軍事大事典に

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＜ニアブハイ＞：インド国防研究開発機構が開発している亜音速対地巡航ミサイル。全長6m。核弾頭を積める。2016年の発射テストでは失敗した。2017年11月7日に試射を行い、50分で647kmを飛翔してテストに成功した。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ニアニ＞：セネガル海軍ワロ級外洋哨戒艦Niani。2024年7月23日、ダカール周辺で日セネガル親善訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと戦術運動訓練、捜索救難訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船9,’23、10,’24

＜ニアミス＞：Near miss、異常接近。Near collision、Mid-air collisionともいう。飛行中の航空機が、他の航空機と、衝突や接触する可能性がある所にまで接近すること。ニアミスの殆どは、航空機の密集する空港から５マイル圏内で、昼間の視界が良い時に起こっている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ニアムル＞：パキスタン海軍ミサイル艇。2022年1月10-11日、フリゲートのプロッタシャと共に、チッタゴン周辺で日バングラデシュ親善訓練に参加し、MST-463うらが及びMSO-305ひらどと、戦術運動訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜ニアヨ級＞：ケニア海軍ミサイル艇。イギリスのヴォスパー56m級を導入したものである。兵装はオトマートⅡ艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜新潟基地隊＞：航空自衛隊の基地隊。主任務は、佐渡沖にあるR-122射爆場での訓練で万が一の事故が起きた場合に備えて松島救難分遣隊から前進待機している救難捜索機１機及び救難ヘリ１機の運用支援・整備補給と、新潟飛行場の米軍残置物品管理である。隊員数21名、装備品はジープ１両、輸送用カーゴ１両、無線機１基など。大元は1958年5月1日に新編された航空集団司令部臨時中部指令所新潟派遣隊で、1961年7月15日に第４航空団新潟派遣隊となり、1962年3月15日に新潟基地隊に改称されて新潟分屯基地で新編され、中部航空方面隊隷下に入った。1964年6月16日に発生した新潟地震の災害派遣に参加。1966年12月15日、航空救難群の隷下に移った。1967年10月25日、新潟救難隊に改編された。参考：月刊航空ファン4,’19、航空救難団ホームページ

＜新潟基地分遣隊＞：海上自衛隊の基地分遣隊。2022年12月20-22日、新潟県で国道８号・17号除雪支援の災害派遣に参加。2023年10月5日、山形地本鶴岡出張所が行った市立羽黒高校２年生５人に対する総合的な学習の時間支援に協力し、海上自衛隊体操・ロープワーク・手旗信号体験などを行った。参考：朝雲

＜新潟救難隊＞：航空自衛隊の救難隊。他の航空団と同居していないので、基地業務を行う部隊も編成されており、飛行隊長は他と違って一等空佐が充てられ、新潟分屯基地司令を兼ねる。離島である佐渡島からの患者空輸も実施する。元は航空救難群新潟基地隊で、1967年10月25日に航空救難群新潟救難隊に改編された。1971年3月1日、上級部隊が航空救難団飛行群になった。1991年5月11日、新潟県栗ヶ岳周辺の山岳遭難に対する災害派遣でV-107A救難ヘリを派遣した。8月13-14日、新潟県巻機山周辺の山岳遭難に対する災害派遣でMU-2A救難捜索機とV-107A救難ヘリを派遣した。2004年7月、豪雨災害に派遣された。2005年4月14日1350頃、MU-2救難捜索機が御神楽岳で技量回復訓練の一環として陸上目標捜索訓練を行っていた際、山腹に墜落して乗員４名全員が死亡した。以降、毎年4月14日に慰霊行事を実施している。2006年6月28日、U-125A救難捜索機が配備された。2007年2月16日、UH-60J救難ヘリが配備された。7月16日に発生した新潟県中越沖地震の災害派遣に参加。2008年2月23-24日、暴風と高波で交通機関が乱れたため、新潟県の委託を受けて大学受験生を佐渡から新潟まで輸送することになり、2月24日2036に受験生５名を佐渡空港からUH-60J救難ヘリに乗せて出発、2053に新潟空港に到着した。2008年度、救難戦技競技会で優勝。2009年度、救難戦技競技会で優勝。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月13日0645、UH-60J救難ヘリで南気仙沼の被災者10人を救助。0820、UH-60J救難ヘリで救助者69人を気仙沼小学校に搬送した。3月19日1124、UH-60J救難ヘリで宮城病院から高田駐屯地と新潟分屯基地まで患者を輸送。3月23日1021、UH-60J救難ヘリで患者や医師を仙台赤十字病院からしらこばと病院に搬送した。6月2日1133頃、新潟県中越地方で震度５強の地震が発生したため、UH-60J救難ヘリ１機を情報収集目的で離陸させた。6月30日0816、長野県中部を震源とする震度５強の地震が発生したため、U-125A救難捜索機１機を情報収集目的で飛行させた。7月31日、福島豪雨に伴う災害派遣に参加。2012年3月9日、基地駐機場地区で教練点検を実施。各班小隊からの選抜隊員33名が分隊教練と小隊教練を行った。3月14日、新成人者徒歩行軍を実施。新成人隊員２名に准曹士先任が付き添い、基地から新潟護国神社までProject想い石（ただの重い石とか言わない）を持って徒歩行軍を行った後、お守りとして想い石を新潟分屯基地に展示した。2013年2月21日、佐渡市北西300kmで沈没した貨物船乗員の救難活動を行い、U-125A救難捜索機で救命ボートを確認し、UH-60J救難ヘリで８人を収容、新潟空港に送った。3月22日、就職援護教育を実施。9月1日、新潟県・十日町市総合防災訓練に参加。2014年12月23日、秋田救難隊と主に、山形県酒田港南に座礁したパナマ船籍貨物船の乗員を救助。2015年3月11日、能登半島沖で浸水したカンボジア船籍貨物船の救助にU-125A救難捜索機１機とUH-60J救難ヘリ１機で参加。2016年10月29-30日、にいがたアニメ・マンガフェスティバルで新潟地本の広報活動を支援した。12月10日、高田駐屯地で越後の絆Ⅱ訓練を研修した。2018年2月14-15日、航空総隊直轄部隊対抗調理競技会に参加し、献立の部で優勝した。5月25日に発生した長野県北部を震源とする地震で情報収集を実施。8月10-11日、草津白根山上空付近で行方不明となった群馬県防災ヘリ捜索救助の災害派遣に参加。2019年5月3日、前日に岐阜県焼岳で行方不明になった民間グライダー乗員捜索救難の災害派遣に参加。5月31日、新潟分屯基地で空自空上げ新空の体験喫食と基地見学会を実施。6月18日、山形県沖を震源とする最大震度６強の地震が発生したため、情報収集を実施。10月13日から台風19号・21号被害の災害派遣に参加。2021年4月29日、新潟地本がデンカビッグスワンスタジアムで行われた新潟カナール彩で実施した広報に協力した。9月12日、新潟空港「空の日」記念イベント2021に参加し、U-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリで救難デモフライトを行った。9月23日、新潟地本広報室が新潟県防災コンファレンスで行った募集広報活動に協力し、３トン半トラックを展示した。2022年4月29日、新潟市デンカビッグスワンスタジアムで新潟地本と共に広報活動を行い、３トン半トラックと救難用装備品を展示した。6月9日、阿賀野川河川敷でパラシュート降下訓練を実施。UH-60J救難ヘリから救難員がMC5救難引用落下傘を装着して高度100mで降下し、パラシュートを開いて着地した。12月20-22日、新潟県で国道８号・17号除雪支援の災害派遣に参加。2023年10月3日、山形地本鶴岡出張所が行った市立羽黒高校２年生５人に対する総合的な学習の時間支援に協力し、U-125救難捜索機機内見学、装備品試着、消防隊放水体験などを行った。参考：航空救難団ホームページ、月刊JWings5,’08、7,’10、6,’11、7,’13、3,’15、6,’15、8,’18、7,’19、12,'21、月刊航空ファン6,’11、1,’15、11,’16、MAMOR vol.52、vol.142、vol.152、朝雲

　＜新潟救難隊（１９７５年）＞：航空救難団隷下で、新潟分屯基地に置かれている。V-107、S-62、MU-2、T-34を装備する。参考：月刊軍事研究10,’75

　＜新潟救難隊（１９８５年）＞：航空救難団隷下で、新潟分屯基地に置かれている。MU-2S救難捜索機、KV-107救難ヘリを装備する。参考：月刊JWings7,’24

　＜新潟救難隊（２００５年）＞：航空救難団隷下で、新潟分屯基地に置かれている。MU-2S救難捜索機、KV-107救難ヘリを装備する。参考：月刊JWings7,’24

　＜新潟救難隊（２０１５年）＞：航空救難団隷下で、新潟分屯基地に置かれている。U-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリを装備する。参考：月刊航空ファン4,’16

　＜新潟救難隊（２０２０年）＞：航空救難団隷下で、新潟分屯基地に置かれている。U-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリを装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜新潟県中越沖地震＞：2007年7月16日1013、中越沖を震源とする最大震度６強の地震が発生。1035には陸上自衛隊第12旅団（相馬原）がOH-6観測ヘリによる偵察飛行を実施し、1046に立川のUH-1H多用途ヘリ、1048に相馬原のCH-47輸送ヘリが加わった。1049、新潟県知事が災害派遣を要請。現地に第２普通科連隊490名と車両190両が展開した。1320、新潟県知事が舞鶴地方総監に災害派遣を要請。県の備蓄食糧は断水で半分以上が調理できず、自衛隊が初日に3600食分の給食を実施した。LST-4003くにさきは大型トラック10両、小型トラック１両、１トン水トレーラー４両、乾パン1300食、缶詰38万食、水1200トンなどを搭載し、LCACで陸揚げを行い、柏崎港でシャワー室を開放した。その後、LST-4003くにさきはMST-463うらがに入浴支援や給水支援を引き継いでいる。総理は選挙運動先の長崎から民間機で総理官邸に引き返し、1500に被災地に向け出発、1700には炎上する原発施設をヘリから視察した。在日米軍司令官も7月21日に現場を視察した他、アメリカ政府からイラクで使用されていたエアコンを寄贈している。8月29日に撤収要請が出された。参加したのは北部・東北・東部・中部・西部方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、舞鶴地方隊、北部・中部・西部航空方面隊、航空支援集団で、延べ人員92400名、車両35100両、航空機1184機、艦艇95隻だった。DD-124みねゆきが3200食、DE-229あぶくまが2400食、DDG-175みょうこうが4000食、DDH-141はるなが2500食、DDG-170さわかぜが3100食を給食し、LSU-4172のとが主食10500食・副食18000食・乾パン5200食、DD-154あまぎりが食料20000食・毛布2200枚、水船23号が真水300トンを輸送している。参考：月刊丸1,’10別冊、月刊軍事研究9,’07

＜新潟県中越地震＞：2004年10月23日1756、新潟県中越地方を震源とするマグニチュード6.8の直下型地震が発生し、最大震度７を記録、土砂崩れなどにより68人が死亡し、4805人が負傷、10万人が避難を余儀無くされ、山古志村では住民2200人全員が孤立状態に陥った。自衛隊は36分後に偵察ヘリ、１時間半後に地上偵察班を出動させ、ヘリ映伝などで夜間情報収集を行い被害を把握、空自 V-107ヘリ、陸自 CH-47ヘリ、UH-60JAヘリなどで10月24日から山古志村住民全員を避難させた。2014年10月18日、新潟県小千谷市総合体育館で小千谷復興感謝祭おぢゃれ元気フェスタが開催され、第12旅団が演奏や炊事支援を実施。第２普通科連隊に小千谷市長から感謝状が贈呈された。参考：MAMOR vol.98、月刊軍事研究4,’17、朝雲

＜新潟地震＞：1964年 6月16日1301、新潟県粟島の南40kmを震源とするマグニチュード7.5の大地震が発生。最大観測震度５（推定最大震度６）を記録し、高さ4m・最大遡上高6mの津波が三波にわたり押し寄せ、26人が死亡、家屋1960棟が全壊・6640棟が半壊し、昭和石油新潟製油所の石油タンクが爆発炎上、信濃川を遡上した津波により流域が１ヶ月に亘って水浸しになり15297棟が浸水した。防衛庁は自主的な災害派遣を決定し、新発田駐屯地の陸自部隊と海空自航空部隊が情報収集を開始。舞鶴地方隊は護衛艦４隻（DE-211いすず、DD-109はるさめなど）やPC-312やまどりなどを現場に向かわせた。偵察航空隊はRF-86F偵察機で現場を空撮。航空救難群入間救難分遣隊 H-19ヘリが新潟分屯基地に前進展開している。6月17日0300、第12師団が新潟県庁に災害派遣司令部を開設。0900、石油タンクから運河に溢れ出した石油に引火して対岸の石油タンクが延焼し、周辺の民家にも火が及んで手が付けられなくなったため、午後に自衛隊に対して破壊消防出動が要請された。陸自は第１師団や第１施設団などの東部方面隊隷下部隊に東北・中部方面隊も加えた隊員7000名と車両1300両を増派し、消防・水害被害復旧・インフラ修復・生活支援などにあたった。新潟県知事から中部航空方面隊に災害派遣要請が出されたため、新潟分屯基地の新潟基地隊が情報収集や三自衛隊ヘリの新潟飛行場への展開支援にあたっている。新潟飛行場は滑走路が損傷し、液状化現象で一部が冠水して泥まみれになったが、ヘリの運用は可能で、航空救難群は松島・入間・小松・小牧救難分遣隊と救難教育隊のH-19Cヘリ各１機及び芦屋救難分遣隊 H-21Bヘリ１機を新潟分屯基地に展開、情報収集や輸送任務に投入した。また、輸送航空団木更津航空隊 C-46D輸送機が物料傘で消火剤を新潟飛行場に空中投下している。新潟陸上競技場には第１ヘリコプター隊管理のヘリポートを開設した。6月18日、福田防衛庁長官が航空救難群 H-19ヘリで新潟陸上競技場ヘリポートに到着し、大森陸幕長や廣瀬第12師団長と新潟市内を視察した。6月30日、陸自部隊主力が撤収を完了。7月3日、海自が活動を終了。DD-108ゆうだち、DD-109はるさめ、DE-211いすず、PC-312やまどり、揚陸艇1001号型など11隻を派遣した。7月23日、陸自が活動を終了。延べ派遣隊員は108000名だった。7月23日、航空救難群が災害復旧用写真撮影任務を終了。7月28日、空自が活動を終了。参考：月刊航空ファン4,’19、5,’19、月刊世界の艦船5,’24

