は九六式空一号無線電話機。乗員２名。量産型32機が生産され、昭和12年から配備されて太平洋戦争初期まで使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜９６式自走１２０ｍｍ迫撃砲＞：陸上自衛隊の自走迫撃砲、略称120MSP、愛称ゴッドハンマー。60式自走107mm迫撃砲の後継として1994年から日立製作所で開発され、1996年に制式化された。92式地雷原処理車と共通の機関系・足周りのコンポーネントが用いられ、車体前部右側に操縦手席、その後ろに車長席（砲班長席）があり、それぞれにペリスコープ付きハッチが設けられている。車体前部左側にエンジンを搭載。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前方、誘導輪（転輪とは形状が異なる）は非接地で後方にあり、上部転輪は無い。サスペンションはトーションバー式。車体上部中央に円形ハッチがあり、防楯付き12.7mm機銃M2を装備する。車体後部に120mm迫撃砲RTが搭載されており、射撃の際は車体後部を大きく開放する。また、迫撃砲発射の際は装填手デッキをエレベーター式に上昇させて装填を容易にする。旋回角は左右45度（800ミル）ずつ。最大射程8100m（通常弾）／13000m（RAP）、最大発射速度15-20発。車内に弾薬50発を搭載できる。全長6.7m、全幅2.99m、全高2.95m、全備重量23.5トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製8V-71T空冷Ｖ型８気筒２ストロークディーゼル（411馬力）、トランスミッションは日立製作所製トルクコンバーター付オートマチック（前進４段・後進１段）、最大速度50km（41km？）、航続距離300km以上。乗員５名。もともと展開能力の高い120mm迫撃砲RTを自走化させることにどれだけの効果があるかは疑問で（フランスでは注目されたらしいが）、調達も進まず、第７師団第11普通科連隊重迫撃砲中隊のみに全24両が配備（第３普通科連隊にも配備する予定だったが、装輪装甲車化されて、ただの牽引式RT装備になってしまった）されており、教育部隊にも配備されていない。生産は車体が日立製作所、迫撃砲が日本製鋼所、その他が豊和工業。価格は2002年度予算で１両２億2000万円と、120mm迫撃砲RT（2400万円）＋高機動車（640万円）よりも遙かに高い。参考：月刊JWings10,’02、月刊PANZER5,’03、11,’99、3,’10、月刊丸3,’01、世界の軍用車両(2)、JGround Vol.11、月刊軍事研究7,’99、スピアヘッドNo.6、No.7、No.8

＜９６式自走１２０ｍｍ迫撃砲用鉄履帯＞：自衛隊の履帯。日立製作所製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜９６式自走多連装ロケット砲＞：A100を参照。

＜九六式輜重車＞：日本陸軍の輜重隊用荷車。全長4.57m、車輪中径1.2m、空車重量280kg、全備重量780kg。牽引速度4.5-7km。参考：機甲入門

＜９６式車載４０ｍｍ自動てき弾銃＞：陸上自衛隊の自動擲弾発射機。96式装輪装甲車への車載用だが、降ろして三脚架に載せ使用することもできる。照準用ゲージには300-1300mの射撃距離が100mごとに刻まれている。防楯は無い。豊和工業製。全長975mm、銃身長454mm、重量24.5kg。使用弾は96式40mm対人・対軽装甲てき弾または96式40mm演習てき弾で、初速毎秒235m。作動方式はブローフォワード（ブローバック？）、単射と連射が可能で、給弾は50発ベルトリンク、弾倉は箱形。発射速度毎分250-350発。最小射程が比較的長いのと、点制圧能力に欠けるため、あまり使い勝手が良くないらしい。参考：月刊グランドパワー10,’04、スピアヘッドNo.7、月刊PANZER7,’02、月刊軍事研究11,’98、自衛隊図鑑2002

＜九六式重迫撃砲＞：日本陸軍305mm迫撃砲。放列砲車重量19.578トン、俯仰角はマイナス1.5度からプラス75度、射界は120度または360度。使用弾は八八式破甲榴弾または試製榴弾で、弾量400kg、初速毎秒195m、最大射程3600m。砲身車と砲床車に分解して九五式十三屯牽引車で輸送する。１門が生産され、日華事変初期に上海で使用された。参考：大砲入門、コンバット・バイブル２、日本戦車隊戦史

＜九六式消毒包＞：日本陸軍の対毒ガス（びらん剤）用個人用消毒機材。クロルアミンＴが含まれており、迅速な皮膚消毒が可能とされる。昭和14年に制式化された。参考：月刊PANZER9,’03

＜九六式斥候検知器＞：日本陸軍の化学検知器材。参考：工兵入門

＜九六式斥候探知器＞：日本陸軍の化学戦闘器材。参考：工兵入門

＜９６式戦車シリーズ＞：中国陸軍主力戦車、中国軍名称96式主戦担克、メーカー名称はWZ122H。1990年代後半から2007年までに1800両（2009年までで1500両？）が生産されている。99G式とハイローミックスを形成するらしい。参考：月刊軍事研究12,’09、5,’07、1,’17、月刊丸10,’10

　＜９６式戦車＞：88C式戦車を参照。

　＜９６Ａ式戦車＞：名称は96G式という説もあるが、どちらが本当なのかは不明。ZTZ-98Aという名称も付けられている。車体前上面に爆発性反応装甲、砲塔前面に楔形増加装甲を追加した。砲塔は99G式とほぼ同じ形状となったが、車体長はかなり短く、下部転輪数は99G式と同じ片側６組ではあるものの、間隔が寸詰まりになっている。主砲は48口径120mm滑腔砲2A46。FCSはIFCS-212で、弾道コンピュータ、レーザー測距器、砲二軸安定化装置、赤外線暗視装置付き照準器、環境センサーなどを統合している。戦闘重量は43トンに増えたが、エンジンを12気筒水冷ディーゼル（1000馬力）に換装し、最大速度が65kmになった。参考：月刊軍事研究12,’09、6,’07、月刊PANZER5,’10

　＜９６Ｂ式戦車＞：VT-4輸出用戦車と同じエンジン（1200馬力水冷）と排気装置を搭載し、サスペンションなどの足回りやコンピュータ、デジタル通信装置に改良を加え、戦場情報共有システムを追加したタイプ。96A式との外見上の違いは砲塔換気装置くらいしか無い。2016年7-8月に開催されたロシア国際陸軍競技会に５両が参加した。参考：月刊軍事研究12,’16、1,’17

　＜９６Ｇ式戦車＞：96A式戦車を参照。

＜九六式全防毒具＞：日本陸軍の防毒具。参考：工兵入門

＜九六式全防毒面＞：日本陸軍のガスマスクで、頭全体を覆うフードが付いている。参考：工兵入門

＜九六式装甲作業機＞：装甲作業機を参照。

＜９６式装輪装甲車シリーズ＞：陸上自衛隊８×８輪中型装輪装甲車。後継は2018年7月に一旦開発中止となり、2019年9月10日に候補が三菱重工製機動装甲車、パトリア社製AMV、GDLS社製LAV6.0に決定し、2022年12月にAMV XPに決まった。参考：スピアヘッドNo.7、月刊世界の艦船6,’23、朝雲

＜９６式装輪装甲車＞：略称WAPC、愛称はクーガー。73式装甲車の後継として1988年に予備研究が開始され、1992年から試作車を製作、1993年から４両で試験に入り、1996年12月に制式化された。車体は装甲鋼板の全溶接製モノコック構造で、道路運送車両法の規定により車幅を2.5m以内に収めなければならなかったため、車内容積を確保すべく箱形をしている。操縦手は前方右に位置し、車体上面右前方に跳ね上げ式（後方にスライドする）の操縦手ハッチがあり、ペリスコープ３基が付いている。また、平時には視界の良いウインドーが取り付けられる（道路交通法の関係らしい）。夜間にはパッシブ・アクティブ兼用暗視装置を装備可能。操向装置は円形ハンドルで、操縦手席正面には計器パネルと操縦ハンドル、左には変速レバー、右にはタイヤ空気圧調整装置スイッチがある。操縦手後方に車長が座り、車長用キューポラは全周旋回可能でペリスコープ６基が付く。車長の左後ろに小銃班長用の補助シートがあり（戦闘指揮時のみ使用）、専用のハッチが上面に設けられており、ハッチ前面には透明ガラス（防弾ではない）のウインドシールドを装着可能。下車戦闘時には小銃組３名、84mm無反動砲（カールグスタフ）組２名、機関銃組２名、小銃班長１名が小銃班となり、操縦手・車長兼てき弾手は車内に残って支援する。武装は96式車載40mm自動てき弾銃（500発）で、周囲を平面で面取りされた車長用キューポラに搭載される。360度旋回可能で、俯仰角はプラス15度からマイナス10度。車内には三脚架が搭載され、地上射撃も可能である。本部車両には対空攻撃可能な12.7mm重機関銃M2（600発）を搭載したものもある。これも全周旋回可能で、俯仰角はプラス60度からマイナス10度、円筒形の面取りを持つ車長用キューポラに装備されている。どちらも車内から遠隔操作・射撃が可能で、前者装備型は96式装輪装甲車Ａ型、後者はＢ型と呼ばれ、配備比率は10：1くらいの予定だったが、96式車載40mm自動てき弾銃の使い勝手が悪いせいか、M2装備車の割合が結構高くなっている。武装交換にはキューポラを丸ごと外す必要がある。操縦手席の左に機関室があり、トランスミッションを経た動力は車体両側に分配され、各車輪に供給される方式になっており、駆動軸が車体両側下面に収容されているため、十分な隊員室高を確保しつつ車高を低くすることができた。ただ底面が逆Ｖ字になってしまい、地雷には弱そうである。普通は後ろ２軸で駆動するが、必要に応じて全輪駆動にできる。サスペンションは前２軸４輪がダブルウィッシュボーン＋縦置きトーションバー、後２軸４輪がトレーリングアーム＋横置きトーションバー。ステアリングは前２軸である。タイヤはブリジストン製11.00×R20コンバットタイヤで、空気圧調整装置によって車内から空気圧をコントロールでき、中子式のランフラットタイヤなので、パンクしても時速30kmで100km以上走行できる。パンクしにくいという触れ込みではあるが、2014年の部隊訓練評価隊によるアメリカでのCTC訓練では地形の起伏、灌木、有刺鉄線などでパンクしまくり、補給部隊がマジギレする事態になった。スタッドレスタイヤへの換装も可能。時々、最前輪や第３軸車輪にチェーンを巻いて地面への喰い付きを良くしている姿を見かける。隊員室内部にはクッション材が張られており、シートは２名掛けが２個ずつ（計８席）向かい合わせになっていて、かなり余裕があり、場合によってはあと２名くらい詰め込めるようだ。側面には250×150mmの視察用窓が両側に２つずつあり、内部からカーテンや防弾板で塞ぐこともできる。しかし外を見るには体を180度ひねらねばならず、ペリスコープも無く、あまり実用的でない。イラクに派遣されたものでは窓を装甲板で全て塞いでいたが、窓自体を無くすことは考えられていないようである。室内には84mm無反動砲本体ラック１個、小銃用銃架２個、110mm個人携帯対戦車弾ラック２個、84mm無反動砲砲弾ラック２個、機関銃用銃架、96式車載40mm自動てき弾銃用三脚収容架が設けられている。隊員室天井には横長ハッチが４つあり、車体上面左右後部には４連装発煙弾発射機が各１基ずつ備えられている。ベンチシート後端の足下にはヒーター２基を搭載。車体最後部には下開きの油圧式ランプ（操縦席または車外操作で開閉する）があり、ランプ左寄りに右ヒンジの手動ドアもある。ドアには視察窓が付いているが、普段は装甲板で塞がれる。ランプ両脇には換気装置が左右１基ずつ装備されていて、NBC防護用空気清浄機もあり、隊員のガスマスクへの清浄空気供給が可能。試作時にはレーザー検知器が付いていたが、量産車では外された。全長6.84m、全幅2.48m、全高1.85m、本体重量12.5トン、全備重量14.5トン。エンジンは三菱6D40水冷４サイクル直列６気筒ディーゼル（360馬力、2200rpm）、トランスミッションはオートマチック前進６段・後進２段、最大速度100km（メーターは120kmまで付いている）、航続距離500km以上。乗員２名（操縦手、車長兼てき弾手）＋乗車隊員８名。メーカーは車体が小松製作所、武装が豊和工業、弾薬がダイキン工業である。１両あたりの値段は2004年度契約で9963万4500円で、73式装甲車の最終1994年度調達価格より1000万円くらい高い。2009年度までに本州以南の全作戦基本部隊に充当される。2010年度予算までの調達数は322両。１両に１個分隊を載せ、１個小隊に４両が配備される。冷戦終結後の非対称戦では普通科隊員をもう少し小分けした方がやりやすく、隊員数はそのままに１個小隊あたりの車両数を増やして制圧面積を大きくする戦術も考案され、軽装甲機動車が開発されることになった。参考：参考：スピアヘッドNo.2、No.7、月刊グランドパワー10,’04、月刊PANZER9,’03、月刊軍事研究5,’08、11,’98、10,’16、3,’04、5,’04、5,’14、世界の軍用車両(4)、JGround Vol.11、MAMOR vol.91

　＜９６式装輪装甲車（イラク派遣型）＞：イラク人道復興支援活動に送られたタイプで、全てＢ型らしい。折り畳み式ワイヤーカッターと車長キューポラ用全周防楯、防塵フィルターを装備し、機銃弾倉を大型化した。イラクの猛暑用にエアコンユニットを追加したが、50度超の気温には対応できていなかったという。このエアコンユニットは派遣終了後も引き続き装備されている。参考：スピアヘッドNo.7

　＜９６式装輪装甲車�U型＞：国際貢献仕様ともいう。イラク派遣型がベースで、車体に増加装甲を装備し、車長用キューポラを十角形に変更して全周防楯を追加、車体前部中央とキューポラ防楯前部にワイヤーカッターを装着している。2008年度予算から調達され、2009年度から中央即応集団を皮切りに第２師団、第９師団、第３師団第３戦車大隊などに配備されているが、今のところはＢ型ベースのものしか確認されておらず、機銃弾倉が大型のものにされている。参考：月刊PANZER8,’10、スピアヘッドNo.7

＜９６式装輪装甲車用特殊工具セット（エンジン部用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜９６式装輪装甲車用特殊工具セット（エンジン部用その１）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜９６式装輪装甲車用特殊工具セット（エンジン部用その２）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜９６式装輪装甲車用特殊工具セット（車体部用）＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜９６式装輪装甲車用特殊工具セット（車体部用その１）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜９６式装輪装甲車用特殊工具セット（車体部用その２）＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’10

＜９６式装輪装甲車用特殊工具セット（車体部用その３）＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’10

＜９６式装輪装甲車用部品（照準潜望鏡）＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究6,'17

＜九六式大操舟機＞：日本陸軍の渡河器材。液冷倒立４気筒４サイクルガソリンエンジンで、全重量280kg。標準回転数1700rpm、出力37馬力。参考：工兵入門

＜９６式多目的誘導弾システム＞：陸上自衛隊の対地・対艦ミサイル、略称MPMS（Multi-Purpose Missile System）、愛称96マルチ。79式対舟艇対戦車誘導弾の後継として1986年から開発し、1996年度に制式化した。川崎重工製で、システムは情報処理装置（73式小型トラックまたは３・1/2トントラック搭載）、射撃指揮装置（高機動車搭載）、地上誘導装置（高機動車搭載）、発射機（高機動車搭載）からなる。これに前進観測用の無線機搭載高機動車と弾薬補給車（クレーン付き３・1/2トントラック）が組み合わさって１編成となる。ミサイル本体は全長2000mm、直径160mm、重量60kg。折り畳み式の十字主翼及び十字尾翼（制御翼）を持ち、有効射程は10kmに達するとされる。前進観測班や上級部隊が目標を発見し、射撃指揮装置に情報を送ると、部隊長はそれを基にミサイル発射地域を確定し、地上誘導装置に目標諸元を送り、ミサイルを発射させる。ミサイル先端のシーカーからは地上の赤外線画像が光ファイバーで発射機に送られ、更に射撃指揮装置・地上誘導装置にも光ファイバーで転送される。射手はこの映像を見て追尾指示を行い、目標にほぼ真上から命中させる。かなり大型のミサイルであり、上方から直撃するため、主力戦車は全損、1000トン級の中型揚陸艦でも無力化できるという。誘導に無線や赤外線などを使用しないため、ジャミングに強い。信管は対舟艇用の短遅延と対戦車用の着発が用意されていて、発射時に切り替える。発射機にはミサイル６発を横一列に収めるランチャーが搭載されており、操作人員は２名。移動中、ランチャーには幌がかけられているため、普通の高機動車と区別しづらい。車体の４隅には水平を保つためのジャッキがあり、これを作動させる自家発電機も持つ。発射時には噴流偏向板をランチャー下に固定してブラストが車体にかかるのを防ぐ。ただブラスト自体はかなり少ないという。射撃の際には発射機と地上誘導装置を長さ数百メートルの光ファイバーで結ぶ必要があり、発射機のみでの発射は不可能。2010年度で１システム21.5億円もするので、2012年度までの37セットで調達完了となってしまい、重MATの完全更新が不可能になり、運用に必要な車両も多いので手間がかかり、中距離多目的誘導弾に任務の一部を譲ることとなった。配備部隊は北部方面対舟艇対戦車隊（2008年3月26日新編・配備）、第２師団普通科部隊（後に第２対舟艇対戦車隊に集中配備）、第４師団第４対舟艇対戦車隊（2002年3月27日新編・配備。後に第８師団西部方面対舟艇対戦車隊）で、第５旅団第５対舟艇対戦車中隊（2004年3月29日新編・配備）にも配備されていたが、2011年4月に部隊が廃止された。他に教育部隊の富士教導団、武器学校、通信学校、北部方面混成団が装備している。参考：月刊PANZER2,’01、月刊軍事研究9,’17、11,’10、5,’08、11,’99、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.5、No.6、No.8、北部方面対舟艇対戦車隊ホームページ

＜９６式多目的誘導弾システム用誘導弾マガジン上蓋用取っ手＞：96式多目的誘導弾システムにミサイルを装填する際は、弾薬補給車のクレーンで６連装発射機（マガジン）を高機動車から地面に降ろし、マガジンの上蓋を外して円筒形キャニスターを入れる。上蓋は左右２枚あり、大きさ2.3m×1.2m、重量15kgで、４つの革製取っ手を隊員２名が持って持ち上げるが、上蓋は防水のためマガジンとの隙間がグリスで固められており、力を入れて引っ張った際に取っ手が切れてしまう事態が多発。落下した上蓋が変形して使えなくなる事態も生じたため、第４師団第４対舟艇対戦車隊誘導武器整備班長細井三等陸尉が改良に乗り出した。革製だと雨に濡れてすぐに劣化することが判明したため、トラックの幌を固定する布製ベルトと同じ素材を使っている64式小銃のスリングを同じ形に切り、ボンドで固めて改良型取っ手を製作。１年間試用した結果、全く切れないことが実証されたため、第４対舟艇対戦車隊の全ての上蓋用取っ手をこれに切り替え、事故は全く起きなくなった。これを受けて第４師団は陸幕に装備改善提案を上申し、採用されてメーカーの生産時から取っ手が布製に切り換えられた。細川三等陸尉は平成22年度防衛技術奨励賞を受賞している。参考：朝雲、月刊軍事研究1,’18

＜九六式中迫撃砲＞：日本陸軍150mm迫撃砲。昭和9年4月から設計され、昭和10年11月に試作砲が完成、昭和14年4月に制式化された。前装式滑腔砲で、水圧式駐退機とバネ式復座機を持ち、後座長は標準270mm・最大300mmの定後座である。重いため、車輪を付けるか、分解して三九式輜重車５台に乗せて馬で引く。当初はガス弾の使用も考慮されていたが、九四式軽迫撃砲がガス弾投射任務に使用されることになったため、本砲用のガス弾は開発されなかった。口径150.5mm、放列砲車重量722kg、仰角45-80度、射界11.5度。使用弾は九六式榴弾で、初速毎秒214m、最大射程3900m。昭和12年度に３門製造された後は暫く生産されず、昭和16年6月から昭和17年5月までに約90門が生産された。参考：大砲入門

＜九六式動物用吸収剤＞：日本陸軍の動物用防毒具。参考：工兵入門

＜九六式動物用吸収剤極寒用液＞：日本陸軍の動物用防毒具。参考：工兵入門

＜九六式防潜網＞：日本海軍の防潜網。一四式の改良型で、網のサイズは変わらない（全長100m・高さ35mのもの５枚１組）が、取り付ける機雷が九六式機雷（全高690mm、直径510mm、重量108kg、炸薬55kg）に変更された。機雷は網１枚当たり３個（１組あたり15個）装着される。昭和11年に制式採用され、初鷹型に搭載された。参考：小艦艇入門

＜九六式夜間水上偵察機＞：日本海軍夜間偵察用水上偵察機、略符号AB12。六試夜間偵察機の性能が不十分だったため、九試特種偵察飛行艇として改良型を愛知航空機が開発し、昭和11年に採用された。複葉単発のプッシャープロペラ式飛行艇である。全長11.22m、全幅15.5m。エンジンは九一式（500馬力）、巡航速度105km、航続時間9.57時間。乗員３名。夜通し敵艦隊に触接するには航続時間が足りず、15機のみの生産に止まった。参考：月刊丸3,’90、歴史群像8,’15

＜九六式陸上攻撃機シリーズ＞：日本海軍陸上攻撃機、略符号G3M、連合軍コードはネル（Nell）。大攻（九五式陸上攻撃機）との対比で中攻と呼ばれた。三菱重工が八試特殊偵察機を陸攻に改造した九試陸上攻撃機を製作、これに改設計を加えて昭和11年6月2日に制式化された。高速で戦闘機を振り切れるという触れ込みで、昭和12年4月の佐世保鎮守府防空演習では九〇式艦戦や九五式艦戦を寄せ付けず、全金属製だから機銃弾を跳ね返せるという都市伝説もあり、戦闘機無用論が台頭し、戦闘機専修飛行学生が半分に減らされるという影響まで出た。初実戦参加は日華事変の陸上爆撃で、昭和12年8月14-16日に台湾・九州・済州島から中国本土への渡洋爆撃を実施。戦闘機無用論そのままに護衛無しで出撃した（というか長距離護衛を行える戦闘機が無かった）が、迎撃を喰らって損害が続出、欠陥機のレッテルを貼られてしまった。昭和12年末になると乗員向けに鉄兜と腹部を守る板が配布されている。太平洋戦争緒戦のマレー沖海戦では戦艦53プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦34レパルスを撃沈したが、防御武装の貧弱さと引き込み式銃塔・外装式兵装による空力低下とで損害も多かった。昭和18年2月までに計1048機が生産され、輸送機、連絡機、対潜哨戒機、沖縄戦での夜間雷撃機などとして太平洋戦争終戦まで使用された。三菱重工では名古屋航空機製作所大江工場が量産を担当し、昭和16年2月までに試作機含め717機を量産（398号機までが一型、399号機以降が二型）した。その後三菱重工が一式陸攻の生産に移行したため、治具を中島飛行機太田工場に移し、昭和16年4月から昭和18年2月まで二二型及び二三型を生産している。参考：月刊JWings12,’03、1,’13、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸2,’12、3,'18別冊、歴史群像8,’15、月刊航空ファン9,’16、3,’17、6,’18、9,’19

　＜九六式陸上攻撃機一一型（初期生産型）＞：略符号G3M1。当初は九六式陸上攻撃機一型という名称で、昭和17年4月7日に一一型と改称された。機体は全金属製。主翼は中翼配置のテーパー翼で、当初はアスペクト比を10にする案が出されたが、主桁の強度や剛性に不安があり、８に減らされた。エンジンは金星三型（840馬力）双発で、僅かに外向きに取り付けられており、片発となっても安定飛行が可能とされた。後部銃座の射界を確保するため垂直尾翼は双尾翼とし、左右水平尾翼の中程に取り付けた。爆弾倉は無く、兵装は基本的に外装式で爆弾架も付けなければならず、空力的にかなり劣る結果となった。魚雷は抱締索で固定する方式だが、解除が上手くいかず投下できない事故が多発している。主脚は半引き込み式で、機関席のハンドルを搭乗発動機員が98回転させてエンジンナセル内に収容する。プロペラは住友ハミルトン式可変ピッチ（錘・油圧併用式）金属製３翅で、スピナーは無い。機首はソリッドノーズで、前方武装は無い。コクピットは並列複座で、右に正操縦士、左に副操縦士が位置し、正操縦士の後ろに指揮官席、副操縦士の後ろに爆撃偵察員席があり、爆撃偵察員席の前方に羅針盤と爆撃照準器がある。その後ろの胴体中央に主電信員席があり、右に九六式空四号無線機、左に九六式空三号無線機が装備された。更に後ろの左右に搭乗整備員席があり、そのまた後ろの中央に次席電信員席があって、右に九六式空四号無線機、左に九六式空三号無線機が搭載された。ただ無線機の位置は機体によって違っていたらしい。防御武装は天井の平らな円筒形の九二式七粍七旋回機銃装備引き込み式銃座で、機体上部に２基（前部射撃塔、後部射撃塔）、下面に１基（垂下塔）取り付けられた。正式名称は塔だが、配備部隊では見た目で筒と書いたりしている。露出時の抗力増大で速度が30kmほど遅くなるため、敵に追い回されている時に追い払おうとして露出させると逆に撃墜されやすくなるという欠点があった。また、前下方が死角になっていた。３機が生産された。参考：月刊JWings12,’03、飛行機のしくみ、歴史群像4,’11、世界の傑作機No.125、月刊航空ファン9,’16、9,’17、1,’19、10,’19

　＜九六式陸上攻撃機一一型（後期生産型）＞：引き込み銃座の天井をドーム形にしたタイプ。全長16.45m、全幅25m、全高3.68m、全備重量7632kg。エンジンは三菱製金星三型空冷二重星型14気筒ガソリン（910馬力）双発、最大速度348km、航続距離2854km。自衛武装は胴体前上方・後上方・後下方引き込み式銃座１基ずつの九二式七粍七旋回機銃計３丁。800kg魚雷または800kg爆弾または500kg爆弾なら１発、250kg爆弾なら２発、60kg爆弾なら12発を搭載できる。乗員５名。31機が生産された。渡洋爆撃で大損害を受けたため、昭和13年に操縦席後方側面窓を引き戸に変更して7.7mm銃架を取り付け前下方の死角を無くす現地改修を行ったが、プロペラが邪魔で有効性は限定的だった。参考：月刊JWings1,’13、12,’03、歴史群像8,’17、月刊航空ファン9,’17

　＜九六式陸上攻撃機二一型＞：略符号G3M2。引き込み銃座を胴体前上方のみ残して他を撤去し、胴体前下面に九二式七粍七旋回機銃座、機体上部中央に恵式二十粍旋回機銃／九九式一号二十粍旋回機銃用ブリスター、機体左右に九二式七粍七旋回機銃用ブリスター（機銃手が狭い機内で重ならないよう右側面の方が前方よりにある）を装着したタイプで、昭和14年5月12日に九六式陸上攻撃機二型として制式化され、昭和17年4月7日に二一型となった。20mm旋回機銃座は限定旋回なので、前方は引き込み銃座でカバーする。乗員は７名に増えた。乗員の乗降はコクピット真下の照準孔遮風板（右ヒンジ）を開き、そこに梯子を掛けて行う。全長16.5m、全幅25m、全高3.7m、自重4810kg、全備重量7780kg。エンジンは金星四一型または四二型（1000馬力）双発、最大速度376km、実用上昇限度7480m（軽荷時）、航続距離4000km。防御武装は7.7mm機銃３丁。爆弾（500kg爆弾なら１発、60kg爆弾なら12発）、魚雷など800kgを搭載できる。343機が生産された。本型以前の機体もブリスターの窓枠などを内地から送付して現地航空廠で引き込み銃座を撤去しブリスターに付け替える改修が行われている。渡洋爆撃で大損害を受けたため、昭和13年に操縦席後方側面窓を引き戸に変更して7.7mm銃架を取り付け前下方の死角を無くす現地改修を行ったが、プロペラが邪魔で有効性は限定的だった。１機は大毎東日新聞に引き渡され、ニッポン号と命名されて世界一周飛行を行っている。参考：月刊JWings12,’03、1,’12、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン9,’17、1,’18、8,’18

　＜九六式陸上攻撃機二二型＞：略符号G3M3。二一型のエンジンを金星四五型にして高々度性能を強化したもので、昭和14年末に登場し（この時の名称は九六式陸上攻撃機二型のまま）、昭和17年4月7日に二二型となった。小型のスピナーと大型の気化器空気取り入れ口を持つ。全長16.45m、全幅25m。エンジンは金星四五型（離昇出力1000馬力）双発、巡航速度140ノット、最大速度373km／201ノット、実用上昇限度9110m（軽荷時）、燃料搭載量3760リットル、航続距離2522km（過荷時。3000海里？）。魚雷１本または800kg爆弾１発または250kg爆弾２発を搭載可能。当初は三菱重工、昭和16年4月からは中島飛行機で計237機が生産された。それまでのタイプも金星四五型の搭載改修を行っているが、九六式陸上攻撃機一型を改修しても特に名称は変更しなかったようである。参考：月刊JWings12,’03、月刊航空ファン9,’17、1,’18、6,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像8,’17、帝国海軍太平洋作戦史�T

　＜九六式陸上攻撃機二三型＞：略符号G3M4。二三型は昭和17年4月7日に制定された飛行機分類に基づく呼称で、一時期海軍部内では九六式陸攻改と呼ばれた。中島飛行機生産型で、エンジンを金星五一型／五二型／五三型に換装している。高度10000m以上に上がれるようになったが、息で操縦席前方の遮蔽板が曇るため、偵察員が不凍液を浸した布でずっと拭いていなければならなかった。全長16.4７m、全幅25m、全高4.56m、自重5243kg（5194kg？）、正規全備重量8000kg。翼面荷重１平方メートルあたり106.6kg。エンジンは金星五一型（離昇出力1300馬力）双発、巡航速度150ノット／160ノット（偵察時）、最大速度415km・225ノット、実用上昇限度10280m、燃料搭載量5388リットル（5182リットル？）、航続距離1254km（正規。1265海里？）／4741km（過荷時。3300海里？）。防御武装は20mm機関砲１門、7.7mm機銃３丁。800kg魚雷１本または800kg爆弾１発または250kg爆弾２発を搭載できる。乗員７名。昭和17年夏頃から412機が生産された。参考：月刊JWings12,’03、月刊航空ファン9,’19、6,’18、月刊丸3,'18別冊

＜九六式陸上攻撃機ファミリー＞

　＜九六式陸上輸送機＞：九六式陸上輸送機シリーズを参照。

＜九六式陸上輸送機シリーズ＞：日本海軍輸送機、略符号L3Y、連合軍コードはティナ（Tina）。九六式陸上攻撃機の輸送機バージョンで、昭和14年に採用された。民間型も作られている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊

　＜九六式陸上輸送機一一型＞：略符号L3Y1。九六式陸上攻撃機一一型・二一型がベースで、雷爆撃装備を外し、銃塔も機体上部前方のものを残して撤去、胴体内に座席8-10個を搭載し、側面に窓を付け、燃料タンクと潤滑油タンクを増設した。全長16.45m、全幅25m、全高3.7m、自重4813-5070kg、全備重量9390kg。エンジンは金星三型（910馬力）または金星四二型または金星四五型双発、巡航速度278km、最大速度333km、航続距離3334-4260km。積載量2965-4320kg。乗員５名＋搭乗人員8-10名。13機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、月刊JWings12,’03

　＜九六式陸上輸送機二一型＞：略符号L3Y2。空挺隊員12名が搭乗できるように改造したタイプで、胴体内両側に向かい合わせで座る。胴体後部左の乗降ドアは扉を外して手すりを設けた。一式落下傘の能力限界から空挺隊員が装備を持てないので、胴体下面に武装や装備品を収容した梱包を積載する。空挺降下時は速度100ノット・高度150mで水平直線飛行し、降下の合図は偵察員が行う。自衛武装は7.7mm機銃２丁（胴体上面）。乗員５名（正操縦員、副操縦員、偵察員、電信員、搭乗整備員）。一〇〇一部隊に配備され、セレベス島やティモール島での降下作戦などに使用された。参考：月刊航空ファン4,’19、月刊JWings12,’03、月刊丸3,'18別冊

＜九六式練習用戦闘機＞：九六式艦上戦闘機ファミリーを参照。

＜９６マルチ＞：96式多目的誘導弾システムを参照。

＜９７＞：イギリス海軍アリシューザ級軽巡洋艦ピネラピ（Penelope）。1936年竣工。1944年（1941年？）に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜九七式一号練習攻撃機＞：九七式艦上攻撃機ファミリーを参照。

＜九七式二芯水底線＞：日本陸軍の有線通信器材。参考：工兵入門

＜九七式四輪自動貨車＞：日本陸軍の４輪２トントラックで、いすゞ製。日華事変から太平洋戦争を通じて使用された。昭和19年以降は資材不足により木製バーツを多用したタイプが生産されている。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜九七式五瓩発電機＞：日本陸軍の工兵機材。坑道戦・野戦用照明機材などの電力供給に使用する。全備重量345kg。参考：工兵入門

＜九七式五糎七戦車砲＞：九七式中戦車に搭載されている戦車砲。九〇式五糎七戦車砲の薬室を拡大して初速を増大し、揺架や駐退復座機を改良したものである。昭和11年から開発され、昭和12年からテストされて実用化された。使用弾は九〇式五糎七戦車砲と同じ九〇式榴弾弾薬筒、九二式徹甲弾弾薬筒、九〇式代用弾弾薬筒、空包で、榴弾と徹甲弾の搭載比率は２対１。榴弾は炸薬が硝斗薬に変更されていて、短遅延信管と瞬発信管が用意されており、威力半径は10m。短遅延信管による反跳射撃は認められていない。徹甲弾の装甲貫徹力は垂直装甲板に対して26mm（射距離300m）／23mm（500m）／20mm（1000m）。全長1053mm、放列砲車重量150kg。口径57mm、砲身長930mm、薬室長130mm。ライフリングは20条。閉鎖機は垂直鎖栓式。復座機は水圧式で、後座長200mm。初速毎秒420m、最大射程5450m。参考：月刊丸3,’13、機甲入門、大砲入門、月刊PANZER8,’13

＜九七式五糎七戦車砲内とう銃＞：日本陸軍の九七式五糎七戦車砲（九七式中戦車）用内とう銃。三八式歩兵銃をベースに製作された。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜九七式六番陸用爆弾シリーズ＞：日本海軍の60kg陸用爆弾。六番陸用爆弾の弾体強化型で、九九式六番陸用爆弾までの繋ぎの筈だったが、太平洋戦争では結局こちらが主力となった。参考：日本海軍の爆弾

　＜九七式六番陸用爆弾＞：信管は弾頭にのみ取り付けられている。全長1.025m、直径0.2m、全備重量60.4kg、炸薬重量23.6kg（下瀬火薬）。厚さ200mmのコンクリートを貫徹可能。参考：日本海軍の爆弾、月刊航空ファン11,’18、月刊丸3,’18別冊

　＜九七式六番陸用爆弾改一＞：炸薬を九八式爆薬に変更したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜九七式七ミリ七固定機銃＞：毘式七粍七固定機銃を参照。

＜九七式十二瓩投下焼夷弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和14年3月4日に制式化された。点火剤4.5gを内蔵する。参考：日本海軍の爆弾

＜九七式十五瓩セメント爆弾（鋼片入）＞：日本陸軍の爆弾。信管は弾頭に付く。参考：日本海軍の爆弾

＜九七式十五瓩投下あか弾＞：日本陸軍の化学爆弾。内部にあか一号を収容している。参考：日本海軍の爆弾

＜九七式十五糎双眼鏡＞：日本陸軍特殊部隊用双眼鏡。倍率25倍、視野2.5度。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九七式三十瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、昭和15年6月19日に制式化された。内部に二号淡黄薬11kgを収容する。参考：日本海軍の爆弾

＜九七式三十糎探照灯＞：日本陸軍の照明器材。参考：工兵入門

＜九七式三〇瓩発電機＞：日本陸軍の工兵機材。坑道戦・野戦用照明機材などの電力供給に使用する。参考：工兵入門

＜九七式三〇キロ発電車＞：日本陸軍の装軌式自走発電機で、野外照明・坑道器材用直流電源供給に使用する。車体のベースは九八式四屯牽引車で、発電機は走行用エンジンで駆動するため、停車してから発電機を回す。全長3.7m、全備重量5.3トン。エンジンはいすゞ空冷ガソリン（73馬力）。発電容量34kW。乗員３名。参考：工兵入門

＜九七式五十瓩投下あおしろ弾＞：日本陸軍の化学爆弾。あお剤（ホスゲン）としろ剤（発煙剤の三塩化砒素）を９対１で混合したものを収容する。参考：日本海軍の爆弾

＜九七式六五〇馬力発動機＞：寿四一型（エンジン）を参照。

＜９７式アサルトライフル＞：中国のNORINCOが開発したブルパップ式アサルトライフル。95式自動歩槍の輸出型で、NATO標準弾のSS109を使用する。全長758mm、銃身長490mm、重量3.35kg（弾薬抜き）。銃身寿命10000発。銃剣、小銃てき弾、銃身下部装着型35mmてき弾発射機の装備が可能。参考：月刊軍事研究5,’09、3,’99、8,’03、6,’08

＜９７式アサルトライフル・ファミリー＞

　＜９７式分隊支援火器＞：分隊機関銃型。銃身長を600mmに延長し、二脚を装備、オリジナルの30連マガジンの他、80連ドラムマガジンも使用できる。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜カービン型＞：カービン型。トリガーガードと一体化したバーティカルフォアグリップとフラッシュハイダーの形状が変更されている。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜９７式スナイパーライフル＞：狙撃銃型。10発入り箱形弾倉を使用し、二脚とスコープを標準装備、緊急時のメカニカルサイトが付く。有効射程600m。参考：月刊軍事研究8,’03

＜九七式印字機＞：日本のタイプライター型暗号機で、昭和12年に開発された。昭和14年2月下旬から外交・軍事の最高機密文書を暗号化・平文化するため使用されていたが、アメリカは昭和15年9月には解読に成功、マジック情報として利用した。参考：WW�U欧州戦史シリーズVol.4、月刊軍事研究10,’09

＜九七式打込作井機＞：日本陸軍の人力浅井戸掘り機。滑車を介してロープで錘を引っ張り、井戸管を地面に打ち込む方式で、深さ15mまでの井戸を掘ることができる。参考：工兵入門

＜九七式馬防毒被＞：日本陸軍の防毒具。参考：工兵入門

＜九七式延線車＞：日本陸軍の有線通信機材。九七式植柱作業車と同じ車体（九四式軽装甲車ベース）に延線・巻線装置を搭載しており、車体前部右には誘導桿という電線誘導用の長い棒が取り付けられている。誘導輪（後部）は星型で接地しないタイプと、円盤型で接地したタイプがある。九二式裸線を搭載し、九七式植柱作業車が据え付けた電柱に裸線を装着していくのが主任務で、九七式植柱作業車2-3両に本車１両の割合で配備すると効率が良い。参考：工兵入門

＜九七式貨車＞：日本陸軍の鉄道器材。九一式貨車に軌道外走行装置を取り付けたもので、九一式広軌牽引車／九八式鉄道牽引車などで牽引すれば軌道外を走る列車になる。積載量８トン（軌道上）／２トン（軌道外）。参考：工兵入門

＜九七式框板小型＞：日本海軍の九一式航空魚雷用空中姿勢安定化装置。魚雷の尾部安定板に固定するベニヤ板製の安定板で、着水すると衝撃で砕ける。十字型をしていて、水平方向の安定板は長さ1.2m・幅0.75mでプロペラ後方0.5mまで伸び、垂直方向の安定板はプロペラ後方0.6mに達する。参考：月刊丸3,’18別冊

