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＜キ＞：海上自衛隊の略号で、機関長のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜キ−１＞：九三式重爆撃機を参照。

＜キ−２＞：九三式双発軽爆撃機シリーズを参照。

＜キ−３＞：九三式軽爆撃機を参照。

＜キ−５＞：日本陸軍試作戦闘機。九二式戦闘機の後継で、昭和8年4月に川崎造船所飛行機工場に試作を命じ、KDA8型の社内名称でドルニエ飛行機会社のフォークト技師の指導を受けて土井武夫技師が設計した。川崎初の低翼単葉機で、下方視界を改善し、脚柱を短縮するため逆ガル翼を採用している。主脚はズボンスパッツ付き固定脚。全長7.78m、全幅10.6m、全高2.6m、自重1500kg、全備重量1870kg。エンジンは川崎ハ−９�T水冷Ｖ型12気筒（公称出力800馬力、離昇出力850馬力）単発、プロペラは固定ピッチ、プロペラ直径3m、最大速度380km、実用上昇限度9000m、航続距離1000km。ペイロード370kg。武装は前方固定式7.7mm機銃２丁（600発）。乗員１名。初号機は昭和9年2月に初飛行したが、川崎に風洞が無く事前テストが不十分だったため、木製プロペラが時速360kmを越えるとブレードがショックストールを起こしてプロペラ効率が低下し最大速度が予定420km（高度2500m）のところ380kmしか出ない、逆ガル角が大き過ぎたのと主翼付け根の翼弦を切り込んだのとで低速安定性が不良、という欠点が判明した。試作３・４号機では逆ガルの角度を半分に減らし、プロペラを木製２翅から金属製３翅に換え、主脚を単支柱に変更し、最大速度は410kmまで出せるようになったが、振動が発生するなどしたため、主翼の下反角をゼロにするなど改修を繰り返したものの、社内テストの段階で低速時の横安定性の悪さが指摘され（玉の上に乗っているようだったという）、エンジンの振動や冷却系不具合もあり、昭和9年9月に不採用となった。参考：世界の傑作機No.24、月刊丸1,'17別冊、9,’97

＜キ−６＞：九五式二型練習機を参照。

＜キ−７＞：日本陸軍試作機上作業練習機。三菱が昭和8年から試作し、海軍向けの九〇式機上作業練習機を陸軍向けに改造して完成したが、キ−６に負けて採用されなかった。全長9.7m、全幅15.8m、全高3.8m、自重1350kg、全備重量2000kg。エンジンは九二式（400馬力）単発、最大速度185km。武装は7.7mm機銃１丁。乗員２名＋訓練生３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−８＞：日本陸軍試作戦闘機。日本陸軍初の本格的複座戦闘機で、九三式軽爆、九三式双軽、九三式重爆の長距離護衛に就くのが主任務であり、後席の機銃手が後方から迫る敵戦闘機に対処する。昭和8年に中島に開発が命じられたが、中島初の片持ち式低翼単葉機でもあり、大和田技師が松田技師の協力を得て設計した。胴体は九一式戦闘機の特性を考慮した流線型の全金属製モノコック構造である。コクピットは開放式・半開放式（キャノピーが前席前半分のみで、後方にスライドして全開にできる）・密閉式の３種が用意され、前席風防からは望遠鏡式の射撃照準器が突き出している。主翼は骨組みが全金属製、前縁及び基準翼外面とフィレットがジュラルミン、外翼が羽布張りで、下方視界の改善と脚柱短縮を狙って逆ガル翼を採用した。主脚はジュラルミン製スパッツとスプリング・オレオ緩衝装置付き固定脚で、尾部には尾ソリがある。全長7.17m、全幅12.88m、全高3.57m（水平姿勢）、自重1525kg、全備重量2111kg。エンジンは九四式550馬力発動機（公称出力750馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ（直径2.9m。２翅または３翅）、巡航速度220-230km、最大速度328km、実用上昇限度8760m、燃料容量350リットル、航続時間４時間40分。ペイロード586kg。武装は機首上方左右の八九式7.7mm固定機銃１丁ずつと、後席の九四式7.7mm旋回機銃１丁。乗員２名（タンデム複座）。昭和9年3月から昭和10年5月に５機が製作された。５号機は前方視界を改善するためカウリングの直径を絞っており、突き出したバルブロッド頭部は流線型フェアリングで覆っている。テスト中に垂直尾翼が１回、昇降舵が２回にわたり破壊されたため、完成後の５号機にドーサルフィンを追加した。九一式戦闘機と同等であると評価されたが、陸軍の方針が一本化されず不採用となり、その後は連絡機として使用された。参考：世界の傑作機No.24

＜キ−９＞：九五式一型練習機シリーズを参照。

＜キ−１０＞：日本陸軍試作戦闘機。キ−５の不採用を受け、川崎に九一式・九二式戦闘機の後継として開発させた。九二式戦闘機がベースで、エンジンを強化、プロペラを金属製３翅とするなどしている。昭和10年3月に初号機が完成し、３・４号機には沈頭鋲を使い、昭和10年9月にキ−11を破って九五式戦闘機として採用された。参考：月刊丸9,’97、1,'17別冊

＜キ−１１＞：日本陸軍試作戦闘機。キ−５の不採用を受け、中島飛行機製作所に九一式・九二式戦闘機の後継として開発させた。胴体は全金属製セミモノコック構造で、空気抵抗を減らすため楕円形断面とし、沈頭鋲を使用、胴体と主尾翼を滑らかに結合している。主翼は張線に支えられた単葉で、中島初の低翼配置を採用し、鋼鉄桁に木製リブの前縁合板・全面羽布張りとした。主脚はジュラルミン製のズボンスパッツを付けたオレオ緩衝装置付鋼管製固定式で、両側を鋼鉄の張線で補強している。尾翼は片持ち式で、ジュラルミン桁に合板リブを組み合わせ、羽布を張った。外見はP-26に似ているが、性能はこちらが上。昭和10年4-12月に４機が製作された。１号機は２翅プロペラに開放式コクピットで前後に長いズボンスパッツを装備し、３号機はプロペラを３翅固定ピッチに変更して垂直尾翼面積を増大しズボンスパッツの前後幅を短縮、４号機はコクピットが密閉式（キャノピーを後方にスライドして開く）になり、垂直尾翼が少し狭くなり、ズボンスパッツ前縁に段が付き、脚内側張線を水平支柱１本に変更した。全長7.5m／6.89m（水平姿勢、プロペラ除く）、全幅10.886m、全高3.33m（水平姿勢）、自重1269kg、全備重量1560kg。エンジンは九四式五五〇馬力発動機（700馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ２翅（直径2.9m）または３翅固定ピッチ（直径2.7m）、最大速度420km、実用上昇限度10200m、燃料容量200リットル、航続距離900km。武装は機首の八九式7.7mm固定機銃２丁。乗員１名。キ−10よりも速度性能に優れたが、運動性と上昇力でキ−10に劣り、急旋回などでＧがかかるとエンジンが不調になるという欠点もあり、採用されなかった。不採用決定後に輸出市場に出されたが、注文は得られなかった。試作３号機は大阪毎日・東京日々新聞社に、試作４号機は朝日新聞社に譲渡され、AN-1快速通信機として度々スピード記録を出している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、世界の傑作機No.24、月刊丸9,’97

＜キ−１２＞：日本陸軍試作戦闘機。昭和10年に陸軍が輸入したフランスのD-510戦闘機に搭載していたモーターカノン付き12Xcrsエンジンを装備した機体として、中島飛行機製作所がフランスの技師２名と共に開発した。主脚と尾ソリは陸軍機として初めて油圧引き込み式を採用（一式戦闘機よりも２年３ヶ月早い）し、機体は全金属セミモノコック構造をとり、主翼は片持ち式低翼単葉テーパー翼形式としてスプリット式フラップ（陸軍初）を装備した。冷却器は機首前面に付いている。コクピットは開放式で、操縦席後方から垂直尾翼前面にかけてドーサルスパインを持つ。全長8.3m、全幅11m（12m？）、自重1400kg、全備重量1900kg。エンジンはイスパノスイザ12Xcrs水冷Ｖ型12気筒（離昇出力670馬力、公称出力610馬力）、プロペラはラチエ製1460鋼製固定ピッチ３翅（直径2.9m、ピッチ角33.5度）、巡航速度370km、最大速度480km、実用上昇限度10500m、航続距離800km。ペイロード500kg。武装はイスパノ９型20mmモーターカノン１門と主翼の7.7mm機銃２丁で、機首に7.7mm機銃２丁を追加できた。乗員１名。昭和11年10月に１機が完成してテストされ、速度性能に優れていたが、陸軍が重視した運動性能に劣ったため採用されなかった。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸10,’93

＜キ−１３＞：日本陸軍計画地上攻撃偵察機。昭和10年に出された航空本部航空機材研究方針に基づいて開発が予定された。中島飛行機製作所に試作させる予定だったが、設計以前に計画中止となった。参考：月刊丸10,’93

＜キ−１４＞：日本陸軍計画地上攻撃偵察機。キ−13と同じコンセプトで、三菱重工に試作させる予定だったが、こちらも計画中止となった。参考：月刊丸10,’93

＜キ−１５＞：九七式司令部偵察機シリーズを参照。

＜キ−１６＞：日本陸軍計画特殊輸送機。中島飛行機製作所が昭和10年頃に設計し、高翼単葉双発機として開発が進められたが、途中でDC-2改造の低翼単葉双発機に変更された。胴体内に容量2400リットルの燃料タンクと200リットルの潤滑油タンクがあり、前線基地に着陸して燃料補給スポットに変身、戦闘機６機に一度に給油を行うことができる。計画のみで終了した。参考：月刊丸10,’93

＜キ−１７＞：九五式三型練習機を参照。

＜キ−１８＞：日本陸軍試作戦闘機。三菱重工に命じて日本海軍九六式艦戦の試作型である九試単戦を陸軍仕様に改造させたもので、九五式戦闘機の後継としてテストされた。スロットル操作を海軍とは逆にし、武装を陸軍式に変更している。沈頭鋲を全面的に使用し、コクピットは開放式、主翼は逆ガル翼ではない低翼配置の片持ち単葉である。全長7.655m、全幅11m、全高3.15m、自重1110kg、全備重量1422kg。エンジンは寿五型ファルマン減速空冷星型９気筒（600馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ２翅（直径2.9m、ピッチ角32度）、最大速度445km、燃料容量200リットル（機内）／300リットル（増槽あり）、航続距離800km。固定武装は胴体の7.7mm機銃２丁（１丁？）。乗員１名。昭和10年8月に完成して試験に付され、増加試作すべきとの意見も出たが、エンジンの信頼性不足（Ｇがかかると停止する恐れがあった）や、海軍機採用ではメンツが保てないという理由で採用されなかった。昭和11年初めにエンジンをハ一甲（寿三型。710馬力）に換装してテストをしたが、着陸事故で大破してしまった。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−１９＞：九七式重爆撃機シリーズを参照。

＜キ−１９＞：日本陸軍試作重爆撃機。中島飛行機製作所が昭和10年2月から試作したもので、三菱重工の試作機（後の九七式重爆）と同じ名称を与えられている。ダグラスDC-2のライセンス生産経験を元に開発されており、タンデムの操縦席を持つ。全長19m（16.22m？）、全幅21.9m、全高3.6m、自重4750kg、全備重量7150kg。エンジンはハ−５甲空冷二重星型14気筒（離昇出力950馬力）双発、最大速度350km（426.2km？）、航続距離4000km（1641km？）。防御武装は7.7mm機銃３丁。爆弾1000kgを搭載できる。乗員５名。昭和12年3月に２機が完成してテストが実施されたが。三菱の試作機に負けて採用されず、三菱ハ６空冷二重星型14気筒エンジン（離昇出力870馬力）を搭載した増加試作型２機も製作されたが、こちらも採用されず、増加試作機のうち１機は昭和14年4月に同盟通信社に中島一九型長距離通信機として払い下げられた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸10,’93

＜キ−２０＞：九二式重爆撃機を参照。

＜キ−２１＞：九七式重爆撃機シリーズを参照。

＜キ−２３＞：福田軽飛行機が開発した複座上空滑空機。１機のみ製作された。参考：月刊丸4,’99

＜キ−２４＞：日本陸軍初の国産グライダー。昭和10年10月に来日したドイツのウォルト・ヒルト滑空士による指導に基づいて計画し、操縦訓練用として昭和10年11月に立川飛行機に試作が命じられ、ドイツのグルナウ９型単座初級滑空機をベースに設計し、昭和11年4月に試作機が完成、昭和12年5月に制式化された。110機が生産され、熊谷陸軍飛行学校などで初兵操縦教育に使用されている。座席周囲にナセルを付けて中級滑空機としたものもある。参考：月刊丸3,’90

＜キ−２５＞：日本陸軍試作グライダー。キ−24に続く単座上空滑空機で、ドイツのゲッピンゲン�V型を元に立川飛行機が昭和11年4月から設計した。肩翼配置のガル翼を装備した初号機（キ−25�T）が完成したが、重量オーバーと重心設計ミスで飛行できず、再設計した２号機（キ−25�U）が初飛行、長野県霧ヶ峰滑空場でテストを行った。12機が製作されたが、日華事変拡大で開発中止となった。参考：月刊丸3,’90、4,’99

＜キ−２６＞：日本陸軍試作グライダー。キ−25に続く練習用上空滑空機で、立川飛行機が試作した。直線翼のタンデム複座機で、複操縦装置を装備する。初号機のテストで能力不足が明らかとなり、開発中止となった。参考：月刊丸3,’90、4,’99

＜キ−２７＞：九七式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−２８＞：日本陸軍試作戦闘機。連合軍コードはボブ（Bob）。九七式戦闘機の川崎試作型で、昭和10年12月に試作指示が出され、昭和11年4月に正式な開発命令が出され、10月に初号機が完成して11月に初飛行し、12月に２号機が完成した。水冷エンジンを搭載し、沈頭鋲全面使用の流線型胴体、手動引き込み式冷却器、スライド式半密閉型コクピットを採用、捩り下げ（大迎角時の翼端失速防止用）と手動式スプリットフラップ付きの主翼を装着し、高速性と運動性の両立を狙った。ベースはキ−５（九五式戦闘機の単葉版でもある）で、逆ガル翼ではなく、中央翼に1.5度、外翼に7.5度の上反角を付けた低翼単葉直線テーパー翼にしてある。主翼桁は単桁構造で、アスペクト比は7.6と大きくし、空戦性能（特に上昇旋回）の向上を狙った。主脚は重量増を防ぐため、スパッツ付き固定脚を採用した。初号機のテストで垂直旋回時の失速傾向が認められたため、２号機には主翼端に2.5度の捩り下げを付けた。他に風防形状と機首下面のオイルクーラー位置を変更している。その後更にキャノピーのスライド部分形状を変更し、ピトー管を左主翼のみとする改造が施された。全長7.9m、全幅12m、全高2.6m、自重1420kg、全備重量1760kg。エンジンはハ−９�U甲Ｖ型水冷12気筒ガソリン（離昇出力850馬力、公称出力800馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ３翅（直径2.9m）、最大速度485km（高度4000m）、実用上昇限度11000m、燃料容量270リットル、航続距離1000km。固定武装は機首の7.7mm機銃２丁。乗員１名。キ−27、キ−33と比較の結果、速度や上昇力では勝ったものの陸軍が重視する運動性に劣り、採用されなかった。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸1,’17別冊

＜キ−２９＞：日本陸軍試作単発軽爆撃機。九三式単発軽爆撃機の後継で、昭和11年2月から立川飛行機が設計したが、キ−30（九七式軽爆撃機）やキ−32（九八式軽爆撃機）に負けて採用されなかった。参考：月刊丸3,’90

＜キ−３０＞：九七式軽爆撃機を参照。

＜キ−３２＞：九八式軽爆撃機を参照。

＜キ−３３＞：日本陸軍試作戦闘機。九七式戦闘機の三菱重工試作型で、キ−18を更に改良したものである。エンジンを指定のハ一甲に換装し、スパッツを大型化して４ヶ月（昭和11年8月）で試作初号機を完成させ、次いで翼端に捩り下げを付けてコクピットを半密閉式にし、スピナーを後日装備した２号機を完成させた。キ−27及びキ−28と審査に入ったが、キ−18が海軍機ベースであることを理由に蹴られた前例があったため、その後は改良を加えず様子を見守り、結局採用されなかった。全長7.545m、全幅11m、全高3.19m、自重1132kg、全備重量1462kg。エンジンはハ一甲空冷星型９気筒（離昇出力745馬力、公称出力620馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ２翅（直径3.06m、ピッチ35度）、最大速度475km（高度3000m）、燃料容量326リットル、航続距離1100km。固定武装は胴体の7.7mm機銃２丁（800発ずつ）。乗員１名。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸1,'17別冊

＜キ−３４＞：九七式輸送機を参照。

＜キ−３６＞：九八式直接協同偵察機を参照。

＜キ−３７＞：二式複座戦闘機を参照。

＜キ−３８＞：二式複座戦闘機を参照。

＜キ−３９＞：二式複座戦闘機を参照。

＜キ−４３＞：一式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−４４＞：二式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−４５＞：二式複座戦闘機シリーズを参照。

＜キ−４６＞：一〇〇式司令部偵察機シリーズを参照。

＜キ−４８＞：九九式双発軽爆撃機シリーズを参照。

＜キ−４９＞：一〇〇式重爆撃機シリーズを参照。

＜キ−５１＞：九九式襲撃機を参照。

＜キ−５２＞：日本陸軍の急降下爆撃機研究機。九九式艦爆の中島製プロトタイプである十一試艦上爆撃機を研究に使用したものである。参考：月刊丸3,’18別冊

＜キ−５４＞：一式双発高等練習機シリーズを参照。

＜キ−５５＞：九九式高等練習機を参照。

＜キ−５６＞：一式輸送機（川崎）を参照。

＜キ−５７＞：一〇〇式輸送機シリーズを参照。

＜キ−５８＞：一〇〇式重爆撃機ファミリーを参照。

＜キ−５９＞：一式輸送機（日本国際）を参照。

＜キ−６０＞：日本陸軍試作戦闘機、川崎航空機社内名称KDA20。一式戦闘機の後継として川崎航空機が昭和14年に日本陸軍に提案した戦闘機で、昭和15年2月に日本陸軍から武装・速力・上昇力重視の重戦闘機として試作命令が出され、ドイツから昭和14年4月に４基購入したDB601A水冷エンジンのうち３基を割り当てて試作を行った。最大速度560kmを目標とし、アスペクト比を5.95、翼面荷重を１平方メートル当たり172kgにしている。冷却器は抵抗を少なくするため胴体下面に装着、尾輪も引き込み式にした。主翼機関砲の間隔を狭くするため、主脚支柱は短縮式オレオにより短くしてから胴体下面に引き込む。試作中に第２次大戦が勃発、スピットファイアが570km以上出せることが分かり、最大速度600km以上を目指す必要が出てきた。そのためにはエンジンを強化せねばならず、試作の意義が問われる事態となったが、現有戦闘機の速度性能では話にならないので、取り敢えず重戦中間機として審査を続けている。昭和16年3月に初号機が完成（昭和16年2月に初飛行？）、３機が製作された。全長8.4m、全幅9.78m、全高2.75m、自重2150kg、全備重量2750kg。翼面積16.2平方メートル。エンジンはDB601A液冷倒立Ｖ型12気筒ガソリン（離昇出力1300馬力、公称出力1100馬力）単発、プロペラは住友ハミルトン定速可変ピッチ３翅（直径3m）、最大速度560km（高度4500m）、実用上昇限度10000m、上昇力は5000mまで６分、燃料容量500リットル、航続距離800km。固定武装は１・２号機が主翼の20mm機関砲２門と機首上部の12.7mm機銃２丁、３号機は12.7mm機銃４丁。乗員１名。昭和16年6月に各務原でBf109Eと空戦テストを行い、対等または優位に空戦を行うことができた。キ−44に対しても、相手が空戦フラップを使用しなければ旋回性能で上回っており、操縦も楽だったが、翼面荷重が大きすぎるとしてキ−44の方が二式戦闘機として量産に入り、遅れて完成したDB601A（を国産化したハ40）装備のキ−61が予想以上の好成績を収めたため、不採用になった。ただ二式戦闘機が不足していたことから、１・３号機は昭和16年10月に独立飛行第47中隊に配備され、本土で訓練に使用されている。そのまま南方に出撃することも考慮されたが、訓練中に両機とも破損したため、そのまま本土に残された。終戦時には１機が残存していた。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸9,’97、1,'17別冊

＜キ−６１＞：三式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−６４＞：日本陸軍試作重戦闘機。元は昭和14年に川崎航空機が水冷エンジンの特徴を活かした高速戦闘機として土井武夫技師を中心に基礎研究を開始したもので、BMW-6エンジンを串型配置して2000馬力級にしようとしたが、減速筐が無かったためにこの配置を取れず、開発は中断した。同年、スパーギアによる減速筐装備のDB601Aのライセンス生産権を取得したため、開発に目処が付き、昭和15年8月に陸軍から出された重戦闘機試作命令に基づいて10月から北野技師を中心に開発した。胴体の前後にハ40エンジン（1100馬力）を搭載して串型に連結したハ201エンジン（全長6m、重量1500kg）を装備し、前後３翅ずつの二重反転プロペラを駆動、キ−78で研究していた高速用LB層流翼を採用し、時速650-700kmを出す予定だった。後方エンジンの延長軸は前方エンジンのプロペラ減速歯車の中心を貫通しており、前後のエンジンを独立して作動させることも可能である。エンジン冷却方式は昭和16年9月になって表面蒸気冷却方式と決定、ラジエーターを廃止して抗力減少を狙った。プロペラはピッチ変更機構の製作が困難で、前方エンジン用を固定ピッチ、後方用を可変ピッチにしたため、プロペラの回転数が前後で合わずに苦労したらしい。主翼以外の構造はキ−61とほぼ同じで、コクピットは前後エンジンの真ん中に収まっている。主翼は中央翼と左右外翼から構成され、中央翼は幅5.72mの３桁構造で左右一体式であり、主脚収容部、翼内燃料タンク、20mm機関砲がある。外翼は１本の主桁と前後の補助桁から構成され、上下外板（ジュラルミン製、厚さ2mm）を蒸気冷却器として使用する。翼面蒸気冷却装置はドイツから輸入したHe100D-0に採用されていたものを参考にキ−61の２号機を改造してテストを行っていたもので、片方あたり外翼上下に４個、フラップ上下に２個の計24平方メートルが装着され、左翼が前方エンジン、右翼が後方エンジン用である。ハ201エンジンから出てきた絶対気圧4.2・温度110℃の冷却水は、大型蒸気発生器の上方から入り、案内羽根に沿って螺旋状の運動を与えられ、発生器外壁を流れ下る間に圧力が下がって一部が蒸気化し、その気化熱で絶対気圧1.1・温度103度に冷却され、発生器下部のパイプに集められて冷却水ポンプに送られる。蒸気化した冷却水は蒸気発生器上部のパイプを通って翼面冷却器に導かれ、冷えて水に戻り、こちらも冷却水ポンプに向かう。冷却水ポンプでは冷却水の圧力を絶対気圧4.8に上げて再びエンジンに送り、冷却に使用する。翼面冷却器の能力が不足した場合は、蒸気の一部を大気中に放出し、各エンジンに１個ずつ用意された100リットル予備冷却水タンクから補充する。蒸気になる水の量は全体の2%なので、被弾損傷しても予備冷却水が続く限りは運転できる。ハ201エンジンが実質的に双発で機構が複雑なため、陸軍では昭和16年12月10日に最初の２機を実験機とする事に決定し、昭和17年2月12日に試作初号機を非武装実験機とすることを陸軍と川崎が確認した。初号機の完成は昭和17年7月を予定していたが、川崎がキ−61／キ−62の試作及び三式戦闘機の量産で手一杯になったのと、2000馬力級エンジンの実用化に目途が付いたため完成が遅れ、初号機は昭和18年12月に漸く初飛行した。５回目の飛行では潤滑油系統から火災を発生して緊急着陸し、脚を折ってしまった。この修理と共にVDM電気式可変ピッチプロペラ搭載やエンジン換装（ハ140を串型に連結した2800馬力のものを考慮した）など改良を施し、最大速度を800km近くまで引き上げる予定だったが、戦局悪化で開発中断となったまま終戦となった。戦後に調査したアメリカ空軍は、設計が良好で翼面冷却法など新規技術もあり、構造はアメリカ機と遜色無いと評価した。全長11.03m、全幅13.5m、全高4.25m、自重4050kg、全備重量5100kg。エンジンはハ201液冷倒立Ｖ型串型連結レシプロ（離昇出力2350馬力、公称出力2200馬力）、プロペラ直径3m、最大速度690km（高度5000m）、実用上昇限度12000m、航続距離1000km。武装は20mm機関砲２門または４門（試作機には搭載されていない）。乗員１名。参考：世界の傑作機No.24、歴史群像4,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン8,’18、月刊丸9,’97、1,'17別冊

＜キ−６６＞：日本陸軍試作急降下爆撃機。ドイツ電撃戦での急降下爆撃機の活躍を受け、昭和16年に川崎に試作指示が出された。昭和17年11月に試作機が完成し、テストで良好な結果を残したが、九九式双軽にダイブブレーキを付ければ代用できるので採用されなかった。全長11.2m、全幅15.5m、全備重量5570kg。エンジンはハ−115（1150馬力）双発、最大速度535km、実用上昇限度10000m、航続距離2000km。武装は12.7mm機銃２丁、7.7mm機銃２丁。爆弾500kgを搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−６７＞：四式重爆撃機シリーズを参照。

＜キ−６８＞：日本陸軍試作４発重爆撃機。中島飛行機が海軍向けに設計していた深山の陸軍版だが、開発が上手くいかず、他機の試作設計でも忙しい中島飛行機に引き続き新型４発重爆の試作を継続させるのも困難となったため、川崎航空機にキ−85を製作させることにした。参考：月刊丸3,’18別冊

＜キ−６９＞：四式重爆撃機ファミリーを参照。

＜キ−７０＞：日本陸軍試作司令部偵察機、連合軍コードはクララ（Clara）。一〇〇式司令部偵察機の後継として計画され、立川飛行機が試作した。高速性能を発揮するため高翼面荷重とし、高出力エンジンを搭載している。３機が試作されたが、要求性能を満たそうとして機体を大型化しすぎ、エンジン出力不足で不採用になった。全長14.5m、全幅17.8m、全高3.7m、自重5900kg、全備重量9860kg。エンジンはハ−104（2000馬力）双発、最大速度647km、実用上昇限度11000m、航続距離4000km。武装は12.7mm機銃１丁、7.7mm機銃１丁。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸9,’97

＜キ−７１＞：日本陸軍試作襲撃機、連合軍コードはエドナ（Edna）。九九式襲撃機の改良型で、満州飛行機特別班が試作した。エンジンを1300馬力のハ−112に強化し、脚を引き込み式にしている。重量増大で航続力が低下し、整備性も悪く、採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−７２＞：日本陸軍の試作直接協同偵察機。九八式直協偵察機の改良型で、引き込み脚を採用している。昭和15年に試作が命じられたが、九八式直協偵察機の性能に不満が無かったため、開発中止となった。参考：月刊丸3,’90

＜キ−７４＞：日本陸軍試作長距離偵察爆撃機、連合軍コードはパトシー（Patsy）。対ソ連用の高々度長距離高速偵察機として立川飛行機が昭和14年から開発し、太平洋戦争開戦後はアメリカ本土への爆撃任務（片道）に就けるよう計画変更された。キ−77／A26長距離機の設計を優先したため、昭和16年3月まで開発が中断されてしまい、与圧キャビン（胴体前半部に円筒形のものを搭載）と排気タービンを装備する予定にしたが、研究開発は手つかずの状態で、昭和17年9月には偵察機から偵察機兼長距離爆撃機に仕様変更されたため、更に開発が遅れ、エンジンもハ214を積む予定がハ211に変更された上に不調続きで、初号機の完成は昭和19年5月（3月？）にずれ込んだ。それでもアメリカ本土に一撃を加える爆撃機として最優先で製造が進められ、昭和20年5月末までに８機が完成したが、エンジンのオイル漏れが酷くテストもままならず、試作工場が爆撃を受けて以降の機体生産に遅延を来たし、10号機からはエンジンをハ104ルに換装することになり、結局14機が完成したところで終戦を迎えた。コクピットはタンデム複座で、中心線からやや左にずれており、副操縦士は後ろ向き（前向き？）に座る。気密を保つため窓を小型化したが、視界が悪く、離着陸や対空戦闘に支障を生じた。機首に偵察兼爆撃手が位置し、ノルデン照準器のコピーである十型爆撃照準機を積んでいたが、高々度での飛行安定性に問題があったらしく、７号機にはドーサルフィンが追加されており、所定の命中精度が出せるかどうかは疑問である。胴体中央部に無線士が横向きに座り、その後ろに銃手兼機関士が後ろ向きに位置していて、コクピット含む乗員スペース全体を円筒形の与圧室内に収めた。爆弾倉はコクピットから機関士席にかけての胴体下部に位置する。尾部に遠隔操作銃塔を装備するが、実用レベルのものは最後まで完成できなかったらしい。全長17.65m、全幅27.45m（アメリカ軍実測値）／27.00m（計画値）、全高5.10m、自重10200kg、全備重量19400kg。エンジンはハ104ル空冷星型複列18気筒ターボチャージド・レシプロ（1900馬力）またはハ211ル（2100馬力）双発、プロペラはペ３−�UVDM電気式可変ピッチ４翅（直径3.8m）、最大速度560km（ハ104ル装備）／570km（ハ211ル装備）、実用上昇限度12000m、航続距離8000km。防御兵装は尾部遠隔操作銃塔の12.7mm機銃１丁（実際には未搭載）。500kg爆弾１発または100kg爆弾４発（アメリカ軍調査）／爆弾2000kg（計画値）を搭載できる。乗員５名。14機が生産された。実戦投入はサイパンへの偵察飛行（３号機らしい）のみに終わっている。終戦後に福生の２機と立川の２機がアメリカ本土に運ばれ、調査に使用された（飛行試験まで行ったかは不明）後、３機は陸軍資材コマンドに移管されてスクラップにされ、１機はミドルタウン基地に保管された後にカリフォルニアのエア・ミュージアムに移管される予定となったが、実際には保存されておらず、スペースや搬送能力の関係で移管中止となり、スクラップにされたようである。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings2,’15、5,’06、歴史群像4,’17

＜キ−７４�U＞：日本陸軍計画爆撃機。キ−74試作長距離偵察爆撃機を爆撃専用としたもので、胴体を再設計して与圧キャビンと爆弾倉を拡大、500kg爆弾２発か1000kg爆弾２発を積めるようにし、アメリカ本土への片道爆撃を実施、一撃講和論の足しにする予定であった。昭和19年4月にＡ案と性能向上型Ｂ案が承認されて試作命令が出され、9月と10月にそれぞれの初号機が完成する筈だったが、開発が遅れ、モックアップのみで終戦を迎えた。実用化されていても爆弾2000kg程度では戦略爆撃用としてはあまり効果が無かったとみられる。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜キー７４ヤ号機＞：日本陸軍試作長距離連絡機。A-26長距離機による日独連絡飛行（セ号輸送）が失敗したために開発されたもので、爆弾倉を廃止してコクピットを機体中心線上に配置し、垂直尾翼形状を変更している。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜キ−７６＞：三式指揮連絡機を参照。

＜キ−７７＞：A-26長距離機を参照。

＜キ−７８＞：川崎航空機株式会社の試作高速研究機。元は研三の名称で東大航空研究所が計画した高速飛行研究機で、陸軍が着目してキ番号を付け、川崎航空機が製作した。ドイツから輸入したDB601Aaエンジンの過給圧を増やし、ノッキング防止のメタノール噴射装置を付け、最大許容回転数を毎分2500回転から2700回転として出力を1175馬力から1550馬力に強化したものを搭載している。冷却液は水より沸点の高いエチレングリコール（商品名はプレンストン）を使い、九八式軽爆撃機改造実験機で試した表面冷却器を装着、推力式排気管や高翼面荷重の層流翼型薄翼も採用した。表面冷却器は当初潤滑油の冷却のみに使用したが、少量の潤滑油を表面冷却器４基に分配したため流れが悪く冷却効率が低下してしまい、後に潤滑油を通常ラジエーター、エンジン冷却液を通常ラジエーターと表面冷却器で冷やす方式にした。全長8.1m、全幅8m、全高3.1m、自重1930kg、全備重量2300kg。エンジンはDB601Aa改（1550馬力）単発、最大速度699.9km、実用上昇限度8000m、航続距離600km。乗員１名。昭和17年12月26日に初飛行し、昭和18年12月27日に真速度699.9km（修正高度3527m）／計器速度682km（高度3500m）を出した。最終的には時速800kmを出す超高速機の原型となる予定だったが、戦局悪化に伴いテストは途中で打ち切られた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸9,’97、1,'17別冊、月刊航空ファン5,’18

＜キ−７９＞：二式高等練習機シリーズを参照。

＜キ−８０＞：一〇〇式重爆ファミリーを参照。

＜キ−８３＞：日本陸軍試作戦闘機。昭和16年5月23日の遠距離高々度戦闘機計画に基づいて三菱が開発した双発戦闘機で、爆撃機の援護を行うため、高々度を遠距離（行動半径1500km）高速飛行できる機体が要求された。当初は翼面積40平方メートルの大型機に２名が搭乗する予定で昭和18年2月にモックアップ審査を行ったが、戦闘機と交戦するには小型の方が良いという戦闘機操縦者側の意見に押されて翼面積34平方メートルの小型機に変更することになり、昭和18年7月8日に敵戦闘機の迎撃に使用する最大速度800km以上（高度10000m付近）の長距離機（高度4000mを巡航速度465kmで4.5時間、増槽付きで更に２時間飛行し、高度8000mで30分の全力飛行を行える）で、実用上昇限度13000mという要求が纏まった。ただ開発には困難が予想されたため、遠距離偵察機（キ−95）や襲撃機（キ−103）に止めることも計画されている。層流翼などを採用して空力学的に洗練された機体に、ターボチャージャー（エンジンナセル最後部内側に搭載）付きエンジンを搭載し、ファウラーフラップ（変角20度、30度、40度、45度）とドループエルロンを装備して高々度高速性能と操縦安定性を両立させた。翼と胴体は分割して量産性を考慮し、水平尾翼は主翼後流を避けて胴体中心線より高い位置に装着してある。主翼は層流翼断面MAC357系で、取り付け角は翼根２度・翼端０度、捩り下げ角２度、上反角7/100、テーパー比0.45、縦横比7.174、相当翼弦2.28m。空気抵抗を減らすため、風防とキャノピーは小型戦闘機並に小さく、偵察員は胴体タンク後方に前向きに座って小さな偵察窓から後方を監視、航法と通信も行う。操縦席直後には防弾鋼板が張られている。降着装置は尾輪式で、エンジンナセルの主車輪は後ろに、尾輪は前に引き込まれる。武装は機首に集中させ、排煙が風防にかからないよう、胴体中心線よりも下に取り付けた（20mmが上段、30mmが下段）。初号機は昭和19年10月に完成、11月18日に試験飛行を開始し、最初はカウリングを小さくしすぎて十分な空気を吸い込めず、所定の出力が出なかったが、改良を加えて高度5000mで時速655kmを記録、スーパーチャージャー全速駆動ではないが高度9000mで704.5km（計測値）を出した。２号機は操縦席下方に大きな偵察窓を設けて下方視界を確保できるようにし、昭和20年1月に完成したが、3月9日に風圧で風防が吹き飛び操縦士を直撃、墜落して失われた。３号機は3月、４号機は4月に完成（ターボチャージャー未搭載、集合排気管装備）してターボチャージャー以外のテストに供されたが、両機とも6月25日に各務原が空襲を受けて全損した。５号機はエンジン架のゴムパッキン工作不良からくるエンジン振動を解決するため補機室を改造して大型緩衝ゴムを装着できるようにし、インタークーラーを省いてターボチャージャーの吸入系を簡素化する計画だったが、完成前に終戦となった。初号機は6月26日の空襲で被弾損傷し、修理して松本飛行場に送られ終戦を迎えた。戦後にアメリカに引き渡され、高オクタン価のガソリンを使用してテストしたところ、高度8000mで時速762kmを記録した。全長12.5m、全幅15.5.m、全高4.6m、自重5980kg、全備重量8930-9430kg。エンジンはハ−211ル空冷二重星型18気筒（ル３ターボチャージャー付き。離昇出力2200馬力、公称出力1930馬力）双発、プロペラはVDM電気（油圧？）定速式４翅（直径3.5m）、巡航速度450km、最大速度705km（高度9000m）／686km（8000m）／655km（5000m）、実用上昇限度12660m、燃料容量2600-3200リットル（メタノール250リットル、潤滑油170リットル）、航続距離2800km（機内燃料のみ）／3500km（増槽付）。固定武装は機首の30mm機関砲ホ155（80発）２門と20mm機関砲ホ５（160発）２門。外翼下面に50kgまたは250kg爆弾２発または増槽２本を装備可能。乗員２名（操縦士、偵察員）。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像6,’08

＜キ−８４＞：四式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−８５＞：日本陸軍試作４発重爆撃機。キ−68試作４発重爆（深山の陸軍版）を設計していた中島飛行機が他機の試作設計で手一杯になったため、川崎航空機に回したものである。陸軍用装備を付けたモックアップが製作されたが、太平洋戦争で鹵獲したB-17爆撃機の性能に劣るため、キ−91を開発することにした。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−８６＞：四式基本練習機シリーズを参照。

＜キ−８７シリーズ＞：日本陸軍試作高々度戦闘機。参考：世界の傑作機No.24

＜キ−８７＞：P-47の対抗機で、ターボチャージャー付きのハ44-12ルを搭載し、最大速度800km、行動半径1000km＋1.5時間滞空という要求が昭和17年6月に航空本部技術部で纏まり、後に最大速度700km、上昇限度13000m、行動半径500km、20mm機関砲と30mm機関砲２門ずつ装備に変更されて開発指示が8月に、正式要求が11月に出され、同月から中島飛行機製作所で試作された。カウリングはオイルクーラーや中間冷却器を内蔵した大きめのもので、先端を絞って16翅の強制冷却ファンを装備している。ターボチャージャーは胴体前部右側面に搭載したが、６号機からは胴体後部下面に移す予定だった。コクピットは当初与圧室にする予定だったが、開発が上手くいかず、酸素ボンベを積んだ。しかし酸素供給系統の工作不良で漏れが酷く、必要量の３倍を搭載しなければならなかった。パイロット背部に16mm厚の装甲板、前方風防に70mm厚の防弾ガラスが装着されている。主翼は単桁式の左右一体型で、外翼部にのみ上反角が付く。後縁には油圧作動式ファウラーフラップを装備する。主翼構造と翼内タンク配置の関係で、主脚は90度回転して後方に引き込むようにしているが、十分な出力のモーターが無く、故障が多かった。キ−84の開発に追われて設計が完了したのは昭和19年11月になり、昭和20年2月に試作初号機が完成したが、ターボチャージャーの不調で8000m以上のテストができず、脚を出した状態で５回ほど試験飛行を行ったのみだった。昭和20年4月までに試作機３機と増加試作機７機を完成させ、300機の量産準備も行う予定だったが、試作２号機の完成直前で終戦となった。全長11.82m、全幅13.423m、全高4.49m（水平姿勢）／4.77m（３点姿勢）、自重4383kg、全備重量6100kg。エンジンはハ44-12ル空冷二重星型18気筒（離昇出力2450馬力、公称出力2200馬力）、プロペラはラチエ改電気式定速４翅（直径3.6-3.9m）、巡航速度470km（高度11000m）、最大速度698km（高度11000m）、実用上昇限度12855m、燃料容量1200リットル、潤滑油75リットル、戦闘行動半径500-800km＋空戦30分＋余裕１時間。固定武装は主翼付け根の20mm機関砲ホ５が２門、主脚収容バルジ外側の30mm機関砲ホ155が２門。胴体下面に250kg爆弾１発を搭載できる。乗員１名。初号機は終戦後１ヶ月以上も調布飛行場で露天状態にあり、昭和20年11月頃にアメリカに運ばれたが、状態が悪く飛行テストは行われなかったようである。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−８７�U＞：キ−87のエンジンをハ217（離昇出力3000馬力。陸軍名称ハ46）に換装し、高度11000mで時速738kmを出せるようにしたもの。計画のみに終わった。参考：世界の傑作機No.24

＜キ−８８＞：日本陸軍試作防空戦闘機。対重爆迎撃・局地防空用37mm機関砲搭載単発単座迎撃戦闘機で、三式戦闘機�U型の武装強化型として検討され、キ−61�U武強として昭和17年8月（11月？）に開発命令が出され、川崎が試作、大口径機関砲搭載のため胴体を完全新設計することになったのを受け、昭和18年2月3日の航密一一四四号でキ−88に改称された。モーターカノンの研究に関しては、昭和17年1月に川崎側が技研に申し入れている。後方エンジン型を採用しており、ハ140エンジンを胴体中央に搭載し、プロペラ延長軸内に37mm機関砲ホ二〇四をモーターカノン式で装備する。他に20mm機関砲ホ五２門を胴体内に搭載することにし、開発当初はどこに積むか検討中で無理なら12.7mm機銃ホ一〇三とする計画もあったが、最終的に機首下面にした。キ−64をベースに胴体を0.88m短くし、キ−61�Uの主翼を拡大して前縁後退角を大きくしたものを取り付けて製作期間を短縮している。全長10.2m、全幅12.4m、全高4ｍ（水平姿勢）／4.15m（３点姿勢）、自重2950kg、全備重量3900kg。エンジンはハ140甲液冷倒立Ｖ型12気筒ガソリン（ハ140特？離昇出力1500馬力、公称出力1250馬力）、最大速度600km、実用上昇限度11000m、航続距離1200km。固定武装は37mm軸内機関砲ホ二〇四１門、機首下面両側の20mm機関砲ホ五２門。昭和18年6月に設計を完了し、10月に最終組み立てに入ったが、プロペラ可変ピッチ機構用作動油がプロペラ軸を通っているので対応が必要なこと、キ−84やキ−87より性能が低いこと、同様のエンジン装備だったP-39の空戦性能が悪かったことなどから軍の命令で開発中止になった。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸1,'17別冊

＜キ−９１＞：日本陸軍試作長距離爆撃機。高々度を飛行してアメリカ本土を爆撃できる機体として昭和18年5月から川崎航空機が設計し、昭和19年4月からモックアップ審査に入ったが、戦況悪化で量産の目処が立たず、昭和20年2月に計画中止となった。全長33m、全幅48m、全高10m、自重34000kg、全備重量58000kg。エンジンはハ214ル（2500馬力）４発、最大速度580km、実用上昇限度13500m、航続距離9000km。防御兵装は20mm機関砲12門。爆弾搭載量4000-8000kg。乗員８名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊

＜キ−９２＞：日本陸軍試作大型輸送機。太平洋戦争の戦線拡大に対応すべく昭和17年3月から立川飛行機が試作した。胴体はアルミ合金製で、尾翼は木製、キャビンは密閉式で将来の与圧化も考慮されていた。主翼は層流翼で、ファウラーフラップが付く。戦局悪化により１機が試作されたのみで開発中止となった。全長22m、全幅32m、全高5.95m、自重11180kg、全備重量17600kg。エンジンはハ−104（1900馬力）双発、巡航速度350km、最大速度466km、実用上昇限度10100m、航続距離3960km。乗員５名＋搭乗兵員34名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−９３＞：陸軍航空工廠試作対地攻撃機。胴体下に57mm対戦車砲ホ−402を１門搭載し、主要部には防弾が施されている。昭和20年5月4日に初号機が初飛行したが、量産前に終戦となった。全長14.2m、全幅19m、自重7826kg、全備重量11440kg。エンジンはハ−214M（1970馬力）双発、最大速度624km、航続距離2000km。固定武装は57mm対戦車砲ホ−402が１門、20mm機関砲２門、12.7mm機銃１丁。250kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−９４シリーズ＞：日本陸軍試作高々度戦闘機。キ−77など与圧室に関する経験を持っていた立川飛行機が製作した。完成後には高度8000m以下を性能向上型キ−84、8000-11000mをキ−87、11000m以上を本機でカバーする予定だった。参考：世界の傑作機No.24、月刊JWings12,’05

　＜キ−９４�T＞：別名キ−94甲。昭和18年6月に陸軍から提示された要求に基づいて開発したもので、ツインテールブームと前輪式降着装置を採用し、胴体前後にハ211ル空冷ターボチャージドエンジン（2200馬力）を搭載してプロペラも前後に装備する。コクピットは気密室にする予定だった。全長13.05m、全幅15m、全高3.85m、自重6500kg、全備重量8800kg（標準）／9400kg（特装）。エンジンはハ211ル空冷二重星型18気筒レシプロ（離昇出力2200馬力、公称出力2070馬力）双発、プロペラはペ�V−２定速４翅（直径3.32mまたは3.4m）、巡航速度340km（高度1000m）／430km（8000m）、最大速度780km（高度10000m）、実用上昇限度14000m、燃料容量1800リットル＋増槽600リットル、潤滑油容量130リットル、戦闘行動半径1520km（全力40分＋巡航２時間半）。兵装は内翼の30mm機関砲ホ155が１門ずつとテイルブーム先端の37mm機関砲ホ204が１門ずつ。50kg爆弾２発または九二式250kg爆弾２発または九四式100kg爆弾２発または250kg対潜爆弾２発または60kg対潜爆弾２発またはト−２タ弾２発またはト−３タ弾２発を搭載可能。昭和19年2月にモックアップ審査が行われたが、緊急脱出が困難、ターボチャージャーの搭載位置に無理がある、技量の低下したパイロットでは前輪式降着装置での離着陸が困難などの理由で採用されなかった。参考：世界の傑作機No.24、月刊JWings12,’05

　＜キ−９４�U＞：昭和18年12月に変更された要求書に基づき、昭和19年2月15-26日に陸軍と立川で諸案が検討され、2月末に意見が纏まり、3月から開発したタイプで、オーソドックスな単発機とし、降着装置も尾輪式にして与圧キャビンを装備、アスペクト比の大きいTH翼を採用して高々度飛行を可能としている。ターボチャージャーはP-47と同じく操縦室直下に配置し、主翼付け根にターボチャージャー冷却用エアインテイクを設けた。プロペラはVDM電気油圧式定速６翅にする予定だったが、製作が間に合わず、ラチエ改電気式定速４翅を装備した。全長12m、全幅14m、全高4.490m（水平）／4.77m（３点姿勢。4.61m？）、自重4637kg、全備重量6425kg（標準）／6956kg（特装）。エンジンはハ-44-12ル空冷二重星型18気筒（離昇出力2450馬力、公称出力2100馬力）単発、プロペラはペ32電気式定速４翅（直径4m）、巡航速度365km（高度4000m）／440km（9000m）、最大速度712km（高度13000m）、実用上昇限度14800m、航続距離2200km、航続時間は全力30分＋巡航3.34時間（高度4000m）／全力30分＋巡航2.04時間（高度9000m）。武装は外翼の20mm機関砲ホ５が２門、内翼の37mm機関砲ホ203（30mm機関砲？）が２門。50kg爆弾２発または250kg爆弾またはタ弾２発を搭載可能。乗員１名。初号機は昭和19年8月に完成させる予定だったが、開発が遅れて昭和20年7月20日に試作初号機が完成し、8月6日に地上運転を開始、8月20日に初飛行の予定で外塗り及び各部調整中に終戦となった。２号機は完成直前の状態だった。参考：世界の傑作機No.24、月刊JWings12,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−９６＞：日本陸軍試作戦闘機。昭和17年8月に日本陸軍が川崎に二式複座戦闘機�U型（キ−45改の翼面積を増加させ、エンジンをハ−112に変更したもの）の試作を命じたが、12月に対B-29用双発単座重戦闘機に仕様を変更し、この名称で開発が続けられた。キ−45改をベースにしており、胴体を細くして垂直尾翼面積を拡大、エンジンをハ−112に強化している。高空飛行時の燃料ベイパーロックを防止するため、ブースターポンプを取り付けた。排気タービンは試作すら出来ていなかったため、胴体後部の液体酸素瓶からエンジンに酸素を送る方式を採用した。昭和18年9月に試作初号機が完成したが、この時は胴体と風防の改修が間に合わず、後席キャノピーのガラス部分を塞いで単座にしたような形状だった。同月に完成した２・３号機では水滴型キャノピーを採用している。テスト中に着陸時の縦安定性不良が指摘され、原因がナセルストールにあると判明したが、着陸時以外では特に問題が無かったため、尾脚支柱に丸棒を溶接して0.3mほど高くした。パイロットは地上での三点姿勢を目安に着陸時の引き起こしを行うため、この改造により着陸時の迎え角過剰を防ぐことができ、大規模な機体改造を行わずに済ませている。テストでは高度6000mで時速600kmを出したが、単座では周囲監視や長距離航法に不安があったためか双発複座のキ−102に改設計することになり、試作機３機が完成したのみで制式化されなかった。全長11.45m、全幅15.57m、全高3.7m、自重4550kg、全備重量6000kg。エンジンはハ−112−�U空冷星形複列14気筒ガソリン（離昇出力1400馬力、公称出力１速1350馬力、２速1250馬力）双発、プロペラは住友ハミルトン油圧式定速３翅（直径3m）、最大速度600km（高度6000m）、実用上昇限度11500m、航続距離1600km。固定武装は機首の37mm砲ホ203（35発）１門、機首下面の20mm機関砲ホ５（200発）２門。乗員１名。参考：月刊JWings11,’06、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、世界の傑作機No.24、No.141

＜キ−９７＞：日本陸軍計画輸送機。四式重爆がベースで、胴体を輸送機用に再設計し、主翼を低翼配置に変更、尾翼や降着装置等はそのまま流用した。昭和19年9月に設計を完了したが、戦況悪化のためその月に製作中止となった。全長20m、全幅23m、全高5.7m、全備重量13000kg。エンジンはハ−104（1900馬力）双発、最大速度540km、航続距離2600km。乗員２名＋搭乗兵員21名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン9,’02

＜キ−９８＞：日本陸軍試作高々度戦闘機。昭和18年1月から陸軍の命令で満州飛行機が開発した。ツインテールブームとプッシャー式プロペラを装備した単発機で、操縦席後方にフルカン接手駆動２段過給器付ハー112（後に排気タービン付ハ−112ル）を搭載し、４翅プロペラを駆動する。主翼は低翼配置の層流翼。コクピットには与圧装置が付き、降着装置は前輪式、前脚収容部にパイロット昇降口がある。緊急脱出時は風防を開けて上方から出ることも可能だった。機首に大口径機関砲を集中装備でき、プロペラ後流による形状抵抗増大が無いという利点があったが、双胴なので摩擦抵抗が増え、エンジンの整備が困難で、離着陸時にプロペラを地面にぶつけて破損する危険があり、パイロットが脱出時にプロペラに巻き込まれる可能性があるという欠点があった。昭和18年末に第１次モックアップが完成したが、エンジン換装により設計変更され、昭和19年秋に胴体のみの第２次モックアップが完成、風洞実験は陸軍航空技術研究所で実施された。試作機の製作に入ろうとしたところ、昭和19年12月7日に奉天工場が爆撃を受けて破壊され、昭和20年に入ってから製作が始まったものの、ソ連侵攻で設計図と機体は焼却処分された。全長11.4m、全幅11.26m、全高4.3m（３点姿勢）、自重3500kg、全備重量4500kg。エンジンは排気タービン付き三菱ハ211ル空冷二重星型18気筒レシプロ（離昇出力2200馬力、公称出力1720馬力）単発、最大速度710-730km（高度10000m）、実用上昇限度10000m、航続距離1000km＋15分。固定武装は37mm機関砲ホ204が１門、20mm機関砲ホ５が２門。ペイロード1000kg。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−９９＞：日本陸軍試作近距離戦闘機。昭和18年7月5日の航密第8467号で設計命令、7月9日の航密第8476号で試作指示が出された。参考：月刊丸6,’14、1,'17別冊

＜キ−１００�T＞：五式戦闘機一型を参照。

＜キ−１００�U＞：五式戦闘機二型を参照。

＜キ−１０１＞：日本陸軍試作夜間戦闘機。昭和18年7月9日の航密第8451号で試作指示が出された。参考：月刊丸1,'17別冊

＜キ−１０２シリーズ＞：日本陸軍高々度戦闘機／襲撃機、連合軍コードはランディ（Randy）。キ−96ベースの双発機で、昭和18年4月からキ−102襲撃機として川崎で開発され、6月に高々度戦闘機型キ−102甲の製作が決定したため、襲撃機型をキ−102乙に改称した。200機以上が生産され、制式制定には至らなかったものの、陸軍文書上では五式双襲の名称が見られる。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸6,’14、1,'17別冊

　＜キ−１０２甲＞：高々度戦闘機型。昭和18年6月28日に陸密7780号で試作命令が出て昭和19年1月に設計を開始、キ−102試作4-6号機をこちらに流用する筈だったが、緊要性が高いということでキ−102乙用だった試作1-3号機を流用し、機関砲を付け替えるなど改造してテストを行った。キ−96を複座にしてエンジンをターボチャージャー付きのハ−112�Uルに換装したもので、排気管を集合式に変更、エンジンナセル上面を冷却導管としてインタークーラー代わりにし、機首には対航空機用37mm機関砲と緩衝装置を取り付け、機体を補強するなどしている。全長11.45m、全幅15.57m、全高3.65m、自重5150kg、全備重量7150kg。エンジンはハ−112�Uル空冷星形複列14気筒ガソリン（離昇出力1400馬力、１速公称出力1250馬力、２速公称出力1100馬力）双発、プロペラは住友ハミルトン油圧式定速３翅（直径3m）、最大速度580km（高度10000m）、実用上昇限度13000m、航続距離2000km、航続時間全力１時間＋巡航２時間（増槽搭載時４時間）。固定武装は機首の37mm機関砲ホ204（35発）１門と20mm機関砲ホ５（200発）２門、胴体後上方の12.7mm機関銃ホ103が１門。50kg爆弾４発または800kg爆弾１発またはタ弾４発を搭載可能。乗員２名。エンジン開発に手間取り、昭和19年6月に完成して飛行テストを開始したものの排気タービンの故障改善に追われ、12月に出された25機の緊急生産命令に対し、明石工場で完成したキ−102甲を岐阜工場で改造して全機完成させたが、15機を納入した所で終戦になった。部隊に配備されたのは５機程度だが、昭和20年3月25日にB-29を37mm機関砲で１機撃墜している。参考：世界の傑作機No.24、月刊JWings11,’06、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像6,’08、月刊丸6,’14

　＜キ−１０２乙＞：襲撃機型。上陸用舟艇や戦車など、地上・海上機械化戦術部隊を攻撃するのが主任務である。キ−102試作1-3号機をそのまま開発に当てる予定だったが、キ−102甲の開発が優先されたために試作4-6号機をこちらに回して開発を進め、昭和19年3月に初号機が初飛行した。キ−96を複座にして37mm砲を57mm砲に換え、後部座席に12.7mm機銃を搭載している。57mm砲は歩兵砲を改造したもので、弾道特性が不良だったが威力は高く、テスト中に来襲したB-29に発射してエンジンを吹っ飛ばし、昭和20年6月には１発でB-29を撃墜した。後席は12mm防弾鋼板、銃架鋼板、8mm回転風防鋼板で防御している。昭和19年7月半ばから審査に入ったが、失速速度が高いという欠点があったため、昇降舵の面積を増やし取り付け角を２度下向きにして解決した。全長11.45m、全幅15.57m、全高3.65m、自重4950kg、全備重量7300kg。エンジンはハ−112�U空冷二重星型14気筒ガソリン（離昇出力1400馬力、１速公称出力1350馬力、２速公称出力1250馬力）双発、プロペラは住友ハミルトン油圧式定速３翅（直径3m）、最大速度580km（高度6000m）、実用上昇限度10000m、航続距離2000km、戦闘行動半径は１時間＋20分滞空で730km。武装は機首の57mm砲ホ401（16発）１門、機首下方の20mm機関砲ホ５（200発）２門、後方防御用12.7mm旋回式機銃ホ103（200発）１丁。胴体下面中央に50kg爆弾４発または100kg爆弾４発または250kg爆弾２発または500kg爆弾１発または800kg爆弾１発を搭載できる。乗員２名。増加試作型20機を生産した後、昭和19年10月から量産機の製造に入り、215機を生産した。フィリピン、台湾、日本本土で使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、世界の傑作機No.24、月刊JWings11,’06、歴史群像6,’08

　＜キ−１０２乙（硫黄島攻撃用）＞：P-51戦闘機が配備された硫黄島の飛行場を攻撃するため、長距離飛行用自動操縦装置を装備したもの。陸軍航空工廠で60機を改造する予定だったが、１機が完成したところで終戦となった。参考：世界の傑作機No.24

　＜キ−１０２丙＞：夜間戦闘機型で、昭和19年12月から開発された。キ−96の胴体を延長して主翼面積を拡大し、胴体中央に航法士用の小型キャノピーを追加、機上電波標定機タキ２と機上電波誘導機タキ15と自動操縦装置を装備し、37mm砲と胴体内燃料タンクを撤去、斜め銃として20mm機関砲（30mm機関砲？）２門を並列に上向き45度で搭載している。全長13.05m、全幅17.25m、全高3.7m、自重5200kg、全備重量7600kg。エンジンはハ−112�Uル空冷星形複列14気筒ガソリン（離昇出力1400馬力、１速公称出力1250馬力、２速公称出力1000馬力）双発、プロペラは住友ハミルトン油圧式定速３翅（直径3m）、最大速度600km（高度10000m）、実用上昇限度13500m、航続距離2200km。武装は機首の30mm機関砲ホ155が２門、胴体の20mm斜め銃２門。乗員２名。昭和20年7月に初号機、8月に２号機が完成する予定だったが、6月26日に岐阜工場が爆撃を受けて製造中の機体が破損し、修理中に終戦を迎えた。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−１０５＞：日本陸軍試作モーターグライダー、別名鵬、連合軍コードはバザード（Buzzard）。ク−７グライダーの動力化型で、昭和19年8月から開発された。ク−７�Uの２号機がベースで、テイルブームを前に延長してエンジンを搭載している。全長19.9m、全幅35m、全高5.9m、自重7080kg、全備重量10380kg。エンジンはハ−26�U（940馬力）双発、巡航速度220km、最大速度300km、航続距離1500km。乗員４名。兵員40名または貨物４トンを搭載できる。9-10機が量産されたところで終戦を迎えた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−１０６＞：四式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−１０７＞：日本陸軍初歩練習機。昭和16年から東京航空で試作され、昭和18年に試作名称キ−107が与えられ、10月に初飛行した。昭和19年から450機が発注されたが、42-45機が完成したところで終戦となった。全長8.1m、全幅10m、全高2.3m、自重590kg、全備重量830kg。エンジンはハ−11（110馬力）単発、最大速度197km、実用上昇限度2900km、航続距離475km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−１０８シリーズ＞：日本陸軍試作高々度戦闘機。与圧胴体装備のB-29開発を知った陸軍が昭和18年4月（8月？）に迎撃用として川崎航空機に試作を命じた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、世界の傑作機No.24

＜キ−１０８＞：キ−102甲の発展型。与圧室は長径1.725m・短径0.9mの繭型で、コクピット部分に斜めに填め込まれ、座席、操縦装置、計器板が中に入っており、計器はできるだけ電気接点式にしてカプセルに穴を開けないようにしている。厚さ10mmの鋼板と厚さ1.2mmのジュラルミンでテストを行い、空気漏れの少ない後者を採用、風防・キャノピー部分は高々度でも曇らないように内部を真空にした二重ガラスを使用し、熱風を吹き付けるタイプの防氷装置も取り付けた。出入り口にはスクリューが付いていて、パイロットが入ったら外から締め付ける。緊急脱出の際はボタンを押せば出入り口のドアが吹き飛ぶので、パイロットはパラシュートで降下する。与圧はエンジン後部に搭載した日立航空機製ルーツブロアー式与圧装置で行い、高度3000mに相当する気圧に内部を保持する。内部温度は外気マイナス25度でもプラス15度に保たれる。与圧装置ローターとケースの隙間を最大0.2mmに抑え、空気漏れを防ぐ予定だったが、工作精度の問題でそこまで隙間を狭くできず、注油して塞いでいた。そのため、与圧空気に油の蒸気が混じってパイロットが呼吸困難を起こす事態になり、コトレル油霧吸収器を取り付けて解決している。被弾して与圧カプセルに穴が空いた際の対処が問題となったが、実験中にカプセルのドアが吹き飛ぶ事故が起こり、その際にパイロットは機体を急降下させて難を逃れたため、パイロットが自力で機体を急降下させることになった。全長11.71m、全幅15.67m、全高3.7m、自重5300kg、全備重量7200kg。エンジンは三菱ハ−112�U空冷星形複列14気筒（離昇出力1400馬力、１速公称出力1350馬力、２速公称出力1250馬力）双発、プロペラは住友ハミルトン油圧式定速３翅（直径3m、ピッチ30度）、最大速度610km（10000m）／580km（6000m）、実用上昇限度13500m、燃料容量1590リットル、メタノール160リットル、潤滑油100リットル、航続距離1800km。兵装は37mm砲ホ203（35発）が１門、20mm機関砲ホ５が２門。乗員１名。キ−102の試作７号機と８号機を改造し、昭和19年7月と8月に完成してテストを行い、成績良好だったため、実用機であるキ−108改の試作に移った。終戦時には初号機が残っていたが、アメリカ軍が調査後に各務原飛行場で焼却処分になった。参考：世界の傑作機No.24、月刊JWings11,’06、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−１０８改＞：キ−108の胴体を延長し、翼面積を２割増しにしたもの。昭和19年8月から設計に入り、機体は昭和20年3月と5月に１機ずつ完成したが、搭載する筈のエンジンがターボチャージャーの不調で開発が遅れ、6月22日と6月26日には岐阜工場がB-29の空襲に遭って機体が破壊されてしまい、終戦を迎えた。全長12.945m、全幅17.47m、全高3.8m、自重5496kg、全備重量7353kg。エンジンはハ−112�Uル空冷二重星型14気筒（離昇出力1400馬力、１速公称出力1250馬力、２速公称出力1000馬力）双発、プロペラは住友ハミルトン油圧式定速３翅（直径3.2m、ピッチ30度）、最大速度620km（高度10000m）／580km（6000m）、実用上昇限度13500m、燃料容量1900リットル、メタノール220リットル、潤滑油120リットル、航続距離2200km。固定武装は機首の37mm砲ホ203（35発）が１門、20mm機関砲ホ５が２門。乗員１名。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings11,’06

＜キ−１０９＞：四式重爆撃機ファミリーを参照。

＜キ−１１０＞：日本陸軍計画練習機。一式双発高等練習機丙型の全木製型で、昭和19年から開発されたが、初号機が試作中に空襲で焼失し、そのまま終戦を迎えた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−１１３＞：四式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−１１５シリーズ＞：日本陸軍特攻機、秘匿名称は研または研一、ニックネームは剣。800-1300馬力級空冷エンジンならどれでも搭載でき、材料は入手しやすいものを使用、特殊な工作機械や熟練工無しでも作れるようにし、分割構造による製作期間短縮を図るというのがの主要要求で、昭和20年1月20日に陸軍が単発単座の簡易爆撃機として開発発注を出し、中島飛行機製作所が製作したが、戦況や装備などから特攻以外には使用できない機体になった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings3,’05、6,’07、丸エキストラ版No.71

　＜キ−１１５甲＞：胴体は鋼管骨組みにブリキ板張り、主翼はジュラルミン製応力外皮構造、尾翼は木製で、コクピットは半開放式、胴体下面に500kgまたは800kg爆弾１発を半埋め込み式に搭載する。降着装置（降着する予定は無いので離陸滑走装置と言った方が良いかもしれないが）は固定式主脚＋尾ソリで、主翼下にRATO４基を取り付けて離陸し、離陸後に外れた主脚は再利用する。つまり主脚２本より人間の命の方が軽いということを体現した機体である。訓練時には主脚は投棄せず、主翼後縁にフラップを付ける。昭和20年3月5日に初号機が完成した。テストの結果、操縦席が後ろ過ぎて離陸時の視界が悪い、主脚に緩衝装置が無いので離陸滑走が不安定、翼面荷重が高すぎて離陸できない、操縦安定性も最悪で熟練パイロットでも操縦が困難といった欠点が明らかとなり、とても実用に耐えられそうになかったが、終戦までに105機が生産された。実戦投入はされていない。全長8.6m、全幅8.6m、全高3.3m、自重1640kg、全備重量2630kg。エンジンはハ−115（1130馬力）単発、最大速度550km、航続距離1200km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings6,’07、丸エキストラ版No.71、月刊丸8,'15別冊

　＜キ−１１５乙＞：機体を全木製にし、エンジンを金星に換装、翼面積を拡大し、コクピットを前方にずらしたもの。主脚に緩衝装置を付ける計画もあった。試作機完成前に終戦となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、丸エキストラ版No.71

　＜キ−１１５丙＞：キ−115乙のコクピットを更に前にずらしたもの。計画のみ。参考：丸エキストラ版No.71

　＜藤花＞：海軍型。500kgまたは800kg爆弾を搭載する。昭和飛行機に発注されたが、２機が完成したところで終戦となった。参考：月刊丸12,’90、日本海軍の爆弾

＜キ−１１６＞：四式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−１１７＞：四式戦闘機シリーズを参照。

＜キ−１１９＞：日本陸軍計画戦闘爆撃機。太平洋戦争の戦況悪化を受け、昭和20年に川崎に開発を命じた。設計は五式戦闘機を流用し、組み立てを極力簡略化して地下工場でも量産できるようにしてある。全長11.9m、全幅14m、全備重量5980kg。エンジンはハ−104（2000馬力）単発、最大速度580km、実用上昇限度10500m、航続距離1200km。固定武装は20mm機関砲２門。爆弾800kgを搭載可能。乗員１名。試作機製作に入る前に終戦を迎えた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜キ−１４７＞：イ号一型甲（空対艦ミサイル）を参照。

＜キ−１４８＞：イ号一型乙（空対艦ミサイル）を参照。

＜キ−２００＞：日本陸軍試作ロケット戦闘機。秋水の陸軍呼称である。昭和19年8月から陸海軍共同で開発し、機体は海軍、エンジンは陸軍担当で、12月に陸軍向け初号機の機体が完成した。実用テストは11月25日に常陸教導飛行師団から航空審査部に異動させた特兵隊員（パイロット）６名で行う予定で、七型ソアラーによる滑空訓練を開始、昭和20年4月上旬に柏飛行場に移動し、5月に軽滑空機が到着した後は九九式軍偵で曳航して高度2000mからの滑空訓練を行った。最初の部隊は柏飛行場の飛行第70戦隊を予定し、昭和19年12月頃から柏飛行場東にロケット燃料庫（下水道用ヒューム管を流用）を建設、20リットル瓶入り甲液と一斗缶入り乙液を貯蔵した。昭和20年4月には本格的な燃料庫の建設に入り、陸軍航空総軍経理部第１特設作業隊と動員民間人が柏飛行場から東4kmの花野井に５基、大室に３基を作っている。昭和20年度中に2400機を揃える予定だったが、技術的問題に加えて空襲や工場疎開でエンジンの開発に手間取り、昭和20年8月10日に重滑空機で滑空飛行を行おうとしたが離陸に失敗、8月11日には重滑空機を天山で曳航（重滑空機の搭乗者は陸軍、天山の操縦・同乗者は海軍）して離陸したが、場周第１旋回で高度150mに達した後、更に上昇しつつ第２旋回を終えて第３旋回へと向かう直線飛行中に曳航索が外れてしまい、松林に不時着して機体は大破しパイロットも意識不明の重体となり、初飛行できないまま終戦となった。全長6.05m、全幅9.5m、全高2.7m、自重1.505トン、全備重量3.87トン。推進は三菱製特呂二号火薬ロケット（離昇推力1.5トン）単発、最大速度900km（高度10000m）、滞空時間２分５秒（高度10000m・時速700km）／３分６秒（高度10000m・時速600km）／４分24秒（高度10000m・時速500km）。離陸後は角度24度で急上昇し、３分で高度10000mに到達、B-29を上から１回と下から１回襲撃できるかどうか、といったところである。離陸距離812m、着陸速度150km。主翼に30mm機関砲ホ155を計２門装備する。ペイロード2.365トン。乗員１名。本格燃料庫は花野井に完全な１基、花野井交番裏に覆土無しの未完状態１基が残っていて、グーグルマップで柏市立花野井小学校のすぐ西に史跡マークと秋水燃料庫跡（通気孔）の表示が出る。2010年4月、千葉県の柏ゴルフクラブ跡地でキー200用燃料（甲液）貯蔵庫５基が発見された。参考：世界の傑作機No.24、月刊航空ファン4,719、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸8,'15別冊

＜キ−２０１＞：日本陸軍計画ジェット戦闘爆撃機、別名火龍。昭和19年9月に伊29で運んできたMe262の資料を基に10-12月頃に開発命令が出され、昭和20年6月に図面が完成した。当初は直線翼の案も出されたが、結局Me262（と類似の海軍の橘花）を二回り大きくした感じの機体に落ち着いている。陸海軍が終戦間近になっても縄張り争いをしており、同じ中島飛行機の違うセクションで開発をしたため完成が遅れ、モックアップ空力審査が終わった所で終戦となった。全長11.5m、全幅13.7m、全高4.05m、自重4.5トン、正規全備重量７トン、特装全備重量8.5トン。エンジンはネ230軸流式ターボジェット（推力0.885トン）またはネ130（推力0.908トン）双発、最大速度812km（ネ230、高度10000m）／852km（ネ130、高度10000m）、急降下制限速度1000km、航続距離980km。固定武装は20mm機関砲２門と30mm機関砲２門。ペイロード2.5トン。500kgまたは800kg爆弾１発を搭載できる。乗員１名。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸8,'15別冊

＜キ−２０２＞：日本陸軍試作ロケット戦闘機。キ−200の大型化版だが、図面が出来た所で終戦となった。全長7.71m、全幅9.75m、全高2.512m、全備重量5.1トン。推進は特呂三号火薬ロケット１基、最大速度900km（高度2000m）、最大航続時間10分28秒。武装は主翼の30mm機関砲ホ155が２門。乗員１名。参考：世界の傑作機No.24、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜ギア＞：車輪のこと。

＜ギア＞：日本海軍士官のスラングで、女性器のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ギア・アップ＞：車輪を格納せよ、という符丁。

＜キアサージ＞：CV-33（空母）またはLHD-3（揚陸艦）を参照。

＜キアサージ級＞：アメリカ海軍戦艦Kearsarge級。船体をコンパクトに纏めるため、33cm連装砲塔の上に20.3cm連装砲塔を重ねたが、給弾しにくい、33cm砲の発砲炎で20.3cm砲の照準ができなくなるという欠点があり、使い勝手は悪かった。常備排水量11540トン。速力15ノット。兵装は33cm連装砲塔２基（艦前後）、20.3cm連装砲塔２基。1900年に２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜ギア・ダウン＞：車輪を下ろせ、という符丁。

＜気圧式復座機＞：復座機を参照。

＜ギアナイス＞：日本海軍士官のスラングで、名器または名器を持つ女性のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜キアニー＞：DD-432（駆逐艦）を参照。

＜キアム＞：イラン軍の弾道ミサイルQiam。TELに搭載される。射程800km。ブシェール州ジャム市南部に地下発射施設を建設したが、TEL搬入口やミサイル発射口を精密爆撃されると無力化されてしまうので、逆にTELより脆弱になっているという説がある。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ギアリング＞：DD-710（駆逐艦）を参照。

＜ギアリング級＞：アメリカ海軍駆逐艦Gearing級。アレン・Ｍ・サムナー級の航続距離が足りなかったため、前部機械室と後部缶室の間を4.3m延長し、燃料タンクを設けたものである。前後機関区画の間隔が更に広がったため、抗堪性も増した。全長119m、幅12.4m、吃水5.8m、基準排水量2425トン。主機はギヤード蒸気タービン２基、主缶（蒸気圧力１平方センチあたり43.3kg、温度454℃）４基、出力60000軸馬力、２軸推進、速力35ノット、航続距離4500海里（20ノット）。兵装は12.7cm連装両用砲３基、40mm４連装機関砲２基、40mm連装機関砲２基、533mm魚雷５連装発射管２基、Ｋ砲６基、爆雷投下軌条２条、爆雷26個。乗員350名。DD710-721、DD-742、DD-743、DD763-769、DD782-791、DD805-808、DD817-853、DD858-890が建造され、DD-720、DD-721、DD766-769、DD-791が建造中止となり、98隻が1945-46年に就役（うち41隻が第２次大戦中、57隻が第２次大戦後）した。前部魚雷発射管を撤去し、後部煙突前方に三脚マストを設け、YEアンテナと高角測定レーダーを装備してピケット艦となったものもある。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船3,’13、月刊軍事研究5,’05

　＜ギアリング級ＦＲＡＭ�T＞：FRAMはFleet Rehabilitation And Modernization（艦齢延伸・近代化）の略。主機オーバーホールと上構換装で艦齢を８年程度延伸すると共に、ソ連潜水艦の能力向上に合わせた兵装改良を加えるもので、1959年から計画された。旧兵装を５インチ連装砲２基のみ残して（一部はヘッジホッグも残した）全撤去し、アスロック、Mk32短魚雷発射管、ダッシュを追加、レーダーをAN/SPS-10/-29/-40に、ソナーをAN/SQS-23に換装、電子兵装も更新している。全長119m、基準排水量2425トン、満載排水量3480-3520トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力34.5ノット。兵装は127mm連装砲Mk38が２基、アスロック８連装発射機１基、Mk32短魚雷発射管２基。一部にヘッジホッグ２基を残した艦がある。QH-50D無人機２機を搭載可能。78隻が改装を受けた。参考：月刊世界の艦船11,’13、4,’21、12,’21

　＜ギアリング級ＦＲＡＭ�U＞：FRAM�Tの簡易版で、艦齢延長を５年程度とし、５インチ連装砲は撤去せず、雷装を固定式533mm魚雷単装発射管とした。ダッシュを装備するが、アスロックは積まない。ソナーはAN/SQS-4のままで、一部にAN/SQA-10VDSを搭載した艦がある。兵装は127mm連装砲Mk38が３基、固定式533mm魚雷単装発射管Mk25が２門（中部上構上両舷、開度45度。対水上艦用533mm 無誘導魚雷Mk16、対潜用533mm音響誘導魚雷Mk35、対潜用483mm音響誘導魚雷Mk37を発射可能）。一部にヘッジホッグ２基を残した艦がある。QH-50D無人機２機を搭載可能。16隻が改装を受けた。参考：月刊世界の艦船11,’13、12,’13、12,’21

＜ギアリング級ファミリー＞

　＜ギアリング級ミサイル駆逐艦＞：DD-712ジャイアットをアメリカ海軍初のミサイル駆逐艦に改造したもの。後部３番主砲を撤去してテリア連装発射機Mk10を１基（14発）搭載、誘導装置は主砲用Mk25方位盤にミサイル誘導用駆動機構を追加したものを使用し、フィン・スタビライザーを装着した。全長119m、満載排水量3480トン。主機は蒸気タービン、速力34.5ノット。兵装はテリア連装発射機Mk10が１基、127mm連装砲２基、76mm連装砲２基など。1955年9月から改装され、1956年にDDG-712として再就役した。1957年にDDG-1となり、その後もDDG-712になったりDDG-1になったりしつつテリアの試験を行ったが、元が空母・巡洋艦用のシステムであるため小型の駆逐艦での運用に難があり、1962年にテリアを外してDD-712に戻った。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜ギアリング級・海外シリーズ＞

　＜ギアリング級（エクアドル）＞：エクアドル海軍駆逐艦、別名プレシデンテ・エロイ・アルファロ級。元はFRAM�T改装後のDD-819ホルダーで、２年のオーバーホールの後に1978年に供与された。ダッシュ甲板をヘリ甲板に改造してあるが、ヘリ格納庫は無い。全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2480トン、満載排水量3480トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32.5ノット。兵装は127mm連装砲２基、20mm単装機関砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基、爆雷投下軌条２条。乗員274名。DD-01プレシデンテ・エロイ・アルファロが1978年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ギアリング級（韓国）＞：韓国海軍駆逐艦。1970年代初めにFRAM�Uを施した２隻が引き渡され、DD915忠北とDD916全北として就役した。また、1970年代末から1980年代初めにFRAM�Tを施した５隻が引き渡されてDD919クンヤン、DD921クァンジュー、DD922カンウォン、DD923キョンギー、DD925チョンジューとして就役した。最初の５隻は対水上戦用で、引き渡し後にハープーン４連装発射筒２基を搭載しており、あとの２隻はアスロック８連装発射機１基を装備する。また、引き渡し後にダッシュ運用施設を小型ヘリ搭載施設に変更した。全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3470トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32.5ノット。兵装はハープーン４連装発射筒２基（DD923・DD925以外）またはアスロック８連装発射機１基（DD923・DD925）、127mm連装砲2-3基、40mm連装機関砲２基（DD915・DD916は無し）、20mmバルカン砲２基（DD923は無し）、324mm短魚雷３連装発射管２基、ヘッジホッグ２基（DD915・DD916のみ）。DD923・DD925以外はSA-316BまたはMD-500Dヘリ１機を搭載できる。乗員280名。1990年代から対潜ヘリの発着艦訓練に使用され、1990年代末から順次退役し、スクラップとなったり博物館になったりした。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊軍事研究5,’05

　＜ギアリング級（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍駆逐艦、別名テミストクレス級。1972年に１隻、1973年に２隻が供与されて後に購入し、1977-81年に４隻を購入、計７隻を配備した。うち６隻がFRAM�T、１隻がFRAM�Uで、FRAM�TのうちD-210以外の５隻は近代化改装を行い、ダッシュ甲板にハープーン４連装発射筒と76mm単装砲を搭載し、FCSをNA-30またはNA-21に換装している。また、部品取り用として２隻を購入した。全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3500トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32.5ノット。兵装はハープーン４連装発射筒２基（D212-215）、アスロック８連装発射機１基（D-210は無し）、127mm連装砲２基（D-210は３基）、76mm単装砲１基（D212-217）、40mm単装機関砲１門（D-216・D-217）、20mm単装機関砲４丁、12.7mm機銃１丁、324mm短魚雷３連装発射管２基、ヘッジホッグ２基（D-210のみ）、爆雷投下軌条２条（D-210は無し）。D-210のみAB-212ヘリ１機を搭載する。乗員269名。D-210テミストクレス、D-212カナリス、D-213クントゥリオティス、D-214サクトゥリス、D-215トンパジス、D-216アポストリス、D-217クリージスが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ギアリング級（台湾海軍）＞：台湾海軍駆逐艦、朝陽級。1971-83年にアメリカからFRAM�T改装艦及びFRAM�U改装艦を導入した。1980年代に武進（ウーチン）１号・２号・３号と呼ばれる改装を行った。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ギアリング級武進１号計画（台湾海軍）＞：51番砲とアスロックを残して兵装を撤去、52番砲の位置にOTOメララ社製76mm単装砲を装備し、53番砲の位置に雄風艦対艦ミサイル単装発射筒３基、後部煙突後方に同２基を搭載した。マスト形状も変更し、FCSやレーダーも新型にしている。全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3500トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32.5ノット。兵装は雄風艦対艦ミサイル単装発射筒５基、アスロック８連装発射機１基、127mm連装砲1-2基、76mm単装砲１門、40mm単装機関砲２門または連装機関砲１基、12.7mm単装機銃4-6丁、324mm短魚雷３連装発射管２基。MD-500Dヘリ１機を搭載できる。乗員275名。艦番号907フーヤン、926スーヤンが改装を受けた。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

　＜ギアリング級武進２号計画（台湾海軍）＞：全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3500トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32.5ノット。兵装は雄風艦対艦ミサイル単装発射筒５基、アスロック８連装発射機１基（911タンヤンと924カイヤンは無し）、RIM-72Fシーチャパラル４連装発射機１基、127mm連装砲1-2基、76mm単装砲１門、40mm単装機関砲２門または連装機関砲１基、12.7mm単装機銃4-6丁、324mm短魚雷３連装発射管２基。MD-500Dヘリ１機を搭載できる。乗員275名。艦番号911タンヤン、915ハンヤン、920ライヤン、924カイヤンが改装を受けた。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

　＜ギアリング級武進３号計画（台湾海軍）＞：アメリカから導入したFRAM�Tの戦闘情報システムと兵装システムを近代化し、アスロックを残して兵装を撤去、エリア・ディフェンス用スタンダード艦対空ミサイルを搭載するなどしたもので、1980年代に改装を受けた。戦闘情報処理装置はハネウェル社と中山科学院が共同開発したH-930MCSで、艦橋上にSTIR射撃指揮装置（76mm砲及びスタンダードミサイル管制用）を装備、後部マストにW-160射撃指揮装置（40mm機関砲用）のレドームを持つ。全長119m、全幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3540トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力30ノット（32.5ノット？）。兵装は雄風�U型艦対艦ミサイル４連装発射筒１基、スタンダードSM-1MR艦対空ミサイル３連装発射筒２基及び連装発射筒２基、76mm単装砲１門、40mm単装機関砲２門、20mmCIWS１基、12.7mm単装機銃4-6丁、アスロック８連装発射機１基、324mm短魚雷３連装発射管２基。後部にヘリ甲板を持ち、MD500ヘリ１機を運用できる。乗員275名。エリア・ディフェンス艦になったため、艦種記号がDDGに変更され、DDG912建陽、DDG921遼陽、DDG923藩陽、DDG925徳陽、DDG927雲陽、DDG928正陽、DDG929邵陽が就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ギアリング級（トルコ海軍）＞：トルコ海軍駆逐艦。1971-1980年にFRAM�T改装艦７隻とFRAM�U改装艦１隻が引き渡され、兵装などを変更した。1982年にはDD-784マッキーンを部品取り用に購入している。全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3500トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32.5ノット。兵装は127mm連装砲２基、40mm連装機関砲1-2基、35mm連装機関砲1-2基、324mm短魚雷３連装発射管２基（Mk46短魚雷）、爆雷投下軌条１条、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（D-351とD-352のみ）、アスロック８連装発射機１基（D-354は無し）、ヘッジホッグ１基（D-354のみ）。乗員275名。D-345ユジェテペ、D-348サワシテペ、D-349クルチ・アリ・パシャ、D-350ピアリ・パシャ、D-351Ｍ・フェズィ・チャクマック、D-352ガイレットゥ、D-353アダテペ、D-354コジャテペが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ギアリング級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍駆逐艦、別名アラムギール級。1977年3月に２隻、1980年9月に２隻、1982年に１隻、1983年に１隻が引き渡され、D-160アラムギール、D-164シャジャハーン、D-165タリク、D-166タイムール、D-167トグリル、D-168ティプ・サルターンとして就役した。1990年代に近代化改装が実施され、ソナーと電子装備を改良し、後部127mm砲を撤去してファランクスを搭載した。1992年の諸元は以下の通り。全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3500トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32ノット。兵装はハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、アスロック８連装発射機１基、127mm連装砲１基、ファランクス１基、23mm４連装機関砲２基、324mm短魚雷３連装発射管２基。SA-319Bヘリ１機を搭載できる。乗員274名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

　＜ギアリング級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍駆逐艦、別名マルシーリオ・ジーアス級。FRAM�T改装艦２隻を1973年12月に導入した。この際、ダッシュ関連施設を撤去して小型対潜ヘリ運用施設を追加している。全長119m、幅12.6m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3500トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32ノット。兵装はアスロック８連装発射機１基、127mm連装砲２基、324mm短魚雷３連装発射管２基。ワスプ対潜ヘリ（Mk46短魚雷装備）またはジェットレンジャー�Vヘリ１機を搭載できる。乗員274名。D25マルシーリオ・ジーアスとD26マリース・Ｅ・バッホスが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ケツァルコアトゥル級＞：メキシコ海軍駆逐艦Quetzalcoatl級。元はFRAM�T改装艦で、1982年2月に２隻購入した。ダッシュ甲板をヘリ搭載施設に改修している。全長118.7m、全幅12.5m、吃水4.6m（5.8m？）、基準排水量2425トン、満載排水量3690トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32.5ノット（15ノット？）。兵装は127mm連装砲２基、アスロック８連装発射機１基、324mm短魚雷３連装発射管２基。Bo105Cヘリコプター１機を搭載できる。乗員30名。E03ケツァルコアトゥルとE04ネツァウァルコヨトゥルが就役した。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜チュルカ級＞：スペイン海軍駆逐艦。1972-73年にアメリカから５隻を貸与され、1978年に購入した。FRAM�T相当で、ダッシュ関連施設を撤去し、小型ヘリ１機の搭載設備を設けている。全長119m、幅12.4m、吃水5.8m、基準排水量2425トン、満載排水量3480トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力34ノット。兵装は127mm連装砲２基、アスロック８連装発射機１基、324mm短魚雷３連装発射管２基。500Mヘリ１機を搭載できる。乗員274名。D61チュルカ、D62グラヴィナ、D63メンデス・ヌニエス、D64ランガラ、D65ブラス・デ・レッツォが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87

＜キー＞：DE-348（護衛駆逐艦）を参照。

＜きい一号＞：日本陸軍の化学兵器。イペリットのことで、昭和6年に制式化された。ドイツ式製法の甲、フランス式の乙、不凍性イペリットの丙の３種がある。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、図解雑学生物化学兵器

＜きい二号＞：日本陸軍の化学兵器。ルイサイトのことで、昭和6年に制式化された。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜キー・ウエスト＞：PF-17（タコマ級パトロールフリゲート）またはSSN-722（潜水艦）を参照。

＜キー・ウエスト海軍航空基地＞：アメリカ海軍の航空基地。フロリダ州フロリダキーズ諸島ボカチカ島（キーウエスト島の隣）にある。滑走路は長さ3048m・ランウェイ08/26、長さ2134m・ランウェイ04.22、長さ2134m・ランウェイ14/32の３本。参考：月刊JWings7,’22

＜紀伊型＞：日本海軍計画戦艦。八八艦隊計画の戦艦で、サウス・ダコタ級の推定諸元が実際よりも過大に伝えられたため、これに対抗すべく設計した。加賀型戦艦をベースに主砲と装甲を強化すると、必要な速力を得るために機関系も入れ替えねばならず、建造に時間が掛かるので、天城型巡洋戦艦の水線部装甲を強化した高速戦艦にすることにし、大正9年9月4日にB64改案またはB65案と呼ばれる設計案を採用している。全長252.37m、水線長250.11m、垂線間長234.87m、水線部幅32.49m、深さ18.06m、平均吃水4.75m、常備排水量42600トン。主機はオール・ギヤード・タービン４基、主缶は重油専焼缶11基＋混焼缶８基、出力131200馬力、プロペラ回転数毎分210回転、速力29.75ノット、石炭搭載量2500トン、重油搭載量3900トン、航続距離8000海里（14ノット）。兵装は45口径41cm連装砲塔５基（艦前後背負い式、後部三脚マスト後方１基）、50口径14cm単装砲16門（両舷ケースメート式）、50口径12cm高角砲４門、61cm水上発射管８門。装甲厚は水線部がVC甲鈑292mm（傾斜22度）、甲板が高張力鋼163mm（上甲板95mm＋中甲板48mm？）、前部防御隔壁がVC甲鈑267mm、後部防御隔壁がVC甲鈑203-229mm、バーベットがVC甲鈑178-304mm、司令塔側面がVC甲鈑254-355mm、司令塔上部がNVNC鋼板177mm、煙路がVC甲鈑177-216mm、水雷防御隔壁が高張力鋼89mm。大正9年9月4日に基本計画が承認され、紀伊、尾張、駿河、近江の４隻が計画された。紀伊と尾張は大正10年10月12日に製造訓令が出され、駿河と近江は連装砲塔を６基に増やしたり、連装砲塔１基＋４連装砲塔３基にしたり、砲身長を50口径にしたりといった計画もあったが、ワシントン条約を受けて起工前に全艦建造中止となった。参考：月刊丸12,’10、近代戦艦史、月刊世界の艦船6,'20、3,’15

＜紀伊警備所＞：海上自衛隊の警備所。紀伊水道の監視警戒を主任務とする。1975年12月、阪神基地隊隷下に新編され、日本海軍紀伊防備隊防備衛所（1941年10月開設）のあった場所に庁舎を設けた。2013年6月3日に廃止された。庁舎は取り壊さず、由良基地分遣隊が保守管理を行う。参考：朝雲

＜ギーセ＞：CM-28（コルベット）を参照。

＜キーツ＞：K482（フリゲート）を参照。

＜キート＞：SS-369（潜水艦）を参照。

＜キービッツ＞：ドルニエ社試作無人偵察機。Do32という社内名称で1960年代初めから開発した。KHDまたはMAN社製ターボシャフトエンジンで圧縮空気を作ってローター先端から噴射し、ローターを回転させて上昇する。1966年に重量250kgの試作機が完成、1972年にドイツ国防省から試作発注を受け、Do34という名称でローター直径8mの250-C20Bターボシャフトエンジン（420馬力）搭載版を製作することになった。センサーペイロード140kg、作戦運用高度300m。システムは24時間分の燃料ごと10トントラック１台に搭載できる。1974年にはフランスのLCT社が参加し、オルフェ�U捜索レーダーを装備する予定だったが、1981年9月に撤退した。1980年代後半の実用化を狙っていた。参考：スパイ機

＜紀伊由良基地分遣隊＞：海上自衛隊の基地分遣隊。2016年9月13-15日、町立由良中学校男子生徒５人の職場体験に協力し、交通船による湾内クルーズなどを行った。参考：朝雲

＜ギーラ＞：ングワニ・ディフェンス・グループが開発した４×４輪耐地雷装甲車。見た目はキャスパーに似ているが、エンジンをメルセデス・ベンツ社製ユーロ３（出力215馬力）に換装してパワーパック化してある。車内を拡大し、防音用内張を張り、エアコンを標準装備した。操縦席は左右の入れ替えが可能で、兵員室には左右５ヵ所ずつのビジョンブロックと４ヵ所ずつのガンポートを持つ。装甲は全周でNATOレベル１だが、最大でレベル３まで強化できる。耐地雷レベルはNATOレベル４で、車輪下で３個、車体下で２個の爆発に耐えるが、成型炸薬地雷には抗堪性が無い。操縦席後部にあたる車体上面に12.7mm銃塔、車体後部に２連装６連発グレネードランチャーを持つ。戦闘重量13.6トン。ペイロード3.85トン。C-130による輸送が可能。参考：月刊軍事研究1,’07

＜キー・リザルブ演習＞：米韓共同指揮所演習Key Resulve、韓国軍名称は護国演習。RSOI演習が2008年に改称されたもので、フォール・イーグルと共同開催される。第１回目は2008年3月2-7日に行われた。2009年は3月9-20日に実施された。2010年は3月8-18日に行われ、韓国軍20000名と在韓米軍・在日米軍18000名が参加した。2011年は2月28日から3月10日に行われ、韓国軍１個師団以上と在韓米軍2300名以上（SBCT含む）が参加した。2013年は3月11-21日に行われ、韓国軍10000名と在韓米軍3500名が参加した。2014年は2月24日から3月6日に行われた。2015年は3月2-13日に行われた。2019年3月2日に韓国国防相とアメリカ国防長官代行が電話で協議し、2019年から演習を行わないことになった。参考：月刊軍事研究4,’08、6,’09、6,’10、8,’11、5,’13、6,’14、8,’16、月刊PANZER7,’09、5,’11、月刊JWings5,’16、5,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜キー・リザルブ２０１６＞：2016年3月7-18日に行われ、作戦計画（OPLAN）5015に基づき、北朝鮮指導部や核関連施設への先制攻撃をシミュレートしたとされる。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊JWings5,’16、月刊航空ファン7,’16

　＜キー・リザルブ２０１７＞：2017年3月13-24日に行われ、韓国軍から10000名、アメリカ軍から12800名が参加した。参考：月刊軍事研究8,’17

＜キール＞：Keel、竜骨。艦船のいわば背骨にあたり、艦底前後方向に設置される。キールに垂直に肋材を取り付け、外板を張れば船になる。鋼鉄船では船底の下までは延びないフラット・キール（通常はＩ型ビーム）を使用する。ブロック構造の艦船が増えたので、これを持つ船が少なくなった。参考：米海軍サバイバルマニュアル、図解船の科学、月刊JWings2,’00

＜キールン＞：基隆（駆逐艦）を参照。

＜キールン級＞：キッド級ミサイル駆逐艦（台湾海軍）を参照。

＜黄色い鼻＞：第２次大戦時のドイツ空軍西部戦線用戦域識別色（機首を黄色く塗った）に連合軍が付けたニックネーム。参考：グラフィックアクション36

＜黄色の場合＞：黄作戦を参照。

＜キーロフ（初代）＞：ソ連海軍キーロフ級（初代）巡洋艦１番艦Kirov。1935年10月22日起工、1936年11月30日進水、1937年8月公試（公試排水量8742トン）開始。無理な建造スピードや粛正の影響で事故や故障が発生したが、全て監督官の反逆行為と見なされて担当者が更に粛正されるという悪循環に陥りつつも9月の全力公試で出力113500馬力・速力35.94ノットを記録している。航続距離は燃料1290トン満載・7590馬力18ノットで3750海里だった。1938年9月26日竣工、ソ連海軍に引き渡されてバルト海艦隊に配備された。その後も問題が続出したため、1939年3月のニューヨーク国際産業見本市への派遣は見送られた。11月、冬戦争に参加。ルッサレ島の沿岸砲台を攻撃したが、戦果は得られなかった。1940年8月、バルチック艦隊大演習に参加。1941年6月、独ソ戦勃発でリガに派遣された。7月、バルチック艦隊旗艦としてタリン防衛戦に参加。8月、ドイツ空軍の爆撃を受けて爆弾１発を被弾、９名が戦死し、30名が負傷した。8月27日、スターリンの命令でバルチック艦隊をタリンから引き揚げることになり、艦艇127隻と輸送船など74隻を率いてタリンを出港したが、周辺がドイツ軍により機雷封鎖されていた上にドイツ空軍の爆撃を喰らい、駆逐艦５隻、潜水艦２隻、警備艦２隻、掃海艇３隻、砲艦１隻、哨戒艇１隻、魚雷艇１隻、輸送船51隻が沈没、軍人２万名以上とタリンからの疎開を図った市民5000人以上が死亡したといわれる。キーロフは無事レニングラードに辿り着き、防衛戦に参加したが、ドイツ空軍の爆撃で命中弾７発と至近弾を受けて死者89名と負傷者58名の損害を出し、レニングラードの第189造船所で修理と改装（100mm高角砲B-34を２基追加し、カタパルトを外したスペースに37mm機関砲３門を搭載、45mm砲を撤去して37mm機関砲12門と４連装12.7mm機銃２基を装備、甲板に35mm装甲板を追加）を受けた。1943年2月、赤旗勲章を授与された。6月、フィンランド軍要塞を砲撃。1945年10月17日、砲撃演習のため出港したが、クロンシュタット近海でドイツ軍のＳ型機雷に触雷して大破した。1946年、修理を終えて復帰し、南バルチック艦隊に配備された。1949年11月から1953年4月、第194造船所で近代化改装を実施。100mm高角砲をB-34USMに換装し、FCSを更新、後部マストの位置を煙突の後ろから前に変更した。1955年7月、第８艦隊に転属した。1956年1月、バルチック艦隊第12巡洋艦師団に配備された。1958年4月29日、予備役となった。1960年9月、クロンシュタットからレニングラードに移動、練習巡洋艦に艦種変更された。1968年、セベル演習で旗艦を務めた。1970年、オケアン大演習に参加。1974年2月22日に除籍されてスクラップになった。前部主砲がペテルブルグのバルチック艦隊広場に展示されている。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜キーロフ（２代目）＞：ソ連海軍キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦１番艦Kirov。1973年10月6日艦籍編入、1974年3月26日起工、1977年12月27日進水、1980年12月30竣工、北洋艦隊に配備された。1984年、地中海で作戦任務に就いた。1990年、作戦任務中に原子炉事故を起こして予備役に編入され、セヴェロモルスク海軍基地に保管された。1992年5月27日、アドミラル・ウシャーコフに改称された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’00、近代巡洋艦史

＜キーロフ級（初代）＞：ソ連海軍巡洋艦（ロンドン条約の基準では重巡洋艦）26型Kirov級。1920年代には沿岸戦艦艇を主に装備していたソ連海軍だったが、1931年1月10日のソ連最高軍事会議で、隣国との海軍格差の問題からせめて巡洋艦くらいは作り始めようということになり、バルチック造船所の技師もソ連政府に軍艦建造関連重工業に力を入れるべきとの意見書を送っていて、1933-37年の第２次５カ年計画で建造することにしたのがキーロフ級である。しかし既に建造技術は失われており、ソ連が理想とする高速巡洋艦の技術を持っていたイタリアとの交渉を実施。コンドッチェリ級巡洋艦１隻を購入し、更に２隻を追加購入するか、国内で建造するという計画が出された。しかしイタリアが売却に賛同せず、ソ連も予算が無かったため、主機のみを購入し、設計支援を受けることにしている。1933年3月、イタリア製主機を備える軽巡洋艦の主要目が承認され、第１中央造船設計局でデュカ・ダオスタ級軽巡をベースに設計を開始。基準排水量を6500トンに抑える予定だったが無理があり、8000トン弱にまで大型化している。全長191.3m、幅17.7m、最大吃水6.2m、基準排水量7880トン（キーロフ）／7890トン（ヴォロシーロフ）、常備排水量8590トン、満載排水量9436トン。主機は蒸気タービン、経済出力7590馬力、最大出力113500馬力（キーロフ）／122500馬力（ヴォロシーロフ）、２軸推進、巡航速力18ノット、戦術速力25.2ノット、過負荷最大速力36ノット（キーロフ）／34ノット（ヴォロシーロフ）、常備燃料搭載量610トン、最大燃料搭載量1550トン、航続距離3750海里。兵装は18cm３連装砲３基、10cm単装高角砲６門、45mm機関砲６門、12.7mm単装機銃４丁、533mm魚雷３連装発射管２基、機雷100個。装甲厚は舷側50mm、下甲板50mm、砲塔50mm、司令塔100-150mm、舵取機室6-8mm。カタパルト１基を装備しており、KOR-1偵察機２機を搭載できる。乗員692名（734名？）。６隻を建造する予定だったが、進水後の１番艦を視察したバルチック艦隊司令官が改装を要求したため、キーロフとヴォロシーロフの２隻が1938-40年に竣工、他の４隻は26bis型マキシム・ゴルキイ級として完成した。第２次大戦終戦前後に前部マストにレーダーを装備し、対空機銃を増設したとみられる。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船6,’13

＜キーロフ級（２代目）シリーズ＞：ソ連海軍大型原子力ミサイル巡洋艦の西側名称Kirov級。ソ連名称は重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト1144オルラン（Orlan、鷲）級である。ジェーン年鑑での艦種類別は巡洋戦艦（Battle Cruiser）。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜キーロフ級（２代目）＞：当初、西側は建造中の１番艦にソビエツキー・ソユーズ（Sovetskiy Soyuz）という名称を付けていた。1960年代のソ連海軍遠洋作戦ゾーンは150海里しか無く、アメリカのポラリス・ポセイドン搭載戦略原潜に対抗するには航続距離無限大の原子力対潜艦が必要と考えたが、ソ連には空母が無いので、２隻戦法と称して原子力対潜艦と原子力防空艦をセットで運用することにした。1963-66年にはこれに搭載するコルシュン多目的長距離ミサイルシステムも開発されたが、アメリカの戦略原潜に対抗するには原子力艦を50隻以上揃えなければならないことが判明、1967年に２隻戦法は放棄されている。代わりに同型艦２隻で攻撃と防御を完結させる原子力艦を建造することになり、1969年から第53設計局で原子力大型対潜艦プロジェクト1144として設計に入った。まずはコルシュン、M-4近接防御ミサイル、76mm砲、魚雷発射管を装備し、無人ヘリを運用する排水量9000トンの艦として設計されたが、原子炉の出力が足らず、排水量制限を撤廃して原子炉搭載数を増やすことになった。この排水量制限撤廃を受けて設計局が兵装まで増やしてしまい、1970年にはRPK-3対潜ミサイルやS-300F艦対空ミサイルを装備する巨大艦に変貌、原子力護衛艦プロジェクト1165によるカバーが必要と判断された。1971年5月、艦種が原子力ミサイル多目的巡洋艦に変更された。8月、プロジェクト1144とプロジェクト1165を同時に開発・運用するのは効率が悪いとして、プロジェクト1144に統合した。1977年6月、艦種が重原子力ロケット巡洋艦に変更され、単艦で原潜や機動部隊に対抗できる能力が求められ、最終的に空母を除けば第２次大戦後最大の水上艦艇となった。１隻では機動部隊を撃破するどころか自艦防衛も不可能という意見も海軍内部で沸き起こったが、海軍首脳部はそのまま計画を進めている。船体は長船首楼型で、艦首は更に１層の甲板があり、強いシーアとナックルを持つ。船体舷側には舷窓が２段に並ぶ。船体上部のガンネルは上に向かって内側に傾けられており、艦橋や煙突も傾斜していて、ミサイルは世界初の実用VLSに収容するなどステルス性を考慮しており、レーダー上ではフリゲート（コルベット？）程度にしか映らなかったとされる。しかしレーダーアンテナが大きいのがステルス性を台無しにしているようである。艦載戦闘システムはアレーヤ−2M。艦対艦ミサイルは949型原潜用に開発されたP-700型で、上構直前の前甲板に設置された20セルVLS（首尾線方向５基×左右４基）に装填される。ただVLSといっても前方に40-45度傾いている。システムは原潜用のものをそのまま流用したため、発射前にミサイルコンテナへ数十トンの海水を注入しなければならない。P-700用統合射撃指揮装置はコラル（珊瑚）衛星データリンクを含むレゲンダ（伝説）照準システムである。長射程艦対空ミサイルシステムはS-300F、使用ミサイルは5V55RMで、P-700用VLSの前方にある８連装VLS12基（発射用ハッチは首尾線方向４基×左右３基）に収容される。短射程艦対空ミサイルはオーサＭを採用した。CIWSはAK-630M８基（前甲板両舷に２基ずつ、上構後端両脇に２基ずつ）。主砲は130mm単装砲A-211を搭載する予定だったが所定の性能が発揮できず、代わりにAK-130を載せることにしたが開発が間に合わず、100mm単装砲AK-100をヘリ甲板前方に背負い式に装備した。対潜兵装はURPK-3対潜ミサイル、533mm魚雷発射管、RBU-6000、RBU-1000。１隻で空母機動部隊に対抗できる高額高性能な艦が敵のミサイル１発で使用不能にならないよう、重装甲も施すことにしたが、既に艦艇装甲の専門家は殆ど海軍内部に残っておらず、ソヴィエツキー・ソユーズ級戦艦、スヴェルドルフ級巡洋艦、挙げ句にドイツ重巡リュッツォウ（ペトロパブロフスク）の資料まで引っ張り出してきて参考にしている。原案では吃水線上に152mm装甲帯を設ける予定だったが、排水量が増えすぎるので諦め、原子炉区画の舷側に100mm、前後隔壁に70mm（35mm？）、艦対空ミサイルハッチに35mm、艦対艦ミサイル・艦対潜ミサイル弾庫舷側水線上に100mm、同舷側水線下と上面に70mm、艦橋・CICの舷側に100mm、前後隔壁・上下甲板に75mm、ヘリ関連施設（格納庫、燃料庫、弾庫）・舵機室の舷側に70mm、同上下甲板に50mmの装甲を施した。他の兵装や弾庫にも装甲が張られており、装甲関連総重量は1100トンに達するとされる。主機は原子力蒸気タービン方式としたが、当時の原子炉は故障が多かったため、行動不能になって恥さらしにならないよう、予備の通常型蒸気タービンも積むことになった。これにより、艦中央に巨大なマックが立てられることになったが、これが憶測を生み、一時は原子炉で発生させた蒸気を重油で再加熱してタービンに送るCONAS方式という説も有力だった。原子炉は原潜用VM-4原子炉にTV-12蒸気タービンを組み合わせたユニットを２基搭載して91000馬力を発揮する予定だったが、搭載ソナーの関係で排水量が増大する見込みとなり更なる出力アップが必要になったため、新型のKN-3原子炉を開発している。艦後部にヘリ甲板と艦内ヘリ格納庫を持ち、Ka-27PLヘリックスＡ対潜ヘリ２機とKa-25RTsホーモンＢミサイル誘導ヘリ１機を搭載可能。エレベーターはヘリ甲板前部にある。席数200席の艦内クラブがあり、サウナや屋内運動場としても使用可能。全長252m、水線長230m、最大幅28.5m、水線幅24m、吃水9.1-10.3m、基準排水量19000トン、満載排水量24300-24690トン。主機は原子力蒸気タービン方式、KN-3加圧型原子炉（300MW）２基・GTZA-653蒸気タービン２基、出力140000馬力、５翅プロペラ２軸推進、巡航速力17ノット、最大速力30ノット（31ノット？）、航続距離14000海里（30ノット）。原子炉故障時にはKVG-2重油専焼缶（蒸気圧力１平方センチあたり66kg、温度470℃、蒸気発生量毎時115トン）で発生させた蒸気をタービンに送り、14ノットで1000海里航行できる（重油搭載量1120トン）。連続航海日数60日。出力4000馬力のターボ発電機４基と、2000馬力のターボ発電機４基を搭載する。兵装はP-700艦対艦ミサイル用垂直発射機SM-233が20セル（艦橋前方の前甲板）、S-300F艦対空ミサイル８連装垂直発射機B-303A（PU-203？）12基（前甲板）、RBU-6000対潜ロケットランチャー１基（対潜弾102発、対魚雷弾20発。前甲板最前部）、RBU-1000対潜ロケットランチャー２基（72発）、RPK-3艦対潜ミサイル（10発）用MS-82連装発射機１基（船首楼後端）、AK-100自動砲システム２基（ヘリ甲板前方背負い式）、533mm対潜魚雷５連装固定式発射管２基（魚雷・90RU計10本）、RZ-13MオサＭ艦対空ミサイルランチャー２基（80発）、AK-630M近接防御兵器８基。艦載戦闘システムはアレーヤ2M、電子装備の中核はMR-184総合火器管制システムで、ESM/ECMシステムはカンタータＭ（MR-401とMR-404？）。艦橋最上部のレーダーはMR-800トップ・ベア三次元捜索レーダーで、その前後にラウンド・ハウスＢタカン装置、後方にMR-710トップ・プレート三次元レーダー（MR760フレガットMA？MR-710MフレガットＭ？）、艦橋前にオーサＭ用ポップ・グループ管制レーダー、艦橋後部にMR-145カイト・スクリーチ砲管制レーダー、艦橋と後部上構には艦対空ミサイル誘導用3R41トップ・ドーム対空レーダー、艦橋側面にパンチボール／ビッグボール衛星通信アンテナドームを搭載する。ソナーシステムはMGK-355ポリノムで、艦尾にVDSを格納する。後甲板はヘリコプター甲板で、Ka-27ヘリ３機（対潜型Ka-27PL２機と巡航ミサイル誘導型１機）を運用する。乗員728名＋ヘリ要員18名＋旗艦幕僚15名。キーロフが1980年に竣工し、1992年にアドミラル・ウシャーコフに改称された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊軍事研究2,’16、12,’02、2,’07、2,’08、3,’09、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’17、6,’15、3,’92増刊、3,’00、4,’09、9,’09、2,’10、1,'15増刊、月刊丸2,’07、近代巡洋艦史、ザ・マーチ33号

　＜１１４４２型＞：２番艦以降で、1144.2型かも。兵装強化型で、艦載戦闘システムを艦隊旗艦用リゾラブＳシステム内包のリゾラブ44に換装した。長射程艦対空ミサイルは２番艦フルンゼが5V55RM、３番艦カリーニンが48N6E、４番艦ユーリー・アンドロポフが48N6E2で、ユーリー・アンドロポフは艦対空ミサイルシステムもS-300FMに換装（S-300FMとS-300Fを１セットずつ混載？）している。フルンゼとカリーニンにもS-300FM/48N6E2をレトロフィットする計画があったが、ミサイルサイズの差が大きく改装費がかさむとみられ、実現しなかった。短射程艦対空ミサイルはキンジャルを予定していたが、開発が遅れたため、フルンゼはオーサＭ、カリーニンはオーサMAを積み、キンジャルを搭載できたのはユーリー・アンドロポフのみである。ユーリー・アンドロポフは艦橋の3R41トップ・ドーム対空レーダーを30N6ツーム・ストーンに換装した。三次元レーダーはMR-800トップ・ベアとMR-710トップ・プレート（フルンゼのみMR760フレガットMA？MR-710MフレガットＭ？）。CIWSはフルンゼがAK-630M８基で、カリーニンとユーリー・アンドロポフはコールティク６基（前甲板両舷に１基ずつなど）に換装した。コールティク用FCSは２基装備しており、後部のコールティクはキンジャル用FCSで制御する。主砲は130mmAK-130連装砲１基に換装し、２番砲の位置に搭載した。艦対潜ミサイルは魚雷発射管で運用するRPK-6に換装し、MS-82発射機を撤去している。装弾数は魚雷とRPK-6を合わせて10発で、対潜ミサイル弾庫の装甲は削った。RBU-6000をRBU-12000に換装したが、開発の遅れでフルンゼはRBU-6000のままである。電子戦装置はカンタータＭ。装備更新により必要電力が増大したため、蒸気タービンを更新して出力を強化した。後部マスト前部のHF通信アンテナが撤去されている。全長252m、幅28.5m、吃水10.3m（9.1m？）、基準排水量24300トン（ユーリー・アンドロポフは24610トン）、満載排水量24500-24690トン（ユーリー・アンドロポフは24805トン）。主機は原子力蒸気タービン方式、KN-3原子炉２基・GTZA-688蒸気タービン２基150000馬力、５翅プロペラ２軸推進、最大速力31ノット。KVG-2補助重油専焼缶を使用した場合は最大速力14ノット。連続航海日数60日。出力4000馬力のターボ発電機４基と、2000馬力のターボ発電機４基を搭載する。兵装はP-700艦対艦ミサイル用VLS20セル、S-300F艦対空ミサイル（ユーリー・アンドロポフはS-300FM）用８セルVLS12基、オーサＭ連装発射機２基（80発。フルンゼ）／オーサMA連装発射機２基（80発。カリーニン）／キンジャル用８セルVLS８基（ユーリー・アンドロポフ）、AK-130連装砲１基、AK-630M８基（カリーニンとユーリー・アンドロポフはコールティク６基）、533mm魚雷５連装発射管２基（RPK-6を発射可能）、RBU-1000対潜ロケット発射機２基、RBU-6000対潜ロケット発射機（カリーニンとユーリー・アンドロポフはRBU-12000）１基。Ka-27PLヘリックスＡ対潜ヘリ２機とKa-25RTsホーモンＢ誘導ヘリ１機を搭載する。乗員728名（ユーリー・アンドロポフは744名）。フルンゼ（1992年にアドミラル・ラザレフと改称）、カリーニン（1992年にアドミラル・ナヒーモフと改称）、ユーリー・アンドロポフ（1992年にピョートル・ヴェリーキーと改称）が1984-98年に竣工した。５番艦アドミラル・クズネツォフは建造中止になっている。ソ連時代に化学レーザーを試験的に搭載し、16km先の対艦ミサイルシーカーを無力化したとされるが、真偽は不明。アドミラル・ラザレフは1997年に退役した。アドミラル・ナヒーモフは1999年にドックインしてずっと修理中だったが、2014年から現役復帰に向けた改装に入った。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’15、月刊軍事研究2,’16

　＜キーロフ級（改）＞：３番艦アドミラル・ナヒーモフの現役復帰に際して行う予定だった改装。P-700用VLSを撤去してP-800/カリブルNK/3M14用3S14汎用VLSに換装し、ポリメント・リドゥート艦対空ミサイルシステム（S-400の艦載型）、パケート短魚雷発射装置、新型主砲、コールティクCIWSを搭載、戦闘システムをシグマ11442からシグマ11442Mに更新し、原子炉をOK-650B-3に換装する。2011年から改装を行って2015年から2040年まで現役に就く予定だったらしいが、費用が500億ルーブルかかるとされ、改装開始が遅れた。2009年には１番艦、２番艦にも同様の改装を施して現役復帰させると発表されたが、３番艦に輪を掛けて多額の費用がかかるので、2012年に計画が縮小され、４番艦ピョートル・ヴェリーキーだけが2018-21年に改装を受ける予定。参考：月刊軍事研究5,’11、11,’18、月刊世界の艦船12,’11、12,’12、4,’15、10,’23

＜キーロフ級・第２グループ＞：マキシム・ゴルキイ級（巡洋艦）を参照。

＜キーン・エッジ＞：日米共同統合実動演習及び日米共同統合指揮所演習のこと。実動演習の初回は1986年（キーン・エッジ87）に行われ、以降は1992年（キーン・エッジ93）、1994年、1995年（キーン・エッジ95）に行われており、その間に指揮所演習が実施される。1996年からは日米共同統合実動演習をキーン・ソードと呼ぶようになった。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜キーン・エッジ９５＞：1995年のチーム・スピリットの代わりの実動演習として1995年11月に実施された。人員26500名、航空機400機、艦艇27隻が参加している。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ９６＞：1996年1月25日から2月2日に実施された。人員4000名が参加している。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ９８＞：1998年2月12-20日に実施された。人員2200名が参加している。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ２０００＞：2000年2月に実施され、自衛隊から隊員5000名、アメリカ軍から人員1350名が参加した。横田基地にはFPC2フォースプロテクション指揮管制システムの大型スクリーンが置かれ、基地や部隊の脅威となるゲリラやテロリストなどの情報を一括表示している。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ２００２＞：対サイバー攻撃演習も行われたといわれる。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ２００４＞：2004年2月に実施された。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ２００７＞：2007年2月に実施された。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ２００９＞：2009年1月に実施された。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ２０１０＞：2010年1月に実施された。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・エッジ２０１２＞：平成23年度日米共同統合指揮所演習。2012年に実施され、省庁間調整訓練が初めて行われた。参考：朝雲

　＜キーン・エッジ２０１４＞：第20回で、2014年1月15日から2月4日に市ヶ谷地区、在日米軍横田基地、参加各部隊所在地などで行われた。日本から防衛省、統幕、陸幕、海幕、空幕、各方面隊、中央即応集団、中央管制気象隊、通信団、警務隊、中央情報隊、中央会計隊、中央輸送業務隊、陸自各学校、研究本部、補給統制本部、自衛艦隊、各地方隊、システム通信隊群、海自補給本部、航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、航空システム通信隊、空自補給本部、指揮通信システム隊、自衛隊中央病院、情報本部など6500名、アメリカから太平洋軍司令部、在日米軍司令部、在日米陸軍、在日米海軍、在日米空軍、在日米海兵隊など600名が参加している。1月15-17日、内閣官房や外務省職員が参加し、省庁間調整訓練を実施。参考：朝雲

　＜キーン・エッジ２０１６＞：平成27年度日米共同統合指揮所演習。第21回で、2016年1月12日から2月2日に市ヶ谷地区や在日米軍横田基地などで行われた。日本から防衛省内局、統幕、陸幕、海幕、空幕、情報本部、自衛隊中央病院、各方面隊、中央即応集団、通信団、警務隊、各学校、補給統制本部、自衛艦隊、各地方隊、システム通信隊群、海自補給本部、航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、航空システム通信隊、空自補給本部などから7000名、アメリカから太平洋軍司令部、在日米軍司令部、在日米陸軍、在日米海軍、在日米空軍、在日米海兵隊などから600名が参加し、日本防衛のための日米共同対処に関する指揮幕僚活動訓練や、同盟調整メカニズムACMについての訓練や検証を行っている。1月12-15日、内閣官房や外務省職員が参加して省庁間調整訓練を実施。参考：朝雲

　＜キーン・エッジ２０１８＞：平成29年度日米共同統合指揮所演習。第22回で、2018年1月9日から2月3日に市ヶ谷地区など全国の基地・駐屯地、在日米軍横田基地、ハワイなどで実施された。日本は統幕副長が統裁官で、防衛省内局、統幕、陸幕、海幕、空幕、陸自各方面隊、中央即応集団、海自自衛艦隊、各地方隊、空自航空総隊、航空支援集団、内閣官房、外務省など9300名、アメリカは太平洋軍幕僚長と在日米軍副司令官が統裁官で、太平洋軍司令部、在日米軍司令部、在日米陸軍、在日米海軍、在日米空軍、在日米海兵隊など2000名が参加し、同盟調整メカニズムACMの検証に重点を置いた指揮幕僚活動を演練し、新編予定の陸上総隊に関する検証も行った。参考：朝雲

　＜キーン・エッジ２０２０＞：令和元年度日米共同統合指揮所演習。第23回で、2020年1月24-31日に市ヶ谷地区など全国の基地・駐屯地、在日米軍横田基地、ハワイ州で行われた。日本は統幕副長が統裁官で、陸上総隊、各方面隊、警務隊、自衛艦隊、各地方隊、システム通信隊群、航空総隊、航空支援集団、情報保全隊、指揮通信システム隊など9700名、アメリカはインド太平洋軍参謀長と在日米軍副司令官が統裁官で、各種事態に於ける日米共同対処要領や自衛隊統合運用の演練と検証を実施している。参考：朝雲

　＜キーン・エッジ２０２２＞：令和3年度日米共同統合指揮所演習。第24回で、2022年1月27日から2月3日に市ヶ谷地区など全国の基地・駐屯地及びパールハーバー・ヒッカム統合基地などで行われた。自衛隊は統幕副長が統裁官で、陸上総隊、各方面隊、自衛艦隊、各地方隊、システム通信隊群、航空総隊、航空支援集団、情報保全隊、指揮通信システム隊など7000名、アメリカはインド太平洋軍参謀長が統裁官で、各種事態に於ける日米共同対処要領や自衛隊統合運用の演練と検証を実施している。参考：朝雲

＜キーン・ソード＞：Keen Sword。三自衛隊と在日米軍による日米共同統合実動演習のアメリカ軍側名称で、1996年からこう呼ばれており（実動演習自体は1986年に開始）、２年ごとに開催されている。ちなみにキーン・ソードの後ろの数字は会計年度になるので、10-12月に開催された場合には翌年の数字が付く。日本側略称はFTXである。参考：月刊軍事研究2,’05、3,’97、月刊JWings2,’11、月刊航空ファン3,’11、月刊世界の艦船2,’13

　＜キーン・ソード９７＞：1996年11月に実施された。参加したのは自衛隊が隊員12000名、艦艇11隻、航空機130機、アメリカ軍が人員12000名、CV-62インディペンデンスなど艦艇６隻、航空機170機。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・ソード９９＞：1998年11月に実施された。アンダーセン空軍基地からB-1Bも参加している。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・ソード２００１＞：2000年11月2-18日に実施された。参加したのは日米合わせて人員21400名、CV-63キティホークなど艦艇20隻、航空機300機。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・ソード２００３＞：2002年11月11-22日に実施された。参加したのは自衛隊が隊員11000名、艦艇20隻、航空機180機、アメリカ軍が人員10550名、艦船10隻、航空機150機。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・ソード２００５＞：2004年11月10-19日に実施された。参加したのは自衛隊が隊員11300名、艦艇25隻、航空機210機、アメリカ軍が人員4400名、艦艇９隻、航空機50隻。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・ソード２００８＞：2007年11月5-16日に実施された。参加したのは自衛隊が隊員22500名、艦艇90隻、航空機400機、アメリカ軍が8500名、艦艇10隻、航空機50機。E-3とE-767による共同指揮管制訓練などを行っている。参考：月刊航空ファン3,’11

　＜キーン・ソード２０１１＞：2010年12月3-10日、三沢基地から沖縄周辺に至る空海域で行われた。参加したのは自衛隊が隊員34100名、艦艇40隻（DDH-181ひゅうが、DDH-144くらま、DDG-171はたかぜ、DDG-172しまかぜ、DDG-173こんごう、DDG-175みょうこう、DD-105いなづま、DD-106さみだれ、DD-107いかづち、DD-114すずなみなど）、航空機250機、アメリカ軍が人員10400名、艦艇20隻（CVN-73ジョージ・ワシントン、LHD-2エセックス、LPD-9デンバー、LSD-46トーテュガ、CG-63カウペンス、CG-67シャイロー、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケイン、DDG-82ラッセン、DDG-63ステザム、DDG-62フィッツジェラルド、T-AO-199ティペカノー、T-AKE-7カール・Ｍ・ブレシェア、SSN-713ヒューストンなど）、航空機150機で、統裁官は統合幕僚長と第13航空軍司令官である。また、韓国軍の士官がオブザーバーとして初参加した。弾道ミサイル防衛を含む航空作戦が主要訓練で、他に島嶼防衛、統合輸送、基地警備、捜索救難などの各種訓練が実施された。期間中の12月6日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が訓練空域を偵察飛行している。この時、付近で行われていた弾道ミサイル対処訓練を一時中止したという話も出たが、実際には訓練参加艦は舞鶴に入港中で、そもそも訓練が行われていなかった。12月8日にもIl-20が付近を飛行している。また、別の日に中国海軍Y-8Xが沖縄周辺に出現したため、空自がスクランブルした。参考：月刊航空ファン2,’11、月刊軍事研究5,’11、月刊JWings2,’11、3,’11、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11

　＜キーン・ソード１３＞：平成24年度日米共同統合演習（実動演習）、24FTX。第11回目で、2012年11月5-16日に実施された。参加したのは自衛隊が統幕、陸海空幕、情報本部、北部方面隊、西部方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、佐世保地方隊、航空総隊、航空支援集団などで、隊員37400名、艦艇30隻（DDH-181ひゅうが、DDH-182いせ、DDG-177あたご、DDG-176ちょうかい、DD-109ありあけ、DD-128はるゆき、DE-229あぶくま、LST-4003くにさき、AOE-424はまななど）、航空機240機、アメリカ軍が在日米軍司令部、在日米陸軍、第７艦隊（CVN-73ジョージ・ワシントン、CG-63カウペンス、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケイン、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-85マッキャンベル、DDG-89マスティン、DDG-101グリッドリーなど）、太平洋空軍、第３海兵機動展開部隊など人員10000名である。三沢基地・千歳基地での航空戦闘訓練、キャンプ・ハンセンでの第15旅団による実弾射撃などの戦闘訓練、AH-64Dや西部方面普通科連隊などによる水陸両用戦訓練、フィリピン海での日米海上作戦訓練（嘉手納に初展開したP-8Aも参加したとみられる）、九州地域での基地警備訓練、アメリカ軍輸送艦による自衛隊車両の輸送訓練、捜索救難訓練を実施した。これに連動して北部方面隊と東部方面隊が協同転地演習、西部方面隊が方面隊実動演習を行っている。沖縄県渡名喜村入砂島（無人島）で実施予定だった島嶼奪還訓練は突如中止されており、尖閣諸島問題で悪化した日中関係に配慮する日本政府の要望（中国政府にお伺いを立てたという説まで流れている）とも、地元の翻意ともいわれる。参考：月刊軍事研究1,’13、月刊世界の艦船1,’13、2,’13、月刊JWings1,’13、朝雲

　＜キーン・ソード１５＞：平成26年度日米共同統合演習（実動演習）、Keen Sword 15 / 26FTX。2014年11月8-19日に実施され、自衛隊から統幕、陸海空幕、情報本部、陸自各方面隊、中央即応集団、海自自衛艦隊（DDH-182いせ、DDG-173こんごう、DDG-174きりしま、DDG-176ちょうかい、DD-113さざなみ、LST-4002しもきた、AOE-426おうみなど）、第71航空隊（US-2）、空自航空総隊、第６航空団、第７航空団、中部航空警戒管制団、航空支援集団など隊員30800名、艦艇25隻、航空機260機、アメリカ軍は在日米軍司令部、在日米陸軍、第７艦隊（CVN-73ジョージ・ワシントン、CG-54アンティータム、CG-71ケープ・セント・ジョージ、DDG-97ハルゼイ、LSD-42ジャーマンタウンなど）、太平洋空軍、第35戦闘航空団（F-16CM/DM戦闘機８機）、第18航空団第33救難飛行隊（HH-60G）、第212救難飛行隊、第３海兵機動展開部隊など人員10000名が参加した。また、オーストラリア軍がオブザーバーとして初参加している。演習内容は島嶼防衛における自衛隊統合運用要領、アメリカ軍との共同対処要領、水陸両用作戦、陸海空作戦、統合後方補給で、江仁屋離島での着上陸訓練、九州・薩摩諸島での地対艦ミサイル展開、空母護衛、戦闘機による防空戦、山岳救難、日米共同輸送などを行った。11月6日には本演習の一環として横田基地で日米共同輸送訓練が行われ、アメリカ空軍C-17A輸送機に空自第４高射群第13高射隊ペトリオットPAC-3を積み込む訓練などが行われた。参考：月刊世界の艦船1,’15、2,’15、月刊JWings1,’15、2,’15、月刊航空ファン1,’15

　＜キーン・ソード１７＞：平成28年度日米共同統合演習（実動演習）、Keen Sword 17/28FTX。2016年10月30日から11月11日、日本周辺空海域、各基地、在日米軍基地、グアム、北マリアナ諸島自治連邦区、その周辺海空域などで実施され、武力攻撃事態や武力攻撃予測事態における、島嶼防衛を含む自衛隊統合運用要領、アメリカ軍との共同対処要領、重要影響事態における対応措置要領に関する演習（水陸両用作戦、複合経空脅威への対処、空海域防衛作戦、捜索救助など）、サイバー攻撃等対処訓練を行った。通算13回目で、初めてアメリカの島嶼が演習地域に入っている。参加規模は自衛隊25000名、艦艇20隻（DDH-183いずも、DDH-181ひゅうが、DDH-144くらま、DDG-178あしがら、DD-115あきづき、DD-111おおなみ、LST-4001おおすみ、AOE-425ましゅう、AOE-426おうみなど）、航空機250機（陸自AH-64D、陸自CH-47JA、海自SH-60K、空自CH-47Jなど）、アメリカ軍11000名、艦艇７隻（CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、CG-67シャイロー、DDG-52バリー、LHD-6ボノム・リシャール、LSD-45カムストックなど）、参加部隊は統幕、陸海空幕、陸自各方面隊、中央即応集団、海自自衛艦隊、佐世保地方隊、空自航空総隊、航空支援集団、在日米軍司令部、第５航空軍、在日米海軍、第７艦隊、第７水陸両用艦隊、在日米陸軍、第３海兵遠征軍などで、イギリス軍、オーストラリア軍、カナダ軍、韓国軍がオブザーバー参加している。浮原島訓練場では重要影響事態下での捜索救助訓練として、墜落したアメリカ軍機のパイロット（に見立てたダミー人形）を日米共同で捜索し、空自CH-47Jで搬送した。11月6日、第15航空団第535空輸飛行隊C-17A輸送機が横田から岩国まで第３高射群第10高射隊の電源車を輸送。参考：月刊世界の艦船1,’17、2,’17、月刊航空ファン1,’17、2,’17、月刊軍事研究2,’17、朝雲

　＜キーン・ソード１９＞：平成30年度日米共同統合演習。2018年10月29日から11月8日、対馬と日本周辺海空域、グアム、北マリアナ諸島及びそれら周辺海空域などで実施され、自衛隊から47000名（統幕、３自衛隊、水陸機動団など）、艦艇20隻（DDH-181ひゅうが、DDH-183いずも、DDG-173こんごう、DD-115あきづき、DD-118ふゆづき、DD-110たかなみ、DD-104きりさめ、DD-132あさゆき、LST-4002しもきた、LCAC２隻など）、航空機170機（P-1、SH-60Kなど）、アメリカ軍から人員9500名、CVN-76ロナルド・レーガン、DDG-54カーティス・ウィルバー、SSN-773シャイアンなど艦艇部隊、航空部隊（VFA-27、VFA-102、VFA-115、VFA-195、VAQ-141、HSC-12、B-52H爆撃機など）、カナダ海軍フリゲートFFH-335カルガリーと補給艦アステリクスが参加し、水陸両用作戦、BMD／防空作戦、海上作戦を行った。イギリス軍、オーストラリア軍、韓国軍、フランス軍がオブザーバーとして参加している。10月31日、三沢基地周辺海域で千歳救難隊と第71航空隊がアメリカ空軍第35戦闘航空団F-16戦闘機墜落の想定で第374空輸航空団第36空輸飛行隊や第18航空団第31救難中隊と航空救難訓練を実施。11月4日、築城基地でアメリカ第374空輸航空団C-130J輸送機２機に第１空挺団隊員70名が搭乗し、日出生台演習場にパラシュート降下した。参考：月刊世界の艦船1,’19、月刊JWings1,’19、月刊航空ファン1,’19、朝雲

　＜キーン・ソード２１＞：Keen Sword 21、令和2年度日米統合演習02FTX。2020年10月26日から11月5日に日本周辺空海域、自衛隊・在日米軍施設、種子島、臥蛇島で行われ、自衛隊から統幕、陸海空幕、情報本部、陸上自衛隊、陸上総隊、水陸機動団、各方面隊、西部方面航空隊、海上自衛隊、自衛艦隊、各地方隊、航空自衛隊、航空総隊、航空支援集団、宇宙作戦隊などの隊員37000名、艦艇20隻（DDH-184かが、DDH-181ひゅうが、DDG-172しまかぜ、DD-112まきなみ、DD-117すずつき、DD-119あさひ、DD-120しらぬい、DD-154あまぎり、DD-157さわぎり、LST-4001おおすみ、LST-4003くにさき、AOE-425ましゅうなど）、航空機170機（第305飛行隊F-15J戦闘機、第８飛行隊F-2B戦闘機、AH-64D戦闘ヘリ２機、CH-47輸送ヘリなど）、アメリカ軍から人員9000名、インド太平洋軍、アメリカ空軍、第５航空軍、第18航空団第67戦闘飛行隊F-15C/D戦闘機12機（嘉手納基地から新田原基地に展開。米軍再編に係る訓練移転を兼ねる）、第７爆撃航空団第489爆撃群B-1B爆撃機１機（テキサス州ダイエス空軍基地からグアムに前方展開）、第57航空団第77兵器飛行隊B-1B爆撃機１機（テキサス州ダイエス空軍基地）、アメリカ海軍CSG-5、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイロー、DDG-52バリー、T-AO-199ティペカノー、第７艦隊哨戒部隊CTF-72、第７艦隊兵站部隊CTF-73、アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍、第３海兵師団第４海兵連隊、VMM-265所属MV-22B輸送機４機（普天間基地から鹿屋航空基地に展開。米軍再編に係る訓練移転を兼ねる）、アメリカ太平洋陸軍、在日米陸軍、カナダ海軍ハリファクス級フリゲートFFH338ウィニペグ、CH-148ヘリが参加し、洋上作戦、水陸両用作戦、航空作戦、陸上作戦、統合後方補給、統合電子戦、対空・対ミサイル防衛、サイバー攻撃等対処、宇宙状況監視、基地防衛などを演練した。イギリス、インド、オーストラリア、カナダ、韓国、フィリピン、フランスの駐日大使館付武官がオブザーバー参加している。横田基地に共同演習管制群BECGを置き、日米双方が演習全体のコーディネート及びモニタリングを実施。10月26日、山崎統幕長と在日米軍司令官シュナイダー中将が横田基地のアメリカ空軍第32特殊作戦飛行隊CV-22B輸送機に搭乗してDDH-184かがに着艦した。10月28-29日、三沢基地にB-1B爆撃機が着陸し、補給後離陸していった。10月30日、カナダ海軍CH-148ヘリがキャンプ座間で給油した。参考：月刊JWings12,’20、1,’21、月刊世界の艦船1,'21、7,'23、朝雲

　＜キーン・ソード２３＞：令和4年度日米共同統合演習（実動演習）Keen Sword 23。2022年11月10-19日、南西諸島周辺など日本周辺の海空域で実施され、自衛隊員26000名、第１空挺団、水陸機動団、第５地対艦ミサイル連隊、航空機250機（F-35A戦闘機、C-2輸送機、第401飛行隊C-130H輸送機、V-22輸送機、第１戦闘ヘリコプター隊AH-64D対戦車ヘリなど）、艦艇20隻（DDH-183いずも、DDG-177あたご、DDG-178あしがら、DD-119あさひ、ＤＤ-152やまぎり、DD-156せとぎり、そうりゅう型潜水艦、LST-4001おおすみ、LST-4003くにさき、AOE-426おうみなど）、アメリカ軍人員10000名、アメリカ陸軍第17野砲旅団第５大隊HIMARS、航空機120機（VMM-265所属MV-22B輸送機など）、艦艇10隻（CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、LPD-18ニュー・オーリンズ、T-AO-204ラパハノックなど）、イギリス海軍哨戒艦P233テイマー、オーストラリア軍航空機１機、イージス駆逐艦39ホバート、カナダ軍航空機１機、FFH-331バンクーバー、FFH-338ウィニペグが参加し、グレーゾーンから武力攻撃事態に於ける一連の状況を想定した水陸両用作戦、陸海空に係る作戦、統合後方補給、宇宙・サイバー・電磁波に関する領域と従来の領域の連携に係る訓練を行った。C-2輸送機でLPD-18ニュー・オーリンズからは陸自AAV7水陸両用戦闘車が発進している。ちょうど陸自西部方面隊が鎮西演習を行っており、第８師団が島嶼防衛訓練中の徳之島に水陸機動団が着上陸訓練を実施した。那覇病院には西部方面衛生隊や第８師団第８後方支援連隊が増強され、野戦病院を設営して負傷者後送訓練を行っている。また、同時期に日米共同訓練も行われ、三沢基地に展開したアメリカ空軍第27特殊作戦航空団AC-130Jガンシップが三沢対地射爆撃場で陸自特殊作戦群の誘導による実弾射撃訓練を、嘉手納基地に展開したF-22A戦闘機や築城基地に展開した第67戦闘飛行隊F-15C戦闘機が空自との共同訓練を実施した。中国軍は11月14日にY-8Q哨戒機、Y-9JB電子偵察機、BZK-005無人偵察機を宮古海峡から沖縄東方空域に展開させ、情報収集を行った。参考：月刊世界の艦船2,’23、月刊JWings2,’23

＜義烏＞：518（コルベット）を参照。

＜義烏基地＞：中国軍航空基地。2550m滑走路、緊急滑走路、シェルター24基、地下ハンガーを持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜キウイット＞：キウイかも。南アフリカのATE社が開発した小型UAV。特殊部隊や歩兵部隊が個人で携行でき、５分で組み立てられ、手投げ発進する。オートパイロットを搭載していて、飛行中の経路変更も可能。広角レンズ付き昼間用ビデオカメラを積んでおり、犯罪監視にも使用できる。全幅2.5m、総重量3.5kg、地上局を含めても15kgと小型軽量である。動力はリチウム電池駆動のモーター、巡航速度50km、行動半径5km、滞空時間45-60分。参考：月刊軍事研究12,’06、1,’09

＜キヴル式水上機収容装置＞：ドイツのキヴル氏が開発した水上機回収装置で、正式な名前は付けられていない。艦尾から着水幕を垂らし、航跡と幕で穏やかになった海面上に水上機を着水させ、幕の上に移動させる。すると幕にセットされている運搬台が水上機の機体重量により自動的に結合されるので、これを滑車で引っ張り上げれば回収が終了する。逆に海面に降ろすことも可能という。1929年5月と10月に実験が行われ、良好な成績を修めたようだが、軍民共に採用されなかった。参考：月刊丸4,’07