＜新潟飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜新潟・福島豪雨（２００４年）＞：2004年7月12日夜から13日にかけ、新潟県中越地方と福島県会津地方が時間雨量70mm以上・24時間雨量400mm超の豪雨に襲われ、7月14日までに信濃川水系五十嵐川・刈谷田川・中之島川の堤防11カ所が決壊、16人（新潟15人・福島１人）が死亡し、住宅70戸が全壊（全て新潟）、5354戸が半壊（全て新潟）、94戸が一部破損（全て新潟）、2149戸が床上浸水（うち福島８戸）、6208戸が床下浸水（うち福島90戸）する大被害が発生した。7月13日1145、内閣府が情報対策室を設置。1400、新潟県知事から第12旅団第30普通科連隊に災害派遣要請が出されたため、三条市と下田村に隊員100名、車両10両、渡河ボート６隻を派遣した。1443、新潟県知事から航空支援集団司令官に災害派遣要請が出された。1459、航空支援集団司令官が災害派遣を発令。航空救難団では新潟救難隊を基幹に浜松救難隊と小松救難隊を増派することにし、新潟救難隊から1459にV-107Aヘリ845号機が離陸、孤立者がいると新潟県消防防災センターから情報提供があった中之島保育園に向かった。1519、V-107Aヘリ845号機が中之島保育園上空に到着。園は刈谷田川の氾濫で周囲が水没し、孤立状態に陥っていた。1520、新潟救難隊 V-107Aヘリ844号機が離陸した。1523、V-107Aヘリ845号機が中之島保育園孤立者の救出を開始。1603、V-107Aヘリ845号機が救出した大人１人と子供10人を中之島文化センターに降ろした。1608、浜松救難隊 V-107Aヘリ847号機が浜松基地を離陸し、富山空港経由で新潟分屯基地に向かった。1612、小松救難隊 UH-60Jヘリ569号機が小松基地を離陸して新潟分屯基地に向かった。1634、小松救難隊 UH-60Jヘリ552号機が小松基地を離陸して新潟分屯基地に向かった。1648、V-107Aヘリ845号機が大人１人と子供15人を中之島文化センターに降ろした。V-107Aヘリ844号機が中之島町で計14人の救出を完了。中之島文化センターに降ろした後、更に大人４人と子供２人を救出して中之島文化センターに降ろした。1714、V-107Aヘリ845号機が大人１人と子供13人を中之島文化センターに降ろした。1729、UH-60Jヘリ569号機が新潟分屯基地に着陸し、燃料補給に入った。1739、V-107Aヘリ845号機が新潟分屯基地に着陸、燃料補給に入った。1801、V-107Aヘリ844号機が新潟分屯基地に着陸。1806、UH-60Jヘリ552号機が新潟分屯基地に着陸。UH-60Jヘリ569号機が新潟分屯基地を離陸し、中之島保育園に向かった。1816、V-107Aヘリ845号機が新潟分屯基地を離陸し、中之島保育園に向かった。1831、浜松救難隊 V-107Aヘリ847号機が新潟分屯基地に着陸。1838、UH-60Jヘリ569号機が中之島保育園周辺で救出活動を開始。1840、V-107Aヘリ847号機が新潟分屯基地を離陸。1910、UH-60Jヘリ569号機が９人を中之島文化センターに降ろした。1914、V-107Aヘリ845号機が大人２人と子供14人を中之島文化センターに降ろした。1920、V-107Aヘリ847号機が中之島保育園で救出活動を開始。1934、UH-60Jヘリ569号機が新潟分屯基地に着陸。1937、V-107Aヘリ845号機が大人３人と子供10人を中之島文化センターに降ろした。1957、V-107Aヘリ847号機が新潟分屯基地に着陸し、救出した２人を降ろした。2011、V-107Aヘリ845号機が新潟分屯基地に着陸した。7月14日0432、V-107Aヘリ845号機が新潟分屯基地を離陸して見附市に向かった。0459、UH-60Jヘリ552号機が新潟分屯基地を離陸して三条市に向かった。0617、UH-60Jヘリ552号機が救出した４人を三条市立第三中学校に降ろした。0640、V-107Aヘリ845号機が見附小学校に救出した大人１人を降ろした。0731、V-107Aヘリ845号機が新潟分屯基地に着陸し、ストレッチャーで収容した妊婦１人を降ろした。0747、UH-60Jヘリ552号機が救出した６人を三条市立第三中学校に降ろした。0810、UH-60Jヘリ552号機が新潟分屯基地に着陸。0816、V-107Aヘリ844号機が新潟分屯基地を離陸し、三条市に向かった。0903、V-107Aヘリ844号機が救出した８人を第三中学校に降ろした。0904、V-107Aヘリ844号機が第三中学校を離陸し、三条市の孤立者救出に向かった。0924、V-107Aヘリ844号機が救出した８人を第三中学校に降ろし、そのまま離陸して三条市の孤立者捜索に向かった。0957、V-107Aヘリ844号機が救出した８人を第三中学校に降ろし、そのまま離陸して三条市の孤立者捜索に向かった。雨は小康状態で、新潟県の避難指示が解除されていったため、航空救難団は増派機を撤収することにし、0957に小松救難隊 UH-60Jヘリ569号機が新潟分屯基地を離陸、小松基地に向かった。1000、小松救難隊UH-60Jヘリ552号機が新潟分屯基地を離陸し、小松基地に向かった。1021、V-107Aヘリ844号機が救出した４人を第三中学校に降ろした。1036、V-107Aヘリ844号機が新潟分屯基地に戻った。1118、UH-60Jヘリ552号機が小松基地に着陸。1137、UH-60Jヘリ569号機が小松基地に着陸。1141、V-107Aヘリ845号機が新潟分屯基地を離陸し、三条市に向かった。1238、V-107Aヘリ845号機が救出した６人を第三中学校に降ろし、そのまま離陸して三条市の孤立者捜索に向かった。1307、V-107Aヘリ845号機が救出した８人を第三中学校に降ろし、そのまま離陸して三条市の孤立者捜索に向かった。1408、V-107Aヘリ845号機が救出した13人を第三中学校に降ろした。1521、V-107Aヘリ845号機が新潟分屯基地に着陸した。1629、V-107Aヘリ844号機が新潟分屯基地を離陸し、三条市に向かった。1632、浜松救難隊 V-107Aヘリ847号機が新潟分屯基地を離陸。1753、V-107Aヘリ844号機が救出した９人（うち負傷者１人）を第三中学校に降ろした。1838、V-107Aヘリ844号機が新潟分屯基地に着陸。1840、V-107Aヘリ847号機が浜松基地に着陸。7月15日、航空機による捜索救助を時間帯で区切って分担することになり、0430-0630/0830-1030/1240-1430/1630-1830を航空救難団・陸自ヘリ・新潟県防災航空隊・岐阜県防災航空隊、0630-0830/1030-1230/1430-1630を海保・栃木県防災航空隊・山形県防災航空隊・新潟県警航空隊が担当した。0437、新潟救難隊 V-107Aヘリ844号機が新潟分屯基地を離陸し、三条市に向かった。0532、V-107Aヘリ844号機が救出した１人を第三中学校に降ろした。0644、V-107Aヘリ844号機が新潟分屯基地に着陸。0830、V-107Aヘリ845号機が待機に入ったが、要救助者がおらず、天候も雲と靄に覆われる状況で、実際の出動は無く、以降の時間帯も待機のみだった。7月16日から断続的に強い雨が降り、高田駐屯地のOH-6ヘリと立川駐屯地のUH-1が偵察を実施。7月18日0915、新潟県知事から航空支援集団司令官に撤収要請が出された。航空救難団が181人、陸自ヘリが48人、県防災ヘリが138人、県警ヘリが119人、海保ヘリが61人を救出している。参考：月刊航空ファン7,’19、8,’19

＜新潟分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地（入間基地の分屯）。所在地は新潟県新潟市船江町3-135で、新潟空港（滑走路は2500m×45m・ランウェイ10/28と1314m×45m・ランウェイ04/22の２本）の敷地内にある。敷地面積69000平方メートル。元は日本陸軍新潟飛行場で、1958年にアメリカ軍から返還され、5月1日に航空集団司令部臨時司令所新潟派遣隊が新編され、1961年7月15日に第４航空団新潟派遣隊に改編され、1962年3月15日に中部方面隊新潟基地隊に改編された。11月20日、新潟分屯基地として発足した。1967年10月25日、新潟基地隊が新潟救難隊に改編された。2010年6月9日、2005年4月14日に新潟救難隊 MU-2が墜落して４名が殉職した御神楽岳に基地司令や遺族ら13名が慰霊登山を行った。6月12日、慰霊碑地区で平成22年度殉職隊員追悼行事を実施。2012年10月6日、慰霊碑地区で殉職隊員追悼式を実施。10月7日、御神楽岳慰霊登山を実施。2019年10月1日、北関東防衛局主催の第13回北関東防衛施設地方審議会が開催された。2020年8月20日、新潟地本が航空学生制度説明会を実施。10月18日、新潟地本が入間ヘリコプター空輸隊 CH-47Jヘリによる体験搭乗を実施。2021年4月18日、長野地本の募集対象者ら向け見学会に協力した。参考：月刊丸3,’14、月刊JWings6,’10別冊付録、11,’18、MAMOR Vol.81、月刊航空ファン1,’15、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、朝雲

＜新潟分屯基地（２００７年度）＞：航空救難団新潟救難隊（U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリ）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜新潟分屯基地（２０１５年）＞：新潟救難隊、入間気象隊新潟気象班が所在している。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜新井埼＞：日本海軍測天型敷設艇にいざき。昭和17年8月31日竣工、舞鶴防備隊に配属され、串本付近で対潜掃討任務に就いた。昭和18年7月10日、大分県姫島灯台東方で泰昌丸と衝突して中破した。12月から沖縄方面に展開。昭和19年10月から佐世保－シンガポール間の船団護衛を実施。昭和20年4月から佐世保付近に機雷を敷設。6月、石埼と共に宗谷海峡に九三式係留機雷を敷設した。終戦時は大湊に展開していた。終戦後は掃海作業に従事。10月4日、室蘭沖で触雷して大破、艦底から上甲板まで達する破孔を生じた。室蘭港に帰投して係留され、その後解体された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜にいじま＞：MCL-722（掃海管制艇）またはMSC-655（掃海艇）を参照。

＜にいじま型＞：海上自衛隊掃海管制艇。遠隔操縦式掃海具の管制が主任務で、はつしま型掃海艇の磁気掃海具と機雷処分具を撤去し、掃海具遠隔操縦装置SAMを搭載したものである。船体後部舷側にはSAMを並進輸送するための防舷材を追加した。全長58m（55m？）、全幅9.4m、吃水2.5m、基準排水量440トン、満載排水量550トン。主機はディーゼル２基２軸1440馬力、速力14ノット。兵装は20mm多銃身機関砲１門。乗員28名（11名？）。MCL-722にいじま、MCL-723やくしま、MCL-724ははじま、MCL-725かみしま、MCL-726おぎしま、MCL-727さくしまの６隻が改造された。2013年に最後の１隻が退役した。参考：月刊世界の艦船1,’04、1,’02、1,’11、2,’12、月刊JWings1,’99

＜新島支所＞：航空装備研究所新島支所を参照。

＜新島飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜ニーダーザクセン＞：F208（フリゲート）を参照。

＜新高＞：日本海軍新高型巡洋艦１番艦Nitaka（台湾の新高山から）。明治37年1月27日竣工、三等巡洋艦に分類された。明治44年、前後マストを延長した。大正元年8月、二等巡洋艦に類別変更された。大正7年、後部マスト前方に高角砲を追加した。大正10年9月、二等海防艦に類別変更された。大正11年8月、カムチャツカ半島オジョールナヤ基地沖で台風により座礁沈没し、乗員300名中15名しか助からなかった。大正12年に座礁現場で解体された。参考：月刊丸6,’14、月刊世界の艦船1,’20、8,’24

＜新高型＞：日本海軍三等巡洋艦Nitaka型。船型は船首尾楼型。船首楼甲板には前から15.2cm単装砲１門、艦橋、前部ポールマスト、中央の凹甲板に15.2cm単装砲２門（両舷１門ずつ）、煙突３本（タンデム）、後部ポールマスト、15.2cm単装砲２門（両舷１門ずつ）、船尾楼甲板に15.2cm単装砲１門と並ぶ。全長102m、常備排水量3366トン。主缶はニクローズ缶。兵装は40口径15.2cm単装砲６門、7.6cm単装砲10門、4.7cm単装砲４門。新高と対馬が明治37年に竣工した。参考：月刊丸6,’14、月刊世界の艦船8,’24、1,’20

＜ニイタカヤマノボレ一二〇八＞：真珠湾攻撃を参照。

＜新月＞：日本海軍秋月型駆逐艦５番艦。昭和18年3月31日竣工。昭和18年7月5日、クラ湾夜戦で沈没した。昭和18年9月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ニードル・ガン＞：ドライゼ銃を参照。

＜ニードル・ファイア＞：長い撃針で発射薬越しに弾丸底の雷管を打撃し、発火させる銃。ドライゼ銃などがこれにあたる。参考：GUN用語事典

＜ニードルフィッシュ＞：SS-493（潜水艦）を参照。

＜ニーネ＞：K270（フリゲート）を参照。

＜ニーブ＞：P-52（哨戒艦）を参照。

＜ニーベルング＞：SU（アクティブソナー）を参照。

＜ニーベルンゲン＞：SS第38装甲擲弾兵師団を参照。

＜ニー・モーター＞：八九式重擲弾筒を参照。

＜ニーランド兄弟＞：映画プライベート・ライアンのモデルとなった兄弟。爆撃機の無線手兼機銃手だった長男はビルマ戦線で行方不明、次男と三男はオーバーロード作戦で相次いで戦死したため、四男を前線から呼び戻した。四男は行方不明にはなっておらず、すぐ本国に送り返されている。参考：歴史群像6,’04

＜ニーリング・ポジション＞：膝撃ち。立て膝をついてライフルなどを射撃すること。参考：コンバット・バイブル

＜ニール・Ａ・スコット＞：DE-769（護衛駆逐艦）を参照。

＜ニール・アームストロング＞：AGOR-27（海洋観測艦）を参照。

＜ニール・アームストロング級＞：アメリカ海軍海洋観測艦Neil Armstrong級。メルヴィル級海洋観測艦の後継で、コングスバーグ社製EN-710マルチビーム音響測深儀などを搭載する。全長72.5m、幅15.2m、吃水4.6m、満載排水量3024トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式（統合電気推進）、ディーゼル発電機４基・電動機２基、出力16314馬力、２軸推進、速力12ノット。乗員20名＋科学者24人。１番艦AGOR-27ニール・アームストロング、２番艦AGOR-28サリー・ライドなど６隻を建造予定で、１番艦は2015年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’14、2,’13、12,’12、2,’17、9,’23

＜ニールズ＞：DD-616（駆逐艦）を参照。

＜ニールス・ユール＞：F363（イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート）を参照。

＜ニールス・ユール級＞：デンマーク海軍フリゲートNiels Juel級。全長84m、幅10.3m、吃水3.1m、満載排水量1320トン。主機はCODOG方式、出力28400馬力、２軸推進、速力25.5ノット。兵装はハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、シースパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、76mm単装砲１門、20mm単装機関砲４門、爆雷投下軌条１条。1980-82年にオルファート・フィッシャー、ペートー・トーデンスキョルなど３隻が竣工した。1996年から改装を実施。シースパロー艦対空ミサイルを６セル２群VLSにし、対空レーダーをTST TRS三次元レーダーに換装、戦闘指揮システムを新型にした。全長84m、満載排水量1320トン。速力28ノット。2009年8月18日、３隻同時に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’00、3,’10、月刊軍事研究12,’10

＜ニール・ロバートソン型担架＞：Neil Robertson Stretcher。半硬式のキャンバスを使用した担架で、患者を包んで固定する。固定式ストレッチャーだと運搬が困難な、艦内などの狭い場所で使用する。垂直に立てて揚げ降ろしすることも可能だが、その際は足下に誘導索を巻き、揺れて壁にぶつかったりしないよう注意する。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜ニーン＞：ロールスロイス社のターボジェットエンジンNene。空気流量毎秒48.1kg、圧縮機は遠心式１段、燃焼器はカン型、全体圧力比4.4、タービン１段、A/B時推力7600ポンド（3.45トン）・33.8kN。全長2.6m、直径1.3m、重量0.872トン。1947年にソ連に25基を輸出したが、RD-45としてコピーされてしまった。参考：月刊JWings4,’20、7,’20

＜ニオーブイ＞：ネボUM（レーダー）を参照。

＜ニオベ＞：ドイツ海軍帆走練習艦。1913年に竣工したノルウェーの帆船を購入し、三本マストのバーク型に改装して補助機関を取り付け、1923年に就役させたものである。1932年7月、バルト海で荒天に遭って転覆した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ニオベ＞：ドイツ海軍防空艦。元はユーゴスラビア海軍の旧式巡洋艦である。1942年12月22日、アドリア海でイギリス魚雷艇２隻の攻撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ニカラグア海軍＞