＜九七式框板小型改一＞：日本海軍の九一式航空魚雷用空中姿勢安定化装置。厚さ10mmのベニヤ板製で、長さ800mm・幅451mmの箱型をしており、魚雷尾部に填め込む。一式陸攻用だが、天山が積んだ写真もある。参考：月刊丸3,’18別冊

＜九七式艦上攻撃機シリーズ＞：日本海軍の艦上攻撃機。日本海軍初の全金属製単葉引き込み脚機である。一三式艦攻の後継を予定した中島飛行機製作所の九二式艦攻及び三菱の九六式艦攻が性能不十分で開発がもたついているうちに、アメリカ海軍が昭和10年4月に全金属製単葉引き込み脚のTBD艦攻を初飛行させたため、同年秋に中島と三菱に対して十試艦上攻撃機（低翼単葉、主翼折り畳み機構付き、巡航速度135ノット・250km、最大速度170ノット・333km以上、250kg爆弾１発搭載・巡航速度での航続距離1750km以上、800kg魚雷１本搭載・巡航速度での航続距離1000km以上・航続時間４時間以上、発艦滑走距離100m）の開発を下命。昭和11年11-12月に試作機が完成し、昭和12年3月からテストを実施、甲乙付けがたく昭和12年11月（12月？）16日にどちらも採用された。引き込み脚の中島製が主に生産され、昭和19年3月までに各型計1332機が量産されている。昭和14年以降に主力の座に就き、３座なので艦上偵察機としても使用され、昭和18年末までに天山に後を譲って護衛空母の対潜哨戒機となった。参考：月刊JWings9,’02、9,'20、8,’13、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊世界の艦船9,’13増刊

　＜九七式一号艦上攻撃機＞：中島十試艦上攻撃機（社内名称Ｋ）を採用したもので、略符号B5N1。連合国コードはケイトMk1で、後にケイト11に変わった。エンジンはライバル社三菱の金星に劣る光三型を積んだが、当時NAM／十試空冷600馬力発動機として開発中だった小直径高出力の栄エンジンへの換装を考慮して胴体を細く絞り込んだ。主翼は低翼単葉直線テーパー翼で、上に折り畳む。航続力、離着艦性能、兵装搭載量を確保するため、主翼面積が大きく、主脚は翼内への引き込み式とした。海軍艦上機初の引き込み脚であり、油圧で作動する。キャノピー後方に機銃搭載用ピントルマウントがある。胴体左下には偵察・爆撃照準窓があるので、機体下の爆弾・魚雷は右に300mmオフセットして搭載する。全長10.3m、全幅15.518m、自重2099kg、全備重量3650kg、過荷時総重量4015kg。エンジンは光三型（離昇出力830馬力、公称出力710馬力／高度2500m）単発、プロペラは住友ハミルトンの３翅、最大速度199ノット・369km、上昇力3000mまで７分50秒、燃料搭載量1150リットル、航続距離590海里・1093km（正規）／2259km（過荷時）。防御武装は7.7mm旋回機銃１丁。魚雷または爆弾800kgを搭載できる。乗員は操縦員、航法・偵察兼爆撃員、射手兼電信員の３名。昭和13年4月からロールアウトし、日華事変に投入された。昭和17年に九七式艦上攻撃機一一型に制式名が変更された。参考：月刊JWings9,’02、9,'20、月刊丸9,’97、3,'18別冊、日本航空母艦史

　＜九七式二号艦上攻撃機＞：三菱十試艦上攻撃機（社内名称カ−16）を採用したもので、略符号B5M1。連合国コードはケイトMk3で、後にケイト61（マーベル？）に変わった。見た目は九九式艦上爆撃機に似ている。エンジンは試作機では金星三型（910馬力）で、量産型は出力強化型の金星四三型とした。主翼は低翼単葉で、重い金属機でも要求通りの発艦距離を達成できるよう、大面積楕円翼を採用した。主翼折り畳み機構は試作機では後ろへと水平に折り畳むことにしたが、機構が複雑で、量産機では上に畳む方式にしている。主脚は胴体への引き込み特許は持っていたが、主翼への引き込み特許は無かったので、スパッツ付きの固定式にした。キャノピーは前後に長く、後部が胴体と滑らかに繋がっている。全長10.324m、全幅15.3m、全高4.2m、自重2342kg、全備重量4000kg。エンジンは金星四三型（1075馬力）単発、プロペラは定速可変ピッチ、最大速度381km、実用上昇限度8260m、上昇力3000mまで７分５秒、航続距離2322km、最大航続時間8.8時間（9.3時間？）。防御武装は7.7mm旋回機銃１丁。魚雷または爆弾800kgを搭載できる。乗員３名。翼面積が大きすぎて着艦特性が悪く、125機（三菱重工名古屋航空機製作所で60機、広海軍工廠で65機）のみが生産され、空母には配備されず訓練や沿岸警備に使用された。昭和17年に九七式艦上攻撃機六一型と改称された。太平洋戦争末期には特攻にも用いられている。参考：月刊JWings9,’02、9,'20、月刊丸3,'18別冊、9,’97、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本航空母艦史

　＜九七式三号艦上攻撃機＞：一号艦攻の改良型、略符号B5N2。連合国コードはケイトMk2で、後にケイト12に変わった。エンジンを栄一一型（1000馬力）に換装したもので、カウリングが細くなり、最大速度・上昇力が向上、コクピットからの視界も改善している。後期型ではスピナーを採用した。全長10.3m、全幅15.52m、全高3.7m、自重2279kg、全備重量3800kg（正規）／4100kg（過荷時）。翼面積37.7平方メートル。エンジンは栄一一型（1000馬力）単発、最大速度378km、航続距離528海里（過荷時1993km）。防御武装は7.7mm旋回機銃１丁。800kg魚雷１本または800kg爆弾１発または500kg爆弾１発または250kg爆弾２発または60kg爆弾６発を搭載可能。乗員３名。昭和14年12月に採用され、愛知航空機や広海軍工廠でも量産された。真珠湾攻撃前にほぼ一号艦攻からの機種改変を終了しており、真珠湾攻撃でアメリカ戦艦群を壊滅させたが、珊瑚海海戦以降は鈍足・運動性能不足・非装甲がたたって被害が続出した。昭和17年に九七式艦上攻撃機一二型に制式名が変更された。2003年に占守島から回収された中央胴体がイギリスのウイングス・ミュージアムにある。参考：月刊JWings9,’02、9,'20、8,’13、8,’18、12,'20、月刊丸9,’97、3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本航空母艦史、図解世界の軍用機史、月刊航空ファン10,’16

　＜九七式艦上攻撃機一一型＞：九七式一号艦上攻撃機を参照。

　＜九七式艦上攻撃機一二型＞：九七式三号艦上攻撃機を参照。

　＜九七式艦上攻撃機六一型＞：九七式二号艦上攻撃機を参照。

＜九七式艦上攻撃機ファミリー＞

　＜九七式一号練習攻撃機＞：練習機型、略符号B5N1-K。中央の航法士席に操縦装置を追加している。昭和17年に九七式練習攻撃機一一型に制式名が変更された。参考：月刊JWings9,’02

　＜九七式練習攻撃機一一型＞：九七式一号練習攻撃機を参照。

＜九七式艦上偵察機＞：日本海軍艦上偵察機、略符号C3N1。昭和10年に十試艦上偵察機として中島飛行機と三菱重工に試作発注し、三菱重工が九試単座戦闘機、九試中型攻撃機、十試艦上攻撃機の試作で忙しく辞退したため、中島飛行機のみが製作し、初号機は昭和11年10月に完成した。固定脚の３座機で、セミインテグラルタンクを内蔵した低翼単葉の折り畳み主翼を持つ。風防は密閉式である。昭和12年9月に九七式艦上偵察機として採用されたが、九七式艦上攻撃機で十分代用できる性能だったので、試作機２機しか作られなかった。全長10m、全幅13.95m、自重1805kg、全備重量3000kg。エンジンは中島製光二型空冷星型９気筒ガソリン（840馬力）単発、最大速度387km、実用上昇限度6670m、航続距離2278km。武装は7.7mm固定機銃１丁、7,7mm旋回機銃１丁。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings9,’02、月刊丸3,'18別冊、2,’12別冊付録

＜九七式曲射歩兵砲＞：日本陸軍の迫撃砲で、日本最初のストークス型迫撃砲である。九四式軽迫撃砲の軽量化型として、フランスのストーク社からライセンス権を獲得した迫撃砲を基に開発し、昭和12年に完成した。口径81.4mm、砲身長15.6口径、重量67kg。俯仰角はプラス45-85度。射界5.6度。使用弾は重量3.33kgの有翼砲弾（一〇〇式榴弾及び三式重榴弾）で、初速毎秒196m、最大射程2850m。昭和17年に威力を向上させた二式榴弾及び二式重榴弾が試作されている。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、コンバット・バイブル２、大砲入門

＜九七式魚雷＞：日本海軍の甲標的用45cm酸素魚雷で、九五式魚雷の縮小版である。炸薬量300kg。機構が複雑なため、九八式が開発されることとなった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、丸エキストラ版No.71

＜９７式魚雷＞：海上自衛隊の短魚雷。1989年からG-RX4という名称で開発し、1997年に制式化した。Mk46で対応できない705型アルファ級原潜などを攻撃できるよう設計されており、能力はアメリカのMk50やMk54に匹敵するとされる。全長はMk46よりちょっと長い。３連装短魚雷発射管HOS-303装備の護衛艦、P-3C、SH-60Kなどに搭載でき、アスロック・07式垂直発射魚雷投射ロケットの弾頭にもできる。全長2.83m、直径324mm、重量320kg。主機はリチウムエンジン（閉サイクル蒸気タービンによるポンプジェット？）、雷速40ノット以上。最大深度600m超。誘導はアクティブ音響。三菱重工製。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’02、1,’08、6,’93別冊、月刊世界の艦船1,’02、11,’11、1,'15増刊、7,’21

＜９７式魚雷用訓練頭部＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’10

＜九七式空気圧縮車＞：日本陸軍の装軌式自走機力器材。鑿岩機、硬土掘削機、鑿整形機などの動力源として使用する。ベースは九八式四屯牽引車で、空気圧縮機や空気溜などを搭載しており、７気圧の高圧空気を供給可能。全備重量5.6トン。航続距離200km、行動時間10時間。乗員３名。参考：工兵入門

＜九七式軽装甲車＞：日本陸軍軽戦車テケ。昭和12年5月3日から九四式軽装甲車の後継として開発され、池貝自動車（後の小松製作所川崎工場）が製作し、9月に試作初号車が完成したが、エンジンを操縦席右に置いたので車内が過熱してしまい、操縦手と車長の連携にも不都合があるということで、11月にエンジンを車体後部に移動させた試作車を作り、こちらが採用された。車体を大型化し、避弾経始に優れた曲面で構成している。車体前部右にトランスミッションと副燃料タンク（32リットル）、左に操縦席があり、操縦席右には蓄電池がある。車体中央は戦闘室で、弾薬箱と予備品ケースが置かれ、後部は機関室であり、両者は隔壁で仕切られていて、開口部や扉が設置されており、車内からでもある程度の整備が可能。車体左後部に主燃料タンク（59リットル）が設けられていて、必要に応じ切り替えコックにより副燃料タンクからの供給と切り替えてボッシュPE4B65C121型燃料噴射ポンプに送り、エンジンに供給する。砲塔は全周旋回可能で、上面にハッチ、後部に覘視孔、左右に防弾ガラス付きスリットとピストルポートを持つ。内部には車長用座席が吊り下げられており、内面には遮熱用アスベストが張られていた。九四式三十七粍戦車砲（徹甲弾・榴弾計58発。102発説あり。後に九八式三十七粍戦車砲）搭載型と九七式車載重機関銃（1000発。2800発？）装備型がある。戦車砲は俯仰角マイナス９度から20度、旋回角左15度・右６度で、機銃は俯仰角マイナス11度からプラス15度、旋回角左右20度ずつ。照準眼鏡、薬莢受け、額当は射撃時に取り付ける。履帯はハイマンガン製で、脱落を防ぐためセンターガイド方式を採用しており、片側98枚。全長3.7m、全幅1.99m、全高1.79m、自重4.25トン、全備重量4.75トン（戦車砲搭載型）／4.5トン（機銃搭載型）。装甲厚は車体前面12mm、側面10mm、後面8mm、上面6mm、底面4mm、砲塔前面12mm、側面16mm、後面10mm、上面6mm。エンジンは４気筒空冷ディーゼル（気筒直径115mm、行程150mm、出力48馬力・1500rpm／65馬力・2300rpm）、トランスミッションはクラッチ・ブレーキ式で前進４速・後進１速、最大速度40km、燃料搭載量91リットル、航続距離250km。一部の車両には九四式四号丙無線機を搭載した。乗員２名。昭和14年度から池貝自動車、浅野重工業淵野工場、瓦斯電、三菱重工で計593両（昭和14年度に274両、15年度に284両、17年度に35両。昭和14年度は217両説あり）が生産され、捜索連隊や戦車連隊に配備されて威力偵察に使用された。参考：月刊グランドパワー6,’10、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊PANZER6,’06、2,’02、日本の戦車と装甲車両、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

＜九七式軽装甲車ファミリー＞

　＜キト車＞：自走対空機関砲型。車体上に九八式二〇粍高射機関砲を搭載したもので、防楯などは全く追加されていない。試作のみ。参考：機甲入門、世界の軍用車両(1)

　＜ソト車＞：自走速射砲型。砲塔を外し、車体後半部に九四式三十七粍速射砲を丸ごと搭載、車内に砲手と弾薬を収容したものである。レールで地面に降ろして使用するが、搭載したままの射撃も可能。全長3.81m、全幅1.92m、全高1.5m、自重3.9トン。車体前部に九七式車載重機関銃１丁を装備する。最大装甲厚12mm。エンジンは空冷直列４気筒ディーゼル（65馬力）、最大速度40km。燃料搭載量120リットル。乗員６名。昭和14年に４両が製作された。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜九七式軽徒橋＞：日本陸軍の歩兵用架橋器材。木材や板、空き缶、空き樽などを橋脚にし、浮体として綿布袋にカポックを詰めたものを使用、床板を渡したものである。１セット50m、橋節長5m、幅0.6m。トラック１両に搭載できる。計100km分を導入した。参考：工兵入門

＜九七式軽爆撃機＞：日本陸軍初の単葉単発全金属製軽爆撃機、キ−30。九三単軽爆の後継として昭和11年5月に三菱と川崎へ競争試作が命じられた。対ソ戦開戦直後に沿海州のソ連軍航空基地を爆撃して日本本土空襲を防ぐのが主任務であり、速度性能と航続力を重視している。具体的な要求は、低翼単葉単発複座機（可能なら引き込み脚）、エンジンはハ五／ハ六／九五式八〇〇馬力発動機改のいずれか、水平速度400km以上、常用高度2000-4000m、巡航速度300km以上での航続時間4.5時間（標準）／5.5時間（爆弾減）、武装は前方固定機銃１丁と旋回機銃１丁、爆弾搭載量標準300kg（15kg爆弾なら20発、50kg爆弾なら６発、100kg爆弾なら３発）／最大450kg、降下角60度急降下爆撃時爆弾搭載数15kg爆弾４発以上／50kg爆弾２発以上／100kg爆弾２発以上。三菱のものが昭和13年6月に制式採用された。速度性能強化のため胴体内爆弾倉を設けたが、容積に限りがあるため、主翼下にも爆弾ラックを設けて所要の兵装搭載量を確保した。降着装置は尾輪式で、主脚は使用実績の浅い引き込み脚でなく堅実なスパッツ付き固定脚である。当初は主脚柱に機銃を付ける予定だったが、新技術である翼内機銃にチャレンジした。試作初号機はハ六エンジンを搭載して昭和12年2月にロールアウトし、テストで最大速度423kmを記録。ただハ六エンジンに潤滑油関連のトラブルが多発したため、試作２号機以降は信頼性が高く九七式重爆との共用で整備補給も有利なハ五を積んでいる。また、テスト中に日華事変が勃発して防御力強化の必要性が判明したため、昭和12年9月に改修命令が出され、操縦席背面と翼内燃料タンク後方の主翼桁後面に厚さ4mmの装甲板を張り、装甲化燃料タンクを最後に使うようにした。燃料消費に伴って冷却排気または二酸化炭素を燃料タンクに注入する防爆機構も追加されている。プロペラは試作初期には金属製固定ピッチだったが、途中で高低２段可変ピッチに変更した。全長10.34m、全幅14.55m、全高3.645m、自重2230kg、全備重量3322kg。エンジンは中島製ハ−５空冷星形14気筒ガソリン／九七式八五〇馬力発動機（850馬力）単発、プロペラは金属製高低２段可変ピッチ３翅（直径3.175m、ピッチ変更範囲23-32.5度）、最大速度423km、実用上昇限度8570m、航続距離1700km。武装は7.7mm固定機銃１丁（左主翼内翼部）、7.7mm旋回機銃１丁（後上方）。爆弾搭載量300kg（標準）／450kg（最大）。15kg爆弾なら通常は胴体下面12発（前後３列×左右４列）と主翼下面４発（前後２列×左右２列）ずつの計20発を搭載するが、主翼下面の左右列の間にもう２列追加して前後２列・左右４列とし、最大で計28発積むこともできる。乗員２名（タンデム複座）。昭和13年度から昭和15年度半ばまでに三菱重工で636機、陸軍航空工廠で180機強が生産され、日華事変、ノモンハン事件、太平洋戦争初期に使用されて九九式襲撃機に後を譲った。参考：歴史群像4,’17、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings11,'23、月刊航空ファン12,’19

＜九七式軽迫撃砲＞：日本陸軍の迫撃砲。九四式軽迫撃砲の後継として昭和12年9月から開発され、昭和13年3月に試作砲が完成、昭和15年8月に制式化された。照準器への衝撃を防止するため、緩衝器が取り付けられている。口径90.5mm、放列砲車重量172.5kg。射角45-85度、射界125ミル。使用弾は九四式榴弾（効力半径25m）、ガス弾、発煙弾で、初速毎秒227m、最大射程3800m、発射速度毎分15-20発。少数が生産された。参考：大砲入門

＜九七式工作車＞：日本陸軍の機力器材。参考：工兵入門

＜九七式高射算定具＞：日本陸軍の電気式照準具。八八式七糎野戦高射砲用として昭和12年に開発した。照準手がハンドルを回して標示に指針を合わせると、砲身は照準手が測定した航空機の未来位置に合わせて射角を決定し、信管調定も自動的に行われる。照準具と砲を離して設置することが可能で、精度も高かった。参考：機械化部隊の主力戦車、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、大砲入門

＜九七式鋼性銑榴弾弾薬筒＞：日本陸軍の75mm榴弾。全備重量7.058kg。四一式山砲、九四式山砲で使用できる。参考：月刊丸5,’13

＜九七式材料車推進器＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九七式撒毒車＞：日本陸軍の化学器材。九七式軽装甲車の機銃搭載型を前車、九四式甲型撒車のトレーラーを後車とした車両である。参考：月刊PANZER9,’03

＜九七式自動貨車＞：日本陸軍のトラック。全長5.82m、全幅2m、全高2.25m、自重3.2トン、全備重量5.1トン。エンジンはガソリン（排気量4390cc）、最大速度75km、燃料搭載量85リットル、燃費はリッター2.8km。積載量1.5トン。乗員３名。航空機用給油車型も存在する。参考：機甲入門、月刊JWings5,’08

＜九七式自動砲＞：日本陸軍の対戦車ライフル。ゾロータン社製20mm対戦車ライフルを参考にして昭和12年に制式採用された。装甲貫徹力30mm（最大）／15mm（射距離250m）／10mm（700m）で、当時としては十分だったが、口径の割には威力に劣る。全長2.06m、口径20mm、砲身長1.2m、重量59kg（68.9kg？）。作動はボルトの開放がガス圧、装填・排莢が反動利用式で、フルオートのみ、使用弾は九七式曳光徹甲弾（20mm×125）または榴弾、初速毎秒750m、最大射程5000m、発射速度毎分12発。弾倉は箱型、装弾数７発。2-4名で運搬可能。馬で運ぶ場合、騎兵は１門を２頭に、歩兵は２門を３頭に積む。弾薬馬には騎兵は104発、歩兵は140発を運ばせる。小倉造兵廠と日本特殊鋼で400丁が生産された。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、日本陸軍兵器資料集、歴史群像6,’08、大砲入門、世界の軍用銃

＜九七式車載重機関銃＞：日本陸軍の車載機関銃。九六式軽機関銃を7.7mm弾仕様にし、九二式重機関銃と弾薬を共通にしたものである。作動はガス圧式で、車外に突き出る部分が長いので鉄製の防弾カバー（防弾器）を装着した。右側に照星・照尺があり、左側に長さ0.43m・倍率1.5倍・視野30度の照準眼鏡が付いている。全長1.145m、銃身長0.719m、全備重量11.25kg、銃身重量3.75kg、20発入り弾倉重量0.989kg、防弾器重量3.49kg。銃口初速毎秒740m、有効射程540m、最大射程3420m。装甲貫徹力12mm（弾着角０度、射距離100m）。発射速度毎分300発（常用）／600発（最大）。普通実包と徹甲実包を２対１で搭載し、夜間射撃の際は曳光弾を使用する。時速170kmで飛行する航空機を射距離200-600m・仰角30-60度で射撃すると、命中率は2.5-3%前後。参考：日本陸軍兵器資料集、日本の戦車と装甲車両、月刊PANZER9,’06、機甲入門

＜九七式舟艇経路機＞：日本陸軍の上陸作戦器材。水上発進地点から上陸地点までの距離が遠い場合にも正確に特殊発動艇を上陸地点に誘導するため、自艇の経路を描画するもので、昭和8年4月から開発された。当初は加速度計を利用するタイプを試作したが、安定装置が不安定で、製作とメンテナンスも困難であり、推進軸から動力を得るタイプに変更して昭和13年2月に完成した。参考：工兵入門

＜九七式重爆撃機シリーズ＞：日本陸軍の双発重爆撃機、キ−21。昭和9年に三菱、中島、川崎航空機に研究指示が出され、それを検討した結果三菱と中島が競争試作を行い、「中島のエンジンを載せ、機体長所も取り込んだ機体を三菱製として生産する」というよく分からない決定がなされ、昭和13年2月に仮制式化された。中国での戦争や、ソ連との国境紛争での使用を想定しており、敵飛行場と駐機航空機を破壊するのが主任務で、爆弾搭載量を1000kgに抑える代わりに燃料を多く積んで行動半径を広くし、100kg以下の小型爆弾を搭載して飛行場を襲撃、迎撃戦闘機は最大速度400km以上の高速で振り切る。また、一型丙からは燃料タンクを防弾化して抗堪性を増した。制式化前の昭和12年10月から実戦配備が始まり、ノモンハンを経て太平洋戦争末期まで使用された。昭和19年9月までに一型773機と二型1282機の計2055機（2064機？）が生産された。参考：歴史群像8,’11、月刊JWings4,’04、5,’06、7,’22

　＜キ−１９＞：試作機。中翼の双発爆撃機で、機首に7.7mm旋回機銃、機体後部上方に7.7mm連装旋回機銃銃塔、機体後部下方に7.7mm旋回機銃銃座を持つ。主脚は半引き込み式で、油圧によりエンジンナセル内に引き込まれる。エンジンは三菱ハ−６（870馬力）双発、プロペラは小型スピナー付き金属製３翅可変ピッチ（高低２段）。参考：月刊JWings4,’04、7,'22、月刊航空ファン12,’19

　＜九七式重爆撃機一型甲＞：最初の量産機、キ−21�T甲。機首と垂直尾翼後端を丸く成形し、コクピット後方に帰投方位測定器用ループアンテナと引き込み式編隊指揮信号灯を追加、エンジンを中島ハ−５に換装し、機体後上方の7.7mm連装機銃銃座に長い風防を設け、射撃時は風防を前にスライドさせるようにした。主脚は油圧半引き込み式で、引き込んでもタイヤの下３分の１が露出する。全長16.5m、全幅22.5m、全高5.385m（飛行姿勢）、自重5105kg、全備重量7573kg、過荷時重量8412kg。エンジンはハ−５空冷複列14気筒ガソリン（1060馬力）双発、プロペラは金属製３翅油圧式高低２段可変ピッチ（ピッチ24度または33度30分、直径3.175m）、最大速度442km、燃料搭載量2775リットル、行動半径1400km（爆弾500kg搭載）。自衛武装は九八式7.7mm連装旋回機銃１基、試製7.7mm単装機銃２丁。爆弾搭載量1000kg。乗員６名。143機が生産された。日華事変で防御火力の貧弱さが露呈し、現地改造で機銃を追加したりしたが、重心位置が後退して縦安定性不良になり、いつの間にか降下姿勢になっていて山にぶつかったり、超過禁止速度を超えて空中分解したりといった事故を起こす羽目になった。参考：歴史群像8,’11、月刊JWings4,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、世界の傑作機No.141、月刊航空ファン12,’19

　＜九七式重爆撃機一型乙＞：キ−21�T乙。一型甲の改良型で、昭和14年夏頃に登場した。燃料タンクをゴム板と絹フェルトでシールして耐弾能力を強化、操縦席後方に厚さ4mmの装甲板を張って7.7mm機銃弾に耐えられるようにし、機体後部に左右兼用の7.7mm旋回機銃１丁を、尾部にも遠隔操作式7.7mm固定機銃（威嚇くらいの意味しかないが）１丁を追加した。重量増加に対応して水平尾翼の幅を広げたが、安定性に欠ける面は否めなかった。120機が製造された。参考：月刊JWings4,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像4,’17

　＜九七式重爆撃機一型丙＞：キ−21�T丙。一型乙の改良型で、主翼の後退角を３度増加させて重心を調整、車輪を大型化し、オプションで燃料搭載量も増加できた。燃料タンクは耐油性ゴムで覆い、その上から絹フェルトを重ねて防弾化している。エンジンも中島ハ−５改（1080馬力）に換装した。参考：月刊JWings4,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九七式重爆撃機二型甲＞：キ−21�U甲。一型丙のエンジンを三菱ハ−101に換装し、側方機銃を左右１丁ずつに増加させたもので、昭和15年12月から引き渡された。エンジンナセルが大型化したため、主脚は完全引き込み式となった。プロペラは大型スピナー付き金属製定速式３翅で、ハミルトン式を採用したが、生産が間に合わず、ラチエ式も併用している。水平尾翼面積を増大した。燃料タンクには積層ゴムを採用し、機関砲弾にも対抗できるようになった。全長15.97m、全幅22.5m、全高5.55m（飛行姿勢）、自重6015kg、最大離陸重量9523kg。エンジンはハ−101空冷複列14気筒ガソリン（1450馬力）双発、プロペラはハミルトン式金属製定速３翅（ピッチ22-42度、直径3.4m、重量165kg）またはラチエ式金属製定速３翅（ピッチ20-47度、直径3.4m、重量180kg）、最大速度478km、実用上昇限度10000m、燃料搭載量2400リットル、行動半径1500km（爆弾500kg搭載）、航続距離2400km。自衛武装は7.7mm旋回機銃テ四が４丁、九八式7.7mm連装旋回機銃１丁、八九式7.7mm固定機銃１丁。爆弾搭載量1000kg。乗員７名。1025機が生産された。参考：歴史群像8,’11、月刊JWings4,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン12,’19

　＜九七式重爆撃機二型乙＞：キ−21�U乙。太平洋戦争の戦訓から防御武装を強化したタイプで、二型甲の機体後上方機銃を手動旋回式半球形12.7mm単装銃塔としている。後期型では排気管も集合式から推力式単排気管に換えた。全長16m、全幅22.5m、全高4.4m（4.85m？）、自重6070kg、全備重量9710kg。エンジンはハ−101空冷星型複列14気筒ガソリン（1500馬力）双発、最大速度478km、実用上昇限度10000m、航続距離2700km。防御武装は7.7mm機銃５丁、12.7mm機銃ホ103が１丁。爆弾搭載量750kg。乗員７名。257機が生産された。参考：月刊JWings4,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像8,’17、月刊JWings7,’22

　＜九七式重爆撃機二型丙＞：キ−21�U丙。機上電波警戒装置を搭載したタイプで、試作のみ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九七式手榴弾＞：日本陸軍の手榴弾で、昭和12年に採用された。信管遅延秒時は4-5秒で、九一式のような擲弾筒からの投射はできない。全長100mm、直径50mm、重量450g、炸薬重量62g（TNT）。使用時には安全ピンを抜き、頭部を石などに叩きつけて時限信管を作動させるが、遅延薬の燃焼音がシューシューうるさいのと、燃焼炎が見えるので、夜間静粛時などには敵にばれてしまうことがあった。また、信管を作動させたらすぐ投げないといけないので、細かい狙いを付けたり、振りかぶったりする暇が無いという欠点もあった。参考：戦時用語の基礎知識、戦場写真で見る日本陸軍実戦兵器、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13、日本戦車隊戦史

＜九七式消毒車＞：日本陸軍の化学器材。九七式軽装甲車の機銃搭載型を前車とし、九四式甲型消毒車のトレーラーを後車とした車両である。参考：月刊PANZER9,’03

＜九七式植柱作業車＞：日本陸軍の有線通信機材で、電信用電線を張る電柱を立てるのが主任務である。車体は九四式軽装甲車で、中央から後部にかけて背の高い上部構造物を増設、エンジン駆動の5kW発電機を搭載しており、これで電気穿孔機を作動させて地面に穴を掘り、電柱を植えていく。電柱と電線を10km分搭載していて、普通土なら毎時6km、凍結土なら毎時4kmで植柱できる。作業要員は６名。参考：工兵入門

＜九七式司令部偵察機シリーズ＞：日本陸軍初の司令部偵察機キ−15、連合軍コードはベイブス（Babs）。昭和10年から三菱で開発され、速度性能を第一とし、段無し風防、沈頭鋲、低翼配置などを採用した。試作機では固定ピッチ（ピッチ30度）と可変ピッチ（ピッチ22-28度）をテストし、速度性能を重視して前者を選択したが、代わりに加速が低下して離陸滑走距離が長くなった。試作２号機は昭和12年3月に朝日新聞社に譲渡され、神風号としてイギリス国王ジョージ６世戴冠式に合わせた東京−ロンドン連絡飛行を実施、15357kmを94時間17分56秒で飛び世界最速記録を樹立した。総生産数437機。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings2,’19、月刊航空ファン10,’19、12,’19

　＜九七式司令部偵察機�T型＞：キ−15�T。最初の量産型で、昭和12年5月（12月？）に制式化された。スパッツ付きの固定脚機である。抗力低下を狙ってタウネンド・カウリングと桟型風防を採用したため、視界が悪いのが欠点だった。全長8.5m、全幅12m、全高3.3m、自重1400kg、全備重量2030kg。エンジンは中島製九四式五五〇馬力発動機／ハ−８空冷星形９気筒ガソリン（最大地上出力640馬力、正規地上出力540馬力。最大750馬力説あり）単発、プロペラは金属製２翅固定ピッチ（ピッチ30度、直径2.9m）、最大速度480km、実用上昇限度11400m、航続距離2400km。武装は7.7mm機銃１丁（後席）。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings5,’17、月刊丸3,’90、月刊航空ファン12,’19

　＜九七式司令部偵察機�U型＞：キ−15�U。エンジンをハ−26�T（850馬力）に換装し、カウリングをNACA型に換装したタイプで、昭和14年9月から生産された。プロペラは金属製２翅固定ピッチ（ピッチ37度、直径2.9m、重量74kg）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン12,’19

　＜九七式司令部偵察機�V型＞：キ−15�V。エンジンをハ−102（1000馬力）に換えたタイプで、２機が試作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九七式炊事自動車＞：日本陸軍の炊飯車両。６輪ボンネットトラックの後部に電気式の炊飯器を搭載しており、300食分の米を一気に炊きあげることができる。ガス湯沸かし器も装備され、30分で50リットルの沸騰水を供給することができた。参考：歴史群像6,’02

＜９７式スナイパーライフル＞：97式アサルトライフル・ファミリーを参照。

＜九七式戦闘機シリーズ＞：日本陸軍戦闘機キ−27、連合軍コードはネイト（Nate）。九五式戦闘機の後継で、昭和10年末に九五式戦闘機と同等の操縦性で最大速度460km以上の戦闘機として中島、三菱、川崎に開発を指示し、それぞれキ−27、キ−33（九六式艦戦の改良型）、キ−28（液冷エンジン搭載）が製作され、昭和12年3月に中島製のものが採用内定となり、昭和12年12月に制式採用された。初陣は昭和13年4月9日の日華事変帰徳攻撃で、翌日に初撃墜を記録、左旋回半径僅か78.9mという小回りの効きを活かし、日華事変及びノモンハン事件ではI-16相手に活躍、各国の観戦武官から高い評価を受けた。昭和17年までに3386機（中島で試作機含め2007機、立川で60機、満州飛行機で1315機の計3382機？）が生産された。大刀洗平和記念館に展示されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸9,’97、10,’93、3,’90、日本陸軍戦闘機隊、月刊丸5,’07

　＜ＰＥ実験機＞：PEはPursuit Experimentalの略。九五式戦闘機の試作に破れた反省を基に中島飛行機製作所が独自に開発した実験機である。昭和11年7月に完成し、キ−27試作機のベースとなった。エンジンは寿二型改一（580馬力）。参考：月刊丸10,’93

　＜キ−２７試作１号機＞：PE実験機のエンジンをハー１甲（離昇出力745馬力）に換装し、風防やスパッツなどの形状を改良したもので、昭和11年10月15日に完成した。テスト中に最大速度475kmを記録している。旋回性能向上のため、テスト中に翼面積の大きい主翼に付け替えた。離昇性能重視ということで、金属製２翅プロペラを４種類作って飛行試験を実施、付け根の翼弦を大きくして先端を絞ったものを採用した。参考：月刊丸10,’93、月刊航空ファン12,’19

　＜キ−２７試作２号機＞：最初から翼面積の大きい主翼を装備し、翼端に１度30分の捩り下げを付け、風防を改良したもので、昭和12年2月に完成した。テスト中に更に翼面積の大きい主翼を装備しているが、さすがに複葉の九五式戦闘機よりは旋回性能に劣ったため、高速性能と上昇力を活かし、空戦機動に垂直方向の動きを加えてカバーすることになった。参考：月刊丸10,’93、歴史群像10,’08

　＜九七式戦闘機甲型＞：キ−27甲。主翼は低翼単葉の直線テーパー翼で、７度の上反角が付いており、横安定性が良好で格闘戦での射撃が有利である。軽量化のため、主翼は３本桁構造の左右一体組み立てとして前部胴体に造り付け、後部胴体とボルト止めする方式にした。油圧式開き下げカウルフラップを持つ。主脚は引き込み脚が世界の主流となりつつあったが、堅実なスパッツ付きの固定脚としている。空中被弾時の火災を避けるため、胴体内燃料タンクを小型にした。キャノピーは水滴型の密閉式で、不時着時に開かなくなる可能性を考慮し、座席の背もたれを後ろに倒して胴体後部から点検扉経由で脱出できるようにしてある。胴体後部脱出スペースに１名を収容して運ぶことが出来るが、不時着したパイロットを２名詰め込んで帰ってきたこともあった。全長7.53m、全幅11.31m、全高3.3m、自重1110kg、全備重量1783kg（増槽あり）。エンジンは九七式六五〇馬力発動機（ハ−１乙）空冷星型９気筒ガソリン（最大出力870馬力、離昇出力710馬力、公称出力610馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ２翅（ピッチ33度、直径2.9m、重量65kg）、最大速度468km、実用上昇限度11000m、航続距離627km。固定武装は八九式固定機関銃２丁。半卵型増槽を搭載可能。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸10,’93、月刊JWings8,’18、1,’13、月刊航空情報9,’17、歴史群像4,’17、月刊航空ファン12,’19

　＜九七式戦闘機乙型＞：キ−27乙。キャノピー透明部を後方に広げ、涙滴型風防としたタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸10,’93

　＜九七式戦闘機改＞：キ−27改。操縦席後方に燃料タンクを増設した試作型である。参考：月刊丸10,’93

＜九七式戦闘機ファミリー＞

　＜九七式練習戦闘機＞：練習機型。前線から引き上げられた機体を転用したもので、スパッツが外されている。参考：月刊丸10,’93

＜９７式装軌式歩兵戦闘車＞：中国陸軍の歩兵戦闘車。BMP-3がベースで、2004年頃から配備された。車体前方が機関室、中央が戦闘室、後部が兵員室で、兵員4-7名が搭乗する。機関室を前方に配置したため起動輪も前部にあり、兵員室からの出入りが容易となった。武装は100mm滑腔砲（対戦車ミサイル発射可能）、同軸30mm機関砲。参考：月刊軍事研究5,’07、月刊PANZER5,’10

＜九七式側車付自動二輪車＞：日本陸軍のサイドカー付きオートバイ。陸王（ハーレー・モデル1934の国産化バージョン）にサイドカーを付けたものである。全長2.6m、全幅1.8m、全高1.18m、自重500kg、全備重量680kg。エンジンはガソリン（総排気量1272cc）、最大速度90km、燃費はリッターあたり14.3km、燃料搭載量20リットル。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜九七式狙撃銃＞：日本陸軍初の制式狙撃銃。三八式歩兵銃の精度の高いものをピックアップして照準眼鏡（2.5倍）と単脚を付けたもので、ボルトハンドルを下に曲げて照準眼鏡と干渉しないようにしてある。全長1.3m、銃身長0.79m、重量4.8kg。作動はボルトアクション。使用弾口径6.5mm、装弾数５発。参考：月刊PANZER11,’01、世界の軍用銃

＜九七式大艇＞：九七式飛行艇シリーズを参照。

＜九七式駄載折畳舟＞：日本陸軍の馬匹部隊用渡河器材。昭和9年1月から開発し、3月にテストしたところ、馬に簡単に乗せられるような改良が必要と分かり、更なるテストで軽量化を加えるなどの改修を加え、昭和12年3月に制式化された。尖形舟２個、方形舟２個などで構成され、乗員３名と完全武装歩兵10名を乗せられる。舟は１隻を馬３頭で運ぶ。３隻を橋脚として使用し、九七式駄載折畳舟門橋橋床を組み合わせれば門橋になる。参考：工兵入門

＜九七式駄載折畳舟門橋橋床＞：日本陸軍の渡河器材。九七式駄載折畳舟を門橋として使用する際の橋床部品である。長さ5m、幅2.28m。馬５頭で運搬できる。九〇式野砲１門を搭載可能。参考：工兵入門

＜九七式脱線器＞：日本陸軍の鉄道器材。九四式脱線器の改良型で、九一式広軌牽引車に加え、九五式装甲軌道車からも車内操作で設置できる。参考：工兵入門

＜９７式ダミー魚雷＞：自衛隊のダミー魚雷。エムエイチアイオーシャニクス製。参考：月刊軍事研究6,’08

＜９７式ダミー魚雷（Ｂ）＞：自衛隊のダミー魚雷。エムエイチアイオーシャニクス製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜九七式断崖攀登具＞：日本陸軍の特殊交通器材。高さ50mの断崖上に山砲などを引き上げる器材で、九五式のような人力登坂では無理があるので、錨付きロープを九七式断崖攀登具噴進筒で射出して断崖上に引っ掛け、このロープを頼りに先頭作業手がよじ登り、後は九五式と同様の手順に移る方式とした。噴進錨10基、投射機１基、百米麻索４本、攀登足袋（大・中・小）各５組、索掴７個、確保帯５個、岩鶴嘴２本、岩釘30本、岩鉄槌２本、鋼索梯子（長さ10m）10台、補助梯子（長さ3m）１台、組立梯子（長さ2.5m）２台、補助梯子長（長さ1m）１台、補助梯子短（長さ0.5m）２台、巻上機（容量200kg）１基、百米鋼索１本、大滑車５個、小滑車10個で構成され、器材総重量1.4トン。参考：工兵入門

＜九七式断崖攀登具噴進筒＞：日本陸軍の特殊交通器材。九七式断崖攀登具の錨付きロープを射出するためのロケットで、昭和10年10月から開発され、昭和13年5月に実用化された。全長270mm、直径70mm、全備重量2200g、推進薬重量580g。１箱に10個入っている。参考：工兵入門