＜キエフ＞：ソ連海軍キエフ級対潜巡洋艦（ヘリ空母）１番艦Kiev。1967年5月5日艦籍登録、1970年7月21日起工、10ブロックに分けて建造が行われた。1973年12月26日、ソ連誕生50周年記念日に進水、1974年海上試験開始、1975年4月15日、海軍に引き渡される前に軍艦旗を掲揚した。5月18日、Yak-36Mが初着艦。10月24日、黒海艦隊サキ空軍基地で艦上飛行連隊が編成された。12月28日（16日？）、海軍に引き渡され就役した。1976年4月6日、セヴァストポリに停泊中、Yak-38実戦飛行隊である独立第279艦載攻撃連隊の連隊長機が着艦し、Yak-38の艦上運用を開始した。7月16日、独立第279艦載攻撃連隊のYak-38攻撃機５機とYak-38U練習機１機を搭載し、セヴァストポリを出港して北洋艦隊基地セヴェロモルスクに向かった。その間、NATO12カ国から艦艇16隻が追尾を行い、偵察機が708回触接してキエフ搭載機にも接近したため、西ドイツ海軍偵察機に対して仮想襲撃行動を行った。8月10日、セヴェロモルスクに入港、北洋艦隊に編入された。1977年、対潜巡洋艦から重航空巡洋艦に艦種変更された。1981年、ザパド81演習に参加。1982年、改装を実施。飛行甲板に気流フェンスを設け、電子装備や通信機器を更新した。1984年、艦隊に復帰。1987年6月、ドックに入り、そのまま1989年12月に予備艦に編入された。1990年、訓練航海を実施したがすぐに戻り、1992年に予備役となり、1993年6月に除籍された。総航海日数1232日、Yak-38総ソーティ数4258、艦載ヘリ総ソーティ数9154。1994年に韓国がスクラップとして購入したが、キャンセルされ、今度は中国が購入して1998年に広州でカジノになった。2006年には軍民両用のホテルとなり、その後天津でテーマパークになったが、観光客は殆ど来ないらしい。参考：月刊軍事研究5,’05、9,’09、月刊世界の艦船3,’05、4,’13、2,'22、世界の傑作機No.162

＜キエフ解放＞：第２次大戦中の1943年9月22日、ソ連軍はドニエプル河を渡河。9月24日、プクリンで橋頭堡を確保したが、ドイツ軍の反撃で橋頭堡に釘付けとなってしまった。10月12日、橋頭堡を囮にしてキエフ北方で主力部隊がドニエプル河を渡河、リュテシに橋頭堡を確保。10月20日、方面軍名称が変更され、第１ウクライナ方面軍がキエフ解放の任にあたることとなった。10月25日、第３戦車軍をリュテシ橋頭堡に移動。11月3日、火砲2000門とロケットランチャー500基による40分の準備射撃の後、第３戦車軍と第38軍が進撃を開始。11月5日にはキエフ郊外に達し、11月6日深夜にキエフを解放した。11月12日まで掃討戦を実施。ドイツ第４装甲軍の逆襲を撃退し、ジトミールとキエフ南西50kmのファストフを確保した。11月13日から再びドイツ第４装甲軍が反撃したが、11月末までに撃退している。参考：激闘　東部戦線(2)、月刊PANZER10,’01

＜キエフ級＞：ソ連海軍対潜巡洋艦（後に重航空巡洋艦）、プロジェクト1143クレチェット。実質的にはVTOL/STOVL空母だが、艦種が空母でないのは、1963年のモントルー条約にあるボスポラス海峡の空母通過禁止条項に抵触しないようにしたためである。大元はキーロフ級と２隻戦法で運用される原子力対潜艦で、２隻戦法断念後に原子力ヘリコプター対潜艦を経て通常動力ヘリコプター対潜艦（モスクワ級３番艦という扱いだが排水量を2000トン拡大している）に計画変更され、Yak-36の初飛行を受けて海軍総司令官ゴルシコフ元帥がYak-36M（後のYak-38）とKa-25を最大36機搭載する艦とするよう命じ、1967年にプロジェクト1143の名称で建造計画がスタート、1968年9月2日に国防省がクレチェットの計画名で本級の建造を決定したが、モスクワ級３番艦（1968年2月起工予定）として計画されていた時と同じ1973年に１番艦を竣工させる予定にしたため、1968年内に原案を纏める必要性に迫られ、ネブスコエ設計局で９種類の原案（排水量45000トンの固定翼機搭載原子力空母案まであった）を作成し、その中から強力な武装を搭載したVTOL空母案が選ばれた。当初の計画ではP-120対艦ミサイルを搭載する予定だったが、P-500に変更して排水量も増やし、1970年4月に技術案が承認され、1971年2月に建造計画が承認された。建造時間に余裕が無かったため、艦内機器のうち24種類が制式化前に搭載されている。主任務は水上艦艇部隊の対空対潜対艦防御、戦闘哨戒海域での戦略原潜護衛、潜水艦部隊展開支援、作戦海域でのYak-38による海軍航空隊援護、仮想敵戦略原潜捜索撃破、仮想敵水上艦艇部隊殲滅、上陸作戦支援など。ただYak-38の能力が低すぎてアメリカ空母艦上機には勝てないので、水上艦艇部隊の対空防御や作戦海域での海軍航空隊援護はちょっと無理がある気がする。主船体とアイランドの下２層はAK-25鋼（厚さ30mm以下）とAK-27鋼（厚さ35mm以上）で出来ており、アイランドの３層目以上は軽合金製である。主船体は縦隔壁２つと横隔壁18で仕切られており、艦底から６層目までの舷側は二重構造になっていて、中はタンクになっており、30キロトンの核弾頭が2000m先で炸裂して４区画が浸水しても戦闘を継続できる。各甲板や通路は異なる色で塗られており、艦内の何処にいるかが一目で分かる。艦首には高さ2.6m、幅9.6m、重さ1.5トンのブロンズ製装飾（赤い星、錨、翼）、舷側にブロンズ製艦名、錨鎖口の上に赤い星、艦尾に紋章が付けられた。前甲板はP-500艦対艦ミサイル発射機搭載スペース、上甲板中央右舷はアイランド、中央左舷から後部左舷は飛行甲板、後部右舷は駐機整備エリアに割り当てられている。飛行甲板は平甲板だが全通ではなくアングルドデッキ形状で、長さ195m（185m？）、幅20.5m、面積6200平方メートル。発着エリアは７カ所だが、ランディングマークは８カ所描かれており、最前部のＣマークが救難ヘリ用、その後ろの1-6番スポットが搭載VTOL・ヘリ用、艦尾中央のＭまたはＴと描かれたのが輸送ヘリ用である。当初は６機同時発艦する予定だったが、互いの排気が気流を乱して墜落する恐れがあると判明、10分ごとに３機ずつの発艦が限度となった。飛行甲板表面にはVTOLの高温排気に耐えられるAK-9F耐熱コーティング鋼板（550mm×550mm×10mm）が敷き詰められていて、痛んだ部分だけ取り替えることが可能。搭載機のYak-38はリフトエンジン方式VTOL機で、当時の技術ではリフトエンジンの出力を細かく制御してSTOLを行うのが困難だったため、スキージャンプ台は付けず、ほぼ垂直発艦で運用した。短距離滑走着艦時の事故に備え、クラッシュバリアが用意されている。右舷後部（アイランド後方）の駐機整備エリアでは10機を同時に整備できる。格納庫はアイランド中央からその後方の船体内にあり、長さ130m、幅22.5m、高さ6.6mで、Yak-38またはKa-25対潜ヘリ20機とKa-25救難ヘリ２機を標準搭載する。格納庫で火災が発生すると自動消火装置が作動し、ベンチレーターは自動停止、アスベスト製の防火シャッター５枚が降りる。格納庫内の機体移動は移送装置で行われる。航空機用エレベーターは内舷式２基（アイランド左とアイランド直後）が用意されており、一方を昇り専用、もう一方を下り専用で使う。格納庫からエレベーターで飛行甲板に出された機体は第３発着エリアの整備スポットで点検を行った後、パイロットが乗り込み、発着スポットに移動して母艦左舷方向に発艦していく。航空機用弾薬庫にはRN-28核爆弾18発、Kh-23ミサイル143発、R-3Sミサイル176発、S-5ロケット4800発、RGK-250爆弾20発、ZB-500ナパーム弾30発を収容でき、対潜ヘリ用としてAT-1対潜魚雷30本、PLAB-250-120対潜爆弾40発、ソノブイ（MGS-407Kなど）1104個の搭載も可能。兵装も重厚で、対艦用にP-500艦対艦ミサイル連装発射筒４基（前甲板に前後並列１基ずつ）と次発装填用ミサイル16発（８発？）、対空用にW/V-611シュトルム中距離艦対空ミサイル発射機２基（前甲板後部P-500連装発射筒の間とアイランド後部。ミサイル計96発）、オサＭ短距離艦対空ミサイル隠顕式発射機２基（前甲板後部P-500連装発射筒左舷、アイランド後方右舷。ミサイル計40発）、76mm連装砲AK726-MR105を２基（前甲板前部P-500連装発射筒間とアイランド後部）、30mm近接防御兵器AK630-MR123を８基（アングルド・デッキ前端下方２基、アイランド前部２基、艦尾左右２基ずつ）、対潜用に533mm対潜魚雷５連装発射管２基（艦尾舷側）、RBU-6000多連装対潜ロケット発射機２基（艦首）、SUW-N-1ビフリ対潜ミサイル連装発射機１基（ミサイル16発。RBU-6000の後ろ）を搭載する。対潜システムとして、艦首水面下にMG-342オリオン低周波長距離ソナーを装備し、船腹両側吃水線下の固定ソナードームと艦尾曳航式ソナーを組み合わせたプラチナ型ソナー・システムも追加している。他のセンサーとして、MI-110K赤外線捜索装置、MR-600長距離捜索追尾レーダー（アイランド頂部マスト前方）、フレガット対空捜索追尾レーダー（アイランド頂部マスト後方）、ドン２航海レーダー、ボルガ航海レーダー、ワイガチ航海レーダーを装備する。総合戦闘情報指揮システムBIUSはアレーヤ−２型、ECMはサイド・グローブ、ESMはバイカル、識別装置はクレムニイ2M、目標指示装置はMPTs-301、自動通信装置はタイフン�T型（送受信機51台）、ツナミBM、航海総合システムはサルギル、測深儀はNEL-6とNEL-10、指揮装置はカシピイ、艦対艦ミサイル射撃指揮装置はウラガン、艦対艦ミサイル管制装置はアーギュメント射撃指揮レーダー、艦上機誘導装置はプリボドSV。マストトップにトップ・ノットTACANアンテナを収容した球形アンテナドームがある。士官は1-2人部屋、下士官は1-6人部屋、兵は6-26人部屋が割り当てられる。Yak-38攻撃機の性能が悪く、結局ヘリ空母でしかなかった。全長273.1m、最大幅49.2m、吃水9-10m、基準排水量30535トン、満載排水量41400トン。主機は蒸気タービン４基、主缶はKVN-98/64型８基、出力180000馬力、４翅プロペラ４軸推進、舵は４枚、最大速力30.7ノット、航続距離7000海里（18ノット）、作戦行動日数30日。乗員1483名（うち士官280名、司令部要員50名）。１番艦キエフ、２番艦ミンスク、３番艦ノヴォロシースク、４番艦アドミラル・ゴルシコフの４隻が1975-87年に就役した。1993年までに全て除籍されている。参考：月刊世界の艦船3,’05、4,’13、3,'21、世界の傑作機No.162、月刊軍事研究12,’02、4,’99、2,’12、週刊エアクラフトNo.93、ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜プロジェクト１１４３．３＞：３番艦ノヴォロシースクのプロジェクト名で、プロジェクト1143Mともいう。飛行甲板を強化してYak-141やKa-27を運用できるようにし、魚雷発射管を撤去して格納庫を拡大し海軍歩兵用居住区を新設するなど艦内の40%に変更を加え、P500バザルトの次発用ミサイルを８発に減らし、航空燃料搭載量を1650トンに増やし、ソナーを近代化した。標準搭載機数はYak-38攻撃機16機、Ka-27PL対潜ヘリ18機（８機？）、Ka-25PS救難ヘリ２機。Ka-27PL対潜ヘリ34機＋Ka-25PS救難ヘリ２機や、Yak-38攻撃機14機＋Yak-38U練習機２機＋Ka-27PL対潜ヘリ16機＋Ka-25PS救難ヘリ２機といった積み方もできる。艦対空ミサイルをキンジャールに、CIWSをコールティクに換装する予定もあったが、結局実現していない。参考：月刊世界の艦船3,’05、4,’13、1,'15増刊、月刊軍事研究12,’02、4,’99、2,’12、世界の傑作機No.162、週刊エアクラフトNo.93

　＜プロジェクト１１４３．４＞：４番艦アドミラル・ゴルシコフのプロジェクト名。Yak-141超音速VTOLを搭載できるよう飛行甲板面積を6200平方メートルに増やして耐熱加工をセラミック耐熱板＋耐熱塗装に強化、アイランド脇の前部エレベーターを18.9m×10m（容量30トン）に、飛行甲板後部の後部エレベーターを18.9m×4.8m（容量20トン）に大型化した。航空燃料タンク容量は1500トンに増やしている。戦闘管制装置はアレーヤ２からレゾルブに換装しており、アドミラル・クズネツォフと同じマルス・パッサート多機能レーダー（NATOコードはスカイ・ウォッチ）とPNK-10K航空管制レーダー（NATOコードはケイク・スタンド）を装備し、PNK-10Kの上にフレガットＭ三次元レーダーを搭載、前甲板のP-500艦対艦ミサイル発射筒の搭載数を連装６基の計12基に増やし（予備弾は無し）、艦対空ミサイルをキンジャールに、自動砲を100mm砲AK-100に換装した。また、RBU-6000の代わりに高速魚雷に対抗するRBU12000ウダフ１防御システム２基（60発）を搭載している。CIWSはAK-630ガトリング砲８基（艦尾左右スポンソンに２基ずつ、アイランド前部に４基）。全長273m、全幅49.2m、飛行甲板長189m、飛行甲板幅20.7m、基準排水量38000トン（33440トン？）、満載排水量45000トン。主機は蒸気タービン（45000馬力）４基、主缶８基、４軸推進、巡航速力18ノット、最大速力29ノット、航続距離7000海里（18ノット）／4050海里（29ノット）。航空燃料1500トンを搭載する。乗員1610名＋航空要員430名＋司令部要員30名。標準搭載機数はYak-141戦闘機14機、Yak-38M攻撃機６機、Ka-27PL対潜ヘリ10機、Ka-25PS救難ヘリ２機、Ka-25Ts対艦ミサイル誘導ヘリ４機の予定だったが、Yak-141戦闘機が完成しなかったため、運用開始時にはYak-38M攻撃機12機、Ka-27PL対潜ヘリ16機、Ka-25PS救難ヘリ２機、Ka-25Ts対艦ミサイル誘導ヘリ２機を積んでいた。参考：月刊軍事研究12,’02、11,’98、4,’99、2,’05、月刊世界の艦船4,’13、9,’13、6,'22、世界の傑作機No.162

＜キエフ軍管区（ソ連軍、１９８９年）＞：南西部戦略方面隷下で、司令部はキエフにある。戦車師団８個、自動車化狙撃師団７個、砲兵師団２個、Mi-8/-24ヘリ180機、Su-24戦闘機30機、MiG-23戦闘機45機を擁する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜キエフ包囲戦＞：バルバロッサ作戦中の1941年8月4日、東部戦線前線を視察したヒトラーは、ウクライナの資源が戦争継続に不可欠であり、また、ルーマニアの油田地帯の安全を確保する上でも重要な地点であると考え、最初の目標がレニングラード周辺の工業地帯であること、次がモスクワまたはウクライナであることを告げた。8月8日、ドイツ南方軍集団第６軍がキエフ北翼のソ連第５軍に攻撃を開始。8月12日、ソ連軍の反撃に遭って第６軍は8日の攻撃発起点まで押し戻された。この頃、中央軍集団はモスクワ前面の要衝スモレンスクを陥落させており、またキエフ北方のドニエプル川西岸には中央軍集団の南翼を形成する第１機甲集団が進出し、キエフを両翼から包囲できる態勢にあった。ソ連第５軍は包囲される危険が出たため、スターリンに撤退を進言したが、拒絶された。8月19日、スターリンはソ連第５軍にドニエプル川東岸への撤退許可を出したが、既に大損害を受けていた。8月21日、ドイツ軍にモスクワではなくキエフを陥落させるという総統命令が下された。8月23日、ドイツ第２機甲集団司令官グデーリアン上級大将が、モスクワへの前進命令を出すようヒトラーの説得に向かったが、失敗。8月25日、キエフ北方から中央軍集団第２機甲集団がキエフの東へ回り込み、包囲を開始。ソ連軍はブリヤンスク方面軍と予備方面軍で反撃に出たが、逆に包囲されて大損害を出した。8月31日、キエフ南方ではドイツ第17軍がドニエプル川を渡河し、橋頭堡を確保。第１機甲集団が南からキエフを包囲する進撃路を確保した。ソ連軍参謀総長ジューコフ上級大将は、キエフの放棄と戦線縮小をスターリンに進言したが、３大都市の１つを失うことで連合軍からの援助を得にくくなると危惧していたスターリンは激怒し、ジューコフを参謀総長職から追放、レニングラード方面軍に転出させた。9月7日、第２機甲集団がセイム川のソ連軍防御陣地に到達。9月9日、第２機甲集団は防御陣地を突破してセイム川南岸に橋頭堡を確保、キエフ東方地区への進出を開始した。ドイツ第１機甲集団はドニエプル川東岸の橋頭堡を北進、ミルゴロドを占領。9月11日、キエフの完全包囲が避けられなくなり、ソ連ウクライナ方面総司令部はスターリンに撤退を具申するが、拒絶された。9月13日、第１・第２機甲集団の間が30kmに狭まった。ドイツ空軍飛行場が悪天候に遭い、一時的に制空権を握ったソ連軍は必死に包囲網完成を阻止にかかった。更に第40軍、第38軍、第２・第５騎兵軍団、独立戦車大隊、砲兵連隊により、ドイツ軍に猛攻撃を仕掛けたが、9月14日1800、キエフ東方200kmのルブヌイでドイツ軍の包囲網が完成。9月16日、ウクライナ地区総司令部が南西方面軍にキエフからの脱出を命じたが、大本営の命令が無いとのことで拒絶された。9月17日深夜、漸くスターリンからの撤退命令が出されたが、既に包囲網は強固なものとなっていた。9月18日、第２機甲集団司令部近くにソ連４個師団が攻撃をかけ、司令部まで800mに迫ったが、撃退された。以降、ソ連軍は戦闘部隊が次々と脱出行動に移り、組織的反撃は下火となった。9月19日、キエフは陥落し、ソ連軍は１個方面軍が壊滅して50万とも100万ともいわれる損害と52万名（ソ連側計算）ないし66万５千名（ドイツ側発表）の捕虜を出した。包囲網を脱出できたのは１万名に満たないとされる。9月29日、キエフ在住ユダヤ人50000人が市の郊外に集められ、36時間で33771人が射殺された。更にパルチザンや捕虜も集められ、10万人以上が殺害されたとされる。この大勝利で慢心したヒトラーは、モスクワ攻略タイフーン作戦と、ドネツ盆地・ドン川への突入を同時に指示、戦力を分散して結局両者共に失敗する羽目になる。参考：月刊PANZER3,’02、10,’01、歴史群像8,’98

＜擬煙筒地上破裂＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜キオクク＞：アメリカ海軍防潜網輸送艦。昭和20年2月21日、硫黄島付近で神風特攻を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜キオッジア＞：イタリア海軍レリチ級掃海艇キオッジア（Chioggia）。参考：月刊世界の艦船3,’05

＜機械化及び装甲部隊のハンドブック＞：イギリス軍が実験機械化部隊の演習運用成績に基づき1929年に発行したハンドブックで、表紙が紫なので紫の手引書とも呼ばれた。高速の中戦車部隊により、戦線突破と歩兵支援の両方を行うことが可能で、歩兵や騎兵の連合部隊では対抗できないような高い威力を発揮できるというものだったが、植民地での治安維持任務が軍の主任務となっていたイギリス国内ではあまり評価されず、1931年の財政危機で機甲部隊を創設するだけの余力も無くなり、旧来の歩兵戦車と巡航戦車の両立てになってしまった。アメリカ、ソ連、ドイツなど諸外国では高く評価され、ドイツ再軍備の際の参考ともされている。参考：歴史群像12,’09、月刊PANZER5,’10

＜機械化軍団（ソ連陸軍、１９４４年９月改編後）＞：軍団司令部（T-34/85戦車３両）、司令部中隊、機械化旅団３個、自動車化狙撃大隊３個、戦車連隊、自動車化重迫撃砲大隊、自動車化軽砲兵大隊、自動車化対戦車銃中隊、自動車化重機関銃中隊、機械化偵察中隊、自動車化兵器・整備中隊、自動車化工兵地雷処理中隊、自動車化対空機関銃中隊、自動車化輸送中隊、自動車化衛生中隊、自動車化連隊重機関銃中隊（7.62mm重機関銃M1939を66丁装備）、自動車化連隊対戦車銃中隊（14.5mm対戦車銃PTRD/PTRS1941を18丁装備）、自動車化連隊輸送整備中隊、自動車化連隊補給小隊、自動車化連隊衛生小隊からなる。自動車化狙撃大隊は大隊本部、自動車化大隊通信小隊、自動車化狙撃中隊４個、自動車化対戦車銃中隊（14.5mm対戦車銃PTRD/PTRS1941を18丁装備）、自動車化迫撃砲中隊（82mm迫撃砲M1937を６門装備）、自動車化大隊重機関銃小隊（12.7mm重機関銃M1938を９丁装備）、自動車化大隊対戦車砲小隊（45mm対戦車砲M1932/M1942を４門装備）、自動車化大隊衛生小隊、自動車化大隊補給小隊からなる。戦車連隊は連隊本部（T-34/85戦車１両装備）、連隊本部中隊、戦車中隊（T-34/85戦車10両装備）４個からなる。参考：月刊PANZER12,’13

＜機械化師団（アメリカ陸軍、１９８９年）＞：旅団司令部３個、戦車大隊５個、機械化歩兵大隊５個、自走砲大隊３個、MLRS／自走砲大隊１個、防空大隊１個、航空旅団１個などからなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜機械化実験隊＞：陸上自衛隊の装備品試験評価部隊。試験評価を行う５個班などからなる。1958年6月、富士学校の隷下に創設された。1970年8月、装備開発実験隊に改編された。参考：月刊軍事研究3,’15

＜機械化小銃中隊（アメリカ陸軍重旅団戦闘団諸兵科連合大隊）＞：兵力135名（士官５名、下士官・兵130名）。諸兵科連合大隊隷下に２個が編成されており、中隊本部と小銃小隊３個からなる。中隊本部は兵力15名で、M2A3歩兵戦闘車（中隊長車）、M2A3歩兵戦闘車（副中隊長車）、M113A3装甲車１両、M1083中型トラック１両、M1165HMMWV２両を装備し、中隊長用M1083とM1165HMMWVにはAN/UYK-128戦闘指揮システムを搭載する。小銃小隊は兵力40名で、M2A3歩兵戦闘車４両を装備する。参考：月刊軍事研究4,’17

＜機械化部隊＞：Mechanised formations。主に装甲車両で構成された部隊。機甲部隊よりは重装備（特に戦車）が少なく、歩兵戦闘車の代わりに装甲兵員輸送車を配置していることも多い。戦車と装甲兵員輸送車を１対２で揃えるのが標準で、歩兵重視の編成となっている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、歴史群像4,’11、月刊軍事研究8,’95

　＜機械化部隊（日本陸軍）＞：戦車、装甲車、自動車化歩兵、自動車牽引砲兵などによる編合部隊で、いわゆる完全自動車化部隊に近い。捜索に際しては、大規模騎兵部隊と同様の要領で実施し、特に飛行機の使用や協同が重要である。特性を利用して迅速に目的を達成するのが望ましいが、捜索のためだけに徒に戦力をすり減らすような使い方をしないよう注意する。捜索隊の兵力や編組は状況に依るが、通常は軽快な戦車または装甲車を主体とし、歩兵、砲兵、工兵、通信機関、修理機関などを適宜隷属させる。独立して行動する際の警戒は騎兵の警戒要領に準じ、特に飛行機と路上の障害に注意する。戦闘も大規模騎兵部隊と同様の要領で、任務を勉めて攻勢的に解決する必要があり、機動力と戦闘力とを利用し機先を制して敵を包囲または側背に向かい急襲する。戦場は部隊特性を発揮できる地形を選定し、状況の推移が速いので指揮官は部隊を確実に掌握して適時情報を取得しつつ迅速に決心する。一部隊を選抜して敵後方まで挺身させ、独立して行動させることもある。退却の際も機動力を利用して一挙に戦場を離脱するが、全軍の危機に際しては主力を救うため全滅を賭して果敢な行動に出る必要がある。参考：作戦要務令、歴史群像4,’11

＜機械化歩兵＞：歩兵を参照。

＜機械化歩兵軍（ワルシャワ条約軍、１９７９年）＞：軍司令部、司令部中隊、３個自動車化狙撃師団、１個戦車師団、１個砲兵旅団、１個対戦車連隊、重地対地戦術ミサイル旅団、２個高射連隊、工兵旅団、通信連隊、輸送連隊、後方管理隊などからなる。必要に応じて電子戦大隊、通信搬送大隊、化学戦防護大隊などが配属される。参考：月刊PANZER5,’79

＜機械化歩兵師＞：中国人民解放陸軍の師団。戦車及びそれと一体で機動する装甲戦闘車搭乗歩兵を基幹とする部隊である。作戦は、先遣穿挿・戦役割断（敵部隊の側面や間隙から先制攻撃をかけ、敵を分断する）、攻撃突破・多路割敵（敵正面を突破して分断、各個撃破する）、反敵空降・以快制快（敵空挺部隊に素早く対応する）、主動造勢（主体的に行動する）、集中力量（戦力を集中する）、速決殲敵（タイミングを見計らって速やかに敵を殲滅する）を旨とする。直昇機大隊（攻撃ヘリ中隊、輸送ヘリ中隊１個ずつ。攻撃ヘリ及び輸送ヘリ６機ずつを装備する）を隷下に置く。参考：月刊軍事研究5,’07

　＜機械化歩兵師（２００７年）＞：機械化歩兵団2-3個、歩兵団0-1個、装甲団１個、砲兵団１個、防空団１個、偵察営、工程営、防化営、通信営、電子対抗営、指揮組、救護所、修理所、軍需庫、燃料庫、弾薬庫、機材庫、輸送隊、警衛通信隊から編成されている。装甲団は主力戦車100両前後を有し、師全体で装備する歩兵戦闘車及び装甲兵員輸送車の数は350両以上にもなる。また、砲兵・防空装備も自走化されている。参考：月刊軍事研究5,’07

＜機械化歩兵大隊（師団86編成）＞：本部管理中隊１個（M-3装甲偵察車６両、M106自走迫撃砲６両、弾薬輸送トラック、燃料14000ガロン・52996リットル分のトレーラー／タンクローリー装備）、機械化歩兵中隊４個、対戦車中隊１個（３個小隊、M901対戦車車両12両装備）からなる。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜機械化歩兵大隊（イラク共和国親衛隊、湾岸戦争時）＞：隷下に大隊本部、機械化中隊３個、管理中隊、偵察小隊、迫撃砲小隊、戦車中隊、砲兵中隊、対空中隊、工兵中隊を置く。兵力1000名。BMP-1/-2歩兵戦闘車39両、BRDM2偵察車６両（うち４両は対戦車ミサイル型）、2.5トントラック23-25両、牽引式給油タンカー２両、野外キッチン３台などを装備する。増強を受けるとT-72戦車14両、装甲車２両、自走砲６両、ZSU-23-4自走高射機関砲３両、9K31/9K35自走地対空ミサイル３両などが加わる。参考：月刊軍事研究3,’09

＜機械化歩兵団（中国陸軍）＞：中国人民解放陸軍の機械化歩兵部隊（団）。参考：月刊軍事研究5,’07

＜機械化歩兵団（中国陸軍、２００７年）＞：機械化歩兵営（機械化歩兵連３個、迫撃砲連１個など）３個、装甲営１個、砲兵営１個、防空連、偵察連、工程連などから編成される。参考：月刊軍事研究5,’07

＜機械化歩兵中隊（アメリカ陸軍、師団８６編成）＞：M-2歩兵戦闘車４両からなる小隊３個で編成されM-2歩兵戦闘車計13両を保有し、戦闘に専念、補給や修理は大隊レベルで実施する。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜機械化歩兵分隊（スウェーデン軍）＞：分隊長（Ak5装備）、機関銃手（Ksp90装備）、対戦車砲手（RBS-56BILL装備）、小銃手兼無反動砲手２名（Ak5 med 40mm granattillsats及びGrg m/48装備）、対戦車ミサイル射手（Pskott m/86装備）、狙撃射手（Psg90装備）の６名で編成される。参考：月刊軍事研究9,’08

＜機械化歩兵旅（中国陸軍）＞：中国人民解放陸軍の機械化歩兵部隊（旅）。参考：月刊軍事研究5,’07

＜機械化歩兵旅（中国陸軍、２００７年編成）＞：兵力4000名。機械化歩兵営４個、装甲営１個、砲兵団１個（防空も担当）、工化営１個（工兵＋対NBC）、通信営１個（電子戦も担当）から編成される。参考：月刊軍事研究5,’07

＜機械化歩兵旅団（イラク陸軍、湾岸戦争時）＞：３個機械化歩兵大隊（１個あたり装甲車40-45両）、１個戦車大隊（戦車44両）、１個迫撃砲中隊（迫撃砲６門）、１個コマンドー中隊、１個工兵中隊、１個補給・輸送中隊、１個化学防護小隊からなる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜機械化歩兵旅団（イラク共和国親衛隊、湾岸戦争時）＞：３個機械化歩兵大隊（１個あたり装甲車45-50両）、１個戦車大隊（戦車55-60両）、１個砲兵大隊（155mm自走榴弾砲18両）、１個迫撃砲中隊（迫撃砲６門）、１個コマンドー中隊、１個工兵中隊、１個整備・後送小隊、１個化学防護小隊、１個補給・輸送中隊からなる。参考：月刊軍事研究4,’08

＜機械駆動クリップ式給弾機＞：クリップに填まった弾薬を砲尾ケース内の弾倉に差し込み、１発ずつ装弾板に送って自動装填・発射する方式の給弾装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜機械工作車搭載用工具セット＞：自衛隊の機器。妙義工商が受注している。参考：月刊軍事研究1,’11

＜機械式摩擦クラッチ＞：クラッチを参照。

＜機械水雷＞：機雷を参照。

＜機械製造工場＞：ソ連の核燃料製造施設。1945年、エレクトロスタルに創設された。参考：核兵器事典

＜機械走査型レーダー＞：目標の方向を検出するため、パラボラ・アンテナなどを利用して電波に指向性を持たせ、アンテナを機械的に動かして走査したい方に向けるレーダー。１回転させれば全周捜索でき、複数を組み合わせれば仰角・高度情報を得ることも可能。第２次大戦後期に開発された。初期の複眼型アンテナ（ファランクス・ブロック�Tなど）も、電波を絞る機能しか付いていなかったので、機械走査型に分類される。電波ビームの向きを変えるのにモーターなどの動力を使うため、走査に時間がかかり、またクラッターなどの不均一性を除去して均一に走査するのが難しいという欠点がある。このため、電子機器の発展に伴い、電子走査型が主流となった。参考：月刊軍事研究2,’04

＜機械的接合＞：ボルト、リベット、ネジなどで素材を接合する方法。組み立てや解体が簡便な工具を使用して簡単に行え、さほど熟練が要らない。破断が生じても、接合部で止まる。接合部を重ねた上に接合部品で止める必要があり、重量がかさむ。気密・水密性を得るのが難しく、接合部品の数を増やして接合部の信頼性を高くすると、工数が多くなりコストと時間が掛かる。気密・水密性を得るために接着剤でシールする、接合部品が緩まないよう溶接する、といった複合接合でカバーすることもある。参考：トコトンやさしい溶接の本

＜機外兵装＞：航空機の外部に搭載する兵装のことで、外部兵装ともいう。搭載母機の飛行荷重や飛行性能に過大な影響を与えず、発射・投下する際には搭載母機から安全に分離できる必要があり、機体に半分埋め込んだり、機体に直接取り付けたラックやランチャーに装着したり、パイロンを介して取り付けたりする。搭載した状態での飛行可能領域や発射可能領域を調べる必要もあるが、特にミサイルなど複雑高価な機外兵装は、試作品を多数作って全搭載状態・飛行パターンを網羅した試験を行うのは無理なので、代表的な状態で実物試作品による投下・発射試験を行い、そのデータを使って他の状態に於けるシミュレーションを実施する。参考：朝雲

＜キカウ＞：フィジー共和国海軍哨戒艇。2022年8月15日、フィジー周辺で日フィジー親善訓練に参加し、DD-104きりさめと戦術運動訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜幾何学的捩り下げ＞：捩り下げを参照。

＜気化器＞：キャブレターを参照。

＜規格化レーダー断面積＞：Normalized Radar Cross Section、NRCSと略す。単位面積あたりのレーダー断面積のこと。算出に際しては、クラッターなどのランダムノイズを平滑化して正確な数値を出すラジオメトリック校正処理を行う。目標のNRCS平均値や分布から、目標の大きさや種類を判別することも可能。参考：レーダの基礎

＜キカプー・ジュース＞：Kickapoo Juice（キカプー族のジュース）。アメリカ軍兵士が自作したどぶろくのことで、星条旗誌に連載されていたリル・アブナーというコミックからきている。墜落した飛行機から銅のパイプを取ってきてガソリン缶と組み合わせて蒸留器を作り、桃の缶詰を発酵させてどぶろくにする。ちなみにヨーロッパ戦線での通称であり、太平洋戦線ではスワイプ（Swipe）と呼ばれた。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜幾何平均翼弦＞：Geometrical mean chord。幾何学的に算出した平均翼弦のことで、翼面積を翼幅で割るか、翼幅を縦横比で割って計算する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜帰還＞：イラク共和国フセイン政権の秘密警察・治安機関・情報機関の残党が編成したテロ組織。規模など詳細は不明である。参考：月刊軍事研究2,’04

＜旗艦＞：Flagship。訓読みでハタブネともいう。指揮官が乗り込んで艦隊を指揮統制する艦のこと。帆走戦列艦時代、高いマストに信号旗を掲げて先陣を切っていたことからこう呼ばれるようになった。当初は最強戦艦が旗艦を務めていたが、次第に通信能力の方が優先されるようになり、現在は自衛装備くらいしか持たない艦が艦隊の遙か後方で旗艦を務めていたりする。民間でも組織の最重要機構などを示す用語として使用される。参考：月刊世界の艦船12,’10、11,’11

　＜旗艦（海上自衛隊）＞：自衛艦隊司令官が座乗する自衛艦隊旗艦、護衛艦隊司令官が座乗する護衛艦隊旗艦、護衛隊群司令が座乗する護衛隊群旗艦、練習艦隊司令官が座乗する練習艦隊旗艦などがある。ちなみに艦でなく艇の場合には司令艇という。部隊の顔でもあるので、国旗・自衛艦旗・指揮官旗の掲揚状態から甲板の水溜まりにまで注意し、威容を保っていた。海上自衛官の方も旗艦の前を通る時は襟を正す。常に司令官や司令部が座乗している訳では無く、通常は訓練を隷下部隊の長などに任せて訓練の邪魔にならない修理中の艦船や陸上事務室などに勤務しており、隷下部隊の長などが行う練成訓練、艦隊戦技訓練、訓練検閲、海上自衛隊演習などの際にのみ座乗する。とはいえ司令部座乗時は他の同型艦より手狭になるし、常に模範的行動を示さねばならず大変なので、半年くらいで交代した。1962年、1965年、1966年、1968年には護衛艦隊旗艦が練習艦隊旗艦として遠洋練習航海に参加しており、この間は代わりの護衛艦が護衛艦隊旗艦を務めている。2008年の海自大改編で護衛艦隊が実戦部隊から外れたことに伴い、2010年6月25日のDDG-170さわかぜ退役と同時に護衛艦隊旗艦が廃止された。参考：月刊世界の艦船11,’11、8,’14、日本の防衛戦力Part7

＜機関運転データ収集記憶装置＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜機関科（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の科の１つ。トップは機関長（以前は応急長だった）で、機関士が補佐し、応急工作員、ディーゼル員、ガスタービン員、電機員、艦上救難員などが所属している。主機、補機、燃料、電気、水の管理、工作、潜水関連事項を行う他、応急長の指揮を受けて艦の安全管理、応急復旧作業（ダメコン）を実施する。自衛艦では第３分隊に配属される。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊、日本の防衛戦力Part3、MAMOR vol.122、vol.148

＜機関科（日本海軍）＞：機械（タービン担当）、缶部（ボイラー担当）、補機（主機以外の全動力担当）、電機に細分される。機関室は高温環境だが、ケガや火傷を防ぐために服を脱いでの作業は禁止されていた。太平洋戦争初期には防暑服（半袖半ズボン）を着ていたが、ミッドウェイ海戦以降は戦訓に基づいて長袖長ズボンに巻脚絆まで着けた。兵科との間には見えない壁が設けられていて、航空に進んでも搭乗員になることはできず整備に携わるだけで、軍令承行令の規定で軍隊の指揮権に関しては兵科将校の後ろに置かれていた。ミッドウェイ海戦での大敗を受けて航空士官の需要が高まると、差別待遇による不満解消も兼ねて昭和17年11月に兵科と機関科の将校を統合、軍令承行令の規定も改正され、機関学校卒業生が次々と飛行学生に入隊していった。参考：歴史群像10,’11、月刊丸6,’01

＜機関（機動戦闘車用実用試験車両用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜機関けん銃＞：MP5海外シリーズ（短機関銃）を参照。

＜機関拳銃＞：9mm機関拳銃を参照。

＜機関自動監視記録装置用印字装置＞：自衛隊の機器。東芝三菱電機産業システム製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜機関自動監視記録装置表示器等（その１）＞：自衛隊の機器。寺崎電機産業製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜機関銃＞：Machine Gun。中国語では機槍または机槍。全自動機構により連射できる小口径火器のこと。銃の連続発射の原理（ガス圧作動式）自体は1663年にイギリスのパーマーが構築していたが、技術と必要性の関係で実用化はされなかった。1718年には薬室９個を円周上に配置したロータリーマガジンに弾薬を込めて手回しで発射する試作銃が登場。ちなみにマシンガンの語源となったのはウィリアムズのマシンガンと呼ばれるロータリーマガジン銃である。19世紀に入り後装式小銃が軍に広く普及し、大砲と小銃の間を埋める機関銃の必要性が生まれてきた。更にスプリングフィールド陸軍工廠で開発された機械を使用した互換可能な部品の大量生産、公差の概念の導入、金属製薬莢の採用による火薬の安定性獲得、無煙火薬の開発（連射しても視界が遮られない、煤が銃身内にこびりつかない）などにより、1860年にはコーヒーミルと呼ばれる手回し式連発銃（弾倉とクランクがコーヒーミルのような形をしていた）、1862年にガトリング砲が出現した。ただ作動に外部動力（手回し）を使う関係上、大きくなりすぎるという欠点があり、1883年に反動利用式マキシム機関銃、1884年にガス圧作動式ブローニング機関銃という外部動力不要の自動火器が相次いで開発され、手回し式の連発銃を全て旧式に追いやって実用的な機関銃の嚆矢となった。最初に大量使用されたのは日露戦争である。第１次大戦当初、イギリス軍では機関銃に対する扱いが低く、１個大隊に４丁で十分だなどと陸軍大臣が発言し、首相がそれを２乗して２を掛け、更に２倍にした数量を配備するよう取りなす場面もあったが、間も無く密集体型で突撃する歩兵に対して弾幕を張るようになり、歩兵は塹壕正面で重機関銃の防御砲火に捕捉されて大量の死者を出した。砲兵の射撃精度が悪くて近接支援射撃ができなかったのにも問題があるが。ともかく重機関銃に対抗するため第１次大戦後期には軽機関銃のはしりが登場し、これの援護下に死角から歩兵が突撃して重機関銃陣地を制圧するという戦法が定着した。ちなみに、軽機関銃という分類の銃を最初に完成の域に達させて制式採用したのは第１次大戦後の日本である（十一年式軽機関銃）。ベルサイユ条約で重機関銃の保有を禁止されたドイツは、軽機関銃を緩衝装置付きの三脚に据え付けて、安定した射撃ができる重機関銃の代わりにするという汎用機関銃GPMGを生み出した。第２次大戦でアメリカ陸軍は分隊機銃のはしりといった感じの軽機関銃BAR、重機関銃としては軽くて軽機関銃としても使えそうな重機関銃M1917、装甲車両も撃ち抜けるM2重機関銃を組み合わせて有効に使用している。日本陸軍では、三八式機関銃以降口径11mm未満のものを機関銃、それ以上を機関砲と呼んだが（それまでは全て機関砲）、日本海軍では40mmまで機関銃、それ以上は砲である。参考：月刊軍事研究11,’02、8,’14、月刊PANZER2,’02、世界の軍用銃、歴史群像10,’04

＜機関銃（航空機搭載用）＞：空中機動中には高いＧがかかるため、地上軍で使用される機関銃をそのまま搭載すると、弾薬ベルトが歪んだりして装填不良になる。自衛隊でヘリにマウントを付け、機関銃を搭載して射撃したところ、旋回中は全く弾が出なかったらしい。また、弾速が遅いと弾道が射線から大きく外れ、命中精度が低下する。1910年7月24日にドイツのアウグスト・オイラーが機関銃を航空機に搭載するための装置の特許を取っているが、実際に搭載されたのはもう少し経ってからだった。第１次大戦では口径7mm台が主流で、第２次大戦では重爆に対抗するため20mm以上に大口径化していった。第２次大戦後、アメリカは短時間に多数の弾丸を送り込める20mmバルカン砲を採用し、西側ヨーロッパ諸国は１発の威力が大きく対戦車攻撃もできる30mm機関砲を使用している。東側は23mm機関砲／ガトリング砲を経て30mmガトリング砲になった。第２次大戦後はミサイル万能論に押されて廃れた時期もあったが、ベトナム戦争で目視内戦闘を余儀無くされると重要性が再認識されて復権した。湾岸戦争での空対空撃墜は全てミサイルによるものであり、AEW/AWACSの発達やステルス機によるBVRAAM戦闘で出番が更に減る可能性もあるが、ステルス機同士の戦闘では格闘戦が予想されること、非対称戦では地上掃射に使えること、スクランブル時に警告射撃が行えることなどから、当分は装備され続けるとみられる。参考：月刊軍事研究6,’12、ジェット戦闘機、ワイルドウエポン

＜機関銃架台セット（ＣＨ−４７ＪＡ用）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究2,’13

＜機関銃架台セット（ＵＨ−６０ＪＡ用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜機関銃座＞：機関銃を設置した陣地。反動に耐えられるよう、地質のしっかりした所を選んで設置する。地面を掘り込んで設置する事が多く、補強のためにライナープレートを埋め込んだり、木の板を壁に填め込んだりする。アスファルト上に設置する場合などは土嚢を積み上げて設置する。銃眼の大きさで緊張度が分かり、400-500m先の目標を射撃するような設定では射撃手が外を見渡せるくらい開けていてもいいが、ボスニア内戦のように50-100m先を撃つような時は、弾が通るくらいの銃眼を開けておいて、動くものは全部撃つくらいのつもりでないと逆にやられる。参考：JWings11,’02

　＜機関銃座（自衛隊）＞：円筒形のライナープレートを横倒しで使っているので、姿勢が悪くなってしまい、長時間向きではない。ただし擬装と防御は異常にしっかりしていて、機動戦で一度射撃したらすぐに放棄する場合でも、1m以上の盛り土をして105mm砲弾の直撃に耐えられるレベルの銃座をあっさり作る。伊達に70年前穴掘りばかりしていたわけではない。参考：JWings11,’02

＜機関銃（試験用）＞：自衛隊の機器。JALUXが受注している。参考：月刊軍事研究11,’10

＜基幹信号伝送装置改２＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’13

＜基幹信号伝送装置改２−Ｔ＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜基幹信号伝送装置改３＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜基幹信号伝送装置改３−２＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究5,’17

＜基幹信号伝送装置改４＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜機関制御監視記録装置用構成品＞：自衛隊の機器。IHI製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜機関長＞：海上自衛隊の職名で、略号はキ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ギガント＞：KV-2シリーズ（重戦車）またはMe321シリーズ（グライダー）またはMe323シリーズ（輸送機）を参照。

＜機関幕僚＞：海上自衛隊の職名で、キサと略す。参考：日本の防衛戦力Part3

＜機関部＞：銃砲の作動部分で、給弾機構やファイアリング・メカニズムを備える。参考：GUN用語事典

＜機関砲＞：口径の大きい機関銃。日本陸軍では口径11mm以上をこう呼んだ。現在は20mm以上を呼ぶことが多い。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜機関砲用標的＞：自衛隊の標的。日本飛行機製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜基幹連隊指揮統制システム＞：陸上自衛隊のC4I2システム、略称ReCS。前線の各隊員に携帯端末装置�U型（PDA端末及びGPS）を配備し、メールにより状況を送信、処理装置で統合し、リアルタイムで連隊本部のノートパソコンに表示する。IDAサイクル（情報、判断、小隊火力・機動発揮サイクル）を飛躍的に高速化させるシステムとして第２師団第25普通科連隊が2007年から試験を実施した。また、第２師団の90式戦車にも搭載された（戦車連隊指揮統制システムT-ReCS）が、スペースがぎりぎりで運用に苦労しているらしい。師団等指揮システムFiCSや野外射撃特科指揮装置などとの連接も可能。東芝製。2011年現在、第２師団と第６師団が装備しており、東日本大震災でも有効活用されたが、通信速度が遅いといった欠点があり、改良の余地も大きいようである。参考：JGround Vol.19、月刊丸2,’08、月刊軍事研究12,’08、9,’11、12,’13、スピアヘッドNo.6、No.12、JWings7,’11

＜基幹連隊指揮統制システム構成用品（換装用）＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜危機対処担当特殊目的海兵空陸任務部隊＞：SPMAGTF-CRを参照。

＜気球＞：Balloon。推進装置の無い軽航空機で、気密球に空気よりも軽いガスを封入し、静的浮力で浮き上がる。自由気球と係留気球に分類される。1783年9月19日（6月？）にフランスのモンゴルフィエ兄弟が熱気球で空に浮かび上がったのが人類初の飛行である。同年12月1日、フランスのシャルル教授が水素気球で飛行に成功した。1793年、フランス共和国軍が偵察用の気球隊を編成し、1794年のフランス革命戦争フルーリュスの戦いで使用した。1861年からの南北戦争で北軍が偵察用に気球エンタープライズを使用し、1870年からの普仏戦争では包囲されたパリからの脱出にも使われた。艦船にも偵察・着弾観測用などとしてジュットランド海戦後あたりから搭載され始めたが、曳航を始めると気球が傾斜する上に猛烈な振動が加わって危険、観測員が乗り物酔いを起こしてダウンする、悪天候時に雷が落ちまくって繋留索経由で母艦にも被害が出る、使用後に海面近くまで引き寄せると気流の乱れで不安定になり回収できないといった欠点があり、水上偵察機に後を譲って1920年代には使われなくなった。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究9,’08、3,’16、月刊世界の艦船4,’12、飛行機のしくみ、戦闘機のしくみ

　＜気球（日本陸軍）＞：戦闘が予期される状況になったら、部隊の大部分または全部を第一線師団や直轄砲兵隊に配属する。捜索は目視や写真で行う。気球製作所が日本で初めて開発した円筒形係留気球を日露戦争に投入し、旅順攻略戦での偵察に使用した。参考：作戦要務令、朝雲

＜気球撃墜事件＞：2023年1月28日、アリューシャン列島付近のアメリカ防空識別圏に大型の無人気球が侵入するのを、アメリカ当局が確認した。この時は大統領から特に指示は無く、U-2偵察機で監視し、ECMもかけたらしい。気球はそのままアラスカ北部を通過し、1月30日にカナダに侵入、南南東に変針して1月31日にアイダホ州に入り、ICBM基地であるモンタナ州マルムストローム基地上空を通過、アメリカ東海岸に向かった。2月1日になって大統領から撃墜指示が出されたが、気球が推定高200フィート・61mで推定重量2000ポンド・910kgと大きく、残骸が人家に落下すると損害が出る恐れがあったため、国防総省で検討した結果、サウスカロライナ州沖の領海内で撃墜する事にしている。2月2日、アメリカ国防総省とカナダ国防省が、中国から偵察用とみられる気球が飛来していると発表した。2月3日、アメリカが国務長官が、中国の無責任な行動及び明確な主権侵害・国際法違反を非難し、中国訪問の延期を決定。2月4日、中国外交部が、気球は民間科学研究用で、制御不能になり偏西風に流されただけと発表したが、アメリカは気球下部に遠隔操作可能な偵察用装備が装着されているとした。コロンビア軍が、コロンビア上空高度17000mを時速46kmで飛行する気球を確認したと発表し、コスタリカやベネズエラでも目撃情報が寄せられ、中国外交部が自国のものと認めている。現地時間2月4日1439、ラングレー空軍基地を出撃した第１戦闘航空団所属F-22A戦闘機２機（ただ隷下に本土防空担当の州空軍部隊が無いので、第１戦闘航空団の機体に同基地の第149戦闘飛行隊所属パイロットが搭乗した説あり）のうち１番機（コールサインはフランク01。ルーク空軍基地の名称由来でもあるフランク・ルークJr陸軍少尉から）が高度58000フィート・17680mからAIM-9X空対空ミサイル１発を発射し、サウスカロライナ州ミルトルビーチ沖高度62000フィート・18900mの気球を撃墜した。撃墜に際してはアメリカが中国に事前に通告している。中国は民間の気象観測気球が偏西風で流されただけ（舵で都合良くコース変更した事には触れない）として謝罪するどころか撃墜に抗議し、自国企業の権益を守るため必要な措置を執るという脅迫も付け加えた。落下場所は水深50フィート・15m程度だったため、2月6日から（5日は悪天候で断念）CG-58フィリピン・シー、DDG-79オスカー・オースチン、LSD-50カーター・ホール、T-AGS-60パスファインダー、沿岸警備隊巡視船WMEC-625ヴェンチャラス、WPC-1127リチャード・スナイダー、WPC-1128ネイサン・Ｂ・ブルッケンタールなどが展開して残骸を回収、直径60m・重量１トン以上でプロペラと舵を装備し、SIGINT用とみられる複数のアンテナやセンサー、送受信装置、電力供給用ソーラーパネルなどを搭載していて、偵察用と判明。気球製造関連の中国企業６社を禁輸リストに加えた。中国は強く反発し、アメリカの気球が2022年から10回以上中国に侵入したと根も葉もない言い掛かりを付けている。同様の気球はバイデン政権時代に１回、トランプ政権時代に３回飛来したのが判明しているが、正確な位置が分からず、この時は撃墜には至らなかった。日本でも2019年11月、2020年6月に仙台、2021年9月に八戸で同様の気球が確認されており、政府は中国の偵察用気球であると強く推定される、と発表した。2月16日、領空侵犯した気球や無人機が日本のものでないと認定された場合、撃墜が可能であるという新たな武器使用基準を定め、運用を開始した。参考：月刊JWings4,’23、5,'23、月刊世界の艦船5,’23

＜気球車＞：日本陸軍の気球器材。参考：工兵入門

＜気球製作所＞：日本の気球製作会社。明治27年に東京で創設され、最初は天然ゴム技術を活かして日本初の救命胴衣を製作した。明治29年（明治33年？）に日本初の係留気球を完成させ、日露戦争時には旅順攻囲戦に使用するための偵察用繋留気球を開発している。第２次大戦前にこの会社の観測用気球を使用して日本の研究者がジェット気流を発見しているが、日本軍から極秘扱いにされてしまったため、アメリカが初めて観測したことになっているらしい。昭和18年、日本軍の管理監督工場となった。戦後も世界トップクラスのゴム気球・係留気球技術を有しており、防衛省、気象庁、航空宇宙研究開発機構、放射線医学総合研究所、大学などに高空観測用ラジオゾンデを納入、1955年から海外進出して2017年現在で延べ50カ国に気球を輸出している。2016年9月、創業者の山田猪三郎氏が国際航空連盟国際気球委員会の殿堂入りを果たした。2017年11月、極寒環境向け観測気球の試作型がAGB-5003しらせに搭載されて南極に向かった。参考：朝雲

＜帰休兵召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜ききょう＞：LSSL-447（警備船）を参照。

＜きく＞：LSSL-402（警備船）を参照。

＜菊＞：日本海軍樅型駆逐艦９番艦。大正9年12月10日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年4月1日、哨戒艇に類別変更され、第31号哨戒艇に改称された。参考：日本海軍艦隊総覧、日本駆逐艦史

＜菊川丸＞：日本海軍特設運送船（雑用）Kikukawa maru。元は昭和12年4月10日に川崎造船所で竣工した川崎汽船樺太航路船で、太平洋戦争により海軍に徴用された。垂線間長107.29m、幅15.24m、深さ8.38m、吃水6.941m、総トン数3833トン、重量トン数5684トン。主機は蒸気タービン１基１軸2510馬力、航海速力12ノット、最大速力14.951ノット。昭和18年10月7日、トラック島で荷積み後に待機していたところ、原因不明の小爆発で火災が発生し、積み荷の弾薬などが誘爆して沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’21

＜菊水作戦＞：太平洋戦争中の昭和20年4月6日から6月22日まで、1-10号に亘り実行された沖縄特攻作戦。航空特攻は第５航空艦隊指揮下の第１機動艦隊（第３・第５・第10航空艦隊）と、それに呼応する第１航空艦隊の航空戦力で行われ、陸軍も航空総攻撃と名付けて第６航空軍と第８飛行師団が11次に亘る特攻を行った。海軍特攻機総数1017機。第６航空軍は出動延べ1562機、未帰還機833機（特攻機661機）、第８飛行師団は出動延べ556機、未帰還機265機（特攻機221機）。また、大和を旗艦とする海上特攻隊も編成され、沖縄海上特攻を行った。アメリカ側はレーダー・ピケット・ラインに哨戒ポイント15ヵ所を設定し、それぞれに駆逐艦４隻を配置、８時間交替で警戒に当たらせていたが、このピケット艦に次々と特攻機が突入してくるので一時補充困難に陥り、駆逐艦以外の艦にもレーダーを積んで哨戒にあたらせると共に、B-29による九州特攻基地への爆撃も行った。昭和20年3-6月の特攻命中数は182機、至近は97機で、25隻（駆逐艦13隻、輸送艦１隻など）を撃沈した。参考：月刊軍事研究6,’03、4,’08、4,’10、帝国陸海軍事典、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸8,’95、太平洋海戦史

　＜菊水１号作戦＞：昭和20年4月3日に大本営海軍部が連合艦隊に航空攻撃強化を下令し、鹿屋で作戦打ち合わせが行われ、午後にKFGB天信電令作第39号で作戦要領が出された。4月4日、図上演習を実施し、連合艦隊と第１機動基地航空部隊は攻撃予定日を4月6日と定め、4月4日0918に電令作第六〇一号をもって総攻撃命令が下達され、予定通り4月6日に施行された。これに合わせて大和の水上特攻も実施されている。南九州の第１国分基地には第210航空隊、第252航空隊、第601航空隊、第701航空隊、宇佐航空隊、名古屋航空隊、百里原航空隊、元山航空隊が展開し、第601航空隊司令が指揮を執った。4月6日朝、鹿屋基地から一〇〇式司令部偵察機が三段索敵を実施、沖縄の北85海里の地点にアメリカ艦船12隻を発見した。1015、爆戦85機と彗星24機が発進。昼前にアメリカ空母機動部隊がレーダーで奄美大島南を飛行する日本軍機を捉えた。1200、アメリカ空母機動部隊は北方40マイルでの迎撃態勢に入った。1227、防御網を突破した彗星がCVL-28カボットに至近弾１発を投下、別の１機は体当たりを試みたが失敗して海面に激突した。更に零戦２機がCVL-28カボットに接近、１機はBB-55ノースカロライナの対空砲火で撃墜され、１機はCVL-28カボットをかすめ、SKレーダーアンテナを損傷して海面に突っ込み爆発、TBM４機が破損した。午後は串良から天山16機、第１国分基地から九七式艦攻30機と九九式艦爆49機が、台湾から銀河４機と彗星３機と天山３機が、知覧・万世・都城から陸軍第６航空軍特攻隊54機と第８飛行師団28機が出撃した。日本軍の総参加航空機数は524機（海軍391機、陸軍133機）、うち297機が特攻機（海軍215機、陸軍82機）で、212機が未帰還となり、DD-529ブッシュ、給弾艦ローガンビクトリア、給弾艦ホップスビクトリアを撃沈、DD-801コルフウン、DD-457エモンズ、LST-447を行動不能（後にアメリカ軍が処分）とし、CVL-30サン・ジャシント、DD-417モリス、DD-476ハッチンス、DD-473ベネット、DD-481リューツ、DD-528マラニー、DD-573ハリスン、DD-586ニューコム、DD-592ハワース、DD-700ヘインスワース、DD-732ハイマン、DD-746タウシグ、DE-636ウィッター、DE-640フィーバーリング、DD-456ロッドマン、DD-625ハーディング、掃海艇ファシリティ、ディフェンス、ラムソン、デバステーター、掃海特務艇YMS-311、YMS-321に損傷を与えた。4月7日は海軍の156機が出撃、うち特攻機は彗星11機、爆装戦闘機30機、銀河12機の計53機で、未帰還機は40機（うち特攻機34機）であり、CV-19ハンコック、BB-46メリーランド、DD-559ロングショー、DE-184ウェッソン、掃海特務艇YMS-81を損傷させた。4月8日は悪天候のため出撃した海軍機88機は途中で引き返し、4月9-10日は雨天のため延期され、作戦基地への航空機補充すらできなかった。4月10日午後に雨が止み、4月11日になり戦力が整ったため、第５航空艦隊の特攻が実施された。制空隊の零戦55機と紫電15機が隙を作り、爆装戦闘機30機、彗星９機、天山10機、銀河17機、陸軍重爆16機が特攻してBB-63ミズーリ、CV-6エンタープライズ、CV-9エセックス、DD-642ヘール、ブラード、DD-661キッド、DD-702ハンク、DE-36マンラブ、DE-183サミュエル・Ｓ・マイルズが損傷している。4月8-11日の作戦機数は303機（うち特攻機78機）、未帰還36機（うち特攻機30機）だった。参考：激闘太平洋戦記、月刊軍事研究6,’03、4,’10、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍戦闘機隊

　＜菊水２号作戦＞：4月9日、連合艦隊は敵機動部隊の損害が大きいと見て、戦機は正に七分三分の兼合にありとする電報を発し、総追撃命令を出した。4月11日、菊水２号作戦の実施がKFGB天信電令作第109号で第５航空艦隊に、KFGB命令作第27号で第３航空艦隊に発令され、4月12日の作戦実施が決まった。4月12日0330、海軍の彗星夜戦と零戦、陸軍の重爆が出撃し、沖縄の北・中飛行場を銃爆撃した。0700、陸軍戦闘機第１波15機が発進し、沖縄のアメリカ戦闘機を吊り上げた。更に1100、1130、1200に24機ずつ発進し、アメリカ戦闘機と交戦。精鋭紫電隊34機は奄美大島、喜界島付近まで進出し、アメリカ戦闘機70機と交戦。その隙に、第10航空艦隊を主力とする沖縄周辺攻撃隊の艦爆40機、桜花８機、陸軍特攻機70機が特攻し、アメリカ機動部隊にも80機が突入した。海軍354機（特攻機103機）、第６航空軍124機（特攻機72機）、第８飛行師団15機が出撃し、未帰還機は海軍114機（特攻機69機）、陸軍80機。アメリカ軍の損害は、爆装戦闘機と桜花に特攻されてDD-733マナート・Ｌ・エーブルが轟沈、桜花の至近命中でDD-478スタンリーが艦首部を大破し、BB-42アイダホ、BB-43テネシー、DD-734パーディ、DD-777ゼラース、DD-793キャッシン・ヤング、DE-185リドル、DE-304ロール、DE-412ウォルター・Ｃ・ワン、DE-634ホワイトハースト、敷設駆逐艦リンゼイ、掃海駆逐艦ジェファーズ、掃海艇グラディエイターが損傷した。4月13日、日本軍索敵機が被撃墜・故障するなどして敵情が分からず、菊水２号作戦に続いて行われる予定の特攻が延期された。海軍作戦機数87機（特攻機40機）、未帰還機４機（特攻機２機）、第６航空軍作戦機数49機（特攻機18機）。4月14日、アメリカ軍が公式に特攻機の存在を発表。同日1130以後、徳之島東南にアメリカ機動部隊を発見し、零戦125機の制空隊と爆装戦闘機特攻機21機、桜花７機が出撃した。零戦が道に迷って引き返したため制空権が確保できず、殆どが撃ち落とされたが、BB-34ニューヨーク、DD-502シグズビー、駆逐艦ダシール、DD-674ハントを損傷させた。作戦機数229機（特攻機52機）、未帰還51機（特攻機44機）。4月15日、主に菊水３号作戦の準備を行った。作戦機数102機（特攻出撃10機）、未帰還５機（特攻機２機）。参考：月刊軍事研究12,’03、1,’04、6,’03、4,’10、第２次大戦日本海軍作戦年誌

　＜菊水３号作戦＞：4月16日から実施された。当面の目標は第５航空艦隊が機動部隊、沖縄周辺艦船、輸送船団の順で、第６航空軍が輸送船団及び周辺艦船、沖縄飛行場または物資集積所、機動部隊の順である。4月15日に、北飛行場や中飛行場にはそれぞれ100機前後の敵機がいることが判明したため、制空下での特攻でないと効果は薄いと判断され、4月15日夕方に挺身戦闘機隊が北・中飛行場を銃撃している。4月16日、第６航空軍は戦闘機36機で奄美大島付近を制空し、0610に特攻機50機で出撃した。第５航空艦隊は戦闘機84機で喜界島・沖縄泊地付近を制空し、0830-1000に特攻機72機と桜花６機で攻撃した。また、戦闘機76機の援護の下、特攻機96機で敵機動部隊を攻撃した。第５航空艦隊の作戦機数は415機（うち特攻機176機）で、未帰還機は127機（うち特攻機106機）、第６航空軍の作戦機数は90機（うち特攻機50機）だった。アメリカ側はレーダー・ピケット艦DD-724ラフェイが特攻機６機と爆弾４発を浴びて大破した。また、CV-11イントレピットが飛行甲板に特攻を受けて大損害を被り、DD-477プリングルが沈没、BB-63ミズーリ、DD-665ブライアント、DD-408ウィルスン、DE-637ボウアーズ、DD-464ホブスン、DD-625ハーディング、給油艦タルーガ、LST-407が損傷した。4月17日、第５航空艦隊の作戦機数は163機（うち特攻機45機）、未帰還機は19機（うち特攻機16機）だった。第６航空軍は戦闘機22機で出撃し、８機が未帰還となった。夕刻には第６航空軍の稼働数が特攻機20機、一般機24機まで低下していた。4月18日、天候が悪化して作戦は縮小され、18・19日の２日間で作戦機数は33機、特攻出撃は４機のみで、連合軍の被害は無かった。終了後、4月22日に第５航空艦隊の特攻とそれに呼応した第６航空軍の第４次航空総攻撃が行われた。出撃機数は第６航空軍が戦闘機50機・特攻機36機、第８飛行師団が特攻機11機、第５航空艦隊（4月20-22日の計）が作戦機数258機（うち特攻機26機）、未帰還18機（うち特攻機３機）。アメリカ軍損害は沈没が掃海艇AMS-36スワロー、損傷がDD-475ハドスン、DD-516ワッズワース、DD-520イシャーウッド、敷設駆逐艦シェー、掃海艇ランソム、掃海艇グラディエーター。特攻による被害が大きかったため、この頃アメリカ軍は沖縄からの撤退を考慮したともいわれているが、4月21日以降はB-29が南九州を爆撃し第５航空艦隊の特攻を阻止すると共に、沖縄に確保した飛行場に展開した戦闘機による対特攻隊防空網により艦船の負担を減らし、何とか支えきった。4月23日から天候悪化で出撃できなくなり、第５航空艦隊の出撃は4月25日までで作戦機数84機（うち特攻機２機）であった。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究6,’03、3,’04

　＜菊水４号作戦＞：KFGB天信電令作第209号（機密第240912番電）、同230号（同第270828番電）で下令され、4月27日夜から天候が回復したのに伴い開始された。4月27日には第５航空艦隊の作戦機数は201機（うち特攻機70機）、未帰還機39機（うち特攻機32機）であった。第６航空軍の第５次航空総攻撃も28日の日没前後に行われ、特攻機36機が出撃した。第８飛行師団なども28日に特攻を行った。4月27-30日の第５航空艦隊作戦機数は587機（うち特攻機100機）、未帰還は68機（うち特攻機59機）だった。4月27-30日のアメリカ軍損害は4月28日がDD-516ワッズワース、DD-513デリー、DD-591トゥイッグス、DD-662ベニオン、掃海駆逐艦DD-636バトラー、4月29日がDD-531ヘーズルウッド、駆逐艦ハーガッド、敷設駆逐艦シャノン、敷設駆逐艦ハリー・Ｆ・バウアー、4月30日がDD-662ベニオン、CM-5テラー（いずれも損傷）など17隻。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究3,’04、3,’08、4,’10

　＜菊水５号作戦＞：アメリカ機動部隊主力が沖縄周辺で作戦を支援しているとみられ、沖縄の飛行場は整備を終了して南九州への攻撃も行われており、増援を乗せた輸送船団が北上中との情報を掴んだことに加え、沖縄守備部隊である第32軍が総攻撃を行うことになったため、5月4日に作戦を実施することになった。特攻に先立ち、夜間攻撃隊で基地や物資集積所を攻撃し、陸軍戦闘機隊で特攻隊進撃路を確保することとしている。5月2日夜、夜間攻撃隊21機がアメリカ基地及び艦船を攻撃。5月3日夜、夜間攻撃隊40機が基地及び艦船を攻撃。第６航空軍の重爆９機と第５航空軍の双軽10機が飛行場を攻撃。第８飛行師団は薄暮に26機で特攻を行った。5月4日、陸攻７機、彗星15機、夜間戦闘機３機が未明に沖縄北飛行場と伊江島飛行場を爆撃したのに続き、戦闘機83機の援護の下、第５航空艦隊の特攻機47機が0830-0900に泊地特攻をかけた。陸軍も知覧から一般機62機及び特攻機33機で艦船攻撃を行い、第８飛行師団は未明に14機で特攻している。1400には水上偵察機28機が艦船に特攻を行った。台湾からも第１航空戦隊が10機で特攻を実施。艦番号67フォーミダブル、艦番号92インドミタブル、ACV-26サンガモン、DD-547コウェル、DM-33グウィン、掃海駆逐艦ホプキンズ、掃海艇ゲーティを損傷させた。5月5日、台湾の第８飛行師団が特攻機５機で出撃。沖縄付近でAV-16セント・ジョージ、測量艦パスファインダーを損傷させた。5月9日、沖縄付近で艦番号38ヴィクトリアス、艦番号67フォーミダブル、護衛駆逐艦オウバレンダー、DE-635イングランドを損傷させた。5月10日、沖縄付近でDD-546ブラウン、敷設駆逐艦ハリー・Ｆ・バウアーを損傷させた。日本海軍作戦機数300機（うち特攻出撃136機）、未帰還65機（うち特攻機61機）。日本陸軍作戦機数136機（うち特攻出撃80機）、特攻未帰還機60機。肝腎の第32軍による総攻撃が失敗に終わり、第５航空艦隊は航空戦力が尽き、以降の特攻は水上偵察機や練習機白菊を使用しなければならない状態となった。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究7,’04、3,’08、4,’10

　＜菊水６号作戦＞：5月11日から行われ、特攻機150機が参加した。5月11日、沖縄付近でCV-17バンカーヒル、DD-552エヴァンス、DD-774ヒュー・Ｗ・ハッドリーを損傷させた。5月12日、沖縄付近でBB-40ニューメキシコを損傷させた。5月13日、沖縄付近でCV-6エンタープライズ、駆逐艦バッチ、DE-747ブライトを損傷させた。5月17日、沖縄付近でDD-779ダグラス・Ｈ・フォックスを損傷させた。5月18日、沖縄付近で輸送駆逐艦システムを損傷させた。5月20日、沖縄付近でDD-514サッチャー、DE-339ジョン・C・バトラー、DE-158チェース、DE-233レジスター、LST-808を損傷させた。参考：月刊軍事研究7,’04

　＜菊水７号作戦＞：1945年5月24-26日に行われ、特攻機165機が参加した。5月24日、沖縄付近でDD-472ゲスト、DE-188オーネイル、DE-641ウィリアム・Ｃ・コール、DD-636バトラー、掃海艇スペクタクル、APD-29バリー、輸送駆逐艦シスムを損傷させた。5月25日、沖縄付近でDE-68ベイツを撃沈し、DD-780ストームス、APD-20ロウパーを損傷させた。5月26日、沖縄付近でDD-515アンソニー、DD-630ブレイン、DD-461フォレスト、駆潜艇PC-1603、測量艦ダットンを損傷させた。参考：月刊軍事研究7,’04、第２次大戦日本海軍作戦年誌

　＜菊水８号作戦＞：1945年5月27日から29日に100機以上が参加して行われた。5月27日、沖縄付近でDE-508ギリガン、掃海駆逐艦サウサード、掃海艇ゲーティ、APD-56ロイ、輸送駆逐艦レッドノア、上陸作戦用輸送艦サンドーヴァル、消磁船YDG-10を損傷させた。5月28日、沖縄付近でDD-639シュブリックを損傷させた。5月29日、沖縄付近でAPD-81テイタムを損傷させた。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究7,’04

　＜菊水９号作戦＞：1945年6月2日に発動され、6月7日まで行われた。6月2日は悪天候のため少数の出撃に留まった。6月3日、沖縄付近でアメリカ海軍貨物輸送船アレガンを損傷させた。6月5日、沖縄付近でBB-41ミシシッピー、CA-28ルイヴィル、DD-572ダイスン、掃海艇スカフル、給油艦シープスコットを損傷させた。6月7日、沖縄付近でDD-515アンソニーを損傷させた。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究7,’04

　＜菊水１０号作戦＞：昭和20年年6月21-22日に行われた。6月21日、沖縄付近でDE-305ハロラン、水上機母艦AV-14ケネス・ホワイティング、AV-4カーティスを損傷させた。6月22日、沖縄付近で掃海駆逐艦エリンス、LST-534を損傷させた。参考：月刊軍事研究7,’04、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜菊水隊＞：日本海軍初の回天特攻隊で、昭和19年10月に編成された。伊36、伊37、伊47とそれぞれ４基ずつの回天からなり、伊47には創案者も回天搭乗員として乗り込んでいる。目標は西カロリン諸島のアメリカ機動部隊で、伊37はパラオ・コッスル水道、伊36と伊47はウルシー環礁に攻撃をかけることとなった。出撃前日の11月7日、回天搭乗員には第６艦隊司令長官から短刀が授与され、夕方から壮行会が開かれた。11月8日、潜水艦３隻が回天計12基を搭載して大津島基地を出撃。11月19日、伊37がアメリカ駆逐艦の爆雷攻撃により沈没。11月20日、伊36と伊47がウルシー環礁に到着、0415から５分おきに伊47の回天が発進した。伊36は回天のうち３隻が故障したため、１隻のみ発進させている。0507、油槽艦ミシシネワに２基が命中し、撃沈した。参考：激闘太平洋戦記

＜菊池哲生＞：日本海軍エース。大正5年、岩手県生まれ。昭和9年に海軍に入隊し、昭和13年1月に操縦練習生を卒業、昭和14年5月に第14航空隊に配属された。昭和14年4月、霞ヶ浦航空隊教員となり本土に帰還。その後谷田部航空隊に転属し、昭和16年9月に一等飛行兵曹に昇進して赤城戦闘機隊に配備された。昭和17年4月5日、コロンボ攻撃で５機（不確実２機含む）を撃墜。6月、ミッドウェイ作戦で４機（不確実２機含む）を単独撃墜、３機を共同撃墜した。その後翔鶴戦闘機隊に転属となり、第２次ソロモン海戦に参加。11月、上飛曹に昇進し、築城航空隊教官となった。昭和18年9月、龍鳳戦闘機隊に配属され、その後飛鷹、隼鷹に搭乗、昭和19年1月25日からラバウルに展開し、2月19日に隼鷹に引き揚げた。3月、第652航空隊に転属となり、6月19日にマリアナ沖海戦に参加。グアム島に着陸する際にアメリカ艦上機の攻撃を受けて戦死した。公認撃墜数は赤城搭乗時の12機（共同及び不確実７機）で、生涯撃墜数は20機前後と推定される。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜菊池飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜きくづき＞：DD-165（護衛艦）を参照。

＜菊月（初代）＞：日本海軍神風型駆逐艦29番艦。明治40年9月20日竣工。大正元年8月28日に三等駆逐艦に類別変更された。大正13年12月1日に掃海艇に転籍となった。昭和3年8月1日に第12号掃海艇に改称された。昭和5年6月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史

＜菊月（２代目）＞：日本海軍睦月型駆逐艦９番艦Kikuzuki。大正15年11月20日竣工、第31号駆逐艦の名称で一等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日、菊月に改称された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制上も兵力部署も第23駆逐隊に所属していた。12月9日、グアム島攻略作戦に参加。12月21日、ウェーク島攻略戦に参加。昭和17年5月3日、ツラギ島攻略作戦に参加。5月4日、ツラギ泊地でアメリカ艦上機の雷撃を受け行動不能となり、特設駆潜艇第三利丸に曳航されてガブツ島ハラヴォ海岸で擱座した。5月5日、乗員は敷設艦沖島に移乗してラバウルに向かった。5月25日に除籍された。8月にツラギ島を制圧したアメリカ軍が浮揚して詳細な調査を行っている。2017年9月、４番45口径三年式12サンチ砲の砲身が日本に帰国した。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊世界の艦船2,’18、6,’83、9,’14、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜菊丸＞：日本海軍特設病院船。元は昭和4年に竣工した東海汽船伊豆大島航路客船である。総トン数750トン。陸軍に徴用されて病院船になり、その後海軍に徴用されて特設捕獲網艇として使用され、更に特設病院船に改造されて昭和19年半ばから特設監視艇の巡回診察や傷病者治療後送任務に就いた。太平洋戦争終戦で復員船として使用され、伊豆大島航路に復帰。昭和42年に退役した。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、月刊モデルアート9,’15増刊

＜危険艦隊思想＞：ドイツ海軍大臣ティルピッツ提督が1897年に発表した作戦論、リーズィコフロッテ。イギリス海軍に無視できない損害を与えられる程度の艦隊を整備してイギリス側が決戦に出るのをためらわせつつ、通商破壊作戦でイギリス海軍を分散・消耗させ、弱体化した所でドイツ主力艦隊により撃滅するというものである。参考：英独航空決戦、歴史群像4,’16

＜危険航空艦隊思想＞：ドイツのロベルト・クナウス元陸軍航空軍将校（1920年除隊、1935年にドイツ空軍に入隊）が1933年5月に発表した戦略構想、リーズィコルフトフロッテ。フランスとポーランドが手を組んで２正面から先制攻撃してくるのを防ぐため、反撃により相手側に無視できない損害を与えられる程度の戦力を整備すべきというもので、具体的戦力として大型爆撃機400機を挙げ、これにより戦略爆撃を行えば、陸軍５個師団ないしドイッチュラント級装甲艦２隻と同じ値段で構想を実現できるとしている。当時のドイツの工業力では大型爆撃機を量産できず、戦術航空支援・近接航空支援・航空阻止を主任務とする戦術攻撃機の整備も急がれており、構想のみに終わった。参考：歴史群像4,’16

＜機甲＞：日本陸軍用語で、発動機化と装甲化を組み合わせたもの。意味は機械化と同じで、昭和16年4月の陸軍機甲本部発足時に作られた。参考：機甲入門

＜起工＞：Keel Laid。艦船の建造工事を開始すること。船体の組み立てを始めることを指すが、鋼材切り出し開始（ファースト・スチール・カット）を事実上の起工とする場合もある。起工式は船台やドックで行われるが、ブロック建造方式では工場でブロックを組み立てて船台やドックに運んだ後での実施になるので、起工式と実際の建造開始の日付が大幅にずれる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、12,'21、月刊丸2,’12

＜機甲科＞：陸上自衛隊の職種で、要するに戦車隊＋偵察隊。職種徽章は戦車と天馬をアレンジしたものである。職種色は橙。戦車の衝撃効力により、猛烈な近接戦闘を実施して敵を圧倒、撃破することと、情報収集を行うことが主任務である。複雑な地形や至近距離での戦闘に弱いという欠点があるので単独投入は避け、普通科や施設科と共同で戦闘を行う。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊図鑑2002、MAMOR vol.62、vol.86、月刊JWings8,’14、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜機甲教導連隊＞：陸上自衛隊の教導部隊。機甲科装備の乗員教育、指揮官教育支援、調査研究などを主任務とする。富士教導団戦車教導隊、同偵察教導隊、東部方面混成団第１機甲教育隊を統合して2019年3月26日に駒門駐屯地で新編され、隊旗授与式が行われた。4月27-28日、幕張メッセで行われたニコニコ超会議で16式機動戦闘車を展示した。2021年10月8-12日、予備自衛官85名に予備自衛官招集訓練を実施。参考：月刊JWings6,’19、朝雲

　＜機甲教導連隊（２０１９年３月２６日新編時）＞：富士教導団隷下で、駒門駐屯地に置かれている。連隊本部／本部管理中隊、第１中隊（10式戦車装備）、第２中隊（90式戦車装備）、第３中隊（90式戦車装備）、第４中隊（74式戦車装備）、第５中隊（16式機動戦闘車装備）、偵察隊（87式偵察警戒車装備）などからなる。参考：月刊JWings6,’19

＜機甲軍＞：日本陸軍の部隊。太平洋戦争緒戦が順調に推移したため、北方のソ連に対抗することを考慮し、昭和17年8月に新編された。機甲軍司令部、軍通信隊、戦車第１・第２師団、教導戦車旅団からなり、12月には戦車第３師団が編入されている。しかし戦況が悪化すると南方に兵力を抽出せざるを得なくなり、昭和18年10月には解隊され、絶対国防圏防衛に回されてしまった。参考：機甲入門

＜輝号計画＞：自衛隊が1986年から開始した、自衛官志願者確保計画。好景気などで志願者が減ったため、生活環境、勤務・服務、福利厚生などを見直して魅力をアピールし新入隊員を獲得するもので、制服も91式制服を採用した。2003年頃まで行われている。参考：MAMOR vol.137

＜義号作戦（その１）＞：靖二号作戦を参照。

＜義号作戦（その２）＞：靖二号作戦が中止となった後、昭和20年3月19日には硫黄島に突入する計画だったが、これも中止となり、沖縄に空挺特攻を行うこととなった。参加部隊は義烈空挺隊の５個小隊136名と、第３独立飛行隊の九七式重爆二型12機32名。装備は三十年式銃剣、九四式拳銃、九九式短小銃、二式弾帯、百式機関短銃、九九式軽機関銃、八九式重擲弾筒、２キロ柄付き爆薬、１キロ爆発缶、三式手投爆雷、手榴弾、破甲爆雷、信号拳銃、焼夷材、短刀、小刀、鉄条鋏、ペンチ、無線機、食糧３食分、小笛、電灯、夜光羅針、時計、耐水マッチ、薬剤など。また、補給食として海苔巻き10個、いなり寿司２個、力餅、生卵２個、梅干し大根漬け、持久食として救急食３個、固形塩10個、ようかん１個、キャラメル１個、着陸30分前に服用するものとして精力錠、撃滅錠が渡された。昭和20年5月24日0640、健軍飛行場を離陸。2200過ぎに４機が沖縄北飛行場、２機が中飛行場に強行着陸してアメリカ軍と戦闘になった。アメリカの損害は航空機９機破壊、29機損傷。日本兵69名が死亡、捕虜はゼロだった。また、４機が到達できずに不時着している。参考：特別攻撃隊

＜起工式（海上自衛隊）＞：起工に際し、造船所が主催して実施される式典。造船所の人員と検査担当の行政関係者が参加し、工事中の安全と順調な建造を祈願する。船体中央船底部分を溶接するのが慣例。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜機甲師団（アメリカ陸軍）＞

　＜機甲師団（アメリカ陸軍、１９８９年）＞：旅団司令部３個、戦車大隊６個、機械化歩兵大隊４個、自走砲大隊３個、多連装ロケット／自走砲大隊１個、防空大隊１個、航空旅団１個などからなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜機甲師団（アメリカ陸軍、デザート・シールド作戦時）＞：師団司令部／司令部中隊、憲兵中隊、防空砲兵大隊、機甲工兵大隊（M9装甲工兵車８両、騎兵戦闘車８両、装甲兵員輸送車30両）、通信大隊、電子戦情報大隊、戦闘機動旅団３個、師団兵站支援コマンド（支援大隊、前方支援大隊３個、航空整備中隊）、機甲大隊（主力戦車58両、騎兵戦闘車５両、歩兵戦闘車１両）６個、機械化歩兵大隊（歩兵戦闘車54両、騎兵戦闘車５両）５個、航空旅団（機甲騎兵偵察大隊、攻撃ヘリ大隊２個、襲撃ヘリ中隊、指揮航空中隊。主力戦車36両、騎兵戦闘車44両、歩兵戦闘車12両、OH-58D観測ヘリ12機、AH-1S/-64A攻撃ヘリ７機、UH-60A汎用ヘリ10機）、野戦砲兵旅団（野戦砲兵大隊３個、MLRS中隊１個。155mm自走榴弾砲24両、MLRS９両）からなる。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜機甲師団（イギリス陸軍）＞

　＜機甲師団（イギリス陸軍、１９３９年編制）＞：機甲師団司令部、軽機甲旅団（３個軽機甲連隊、３個軽支援分遣隊）司令部、重機甲旅団（３個重機甲連隊、３個救急車分遣隊）司令部、支援群（王立騎馬砲兵連隊、王立野戦工兵中隊など）司令部、機甲師団通信隊、軽支援分遣隊、機甲師団陸軍管理軍団本部、機甲師団野戦救急隊２個、機甲師団野戦衛生班、機甲師団陸軍兵器軍団修理工場、機甲師団憲兵中隊、師団郵便隊から構成される。兵力9442名。軽戦車110両、軽巡航戦車159両、重巡航戦車58両、近接支援戦車24両、２ポンド対戦車砲319門、17ポンド榴弾砲24門、20ポンドカノン榴弾砲16門、50.8mm軽迫撃砲162門、ボフォース40mm高射機関砲24門などを装備する。参考：月刊グランドパワー1,’01

　＜機甲師団（イギリス陸軍、１９４０年編制）＞：機甲師団司令部、機甲旅団（６個機甲連隊、３個軽支援分遣隊）司令部２個、支援群司令部、機甲師団王立工兵本部、機甲師団通信隊、軽支援分遣隊、機甲師団陸軍管理軍団本部、機甲師団野戦救急隊２個、機甲師団野戦衛生班、機甲師団陸軍兵器軍団修理工場、機動洗濯・除毒隊、機甲師団憲兵中隊、師団郵便隊、機動湯浴隊から編成される。兵力10750名。軽戦車２両、巡航戦車312両、近接支援戦車36両、装甲車12両、２ポンド対戦車砲328門、17ポンド榴弾砲36門、20ポンドカノン榴弾砲16門、50.8mm軽迫撃砲364門、ボフォース40mm高射機関砲24門などを装備する。参考：月刊グランドパワー1,’01

　＜機甲師団（イギリス陸軍、１９４２年編制）＞：機甲師団司令部、機甲旅団（３個機甲連隊、３個軽支援分遣隊・非機甲など）司令部、歩兵旅団（３個歩兵大隊、軽支援分遣隊など）司令部、装甲車連隊（偵察）、軽支援分遣隊（機甲）、機甲師団王立砲兵（２個野戦砲兵連隊、２個軽支援分遣隊・機甲、対戦車砲兵連隊、軽高射砲兵連隊など）司令部、野戦工兵中隊、野戦工兵車廠小隊、機甲師団通信隊、機甲師団陸軍管理軍団（機甲旅団中隊、歩兵旅団中隊、師団部隊中隊）本部、野戦救急隊などから編成される。兵力13235名。巡航戦車183両、近接支援戦車18両、対空戦車26両、架橋車３両、装甲指揮車９両、装甲観測車18両、２ポンド対戦車砲36門、６ポンド対戦車砲183門、57mm榴弾砲18門、20ポンドカノン榴弾砲48門、50.8mm軽迫撃砲60門、76.2mm中迫撃砲18門、20mm高射機関砲52門、ボフォース40mm高射機関砲24門などを装備する。歩兵部隊の比率が増え、バランスの取れた諸兵科連合部隊となった。参考：月刊グランドパワー1,’01、歴史群像10,’08

　＜機甲師団（イギリス陸軍、１９４４年編制）＞：機甲師団司令部、機甲旅団（３個機甲連隊、３個軽支援分遣隊・非装甲など）司令部、歩兵旅団司令部、機甲偵察連隊、軽支援分遣隊、機甲師団王立砲兵（野戦砲兵連隊・自走、野戦砲兵連隊・牽引、２個軽支援分遣隊・機甲、対戦車砲兵連隊、２個野対戦車砲中隊・牽引、２個野対戦車砲中隊・自走、軽高射砲兵連隊など）司令部、野戦工兵車廠中隊、２個野戦工兵中隊、機甲師団通信隊、独立機関銃中隊、機甲師団陸軍管理軍団（機甲旅団中隊・補給輸送、歩兵旅団中隊・補給輸送、２個師団部隊中隊・補給輸送）本部、軽野戦救急隊、野戦救急隊、機甲師団憲兵中隊、師団郵便隊などからなる。兵力14964名。軽戦車63両、巡航戦車246両、対空戦車27両、20ポンド自走砲24両、17ポンド対戦車自走砲24両、クルセイダー自走40mm高射機関砲18両、架橋戦車３両、装輪軽偵察車10両、15-cwtトラック789両、救急車36両、装甲回収車14両、PIAT302門、50.8mm軽迫撃砲132門、76.2mm中迫撃砲24門、107mm重迫撃砲4門、20ポンドカノン榴弾砲24門、６ポンド対戦車砲30門、17ポンド対戦車砲24門、20mm高射機関砲87門、ボフォース40mm高射機関砲36門を装備する。参考：月刊グランドパワー1,’01

＜機甲師団（イラク陸軍、湾岸戦争時）＞：司令部付中隊１個、機甲旅団２個、機械化旅団１個、機甲偵察大隊１個、特殊部隊中隊２個、砲兵連隊（砲兵大隊３個、重迫撃砲大隊１個、対空大隊１個、自走対空大隊１個）１個、工兵大隊１個、施設大隊１個、通信大隊１個、化学防護中隊１個、輸送大隊１個、戦闘訓練隊１個からなる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜機甲師団（ドイツ国防軍陸軍）＞：タイフーン作戦では東部戦線に配備された21個機甲師団のうち13個が参加したが、ソ連の冬期攻勢で戦車の6-7割を失う大損害を受けた。南方軍集団隷下の７個機甲師団は後方で十分な補充を受けたが、北方軍・中央軍集団の９個機甲師団は殆ど補充を受けられず、１個戦車連隊あたり３個が配属される筈の戦車大隊が1-2個のままとなっていた。1942年2月までに機甲師団は25個に増加したが、装備の割り当てが不十分で、１個機甲師団あたりの戦闘力は1941年型機甲師団よりもかなり低下している。1942年9月に第26機甲師団、10月に第27機甲師団、1943年1月にヘルマン・ゲーリング機甲師団、戦車教導師団、予備機甲師団が編成された。参考：月刊PANZER5,’83

＜機甲師団（ドイツ連邦陸軍）＞

＜機甲師団（ドイツ連邦陸軍、１９８５年改編後）＞：６個が編成されていた。兵力18000-21000名。機甲旅団２個と機甲擲弾兵旅団１個からなる。参考：月刊PANZER2,’12

＜機甲師団（ドイツ連邦陸軍、１９８９年）＞：機甲旅団２個、機甲擲弾兵旅団１個、装甲偵察大隊１個、砲兵連隊（FH-70大隊１個18門、M-110大隊１個18両、110mm多連装ロケット大隊１個16両）１個、防空連隊（ゲパルト）１個、飛行隊１個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜機甲擲弾兵師団＞

＜機甲擲弾兵師団（ドイツ連邦陸軍、１９８０年代半ば）＞：兵力17500名。師団司令部、機甲擲弾兵旅団２個、機甲旅団、機甲偵察連隊、砲兵連隊、防空連隊、工兵大隊、電子戦大隊、整備大隊、補給大隊、衛生大隊、化学防護中隊、連絡観測ヘリ中隊、目標情報中隊、憲兵中隊から編成される。参考：兵器最先端５

＜機甲擲弾兵師団（ドイツ連邦陸軍、１９８９年）＞：機甲旅団１個、機甲擲弾兵旅団２個、装甲偵察大隊１個、砲兵連隊（FH-70大隊１個18門、M-110大隊１個18両、110mm多連装ロケット大隊１個16両）１個、防空連隊（ゲパルト）１個、飛行隊１個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜機甲擲弾兵旅団（ドイツ連邦陸軍、１９８５年改編後）＞：兵力3730名。戦闘大隊４個、自走砲大隊１個、対戦車中隊１個、整備中隊１個、偵察小隊１個、補給小隊１個から編成される。主要装備はレオパルト１／２戦車54両、マルダー88両、ヤークトパンツァー２戦車駆逐車12両、ミラン対戦車ミサイル72基、M109G自走榴弾砲18両、自走120mm重迫撃砲（M113ベース）12両、ビーバー戦車橋４両、レオパルト工兵車両２両。有事には混成機甲てき弾兵大隊（マルダー22両、レオパルト１／２戦車１個中隊13両、ミラン対戦車ミサイル18基）が配属される。参考：月刊PANZER2,’12、兵器最先端５

＜機甲部隊＞：Armoured formations。主に主力戦車と歩兵戦闘車で構成される装甲戦闘車両部隊で、高い近接戦闘能力を持つ。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、MAMOR vol.152

＜機甲本部＞：日本陸軍の組織。昭和16年4月に新編された。戦車部隊、機械化騎兵部隊、乗馬騎兵部隊、戦車学校、騎兵学校、少年戦車兵学校、機甲整備学校に関する事項を統括する。トップは本部長（中将）で、陸軍大臣に隷属する。騎兵部隊の大部分が機甲部隊に再編されたが、一部の部隊は太平洋戦争終戦まで乗馬編成だった。昭和17-25年に中戦車30400両、装軌車両27200両、自動車627000両を配備し、揮発油250万トンと軽油26万トンを大陸に貯蔵するする予定だったが、もちろん達成されずに終わった。参考：機甲入門、帝国陸海軍事典

＜機甲野戦軽砲兵大隊（アメリカ陸軍、第２次大戦時）＞：大隊本部、中隊本部（本部班、管理糧食補給班、整備班）、観測・偵察・連絡小隊（連絡班、偵察班、前進観測班）、作戦小隊（作戦・射撃指揮班、指揮班）、副大隊長班、機甲野戦軽砲兵中隊３個、管理中隊（本部班、管理糧食補給班、整備班、大隊管理人事班、大隊整備小隊、大隊補給輸送小隊）からなる。機甲野戦軽砲兵中隊は中隊本部（本部班、管理糧食補給班、整備班）、戦砲隊（偵察班、弾薬班、射撃指揮班、榴弾砲班６個）からなる。前進観測班にM4中戦車３両、副大隊長班にL5連絡観測機２機、榴弾砲班にM7自走砲１両、大隊整備小隊にM32戦車回収車２両を配備し、M3ハーフトラック、６×６輪トラック、ジープなども装備する。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜機甲旅団（イラク陸軍、湾岸戦争時）＞：戦車大隊（戦車40-45両）３個、機械化歩兵大隊（装甲車40-45両）１個、迫撃砲中隊（120mm迫撃砲６門）１個、コマンドー中隊１個、工兵中隊１個、補給・輸送中隊１個、化学防護小隊１個からなる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜機甲旅団（イラク共和国親衛隊、湾岸戦争時）＞：戦車大隊（戦車55-60両）３個、機械化歩兵大隊（装甲車45-50両）１個、自走榴弾砲大隊（155mm自走榴弾砲18両）、迫撃砲中隊（120mm迫撃砲６門）、コマンドー中隊１個、工兵中隊１個、整備・後送小隊１個、化学防護小隊１個、補給・輸送中隊１個からなる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜機甲旅団（ドイツ連邦陸軍、１９８５年改編後）＞：機甲師団に２個、機甲てき弾兵師団と山岳猟兵師団に１個が配属される。旅団司令部／司令部中隊、２個戦車大隊、１個機甲てき弾兵大隊、１個機甲野戦砲兵大隊、１個機甲工兵中隊、１個機甲偵察小隊、１個機甲対戦車ミサイル中隊、１個機甲整備中隊、１個機甲補給中隊、１個機甲衛生中隊からなる。兵力3500名。主要装備はレオパルト２戦車82両、マルダー歩兵戦闘車35両、ラケーテン・ヤークトパンツァー１戦車駆逐車12両、ミラン対戦車ミサイル36基、M109A1自走榴弾砲18両、自走120mm重迫撃砲（M113ベース）６両、ビーバー戦車橋４両、レオパルト工兵車両２両。有事には１個混成戦車大隊（レオパルト２戦車28両、マルダー歩兵戦闘車11両）が増強される。参考：月刊PANZER2,’12

＜キサ＞：海上自衛隊の略号で、機関幕僚のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ギサ＞：海上自衛隊の略号で、技術幕僚のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ギザ＞：霞ヶ浦海軍練習航空隊で行われていた罰金制度。練習生が飛行指揮官にミスを指摘されると、搭乗割に×印が付けられ、その数だけ50銭銀貨を徴収される。参考：JShips vol.48

＜器材整備隊＞：2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。参考：MAMOR vol.52

＜黄作戦＞：第２次大戦中の1940年5月10日に発動された、ドイツ軍によるフランス侵攻作戦で、作戦名「黄色の場合」。西方電撃戦ともいわれる。1939年9月27日に作戦立案が開始され、10月9日に総統指令第６号が出されて正式に陸軍参謀本部が作戦計画を始めた。当初はシュリーフェン計画に基づいて11月12日から行われる筈だったが、11月5日に悪天候のため作戦が延期になり、天候の回復を待つうちに冬になってしまったので、結局春まで延びている。その間、Ａ軍集団参謀長マンシュタイン将軍が独自に作戦を考え、1940年2月17日にヒトラーとマンシュタインが昼食会で会談した結果、マンシュタイン計画に則って行われることになった。ドイツ空軍航空戦力は第２航空艦隊2260機と第３航空艦隊1920機で、戦闘機1412機、爆撃機1577機、急降下爆撃機357機などからなる。Bf109Eを装備する戦闘機部隊としてJG3、JG26、JG27、JG51、JG52、JG53、JG54の７個戦闘航空団を投入した。JG1、JG77、JG2はドイツ本国（前二者がドイツ北部、後一者がベルリン）で防空任務に就いている。ドイツ陸軍戦力は兵力200万名、Ａ・Ｂ・Ｃ計３個軍集団隷下の９個軍135個師団（装甲師団10個、歩兵師団34個など。Ａ軍29個、Ｂ軍45個、Ｃ軍17個、予備45個）、�T号戦車554両、�U号戦車920両、�V号戦車349両、�W号戦車280両、35(t)戦車118両、38(t)戦車207両、突撃砲36両、自走砲144両、火砲7400門である。10個装甲師団のうち７個がＡ軍集団に配備されており、更にそのうち５個装甲師団を２個自動車化歩兵師団と共にＡ軍集団直轄のクライスト集団の隷下とした。対する連合軍は、フランス陸軍が兵力200万名（第１・第２第３集団117個師団）、戦車3254両（AMR/AMC450両、FT-17戦車315両、R-35戦車900両、H-35/H-39戦車770両、FCM36戦車100両、シャールD1戦車45両、シャールD2戦車100両、S35戦車300両、シャールB1戦車274両）、火砲11000門、空軍が戦闘機599機、爆撃機90機。イギリス派遣軍が兵力45万名（歩兵師団13個・戦車旅団１個）、戦車212両、火砲1300門、戦闘機80機、爆撃機50機。ベルギー軍が兵力60万名（22個師団）、戦車195両、作戦機180機。オランダ軍が兵力40万名（10個師団）、作戦機61機。フランス軍総司令部には無線も電話も無く、命令はオートバイ兵の伝令に頼ったため、命令が末端に伝わるのに24-48時間を要する状態だった。また、末端部隊の状況報告が大隊本部に上がるのにも4-5時間かかった。5月10日0430、ドイツ空軍爆撃機部隊及び空挺部隊が出撃。0530、Ｂ軍集団がオランダ・ベルギー国境を越え、Ａ軍集団がアルデンヌの森から進撃。Ｃ軍集団はマジノ線の前面で守備隊を釘付けにする役目を担った。空挺部隊がベルギーのエバン・エマール要塞と、主要な橋梁を確保。同時にオランダにも空挺部隊による侵攻を開始。ベルギー軍はディールライン（ワール川−ディール川−ムーズ川を結ぶ防衛ライン）に後退。英仏連合軍はシュリーフェン計画に対抗するためのディール計画に基づいてベルギーに移動を開始した。5月12日、Ａ軍集団はベルギー軍アルデンヌ猟兵師団とフランス第５軽騎兵師団（機械化）を蹴散らしてセダン付近のムーズ河に到達。第７装甲師団が渡河を開始した。Ｂ軍集団はジョンブルー・ギャップの戦いに入った。5月13日、Ａ軍集団主力はムーズ河を渡河。この際、第２装甲師団砲兵の進出が遅れたため、第19装甲軍団長のグデーリアンが8.8cmFlakの水平射撃と急降下爆撃機による爆撃を命じ、渡河支援を行っている。セダンに布陣するフランス軍の間にドイツ軍が後方を突破したという噂が広がり、これに基づいてフランス砲兵が陣地転換を開始してしまったため、包囲を恐れた前線部隊が遁走し始めた。Ｂ軍集団はディール川に到達したが、英仏連合軍もディールラインに到着したため前進を停止。5月15日1100、オランダが降伏。政府と王族はイギリスに亡命。Ｂ軍集団はフラビオンの戦いで第１戦車師団を撃破してセダンを占領し、退却する連合軍を追ってドーバー海峡に向かった。5月16日、ベルギーに配置されていた英仏連合軍がフランス本土防衛のため撤退。Ａ軍集団司令官がヒトラーの停止命令を部隊に伝えたが、グデーリアン率いる第19装甲軍団はこれを無視して進撃を続け、上官のクライストも威力偵察という名目でこれを了承した。ロンメルも無視して進撃を続行している。5月17日（28日？）、ベルギーが降伏。5月18日0400、ベルギーでの戦闘が終結し、Ｂ軍集団はダンケルク方面に進撃を開始。5月19日、ヒトラーの前進停止命令が撤回された。5月20日、第19装甲軍団がドーバー海峡に到達。英仏連合７個軍170万名が包囲された。5月21日、アラスの戦車戦。5月23日、戦車の損耗が50%を超えたクライスト集団にＡ軍集団から前進停止命令が出された。5月24日、ゲーリング空軍総司令官から空軍だけで英仏連合軍の撤退を阻止できるという意見を聞いたヒトラーが、地上部隊に進撃停止命令を出した。空軍や地上部隊の指揮官は全員反対したが、押し切られている。5月27日、ダンケルク撤退。ドイツ空軍は阻止しようとしたが、距離が遠く、天候にも恵まれず、イギリス空軍が必死に制空権を維持し、将兵338000名がイギリスに脱出した。5月28日、イギリス戦時内閣が和平交渉でなく徹底抗戦を選択。6月初めにドイツ軍は兵力再編成を行い、6月5日から第２次作戦「赤の場合」を発動、残存フランス軍66個師団とパリの制圧を目指し再進撃を開始した。6月10日、フランス政府がパリ無防備都市宣言を出した。イタリアがフランスに宣戦布告。6月13日、ドイツ軍がエーヌ河の防衛ラインを突破。6月14日、パリに無血入城。6月15-17日、連合軍部隊がシェルブールからイギリスに撤退。6月16日、フランスの首相がレイノーからペタン元帥に替わった。6月16-17日、連合軍部隊がブレストからイギリスに撤退。6月17日、フランスのペタン元帥がスペインを介して休戦を求めた。サン・ナゼールからイギリス軍・ポーランド軍40000名がイギリスに撤退したが、客船ランカストリアがドイツ空軍機の爆撃で直撃弾４発と至近弾多数を被弾して沈められ、イギリス兵や民間人3000名以上（公式発表では2500名だが船内から露天甲板まで避難者がすし詰めになっていて9000名以上という説もある）が戦死した。6月17-18日、連合軍部隊がサン・マロからイギリスに撤退。6月18日、シャルル・ド・ゴールがロンドンからフランスに向け徹底抗戦を呼びかけた。連合軍部隊がラ・ロシェルからイギリスに撤退。6月19日、フランス海軍戦艦ジャン・パールがサン・ナゼールを脱出。6月22日、パリ郊外のコンピエーニュの森で、第１次大戦の休戦協定が結ばれたのと同じ食堂車を使ってドイツ・フランスの休戦調停が調印された。ドイツ軍戦死者４万名、負傷者16万名、損失戦車779両。フランス軍戦死者10万名、負傷者12万名、捕虜150万名。フランス海軍艦艇が枢軸国の手に落ちるのを防ぐため、イギリスが接収に向かい、抵抗するフランス海軍との間で7月4日にメルス・エル・ケビール海戦、7月6日にダンケルク及びリシュリューとの交戦が発生している。参考：月刊丸3,’01、月刊PANZER2,’02、8,’10、5,’11、月刊JGround Vol.11、月刊軍事研究3,’07、1,’17、グラフィックアクション36、39、世界の傑作機No.157、武装親衛隊、歴史群像4,’16、月刊世界の艦船4,’17、輸送船入門

＜きさらぎ＞：九八Ｃ型通信機を参照。

＜如月（初代）＞：日本海軍神風型駆逐艦４番艦。明治38年10月19日竣工、軍艦（駆逐艦）に分類された。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更された。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正13年12月1日、掃海艇に艦種変更された。昭和3年4月1日に除籍され、7月6日に廃駆逐艦第10号となり、10月12日に廃船認許されて昭和4年8月20日に売却された。参考：日本駆逐艦史

＜如月（２代目）＞：日本海軍睦月型駆逐艦２番艦。大正14年12月21日竣工、第21号駆逐艦という名称で一等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日に如月と改称された。昭和7年1月末から第１次上海事変に参加。3月下旬、佐世保に帰投し、損傷の修復に入った。昭和16年11月29日、トラックを出港。12月3日、ルオットに到着。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制でも兵力部署でも第30駆逐隊に所属しており、1515にウェーク島攻略のためルオットを出撃。12月11日、ウェーク島攻略時にアメリカ海兵隊F4F-3戦闘機のナパーム弾を受けて0542に沈没し、昭和17年1月15日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊コンバットマガジン7,’06、月刊世界の艦船6,’83、10,’13、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜木更津海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。昭和11年4月1日、海軍初の陸攻隊として鹿屋航空隊と共に新編された。昭和12年7月7日の日華事変勃発に伴い、7月11日に第一連合航空隊の隷下に入り、8月8日に大村飛行場に進出した。8月14日から九六式陸攻による渡洋爆撃を開始。9月14日、九五式陸攻が配備された。日華事変で陸攻の損害が増えると、木更津に残っている残留隊を陸攻搭乗員養成部隊とすることになり、九六式陸攻で操縦者、偵察員、通信員、射撃員、搭乗発動機員／搭乗整備員などの訓練を行っている。11月19日、北京郊外の南苑飛行場に展開。北支の敵航空基地や軍事施設を爆撃した。12月4日、九六式陸攻９機で蘭州を爆撃。12月21日、九六式陸攻９機に250kg爆弾２発ずつを積んで蘭州を爆撃。昭和13年1月5日、南京大校場飛行場に展開。漢口への爆撃を行った。1月9日、第二連合航空隊戦闘機13機の護衛を受け、九六式陸攻22機で鹿屋空と共に南昌を爆撃。3月22日、第一連合航空隊の隷下から外れ、本土に戻った。8月17日、九六式陸攻15機で上海戊基地に展開。8月25日、長沙飛行場を爆撃。10月11日、衡陽飛行場の夜間爆撃を実施。11月8日、九六式陸攻９機で成都を爆撃。昭和14年9月5日、第一連合航空隊隷下で中国奥地攻撃に参加することになり、木更津基地を出発。9月6日、漢口基地に進出。9月11日、来鳳飛行場を爆撃。9月12日、恩施飛行場を爆撃。9月29日、重慶付近の飛行場の夜間爆撃を実施。10月23日、第一連合航空隊司令部のある漢口基地が爆撃を受け、副長、飛行長１名、飛行隊長１名が死亡した。11月4日、成都近郊の温江飛行場を九六式陸攻18機で爆撃。昭和15年1月15日、第一連合航空隊の隷下を外れ、陸攻乗員教育部隊に改編された。兵員担当の第１飛行隊と、士官担当の第２飛行隊からなり、訓練器材は前線で運用期間を過ぎて環納されオーバーホールを受けた九六式陸攻を使用している。昭和16年11月24日、極秘命令を受けて第１飛行隊九六式陸攻14機を航法訓練という名目で美幌基地に派遣。教育部隊の機体なので戦時迷彩を施したのは一部のみであり、無塗装機が多かったが、全機が電熱ピトー管と主尾翼前縁凍結防止用プレストン油散布用パイプを装着して寒冷仕様機に改造してあり、副長や飛行隊長も同行したため、乗員はただの訓練ではないと薄々感づいていた。11月26日以降、真珠湾攻撃に向かう機動部隊の前路哨戒を行った。12月8日、太平洋戦争開戦時の兵力部署では一部が北方部隊航空部隊に所属していた。昭和17年4月10日（1日付？）、練習航空隊の任務を解かれて外戦部隊に改編され、第26航空戦隊の隷下に入った。陸攻乗員養成任務は新竹海軍航空隊が引き継いでおり、木更津空の訓練教官は3月25日に船便で高雄に向かっている。参考：月刊丸8,’95、歴史群像8,’15、月刊航空ファン9,’16、3,’17、7,’17、9,’17、11,’17、1,’18、11,’18、7,’19、3,’20、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜木更津基地＞：海上自衛隊の基地で、航空補給処が置かれている。元は航空自衛隊第１補給処第２補給部で、後に第１補給処第２整備部になり、1962年10月1日に海上自衛隊木更津航空補給処として独立、基地が新設された。1998年、木更津航空補給処が航空補給処に改編された。2010年7月8日、正門左横にTC-90練習機のプロペラを展示してモニュメントとした。参考：木更津分屯基地ホームページ、朝雲

＜木更津基地＞：航空自衛隊の基地。所在地は千葉県木更津市岩根1-4-1。大元は1936年（昭和11年）4月1日に開設された海軍木更津飛行場で、太平洋戦争終結により1945年9月からアメリカ軍が進駐した。1956年8月31日、航空自衛隊補給処が霞ヶ浦から移駐した。9月1日、空自木更津基地として開設され、補給処が臨時木更津補給隊に改編された。1958年1月10日、臨時木更津補給隊が第１補給処に改編された。1958年9月29日、輸送航空団木更津派遣隊美保先遣隊C-46輸送機が到着。12月1日、輸送航空団木更津派遣隊が新編された。1959年6月1日、輸送航空団木更津派遣隊が同団木更津航空隊に改編された。1962年10月1日、航空自衛隊第１補給処第２整備部が海上自衛隊木更津航空補給処／木更津基地として独立した。1968年5月31日、輸送航空団木更津航空隊が入間基地に移った。2002年、中部航空音楽隊の支援により、木更津基地音楽祭を初開催した。2003年、木更津基地音楽祭を開催。この年から航空中央音楽隊の支援を受けて実施するようになった。2010年2月6-7日、袖ヶ浦市市民会館で航空中央音楽隊による平成21年度木更津基地音楽祭を開催。2013年3月25日、第１補給処准曹士先任交代に伴う紹介行事を実施。8月1日、第１補給処が第４補給処木更津支処となったのに伴い、木更津分屯基地になった。参考：木更津分屯基地ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、補給本部ホームページ、朝雲

＜木更津航空隊＞：航空自衛隊の航空隊。元は1958年10月20日に木更津基地で新編された木更津訓練隊で、C-46D輸送機が配備された。12月1日、輸送航空団隷下の木更津派遣隊に改編された。1959年6月1日、木更津航空隊に改編された。1964年6月16日に発生した新潟地震の災害派遣に参加。1968年5月31日、入間基地に移り、入間航空隊になった。参考：木更津分屯基地ホームページ、月刊航空ファン12,’18、5,’19、月刊JWings6,’19

＜木更津航空補給所＞：海上自衛隊の航空補給所。1962年に新編された。1998年、航空補給処に改編された。参考：MAMOR vol.157

＜木更津駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。在日米軍地位協定に基づくアメリカ軍との共同使用施設である。木更津飛行場の滑走路は長さ1830m・幅45m、ランウェイ02/20。固定翼機も運用できるが、付近を羽田空港の離着陸機がガンガン通るので、飛行高度に制限がある。航空資料館には日本軍や陸上自衛隊航空機の資料が展示されている。所在地は千葉県木更津市吾妻地先。JR木更津駅からタクシー７分、バス10分、徒歩20分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。元は1936年（昭和11年）4月に開設された日本海軍木更津飛行場で、太平洋戦争終戦によりアメリカ軍に接収され、アメリカ空海軍が進駐した後、1956年に航空自衛隊補給処臨時木更津補給隊が発足した。1958年10月、航空自衛隊木更津航空隊が新編された。1961年4月、アメリカ空軍が立川基地に移動。1962年10月、海上自衛隊が木更津航空補給処を開設した。1968年3月、陸上自衛隊第１ヘリコプター団が移駐し、木更津駐屯地が開設された。5月、木更津航空隊が入間基地に移駐したことに伴い、陸上自衛隊の管理下に置かれた。1972年3月にアメリカ海軍通信要員が撤収し、1974年までに全アメリカ軍要員が駐屯地を去ったが、アメリカ軍補助飛行場の指定は外れておらず、設備は残っている。1974年8月、木更津駐屯地業務隊が新編された。1992年3月、第４対戦車ヘリコプター隊が新編された。2011年1月5日、第１ヘリコプター団が年頭編隊飛行訓練を実施。第１輸送ヘリコプター群CH-47J/JA輸送ヘリ13機、第102飛行隊UH-60JA汎用ヘリ２機・OH-6D観測ヘリ１機、連絡偵察飛行隊LR-2連絡機１機・LR-1連絡機２機、特別輸送ヘリコプター隊EC225LP要人輸送ヘリ３機が参加した。2015年3月、新庁舎（鉄筋コンクリート８階、延床面積8000平方メートル。首都圏部隊初の津波対策庁舎）が竣工。7月13日、第１ヘリコプター団が津波対策を施した新庁舎への移転セレモニーを実施。2015年9-12月、1939年の日本海軍時代に建設された旧庁舎が取り壊された。跡地は儀仗広場・駐屯地資料館となる。2016年2月15日、LR-1連絡機の用途廃止行事を実施。4月25日にVMM-262所属MV-22BとCH-47JAとの騒音比較調査を行う予定で、厚木基地にMV-22B輸送機３機が飛来していたが、アメリカ軍の運用上の都合で中止され、MV-22Bは4月23日に岩国基地に向かった。10月24日、VMM-265所属MV-22B輸送機２機が飛来し、第１ヘリコプター団第１輸送ヘリコプター群CH-47JA輸送ヘリとの騒音比較調査を実施。離着陸時の場周経路における騒音は同程度で、駐屯地内でのホバリング時は駐屯地内ではMV-22BがCH-47JAよりうるさかったが、駐屯地外の測定地点では両者とも周辺生活音に紛れて聞き取れない程度だった。ケネディ駐日大使が駐屯地で市長や市議会議長らに整備拠点の必要性を説明、県や市の関係者を対象にMV-22Bの体験搭乗を行っている。2017年1月12日、陸自とアメリカ海兵隊のMV-22B（17機＋24機）の定期整備を行う富士重工航空宇宙カンパニー木更津事業所（駐屯地内にある）の開所式を実施。1月18日、駐屯地全隊員が参加して月に一度の飛行場清掃を実施。1月30日、富士重工による定期機体整備を受けるアメリカ海兵隊MV-22B輸送機１機が飛来。MV-22Bの航空救難態勢確立のための教育等を開始。MV-22Bの実機を使用し、緊急事態発生時の乗員救助手順や消火要領などをアメリカ海兵隊員から受講した。2月1日、アメリカ海軍厚木基地の西太平洋艦隊即応センターと、第１海兵航空団による技術支援を受け、富士重工がMV-22Bの定期機体整備を開始。12月15日、滑走路標識を塗装した。2018年6月25日、定期機体整備を受けるVMM-265所属MV-22B輸送機１機（通算２機目）が飛来。6月26日、VMM-265所属MV-22B輸送機１機が飛来し、前日に飛来した機体の乗員などを乗せて厚木経由で岩国基地に向かった。9月5日、VMM-265所属MV-22B輸送機１機が定期整備に伴う人員を乗せて飛来。2019年3月2日、2017年からの定期整備を終えたMV-22B輸送機１機が駐屯地を離れた。当初は７ヶ月間の予定だったが、アメリカ側との作業調整や部品調達の遅れなどで３倍以上の時間を要している。２機目以降は作業手順確立や整備員習熟などにより、もっと短期間で済む予定。2020年3月26日、輸送航空隊、同隊第107飛行隊、同隊第108飛行隊が新編された。2021年1月29日、岸防衛大臣が視察し、隊員に訓示を行い、輸送航空隊V-22輸送機に搭乗した。2022年6月16日、陸上自衛隊・アメリカ海兵隊共催の太平洋水陸両用指揮官シンポジウム2022の部隊研修が行われた。参考：第１ヘリコプター団ホームページ、月刊JWings5,’08、6,’10別冊付録、3,'11、7,'15、11,’15、1,'16、5,’16、7,’16、1,’17、6,’20、JGround Vol.23、MAMOR vol.110、vol.91、月刊軍事研究1,’16、4,’17、月刊航空ファン1,’17、4,’17、9,’18、11,’18、5,’19、月刊世界の艦船9,’22、朝雲

＜木更津駐屯地（２００７年度）＞：第１ヘリコプター団第１ヘリコプター隊（OH-6D、CH-47J/JA）、同団第２ヘリコプター隊（OH-6D、CH-47J/JA）、同団連絡偵察飛行隊（LR-1、LR-2）、同団特別輸送ヘリコプター隊（AS332L、EC-225LP）、東部方面航空隊第４対戦車ヘリコプター隊（AH-1S、OH-6D）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜木更津駐屯地（２０１５年）＞：第１ヘリコプター団本部、第１ヘリコプター団本部管理中隊、第１輸送ヘリコプター群、特別輸送ヘリコプター隊、第102飛行隊、第１ヘリコプター野整備隊、連絡偵察飛行隊、第４対戦車ヘリコプター隊、東部方面管制気象隊第３派遣隊、第101全般支援隊木更津派遣隊、第320基地通信中隊木更津派遣隊、第127地区警務隊木更津連絡班、東部方面会計隊第428会計隊（3月26日から第316会計隊木更津派遣隊）、木更津駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜木更津駐屯地（２０２０年）＞：第１ヘリコプター団、同団第102飛行隊（UH-60JA、OH-6D）、同団第103飛行隊（CH-47J/JA）、同団第104飛行隊（CH-47J/JA）、同団第105飛行隊（CH-47J/JA）、同団第106飛行隊（CH-47J/JA）、同団連絡偵察飛行隊（LR-2）、同団特別輸送ヘリコプター隊（EC-225LP）、同団輸送航空隊（3月26日新編）、東部方面隊第４対戦車ヘリコプター隊などが所在している。参考：月刊JWings3,’20、6,’20

＜木更津駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1974年8月、木更津駐屯地で新編された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：第１ヘリコプター団ホームページ、MAMOR vol.52、朝雲

＜木更津飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和9年3月20日のマル二計画で木更津海軍航空隊を新編することになり、その飛行場として昭和11年4月1日に千葉県木更津市に開設され、木更津海軍航空隊が発足した。昭和14年、航空隊司令部庁舎が完成。中央指揮所は厚さ1.2mの防弾壁で防御されており、その隣には指令室と外部を結ぶ地下通路が設けられた。昭和16年、岩根地区に第２海軍航空廠が設置された。太平洋戦争終結後は昭和20年9月にアメリカ軍が進駐、岩根地区には昭和21年8月15日に東京鉄道局新小岩工機部木更津分工場が発足したが、朝鮮戦争勃発で岩根地区もアメリカ空軍補給部隊に接収された。昭和31年に航空自衛隊臨時木更津補給隊が発足し、以降アメリカから順次返還され（昭和49年にアメリカ軍要員は完全撤収したが日米共同施設のまま）、航空自衛隊木更津基地／木更津分屯基地、海上自衛隊木更津基地、陸上自衛隊木更津駐屯地として使用されている。参考：木更津分屯基地ホームページ、首都防空網と空都多摩、朝雲

＜木更津分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第４補給処木更津支処が置かれている。2013年8月1日、第１補給処が第４補給処木更津支処に改編されたのに伴い、木更津基地から改編されて創設された。2016年8月3日、基地開庁60周年記念式典を実施。2017年2月4-5日、袖ケ浦市で航空中央音楽隊による空の音楽祭を開催。2018年3月23日、袖ヶ浦市市民会館で中部航空音楽隊による空の音楽祭を実施。3月24日、地元中高生70人を分屯基地に招待し、中部航空音楽隊によるパート別楽器技術指導を実施。参考：月刊JWings8,’14、補給本部ホームページ、朝雲

　＜木更津分屯基地（２０１５年）＞：第４補給処木更津支処、木更津地方警務隊、東部情報保全隊木更津第３情報保全派遣隊が置かれている。参考：朝雲、木更津分屯基地ホームページ

＜きじ＞：PC-302（駆潜艇）を参照。

＜雉＞：第121航空隊（日本海軍）を参照。

＜雉（初代）＞：日本海軍隼型水雷艇Kiji。明治37年1月23日竣工。3月31日に戦没した。呉工廠で同名の代艇が建造され、明治38年5月9日竣工。大正12年12月15日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜雉（２代目）＞：日本海軍鴻型水雷艇５番艦。昭和12年7月31日竣工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第３遣支艦隊第11水雷隊に所属していた。昭和16年12月16日、香港付近で雁と共にイギリス海軍魚雷艇８号を砲撃して撃沈した。昭和17年4月8日、セブ島沖でアメリカ海軍第３魚雷艇隊PT34及びPT41を射撃したが、損傷を与えられなかった。昭和18年4月14日、タニンバル諸島のハバル島北西30海里で爆撃を受けて損傷した。昭和19年6月3日、ニューギニア西部マノクワリで爆撃を受けて損傷した。昭和21年7月10日に除籍され、昭和22年10月3日にソ連に引き渡された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜きじ＞：海上自衛隊ちよづる型掃海艇18番艇。元は第４号駆潜特務艇である。1952年8月1日に海上保安庁から移管され、掃海船MS-81となった。1954年7月1日に掃海艇に類別変更された。1956年4月1日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜己式一型練習機＞：日本陸軍練習機。エンジンはロ式80馬力、プロペラは木製２翅（直径2.556m、ピッチ1.73m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜キジ車＞：九八式乗用車シリーズを参照。

＜疑似社会シミュレーション解析用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。エヌ・ティ・ティ・データ製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜騎士鉄十字章＞：ドイツの戦功勲章で、1939年に一級鉄十字章の上に設けられた。黒白赤の３色リボンで首から吊し、金属章が襟元に来るようにする。受章総数7318名（うちＵボート艦長124名、Ｕボート機関長14名、Ｕボート兵曹長７名）。参考：武装親衛隊、Ｕボート入門

＜擬似電波発生装置＞：航空自衛隊の対レーダーミサイル用囮装置。本体は箱の上に円筒を載せたような形状をしていて、レーダーと同様の電波を発信し、対レーダーミサイルを誘引する。本体重量30kg、ケーブル重量30kg。２名で設置する。参考：月刊JWings4,’11

＜岸波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦16番艦。昭和18年12月3日竣工。昭和19年10月22日、比島沖海戦に参加。12月4日、マニラからシンガポールに向かう途中、パラワン島の北西200海里でSS-249フラッシャーの雷撃を受けて沈没した。昭和20年1月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ギシャン＞：フランス海軍ギシャン級防護巡洋艦Guichen。1899年竣工。1913年、練習艦となった。1917年、高速輸送艦に改造された。1921年退役。1922年に売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ギシャン級＞：フランス海軍防護巡洋艦Guichen級。海上交通破壊作戦が主任務である。タンブルホーム船型で、艦首は直立式、衝角は無い。当初はマストが２本だったが、その後船体中央に１本増やして３本にし、1904年頃にまた２本にした。垂線間長133m、常備排水量8151トン。主機はレシプロ蒸気機関３基３軸25000馬力、速力23.5ノット、航続距離16000海里（10ノット）。兵装は16cm単装砲２門、14cm単装砲６門、47mm機砲10門、37mm機砲５門、45cm魚雷発射管２門。ギシャンが1899年に竣工した。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜機首＞：Nose。航空機の胴体先端部のこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜起重機船（日本海軍）＞：自走型と非自走型（曳船で曳航する）がある。一部はアメリカ軍に接収されて戦後まで使用された。参考：小艦艇入門

　＜５トン型起重機船＞：非自走型。全長９m、排水量16.5トン。明治38年に数隻が建造された。参考：小艦艇入門

　＜１５トン型起重機船＞：非自走型。全長18m、最大幅７m。昭和18年に数隻が建造された。参考：小艦艇入門

　＜３０トン型起重機船＞：非自走型。全長21.3m、最大幅14m、排水量331トン。大正12年に数隻が建造された。参考：小艦艇入門

　＜３０トン型起重機船＞：自走型。全長25-28m、最大幅10-18m、排水量315-450トン。機関出力125-160馬力、速力5-6ノット。大正12年から昭和18年に数隻が建造された。参考：小艦艇入門

　＜７５トン型起重機船＞：非自走型。全長29.4m、最大幅16m、排水量715トン。昭和19年に建造された。参考：小艦艇入門

　＜１２０トン型起重機船＞：非自走型。全長36.0m、最大幅18m、排水量800-960トン。昭和19年に数隻が建造された。参考：小艦艇入門

　＜１５０トン型起重機船＞：自走型。全長55m、最大幅10-18m、排水量280トン。機関出力400馬力、速力５ノット。昭和10-16年に数隻が建造された。参考：小艦艇入門

　＜３００トン型起重機船＞：自走型。全長79.2m、最大幅14m。機関出力750馬力、速力7.9ノット。昭和12年に建造された。参考：小艦艇入門

　＜３５０トン型起重機船＞：自走型。全長70.9m、最大幅32m。機関出力750馬力、速力７ノット。昭和16年に建造された。参考：小艦艇入門

＜起重機船＞：海上自衛隊第１種支援船YC（Yard Crane）。地方隊港務隊または整備隊に配備されており、港内でのブイなどの投揚収、重量物取り扱い、魚雷やアスロックの積み込み、設標作業、サルベージなどに使用される。陸上用自走クレーン、固定式クレーン、旋回式クレーンを搭載する。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、1,’95、自衛隊装備カタログ1981

＜起重機船５号型＞：海上自衛隊起重機船。鋼製で、全長22m、全幅10m、深さ2m、吃水0.6m（0.9m？）、基準排水量110トン。主機はディーゼル、出力180馬力、２軸推進、速力５ノット。１隻（YC-05）が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊

＜起重機船６号型＞：海上自衛隊起重機船。鋼製で、Ａフレームクレーンを搭載し、反対側には１対のダビットを持つ。全長24m、全幅10m、深さ2m、吃水0.8m、基準排水量150トン（156トン？）。主機はディーゼル、出力240馬力、２軸推進、速力５ノット。YC-06、YC-07、YC-08の３隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜起重機船９号型＞：海上自衛隊起重機船。鋼製で、操縦室付き旋回式大型クレーン（能力25トン）を装備している。全長26m、全幅14m、深さ2.5m、吃水0.9m、基準排水量260トン。主機はディーゼル、出力280馬力、２軸推進、速力６ノット。１隻（YC-09）が建造された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊

＜奇襲上陸＞：水陸両用作戦の１つで、小規模特殊部隊をゴムボートなどで上陸させるものである。見つかると一瞬で殲滅されるので、事前の入念な情報収集により、防御の手薄な上陸地点を選ぶのが重要。上陸後に海岸堡を確保し、ヘリやティルトローター機で増援を急派、拡大した海岸堡にLCACなどで重装備を運び込めば、内陸侵攻へと移行できる。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜機銃掃射＞：掃射を参照。

＜キシュチム事故＞：ウラル核惨事を参照。

＜技術科＞：日本海軍の兵科。昭和17年11月1日に造兵科、造機科、造船科、水路科を統合して創設された。太平洋戦争勃発に伴い、前線に根拠地を設営する機会が増え、文官系の臨時海軍建設部や徴用員主体の特設設営班では不十分となったため、海軍軍人も根拠地設営を担当したが、この設営担当海軍将兵も本科に所属する。技術科見習尉官第１期は発足前の昭和16年10月に採用された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜技術海上幹部＞：海上自衛隊の募集種目。大学の学部や専攻学科（工学、理学、薬学、音楽など）を卒業後、２年以上の業務経験を持つ38歳未満の者を採用し、装備品の研究開発・整備や、薬剤・音楽などの専門職に関する業務に従事させるものである。参考：月刊JWings1,’12、MAMOR vol.60

＜技術海曹＞：海上自衛隊の募集制度。気象予報士、航空交通管制員、看護師、歯科技工士といった国家資格などの保有者を即戦力として採用する免許の部と、海自装備品の維持整備に必要な工学系の知識を持つものを採用する大学・短大・高専卒の部の２種がある。参考：月刊JWings1,’12、MAMOR vol.57

＜技術空曹＞：航空自衛隊の募集制度。各種国家資格保有者や工科系大学・短大・工専卒の20歳以上の者を採用する。参考：MAMOR vol.60

＜技術研究本部＞：防衛省／防衛庁の組織。防衛省・自衛隊から要求された装備品（正面装備だけでなくレーションなども含む）や、将来必要になる可能性がある装備品・技術などの研究開発、開発を完了した装備品の実用試験などを行うのが主任務である。製造施設（工廠）は無いので、大型装備品は民間企業に依頼して作ってもらう。1952年8月1日、保安庁技術研究所として越中島で創設された。1954年7月、防衛庁技術研究所となった。1957年8月、目黒試験場を設置。1958年、スイスからSELB型RSC-56型地対空ミサイルを輸入して研究を開始。5月、防衛庁技術研究本部となり、目黒試験場は第１研究所に改編された。財団法人船舶設計協会の担当を引き継いで1959年度艦から護衛艦基本設計を開始。陸自向けでは60式106mm自走無反動砲を皮切りに各種国産兵器を開発している。1964年7月、パッシブソナー研究開発担当の音響第４研究室を創設。2000年3月、三宿駐屯地から市ヶ谷基地に移駐。2006年7月、組織改編を実施。第1-5研究所を陸上、艦艇、航空、電子装備研究所及び先進技術推進センターとして業務内容も明確化した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の福島第一原発事故で、1-4号機の原子炉温度が上がり続けたため、3月12日0915に防衛大臣が技本創設以来初となる災害派遣を下命、福島第１・第２原発施設の温度計測と自衛隊が収集した空中放射能塵の分析を行うよう指示した。これに伴い、航空装備研究所システム研究部長以下74名からなる赤外線計測プロジェクトを設置し、電子装備研究所の赤外線専門家ら33名で構成される計測チーム（４名１組で原発上空での赤外線測定にあたる）、分析チーム（測定データ分析を行う）、支援チーム（統幕・陸幕との調整など）、飛行チーム（人員と資材の輸送を行う）、車両輸送チームを編成。NEC Avico赤外線テクノロジー社製H2640赤外線サーモグラフィーを購入し、放射線防護のためタングステンプレートを貼り付けると共に機体底部に温度計測用アクリル窓を設けたCH-47Jに搭載した。3月19日0640、計測チームを乗せたCH-47Jが霞目駐屯地からＪビレッジに向け離陸。Ｊビレッジで中央特殊武器防護隊を乗せて福島第一原発に向かい、上空300mで25分間の測定を実施した。乗員はそれぞれ防護服を着用し、安定ヨウ素剤を服用、γ線と中性子線の計測器を１台ずつ携行している。放射線量が高かったため、3月20日以降は測定高度を900mに上げ、4月6日までは連日で、4月8日以降は隔日で赤外線測定を実施、原子炉建屋外の温度が100℃を切った4月26日まで観測を続けた。2012年2月9日、福島第１原発事故で温度計測や放射能塵解析を行った職員78名に2-5級賞詞が授与された。2014年2月19日、第５回日・ASEAN次官級会合に合わせ、那覇基地で非伝統的安全保障分野での装備・技術協力の可能性をテーマとするASEAN関係者向け試作品展示会を実施。爆発物処理ロボット、ACIES、壁透過人物探知装置、ソフトウエア無線機、手投げ式偵察ロボットなどを展示した。3月26日、独立行政法人情報通信研究機構と研究協力推進に係る包括協定（サイバーセキュリティ技術や合成開口レーダー関連らしい）を締結。2015年10月1日の防衛装備庁新設に伴い廃止された。参考：月刊世界の艦船6,’11、12,’14、自衛隊装備カタログ1981、朝雲、月刊軍事研究2,’12、12,’17、月刊丸7,’14、日本の防衛戦力Part7、目黒基地ホームページ

　＜技術研究本部（１９８０年）＞：本部は東京都世田谷区池尻（駒沢練兵場跡）にある。目黒の第１研究所は第１部（対原子力研究室）、第２部（銃器研究室）、第３部（水槽試験室）、第４室（無線通信室）、第５部（レーダー研究室）からなる。池尻の第２研究所は第１部（食糧研究室）、第２部（衛星研究室）からなる。立川の第３研究所は第１部（機体研究室）、第２部（原動機研究室）、第３部（機器研究室）からなる。相模原の第４研究所は第１部（器材研究室）、第２部（車両研究室）、総合研究室からなる。横須賀の第５研究所は第１部（音響研究室）、第２部（システム研究室）、海上試験室などからなる。札幌、下北、土浦、新島、岐阜などに試験場を持つ。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜技術研究本部（２０１４年）＞：トップは本部長で、陸上技術開発官（陸将）、船舶技術開発官（海将）、航空機技術開発官（空将）、誘導武器技術開発官（防衛省技官）がその下に置かれ、自衛官、事務官、技官が研究開発にあたっている。研究施設は陸上装備研究所、艦艇装備研究所、航空装備研究所、電子装備研究所、先進技術推進センター（ロボットやACIES担当）がある。参考：月刊JWings6,’14

＜技術高級課程（陸上自衛隊）＞：陸自幹部学校の課程教育。理工学系修士・博士などの資格を持つ技術系幹部に、研究開発や行政などの職務を行う上級部隊指揮官や幕僚としての資質・知識・技能を修得させるのが目的である。参考：陸海軍学校と教育

＜技術航空幹部＞：自衛隊の募集種目。大学の学部や専攻学科（工学、理学、薬学、音楽など）を卒業後、２年以上の業務経験を持つ38歳未満の者を採用し、装備品の研究開発・整備や、薬剤・音楽などの専門職に関する業務に従事させるものである。参考：月刊JWings1,’12、MAMOR vol.60

＜技術試験（海上自衛隊）＞：装備品などの開発過程で行う試験のこと。参考：月刊世界の艦船12,’14

＜技術準備レベル＞：TRLを参照。

＜技術職域（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の職域の１つ。総合技術、施設技術、艦船技術、航空機技術、武器技術がある。参考：日本の防衛戦力Part3

＜技術装備房＞：リトアニアのKGB本部に設けられていた拷問室。自殺防止のために全面パッド張りにしてある。囚人は拘束衣を付けられて放り込まれる。参考：月刊軍事研究2,’02

＜技術貸費学生＞：貸費学生を参照。

＜技術調査隊＞：航空自衛隊の部隊。電子開発実験群隷下で、隊員数15名くらい。J/MSM-6電波環境測定装置などを使用して全国各地の電波環境を調査し、障害物の影響による電波障害の回避方法を現地部隊に教授する。ESMやELINTも実施し、干渉電波が出されているという情報が入った場合には現地で４日間（＋予備日２日間）に渡る詳細な調査を行い、発信源などを突き止める。参考：朝雲

＜技術幕僚＞：海上自衛隊の職名で、ギサと略す。参考：日本の防衛戦力Part3

＜技術評価開発隊＞：海上自衛隊の部隊。2023年4月1日、開発隊群隷下に新編され、ASE-6102あすかが隷下に入った。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜宜春＞：556（コルベット）を参照。

＜基準信号発生器＞：自衛隊の機器。TFF製。参考：月刊軍事研究3,’13

＜基準戦艦＞：前弩級戦艦を参照。

＜基準排水量＞：Standard Displacement。軍艦の満載状態（乗員、武器弾薬、艤装品、食糧、水など全て含む）から燃料と予備缶水の全てを差し引いた排水量で、イギリストンで示される。1921年（大正10年）のワシントン条約で定義された。海上自衛隊では1978年制定の水上艦船搭載物件配分標準で定められており、自衛艦の満載状態から油水、消費・補給物件、バラストなどを差し引いた排水量とされている。ちなみに水上艦船と言いつつ潜水艦にも適応される。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊、艦船メカニズム図鑑、海軍操舵員よもやま物語、JShips VOL.70

＜宜昌＞：564（フリゲート）を参照。

＜気象（航空自衛隊職域）＞：航空自衛隊の職域の１つで、気象観測、気象器材整備の各職種からなる。航空気象に関するデータを集めて気象予報を出し、全国の部隊に送付する。関連器材の整備も行う。第４術科学校で教育が行われ、気象隊などに配属される。参考：月刊JWings6,’16、7,’12

＜旗章（海上自衛隊）＞：国旗、自衛艦旗、内閣総理大臣旗、防衛大臣旗、防衛副大臣旗、統合幕僚長旗、海上幕僚長旗、海将旗、海将補旗、代将旗、隊司令旗（甲）、隊司令旗（乙）、長旗、先任旗があり、海将旗から長旗までは指揮官旗と呼ばれる。参考：海上自衛隊旗章規則

＜旗章（日本海軍）＞：軍艦旗、大将旗、中将旗、少将旗、司令旗などがある。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜旗章（日本陸軍）＞：天皇旗、皇后・太皇太后・皇太后旗、摂政旗、皇太子旗、皇太子妃旗、親王旗、内親王・親王妃旗、軍旗（連隊旗）、大隊旗、近衛騎兵（儀仗）旗などがある。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜徽章（自衛隊）＞：自衛官の職務や技能を識別するために使用されるバッジで、制服の左胸に付ける。素材、色、形状に細かい規定があり、取り付け位置も自衛官服装規則によりミリメートル単位で決まっている。正帽に付けるものは帽章と呼ばれる。海外派遣の際には国籍を示す国籍徽章を着用する。陸海空で別々に定められたものの他、体力徽章など３自衛隊に共通するものや、地方協力本部向けの募集広報徽章などもある。参考：MAMOR vol.62、vol.56、vol.86、vol.91、vol.100

＜徽章（海上自衛隊）＞：自衛官服装規則に規定されている。防衛功労賞、精勤賞、帽章、階級章、幹部候補者徽章、海曹候補者徽章、飾諸、統合幕僚会議議長章、統合幕僚会議議長略章、統合幕僚会議事務局職員章、航空学生徽章、航空徽章、水上艦艇徽章、潜水艦徽章、潜水員徽章、募集広報徽章、体力徽章があり、階級章は甲と丙の２種がある。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、MAMOR vol.56

＜徽章（航空自衛隊）＞：航空徽章（操縦士）、航空徽章（航空士）、高射管制徽章、兵器管制徽章、航空管制徽章、不発弾処理徽章などがある。2021年6月10日、宇宙作戦隊隊員向け宇宙作戦徽章と救難員向け航空救難徽章のデザインが発表された。参考：MAMOR vol.56、vol.100、朝雲

＜徽章（陸上自衛隊）＞：募集広報徽章、営内班長徽章、服務指導准尉徽章、航空徽章（金）、航空徽章（銀）、航空管制徽章、レンジャー徽章（金）、レンジャー徽章（銀）、空挺徽章、体力徽章、不発弾処理徽章、冬季遊撃徽章、自由降下徽章、射撃徽章（金）、射撃徽章（銀）、格闘徽章（金）、格闘徽章（銀）、スキー徽章（金）、スキー徽章（銀）がある。2014年には水陸両用徽章が定められた。他に艇長徽章、洋上潜入徽章、洋上潜入・艇長徽章も定められている。職種ごとの職種徽章もある。参考：MAMOR vol.62、vol.56、vol.86、vol.158、月刊世界の艦船10,’15