＜ニカラグア海軍（１９７７年）＞：兵力200名。哨戒艇８隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ニカラグア海軍（１９８９年）＞：兵力3500名、予備役2500名。ズック級内海哨戒艇８隻、シン・フン級内海哨戒艇６隻、小型内海哨戒艇４隻、エフゲーニャ級掃海艇４隻、K-8級掃海艇４隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニカラグア海軍（２０１５年）＞：現役兵力800名。哨戒艇８隻を保有する。水陸両用大隊１個を擁する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニカラグア空軍＞：1954年、P-51D戦闘機26機をスウェーデンから購入。参考：月刊航空ファン4,’16

＜ニカラグア空軍（１９７７年）＞：兵力1500名。B-26K爆撃機４機、T-33A対ゲリラ戦機６機、T-28D対ゲリラ戦機３機、アラバ輸送機１機、C-47輸送機５機、セスナ02A輸送機10機、ヒューズ269ヘリ１機、CH-34ヘリ５機、OH-6Aヘリ１機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ニカラグア空軍（１９８９年）＞：兵力3000名。セスナ337対ゲリラ戦機６機、L-39Z対ゲリラ戦機６機、SF-260WL対ゲリラ戦機４機、Mi-25攻撃ヘリ10機、An-26輸送機６機、C-212輸送機２機、Mi-8/-17汎用ヘリ35機、An-2連絡機８機、双発ボナンザ連絡機１機、コマンダー連絡機２機、セスナ180連絡機７機、セスナ185連絡機３機、DHC-3連絡機３機、Mi-2汎用ヘリ４機、SA-316汎用ヘリ２機、OH-6Aヘリ１機、L-39C練習機17機、14.5mm対空機銃ZPU-1/-2/-4、23mm高射機関砲ZU-23、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射機関砲S-60、100mm高射砲KS-19を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニカラグア空軍（２０１５年）＞：現役兵力1200名。An-26輸送機３機、ビーチ90輸送機１機、セスナ172輸送機１機、セスナU206輸送機１機、セスナ404要人輸送機１機、PA-28チェロキー輸送機２機、PA-18スーパーカブ練習機２機、Mi-17武装ヘリ７機、Mi-181E輸送ヘリ２機、23mm高射機関砲ZU-23を18門、9M17対戦車ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニカラグア軍＞：

＜ニカラグア軍（１９８９年）＞：兵力80000名（うち徴兵30000名）、予備役136500名。キューバ軍事・治安顧問1200名、ソ連顧問100名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニカラグア軍（２０１５年）＞：現役総兵力12000名（陸軍10000名、海軍800名、空軍1200名）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニカラグア内戦＞：ニカラグアには1912年からアメリカ海兵隊が進駐していたが、反米闘争により1933年1月に撤退させた。しかし1936年にアメリカ政府と密接な関係にある国家警備隊長官がクーデターを起こして独裁状態を続け、政治腐敗が蔓延したため、反政府闘争が勃発し、1956年に大統領が暗殺される事態となった。ただ後任の大統領にはその長男が就任し、相変わらずの独裁だったため、1961年に左派のサンディニスタ民族解放戦線FSLNが誕生。1963年7月に武力闘争を開始したが、資金も武器も無い小勢力では国家警備隊に叶う筈も無く、一時は消滅しかけた。1972年12月、ニカラグア大地震が発生し、世界各国から救援物資が集まったが、これを大統領一族が着服しまくったため、ニカラグア国民の怒りが爆発。FSLNは大量の人員と支援金を獲得し、キューバ経由で大量の武器を導入、1974年12月27日には閣僚を人質にとって身代金100万ドルと引き替えにし、更に拘束されていたメンバーを釈放させた。勢力を拡大し続けるFSLNに危機感を覚えたニカラグア政府は1978年にアメリカから元兵士2500名を雇うなどして制圧を強化、FSLN側も政府要人の人質事件を起こすなど活動を活発化させ、内戦に突入した。1979年6月16日、FSLNが臨時政府の樹立を発表。6月20日、ABCテレビの特派員が取材中にニカラグア兵によって射殺され、アメリカで反ニカラグア感情が高まったため、アメリカはニカラグアに対する支援を中止。6月21日にはアメリカ国務長官がニカラグア大統領の退陣を要求し、6月23日の米州機構外相会議で正式に採択された。7月17日、ニカラグア大統領がフロリダに亡命し、7月20日にFSLNが革命政府を樹立、内戦は一旦終結した。以降はアメリカとも良好な関係を築いていたが、1981年、ベトナム戦争で遺棄されたM16小銃がニカラグア経由でエルサルバドルの反政府勢力に流れていることをCIAが掴み、アメリカ政府はニカラグアに武器供給を辞めるよう要求した。しかしニカラグアは拒否したため、アメリカはニカラグアへの経済援助を停止し、ホンジュラスに軍事施設を作ってニカラグア反政府勢力コントラ（コントラ・レボルシオン、反革命の略）を育成、1982年頃からニカラグアは再び内戦に突入した。アメリカからの援助を絶たれたニカラグアはソ連やキューバと接近し、1982年2月にはソ連が戦闘機をニカラグアに供与するという噂が出たため、アメリカは直接軍事介入をちらつかせた。これに対してニカラグアは3月15日に国家非常事態宣言を出し、ソ連から戦車やヘリなど大量の武器を導入。泥沼になるのを恐れたアメリカ議会は12月にコントラへの公的援助禁止を採択したが、CIAの秘密資金で武器を供給し続け、1985-86年にはイラン・コントラ事件を起こしたり、ポーランド製AK47突撃銃を中南米から購入してコントラに流したりと軍事援助を継続、1985年5月にはニカラグアへの全面禁輸を実施した。しかしコントラは住民の支持を受けられず、ソ連ゴルバチョフ政権の軍事支援打ち切りでニカラグア政府側も継戦能力が無くなり、1988年頃に内戦はほぼ終息した。冷戦終結後の1990年2月の大統領選挙では親米保守派の大統領が誕生し、アメリカ政府は全面禁輸を解除して経済支援を開始、コントラは解散している。内戦での犠牲者は1979年までが死者４万名、負傷者10万名、難民20万名、1982年以降が死傷者57000名、難民50万名。2007年1月10日、初代大統領のオルテガ氏が大統領に再選された。参考：歴史群像10,’10、6,’02

＜ニカラグア陸軍＞

＜ニカラグア陸軍（１９７７年）＞：兵力5400名。大統領親衛隊、歩兵大隊１個、工兵大隊１個、歩兵中隊16個、砲兵中隊１個、高射砲中隊１個からなる。M4中戦車、M3装甲兵員輸送車３両、105mm榴弾砲４門、20mm高射機関砲12門、40mm高射機関砲８門を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ニカラグア陸軍（１９８９年）＞：兵力41500名（うち徴兵30000名）、召集予備役・召集民兵32000名、予備役76000名、民兵58000名。軍管区７個、機甲旅団２個、自動車化歩兵旅団２個、国境旅団２個、砲兵旅団１個、地域砲兵グループ８個、歩兵大隊20個、工兵大隊４個、予備役旅団27個、民兵旅団10個、民兵独立大隊62個、民兵地域中隊49個からなる。T-54/-55戦車130両、PT-76軽戦車22両、BRDM-2偵察車72両、BTR-60装甲兵員輸送車24両、BTR-152装甲兵員輸送車90両、122mm砲D-30を36門、152mm砲D-20を60門、122mm多連装ロケットBM-21を36両、82mm迫撃砲625門、120mm迫撃砲42門、9K11対戦車ミサイル、57mm対戦車砲ZIS-2を345門、76.2mm対戦車砲ZIS-3を84門、100mm対戦車砲M-1944/BS-3を24門、9K32/9K36/9K310個人携行地対空ミサイル500基以上を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニカラグア陸軍（２０１５年）＞：特殊作戦旅団１個、機械化歩兵旅団（機甲偵察大隊１個、戦車大隊１個、機械化歩兵大隊１個、歩兵大隊１個、多連装ロケット大隊１個、対戦車中隊１個）１個、地域コマンド（軽歩兵大隊３個）１個、地域コマンド（軽歩兵大隊２個）４個、独立軽歩兵大隊２個、司令部連隊（歩兵大隊１個、保安大隊１個、情報ユニット１個、通信大隊１個）１個、工兵大隊１個、医療大隊１個、輸送連隊１個からなる。T-55戦車62両（＋保管中65両以上）、PT-76軽戦車10両（全て保管中）、BRDM-2偵察車20両、BMP-1歩兵戦闘車、BTR-152装甲兵員輸送車41両（＋保管中61両以上）、BTR-60装甲兵員輸送車45両（＋保管中15両以上）、BTR-70M装甲兵員輸送車少数、122mm砲D-30を12門、152mm砲D-20を30門（全て保管中）、63式107mm多連装ロケット33両、122mm多連装ロケットBM-21を18両、携行式122mm単装ロケット砲グラッド1P(BM-21P)100門、82mm迫撃砲579門、120mm迫撃砲M-43を24門、160mm迫撃砲M-160を４門（全て保管中）、9K11対戦車ミサイル装備BRDM-2偵察車12両、9K11対戦車ミサイル、82mm無反動砲B-10、57mm砲ZIS-2を174門（＋保管中90門以上）、76.2mm砲ZIS-3を83門、100mm砲M-1944を24門、9K32/9K36/9K310個人携行地対空ミサイル、T-54/-55戦闘工兵車、TMM-3戦車橋を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニキシー＞：AN/SLQ-25シリーズ（魚雷防御装置）を参照。

＜饒津丸＞：日本陸軍上陸支援用特殊船Nigitsu maru。当初はあきつ丸と同じ丙型特殊船（空母型上陸用舟艇母艦）になる予定だったが、結局は貨物船型上陸用舟艇母艦として完成した。昭和16年6月起工、昭和18年3月竣工。参考：護衛空母入門、歴史群像6,’04

＜ニク＞：九二式八屯牽引車シリーズを参照。

＜肉眼＞：アイボール・センサーMk.1を参照。

＜肉じゃが＞：明治34年、日本海軍舞鶴鎮守府初代司令長官東郷平八郎大将がイギリス留学中に食べたビーフシチューを作らせようとしたが、ワインやバターといった素材が手に入らなかったため、代わりに醤油や砂糖などを使用して作ったのがルーツともいわれており、海軍厨業管理教科書に甘煮という名称で調理法が載っている。このためか、東日本では豚肉を使用しているが、西日本では牛肉を使う。ちなみにビーフシチューの方も明治時代に編纂された海軍割烹術参考書にシチュードビーフとして載っていて、こちらも東郷平八郎大将が艦上食として作らせたレシピが発祥とされ、余程ご執心だったらしい。参考：MAMOR vol.77、vol.125

＜ニクソン・ドクトリン＞：アメリカ軍の戦略。ベトナム戦争の泥沼化を受けて採用した戦略で、1969年7月にこう呼ばれるようになった。核戦争以外の脅威への対処や共産革命運動の弾圧など、報われない任務に対する介入は同盟国との条約上の義務及び資金・技術援助に止め、現地の各国軍に任せる。核戦争などアメリカ軍の介入が必要となった場合、技術集約的な空海軍と高度に機動化された陸軍で一気にカタを付けてすぐに引き揚げる。これを実現するため、陸軍部隊を世界中即座に輸送することが必要となり、軍事空輸コマンドが重要視され、C-5輸送機が開発・運用された。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊世界の艦船6,’24

＜肉弾三勇士＞：爆弾三勇士を参照。

＜ニ号研究＞：核開発（日本）を参照。

＜尼港事件＞：尼港とはニコライエフスクのこと。ニコライエフスクはアムール川（黒竜江）の河口部北岸にあり、鮭の輸出先だったことから大正8年1月地点で日本人440人が居留しており、領事館が建てられていて、ロシア内戦を受けたシベリア出兵で大正8年5月から居留民保護のために第14師団第27旅団歩兵第２連隊尼港守備隊（第３大隊２個歩兵中隊330名）が駐屯していた。また、海軍も無線電信隊40名を配置していた。大正8年末、ロシア白軍政権が崩壊。アムール川が凍結してニコライエフスク周辺の交通が閉ざされると、赤軍派パルチザンが跋扈するようになり、10月に有線通信線が切られてハバロフスクの第27旅団司令部とは無線でしか連絡できなくなった。11月、赤軍派がニコライエフスクにヤコフ・トリアピーツィン指揮官率いるパルチザン部隊の派遣を決定。大正9年1月23日、ロシア赤軍派2000名がニコライエフスク市街を包囲し、凍ったアムール川を渡河して攻撃を開始した。この時は撃退したが、戦力が少ないため不安を感じた尼港守備隊は第27旅団に増援を依頼。しかしハバロフスクとニコライエフスクの間には鉄道が通っておらず、交通手段は凍結したアムール川のみ、氷の上にはパルチザンが陣取っており、部隊を派遣するのは不可能だった。1月28日、赤軍派がニコライエフスク港外のチヌイラフ要塞に対する攻撃を開始。2月4日、第14師団長が赤軍派に対する積極戦闘を避けるよう下命したため、尼港守備隊はチヌイラフ要塞から撤退した。赤軍派はチヌイラフ要塞を占領すると、閉鎖機を外して放置されていた75mm野砲の閉鎖機を探し出して使えるようにし、2月7日に海軍無線通信所を砲撃。海軍無線電信隊は最終緊急電を発して無線通信所から撤退せざるを得なくなり、尼港守備隊は孤立状態に陥った。2月13日、尼港守備隊からの緊急電を受け、第７師団の増援部隊を海軍艦艇で送り込むことが決まったが、周辺海面が凍り付いており、春まで派遣は不可能な状況だった。赤軍派は引き続きニコライエフスクに砲撃をかけたが、戦況が変わらなかったため、トリアピーツィンがハバロフスクの赤軍派を利用して第14師団司令部に尼港守備隊への交渉を依頼。2月23日、第14師団長が尼港守備隊に中立保持と停戦を下命。ロシア白軍派指揮官は赤軍と約束しても必ず反故にされると警告したが、尼港守備隊が師団命令に従うことを決めると全員自決した。2月24日、尼港守備隊が赤軍派と停戦協定を締結。尼港守備隊が白軍派を武装解除し、赤軍派がニコライエフスクに入城、白軍派将校の過去の行動は問わず、赤軍派入城後も日本軍は駐留を続け居留民を保護することになった。しかし赤軍派は入城後に地元労働者などを加えて勢力を4000人に拡大、協定を無視して市内の白軍将兵や一般人500人を逮捕し、処刑や略奪を繰り返している。日本海軍は三笠と砕氷艦首を仮設した海防艦見島を送ったが、間宮海峡で氷に阻まれて行動不能になり、救援に失敗。停戦協定違反を繰り返し抗議する尼港守備隊の存在が邪魔になったトリアピーツィンは撃滅することにしたが、パルチザンは処刑と強姦と略奪で忙しく、3月11日に尼港守備隊に対して武装解除しなければ攻撃すると最後通告を行った。事ここに至り、尼港守備隊は3月12日0200から赤軍派司令部を奇襲し、トリアピーツィンを負傷させたが、多勢に無勢で夜明けと共に次第に劣勢となり、残存兵力200名で中隊兵舎に立て籠もった。トリアピーツィンは居留日本人全員の殺害を命令。何とか領事館に逃れた居留民を脱出させるべく、3月13日に領事館ではニコライエフスク沖に停泊していた中華民国の砲艦３隻・輸送艦１隻に保護を求めたが、逆に無差別銃砲撃を受けて領事館や大隊本部が破壊された。3月14日、領事館がパルチザンに焼き討ちされ、立て籠もっていた海軍隊と領事員と避難居留民全員が殺害された。2月17日午後、赤軍派が停戦せよという第27旅団長の電報を持って兵舎を訪れたため、尼港守備隊は2月18日に戦闘を停止。しかしこれは偽電報で、尼港守備隊は武装解除されて捕らえられ、赤軍派によるニコライエフスク粛正が開始された。これを救出するため、日本軍は日本本土や北部沿海州から部隊を派遣して4月上旬に沿海州のパルチザン8000人以上を武装解除し、5月上旬からニコライエフスク奪回作戦を実施。劣勢の赤軍派はニコライエフスク撤退に先立つ5月21日にパルチザンと家族以外の全員の殺害と市街の破壊を開始し、5月24日には拘留していた尼港守備隊・居留民122人と入院していた尼港守備隊負傷兵17名を殺害、5月25日に市街を焼き払った。ニコライエフスク住民の半分にあたる6000人（うち尼港守備隊・日本人居留民730人）が殺害されたとされ、6月3日に日本軍先発隊が市街に到達した時には死体と瓦礫の山になっていた。赤軍派は当初日本軍の先制攻撃を撃退して壊滅させたとプロパガンダに利用したが、生き残った住民の証言などでニコライエフスクの破壊状況が明らかになると欺しきれなくなり、7月9日にトリピアーツィンを銃殺刑にしている。中華民国艦による銃砲撃に関し、中華民国政府はパルチザンに武器を貸しただけと虚偽の説明を行い、艦長を解任、３万元の賠償金で政治決着した。日本では陸軍大臣が責任を問われて辞任し、日本軍はシベリアからの撤退を延期、安全確保と賠償金代わりに北樺太を占領している。参考：歴史群像4,’17、月刊軍事研究9,’09、日本海軍特務艦船史