＜９７式短機銃＞：中国軍のサブマシンガンで、NORINCOが開発した。金属製折り畳み式銃床を持つ。作動はガス圧式。使用弾はトカレフ拳銃用7.62mm×25弾、マガジンは20発または30発入り。機甲部隊員の自衛用や人民武装警察用として配備されている。参考：月刊軍事研究6,’08

＜９７式短魚雷＞：97式魚雷（海自）を参照。

＜九七式中戦車シリーズ＞：日本陸軍の中戦車、別名チハ。八九式中戦車の後継となる歩兵直協戦車で、昭和11年7月の軍需審議会で陸軍省軍事課が第１案（八九式中戦車ベース。57mm砲と機銃２丁装備、装甲レベルは37mm徹甲弾近距離抗堪、最大速度路上35km・路外12km、乗員４名）を、参謀本部が第２案（九五式軽戦車ベース。57mm砲と機銃１丁装備、装甲レベルは37mm徹甲弾中距離抗堪、最大速度路上30km・路外12km、乗員３名で戦闘室を小型化し軽量化を図る）を提案し、性能第一の前者か量産第一の後者か決着が付かなかったため、競争試作を行うことになった。第１案試作車（チハ車）は三菱重工が２両、第２案試作車（チニ車）は大阪工廠が１両を製作し、昭和12年に富士裾野演習場でテストを実施。試験担当の戦車学校はチハ車を推したが、参謀本部は緊縮予算でも量産できるチニ車を推し、チハ車が演習場への往復路でエンジン故障を起こして長距離走行試験を行えなかったこともあって結論が先送りされた。直後の7月に日華事変が起き、内閣が赤字公債を発行して軍事費を増額したため、陸軍省は性能優先の第１案を採用、九七式中戦車として制式化されている。生産数2208両。初実戦参加はノモンハン事件で、戦車第３連隊に４両が配備されたが、損害を恐れて戦闘半ばで後方に引き揚げられている。参考：月刊PANZER10,’12、5,’06、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、日本の戦車と装甲車両

　＜九七式中戦車（試作車）＞：下部転輪やサスペンションが量産型と異なっており、上部転輪も片側４枚ある。エンジンは１両にスイスのザウラー社製のものを三菱重工でライセンス生産した直噴ディーゼル、もう１両に池貝自動車製渦流燃式ディーゼルを搭載したが、後者に故障が頻発したため、量産型には三菱重工製を採用した。参考：月刊PANZER10,’12

　＜九七式中戦車＞：鋼製の骨組みの上に防弾鋼第�U種の外板をリベット止め（底部と側板は溶接）してあり、装甲厚は37mm砲の近距離射撃に抗堪できるように砲塔全周・車体前面25mm、車体側後面20mmとされ、避弾経始も付与されていたが、参考にしたのが他国よりも威力の劣る九四式三十七粍速射砲のため、実際はM3軽戦車の37mm戦車砲で簡単に撃ち抜かれた。地上から1mまでは水密構造になっている。操縦手席前面にはスリット付き装甲でガードされた防弾ガラス付き視察窓がある。エンジンは日立製作所と三菱重工の２社が製作していたが、両者で部品の互換性が無いという欠点があった。また騒音もかなり大きかったらしい。操向装置はクラッチ・ブレーキ式＋遊星歯車式だが、変速に相当の熟練が必要（教育期間３ヶ月以上）で、操縦手はクラッチを使わずに変速を行うという荒技を開発して切り抜けた。操縦手席左右に２本ずつのレバーがあり、外側のレバーを引くとそちら側の履帯が減速して緩旋回が行え、クラッチを操作しつつ内側のレバーも引くと信地旋回ができる。下部転輪はダブルタイプ片側６組、サスペンションは中央４輪が水平コイルスプリングによるつる巻きバネ特許式（シーソー式）、第１・第６輪が独立懸架式。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪片側３個を持つ。履帯は片側97枚。転輪のゴムや履帯が外れやすいという欠点があり、長距離高速走行には不向きだった。車外通信用無線機を搭載しており、砲搭上方周囲に鉢巻き状アンテナがある。無線封鎖時には昼間は手旗信号、夜間は車外信号燈を使っていた。車内無線は無く、伝声管を使っていたため騒音で聞こえず、車長が操縦手を蹴飛ばして旋回操作などを伝えた。ベンチレーターが付いておらず、特に前方機銃手付近では気流が滞るため、密閉状態で車体機銃を30発も撃つと一酸化炭素中毒の症状が出たらしい。そのため車長が扇子で扇いで換気することもあったという。全長5.55m、全幅2.33m、全高2.33m、自重14.3トン、全備重量15トン。武装は九七式五糎七戦車砲１門（114発）、九七式車載重機関銃２丁（4035発）。装甲厚は車体前面25mm、側後面20mm、上面10mm、底面8mm、砲搭全周25mm、上面10mm。エンジンはＶ型12気筒空冷ディーゼル（ボア120mm、ストローク160mm、出力150馬力・1500rpm／170馬力・2000rpm）、最大速度38km、燃料搭載量246リットル、航続距離210km。乗員は車長、砲手（兼装填手）、操縦手、前方銃手（兼通信手）の４名。新砲塔チハ車が昭和17年から生産されたが、戦車砲の生産が追いつかなかったため、本車も昭和18年まで生産が続けられた。独自改造として、砲搭前部上面に４連装発煙弾発射機を装備したもの（戦車第１連隊）や、砲搭・車体前部に25mm前後の増加装甲をボルト止めしたもの（戦車第23連隊）などが確認されている。昭和17年、ビルマ戦線でM3スチュアート軽戦車に九五式軽戦車が通用しなかったため、本車を使用して鹵獲M3軽戦車に対する射撃実験をしたところ、射距離300mではM3軽戦車は貫徹できず、逆にM3軽戦車の主砲弾は九七式中戦車を貫通した。そこでM3軽戦車１両に対し、１個小隊３両で300m以内から側後面に榴弾を集中射撃、装甲板を割ることとした。靖国神社遊就館、中国人民革命軍事博物館に展示されている。参考：機械化部隊の主力戦車、月刊PANZER11,’03、8,’99、月刊グランドパワー5,’04、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、日本の戦車と装甲車両、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車、日本戦車隊戦史、月刊軍事研究4,’15

　＜九七式中戦車（後期型車体）＞：エンジン冷却方式の変更に伴い、機関室上部側面を成形し、側面の排気グリルを塞いだもの。参考：月刊PANZER11,’03

　＜九七式中戦車改＞：日本陸軍では新たな制式名称は付けられず九七式中戦車のままで、九七式中戦車改やチハ改というのは戦後に付けられた便宜上の名称であり、部隊では新砲塔九七式中戦車とか47mm砲搭載九七式中戦車とか呼ばれた。九七式中戦車後期型車体に一式四十七粍戦車砲（100発）搭載の新型砲塔（当初は試製九八式中戦車チホ車のものを載せたが、生産型では全くの新型になった）を載せたもので、一式中戦車との判別が難しいため、前線ではこちらも一式中戦車と呼称されたりしている。昭和15年9月から試験が始まり、昭和17年3月には制式化前に10両がフィリピン戦に投入されてバターン攻略戦に参加、同年4月に制式化された。砲塔外径1.53m、砲塔リング内ローラーベアリング配置部径1.4mで、砲塔後部には箱型スポンソンがあり、右に乗降用兼砲身交換用のドア、左にボールマウント式九七式車載重機関銃を装備している。上面には車長用キューポラを持つ。ハンドルによる砲塔旋回角は、ハンドル1.25回転で約30度、2.75回転で約60度で、３秒で90度、15秒弱で360度旋回できる。手動旋回が一仕事なのと、砲塔支持用ローラー（ボールベアリングが日本戦車の砲塔軸受けに使用されたのは戦後になってから）の精度がいまいちで信頼性に欠けたため、砲塔を固定したままでも砲架だけで左右10度ずつ射界を確保できるようになっていた。俯仰角はマイナス15度からプラス20度で、砲尾には肩当てがあり、砲手が肩の上に砲を載せて俯仰・旋回させるが、砲が重いため、俯仰用ハンドルも付いている。砲塔上には対空機銃架があり、九七式車載重機関銃を取り付けることができる。照準具は一式照準眼鏡で、視野14度、倍率４倍。2000mまでの照準目盛りが付いている。機銃弾は車体銃と合わせて4035発。エンジンはそのままで、車両重量が0.5トンしか増えていないのにエンジンのクランクシャフトが破損する事故が多発した。全長5.55m、全幅2.33m、全高2.38m、車両重量14.8トン、戦闘重量15.8トン。砲塔装甲厚は全周で25mm、上面10mm。エンジンは三菱SA12200VDディーゼル（170馬力）、最大速度37km、航続距離210km。乗員４名（第２砲手を乗せて５名で運用していたものもあるらしい）。420両程度が生産されたようだ。相模造兵廠で生産されたものは車長用展望塔ハッチの取っ手と信号旗孔が後ろ扉に付いており、車体後面の三色灯が緑、橙、赤の順になっている。三菱重工生産型は、取っ手と信号旗孔が前扉に付いており、三色灯が橙、緑、赤の順になっている。日立製作所生産型は、取っ手が前後扉両方に付いており、三色灯は三菱重工生産型と同じ。他に日本製鋼所、日野重工などでも製作されているが、詳細不明である。昭和18年1月に、取っ手は前扉、信号旗は後ろ扉、三色灯は相模造兵廠型を使用するよう制式改正が出された。初陣は昭和17年4月7日の太平洋戦争フィリピン戦バターン半島追撃戦で、M3軽戦車３両を撃破している。主要部装甲が薄かったため、予備履帯や破損戦車の装甲板を貼り付けて強化したものもあった。発煙弾発射機を付けたり、車長展望塔前方に二式戦車用潜望眼鏡を付けたりしたものもある。値段は昭和17年度で165400円（武装除く）。中国人民革命軍事博物館に国共内戦で共産軍が使用したものが展示されている。参考：月刊PANZER11,’03、月刊グランドパワー5,’04、日本の戦車と装甲車両、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車、スピアヘッドNo.3、月刊丸4,’13、日本戦車隊戦史

　＜九七式中戦車改（一式中戦車砲塔搭載）＞：前半部に25mm装甲板を追加した一式中戦車用砲塔を持つタイプが太平洋戦争後期の生産型に散見される。参考：月刊グランドパワー5,’04

　＜九七式中戦車改（機銃増設型）＞：砲塔左前面に機銃をボールマウント式に装備したもの。砲塔形状自体も変更されている。試作のみ。参考：日本の戦車と装甲車両

　＜九七式中戦車改（５７ｍｍ砲搭載型）＞：九七式中戦車改の新型砲塔に九七式五糎七戦車砲を搭載したもので、内地での試作なのか現地改造なのかは不明。また、タ弾使用のために大口径砲に換えたのか、47mm砲が無かったので取り敢えず57mm砲を載せたのかも不明である。参考：日本の戦車と装甲車両

　＜九七式中戦車改（装甲強化型）＞：現地改造の装甲強化型で、戦車第14連隊がインパール作戦で使用した。M3軽戦車の車体後面装甲を３組入手していたので、切り取って長さ150mmの支柱６本を溶接、ボルトで車体前面に止めたものである。支柱を車体に溶接しなかったのは、上層部が戦車の改造を厳禁していたので、外せるようにして誤魔化すためで、３両が改造された。前方視界の悪化と重心の移動で操縦が上手くいかず、当初は不評だったが、実戦で徹甲弾を防ぐことができて歓迎されるようになった。参考：日本戦車隊戦史

＜九七式中戦車ファミリー＞

　＜１２ｃｍ自走砲＞：日本海軍試作自走砲。九七式中戦車の車体に十年式45口径12cm高角砲を搭載している。少なくとも１両が完成し、終戦直後に久比里の海軍特設陸戦隊基地でアメリカ海兵隊に押収された。参考：機甲入門、月刊PANZER12,’04

　＜火炎放射戦車＞：日本陸軍火炎放射戦車。車体銃の代わりに一〇〇式小火焔放射器を搭載したもの。射程20-30m、放射時間30秒。また、タービンポンプ式火焔放射器を装備するものも試作された。参考：日本の戦車と装甲車両

　＜化学戦車チハ車＞：日本陸軍化学戦車両。車体後部の機関室を改造して毒ガス撒布装置を搭載したもので、主砲は外し、武装は機銃のみとなっている。きい１号（マスタード）１トンまたはちゃ１号（窒息ガス）50kgを搭載し、タービンポンプで撒布する。開発途中で終戦を迎えた。参考：月刊PANZER9,’03

　＜九七式指揮戦車＞：日本陸軍指揮戦車。連隊長以上の将校が指揮用に使用するもので、主砲を外し、通信機材と観測用器材を装備している。車体左には固定式に37mm砲を搭載した。戦車学校でしか使用されなかったようである。参考：機械化部隊の主力戦車、日本の戦車と装甲車両

　＜高圧発電車＞：日本陸軍高圧電流発電車両。車体を流用して出力15000Vの発電機・変圧器を搭載したもので、高電圧鉄条網の構成、敵通信網の破壊などを目的に製作された。参考：月刊PANZER3,’05

　＜自走山砲＞：日本陸軍自走山砲。砲塔を外して山砲を搭載、前面及び側面前部に防楯を付けたもので、昭和16年8月に千葉で目撃された。参考：機甲入門

　＜自走ロケット砲＞：日本陸軍自走多連装ロケットランチャー。砲塔上に二段式の多連装ロケットランチャーを搭載したもので、陸軍技術研究所で製作されたようである。参考：日本の戦車と装甲車両

　＜地雷原処理車＞：日本陸軍地雷原処理車両。九七式中戦車の車体にチェーン式の地雷処理機を取り付けたもの。チェーンがドラムに取り付けられており、ドラムは起動輪に直結している。参考：日本の戦車と装甲車両

　＜戦車隊用力作車＞：日本陸軍戦車回収車、別名セリ。エンジンを車体中央に移してクレーンやウインチを搭載している。３両が試作された。参考：日本の戦車と装甲車両

　＜短１２ｃｍ自走砲＞：日本海軍自走砲。海軍の小型艇などに搭載されていた短12cm砲を九七式中戦車の砲塔に載せたものである。砲塔が小さいので、シングルバッフル式マズルブレーキを取り付けて後座長を短くし、駐退復座機も同芯式に変更した。４両が製作されて佐世保に配備された。参考：月刊丸6,’14、月刊PANZER12,’04

　＜短２０ｃｍ自走砲＞：日本海軍計画自走砲。館山海軍砲術学校などで教育用に使用されていた九七式中戦車の車体に短20cm砲を搭載する予定だったが、製作中に終戦になった。参考：月刊PANZER12,’04

＜超壕機＞：超壕機を参照。

＜警視庁装甲車＞：ブルドーザーのドーザーを外したものを装甲車代わりに使用、昭和23年の東宝争議でも登場した。参考：日本戦車隊戦史

　＜ブルドーザー＞：戦後、民間に払い下げられ、砲塔や車体銃を外してオープントップのブルドーザーに改造された。全国で使用され、東京では昭和24年の大雪でも活躍している。参考：日本戦車隊戦史、月刊軍事研究8,’04

　＜民生クレーン車＞：足回りを流用してクレーン車に改造したもの。本来の誘導輪と第１転輪を外して第２転輪を接地式誘導輪とし、車体前部にボンネットと背の高いキャビンを増設、車体後部にクレーンを装着した。横浜港で昭和34-35年頃まで使用されていたらしい。参考：日本戦車隊戦史

＜九七式中戦車・照準射撃法＞：車長が「弾薬込め」と命じる。弾種を指定しなかった場合、榴弾を装填する。砲手は安全装置を解除し、閉鎖機手動開閉槓桿を引いて閉鎖機を開き、槓桿を元に戻す。砲弾を取り出して装填するが、閉鎖機に指を挟まないよう素早く行う。完了したら「装填」と言う。車長が装填することもあり、その場合は装填完了後に砲手の背中を叩く。目標は方向、距離、種類の順で「２時、距離400、兵」などと指示するが、見えにくい場合は別の目立つ目標からの距離を示し、「２時の立木、左10密位、兵」のように指示する。照準眼鏡はスタジアメトリック式、倍率は２倍で、クロスヘアと200mごとの距離目盛り（０、２、４…20）が刻まれている。目盛りと目盛りの間は10密位に設定されているので、これを利用して目標までの距離を測ることが可能。距離を測ったら目標にクロスヘアの縦の線を、目標下端に距離目盛りを合わせるが、移動していればリードを取るし、横風が吹いていたら風速1mあたり１密位の修正を入れ、砲弾飛翔距離が気温マイナス30度なら3.6%短くなり、０度なら0.8%、30度なら1.2%長くなるのでその修正も入れる。照準が終わったら右手のグリップに付いている引き金に第2-4指をかけ、２段階絞り込むと撃発が行われ、砲弾が発射される。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜九七式中戦車改・照準射撃法＞：照準指示は九七式と同じだが、基本的に徹甲弾を装填する。照準眼鏡は倍率４倍で、九七式と同様のクロスヘアと距離目盛りが付いているが、クロスヘア（下に伸びるライン以外）に密位を示す目盛り（２、４、…10）が刻まれていて、これを使用して目標距離測定及びリード取りを行う。後は九七式と同様に距離目盛りを合わせて発射する。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜九七式中迫撃砲＞：日本陸軍150mm迫撃砲。昭和12年12月から開発され、昭和16年1月に短、4月に長が完成した。照準器への衝撃を防止するため、緩衝器が付いている。墜発と撃発での射撃が可能。口径150.5mm、砲身長1.395m（短）／1.935m（長）、砲身重量75.5kg（短）／118kg（長）、放列砲車重量232.5kg（短）／342kg（長）。仰角45-80度、旋回角180ミル。使用弾は九九式榴弾と二式榴弾で、初速毎秒212m、最大射程3850m、発射速度毎分15発。昭和16年に40門、昭和17年に40門、昭和18年に30門が生産され、その後は二式十二糎迫撃砲の生産に移った。参考：大砲入門

＜九七式鉄道牽引車＞：日本陸軍の鉄路用輸送車両。九四式六輪自動貨車を鉄路走行用としたもので、装甲は省き、その分だけ余計に貨物を積めるようにしてある。エンジンは液冷直列６気筒ガソリン（68馬力）。参考：月刊丸3,’13

＜九七式導火雷管＞：日本陸軍の雷管。参考：工兵入門

＜九七式導電線鋏＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九七式導爆索＞：日本陸軍の導爆用火具。伝爆速度は毎秒6000m。参考：月刊丸1,’07、工兵入門

＜九七式動力作井機＞：日本陸軍の作井給水器材。参考：工兵入門

＜九七式爆薬＞：日本海軍の魚雷用爆薬で、昭和12年に制式化された。TNTとヘキシル（ヘキサニトロジフェニルアミン）を６対４で混合したものである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜九七式飛行艇シリーズ＞：日本海軍飛行艇、略符号H6K、通称九七式大艇。図体が大きく、巡航速度が低くてその場に止まっているような感じだったため、アドバルーンとも呼ばれた。連合軍コードはメイビス（Mavis）。ワシントン・ロンドン条約で制限された艦艇戦力を補う、洋上の漸減作戦用長距離哨戒・索敵飛行艇（最大速度296km、航続距離4625km以上、航空魚雷２本搭載）として要求され、昭和9年1月18日から川西航空機が開発し、原型機１機、増加試作機３機、量産型175機が生産された。うち15・16号機は九七式輸送飛行艇に改造されている。日華事変の後期から実戦参加し、太平洋戦争中期まで前線で使用された後、後方輸送任務に就いた。酷使された結果、終戦時に残っていたのは５機だけだった。参考：月刊丸3,’18別冊、月刊航空ファン4,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings6,’05、4,’07

　＜九試大型飛行艇＞：試作型で、昭和11年7月14日に初飛行した。原型機は光二型エンジン（700馬力）だったが、テストで出力不足を指摘され、増加試作型３機は金星四三型（990馬力）に換装した。参考：月刊JWings6,’05、4,’07、月刊丸3,’18別冊、海軍よもやま物語

　＜九七式一号飛行艇＞：略符号H6K1。九試大型飛行艇が昭和13年1月8日に制式採用されたもので、単に名前を変えただけである。機体は全金属製セミモノコック構造。主翼はパラソル翼単葉で、翼スパン40m、アスペクト比9.7。エンジンは金星を積む予定だったが、開発が間に合わず、中島製光二型（870馬力）を積むことにし、主翼内翼部前縁に左右計４基並べて配置した。艇体内に燃料タンクが８つあり、燃料ポンプだけでは高い主翼に付いているエンジンに燃料を送りきれないため、ペスコポンプと呼ばれる補助ポンプが艇体内に装備されていた。ただ不調になることが多く、傍には常に木槌が置いてあり、軽く叩いて調子を戻した。ちなみにこの木槌はヘマをした塔発員を小突くのにも使用された。尾翼は双垂直尾翼である。防御兵装は機首の7.7mm旋回機銃、機体後部側面の側方7.7mm旋回機銃１丁ずつ、機体後上方の半球型7.7mm機銃座１基、機体後部の20mm旋回機関砲座１基。主翼に1600kgまでの爆弾または魚雷を搭載できる。参考：月刊JWings6,’05、月刊丸3,’18別冊

　＜九七式二号飛行艇＞：略符号H6K2。エンジンを本来採用予定だった金星四三型に換えたもの。主翼はパラソル翼単葉。全長25.63m、全幅40m、全高6.27m、前車輪部吃水1.7m、自重10340kg、最大重量16000kg。翼面積170平方メートル。エンジンは三菱製金星四三型（1000馬力）４基、最大速度332km、実用上昇限度7600m、航続距離4130km。６機が新規生産され、４機が一号から改造された。後に九七式飛行艇一一型に改称された。参考：月刊JWings6,’05、5,’05、月刊世界の艦船11,’00

　＜九七式飛行艇二二型＞：略符号H6K4。エンジンを換装し、機体後上方の武装を7.7mm旋回機銃に変更したもの。全長25.63m、全幅40m、全高6.27m、自重11707kg、最大離陸重量17000kg、過荷時最大重量21500kg。エンジンは金星四六型空冷星形複列14気筒ガソリン（1070馬力。930馬力？）４基、巡航速度222km、最大速度340km、上昇限度9610m、実用上昇限度7467m、航続距離4791km（魚雷２本搭載）／6081km（魚雷無し）。防御武装は7.7mm旋回機銃４丁、20mm機関砲１門。魚雷２本または800kg爆弾２発または60kg爆弾12発を搭載できる。乗員９名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings3,’18、6,’05、4,’07

　＜九七式飛行艇二三型＞：略符号H6K5。エンジンを金星五一／五三型に換えたもの。全長25.63m、全幅40m、全高6.27m、自重12380kg、最大離陸重量23000kg。エンジンは三菱製金星五一／五三型（1200馬力。1300馬力？）４基、最大速度385km、実用上昇限度9600m、航続距離6800km。防御武装は九二式7.7mm機銃４丁（機首、両側面、背面）、20mm機関砲１門（尾部）。800kg魚雷２本または爆弾1000kgを搭載できる。参考：週刊エアクラフトNo.137、月刊JWings6,’05

＜九七式飛行艇ファミリー＞

　＜九七式輸送飛行艇＞：九七式輸送飛行艇シリーズを参照。

＜９７式分隊支援火器＞：97式アサルトライフル・ファミリーを参照。

＜九七式方形灰色薬＞：日本陸軍の爆薬。参考：工兵入門

＜九七式輸送機＞：日本陸軍輸送機キ−34、連合国コードはソーラ（Thora）。中島飛行機が満州航空向けに開発したAT-2輸送機を昭和12年12月に軍用として採用したものである。DC-2をベースとしており、機体は全金属製で、主翼は低翼単葉、引き込み脚を持つ。プロペラはAT-2ではハミルトン式高低２段可変ピッチだったが、固定ピッチに換装しており、写真でもプロペラ付け根にピッチ変更用の錘が見えない。昭和12-15年に中島飛行機で19機が生産され、以後立川飛行機で299機が生産された。全長15.3m、全幅19.9m、全高4.15m、自重3700kg、全備重量5250kg。エンジンはハ−12（710馬力）双発、プロペラは金属製固定ピッチ２翅（直径2.7m）、最大速度360km、実用上昇限度7000m、航続距離1200km。乗員３名。人員８名を輸送できる。少数が海軍に移管され、中島式双発輸送機として使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊

＜九七式輸送機＞：日本海軍輸送機。昭和11年10月、日本海軍が十一試特種水上偵察機（後の九八式水上偵察機）の試作を愛知航空機と川西航空機に指示。比較審査の結果、愛知航空機案が採用され、川西航空機の試作機２機の使い道が無くなったため、陸上引き上げ用車輪などを取り付けて輸送機にしたものである。単葉飛行艇で、翼端に引き込み式フロートを持つ。参考：月刊丸3,'18別冊

＜九七式輸送飛行艇シリーズ＞：日本海軍輸送用飛行艇。南洋諸島への輸送用として九七式飛行艇を基に開発し、川西航空機が製作した。昭和15年から海軍で20機、大日本航空海洋部で18機を運用している。参考：月刊丸3,’18別冊、月刊JWings6,’05

　＜九七式輸送飛行艇（原型）＞：略符号H6K3。運用試験用の原型機で、九七式二号飛行艇（九七式飛行艇７・８号機）を改造して２機が製作された。参考：月刊丸3,’18別冊、月刊JWings6,’05

　＜九七式輸送飛行艇＞：略符号H6K2-L。実用型で、九七式飛行艇二二型（九七式飛行艇15・16号機）を改造して２機が製作された。武装は全て撤去しており、機体中央にベッド4-8床、後部に10座席を持つ。乗員８名（機長、正操縦士、副操縦士、通信士２名、機関士２名、給仕）。ときにエアガール（キャビンアテンダントのこと）が乗って機内食（料亭八百政の特製松花堂弁当）を配ることもあった。参考：月刊丸3,’18別冊、月刊JWings6,’05

　＜九七式輸送飛行艇（新造）＞：略符号H6K4-L。新規生産型で、36機が製作された。参考：月刊丸3,’18別冊、月刊JWings6,’05

＜九七式落下傘＞：日本海軍の単座機乗員用パラシュート。落下傘嚢を座布団代わりにして座る。参考：歴史群像4,’17

＜九七式練習攻撃機一一型＞：九七式艦上攻撃機ファミリーを参照。

＜九七式練習戦闘機＞：九七式戦闘機ファミリーを参照。

＜九七式濾函＞：日本陸軍の化学戦闘器材。参考：工兵入門

＜九七年式制服＞：中国人民解放軍の制服。夏服にベレー帽を採用した他、服の種類自体も増えた。参考：月刊軍事研究9,’07

＜９７−２式防暴銃＞：中国人民武装警察が装備している銃で、催涙弾を発射できる。参考：月刊軍事研究12,’09

＜９８＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦第１グループ、シーラ（Schlla）。1941年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜九八Ｃ型通信機＞：九八式直接協同偵察機ファミリーを参照。

＜九八式二働信管＞：日本陸軍の弾頭二働信管。九八式榴弾、九九式尖鋭弾などに使用されている。参考：大砲入門

＜九八式四屯牽引車＞：日本陸軍牽引車、別名シケ車。九四式牽引車の後継として開発され、駆動系と足回りを改良している。履帯と懸架装置は九五式軽戦車と同じものに換えられた。全長3.8m、全幅1.9m、全高2.17m、自重4.3トン。エンジンは空冷Ｖ型８気筒ガソリン（平均出力72馬力、最大出力91馬力）、トランスミッションはクラッチ・ブレーキ式、最大速度40km、燃料搭載量160リットル。乗員６名。機動九〇式野砲の牽引や気球繋留などに使用された。値段は昭和17年度で36900円。参考：機甲入門、機械化部隊の主力戦車、大砲入門、日本戦車隊戦史

＜九八式四屯牽引自動貨車ファミリー＞

　＜自走高射機関砲＞：自走高射機関砲型で、後部荷台に九八式高射機関砲を搭載している。試作のみ。参考：機甲入門

＜九八式四輪起動乗用車＞：日本陸軍の将校用指揮連絡車。不整地踏破能力向上のため、鬼タイヤと呼ばれる大型タイヤを装着している。昭和12年から15048両が生産された。参考：日本戦車隊戦史

＜九八式五瓩水槽＞：日本陸軍の作井給水器材。参考：工兵入門

＜九八式六屯牽引車＞：日本陸軍牽引車、別名ロケ車。九二式五頓牽引車では九六式十五糎重榴弾砲を牽引するのが酷だったので、新たに開発した。エンジンを車体後部に移し、乗車スペースを前方に向かって広げ、操向性を向上させた。エンジンのピストンにアルミニウムを採用しており、回転数が上がっている。サスペンションは九七式中戦車と同じコイルバネ式に換装し、操向装置も動力再生式の遊星歯車式にした。全長4.3m、全幅2.05m、全高1.91m、自重6.9トン、全備重量7.4トン（8.7トン？）。エンジンは統制型一〇〇式水冷直列６気筒４サイクルディーゼル（定格出力88馬力、最大出力120馬力、牽引出力75馬力）、トランスミッションは前進４段・後進１段、最大速度24km、最大後進速度4km、燃料165リットル。牽引力5-7トン。乗員７名。小松製作所製で、値段は昭和17年度で67050円。昭和18年までに149両が生産された。参考：機甲入門、機械化部隊の主力戦車、月刊グランドパワー6,’10、8,’10、日本戦車隊戦史

＜九八式七番六号爆弾シリーズ＞：日本海軍の70kg級六号爆弾で、昭和13年に制式採用された。参考：日本海軍の爆弾

　＜九八式七番六号爆弾＞：コンクリート建物に火災を起こさせるのが主目的で、九七式六番陸用爆弾の弾体を流用し、弾頭に九八式六号爆弾信管一型または九八式六号爆弾信管一型改一（遅延秒時0.03秒）を取り付けており、厚さ200mmの鉄筋コンクリートを貫通した後に吹上薬を炸裂させて焼夷子弾を放出する。全備重量71.9kg。内部に重量17.8kgのエレクトロン焼夷弾を４個収容する。テストでは高度4000mから投下して厚さ400mmの鉄筋コンクリートを貫通させることに成功したが、その後の弾子の飛散には失敗した（一応火は付いた）。昭和16年8月28日に九八式七番六号爆弾一型に改称された。参考：日本海軍の爆弾

　＜九八式七番六号爆弾一型＞：九八式七番六号爆弾を参照。

　＜九八式七番六号爆弾二型＞：一般家屋や集積物資に火を付けるのが目的で、昭和16年に制式化された。爆弾の中央にテルミットが仕込まれており、周囲に固形油9.78kgが詰まっていて、弾頭部の九八式六号爆弾信管二型改一（瞬発信管）が作動すると、弾頭部の放出薬とテルミットが炸裂し、火の付いた固形油が弾体の孔から2mほど飛び散る。直径240mm、全備重量66.2kg。参考：日本海軍の爆弾

　＜九八式七番六号爆弾二型改一＞：二型が着弾の衝撃で不発になる欠点があったため、これを改良したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜九八式一〇サンチ高角砲＞：日本海軍の高角砲で、正式には六五口径九八式一〇サンチ高角砲、別名は長一〇サンチ連装高角砲。最大射高11000mを達成するため、口径長は65と長く（80口径や70口径も検討された）、初速は毎秒1000mに達する。その分砲身寿命が350発しか無いので、砲身交換が簡単に行えるような構造を取った。四〇口径八九式十二糎七高角砲よりリーチが長く発射速度も速いが、口径が一回り小さいので威力半径は４分の３、加害容積は半分に減っている。閉鎖機は水平鎖栓式。俯仰角はマイナス10度からプラス90度、俯仰速度毎秒16度、旋回速度毎秒10.6度。総重量20.5トン、砲身重量3.053トン。弾丸重量13kg。最大射程18700m、最大射高13300m（14700m？）。発射速度毎分19発。昭和17年に完成し、169門が生産されて秋月型駆逐艦、空母大鳳、巡洋艦大淀に搭載された。参考：連合艦隊巡洋艦、図解日本の空母、日本駆逐艦史、月刊世界の艦船6,’16、12,’10、月刊丸2,’12別冊付録

＜九八式十二糎双眼鏡＞：日本陸軍の海岸要塞用双眼鏡。海軍の高角砲用望遠鏡を採用したものである。倍率24倍、視野２度55分で、簡単な測距も可能。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九八式二〇粍高射機関砲シリーズ＞：日本陸軍20mm高射機関砲。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜九八式二〇粍高射機関砲＞：試製九四式高射機関砲をベースに開発し、昭和13年1月に試作砲が完成、昭和16年7月に制式化された。構造は九七式自動砲とほぼ同じで、作動はガス圧式である。マガジン右後部脇には20、15、５と刻印された穴が空いていて、残弾が分かるようになっている。射手は照準座に座って照準具を見ながら射撃する。口径20mm、砲身長1.4m、放列砲車重量373kg。俯仰角はマイナス５度からプラス85度、360度射撃可能。使用弾は榴弾、九七式徹甲弾、一〇〇式曳光自爆榴弾、五式榴弾、五式曳光榴弾で、初速毎秒950m、発射速度毎分300発、最大射程5500m、最大射高3500m。有効射程は2000m程度で、すぐに敵機が有効範囲から出てしまうため、最初の連射で撃墜できるよう訓練を積んだ。１門あたりマガジン６個を搭載可能。昭和19年までに2500門が生産され、分解して運搬するタイプ、運搬車に載せて馬で曳くタイプ、九四式六輪自動貨車の荷台に搭載するタイプが配備され、ノモンハン事件で初実戦使用された。九八式四頓自動貨車や九七式軽装甲車に搭載するタイプも開発されたが、量産はされていない。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、大砲入門

＜九八式二〇粍高射機関砲マル特＞：九八式二〇粍高射機関砲を船舶搭載用にしたもので、170門が生産された。参考：大砲入門

＜九八式二五番陸用爆弾シリーズ＞：日本海軍の250kg陸用爆弾。コンクリート建造物破壊用として昭和13年に制式化された。飛行場の破壊や、敵艦船の対空砲火を沈黙させる目的でも使用されている。参考：日本海軍の爆弾

　＜九八式二五番陸用爆弾＞：頭部と中央部は別々に作られており、鋲接して仕上げる。信管は九七式陸用爆弾信管甲（遅延秒時0.03秒）、九七式陸用爆弾信管乙（遅延秒時0.1秒）、九九式甲爆弾信管（遅延秒時0.03秒）、九九式乙爆弾信管（遅延秒時0.1秒）などで、頭部と底部に１つずつ取り付ける。厚さ400mmのコンクリートを貫通可能。全長1.8105m、直径0.357m、全備重量242.2kg、炸薬重量96.6kg（九七式爆薬）。参考：日本海軍の爆弾、月刊丸3,’18別冊

　＜九八式二五番陸用爆弾改一＞：炸薬を九八式爆薬に変更したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜九八式三十七粍戦車砲＞：日本陸軍の戦車砲。九四式三十七粍戦車砲の薬室を17mm延長して威力増加を図り、九四式三十七粍速射砲と同じ弾薬を使えるようにしたものである。昭和13年から製作され、昭和14年に試作砲が完成、テストの結果により改修が加えられて昭和15年に制式化された。砲身長1.358m、口径長37、全備重量191.7kg、砲身重量63.5kg。使用弾は一式徹甲弾、九四式徹甲弾、九四式榴弾。一式徹甲弾を使用すると砲口初速毎秒675m、最大射程5400m、装甲貫徹力は射距離500mで20mm（弾着角０度）。昭和14年9月に完成した。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車、月刊PANZER12,’10、7,’03、6,’02、日本の戦車と装甲車両、大砲入門

＜九八式六〇口径八サンチ連装高角砲＞：日本海軍の艦載高角砲で、昭和13年に制式採用され、阿賀野型に搭載された。実口径76.2mm（正３インチ）、砲身重量1.317トン。俯仰角はマイナス10度からプラス90度、砲口初速毎秒900m、最大射程13600m、最大射高9100m、発射速度毎分26発（１門当たり）。弾丸重量5.99kg。参考：連合艦隊巡洋艦

＜九八式八百馬力発動機＞：日本陸軍の五式中戦車用エンジン。BMW社の航空機用エンジンを改造したものである。60度Ｖ型12気筒４サイクルガソリンエンジンで、全長2.075m、全幅1.14m、全高0.95m、重量1.9トン。ボア160mm、ストローク170mm（主連接桿）／187mm（副連接桿）、気筒容積42000cc、圧縮比6.5。燃料消費量は１時間１馬力あたり290g。参考：日本の戦車と装甲車両

＜九八式気球＞：日本陸軍の観測用気球。木綿ゴム球皮製で、容積800立方メートル、内部に水素を充填する。係留索には電話線も繋がれていて、気球に搭載した観測機器で得た情報を地上に直ちに送信する。最大高度1200m。日華事変末期から実戦投入され、太平洋戦争にも参加した。参考：大砲入門

＜九八式気球気嚢＞：日本陸軍の気球器材。参考：工兵入門

＜九八式機動軽牽引車＞：日本陸軍の軽牽引車、別名ロニ車。全長4.3m、全幅2.05m、全高1.91m、自重6.9トン、全備重量7.4トン。エンジンは水冷直列６気筒ディーゼル（平均出力105馬力、最大出力128馬力）、最大速度45km、燃料搭載量165リットル。牽引力4.4トン。乗員９名。参考：機甲入門

＜九八式臼砲＞：日本陸軍の臼砲で、ソ連のトーチカを破壊すべく昭和10年から開発された。無砲弾またはム弾と通称され、木製台座と鉄製の筒からなる簡易な発射座に安定翼付きの大型砲弾を填め込み、ロケット花火のように撃ち出す。当初は口径150mmだったが、後に330mmに拡大されている。発射座は長さ1.8mのヒノキ18本からなり、放列砲車重量1215kg。使用弾は九八式榴弾で、砲弾直径330mm、重量300kg、炸薬重量40kg、初速毎秒110m、射程1200m、威力半径125m。発射速度毎分１発。発射座、弾薬（３分割）とも分解して人力で運搬できる。砲要員は弾丸運搬手6-8名（10名？）、発射座運搬手28-42名（56名？）、観測兵３名。組み立てには30分（60分？）かかる他、共通規格で作られていないので、部品が足らないからといって他の砲を組み合わせることはできない。まず45度の角度で地面を掘り、発射座を固定、その上に発射筒を固定し、砲弾を被せて発射する。発射筒は左右に８度ずつの射界を持つが、砲撃精度は無きに等しく、台座は６発（1-3発？）程度で壊れる。１個大隊は３個中隊からなり、１個中隊は砲４門・予備砲身４本・弾薬12発を装備する。満州で訓練が行われ、初実戦使用はシンガポール攻略戦で、他の砲兵部隊に先んじて前線に布陣し、ブキテマ高地に撃ち込んだ。コレヒドール上陸戦にも持ち込まれたが、分解輸送にあたった舟艇が散り散りに上陸したため組み立てられず、使用できなかった。硫黄島戦や沖縄戦に投入され、アメリカ軍から空飛ぶバスケットというニックネームを付けられている。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊軍事研究4,’02、コンバット・バイブル２、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、大砲入門、日本戦車隊戦史