＜儀仗＞：高官・賓客を迎える際の礼法である儀礼と、高官・賓客の警衛を行う警護を合わせたもの。儀仗を受ける受礼者に対し、滞在中の安全を保証する意味合いがある。日本では古墳時代後期から行われていたらしく、古墳から器材が出土している。参考：MAMOR vol.91、vol.118、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊JWings8,’16

　＜儀仗（自衛隊）＞：公式訪問する賓客を迎えるにあたり、途上を警衛すると共に、相手への敬意を示す一糸乱れぬ儀礼行為で、儀仗隊が実施する。皇族や国内外高官に対し特別儀仗隊が行う特別儀仗と、それ以外の通常儀仗がある。受礼者が到着した際には迎え儀仗を行い、栄誉礼に続いて巡閲する。天皇や外国高官の場合には栄誉礼の前に中央音楽隊が国歌を演奏する。自衛隊音楽まつりや武山駐屯地創立記念式典など一般向けのイベントで披露されることもある。参考：月刊JWings8,’16、MAMOR vol.155

＜机上演習＞：図上演習を参照。

＜機上応急食＞：航空糧食を参照。

＜気象海洋員＞：海上自衛隊の気象職域隊員。天象、気象、海象（海水温度、塩分濃度、海流、波浪、海霧、海底地形、底質など）の観測が主任務で、地方総監部など陸上部隊、航空基地隊運航隊気象班、護衛艦航海科に配置される。教育は第１術科学校教育第２部気象海洋科で行われる。参考：MAMOR vol.161

＜気象観測員＞：航空・陸上自衛隊の職種。航空気象観測が主任務で、空自気象隊や陸自管制気象隊などに配備され、目視や各種機器により気象を観測する。気象幹部（予報官）の資料製作補佐も行う。空自第４術科学校の初級気象観測員課程を修了すると任じられる。参考：MAMOR vol.145

＜気象観測装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜気象幹部（予報官）＞：自衛隊の幹部。気象予報士の資格を持ち、気象・海象状態の現況観測と気象・海象予報を行い、部隊が必要とする気象・海象予報や気象・海象情報を提供する。参考：MAMOR vol.105

　＜気象幹部（予報官）（海上自衛隊）＞：第１術科学校気象海洋科で教育を受け気象要員となり、気象予報士試験に合格して資格を取ると任命され、航空基地の運航隊気象班などに配置される。参考：MAMOR vol.105

　＜気象幹部（予報官）（航空自衛隊）＞：第４術科学校気象幹部課程を修了し、気象予報士試験に合格すると任命され、基地気象隊や中枢気象隊に配置される。参考：MAMOR vol.105

　＜気象幹部（予報官）（陸上自衛隊）＞：空自第４術科学校気象幹部課程を修了し、気象予報士試験に合格すると任命される。方面航空隊管制気象隊に配置され、飛行隊に気象情報や気象予報を提供する。参考：MAMOR vol.105

＜機上救護員（海上自衛隊、回転翼）＞：海上自衛隊の職域。准看護師の資格を持つ衛生職種隊員で、ヘリコプターに搭乗して海上の遭難者などを救護するのが主任務である。教育は第211教育航空隊で行われており、航空士基礎課程（1-2ヶ月）、航空士救護課程（座学・シミュレータ1-2ヶ月、第72航空隊鹿屋航空分遣隊UH-60Jを使用した実機4-5ヶ月）を経て機上救護員となる。参考：MAMOR vol.70、vol.110

＜機上救護員（海上自衛隊、固定翼）＞：海上自衛隊の職域。准看護師の資格を持ち（救急救命士の資格も持つ者もいる）、US-1/-2飛行艇１機あたり２名が配員され、機外の見張り、目視による要救助者捜索、マーカー投下などによる位置表示、機内での救護処置などを行う。救命ボートに搭乗して救助現場に向かうこともある。参考：月刊航空ファン3,’18

＜機上救助員＞：海上自衛隊の職域。スキューバの資格を持ち、US-1/-2飛行艇１機あたり３名が配員され、着水後に救命ボートに乗り込んで要救助者の救助にあたる。要救助者が少なく、事態が急を要する場合は、泳いでいって直接救助する泳者救助を行う。参考：月刊航空ファン3,’18

＜気象業務隊＞：航空自衛隊の気象部隊。統合気象解析予報用電算機JAFCOMの運用を主任務とする。2012年3月、中枢気象隊に改編された。参考：朝雲

＜気象クラッター＞：ウェザー・クラッターを参照。

＜機上携行食＞：航空糧食を参照。

＜機上航空糧食＞：航空糧食を参照。

＜機上酸素発生装置＞：OBOGS（On-Board Oxygen Generating System）と略す。高空飛行時にパイロットに供給する酸素を飛行中に発生させる装置で、エンジン圧縮機から圧縮空気を抽出し、沸石により窒素を除去、酸素を取り出してコンセントレーターで濃縮するシステムである。これにより液体酸素ボンベを積んで行かなくても良くなった。ただしエンジンや抽気システムなどに不具合が発生すると作動不能になるため、予備酸素供給装置として液体酸素ボンベを備えることも多い。参考：月刊航空ファン7,’19、月刊JWings11,’00、2,’13、月刊軍事研究1,’13

＜儀じょう銃＞：陸上自衛隊特別儀仗隊（第302保安警務中隊）の儀仗用小銃。豊和工業製で、M1ガーランドの後継として2019年4月に採用された。ボルトアクション式小銃で、ハンドリングの際に引っかからないよう、槓桿を下に折り畳めるようにしている。銃床とハンドガードは木（メープル）製で、床尾板や各部の繋ぎ目を樹脂製にして軽量化した。銃剣は片刃である。全長1.11m／1.36m（着剣時）、口径7.62mm、重量3.75kg。参考：MAMOR vol.151、朝雲

＜機上集塵器（２型）＞：航空自衛隊の放射性物質採取装置。円筒形をしていて、内部には前部に円形集塵フィルタ、周囲に長方形集塵フィルタが装着されている。F-4EJ戦闘機やT-4練習機に搭載して上空を飛行し、放射性物質サンプリングのための塵を収集、集めた塵は公益財団法人日本分析センターで解析を行う。長さ3m、直径0.5m。参考：月刊軍事研究8,’15、月刊JWings11,’17、2,’18

＜機上食＞：航空増加食を参照。

＜気象資料管理隊＞：海上自衛隊の気象支援部隊。海洋業務群隷下で、船越地区に置かれている。主任務は統合気象システム運用、海外派遣部隊への気象支援、気象技術指導など。要員は21名で、うち８名が空自府中基地の統合中枢気象所に勤務する。1992年2月15日に編成された。2015年7月27日、創隊以来23年間無事故無違反の功績により、自衛艦隊司令官から３級賞状を授与された。12月1日、海洋業務群が海洋業務・対潜支援群に改編されたことに伴い、対潜評価隊に改編された。参考：朝雲

＜機上整備員（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の飛行職種で、FE（Flight Engineer）と略す。航空機の各種計器を監視したり、燃料残量や機体重量を管理したり、機体に不具合が発生した場合にパイロットを補佐したりして安全な運航をサポートするコクピット業務と、キャビンで各種機器を操作したりするキャビン業務を行う。臨時の降着地で待機する場合には簡単な機体整備もこなす。参考：月刊航空ファン2,’17、MAMOR vol.133

　＜機上整備員（ＣＨ−４７Ｊ／ＪＡ）＞：ヘリコプター整備員を１年以上務め、選抜試験（適性検査と航空身体検査）に合格すると、陸自航空学校で上級陸曹機上整備員課程に入り、３ヶ月間の教育を修了して機上整備員となり、部隊に配属される。コクピット業務では、航空輸送任務での定時運航が求められるため、それに必要な機体重量や燃料管理を行う。災害派遣で空中消火を行う際には、離陸してからバケットに水を汲んで現場に向かうため、途中で重量が増える分を考慮した計算が必要になる。参考：月刊航空ファン2,’17、MAMOR vol.133

　＜機上整備員（ＵＨ−６０Ｊ）＞：ヘリコプター整備員を１年以上務め、選抜試験（適性検査と航空身体検査）に合格すると、救難教育隊で機上整備（回転翼）員課程に入り、５ヶ月間の教育を修了して機上整備員となり、部隊に配属される。コクピット業務では、救出場所、気象状況、救出人数などを勘案して燃料搭載量を決め、現場に止まれる時間（オンステーション可能時間）を算出し、ホバリング時にはパワーチェックを行って計算上の理論値とパイロットが読み上げる計器の表示値（実測値）にズレが無いかを確認、機体に想定外の力が作用していないか判断して安全に要救助者を救出できるようにする。キャビン業務では、ホイストコントロール・ペンダントでホイストを操作するホイストオペレーターを務める。また、電波高度計を使える平坦な洋上ではクルーホバーでホバリング位置の微調整を自ら行い、使えない山岳地帯や住宅地などでは音声でパイロットにホバリング位置を修正させる。参考：月刊航空ファン2,’17、2,’18、MAMOR vol.133

＜機上操作員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のU-36A汎用機搭乗員、別名ユーティリティ、略称UT。U-36Aに２名で乗り込み、レーダーやミサイル・シーカー・シミュレータの操作、曳航標的の運用、妨害電波発振などを担当する。UP-3Dの制式化で曳航標的運用と妨害電波はそちらに譲り、レーダー担当とミサイル・シーカー・シミュレータ担当に分かれての訓練支援が主任務となった。参考：月刊世界の艦船3,’21

＜儀仗隊＞：自衛隊の部隊。天皇、皇族、高官、外国賓客などに対して儀仗を行うのが主任務である。特別儀仗は特別儀仗隊が専任しているが、通常儀仗は各部隊で編成した儀仗隊が行うこともある。防衛大学校校友会の儀仗隊は学校行事などで一糸乱れぬパフォーマンスを展示する。参考：MAMOR vol.111、月刊JWings8,’16

＜気象隊＞：海上自衛隊の部隊。1992年2月15日、海洋業務群隷下に新編された。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜気象隊＞：航空自衛隊の気象観測部隊。モットーは観天望気。観測班、予報班、高層気象観測班などで構成され、気象支援（飛行気象予報、飛行前ブリーフィング、気象監視など）、航空気象観測（目視による大気現象、雲の状態、視程、航空気象観測装置または携帯気象観測装置による気温、湿度、気圧、雨量、視程、雲底高度）、METAR（METeorological Aerodrome Reports。航空関係者向け気象情報）発信、観測用気球による高層気象観測などを行う。参考：MAMOR vol.161、月刊JWings7,’14

＜機上対潜音響員＞：海上自衛隊の職種。戦術航空士の指示を受け、潜水艦の探知に必要な情報を各種装置で収集解析し、潜水艦を追尾する。参考：MAMOR vol.165

＜気象通信隊＞：航空自衛隊の気象観測情報通信部隊で、府中基地にある。統合気象通信用電算機（JOWCOM）の運用が主任務で、各気象隊・気象班から伝達された気象情報を、航空自衛隊のみならず、陸上・海上自衛隊、気象庁、在日米軍にも伝達し、日本周辺を飛行する全航空機に対して運航支援を行う。2012年3月、中枢気象隊に改編された。参考：月刊JWings2,’11、朝雲

＜気象偵察＞：軍が気象観測により気象情報を得ること。参考：空軍

＜気象偵察機＞：偵察機を参照。

＜機上電子光学特殊作戦ペイロード＞：AN/AAQ-16を参照。

＜起床動作（海軍兵学校）＞：起床用意、起きろの号令でベッドの横に立ち、寝間着を脱いできちんと畳み、下着、事業服、靴下、靴を履いてチェストの上の毛布をベッドの足側に載せ、広げてあった毛布を二つ折りにして更に３つ折りにし、ベッド足側の毛布に重ねて上に枕と寝間着を載せ、枕元の軍帽を右手に持って不動の姿勢を取り、姓名申告を行う。１個分隊全員が終わるのに２分強である。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜機上の竜作戦＞：アメリカ軍がイラク戦争で2003年4月7日に開始した輸送作戦。3月26日にイラク北部のバシール飛行場を第173空挺旅団が空挺降下で占領したが、付近に展開するイラク歩兵師団を相手にするには火力不足のため、第１歩兵師団1/63機甲支隊の将兵及び機材を空輸して戦力を増強するものである。ドイツのラムシュタイン空軍基地から第437空輸航空団第17空輸飛行隊C-17輸送機27機が任務にあたり、人員300名、M1戦車５両、M2A2歩兵戦闘車５両、M113A3兵員輸送車12両、M88A2戦車回収車１両、ハンヴィー37両、ハンヴィー指揮車２両、HEMTTトラック７両、重PLS輸送車１両、FMTVトラック４両、補給物資を4月19日までに運び終えた。これらの部隊は第173空挺旅団と共に、キルクーク油田を確保するための作戦に投入されている。参考：月刊軍事研究10,’07、12,’16

＜気象幕僚＞：海上自衛隊の職名で、キセサと略す。参考：日本の防衛戦力Part3

＜機上電子整備員＞：航空自衛隊の要員。航空機に搭載されたり航空部隊に配備されたりしている通信電子機器の点検整備を行う。第１術科学校で初級機上電子整備員課程を修了すると任じられる。参考：MAMOR vol.131

＜機上無線員（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の航空機搭乗員、略称RO（Radio Operator）。機内無線通信が主任務で、B-747政府専用機、C-130H輸送機、C-1輸送機、U-125飛行点検機、U-125A捜索救難機などに配員される。空自無線員として数年間部隊勤務した後、機上無線員選抜試験に合格し、第１術科学校で機上無線員基礎課程を学び、第３輸送航空隊での教育を修了すると資格が得られる。参考：月刊航空ファン3,’17

　＜機上無線員（航空自衛隊Ｕ−１２５Ａ）＞：機上無線員としての資格を取得した後、救難教育隊で捜索技術の教育を受けてから部隊に配置される。U-125A機内ではキャビン右前方の機上無線員席に位置する。現場に到着するまでは飛行経路や天候などの情報を指揮所やUH-60J救難ヘリに伝達し、UH-60Jを誘導する。現場に着いたら遭難状況、地形、捜索範囲、使える航法援助施設などを勘案して捜索パターンを決定し操縦士に伝え、縦長の大型窓からの目視、捜索レーダー、赤外線暗視装置TIEにより「サバイバーらしきもの」を見つけ出し、サバイバー（遭難者）と確認する。ただ山岳救難ではクラッターが多すぎてレーダーでは人間を捜せず、表面温度差を緑単色で表示するTIEも使いづらく、主に服の色を頼りに目視で捜索する。洋上捜索では脱出したパイロットが持つレーダーリフレクターや船舶の反射電波が拾えるので捜索レーダーが有効だが、大時化だとシークラッターに紛れるため、発見には高い技量を要する。遭難者を確認したらUH-60Jを上空に誘導し、周囲の状況や天候を逐次伝達、必要に応じて指揮所とUH-60Jの通信を中継する。救助が終わったら後ろを付いてくるUH-60Jに帰路の状況などを伝える。参考：月刊航空ファン3,’17

＜機上無線機＞：自衛隊の機器。日本無線製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜気状有毒化学剤検知装置＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究11,’14

＜気象レーダー＞：Weather Radar、Meteorological radar。雨粒、雪、みぞれ、雷雲などの気象現象を観測するレーダー。微少降水粒子からの反射波（後方散乱）を効率良く探知できるような設計を施してあり、通常のレーダーではウェザー・クラッターとして除去の対象となる反射波の変動をキャッチして表示する。広域観測では減衰の少ないＳバンド（最大探知距離500kmくらい）、局地精密観測ではＣバンドやＸバンドを使い、使用電波の波長を10mm以下（Kuバンド・Ｋバンド・Kaバンド）にすれば直径100ミクロン以上の雲粒を捉えることも可能で、Ｗバンドなら雲や霧も探知でき、雨や雲の動きから風を観測するためにドップラーレーダーも使う。もっと波長を短くして波長10ミクロンくらいの赤外線レーザーレーダー（LIDAR）を使うとエアロゾルを観測でき、ドップラーLIDARでエアロゾルの動きを捉えることにより晴天時の風力観測が行える。波長が長いUHF帯やVHF帯を使用した気象レーダーもあり、大気成層境界で生じる屈折率変化を観測することで前線や逆転層の存在を探知することができ、プロファイラと呼ばれる。プロファイラのうち、鉛直方向の成層状態変化を捉えて上空の風を測定するタイプはウインドプロファイラと称する。初期には放電エコーと放電経路を探知する雷放電路観測用レーダーも考案されたが、あまり使われなかった。航空機も飛行ルートの降雨地域を避けるために搭載しており、他の航空機や山なども探知できるが、晴天乱気流など雨や雲が無い状態での風は分からないので注意が要る。ペンシルビームを発するアンテナを水平面内で回転させて走査し、仰角を順次変更して対象の三次元分布を観測する。反射強度で雨量を計るので、受信機は広いダイナミックレンジを持ち、正確に反射強度を測定する。気象現象以外にグラウンド・クラッター、シー・クラッター、航空機、船舶、昆虫・種子（エンジェルエコー）などが映り込んでくるので、MTI技術、レーダー波反射強度、ドップラー速度場での速度パターン（航空機や船舶は直線的）などで見分ける必要があるが、波飛沫は雨粒と同じくらいの直径なので、シー・クラッターの排除は困難なこともある。1940-41年にイギリスのジェネラル・エレクトリック社研究所がＳバンドレーダーで航空機探知テストをしていた際、降雨やみぞれから反射波が返ってくる事が判明し、この時はウェザー・クラッター扱いだったが、逆に雨粒を捉えるレーダーが作れるということでもあり、1943年にアメリカで論文が発表され、1946年には波長20cm以下のレーダーを使えば降雨からの反射を捉えられることが分かり、レーダー反射率と降雨量の関係式などが研究されて実用化に至った。日本では気象ドップラーレーダー、空港気象ドップラーレーダー、レーダー雨量計、二重偏波レーダー雨量計、下水管管理用レーダー雨量計、雷レーダー、ウインドプロファイラ、次世代マルチパラメータ気象レーダー、フェイズドアレイ気象レーダー、人工衛星搭載二周波降水レーダーなどが使用されており、1954年に大阪管区気象台と気象研究所に設置されたのが初で、1964年には富士山レーダーを設置して台風を監視している。参考：レーダの基礎、レーダシステムの基礎理論、航空用語事典増補改訂版

＜気象レーダー用整備器材＞：自衛隊の機器。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究2,’17

＜キスカ＞：T-AE-35（給兵艦）または九九式手榴弾を参照。

＜キスカ島上陸作戦＞：AL作戦を参照。

＜キスカ島撤収作戦＞：日本海軍作戦名称は「ケ号作戦」。太平洋戦争中の昭和18年5月29日、アッツ島の守備隊が玉砕したため、キスカ島に孤立した将兵（陸軍の北海守備隊2500名、海軍の第51根拠地隊3400名）を全力で救出することとなった。撤収を担当する海軍は当初消極的だったが、そもそもアリューシャン攻略AL作戦を立案したのは海軍で、古賀連合艦隊長官の支持もあり、作戦を決行することになった。初めは潜水艦で救出することにし、5月27日から15隻を投入したが、アメリカ軍のレーダー射撃で濃霧の中でも正確な砲撃を浴び、潜水艦３隻を沈められたため、13往復・人員881名収容を以て6月23日に中止した。護衛の空母戦力を回す余裕も無かったので、霧の発生が多い7月末に第１水雷戦隊司令官木村昌福少将率いる水雷戦隊で一気に撤収することにし、6月24日に指示を発出。しかし霧のため味方の航空機は飛行することができず、千島列島からキスカまでの2000海里を往復し、敵の制空・制海権下にあって艦上レーダー網が張り巡らされているキスカから将兵を収容して帰ってこなければならないという絶望的な作戦で、しかも低温環境で作動する重油はカラフト北端にあるオハ油田産の粘度の低いものしかなく、次はいつ補給できるかわからない状況だった。参加兵力は軽巡２隻と駆逐艦11隻で、レーダー装備の島風と大型油槽船を加え、警戒能力強化を図り、待機中の洋上補給能力を確保した。戦隊は7月7日夕方に出撃、無線は受信のみとして状況はキスカと北千島の間の通信傍受から判断し、南方を迂回しながらキスカ島に接近、濃霧中ではブイを流して互いの距離を確認し、7月11日日没直後に軽巡２隻及び駆逐艦６隻をキスカ湾内に突入させる。撤収の間、駆逐艦５隻は湾外で警戒にあたる。キスカ守備隊は戦隊が幌筵を出港してから４日目以降、1500には海岸に集結して待機し、入港予定時刻の1600を２時間過ぎても戦隊が湾内に現れなかった場合、引き返して次の日も同じ行動を取る。乗艦時間を最短にするため、どの部隊がどの艇でどの艦に乗るかまで決めてあった。作戦で最も重要なのは天気予報で、第５艦隊の司令部付艦隊気象長は昭和18年1月末に着任したばかりの竹永一雄予備少尉である。また、第５気象隊から隊長の石原秀夫中佐が派遣され、第１水雷戦隊旗艦阿武隈には海軍予備学生（兵科）１期の橋本恭一少尉が配員された。7月7日1900、旗艦軽巡阿武隈、軽巡木曾、駆逐艦島風、長波、大波、五月雨、白雲、薄雲、朝雲、響、若葉、初霜など駆逐艦11隻、油槽船日本丸からなる救出部隊は、４日後にキスカに霧がかかるとの天気予報を頼りに幌筵を出港。7月10日午前、キスカ周辺に霧が無いという報告があったため、正午頃反転して待機した。以降も晴天が続いてしまい、突入の機会は得られず待機が続いた。7月12日午後、キスカの海軍通信隊が「各いわし（大発のこと）、所定位置に待機中」「本日、桜（巡洋艦のこと）梅（駆逐艦のこと）の配給なし、原位置に戻す」という無線を発しているのを傍受した。7月14日未明、キスカ周辺は暴風になり、湾内も大荒れだったため撤収作業は不可能と見られたが、午後に嵐が止んで霧が立ちこめたため、阿武隈を先頭に単縦陣をとり、1600から16ノットでキスカへの接近を開始。視界は20mだった。7月15日0000、夜が明け始めた。0300、朝食を終えた頃、キスカ島を目の前にして霧が晴れてきた。阿武隈の艦橋には五月雨駆逐艦長と島風駆逐艦長から突入を望むとの電信が届き、各将兵も大きなプレッシャーがかかる中でいっそ突入してくれと思っていたが、戦隊気象長として乗艦していた竹永予備少尉は天候が回復しつつあると木村少将に率直に助言。81号作戦でエアカバーの無い駆逐艦隊の脆弱性を身を以て知っていて、油槽船の燃料も尽きかけた状態での無理な突入は危険と判断した木村少将は「帰れば、また来られるからな」とつぶやいて反転を決断。そのまま霧は晴れあがったため、7月17日夕方に一旦幌筵に帰投した。この判断を第５艦隊が咎め、失敗の責任は気象長の予報にあるという雰囲気になり竹永予備少尉は吊し上げを喰らう羽目になった。また、海軍内部では第５艦隊全体が消極的と判断され、五艦隊は動かんたい、などと軽口を飛ばされた。燃料枯渇で次は無い第２次作戦にあたっては、第５艦隊司令部が監視役として軽巡多摩に乗り込み、キスカ島突入前日まで指揮することになった。見張られる第１水雷戦隊としては気分の良いことではなく、実際の突入前に帰るということで何のために付いてくるのかと第５艦隊司令部にかなりの不平不満を申し立てたようだが（一人木村少将は泰然と釣り糸を垂れていたという）、敵艦隊に発見された場合には多摩は無電を発信し続けて囮となり沈没する覚悟で、実際に乗艦する司令部要員は第５艦隊司令長官、参謀長、通信参謀、第５気象隊長（気象参謀格）など数名のみとした。7月22日、オホーツク海に発達した低気圧が出現したため、多摩を加えた救出戦隊は幌筵を出港。7月25日に接近予定だったが、低気圧が予想よりも１日早く通り過ぎてしまい、霧が出なかったのでキスカ南方海上300海里の霧中に待機した。この日、別の強力な低気圧がオホーツク海に出現。幌筵に残った気象長竹永予備少尉は3-4日後のキスカ湾における濃霧を予想した。7月26日、上陸作戦に備えて戦艦２隻、重巡４隻、軽巡１隻、駆逐艦９隻などでキスカ島周辺を固めていたアメリカ艦隊がアッツ島南西方面にレーダーで日本海軍艦隊らしきエコーを捉えたため、攻撃を仕掛けたが、実際には何もおらず、7月28日に弾薬補給のためキスカ島方面から撤収した。7月28日夜、救出部隊はキスカ湾に向け北上を開始。7月29日、キスカ周辺に待望の濃霧が発生。早朝、多摩の艦上ではアメリカ哨戒機が濃霧のため離陸を取りやめたり、離陸後すぐに引き返したりする電信を傍受した。木村少将は第５艦隊司令長官に対し、本日の天佑我にありと信ず、適宜反転されたし、と信号を発した。0700、第１水雷戦隊は多摩からの御成功を祈るとの発光信号に見送られ、旗艦阿武隈を先頭に単縦陣でキスカ湾に突入。1340にキスカに入港し、守備隊全員（海軍2518名、陸軍2669名）を収容して1425には出港用意のラッパを鳴らし、7月31日から8月1日に無傷で帰還した。アメリカ軍は8月15日に半日にわたる準備砲爆撃の後、兵力35000名で上陸。8月17日になって犬２匹（勝号と正勇号）しかいないことに気付いたが、それまでに同士討ちにより死傷者56名を出していた。作戦終了後、大本営海軍部で第５艦隊参謀長が第１次作戦時の水雷戦隊は胆無しと放言したが、大本営や連合艦隊司令部は第２次撤収作戦における第５艦隊の対応の方に批判的であった。本作戦時の旗艦阿武隈の水雷長と航海士は、後に第８代・第11代の海上幕僚長となっている。現在キスカ島は国定歴史建造物及びアラスカ国立海洋野生生物保護区に指定されており、人の立ち入りは少なく、キスカ湾内で擱座した野島丸・浦盬丸・ぼるねお丸や、甲標的、一二サンチ高角砲、九六式二五ミリ連装機銃、保式一三ミリ機銃などの残骸が今でも残っている。参考：激闘太平洋戦記、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究12,’07、ラバウル航空戦、歴史群像6,’08、8,’17、月刊世界の艦船6,’01、5,’02増刊

＜キスナ＞：F46（フリゲート）を参照。

＜キスナ級＞：インド海軍フリゲートKistna級。基準排水量1470トン。主機は蒸気タービン、速力19ノット。兵装は102mm連装砲２基、40mm単装機関砲４門。F46キスナが1943年に竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜キスネ・ブランコ＞：ブラジル海軍士官候補生練習帆船で、白鳥の意味。全長213フィート（64.9m）、排水量1038トン。帆走時速力17ノット。補助用ディーゼルエンジン（1060馬力）と港内運動用艦首スラスター（400馬力）を持つ。乗員は士官８名、下士官・兵14名、士官候補生55名。1999年8月4日に進水した。参考：月刊軍事研究2,’01

＜規整子＞：ガス・レギュレータを参照。

＜寄生戦闘機＞：飛行船や爆撃機に搭載され、目標付近で切り離されて護衛任務をこなし、終了後はまた母機に収容される戦闘機。航続距離の長い航空機の護衛を行うために考案された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜擬製弾＞：ダミー・カートリッジを参照。

＜キセサ＞：海上自衛隊の略号で、気象幕僚のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜機潜型＞：日本海軍一等潜水艦。第１次大戦でドイツから接収したU117級潜水艦U125（潜水艦○１）をベースに開発した機雷敷設潜水艦である。船体を拡大し、艦橋形状を変更、南方での行動を考慮して冷却器を搭載し、兵装を日本海軍用にしている。艦後部の内殻内に機雷敷設筒２基（１基あたり３個収容）と機雷格納台２軌条３段（１条あたり７個収容）を備え、八八式機雷計48個を搭載した。また、機雷庫両側と後方に重量補正用タンクが装備された。全長84.7m（85.2m？）、垂線間長82m、幅7.6m、平均吃水4.42m、基準排水量1142トン、常備排水量1383トン、水中排水量1768トン。主機はラウシェンバッハ式一号ディーゼル２基（2400馬力）、閉鎖通風型電動モーター２基（1100馬力）、２軸推進、水上速力14.9ノット、水中速力6.5ノット、ディーゼル燃料搭載量225トン、水上航続距離10500海里（８ノット）、水中航続距離40海里（4.5ノット）。安全潜航深度75m。兵装は艦首の一五式発射管４門（魚雷12本）、セイル前方の40口径十一年式14サンチ砲１門。乗員51名。昭和2-3年に伊21（初代）／伊121、伊22（初代）／伊122、伊23（初代）／伊123、伊24（初代）／伊124の４隻が就役した。航洋性は高かったが、水上速力が低く、水中機動性も悪く、実用性に難があるという欠点があった。また、重量補正用タンクによる機雷敷設時のバランス調整が上手くいかず、度々艦が傾いて事故を起こした。このため、乗員からは「嫌い潜」というニックネームを冠されている。昭和10年の深々度公試で２隻のメインタンクが圧壊したため、昭和11年にメインタンクの補強工事を実施し、安全潜航深度を54mにした。太平洋戦争では昭和16年12月1日にマニラ湾口周辺に機雷49個、シンガポール海峡に84個、12月15日にスラバヤ港外に37個、昭和17年1月10日にダーウィン港外とトレス海峡に120個を敷設している。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船9,’12増刊、9,’14、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、月刊モデルアート9,'15増刊

＜基線長式測距器＞：基線長方式による二重像合致式測遠照準器。１個の接眼レンズを持つ横に長い望遠鏡で、両端に対物レンズがある。対物レンズ間の距離を基線長といい、1m測距儀という場合には基線長が1mであることを指す。測距ハンドルを回して対物レンズの角度を調節し、左右のレンズを通して目に入ってくる像を一致させ、目標までの距離を読み取る単眼合致式と、目標の像を立体視する位置を探して距離を読み取る立体視式があり、前者が主流であるが、対空用としては後者が便利である。原理は三角測量で、基線長と、像が一致した時または立体視できた時の対物レンズの角度から、三角関数で距離を算出する。誤差は基線長の長さに反比例するため、遠距離でも正確な測距を行うためには基線長を長くする必要がある。光学式なので、天候、気象・海象、測距員の能力や視力などにより性能が左右されるという欠点があり、信頼性を高めるには基線長を長くして巨大化させなければならず、測距レーダーやレーザー測距器に後を譲った。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊PANZER2,’02、丸スペシャルNo.75、月刊世界の艦船4,’17

＜擬潜望鏡＞：日本海軍が太平洋戦争時に使用した偽の潜望鏡。竹を１メートルくらいの長さに切ったもので、一方を斜めにカットして鏡を貼り付け、もう一方に錘として石を括り付けてあり、海に浮かべると潜望鏡のように見える。敵地を行動中の潜水艦が敵の通商航路に放り投げ、撹乱に使用したが、どれだけ効果があったかは不明。参考：潜水艦気質よもやま物語

＜木曾＞：日本海軍球磨型軽巡洋艦。大正10年5月4日竣工。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時には建制でも兵力部署でも第21戦隊に所属していた。昭和18年7月29日、キスカ島撤退作戦に参加。10月21日、ニューアイルランド島セントジョージ岬の南西53海里で爆撃を受けて中破した。昭和19年11月13日、マニラ湾で艦上機の攻撃を受け、爆弾３発を喰らい大破着底した。11月14日、マニラ湾で艦上機の攻撃を受け沈没した。参考：連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船8,’15、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜機槍＞：機関銃の中国語。参考：月刊軍事研究5,’09

＜机槍＞：機関銃の中国語。参考：月刊軍事研究5,’09

＜艤装＞：Rigging。艦艇が進水した後、任務や航海などに必要な装備を整備すること。航空機の機体構造が完成した後、エンジン、操縦装置、計器、降着装置など飛行に必要な装備を組み上げること。参考：航空用語事典増補改訂版、MAMOR vol.77

＜艤装員長（海上自衛隊）＞：海上自衛隊に引き渡される前の艦船で艤装に関する作業に従事する自衛官で、就役と同時に初代艦長・艇長となる。艦長又は艇長に準じた服務を行い、海上幕僚長の命を受けて監督官等と密に連絡し装備品等の整備や艤装に関する調査研究を実施、地方総監の命を受けて艤装に関する事務を統括する。艤装について船体、機関、装備等の計画変更が必要であると判断した場合、監督官等と協議する。この際、特に重要と認める事項は、海上幕僚長に具申する。参考：ぎ装員に関する訓令、月刊世界の艦船8,’11増刊、11,’13、朝雲

＜艤装員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊に引き渡される前の艦船で艤装に関する作業に従事する自衛官で、艤装員長の命を受けて自衛艦の乗員に準じた服務を行い、就役と同時に乗員となる。進水直前に補給関係の艤装員が事務作業のため乗り込み、造船所には艤装員事務所が設置される。最初は艤装員長、機関長、補給長、経理員の４名ほどだが、工事が進捗するにつれ艤装員が増えていき、工事状況を調査したり、不具合や手直しのアドバイスをしたり、検査官に協力したりする。ひゅうが型では艤装員側から造船所側への要望が1000件を超えたという。海上公試前には主要な艤装員がほぼ揃い（乗員の３分の１くらい）、艦内生活も始まり、完成検査を終えて引き渡し式と自衛艦旗授与式を完了すると晴れて乗員として艦船に乗り組む。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、11,’13、ぎ装員に関する訓令、朝雲

＜艤装員（日本海軍）＞：日本海軍に引き渡される前の艦船の工事を監督したり、兵器や設備の点検や検査などを行う人員で、就役するとそのままその艦の乗員になる。ラッパに縛られることは無く、入湯上陸はいつも通りで持ち物検査は行われず、門限を破っても入り口の門を乗り越えれば大丈夫なので、良いポジションだった。参考：潜水艦気質よもやま物語

＜艤装数＞：艦船の長さと幅を掛けて100で割ったもの。深さが同じくらい（甲板層数が同じ）の艦船の艤装を見積もることが可能で、錨鎖の寸法や係船機の所要能力などを概算する時に使用する。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜擬装弾＞：ダミー・カートリッジを参照。

＜偽装網＞：バラクーダを参照。

＜偽装網�U型＞：自衛隊の偽装網。1970年頃に太陽工業株式会社が自衛隊に提案した輸入偽装網を採用したものである。参考：朝雲

＜偽装網�U型セット１号＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット２号＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット２号（軽装甲機動車）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット３号（９６式装輪装甲車）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット３号（高機動車）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット３号（航空気象装置）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット３号（対空戦闘指揮統制システム）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット３号（対空戦闘統制システム）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット３号（中距離多目的誘導弾）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット３号（野外通信システム）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（０７式機動支援橋）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（１０式戦車）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（浄水セット、逆浸透２型）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（新除染セット地域等除染用）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（対空戦闘指揮統制システム）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（対空レーダ装置）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（野外手術システム師団用）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット４号（野外通信システム）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット５号（９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット（短ＳＡＭ・射撃統制装置用）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�U型セット（中ＳＡＭ・射撃用レーダ装置）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�V型セット（改）３号（中ＳＡＭ）＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜偽装網�V型セット（改）３号（中距離多目的誘導弾）＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜偽装網�V型セット（改）（短ＳＡＭ・発射装置用）＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜偽装網�V型セット（改）（中ＳＡＭ・発射装置）＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜偽装網�X型＞：自衛隊の冬用偽装網。太陽工業株式会社が納入している。参考：朝雲

＜偽装網�X型セット３号（高機動車）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�X型セット３号（中距離多目的誘導弾）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�X型セット３号（野外通信システム）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�X型セット４号（０７式機動支援橋）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜偽装網�X型セット５号（９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲）＞：自衛隊の機器。太陽工業製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜木曽川丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時は南遣艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜義足作戦＞：イスラエル空軍によるパレスチナ解放機構本部爆撃作戦。1985年10月1日に500ポンド通常爆弾を積んだF-15C戦闘機２機とGBU-15/Bテレビ誘導爆弾２発を搭載したF-15D戦闘機６機が空中給油を受けつつチュニジアのチュニスに向かい、PLO本部を爆撃して破壊した。参考：月刊JWings10,’19

＜機側整備用支援器材＞：自衛隊の機器。パナソニックネットワークス製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜機側整備用支援器材（ノート型）＞：自衛隊の機器。パナソニックシステムネットワークス製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜木曾丸＞：東京海運貨物船Kiso maru。垂線間長105.16m、幅15.24m、深さ8.84m、満載吃水7.26m、総トン数4066トン、重量トン数6405トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2100馬力、航海速力10ノット、最大速力14.3ノット。大正9年6月11日竣工。大正12年、三井物産に売船された。昭和12年、玉井商船に売船された。太平洋戦争で日本陸軍に徴用された。昭和18年、三光汽船に売船された。昭和18年11月22日、ホーランジャヤからパラオに向かう途中、パラオ南25kmでSS-283ティノサの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’18

＜北アフリカ上陸作戦＞：連合軍コードはトーチ作戦。第２次大戦の北アフリカ戦で、アメリカ軍とイギリス軍は、大陸反攻の先駆けとして北アフリカへの上陸を企図し、カサブランカ地区、オラン、アルジェへの同時上陸作戦を計画した。1942年11月8日、500隻を超える艦船が北西アフリカ沖に集結し、アフリカ北西海岸にあるスペイン領モロッコのサフィ・カサブランカ・ラバトにパットン少将率いる西方任務部隊（アメリカ第２・第３機甲師団と、第９歩兵師団の３分の２計35000名）、地中海に面したフランス領アルジェリア西部のオランにフリーデンドール少将率いる中央任務部隊（アメリカ第１機甲師団の２分の１と、アメリカ第１歩兵師団計39000名）、地中海に面したフランス領アルジェリア中央のアルジェにライダー少将率いる東方任務部隊（アメリカ第１機甲師団の２分の１、アメリカ第９歩兵師団の３分の１、アメリカ第34歩兵師団、イギリス第78歩兵師団計33000名）が上陸した。上陸に先立ち、アメリカ海軍のフロッグマン17名が上陸地点の啓開にあたっている。フランス降伏時にイギリス軍がフランス軍艦艇に攻撃を仕掛けたため、ビシー政権下のフランス植民地軍の反撃が予想され、イギリス軍は前面に出ずに作戦を遂行したが、フランス植民地軍は交戦の道を選び、オランではイギリス海軍スループ２隻、フランス政府軍駆逐艦３隻、通報艦１隻、潜水艦２隻が沈没した。フランス政府軍は劣勢と見て保管中の艦船24隻を自沈させている。アルジェではアメリカ総領事館とフランス政府軍との事前接触で陸軍による抵抗は無かったが、海軍艦船と沿岸砲台による反撃を受けた。カサブランカでは戦艦ジャン・パールを筆頭に軽巡１隻、駆逐艦９隻、潜水艦11隻などが反撃に出てアメリカ海軍戦艦BB-59マサチューセッツ、空母CV-4レンジャー、重巡４隻、駆逐艦14隻と交戦した。フランス政府軍総司令官のダルラン提督がたまたまアルジェに来ていたため、フランス本国のペタン元帥と連絡を取り停戦を決定、11月10日に北アフリカのフランス政府軍は戦闘を停止したが、カサブランカでは脱出した潜水艦２隻を除いてほぼ全ての艦艇が撃沈破・着底の損害を受けている。この報復としてドイツ軍はフランスの自由地帯に進軍、ツーロン軍港を占領しようとしたため、ツーロン一斉自沈が発生した。その後連合軍は前進準備に入ったが、輸送船不足でドイツに時間を与える結果となり、ヒトラーはフランス植民地のチュニジアにドイツ南方軍の部隊を派遣することを命じ、チュニジア総督を説得、11月9日からドイツ第90軍団を派遣している。11月12日、連合軍空挺部隊がボーヌを占領。11月13日、アルジェにイギリス第11旅団が上陸。態勢を整えたイギリス第１軍（東部任務部隊から改称）はチュニジアに向けて東に進撃を開始。これをドイツ第90軍団（第10機甲師団、第501重戦車大隊基幹）が迎え撃つ形となった。11月20日、チュニス西方で大規模な戦闘が開始され、11月25日から連合軍がチュニスへと進撃を開始、11月26日にはアメリカとドイツによる初めての戦車戦となった。11月28日、アメリカ空挺部隊がチュニス南のデビエンヌに降下したが、ドイツ装甲偵察中隊とイタリア軍スペルガ師団の攻撃を受け、大部分が捕虜になってしまった。連合軍はチュニスの西にあるデブルバと、チュニス近郊のジェデイダにある飛行場を占領。チュニスに配備されていたドイツ軍部隊は兵士30名と8.8cmFlak２門だけで、ドイツ軍は第１装甲師団隷下の戦車部隊と第501重戦車大隊を急派した。12月1日、チュニス西のデブルバにいた連合軍に対し、ドイツ軍が南北から反撃。南から進撃した第５降下猟兵連隊はメジェルダ川の橋を抑え、北から進撃した第７戦車連隊、機甲てき弾兵大隊、第501重戦車大隊第２中隊はイギリス軍を壊滅させたが、デブルバに近づくと砲撃による反撃を受けて進撃を止められた。午後からドイツ軍は方向を変えてデブルバに迫り、翌日にはデブルバが包囲されかけたため、連合軍は個別に突破を図ったが、次々と戦車を撃破されて失敗。12月3日にドイツ軍が攻撃を再開し、デブルバ前面の186高地へと殺到、連合軍は包囲殲滅されかけたが、11月28日に降下した空挺部隊の一部がデビエンヌ包囲環からの脱出に成功し、デブルバ包囲のために移動していた降下猟兵を阻止した。連合軍はイギリス第11歩兵師団とアメリカ第１機甲師団Ｂ戦闘団の装備の殆どを喪失し、戦車134両を撃破されて撤退、ドイツ軍はチュニジアに橋頭堡を確保している。ここでチュニジアは雨期に入り、両軍とも補充と再編成を実施、ドイツ軍は第90軍団を解体して第５装甲軍を編成した。1943年1月18日、戦力の整ったドイツ軍は急使�T・�U作戦を発動し、チュニス南方を進撃して高地と峠を制圧した。この頃、アメリカ第２軍団（中央任務部隊と西方任務部隊からなる）は北アフリカの内陸部を抜けて東に向かい、エルアラメイン戦で敗れて撤退中のロンメル率いるドイツ・北アフリカ軍団（DAK）とドイツ第５装甲軍との合流を防ぐ作戦に出ていた。DAKはチュニスの南400kmにあるマレトまで撤退すると第21装甲師団を第５装甲軍に編入し、北に向かわせた。1月30日、ドイツ第21装甲師団はファイド峠への攻撃を開始、数日かかって占領した。アメリカ第２軍はファイド峠の西に戦力を集中させたため、ドイツ軍はこれを奇襲攻撃で壊滅させるべく、春風作戦に移った。参考：歴史群像10,’06、第２次大戦のフランス軍艦、月刊丸11,’72、月刊軍事研究11,’14

＜北アフリカの戦い＞：1935年10月、ムッソリーニはエチオピアに侵攻し、翌年に占領した。第２次大戦中の1940年6月10日、イタリアは連合軍に宣戦を布告。イタリア領リビアとイギリス領エジプトの国境で小競り合いが頻発した。6月14日、イギリスのパトロール部隊が国境を越えてイタリア領内に侵攻し、カプッツォなど２つの町を占領した。これに対し、イタリア軍は6月16日に戦車を含む部隊を投入して反撃したが、イギリス増強部隊（戦車含む）の反撃を受けて２個連隊に相当する損害を出し、奪還は失敗。イギリス軍は死傷者150名程度で、6月末にイギリス領へと撤収した。6月28日、ムッソリーニはリビアからエジプトへの侵攻を命じた。この日、イタリア空軍元帥が、トブルク上空で味方の高射砲に撃墜されて死亡。練度不足のイタリア軍は訓練に励むが、ムッソリーニは待ちきれず、再度侵攻を命令した。9月13日早朝、イタリア軍80000名が国境を越えた。この侵攻を予測していたイギリス軍は、阻止攻撃を短時間行って速やかに後退。占領しても特に意味の無い無人の砂漠地帯を明け渡した。イタリア軍は黒シャツ第１・第２・第３師団、第17パビア師団、第25ボローニャ師団、第27ブレシア師団、第55サボナ師団、第60サブラタ師団、第62マルマリカ師団、第63キレーネ師団、第64カタンツァロ師団、第66シルテ師団、パビア機甲旅団など215000名を投入し、9月17日までに国境から100kmにあるシジバラーニを占領。ムッソリーニは更にアレキサンドリアまで東進を急がせたが、猛暑に参ったイタリア軍は9月18日に進撃を停止、12月の攻勢開始を予定して防御地点の構築に入った。兵站の不足を理由に挙げているが、陣地にはブランデーまで運ばれている有様で、これを見たイギリス軍は1940年9月13日にコンパス作戦を発動、反撃準備に入っている。イタリアは10月28日にギリシャに侵攻（しかも敗退）したため、戦力強化に至らず徒に時間を費やしていた。12月5日、ドイツ空軍の北アフリカ戦線への派遣が決定し、第10航空軍団を新編してシチリア島に送った。12月9日、イギリス軍がコンパス作戦で地上軍による反撃を開始。1941年2月6日、ロンメルがアフリカ防衛部隊の指揮官に任命された。2月7日、イタリア第10軍がイギリスに降伏。2月9日、リビアのトリポリにロンメル捜索司令部が新編された。2月12日、ロンメルがトリポリ近郊のベニート城塞に降り立った。2月19日、ロンメル捜索司令部が廃止され、ドイツ・アフリカ軍団司令部が創設された。2月27日、ドイツ空軍第27戦闘航空団要員（技術将校、情報将校）がベニート城塞に到着。しかし作戦機は熱帯地用改修を行う必要があったため、第１飛行隊が到着したのは4月18日のことだった。3月24日、ゾンネンブルーメ作戦開始。4月11日、第１次トブルク攻防戦開始。5月15日、ブレビティ作戦開始。6月、第26戦闘航空団第７飛行中隊が北アフリカに展開。6月15日、バトルアクス作戦開始。7月、第26戦闘航空団第７飛行中隊が北アフリカから撤退。8月、ドイツ・アフリカ軍団がドイツ・アフリカ機甲軍団に改称された。9月、ドイツ空軍第27戦闘航空団第２飛行隊が北アフリカに展開。11月8日、連合軍が北アフリカ上陸作戦開始。11月17日、ロンメル暗殺作戦。11月18日、クルセイダー作戦開始。12月、ドイツ空軍第27戦闘航空団本部小隊と第３飛行隊、第53戦闘航空団第３飛行隊が北アフリカに展開。1942年1月21日、第２次キレナイカ攻勢開始。3月、マタパン岬沖海戦。4月、ドイツ空軍第３戦闘航空団第６飛行中隊が北アフリカに展開。5月26日、ガザラ・ボックスの戦い開始。6月、ドイツ空軍第77戦闘航空団第１飛行隊が北アフリカに展開。6月15日、ベネチア作戦開始。6月30日、エルアラメイン攻防戦。10月、ドイツ空軍第53戦闘航空団第３飛行隊がリビアから撤退。ドイツ空軍第77戦闘航空団本部小隊と第３飛行隊が北アフリカに展開。11月、ドイツ空軍第27戦闘航空団第１飛行隊が撤退。ドイツ空軍第２戦闘航空団第２飛行隊が北アフリカに展開。12月、ドイツ空軍第27戦闘航空団第２飛行隊がイタリアに、第３飛行隊と本部小隊がクレタ島及びギリシャ方面に移動。ドイツ空軍第77戦闘航空団第２飛行隊が北アフリカに展開。1943年2月14日、春風作戦開始。2月26日、雄牛の頭作戦開始。3月、ドイツ空軍第２戦闘航空団第２飛行隊が北アフリカから撤退。3月6日、メデニーヌ攻撃。3月17日、マレト防衛線に攻撃を開始。4月19日、バルカン作戦開始。5月6日、ストライク作戦。5月12日、アフリカ軍集団は降伏し、北アフリカ戦は終結した。ドイツ軍戦死者18594名、捕虜130000名以上。イタリア軍死者13748名、捕虜140000名以上。イギリス軍死者35940名。アメリカ軍死者13984名。参考：月刊PANZER12,’01、9,’02、5,’83、3,’05、歴史群像10,’06、近代巡洋艦史、グラフィックアクション36、月刊航空ファン7,’11

＜北アメリカ航空宇宙防衛コマンド＞：NORADを参照。

＜北イエメン海軍＞：

＜北イエメン海軍（１９７７年）＞：兵力750名。ポルチャト級哨戒艇５隻、P4級魚雷艇３隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜北イエメン海軍（１９８９年）＞：兵力500名。ホデイダに基地がある。サナア級高速内海哨戒艇３隻、ズック級内海哨戒艇５隻、エフゲーニャ級内海掃海艇３隻、オンダトラ級汎用揚陸艇２隻、T-4級汎用揚陸艇２隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜北イエメン空軍＞

　＜北イエメン空軍（１９７７年）＞：兵力1500名。Il-28爆撃機14機、MiG-17戦闘機８機、MiG-21戦闘機、C-47輸送機、SC-7-3Mスカイバン輸送機２機、Il-14輸送機、MiG-15UTI練習機４機、Yak-11練習機18機、Mi-4ヘリ、AB205ヘリを保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜北イエメン空軍（１９８０年）＞：F-5E/B戦闘機16機、MiG-21F戦闘機８機、MiG-17F戦闘機６機、Il-28爆撃機６機、An-24輸送機３機、C-130H輸送機２機、C-47輸送機４機、SC-7-3Mスカイバン輸送機２機、Mi-8ヘリ５機、Mi-4ヘリ４機、ベル204Bヘリ２機、Yak-11練習機20機、MiG-15UTI練習機２機を保有する。参考：ザ・マーチ18号

＜北イエメン空軍（１９８９年）＞：兵力1000名。F-5E戦闘機11機、MiG-17戦闘機10機、Su-20攻撃機22機、MiG-21戦闘機30機、An-24輸送機３機、An-26輸送機３機、C-130H輸送機２機、F-27輸送機２機、SC-7-3Mスカイバン輸送機２機、F-5B練習機２機、MiG-15練習機２機、MiG-21U練習機４機、Su-22U練習機４機、Yak-11練習機、AB204ヘリ２機、AB206ヘリ６機、AB212ヘリ６機、Mi-4ヘリ１機、Mi-8ヘリ23機、SA-316ヘリ２機、S-75/S-125/2K12地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜北イエメン陸軍＞：

＜北イエメン陸軍（１９７７年）＞：兵力37600名。歩兵師団３個、空挺旅団１個、奇襲攻撃旅団３個、機甲大隊２個、砲兵大隊２個、高射砲大隊１個からなる。T-34戦車／T-54戦車30両、FV601サラディン装甲車30両、フェレット偵察車、BTR-40/-154/ワリド装甲兵員輸送車120両、76mm砲50門、122mm砲、SU-100自走砲50両、82mm/120mm迫撃砲、75mm無反動砲、ビジラント対戦車ミサイル、37mm高射機関砲を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜北イエメン陸軍（１９８９年）＞：兵力35000名（うち徴兵25000名）。機甲旅団（大隊規模）３個、歩兵旅団９個、機械化旅団１個、特殊部隊旅団１個、空挺／コマンドー旅団２個、中央警備部隊１個、砲兵旅団５個、高射砲大隊３個、防空大隊２個からなる。T-34/85戦車100両、T-54/-55戦車480両、T-62戦車20両、M-60A1戦車64両、FV601サラディン偵察車50両、フェレット偵察車、BMP-1歩兵戦闘車120両、M-113装甲兵員輸送車70両、BTR-40/-50/-60装甲兵員輸送車300両、76mm砲M-1942を200門、105mm砲M-101を90門、122mm砲M-1931/37を30門、155mm砲M-114を12門、SU-100自走砲30両、BM-21多連装ロケット65両、81mm/82mm迫撃砲、120mm迫撃砲M-43を50門、ビジランス対戦車ミサイル20基、TOW対戦車ミサイル12基、ドラゴン対戦車ミサイル24基、M72対戦車ロケット、75mm無反動砲M-20、82mm無反動砲、20mm高射機関砲M-167を52基、M-163自走対空機関砲20両、23mm高射機関砲ZU-23を30門、ZSU-23-4自走高射機関砲、37mm高射機関砲M-1939を150門、57mm高射砲S-60を120門、S-75/9K31地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜気体遠心ウラニウム濃縮法＞：ガス遠心分離法を参照。

＜機体軸＞：Body axis。航空機の重心を原点とする直角座標軸のこと。Ｘ軸とＺ軸を対称面内に置き、Ｘ軸を対称面内の航空機基準軸と平行にとる。風洞試験の基準軸や、航空機に作用するモーメントを計算する時の基準軸として使用される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜機体スリング（Ｕ−１２５Ａ用）＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜北伊勢飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜機体特殊工具＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜機体特殊工具ＳＨ／ＵＨ−６０Ｊ（その１）＞：自衛隊の機器。大川工業製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜木大発＞：日本陸軍の小型揚陸艇で、木製大発動艇の略。太平洋戦争で大発の必要性が増大し、損耗補充の必要も出たため、木材を使って量産しやすくしたものである。船体のラインを単純化し、船首渡り板の取り付け部分にだけ鉄を使用した。強度的に戦車は積めず、トラックのみの積載となっていたが、九五式軽戦車や九七式軽装甲車を積んだこともある。全長14.55m、全幅3.33m、深さ1.52m、自重11トン、満載排水量23トン。トラックなら１両、武装した兵士なら70名、貨物なら10トンを積める。参考：スピアヘッドNo.8

＜北宇都宮駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。宇都宮飛行場として長さ1700m・幅45m・ランウェイ01/19の滑走路を持つ。所在地は栃木県宇都宮市上横田町1360。JR東北本線宇都宮駅からバスで航空学校前。JR雀宮駅からバス20分。大元は中島飛行機製作所の飛行場で、その後陸軍宇都宮飛行場となり、1956年に防衛庁に移管されて空自宇都宮基地が開設され、1962年に陸上自衛隊東部方面航空隊が霞ヶ浦駐屯地から移駐して宇都宮北分屯地が創設された。1963年に空自部隊が芦屋に移転して海自教育航空集団司令部と宇都宮教育航空群が岩国航空基地から移駐し、海自宇都宮航空基地になった。1973年、海自部隊が下総航空基地に移駐し、航空学校岩沼分校が岩沼駐屯地から移駐して航空学校宇都宮分校となったのに伴い、北宇都宮駐屯地となった。2011年3月11日、東日本大震災で外灯や車両整備場が破損した。2015年8月31日、訓練飛行のため1431に駐屯地を離陸したTH-480Bで、1542頃にエンジントラブルの可能性を示す注意ランプが点灯したため、1548頃に栃木県上三川町の鬼怒川河川敷に緊急着陸した。点検したところ異常が無かったため、1756頃に離陸して1802頃に駐屯地に戻っている。2016年3月5日、栃木地本が第12ヘリコプター隊の協力を得て募集対象者ら60人に対するCH-47J輸送ヘリ体験搭乗を実施。2018年2月10日、DMAT関東ブロック訓練に参加。2019年3月12日、宇都宮駐屯地、栃木地本、栃木県家族会、栃木県隊友会と、県内隊員家族の支援に関する協力協定を締結。2021年9月9日、栃木県血液センターの献血に協力した。2021年10月30日、内閣府主催令和3年度大規模地震時医療活動訓練に参加し、広域搬送拠点臨時医療施設SCUを開設した。参考：北宇都宮駐屯地ホームページ、スピアヘッドNo.18、JGround Vol.23、月刊JWings6,’10別冊付録、11,’15、11,’18、朝雲、月刊航空情報5,’18

＜北宇都宮駐屯地（２００７年度）＞：航空学校宇都宮校（LR-1、LR-2、UH-1J、OH-6D）、第12旅団第12ヘリコプター隊第１飛行隊（UH-60JA）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜北宇都宮駐屯地（２０１５年）＞：航空学校宇都宮校、第12ヘリコプター隊第１飛行隊、東部方面管制気象隊第４派遣隊、第317基地通信中隊北宇都宮派遣隊、第125地区警務隊北宇都宮連絡班が駐屯している。参考：北宇都宮駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北宇都宮駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。参考：MAMOR vol.52

＜北浦海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、茨城県にある。操縦教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜北浦飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和17年、茨城県行方郡北浦村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜北恵庭駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。戦車部隊が置かれており、戦車の魂拠地の異名を取る。駐屯地司令は第72戦車連隊長の兼務で、第１戦車群があった頃は第１戦車群長が兼務していた。史料館・戦車記念館には日本軍、自衛隊災害派遣、戦車、駐屯部隊の史料が展示されている。所在地は北海道恵庭市柏木町531で、北海道大演習場の隣にあり、訓練を行う部隊が一時的に駐留することも多い。JR恵庭駅、恵み野駅からバスで15分、恵み野駅から徒歩20分。創立記念行事では両駅からシャトルバスも出る。大元は日本陸軍北部軍教育隊の駐屯地で、1950年9月に警察予備隊恵庭訓練所として開設された。2009年1月9日、新成人隊員39名の新成人祝賀行事を実施。先輩隊員と共に74式戦車をロープで5mほど引っ張った。7月25-26日、第１戦車群本部管理中隊が担任して北部方面隊青年サマーセッションを実施。20-35歳の男女49人が参加した。2014年3月15日、第１戦車群が廃止された。第11戦車大隊が真駒内駐屯地から移駐した。2020年6月27日、札幌地本が第11旅団の協力を得て高校生・大学生計10人に部隊研修を実施。9月5-9日に札幌地本が行った大学生らに対するインターンシップに協力した。2021年4月26日、駐屯地修親会と曹友会が正門周辺の清掃活動を実施。8月20日、女性自衛官22名が参加して女性隊員会同を初開催した。10月15日、北恵庭駐屯地援護センターが令和4年度定年退職予定隊員17名に令和3年度第２回定年退職者直前教育を実施。2022年6月１２日、恵庭市花の拠点はなふるで開催された第39回全国都市緑化北海道フェア市民花壇栽植イベントに家族行事で参加。参考：JGround Vol.23、スピアヘッドNo.18、MAMOR vol.150、vol.91、朝雲、月刊軍事研究11,’18

　＜北恵庭駐屯地（２０１５年）＞：第７師団第72戦車連隊、第７後方支援連隊第２整備大隊第２戦車直接支援中隊、第11旅団第11戦車大隊、第11後方支援隊第２整備中隊戦車直接支援小隊、北部方面会計隊第330会計隊（3月26日から第323会計隊北恵庭派遣隊）、北恵庭駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北恵庭駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2014年12月8日、入居家族に対する防火教育や隊員の異動に伴う宿舎説明会の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜北オセチア学校占拠事件＞：2004年9月1日、チェチェンの西にある北オセチア共和国の首都の北東30kmにあるベスラン第１学校（小・中・高校併設、生徒数895人）が武装勢力に占拠された事件。ちょうど始業式の最中で、武装勢力がトラックに乗るなどして３方向から校内に入り、1200人を人質にして体育館に立て籠もった。武装勢力は体育館内各所に爆弾をセットし、人質のうち男子高校生17人を射殺して体育館中央に積み上げ、水や食料の差し入れは認めず、ロシア軍のチェチェンからの撤退や刑務所からの同志の解放などを要求。これに対しロシアは、チェチェン共和国陸軍とロシア連邦軍、更に父兄にまで武器を持たせて学校を包囲した。9月2日、イングーシ共和国のアウシェフ元大統領が交渉し、乳幼児と母親26人が解放された。9月3日1300過ぎ、遺体収容のため医師４人が校内に入ったところ、爆弾が爆発、体育館の屋根が崩落した。崩壊した体育館から人質が脱出し、これを救出しようとする父兄が発砲しながら突入したため、そのまま銃撃戦となり、ロシア連邦保安庁特殊部隊アルファとウインベルの隊員も加わって大混乱になった。9月4日未明に武装勢力32人中31人を射殺、１人を逮捕して制圧したが、300人以上が死亡し、200人以上が行方不明という大惨事になってしまった。9月17日、チェチェン独立派のバサーエフ司令官がウェブサイトで犯行声明を出した。参考：月刊軍事研究11,’04

＜北カフカス軍管区＞：2007年、第58軍がカフカス国境2007演習に参加。参考：月刊軍事研究10,’10

＜北カフカス軍管区（ソ連軍、１９８９年）＞：南部戦略方面隷下で、司令部はロストフにある。戦車師団１個、自動車化狙撃師団８個、砲兵師団１個、スカッド旅団１個からなり、Mi-8/-24ヘリ100機を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜きたかみ＞：DE-213（護衛艦）を参照。

＜北上＞：日本海軍球磨型軽巡洋艦３番艦Kitakami。大正10年4月15日竣工。昭和5年10月20日、特別大演習中に軽巡阿武隈と衝突した。昭和16年1月、重雷装艦への改装工事に入った。12月25日、改装を終了、第１艦隊第９戦隊に編入された。昭和17年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。昭和17年11月19日に第９戦隊が解隊されると魚雷発射管のうち32門を撤去して高速輸送艦に改造され、南東方面の輸送任務に就いた。昭和19年1月27日、ペナン南西110海里でP316テンプラーの雷撃を受けて大破した。修理ついでに訓練用回天搭載艦に改造された。諸元は以下の通り。基準排水量5860トン。速力23.8ノット。兵装は12.7cm高角砲４門、25mm機銃67丁。回天一型９基を搭載できる。昭和20年7月24日、呉で爆撃を受けて大破した。終戦時は主機が損傷した状態だった。戦後は除籍されて復員輸送用工作艦となった。昭和21年10月1日、長崎で解体を開始した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、連合艦隊巡洋艦、歴史群像8,’98、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船11,'22

＜北上丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜北関東防衛局＞：地方防衛局の１つで、東京都、千葉県、茨城県、群馬県、埼玉県、長野県、新潟県を管轄する。2007年9月に開設された。2014年12月2-15日、ヤマサクラ67に参加。土地提供、物品・役務調達、地方自治体との連絡調整などの支援を行った。2015年2月6-24日、在日米軍横田基地の軍人軍属やその家族と、周辺住民との交流を目的とした交流活動（日米交流音楽会、日米文化交流会など）を実施。3月10日、在日米軍横田基地で米軍航空機事故図上訓練を実施。5月2-18日、硫黄島で行われたFCLP支援のため職員20名を派遣した。6月3日、長野県松本市キッセイ文化ホールで第31回防衛問題セミナーを開催。6月29日から7月3日、平成27年度自衛隊統合防災演習と連携し、北関東防衛局防災訓練を行った。11月4日、栃木地方協力本部との共催で第34回防衛問題セミナーを栃木県宇都宮市で開催。2016年2月20日、東京都昭島市民会館で行われた日米交流音楽会in昭島を主催した。3月1日、埼玉県大宮ソニックシティ小ホールで第35回防衛問題セミナーを開催。3月2日、職員21名が第１空挺団で部隊研修を実施。5月28日、新潟市の新潟テルサで第36回防衛セミナーを開催。9月1日、さいたま新都心で９都県市合同防災訓練に参加。11月9日、平成29年度第２回東方区内３自衛隊指揮官募集会同を開催し、東部方面総監、横須賀地方総監、中部航空方面隊司令官が募集方針を協議した。11月10日、千葉県柏市で大規模災害への備え〜地域の防災対策と自衛隊の活動をテーマとする第37回防衛セミナーを開催。2018年1月22日、我が国を守る！防衛装備品の研究開発をテーマに、東京都目黒区のめぐろパーシモンホールで第39回防衛問題セミナーを開催。2月1日、武蔵村山市立第三小学校と在日米軍横田基地ウエスト小学校の交流会を実施。2月3日、武蔵村山市民会館さくらホールで第11回日米交流音楽会in武蔵村山を実施。2月9日、立川市立松中小学校と在日米軍横田基地メンデル小学校との交流会を実施。2019年5月10-18日に硫黄島行われたCVW-5の第55回FCLPを支援し、職員25名を派遣して現地支援室を設置、連絡調整や役務調達などの業務を行った。7月5日、「変化する安全保障環境と日米同盟〜令和元年を迎えて我が国防衛を考える」をテーマに、茨城県立県民文化センターで第43回防衛問題セミナーを開催。10月1日、新潟分屯基地で第13回北関東防衛施設地方審議会を実施。2020年1月17日、高崎シティギャラリーで「両毛と信越の守り〜空中機動力を有す陸上自衛隊第12旅団」をテーマとする第44回防衛問題セミナーを開催。2022年1月20日と29日、南関東防衛局と合同で、オンライン防衛問題セミナーを開催。4月28日から5月28日、硫黄島に職員21名を派遣し、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン艦上機によるFCLP訓練の支援（空自・海自との連絡調整、訓練施設の維持管理、給食等に係る役務調達など）を行った。参考：朝雲、北関東防衛局広報、MAMOR vol.127

＜北基準直交座標＞：東西をｘ軸（東が正）、南北をｙ軸（北が正）、xy面に垂直な軸をｚ軸（上方が正）とした直交座標系のこと。等速直線運動や等加速度運動を行っている目標の運動記述に便利だが、等速円運動を記述するのは難しい。極座標との間に、ｘ＝Rcos(E)sin(By)、y=Rcos(E)cos(By)、z=Rsin(E)の関係を持つ。つまり、xyz各軸における観測雑音は、全て目標までの距離（Ｒ）と角度（仰角Ｅ及び方位角By）の観測雑音による影響を受けることになり、xyz各軸における観測値は互いに干渉している。参考：レーダの基礎

＜北キプロス軍＞

＜北キプロス軍（１９８９年）＞：兵力3000名、第一線予備役5000名、第二線予備役10000名。歩兵大隊７個からなる。支援砲兵部隊もいるらしい。T-34戦車５両（稼動状態かは怪しい）、107mm迫撃砲10門、120mm迫撃砲30門、哨戒ボート１隻を保有する。トルコ軍27000名、１個軍団２個歩兵師団、１個独立機甲旅団が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜北キプロス軍（２０１５年）＞：現役兵力3500名、第一線予備役11000名、第二線予備役10000名、第三線予備役5000名、準軍事組織150名（武装警察／警察特殊部隊、沿岸警備隊）。歩兵大隊７個からなる。120mm迫撃砲73門、ミラン対戦車ミサイル６基、106mm無反動砲36門を保有する。沿岸警備隊はSG45/SG46沿岸警備艇２隻、ラウフ・デンクタッシュ級沿岸警備艇１隻、Mk5沿岸警備艇２隻、沿岸哨戒艇１隻を保有する。トルコ陸軍43000名、軍団司令部１個、機甲旅団１個、機械化歩兵師団２個、航空コマンド１個、M48A2戦車８両、M48A5T1/2戦車340両、AAPC装甲車361両、M113装甲車266両、155mm自走砲M-44Tが90両、105mm榴弾砲M101A1が72門、155mm榴弾砲M114A2が18門、203mm榴弾砲M115が12門、122mm多連装ロケットT-122が６門、81mm迫撃砲175門、107mm迫撃砲M-30が148門、120mm迫撃砲HY-12が127門、ミラン対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1が192門、20mm高射機関砲Rh202、35mm高射機関砲GDF-003が16門、40mm高射機関砲M1が48門、U-17軽輸送機３機、AS532ULヘリ１機、ベル205ヘリ３機、沿岸哨戒艇１隻が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜北熊本駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。面積66万平方メートル。北熊館には日本軍、自衛隊、郷土の史料が展示されており、駐屯地南門で申し込めば平日0900-1600に見学できる。陸軍幼年学校跡地のため校門跡などの史跡が残る。所在地は熊本県熊本市八景水谷2-17-1。熊本電鉄八景水谷駅から徒歩５分、堀川駅から徒歩13分。元は昭和14年4月に開校した熊本陸軍幼年学校で、太平洋戦争終結でアメリカ軍が駐留し、1956年10月にアメリカ軍が撤収、12月に北熊本駐屯地として開設されて第８混成団の一部が駐屯を開始した。1957年3月、第８混成団主力が駐屯を開始。1962年8月、第８混成団が第８師団に改編された。1978年、第304無線誘導機隊が飯塚駐屯地に移駐。1979年、第８戦車大隊が玖珠駐屯地に移駐。1985年、第８施設大隊が川内駐屯地に移駐。2005年、第８特科連隊第３大隊がえびの駐屯地に移駐。2009年4月7-9日、地元の株式会社ヒライの新入社員23人に対する体験入隊を実施。4月7-10日、地元新人地方公務員15人に対する体験入隊を実施。2010年4月11日、第８特科連隊新隊員41名の入隊式を実施。2011年7月30日から8月31日、熊本市立高平台小学校などから小学生130人を集めて夏休みちびっ子大会を実施。9月6-8日と13-15日、近隣の中学校７校の生徒に対する職場体験学習を実施。2012年2月11日、修親会の隊員が西南戦争ゆかりの墓地５カ所で清掃奉仕を行った。2013年11月1日、駐屯地花壇コンクールの総合審査結果が発表され、第８特科連隊第１大隊が最優秀賞、第42普通科連隊重迫撃砲中隊が優秀賞を受賞した。2016年1月16日、ふれあいパーティー　Let’s婚活in自衛隊〜北熊本駐屯地で肉食系男子をGET！を実施。隊員41名と女性50人が参加し、27組のカップルが誕生した。4月の熊本地震で史料館と講堂が損害を受け、取り壊された。2017年3月28日、熊本地本及び熊本県自衛隊家族会と留守家族支援協定を締結。6月26日、第２高射群がPAC-3機動展開訓練を実施。12月11日、建軍駐屯地、熊本駐屯地、熊本地本、熊本県隊友会と、大規模災害発生時の「災派隊員の留守家族支援に関する協定」を締結した。2018年、新史料館兼講堂の北熊館が開設された。3月26日、第８特科連隊が隊旗返還式・廃止式を実施。3月27日、西部方面特科連隊が新編された。北熊本駐屯地第１訓練場で第42即応機動連隊改編行事を実施。3月31日、第８師団改編行事を実施。西部方面特科連隊が隊旗授与式を実施。4月6-7日、陸幕防衛部主催の第13回陸上自衛隊フォーラムが開催された。8月22日、熊本地本が行った保護者のための職場見学ツアーに協力した。2019年2月13日、熊本駐屯地、建軍駐屯地、熊本地本、熊本県家族会、熊本県隊友会と、留守家族支援合同協定締結式を実施。3月26日、第８情報隊が新編された。2021年7月4日、熊本地本が北熊館で予備自衛官補17名の辞令書交付式を実施。参考：北熊本駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、vol.135、vol.147、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊航空ファン9,’17、朝雲、飯塚駐屯地ホームページ、月刊軍事研究6,’18、月刊JWings6,'22

　＜北熊本駐屯地（２０１５年）＞：第８師団司令部、第８師団司令部付隊、第42普通科連隊、第８特科連隊、第８高射特科大隊、第８偵察隊、第８後方支援連隊、第８通信大隊、第８特殊武器防護隊、第８音楽隊、北熊本駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北熊本駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2013年12月9日、ライフプランセミナー実施の功績により、陸幕長から２級賞状を授与された。2016年1月15-19日、管理栄養士が第８師団第42普通科連隊の第９次予備自衛官招集訓練で栄養指導を実施。参考：朝雲

＜北号作戦＞：日本海軍が昭和20年2月10日から実施した、戦艦による物資輸送作戦。輸送部隊は必ず作戦を完結するということで完部隊とも呼ばれた。2月5日から、第４航空戦隊戦艦伊勢に航空機用ガソリン100キロリットルとドラム缶5200本分、ゴム850トン、錫900トン、水銀10トン、亜鉛32トン、タングステン47トンを、日向に航空機用ガソリン100キロリットルとドラム缶4994本分、普通揮発油ドラム缶326本分、ゴム518トン、錫820トン、タングステン47トン、水銀32トン、砂糖200トンを搭載し、護衛の連合艦隊直属軽巡洋艦大淀、第２水雷戦隊駆逐艦朝霜、初霜、霞にもありったけの物資を詰め込んで2月10日1600にシンガポールのセレター軍港を出発。リンガエン湾突入を計画していると見せかけるため北東に進撃し、アメリカ第７艦隊がフィリピン周辺に張り付いている隙にフィリピン配備アメリカ軍機の行動半径外にある南シナ海西部を通過、香港からは中国沿岸を通って本土に向かう航路をとった。2月11日午後、グレートナッツ島西方で警戒中のイギリス潜水艦P318タンタラスを発見し、哨戒中の零式水上偵察機が爆弾を投下、部隊は回避行動を取った。2月12日午後、潜水艦４隻（うち浮上中３隻）を発見したため、夕方に大淀から零式水上偵察機１機を発進させて警戒にあたった。日没寸前、PBM哨戒機の触接を受けた。2月13日0000過ぎ、日向がレーダーで水上目標を探知したため、潜水艦と判断し緊急一斉回頭を実施。0200頃、カムラン湾東80海里付近を航行中に霞が水上目標を探知したため、緊急一斉回頭を実施。2月13日朝、B-24の触接を受けた。1100、マニラの西600海里でP-38及びB-24の編隊（レイテからB-24編隊３個、ミンドロからB-25爆撃連隊１個40機と護衛のP-51戦闘機48機が出撃していた）が高度4000mで接近してきたが、スコールに潜ってやりすごした。アメリカ軍航空隊は連合軍潜水艦の遊弋する海域でのレーダー爆撃を禁止されており、燃料が切れかけるとそのまま帰ってしまった。午後にSS-325ブロワーの魚雷６本を距離1000mで受けたが、伊勢の艦橋後部の臨時煙草盆で喫煙していた非番の下士官が雷跡を発見、取舵一杯でかわし、艦尾に向かった最後の１本も不発で、難を逃れた。30分後には大淀が潜水艦バーガルの魚雷６本を受けたが、大淀に向かったのは舵が壊れて水面を跳ねてくる１本だけで、伊勢の高角砲が吹き飛ばした。1600、日向が左前方22kmにSS-241バショウを発見。日向は対空戦闘に備えて三式弾を装填したままだったので、SS-241バショウに向けて発砲し、追い払った。2月14日1000、野風、神風と合流。1130、香港手前まで来たところでミンドロ基地から発進したB-24及びB-25爆撃機１個連隊ずつが南南東から姿を見せたが、雲が厚く、攻撃を断念して引き返していった。同日朝に台湾海峡入り口で地上設置レーダー及び水中聴音機が艦船集団をキャッチしたという連絡が入り、香港に一時避難することも検討されたが、情報が不確実であり、香港に停泊すればかえって爆撃を受けやすくなると判断し、そのまま航行を続けた。夕方、大淀から零式水上偵察機が発艦し、前方に敵影無しと報告した。夜間隊形に組み替えて台湾海峡に接近。2月15日0130過ぎ、前方に数個の艦影を認め、電探射撃を準備したが、小型民間船の集団だった。2月15日夜、馬祖島で錨泊し、駆逐艦に補給を行った。野風と神風の代わりに汐風と蓮が護衛に付いたが、燃料不足と機械故障で脱落している。その後は中国大陸沿いに進み、黄海を通って2月19日夕方に関門海峡まで到達、2月20日1000に損害ゼロで呉軍港に到着し、ガソリン2000リットル、重油3000トン、戦略物資3700トンを荷下ろしした。連合軍は航路から搭載物資まで無線電報解読により把握していたが、フィリピンと硫黄島に忙殺されていて潜水艦部隊しか兵力を割けず、４グループ14隻（第１グループがSS-251フラウンダー、SS-387ピンタド、SS-322ブラックフィン、SS-264パーゴ、SS-328チャー、SS-203ツナ、第２グループがSS-256ヘイク、SS-383パンパニート、SS-362ガビナ、第３グループがSS-325ブロワー、SS-320バーガル、SS-363ギタロ、第４グループがSS-241バショウともう１隻）で哨戒線を敷いていたが、いずれも魚雷発射位置に付けず、突破を許した。参考：歴史群像10,’04、激闘太平洋戦記、月刊丸7,’14

＜北支那方面軍＞：日本陸軍の方面軍。昭和12年7月31日、支那駐屯軍から改編されて創設された。隷下に２個軍６個師団を置く。参考：月刊PANZER9,’04、歴史群像6,’08

＜北支那方面軍（昭和１９年後半）＞：支那派遣軍隷下で、司令部は北京にある。第１軍、第12軍、駐蒙軍、第59師団、第63師団、独立混成第１旅団、独立混成第５旅団、独立混成第８旅団、独立混成第９旅団、独立歩兵第１旅団、独立歩兵第２旅団を隷下に置く。参考：比島決戦

＜北大西洋条約＞：条約締結地にちなんでワシントン条約と呼ばれることもある。1949年4月4日にワシントンで署名され、8月24日に発効した。締約国は、国連憲章に定めるところに従い、国際紛争を平和的手段により解決する。また、武力による威嚇や武力行使を国連の目的と両立しない方法で行使することを慎む。締約国は、いずれか又は全ての締約国の間の経済的協力を促進する他、武力攻撃に抵抗する個別・集団的能力を自助・相互援助により維持発展させる。ある締約国に対して武力攻撃が行われた場合、全締約国に対する攻撃と見なし、国連憲章第51条に認められている個別または集団的自衛権を行使して、直ちに必要な行動を執る。締約国に対する武力攻撃には、ヨーロッパまたは北アメリカにおけるいずれかの締約国の領域、フランス領アルジェリア、トルコ領土または北回帰線以北の北大西洋地域におけるいずれかの締約国の管轄下にある島及び、いずれかの締約国の軍隊・船舶・航空機で、前記の地域やいずれかの締約国の占領軍が条約効力発生の日に駐屯していたヨーロッパの他の地域、地中海または北回帰線以北の北大西洋地域またはそれらの上空にあるものに対して行われた武力攻撃を含む。集団的自衛権は第５条（連帯条項・集団防衛）に規定されており、2001年アメリカ同時多発テロの際に初めて発動された。参考：軍縮条約・資料集第２版、朝雲

＜北千歳駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は北海道千歳市北信濃724番地。JR千歳駅からバス10分。1954年1月、北部方面特科団航空隊が新編され、北部方面航空隊の隷下に入った。7月、北部方面特科団航空隊が第１特科団航空隊に改称された。1962年1月、第１特科団航空隊が廃止された。2009年1月8日、新成人隊員74名の成人式を実施。2010年1月15日、新成人隊員52名の成人式を実施。駐屯地テニスコートで元服雪合戦を行った。1月22日、太宰府天満宮の梅の親善使節が駐屯地を訪問（31回目。１回目は1979年で、日本航空千歳−福岡便就航記念）。神職、巫女、日本航空千歳空港支店長ら６人が紅梅と白梅の鉢植えを駐屯地司令に手渡し、司令はお礼として隊員手作りの干支羽子板を寄贈した。6月25日、殉職隊員19名に対する平成22年度第１特科団・北千歳駐屯地追悼式を行った。2011年1月14日、新成人隊員51名が駐屯地テニスコートで恒例の元服雪合戦を実施。10月1日、駐屯地モニターなど自衛隊協力者18人に対し、駐屯地見学やUH-1ヘリ体験搭乗を実施。2013年9月11-13日、北千歳駐屯地と美唄駐屯地の１任期満了隊員13名に対するライフプラン集合訓練を実施。将来の人生設計に向けた講話などを聴講した。2014年1月22日、太宰府天満宮の梅の親善使節（35回目）が駐屯地司令に紅白の梅の鉢２鉢や手作りの梅干しを贈呈した。9月8-12日、北千歳駐屯地教場で北千歳・美唄駐屯地の１任期満了予定隊員22名に対するライフプラン教育を行った。10月28-29日、千歳中学校２年生20人の職場体験学習に協力。2015年1月14日、駐屯地体育館で新成人隊員24名の成人式を実施。祝賀会食の後、元服雪合戦を行った。1月22日、福岡県太宰府天満宮の梅の親善使節が来訪し、駐屯地司令に紅梅と白梅の２鉢を贈呈した。2016年1月21日、福岡県太宰府天満宮の梅の親善使節が来訪（38回目）し、紅梅・白梅１鉢ずつと手作り梅干しを贈呈した。駐屯地からお礼の羽子板を贈っている。3月14日、東千歳駐屯地、地元父兄会、隊友会と留守家族支援協定を締結。大規模災害発生時の隊員家族安否確認、生活・介護支援、子供の一時預かり、緊急登庁支援などについて協力する事となった。10月27日、千歳市内中学校２年生13人に職場体験学習を実施。2017年1月27日、福岡県太宰府天満宮の梅の親善使節が来訪（39回目）し、紅梅・白梅１鉢ずつと手作り梅干しを贈呈した。駐屯地からお礼の羽子板を贈っている。1月28日、駐屯地修親会と曹友会が青空東北会主催の除雪ボランディア活動スノーバスターズ2017に参加。2月9日、陸幕長と第３海兵遠征軍司令官の視察を受けた。12月21日、協力団体代表や地域住民など250人を招き、OB会と年末行事を共催した。2018年1月12日、新成人隊員40名の成人行事を実施。1月27日、修親会と曹友会が除雪ボランティア活動スノーバスター2018に参加。福岡県太宰府天満宮の梅の親善使節が来訪（40回目）し、駐屯地司令に紅梅と白梅を１鉢ずつと手作り梅干しを贈呈、駐屯地からは干支の羽子板を贈った。4月6日、駐屯地モニター委嘱行事を行った。10月28日、隊員15名とOB会員など13人が団本部隊舎前の積雪対策冬囲いを実施。2019年1月26日、駐屯地修親会と曹友会の計36名が千歳市でスノーバスターズ2019に参加し、高齢者宅除雪作業を支援した。1月29日、福岡県太宰府天満宮の梅の親善大使が来訪（41回目）し、駐屯地司令に紅梅・白梅１鉢ずつと梅干しを手渡した。司令はお礼に干支の羽子板を贈っている。4月13日、駐屯地修親会と曹友会が千歳市商工会議所など主催のまちなかクリーン大作戦に参加。2020年1月24日、福岡県太宰府天満宮の梅の親善大使が来訪（42回目）し、駐屯地司令に紅梅・白梅１鉢ずつと梅干しを手渡した。司令はお礼に干支の羽子板を贈っている。1月26日、東千歳駐屯地・空自千歳基地隊員と共に、青空東北会主催スノーバスターズ2020に参加し、ボランティア除雪活動を行った。3月26日、訓練評価支援隊が新編された。4月2日、駐屯地修親会と曹友会の計468名がクリーン作戦を行い、60kgのゴミを回収した。6月9日、北海道赤十字血液センターの献血に駐屯地司令以下92名が協力した。8月26日、北千歳駐屯地援護センターが令和3年度定年退職予定隊員22名に直前教育を実施。9月19日、令和2年度第１特科団・北千歳駐屯地追悼式を実施。10月25日、第１特科団本部隊舎前の樹木の冬囲いを実施。2021年2月20日、第７師団第７飛行隊UH-1Jヘリの支援を受け、丘珠駐屯地で駐屯地モニター14人に対する航空機体験搭乗を実施。12月14日、年末行事を実施。千歳市長ら７人を招き、餅の揃い搗きや一本締めを行った。参考：JGround Vol.23、月刊JWings11,'20、朝雲、丘珠駐屯地ホームページ

　＜北千歳駐屯地（２０１５年）＞：第７師団第71戦車連隊、第７後方支援連隊第２整備大隊第１戦車直接支援中隊、第101特科直接支援大隊、第101高射直接支援大隊第１中隊第２直接支援小隊、第１特科団、第１特科群、第102特科大隊、第129特科大隊、第１地対艦ミサイル連隊、第１高射特科群第302高射中隊、北千歳駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北千歳駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2015年7月13-17日、第１特科団訓練検閲を支援した。12月7日、福利厚生の功績で陸幕長から２級賞状と副賞を授与された。2016年12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。参考：朝雲

＜北朝鮮＞：韓国の国家保安法では北韓共産集団という名称になっていて、反国家団体に指定されている。1948年2月16日に北朝鮮人民共和国の樹立声明が出された。1958年、連帯責任制である５戸担当性を実施。1961年、人民経済発展７カ年計画を実施。1961年7月6日にソ連と、7月11日には中国と友好・協力及び相互援助条約を締結した。両条約には一方が武力攻撃を受けた場合は他方も自動参戦することが謳われており、実質的に軍事同盟である。1962年12月、党中央委員会で４大軍事路線（全軍の幹部化、全軍の近代化、全人民の武装化、全国土の要塞化）を採択。1964年、中国が石油製品の供給を開始。1965年、ソ連が軍事援助を再開。1967年、人民経済発展７カ年計画を終了したが、当初計画を達成できず、1970年まで延長した。金日成派が甲山派粛正を実施、経済建設優先を主張する100人が粛正された。1968年、金日成が口頭で核、弾道ミサイル、麻薬生産を指示。1969年、軍首脳に対する粛正が行われ、1000人が政治犯として強制収容所送りとなった。1970年、人民班分組担当制を実施、連帯責任戸数が10戸に増えた。1971年、中国と無償軍事援助協定を締結。ただその後の米中国交回復や中ソ対立などに付いていけず、弾道ミサイルなどの技術導入には失敗し、エジプトからスカッドを入手することになった。人民経済発展６カ年計画を開始。1973年5月、秘密警察である国家政治保衛部（後に国家安全保衛部を経て国家保衛省）が創設され、国民の思想動向統制が強化された。また、政治犯強制収容所が増大した。1973年9月、金正日が朝鮮労働党組織担当書記に就任した。1974年2月、金正日が朝鮮労働党政治委員会正委員に就任。1978年、人民経済発展第２次７カ年計画を開始。1980年、金正日が政治局常務委員に就任。1990年代前半、制限付きで日本人観光客の受け入れを開始。1991年6月22日、金正日が革命武力の首位という称号を得て、実質的な軍のトップとなった。12月24日、金正日が朝鮮人民軍最高司令官に就任。ただし軍の階級には存在しない称号で、軍歴が無い金正日に対する軍の反発を抑えるための措置とされる。1992年4月9日、憲法を修正し、全国民の武装化、全領土の防衛強化、軍人による指導教化、軍隊の近代化の４つからなる軍事ガイドラインを採択した。また、軍事関連の権限を共和国国防委員長に統合し、共和国国防委員長を最高人民会議の選挙で選出するようにして（それまでは国家主席が兼務）、金正日が国防委員長に就任した。4月20日、金正日が朝鮮民主主義人民共和国元帥に就任。これも軍の階級（朝鮮人民軍元帥）とは微妙に違う。1993年末、長期経済計画である第３次７カ年計画（1987-93年）が未達に終わったと発表。後継の計画は発表されなかった。1994年、金日成主席が死去、長男の金正日が国防委員長として最高指導者の座に着き、世襲独裁社会主義国家体制を明確にした（故・金日成主席には永遠の国家主席という称号が付いた）。1990年代半ばから燃料不足が深刻になり、山林の伐採が加速、居住地に近い山はほぼ禿げ山になってしまった。1996年9月、ロシアとの友好・協力及び相互援助条約は廃棄された。1997年、金正日が党総書記に就任。社会安全省（後の人民保安省）に深化組が結成され、2000年までに25000人を粛正した。1998年、ジャガイモ主食化計画を開始、除隊軍人も投入した。11月、韓国東岸から船で北朝鮮に入る金剛山観光を開始。12月、平壌で10万人規模の反米集会を開催し、ロシアから核弾頭を手に入れてソウル、東京、ワシントンを火の海にするとラジオ放送した。2002年、日朝首脳会談で日本人の拉致を認めた。10月、軍による雑穀二毛作を開始。12月、開城工業地区法が採択され、開城に韓国と共同で工業団地を建設することになった。2003年6月、金剛山観光が陸路経由になった。2006年10月9日、初の核実験を実施。2007年、弾道ミサイルの輸出で１億5000万ドルの外貨を得ているとされる。12月、韓国の現代グループがソウルから北朝鮮南部の開城への日帰りツアーを開始。2008年7月、金剛山観光で観光区域を外れた韓国人女性が北朝鮮軍兵士に射殺され、ツアーは中断された。9月9日、建国60周年記念式典に金正日総書記が欠席し、原因は8月に脳卒中を起こしたためと報じられた。急性期治療の間は義弟が代理で権力を行使していたらしい。10月上旬、日本人観光客の入国を禁止。11月上旬、中国人観光客の入国を禁止。11月26日現在、開城工業団地には韓国を中心に、中国やドイツの企業も工場を連ねており、日本と韓国の合弁企業も２社が進出している。生産コストは韓国の61.6%だが、平均生産性が53.7%とそれ以上に低いため、2005年には進出した16企業のうち13企業が赤字で、平均負債比率も韓国製造業の４倍に達していたという。12月1日、反北団体の風船によるビラ散布に抗議して開城への日帰りツアー中断を発表。2009年12月、デノミ政策を行ったが失敗し、計画財政部長が更迭（未確認だが銃殺説あり）された。2010年4月、将官クラスの軍人が100名ほど昇格。5月3-7日、金正日総書記が中国を訪問して胡錦濤主席と会談。経済援助について話し合ったとみられる。8月26-30日、金正日総書記が中国を訪問して胡錦濤主席と会談。どうやら後継の金正恩（金正日総書記の三男）の面通しだったらしい。9月27日、金正恩が大将に昇格。9月28日、第３回朝鮮労働党代表者会を実施。金正恩は会場中央最前列に座っており、党中央軍事委員会副委員長に選出された。10月10日、朝鮮労働党創建65周年記念日を迎え、軍事パレードに金正日総書記と金正恩が並んで参加。

2011年12月19日正午、北朝鮮国営テレビとラジオは金正日総書記が17日0830に視察先に向かう列車内で心筋梗塞による心原性ショックで死去したと伝えた。後継者は金正恩（当時28歳）で、12月29日に最高人民会議常任委員長が後継の最高指導者であると公式に発表、12月30日に朝鮮人民軍最高司令官に任命された。2012年4月11日、労働党代表者会で金正恩が第一書記に推戴された。4月13日、最高人民会議で金正恩が国防委員会第一委員長に就任し、故・金正日総書記には永遠の総書記、永遠の国防委員長という称号が付いた。7月18日、金正恩国防副委員長が大将から元帥に推挙された。2013年7月10日、キューバを出港してパナマ運河を通過しようとした北朝鮮輸送船チョンチョンガンをパナマが臨検したところ、山積みの砂糖の下からMiG-21戦闘機２機、そのスペアエンジン12基、S-75地対空ミサイル用射撃管制レーダー、その運搬用車両５両、迫撃砲弾などが見つかり、安保理決議に違反する兵器輸出入の可能性があるとして国連が調査に乗り出した。北朝鮮とキューバは輸出目的でなくオーバーホールしてキューバに送り返す予定だったと主張している。2013年12月8日、金正恩政権のナンバー２だった張成沢国防副委員長兼北朝鮮労働党行政部長が党政治局拡大会議で突如解任されて国家安全保衛部に連行され、12月12日の特別軍事裁判で国家転覆陰謀容疑（汚職とクーデター未遂）により有罪判決を受けてその日のうちに処刑された。2017年、日本海の大和堆周辺に北朝鮮の漁船が押し寄せ、海保と水産庁が延べ820隻を違法操業で取り締まった。11月20日、アメリカからテロ支援国家に再認定された。2018年1月20日0630頃、北朝鮮船籍タンカーのレ・ソン・ガン１号とドミニカ船籍タンカーのユク・トゥンが東シナ海公海上で横付けしているのを第１航空群P-3Cが確認した。国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ（日本が確認した初の瀬取り）、日本政府は1月24日に国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報するなどの措置を行っている。2月13日0130頃、北朝鮮船籍タンカーRye Song Gang 1とベリーズ船籍タンカーWen Heng 11が東シナ海の公海上（上海東方250km）で横付けしているのを第１航空群P-3Cが確認した。国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報している。2月16日昼、北朝鮮タンカーYu Jong 2と船籍不明小型船ビンネイトクユ（福建寧徳市輸送船の意）078が上海東250km沖の公海上で横付けしているのを第１航空群P-3CとDE-232せんだいが確認した。両艦の上甲板には給油蛇管が渡されており、国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報している。2月24日深夜、船体の船名を抹消した北朝鮮船籍タンカーChon Ma San（2月にアメリカが対北朝鮮制裁対象に指定）とモルディブ船籍タンカーXin Yuan 18が上海東250km沖の公海上で横付けしているのを第１航空群P-3Cが確認した。国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報している。4月、瀬取り監視に日米に加えてイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、フランスが参加することになった。航空機は国連軍地位協定に基づいて嘉手納基地を拠点とする。4月10日、イギリス国防省が、北朝鮮の海上不正取引監視をアジアに展開中のイギリス海軍艦艇（F-81サザランドなど）で実施する、と発表した。4月28日、カナダ海軍CP-140哨戒機１機とオーストラリア空軍P-8A哨戒機１機が嘉手納基地を拠点として北朝鮮の海上不正取引監視活動に付くと、防衛省が発表した。5-8月、日本海の大和堆周辺に北朝鮮の漁船が押し寄せ、海保が違法操業を行った延べ1085隻に退去警告を行い、うち360隻に放水規制を実施した。5月19日、北朝鮮タンカーのジ・ソン６号（Ji Song 6）と、中国国旗を掲げた小型船が、上海南東350kmで横付けしているのを、第１航空群P-3Cが確認した。タンカーは2018年3月に国連安保理北朝鮮制裁委員会から資産凍結・入港禁止の制裁対象に指定されており、国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報している。中国国旗を掲揚していたことから、日本政府は中国に対して関心表明（事態注視宣言）を行った。5月24日、北朝鮮タンカーのサム・ジョン２号（Sam Jong 2）と、船籍不明のミョン・リュー１号（Myong Ryu 1）が、上海東250kmで横付けしているのを、DD-158うみぎりが確認した。タンカーは2018年3月に国連安保理北朝鮮制裁委員会から資産凍結・入港禁止の制裁対象に指定されており、国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報している。6月1日、オーストラリア空軍P-8A哨戒機１機が帰国のため嘉手納基地を離陸。6月3日、カナダ海軍CP-140哨戒機が帰国のため嘉手納基地を離陸。6月21-22日、AOE-424はまなが東シナ海の公海上で北朝鮮タンカーのユ・ピョン５号と小型船舶が横付けしているのを確認した。小型船舶は分離後に中国国旗とみられる旗を掲揚している。国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報し、中国に対しても関心表明を行った。6月29日、DE-232せんだいが東シナ海の公海上で北朝鮮タンカーのアン・サン１号と船籍不明の船舶が横付けしているのを確認した。国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府が国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報している。7月31日深夜、AOE-422とわだが上海南南東400kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのナム・サン８号（NAM SAN 8）と中国国旗を掲げた船籍不明の船舶が接舷し、ホースを接続しているのを確認した。両船は翌朝に分離している。国連安保理決議で禁止されている洋上での船舶間物資積み替え（瀬取り）とみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報し、中国に対して関心表明を行っている。9月22日、防衛省が瀬取り監視にカナダ軍が加わると発表。11月30日、防衛省が、瀬取り監視のため12月初旬からオーストラリア軍航空機が国連軍地位協定に基づき嘉手納基地を拠点に警戒監視活動を実施すると発表した。2019年1月18日、AOE-426おうみが、上海南410kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのアン・サン１号（AN SAN 1。国連制裁対象）と、船籍不明の小型船が接舷し、蛇管を接続しているのを確認した。瀬取り行為とみられる。2月下旬から3月上旬、イギリス海軍23型フリゲートF236モントローズが瀬取り監視を実施。3月2日、AOE-426おうみとイギリス海軍23型フリゲートF236モントローズが、上海南390kmで北朝鮮タンカーのセビョル（SAEBYOL。国連の資産凍結制裁対象）と国籍不明小型船舶が横付けしてホースを接続しているのを確認した。瀬取りとみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報、F236モントローズも収集した情報や証拠写真を国連に提出している。3月13日、北朝鮮の瀬取り監視のため、フランス海軍第25飛行隊ファルコン200哨戒機が飛来。3月20日午前、DE-231おおよどが、上海南410kmの東シナ海公海上で、北朝鮮油槽船ユ・ソン（YU SON）と、秦皇島と表示された船籍不明小型船舶が接舷しているのを確認した。瀬取り行為とみられ、表示された文字から小型船舶に関係している可能性がある中国政府に関心表明（事案注視）を伝え、国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報した。深夜、AOE-423ときわが、北朝鮮油槽船ユ・ソン（YU SON）と船籍不明小型船舶（午前のものとは別）が接舷し、ホースを接続しているのを確認した。瀬取り行為とみられる。4月中旬からフランス海軍フリゲートF734ヴァンデミエールが瀬取り監視を開始。5月、オーストラリア海軍フリゲート05メルボルンが東シナ海を含む日本周辺海域で警戒監視活動を開始。5月1日、嘉手納基地にオーストラリア空軍第92航空団第11飛行隊P-8A哨戒機が飛来し、１ヶ月の予定で瀬取り監視を実施。5月13日未明から14日午前、上海南400kmの東シナ海公海で、北朝鮮籍タンカーのアンサン１（Ansan 1。AN SAN 1？）と船籍不明小型船舶２隻が３回ずつ計６回にわたり接舷し、ホースを接続しているのを、DDG-171はたかぜが確認した。瀬取りとみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報している。6月上旬から嘉手納基地を拠点にカナダ空軍CP-140哨戒機が瀬取り監視を実施。カナダ海軍FFH334レジャイナと補給艦アステリクスが日本周辺海域で警戒監視活動を実施。8月下旬、カナダ海軍FFH341オタワが瀬取り監視を開始。9月上旬から嘉手納基地を拠点にオーストラリア空軍P-8A哨戒機が瀬取り監視を実施。10月上旬から嘉手納基地を拠点にカナダ空軍CP-140哨戒機が瀬取り監視を実施。10月中旬から嘉手納基地を拠点にニュージーランド空軍第５飛行隊P-3K2哨戒機が瀬取り監視を実施。11月13日未明、上海東280kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのムボン１（MU BONG 1）が、船尾の船名を覆った船籍不明の船舶と横付けし、ホースを接続しているのを、DE-232せんだいが確認した。瀬取りとみられ、日本政府は国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報し、関係国と情報を共有している。12月16日昼、第１航空隊P-1哨戒機が、上海南東290kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのナムサン８（Namsan8。国連安保理北朝鮮制裁委員会の資産凍結・入港禁止対象船舶）が、船籍不明小型船舶と横付けして蛇管を接続しているのを確認した。瀬取りとみられる。12月17日午前、DDG-172しまかぜが、上海南東290kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのナムサン８が、船籍不明小型船舶（前日と同じ船）と横付けして蛇管を接続しているのを確認した。瀬取りとみられる。2020年1月12日未明、AOE-423ときわが、上海東240kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのチョンマサン（Chonmasan）が、明波５と表示された船籍不明船舶と接舷し、蛇管を接続しているのを確認した。瀬取りとみられ、瀬取り疑い事例としては24回目、日本政府が発表する事案としては16回目となる。2月14日、瀬取り監視支援のオーストラリア空軍C-17A輸送機が嘉手納基地に飛来。2月16日、瀬取り監視のオーストラリア空軍第11飛行隊P-8A哨戒機１機が嘉手納基地に飛来。6月、南北共同連絡事務所を爆破し、南北通信連絡線が断絶した。9月23日夜、瀬取り監視のオーストラリア空軍第11飛行隊P-8A哨戒機１機が嘉手納基地に飛来。9月28日、オーストラリア空軍第11飛行隊P-8A哨戒機が嘉手納基地からの監視活動を開始。10月上旬、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグが瀬取り監視を開始。10月13日、ニュージーランド空軍第５飛行隊P-3K2哨戒機１機が嘉手納基地に飛来した。10月18日、カナダ空軍CP-140哨戒機１機が嘉手納基地に飛来。10月下旬、オーストラリア海軍フリゲートFFH151アランタが日本周辺海域で瀬取り監視を開始。オーストラリア空軍P-8A哨戒機が帰国。代わりにニュージーランド空軍P-3K2哨戒機が11月下旬までの予定で監視活動を開始した。11月上旬、カナダ空軍CP-140哨戒機１機が12月上旬までの予定で監視活動を開始。

2021年2月上旬から3月上旬、フランス海軍フリゲートF731プレリアルが東シナ海を含む日本近海で瀬取り監視を実施。3月上旬から下旬、オーストラリア空軍P-8A哨戒機が嘉手納基地を拠点に瀬取り監視を実施。4月28日から5月下旬、ニュージーランド空軍第５飛行隊P-3K2哨戒機１機が瀬取り監視のため嘉手納基地に展開。5月、フランス海軍強襲揚陸艦L9014トンネールとフリゲートF711シュルクーフが東シナ海を含む海域で瀬取り監視を実施。5月中旬からオーストラリア海軍FFH155バララトが日本周辺海域で瀬取り監視を実施。7月27日、南北通信連絡線の回復で合意したと、韓国側と同時に発表した。8月中旬から9月中旬、オーストラリア空軍P-8A哨戒機が嘉手納基地を拠点に瀬取り監視を実施。9月中旬からイギリス海軍フリゲートF-239リッチモンドとカナダ海軍が東シナ海を含む日本周辺海域で瀬取り監視を実施。10月中旬から11月上旬、フランス海軍第25飛行隊ファルコン200（ファルコン20G）哨戒機が普天間基地から瀬取り監視を実施。10月中旬から11月中旬、カナダ空軍CP-140哨戒機が嘉手納基地から瀬取り監視を実施。11月上旬から11月下旬、ニュージーランド空軍P-3K2哨戒機が嘉手納基地から瀬取り監視を実施。

2022年2月下旬からイギリス海軍哨戒艦P233テイマーが瀬取り監視を実施。2月下旬から3月下旬、オーストラリア空軍第92航空団第11飛行隊P-8A哨戒機が嘉手納基地から瀬取り監視を実施。3月中旬からフランス海軍フリゲートF734ヴァンデミエールが瀬取り監視を実施。4月下旬から5月下旬、カナダ空軍CP-140哨戒機が瀬取り監視を実施。6月1日、瀬取り監視中のカナダ空軍CP-140哨戒機に中国空軍機が異常接近した。国際的な航空安全規範に従わない危険な行為として、カナダ軍報道官が非難している。10月上旬から11月上旬、カナダ空軍CP-140哨戒機が嘉手納基地から瀬取り監視を実施。10月17日、フランス海軍ファルコン200哨戒機が普天間基地に展開し、11月上旬まで瀬取り監視を実施。10月20日、ニュージーランド空軍P-3K2哨戒機が嘉手納基地に展開し、11月下旬まで瀬取り監視を実施。

2023年2月9日、オーストラリア空軍P-8A哨戒機１機が北朝鮮瀬取り監視のため嘉手納基地に飛来。4月3日、カナダ空軍CP-140哨戒機が北朝鮮瀬取り監視のため嘉手納基地に飛来。4月27日、フランス海軍フリゲートF731プレリアルが海自横須賀基地を出港し、瀬取り監視任務に就いた。5月中旬、カナダ空軍CP-140哨戒機が北朝鮮瀬取り監視を終えて帰国。10月上旬から下旬、フランス空軍ファルコン200哨戒機が普天間基地から北朝鮮瀬取り監視を実施。10月上旬から11月上旬、カナダ空軍CP-140哨戒機が嘉手納基地から北朝鮮瀬取り監視を実施。10月16日、中国沿岸の国際空域を飛行していたカナダ空軍CP-140哨戒機が、中国軍殲撃10戦闘機・殲撃15戦闘機から複数回の異常接近を受け、最小5m以内まで近接された。カナダ国防相は非常に無謀と非難したが、中国はカナダ側が尖閣諸島領空を侵犯したと非難している。

2024年2月上旬から下旬、オーストラリア空軍P-8A哨戒機が国連軍地位協定に基づいて在日米軍嘉手納基地を利用して瀬取り監視を行った。

参考：月刊丸1,’07、2,’07、月刊軍事研究2,’08、2,’09、7,’99、3,’99、9,’09、12,’10、3,’12、3,’14、1,’18、JGround Vol.23、朝雲、月刊JWings10,’12、10,’13、5,’18、7,’18、8,’18、6,’19、7,’19、8,’19、11,’19、12,’19、1,’20、3,’20、5,’20、12,’20、1,'21、5,'21、7,'21、1,'22、5,’22、8,'22、12,'22、1,'23、6,'23、1,'24、月刊世界の艦船8,’18、9,’18、10,’18、11,’18、4,’19、6,’19、7,’19、9,’19、12,’19、2,'20、3,’20、4,'20、2,'21、5,'21、7,'21、8,'21、11,'21、7,'23、日本赤十字社史稿第６巻

＜北朝鮮ＵＡＶ事件＞：2014年3月24日、韓国国防省が京畿道パジュ市（DMZが通っている）の木の枝にパラシュート付きUAVが引っかかっているのを発見したと発表した。全長1.43m、翼スパン1.92mの無尾翼変形デルタ翼機で、ポリカーボネート製、日本製の模型用グローエンジンで２翅プルプロペラを駆動し、巡航速度100-120km、航続距離208kmとみられる。内部には日本製デジタルカメラが収容されており、パジュ市周辺、ソウル、青瓦台（大統領府）など193枚の画像が撮影（推定飛行高度300m）されていた。プロペラ後方または垂直尾翼部分に映像送信装置があるという情報もあるが、韓国国防部は否定している。3月31日、黄海の白翎島でも墜落しているUAVが発見された。こちらはＶ字尾翼を持ち、全長3.23m、最大速度162km、飛行高度3000mと推定されている。内部には日本製のデジタルカメラがあり、北方限界線（NLL）付近の２つの島にある軍事施設が写っていた。更に前年10月4日にも江原道サムチョク市郊外（軍事境界線から130km）にUAVが１機墜落していたと判明、捜索したところ、パジュ市に墜落したのと同様のUAVが発見され、4月6日に回収された。3月31日に発見されたUAVの航跡は韓国空軍 E737ピースアイ早期警戒機が途切れ途切れに探知しており、北朝鮮が偵察のため飛ばしたものとみられ、重要施設上空への侵入をキャッチできなかったとして韓国国防省が批判を受けた。また、不審な飛行物体に対してVADSで迎撃したが取り逃がした事例もあったと判明し、防空態勢の不備が懸念されている。UAVに炸薬を搭載すれば自爆攻撃にも使えるため、韓国軍は監視飛行船や低高度レーダーによる監視網を構築する予定である。参考：月刊軍事研究6,’14、月刊JWings2,’14

＜北朝鮮海軍＞：潜水艦や哨戒艇による沿岸防備と、揚陸艇や半潜水艇による侵入・強襲能力にほぼ特化している。潜水艦造船所はボンデ・ボイラー工場など３箇所、潜水艦基地は７箇所。特殊部隊用潜水艦基地は平原に第１基地、南浦に第２基地、楽園に第３基地が設けられている。1950年代、ソ連からP6級魚雷艇が引き渡された。シンフン型魚雷艇の建造を開始。1960年代からオサ型ミサイル艇が就役。1968年、シェルシェン級魚雷艇３隻がソ連から引き渡された。1970年代からチャホ級哨戒艇の建造を開始。1972年からロメオ級潜水艦を導入。1973年、ナジン級フリゲート２隻が就役開始。1975年からナンポ級強襲艇を建造。1975年、海南級哨戒艇６隻が就役開始。1983年、ソホ級フリゲート１隻が就役。1986年10月、北朝鮮領海内で初となるソ連海軍との共同演習を実施。北朝鮮から艦艇30隻と航空機26機、ソ連から艦船10隻と航空機12機が参加した。1995年、サンオ級潜水艦が就役。2013年11月4日、北朝鮮与党機関誌の労働新聞に、駆潜艇第223号が10月に沈没して多数の犠牲者が出たとの記事が掲載された。実際には元山沖で演習中のハイナン型駆潜艇とハイナン型哨戒艇が１隻ずつ老朽化で沈没し、15-20名の死者が出たようである。2013年12月から2014年1月、対潜ロケットとヘリ甲板を持つ新型フリゲートが黄海に面する南浦港の造船所と日本海に面するナンジン港の造船所に１隻ずつ停泊しているのが衛星写真で発見された。2014年、新甫型潜水艦の存在が判明した。2014年6月に公開された宣伝用映画の中で、Kh-35のコピーとみられる艦対艦ミサイルが確認された。2015年、アムノク級フリゲートが確認された。2月7日、ノンゴ型ミサイル艇からKh-35に似た艦対艦ミサイルを発射する写真を新聞に公開した。他に全長26mの新型ミサイル艇も開発しているらしい。5月9日、潜航中の潜水艦（新甫型らしい）から北極星１号／KN-11SLBMを発射することに成功したと発表した。2016年3月上旬、ヨノ型潜水艦１隻が北朝鮮沿岸を行動中に行方不明になったらしく、沈没したとみられている。8月24日0530頃、SLBMの発射実験を行った。東北東に500km飛んで日本海に落下している。2019年10月2日0710頃、北極星３号を試射した。2021年10月19日、新浦沖の日本海で実験潜水艦8.24英雄艦がSLBMの水中発射試験を実施。KN-23短距離弾道ミサイルがベースとみられるSLBMを発射し、600km先の日本海に着弾した。2023年9月6日、弾道ミサイル原潜金君玉英雄が進水。参考：月刊世界の艦船6,’09、7,’13、9,’17、2,’14、8,’14、7,’15、6,'16、11,’16、12,’19、1,’22、11,’23、月刊軍事研究4,’97、7,’15、月刊航空ファン7,’15

　＜北朝鮮海軍（１９６５年）＞：兵力9000名。138隻15300トンを保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮海軍（１９７０年）＞：兵力9000名。潜水艦２隻・ミサイル艇４隻など111隻12600トンを保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮海軍（１９７５年）＞：兵力18000名。駆逐艦２隻・潜水艦８隻・ミサイル艇18隻など362隻44200トンを保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮海軍（１９７７年）＞：兵力25000名。ウイスキー級／ロメオ級潜水艦10隻、フリゲート７隻、駆潜艇／護衛艦19隻、コマール級ミサイル艇10隻、オサ級ミサイル艇８隻、砲艇100隻（上海級８隻、汕頭級８隻など）、魚雷艇150隻（シェルシェン級４隻、P4級12隻、P6級60隻など）、大型哨戒艇４隻、上陸用舟艇90隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮海軍（１９８９年）＞：兵力40000名、予備役40000名。東海岸では元山に司令部、遮湖、松田、退潮に基地がある。西海岸では南浦に司令部、海州、琵琶串、沙串里に基地がある。031型／ロメオ級潜水艦19隻、ウイスキー級潜水艦４隻、ナジン級フリゲート２隻、サリウォン型コルベット４隻、ソジュ級ミサイル艇８隻、オサ�T級ミサイル艇５隻、ソフン級ミサイル艇６隻、コマール級ミサイル艇10隻、シェルシェン型魚雷艇３隻、小型魚雷艇（533mm魚雷発射管２門装備）170隻、海南級哨戒艇６隻、SO-1級哨戒艇18隻、テチョン級哨戒艇10隻、上海�U級哨戒艇８隻、チョード級哨戒艇３隻、K-48級哨戒艇２隻、小型哨戒艇110隻、小型内海掃海艇40隻、機械化揚陸艇14隻、汎用揚陸艇12隻、小型内海揚陸艇100隻、外洋曳船２隻、SSC-2bサムレット地対艦ミサイル連隊２個、122mm沿岸砲M-1931/37、130mm沿岸砲SM-4-1、152mm沿岸砲M-1937を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜北朝鮮海軍（１９９５年）＞：兵力46000名。水上戦闘艦434隻、支援艦330隻、攻撃型潜水艦26隻（ロメオ級22隻、ウイスキー級４隻）を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97、4,’97

＜北朝鮮海軍（１９９６年）＞：兵力47000名。水上戦闘艦430隻、支援艦335隻、攻撃型潜水艦35隻（ロメオ級31隻、ウイスキー級４隻）、サンオ級潜水艦10-16隻、ユーゴ級潜水艇47-48隻、２名用潜水艇60隻を保有する。前年に比べて攻撃型潜水艦が９隻増えたのは、財政難の下でも２年に１隻ペースでロメオ級を建造していると推定されるのを計算に入れたためである。また、特殊部隊30名を乗せられる排水量1000トン級の特殊部隊用潜水艦が1996年6月から建造されているとみられる。全戦力の60%を前進配置している。参考：月刊軍事研究3,’97、4,’97

＜北朝鮮海軍（１９９８年）＞：東海艦隊（10個戦闘群470隻）と黄海艦隊（６個戦闘群340隻）の２個艦隊を隷下に置く。戦闘艦艇、巡視艇、ミサイル艇（射程46kmのP15艦対艦ミサイル装備）、魚雷艇、火力支援艇など水上戦闘艦430隻、潜水艦及び潜水艇40隻、上陸艦艇（LCAC含む）340隻を保有する。海岸にはSSC-2bサムレット／CSSC-2シルクワーム地対艦ミサイルを配置し、仁川及び束草を射程内に収めている。参考：月刊軍事研究7,’99

＜北朝鮮海軍（２００１年）＞：国防委員会人民武力部総参謀部の指揮下に置かれており、海軍司令部は東海艦隊（退潮）と西海艦隊（南浦）を隷下に置くが、小型潜水艇・潜航艇、工作船などを配備する特殊作戦部隊が別系統で組織されている。ロメオ級潜水艦22隻、ウイスキー級潜水艦４隻（訓練用）、サンオ級潜水艦26隻、ソホ級フリゲート１隻、ナジン級フリゲート２隻、トラル型コルベット１隻、オサ�T級ミサイル艇12隻、コマール級ミサイル艇12隻、ハイナン型哨戒艇６隻、シャンハイ�U型哨戒艇13隻を保有する。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜北朝鮮海軍（２０１３年）＞：兵力60000名。ロメオ級潜水艦20隻、サンオ級潜水艦30-40隻、サンオ�U級潜水艦２隻、ユーゴ級潜水艇20-23隻（＋予備役10隻）、ソホ級フリゲート１隻、ナジン級フリゲート２隻、サリウォン型コルベット3-4隻、トラル型コルベット１隻、シェルシェン型魚雷艇１隻、シンポ級攻撃艇20隻、クソン／シンフン／改シンフン級攻撃艇計142隻、ソジュ級ミサイル艇10隻、チョンジュ型ミサイル艇６隻、オサ�T級／黄蜂級ミサイル艇12隻、コマール級／ソフン級ミサイル艇10隻、テチョン�T級哨戒艇７隻、テチョン�U級哨戒艇５隻、ハイナン型哨戒艇６隻、SO-1級哨戒艇19隻、シャンハイ�U型哨戒艇13隻、チャホ級哨戒艇60隻、チョンジン級攻撃艇54隻、ハンテ級中型揚陸艦10隻、ハンチョン型LCM７隻、フンナム型LCM18隻、ナンポ級強襲艇96隻、ナンポＤ型強襲艇５隻、コンバン�T／コンバン�U／コンバン�V型ホバークラフト計135隻、高速半潜水艇（SP-10Hなど）100隻、掃海艇24隻、小型潜水艇母船８隻、調査船４隻を保有しているとみられる。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜北朝鮮海軍（２０１５年）＞：現役兵力60000名。新甫級潜水艦１隻、ロメオ級潜水艦20隻、サンオ級潜水艦30隻、サンオ�U級潜水艦２隻以上、潜水艇20隻（ユーゴ級、ヨンオ級など）、ナジン級フリゲート２隻（うち１隻は作戦状態にあるか不明）、ソホ級フリゲート１隻、オサ�T級ミサイル艇８隻、ソジュ級ミサイル艇10隻、サリウォン級哨戒艇４隻、トラル級哨戒艇１隻、ハイナン級哨戒艇６隻、テチョン�T級哨戒艇７隻、テチョン�U級哨戒艇５隻、黄蜂級ミサイル艇４隻、コマール級ミサイル艇６隻、ソフン級ミサイル艇６隻、ナンゴ級ミサイル艇１隻以上（作戦状態かは不明）、チョンジン級攻撃艇54隻、クソン／シンフン／改シンフン級攻撃艇142隻、シンポ級攻撃艇33隻、チャホ級哨戒艇59隻、チョンジュ級哨戒艇６隻、シャンハイ�U級哨戒艇13隻、SO-1級哨戒艇18隻、ユクト�T級掃海艇19隻、ユクト�U級掃海艇５隻、ハンテ級中型揚陸艦10隻、ナンポ級強襲艇96隻、LCM25隻、コンバン級LCAC136隻、兵站支援船23隻を保有する。沿岸防衛部隊はHY-1/KN-01地対艦ミサイル連隊２個で、122mm砲M-1931/37、152mm砲M-1937、130mm砲M-1992/SM-4-1、HY-1地対艦ミサイル、KN-01地対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜北朝鮮空軍＞：1984年、MiG-23戦闘機の配備を開始。1988年、MiG-29戦闘機とSu-25攻撃機の配備を開始。1996年5月26日、空軍パイロットがMiG-19戦闘機で韓国空軍水原基地に着陸して亡命した。1999年、キルギスタンからMiG-21bis戦闘機38機を購入した。2006年、イランから少数のKh-55巡航ミサイルを購入したとみられる。2010年8月18日、第60航空連隊MiG-21戦闘機１機が中国の遼寧省撫順に墜落した。ロシアに亡命する途中だったともいわれるが、詳細は不明である。金正日総書記が2011年5月に中国、8月に中国とロシアを訪問した際、新型戦闘機の導入を打診したが、安保理決議1718を理由に断られた。2014年5月10日、朝鮮人民軍空軍及び防空軍の飛行指揮要員による戦闘飛行技術競技会2014を実施。金正恩第１書記自ら指揮を執り、MiG-29戦闘機、MiG-23戦闘機、MiG-21PFM戦闘機、MiG-21bis戦闘機、殲撃７型�T戦闘機、Su-25攻撃機、An-2輸送機、初教６型練習機などが参加、「指揮要員が高度の戦技を掌握し、パイロットが天空の決死隊として最後の一兵まで戦い抜く決意を示した」とのことだが、内容はAn-2輸送機も含めて57mmロケット弾S-5を２発ずつ地面に撃つだけというパフォーマンスにもならない程度で（金正恩第１書記は満足したのだろうが）、年間平均飛行時間が10-15時間しか無くパイロットが足りなかったためか、朝鮮人民軍総参謀部副参謀長がMiG-21PFM戦闘機に乗っていた。2016年9月24-25日、初の航空ショーであるウォンサン・エアフェスティバルを実施。初日は戦闘機などによるデモフライト、２日目は地上展示やAn-2輸送機などによる体験飛行が行われた。観客は政府高官、大使館招待者100人、地元観客15000人、イギリスの旅行社ジュチ・トラベルサービスが募った外国人ツアー客200人である。参考：月刊航空ファン3,’11、10,’14、12,’16、月刊JWings1,’12、12,’16、6,’19

　＜北朝鮮空軍（１９６５年）＞：兵力２万名。500機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮空軍（１９７０年）＞：兵力３万名。700機（うち作戦機580機）を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮空軍（１９７５年）＞：兵力４万名。907機（うち作戦機590機）を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮空軍（１９７７年）＞：兵力45000名。Il-28爆撃機80機、Su-7戦闘機20機、MiG-15/MiG-17戦闘機300機、MiG-21戦闘機130機、MiG-19戦闘機100機、An-2/An-24/Il-14/Il-18/Tu-154輸送機225機、Mi-4ヘリ30機、Mi-8ヘリ20機、Yak-11/Yak-18練習機、MiG-15UTI/MiG-21UTI練習機、Il-28U練習機、S-75地対空ミサイル250基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮空軍（１９８０年）＞：MiG-23F/PF/M戦闘機120機、Su-7BM攻撃機30機、MiG-19戦闘機50機、MiG-17戦闘機250機、MiG-15bis戦闘機15機、Il-28爆撃機60機、An-24輸送機、An-2輸送機、Il-18輸送機４機、Il-12輸送機、Il-14M輸送機、Li-2G輸送機、Tu-154B輸送機、Mi-4ヘリ20機、Mi-8ヘリ20機、MiG-15UTI練習機、Il-28U練習機、Yak-11練習機、Yak-18練習機、BT-6練習機を保有する。参考：ザ・マーチ18号

　＜北朝鮮空軍（１９８９年）＞：兵力70000名。H-5爆撃機80機、J-5戦闘機100機、J-6戦闘機160機、J-7戦闘機40機、MiG-21戦闘機120機、MiG-23戦闘機46機、MiG-29戦闘機24機、Q-5攻撃機40機、Su-7攻撃機20機、Su-25攻撃機10機、ヒューズ500武装ヘリ60機、Mi-24攻撃ヘリ50機、Mi-14対潜ヘリ５機、An-24輸送機10機、Il-14輸送機５機、Il-18輸送機５機、Il-62M輸送機４機、Tu-134輸送機２機、Tu-154輸送機４機、Y-5輸送機250機、ヒューズ300Cヘリ１機、ヒューズ500Dヘリ20機、ヒューズ500Eヘリ６機、Z-5ヘリ40機、Mi-8/-17ヘリ70機、CJ-5練習機90機、CJ-6練習機30機、H-5練習機、L-39練習機16機、MiG-15UTI練習機50機、MiG-19U練習機、MiG-21U練習機10機、S-75地対空ミサイル72基、S-125地対空ミサイル32基、S-200地対空ミサイル72基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜北朝鮮空軍（１９９５年）＞：３個航空戦団司令部からなる。兵力84000名。戦術機850機、支援機500機、ヘリ290機を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

＜北朝鮮空軍（１９９６年）＞：改編が行われ、６個航空師団編制となった。うち３個は戦術機連隊、２個は輸送機連隊、１個は訓練部隊で編成されている。兵力88000名。戦術機840機、支援機510機、ヘリ290機を保有し、420機が前方配置されており、うち100機（MiG-17戦闘機80機とIl-28爆撃機20機）は非武装地帯近隣の基地に展開していて、MiG-17戦闘機によるソウル攻撃は10分、Il-28爆撃機による爆撃は６分で可能である。参考：月刊軍事研究3,’97

＜北朝鮮空軍（１９９８年）＞：戦闘機・爆撃機装備の３個師団、輸送機装備の２個師団、訓練部隊の１個師団、計６個航空師団からなる。MiG-23/MiG-29戦闘機60機、MiG-19戦闘機／MiG-21戦闘機／Il-18輸送機／Su-7攻撃機／Su-25攻撃機470機、MiG-15/MiG-17戦闘機320機以上、輸送機510機、ヘリ310機を保有する。航空基地は70ヵ所以上が用意されていて、30ヵ所以上に航空機が配備されており、作戦機は平壌及びそれより南の第一線に配備されていて、50%以上を韓国全土に対する奇襲攻撃に投入できる。参考：月刊軍事研究7,’99

＜北朝鮮空軍（２００７年）＞：价川（ケチョン）基地の第１航空戦闘師団（北朝鮮西部をカバー。轟炸５型爆撃機装備の第24航空連隊、MiG-19戦闘機・殲撃６型戦闘機・MiG-15UTI練習機・殲教５型練習機装備の第35航空連隊、MiG-29戦闘機・Su-25攻撃機装備の第55航空連隊、MiG-19戦闘機・殲撃６型戦闘機・MiG-15UTI練習機・殲教５型練習機装備の第57航空連隊、MiG-23戦闘機装備の第60航空連隊、MiG-21戦闘機装備の１個航空連隊、Mi-24攻撃ヘリ装備の１個ヘリコプター連隊、MD500D/Eヘリ装備の第216ヘリコプター連隊、偵察部隊）、徳山（トクサン）基地の第２航空戦闘師団（北朝鮮東部をカバー。第26航空連隊、MiG-21戦闘機装備の第56航空連隊、MiG-21戦闘機装備の第58航空連隊、轟炸５型爆撃機装備の１個航空連隊）、黄州（フワンジュ）基地の第３航空戦闘師団（北朝鮮南部と平壌をカバー。第11航空連隊、第203航空連隊、２個航空連隊）、テチョン基地の第５航空輸送師団（運輸５型輸送機・An-2輸送機装備の３個航空輸送連隊、エア・コリョ、Mi-2ヘリ装備の１個ヘリコプター連隊、Mi-4ヘリ・Mi-8ヘリ・Mi-17ヘリ・Mi-26ヘリ装備の１個ヘリコプター連隊）、スンドク基地の第６航空輸送師団（運輸５型輸送機・An-2輸送機装備の２個航空輸送連隊、運輸５型輸送機・An-2輸送機・Li-2輸送機装備の１個航空輸送連隊、Mi-2ヘリ・Mi-4ヘリ・Mi-8ヘリ装備の２個ヘリコプター連隊）、漁郎（オラン）基地の第８航空訓練師団（MiG-19戦闘機・殲撃６型戦闘機・MiG-15UTI練習機・殲教５型練習機装備の３個航空連隊、Yak-18練習機・初教６型練習機・PZL-104練習機装備の１個航空連隊、運輸５型輸送機・An-2輸送機装備の１個航空輸送連隊、Mi-2ヘリ装備の１個ヘリコプター連隊）からなる。参考：月刊航空ファン3,’11

＜北朝鮮空軍（２０１０年）＞：兵力11万名、保有機1600-1700機、地対空ミサイル3400発（うち予備1700発）、飛行場・ヘリポート106カ所、防空施設50カ所。経済の行き詰まりで燃料やパーツの調達に苦しんでいるとみられ、年間平均飛行時間は一人当たり15-25時間といわれている。殲撃６型戦闘機100機、MiG-21PF/PFM戦闘機120-130機、MiG-21bis戦闘機30機、MiG-23ML戦闘機45機、MiG-29/-29S戦闘機20-35機、殲撃５型戦闘機100-125機、強撃５型�TＡ攻撃機40機、Su-25攻撃機30-35機、轟炸５型爆撃機50-80機、運輸５型輸送機・An-2輸送機200-300機、An-24輸送機10-12機、Il-14輸送機3-5機、Il-18輸送機2-5機、Il-62M輸送機2-7機、Il-76MD輸送機３機、Tu-134輸送機2-5機、Tu-154輸送機4-7機、Tu-204-300輸送機５機、初教５／６型練習機85-100機、殲教５型練習機25機、殲教６型練習機２機、MiG-15UTI練習機30-35機、MiG-21U練習機5-30機、MiG-23UB練習機10機、MiG-29UB練習機５機、Su-25UBK練習機４機、轟教５型練習機１機、Mi-2ヘリ140機、Mi-4ヘリ50機、Mi-8ヘリ15-25機、Mi-24攻撃ヘリ20-25機、Mi-26ヘリ４機、MD-500ヘリ65-90機、D-5無人機、プチェラ1T無人機を配備している。防空部隊の装備は早期警戒／GCIレーダーがブラック・ネット、ビッグ・バック、ティン・シールド、早期警戒／目標捕捉レーダーがバック・トラップ、P-12スプーン・レスト、P-15フェイス・プレート、早期警戒レーダーがP-8ナイフ・レストＡ、P-10ナイフ・レストB/C、P-14トール・キング、P-15スクワット・アイ、P-35バーロックＡ、P-37バーロックＢ、目標捕捉レーダーがドッグ・イヤー、測高レーダーがオッド・ペア、PRV-11サイド・ネット、地対空ミサイルがS-75、S-125、S-200、2K12、高射機関砲が35mm高射機関砲、14.5mm対空機銃。参考：月刊航空ファン3,’11

＜北朝鮮空軍（２０１５年）＞：兵力110000名。第１航空戦師団、第２航空戦師団、第３航空戦師団がそれぞれ北部・東部・南部防空セクターを担当する。第８航空訓練師団は訓練の他、北西部防空セクターを担当する。国際線も空軍の管理下にある。年間飛行時間20時間。轟炸５型／Il-28連隊３個、MiG-15連隊１個、殲撃５型／MiG-17連隊６個、殲撃６型／MiG-19連隊４個、殲撃７型／MiG-21F-13/MiG-21PFM連隊５個、MiG-21bis連隊１個、MiG-23ML/MiG-23P連隊１個、MiG-29A/S/UB連隊１個、Su-25/Su-25UBK連隊１個、An-2/Y-5連隊数個（空軍狙撃兵旅団２個の後方侵入用）、An-24/Il-18/Il-62M/Tu-134/Tu-154連隊、CJ-6/FT-2/MiG-21U/MiG-21UM連隊数個、ヒューイ500D/E/Mi-8/Mi-17/Mi-26/Mi-2/Z-5連隊数個、地対空ミサイル旅団19個からなる。轟炸５型／Il-28爆撃機80機、MiG-15戦闘機、殲撃５型／MiG-17戦闘機107機、殲撃６型／MiG-19戦闘機100機、殲撃７型／MiG-21F-13/MiG-21PFM戦闘機120機、MiG-23ML戦闘機46機、MiG-23P戦闘機10機、MiG-29A/S/UB戦闘機18機以上、MiG-21bis戦闘機30機、Su-7戦闘機18機（全て保管中）、Su-25/Su-25UBK攻撃機34機、Il-76輸送機少数（国際線で運用中）、An-24輸送機６機、Tu-134輸送機２機、An-2/Y-5輸送機200機、Il-18要人輸送機２機、Il-62M要人輸送機２機、Tu-154要人輸送機４機、Tu-204-300要人輸送機１機、CJ-6練習機180機、FT-2練習機35機、MiG-21U/MiG-21UM練習機数機、ヒューイ500D/Eヘリ80機、Mi-26輸送ヘリ４機、Mi-8/Mi-17輸送ヘリ15機、Mi-4/Z-5輸送ヘリ48機、Mi-2軽輸送ヘリ139機、中型無人機数機、プチェラ１小型無人機（を保有しているという報告あり）、KN-06地対空ミサイル（実戦配備状態かは不明）、S-75地対空ミサイル179基以上、S-125地対空ミサイル133基、S-200地対空ミサイル38基、9K32/9K36/9K310携帯地対空ミサイル、Kh-23/Kh-25空対地ミサイル、R-3/R-23/R-24/R-27R/R-27ER/R-60/R-73空対空ミサイル、PL-5/PL-7空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜北朝鮮空軍（２０１７年）＞：兵力110000名、作戦機800機以上、輸送機300機以上、ヘリ300機を保有する（高麗航空保有機含む）。総司令部は平壌、防空戦闘群団司令部は中和基地（平壌南方）にあり、第１航空戦師団、第２航空戦師団、第３航空戦師団、第５輸送師団、第６輸送師団、第８航空訓練師団からなる。第１航空戦師団は平壌防空を主任務とし、司令部はケチョン基地にあり、第24航空連隊（Il-28爆撃機、MiG-21PFM戦闘機。義州基地）、第35航空連隊（殲撃６型戦闘機。ケチョン基地）、第36航空連隊（殲撃６型戦闘機。温泉基地）、第49航空連隊（MiG-17戦闘機、殲撃５型戦闘機、殲教５型練習機、MiG-21PFM戦闘機、Mi-2ヘリ。パンヒョン基地）、第55航空連隊（Su-25K攻撃機。順川基地）、第57航空連隊（MiG-29戦闘機、MiG-29S戦闘機、MiG-29UB練習機。順川基地）、第58航空連隊（MiG-23ML戦闘機、MiG-23UB練習機。北倉基地）、第60航空連隊（MiG-21bis戦闘機。北倉基地）、第64航空連隊（MD500ヘリ。北倉基地）、第65航空連隊（Mi-2ヘリ、Mi-8ヘリ、Mi-24ヘリ、Mi-26ヘリ。北倉基地）、輸送連隊（An-2輸送機、Y-5輸送機。郭山基地。第５輸送師団隷下説あり）を隷下に置く。第２航空戦師団は日本海防空や元山湾哨戒を主任務とし、司令部は徳山基地にあり、第71航空師団（MiG-21PFM戦闘機、殲撃７型戦闘機。クウムリ基地）、第46航空連隊（MiG-21PFM戦闘機、殲撃７型戦闘機。葛麻国際空港）、第56航空連隊（MiG-21PFM/bis戦闘機、MiG-21戦闘機、殲撃７型戦闘機。徳山基地）、第72航空連隊（MiG-21PFM戦闘機、殲撃７型戦闘機。黄水基地／黄水院空港）、戦闘機航空連隊（MiG-15戦闘機、MiG-15UTI練習機、MiG-17戦闘機、殲撃２型、殲撃５型戦闘機。利原基地）、第25航空連隊（轟炸５型爆撃機。長津邑基地）、第66航空連隊（Mi-14PL。葛麻国際空港）を隷下に置く。第３航空戦師団はDMZ/NLL周辺の防空や対水上戦を主任務とし、司令部は黄州基地にあり、第４航空連隊（MiG-17F戦闘機、MiG-21PFM戦闘機、殲撃５型戦闘機、Mi-2ヘリ。苔灘基地）、第32航空連隊（MiG-17F戦闘機、MiG-21PFM戦闘機、殲撃５型戦闘機、Mi-2ヘリ。漏川里基地）、第50航空連隊（MiG-21PFM戦闘機。黄州基地）、第11航空連隊（MiG-17戦闘機、殲撃５型戦闘機、JT-5型。クァイル基地、縣里基地）、第33航空連隊（MiG-17戦闘機、殲撃５型戦闘機。クァイル基地）、第86航空連隊（MiG-21戦闘機、殲撃６型戦闘機。谷山基地）、転換訓練飛行隊（MiG-21UM練習機。黄州基地）、第63航空連隊（Mi-24D攻撃ヘリ。Ayangni基地）を隷下に置く。第５輸送師団は平壌周辺の輸送機部隊で、司令部は泰川基地にあり、特別任務輸送航空団（VIP輸送部隊、順安国際空港。多発機は高麗航空が運用。他にMi-17要人輸送ヘリ２機が美林空港にあり）、輸送航空連隊（An-2輸送機、Y-5輸送機。泰川基地）を隷下に置く。第６輸送師団は東部と北東部を担当し、司令部は宣徳基地にあり、輸送航空連隊（An-2輸送機、Y-5輸送機。極洞基地）、ヘリコプター連隊（Mi-8、Mi-17、Mi-4、直升５型。高原基地）、ヘリコプター連隊（Mi-8、Mi-17、Mi-4、直升５型。Kanchon基地）を隷下に置く。第８航空訓練師団は漁郎基地にあり、訓練と北朝鮮北東部の航空作戦を主任務とし、第41航空連隊（MiG-15戦闘機、MiG-15UTI練習機、MiG-17戦闘機、殲撃２型戦闘機、殲教２型練習機、殲撃５型戦闘機。漁郎基地）、訓練航空連隊（MiG-15UTI練習機。三池淵空港）、空軍大学校（BT-6練習機。金策基地）、飛行士官学校（BT-6練習機。カヨングソンの未舗装滑走路飛行場）を隷下に置く。参考：月刊航空ファン8,’18