＜ニコバル級＞：インド海軍部隊輸送艦。満載排水量19000トン。兵員1200名を輸送可能。３隻が配備された。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ニコライエフ＞：ソ連海軍カーラ級ミサイル巡洋艦Nikolayev。1968年6月25日起工、1969年8月13日艦籍編入、1969年12月19日進水、1971年10月2日軍艦旗掲揚、12月公試開始。53日間の造船所公試で4480海里、28日間の国家公試で3508海里航行し、巡航速力公試では18ノットで航続距離7100海里（燃費は１海里あたり257kg）、最大速力公試では33ノットで航続距離2270海里（燃費は１海里あたり802kg）を記録した。12月31日竣工。1972年2月8日、黒海艦隊に編入された。3月11日、黒海艦隊第70対潜艦旅団に編入された。11月5日、黒海艦隊第11対潜艦旅団に編入された。1973年2-6月、ウゼル対潜演習とナカト対潜演習に参加。1975年5-8月、地中海と大西洋で作戦任務に就き、シリアとユーゴスラビアを訪問した。作戦任務中にヘリコプターが墜落して２名が死亡する事故を起こしている。1976年からニコライエフで修理に入り、M-11艦対空ミサイルを近代化した。1979年、作戦任務に復帰。1981年3月、訓練中にVDSが潜水艦に接触して破損した。同型艦アゾフのソナーを臨時に搭載して4月にキューバを訪問。1982年8月25日、黒海艦隊第30対潜師団第21対潜艦旅団に配属された。1982-83年、ブルガリアを訪問した。1983年10月、太平洋に回航され、途中でアンゴラ、モザンビーク、インドを訪問した。1984年2月27日、太平洋艦隊第10作戦艦隊第175ミサイル艦旅団に編入された。10月、オホーツク海で対潜演習に参加。1985年3月1日、太平洋艦隊第30対潜師団第183対潜艦旅団に編入された。その後真珠湾強襲を想定した大演習に参加し、LHA-1タラワに仮想攻撃を行った。1986年7月16日夜、宗谷海峡付近で訓練中に61型大型対潜艦ストロイギーが右舷前部に衝突し、士官室や対潜ミサイル発射機を損傷した。応急修理を受けて黒海に回航され、1987年11月に修理と11342型への改装が始められたが、予算不足とソ連崩壊で工事は中断され、1992年9月30日に除籍された。1994年8月、インドにスクラップとして売却された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09、3,’92増刊

＜ニコライ・シピャーギン＞：ロシア海軍プロジェクト22160コルベット６番艦Nikilai Sipiagin。2018年1月13日起工。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ニコライ・ズーボフ＞：ロシア海軍プロジェクト23550砕氷哨戒艦２番艦Nikolai Zubov。2018年起工予定。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜ニコライ・チカー＞：ロシア海軍バクラザン型航洋曳船。2019年4月28日0600頃、プロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートのアドミラル・ゴルシコフ、カリーニングラードネフチ型補給艦カマ、エルブラス級補給支援艦エルブラスと共に、下対馬南西220kmを北東に航行するのを、第１航空群 P-3CとMSC-601ひらしまが確認した。その後これらは対馬海峡を北上し、日本海に向かっている。5月11日1000頃、プロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートのアドミラル・ゴルシコフ、エルブルス級航洋曳船エルブルスと共に、北海道松前半島白神岬西160kmを東に航行するのを、第２航空群 P-3CとPG-825わかたかが確認した。その後これらは津軽海峡を東に進み、太平洋に向かっている。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜ニコライ・フィリチェンコフ＞：ソ連海軍アリゲーター級揚陸艦Nikolai Fil’chenkov。1975年就役。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜ニコラエフ級＞：スラヴァ級（ミサイル巡洋艦）を参照。

＜ニコラス＞：DD-449（駆逐艦）またはFFG-47（フリゲート）を参照。

＜ニコラス・ブラヴォ＞：メキシコ海軍ブロンスタイン級護衛艦Nicolas Bravo。元はアメリカ海軍ブロンスタイン級護衛艦 DE-1038マックロイである。1993年就役。2013年6月19日、海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船9,’96、10,’13

＜ニコルソン＞：DD-442（リバモア級駆逐艦）またはDD-982（スプルーアンス級駆逐艦）を参照。

＜ニコルソン・デトロイト衝突事故＞：2000年8月27日、アメリカ海軍駆逐艦DD-982ニコルソンと高速支援艦AOE-4デトロイトがヴァージニア沖100マイルで夜間洋上補給を実施、1937にニコルソンがデトロイトの舷側40-50mにつき、速力13ノットで航行しつつ燃料補給を開始した。その後両艦が接近し始めたため、ニコルソンの副長は面舵10度として艦首を離したが、今度は艦尾が近づいたため、取舵20度をとって距離を保持した。暫くして再び両艦は接近を始め、距離が30-40mになったため、ニコルソンの副長は取舵10度を下命。艦首は離れたが、３分後にまたも艦尾が近接したため、副長は懐中電灯を探して20秒ほど航海艦橋を離れていた艦長に離脱を進言した。艦長は操艦を宣言して両舷停止を命じたが、2042に衝突、ニコルソンの乗員２名が軽傷を負い、ニコルソンの修理に120万ドル、デトロイトの修理に166000ドルかかった。直接の原因は副長の操艦ミスで、他に艦長・副長の状況把握不十分や両艦が針路や速力を伝え合わなかったことなどが指摘された。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜ニコロ・ツェーノ＞：イタリア海軍ナヴィガトリ級駆逐艦Nicolo Zeno。1930年竣工。1943年9月、イタリア降伏時に自沈した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜ニコロッソ・ダ・レッコ＞：イタリア海軍ナヴィガトリ級駆逐艦Nicoloso da Recco。1930年竣工。1954年に除籍され、宿泊船となった。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜ニサン７級＞：オサ級ミサイル艇（イラク海軍）を参照。

＜霓＞：日本海軍雷型駆逐艦６番艦Niji。明治33年1月1日竣工、水雷艇（駆逐艇）に分類された。明治33年6月22日、軍艦（駆逐艦）に類別変更。明治33年7月29日、山東で座礁して沈没。明治34年4月8日除籍。参考：日本駆逐艦史

＜西アフリカ国際緊急援助空輸隊＞：2014年11月26日、国連エボラ緊急対応ミッションから日本政府に医療従事者用感染防護具の緊急支援要請があったため、11月28日の防衛会議で空自輸送機による緊急輸送を決定、防衛大臣が派遣命令を出し、国際緊急援助隊派遣法に基づいて航空支援集団隷下に西アフリカ国際緊急援助空輸隊を編成した。他に防衛大臣直轄の現地調整所も編成している。12月6日、個人防護具２万セットを積んだ第１輸送航空隊 KC-767空中給油輸送機が出国し、12月8日にガーナの首都アクラにあるコトカ国際空港に到着、国連支援本部に個人防護具を引き渡した。12月11日、部隊が任務を終えて小牧基地に帰国。参考：月刊JWings2,’15、朝雲

＜ニジェール空軍＞：

＜ニジェール空軍（１９７７年）＞：兵力50名。C-54輸送機１機、ノラトラ輸送機３機、C-47輸送機２機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ニジェール空軍（１９８９年）＞：兵力100名。C-54輸送機１機、C-130H輸送機２機、Do228輸送機２機、N-2501輸送機３機、セスナ337D連絡機２機、Do28D連絡機３機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニジェール空軍（２０１５年）＞：現役兵力100名。Su-25戦闘機２機、セスナ208偵察機４機、DA42MPPツインスター偵察機２機、C-130H輸送機１機、An-26輸送機１機、セスナ208輸送機２機、Do-28輸送機１機、Do-228-201輸送機１機、B737-700要人輸送機１機、Mi-17汎用ヘリ２機、SA342汎用ヘリ３機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニジェール軍＞：

　＜ニジェール軍（２０１５年）＞：現役総兵力5300名（陸軍5200名、空軍100名）、準軍事組織5400名（憲兵1400名、共和国防衛隊2500名、国家警察1500名）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員133名、通信中隊１個、オブザーバー２名、コートジボアールにUNOCI要員866名、歩兵大隊１個、オブザーバー４名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員４名とオブザーバー14名、リベリアにUNMILオブザーバー２名、マリにMINUSMA要員859名、歩兵大隊１個を派遣している。フランス軍Barkhane作戦要員350名、戦闘攻撃分遣隊１個、ミラージュ2000C戦闘機２機、ミラージュ2000D戦闘機２機、UAV分遣隊１個、ハーファング無人機２機、MQ-9A無人機３機、アメリカ軍250名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニジェール陸軍＞：

＜ニジェール陸軍（１９７７年）＞：兵力2000名。偵察中隊１個、歩兵中隊５個、空挺中隊１個、工兵中隊１個からなる。M8/M20装甲車10両、60mm/81mm迫撃砲、57mm/75mm無反動砲を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ニジェール陸軍（１９８９年）＞：兵力3200名。軍管区３個、機甲偵察中隊２個、歩兵中隊６個、空挺中隊１個、工兵中隊１個からなる。M-8偵察車10両、AML-90偵察車18両、AML-60-7偵察車18両、AML-60-20偵察車、パナールM3装甲兵員輸送車14両、81mm迫撃砲30門、120mm迫撃砲15門、89mmロケットランチャーLRAC、57mm無反動砲M-18を８門、75mm無反動砲M-20を６門、20mm自走高射機関砲パナールM-3VDAを10両保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニジェール陸軍（２０１５年）＞：現役兵力5200名。軍管区３個を置く。機甲偵察隊４個、歩兵中隊７個、空挺中隊２個、防空中隊１個、工兵中隊１個、兵站群１個からなる。AML-20/-60偵察車35両、AML-90偵察車90両、VBL偵察車７両、パナールM3装甲兵員輸送車22両、WZ-523装甲兵員輸送車２両、プーマM26-15装甲車21両、81mm迫撃砲ブラント19門、82mm迫撃砲17門、120mm迫撃砲ブラント４門、75mm無反動砲M20を６門、106mm無反動砲M40を８門、20mm自走高射機関砲パナールM3VDAAを10両、20mm高射機関砲29門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニ式二四型練習機＞：ニューポール24海外シリーズを参照。

＜二式八一型練習機＞：ニューポール81E2海外シリーズを参照。

＜二式八二型練習機＞：ニューポール82E2海外シリーズを参照。

＜ニ式八三型練習機＞：ニューポール83E2海外シリーズを参照。

＜にしきどり＞：海上自衛隊ちよづる型掃海艇17番艇。元は第168号駆潜特務艇で、1949年10月20日に保管船から復帰し、海上保安庁掃海船にしきどりとなった。1952年8月1日に海上保安庁から移管され、掃海船MS-57となった。1954年7月1日、掃海艇に類別変更された。1956年4月1日、特務雑船特務６号に区分変更された。1957年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船5,’83

＜錦丸＞：MS-66（掃海艇）を参照。

＜ニシコレン＞：二式高等練習機（インドネシア空軍）を参照。

＜西澤廣義＞：日本海軍のトップエースで、ニックネームはラバウルの魔王。大正9年1月27日、長野県生まれ。昭和11年6月1日、第７期乙種予科練に入隊し、横須賀に入営、昭和14年3月に卒業し、戦闘機操縦専修コースに進んで大分空に配属された。３ヶ月の訓練で三等航空兵曹となり、教員として大村空、鈴鹿空に配属され、昭和16年10月に千歳空に配属されてマーシャル諸島ルオット島に展開した。昭和17年2月3日にラバウルで初撃墜を記録。2月10日、第４航空隊に転属となった。3月14日、僚機と共同でP-40戦闘機６機以上を撃墜。4月1日、台南空に配属され、8月7日にはガダルカナル上空でF4F戦闘機６機を撃墜するなどの戦果を挙げ、11月までに30機を撃墜した。豊橋に戻った後、昭和18年5月1日から第251航空隊の一員としてラバウルに進出、9月1日からは第253航空隊配属となり、10月下旬に本土に戻った。この間、草鹿南東方面艦隊長官から軍刀を授与されている。11月、飛曹長となった。昭和19年2月末、第203航空隊に配属された。5月中旬、幌筵島に移動。9月、フィリピン方面に移動。10月、捷一号作戦発動に伴い10月24日にルソン島マバラカットに進出。10月25日、神風特攻隊敷島隊の直掩隊長として出撃、F6F戦闘機２機を撃墜してセブ島基地に着陸した。10月26日、零式輸送機でマバラカットに帰還する途中、ミンドロ島カラバン上空で空母CV-18ワスプ所属F6F戦闘機の攻撃を受けて戦死し、二階級特進で中尉となった。葬儀は昭和22年12月2日に行われている。昭和18年6月以降は部隊が個人撃墜記録の記入をしなくなったために総撃墜機数は諸説あるが、最も信頼ある数字としては87機である。共同撃墜を含めると150機に達する。参考：月刊丸1,'15増刊、日本海軍戦闘機隊、ラバウル航空戦、月刊JWings7,’10、戦闘機のしくみ

＜西住小次郎＞：日華事変に戦車第５大隊の小隊長として参加。徐州会戦で戦死した際の乗車に銃弾痕1300発が残されており、日本で展示されている。戦死時の階級は中尉で、特進により大尉となった。参考：日本戦車隊戦史