＜九八式魚雷＞：日本海軍の甲標的用45cm魚雷で、九六式魚雷の縮小型である。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九八式軽戦車＞：日本陸軍軽戦車ケニ。昭和13年から九五式軽戦車と九七式軽装甲車の後継として開発され、日野自動車（ケニＡ型）と三菱重工（ケニＢ型）で試作に入り、昭和14年に試作車が完成して日野自動車製ケニＡ型が採用された。車体は第二種防弾鋼板の溶接構造で、上部構造は60度の傾斜を持つすっきりとした形状である。ただ溶接技術が未熟だったらしく、一部にリベットを併用した。操縦手は車体前部中央に座り、前方のスリット付き視察ハッチ及び側面の視察スリットで視界を得る。車体前部にはトランスミッションも置かれていて、車体中央が戦闘室で砲塔が載り、車体後部が機関室でエンジンを収容する。下部転輪は片側６枚、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側３枚。下部転輪は２枚１組でボギーで連結され、前・中部ボギーを１組、後部ボギーを独立で、それぞれ車内収容の横置きスプリングにより緩衝した。ちなみにケニＢ型は大型下部転輪片側４枚を配しており、起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は無い。履帯はマンガン鋼製で、全浮遊式連結ピンにより接続され、履帯幅は250mm。砲塔は傾斜60度の円錐台形全溶接製で、車体中心線上に移動しており、砲塔内には砲手と車長の２名が位置するようになり、車長のみだった九五式軽戦車よりも運用の幅が増した。ただハッチは砲塔に１箇所だけで（操縦手もここから乗る）、被弾時に脱出が難しい。キューポラは無い。砲塔両側面には視察スリットとピストルポートがあり、後部には視察ハッチがある。全長4.11m、全幅2.12m、全高1.82m、車体重量6.2トン、戦闘重量7.2トン。武装は砲塔の一〇〇式三十七粍戦車砲（106発）と九七式車載重機関銃（3160発）１丁。装甲厚は車体前面16mm、側面12mm、後面10mm、上下6mm、砲塔全周16mm、上面6mmで、九五式より若干厚くなったものの、下手をすると12.7mm重機関銃M2に射距離100mで正面を撃ち抜かれる。エンジンは統制型一〇〇式直列６気筒４サイクル空冷ディーゼル（130馬力）、トランスミッションは機械式摺動選択式前進４段・後進１段（ちなみにケニＢ型は油圧操作式で丸ハンドル装備）、最大速度50km（Ｂ型は55km）、燃料搭載量128リットル、航続距離300km。無線機は無い。乗員３名（操縦手、砲手、車長）。制式採用が日華事変勃発後だったため生産ライン変更に手間取り、搭載戦車砲の完成遅延もあって量産開始が昭和17年に入ってからになってしまい、既に二式軽戦車が完成済みで、主砲の量産ペースも鈍く、113両のみが生産された。大部分は本土決戦用に残されていたようで、主砲生産の遅れで余った車体は対空戦車に回されている。空挺戦車としてク−７グライダーに積むことも考えられていたが、肝心のグライダーが完成せず、この計画は消滅した。参考：月刊PANZER3,’10、6,’02、異形戦車ものしり大百科、日本の戦車と装甲車両、機甲入門

＜九八式軽戦車ファミリー＞

　＜ソキ車＞：自走高射機関砲型。砲塔を外して固定式戦闘室を増設し、二式二〇粍高射機関砲（ソキ砲�U型とも呼ばれる連装機関砲）を搭載した。参考：機甲入門

　＜タセ車＞：自走高射機関砲型。専用の砲塔を搭載し、車載用に砲架を改造した九八式高射機関砲（ホキ砲�U型）を装備した。1941年11月に試作車が完成してテストに附されたが、命中精度が悪く、開発中止となった。参考：機甲入門、世界の軍用車両(1)、日本の戦車と装甲車両

＜九八式軽地上標定機＞：日本陸軍の観測用器材。地上標定機の簡易版である。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九八式軽爆撃機＞：日本陸軍軽爆撃機キ−32。昭和11年5月から川崎で開発され、エンジンに問題があって一旦キ−30（後の九七式軽爆）に負けたが、日華事変勃発により増加試作機の製作指示が出され、昭和13年に採用された。主翼は低翼単葉。降着装置は尾輪式固定脚で、主脚にスパッツが付く。全長11.6m、全幅15m、全高2.9m、自重2240kg。エンジンはハ９�U型乙液冷ガソリン（850馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ３翅（ピッチ25度48分、直径2.9m、重量89kg）、最大速度420km、実用上昇限度8500m、航続距離1300km。固定武装は7.7mm機銃２丁。450kgまでの爆弾を搭載できる。乗員２名。昭和15年までに846機が生産され、太平洋戦争初期まで使用されたが、エンジンに振動発生などの問題があり、稼動率は低かった。プロペラも制式制定時の陸軍軍需審議会で将来的に可変ピッチに変更するよう要求されていたが、結局固定ピッチのままになっている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン5,’18、12,’19、月刊丸1,'17別冊

＜九八式軽爆撃機ファミリー＞

　＜表面冷却実験機＞：陸軍委託研究である表面冷却の研究（第一次）／（第二次）に基づき、川崎航空機で140号機を改造したもの。ラジエーターを機体表面と一体化した場合の冷却効率を確認するのが目的で、機首下のラジエーターはそのまま残し、右主翼内翼部に表面冷却器を装着、コクピットから胴冷表冷切換弁を操作して片方だけにエンジン冷却水を流すようにした。昭和14年10月から昭和15年12月に実験が行われ、表面冷却器を主翼前縁に置いた場合と主翼上下面に置いた場合の冷却効果を比較、どちらも差が無いことを確認している。キ−78で更なる実験に進んだ。参考：月刊航空ファン5,’18

＜九八式軽防楯＞：日本陸軍の近接戦闘器材。個人用防弾盾で、日本電解製鉄所が開発した。厚さ6mm（公差プラスマイナス0.7mm）の特殊鋼製防楯に普通鋼または継目無鋼管製の脚を取り付けており、褐色に塗装する。参考：工兵入門

＜九八式高圧線路材料＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜九八式高圧探知器＞：日本陸軍の近接戦闘器材。電流を流した障害物を探知する器材で、昭和9年9月に陸軍工兵学校から陸軍技術本部に開発依頼が出され、昭和10年1月から陸軍科学研究所で開発された。地電流の分布を分析するタイプと磁束の分布を分析するタイプの２つを試作、実用試験の結果後者を採用することにし、改良を加えて昭和12年11月に完成させている。参考：工兵入門

＜九八式国民突撃騎銃＞：ドイツ国防軍のカービン。全長1.031m、銃身長0.528m、重量3.13kg。口径7.92mm、装弾数１発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜九八式固定機関銃＞：日本陸軍7.9mm機銃。ドイツのラインメタル社が開発した航空機用7.9mm機関銃MG17を昭和12年5月からテストし、昭和14年に仮制式化したものである。スプリングの生産技術が無く、国産化は断念された。全長1.18m、銃身長0.6m、重量10.1kg。口径7.92mm、弾薬重量26.5g、弾丸重量12.8g、初速毎秒750m、発射速度毎分1000発。参考：月刊丸1,'17別冊

＜九八式射撃照準器＞：日本海軍の光像式射撃照準器。本体下部に照明用電球、その上に十字線標板が置いてあり、更に上にコリメーター用レンズが装着されていて、本体上部中央に45度後方に傾けて搭載された反射鏡に十字線を投影するようになっている。反射鏡前方には二重丸に十字線を重ねたアイアンサイトが用意されている。全長9-10m・翼幅11-12m前後の敵戦闘機用で、射距離100mで外側リング、射距離200mで内側リングが敵戦闘機全長と、射距離300mで内側リングが敵戦闘機翼幅と概ね一致する。零戦に搭載された。大型爆撃機相手に射距離を掴むのが困難で、弾道特性の悪い20mm機関砲を遠距離で発射することになり、命中率が悪くなった。参考：丸メカニック別冊１

＜九八式射撃盤＞：日本海軍の射撃盤。戦艦比叡に搭載された。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜九八式射撃盤改一＞：日本海軍の射撃盤。大和型戦艦の主砲発令所に搭載された。射距離を前檣楼頂部及び各砲塔の基線長15.5m三重測距儀計４基と後檣楼頂部の10m三重測距儀１基から３個ずつ計15個のデータを取得し、距離平均器に入力すると、前後檣楼からの距離データ計６個の平均値及び各砲塔からの距離データ計９個の平均値が平均測距盤値に表示されるので、この２つの平均値から平均測距離を求めて射撃盤に手動入力する。また、平均測距離のデータを見つつ平均測距離盤の追尾ハンドルを動かして追針値を手動操作し、射撃計算を行う。更に平均測距離盤からの距離データによる距離曲線盤の表示から変距率を算出し、平均測距離値、変距率、九八式方位盤改一からの光学照準データにより射撃計算値を修正、正確性を高める。二二号電探からの測距データを前後檣楼からの距離データ計６個のうち１つと交換で入力することも可能。参考：月刊世界の艦船9,'21、4,’17

＜九八式車両経路機＞：日本陸軍の測量器材。九二式経路機の車載版で、昭和9年7月から開発されて昭和13年3月に実用化され、指揮車両、偵察車両、伐開機などに搭載された。参考：工兵入門

＜九八式銃眼閉塞具＞：日本陸軍の器材。火点や側防拠点などの銃眼を外から塞いでしまうもので、昭和9年12月から開発し、昭和11年6月に２種類の試作品が完成、昭和13年1月に制式化された。高さ150-600mm、幅500mm以上、深さ400mm以上の銃眼を塞ぐことができる。参考：工兵入門

＜九八式重防楯＞：日本陸軍の近接戦闘器材。機関銃用防弾盾で、日本電解製鉄所が開発した。厚さ6mm（公差プラスマイナス0.7mm）の特殊鋼製防楯に普通鋼または継目無鋼管製の脚を取り付けたもので、褐色に塗装する。参考：工兵入門

＜９８式小銃＞：北朝鮮軍の突撃銃。AK-74のヘリカル・マガジン型で、銃身下面に円筒形の75-100連マガジンが装着されている。使用弾は5.45mm×39弾。参考：月刊軍事研究5,’18

＜九八式乗用車シリーズ＞：日本陸軍の軍用自動車、別名キジ車。参考：機甲入門

　＜九八式乗用車（甲）＞：全長4.95m、全幅1.82m、全高1.9m、自重2.41トン、全備重量2.91トン。エンジンはガソリン（総排気量4390cc）、最大速度80km。燃料搭載量80リットル、燃費は１リットルあたり4.5km。乗員７名。参考：機甲入門

　＜九八式乗用車（乙）＞：エンジンをディーゼルに換えたもの。全長4.95m、全幅1.82m、全高1.9m、自重2.64トン、全備重量3.14トン。エンジンはディーゼル（総排気量3400cc）、最大速度75km、燃料搭載量80リットル、燃費は１リットルあたり8.3km。乗員７名。参考：機甲入門

＜九八式地雷探知機＞：日本陸軍の近接戦闘器材。満州事変の熱河作戦で地雷原突破に難渋したため、地下水を電気回路で探知する方法を参考に開発した。真空管を使用した発信回路に金属体が近接すると周波数が変化する現象を応用しており、これを音源化して耳から聞くことで金属製地雷の所在を知ることができる。深さ200-300mmの地雷を探知可能。重量18kg。重いのが欠点で、一〇〇式地雷探知器が開発された。参考：工兵入門

＜９８式信管＞：陸上自衛隊81mm迫撃砲用電波式近接信管。二段切り替えが可能で、着発機能も持つ。電源は熱電池を使用している。横河電子機器製。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究12,’09

＜９８式信管（改善）（試験用）＞：自衛隊の火工品。横河電子機器製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜九八式水上偵察機＞：日本海軍艦載水上偵察機、略符号E11A。洋上の漸減作戦において、50ノット以下の巡航速度で敵艦隊に夜通し触接するのが主任務である。九六式夜間水上偵察機が性能不足だったため、昭和11年に十一試特種水上偵察機（プッシャープロペラの飛行艇。エンジンは九一式五〇〇馬力発動機単発だが他のでも双発でも可）として愛知航空機と川西航空機に試作発注が出され、愛知の複葉案が川西の単葉案に勝って昭和13年6月に制式採用された。高速性能は要求されていないので機体は飛行艇形状とし、複葉主翼の下翼を肩翼に配置、その上に支柱を介して上翼を載せ、中央にエンジンを搭載、プッシャープロペラを装着した。下翼外側にはフロートがある。全長10.71m、全幅14.49m、自重1927kg（2524kg？）、全備重量3297kg。エンジンは九一式二二型五〇〇馬力発動機（水冷Ｗ型複列12気筒。離昇出力620馬力、公称出力520馬力）単発、巡航速度93-121km、最大速度217km、実用上昇限度4425m、航続距離1300km（1945km？）、航続時間14時間。武装は機首銃座の7.7mm旋回機銃１丁。乗員３名。昭和12年度に試作機２機が製作され、海軍の要求通りの性能を発揮したが、実用試験では低速すぎて敵機に襲われると逃げられない、スピードを上げると燃費が一気に悪化するので敵艦隊に向かう際も低速で飛ばねばならず行動範囲が狭い、背が高いので揚収が困難、機体強度が足りないといった欠点が見つかった。要求は満たしていたので昭和14年度から水雷戦隊旗艦に配備してみたものの、演習では低速すぎて探照灯を振り切ることすら出来ない、艦船の高速機動にも付いていけないといった欠点を露呈し、量産機は昭和13年度に10機、昭和14年度に12機、昭和15年度に８機が生産されたところで打ち切りになった。任務は高速で航続時間も長い零式水上偵察機が引き継いでいる。参考：歴史群像8,’15、月刊丸3,'18別冊

＜九八式折畳重門橋＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜九八式窃話機＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九八式旋回機関銃＞：日本陸軍の航空機用7.92mm旋回機銃。ドイツのラインメタルMG15機銃を採用したもので、昭和12年5月からテストし、八九式7.7mm旋回機関銃と口径が異なるので若干揉めたが、昭和15年6月20日に制式化した。作動は反動利用式。全長1.078m、銃身長0.6m、重量7.2kg。初速毎秒750m、発射速度毎分1000発。使用弾は一式普通実包、一式徹甲実包、一式焼夷実包。スプリングの生産技術が無く、国産化は断念している。参考：月刊航空ファン9,’02、歴史群像8,’17、月刊丸1,'17別冊

＜９８式戦車シリーズ＞：中国陸軍主力戦車、中国名称98式主戦担克、メーカー名称WZ-123。ロシア戦車に対抗するためNORINCOで1989年から開発され、1990年に試作初号車が完成したが性能不足で、1998年に漸く生産車が登場し、1999年の建国50周年北京軍事パレードに参加した。ただ軍事パレードに間に合わせるため無理矢理制式化したらしく、その後も改良を要している。2001年頃から配備されているが、重量などがインフラ限界ぎりぎりで価格も高いため、96式戦車とハイローミックスを形成するようである。参考：月刊グランドパワー9,’04、世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’15、5,’07

＜９８式戦車＞：車体はT-72に類似しているが、大型化しており車重は50トンを超える。車体前面は複合装甲で、耐弾力は対APFSDS弾で均質圧延鋼板480mm相当、対HEAT弾で550mm相当らしい。砲塔前部には複合装甲が採用され、耐弾力は対APFSDS弾で均質圧延鋼板640mm相当、対HEAT弾で790mm相当に達し、射距離2000mでラインメタル120mm滑腔砲のAPFSDS弾に抗堪できるという。他の部分は均質圧延鋼板の溶接製である。エンジンはMTU396（1200馬力。同出力のイギリス・パーキンス製コンダーCV-12-1200TCAディーゼルエンジンともいわれる）、トランスミッションはフランスSESM製ESM500全自動変速機（前進５速・後進２速）。主砲は国産の自動装填装置付き２軸安定化51口径125mm滑腔砲ZPT-98式で、9M119腔内発射ミサイルを発射可能。主砲弾薬の薬莢は半燃焼式で、発射後には底蓋しか残らない。自動装填装置内に即用弾22発を搭載、車体に更に20発を収容する。高性能FCS（90式�U型のものを改良しているという）、NBC防護装置、頂部搭載レーザー検知発煙弾発射システム（主砲発射型対戦車ミサイルの誘導装置またはFLIRともいわれる。砲塔上面左に装備）を搭載し、シトーラに似た赤外線ジャマーを装備できる。砲塔両側に84式76mm５連装発煙弾発射機、上面右には環境センサーを装備。全長10.92m、車体長7.5m、全幅3.372m、全高2.4m、戦闘重量54トン。最大速度72km、航続距離500km。乗員３名。1999年の軍事パレードに登場させるため、開発途中で急遽生産することになり、取り敢えずパレードで動けるだけの戦車になってしまい、改良型の99G式が生産されることになった。名称は軍事パレード後に99式戦車（99式主戦担克）に変更されている。参考：月刊グランドパワー9,’04、世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’10、8,’03、2,’03、4,’02、12,’09、月刊丸10,’10

＜９８式Ｂ戦車＞：99B式かも。イスラエル製120mm滑腔砲と1500馬力級エンジンを搭載した改良型で、試作中らしい。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜９９式戦車＞：98式戦車が1999年の軍事パレード後に改称されたもの。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊丸10,’10

＜９９Ｇ式戦車＞：99式戦車の改良型で、出現当時は西側から98戦車�T型や98G式戦車と呼ばれていた。砲塔前面にショト装甲類似の増加装甲を張って対HEAT弾防御力を均質圧延装甲換算で1200mmに強化、砲塔上面右に車長用旋回式パノラミック映像装置（レーザー測距器と第２世代熱線暗視装置。視察可能距離は7-9km、悪天候時4km）、左に安定化装置付き昼夜間兼用砲手サイトを設けている。行進間射撃での命中率は射距離2000mで85%。また、砲塔上にはレーザー光学機器無力化装置ZM-97（JD-3？）を搭載しており、レーザーを照射された方向にレーザーを照射し返して敵照射装置を破壊したり、敵兵の視力を奪ったりする他、レーザー通信が可能で、無線封止中でも僚車との交信が行える。主砲弾種はタングステン弾芯APFSDS-T、HEAT、HE、9M119腔内発射ミサイル（４発）で、劣化ウラン弾も開発済みといわれる。タングステン弾芯APFSDS-Tは射距離2000mで68度傾斜させた220mm装甲板を貫徹できる（砲口初速毎秒1780m、装甲貫徹力は射距離2000mで850mm、劣化ウラン弾なら960mmに達するという説もあるが、本当かどうかは不明）。副武装は02式14.5mm重機関銃１丁と86式7.62mm同軸機銃１丁。下部転輪はダブルタイプ片側６組、サスペンションはトーションバー式。波形スカートを持つ。エンジンは国産だが、MTU社製MB870のコピーといわれる。国産トランスミッションの性能に限界があり、超信地旋回が出来ないらしい。全長11m、車体長7.5m、全幅3.4m、全高2.2m（砲塔上面まで）、戦闘重量54トン。エンジンはWR703/150HB液冷Ｖ型12気筒ターボチャージド・ディーゼル（1500馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進７速・後進１速。フランスSESM社製オートマチック？）、最大速度80km（路上）／60km（路外）、航続距離650km。2001年から生産されており、2007年には中国のテレビドラマに出演、名称付で公表されたのは2009年10月1日の軍事パレードが初である。コストが高く、重くて中国のインフラでは運用が難しく、2001年には40両が生産・配備されたが、2009年の段階で生産数200両強に留まっている。北京軍区第38集団軍と瀋陽軍区第39集団軍に配備された。参考：月刊軍事研究2,’10、3,’05、12,’09、2,’13、9,’13、2,’15、月刊グランドパワー9,’04、月刊PANZER10,’04、5,’10、月刊丸10,’10、朝雲

＜９９Ａ式戦車＞：ZTZ-99A。99G式の改良型で、2015年の軍事パレードに登場した。車体を短くして下部転輪の間隔を詰め、車体底部装甲を強化、主砲に砲口照合器を追加し、主砲俯仰角を増加、エンジンをパワーパック化し、トランスミッションをオートマチックに変更して超信地旋回できるようにしている。エンジンはMTU社製ディーゼルがベースの150HB-2ターボチャージド・ディーゼル（1500馬力）、トランスミッションはZF社製LSG3000ベースのオートマチック、最大速度80km。参考：月刊軍事研究2,’16

＜９９Ａ２式戦車＞：主砲を140mm滑腔砲に換装し、アクティブ防御装置（レーダー探知・迎撃ミサイル発射式）を追加したタイプ。2000m先の移動目標に46発を射撃して全弾命中したらしい。ただし存在するという確証は無く、140mm砲も腔発を起こす、装弾数が少ないといった欠点から採用中止になったようである。参考：朝雲、月刊軍事研究5,’12、2,’16

＜九八式掃海索＞：日本陸軍の掃海具。上陸作戦時に浅海での浮遊障害物を除去するため、昭和9年2月から開発し、昭和14年3月に実用化した。ワイヤー、連結環、浮き、錘、シャックルなどで構成され、発動艇２隻で曳航して幅80mの海面を啓開する。全備重量260kg。参考：工兵入門

＜九八式掃海立標＞：日本陸軍の上陸作戦用器材。夜間に掃海海面を表示するためのもので、昭和9年2月から開発し、昭和14年3月に実用化した。標柱、点滅器（小乾電池を電源とする豆電球）、浮環、錨などで構成され、24時間以上の作動が可能。夜なら1km先から視認でき、赤や緑のカバーを被せた場合は0.5km先から見える。全備重量58kg。参考：工兵入門

＜九八式双眼鏡＞：日本陸軍の気球器材。参考：工兵入門

＜九八式装甲運搬車＞：日本陸軍の弾薬運搬装甲車、別名ソダ車。九七式軽装甲車の試作車をベースに開発された。車体右側前寄りにエンジン、左に操縦席があり、車体後部はオープントップの貨物室となっていて、弾薬など（前線での運搬を考慮し、装甲ボックスに収容する）を搭載できる。車体後面に両開きの扉があり、前線で走行しながら助手席での遠隔操作で補給物資を落としていく。足回りは九七式軽装甲車の流用。車体後部には牽引鉤が付いており、対戦車砲の牽引もできる。全長3.81m、全幅1.92m、全高1.61m、自重4.05トン、全備重量5.2トン。装甲厚は車体前面12mm、側面10mm、後面6mm、上面6mm、底面4mm。エンジンは空冷４気筒ディーゼル（65馬力）、最大速度40km、燃料搭載量120リットル、航続時間10時間。積載量１トン。乗員２名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、日本の戦車と装甲車両、機甲入門、日本戦車隊戦史

＜九八式装甲貨車＞：いすゞ自動車が開発した装軌式装甲兵員輸送車、別名新ソキ車、社内名称CA80。全長4.6m、全幅2.1m、全高2.5m、自重5.5トン。エンジンは直列６気筒空冷ディーゼル（90馬力）、最大速度40km、航続時間10時間。乗員２名。参考：日本の戦車と装甲車両、月刊PANZER8,’05

＜九八式装甲軌道車＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九八式装薬磁石＞：日本陸軍の爆破器材。対戦車地雷で履帯を破壊してもすぐに交換されてしまうので、機関室などの重要部位を直接爆破できるようにすることが考えられた。そのため装薬の間に磁石を埋め込んだ吸着爆雷が考案され、投擲でも貼り付くような強力な磁石として開発されたのがこれである。トーチカの鉄製ドアに対しても使用可能。昭和12年6月から研究され、昭和13年8月に仮制式化された。参考：工兵入門

＜九八式対勢儀対勢盤＞：日本海軍の潜水艦用対勢盤で、自艦に対する敵艦の相対位置を自動的に予測して表示する。精度は高かったが、生産は10基に留まった。海大六型などに搭載されている。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜九八式多重電信機＞：日本陸軍の有線通信機材。一号電信機と二号電信機からなり、九八式多重電話機と同様に２回路を形成することができる。参考：工兵入門

＜九八式多重電話機＞：日本陸軍の有線通信機材。一号電話機と二号電話機で構成され、九二式電話機または九五式電信機に重畳して２回路を形成する。九二式裸線を使用した単線式野戦建築線路で100kmの通話能力を持つ。参考：工兵入門

＜九八式弾中信管＞：日本陸軍の弾頭信管。九八式臼砲用九八式榴弾に使用されている。参考：大砲入門

＜九八式直協機＞：日本陸軍直協偵察機、キ−36。連合軍コードはアイダ（Ida）。昭和12年5月末から立川飛行機で試作され、昭和13年4月20日に初飛行、10月に制式採用が決定し、11月から生産された。機体は全金属製モノコック構造で、技研から九五式司偵の構造資料を供給されたために全金属機初挑戦の立川飛行機でも短期間での設計に成功している。主翼は低翼単葉、前線滑走路を使用できるよう頑丈な固定脚を持つ。全長8m、全幅11.8m、全高3.64m、自重1247kg、全備重量1648kg。エンジンは日立ハ−13甲（九八式四五〇馬力）空冷星形９気筒（515馬力）単発、プロペラはハミルトン式金属製油圧高低２段可変ピッチ２翅（ピッチ17度または22度30分、直径2.5m、重量67.4kg）、低速巡航速度150km、巡航速度236km、最大速度348km、実用上昇限度8150m、航続距離800km（1100km？）。離着陸距離300m。武装は7.7mm前方固定機銃１丁、7.7mm後方旋回機銃１丁。爆弾150kg（15kg爆弾10発または50kg爆弾３発）を搭載できる。乗員２名。量産後に安定性の関係から翼端の固定スラットを捩り下げに変更している。昭和15年に一旦生産終了となり、後継のキ−72の開発中止により昭和17年から再生産され、昭和19年までに立川飛行機で861機、川崎で472機の計1333機が生産され、太平洋戦争末期には特攻機としても使用された。戦後はタイ空軍で使用されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像12,’09、月刊丸3,’90、月刊JWings1,’07、4,’07

＜九八式直協機ファミリー＞

　＜九八Ｃ型通信機＞：川崎製作の九八式直協から武装を撤去したもので、きさらぎと名付けられて朝日新聞社で使用された。参考：月刊丸3,’90

　＜立川式ＴＳ六測量機＞：鉄道省で測量機として使用されたもので、胴体下面に航空写真用の窓がある。１機のみ製作された。参考：月刊丸3,’90

＜九八式偵察気球気嚢＞：日本陸軍の気球器材。参考：工兵入門

＜九八式鉄兜＞：日本陸軍のヘルメット。満州事変の戦訓を元に、九〇式鉄兜をライフル弾に対抗できるよう改良したものである。昭和7年から補強用鉄板を被せたり、前半部だけを分厚くしたりするテストが行われ、試製前鉄付鉄兜として昭和12年12月から実用試験に入り、昭和13年8月に制式化された。当初はドイツ式の耳から後ろが下に張り出したタイプを作ったが、戦闘動作に支障があるとして九〇式と同じ半球ドームの下が張り出したタイプを採用している。板厚を2mmと倍にして防御力を強化し、更に厚さ2mmの前鉄を止めネジで前面に装着できるようにした。顎紐は200mmほど延長し、緩く止めることで被弾時の衝撃がダイレクトに頭に伝わるのを防ぐ。本体重量1.9kg、前鉄重量0.9kg。7.7mm普通弾を射距離500mで防御でき、前鉄を付ければ射距離300mでも抗堪できる。参考：工兵入門

＜九八式鉄道牽引車＞：日本陸軍の鉄道器材。軌道／路上用６×６輪車両で、九一式広軌牽引車の改良型である。車体前部が機関室、中央がキャビン、後部がオープントップの兵員室兼荷台となっている。車軸は前１軸・後２軸で、それぞれ前後に撒砂管が付く。車輪は軌道走行用の鉄輪と路上走行用のゴムタイヤが用意されており、使わない方は兵員室側面に付ける。軌道幅1000mm、1067mm、1453mmに対応可能。機関出力70馬力。九七式貨車（８トン積）４両の牽引が可能。ソフトスキンの九八式鉄道牽引車（軽）と、装甲化した九八式鉄道牽引車（重）がある。参考：工兵入門、月刊丸3,’13

＜九八式電気雷管＞：日本陸軍の雷管。参考：工兵入門

＜九八式電圧検知器＞：日本陸軍の近接戦闘器材。電流を流してある障害物を検知するためのもので、昭和11年1月から陸軍科学研究所で製作を開始し、電流計を使う抵抗式と蓄電器・ネオン管を使う蓄電器式の２種を試作、前者を採用した。折り畳み式で、普段は袋に入れて携行する。重量1.5kg。15000ボルトまでの電圧を感知できる。参考：工兵入門

＜九八式投擲機＞：日本陸軍の近接戦闘器材。爆裂缶、破壊筒、発煙筒といった工兵器材を遠くに飛ばすための器材で、昭和7年4月から開発した。まず圧縮空気を利用したものを試作したが飛距離が短く、12月に手動で遠心力を発生させるタイプで１キログラムのものを150m飛ばせるようになったがまだ不十分で、昭和9年6月から圧縮空気利用の改良型を作成したもののやはり実用には至らず、発射薬により射出するタイプを昭和13年1月に試作、重量数キログラムのものを300m飛ばせるようになり、昭和14年6月に最終実用試験を完了、10月5日に制式化された。筒、基板、距離変換具、止杭で構成され、見た目は迫撃砲っぽい。筒は脚により仰角40度で基板に取り付けられており、基板後端（二股に分かれている）に止杭２本を付け地面に打ち込んで固定する。距離変換具は筒の先端下部に付く。抛射薬包（小粒薬25g入りと35g入りがある）を筒に詰めて投擲爆裂缶（重量6.4kg）や羽付破壊筒（全長2m）、発煙筒の投擲物柄桿を差し込み、点火孔に点火マッチを入れて点火、投射する。投射距離は抛射薬包の大小と、距離変換具の操作（標尺を伸縮させて投擲物柄桿を筒身内に入れる長さを調節する）で決定する。総重量84.2kg（筒8kg、基板14kg）。筒径50mm、筒長690mm、仰角40度固定、旋回角左右10度ずつ。投擲可能重量10kg以下、投擲距離90-400m（投擲爆裂缶）／290m（羽付破壊筒）。馬に１基、輜重車に２基、トラックに20基を搭載可能。制式化前の昭和13年7-9月の段階で既に700基が発注されている。参考：工兵入門

＜九八式徒橋＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜九八式特一号防毒面＞：日本陸軍の防毒面。参考：工兵入門

＜九八式爆薬＞：日本海軍の爆弾搭載用爆薬で、乙爆薬ともいう。日華事変中の昭和12年、南昌上空で敵の機銃弾が爆弾に命中した衝撃で下瀬火薬が炸裂してしまい、僚機の爆弾まで衝撃で誘爆するという事故が起き、昭和13年6月16日にも同様の事故が起きて九六式陸攻３機が纏めて墜落したため、20mm機関砲弾が貫通しても炸裂しない爆薬として開発された。トリニトロアニソール（艦砲用の九一式爆薬）とヘキシル（ヘキサニトロジフェニルアミン）を６対４で混合したものであり、溶融して弾体内に流し込むことができる。昭和13年に制式化されたが、生産が軌道に乗るまで２年ほどかかり、その間は九七式爆薬や八八式爆薬を爆弾に詰めていたこともあったらしい。参考：日本海軍の爆弾、火器弾薬技術ハンドブック、月刊航空ファン7,’17

＜九八式破砕機＞：日本陸軍の器材。コンクリートや軟岩の破砕、硬土や凍土の掘開を主任務とする槌撃式破砕機で、尖型鑿、刃型鑿、方匙型小鑿、方匙型大鑿といったアタッチメントを取り付ける。九七式空気圧縮車や九二式二〇馬力空気圧縮機などから作動に必要な圧縮空気の供給を受ける。参考：月刊丸4,’17

＜九八式梯子＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜九八式梯子甲＞：日本陸軍の特殊交通器材。上陸地点の海岸線が断崖だった際、舟艇から直接断崖上に登るために使う梯子で、昭和11年10月から開発し、昭和14年3月に実用化された。10メートル梯子、５メートル梯子、巻上機などで構成される。全備重量365kg。発動艇に積んでいく。参考：工兵入門

＜九八式発砲装置＞：日本海軍の連装砲用発射遅延装置。高雄型の主砲撒布界が従来より異常に大きく、当初は船体の捩れや砲塔機構に問題があるとみられたが、妙高型の主砲を同じものに近代化して射撃したところ同じ現象が生じたため、九一式徹甲弾の空力干渉によるものと判明し、これの対策として昭和13年8月に試作器材が完成、昭和14年4月21-24日に足柄で射撃試験を行い、採用が決定した。一方の砲が発射されるタイミングを0.03秒遅らせるもので、これにより連装砲相互の砲弾飛翔中の干渉を防ぎ、撒布界を狭くすることができる。開発者には昭和17年8月27日に内閣総理大臣から賞与が与えられた。参考：月刊丸2,’08、連合艦隊巡洋艦

＜九八式発動機＞：五式中戦車用水冷Ｖ型12気筒ディーゼルエンジン。ボア160mm、ストローク170mm、総排気量42000cc、出力550馬力（1500rpm）。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜九八式部隊用防毒面検査機第一号＞：日本陸軍の検査機。参考：工兵入門

＜九八式部隊用防毒面検査機第二号＞：日本陸軍の検査機。参考：工兵入門

＜九八式浮胴衣＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜九八式方位盤照準装置シリーズ＞：日本海軍の主砲射撃用方位盤。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜九八式方位盤照準装置＞：大和型用九八式方位盤照準装置改一のテストベッドで、戦艦比叡に搭載された。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜九八式方位盤照準装置改一＞：大和型戦艦用で、前檣楼頂部の15.5m三重測距儀上にある。直径1mの基部に防振架台が取り付けられており、その上に直径1.96mの基盤があって、旋回ローラーを介して方位盤照準装置が搭載されている。装置中央には指揮官用双眼望遠鏡、射手用望遠鏡、後視望遠鏡、左右動揺手用眼鏡、指揮官用ハンドル、射手用ハンドル、左右動揺手ハンドル、射手用引金などが付く。これらは直径3m・高さ2.4mの防御鋼板覆でカバーされており、その上部中央から直径0.6m・高さ1.2mの眼鏡部が突き出す。参考：月刊世界の艦船9,'21、1,’12、4,’17

＜九八式砲隊鏡＞：日本陸軍の砲隊鏡で、通称重観砲隊鏡。三脚上に据え付けて使用する。左右の鏡筒を接眼鏡基部で外に倒すことができ、目標の浮き上がり度を向上させることが可能である。倍率10倍、視野4.5度。俯仰角は300ミルずつ。重量は本体7.5kg、三脚架5.26kg、総重量14kg。参考：日本陸軍兵器資料集

＜九八式防電具＞：日本陸軍の近接戦闘器材。電流を流した有刺鉄線の処理を行う際に使用する防護服で、本体（ゴム製の全身スーツ）、面、手袋、属品で構成され、50Hzまたは60Hzの15000ボルトまでの交流電圧に耐えられる。サイズは大（重量12kg）と小（重量11kg）の２種類。昭和9年9月から開発され、昭和12年11月に開発を完了、昭和14年3月27日に制式化された。参考：工兵入門

＜九八式防毒具補修箱＞：日本陸軍の防毒具補修器材。参考：工兵入門

＜九八式やい号器材＞：い号装置（無人車両）を参照。

＜九八式夜間水上偵察機＞：愛知航空機が開発した夜間水上偵察機AB14。九六式夜間水上偵察機の後継で、17機が生産された。参考：月刊丸3,’90

＜九八式夜光羅針＞：日本陸軍の器材。昭和14年10月3日に制定された。腕時計のように革ベルトで腕に巻いて使用する。重量24g。参考：工兵入門

＜九八式陸上偵察機シリーズ＞：日本海軍長距離陸上偵察機、略符号C5M、連合軍コードはベイブス（Babs）。日華事変で陸上目標に対する長距離偵察機が必要になったが、艦上偵察機として使用していた艦上攻撃機には迎撃戦闘機を振り切って帰還できるスピードが無く、陸上偵察機には流用できなかったため、陸軍の九七式司令部偵察機�U型を海軍仕様に改造して採用したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,’18別冊、3,’90

　＜九八式陸上偵察機一一型＞：略符号C5M1。九七式司令部偵察機�U型の海軍仕様で、エンジン名は海軍式の瑞星（900馬力）になった。昭和13年から生産され、昭和14年11月に制式化されて20機が配備された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊

　＜九八式陸上偵察機一二型＞：略符号C5M2。エンジンを栄に換装したもので、昭和16年7月に採用され、30機が生産された。全長8.7m、全幅12m、全高3.5m、自重1715kg、全備重量2345kg。エンジンは栄一二型（940馬力）単発、最大速度487km、実用上昇限度9580m、航続距離1111km。武装は7.7mm旋回機銃１丁。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜９９型５６口径１００ｍｍ連装砲＞：H/PJ33A（艦砲）を参照。

＜九九式一号二十粍旋回機銃＞：日本海軍の航空機用20mm旋回機関砲で、当初は恵式二十粍旋回機銃という名称だった。防御用で、九九式二〇粍固定機銃をベースに弾倉を機関部下面に装着し、上面から排莢するようにしてある。排莢口には空薬莢が右に落ちるよう排莢受けが装着された。照準器は環状照準器を使用する。九六式陸攻二二型に搭載された。参考：歴史群像8,’17、月刊丸3,’18別冊

＜九九式一酸化炭素検知器＞：日本陸軍の化学戦闘器材。参考：工兵入門

＜九九式一番演習爆弾＞：日本海軍の演習爆弾。九九式三番演習爆弾を小型化したものである。昭和19年1月に製造中止となった。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式三番三号爆弾シリーズ＞：日本海軍の30kg級三号爆弾。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式三番三号爆弾＞：航空廠兵器部が戦闘機に搭載して敵の大編隊、航空基地、水上機基地を撃破する兵器として立案し、十四試三番三号爆弾という名称で開発され、昭和10年頃から実験が行われ、昭和14年度に制式採用された。小型戦闘機に搭載するため、重量は30kg程度に抑えてある。弾殻は重量1.293kgで、アルミニウムまたはジュラルミン製であり、尾翼は後部が弾頭からみて右方向に折れ曲がっていて、投下中に毎分1000回転するようになっている。弾殻内は前部の半球状の部分に模擬爆弾一号起爆装置／九〇式弾頭起爆装置二型と演習爆弾信管（着発式）、中央の円筒部分の中央に散布用下瀬火薬、その周囲に144個の子弾、後部の円錐状の部分に下瀬火薬と九九式三号爆弾信管改一、後端に九九式三号発火装置（時限式、遅延時間3-20秒）が収容されている。投下されると、高速回転により弾頭と弾底の起爆装置・発火装置のプロペラが回って弾底信管が作動、計1.513kgの下瀬火薬により144個の子弾が頂角70-90度の円錐状にばらまかれ、70m下方では直径100mの範囲に７メートル四方あたり子弾１個の密度となる。子弾は厚さ5mmの鉄板で作られており、長さ30mm、直径20mm、総重量85gで、黄燐10gと鉄片が入っていて、初速毎秒200m・70m下方で毎秒125mの速度で白煙を曳きながら落下、50m離れた厚さ10mmの松の板を貫通し、更に内部の黄燐でこれを燃やすことができる。弾底信管が作動しなかったり、遅延時間に達する前に敵機に当たったりした際には、弾頭部の着発信管が作動する。全長693mm（弾頭部発火装置除く、後部フィン含む）、直径147mm、全備重量35kg。量産に入ったのは太平洋戦争開戦後で、ラバウル航空戦の昭和17年半ばあたりから対爆撃機編隊用として使用されるようになり、生産数も昭和18年に500発だったのが昭和19年に25000発、昭和20年に50000発となった。零戦主翼下に２発搭載し、敵編隊に反航戦を仕掛け、高度差1000mから急降下して高度差600mになったら両方同時に投下する。同航戦の方が命中率は高そうだが、特に高々度を飛行するB-29に対しては、追い抜くのが不可能だった。信管遅延秒時は２発とも同じに設定するのが常だったが、第332海軍航空隊では3.5秒と４秒にし、２発同時投下の際に広範囲に子弾が撒布されるようにしている。零戦の他、雷電、彗星夜戦、二式艦上偵察機、銀河（爆弾倉内４発）でも運用され、硫黄島で海軍と同居した陸軍一式戦闘機が積んだこともある。零戦と雷電を装備して防空任務にあたった海軍飛行隊のうち、第352海軍航空隊は両方に装備、第332海軍航空隊は零戦のみに搭載、第302海軍航空隊はどちらも使用しない、と部隊によって方針に差があった。彼我の機速差なども勘案して適切な投下タイミングを（経験と勘で）測るのが非常に難しく、後に十九試一号射爆照準器が開発されたものの、実用性に難があった。大量の子弾が白煙を曳きつつ落下するので、地上員が撃墜によるものと勘違いし、10機以上を纏めて墜としたと戦果を大誤認したりした。黄燐が熱帯の日光で自然発火するため、後に半ば赤燐化したものを使用している。安全装置の解除時間が投下時の航空機速度によって変化するという欠点があり、改一が開発されたが、こちらにも欠点があったため、昭和18年末に発火装置に改良を加えて解決した。高々度で使用すると、空気が薄いので捩れ尾翼の効果が薄れて爆弾本体の回転速度が低下し、遠心力による安全装置解除が遅れるという欠点があった。また、寒さで時計油が凍り付き、不発も多かった。このため、昭和20年に遠心子を安全針に、時計油を耐寒性のものに変更している。太平洋戦争末期には子弾135個を収容した60kgロケット弾バージョン（三式六番二十七号爆弾一型）も開発された。参考：月刊航空ファン1,’17、2,’17、8,’19、月刊JWings9,’02、丸エキストラ版No.71、日本海軍の爆弾、月刊丸3,’18別冊