＜北朝鮮人民軍＞：トップは総書記で、その下に人民軍担当省、その下に防衛委員会、その下に陸軍、海軍、空軍がある。海兵隊は無いが、第８特殊軍団に両用戦軽歩兵旅団３個があるといわれる。軍の組織上は人民武力相がトップになっているが、これはほぼ名目上で、実際には総参謀部、総政治局、偵察総局が独立しており、事実上の軍のトップは総参謀長だが、最大の権力は政治警察役の総政治局が握っている。また、労働党組織指導部通報課、国家安全保衛部／国家保衛省、保衛司令部が思想などの監視にあたっている。主任務は、党と首領の保衛、社会主義祖国と人民のための献身的服務、共和国南半部の解放による祖国統一。ソ連の影響下で創設されており、1948年2月8日に３個師団兵力６万名で建軍を宣言し、編成、装備、訓練などは全てソ連式で行われた。ちなみに軍の創立記念日は金日成主席による抗日ゲリラ部隊結成が1932年4月25日ということで1978年から4月25日になっていたが、2018年に2月8日に戻した（平昌オリンピック開幕前日）。1949年にソ連軍は撤退したが、ソ連と秘密軍事協定を締結し、ソ連軍事顧問団3000名と朝鮮系ソ連軍人2500名により訓練を実施、T-34/85戦車１個旅団分242両の供与を受けるなどして一気に戦力を増大させた。また、1949年には中国人民解放軍の朝鮮人部隊である第106師団と第74師団が北朝鮮人民軍に送られて第５師団と第６師団に改編され、朝鮮戦争時には兵力22万名、11個師団、作戦機500機、警備艇30隻を揃えていた。朝鮮戦争では軍事援助に消極的なソ連に対して中国は義勇軍と朝鮮人部隊10000名（北朝鮮人民軍第７師団になった）を送り込んでおり（義勇軍完全撤退は1958年）、中国の影響も少なからず受けるようになったが、朝鮮戦争後に自主国防路線を打ち出している。1950年代に核開発を開始。エチオピア、ベトナム、中東から技術導入して生物兵器開発も開始した。1954年、総参謀部作戦局に化学部を設立。1960年代から化学生物剤の生産。1961年7月、中ソ対立を受けて等距離外交を迫られたため、中ソ両国と友好協力相互援助条約を締結した。1962年12月、党第４期第５回中央委員会総会で全人民武装化、全国土要塞化、全軍幹部化、全軍近代化からなる４大軍事化綱領を定め、中国民兵をモデルに労農赤衛隊を編成した。1964年、核技術供与、供与兵器決済、キューバ危機への対応などを巡ってソ連との対立が激化し、ソ連からの軍事援助が打ち切られた。1967年3月、優秀な下士官を選抜してゲリラ戦部隊の124軍部隊（6000名）を新編。1968年1月21日、青瓦台襲撃未遂事件。1月24日、プエブロ号拿捕事件。1969年4月14日、EC-121撃墜事件。1970年代半ばまで戦力増強を行ったが、以降は財政難により量的な増強ができなくなり、1970年代後半から機動戦主体の戦略に転換し、機械化と火力強化を進めた他、GNPの４分の１を軍事費に投入して長射程ミサイル開発、核開発、化学兵器の本格生産を行っている。1970年代、最近調査研究所を創設。1974年8月、文世光事件。1976年8月、ポプラ事件。1980年代、中央生物調査研究所と第25工場を設立し、生物兵器生産を開始。1981年、総参謀部作戦局化学部が核化学防衛局に昇格した。1983年2月1日、人民軍最高司令官命令第001号が発令され、準戦時態勢に入った。同日に開始されたチーム・スピリットへの対抗措置という名目だが、実際には金正日の体制固めらしい。5月16日、人民軍最高司令官命令第001号が解除された。1984年、金日成主席のソ連訪問で軍事援助が再開され、KGBの養成施設も設置されて1980年代後半まで稼動していたとされる。1988年、第４軍団に火星５号ミサイル連隊が編成された。1990年、ソ連が韓国と国交を結ぶと再び関係が悪化、核技術協力や軍事援助がストップした。1991年、ミサイル旅団が編成された。1993年3月8日、準戦時態勢を宣言。これもチーム・スピリット再開に対する措置を名目としていたが、１年半前に人民軍最高司令官となった金正日の体制固めだったようである。1995年、兵力104万名、予備戦力650万名。不穏な動きがあったとして第６軍団が解隊された。1996年、ソ朝友好協力相互援助条約が破棄された。12月12日、ミサイル発射燃料のパキスタンへの密売に関し、軍が直接関与していたことが明らかとなった。また、燃料の原産地が中国の西安であるとの記載があり、中国の協力も示唆された。1997年、兵役年齢が27歳から30歳に延長され、下級将校が兵舎に居住するようになった。1998年、総人口の25%以上、15-60歳の人口の30%にあたる655万名（戦闘員164万名、民間防衛力395万名、高校生の紅衛兵集団84万名、技術者グループ９万名）が予備役だった。12月11日から1999年4月、冬季演習を実施。2000年、露朝友好善隣条約（相互防衛義務は無い）が締結された。

2001年、露朝軍事技術協力協定が締結されたが、資金不足のためBTR-80装甲車32両が引き渡されただけだった。2006年10月9日、初の核実験を実施。2009年4月5日、テポドン２号を発射。5月、偵察総局が新設され、北朝鮮人民軍偵察局、朝鮮労働党作戦部（ドル紙幣偽造、麻薬密輸、武器輸出などを行う）、朝鮮労働党35号室が移管された。5月29日、２回目の核実験を実施。2009年現在、化学兵器生産工場８ヵ所と生物兵器生産工場10ヵ所以上を有していた。2012年、ミサイル指導局を戦略ロケット司令部に改編した。4月13日、テポドン２号改を発射。7月15日、労働党政治局会議でトップの李英鎬参謀総長が解任された。経済改革に反対したため、金正恩と後ろ盾の張成沢により粛正されたらしく、李参謀総長の身柄を拘束する際には護衛部隊との間で銃撃戦になり、李総参謀長を含む20名強が死亡したという説もあるが、真偽は不明。7月18日、第８軍団司令官の玄永哲が参謀総長に就任した。12月12日、テポドン２号改を発射。2013年2月12日、３回目の核実験を実施。2014年2-7月、弾道ミサイルやロケット弾計８種類250発以上を発射した。3月26日0230-0240、朝鮮半島西岸から弾道ミサイル２発を日本海に発射。両方とも600km以上飛翔して日本海上に落ちた。6月29日0500頃、元山から複数の弾道ミサイルを東に向け発射。最大で500km飛翔し、全て日本海に落ちた。7月9日0400-0420頃、北朝鮮南西部から複数の弾道ミサイルを北東に向け発射。最大で500km飛翔し、全て日本海に落ちた。7月13日0120-0130頃、開城付近から弾道ミサイル２発を北東に向け発射。どちらも500km飛翔し、日本海に落ちた。7月26日2135頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を北東に向け発射、500km飛翔して日本海に落ちた。2015年3月2日0630頃、北朝鮮西岸の南浦付近から弾道ミサイル１発を発射、500km飛翔して日本海上に落下した。0640頃、北朝鮮西岸の南浦付近から弾道ミサイル１発を発射、500km飛翔して日本海上に落下した。日本政府は北朝鮮に厳重抗議している。3月18日、粛川付近から短距離弾道ミサイル１発を発射、800km飛翔して日本海上に落下した。

2016年1月6日、４回目の核実験を実施。2月7日、テポドン２号改を発射。3月3日、KN-09ロケット弾６発を日本海に発射。3月10日0522と0527、スカッドＣ弾道ミサイル１発ずつを朝鮮半島西岸の南浦付近から東北東に発射。500km飛翔して日本海に落ちた。3月18日、ノドン２発を西海岸から日本海に向け発射。3月21日、KN-02弾道ミサイル５発を日本海に発射。3月29日、KN-09ロケット弾をウォンサンから内陸部に発射。4月1日、KN-06地対空ミサイルを日本海に向け発射。6月22日0803、BM25弾道ミサイルを元山国際空港（軍民共用）とみられる場所から発射し、高度1000km以上に達して400km先に落ちた。7月19日0544と0636、朝鮮半島西岸黄州付近から弾道ミサイル１発ずつを発射し、１発目は400km、２発目は500km飛んで日本海に落ちた。スカッドまたはノドンとみられ、日本政府は北朝鮮に厳重に抗議している。8月3日0753頃、朝鮮半島西岸の黄海南道殷栗付近からノドンを東北東に向け発射。1000km飛んで秋田沖250kmの日本のEEZ内に着弾した。中谷防衛大臣は深刻な懸念を表明し、日米韓防衛当局は局長級テレビ会議で北朝鮮を非難、情報共有で一致している。日本は海自艦艇、哨戒機、海上保安庁巡視艇などで付近海域を捜索したが、破片などは見つからず、8月5日0800に捜索を終了した。破壊措置命令を事前に出せず、TELから発射されると兆候を探知するのも難しいため、8月8日に防衛大臣が常時発令状態で破壊措置命令を下命している。9月5日1213頃、黄州から弾道ミサイル３発を発射、東北東に1000km飛んで北海道奥尻島西方200-250km（日本のEEZ内）の日本海に落下した。稲田防衛大臣が深刻な懸念を示している。射程からノドンの改良型とみられていたが、後に公開された映像にスカッド用８輪TELから発射される様子が移っており、スカッドERを一回り大きくした射程延伸型らしい。9月9日、５回目の核実験を実施。10月15日、BM-25とみられる弾道ミサイル１発を発射したが失敗。10月20日、BM-25とみられる弾道ミサイル１発を発射したが失敗。

2017年2月12日0755頃、北極星２号弾道ミサイル１発を西岸の平安北道亀城付近から発射。最大到達高度550kmで水平距離500km飛翔して日本海に落ちた。3月6日0734頃、東倉里付近からスカッドERとみられる弾道ミサイル４発を発射。1000kmほど飛翔して男鹿半島西300-500kmの日本海に落下し、うち３発が日本のEEZ内で、そのうち１発は能登半島200km沖とこれまでの弾道ミサイル発射の中で日本に一番近い位置だった。フォールイーグル2017に対抗し、戦時の在日米軍攻撃を想定したと発表している。3月22日0700頃、元山空港（元山空軍基地）西にある葛麻の海岸でBM-25とみられる弾道ミサイルを発射したが、数秒後に爆発した。発射地点から650mのところに直径110mの爆発痕跡ができたらしい。4月5日0642頃、東岸の新浦付近から弾道ミサイル１発を発射、高度180-190kmに達して発射９分後に60km先の日本海に落ちた。当初発射したのは北極星２号とみられていたが、実際にはスカッドERまたはKN-18だったようで、発射に失敗したらしい。4月16日0621、東岸の新浦付近からKN-18（北極星２号説あり）とみられる弾道ミサイル１発を発射したが、直後（発射4-5秒後らしい）に爆発した。4月28日、北倉飛行場から火星12号を発射したが、１分後に高度70km未満から水平距離39km北東に落下、徳川市の工業・農業施設に被害が出た。4月29日0530頃、北倉付近からKN-18とみられる弾道ミサイル１発を発射し、北東方向に50km飛翔（最大高度71km）して５分後に北朝鮮内陸部で空中爆発した。発射の報を受けて東京の地下鉄が運転を見合わせている。0720、防衛省が関係幹部会議を開催。0841、日本政府が国家安全保障会議を開催して対応を協議し、北京の大使館ルートで北朝鮮に厳重に抗議した。5月14日0528頃、西岸の亀城から火星12号とみられる弾道ミサイル１発を発射。距離800km・高度2000km以上飛翔し、30分後に日本海に落ちた。日本政府は0654頃から国家安全保障会議を開催して対応を協議し、北京の大使館ルートで北朝鮮に対して厳重に抗議している。5月21日1659頃、内陸部の北倉付近から北極星２号とみられる弾道ミサイル１発を発射。最大高度500kmで東に水平距離560km飛翔し、北朝鮮東岸から東350kmの日本海に落ちた。日本政府は1821頃から国家安全保障会議４大臣会合で対応を協議し、北朝鮮を強く非難した。5月29日0540頃、KN-18とみられる弾道ミサイル１発を元山付近から発射。最大高度100kmで東に水平距離400km飛翔した。北朝鮮は誤差7mで着弾して対艦攻撃にも使えると発表したが、どうやって誤差を観測したかを含め本当かは不明である。6月8日0618頃、元山一帯から日本海側に地対艦ミサイル数発を発射。高度2000mを飛翔して200km先の日本海に落ちた。7月4日0939頃、西岸の亀城付近から火星14号とみられる弾道ミサイル１発を東に発射。39分間飛翔して最大高度2500km以上（北朝鮮発表で2802km）に達し、水平距離933km飛んで日本海の日本のEEZ内に落下した。日本政府は1033頃から国家安全保障会議で対応を協議し、北朝鮮を非難。韓国軍と在韓米軍はこれに対抗して7月5日に玄武２とATACMSによる合同発射演習を行い、韓国東海岸から発射して韓国領海内に着弾させた。これにより米韓ミサイル部隊の練度、連携、縦深攻撃能力、即応性、全天候性を確認・誇示したとしている。7月28日2342頃、内陸部の舞坪里付近から火星14号とみられる弾道ミサイル１発を発射、45分間飛翔して最大高度3725kmに達し、水平距離998km飛んで積丹半島西200km・奥尻島北西150kmの日本海（日本のEEZ内）に落ちた。日本政府は7月29日0044から国家安全保障会議を開催している。8月5日、火星14号発射に対して国連安保理が安保理決議2371号を可決し、制裁を強化した。8月26日0700頃、東部の旗対嶺から短距離弾道ミサイル３発を発射。２発目は水平距離250km飛翔して北朝鮮EEZ内で爆発し、１発目と３発目は発射直後に爆発するなどして失敗した。8月29日0558頃、西岸の順安から火星12号とみられる弾道ミサイル１発を発射。水平飛翔距離2700km、最高到達高度550kmで、北海道南部上空を通過して襟裳岬東1180kmの太平洋に落ちた。安倍総理はトランプ大統領と緊急電話会談を行い北朝鮮への圧力強化で一致、安倍総理と小野寺防衛大臣は北朝鮮を強く非難している。9月3日、６回目の核実験を実施。9月15日0657頃、西岸の順安から火星12号とみられる弾道ミサイル１発を東北東に発射。0704-06に北海道渡島半島と襟裳岬の上空を通過し、0716頃に襟裳岬東2200kmの太平洋に落下した。防衛省では水平飛翔距離3700km、最高到達高度800kmと推定している。日本政府は0800頃から国家安全保障会議４大臣会合を開催して対応を協議し、北京の大使館ルートで北朝鮮に厳重な抗議を行った。11月13日、板門店近くに配備されていた部隊の下士官が車両で軍事境界線を越え、北朝鮮警備隊から射撃を受けて負傷したものの、韓国側への脱出に成功した。阻止できなかった北朝鮮警備隊隊員は全員交代させられたらしい。11月29日0318頃、火星15号を発射。水平飛翔距離950km、最高到達高度4475kmで、青森県西方沖250kmの日本海（日本のEEZ内）に落下した。0320、安倍総理が関係閣僚に万全の態勢を指示し、小野寺防衛大臣が防衛省で関係幹部会議を開催。0610、日本政府が国家安全保障会議４大臣会合を開催し、北京の大使館ルートで北朝鮮へ厳重な抗議を行った。0730過ぎ、日米首脳が電話会談で北朝鮮への最大限の圧力を確認した。

2019年5月4日0906-0927、短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体２発を元山付近から北東に発射し、70-200km飛んで日本海に落ちた。北朝鮮は戦術誘導兵器と称しているが、防衛省ではイスカンデル系統とみている。5月9日1629頃と1649頃、短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を亀城付近から東に発射し、１発目は420km、２発目は270km飛翔して両方とも日本海に落ちた。防衛省ではイスカンデル系統とみており、同日にソウルで開かれた日米韓防衛実務者協議（防衛省防衛政策局次長、アメリカ国防次官補、韓国国防省国防政策室長が参加）で、緊密な連携、飛翔体発射への警戒、瀬取り撲滅を含む対北朝鮮制裁の完全な履行及び厳格な執行に向けた国際社会との協同で一致し、共同声明を発表している。7月25日0534頃と0557頃、新型短距離弾道ミサイル１発ずつを元山付近から日本海に向けて発射。１発目は430km、２発目は690km飛翔し（どちらも最大到達高度50km）、日本海に落ちた。迎撃回避のための大気圏内巡航・終末段階ポップアップ機動から、防衛省ではイスカンデル系統とみている。7月31日0506頃と0527頃、元山付近から短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体１発ずつを北東に向け発射。どちらも250km飛翔（最大到達行動30km）して日本海に落ちた。8月2日0259頃と0323頃、東部の永興付近から短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射。発射総数は不明だが、最大速度マッハ6.9、飛翔距離220km、最大到達高度25kmで、日本海に落ちた。8月6日未明、南西部の黄海南道付近から短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体２発を日本海に発射。防衛省ではイスカンデル系統とみている。8月10日早朝、東部の咸興付近から短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体２発を発射し、最大速度マッハ6.1以上、飛翔距離400km、最大到達高度48kmで日本海に落ちた。防衛省ではATACMSに類似した新型短距離弾道ミサイルらしいとしている。8月16日0801頃と0816頃、東部の通川付近から短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体１発ずつを発射。最大速度マッハ6.1以上、飛翔距離230km、最大到達高度30kmで日本海に落ちた。防衛省ではATACMSに類似した新型短距離弾道ミサイルらしいとしている。8月24日0644頃と0701頃、東部の宣徳付近から短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体１発ずつを発射。最大速度マッハ6.5以上、飛翔距離400km（１発目）／350km（２発目）、最大到達高度97kmで日本海に落ちた。防衛省ではイスカンデル系統とは別の新型短距離弾道ミサイルとみている。9月10日0653頃と0712頃、西部ケチョン付近から短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を１発ずつ発射。330km飛翔して日本海に落ちた。防衛省では8月24日の新型短距離弾道ミサイルと同系統とみている。10月2日0710頃、北朝鮮東岸の元山付近から弾道ミサイル２発を東に向け発射。防衛省は１発が0717頃に北朝鮮東方沖の日本のEEZ外に落下、もう１発が最大高度900kmに達して水平距離450km先の島根県隠岐諸島島後沖350km（日本のEEZ内）に0727頃に落下したと発表した。韓国軍は最大高度910km・水平飛翔距離450kmのロフテッド弾道とする韓国海軍イージス駆逐艦の探知情報を発表。ニューズウィーク誌はアメリカ政府高官の見解として海上プラットフォームからSLBMを発射したとの報道を行っている。10月3日、防衛省が臨時の記者会見を開き、前日の弾道ミサイルが新型の固体燃料推進SLBM（射程2500km級）で、１発のミサイルが２つに分離して落下した可能性があると発表した。北朝鮮は北極星３型SLBMの試射に成功したと発表している。10月31日1635頃、西部の順川から短距離弾道ミサイル２発を発射。最大高度100kmで350-400km飛翔して日本のEEZ外の日本海に落下した。日本政府は国家安全保障会議、防衛省は防衛相以下関係幹部会議を開催し、北朝鮮に外交ルートで厳重に抗議している。防衛省では8月24日・9月10日に発射されたのと同系統の固体燃料推進短距離弾道ミサイルを３分間隔で発射したとみている。11月28日1658頃、東岸の連浦付近から弾道ミサイル２発を東に向け発射。高度100kmに達して水平距離380kmを飛翔し、日本のEEZ外の日本海に落下した。防衛省では8月24日・9月10日・10月31日に発射されたのと同系統の固体燃料推進短距離弾道ミサイルで、発射間隔が１分未満であり連射による飽和攻撃能力向上を狙ったとみている。

2020年3月2日1237頃、東岸の元山付近から短距離弾道ミサイル２発（発射間隔１分未満でロケット弾の可能性もあり）とみられる飛翔体を北東方向に発射。水平距離240km・最大高度35km飛翔して日本のEEZ外の日本海に落ちた。3月9日0734-0735、東岸の宣徳付近から短距離弾道ミサイル（ロケット弾も合わせて発射した可能性もあり）少なくとも２発とみられる飛翔体を北東に向け発射。高度50kmと低高度で200km飛翔し、0736-39分頃に日本のEEZ外の日本海に落ちた。3月21日0645-0650、西岸の平安北道宣川付近から短距離弾道ミサイル少なくとも２発を東に向け発射。スカッドよりも低高度（韓国軍発表50km）を300-400km飛翔し、0650-0655に北朝鮮北部沿岸付近に落下した。3月29日0610頃、東岸の元山付近から短距離弾道ミサイル２発を北東方向に発射。スカッドよりも低高度（韓国軍発表30km）を最大250km飛翔し、0613頃に北朝鮮北部沿岸付近に落下した。

2021年1月、金正恩労働党委員長が党大会でICBM開発の意思とIRBMの量産を表明した。韓国のみをIRBMで攻撃し、アメリカには直接手を出さずICBMで牽制して介入を防ぐ狙い（デカップリング戦略）とみられる。3月25日0704頃と0723頃、東岸の宣徳から弾道ミサイル１発ずつを東に向け発射。どちらもスカッドより低い高度100km未満を450km飛翔し、日本のEEZ外に落下した。日本政府は安保理決議違反と強く非難し、外交ルートで北朝鮮に厳重な抗議を行っている。夜には防衛政策局長とアメリカ国防次官補代行（インド太平洋安全保障担当）が電話会談し、日米韓の緊密な連携などを確認した。9月15日1232頃と1237頃、内陸部の平安南道陽徳郡から弾道ミサイル（防衛省区分短距離弾道ミサイルＡ、北朝鮮呼称新型戦術誘導兵器）を東に発射。どちらもスカッドより低い最大高度50kmを変則機動で750km飛翔し、日本のEEZ内（能登半島沖舳倉島北300km）の日本海に落下した。北朝鮮メディアは鉄道機動ミサイル連隊訓練と発表している。9月28日0638頃、内陸部から弾道ミサイル１発を東に発射。翌日に北朝鮮メディアは火星８号極超音速ミサイルの初試射と報じている。日本政府は北朝鮮に厳重に抗議し、10月1日に日米韓防衛当局局長級（防衛政策局長、アメリカ国防次官補、韓国国防政策室長）電話会談を開いて核・ミサイル問題や安全保障協力強化を話し合った。10月19日1015頃、東部新浦付近から新型SLBMとみられる弾道ミサイル１発を東方向に発射し、変則機動で最大50km・水平600km飛翔、日本のEEZ外の日本海上に落下した。防衛省は当初２発を発射して１発にSLBMの可能性があると発表したが、詳細な分析の結果、発射されたのは新型SLBM１発で、一旦下降してから操舵翼により再度機動して上昇する変則軌道を取っており、もう１発はレーダーが宇宙にある物体をミサイルの航跡と間違えたものであることが判明している。

2022年1月5日0807頃、北朝鮮内陸部から弾道ミサイルの可能性があるものを東に向け発射し、高度50km程度を飛翔して500km先の日本海（日本のEEZ外）に落下した。朝鮮中央通信は極超音速ミサイル発射実験で700km先の標的に命中したと発表したが、本当かは不明。日米両政府は1月7日の日米安全保障協議委員会で極超音速兵器対処の共同研究を進める方針としている。1月11日0725頃、北朝鮮内陸部から、弾道ミサイルの可能性があるもの１発を東に発射し、高度40kmをマッハ10で変速機動を取りつつ飛翔、700km未満先の日本海（日本のEEZ外）に落下した。1月14日1450頃、北朝鮮北西部から短距離弾道ミサイル２発を東に向け発射し、最高高度50km・飛翔距離400kmで北朝鮮東岸付近に落ちた。1月17日0849頃と0852頃、固体燃料ロケット推進短距離弾道ミサイル１発ずつを北朝鮮西部から東に向け発射し、最高高度50km・飛翔距離300kmで北朝鮮東岸付近に落ちた。1月30日0752頃、火星12型とみられる弾道ミサイル１発を内陸部から東方向に発射し、最高高度2000km・飛翔距離800kmのロフテッド軌道で日本海に落ちた。2月27日0751頃、平壌近郊から弾道ミサイル１発を東に発射。最高高度600km・飛翔距離300kmで北朝鮮東岸付近に落ちた。北朝鮮は偵察衛星開発の重要試験を行ったと発表している。3月5日0847、平壌近郊から弾道ミサイル１発を東に発射。最高高度550km・飛翔距離300kmで北朝鮮東岸付近に落ちた。北朝鮮は偵察衛星開発の重要試験を行ったと発表している。3月11日、岸防衛大臣が記者会見で、2月27日及び3月5日に発射された弾道ミサイルは2020年10月の軍事パレードで初確認されたICBMとみられ、最大射程での発射試験前に何らかの機能検証を行った可能性がある、と述べた。3月24日1433頃、朝鮮半島西岸付近から弾道ミサイル１発を東方向に発射し、1544頃、北海道渡島半島西150kmの日本海（日本のEEZ内）に落ちた。飛翔距離1100km、最大到達高度6000km超で、単純計算だと射程15000km以上のICBM級とみられ、空自第２航空団F-15戦闘機と海自第２航空群P-3C哨戒機がスクランブル発進し、F-15戦闘機が空中で弾道ミサイル関連物体を確認、動画撮影している。4月16日1800頃、東部の咸興付近から日本海に向け飛翔体２発を発射。新型戦術誘導兵器の発射実験に成功したと発表した。5月4日1200過ぎ、弾道ミサイル１発を発射。最高高度800kmで500km先に落ちた。5月7日1400過ぎ、SLBMと推定される１発を発射。変則軌道を取り、最高高度50kmで600km先に落ちた。5月12日1828頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル３発を東に発射。最高高度100kmで350km先の日本海に落ちた。5月25日0559頃、西岸付近から弾道ミサイル１発を東に発射。最大高度550kmで300km先に落ちた。0642頃、西岸付近から弾道ミサイル１発を東に発射。最大高度50kmで、変則軌道を取りつつ750km飛翔した。6月5日0908-0943頃、短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体８発を４カ所から発射した。これに対抗し、6月6日0445頃、韓国軍がATACMS地対地ミサイル７発、在韓米軍がATACMS地対地ミサイル１発を発射。インド太平洋軍は海自DDG-178あしがら及び空自PAC-3との弾道ミサイル対処演習を実施し、6月7日には韓国空軍F-35A戦闘機・F-15K戦闘機計16機と在艦米空軍F-16C戦闘機４機が黄海上空で共同訓練を行っている。11月2日、米韓空軍合同演習ヴィジラント・ストームに対抗してミサイル20発以上を発射し、１発が北方限界線NLLの南側に着弾した。11月3日、火星17号ICBMとみられる弾道ミサイルを発射したが、1900km飛翔して空中爆発した。他に短距離ミサイル２発を日本海に発射し、夜には短距離ミサイル３発と砲弾80発を日本海に発射している。11月4日1100-1500頃、DMZ北側50km以遠や日本海・黄海の上空で、軍用機延べ180機を飛行させた。米韓合同空軍演習ヴィジラント・ストームに対抗したとみられ、韓国空軍はF-35A戦闘機含む延べ80機をスクランブル発進させると共に、ヴィジラント・ストームの訓練期間を１日延長している。11月5日、短距離弾道ミサイル４発を黄海に向けて発射した。

2023年2月18日1721頃、平壌近郊からICBM級ミサイル１発を東に発射。飛翔距離900km・最大到達高度5700km・飛翔時間66分で、1827頃に北海道渡島大島西200kmの日本海（日本の排他的経済水域内）に落ちた。2月20日0659頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル１発を発射。飛翔距離400km・最大到達高度100kmで、朝鮮半島東の日本海に落ちた。0710頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル１発を発射。飛翔距離350km・最大到達高度50kmで、朝鮮半島東の日本海に落ちた。3月16日0709頃、平壌近郊からICBM級ミサイル１発を東に発射。飛翔距離1000km・最大到達高度6000km以上・飛翔時間70分で、0819頃に北海道渡島大島西200kmの日本海（日本の排他的経済水域外）に落下した。3月19日1105頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を東に向け発射。飛翔距離800km・最大到達高度50kmで、朝鮮半島東の日本海に落ちた。3月27日0747頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を北東に向け発射。飛翔距離350km・最大到達高度50kmで、朝鮮半島東岸付近に落ちた。0757頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を北東に向け発射。飛翔距離350km・最大到達高度50kmで、朝鮮半島東岸付近に落ちた。4月13日0722頃、平壌付近からICBM級弾道ミサイル（固体燃料３段式）１発を東に発射し、1000km程度飛翔して日本海に落ちた。飛翔中に分離した物体が日本に落下すると予測されたが、後に落下の可能性は無いと確認されている。4月19日、軍事偵察衛星１号機が完成したと発表し、計画期間内に打ち上げると発表した。これを受け、防衛大臣が弾道ミサイル等に対する破壊措置の準備に関する自衛隊一般命令を発出している。5月29日、偵察衛星発射予定日時と危険区域設定を通報した。これを受け、防衛大臣が弾道ミサイル等に対する破壊措置の実施に関する自衛隊行動命令を発出している。5月31日0628頃、北朝鮮西岸東倉里から偵察衛星を積んだとされるロケットを南に発射したが、0635に黄海上空で消失した。衛星の投射には失敗したとみられる。日本の領域に落下または上空を通過する可能性があり、0630に総務省がＪアラートで避難を呼びかけたが、機影消失を受けて0704に解除し、航空機や船舶の被害報告も無かった。国家安全保障会議で協議を行い、日本政府は北朝鮮に厳重な抗議と強い非難を実施している。6月15日1924頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル１発を東に発射。飛翔距離850km・最高高度50kmで1935頃に石川県舳倉島北北西250kmの日本EEZ内に落ちた。1936頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル１発を東に発射。飛翔距離900km・最高高度50kmで1947頃に石川県舳倉島北北西250kmの日本EEZ内に落ちた。7月12日0959頃、平壌近郊からICBM級弾道ミサイル１発を東に向けて発射。飛翔距離1000km・最高高度6000km超で奥尻島西250kmの日本EEZ外に落ちた。7月19日0329頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル１発を東に向け発射。飛翔距離550km・最高高度50kmで朝鮮半島東の日本海に落ちた。0345頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル１発を東に向け発射。飛翔距離600km・最高高度50kmで朝鮮半島東の日本海に落ちた。7月24日2354頃、北朝鮮内陸部から弾道ミサイル１発を東に向け発射。飛翔距離350km・最高高度100kmで朝鮮半島東の日本海に落ちた。2359頃、北朝鮮内陸部から弾道ミサイル１発を東に向け発射。飛翔距離400km・最高高度100kmで朝鮮半島東の日本海に落ちた。8月24日0351頃、北西部沿岸東倉里から衛星を積んだとみられるロケットを発射。ロケットは複数に分離し、１つが0358頃に朝鮮半島西300kmの黄海上に落ち、残りは0400頃に沖縄本島と宮古島の間を通過し、0405頃にフィリピン東600kmの太平洋上に落下した。地球周回軌道に衛星は無く、打ち上げに失敗したとみられる。日本政府は発射・通過情報をＪアラートで伝達すると共に、付近の航空機・船舶に情報提供を行い、0540頃から国家安全保障会議を開いて対応を協議した。8月30日2338頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を北東に向け発射。飛翔距離350km・最高高度50kmで朝鮮半島東岸付近に落ちた。2346頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を北東に向け発射。飛翔距離400km・最高高度50kmで朝鮮半島東岸付近に落ちた。9月13日1141頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を東に向け発射。飛翔距離350km（通常弾道だった場合）・最高高度50kmで朝鮮半島東の日本海に落ちた。1151頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル１発を東に向け発射。飛翔距離650km・最高高度50kmで朝鮮半島東の日本海に落ちた。11月21日2243頃、北朝鮮北西部の東倉里から衛星打ち上げロケットを発射。2250頃に分離した１つが朝鮮半島西350kmの東シナ海に落下し、残りは2255頃に沖縄本島と宮古島の間を通過、2257頃に沖ノ鳥島南西1200kmの太平洋上に落ちた。日本政府は発射・通過情報をＪアラート等で伝達し、付近を航行する航空機や船舶への情報提供を実施、被害は確認されていない。また、11月22日0015から国家安全保障会議を開催し、北朝鮮に対し厳重な抗議と非難を行った。12月17日2237頃、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル１発を東に発射。飛翔距離400km・最高高度50kmで朝鮮半島東側の日本海に落ちた。12月18日0824頃、平壌近郊からICBM級弾道ミサイル１発を北東に発射。飛翔距離1000km・最高高度6000km超で、北海道奥尻島北西250kmの日本海（日本の排他的経済水域外）に落ちた。

2024年1月14日1453頃、内陸部から弾道ミサイル１発を北東に発射。最高高度50km以上で500km以上飛翔し、朝鮮半島東岸付近の日本海に落ちた。

参考：月刊軍事研究8,’12、9,’12、3,’97、7,’99、3,’99、8,’09、10,’10、8,’13、6,’14、3,’15、10,’16、1,’17、6,’17、7,’17、9,’17、10,’17、11,’17、12,’17、1,’18、2,’18、5,’18、軍事力バランス78年版、月刊丸12,’90、2,’07、12,’11、月刊JWings10,’12、3,’18、9,’16、10,’16、7,’17、10,’17、12,’17、12,’19、2,’20、5,’20、6,’20、6,'21、12,'21、6,'22、8,'22、1,'23、5,'23、6,'23、8,'23、11,'23、2,'23、月刊航空ファン6,’16、10,’16、11,’16、5,’17、6,’17、11,’17、月刊世界の艦船11,’16、4,’17、5,’17、7,’17、8,’17、9,’17、7,’19、10,’19、11,’19、1,’20、5,'20、3,'22、月刊航空情報9,’17、朝雲、防衛省ホームページ

　＜北朝鮮人民軍（１９８９年）＞：兵力104万名、予備役54万名、12時間以内に動員可能な民兵（労農赤衛隊など）500万名。マダガスカルに100名、モザンビークに10名など、アフリカ10カ国に軍事顧問を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜北朝鮮人民軍（２０１５年）＞：現役総兵力1190000名（陸軍1020000名、海軍60000名、空軍110000名）、予備役600000名、準軍事組織現役189000名、予備役5700000名（保安軍189000名、労農赤衛隊5700000名）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜北朝鮮陸軍＞：1949年、国共内戦終結で参戦していた義勇隊などが帰国したため、この兵力で第５・第６・第７師団を創設し、更に第1-4師団に１個連隊ずつ編入した。1969年、ソ連からフロッグ地対地ミサイルを導入した。この際、スカッド地対地ミサイル用TELが12-15両ほど引き渡されたようだが、ミサイル本体は渡されていない。参考：月刊丸12,’11、月刊軍事研究7,’13

　＜北朝鮮陸軍（１９６５年）＞：兵力325000名。戦車600両、火砲1300門を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮陸軍（１９７０年）＞：兵力37万名。戦車900両を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮陸軍（１９７５年）＞：兵力41万名。戦車1130両、火砲3200門、地対空ミサイル180基、地対地ミサイル12基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮陸軍（１９７７年）＞：兵力43万名。戦車師団２個、自動車化歩兵師団３個、歩兵師団20個、偵察旅団３個、独立歩兵／軽歩兵旅団12個、高射砲旅団３個、独立戦車連隊５個、空挺大隊５個、地対地ミサイル連隊３個、砲兵連隊20個、高射砲連隊10個からなる。T-34/85中戦車350両、T-54/T-55/59式戦車1400両、PT-76軽戦車150両、T-62戦車50両、BTR-40/BTR-50/BTR-152/M1967装甲兵員輸送車750両、砲／榴弾砲3000門、ロケット砲1200門、120mm/160mm迫撃砲9000門、82mm無反動砲1500門、57-100mm対戦車砲、フロッグ５／７地対地ミサイル24基、ZSU-57-2自走高射砲／37mm高射機関砲／57mm/85mm/100mm高射砲5000門を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜北朝鮮陸軍（１９８９年）＞：兵力93万名、予備役50万名。機甲軍団１個、機械化軍団４個、歩兵軍団１個、諸兵科軍団８個、砲兵軍団１個、歩兵・自動車化歩兵師団31個、機甲旅団15個、自動車化歩兵旅団20個、独立歩兵旅団４個、特殊部隊軍団１個、特殊部隊旅団25個、偵察局特殊部隊、防空砲兵師団２個、予備役歩兵師団26個からなる。T-34/85戦車200両、T-54/-55戦車1600両、T-62戦車1200両、59式戦車175両、63式軽戦車300両、62式軽戦車50両、M-1985軽戦車、BA-64偵察車140両、BMP-1/-2歩兵戦闘車200両、BTR-40/BTR-50/BTR-60/BTR-152装甲兵員輸送車1600両、YW531装甲兵員輸送車、M-1973装甲兵員輸送車、牽引砲1900門（76mm砲M-1942、85mm砲D-44/SD-44、100mm砲M-1944、122mm砲A-19/D-74/D-30、54式122mm砲、60式122mm砲、130mm砲M-46、59式130mm砲、152mm砲M-1937/M-1943/M-1938/D-20）、自走砲2800両（122mm自走砲M-1977/M-1981/M-1985、130mm自走砲M-1975、152mm自走砲M-1974、180mm自走砲M-1978）、多連装ロケットランチャー2500基（63式107mmロケットランチャー、BM-21、BM-11、63式130mmロケットランチャー、BMD-20、BM-24）、82mm迫撃砲M-37を11000門、120mm迫撃砲M-43、フロッグ３／５／７地対地ミサイル54基、スカッドＢ弾道ミサイル、3M6/9M14対戦車ミサイル、52式75mm無反動砲、82mm無反動砲B-10を1500門、107mm無反動砲B-11を1000門、37mm対戦車砲M-1939、57mm対戦車砲M-1943、85mm対戦車砲D-48、SU-76/SU-100自走砲800門、高射砲8000基（14.5mm対空機銃ZPU-2/ZPU-4、23mm高射機関砲ZU-23、55式37mm高射機関砲、37mm高射砲M-1939、57mm自走高射機関砲ZSU-57-2、57mm高射機関砲S-60、59式57mm高射機関砲、85mm高射砲KS-12、100mm高射砲KS-19）、HN-5A地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜北朝鮮陸軍（１９９５年）＞：19個軍団からなる。兵力91万名。戦車3800両、装甲車2600両、野砲10850門を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

＜北朝鮮陸軍（１９９６年）＞：12個歩兵軍団、４個機械化軍団、２個砲兵軍団、１個戦車軍団、平壌防衛司令部の20個軍団及び戦車教導指導局、砲兵司令部、軽歩教導指導局（特殊部隊を統括）からなる。うち平壌・元山ラインよりも南に10個軍団、東部戦線に第１軍団、中東部戦線に第５軍団、中西部戦線に第２軍団、西部戦線に第４軍団、中部平壌地域に４個軍団及び平壌防衛司令部、後方地域に４個軍団を配置する。兵力92万名。戦車3800両、装甲車2800両、野砲11000門を保有する。前年に比べて野砲は170mm自走砲を50門、240mmなど大口径ロケット砲を100門増強しており、長射程砲を中心に配備を進めている。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜北朝鮮陸軍（１９９８年）＞：一般軍団12個、機械化軍団４個、戦車軍団、砲兵軍団２個、平壌防衛軍団の計20個軍団からなる。主要戦闘部隊は60個歩兵師団・旅団、25個機械化歩兵旅団、14個戦車旅団、24個特殊作戦旅団、30個砲兵旅団の計153個。これらのうち10個軍団が平壌−元山以南に配置されており、工兵部隊が水陸両用車660両と浮橋2200セット以上を装備して渡河作戦に備え、特殊部隊10万名が奇襲攻撃のため待機しており、非武装地域に侵攻用トンネル20本以上を掘っているとみられる。主要装備はT-34/T-54/T-55/59式戦車計3000両強、T-62戦車／軽戦車700両強の計3800両、BTR/M1973装甲車2270両、各種火砲8400門以上（170mmが350門以上）、各種多連装ロケット2800基（240mmが250基以上）、高射機関砲12500門、S-75/S-125/S-200地対空ミサイル発射機330基など。参考：月刊軍事研究7,’99

　＜北朝鮮陸軍（２０１２年）＞：兵力100万名。T-54/T-55戦車2700両、天馬１号／２号／３号／４号／暴風号戦車800両、PT-76／62式／63式／82式軽戦車560両、BMP-1歩兵戦闘車／BTR-50／BTR-60PB／BTR-80／63式／VTT-323装甲兵員輸送車／K-61水陸両用装軌式輸送車2300両、自走砲4400門、牽引砲3500門、多連装ロケットランチャー2500両、フロッグ７短距離ロケット数十基、S-75／S-125地対空ミサイル、ZSU-57-2／ZSU-23-4／M1990／M1992自走高射機関砲、52Ｋ／KS-12高射砲、S-60／M1939／ZU-23-2高射機関砲、14.5mm対空機銃ZPU-1/ZPU-2/ZPU-4などを保有している。参考：月刊PANZER9,’12

　＜北朝鮮陸軍（２０１５年）＞：現役兵力1020000名、予備役600000名。機械化軍団司令部２個、歩兵軍団司令部９個、首都防衛軍団司令部１個、機甲師団１個、機甲旅団15個、機械化師団４個、歩兵師団27個、歩兵旅団14個、砲兵師団１個、砲兵旅団21個、多連装ロケット旅団９個、スカッド旅団１個、フロッグ７旅団１個、渡河・水陸両用工兵連隊5-8個、渡河工兵旅団１個、特殊作戦コマンド（兵力88000名。偵察総局特殊作戦旅団８個、偵察大隊17個、軽歩兵旅団９個、狙撃兵旅団６個、空挺旅団３個、空挺大隊１個、空挺狙撃兵旅団２個、水陸両用狙撃兵旅団２個）、予備役歩兵師団40個、予備役砲兵旅団18個からなる。T-34/T-54/T-55/T-62/59式／天馬号／暴風号戦車3500両以上、PT-76軽戦車560両、M-1985軽戦車、BTR-80A歩兵戦闘車32両、BTR-50装甲兵員輸送車、531式／63式装甲兵員輸送車、VTT-323装甲兵員輸送車、BTR-40/BTR-60/M-1992/BTR-152/M-2010（６×６）／M-2010（８×８）装甲兵員輸送車2500両、自走砲・牽引砲8500門（122mm自走砲M-1977/M-1981/M-1985/M-1991、130mm自走砲M-1975/M-1981/M-1991、152mm自走砲M-1974/M-1977、170mm自走砲M-1978/M-1989、122mm砲D-30/D-74/A-19、130mm砲M-46、152mm砲M-1937/M-1938/M-1943）、120mm迫撃榴弾砲（を保有しているという報告あり）、多連装ロケット砲5100両（63式107mm多連装ロケット、122mm多連装ロケットBM-11/M-1977/BM-21/M-1985/M-1992/M-1993、200mm多連装ロケットBMD-20、240mm多連装ロケットBM-24/M-1985/M-1989/M-1991、300mm多連装ロケット）、迫撃砲7500門（82mm迫撃砲M-37、120mm迫撃砲M-43、160mm迫撃砲M-43）、9K11自走対戦車ミサイル、2K15/9K111/9K113対戦車ミサイル、82mm無反動砲B-10を1700門、9K35自走地対空ミサイル、9K310/9K32携帯地対空ミサイル、14.5mm自走対空機銃M-1984、23mm自走対空機関砲M-1992、37mm自走対空機関砲M-1992、57mm自走対空砲M-1985、牽引高射砲11000門（14.5mm対空機銃ZPU-1/ZPU-2/ZPU-4、23mm高射機関砲ZU-23、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射砲S-60、85mm高射砲M-1939(KS-12)、100mm高射砲KS-19、KN-08ICBM６基（実戦配備状態という報告あり）、ノドン弾道ミサイル発射機10基・ミサイル90発以上、BM-25ムスダン弾道ミサイル少数、KN-02短距離弾道ミサイル少数、スカッドB/C弾道ミサイル発射機30両以上・ミサイル200発以上、フロッグ-3/-5/-7地対地ミサイル発射機24基を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜北徳島分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。徳島駐屯地の分屯で、第14旅団第14飛行隊、中部方面管制気象隊第３派遣隊が駐屯している。2010年3月末に海自徳島航空基地内に開設された。2012年3月26日、徳島駐屯地開設に伴い、善通寺駐屯地から徳島駐屯地の分屯に変更された。参考：朝雲、月刊JWings6,’12

　＜北徳島分屯地（２０１５年）＞：第14旅団第14飛行隊などが駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北の孤独な女王＞：ティルピッツ（戦艦）を参照。

＜北畑三郎＞：日本海軍エース。大正4年、兵庫県生まれ。昭和7年6月、海軍に入隊し、昭和8年2月に操縦練習生となり、9月に卒業して大村航空隊で延長教育を行い、龍驤戦闘機隊所属となった。その後霞ヶ浦航空隊、龍驤戦闘機隊、佐伯航空隊に転属、昭和12年7月に第12航空隊所属となり、9月に上海に配置された。昭和13年9月、蒼龍戦闘機隊に転属。昭和14年12月、横須賀航空隊に転属。昭和15年7月、第12航空隊に転属。9月13日、重慶攻撃で２機を撃墜し、白市駅飛行場を銃撃した。11月、大分航空隊に転属となり、本土に帰還。昭和17年4月、飛曹長に昇進。5月、隼鷹戦闘機隊に転属。6月4-5日、ダッチハーバー攻撃に参加、３機を撃墜した。10月17日、ガダルカナル島攻撃に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。昭和18年1月17日、ウエワク飛行場に派遣された。1月23日、B-24を攻撃中に被弾して戦死した。公認撃墜数10機以上。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜北富士演習場＞：陸上自衛隊の演習場で、富士演習場の山梨県側である。面積4600ヘクタール。1997年度、６日間（うち夜間２日間）にわたり、アメリカ海兵隊による155mm榴弾砲実弾射撃訓練が実施された。2006年度、９日間（うち夜間５日間）にわたり、アメリカ海兵隊による155mm榴弾砲実弾射撃訓練が実施された。人員150名、榴弾砲６門、車両40両が参加し、600発を発射した。2008年3月、第８次使用協定が締結された。2009年2月22日（一般人が演習場内に立ち入れる日で、訓練はしない）1500頃、一般人から火災の通報があり、枯れ草が炎上しているのが確認された。駐屯地の隊員30名と消防車１台、地元消防が消火にあたり、夕方までに一旦収まったが、強風に煽られて再び炎上、200人態勢で夜通し消火活動を続け、2月23日0600過ぎに鎮火した。2011年11月11-22日、在沖縄米海兵隊による沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の分散・実施が行われた。参加したのは人員430名、車両100両、155mm榴弾砲12門の大隊規模部隊である。海兵隊参加部隊は11月26日に地域ボランティア活動として児童養護施設訪問を行い、12月2日までに撤収した。2012年11月10-19日、在沖縄米海兵隊による沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の分散・実施が行われ、人員200名、車両60両、155mm榴弾砲６門が参加した。2013年3月23日、第６次入会協定が締結された。3月28日、第９次使用協定が締結された。参考：月刊軍事研究4,’10、朝雲

＜北富士駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。駐屯地司令は第１特科隊長の兼任である。史料館には太平洋戦争中の郷土史が展示されている。所在地は山梨県南都留郡忍野村忍草3093。富士急富士吉田駅からバス20分（「北富士自衛隊入口」下車）。2009年1月21日、前年に発生した山林火災の消火に当たった災害派遣部隊に対する山梨県からの感謝状贈呈式を実施。2014年6月27日から7月1日、第１回予備自衛官招集訓練を実施。2015年5月14日、春日井中学校２年生29人と教師２人の校外学習を支援した。2016年3月14日、山梨県忍野村と、大規模災害発生時に隊員の子供を村の施設などで一時預かりする協定を締結した。4月5-8日、山梨県信用金庫協会新入職員37人に体験入隊を実施。4月10日、富士吉田市外二ヶ村恩賜県有財産保護組合などが主催し、野焼きの火入れを実施。7月26-28日、山梨地本が県内15高校の生徒35人にインターンシップ（基本動作、徒歩行進、装備品見学、自衛官との懇談など）を実施。11月20日、北富士天王太鼓が山梨学院大学さかおり音楽まつりで演奏を披露した。2017年8月19日、グラウンドで地元８チームによる少年野球大会を開催。2023年3月15日、第１特科隊が廃止された。参考：JGround Vol.23、MAMOR vol.91、vol.118、朝雲

＜北富士駐屯地（２０１５年）＞：第１師団第１特科隊、第１後方支援連隊第２整備大隊特科直接支援隊、部隊訓練評価隊、第305基地システム通信中隊北富士派遣隊、第128地区警務隊北富士派遣隊、東部方面会計隊第415会計隊（3月26日から第433会計隊北富士派遣隊）、北富士駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北富士駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2016年3月15-16日、富士五湖地域を対象に、父兄会との協同による安否確認訓練を実施。参考：朝雲

＜北岬沖海戦＞：ノース・ケープ沖海戦。第２次大戦中の1943年12月20日、イギリス輸送船団JW55Bがスコットランドのロッホ・ユーを出港し、直接護衛隊５隻と近接護衛隊８隻の護衛を受けてソ連ムルマンスクに向かった。12月22日、ソ連への輸送任務を終えたイギリス輸送船団RA55Aがムルマンスクを出港し、直接護衛隊６隻と近接護衛隊６隻の護衛を受けてイギリスに向かった。JW55BとRA55Aは途中ですれ違う航路を取り、またドイツ水上艦部隊の襲撃が危惧されたため、間接護衛隊として重巡78ノーフォーク、軽巡35ベルファスト、軽巡24シェフィールドからなるフォース１と、戦艦17デューク・オブ・ヨーク（イギリス本国艦隊司令長官座乗）、軽巡44ジャマイカ、駆逐艦４隻からなるフォース２も派遣された。同日、ドイツ空軍偵察機がJW55B船団を発見。昼が短く海象が荒いためドイツ艦隊司令長官は出撃をためらったが、海軍総司令官デーニッツ提督は攻撃（作戦名称オストフロント）を決定した。12月25日、ドイツ海軍戦艦シャルンホルスト、第４駆逐艦戦隊Z29、Z30、Z33、Z34、Z38がJW55Bを攻撃するためアルテンフィヨルドを出撃してノルウェー北北西に向かった。12月26日未明、イギリスがドイツ水上艦部隊の出撃をキャッチし、関係部署に緊急連絡を入れた。0730、ドイツ海軍第４駆逐艦戦隊が索敵のためシャルンホルスト前方に展開。0830、吹雪の中でフォース１所属巡洋艦がレーダーによりシャルンホルストを発見。シャルンホルストは逆探知を警戒してレーダーを切ったまま航行していたため、フォース１には気付かなかった。0911、トロムセからドイツ空軍Bv138飛行艇３機が偵察のため出撃し、レーダーでフォース２らしき艦隊を発見、上級部隊に報告したが、海軍司令部経由でドイツ艦隊に届いた頃には手遅れとなっていた。0926、フォース１が射距離12000mで先制砲撃を開始し、シャルンホルストのゼータクト対水上レーダーと方位盤を破壊した。シャルンホルストは全速で南に逃げ、第４駆逐艦戦隊を呼び戻したが、フォース１所属巡洋艦のレーダーで追跡されており、1224から20分間に亘り再度交戦。ドイツ側は相手に主力艦が含まれていると判断し、出撃前に司令部から受領していた命令に従い作戦を中止、ノルウェーに向かった。イギリス側は悪天候を突いて引き続き追跡しており、1617にフォース２のデューク・オブ・ヨークがタイプ273レーダーで42000m先のシャルンホルストを探知。1648にベルファストが照明弾を発射し、1650からデューク・オブ・ヨークが射距離11000m（18000m？）で砲撃を開始した。シャルンホルストは全速力で離脱を図り、1830頃には20000mまで引き離したが、デューク・オブ・ヨークの放った35.6cm主砲弾１発が舷側装甲帯上方の厚さ45mmの舷側装甲を貫通し、更に弱点部だった缶室天井の厚さ80mmしかない垂直装甲を貫通、主缶が破壊されて速力が20ノットに低下した。これにより巡洋艦と駆逐艦に追いつかれてしまい、35.6cm砲弾計14発に加えて巡洋艦の20cm/15cm砲弾13発と駆逐艦の主砲弾多数を叩き込まれ、更にジャマイカと駆逐艦４隻から55本の雷撃を受けて11本を喰らい、1945に沈没した。乗員1968名（1800名？）のうち生存者は36名のみで、士官は１人もいなかった。参考：月刊世界の艦船6,’18、7,’15、4,’17、月刊丸4,’17、JShips VOL.70

＜ギタロ＞：SS-363（ガトー級潜水艦）またはSSN-665（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜基地（航空自衛隊）＞：航空基地（航空自衛隊）を参照。

＜吉安＞：518（フリゲート）または586（056型コルベット）を参照。

＜基地回天隊＞：日本海軍の沿岸配備回天部隊。本土決戦に備え、回天部隊を上陸予想地点の沿岸に配備したものである。回天は格納壕に隠しておき、敵上陸艦隊が接近したら出撃する。第１回天隊は沖縄に向かう途中で輸送船ごと沈められたが、八丈島に第２回天隊、宮崎県南部に第３・第５回天隊、高知県に第４・第６・第７回天隊が配備された。本土決戦が起きなかったため、出撃の機会は無かった。参考：月刊丸8,'15別冊

＜基地業務群＞：航空自衛隊の組織。各基地機能の保全が主任務で、施設隊、通信隊、管理隊、業務隊、会計隊、衛生隊などを隷下に置く。施設隊には消防小隊があり、救難消防活動を担当する。管理隊には警備小隊があり、基地警備を担当している。参考：月刊軍事研究3,’07、MAMOR vol.108

＜基地業務隊＞：海上自衛隊の組織。基地業務隊の編成に関する訓令に基づいて編成されている。厚生、会計、給養、車両、施設、海上予備員の収容などに関する業務を行う。参考：横須賀地方隊ホームページ

＜基地警備監視システム＞：自衛隊の機器。三波工業またはオーテック電子製。参考：月刊軍事研究5,’12、9,’12

＜基地警備教導隊＞：航空自衛隊の基地防衛研究実践教導部隊。小銃や軽装甲機動車を装備しており、航空基地及びレーダーサイトをテロリストや敵特殊部隊の攻撃から守ることを主任務とし、研究班が情報を収集して基地防衛戦術を開発、それに基づいて教導班が平時は10名くらいの分隊に分かれて各基地を回り訓練（実際に基地を襲撃する）を施し、有事には対象の基地にヘリコプターなどで迅速に展開、脅威を排除する。元は2006年3月に航空総隊隷下に新編された基地警備研究班で、救難員課程・空挺レンジャー課程・海上自衛隊潜水課程全てをクリアした精鋭をかき集めて順次増員し、2011年3月28日、航空総隊直轄部隊として百里基地で編成された。2014年8月1日、航空戦術教導団の隷下に移った。参考：月刊軍事研究3,’07、朝雲、MAMOR vol.117、vol.52、月刊JWings10,’14、11,’15

　＜基地警備教導隊（２０１５年）＞：航空戦術教導団隷下で、百里基地に置かれている。参考：月刊航空ファン4,’16

＜基地警備訓練用射撃訓練装置＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜基地警備指揮所用ソフトウェア＞：航空自衛隊の指揮所活動用状況現示ツール。携帯電話のGPS位置情報をキャッチし、訓練時の隊員の動きなどをリアルタイムでパソコンのモニターに表示することができる。開発した空自隊員３名には平成25年度優良提案褒賞が授与された。参考：朝雲

＜基地交付金＞：自衛隊・アメリカ軍基地のある自治体に対して総務省が支出している交付金。基地からは固定資産税を徴収できないため、これを補填するものである。1957年に施行された国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律に基づく。参考：月刊軍事研究7,’10

＜吉首＞：557（フリゲート）を参照。

＜基地隊＞：海上自衛隊の部隊、略称Lb。地方隊隷下で、函館基地隊、阪神基地隊、下関基地隊、沖縄基地隊がある。基地隊本部（総務科、厚生科、警備科、経理科、補給科、造修科、通信所。沖縄基地隊のみ管理科と衛生科が加わる）、水中処分隊、基地分遣隊、磁気測定所、警備所（港湾や水路の安全確保や、それらに関する情報業務を行う）、掃海隊、基地隊司令直轄自衛艦で編成される。トップは基地隊司令（海将補または一等海佐）で、地方総監の指揮監督下に隊務を統括する。また、規律維持や隊員の身上取扱等のため、基地隊本部と水中処分隊の隊員で構成される１個以上の分隊を編成することができる。他に副長１名が置かれ、司令を補佐し、司令に事故があったり欠けたりした時は司令の職務を代行する。参考：基地隊の編制に関する訓令、日本の防衛戦力Part3

＜基地通信中隊＞：陸上自衛隊の通信科部隊。駐屯地の電話回線やネットワークシステムの設営・維持・管理・障害復旧・補給が主任務である。参考：月刊JWings9,’23

＜基地通信網模擬装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究1,’10

＜基地内基幹伝送路の設計（その２）（オープン系）＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜基地内基幹伝送路の設計（その２）（クローズ系）＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜基地内光多重化装置＞：自衛隊の機器。大井電気製。参考：月刊軍事研究8,’12

＜基地内光伝送路＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜基地防空教導隊＞：航空自衛隊の部隊。千歳基地に置かれている。参考：月刊JWings8,’14

　＜基地防空教導隊（２０１５年）＞：高射教導群隷下で、千歳基地に置かれている。参考：月刊航空ファン4,’16

＜基地防空用地対空誘導弾＞：11式短距離地対空誘導弾シリーズを参照。

＜基地防空用地対空誘導弾実用試験用供試弾＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜基地防空用地対空誘導弾用教導・研究シミュレータ＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜基地防空用地対空誘導弾用訓練弾＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜基地防空用対空誘導弾用シナリオ作成・分析器用プログラム＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜基地防空用地対空誘導弾用整備器材＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜基地防空用無線機＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜期長＞：日本海軍の同期練習生のまとめ役で、一番古参の者が割り当てられ、第一班に配置された。参考：続日本海軍よもやま物語

＜基地連隊指揮統制システム＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜橘花＞：日本海軍特殊攻撃機。中島飛行機が海軍に提案したものだが、海軍の要求に基づいたのか、中島が自主設計して提案したのかは不明である。当初は簡易特攻専用機として興国二号兵器という名称で桜花と同時に開発計画が始動し、後に橘花に改称されて反跳爆撃専用機に変更され、マルテンという秘匿名称も付与された。軽油を燃料とし、極力アルミニウムを使わない方針で中島飛行機小泉製作所の本館３階設計部で開発が始まり、機体は鋼板で製作することにしたが、加工性や強度などのデータ不足に悩まされた。当初はネ12ジェットエンジンを２基搭載する予定だったが、エンジン完成の目処が立たず、次いでツ11エンジン双発案が出されたが、推力が小さすぎて所定の性能を出せる見込みが無く、ネ10と初風レシプロエンジンを組み合わせて混合動力４発機にする案なども検討されたが、出力不足と信頼性不足で開発が行き詰まってしまった。しかし昭和19年7月、伊29がドイツからMe262とジェットエンジンの資料を持ち込んだため、ネ20ジェットエンジンの開発が行われることになり、機体の方も開発再開が決定、11月に中島飛行機に設計試作命令が出された。試作要求書には、大量生産でき、隧道防空壕内に折り畳み格納が可能な単座機で、主任務は500kgまたは800kg爆弾１発と無線電信器１台を携行し、海面上を時速500kmで飛行して沿岸の敵艦船に体当たりすることと記載されていた。昭和20年2月10日に群馬南部が空襲を受けたが、B-29は中島飛行機太田製作所に向かったため、難を逃れた。2月16日も艦上機の攻撃で太田周辺が被害を被っている。2月25日、艦上機が小泉製作所に来襲したが、生産ラインや橘花試作工場は無事だった。3月6日、橘花の開発が思わしくないため、開発担当を第２機体科から第１機体科に移し、同科は空襲を避けるため3月10日に栃木県佐野市の中学校に疎開した（ちなみに第１機体科の彩雲設計陣は館林の中学校、連山担当の第２機体科は熊谷の女学校、銀河改と天雷担当の第３機体科は館林に移動し、機体生産担当は小泉に残った）。鋼板製の機体の生産性に問題があったため、軽合金を使用することになり、設計を3月25日までに完了せよとの命令に従って設計を完了。4月25日、搭載エンジンをネ12Bからネ20に変更することが決定し、新しい計画要求書が発出され、主任務が中高度からの緩降下爆撃に変更された（名称も橘花改に変更？）。複座練習機型、複座偵察機型、対B-29用迎撃戦闘機型も計画されている。5月2日、設計図が完成して試作機の製作が開始されたが、空襲を避けるため、主要構造部は粕川村の養蚕小屋の中で組み立てられた。現図作業も埼玉県妻沼町の製粉工場跡地に疎開したため、設計陣は佐野と粕川村と妻沼町を行ったり来たりの毎日だった。実験部隊は館林市の製糸工場跡に疎開しており、6月5日に主翼荷重試験、6月6日に補助翼荷重試験が行われ、6月29日に完成審査に入り、7月5日に工場完成となった。前輪は銀河の尾輪の流用で、主脚は零戦のものをそのまま使用している。この頃から艦政本部の若手将校も派遣されたが、メートル法を使う中島飛行機側と、ヤードポンド法を使う艦政本部側で混乱が生じることもあったという。機体はMe262に似ているが、独自設計である。胴体中央と基準翼は薄鋼板で、翼端は木製であり、アルミの節約を図った。主翼は弱い後退角の付いたテーパー翼で、外翼が上に折り畳める。翼端失速の傾向が出たため、外翼にスロットを設けて解決した。主翼上反角は内翼の方が外翼より大きい。エンジンは主翼下に懸吊装備するが、推力がF-86F用エンジンのアイドリングくらいしか無いので、最大速度はレシプロ機並でしかなかった。離陸時には推力0.4トンを９秒間発揮できるRATOを主翼下に２基装着する。コクピットには厚さ70mmの防弾ガラスが填め込まれており、主要部分には装甲板を使用した。水平尾翼はエンジン排気を避け、胴体上部に設置されている。降着装置は三車輪式。全長9.25m、全幅10m／5m（主翼折り畳み時）、全高3.05m／3.1m（主翼折り畳み時）、自重2.3トン、全備重量3.549トン、攻撃過荷時総重量4.312トン。エンジンはネ20軸流式ターボジェット（静止推力0.475トン）双発、最大速度620km（670km？）、実用上昇限度10700m、航続距離580km（685km？）。固定武装は無い。250kg爆弾または500kg爆弾１発を機体中央に搭載可能で、爆弾投下装置が付いていた。乗員１名。完成した試作機は木更津航空隊に運ばれ、7月9日にエンジン搭載整備を実施し、左にネ20の生産10号機、右に９号機を搭載した。7月13日から試運転を開始したが、7月15日に左エンジンの燃料噴射弁から燃料漏れを起こしてタービンノズルを損傷、右エンジンにはナットが飛び込んで圧縮機が破損した。修理して7月25日に完備状態となり、7月27日に初の滑走を実施。7月28日から最終整備に入った。8月7日1300、木更津飛行場において海軍空技廠実験部高岡少佐の操縦により最軽荷状態（松根油を16分間飛行分だけ積載、RATOは付けず）で初飛行し、脚を出したまま最大速度315km・高度600mで11分間飛んだ。8月10日に第２回の試験飛行が予定されていたが、艦上機の空襲で延期され、8月11日に横風の中でRATOを使用して２回目の飛行が正規全備重量（燃料は26分間飛行分積んだ）で行われた。高岡少佐はRATOの推力線が機体重心のかなり下を貫いて前方で交差していたため機首上げの危険があるとして直すように要求したが、時間が無いということでそのままテストを行うことになった。離陸後にRATOの推力が残っていると機首上げになりすぎて失速してしまうため、離陸直前にRATOが止まるようブレーキを離すと同時にワンサウザンド、ツーサウザンド、スリーサウザンドとカウントしてRATOを点火。予想が的中して直後に機首上げを起こしてしまい、尾部を擦りながら滑走を始めた。離陸直前にRATOが燃焼を終了、機首が下がったが、高岡少佐は減速を感じ、計器に異常が無かったため前輪が滑走路に付いた際にパンクしたものと思い（実際には既に離陸していた）、エンジンを停止してブレーキをかけた。しかし滑走路が下り坂でブレーキも効かず、オーバーランして海岸の砂浜に突っ込み損傷、そのまま終戦を迎えている。試作初号機の飛行試験結果を待たずに２号機以下24機の製作命令が出ており、中島には22機、九州飛行機で２機が組み立て完了間近で並んでいた。更に昭和20年内に中島で175機、九州飛行機・佐世保工廠・霞ヶ浦第１航空廠で量産型230機を生産する予定だった。複座練習機型は設計途中で終戦を迎え、機首に五式三十粍固定機銃（50発）２丁を搭載し、ネ20エンジンの推力を向上させ、翼面積を増加させて親子式フラップを装備するなどした最大速度680kmの対B-29用迎撃戦闘機型（対戦闘機戦は行わない）と複座偵察機型は計画のみに終わった。連合軍に接収された２号機（中島飛行機小泉工場製）がスミソニアンの国立航空宇宙博物館に保存されており、他にもワシントンのシルバーヒル国立博物館で１機が野ざらしになっている。参考：丸エキストラ版No.114、月刊丸3,'18別冊、歴史群像8,’08、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、陸海軍学校と教育、朝雲

＜機付長（陸上自衛隊）＞：きづきちょうと読む。航空機を専属で整備する隊員で、その機体の整備責任者である。参考：MAMOR vol.84、月刊JWings8,’14

＜機付整備兵（日本陸軍）＞：飛行機１機につき機付長以下3-4名が任命され、その飛行機の整備に関する責任を負う。出撃した飛行機の状態が気が気でなく、夜間出撃でもずっと起きて帰還を待つことも多かった。帰ってきた他機のパイロットから自爆未帰還と知らされても、ただ一人帰還を信じて飛行場に立ち尽くす者もいた。参考：新兵サンよもやま物語

＜キック＞：船舶が旋回しようとした際、舵に作用する揚力によって船体が横滑りし、旋回したい方向とは逆の方に流されること。吃水が浅い程、キックの程度が大きくなるので注意。参考：図解船の科学

＜キックバック＞：Kh-15シリーズ（空対地ミサイル）を参照。

＜ギッコン＞：日本海軍用語で、通船のこと。漕ぐ時の音が語源。参考：帝国陸海軍事典

＜ギッシャン＞：フランス海軍二等巡洋艦Guichen。建造中止になった。参考：近代巡洋艦史

＜吃水＞：Draft。キール底部から水の表面までの垂直距離。普通は船の全長の中央部で測るが、平均吃水の事をいう時もある。参考：艦船メカニズム図鑑、米海軍サバイバルマニュアル、図解雑学　船のしくみ

＜吃水線＞：Waterline。艦船が水に浸かっている部分の艦全長にわたる線。船側と水面が接するライン。参考：月刊JWings2,’00、米海軍サバイバルマニュアル

＜キッチン＞：Kh-22シリーズ（空対艦ミサイル）を参照。

＜啄木鳥式教練機＞：T-28海外シリーズ（練習機）を参照。

＜キッテル＞：ドイツ空軍エース、オットー・キッテル（Otto Kittel）。1941年2月、第54戦闘航空団所属となった。1943年9月、100機撃墜を達成。1944年4月、150機撃墜を達成。8月、200機撃墜を達成。10月、250機撃墜を達成。1945年2月16日、Il-2に撃墜されて戦死した。最終階級は中尉。総出撃回数583回、総撃墜機数267機。参考：グラフィックアクション36

＜キット＞：K-391（原潜）を参照。

＜キッド＞：DD-661（フレッチャー級駆逐艦）またはDDG-100（アーレイ・バーク級イージス艦）またはDDG-993（キッド級駆逐艦）を参照。

＜キッド級＞：アメリカ海軍ミサイル駆逐艦Kidd級。スプルーアンス級の船体を利用したミサイル駆逐艦で、元はイラン海軍向けだったが、革命により1979年に契約がキャンセルされて宙に浮いたため、アメリカ海軍が引き取った。スプルーアンス級の兵装からアスロック発射機とシースパロー発射機を外し、換わりにスタンダード艦対空ミサイル連装発射機Mk26を前後１基ずつ搭載している。AN/SPG-51Dミサイル管制レーダーを艦橋直上中央に配置したため、前部CIWSを右に寄せた。後部マスト前面にAN/SPS-48C/E三次元レーダーを装備する。全長171.7m、幅16.8m、吃水6.2m、満載排水量8300トン（9574トン？）。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン４基、出力80000馬力（許容）／86000馬力（最大）、２軸推進、速力33ノット。兵装はスタンダードSM-1MR艦対空ミサイル／アスロック艦対潜ミサイル連装発射機Mk26が２基（68発）、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、127mm単装砲２門、ファランクス２基、324mm短魚雷３連装発射管２基。SH-2Fヘリ２機またはSH-60ヘリ１機を搭載可能。乗員339名。DDG-993キッド、DDG-994カラハン、DDG-995スコット、DDG-996チャンドラーの４隻が1981-82年に就役した。1988-90年にNTU改装を実施。1998年にギリシャに貸与される話があったがキャンセルになり、1998-99年に全て除籍されてモスボール状態とされた。その後台湾への輸出が決まり（台湾はアーレイ・バーク級を要求したが、中国との関係もあって本級となった）、2005-06年に台湾海軍で再就役している。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’05、5,’86、10,’02、12,'21、月刊JWings5,’02、月刊軍事研究6,’05

　＜キッド級ＮＴＵ改装＞：1988-90年に全艦がターターＤシステムNTU改装を受けた。後部マスト形状が変更され、AN/SPS-48三次元レーダーアンテナが後部マスト前面から後面に移されたのが最も分かりやすい識別点である。AN/SPG-60砲管制レーダーも移設した。全長171.7m、幅16.8m、吃水10m、満載排水量9574トン。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン４基２軸80000馬力、速力33ノット。兵装はスタンダードSM-2MR艦対空ミサイル／アスロック艦対潜ミサイル連装発射機２基、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、127mm単装砲２門、ファランクス２基、12.7mm機銃４丁、324mm短魚雷３連装発射管２基。ヘリ1-2機を搭載可能。乗員339名。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜キッド級・海外シリーズ＞

　＜キッド級（台湾海軍）＞：台湾海軍ミサイル駆逐艦、別名キールン（Keelung）級。船型は長船首楼型で、前甲板に揚錨装置、１番砲、Mk26連装発射機を配し、その後ろに前部上構（頂部に前部マストがある）、前部煙突、後部マスト、後部煙突、ヘリ格納庫、ヘリ甲板（船首楼甲板より１甲板高い）、Mk26連装発射機（船首楼甲板後端）、２番砲（後甲板）という配置である。復元性能向上のため、上構、煙突、マストはアルミ合金製とした。前部マストには基部前面にAN/SPG-51射撃指揮装置、下部前面にAN/SPQ-9射撃指揮装置用レドーム、中部前面にAN/SPS-49対空レーダー、上部前面にAN/SPS-55対水上レーダー、頂部前面にAN/SPS-64航海レーダーを装備する。後部マストには基部後方にAN/SPG-51射撃指揮装置、中段後面にAN/SPG-60射撃指揮装置、上段にAN/SPS-48Eレーダー、頂部にAN/URN-25タカンがある。全長171.7m、水線長161.2m、幅16.8m、吃水6.2m、軽荷排水量6950トン、満載排水量9574-9728トン。主機はCOGAG方式、ガスタービン４基２軸86000馬力、速力33ノット、航続距離8000海里（17ノット）／6000海里（20ノット）／3300海里（30ノット）。兵装はRGM-84Lハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（前後煙突間両舷）、SM-2MR艦対空ミサイル連装発射機Mk26が２基（艦橋直前とヘリ甲板後方。アスロックは運用しない）、127mm単装砲２門（前甲板と後甲板）、ファランクス・ブロック�TＢ２基（艦橋上面右舷とヘリ格納庫上面左舷）、324mm短魚雷３連装発射管Mk32が２基（ヘリ甲板下の船体内。Mk46短魚雷）。S-70C対潜ヘリ２機を搭載できる。乗員331名（うち士官21名）。基隆、蘇澳、左営が2006年に就役し、更に馬公が追加された。参考：月刊世界の艦船9,’01、4,’12、12,’14、12,’18、JShips Vol.24、THE MILITARY BALANCE 2016

＜キットサップ海軍基地＞：アメリカ海軍基地Naval Station Kitsap。2004年にブレマートン海軍基地とバンゴール海軍潜水艦基地が統合されて誕生した。参考：月刊世界の艦船9,’13

＜キットソン＞：APA-123（攻撃輸送艦）を参照。

＜キットツール＞：自衛隊の機器。ドイチェ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜キッパー＞：K-10S（巡航ミサイル）を参照。

＜キティ＞：A170（曳船）を参照。

＜キティウェイク＞：L30（コルベット）を参照。

＜キティホーク＞：CV-63（空母）またはP-40シリーズ（戦闘機）を参照。

＜キティホーク級＞：アメリカ海軍空母Kitty Hawk級。４番艦CV-67ジョン・Ｆ・ケネディは細部改良点が多いので、アメリカ海軍ではジョン・Ｆ・ケネディ級と別枠に設定している。フォレスタル級に続いて建造された戦後第２世代空母で、航空機運用効率改善のためエレベーターとアイランドの配置を変更した。当初は２隻のみの建造となる予定だったが、原子力空母CVN-65エンタープライズの建造に思った以上に費用がかかったため、安い通常動力空母を建造すべきという意見に押されて４隻に増えている。飛行甲板は全通式で、新造時の長さはCV-63が315.7m、CV-64が326.9m、CV-66が319.3m、幅は76m（CV-67は76.9m）で、船体強度甲板でもあり、厚さ50mm程度の装甲鋼板を装着した。C13Mod0カタパルトを飛行甲板前部に２基、アングルド・デッキ前方に２基持ち（CV-66以降はC13Mod0が３基とC13Mod1が１基。Mod1はアングルド・デッキ内側に装備）、1-3番カタパルト後方にMk7ジェット・ブラスト・デフレクター、４番カタパルト後方にMk6ジェット・ブラスト・デフレクターを装備する。アングルド・デッキは左に11度20分（CV-67は10度）傾いており、後方にアレスティング・ワイヤー４本（CV-63・CV-64はMk7Mod2、CV-66・CV-67はMk7Mod3）を持つ。クラッシュ・バリアは３番アレスティング・ワイヤーの間に展張する。格納庫は長さ225.6m（CV-66は209m）、幅30.8m（CV-67は32.3m）、高さ7.62mで、甲板３層分に相当し、全搭載機を収容できる。エレベーターは全て外舷式で、軽量化のためアルミニウム合金で製造されており、長さ25.9m、幅15.8m、航空機が載る部分は長さ23.5m、幅15.9mの大きさで、搭載重量60トン。飛行甲板左舷張り出し部後端に１基、右舷に３基（アイランド前方に２基、後方に１基）装備されており、開口部は緊急時にスライド式シャッターで閉鎖することが可能。左舷側エレベーターがアングルド・デッキにかからなくなったため、着艦機を艦内に収容しながらアングルド・デッキで着艦作業を続けられる。CV-66は艦首にAN/SQS-23バウソナーを持ち、アメリカ海軍空母として初めてバウソナーを装備した。これに伴い左舷の主錨を艦首正面に移し、主錨のホースパイプとベルマウスを大きく前方に突出した形状として錨がぶつからないようにしている。CV-67も設計時にバウソナーを装備する計画があったため、錨を艦側面中央に装備したが、ソナー自体は搭載していない。錨甲板は艦内式で、艦首のギャラリーデッキ下方にある。主錨は全鋳鋼製バルト型ストックレスアンカーで、重量30トン／24トン（シャンク除く）。投錨されると爪の部分がシャンクに対して45度折れ曲がるようになっている。錨鎖は１リンクあたり重量164kg、長さ330mで、普段は６層の錨鎖庫に格納される。アイランドは右舷にあり、６層構造で、４層目より上が両舷に大きく張り出している。４層目が戦闘艦橋、５層目が航海艦橋、６層目（左舷側に寄っている）が航空管制所で、航空管制所上部には飛行甲板照明用サーチライトが並ぶ。艦橋後部にはAN/SPN-10/-12精密着艦誘導装置用パラボラアンテナがある。建造当時は空母が機動部隊のエリア・ディフェンスも担当しており、1-3番艦はテリア艦対空ミサイル発射機とMk76ミサイル射撃指揮装置を積んだ。計画時はフォレスタル級の高角砲を置き換えて艦前後両舷スポンソンに発射機計４基を搭載する予定だったが、航洋性を改善するため荒天時に波を被る前部スポンソンは外すことになり、後部両舷スポンソンにAN/SPG-55レーダーとセットで１基ずつ計２基装備している。４番艦は1963年に空母がエリア・ディフェンス担当から外れる方針となったのを受け、テリアは積まず、就役時はテリア用スポンソンが空だった。マストは２本で、アイランド上にメインマスト、アイランド後方に独立した後部マストを持つ。電子装備は、アイランドにAN/SPS-43対空捜索レーダーとテリア艦対空ミサイル管制用AN/SPG-55レーダー２基（両舷に１基ずつ）を持ち、メインマスト下部にAN/SPS-39三次元レーダー（CV-67では廃止してAN/SPS-58低空警戒レーダーを搭載）、上部にECMアンテナ、最上部にAN/URN-3TACAN（後にAN/URN-20。CV-66とCV-67は新造時よりAN/URN-20）、メインマスト後方にAN/SPN-35着艦誘導レーダー、後部マストにAN/SPS-8B測高レーダー（後にAN/SPS-30に換装。CV-66は新造時よりAN/SPS-30、CV-67は廃止）またはAN/SPS-48三次元レーダー（CV-67）を搭載する。左舷アングルド・デッキ外舷及び右舷アイランドにはAN/WLR-6ESMアンテナを１基ずつ装備し、これと連動するチャフ・ディスペンサーも積んでいる。CV-66はNTDSを新造時から装備した。煙突は艦橋後部にあり、CV-66では一回り小さくなり、CV-67では外舷側に傾けられている。煙突上部には円錐状の航空機通信アンテナを２個１組で装備しており、その下に飛行甲板照明用サーチライトが並ぶ。舵は半釣り合い式２枚舵で、重量22トン。新造時諸元は以下の通り。全長319.3m、船体幅39.6m、最大幅76m（CV-66）／76.9m（CV-67）、吃水10.9m、飛行甲板高さは水面から18m、基準排水量60300トン（CV-66）／61000トン（CV-67）、満載排水量78500トン（CV-66）／82000トン（CV-67）。主機はウェスティングハウス式ギヤード・タービン４基、主缶はフォスター・ホイラー式缶（83.4気圧）８基、出力280000馬力、４軸推進、速力35ノット。無補給作戦行動日数9-11日間。兵装はテリア艦対空ミサイル連装発射機Mk10が２基（両舷後部スポンソン。CV-67は無し）。搭載機数80-95機（CV-66）／80-105機（CV-67）。乗員4582名（CV-66）／5727名（CV-67）。CV-63キティホーク、CV-64コンステレーション、CV-66アメリカ、CV-67ジョン・Ｆ・ケネディの４隻が1961-68年に就役した。建造費はCV-63キティホークが２億6520万ドル、CV-66アメリカが２億4880万ドル、CV-67ジョン・Ｆ・ケネディが２億7700万ドル。1970年代後半にテリアを外し、艦尾両舷スポンソンにシースパロー発射機Mk29を積んだ。更にその後ファランクスCIWSやAN/SLQ-32(V)4電子戦装置を追加している。最終要目は全長323.6m（CV-64は326.9m、CV-67は320.6m）、船体幅39.6m、飛行甲板幅76.8m、吃水11.4m、満載排水量83960トン（CV-67は81430トン）。主機は高低圧ギヤード・タービン４基４軸（前部機関室の２基で内舷２軸、後部機関室の２基で外舷２軸を駆動）280000馬力、５翅固定ピッチプロペラ（直径6.6m、重量32トン）推進、速力32ノット、燃料搭載量7828トン、航続距離12000海里（20ノット）。兵装はシースパロー艦対空ミサイル８連装発射機Mk29が２基（CV-67は３基）、RAM近接防御ミサイル21連装発射機２基（CV-63のみ）、ファランクスCIWS２基（CV-67は３基）。固定翼機68機、ヘリコプター６機を搭載できる。航空兵装搭載量1600トン、航空燃料搭載量5880トン。乗員2930名＋航空要員2480名＋司令部要員70名。1996-2009年に退役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、10,'22、9,’02、8,’11、6,’16、12,’16、8,'21、2,'22、10,'22、丸スペシャルNo.83、月刊軍事研究5,’03、5,’05

＜岐点圧＞：淀み点圧を参照。

＜機動−５号＞：中国海軍が2013年10月18日から11月1日に行った、西太平洋における初の北海・東海・南海艦隊合同演習。北海艦隊から051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、同116石家荘、旅滬型駆逐艦113青島、054A級フリゲート538煙台、同547臨沂、福清型補給艦881洪澤湖、東海艦隊から054A級フリゲート529舟山、同530徐州、南海艦隊から052B級ミサイル駆逐艦168広州、054A級フリゲート570黄山、福池型補給艦887微山湖が参加し、轟炸６型やY-8早期警戒機も加わった。対抗戦形式の対水上戦実動演習を繰り返し行ったとみられる。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜機動九〇式野砲＞：九〇式野砲シリーズを参照。

＜機動九一式十糎榴弾砲＞：九一式十糎榴弾砲シリーズを参照。

＜機動衛生ユニット＞：航空自衛隊の機上医療器材。防磁防音コンテナ（飛行中でも内部の騒音を80dB以下に保ち、航空機から発生する電磁波を遮断して内部の医療機器に影響を与えない）に主ベッド（ストレッチャー型）１台、簡易ベッド２台、患者監視装置、自動心肺蘇生器、人工呼吸器、携帯型超音波診断装置、半自動式除細動装置、血液ガス分析装置、輸液ポンプ、吸引器、照明器具（最大２万ルクス）、医療用10リットル酸素ボンベ６本などを収容する。コンテナ前後に高さ1.77m・幅0.77mのドアがあり、ここから患者を搬入出する。ストレッチャー兼用の主ベッドを中央に置くと患者１名、脇に寄せて反対側の壁から折り畳み式の担架型簡易ベッド２台（２段ベッド式）を展開すると患者３名を乗せられる。空調完備で、内部を地上と同じ気圧に保つ与圧装置、18リットル入り水タンク、最大電力供給時間70分の非常用電源も付いている。全体が貨物パレットに固定されているので、輸送機の貨物室内にそのまま搬入できる。全長4.88m（5.1m？）、全幅2.31m（2.5m？）、全高2.37m、空虚重量2.27トン。荏原実業製。航空機動衛生隊に配備されており、C-130H輸送機に２ユニット、C-2輸送機に３ユニットを搭載でき、機上での高度な医療管理が可能。C-1輸送機には搭載できない。機動衛生班４名（医官、看護師、救急救命士、管理要員の衛生幹部）で運用する。2007年3月29日に初号機、2010年12月16日に２号機が配備された。2011年4月21日、東日本大震災で骨折して北海道で治療していた女性を岩手県に搬送する際に初使用された。2022年8月3日0700、北海道知事から航空支援集団司令官に緊急患者空輸を目的とする災害派遣要請が発出されたため、航空機動衛生隊により第３輸送航空隊C-2輸送機へと搭載され、患者を千歳基地から羽田空港に輸送した。これがC-2輸送機に搭載されての初患者搬送である。参考：MAMOR vol.104、月刊JWings10,’18、12,’06、7,’11、10,'22、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、朝雲

＜機動遠征高出力レーザー＞：MEHELシリーズ（レーザー砲）を参照。

＜機動荷重制御＞：ACTの１つで、MLC（Maneuver Load Control）と略す。主翼の揚力分布を飛行状態に応じて最適化する制御技術で、フラップ、エルロン、スポイラーを使い、翼弦方向及び翼幅方向の揚力分布を制御することにより、揚抗比増大、主翼荷重減少、主翼曲げモーメント減少を図る。参考：日本の防衛戦力Part8、航空用語事典増補改訂版

＜機動艦艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1960年10月1日、自衛艦の大分類である警備艦の下の中分類として制定された。護衛艦と潜水艦の種別からなる。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜機動訓練評価装置＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜機動作戦群＞：ソ連軍が1980年代に編成した部隊、略称OMG（Operation Manuever Group）。前線部隊が敵防御線に開けた穴から敵地深く（前線から最大70km）に侵入して無停止攻撃を行い、重要目標を占領し、退路を遮断する。１個軍の20%程度の兵力で構成され、ヘリボーン部隊・戦車・機甲歩兵を主力に各種兵科を統合している。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、兵器最先端５

＜機動支援艇＞：アメリカ陸軍上陸用舟艇、略称MSV（Maneuverf Support Vessel）。LCM8級機動揚陸艇の後継で、ヴィガー社が建造する。擱座着岸からの離脱を容易にするため、船底は単純な平底型でなく長軸方向に２本の窪みを付けたＭ型とし、海底面との抵抗を減らした。艦前後にランプ、右舷後部に航海艦橋がある。車両甲板にM-1戦車を載せると、主砲が前面ランプや両舷前部壁面の上に位置するため、上陸地点の制圧射撃が可能。全長35.6m、幅8.6m。推進はウォータージェット３軸、最大速力21ノット（ペイロード最大）／30ノット以上（空荷）、航続距離670km。自衛武装はCROWS�U遠隔操作銃塔。貨物ペイロード82トンで、M-1A2戦車なら１両、ストライカー装輪装甲車なら２両、HMMWVなら４両を搭載可能。乗員８名。１番艇は2022年頃に竣工予定。参考：朝雲

＜機動式再突入弾頭＞：MaRVを参照。

＜機動施設隊＞：海上自衛隊唯一の施設部隊。主任務は災害派遣で、施設整備、除雪、他部隊にいる施設要員への教育訓練も担当する。1995年の阪神淡路大震災を受け、航空施設隊に災害対応機能を付加した部隊を作ることになり、2001年6月27日、航空施設隊から改編されて航空集団隷下に創設された。ホームベースは八戸航空基地。司令、副長、本部（12名）、第１・第２・第３・第４施設隊（１隊あたり24名）からなり、ダンプローダー、クレーン付トラック、油圧ショベル、トラクターショベルなど30両を装備、陸路で移動したり輸送艦などと連携したりして、陸上・海上から被災地への復旧支援を行う。１ヶ月交代で応急出動隊を編成し、不意の大災害に備えている。2006年、南鳥島の海自施設が台風の被害を受けたため、LST-4002しもきたで現地に派遣され、LCACで上陸、滑走路の復旧を実施した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月23日1800、八戸市市川町周辺で災害ゴミを撤去・搬送した。3月25日1620、八戸市内で道路を復旧。3月26日1605、八戸市内で道路復旧を実施し災害ゴミを撤去・搬送した。3月27日0900、八戸市市川地区で瓦礫と災害ゴミの撤去作業を行い、10トンダンプ18台分を撤去した。3月29日1600、八戸市内で瓦礫除去を実施。3月30日1600、八戸市内で瓦礫除去を実施。4月4日1610、八戸市内道路の災害ゴミ処分を支援。4月6日1600、八戸市新湊で瓦礫の撤去搬出作業を行った。4月7日1600、13名で八戸市新湊の瓦礫撤去搬出作業を実施。4月13日1630、八戸市内道路の災害ゴミ処分を支援した。4月14日1600、八戸市内で道路の災害ゴミ処分を支援した。4月15日1415、八戸市内道路の災害ゴミ処分を支援した。東日本大震災での実績は、瓦礫撤去20日間、油槽所応急復旧13日間、延べ派遣隊員523名、車両162両（うち施設車両92両）だった、2012年6月、下総航空基地訓練場整備工事を実施。2014年8月25日、岩手・青森県境沿岸から八戸航空基地まで、三陸復興国立公園みちのく潮風トレイルを27kmにわたり行進した。2015年6月、陸自第９師団第９施設大隊との相互研修を実施。7月13日、アメリカ海軍施設部隊の初訪問を受けた。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。5月20日、開隊15周年記念行事を実施。2017年5月1日、八戸市市制施行88周年記念陸海空自音楽隊合同コンサートで防災装備品などを展示した。2018年9月中旬から１ヶ月、隊員13名で鹿屋航空基地外周道路整備工事を実施。2019年3月8日、厚生労働省青森労働局長の認可を受け、労働安全衛生法に基づく各種技能講習の実施と資格付与が可能な登録教習機関（教習所）を設置。2020年4月1日、技能講習６種類（油圧シャベル、ブルドーザー、フォークリフト、高所作業車など）、施設業務関連特別教育６種類（フルハーネス装着、チェーンソー操作、タイヤ空気充填など）、安全衛生教育４種類（刈払機、熱中症予防など）の教育を開始。2021年6月27日、10名が八戸市主催総合防災訓練に参加。参考：月刊JWings9,’00、6,’11、月刊世界の艦船9,’01、6,’01、8,’16、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、MAMOR vol.52、朝雲、隊友

　＜機動施設隊（２０１５年）＞：航空集団隷下で、八戸航空基地に置かれている。参考：月刊航空ファン4,’16

＜機動師団（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の師団。平成26年度以降に係る防衛計画の大綱で編成が決まった部隊で、統合機動防衛力を構成する。即応機動連隊１個、普通科連隊２個、その他部隊からなり、戦車の代わりに即応機動連隊に機動戦闘車を配備していて、野戦特科部隊は方面直轄とし、移動に時間のかかる部隊を隷下から外して戦略機動性を高めた。司令部に火力調整部があり、陸海空戦力の統合火力調整を行う。第２師団、第６師団、第８師団が改編される予定で、2018年3月に第８師団、2019年3月26日に第６師団が改編された。第２師団は戦車や野戦特科を含む編成となる予定で、2022年3月17日に改編された。参考：月刊軍事研究9,’18、月刊PANZER6,’18、朝雲

＜起動車（自走式）＞：航空自衛隊のジェットエンジン始動機搭載トラック。車体後部にガスタービン・コンプレッサーと交流発電機を搭載しており、ジェットエンジンの始動やF-4、RF-4、T-2などの整備用電源供給を行う。KM-1からKM-4の４種類がある。三菱重工及び日産ディーゼル製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜ＫＭ−１＞：

　＜ＫＭ−２＞：

　＜ＫＭ−３＞：F-4戦闘機用。183気圧の圧縮空気を供給するガスタービン・コンプレッサーと容量30kVAの発電機を搭載する。参考：自衛隊装備年鑑1996

　＜ＫＭ−４＞：T-2練習機用。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜軌道信号機＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜機動性能確認車両＞：防衛装備庁陸上装備研究所が開発した独立分散駆動型電気駆動システム用データ収集車両。軽量戦闘車両システムのインホイールモーターを試験するための６×６輪車両で、装甲兵員輸送車のような外見となっている。2017年6月30日に公開された。参考：朝雲

＜機動船（海上自衛隊）＞：海上自衛隊第３種支援船、船種記号Ｂ（Boat）。第１術科学校に配備されており、操艦基礎訓練、内火艇操縦訓練に使用される。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜機動船４００２号型＞：海上自衛隊機動船。第１術科学校と幹部候補生学校学生の訓練・実習支援が主任務である。船体は木製で、前部が機関室、中央が操舵室、後部が船室で、操舵室と船室が分離している。全長17m、幅3.8m、深さ1.8m、吃水0.7m、基準排水量14トン（17トン？）。主機はディーゼル、出力165馬力、１軸推進、速力11ノット。B-4002、B-4003、B-4004の３隻が就役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜機動船４００５号型＞：海上自衛隊機動船。潜水訓練に使用されるため、専用の装備を収容し、前部に小型のデリックを搭載する。船体は木製で、船首にマスト、後部に操舵室を持つ。全長15m、幅4m、深さ1.7m、吃水0.6m、基準排水量15トン。主機はディーゼル、出力90馬力、１軸推進、速力８ノット。B-4005が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜機動船４００６号型＞：海上自衛隊機動船。船体はFRP製で、メーカーは日本飛行機。全長13m、幅3.2m、深さ1.45m（B-4014と4015は1.5m）、吃水0.52m（B-4014と4015は0.5m）、基準排水量８トン、常備排水量９トン。主機はディーゼル、出力230馬力、１軸推進、速力14ノット。B-4006、B-4014、B-4015の３隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜機動船４００７号型＞：海上自衛隊機動船。市販のランナバウトを導入したもので、内火艇操縦要員訓練に使用される。船体はFRP製で、全長4.9m、幅2.1m、深さ1m、吃水0.4m、排水量0.9トン、満載排水量1.3トン。主機はガスタービン（ガソリン？）、出力130馬力、１軸推進、速力27ノット。B-4007、B-4008、B-4009、B-4010、B-4011、B-4012、B-4013の７隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜機動船４０１６号型＞：海上自衛隊機動船。船体はFRP製で、全長14m、幅3.2m、深さ1.5m、吃水0.5m、基準排水量９トン。主機はディーゼル、出力230馬力、１軸推進、速力14ノット。１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜機動船４０１７号型＞：海上自衛隊機動船。船体はFRP製で、全長17.4m、幅3.9m、深さ1.5m、吃水0.7m。主機はディーゼル、出力180馬力、１軸推進、速力10ノット。１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜機動船４０１８号＞：B-4018を参照。

＜機動船４０１９号＞：B-4019を参照。

＜機動船４０２５号型＞：海上自衛隊機動船、別名５トン型。市販のプレジャーボートを改造して使用している。全長10.7m、全幅3m、深さ1.8m、吃水0.5m、基準排水量５トン。主機は日産製FM6TA16ディーゼル１基１軸320馬力、速力30ノット。定員12名。2005年3月25日に２隻が竣工し、どちらも第１術科学校に配属された。参考：月刊世界の艦船6,’05

＜機動船４０２８号＞：B-4028を参照。

＜機動船４０２９号＞：B-4029を参照。

＜機動戦闘車＞：16式機動戦闘車を参照。

＜機動装甲車＞：三菱重工が96式装輪装甲車の後継・装輪装甲車（改）の代替として陸自に提案した８×８輪装甲兵員輸送車。16式機動戦闘車の車体がベースで、原型のMAVを製作し、DSEIにも出展している。AMVに負けて採用されなかった。参考：朝雲、月刊JWings2,’23

＜機動第１０２号艇＞：日本陸軍機動艇（SB艇）。元は第163号輸送艦である。終戦時は門司に停泊していたが、直後に台風にあって白野江海岸に擱座した。参考：写真集日本の小艦艇

＜機動第１０３号艇＞：日本陸軍機動艇（SB艇）。昭和22年8月1日に解体された。参考：写真集日本の小艦艇

＜機動第１０５号艇＞：日本陸軍機動艇（SB艇）。昭和22年8月1日に解体された。参考：写真集日本の小艦艇

＜機動隊銃器対策部隊＞：SATを支援するため、1990年代以降に編成された。参考：月刊軍事研究6,’04

＜機動通信装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜機動艇＞：日本陸軍輸送艇、別名SB艇。海軍の二等輸送艦の鋼材を捻出した代わりに完成したそれを譲り受けたものである。前端に揚陸用の扉を持つ。運航は船舶工兵が行った。排水量948トン。主機は海務院下型ディーゼル、出力1100馬力、速力13.5ノット。兵装は艦前部の15cm中型迫撃砲１門。九七式中戦車４両、トラック１両、人員170名を搭載可能。機動第102号艇、機動第103号艇、機動第105号艇など20隻が就役した。参考：激闘太平洋戦記、写真集日本の小艦艇

＜機動艇＞：日本陸軍輸送艇、別名SS（Sensha Smallの略らしい）艇。日本海軍では戦時標準船ES船（Ｅ型戦標船とほぼ同じ大きさ）と呼んだ。艦首の導板から戦車などを擱座揚陸させる艦艇として昭和12年頃から開発され、貨物船よりひめ丸を改造してテストを行い、昭和16年に播磨造船に試作を依頼した。要求は九七式中戦車10両を搭載し、海底が20mあたり1m上昇する巻き波3mの海岸での揚陸が可能で、平時には貨物輸送もでき、艦首吃水1.7m・速力13ノット以上というものである。昭和17年4月に試作艇の蛟龍が完成し、テストの結果、九七式中戦車４両、トラック１両、人員170名の中隊規模諸兵科連合部隊を輸送でき、事前に軽迫撃砲による海岸制圧射撃も行える艦艇に変更され、15隻で海上機動旅団、30隻で海上機動兵団を編成することとなった。艦首の導板には枠型の側面構造材が用意されており、通常は艦首内に収納されていて、擱座着岸後に前門扉を開いて構造材を前方にスライドさせ、折り畳まれた導板をワイヤーで繰り出す仕組みになっていた。北方作戦に備えて耐氷構造をしている。30隻を建造する予定で、昭和18年11月16日には海上機動旅団が編成されたが、終戦までに完成したのは２番艇蟠龍、３番艇海龍（ES3）以下ES20までの20隻に止まった。全長53m、満載排水量948トン（１番艇は850トン）。速力13.7ノット（１番艇は14.5ノット）。戦車４両、トラック１両、人員170名を搭載でき、小発２隻も後部甲板両舷に載せていて、擱座着岸前に歩兵を送り込んで揚陸地点を確保する。兵装は150mm迫撃砲１門、75mm舟艇砲１門、20mm単装高射機関砲３門。参考：歴史群像6,’01、月刊丸9,’03、月刊軍事研究11,’16

＜機動的戦闘配置＞：アメリカ空軍の航空部隊分散展開構想、略称ACE（Agile Combat Employment）。敵の先制奇襲攻撃で航空基地と部隊が全滅しないよう、小型飛行場などを含む多くの場所に部隊を分散させて移動させ続け、損害を最小限にする。必要器材、燃料弾薬、飛行場運用要員はC-130で運ぶ。慣れない飛行場に航空部隊を誘導・着陸させる装置として、可搬式のSF-PALC（狭小着地点・精密接近／着陸能力）システムを開発する予定。参考：月刊JWings1,’20

＜機動展開型衛星通信セット＞：自衛隊の機器。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜機動統制システム＞：MCSを参照。

＜軌道爆雷＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜機動バリヤ（Ｐ−�W型）＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究3,’13

＜機動部隊＞：Manoeuvre。車輌、航空機、船舶などにより遠距離の戦場に急速展開できる陸上部隊。または、空母を中心に編成される航空戦を主任務とする高速艦隊。空母搭載機だけで対空戦・対陸上戦・対水上戦・対潜戦を全てこなすことも出来なくは無いが、とても手が足りないので、直衛艦や兵站担当艦とセットで運用する。参考：月刊丸12,’92、月刊世界の艦船3,’19

　＜機動部隊（アメリカ海軍）＞：真珠湾攻撃で太平洋艦隊の戦艦部隊が壊滅したため、空母中心のタスクフォースを組まなければならなくなり、空母1-2隻に巡洋艦4-5隻と駆逐艦8-9隻を組み合わせて高速機動艦隊を編成した。その後は戦力強化に伴い随伴艦も増加し、空母15-16隻からなる機動部隊を４個機動群に分割、それぞれ正規空母２隻、軽空母２隻、高速戦艦２隻、巡洋艦2-3隻、駆逐艦15-16隻（ピケット艦含む）を配して輪形陣をとり、戦線に出撃するようになった。その後空母戦闘群CVBGと呼ばれるようになり、2003年頃から空母攻撃群CVSG、2006年頃から空母打撃群CSGに改称されている。参考：月刊丸12,’92、6,’14、月刊世界の艦船3,’19

　＜機動部隊（イギリス海軍）＞：2020年10月に編成された空母R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21（Carrier Strike Group 21、空母打撃群21）はイギリス海軍だけでなくアメリカ海軍やオランダ海軍の艦艇も加わっており、アメリカ海軍空母打撃群CSG及び遠征打撃部隊ESF／複合戦指揮官CWCコンセプトに基づく柔軟な作戦対応力を有するとみられる。参考：朝雲

　＜機動部隊（日本海軍）＞：艦隊決戦で事前に制空権を獲得しておくため、空母蒼龍と飛龍を建造し、機動航空部隊としたのが始まりである。これに搭載する複数の航空部隊を一体で運用し、敵攻撃圏外から航空先制攻撃を行う構想も生まれた。当初機動航空部隊には艦戦と敵空母飛行甲板破壊用の艦爆しか積まない予定だったが、悪天候では急降下爆撃が難しいので艦攻も積んで運用の幅を広げた方が良いということになり、艦戦と艦攻だけ積んで艦隊決戦に使う予定だった赤城と加賀は夜間雷撃が難しいので艦爆も搭載することにしたため、搭載機種が同じなら全部機動航空部隊に入れようということで、中型・大型空母を全て機動航空部隊に編入、艦上機による高い打撃力で敵主力艦隊前衛部隊を圧倒することが可能となった。真珠湾攻撃の際に機動部隊という名称の艦隊を世界で初めて編成し、真珠湾攻撃の後もダーウィン空襲とセイロン島攻撃で高い戦果を挙げた。しかし空母の他には軽巡洋艦や駆逐艦が少数しか入っておらず、珊瑚海海戦では防御不足から空母を守りきれなかった。その後航空部隊からは重巡や戦艦を空母の護衛に付けるべきであると意見具申がなされたが、主力艦による艦隊決戦を旨とする上層部には受け入れられず、ミッドウェイ海戦では壊滅的な打撃を受けてしまった。この反省を基にして昭和17年7月14日に空母を中心として戦艦と巡洋艦を加えた第３艦隊を誕生させ、昭和19年3月1日には戦艦大和や武蔵も加えた本格的な機動部隊を再編したが、時既に遅く、練度と数でアメリカに大きく劣ってしまい、マリアナ沖海戦で壊滅した。8月15日に生き残りの空母で第３艦隊を再編したが、機動部隊としての任務は不可能で、捷一号作戦で囮となり消滅、終戦を迎えた。参考：月刊丸3,'18別冊、12,’92

　＜機動部隊（中国海軍）＞：空母遼寧、艦上機28機、052C/052D級ミサイル駆逐艦４隻、054A級フリゲート２隻、093型攻撃原潜1-2隻、補給艦１隻で機動部隊を編成し、慣熟訓練を行っている。本格的な国産空母が就役すれば、055級ミサイル駆逐艦２隻、052D級ミサイル駆逐艦４隻、054A級フリゲート４隻、095型原潜1-2隻、補給艦１隻という編成になるとみられる。参考：月刊軍事研究11,’16、月刊世界の艦船9,’12

　＜機動部隊（フランス海軍）＞：第２次大戦後は正規空母１隻に対空戦闘艦を組み合わせた空母機動部隊を常時１個用意している。湾岸戦争には空母クレマンソー、ミサイル巡洋艦コルベール、対潜駆逐艦D641デュプレ、D642モンカルム、フリゲートのコマンダン・ボリ、補給艦３隻、工作艦ジュール・ベルヌという編成で参加した。2019年のシリアにおける対イスラム国作戦及び太平洋巡航では空母R-91シャルル・ド・ゴール、ホライズン級ミサイル駆逐艦D620フォルバン、FREMM級フリゲートD652プロヴァンス、ジョルジュ・レイグ級駆逐艦D646ラトゥーシュ・トレヴィル、デュランス級補給艦A630マルヌという編成だった。参考：月刊丸12,’92

＜機動部隊（日本海軍、太平洋戦争第一段作戦第一期兵力部署）＞：連合艦隊隷下で、指揮官は第１航空艦隊司令長官南雲忠一中将。空襲部隊（第１航空戦隊、第２航空戦隊、第５航空戦隊）、警戒隊（第１水雷戦隊）、支援部隊（第３戦隊、第８戦隊）、哨戒隊（伊19、伊21、伊23）、ミッドウェイ破壊隊（第７駆逐隊、尻矢）、補給隊（第１補給隊、第２補給隊）からなる。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜機動フラップ＞：空戦フラップを参照。

＜機動砲艦＞：砲艇を参照。

＜機動砲艦（日本海軍）＞：日本海軍内火艇。全長18m、最大幅3.5m、吃水0.7m、排水量25トン。機関出力350馬力、速力11-12ノット。兵装は13mm機銃１丁。昭和15-19年に70-80隻が竣工した。参考：小艦艇入門

＜機動防御＞：防御を参照。

＜機動砲兵（日本陸軍）＞：日本陸軍の部隊。戦車師団の隷下にある自動車化砲兵連隊のことで、機動九〇式野砲24門を装備する。参考：大砲入門

＜機動無線装置＞：自衛隊の機器。バーテックススタンダード製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜機動揚陸支援艇＞：モントフォード・ポイント級（輸送艦）を参照。

＜機動揚陸艇＞：LCMを参照。

＜機動旅団＞：陸上自衛隊の旅団。平成26年度以降に係る防衛計画の大綱で編成が決まった部隊で、統合機動防衛力を構成する。特科部隊は上級部隊に移し、戦車部隊を廃止して機動戦闘車隊を配置、装輪式車両を多数配備して戦略機動性を高めている。司令部に火力調整部があり、陸海空戦力の統合火力調整を行う。第５旅団、第11旅団、第12旅団、第14旅団が改編される予定で、2018年3月に第14旅団、2019年3月26日に第11旅団が改編された。参考：月刊軍事研究11,’18、9,’18、月刊PANZER6,’18、朝雲

＜起動輪＞：ドライブスプロケット・ホイール。変速機を経たエンジン動力が伝達されるホイールの事で、履帯に駆動力を伝達する。履帯駆動の車両に用いられ、履帯に噛ませる歯が付いている。参考：月刊JWings1,’03、戦車マガジン10,’93別冊

＜キトー級＞：エクアドル海軍ミサイル艇Quito級。西ドイツのラーセン45（Lurssen TNC-45 45m）級を導入したものである。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル単装発射筒４基、76mm砲１門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜キトカン・ベイ＞：CVE-71（護衛空母）を参照。

＜キトサップ海軍基地＞：アメリカ海軍基地。ワシントン州キトサップ半島にある。2004年、ブレマートン海軍基地とバンゴール潜水艦基地が統合されて創設された。参考：月刊世界の艦船8,’22

＜キト車＞：九七式軽装甲車ファミリーを参照。

＜キトロフ２Ｍ＞：ロシア軍120mmレーザー誘導砲弾。弾体前部に操縦翼４枚、後部に固定翼４枚を持つ。射程13-14km、命中率80-90%。122mm牽引式榴弾砲D-30、122mm自走榴弾砲2S1、120mm自走迫撃砲2S31などから発射できる。チェチェンのドゥダエフ大統領殺害に使われたともいわれている。参考：自衛隊装備年鑑1996、世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)

＜畿内丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜キナバル＞：14（掃海艇）を参照。

＜キナリアダ＞：F-514（コルベット）を参照。

＜ギニア海軍＞：

＜ギニア海軍（１９７７年）＞：兵力350名。上海級哨戒艇４隻、P6級魚雷艇４隻、ボルチヤト級哨戒艇２隻、小型上陸用舟艇２隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ギニア海軍（１９８９年）＞：兵力400名。コナクリとカカンダに基地がある。ビジランテ級内海哨戒艇１隻、イントレピッド級内海哨戒艇１隻、マトカ級内海哨戒艇１隻、小型内海哨戒艇６隻、汎用揚陸艇２隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギニア海軍（２０１５年）＞：現役兵力400名。哨戒艇４隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギニア空軍＞：

＜ギニア空軍（１９７７年）＞：兵力500名。MiG-17戦闘機10機、MiG-21戦闘機３機、Il-18輸送機２機、Il-14輸送機４機、An-4輸送機４機、MiG-15練習機２機、Yak-18練習機７機、L-29練習機３機、ベル47ヘリ１機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ギニア空軍（１９８９年）＞：兵力800名。MiG-17F戦闘機４機、MiG-21戦闘機８機、An-12輸送機２機、An-14輸送機４機、L-29練習機３機、MiG-15UTI練習機２機、Yak-18練習機６機、Mi-4ヘリ４機、SA-316Bヘリ１機、SA-330ヘリ１機、IAR-330ヘリ１機、SA-342Kヘリ１機を保有する。ただしソ連供与装備の稼働状況は不明。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギニア空軍（２０１５年）＞：現役兵力800名。MiG-21戦闘機３機（作戦状態には無い）、An-2輸送機２機、Mi-24攻撃ヘリ４機、MD-500MD汎用ヘリ２機、Mi-17-1V汎用ヘリ２機、SA342K汎用ヘリ１機、SA330汎用ヘリ１機、AS350B汎用ヘリ１機、R-3空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギニア軍＞：

　＜ギニア軍（２０１５年）＞：現役総兵力9700名（陸軍8500名、海軍400名、空軍800名）、予備役（民兵）7000名、準軍事組織2600名（憲兵1000名、共和国防衛隊1600名）。コートジボアールにUNOCI要員１名とオブザーバー１名、コンゴ民主共和国にMONUSCOオブザーバー１名、マリにMINUSMA要員854名、歩兵大隊１個、オブザーバー３名、南スーダンにUNMISS要員１名とオブザーバー１名、西サハラにMINURSOオブザーバー５名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギニアビサウ海軍＞：

＜ギニアビサウ海軍（１９８９年）＞：兵力300名。ビサウに基地がある。シェルシェン級哨戒艇（魚雷発射管は装備せず）１隻、マトカ級高速哨戒艇１隻、シャントウ級高速哨戒艇２隻、小型内海哨戒艇８隻、T4級車両兵員揚陸艇２隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギニアビサウ海軍（２０１５年）＞：現役兵力350名。哨戒艇２隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギニアビサウ空軍＞：

＜ギニアビサウ空軍（１９８９年）＞：兵力100名。MiG-17戦闘機３機、レイムス・セスナFTB337洋上哨戒機１機、SA318ヘリ１機、SA319ヘリ２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギニアビサウ空軍（２０１５年）＞：現役兵力100名。セスナ208B輸送機１機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギニアビサウ軍＞：

　＜ギニアビサウ軍（２０１５年）＞：現役総兵力4450名（陸軍4000名、海軍350名、空軍100名）、準軍事組織2000名。ただし大規模再編中で、実際の兵力や兵器数は不詳である。マリにMINUSMA要員１名を派遣している。ナイジェリア軍ECOMIB要員160名、セネガル軍ECOMIB要員200名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギニアビサウ陸軍＞：

＜ギニアビサウ陸軍（１９８９年）＞：兵力6800名。機甲大隊１個、歩兵大隊５個、砲兵大隊１個、偵察中隊１個、工兵中隊１個からなる。T-34/85戦車10両、PT-76軽戦車20両、BRDM-2偵察車10両、BTR-40/-60/-152装甲兵員輸送車35両、56式装甲兵員輸送車20両、85mm対戦車砲D-44を８門、122mm砲M-1938/D-30を18門、82mm迫撃砲M-43、120mm迫撃砲M-1943を８門、89mmロケットランチャー、52式75mm無反動砲、82mm無反動砲B-10、23mm高射機関砲ZU-23を18門、37mm高射機関砲M-1939を６門、57mm高射機関砲S-60を10門、9K32携帯地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギニアビサウ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力4000名（削減中）。偵察中隊１個、機甲大隊１個、歩兵大隊５個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個からなる。T-34戦車10両、PT-76軽戦車15両、BRDM-2偵察車10両、BTR-40/-60装甲兵員輸送車35両、56式装甲兵員輸送車（BTR-152）20両、122mm砲D-30/M-1938を18門、82mm迫撃砲M-43、120mm迫撃砲M-1943を８門、52式75mm無反動砲（M20）、82mm無反動砲B-10、85mm対戦車砲D-44を８門、9K32携帯地対空ミサイル、23mm高射機関砲ZU-23を18門、37mm高射機関砲M-1939を６門、57mm高射機関砲S-60を10門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギニア陸軍＞：

＜ギニア陸軍（１９７７年）＞：兵力5000名。機甲大隊１個、歩兵大隊４個、工兵大隊１個からなる。T-34/T-54戦車30両、PT-76軽戦車10両、BTR-40/-152装甲兵員輸送車40両、76mm/85mm/105mm/122mm砲／榴弾砲、57mm対戦車砲、37mm/57mm/100mm高射砲を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ギニア陸軍（１９８９年）＞：兵力8500名。機甲大隊１個、歩兵大隊５個、砲兵大隊１個、工兵大隊１個、コマンドー大隊１個、特殊部隊大隊１個、防空大隊１個からなる。T-34戦車30両、T-54戦車８両、PT-76軽戦車20両、BRDM-1/-2偵察車25両、BTR-40装甲兵員輸送車16両、BTR-50装甲兵員輸送車10両、BTR-60装甲兵員輸送車８両、BTR-152装甲兵員輸送車６両、76mm砲M-1942を８門、85mm対戦車砲D-44を６門、122mm砲M-1931/38を12門、82mm迫撃砲M-43、120mm迫撃砲M-1937/43を20門、82mm無反動砲B-10、57mm対戦車砲M-1943、30mm連装高射機関砲M-53、37mm高射機関砲M-1939を８門、57mm高射機関砲S-60を12門、59式57mm高射機関砲、100mm高射砲KS-19を４門、9K32携帯地対空ミサイルを保有する。ただしソ連供与装備の稼働状況は不明。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギニア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力8500名。機甲大隊１個、特殊作戦大隊１個、歩兵大隊５個、レンジャー大隊１個、コマンドー大隊１個、空中機動大隊１個、大統領警護大隊１個、砲兵大隊１個、防空大隊１個、工兵大隊１個からなる。T-54戦車８両、T-34戦車30両、PT-76軽戦車15両、AML-90偵察車２両、BRDM-1/-2偵察車25両、BMP-1歩兵戦闘車２両、BTR-50装甲兵員輸送車10両、BTR-40装甲兵員輸送車16両、BTR-60装甲兵員輸送車８両、BTR-152装甲兵員輸送車６両、マンバ装甲車10両、122mm砲M-1931/37を12門、130mm砲M-46を12門、220mm多連装ロケットランチャー9P140を３両、82mm迫撃砲M-43、120mm迫撃砲M-1943/M-38を20門、9K11/9K113対戦車ミサイル、82mm無反動砲B-10、57mm対戦車砲ZIS-2(M-1943)、85mm対戦車砲D-44を６門、9K32携帯地対空ミサイル、30mm連装高射機関砲M-53、37mm高射機関砲M-1939を８門、59式57mm高射機関砲（S-60）12門、100mm高射砲KS-19を４門、T-54/-55戦車回収車（を保有しているという報告あり）を保有している。ただし特に旧ソ連製兵器が骨董品になっており、稼動状況には疑問がある。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜鬼怒＞：日本海軍長良型軽巡洋艦。大正11年11月10日竣工。昭和6年9月1-5日、第２水雷戦隊旗艦として横浜に寄港。昭和12年7月7日、日華事変勃発時には第８戦隊に所属していた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制では第４潜水戦隊旗艦、兵力部署では馬來部隊潜水部隊第４潜水戦隊所属だった。昭和17年3月1日、ジャワ島沖で爆撃を受けて小破した。昭和18年6月23日、セレベス島マカッサルで爆撃を受けて小破した。昭和19年3月1日からサ号作戦に参加。10月11日、シンガポールで重巡青葉と接触した。10月24日、マニラ湾で艦上機の攻撃を受けて損傷した。10月26日、パラオから陸軍部隊をレイテ島オルモックまで輸送した帰りにパナイ島北東のスル海で艦上機の爆撃を受け、直撃弾３発により沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本の潜水艦パーフェクトガイド、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧、海軍操舵員よもやま物語、帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊世界の艦船12,’18

＜衣笠＞：日本海軍青葉型重巡洋艦２番艦Kinugasa。昭和2年9月30日竣工。昭和15年10月30日、大改装を完工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第１艦隊第６戦隊、兵力部署では南洋部隊グアム島攻略支援隊に所属していた。12月9日、グアム島攻略作戦に参加。12月21日、ウェーク島攻略作戦に参加。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、第６戦隊所属で珊瑚海海戦に参加。8月8日、第１次ソロモン海戦に参加。10月11日、サボ島沖夜戦で小破した。10月13日、ガダルカナル島飛行場を夜間砲撃した。11月14日、第３次ソロモン海戦に参加、爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、激闘！太平洋戦争地上戦、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜衣笠丸＞：日本海軍香久丸型特設水上機母艦。昭和12年2月28日、国際汽船の高速貨物船として竣工した。9月、日華事変を機に徴用されて横須賀工廠で改造を受け、9月27日に特設水上機母艦となった。昭和13年4月28日、特設運送船となった。昭和14年10月14日、解役されて民間商船に戻った。昭和16年11月4日、再徴用されて特設運送船となった。昭和19年10月7日、ルソン島の西でSS-318バヤとSS-366ホークビルの雷撃を受けて沈没した。昭和20年3月10日に解用された。参考：日本航空母艦史、写真集日本の小艦艇

＜ギヌメール＞：MB131（爆撃偵察機）を参照。

＜杵埼＞：日本海軍杵埼型給糧艦Kinesaki。雑役船公称4006号として起工され、昭和15年9月30日竣工。10月25日、南進と改称された。昭和17年4月1日、運送艦に艦種変更され、杵埼と改称された。昭和18年12月5日、クェゼリンに在泊中に爆撃を受けて小破した。12月10日、ミレ付近で機銃掃射を受けて小破した。昭和20年3月1日、奄美大島の久慈湾でアメリカ機動部隊艦上機の攻撃を受けて沈没した。5月1日、除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜杵埼型＞：日本海軍給糧艦Kinesaki型。日華事変で支那方面艦隊に食糧を補給するため昭和14年度に１隻が計画され、野埼型との比較のため１回り大型の艦とした。船首楼と船橋楼を持ち、その間のウェル・デッキにはデリッククレーンを前後に装着した前部マストが立っている。冷凍庫の容量が野埼型の２倍あり、野埼型よりも評価が良かったらしく昭和16年度計画で３隻が追加建造された。水線長59.35m、垂線間長58m、最大幅9.4m、吃水3.11m、基準排水量910トン、公試排水量950トン。主機は艦本式二三号甲八型ディーゼル機関２基２軸1600馬力、速力15ノット、重油搭載量57トン、航続距離3500海里（12ノット）。兵装は三年式40口径８サンチ高角砲１門、九三式13mm連装機銃１基、爆雷８個。食糧搭載量84.6トン（杵埼は82トン）、真水71.7トン。乗員67名。昭和15-18年に杵埼、早埼、白埼、荒埼が竣工した。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜キネティック＞：QinetiQ。元はイギリス国防省国防評価研究局DERAの一部門で、2001年6月に民営化されて誕生した。社名はKineticのもじりで、Ｑが大文字で２つも入っているのは、映画007シリーズのメカニック開発担当天才技術者”Ｑ”にあやかったらしい。軍輸送に関する研究開発部門、通信ソフトウェアを開発する通信部門、エネルギーソースを開発するマテリアル部門、HUMINTを行うヒューマンインターフェイス部門の４部門に分かれており、軍関連技術だけでなく、民間向けの映像技術や戦争ゲームまで開発していた。また、隷下の航空機兵器試験施設A&AEE（Aeroplane and Armament Experimental Establishment）で航空機の評価試験、王立テストパイロットスクールETPS（Empire Test Pilot’s School）でテストパイロット養成訓練を行っている。2003年2月、アメリカのカーライルグループが株式の33%を取得し、イギリスの政界に働きかけて株主議決権の過半数を獲得（株式自体はイギリス国防省が66%を保有している）、経営権を握った。2004年11月、アメリカのフォスター・ミラー社を買収してタロン遠隔走査型ロボットを実用化。以降も次々と買収攻勢をかけ、アメリカ国防総省とも関係を持つようになった。2007年2月、カーライルグループが全保有株式をイギリス国防省に売却した。2010年10月、マン・テック社が対北米事業部を買収すると発表した。2016年12月、テストパイロット養成訓練用にPC-21練習機２機を発注した。参考：月刊軍事研究4,’11、月刊航空ファン2,’16、3,’17

＜擬爆筒地上破裂＞：陸上自衛隊の火工品。演習場での模擬戦など実弾を使えない場面で砲弾飛翔音や爆発を再現するために使用される。細谷火工製。参考：朝雲、月刊軍事研究8,’09

＜擬爆筒地上破裂（黄）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究12,’11

＜擬爆筒地上破裂（白）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜起爆薬＞：点火しただけで衝撃波を発生させる物質。雷管の起爆剤として用いられる。アジ化鉛とジアゾジニトロフェノールが代表的。参考：火薬のはなし

＜揮発油＞：蒸発しやすい油分のことで、普通はガソリンを指す。参考：飛行機のしくみ

＜キパト・バルゼル＞：アイアン・ドーム（迎撃システム）を参照。

＜キ番号＞：日本陸軍が試作機機体に付けた秘匿ナンバー（試製機密兵器代用名称）。器材区分で飛行機機体を示すカタカナ１字「キ」に一連番号を付けたもので、番号は機種に関係無く１から順に付けてある。制定当初は関連書類が縦書きの漢数字だった関係上、数字だけ書くと三なのか一二なのか二一なのか一一一なのか分からなくなるため、十や百の桁数字も付けて十二や二十一なとど表記し、キと番号の間にハイフンは入れない。最初のキ１は昭和7年4月に試作指示の出た九三式重爆撃機だが、試製機密兵器代用名称の作成使用要領を記した陸軍技術本部民間注文兵器の秘密保持に関する内規が発出されたのは昭和8年4月で、陸軍が民間注文兵器の略号に関する内規を制定したのが昭和8年5月、キ番号が使用され出したのも同じ頃で、陸軍航空統計のキ番号表記が行われたのは昭和9年度からであり、キ170-199が欠番となった他はロケット防空戦闘機キ202まで連続して付与されている。制式化されてもハチヨン（四式戦闘機）などとキ番号の数字のみで呼ばれることが多かった。参考：月刊航空ファン2,’18、月刊丸5,’07

＜吉備津丸＞：日本陸軍甲型特殊船Kibitsu Maru。船内に舟艇格納庫があり、特大発（九七式中戦車搭載用）12隻と大発12隻を収容、船尾扉から発進させて揚陸させる。舟艇格納庫はウェル・ドックではなく、吃水可変用注水設備などは無い。全長152m、総トン数9574トン。主機は蒸気タービン、速力20.3ノット。昭和18年就役。昭和19年8月10日0500、ヒ71船団の一員として伊万里湾を出撃したが、直後に機関が故障して長崎港に引き返した。11月14日、ヒ81船団の一員として伊万里湾を抜錨。昭和20年、触雷して沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’19、輸送船入門

＜吉備桃恵＞：岡山地方協力本部のマスコットキャラ陸自版。参考：朝雲

＜宜賓＞：552（フリゲート）を参照。

＜ギプカ＞：ロシア海軍近距離艦対空ミサイルシステム3M47Ghibka/Gibka。近距離艦対空ミサイル（9K38イグラまたは9M313または9M342）２連装または４連装ランチャーを左右に１基ずつ取り付けた旋回俯仰ターレットに電子光学（高解像度LLLTV）照準器を組み合わせたもので、別の捜索レーダーから目標情報を得てそちらを向き、電子光学照準器により自動または手動で追尾する。甲板上総重量は２トンと軽量で、排水量200トン未満（以上？）の小型船舶でも運用可能。旋回角左右150度ずつ、俯仰角0-60度。攻撃範囲12-15km（航空機）／8km（対艦ミサイル）。リアクションタイム８秒以内。プロジェクト21630ブヤン級コルベットに搭載された。参考：月刊軍事研究1,’18、11,’11、11,’09、2,’07、月刊世界の艦船3,’20、11,’17

＜岐阜かかみがはら航空宇宙博物館＞：岐阜県と各務原市が共同で設立した航空宇宙博物館、愛称は宇宙博（そらはく）。かかみがはら航空宇宙科学博物館をリニューアルしたもので、展示面積を７割増しとして展示機体数も増やし、各コーナーも充実させた。乙式一型偵察機のレプリカ、十二試艦上戦闘機のレプリカ、三式戦闘機二型改、KAT-1練習機、T-33A練習機、T-1B練習機、T-3練習機、F-104J戦闘機、X1G実験機、UF-XS実験飛行艇、T-2CCV実験機、OH-6Jヘリ、XOH-1モックアップ、P-2J哨戒機、US-1A飛行艇、飛鳥STOL実験機などが展示されている。入館料は大人800円、60歳以上と高校生500円、中学生以下無料、20人以上団体割引１人あたり100円引き。開館時間は平日1000-1700、土日祝日1000-1800。休館日は第１火曜日（休日の場合は翌平日）と年末年始（12月28日から1月2日）。2017年3月24日に開館した。2023年2月18日、F-4EJ改戦闘機431号機が岐阜基地から搬入された。3月25日、三式戦闘機二型改が重要航空遺産に認定された。参考：月刊JWings5,’18、6,'23、月刊航空ファン5,’18

＜岐阜管制隊＞：航空自衛隊の管制隊。航空保安管制群の隷下で、岐阜基地の飛行場管制を主任務とする。ちなみに岐阜基地のターミナル・レーダー管制は国土交通省中部国際空港、着陸誘導管制は小牧管制隊が行う。1958年、岐阜基地で新編された。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings4,’16、8,’14

＜岐阜気象隊＞：航空自衛隊の気象隊。1957年、岐阜基地で新編された。参考：岐阜基地ホームページ、月刊JWings8,’14

＜岐阜基地＞：航空自衛隊の航空基地。大元は1876年（明治9年）に開設された日本陸軍第３師団砲兵演習場、元は1917年（大正6年）に開設された日本陸軍各務原飛行場で、現存する日本最古の飛行場（所沢飛行場は廃止）である。所在地は岐阜県各務原市那加官有地無番地、最寄り駅は名鉄各務原線三柿野駅またはJR高山本線蘇原駅。敷地面積3988000平方メートル、滑走路は2710×46m（2700×45m？）、ランウェイ10/28。飛行開発実験団のホームベースであり、空自のほぼ全機種と初号機を揃えていて、基地祭では新装備、試作装備、レア装備の数々が展示され、所属各機種による異機種編隊飛行が見られる。また、隣が川崎重工岐阜工場で、海自P-1哨戒機やP-3C哨戒機も離着陸する。新鋭機研究開発のメッカであるため、塀や木々に囲まれ、外から覗き見ることができないようになっている。陸軍飛行第１連隊将校集会所を流用した広報館に日本陸軍や空自の資料が展示されており、隣の野外展示場には零式三座水上偵察機、F-86F、F-104J、C-46、T-34、FS-T2改が並ぶ。1945年8月、太平洋戦争終結でアメリカ軍が進駐。1957年、一部が返還された。岐阜地方警務隊と岐阜気象隊が新編された。浜松基地から実験航空隊が移駐。技術研究本部の試験場が浜松基地から移駐し、岐阜試験場になった。1958年1月10日、第２補給処が新編された。6月、アメリカ軍から全面返還され、岐阜基地として発足した。岐阜管制隊が新編された。1961年2月1日、電子実験隊が新編された。3月、第３術科学校が芦屋基地に移動した。9月、実験航空隊T-33A練習機が離陸直後に原因不明のエンジン推力低下を起こして基地内劇場に墜落し、乗員２名が死亡した。1962年、自衛隊岐阜病院が開設された。1968年10月、電子実験隊が入間基地に移駐した。1972年、第４高射群が新編された。1974年4月、実験航空隊が航空実験団に改編された。1975年、調達実施本部岐阜調達事務所が新編された。1976年、岐阜地方連絡部各務原事務所が新編された。1989年3月16日、航空実験団が飛行開発実験団に改編された。1990年3月31日、電子戦能力評価システムが竣工した。2009年10月21-22日、岐阜県大町町立大野中学校生徒27人の職場体験学習を支援した。2010年2月25日、地元女性25人と交流会を実施。2013年8月31日から9月1日、岐阜県総合防災訓練が実施された。2014年7月17日、航空中央音楽隊が士気振作演奏を実施。2016年6月1日、UAE空軍司令官イブラヒム・ナシール・Ｍ・アルアラーウィ少将の部隊訪問を受けた。12月2日、稲田防衛大臣の視察を受けた。2017年2月3日1230頃、三菱重工小牧南工場で定期修理中のF-15J戦闘機が社内飛行試験で日本海上空を飛行していた際に、油圧系統の警報灯が点いたため、飛行経路にあった岐阜基地に1316頃に予防着陸した。死傷者や機体の損害は無かった。2月20日、航空機展示場にFS-T2改が展示された。5月16日、殉職者慰霊祭を実施。F-15J、F-2B、F-4EJ改、T-4がミッシングマン・フォーメーションを行い、編隊航過の後にF-15J戦闘機のみ急上昇して弔意を示した。6月、広報館がリニューアルオープンした。6月2日、タイ空軍司令官ジョム大将が基地を訪問した。9月4-6日、C-130後方安全シンポジウムを実施。2018年5月22日、飛行開発実験団が慰霊飛行を実施。9月26日、大阪府立大学航空宇宙工学課程学生ら27人が基地を研修した。2019年10月7日、鳥取県西部地区自衛隊家族会37人が基地を研修した。2020年1月22日、展示機地区にデジタル迷彩のF-4EJ戦闘機が展示された。夏から秋にかけ、C-2輸送機の準整地離着陸能力の確認試験に使用するため、不整地滑走路の改良延伸工事を実施。6月29日、丸茂空幕長が隊員を激励し、2000mに延伸整備中の不整地滑走路を視察した。2021年9月7日1600頃、海自パイロットら10名が搭乗して納入前検査中の新造P-1哨戒機が、飛行試験中に降着装置のトラブルを発生、着陸時に滑走路を逸脱した。乗員に怪我は無かったが、機体は修理に入っている。滑走路が閉鎖されたため、C-1FTBとF-2Bが小牧基地に代替着陸した。防衛装備庁調査委員会と国土交通省運輸安全委員会が詳細や原因を調査している。10月11-14日、ブルーインパルスが移動展示飛行訓練を実施。2022年5月18日、飛行開発実験団F-2A戦闘機１機、F-15J戦闘機１機、T-4練習機２機がミッシングマン・フォーメーションを実施。F-15Jが急上昇して弔意を示した。6月30日、前年9月7日に発生したP-1哨戒機滑走路逸脱事故の原因と再発防止策が発表された。原因は、前脚部ステアリング系統の油圧回路に異物が混入し（経路は不明）、ステアリング・コントロール・バルブのスプールに噛み込んでしまい、前脚が右方向に不時作動したためで、異物混入対策や不具合発生時の緊急操作手順策定といった対策を行うとしている。2023年3月16日、第４高射群が廃止された。7月24日、広報館にF-4EJ戦闘機のコクピットが展示された。10月10日、F-4EJ戦闘機洗機イベントを実施。格納庫にしまわれていた2021年退役F-4EJ戦闘機301号機をエプロンに引き出して洗浄し、11月の航空祭で展示した。参考：岐阜基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、補給本部ホームページ、MOLIBITO Vol.3、月刊JWings6,’10別冊付録、4,’17、8,’17、9,’17、12,’17、8,’18、10,'20、12,'20、1,'21、11,'21、12,'21、1,'22、9,'22、6,'23、12,'23、1,'24、MAMOR vol.103、vol.130、月刊丸3,’14、月刊航空ファン2,’16、8,’16、4,’17、5,’17、9,’17、月刊軍事研究7,’17、朝雲

＜岐阜基地（２００７年度）＞：飛行開発実験団（F-15、F-2、F-4、T-4、C-1、C-1FTB）、第４高射群、第２補給処、自衛隊岐阜病院などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜岐阜基地（２０１５年）＞：飛行開発実験団、第４高射群、同群第13高射隊、同群第15高射隊、第２補給処、自衛隊岐阜病院、岐阜管制隊、岐阜気象隊、技術研究本部／防衛装備庁岐阜試験場、岐阜地方警務隊、近畿中部防衛局東海防衛支局岐阜防衛事務所、岐阜地方協力本部岐阜基地分室が所在している。参考：岐阜基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings8,’14

＜岐阜基地（２０２０年）＞：飛行開発実験団（F-2A/B、F-4EJ/EJ改、F-15J/DJ、T-4、T-7、C-1、C-1FTB、C-2機上電波測定装置搭載型）などが所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜岐阜試験場＞：防衛装備庁／技術研究本部の試験場で、岐阜県各務原市にある。航空機機体、アビオニクス、航空機用ミサイルなどの試験を行うのが主任務である。1957年、浜松基地から岐阜基地に移駐して設立された。2015年10月1日、技術研究本部から防衛装備庁の隷下に移った。2018年9月26日、大阪府立大学航空宇宙工学課程学生ら27人の岐阜基地研修に協力し、X2試験機の見学を行った。参考：MAMOR vol.105、朝雲、浜松基地ホームページ

＜岐阜地方警務隊＞：航空自衛隊の地方警務隊。1957年、岐阜基地で新編された。参考：浜松基地ホームページ

＜岐阜分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は岐阜県各務原市那加官有無番地。2009年10月21-22日、岐阜県大町町立大野中学校生徒27人の職場体験学習を支援した。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、朝雲

　＜岐阜分屯地（２０１５年）＞：第６施設群第369施設中隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ギブリ＞：AMXシリーズ（攻撃機）またはCA-309（多用途機）を参照。

＜キプリング＞：F91（駆逐艦）を参照。

＜キプロス国家守備隊＞：ほぼ陸上部隊で、少数の航空部隊と海上部隊を有し、トルコに対する抑止と、同盟国ギリシャの援軍が来るまでの抗戦を主任務とする。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キプロス国家守備隊（１９８９年）＞：兵力13000名、第一線予備役20000名、第二線予備役30000名。軍司令部１個、師団司令部２個、旅団司令部２個、機械化大隊２個、機甲大隊１個、砲兵大隊１個、コマンドー大隊１個からなる。予備役部隊は歩兵旅団６個（基幹戦力のみ）からなる。T-34/85戦車８両（固定防御用）、AMX-30B2戦車16両、EE-9装甲車40両、マーモン・ハリントン装甲車24両、VAB-VCI歩兵戦闘車27両、レオニダス装甲兵員輸送車16両、VAB-VTT装甲兵員輸送車81両、EE-11装甲兵員輸送車15両、BTR-50P装甲兵員輸送車17両、75mm駄載牽引砲M-116A1を４門、76mm砲M-42を18門、25ポンド砲52門、100mm砲M-1944を18門、105mm砲M-56を18門、105mm砲M-101を18門、128mm多連装ロケットランチャーM-77を８基、81mm迫撃砲71門、82mm迫撃砲M-41、81mm迫撃砲M-43、107mm迫撃砲M-2を12門、ミラン対戦車ミサイル、VAB-HOT自走対戦車ミサイル18両、M-20スーパーバズーカ540基、57mm無反動砲M-18を189門、106mm無反動砲M-40を126門、20mm高射機関砲M-55、35mm高射機関砲GDF-003を８門、40mm高射機関砲、3.7インチ（94mm）高射砲、9M32地対空ミサイル20基以上、内海哨戒艇１隻、BN-2Aマリタイム・ディフェンダー１機、SA-342ガゼル（HOT装備）６機を保有する。ギリシャ陸軍950名、歩兵大隊１個、コマンドー大隊１個、支援部隊、ギリシャ系キプロス軍支援部隊3000名、イギリス軍4200名、イギリス陸軍歩兵大隊１個、歩兵中隊２個、装甲偵察中隊１個、イギリス空軍ヘリ飛行隊１個、航空機分遣隊、国連キプロス平和維持軍UNFICYP（イギリス、オーストリア、カナダ、デンマーク）2300名が駐留する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜キプロス国家守備隊（２０１５年）＞：現役兵力12000名、予備役50000名。特殊部隊連隊司令部１個（特殊部隊大隊１個）、軽機甲旅団１個（機甲大隊２個、機甲歩兵大隊１個）、第１機械化歩兵師団（機械化歩兵大隊２個、機甲偵察大隊１個）、第２機械化歩兵師団（機甲大隊２個、機械化歩兵大隊２個、機甲偵察大隊１個）、第４・第７・第８軽歩兵旅団（軽歩兵連隊２個）、砲兵司令部１個（歩兵大隊８個）、第３支援旅団、沿岸地対艦ミサイル大隊１個からなる。T-80U戦車82両、AMX-30B2戦車52両、EE-9偵察車67両、BMP-3歩兵戦闘車43両、レオニダス装甲兵員輸送車168両、VAB装甲兵員輸送車126両、Mk F3自走砲12両、ズザナ自走砲12両、100mm砲M-1944を20門、105mm砲M-56を72門、155mm砲TR-F-1を12門、BM-21多連装ロケットを４両、128mm多連装ロケットM-63を18両、81mm迫撃砲E-44を170門、81mm迫撃砲M1/M9を70門以上（全て保管中）、107mm迫撃砲M2/M30を20門、120mm迫撃砲RT61を112門、ミラン搭載EE-3を15両、VAB-HOT自走対戦車ミサイル18両、ミラン対戦車ミサイル、HOT対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1を144門、112mmロケットランチャーAPILAS1000門、9K332トール自走地対空ミサイル６両、アスピーデ固定式地対空ミサイル12両、ミストラル携SAM、20mm高射機関砲M-55を36門、35mm高射機関砲GDF-003（＋スカイガード）24門、AMX-30D戦車回収車２両、BREM-1装甲回収車１両、MM-40地対艦ミサイル３基、ロッドマン55級哨戒艇２隻、ヴィットリア級哨戒艇２隻、BN-2B軽輸送機１機、PC-9練習機１機、Mi-35P攻撃ヘリ11機、AW139捜索救難ヘリ３機、SA342L1汎用ヘリ（HOT装備）４機、ベル206L-3軽輸送ヘリ２機を保有する。準軍事組織は武装警察500名、VAB-VTT装甲車２両、AW139ヘリ２機、ベル412SPヘリ２機と、海洋警察250名、ポセイドン級警備艇２隻、シャルダグ級警備艇１隻、ヴィットリア級警備艇２隻、SAB-12級警備艇５隻。UNIFILでレバノンに２名を派遣している。UNFICYPでアルゼンチン軍265名、歩兵中隊２個、ヘリコプター隊１個、オーストリア軍５名、ブラジル軍１名、カナダ軍１名、チリ軍14名、ハンガリー軍77名、歩兵小隊１個、ノルウェー軍２名、パラグアイ軍14名、セルビア軍46名、歩兵中隊１個、スロバキア軍159名、歩兵中隊１個、工兵小隊１個、イギリス軍276名、歩兵中隊１個が展開している。他にギリシャ陸軍950名、イギリス軍2800名、歩兵大隊２個、ヘリコプター飛行隊１個（ベル412ヘリ４機）、戦闘攻撃飛行隊１個（シェーダー作戦。アクロチリ空軍基地にトーネードGR4戦闘機８機、センチネルR1が１機、ボイジャーKC3空中給油輸送機１機、C-130J輸送機１機、チヌークHC4ヘリ４機）が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜騎兵（日本陸軍）＞：日本陸軍の兵科。兵科色は萌黄色。所属兵団が必要とする捜索任務に就き、軽快な機動性を発揮して捜索拠点を占領しつつ斥候を派遣して敵情と地形の索捜にあたり、敵と近接したら必要に応じ好機を捉えて敵の警戒線に突入し、隙を見て斥候を敵地奥深くに忍ばせて捜索を敢行させる。大規模騎兵部隊が捜索を行う際は、軍から配属された直協飛行隊、捜索隊、将校斥候で実施する。捜索隊は通常騎兵中隊１個または戦車中隊１個とし、状況によって騎兵中隊数個＋機関銃＋速射砲＋騎砲＋通信機関、戦車中隊２個以上＋乗車騎兵といった編成をとり、友軍飛行機との連絡を密にし、敵小規模部隊を撃破しつつ捜索する。捜索隊は無線通信、回光通信、戦車、伝令などにより主力との連絡を確保し、収集した情報を総合審査して報告すると共に、主力からの行動命令を受領し、主力が敵と交戦に入った場合には自己の任務やその時の状況などを判断して参戦するか決定する。戦闘の終始に亘り師団のため主要な捜索に任じ、時に敵の側背をしたり、退路を遮断したり、我が側背を警戒したり援護したりといった諸任務に就く。敵の司令部や砲兵を奇襲するなど、戦局に重大な影響を及ぼすべき好機を発見すれば、断乎としてこれに乗じる。騎兵を使用する際は、常に兵力の集結を図ると共に濫用を戒め、必要に際して最大の威力を発揮できるようにする。昭和16年4月に騎兵監部が廃止されて陸軍機甲本部に、騎兵科が廃止されて機甲兵種になった。参考：作戦要務令、工兵入門、月刊軍事研究4,’15