＜西太平洋海軍シンポジウム＞：WPNSと略す。西太平洋地域の多国間海軍協力の枠組みで、加盟各国海軍の連携強化、上級下士官のリーダーシップ開発、制度に関する情報交換を目的とし、２年に１度開催され、海軍トップらが参加する。1990年は11月26-28日に行われ、海自が初参加した。1996年11月26-27日、海自初主催の国際会議として東京で実施。2014年4月22-23日、中国の青島で行われ、海幕長が参加（海幕長の中国訪問は2009年7月以来５年振り）した。洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準CUES（Code for Unplanned Encounters at Sea）を参加国の全会一致で採択している。8月18-22日、第６回がマレーシアのクアラルンプールで開催され、海自から先任伍長が参加した。2018年10月12日、韓国の済州島で開催され、49カ国が参加した。海自からは海幕長が参加し、韓国海軍参謀総長に対し韓国海軍国際観艦式に関して遺憾の意を表明する一方、防衛協力推進で一致した。また、アメリカ海軍太平洋艦隊司令官、ロシア海軍副司令官、オーストラリア海軍本部長、ベトナム海軍司令員らとも会談している。2022年6月8-11日、ワークショップ2022を横浜ロイヤルパークで実施。オンラインと併用で加盟21カ国（ロシアはウクライナ侵略のため招待取り消し）とオブザーバー６カ国が参加し、11月のシンポジウム開催に向けた準備会合や、自由で開かれた海洋をテーマとする意見交換を行った。11月7-8日、横浜ロイヤルパークホテルで開催され、メンバー国アメリカ、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、カンボジア、シンガポール、タイ、中国、チリ、トンガ、日本、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジー、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、ペルー、マレーシアと、オブザーバー国イギリス、インド、コロンビア、スリランカ、パキスタン、バングラデシュの計27カ国から海軍参謀長らが参加し、自由で開かれた海洋－次世代のための協調的取り組みをテーマとする意見交換などを行った。参考：朝雲、月刊世界の艦船6,’22、1,’23

＜西太平洋海軍シンポジウム下士官交流プログラム＞：WPNS・ELIPと略す。ニュージーランド主催の中級下士官級交流プログラムである。2023年5月1-5日に初開催され、18カ国から40名（海幕から２名）が参加し、グループ討論、各国海軍についての発表、デヴォンポート海軍基地・ウェヌアパイ空軍基地見学、文化研修などを行った。参考：朝雲

＜西太平洋海軍シンポジウム次世代士官セミナー＞：WPNS・SONGと略す。海上自衛隊が1998年から行っていた各国海軍との交流会である。第７回は2009年10月19-23日に海自幹部学校で行われ、指揮幕僚課程学生31名とアメリカ、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、カンボジア、シンガポール、タイ、中国、チリ、トンガ、ニュージーランド、パプアニューギニア、バングラデシュ、フィリピン、フランス、ベトナム、ペルー、マレーシア、メキシコの20カ国20名が参加し、リーダーシップのあり方や、アジア太平洋地域の海洋安保と各国情勢認識について討議した。2011年から西太平洋海軍シンポジウム次世代士官短期交流プログラムに改称された。参考：朝雲

＜西太平洋海軍シンポジウム次世代士官短期交流プログラム＞：WPNS・STEP（Short Term Excange Program for officers of the next generations）と略す。西太平洋海軍シンポジウム次世代士官セミナーを発展させたもので、海自幹部学校指揮幕僚課程学生と他国の若手海軍士官との交流により、日本についての認識を深め、相互理解を促進するのが目的である。第１回は2011年10月3-14日に海自幹部学校で開催され、学生40名とUAE、アメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、カンボジア、サウジアラビア、シンガポール、中国、タイ、チリ、トルコ、ニュージーランド、バングラデシュ、フィリピン、フランス、ペルーの20カ国22名が研究発表や研修などを行った。第２回は2012年10月13-25日に海自幹部学校などで開催され、UAE、アメリカ、インド、オーストラリア、オマーン、カナダ、韓国、中国、チリ、トルコ、ニュージーランド、バーレーン、メキシコ、ASEAN諸国など19カ国の少佐・大尉クラスの海軍士官が参加した。第３回は2013年10月23日から11月3日に海自幹部学校で開催され、アメリカ、アラブ首長国連邦、インドネシア、オーストラリア、オマーン、カナダ、韓国、カンボジア、サウジアラビア、ジブチ、シンガポール、スリランカ、タイ、チリ、トンガ、バーレーン、パキスタン、バングラデシュ、ブルネイ、ペルー、マレーシア、メキシコの22カ国から海軍士官23名が参加し、講義、部隊研修、日本文化研修、研究発表などが行われた。第４回は2014年10月15-25日に海自幹部学校で開催され、UAE、アメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、オマーン、カナダ、韓国、カンボジア、サウジアラビア、シンガポール、スリランカ、タイ、チリ、トンガ、ニュージーランド、バーレーン、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、ペルー、マレーシア、メキシコの26カ国から28名が参加し、開かれ安定した海洋の希求をテーマに会合を実施、文化研修や基地研修も行った。2015年は10月13-23日に海自幹部学校で開催され、第63期指揮幕僚課程学生36名と、イギリス、ドイツ、コロンビアなど24カ国（イギリス、コロンビア、ドイツ、ミャンマー、モルディブが初参加）の海軍士官24名が海洋安全保障の促進をテーマに意見交換を行った。第６回は2016年10月18-28日に海自幹部学校で開催され、中国など25カ国から26名が参加、シーパワーの新たな時代をメインテーマとする研究会、文化研修、艦艇研修、自衛隊記念日観閲式見学などを行った。第７回は2017年10月17-27日に海自幹部学校で開催され、アメリカ、イタリア（初参加）、オーストラリア、バングラデシュなど25カ国27名が参加し、第65期指揮幕僚課程学生との講義や研究会、DDH-183いずも研修、21世紀のアジア太平洋地域における海洋安全保障をテーマとした議論などを行った。第８回は2018年10月9-19日に海自幹部学校で開催され、UAE、アメリカ、イタリア、オーストラリア、カナダ、韓国、チリ、ドイツ、フランス、マレーシアなど24カ国から少佐・大尉級若手士官26名が参加し、今後の海軍の役割をメインテーマとする研究会、文化研修、部隊研修などを行い、自衛隊記念日中央観閲式を見学した。第９回は2019年10月8-18日に海自幹部学校で開催され、67期指揮幕僚課程学生と29カ国（ブラジルが初参加）の海軍少佐・大尉32名が参加し、自由で開かれた海洋における海軍間協力をメインテーマとする討議を行った。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された。第10回は2021年10月25-29日に海自幹部学校で対面・オンライン併用で実施され、37カ国43名が参加し、海軍は環境の変化にいかに適合していくかをメインテーマとした意見交換、海自部隊研修、バーチャルツアーなどを行った。第11回は2023年10月18-25日に海自幹部学校で開催され、指揮幕僚課程在籍幹部自衛官34名と、アメリカ、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、エクアドル、オマーン、オーストラリア、カナダ、カンボジア、サウジアラビア、シンガポール、タイ、韓国、中国、チリ、ニュージーランド、バーレーン、パプアニューギニア、フランス、フィジー、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、メキシコ、モルディブの27カ国から海軍大学等の少佐・大尉級学生29名が参加し、講義、各国発表、研修、研究会を行った。第12回は2024年10月8-17日に海自幹部学校で開催され、UAE、アメリカ、イタリア、インド、インドネシア、オマーン、オーストラリア、韓国、カンボジア、コロンビア、サウジアラビア、ジブチ、シンガポール、スリランカ、タイ、中国、チリ、ドイツ、トンガ、バーレーン、パキスタン、パプアニューギニア、バングラデシュ、フィジー、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシアの28カ国から少佐・大尉級学生が参加し、講義、レセプション、各国発表、部隊・文化研修、研究会を行った。参考：朝雲、月刊世界の艦船12,’12、12,’17

＜西太平洋海軍シンポジウム上級下士官会同＞：WPNS SELWG（Senior Enlisted Leaders Working Group）と略す。各国海軍上級下士官がリーダーシップや部下育成などに係る情報交換を通じて安全保障分野での下士官レベルでの協力・信頼を醸成し、日本周辺の安全保障環境や歴史・文化に対する理解を促進して他国間協力を推進する土台を作るのが目的である。2009年、海自が初主催した。2023年12月5-7日、海自が主催（２回目）してWPNS SELWG 2023を実施。海自から60名と、アメリカ、インド、インドネシア、イギリス、オーストラリア、カナダ、韓国、カンボジア、シンガポール、チリ、ニュージーランド、フィジー、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、ペルー、マレーシアから最先任下士官ら30名が参加し、ホテルメトロポリタンエドモントで発表・講演・グループ討議、関東周辺で部隊等研修（FFM-2くまのなど）・文化研修、第２術科学校で庁内託児所田浦このはな保育園園児とのクリスマスプレゼント交換を行った。参考：海上自衛隊ホームページ、月刊世界の艦船3,’24、朝雲

＜西太平洋海軍シンポジウム上級下士官シンポジウム＞：海上自衛隊が主催する国際シンポジウム。下士官の国際交流を図り、海自先任伍長制度を発展させるのが目的である。第３回は10月20-22日に海幕などで行われ、海自の他、アメリカ、オーストラリア、韓国、シンガポール、タイ、チリ、ニュージーランド、フランス、ブルネイ、マレーシアの10カ国10名が参加し、観艦式（予行）の研修などを実施した。2016年は11月12-18日にニュージーランドのオークランドで開催され、海自先任伍長など14カ国の上級下士官が参加した。参考：朝雲

＜西太平洋水上艦群＞：アメリカ海軍の組織、略称CNSGWP（Commander, Nacal Surface Group Western Pacific）。DDG-62フィッツジェラルドとDDG-56ジョン・Ｓ・マッケーンが立て続けに衝突事故を起こし、練度とシーマンシップの向上が急務とされたために新編されたもので、日本に前方展開する水上艦の維持整備や、乗員の訓練と資格認定が主任務である。2017年10月、西太平洋水上艦群分遣隊として仮発足し、2018年4月11日に正式に編成された。参考：月刊世界の艦船11,’18、7,’18

＜西太平洋潜水艦救難訓練＞：パシフィック・リーチを参照。

＜西太平洋掃海訓練＞：Weastern Pacific Mine Countermeasure Exercise（WPMCMEX）。インドネシア海軍とシンガポール海軍が主催する多国籍掃海訓練で、参加各国の掃海技術向上と相互理解を目的とする。2001年6月に初開催された。参考：月刊世界の艦船9,’01、10,’15、7,’19、朝雲

　＜西太平洋掃海訓練２００１＞：第１回で、2001年6月11-22日にシンガポールが主催して南シナ海で実施された。参加したのはシンガポール（フィアレス級哨戒艇ブレイブ、同デアリング）、アメリカ（MCM-5ガーディアン、MCM-7ペイトリオット、MCS-12インチョン、CH-46D輸送ヘリ、MH-53E掃海ヘリ）、インドネシア（掃海艇プラウ・ルパト、コンドルⅡ型掃海艇２隻）、海上自衛隊（MST-464ぶんご、MSO-301やえやま、掃海艇１隻）など16カ国で、艦艇は６カ国から15隻が派遣されている。参考：月刊世界の艦船9,’01

　＜西太平洋掃海訓練２０１５＞：第６回、WPMCMEX15。2015年8月25-31日にシンガポールとインドネシア周辺海域で実施された。海上自衛隊から隊員190名、MST-464ぶんご、MSC-688あいしま、MSC-691ししじまが参加し、掃海訓練や潜水訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船10,’15、朝雲

＜西太平洋対機雷戦・潜水演習＞：西太平洋海軍シンポジウム（WPNS）参加国が行っている多国間演習。第４回は2011年3月25日に開催され、11カ国が参加した。海上自衛隊も掃海艦艇を派遣する予定だったが、東日本大震災で中止している。参考：JShips VOL.44

＜西筑波飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和14年、茨城県筑波郡作岡村に開設された。昭和18年春、滑空飛行第１戦隊が新編された。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく陸軍大臣所管の機密飛行場に指定された。参考：首都防空網と空都多摩、月刊丸4,’99

＜西ドイツ軍＞：ドイツ連邦軍を参照。

＜西ドイツ赤軍派＞：RAFと略す。西ドイツの極左テロ組織で、元は弁護士のアンドレアス・バーダー（1943年生まれ）及び女性記者のウルリーケ・マインホーフ（1934年生まれ）が中心となって設立した組織である。1968年からゲリラ活動を行っており、直後にバーダーは逮捕されたが、1970年5月に仲間が刑務所を襲撃して奪還、西ドイツ赤軍派を結成した。1972年5月11日、フランクフルトのアメリカ軍将校クラブを爆破し、１人を殺害、13人を負傷させた。5月19日、アクセル・スプリンゲル出版グループ本社ビルを爆破して19人を負傷させた。5月24日、ハイデルベルクの在欧アメリカ軍司令部を爆破、３名を殺害し、５名を負傷させた。6月までにバーダーとマインホーフを含む主要メンバーが逮捕された。1974年11月10日、西ベルリン高等裁判所判事を殺害。1975年2月27日、キリスト民主同盟ベルリン支部長を誘拐、引き替えにテロリスト５人を釈放させた。4月24日、ストックホルムの西ドイツ大使館を占拠、マインホーフらの釈放要求を行った。強行突入を受けて外交官２人を殺害、大使館を爆破している。1976年、マインホーフが独房内で自殺。1977年4月7日、連邦検事総長を短機関銃で殺害。7月31日、ドレスナー銀行総裁を拳銃で射殺。9月5日、西ドイツ経営者連盟会長兼工業連盟会長を誘拐。引き替えにバーダーらの釈放を要求したが交渉は難航、10月13日のパレスチナ解放人民戦線によるルフトハンザ航空機ハイジャック事件でも同様の要求が出されたが、GSG9の突入で解決したため、10月19日にバーダーら２人が刑務所内で拳銃自殺し、他１人が首を吊った。同日、西ドイツ経営者連盟会長兼工業連盟会長も射殺体で発見された。1979年6月25日、NATO軍司令官の車列をブリュッセル近郊で爆破、護衛２名を負傷させた。1981年2月21日、ミュンヘンの自由ヨーロッパ放送ビルを爆破、９人を負傷させた。5月11日、ヘッセン州カリー経済相を狙撃して殺害。8月18日、西ベルリンのアメリカ軍駐屯地で鉄パイプ爆弾を爆破させた。8月31日、ラムシュタインのアメリカ軍基地司令部に自動車爆弾を仕掛け、20名を負傷させた。9月15日、在欧米軍司令官の車をRPG-7対戦車ロケットで襲撃、２発を発射したが、１発は外れ、もう１発はベンツの特殊装甲に阻まれ、司令官夫妻は軽傷で済んだ。1985年2月1日、MTU社社長を自動小銃で射殺。8月7日、軍人１名を射殺して身分証を奪い、翌8日にアメリカ空軍ラインマイン基地に自動車爆弾を仕掛けて２名を殺害、17名を負傷させた。1986年5月5日、キルヒハイムボランデン郊外にあるアメリカ軍燃料施設を爆破。7月9日、ジーメンス社の電気研究部長の車を遠隔操作爆弾で爆破、部長を殺害した。7月25日、ドルニエ社本社で自動車爆弾を爆破させた。10月10日、外務省政策第一局長を射殺。10月25日、ケルンのルフトハンザ航空事務所を爆破。1988年8月20日、経済省次官の乗った車を銃撃。1989年11月30日、ドイツ銀行頭取の車を遠隔操作爆弾で爆破し、頭取らを殺害した。1990年7月27日、内務次官を襲撃して負傷させた。10月12日、内相を狙撃して負傷させた。1991年2月13日、在ドイツアメリカ大使館を銃撃。4月1日、信託公社総裁を殺害。1992年4月、人民結集の力を失ったとの声明を出してテロ休止宣言を出した。1993年3月27日、刑務所を爆破。4月30日のアメリカ国務省テロ白書では、中核メンバー10-20人と支援メンバー数百人から構成され、スペインの反ファシスト抵抗組織と連携して活動を行っていると記されている。参考：月刊丸10,’93