　＜九九式三番三号爆弾一型改一＞：九九式三番三号爆弾の安全装置の解除時間が機速により変化するという欠点があったため、弾体中央部に弾頭から見て右捩りの中央翼４枚を付けたもの。重量38.4kg。内部に重量85gの子爆弾144個を収容する。昭和18年から生産された。高速投下時に弾道が不安定になるという欠点があり、元の九九式三番三号爆弾の発火装置を改良して再度量産し、こちらは廃制となった。参考：日本海軍の爆弾、月刊航空ファン1,’17

＜九九式三番演習爆弾一型＞：日本海軍の演習爆弾で、一型（弾体形状が円筒形・砲弾型であることを示す）を付けずに称されることも多い。標的艦摂津に対して爆撃訓練を行うために開発された。弾体はガラス製の砲弾型で、内部に発煙剤として四塩化チタンを収容し、重量を合わせるためコンクリートを詰めてある。全備重量34.63kg。下瀬火薬0.085kg、四塩化チタン1kgを内蔵する。高価なので、平時には使用制限がかけられていた。昭和19年1月に製造中止となった。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式六番二号爆弾シリーズ＞：日本海軍の60kg級二号爆弾。艦載水上偵察機に搭載でき、磁気探知装置も邪魔しないので、便利だった。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式六番二号爆弾＞：ベースは六番陸用爆弾で、頭部に水中環を付けて水中弾道を安定させ、尾部を着水時の衝撃に耐えられるよう補強したものである。信管は水圧式のものを開発していたが間に合わず、最大遅延秒時1.5秒の一五式通常爆弾信管を取り付けており、深度20-30mで炸裂させた。全長1.070m、直径0.236m、全備重量65.8kg、炸薬重量37.8kg。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式六番二号爆弾改一＞：水圧式信管が結局開発できず、一五式通常爆弾信管も不発が多かったので、遅延秒時1.5秒の火薬延時式信管を取り付けたもの。全備重量67.9kg、炸薬重量38kg（九八式爆薬）。有効威力半径4-5m。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式六番通常爆弾一型＞：日本海軍の60kg通常爆弾。昭和11年末から空廠十三試六番通常爆弾一型という名称で開発され、昭和14年5月15日に制式化された。円筒形の弾体に下瀬火薬を詰めてある。弾頭に信管を持つ。全長1.13m（1.073m？）、直径0.226m、全備重量62.8kg、炸薬重量30kg。陸軍にも提供され、四式六〇瓩対艦爆弾として採用された。参考：日本海軍の爆弾、月刊丸3,’18別冊

＜九九式六番陸用爆弾＞：日本海軍の60kg陸用爆弾で、昭和14年に制式化された。六番陸用爆弾の弾体強化型だが、本格的な改良を加えたために価格が上昇し、小数生産に止まった。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式七糎半戦車砲シリーズ＞：日本陸軍75mm戦車砲。参考：大砲入門

＜九九式七糎半戦車砲＞：山砲がベースで、駐退機を砲身上部に移すなどの改良を加えている。昭和12年7月から開発されたが、完成までに時間が掛かりすぎ、制式化準備は昭和17年、制式化は昭和18年となった。口径75mm、放列砲車重量541kg。使用弾は九四式榴弾と一式徹甲弾で、初速毎秒450m-520m、最大射程8500-10000m。二式砲戦車に搭載された。参考：大砲入門、月刊グランドパワー5,’04、月刊PANZER12,’04

＜九九式七糎半戦車砲�U型＞：九九式七糎半戦車砲に方向照準器を追加したもの。昭和19年3月に完成し、駆逐戦車に載せて試験が行われたが、開発中止となった。重量603kg。初速毎秒367m。参考：大砲入門

＜九九式八糎高射砲＞：日本陸軍88mm高射砲。昭和12年の日華事変で鹵獲したドイツのクルップ社製88mm高射砲をコピーしたものだが、Flak18とは駐退復座機の形状が違う上に砲身も短いため、ドイツ海軍SKC30高角砲のコピーらしい。ただ冶金技術の差からか砲身重量が0.5トンくらい重く、照準器も別物を使用している。駐退機と復座機は砲身上部に纏めて搭載されており、閉鎖機は垂直鎖栓式。口径88mm、砲身長45口径、重量1.75トン、放列砲車重量6.5トン。俯仰角マイナス11度からプラス80度、全周旋回可能。一〇〇式高射尖鋭弾（威力半径7m）を使用すると、初速毎秒800m、最大射高10420m、最大射程15700m。三式高射目標弾も用意されていた。九八式六頓牽引車で牽引される。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車、大砲入門、月刊丸3,’14

＜九九式十糎山砲＞：日本陸軍105mm山砲。中国戦線で鹵獲したシュナイダー社製10cm山地用榴弾砲をコピーしたものである。分離装薬弾を使用していたが、昭和16年に完全弾薬筒式に変更した。馬２頭で牽引でき、分解すれば６頭に乗せて運べる。口径105mm、放列砲車重量800kg。俯仰角マイナス３度からプラス42度、旋回角６度。使用弾は九九式尖鋭弾、初速毎秒334m、最大射程7500m。参考：大砲入門

＜九九式二〇回線交換機＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九九式二〇粍固定機銃シリーズ＞：日本海軍20mm航空用機関砲。エリコンFF型機銃のライセンス生産版で、7.7mm機銃では将来の威力不足が懸念されたことから、昭和10年に山本五十六航空本部長と原航空技術部長らにより導入を決定し、富岡兵器製作所を創設して昭和13年6月に試作銃が完成し、昭和14年に制式採用された。7.7mm機銃より弾道特性が悪い（ションベン弾）、弾数が少ない、弾薬が高価で太平洋戦争開戦まで実弾射撃訓練すら行っていない、といったことから戦闘機相手の空戦ではあまり役に立たず、7.7mm機銃弾がほぼ通用しない重装甲の爆撃機相手に使用した。参考：歴史群像6,’08、月刊丸1,'15増刊

＜九九式二〇粍一号固定機銃＞：当初は恵式二〇粍一号固定機銃と呼ばれていたが、昭和16年（14年？）に改称された。初弾は圧縮空気で装填するが、作動が不確実、圧縮空気再充填が困難といった問題があり、地上で専用工具により初弾を人力装填しておかねばならず、離陸時に衝撃で暴発する危険があった。零戦二一型に搭載されている。全長1.36m、銃身長0.812m、最大幅0.174m、最大高0.158m、口径20mm、機銃重量23kg、弾倉重量8.3kg。弾薬包重量0.192kg、初速毎秒600m、発射速度毎分550発。60発入りドラム弾倉を使用する。弾倉内に装弾用弦巻バネが仕込んであり、機銃本体は軽量となったが、背が高いドラム弾倉を主翼内に収めるのに限界があり、Ｇに耐えるのも困難で、二号三型において100発入りに拡大するのが限界だった。参考：丸メカニック別冊１、ラバウル航空戦、月刊丸3,'18別冊

＜九九式二〇粍一号固定機銃三型＞：初弾を油圧装填式に変更したタイプ。ただ装填に必要な力が出せず、相変わらず初弾を地上で装填していた。参考：月刊丸3,'18別冊

＜九九式二〇粍二号固定機銃＞：銃身を延長し、全長を延ばして装薬量を増やした新型弾薬を使用可能としたもので、遠距離での命中率が改善した。零戦三二型に搭載された。全長1.861m、銃身長1.198m、口径20mm、重量37kg。初速毎秒750m、発射速度毎分500発。使用弾は通常弾薬包改二（名称は通常弾だが内部に炸薬が入っている）、曳光弾改四、曳光通常弾改五、焼夷通常弾改五、徹甲通常弾、演習弾。参考：ラバウル航空戦、歴史群像6,’08、丸メカニック別冊１

＜九九式二〇粍二号固定機銃三型＞：100発入りドラム弾倉を使用するもので、昭和18年後半に実用化された。参考：歴史群像6,’08

＜九九式二〇粍二号固定機銃四型＞：125連ベルト給弾に換えたもので、昭和19年に制式化された。尾栓などの重量部を、銃身基部に取り付けたバネが縮む力で前進させることにより発射反動を受け止め、余った反動で重量部を元の位置に戻し、その間に給弾カム及び給弾レバーの働きで次弾を装填し、打殻薬莢を下に放出する。トリガーを戻すと尾栓は後退位置で尾栓止めにより停止し、トリガーを引くと重量部が前進しつつ弾丸が発射されるところから再開する。全長1.83m、銃身長1.2m、重量29kg、弾倉重量55.3kg。弾丸重量125g、弾薬包重量211g、初速毎秒750m、発射速度毎分470発。参考：丸メカニック別冊１、歴史群像6,’08、月刊丸3,’18別冊

＜九九式二五番通常爆弾シリーズ＞：日本海軍250kg通常爆弾。厚さ70mmの装甲化飛行甲板を貫通でき、急降下爆撃でも艦底部で炸裂することにより敵空母を撃沈できるよう、遅延秒時0.2秒の信管を取り付けられるものとして開発された。陸軍にも引き渡され、四式二百五十瓩対艦爆弾となった。参考：日本海軍の爆弾

　＜九九式二五番通常爆弾一型＞：最初の量産型。弾頭部に九七式二号弾頭発火装置二型、弾底部に九九式二十五番弾底発火装置があり、弾体先端と尾端に風車が付いている。投下実験では厚さ50mmの装甲化甲板を貫通した。全長1.74m（1.788m？）、直径0.304m、全備重量251kg。炸薬重量56.5-60.5kg（九一式爆薬）。参考：日本海軍の爆弾、月刊航空ファン11,’18、月刊丸3,’18別冊

　＜九九式二五番通常爆弾一型改一＞：弾底信管に繋がる伝爆筒を廃止したもので、昭和18年に制式化された。全備重量249kg。炸薬重量60.7kg（九一式爆薬）。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式三十瓩爆弾＞：日本陸軍の爆弾で、駐機航空機破壊用である。全備重量29.6kg。参考：日本海軍の爆弾

＜九九式五〇回線交換機＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九九式八〇番五号爆弾＞：日本海軍の五号爆弾。十三試八十番五号爆弾が真珠湾攻撃に間に合いそうになかったため、急遽開発された。戦艦長門の九一式徹甲弾を基にしており、弾丸後部にフェアリングを設けて爆弾型に成形し、尾端に安全装置解除用の風車を取り付け、尾部に大型の安定翼を装着している。昭和16年1月に試作品50発が完成した。全備重量796.8kg、炸薬重量22.8kg（九一式爆薬らしい）。発火装置は弾底の九九式五号発火装置、信管は弾底の零式五号爆弾信管（遅延秒時0.2秒）である。高度2500mから投下すると厚さ150mmの装甲板を貫徹できる。真珠湾攻撃で49発を投下し、昭和17年3月に18発、4月に18発、5月に３発、6月に243発（ミッドウェイ海戦で沈んだようである）、8月に18発、10月に18発を消費した。参考：日本海軍の爆弾、月刊JWings7,’01、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜９９式１５５ｍｍ榴弾砲演習用発射装薬＞：自衛隊の155mm榴弾砲用発射装薬。日本油脂製。参考：月刊軍事研究1,’08

＜９９式１５５ｍｍ榴弾砲空包＞：自衛隊の155mm榴弾砲用空包。日本油脂または旭化成ケミカルズ製。参考：月刊軍事研究1,’08、2,’10

＜９９式１５５ｍｍ榴弾砲空包（Ｂ）＞：自衛隊の空包。旭化成ケミカルズ製。参考：月刊軍事研究8,’17

＜９９式１５５ｍｍ榴弾砲発射装薬＞：陸上自衛隊の155mm榴弾砲用発射装薬。99式自走155mm榴弾砲用に開発されたが、FH70でも使用できる。モジュール化装薬を採用しており、１モジュールは全長180mm・重量2.7kgの円筒形をしていて、これを６個まで繋げて射程を調整する。旭化成ケミカルズまたは日本油脂または旭化成製。スピアヘッドNo.14、月刊軍事研究1,’08、2,’10、4,’18

＜九九式九〇〇馬力発動機＞：瑞星シリーズ（エンジン）を参照。

＜九九式九五〇馬力発動機＞：日本陸軍の航空機用エンジン、略称ハ25、陸海軍統合名称ハ35-12型。栄一二型の補機などを小改修したもので、中島と川崎で生産された。空冷複列星形14気筒、外径1150mm、乾燥重量530kg。筒径130mm、行程150mm、総排気量27.9リットル。気化器は二連昇流式、圧縮比7.2、過給器は一速式で増速比7.12。使用燃料は87オクタンのガソリン。離昇出力1000馬力（海面高度、2550rpm）、公称出力980馬力（高度3000m、2500rpm）。一式戦闘機一型と九九式一型双軽爆撃機に搭載された。参考：月刊丸4,’99

＜九九式乙号除毒車＞：日本陸軍の除染器材。九四式六輪自動貨車の荷台に除毒装置（熱風消毒式）を搭載したもので、１時間で防毒衣150着を消毒できる。昭和14年に制式化された。参考：月刊PANZER9,’03

＜九九式簡易消毒車＞：日本陸軍の除染器材。巨大なライン引きのような形状をしており、漏斗状の粉入れに大量の晒し粉を入れて人力・馬匹・車両により牽引し、地上に散布する。重量120kg、晒し粉容量90kg。参考：工兵入門

＜九九式艦上爆撃機シリーズ＞：日本海軍艦上爆撃機、略符号D3A、連合軍コードはバル（Val）。海軍では九六式艦爆の後継としてドイツから輸入した液冷エンジン搭載の高性能艦爆を昭和10年に計画していたが、完成に時間が掛かるため繋ぎの機体が必要となり、昭和11年に十一試艦上爆撃機という名称で愛知航空機、三菱重工、中島飛行機に試作命令が出され、三菱が辞退したため２社で競争試作した。エンジンは九六式艦爆と同じ光とし、繋ぎとしての確実な完成を優先したが、エンジンが同じ以上は単葉化してもさして性能が変わらず、結局量産機ではエンジンを金星に換装することにして昭和14年12月16日に愛知航空機のものが制式採用された。太平洋戦争緒戦では高い命中率を発揮し、真珠湾攻撃では59%、イギリス東洋艦隊に対する攻撃では82-88%を誇ったが、中期には既に旧式化しており損害が続出した。それでも後継の彗星が不調だったため、後期まで生産が続き、総生産数は1515機で、昭和19年初めまで主力の座にあった。昭和19年夏から秋にかけ、戦闘機から逃げるため翼端を吹き飛ばして増速する翼端離脱機構のテストが行われ、20ノット加速させることに成功したが、片翼が作動しなかった時にバランスが崩れる、離脱片で尾翼を損傷する恐れがあるといった問題があり、テストのみに終わっている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings9,’05、6,’08、図解日本の空母、月刊丸3,'18別冊、2,’12別冊付録、陸海軍学校と教育

　＜十一試艦上爆撃機（愛知）＞：愛知航空機開発型、社内名称AM-17。昭和13年1月に初飛行した。テスト中に不意自転などの欠点が判明し、度重なる修正を加えて昭和14年12月16日に漸く九九式艦上爆撃機一一型として制式採用された。参考：月刊JWings3,’21

＜十一試艦上爆撃機（中島）＞：中島開発型、略符号D3N。主翼は単葉の直線テーパー翼。主脚は引き込み式。全長8.8m、全幅14.5m。エンジンは光一型（660馬力）単発、最大速度352km。初号機は昭和13年3月に完成し、２機が製作されたが、要求を満たす性能とするための機体改良が間に合わず、期日通りに海軍へと試作機を納入できなかったため、採用されなかった。その後陸軍がキ−52としてテストに使用している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、2,’12別冊付録

　＜九九式艦上爆撃機一一型＞：略符号D3A1。機体は全金属製で、He70を参考にした。主翼は低翼単葉の楕円テーパー翼で、前部下面にダイブブレーキを追加している。引き込み脚を開発したことが無かったので、確実性を重視して主脚はスパッツ付きの固定脚にした。航続距離を稼ぐために燃料搭載量が多く、代わりに他国の同世代機に比べて爆弾搭載量が少なくなっている。爆弾は誘導桿を介して胴体下面に取り付け、ブランコのように爆弾をプロペラの外側に振り出してから投下することで、急降下爆撃時に爆弾がプロペラに当たらないようにした。照準器は当初九五式射爆照準器だったが、九九式二十五番通常爆弾の弾道にマッチしないので、後に一式一号射爆照準器に換装している。全長10.185m、全幅14.36m、全高3.9m（3.085m？）、全備重量3650kg。翼面積35平方メートル。エンジンは金星四四型空冷星型複列14気筒レシプロ（1080馬力）単発、巡航速度287km、最大速度382km、航続距離1427km（1472km？1820km？）。武装は7.7mm前方固定機銃２丁と胴体後部7.7mm旋回機銃１丁。250kg爆弾１発、30kgまたは60kg爆弾２発を搭載可能。乗員２名。昭和17年まで生産が続けられ、476機が配備された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史、月刊JWings9,’05、6,’08、3,'21、日本海軍の爆弾、日本航空母艦史、月刊丸3,'18別冊

　＜九九式艦上爆撃機二二型＞：略符号D3A2。液冷エンジン搭載十三試艦爆の量産化は近づいたが、日米開戦が迫って戦力増強が必要になったため、昭和16年秋に引き続き量産を行うことが決まり、ついでに性能も強化したもので、九九式二号艦上爆撃機として試作され、昭和18年1月に九九式艦上爆撃機二二型として制式化された。エンジンを金星五四型に強化し、カウリング形状を変更、フラップや水平尾翼を拡大し、ドーサルフィンも大きくしてローリング安定性を増した。後席キャノピーは抗力の小さい形状としており、射撃時には回転させて引き込む。全長10.231m（10.195m？）、全幅14.365m、全高3.9m、自重2610kg（2620kg？）、全備重量3800kg、過荷時総重量4122kg。翼面荷重１平方メートルあたり108.7kg。エンジンは金星五四型（離昇出力1300馬力）単発、最大速度423km（428km？）、実用上昇限度10500m、上昇力5000mまで10分20秒、燃料搭載量1079リットル、航続距離1559km（正規。1100km？）／2530km（過荷時）。防御武装は7.7mm固定機銃２丁と7.7mm旋回機銃１丁。250kg爆弾１発、30kgまたは60kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。前期生産型は後に零戦用330リットル増槽を搭載できるよう改修が施され、後期型は生産当初から積めるようになった。昭和19年までに愛知航空機で816機、昭和飛行機で220機の計1036機が生産された。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings9,’05、日本航空母艦史

＜九九式艦上爆撃機ファミリー＞

　＜仮称九九式練習用爆撃機一二型＞：略符号D3A2-K。九九式艦爆二二型を練習機に改造したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜試製九九式練習用爆撃機二一型＞：明星二二型を参照。

　＜明星二二型＞：空技廠で製作された木製化バージョン、略符号D3Y1-K。元々この名称で爆撃機として開発されていたが、途中で練習機に変更され、昭和19年秋に制式名称が試製九九式練習用爆撃機二一型に決まった。昭和18年、翌年度の航空増産によりアルミニウム不足に陥ることが予定されたため、軍用機の木製化に着手し、構造が簡単で頑丈な固定脚を持つ九九式艦爆が選定され、設計が始まった。機体には合成樹脂合板を使用し、生産は樹脂の扱いに慣れている松下電器株式会社（の飛行機製造部が独立した松下航空機株式会社）が担当した。生産性を高めるため、主翼を直線テーパー翼に換え、胴体を延長、尾翼形状も変更している。昭和20年1月に初号機が完成し、松下で７機、第１技術廠で５機が完成したところで終戦となった。全長11.515m、全幅13.918m、全高4.185m、自重3133kg、全備重量4200kg、過荷時総重量4330kg。翼面荷重１平方メートル当たり128kg。エンジンは金星五四型（離昇出力1300馬力）単発、最大速度426km（高度5500m）、実用上昇限度10900m（9250m？）、上昇力6000mまで13分22秒、航続距離1302km（正規）／2180km（過荷時）。武装は7.7mm機銃２丁、20mm機関砲２門。60kg爆弾２発または30kg爆弾４発または250kg爆弾１発を搭載できる。乗員２名。参考：歴史群像8,’08、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊

　＜明星二三型＞：略符号D3Y2-K。明星二二型の主脚を引き込み式とし、エンジンを金星六二型に換装したタイプである。計画はあったようだが、資料は存在しないらしい。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像8,’08、月刊丸3,'18別冊

＜九九式機舟＞：日本陸軍の渡河器材。陸上交通路が発達していなかった中国大陸で、水路を利用した偵察、指揮、曳舟作業に使用する。当初は分解せず台車に乗せてトラックで牽引輸送する予定だったが、分解折り畳み型式に変更された。尖形舟、第１方形舟、第２方形舟を組み合わせてボートの形にし、第１方形舟の部分に65馬力のエンジンを乗せる。最大速力20km。九五式折畳舟５隻を最大速力10kmで曳航可能。20隻が配備された。参考：工兵入門

＜九九式軌道破壊具＞：日本陸軍の鉄道器材。長区間の軌道を爆破以外の手段で破壊するため、昭和9年4月から開発された。9月に鋏式軌道屈曲具を試作したが成績不良だったため、蒸気ハンマーで破壊する軌道破壊具甲、枕木を破壊する軌道破壊具乙、鋏式の改良型である軌道破壊具丙、以前に制式化した軌条剥離機と軌条屈曲機の改良型である軌道破壊具丁を試作し、昭和13年5月に満州浜緩線高嶺子付近の森林鉄道で鉄道作戦参謀、鉄道第３連隊長、鉄道第４連隊長などが列席して試験を実施、乙と丙を合わせて九九式軌道破壊具として採用することを決定した。軌条屈曲具と枕木切断具からなり、ミカロ型機関車２両重連により牽引力30トンで引っ張ると、時速20kmで線路を破壊していくことができる。総重量21トン。参考：工兵入門

＜９９式空対空誘導弾＞：AAM-4を参照。

＜９９式空対空誘導弾（Ｂ）＞：AAM-4Bを参照。

＜９９式空対空誘導弾（Ｂ）試験及び訓練用航空模擬標的＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜九九式軍偵察機＞：九九式襲撃機を参照。

＜九九式軽機関銃＞：日本陸軍の軽機関銃。九六式軽機関銃の6.5mm弾は威力不足だったので、7.7mm弾を使えるようにして解決を図ったものである。昭和13年からテストしたが、九二式重機関銃と同じ弾薬だと射撃時にぶれが生じることが判明、九九式歩兵銃と同じ減装薬に変更し、昭和14年7月に採用された。薬莢の抽出不良は、装弾器に塗油装置を付けて解決しており、開口部を全て蓋で覆ってホコリが付かないようにしてある。銃口にラッパ状の消炎器、銃床に折り畳み式の補助脚を装備する。全長1.2m、銃身長0.55m、重量9.9kg。発射速度毎分250-800発。着剣が可能だが、本体約10kg・弾入り弾倉1.5kgの銃を抱えて肉弾戦を演じる事になる。参考：日本陸軍兵器資料集、月刊PANZER4,’02、拳銃・小銃・機関銃

＜九九式携行電工具＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜九九式軽防楯＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜九九式甲号除毒車＞：日本陸軍の除染車両。九四式六輪自動貨車の荷台に除毒装置（加熱蒸気消毒式）を搭載したもので、昭和14年に制式化された。参考：月刊PANZER9,’03

＜九九式高等練習機＞：日本陸軍練習機キ−55、連合軍コードはアイダ（Ida）。九五式一型練習機の後継として昭和14年4月6日に試作が命じられ、立川飛行機が製作して昭和14年7月6日に制式採用された。九八式直協機ベースの低翼単葉機で、複式操縦装置と盲目飛行訓練用幌（後席のみ）を追加し、スパッツ、固定スラット、通信・爆撃装備、後席旋回機銃を外してある。翼端失速の恐れがあるため、低空での急な引き起こしは禁止されていた。全長8m、全幅11.8m、全高3.6m、自重1290kg、全備重量1720kg。エンジンはハ−13甲（510馬力）単発、プロペラはハミルトン式金属製油圧高低２段可変ピッチ２翅（ピッチ17度または22度30分、直径2.5m、重量67.4kg）、最大速度350km、実用上昇限度8180m、航続距離1000km。固定武装は7.7mm機銃１丁。乗員２名（前席が学生、後席が教官。盲目飛行訓練では逆に座る）。特攻の際には500kgまでの爆弾を積む。立川飛行機で昭和18年までに1075機（プラス九八式直協機から改造した原型機２機）、川崎航空機で昭和16-17年に311機が生産された。各飛行学校、航空士官学校、教育飛行隊、練習飛行隊で使用された他、民間でも立川式九九Ｔ複座自家用機として使われており、戦後は満州に残っていた機体が八路軍の初等練習機として使用され（ちなみに教官も元日本陸軍軍人だったりした）、タイ空軍でも練習機として使われた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,’90、月刊航空ファン7,’99、12,’19

＜九九式山砲＞：九九式十糎山砲を参照。

＜９９式施設作業車＞：陸上自衛隊の施設科用作業車。というより戦闘工兵車で、75式ドーザーの後継として1990年末から開発された。車体は新規開発の装甲車体で、87式砲側弾薬車（元を正せば73式牽引車）を延長し、エンジンを後ろに搭載しているようだ。前面にドーザーが付き、車体上部前面中央（作業用）とその左後ろ（車長用）にペリスコープ付きキューポラが設けられている。車体右にはバケット付きクレーンを装備。これはアームが伸縮するテレスコ式と呼ばれるタイプで、構造が単純で頑丈だが作業範囲が狭い。クレーンの旋回は車高を抑えるために油圧シリンダー２本の伸縮調整で行うが、シリンダーが露出しているため被弾に弱そうである。全周旋回もできない。クレーンヘッドには爆薬搭載扉が付いていて、梱包爆薬を設置可能。車体前部の排土板は左右10度ずつ角度変更可能。事前プログラミングによる自動作業モードがあり、防御陣地、対戦車壕、戦車掩体を自動で構築することができ、地形が水平なら無人で作業できる。下部転輪はダブルタイプ片側６組、誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上部転輪は無い。車体両側面中央に４連装発煙弾発射機、車体前面左のライトボックス上にレーザー検知器が付いており、前線での使用も考慮されている。全長8.88m、全幅3.775m、全高2.77m、全備重量28.6トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル製8V-71TA水冷Ｖ型８気筒ディーゼル（400馬力）、最大速度50km、航続距離300km。超信地旋回可能。乗員２名（車長と操縦手）。2001年2月から施設学校、富士学校、北部方面隊隷下の師団施設大隊などに配備された。メーカーは小松製作所で、１両あたりの値段は2004年契約で４億9964万2500円。参考：月刊PANZER2,’02、月刊JWings7,’01、月刊軍事研究8,’04、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.7、No.8、MAMOR vol.113

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲＞：陸上自衛隊の自走榴弾砲、略称15HSP、愛称ロングノーズ。75式の後継として1985年から研究され、当初は75式自走155mm榴弾砲の主砲をFH70に換えるだけの予定だったが、FCSを新型にしたり、データリンクを追加したり、機動力を強化したり、と欲張っているうちに新規開発になり、1987年から試作に入り、1999年に制式採用された。車体は装甲鋼板製全溶接構造で、89式装甲戦闘車を参考に新規開発しており、車体前部右が操縦手席、左が機関室、車体後部が戦闘室である。操縦手席前面にはペリスコープ３基が配され、上面には水平に回転して開くハッチがあり、ハッチ上面前寄りに回転式ペリスコープを装着可能。車体前方上面中央にはごついガンロッキングアームが付いている。車体後部には観音開きのハッチがあり、戦闘室に繋がっている。また、車体後部にはAPUも搭載されている。駐鋤は無いが、砲塔を真横に向けても安定した射撃が可能。下部転輪はダブルタイプ片側７組で、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側３個。サスペンションはトーションバー式で、第１・第２・第６・第７輪にショックアブソーバーが付いている。スカートは無い。履帯はダブルピン・シングルブロック式で、履板に防滑用ゴムパッドを固定できる。90式戦車との速度差が20kmもあるので、前線の機甲部隊について行けるのか一抹の不安がある。砲塔はアルミ合金の全溶接製で、全周旋回可能。砲塔後部には弾頭・装薬共に装填可能（弾頭のみという説あり）な自動装填装置（任意の角度で装填可能）が搭載されており、装填手が１名で済む。搭載弾薬数は18発（30発くらい説あり）で、後は99式弾薬給弾車から供給を受ける。砲塔左前部に車長（陸自名称砲班長）、その後ろに装填手（陸自名称砲手）、右前部に砲手（陸自名称照準手）が位置する。砲塔後面には弾薬搭載用ハッチがあり、砲塔両側面には片開きのハッチが付く。砲塔上面には右に砲手用ハッチがあり、防楯付12.7mm機銃M2が装備されており、前方にやや小さめのハッチがあってパノラマ式照準眼鏡の格納塔を取り付けられる。左にはペリスコープ付きの車長用キューポラがある。主砲は52口径155mm砲で、多孔式マズルブレーキ付き、最大射程30km（通常弾）／40km（ベースブリード弾）。装薬は新開発の99式発射装薬（薬嚢を使わないユニチャージ方式）で、射程に応じて1-6個を使用する。最大発射速度は１分で６発、３分で18発以上。主砲基部上面に初速計測レーダーの平面アンテナが装備されている。砲身途中の２ヵ所にガンロッキングアーム固定用の部品が付いているが、これは長距離移動時に砲身を一部車内に引き込んで短縮する機構（所要時間１分）を備えているためである。砲身を伸ばした状態では遠隔操作でロッキングアームの固定を外せるが、縮めた状態では手動で行う必要がある。FCSは高度に自動化されており、1997年から配備されたJGSQ-W3野戦特科射撃指揮装置（新FADAC）とリンクすることにより、射撃指揮所からの遠隔操作で目標評定から射撃まで行うことができ、乗員は装填するだけで後は全て射撃指揮所に任せることが可能。ただデータ通信を担当するのが82式指揮通信車なので、こちらの能力が不安材料である。全長11.3m、全幅3.2m、全高4.3m（砲身水平時）、全備重量40トン。エンジンは三菱製6SY31WA水冷直列６気筒４サイクルターボチャージドディーゼル（600馬力）、トランスミッションはトルクコンバーター付きオートマチック（前進４速・後進２速）、最大速度49.6km、航続距離300km。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。生産は車体が三菱重工、砲塔が日本製鋼所で、値段は2004年度契約で１両７億477万6800円、うち車体部分１両２億5607万4000円。2006年度契約では１両９億6250万円。2010年度までに計87両、2012年度までに計99両が導入されており、以降も生産が続く予定。第７師団第７特科連隊、第11旅団第11特科隊、第２師団第２特科連隊、第５旅団第５特科隊、富士学校、武器学校に配備されている。アメリカでの射撃訓練の際に輸送船が沈没し、２両が失われた。参考：月刊PANZER8,’02、スピアヘッドNo.14、No.7、世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究1,’00、2,’07、11,’14、6,’16、JGround Vol.11、MAMOR vol.137

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲（車体部）＞：自衛隊の車両。三菱重工製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲車体用特殊工具セット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲砲塔部用特殊工具セット＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲用鉄履帯＞：自衛隊の履帯。三菱重工製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲用部品（維持用）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲用部品（位置姿勢標定器）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究1,’16

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲用部品（射撃制御装置）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲用部品（直接照準眼鏡ＡＳＳＹ）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲用部品（パノラマ眼鏡）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜九九式実包＞：日本陸軍7.7mm弾。軽機関銃・小銃用で、九二式実包の減装薬バージョンだが、リムレスになっているだけで殆ど同じ形をしていたため、補給部で間違って前線に送ってしまうこともあったという。参考：世界の軍用銃、拳銃・小銃・機関銃

＜九九式自動印刷電信機＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九九式襲撃機＞：日本陸軍襲撃機キ−51、連合軍コードはソニア（Sonia）。昭和12年度の陸軍航空本部兵器研究方針改定で新たに誕生した軍偵察機として昭和13年1月に三菱重工に開発要求が出され、7月に陸軍が襲撃機の区分を設けて軍偵察機と同一機種を採用することにしたため襲撃機に変更され、昭和14年6月に原型機が完成、昭和14年12月に制式化され、昭和15年から量産された。襲撃機の任務が第一なので九七式軽爆撃機をベースにしており、降着装置はスパッツ付き固定脚として生産性や不整地運用能力を増した。対空砲火に晒される危険が高いので、ラジエーター用エアインテイク下面、カウリング後部下面、中央翼前縁下面、コクピット下面、操縦席背面、頭当て台板に6mm厚の装甲板を配置した。主翼は低翼配置で、二本桁構造、矩形中央翼とテーパー外翼からなり、外翼には捩り下げを付けた。フラップは無く、翼端付近前縁の２カ所に固定スロットを設けて低空での運動性能を向上させている。主翼下面に15kgまたは50kg爆弾を３発ずつ搭載（内舷と中央は下面に直接、外舷は専用爆弾ラックを介して装着）できる。コクピットはタンデム複座で、九九式軍偵察機として使用する場合は後席の操縦装置を外してカメラ２台を搭載する。スピナーはごく初期にはプロペラ取り付け部より先を覆う小型のものだったが、出力を絞った時にエンジンが冷えすぎるという欠点があり、プロペラ取り付け部より後ろまですっぽりカバーする大型のものに変更した。後期型では燃料タンクを増設し、翼内機銃を7.7mmから12.7mmに強化した。全長9.21m、全幅12.1m、全高2.7m（3.4m？3.52m？）、自重1870kg、全備重量2798kg。エンジンは九九式九〇〇馬力発動機二型／ハ−26�U空冷星形複列14気筒（950馬力。940馬力？）単発、プロペラは油圧式定速３翅（ピッチ17度30分−37度、直径2.9m）、最大速度424km（高度3000m）、実用上昇限度8270m、航続距離1200km。武装は主翼の7.7mm機銃２丁（前期型）または12.7mm機銃２丁（後期型）、後席後部の7.7mm旋回機銃１丁。爆弾200-250kgを搭載できる。乗員２名。昭和19年までに2000機が生産され、太平洋戦争末期には特攻機となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings4,’20、1,’07、歴史群像4,’17、月刊航空ファン12,’19

＜九九式襲撃機・海外シリーズ＞

　＜九九式軍偵察機（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍偵察機で、グンテイと呼ばれた。日本軍から接収・鹵獲したものを使用している。参考：月刊航空ファン6,’17

＜九九式舟艇防毒被＞：日本陸軍の防毒具。参考：工兵入門

＜九九式重防楯＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜九九式重門橋＞：日本陸軍の重門橋。16トン級戦車や野戦重砲を渡河させるために開発された。橋脚になる門橋舟は木製折り畳み式で、尖形舟、方形舟、艫部舟を組み合わせてボート状にしたものであり、３隻を横に並べて舟間板や踏板を渡す。それぞれの舟に九六式大操舟機を取り付けて運航することも可能。分解すればトラック７台で運搬することができる。500組が生産されて昭和16年から独立工兵（戊）連隊に配備された。この連隊が運用する九九式重門橋をフル稼動させると、１個師団の重資材を８時間で渡河させることが可能。マレー攻略戦で活躍し、設計者に技術有功章が授与された。参考：工兵入門、月刊PANZER5,’81

＜九九式手榴弾＞：日本陸軍の手榴弾、連合軍コードはキスカ（Kiska）。小銃てき弾としても使用される甲型と、手投げ専用の乙型の２種がある。遅延時間は甲が4-5秒、乙が４秒。形状を工夫して握りやすくしてあり、十年式手榴弾に付けられていたような滑り止めの凹凸は廃止された。全長80mm、直径45mm、重量300g。内部にピクリン酸57gを収容する。安全ピンを外し、頭部を石や軍靴の踵などに叩きつけて信管を作動させる。参考：日本陸軍兵器資料集、戦場写真で見る日本陸軍実戦兵器、戦時用語の基礎知識、手榴弾・迫撃砲

＜九九式小空気圧縮機＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜九九式小銃＞：九九式歩兵銃を参照。

＜九九式昇柱器＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九九式小動力鑿岩機＞：日本陸軍の機力器材で、岩石を爆破する際に爆薬を詰める孔を掘るのに使用する。九一式空気圧縮車で同時に４台を動かせる。総重量366kg。穿孔速度毎分0.1m。参考：工兵入門

＜九九式小迫撃砲＞：日本陸軍の空挺部隊用迫撃砲。前装撃発式で、直接照準射撃を行う。口径81mm、放列砲車重量24.8kg。仰角45-85度、射界6.2度。使用弾は有翼弾の一〇〇式榴弾で、初速毎秒82m、最大射程650m。参考：大砲入門

＜９９式水陸両用軽戦車シリーズ＞：中国軍の水陸両用戦車。63式Ａ型をベースに製作された。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜９９式水陸両用軽戦車＞：車体を延長、装甲を強化し、エンジンをスーパーチャージャー付き液冷ディーゼル（出力1000馬力）に換装した。車体後部にはウォータージェットを搭載。主砲は多孔式マズルブレーキ付きの83式105mm戦車砲（25-35発）で、砲塔は角張っており、モジュラー装甲の追加が可能とされる。FCSは弾道計算機、レーザーレンジファインダー、環境センサーを組み合わせたもので、砲塔前面左右に発煙弾発射機４基ずつを搭載する。車重20.5トン。副武装は装填手ハッチの12.7mm重機関銃W-85（500発）と主砲同軸の86式7.62mm車載機銃（1000-1500発）１丁ずつ。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜９９式�T水陸両用軽戦車＞：モジュラー装甲とERAを搭載したもの。イスラエルの協力を得たとみられる。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜９９式戦車＞：98式戦車シリーズを参照。

＜九九式選択呼出器＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九九式双発軽爆撃機シリーズ＞：日本陸軍軽爆撃機、キ−48。九三式双発軽爆撃機の後継として昭和12年12月末に川崎航空機に試作発注した。航空撃滅戦における軽爆撃機の任務が、飛行場に駐機している飛行機と要塞化されていない施設の破壊だったため、100kg爆弾が数発積めれば良し（爆弾搭載量400kg以上、緩降下爆撃対応）とされている。代わりに反復攻撃を可能とするため飛行特性や機動性が重視（最大速度480km以上、航続時間６時間以上）され、主翼端は捩り下げられ、エンジン１基が停止しても飛行できた。試作初号機は昭和14年7月に完成し、昭和15年5月に制式採用され、昭和16年5月の飛行第75戦隊を皮切りに部隊配備された。太平洋戦争開戦時には３個飛行戦隊と１個独立飛行中隊に100機が配備されている。当初まずまずの性能を発揮したが、大陸向けの機体を洋上に投入する事になった上、昭和18年頃からは太平洋戦線に新型連合軍機が出現し、苦戦を強いられた。総生産数1977機。参考：月刊JWings12,'20、6,’04、1,’13