＜騎兵学校（日本陸軍）＞：日本陸軍の実施学校で、騎兵の教育を担当する。次第に馬でなく軽戦車や装甲車に乗るようになったので、昭和11年に丙種学生課程（10ヶ月間）を設け、九五式軽戦車や九七式自動二輪車などによる敵情捜索を主とした教育訓練を施した。近衛騎兵用に馬術教育も太平洋戦争終戦まで行われている。参考：陸海軍学校と教育、機械化部隊の主力戦車

＜騎兵銃＞：カービンを参照。

＜騎兵戦車＞：偵察、敵後方突破、追撃を担当する戦車。騎兵部隊が馬の代わりに配備したのでこの名が付いたが、イギリス軍やソ連軍では快速戦車、アメリカ軍ではコンバット・カーと呼んだ。機動力重視で、当初は比較的軽装甲だったが、第２次大戦では重装甲で機動力のある戦車が開発され、戦車の役割も対戦車戦闘に特化されてきており、騎兵という兵科自体も廃れたため、この分類は消滅し、任務の一部は軽戦車に引き継がれている。参考：月刊JWings5,’03、月刊PANZER5,’83

＜騎兵尖兵＞：前衛（日本陸軍）を参照。

＜騎兵隊（日本陸軍）＞：部隊長と高級指揮官との有線通信を行う場合、最寄りの通信所を基点に通信網を構成することがある。参考：作戦要務令

＜騎兵第４旅団＞：日本陸軍の騎兵旅団。昭和19年後半、第12軍の隷下にあった。参考：比島決戦

＜キベロン＞：F03（フリゲート）またはG81（駆逐艦）を参照。

＜擬砲煙筒＞：自衛隊の火工品。細谷火工または昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究10,’08、2,’13

＜擬砲煙筒（赤）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜擬砲煙筒（黄）＞：自衛隊の火工品。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜擬砲煙筒（白）＞：自衛隊の火工品。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜希望の星プロジェクト＞：日本によるロシア原潜解体プロジェクトで、2002年のカナナスキス・サミットにおいて合意された大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバルパートナーシップの日露行動計画として実施された。2003-04年に極東で放置されていた671RTM型原潜１隻を７億9000万円で解体。2005年には日露非核化協力委員会第24回総務会で更に５隻を解体することになり、オーストラリア、韓国、ニュージーランドの資金も投入して671型１隻、671RTM型３隻、670型１隻を2009年までに解体した。参考：月刊軍事研究4,’14

＜基本運航重量＞：Basic Operating Weight、BOW。自重にシステム用液体（燃料、潤滑油など）、緊急装備品（脱出用シュート、緊急用無線機、救命胴衣、救命ボートなど）、標準運航装備品（飛行マニュアル、飛行日誌、工具、航法用計算機、飲料水、トイレの水・化学洗浄剤など）の重さを加えたもの。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’02、10,’09別冊付録

＜基本教育＞：自衛隊の教育のうち、自衛隊員として必要な資質を養い、職務遂行に必要な基礎知識や技能を取得させるもので、学校（職種学校・術科学校）や教育部隊で実施する。階級に応じて素養教育と特技教育に分かれる。参考：陸海軍学校と教育

＜基本教練＞：自衛隊員が号令に正しく反応し、自衛隊が組織として纏まった行動を取れるようにする訓練のこと。各個教練で個人の動作、部隊教練で部隊の動作を訓練する。前へ進め、回れ右といった基本動作の他、前の者の肩を揉めという号令も掛けられる（１回だけだと一番後ろが揉んで貰えないので、回れ右をしてもう一回揉む）。参考：MAMOR vol.100

＜基本降下課程＞：陸上自衛隊の空挺隊員養成教育で、空挺教育隊で実施される。新隊員前期教育（10週）修了後に適性検査を受け、第１空挺団の新隊員後期教育（９週）を終えて学生になるコースと、一般部隊で勤務後に志願し、適性検査を受けて学生になるコースがある。適性検査は年齢、体格、体力、健康状態、知能、性格、作業素質、職業適性など細かな基準が決められている。教育は座学、地上訓練（落下傘を装着して送風機で風を送り着地後の対応を学ぶ）、模擬扉訓練（輸送機模型の扉から跳び出す）、着地訓練（高さ1-2mから飛び降りて受け身を取る）、懸吊着地訓練（吊り帯で吊られたまま着地を訓練する）、傘操縦訓練（吊り帯で空中にぶら下がり、帯を引っ張って移動する技術を身に付ける）、跳出塔訓練（高さ11mにある輸送機模型からハーネスを付けて跳び出し、跳び出し姿勢や開傘確認動作を訓練する）、降下塔訓練（習志野駐屯地にある高さ83mの降下塔の高さ65mの位置に吊り下げられ練習傘で降下する）と進み、その合間に28時間体力錬成訓練などをこなし、航空機で高度1000フィート（304.8m）から５回降下すると課程は修了、空挺徽章が授与されて空挺隊員になる。参考：スピアヘッドNo.15、日本の防衛戦力Part1、陸上自衛隊地上戦力の全容、MAMOR vol.124、空挺従事者の取扱に関する訓令

＜基本三舵＞：補助翼（エルロン）、昇降舵（エレベーター）、方向舵（ラダー）のことで、一次操縦翼面（Primary control surface）ともいう。これらにより操縦特性や失速特性などが決まるので、重要な構造である。フラッターの原因になる部分なので、舵面の重心をヒンジの近傍またはヒンジより前に位置させて予防する必要があり、ヒンジより後方をできるだけ軽量化したり、ヒンジより前の部分に錘を付けたりする。高機動性能が必要な戦闘機などでは大きなＧの掛かる状況下でも急激に動かす必要があるので、フライ・バイ・ワイヤ／ライトなどでは強力俊敏な作動用アクチュエーターを備えておく。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、4,’17

＜技本式オールギヤードタービン＞：長門型戦艦の主機で、加賀型戦艦にも搭載予定だった蒸気タービン。艦本式トリプルフロー蒸気タービンの燃費が思ったほど良くなかったために開発されたもので、海軍技術本部が基本設計、呉工廠が詳細設計を担当した。分流式高低圧衝動オールギヤードタービンで、タービンは全て技本独自設計のタービン翼を持つブラウン・カーチス式衝動段落により構成される。缶室からの蒸気は衝動式高圧タービンの初段ブラウン・カーチス翼車を回転させた後で二手に分かれ、一方（３分の１。２割？）は高圧タービンの残りの段落、もう一方（３分の２。８割？）は更に二手に分かれて双流式低圧タービンを回転させる。巡航タービンは無く、巡航時には高圧タービンのみを使用して低圧タービンは切る。後進タービンは高圧タービン軸に付く。起動時には混焼缶３基と重油専焼缶２基の蒸気を送り、必要な出力に応じて徐々に重油専焼缶を追加、最後に混焼缶３基を燃やして最大出力にする。減速装置はフローティング・ピニオン（遊動児歯車）型１段式で、それぞれ高圧タービン軸と低圧タービン軸に繋がるピニオンギア（児歯車）２個をホイールギア（親歯車）で１軸に纏めて回転数を落とすクロス・コンパウンド式を採用したが、国内に製造技術が無く、ウエスティングハウス社に依頼して長門は完全輸入、陸奥は同社から購入したホブ盤による国内製造とした。遊動機構は長門が油圧支持架台方式、陸奥がＩビーム方式である。長門は低圧タービン軸を減速装置に繋ぎっぱなしにしていたが、巡航時に空回りする低圧タービンがエネルギーの浪費になっていたため、陸奥では減速装置と低圧タービン軸に間に嵌脱継手を取り付けて巡航時に接続を切る機構を用意し、効率が１割向上した（長門も後日装備）。タービン回転数は高低圧共に2732rpm、プロペラ回転数230rpm、減速比11.87。参考：月刊世界の艦船12,’15、11,’11、月刊丸11,’09

＜基本重量＞：自重を参照。

＜基本操縦（Ｔ−４００）課程（長期）＞：航空自衛隊の輸送機・救難機パイロット養成コース。初級操縦課程を修了して輸送機・救難機操縦者候補となった学生に対し、実動部隊で将来活躍できる実力を付与するもので、第41教育飛行隊で行われる。期間は１年間で、座学、シミュレーター訓練、T-400練習機による飛行訓練からなる。座学は定員最大４名の少人数教育。シミュレーター訓練は教官１名と学生２名で行い、正操縦席に学生１名、副操縦席に教官が座り、もう１名の学生は後席で岡目八目の自習を行い、１時間半で交代する。飛行訓練は基本空中操作訓練、離着陸訓練、有視界飛行の航法訓練、計器飛行による航法訓練と進み、夜間飛行、悪天候計器飛行、緊急状況下空中操作なども行い、編隊飛行など複数機での訓練を経て総合訓練と、計170時間に達する。期間中に国土交通省事業用操縦士資格と防衛省計器飛行証明を取得し、修了すれば第41教育飛行隊司令からウイングマークが授与される。参考：MAMOR vol.149

＜基本操縦前期（Ｔ−４）課程＞：航空自衛隊の戦闘機パイロット養成コース。初級操縦課程を修了して戦闘機操縦者候補となった学生に対し、ジェット機の基本や特性を習得させるもので、第13飛行教育団で行われる。期間は６ヶ月で、座学と65時間のT-4飛行訓練（離着陸、計器飛行、編隊飛行、航法）からなる。参考：月刊航空情報2,’10

＜基本総重量＞：クリーン総重量を参照。

＜君川丸＞：日本海軍神川丸型特設水上機母艦Kimikawa maru。元は昭和12年7月15日に竣工した川崎汽船の高速貨物船で、昭和16年7月に改造を終え、7月6日に徴用され、7月25日に特設水上機母艦となった。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制でも兵力部署でも第21戦隊所属だった。昭和18年10月1日、特設運送船に艦種変更された。昭和19年10月23日、ルソン島の西でSS-276ソーフィッシュの攻撃を受けて沈没した。12月10日に解役された。参考：日本航空母艦史、写真集日本の小艦艇、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜気密防護衣＞：陸上自衛隊のNBC防護服。最も汚染の酷い場所で使用されるレベルＡ防護衣で、大型の透明面体が付いた全身を覆うスーツ型となっている。色はオリーブドラブ単色。参考：スピアヘッドNo.17

＜キミにエールＡＲ＞：自衛隊公認のスマートフォンアプリ。スマートフォンで顔を撮影して自衛官のアバター（制服は18種類用意されている）を作成し、自衛官募集ホームページなどで入手できるARマーカーをコピー機で出力、それにスマートフォンのカメラをかざすと、ARマーカーの画像上にアバターが出現してメッセージが表示される。アバターと壁紙を組み合わせてスタンプを作ることも可能。参考：MAMOR vol.89

＜金正男氏暗殺事件＞：2017年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で北朝鮮の金正男氏が暗殺された事件。空港ロビーで実行犯の女２人が金正男氏の顔にVX（または前駆体）を塗りつけて逃げた。金正男氏は空港カウンターの係員に対し顔に液体をかけられたと訴え、倦怠感や目の痛みが見られたため救護室に運ばれたが、救急車を待つ間に意識不明となり、搬送中に死亡した。マレーシア警察は2月16日までに実行犯とみられる女２人（１人はベトナムのパスポート所持、もう１人はインドネシア国籍）を逮捕。2月16日、統幕長が記者会見において北朝鮮による犯行との前提での記者の質問に答え、金正男氏に北朝鮮での政治的影響力が無いため日本の安全保障に対する直接の影響は無いが、北朝鮮の体制そのものの異常さについては頭に入れておく必要があるとした。2月17日、マレーシア警察が北朝鮮国籍の男１人を逮捕した。3月27日、韓国国家情報院は北朝鮮秘密警察の国家保衛省が北朝鮮外務省の協力の下に実行したと発表した。参考：月刊軍事研究5,’17、朝雲

＜キム・スヒョン＞：韓国海軍尹永夏級ミサイル艇16番艇Kim Soohyun。2014年10月2日就役。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜キム・チャジン＞：金佐鎮（潜水艦）を参照。

＜キム・チャンハク＞：韓国海軍尹永夏級ミサイル艇14番艇Gim Chang-Hak。2013年4月24日進水。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜キムチョン＞：761（コルベット）を参照。

＜木村定光＞：日本陸軍エース。大正4年、千葉県生まれ。昭和13年5月、陸軍操縦学生教程を修了し、熊谷陸軍飛行学校助教となった。昭和17年、飛行第４戦隊に転属となり、二式複座戦闘機によるB-29攻撃法を研究訓練した。昭和19年6月16日、B-29爆撃機２機を撃墜、３機を撃破し、参謀総長から軍刀を授与された。昭和20年3月27日、夜間迎撃でB-29爆撃機５機を撃墜、２機を撃破し、西部軍司令官から個人感状と武功章を授与された。7月14日、B-29爆撃機１機を撃破した後、自爆するとの無線連絡を最後に消息不明となり、戦死認定された。総撃墜機数８機。最終階級は中尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜木村三郎＞：日本陸軍エース。大正4年、山形県生まれ。昭和10年4月に陸軍に入隊し、昭和12年6月に飛行学生課程に入学、明野飛行学校を経て昭和13年6月に飛行第11戦隊に配属された。昭和14年5月28日、I-15戦闘機１機を撃墜し、初戦果を挙げた。6月27日、I-16戦闘機４機とI-15戦闘機３機を撃墜。負傷したため入院加療したが、回復前の7月6日に退院して7月7日から戦闘任務に復帰した。8月7日、ハルハ川上空でI-15戦闘機１機を撃墜したが、左大腿に被弾して激しい出血を起こし、飛行場まで帰り着いたものの着陸に失敗して転覆、8月8日に戦死した。総撃墜機数19機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜木村昌福＞：きむらまさとみ。明治24年12月6日、静岡県生まれ。海軍兵学校第41期生（大正2年12月卒業）で、ハンモックナンバーは118名中107番目（117番目？）である。大正6年6月、海軍水雷学校卒。12月、海軍砲術学校卒。中尉時代からカイゼル髭を蓄えており、ヒゲのショウフクと呼ばれた。大正12年から掃海艇長、駆逐艦長を歴任し、昭和10年11月に第21駆逐隊司令となった。昭和12年12月、大佐となり、第８駆逐隊司令に着任した。昭和14年12月、神通艦長となった。昭和15年10月、鈴谷艦長となった。太平洋戦争開戦後は南方作戦、ミッドウェイ海戦、第２次ソロモン海戦、南太平洋海戦に参加。高等科や海軍大学校も卒業していないが、実績だけでハンモックナンバーを47番まで引き上げ、昭和17年11月、少将に昇進し、横須賀鎮守府付となった。12月、舞鶴海兵団長となった。昭和18年2月、第３水雷戦隊司令官となり、ラバウルに向かったが、赤痢に罹患して入院。退院直後に81号作戦に参加、輸送船団が全滅し、本人も機銃弾３発を被弾して重傷を負った。昭和18年6月に退院すると第５艦隊第１水雷戦隊司令官となり、7月にキスカ撤退作戦を成功させた。昭和19年8月から瀬戸内海で第１水雷戦隊訓練の指揮を執った。10月、比島沖海戦に西村艦隊の後詰めとして参加、旗艦阿武隈が損傷（後に沈没）したため駆逐艦霞から指揮を執った。その後は多号作戦（フィリピンへの輸送任務）に従事し、第２次・第４次多号作戦を成功させた。多号作戦終了後、第３次多号作戦で壊滅した第２水雷戦隊を再建させるにあたり、昭和19年11月に第２戦隊司令官に任命された。12月、礼号作戦を指揮。昭和20年2月、草鹿龍之介連合艦隊参謀長から連合艦隊参謀副長に推挙されたが、人事担当が海軍大学校を卒業していないことなどを理由に許可せず、連合艦隊司令部付となった。4月、海軍総隊付となった。6月、海軍対潜学校校長となった。7月、海軍兵学校防府分校教頭兼監事長兼防府海軍通信学校校長となった。終戦時は少将で、10月に出仕したが、海軍が解体される直前の11月1日に中将へ昇進するという異例の待遇を受けた。戦後は防府で製塩業を営み、昭和35年に死去した。参考：歴史群像8,’98、ラバウル航空戦、海軍兵学校よもやま物語、月刊世界の艦船9,’14

＜木村豊＞：日本陸軍エース。大正8年、宮城県生まれ。昭和11年2月、少年飛行兵として熊谷陸軍飛行学校に入学、昭和12年11月に卒業し、明野で戦闘機教育を受け、飛行第１連隊に配属された。飛行第11連隊に転属の後、昭和13年10月に飛行第24戦隊に転属し、昭和14年5月からノモンハン事件に参加。5月22日、ハルハ河上空でI-16戦闘機１機を撃墜。6月22日、７機を撃墜した。6月24日、１機を撃墜後に左脚に被弾、１ヶ月半入院した。昭和14年12月、曹長に昇進。昭和15年、第９飛行団司令部飛行班で連絡任務に就いた。昭和18年夏、飛行第59戦隊に転属してニューギニア方面で作戦を行ったが、病気が悪化して第９飛行団司令部に戻り、昭和20年に第106教育飛行団に転属、終戦を迎えた。総撃墜機数９機。最終階級は准尉。戦後は陸上自衛隊のヘリコプターパイロットとなり、退官した。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜ギムレット＞：9K34（地対空ミサイル）を参照。

＜ギムレット＞：アメリカ軍の試作51mm空対空ロケット弾。1957年に開発中止となった。参考：月刊JWings10,’23

＜ギムレット＞：ドライ・ジン45ml、ライムジュース15mlをシェークしてカクテルグラスに注いで作るカクテル。19世紀末、イギリス東洋艦隊の海軍将校に毎日支給されていたジンをそのまま飲むと健康に悪いので、イギリス海軍の軍医T.O.ギムレット卿がライムジュースで薄めることにしたのが始まりである。参考：カクテルBOOK300

＜キメック＞：ラインメタル・カナダ社の遠隔操作銃塔。装甲化されていて、二軸安定化装置を装備しており、12.7mm機銃や40mmてき弾発射機などを搭載できる。俯仰角マイナス20度からプラス60度。重量210kg。参考：月刊軍事研究9,’10

＜キメラ＞：チェムリン社が開発したチャフ／フレア・ディスペンサーChimera。RCS7000平方メートルでI/Jバンド対応のチャフ雲と、波長3-14マイクロメートル対応のフレア４個を同時に発射し、空中で展開する。参考：月刊軍事研究1,’08

＜沂蒙山＞：988（揚陸艦）を参照。

＜キモン＞：ギリシャ海軍キモン級フリゲート１番艦Kimon。2023年9月28日に浮揚され、事実上進水した。10月4日、進水式を実施。参考：月刊世界の艦船１,’24

＜キモン級＞：アミラル・ロナルク級フリゲート海外シリーズを参照。

＜キャ＞：ノルウェー海軍潜水艦Kya。元はドイツ海軍Ｕボート�ZＣ型潜水艦U926である。1949年1月10日就役。1964年3月に除籍された。参考：ナチスＵボート

＜ギヤード・タービン＞：タービンエンジンは高回転で効率が良いが、プロペラは低回転の方が効率が良いため、間に減速歯車を挟み込んで両者の効率を最大限にした推進システム。高圧・中圧・低圧各タービンの出力を１軸に纏めて出力させる（クロス・コンパウンド方式）こともできる。大出力に耐えられる高性能の歯車が製造できるようになるまでは低出力の巡航タービンのみにギヤード・タービンが適応されていた（パーシャル・ギヤード・タービン）が、技術進歩でオール・ギヤード・タービンが完成した。歯車１段での減速には限界があるので、タービン高性能化による回転数上昇に伴い、２段減速式や３段減速式も開発されている。参考：月刊世界の艦船5,’11、11,’11、月刊軍事研究3,’16

＜ギヤード・ターボファン＞：二軸式ターボファンエンジンの低圧軸とファン回転軸を減速ギアを介して接続しているもの。軸が細くなりすぎて三軸式ターボファンの設計が難しい小型エンジンでファン回転数を最適化するために使用される。プラット＆ホイットニー社製ピュアパワーPW1000シリーズに採用された。参考：月刊軍事研究4,’12

＜キャヴァラロ＞：APD-128（高速輸送艦）またはDE-712（護衛駆逐艦）を参照。

＜キャカベイ級＞：トルコ海軍戦車揚陸艦。兵員400名、戦車９両を搭載できる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜逆ガル翼＞：Inverted-gull Wing。胴体から主翼が下向きに出た後、水平または上向きに変わるもの。カモメの翼と逆なので、この名がある。円形断面の胴体から主翼を直角に生やすことで干渉抗力が減少し、翼胴フィレットを取り付ける必要が無くなる。主翼折れ曲がり部分に主脚を取り付けると、大直径プロペラを装備しても脚長が短くて済む。操縦席からの下方視界も良好である。F4U、Ju87、流星などが採用したが、構造が複雑、縦安定性が悪い、大迎え角で折れ曲がり部分が失速しやすいといった欠点があり、廃れた。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’00、10,’09別冊付録

＜逆キャンバー翼＞：通常とは逆に、主翼下面側のキャンバーを上面側よりも大きくした翼型のこと。参考：月刊JWings12,’14

＜逆鈎＞：撃針、撃鉄、遊底などを撃発準備状態に保持する部品。参考：火器弾薬ハンドブック

＜逆合成開口レーダー＞：目標に反射したレーダー波のドップラー・シフトを解析することにより、目標の形状を識別できるレーダー。合成開口レーダーに目標自体の動きによる効果を加えるもので、かなり解像度の高い映像が得られる。参考：月刊軍事研究12,’03、5,’05

＜脚支柱＞：Landing gear strut。降着装置にかかる圧縮力を負担する支柱のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜逆推力装置＞：逆噴射装置を参照。

＜規約設定器＞：自衛隊の機器。アメリカ陸軍に発注している。参考：月刊軍事研究3,’18

＜逆操向＞：クラッチ・ブレーキ式操向装置を参照。

＜逆探ソナー＞：アクティブ・ソナー音、音響測深儀の測深音波、水中電話音声などを逆探知するためのソナー。キャッチした音の分析により、相手の艦種、位置、対潜戦の状況、対潜部隊規模などを推定できる。対潜用ソナーで逆探知できない高周波数・短波長帯をカバーするため、ソナー・アレイは小型で済み、上甲板前部の小型フェアリング内に収めたり、船体内の複数箇所に設置したりする。参考：月刊世界の艦船1,’17

＜逆テーパー翼＞：翼端に行くほど翼弦長が長くなる翼型のこと。XF-91が採用したもので、翼端失速を防ぐため翼端に行くほど主翼を分厚くしたが、そのままだと空力抵抗も上がってしまうので、翼厚に合わせて翼弦長も長くした結果、この形になった。参考：月刊JWings4,’07

＜規約配送器（１）＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究3,’18

＜規約配送器（２）＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究3,’18

＜規約配送器（３）＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究3,’18

＜規約配送器（４）＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究3,’18

＜逆フィルタ＞：フィルタを参照。

＜逆噴射装置＞：逆推力装置、スラスト・リバーサー（Thrast reverser）。ジェットエンジンの排気ノズル部分に設けられる制動装置で、排気が前向きになるよう偏向させ、逆推力（本来の推力の半分くらいの大きさ）を作り出す。排気ノズルを遮断して排気を前方に噴射するバケット式リバーサー（排気口最後部を塞ぐクラムシェル型とタービン直前にリバーサーブレードを設けるターゲット型がある）と、ファンの空気流を前に向けるファン・リバーサーがある。短距離着陸が可能となるが、機構が複雑化し重量も増える。参考：月刊軍事研究4,’12、月刊JWings1,’01、10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版

＜逆方位角＞：英語ではバックアズマス。南を０度、西を90度、北を180度、東を270度として方位を表したもので、方位角と180度の差がある。参考：コンバット・バイブル２

＜逆柳船＞：封鎖突破船を参照。

＜逆柳輸送＞：逆柳船によるアジアからドイツ向けの輸送のこと。参考：月刊丸6,’01

＜キャサリン台風＞：1947年9月15-16日に遠州灘から房総半島を通過した台風で、前線を刺激して各地に大雨を降らせた。戦時中に山林が荒廃していて土地に保水能力が無く、北関東で水害が多発し、埼玉北部では利根川と荒川の堤防が決壊して9月18日までに春日部から桜堤までが水没した。東京都知事は都内への波及を防ぐために内務省と近隣知事に相談して江戸川堤防の爆破を決定し、在日米軍工兵隊に依頼したが、堤防が頑丈すぎて失敗。9月19日未明に桜堤が決壊し、柴又から小岩までが浸水した。その後、漸く堤防の爆破に成功して江戸川のこれ以上の氾濫は防いだが、次いで中川が決壊してしまい、濁流が亀有、四ツ木、船堀を通過して東京湾に到達した。死者・行方不明者は1930人に達し、40万人が罹災、耕地12927ヘクタールが失われた。参考：月刊丸11,’09

＜キャシュ＞：アメリカ海軍給油艦。1944年1月22日、ニューヘブライズ諸島付近で呂37潜水艦の雷撃を受け大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜キャスウェル＞：AKA-72（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜キャスト・レッド作戦＞：イスラエル軍によるガザ地区侵攻作戦Operation Cast Lead。ハマスによるロケット弾攻撃に業を煮やしたイスラエルが2008年12月27日に開始した。F-16戦闘機40機がJDAMとMk82（深地下目標用にGBU-39/BやPB500A1レーザー誘導爆弾も）を搭載してハマス政府・軍事・治安施設やエジプト−ガザ補給トンネルをピンポイント攻撃し、農地や果樹園に隠された拠点やロケット弾発射基地を爆破、僅か３分の間に100カ所を爆砕した。この日にF-16戦闘機は555ソーティを行い、トンネル40本を破壊、ハマス戦闘員160人と民間人40人を殺害している。続いてAH-1/AH-64攻撃ヘリが出撃し、地下弾薬庫、兵器保管施設、ロケット弾発射施設を攻撃、12月31日までに目標400カ所を破壊した。爆撃前には目標周辺の住宅にイスラエル軍が直接電話を掛けて15分以内の退去を呼びかけ、警告ビラ40万枚を撒き、ノック・オン・ザ・ルーフ戦術を使用している。ハマスはロケット弾攻撃で反撃、毎日50-70発を発射し、殆どはイラン製だったが、中には中国製90式ロケット弾（口径122mm、射程42km）もあった。12月28日、イスラエルが予備役6700名の召集を閣議で承認。アラブ連盟は緊急外相会議を召集したが、足並みが揃わずに31日に延期された。イランはハマスを支援したが、物資を積んだ貨物船はイスラエルが阻止している。ヒズボラもロケット弾を２回ほど撃ち込むに止まった。12月29日、国連事務総長はイスラエルの自衛権を認めたが、その後過剰報復であるとして非難。12月30日、イスラエルが2520名の追加召集を申請。地上作戦に備え、UAVを使用してガザ地区を念入りに偵察した。2009年1月3日深夜にイスラエル軍砲兵隊が白燐弾と榴弾でハマス武装勢力のあぶり出し及び地雷誘爆処理を開始。２時間後に戦車隊、戦闘工兵、１個空挺旅団が威力偵察がてらガザに侵攻した。1月4日朝、戦車を含む装甲車両150両と歩兵6000名からなる５個旅団がガザ北部・東部・南部から侵攻。カッサム・ロケット弾及び迫撃砲陣地を破壊し、ガザ市を包囲した。1月5日、イスラエルのエルサレム・ポスト紙が、ガザでのファタハの反乱を防ぐためハマスがスパイ35人を処刑したと報じた。1月6日、国連は国連パレスチナ難民救済事業機関の運営する学校３カ所がイスラエル軍の砲撃を受けて民間人45人が死亡したと発表し、イスラエルを非難。イスラエル側は学校の敷地内から迫撃砲の砲撃を受けたことに対する反撃と主張した。国連のその後の調査で、爆発は学校の外で起きており、校内では死者が出ていないことが判明し、国連は主張を取り下げている。1月7日、エジプトが提案した３時間の停戦が受け入れられたが、終了後はエジプトへの密輸トンネルを中心に爆撃が再開された。1月8日、国連人道問題調整事務所が確認した12月27日からこの日までの民間人犠牲者は758名と発表した。1月9日、国連安保理が安保理決議1860号（ガザ停戦決議）を採択（アメリカは棄権）したが、イスラエルもハマスも拒否した。1月10日、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長がエジプトを訪問し、イスラエルとハマスに停戦受け入れを強く要求。1月11日、イスラエル情報機関シンベトが確認した12月27日からこの日までにイスラエルに撃ち込まれたロケット弾は565発、迫撃砲弾は200発だったと発表した。1月12日、地上部隊がガザ市中心部に到達。トンネル陣地、ロケット弾製造工場、弾薬庫を破壊し、ハマス構成員を殺害した。1月14日、ハマスが白燐発煙弾頭ロケット弾16発をイスラエルに向けて発射。1月15日、国連事務総長がイスラエルを訪問。イスラエル軍がガザの国連機関本部を砲撃、人道支援物資が破壊された。1月18日0200、イスラエルが停戦を一方的に表明。ハマスも完全撤退を条件に１週間の停戦を提案。1月21日、イスラエル軍がガザから完全撤退した。パレスチナ側には戦闘員・警官死者390人、民間人死者1284人、民間人負傷者4336人が出たとされる。また、19億ドルに及ぶ経済損失を受けた。イスラエル側の死者は兵士10名、市民３人。ハマスは携帯電話と無線で指揮を執ったが、イスラエルの妨害で通信をシャットアウトされ、伝令に頼らざるを得なかった。イスラエル軍はメディアの同行を許さず、ユーチューブにイスラエルとハマス双方が投稿を繰り返して正当性をアピールした。1月27日、ガザとの境界をパトロールしていたイスラエル軍兵士がIEDで死亡。イスラエル軍は戦車とブルドーザーを投入して付近を捜索した。1月28日、イスラエル空軍がガザ南部の密輸トンネルを爆撃。1月29日、イスラエル空軍の爆撃とハマスのロケット弾攻撃が行われた。1月31日、ハマスが122mmロケット弾を発射。イスラエル軍が爆撃を実施。2月1日、ハマスがカッサム・ロケット弾４発と迫撃砲弾14発をイスラエルに撃ち込み、２人が死亡した。イスラエル軍は爆撃を実施。2月2日、イスラエル軍の爆撃で１人が死亡、３人が負傷。ハマスは迫撃砲とカッサム・ロケット弾を撃ち込んだ。2月3日、爆撃と122mmロケット弾攻撃が行われた。2月8日、ハマスがカッサム・ロケット弾２発を発射。2月10日、イスラエル総選挙で強硬派の野党右派勢力が勢力を伸ばした。イスラエル軍がハマスの拠点をミサイルで攻撃し、１人が死亡した。参考：月刊軍事研究4,’09、3,’09、6,’09

＜キャスパー＞：PF-12（フリゲート）を参照。

＜キャスパー・シリーズ＞：南アフリカ軍の国産耐地雷装輪装甲車Casspir。ベドフォード社製４輪トラックを基に開発された。アンゴラ、インド、ナミビア、ペルー、ウガンダなどに輸出もされている。参考：世界の軍用車両(4)、月刊軍事研究6,’05、9,’10

　＜キャスパーＭｋ．�T＞：最初の量産型。車体底部はＶ字をしており、車高も高く、耐地雷性に優れる。車体最前部が機関室、その後方右が操縦手席、左が車長席、後部が10名用オープントップ兵員室である。車長席上面には銃座や銃塔の装備が可能で、車長席前面左の窓にも7.62mm機銃を搭載できる。兵員室側面に細長い大型防弾ガラス窓とガンポート、後面にガンポート付き乗降ドアがあり、上面の開口部には鋼製の屋根を取り付けることが可能。全長6.75m、戦闘重量12.5トン。乗員12名。1979年から生産された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊軍事研究4,’97

　＜キャスパーＭｋ．�U＞：細部改良型。重量11トン。乗車歩兵14名。1999年末、インド陸軍が南アフリカ陸軍から買い取ってカシミールに配備した。参考：月刊軍事研究2,’02、世界の軍用車両(4)

　＜キャスパーＭｋ．�V＞：

　＜キャスパーＭｋ．�W＞：新規開発型。基本装甲で7.62mmNATO標準弾に耐えられ、追加装甲も装備できる。車体下部でTNT爆薬14kg、車輪下でTNT爆薬21kgまたはTM-57地雷３個の炸裂に耐える。飲料水タンクとエアコンを標準装備。エンジンはカミンズ社製モデルBT6ディーゼル（総排気量6700cc、出力300馬力）、トランスミッションはアリソン3000オートマチック。乗員２名＋乗車歩兵10名。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜キャスパーＭｋ．�Y＞：４×４輪と６×６輪の２種類がある。民生用シャシー、モノコック車体、ロシア製駆動系を組み合わせており、ロシア以外の駆動系も搭載できる。MRAPでなくAPCのコンセプトで開発されており、軽量で機動性が高い。車輪下での爆薬21kg、車体下での爆薬14kgの爆発に耐えられ、乗員用シートは衝撃減衰型である。後部兵員室には左右に３つの細長い防弾ガラス窓、ルーフにハッチが用意されており、左右に５カ所ずつ、後部ドアに２カ所の銃眼を持つ。ホイールは514-401リム、タイヤは425×85R21。ブレーキは二重回路空気油圧複合式。助手席上のマウントに機関銃、40mmてき弾発射機、投光器を装備できる。110A交流発電機により24VDC電気系統に電源を供給する。全長7.59m、全幅2.67m、全高2.955m、戦闘重量14.32トン。エンジンはウラルYAMZ326HE2ディーゼル、トランスミッションはウラルYAMC-236Uマニュアル（前進５段）、最大速度80km。ペイロード1.8トン。参考：月刊軍事研究2,’12

　＜キャスパーＮＧ２０００Ｂ＞：メカム社が開発した最新型。装甲は全周で7.62mm×54徹甲弾に耐えられ、耐地雷はSTANAGレベル4A/4B（車体下部TNT14kg・車輪下TNT21kg防御）。戦闘重量14.5トン。エンジンはシュタイアーWD10・20E32、トランスミッションはZF社製5S-11GP、最大速度90km、航続距離900km。参考：月刊軍事研究1,’13

＜キャスパー・ファミリー＞

　＜キャスパー装甲回収車＞：装甲回収車型。キャスパーMk1の兵員室を撤去してクレーンを搭載している。参考：世界の軍用車両(4)

　＜キャスパー兵器運搬車＞：簡易自走車台型。車体後部をフラットな架台に変更し、無反動砲、対戦車ミサイル、対空機関砲などを搭載可能とした。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜キャスパーＮＧ２０００兵器運搬車＞：キャスパーNG2000Bの簡易自走車台型で、４×４輪と６×６輪の２種がある。車体前部に６名用装甲キャビン、後部にフラットな兵装架台が用意されており、キャビン後面のドアから架台へと直接出入りすることができる。兵装架台には81mm/82mm迫撃砲、107mm多連装ロケットランチャー、無反動砲、ZU-23-2高射機関砲、20mm機関砲、14.5mm重機関銃などを搭載可能で、車載したままでも兵装ごと架台を地面に降ろしても使える。参考：月刊軍事研究7,’16

＜キャスパー海外シリーズ＞

　＜キャスパー（インド）＞：1998年に治安部隊用として90両、1999-2001年にインド陸軍用として165両を導入した。参考：月刊軍事研究9,’10

　＜キャスパーＮＧ（アンゴラ陸軍）＞：アンゴラ陸軍装甲車。2013年に45両を発注した。2014年から引き渡されている模様。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キャセイ航空機撃墜事件＞：1954年7月23日、バンコク発香港行きのキャセイ・パシフィック航空DC-4旅客機が海南島付近で中国軍戦闘機２機に撃墜され、乗員乗客21人のうち13人が死亡した。中国側は台湾国民政府軍機と誤認したと謝罪、賠償に応じている。参考：月刊軍事研究7,’99

＜キャタピラ＞：履帯を参照。

＜キャタマウント＞：LSD-17（ドック型揚陸艦）を参照。

＜ギヤ長＞：ギヤ当番を参照。

＜キャッシュ＞：An-28（輸送機）を参照。

＜キャッスル級＞：イギリス海軍コルベットCatsle級。リバー級フリゲートの船体が大きくて小さい造船所で作れなかったため、フラワー級コルベットとリバー級フリゲートの中間の大きさを持つコルベットとして設計された。全長76.8m、幅11.2m、吃水3.1m、基準排水量1010トン。主機はレシプロ、出力2880馬力、速力16.5ノット。兵装は10.2cm単装砲１門、20mm機関砲、スキッド１基、爆雷投射機４基、爆雷投下軌条２条。K355ハドレイ・キャッスル、K362ポートチェスター・キャッスル、K372ラッシェン・キャッスル、K373サンドゲート・キャッスル、K374シュリューズバリー・キャッスル、K378ギルドフォード・キャッスル、K379カリスブルック・キャッスル、K383フリント・キャッスル、K384リーズ・キャッスル、K386アンバーリー・キャッスル、K387バークレイ・キャッスル、K388ダンバートン・キャッスル、K389ナレスボロー・キャッスル、K393タムワース・キャッスル、K396ヘディンガム・キャッスル、K397ランチェストン・キャッスル、K398ライジング・キャッスル、K399ティンターゲル・キャッスル、K405アーンウィック・キャッスル、K412バンボロー・キャッスル、K413ファーンハム・キャッスル、K416ハースト・キャッスル、K420ケニルワース・キャッスル、K446ナンネリー・キャッスル、K447ノーハム・キャッスル、K449ピヴェンシー・キャッスル、K450ペンブローク・キャッスル、K460ウォルマー・キャッスル、K461ウォルヴェシー・キャッスル、K521ヒーヴァー・キャッスル、K529ゴレイ・キャッスル、K530オークハム・キャッスル、K689アリントン・キャッスル、K690カイスター・キャッスル、K691ランカスター・キャッスル、K692オックスフォード・キャッスル、K693モーペス・キャッスル、K696デンバイ・キャッスルなど40隻くらいが1943年から就役した。建造途中で第２次大戦が終わったため、商船に改造されたものもある。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船3,’07

＜キャッスル級＞：イギリス海軍哨戒艦Catsle級、別名OPV（Offshore Patrol Vehicle、哨戒艦）Mk2。主任務は排他的経済水域や北海油田などの警備である。アイランド級哨戒艦の拡大改良型で、煙突はマストと組み合わせたマックを採用、中段に見張り所を持つ。艦後部にシーキングが発着できるヘリ甲板を設けた。全長81m、幅11.5m、吃水3.6m、基準排水量1427トン。主機はラストン12RKCMディーゼル２基、出力5640馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、速力19.5ノット、航続距離10000海里（10ノット）。兵装は40mm単装機関砲１門（上構前端）で、76mm単装砲１門及び機雷敷設装置を増設可能。乗員50名＋海兵隊員25名。P258リーズ・キャッスル、P265ダンバートン・キャッスルの２隻が1981-82年に竣工した。参考：月刊世界の艦船2,’87、5,’83

＜キャッスル級・海外シリーズ＞

　＜キャッスル級（バングラデシュ海軍）＞：バングラデシュ海軍哨戒艦、別名Bijoy級。満載排水量1630トン。兵装は30mm単装機関砲。艦後半部がヘリ甲板で、シーキングが発着可能。F36ダルシュワリなど２隻が就役した。後に機関砲を76mm単装砲１門に換装し、艦橋前方にC704艦対艦ミサイル連装発射筒２基を追加した。参考：月刊世界の艦船7,’13、4,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

＜キャッスル作戦＞：アメリカが1954年3月1日に行った乾式水爆実験。アイヴィー作戦では重水素を使ったが、この時は乾式固形燃料の重水素化リチウムを燃料にした。ビキニ環礁の住民を強制移住させてシュリンプ実験装置を吊るし、最初の実験「ブラボー・ショット」により６メガトンの爆発を起こす筈だったが、実際は15メガトンの大爆発になり、人工島チャーリーが蒸発、直径1973m・深さ76mのクレーターができている。核爆発の影響調査のため近くを飛行したB-36Dは衝撃波の直撃により爆弾倉扉、レドーム、エンジンナセル下面、後部砲塔スキャナー用バブルウインドウ、後部下面砲塔収容部ドア、降着装置ドアが損傷した。更に第５福竜丸の乗組員23人、ロンゲリク島・ロンゲラップ島・ウテリク島の島民236人（239人？）、気象観測中のアメリカ海軍水兵26名が被曝し、うち島民40人以上、第５福竜丸乗組員１人が死亡した。ロンゲラップ島では住民86人が36時間で150-1000ラドを被曝、その後15年間に16人が死亡している。参考：月刊軍事研究8,’99、第５福竜丸ものがたり、月刊丸11,’72、アメリカの核兵器、世界の傑作機No.125

＜キャッスルトン＞：I23（駆逐艦）を参照。

＜キャッスル・ロック＞：AVP-35（飛行艇支援艦）を参照。

＜キャッチオール規制＞：日本が2002年4月1日に開始した武器・大量破壊兵器関連機材・技術輸出規制で、対象貨物・技術を輸出する場合には経産大臣の許可がいる。対象貨物はリスト規制以外の全貨物、対象技術は対象貨物の設計・製造・使用に専ら関わる技術、対象国は、輸出令別表に掲げる地域以外全ての国への輸出である。参考：核兵器事典

＜キャッチボール作戦＞：ヘイルストーン作戦かも。太平洋戦争時にアメリカ軍が行った、トラック環礁空襲作戦。トラック環礁は太平洋戦争勃発前から日本海軍が根拠地として整備を進めており、司令部施設、燃料タンク、水上機基地などを完成させていた。昭和17年8月28日、戦艦大和を旗艦とする連合艦隊司令部が進出。昭和18年2月11日、戦艦武蔵が合流した。昭和18年夏、ソロモン諸島及び東部ニューギニアで連合軍の反攻が始まると、連合艦隊は艦隊決戦の機会を窺っていたが、空母機動部隊がメインとなっていた現状では戦艦同士の決戦が起こる筈も無く、昭和19年1月中旬にウルシー泊地に主力を移動させて空母機動部隊と共に訓練を行うことにした。1月7日、トラック環礁上空にアメリカの大型機が初めて飛来した。1月10日、バルジを損傷していた戦艦大和がトラック環礁を出て内地に向かった。1月30日、マーシャル諸島に連合軍が上陸したが、連合艦隊は救援に向かわず、ウルシー泊地への移動を急いだ。マーシャル諸島占領後、連合軍はエニウェトク環礁侵攻作戦を行う予定だったが、700マイルの位置にあるトラック環礁の日本軍基地が脅威になると判断し、第58任務部隊を派遣してここを制圧することとした。アメリカ第５艦隊は日本海軍戦艦部隊との交戦に備え、旗艦を重巡CA-35インディアナポリスから戦艦BB-62ニュージャージーに変更した。2月4日、モノ島を離陸したB-24が偵察のためトラック環礁に飛来。これを受け、連合艦隊はトラック環礁への空襲が本格化する恐れがあると判断し、ろ号作戦で航空戦力が枯渇していたため対抗するのが困難なことから、主力を待避させることにした。2月10日、アメリカ第58任務部隊（エセックス級空母４隻、大型空母１隻、小型空母４隻、戦艦６隻、重巡５隻、軽巡５隻、駆逐艦28隻）がクェゼリン環礁を出撃。同日、連合艦隊旗艦武蔵と第２艦隊がトラック環礁を出港、武蔵は大本営との打ち合わせを行うため横須賀に、他艦はパラオに向かった。この段階で、トラック環礁に残されたのはラバウルとギルバート諸島から後退して戦力を再建していた航空機300機と、第４艦隊の損傷した軽巡洋艦矢矧、阿賀野、警備の軽巡洋艦那珂、練習巡洋艦香取、駆逐艦数隻、輸送船50隻のみだった。2月12日、アメリカ第５艦隊がメジュロ環礁を出撃。2月15日、日本軍は、索敵に向かった陸攻４機のうち２機が戻らず、1200頃には第４艦隊司令部敵信班がアメリカ艦上機の無線を傍受したことから、付近にアメリカ機動部隊がいて2月16日早朝に空襲があるものと判断した。2月16日0300、日本軍は第１警戒配備をとり、陸攻２機と天山９機で索敵を実施。敵が見つからなかったため、確認の索敵を行うことなく1030に警戒を解いたが、北東方向からトラック環礁に第58任務部隊が接近していた。アメリカ軍はトラック環礁に精鋭360機及び連合艦隊主力がいると判断していたため、夜間奇襲攻撃をかけることにし、2月17日0330にトラック環礁から60マイルの位置で攻撃部隊を発進させた。0430、トラック環礁のレーダーがアメリカ航空部隊を探知し、第１警戒配備が発令されたが、前日の警戒配備解除後に大半の将兵が上陸・外泊しており、ほぼ奇襲に近い形になってしまった。0500、F6F戦闘機72機がトラック環礁上空に到達。日本軍は訓練期間中で戦闘機の機銃弾を装填しておらず、送別会で寝込んでいた部隊もあって反撃ができず、２日間９回延べ300機以上の空襲を受けて竹島、春島、楓島の所在航空機がほぼ全て地上撃破された。また、第５艦隊はBB-61アイオワ、BB-62ニュージャージー、CA-36ミネアポリス、CA-32ニューオーリンズ、駆逐艦４隻で第50・９任務部隊を編成し、トラック環礁から脱出する日本海軍艦艇を攻撃。練習巡洋艦香取がBB-61アイオワなどの砲撃、駆逐艦舞風や第15湘南丸がBB-62ニュージャージーの砲撃を受けて沈没し、野分は至近弾を受けて損傷した。更に第50・９任務部隊の戦闘空中哨戒を行った第58任務部隊艦戦部隊が、零式三座水偵などを見付け次第撃ち落としている。日本軍は航空機270機（ラバウルに補充のため送る予定だった135機含む）、軽巡阿賀野、那珂、練習巡洋艦香取、駆逐艦舞風など艦艇11隻、第三圖南丸など輸送船31隻（プラス座礁２隻）21万総トン、重油17000トン、備蓄食料2000トンを失った。死傷者は陸上だけで600名に達している。アメリカ側の損害は航空機17機（25機？）とCV-11イントレピッド中破（航空魚雷１本による）で、作戦を終えると北上してテニアン・サイパンの空襲に向かっている。軍令部はＴ事件と命名して事態解明にあたり、第４艦隊司令長官は2月29日に更迭・解任され、5月には予備役送りになった。これによりトラック環礁は基地機能を喪失し、2月19日からラバウルの海軍航空兵力をトラック環礁に引き揚げざるを得なくなり、中部太平洋防衛線をパラオ環礁、ニューギニア北部、ボルネオ北東部まで後退させなければならなくなっている。参考：激闘太平洋戦記、太平洋海戦史、海軍技術研究所、月刊丸11,’09、3,'18別冊、月刊世界の艦船6,’12、9,’01、12,’15、10,’16、10,'22、輸送船入門

＜キャッツアイ＞：アメリカ軍の夜光塗料含有テープのこと。ヘルメット、ALICEパック、ブーツなどに貼り付け、形状により夜間部隊識別を行う。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜キャッツキル＞：LSV-1（車両揚陸艦）を参照。

＜キャッツキル級＞：アメリカ海軍車両揚陸艦Catskill級。元々テラー級敷設艦や設網艦になる予定だった艦を水陸両用車両・兵員揚陸艦に改造したもので、機雷／防潜網庫を車庫に変更して艦尾にランプを設けている。敷設艦改造の1-2番艦はDUKW44両、設網艦改造の３番艦以降はLVT20両とDUKW30両を搭載可能。艦中央両舷のボートダビットと甲板上にLCVPを計14隻積んでいて、将兵はこれで上陸地点に向かう。LCVP関連設備以外の外見は元の艦型を概ね保っており、船型は平甲板型で、中央に上構があり、前後にマストが１本ずつ立っていて、マストの間に煙突（２番艦までは２本、３番艦以降は１本）がある。後部煙突にLCVP積み降ろし用クレーンを持つ。全長138.8m（３番艦以降137.5m）、幅18.4m、吃水6.1m、基準排水量5875トン（３番艦以降5625トン）。主機は蒸気タービン２基、主缶はコンバッション・エンジニアリング缶４基、出力11000馬力、２軸推進、速力19.5ノット、航続距離7057海里（14ノット）。兵装は38口径12.7cm単装両用砲２基（前甲板背負い式）、38口径12.7cm単装両用砲２門（後甲板背負い式。３番艦以降は上構後端に連装砲１基）、40mm連装機関砲４基、20mm単装機関砲20門（３番艦以降は18門）。乗員536名。搭乗兵員825名（車両を積まなければ1800名）。LSV-1キャッツキル、LSV-2オザーク、LSV-3オセイジ、LSV-4ソーガス、LSV-5モニター、LSV-6モントークの６隻が1944-45年に竣工した。設網艦からの改造艦は復元力に問題があり、後に２番砲を撤去したり、後部連装砲を単装砲に換装したりといった重心降下改装を行っている。参考：アメリカ揚陸艦史

＜キャッティストック＞：L35（護衛駆逐艦）を参照。

＜キャットウォーク＞：Catwalk。空母飛行甲板周囲にある通路のこと。燃料、電源、消火施設、工具などの収納場所で、艦内への階段なども用意されている。または船首楼・中央船楼・船尾楼などの上構間を繋ぐ橋状の通路のこと。参考：月刊JWings1,’02、2,’00、月刊モデルアート9,’15増刊

＜キャット・ショット＞：カタパルト射出による発艦を指すスラング。参考：月刊JWings1,’02

＜キャットバード＞：ロッキード・マーチン社のテストベッド機CATBird。Cooperative Avionics Test Bedにirdを付けてもじった名称である。1986年11月にルフトハンザに引き渡されて就航、2002年3月から2003年5月までインドネシアン航空にリースされていたB737-300を2003年に購入して改造したもので、機首にF-35の機首部分を取り付け、前部胴体と後部胴体の側面に小翼を設置、胴体上部にフェアリングを増設するなどしてあり、2008年12月8日からF-35用電子機器（AN/APG-81レーダー、アビオニクス、AN/AAQ-40電子光学照準システム、AN/AAQ-37電子光学分配合成システム、HMD、ミッション・ソフトウェア、AN/ASQ-239電子戦システムなど）の飛行試験を行った。2016年6月13日、F-35のテスト機器を全て撤去してフォートワースを離陸、ロッキード・マーチン社パームデール工場に戻った。次の試験まで保管される予定。参考：月刊JWings2,’11、3,’09、9,’16、月刊軍事研究6,’13

＜キャットフィッシュ＞：SS-339（潜水艦）を参照。

＜キャットフェイ＞：CATFAE（地雷処理装置）を参照。

＜キャティキズム作戦＞：イギリス空軍が第２次大戦時に行った、ドイツ海軍戦艦ティルピッツ爆撃作戦。オヴィエト作戦と同様の改造を施したトールボーイ搭載ランカスターを使用した。1944年11月12日0200、作戦実施を決定。0225、ランカスターがエンジンを始動。0259、第617中隊所属18機と第９中隊所属13機がイギリス北部のロッシーマス基地を出撃し、ノルウェーのトロンハイム北方でスカンジナビア半島上空に侵入、高度100mを飛行してスウェーデンのアカーアヤウレ湖に到達し、編隊を組み直して高度14000フィート（4267.2m）に上昇しつつトロムセ島を目指し、更にティルピッツが投錨しているハーコイ島に向かった。0840、ティルピッツ付近に到達。ティルピッツは対空砲火を撃ち上げたものの、煙幕は張らなかった。0841-0849、第617中隊所属18機と第９中隊所属10機（２機は遅れたために引き返し、１機はスウェーデンに不時着した）がトールボーイを投弾。２発がティルピッツの左舷に命中し、0900に転覆、Ｃ砲塔が誘爆した。救援に駆け付けたドイツ海軍工作艦ノイマルクが船底に穴を空け、内部に閉じこめられた87名を救出したが、乗員1600名のうち700名が戦死している。ランカスター部隊はロッシーマス基地に帰投したが、悪天候のため１機が近隣の艦隊航空隊基地に着陸した。参考：歴史群像8,’08

＜キャティストック＞：M31（掃海艇）を参照。

＜キャデット＞：飛行幹部候補生を参照。

＜ギヤ当番＞：ギヤ長ともいう。日本海軍用語で、各分隊の保安や、清掃用具の管理を担当する要員のこと。清掃用具が損耗すると運用科倉庫員に掛け合って物品を調達してこなければならないので、気合いの入った古参二等兵が担任した。参考：海軍よもやま物語

＜キャトクティン＞：AGC-5（揚陸指揮艦）を参照。

＜キャトロン＞：APA-71（攻撃輸送艦）を参照。

＜キャニスター＞：ミサイル、魚雷、UAVなどを収容する筒状・箱状の容器のこと。保管容器と発射機の一部を兼ねる。通常は中身だけ射出するが、潜水艦では潜水中に魚雷発射管からキャニスターごと射出して海面まで上昇させ、海面に出たら中身を放出するタイプもある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊JWings2,’00、月刊世界の艦船6,’17

＜キャノピー＞：天蓋。操縦席を覆っている構造物で、風防以外の部分。参考：月刊JWings1,’05、2,’13

＜キャノン機関＞：アメリカ軍の秘密情報機関。正式名称はGHQ総参謀第２部統合特殊作戦部Ｚ班（命令系統は総参謀第２部部長直属）で、ジャック・キャノン少佐が司令官だったのでこう呼ばれる。太平洋戦争後の占領下の日本で、反共工作や対中国工作など、様々な謀略工作を実施した。プロレタリア作家・鹿地亘氏の拉致監禁事件で明るみに出た。参考：月刊軍事研究7,’09

＜キャバリエ＞：A24（巡航戦車）またはAPA-37（攻撃貨物輸送艦）またはR73（Ｃ級駆逐艦Caグループ）を参照。

＜キャバリエ・ターボマスタング�V＞：P-51シリーズ（戦闘機）を参照。

＜キャバリエ・マスタング�U＞：P-51シリーズ（戦闘機）を参照。

＜キャバルリー・キャリアー＞：ブレンガンキャリアー・シリーズ（兵員輸送車）を参照。

＜キャビアの缶詰＞：朝鮮戦争で、M26戦車投入後にアメリカ軍兵士が北朝鮮軍T-34/85に付けたニックネーム。すぐ砲塔に穴を開けて撃破したくなるT-34/85を、すぐに開缶して食べたくなるキャビア缶に引っ掛けたものである。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953

＜キャビテーション＞：空洞発生現象。水中の高速運動体周囲には負圧が発生するが、これが飽和蒸気圧を下回り常温で水が沸騰し出す現象をいう。この気泡は常温水蒸気からなる0.02気圧程度のもので、周囲の水圧で急速に崩壊し、衝撃波を発生する。船舶のスクリュー先端で生じる場合、チップ・ボルテックス・キャビテーション（通称プロペラ・キャビテーション）という。水中翼、フィン・スタビライザーなどにも生じる。推進効率が低下し、騒音や振動の原因となる他、衝撃波によって表面に腐食作用（エロージョン）を及ぼし、表面がボロボロに崩れてしまったりする。参考：月刊軍事研究9,’01、月刊JWings2,’00、図解雑学　船のしくみ

＜キャビルド＞：LSD-16（ドック型揚陸艦）を参照。

＜キャブ＞：Li-2（輸送機）を参照。

＜キャブオーバー＞：エンジンの上にキャビン（車室）がある車両のこと。車室が広くなるが、前面衝突時の安全性が低い。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜キャプター＞：ECR-90（レーダー）またはMk60シリーズ（機雷）を参照。

＜キャプターＥ＞：CAESAR（レーダー）を参照。

＜キャプティブ弾＞：イナートの１つ、Captive Air Training Missile。シーカーや誘導システムのみを搭載しており、パイロンに装着したままでロックオンなどの訓練を行う。参考：月刊JWings3,’12、7,’14

＜キャプティブフライト試験弾＞：キャプティブ弾の１つ、Captive Flight Test Missle（CFT弾）。ミサイルの信管、弾頭、推進装置を外してデータ記録装置を収容したもので、パイロンに装着して発射や投下はせず、搭載機がミサイルの飛翔経路を飛んでシーカーや誘導システムの性能試験を行う。増槽を流用して内部に誘導システムやデータ記録装置を収容し、先端にミサイルのシーカー部分だけ装着したものもある。参考：月刊JWings3,’16、2,’17

＜キャプティブフライト試験用計測ポッド＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜キャプテン・エルミ・ロブレ＞：ジブチ海軍哨戒艇Capt. Elmi Robleh。2022年5月31日、ダーメンFCS5009型哨戒艇P22アジュダン・アリ・Ｍ・フムドと共に、アデン湾で日ジブチ親善訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと戦術運動訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船9,’22

＜キャプテン級シリーズ＞：イギリス海軍フリゲートCaptain級。レンドリース法に基づいてアメリカが建造した護衛駆逐艦で、兵装や機関もアメリカ製である。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船12,’21

　＜キャプテン級ＤＥ推進型＞：短船体型またはGMT（General Motors Tandem diesel drive）型ともいう。エヴァーツ級護衛駆逐艦を導入したものである。船体は平甲板型。全長88.3m、幅10.7m、吃水2.7m、基準排水量1085トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力6000馬力、速力20ノット。兵装は7.6cm単装砲３門、40mm連装機関砲１基、20mm機関砲10門、ヘッジホッグ１基。1943-44年にK310ベインタン、K311ベイズリー、K312ベリー、K313ブラックウッド、K316ドラリー、K347バージズ、K470キャペル、K471クーク、K472ダクレス、K473ドメット、K474フォレイ、K475ガーリーズ、K476ゴールド、K477グリンドール、K478ガーディナー、K479グッドオール、K480グッドサン、K481ゴア、K482キーツ、K483ケンプソーン、K484キングスミル、K514ローフォード、K515ルイス、K516ローソン、K564ペイスリー、K565ローリング、K566ホステ、K567ムーアソム、K568マナーズ、K569マウンゼー、K570イングリス、K571インマンの32隻が就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

　＜キャプテン級ＴＥ推進型＞：長船体型またはTE（Turbo Electric drive）型ともいう。バックレイ級護衛駆逐艦を導入したものである。全長93.3m、幅11.2m、吃水2.7m、基準排水量1300トン。主機はターボ・エレクトリック方式、出力12000馬力、速力26ノット。兵装は7.6cm単装砲３門、40mm連装機関砲１基、ヘッジホッグ１基。1943-44年にK314ベンティンク、K315バイヤード、K349コールダー、K351ダックワース、K352ダフ、K353エッシングトン、K460バレン、K462アフレック、K463エイルマー、K464バルフォア、K465ベントレイ、K466ビッカートン、K467ブライ、K468ブレイスウェイト、K508バイロン、K509コン、K510コットン、K511クランスタウン、K512キュビット、K513カーゾン、K550デイキンス、K551ディーネ、K552エキンス、K553フィッツロイ、K554レッドミル、K555レタリック、K556ハルステッド、K557ライオウ、K558ラザフォード、K559コスビー、K560ロウレイ、K561ラパート、K562ストックハム、K563セイモア、K572スプレイジ、K573ステイナー、K574ソーンブロー、K575トロールロープ、K576タイラー、K577トーリングトン、K578ナーブロー、K579ワルデグレイブ、K580ウィッテイカー、K581ホルムズ、K582ハーグッド、K583ホッタムの46隻が竣工した。第２次大戦中に10隻が戦没している。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船12,’21

＜キャプライス＞：PG-90（コルベット）を参照。

＜キャブレター＞：ガソリンエンジンで、ガソリンを吸気通路に吹き付けて霧状にする装置のこと。気化器と訳されるが、ガソリンを気化させる訳ではない。燃料と空気の重量比（混合比）は1:9から1:18くらいで、これより濃くなるのをチョーク、薄くなるのをスターブと称し、いずれでもエンストを起こす。スターブでは混合比を適切に戻せばエンジンが復活するが、チョークの場合はピストン内に貯まった濃い燃料が薄くなるまでエンジンがかからなくなってしまう。燃料直噴式ガソリンエンジンには付いていない。参考：自動車メカニズム図鑑、丸メカニック別冊１

　＜フロート式キャブレター＞：浮子式気化器。燃料をフロート室に蓄えてキャブレターに供給するもの。フロート室には針弁付きのフロートが内蔵されていて、一定の燃料が貯まると針弁により燃料供給パイプを塞ぐようになっている。フロート室はベンチュリー管（エンジンと気化器エアインテイクを繋ぐ空気通路で、部分的に細くなっている）とパイプで繋がれており、ベンチュリー管で加速されて圧力が低くなった空気により燃料が吸い出されて混合気が形成される。単純なフロートだと、Ｇが変化した時に燃料供給が増えすぎたり止まったりしてエンジンがチョークしたりスターブしたりするので、工夫が必要である。最適な混合比にするのが難しい、燃料の気化が不十分になりやすい、高々度では気化器の混合気通路部に大気中の水分が凍り付いて通路が詰まる、といった欠点もある。参考：丸メカニック別冊１参考：航空用語事典増補改訂版

　＜噴射式キャブレター＞：Injection carburetor。エンジンに入る空気流量を計測し、それに合わせて燃料を計量、混合比調節機構で燃料流量を制御し、低圧力に加圧してノズルから噴射するもの。スロットル、燃料調量器、混合比調節器、高度調節器などからなる。構造は複雑だが、混合比を最適にでき、飛行姿勢やＧによる燃料供給量の変化が無い。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜キャブレター（日本海軍）＞：星型単列エンジンは昇流型で、エンジン下部に付いていた。星型複列エンジンでは降流型で、エンジンの上に付いており、下に過給器のインペラーが直接繋がっていたため、整備中に部品や道具を落としたらエンジンごと外して分解しないと取れない。参考：続日本海軍よもやま物語

＜キャペル＞：K470（フリゲート）を参照。

＜ギヤボックス＞：日本海軍用語で、道具箱・雑具箱のこと。参考：海軍こぼれ話、海軍兵学校岩国分校物語

＜キャメル＞：Tu-104（輸送機）を参照。

＜キャメル戦闘機シリーズ＞：イギリス軍複葉戦闘機。機首の機銃フェアリングがラクダのコブに似ているのでキャメル（Camel）と呼ばれている。イギリスのソッピース（Sopwith）社が開発して1916年12月に原型機が完成し、各型計5490機（6000機？）が生産され、第１次大戦時のイギリス最多生産戦闘機となった。1917年6月から海軍第４飛行中隊を皮切りに実戦投入され、1300機を撃墜している。参考：月刊JWings5,'22、戦闘機のしくみ、月刊丸10,’93

　＜キャメルＦ１＞：陸上機型。小型の機体に重いロータリーエンジンを搭載したため、トルクの影響で操縦が困難だったが、逆にトルクを活かした小半径旋回も可能で、プロ向きだった。主翼は複葉で、木製骨組み羽布張り、下翼にのみ上反角が付く。全長5.73m、全幅8.53m、全高2.59m、自重421kg、全備重量659kg。エンジンはクレルジェ�VＢ空冷星型９気筒ロータリー（130馬力）単発、最大速度184km、航続距離455km、航続時間2.5時間。固定武装は7.7mm機銃２丁（機首上並列）。乗員１名。参考：月刊JWings5,’22、図解世界の軍用機史、戦闘機のしくみ、月刊丸10,’93

　＜キャメル２Ｆ１＞：艦上機型。全幅を縮めて高速化し、胴体後部に浮き袋を収容して不時着水時に海没しないようにした。エンジンはクレルジェ（130馬力）またはBR1（150馬力）、最大速度185-200km。固定武装は機銃２丁。25ポンド爆弾４発または50ポンド爆弾２発を搭載できる。乗員１名。参考：月刊丸10,’93、月刊航空ファン4,’16

＜キャメル・バッグ＞：アメリカ陸軍の個人用背負い式水袋。長いチューブを取り付けて、背負ったままでも水が飲める。参考：月刊グランドパワー5,’04、月刊軍事研究12,’11

＜キャメルバルツ作戦＞：イラク戦争でRC-135Sコブラ・ボール２が行った、イラク軍短距離弾道ミサイル発射探知任務。発射されたミサイルは射程180kmのアッサムードと300kmのアル・ファハド300で、飛行時間が2-3分しかなく、コブラ・ボールの貢献度は分からないが、初の実戦使用であり、ミサイル監視網とのデータリンクなどの修正も行われた筈である。参考：月刊軍事研究4,’04

＜キャメル・ハンプ前進基地＞：OL-CHを参照。

＜キャメロン＞：I05（駆逐艦）を参照。

＜ギャラード＞：APA-84（攻撃輸送艦）を参照。

＜キャラウェイ＞：APA-35（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ギャラクシー＞：C-5シリーズ（輸送機）またはIAI1126（ビジネスジェット）を参照。

＜ギャラップ＞：PF-47（フリゲート）またはPGM-85（機動砲艇）を参照。

＜ギャラハー＞：DDG-127（イージス駆逐艦）を参照。

＜キャラバン＞：C-76（輸送機）またはC-400（輸送機）またはU-27A（COIN機）を参照。

＜キャラバン�T＞：セスナ208シリーズ（軽多用途機）を参照。

＜キャラバン�U＞：F406（輸送機）を参照。

＜ギャラリー＞：FFG-26（フリゲート）を参照。

＜ギャラリー翼の広場＞：淡路島の津名一宮インターチェンジ近くのミツ精機本社敷地内にある航空機展示広場で、F-1、T-1B、UH-1H、LR-1、OH-6D、KV-107などが展示されている。会社の営業時間内に受付で記帳すれば見学可能。参考：月刊JWings12,’05

＜ギャラリー・デッキ＞：Gallery Deck。飛行甲板と格納庫甲板の間にある甲板で、アメリカ海軍空母では初期から飛行甲板直下を格納庫甲板にせず、ギャラリーデッキを１甲板挟む構造にした。飛行甲板と同じ床面積の広い空間を確保でき、飛行甲板と格納庫甲板の双方に容易に移動できるので、各種指揮管制センター、搭乗員待機室、居住区などの設置スペースとして便利に使える。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜キャリ５＞：M2シリーズ（重機関銃）を参照。

＜キャリーア＞：フォード・エアロスペース社が開発した偵察用RPV。FLIRを装備する。参考：スパイ機

＜キャリースルー＞：Carry through。飛行機の翼が胴体を貫通する部分にある、左右の翼を連結する構造のことで、中央翼または胴体翼とも呼ばれる。翼桁に相当する強度を持っており、胴体構造と結合させて翼の荷重をスムーズに胴体構造に伝える。左右の翼を別々に胴体構造に取り付けると、翼に掛かる揚力により発生する曲げモーメントを直接胴体構造で耐えねばならず、構造設計が面倒になるが、キャリースルーにより左右を一体化すると、左右の曲げモーメントが互いに打ち消し合うので、胴体構造を単純にできる。よって、大型機ではキャリースルーを採用する。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法

＜ギャリソン・キャップ＞：アメリカ軍用語で、略帽のこと。ギャリソンは守備隊の意味で、第１次大戦から使用されている。参考：月刊JWings6,’02

＜ギャリソン・レーション＞：駐屯地などで食べる平常食のこと。参考：コンバット・バイブル

＜ギャリックス＞：GIATインダストリー社とエティーネラクロワ・ディフェンス社が開発した発煙弾発射機。砲塔上部に発射機を装着し、紫外線センサーと組み合わせて自動的に発射される。また、個人携行対戦車兵器による近距離での射撃にも対抗できるよう、発煙弾の展開スピードを高速にした。参考：月刊PANZER12,’03

＜キャリナ＞：アメリカ海軍貨物運送艦。1945年5月3日、沖縄付近で特攻艇の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜キャリバー＞：口径を参照。

＜キャリバー・フィフティー＞：M2シリーズ（重機関銃）を参照。

＜キャリブレータ＞：自衛隊の機器。TFF製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜キャルヴァート＞：APA-32（攻撃輸送艦）を参照。

＜ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団＞：フランス共和国親衛隊軍楽隊。1848年に新編された。コンサート形式のみでマーチングは無く、弦楽器が編成に加わっており、演奏レベルが非常に高い。参考：MAMOR vol.118

＜キャロット王子＞：ブロッコリ王国の王子。気さく。参考：ピクルス王子平和への旅

＜キャロネード＞：IFS-1（内水火力支援艦）を参照。

＜キャロネード級＞：アメリカ海軍内水火力支援艦（後に上陸火力支援艦）Carronade級。巡洋艦を艦橋直後で切り落としたような船型をしており、両用戦巡洋艦とも呼ばれた。上陸地点を火力制圧するのが主任務である。前甲板にロケットランチャーが８基並んでおり、その下にあたる艦内には給弾室が設けられていて、揚弾機にロケット弾をセットしていけばランチャーへと自動的に装填される。艦載射撃指揮装置を備えていて、射距離9.6km以内では高い射撃精度を誇った。全長74.7m、幅11.7m、満載吃水3.05m、軽荷排水量1040トン、満載排水量1500トン。主機はフェアバンクス・モース・ディーゼル２基２軸3100馬力、速力15ノット。兵装は127mmロケット弾連装発射機Mk105が８基（前甲板）、38口径127mm単装両用砲１門（艦橋直前）、40mm連装機関砲２基、20mm単装機関砲２門。乗員139名。IFS-1キャロネードが1955年に竣工した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜キャロル＞：DE-171（護衛駆逐艦）を参照。

＜キャンサレーション・コーティング＞：潜水艦表面に、音響的に硬い物質と柔らかい物質を交互に重ね貼りし、柔らかい層で反射音波の位相を逆転させて相殺するものである。アクティブ・ソナー音波が垂直に入射した時に相殺効果を発揮するが、入射角がずれると役に立たない。参考：月刊丸8,’98

＜キャンディー・ケインズの戦い＞：湾岸戦争で1991年2月24日に起きた、第２海兵師団予備役第４戦車大隊Ｂ中隊とイラク軍との間の戦闘。M60A1戦車が主力の海兵隊にあって同中隊にはM1A1HA戦車が配備されていた。サダム・ラインを突破して前進を続ける中隊は、1605、前方に展開した機械化中隊から、前方のアブダリヤ高速道路付近に防御陣地を発見したとの連絡を受けた。イラク軍は道路を挟んでバンカーや塹壕を構築、T-55戦車などを配置し、強力な防御陣地を築いていた。まず第３小隊が高台の塹壕を同軸機銃で制圧。第１小隊が中央、第２小隊が左翼、第３小隊が右翼に展開し、1650、射距離3800mで中隊が砲撃を開始した。この距離で正確に敵味方識別を行うことは困難だったが、前方には敵しかいないため、ディスプレイに映った目標を手当たり次第に撃ちまくり、射距離3750mでT-55戦車を撃破するなどアウトレンジで防御陣地を粉砕。夜まで砲撃は続き、戦車10両、ジープ４両、トラック12両、ZSU-23-4自走高射機関砲１両を破壊し、396名を捕虜にした。高速道路沿いに赤白ストライプが巻かれた送電塔があり、これにちなんでキャンディー・ケインズ（赤白２色の飴）の戦いと名付けられた。参考：月刊軍事研究8,’99、10,’08

＜キャンディタフト＞：K09（フラワー級コルベット）またはK382（改フラワー級コルベット）またはPG-71（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜キャンディッド＞：Il-76シリーズ（輸送機）を参照。

＜キャンバー＞：Il-86（旅客機）を参照。

＜キャンバー（艦船）＞：甲板中心線が舷側線よりも盛り上がっていること。参考：艦船メカニズム図鑑

＜キャンバー（航空機）＞：Camber、矢高（やだか）、反り。翼断面の上面と下面の中点を結んだ翼型中心線と、翼弦線との距離で、翼の反り具合を表す。翼上面と下面の形状が対称な場合にゼロとし、大きくなればなるほど（上向きの弧を描くほど）揚力係数が上昇する。ただし抗力も上昇するので、フラップを使用して一時的な増大に止めることも多い。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版

＜キャンパー＆ニコルソン型機動砲艇＞：イギリス海軍機動砲艇。1944年にキャンパー＆ニコルソン社で建造された。全長35.7m、満載排水量115トン。機関出力4050馬力、速力21ノット。兵装は６ポンド単装砲２門、20mm連装機関砲１基、20mm単装機関砲２門、45cm魚雷発射管４門。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜キャンパーダウン＞：R32（駆逐艦）を参照。

＜キャンピオン＞：K108（コルベット）を参照。

＜キャンプ＞：DE-251（護衛駆逐艦）を参照。

＜キャンプ＞：アメリカ陸軍用語で、小規模な国内恒久的基地、海外基地、臨時基地をこう呼ぶ。参考：月刊軍事研究5,’09

＜キャンプＸ＞：イギリス特殊作戦執行部SOEがカナダのオンタリオ湖畔に設置した、特殊作戦養成所。アメリカで諜報活動を行っていた情報調整官らに教育訓練を行う目的で1941年12月10日に設置された。OSSが誕生するとその全工作員を養成し、FBIやカナダ王室騎馬警察の要員も教育を受けている。1944年に閉鎖された。参考：月刊軍事研究3,’10

＜キャンフィールド＞：DE-262（護衛駆逐艦）を参照。

＜キャンプ・キンザー＞：アメリカ海兵隊の兵站施設で、牧港補給地区とも呼ばれる。沖縄県浦添市にあり、第３海兵兵站群が所在し、極東最大の兵站物資集積所とされる。2000年11月、基地司令官パケット大佐が入浴中に脳塞栓を起こし、キャンプ・レスターにある海軍病院で脳死状態に陥った。家族は日本臓器移植ネットワークに臓器提供を申し入れたが、当時は家族の承諾のみによる脳死判定は認められておらず、心停止後に角膜と腎臓が九州と沖縄の患者に移植された。これを記念してキャンプー・キンザー内のチャペル横にパケット・パークと呼ばれる公園が整備され、記念碑が設置された。参考：月刊軍事研究3,’12、写真で見るトモダチ作戦

＜キャンプ・コートニー＞：在日米海兵隊の駐屯地。第３海兵遠征軍司令部が置かれている。民間交流事業として地元住民に対する英会話教室を月数回開催しており、海兵隊員（ときに副司令が混ざっていたりする）がボランティアで参加する。参考：月刊軍事研究3,’12

　＜キャンプ・コートニー（２０１５年）＞：第３海兵遠征軍司令部、第３海兵遠征旅団司令部、第３海兵師団司令部が置かれている。参考：月刊軍事研究7,’15

＜キャンプ・ゴンザルベス＞：北部訓練場を参照。

＜キャンプ座間＞：在日米陸軍キャンプ。キャスナー飛行場として長さ580m（600m？）・幅45m（17m？）・ランウェイ02/20の滑走路を持つ。元は1937年（昭和12年）9月に市ヶ谷から移転してきた陸軍士官学校で、終戦によりアメリカ軍に接収されてキャンプ座間になった。在日米陸軍司令部、基地管理本部、第１軍団（前方）司令部などが置かれており、キャンプ内にキャスナー飛行場があってヘリ部隊が駐屯している。1971年10月、陸上自衛隊が共同使用を開始し、座間分屯地が開設された。2007年11月、第１軍団（前方）司令部が創設された。2009年3月31日、第１軍団（前方）司令部が運用を開始した。本来は第１軍団司令部そのものも移転してくる筈だったが、2011年に在韓米軍第８軍が太平洋陸軍の隷下に入ったため、こちらでアジア方面の戦闘任務を管轄することになり、第１軍団司令部を移す必要が無くなったらしく、中止になっている。2011年3月11日に発生した東日本大震災を受け、同日に緊急作戦センターを開設。トモダチ作戦に相模デポの部隊などを投入し、3月23日から仙台空港での車両撤去作業を実施した。2012年4月25日、在日米陸軍司令部主催の東日本大震災復興・追悼式典を実施。2014年5月12日、横浜ノースドックからUH-60Lヘリ５機が自動車運搬船グリーンリッジで運び込まれ、第78航空大隊に配備された。それまで使っていたUH-60Aヘリ５機は8月11日に横浜ノースドック経由でアメリカ本土に向かっている。6月26日、1.4ヘクタールの土地を自治体と共同使用することになり、座間市が病院の建設を開始した。2015年1月22日、下士官昇任式を実施。陸自座間駐屯地からも1月1日付で三等陸曹に昇任した４名と、下士官代表として第４施設群最先任上級曹長が参加し、サーベルによるアーチの下を通過するなどのセレモニーを行った。9月30日、下士官昇任式を実施。陸自座間駐屯地からも駐屯地最先任上級曹長ら３名が参加した。2016年2月29日、5.4ヘクタールの土地が日本に返還された。返還前の2014年11月から座間総合病院の建設が開始され、2016年4月1日に開院している。9月9日、9・11同時多発テロ追悼行事を実施。座間駐屯地からも80名が参加した。2017年7月7日、南関東防衛局が1971年に国と座間市との間で交わされた在日米陸軍キャンプ座間の在り方を巡る覚書を更新し、自衛隊の部隊人数などの制限を撤廃、部隊改編などに際する速やかな情報提供と座間市負担軽減への取組などを追加した。2020年10月30日、キーン・ソード21に参加中のカナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ搭載CH-148ヘリがアメリカ海軍ミサイル追跡艦T-AGM-25ハワード・Ｏ・ローレンツェンの負傷者を降ろし、給油して艦に戻った。参考：月刊軍事研究6,’11、6,’15、月刊航空ファン10,’14、月刊JWings11,’18、1,'21、12,'21、MAMOR vol.98、vol.115、朝雲

＜キャンプ座間（２００７年度）＞：アメリカ陸軍第78航空大隊（UH-60A）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜キャンプ座間（２０１２年度）＞：アメリカ陸軍第78航空大隊（UH-60A）などが所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜キャンプ座間（２０１５年）＞：在日米陸軍司令部、第１軍団前方司令部、第78通信大隊、第441軍事情報大隊、第78航空大隊が所在している。参考：月刊軍事研究7,’15

＜キャンプ座間（２０２０年）＞：在日米陸軍航空大隊（UH-60L）などが所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜キャンプ・シュワブ＞：辺野古岬とその内陸部一帯にある。辺野古海岸との境目には螺旋状に有刺鉄線が配置されており、平和へのメッセージが書かれたバンダナや旗などが巻き付けられている。辺野古には自治会が10班あるが、キャンプ・シュワブが第11班となっており、辺野古海岸の清掃や自治会行事に参加する。基地司令官交代式には辺野古地区自治会代表が参加し、新任司令官に第11班の班旗を手渡す。参考：月刊軍事研究6,’10

＜キャンプ瑞慶覧＞：キャンプ・フォスターともいう。2011年9月30日、在日米海兵隊司令部のアメリカ海兵隊太平洋基地司令部への改編式典を実施。2015年3月31日、西普天間住宅地区の土地51ヘクタールが日本に返還された。参考：月刊丸12,’11、朝雲

　＜キャンプ瑞慶覧（２０１５年）＞：第１宇宙旅団第53通信大隊Ｅ中隊（DSCS地上局運用担当）、第１海兵航空団司令部、第１海兵航空団本部中隊が所在している。参考：月刊軍事研究7,’15

＜キャンプ・バトラー＞：沖縄にある在日米軍関連施設・区域の総称。参考：写真で見るトモダチ作戦

＜キャンプ・ハンセン＞：在日米海兵隊の駐屯地。沖縄県宜野座村にある。海兵隊の155mm榴弾砲実弾射撃訓練が県道104号線を跨いで行われていたが、周辺住民の負担が大きすぎるということで1997年から矢臼別、王城寺原、北富士、東富士、日出生台の５カ所に分散移転された。2012年10月25日、射撃レンジ内で小規模な山火事が発生したため、普天間基地所属MV-22Bオスプレイが消火活動を行った。2013年8月5日、第18航空団第33救難飛行隊HH-60G救難ヘリ１機が演習場内に墜落し、１名が死亡、３名が負傷した。機体は炎上したため、HMM-262所属CH-46Eヘリがバケットで消火活動を行っている。原因は僚機との接触を避けようとして機体を急降下させ、そのまま地上に激突したことであると判明した。参考：月刊軍事研究4,’10、12,’12、月刊JWings10,’13、4,’14

　＜キャンプ・ハンセン（２０１５年）＞：第３海兵師団第12海兵連隊（砲兵）第３大隊、第３戦闘強襲大隊、第３偵察大隊が置かれている。参考：月刊軍事研究7,’15

＜キャンプ・フォスター＞：キャンプ瑞慶覧を参照。

＜キャンプ富士＞：在日米海兵隊の駐屯地。東富士演習場に隣接しており、兵舎、食堂、消防署、医療設備、冷蔵施設、ジムなどが揃っている。2014年6月7日、静岡県沼津市の千本浜海岸で陸自滝ヶ原駐屯地隊員と富士日米友好協会主催の地引き網大会に参加。2015年5月30日、日米友好協会主催日米スポーツ交流行事が開催された。2016年6月18日、第２回泥んこレース〜MUD RUN〜が開催され、300名が参加した。キャンプ富士司令官フィンリー大佐が６位の成績を挙げている。7月12日、司令官交代式を実施。11月9日、アメリカ海兵隊創設241周年記念ケーキカット・セレモニーを実施。2017年6月11日、第３回泥んこレース〜MUD RUN〜を実施。参考：MAMOR vol.141、朝雲

＜キャンプ・マクトリアス＞：在日米軍基地。沖縄県うるま市にある。参考：写真で見るトモダチ作戦

＜キャンプ・ムジャヒディン＞：イスラム過激派組織の軍事訓練所。インドネシアのスラウェシ島ポソにあり、スペインからもテロリストが送り込まれて訓練を受けた。参考：月刊軍事研究5,’04

＜キャンペーン＞：戦役を参照。

＜キャンベラ＞：02（フリゲート）またはCA-70（重巡）またはL02（強襲揚陸艦）またはLCS-30（沿海戦闘艦）を参照。

＜キャンベラ＞：イギリスP&Oライン豪州航路客船Canberra。全長249.5m、幅31.2m、吃水9.96m、総トン数45270トン。主機はターボ・エレクトリック方式、蒸気タービン２基・推進電動機２基、推進出力85000馬力、２軸推進、航海速力27.5ノット、最大速力29.27ノット。1961年5月竣工。6月2日、東回り世界一周航路に就航。1973年、クルーズ専用船になった。フォークランド紛争勃発に伴い徴用され、遊泳プールを鋼板で塞いで簡易ヘリポートを設営、手すりに機銃架をロープで縛り付け、将兵2000名を搭載して輸送任務を行った。1997年9月に引退してパキスタンで解体された。参考：月刊世界の艦船1,’17、月刊丸10,’93

＜キャンベラ＞：オーストラリア海軍ケント級重巡洋艦２番艦（イギリス艦も含めると７番艦）Canberra。イギリスのジョン・ブラウン社クライドバンク造船所で1925年9月9日起工、1927年5月31日進水、1928年7月10日竣工、オーストラリア海軍に引き渡された。1929年2月16日、シドニーに到着。1942年8月8日（9日？）、第１次ソロモン海戦で鳥海の魚雷２本及び砲撃を受け沈没した。参考：巡洋艦入門、第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船11,’13

＜キャンベラ爆撃機シリーズ＞：イギリス空軍初のジェット爆撃機。モスキートと同じ量の爆弾を積んでジェット戦闘機並の速度・高度性能を発揮し、ランカスター並の航続力を持つ高々度全天候爆撃機というのがコンセプトで、イングリッシュ・エレクトリック社が開発した。1949年5月13日に原型機キャンベラA.Mk1が初飛行し、1951年5月に就役している。イギリス向けに878機が製造され、オーストラリアで48機がライセンス生産された。アメリカ空軍もA-26インベーダーの後継として採用を決定し、B-57として配備している。参考：週刊エアクラフトNo.82、スパイ機、月刊軍事研究2,’18、月刊JWings12,’18

　＜キャンベラＡ．Ｍｋ１＞：原型機で、４機が生産された。初期型は方向舵の上端が丸くなっており、垂直尾翼前方に長いドーザルフィンを持つ。機首は計器爆撃用レーダーを搭載しているため、不透明になっている。２号機はロールスロイス社製ニーン・エンジンを搭載した。参考：週刊エアクラフトNo.82、スパイ機

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ２＞：量産型。原型機と比較すると垂直尾翼上端が平らになっており、ドーザルフィンが無く、目視照準のため機首がガラス張りになっている。機首先端にピトー管、機首内に爆撃照準器があり、爆撃時に爆撃手が腹ばいになって照準する。その後ろがコクピットで、操縦士が位置し、右に出入り用のドアが設けられている。コクピット後方には射出座席がサイド・バイ・サイドで並んでおり、左に航法士、右に爆撃手が座る。その後ろは酸素ボンベ、電子機器、無線機などが収容されていて、下部にはダブルタイプの前輪を収める。その後方が前部燃料タンクと後部燃料タンクで、後部燃料タンクの下に爆弾倉がある。その後ろが後部胴体で、前部に爆撃記録カメラが搭載されており、燃料通気管やラダー・エレベーター操作バーが貫通している。主翼内翼部には主脚収容部があり、内翼部後縁にフラップが付く。主翼内側寄りにエンジンが搭載されている。外翼内側中央にはエアブレーキ、後縁内側にはフラップ、後縁外側にはトリム・タブ付エルロンがある。翼端には増槽を搭載可能。垂直尾翼は１枚で、後ろ半分がラダーになっており、ラダー後縁にトリム・タブが付く。水平尾翼は左右１枚ずつで、内側にタブの付いたエレベーターを持つ。エンジンはロールスロイス社製エイボンMk101双発。乗員３名。418機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ２Ｅ＞：電子機器を追加して乗員１名で運用できるようにしたもの。１機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ２Ｔ＞：キャンベラB.Mk15と同じ電子機器を搭載したもの。少数のみ生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ５＞：目標マーカー型の原型。機首を不透明型としてレーダー爆撃装置を収容し、主翼前縁に燃料タンクを追加、エンジンをエイボンMk109（推力3.402トン）に換装し、アンチスキッド・ブレーキシステムを採用した。乗員３名。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ６＞：B.Mk5の爆撃機型。乗員３名。99機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ（１）．Ｍｋ６＞：B.Mk6の阻止攻撃型。翼下パイロンを追加して爆弾・ロケット弾・ミサイルを搭載できるようにしてあり、機体下面に20mm機関砲４門を収容するガンパックを装着できる。乗員３名。22機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ６改＞：B.Mk6にダストボックス型レドームを追加したもので、非公式にはキャンベラPR.Mk16と呼ばれ、７機が改修された。一部は後にキャンベラB.Mk6(Bs)やB.Mk6(RC)に改修された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ（１）．Ｍｋ８＞：航空阻止型。キャノピーを戦闘機型に変更して左舷寄りに装備し、機首に航法士席（射出座席ではない）を設け、爆撃手を廃止した。乗員２名。69機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ（１）．Ｍｋ１２＞：ニュージーランド及び南アフリカ向け新造キャンベラB(1).Mk8。24機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ１５＞：B.Mk6にハードポイントを追加し、通信装置・航法装置・カメラを新型に変更、デッカ社製ドップラーローラーマップを搭載したもの。39機が生産され、極東空軍と近東空軍に配備された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ１６＞：B.Mk15の新型航法装置抜き。翼下パイロンにAS30対地ミサイルを１発ずつ搭載できる。19機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ２０＞：オーストラリアの政府航空機工場でライセンス生産したB.Mk2。主翼前縁に燃料タンクを内蔵した。48機が製造され、うち後期20機はエンジンをエイボンMk109に換装したB.Mk6規格で完成している。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ５２＞：エチオピア及びベネズエラ向け。B.Mk2の電子機器を更新したもので、７機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ５６＞：ペルー向け。B.Mk6をB(1).Mk6に改造したもので、６機が製作された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ５７＞：インド向け。８機が新造され、PR.Mk7から２機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ（１）．Ｍｋ５８＞：インド及びペルー向けB(1).Mk8。71機が新規生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ６２＞：アルゼンチン向けB.Mk2。10機が製作された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ（１）．Ｍｋ６６＞：インド向け。B.Mk6/B(1).Mk6に翼下ハードポイントと電子機器を追加したものである。10機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ（１）．Ｍｋ６８＞：B(1).Mk8改造型で、ペルー向け。12機が製作された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ．Ｍｋ８２＞：ベネズエラ向け。B.Mk2から12機、B.Mk52から３機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ１．Ｍｋ８２＞：B.Mk82に胴体下部ガンパックを搭載したもの。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＢ（１）．Ｍｋ８８＞：B(1).Mk58の改良型で、ベネズエラ向け。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜キャンベラ爆撃機ファミリー＞

　＜キャンベラＤ．Ｍｋ１４＞：無人標的機型。B.Mk2にPR.Mk9と同じ動力操舵装置を搭載したもので、空中給油受油プローブや射出座席のテストに使用された機体もある。ショート・ブラザーズ社が６機を生産した。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＰＲ．Ｍｋ３＞：偵察機型。胴体を0.36m延長し、爆弾倉内にカメラ室、照明弾倉、追加燃料タンクを設けている。乗員２名。36機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＰＲ．Ｍｋ７＞：偵察機型。B.Mk5にPR.Mk3と同様の改造を施したものである。全長20.32m、全幅19.51m、総重量24.925トン。翼面積89.2平方メートル。エンジンはロールスロイス製エイボン109（推力3.36トン）双発、最大速度マッハ0.83、実用上昇限度14640m、航続距離3630海里。乗員２名。75機が生産された。うち４機は1980年にキャンベラPR(TT).Mk7に改造されている。参考：空軍、週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＰＲ．Ｍｋ９＞：高々度偵察機型。カメラ（F96垂直カメラ、F49高品質測量用カメラなど）９台や赤外線ラインスキャナを搭載できる他、カスター（CASTOR。軍団空中スタンドオフレーダーの略）合成開口レーダーを装備し、高度18300mを飛行しながら50km先の幅5-10kmの範囲を偵察する。機首はヒンジで右に開くタイプとなり、航法士にも射出座席が用意された（天井のガラス繊維を突き破って射出される）。機首先端にはF95前向きカメラ（10度下向き）があり、その後ろにある航法士席の前面には計器板、ペリスコープ（前方76度・後方46度の範囲の40度円錐視野を得られる）、地図ケースしかなく、外の視界を直接得られるのは側方窓２個だけである。航法士室内部にはF95Mk2左斜め向きカメラ（15度下向き）があり、焦点距離102mmまたは305mmのレンズを装着可能。キャノピーは左舷に偏っており、B(1).Mk8と同じ戦闘機型の視界の良いものを採用している。操縦士用座席はマーチン・ベイカー社製3CS.Mk2射出座席。キャノピー左にはラムエアタービン空気取り入れ口があり、偵察ファインダー用ヒーター、HF無線機、Mk78操縦士用電波高度計に電力を供給するインバーターを作動させる。その下方にもラムエアタービン空気取り入れ口があって、航法士用Mk6A電波高度計に電力を供給するインバーターを作動させる。その下に無線方向探知機用バーアンテナ、更に下にUHF無線機用代替ブレードアンテナがある。キャノピー後方にはUHF無線機用広帯域ブレードアンテナを持つ。その下方にはF96左向き斜めカメラ（下向き13-18.25度）が装備されていて、焦点距離610mmまたは1220mmのレンズを装着可能。爆弾倉内にテキサス・インスツルメント社製ARI5969/3赤外線ラインスキャナが、その後方にF96垂直カメラ２台（レンズは焦点距離610mmまたは1220mm）が搭載されていて、更に衝突防止灯を挟んだ後方にF96垂直カメラ（焦点距離102mmまたは305mm）が収容される。その後ろにはIFFトランスポンダー用アンテナが付く。胴体尾部下面にはゴム製のバルジが付いていて、胴体下面が滑走路に擦って破損することの無いようになっている。両翼エンジン間で主翼を1.22mほど延長した。主翼内翼部後縁に左右１枚ずつ、外翼部後縁に内外２枚ずつのフラップを持ち、外翼部中央には四角断面のエアブレーキが付いていて、上下に全開と半開の２段階に開く。垂直尾翼前縁上方にレーダー警報受信機を収容したフェアリングがあり、その上方からキャノピー後縁にHFアンテナが延びる。方向舵は油圧式で、Mk3自動安定装置によりヨーを減衰させており、高空での安定飛行が可能。全長20.32m、全幅20.68m、全高4.75m、自重13.6トン、総重量24.925トン、最大離陸重量26.1トン。翼面積97.1平方メートル。エンジンはエイボンMk206（推力5.103トン）双発、最大速度マッハ0.83（881km）、実用上昇限度17400m以上、絶対上昇限度17700m以上、燃料搭載量10トン（機内）／11.8トン（翼端増槽含む）、最大航続距離8200km以上。乗員２名（操縦士、航法士）。航法支援装置はデッカ社製戦術航法設備受信コンピュータ。ショート・ブラザーズ社で23機が製造された。参考：週刊エアクラフトNo.82、スパイ機、空軍

　＜キャンベラＰＲ．Ｍｋ１６＞：キャンベラB.Mk6改を参照。

　＜キャンベラＰＲ．Ｍｋ６７＞：PR.Mk7の改造型。インド向けに２機が製作された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＰＲ．Ｍｋ８３＞：PR.Mk3の改造型。ベネズエラ向けに２機が製作された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＰＲ（ＴＴ）．Ｍｋ７＞：標的曳航機型。PR.Mk7に曳航用金具を取り付けている。1980年に４機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ４＞：練習機型。B.Mk2に複操縦装置を付けたもので、コクピットはサイド・バイ・サイド、機首は不透明型である。58機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ１１＞：練習機型。B.Mk2の機首に迎撃レーダーを搭載し、教官操縦士、航法士、全天候戦闘機乗員訓練生用の座席を装備している。ポールトンポール社が改造し、イギリスに９機を納入した。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ１３＞：ニュージーランド向けT.Mk4。２機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ１７＞：ECM/ESM機型。B.Mk2の機首に、ヴァルカン爆撃機の尾部に付いているものと同様のアクティブ・ジャミング装置を搭載したもので、機首上下左右にスパイラル・アンテナを収容したブリスターが付いている。ECM装置はワルシャワ条約機甲軍のものを模しており、ECM訓練に使用される。全長19.95m、全幅19.5m、全高4.72m、最大離陸重量19.278トン。エンジンはロールスロイス社製エイボン109ターボジェット（推力3.4トン）双発、最大速度マッハ0.83、実用上昇限度14600m、低高度戦術行動半径1300km。24機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82、スパイ機

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ２１＞：練習機。B.Mk20とB.Mk2から７機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ２２＞：イギリス海軍練習機。PR.Mk7の機首にバッカニアのレドームとブルーパイロット・レーダーを装備した。７機が製作され、標的施設任務に使用された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ６４＞：アルゼンチン向けT.Mk4。２機が製作された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴ．Ｍｋ８４＞：ベネズエラ向けT.Mk4改造型。２機が製作された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＴＴ．Ｍｋ１８＞：曳航標的機。B.Mk2の翼下にウインチを装着したもので、吹き流し標的や、レイピア地対空ミサイル用ラシュトン標的を曳航する。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラＵ．Ｍｋ１０＞：無人標的機。B.Mk2を改造したもので、ショート・ブラザーズ社が24機を製作した。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜ショートＳＣ．Ｍｋ９＞：テストベッド機。PR.Mk9の１機をレッドトップ空対空ミサイル運用システム試験機に改造したものである。イギリス国防省調達本部所属で、王立航空研究所レーダー研究飛行隊が運用した。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜キャンベラ爆撃機・海外シリーズ＞

　＜キャンベラ（アルゼンチン）＞：アルゼンチン空軍爆撃機。1969年にイギリス空軍の中古を改修したB.Mk64とT.Mk64を12機導入し、第１爆撃機飛行隊に配備した。フォークランド紛争では中−高々度で作戦していた２機がシーハリアーとGWS30シーダートにより撃墜されたため、夜間低空攻撃に回されている。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（インド）＞：インド空軍爆撃機。B(1).Mk58、PR.Mk57、B.Mk66、T.Mk4などを導入した。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（エチオピア）＞：エチオピア空軍爆撃機。1960年代にB.Mk52を４機受領したが、1990年までに２機が失われ、残りの状態も不明である。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（ジンバブエ）＞：ジンバブエ空軍爆撃機。ローデシアからの独立後、キャンベラ２機をイギリス空軍から受領したが、運用要員が不足したため配備した第５飛行隊は解散、倉庫にしまわれた。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（ベネズエラ）＞：ベネズエラ空軍爆撃機。1953年4月からB.Mk82、B(1).Mk82、PR.Mk83など各型30機が引き渡された。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（ペルー）＞：ペルー空軍爆撃機。1955年にキャンベラB(1).Mk8を８機発注し、1960-70年代に28機を追加、第21爆撃機大隊隷下の２個飛行隊に配備した。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（南アフリカ）＞：南アフリカ空軍爆撃機。1964年までにB(1).Mk12を６機、T.Mk4を３機配備した。アンゴラとの紛争で使用されており、ミグ戦闘機の迎撃も受けたが、ミラージュ戦闘機に護衛されていて損失は出ていない。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（ローデシア）＞：ローデシア空軍爆撃機。1957年にB.Mk2とT.Mk4を18機発注し、1980年まで運用した。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜キャンベラ海外ファミリー＞

　＜Ｔｐ５２＞：スウェーデン空軍電子情報収集機。キャンベラT.Mk11を２機輸入して改造し、1971年まで運用した。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（チリ）＞：チリ空軍偵察機。1982年10月にイギリス空軍中古のPR.Mk9を３機導入した。うち１機は1983年5月25日に墜落して失われたが、アルゼンチン国境に近いところだったため、南アルゼンチンの全空軍基地が一時警戒態勢に入っている。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ（西ドイツ）＞：西ドイツ空軍偵察機。B.Mk2を標的施設作業用として３機受領し、第61実験場に配備した。1970年代に民間登録記号を付けていたこともあり、実際には光学・電子情報偵察装備を付けて東ドイツに対する監視任務を行っていたらしい。参考：週刊エアクラフトNo.82

　＜キャンベラ試験機（フランス）＞：フランス空軍試験機。B.Mk6を開発用として６機を導入した。1980年代前半に全機退役させたが、それ以降も運用していたという説もある。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜キャンベラ級＞：オーストラリア海軍多目的強襲揚陸艦Canberra級。アメリカから購入したカニンブラ級揚陸艦２隻の後継で、ジョイント・プロジェクト2048（JP2048）の名称で計画され、ファン・カルロス�T世級をベースにしたオーストラリアのテニックス社及びスペインのナヴァンティア社の案と、ミストラル級をベースにしたフランスのDCNS社とタレス社の案が検討され、前者が採用されて2007年10月に契約が締結され、スペインで進水させてオーストラリアで艤装した。主任務は同盟国軍を含む陸軍・海兵隊・航空部隊の輸送展開上陸と人道支援である。船体はロイド規格、艦首水線下はシリンドリカル・バウで、バウ・スラスター２基を装備する。艦尾を除くほぼ全通の飛行甲板（02甲板レベル、202.3m×32m）を持ち、飛行甲板左舷前部には傾斜12度のスキージャンプ台がある。ただオーストラリアにSTOVL機は無いので、UAVまたは友好国用らしい。また、実際に運用する場合には飛行甲板の耐熱処理や着艦誘導装置及びF-35運用システムの追加など大きな費用と手間を要する。ヘリ発着スポットはNH-90/MH-60R級中型ヘリ用６カ所が描かれており、CH-47級大型ヘリだと同時４機、AB-212級小型ヘリだと同時８機の運用となる。シーステート５までなら航空機の運用が可能。エレベーターは右舷のアイランド前方と飛行甲板後端中央に１基ずつが用意されていて、前部が縦17m×横11.2mの中型ヘリ・人員・車両・貨物用、後部が縦13.3m・横11.2mの大型ヘリ用である。前部エレベーターの前には大型デッキクレーンがある。飛行甲板の下が航空機格納庫（01甲板ぶち抜きで、床が第１甲板、天井が02甲板。990平方メートル）と軽車両・軽貨物集積場（航空機格納庫前方。こちらも01甲板ぶち抜き、床が第１甲板、天井が02甲板。1889平方メートル）で、その下の第２甲板レベルが居住区、更に下が重車両・重貨物集積場（床が第４甲板、天井が第２甲板。1410平方メートル）となっており、重車両・重貨物集積場の後方はウエル・ドック（床が第５甲板、天井が第２甲板。69.3m×16.8m）で、LCM-1Eなら４隻、上陸用舟艇LLCなら４隻、LCACなら１隻を収容する。シーステート４までならウエル・ドックからの舟艇運用が可能。ウエル・ドックと重車両甲板は固定ランプで繋がれていて、上陸用舟艇への車両・貨物積み込みに使う。重車両甲板と軽車両甲板も左舷側ランプで繋がれており、16トンまでの車両を移送できる。港での車両・貨物積み降ろしには重車両・重貨物甲板右舷のサイドランプ２基を使用する。飛行甲板右舷中央にアイランドがあり、艦橋、飛行管制所、統合ブリーフィング室、戦闘調整センター、指揮管制支援設備が収容される。戦闘システムや電子戦システムはオーストラリア海軍が要求したものを積んだ。病院施設として、手術室２室、ベッド22床（40床？）、歯科治療室Ｘ線撮影室、薬局などが用意されている。全長231.4m（230.8m？）、飛行甲板長202.3m、飛行甲板幅32m、吃水6m、最大吃水7.18m、満載排水量26800-27831トン。主機はガスタービン・ディーゼル・エレクトリック（CODAGE）方式、LM2500ガスタービン発電機１基（25693馬力）・MAN社製16V32/40ディーゼル発電機２基（計19975馬力）、推進は電動アジマス・ポッド２基（29500馬力）、最大速力19ノット、航続距離8000海里（15ノット。9000海里？）／9250海里（12ノット）。50日分の食料を搭載する。兵装はラファエル社製25mm単装機関砲タイフーン４門、12.7mm機銃６丁。搭載レーダーはシージラフで、近距離での目標捜索探知と搭載ヘリの飛行管制を行う。FCSはサーブ社製9LVシリーズ。電子光学センサーはヴァンピールNG。データリンクはリンク16。搭乗揚陸部隊員数978名（通常）／1500名（最大。1044名？1046名？1048名？1124名？）。NFH90/TTH90ヘリ、S-70輸送ヘリ、ティーガー攻撃ヘリなど中型ヘリなら計18機（格納庫に11機、軽車両・軽貨物集積場に７機）を搭載できるが、定数は６機と少なめに抑えている。UAVも運用可能で、将来的にはスキージャンプ台を使用してSTOVL式UAVを運用するかもしれない。搭載車輌はM-1戦車12両など計120-150両。乗員358名（海軍293名、陸軍62名、空軍３名。計243名？）。L02キャンベラ、L01アデレードが2014-15年に就役した。F-35BなどのSTOVL機を配備する場合、飛行甲板の耐熱コーティング、燃料弾薬搭載量増加、戦闘システムへの航空戦能力追加などが必要で、早期警戒機も導入しないと作戦運用に支障が出ることになり、2015年7月8日に国防大臣が改装費と機体導入費が高すぎるとしてF-35Bの配備を見送っている。2017年5月、アジマス・ポッドの不具合で運用停止措置が取られた。L02キャンベラは6月29日に復帰、L01アデレードも改修を行っている。2019年11月12日、オーストラリア国防相が完全運用能力FOCを達成したと発表した。2020年、両艦ともヌルカを搭載した。参考：月刊軍事研究9,’17、9,’13、10,’08、11,’17、月刊世界の艦船4,’19、12,'23、12,’12、2,’15、8,'15、3,’16、5,’16、5,’17、10,’17、6,’18、10,’14、9,’12、1,’13、4,’10、5,’11、1,’15、5,’15、2,’20、12,'20、JShips Vol.44

＜キャンベル＞：D60（駆逐艦）を参照。

＜キャンベル＞：アメリカ陸軍大将ジョン・Ｆ・キャンベル（John F. Campbell）。母親が日系の日系人で、1957年、メイン州生まれ。1979年、ウエストポイント陸軍士官学校を卒業し、歩兵少尉となった。1983年、大尉に昇任。第５特殊部隊群（空挺）第１大隊Ａ作戦分遣隊長、第82空挺師団第505落下傘歩兵連隊第３大隊Ｂ中隊長などを務め、指揮幕僚大学に入り、第82空挺師団作戦将校や第２旅団作戦主任（S-3）などを歴任し、1995年に中佐に昇任、第25歩兵師団第５歩兵連隊第２大隊長となった。陸軍大学校を卒業すると統合参謀本部に入り、2000年に大佐に昇任、第82空挺師団第１旅団長兼第504落下傘歩兵連隊長となり、不朽の自由作戦に参加。陸軍参謀本部を経て2005年に准将となり、第１騎兵師団作戦担当副師団長としてイラク戦争に参加。2008年に少将、2009年に第101空挺師団長となり、2010-11年にアフガン作戦に参加し、2011年に中将に昇任、作戦計画訓練担当陸軍参謀副長（G-3/G-5/G-7）となった。2013年、アジア系として２人目のアメリカ陸軍大将（１人目はエリック・シンセキ大将）に昇任し、陸軍参謀次長となった。2014年8月26日、アフガニスタン派遣米軍司令官兼NATO国際治安支援部隊（ISAF）司令官に就任。参考：月刊軍事研究4,’15

＜キャンベルタウン＞：F86（22型フリゲート）またはI42（駆逐艦）を参照。

＜旧Ｓ級シリーズ＞：アメリカ海軍潜水艦。1916年8月策定の第１次３年計画で建造が決まった800トン型で、以前の潜水艦より直径が一回り大きい533mm魚雷による高い攻撃力と、大西洋を横断できる航洋力を持つ。電動モーターは１軸あたり２基の電機子を配した複電機子型二重電動機を採用し、大出力小直径化や直列・並列切り替えによる回転速度調節が可能といった利点から、以降の潜水艦用電動モーターは全てこの方式にした。1919-25年に４グループ計51隻（＋試作１隻）が就役した。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

　＜旧Ｓ級第１グループ＞：エレクトリック・ボート社が設計したもので、フォアリバー造船所とユニオン社が建造した。１番艦は試作艦で、２番艦以降は１番艦の竣工前に建造が始まっている。艦首上面に水中聴音機Ｙチューブ、セイルに潜望鏡３本を装備する。全長66.8m、最大幅6.3m、吃水4.9m（１番艦SS-105）／5.3m（２番艦SS-123以降）、水上排水量854トン（SS-105）／930トン（SS-123以降）、水中排水量1062トン（SS-105）／1094トン（SS-123以降）。主機はディーゼル直結推進方式、水上用NLSECO式8-EB-15型８気筒４サイクルディーゼル（600馬力・380rpm）２基・水中用エレクトロ・ダイナミック式電動モーター（SS123-134はリッジウェイ式、SS141-146はGE式）２基、水上出力1200馬力、水中出力1500馬力（SS123-134は2300馬力）、２軸推進、水上速力14.5ノット、水中速力11ノット（SS-105）／９ノット（SS-123以降）、重油搭載量168トン、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、水上航続距離3420海里（6.5ノット）、水中航続時間20時間（５ノット）。兵装は533mm魚雷発射管４門（艦首。Mk9魚雷12本）、50口径76mm甲板砲（初期艦。一部に23口径76mm甲板砲）または50口径102mm甲板砲（後期艦）１門（セイル直前）。乗員42名。SS-105、SS-123、SS-125、SS-126、SS-127、SS-128、SS-129、SS-130、SS-131、SS-132、SS-133、SS-134、SS-135、SS-136、SS-137、SS-138、SS-139、SS-140、SS-141、SS-142、SS-143、SS-144、SS-145、SS-146の25隻が1920-24年に竣工した。8-EB-15型ディーゼルに捩り振動の問題があり、定格回転数を落として運用せざるを得ず、予定通りの水上速力を出せなかった。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜Ｓ−２級＞：レイク社が設計した試作艦。全長63.1m、最大幅6m、吃水4.9m、水上排水量800トン、水中排水量977トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用ブッシュ・ズルザー社製6M150型６気筒２サイクルディーゼル（900馬力・350rpm）２基・水中用ディール・マニュファクチャリング社製電動モーター２基、水上出力1800馬力、水中出力1200馬力、２軸推進、水上速力15ノット、水中速力11ノット、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、水中航続時間20時間（５ノット）。安全潜航深度61m。兵装は533mm魚雷発射管４門（艦首。魚雷12本）、50口径10.2cm単装砲１門（セイル前方）。乗員38名。SS-106が1920年に竣工した。バラストタンクの配置が悪く潜航に時間が掛かりすぎる、電動モーターの出力が足りず潜舵の動きが悪いといった問題があり、量産化はされず、早々に予備役に入れられてしまった。1931年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史

　＜旧Ｓ級第２グループ＞：海軍設計局が設計したもので、ポーツマス海軍工廠とレイク社が建造した。１番艦は試作艦で、２番艦以降も１番艦とほぼ同時に建造を開始し、１番艦の公試で判明した問題点（潜航秒時が予定60秒のところ100秒かかる、艦内が狭いなど）を逐次改善していった。全長70.4m、最大幅6.7m、吃水4m（SS115-118は4.1m）、水上排水量875トン（SS-107）・876トン（SS109-114、SS119-122）・930トン（SS115-118）、水中排水量1088トン（SS-107）・1092トン（SS109-114、SS119-122）・1138トン（SS115-118）。主機はディーゼル直結推進方式、水上用NLSECO式8-EB-16型８気筒２サイクルディーゼル（700馬力・350rpm。SS-107、SS109-114）・機関局MAN式６気筒４サイクルディーゼル（MAN社製S6V45/42型のコピー。1000馬力・425rpm。SS115-118）・ブッシュ・ズルザー式6M150型６気筒２サイクルディーゼル（SS119-122）＋水中用ウェスティング・ハウス式電動モーター２基、水上出力1400馬力（SS115-118は2000馬力）、水中出力1200馬力、２軸推進、水上速力15ノット（SS115-118は14ノット）、水中速力11ノット、重油搭載量148トン、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、水上航続距離3500海里（11ノット）、水中航続時間20時間（５ノット）。安全潜航深度61m。兵装は533mm魚雷発射管４門（艦首。魚雷12本）、50口径102mm甲板砲１門（セイル前方）。乗員38名。SS-107、SS-109、SS-110、SS-111、SS-112、SS-113、SS-114、SS-115、SS-116、SS-117、SS-118、SS-119、SS-120、SS-121、SS-122の15隻が1919-23年に就役した。8-EB-16型ディーゼルに捩り振動が生じるという問題があり、定格回転数を減らして運用せざるを得ず、予定通りの水上速力を発揮できなかった。後にSS115-118は主機を換装して速力を上げ、艦尾に533mm魚雷発射管１門を追加、魚雷搭載数を14本とした。一旦全艦退役したが、SS-116以降が第２次大戦勃発で現役復帰している。1945年までに全艦除籍された。参考：月アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

　＜旧Ｓ級第３グループ＞：旧Ｓ級第１グループの改良型で、エレクトリック・ボート社が設計した。船体と上構に改良を加えてバラストタンクの配置を変え、甲板砲用揚弾トランクを追加している。全長68.7m、幅6.4m、吃水4.9m、水上排水量963トン、水中排水量1135トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用NLSECO式8-EB-15型８気筒４サイクルディーゼル２基・水中用エレクトロ・ダイナミック式電動モーター２基、水上出力1200馬力、水中出力1500馬力、２軸推進、水上速力14.5ノット、水中速力9.5ノット、重油搭載量185トン、蓄電池はゴウルド・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、水上航続距離2510海里（6.5ノット）、水中航続時間20時間（５ノット）。安全潜航深度61m。兵装は533mm魚雷発射管４門（艦首。魚雷12本）、50口径102mm甲板砲１門（セイル前方）。乗員38名。16隻を配備予定だったが、第１次大戦終結でエレクトリック・ボート社建造予定の10隻がキャンセルされ、フォアリバー造船所製のSS-153、SS-154、SS-155、SS-156、SS-157、SS-158の６隻のみ1924-25年に就役した。8-EB-15型ディーゼルに捩り振動の問題があり、定格回転数を落とさざるを得ず、予定通りの水上速力を出せなかったが、運用実績は良好で、最良のＳ級と呼ばれ、第２次大戦半ばまで使用されている。後に後部上構を一部撤去し、甲板砲を50口径76mm高角砲に換装、艦橋前方に20mm機関砲を追加し、SDレーダーとSJレーダーを搭載した。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

　＜旧Ｓ級第４グループ＞：旧Ｓ級第２グループ後期型の改良型で、海軍設計局が設計してレイク社が建造した。船体を拡大して艦尾発射管を設け、ついでに燃料搭載量を増やしている。セイル前部には甲板砲用揚弾トランクを追加した。全長73.2m、最大幅6.7m、吃水4.1m、水上排水量903トン、水中排水量1230トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用ブッシュ・ズルザー社製6M150型６気筒２サイクルディーゼル（900馬力・350rpm）２基・水中用リッジウェイ式電動モーター２基、水上出力1800馬力、水中出力1500馬力、２軸推進、水上速力14.8ノット、水中速力11ノット、重油搭載量177トン、蓄電池はゴウルド・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、水上航続距離5900海里（11ノット）、水中航続時間20時間（５ノット）。安全潜航深度61m。兵装は533mm魚雷発射管５門（艦首４門、艦尾１門。魚雷16本）、50口径102mm甲板砲１門（セイル前方）。乗員38名。SS-159、SS-160、SS-161、SS-161の４隻が1922年に就役した。運用成績が不良で2-4番艦はロンドン条約により早々に除籍され、近代化改装を受けていた１番艦のみ第２次大戦に参加している。全長81.4m、幅6.6m、吃水3.4m、水上排水量1010トン、水中排水量1460トン。主機はディーゼル、水上出力2000馬力、水中出力1500馬力、２軸推進、水上速力14.5ノット、水中速力11ノット。兵装は533mm魚雷発射管５門（艦首４門、艦尾１門）、102mm単装砲１門。乗員45名。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜吸音タイル＞：遮音タイルを参照。

＜旧海軍司令部壕＞：沖縄戦で海軍設営隊が設置した日本海軍司令部壕を復元したもので、海軍資料なども展示している。所在地は沖縄県豊見城市字豊見城236。開館時間は7-9月が0830-1730、10-6月が0830-1700。入館料は大人420円。参考：MAMOR vol.58

＜九華山＞：909（揚陸艦）を参照。

＜休暇は前期＞：日本海軍用語で、年末年始の休暇は前期の方が良いということ。後期だと有事の際の休暇取り消しの影響を受けやすい。また、前期なら後期組が休暇を取っている間に体を艦に慣らす事ができるが、後期は帰艦してすぐに訓練である。似たような言葉があり、休暇は前期、整列は後列、ホーサーはエンド、パンはアーマーと続ける。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜吸気圧力＞：Manifold pressure。レシプロエンジンのシリンダーが空気を吸入する圧力のこと。大きいほど空気の吸入量が多くなり、燃料を多く燃やすことが可能で、出力が大きくなる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜吸気圧力計＞：ブースト計を参照。

＜救急車＞：自衛隊の救急車。市販ワンボックスカーがベースである。トヨタ自動車製。参考：月刊丸3,’13、月刊軍事研究7,’10

＜救急車（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の救急車T-FTGE24。外見は普通のワゴン車で、赤十字マーク、赤色灯、サイレンが付いている。全長5.13m、全幅1.69m、全高2.475m、車重1.87トン、車両総重量2.67トン。エンジンはNA20型直列４気筒ガソリン（総排気量1998cc、出力91馬力）、トランスミッションはRS5W71C型（前進５段・後進１段）、最大速度130km、燃料タンク容量70リットル。乗員10名。日産自動車製。参考：自衛隊装備年鑑1996

　＜救急車（航空自衛隊）＞：全長5.6m、全幅1.88m、全高2.51m、車両総重量2.825トン。最大速度145km。乗員８名。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜救急車（２ベッド型）＞：自衛隊の救急車。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究5,’09

＜救急車２ベッド型２号＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜救急車（２ベッド型全輪駆動）＞：自衛隊の救急車。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究5,’09

＜救急車（４×２）２ベッド型＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜救急車（４×４）２ベッド型＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜究極の有人戦闘機＞：F-104シリーズ（戦闘機）を参照。

＜旧軍港市転換法＞：日本の法律。旧軍港市である神奈川県横須賀市、広島県呉市、長崎県佐世保市、京都府舞鶴市を平和産業港湾都市に転換する方針を定めた法律である。参考：MAMOR vol.138

＜球形ソナーアレイ＞：ソナーアレイの１つで、トランスデューサーやハイドロフォンを球面に並べたもの。水平方向も垂直方向も均等な精度で音を探知できる。ただし探知したい方向には別の構造物を置けないので、十分なスペースが必要になり、艦が大型化し、設計や運用に制限を受ける。また、三次元で音の発受信方向を計算するため、高性能コンピュータが必要で、電力も喰う。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜球形飛行体＞：自衛隊のUAV。防衛技術シンポジウム2010で試作７号機が公表され、第１回フロントランナー賞を受賞した。高速飛行の出来る垂直離着陸機としてテイルシッター型VTOLがあるが、着陸操作が非常に難しく、風に煽られるなどして機体が傾くと転倒して壊れるという欠点があった。なら球形のフレームに収容すれば転倒しても転がるだけで大丈夫、というのが着想の始まりである。通常の尾翼付き固定翼機型だと地上で転がる際の舵の動きが空中と逆になってしまうため、カナード付き無尾翼機とすることで動かす方向を一定にした。ちなみにカナードも主翼も十字翼なので、舵面は計８枚付いている。機体内部にはモーター、バッテリー、TVカメラ（ジャイロ安定化装置付き）などを収容し、機体先端のシングルプロペラで離着陸、前進、ホバリング、回転といった機動を行う。機体安定用ジャイロ３基も搭載しており、風などの外力が加わっても安定した飛行が可能。この機体をプラスチックと発泡スチロールで出来た球状スケルトンフレームの中に収めていて、姿勢を気にせず着陸させることができる。フレームはプロペラガードを兼ねているので、電線や木の枝などの障害物を気にせず飛ばし、手で掴んで回収するといった乱雑な運用にも耐える。また、地上や水面を転がって移動したり、壁や天井に張り付いたりと様々な動きが可能。直径420mm、重量350g。最大速度60km、飛行時間８分。２チャンネルプロポで遠隔操作される。個人製作で、費用は11万円。開閉式の主翼を組み込み、ペイロードと飛行速度の増大を図ったタイプを開発中だが、イメージ図がどう見てもガンダムのハロである。参考：朝雲、ストライク・アンド・タクティカルマガジン1,’11、月刊軍事研究12,’11

＜球形砲架＞：カルダン砲架を参照。

＜九江＞：516（フリゲート）を参照。

＜急降下＞：Dive。急角度で降下することで、急加速や、銃爆撃の際の命中精度向上などに使用される。急降下中に機体の速度限界を超えたり、減速や離脱のため引き起こした際に耐Ｇ限界を超えたりすると、空中分解してしまう。また、引き起こしてから上昇に転じるまでにかなりの高度を失うので、地上に激突しないよう注意が要る。速度限界を超えないよう、空気抵抗で加速を緩めるダイブブレーキを装備した機体もある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜急降下自動装置＞：ドイツ空軍の急降下爆撃補助装置Sturzflugautomatik。投弾高度を予めセットしておくと、その高度でブザーが鳴る。投下した爆弾がプロペラ圏から外れると自動的にダイブブレーキとトリム・タブが復帰して操縦桿の制限が解除され、機首が上がるので、そのまま操縦桿を引いて機体を引き起こして離脱すればよい。参考：歴史群像2,’05

＜急降下爆撃＞：目標に向かって垂直に近い角度で急降下し、爆弾を投下すること。水平爆撃に比べてリードを少なくでき、投弾高度が低いので横風の影響も少なく、命中精度が高い。航空機の加速スピードが爆弾に加わるので、同じ投下高度で水平爆撃を行うよりも破壊力が高くなる。ただし降下や引き起こしに耐える構造を持つ頑丈な航空機を使用せねばならないので兵装ペイロードがどうしても低くなり、重い爆弾は使用できず、低空で投弾するため爆弾の終末速度にも限界があり、ポスト・ジュットランド級戦艦などの強力な上面装甲を持つ目標は貫通が難しい。命中精度を高めようとして投下高度を下げすぎると自分も巻き込まれるので注意。また高度が低いと対空火器に撃墜される危険性も高まるので、投下したら水平に引き起こして速度を維持したまま水平急旋回を行うなどの急速離脱が必要となる。元々アメリカ海軍が艦隊への爆撃精度向上を目指して1920年代後期に戦法を確立し、第２次大戦で大きな威力を発揮した。危険性が高いこと、急降下の前にある程度高い所を飛ぶ必要がありレーダーに見つかりやすいこと、誘導爆弾・空対地ミサイル・空対艦ミサイルが発達したことなどで、現在は廃れた。参考：歴史群像2,’05、月刊JWings6,’08、3,’15、飛行機のしくみ、日本海軍の爆弾、月刊軍事研究4,’11

　＜急降下爆撃（Ｆ−４戦闘機）＞：目標から9500-13500フィート（2895.6-4114.8m）のところで高度8000-9500フィート（2438.4-2895.6m）をとり、風下側から左旋回をかけて目標に正対、30-45度のダイブを行う。高度3000-4500フィート（914.4-1371.6m）で投弾し、直ちに引き起こして目標上空を高度1000フィート（304.8m）以上で通過、左旋回しつつ上昇する。速度300ノット、高度8000-9500フィート（2438.4-2895.6m）に達したら再攻撃に入る。参考：アメリカジェット戦闘機

＜急降下爆撃機＞：急降下爆撃を主任務とする軍用機のこと。アメリカ海軍が専用のSBCヘルダイバーを開発し、それに刺激されてドイツ空軍がJu87スツーカを配備、これのライバルだったHe118のモデルになったHe70を基にした九九式艦爆を日本海軍が制式化した。急降下爆撃が廃れたので、この種の機体も開発されなくなった。参考：飛行機のしくみ

＜急行軍（日本陸軍）＞：短時間に所望の地点に到達するために行う行軍のこと。所要に応じ速度を増し休憩を減じる。服装を軽易にし人馬の負担量を軽減できれば有利である。参考：作戦要務令

＜急行列車乗っ取り事件＞：1977年3月23日、オランダの急行列車が南モルッカ人ゲリラ（インドネシア領モルッカ諸島の独立を主張しており、旧宗主国オランダで人質事件を繰り返していた）７人に乗っ取られ、近くのボーベンスミルデの小学校も占拠され、それぞれ55人と110人が人質になった。数日後、小学校で集団食中毒が発生し、人質106人が解放されている（偶然か、オランダ側が差し入れに何かを仕込んだのかは不明）。オランダ政府は交渉を続けたが、解放の目処は立たず、海兵隊特殊部隊に強行突入準備を命じた。海兵隊員は同じ型の列車をギルゼリジン空軍基地に持ち込んで訓練を行うと共に、水路を使って乗っ取られた列車に高感度マイクと温度変化探知機を設置している。事件から２ヶ月半が経過し、人質解放交渉に同行していた精神科医は人質のストレスが限界に達していると判断、政府に対して交渉が無理なら実力で解決すべきであると助言した。これにより、政府は強行突入を決断。SASに助言を求めたところ、スタン・グレネードの使用などを薦められた。6月11日明け方、オランダ空軍F-104戦闘機６機がアフターバーナー全開で列車上空を超低空飛行し、その瞬間に暗視ゴーグルを付けた突入部隊が爆薬で列車のドアを吹き飛ばしてスタン・グレネードを投げ込み突入した。戦闘機の爆音でゲリラは立ち上がり、人質は頭を下げており、ゲリラ６人が射殺され、４人が逮捕されている。人質２人が立ち上がってしまい死亡したが、残る49人は数名が軽傷を負ったのみで救出された。同時に小学校でも８輪装甲車ルクスが壁を破って突入し、ゲリラ４人を逮捕、人質４人を解放した。突入部隊には７名の死者が出ている。以降、南モルッカ人ゲリラによる事件は減少の一途を辿った。参考：月刊軍事研究7,’97

＜救護業務軍＞：ドイツ連邦軍の軍組織Sanitatsdienst。各種医務部隊を統合している。トップは救護業務軍総監で、その下に救護指揮司令部と連邦軍救護局がある。救護指揮司令部の隷下には救急出動救護業務コマンド（海外派遣対応）、第１・第２・第３・第４救護コマンド（各防衛管区コマンド対応）があり、連邦軍救護局の隷下には救護学校、救護教導連隊、中央運用教育訓練所、研究所がある。2009年の兵力は定員24935名、現役18831名。参考：月刊軍事研究3,’10

＜九州・四国沖航空戦＞：丹作戦を参照。

＜九州地区補給処＞：陸上自衛隊の地区補給処。1954年3月、目達原駐屯地で新編された。1998年3月、九州補給処に改称された。参考：目達原駐屯地ホームページ

＜九州豪雨（２０２０年）＞：令和2年7月豪雨。2020年7月3日夜、停滞する梅雨前線の影響から九州南部を中心に大雨となり、7月4日0450には熊本県と鹿児島県に大雨特別警報が出され、球磨川が全域で氾濫、熊本県各地で冠水や土砂災害が多発したため、0536に熊本県知事から第８師団長に災害派遣要請が出された。同日未明、海上保安庁が本庁に対策室を設置し、朝には対策本部への格上げを行い、巡視船による沿岸部状況調査、職員派遣、ヘリによる孤立者救助などを開始。朝、西部方面混成団第24普通科連隊に非常呼集が掛かり、初動中隊増強ボート小隊10名を編成して球磨村の千寿園（１階部分が水没）に前進し、救助活動を開始。球磨川の水位が再度上昇し、部隊が一時孤立状態に陥ったが、千寿園入居者全員の救助に成功している。午前、政府が関係閣僚会議を開き、安倍総理が自衛隊に10000名態勢での応急対応準備を指示。防衛省・自衛隊は西部方面隊基幹の三自衛隊災派部隊10000名を同日中に構築し、防衛大臣官房審議官以下４名からなる調整チームを熊本県庁に派遣した。7月5日、河野防衛大臣が即応予備自衛官最大200名の招集命令を発出。自衛隊は西部方面隊基幹の20000名態勢で活動にあたっており、第４師団第４飛行隊、第８師団第８飛行隊、西部方面航空隊、第22航空群、芦屋救難隊、新田原救難隊のヘリが382人を救助し、陸自CH-47と海自SH-60が物資を輸送、空自U-125Aと陸自UH-1Jが情報収集を行っている。7月6日夕方、福岡、佐賀、長崎に大雨特別警報が発令された。7月7日0430、福岡県知事から第４師団長に災害派遣要請が出された。朝、即応予備自衛官７名が福岡駐屯地と目達原駐屯地に出頭し、指定部隊指揮下で災派準備を開始。1030、大分県知事から第４師団長に災害派遣要請が出された。7月7日までに第４師団第４飛行隊（UH-1J）、第８師団第12普通科連隊・第42即応機動連隊・第43普通科連隊・第８施設大隊・第８飛行隊（UH-60JA）、西部方面特科連隊、西部方面混成団第24普通科連隊、西部方面航空隊（ヘリ映伝搭載UH-1J）、西部方面ヘリコプター隊（CH-47）、西部方面輸送隊、西部方面後方支援隊、第22航空群（SH-60、UH-60J）、芦屋救難隊（U-125A）、新田原救難隊（U-125A、UH-60J）、第９警戒隊、第５地対艦ミサイル連隊が、ボートやヘリによる救助、道路啓開、土砂撤去、物資輸送、被害情報収集、給水・給食支援にあたっている。7月8日0040、大分県知事から西部方面特科隊長に災害派遣要請が出された。7月12日、熊本県球磨村で医官などによる巡回診療などの医療支援を開始。7月13日、安倍総理と山崎統幕長が熊本県内の被災地を視察し、災派隊員を激励した。1753、山口県知事から西部航空方面隊司令官に災害派遣要請が出された。7月14日現在、自衛隊は即応予備自衛官最大400名と予備自衛官最大100名の招集を決め、西部方面混成団第19普通科連隊、中部方面後方支援隊第101補給大隊、春日基地所在部隊、東部方面隊応援部隊などを加えた20000名態勢で活動しており、1800人を救出、救援物資200トンを輸送し、道路20kmを啓開、災害廃棄物400トンと土砂・流木1000トンを処理、７カ所で100トンを給水し、９カ所で1400人に入浴支援を行った。7月20日、フェリーはくおうが門司港で北海道へと撤収する第12施設群の隊員180名と車両90両を載せた。7月23日、即応予備自衛官（最大240名が参加）と予備自衛官（最大40名が参加）が活動を終了。7月25日、河野防衛大臣と山崎統幕長が入間基地からU4多用途機で高遊原分屯地を経由して被災地を訪問し、災派部隊を激励した。7月26日、第８師団第８後方支援連隊と西部方面後方支援隊による熊本県人吉市と多良木町での入浴支援を終了。7月27日、派遣規模を230名に縮小。第８師団第８特殊武器防護隊が球磨村で防疫活動を実施。7月30日、西部方面音楽隊が熊本県球磨郡山江村で慰問演奏を実施。8月7日、熊本県知事から撤収要請が出され、全活動を終了した。派遣規模は延べ隊員340000名（うち即応予備自衛官延べ1400名・最大240名、予備自衛官延べ140名・最大40名）で、救助1775人、災害廃棄物処理3390トン、土砂・流木等処理5849トン、生活支援物資輸送227トン、給水支援329トン、配食支援7350食、入浴支援8370人、医療支援160人、防疫支援、被害情報収集、連絡員派遣最大170人だった。参考：朝雲、月刊JWings9,’20、10,’20、月刊世界の艦船9,’20、10,’20

＜九州豪雨（２０２１年）＞：2021年8月、西日本を中心とした大雨が発生し、8月13日未明に長崎県雲仙市で土砂崩れにより行方不明者が出た。0846、菅総理が関係閣僚に国民への情報提供、避難支援等の事前対策、人命第一の災害応急対策を指示したことを受け、岸防衛大臣が情報収集と救援活動準備を指示。早朝、佐賀県庁に災害警戒本部が設置されたため、佐賀地本が市町役場に連絡要員LOを派遣した。1545、長崎県知事から第16普通科連隊長に人命救助の災害派遣要請が出された。8月14日早朝、第４師団第16普通科連隊と第８航空団の隊員計70名が雲仙市の土砂崩れ現場で災害救助犬２頭と小型ショベルドーザー１両による救助活動を開始。午前、佐賀県で六角川が氾濫して住民が孤立したため、1045に佐賀県知事が西部方面混成団長兼久留米駐屯地司令に武雄市における人命救助、1200に大町町における人命救助の災害派遣要請を出した。これを受け、第５施設団第９施設群第103施設器材隊・第303水際障害中隊と佐世保水中処分隊が大型渡河ボートとゴムボートで救助を開始し、西部方面航空隊がヘリ映伝搭載UH-1Jヘリで浸水地域の映像伝送を行っている。8月15日、空自第３術科学校などが雲仙市の救助活動に加わった。8月16日現在、雲仙市では隊員40名、小型ショベルドーザー２両、救助犬３頭で活動中。武雄市と大町町では隊員260名がボート33隻で活動しており、この日までに第４師団第４偵察戦闘大隊、西部方面特科連隊、第９施設群、佐世保水中処分隊などが武雄市で95人、大町町で82人を救助した。8月17日現在、更なる大雨災害の発生に備え、西部方面隊730名、中部方面隊660名、東部方面隊240名が初動対応のため待機中。8月18日1120、佐賀県知事から西部方面混成団長兼久留米駐屯地司令に撤収要請が出されたが、午後に大町町の砥石川ため池で斜面が崩落したため、周辺住民の避難誘導に係る災害派遣要請があり、1533に避難誘導を終えて撤収した。8月19日1730、長崎県知事から第16普通科連隊長に撤収要請が出された。活動規模は長崎・佐賀合わせて延べ隊員1540名、ヘリ２機、小型ショベルドーザー２両、ボート37隻、災害救助犬３頭、全天候型ドローン２機で、活動実績は人命救助177人、避難誘導１人、安否確認４世帯だった。参考：朝雲

＜九州飛行機＞：昭和18年10月、渡邊鉄工所の兵器部門が独立して誕生した。昭和19年2月、震電の試作を開始。橘花の開発及び各工場の疎開中に終戦を迎えた。渡邊鉄工所時代を合わせて海軍機の生産数は3796機（3797機？）。参考：月刊丸12,’11、首都防空網と空都多摩

＜九州防衛局＞：防衛省地方防衛局。2015年6月30日、北九州市の小倉防衛事務所を廃止した。7月1日、鹿児島市に鹿児島防衛事務所を開設。10月20日、在日米海軍佐世保基地ハーバービュークラブで平成27年度在日米軍従業員永年勤続表彰式を実施。長期勤務の73人に勤続年数に応じた表彰状や記念品を贈呈した。2016年3月14日、長崎市で第31回防衛問題セミナーを実施。能力構築支援や海外派遣について講演を行った。4月7日、在日米海軍佐世保基地施設部隊長ディーン・アレン中佐に、崎辺海軍補助施設全面返還などにおける日米合意形成寄与の功績で、感謝状を贈呈した。7月1日、平成28年度優秀工事等顕彰状授与式を実施し、３社と２人に顕彰状を授与した。2017年1月21日、在日米海軍佐世保基地体育館で日米交流in佐世保2016を開催。地元小学生と基地内小学生の計180人が交流を深めた。7月5日に発生した九州北部豪雨の災害派遣に参加。7月10日、離任する在日米海軍佐世保基地司令官に感謝状を贈呈した。9月21日、佐世保市イベントホールで「弾道ミサイルの脅威に備えて」をテーマとする第34回防衛問題セミナーを実施。10月17日、平成29年度在日米軍従業員永年勤続者表彰式を在日米海軍佐世保基地ハーバービュークラブで実施し、157人を表彰した。10月30日、日出生台演習場問題協議会との間で、日出生台演習場の米軍使用に関する協定の調印式を実施。12月8-20日に開催されたフォレストライト2017-01に際し、大矢野原演習場に現地連絡本部を置き、地元自治体などに情報提供を行った。2018年1月20日、長崎県西海市大瀬戸総合運動公園体育館で日米交流事業の日米交流in西海2017を実施。2月5-14日、アメリカ海兵隊による沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の分散実施が日出生台演習場で行われたのに伴い、演習場内に現地対策本部を設置し、部隊支援、連絡調整、物品・役務調達、自治体などへの情報提供にあたった。2月27日、局長がFBS福岡放送で同社員20人を対象に講演を実施。5月29日、在日米海軍佐世保基地法務部長ホートン大尉に感謝状を贈呈した。7月2日、熊本市民会館で第35回防衛問題セミナーを開催した。8月21日、防衛省まちづくり支援事業で11億円を補助して完成したえびの市防災食育センターの落成式に局長が出席。10月23日、在日米海軍佐世保基地厚生施設ハーバービュークラブで平成30年度在日米軍従業員永年勤続者表彰式を実施。11月14日、佐世保市民文化ホールで明治150年記念セミナー〜旧軍港としての発展・そして未来へをテーマとする第36回防衛問題セミナーを実施。2019年3月20日、周辺環境整備事業に関わる地方自治体担当者との会議を実施。3月26日、佐世保市内の多目的ホールで佐世保市内中高生と在日米海軍佐世保基地内アメリカン・スクール高校生による日米交流演奏会2019を開催。6月16日、かごしま県民交流センターで「鹿児島から日本の安全保障を考える」をテーマとした第38回防衛問題セミナーを実施。6月21日、在日米海軍佐世保基地施設部隊長ソレザー中佐に感謝状を贈呈した。7月8日、優秀工事等顕彰状授与式を実施。7月31日、鹿屋市長や市議会議長ら30人を鹿屋航空基地に招き、アメリカ海兵隊MV-22B輸送機地上展示を実施。8月22日から9月26日、健軍駐屯地に現地連絡所を開設し、オリエント・シールド19に関する地元自治体への情報提供などにあたった。10月29日、在日米海軍佐世保基地ハーバービュークラブで令和元年度在日米軍従業員永年勤続者表彰式を実施。11月17日、奄美観光ホテルで「島嶼防衛を考える〜新編奄美警備隊の役割」をテーマとする第39回防衛問題セミナーを実施。11月18日、奄美駐屯地及び瀬戸内分屯地開設協力の功績により、奄美市役所で市長に、瀬戸内町役場で町長への感謝状を手渡した。2020年7月22日、管内防衛施設周辺に所在する32の地方自治体から担当者計37人が出席して周辺環境整備事業に関わる地方自治体担当者との会議を実施。10月19日から11月11日、新田原基地内にキーン・ソード21現地対策本部を開設し、地元自治体への情報提供などを行った。10月22日から11月6日、鹿屋航空基地内にキーン・ソード21現地連絡所を開設し、地元自治体への情報提供などを行った。2021年5月29日、「災害から身を守る」をテーマとする第40回防衛問題セミナーをオンラインで実施。2022年2月4日、長崎県と大村市に対し、水陸機動団第３水陸機動連隊の竹松駐屯地への配備決定を伝達した。5月18日、調達部のコンクリート片の再資源化に係る取り組みがSDGs優秀賞に選ばれ、防衛省で岸防衛相から表彰状を授与された。参考：朝雲