＜ニジニ・タジル戦車工場＞：ソ連の戦車工場。床面積82万７千平方メートル。1980年頃にはT-72戦車を年間2500両ほど作っていた。参考：ザ・マーチ33号

＜ニジニ・ノブゴロド＞：K-534（原潜）を参照。

＜西日本豪雨＞：正式には北海道から九州まで豪雨だったので平成30年7月豪雨。2018年7月5-8日の西日本を中心とする豪雨で、岐阜県から長崎県まで11府県に大雨特別警報が発令されて23府県360万世帯863万人に避難指示・避難勧告が出され、九州から中部地方にかけて死者・行方不明者229人、負傷者376人、住宅損壊12000棟、床上・床下浸水35000棟の大被害が発生、京都府、高知県、福岡県、広島県、岡山県、愛媛県、山口県、兵庫県から自衛隊に災害派遣要請が出された。自衛隊は特別警報発令を受けて非常勤務態勢を執っている。7月5日1640、第３師団第７普通科連隊が京都府庁に連絡幹部２名を派遣。7月6日、海上保安庁が現地管区本部に対策室を設置。0110、京都府内の河川増水で京都府知事から災害派遣要請が出され、第７普通科連隊と中部方面後方支援隊が京都市内で堤防補強の土嚢積みを初めとする水防活動を開始。0330、高知県内の河川が堤防を越えてあふれ出し、安芸市で孤立者が発生したため、高知県知事から第14旅団第50普通科連隊に孤立者救助の災害派遣要請が出された。0956、福岡県北九州市で土砂崩れが発生し、住民２人が行方不明になったため、福岡県知事から第４師団に災害派遣要請が出され、第40普通科連隊と第４施設大隊が救助活動に入った。その後孤立者救助と道路啓開の追加派遣要請が出され、第２施設群が飯塚市で孤立住民輸送、第９施設群が筑前町で道路啓開作業を開始。1358、防衛省が災害対策連絡室を設置。1835、京都府知事が第７普通科連隊に水防活動の災害派遣要請を発出。2100、広島県で土砂崩れが発生したため、広島県知事が第13旅団に人命救助の災害派遣を要請。運悪く旅団長・幕僚長以下主力2400名は協同転地演習で矢臼別演習場におり、海田市駐屯地に残っていた副旅団長が留守を預かる隊員1000名の指揮を執って対応、災派要請前に海田市駐屯地から広島県庁と広島市役所、第17普通科連隊から山口県庁、第13特科隊から岡山県庁にそれぞれ連絡幹部を送り込み、第46普通科連隊は人員呼集と物品積載を済ませていた。二次災害の危険から幕僚は明るくなってからの派遣を進言したが、副旅団長は人命救助最優先ということでファスト・フォースの派遣を決心し、2143にファスト・フォース20名を出動させている。2100、YDT-04水中処分母船４号の乗員に呼集がかけられ、船内待機に入った。2311、岡山県高梁市や倉敷市で孤立者が発生したため、岡山県知事が第13旅団に災害派遣を要請、第13特科隊や第４施設団第305施設隊など80名が救助に向かった。7月7日、海上保安庁が本庁に災害対策本部を設置し、現地管区本部対策室を対策本部に改組した。広島県呉市で呉造修補給処貯油所の警備犬が捜索を実施。YDT-04水中処分母船４号が捜索隊（作業隊、警備犬班、移動衛生隊）40名を乗せて呉基地を出港、呉市阿賀沖300mからボートで捜索隊を上陸させた。0610、京都府綾部市で土砂崩れが発生したため、京都府知事が第７普通科連隊に人命救助の災害派遣を要請。第７普通科連隊75名と中部方面航空隊が捜索救助に入った。舞鶴市でも土砂崩れが起き、舞鶴地方総監部に人命救助の災害派遣要請が出され、舞鶴教育隊などが出動した。愛媛県松山市で土砂崩れが発生したため、愛媛県知事が中部方面特科隊に人命救助の災害派遣要請を発出。1020、防衛省が災害対策室を設置。1030、防衛省が省関係幹部会議を開催。夕方までに海保は巡視船艇25隻と航空機５機を派遣。7月8日、政府が災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置。第13旅団長が協同転地演習先の矢臼別演習場から海田市駐屯地に帰還。第14飛行隊が水600本と食料1690食を愛媛県に輸送。呉地方隊がDDH-184かが、DD-105いなづま、LST-4002しもきた、乗員宿泊施設からす小島艦艇乗員待機所で入浴支援を開始。呉音楽隊は入浴後の慰問演奏を行った。江田島市民はエアクッション艇整備場からLCACで呉基地に輸送したが、人員輸送用モジュールPTMの居住性が劣悪（特に夏場は熱気が籠もる上、この年は記録的な猛暑だった）なため、中に入っている時間が最小限になるよう配慮している。YDT-04水中処分母船４号が非常食と水15リットル入りポリタンクの沖合からの輸送を開始。0500、兵庫県宍粟市で土砂崩れが発生したため、兵庫県知事が第３特科隊に人命救助の災害派遣を要請。0800、防衛省が災害対策本部を設置。0940、防衛省が省災害対策本部会議を開催。陸上総隊司令部が全方面隊に災害派遣に関する命令を発出し、災害派遣活動を開始。1745、行方不明者発見に伴い、兵庫県での人命救助活動を終了した。この日までに第４施設団、中部方面混成団第49普通科連隊、第13特科隊などが岡山県倉敷市など５市で1066人を救助した。7月9日、中部方面ヘリコプター隊がパン24000食を輸送。第37普通科連隊などが広島県の７市町で８人を救助。第10師団第10特科連隊などが岡山県で493人を救助。呉基地でDD-113さざなみ、AOE-422とわだが入浴支援を開始。後にDD-106さみだれ、ASR-403ちはやも加わった。YDT-04水中処分母船４号が飲料水を輸送し、乗員が呉市倉橋島地区で給水支援を行った。北部方面隊入浴支援隊（第２師団、第５旅団、第11旅団の隊員24名、車両12両）が駐屯地を出発し、四国に向かった。広島空港への給水を西部航空方面隊が担当することになり、プッシュ型支援による給水支援部隊前方展開を開始、宇和島市に連絡幹部を派遣して陸自及び市役所との調整に入った。0200、第１師団第１後方支援隊が練馬駐屯地を出発して現地に向かった。7月10日、春日ヘリコプター空輸隊がCH-47J輸送ヘリでスポットクーラー20台を福岡市から愛媛県伊予市に輸送。土佐清水通信隊が宇和島市民病院で給水支援29トンを実施。第50普通科連隊と航空学校が高知県安芸市でガソリンなどを輸送。広島と呉を繋ぐ道路が全て瓦礫で埋まり、呉市内が燃料不足に陥ったため、統幕がLST-4002しもきたに対してタンクローリー輸送支援を下命、呉を出港して宇品港で大型タンクローリー７両（うちトレーラータイプ３両）を乗せ、呉に運び込んだ。事前にタンクローリーの諸元が入手できなかったため、宇品港到着後に乗員が車体を計測するなどして対応している。これに伴いLST-4002しもきたによる入浴支援が行えなくなったため、呉基地に緊急展開型入浴支援セットを開設し、大和の湯と名付けて入浴支援を引き継いだ。舞鶴地方隊水中処分隊員が舞鶴市高野川河口で行方不明者捜索を実施。広島県で４人、舞鶴市で１人、倉敷市で１人の行方不明者を発見した。午後、北部方面隊入浴支援隊が愛媛県宇和島市吉田公民館に熊乃湯を開設し、入浴支援を開始。7月11日現在、自衛隊は隊員30000名、艦艇24隻、航空機38機などで活動を実施。安倍総理が羽田空港からU-4多用途支援機で岡山空港に到着、第１ヘリコプター団 CH-47JA輸送ヘリで被災地上空を視察した。その後岡南飛行場に着陸して自動車で被災地を周り、岡山空港からU-4多用途支援機で羽田空港に戻っている。第３輸送航空隊 C-2輸送機が美保基地から広島空港に給水車などを輸送。第２高射群、第３輸送航空隊、航空教育隊、第12飛行教育団などの給水車が広島空港と周辺で給水支援を開始。西部航空警戒管制団が宇和島市民病院で給水支援を開始。YDT-04水中処分母船４号が呉市下蒲刈島の病院に対する給水支援を開始し、島の岸壁に横付けして陸自給水車に真水を供給、病院へと運んだ。1751、小野寺防衛大臣が即応予備自衛官に災害等招集命令を発出。第47普通科連隊が衛生小隊即応予備自衛官を招集。7月12-13日、鳥取地本が鳥取在住即応予備自衛官17名に招集命令書を交付。7月12日、協同転地演習を切り上げて戻った第13旅団主力が活動に加わった。即応予備自衛官が活動を開始。東方広域防疫隊が被災地に向け出発。広島県で行方不明者４人を発見。第３後方支援連隊と需品学校が倉敷市で入浴支援を実施。海自第１術科学校と幹部候補生学校の学生が瓦礫撤去作業や給水支援を開始。京都地本が京都府在住即応予備自衛官17名に招集命令書を交付。三重地本が県内予備自衛官11名に招集命令書を交付。夜、第７航空団管理隊の隊員６名と警備犬６頭からなる救助犬分隊が海田市駐屯地に到着。7月13日、安倍総理が愛媛県を視察し、隊員を激励。第３輸送航空隊 C-2輸送機が北海道の中標津空港で陸自隊員や車両などを乗せ広島空港に輸送。7月14日、中部方面ヘリコプター隊第３飛行隊CH-47J輸送ヘリが日本原駐屯地で中部方面混成団第47普通科連隊即応予備自衛官を乗せて広島に輸送。第13飛行隊UH-1J多用途ヘリが上空からの偵察を実施。第15即応機動連隊などが行方不明者２人を発見。海自第１術科学校と呉教育隊が倒木などを撤去。三重県内即応予備自衛官19名が久居駐屯地に集結。7月15日、第７航空団救助犬分隊が行方不明者２名を発見。即応予備自衛官206名の招集を完了。海自第１術科学校と幹部候補生が瓦礫除去を実施。第８師団第８特殊武器防護隊を基幹とする広域防疫隊10名が倉敷市で防疫活動を実施。はくおうが広島県三原市の尾道糸崎港で入浴支援を開始。防衛装備庁10名と統幕・中国四国防衛局・中央輸送業務隊・中部方面輸送隊・中部方面隊看護官ら30名からなる派遣隊が支援を行い、第13音楽隊が船内演奏を実施、805人が入浴した。7月16日、小野寺防衛大臣が海田市駐屯地、江田島地区、DDH-184かがを視察し、隊員を激励した。第15即応機動連隊などが行方不明者５人を発見した。1600現在、海保の派遣規模は延べ巡視船艇276隻、航空機61機で、244人（うち被災者54名）を輸送し、患者・医師計67人を搬送した。7月17-18日、第111航空隊 MCH-101掃海輸送ヘリが洋上からの行方不明者捜索を実施。7月17日、第49普通科連隊などが広島県で行方不明者１人を発見。岡山県倉敷市の道路啓開のため隊員1000名、ダンプカー70両、重機20両を増派。第12旅団第12化学防護隊が呉市安浦中学校で防疫活動を実施。三重県内即応予備自衛官１名が豊川駐屯地に出頭し、広島県に向かった。三重県から派遣された即応予備自衛官８名が三重に帰還。0800、防衛省で災害対策本部会議を実施。7月18日現在の派遣規模は、隊員31250名、連絡幹部300名、航空機38機、艦艇28隻。この日までの活動実績は、人命救助2200人以上、給水支援13000トン以上、入浴支援40000人、給食支援10000食、道路啓開34km、瓦礫処理トラック2300両分、物資輸送水120000本・食糧70000食・燃料125キロリットル。芦屋救難隊 UH-60J救難ヘリが洋上で行方不明者捜索を実施。第１輸送航空隊 C-130H輸送機が小牧基地から松山空港に食糧を輸送。中国四国防衛局が呉市内の避難所から陸自入浴拠点までの被災者車両送迎を開始。7月19日、防衛省で災害対策本部会議を実施。広島市で行方不明者１人を発見。第６施設群第370施設中隊が呉市で決壊堤防の応急工事を実施。第１輸送航空隊 C-130H輸送機と第３輸送航空隊 C-2輸送機が飲料水など60000本を広島空港に輸送。第７航空団救助犬分隊が撤収。7月20日、第13旅団司令部付隊、第４護衛隊群、南西航空警戒管制団などが給水支援1151トンを実施。7月21日、安倍総理が広島県を視察し、隊員を激励した。第８特殊武器防護隊などが防疫支援1.8ヘクタールを実施。7月22日、小野寺防衛大臣が愛媛県と岡山県の被災地を視察し、隊員を激励した。防衛省で災害対策本部会議を実施。中部方面輸送隊、第４後方支援連隊などが呉市絆ホールから避難所に物資を輸送。第102施設器材隊などが倉敷市で瓦礫除去を実施。7月23日現在の派遣規模は、隊員31250名、連絡幹部300名、航空機38機、艦船28隻（はくおう含む）。この日までの活動実績は、人命救助2200人以上、給水支援20000トン、入浴支援60000人、給食支援15000食、道路啓開37km、瓦礫処理ダンプカー8000両分、土のう作成5200袋、物資輸送水180000本・食糧70000食・燃料125キロリットル。7月23日、第８・第13特殊武器防護隊が呉市で防疫支援を実施。広島地本が県防衛協会と県自衛隊退職者雇用協議会から活動隊員への激励品を寄贈された。7月24日、広島県自衛隊家族会が海田市駐屯地と呉基地を訪問し、激励品を贈呈した。7月25日、第17・第47普通科連隊と海自第１術科学校が江田島市と府中町での瓦礫除去活動を終了。第13戦車中隊が新見市での給水支援を終了。第14施設隊と第50普通科連隊が宇和島市の道路啓開を終了。第50普通科連隊と第14高射特科隊が宇和島市吉田中学校での防疫活動を終了。岡山県自衛隊家族会が三軒屋駐屯地を訪問し、激励品を贈呈した。7月26日、第２移動通信隊などが宇和島市で給水支援85トンを実施。第13特殊武器防護隊が府中町の防疫支援を終了。中部方面特科隊が宇和島市白浦共選場での給水支援を終了。第11後方支援隊が宇和島市深浦地区での入浴支援を終了。7月27日、第14後方支援隊、第14特殊武器防護隊、西部航空警戒管制団、空自第３術科学校、第２移動通信隊が給水支援を終了。7月28日、山崎陸幕長が第８普通科連隊を視察し、隊員を激励した。中部方面特科隊が大洲市での災派活動を終了。7月29日、広島県三原市の断水解消に伴い、はくおうが尾道糸崎港での入浴支援を終了。台風12号接近に伴い、西日本の全自衛隊が即応態勢での待機に入った。7月30日、第49普通科連隊と第13後方支援隊が三原市での給水支援を終了。北部方面後方支援隊などが広島市安佐北区での入浴支援を終了。愛媛県自衛隊家族会が善通寺駐屯地を訪問し、激励品を贈呈した。7月31日、三重県から派遣された即応予備自衛官が実任務を終了。8月1日、第13特殊武器防護隊などが竹原市での給水支援を終了。第13戦車中隊などが真備町での瓦礫除去活動を終了。第14後方支援隊などが大洲市での入浴支援活動を終了。8月2日、芦屋救難隊などが呉市豊島地区などで行方不明者一斉捜索を行い、捜索活動を終了した。第304施設隊などが坂町での瓦礫除去を終了。第13後方支援隊などが坂町での給水支援を終了。8月3日、はくおうが岡山県宇野港で宿泊支援を開始し、82人が宿泊した。第13特殊武器防護隊などが呉市での給水支援を終了。呉地方隊などが呉市川尻地区、三原市、竹原市での入浴支援を終了。8月5日、安倍総理が被災地を視察し、隊員を激励した。第17・第46普通科連隊が呉市と海田町で瓦礫除去活動を終了。中部方面後方支援隊などが広島市と呉市での入浴支援を終了。8月6日現在、自衛隊の派遣規模は隊員12840名、連絡幹部300名、艦船４隻（はくおう含む）、航空機10機。8月7日までの活動実績は、人命救助2200人以上、給水支援20000トン、入浴支援90000人、給食支援20000食、道路啓開40km、瓦礫処理ダンプ14000両分、土のう作成5200袋、物資輸送水180000本・食糧70000食・燃料125キロリットル。8月7日、はくおうが76人に宿泊支援を実施。8月9日、第14高射特科中隊などが宇和島市での給水支援を終了。8月10日、第13後方支援隊などが三原市などでの入浴支援を終了。第14後方支援隊が西予市での入浴支援を終了。8月10日、中国四国防衛局が呉市内の避難所から陸自入浴拠点までの被災者車両送迎を終了。職員延べ143名が車両57両で被災者延べ480人を送迎した。8月11日、第３後方支援連隊が倉敷市で入浴支援を終了。8月13日、広島県呉市や坂町などで行方不明者一斉捜索を実施。8月14日午前、広島県知事から撤収要請を受けた。8月15日、愛媛県知事からの撤収要請を受けた。はくおうが岡山県倉敷市の水島港で宿泊支援を開始。8月18日、岡山県知事の撤収要請を受け、西日本豪雨被災地における自衛隊の活動が全て終了した。派遣規模は最大時で隊員33100名、艦船28隻（はくおう含む）、航空機38機で、陸上総隊、５個方面隊、航空学校、需品学校、自衛艦隊、呉地方隊、舞鶴地方隊、第１術科学校、海自幹部候補生学校、中部・西部・南西航空方面隊、第１輸送航空隊 C-130H輸送機、第３輸送航空隊 C-2輸送機、芦屋・新田原救難隊、春日ヘリコプター空輸隊、偵察航空隊、警戒航空隊などが派遣され、LST-4001おおすみやLCAC-2105エアクッション艇５号が救援物資やコンビニトラックの輸送、DDH-184かが、DD-105いなづま、LST-4002しもきたが入浴支援を行い、防衛省がPFI方式で契約している民間フェリーのはくおうも参加し、即応予備自衛官も招集された。活動実績は人命救助2200人以上、給水支援20000トン、入浴支援94000人、給食支援20000食、道路啓開40km、瓦礫処理ダンプカー14000両分、土のう作成5200袋、物資輸送飲料水180000本、食糧70000食、燃料125キロリットルだった。10月19日、第４施設団に岡山県から感謝状が贈呈された。2019年3月6日、中部方面隊災派部隊および協同・支援部隊に岩屋防衛大臣から１級賞状が授与された。6月11日、西部方面隊に陸上総隊司令官から３級賞状が伝達された。参考：MAMOR vol.140、vol.141、月刊JWings9,’18、10,’18、月刊世界の艦船9,’18、10,’18、月刊軍事研究9,’18、朝雲