　＜九九式一型双軽爆撃機＞：キ−48�T。機体は全金属製セミモノコック構造で、ガラス張りの機首に爆撃手兼前方銃手、その後上方のコクピット前部に操縦士、コクピット後部に無線士兼後下方銃手（前）と後上方銃手（後）を配置し、胴体後部は単純な形状にして抗力を減らした。後下方機銃を使用する際は、無線士兼後下方銃手が席を立って後上方銃手の後方で腹這いになり、射撃口を開けて射撃する。爆弾倉はコクピット床下に位置し、左右の扉を上下２枚に分割して上に引き上げる方式として気流の乱れを防止、テストでは９割近い爆撃命中率を記録した。主翼は中翼配置の直線テーパー翼で、二本桁構造、土井武夫技師の翼幅荷重低減による誘導抗力減少の方針に基づきアスペクト比を7.6と大きく取り、航続性能や安定性を向上させている。主脚と尾脚は半引き込み式。全長12.6m（12.76m？）、全幅17.45m、全高3.8m、自重4050kg、最大離陸重量6050kg。エンジンは中島製九九式九五〇馬力発動機（ハ25。950馬力）双発、プロペラは金属製定速３翅（ハミルトン・スタンダード社の錘・油圧併用スプリング強化式。ピッチ18-38度、直径2.86m、重量141kg）、巡航速度350km、最大速度480km、上昇限度9500m、航続距離2400km。防御武装は、機首と胴体下面開閉式後方銃座の7.7mmまたは7.92mm旋回機銃１丁ずつと、後上方の7.7mmまたは7.92mm連装旋回機銃で、基本的には高い機動性を活かして敵から逃れることにしていた。爆弾搭載量400kg。乗員４名。参考：月刊JWings12,'20、6,’04、1,’07、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン10,’19、12,’19

　＜九九式二型甲双軽爆撃機＞：キ−48�U甲。エンジンをハ−115（1100馬力）に換装して250kg爆弾を搭載できるようにしたもの。機体構造も強化され、機銃は全て7.92mmに統一（機首と後部銃座が九八式旋回機関銃、胴体後下方の下開き銃座がテ四？）された。プロペラは定速３翅（ピッチ20-40度、直径2.9m、重量は調速機除き153kg）。昭和15年6月に制式採用されたが、実際の生産はエンジン開発の遅れから昭和17年4月になった。550機が生産された。参考：月刊JWings6,’04、歴史群像8,’17、月刊航空ファン12,’19

　＜九九式二型乙双軽爆撃機＞：キ−48�U乙。二型甲の主翼下にダイブブレーキを装備し、補助翼幅を290mm短縮、方向舵平衡部を増積している。500kg爆弾を積んでの急降下爆撃（降下角60度）も可能となった。全長12.8m、全幅17.5m、全高4.3m、自重4550kg、全備重量6750kg。エンジンはハ−115（1150馬力）双発、最大速度505km、航続距離2400km。乗員４名。昭和18年5月から858機が生産された。参考：月刊JWings6,’04

　＜九九式二型丙双軽爆撃機＞：キ−48�U丙。乙の7.92mm機銃を12.7mm機銃に換装した防御武装強化型で、試作のみに終わった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜九九式二型改双軽爆撃機＞：キ−48�U改。胴体中央に爆弾を搭載し、機首に信管を付けた特攻型である。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜九九式双発軽爆撃機・海外シリーズ＞

　＜九九式双発軽爆撃機（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍軽爆撃機。太平洋戦争終結で日本軍から接収し、19世紀に対蘭ジャワ戦争を主導したジョグジャカルタスルタン家王子にちなんでパンゲラン・ディポヌゴロ�Uと命名して使用した。参考：月刊航空ファン6,’17

＜九九式双発軽爆撃機・着陸＞：巡航速度で飛行場に向かい、高度700-800mで時速250km以下に減速、車輪を降ろす。回転数は2100-2300rpmとし、最終旋回に入る前に速度220km・フラップを20度下げにして旋回中に200kmまで落とす。最終旋回を終了したらフラップを一杯に下げ、プロペラを低ピッチにして降下、高度10mで混合レバーを閉じ、時速145kmで接地する。片発停止時は降下率が高くなるので高度を高めにとって進入し、フラップの下げは浅めとし、着地したらすぐに残ったエンジンを停止して転覆を防ぐ。不時着の際は車輪を下げず、フラップもぎりぎりまで下げないで失速を防ぐ。参考：月刊航空ファン4,’72

＜九九式双発軽爆撃機・飛行＞：外滑りの傾向があり、フラップ下げ時に特に強くなるため、フラップを20度以上上げ下げしての旋回は禁止。荷重制限は軽量時で3G、高速飛行時または重量物搭載時は2Gまで。急降下は降下角45度までで、プロペラピッチを「高」にし、エンジンを2600回転以下に下げ、カウルフラップと混合レバーを閉じる。重量5.8トンまでなら時速450kmまでで3G、それ以上では時速400kmまでで3.5Gの引き起こしができる。片発停止時には方向舵を当て舵にして直線飛行を維持し、残ったエンジンの回転を上げて速度を維持、停止した方のプロペラピッチを「高」にして抵抗を減らし、点火スイッチを「断」に入れる。フラップは抗力が上がるので下げず、旋回時は停止したエンジンを外側にして回る。参考：月刊航空ファン4,’72

＜九九式双発軽爆撃機・離陸＞：まずエンジンを始動させる。プロペラピッチを「高」、燃料切り替えコックを「通」にし、使用する燃料タンクにコック位置を合わせ、手動ポンプを左手で何回か動かして燃圧を上げる。整備員がプロペラを手で回す間に燃料ポンプで気筒内に燃料を２回（寒冷時には5-6回）くらい少量注入する。ガス混合レバーを15%くらい開く。機体に搭載されたバッテリーを使用してスターターを作動させるのが一番楽だが、負荷が大きいので地上設備があれば地上電源を接続して使う。大型トラック改造の始動機の駆動軸をスピナー先端と結合して直接回す方法もある。いずれも使用できない場合、クランクを慣性スターターに差し込んで整備員に回してもらう。「点火」とコールして始動開閉器を後ろに何秒か倒すと始動終了。地上滑走中はカウルフラップを開いてエンジン過熱を防ぐ。離陸滑走に入る時はエンジン回転数2600回転以下、吸気圧力50-130mmを保ち、操縦桿を押し気味にする。速度が150kmに達したら操縦桿を引くと離陸。重量5.7トンまでなら480m、6.2トンまでなら520mで離陸できる。この時フラップを12度未満の下げ角で出しておくと離陸滑走距離を短くできる（それ以上下げると抗力が大きくなる）。ブースト圧をプラス220mmに設定すれば、エンジンは傷むが400mで離陸できる。離陸後は脚を引き込んで加速、高度100mで速度200km前後になるので、吸気圧をマイナス50mmにし、回転数を2200rpmに下げ、フラップを上げる。その後巡航高度まで上昇して目標に向かう。参考：月刊航空ファン4,’72

＜九九式狙撃銃シリーズ＞：日本陸軍の狙撃銃。九九式歩兵銃の制式化に合わせて開発されたが、完成したのは昭和17年である。参考：月刊PANZER11,’01

＜九九式狙撃銃＞：光学照準器（2.5倍と４倍の２種）は装弾を邪魔しないよう、左にかなりオフセットされている。全長1.3m、銃身長0.79m、重量4.1kg。作動はボルトアクション。口径7.7mm、装弾数５発。参考：月刊PANZER11,’01

＜九九式短狙撃銃＞：九九式短小銃を母体とした狙撃銃。全長1.1m、銃身長0.65m、重量3.7kg。参考：月刊PANZER11,’01

＜九九式隊医极＞：日本陸軍の衛生資材運搬箱で、昭和15年から配備された。一から四号でワンセットである。参考：歴史群像10,’10

＜九九式大時限機＞：日本陸軍の爆破器材。大時限発火機よりも長い時限設定が可能な発火機として昭和10年4月から開発され、昭和15年3月に制式化された。時限10日の測合装置甲、30日の乙、90日の丙があり、必要に応じてどれかをセットする。本体重量2.3kg。参考：工兵入門

＜九九式大動力鑿岩機＞：日本陸軍の機力器材。小本坑道以上の坑道内部で支柱に取り付けて使用する。九七式空気圧縮車で同時に２台を動かせる。総重量776kg。穿孔速度毎分0.2m。参考：工兵入門

＜九九式駄載操舟機＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜九九式短小銃＞：九九式歩兵銃シリーズを参照。

＜九九式短狙撃銃＞：九九式短狙撃銃を参照。

＜９９式弾薬給弾車＞：陸上自衛隊の弾薬給弾車。99式自走155mm榴弾砲用の装軌式自動給弾車で、1999年に制式化された。87式砲側弾薬車がベースで、非接地式誘導輪を追加して車体を延長しており、全備重量が増えた分はエンジン等を強化して補っているとされる。車体前部がキャビン、その後方が機関室、車体中央が砲弾収容ラック、後部右が99式155mm榴弾砲発射装薬の収容部、後部左が給弾機構。操向装置はバーハンドル式である。装薬収容部上面はブロウオフ・パネルになっており、誘爆時のダメージを軽減する。自走砲後部に背中合わせにアクセスすれば、砲弾と装薬を自動的に砲塔後部から内部に送り込める。その際、信管を装着しておく必要がある。弾薬搭載量は90発（５両分）。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪が前方、誘導輪が後方にある。上部転輪は無い。全長6.7m、全幅3.2m、全高3.1m、全備重量33トン。エンジンは8V71YT水冷２サイクルＶ型８気筒ディーゼル（411馬力）、トランスミッションは日立製作所製トルクコンバーター付きオートマチック（前進４段、後進１段）、最大速度47km。乗員２名（車長、操縦手）。日立製作所製で、値段は2004年度契約で３億6781万5000円。富士教導団特科教導隊に１両、第２師団と第７師団の１個射撃中隊あたり１両ずつが配備されている。参考：月刊PANZER8,’02、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.7、No.8、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.127

＜９９式弾薬給弾車用エンジン＞：自衛隊のエンジン。富永物産が受注している。参考：月刊軍事研究2,’18

＜９９式弾薬給弾車用鉄履帯＞：自衛隊の履帯。日立製作所製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜９９式弾薬給弾車用特殊工具セット（給弾部用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究9,’13

＜９９式弾薬給弾車用特殊工具セット（車体部用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究8,’12

＜九九式抵抗測定機＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九九式鉄道橋構桁＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜九九式鉄道橋構桁架設機＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜九九式鉄道揚水機＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜九九式導火索＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九九式導火索点火管乙＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九九式導火索点火管甲＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九九式破壊筒＞：日本陸軍の爆破器材。長さ1.15m、厚さ2.3mm、内径30mm・外形35mmの管体（引抜鋼管）に二号淡黄薬を詰めて両端に接続ネジを取り付けたもので、複数を繋げて使用することもできる。安全栓を除去して鉄条網に差し込み、管の後ろから延びる拉縄を後方に強く引くと九九式破壊筒点火具が作動するので、遅延装置が作動している間に点火手は10m以上離れて伏せる。爆発すると深さ6mの鉄条網を破砕し、幅3mの突撃路が開設される。管体重量3.8kg。収容箱には管体６個、管頭３個、点火具３個が収容されており、全備重量33kg。参考：工兵入門

＜九九式破壊筒点火具＞：九九式破壊筒用の点火具で、破壊筒尾部に差し込んで使う。拉縄を引っ張ると作動する。参考：工兵入門

＜九九式爆破管＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九九式爆薬缶＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜九九式破甲爆雷＞：日本陸軍の対戦車地雷。円盤状の体の周囲に４個の吸着用磁石が付いており、亀のような外観である。使用時に信管を信管筒から取り出して爆薬内に挿入し、戦車・装甲車の表面に貼り付けて点火すると10秒後に一号淡黄薬630g（８分割されている）が炸裂、厚さ25mmの装甲板を破壊できる。２つ重ねれば厚さ40mmを爆砕可能。本体直径128mm、最大幅175mm（信管頂部から磁石下部まで）、厚さ38mm、全備重量1.15kg。昭和10年8月から開発され、当初はMK磁石と黄色薬の組み合わせだったが、吸着力と寒冷時の爆発力に欠けるため、OP磁石と淡黄薬の組み合わせに変更して昭和15年8月20日に制式化され、ノモンハン事件から使用された。参考：工兵入門、戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜九九式発射発煙筒＞：日本陸軍の発煙器材。昭和15年7月22日に制式化された。重量1270g（発煙剤660g、加熱剤19g、点火剤3g）。煙色は白色、有効発煙時間1.5分、最大射程300m。参考：工兵入門

＜九九式飛一号受信機＞：日本軍の長距離飛行機用受信機。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜九九式飛行艇＞：日本海軍飛行艇、略符号H5Y1、連合軍コードはチェリー（Cherry）。九一式飛行艇の後継として昭和9年から九試中型飛行艇の名称で空技廠が開発した。洋上の漸減作戦に使用するため、4700km以上の航続距離を有し、最大速度も300km以上が要求されている。主翼は支柱で支えられて機体上方に付けてあり、双尾翼を持つ。胴体側面にドルニエ式スポンソンを設けて水上安定性を確保した筈だったが、テストでは水上性能や耐波性の悪さを指摘されている。昭和15年2月に採用されたが、同時期開発の九七式飛行艇の方が遙かに優秀だったためと、エンジンが生産中止となったため、空技廠、広海軍工廠、愛知航空機、川西航空機などで26機のみ生産され、太平洋戦争初期に哨戒任務に使用された。全長20.5m、全幅31.57m、全高6.72m、自重7362kg、全備重量11500kg、過荷時全備重量14000kg。翼面積108平方メートル。エンジンは震天二一型空冷星形複列14気筒（1300馬力）双発、巡航速度222km、最大速度306km、実用上昇限度5280m、航続距離4730km。防御武装は7.7mm旋回機銃３丁。250kg爆弾２発を搭載できる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings4,’07、月刊丸3,’18別冊

＜九九式防毒面＞：日本陸軍の防毒マスク。下部はゴム管を経由してフィルター（活性炭粉末？）入り呼吸缶に繋がっており、活性炭、石灰、ホプカライトなどで浄化した空気を吸入するようになっている。空気の出入りが悪く、付けるとかなり息苦しかったらしい。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、グラフィックアクション44

＜九九式歩兵銃シリーズ＞：日本陸軍の歩兵銃。三八式歩兵銃の6.5mm弾の威力が小さいため、口径を7.7mmに増したものである。漸く標準公差の概念が取り入れられ、各部品の互換性が図られることとなったが、戦時中に制作者の熟練度が落ちると、部品の互換性も低下した。昭和13年に試作型が完成し、昭和14年に制式化され、本格生産に入ったのは太平洋戦争直前である。口径が違う三八式歩兵銃と混ぜて配備すると弾薬補給に問題が生じるので、まずは内地の学校、近衛連隊、航空部隊に配備し、太平洋戦争開戦後はアッツ島守備隊など北方部隊にも回したが、その後は本土決戦用として内地に残されたため、前線の部隊が旧式の三八式歩兵銃で戦い、後方の内地部隊が新型の本銃を装備するというチグハグな現象が起こった。参考：月刊PANZER11,’01、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、世界の軍用銃、軍医サンよもやま物語、新兵サンよもやま物語

＜九九式歩兵銃＞：フロントストックに折り畳み式の単脚が装着されていたが、銃を構えると手が当たって錆びやすく、長さも中途半端で、不評だった。リアサイトには対空用照尺も付いている。狙撃用眼鏡の装着が可能。全長1.12m／1.656m（三十年式銃剣着剣時）、銃身長0.66m、重量3.73kg。作動はボルトアクション、装弾数５発。三八式歩兵銃より口径が大きく重量が軽いので、反動が強烈になり命中率が落ちた。また、材料が粗悪になったらしく、銃を倒しただけで撃茎尖頭（撃針先端部）が折れたりした。参考：月刊PANZER11,’01、軍医サンよもやま物語

＜九九式歩兵銃戦時型＞：対空用照尺を取り除き、生産しやすいように各部を簡略化したもの。各工場で造りがまちまちであり、同じモデルとは思えない程のものもある。参考：月刊PANZER11,’01

＜九九式短小銃＞：従来の騎兵銃（カービン）にあたるが、最早騎兵という兵科がほぼ消滅していたので、短小銃という名称になった。銃の全長を切り詰め、スリングの装備位置を銃の下部から左側面に移している。全長1.12m、銃身長0.65m、重量3.8kg。装弾数５発。2014年8月6日、岡崎海軍航空隊に配備されていて戦後ハワイの米軍人が保管していた本銃が、鹿屋航空基地史料館に寄贈された。参考：月刊PANZER11,’01、世界の軍用銃、朝雲

＜九九式歩兵銃挺身用＞：空挺部隊用で、テラ銃ともいう。二式小銃の後継として、九九式短小銃を基に開発され、1943年10月から生産された。前後２つに分解できる。全長1.2m、重量4.1kg。九九式軽機関銃の弾倉を使用できる30連発型も試作されたが、実用化前に終戦となった。参考：月刊PANZER11,’01、丸エキストラ版No.71

＜九九式小銃（陸上自衛隊）＞：警察予備隊が受領して使用した九九式A1小銃で、1952年度増員分35000名のライフル（M1ガーランド／M1カービン）を確保できなかったため、アメリカ軍から貸与されたものである。日本陸軍の7.7mm弾（九二式または九九式実包）よりも.30-06弾（M1ガーランド用M2実包）の威力が13%ほど大きく、銃の重量は12%軽いので反動が凄まじく、命中率は何とかなったが10発も発射すると銃と射手の肩が故障し、実戦には使えないと不評だった。制式型と戦時型から14万丁が改造（大部分は赤羽の東京オードナンス・デポに残っていた日本陸軍施設で改造を受けた）され、うち32500丁が代用火器として貸与され、主に会計隊や業務隊などで銃の取り扱い訓練に使用された。陸上自衛隊に名前が変わった後も使われていたが、1960年秋に500丁を豊和工業に送って精密検査したところ、正規図面との比較や硬度測定の結果、主要部品に焼きが入っていないなど500丁全てが使用に耐えないと判明し、この年を以て全面使用禁止にされてしまった。参考：スピアヘッドNo.13、No.12、世界の軍用銃、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜九九式歩兵銃・海外シリーズ＞

　＜九九式Ａ１小銃＞：韓国軍小銃。朝鮮戦争の緒戦で兵器不足に陥ったため供給された。日本軍から接収した九九式歩兵銃の薬室を削り、アメリカ軍制式の.30-06弾（口径7.62mm）が使えるように改造している。銃身まで交換する余裕は無かったようである。日本国内で改造され、韓国軍に供与された。その後、装備が整うにつれてアメリカ軍に返却され、今度は警察予備隊に供与された。全長1.3m、銃身長0.79m、重量4.1kg。ボルトアクションで、装弾数５発。参考：月刊PANZER12,’01、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜九九式裸線接続器＞：日本陸軍の有線通信機材。参考：工兵入門

＜九九式両手鉄条鋏＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜９９Ａ�U式戦車＞：0910工程を参照。

＜９９Ａ２式戦車＞：98式戦車シリーズを参照。

＜９９Ａ２式戦車＞：中国陸軍軽戦車で、62式／63式軽戦車の後継として配備が進められている。車体は前部に操縦室、中央に戦闘室、後部に機関室というオーソドックスな構成である。下部転輪は片側６組、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は片側３枚で、鋼製スカートを装備する。サスペンションは油気圧式で、地上高調整機能を持つ。砲塔は前面が楔形をしており、前面と側面中央から後部にかけて爆発性反応装甲ブロックが取り付けられている。主砲は砲口排煙器とサーマルスリーブの付いた105mmライフル砲で、GP-2レーザー誘導ミサイルを発射可能。副武装は7.62mm同軸機銃など。戦闘重量30トン級。エンジンはディーゼル。参考：月刊軍事研究5,’14

＜９０１＞：イラン海軍877EKM型潜水艦１番艦タレク（Taregh）。1992年就役。2005年から整備改修を行っており、2012年9月18日に再進水したと発表したが、実際にはまだらしい。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船12,’12

＜９０１＞：中国海軍901型補給艦１番艦、呼倫湖（Hulunhu）。元は艦番号965で、後に変更された。2021年12月15日1100頃、遼寧級空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、054A型フリゲート598日照と共に、男女群島西350kmを南東に航行するのを、第４航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機、DDH-183いずも、DD-115あきづきが確認した。これらは12月16日に沖縄本島と宮古島との間を南下して太平洋に向かい、東シナ海と太平洋で艦載ヘリを発着艦させている。12月19日0800頃、遼寧級空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦154厦門、054A型フリゲート598日照ともう１隻と共に、北大東島東300kmを航行するのを、DDH-183いずもが確認した。これらは12月20日0800頃には沖大東島南東315kmを航行しているのをDDH-183いずもが確認している。12月25日0000頃、遼寧級空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦154厦門、054A型フリゲート598日照と共に、沖縄本島と宮古島の間を北西に航行し、東シナ海に向かったのを、DDH-183いずもが確認した。2022年5月1日1200頃、遼寧型空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同118烏魯木斉、同120成都と共に、男女群島西350kmを南に航行するのを、DDH-183いずも、第４航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは東シナ海で054A型フリゲート531湘潭及び052C型駆逐艦151鄭州と合流し、5月2日に沖縄本島と宮古島の間を南下して太平洋に向かっている。5月3日1200頃、遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同118烏魯木斉、同120成都、054A型フリゲート531湘潭と共に、沖大東島南160kmを航行するのを、DDH-183いずもが確認した。5月5日1400頃、遼寧型空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同118烏魯木斉、同120成都と共に、宮古島南東320kmを航行するのを、DDH-183いずもが確認した。5月6日0900頃、遼寧型空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同118烏魯木斉、同120成都と共に、石垣島南170kmを航行するのを、DDH-183いずもが確認した。5月7日0900頃、遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦２隻と共に、石垣島南150kmを航行するのを、DDH-183いずもが確認した。5月8日0900頃、遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦２隻と共に、石垣島南160kmを航行するのを、DDH-183いずもが確認した。5月9日1000頃、遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦２隻と共に、石垣島南200kmを航行するのを、DDH-183いずもが確認した。5月10日0900頃、遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦２隻と共に、石垣島南310kmを航行するのを、DDH-183いずもとDD-117すずつきが確認した。5月11日0900頃、遼寧型空母16遼寧と共に石垣島南160kmを航行するのをDD-117すずつきが確認した。5月14日0900頃、遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦２隻と共に、石垣島南300kmを航行するのをDD-117すずつきが確認した。5月21日1700頃、遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同118烏魯木斉、同120成都と共に、宮古島東220kmを西に航行するのを、DD-119あさひ、DD-112まきなみ、AOE-424はまな、AMS-4303あまくさ、第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは055型ミサイル駆逐艦101南昌、054A型フリゲート531湘潭と共に、沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。12月15日1000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦103鞍山、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘と共に、長崎県福江島西440kmを南に航行するのを、DD-104きりさめ、第４航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後055級ミサイル駆逐艦104無錫と合流し、12月16日には東シナ海で艦載ヘリを発着艦させ、沖縄本島と宮古島の間を南に進み、太平洋に向かっている。12月17日1100頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘と共に、沖縄県沖大東島南西260kmを航行するのを、DD-104きりさめが確認した。2000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘と共に、沖大東島西南西260kmを航行するを、DD-104きりさめが確認した。12月18日2000頃、遼寧級空母16遼寧、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘と共に、沖大東島東南東350kmを航行するのを、DD-104きりさめが確認した。12月25日2000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、054A級フリゲート542棗荘と共に、沖ノ鳥島南東670kmを航行するのを、DDH-183いずもとDD-109ありあけが確認した。12月26日2000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、054A級フリゲート542棗荘と共に、沖ノ鳥島南西250kmを航行するのを、DDH-183いずもとDD-109ありあけが確認した。12月27日2000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D型ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘と共に、沖大東島東270kmを航行するのを、DDH-183いずもとDD-109ありあけが確認した。12月28日2000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都と共に、沖大東島東360kmを航行するのを、第５航空群P-3C哨戒機、DD-109ありあけ、AOE-422とわだが確認した。12月29日0800頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都と共に、沖大東島北東310kmを航行するのを、第５航空群P-3C哨戒機、DD-109ありあけ、AOE-422とわだが確認した。12月30日2000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦103鞍山、同104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘と共に、北大東島東530kmを航行するのを、第５航空群P-3C哨戒機、DD-109ありあけ、AOE-422とわだが確認した。12月31日2000頃、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦103鞍山、同104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘と共に、沖大東島南220kmを航行するのを、第５航空群P-3C哨戒機、DD-109ありあけ、AOE-422とわだが確認した。

2023年1月1日、遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦103鞍山、同104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘沖と共に、縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かって航行するのを、第５航空群P-3C哨戒機、DD-109ありあけ、AOE-422とわだが確認した。

参考：月刊世界の艦船3,’22、7,’22、8,’22、3,’23、4,’23

＜９０１型＞：中国海軍補給艦（中国の艦種呼称は綜合補給艦）、西側コードは福裕（Fuyu、フユ）型。空母機動部隊に随伴する大型高速補給艦で、サクラメント級・サプライ級高速戦闘支援艦を参考に2011年から開発した。船型は平甲板型、艦首はバルバス・バウで、前後上構舷側は船体側面と面一の微妙な逆傾斜とし、艦橋頂部のマストはタワー型である。前後上構間に門型補給ポスト３基（中央がドライカーゴ、前後が液体貨物。前部左舷側のみドライ・液体兼用）があり、後部門型補給ポストの後方左舷側に空母燃料補給専用のモノポール型補給ポストを持つ。中央・後部補給ポストの間に荷役用大型デッキクレーン（10トン級）２基を装備する。後部上構後半部がヘリ格納庫、艦尾がヘリ甲板で、Z-8ヘリ２機またはZ-18ヘリ１機＋Z-8Jヘリ１機を搭載できる。艦艇用燃料15000-20000トン、航空燃料5000-10000トン、真水1000-15000トン（島嶼への補給能力の有無で推定値が大きく違う）、ドライカーゴ3000-5000トン（弾薬1800トン＋食糧400トン＋その他250トン？弾薬3000トン＋その他500トン？）を搭載でき、ドライカーゴの艦内移送は機械化していて、艦内に修理工場もある。横曳き洋上補給ならシーステート５・最大離隔距離80-90mで洋上補給が可能。病室や手術台などの医療設備を備え、病院船機能を持つ。360型対空／対水上レーダー１基、364型対水上／低高度警戒レーダー１基、CIWS用347G型射撃指揮レーダー２基、航海レーダー、衛星通信アンテナドーム３基、H/RJZ-726型電子戦装置を装備する。全長239.5-241m、幅32m、吃水10.7-10.8m、軽荷排水量17000トン、満載排水量45000-48000トン。主機は陝西柴油機重工有限公司製16PC2-6Bディーゼル（ガスタービン？）４基２軸65000馬力（150000馬力？）、速力25ノット。兵装は30mm近接防御兵器H/PJ-13が４基（艦橋前部両舷、ヘリ格納庫上両舷）。乗員300-500名。１番艦艦番号965呼倫湖、２番艦967査干湖（査乾湖？）、艦番号905が2017年から就役した。参考：月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、2,’19、3,’18、5,'23、11,’18、6,’20、月刊軍事研究2,’18、11,’18、月刊航空ファン2,’16

＜９０２＞：イラン海軍877EKM型潜水艦２番艦ヌール（Nuh）。1993年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜９０２＞：台湾海軍アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦ホンヤン（Heng Yang）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９０２＞：中国海軍福池型補給艦、東平湖（Dongpinghu）。新造時は艦番号が960だったが、後に変更した。2021年10月11日1300頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦172昆明、054A級フリゲート515浜州、同573柳州、大老型潜水艦救難艦846と共に、対馬南西320kmを北東に航行するのを、DE-230じんつう、AMS-4303あまくさ、第１航空群P-1哨戒機、第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。10月14-17日、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦172昆明、054A級フリゲート515浜州、同573柳州、大老型潜水艦救難艦846、通常動力型潜水艦１隻と共に、日本海でロシア海軍ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・トリブツ、ステレグシュチイ級フリゲートのグロームキイ、同アルダー・ツィデンジャポフ、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフとの中露共同演習海上連合2021に参加。10月18日0800頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦172昆明、054A級フリゲート515浜州、同573柳州、ロシア海軍ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・トリブツ、ステレグシュチイ級フリゲートのグロームキイ、同アルダー・ツィデンジャポフ、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフと共に、北海道奥尻島南西110kmを東に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機、MSC-687いずしま、MSC-689あおしまが確認した。その後これらは津軽海峡を東に進み、太平洋に向かっている。1800頃、これらが青森県尻屋崎東南東40kmを南東に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機、MSC-687いずしま、DD-110たかなみ、DD-152やまぎりが確認した。その後これらは10月20日0100頃には千葉県犬吠埼東130kmを南に航行、10月21日0400頃には小笠原諸島須美寿島と鳥島の間を西に進み、須美寿島南西50-100kmで054A級フリゲート１隻からKa-28ヘリ、ステレグシュチイ級フリゲート１隻からKa-27ヘリを発着艦させたため空自がスクランブル発進した。10月22日1300頃、これら中露艦艇が高知県足摺岬南180kmを西に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機、DD-152やまぎり、DE-234とねが確認した。その後これらは大隅海峡を西に航行して東シナ海に向かい、10月23日1000頃に長崎県男女群島南南東130kmで055型ミサイル駆逐艦101南昌からZ-9ヘリを発着艦させたため空自がスクランブル発進した。10月23日1100頃、ロシア海軍艦艇と分離した。2022年6月13日1200頃、055型ミサイル駆逐艦102拉薩、052D型ミサイル駆逐艦120成都と共に、長崎県福江島西200kmを東に航行するのを、AMS-4303あまくさ、PG-824はやぶさ、PG-829しらたか、第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。6月16日0900頃、東調級情報収集艦艦番号794天狼星と共に、龍飛崎南西130kmを北東に航行するのを、AMS-4302すおうと第２航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは津軽海峡を東に進んでいる。6月19日1400頃、055型ミサイル駆逐艦102拉薩、052D型ミサイル駆逐艦120成都と共に、宮城県金華山東220kmを南に航行するのを、DD-112まきなみが確認した。これらは6月20日1000頃に犬吠埼南東220kmを南西に航行している。6月21日0300頃、055型ミサイル駆逐艦102拉薩、052D型ミサイル駆逐艦120成都と共に、伊豆諸島須美寿島と鳥島の間を西に航行するのを、DD-112まきなみが確認した。6月29日2300頃、055型ミサイル駆逐艦102拉薩、052D型ミサイル駆逐艦120成都と共に、宮古島北東130kmを北西に航行するのを、DD-156せとぎりと第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは東シナ海に向かっている。8月29日1300頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、054A型フリゲート546塩城と共に、対馬南西240kmを北東に航行するのを、第４航空群P-1哨戒機、PG-826おおたか、PG-828うみたかが確認した。これらは8月30日に対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。9月3日1500頃、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、同アルダー・チデヌサポフ、055型ミサイル駆逐艦101南昌、054A級フリゲート546塩城、福池型補給艦902東平湖と共に、北海道神威岬西190kmを東に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機、PG-827くまたか、DD-103ゆうだちが確認した。その後これらはロシア軍大規模極東演習ヴォストーク2022の一環として同海域で機銃射撃を行い、9月4日0400頃には礼文島西50kmを北東に進み、更に宗谷海峡を東に航行している。9月26日2200頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、054A型フリゲート546塩城と共に、伊豆諸島須美寿島南南東50kmを西に航行するのを、第４航空群P-1哨戒機、DD-152やまぎり、MSC-605ちちじまが確認した。その後これらは須美寿島と鳥島の間を西に進み、9月27日0900頃には紀伊半島潮岬南南東300kmを西に航行している。9月27日0900頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、054A型フリゲート546塩城、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同アルダー・チデヌサポフ、同グロームキイと共に、室戸岬南南東260kmを西に航行するのを、DD-152やまぎり、DD-154あまぎり、AMS-4304げんかい、第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは9月28-29日に大隅海峡を西に進み、東シナ海で相互に隊列を組み航行している。2023年9月14日0900頃、052D型ミサイル駆逐艦118烏魯木斉、054A型フリゲート547臨沂と共に、宮古島北150kmを南東に航行するのを、MSC-686うくしまと第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。参考：月刊世界の艦船1,’22、9,’22、11,’22、12,’22、3,’23、12,’23

＜９０３＞：イラン海軍877EKM型潜水艦３番艦ユネス（Yunes）。1994年に一旦竣工したが、高温対策を施すのに時間がかかり、1996年に再就役、1997年にイランに到着した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜９０３＞：台湾海軍アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦ホアヤン（Hua Yang）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９０３＞：中国海軍福池型補給艦、可可西里湖。当初は艦番号968で、後に変更された。2021年8月22日0000頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦119貴陽共に、対馬南西105kmを北東に航行するのを、DD-102はるさめ、第１航空群P-1哨戒機、第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。8月24日0900頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦119貴陽、東調型情報収集艦799と共に、奥尻島南西200kmを北東に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機とPG-825わかたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に航行している。9月11日0900頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦119貴陽、東調型情報収集艦799と共に、種子島東140kmを西に航行するのを、DD-119あさひと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは大隅海峡を西に進んでいる。2022年9月23日0800頃、052D級ミサイル駆逐艦123淮南、054A級フリゲート598日照と共に、宮古島北180kmを南東に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機、DD-105いなづま、MSC-691ししじまが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。2023年3月25日1900頃、052D級ミサイル駆逐艦123淮南、054A型フリゲート598日照と共に、種子島東70kmを西に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機とMSC-684なおしまが確認した。その後これらは大隅海峡を南西に航行し、東シナ海に向かっている。4月22-23日、中国海軍創設74周年記念行事の一環として、青島で一般公開された。8月25日1400頃、055型ミサイル駆逐艦104無錫と共に、長崎県福江島西190kmを東に航行するのを、PG-826おおたか、第１航空群P-1哨戒機、第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは8月26日にかけて対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。9月14日0100頃、055級ミサイル駆逐艦104無錫と共に、対馬北東40kmを西に航行するのを、MSC-601ひらしまと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは対馬海峡を南西に進み、東シナ海に向かっている。10月29日1300頃、055型ミサイル駆逐艦101南昌と共に、横当島西60kmを東に航行するのを、MSC-602やくしまと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは東調型情報収集艦795天枢星と合流し、10月30日にかけて奄美大島と横当島の間を北東に進み、太平洋に向かっている。11月12日1800頃、055級ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦122唐山、054A型フリゲート550維坊と共に、奄美大島東120kmを北西に航行するのを、AOE-424はまなが確認した。その後これらは11月13日にかけて奄美大島と横当島の間を南西に進み、東シナ海に向かっている。参考：月刊世界の艦船11,’21、12,’21、3,’22、12,’22、6,’23、7,’23、11,’23、12,’23、1,’24、2,’24

＜９０３型＞：福池級（補給艦）を参照。

＜９０４＞：エジプト海軍MEKO A200型フリゲート１番艦アル・アジズ（Al-Aziz）。2022年4月5日、公試開始。10月17日、ドイツからエジプトに向かった。参考：月刊世界の艦船8,’22、1,’23

＜９０４＞：中国海軍福池型補給艦、高郵湖。2022年6月1日0900頃、052D型ミサイル駆逐艦154厦門、054A級フリゲート515浜州、071型揚陸艦986四明山と共に、奄美大島北西120kmを南東に航行するのを、AOE-425ましゅうと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは奄美大島と横当島の間を東に進み、太平洋に向かっている。11月15日0600頃、052D級ミサイル駆逐艦132蘇州、054A級フリゲート529舟山と共に、種子島東北東60kmを西に航行するのを、DE-233ちくまと第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは大隅海峡を西に進み、東シナ海に入っている。参考：月刊世界の艦船3,’23、2,’24

＜９０４型＞：大運級（輸送艦）を参照。

＜９０４型輸送艦シリーズ＞：中国海軍輸送艦（中国艦種名は総合補艦）、丹遥（ダンヤオ、Danyao）級。艦上に搭載する揚陸艇による陸上施設（南沙諸島）への物資輸送が主任務で、全て南海艦隊に配備された。洋上補給ポストは無く、洋上補給は一応行えるようだが副次任務らしい。参考：月刊世界の艦船11,’15、10,’15、3,’18、2,’20

＜９０４Ａ型＞：福池級補給艦がベースで、船体中央の洋上補給ポストを廃止し、揚陸艇ダビットを片舷２基ずつ計４基設けた。後部にヘリ甲板があるが、格納庫は無い。全長159.5m、満載排水量15241トン。主機はディーゼル、速力20ノット。兵装は37mm連装機関砲２基（４基？）、25mm連装機関砲２基。2007年に艦番号888撫仙湖が就役した。参考：月刊世界の艦船2,’20、2,’19、3,’18、9,'15、3,’10、10,’15

＜９０４Ｂ型＞：904A型の改良型。艦橋を１層分高くし、上構最後部にヘリ格納庫を設け、煙突を２本に増やして後部上構両舷に並列配置した。煙突頂部同士をトラス構造の桁で繋いであり、桁中央にラティス式後部マストを装着している。前後上構間両舷にボート・ダビットを２基ずつ持つ。全長159.5m、満載排水量15241トン。速力20ノット。兵装は30mm単装機関砲２門。2015年に艦番号961軍山湖と艦番号962瀘沽湖が就役した。参考：月刊世界の艦船2,’19、3,’20、11,’15、4,’16、3,’18

＜９０４型レーダー＞：シーキャットGWS22艦対空ミサイル用射撃指揮レーダーで、ディッシュ型アンテナを持つ。使用周波数Ｉバンド、パルス繰り返し周波数3000pps、探知距離27km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜９０５＞：エジプト海軍MEKO A200EN型アル・アジズ級フリゲート２番艦アル・カハル（Al-Qahhar）。2023年5月25日就役。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜９０５＞：台湾海軍アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦ユエヤン（Yueh Yang）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９０５＞：中国海軍901型補給艦。2023年4月5日1800頃、002型空母17山東、054A型フリゲート573柳州と共に、沖縄県波照間島南300kmを東に航行するのを、DD-157さわぎりが確認した。4月7日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート573柳州と共に、宮古島南390kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-157さわぎりが確認した。4月8日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、宮古島南430kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-157さわぎりが確認した。4月9日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、宮古島南230kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-157さわぎりが確認した。4月10日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート573柳州と共に、宮古島南南西240kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月11日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート573柳州と共に、宮古島南290kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月12日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州、福池型補給艦907と共に、宮古島南220kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月13日2000頃、002型空母17山東、054A型フリゲート536許昌、同573柳州、福池型補給艦907と共に、宮古島南南東460kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月14日2000頃、002型空母17山東、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、沖ノ鳥島南西520kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月15日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、沖ノ鳥島南東370kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月16日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、沖ノ鳥島南南東710kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月17日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、沖ノ鳥島南450kmを航行するのを、DD-108あけぼの、DD-118ふゆづき、DD-151あさぎりが確認した。4月18日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、沖ノ鳥島南西520kmを航行するのを、DD-108あけぼの、DD-118ふゆづき、DD-151あさぎりが確認した。4月19日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、沖ノ鳥島南西830kmを航行するのを、DD-108あけぼの、DD-118ふゆづき、DD-151あさぎりが確認した。4月22日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、同173長沙、054A型フリゲート573柳州と共に、宮古島南510kmを航行するのを、DD-108あけぼの、DD-118ふゆづき、DD-151あさぎりが確認した。4月23日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、同173長沙、054A型フリゲート573柳州と共に、宮古島南420kmを航行するのを、DD-108あけぼの、DD-118ふゆづき、DD-151あさぎりが確認した。4月24日0800頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、同173長沙、054A型フリゲート536許昌、同573柳州と共に、与那国島南360kmを航行するのを、DD-108あけぼのが確認した。その後これらは南シナ海に向かっている。9月13日0800頃、002型空母17山東、052D級ミサイル駆逐艦164桂林、同173長沙、054A級フリゲート500咸寧、同536許昌と共に、宮古島南650kmを航行するのを、DD-109ありあけが確認した。10月28日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦164桂林、同173長沙、054A型フリゲート536許昌、同570黄山と共に、宮古島南430kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。10月29日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦105大連、同106、052D型ミサイル駆逐艦132蘇州、同164桂林、同173長沙、054A型フリゲート529舟山、同536許昌、同570黄山と共に、宮古島南620kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。10月30日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦105大連、同106、052D型ミサイル駆逐艦132蘇州、同164桂林、同173長沙、054A型フリゲート529舟山、同536許昌、同570黄山と共に、宮古島南670kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。10月31日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦105大連、同106、052D型ミサイル駆逐艦132蘇州、同164桂林、同173長沙、054A型フリゲート529舟山、同536許昌、同570黄山と共に、宮古島南640kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。11月1日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦105大連、同106、052D型ミサイル駆逐艦132蘇州、同164桂林、同173長沙、054A型フリゲート529舟山、同536許昌、同570黄山と共に、宮古島南東1200kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。11月2日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦105大連、同106、052D型ミサイル駆逐艦132蘇州、同164桂林、同173長沙、054A型フリゲート529舟山、同536許昌、同570黄山と共に、宮古島南東1380kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。11月3日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦164桂林、同173長沙、054A型フリゲート536許昌と共に、宮古島南東1300kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。11月4日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦164桂林、同173長沙、054A型フリゲート536許昌と共に、宮古島南890kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。11月5日2000頃、002型空母17山東、055型ミサイル駆逐艦106、052D型ミサイル駆逐艦164桂林、同173長沙、054A型フリゲート536許昌と共に、宮古島南580kmを航行するのを、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-158うみぎりが確認した。参考：月刊世界の艦船6,’23、12,’23、1,’24