＜九州補給処＞：陸上自衛隊の補給処。西部方面隊への兵站支援、物資補給、整備などを主任務とする。1998年3月、九州地区補給処から改称されて目達原駐屯地で創設された。2008年3月、城野支処を廃止。2009年1月28日、目達原駐屯地で業務（装備）改善展示会を実施。77作品が出品され、小火器弾薬リンク組立用アタッチメントが最優秀賞となった。2011年11月、平成23年度自衛隊統合演習に参加。11月11-13日、陸自補給処として初めて、西方ヘリコプター隊や第１ヘリコプター団のCH-47ヘリを使用しての補給物資事前集積を行った。2016年6月13日、佐賀県鳥栖市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町と、災害時等における連携に関する協定の調印式を実施。7月4-14日、小郡訓練場で陸曹候補生８名に陸曹候補生課程履修前教育事前訓練（救急法、野戦築城、戦闘訓練など）を実施。2019年1-3月、奄美大島と宮古島に新編される部隊向けの物品1300品目をコンテナ150本に積めて送付した。8月28日から佐賀県大雨の災害派遣に参加。2023年7月10-17日、レゾリュート・ドラゴン23前段演習に参加。10月14-31日、レゾリュート・ドラゴン23後段訓練に参加。参考：朝雲、目達原駐屯地ホームページ、月刊丸4,’17、MAMOR vol.154

＜九州北部豪雨（２０１７年）＞：2017年7月5日、北陸付近にあった梅雨前線が南下して午後から九州北部に線状降水帯が発生し、夕方から福岡県と大分県に大雨特別警報が出され、河川の氾濫や山の崩落で37人が死亡、５人が行方不明になり、1200人以上の孤立者が発生した。1846、統合幕僚監部に統幕運用部運用第２課長を室長とする防衛省災害対策準備室が設置され、防衛大臣が情報収集、人命救助を第一義とする救援活動、関係機関との緊密な連携、万全な対処を指示。福岡県庁、日田市役所、朝倉市役所、大分県庁、中津市役所、筑紫野市役所など30ヵ所以上に連絡幹部（LO）を派遣した。1900、福岡県東峰村で孤立者が発生したため、福岡県知事が第４師団長に人命救助と物資輸送に係る災害派遣を要請。1930、大分県日田市で孤立者が発生したため、大分県知事が第４戦車大隊長に人命救助に係る災害派遣要請を出した。1941、防衛省に統幕運用部長を室長とする災害対策室を設置。1944、第４戦車大隊FAST-Forceの隊員55名と車両５両が駐屯地を出発し、日田市小野公民館に向かった。2045、第５施設団FAST-Forceの隊員25名と車両５両が駐屯地を出発し、朝倉市役所に向かった。7月6日から三自衛隊による人命救助や物資輸送が本格化。早朝には隊員1610名が任務に当たっていた。0850頃、第40普通科連隊第２中隊長以下120名が東峰村に向け小倉駐屯地を出発。0950、第41普通科連隊が別府駐屯地を出発。1030頃、第40普通科連隊本部管理中隊長以下170名が朝倉市に向け小倉駐屯地を出発。西部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリ２機、UH-1Jヘリ１機、UH-60JAヘリ３機、第４師団第４飛行隊OH-6Dヘリ１機が出動に備えたが、午前中は天候不順により離陸できなかった。午後には芦屋救難隊UH-60Jヘリ２機とU-125A捜索救難機１機も捜索を実施している。7月7日、派遣規模を4040名に増大。海自第22航空群第22航空隊SH-60ヘリ５機、同第72航空隊UH-60Jヘリ２機、新田原救難隊UH-60Jヘリ３機、春日ヘリコプター空輸隊CH-47Jヘリ１機も加わった。0700頃、第40普通科連隊が北九州市役所などに連絡幹部を派遣。7月8日、第３師団第３後方支援連隊と第14旅団第14後方支援連隊が加わった。7月9日、活動内容に人員等輸送を追加。第１師団第１後方支援連隊と東部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリ１機が加わった。7月10日、車両475両（うち水トレーラー車16両、水タンク車９両、給水車５両）と航空機17機で活動を継続。この日までの派遣規模は延べ人員20000名、延べ航空機83機で、活動実績は人命救助658名、道路啓開（瓦礫除去）1.3km、食糧輸送12500食、水輸送20000本、日用品輸送22000個、給食支援1209食、入浴支援300人、給水支援100トン、人員輸送83人だった。7月11日、福岡県内の孤立地区が解消し、日田市内の孤立地区もライフラインが保たれ住民も留まる意向であり実質的に解消した。ただ日田市小野地区の牧場で牛100頭が餌の尽きかけた状態になったため、日田市の依頼でCH-47Jヘリにより大分県酪農業協同組合からの牧草二十数トンをスリング輸送している。東部方面航空隊が活動に参加。第６師団第６後方支援連隊補給隊が東峰村棚田親水公園に野外風呂「花笠の湯」を開設した。7月12日、被災地を視察する安倍総理をU-4多用途機で輸送。日田市の孤立地区が物理的に解消。7月13日0800、大分県知事から撤収要請が出され、大分県から撤収した。7月14日、稲田防衛大臣が福岡県朝倉市を訪れ現場を視察、自衛隊員を激励した。第９師団第９後方支援連隊が加わった。7月15日、大分県から移動してきた第41普通科連隊が福岡県朝倉市で行方不明者捜索を開始。7月16日、福岡県朝倉市内の集中捜索を実施。7月19日までの活動実績は、延べ隊員50000名、人命救助658人、行方不明者捜索等８人、道路啓開（瓦礫除去）1.3km、食糧輸送13000食、水輸送20000本、日用品輸送22000個、給食支援2300食、入浴支援3300人、給水支援600トン、人員輸送300人。7月23日、第６師団第６後方支援連隊補給隊が撤収し、福岡県東峰村で見送り式が行われた。延べ入浴支援人数は460人だった。7月24日、福岡県で一斉捜索を実施。第４師団第４飛行隊UH-1Jヘリ２機、OH-6Dヘリ１機、西部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリ２機、UH-1Jヘリ１機、OH-6Dヘリ１機、海自第22航空群SH-60ヘリ２機が参加した。7月25日、福岡県朝倉市長の要請により不明者捜索を終了し、派遣規模を4060名から300名に縮小、生活支援活動に特化することになった。この日までの活動実績は、延べ隊員80000名、人命救助658人、行方不明者捜索等８人、道路啓開（瓦礫除去）1.3km、食糧輸送13000食、水輸送20000本、日用品輸送22000個、給食支援2300食、入浴支援6000人、給水支援1000トン、人員輸送300人。8月5日までに延べ隊員78350名、航空機169機、車両6990両を派遣し、658名を救出、行方不明者８名を発見し、301名を輸送した。8月20日、福岡県知事から撤収要請を受け活動を終了し、東峰村役場前で第４・第８後方支援連隊の見送り行事が行われた。参加部隊は第４師団（師団司令部、第16普通科連隊、第40普通科連隊、第41普通科連隊、第４後方支援連隊、第４特科連隊、第４戦車大隊、第４施設大隊、第４通信大隊、第４偵察隊、第４飛行隊）、第２高射特科団、西部方面特科隊、第８師団（師団司令部、第24普通科連隊、第８後方支援連隊、第８通信大隊）、西部方面通信群、西部方面航空隊、第３師団第３後方支援連隊、第14旅団第14後方支援隊、第１師団第１後方支援連隊、東部方面航空隊、第６師団第６後方支援連隊、第９師団第９後方支援連隊、第22航空隊、第72航空隊、芦屋救難隊、新田原救難隊、春日ヘリコプター空輸隊、第２高射群、西部航空警戒管制団、九州防衛局、福岡地本、大分地本で、延べ隊員81950名、車両7140両、航空機169機を派遣し、658名を救出（うちヘリによるもの415名）、行方不明者８名を発見し、道路1.25kmを啓開、被災者106人、事業者等195人、食料12900食、水20000本、日用品21890点を輸送し、給水支援1356.3トン、入浴支援延べ10479人、給食支援2309食を行っている。10月27日、天皇皇后両陛下がお見舞いのため福岡県朝倉市を訪問し、被災者を見舞われた後、災害に対応した自衛隊（災派部隊指揮官の第５施設団長）、警察、消防、医師会の各代表者をねぎらわれた。2018年5月18日、第４師団災派部隊・協同部隊・支援部隊に小野寺防衛相から１級賞状が授与され、三自衛隊代表として第４師団長が受領した。参考：朝雲、月刊航空ファン10,’17、MAMOR vol.129

＜球状艦首＞：バルバス・バウを参照。

＜宮城事件＞：太平洋戦争終結間際の昭和20年8月14日、大本営の若手参謀が国体護持の確証が得られるまで終戦を延ばそうと、宮城への和平派の出入りを遮断しようとした事件。8月14日0700、戦争継続のための陸軍大臣の兵力使用について提案したものの梅津参謀総長の同意を得られなかった。これを不服とした軍務局課員が近衛第１師団の一部と共謀して8月14日正午に森師団長に決起を直訴したが、聖断が下った以上は陛下の御意志に反する行動は絶対に許さない、として聞き入れなかったため、師団長を射殺して決起、玉音放送の録音盤奪取と内務大臣・宮相の軟禁を画策したものの果たせなかった。8月15日0200、偽の師団命令により、近衛第２連隊が完全軍装で宮城に集結。早朝、東部軍司令官と近衛第２連隊長が乾門で会見し、東部軍司令官の指導により部隊は配備を解き、首謀者は8月15日午後に自決した。近衛第２連隊第１大隊長と第３大隊長も屯営に帰った後で自決を図ったが、果たせなかった。近衛第２連隊長は免官、隊員は謹慎を命じられている。参考：月刊軍事研究8,’02、軍医サンよもやま物語

＜給食運搬車２号＞：航空自衛隊の車輌。トヨタ自動車または日産自動車販売が受注している。参考：月刊軍事研究3,’97、9,’15

＜給食運搬車（バン型）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜救助帯＞：日本陸軍の爆破器材。参考：工兵入門

＜救助用酸素呼吸器３型＞：アメリカ海軍の消火作業用酸素呼吸器。一酸化炭素濾過装置と再呼吸システムを備えており、１時間の作業に耐えられる。参考：歴史群像12,’10

＜給水艦＞：特務艦の１つで、海軍基地から沖の軍艦に飲料水を運ぶためのタンカーである。イタリアが北アフリカ植民地の港に配置した軍艦用に配備していた。参考：小艦艇入門

＜給水車（４ＫＬ積載用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜給水車（１０００ガロン）＞：航空自衛隊の給水車HTS12G。破壊機救難消防車への給水などを行う。全長6.95m、全幅2.47m、全高2.72m、車重6.66トン。エンジンは6BG1型直列６気筒ディーゼル（総排気量6494cc、出力170馬力）、トランスミッションはMGB5型（前進５段、後進１段）、最大速度85km、燃料タンク容量140リットル。最大積載量4.5トン。乗員３名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜給水車４０００Ｌ＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究9,’13

＜急設網艦＞：Net Layer。敷設艦の一種で、防潜網を敷設する艦である。港などに防潜網を設置する他、敵潜水艦を探知後、周囲に急速に敷設することもあった。参考：小艦艇入門

　＜急設網艦（日本海軍）＞：昭和2年3月2日、軍艦の１つとして艦種が制定された。昭和4年3月23日、敷設艦に統合されて廃止された。参考：日本海軍特務艦船史

＜義勇戦闘区隊＞：国民義勇戦闘隊を参照。

＜義勇戦闘戦隊＞：国民義勇戦闘隊を参照。

＜義勇戦闘隊＞：国民義勇戦闘隊を参照。

＜義勇戦闘分隊＞：国民義勇戦闘隊を参照。

＜急造親子地雷＞：日本陸軍の急造地雷。大量の装薬を九三式戦車地雷や棒地雷の１メートルほど下に埋め、互いを導爆索で繋いたもので、地雷が爆発すると一緒に装薬も炸裂する。参考：月刊丸1,’07

＜急造戦車地雷＞：日本陸軍の工兵／騎兵用対戦車用爆薬。平べったい円筒形をした爆発缶の中央に九三式地雷信管を上下２つ取り付けたもので、九三式戦車地雷と同等の威力を持つ。高さ55.5mm。参考：工兵入門

＜急造爆雷＞：日本陸軍の対戦車用爆薬。手持ちの爆薬（黄色薬や急造爆薬）に九七式導火雷管と一式点火管などを組み合わせて作る。軽戦車用の３キロ・５キロ、中戦車用の７キロ、重戦車用の10キロ・15キロがあり、延期秒時は１秒に設定し、肉攻手が戦車から2-3mの距離まで接近して戦車の下に投げ込む。参考：月刊丸1,’07、工兵入門

＜急速潜航＞：クラッシュ・ダイブ。浮上状態にある潜水艦が接敵した際に、可能な限り早く潜航を行うこと。予め艦重量に基づいて各種タンクを調整し、メイン・バラスト・タンクへの注水のみで潜航できるようにしておく必要がある。また、潜舵を下げ舵、横舵を上げ舵に取って一気に艦首を下に傾ければ潜航速度増大の補助になるが、一時的に艦尾が水上に飛び出ることもある。第２次大戦時までは潜水艦の生存率を左右する重要な技術だったが、シュノーケルの発達で普段から潜望鏡深度で航行することが多くなり、原子力潜水艦では基本的に必要無い技術でもあり、廃れた。参考：歴史群像10,’08、続潜水艦気質よもやま物語、月刊世界の艦船8,’11増刊、Ｕボート入門

　＜急速潜航（日本海軍）＞：「両舷停止」、「潜航急げ」の号令をかける。最初に両舷停止でディーゼルを止めておかないと、全ハッチを閉めた瞬間に艦内の空気が全てディーゼルに吸い取られ、酸欠と急減圧で乗員が破れた風船みたいになってしまうので注意。「潜航急げ」で艦橋の見張り用望遠鏡に蓋をし、ハッチ（戦闘航海中は艦橋の１つしか開いていない）から中に飛び込む。急なラッタルを駆け下りるが、慣れてくると手摺りに両脚をかけて滑り降りた。最後の乗員（一番見張り）がハッチを閉めて「ハッチ良し」の報告を行うと、「ベント開け」の号令でベント弁を開き、メイン・バラスト・タンクに注水して潜航を開始する。その間、艦内には配置に付けを示すブザーと号令が響き、戦闘態勢を整えた各員に対し、艦長は「深さ40」などと潜航深度を号令、次の行動に移る。艦外人員を収容し終わり、「ベント開け」の号令がかかる（潜航を開始する）までの平均は伊号潜水艦で10秒弱だったが、伊53では６秒９の記録を立てた。完全潜航状態になるまでには伊号潜水艦で１分ちょっとかかる。参考：潜水艦気質よもやま物語、歴史群像10,’08

＜急速浮上＞：潜航中の潜水艦が非常時に一気に浮上すること。安全確認の過程をカットしてメイン・バラスト・タンクをブローし、速力10-12ノットでそのまま海面に飛び上がる。参考：月刊丸6,’01

＜給炭艦＞：他艦艇に石炭を補給するための艦。参考：日本海軍特務艦船史

　＜給炭艦（日本海軍）＞：正式な艦種類別は運送艦である。明治10年代から汽走艦が主力となったため、給炭艦を配備する必要性が出てきたが、民間ばら積み貨物船の徴用で事足りたため、専用の給炭艦は建造しなかった。第１次大戦勃発で民間船舶の低コスト徴用が困難になると、大正6年度計画で室戸型を２隻作っている。その後は音沙汰無くなり、昭和5年に10000トン型給炭艦計画番号J-4が１隻要求されたが、石油への移行が進むなど用無しになったらしく、建造には移されなかった。参考：日本海軍特務艦船史、月刊丸3,’14

＜給弾機＞：弾薬を自動または半自動で１発ずつ装填トレイや装弾板などに給弾する装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜給炭油艦（日本海軍）＞：日本海軍の艦種で、正式な類別は運送艦。石炭と液体燃料を両方運ぶ艦で、知床型給油艦知床が相当する。参考：月刊モデルアート9,’15増刊

＜吸着地雷＞：ドイツ軍の対戦車地雷。1942年11月に制式化された。成型炸薬を内蔵した地雷に強力な磁石が付けてあり、敵戦車の装甲板に張り付けて使用する。参考：月刊グランドパワー10,’03

＜旧敵国条項＞：国連憲章第107条「本憲章のいかなる規定も、第２次世界大戦中に本憲章の署名国の敵だった国に関する行動で、その行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にしたり、排除したりするものではない」。国連憲章第53条「１．本条２に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるものまたはこの敵国に於ける侵略政策の再現に備える地域的取り決めで規定されるものは、関係政府の要請に基づきこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負う時まで、国連安保理の許可無しに、地域的取り決めによる強制行動を取ることができる。２．本条１で用いる敵国という語は、第２次世界大戦中に本憲章のいずれかの署名国の敵国だった国に適用される」。参考：軍縮条約・資料集第２版、ベーシック条約集2018

＜給電回路方式パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダー＞：フェイズド・アレイ・レーダーを参照。

＜宮殿保安部＞：特別警護隊を参照。

＜救難（航空自衛隊職種）＞：航空自衛隊の職種。航空機に搭乗して不明者の捜索救助や救急処置を行うのが主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜救難員（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の救難隊員、通称メディック。救難捜索機や救難ヘリに搭乗し、捜索救出任務を行う。任務に必要な装備品の維持管理も担当する。規定以上の勤務経験と体力を持つ隊員が志願し、試験に合格して小牧基地の救難教育隊で１年の救難員課程を終えると資格が得られる。救難員課程に入れるのは年に4-6名くらいで、修了後はTR（訓練態勢）の資格を得て救難隊に配属され、部隊で主任教官とのマンツーマン訓練に入る。規定の内容に関して所定の教育時間とソーティ数をクリアし、検定操縦士と主任教官によるOR（作戦態勢）チェックをクリアすると、更に（ほぼ）必須の資格として第１空挺団の空挺レンジャー課程も修了する。救急救命士の資格（教育は自衛隊岐阜病院が担当）や、海自の海曹士専修開式スクーバ資格を取ることもある。精鋭中の精鋭であり、現役は全国で100名くらいしかいない。基本的な救出装備は救難捜索機や救難ヘリに予め搭載されているが、自分の判断で他に必要になりそうなものがあれば追加で積み込む。防寒具やウエット／ドライスーツなどは官品ではなく、自分に合った市販品を調達する。山岳救助では現場に降下した後で天候悪化などによりヘリに戻れなくなる事態もあり得るため、要救助者と１週間くらいビバークするのに必要な装備を持っていく。洋上救難ではヘリのダウンウォッシュが強烈なため要救助者から50m離れたところでホバリングするので、要救助者の所まで泳いでいく必要があり、波が荒いと要救助者を見失うこともあるため、ヘリと連絡を密にして救助を行う。参考：月刊航空情報11,’10、スピアヘッドNo.15、月刊JWings1,’19、12,’14、月刊航空ファン2,’16、8,’16、1,’17、12,’17、2,’19、MAMOR vol.116、vol.148

＜救難員課程＞：航空自衛隊の救難員養成課程。空自全部隊から志願した28歳以下の空曹士が候補者となり、書類選考、身体検査、体力検定（懸垂10回以上、腕立て伏せ40回以上、腹筋45回以上、かがみ跳躍45回以上、300m走64.9秒以内、65kg重量物帆搬送200m以上）、泳力検定（クロール500m12分59秒以内、横潜水25m以上、水深4mでの呼吸停止30秒以上、立ち泳ぎ５分以上）、面接を受けて合格した８名くらいが救難員課程学生として救難教育隊に年２回（2014年度までは年１回）入校する。まず救難員自身が生き抜けるかどうかという自然の猛威（有事にパイロットが脱出することの多い海と、災害派遣要請が多い山岳がメイン）に晒されつつ、要救助者を救出するのに必要な技術、知識、判断力を備えるのに必要な教育が施されるため、内容は凄まじく過酷。しかしクリアできなければ将来的に自分だけでなく要救助者や同僚の命を奪う事にもなりかねず、無理と判断されれば直ちにエリミネートされて原隊に戻される。脱出パイロット救難の実運用では、救難ヘリからパラシュート降下して脱出パイロットのもとに向かうという想定があるため、陸自空挺教育隊で基本降下課程も受講する。修了すると各地の救難隊に配属されるが、救難員としてはここがスタートライン（部隊で訓練を受ける事ができるレベル）に過ぎず、更に過酷な実際の現場が待ち受けている。救難航空隊の創設と同時（1957年10月）に浜松基地で落下傘降下訓練生という名称で開始され、アメリカ軍教官による衛生講習と第１空挺団による落下傘基本降下課程を修了して1958年3月に第１期生８名が誕生した。2016年度までに54期265名が教育を修了している。2017年度の選抜試験から、片眼裸眼視力の基準を0.6から0.3に引き下げた。参考：月刊航空ファン12,’16、8,’16、月刊JWings1,’19、朝雲

＜救難機＞：Rescue aircraft。遭難者や被災者などを救助するために使用される航空機のこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜救難器材運搬車＞：自衛隊の車両。日本機械工業製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜救難教育隊＞：航空自衛隊の救難隊員育成部隊。救難員課程、救難操縦課程、機上無線員・機上整備員教育を行う。1958年10月1日、救難航空隊隷下に浜松基地で新編された。1961年7月15日、上級部隊が航空救難群に改編された。1964年6月16日に発生した新潟地震の災害派遣に参加。1971年3月1日、小牧基地に移動した。上級部隊は航空救難団に改編されている。1991年1月11日、小松局地の山岳遭難に対する災害派遣でMU-2Aを派遣した。2009年2月9-10日、岐阜県川辺町の川辺ダム湖で冬期保命訓練を実施。2010年3月24日、飛行無事故10万時間を達成した。4月13日、飛行無事故10万時間達成の功績により、航空救難団司令から三級賞状を授与された。2012年2月22日、木曽川河川敷でUH-60Jの場外離着陸訓練を実施。2013年9月1日、稲沢市総合防災訓練に参加。木曽川河川敷でUH-60Jによる水難救助訓練を行った。2014年2月15-23日、関東甲信大雪災害の災害派遣に参加。9月27日から御嶽山噴火の災害派遣に参加。2017年3月5日、長野県消防防災ヘリ墜落事故の災害派遣に参加。2018年1月25日、木曽川河川敷で場外離着陸訓練を実施。2020年3月19日、木曽川河川敷でUH-60Jの場外離着陸訓練を実施。2022年9月12-15日、ベトナム防空・空軍関係者が施設や装備品などを研修した。2023年10月15日、笠取山分屯基地オープンベースでU-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリが救難訓練展示を行った。参考：朝雲、月刊JWings5,’12、7,’13、11,’13、12,’14、5,’17、5,’18、6,’20、12,'22、1,'24、月刊航空ファン1,’15、2,’18、4,’19、MAMOR vol.111

　＜救難教育隊（２０１５年）＞：航空救難団隷下で、小牧基地にある。U-125A、UH-60Jを装備する。参考：月刊航空ファン4,’16

　＜救難教育隊（２０２０年）＞：航空救難団隷下で、小牧基地にある。U-125A、UH-60Jを装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜救難航空隊＞：航空自衛隊の救難部隊。陸自明野駐屯地でヘリコプター操縦課程を修了した隊員が在日米軍ジョンソン基地で航空救難運用教育を受けるようになったのが始まりで、教育修了後は第１航空団第２飛行隊に配属され、浜松基地基地業務群飛行場勤務隊にH-19Cヘリ３機によるヘリコプター小隊を編成して救難任務を行うようになり、1958年3月18日に浜松基地で臨時救難航空隊が新編され、10月1日に救難航空隊に改編されて創設された。隷下に救難隊本部、救難教育隊、救難整備隊を置く。臨時救難航空隊時代の1958年3月20日にF-86Fの捜索を行ったのが最初の航空救難出動、7月20日に渥美半島で台風11号の影響により岩礁に取り残された釣り人５人をH-19Cヘリ２機で救出したのが初災害派遣任務である。1958年は２件の航空救難を行った。1959年は５件の航空救難を行った。1959年2月1日、千歳救難分遣隊を編成。5月15日、小牧救難分遣隊を編成。6月10日、T-6A救難捜索機とT-34A救難捜索機の配備を開始。1960年は11件の航空救難を行った。1960年3月1日、新田原救難分遣隊を編成。7月1日、本部が入間基地に移動。9月20日、松島救難分遣隊を編成。1961年1月15日、H-21B救難ヘリの配備を開始。7月1日、小松救難分遣隊を編成。7月15日、航空救難群に改編された。参考：月刊航空ファン1,’15、10,’18、11,’18、1,’19、3,’19、月刊JWings6,’13

＜救難作業車＞：海上自衛隊の航空救難作業車。ひゅうが型に搭載され、万が一の事故に備えて飛行甲板で待機している。オープントップの４輪車両で、放水装置やリチウム消火器を搭載する。乗員は２名で、左に運転手、右に消防要員が座る。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜救難車＞：自衛隊の車両。東洋電機工業製。参考：月刊軍事研究2,’09

＜救難車（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の人命救難用車両、FJ80G-GNPEE。事故機の機体を切断したり、破壊したりして機内の人員の救助を行う。全長5.13m、全幅1.9m、全高2.3m、車重3.05トン。エンジンは3F型直列６気筒ガソリン（総排気量3955cc、出力145馬力）、トランスミッションはA440F型（前進５段・後進１段）、最大速度150km、燃料タンク容量95リットル。最大積載量0.1トン。乗員３名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜救難車Ｒ−２＞：航空自衛隊の航空事故救難作業車。現場指揮官が搭乗することが多く、指揮車とも呼ばれる。後部に箱形荷台を持つ４輪車両で、後面ドアを開けると機体切断用器材など、右側面ドアを開けると消火器や道具類が積まれていて、事故機内から人員を救出するために使用される。操縦席には通信用無線機を装備する。全長5.13m、全幅1.9m、全高2.37m、車両重量2.99トン。エンジン出力145馬力、最大速度170km。ペイロード0.1トン。乗員３名。トヨタ自動車製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.108

＜救難車（改）＞：航空自衛隊の航空事故救難用車両、RC-1001。４輪トラックで、事故現場に救難用人員・器材を運搬する。操縦席のルーフに照明装置を持つ。全長8.45m、全幅2.32m、全高3.65m、車重8.45トン。エンジンは6BG1型直列６気筒ディーゼル（総排気量6494cc、出力170馬力）、トランスミッションはMBT5B（前進５段・後進１段）、最大速度95km、燃料タンク容量100リットル。最大積載量0.51トン。乗員13名。東洋電機工業製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究1,’13

＜救難消防車＞：陸上自衛隊の消防車。方面航空隊に配備され、化学消火剤で消火する。全長8.16m、全幅2.495m、全高3.35m、全備重量11.28トン。エンジン出力315馬力、最大速度95km。1900リットル入りの水タンクと120リットル入りの薬液タンクを搭載しており、最大放射距離40m、発泡可能時間３分。製作は東急車輌で、シャシーは日産ディーゼル、発泡装置は深田工業、加温装置は五光製作所、ポンプ装置は市原ポンプ製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜救難消防車�TＢ型＞：陸上・航空自衛隊の救難消防車。オシコシ社製６×６輪消防車ストライカー3000を導入したもので、ガラス張りのキャビンを持つスタイリッシュな形状である。キャビン上面中央（放水距離70m）とキャビン前面中央に放水ターレット１基ずつを装備する。全長12m、全幅3.095m、全高3.65m、車両重量21.82トン。エンジン出力520kW、最大速度112km。ペイロード９トン、水槽容量7600リットル。乗員５名。モリタまたは第一実業が受注し、2013年から航空基地に配備中。参考：月刊JWings7,’17、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究7,’14、2,’14、6,’15

＜救難消防車�TＢ型＞：海上自衛隊の６×６輪救難消防車。イタリアFRESIA社製F800を導入したもので、キャビン上面中央とキャビン前面に放水ターレット１基ずつを装備し、走りながらの放水も可能である。全長11.95m、全幅3.08m、全高3.7m、総重量30トン。最大速度110km。水タンク容量5500リットル、化学消火剤タンク容量350リットル。乗員５名（標準は操縦手、ターレット員、ハンドライン２名の計４名）。P-1哨戒機配備に合わせて2013年度から配備中。参考：月刊JWings7,’17、7,’16、MAMOR vol.108

＜救難消防車�TＢ型＞：航空自衛隊の救難消防車。A-MB-2の後継で、オーストリアのローゼンバウアー社製パンター６×６輪消防車を導入したものである。A-MB-3と同等の能力を持つ。キャビンはガラス張りで、上面中央と前面左寄りに放水ターレット１基を装備する。全長11.93m、全幅3m、全高3.65m、車両重量20.8トン。最大速度115km。ペイロード11.3トン、消火用水搭載量10500リットル、消火用薬液搭載量650リットル。乗員５名。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、朝雲

＜救難消防車�TＢ型＞：陸上自衛隊の救難消防車。ローゼンバウアー社製パンター６×６輪消防車を導入したものである。全長11.93m、全幅3m、全高3.65m、総重量32.1トン。最大速度115km。消火用水搭載量10500リットル。乗員５名。参考：月刊JWings7,’17

＜救難消防車�U型＞：航空自衛隊の救難消防車。アメリカのKMEコバテック社製KP3000を導入したもので、A-MB-3の後継として2013年度から配備された。全長11.98m、全幅3.08m、全高3.75m、車両重量34.325トン。最大速度110km。ペイロード11.475トン。消火用水搭載量12000リットル。乗員５名。東急車輌製造または第一実業または帝国繊維が受注している。参考：月刊JWings7,’17、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究8,’10、2,’14、1,’17

＜救難信号筒（発光・発煙）＞：自衛隊の救難信号筒。細谷火工製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜救難整備隊＞：航空自衛隊の部隊。1958年10月1日、救難航空隊隷下に浜松基地で新編された。参考：月刊航空ファン1,’15

＜救難船（日本海軍）＞：日本海軍の雑役船。大型曳船の一種で、戦闘や事故で損傷した艦船を港に曳航する。参考：小艦艇入門

　＜５００トン型救難船＞：

　＜６００トン型救難船＞：

　＜８００トン型救難船＞：前部マストは鳥居型で、５トンデリックの支柱を兼ねており、船体後部に10トンデリックを装備する。ポンプを搭載しており、浸水をくみ出すことが可能。雄島型、三浦型が建造された。参考：小艦艇入門

＜救難捜索機（航空自衛隊）＞：航空自衛隊のCSAR用固定翼機。航空遭難が発生した場所にいち早く駆け付けて要救助者を発見し、援助物資などを投下すると共に、後続の救難ヘリに場所などの情報を知らせる。初代はT-6Aで、援助物資投下用コンテナを積んで離陸、レーダーから機影が消えた地点を中心に、搭乗者の目視または要救助者からのビーコンや無線連絡で要救助者を見つけていた。次のT-34Aでは援助物資投下用コンテナを積めなくなっている。MU-2S/Aで援助物資やマリンマーカーを機内から人力投下できるようになった。U-125Aは熱源探知式捜索装置TIEを装備しており、GPSと連動させて瞬時に要救助者の正確な位置を把握できる。また、全周捜索レーダーも積んでいるので、要救助者がレーダーリフレクターをかざしてくれれば全天候下で発見可能となった。援助物資やマリンマーカーも専用の投下装置を備えている。参考：月刊航空ファン2,’19

＜救難捜索用トランスポンダ１型＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜救難隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の救難部隊、略称ARW（Air Rescue Wing）。モットーは「That Others May Live／他を生かすために」。主任務は自衛隊の航空機搭乗員が遭難した際の救出（航空救難）と、災害派遣である。航空機（救難捜索機及び救難ヘリ）と乗員は15分待機、１時間待機、２時間待機といった態勢で出動準備を整えており、発進指令に基づいて出動する。救難隊パイロットの技量は非常に高く、廃タイヤに十字の把手を取り付けてヘリのホイストフックで引っ掛ける訓練を行っており、実際の出動時にはキャビンクルーの誘導に従って機体のホバリング位置を30cmずらし、ホイストに吊り下がる救難員や要救助者に障害物の隙間をくぐらせるといった荒技をこなす。救難員も厳しい養成訓練（救難員課程）をクリアして現場での実戦経験を積んだ猛者である。ただし個人の技量だけで救難を行うのは無理であり、全員が互いの技能と限界を知り、一心同体となって救助活動にあたる。それでも大自然の猛威の前には人間のささいな力など消し飛ばされてしまうことも多いという。飛行支援のため整備員が配置されているが、修理などで知識と人手が必要な場合には航空救難団整備群から人員を派遣してもらう。また、那覇救難隊ヘリ以外の定期整備は小牧基地に機体を送って航空救難団整備群で実施する。千歳、秋田、新潟、松島、百里、小松、浜松、芦屋、新田原、那覇に置かれている。参考：月刊航空情報11,’10、月刊航空ファン4,’16、5,’16、8,’16、月刊JWings6,’16

＜救難団＞：航空救難団を参照。

＜救難浮標＞：日本海軍潜水艦の緊急連絡用ブイ（照明付き）。普段はダイバーズロック上に設置されており、沈没した際に艦内操作で浮上させることができる。表面には「潜水艦此処に沈没せり、すぐに近くの役場または巡査に知らせて近くの鎮守府に電報頼む。○○号潜水艦」と刻まれた真鍮製のプレートが付けられており、艦内と連絡が取れるよう電話機も装着されている。潜航中にうっかり固定具を外してしまい、見つかって爆撃を受けた潜水艦もあったらしい。参考：写真で見る海軍糧食史、続潜水艦気質よもやま物語

＜救難ヘリコプター＞：戦闘航空救難（CSAR）に使用されるヘリコプター。イゴール・シコルスキー曰く、「誰かが救助を求めている時、飛行機は上空で頑張れと言いながら花束を投下することしか出来ないが、ヘリコプターはすぐ傍に降りて直接助けられる。」汎用ヘリや輸送ヘリのファミリーが多く、悪天候下・洋上・高地などでの運用に備えて救難装備に加え航法装置、自衛装備、空中給油受油装置などを満載しており、更に遭難者の救助を行う救難員も同乗させるため、機体重量がかさんで高温高地などの運用が制限されることもある。敵地のまっただ中での任務も行うため、自衛用機銃を装備することも多いが、救助作業中は長時間のホバリングを要することもあり危険が大きいため、基本的には十分な護衛を付けて運用される。参考：月刊丸12,’11、月刊航空ファン9,’16、月刊JWings5,’18、月刊航空情報4,’18

　＜救難ヘリコプター（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の航空救難用ヘリコプター。救難隊に配備され、救難捜索機の情報を基に現場に向かい、要救助者を救出する。H-19C、H-21B、S-62A、V-107A、UH-60Jを配備した。21世紀に入り、平時の航空救難だけでなく有事の戦闘捜索救難を念頭に置いた改修が施されるようになり、UH-60J(SP)やUH-60J�Uといった改良型が配備されている。参考：月刊航空ファン2,’19

＜救難ヘリコプター搭乗員用暗視眼鏡＞：自衛隊の機器。兼松またはセキュリティーが受注している。参考：月刊軍事研究9,’13、1,’16

＜救難ボート＞：自衛隊の舟艇。双信商事が受注している。参考：月刊軍事研究11,’10

＜救難用信号セット改＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜救難用信号筒＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜救難用信号筒（発光・発煙）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜救難用信号照明弾＞：自衛隊の救難用照明弾。細谷火工製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜吸入圧力計＞：ブースト計を参照。

＜キューバ海軍＞

＜キューバ海軍（１９７７年）＞：兵力9000名。護衛哨戒艦１隻、ソイ級駆潜艇12隻、クロンシュタット級駆潜艇６隻、オサ�T級ミサイル艇５隻、オサ�U級ミサイル艇２隻、コマール級ミサイル艇18隻、P4/P6級魚雷艇24隻、武装哨戒艇29隻、SSC-2bサムレット地対艦ミサイル50基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜キューバ海軍（１９８９年）＞：兵力13500名（うち徴兵8500名）、予備役8000名。海軍区３個、潜水艦戦隊、ミサイル艇戦隊、魚雷艇戦隊、対潜艦艇戦隊、両用戦強襲大隊１個550名からなり、基地はシェンフェゴス、カバナス、ハバナ、マリエル、プンタ・モビダ、ニカロにある。641型フォックストロット級潜水艦３隻、コニ級フリゲート３隻、オサ�T／�U級ミサイル艇18隻、ツリャ型水中翼哨戒艇９隻、ステンカ級高速哨戒艇３隻、SO-1級高速哨戒艇４隻、小型内海哨戒艇24隻、ソーニャ型沿岸掃海艇４隻、エフゲーニャ級内海掃海艇10隻、ポルノクヌイ級中型揚陸艦２隻、洋上給油艦１隻、情報収集艦１隻、外洋曳船１隻、練習艦１隻、122mm沿岸砲A19、152mm沿岸砲M-1937、130mm沿岸砲M-46、SSC-3地対艦ミサイルシステム２基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜キューバ海軍（２０１５年）＞：現役兵力3000名（うち海軍歩兵550名強）。西部コマンド司令部はカバナス、東部コマンド司令部はオルギンにある。リオ・ダムジ級ミサイル艇１隻、パウク�U級哨戒艇１隻、オサ�U級ミサイル艇６隻、エフゲーニャ級掃海艇３隻、ソーニャ型掃海艇２隻、兵站支援船５隻を保有する。沿岸防衛隊は122mm沿岸砲A19、130mm沿岸砲M-46、152mm沿岸砲M-1937、バンデラ�W地対艦ミサイル４基以上（を保有しているという報告あり）、4K51ルベズ地対艦ミサイル４基を保有する。海軍歩兵は水陸両用強襲大隊２個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キューバ革命＞：1953年7月26日、フィデル・カストロら革命勢力100名がキューバ陸軍モンカダ兵舎を襲撃して武器を奪おうとしたが失敗。カストロら首謀者は投獄されたが、アメリカの傀儡政権に不満を持っていた民衆の支持が集まったため、1956年5月6日に恩赦が決定され、5月15日にカストロは釈放となり、メキシコに亡命した。そこでアメリカ帝国主義からラテンアメリカを解放するという運動を行っていたエルネスト・ゲバラと出会い、資金と武器及び同志を集め、1956年11月25日0200にメンバー83人をヨットに乗せてメキシコ湾を出発。しかし荒天で予定の11月30日には到着できず、先に現地で蜂起した別働隊は政府軍に制圧されてしまった。ヨットは12月2日にキューバに到着したが、予めキューバ上陸をラジオで宣言していたために哨戒艇や偵察機に見つかりそうになり、予定していた兵営からの武器奪取も不可能で、山中に逃げ込んだ。しかし食事の食べかすを移動経路に残してしまった上、案内に雇った農民がキューバ政府の内通者で、12月5日に政府軍の包囲を受けてメンバーは14人にまで減少、政府はカストロが死亡したと発表した。しかしカストロらは生き延びており、貧しい農家の協力を得て次第に勢力を拡大。1957年5月27日にはウベロ兵営を襲撃して政府軍守備隊を降伏させた。1958年5月7日、政府軍はフィデルの最期作戦と銘打った大攻勢をかけ、14個大隊10200名が革命軍に襲いかかったが、士気が低かったのと、地理に疎かったため、捕虜380名を出して敗北。これにより反政府勢力が全土で蜂起し、政府軍の士気も更に低下した。8月31日から革命軍はキューバ島中央にあるキューバ第２の都市サンタ・クララへの攻勢を開始。12月28日、サンタ・クララに革命軍の２個小隊が威力偵察を実施したのを受け、市民が一斉に武装蜂起し、12月30日にサンタ・クララを占領した。これを受けて翌日にキューバ大統領がドミニカに亡命。1959年1月2日にカストロ政権が誕生し、1月8日にカストロは首都のハバナに入った。この動きをCIAは掴んでおり、体制がどちらに転んでも良いように両者に資金供給していたが、カストロ自身はそれを知らず、ソ連への接近を図った。このためCIAはカストロの毒殺を図ったが失敗、1961年にはピッグズ湾侵攻作戦を起こすがこれも失敗している。その後カストロはキューバ国内の反革命勢力掃討のためソ連に武器支援を要請、見返りとして1962年にキューバへの核ミサイル配備が決まり、キューバ危機が発生した。参考：歴史群像10,’08、6,’02

＜キューバ危機＞：ピッグズ湾事件後、CIAは再びキューバへの侵攻計画（マングース作戦）を練り、1962年1月にケネディ大統領の承認を得て10月に実行する予定とした。この情報を掴んだKGBは、兵器供与の要請を受けていたキューバに武器を渡す代わりに核搭載中距離弾道ミサイル（R-12/SS-4を36基、R-14/SS-5を24基）を配備するというアナディル作戦を実行することにし、1962年5月24日にフルシチョフ（トルコに配備されたジュピター弾道ミサイルがモスクワを射程に収めたことを危惧していた）が作戦を許可、5月29日にキューバが作戦を了承し、6月18日からR-12弾道ミサイルをキューバに運び込んだ。CIAはU-2偵察機で月に２度偵察活動を行っていたが、7月に状況の変化に気付き、8月から航空偵察を強化した。8月29日、U-2偵察機により、キューバにS-75地対空ミサイル陣地８カ所が建設中であることが判明したため、アメリカのケネディ大統領はソ連によるキューバの軍備増強に関する報告書を情報機関に作成させることにし、公共の電波でソ連に対してキューバ支援への警告を開始した。秋にはカリブ海上空で演習中のRB-66が、モスクワやレニングラード周辺で観測されるのと同じ特殊な電波を観測。その後のU-2偵察機による偵察で、キューバへのMiG-21戦闘機の配備も確認された。9月5日、U-2偵察機が、キューバ北部に沿岸防衛用地対艦ミサイル陣地が建設されているのを発見した。9月13日、ケネディ大統領はソ連に対し、キューバに攻撃的兵器を配置することは許さないという声明を発表。これに対してフルシチョフはアナディル作戦を変更し、巡航ミサイル用核弾頭に加え、ルナ戦術核ミサイルとIl-28爆撃飛行隊をキューバに送り込んだ。9月19日、アメリカの情報機関は報告書を作成し、ソ連がキューバに建設している基地は、戦略核兵器を運用するためのものではないと結論づけた。アメリカ国家安全保障局はELINTによりキューバのS-75地対空ミサイル陣地が発射可能な状態になったことを掴んだ。9月27日、CIAとDIAはキューバ難民からの情報分析結果から、R-12弾道ミサイル基地がキューバ国内に建設されているという結論を得て報告に纏めた。10月3日、CIAとDIAはキューバ西部にあるサン・クリストバル周辺にS-75地対空ミサイル陣地が集中配備されているという未確認情報を得てその地域を情報収集のターゲットにした。10月9日、ソ連がR-12弾道ミサイルをキューバに配備。ケネディ大統領からアメリカ空軍にU-2偵察機を使用した偵察指令が出され、CIAのU-2Cを空軍が統括するという形で飛行を行うことになったが、悪天候のため偵察開始は10月14日にずれこんだ。同日、U-2Cはサン・クリストバル周辺の航空写真を撮ってフロリダの空軍基地に帰投。10月15日にワシントンの国家写真解析センターに運ばれた写真には弾道ミサイルが写っており、射程730マイル（1175km）とみられるR5(SS-3)戦術弾道ミサイルか、射程1020マイル（1642km）とみられるR-12弾道ミサイルか判断しかねる状況もあったが、ソ連参謀本部情報総局の情報員でありながらCIAとSISで二重スパイを務めていたオレグ・ペンコフスキーの情報から後者であると判断され、ワシントンを含む58の主要都市と住民9200万人、戦略航空コマンドの基地18箇所が射程内に入る見込みとなった。この情報は10月16日1145にアメリカ国家安全保障会議に伝えられ、これに基づいて国家安全保障会議執行委員会が開催され、キューバからミサイルを早急に撤去させることが決まった。10月17日、先制攻撃により基地の破壊を行った場合、生き残った弾道ミサイルはモスクワの指示で発射されるのか、キューバの前線指揮官がその場で発射できるのかCIAと国防長官の間で議論が交わされ、CIAは前線指揮官にも発射権限があると伝えた（実際にはモスクワの指示でないと発射できず、しかも核弾頭はR-12弾道ミサイル発射機から離れた位置にあり、30-40分かけて運び込んで装着する必要があった）。10月19日、CIAはキューバ国内のR-12弾道ミサイル基地２カ所が発射可能な体制にあり、27日までに６カ所全ての基地が稼働状態となり、弾道ミサイル24発が発射可能となるだろうとケネディ大統領に伝えた。アメリカ統合参謀本部議長はR-12弾道ミサイル基地６カ所全てを爆撃で破壊するのは不可能であると大統領に伝えた。アメリカの情報機関は在キューバ・ソ連軍を8000-10000名、R-12弾道ミサイル配備数は33発と判断し、核弾頭配備数については明確に把握していなかったが、この時キューバにはソ連軍人41902名がおり、R-12弾道ミサイル42発を配備、核弾頭162発（うちR-12/R-14弾道ミサイル用60発、巡航ミサイル用80発、ルナ戦術ミサイル用12発、Il-28爆撃機用６発、核機雷用4-6発）が持ち込まれていて、アメリカ側は戦術核（巡航ミサイル、ルナ戦術ミサイル、Il-28爆撃機用）の配備に全く気付いていなかった。R-14弾道ミサイルは配備されてはいなかったが、これを積んだ輸送船がキューバに向かっており、ケネディ大統領はキューバを海上封鎖して圧力を掛け弾道ミサイルを撤去させるか、キューバを軍事攻撃して弾道ミサイルを破壊するまたはカストロ政権を打倒するかの選択を迫られた。10月22日、ケネディ大統領はアメリカ国民に対して演説を行い、キューバにソ連の弾道ミサイルが配備されていることを告げ、キューバに対する海上封鎖を発表した。アメリカ軍にはデフコン３が下命され、B-52爆撃機70機と弾道ミサイル162基が戦闘配備に付き、NATO軍戦略爆撃機も加えて空中待機を開始、迎撃戦闘機は空対空核兵器を搭載してCAPに入り、戦略原潜は全て出港して潜航、キューバ近海ではアメリカ海軍艦艇180隻が海上封鎖を開始した。また、戦略核攻撃部隊に対して平文でソ連の攻撃対象都市や投下核爆弾数を打電してソ連にプレッシャーを与えた。報復としてベルリンが再度封鎖される恐れもあったため、ドイツ駐留アメリカ軍も警戒態勢に入り、航空自衛隊もデフコン３の態勢をとったといわれる。ソ連のフルシチョフはキューバに対する支援は防衛的なものであると表明。キューバのカストロ議長はソ連にアメリカへの先制核攻撃を具申したが、フルシチョフは自制するよう伝え、ソ連の貨物船にも海上封鎖の強行突破を行わないように命じた。10月23日、アメリカの国連大使が臨時安全保障理事会でR-12弾道ミサイルがキューバに配備されていると述べたが、ソ連の国連大使はこれを否定した（配備の事実を知らされていなかった）。10月24日、潜水艦に護衛されたソ連輸送船団（R-12/R-14弾道ミサイル積載）が海上封鎖ラインに接近。アメリカ戦略航空コマンドは戦後初のデフコン２を発令した。10月25日、アメリカは安全保障理事会でU-2が撮影した弾道ミサイルの写真を提出。配備を否定してきたソ連は外交的に不利な立場に追い込まれた。10月27日、U-2がキューバのオリエンテ州北部上空で地対空ミサイルにより撃墜された。正午にはアラスカのアイルソン空軍基地を離陸して放射性物質収集任務に当たっていたU-2がソ連の領空に迷い込み、MiG-19戦闘機の迎撃を受けた。アメリカ戦略航空コマンドは通信傍受からU-2の危機を知り、U-2にアラスカ方面への退避を命じると共に、AIM-26空対空核ミサイルを装備（デフコン２が下令されていたため搭載していた）したF-102戦闘機２機をスクランブルさせた。U-2は高々度を飛行していてMiG-19の手を逃れることができたが、AIM-26空対空核ミサイルはパイロットのみの判断で安全装置を解除して発射することが可能であり、一歩間違えば別の所で核戦争の引き金が引かれるところだった。夜、ロバート・ケネディがアメリカ司法省で駐米ソ連大使と極秘に会談を行い、アメリカがキューバに侵攻せず、トルコのジュピター弾道ミサイルも撤去する代わりに、ソ連はキューバのミサイルを撤去するという密約を交わした。10月28日、ソ連のフルシチョフ書記長がミサイル撤収要求を条件付き（トルコ国内のアメリカ核ミサイル撤去）で呑み、危機は回避された。キューバのカストロ議長は激怒し、国連監視団によるミサイル撤去の査察を拒否している。アメリカはRF-101や海軍偵察機によりR-12/R-14弾道ミサイル用発射基地の破壊とミサイル撤去作業を監視した。カストロ議長は大反対したが、核弾頭を運搬可能なルナ戦術ミサイルやIl-28爆撃機も核弾頭ごと引き揚げられ、11月20日にフルシチョフの書簡がケネディに届き、全核兵器がキューバから取り除かれたことが明らかとなった。危機終結後は中国がソ連の態度に反発して中ソ対立が決定的となっている。アメリカとイギリスは1962年12月に多角的NATO核抑止体制で合意し、共同核戦略を構築。フランスにも同意を求めたがフランスは独自の核武装を主張してNATO離脱に発展し、1964年1月27日にはフランスと中国が国交を樹立した。参考：歴史群像6,’02、月刊軍事研究3,’11、4,’11、5,’02、A-5ビジランティ、自衛隊装備カタログ1981、月刊航空ファン7,’99

＜キューバ空軍＞：1977年、MiG-23戦闘機を配備。参考：月刊エアコマンド8,’93

＜キューバ空軍（１９７７年）＞：兵力20000名。MiG-17戦闘機75機、MiG-21戦闘機50機、MiG-21MF戦闘機30機、MiG-19戦闘機40機、MiG-15練習機15機、Il-14/An-24/An-2輸送機50機、Mi-1ヘリ30機、Mi-4ヘリ24機、MiG-15UTI練習機、Z-326練習機、S-75/S-125地対空ミサイル144基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜キューバ空軍（１９８９年）＞：兵力22000名（うち徴兵11000名）、予備役12000名。MiG-23BN戦闘機36機、MiG-17F戦闘機24機、MiG-21F戦闘機30機、MiG-23PFM戦闘機30機、MiG-21PFMA戦闘機20機、MiG-21bis戦闘機17機、MiG-23戦闘機15機、Mi-17武装ヘリ16機、Mi-25攻撃ヘリ20機、Mi-14対潜ヘリ５機、An-2輸送機30機、An-24輸送機３機、An-26輸送機22機、An-32輸送機２機、Il-14輸送機20機、Yak-40輸送機４機、Il-76輸送機２機、Mi-2汎用ヘリ２機、Mi-4汎用ヘリ30機、Mi-8汎用ヘリ36機、MiG-15練習機15機、MiG-15UTI練習機15機、MiG-21U練習機10機、MiG-23U練習機４機、Z-326練習機20機、S-75/S-125/2K12/9K31/S-300PS地対空ミサイル200基を保有する。民間のIl-62輸送機10機とTu-154輸送機７機を兵員輸送に使用している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜キューバ空軍（２０１５年）＞：現役兵力8000名。年間飛行時間50時間。MiG-23ML戦闘機16機（＋保管中６機）、MiG-23MF戦闘機４機（＋保管中４機）、MiG-23U戦闘機４機、MiG-23UM戦闘機４機（＋保管中２機）、MiG-29A戦闘機２機、MiG-29UB戦闘機３機、MiG-15UTI練習機６機（全て保管中）、MiG-17戦闘機４機以上（全て保管中）、MiG-29戦闘機２機（全て保管中）、MiG-21ML戦闘機４機、MiG-21U戦闘機８機、MiG-21bis戦闘機70機以内（全て保管中）、MiG-21F戦闘機30機（全て保管中）、MiG-21PFM戦闘機28機（全て保管中）、MiG-21UM戦闘機７機（全て保管中）、MiG-23BN戦闘機20機（全て保管中）、An-30偵察機１機、Il-76輸送機２機、An-2輸送機１機（＋保管中８機）、An-24輸送機３機、An-32輸送機２機、Yak-40輸送機３機、An-26輸送機18機（全て保管中）、L-39練習機25機、Z-326練習機20機、Mi-35ヘリ４機（＋保管中８機以上）、Mi-14対潜ヘリ５機（全て保管中）、Mi-17汎用ヘリ８機（＋保管中12機以上）、Mi-8P汎用ヘリ２機、自走化S-75地対空ミサイル（T-55戦車車体使用）、自走化S-125地対空ミサイル（T-55戦車車体使用）、S-75地対空ミサイル、S-125地対空ミサイル、R-3/R-23/R-24/R-27/R-60/R-73地対空ミサイル、Kh-23地対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キューバ軍＞：

＜キューバ軍（１９８９年）＞：兵力180500名（うち即応予備役15000名、徴兵79500名）、予備役130000名。アンゴラに１個師団・数個連隊・軍事顧問40000名と文官顧問8000人、コンゴに500名、エチオピアに2800名、モザンビークに600名、南イエメンに500名、ニカラグアに軍事・治安顧問1200名と文官2000-3000人を派遣している。アメリカ海兵隊増強中隊１個435名（グアンタナモ）、ソ連軍自動車化狙撃旅団１個2800名、通信情報要員2100名、軍事顧問2800名が駐留する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜キューバ軍（２０１５年）＞：現役総兵力49000名（陸軍38000名、海軍3000名、空軍8000名）、予備役39000名（全て陸軍）、準軍事組織現役26500名（内務省保安部隊20000名、内務省国境警備隊6500名、哨戒艇20隻）、予備役1120000名（若年労働者軍70000名、民間防衛軍50000名、民兵1000000名）。グアンタナモにUSSOUTHCOMのJTF-GTMO750名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜玖馬丸＞：日本海軍特設運送船Cuba Maru。元は大正15年8月25日に竣工した川崎汽船の貨物船で、太平洋戦争勃発により日本海軍に徴用された。全長128.8m、垂線間長123.44m、幅16.15m、深さ10.36m、吃水8.26m、総トン数5950トン、重量トン数9113トン。主機はフラガー対向ピストン型ディーゼル１基、１軸推進、連続最大出力3438馬力、航海速力11ノット、最大速力13.489ノット。昭和17年8月25日、樺太を出港して横浜に向かう途中、皆別岬沖で座礁して沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜キューバ陸軍＞

＜キューバ陸軍（１９７７年）＞：兵力16万名、予備役９万名。歩兵師団（実際には旅団クラス）15個、機甲連隊３個、独立連隊（実際には大隊クラス）数個からなる。IS-2重戦車60両、T-34/T-54/T-55/T-62中戦車50両、PT-76軽戦車、BRDM-1装甲車、BTR-40/-60/-152装甲兵員輸送車200両、75mm分解式榴弾砲、105mm/122mm/130mm/152mm榴弾砲、SU-100自走砲100門、フロッグ４地対地ミサイル30基、57mm/76mm/85mm対戦車砲、57mm無反動砲、3M6対戦車ミサイル、23mm高射機関砲ZU-23、37mm高射機関砲、57mm/85mm/100mm高射砲を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜キューバ陸軍（１９８９年）＞：兵力145000名（うち即応予備役15000名、徴兵60000名）、予備役110000名。地域コマンド４個、軍３個、青年の島部隊１個、軍団４個、機甲師団３個、機械化歩兵師団９個、歩兵師団13個、独立歩兵連隊８個、高射砲連隊、地対空ミサイル旅団、特殊部隊大隊２個、空挺強襲旅団１個からなる。T-54/-55戦車800両（うち150両は保管中または沿岸防衛用固定砲台）、T-62戦車300両、PT-76軽戦車60両、BRDM-1/-2偵察車100両、BMP歩兵戦闘車50両、BTR-40/-60/-152装甲兵員輸送車500両、76mm砲M-1942、122mm砲A-19/D-74、130mm砲M-46、152mm砲ML-20/D20/D-1、BM-21自走多連装ロケット、BM-14自走多連装ロケット、BM-24自走多連装ロケット、82mm迫撃砲M-41/-43、120mm迫撃砲M-38/-43、IS-2重戦車転用固定防衛砲台15基、T-34/85中戦車転用固定防衛砲台、SU-100自走砲転用固定防衛砲台、フロッグ４／７地対地ミサイル65基、3M6/9M14対戦車ミサイル、75mm対戦車砲D-44、SU-100自走砲、高射砲1600門（23mm高射機関砲ZU-23、ZSU-23-4自走高射機関砲、30mm連装高射機関砲M-53、BTR-60P改造30mm自走高射機関砲、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射機関砲S-60、ZSU-57-2自走高射機関砲、85mm高射砲KS-12、100mm高射砲KS-19、2K12地対空ミサイル12基、9M32/9K31/9K35/9K34地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜キューバ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力38000名、予備役39000名。地域コマンド司令部３個、軍コマンド司令部３個、機甲旅団５個、機械化歩兵旅団（機甲連隊１個、機械化歩兵連隊３個、砲兵連隊１個、防空砲兵連隊１個）９個、軽歩兵旅団１個、空挺旅団１個、防空砲兵連隊１個、地対空ミサイル旅団１個、予備役歩兵旅団14個からなる。T-34/-54/-55/-62戦車900両、PT-76軽戦車、BRDM-2偵察車、BTR-60偵察車（100mm砲装備）、BMP-1/-1P歩兵戦闘車50両、BTR-152/-50/-60装甲兵員輸送車500両、自走砲40両強（100mm自走砲AAPMP-100、100mm自走砲CATAP-100、122mm自走砲2S1、122mm自走砲AAP-T-122、122mm自走砲AAP-BMP-122、122mm自走砲ジュピター�V、122mm自走砲ジュピター�W、130mm自走砲AAP-T-130、130mm自走砲ジュピター�X、152mm自走砲2S3）、牽引砲500門（122mm砲D-30/M-30、130mm砲M-46、152mm砲D-1/M-1937）、自走多連装ロケット175両（122mm自走ロケットBM-21、140mm自走ロケットBM-14）、迫撃砲1000門（82mm迫撃砲M-41/M-43、120mm迫撃砲M-43/M-38）、2K16対戦車ミサイル、9K11対戦車ミサイル、57mm対戦車砲M-1943、85mm対戦車砲D-44、9K35自走地対空ミサイル200両、2K12自走地対空ミサイル、9K33自走地対空ミサイル、9K31自走地対空ミサイル、9K32/9K36/9K310携帯地対空ミサイル、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4、30mm自走高射機関砲BTR-60P SP、57mm自走高射機関砲ZSU-57-2、100mm高射砲KS-19/M-1939、85mm高射砲KS-12、57mm高射機関砲S-60、37mm高射機関砲M-1939、30mm高射機関砲M-53、23mm高射機関砲ZU-23を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キューバン・エイト＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Cuban eight。会場右手から単機で進入し、２回の宙返りで横に８の字（∞）を描いて左に抜ける。最大5Gの荷重がかかる。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、11,’13、9,’14

＜キューピッド＞：ヴァーティカル・キューピッド（曲技飛行）を参照。

＜給兵艦＞：兵器や弾薬を運ぶ艦船のこと。参考：小艦艇入門

　＜給兵艦（日本海軍）＞：武蔵の砲塔運搬用として昭和15年に樫野が竣工したが、昭和12年度計画予算要求で軍令部が給兵設備を施すと書いたために給兵艦という分類となっただけで、実際には特殊運送艦であり、日本海軍の正式艦種も運送艦である。本来の給兵艦は民間から徴用した特設給兵艦で間に合わせた。また、足摺型・洲崎型給油艦は空母に爆弾や魚雷を補給することができ、給兵艦としての能力も持っていた。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、月刊丸3,’14

＜キューベルヴァーゲン＞：Kubelwagen。ドイツ軍の多用途野戦用小型乗用車一般に付けられた名称で、直訳すればバケツ自動車。名称の由来に関しては、外見からという説、何でも詰め込んで運べるからという説など様々なものがある。代表格はVW82で、他にTyp830Rなどが使用された。第２次大戦中に52000両が生産された。参考：月刊PANZER12,’04、歴史群像10,’08、月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜臼砲＞：砲身長が非常に短い（5-6口径程度）大砲のこと。元は炸裂弾を発射するために開発された砲で、誕生当時（15世紀後半から16世紀半ば頃）の炸裂弾は弾殻が弱く、発射エネルギーが大きすぎると腔発を起こしたため、この砲の出番となった。また、砲身が短いため、炸裂弾に付いている導火線（当時は信管が無かった）に火を付けるのも簡単だった。砲耳は砲尾付近にあり、仰角45度くらいで発射して飛距離を稼ぐ。よって、発射反動の下向き成分が多く、下部砲架に車輪を付けると車軸が折れるため、車輪の無い砲架を使用し、移動の時だけ車輪付きの台車に乗せるようにしてあった。この機動力の無さが災いし、榴弾砲に負けて廃れていった。参考：歴史群像12,’09、月刊PANZER8,’10

＜キューポラ＞：Cupola。ハッチを周囲より一段高くした構造のこと。主に車長用ハッチに採用され、一段高くした側壁部分にビジョンブロックやペリスコープを配置し、車長が安全な車内から視界を確保できるようにしている。キューポラが独立して全周旋回できるもの、機銃などの武装を付けたもの、基線長式測距器や照準装置を組み込んだものなどもある。参考：British and American tanks of World War Two

＜キュウマル＞：90式戦車シリーズ（陸自）を参照

＜救命鐘＞：日本海軍の潜水艦救難用レスキュー・チャンバー。深いところに沈んだ潜水艦には使えないという欠点がある。参考：写真で見る海軍糧食史

＜救命索＞：救命浮器に巻いてあるロープのこと。参考：艦船メカニズム図鑑

＜救命索投射機３形用投射薬包＞：自衛隊の火工品。興亜化工製。参考：月刊軍事研究3,’11

＜救命索投射機用投射薬包＞：自衛隊の火工品。興亜化工製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜救命装備品＞：航空自衛隊の航空機搭乗員を保護するための装備品。ヘルメット・酸素マスク・耐Ｇ服など通常飛行中に搭乗員を保護する装備品、パラシュートなど緊急時に航空機から安全に離脱するための装備品、救命胴衣・耐寒耐水服・サバイバルキット・海水脱塩器など航空機から離脱した後に生存を図るための装備品がある。航空医学実験隊第４部装備品科で実用試験と調査研究を行っている。参考：MAMOR vol.138

＜救命装備品整備員＞：航空自衛隊の職種。救命装備品の点検整備を行うのが主任務である。第１術科学校で３ヶ月間の初級救命装備品整備員課程を修了すると就くことができ、航空機保有部隊などに配置される。参考：MAMOR vol.128

＜救命艇３号＞：ASH-01を参照。

＜救命艇４号＞：ASH-02を参照。

＜救命胴衣＞：Life Preserver。着用者が意識を失っても頭部が海面上に出るよう設計されていて、何日でも浮いていることが可能である。いざという時のため、暗闇でも確実に着用する訓練を積むことが重要。救助部隊の発見を容易にするため、肩に留めるライトが用意されていることもある。防水袋にガラス繊維パッドを詰めた浮力材を使用する浮力固定式（Inherently Buoyant）と、呼気や炭酸ガスボンベで膨らませる膨張式（Inflatable）がある。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜救命胴衣＞：自衛隊の機器。装備開発機構または日本船具製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜救命胴衣（航空自衛隊）＞：航空機搭乗員が水上で遭難した場合に使用する救命胴衣。藤倉航装製（自動膨張装置は細谷火工製）。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜ＬＰＵ−Ｈ１＞：ジャケット部、気室部、気室収納袋から構成され、保命ジャケットと一体化されている。救急用品、非常用無線機、信号筒（発光）、信号筒（発煙）、表示灯、ストロボライト、救難用信号照明弾も収容している。海水センサー付きの自動膨張装置により着水時に自動的に膨張するが、手動での作動も可能。首周りにも気室があるため、気絶して落下しても首が水面から持ち上がる。F-15、F-4、T-4、E-2C乗員用。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings6,’05

　＜ＬＰＵ−Ｎ１＞：自衛隊の救命胴衣。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

　＜ＬＰＵ−Ｎ１（訓練用）＞：自衛隊の救命胴衣。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

　＜ＬＰＵ−Ｐ１＞：LPU-H1のF-1、T-2、T-3、C-1、C-130、MU-2、V-107、CH-47、UH-60J、B-65、YS-11、T-400、U-125、T-7乗員用。藤倉航装製。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究2,’18

　＜ＬＰＵ−Ｔ１＞：首掛け式の救命胴衣。襟部分に左右一対の気室が設けられており、一方が不作動でも十分な浮力を確保できる。自動膨張装置付き。T-33、T-1、E-2Cの乗員用である。参考：自衛隊装備年鑑1996

　＜ＬＰＵ−Ｔ１改＞：LPU-T1の改良型。気室の素材や構造を変更して薄型軽量とし、バックルの材質変更や各部の一体化などで耐久性・着用性の向上を図った。F-2乗員用。参考：MAMOR vol.131、月刊航空ファン7,’11

　＜救命胴衣ＣＯ２・１型二気室式＞：自衛隊の救命胴衣。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

　＜救命胴衣自動膨張式＞：自衛隊の救命胴衣。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜救命胴衣（ＫＣ−７６７乗客用）＞：自衛隊の機器。上村商事が受注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜救命胴衣（乗客用）＞：自衛隊の機器。イヨンインターナショナルが受注している。参考：月刊軍事研究1,’18

＜救命浮環水上艦用＞：自衛隊の機器。日本船具製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜救命浮器＞：海上自衛隊の救命具、Buoyant Apparatus。網またはグレーチングの周りに角の丸い直方体の浮力材（空気箱、コルク、バルサなど）を張り巡らせたもので、浮力材の外側には救命索（ロープ）が巻いてあって、これに掴まって取り敢えず水の上に浮くことができる。網またはグレーチングには食料、水、薬品などがくくりつけてあり、オール２本も用意されている。使用時には固縛バンドを解いて海面に人力で投下するが、搭載艦艇が一気に沈没した場合に備え、水圧作動式の自動離脱装置が付く。10名用、15名用、25名用の３種類があり、各種艦艇（艦には２枚重ね、艇には１枚ずつ格納）に搭載されていたが、人員が冷たい海水に浸かったままでは死亡率が高く、膨張式救命筏の普及で廃れた。ちなみに救命筏との違いは、甲板が無いこと。参考：丸スペシャルNo.77、艦船メカニズム図鑑

＜救命浮舟１号＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜救命浮舟１人用＞：航空自衛隊の救命ボートJP-2B改-2。輸送機、輸送ヘリ、救難機のサバイバルキット・コンテナ（座席型）に収容されている航空機乗員用１名乗り救命ボートで、浮舟本体、炭酸ガス充気装置、付属品収納袋からなる。不時着水すると自動または手動で解放され、炭酸ガスにより膨らむ。波から乗員を守るため、後頭部や体全体を覆うカバーが用意されている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜救命浮舟２号＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜救命浮舟（二人用、航空自衛隊）＞：航空自衛隊の２名用救命ボート。爆弾型ケースに収容されており、主翼下に装備して遭難者の近くに投下する。本体、充気装置、炭酸ガスシリンダー、櫂、食糧、鮫避け着色剤、呼笛、信号弾、ストロボライト、収納袋などで構成される。MU-2やT-34などに搭載可能。全長1.8m、全幅1m、全高1m。藤倉ゴム工業製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜救命浮舟（二人用、航空自衛隊）＞：航空自衛隊のMU-2用救命ゴムボート。本体、収納袋、炭酸ガス充気装置、付属品収納袋からなり、遭難時には自動索のフックを機体に引っかけて機外に投下すると自動的に膨張する。全長1.8m、全幅1m、全高0.27m、重量10kg。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜救命浮舟６人用＞：航空自衛隊の救命ボート。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ＦＲＭ−８＞：携行型収納袋に収容されており、航空機乗員により機外に投下され、炭酸ガスにより膨らんで屋根付きボートになる。長さ・幅2.38m、高さ1.3m、重量21kg。藤倉ゴム工業製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ＭＲＭ−８＞：本体、炭酸ガス充気装置、付属品収納袋からなる。携行型収納袋に入っており、輸送機・救難機の遭難時に機外に放り投げて展開する。C-1輸送機のフィレットに収納されているものは機内から自動膨張させることが可能である。全長2.38m、全幅2.38m、全高1.3m、重量21kg。YS-11、C-1、V-107、U-125、CH-47に搭載された。参照：自衛隊装備年鑑1996

＜救命浮舟（２０人用）＞：航空自衛隊の救命ボート。天幕付き浮舟本体、充気装置、充気用炭酸ガスシリンダー、付属品（食糧、水、釣り具など）、収納袋からなる。全重量70kg、最大浮力５トン以上。三菱電機製。C-1やYS-11に搭載された。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜救命浮舟（二五人用）＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜救命ボート＞：Lifeboat。艦船の乗員全員を乗せるだけの内火艇を積むのはスペース的に無理があり、ダビットから降ろすのにも時間がかかるため、海上に落とせば自動的に開く膨張式救命筏（ライフラフト）が開発された。キャノピー、錨、救難索、乗船索、オールといった運航装備の他、雨水貯水管、スポンジ、水漏れ修理キット、浮きナイフ、手動式空気入れ、レーダー反射布、海水脱塩キット、食糧、ダイマーカー、フラッシュライト、電池、信号鏡、呼び子、救急キット、遭難信号キットといったサバイバル用品も積まれており、標準備品として装備が義務づけられている。参考：米海軍サバイバルマニュアル、図解船の科学

＜救命糧食（自衛隊）＞：船舶救命設備規則及び航空法で艦艇及び航空機への搭載が義務づけられている。粉末ピーナツ入りのブロックビスケット（56g、264kcal）３個が入っており、保存期間５年。海上自衛隊のものには「がんばれ！元気を出せ！救助は必ずやってくる！」というタイトルのプリントが入っており、「…これを食べると熱とエネルギーを与え、直ちに元気百倍となります。…」などの文が記載されており、航空自衛隊でも以前はプリントが入っていたため、自衛隊全体でがんばれ食と通称される。参考：MAMOR Vol.46

＜球面電磁界測定システム＞：自衛隊の機器。デバイス製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜給油艦＞：Oiler。洋上給油設備を備える軍用艦で、給油用蛇管、デリック、油送用ポンプなどを装備する。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、日本海軍特務艦船史

　＜給油艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1960年10月1日、区分・自衛艦−大分類・特務艇−中分類・特務艦艇の下の種別として定められた。艦種記号はAO、艦番号は411以降である。1976年5月11日、補給艦に改称された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜給油艦（日本海軍）＞：日本海軍の艦種で、正式な類別は運送艦である。明治39年から石炭・石油混焼缶を使うことにしたが、民間では石油の需要が殆ど無く、明治末期でも石油輸入用民間タンカーが日本全国で３隻しか無いという有様だったため、海軍独自の給油艦（というか油槽艦）を揃える必要が生じた。ちょうど八八艦隊の整備中でもあり、大正5-13年に志自岐（大正5年竣工）、剣埼（大正6年竣工）、洲崎（大正7年竣工）、野間（大正8年竣工）、知床型（大正9-11年７隻竣工）、隠戸型、神威（大正11年竣工）の15隻を配備、平時には石油輸入を行い、有事には前線基地への石油輸送に使うこととした。火の粉が落ちてもタンクに燃え移らないよう、煙突は船体後部にある。大正10年から昭和9年までは兵装を外して石油輸送任務に就いており、南方だけでなくカリフォルニア州サンディエゴまで重油を買いに行き、水中聴音機を搭載してアメリカ軍艦船のスクリュー音を録音することもあった。知床型と隠戸型で石油300万トンを日本に持ち帰っている。艦隊随伴は考えておらず低速で、大正12年から一応洋上給油装備は搭載したものの、訓練はあまり行っていない。軍縮による予算不足で建造空白期間が生じたが、その間に民間タンカーが充実してきたので、前線基地への燃料補給は徴用タンカーで済ますことにし、艦隊随伴給油艦だけ海軍で造ることにして昭和2年度に15400トン型高速給油艦計画番号J-3を２隻要求したが蹴られ、昭和5年度に17000トン型給油艦１隻を再要求したが再び蹴られ、昭和9年度で剣埼型２隻（昭和14年１隻竣工、もう１隻は空母として完成）の予算は通ったが有事には潜水母艦や空母に改造されるので給油艦としては期待できず、太平洋戦争では昭和7年制定の船舶建造助成施設や昭和10年制定の優秀船舶建造助成施設で民間に作らせたタンカーを徴用改造した特設給油艦13隻に頼らざるを得なくなった。昭和14-16年度計画で空母機動部隊に随伴して航空機用ガソリンを運搬する足摺型と洲崎型（昭和18年２隻竣工）を建造しているが、竣工時には戦況が悪化しており、ただのガソリンタンカーになってしまった。太平洋戦争中期以降に遅ればせながら艦隊随伴用高速給油艦の風早型（昭和18年１隻）、速吸型（昭和19年１隻）、針尾型（昭和19年１隻）が竣工したが、いずれも半年以内に沈められた。改マル五計画で予定していた速吸型７隻と鷹野型８隻は、竣工が昭和20年以降になるので建造中止となっている。参考：日本海軍特務艦艇史、小艦艇入門、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、日本海軍艦隊総覧

＜給養（航空自衛隊職種）＞：航空自衛隊の職種。食事の調理、配食、給食事務が主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜給養（日本陸軍）＞：将兵に兵食を供給すること。主計官が担当し、軍医が検食して必要なら指導を行う。参考：軍医サンよもやま物語

＜給養員＞：艦艇や基地で給食を担当する海上・航空自衛官。陸自は給食専門要員はおらず（特技としての給養はある）、各隊員が交代で調理する。参考：MAMOR vol.98、vol.115、vol.163

＜給養員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の補給科員。栄養士が作成して海上幕僚監部が通達した基準献立を基に、献立をアレンジして調理配食する。予算運用や食材調達も行う。各基地で経理補給科調理係として2-5年間下働きした後、海自第４術科学校教育第２部給養科給養課程を卒業して給養員となり、各艦艇・基地に配属される。受験資格に到達次第、調理師、栄養士、船舶調理員の資格を取っており、名実共に相当なプロフェッショナルである。艦艇が航海に出ると食材は調達できず、訓練に入ると食事時間が不規則になり、海外では日本に無い食材も使わねばならず、苦労が倍加する。参考：MAMOR vol.115、vol.70、vol.148

＜給養員（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の給食調理担当自衛官。空自第３術科学校の給養員課程を修了して給養員になる。参考：MAMOR vol.115

＜給糧艦＞：Supply Ship。艦隊に食糧を輸送する艦船のこと。参考：小艦艇入門

　＜給糧艦（日本海軍）＞：日本海軍の艦種で、正式な艦種類別は運送艦である。冷蔵・冷凍技術の進歩に伴い、大型高性能の冷蔵冷凍庫を備え、新鮮な食料を供給する艦として、大正12年度計画で艦隊随伴用の間宮型１隻を建造した。昭和10年代に入り、艦隊の拡大に合わせて伊良湖型１隻を追加。日華事変での支那方面艦隊支援用に野埼型１隻（昭和16年竣工）と杵埼型３隻（昭和15-18年竣工）、太平洋戦争後半の特務艦不足で南西方面艦隊向けとして鞍埼を配備した。ただ改マル五計画以降で建造予定の改伊良湖型（計画番号J-20c）１隻、5500トン型（計画番号J-35）２隻、杵埼型７隻が竣工時期（昭和21-24年）の関係で計画中止になってしまい、太平洋戦争では常に不足状態だった。参考：日本海軍特務艦船史

＜キュビット＞：K512（フリゲート）を参照。

＜キュベラ＞：SS-347（潜水艦）を参照。

＜キュラソー＞：I41（軽巡洋艦）を参照。

＜キュリー＞：フランス海軍潜水艦Curie。1914年12月20日夜、オーストリアのポーラ軍港に侵入しようとしたが、２段目の防潜網に引っかかり、５時間かかっても脱出できず、仕方無く浮上したところを水雷艇と沿岸砲の攻撃を受けて沈没した。乗員28名のうち１名が戦死、４名が負傷している。その後オーストリアに引き揚げられてU14になった。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜キュリー＞：フランス海軍キュリー級潜水艦Curie。元はイギリス海軍Ｕ級潜水艦P67ヴォックスである。1944年竣工。1946年にイギリスに返還された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜キュリー級＞：フランス海軍潜水艦Curie級。自由フランス海軍に引き渡されたイギリス海軍Ｕ級潜水艦及びＶ級潜水艦である。全長60m、幅4.9m、吃水3.9m、基準排水量626トン。主機はディーゼルと電動モーター、出力800馬力、速力11.5ノット。兵装は533mm魚雷発射管４門、7.6cm単装砲１門。キュリー、ドリス（２代目）、モルス（２代目）の３隻が就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜キュリウム計画＞：イギリスのボスコムダウン基地で実施されていた、アフガニスタン陸軍航空隊ヘリコプター乗員育成作戦。ブルガリア空軍から購入したMi-17ヘリ２機にキネティック用機と同じ塗装を施し、2008年2月から2010年3月31日にアフガニスタン人パイロット18名とフライトエンジニア９名に訓練を施した。訓練終了後、Mi-17ヘリはアフガニスタン政府に寄贈される予定である。参考：月刊JWings6,’10

＜キュリンズ・カッター＞：ヘッジロウ・カッターを参照。

＜ギュル＞：S357（潜水艦）を参照。

＜ギュル級＞：209/1400型潜水艦（トルコ）を参照。

＜ギュルザＭ級＞：ウクライナ海軍装甲河川砲艇Gyurza M級。全長22.5m、排水量51トン。４隻を建造中。参考：月刊世界の艦船10,’16

＜ギュル・ジェマル＞：オスマン帝国兵員輸送船Gul Djemal。大元は1875年4月に竣工したイギリスのホワイト・スター・ライン客船ジャーマニックである。全長142.65m、幅13.77m、総トン数5008トン。主機は二連成汽機、出力4970馬力、１軸推進、航海速力15ノット。船客定員一等220名・三等1500名。1875年、西航ブルーリボンを獲得。1876年、東航ブルーリボンを獲得。1877年、西航ブルーリボンを獲得。1895年、大規模改装を行い、主機を三連成汽機に換装、総トン数が5066トンになった。1904年、IMMグループのアメリカン・ラインに移籍。10月、IMMグループのドミニオン・ライオンに売却された。1905年、オタワに改称された。1910年、オスマン帝国が購入し、兵員輸送船ギュル・ジェマルになった。第１次大戦後は客船に戻り、トルコ共和国成立でギュルジェマル（Gülcemal）に改称された。1949年、貯蔵庫船になった。1950年、解体のため売却された。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜ギュンター・プロシオー＞：ドイツ海軍水上機母艦。第２次大戦後はソ連に譲渡され、コドルとなった。参考：グラフィックアクション44

＜ギュンター・ラドッシュ＞：ラドッシュ（ドイツ空軍エース）を参照。

＜ギュンター・リュッツォウ＞：ドイツ空軍エースGunter Lutzow。1941年10月24日、ドイツ空軍２人目となる100機撃墜を達成した。1945年4月24日に戦死した。総撃墜機数110機。最終階級は大佐。参考：グラフィックアクション36

＜ギュンター・ラル＞：ラルを参照。

＜魚３＞：Yu-3（魚雷）を参照。

＜魚４＞：Yu-4（魚雷）を参照。

＜魚５＞：Yu-5（魚雷）を参照。

＜魚６＞：Yu-6（魚雷）を参照。

＜魚９＞：Yu-9（魚雷）を参照。

＜貴陽＞：119（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜宜陽＞：FF938（フリゲート）を参照。

＜教育＞：一般の教育水準が低い国では軍隊での教育が重要な位置を占めることがあり、結果的に政府などの重要な地位にいる人物が軍人だらけになったりする。軍隊にしてみれば、一般の教育水準が低いと兵器の操作や戦術などの教育以前に読み書きソロバンから始めなければならず、相当に苦労することになる。上級者から下級者へと一方的に実施されることが多く、教育に名を借りたリンチや暴力の温床になりやすい（時に死人が出る）という欠点がある。軍だけでなく大学など一般教育機関でも軍事教育を行っている国も多く、中国では学校に在郷軍人指導の軍事クラブが存在し、一般大学には必修軍事科目があり実弾射撃が必須（ちなみに職場には人民武装部があって民兵部隊を編成する）、イギリスでは選択履修できる軍事・国防関連科目がある。参考：陸海軍学校と教育、月刊軍事研究8,’12、日本の防衛戦力Part8、月刊航空ファン1,’18

　＜教育（アメリカ陸軍士官学校、２０１５年）＞：４年制で、１学年1100名強、１クラス18名以下。8月に始まり、8-12月と1-5月が学業シーズン、6-7月が訓練シーズンである。学業の課目は一般大学と同様の言語、数学、物理、歴史、政治学、専攻科目などと、軍事科学（Military science）があり、１コマ55分。4月には国際総合戦技競技会のサンドハースト競技会が行われる。卒業すると陸軍少尉に任官し、職種学校基本コースに進む。参考：MAMOR vol.105

　＜教育（海軍機関学校）＞：普通学と軍事学があり、軍事学では機械熱力学、応用熱力学、水力学、材料構造強弱、機構学、蒸気機関、内火機関、電力機関、機関計画、推進器、作図、造船学、航空機整備、工作、直流電気工学、航空機理論が重視され、航海、運用、砲術、水雷なども一通り教育される。試験は随時行い、卒業時にのみ席次が発表される方式である。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

　＜教育（海軍兵学校）＞：海軍兵学校教育綱領で規定されている。徳性涵養・身体錬成を目的とする訓育と知識技能養成を目的とする学術教育に大別され、訓育は精神教育、訓練、勤務、体育に、学術教育は普通学（基礎学ともいう）と兵学（軍事学のこと）に細分される。普通学には数学科（代数、微分積分、確率論、三角法、幾何）、理化学科（物理学、化学、力学）、文学科（精神科学、歴史、地理、国語、漢文）、外国語科（英語）、兵学には運用科（運用、短艇、応急、造船）、航海科（航海、気象、海洋、信号、見張り）、砲術科（艦砲、測的、照射、陸戦）、水雷科（魚雷、機雷、潜水艦）、通信科（無線信号、暗号）、航空科（航空）、機関科（機関、電機、図学、工作）、統率科（兵術大要、軍政、軍隊統率学、軍隊教育学）、乗艦実習科といった科目がある。精神教育には勅諭奉読（勅諭勅語奉読、勅諭勅語衍義）と訓話（訓辞、訓諭、講話）の２科目、訓練には教練（艦砲、陸戦、短艇、信号）と作業（厳冬訓練、酷暑訓練、古鷹山射撃場での射撃訓練、乗艦実習、航空実習、棒倒し、総短艇橈漕教練、観兵式、観艇式、防火教練、防空教練）の２科目、勤務には日課作業（隊務、儀式、軍艦旗掲揚、神社参拝、皇居遙拝、戦公死者銘牌礼拝、教育参考館利用、聖訓奉誦、五省、自習、自選作業、軍歌、号令演習、口頭試問、生徒講話、架台作業、礼砲）、諸点検（分隊点検、構内点検、生徒館点検、被服点検、銃器点検、短艇点検、定時点検）の２科目、体育には武道（剣道、柔道、銃剣術、遊泳術）、体操、体技（闘球、籠球、走技、投技、跳技、野球、綱引き、相撲、弓道、馬術、登山行軍など）の３科目がある。また、1月下旬の１日間が兎狩り、4月上旬の３日間が短艇巡航（江田島一周）、4月と9月の1-2日間が移動訓育（修学旅行）、4月と11月上旬の１週間が武道週間（銃剣道・銃剣術）、５月中旬の２週間が短艇週間（橈漕訓練と仕上げの短艇競技・宮島遠漕）、5月27日（海軍記念日）が総艦艇出動（練習艦が出動して模擬艦隊戦闘を行う）、7月末の１週間が幕営（宮島か愛媛県小部湾海岸でキャンプと遊泳訓練）、10月中旬の１週間が野外演習（広島県原村陸軍演習場で陸戦演習）に充てられる。教員よりも生徒の方が階級が上なので、教員は生徒に命令できないため、「〜しろ」ではなく「〜する」という具合に指導を入れた。日常生活指導は上級生が行う。自習室で着席する際には椅子の左に立ち、伍長の「着け」の号令により、右手で椅子を後ろに引き、右足を椅子の前に入れ、左足を右足に揃えると同時に一旦腰を下ろし、両足を前に出して腰を浮かしつつ両手で椅子を前に引き、着席する。起立の際には伍長の「立て」の号令で逆の動作を行う。椅子が床に着く音は全員ピタリと一致するよう上級生から訓練を受けるのが入校すぐの生活指導である。他にも就寝動作や起床動作といった集団行動や、厠の清潔な使用といった日常の躾、階段駆け上がりのやり直しといった身体・精神鍛錬が上級生により行われる。学年によって修正（殴る）の程度に差があり（土方クラス・お嬢さんクラスと陰口を叩いた）、最下級生時の一号生徒とは似たような気性、二号生徒時の一号生徒とは反対の気性になる傾向があったらしい。生徒は分隊ごとに当番に割り当てられ、報告当番（週番生徒への連絡・報告）、甲板要員当番（自習室や寝室の掃除用具用意・整理整頓）、隊務当番（靴箱共用品整頓や手紙出しなど）、石鹸当番、油当番（銃器手入れ用具担当）、修理簿当番などを交代でこなす。雨衣干し、時計整合、水筒取り込み、ゴミ捨て、洗面所清掃などの雑用は下級生の担当である。分隊（トップの伍長の方針）によっても修正に差があり、同期でも全く殴られなかったり、殴られる数を数えるのも面倒になるくらいだったりしたらしい。学年ごとの教育は数個分隊の同学年を集めた教班で行う。入校後3-5週間くらいは入校教育としてカッター訓練と陸戦訓練だけを行い、その後は６時間の講義と２時間の体育訓練という内容になる（日課を参照）。生徒には作業簿と自啓録という２冊のノートが渡され、前者は日誌として使用、後者は自由な事を記入する。ただし作業簿は毎週月曜日に分隊監事の検閲があり、自啓録も教官や上級生が勝手に見ていくので、完全に自由なことは書けない。入校後数日は上級生も怒鳴るだけだが、出初式が終わると修正に加減が無くなる。軍隊生活では言い訳をしてもミスが取り戻せる訳ではないということを教え込むためか、兵学校での日常生活でヘマをした場合に言い訳をすると３倍くらい修正を喰らった。命令・規則違反、器物損壊、飲酒喫煙などは学校からの懲罰対象で、校長から譴責、禁足（1-10週間の外出禁止）、免生（退学）といった懲戒処分を受ける。第77期主任指導官曰く、兵学校の生活は若者として最も苦しく辛い生活であり、徹底的に辛苦のどん底に突き落として鍛錬していくうちに、真の将校生徒が出来上がる。参考：海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語、陸海軍学校と教育、月刊丸7,’14

　＜教育（海上自衛隊）＞：隊員と部隊が自衛隊の使命に基づいて任務を完遂するために必要な能力を育成錬磨し、向上させることが目的であり、基本教育と練成訓練を行っている。基本教育は各身分に必要な基礎知識・技能を修得させる素養教育（幹部と幹部候補生は学校、曹士は教育隊・教育部隊で実施）と、取り扱う装備品などの専門技術を修得させる術科教育（一般術科、潜水艦、飛行の３つがあり、術科学校で実施）に分かれる。練成訓練は隊員個々の技能を向上させる個人訓練と、チームワークを養う部隊訓練（最終仕上げが海上自衛隊演習）に分類される。2011年度から新入隊員は自衛官候補生課程を経て二等海士に任官するようになった。海士は教育隊で基礎教育の練習員課程に入り、術科教育の海士初級課程に進む。海曹への昇進が間近となったら教育隊で一般海曹候補生課程を受講する。幹部は幹部候補生学校を卒業して３等海尉（実習幹部）となり、遠洋練習航海に出発、これを終えると艦艇と航空に分かれ、本人の希望と適性があれば潜水艦に進む。水上艦では船務、通信、砲術、水雷、機関、応急など各職種のうち３つを術科学校と実務で経験（３ローテ）し、専門職域を１つに絞って幹部中級課程を受講する。修了して科長や副長を務め、海上訓練指導隊で水上艦艇指揮課程を終えると、艦長・艇長になる資格が得られる。潜水艦では遠洋練習航海を終えると部隊に配置され１つの職種を経験、潜水艦教育訓練隊で教育を受け潜水艦の実習幹部として実艦勤務に就く。各科長を務めた後、潜水艦指揮課程を修了すると、艦長になる資格が得られる。参考：陸海軍学校と教育、日本の防衛戦力Part8、MAMOR vol.117、vol.139

　＜教育（航空自衛隊）＞：基本教育は一般教育と技術教育に分かれており、アメリカ空軍と同じく技術特技を重視した教育体系になっている。技術教育は飛行教育と術科教育に分かれ、前者は飛行部隊、後者は術科学校で行われる。自衛官候補生から二等空士になり、一等空士あたりで初級特技員課程を受講、空士長で空曹候補者課程に進むか、一般空曹候補生に直接入るかして三等空曹となり、上級特技員課程を受講し二等空曹に進み、一等空曹で上級空曹課程を受け、術科特修課程に進み、空曹長や准尉となる。幹部は空曹から進む方式、防衛大学・防衛医科大学・航空学生を卒業する方式、一般大学などから直接入る方式があり、幹部候補生学校で幹部候補生課程を修了して三等空尉（初級幹部）となった後、術科学校で初級幹部術科課程（5-39週）などを受講し、部隊での一定期間の勤務を経て二等空尉から一等空尉で幹部学校の幹部普通課程（10週間）に進む。その後一等空尉から三等空佐で幹部学校指揮幕僚課程（47週）や術科学校上級幹部特技課程（7-12週）、三等空佐から二等空佐で幹部特別課程（４週）を受講する。指揮幕僚課程や幹部特別課程の修了者は二等空佐から一等空佐で幹部学校幹部高級課程（25週）と統合幕僚学校統合高級課程（19週）または統合幕僚学校統合短期課程（４週）と防衛研究所一般課程（40週）の教育を受ける。参考：陸海軍学校と教育、目黒基地ホームページ

　＜教育（自衛隊）＞：使命感の育成、装備の近代化に対応する知識と技能の修得、基礎的体力の練成、統率力のある幹部の養成という４つの重点方針がある。教育機関や学校で行う基本教育と、部隊で行う練成訓練に分かれる。体罰は無いが、代わりに走らされたり延々と腕立て伏せをやらされたり、手本と称して横で教官がくっついて同じことを始めるので文句も言えず精神的にもダメージを受け、むしろ１発殴って済ませてくれた方がマシだと思ってしまうこともあるかもしれない。高度経済成長・安保闘争時代には人材が枯渇しており、職も無く街をうろついている若者をつかまえて自衛隊に引き込む（街頭募集。通称自衛隊のポン引き）状態で、教範を読むどころかマトモな社会生活すら危ぶまれる隊員も多数いたようだが、時間と労力を惜しまない教育により次々と更生させ、部隊を率いて命を賭けた任務をこなすことができるほどに成長させた実績を持つ。参考：陸海軍学校と教育、スピアヘッドNo.16、月刊軍事研究12,’13、5,’16、

　＜教育（ドイツ海軍）＞：歩兵訓練（３ヶ月）に引き続き帆船訓練（３ヶ月）と乗艦訓練（３ヶ月）を受けて水兵になる。選抜試験に合格すると士官候補生となり、海軍兵学校で10ヶ月の教育を受け、試験に合格して訓練航海を終えると士官（少尉）に任ぜられる。士官でＵボート搭乗を希望する者は魚雷学校で５ヶ月の教育を受ける。参考：Ｕボート入門

　＜教育（日本海軍）＞：艦、海兵団、航空隊などで行われる軍隊教育（大正9年までは艦団隊教育）と、軍の学校で行われる学校教育がある。兵は各鎮守府の海兵団に入団（徴兵は1月、志願は6月）して基礎的な教育と科別の教育を受け、各艦や隊に配置されて更に個人技能の教育を施され、分隊ごとの部署教練、艦として纏まった訓練へと進む。適宜査閲で練度の確認を受け、秋に仕上げの演習を行って12月の新教育年度を迎える。兵科士官は海軍兵学校で教育を受ける。参考：陸海軍学校と教育

　＜教育（日本軍）＞：基本的に上級者が下級者の指導にあたり、戦闘技法のみならず心技体全ての教育を上級者の率先垂範で行う。褌以外は洋服で靴を履き、寝るのは畳に布団ではなくベッドに毛布と農村出身者に西洋文化を教え込む場でもあり、集団社会生活と意思疎通に必要な共通言語（標準語）や基礎的衛生事項（毎日入浴するなど）に加え、一般社会でも役立つ特業教育（自動車運転、鍛造、馬の扱い、縫製など）も施された。参考：陸海軍学校と教育

　＜教育（日本陸軍）＞：軍隊組織（連隊、大隊、中隊など）で行われる軍隊教育と、軍の学校で行われる学校教育がある。12-1月に徴兵で初年兵として入営し、個人の戦闘動作から分隊、小隊と訓練が進み、３ヶ月で中隊単位での戦闘訓練に入り、秋の演習では師団単位での行動を行って12月の新教育年度を迎える。１年は大正までは４期、以降は３期に区分されており、各期末に検閲がある。１年経過すると一等兵に進み、２年目は１年目の復習と慣熟訓練に明け暮れて徴兵期間が終わる。参考：陸海軍学校と教育

　＜教育（防衛大学校）＞：陸軍士官学校と海軍兵学校に科学的教育が欠けていたこと、陸海軍の反目が敗戦の一因になったことから、豊かな教養（他人と共生するための嗜み）を身に付け、どんな仕事が与えられてもそれを通じて社会に役立ち、社会を豊かにする人物（ジェントルマン）を育成することを第１とし、文部省大学設置基準に準拠したカリキュラムを中心として軍事学は防衛学と夏季・冬季の隊付実習訓練に止め、将来の統合運用も見越して陸海空学生が全て一緒に学ぶ環境としている。人材の確保や自衛隊創設時の社会状況を勘案し、卒業後に自衛隊へ進む義務は付けなかった。人間向き不向きがあるし、本人にその気が無いのに無理矢理任官させても指揮を受ける部下の方がたまったものではなく、有事には不適切な指揮により国民の犠牲が増すことにもなりかねず、一般社会で活躍できれば教養を身に付けたジェントルマン育成という第１目標は達成しているので特に問題は無い。当初は理工学科のみだったが、後に国際関係などを教育する人文社会科が追加された。入試は推薦、総合選抜（AO方式）、一般前期、一般後期入試（平成23年度までは推薦と一般の２種のみだった）があり、高卒21歳未満（自衛官なら23歳未満）が募集対象。学生は自衛官ではないが自衛隊員（特別職国家公務員）で、全員が学生舎（寝室は８人部屋。基本は各学年２名ずつだが、前期は１年生を多めにして慣れさせる）に住み、学生隊を編成（学生舎１棟あたり４個大隊、１個大隊あたり４個中隊、１個中隊あたり３個小隊からなる）、衣食住の費用の他に学生手当（1983年で月56900円、2011年で月108300円）が支給される。学生舎の部屋替えは前期・中期・後期１回ずつの年３回。食堂での配膳は１年生の担当で、席順はテーブルごとに学年がミックスするよう決められていて、先輩後輩の交流や教育の場にもなっている。入学料や授業料は無料、教育期間は４年間、修得単位数152単位で、教養教育、外国語、体育、防衛学の他に人文社会科学または理工学の専門科目の教育を受ける。独自の教育としては各学科共通受講科目の防衛学と訓練課程があり、後者は第1-3学年で履修する共通訓練（基本教練、行進訓練、戦闘訓練、実弾射撃訓練、8km遠泳訓練、カッター、スキー、富士登山訓練、秋の体力測定、戦史学習など）と、第2-4学年に陸海空に分かれて履修する専門訓練（要員訓練）に分かれる。7月には１ヶ月間の夏季定期訓練があり、基地・駐屯地の研修や訓練課程を集中的に行う。秋期定期訓練では北富士演習場で１週間の集中訓練（露営訓練、20km行進、戦闘訓練など）を実施する。防衛学の単位数は全体の２割未満。第２学年進級時の要員配分で飛行要員コースに進めば、パイロットになることも可能だが、人数が少ないので注意。主に第３学年を対象とした留学制度があり、毎年40名くらいが各国士官学校に留学する。留学先は短期留学（1-3週間）がアメリカ、イギリス、インド、タイ、中国など、中期留学（４ヶ月）がアメリカ、カタール、ドイツ、フランスなど、長期留学（１年間）が韓国空軍士官学校である。真の紳士淑女を目指し、毎年1-2月に都内のホテルで学生主催の卒業ダンスパーティが行われる。在学中は外出や外泊に厳しい制限があり（代わりに巡航などに出掛ける）、学業は特別職国家公務員としての仕事なのでサボるのは不可、２名以上で歩く時には隊列を組むといったルールもある。１年生は外出時にも制服を着る。優秀な学生は学生長となり、各隊のリーダー的役割を務める。卒業後は陸海空曹長となり、三自衛隊の幹部候補生学校に入学して本格的な軍事的実務教育を受ける。２年間の修士課程もある。4月1日が着校日で、体育館に集合した後、学生舎で大隊ごとに受付を行い、対番学生を紹介される。医務室での身体検査、被服合わせ、学生会館理髪店での散髪、被服受領などを経て着校手続きが終了。入校式までの数日間は敬礼や行進など基本動作訓練に費やされる。勤労感謝の日は学年が逆転し（１年生が４年生、２年生が３年生、３年生が２年生、４年生が１年生）、１年生が４年生に命令できるが、４年生はちゃんと聞かないので、指導力を試される。海外からの留学生は当初民間の日本語学校で半年間日本語を学んでから入校していたが、1990年に防衛大学校で語学研修生として言語教官の日本語教育を１年間受講してから防衛大学校１学年に入るようになった。もちろん１年で大学授業に付いていけるレベルの日本語を習得するのは困難なので、対番学生とホストファミリー（留学生協力家庭。防大OB中心のボランティア一般家庭で、週末を中心に交流を行う）がしっかりと支える。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、MOLIBITO Vol.3、陸海軍学校と教育、月刊丸10,’10、3,’13、月刊JWings5,’14、8,’11、3,’12、10,’12、2,’13、6,’14、11,’14、防衛大学校学生募集案内、朝雲、MAMOR vol.142、vol.60、vol.81、vol.100、vol.102、vol.104、vol.105、vol.106、vol.108、vol.110、vol.121、月刊軍事研究9,’13、6,’14、9,’14、5,’16、8,’16、日本の防衛戦力Part8

　＜教育（陸上自衛隊）＞：教育機関は職種学校11校、幹部学校、幹部候補生学校、少年工科学校／高等工科学校で、曹士の基礎教育（新隊員課程、陸曹候補者各課程、上級陸曹課程など）は新隊員教育隊や陸曹教育隊などの部隊で行われる。入隊すると基本教育で職種・職域での基本知識と技能を会得する。まずは看護学生も含めて前期基礎教育に入り、基本動作から小銃の分解組み立て（２分以内、目隠し３分以内）、射撃訓練、行進、塹壕掘りなどを行い、２日間の長距離行進・防御戦闘訓練・匍匐着剣突撃目標占領訓練で終える。その後、各部隊に配属されての後期教育となる。これで初級特技を得ると、職種学校で特技課程教育を受けて高度な職種特技の修得に進む。幹部は幹部候補生学校で幹部候補生課程を卒業して初任幹部となる。参考：陸海軍学校と教育

＜教育訓練研究本部＞：陸上自衛隊の部隊。陸自幹部学校と研究本部を統合したもので、各職種学校を統制し、各部隊での訓練などの成果を陸自全体に反映するのが主任務である。上級部隊指揮官や幕僚の育成、部隊運用に関する調査研究なども行う。2018年3月27日、目黒駐屯地で新編された。3月31日、目黒駐屯地で新編行事を実施。6月13-28日、ヤマサクラ74に参加。12月3-17日、ヤマサクラ75に参加。2019年3月6日、統合幕僚学校、海自幹部学校、空自幹部学校と共に、陸自18名、海自14名、空自13名、韓国人留学生２名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。3月15日、第63期指揮幕僚課程と第46期高級技術課程の合同卒業式を実施。6月20日、トルコ陸軍総司令官ドゥンダル大将が視察した。7月17-30日、ヤマサクラ76に参加。7月31日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、海自幹部学校、空自幹部学校と統合高級課程合同卒業式を実施。陸自16名、海自15名、空自９名、インド海軍大佐１名に卒業証書が授与された。2020年3月26日、隷下に訓練評価支援隊が新編された。7月、陸自初の客員研究員制度を新設した。8月28日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、海自幹部学校、空自幹部学校と自衛隊高級課程合同入校式を行い、陸自17名、海自10名、空自12名が入校した。10月27日、初の客員研究員として、国士舘大学防災・救急救助総合研究所准教授を招聘した。12月2-15日、ヤマサクラ79に参加。2021年3月5日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、海自幹部学校、空自幹部学校と第29期統合高級課程45名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。7月30日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、海自幹部学校、空自幹部学校と自衛隊高級課程合同卒業式を実施。2022年3月30日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、海自幹部学校、空自幹部学校と令和4年度前期自衛隊高級課程合同入校式を実施し、３自衛隊43名とオーストラリア海軍留学生１名が参加した。2023年11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に参加。参考：朝雲、陸上自衛隊ホームページ、月刊航空ファン6,’18、MAMOR vol.137、月刊JWings11,’20

　＜教育訓練研究本部（２０１８年３月２７日新編時）＞：隊員数280名。研究部、教育部、訓練評価部、総合企画部からなり、開発実験団を隷下に置く。参考：朝雲

＜教育訓練装置用空気調和装置＞：自衛隊の機器。守谷商会が受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜教育航空群＞：海上自衛隊の組織。参考：日本の防衛戦力Part3

＜教育航空群（１９７８年）＞：教育航空集団隷下で、下総、鹿屋、徳島、小月の４個が編成されている。群司令部、教育航空隊、支援整備隊、航空基地隊を隷下に置くが、鹿屋は航空集団と同居しているので支援整備隊と航空基地隊が無い。参考：日本の防衛戦力Part3

＜教育航空集団＞：海上自衛隊の航空機教育部隊、略称ATRC。トップは教育航空集団司令官で、防衛大臣の指揮監督を受けて隊務を統括する。パイロットや戦術航空士などの養成のため1961年9月1日に岩国航空基地で新編された。1963年9月1日、司令部が岩国航空基地から宇都宮航空基地に移駐。隷下に宇都宮教育航空群が新編され、岩国教育航空群が廃止された。1965年3月25日、小月教育航空群が新編された。1973年2月20日、司令部が宇都宮航空基地から下総航空基地に移駐。3月1日、徳島教育航空群が新編され、宇都宮教育航空群が廃止された。1974年2月16日、下総教育航空群が新編され、鹿屋教育航空群が廃止され、第203教育航空隊が隷下に入った。5月16日、鹿屋教育航空群が再編された。1987年12月1日、鹿屋教育航空群が廃止され、第211教育航空隊が隷下に入った。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2015年5月22日、ラテンアメリカ大使会の駐日大使13人を下総航空基地に迎え、P-3C哨戒機体験搭乗などを行った。2018年3月23日、隷下に第212教育航空隊が新編された。2020年1月31日に発出された新型コロナウイルス感染症拡大防止の災害派遣に参加。2021年10月24日、広島市マツダスタジアムで行われた会場自衛隊PRデーを支援した。参考：教育航空集団司令部ホームページ、月刊世界の艦船1,’79増刊、月刊丸1,’10別冊、日本の防衛戦力Part3、MAMOR vol.52、vol.160、下総航空基地ホームページ、自衛隊法、朝雲

　＜教育航空集団（１９６１年９月１日新編時）＞：トップは司令官（海将）で、司令部は岩国航空基地にある。岩国教育航空群、鹿屋教育航空群、第204教育航空隊、第211教育航空隊、第221教育航空隊を隷下に置く。参考：教育航空集団ホームページ

　＜教育航空集団（１９７８年）＞：司令部は下総航空基地にある。隷下に小月教育航空群、徳島教育航空群、鹿屋教育航空群、下総教育航空群を置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

　＜教育航空集団（１９８０年代前半）＞：司令部は下総航空基地にある。小月教育航空群、徳島教育航空群、鹿屋教育航空群、下総教育航空群を隷下に置く。参考：日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981

＜教育航空集団（２００７年度、改編前）＞：司令部は下総航空基地にある。下総教育航空群、徳島教育航空群、小月教育航空群、第211教育航空隊を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜教育航空集団（２０１０年）＞：司令部は下総航空基地にある。隷下に下総教育航空群、徳島教育航空群、小月教育航空群、第211教育航空隊（鹿屋。OH-6D、OH-6DA、SH-60J）を置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜教育航空集団（２０１５年）＞：司令部は下総航空基地にある。隷下に下総教育航空群、徳島教育航空群、小月教育航空群、第211教育航空隊を置く。参考：月刊航空ファン4,’16

＜教育航空集団（２０２０年）＞：司令部は下総航空基地にある。下総教育航空群、徳島教育航空群、小月教育航空群、第211教育航空隊、第212教育航空隊を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜教育参考館＞：航空自衛隊熊谷基地内の史料館。熊谷陸軍飛行学校から航空自衛隊時代までに資料を展示している。基地開放時または事前予約で見学可能。所在地は埼玉県熊谷市拾六間839。開館時間は0900-1600。休館日は土日祝日。参考：MAMOR Vol.42

＜教育支援施設隊＞：陸上自衛隊富士教導団隷下の施設科部隊。各教導隊の総合教育支援と、東富士演習場の維持整備を主任務とする。2002年3月27日、第110施設大隊から改編されて創設された。2009年5月25-31日、本栖湖で渡河野営訓練を実施。2011年1月24-27日、東富士演習場で富士教導団による第２次訓練検閲を受けた。2015年1月13日、東富士演習場で第１小隊の訓練検閲を実施。課目は陣地防衛に任ずる戦闘団に配置された教育支援施設隊小隊の行動で、陣地構築や地雷敷設を行った。2016年1月12日から2月26日、東富士演習場で隊員13名に施設機械操作教育を実施。全員が初級施設機械操作特技を取得した。3月29日、教育支援飛行隊富士飛行班とUH-1ヘリ協同回収訓練を実施。2019年4月17-19日、東富士演習場で交通小隊に検閲（交通小隊の行動）を実施。参考：MAMOR vol.71、朝雲

　＜教育支援施設隊（２０１５年）＞：富士教導団隷下にある。教育支援施設隊長、副隊長、先任上級曹長、隊本部（総務班、訓練班、補給班）、第１小隊、第２小隊、第３小隊、交通小隊、渡河器材小隊からなる。参考：滝ヶ原駐屯地ホームページ

＜教育支援飛行隊＞：陸上自衛隊の飛行隊。保有する航空機により航空学校の教育を支援するのが主任務で、航空偵察、ヘリボーン、火力戦闘などの教育に協力する。1977年3月25日、航空学校隷下に新編された。2014年5月16日、富士飛行班が三重県大王崎沖においてDDH-182いせと協同でUH-1Jによるヘリ発着艦訓練を実施。2015年3月1-5日、富士飛行班が普通科教導連隊の訓練検閲を支援した。2016年3月29日、富士飛行班が教育支援施設隊とUH-1ヘリ協同回収訓練を実施。7月19-20日、富士飛行班がUH-1Jヘリ２機で東京都新島の防衛装備庁航空装備研究所新島支処まで洋上低空飛行訓練を行い、新島前浜海岸で海上保命訓練を実施した。2017年4月17日、対戦車ヘリコプター飛行班が幹部戦闘操縦課程（AH-1S）の教育を開始。6月26-29日、富士飛行班が東富士ダムと東富士演習場で第１次飛行班訓練（自汲式水のうを使用した空中消火、NVGを使用した夜間飛行）を実施。7月14日、対戦車ヘリコプター飛行班が幹部戦闘操縦課程（AH-1S）の教育を修了。初の女性対戦車ヘリコプター操縦士が誕生した。2019年3月26日、飛行教導隊に改編された。参考：月刊JWings7,’13、MAMOR vol.117、vol.131、朝雲、月刊航空ファン8,’19

＜教育支援飛行隊（２００９年度）＞：航空学校隷下で、明野駐屯地に置かれている。AH-1S、AH-64D、OH-1、OH-6D、UH-1J、UH-60JA、CH-47J、CH-47JAが配備されており、隷下に富士飛行班（滝ヶ原駐屯地。OH-1、OH-6D）を置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜教育召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜教育総監部＞：日本陸軍の教育に関する中央統轄機関。航空兵科を除く全陸軍部隊の教育、所轄学校、将校生徒試験委員に関する業務を行う。トップは教育総監（大将または中将）。参考：帝国陸海軍事典

＜教育隊（自衛隊）＞：自衛隊の教育部隊。陸海空それぞれに設置されており、隊員は学生と呼ばれ、基地や駐屯地内で共同生活を送りつつ、必要な技能や知識を学ぶ。参考：MAMOR vol.100

＜教育隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の教育部隊。地方隊隷下で、舞鶴、横須賀、佐世保、呉教育隊があり、自衛官候補生／二等海士、一般海曹候補生、海曹たる自衛官として新たに採用された者、海曹たる自衛官に転官した者、三等海曹に新たに昇任した者、海上幕僚長の定める海上自衛官（練習員等）などに対する教育を行う。女性自衛官は横須賀教育隊教育第２部で教育を受ける。教育隊のトップは教育隊司令（一等海佐）で、地方総監の指揮監督下に隊務を統括する。また、副長（二等海佐）１名が置かれ、教育隊の事務を整理し、司令に事故があったり、欠けたりした時は、司令の職務を代行する。教育を受ける者は日課に従い共同生活をしつつ、海上自衛隊の基礎的な事項を学び、必要な体力、規則、技術知識を身に付ける。司令は練習員等からなる分隊１個以上を編成し、教育を行う。分隊のトップは分隊長で、下に分隊士、先任班長、内務班長、甲板班長がおり、３個班が編成されている。１個班は班長と学生13-14名からなり、１個分隊に学生40名くらいが配属される。入隊は４月、修業式は８月で、その間水泳・カッター訓練、小火器射撃、防火実習、史跡研修などが実施され、水泳・持久走・カッター競技や分隊点検により成果が試される。自由時間には携帯電話も使用可能。入隊後2-3週間で土日の外出が可能となるが、外泊はリフレッシュ休暇などに限られる。参考：教育隊の編制に関する訓令、海上自衛官紹介資料、月刊JWings9,’14、MAMOR vol.104、vol.110、日本の防衛戦力Part3

＜教育団＞：陸上自衛隊の教育部隊。教育大隊、陸曹教育隊などからなり、各方面隊管区内の新入隊員、陸曹候補生、陸曹の教育を担当する。参考：日本の防衛戦力Part1、日本の戦力

＜教育漫語＞：海軍兵学校長井上成美中将が教官らに講述した教育方針。参考：海軍兵学校よもやま物語

　＜教育漫語（その１）＞：昭和18年1月9日に講述した。如何なる将校を養成したきか、精神教育について、躾教育について、数学について、理化学教育について、外国語教育について、国語漢文教育について、歴史教育について、自学自習について、生徒の生活について、の10項目からなる。養成したいのは原始的で素朴な生活に耐える気力・体力を有する勇敢な将校で、海軍士官として一般社会の儀表となるべき気品ある高い人格を備え、現代文化の最先端を理解活用する高度の学術技術を持ち、戦争などの実務に際しては困苦に耐えうる気力と体力を具有することが必要である。躾は日常の言動で本人の気付かない微細な点を教示して良い習慣を習性にするのが本旨であり、時に軽度の体罰を必要とするが、その際は簡明直裁、男性的にして後口を悪くしないよう注意する。歴史教育は丸暗記でなく、国家興亡の因果を正確に把握することが必要である。生徒生活は愉快に、というのが基本方針であり、多少のゆとりを与え、日課行事と学歴に変化を加えることを要する。生活に余裕が無くなると他人のことが考えられなくなり、我利のみに走ってしまうため、べからずの一方的注入に偏らせず、生徒に１日１度で良いので心の底から笑う機会を作らせるようにすること。まじめな生活とは笑いのない生活のことではない。参考：海軍兵学校よもやま物語

　＜教育漫語（その２）＞：昭和18年3月28日に講述した。天才教育、学士か丁稚か、科学的躾の３項目からなる。海軍兵学校教育の重点は、大木に成長すべきポテンシャルを持たせることで、部隊に着任した際に与えられた職務や配置を自ら研究して短期間に身に付ける能力や、階級昇任・科学進歩に応じて所要の研究・修業を自ら行って対応する能力を身に付ける、即ち丁稚でなく学士様を養成するのが眼目である。海軍将校には高度の科学性が必要であるが、未だに非科学性が多数存在するのは遺憾であり、生徒には丸暗記でなく、行為や作業を科学的に合理的とする習性を養わせる科学的躾の必要がある。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜教員（日本海軍）＞：練習生や生徒を教育する下士官のこと。参考：続日本海軍よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜共栄丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊所属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜饗応＞：日本海軍の特別配食。歓迎会、送別会、懇親会、慰労会などで提供されるもので、和食、洋食、中華料理がベースであり、軍属の割烹が調理する。少人数が対象の朝餐、午餐、晩餐と、大人数が対象のアットホーム、レセプション、ティーパーティなどに分類され、士官食堂や将校集会所などで行われる。対象者には事前に招待状が出され、当日は献立表が配られる。給仕のトップは給仕長で、会食者20名に対して給仕５名（飲料係１名、調理係４名）が付く。参考：写真で見る海軍糧食史

＜境界演習＞：ルベージュ演習を参照。

＜境界層＞：Boundary layer。空気や水などの流体が機体や船体など物体表面に沿って流れる時、流体の粘性と物体表面との間で摩擦が起こり、流速が遅くなる部分をいう。極めて薄い層であるが、その中で速度分布が物体表面のゼロから境界層外の流れと同じスピードまで大きく変化し、ある一定以上のスピードになると乱流状態になりエネルギーを消費するので、粘性の小さい流体であっても無視できない摩擦抗力が発生する。また、境界層内では粘性により流体の運動エネルギーが熱に変換されるため、層外の流れが超音速だと高熱になる。物体の先端で生じ、下流に行くに連れて厚さが増し、流れが層流（Laminar Boundary Layer）から乱流（Turbulent Boundary Layer）に遷移、抗力が10倍に増える。更に下流では運動エネルギーが境界層内で消耗され尽くし、気流が物体表面から剥がれて境界層の剥離（Separation）を起こす。主翼表面にまとわりつくと揚力が低下する。また、空気取り入れ口に流入すると共振を起こすので、ダイバーターを付けて流入を防止したり、取り入れ口に小さな穴をたくさん開けて吸い出したりする。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings11,’00、F-4ファントム物語、図解船の科学

＜境界層制御＞：BLCを参照。

＜境界層板＞：Boundary Layer Fence。後退翼において、高速飛行の際に主翼上面の境界層が翼端方向に流れて翼端失速を起こす傾向があるため、それを防ぐ目的で主翼上面に翼弦方向に取り付ける薄板のことである。後縁に近づくほど翼端方向に流れやすくなるので、後縁側に設置する。ちなみに前縁側に設置してもそこから発生する渦で境界層の剥離が防げるが、これは境界層板というよりボルテックス・ジェネレーターに近い。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録

＜境界層分離板＞：ダイバーターを参照。

＜強化型グレイイーグル＞：MQ-1C IGE（無人機）を参照。

＜強化型高性能爆薬兵器＞：EHEWを参照。

＜強化型誘導爆弾＞：EGBUを参照。

＜強化型洋上ネットワーク事業サービス＞：CANESを参照。

＜驚愕の夜＞：ノーフォークの戦いを参照。

＜強化ファイバー光学誘導ミサイル＞：EFOGMを参照。

＜強化プラスチック＞：FRPを参照。

＜経ヶ岬通信所＞：在日米軍の通信所。経ヶ岬分屯基地に隣接する。2013年2月23日、日米首脳会談でAN/TPY-2FBXRTレーダーの配備が決定、元々移動警戒隊が展開する時に備えて確保していた土地を提供することになり、2月26日に防衛事務次官が京丹後市市長に申し入れを行った。配備に伴い、第�T期工事として通信器材管理施設の建設、第�U期工事として要員（最大160名）居住施設の建設を行うことも決定している。2014年5月27日、第�T期工事に着工。10月21日、AN/TPY-2FBXRTレーダーが運び込まれた。10月22日、FBXRTレーダーを運用する第14ミサイル防衛中隊（最大要員160名、うち軍人20名で他は軍属）が第94防空ミサイル防衛コマンド（フォート・シャフター所在）隷下に新編され、経ヶ岬分屯基地で発足式を実施。アメリカ側から30名、日本側から防衛省政務官、京丹後市市長、地元住民らが出席した。第�T期工事は12月に完工し、引き続き2015年初め頃から第�U期工事に入り、2017年に完工する予定。参考：月刊航空ファン1,’15、月刊軍事研究5,’17、7,’15、朝雲

＜経ヶ岬分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第35警戒隊が駐屯する。所在地は京都府京丹後市丹後町袖志で、庁舎地区とレーダー地区（岳山の頂上、標高451m）に分かれている。元は1942年（1943年？）に開設された日本海軍監視所で、1946年にアメリカ軍が接収して1948年6月にレーダーサイトを作り、1957年12月に空自東部訓練航空警戒隊第9083部隊が展開して１年間の共同運用を行い、1958年12月に空自に移管された。1961年7月、第9083部隊が第35警戒群に改編された。1968年5月、岳山レーダー地区の運用を開始。1992年4月、運用室を岳山レーダー地区から庁舎地区に移転。2000年3月、第35警戒群が第35警戒隊に改編され、場外離着陸場が開設された。2006年5月、京丹後市と近傍火災出動にかかる覚書を締結した。2007年、開庁50周年記念行事を実施。2009年度、J/FPS-3をJ/FPS-3改に改修した。2014年10月22日、在日米軍経ヶ岬通信所の第14ミサイル防衛中隊発足式を実施。2016年9月14日、防衛大学校開校祭で行われる防衛フォーラムの一環として、京大生５人が部隊研修を行った。2018年3月11日、アメリカ陸軍第14ミサイル防衛中隊と共同で、東日本大震災に哀悼の意を表すラックマーチを開催。2020年2月5日、入間基地で行われた航空自衛隊調理競技会で、七味鶏が航空幕僚長特別賞を受賞した。3月11日、第14ミサイル防衛中隊とラックマーチを実施。最大30kgの荷物をラックに入れ、分屯基地から経ヶ岬灯台まで往復10kmを徒歩行進した。参考：経ヶ岬分屯基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.70、月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、5,’12、7,’15、月刊航空ファン5,’13、月刊世界の艦船1,’15、朝雲

＜強化目標スマート信管＞：FMU-156/B（信管）またはFMU-157/B（信管）を参照。

＜教官（日本海軍）＞：練習生や生徒を教育する士官（兵曹長以上）のこと。参考：続日本海軍よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜姜邯賛＞：979（駆逐艦）を参照。

＜強軍戦略＞：中国軍事科学院が作成した内部文書で、2012年6月24日に新聞報道が出た。中国海軍が東経165度より西側、南緯35度より北側で国家利益を防衛する役割を担い、2049年までに中国軍が世界の平和維持に大きな影響力を及ぼすことを目指すとしている。中国外交部がこの範囲の国（日本、朝鮮半島、オーストラリア、東南アジア諸国、インドなど含む）を省や特別行政区に組み込んだ2050年の予想地図を作ったともいわれる。参考：月刊軍事研究10,’12

＜強撃５型シリーズ＞：中国軍攻撃機、別名Q-5（Qiang Ji 5）。西側は当初全天候戦闘機と勘違いしたため、F-9 Fantan A（ファンタンＡ）のコードを付けている。殲撃６型／MiG-19がベースで、1958年から瀋陽航空機が東風106の名称で戦闘機として設計し、南昌航空機に引き継がれたが、1961年に一旦中止された。1963年から雄鷹302という名称で攻撃機として再度研究が始まり、1965年6月（1966年6月4日？）に試作機が初飛行、1969年から前生産型のテスト飛行が行われ、1969年12月から配備された。生産数は各型計1000機以上。輸出型はA-5と呼ばれ、ミャンマー、パキスタン、バングラデシュ、北朝鮮に輸出された。参考：月刊JWings6,’08、2,’14、月刊軍事研究4,’05、4,’13、世界の軍用機1982、軍事力バランス78年版、月刊航空ファン11,’19

　＜強撃５型＞：殲撃６型戦闘機の対地・対艦攻撃力を強化し、攻撃機としたもの。エアインテイクを機首から機体側面に移して機体を延長、胴体下面に爆弾倉（500kg爆弾２発を搭載可能）を設けている。機首には測距レーダー、電波高度計、航法用アビオニクスが収容されており、捜索レーダーは搭載していないため全天候性は無い。機首先端に迎え角検出プローブ、機首下面にIFFアンテナ３本、左舷側に偵察用カメラのレンズがある。エアインテイクは境界層隔板付きの楕円形断面で、爆弾倉を避けるようにダクトを設置している。主翼は大型化され、右翼端にピトー管が付く。方向安定性を保つため、垂直尾翼を大型化し、胴体後部下面のフィンも２枚に増やした。スピードブレーキは後部胴体両側面に移され、垂直尾翼付け根にはドラッグシュートが追加されている。パイロンは主翼下面に６カ所（うち中央のものはドロップタンク専用）、胴体下面の爆弾倉脇にタンデムで片側２カ所ずつ。全長17.2m／15.7m（プローブ無し）、胴体長14.5m、全幅10m、全高4.65m、自重6.9トン、最大総重量11.5トン、最大離陸重量11.83トン。エンジンは渦噴６型ターボジェット（ミリタリー推力2.9トン、A/B時推力3.75トン）双発、最大速度マッハ1.12、実用上昇限度15500m、燃料容量2200リットル＋爆弾倉内増槽750リットル＋主翼下増槽800リットル２個、戦闘行動半径410海里（Hi-Lo-Hi）／240海里（Lo-Lo-Lo）、航続距離650-850海里／1300海里（増槽あり）。固定武装は23mm機関砲NR-23（120発）２門。兵装ペイロード２トン。乗員１名。参考：世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊JWings11,’14、月刊軍事研究4,’05、4,’13

　＜強撃５型�T＞：爆弾倉を廃止して兵装ペイロードを増加させたもの。参考：月刊JWings9,’12

　＜強撃５型�TＡ＞：ハードポイントを増設し、射爆撃照準器を新型に換装したもの。参考：月刊JWings9,’12

　＜強撃５型�U＞：５型の爆弾倉内に小型爆弾しか入らず、あまり役に立たなかったため、代わりに燃料タンクを増設して航続距離を延ばしたもの。参考：月刊軍事研究4,’05

　＜強撃５型�V＞：アビオニクス近代化・ハードポイント増加型。1983年から開発された。参考：月刊軍事研究4,’13、月刊JWings9,’12

　＜強撃５型�W＞：精密誘導兵器を運用できるもの。参考：月刊JWings9,’12

　＜強撃５型Ａ＞：核爆弾搭載型。1970年8月に初飛行し、1972年に初の核爆弾投下試験を行った。参考：月刊JWings6,’08

　＜強撃５型Ｂ＞：試作対艦攻撃型。航空魚雷２発を搭載できる。対艦ミサイルの登場で実用化されなかった。参考：月刊航空情報2,’10

　＜強撃５型Ｃ＞：全長15.65m、全幅9.7m、全高4.52m。最大速度マッハ1.12、航続距離1200km。固定武装は23mm機関砲２門。K-13、PL-2、PL-7、AIM-9、マジック、爆弾、核爆弾（20キロトン）、ロケット弾などを搭載可能。参考：月刊JWings6,’08

　＜強撃５型Ｄ＞：レーダー強化型。参考：月刊軍事研究4,’05

　＜強撃５型Ｋ＞：試作輸出型。フランス製アビオニクスを搭載する。1990年に中止となった。参考：月刊JWings6,’08

　＜強撃５型Ｍ＞：試作輸出型。イタリアとの共同開発で、イタリア製アビオニクスを搭載する。ミャンマーから24機を受注し、1988年8月に初飛行したが、その後試作機が墜落し、開発中止となった。参考：月刊JWings6,’08、月刊軍事研究4,’13

　＜強撃５型乙＞：海軍型。５型�U相当で、鷹撃１型空対艦ミサイルを搭載できる。参考：月刊軍事研究4,’05

　＜強撃５型（対艦型）＞：試作対艦攻撃型。317型レーダーを搭載し、鷹撃８型空対艦ミサイルを運用可能とした。能力不足で実用化されなかった。参考：月刊航空情報2,’10

＜強撃５型ファミリー＞

　＜強撃５型教＞：練習機型、別名Q-5J。タンデム複座のコクピットを持つ。参考：月刊軍事研究4,’13

＜強撃５型・海外シリーズ＞

　＜Ａ−５Ｃ（バングラデシュ空軍）＞：バングラデシュ空軍攻撃機。強撃５型�Vを導入したもので、外翼にパイロンを増設してAIM-9空対空ミサイルを搭載できる。参考：月刊航空ファン10,’15

　＜Ａ−５Ｃ（ミャンマー空軍）＞：ミャンマー空軍攻撃機。1992年から36機を導入した。参考：月刊航空ファン12,’16

＜強撃６型＞：中国の試作超音速単発攻撃機、別名Q-6。西沙海戦で対艦攻撃能力を持つ高速攻撃機の必要性が認識されたため、エジプトから入手したMiG-23MSの可変後退翼と操縦システム、MiG-23BNのアビオニクスを組み合わせ、国産の渦扇６エンジン（ミリタリー推力71kN、A/B時推力122kN）を搭載してMiG-23以上の性能（ペイロード4.5トン、戦闘行動半径900km）を目指して開発された。しかしコピーした可変後退翼装置の重量が原型より12%増となり、後退角制御システムは上手くコピーできず、エンジン出力も予定よりかなり低く、アビオニクスも旧式で、開発中止となった。参考：月刊航空ファン7,'16

＜強行軍（日本陸軍）＞：日々の行程を増大した行軍のこと。必要に応じ休日を廃し休宿時間を短縮し、時に昼夜を通じて行軍する。参考：作戦要務令

＜強行携行破壊具＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜夾叉＞：１斉射射弾撒布界に目標を収めること。参考：月刊世界の艦船3,’15

＜夾叉射撃＞：間接射撃法の１つで、急に敵が出現して精密な観測を行えない時に使用する。初弾を目標より遠くに撃ち込み、２弾目を目標手前に落とす。３弾目は１・２弾目の真ん中の距離を設定し、４弾目は３弾目が手前に落ちたら初弾と３弾目との真ん中、３弾目が遠くに落ちたら２弾目と３弾目との真ん中の距離に設定し、・・・と繰り返すと、いつかは当たる。参考：MAMOR vol.146

＜教材整備隊＞：航空自衛隊の教育訓練用教材製作部隊。各部隊で造修（製作・修理・改造・複製）が困難な、市販されていないまたは秘匿性の高い（民間業者に委託できない）各種教材を作るのが主任務である。各種模型、教範、DVD、航空路図誌、試験問題集、募集資料まで作っている。ハイキャスト製ソリッドモデルの製作も手がけるが、一定の質を維持しつつ短時間での量産が求められるため、プラモ好きには向かないらしい。練度の維持のため、転勤の無い技官や事務官が多く配置される。元は1954年12月に浜松基地で新編された整備学校教材整備部で、1955年3月に臨時教材整備隊として独立、9月に教材整備隊に改編された。1989年3月16日、航空教育集団の隷下に入った。2009年度の実績は、印刷教材2400万ページ、視聴覚教材2826枚、工作教材971個。2018年2月1-2日、海自印刷補給隊が研修に訪れた。2021年7月1日、令和2年度隊員自主募集の功績で、井筒空幕長から第４級賞状を授与された。参考：MAMOR vol.52、浜松基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、航空教育集団ホームページ、朝雲

　＜教材整備隊（２０１５年）＞：航空教育集団隷下で、浜松基地に置かれている。隊本部、工作隊、印刷隊、写真製図隊、補給隊からなる。参考：MAMOR vol.52、月刊航空ファン4,’16

＜協作２００６＞：上海協力機構SCOの枠組みの下、中国陸軍とタジキスタン共和国陸軍が2006年9月22-23日にタジキスタンのクリャブ演習場で行った、指揮所及び実動演習。山岳地でのテロ組織殲滅が主題である。演習部隊は中国側が特殊作戦大隊増強１個中隊150名、タジキスタン側が特殊作戦中隊、自動車化狙撃中隊、砲兵大隊、独立航空大隊計300名。中国側の部隊は初めて輸送機で国外に運ばれており、緊急時の展開能力を内外に示した。参考：月刊軍事研究4,’07、10,’07

＜仰指＞：陸上自衛隊用語で、報告して上官から指導を受けること。素直に指導受けともいう。参考：東日本大震災自衛隊救援活動日誌、朝雲

＜凝視型赤外線センサー＞：赤外線センサーを参照。

＜共軸プロペラ＞：Co-axial propeller。２つのエンジンからの出力を、回転軸を共通とした２つのプロペラにそれぞれ伝達するもので、ガネット攻撃機に採用された。それぞれのプロペラを別々に加減速することができ、片発停止時も通常の双発機のような操縦のしにくさが無くなる。参考：月刊航空ファン4,’72

＜業治錚＞：中国地質調査局青島海洋地質研究所の海洋調査船Yezhizheng。2019年7月25日1500頃、長崎県男女群島女島西120kmの日本の排他的経済水域内で、ワイヤーのようなものを曳航しているのを、海上保安庁巡視船が発見した。無許可海洋調査とみられ、巡視船が無線で作業中止を要求したが、無視して曳航を続け、7月25日1900過ぎに日中中間線を越えている。参考：月刊世界の艦船10,’19

＜強襲上陸＞：水陸両用作戦の１つ、Assault。敵が防衛している海岸に上陸し、敵を排除して橋頭堡や海岸堡を確保、味方陸上部隊による内陸侵攻の足がかりを作るものである。19世紀までは、守備側が兵力を集めて反撃に出るのに時間がかかったため、まず攻撃側艦隊が陸上の要所に設けられた砲台を潰し、手薄な地点を選んで地上部隊が上陸、守備側と内陸部で戦闘に移るのが常だった。20世紀に入り、機動力、火力、通信の発達で、攻撃側の上陸意図を察知して上陸地点に素早く兵力を移動させることが可能となったため、攻撃側は敵が防衛する海岸に強襲上陸せざるを得なくなり、陸海空共同での上陸作戦が行われるようになった。最初の大規模強襲上陸は第１次大戦でのガリポリ上陸作戦だが、陸海上で反撃に遭って失敗に終わっている。この戦訓から、輸送艦に搭載した兵士や装備を速く正確に上陸させることが重要と判明し、第２次大戦ではLCM、LCV、LCP(L)、LCVP、MLCといった揚陸艇を輸送艦に積んで海岸に向け発進させる方法が取られるようになった。これら揚陸艇をダビットから降ろすと時間がかかるので、艦内のドックから発進させるLSDも誕生している。また、海岸に擱座着岸できる揚陸艦としてLCT、LST、LSMが開発された。第２次大戦後は艦艇よりも速いヘリコプターを投入するようになり、強襲揚陸艦が誕生した。高速揚陸艇としてLCACも使用されている。防衛側が地対艦ミサイルなどで防備を固め出すと、損害を出さずに強襲上陸させるのは困難となり、奇襲上陸＋エアボーンで被害を最小限にしつつ高速上陸して目的を達成するようになった。参考：月刊世界の艦船2,’14、2,’19、月刊軍事研究7,’18、9,’07

＜教習用車両（普通免許用）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究11,’09

＜教習用車両（普通免許用）手動式＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜強襲揚陸艦＞：水陸両用作戦艦艇の１つ。全通飛行甲板でヘリコプターやティルト・ローター機を運用し、航空強襲上陸を行うのが主任務である。ついでに対地支援用のSTOVL機を運用したり、艦内にドック・ウエルを設けて上陸用舟艇やLCACによる重装備の強襲上陸を行ったりする。STOVL機の運用を重視するならスキージャンプ台を設置するが、ヘリコプター発着艦能力を最大限にしたいなら設けない。航空機の運用に必要な航空管制区画、水陸両用作戦全体の指揮を執る指揮統制区画、作戦時の負傷者に対応する医療区画も設置する。参考：月刊軍事研究1,’16、8,’17、月刊世界の艦船12,’20

＜強襲揚陸艦（アメリカ海軍）＞：空母と同じく、飛行甲板と格納庫の間にギャラリー・デッキがあり、指揮統制区画などを配置している。司令部艦橋、上陸部隊指揮所LFOC（Landing Force Operations Center）、火力支援指揮所SACC（Supporting Arms Control Center）、戦術航空調整所TACC（Tactical Air Coordination Center）、統合情報センターJIC（Joint Information Center）といった水陸両用作戦指揮所を備える。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜強襲揚陸艦ＬＰＨ＞：Amphibious Assault Ship, Helicopter、LPH。アメリカ海軍が1959年に新設した艦種で、強襲用ヘリコプター空母（CVHA）を揚陸艦艇に分類し直したものである。空母と同様の全通飛行甲板を持ち、ヘリコプターによる揚陸作戦を行う。CVHA-1/LPH-6セティス・ベイの運用結果から有効性が示され、エセックス級から３隻が改造されてボクサー級LPHとなったが、前者は小型過ぎ、後者は大型過ぎという欠点があり、ちょうど良い感じのイオー・ジマ級を新造して1961年から就役させた。ヘリだけだと悪天候時に何も出来なくなるという欠点があり、LHAが建造されることになった。参考：月刊軍事研究9,’13、丸スペシャルNo.90、月刊世界の艦船12,'20、2,’14

＜強襲揚陸艦ＬＨＡ（ＧＰ）＞：Amphibious Assault Ship（General Purpose）、LHA（GP）。揚陸侵攻艦ともいう。LPHの船体内にドック・ウエルを追加したもので、搭載するヘリコプター、舟艇、水陸両用強襲車などを使用して、収容している海兵隊を強襲上陸させるのが主任務である。アメリカ海軍が戦後に開発した揚陸作戦専用艦であり、LPH、LPD、LKAが分担していたヘリコプター運用能力、ドック・ウエルによる上陸用舟艇運用能力、車両格納・人員輸送能力などを１隻に纏め、歩兵から戦車まで強襲上陸させることができる。艦種記号が制定されたのは1966年で、タラワ級が新造された。後にLCACやハリアーVTOL機も積むようになったが、最初からこれらを運用する十分な能力を持つ後継艦としてLHDが建造されることになった。タラワ級６番艦以降はドック・ウエルを廃止して航空機運用能力を強化（いざとなったらSTOVL空母にできる）したアメリカ級LHAとして建造中だが、３番艦以降はドック・ウエルが復活する。参考：月刊世界の艦船9,’02、10,’14、12,'20、月刊軍事研究2,’02、9,’13、丸スペシャルNo.90