＜西宮海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。兵庫県西宮市にある。飛行予科練習生教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜西原五郎＞：日本陸軍エース。大正5年、佐賀県生まれ。昭和10年、飛行第４連隊に入隊し、昭和12年6月に熊谷飛行学校に入学、昭和13年2月に飛行学生を卒業し、飛行第24戦隊に配属された。昭和14年6月22日、ノモンハン事件で初陣を飾り、４機（不確実１機含む）を撃墜した。8月4日、敵中に不時着した戦隊長を救出。停戦までにI-15戦闘機７機、I-16戦闘機５機を撃墜した。昭和15年末、第12飛行団司令部付きとなった。太平洋戦争では南方作戦に就き、昭和17年末に本土に帰還、明野飛行学校で終戦まで勤めた。総撃墜数12機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜西村式潜水艇＞：珊瑚の採取を目的とする民間潜水艇。全長12.8m、幅1.85m、吃水1.8m、排水量24トン。主機はディーゼル１基と電動モーター（16馬力）１基、水中速力4.4ノット。艇体前部にはマニュピレータや海底沈殿物採取筒を装備する。乗員４名。昭和14年2月の伊63衝突沈没事故の際に救難活動を行った。これにより日本海軍がほぼ同じタイプの潜水艇２隻（公称第3746号型）を昭和14年に建造し、１隻を雑役船として配備している。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、小艦艇入門、月刊世界の艦船7,’15

　＜西村式二号豆潜＞：全長11m、直径1.8m、水中排水量20トン。主機は25馬力ガソリンと12キロモーター、水上速力６ノット、水中速力３ノット。乗員４名。参考：日本潜水艦物語

　＜潜水作業船（海軍型）＞：公称第3746号型を参照。

＜西村祥治＞：明治22年（1889年）、秋田県生まれ。明治44年、海軍兵学校39期卒。大正6年、大尉に昇任。大正7年、海軍大学校航海学生卒。昭和6年、第26駆逐隊司令に着任。昭和9年、第19駆逐隊司令に着任。昭和15年、第４水雷戦隊司令官に着任。昭和18年、中将に昇任。昭和19年9月、第２戦隊司令官に着任。10月25日、捷一号作戦／比島沖海戦スリガオ海峡海戦で戦死した。最終階級は中将。参考：比島決戦

＜西山分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地（守山駐屯地の分屯）。1962年、第10師団第10偵察隊が今津駐屯地から移駐した。1967年3月、春日井駐屯地に昇格した。参考：第10師団ホームページ、今津駐屯地ホームページ

＜ニシャンＭｋ２ＴＪ＞：パキスタンのIDS社が開発したターボジェット推進型空中飛翔体、別名シー・スキミング・モジュール。全長９フィート８インチ（2.9m）、全幅９フィート２インチ（2.8m）、離陸重量42kg。最大速度370km、最大航続距離35km、滞空時間１時間。ペイロード12kg。発煙・赤外線フレア、音響・ドップラーレーダー、高度計、光学カメラなどを搭載できる。エンジンは巡航ミサイルのベースにもなるとみられる。参考：月刊軍事研究2,’03、月刊JWings1,’03

＜ニシャンク＞：K43（ミサイル艇）を参照。

＜ニス＞：K215（フリゲート）を参照。

＜ニスター＞：A15（潜水艦救難艦）を参照。

＜ニスター級＞：インド海軍潜水艦救難艦Nister級。排水量725トン。主機はディーゼル、速力18ノット。A15ニスターが就役した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ニセコ鋼板＞：防弾鋼板の通称。大正時代、防弾鋼板を日本製鋼所室蘭工場で作っていたのでこの名が付いている。ただし鋼材の塊に仕上げることしかできなかったので、これを九州に送って東海製鋼会社で圧延し、室蘭で必要な大きさに切って熱処理を加え、戦車などの生産工場に送る必要があった。参考：日本の戦車と装甲車両

＜二装用＞：日本陸軍用語で、中級のもの、まずまずなものを指す。外出用のそこそこ良い被服も、こう称する。参考：帝国陸海軍事典、月刊丸8,’15別冊

＜日・ＡＳＥＡＮ防衛担当大臣ラウンドテーブル＞：防衛大臣とASEAN国防相の会合。2013年12月に安倍首相が日ASEAN特別首脳会議で提案し、2014年11月19日にミャンマーで第１回が開催され、江渡防衛大臣、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの各国防相、ASEAN事務局が参加し、人道支援・災害救援・海洋安全保障などの非伝統的安全保障分野における協力を話し合った。2016年11月16日、ラオスのビエンチャンで第２回が開催され、稲田防衛大臣とASEAN加盟10カ国の国防大臣が出席し、防衛大臣はASEANとの防衛協力指針であるビエンチャン・ビジョンを発表した。法の支配と紛争の平和的解決の重要性でも一致している。2017年10月23日、フィリピンで第３回が開催され、小野寺防衛大臣がビエンチャン・ビジョンに基づく協力深化を表明した。2019年11月17日、バンコクで第５回が開催され、自由で開かれたインド太平洋の維持・強化を明記し、防衛協力実施三原則（心に寄り添う協力、きめ細やかで息の長い協力、対等で開かれた協力）と強靱性の概念を導入したビエンチャン・ビジョン2.0を発表した。2020年12月10日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で第６回がテレビ会議方式で行われ、岸防衛相がビエンチャン・ビジョン2.0に基づく新たな取り組みとしてサイバーセキュリティ能力構築支援事業を開始すると発表した。参考：朝雲

＜日・ＡＳＥＡＮ防衛当局次官級会合＞：防衛省が主催するASEAN次官クラスとの会合。第８回は2016年9月20-21日に川内市内のホテルで開催され、ASEAN加盟10カ国と会合、北朝鮮や中国を念頭に法の支配と紛争の平和的解決の重要性を共有し、日本とASEANとの防衛協力推進で一致した。第９回は2017年9月12-13日に福岡市内のホテルで開催され、北朝鮮の核・ミサイル問題、東・南シナ海情勢、テロ、サイバー攻撃、自然災害、地雷・不発弾などの地域における共同の課題について認識を共有し、日本とASEANが緊密な連携で対処していくことで合意した。また、2016年11月に日本が表明した日・ASEAN防衛協力強化の指針ビエンチャン・ビジョンに基づく防衛省・自衛隊による能力構築支援や防衛装備・技術協力を含む多様な安全保障協力の推進でも一致した。第10回は2018年9月9-10日に名古屋市内のホテルで開催され、法の支配を中心とする普遍的価値の共有促進で一致した。第11回は2019年10月9日に都内のホテルで開催され、地域の安全保障情勢、インド太平洋をめぐる構想「自由で開かれた地域秩序に向けて」、地域の防衛協力に向けたASEANの取り組み、をテーマに討議を行った。参考：朝雲

＜日威丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜日印２＋２＞：日本とインドの外務・防衛協議。2018年6月19日、インドで第５回外務・防衛次官級協議が開催され、日本から防衛審議官と外務審議官、インドから国防次官と外務次官らが出席し、日本の自由で開かれたインド・太平洋戦略と、インドのアクト・イースト政策との連携で一致した。2019年11月30日、ニューデリーで第１回日印外務・防衛閣僚級協議が開催され、戦略的防衛協力深化、日印物品役務相互提供協定早期締結、空自・インド空軍共同訓練実施、国際法遵守・航行の自由の重要性などで一致した。2022年9月8日、外務省飯倉公館で第２回日印外務・防衛担当閣僚会議を実施。統合幕僚監部とインド統合国防参謀本部との間に統合幕僚協議を立ち上げることで一致した。参考：朝雲

＜日・インドネシア２＋２＞：日本とインドネシアの外務・防衛担当閣僚協議。2015年12月17日に初めて行われ、日本はASEAN諸国海洋安全保障支援や安全保障防衛協力進展を伝達し、インドネシアもこれを歓迎した。防衛装備品・技術移転協定の締結に向けた交渉開始や、多国間共同訓練コモドへの海自参加、人道支援・災害救援やテロ対策での連携強化なども含めた共同声明を出している。2021年3月30日、第２回を外務省飯倉公館で実施。防衛装備品・技術移転協定に署名し、自由で開かれた海洋秩序の重要性や、共同訓練などによる防衛協力推進で一致した。参考：月刊世界の艦船3,’16、月刊JWings6,’21、朝雲

＜日印物品役務相互提供協定＞：日印ACSAと略す。自衛隊とインド軍との間で物品や役務を相互に融通可能とする協定で、2020年9月9日にインド国防省で鈴木中印大使とクマール国防次官が署名した。アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、カナダに続く６カ国目で、アジアでは初である。2022年3月、インド主催多国間共同訓練MILAN2022で行ったDD-103ゆうだちとA57シャクティとの洋上補給訓練で初適用した。参考：朝雲

＜日運丸＞：日産汽船Ｃ型平時標準船Nichiun maru。垂線間長93.8m、幅13.7m、深さ7.6m、満載吃水6.5m、総トン数2728トン、重量トン数4339トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基、出力1804馬力、１軸推進、航海速力10ノット、最大速力14.4ノット。昭和16年9月24日竣工。昭和18年1月、陸軍の輸送を開始。1月29日、コロンバンガラ島からラバウルに向かう途中、ブーゲンビル島南東部タキ北東沖25kmでSS-212ガトーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’20

＜日英２＋２＞：日英外務・防衛担当閣僚協議。2015年1月21日にイギリスで開催され、物品役務相互提供協定（ACSA）早期締結、オフセット契約など装備品協力に関する意見交換実施などで合意した。2016年1月8日、東京都内で開催され、両国が緊密な安全保障パートナーであることを認識すると共に、物品役務相互提供協定の早期締結を目指し、ユーロファイター訪日など防衛交流や共同訓練を強化、防弾ベストなど防衛装備品技術の共同研究を推進し、テロ脅威対処・海賊対処・宇宙及びサイバー分野で更に協力することを確認した。直前に北朝鮮が核実験を行ったため、北朝鮮への重大な懸念と強い非難を表明している。2017年12月14日、第３回がロンドンで開催され、両国がアジアとヨーロッパで最も緊密な安全保障上のパートナーであることを確認し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化で一致した。海自とイギリス海軍、陸自とイギリス陸軍との日本での共同訓練、統合新型空対空ミサイルJNAAM研究発展などでも合意している。2021年2月3日、第４回が新型コロナウイルス感染拡大の影響によりテレビ会議形式で開催され、航行の自由と上空飛行の自由を重要な価値観として共有し、日英両国が地球規模の戦略的パートナーとして自由で開かれたインド太平洋の実現に向け更に協力することで一致、中国の海警法に懸念を示し、東・南シナ海情勢には深刻な懸念を表明、北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイルについて完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄を目指し国際社会と連携することを確認し、共同声明を発表した。2023年11月7日、第５回が日本の外務省で開催され、日英のグローバルな戦略的パートナーシップを確認し、共同声明を発表した。参考：JWings4,’15、3,’16、3,’18、朝雲

＜日英円滑化協定＞：日英RAA（Reciprocal Access Agreement）と略す。自衛隊とイギリス軍との間で相互訪問時の活動を円滑化するための協定で、2023年1月11日に岸田首相とスナク首相が署名し、10月15日に発効した。11月のヴィジラント・アイルズ23で初適用されている。参考：朝雲

＜日英物品役務相互提供協定＞：日英ACSA。2014年5月に交渉が始まり、2017年1月26日に日英両政府が署名した。参考：朝雲

＜日榮丸＞：日本海軍特設運送船（給油船）Nichiei maru。元は優秀船舶建造助成施設を受けて昭和13年6月30日に竣工した日東礦業汽船の油槽船である。垂線間長152.4m、幅19.81m、深さ11.28m、吃水8.983m、総トン数10020トン、重量トン数13450トン。主機は川崎MAN製D8Z72/120型ディーゼル１基１軸11570馬力、航海速力16ノット、最大速力19.992ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊所属だった。昭和17年10月26日、南太平洋海戦に参加。昭和20年1月7日、シンガポールから門司に向かう途中、マレー半島コタバル沖でSS-321ベスゴの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’17、日本海軍艦隊総覧

＜日越佐官級交流＞：笹川平和財団安全保障事業グループが主催する佐官級自衛官・ベトナム軍人相互交流。アジア地域の平和と安定を目的に、毎年一回ずつ相互訪問して理解と信頼を深めるもので、2014年度に始まった。2018年12月2-8日、第９回をベトナムで実施。団長（海幕総務部副部長）、内局２名、一佐１名、ニ佐１名、三佐６名の計11名がベトナムを訪問し、国防省国防戦略員国際副課長（上級大佐）や国防国際関係研究所副所長（大佐）との意見交換、総参謀長や第５陸軍区副司令官（少将）表敬、第361防空師団長（上級大佐）からの防空体制解説、海軍副司令官兼幕僚長（少将）や第３海軍区副司令官（上級大佐）との懇談などを行った。参考：朝雲

＜日加次官級２＋２＞：日本とカナダの外務・防衛次官級対話。2010年11月の日加首脳会談で開催が決定した。2011年8月、第１回を実施。2014年3月、第２回を実施。2016年4月、第３回を実施。2018年12月、第４回を実施。2022年3月10日、第５回をビデオ会議形式で実施。防衛審議官、外務審議官、カナダ国防次官、外務次官が出席し、ウクライナ情勢、外交･安保政策、北朝鮮・中国含む地域情勢についで意見交換を行い、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協議の進展で一致した。参考：朝雲