＜９０５型＞：福清型（補給艦）を参照。

＜９０６＞：台湾海軍アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦ホエイヤン（Huei Yang）。元はDD-696イングリッシュで、1970年9月に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９０７＞：台湾海軍ギアリング級武進�T型改装駆逐艦フーヤン。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９０７＞：中国海軍福池型補給艦。2023年4月12日2000頃、002型空母17山東、052D型ミサイル駆逐艦163焦作、054A型フリゲート536許昌、同573柳州、901型補給艦905、福池型補給艦907と共に、宮古島南220kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。4月13日2000頃、002型空母17山東、054A型フリゲート536許昌、同573柳州、901型補給艦905、福池型補給艦907と共に、宮古島南南東460kmを航行するのを、DD-113さざなみとDD-151あさぎりが確認した。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜９０８＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦６番艦、雁蕩山（Yandanshang）。1997年1月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９０８型＞：ソ連海軍特殊潜航艇、別名トリトン２（Triton 2）。潜航時には乗員室内を含む艇内に海水が入ってくるため、乗員はアクアラングを付けて乗り込み、潜航艇の呼吸装置に接続する。全長9.5m、幅1.6m、水上排水量5.7トン、水中排水量15.5トン。主機はバッテリーによる電動モーターで、スクリューはシュラウド・リング付き４翅、水中速力５ノット、航続距離60海里。最大潜航深度40m。乗員は工作員６名で、うち２名が操縦員を兼ねる。1972-85年に13隻が建造され、うち６隻が太平洋艦隊に配備された。1990年代末までに12隻が廃棄処分となり、１隻がウラジオストクのロシア太平洋艦隊博物館に展示されている。参考：月刊世界の艦船9,’09

＜９０８型＞：南倉型（補給艦）を参照。

＜９０９＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦７番艦、九華山（Jiuhuashan）。2000年4月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９０９型＞：大華型（試験艦）を参照。

＜９０９型＞：GWS30シーダート艦対空ミサイル用射撃指揮レーダー。円形ディッシュ型アンテナからＸバンド連続波を照射する。42型駆逐艦に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９０９Ａ型＞：大華型（試験艦）を参照。

＜９１０＞：アルジェリア海軍MEKO A-200AN型フリゲート１番艦エル・エルラディ（El Erradii）。2013年起工、2014年12月5日進水、2016年4月20日就役。参考：月刊世界の艦船7,’16、10,’17

＜９１０＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦８番艦、黄崗山（Huanggangshan）。2001年12月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’11

＜９１０型＞：シーウルフGWS25艦対空ミサイル用射撃指揮レーダー。アンテナは円形ディッシュ型を持つ。使用周波数Ｘバンド（Ｉ・Ｊバンド）、照射距離10km。22型・23型フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜９１０型＞：中国海軍試験艦。水中音響機器のテストを主任務とする。船型は船首楼型で、上構上に前部マスト、上構後方に角張った煙突が１本、その後ろに後部マスト、更に後ろが１甲板高いヘリ甲板で、艦尾甲板は１段下がっている。636A型海洋観測艦と類似しているが、船首楼直後にクレーンがあり、上構舷側と船体舷側を繋ぐ柱が４本から５本に増え、煙突周辺のボート・ダビットが６基から２基に減り、艦尾甲板のＡフレーム・クレーンが無く、艦橋上のマストが太いタワーマストで後ろ寄りになっており、マスト前方に球形ドームがある。全長129.3m、満載排水量6080トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、速力17.5ノット。艦番号893�･天佑、艦番号894李四光、艦番号895が2012-18年に就役した。参考：月刊世界の艦船2,’20、5,’15

＜９１１＞：アルジェリア海軍MEKO A-200AN型フリゲート２番艦エル・マウダミール（El Moudamir）。2015年12月17日進水、2016年7月25日公試開始、2017年5月就役。

＜９１１＞：タイ海軍チャクリ・ナルエベト級STOVL空母チャクリ・ナルエベト（Chakri Naruebet）。1997年3月27日就役。2017年5月12日、シンガポール海軍国際観艦式参加艦と親善訓練に参加。5月15日、シンガポール海軍国際観艦式に参加。11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊JWings11,’05、月刊世界の艦船8,’11、8,’17、2,’18

＜９１１＞：台湾海軍ギアリング級武進�U型改装駆逐艦タンヤン。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９１１＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦天柱山（Dianzhushan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９１１＞：ユーゴスラビア海軍ウナ級潜水艦１番艦ティサ（Tisa）。1985年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜９１１ｂ普通単兵食品＞：中国海軍のレーションで、1991年に採用された。圧縮干粮２個と副食（肉料理、インスタントスープ、漬け物。ＡとＢの２種類がある）で構成され、スプーン、フォーク、ナプキンが付く。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11

＜９１１型＞：イギリス海軍のシーウルフ艦対空ミサイル用射撃指揮レーダー。目標追尾用の円形カセグレン式ディッシュ型アンテナ（Ｘバンド）とミサイル追尾・指令信号送信用の縦長楕円型パラボラアンテナ（Kuバンド）を持ち、自動指令照準線一致方式ACLOS（Automatic Command to Line Of Sight）でミサイルを誘導する。照射距離10km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究10,’10、12,’15、月刊世界の艦船1,'15増刊、3,’22

＜９１２＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦６番艦大青山（Daqingshan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船6,’14

＜９１２＞：ユーゴスラビア海軍ウナ級潜水艦２番艦ウナ（Una）。1985年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜９１３＞：ソ連海軍ナチャ型掃海艇コブロベッツ（Kovrovets）。参考：月刊世界の艦船10,'15、6,’15

＜９１３＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦八仙山（Baxianshan）。2003年10月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、9,’11

＜９１３＞：ユーゴスラビア海軍ウナ級潜水艦３番艦ゼタ（Zeta）。1985年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜９１４＞：ユーゴスラビア海軍ウナ級潜水艦４番艦ソカ。1985年就役。1991年にクロアチアに引き渡され、P-01ヴェレビトになった。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜９１５＞：台湾海軍ギアリング級武進�U型改装駆逐艦ハンヤン。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９１５＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦、徂来山（Culaishan）。参考：月刊世界の艦船4,’21

＜９１５＞：ユーゴスラビア海軍ウナ級潜水艦５番艦クパ（Kupa）。1989年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜９１６＞：中国海軍072B型揚陸艦天目山。2016年1月12日就役、東海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９１６＞：ユーゴスラビア海軍ウナ級潜水艦６番艦ヴァルダル（Vardar）。1989年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜９１７型＞：中国海軍高速救助船。船体後半部が三胴船になっており、ヘリ甲板やRHIB搭載に必要な上甲板面積を確保している。推進はウォータージェット。兵装は遠隔操作式30mm機関砲１門。2012年に東救335など３隻が就役し、各艦隊に１隻ずつ配備された。参考：月刊世界の艦船6,’14、5,’15

＜９１８＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦。2004年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９１８型＞：中国海軍敷設艦。沿岸での機雷敷設、小型艦艇への補給業務、訓練標的として使用されている。全長95m、幅14m、満載排水量3100トン。速力18.5ノット。兵装は37mm/57mm連装機関砲５基、EM-52など機雷300個。乗員180名。艦番号814沃雷が1988年に就役した。参考：月刊軍事研究9,’10、4,’05

＜９１９型＞：中国海軍病院船、アメリカ海軍情報部名称は安神（Anshen、アンシェン）型。南沙諸島方面での医療支援が主任務である。後甲板はヘリ甲板になっている。全長109m、幅17m、基準排水量4000トン。速力16ノット。ヘリ１機を搭載できる。病床100床強。２番船南医13など２隻が2020年に就役し、南海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,'22、3,’21

＜９２０＞：アルジェリア海軍アダーファー級コルベット１番艦アダーファー（Adhafer。アドハフェル？）。2013年起工、2014年8月15日進水、2015年11月就役。参考：月刊世界の艦船10,’16

＜９２０＞：台湾海軍ギアリング級武進�U型改装駆逐艦ライヤン。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９２０型＞：中国海軍病院船、NATOコードは安衛（アンウェイ、Anwei）型。福池型補給艦をベースとしており、船型は長船首楼型で、艦尾にヘリ格納庫（１機）とヘリ甲板を持つ。上部構造物上部両舷に３隻ずつの大型救命艇が搭載されている。病床数500-600床（300床＋ICU20床？）で、集中治療室、手術室、歯科治療室を備え、デジタルＸ線やCTを完備しており、遠隔医療ワークステーションも装備する。同時に８名の手術が可能。全長178m、全幅24m、吃水9m（6.8m？）、満載排水量14200トン（23369トン？）。主機はディーゼル２基、２軸推進、最大速力20ノット（19ノット？）、航続距離10000海里（14ノット）。Z-8ヘリ１機を搭載可能。乗員200名（135名？）、医療スタッフ600名、負傷者300名。艦番号866岱山島が2008年12月に就役した。当初は中国海軍での医療任務にだけ使用していたが、その後国際救援活動にも投入されている。参考：月刊世界の艦船5,’15、4,’21、2,’20、2,’19、3,’18、9,’11、3,’13、11,’14、月刊丸8,’11、MAMOR vol.136

＜９２１＞：アルジェリア海軍アダーファー級コルベット２番艦エル・ファテー（El Fateh）。2015年2月起工、2016年3月10日就役。参考：月刊世界の艦船2,’21、10,’16

＜９２１−Ａ型＞：中国海軍潜水艦用ESM。ソ連海軍613型ウイスキー級潜水艦のものをベースとしたレーダー警報用で、探知周波数2-18GHz、方位精度30度。092型夏級SSBN、091型漢級SSN、039型宋級潜水艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船3,’17

＜９２２型シリーズ＞：中国海軍軽潜水母艦、別名打撈（Dalang）型。1986年から配備された。参考：月刊世界の艦船5,’23

　＜９２２�U型＞：

　＜９２２�V型＞：

＜９２４＞：台湾海軍ギアリング級武進�U型改装駆逐艦カイヤン。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９２５型＞：大江型（潜水艦救難艦）を参照。

＜９２６＞：台湾海軍ギアリング級武進�T型改装駆逐艦スーヤン。元はDD-852レオナルド・Ｆ・メイソンで、1978年3月に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９２６＞：中国海軍1511型戦車揚陸艦、大別山（Dabieshan）。退役後は中国海軍博物館に展示されていたが、船体老朽化で解体された。参考：月刊世界の艦船10,’19

＜９２６型＞：大撈級（潜水艦救難艦）を参照。

＜９２７＞：中国海軍072型玉坎級揚陸艦、雲台山（Yuntaishan）。1980年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９２７型＞：中国海軍音響測定艦。船体はSWATH型で、アメリカ海軍音響測定艦T-AGOS-23インペカブルに似ている。全長90m、満載排水量5000トン（5500トン？）。１番艦は2017年6月、２番艦は2018年3月に進水し、３番艦は2018年4月に起工したらしい（２番艦が2018年2月、３番艦が2018年3月に進水？）。2023年現在４隻が竣工済みで、２隻を建造中。参考：月刊軍事研究8,’18、11,’18、月刊世界の艦船2,’20、5,’23

＜９２８＞：中国海軍072型玉坎級揚陸艦、五峰山（Wufengshan）。1983年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、6,’14、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９２９＞：中国海軍072型玉坎級揚陸艦、紫金山（Zijinshan）。1985年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９３０＞：台湾海軍ギアリング級駆逐艦チーヤン。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜９３０＞：中国海軍072型玉坎級揚陸艦、霊岩山（Lingyanshan）。1988年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９３１＞：中国海軍072型玉坎級揚陸艦、洞庭山（Dongtingshan）。1990年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９３１高地＞：ハートブレイク・リッジを参照。

＜９３２＞：中国海軍072型玉坎級揚陸艦、賀蘭山（Helanshan）。1993年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９３３＞：中国海軍072型玉坎級揚陸艦、六盤山（Liupanshan）。1995年就役。2013年12月5日、海南島南東32海里でCG-63カウペンスの進路を妨害した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’16、3,’13、1,’16

＜９３４＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦２番艦、丹霞山（Danxiashan）。1995年9月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９３５＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦３番艦、雪峰山（Xuefengshan）。1995年12月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９３６＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦４番艦、海洋山（Haiyangshan）。1996年5月就役。2018年初め、砲身長10mの試作レールガンを船首楼甲板、コンテナ３基をその後方の上甲板上に搭載している姿が公表された。それらに加えて車両甲板にも電源関連装置を積んでいる想像CGが「艦船知識」誌に掲載されている。参考：月刊世界の艦船4,’16、3,’20、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究8,’18

＜９３７＞：アルジェリア海軍練習艦ラ・スーマム（La Soummam）。中国海軍大新型と同じものである。2006年竣工。2020年1月18日、中国の黄浦江右岸で修理を受けているのが確認された。参考：月刊世界の艦船5,’20

＜９３７＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦５番艦、青城山（Qingchengshan）。1996年8月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９３９＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦、普陀山（Putuoshan）。2001年8月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、5,’15

＜９４０＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦、天台山（Tiantaishan）。2002年4月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９４０型＞：ソ連海軍救難潜水艦、NATOコードはインディア級。上部甲板後方に運用深度700m・最大潜航深度2000mのDSRV２基をタンデムに搭載する。1975年と1979年に１隻ずつが建造されて北洋艦隊と太平洋艦隊に配備され、2000年までに両艦とも退役した。参考：現代の潜水艦

＜９４１型＞：タイフーン級（潜水艦）を参照。

＜９４２＞：中国海軍073�VＡ型中型揚陸艦、魯山（Lushan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜９４４＞：中国海軍073�V型玉登級中型揚陸艦、玉山（Yushan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船3,’13、2,’19

＜９４５型シリーズ＞：ソ連海軍攻撃型原子力潜水艦、NATOコードはシエラ（Sierra）級。671RTM型の後継で、ネプチューン対潜総合システムの末端を担う攻撃原潜であり、アメリカ空母機動部隊及び原潜部隊を追跡し、有事には確実に破壊することが主任務である。1972年3月から開発された。耐圧船殻はチタン合金性で、高張力鋼よりも帯磁性が低く、騒音レベルも抑えられており、隠密性が非常に高い。ただ値段も非常に高く、計４隻しか作れなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究9,’12、月刊世界の艦船6,’15

　＜９４５型＞：ソ連名称バラキューダ（Barracuda）級、NATOコードはシエラ�T（Sierra �T）級。685型の実用型という技術的側面を持つ艦で、船体は複殻式、内殻は直径8mのチタン合金製である。艦内区画は６区画、艦首水線上に引き込み式の潜舵を持つ。メインタンクには緊急浮上用の固体燃料ガス発生器20基を搭載し、大深度から20-30秒で浮上できる。プロペラは東芝の工作機械で製造されており、日米間で大問題に発展した。船体には無反響コーティングが施されており、各システムの静粛性も向上しているため、通信距離やソナー有効距離が延びた。全長107.2m、幅12.3m、吃水9.6m、水上排水量5940トン（7316トン？）、水中排水量9600トン（8200-8230トン？）。主機は原子力蒸気タービン方式、OK-650A加圧水型原子炉１基（43000馬力。47500馬力？）・ターボ発電機２基、７翅スキュード・プロペラ１軸推進、水上速力12.1ノット、水中速力35.2ノット。予備としてDG-300ディーゼル発電機２基（2000馬力）を搭載する。電池は426�U型112基。水平舵の両端には補助推進器２基（1000馬力）を搭載しており、水上で５ノットを出せる。安全潜航深度480m、最大潜航深度750m（550m？）。連続航海期間100日。兵装は533mm水圧式魚雷発射管４門と650mm魚雷発射管４門で、魚雷28本とミサイル12本（533mm用28本、650mm用12本。65-76型、TEST-71型、シクヴァル、100RU、RKP-55）を搭載する。また、機雷42個に変更することも可能である。魚雷発射可能深度50-550m。搭載ソナーはMGK-500スカトKS（探知距離600km。MGK-503？）で、上部縦舵上面に曳航ソナーポッドを持つ。対水上レーダーはMRKP-58。ESMはレーダー警戒型リム・ハットとパーク・ランプ方位探知機。潜望鏡はキティムとレベッド21。航法通信装置はシムフォニア全緯度航海装置、ツィクロン衛星航法システム、ブフタ警戒装置、チビス・レーダー、パラヴァンVLF曳航アンテナ、モルニアＭ自動通信システム、ツナミ衛星通信システム、アニス短波通信装置、コラ超短波通信装置、オムニブス統合戦闘情報指揮システム。乗員61名（士官31名、下士官・兵28名？）。K-239とK-276の２隻が1984年と1987年に就役した。1980年代末から、自衛用にイグラ携帯SAMを８基搭載するようになった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’16、6,’15、1,'15増刊、3,’17、4,’20、12,’21、10,’23

＜９４５Ａ型＞：ソ連名称コンドル（Kondor）級、NATOコードはシエラ�U（Sierra �U）級。945型の改良型で、区画を７つに増やし、原子炉を強化、セイルを大型化して内部に脱出ポッドを積んだ。艦尾の縦舵上部にソナー入りのポッドを装備しており、ソナーシステムはMGK-503で、CPUがデジタル化されている。魚雷発射管は533mmに統一化され、650mm用の魚雷を積んでいたスペースはRKP-55に回された（650mmと533mmのまま？）。ESMはレーダー警戒型リム・ハットとパーク・ランプ方位探知機。潜望鏡はシグナル３とレベッド21。全長110.6m、全幅12.3m（14.2m？）、吃水11.7m（8.8m？）、水上排水量6466トン（7722トン？）、水中排水量10412トン（9246トン？）。主機は原子力蒸気タービン方式、OK-650B加圧水型原子炉１基・蒸気タービン１基、出力47500馬力、７翅プロペラ１軸推進、水上速力14ノット（10ノット？）、水中速力32.8ノット。安全潜航深度520m、最大潜航深度600m（750m？）。兵装は650mm魚雷発射管４門（T-65魚雷）＋533mm魚雷発射管４門（TEST-71型、シクヴァル、100RU、RKP-55を計40本、機雷なら42個搭載。533mm魚雷発射管６門？）、魚雷発射可能深度50-600m。自衛用にイグラ携帯SAMを８基搭載する。乗員70名（士官32名、下士官・兵29名？）。K-336プスコフ、K-534ニジニ・ノブゴロドの２隻が1991年と1994年に就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’17、11,’16、6,’15、3,’17、4,'20、12,’21、10,'23、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９４５Ｂ型＞：Ａ型の改良型で、６隻を建造する予定であり、１番艦が1984年に起工したが、予算不足などで建造中止となって1993年に解体された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜９４６式１００ｍｍ１５連装妨害材発射機＞：中国海軍の122mmデコイランチャー。ランチャーは５列３段15連装で、各段はそれぞれ異なる方向を向いていて、旋回式の架台に据え付けてある。051B級や052型に搭載された。参考：月刊軍事研究2,’08、月刊世界の艦船5,’22

＜９４７式１３０ｍｍ１０連装妨害材発射機＞：中国海軍のデコイランチャーで、051B級に搭載されている。ランチャーは上下２つ組み合わさったものが５列に並んでいて、それぞれの列は別々の俯仰角を取れるようになっており、全体が１つの旋回架台上に設置される。参考：月刊軍事研究2,’08

＜９４９型シリーズ＞：ソ連海軍巡航ミサイル搭載原潜、NATOコードはオスカー（Oscar）級。1.5隻・ミサイル36発でアメリカ空母機動艦隊CVBG１個に対抗できる潜水艦として開発された。ソ連では当初は潜水巡洋艦に分類されており、1992年6月3日から原子力潜水巡洋艦に変更されている。冷戦終結とレゲンダ衛星システムの稼働停止でP-700ミサイルが役に立たなくなったため、P-100潜対艦ミサイルに換装する予定。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船10,’13

＜９４９型＞：ソ連名称グラニット（Granit）級、NATOコードはオスカー�T級（Oscar �T級）。内殻の両側面に片側12本ずつのP-700（SS-N-19）垂直発射筒が並んでおり、それを更に外殻が覆っている。発射筒は短魚雷に対する防御壁も兼ねる。更にレゲンダシステムからの情報解析装置を搭載し、乗員の居住環境（スポーツルームや小鳥・観賞魚飼育施設まである）も整えたため、非常に大型の潜水艦となった。攻撃位置への進出を容易にするため、水中速力は32ノットあり、艦尾推進軸はフェアリングで成型されている。船体は防音ゴムで覆われており、騒音発生源となる機器類は３段式サスペンションで緩衝され、静粛性にも考慮が払われた。MRKP-58対水上レーダーを装備する。全長144m、全幅18.3m、内殻直径14.5m、吃水9.2m、水上排水量12500トン、水中排水量16500トン。主機はOK-650M01加圧水型原子炉２基・蒸気タービン２基２軸100000馬力、水上速力15ノット、水中速力32ノット。DG-190ターボ発電機１基、424型銀亜鉛電池152基２群も装備する。安全潜航深度520m、最大潜航深度600m、連続潜航期間120日。兵装はP-700発射筒24基、650mm魚雷発射管２門（魚雷8-12本）、533mm魚雷発射管４門（魚雷16本）。乗員94名。K-206ミンスキー・コムソモレーツとK-525アルクハンゲルスクの２隻が1981-83年に就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、兵器メカニズム図鑑、核兵器事典、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’00、1,'15増刊

＜９４９Ａ型＞：ソ連名称アンティ（Antyey。Anteiy？）級、NATOコードはオスカー�U（Oscar�U）級。949型オスカー�T級の改良型で、艦内容積が不足がちだったため、原子炉関連補機区画を２つに分けて全長を11m延長している。耐圧船殻の両側にミサイルサイロが２列ずつ並んでいるので、幅が異様に広く、日本ではツチノコと呼ばれた。船体やや後ろにはフィン・スタビライザーが片舷２基ずつ取り付けられている。艦尾上面縦舵の端部にはTASSの繰り出し口が付く。ソナーシステムはMGK-540スカト３。ESMは傍受型リム・ハット。潜望鏡はシグナル３とレベッド11。全長155m、全幅18.2m、吃水9.2m、水上排水量14123-14700トン、水中排水量18594-19400トン。主機はOK-650M02加圧水型原子炉２基・蒸気タービン２基２軸100000馬力、水上速力15ノット、水中速力32ノット（28ノット？）。DG-190ターボ発電機１基、424型銀亜鉛電池152基２群も装備する。安全潜航深度520m、最大潜航深度600m、連続潜航期間120日。兵装は船体中央両側のP-700発射筒24基（仰角40度で設置）、650mm魚雷発射管２門、533mm魚雷発射管４門（魚雷、90RUなど計28本または機雷32個搭載）。乗員107名（士官52名、下士官・兵55名）。K-148クラスノダル、K-173クラスノヤルスク、K-132イルクーツク、K-119ヴォロネジ、K-410スモレンスク、K-442チェリャビンスク、K-456トヴェリ、K-266アリヨール、K-186オムスク、K-150トムスク、K-141クルスクの11隻が1986-97年に就役した。もう２隻（K-135とK-329。３隻？）起工されたが、予算不足のため建造が中止され、就役したものも５隻が係船状態となっている。K-141クルスクが爆発沈没事故で失われたため、K-329の建造が再開された。また、K-139ベルゴロドが09825型深海救難艦母艦に変更されて建造中である。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’17、6,’15、1,’02、11,’00、10,’13、3,’17、11,’19、12,’21、月刊軍事研究7,’17

＜９４９ＡＭ型＞：NATOコードはオスカー�V級。戦術環境の変化とP-700の旧式化に伴い、P-700発射筒を3K55ヤホント潜対艦ミサイル／カリブルPL用VLSのSM-346（885/885M型と同じ）に換装したものである。2013-17年にK-132イルクーツクが改装を受けた。2014年からK-442チェリャビンスクが改装中である。参考：月刊世界の艦船9,’17、月刊軍事研究12,’18

＜９５０ＶＢＵ−６０＞：三井造船が開発した艦船用ディーゼルエンジンで、DE-203いなづまに搭載された。直列９気筒トランクピストン型ターボチャージド中速２サイクルディーゼルである。重量77トン。出力6000馬力。回転数350rpm。参考：丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船6,’11

＜９５１＞：エジプト海軍053H級フリゲート１番艦ナジム・アル・ザフィル（Najim Al Zafir）。1984年就役。2018年7月、DDG-109ジェイソン・ダンハムと共同演習を実施。参考：月刊世界の艦船1,’19

＜９５１＞：韓国海軍蔚山級フリゲート１番艦蔚山（ウルサン、Ulsan）。1980年4月進水、1981年1月就役。参考：月刊世界の艦船4,’09、月刊軍事研究5,’05

＜９５２＞：韓国海軍蔚山級フリゲート、ソウル（Seoul）。1985年6月就役。参考：月刊世界の艦船4,’09

＜９５３＞：韓国海軍蔚山級フリゲート忠南（チュンナム、Chungnam）。1986年6月就役。1999年8月4-6日、KDX1級駆逐艦971広開土大王と共に、DDH-143しらね、DD-131せとゆき、DE-234とねと、初の日韓合同訓練を東シナ海で実施した。8月6-8日、佐世保を親善訪問した。参考：月刊世界の艦船3,’00、4,’09

＜９５５＞：韓国海軍蔚山級フリゲート馬山（マサン、Masan）。1985年7月就役。参考：月刊世界の艦船4,’09

＜９５５型シリーズ＞：ロシア海軍第５世代（第４世代？）戦略原子力潜水艦で、ロシアのクラス名はボレイ（Borey）級。タイフーン級の後継として1978年（1982年？）から設計され、1985年11月に955型ボレイ１級（D-31型発射機12基と3M91バルク弾道ミサイル。R-31弾道ミサイル？）と935型ボレイ２級（D-35型発射機12基）が提案され、1990年に前者の開発を進めることになったが、冷戦終結とソ連崩壊で中断された。1995年、D-19UTTKh発射機とR-39UTTKhバルク弾道ミサイルの組み合わせに変更されて開発が再開され、1996年に１番艦が起工したが、SLBMの開発に失敗して1998年にD-30型発射機とR-30ブラヴァ弾道ミサイルの組み合わせに変更した。再設計は1999年5月に完了したが、技術的問題と予算不足で１番艦の進水は2008年までずれこんでいる。955型３隻と955A型５隻を2020年までに竣工させる予定で、４隻を太平洋艦隊、４隻を北洋艦隊に配備する。もっと建造する計画もあったが、次世代型に移行する予定。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船2,’17、6,’15、10,’17、3,’14、9,’15、4,’17、月刊軍事研究9,’14、6,’18

＜９５５型＞：1-3番艦。建造中止になったアクラ級原潜の前後圧力区画と推進器を流用したらしい。セイル後方が弾道ミサイル区画で、デルタ型よりミサイルが小さくなったので、上構の背も低い。潜舵は艦首にあり、フラップ付きの引き込み式。セイル前面と後端上部には逆テーパーがかけられており、流体雑音低減など音響ステルスを考慮したらしい。セイル中央部は直径3.8mの緊急脱出用カプセルになっており、乗員全員を収容できる。全長170m、幅13.6m、吃水9.68m、水上排水量14720-14956トン、水中排水量19711トン。主機はOK-650V加圧水型原子炉（190MW）２基・OK-9VM蒸気タービン（43000馬力。30000馬力？）２基、出力60000馬力、ポンプジェット１軸推進、水上速力15ノット、水中速力25ノット（29ノット？）。SLBM発射深度50-55m、安全潜航深度380-400m、最大潜航深度480m。連続航海期間90-100日。ターボ発電機はOK-2型（3200kV）２基。補助推進装置として、PG-160穏顕式電動スラスター（410馬力）２基を装備し、５ノットで航行できる。兵装はセイル後方のSLBM発射筒16基（R-30ブラヴァ16発）、艦首上部の533mm魚雷発射管６門（UGST魚雷、USET-80魚雷、RKP-55グラナト戦略巡航ミサイル、3M54対艦ミサイル、カリブルPL巡航ミサイル、83R/84R/90RU対潜ミサイルなど計40本）。533mmデコイ発射管REPS-324を６基装備しており、MG-104/-114デコイ弾６発を搭載する。自衛用に9K38イグラＭを18基積んでいる。総合戦闘指揮装置はOkrug-55。ソナーシステムはMGK-600B統合ソナーシステム（探知距離220-230km、30目標同時探知追尾）で、MGK-500アンフォラ型アクティブ／パッシブ式コンフォーマルアレイ・バウソナー、側面フランク・アレイ・ソナー、ペラミダ曳航ソナー、MG-70機雷探知装置、アヤクスＭ自動音響識別装置、Nikhorm-M型IFF、氷厚測定機、キャビテーション探知器、水中音速度計、水中戦術情報表示装置、デジタル情報処理装置イルティシュなどからなる。他に改ラジアンＵレーダー、Bukhta電子戦装置、SimgoniaＵ航海装置、改Sintez衛星通信装置、MTK-110水中テレビ装置、傍受型リム・ハットESMなどを装備する。乗員107名（士官55名、下士官・兵52名。102名？130名？）。建造費は230億ルーブル（９億ドル）とされるが、20億ドルという説もある。１番艦ユーリ・ドルゴルキイが1996年に起工され、2007年に竣工したが、搭載ミサイルの開発難航（R-39Mは実験失敗で開発中止、代替のブラヴァも遅延）から実戦配備は2013年1月になった。２番艦K-550アレクサンドル・ネフスキーは2013年、３番艦K-551ウラジミール・モノマフは2014年に就役している。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究8,’16、5,’01、8,’07、2,’09、10,’09、4,’13、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’17、11,’16、4,’13、6,’15、12,’11、5,’11、8,’11、1,'15増刊、12,’16、3,’17、6,’17

　＜９５５Ａ型＞：955U型、09552型かも。別名ボレイＡ（Borey A）型。４番艦以降で、船体を大型化してブラヴァ発射筒を20基に増やしているという話だったが、実際には16基のままで、静粛性向上と通信システム改良などに止まるらしい。船体形状を滑らかにし、艦首周りを流線型に変更、セイル付け根前縁にフェアリングを設けた。ウクライナ情勢など近隣諸国との関係に鑑み、955型で旧ソ連諸国から輸入していた部品を全てロシア国産に換装する。全長170m、幅13.5m、吃水9m、水上排水量16000トン、水中排水量19711トン（24000トン？）。推進は原子力蒸気タービン方式、KTP-6型原子炉（200Mv。OK-650V原子炉？）２基、蒸気タービン１基、出力49000馬力、１軸推進、水上速力15ノット、水中速力25ノット（30ノット？）。ブラヴァ発射筒16基、533mm魚雷発射管６門（デコイ運用可能説あり。４門？）、650mm魚雷発射管２門（SS-N-15/SS-N-16運用可能説あり。650mm魚雷発射管は装備せず？）。乗員102名。４番艦K-549クニャージ・ウラジミール、５番艦K-553クニャージ・オレグ（アレクサンドル・スウォロフ？）、６番艦ミハイル・クトゥーゾフ（アレクサンドル・スウォロフ？）、７番艦K-555インペラトール・アレクサンドル�V世、８番艦K-556クニャージ・ポジャルスキー、９番艦ドミトリー・ドンスコイ（Dmitry Donskoy）、10番艦プリンス・ポチョムキン（Prince Potemkin）、K-554ゲネラリシムス・スワロフ（955型通算６番艦・955A型３番艦？）を建造予定。参考：月刊世界の艦船11,'20、12,’11、6,’15、10,'23、8,’12、10,’12、10,’13、8,’14、9,’14、3,’16、1,’17、2,’18、8,’18、10,'20、4,’21、3,’22、月刊軍事研究2,’09、9,’11、4,’12

　＜９５５Ｂ型＞：改良型で、別名ボレイＢ型。2017年11月に開発中であることが明らかになった。ただコストに問題があったらしく、2018年3月21日に設計やり直しが発表されている。GPV-2027からも削除されたという説がある。参考：月刊世界の艦船6,’18、8,’18

＜９５６＞：韓国海軍蔚山級フリゲート慶北（キョンブク、Kyongbuk）。1986年5月就役。1996年5月22日から6月22日までリムパック96に参加。参考：月刊世界の艦船9,’96、4,’09

＜９５７＞：韓国海軍蔚山級フリゲート全南（チョンナム、Chonnam）。1989年6月就役。参考：月刊世界の艦船4,’09

＜９５８＞：韓国海軍蔚山級フリゲート済州（チェジュ、Cheju）。1990年1月就役。1996年5月22日から6月22日までリムパック96に参加。2014年2月24日から4月18日、フォール・イーグル2014に参加。参考：月刊世界の艦船9,’96、4,’09、6,’14

＜９５８型＞：ズブル級LCAC（中国海軍）を参照。

＜９５９＞：韓国海軍蔚山級フリゲート釜山（プサン、Pusan）。1993年1月就役。2010年6月25日、大韓海峡海戦戦勝60周年記念行事に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、月刊軍事研究10,’10

＜９６０＞：中国海軍福池型補給艦５番艦、東平湖（Dongpinghu）。2015年12月27日就役、北海艦隊に配備された。2016年8月12日0800頃、旅滬型駆逐艦112哈爾浜、054A級フリゲート579邯鄲と共に、宮古島北東70kmを東シナ海から太平洋に向け南に航行するのを、第５航空群P-3Cが発見した。2017年3月5日1300頃、旅滬型駆逐艦112哈爾浜、054A級フリゲート579邯鄲と共に種子島東50kmを西北西に航行するのをDE-234とねと第１航空群P-3Cが確認した。その後大隅海峡を西に抜け、太平洋から東シナ海に入っている。9月14日2200頃、051C級ミサイル駆逐艦116石家荘、054A級フリゲート576大慶、大老型潜水艦救難艦867長島と共に下対馬南西120kmを北西に航行するのを、第１航空群P-3C、DD-130まつゆき、PG-826おおたかが確認した。その後対馬海峡を抜けて日本海を北上し、9月18日にウラジオストクに入港。9月18-26日、海上連合2017に参加。9月24日1100-1900頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、イゴール・ベロウソフ級潜水艦救難艦イゴ−ル・ベロウソフ、051C級ミサイル駆逐艦116石家荘、054A級フリゲート576大慶と共に宗谷岬西160kmを北東に航行するのを第４航空群P-1哨戒機、DD-155はまぎり、PG-825わかたかが確認した。その後宗谷海峡を東に抜けている。9月30日1230頃、051C級ミサイル駆逐艦116石家荘、054A級フリゲート576大慶と共に種子島東北東100kmを西に航行するのをDD-158うみぎりが確認した。その後これらは大隅海峡を西に進み、東シナ海に向かっている。2018年8月8日0500頃、054A級フリゲート539蕪湖、同579邯鄲と共に口永良部島西40kmを東に航行するのを、MSC-683つのしま、MSC-686うくしま、第１航空群P-3Cが確認した。その後大隅海峡を東に進み、太平洋に向かっている。2019年1月24日0500頃、054A型フリゲート539蕪湖、同579邯鄲と共に、久米島南西100kmを北西に航行するのを、AOE-426おうみと第５航空群P-3Cが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。後に艦番号が902に変更された。参考：月刊世界の艦船4,’16、11,’16、5,’17、12,’17、3,’18、10,’18、4,’19、1,’22、朝雲

＜９６１＞：韓国海軍蔚山級フリゲート全州（チョンジュ、Chongju。清州？）。1992年3月進水、1993年6月就役。2008年10月7日、韓国海軍創設60周年記念国際観艦式に参加。2013年2月13日、韓国海軍第２艦隊実弾演習に参加。2014年9月15日、仁川の海岸で仁川上陸作戦64周年記念式典に参加。参考：月刊軍事研究5,’05、12,’08、月刊世界の艦船4,’09、5,’13、7,’13、12,’14

＜９６１＞：中国海軍904B型補給艦軍山湖（Junshanhu）。2014年9月進水、2015年7月10日就役、南海艦隊第３作戦支援支隊に配備された。参考：月刊軍事研究9,'15、月刊世界の艦船10,’15、11,’15、4,’16、4,’21

＜９６２＞：中国海軍904B型補給艦瀘沽湖。2015年12月28日就役、南海艦隊第３作戦支援支隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’16、4,’21

＜９６３＞：中国海軍福池型補給艦洪湖（Honghu）。2015年12月就役。2016年5月24日0900-1300頃、052D型ミサイル駆逐艦174合肥、052C型ミサイル駆逐艦170蘭州、052B級ミサイル駆逐艦168広州、054A級フリゲート569玉林、同574三亜と共に与那国島南360kmを太平洋から南シナ海に向け西に航行するのをDD-115あきづきが確認した。その後西太平洋で縦曳き・横曳き給油など各種訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜９６４＞：中国海軍福池型補給艦７番艦、駱馬湖（Luomahu）。2016年就役。参考：月刊世界の艦船3,’18

＜９６５＞：中国海軍079�T型汎用揚陸艇９番艦。参考：月刊軍事研究5,’14

＜９６５＞：中国海軍901型補給艦１番艦、呼倫湖（Hulunhu）。2015年12月進水、2017年9月1日就役。2019年6月10日0700頃、051C級ミサイル駆逐艦116石家荘と共に、久米島北西270kmを南東に航行するのを、DD-130まつゆき、DD-152やまぎり、DD-158うみぎりが確認した。その後沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向かっている。7月25日0500頃、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、054A級フリゲート576大慶、同598日照と共に、宮古島北240kmを南に航行するのを、第５航空群P-3CとAMS-4303あまくさが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向かっている。8月1日0900頃、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、131太原、054A級フリゲート532荊州、同576大慶、同598日照と共に、久米島南120kmを北に航行するのを、第５航空群P-3C、AMS-4303あまくさ、DD-157さわぎりが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かっている。2020年4月10日1900頃、遼寧級空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同119貴陽、054A型フリゲート542棗荘、同598日照と共に、長崎県男女群島南西420kmを南東に航行するのを、DD-115あきづきと第１航空隊P-1哨戒機が確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向かっている。4月28日0900頃、遼寧級空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同119貴陽、054A型フリゲート542棗荘、同598日照と共に、宮古島南東80kmを北西に航行するのを、DDG-173こんごう、DD-158うみぎり、第５航空群P-3Cが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上して東シナ海に向かっている。2021年4月3日0800頃、遼寧級空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦120成都、同131太原、054A型フリゲート577黄岡と共に、長崎県男女群島南西470kmを南東に航行するのを、DD-117すずつき、第１航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向かっている。4月26日1900頃、遼寧級空母16遼寧、055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦120成都、同131太原、054A型フリゲート577黄岡と共に、宮古島南160kmを北東に航行するのを、DD-119あさひと第５航空群P-3C哨戒機確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かっている。後に艦番号を901に変更した。参考：月刊軍事研究2,’18、月刊世界の艦船3,’18、10,’19、6,'20、7,'20、6,'21、7,'21、3,’22月刊JWings8,’19、6,’21