＜強襲揚陸艦（多用途）＞：LHD。全通飛行甲板とドック・ウエルを持つ強襲揚陸艦で、STOVL機とLCACの運用を主眼としており、必要ならSTOVL空母として使える。ワスプ級が新造された。参考：月刊軍事研究9,’13、月刊世界の艦船10,’14

＜強制開傘式背負型落下傘＞：航空自衛隊の緊急脱出時保命用落下傘。主傘、誘導傘、収納袋、開傘銃、ケーブルアッセンブリ、装着帯などからなる。主傘直径28フィート（8.53m）、誘導傘直径30インチ（9.14m）。F-1支援戦闘機とT-2練習機用に配備された。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜強制収容所（アメリカ）＞：太平洋戦争開戦により、日系人12万人が財産を没収された上で収容された。周囲は鉄条網で封鎖され、バラックの１部屋に数家族が押し込められて最低限の生活のみが保障されている状態だった。カリフォルニア州南東部のマンザナ（マンザナールともいう）が最大で、１万人以上が送り込まれている。1945年11月、マンザナ強制収容所が閉鎖された。参考：朝雲

＜強制収容所（ナチス）＞：ナチスが建設した収容所で、主に強制労働を行わせるための施設。1933年3月、ヒムラーの命でダッハウに建設されたのが最初である。1934年にテオドーレ・アイケが全強制収容所の総監となった。反ナチスの人々や戦時捕虜などを収容して過酷な労働につかせ、わざと非衛生的な状況に置いて虐待に対する看守の罪悪感を減らすなどの非人道的な扱いを行っている。収容者は処刑の危険を冒してもサボタージュを試みた。1936年にザクセンハウゼン、1937年にブッヒェンヴァルト、1938年にフロッセンビュルクとマウトハウゼン、1939年5月にラーフェンスブリュック女性収容所と1930年代後半から続々と建設されている。収容者は1937年1月に8000人、年末に10000人、1939年に25000人となった。参考：ゲシュタポ、月刊軍事研究8,’04

＜協正丸＞：MS-80（掃海艇）を参照。

＜共通型極超音速滑空体＞：CHGBを参照。

＜共通規約作成装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜共通軽自律型ロボット化キット＞：アメリカ陸軍が開発中の歩兵分隊用小型偵察UAV/UGV、略称CLARK（Common Light Autonomous Robotic Kit）。半自律式UGV、散布型陸上センサー（UGS）、自律型UAVからなり、兵士のバックパックに収容できる。総重量はブロック１で4.5kg、ブロック２で2.25kg、ブロック３で1.1kgになる予定。参考：月刊軍事研究2,’17

＜共通車輌の換装技術用共通車体（その１）＞：自衛隊の車輌。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜共通職域（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の職域の１つ。総合運用、監理、体育、警備、情報、通信、気象、語学、数理電計処理がある。参考：日本の防衛戦力Part3

＜共通対空モジュラーミサイル＞：CAMMを参照。

＜共通体力検定＞：体力検定（陸上自衛隊）を参照。

＜共通地上局＞：CGSを参照。

＜共通ミサイル区画＞：アメリカ海軍SSBN(X)／コロンビア級戦略原潜及びイギリス海軍ドレッドノート級戦略原潜に搭載予定のSLBM発射区画モジュールで、CMC（Common Missile Compartment）と略す。外径2.21mの大型垂直発射筒を４連装で装備する。アメリカとイギリスが共同開発中で、2020年4月に最初の18基をジェネラル・ダイナミクス社エレクトリック・ボート造船所に5590万ドルで発注した。参考：月刊世界の艦船6,’13、4,’20、7,’20

＜共通無人水上艇＞：CUSVを参照。

＜業天＞：業務用天幕一般用を参照。

＜京都嵐山美術館＞：私営の兵器博物館で、元は刀剣や鎧を集めた日本武家美術館だったが、戦没将兵の霊を弔うために太平洋戦争時の兵器類も収集展示するようになった。四式戦闘機、零式艦上戦闘機六三型、三式戦闘機のフレーム、銀河や二式大艇のプロペラ、一〇〇式重爆と桜花のエンジン、航空用機銃・機関砲、九五式軽戦車、九一式十糎榴弾砲、九四式山砲、九二式歩兵砲、九四式三十七粍速射砲、一式四十七粍速射砲、九七式自動砲、九九式八十一粍短迫撃砲、百式噴進砲、九八式三十三糎臼砲、一〇〇式火炎放射器、三年式四〇サンチ砲（陸奥用）、海龍、震洋五型、大発、三年式五〇口径十四サンチ砲、十年式十二サンチ高角砲、九六式二十五粍連装機銃、九三式十三粍単装機銃、九一式航空魚雷改二型、九三式魚雷、九三式改三浮遊式機雷、九八式上陸用舟艇機雷、各種小火器、ドイツのサイドカー付きオートバイであるツェンダップなどが展示されていた。その後南紀白浜に移転して嵐山美術館零パークとなり、2002年3月14日に閉館した。参考：月刊丸12,’90、日本戦車隊戦史

＜協同（自衛隊）＞：三自衛隊が互いに連携すること。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜共同（自衛隊）＞：自衛隊と外国軍とが互いに連携すること。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜共同イントラネットの整備＞：防衛省が米情報システム庁に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜嚮同駆逐艦（アメリカ海軍）＞：駆逐隊２隊（１隊あたり駆逐艦４隻）からなる駆逐戦隊の旗艦となる駆逐艦。ロンドン条約期限切れ後は駆逐艦の方が排水量が大きくなり、区別する必要が無くなって艦種が消滅した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜共同計画策定メカニズム＞：BPM（Bilateral Planning Mechanism）と略す。日米防衛協力のための指針（2015年見直し）に基づき、2015年11月3日から運用を開始した機関で、効果的な日米共同対処を行うため、平時から指針に沿った緻密な共同計画を策定するのが主任務である。日米安全保障協議委員会（SCC）、防衛協力小委員会（SDC）、共同計画策定委員会（BPC）が常設で、必要に応じ省庁間調整フォーラム（IACF）が機能する。SCCは日米外務・防衛担当閣僚、SDCは外務省北米局長、防衛省防衛政策局長、アメリカ国務次官補、アメリカ国防次官補など、BPCは自衛隊と在日米軍・アメリカ太平洋軍の代表など、IACFは内閣官房事態室、国家安全保障局、外務省、防衛省、在日米大使館、在日米軍の各代表が参加する。参考：朝雲、月刊軍事研究4,’16

＜教導高射隊＞：航空自衛隊の教育部隊。1969年1月31日、浜松南基地で新編され、ナイキを配備した。1989年3月、ペトリオット配備に伴う改編を実施。1998年7月、高射教導隊に改編された。参考：浜松基地ホームページ、朝雲、月刊軍事研究11,’17

＜共同交戦能力＞：CECを参照。

＜共同交戦プロセッサ＞：CEPを参照。

＜教導隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の教育支援部隊。全国の基地や分屯基地を巡回して担当分野の教育を行う。担当分野に関する調査研究も行い、最新技術を身に付けるのも怠らない。2014年、空自の５個教導隊を纏めて航空戦術教導団が新編された。参考：MAMOR vol.117

　＜教導隊（航空自衛隊、２０１５年）＞：航空戦術教導団隷下に飛行教導群、基地警備教導隊、高射教導群、航空支援隊、電子作戦群が編成されている。参考：MAMOR vol.117

＜教導隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の教育支援部隊。職種学校や幹部候補生学校に所属し、関連分野の調査研究を行い練度を高め、学生に対して模範を示すと共に、幹部学生や幹部候補生の指揮に基づいて忠実に行動し、指揮の結果（大惨事になることもある）を身を以て呈示する。参考：MAMOR vol.117

　＜教導隊（陸上自衛隊、２０１５年）＞：富士教導団（普通科教導連隊、戦車教導隊、偵察教導隊、特科教導隊、教育支援施設隊）、高射教導隊、武器教導隊、衛生教導隊、通信教導隊、施設教導隊、需品教導隊、化学教導隊、輸送学校第311輸送中隊、教育支援飛行隊、幹部候補生学校教導隊がある。参考：MAMOR vol.117

＜協同転地演習＞：陸上自衛隊の演習。日本国内のあらゆる事態に有効に対応するため、輸送を中心として海自・空自との協同連携演習を行い、各方面隊の即応性の向上を図る。北方機動特別演習を改称して2005年度に開始された。参考：朝雲

　＜協同転地演習（平成２１年度）＞：第１次は2009年6月24日から8月7日に実施された。担任は中部方面隊、担任官は中部方面総監、基幹は第10師団で、隊員4000名、車両1500両（戦車18両）、火砲22門、航空機13機が参加している。往路は6月24日から7月14日の矢臼別演習場への機動で、陸自車両の他、海自輸送艦LST-4002しもきた、空自輸送機、民間航空機、フェリー、鉄道を使用して行われた。鉄道ではチキ7000貨車を使用して、78式戦車回収車初となる鉄道輸送を行った他、チキ7000で小型ドーザー６両、トラ45000で資材運搬車６両を輸送した。積み込み作業にはJR貨物や日通も協力している。6月24日、第10師団司令部／司令部付隊、第10後方支援連隊、第10通信大隊の各先遣隊が守山駐屯地と春日駐屯地を出発。名古屋港から民間フェリーで仙台港や苫小牧港を経由し道東に入った。本隊も陸上機動と民間フェリーにより４日間かけて矢臼別演習場に移動している。7月3日、第10師団司令部本隊と第35普通科連隊170名が小牧基地からC-130H輸送機２機に分乗し、中標津空港と千歳空港に到着。第33普通科連隊66名が明野駐屯地からCH-47ヘリで出発し、駐屯地５箇所を経由して北海道入りした。7月7日、第14普通科連隊や第10戦車大隊など115名と戦車５両など車両31両が舞鶴基地からLST-4002しもきたに乗り込み、7月10日に浜大樹揚陸訓練場へLCAC２隻で揚陸した。この際、第５旅団第５対舟艇対戦車中隊などが揚陸支援隊を編成し、訓練地域警備などにあたっている。7月14日、全部隊が矢臼別演習場に移動し、師団訓練、長距離射撃訓練、養成訓練などに入った。7月16日、第10特科連隊が部隊で４年振りとなる強装薬カートリッジ�Vを使用したFH-70の射撃訓練を実施。復路長距離機動は7月25日から8月7日に実施された。参考：朝雲

　＜協同転地演習（平成２２年度）＞：2010年6月21日から8月8日、第６師団が実施。参加部隊は第22普通科連隊を中心とした隊員2000名、戦車14両、火砲24門、車両700両などで、民間のフェリーなども使用して東富士演習場までの機動や射撃訓練を行った。6月26日から7月16日、平成22年度連隊等転地演習を実施。参考：朝雲

　＜協同転地演習（平成２４年度）＞：2012年6月28日から8月1日まで実施された（別名おじろ2012）。担任は東北方面隊、担任官は東北方面総監で、第６師団基幹の隊員3500名、車両など1000両（うち戦車20両、火砲30門）、航空機10機が参加している。往路は6月29日から7月8日で、LST-4003くにさき、フェリー、貨車、自走により北海道の浜大樹訓練場、然別演習場、矢臼別演習場に展開した。浜大樹訓練場では7月8-9日にLCACによる揚陸訓練を実施。然別演習場では実弾射撃訓練、矢臼別演習場では行進、集結地での行動、防御、特科実弾射撃訓練、爆破訓練を行った。復路は7月26日から8月1日で、往路と同じ手段で原隊に復帰している。2012年8月2日から9月26日、中部方面隊が担任して実施され、第13師団第17普通科連隊基幹の隊員1200名、74式戦車３両を含む車両1000両、航空機20機が参加。往路は8月2-14日で、陸路やフェリーで北海道に移動している。8月15日から9月14日、北部方面隊平成24年度方面隊実動演習（北方総合戦闘職演習）に参加。復路は9月15-26日で、長距離機動により原隊に復帰した。10月29日から12月4日、北部方面隊が担任し、第５旅団基幹の隊員760名、車両270両（うち戦車４両）、航空機２機が参加。10月29日から11月5日に日出生台演習場への長距離機動を行い、防御訓練などを実施した後、11月28日から12月4日に北海道に戻った。10月30日から11月24日、東部方面隊が担任し、第12旅団基幹の隊員1300名、車両400両、航空機９機が参加。10月30日から11月4日に霧島演習場や日出生台演習場に長距離機動を行い、攻撃、防御、射撃訓練を実施、11月17-24日に関東に戻った。参考：朝雲、月刊PANZER10,’12、月刊軍事研究6,’14

　＜協同転地演習（平成２５年度）＞：2013年7月2日から8月4日、協同転地演習（北方転地）を実施。中部方面隊が担任し、第10師団基幹の隊員2300名、車両800両（74式戦車28両）、航空機10機、海自LST-4001おおすみが参加した。10月9-21日、協同転地演習（師団等転地）を実施。第11旅団１個普通科連隊基幹の隊員530名、車両180両、航空機２機が参加し、10月9-14日の往路機動で北富士演習場に移動、攻撃訓練などを行い、18-21日の復路機動で原隊に復帰した。10月22日から11月25日、共同転地演習（南方）を実施。第２師団第３普通科連隊基幹の隊員850名、90式戦車６両、99式自走155mm榴弾砲３両、車両350両などが参加し、大分県の大矢野原・日出生台演習場で防御訓練などの中隊検閲を行った。往路は10月22日から11月1日で、90式戦車のうち３両は特大型運搬車に積んだまま民間フェリーに積載され、苫小牧から門司に輸送されている。隊員280名と車両110両は小樽から新日本海フェリーに乗って新潟まで運ばれ、その後は陸路で演習場に向かった。DF200ディーゼル機関車とチキ7000無蓋貨車10両で臨時貨物列車を編成し、北旭川から西大分まで96式装輪装甲車４両と小型ドーザー６両を搭載して往復した。復路は11月19-25日で、ナッチャンWorldが90式戦車、99式自走155mm榴弾砲、96式装輪装甲車などを留萌港まで輸送している。参考：月刊軍事研究9,’13、1,’14、3,’14、朝雲

　＜協同転地演習（平成２６年度）＞：2014年6月26日から7月25日、七夕機動作戦の名称で協同転地演習（師団等転地）を実施。中部方面総監が担任官を務め、第10師団基幹の隊員3200名、車両など1100両（うち戦車９両、榴弾砲21門）、航空機15機、LST-4002しもきたが参加し、浜大樹訓練場や矢臼別演習場まで陸海空路で往復して揚陸訓練や実弾射撃訓練などを行った。9月25日から10月14日、東北方面隊が実施。第９師団１個普通科連隊基幹の隊員1750名、車両500両、航空機５機が矢臼別演習場まで往復し、攻撃訓練を行った。10月27日から11月26日、第２師団が実施。隊員1000名、10式戦車３両、99式自走155mm榴弾砲３門、87式自走高射機関砲など車両320両、航空機６機が大矢野原演習場や日出生台演習場まで往復し、鎮西26に参加した。ナッチャンWorldも苫小牧港から大分港まで戦車などを運んでいる。10月31日から11月22日、第４地対艦ミサイル連隊（２個中隊）と第５高射特科群（１個中隊）が実施。隊員230名と車両100両が奄美大島や福江島分屯基地などに展開し、鎮西26に参加、対艦戦闘訓練や対空戦闘訓練を行った。参考：月刊JWings9,’14、月刊軍事研究1,’15、朝雲

　＜協同転地演習（平成２７年度）＞：2015年6月22日から7月16日、中部方面隊が担任し、第13旅団基幹の隊員2000名、車両600両、航空機10機が参加した。情勢が緊迫して第３種非常勤務態勢を発令したとの想定で旅団訓練検閲を開始し、6月22日から7月2日、北海道の浜大樹訓練場と矢臼別演習場まで陸海空路で移動。7月2日に矢臼別演習場で集結地を占領した。7月3日夜、車両で目標地域に前進して安全化した。7月8日、第５旅団の支援を受け、第17普通科連隊などがLST-4002しもきたのLCACで浜大樹訓練場に揚陸。矢臼別演習場では行進・集結・攻撃訓練、実弾射撃訓練、爆破訓練を実施した。7月9-16日の復路（帯広−西岡山）ではチキ7000貨車12両がFH70榴弾砲を輸送している。9月29日から10月19日、東部方面隊が平成27年度協同転地演習（連隊等）を実施。第12旅団第30普通科連隊基幹の隊員1000名、車両300両（うち自走榴弾砲４門）、航空機５機が東部方面区を出発し、北部方面隊の平成27年度方面隊実動演習に参加した。9月30日から10月19日、中部方面隊が担任して平成27年度協同転地演習（連隊等）を実施。第14旅団１個普通科連隊基幹の隊員890名と車両190両（うち戦車４両）が参加し、10月2-17日に北富士演習場で攻撃訓練などを行った。10月20日から11月17日、北部方面隊が担任して平成27年度協同転地演習を実施。第２師団１個普通科連隊や第５旅団１個普通科連隊など隊員16000名、車両500両、航空機２機が参加し、11月1日から西部方面区の大矢野原・霧島演習場などで訓練を行った。平成27年度自衛隊統合演習や鎮西27演習にも参加している。参考：月刊軍事研究10,'15、朝雲

　＜協同転地演習（平成２８年度）＞：2016年6月21日から8月2日、中部方面隊第14旅団基幹の隊員1800名、車両640両（うち74式戦車７両、FH70榴弾砲10門）、CH-47J/JAヘリ３機、UH-1Jヘリ２機、OH-6Dヘリ３機が参加し、北方転地演習を実施。6月21日に方面区を出発して陸海空路で6月26日までに北海道に移動し、北海道訓練センター検証訓練、浜大樹訓練場でのLST-4003くにさきとLCAC-2106による揚陸訓練、島松演習場での総合戦闘射撃訓練などを行った。7月26日から鉄道を含む陸海空路で長距離機動を行い、8月2日までに原隊に戻っている。9月21日から東北方面隊が連隊等協同転地演習を実施。第９師団第39普通科連隊基幹の隊員1000名、74式戦車４両など車両200両が北部方面区に移動し、矢臼別演習場で北部方面隊の平成28年度方面隊実動演習に参加した。10月4日から11月6日、東北方面隊が平成28年度連隊等協同転地演習を実施。第６師団、第２施設団、東北方面特科隊、第５高射特科群などから隊員500名と車両150両が参加し、奄美大島などに陸海路で展開、鎮西28演習に連動した協同基地警備などを行った。第４地対艦ミサイル連隊は八戸港から種子島まで88式地対艦誘導弾システムなど20両を輸送している。10月12日から11月15日、北部方面隊が平成28年度連隊等協同転地演習を実施。第２師団第２戦車連隊・第２後方支援連隊など隊員700名と車両300両が参加し、陸海空路で日出生台演習場などに展開、鎮西28演習と連動した防御戦闘訓練などを行った。第２戦車連隊は90式戦車28両をナッチャンWORLDで苫小牧港から大分港まで輸送している。11月3-13日、北部方面隊が平成28年度連隊等協同転地演習を実施。第11旅団第18普通科連隊基幹の隊員410名、90式戦車４両含む車両180両が参加し、陸海路で北富士演習場に展開、富士訓練センターで攻撃訓練などを実施した。参考：月刊JWings10,’16、月刊軍事研究9,’16、朝雲

　＜協同転地演習（平成２９年度）＞：2017年6月27日から7月31日、第10師団が実施。隊員2600名、車両1000両、JMPQ-P13対迫レーダー、155mm榴弾砲FH70、ヘリ３機などが参加し、名古屋港から民間フェリーに乗るなどして北部方面区に移動、7月から上富良野演習場、矢臼別演習場、浜大樹訓練場で総合戦闘射撃訓練や師団訓練検閲（13-15日）を行った。10月3日から第13旅団が旅団協同転地演習を実施。第８普通科連隊、第13特科隊、第13戦車中隊、第13施設隊の隊員800名と車両200両が東富士演習場に車両機動し、富士訓練センターでの訓練、普戦協同戦闘射撃訓練、指向性散弾爆破訓練、155mm榴弾砲射撃訓練などを行った。10月14日から第２師団が連隊等協同転地演習を実施。第３普通科連隊基幹隊員1200名、第27普通科連隊基幹隊員650名、車両700両、航空機４機が、自衛隊輸送機、民間航空機、鉄道、民間船舶（ナッチャンWORLDなど）で長距離機動を行い、日出生台演習場などに集結した。その後、鎮西29演習で演習対抗部隊を務めている。参考：月刊軍事研究9,’17、10,’17、月刊JWings2,’18、朝雲

　＜協同転地演習（平成３０年度）＞：2018年6月15日から7月31日、第13旅団が実施。隊員2400名、車両900両（74式戦車、155mm榴弾砲FH70など）が参加し、防衛省がチャーターしたフェリーはくおうでの海上移動（車両140両、FH70榴弾砲など搭載。姫路港から苫小牧港まで）などにより北部方面区の矢臼別演習場や上富良野演習場に展開した。しかし7月5-8日に西日本豪雨が発生したため、演習を途中で切り上げて旅団長は7月8日・主力は7月12日から駐屯地に戻り、順次災派活動に加わっている。7月4-11日、第14旅団が実施。隊員120名、車両45両（16式機動戦闘車３両、96式装輪装甲車、軽装甲機動車、中距離多目的誘導弾、93式近SAM、88式地対艦誘導弾搭載車、化学防護車、重装輪回収車など）が参加し、7月4日に海田市駐屯地で訓練開始式を行った後、海自呉基地でLST-4001おおすみに乗り込み、7月5日に出港。艦上で沼津海浜訓練場に先行した部隊などとの衛星幹線通信システム携帯局車載型BGANを使用した通信訓練などを行い、7月7日に沼津海浜訓練場でLCAC-2101/-2102により東部方面区へと隊員及び車両45両が揚陸された。10月17日から11月24日、第２・第６・第９師団と第14旅団が実施し、隊員3400名、車両1000両、航空機11機が、３自衛隊と民間船の輸送力により機動展開訓練を行った。参考：月刊世界の艦船9,’18、10,’18、月刊航空ファン9,’18、朝雲

　＜協同転地演習（令和元年度）＞：2019年6月30日から7月25日、第３師団が実施。第７・第36・第37普通科連隊など隊員2600名、車両850両（74式戦車含む）、FH70などが参加し、LST-4002しもきたなどで北海道に機動展開、矢臼別演習場などでの長射程射撃訓練や、浜大樹訓練場でのLCACによる揚陸訓練などを行った。7月3日、海自第１輸送隊と協同で機動展開訓練を実施。LST-4002しもきたが舞鶴基地で第７普通科連隊隊員170名と車両60両を搭載。7月4日0400、LST-4002しもきたが舞鶴基地を出港し、北海道に向かった。7月8-9日、第７普通科連隊の一部がLCACに搭載されて浜大樹訓練場への揚陸訓練を実施。第４普通科連隊が支援隊を編成して警備支援などにあたっている。7月8-23日、第６師団が実施。隊員240名と車両65両で西部方面区に機動展開し、日出生台演習場や奄美駐屯地などで訓練を行った。7月16-23日、第11旅団が実施。隊員160名と車両40両で東部方面区に機動展開し、大日原演習場で各種機能別訓練を行った。7月19日から8月2日、第12旅団が実施。第30普通科連隊など隊員450名、車両105両、CH-47ヘリなどが参加し、北海道に陸海空経路で機動展開、矢臼別演習場で火砲実射訓練や総合訓練を行った。10月27日から11月22日、第５旅団が鎮西演習に合わせて実施。第６普通科連隊など隊員350名と車両120両が霧島演習場などに移動して訓練を行った。11月5-26日、第２師団が鎮西演習に合わせて実施。第３普通科連隊など隊員850名、車両300両、航空機２機が大矢野原演習場などに移動して訓練を行った。12月2-9日、第14旅団第15即応機動連隊が実施。隊員90名とCH-47輸送ヘリ１機が参加し、善通寺駐屯地を出発して防府北基地・鹿屋航空基地−奄美空港−那覇基地−宮古島分屯基地−与那国駐屯地と移動、通信確保要領訓練と沿岸監視隊との協同訓練を行い、逆ルートで善通寺駐屯地に帰投した。2020年2月10-18日、第６師団第44普通科連隊が実施。隊員60名が参加し、国分駐屯地に陸路、鹿屋航空基地に海路、下甑島分屯基地に空路で機動展開し、現地部隊と協同基地警備訓練を行った。参考：朝雲、月刊世界の艦船9,’19

＜教導飛行第２０４戦隊＞：日本陸軍の教導飛行戦隊。昭和17年4月8日、西満州白城子付近の鎮西飛行場で編成され、白城子教導飛行団隷下となった。隷下に九七式戦闘機２個中隊を置く。12月、第３中隊が編成された。昭和18年1月30日、第５飛行団隷下となった。5月、明野で一式戦闘機�T型に機種改変し、鎮西に戻った。9月18日、孫家に移動。10月中旬、柏で一式戦闘機�U型に機種改変。10月30日、柏を出発。11月下旬、ラングーン郊外のミンガラドン飛行場に展開し、第５飛行師団隷下となった。12月1日、B-24爆撃機２機を撃墜。12月5日、カルカッタ爆撃に参加。12月13日、テンスキアを攻撃し、９機を撃墜。12月22日、中部ビルマのヘホ飛行場に進出し、昆明攻撃隊の援護に就いたが、パイロット３名を失った。昭和19年1月20日、アキャブ付近で戦闘を行い、20機（不確実10機含む）を撃墜した。2月22日、飛行第204戦隊に改称された。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜橋頭堡＞：本格的上陸・渡河作戦の足がかりとする陣地のこと。参考：兵器メカニズム図鑑

＜京都飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜郷土予備軍＞：韓国の後方警備部隊で、青瓦台事件やプエブロ号拿捕事件を受けて1968年4月に創設された。行政区画及び職域単位で部隊が置かれており、各行政機関及び大企業には非常企画官と呼ばれる幕僚が配置され、軍将校の天下り先となっている。平時は基幹要員と徴兵された兵士の一部で編成され、17ヶ月の重要施設警備訓練が行われる。有事には予備役を召集し、数百万人単位に膨れあがる。参考：月刊軍事研究4,’07

＜鏡泊湖＞：884（輸送艦）を参照。

＜響尾蛇＞：AIM-9海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜強風シリーズ＞：日本海軍初の本格的な水上戦闘機。川西航空機が開発した。参考：月刊丸2,’12

　＜十五試水上戦闘機＞：試作機で、昭和15年初めに要求（最大速度310ノット、兵装は20mm機関砲２丁と7.7mm機銃２丁）が出され、9月に発注された。十四試水上偵察機（二式水上偵察機紫雲）の開発で得たノウハウを流用し、二重反転プロペラを採用している。機体下と両主翼下にフロートを履いているため抵抗が大きく、その分エンジンを強力にする必要があり、一式陸攻などに搭載されていた大型の火星一四型エンジン（一三型の二重反転プロペラ対応型。1450馬力）を搭載した。よって胴体が太くなったため、空気抵抗を減らすべく空技廠が研究していた紡錘形状機体を採用しており、かなりずんぐりむっくりである。胴体断面が丸く、低翼配置だとフィレットが大型になってしまうので、フィレットが小さく済み海面から距離も取れる中翼配置を採用し、翼型は東大航空研究所の層流翼理論に基づくLB翼とした。フロート付きでも陸上・艦上戦闘機並みの機動性能を発揮すべく、空戦フラップを装備している。昭和17年4月に初号機が完成し、5月6日に初飛行した。テストの結果、主翼付け根の乱流が予想外に大きく、方向舵に悪影響を及ぼしたため、フィレットを超大型（乾燥バナナと言われた）に改修している。また、二重反転プロペラにトラブルが多発したため、２号機では通常の３翅プロペラ＋火星一三型に変更した。最大速度が500kmを超えられない、自動空戦フラップ使用時の高度・速度の損失が大きいといった欠点があり実用化に時間を要し、昭和18年12月21日に強風一一型として制式採用された。参考：月刊丸3,'18別冊、2,’12

＜強風一一型＞：N1K1、連合軍コードはレックス（Rex）。手動空戦フラップを装備しており、操縦桿頂部のボタンを押せば、ピトー管で得た飛行データと水銀センサーで測定した旋回中の加速度を基に、油圧シリンダーでファウラーフラップが２段階で下りる。機首の機銃２丁は互いにかなり離れた位置に装備しているが、二重反転プロペラとの同期の関係で90度離す設計にした名残である。主翼は中翼配置。プロペラ後流が収縮流であることを見落として採用した紡錘形状胴体のせいで、離着水時に左偏左傾する癖があった。全長10.59m、全幅12m、全高4.75m、自重2700kg、全備重量3500kg。翼面荷重１平方メートルあたり148.9kg。エンジンは火星一三型（離昇出力1460馬力、二速公称1260馬力／高度6100m）、最大速度482km（高度5700m）、上昇限度10560m、上昇力4000mまで４分11秒、航続距離正規1056km／過荷時1667km。固定武装は機首の7.7mm機銃２丁、主翼の20mm機関砲２門。30kgまたは60kg爆弾２発を搭載できる。量産は制式化前の昭和18年7月に開始されたが、既に活躍の場は無く、生産数は試作機を含めて97機に止まった。陸上戦闘機型の開発が昭和16年末に始まり、紫電として実用化されている。アメリカのテキサス州にある太平洋戦争博物館に展示されており、アメリカ国立宇宙博物館とアメリカ海軍航空博物館修復施設に１機ずつが未修復で保管されている。参考：月刊JWings10,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸2,’12、3,'18別冊、歴史群像4,’17

＜恐怖爆撃＞：Terror Bombing。戦略爆撃の１つで、相手国民に対する心理的打撃を主目的に実施されるものを指す。参考：歴史群像4,’16

＜教務＞：海上自衛隊練習員課程の教育内容の総称。訓育、技能教育、体育がある。参考：日本の防衛戦力Part8

＜業務学校＞：陸上自衛隊の職種学校。会計科と警務科の教育や、日常隊務（業務管理、総務、人事、広報など）に関する教育訓練を行う。1952年10月の保安隊発足を機に久里浜駐屯地で開設された。1954年3月、調査学校、需品学校、輸送学校が分離独立した。1956年、越中島に移駐した。1960年、小平駐屯地（陸軍経理学校跡）に移った。2001年、小平学校に統合された。参考：小平駐屯地ホームページ、久里浜駐屯地ホームページ、陸海軍学校と教育

＜業務管理情報処理装置＞：自衛隊の機器。富士電機ITソリューションまたは東芝情報機器またはオーエーアシストまたはNECネッツエスアイまたはカナデン製。参考：月刊軍事研究9,’09、11,’10、1,’12、2,’13

＜業務管理情報処理装置（デスクトップ型）＞：自衛隊の機器。NECネッツエスアイ製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜業務車１号＞：自衛隊の業務用車両。三菱自動車工業または日産自動車またはトヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’07、3,’97、9,’15

＜業務車１号（４×２）＞：自衛隊の業務用車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究5,’07

＜業務車１号（４×４）＞：自衛隊の業務用車両。日産自動車またはトヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究5,’07、9,’15

＜業務車１号（警務用４×４）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜業務車２号＞：自衛隊の業務用車両。日産自動車またはトヨタ製。参考：月刊軍事研究5,’07、3,’97

＜業務車２号（４×４）＞：自衛隊の業務用車両。トヨタまたは富士重工または日産自動車または東京スバル製。参考：月刊軍事研究5,’07、1,’13、9,’15

＜業務車２号（援護用）＞：自衛隊の業務用車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究5,’07

＜業務車２号（緊急用）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究2,’13

＜業務車２号（緊急用）�T型＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜業務車２号特殊＞：自衛隊の車両。ネッツトヨタ東京が受注している。参考：月刊軍事研究5,’16

＜業務車３号＞：自衛隊の業務用車両。トヨタまたは富士重工または日産自動車製。参考：月刊軍事研究5,’07、3,’97、1,’13

＜業務車３号（４×４）＞：自衛隊の車両。富士重工または東京スバル製。参考：月刊軍事研究1,’13、9,’15

＜業務車３号（ワゴン型）＞：自衛隊の業務用車両。富士重工またはトヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究5,’07、5,’16

＜業務社３号（ワゴン型）４ＷＤ＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜業務車４号＞：自衛隊の業務用車両。トヨタまたは日産自動車製。参考：月刊軍事研究5,’07、9,’15

＜業務車４号（指揮連絡用）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車または日産自動車製。参考：月刊軍事研究1,’13、8,’15

＜業務車４号（募集広報用）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜業務車４号（ワゴン型）＞：自衛隊の業務用車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜業務車（ステーションワゴン型）＞：自衛隊の車両。日産自動車またはトヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10、9,’11

＜業務車（ステーションワゴン型）（４×４）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜業務車（ステーションワゴン型、警備用）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜業務車（ステーションワゴン型、警務用）（４×４）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜業務トラック＞：自衛隊の物資輸送用トラック。市販の４輪トラックを競争入札で採用して路上走行での物資輸送に使用しているもので、塗装がオリーブドラブの他はほぼ民間用そのままである。参考：月刊丸3,’13

＜業務用２トントラック＞：航空自衛隊の４輪トラック。荷台には折り畳み式の座席がある。全長4.69m、全幅1.695m、全高1.99m、車両重量2.35トン。エンジン出力96kW。ペイロード２トン。三菱ふそうまたはいすゞまたはトヨタ製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜業務用テント＞：陸上自衛隊の普通科用テント。折り畳み式の多角形テントで、三角形の窓が開いている。１個分隊11名の収容が可能。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜業務用天幕（一般用）＞：陸上自衛隊の業務用テントで、業天と略す。中央に柱が無く、内部を広く使える。連結することも可能。全長5m、全幅5m、全高2.7m、床面積25平方メートル。指揮幕僚活動などに使用される。1993年から調達された。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.126

＜業務用天幕２号（改）＞：自衛隊の機器。帝国繊維製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜業務用天幕２型一般用＞：自衛隊の機器。帝国繊維製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜業務用天幕２型病院用＞：陸上自衛隊の野外医療用テントで、病天と略す。参考：MAMOR vol.126

＜業務用天幕２型補給用＞：自衛隊の機器。帝国繊維製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜業務連絡車１号４ＷＤ＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜強誘電体特性評価システム用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜共用センサー・ペイロード＞：AN/AAS-53（センサー）を参照。

＜共用レーザー照射ポッド＞：CLDPを参照。

＜梟龍＞：JF-17シリーズ（戦闘機）を参照。

＜強力型レーザー開発構想＞：アメリカ陸軍宇宙・ミサイル防衛コマンドとアメリカ陸軍戦略コマンドが開発中のソリッド・ステート・レーザー、略称RELI（Robust Electric Laser Initiative）。25kWのレーザーを４基繋げて100kW台のレーザーにする計画で、ノースロップ・グラマン社とレイセオン社が2010年10月から競争試作中である。参考：月刊軍事研究6,’12

＜強力縦通材＞：ロンジロンを参照。

＜協力の精神＞：1994年秋にオランダのハルスカンプ基地で実施された多国籍演習で、ヨーロッパ内での地域紛争を想定して実施された。参加したのはアメリカ、イギリス、オランダ、カナダ、スウェーデン、ドイツ、ウクライナ、エストニア、スロバキア、ポーランド、ラトビア、リトアニアの12ヵ国で、６個中隊を編成して24時間の作戦訓練を行っている。参考：月刊軍事研究8,’95

＜教練（日本軍）＞：軍務として教育し、訓練すること。参考：陸海軍学校と教育

＜教練８型＞：K-8シリーズ（練習機）を参照。

＜教練９＞：殲教９型シリーズ（練習機）を参照。

＜教練１０＞：練15シリーズ（練習機）を参照。

＜共和国親衛隊＞：イラク地上軍の精鋭部隊、Al-Haris Al-Jamuri。フセイン大統領の出身地であるティクリート周辺から輩出した優秀な兵士及び学生を採用しており、大統領に忠誠を誓っていた。当初はバグダッドの大統領官邸を防衛する２個旅団程度の部隊だったが、イラン・イラク戦争中に規模を拡大している。参考：月刊軍事研究3,’08

　＜共和国親衛隊（湾岸戦争時）＞：イラク南東地域の防御及び作戦予備としてバスラ近郊に配備された。総兵力15万名。ハムラビ戦車師団、メディナ戦車師団、タワカルナ機械化師団、アル・ファオ歩兵師団、バグダッド歩兵師団、ネブカドネザル歩兵師団、アドナン歩兵師団、第８特殊部隊師団、軍団砲兵（G5カノン砲、GHN45カノン砲、M46カノン砲、自走多連装ロケット弾装備）、軍団防空砲兵（2K12/9K33地対空ミサイル装備）、ロケット旅団（フロッグ７地対地ロケット装備）、航空旅団（Mi-24ヘリ、Bo105ヘリ、Mi-8ヘリ、Mi-17ヘリ装備）、信号情報旅団、通信旅団、戦車輸送車連隊、偵察大隊（BRDM2装甲車装備）、対戦車大隊（BRDM2装甲車装備）、野戦工兵大隊、工兵架橋大隊、電子機械技術大隊、医務大隊、補給輸送大隊、司令官警備中隊からなり、戦車1100両、歩兵戦闘車700両、野砲800門を擁する。1991年1月までにアル・ニダ歩兵師団、アル・アベド歩兵師団、アル・ムスタファ歩兵師団、アル・クド歩兵師団が追加された。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜聖川丸＞：日本海軍特設水上機母艦きよかわまる。元は昭和12年5月15日に竣工した川崎汽船の高速輸送船で、太平洋戦争間近の昭和16年9月28日に特設運送船として徴用された。10月5日、特設水上機母艦に艦種変更された。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第４艦隊付属、兵力部署では南洋部隊グアム島攻略部隊に所属していた。12月21日からウェーク島攻略戦に参加。昭和17年1月17日、Ｒ作戦参加のためメレヨン島を出撃。3月5日、SR攻略作戦に参加。3月10日、ラエ港外で空襲を受けて至近弾により10名が死傷、舷側に破孔を生じて戦闘不能に陥った。ラバウルに退いて応急修理を受けた後、3月18日に内地に向け出港。4月8日に横須賀に入港し、横浜にドックインして修理を行った。4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、MO攻略部隊に所属して珊瑚海海戦に参加。10月11日1400、ブカ島とグリーン島の中間付近で爆撃を受けて軽微な損傷を受け、死傷者二十数名を出した。10月12日朝、ショートランドに入港し、水上戦闘機９機、零式水上観測機４機、搭乗員、整備員をＲ方面航空部隊に引き渡した。12月1日、特設運送船に艦種変更された。昭和18年4月1日、特設水上機母艦に戻った。10月1日、また特設運送船になった。昭和19年11月14日、ヒ81船団の一員として伊万里湾を抜錨。昭和20年7月に擱座した。11月30日に解役された。昭和23年12月、浮揚に成功。昭和24年10月20日、修復完成した。昭和25年4月から就航した。参考：日本航空母艦史、月刊丸4,’07、2,’08、11,’09、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船6,’83、日本海軍艦隊総覧

＜漁業保護艦＞：砲艦の一種で、北洋漁業紛争の際に相手国船舶を威圧するため建造されたものである。日本海軍では駆逐艦がこの任務にあたっていたが、後に海防艦という名称で専用艦を建造した。参考：小艦艇入門

＜極運丸＞：日本の鯨油輸送船。総トン数10045トン。昭和19年12月30日、油槽船代わりに原油12200トンを積み込み、ヒ86船団の一員としてシンガポールを出港。昭和20年1月12日、仏印沖で航空攻撃を受け大破、海岸に擱座した。参考：輸送船入門

＜旭海＞：193（揚陸艦）を参照。

＜玉海級＞：074型（汎用揚陸艇）を参照。

＜玉義型＞：726型シリーズ（LCAC）を参照。

＜極軌道＞：衛星軌道の１つで、北極と南極を交互に通る軌道のこと。その間に地球が自転するので、何周かすれば地表全体を見ることができる。参考：月刊JWings7,’16

＜曲技飛行＞：アクロバット飛行を参照。

＜曲技飛行（ブルーインパルス）＞：ブルーインパルス展示飛行の１つで、アクロバット飛行のことである。空域や飛行に制限が無く、視程8km以上の場合に実施可能。雲底高度により第１区分（10000フィート・3048m以上）、第２区分（7000フィート・2133.6m以上）、第３区分（5000フィート・1524m以上）、第４区分（3000フィート・914.4m以上）を行う。参考：月刊JWings9,’14、6,’09

＜極限荷重＞：終極荷重を参照。

＜極光＞：銀河シリーズ（夜間戦闘機）を参照。

＜旭光＞：F-86F戦闘機（航空自衛隊）を参照。

＜玉康級＞：073型（中型揚陸艦）を参照。

＜玉衡星＞：798（情報収集艦）を参照。

＜玉砕＞：残存全兵力が死亡（多少の捕虜は出るが）して部隊が消滅すること。元々の意味は名誉忠節を守って潔く死ぬことで、北斎書元景安伝または西郷南洲偶感詩が出典のようである。太平洋戦争で孤立した島嶼に取り残された日本軍部隊は、脱出することも降伏することもできず、この道を選ぶしかなかった。また、サイパンでは放棄が決定したので玉砕せよという電文が送られてきた。太平洋戦争初の玉砕は昭和17年12月8日のニューギニアのバサブアで、次いで昭和18年5月30日のアッツ島である。他にはエニウェトク、クェゼリン、サイパン、マキン、タラワ、テニアン、グアム、アンガウル、ミイトキーナ、ビアク、ペリリュー、拉孟・騰越、硫黄島など。参考：軍事用語の基礎知識

＜極座標＞：原点から目標までの距離をＲ、水平面から目標までの仰角をＥ、水平面内で北方向から目標までの方位角をByとして記述した座標系のこと。目標位置観測値や誤差の記述には便利だが、目標運動の記述には非線形項（距離の二階微分値や角速度など）を考慮しなければならないので不便。北基準直交座標（x,y,z）に転換すると、x=Rcos(E)sin(By)、y=Rcos(E)cos(By)、z=Rsin(E)となる。参考：レーダの基礎

＜玉山＞：944（中型揚陸艦）または1401（ドック型輸送揚陸艦）を参照。

＜玉山級＞：台湾海軍ドック型輸送揚陸艦LPD、Yushan級。台湾国際造船で建造した。サン・アントニオ級を参考にしており、ナックルラインから上の舷側を船体と逆傾斜にし、前甲板や上構露天甲板はブルワークで覆い、前部マストを六角錐台形の閉囲型にするなどステルス性に気を遣った。後部マストも下半分は閉囲型で、上半分が角張ったタワーマストになっている。右舷にRo-Ro方式のランプがあり、AAV-7などの車両を岸壁から車両甲板に自走搬入できる。船体内後部はドック・ウェルで、後面に上下開きの門扉を持つ。船体が小柄なのでドックも小さく、LCACを積む予定は無い。上構後部にヘリ格納庫があり、後甲板はヘリ甲板となっている。艦載防空システムはTC-2N。揚陸部隊の体力維持のため、アスレチックジムを完備した。人道支援任務に備え、艦内に内科・外科・歯科診療室を有する。全長153m、幅23m、吃水5.8m、基準排水量（満載排水量？）10600トン。主機はディーゼル４基２軸53641馬力、速力21.5ノット。兵装は76mm速射砲１門（前甲板甲板室上）、海剣�U型艦対空ミサイル固定式４連装発射筒８基（上構中央上面両舷）、ファランクスCIWS２基（上構前端中央、上構後端上面）、20mm単装機関砲。自衛用にMk32チャフ・フレアディスペンサーを装備する。ヘリ格納庫にS-70C汎用ヘリ２機、ウエル・ドックにLCU１隻またはLCM４隻を搭載できる。乗員190名＋揚陸部隊483名（673名？）。艦番号1401玉山が2022年9月30日に就役した。もう３隻作る予定。参考：月刊世界の艦船12,'23、4,'23、10,'22、7,’21、12,'22、9,'23、朝雲

＜旭日旗＞：日本海軍の軍艦旗。明治22年10月7日に公布・11月3日に施行された海軍旗章条例により、それまでの日章旗に換わり制定された。日章から赤い末広がりの線が放射状に16条延びている。どうしても正義を守り切れない時に八方に力がほとばしり出たのが軍艦旗であるから、世の中のあり方としては軍艦旗ではなく常に日の丸の形であってほしい、というのは米内光政海軍大将の言である。参考：軍事用語の基礎知識、月刊世界の艦船6,’09、潜水艦気質よもやま物語、続日本海軍よもやま物語、日本海軍艦隊総覧

＜曲尺＞：日本陸軍の木工器材。参考：工兵入門

＜曲射銃＞：ドイツ国防軍の特殊銃。銃口の先端に湾曲したアダプターを付け、弾丸の飛翔方向を曲げるもので、戦車内部から肉薄歩兵を銃撃するためにラインメタル社が開発した。照準はプリズムレンズを使用した専用の照準器で行う。曲がった部分で弾速が落ちて次弾が衝突するなどのトラブルが多発したものの、何とか制式化されたが、直後に第２次大戦が終結して実戦使用はされなかった。参考：世紀の失敗物語

＜曲射歩兵砲＞：日本軍用語で、迫撃砲のこと。昭和10年頃まで、こう呼んでいた。参考：コンバット・バイブル２

＜曲銃床＞：銃床を参照。

＜玉昭級＞：071型（揚陸艦）を参照。

＜玉申型＞：075型（強襲揚陸艦）を参照。

＜ギョクス＞：F497（フリゲート）を参照。

＜曲靖＞：508（コルベット）を参照。

＜玉青級＞：068型（機動揚陸艇）または069型（機動揚陸艇）を参照。

＜旭盛丸＞：大同海運貨物船。総トン数5493トン。昭和18年2月28日、八一号作戦に参加。3月2日、航空攻撃を受けて沈没した。参考：輸送船入門

＜ギョクチェアダ＞：トルコ海軍ガジアンテプ級ミサイル・フリゲート。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-27マーロン・Ｓ・ティスデルで、2000年にトルコに引き渡された。参考：月刊世界の艦船1,’04

＜局地迎撃戦闘機＞：迎撃戦闘機を参照。

＜局地戦闘機＞：日本海軍の戦闘機分類の１つで、乙戦ともいう。陸上基地で運用する迎撃戦闘機のことで、日華事変勃発後に必要性が生じ、この分類が生まれた。航続距離は短くても構わないので、敵爆撃機のところまで一気に上昇して追いつける高速・上昇性能を重視している。雷電、紫電、紫電改が制式化され、閃電と天雷は開発中止になり、震電と秋水は開発中に終戦を迎えた。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊JWings6,’13

＜玉坎級＞：072型（戦車揚陸艦）を参照。

＜玉亭�T級＞：072�U型（戦車揚陸艦）を参照。

＜玉庭�T級＞072�U型（戦車揚陸艦）を参照。

＜玉亭�U級＞：072�V型（戦車揚陸艦）を参照。

＜玉庭�U級＞：072�V型（戦車揚陸艦）を参照。

＜玉亭�V級＞：072A型（戦車揚陸艦）を参照。

＜玉庭�V級＞：072A型（戦車揚陸艦）を参照。

＜玉登級＞：073�V型（中型揚陸艦）を参照。

＜玉島級＞：073�U型（中型揚陸艦）を参照。

＜極東軍＞：FECOMを参照。

＜極東軍管区（ロシア軍）＞：沿海州、カムチャツカ半島、サハリン、千島列島を管轄範囲とし、司令部はハバロフスクにある。2010年、シベリア軍管区東部と統合されて東部軍管区になった。参考：月刊軍事研究9,’16

＜極東国際軍事裁判＞：通称東京裁判。日華事変・太平洋戦争の戦争犯罪に関する裁判で、昭和21年1月19日にマッカーサーが制定した極東国際軍事裁判所憲章により開催が決定し、法廷は陸軍士官学校大講堂を改装した。裁判の対象はＡ級戦犯が通例の戦争犯罪、平和に対する犯罪、人道に対する犯罪を犯した者だが、後二者はニュルンベルク裁判でナチス犯罪を裁く際に制定された概念で、開戦時には成立していなかったものである。他に捕虜虐待などを命令したＢ級戦犯、それを実行したＣ級戦犯が定義され、Ａ級戦犯28名、BC級戦犯5702名が昭和21年4月29日（昭和天皇誕生日）に起訴されて5月3日から裁判が始まった。判事は11人だが、フランスとソ連の判事は公用語の日本語と英語が分からず、中華民国の判事は法律の専門家ではなく、原爆に触れられたくなかったためか日本人の判事もいなかった。インドのパール判事は日本軍の行為には犯罪性があるものの、勝者のみによる裁判及び遡及法による処罰の不当性から全面無罪を主張している。昭和22年10月10日、最高検察官が天皇と実業界には戦争責任は無いという声明を発表した。昭和23年11月12日に判決言い渡しが終了し、Ａ級戦犯のうち７名が死刑、16名が無期懲役、２名が有期刑、１名が訴追免除となった。また、２名が裁判中に病死した。11月24日、マッカーサーが刑の執行を命じる声明を発表。死刑は昭和23年12月23日に巣鴨拘置所内で執行され、遺体は火葬されたが、遺骨は遺族の元には返還されず、どうなったかは不明である（太平洋上でアメリカ軍機により散骨されたという説もある）。12月24日、Ａ級戦犯容疑者19名が釈放された。BC級戦犯は国内だけでなく外地でも裁判が行われ（シンガポールでは昭和21年1月21日に開始）、920名が死刑を執行された。外地では名字が同じというだけで戦犯となった兵士もいたという。一方で、タクロバンの捕虜収容所に収容された後に無実の罪で絞首刑が確定しながら、本人の陳述を信じた指定弁護人のアメリカ軍大尉と後を継いだアメリカ人弁護士による弁護で再審が行われ、中国系現地女性住民のHe is a gentlemanという証言により無罪を獲得した兵士もいた。昭和25年1月5日、グアム島の日本人戦犯に大幅減刑が行われた。参考：月刊丸2,’08、4,’99、8,’95、歴史群像6,’02、陸海軍学校と教育、日本赤十字社史稿第６巻、MAMOR vol.162

＜極東条項＞：日米安保条約第６条の別名。「日本の安全に寄与し、並びに極東における国際平和・安全維持に寄与するため、アメリカ軍が日本に於いて施設・区域を使用できる」。この極東の範囲は、政府見解ではフィリピンより北の東アジアだが、現実には世界中である。参考：月刊JWings4,’05

＜極東戦略方面（ソ連軍、１９８９年）＞：司令部はザバイカル軍管区にある。ザバイカル軍管区、シベリア軍管区、極東軍管区、モンゴル駐留部隊の戦車師団７個、自動車化狙撃師団42個、沿岸防衛師団１個、砲兵師団４個、空中強襲旅団１個からなる。動員をかければ４個方面軍12個軍を配備できる。主力戦車11500両、火砲／多連装ロケット砲／迫撃砲12500門、フロッグ149基、スカッド90基、ヘリ1100機、戦術作戦機890機を装備する。戦略部隊は667B型デルタ�T型９隻（SLBM108基）、667BDR型デルタ�V型８隻（SLBM128基）、667A型ヤンキー�T型７隻（SLBM112基）、629A型ゴルフ�U型２隻（SLBM６基）、RS-10弾道ミサイルサイト４ヵ所250基、RS-16ICBM38基、RS-20弾道ミサイルサイト４ヵ所120基、ピオニール弾道ミサイル、爆撃航空軍１個（イルクーツク）、Tu-95爆撃機45機、Tu-26爆撃機60機、Tu-16爆撃機50機、Tu-22爆撃機60機、Tu-16偵察／電子戦機60機、Il-20/Il-22電子情報収集機５機、Tu-16空中給油機９機で、軍中央が直轄指揮する。防空部隊はMiG-21/MiG-23/MiG-25/Su-15/Su-27戦闘飛行連隊15個590機、S-75/S-125/S-200地対空ミサイルサイト215ヵ所、S-300PS地対空ミサイルサイト10ヵ所で、防空軍の指揮下にある。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜極東貿易過大請求事件＞：防衛省への装備品納入を巡り、極東貿易が過大請求を行っていた事件で、2008年1月に発覚した。2009年4月に７億2000万円、12月に22億2000万円の返還請求が行われ、全額が返還されている。参考：朝雲

＜極東丸＞：日本海軍特設運送船（給油船）Kyokuto maru。元は第一次船舶改善助成施設を受けた飯野商事油槽船で、昭和9年12月15日に竣工し、太平洋戦争開戦前に海軍が徴用した。垂線間長152.4m、幅19.81m、深さ11.28m、吃水8.849m、総トン数10051トン、重量トン数13740トン。主機は川崎MAN製D8Z70/120型ディーゼル１基１軸8963馬力、航海速力16ノット、最大速力18.893ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊所属で、真珠湾攻撃に参加。昭和17年1月、旭東丸に改称された。参考：月刊世界の艦船6,’17、月刊軍事研究12,’07、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜旭東丸＞：日本海軍特設運送船（給油船）Kyokuto maru。元は特設運送船極東丸で、昭和17年1月に改称された。民間登録船名も大八州丸に変更されている。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。昭和19年8月8日、ヒ71船団の一員として六連島泊地を出港。9月、マニラ港で空襲を受け沈没した。太平洋戦争終戦後にフィリピン企業が引き揚げて日本油槽船が購入し、日立造船で再生工事を受けて全長が6m延び、かりふぉるにあ丸と改称されて昭和39年まで運航され、その後解体された。参考：月刊世界の艦船6,’17、月刊軍事研究12,’07、輸送船入門、日本海軍艦隊総覧

＜玉南級＞：067型（揚陸艇）を参照。

＜旭邦丸＞：日本海軍特設給油艦。昭和19年10月1日、ルソン島西方で雷撃を受け沈没した。参考：月刊軍事研究12,’07

＜玉北級＞：074A型（揚陸艇）を参照。

＜極洋丸＞：極洋捕鯨蟹工船。垂線間長163.31m、幅22.56m、深さ14.86m、吃水10.521m、総トン数17548トン、重量トン数21957トン。主機は川崎MAN製D8Z型ディーゼル１基１軸7624馬力、航海速力10.5ノット、最大速力15.066ノット。昭和13年10月5日竣工。10月11日、南氷洋捕鯨に向け出港。昭和14年、南氷洋捕鯨からの帰路に海軍用重油をボルネオ島タラカンから佐世保まで運んだ。太平洋戦争勃発で給油船として海軍に徴用され、昭和18年9月に特設運送船（給油船）となった。9月13日、門司を出港して基�驍ﾉ向かった。その後台風に遭遇したため名瀬港に避難したが、9月19日に名瀬港で座礁して大破全損した。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜玉翼級＞：中国海軍LCACのNATOコードで、ユーイー（Yuyi）級と読む。制式名は不明。アメリカ海軍LCACに似ているが、全長25m、幅12-14mで、積載量はアメリカ海軍LCACの8-9割程度とみられる。071型揚陸艦に2-4隻が搭載される。2007年に存在が明らかになり、2009年12月に１番艇が進水した。2010年7月5日に艦番号998崑崙山から発進している。726型シリーズと同じ？参考：月刊世界の艦船9,’10、月刊軍事研究6,’10

＜玉林＞：569（054A型フリゲート）を参照。

＜玉連級＞：079�T型（汎用揚陸艇）を参照。

＜巨済＞：日本海軍測天級敷設艇４番艇Kyosai。昭和14年12月27日竣工。太平洋戦争開戦時は鎮海防備隊に所属し、鎮海から対潜掃討や護衛に出撃した。昭和19年3月、サイパン・トラックに進出。7月、対馬海峡方面で対潜掃討を実施。昭和20年3月、黄海に機雷を敷設。6月、横須賀鎮守府第５特攻戦隊に転属。8月6日、千葉県野島崎沖で爆撃を受けて損傷した。終戦時は横須賀におり、戦後は特別輸送艦として復員・引揚輸送に従事し、6860人を日本へと運んだ。昭和20年10月13日、第１回復員・引揚輸送としてモートロック島に向かった。昭和21年12月、復員・引揚輸送を終了し、特別保管艦となった。戦時賠償艦としてイギリスに引き渡され、昭和22年11月から昭和23年2月に塩釜で解体された。参考：月刊世界の艦船5,’91、写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜清霜＞：日本海軍夕雲型駆逐艦20番艦。昭和19年5月15日竣工。昭和19年10月22日、比島沖海戦に参加。11月14日、マニラ湾で艦上機の攻撃を受けて損傷した。12月26日、礼号作戦に参加。B-25の爆撃を受けて沈没し、昭和20年2月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜居住区（海上自衛隊）＞：水上艦の寝床はベッドで、科員用は昔は４段にすし詰めだったが、現在は２段になった。潜水艦の寝床もベッドで、こちらは艦内スペースが狭いので科員用は３段。ベッド脇に小さい個人用ロッカーがある。居住区中央が食事スペースで、箱型の椅子とテーブルがあり、椅子は食料庫を兼ねる。自衛隊法第55条に海自の船舶乗員は階級に関わらず船舶内に居住するという規定があり、住所は「長崎県佐世保市平瀬町無番地　海上自衛隊佐世保地方総監部気付　護衛艦あきづき」といった感じになる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、MAMOR vol.60

＜居住区番兵＞：日本海軍の衛兵隊の任務の１つで、夜間に居住区を巡回して見張りをする。夜中に起きなければならない兵員は釣床に何時起床という札がかけてあるので、その時間に起こす。衛兵伍長から時々電話がかかってくるので、退屈だからといって居眠りをしてはいけない。参考：海軍よもやま物語

＜許昌＞：536（フリゲート）を参照。

＜魚床式戦闘機＞：MiG-21海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜清洲飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜清澄丸＞：日本海軍金剛丸型特設巡洋艦Kiyosumi maru。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制も兵力部署も第24戦隊に所属していた。昭和18年10月、特設運送艦に類別変更された。参考：モデルアート9,’15増刊、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜漁政船隊＞：中国政府農業部漁業局隷下の漁業監視部隊。黄渤海区、東海区、南海区の３専属経済海区に黄渤海区漁政総隊、東海区漁政総隊、南海区漁政総隊の３個総隊を配備している。海軍を退役した船舶も配備されており、中には武装して海軍要員が運用しているものまである。2009年5月、南海艦隊の艦船７隻が南海区漁政船隊と軍事演習を行い、南沙諸島でのプレゼンスを展開した。2013年、中国海警局に統一された。参考：月刊世界の艦船3,’10

＜清波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦９番艦。昭和18年1月25日竣工。昭和18年7月13日、コロンバンガラ島沖夜戦に参加。7月20日、ベラ・ラベラ沖で爆撃を受けて沈没し、昭和18年10月15日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、ラバウル航空戦

＜拒馬＞：鉄条網を参照。

＜拒否的抑止＞：抑止を参照。

＜許容最大離陸重量＞：Allowable Maximum Takeoff Weight。滑走路の長さや状態及び飛行場の気象など（Field Limit）、離陸飛行経路に要求される上昇性能（Climb Limit）、最大零燃料重量（Zero Fuel Limit）、最大着陸重量（Landing Limit）、山や高層ビルなどの障害物（Obstacle Limit）、タイヤ制限速度（Tire Speed Limit）、ブレーキ能力（Brake Energy Limit）など、ある制限条件下で離陸できる最大重量のこと。最大値は設計最大離陸重量になる（Structural Limit）。参考：月刊航空情報5,’18、航空用語事典増補改訂版

＜許容ペイロード＞：ACL（Allwable Cabin Load）と略す。ある飛行場における許容最大離陸重量から、目的地までの搭載燃料と運航自重を引いたもので、その運航路線における最大ペイロードを示している。元はアメリカ空軍で使用されていた用語らしく、その後一部航空会社に引き継がれたが、正式な用語では無いらしい。参考：航空用語事典増補改訂版

＜魚雷＞：魚形水雷（Fish Torpedo）の略で、今は単にTorpedoという。推進機構及び自動操縦装置で水中を自走し、調定または誘導によって目標に接近または衝突して爆発し、目標を破壊する水中武器である。無誘導魚雷とホーミング魚雷、長魚雷と短魚雷（対潜魚雷）といった分類がある。炸薬量が多く、艦底や吃水線近くで炸裂するため、中型艦を一発で沈めることが可能。吃水線近くの水線下に直撃させるよりも、磁気信管で艦底下数メートルの水中爆発を起こさせた方が、バブル・ジェット効果により破壊力が高くなる。魚雷を撃たれた側は、なるべく早く探知し、最適回避針路をとって最大戦速に加速、魚雷が命中するまでの時間を稼ぐと共に（可能なら射程外に逃げる）、デコイなどの対魚雷防御手段を作動させる。それでもホーミング式高速長魚雷をかわすのは困難なため、小型魚雷をぶつけて迎撃する対魚雷用魚雷も開発されるようになった。1866年にオーストラリアで機械技師を務めていたイギリス人のロバート・ホワイトヘッド氏が発明した圧縮空気を動力とする自走式水雷が最初で、アイディアはオーストラリア海軍ルピス大佐が考案していた有線誘導式無人汽艇から頂いてきたらしい。他に、陸上の蒸気機関で魚雷の糸巻き車を巻き取ってプロペラを回すブレナン式、動力源の電線を引きずりながら進むシムス・エンジン式、弾み車を回転させて慣性でプロペラを回すハウエル式などが考案されたが、1890年代にはホワイトヘッド式が主流となった。初期には圧縮空気でプロペラを回す冷走魚雷が使用され、次いで乾式加熱装置を搭載したタイプが出現し、熱機関を搭載してプロペラを回して推進する湿式魚雷（熱走魚雷）へと進化した。水中を航走するので空気中の酸素は使えないため、魚雷内に空気室や酸素室を設けるか、高濃度過酸化水素やオットー�U燃料といった酸化剤を含む燃料を使う。その後、蓄電池とモーターの進化で、熱機関を積まないタイプも出てきている。基本的に発射後は再使用せず、充電は自然放電や回路チェックなどで失われた分を補えば済むので、蓄電池は蓄電容量優先で銀亜鉛電池や酸化銀アルミ電池などを使う。動力源から騒音がしないのが利点だが、蓄電エネルギーとモーター性能の関係で速力と航走距離に限界があるのが欠点。プロペラは反動による魚雷の回転を防ぐため二重反転式にしておく。雷速が速いのでシュラウドの欠点（水中抵抗増加）より利点（キャビテーション防止による推進効率向上）が大きく、ポンプジェットも有効である。当初は直径45cmの魚雷を使用していたが、第１次大戦で250-300kgの炸薬が無いと大型艦を撃沈できないことが分かり、53cmに増やされた。最大雷速は40-50ノットくらいで、1000m先から発射しても命中するまで40-50秒かかるため、無誘導魚雷では射三角を正確に計算し、更に本数でカバーする必要があったが、ホーミング魚雷の登場で射撃諸元の省力化と効率化が進んだ。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究4,’07、現代の潜水艦、月刊世界の艦船1,'15増刊、10,’17、2,’10、9,’10、8,’12、5,’13、6,’16、月刊丸8,’95、1,’10別冊

　＜魚雷（アメリカ軍）＞：1890年代、45cm魚雷Mk2を制式化し、潜水艦用としても運用した。1908年、潜水艦用45cm魚雷Mk4を開発。1910年頃、Mk5熱走魚雷の運用を開始。1912年、Mk7熱走魚雷の運用を開始。1915年、戦艦用533mm魚雷Mk9を開発し、改良型を潜水艦にも積んだ。1930年代初め、533mm魚雷Mk14の運用を開始。Mk14の酸化剤を過酸化水素にしたMk16は第２次大戦後の配備となった。第２次大戦中の1941年にドイツのG7e魚雷を鹵獲し、これに倣って航跡の出ない電動モーター推進を採用したMk18を1943年から運用した。1944年末、パッシブ音響誘導式483mm魚雷Mk27の運用を開始。第２次大戦末期、Mk27の533mm型であるMk28の運用を開始。1950年代、アクティブ音響誘導式483mm魚雷Mk37の運用を開始。1972年、533mm魚雷Mk48の配備を開始。参考：アメリカ潜水艦史

　＜魚雷（ドイツ軍）＞：第１次大戦ではC/06型、C/06D型などを使用した。軽巡エムデンは50cmだったが、軽巡ニュルンベルク以降は53.3cmに拡大している。ベルサイユ条約で魚雷の製造は禁止されたが、保有を認められた水上艦艇用の魚雷整備は可能だったため、熱機関及び電気推進魚雷の研究を密かに継続した。試作や発射試験などはスウェーデンやスペインで実施している。Ｚ計画で建造した戦艦は当初魚雷発射管を装備していなかったが、Ｚ計画完遂前に第２次大戦が勃発、イギリスに艦隊決戦を仕掛けても数の差が圧倒的すぎて勝ち目が無いため、海上交通破壊作戦を主任務とすることになり、大戦中にわざわざ魚雷発射管搭載改修を行っている。潜水艦用魚雷は当初、アスディックに探知されない3000m以上の距離から発射することを予定していたが、命中率に難があったため、500mの至近距離から一発で撃沈する戦法に変更、雷跡の見えない電気推進魚雷を主力として配備し、圧縮空気を使用する熱機関魚雷は損傷した相手を撃沈する場合や夜間攻撃に使用することにした。目標データは潜望鏡や望遠鏡から取得し、送信機を通して雷道計算盤に送り、自艦データなどを加えて雷道を計算、発射受信器に送信する。第２次大戦後期にはソナーからの目標データを雷道計算盤に送るようになった。第２次大戦中にＵボートが使用したのはT�T(G7a)、Ｔ�U(G7e)、Ｔ�V(G7e)、G7aFaT�T、Ｔ�VFaT�U(G7e)、Ｔ�TLuT�T(G7a)、Ｔ�VLuT�T（G7e）、Ｔ�Wファルケ、Ｔ�X(G7es)、Ｔ�Xb(G7es）、Ｔ�]�TG7es、Ｔ�Va(G7a)FaT�U、Ｔ�Z(G7ut)。これら数種類を数本ずつ組み合わせて搭載するため、補給が面倒だった。G7esガイアーやG7esレルヒェといったホーミング魚雷は開発中に終戦を迎えた。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート、月刊丸4,’17

　＜魚雷（日本海軍）＞：艦船用は長射程を目指した。当初は深度調整器により深さを一定に保つことは出来たが、針路は安定翼のみで維持するため、海流などで針路が曲がったりした。明治15年、初の魚雷である八四年式朱式魚形水雷を配備。明治32年、冷走魚雷の三二式魚雷を採用。明治33年、縦舵調整器が採用され、確実に直進できるようになり、航行中の艦船を狙うことができるようになった。明治44年、国産湿式の四四式魚雷を制式化。大正6年、国産初の加熱装置付き湿式魚雷の六年式魚雷を制式化。日露戦争と第１次大戦の戦訓から、魚雷戦は巡洋艦以下で行うことになり、戦艦には魚雷を搭載しないようになった。既存の戦艦からも改装時に撤去している。大正11年、八年式二号魚雷を制式化。昭和6年、八九式魚雷を制式化。昭和8年、九〇式魚雷を制式化。昭和10年、酸素魚雷の九三式魚雷と、それを潜水艦用にした九五式魚雷を制式化。航空用は当初艦船用の四四式四十五糎魚雷を流用しており、昭和に入ってから短射程・高速力にして一発必中を狙う九一式航空魚雷を制式化した。ただ敵艦に近接する必要があり、奇襲に成功した真珠湾攻撃では専用の九一式航空魚雷改二で戦果を挙げたが、太平洋戦争後半には艦隊防空網に捕捉されて大損害を出した。参考：月刊丸8,’11、4,’17、3,'18別冊、月刊世界の艦船9,’13増刊、歴史群像2,’08

　＜魚雷（ロシア海軍）＞：1918年6月、ロシア内戦で駆逐艦ケルチがノヴォロシースク港に停泊していた戦艦１隻と駆逐艦１隻を魚雷で撃沈した。ソ連誕生後は45-12魚雷と45-15魚雷が制式化されている。第１次大戦後には魚雷直径を53cmに増やすことになり、53-27魚雷を開発。ただ性能不足だったのでイタリアの技術を導入して53-36魚雷や45-36N魚雷、改良型の53-39魚雷、45-36NU魚雷、53-38U魚雷を完成させた。独ソ戦直前には魚雷8306本（うち航空機用2075本）を保有していた。磁気信管は1932年に一応完成したが、実用型は1942年から導入されている。1942年、電気モーター駆動のET-80が就役。第２次大戦中には魚雷4630本を製造し、3749本を発射、撃沈した艦船のうち敵艦の35%と敵船の56%が魚雷によるものだった。1949年、53-39PM魚雷が就役。1950年、誘導装置を備えたSAET-50魚雷が就役。1951年、53-51魚雷が就役。1955年、核魚雷の実験に成功。1956年、酸素を酸化剤とする53-56魚雷が就役。1957年、過酸化水素タービン推進の53-57魚雷が就役。1958年、53-58核魚雷とSET-53対潜魚雷が就役。1962年、航跡追尾の53-61魚雷が就役。1964年、53-56V魚雷、53-61M魚雷、航跡追尾の53-57M魚雷が就役。1965年、アクティブ音響誘導の53-65魚雷が就役。1966年、パッシブ音響誘導の53-56VA魚雷が制式化された。1968年、53-61MA魚雷が就役。1969年、53-65K魚雷、53-65M魚雷、有線誘導式のSTEST-68魚雷が就役。1972年、対潜・対艦兼用のSET-72魚雷が就役。1973年、650mm径の65-73核魚雷が就役。1976年、650mm径で通常弾頭もある65-76魚雷が就役。炸薬量が500kgもあり、核弾頭でなくてもアメリカ空母に大ダメージを与えられるようになった。1977年、VA-111シクヴァルが就役。1980年、SET-72魚雷に航跡追尾を追加したUSET-80魚雷が就役。参考：月刊世界の艦船9,’10、2,’17

＜魚雷員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の砲雷科員。魚雷や魚雷発射管の運用整備管理を担当する。参考：MAMOR vol.148

＜魚雷回路テスター＞：自衛隊の機器。シンフォニアテクノロジー製。参考：月刊軍事研究6,’16

＜魚雷コントロールケーブルレトリバー＞：自衛隊の機器。P-1に搭載されている。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜魚雷戦（日本海軍潜水艦）＞：水上航行中なら見張りが敵を発見、急速潜航で潜望鏡深度に潜る。潜航中ならソナーで音源を拾い、潜望鏡で確認する。「艦内配置に付け」の号令とブザーで各員が戦闘部署に付き、「魚雷戦用意」「使用魚雷○本（または発射雷数○本）」で魚雷科員が魚雷発射管に注水し、前面の発射管扉を開けて発射準備を完了する。潜水艦長は雷撃に適した艦位を占めるため、「潜望鏡上げ」「聴音用意」「探信用意」で敵艦の位置や距離を確認しつつ、自艦の速力や取舵・面舵を次々と下令する。「発射用意」「撃て」で魚雷を発射。すぐに転舵して深度を下げて退避し、命中を待つ。その後再攻撃に移るか、護衛艦の反撃を避けて退避や爆雷防御に入るかは状況による。参考：潜水艦気質よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語

＜魚雷装置用ジャマーランチャー＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜魚雷艇＞：Torpedo Crafts、Motor Torpedo Boat（MTB）。魚雷を搭載して大型艦に肉薄攻撃をかける小型高速船舶。水雷艇が外洋で多用な任務をこなすようになったため、沿岸での雷撃戦及び敵港湾襲撃用船舶として第１次大戦中に登場し、第２次大戦までは活躍した。しかし交戦距離が対戦闘艦艇で500m、対商船で2000mと短く、レーダーの発達で肉薄攻撃がほぼ不可能となり、船体が小さいために他の作戦にも流用できず、第２次大戦後は廃れ、ミサイル艇がその役目を担うようになった。参考：月刊丸12,’92、グラフィックアクション29、軍事力バランス78年版

　＜魚雷艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。海上警備隊時代に、丙型駆潜艇という名称で、港湾付近と沿海の対水上遊撃・対潜掃討を主任務とする小型高速艇（排水量75トン、速力30ノット）を計画した。主兵装は対艦・対潜兼用の五四式魚雷２本である。後に艦種は丙型警備船に変更され、海自発足により1955年11月1日に自衛艦の種別として定められた。1956年8月に艦種記号PTと801以降の艦番号が付与され、1957年9月1日に公式制定されている。名称は変わっても対潜掃討任務は引き継がれたため、ハル・ソナーを装備する。船体素材として木・アルミ合金・鋼鉄、主機としてディーゼルとガスタービンを比較するため、魚雷艇１号・３号・５号・７号型の計８隻を建造した。また、イギリスからダーク型高速哨戒艇を輸入し、魚雷艇９号型として配備した。量産型プロトタイプとして対水上・対潜任務兼用で魚雷発射管を４門に増やした魚雷艇10号型初号艇の建造に入ったが、それまでの運用結果から高速航行時には雑音でソナーが役に立たないと判明。対潜任務は省き、侵攻艦船に対する対水上遊撃を主任務として魚雷発射管４門を備える魚雷艇11号型を量産した。1960年10月1日、区分・自衛艦−大分類・警備艦−中分類・哨戒艦艇の下の種別となった。1994年10月に最後のPT-815魚雷艇15号が除籍された。1999-2000年頃に艦種も廃止されている。参考：月刊軍事研究9,’18、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜魚雷艇（日本海軍）＞：昭和13年にイタリアから１隻を購入して研究、昭和14年度計画で乙型６隻を建造したが、太平洋の真ん中で艦隊決戦を行うのには使えないと判断し、昭和16年度計画の甲型20隻は８隻で建造を打ち切った。昭和16年6月30日、特務艇の下の類別として艦種が制定されたが、改マル五計画の18隻は起工中止にされている。太平洋戦争開戦後、ソロモン方面での戦訓から必要性が再認識され、昭和18年から魚雷艇甲型、乙型、隼艇を大量に建造し、各地で夜襲などに使用した。ただ航空機用エンジンを流用するなどしたため予定性能が出せず、使えないものは雷艇と名付けて雑役船に放り込んでいる。末期には震洋の司令艇となった。参考：小艦艇入門、日本海軍特務艦船史、月刊丸3,’14

＜魚雷艇１号＞：PT-801を参照。

＜魚雷艇１号型＞：海上自衛隊魚雷艇、計画名称T103。当初は丙型駆潜艇と呼ばれ、３号型及び５号型との船体素材比較検討にも使用された。船体は木造オメガプレーン型で、ケヤキの骨組みにヒノキ外板を貼り付けてある。OQS-1ソナーを搭載するが、高速航走時の騒音が酷く、能力を活かせなかった。OPS-4C対水上レーダーを装備する。全長25m、最大幅6.5m、深さ3.2m、吃水1.2m、基準排水量75トン、満載排水量97トン。主機は三菱YV20ZC15/20型20気筒Ｖ型２サイクルディーゼル２基２軸4000馬力、速力30ノット（実際にはソナードームのせいで28ノットが限界だったらしい）。兵装はボフォース40mm単装機関砲Mk3が１門（後甲板後部）、試製54式53センチ単装水上発射管（HO-101）２基（後甲板前部両舷）、マウストラップMk20が２基。乗員18名。PT-801魚雷艇１号、PT-802魚雷艇２号が1956年に就役し、1973-74年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、3,’10、8,’11増刊

＜魚雷艇２号＞：PT-802を参照。

＜魚雷艇３号＞：PT-803を参照。

＜魚雷艇３号型＞：海上自衛隊魚雷艇、計画名称T103-1（T102-1？）。１号型及び５号型との比較のため、船体はアルミ合金で建造されており、船型も２段チャイン付きオメガプレーン型としている。また、１号型に比べて上構が中央に寄せられた。OQS-1ソナーを搭載するが、高速航行時の騒音が酷く、本来の能力を発揮できなかった。OPS-4C対水上レーダーを装備する。全長26m、最大幅6.8m、深さ3.2m、吃水1.1m、基準排水量70トン、満載排水量92トン。主機は三菱YV20ZC15/20型20気筒Ｖ型２サイクルディーゼル２基２軸4000馬力、速力31ノット（実際には主機の不調で28ノット程度だったらしい）。兵装はボフォース40mm単装機関砲Mk3が１門（後甲板後ろ寄り）、試製54式53センチ単装水上発射管（HO-101）２基（後甲板前寄り両舷）、マウストラップMk20が２基。乗員18名。PT-803魚雷艇３号とPT-804魚雷艇４号が1956年に竣工し、1973年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊、8,’11増刊

＜魚雷艇４号＞：PT-804を参照。

＜魚雷艇５号＞：PT-805を参照。

＜魚雷艇５号型＞：海上自衛隊魚雷艇、計画番号T103-2。１号型、３号型との比較のため、船体をSM41相当の鋼材で製作した。船型は１号型と同じである。重量は１号型より増加したが、吸水の問題は無く、アルミ合金よりも工作は容易だった。OQS-1ソナーを搭載するが、高速航行時の騒音が酷く、本来の能力を発揮できなかった。OPS-4C対水上レーダーを装備する。全長25m、最大幅6.5m、深さ3.2m、吃水1.2m、基準排水量75トン、満載排水量98トン。主機は三菱YV20ZC15/20型20気筒Ｖ型２サイクルディーゼル２基２軸4000馬力、速力30ノット（実際には主機の不調で28ノットが限界だったらしい）。兵装はボフォース40mm単装機関砲Mk3が１門（後甲板後ろ寄り）、試製54式53センチ単装水上発射管（HO-101）２基（後甲板前寄り両舷）、マウストラップMk20が２基。乗員18名。PT-805魚雷艇５号、PT-806魚雷艇６号の２隻が1956年に就役し、1974年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊、8,’11増刊

＜魚雷艇６号＞：PT-806を参照。

＜魚雷艇７号＞：PT-807を参照。

＜魚雷艇７号型＞：海上自衛隊魚雷艇、計画番号T106-1。１号型、３号型、５号型の運用実績に基づいて建造された。船体はアルミ合金製で、一回り大型にしてある。OQS-1収容ソナードームの形状も騒音と抵抗の少ない形状に改良したが、あまり効果は無かった。全長34m、最大幅7.5m、深さ3.5m、吃水1.2m、基準排水量100トン、満載排水量135トン。主機は三菱YV20ZC15/20型20気筒Ｖ型２サイクルディーゼル３基３軸6000馬力。計画速力は33ノットだが、エンジントラブルとソナードーム装備の関係でそこまでは出せなかったらしい。兵装はボフォース40mm単装機関砲Mk3が２門（前後甲板）、試製54式53センチ単装水上発射管（HO-101）４基（船体中央両舷タンデム）、マウストラップMk20が２基（前甲板機関砲前方並列）。乗員27名。1957-58年にPT-807魚雷艇７号、PT-808魚雷艇８号の２隻が就役した。PT-807は後にIM300ガスタービンの試作型を搭載し、操舵室後部に吸気口を配置、試験を行っている。1972年と1974年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、11,'17増刊、5,’02増刊、3,’10、8,’11増刊、丸スペシャルNo.78

＜魚雷艇８号＞：PT-808を参照。

＜魚雷艇８号＞：イギリス海軍魚雷艇。排水量22トン。1941年12月16日、香港付近で水雷艇雁と雉の砲撃を受けて沈没した。参考：小艦艇入門

＜魚雷艇９号＞：PT-809を参照。

＜魚雷艇９号型＞：海上自衛隊魚雷艇。技術資料の参考として購入したイギリス海軍ダーク級高速哨戒艇（サンダース・ロー社製）である。船体を小型軽量にするため、骨組みをアルミ合金、外板を木材で製造した。主機と推進軸はＶドライブギアを介して接続し、主機を船体後部に配置することで重心を極端に後方に置き、水面上を滑走できるようにして高速性能を重視した。中間速力域での操艦を容易にするため、船尾には油圧作動のフラップを持つ。全長22m、最大幅6m、深さ3m、吃水1.2m、基準排水量60トン、満載排水量75トン。主機はナピア・デルティックT18-11B型18気筒デルタ対向２サイクルディーゼル２基２軸5000馬力、速力40ノット／55ノット（兵装無し）。固定兵装は無いが、533mm単装魚雷発射管２門を搭載可能。乗員14名。1957年にPT-809魚雷艇９号が就役し、1972年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊、8,’11増刊

＜魚雷艇１０号＞：PT-810を参照。

＜魚雷艇１０号型＞：海上自衛隊魚雷艇、計画番号T109。先行量産型相当だが、量産型（魚雷艇11号型）はかなり違う仕様になった。艇体はアルミ合金製オメガプレーン船型で、３段のチャインと低い船首楼を持ち、後部船底にディッピング・ソナーを装備している。主機は24WZディーゼルを予定していたが、製作が間に合わなかったため、魚雷艇９号型で搭載したナピア・デルティックT18-11Bの出力強化型であるナピア・デルティックT18-37Kディーゼルを搭載した。無兵装での公試ではディーゼル艇速力世界記録の47.72ノットを記録している。OPS-8対水上レーダーを装備する。全長32m、最大幅8.5m、深さ3.4m、吃水1.1m、基準排水量90トン、満載排水量125トン。主機はナピア・デルティックT18-37K型18気筒デルタ対向２サイクルディーゼル３基３軸9400馬力、速力40ノット。兵装はボフォース40mm単装機関砲Mk3が２門、試製54式53センチ単装水上発射管（HO-101A）４門。乗員26名。PT-810魚雷艇10号が1962年に就役した。後に中央軸１本が破損、エンジンを３基しか輸入しなかったので部品供給に支障が出ていたこともあり、中央軸のエンジンを陸揚げして部品取りに回し、以降は２軸で運用した。1975年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊、8,’11増刊、丸スペシャルNo.78

＜魚雷艇１１号＞：PT-811を参照。

＜魚雷艇１１号型＞：海上自衛隊の量産型魚雷艇、計画番号T118。主任務は対艦のみに変更され、ソナーなどは装備せず、OPS-19対水上レーダーを搭載しており、魚雷も対艦専用である。船体はアルミ合金製で、押出型材を多用して軽量化を図り、高速６号型で効果が証明されたディープＶ字型の船体を採用した。１番艇では外板に溶接を多用したが、歪みが多発したため、２番艇以降はリベット部分を増やしている。艦橋と兵装はなるべく後ろに配置し、波浪中でも船体があまり上下しないようにした。両舷軸にはディーゼルが１基ずつ、中央軸にはガスタービン２基が主減速装置で纏めて接続されており、18ノット以下で航行する際は中央軸のクラッチを切って空転させ、ディーゼルのみで航行する。ガスタービンの吸気孔は甲板室両側にあり、デミスター装置で海水を分離した空気がエンジンに送られる。２番艇PT-812以降は吸気孔の構造を変更した。排気は艇尾部トランサムにある排気孔２基から排出されるが、ガスタービン非運転時は排気孔が蓋で閉じられる。４番艇PT-814以降はデータロガーを装備し、乗員が２名減った。全長35m、最大幅9.2m、深さ3.8m、吃水1.2m、基準排水量100トン、満載排水量140トン。主機はCODAG方式、三菱24WZ-30MC型２サイクルディーゼル（3000馬力。PT-811のみ）／24WZ-31MC型２サイクルディーゼル（3300馬力。PT-812以降）２基（両舷軸）・石川島播磨IM300ガスタービン（2200馬力）２基（中央軸）、出力10500馬力（PT-811）／11000馬力（PT-812以降）、３軸推進、最大速力40ノット。兵装はボフォース40mm単装機関砲Mk3が２門、試製54式53センチ単装水上発射管（HO-101B）４門（72式１型魚雷）。乗員28名（PT-813まで）／26名（PT-814以降）。PT-811魚雷艇11号、PT-812魚雷艇12号、PT-813魚雷艇13号、PT-814魚雷艇14号、PT-815魚雷艇15号の５隻が三菱重工下関造船所で建造されて1971-75年に就役し、1990-94年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、4,’11、8,’11増刊、自衛隊装備カタログ1981、丸スペシャルNo.78

＜魚雷艇１２号＞：PT-812を参照。

＜魚雷艇１３号＞：PT-813を参照。

＜魚雷艇１４号＞：PT-814を参照。

＜魚雷艇１５号＞：PT-815を参照。

＜魚雷艇３７号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年2月1日、日本海軍駆逐艦の砲撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇４３号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年1月11日、日本海軍駆逐艦の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇４４号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1942年12月12日、ガダルカナル島沖で駆逐艦江風の砲撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇５９号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1942年12月9日、ガダルカナル島カミンボ沖で伊３潜水艦を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１０９号＞：アメリカ海軍魚雷艇PT-109。1943年8月2日、ソロモン諸島海域で駆逐艦天霧と衝突し、更に攻撃を受けて沈没した。この時の艇長が後のジョン・Ｆ・ケネディ大統領で、乗員と共にソロモンのウエスタン州州都ギゾにある日本軍基地から数百メートルしか離れていない小島に逃れ、現地のゲリラ部隊長ベン・ケーヴィンらと連絡を付けて無事に生き延びた。戦後に下院議員として来日したケネディ氏は、日本政府に当時の天霧艦長を捜すよう依頼し、元艦長の花見弘平氏との交流が始まった。1952年に上院議員となった直後には手紙と「昨日の敵は今日の友」と書かれた顔写真を花見氏に送り、大統領選の際には天霧の元乗員から激励の寄せ書きがケネディ氏に贈られている。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船5,’86、朝雲

＜魚雷艇１１１号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年2月1日、日本海軍駆逐艦の砲撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１１２号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年1月11日、日本海軍駆逐艦の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１１７号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年7月1日、ソロモン海域で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１２３号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年2月1日、日本海軍駆逐艦の砲撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１５０号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年5月14日、ニューギニアのラビ付近で魚雷艇152号と共に呂102潜水艦を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１５２号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年5月14日、ニューギニアのラビ付近で魚雷艇150号と共に呂102潜水艦を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１６４号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年8月1日、ソロモン海域で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１６５号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年5月23日、ニューカレドニア沖で日本海軍潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１６６号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年7月20日、ソロモン付近で機銃掃射を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇１７３号＞：アメリカ海軍魚雷艇。1943年5月23日、ニューカレドニア沖で日本海軍潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇乙型＞：日本海軍魚雷艇。船体は木造で、高速を発揮できるようＶ字の船体を持つ。エンジンの開発に手間取り、担当の技術中尉が自責の念から自決する事件まで起きている。そのため初期の艇は各種航空機用エンジンを搭載したが、新品だけでなく中古品どころか廃品まで使用しており、速力が低く騒音が酷く、夜襲は無理だった。後に水冷式七一号六型ガソリンエンジン（920馬力）を開発して搭載している。排水量20-25トン。速力17-39ノット。兵装は九三式一三ミリ機銃または九六式二五ミリ機銃１丁、魚雷落射器２基、二式魚雷２本。艇型はエンジンの違いなどによりT1型、T14型、T15型、T23型、T25型、T31型、T32型、T33型、T34型、T35型、T36型、T37型、T38型、T39型、T151型など多種にわたり、計254隻建造された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜魚雷艇甲型＞：日本海軍魚雷艇。船体は木造で、高速を発揮できるようＶ字の船体を持つ。排水量80トン。兵装は九三式一三ミリ機銃または九六式二五ミリ機銃1-3丁、魚雷落射器2-4基、二式魚雷2-4本、爆雷12個。T51a型１隻とT51b型７隻が建造された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜魚雷艇隊（日本海軍）＞：魚雷艇甲型、乙型、隼艇を4-12隻組み合わせて編成された。ラバウル、フィリピン、ラングーン、タラワなどに配備されたが、戦果は沖縄で大型掃海艇スカイラークを撃沈したのみである。参考：小艦艇入門

＜魚雷艇第１号＞：日本海軍T1型魚雷艇、第１号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１号型＞：T1型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第２号＞：日本海軍T1型魚雷艇、第２号魚雷艇。昭和17年5月2日、ウェーク島で座礁した。昭和18年9月19日、タラワ付近で爆撃を受けて沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第３号＞：日本海軍T1型魚雷艇、第３号魚雷艇。昭和18年9月19日、タラワ付近で爆撃を受けて沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第４号＞：日本海軍T1型魚雷艇、第４号魚雷艇。1944年4月24日、ウエーキ付近で爆撃により沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第５号＞：日本海軍T1型魚雷艇、第５号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第６号＞：日本海軍T1型魚雷艇、第６号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０号＞：日本海軍T51a型魚雷艇、第10号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年2月18日、トラック空襲で沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第１０号型＞：T51a型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第１１号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第11号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１号型＞：T51b型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第１２号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第12号魚雷艇。昭和19年8月20日、長浦でガソリンに引火して爆発、沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第１３号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第13号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１４号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第14号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第15号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１６号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第16号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１７号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第17号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１８号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第18号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１９号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第19号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０号＞：日本海軍T51b型魚雷艇、第20号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４号＞：日本海軍魚雷艇、第24号魚雷艇。昭和19年9月25日、母島で座礁した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第２８号＞：日本海軍魚雷艇、第28号魚雷艇。昭和20年7月18日、横須賀で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第１０１号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第101号魚雷艇。昭和17年8月、水雷学校に配備された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０１号型＞：日本海軍魚雷艇。元はオランダ海軍TM4型魚雷艇で、昭和17年にスラバヤで沈んでいたのを鹵獲し、第102工作部で修理したものである。船体はステンレス製。速力は元の33.25ノットから23-30ノット程度に低下した。全長18.6m、幅3.8m、吃水0.7m、排水量17トン。主機はローレイン型ガソリン機関３基３軸1350馬力、速力23-30ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、13mmまたは25mm単装機銃１丁。第101号魚雷艇、第109号魚雷艇、第110号魚雷艇、第111号魚雷艇、第112号魚雷艇、第115号魚雷艇、第117号魚雷艇、第118号魚雷艇、第119号魚雷艇、第120号魚雷艇が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０２号＞：日本海軍魚雷艇第102号型、第102号魚雷艇。昭和20年8月1日、長崎造船所で爆撃を受けて大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０２号型＞：日本海軍魚雷艇。元はオランダ海軍TM4型魚雷艇で、昭和17年にスラバヤで鹵獲した船体と機関を第102工作部で組み立てており、魚雷艇第101号型とは排水量が違う。全長18.6m、幅3.8m、吃水0.7m、排水量20トン。主機はローレイン型ガソリン機関３基３軸1350馬力、速力23-30ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、13mmまたは25mm単装機銃１丁。第102号魚雷艇、第103号魚雷艇、第104号魚雷艇、第105号魚雷艇、第106号魚雷艇、第107号魚雷艇、第108号魚雷艇が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０３号＞：日本海軍魚雷艇第102号型、第103号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０４号＞：日本海軍魚雷艇第102号型、第104号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０５号＞：日本海軍魚雷艇第102号型、第105号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０６号＞：日本海軍魚雷艇第102号型、第106号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０７号＞：日本海軍魚雷艇第102号型、第107号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０８号＞：日本海軍魚雷艇第102号型、第108号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１０９号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第109号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第110号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１１号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第111号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１２号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第112号魚雷艇。昭和18年8月2日、ラエ沖で爆撃を受けて大破し、放棄された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第１１３号＞：日本海軍魚雷艇第113号型、第113号魚雷艇。昭和18年5月竣工。8月2日、ラエ沖で爆撃を受けて大破し、放棄された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１３号型＞：日本海軍魚雷艇。元はオランダ海軍TM4型魚雷艇で、スラバヤで沈没していたのを昭和17年に引き揚げて第102工作部で修理したものである。全長18.6m、幅3.8m、吃水0.7m、排水量18トン。主機はローレイン型ガソリン機関３基３軸1350馬力、速力23-30ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、13mmまたは25mm単装機銃１丁。第113号魚雷艇と第116号魚雷艇が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１４号＞：日本海軍魚雷艇第114号型、第114号魚雷艇。昭和18年4月竣工。太平洋戦争末期にフィリピン方面で戦没したらしい。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１４号型＞：日本海軍魚雷艇。元は1940年にソーニクロフト社で製造されたフィリピン海軍魚雷艇Ｑ�Vで、昭和17年5月にキャビテで沈んでいたのを鹵獲し、第103工作部で修理したものである。全長20m、幅4m、吃水1.1m、排水量40トン。主機はソーニクロフト型ガソリン機関３基３軸1800馬力、速力39ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、13mm単装機銃２丁。第114号魚雷艇が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１５号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第115号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１６号＞：日本海軍魚雷艇第113号型、第116号魚雷艇。昭和18年5月竣工。7月25日、ラバウルで座礁した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１７号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第117号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１８号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第118号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１９号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第119号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１２０号＞：日本海軍魚雷艇第101号型、第120号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１４０号＞：日本海軍魚雷艇、第140号魚雷艇。昭和19年9月12日、セブで爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第１５１号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第151号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５１号型＞：T151型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第１５２号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第152号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５３号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第153号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５４号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第154号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５５号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第155号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５６号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第156号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５７号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第157号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５８号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第158号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１５９号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第159号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１６０号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第160号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１６１号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第161号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１６２号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第162号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１６３号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第163号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１６４号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第164号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１６５号＞：日本海軍T151型魚雷艇、第165号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０１号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第201号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０１号型＞：T23型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第２０２号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第202号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０３号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第203号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０４号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第204号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０５号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第205号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０６号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第206号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０６号型＞：T31型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第２０７号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第207号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０８号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第208号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２０９号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第209号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１０号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第210号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１１号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第211号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１２号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第212号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１３号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第213号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１４号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第214号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１５号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第215号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１６号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第216号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１７号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第217号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１８号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第218号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２１９号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第219号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２０号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第220号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２０号型＞：T33型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第２２１号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第221号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２２号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第222号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２３号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第223号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２４号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第224号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２５号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第225号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２６号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第226号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２７号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第227号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２８号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第228号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２２９号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第229号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３０号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第230号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３１号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第231号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３２号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第232号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３３号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第233号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３４号＞：日本海軍T31型魚雷艇、第234号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３５号＞：日本海軍T34型魚雷艇、第235号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更され、第33号雷艇となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３５号型＞：T34型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第２３６号＞：日本海軍T34型魚雷艇、第236号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更され、第34号雷艇となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３７号＞：日本海軍T34型魚雷艇、第237号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更され、第35号雷艇となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３８号＞：日本海軍T34型魚雷艇、第238号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更され、第37号雷艇となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２３９号＞：日本海軍T34型魚雷艇、第239号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更され、第38号雷艇となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４０号＞：日本海軍T34型魚雷艇、第240号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第241号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４１号型＞：T38型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第２４２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第242号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第243号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第244号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第245号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第246号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第247号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第248号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２４９号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第249号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５０号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第250号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第251号魚雷艇。昭和19年7月11日、釧路で廃棄処分となった。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第２５２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第252号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第253号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第254号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第255号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第256号魚雷艇。昭和20年7月18日、横須賀でアメリカ機動部隊の空襲を受けて損傷した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第２５７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第257号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第258号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２５９号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第259号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６０号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第260号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第261号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第262号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第263号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第264号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第265号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第266号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第267号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第268号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２６９号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第269号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７０号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第270号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第271号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第272号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第273号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第274号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第275号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第276号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第277号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第278号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２７９号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第279号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２８０号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第280号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２８１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第281号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２８２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第282号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２８３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第283号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２８４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第284号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２８５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第285号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第２８６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第286号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０１号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第301号魚雷艇。昭和18年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０１号型＞：T32型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第３０２号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第302号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、第11魚雷艇隊に編入された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０３号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第303号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第39号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０４号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第304号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、第11魚雷艇隊に編入された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０５号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第305号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、第11魚雷艇隊に編入された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０６号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第306号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第40号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０７号＞：日本海軍T32型魚雷艇第307号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、第11魚雷艇隊に編入された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０８号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第308号魚雷艇。昭和18年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３０９号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第309号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第41号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１０号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第310号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第42号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１１号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第311号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第43号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１２号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第312号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第44号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１３号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第313号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第45号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１４号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第314号魚雷艇。昭和18年竣工。昭和19年3月、雑役船に編入され、雷艇第46号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１５号＞：日本海軍T32型魚雷艇、第315号魚雷艇。昭和18年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１６号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第316号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１７号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第317号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１８号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第318号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３１９号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第319号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２０号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第320号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２１号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第321号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２２号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第322号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２３号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第323号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２４号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第324号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２５号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第325号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２６号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第326号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２７号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第327号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２７号型＞：T37型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第３２８号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第328号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３２９号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第329号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３０号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第330号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３１号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第331号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３２号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第332号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３３号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第333号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３４号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第334号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３５号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第335号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３６号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第336号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３７号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第337号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３８号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第338号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３３９号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第339号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４０号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第340号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４１号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第341号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４２号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第342号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４３号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第343号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４４号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第344号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４５号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第345号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４６号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第346号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４７号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第347号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４８号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第348号魚雷艇。昭和19年3月、雑役船に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３４９号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第349号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５０号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第350号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５１号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第351号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５２号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第352号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５３号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第353号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５４号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第354号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５５号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第355号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５６号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第356号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第３５７号＞：日本海軍T37型魚雷艇、第357号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０１号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第401号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０２号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第402号魚雷艇。昭和19年3月18日、ビルマ沿岸のブロンガ島付近で爆撃を受けて沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第４０３号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第403号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０４号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第404号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０５号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第405号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０６号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第406号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０７号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第407号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０８号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第408号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４０９号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第409号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１０号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第410号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１１号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第411号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１１号型＞：T36型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第４１２号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第412号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１３号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第413号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１４号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第414号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１５号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第415号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１６号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第416号魚雷艇。昭和19年5月30日、パラオで座礁して沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１７号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第417号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１８号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第418号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４１９号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第419号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２０号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第420号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２１号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第421号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２２号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第422号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２３号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第423号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２４号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第424号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２５号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第425号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２６号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第426号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２７号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第427号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４２８号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第428号魚雷艇。昭和19年4月24日、パラオ島付近で座礁して沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第４２９号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第429号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３０号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第430号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３１号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第431号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３２号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第432号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３３号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第433号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３４号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第434号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３５号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第435号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３６号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第436号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３７号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第437号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３８号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第438号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４３９号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第439号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４０号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第440号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４１号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第441号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４２号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第442号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４３号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第443号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４４号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第444号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４５号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第445号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４６号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第446号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４７号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第447号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４８号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第448号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４４９号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第449号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５０号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第450号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５１号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第451号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５２号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第452号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５３号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第453号魚雷艇。昭和19年3月18日、ビルマ沿岸のブロンガ島付近で爆撃を受けて沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第４５４号＞：日本海軍T23型魚雷艇、第454号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５５号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第455号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５６号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第456号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第457号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第458号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４５９号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第459号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６０号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第460号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第461号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第462号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第463号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第464号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第465号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第466号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第467号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６８号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第468号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６８号型＞：T35型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第４６９号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第469号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４６９号型＞：T25型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第４７０号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第470号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７１号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第471号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７２号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第472号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７３号＞：日本海軍T36型魚雷艇、第473号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７４号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第474号魚雷艇。昭和19年竣工。3月、雑役船に艦種変更され、雷艇第81号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７４号型＞：T39型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第４７５号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第475号魚雷艇。昭和19年竣工。3月、雑役船に艦種変更され、雷艇第82号となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７６号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第476号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７７号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第477号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７８号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第478号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４７９号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第479号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８０号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第480号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８１号＞：日本海軍T39型魚雷艇、第481号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８２号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第482号魚雷艇。昭和19年12月13日、セブ北方で爆撃を受けて沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第４８３号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第483号魚雷艇。昭和19年9月12日、セブで爆撃を受けて沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜魚雷艇第４８４号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第484号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８５号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第485号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８６号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第486号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８７号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第487号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８８号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第488号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４８９号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第489号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９０号＞：日本海軍T35型魚雷艇、第490号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９１号＞：日本海軍T15型魚雷艇、第491号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９１号型＞：T15型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第４９２号＞：日本海軍T15型魚雷艇、第492号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９３号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第493号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９４号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第494号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９５号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第495号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９６号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第496号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９７号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第497号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９８号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第498号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第４９９号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第499号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５００号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第500号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０１号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第501号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０２号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第502号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０３号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第503号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０４号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第504号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０５号＞：日本海軍T33型魚雷艇、第505号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第506号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第507号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第508号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５０９号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第509号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１０号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第510号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第511号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第512号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第513号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第514号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第515号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第516号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第517号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第518号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５１９号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第519号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２０号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第520号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２１号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第521号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２２号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第522号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２３号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第523号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２４号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第524号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２５号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第525号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２６号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第526号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２７号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第527号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２８号＞：日本海軍T38型魚雷艇、第528号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５２９号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第529号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３０号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第530号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３１号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第531号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３２号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第532号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３３号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第533号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３４号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第534号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３５号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第535号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３６号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第536号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３７号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第537号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第538号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５３８号型＞：T14型魚雷艇を参照。

＜魚雷艇第５３９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第539号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第540号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第541号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第542号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第543号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第544号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第545号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４６号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第546号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４７号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第547号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第548号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５４９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第549号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５５０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第550号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５５１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第551号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５５２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第552号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５５３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第553号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５５４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第554号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第５５５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第555号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０１号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第801号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０２号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第802号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０３号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第803号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０４号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第804号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０５号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第805号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０６号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第806号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０７号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第807号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０８号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第808号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８０９号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第809号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１０号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第810号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１１号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第811号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１２号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第812号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１３号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第813号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１４号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第814号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１５号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第815号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１６号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第816号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１７号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第817号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１８号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第818号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８１９号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第819号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２０号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第820号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２１号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第821号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２２号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第822号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２３号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第823号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２４号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第824号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２５号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第825号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２６号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第826号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２７号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第827号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２８号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第828号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８２９号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第829号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３０号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第830号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３１号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第831号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３２号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第832号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３３号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第833号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３４号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第834号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３５号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第835号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３６号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第836号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３７号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第837号魚雷艇。昭和19年竣工。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第838号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８３９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第839号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第840号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第841号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第842号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第843号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第844号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第845号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４６号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第846号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４７号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第847号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第848号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８４９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第849号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第850号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第851号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第852号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第853号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第854号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第855号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５６号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第856号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５７号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第857号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第858号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８５９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第859号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第860号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第861号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第862号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第863号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第864号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第865号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６６号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第866号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６７号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第867号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第868号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８６９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第869号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第870号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第871号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第872号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第873号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第874号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第875号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７６号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第876号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７７号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第877号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第878号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８７９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第879号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第880号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第881号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第882号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第883号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第884号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第885号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８６号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第886号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８７号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第887号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第888号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８８９号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第889号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８９０号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第890号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８９１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第891号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８９２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第892号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８９３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第893号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第８９４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第894号魚雷艇。建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０１号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1101号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０２号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1102号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０３号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1103号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０４号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1104号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０５号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1105号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０６号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1106号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０７号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1107号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１０８号＞：日本海軍T14型魚雷艇、第1108号魚雷艇。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１２０号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第1120号魚雷艇。昭和20年、雷艇から改称された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１２１号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第1121号魚雷艇。昭和20年、雷艇から改称された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１２２号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第1122号魚雷艇。昭和20年、雷艇から改称された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷艇第１１２３号＞：日本海軍T25型魚雷艇、第1123号魚雷艇。昭和20年、雷艇から改称された。参考：日本海軍特務艦船史

＜魚雷発射管＞：艦艇や潜水艦が魚雷を発射するための装置。管状をしているので魚雷発射機でなく魚雷発射管という。第２次大戦後は魚雷のみならず、潜対艦ミサイル、潜対地巡航ミサイル、UUV、特殊部隊用ボートなども射出するが、名称は相変わらず魚雷発射管である。参考：歴史群像2,’05、8,’98、月刊世界の艦船9.’12増刊、2,’87、9,’10、現代の潜水艦、丸スペシャルNo.76、潜水艦気質よもやま物語

　＜魚雷発射管（水上）＞：水上艦が吃水線上に装備する。後部扉を開いて魚雷と発射用ピストンを装填、扉を閉める。水上発射管の場合、魚雷上部中央及び後端のＴ型導子が発射管のレールに結合されており、圧縮空気で魚雷が押されるとまず中央の導子が外れて魚雷が下を向き、次いで後端の導子が外れて発射管から下向きに射出され、水中へと突入する。当初は魚雷が着水の衝撃で破損しないよう、中甲板などに搭載されることが多かったが、舷側に開口部があると防御上不利なことから、魚雷の強度を高めて上甲板に装備するようになった。ただ被弾誘爆の危険性が高く、かといって装甲防御を施すとトップヘビーになってしまうので、大型艦では水中発射管に移行した。参考：歴史群像2,’05、8,’98、月刊世界の艦船4,’18

　＜魚雷発射管（水中）＞：潜水艦の他、水上艦も吃水線下に装備したものがある。通常は艦首尾線と平行にして艦首に設置するが、ソナーなどの関係で船体中央に斜め前向きで置くこともあり、この場合は針路から斜めに発射することになるので、水流を受けて射出途中に魚雷などの兵装が管壁にぶつからないよう、艦の速力に制限を設けるなどの工夫が必要になる。以前は対潜護衛艦艇への反撃用として潜水艦後部に後ろ向きの後部発射管を備え、水中で高速回避運動を取りながら魚雷を射出できるようにしていたが、対潜兵器の長射程化や対潜ヘリの登場で護衛艦艇と直接対峙して水中格闘戦を行う機会が無くなり、涙滴型潜水艦の全盛で装備スペースも消え、廃れた。水圧に耐えるため、発射管前後に耐圧扉を持ち、更に船体外板に外扉が付いている。前後扉が同時に開くと海水が大量に浸入して沈むので、同時には開かない機構を備える。発射管直径は魚雷より大きく、内側に90度間隔で発射レールが付く。戦闘が予想される状態になったら、発射管内を排水して後扉を開け、異物が無いことを確認して魚雷を装填し後扉を閉め、注水時の音を聞かれないよう予めポンプで発射管内に注水して満水にしておく。兵装は長時間の高圧には耐えられないので、水圧はあまり上げない。注水するのは外の海水か、艦内タンクの海水だが、前者は雑音が大きい、後者は注水に時間がかかるという欠点がある。発射の際には、ポンプで更に注水するか均圧弁を開くかして発射管内外の圧力差を無くし、前扉と外扉を開ける。この際にも音がするので、位置を暴露しないように注意深く行う。魚雷の場合、圧縮空気または水圧で魚雷後方のピストンを押すことにより、管内の海水を介して魚雷を発射管から射出する。初期には圧縮空気でそのまま魚雷を押していたが、発射時に大きい発射音と直径数メートルの泡が出て位置がばれること、発射直後に管内に残存する空気で船体が浮き上がってしまうこと、深々度では発射が困難になることから、ピストンを押す形式になった。ピストンは発射用空気・水を回収することで元の位置に戻るが、これに時間を要するのと、ピストンが大型なので左右の魚雷発射管に１つの割合で用意せざるを得ず、連続発射ができないという欠点がある。また、圧縮空気や水をピストンに送る際に雑音が出るため、ピストンを使わず空気モーターで水圧ポンプを駆動し、高圧水を作り出して発射するタイプが開発された。発射された魚雷は、艦から離れた所でスクリューを作動し、敵艦に向かう。潜水艦は発射管前扉と外扉を閉め、管内の海水を回収し、発射した魚雷と同じ重量の海水をバラストタンク・トリムタンク・専用タンクに入れてバランスをとり、退避する。ただシステムが大がかりで小型潜水艦に積むのは難しいので、発射管内で魚雷の主機を作動させて射出するスイムアウト方式をとるものもあるが、発射管よりも直径の小さい魚雷でないと、発射管を出るまでに後方に生じる陰圧に負けてスイムアウトできない。また、魚雷の推進装置が発する雑音が発射管により前方に集中するので注意。有線誘導式魚雷の場合、誘導用ケーブルを繰り出す必要があるので、発射後暫くは前部扉を開けっ放しにしておく。発射準備だけして発射しなかった場合は、魚雷が海水に浸かってしまうので、整備しないと錆びて使えなくなる。魚雷の補充は、潜水艦上面のハッチから予備魚雷庫に積むか、潜水艦をアップトリムにして魚雷発射口を海面上に出し、発射管に直接突っ込む。参考：月刊世界の艦船11,’16、6,'21、9,’12増刊、2,’87、9,’10、歴史群像2,’05、8,’98、現代の潜水艦、丸スペシャルNo.76、潜水艦気質よもやま物語

　＜魚雷発射管（ドイツ）＞：第２次大戦中のＵボートでは直径533mm・全長7.16mの発射管を使用した。一部で5m発射管も使っている。射出は圧縮空気で魚雷後方の浮動ピストンを押す方式で、射出後に圧縮空気を回収するので気泡が出ないが、発射管内の魚雷を整備などで魚雷発射管室に戻す時には、いちいち外さなければならなかった。参考：Ｕボート入門

＜魚雷標的５型＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究6,’08

＜魚雷防御装置用ジャマーランチャー＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜魚雷防御装置＞：海上自衛隊の護衛艦用魚雷回避システム、制式名称OLQ-1、略称TCM（Torpedo Counter Measures）。1999年度から技術研究本部で開発された。ソナーやTASSにより魚雷を探知すると自走式デコイ１型または投射型静止式ジャマー（海中で妨害音波を発する）を投射し、自艦に回避コースを取らせる。デコイ・ジャマー発射機は各２基ずつ装備する。日立製作所製。あきづき型、いずも型に搭載された。参考：月刊軍事研究6,’15、12,’13、8,’10、8,’09

　＜ＯＬＱ−１−１＞：自衛隊の魚雷防御装置。日立製作所製。参考：月刊軍事研究6,’16

＜魚雷防御装置用データテーブル維持管理装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究3,’16

＜魚雷防御装置用デコイランチャー＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜魚雷防御網＞：Anti-torpedo net。魚雷防御のため艦船周囲に取り付ける鋼鉄製のネットで、19世紀末から20世紀初頭に装備された。戦闘中の高速航行時には流されてしまうので、第１次大戦後あたりに廃れた。参考：月刊世界の艦船8,’21、月刊軍事研究4,’07、6,’15

＜魚雷誘導データ記録器改１＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究11,’12

＜魚雷用音響静止標的＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜魚雷用デコイランチャー＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜距離情報提供装置＞：距離測定電波装置ともいい、DME（Distance Measuring Equipment）と略す。二次レーダーの一種で、地上装置にパルス受信機、パルス送信機、アンテナを置き、航空機に送受信機と全方向性送信アンテナを装着する。航空機からこの装置に質問電波（1960-1515MHzの極超短波帯）を送り、回答電波が返信されてくるまでの時間から距離を割り出すことができる。これと超短波全方向式無線標識施設VORを組み合わせれば航空機の正確な位置を知ることが可能で、通常は施設が併設されており、VOR/DMEと呼ばれる。参考：航空管制のはなし、飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版

＜距離測定電波装置＞：距離情報提供装置を参照。

＜巨浪シリーズ＞：中国海軍潜水艦搭載弾道ミサイルJù Làng。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’17

　＜巨浪１＞：別名JL-1（Jù Làng-1）、米軍コードCSS-N-3。1967年から開発され、1978年に固体燃料ロケットの燃焼試験を実施、1982年4月に水上試射（水中発射台からの試射？）が漸く始まり、10月に031型試験潜水艦からの水中発射に初成功、1988年7月に092型夏級潜水艦からの試射に初めて成功した。全長10.7m、直径1.4m、発射重量14.7トン、弾頭重量0.6トン、弾頭威力1-2メガトン（単弾頭。250または500キロトン？200-300キロトン？）。射出はコールドランチ方式、推進は固体燃料ロケット２段式、射程2150km（1700km？1800km？1600km？2700km？）。慣性誘導方式で、CEP700m。射程が短い、威力が低い、搭載可能潜水艦が１隻のみ、なので近隣国（日本含む）以外にあまり脅威は無いようだ。地上発射型の東風21型が開発されたことに伴い、巨浪21と改称された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究8,’05、11,’03、11,’99、月刊世界の艦船1,'15増刊、4,'21、1,’18、9,’09、5,’15、5,'20、月刊丸3,’90

　＜巨浪１Ａ＞：改良型、別名JL-1A（Jù Làng-1A）。射程を2500-2800km（3000-4000km？）に延伸したもので、衛星システムやレーダーによる終末誘導装置を備え、CEPは50mになった。全長12.3m、直径1.4m、発射重量15.2トン。1987年に登場し、092型夏級潜水艦に搭載されている。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究12,’16、4,’05、9,’09

　＜巨浪２＞：別名JL-2（Jù Làng-2）、米軍コードCSS-N-5（CSS-N-14？CSS-NX-14？CSS-NX-4Mod0？）。当初は東風23をベースに1970年代初めから開発し、1983年からテストされたが、1985年に射程延伸などの設計変更要求があり、最終的に東風31の潜水艦発射型として1999年から開発された。渤海湾や海南島からインド全域、オーストラリア全域、ロシアのほぼ全域を射程内に収めるが、アメリカに対してはアラスカの一部にしか届かず、ハワイは射程圏外で、アメリカ東海岸を狙おうとすればハワイあたりに進出しなければならない。全長13m、直径2.25m、発射重量42トン（20トン？）。推進は固体燃料ロケット３段式（１段目固体燃料ロケット＋２段目液体燃料ロケット？）、最大射程7400km（6000km？7200km？8000km？）。弾頭は１メガトン単弾頭または20/90/150キロトンMIRV3-8個、CEP150-300m（500m？）。2002年から629型潜水艦での発射試験が行われたが、４回連続で失敗、2009年の発射実験ではコールドランチで一旦海面に飛び出した弾体がロケット点火に失敗してそのまま海に落ち、沈んでいって629型潜水艦に衝突する事故が起こった。2011年8月24日に開発担当の中国運載火箭技術研究院がテストの成功を報じている。2012年1月に094型から数発の試射を行い、8月にも試射したらしい。2013-14年頃に運用可能となったとされる。2015年1月23日に発射試験を行った。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、1,’18、4,'21、11,’16、6,’14、3,’05、12,’11、5,’15、6,’17、月刊軍事研究9,’09、8,’05、11,’03、12,’16

　＜巨浪２甲＞：別名JL-2A（Jù Làng-2A）、米軍コードCSS-NX-4Mod1。東風31A型ベースで、250キロトンMIRV３発または40-60キロトンMIRV６発を搭載する。最大射程8000km。参考：月刊世界の艦船5,’15

　＜巨浪２乙＞：別名JL-2B（Jù Làng-2B）、米軍コードCSS-NX-4Mod2。２段目を液体燃料ロケットに換装したもので、250キロトン単弾頭または40-60キロトンMIRV３発を搭載する。最大射程8200km（13000-14000km説あり）。参考：月刊世界の艦船5,’15

　＜巨浪３＞：別名JL-3（Jù Làng-3）。東風41のSLBM版である。南シナ海からアメリカ本土のみならずロンドンやパリまで届くので、2021年6月のNATOサミット・コミュニケで懸念が示された。全長13m、直径2m。推進は固体燃料ロケット、最大射程9600-12000km（14000km説あり）。弾頭は35キロトンMIRV5-7発（最大10発？）、誘導は天測＋INS＋北斗、CEP100m。2010年頃に発射テストを行ったといわれるが、詳細不明。2014年2月に032型清級からの発射テストを行い、黄海から8000km先のゴビ砂漠に着弾したらしい。ただ032型が2017年にセイル後部のかさ上げを行っているため、2014年に発射試験を行ったのは巨浪２甲で、全長が巨浪２甲より長いであろう巨浪３の試験はこれからという説もある。2018年11月、試験用発射筒からの発射実験を行った。2019年6月、発射試験に成功した。12月、094型戦略原潜からの発射試験を行った。参考：月刊世界の艦船2,’20、3,’13、2,’19、2,’20、5,'20、4,'22、月刊軍事研究12,’16

　＜巨浪２１＞：巨浪１が改称されたもの。参考：月刊世界の艦船9,’09

＜キョンギ＞：812（フリゲート）またはDD-923（駆逐艦）を参照。

＜キョンジュ＞：758（コルベット）を参照。

＜キョンブク＞：956（フリゲート）を参照。

＜キラーＵＧＶ＞：TOVを構成する車両の１つ。トラック型HMMWVを改造しており、コントロール・バンから無線操縦され、ロボットは搭載していない。武装としてヘルファイア・ミサイルまたはカッパーヘッド赤外線誘導弾を発射可能な迫撃砲を後部荷台に搭載している。参考：月刊軍事研究1,’03

＜キラー衛星＞：他国の人工衛星を攻撃・妨害するための人工衛星。参考：MAMOR vol.149

＜キラーエッグ＞：AH-6M（武装ヘリ）を参照。

＜キラー・スカウト＞：航空阻止ミッションにおける、FAC(A)と同様の攻撃管制ミッションのこと。参考：月刊航空ファン2,’02

　＜キラー・スカウト（デザート・ストーム作戦）＞：GPSを搭載したF-16戦闘機２機が、高射砲の有効射高外である高度4500-9000mを飛行し、隊長機が真下を、僚機が遠方を捜索し、目標を味方の攻撃隊に伝えた。また、隊長機はMk82爆弾６発、僚機はクラスター爆弾で武装しており、発見した目標に自ら降下角25-40度の急降下爆撃をかけることもあった。前線観測任務の経験を持つパイロット32名が担当し、1991年2月4日以降、夜明けから日没まで任務に就いた。参考：月刊軍事研究4,’97

＜キラービー＞：P-3A/B TACNAVMOD（対潜哨戒機）を参照。

＜機雷＞：水雷兵器の１つで、機械水雷の略。英語ではMine、Naval mine、Sea mine、Underwater mine。敵艦船が特定の海域に侵入できないよう、海面及び海中に設置する爆発物。吃水線下に大穴を開けるので、効果が高い。通行量の多い狭い水域への設置が有効で、港湾や重要航路の封鎖、敵上陸阻止などに使用される。設置箇所の海流、深度、敵の通行路などを綿密に調査し、適当な散布密度を計算の上で設置する必要があり、いい加減に敷設すると流されたり埋もれたりするので注意。敵味方識別装置は付いていないことが多く、敷設位置を記録しておかないと当該海面に味方も進出できなくなる。戦術的な使用は困難だが、海上交通遮断という戦略目的では大きな威力を発揮する。機雷封鎖したと言って機雷型のビーチボールを浮かべるだけでも（何なら発言だけでも）ハッタリが効くほどの効果がある。1585年にアントワープで使用された、時計により火打ち石を作動させる時限機構を備えた火薬ボートが原型とされる。本格的な機雷は1800年にアメリカのフルトン氏が水中爆破実験に成功して開発に入り、1812-14年の米英戦争でフルトン氏が開発した係維式触発機雷が使用され、イギリス小型帆装艇１隻を撃沈した。1853-56年のクリミア戦争では帝政ロシアが海で浮遊機雷を使用。管制機雷も運用されてイギリス艦２隻が大破している。最初に大量に使われたのは南北戦争で、南軍が水雷局を創設して河川や港湾に係維・管制・浮遊機雷を大規模に敷設し、32隻（27隻？）が沈没した。日本には幕末に伝わり、1863年（文久３年）の薩英戦争で薩摩藩が鹿児島湾に管制機雷を設置したが、手違いで作動できず、戦果は得られていない。日露戦争では双方が主力艦を撃沈し、日本側沈没艦艇の70%、ロシア側沈没艦艇の43%を機雷が占めるという大きな戦果を挙げたが、公海上に機雷が仕掛けられて戦後にも被害が出たため、1907年にヘーグで自動触発海底水雷の敷設に関する条約が結ばれ、浮遊機雷の敷設１時間以内の無害化、商業航海妨害のための機雷敷設禁止、係維機雷への無力化装置搭載、中立国が機雷を敷設する際の他国政府への速やかな通告、敷設国による戦後の機雷敷設区域明示及び機雷処理、既存の機雷の条約合致型への改良が規定された。ただ違反機雷は後を絶たなかった。第１次大戦ではアメリカ・イギリス計18万個以上、ドイツ44000個など大規模な敷設が行われ、連合軍の軍艦10隻と民間船576隻が損害を受け、北海機雷堰では同盟国軍の軍艦150隻（うち潜水艦35隻）が沈没した。第２次大戦では開戦後５日間でイギリスとドイツが3000個の機雷を敷設。航空機による急速敷設や潜水艦による隠密敷設など、敷設手段も多様化した。大戦後半には感応式機雷が開発されて掃海が困難となり、スタベーション作戦で日本周辺に12000個以上が敷設されている。朝鮮戦争では元山に3000個以上が敷設されて上陸作戦が８日間遅延した。1970年代頃からは1000フィート（304.8m）以上の深海にも敷設するようになり、対潜魚雷を中に詰めたり、ロケット推進装置を搭載したり、発射後に自走したりといった様々な進化を遂げ、スマート信管により目標識別能力も高くなり、遠隔管制により目的達成後は速やかに無力化できるタイプも登場している。無差別で良いなら適当な容器に土木用爆薬をありったけ詰め込み、磁気で作動する信管を適当に自作、漁船から放り込むということも可能で、テロに使われかねない兵器でもある。イラン・イラク戦争ではイラン革命防衛隊がペルシャ湾北部とホルムズ海峡にRHIBで敷設した機雷により民間船からアメリカ駆逐艦まで被害を受けた。湾岸戦争でもイラク軍が機雷を敷設し、海自含む各国が掃海にあたっている。1950-2001年に沈没または大破したアメリカ海軍艦艇18隻のうち、14隻が機雷、２隻が航空攻撃、１隻がミサイル、１隻が魚雷によるもので、８割弱が機雷による損害である。参考：月刊世界の艦船4,’18、10,'15、8,’82増刊、MAMOR vol.151、月刊JWings1,’99、11,’13、月刊軍事研究2,’09、10,’14、U.S.ウェポン・ハンドブック、兵器メカニズム図鑑、小艦艇入門、敷設艦　工作艦　給油艦　病院船、Ｕボート入門

　＜ＰＲＡＭ＞：Propelled Rapid Ascent Mineの略。係維機雷の１つで、水深100m以上の中深度に敷設され、艦船を探知すると機雷そのものがロケットで上昇する。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

　＜ＵＥＰ機雷＞：電界機雷を参照。

　＜アンテナ機雷＞：触接機雷を参照。

　＜音響感応機雷＞：Acoustic mine。艦艇のスクリュー音などに反応して炸裂するもの。音紋を識別して特定の軍用艦艇にのみ反応させることもできる。音響センサーを常時作動させておかないといけないので、有効期間が短い。掃海が簡単なので、磁気感応装置とペアにした複合型にすることが多い。参考：ザ・マーチ５号、兵器メカニズム図鑑、月刊軍事研究3,’03、月刊世界の艦船10,'15

　＜回数起爆機雷＞：感応機雷の一種で、事前にセットされた回数分だけ艦船に感応すると爆発する。掃海装置が一回通過しても誘爆しないので安全を確認しづらく、多いものでは30回以上感応させる必要がある。参考：ザ・マーチ５号、兵器メカニズム図鑑

　＜管制機雷＞：Controlled mine。機雷と陸上施設をケーブルで結び、遠隔操作でセンサーまたは起爆装置を作動させるもの。味方港湾などに敷設し、味方は素通りさせ、敵艦が入ってきた時に作動させる。1829年にアメリカのサミュエル・コルト大佐が機雷用リモコン式電気発火装置を開発し、1843年に軍艦爆破実験に成功した。実運用は1848年にドイツのキール大学ヒムリー教授がコルト大佐の管制機雷を改良してキール軍港防御用として実験的に使用したのが最初である。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、10,'15、4,’18、兵器メカニズム図鑑、ザ・マーチ５号

　＜感応機雷＞：Influence Mine。磁気、音響、水圧、振動、水中電位（UEP）などに感応して爆発するもので、これらを組み合わせた複合感応機雷が使用されることも多い。設計寿命が最も長いのは磁気機雷で、十数年経過してから爆発したこともある。船体に直接接触させる必要が無いので、艦底から少し離れたところで炸裂させ、バブルジェット効果で船体をへし折ることも可能。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊世界の艦船8,’82増刊、MAMOR vol.151

　＜係維機雷＞：Moored mine。機雷缶体に係維索を結び、その先にオモリ（沈錘）を付けて海中を漂わせるもの。係維索の長さで、仕掛ける深度を調節できる。係維索は機雷缶の浮力で支えられているため、係維索が重いとその分だけ炸薬重量が減る。かといって係維索を細くすると切れやすくなるので注意。敷設するまでは係維索は沈錘部内に巻き取られており、缶体と沈錘が留め金で固定されていて、沈錘の外側に測鉛（ロープの先に鉛を付けたもの）がセットされている。海上に投下されると、6-10秒くらい海面に浮いた後、沈錘部外側にある測鉛が外れて沈み始める。すると測鉛のロープを巻き付けてあったドラムが回転し、回転軸に取り付けられている丸鋸が留め金を切断、缶体と沈錘が離れて係維索が延び、沈錘が沈んでいく。測鉛が海底に到達すると、ドラムに測鉛の重みが加わらなくなり、バネが作動して係維索ドラムにブレーキを掛けて送り出しを止める。すると沈錘に引かれて缶体が水中に沈んでいき、沈錘が海底に到達したところで止まる。缶体上部には信管となるアンテナ部分が付いていて、缶体が沈むと同時に繰り出されていく。缶体は水上船舶に対して仕掛ける場合には深度5-40m、潜水艦に対しては50-150mにセットする。複数を別々の深度に仕掛けておくと効果が高い。参考：ザ・マーチ５号、月刊軍事研究3,’03

　＜航空機雷＞：Aerial mine。航空機から投下するもの。参考：月刊世界の艦船10,’15

　＜磁気感応機雷＞：Magnetic mine。艦艇の磁気に反応して炸裂するもの。艦船の接近に伴う地磁気の乱れを探知する仕組みで、方位磁石の針に直接電流回路を仕込んで針が動くと電流が流れるようにしたり、コイルで電流変化に転換して探知したりする。地磁気の磁力密度が艦首で増加して正の電流が流れ、間を置いて磁力密度の低い艦尾部が通過して負の電流が流れる順序になるので、正の電流が流れた時に安全装置を外し、負の電流が流れた時に炸裂するようにすると、艦尾の推進装置部分を破壊することができる。細かく見てみると、艦橋や上部構造物、機関室といった艦船の構造の違いでも磁力密度に差違が発生するため、船の大きさや艦種まで割り出すことができ、大型艦だけ狙うようにセットすることも可能で、磁気掃海にも対抗できる。フロッグマン・水中処分員（機雷掃討ダイバー）の虫歯処置後のステンレスにも反応して炸裂するらしい。よって、ダイバーは必ず金をつめる。参考：ザ・マーチ５号、月刊軍事研究3,’03、1,’14、兵器メカニズム図鑑

　＜自走機雷＞：第２次大戦時は、潜水艦から発射され、ある程度航走した後に沈底感応機雷となるMobile Mineのことだった。現在は対潜魚雷を収容した機雷で、潜水艦の航行音をキャッチして対潜魚雷を射出するものを指す。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

　＜上昇機雷＞：Rising mine、Ascending mine。PRAMともいう。海底に敷設され、船舶が来ると触接機雷や魚雷を放出するもの。深度500m以上の深々度に敷設されると掃海・掃討しにくく、1980年代にソ連軍が開発して西側が対策に苦慮した。参考：月刊世界の艦船10,'15、12,'22、月刊軍事研究3,’16

　＜触接機雷＞：Contact Mine。触発機雷ともいう。機雷にアンテナ状の触角が付いており、船がそれに触ると触覚内部のガラス管が砕けて電解液が漏れ電流が発生、雷管が作動して爆発する。缶体そのものに触れると炸裂するタイプもある。1967年にドイツの機雷防御委員だったヘルツ博士が製作したヘルツ式触角（Herz horn）付きのものが有名だが、最近はアンテナ線（浮きを付けた導線）を水中に延ばす水中線機雷（Antenna Mine）が主である。発火装置により機械式、海水電池式、化学電池式、慣性式に分類される。船体が直接触れないと作動しないので、多数敷設する必要があるが、あまり間を詰めすぎると誘爆してしまうので、使い勝手が悪く、感応機雷が開発されることとなった。ただし安価で威力は高く、感応機雷と混ぜて敷設されている。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊世界の艦船10,'15、8,’82増刊、MAMOR vol.151、ザ・マーチ５号

　＜振動感応機雷＞：Seismic mine。海底を伝播する10Hz以下の低周波振動を探知して炸裂する。海底に完全に潜らせて機雷探知ソナーを逃れることが可能。参考：月刊世界の艦船10,'15

　＜水圧感応機雷＞：Pressure mine。艦船通過時の水圧変化を探知して炸裂する機雷。船首付近が通過するとまず水圧が上がり、船体中央では下がり、船尾でまた上がるパターンをキャッチして作動する。低速航行する艦船や吃水の浅い艦船では水圧変化が小さく作動しない、圧力変化を捉えられる距離が短く浅海面でしか使えない、潮流による水圧変化で誤作動するといった欠点があり、他の感応信管と組み合わせることが多い。掃海が最も困難なタイプで、モルモット（Guinea Pig）船と呼ばれる大型船を実際に航行させなければならず、掃討した方が楽である。敷設した方も掃海しにくいので、戦後処理が難しく、敵国を占領しても海上貿易ができず自国海軍も展開できないということになりかねないため、自沈装置などの時限式無力化装置付きで敷設される。オーバーロード作戦直後にドイツ軍が投入したが、荒波で上手く作動せず、連合軍の航行速度を制限（戦艦なら水深20mで2.5ノット以下、駆逐艦なら７ノット以下）して水圧変化を少なくするという対策も功を奏し、あまり戦果は挙げられなかった。参考：ザ・マーチ５号、兵器メカニズム図鑑、歴史群像12,’09、月刊世界の艦船10,'15、月刊軍事研究3,’16

　＜水中電位機雷＞：電界機雷を参照。

　＜遅動機雷＞：敷設してから１ヵ月以上後に安全装置が解除される機雷。戦争が切迫していると考えられる場合に、貨物船に積んでおき、敵国に入港する際にこっそり仕掛けておく。参考：ザ・マーチ５号

　＜沈底機雷＞：Ground mine、Bottom mine。海底に沈めて設置する機雷で、敷設が楽。浅いところに設置することが多いが、ものによっては深い場所にあるため、処理が難しい。参考：月刊軍事研究3,’03、ザ・マーチ５号

　＜電界機雷＞：別名UEP（Underwater Electric Potential）機雷または水中電位機雷。艦船の異なる金属間（船体とプロペラなど）で発生する電流（UEP）を探知して炸裂する。参考：月刊世界の艦船10,'15、MORIBITO Vol.3

　＜複合機雷＞：Combined mine。２種類以上の発火方式を組み合わせたもので、主に磁気、音響、水圧といった感応方式を２種類以上組み合わせる（磁気音響機雷など）。１つの発火方式に反応しても炸裂しないので、複数の方式を組み合わせて掃海しなければならない。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、ザ・マーチ５号

　＜浮遊機雷＞：Drifting mine。自動深度調整装置により海面近くを漂うもの。敵艦のすぐ前方に敷設する。ただし海流に流されて中立国や味方の艦船に当たることがあるので、1907年に制定されたハーグ第８条約第１条で、自動的に海水を注入して自沈するなど１時間以内に自動的に無害化する装置を取り付けることが規定されている。浮流機雷を含む場合がある。参考：月刊世界の艦船10,'15、兵器メカニズム図鑑、ザ・マーチ５号

　＜浮流機雷＞：係維機雷のケーブルが切れて缶体が浮いているもの。1907年に制定されたハーグ第８条約で、浮流機雷になったら直ちに無害化する装置を取り付けることが規定されている。参考：月刊世界の艦船10,'15、ザ・マーチ５号

　＜機雷（アメリカ海軍）＞：潜水艦用としては1920年代に魚雷発射管から敷設するMk10係維機雷とMk12沈底機雷を開発。1928年に竣工したアーゴノート級敷設潜水艦用として、専用敷設筒を使うMk11機雷を開発した。太平洋戦争時、潜水艦用はMk10係維機雷とMk12沈底機雷を主に使用し、Mk17沈底機雷やMk27移動式沈底機雷も開発している。太平洋戦争後、潜水艦用としてMk49沈底機雷やMk57係維機雷を開発。1979年、Mk60CAPTORを配備。1983年、Mk67自走機雷を配備。参考：アメリカ潜水艦史

＜機雷（海上自衛隊）＞：Ｋ（機雷の頭文字）と番号からなる型式番号が付けられていて、一部に制式名称が制定されているものもある。1953年に研究を開始、水中線機雷、磁気機雷、音響機雷、磁気水圧機雷を開発し、10年ほどで実用化した。その前の1956年から海軍九三式機雷と同じもの（K-13）を生産している。K-1、K-2、K-3、K-4、K-5繋維式磁気機雷（71式機雷）、K-13繋維式機雷、K-15水中線機雷（56式機雷）、K-16沈底機雷、K-21沈底機雷（70式機雷）、K-22感応機雷（70式機雷）、K-23感応機雷、K-24沈底機雷（70式機雷）、K-52沈底機雷、K-55沈底機雷、55式繋維機雷２型、B-X感応式浮上機雷、K-X深々度繋維機雷、K-RX-2試作自走機雷、K-RX-3試作自走機雷、80式機雷、83式機雷、91式機雷、15式機雷といったものが判明しているが、機密度が高く、詳細不明のものも多い。輸入しているものとしてはMk52、Mk55、Mk57がある。参考：丸スペシャルNo.76、月刊軍事研究9,’10、3,’16、6,’17

＜機雷（中国海軍）＞：2015年現在、各種機雷5-7万個を保有しているとみられ、918型沃雷級敷設艦、掃海艇、フリゲート、駆逐艦、哨戒艇、潜水艦、航空機、トロール漁船、帆船漁船などから敷設する。ソ連から導入した旧式機雷が大半だが、C-6複合感応式沈底機雷、EM-52ロケット機雷、EM-56/T-5自走機雷、EM-57管制機雷、Piao浮遊機雷、PMK-1/-2CAPTORといった新型も配備している。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜機雷（日本海軍）＞：幕末に伝わり、文久３年（1863年）の薩英戦争で薩摩藩が鹿児島湾に管制機雷を設置したが、手違いで作動できず、戦果は得られなかった。日本海軍創設直後、ヨーロッパに派遣された海軍兵器局長がアメリカでの機雷研究に触発され、明治6年から機雷の研究を開始。明治7年にはアメリカに研究員を派遣し、海軍水雷製造局も設立した。明治11年、イギリスから機雷２個を輸入。明治19年に国産機雷（全長900mm、直径560mm、炸薬80kg）が完成し、明治22年から量産に入った。横須賀、佐世保、舞鶴、大湊に水雷敷設戦隊も創設している。日露戦争では小型艇や特設艦船で機雷を敷設し、戦艦・装甲艦２隻を沈めた。大正9年、敷設艦の艦種が定められた。昭和8年、九三式機雷を制式化。太平洋戦争開戦時の機雷保有数は29250個で、戦時中に46000個を生産した。北海道から四国までの太平洋沿岸と主要海峡に14927個、九州周辺に10012個、対馬海峡・朝鮮半島・黄海に7640個、東シナ海と南西諸島に15474個、台湾周辺に7294個の計55347個を敷設して連合軍艦艇の侵入阻止を図っている。自国艦船が被害を受けないよう、安全航路を指定しておいた。感応機雷は実用化できずに太平洋戦争終戦を迎えている。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜機雷（ロシア海軍）＞：第２次大戦後はAMD、KMD、UDM、UDM-2、UDM-500、MDM-6、MDSといった沈底機雷、PM-1、PMR-2といった係維機雷、MShM、PM-2、RM-1、RM-2といった上昇機雷、MDS、SMDMといった自走機雷、KPM浮遊機雷などを配備している。参考：月刊世界の艦船2,’17

＜機雷艦艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1960年10月1日、自衛艦の大分類である警備艦の下の中分類として制定された。掃海艦（GP）、掃海艇（MSC、MSI、GP、MSA、MSB）、掃海母艦（MST）、掃海母艇（MST）、敷設艦（ARC）、敷設艇（AMC）の種別からなる。1968年3月16日、掃海艦の種別と、掃海艇MSI、GP、MSAが廃止された。1970年頃、敷設艦に艦種記号MMCを新設。1977年1月12日、敷設艇の種別を廃止。敷設艦ARCを特務艦艇の下に移し、敷設艦MMCを機雷敷設艦に改称した。1990年3月23日、掃海艦の種別が設けられた。艦種記号はMSOである。1996年11月29日、機雷敷設艦の種別を廃止。1997年頃、掃海艇MSBを廃止。1998年3月23日、掃海管制艇の種別が設けられた。艦種記号はMCLである。1999年頃、掃海母艇の種別を廃止した。2020年10月1日、掃海管制艇の種別を廃止した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、12,’20