＜９６６＞：中国海軍福池型補給艦５番艦、高郵湖（Gaoyouhu）。2016年1月29日就役、東海艦隊に配備された。4月7日1500、江衛�U型フリゲート521嘉興、同522連雲港と共に、宮古島北東110kmを東シナ海から太平洋に向け南東に航行するのを、DE-229あぶくまと第５航空群P-3Cが確認した。4月23日0300、江衛�U型フリゲート521嘉興、同522連雲港と共に、仲ノ神島南南西65km／与那国島南南東74kmを太平洋から東シナ海に向け北に航行するのを、第５航空群P-3CとAGS-5106しょうなんが確認した。0730頃には与那国島北北東45kmで接続水域の外に出ている。6月16日1400-1600、052C級ミサイル駆逐艦153西安、054A型フリゲート572衡水、大撈型潜水艦救難艦867長島、920型病院船866和平方舟と共に、リムパック2016に参加するため宮古島北東110kmを東シナ海から太平洋に向け南東に航行するのを、DE-229あぶくまと第５航空群P-3Cが確認した。6月29日、パール・ハーバーに入港。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。8月14日1330頃、054A型フリゲート572衡水、052C級ミサイル駆逐艦153西安と共に、宗谷岬東北東350kmを西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。8月20日、054A型フリゲート572衡水、052C級ミサイル駆逐艦153西安と共に、上対馬南東50kmを航行するのを、PG-829しらたかが確認した。その後対馬海峡を南下している。12月24日1600頃、空母遼寧、052D型ミサイル駆逐艦173長沙、052C型ミサイル駆逐艦151鄭州、同171海口、054A級フリゲート538煙台、同547臨沂、056級コルベット594株洲と共に、東シナ海中部を航行するのを、DE-234とねが発見した。2017年4月2日0930頃、054A型フリゲート577黄岡、同578揚州と共に、宮古島北東110kmを東シナ海から太平洋に向け南東に航行するのを、第５航空群P-3CとDD-152やまぎりが確認した。その後これらは太平洋に向け南東に進んでいる。11月28日0600頃、054A型フリゲート577黄岡、同578揚州と共に、宮古島東100kmを北西に航行するのを、DD-110たかなみと第５航空群P-3Cが確認した。その後北西に航行して東シナ海に入り、12月5日に大隅海峡を通って太平洋に進出している。2019年4月5日1700頃、052C級ミサイル駆逐艦153西安、054A型フリゲート599安陽と共に、宮古島北東100kmを南東に航行するのを、AOE-424はまなとDD-158うみぎりが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間の海域を南東に進み、太平洋に向かっている。10月27日0800頃、052C型ミサイル駆逐艦153西安、054A級フリゲート599安陽と共に、久米島南140kmを北上するのを、第５航空群P-3CとMSC-691ししじまが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間の海域を北上して東シナ海に向かっている。2021年5月16日0900頃、052D型ミサイル駆逐艦155南京、054A型フリゲート578揚州と共に、久米島北西120kmを南に航行するのを、第５航空群P-3CとMSC-691ししじまが確認した。日米豪仏共同訓練ARC21を偵察しに来たとみられ、その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向かっている。11月12日0700頃、052D型ミサイル駆逐艦155南京、054A型フリゲート578揚州と共に、宮古島東北東105kmを北西に航行するのを、第５航空群P-3CとMSC-691ししじまが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かっている。参考：月刊世界の艦船4,’16、6,’16、7,’16、9,’16、11,’16、3,’17、6,’17、2,’18、3,’18、6,’19、1,’20、8,’21、2,’22

＜９６７＞：中国海軍901型補給艦２番艦、査干湖（Chaganhu）。2018年12月（2019年2月12日？）就役。2022年1月15日に発生したトンガ海底火山噴火の救援活動に参加。2023年1-2月、075型強襲揚陸艦31海南、052D型ミサイル駆逐艦161呼和浩特、054A型フリゲート573柳州と共に、南シナ海から西太平洋で30日間に亘る訓練を行った。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,'22、5,'23、月刊JWings4,’22

＜９６７型＞：イギリス海軍２次元対空・対水上捜索レーダー。アンテナは縦1m・横4mのスロッテッド・ウェーブガイド型で、毎分30回転する。使用周波数はＬバンド＋Ｓバンド。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜９６８＞：中国海軍福池型補給艦、可可西里湖。2019年就役。2020年3月18日1000頃、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、054A級フリゲート550維坊、同599安陽と共に、宮古島南東80kmを東に航行するのを、第５航空群P-3Cが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かっている。後に艦番号が903に変更された。参考：月刊世界の艦船6,’20、4,’21、3,’22

＜９６８型＞：イギリス海軍２次元対空・対水上捜索レーダー。アンテナは縦1m・横4mのスロッテッド・ウェーブガイド型で、毎分30回転する。使用周波数はＳバンド。参考：月刊軍事研究10,’10、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９７０型＞：大華級（試験艦）を参照。

＜９７１＞：エジプト海軍ゴーウインド型フリゲート１番艦エル・ファテ（El Fateh。アル・ファテーAl Fateh？）。2015年4月15日ファースト・スチール・カット施行、9月30日船体ブロック組立開始、2016年9月17日進水、2017年3月13日公試開始。9月22日竣工、ロリアンでエジプト海軍に引き渡された。9月末、エジプトに向かった。参考：月刊軍事研究1,’17、月刊世界の艦船6,’17、12,’17

＜９７１＞：韓国海軍KDX1級駆逐艦広開土大王（クァンゲト・デワン、Kwanggaeto Daewang）。1998年7月就役。1999年、シースパローミサイルを垂直発射して目標の撃墜に成功した。1999年8月4-6日、蔚山級フリゲート953忠南と共に、DDH-143しらね、DD-131せとゆき、DE-234とねと、初の日韓合同訓練を東シナ海で実施した。8月6-8日、佐世保を親善訪問した。2011年1月14日、KDX2級駆逐艦977テー・ジョヨンと共に、釜山沖でCVN-70カールヴィンソンと洋上訓練を実施。2013年10月25日、韓国軍が竹島で実施した合同演習に参加。2016年3月7日から4月30日、フォール・イーグル2016に参加。2017年3月1日からフォール・イーグル2017に参加。2018年12月20日、海自第４航空群第３航空隊P-1哨戒機に射撃指揮レーダーを照射した。2021年10月22日、改装を終えて再就役式典を実施。参考：月刊世界の艦船4,’09、3,’00、4,’11、1,’14、6,’16、6,’17、1,'22、月刊軍事研究5,’05、月刊JWings3,’19

＜９７１型シリーズ＞：ソ連海軍第３世代攻撃型原子力潜水艦（当初の分類は一等大型原子力潜水艦、1992年6月3日以降は一等潜水巡洋艦）で、別名シュチュカＢ（Shchuka-B）型、NATOコードはアクラ（Akula）型。当時のアメリカ海軍は戦略原潜24隻を常時パトロールに出しており、ソ連は8-9隻でしかなかったため、勢力を急速に拡大させる必要に迫られ、945型をベースに1976年7月から開発した。船殻を量産向きの高張力鋼とし、潜航深度が落ちた分だけ静粛性を高めている。通常任務に加え、機雷敷設、偵察、特殊工作、陸上施設の破壊などもこなす。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船2,’10

＜９７１型＞：ソ連名称シュチュカＢ（Schuka-B）級、NATOコードはアクラ（Akula）�T型。船体は複殻式で、耐圧船殻は１平方ミリメートルあたり100kgの抗張力を持つ高張力鋼で製造されている。潜舵は艦首水線上にあり、引き込み式。艦内区画は７区画で、主要装備、発令所、指揮所はモジュール構造になっており、ゴム及び圧縮空気サスペンションからなる二段式防振装置が組み込まれていて、騒音を防止すると共に水中爆発時の衝撃から乗員を保護する。セイルは下方で上甲板幅一杯になっているテーパー型である。騒音レベルは非常に低く、ロサンゼルス級後期艦に匹敵し、10ノット以下で航行すればSOSUSにもキャッチされず、冬季のバレンツ海ではロサンゼルス級のAN/BQQ-5といえども10km以内に接近しないと見つけられないという。戦闘システムはオムニブス統合戦闘情報指揮システム改。聴音システムはMGK-540スカト３デジタル水中音響総合システム、艦首ソナーはMGK-500スカトKS。対水上レーダーはMRKP-58。潜望鏡はシグナル３とレベッド11/21。航法装置などとして、シンフォニアＵ全緯度航海装置、メドヴェジツァ971型航法システム、ツナミ衛星通信装置、ツィクロン衛星航法システムを搭載する。全長107.2m、全幅13.6m、吃水9.7m、水上排水量8140トン、水中排水量12120トン。主機はOK-650B加圧水型原子炉１基・蒸気タービン２基、出力50000馬力、７翅スキュード・プロペラ１軸推進、水上速力12.1ノット、水中速力35.2ノット。補助動力としてターボ発電機２基、DG-300ディーゼル発電機（750kW）２基、補助推進モーター（560馬力。横舵基部に装着）２基を搭載し、これを使用すると水上を５ノットで航行できる。安全潜航深度520m（450m？）、最大潜航深度600m。連続航海可能期間100日。兵装は650mm魚雷発射管４門、533mm魚雷発射管４門（シクヴァル、RKP-55、90RU、100RUなど533mmを28本、T-65など650mmを12本の計40本搭載）。魚雷発射可能深度20-600m。自衛用にストレラ携帯対空ミサイルを18基装備する。高度に自動化されているため、乗員は71名（士官28名、下士官・兵45名？）で済み、全員が専用のベッドを持つ。K-265デルフィン、K-284アクラ、K-317パンテラ、K-322カシャロット、K-328レオパルド、K-331マガダン、K-391ブラーツク、K-461ヴォルク、K-480バルスの９隻が1988-93年に就役した。K-419クズバス、K-152ネルパ、K-154ティグル、K-295サマラを加えた13隻で、うちK-154ティグル、K-295サマラ、K-328レオパルド、K-419クズバス、K-461ヴォルクは外装式533mm魚雷発射管６門を追加したNATOコード改アクラ�T型という説もある。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’17、1,'15増刊、12,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

＜９７１Ｕ型＞：NATOコードは改アクラ�T型。971型の魚雷発射管を533mm魚雷発射管８門に統一し、魚雷搭載数を45本に増加させたもので、原子炉換装や静粛性向上も行っており、排水量が増加した。1988-93年に６隻が就役した。兵装の方は650mm魚雷発射管４門と533mm魚雷発射管４門に加えて外装式533mm魚雷発射管６門を装備し、1995年にK-157ヴェプル１隻のみ就役してNATOコードはアクラ�U型という説もある。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’17

＜９７２＞：韓国海軍KDX1級駆逐艦２番艦乙支文徳（ウルチ・ムンドク、Eulji Mundok）。1999年6月就役。2021年12月、近代化改装を終えた。参考：月刊世界の艦船4,’09、3,’22

＜９７３＞：韓国海軍KDX1級駆逐艦３番艦楊万春（ヤン・マンチュン、Yang Manchun）。2000年6月就役。2009年7月3-6日、舞鶴基地に寄港。7月6日（7日？）、隠岐諸島北方海域で日韓共同捜索救難訓練に参加。2013年2月13日、韓国海軍第２艦隊実弾演習に参加。2014年11月24日、竹島沖で上陸阻止演習に参加。2020年9月9日、指揮管制装置・TASS換装改修を終え、鎮海基地で再就役式典を行った。参考：月刊世界の艦船4,’09、9,’09、5,’13、2,’15、12,'20、朝雲

＜９７５＞：韓国海軍KDX2級駆逐艦１番艦忠武公李舜臣（チュンムゴン・イスンシン、Chungmugong Yi Sun-Shin）。2003年11月就役。2004年7月、リムパックに参加し、SM-2MRブロック�VＡで目標を撃墜した。2009年11月20日、ソマリア沖海賊対処任務のため出港。12月1日、マレーシア国際観艦式に参加。その後2010年5月20日までソマリア沖海賊対処任務に就いた。10月2日、海自遠洋練習艦隊と親善訓練を実施。2012年3-4月、フォール・イーグル2012に参加。2013年5月15日、日米韓共同捜索救難訓練に参加。6月26日、釜山沖で展示訓練を実施。2016年9月5日、天地級補給艦AOE-57チョンジーと共に、韓国海軍兵学校４年生ら600名を乗せ、練習航海のため鎮海を出港。9月8-11日、天地級補給艦AOE-57チョンジーと共に、東京港晴海埠頭に寄港。9-10日には一般公開された。9月11日、天地級補給艦AOE-57チョンジーと共に、DD-111おおなみと親善訓練を実施。2020年8月17-31日、リムパック2020に参加。9月10-13日、パシフィック・ヴァンガード20に参加。参考：月刊軍事研究5,’05、6,’05、月刊世界の艦船4,’09、3,’10、1,’11、5,’12、11,’13、11,’16、12,’16、11,'20、12,'20、ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11、月刊JWings12,’16、朝雲

＜９７５型＞：イギリス海軍の対水上捜索・航海レーダー。アンテナはスロッテッド・ウェーブガイド。使用周波数Ｘバンド、ピーク出力50kW、パルス繰り返し周波数1100pps。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９７６＞：エジプト海軍ゴーウインド級コルベット２番艦ポート・サイド（Port-Said）。2018年進水、2021年1月7日就役。参考：月刊世界の艦船12,’18、4,’21

＜９７６＞：韓国海軍KDX2級駆逐艦文武大王（ムーンム・デワン、Moonmu Daewang）。2004年9月就役。2008年6月29日から7月31日、リムパック08に参加。2009年3月13日から9月14日、ソマリア沖海賊対処に参加。2012年6月21-22日、朝鮮半島南方海域で日米韓共同訓練に参加。2022年8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22（Pacific Vanguard 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、陸自水陸機動団、アメリカ海軍潜水艦、T-AKE-6アメリア・イアハート、P-8A哨戒機、EA-18G電子戦機、第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、フリゲートFFH-157パース、韓国海軍ミサイル駆逐艦991セジョン・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練（対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜戦など）を行った。9月30日、日本海で日米韓共同訓練に参加。アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-52バリー、DDG-65ベンフォールド、SSN-760アナポリス、DD-119あさひと、各種戦術訓練（対潜戦、PHOTOEXなど）を行った。2023年7月1-10日、パシフィック・ヴァンガード23に参加。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊世界の艦船4,’09、11,'22、12,'22、9,'23、ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11、朝雲

＜９７７＞：韓国海軍KDX2級駆逐艦大祚栄（テー・ジョヨン、Dae Joyoung）。2005年6月就役。2009年7月16日から2010年1月18日、ソマリア沖海賊対処に参加。2011年1月14日、CVN-70カールヴィンソン、KDX1級駆逐艦971クァンゲト・デワンと共に釜山沖で洋上訓練を実施。2013年9月10-13日、ロンドンでDSEi2013に参加。2015年9月15日、仁川で仁川上陸作戦65周年記念行事に参加。10月14日、海自横須賀基地に入港。10月17日、一般公開された。10月18日、海自観艦式に参加。10月19日、関東南方海域でDD-111おおなみと捜索救難共同訓練、通信訓練、戦術運動、クロスデッキ、写真撮影を実施。2018年11月5-8日、チョンワンボン型揚陸艦686チョンワンボン、揚陸艦イルチュルボンと共に、海自佐世保基地を親善訪問した。2020年7月16-17日、アデン湾西部海域でソマリア海賊対処第36次水上部隊DD-111おおなみ及びソマリア海賊対処EU海上部隊スペイン海軍F81サンタ・マリアと共同訓練（近接運動、対水上射撃、小型船近接対応、通信など）を実施。2023年4月3-4日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。981チェ・ヨン、992ユルゴク・イイ、51ソヤンと共に、CVN-68ニミッツ、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤー、DD-158うみぎりと、、対潜戦、捜索救難、PHOTOEXなどの各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船4,’09、4,’11、1,’14、12,’15、1,'16、1,’19、10,’20、6,’23、ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11、朝雲

＜９７８＞：韓国海軍KDX2級駆逐艦王建（ワン・ゲオン、Wan Geon）。2006年11月（2007年10月？）就役。2009年7月3-6日、舞鶴基地に寄港。7月6日（7日？）、隠岐諸島北方海域で日韓共同捜索救難訓練に参加。2010年8月9日から2011年1月20日、ソマリア沖海賊対処に参加。2011年11月12-13日、DD-126はまゆき、DD-130まつゆき、元山級機雷敷設艦560元山、アリゲーター級戦車揚陸艦681コジュンポと共に、対馬北東海域で実施された日韓捜索救難訓練に参加。11月14-16日、元山級機雷敷設艦560元山と共に舞鶴基地を親善訪問した。2013年3月1日から4月30日、フォール・イーグル2013に参加。2014年2月24日から4月18日、フォール・イーグル2014に参加。2017年3月1日からフォール・イーグル2017に参加。2019年5月23-28日、パシフィック・ヴァンガード19-1に参加。2021年6月25日から8月7日、タリスマン・セイバー2021に参加。6月30日から7月3日、オーストラリア東方海空域で、自由で開かれたインド太平洋に向けた関係強化のため、アメリカ海軍、海上自衛隊、オーストラリア海軍との共同訓練に参加。DD-112まきなみ、SH-60Kヘリ１機、DDG-115ラファエル・ペラルタ、オーストラリア海軍イージス駆逐艦41ブリスベーンと、電子戦・戦術運動・通信の各訓練を行った。7月5-10日、パシフィック・ヴァンガード21に参加。7月14-17日、オーストラリア東方沖で日豪韓共同訓練に参加。オーストラリア海軍イージス駆逐艦41ブリスベーン、フリゲートFFH-154パラマタ、DD-112まきなみ、SH-60Kヘリと、電子戦・戦術運動・通信の各訓練を行った。2024年1月14-17日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。駆逐艦991セジョン・デワンと共に、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-59プリンストン、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、DDH-181ひゅうが、DDG-173こんごうと、各種戦術訓練（弾道ミサイル情報共有、海上阻止、対潜戦、LINKEX、クロスデッキ）及びPHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船4,’09、7,’13、9,’09、1,’12、6,’13、6,’14、6,’17、8,’19、9,'21、10,'21、4,'24、ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11、朝雲

＜９７９＞：韓国海軍KDX2級駆逐艦５番艦、姜邯賛（ガン・ガンチャン、Gang Gamchan）。2006年11月（10月？2007年10月？）就役。2008年10月7日、韓国海軍創設60周年記念国際観艦式で観閲艦を務めた。2010年4月2日から10月4日、ソマリア沖海賊対処任務に参加。2011年9月19日、AOE-57チョンジーと共に海軍士官学校４年生を乗せて練習航海のため鎮海を出港。地中海まで往復し、10カ国を訪問、12月20-21日にAOE-57チョンジーと共に最後の寄港地である横須賀に寄港した。2016年3月7日から4月30日、フォール・イーグル2016に参加。6月20-28日、ハワイ周辺空海域でパシフィック・ドラゴン2016演習に参加。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2017年4月3-5日、九州西方海域で日米韓共同対潜訓練に参加。9月、天地級補給艦AOE-59ファチョンと共に練習艦隊として士官候補生計138名を乗せ鎮海を出港。12月11-15日、天地級補給艦AOE-59ファチョンと共に横須賀を訪問した。12月15日、横須賀を出港し、AOE-59ファチョンと共に相模湾でDD-116てるづきと日韓捜索・救難共同訓練（捜索・救難、航空機相互発着艦、通信など）を実施。12月18日、鎮海に帰港。参考：月刊世界の艦船4,’09、7,’13、3,’12、6,’16、2,’18、3,’18、月刊軍事研究12,’08、11,’16、ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11、JShips VOL.70、朝雲

＜９８０＞：中国海軍071型ドック型輸送揚陸艦５番艦、龍虎山（Longhushan）。2017年6月進水、2018年9月就役、東海艦隊に配備された。2020年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,'21、5,’20

＜９８１＞：韓国海軍KDX2級駆逐艦崔瑩（チェ・ヨン、Choi Young）。2008年9月就役。2010年12月8日、ソマリア沖海賊対処任務のため釜山を出港。2011年1月21日、アデン湾の黎明作戦に参加。5月18-20日、シンガポールのチャンギ海軍基地でIMDEXに参加。2012年6月29日から8月7日、リムパック2012に参加。2016年10月10-15日、インヴィンシブル・スピリット2016に参加。2017年4月20日、アメリカ海軍LSD-50カーター・ホール、イギリス海軍F235モンマス、海上自衛隊DD-116てるづきとアデン湾で共同訓練（通信訓練、立ち入り検査訓練など）を実施。2023年3月27日、イージス駆逐艦991セジョン・デワン、補給艦AOE-59ファチョンと共に、ニミッツ空母打撃群CVN-68ニミッツ、CG-52バンカー・ヒル、DDG-73ディケイター、DDG-93チャンフーンと、米韓合同演習に参加。4月3-4日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。977テー・ジョヨン、992ユルゴク・イイ、51ソヤンと共に、CVN-68ニミッツ、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤー、DD-158うみぎりと、、対潜戦、捜索救難、PHOTOEXなどの各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船4,’09、8,’11、10,’12、1,’17、7,’17、6,'23、8,'23、ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11

＜９８１＞：中国海軍072B型揚陸艦大別山（Dabieshan）。2015年5月28日就役、東海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９８２＞：中国海軍072B型揚陸艦太行山。2015年10月21日就役、東海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９８６＞：中国海軍071型ドック型輸送揚陸艦、四明山。2022年6月1日0900頃、052D型ミサイル駆逐艦154厦門、054A級フリゲート515浜州、福池型補給艦904高郵湖と共に、奄美大島北西120kmを南東に航行するのを、AOE-425ましゅうと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後これらは奄美大島と横当島の間を東に進み、太平洋に向かっている。参考：月刊世界の艦船3,’23

＜９８７＞中国海軍071型ドック型輸送揚陸艦６番艦、五指山。2018年1月20日進水、2019年就役、南海艦隊に配備された。2020年現在、南海艦隊に配備されている。2022年1月15日に発生したトンガ海底火山噴火の救援活動に参加。参考：月刊世界の艦船4,’21、月刊JWings4,’22

＜９８８＞：中国海軍071型ドック型輸送揚陸艦４番艦沂蒙山（Yimengsan）。2015年1月23日（22日？）進水。12月29日、公試のため出港した。2016年2月1日就役、東海艦隊に配備された。2019-20年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’16、11,’16、2,’19、4,’21

＜９８９＞：中国海軍071型ドック型輸送揚陸艦３番艦長白山（チャンバイシャン、Changbai Shan）。2012年9月就役、南海艦隊に配備された。2014年2月8日1700頃、052B級ミサイル駆逐艦169武漢、052C級ミサイル駆逐艦171海口と共に、宮古島北東100kmを太平洋から東シナ海に向け北西に航行するのを、DE-231おおよどと第５航空群P-3Cが確認した。2015年1月12-16日、ポーツマスに寄港。1月19-24日、ハンブルクに寄港。1月28-30日、ロッテルダムに寄港。2月、ギリシャのピレウス港に入港。チプラス首相が艦を訪問した。8月17日0800頃、051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦138泰州、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、072�V型揚陸艦997雲霧山、福池型補給艦889太湖と共に、下対馬南西120-140kmの東シナ海を北東に航行するのを、AMS-4303あまくさと第１航空群P-3Cが確認した。その後対馬海峡を北上して日本海に入っている。8月20-28日、ウラジオストクを訪問し、海上連合2015（�U）に参加。8月29日1600頃、051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、福池型補給艦889太湖と共に、宗谷岬北西90kmを東に進むのを、PG-827くまたかと第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進み、オホーツク海に入っている。9月2日、051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、福池型補給艦889太湖と共に、アリューシャン列島を抜け、中国軍艦として初めてベーリング海で行動した。9月8日、051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、福池型補給艦889太湖と共に、東京都小笠原村西ノ島の北150kmで陣形運動を行いながら南西に航行していた。9月10日、051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、福池型補給艦889太湖と共に、沖縄県沖大東島南東190kmで洋上補給を行っていた。9月11日1100頃、054A級フリゲート568衝陽と共に、与那国島南290kmを南西に航行するのを、第５航空群P-3Cが確認した。その後太平洋を抜け東シナ海に入っている。2019-20年現在、南海艦隊に配備されている。2022年4月26日0200頃、054A級フリゲート529舟山と共に宮古島東北東100kmを北西に航行するのをAOE-424はまなと第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北西に航行し、東シナ海に向かっている。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊世界の艦船3,’13、4,’15、11,’15、4,’16、2,’19、4,'21、7,'22、朝雲

＜９９０＞：インドネシア海軍ドクター・スハルソ級ドック型輸送揚陸艦ドクター・スハルソ（Dr. Soeharso）。元はタンジュン・ダルペレ（Tanjung Dalpele）という名称で、2003年に就役した。2007年に病院船に改造され、この艦名に改称している。2010年7月、インドネシアのマルク諸島周辺で民生協力活動サリ・バンダ2010に参加。2021年4月21日に行方不明になったインドネシア海軍潜水艦402ナンガラの捜索活動に参加。参考：月刊世界の艦船2,’14、12,’12、7,'21

＜９９０＞：中国海軍073�V型揚陸艦１番艦、武当山（Wudangshan）。1991年就役。参考：月刊世界の艦船3,’18、月刊軍事研究4,’05

＜９９１＞：インドネシア海軍ワヒディン・スディロフソド級病院船ワヒディン・スディロフソド（Wahidin Soedirohusodo）。2021年1月7日進水。参考：月刊世界の艦船4,’21

＜９９１＞：韓国海軍KDX-3型イージス艦１番艦世宗大王（セジョンデワン、Sejong Daewang）。就役前の2008年10月5-9日、韓国海軍創設60周年記念国際観艦式に参加。2008年12月に就役したが、アメリカでの装備認定試験を終えていない状態だった。2009年3月9-20日、米韓合同軍事演習に参加。4月9日、テポドン２号発射事件に際し、ミサイル追跡を行った。この時点でも装備認定試験は未了で、2009年12月に本格就役した。2010年6月、リムパック2010に参加。8月5-9日、天安轟沈事件に対応して韓国海軍が実施した演習に参加。8月11日、乗員が急病になったため、海上自衛隊第71航空隊US-1A飛行艇が急患輸送を行った。11月28日から12月1日、延坪島砲撃事件に対応する米韓合同演習に参加。2012年3-4月、フォール・イーグル2012に参加。6月21-22日、朝鮮半島南方海域で日米韓共同訓練に参加。2013年5月15日、日米韓共同捜索救難訓練に参加。6月26日、釜山沖で展示訓練を実施。2014年2月24日から4月18日、フォール・イーグル2014に参加。2015年10月26-29日、日本海でCVN-76ロナルド・レーガン及び随伴艦４隻との共同演習に参加。2016年6月20-28日、ハワイ周辺空海域でパシフィック・ドラゴン2016演習に参加。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。10月10-15日、インヴィンシブル・スピリット2016に参加。2017年3月14日、日本周辺海域でDDG-174きりしま、DDG-54カーティス・ウィルバーと日米韓共同訓練（弾道ミサイル情報共有訓練）に参加。2022年6月20日、パール・ハーバーに入港。6月29日からリムパック2022に参加。8月8-14日、ハワイ周辺で日米豪韓加ミサイル警戒演習パシフィック・ドラゴン2022（Pacific Dragon 2022）に参加。DDG-180はぐろ、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、F/A-18F戦闘機、オーストラリア海軍駆逐艦42シドニー、カナダ海軍フリゲートFFH331バンクーバーと、弾道ミサイル模擬標的等の追尾に係る情報共有などの訓練を行った。8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22（Pacific Vanguard 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、陸自水陸機動団、アメリカ海軍潜水艦、T-AKE-6アメリア・イアハート、P-8A哨戒機、EA-18G電子戦機、第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、フリゲートFFH-157パース、韓国海軍976ムーンム・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練（対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜戦など）を行った。10月6日、日本周辺海域で日米韓共同訓練に参加し、DDG-178あしがら、アメリカ海軍CG-62チャンセラーズビルと、弾道ミサイル情報共有・各種戦術訓練を行った。2023年2月22日、日本海でBMDに関する共同訓練に参加。DDG-177あたご、アメリカ海軍DDG-52バリーと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。3月27日、ミサイル駆逐艦981チェ・ヨン、補給艦AOE-59ファチョンと共に、ニミッツ空母打撃群CVN-68ニミッツ、CG-52バンカー・ヒル、DDG-73ディケイター、DDG-93チャンフーンと、米韓合同演習に参加。11月26日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。DD-104きりさめ、CVN-70カール・ヴィンソン、DDG-100キッド、DDG-104スタレットと、各種戦術訓練を行った。2024年1月14-17日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。駆逐艦978ワン・ゲオンと共に、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-59プリンストン、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、DDH-181ひゅうが、DDG-173こんごうと、各種戦術訓練（弾道ミサイル情報共有、海上阻止、対潜戦、LINKEX、クロスデッキ）及びPHOTOEXを行った。参考：月刊軍事研究12,’08、11,’10、12,’15、11,’16、月刊世界の艦船4,’09、6,’09、9,’10、5,’12、8,’13、11,’13、6,’14、1,’16、1,’17、9,'22、11,'22、1,'23、5,'23、2,'24、4,'24、月刊JWings11,’10、朝雲、JShips VOL.70

＜９９１＞：中国海軍072�U型玉亭級揚陸艦１番艦、峨眉山（Emeishan）。1992年9月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜９９１＞：ロシア海軍タランタル�V型ミサイル艇の艇番号。2014年9月26日1830頃、グリシャ�X型警備艦MPK82、同コレーツ、タランタル�V型ミサイル艇R-19、同R-24（他にもう３隻）、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、ソーニャ型掃海艇艇番号553、同BT-256と共に、宗谷岬の北40kmを西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。参考：月刊世界の艦船12,’14

＜９９１型＞：ソ連海軍計画攻撃原潜（魚雷原潜）。1970年頃からマラヒート設計局が設計したもので、静粛性を重視しており、蒸気発生器を振動抑制架台に据え付けて船体と直接接しないようにし、変圧器を非回転式に変更、水循環ポンプも静粛型にした。計画中止となったが、静粛化技術は885型に活かされたらしい。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜９９２＞：韓国海軍KDX-3型イージス艦２番艦栗谷李珥（ユルゴク・イイ、Yulgok Yii）。2010年8月就役。2012年6月29日から8月7日、リムパック2012に参加。2016年10月22-23日、九州西方海域で日米韓共同訓練（海上阻止訓練）を実施。2017年10月24-25日、日本周辺海域でDDG-174きりしま、DDG-175みょうこう、アメリカ海軍DDG-63ステザム、DDG-73ディケイターとの日米韓共同訓練（弾道ミサイル情報共有訓練）に参加。2018年6月8日、パール・ハーバーに入港。6月27日から8月2日、リムパック2018に参加。2023年4月3-4日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。977テー・ジョヨン、981チェ・ヨン、51ソヤンと共に、CVN-68ニミッツ、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤー、DD-158うみぎりと、、対潜戦、捜索救難、PHOTOEXなどの各訓練を行った。4月17日、日本海で日米韓共同訓練に参加。DDG-177あたご、DDG-65ベンフォールドと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。7月16日、日本海で日米韓共同訓練に参加。DDG-179まや、DDG-113ジョン・フィンと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。8月29日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。DDG-180はぐろ、DDG-65ベンフォールドと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。10月9-10日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。AOE57チョンジーと共に、DDH-181ひゅうが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-86シャウプと、各種戦術訓練（対潜戦、電子戦、LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船4,’09、10,’12、8,’18、6,'23、10,'23、11,'23、12,'23、朝雲

＜９９２＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦華頂山（Huadingshan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９９２型＞：イギリスの対空捜索レーダー。アンテナはスロッテッド・ウェーブガイド型、使用周波数Ｓバンド、ピーク出力2000kW、パルス繰り返し周波数750pps、探知距離167km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜９９３＞：韓国海軍KDX-3型イージス艦３番艦柳成龍（リュ・ソンヨン、Ryu Seong-Ryong）または西�獄�成龍（ソエ・ユ・ソンリョン、Seoae Yu Seong-Ryong）。2011年3月24日進水、2012年9月就役。2013年3月1日から4月30日、フォール・イーグル2013に参加。2014年5月20日、リムパック2014に参加するためパールハーバーに入港。開始までの間はイージスシステム装備認定試験を受けていたようである。6月26日から8月1日、リムパック2014に参加。2017年12月11-12日、DDG-176ちょうかい、DDG-63ステザム、DDG-73ディケーターと、日本周辺海域で日米韓共同弾道ミサイル情報共有訓練に参加し、シミュレータを使って仮想弾道ミサイル情報を共有し対処する訓練を行った。2020年8月17-31日、リムパック2020に参加。9月10-13日、パシフィック・ヴァンガード20に参加。参考：月刊世界の艦船6,’11、6,’13、7,’13、9,’14、9,’16、11,'20、12,'20、朝雲

＜９９３＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦羅霄山（Luoxiaoshan）。2004年1月就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９９３型＞：イギリスの２次元対空捜索レーダー。アンテナは1/4チーズ型で、使用周波数Ｓバンド。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９９４＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦戴雲山（Daiyunshan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９９４型＞：イギリスの２次元対空捜索レーダー。アンテナは1/4チーズ型で、使用周波数Ｓバンド。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜９９５＞：韓国海軍KDX-3バッチ２イージス艦１番艦チョンジョ・デワン（Jeongjo Daewang）は2021年2月16日に現代重工でファースト・スチール・カット、10月5日に起工式が行われ、2022年7月28日に進水した。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜９９５＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦万羊山（Wanyangshan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９９６＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦老鉄山（Laotieshan）。2004年就役。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜９９６型＞：イギリス海軍の三次元対空・対水上捜索レーダーで、輸出名称AWS-9。アンテナは横長箱形スロット・ウェーブガイド式で、毎分14回転し、高度は周波数走査方式で算定する。モードは通常、ミサイル警戒、遠距離の３種類。使用周波数Ｅ／Ｆバンド（Ｓバンド？）、ピーク出力60-80kW（125kW？）、パルス繰り返し周波数700-800pps、探知距離150km。1018型／1019型IFFと組み合わされていることもある。インヴィンシブル級、23型フリゲート、アルビオン級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’14、10,’10

＜９９７＞：中国海軍072�V級玉亭�U型揚陸艦雲霧山（Yunwashan）。2005年就役。2015年8月17日0800頃、051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦138泰州、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、071型揚陸艦989長白山、福池型補給艦889太湖と共に、下対馬南西120-140kmの東シナ海を北東に航行するのを、AMS-4303あまくさと第１航空群P-3Cが確認した。その後対馬海峡を北上して日本海に入っている。8月20-28日、ウラジオストクを訪問し、海上連合2015（�U）に参加。8月29日2130頃、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦138泰州と共に、上対馬北東65kmを南西に航行するのを、PG-829しらたかと第１航空群P-3Cが確認した。その後対馬海峡を南下して東シナ海に入っている。参考：月刊世界の艦船4,’16、11,'15、朝雲

＜９９７型＞：MFS-7000（ソナー）を参照。

＜９９７型＞：イギリス海軍三次元対空捜索レーダー、別名は中距離レーダーMRR（Medium Range Radar）。996型レーダーの後継で、BAEシステムズ社とキネティックが共同開発したARTISAN 3D（Advanced Radar Target Indication Situational Awareness and Navigation　3 Dimension。アーティザン3D）を採用したものである。アンテナは縦1.35m、横4.1m、重量900kg／1000kg（IFFアンテナ含む）で、毎分30回転して全周をカバーする。使用周波数はＳバンドで、ビーム12本を同時受信し、仰角70度までを捜索、マッハ３で超音速飛行するテニスボール大の目標を25km以上先から探知できるとされる。電子的な船体動揺修正が可能。探知距離70km（対艦ミサイル）／200km（最大）、同時探知追尾可能目標数800以上で、３目標に艦砲を指向できる。最小探知距離は200mで、航海レーダーとしての使用も可能。23型フリゲート（改装時）、26型フリゲート、クイーン・エリザベス級空母、オーシャン級ヘリ揚陸艦（改装時）に搭載された。参考：月刊軍事研究1,’09、4,’14、3,’13、1,’08、12,’09、1,’12、月刊世界の艦船10,'21、10,’13、1,’16

＜９９８＞：中国海軍071型ドック型輸送揚陸艦１番艦崑崙山（クンルンシャン、Kunlunshan）。2007年11月就役、南海艦隊に配備された。2010年6月30日、第６次ソマリア海賊対処派遣部隊として052C級ミサイル駆逐艦171海口と共に湛江を出港。7月5日、ナツナ群島沖で玉翼級LCACを初海上発進させた。2011年1月、ソマリア海賊対処任務を終えた。2012年5月6日0600頃、052B級ミサイル駆逐艦168広州、同169武漢、054A級フリゲート568衝陽、同569玉林と共に、沖縄本島南西650kmを太平洋に向け南東に航行するのを第５航空群P-3Cが確認した。これらはその後陣形運動訓練を行った他、沖縄本島南西610km（第一列島線付近）を通過する際に艦載ヘリを飛行させた。11月、南海艦隊の島嶼上陸訓練に参加。2014年3月8日に行方不明となったマレーシア航空機の捜索に参加。2019-20年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊軍事研究11,’08、5,’14、月刊世界の艦船9,’10、1,’13、4,’13、6,’14、2,’19、4,’21

＜９９９＞：中国海軍071型ドック型輸送揚陸艦２番艦井崗山（ジンギャンシャン、Jinggangshan）。2010年11月進水、2011年10月就役、南海艦隊に配備された。2013年3月30日0700頃、052C級ミサイル駆逐艦170蘭州、054A級フリゲート569玉林、同572衡水と共に、沖縄本島の南西640kmを東に航行するのを第５航空群P-3Cが確認した。4月1日、西太平洋での軍事演習を終え、052C級ミサイル駆逐艦170蘭州、054A級フリゲート569玉林、同572衡水と共に、沖縄本島の南西650kmを中国に向け航行するのをDD-151あさぎりが確認した。2014年3月8日に行方不明となったマレーシア航空機の捜索に参加。2015年6月10日1200頃、052B級ミサイル駆逐艦169武漢、904A型補給艦888撫仙湖と共に、宮古島の南700kmを北西に航行するのを、DD-111おおなみが確認した。8月24日、湛江沖でLCC-19ブルーリッジと親善訓練を実施。2017年7月11日、半没水型機動揚陸プラットフォーム868東海島と共に海軍陸戦隊を乗せて湛江の南海艦隊基地を出港し、ジブチに向かった。2019-21年現在、南海艦隊に配備されている。2022年2月12日、ミサイル駆逐艦174合肥と共に、オーストラリア北部のアラフラ海を航行しており、オーストラリア海軍艦艇及びオーストラリア空軍P-8A哨戒機が監視活動を開始した。2月17日、アラフラ海で本艦またはミサイル駆逐艦174合肥のどちらかがFCS内蔵レーザーをオーストラリア空軍P-8A哨戒機に照射した。2月20日にモリソン首相が中国を強く非難している。参考：月刊世界の艦船5,’11、4,’12、12,’11、6,’13、6,’14、7,’15、9,'15、2,’19、4,’21、5,'22、月刊軍事研究5,’14、12,’17

＜９９９＞：フィンランド海軍油防除船ロウヒ（Louhi）。2022年5月16-17日、ミサイル艇ナーンタリ、R2000ハミナ級ミサイル艇トルニオ、ハメンマー級敷設艦02ハメンマー、カタンパー級機雷掃討艇41プルンパー、ヒリエ級汚染制御艦899ハリと共に、バルト海で、アメリカ海軍LHD-3キアサージ、LSD-44ガンストン・ホール、DDG-107グレイブリイ、スウェーデン海軍支援艦P04カールスクローナとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’22

＜９９９部隊＞：イラク軍の秘密工作専門部隊。参考：月刊軍事研究2,’04

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