＜機雷原＞：Minefield。機雷を敷設した水域のこと。運河や海峡、港湾といったチョークポイントに敷設すると有効である。単純な触接機雷を多数ばらまき、掃海しにくい複雑な発火機構を持つ感応機雷を少しだけ混ぜておくと、費用対効果が高い。一定時間発火機構を作動しないようにする休眠装置、敷設してから作動するまで日単位の間を開ける日限装置、回数起爆装置といった防掃装置を仕込んだ機雷も組み合わせれば、ほぼ掃海できない機雷原になる。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜封鎖機雷原＞：Blocade minefield。一定海域を完全封鎖するための機雷原のこと。とはいえ、中立国艦船が通れる通路は空けておく。参考：月刊軍事研究10,’14

　＜迷惑機雷原＞：Harassment minefield。対象海域に適当に機雷を数十個くらいばらまいておくこと。敷設を大々的に宣伝することにより恐怖感を煽り、周辺海域の海上輸送や漁業に大きな影響を与える。対機雷戦能力の乏しい国に仕掛けると、ばれにくいので特に有効。参考：月刊軍事研究10,’14

＜嫌い潜＞：機潜型を参照。

＜機雷戦＞：Mine Warfare（MIW）。水上・水中脅威、商船、内海水路、港湾などを機雷で阻止閉塞すること。大量の機雷を敷設する場合には敷設艦を、隠密裏に敷設する場合には潜水艦を、緊急時や広範な海域に急速に敷設する場合には航空機を使用する。アメリカ独立戦争中の1778年に、アメリカ側が火薬を詰めた樽をデラウェア川に放流してイギリス艦隊の封鎖線を解かせたのが始まりである。1861年に始まったアメリカ南北戦争では、南軍が繋維機雷で27隻を沈没させる戦果を挙げた（北軍の全沈没艦艇数は36隻）。この際、北軍は当初機雷原ではなく魚雷による攻撃と勘違いし、高速で突破しようとしたため、甚大な被害を出している。日露戦争ではロシア太平洋艦隊旗艦ペトロパブロフスクが触雷して艦隊司令長官ごと沈没。日本側もロシア機雷原の掃海が遅れ、戦艦初瀬と八島など全喪失艦艇の69%にあたる10隻を機雷で失った。機雷が公海上にもばらまかれたため、戦後は一般船舶にも被害が続出、1907年にヘーグで規制の国際条約が締結された。しかし第２次大戦時でも条約違反の機雷が多数使用されている。第１次大戦ではＵボートを封じ込めるため、イギリスがノルウェーとの間の240海里に25海里の幅で機雷７万個を敷設し、英仏海峡にも１万個を設置した。連合国側は機雷18万個によりＵボート35隻を含むドイツ艦船150隻に損害を与えている。ただし海上交通量は連合国の方が遙かに多かったため、ドイツ側の機雷に引っかかって600隻が損害を受けた。第２次大戦ではドイツが磁気感応機雷を使用、それを鹵獲したイギリスも真似をし、その技術を導入したアメリカがB-29爆撃機を使用して大量の機雷を撒き（スタべーション作戦）、日本が多大な被害を受けて完全掃海に戦後数年かかっている。朝鮮戦争では仁川に機雷3000個が敷設されており、掃海に手間取って上陸作戦開始が５日ほど遅れた。ベトナム戦争でアメリカ軍はトンキン湾を機雷封鎖し、和平交渉を有利に進めようと図っている。1967年の第３次中東戦争ではスエズ運河が機雷封鎖された。機雷の進歩で目標識別能力や敷設可能深度が増し、敷設方法も多様化、外部管制による敷設後の無力化も可能となってきており、防御的使用のみならず、戦術攻撃的利用、戦争抑止、心理的効果も期待されるようになった。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、月刊軍事研究9,’10、ザ・マーチ５号

＜機雷掃討用無人水上艇＞：ノースロップ・グラマン社の機雷捜索用USV、略称MHU（Mine Hunting Unmanned surface vehicle）。11mRHIBに遠隔操縦装置を組み込み、AN/AQS-24A機雷探知ソナーを搭載したものである。アメリカ海軍が２隻導入して2015年からペルシャ湾に投入する予定。参考：月刊軍事研究1,’15

＜機雷探知ソナー＞：係維機雷や沈底機雷を探知するための高解像度ソナー。アクティブソナーの一種で、減衰の少ない低周波で遠距離の機雷を探知し、解像度の高い高周波で目標を識別する必要があり、使用周波数帯を広くすると共に送信パルス幅を狭くして解像度を高くしてある。搭載艦が機雷の真上に位置しなくても画像を得られるよう、斜め向きに音波を放射したり、アームで本体を突き出したり、ワイヤーで海中に繰り出したりする方式をとる。参考：丸スペシャルNo.76、月刊世界の艦船8,’82増刊、月刊軍事研究2,’14

＜機雷等の除去＞：自衛隊の行動の１つで、自衛隊法第84条の２に規定がある。海上自衛隊は、防衛大臣の命を受け、海上における機雷その他の爆発物の危険性の除去及びこれらの処理を行う。参考：自衛隊法

＜機雷敷設艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1977年1月12日、区分・自衛艦−大分類・警備艦−中分類・機雷艦艇の下の種別として、敷設艦から改称されて定められた。艦種記号はMMC、艦番号は951以降である。1996年11月29日に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜機雷敷設潜水艦＞：潜水艦を参照。

＜機雷敷設装置１型＞：そうや型機雷敷設艦の機雷敷設装置。敷設軌条は第１甲板（上甲板）に移送チェーン長さ57mのもの２条、第２甲板に67.5mのもの６条の計８条で、第２甲板の末端部は折り畳み式になっている。機雷投下は第２甲板後部の投下指揮所または艦橋で制御され、機雷を積んだ後は履帯式チェーン装置により移動と敷設が自動的に行え、自艦速力と機雷敷設間隔を入力すればスイッチ１つで敷設を開始、投下状況は艦橋とCICの表示盤に表示される。K-5B、K-13、K-15、K-16Aなどの係維・沈底機雷を敷設できる。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、丸スペシャルNo.76、月刊軍事研究9,’13

＜機雷敷設装置２型＞：はやせ型掃海母艦の機雷敷設装置。第２甲板に移送チェーン有効長49.6m・内幅0.743mの機雷軌条５条を持ち、右舷側２条は機力、左舷側３条は人力投下式である。投下管制は１型とほぼ同じらしい。参考：参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’95、丸スペシャルNo.76

＜機雷敷設装置３型＞：うらが型掃海母艦の機雷敷設装置。12軌条からなり、艦尾両舷上下のハッチ内に３軌条ずつ設置されている。昇降機部、シャトル部、軌道部、油圧ユニット部、制御部などから構成され、機雷240個を収容する。参考：月刊軍事研究9,’10、月刊世界の艦船5,’13

＜機雷用試験器４７形＞：自衛隊の火工品。ユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜機雷用試験器４８形＞：自衛隊の火工品。ユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜キラウエア＞：AE-4（ラッセン級給兵艦）またはT-AE-26（キラウエア級給兵艦）を参照。

＜キラウエア級＞：アメリカ海軍給兵艦Kilauea級。船型は中央船楼型、艦首はバルバス・バウである。貨物倉４カ所の弾庫計12カ所に原子力空母２隻分の航空機用弾薬6500トンを搭載し、弾薬の高速移送装置を備える。限定的だが、液体貨物の補給も可能。補給ステーションは右舷に３箇所、左舷に４箇所あり、艦橋部にCH-46ヘリ２機分の格納庫、艦後部にヘリコプター甲板を持つ。当初は76mm連装砲とCIWSを搭載していたが、1995年に軍事海上輸送コマンドMSCに移籍するにあたり撤去された。全長171.9m、全幅24.7m、吃水8.5m、満載排水量20260トン。主機は蒸気タービン１基１軸22000馬力、最大速力20ノット。乗員は民間人125-133人、海軍軍人５名、航空要員35名。T-AE-26キラウエア、T-AE-27バット、T-AE-28サンタ・バーバラ、AE-29マウントフッド、T-AE-32フリント、T-AE-33シャスタ、T-AE-34マウント・ベイカー、T-AE-35キスカの８隻が1968-72年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’14、3,’13、1,’10、4,’04増刊

＜吉良勝秋＞：日本陸軍エース。大正8年、熊本県生まれ。昭和13年7月、陸軍少年飛行兵を卒業し、明野で戦技教育を受け、11月に飛行第24戦隊に配属されてハイラルに向かった。昭和14年5月18日、カンジュル廟前進飛行場に配備された。その後ハイラルに戻り、6月の第２次ノモンハン事件勃発でカンジュルに再度配置され、6月22日にI-16戦闘機１機を撃墜し、初戦果を挙げた。6月27日、タムスク攻撃で地上機を銃撃。9月15日の停戦までに９機を撃墜した。太平洋戦争ではフィリピン戦に参加し、その後ハイラルに戻った。昭和17年7月、中国南部に配置され、9月にパレンバンに派遣された。昭和18年5月中旬、ニューギニアのブーツ基地に配置された。5月24日、B-24爆撃機１機を撃墜し、２機を損傷させた。8月3日、B-17爆撃機とP-38戦闘機を撃墜。10月上旬に本土に帰還した。昭和19年10月、飛行第200戦隊に配属され、ネグロス島に配置された。第１師団輸送船団護衛中にP-38戦闘機10機編隊を相手に四式戦闘機１機で襲いかかり、２機を撃墜、第４航空軍司令官から賞詞を授与され、准尉に特別進級した。昭和20年1月、台湾に配置された。3月、飛行第103戦隊所属となり、沖縄航空戦を経て高松で終戦を迎えた。戦後は航空自衛隊に入隊し、三等空佐で退役した。総撃墜数21機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜吉良俊一＞：海軍兵学校40期卒。大正12年4月、鳳翔航空長時代に一〇式艦上戦闘機により日本人初の空母着艦に成功した。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第12連合航空隊司令官だった。昭和17年5月、第22航空戦隊司令官となった。第51航空戦隊司令官、横須賀航空隊司令を歴任し、昭和19年7月10日、第３航空艦隊司令長官となった。11月17日、第３航空戦隊司令長官を退き軍令部出仕となり、そのまま終戦を迎えた。昭和22年4月30日、58歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜きらめき＞：防衛省のＸバンド通信衛星。自衛隊が使用している民間のスーパーバードB2/D通信衛星が2015年度、スーパーバードC2が2020年までに運用を終了するため、後継となる大容量高速通信衛星として開発された。製作はスカパーJSATが代表企業の株式会社ディー・エス・エヌで、2013年1月に締結したPFI契約により運用終了まで一括委託している。周回軌道は静止軌道（東南アジア付近の赤道上）で、太平洋やインド洋を含む広域をカバーする。民間便乗ではないので統幕での一元的な通信統制が可能となり、部隊間通信や帯域優先割り当てもスムーズで、南スーダンPKO部隊やソマリア海賊対処部隊の通信能力も向上する。使用周波数7-8GHz。設計寿命15年。スーパーバードB2号機の後継となるきらめき１号は2016年7月13日に打ち上げ予定だったが、打ち上げ予定地のフランス領ギアナに空輸した際、貨物室と収容コンテナの気圧差でコンテナが凹み、中身の衛星も損傷してしまったため、修理に入り、2018年4月6日0634（日本時間）にギアナから打ち上げられた。スーパーバードＤ号機の後継となるきらめき２号は2017年1月24日1644に種子島宇宙センターからH2Aロケット32号機で打ち上げられ、予定通りの軌道に投入された。参考：月刊JWings6,’17、2,’17、月刊軍事研究3,’17、1,’17、月刊航空ファン8,’16、2,’17、6,’18、朝雲、MAMOR vol.123

＜キラン＞：HJT-16シリーズ（練習機）を参照。

＜キランＭｋ．�U＞：HJT-16Mk.�U（練習機）を参照。

＜きり＞：PF-291（警備船）を参照。

＜桐（初代）＞：日本海軍樺型駆逐艦10番艦。大正4年4月22日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和7年4月1日に除籍され、昭和12年3月30日に売却された。参考：日本駆逐艦史

＜桐（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦６番艦。昭和19年8月14日竣工。10月20日、比島沖海戦に参加。11月16日、第１遊撃部隊を護衛してボルネオ島ブルネイ湾を出港し、内地に向かった。11月21日、馬公港内で座礁し、スクリューを破損した。12月12日、オルモック湾でP-38の攻撃により中破した。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、7月29日に賠償艦としてソ連に引き渡された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、歴史群像11,’18

＜キリアム＞：G09（駆逐艦）を参照。

＜ギリー・スーツ＞：スナイパーが着込む擬装用ジャケット。迷彩服に擬装網を縫いつけて短冊状の迷彩布を挟み込んだもので、周囲の状況に合わせて自分で製作する。体の輪郭をぼかす効果があり、伏せ撃ちが多いので、頭部と肩、背中に集中的に作る。スコットランドで貴族が狩猟をしたり、猟場の監視人が密猟者を見張ったりする時に着込んだのが始まりといわれる。欠点は、暑いこと。自衛隊でも2005-06年頃から上着とズボンの２つに分かれたタイプを導入した。参考：月刊コンバットマガジン6,’05、コンバット・バイブル２、JGround　Vol.19

＜キリーラット＞：432（コルベット）を参照。

＜切り落としデルタ翼＞：デルタ翼を参照。

＜伐株オムライス＞：玖珠駐屯地隊員食堂が2002年から提供している特別メニュー。人気メニューだったオムライスをオリジナルアレンジしてほしいとの駐屯地隊員の要望で、玖珠町にある伐株（きりかぶ）山にちなみ頂上を平坦にしたオムライスに、季節のトッピング（みぞれ雪に見立てたみぞれあん、新春のタケノコ、クリスマスにちなんだレッド・グリーンカレーなど）を施したものである。2014年からは玖珠町道の駅でも販売中。参考：MAMOR vol.121

＜ギリガン＞：DE-508（護衛駆逐艦）を参照。

＜キリク級＞：トルコ海軍ミサイル艇Kilic級。兵装は76mm砲１門、RGM-84Cハープーン艦対艦ミサイル用４連装発射筒Mk141が２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜斬り込み攻撃＞：日本軍が行った夜襲攻撃。夜陰に乗じて敵陣に潜入し、爆薬を放り込むなどして敵を撃破する戦法である。太平洋戦争ではアメリカ軍陣地からの猛烈な突撃破砕射撃に遭い、殆ど生きては帰れなかった。参考：月刊軍事研究11,’06

＜きりさめ＞：DD-104（護衛艦）を参照。

＜きりしま＞：DDG-174（護衛艦）を参照。

＜霧島＞：日本海軍金剛級巡洋戦艦Kirisiima。大正元年起工。大正4年1月19日、甑島で10/10全力公試を実施。排水量27449トン、出力79679軸馬力、速力27.54ノットだった。大正4年4月19日竣工、巡洋戦艦に類別された。大正4年12月13日、第２艦隊第３戦隊に配属された。大正8年11月6日、第２艦隊第３戦隊を退いた。大正9年12月1日、第１艦隊第３戦隊に配属された。大正10年12月1日、第１艦隊第２戦隊に転属となった。大正11年12月1日、第２艦隊第４戦隊に転属となった。大正12年12月1日、第２艦隊第４戦隊を退いた。大正13年12月1日、第２艦隊第４戦隊に配属された。大正15年12月1日、第２艦隊第４戦隊を退いた。昭和2年3月（5月？）から呉海軍工廠で第１次近代化改装を実施。昭和5年5月20日、第１次近代化改装を完工。12月1日、第１艦隊第１戦隊に配属された。昭和6年6月1日、戦艦に艦種変更された。昭和7年12月1日、第１艦隊第１戦隊を退いた。昭和8年11月15日、第１艦隊第１戦隊に配属された。昭和9年11月15日、第１艦隊第１戦隊を退いた。昭和11年4月21日、甑島で第２次近代化改装後の10/10全力公試を実施。排水量36897トン、出力136940軸馬力、速力29.8ノットだった。6月1日、第１艦隊第３戦隊に配属された。6月8日、第２次近代化改装を完工。昭和12年7月7日、日華事変勃発時には第１艦隊第３戦隊に所属していた。昭和14年11月15日、第１艦隊第３戦隊を退いた。昭和15年11月15日、第１艦隊第３戦隊に配属された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第１艦隊第３戦隊第１小隊に所属し、真珠湾攻撃に参加。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。昭和17年7月14日、第３艦隊第11戦隊に転属した。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月12日から第３次ソロモン海戦に参加、11月15日0025に自沈した。12月20日に除籍された。平成4年8月6日、ガダルカナル島周辺770海里・深さ2500-4000フィート（762-1219.2m）の海底で発見された。参考：戦艦入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船1,’12、5,’14、月刊丸3,’14、日本海軍艦隊総覧、月刊航空ファン11,’92

＜霧島演習場＞：陸上自衛隊の演習場。えびの駐屯地の南西20kmのところにあり、面積は1100万平方メートルで、えびの市と湧水町に跨っている。元は日本軍の演習場で、1955年に自衛隊が演習場として取得した。2012年3月25日、廠舎地区南側に洗車場が竣工した。工事は設計も含めてえびの駐屯地所属の隊員が行っている。参考：MAMOR Vol.5７、朝雲

＜霧島ヶ丘公園＞：鹿児島県鹿屋市浜田町にある公園。KM2練習機、OH-6J練習ヘリ３号機、HSS-2Aビッグテイル対潜ヘリが展示されている。鹿屋航空基地の南西にあり、訓練の様子を見ることもできるが、遠いのでOH-6D/DAの撮影は苦しい（UH-60Jは可）。参考：月刊丸9,’03

＜きりしまの自衛官とかたいもんそ＞：鹿児島県霧島市のコミュニティーFM番組で、かたいもんそは語りましょうの鹿児島弁。参考：朝雲

＜霧島丸＞：日本海軍特設運送船。元は昭和6年7月5日に竣工した国際汽船のニューヨーク航路高速貨物船で、その後日本海軍に雑用船として徴用された。全長142.03m、幅18.28m、深さ12.19m、総トン数5959トン、重量トン数8753トン。主機はMAN社製複動２サイクルディーゼル１基、連続最大出力6971馬力、航海速力15.5ノット、最大速力18.029ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では連合艦隊補給部隊に所属していた。昭和18年3月からは給油船になった。昭和18年9月25日、カムラン湾南東沖でSS-287ボウフィンの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’11、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜ギリシャ沿岸警備隊（２０１５年）＞：人員数4000名。巡視船122隻、兵站・支援船４隻、セスナ172RG輸送機２機、TB-20輸送機２機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギリシャ海軍＞：1941年4-6月、ドイツ軍によりギリシャ全土が制圧されたため、エジプトに脱出した装甲巡洋艦ゲオルギオス・アヴェロフ、駆逐艦６隻、潜水艦５隻などでイギリス海軍の隷下に入り、第２次大戦を戦った。1959年、フレッチャー級駆逐艦６隻の引き渡しが開始された。1971年、アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦１隻が就役。209/1100型潜水艦８隻が就役開始。1972年、ギアリング級駆逐艦７隻が就役開始。1981年、エリ級フリゲートが就役開始。1992年、ノックス級フリゲート３隻を貸与された。MEKO200型イドラ級フリゲート４隻が就役開始。1996年、イアソン級LSTが就役開始。2003年、マキティス級哨戒艦４隻が就役開始。2005年、イポプロイアルコス・ルーセン級ミサイル艇が就役開始。2007年、オスプレイ級掃海艇２隻が就役。214型潜水艦４隻を配備する予定だったが、１番艦の公試中にトラブルが多発し、2009年9月に209/1200型潜水艦２隻の近代化改装共々キャンセルされてしまった。しかし翌10月に新政府が発足し、ギリシャ国内で建造していた2-4番艦を完成させて引き取り、209型潜水艦２隻を新造する交渉を行っている。2010年からFREMMを６隻購入する予定だったが、キャンセルされた。2010-16年、214型潜水艦４隻が就役。2023年7月4日、アメリカ沿岸警備隊を退役して無償供与されたアイランド級カッターWPB-1309アクイドネックとWPB-1333アダックがサラミス海軍基地に到着。9月1日、WPB-1326モノモイとWPB-1332ランゲルがサラミス海軍基地に到着。これらに遠隔操作式20mm機関砲ライオン・フィッシュ、12.7mm機銃、レーダー、電子光学センサー、通信器材などを追加し、ジャロプロス・エクトラス（Gialopsos Ektoras）、リアスコス・アントニオス（Liaskos Antonios）、マントゥバロス・イオアニス（Mantouvalos Ioannis）、ガラニス・ゲオルギオス（Galanis Georgios）として配備する予定である。2025年からキモン級フリゲート３隻が就役予定。参考：月刊世界の艦船4,’10、3,’14、12,'20、12,’22、10,'23、12,'23、歴史群像4,’18

　＜ギリシャ海軍（１９３９年９月１日、第２次大戦勃発時）＞：装甲巡洋艦ゲオルギオス・アヴェロフ、駆逐艦10隻（うちグレイハンド級駆逐艦２隻、第１次大戦以前竣工の旧式駆逐艦８隻）、潜水艦６隻を保有する。参考：歴史群像4,’18

　＜ギリシャ海軍（１９７７年）＞：兵力17500名（うち徴兵11000名）、予備役20000名。209/1100型潜水艦４隻、ガピー級潜水艦２隻、駆逐艦11隻、護衛駆逐艦４隻、ミサイル艇９隻、高速魚雷艇９隻、大型哨戒艇２隻、小型哨戒艇４隻、沿岸機雷敷設艇２隻、沿岸掃海艇14隻、戦車揚陸艦８隻、中型揚陸艦５隻、ドック型揚陸艦１隻、上陸用舟艇６隻、アルエート�Vヘリ５機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ギリシャ海軍（１９８９年）＞：兵力20500名（うち徴兵12000名）、予備役24000名。基地はサラミス、パトラス、スーダ湾にある。209/1100型潜水艦８隻、ガピー級潜水艦２隻、ギアリング級駆逐艦７隻、アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦１隻、フレッチャー級駆逐艦６隻、エリ級フリゲート２隻、カノン級フリゲート４隻、アエゲオン級フリゲート１隻、ラスコス級ミサイル艇14隻（うちMM38エグゾセ装備８隻、ペンギン２装備６隻）、スタモウ級ミサイル艇２隻、ヤグアル級魚雷艇５隻、ナスティー級魚雷艇４隻、内海哨戒艇10隻、アクチオン級敷設艦２隻、MSC-294級掃海艇９隻、アジュタント級掃海艇５隻、カビルド級ドック型揚陸艦１隻、テレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦２隻、LST-1級戦車揚陸艦５隻、LSM-1級中型揚陸艦５隻、戦車揚陸艇２隻、汎用揚陸艇６隻、機械化揚陸艇13隻、車両人員揚陸艇50隻、タンカー２隻、給水艦１隻、曳船１隻、弾薬補給艦１隻、AB-212対潜ヘリ11機、AB-212電子戦ヘリ３機、SA-319対艦ヘリ４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ギリシャ海軍（２０１３年）＞：兵力20000名。潜水艦８隻、フリゲート13隻、ミサイル艇16隻、哨戒艇16隻、戦車揚陸艦５隻、揚陸艇64隻、ホバークラフト揚陸艇３隻、掃海艇４隻、測量調査艦３隻、支援艦２隻、補給・給油艦５隻、輸送艦２隻、灯台補給艦２隻、艦載ヘリ21機を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’14

　＜ギリシャ海軍（２０１５年）＞：兵力17100名（うち徴兵1850名）、予備役5000名。209/1200型潜水艦４隻、209/1100型潜水艦３隻、214型潜水艦１隻、エリ級バッチ１フリゲート４隻、エリ級バッチ２フリゲート２隻、エリ級バッチ３フリゲート３隻、MEKO200イドラ級フリゲート４隻、スーパー・ヴィタ級（Roussen級）コルベット５隻、ラ・コンバタント�VＢ級（Kavaloudis級）ミサイル艇５隻（ペンギン装備４隻＋ハープーン装備１隻）、ラ・コンバタント�V級（Laskos級）ミサイル艇４隻、タイガー級（Votsis級）ミサイル艇３隻（ハープーン装備１隻＋MM38エグゾセ装備２隻）、オスプレイ級（Armatolos級）哨戒艇２隻、カソス級哨戒艇２隻、マチティス級哨戒艇４隻、沿岸哨戒艇８隻、ハント級（Evropi級）掃海艇２隻、オスプレイ級（Evniki級）掃海艇２隻、シオス級LST５隻、LCU４隻、ズブル級LCAC３隻、強襲揚陸艇７隻、兵站・支援船49隻、P-3B哨戒機５機（近代化改装中）、AB-212対潜ヘリ８機、S-70B対潜ヘリ11機、AGM-114/-119空対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギリシャ空軍＞：1941年4-6月、ドイツ軍の侵攻でギリシャ全土を制圧されてしまい、エジプトに脱出、イギリス空軍隷下に２個中隊を編成して第２次大戦を戦った。1953年、F-84G(R)偵察機９機を配備。1955年、RT-33A偵察機21機の配備を開始。1956年、RF-84F偵察機40機の配備を開始。1974年、F-4E戦闘機の引き渡しが始まった。1978年、RF-4E偵察機の導入を開始。1980年、オリンピック航空の中古YS-11を輸送機として６機配備した。1988年、F-16戦闘機の導入を開始。1996年、P-3B哨戒機10機を導入。2006年5月、エーゲ海上空を飛行していたトルコ空軍F-16C戦闘機とRF-4E偵察機が領空侵犯したとして、F-16C戦闘機をスクランブル発進させた。F-16C同士の空中戦機動に発展した挙げ句、空中衝突して墜落している（ギリシャ空軍パイロットは行方不明）。2015年12月29日、トルコ空軍戦闘機６機とCN-235輸送機２機が９回にわたり領空侵犯したため、戦闘機をスクランブル発進させ、エーゲ海のギリシャ上空でトルコ空軍戦闘機と空中戦機動で張り合った。両者とも兵装は使用していない。2017年5月5日、RF-4E偵察機が退役した。6月5-16日、タクティカル・ウェポン・ミート2017に参加。2019年4月1-12日、イニオホス2019演習を実施。2021年4月12-22日、イニオホス2021演習を実施。2022年、ラファール戦闘機の配備を開始。2023年4月24日から5月4日、イニオホス2023演習を実施。参考：月刊JWings2,’15、3,’16、10,’16、3,’18、7,’19、6，'21、4,'22、8,'23、月刊航空ファン8,’17、9,’17、8,’19、歴史群像4,’18

　＜ギリシャ空軍（１９３９年９月１日、第２次大戦勃発時）＞：作戦機数143機（うち戦闘機45機、爆撃機35機）。P.24戦闘機36機、MB151戦闘機９機、ブレニムMk�T爆撃機12機、バトルMk�T爆撃機12機、ポテ６爆撃機11機を保有する。参考：歴史群像4,’18

＜ギリシャ空軍（１９７７年）＞：兵力22500名（うち徴兵14000名）、予備役20000名。F-4E戦闘機37機、A-7H攻撃機60機、F-104G/TF-104G戦闘機30機、F-5A戦闘機40機、ミラージュF1CG戦闘機40機、RF-5A偵察機20機、HU-16Bアルバトロス哨戒機８機、C-47輸送機28機、C-130H輸送機12機、ガルフストリーム１機、CL-215輸送機５機、AB205ヘリ14機、AB206ヘリ２機、ベル47Gヘリ10機、SH-19Dヘリ12機、T-33A練習機60機、T-41D練習機20機、T-37B練習機18機、F-5B練習機８機、T-2E練習機40機、ナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイル（１個大隊）を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ギリシャ空軍（１９８９年）＞：兵力28000名（うち徴兵16000名）、予備役32000名。戦術空軍隷下に戦闘航空団７個、輸送航空団１個、防空大隊１個、航空訓練コマンド隷下に訓練飛行隊４個を置く。A-7H攻撃機49機（＋保管中４機）、TA-7H攻撃機５機、F-104G戦闘機60機（＋保管中６機）、TF-104G戦闘機８機、RF-104G偵察機12機、F-5A戦闘機60機（＋保管中10機）、F-5B戦闘機８機（＋保管中３機）、F-4E戦闘機45機（＋保管中４機）、RF-4E偵察機12機、F-16戦闘機数機、ミラージュF1CG戦闘機33機（＋保管中４機）、ミラージュ2000D/E戦闘機数機、RF-84F偵察機８機、HU-16B洋上哨戒機８機（＋改良中４機）、C-130H輸送機14機、YS-11-200輸送機５機、C-47輸送機16機、CL-215輸送機14機、Do-28輸送機11機、ガルフストリーム�T要人輸送機１機、T-33A連絡機58機、T-41練習機20機、T-37練習機25機、T-2練習機36機、AB-205Aヘリ11機、AB-206Aヘリ２機、ベル47Gヘリ15機、AB212ヘリ４機、CH-47Cヘリ８機、NH-300練習ヘリ２機、ナイキ・ハーキュリーズ36基、スカイガード／スパロー地対空ミサイル40基、35mm連装高射機関砲を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギリシャ空軍（２０１５年）＞：現役兵力20750名（うち徴兵2100名）、予備役34000名。戦術航空軍隷下のF-4E飛行隊２個、F-16CG/DGブロック30/50飛行隊３個、F-16CG/DGブロック52プラス飛行隊３個、F-16C/Dブロック52プラス飛行隊１個、ミラージュ2000-5EG Mk2/BG Mk2飛行隊１個、ミラージュ2000EG/BG飛行隊１個、RF-4E偵察飛行隊１個、EMB-145Hエリアイ飛行隊１個、防空部隊隷下のパトリオット中隊・大隊６個、S-300PMU-1中隊・大隊２個、スカイガード・クロタルNG/GR・9K331大隊12個、航空支援コマンド隷下のAS332Cヘリ飛行隊１個、中型ヘリ飛行隊１個、C-27J飛行隊１個、C-130飛行隊１個、EMB-135BJ・ERJ-135LR・ガルフストリーム�X飛行隊１個、CL-215・CL-415飛行隊２個、M-18飛行隊１個、航空訓練コマンドのT-2C/E飛行隊２個、T-6A/B飛行隊２個、T-41D飛行隊１個からなる。F-4E戦闘機34機、F-16CG/DGブロック30/50戦闘機69機、F-16CG/DGブロック52プラス戦闘機55機、F-16C/Dブロック52プラス戦闘機30機、ミラージュ2000-5EG Mk2戦闘機20機、ミラージュ2000-5BG Mk2戦闘機５機、ミラージュ2000EG戦闘機17機、ミラージュ2000BG戦闘機２機、RF-4E偵察機７機、EMB-145Hエリアイ早期警戒機４機、MIM-104A/B/Dパトリオット／パトリオットPAC-1SOJC／パトリオットPAC-2GEM36基、S-300PMU-1防空ミサイル12基、クロタルNG/GR９基、9K331トールM1地対空ミサイル４基、スカイガード防空システム少数、35mm高射機関砲、C-27J輸送機８機、C-130B輸送機５機、C-130H輸送機10機、EMB-135BJ輸送機１機、ERJ-135LR輸送機１機、ガルフストリーム�X要人輸送機１機、CL-215消防飛行艇12機、CL-415消防飛行艇７機、M-18消防機21機、AS332Cヘリ12機、AB-205A救難ヘリ12機、AB-212ヘリ４機、AW109ヘリ３機、T-2C/Eバックアイ練習機30機、T-6A練習機20機、T-6B練習機25機、T-41D練習機18機、AIM-9L/-9P/-120B/-120C空対空ミサイル、R-550空対空ミサイル、IRIS-T空対空ミサイル、MICA IR/RF空対空ミサイル、AGM-65A/B/G空対地ミサイル、AGM-154C空対地ミサイル、SCALP EG巡航ミサイル、エグゾセAM-39空対艦ミサイル、AGM-88対レーダーミサイル、Mk81/Mk82/Mk83/Mk84汎用爆弾、GBU-8/B誘導爆弾、GBU-10/-12/-16/-24レーザー誘導爆弾、GBU-31JDAMを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギリシャ軍＞：航空ショー以外での軍用機の撮影は平時でも法律で禁止されており、うっかり撮ると実刑を喰らうので注意。1936年8月4日、メタクサス首相（元ギリシャ陸軍参謀総長）がクーデターで憲法を停止し、独裁体制に入った。1939年4月12日、イタリアが隣国アルバニアを占領し、ギリシャ本土北西のイオニア海に浮かぶケルキラ島やギリシャ本土に引き続き侵攻してくる可能性が出てきたため、それまで想定していた対ブルガリア作戦計画B3及び対ブルガリア・アルバニア・ハンガリー作戦計画SMを変更することになり、駐アルバニア伊軍とブルガリアに対する二正面作戦IBを策定した。1941年4-6月、ドイツ軍による侵攻を受けギリシャ全土を制圧されてしまい、エジプトに脱出した。2014年、ギリシャ国防省に新たな統合サイバーコマンドを創設。参考：歴史群像4,’18、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊JWings12,’23

＜ギリシャ軍（１９８９年）＞：総兵力208500名（うち徴兵143500名）、予備役406000名。キプロスに3950名（歩兵大隊１個、コマンドー大隊１個、支援部隊）を展開している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギリシャ軍（２０１５年）＞現役総兵力142950名（陸軍93500名、海軍17100名、空軍20750名、統合部隊11600名）、予備役220500名（陸軍181500名、海軍5000名、空軍34000名）、準軍事部隊（沿岸警備隊）4000名。レゾリュート・サポート作戦でアフガンに４名、アルテア作戦でボスニア・ヘルツェゴヴィナに１名、キプロスに陸軍950名、ギリシャ・キプロス国家防衛隊200名、機械化旅団１個、M48A5戦車61両、レオニダス装甲兵員輸送車80両、M114装甲車12両、M110A2自走砲６両、レバノンにUNIFIL要員51名、フリゲート１隻、マリにEUTMマリ要員２名、セルビアにKFOR要員119名、歩兵部隊１個、コソボにOSCE要員４名、ウクライナにOSCE13名を派遣している。USEUCOM380名、海軍基地２個、空軍基地１個が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギリシャ憲兵隊（１９８９年）＞：隊員数26500名。MOWAG社製ローランド装甲兵員輸送車、UR-416装甲兵員輸送車15両を装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ギリシャ国家警備隊（２０１５年）＞：予備役33000名で構成され、国内警備任務を負う。歩兵師団１個、パラシュート連隊１個、航空大隊１個、砲兵大隊８個、防空大隊４個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ギリシャ侵攻（イタリア軍）＞：第２次大戦時にイタリア軍が行ったギリシャ侵攻作戦。1940年10月12日、ドイツ軍がルーマニアに進駐。ヒトラーからムッソリーニに事前連絡は無く、対抗意識を燃やしたムッソリーニは、アルバニアに次いでギリシャを占領することにより地中海を抑えイギリスに対抗する目的もあり、10月15日に外相、参謀総長、アルバニア駐留軍司令官らと会議を開いてギリシャ侵攻を決めた。ブルガリアにもギリシャ侵攻を要請したが、まだ枢軸国側に付いておらずルーマニア方面の対処で手一杯なことから断られている。10月28日0300、ギリシャ駐在イタリア公使がギリシャ首相にイタリア軍の駐留などを要求する文書を手交。ギリシャ側は宣戦布告と見なして拒絶したため、0600にアルバニア駐留イタリア軍７個師団95000名が全長240kmのギリシャ国境を越えて南進、侵攻を開始した。対するギリシャ軍はアルバニアとの国境地帯にＢ軍団を配置しており、兵力は35000名で、東から第４旅団、第９師団、ピントス分遣隊、第８師団と並んでいた。10月31日、ギリシャ政府の承認を受けてイギリス軍がクレタ島への駐留を開始。イタリア軍は地形が比較的平坦な国境西部では順調に進撃し、11月9日にイオニア海沿いに進む騎兵師団が国境から37km南のマルガリチに到達。しかし山岳地帯の国境中央部では防御陣地に阻まれて進撃できず、東部ではギリシャ第９師団が逆にアルバニア領内に食い込んだ。これを受けてアルバニア駐屯軍司令官が11月4日に更迭されている。11月13日、動員を掛けたギリシャ軍がアルバニア方面に兵力232000名、歩兵師団11個、歩兵旅団２個、騎兵師団１個、騎兵旅団１個を集中し、イタリア騎兵師団正面の戦力を改編して左翼にＡ軍団（第２・第８・騎兵師団、イオニア海沿岸分遣隊）、右翼にＢ軍団（第１・第２師団）を配置した。11月14日、ギリシャ軍がＡ軍団、Ｂ軍団、Ｃ軍団（アルバニア国境中央から東側。第９・第10・第11・第13・第15師団）によりイタリア軍に逆襲を開始。イタリア軍は総崩れになり、12月30日にアルバニア駐屯軍司令官がまたも更迭され参謀総長が兼任したが立て直せず、1941年1月6日には国境全長に渡り50kmも押し込まれてしまった。2月24日、ギリシャ政府とイギリス政府がイギリス軍（兵力100000名、戦車149両、火砲700門）のギリシャ本土駐留で合意。3月2日、ムッソリーニがアルバニアを訪問して将兵を激励。3月5日、イギリス連邦軍がギリシャへの展開を開始し、第１機甲旅団、第２ニュージーランド師団、第６オーストラリア師団がユーゴスラビア国境からエーゲ海に敷かれた防御陣地アリアクモン線の東に配備され、イギリス空軍７個飛行中隊もギリシャ国内に配置された。3月9日、イタリア軍が春（プリマヴェーラ）作戦を開始したが、3月26日には完全に阻止された。参考：歴史群像4,’18

＜ギリシャ侵攻（ドイツ国防軍）＞：第２次大戦時にドイツ国防軍が行ったギリシャ侵攻作戦で、ユーゴ侵攻と同時に開始された。1940年12月13日に総統指令第20号マリタ作戦という名称で作戦が発令されて侵攻計画の策定が始まり、当初はルーマニア軍とブルガリア軍の協力も得て1941年3月末を目処にギリシャを制圧する予定だったが、3月26日にユーゴスラビアでクーデターが発生して枢軸国側から離脱したため、ユーゴスラビアとギリシャを同時に制圧することになった。1941年4月6日、ドイツ第12軍がブルガリアとユーゴスラビアから、イタリア第９・第11軍がアルバニアからギリシャに侵攻。ギリシャ軍はアルバニア領内に兵力を集中（歩兵師団14個、歩兵旅団１個、騎兵師団１個）させていて、ブルガリアとの国境地帯はメタクサス要塞線に第７・第14・第18歩兵師団、第19自動車化師団、ネストス旅団、エヴロス旅団を配置してそれなりに固めてあったが、ユーゴスラビアとの国境地帯には第12・第20歩兵師団のみで、イギリスから第１機甲旅団、第２ニュージーランド師団、第６オーストラリア師団の増援を受けてＷフォースを形成していた。イギリスはアルバニアに偏った兵力配置を訂正するよう要求していたが、ギリシャ軍最高司令官はイタリア占領下のアルバニアから敵が侵攻する可能性が高いためと、友好国ユーゴスラビアを刺激しないため、拒否している。ドイツ第12軍はメタクサス要塞線正面で攻撃に入ると共に、ユーゴスラビア方面から要塞線を迂回して後方を遮断することにし、右翼攻撃部隊の第40自動車化軍団が隷下の第９装甲師団、第73歩兵師団、SS第１自動車化歩兵連隊を集結地のキュステンディルからユーゴスラビアに向け進撃させ、第18山岳軍団第２装甲師団が一足先にユーゴスラビア経由でギリシャへと侵入した。4月8日、第２装甲師団がギリシャ領内に30kmほど食い込んだ。夜にはブルガリアとの国境地帯を担当するギリシャ軍東マケドニア野戦軍区司令官が西への脱出を決めたが、4月9日には第２装甲師団がエーゲ海に面する要港テッサロニキに達してしまい、メタクサス要塞線守備部隊がギリシャ東部に閉じ込められた。第40自動車化軍団もユーゴスラビア第５軍の両翼を突破、4月10日にユーゴスラビア国境を通過してギリシャ北部に進撃し、アルバニアを防衛するギリシャ第１軍の後方を遮断した。付近に展開するイギリス派遣軍はギリシャに到着してから時間が経っておらず陣地の構築が不完全で、SS第１自動車化歩兵連隊の攻撃で撃破され、ドイツ軍は4月12日に突破口を確保。ギリシャ軍はアルバニア領内の部隊にギリシャ本土への後退命令を出したが、既に後方を遮断された後だった。4月13日、第９装甲師団がSS第１自動車化歩兵連隊のこじ開けた突破口からなだれこみ、ギリシャ北部プトレマイスへの攻撃を開始。4月14日、プトレマイスを占領した第９装甲師団は南下を継続、コザニ地区でイギリス派遣軍主力と激闘になったが、悪天候でドイツ空軍の支援を受けられず、防御線は突破したものの主力の捕捉に失敗した。第40自動車化軍団はコザニ防御突破後に再編成を実施。4月15日、第18山岳軍団第２装甲師団と第６山岳猟兵師団が第２ニュージーランド師団の防衛するオリンポス山系への攻撃を開始。4月17日、イギリス派遣軍司令官がギリシャ国王やギリシャ軍最高司令官らに国王及び政府のクレタ島脱出を進言。4月18日、第18山岳師団がオリンポス山系の両翼を突破し、第40自動車化軍団と共同でギリシャ第１軍の背後の攻撃に移った。ギリシャのコリジス首相が自殺した。4月19日、第18山岳軍団第２装甲師団、第５・第６山岳猟兵師団、第40自動車化軍団第９戦車師団がボラスへの攻撃を開始。4月20日、第40自動車化軍団SS第１自動車化歩兵連隊がギリシャ第１軍の退路を遮断。4月21日、ドイツ軍がボラスを占領。4月22日、第５戦車師団が第１戦車集団から第40自動車化軍団に転属し、テルモピュライで防御陣地を構築するイギリス派遣軍への攻撃を開始した。4月23日、ギリシャ第１軍がテッサロニーキで降伏文書に調印し、イタリア軍に降伏した。ギリシャ国王と政府要人がクレタ島に脱出。4月24日、ドイツ軍はテルモピュライの最終防衛ラインを突破。第５戦車師団はアテネ方面に進撃を開始した。4月27日、ドイツ軍がアテネに到達して占領、引き続きペロポネソス半島を進撃した。イギリス派遣軍がクレタ島に向けて撤退を開始。4月28日、ドイツ軍はギリシャ本土の制圧を完了した。ギリシャにあったイギリス派遣軍53000名のうち12000名が戦死又は捕虜となり、クレタ島へと脱出した41000名のうち19000名が引き続きクレタ島の防衛にあたっている。5月20日、ドイツ軍がクレタ島侵攻メルクール作戦を開始。6月1日、ドイツ軍がクレタ島を制圧した。ギリシャ国王と政府は5月23日にクレタ島を脱出してアレキサンドリア経由でロンドンに逃れ、亡命政府を樹立し、1943年3月にカイロに移っている。ギリシャ軍はエジプトに脱出、イギリス連邦陸軍やイギリス海空軍に編入されて地中海での戦闘に参加した。ギリシャ国土は1941年6月9日のヒトラーの指令でイタリア、ドイツ、ブルガリアによる分割統治を受けることとなり、分割統治下のギリシャでは民族解放人民戦線や民族共和ギリシャ連盟がレジスタンス活動を行ったが、共産党系と非共産党系の対立が激しく、第２次大戦終結後の1946-49年には内戦にまで発展している。1943年9月8日のイタリア降伏でイタリア統治域をドイツ軍が制圧。1944年10月17日、ドイツ軍がギリシャからの撤退を開始。10月18日、イギリス連邦軍とギリシャ亡命政府がアテネに到着した。参考：歴史群像4,’18、WW�U欧州戦史シリーズVol.4、月刊戦車マガジン11,’92

＜ギリシャ陸軍＞：1939年4月のイタリアによるアルバニア占領を受け動員を開始。1940年11月には兵力45万名、軍団５個（A-E）、山岳歩兵師団14個、歩兵師団５個、歩兵旅団５個、騎兵師団１個、騎兵旅団１個、自動車化師団１個となった。1941年4-6月、ドイツ軍の侵攻でギリシャ全土が制圧されたため、エジプトに脱出した人員を集めて6月23日にパレスチナでイギリス連邦軍第１ギリシャ旅団を編成。1942年7月27日には第２ギリシャ旅団、更に1944年6月4日に第３ギリシャ旅団を編成した。1981年、CH-47DGヘリ10機を導入。1982-85年、レオニダス１装甲兵員輸送車100両を配備。1983年からレオパルト1GRを配備。1987年、レオニダス２装甲兵員輸送車を発注。CFE条約締結後、欧州中央地域で削減された戦闘車両が在欧米軍USEUCOM、ドイツ、オランダなどから移管され、M60A1やレオパルト１など戦車950両、M113、MT-LB、BMP-1など装甲車1000両、M110やRM70など火砲500門以上を受領した。1995年、欧州圏で初めてAH-64Aアパッチを導入した。2001年、CH-47SDヘリ７機を導入した。2014年、アメリカから中古CH-47Dヘリ10機の導入を決定。参考：月刊戦車マガジン11,’92、月刊JWings4,’10、3,’15、月刊PANZER11,’03、歴史群像4,’18

　＜ギリシャ陸軍（１９３９年９月１日、第２次大戦勃発時）＞：歩兵師団14個からなる。ギリシャ北東のブルガリア国境に第６・第７・第11・第12・第14師団、北西のユーゴスラビア・アルバニア国境に第８・第９・第10師団、ギリシャ内陸部と島嶼に第１・第２・第３・第４・第５・第13師団を置く。CV33など豆戦車24両、火砲900門、機関銃4900丁、小銃46万丁を保有する。ブルガリア国境部にはメタクサス線と称する全長170kmの鉄筋コンクリート要塞線があり、重砲75門と対戦車砲26門を配備する。参考：歴史群像4,’18

　＜ギリシャ陸軍（１９７７年）＞：兵力160000名（うち徴兵123000名）、予備役270000名。機甲師団１個、歩兵師団11個、機甲旅団１個、空挺奇襲攻撃旅団１個、海上歩兵旅団１個、オネスト・ジョン大隊２個、ホーク大隊１個、砲兵大隊12個、航空中隊14個からなるM-47戦車275両、M-48戦車650両、AMX-30戦車75両、M-24軽戦車170両、M-8偵察車180両、M-59装甲兵員輸送車450両、M-113／モワグ装甲兵員輸送車500両、75mm榴弾砲100門、105mm榴弾砲80門、155mm榴弾砲240門、105mm/155mm/175mm/203mm自走砲、MGR-1オネスト・ジョン地対地ミサイル、106mm無反動砲550門、SS-11対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、40mm高射機関砲、75mm高射砲、90mm高射砲、ホーク地対空ミサイル、アエロコマンダー２機、U17航空機25機、L21航空機28機、ベル47Bヘリ５機、UH-1Dヘリ25機、AB204/AB205ヘリ42機を装備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ギリシャ陸軍（１９８９年）＞：兵力160000名（うち徴兵115000名）、予備役350000名。野戦軍の軍管区３個に機甲師団１個、機械化師団１個、歩兵師団10個、パラシュート・コマンドー師団１個、独立機甲旅団４個、独立機械化旅団１個、海兵旅団１個、機甲大隊４個、野砲兵大隊15個、高射砲大隊８個、改ホーク大隊２個、飛行大隊３個、独立飛行中隊１個を配備する。地域軍は地域司令部２個と地区司令部17個に軽歩兵旅団１個と軽歩兵連隊５個を置く。沿岸・島嶼防衛の国土警備隊（予備役部隊）は歩兵旅団28個と軽歩兵旅団５個からなり、平時は充足率20%で、戦時には48時間以内に即応状態となる。M-26戦車108両、M-47戦車359両、M-48A2戦車300両、M-48A3戦車600両、M-48A5戦車275両、AMX-30戦車190両、レオパルト1A3戦車109両、M-24軽戦車170両、M-41A3軽戦車108両、M-8偵察車180両、M-20偵察車30両、AMX-10P歩兵戦闘車180両、レオニダス装甲兵員輸送車300両、M-2ハーフトラック114両、M-3ハーフトラック403両、M-59装甲兵員輸送車432両、M-113装甲兵員輸送車1034両、105mm砲M-56を150門、105mm砲M-101を306門、105mm砲M-102を180門、155mm砲M-59を72門、155mm砲M-114を240門、155mm砲M-198を58門、203mm砲M-115を44門（＋保管中４門）、105mm自走砲M-52を108両、155mm自走砲M-44を36両、155mm自走砲M-109を90両、155mm自走砲M-53を36両、175mm自走砲M-107を36両、203mm自走砲M-110を24両、203mm自走砲M-55を４両、107mm迫撃砲M-2、107mm迫撃砲M-30、120mm迫撃砲M-84、M-106A1自走迫撃砲、120mm迫撃砲EBOタイプE-56、120mm自走迫撃砲レオニダスGrW.2、M-113A2自走TOW対戦車ミサイル82両、M-901自走対戦車ミサイル54両、SS-11対戦車ミサイル、コブラ対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル84基（うちAMX-10搭載12基）、57mm無反動砲M-18を900門、75mm無反動砲M-20を400門、90mm無反動砲EM-67を1080門、106mm無反動砲M-40A1を672門、112mm無反動砲EBO・ARIS-4、20mm連装高射機関砲Rh-202を100門、30mm連装高射機関砲アルテミス30を24門、40mm高射機関砲M-1を400門、70口径40mm高射機関砲150門、M-42A自走高射機関砲101両、75mm高射砲M-51を110門、90mm高射砲M-117/-118を110門、改ホーク42基、M-48自走地対空ミサイル37基、FIM-43レッドアイ携帯地対空ミサイル、スーパー・キングエア２機、エアロコマンダー２機、DHC-2輸送機１機、U-17A輸送機を１機、AH-1ヘリ10機、ベル47Gヘリ５機、UH-1Dヘリ14機、UH-1Hヘリ50機、AB-204Bヘリ３機、AB-205Aヘリ43機、AB-206Aヘリ15機、AB-212ヘリ１機、A-109ヘリ１機、CH-47Cヘリ８機、NH-300ヘリ20機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ギリシャ陸軍（２０１０年）＞：陸軍航空隊にヘリ200機以上が配備されており、AH-64DHAアパッチロングボウ（ほぼブロック�U仕様）、AH-64Aアパッチ、CH-47D/SDチヌーク、UH-1H、AB206、AB205、Nadiヒューズ300Cなどを使用している。参考：月刊JWings4,’10

　＜ギリシャ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力93500名（うち徴兵45000名）、予備役181500名。軍司令部３個、機甲師団司令部１個、機械化歩兵師団司令部３個、歩兵師団司令部１個、特殊戦コマンド１個、コマンドー・パラシュート旅団１個、偵察大隊４個、機甲旅団（機甲大隊２個、機械化歩兵大隊１個、自走砲大隊１個）４個、機械化歩兵旅団（機甲大隊１個、機械化大隊２個、自走砲大隊１個）９個、歩兵師団１個、歩兵旅団（機甲大隊１個、歩兵連隊３個、砲兵連隊１個）３個、空中機動旅団１個、空中強襲旅団１個、海兵旅団１個、航空旅団（攻撃ヘリ大隊２個、輸送ヘリ大隊２個、ヘリ大隊４個）１個、砲兵連隊（砲兵大隊１個、多連装ロケット大隊２個）１個、防空大隊３個（うち改ホーク装備２個、9K331トールM1装備１個）、工兵連隊３個、工兵大隊２個、電子戦連隊１個、通信大隊10個、兵站軍司令部１個、兵站師団（兵站旅団３個）１個からなる。レオパルト2A6HEL戦車170両、レオパルト2A4戦車183両、レオパルト1A4/5戦車526両、M60A1/A3戦車100両、M48A5戦車375両、VBL偵察車229両、BMP-1歩兵戦闘車398両、レオニダスMk1/2装甲兵員輸送車86両、M113A1/A2装甲兵員輸送車2252両、M577装甲車213両、マックスプロ装甲車11両、M109A1B/A2/A3GEA1/A5自走砲418両、PzH2000自走砲24両、M110A2自走砲145両、105mm榴弾砲M101を329門、105mm榴弾砲M56を18門、155mm榴弾砲M114を206門、122mm自走ロケットRM-70を111両、MLRS（ATACMS含む）36両、81mm迫撃砲1700門、107mm迫撃砲M30を620門（うち自走迫撃砲231門）、9K135コルネットＥ搭載HMMWV196両、ミラン搭載HMMWV42両、M901自走対戦車ミサイル362両、9K111対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1を581門、84mm無反動砲カールグスタフ、90mm無反動砲EM-67、C-12C輸送機１機、C-12R/AP輸送機２機、U-17A/B輸送機17機、AH-64A攻撃ヘリ19機、AH-64D攻撃ヘリ10機、CH-47D輸送ヘリ９機、CH-47SD輸送ヘリ６機、NH90TTHヘリ11機、UH-1Hヘリ94機、AB-206ヘリ14機、スペルヴェルUAV４機、9K331トールM1自走地対空ミサイル21両、9K33オサＭ自走地対空ミサイル38両、HMMWV搭載ASRAD54両、MIM-23B改ホーク42基、FIM-92A携帯地対空ミサイル、20mm高射機関砲Rh202を204基、23mm高射機関砲ZU-23-2を523基、アーサー対砲迫レーダー３基、AN/TPQ-36対砲迫レーダー５基、AN/TPQ-37(V)3対砲迫レーダー８基、BOR-Aレーダー40基、MARGOTレーダー20基、ビュッフェル装甲回収車12両、レオパルト１装甲回収車43両、M88A1装甲回収車94両、M578装甲回収車112両、レオパルト１戦車橋12両、レグアン戦車橋、ジャイアント・ヴァイパー地雷車両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜錐揉み＞：Spin。航空機が揚力を失い失速に陥り、自転しつつ螺旋降下に入ること。一方の主翼がもう一方よりも揚力を大幅に失うと、そちらの主翼が失速に陥って機体が傾き、機首が落ち込んで旋転しながら降下していく。急激に方向舵を一杯に踏み込んで内側の翼を失速させれば、意図的に錐揉みに入ることが可能である。操縦桿から手を離しても自動復帰は無理で、下手に操縦桿を動かすと状況が悪化することもあるため、増速しつつ回転とは反対の方向舵ペダルを踏み込んで回復を図る。増速するまでに高度を失うので、低高度だと回復前に地面にぶつかるし、旋転が止まったからといって慌てて引き起こしをかけると耐Ｇ限界を超えて空中分解するので注意。テスト飛行ではわざと錐揉みに陥らせるスピンテストを実施するが、フラットスピンに陥って回復できなくなったりするので、慎重に失速状態に近づけていって最後に錐揉みに入らせる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、戦闘機のしくみ、陸海軍学校と教育

＜錐揉み風洞＞：垂直風洞を参照。

＜基隆＞：台湾海軍キッド級ミサイル駆逐艦キールン（Keelung）。元はアメリカ海軍キッド級ミサイル駆逐艦DDG-995スコットで、2006年に台湾海軍で再就役した。2012年1月18日、台湾北東沖で洋上訓練を実施。2018年4月13日、蘇澳基地沖で着上陸阻止演習に参加。2019年5月、漢光35号演習に参加。2022年7月25-29日、漢光38号演習に参加。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船4,’12、8,’18、11,’19、11,’22

＜旗旒信号＞：信号旗により艦船同士で行う通信のこと。海上自衛隊で重視しており、旗艦がまず信号旗を掲げ、各艦が同じ旗を掲げたのを確認して旗艦が信号旗を降ろすと発令となる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、MAMOR Vol.76

＜気流偏差修正型子弾撒布装置＞：WCMDを参照。

＜ギリランド＞：T-AKR-298（車両輸送艦）を参照。

＜キルギスタン空軍＞

＜キルギスタン空軍（２０１５年）＞：現役兵力2400名。An-2輸送機４機、An-26輸送機２機、L-39練習機４機、Mi-24攻撃ヘリ２機、Mi-8輸送ヘリ８機、2K11地対空ミサイル、S-75/S-125地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キルギスタン軍＞：2013年7月のドクトリンで、C2の向上、効果的な兵站、防空システム近代化といった軍の再編計画を公表したが、進捗ははかばかしくない。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜キルギスタン軍（２０１５年）＞：現役総兵力10900名（陸軍8500名、空軍2400名）、準軍事組織9500名（国境警備隊5000名、内務省軍3500名、国家警備隊1000名）。リベリアにUNMILオブザーバー３名、モルドバにOSCE要員１名、コソボにOSCE要員１名、南スーダンにUNMISS要員２名とオブザーバー１名、スーダンにUNAMIDオブザーバー２名とUNISFAオブザーバー１名、ウクライナにOSCE要員14名を派遣している。ロシア空軍500名、Su-25SM攻撃機13機、Mi-8ヘリ２機が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キルギスタン陸軍＞

＜キルギスタン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力8500名。特殊部隊旅団１個、自動車化狙撃旅団２個、山岳自動車化狙撃旅団１個、砲兵旅団１個、防空旅団１個からなる。T-72戦車150両、BRDM-2装甲車30両、BMP-1歩兵戦闘車230両、BMP-2歩兵戦闘車90両、BTR-70装甲車25両、BTR-70M装甲車10両、BTR-80装甲車10両、122mm自走砲2S1を18両、100mm砲M-1944を18門、122mm砲D-30を72門、122mm砲M-30（M-1938）を35門、152mm砲D-1を16門、120mm自走迫撃砲2S9を12両、BM-21自走多連装ロケット15両、9P140自走多連装ロケット６両、120mm迫撃砲2S12を６門、120mm迫撃砲M-120を48門、9K11/9K111/9K113対戦車ミサイル、73mm無反動砲SPG-9、MT-12/T-12対戦車砲18門、9K32携帯地対空ミサイル、ZSU-23-4自走高射機関砲24両、57mm高射機関砲S-60を24基保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜キル級＞：イギリス海軍コルベットKil級。元はアメリカ海軍の駆潜護衛艇（PCE）で、武器貸与法に基づいてイギリスに送られたものである。ベースはアドミラブル級掃海艇で、掃海装置の代わりに砲と対潜兵装を搭載した。舷側排気なので煙突が無い。全長56.2m、幅10.2m、吃水3.1m、基準排水量795トン。主機はディーゼル、出力1500馬力、速力18ノット。兵装は7.6cm高角砲１門、40mm機関砲３門、20mm機関砲、ヘッジホッグ１基。艦番号5.01キルバーニー、5.02キルブライド、5.03キルチャタン、5.04キルクレナン、5.05キルダリー、5.06キルドウィック、5.07キルハム、5.08キルケンジー、5.09キルハンプトン、5.10キルマルコム、5.11キルマーノック、5.12キルマーチン、5.13キルメルフォード、5.14キルミントン、5.15キルモアの15隻が1943年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜キルクレナン＞：5.04（コルベット）を参照。

＜キルケンジー＞：5.08（コルベット）を参照。

＜キルシュケルン＞：Fi-103（巡航ミサイル）を参照。

＜ギルスピー＞：DD-609（駆逐艦）を参照。

＜ギルダ＞：クロスロードＡ作戦（核実験）を参照。

＜キルター＞：Kh-58シリーズ（対レーダーミサイル）を参照。

＜キルタン＞：P30（コルベット）またはP79（フリゲート）を参照。

＜キルチ＞：P62（コルベット）を参照。

＜キル・チェーン＞：Kill Chain。情報部門が作成した敵状報告に基づき、政治中枢が国家戦略を決定し、司令部が計画を策定、部隊が攻撃し、情報部門が評価と敵状報告を行う、の繰り返しのこと。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜キルチャタン＞：5.03（コルベット）を参照。

＜キルティ＞：APD-15（高速輸送艦）またはDD-137（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜キルデイリー＞：5.05（コルベット）を参照。

＜キルディン型＞：ソ連海軍ミサイル駆逐艦Kildin型。ソ連初の艦対艦ミサイル搭載艦で、コトリン型駆逐艦にP-1（SS-N-1）艦対艦ミサイルを積んだものである。全長126.1m、満載排水量3230トン。主機は蒸気タービン、速力38ノット。兵装はP-1艦対艦ミサイル単装発射機１基（後甲板。８発）など。1958年に４隻が就役した。後に３隻が艦対艦ミサイルをP-15Mに換装している。1989-91年に退役した。参考：月刊世界の艦船9,'22、3,’05、12,’21

＜ギルティング・メタル＞：ギルト・メタルを参照。

＜キルドウィック＞：5.06（コルベット）を参照。

＜ギルドフォード・キャッスル＞：K378（コルベット）を参照。

＜キルトまくり射法＞：アメリカ海軍が太平洋戦争時に開発した潜水艦用雷撃法Up the Kilt Shot Method（スカートめくり射法の方が分かりやすいと思うが色々問題がある）。敵艦艇より相当優速な場合に、敵艦艇後方から接近して雷撃するものである。1942年6月29日にSS-179プランジャーが初めて実施し、戦果を挙げた。参考：アメリカ潜水艦史

＜ギルト・メタル＞：Gilt Metal。ギルティング・メタルともいう。小銃弾の弾芯を覆うジャケットに使用される、銅とニッケルの合金のことである。参考：GUN用語事典

＜ギルバート・アイランズ＞：CVE-107（護衛空母）を参照。

＜ギルバート諸島沖航空戦＞：太平洋戦争時、ガルバニック作戦でギルバート諸島を攻略中のアメリカ機動部隊に対し、ルオット所在の日本海軍基地航空隊が航空攻撃を行ったもので、昭和18年11月21日から４次にわたり実施された。潜水艦も９隻が派遣されて散開による索敵を行い、11月24日には伊175がACV-56リスカム・ベイを撃沈したが、散開線を毎日変更させたり、頻繁な敵情報告を求めたりしたため、居場所がばれて６隻を沈められ、残りも全て損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’12増刊、太平洋海戦史

　＜第１次ギルバート諸島沖航空戦＞：昭和18年11月21日に陸攻27機が出撃し、CVL-22インディペンデンスを損傷させた。大本営発表では空母２隻撃沈の戦果だった。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

　＜第２次ギルバート諸島沖航空戦＞：11月26日、陸攻13機が出撃したが、戦果は得られず、１機が未帰還となった。大本営は空母１隻撃沈を報じた。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

　＜第３次ギルバート諸島沖航空戦＞：11月27日、陸攻15機が出撃したが、戦果は得られず、６機が未帰還となった。大本営は空母２隻撃沈と報じた。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

　＜第４次ギルバート諸島沖航空戦＞：11月29日、陸攻８機がタロア基地から出撃したが、戦果は得られず、６機が未帰還となった。大本営は空母２隻撃沈を報じた。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ギルバート・トロポ＞：パプアニューギニアのガーディアン級哨戒艇４番艇Gilbert Toropo。オーストラリアのSEA3036PPB-R計画で建造され（計画通算17番艇）、2023年10月4日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜キルバーニー＞：5.01（コルベット）を参照。

＜キル・ハウス＞：アメリカ軍の市街戦訓練施設。参考：月刊軍事研究5,’03

＜キルハム＞：5.07（コルベット）を参照。

＜キルパン＞：P44（コルベット）を参照。

＜キルハンプトン＞：5.09（コルベット）を参照。

＜ギルフォード＞：APA-112（攻撃輸送艦）を参照。

＜キルブライド＞：5.02（コルベット）を参照。

＜キル・ボックスＡＩ＞：航空阻止を参照。

＜ギルマー＞：APD-11（高速輸送艦）またはDD-233（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜キルマーチン＞：5.12（コルベット）を参照。

＜キルマーノック＞：5.11（コルベット）を参照。

＜キルマルコム＞：5.10（コルベット）を参照。

＜キルミントン＞：5.14（コルベット）を参照。

＜キルメルフォード＞：5.13（コルベット）を参照。

＜キルモア＞：5.15（コルベット）を参照。

＜ギルモア＞：DE-18（護衛駆逐艦）を参照。

＜キル用薬筒（Ｃ）＞：自衛隊の火工品。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究4,’17

＜キルルキ７１級＞：韓国海軍ミサイル艇。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル発射筒２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜儀礼兵（アメリカ海軍）＞：Side Boy。当直掌帆長属または当直兵曹の直接指揮の下、正装して舷側に整列し、艦船公式訪問客や高官の送迎を行う。高官が乗艦する際は、当直掌帆長属の笛に応じて敬礼する。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜ギレスン＞：F491（フリゲート）を参照。

＜義烈空挺隊＞：義号作戦（その２）を参照。

＜キレン＞：DD-593（駆逐艦）を参照。

＜キロヴォグラード＞：ウクライナ海軍ポルノクニイ級戦車揚陸艦Kirovograd。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜キロ級＞：877型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜キロ級改＞：636型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜キロトン＞：核兵器の威力を示す単位、Kiloton（KT、Kt）。TNT1000トン（4.184テラジュール）に相当する威力が１キロトンである。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船9,’12増刊、2,’15、月刊軍事研究3,’16

＜キロベツ１＞：IS-3（重戦車）を参照。

＜ギロベル＞：ブラジル海軍潜水艦救難艦Guillobel。元はバーレーンのADMASオフショア所属潜水作業支援船ADAMSチャレンジで、2019年12月19日にアミランテ・カストロ・シルヴァ潜水艦基地に到着し、改造に入った。2020年3月就役予定。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜キロホ・チェペック化学工場＞：ソ連の４フッ化ウラン生産工場。キロホ−チャペックで1949年から稼働した。参考：核兵器事典

＜キロ・モアナ＞：AGOR-26（海洋観測艦）を参照。

＜キロ・モアナ級＞：アメリカ海軍海洋観測艦Kilo Moana級。船体はSWATH型で、マルチビーム音響測深儀や浅海用音響測深儀などの観測器材を積んでいる。全長56.7m、満載排水量2542-2583トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター２基２軸4025馬力、速力15ノット。乗員17名＋科学者31人。AGOR-26キロ・モアナが2002年に就役した。ハワイ大学海洋センターに貸し出されている。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’15

＜木脇飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜義和団事件＞：1900年に中国で起こった事件で、北清事変ともいう。事件後、利権を持っている列強各国は居留民保護のため軍隊を駐留させたが、守備に５万名が必要なところを半分しか出せなかった。参考：月刊PANZER10,’01

＜気をつけ＞：不動の姿勢を参照。

＜キン＞：ノルウェー海軍潜水艦Kinn。元はドイツ海軍Ｕボート�ZＣ型潜水艦U1202である。1951年7月1日就役。1963年に解体された。参考：ナチスＵボート

＜近ＳＡＭ＞：93式近距離地対空誘導弾を参照。

＜銀亜鉛電池＞：二次電池の１つ。充放電寿命は数十回程度だが、蓄電容量が大きく、魚雷に使用されている。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜金華＞：534（フリゲート）を参照。

＜銀河シリーズ＞：日本海軍陸上爆撃機P1Y、連合軍コードはフランシス（Frances）。元は昭和14年に海軍航空廠が設計を始めた遠距離爆撃機計画Ｙ二〇で、昭和15年から十五試陸上爆撃機として海軍航空技術廠飛行機部が開発した。基地航空隊に配備され、一式陸攻並の航続距離を活かして敵航空母艦に到達、急降下爆撃で破壊するのが主任務である。搭載するのは装甲化航空母艦にダメージを与えられる500kg以上の爆弾で、防御兵装は最小限として機体に13mm機銃対応の防弾装備を施してあり、爆撃後は零戦並の高速性能を発揮してとにかく逃げる。昭和18年に制式採用となり、初期量産機12機は海軍空技廠機体工場、その後は中島飛行機小泉製作所で生産されて昭和18年秋頃から第521航空隊、第522航空隊、第524航空隊などに実戦配備され（夜間戦闘機型は全て第302航空隊に配備）、各型計1100機が生産された。終戦時には182機が残存していた。参考：月刊丸4,’13、歴史群像12,’10、月刊JWings1,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史

　＜Ｙ二〇＞：昭和14年から海軍航空廠／海軍航空技術廠が開発した遠距離飛行実験機。当初は大量の航空燃料を搭載する双発長距離機として設計されたが、第二次大戦勃発で500kg爆弾の急降下爆撃に耐えられる装甲化飛行甲板を持つ空母をも撃破できる陸上爆撃機として開発されることになり、800kg爆弾による急降下爆撃能力、長距離先制攻撃に必要な3000海里の航続性能、護衛戦闘機の行動半径外に達する長距離行動を可能とする飛行性能（要するに敵戦闘機を振り切る時速300ノット以上の速度性能）を持たせることになった。昭和15年に十五試陸上爆撃機として試作発注が行われた。参考：月刊丸4,’13

　＜十五試双発陸上爆撃機＞：試作型で、昭和15年末に要求が纏められた。最大速度550km・航続距離5500kmを満たすため、副操縦士席を設けずに乗員を操縦士、爆撃員兼偵察員、電信員の３名のみとして機体を絞り込み、爆弾倉扉を内開きにし、爆弾などは全て機内収容としている。エンジンは開発済みの護発動機を搭載することにしたが、出力が足りず設計に時間が掛かっているうちに誉発動機が完成したため、こちらを積むことにして昭和16年10月28日に初号機の組み立てが始まり、昭和17年6月に完成した。テストでは高度6000mで最大水平速度567kmを記録している。参考：月刊丸4,’13

　＜銀河一一型＞：最初の量産型、P1Y1。機体は量産を考えて鋲数を減らし、機械部品に型鍛造を使用するなどの工夫をしているが、肝心の機械部品製造メーカーに型鍛造に必要な精密鍛造技術が無いといった問題があり、実際には量産に向かない機体となってしまった。主翼はテーパー付き直線翼で、急降下爆撃からの引き起こし時にかかる5.5Gにも耐えられるよう設計されている。燃料タンクは海軍初のセルフ・シーリング式。主脚は引き込み式、尾脚は固定式。最初の12機は空技廠製で、風防とキャノピーは曲面ガラスを使用、全て誉一一型を搭載しており、飛行テストに使用された後、実戦部隊に配備された。その後は中島飛行機製で、風防とキャノピー側面を平面ガラスに変更、エンジンは大部分が誉一二型（一部誉一一型、ごく一部誉二一型）を搭載する。全長15.4m、全幅20m、全高5.3m（水平姿勢）、自重7265kg（6200kg？6690kg？）、正規全備重量9500kg（10500kg？）、過荷時総重量13500kg（13125kg？）。翼面荷重１平方メートルあたり191kg。エンジンは中島製誉一一型または誉一二型（離昇出力1820馬力）双発、プロペラは３翅、巡航速度370km、最大速度567km（555km？）、実用上昇限度9400m、上昇時間5000mまで８分13秒、航続距離2915km（正規）／5186km（爆撃過荷時）／5741km（増槽あり）／6019km（偵察過荷時）。防御兵装は20mm旋回機関砲２門（機首と操縦席後部）。800kg爆弾なら１発、500kg爆弾なら２発、魚雷なら１本を搭載可能。乗員３名（操縦士、航法手兼前方射手、通信士）。甲／乙型含め、一部に電探を装備したものがある。特攻の際は八十番通常爆弾マル特用１発を積んでいった。参考：月刊丸4,’13、3,'18別冊、月刊JWings1,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、歴史群像12,’10、日本海軍の爆弾

　＜銀河一一甲型＞：P1Y1a。後方旋回機銃を二式十三粍旋回機銃装備銃塔に換えたもの。参考：月刊丸4,’13、月刊JWings1,’05

　＜銀河一一乙型＞：P1Y1b。後方旋回機銃を仮称四式動力旋回銃架に換えたもので、二式／三式十三粍旋回機銃２丁を装備する。動力銃架が不調で、少数のみ生産された。参考：月刊丸4,’13、月刊JWings1,’05、歴史群像12,’10、8,’17

　＜銀河一一丙型＞：P1Y1c。一一乙型の前方機銃を二式十三粍旋回機銃に換え、電探を装備したもの。実機は完成しなかった。参考：月刊丸4,’13、月刊JWings1,’05

　＜銀河一二型＞：P1Y4。当初は銀河一一型のエンジンを火星二五甲型に換装したタイプをこう呼んでいたが、こちらは夜間戦闘機極光として開発されることになり、昭和19年4-5月にエンジンを誉二三型としたタイプをこう呼ぶようになった。実機は完成しなかった。参考：月刊丸4,’13、月刊JWings1,’05

　＜銀河一三型＞：P1Y3。エンジンを誉二一型に換えたもの。誉二一型の開発に失敗して出力制限をかけられてしまい、本機も開発中止になった。参考：月刊丸4,’13、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜銀河一四型＞：P1Y5。誉エンジンが紫電改や流星に回されたため、ハ43-11エンジンを搭載したもの。参考：月刊丸4,’13、月刊JWings1,’05

　＜銀河一六型＞：P1Y2。極光の斜め銃を取り外し、陸上爆撃型としたもの。全長15.4m、全幅20m、自重7138kg、全備重量10500kg（正規）／11472kg（過荷時）。エンジンは火星二五甲型（離昇出力1850馬力、公称出力1540馬力）双発、最大速度522km、航続距離2785km（正規）／3982km（過荷時）。800kg爆弾１発または魚雷１本を搭載可能。参考：月刊丸4,’13、月刊JWings1,’05

　＜銀河一六甲型＞：一一甲型のエンジンを火星二五甲型に換えたもの。参考：月刊JWings1,’05

　＜銀河一六乙型＞：一一乙型のエンジンを火星二五甲型に換えたもの。参考：月刊JWings1,’05

　＜銀河一六丙型＞：一一丙型のエンジンを火星二五甲型に換えたもの。参考：月刊JWings1,’05

　＜銀河一七型＞：一六型のエンジンを火星二五丙型に換装したもの。試作機数機をテスト中に終戦となった。参考：月刊丸4,’13

　＜銀河三三型＞：計画長距離攻撃型。コクピットを並列複座にして複操縦装置を設け、翼面積を拡大、燃料タンクを増設した。エンジンは誉二一型双発、プロペラは４翅VDM、航続距離2000海里（正規）／3500海里（過荷時）／5000海里（偵察過荷時）。自衛武装は前方の二式13mm旋回機銃、後方の仮称四式連装上方銃架。乗員4-5名。計画のみに終わった。参考：月刊丸4,’13

　＜銀河多銃機＞：烈作戦用の改造機。ベースは昭和20年5月に第762航空隊攻撃501飛行隊が試作した銀河多銃機で、沖縄のアメリカ軍飛行場を偵察した結果、平行誘導路の両側に航空機掩体壕が並んでいることが判明したため、高度1000mを飛行しつつこれらを機銃掃射できるよう、爆弾倉に20mm機銃15丁を２列で搭載している。宮崎基地沖でテストした結果、長さ2000mに渡り弾幕を張ることができ、効果は絶大であるとして第762航空隊司令を経由して第５航空艦隊と大本営に諮られ、沖縄用でなくB-29飛行場用にアイディアが流用されることとなった。爆弾倉に九九式二〇粍一号固定機銃三型（50発）20丁を搭載しており（スペース的にもっと少ないという説もある）、超低空を飛行しつつ飛行場に居並ぶ敵機を銃撃する。10丁ずつを左右２列に搭載し、後ろにいくにつれて俯角を増したタイプと、左側面に10丁ずつ上下２列に搭載し、後方のものほど左にひねって装備したタイプの２種が計15-30機製作された。機首に機軸に沿って２丁、爆弾倉に３列で５丁ずつ（中央が後ろ向き、外側２列が前向き、俯角は全て60度）を装備した甲型と、爆弾倉に２列で５丁ずつ（全て前向き、左30度、俯角60度）を装備した乙型があるという説もある。他に左右２列に搭載して後ろにいくほど内側に向けたタイプや、左右と中心線上の３列に搭載したタイプも考えられたようである。7月14日と16日に木更津で甲型がテストされ、射撃できる長さは1500-2000mで、B-29の攻撃には高度200mからの射撃が最適との結果を得た（実際の攻撃時には高度100-150mをとることにした）。攻撃405飛行隊で訓練が行われ、甲型は射撃の反動で機体が浮き上がる、前向き銃を撃つと機体が一瞬止まる、後ろ向き銃を撃つと機体が加速するといった印象を受け、乙型も発射反動で機体が右に大きく横滑りしたという。甲型では緩降下で銃撃高度に達して機体を引き起こす際のＧのためか、打殻薬莢が上手く放出できないという問題点が見つかり、排莢口を広げても解決できず、尾栓を旧型に戻した。実戦投入前に終戦を迎えている。参考：月刊丸4,’13、8,’95、激闘太平洋戦記

　＜銀河改＞：アルミニウム不足に対応するため、機体を炭素鋼及び強靱鋼製としたもの。エンジンは三菱製MK9A（ハ四三）。川西航空機で昭和20年2月から試作に入ったが、完成（初号機は9月に出来上がる予定だった）前に終戦となった。参考：月刊丸4,’13

　＜銀河改造機＞：烈作戦用の改造機。二式六番二十一号爆弾を12発搭載できるようにした。15-30機が改造された。参考：激闘太平洋戦記

　＜銃装銀河＞：第765航空隊攻撃401飛行隊が昭和20年3月22日夜のリンガエン湾攻撃で使用したもの。爆弾倉扉を外し、爆弾倉内に20mm機関砲を前下方に向け10門（５門２列）搭載、機首両側にも機軸に平行に１門ずつ取り付けた。高雄の第61航空廠で改造を受け、昭和20年3月初めから台南でテストしている。攻撃401飛行隊には少なくとも３機が配備され、うち２機が攻撃に向かったが、１機は増槽からの燃料供給不調で引き返し、１機のみがリンガエン湾周囲の航空基地や軍事施設に銃撃を実施している。その後は実戦には使用されなかった。参考：月刊丸4,’13

＜銀河ファミリー＞

　＜極光＞：夜間戦闘機型P1Y2-S。月光より高速でB-29にも対抗できる夜間戦闘機として電光を開発していたが、完成までの繋ぎとして計画された。エンジンを火星二五型に換え（試作初号機のみ誉一二型装備）、機体中央上部に20mm斜め銃２丁を装備、尾輪を引き込み式にしている。全長15m、全幅20m、自重7800kg、全備重量10500kg、過荷時総重量13500kg。翼面荷重１平方メートルあたり191kg。エンジンは三菱製火星二五型（離昇出力1850馬力、二速公称出力1540馬力／高度5500m）、最大速度522km（高度8000m）、実用上昇限度9560m、上昇力5000mまで９分23秒、燃料搭載量5700リットル、航続距離1815km（正規）／5273km（過荷時）。武装は20mm機関砲３門（前方旋回１門、斜め銃２門）。爆弾800kgを搭載できる。初号機は昭和19年5月に完成し、100機が生産されたが、B-29相手には力不足で、大部分が銀河一六型に再改造された（一部はそのまま夜戦として使用）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings1,’05、月刊丸3,'18別冊、4,’13

　＜銀河二一型＞：夜間戦闘機型P1Y1-S。白光（はっこう）とも呼ばれたらしい。極光は失敗作になったが、相変わらず月光の後継機が完成していなかったため、昭和19年末から設計された。偵察員席を廃止して十九試空電波探信儀二号一一型（玉三接敵電探）を搭載し、操縦席にPPIスコープを装着、前方上向き20mm斜め銃２丁と後方上向き20mm斜め銃２丁を機体中央に装備する。乗員２名（操縦士、航法士兼電信員）。計画のみに終わったが、取り敢えず夜戦型に改造された銀河一一型がこう呼ばれている。参考：月刊丸4,’13、月刊JWings1,’05

　＜銀河迎撃機＞：計画迎撃機型。三番二十七号爆弾や六番二十八号爆弾を搭載し、B-29に向けて撃ち上げる。計画のみに終わった。参考：月刊丸8,’95

　＜白光＞：銀河二一型を参照。

＜銀河９号＞：北朝鮮が2012年12月21日のロケット科学者レセプションと2013年4月14日の指導者を称える花の展覧会で模型を展示した宇宙ロケット。銀河３号の拡大型で、ペイロード・フェアリングの直径も1.5mに大型化した。模型しか展示されていないので、詳しい性能は不明。参考：月刊軍事研究11,’13

＜キンガース＞：A232（防材敷設船）を参照。

＜近海作戦＞：NLOを参照。

＜近海水中作戦群＞：IUWGを参照。

＜近海練習航海＞：海上自衛隊の練習航海。幹部候補生学校を卒業して３等海尉になったばかりの実習幹部に対し、練習艦などで日本近海を巡航しつつ１ヶ月にわたる洋上訓練を施すものである。修了すると遠洋練習航海に移る。参考：月刊軍事研究11,’17

＜金華山丸＞：日本陸軍輸送船Kinkasan maru。元は三井物産船舶部の貨物船で、イギリスのサー・レイルトン・ディクソン社が建造し、明治44年7月に竣工した。垂線間長115.82m、幅16.23m、深さ8.28m、満載吃水7.39m、総トン数5361トン、重量トン数8205トン。主機は三連成レシプロ１基１軸2630馬力、航海速力9.5ノット、最大速力10.6ノット。太平洋戦争で陸軍に徴用された。昭和16年12月8日、マレー攻略戦に参加。昭和18年10月1日、パラオからラバウルに向かう途中、トラック南西でSS-265ピートの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜近畿中部防衛局＞：防衛省地方防衛局。2019年11月17日、フォレストライトMAが行われる饗庭野演習場周辺の地元住民に説明会を実施。12月1-13日に行われたフォレストライトMAで、饗庭野演習場に現地連絡本部を設置し、関係自治体との連絡調整などを行った。2021年1月23日、オンラインで防衛問題セミナーを実施。2022年3月6日、南海トラフ地震をテーマにした令和3年度防衛問題セミナーをオンラインで実施。参考：MAMOR vol.113、朝雲

＜キン級＞：イギリス海軍防材敷設船Kin級。元は沿岸救難船で、種別変更された。全長54.8m、幅10.7m、吃水3.7m、基準排水量950トン。主機はディーゼル、出力630馬力、速力９ノット。A232キンガース、A281キンブレイス、A482キンロス、A507アップリフターが1944-45年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜緊急火力集中＞：敵歩兵による味方陣地への大規模浸透戦術を防ぐため、前進観測員が射撃指揮所に敵位置を連絡し、火力調整所と協同で必要な場所に速やかに砲撃を集中させること。参考：月刊軍事研究11,’06

＜緊急降下＞：Emergency Descent。高々度飛行中に与圧室が破損したり、与圧装置が故障したりした場合に取られる措置で、エンジンをアイドリングにし、スピードブレーキを作動させ、最大降下率で低高度まで降下する。参考：飛行機のしくみ

＜緊急射出装置ＰＡＤ用カートリッジ＞：自衛隊の火工品。ダイセル製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜緊急脱出装置＞：Emergency evacuation system。緊急時にパイロットが安全に機外に脱出するための装置。脱出ハッチ、脱出用スライド、射出座席などがあるが、脱出ハッチは通常不時着してから使用する。コクピット脇の窓を開けて脱出用ロープで脱出することもある。参考：火薬のはなし、月刊JWing10,’03、7,’05、8,’05、5,’08、10,’09別冊付録、ワイルドウエポン

＜緊急脱出装置用部品（カートリッジ作動装置用火工品）＞：自衛隊の火工品。ダイセル製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜緊急着陸＞：Emergency Landing。飛行中にトラブルを発生した航空機が緊急に手近の飛行場などに着陸すること。参考：月刊JWings2,’13

＜緊急展開型衛星通信セット�U型＞：陸上自衛隊の可搬型衛星通信装置。CCT-90衛星通信装置を採用したもので、径90cmのパラボラアンテナにより民間衛星を使用した衛星通信を行う。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ製。参考：月刊JWings10,’18、月刊軍事研究6,’14

＜緊急展開軍（フランス陸軍）＞：フランス陸軍の部隊で、FARと略す。1983年に編成され、隷下に第４空中機動師団、第６軽機甲師団、第９海兵師団、第11空挺師団、第27山岳師団を置く。総ての兵器をSA330ピューマ中型ヘリで輸送でき、第４空中機動師団はSA341ガゼル武装ヘリ120機やSA330ピューマ80機などヘリコプター計240機を有し、輸送のみならず機動、強襲、攻撃総てをヘリコプターで行える。参考：月刊軍事研究7,’95

＜緊急燃料放出システム＞：Emergency fuel dump system。緊急着陸時に機体を軽くし、燃料の着火を防ぐために燃料を放出するシステムで、主翼端などに放出口がある。燃料は霧状になって飛散するので、地上に降ってきたりはしない。F-111では放出口がエンジン２基の間にあるため、燃料を放出しながらアフターバーナーを点火すると長い炎を引く。これはダンプ・アンド・バーンやトーチなどと呼ばれ、オーストラリア空軍が曲技飛行の１つにしていた。参考：月刊JWings4,’04

＜緊急展開用ヘリパッド（輸入）＞：自衛隊の機器。海外アビオテック製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜緊急発進及び帰投手順＞：SARPを参照。

＜緊急避難シェルタ（国際平和協力活動用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜緊急部署＞：海上自衛隊の部署の１つで、緊急事態に対応する。火災時の防火部署、浸水時の防水部署、舵故障時の応急操舵部署、溺者発見時の溺者救助部署、破壊部署、総員離艦部署、CBR戦防御部署、海難対処部署、航空機救難部署、艦上救難部署の10部署に細分される。参考：月刊世界の艦船9,’17、8,’11増刊、9,’12増刊

＜金魚＞：昭和20年4月頃、これを拝むと爆弾に当たらないという噂が立ち、瀬戸物の金魚が高値で売られていたらしい。参考：歴史群像12,’03

＜近距離照準用暗視眼鏡＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜近距離照準用暗視装置＞：自衛隊の暗視装置。普通科部隊に配備され、三脚上に載せたり、対人狙撃銃に装着したりして使用する。三菱電機製。参考：月刊JWings9,’12、月刊軍事研究8,’12

＜近距離戦闘機＞：日本陸軍の戦闘機分類の１つ。高度10000m以下を飛行する戦闘機を対処するのが主任務である。行動半径500km（通常）／700km（特別装備）。参考：世界の傑作機No.24

＜キング＞：DD-242（駆逐艦）またはHC-130N（捜索救難機）またはHC-130P（捜索救難機）を参照。

＜キング＞：アーネスト・Ｊ・キング。太平洋戦争時の階級は大将で、合衆国艦隊司令長官兼海軍作戦部長だった。仕事は部下に任せず自分で指示する性格で、大きな作戦を予定する度に太平洋艦隊司令長官ニミッツ提督をハワイからサンフランシスコまで呼びつけ、大西洋方面では対Ｕボート作戦を指揮するため大西洋艦隊隷下に専任の第10艦隊を創設、自らが司令官となった（大西洋艦隊司令長官は上司と部下が同一人物という妙な事態になった）。また、情報漏洩には人一倍気を遣っており、シカゴ・デイリー・ニュース社の社主だったノックス海軍長官には一切作戦情報を伝達せず、更迭されかかった事もある。後任のフォレスタル海軍長官にも新聞社でのアルバイト経験がある事などから同じ対応をしている。自らが指揮する第10艦隊の参謀にもドイツの暗号解読情報を流さなかった。ミッドウェイ海戦時にはニミッツ提督を経由せず自分で直接暗号班に情報の照会を行い、シカゴ・トリビューン紙事件ではニミッツ提督に対して厳しい糾弾の電報を送った他、1942年6月20日に無線情報の秘密を保持するための要領を書き連ねて太平洋艦隊、南太平洋艦隊、大西洋艦隊の各司令長官に送付した。1943年9月と1944年2月にもニミッツ提督に情報漏洩防止を指示している。参考：ラバウル航空戦

＜キングエア＞：C-90シリーズ（海上自衛隊機）を参照。

＜キングエア３５０シリーズ＞：キングエアB300シリーズ（双発ターボプロップ機）を参照。

＜キングエアＢ２５０＞：テキストロン・アビエーション社／ビーチクラフト社の双発ターボプロップ機。主翼は低翼配置で、翼端にウイングレットを持つ。尾翼はＴ字。降着装置は前輪式。アビオニクスはロックウェル・コリンズ社製プロライン21で、計器板にタッチスクリーン式ディスプレイを備え、自動操縦装置、フライト・ガイダンス・システム、広域増強システムWAAS対応GPS、姿勢方位基準装置AHRS、自動位置情報伝送監視機能ADC、機能強化型地上接近警報装置EGPWS、空中衝突防止装置TCAS、飛行管理装置FMS、気象レーダー、電波高度計などを標準装備する。全長13.13m、全幅17.4m、全高4.29m、自重3.98トン、最大離陸重量5.66トン。翼面積28.82平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PTA-6A-52双発、最大巡航速度474.11km、実用上昇限度10668m、航続距離2648km。最大ペイロード1.00697トン。乗員１名。客席数8-10。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜キングエアＢ３００シリーズ＞：テキストロン・アビエーション社／ビーチクラフト社の双発ターボプロップ機、販売名称キングエア350シリーズ。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜キングエア３５０ｉ＞：King Air 350i。キャビンに４座席向かい合わせシート２組があり、後部に３席を追加可能で、コミューター仕様なら計15席まで増やせる。大型貨物ドアを付けて貨物輸送・医療搬送にも転用でき、FLIRやレーダーを追加してのISR任務や、各種器材を搭載しての航空測量・飛行点検任務にも対応する。主翼は低翼配置で、翼端にウイングレットを持つ。尾翼はＴ字。降着装置は前輪式。アビオニクスはロックウェル・コリンズ社製プロライン21で、自動操縦装置、飛行ガイダンス装置、統合飛行情報システム、広域増強システムWAAS対応GPS、姿勢方位基準装置AHRS、自動位置情報伝送監視機能ADC、機能強化型地上接近警報装置EGPWS、空中衝突防止装置TCAS、飛行管理装置FMS、気象レーダー、電波高度計、整備自己診断コンピュータなどを標準装備する。全長14.26m、全幅17.4m、全高4.38m、自重4.57トン、最大離陸重量6.8トン。翼面積20.13平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PTA-6A-60双発、最大巡航速度435km、実用上昇限度10668m、航続距離2889km。最大ペイロード1.10222トン。乗員１名。客席数9-11。2010年から販売中。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜キングエアＢ３００海外ファミリー＞

＜ＥＭＡＲＳＳ＞：アメリカ陸軍が導入予定の全天候ISR機で、先進型中高度偵察捜索システムの略。キングエア350ERに各種センサーや電子偵察装置を満載している。ボーイング社が開発し、初号機は2013年5月22日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’13

＜ＥＭＡＲＳＳ−Ｖ＞：アメリカ陸軍のISR機で、強化型中高度偵察監視システム−車両・降車人員捜索レーダーの略。車両、降車人員、IEDなどを捜索探知識別し、位置情報と合わせて地上にリアルタイムで送る。24機を配備した。運用してみると、高温高地での性能低下（特に航続時間短縮）が問題になり、エンジンをPT6A-67Aに強化してプロペラを複合材製５翅に換装し、ついでにリチウムイオン電池、耐妨害GPS、暗号化自動送信装置などを積む改修を実施、初号機はシエラネバダ社で2020年6月30日に完成した。参考：月刊JWings9,'20

＜キングエア３５０ＥＲ（イギリス海軍）＞：イギリス海軍のクルー養成訓練機。ジェットストリームを2009年4月までに代替する予定だったが、予算が付かず、2009年になって漸く４機の契約が行われた。参考：月刊JWings11,’09

　＜キングエア３５０ＥＲ海洋哨戒機（メキシコ海軍）＞：メキシコ海軍海洋哨戒機。2014-15年に４機を導入予定。参考：月刊航空ファン10,’14

　＜キングエア３５０ＥＲ情報収集監視偵察機（カナダ軍）＞：カナダ軍ISR機。L-3ウェスカム社製MX-15D電子光学赤外線センサー、Kuバンド衛星通信装置、KGV-135A秘話通信モジュール、AN/AAR-47B(V)2ミサイル警報、AN/ALE-47チャフ／フレアディスペンサーなどを搭載する。アメリカからFMSで３機を導入予定。参考：月刊航空ファン1,’19

　＜ビーチクラフト式Ｂ３００型＞：海上保安庁中型飛行機、公式略称ビーチ350型。ビーチ200の老朽化が予想以上に進んでいたため、代替として急遽導入したもので、機体下面に着脱式の赤外線カメラを付けて洋上監視に投入できるようにした。全長14.2m、全幅17.7m、全高4.4m、自重4.366トン、最大離陸重量6.804トン。エンジンはターボプロップ（1050馬力）双発、巡航速度224ノット、最大速度263ノット、実用航続距離1660海里。最大搭乗者数14名。1999-2001年に９機が就役した。平成30年第２次補正計画で１機を追加しており、2021年2月22日に第２管区海上保安本部に配備された。これは海底地形調査が主任務で、カーゴ型の機体後部にレーザー測量装置を常時搭載して沿岸浅海域の精密測量を行う。海上捜索任務にも投入できるよう、機体後部に大型バブルキャノピーを有する。参考：月刊世界の艦船7,’18、10,'20、5,'21、11,'23、月刊JWings5,’21

＜キングエアＣ９０シリーズ＞：テキストロン・アビエーション社／ビーチクラフト社の双発プロペラ機。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜キングエアＣ９０ＧＴｘ＞：主翼端に複合材製ウイングレットを装備する。アビオニクスはロックウェル・コリンズ社製プロライン21で、自動操縦装置、飛行ガイダンスシステム、統合飛行情報システム、WAAS対応GPS、気象レーダー、電波高度計、姿勢方位基準装置AHRS、ADC、機能強化型地上接近警報EGPWS、空中衝突防止装置TCAS、飛行管理装置FMS、整備自己診断コンピュータなどを標準装備する。全長11.15m、全幅16.39m、全高4.35m、自重3.28トン、最大離陸重量4.75トン。翼面積39.25平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-135A双発、最大巡航速度385.21km、実用上昇限度9144m、航続距離1963km。最大ペイロード0.97204トン。乗員１名。客席数7-8。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜キングカップ＞：K33（コルベット）を参照。

＜キング級＞：アルゼンチン海軍練習・河川哨戒艇King級。イギリスのキング級掃海艇を導入したもので、1945-46年に就役し、哨戒艇を経て士官候補生用練習艦となった。兵装はヴィッカーズ45口径４インチ（102mm）単装砲（マウント重量10トン。旋回角左右170度ずつ、俯仰角マイナス10度からプラス80度。砲弾重量15-17kg、初速毎秒811m、射程18150m。発射速度毎分15-20発）３門。艦番号20ムラトゥーレなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

＜キングクリップ＞：UMS4132（ソナー）を参照。

＜キングコブラ＞：AH-1Z（攻撃ヘリ）またはP-63シリーズ（戦闘機）を参照。

＜キングコング＞：M12（自走カノン砲）を参照。

＜キング・ジョージ�X世（２代目）＞：41（戦艦）を参照。

＜キング・ジョージ�X世（初代）＞：イギリス海軍キング・ジョージ�X世級戦艦King George �X。1912年11月16日竣工。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第１小隊所属でジュットランド海戦に参加。1918年、大型の艦橋を設置し、前檣を三脚式に変更した。1926年に除籍され、12月に売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船1,’12、6,’16、近代戦艦史、歴史群像6,’16

＜キング・ジョージ�X世級（初代）＞：イギリス海軍超弩級戦艦King George �X級。オライオン級戦艦の防御力強化型である。当時、駆逐艦の発達に伴い、副砲として12.7cm砲や15cm砲を搭載する国が増える中、本級は費用節減のため10.2cm砲に止めた。前檣は煙突前方の艦橋上に移して煙がかからないようにしたが、ポールマストに変更したせいで振動が激しく、１番艦と３番艦は補強した状態で竣工後に三脚マストに変更、２番艦と４番艦は三脚マストで竣工した。缶室は３室あり、前部煙突で２室、後部煙突で１室の排煙を放出する。3-4番艦は竣工時からマストに方位盤を装備した。全長182.1m、幅27.1m、吃水8.7m、常備排水量23000トン。主機はパーソンズ式直結蒸気タービン４基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式（1-2番艦）／ヤーロー式（3-4番艦）混焼水管缶18基、出力31000馬力、４軸推進、速力21ノット。兵装は45口径34.3cm連装砲塔Mk�U＊（１・３・４番艦）／Mk�V（２番艦）５基、50口径10.2cm単装砲16門、4.7cm単装砲４門、533mm魚雷発射管３門。装甲厚は水線部305mm、甲板102mm、バーベット254mm、砲塔前楯279mm、司令塔279mm。乗員782名。１番艦キング・ジョージ�X世、２番艦エイジャックス、３番艦センチュリオン、４番艦オーディシャスの４隻が1912-13年に竣工した。参考：月刊世界の艦船1,’12、6,'23、近代戦艦史

＜キング・ジョージ�X世級（２代目）＞：イギリス海軍戦艦King George �X級。イギリスが第２次ロンドン会議の予備交渉で主砲を35.6cmに制限することを提案したため、その基準で設計に入った。結局ロンドン会議が決裂したので主砲を40.6cmクラスに強化することも検討したが、ドイツのビスマルク就役に間に合わなくなるため、そのまま1936-37年度予算で５隻を建造し、40.6cm砲はライオン級計画戦艦に譲っている。当初は４連装砲塔を３基搭載する予定だったが、火薬庫の防御力強化に重量を割かれたために１基が連装砲塔になった。この主砲を艦首方向に仰角無しで発射できるようにするため、艦首にはシアが無く、改装で排水量が増えると凌波性低下を来している。副砲は両用砲にして対空火力を強化した。船型は平甲板型。ネルソン級で採用した傾斜鋼板には船体水線下無防御面積が拡大する欠点があったことから、垂直鋼板に復帰した。機関区画は缶機缶機のシフト配置である。航続距離は10ノットで14500海里を予定したが、実際には6500-7000海里で、第２次大戦では作戦に支障を来した。全長227.1m、水線長225.6m、最大幅34.1m（34.3m？）、水線幅31.5m、吃水8.6m、基準排水量36727トン（プリンス・オブ・ウェールズは38031トン、ハウは39150トン）、うち防御重量12612トン、機関重量2770トン、満載排水量43786トン。主機はパーソンズ式高低圧ギヤード・タービン４基、主缶はアドミラルティ型重油専焼３胴水管缶（蒸気圧力2.75MPa、温度371℃）８基、出力110000馬力／125000馬力（過負荷全力時）、４軸推進、満載状態時連続最大速力28.25ノット、最大速力29.25ノット、燃料搭載量3730トン（プリンス・オブ・ウェールズは3542トン）、航続距離6500-7000海里（10ノット）。兵装は45口径35.6cm砲Mk�Z用４連装砲塔Mk.�V２基（艦前後に１基ずつ）、45口径35.6cm砲Mk�Z用連装砲塔Mk.�U１基（艦前部４連装主砲塔の後ろ）、50口径13.3cm連装両用砲Mk1が８基、40mm８連装両用ポンポン砲４基（デューク・オブ・ヨーク、アンソン、ハウは６基）、40mm単装機関砲１門（プリンス・オブ・ウェールズとデューク・オブ・ヨークのみ）、20mm単装機関砲（デューク・オブ・ヨークが６門、アンソンとハウが18門。他は無し）、20連装17.8cm対空ロケット砲UPが４基（プリンス・オブ・ウェールズは３基、アンソンは無し）。281型レーダー１基、284レーダー１基などを搭載する。煙突の間にカタパルト１基を持ち、艦載機２機（常用）／４機（最大）を運用する。装甲厚は水線部356mm（その内側に水雷防御も兼ねた艦底近くまで達する51mm装甲板がある）、甲板159mm（中甲板149mm？）、主砲塔バーベット381mm（324mm？）、主砲塔前楯406mm（324mm？）、主砲塔側面224-174mm、主砲塔天蓋149mm、副砲前楯37mm、副砲側面・天蓋25mm、司令塔343mm（100mm？）。乗員1314名（1409名？1422名？1521名？）。1940-42年に艦番号17デューク・オブ・ヨーク、32ハウ、41キング・ジョージ�X、53プリンス・オブ・ウェールズ、79アンソンの５隻が就役した。後に艦橋後端両側の高角砲射撃指揮装置間に271型レーダーを搭載、カタパルトを撤去（弾着観測は艦上機で行うことになった）した。参考：月刊世界の艦船1,’12、11,'23、9,'15、4,’17、6,'20、近代戦艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸1,’07

＜キングズヴィル＞：LCS-36（沿海戦闘艦）を参照。

＜キングスタリオン＞：CH-53K（ヘリ）を参照。

＜キングストン＞：F64（駆逐艦）を参照。

＜キングストン級＞：カナダ海軍哨戒艇Kingston級。後甲板に20フィートコンテナ３個を搭載でき、器材を積み替えることで哨戒、掃海、水路調査などの任務をこなす。ジオスペクトラム・テクノロジーズ社製TRAPS可変深度ソナーを搭載する。全長55.3m、幅11.3m、吃水3.4m、満載排水量962-977トン。速力15ノット。兵装は40mm単装機関砲１門。２番艦艦番号701グレース・ベイ、６番艦イエローナイフ、艦番号708モンクトン、11番艦ブランドンなど12隻が1996-99年に就役し、太平洋側と大西洋側に６隻ずつ配備された。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船10,'15、1,’15、12,’19、7,’20、8,’23

＜キングストン弁＞：金氏弁ともいう。潜水艦ではメイン・バラスト・タンクの底にある弁で、フラッド弁とも呼ばれ、ここから海水を注排水する。開閉に５分ほどかかるので、戦闘航海中は常に開けていた。参考：続潜水艦気質よもやま物語

＜キングスバリー＞：APA-177（攻撃輸送艦）を参照。

＜キングスミル＞：K484（フリゲート）を参照。

＜キング・セクフネ�T世＞：P1571（哨戒艦）を参照。

＜キング・セクフネ�T世級＞：スタン・パトロール6211（哨戒艦）を参照。

＜キングバード＞：F27（早期警戒機）を参照。

＜キングフィッシャー＞：L70（コルベット）またはMHC-56（機雷掃討艇）またはOS2Uシリーズ（哨戒偵察機）またはP260（哨戒艇）またはREMUSシリーズ（UUV）を参照。

＜キングフィッシャー�U＞：ボート航空機が開発中の水上機型UAV。主翼は可変迎え角の直線翼で、翼端に引き込み式フロートを持つ。尾翼はＶ字の全遊動式。エンジンは胴体上に背負い式で装備する。全長11.5m、翼スパン12.5m、離陸重量4.308トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW525Bターボファン（推力1.86トン）単発、巡航速度460km、飛行距離250海里、滞空時間６時間。ペイロード1.135トン。海上捜索パッケージやMk54魚雷などを搭載する。波高3-3.2mでも離着水可能とする予定。参考：月刊軍事研究7,’05、月刊JWings 6,’05

＜キングフィッシャー級＞：イギリス海軍対潜コルベット、Kingfisher級。全長74.2m（L89は71.2m）、幅8.1m（L89は7.8m）、吃水1.8m（L30は2m、L89は2.2m）、基準排水量510トン（L30は530トン、L89は580トン）。主機は蒸気タービン、出力3600馬力、速力20ノット。兵装は10.2cm単装砲１門。L70キングフィッシャー、L42マラード、L52パフィン、L30キティウェイク、L06シェルドレイク、L62ウィジョン、L89ギルモット、L21ピンテイル、L39シェアウォーターの９隻が1934年に竣工した。艦番号は後に何度か変更されている。第２次大戦中には20mm機関砲などを増設した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜キングフィッシュ＞：KSR-5（巡航ミサイル）またはSS-234（ガトー級潜水艦）を参照。

＜キングポスト＞：洋上補給装置のうち、柱状になっている部分をこう呼ぶ。スライディング・パッド・アイを支える。参考：月刊JWing2,’00

＜キングボルト＞：Kh-59（空対艦ミサイル）を参照。

＜金君玉英雄＞：北朝鮮海軍弾道ミサイル潜水艦（北朝鮮海軍艦種は戦術核攻撃潜水艦）Kim Gun-ok Yeong-ung、艦番号841。ロメオ型潜水艦の改造型とされ、セイル後部から後半に大型上構を追加し、前部両舷に大型外開きハッチ２枚ずつ、後部両舷に小型外開きハッチ３枚ずつを装備していて、ここからSLBMや巡航ミサイルを発射するとみられる。ミサイル収容部直下の艦底に膨らみは無い。艦首だけ涙滴型形状をとり、艦首舵をセイル・プレーンに変更し、セイル前縁付け根にフェアリングを追加、セイル頂部にソロバン玉状の構造物を設けた。ミサイル収容部以外の上構側面にはフリ・フラッド・ホールが一列に並んでいる。2023年9月6日進水。参考：月刊世界の艦船12,'23、11,’23

＜キンケイド＞：DD-965（駆逐艦）を参照。

＜金江＞：610（哨戒艇）を参照。

＜錦江＞：603（哨戒艇）を参照。

＜錦江級＞：台湾海軍大型哨戒艇ジンジャン（Jin Chiang）級。台湾海軍では近海巡防艦（近海用フリゲート）と呼ばれている。船体や上部構造物には傾斜が付く。ソナーはSS245。全長61.4m、全幅9.5m、吃水2.9m、満載排水量680トン。主機はディーゼル、出力20128馬力、２軸推進、速力25ノット。兵装は40mm単装機関砲１門、12.7mm単装機銃１丁、爆雷投下軌条２条、機雷敷設軌条２条、雄風�T型艦対艦ミサイル単装発射筒４基（１番艦のみ）。後部01甲板に20mm機関砲を搭載しているともいわれる。乗員50名。1994年に１番艇艦番号603錦江が、1999-2000年に艦番号605淡江、606新江、607鳳江、608曽江、609高江、610金江、611湘江、612資江、614ボージャン、615昌江、617珠江が就役した。艦番号606新江と607鳳江は後に主砲をオットー・メララ社製76mm砲に換装し、雄風�U型艦対艦ミサイルを装備した。７隻に雄風�V型艦対艦ミサイル発射筒４基を搭載する改修を2010年代初期から実施している。2015年現在の兵装は、10隻が雄風�U／�V型艦対艦ミサイル４連装発射筒１基、爆雷投下軌条、機雷敷設軌条、２隻が雄風�V型艦対艦ミサイル連装発射筒２基、76mm砲１門、爆雷投下軌条、機雷敷設軌条。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究11,’12、月刊世界の艦船1,’15増刊、11,’19、7,'20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜キンザー＞：APD-91（高速輸送艦）またはDE-232（護衛駆逐艦）を参照。

＜金沙級＞：722�U型（LCAC）を参照。

＜金佐鎮＞：韓国海軍214型潜水艦４番艦Kim Jwa-Jin（Kim Chwa-Chin？キム・チャジン。抗日運動家）。2013年8月13日進水。2014年12月30日に韓国海軍に引き渡され、慣熟訓練に入った。参考：月刊世界の艦船11,’13、3,’15

＜錦山級＞：韓国海軍沿岸掃海艇クムサン級。元はアメリカ海軍掃海艇MSC-268などで、1959年に引き渡され、３隻が就役した。船体は木造で、AN/UQS-1機雷探知用ソナーを装備する。満載排水量370トン。兵装は20mm連装機関砲１門、12.7mm機銃３丁。参考：月刊軍事研究5,’05

＜金鵄＞：タバコの銘柄で、ゴールデンバットを日本語訳したもの。参考：歴史群像2,’05

＜近紫外線＞：紫外線を参照。

＜金鵄勲章＞：日本の勲章。明治23年2月11日、皇紀2550年を記念して制定された。神武天皇の弓の先に金色の鵄が止まったという伝承に基づいている。功一級から功七級まであり、叙勲対象は将兵と軍属のみで、昭和15年4月28日までの叙勲者には年金、29日以降の者には一時賜金が出た。昭和15年4月29日以降は生存者には授与されていない。自分の功を誇るのは宜しくないということで、受章した理由を他人に話すことは厳禁である。参考：戦時用語の基礎知識、陸海軍学校と教育

＜均質圧延装甲＞：RHA（Rolled Homogeneous Armor Steel）と略す。鋼材をロールで延ばして作った装甲板で、鋼板は圧延方向に強くなるという性質があるため、最初一方向に圧延した後に90度回転させて圧延し、どの方向にも高い強度を持つ装甲板に作り上げる。粘りがあって割れにくく、弾丸の運動エネルギーを吸収して受け止めるタイプで、表面硬化処理を行うことも可能である。参考：月刊丸4,’07、月刊軍事研究5,’04、月刊グランドパワー7,’03

　＜均質圧延装甲（装甲貫徹力）＞：徹甲弾やHEATの装甲貫徹力表示の際に使用される均質圧延鋼板は、アメリカ軍MIL　A　12560規格のものを指す。ブリネル硬度477-534、シャルピー吸収エネルギー（マイナス40℃）22-88ジュール。参考：月刊軍事研究6,’09

　＜均質圧延鋼板（日本海軍）＞：CNC甲鈑、MNC甲鉄、NVNC鋼板がある。素材はPL1鋼で、低リン銑鉄、精鋼材、くず鉄を配合し、酸性平炉で鉱石法により精錬、鋳型に注いで造塊する。その後、仕上げ厚が220mm以下の場合には圧延のみ、それより厚い場合には鍛造で半分の厚さにした後で圧延した。最大寸法は厚さ660mm、幅4500mm、長さ11000mm、重さ100トンである。焼き入れは移動台車炉床付きの発生炉ガス焚き炉を使用し、840-860度に加熱・保持する（装甲厚１インチ・25.4mmなら５時間加熱４時間保持、10インチ・254mmなら10時間加熱８時間保持、16.5インチ・419.1mmなら22時間加熱20時間保持）。冷却は種子油を使用し、装甲厚１インチ（25.4mm）あたり12-14分行った。焼き戻しは同じ炉を使い、640-670度に加熱・保持する（装甲厚１インチ・25.4mmなら６時間加熱・５時間保持、10インチ・254mmなら12時間加熱・10時間保持、16.5インチ・419.1mmなら18-20時間加熱16-18時間保持）。冷却は噴水で行う。装甲厚２インチ（50.8mm）未満の鋼板は焼き入れ１回・焼き戻し２回、2-8インチ（50.8-203.2mm）の鋼板は焼き入れ１回・焼き戻し１回・焼き入れ１回・焼き戻し２回、8-15.8インチ（203.2-401.3mm）の鋼板は焼き入れ１回・焼き戻し２回・焼き入れ１回・焼き戻し２回、15.8インチ（401.3mm）以上の鋼板は焼き入れ１回・焼き戻し２回・焼き入れ１回・焼き戻し３回の順で施行した。アメリカのものと成分などは類似だったが、精錬炉に塩基性平炉を使用していたアメリカに比べると強度が低く、射撃試験の成績は数パーセント劣っていた。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜均質系推進薬＞：ダブルベース推進薬を参照。

＜キンジャール＞：Kh-47M2（極超音速ミサイル）を参照。

＜キンジャール＞：ソ連海軍個艦防空ミサイル・コンプレックスの制式名Kindzhal（Kinzhal？）、別名3K95（3K98？）、輸出名称クリノク（Klinok）。当初ウダロイ級駆逐艦の主力防空システムとして開発され、その後空母アドミラル・クズネツォフ、キーロフ級巡洋艦、ネウストラシムイ級フリゲートなどにも搭載された。4K33オーサＭの後継で、開発したのも同じアルタイル設計局である。FCSは3R95レーダー方位盤で、バックアップ用光学誘導装置も有する。開発には相当に手間取り、ウダロイ級の８番艦になって漸くフル装備されるようになった。システム重量41トン。最小搭載可能排水量800トン。有効迎撃距離1.5-12km、迎撃高度10m-6km、秒速700mまでの目標に対処できる。同時迎撃可能目標４目標、同時誘導可能目標８目標。リアクションタイム8-24秒、システム立ち上げ時間はスタンバイ状態から15秒。発射機は3S95垂直発射機（4S95？）で、ミサイルキャニスター８基が円周上に配置されており、１ヵ所の発射用ハッチから3M95ミサイルをコールドランチ方式で射出する。射出速度は毎秒25mで、ミサイル先端からガスを１秒間噴射して垂直から50度に傾斜、ロケットモーターに点火する。250m飛翔したところで3R95からコマンド誘導され、終末でARHに切り替える。再装填機により３秒ごとに１発を発射可能。操作要員13名。クリノクはIFFが違うだけらしい。参考：月刊軍事研究11,’11、11,’13、11,’17、8,’99、12,’02、9,’09

＜キンジャン＞：610（哨戒艇）を参照。

＜欽州＞：597（コルベット）を参照。

＜錦州丸＞：大連汽船貨物船Kinshu maru。大元はカナダのJ.コクラン＆サンズ社で大正8年5月に竣工したウォー・キャブルリで、売船と改称を繰り返して昭和8年に大連汽船が購入し、錦州丸になった。垂線間長125.2m、幅16.45m、深さ9.14m、吃水7.42m、総トン数5592トン、重量トン数8724トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸3000馬力、航海速力9.5ノット、最大速力12.03ノット。太平洋戦争で海軍の輸送を行った。昭和19年6月17日、マニラからダバオに向かう途中、ダバオ湾口サン・アグスチン岬南東16kmでSS-256ヘイクの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜金城山丸＞：日本海軍金城山丸型特設巡洋艦兼敷設艦Kinjosan maru。昭和18年5月4日、トラック北方でSS-213グリーンリングの攻撃を受け沈没した。参考：月刊モデルアート9,’15増刊、アメリカ潜水艦史

＜金城山丸型＞：日本海軍特設巡洋艦兼敷設艦Kinjosan maru型。元は三井物産船舶部貨物船である。兵装は45口径十年式12cm単装高角砲Ｅ型４門、機雷。金城山丸が就役した。参考：月刊モデルアート9,’15増刊

＜金星＞：859（情報収集艦）を参照。

＜金星シリーズ＞：日本海軍の航空機用ガソリンエンジン、略符号MK8。三菱重工名古屋航空機製作所発動機部が社内名称A8として開発したもので、プラット＆ホイットニー社製空冷エンジンとアームストロング社製エンジンがベースのA4試作発動機を改良し、昭和6年に完成させた。各型計15233基が量産され、小型版の瑞星や大型版の火星も制式化されている。参考：月刊航空ファン1,’18、月刊丸3,'18別冊、10,’93

　＜金星二型＞：空冷星型複列14気筒。全長1.675m、直径1.214m、重量532kg。ボア140mm、ストローク150mm、圧縮比６、総排気量32340cc。減速比0.625。離昇出力840馬力（回転数2350rpm、ブースト圧70mmHg）、公称出力790馬力（回転数2150rpm、ブースト圧25mmHg、高度2000m）。昭和11年に100基が発注された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜金星三型＞：公称出力730馬力。昭和11年に完成し、九六式陸攻一一型／一二型、九六式陸上輸送機一一型に搭載された。参考：月刊航空ファン1,’18

　＜金星四型＞：金星三型の改良型。クランクシャフトを組み立て式にし、マスターロッドを一体化した。全長1.646m、直径1.218m、重量560kg。ボア140mm、ストローク150mm、圧縮比７。減速比0.7。離昇出力1000馬力（回転数2500rpm、ブースト圧150mmHg）、公称出力990馬力（回転数2400rpm、ブースト圧70mmHg、高度2800m）。後に金星四〇型に改称された。参考：月刊丸3,'18別冊、月刊航空ファン1,’18

　＜金星四〇型＞：金星四型を参照。

　＜金星四一型＞：九六式陸攻二一型に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜金星四二型＞：九六式陸攻二一型、九六式陸上輸送機一一型に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜金星四三型＞：空冷星型複列14気筒、離昇出力1080馬力、全開1075馬力（高度2000m）。九七式二号艦攻、九七式二号飛行艇、零式水上偵察機、零式輸送機一一型に搭載された。参考：月刊丸3,’18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜金星四四型＞：離昇出力1070馬力。九九式艦爆一一型に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜金星四五型＞：金星四二型の過給器などを改良したもの。昭和14年末に完成し、九六式陸攻二二型、九六式陸上輸送機一一型に搭載された。参考：月刊航空ファン1,’18

　＜金星四六型＞：九七式飛行艇二二型に搭載された。参考：月刊丸3,’18別冊

　＜金星五一型＞：直径1.218m、重量642kg。ボア140mm、ストローク150mm、圧縮比７。減速比0.633。離昇出力1300馬力（回転数2600rpm、ブースト圧330mmHg）、公称出力1200馬力（回転数2500rpm、ブースト圧200mmHg、高度3000m）。零式輸送機二二型、九六式陸攻二三型、九七式飛行艇二三型に搭載された。参考：月刊丸3,’18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜金星五三型＞：零式輸送機二二型、九七式飛行艇二三型に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜金星五四型＞：離昇出力1300馬力、二速公称出力1100馬力（高度6200m）。九九式艦爆二二型に搭載された。参考：月刊丸3,’18別冊

　＜金星六二型＞：水メタノール噴射装置を追加したタイプ。離昇出力1500馬力、第一速公称出力1350馬力（高度2000m）、第二速公称出力1250馬力（5800m）。零式輸送機二三型に搭載された。参考：丸メカニック別冊１、月刊丸3,’18別冊

＜金星３号＞：Kh-35対艦ミサイル（北朝鮮）を参照。

＜近赤外線＞：赤外線を参照。

＜近接航空支援＞：CAS（Close Air Support）と略す。戦術航空支援の１つで、最前線の敵主要目標を航空攻撃して地上部隊の戦闘を直接支援するものである。前進中の味方部隊の前側面にいる敵を空から排除する場合は縦隊援護と呼び、敵攻撃機も排除する必要があるため、戦闘機を航空部隊に組み込む。味方地上部隊の死角や射程外をカバーするのが基本だが、地上部隊との共同攻撃を行うこともある。直接の効果に加えて心理的な威力も高く、タイミングを計れば敵を総崩れにさせたり、出鼻を挫いて攻勢企図を粉砕したりすることも可能。地上部隊との密接な連携が必要で、地上部隊からの要求により攻撃を行う。ただ味方地上部隊の支援要求に全て応じようとするといくら機数があっても足りないので、戦術航空部隊を指揮する航空作戦本部AOC（Air Operation Center）から地上部隊野戦軍司令部に航空支援作戦本部ASOC（Air Support Operation Center）を派遣し、地上部隊からの要求を整理、支援計画を練り上げる。また、軍団や師団といった各級司令部にも地区統制本部SCC（Sector Control Center）から航空連絡将校ALO（Air Liasion Officer）を派遣し、適宜の支援を行う。しかし前線の情報をそこまで上げてから支援していると間に合わないことも多いので、各飛行部隊が前線航空統制官FACを前線地上部隊に送り、車両・航空機や通信員などと共に前進航空統制班ACT（Air Control Team）を編成して臨機応変の地上支援にあたる。攻撃機が上空を滞空し、目標を自分で発見して（臨機目標という）攻撃することもあるが、これだと誤射が多いので、前線航空統制官の誘導を受けて近接航空支援CASを実施する。悪天候やカバー範囲外で前線航空統制官による誘導ができない場合、航空機誘導レーダーを運用する目標指令所TTP（Target Tirection Post。地区統制本部隷下）を使ってレーダー誘導により攻撃させることもある。ただ地上部隊が直接航空部隊に依頼して航空支援を受けられる態勢が構築されたのは第２次大戦半ば以降の事であり、それまでは地上部隊が発見した目標を航空部隊に直接連絡して臨機応変に攻撃してもらうことは難しかった。敵味方の入り乱れる前線では誤射を避けるため原則的に目視攻撃を実施することになるので、全天候能力は必ずしも必要無く、低速低空での運動性が重要であり、戦闘行動半径よりも反復攻撃に必要な滞空能力の方が重視される。高精度の対地誘導兵器が登場すると、大量の誘導兵器を積め滞空時間も長い大型爆撃機が地上からの目標指示を受けて近接航空支援を行うことも多くなった。第１次大戦時にドイツが地上攻撃飛行中隊を編成して歩兵師団の隷下に入れ、地上部隊との密接な協力の下で運用したのが本格的な近接航空支援の始まりである。参考：空軍、月刊JWings1,’03、8,’17、月刊航空ファン2,’02、歴史群像12,’09、航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜イミディエットＣＡＳ＞：Immediate Close Air Support。事前計画無しに緊急で行われる近接航空支援。予想外の敵と遭遇した場合や、プレ・プランドCASが失敗したときに行われる。参考：月刊航空ファン2,’02

　＜オンコールＣＡＳ＞：On-call Close Air Support。地上または空中でアラートに就き、要請に基づいてCASを行うもの。事前にある程度の概要が決定されている。参考：月刊航空ファン2,’02

　＜スケジュールドＣＡＳ＞：Scheduled Close Air Support。着弾時間や投下から着弾までの所要時間が設定されているミッションで、事前のスケジュール通りに実施される。参考：月刊航空ファン2,’02

　＜プレ・プランドＣＡＳ＞：Pre-planned Close Air Support。オンコールCASとスケジュールドCASを合わせてこう称する。参考：月刊航空ファン2,’02

＜近接信管＞：信管を参照。

＜近接センサ用標的＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究2,’15

＜近接戦闘車＞：陸上自衛隊試作装輪戦闘車。87式偵察警戒車と89式装甲戦闘車の後継として開発した。車体のベースはNBC偵察車だが、要求性能がかけ離れているので、シャシーくらいしか流用できないかもしれない。兵装は40mmCTA機関砲を搭載する予定である。装甲戦闘車型は車体後部を兵員室とし、偵察型は車体後部に偵察員と地上センサーを収容する。参考：月刊PANZER10,’12、月刊軍事研究12,’11

＜近接阻止／区域拒否＞：A2/ADを参照。

＜近接防御兵器＞：ドイツ国防軍の戦車用防御装置Nahver teidungswaffe。戦車の砲塔内から326LP榴弾、39式発煙弾、160式オレンジ発煙弾、Ｒ式発光弾を43st発射火薬で発射できる。参考：月刊グランドパワー3,’04

＜金泉＞：761（コルベット）を参照。

＜銀川＞：107（旅大�T型駆逐艦）または175（052D型駆逐艦）を参照。

＜金属供出＞：くろがね動員を参照。

＜金属疲労＞：疲労破壊を参照。

＜キンターバリー＞：A378（給兵船）を参照。

＜近代五種＞：オリンピック競技種目の１つ。近代オリンピックの祖であるクーベルタン男爵が提案した競技で、フランス軍騎兵将校が伝令使として馬を駆り、銃と剣で敵を倒しつつ敵陣を駆け抜け、川があったので泳いで渡り、そのまま走って任務を果たしたという19世紀の故事がベースとなっている。フェンシングのエペ、水泳200m自由形、馬術障害を行って得点差を時間差に換算。その差で順番にスタートし、レーザーピストルで50秒以内に５発を標的に命中させた後に800m走るを４回繰り返す。参考：MAMOR vol.128

＜近代化型目標捕捉照準サイト＞：アローヘッド（照準器）を参照。

＜金大中拉致事件＞：1973年8月、来日中の金大中氏が韓国中央情報部KCIAにより拉致された事件。事前に日本側に了承を求めて拒否されたが、強行した。参考：月刊軍事研究1,’05

＜キンダ級＞：ソ連海軍ミサイル巡洋艦プロジェクト58のNATOコード、Kynda級。水上打撃力重視の艦で、対艦ミサイルを搭載した世界初の巡洋艦である。また、ソ連海軍で初めてエリア・ディフェンス用艦対空ミサイルを新造時から搭載した軍艦で、ソ連海軍で初めて核兵器を積んだミサイル巡洋艦でもある。1956年12月に第35中央設計局へ開発が指示され、1958年3月に技術案が完成した。当時は誘導ジェット兵器搭載艦（誘導ジェット兵器はミサイルの機密保持名、搭載艦というのは駆逐艦や巡洋艦という言葉の嫌いなソ連首脳部への対応策）という名称で、1960年代になってミサイル巡洋艦と呼ばれるようになっている。主任務は表向きには仮想敵の水上艦艇殲滅（後に機動部隊撃破を追加）だが、実際には巡洋艦を維持しようとする海軍への政治的譲歩という側面が大きく、砲艦外交がメインである。ちなみに水上艦艇や機動部隊は対艦ミサイルを搭載した航空機と潜水艦で十分対処できると考えていた。船体はSHL-4型高張力鋼製で、上構は軽量化のためAMG-6型・AMG-6T型アルミニウム・マグネシウム合金を使用している。軽合金の耐熱性に不安があったため、ミサイル発射機周辺に耐火壁を設置する案も出されたが、重量オーバーになるとして却下された。ちなみに重量配分は船体1988トン、兵装509トン、弾薬140トン、装甲無し、機関749トン、補機217トン、電装302トンである。マストは角錐形で、前後に１本ずつあり、捜索レーダーと艦対艦ミサイル誘導レーダーが搭載されている。レーダーの発する電波で艦内の乗員が影響を受けないよう、対策が施された。全長141.7m、水線長134m、幅16m、水線幅15.8m、吃水5.1m、基準排水量4340トン、満載排水量5570トン。主機は蒸気タービン２基、主缶はKVN-95/64型（蒸気発生量毎時95トン、蒸気温度470℃、蒸気圧１平方センチあたり64kg）４基、出力90000馬力、２軸推進、最大速力34ノット、航続距離1600海里（34ノット）／3500海里（18ノット）、連続航海日数10日。兵装は76.2mm連装砲塔AK-726が２基（2400発。後甲板タンデム）、M1ヴォルナ艦対空ミサイル（SA-N-1ゴア）連装発射機ZIF-101（V-600ミサイル16発。前甲板）、P35（SS-N-3bシャドック）艦対艦ミサイル４連装発射機SM-70が２基（上部構造物前後。その背後の上部構造物内に次発装填用８発が用意されている。装填されたミサイルのうち１発ずつと、各発射機に用意された予備弾４発のうち１発ずつが核弾頭型）、533mm３連装火薬射出式魚雷発射管TTA-53-57bis型２基（SET-53またはSET-65または53-57型または53-65K型魚雷６本。艦中央両舷）、RBU6000対潜ロケット弾発射機２基（RGB-60ロケット弾96発。前甲板両舷）。FCSは艦対艦ミサイル用がビノン射撃指揮装置とウスペクＵ型水上対勢儀、艦対空ミサイル用がヤタガン射撃指揮装置、主砲用がMR-105ツレル１基（主砲は２基あるが、複数目標に向けることはできない）、魚雷用がタイフォン、RBU6000用がブリア。電子兵装はアンガラ対空レーダー２基、ドン２型航海レーダー２基。ソナーは４番艦だけMGS-572を装備している。水中監視カメラはMT-45。ESMはビザン4Dとザリフ。チャフは16連装発射機PK-16が２基で、１番艦はMR262オグラダ型アクティブ・チャフ、３番艦はMR-262MオグラダＭアクティブ・チャフ（指揮装置のみで発射機は未）を搭載する。乗員339名（うち士官27名）。Ka-25RTsヘリ１機が露天係止できるヘリ甲板と５トン軽油タンクはあるが、目標捕捉・ミサイル誘導用ヘリの搭載設備が無く、Tu-95ベアＤなどの長距離洋上哨戒／ミサイル誘導機の支援が無いと艦の対水上捜索レーダー（有効距離40-45km）のみでミサイル運用することとなる。旗艦設備も用意されたが、実際に使われることは殆ど無かった。当初10隻が建造される筈だったが、結局１番艦グローズヌイ、２番艦アドミラル・フォーキン、３番艦アドミラル・ゴロフコ、４番艦ワリャーグの４隻が1962-65年に建造されたに止まっている。２番艦と４番艦は後に対空レーダーをアンガラＡに換装した。1981年に４番艦、1984年に１番艦、1989年に３番艦が近代化改修を受け（２番艦は受けたか受けないか不明）、艦対艦ミサイルを3M44に、艦対空ミサイルをV601に換装し、30mmAK630M型CIWS４基（12000発）とMR-123ヴィンペルFCSを装備した。1990-93年に退役した。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’16、月刊軍事研究11,’98、月刊丸4,’07、近代巡洋艦史

＜近中くん＞：近畿中部防衛局のマスコットキャラ。頭・体と手足は前方後円墳の形をしており、折り紙の兜をかぶって勾玉を首に掛けている。参考：朝雲

＜金特＞：外出（自衛隊）を参照。

＜ギンバイ＞：日本海軍用語で、盗むこと。銀バエがなまったものである。対象は主に食糧で、野戦料理の原材料となるタマネギ、醤油、味噌などが多い。中には食糧積み込みの際にマグロ一本ギンバイする強者もいる。太平洋戦争終結後のドサクサには部隊にあった食糧や被服はもとより、燃料を詰め込んだ自動車から旋盤などの重工作機械までギンバイしまくった。ちなみに士官や海軍兵学校生徒の場合は、下の者に示しがつかないということもあって厳禁で、海軍兵学校生徒だと免生処分（退学）を喰らったりする。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典、続日本海軍よもやま物語、海軍兵学校よもやま物語

＜近迫射撃研修＞：陸上自衛隊富士学校の印象教育。幹部初級課程や３等陸尉候補者課程の学生に対し、野戦特科部隊の運用法や特科火力の威力を認識させるのが目的で、装甲車両内にいた場合と外で伏せていた場合での近迫限界（榴弾弾片から身を守れる最小距離）の差を教育し、近迫射撃を体験させる。学生は東富士演習場三段山の榴弾弾着地内にある射弾下掩蔽部（万が一砲弾が直撃しても耐えられるバンカーで、奥行き42.6m、幅5.9m。新山吹と命名されている）に入り、防弾ガラス越しに数百メートル先の弾着地を観察する。射弾下掩蔽部は負傷公算500分の１（着弾後に人員が500分の１の確率で負傷する）の距離にあり、たまに弾片が直撃する。弾着地には黄色い風船、ゼラチン塊、鉄板が並び、負傷公算100分の１の距離にマネキン人形が置かれていて、砲撃が終わったら榴弾の破片効果により弾着地が破壊された状況を研修する。参考：朝雲

＜キンバリー＞：DD-521（駆逐艦）またはF50（Ｋ級駆逐艦）を参照。

＜ギンバル訓練場＞：在日米海兵隊の訓練場で、沖縄本島の漢那湾にある。面積60万平方メートルで、水陸両用車両の訓練や野戦訓練（訓練弾使用）などに使われている。1996年の日米特別行動委員会最終報告で、ブルービーチ訓練場にヘリ着陸帯を移設するなどした後に返還されることが決定、2011年7月31日に返還され、8月6日に返還式と祝賀会が催された。参考：月刊軍事研究4,’10、朝雲

＜金武ブルービーチ訓練場＞：在日米海兵隊の訓練場で、沖縄県金武町にある。面積38万平方メートルで、上陸訓練などが行われる。参考：月刊軍事研究4,’10

＜キンブレイス＞：A281（防材敷設船）を参照。

＜近未来機雷偵察システム＞：NMRSを参照。

＜銀飯＞：日本軍用語で、麦の入らない米100%の飯のこと。兵食では麦飯しか出ないので、白米飯に対する憧れからこの名称が付いた。これをベースに、太平洋戦争終戦後に復員兵が始めたヤミ屋で銀シャリという言葉が生まれたらしい。参考：海軍よもやま物語

＜勤務召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜金門島＞：台湾の島で、中国本土から5-6kmの所にあり、全土が要塞化されている。一時は12万名が駐屯していたが、中国との緊張緩和により2010年現在で１万名前後となっており、将来的には5000名程度にまで減らされる予定。ただし要塞機能は残されており、中国が占領しようとすれば空中機動歩兵／空挺隊1000名と水陸両用部隊10000名以上が必要な上、多大な出血を強いられるとみられる。参考：月刊軍事研究6,’10

＜金門・馬祖事件＞：1954年、中国が台湾の金門・馬祖諸島を砲撃。台湾はアメリカと年末に相互防衛条約を締結した。1955年、中国は浙江省沖にある台湾の一江山島に侵攻して占領。台湾は近隣の大陳島も放棄せざるを得なくなり、アメリカ第７艦隊の艦船が住民を台湾本島に輸送した。1958年、中国が再び金門・馬祖諸島を砲撃。これを受けてアメリカは核兵器の使用もありうると警告、9月にOperation X-Ray Tangoを発動し、アメリカ本土から第27戦術航空団第522戦術戦闘飛行隊を嘉手納基地に展開、F-101A/C戦闘機13機とMk7核爆弾を持ち込んだ。中国はソ連にアメリカが核攻撃を行った場合の報復を求めたが、ソ連が拒否したため、中ソ対立に発展した。やがて奇数日に200発未満を山に向けて撃ち込むだけという妙な状態となり、1979年に中国が砲撃停止を発表した。参考：月刊世界の艦船3,’12、アメリカの核兵器、月刊航空ファン11,’92

＜禁野陸軍倉庫爆発事故＞：昭和14年3月1日1400、大阪府北河内郡牧野村大字禁野の陸軍倉庫から出火し、中の弾薬に延焼して大爆発が起きた。駆け付けた消防団員や消防署員も巻き添えになり、15人が殉職している。参考：赤十字の旗なにわに百年

＜金龍丸＞：日本海軍金龍丸型特設巡洋艦Kinryu maru。元は国際汽船の北米航路高速貨物船で、昭和13年6月に竣工し、北米航路で貨物輸送に従事していた。昭和16年春に日本海軍に徴用されて改造を開始、9月5日に就役した。就役後は第18戦隊に配属され、昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦を受けて建制上は第４艦隊付属、兵力部署ではウェーク島攻略部隊に編入され、ウェーク島上陸作戦やニューギニア作戦に投入された。昭和17年8月25日0500、横須賀鎮守府第５特別陸戦隊を乗せガダルカナル島北150海里に到着。上陸準備に入ったところ、アメリカ艦爆隊の爆撃を受けて大破し、睦月の雷撃で処分された。参考：月刊丸10,’93、日本海軍艦隊総覧、月刊モデルアート9,’15増刊、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜金龍丸型＞：日本海軍特設巡洋艦Kinryu maru型。元は昭和13年6月竣工の国際汽船北米航路高速貨物船である。全長138.4m、幅18.3m、深さ11.3m、満載排水量10000トン。主機はディーゼル、出力9200馬力、１軸推進、最大速力20ノット。兵装は15cm砲６門（三年式50口径14cm砲４門？）、8cm高角砲１門、13mm連装機銃２基、45cm魚雷連装発射管２基。九四式水上偵察機２機を搭載可能。乗員240名＋航空要員17名。金龍丸が昭和16年に就役した。参考：月刊丸10,’93、月刊モデルアート9,’15増刊

＜銀輪部隊＞：自転車部隊のこと。ロードスター型自転車が開発されてから盛んに作られ、第１次大戦では奇襲攻撃や後方支援任務に活躍した。第２次大戦でも機動力を活かして威力を発揮し、軍の機械化が整うまでは盛んに使用された。大戦後は北欧で民間防衛部隊・国境警備隊用に使用されたりしたが、次々縮小され、2003年には最後まで残っていたスイス軍でも廃止が決定した。現在は空挺部隊や即応部隊用に折り畳み自転車などを採用している程度である。参考：歴史群像6,’04

＜銀輪部隊（スイス軍）＞：国土が山岳で構成されているスイスでは、静粛・迅速に移動できる自転車は移動手段として重宝される。野戦軍団は自転車連隊（自転車大隊３個。大隊は自転車中隊２個、81mm迫撃砲中隊、パンツァーファウスト３装備の対戦車中隊、衛生中隊から構成される）を隷下に置いており、後方地域防衛及び後方連絡線の維持にあたる。装備する自転車はM93自転車など。1996年頃から自転車大隊を減らしてTOW搭載ピラーニャ装備の対戦車中隊を編成するようになった。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究3,’97

＜銀輪部隊（ドイツ国防軍）＞：第２次大戦末期、自転車の前輪スポークにパンツァーファウスト30を２基搭載できるようにしたものが開発された。参考：世紀の失敗物語

＜銀輪部隊（日本陸軍）＞：日本陸軍では明治20年頃に実体ゴム車輪を付けた自転車数台を配備し、伝令用として訓練を開始。明治23年8月に電信隊機材として折畳式自転車を制式採用した。マレー攻略戦で、自動車の不足を補うために近衛師団及び第５師団に自転車が配備され、成果を喧伝された。参考：機甲入門、月刊PANZER5,’81

＜金武レッドビーチ訓練場＞：在日米海兵隊の訓練場で、沖縄県金武町にある。面積２万平方メートルで、キャンプ・ハンセンと一体であり、移動や物資積み降ろしに使用される。参考：月刊軍事研究4,’10

＜キンロス＞：A482（防材敷設船）を参照。

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