＜日豪円滑化協定＞：日豪RAA（Reciprocal Access Agreement）と略す。自衛隊とオーストラリア軍が互いの国で活動を行う際の法的地位や手続きを定めた協定で、2014年7月から交渉を行い、2022年1月6日に岸田首相とモリソン首相がテレビ会談で署名した。共同訓練や災害救助などで相手国に一時滞在する際の、出入国時のビザ取得・審査免除、使用する車両や資材の取得・利用時の課税免除、武器弾薬の持ち込み手続き簡素化などを定めている。発効は両国での法整備が終わってからなので、2023年8月13日になった。8月21日から9月2日に行われた空自F-35A戦闘機のオーストラリアへの機動展開訓練と、8月23日から9月15日に日本で行われた日豪共同訓練武士道ガーディアン23で初めて適用されている。参考：朝雲

＜日豪外務・防衛閣僚協議＞：日豪２＋２と略す。第１回は2007年6月6日に東京で開催された。第２回は2008年12月18日に防衛省と外務省で開催され、安全保障・防衛協力強化、戦略対話、テロ対策、秘密情報保護の枠組み検討などを謳った共同文書2008を発表した。第５回は2014年6月11日、東京の外務省飯倉公館で開催され、防衛装備品の技術移転を伴う共同開発（潜水艦を視野に入れた船舶の流体力学の共同研究）、第１回サイバー協議開催について合意した。オーストラリアは日本の集団的自衛権行使検討や防衛装備移転三原則の策定の支持を表明している。第６回は2015年11月22日、シドニーで開催され、防衛協力の一層の強化、南シナ海での中国による埋め立ての停止要求、パリ同時多発テロへの非難などで一致した。第７回は2017年4月20日に東京都内で開催され、自衛隊とオーストラリア軍との共同運用・訓練の円滑化、2018年の日本国内での空自・オーストラリア空軍共同訓練実施、北朝鮮への最も強い表現での非難などで一致した。第８回は2018年10月10日に開催され、幅広い協力推進と、共同訓練・運用を円滑化するための新協定早期妥結で一致した。第９回は2021年6月9日にテレビ会議方式で行われ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた戦略認識で一致し、オーストラリア国防軍に対する自衛隊法第95条２に基づく武器等防護の体制が構築され、実施準備が整ったことを確認した。共同声明では初めて中国を名指しで批判し、台湾に初言及している。第10回は2022年12月9日に外務省飯倉公館で行われ、防衛協力の更なる強化や共同訓練の拡大などを盛り込んだ共同声明を発表した。参考：月刊JWings8,’14、8,'21、月刊航空ファン5,’17、朝雲

＜日号作戦＞：太平洋戦争時、本土決戦に備えて満州や朝鮮から日本海側の港に食糧などの物資を緊急輸送した作戦で、海防艦十数隻が護衛に就いた。アメリカは潜水艦９隻を対馬海峡経由で送り込み、遮断を図っている。昭和20年6月23日にSS-223ボーンフィッシュが第22号海防艦の攻撃を受けて沈没した。参考：小艦艇入門

＜日豪物品役務相互提供協定＞：自衛隊とオーストラリア軍の間で共同訓練、PKO、国際緊急援助活動、国際緊急事態における自国民輸送、自衛隊施設への一時滞在などの際に物品役務（食料、水、燃料、宿泊、輸送、医療など）を相互提供するための協定。日豪ACSAと略す。2010年5月に日豪外務防衛担当閣僚協議で調印され、2011年4月に国会の承認を受け、2012年11月16日の自衛隊法改正案成立で法的根拠ができ、2013年1月に発効した。ちなみにアメリカに次いで２番目の物品役務相互提供協定発効である。2017年1月14日、安倍首相とターンブル首相の立ち会いで、駐豪大使と駐米大使が改定協定に署名。平和安全法制を反映し、物資融通の対象に弾薬などを加えた。参考：朝雲、MAMOR vol.87、月刊世界の艦船1,’21

＜日独２＋２＞：日本とドイツの外務・防衛担当閣僚協議。第１回は2021年4月13日にテレビ会議形式で行われ、2021年3月22日に署名・発効した日独情報保護協定に基づく防衛装備品分野を初めとする安全保障協力の推進、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた取り組みの重要性、北朝鮮の全ての大量破壊兵器と弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄に向けた国連安保理決議の完全履行で一致した。第２回は2022年11月3日にドイツのミュンスターで行われ、外相同士が対面で、防衛相・国防相がオンラインで参加し、防衛装備・技術協力推進、対露制裁維持とウクライナへの支援継続、法の支配に基づく国際秩序維持・強化のための更なる連携協力などで一致した。参考：朝雲

＜日独伊三国同盟＞：昭和15年9月27日にベルリンで調印された軍事同盟。日独伊防共協定締結後、ドイツが対ソ連から対英米へとシフトしたのが明らかとなったため、駐独陸軍武官がドイツと交渉し、ソ連に加えて英仏も対象とした新協定案を出した。基礎案は、締約国の一国が締約国以外の第三国と外交上の困難を生じたら各締約国が直ちに協議に入り、脅威を受けたら排除するためあらゆる政治的かつ外交的支援を行い、攻撃を受けたら武力援助を行う義務を負うというものである。締結すれば米英との関係破綻が決定的となるため、日本では米内光政海軍大臣、山本五十六海軍次官、井上成美海軍軍務局長の左派トリオが強硬に反対していたが、第２次大戦が勃発して白作戦と黄作戦でドイツがヨーロッパを席巻すると「バスに乗り遅れるな」ということで陸軍が締結を推進、陸軍大臣を出さず安倍内閣と米内内閣を潰し、近衛内閣が締結に動き、海軍も左派トリオが職を移っていたため昭和15年9月15日の海軍首脳会議で同盟締結を決め、9月16日に閣議で承認され、9月19日に御前会議で同盟が裁可された。首脳会議の前に及川海軍大臣が海軍首脳（伏見宮博恭王軍令部総長、山本五十六連合艦隊司令長官、各軍事参議官、各艦隊司令長官、各鎮守府長官）を集め、海軍が反対すれば内閣総辞職となり、その責任を取ることは到底出来ない、などとして締結の了解を求めた際、山本五十六連合艦隊司令長官のみが、大臣の海軍部内統制に対しては絶対服従なので異論を挟む考えは無いが、１つ心配な点があるので尋ねたいと発言。８ヶ月前に自分が海軍次官だった時の企画院物動計画では英米勢力圏から所要物資の８割を輸入している状態で、三国同盟締結となればこれが失われることになるが、どう補填することにしたのか、という問いに、及川海軍大臣は返答すること無く、先に申し上げた通りの次第なので賛成願いたいと押し切り、最古参の大角大将以下賛成を切り出して一同賛成になってしまっている。実際、同盟成立後２週間ほどして海軍次官が近衛首相のもとを訪れ、物動計画がどうにもならないと相談しにきた（更に海軍戦備を優先的に整備して欲しいと言われた、と近衛首相が山本五十六連合艦隊司令長官に文句を言いに来た）。ドイツがアメリカを攻撃した場合、日本がそれに参加する義務は無い。アメリカがドイツを攻撃した場合、日本はアメリカに宣戦布告を行うことになっていたが、調印時の秘密文書で行わなくてもいいことにした。松岡外務大臣はソ連とも同盟を結んで４カ国により米英に対抗する心づもりがあったらしく、昭和16年2月に日ソ中立条約が締結されたが、6月の独ソ戦勃発でご破算になっている。日独間の物資輸送に陸路が使えなくなったので封鎖突破船（柳輸送／逆柳輸送）を使用したが、制空権や制海権が連合軍の手に渡るとこれも駄目になり、He177改造輸送機やBv222大型飛行艇による輸送案も没にされ、訪独潜水艦による輸送が５回（伊30、伊８、伊34、伊29、伊52）行われたものの、全行程を無事に終えたのは伊８だけだった。他にドイツから日本海軍に譲渡された呂500と呂501が日本に向かったが、後者は撃沈されている。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、山本五十六と米内光政、月刊丸4,’07、6,’01、4,’17、激闘！太平洋戦争地上戦

＜日独伊防共協定＞：昭和11年11月25日に調印された。駐独陸軍武官とヒトラー私設顧問リッペントロップとの非公式会談から始まった対コミンテルン協定で、日本海軍ではコミンテルンとソ連が実質不可分なので日ソ国交を阻害する可能性がある、ドイツやイタリアと提携するのは米英との対立を誘発するとのことで締結には消極的だったが、昭和10年の第７回コミンテルン大会で日独を攻撃の対象とすると決議されるなどの背景から防共強化の方針には反対できず、最終的には賛同した。ソ連を仮想敵に据えた協力協定だが、軍事同盟ではない。昭和13年8月、陸軍が防共協定強化案を出したが、海軍は左派トリオ（米内光政、山本五十六、井上成美）が反対し、五相（首相、陸相、海相、外務相、大蔵相）会議での検討の結果、目標を英仏には広げず、純然たる守勢協定であることを強調するため、脅威や攻撃という言葉には「挑発によらざる」という冠詞を付けることとした。しかし駐独大使がこの修正案をドイツに伝えず話を進めたため、11-12月に五相会議を再度開催して方針再確認やドイツへの回訓電報の討議を行ったが、陸相と海相・外務相・大蔵相の意見が真っ向から対立、解決しないまま近衛内閣が交代してしまい、第２次大戦緒戦でドイツが破竹の進撃を見せると日独伊三国同盟に進んだ。参考：激闘！太平洋戦争地上戦、山本五十六と米内光政

＜日独情報保護協定＞：2021年3月に締結された。参考：朝雲

＜日独物品役務相互提供協定＞：日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定。2024年1月29日、東京で署名された。参考：月刊JWings4,’24

＜にちなん＞：AGS-5105（海洋観測艦）を参照。

＜にちなん型＞：海上自衛隊海洋観測艦。ふたみ型の発展型で、AGS-5101あかしの後継として建造された。船型は長船首楼型で、極小造波抵抗理論に基づくマシュー０次関数で構成される最適プリズマティック・カーブに基づいて船体形状を設計し、剰余抵抗を従来艦の45%も減らすことに成功、16気筒ディーゼル４基が必要なところを16気筒２基・８気筒１基で済ませている。艦首底部はバルバス・バウ。艦首に音響観測ケーブル敷設用バウ・シーブと、沈底式音波伝搬測定装置などを敷設するガントリークレーンを持ち、艦橋直前左舷にはケーブル作業用ブイ、艦後部には中折れ式クレーンとＡフレーム・クレーンを装備する。ケーブルタンクは船体内２箇所。観測作業の管制所は船首楼直後の01甲板右舷にあり、艦橋構造物内に第１観測室、船首楼後部に第２観測室を持ち、観測作業甲板は右舷と艦尾に用意されている。艦前部に２基、後部に１基のサイドスラスターを持つ。艦橋構造物直後の01甲板にスタビロエース（動揺を予測するタイプの減揺タンク）がある。マルチビーム音響測深装置、音響観測装置、観測データ統合処理装置を装備し、キャビン付11メートル観測作業艇を１隻搭載する。また、海上自衛隊として初めて無人潜水装置を装備した。全長111m、全幅17m、深さ9m、吃水4.5m、基準排水量3350トン、満載排水量4500トン。主機は雑音の低いディーゼル・エレクトリック方式（ほぼ統合電気推進）、巡航用三菱重工製S8U-MTPKディーゼル（1460馬力）１基・全力用三菱重工製S16U-MTPKディーゼル（3600馬力）２基・交流式主電動機２基、出力8600馬力、２軸推進、速力18ノット。乗員90名。三菱重工下関造船所で建造され、AGS-5105にちなんが1999年に就役した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’04、5,’02増刊、5,’11、1,’11、1,’13、1,’14、1,’15、海上自衛隊全艦艇史、JShips VOL.70

＜日南丸＞：日産汽船汎用トランパーNichinan maru。垂線間長93m、幅13.7m、深さ7.6m、吃水6.5m、総トン数2732トン、重量トン数4380トン。主機は蒸気タービン１基１軸1638馬力、航海速力10.5ノット、最大速力14.2ノット。昭和17年3月25日竣工。太平洋戦争中のため、陸軍の輸送に従事した。昭和19年3月27日、スラバヤからスンバワ島に向け航行中にバリ島北50海里でSS-269ラッシャーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜日比２＋２＞：日本とフィリピンの外務・防衛担当閣僚協議。2022年4月9日、第１回が東京都内で行われ、林外務大臣、岸防衛大臣、ロクシン外相、ロレンザーナ国防大臣が参加し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力強化で一致した。参考：朝雲

＜日仏２＋２＞：日仏外務・防衛担当閣僚協議。2013年6月の日仏首脳会談共同声明を受けて実施されたものである。第１回は2014年1月9日にパリで開催され、国際法に基づく航行・上空飛行の自由や対話に基づく紛争解決の重要性、北朝鮮ミサイル開発への強い懸念、地域と世界の安定のための協力などで一致し、防衛装備品共同開発や軍事転用可能な製品の輸出に関する実務者レベル協議委員会の新設を含む共同文書を発表した。第２回は2015年3月13日に日本の外務省飯倉公館で開催され、防衛装備品（無人システムらしい）の輸出・国際共同開発を通じた移転に関する政府間協定に署名した。また、物品役務相互提供協定（ACSA）締結に向けた協議開始でも合意している。第３回は2017年1月6日にフランス外務省で開催され、物品役務相互提供協定の締結交渉開始と、次世代機雷探知技術（機雷対処用水中無人航走体）の共同研究早期具体化などで合意した。第４回は2018年1月26日に日本で行われ、防衛協力の強化、物品役務相互提供協定の早期署名・発効、共同訓練実施、部隊間交流活発化、宇宙分野での更なる協力、次世代機雷探知技術に関する共同研究の早期開始などで一致した。第５回は2019年1月11日にブレスト海軍基地で行われ、包括的海洋対話の創設、インド太平洋地域での定期共同訓練・演習開催、宇宙・サイバー分野での協力強化、東南アジア諸国や太平洋島嶼国の能力構築支援推進などで合意した。第６回は2021年1月20日にオンラインで開催され、インド太平洋での連携・協力強化で一致した。第７回は2023年5月9日にオンラインで開催され、日仏協力に関する新ロードマップ策定に向けた連携で一致した。参考：朝雲、月刊JWings6,’15、MAMOR vol.122、月刊航空情報4,’18

＜日米安全保障協議委員会＞：SCCと略す。通称日米２＋２（ツープラスツー）。2005年、日米共通の戦略目標として、北朝鮮に関する諸問題の平和的解決、中国の責任ある役割の歓迎と台湾海峡を巡る諸問題解決や軍事分野での透明性向上要求などを決定し、それぞれのRMC（役割、任務、能力）として、日本は新たな脅威や多様な事態を自ら防衛し周辺事態に対処すると共に、在日米軍基地などのホストネーション・サポートなどを行う、アメリカは日本の防衛や周辺事態への対応のため前方展開兵力を維持増強し、日本の防衛のために必要な全ての支援を行う、といったことを定めた。10月、「日米同盟未来のための変革と再編」と称する合意文書を発表。航空総隊司令部、防空指揮群、航空作戦管制所、作戦情報隊の横田基地への移転が決定した。2006年5月1日、「再編実施のための日米ロードマップ」と称する合意文書を発表。普天間基地の代替施設建設を前提に、第３海兵遠征軍8000名（指揮部隊、第３海兵師団司令部、第３海兵後方群司令部、第１海兵航空団司令部、第12海兵連隊司令部など）を2014年までに沖縄からグアムに移し、嘉手納基地以南のキャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、普天間飛行場、キャンプ・キンザー、那覇港湾施設、陸軍貯油施設、第１桑江タンク・ファームを返還し、2010年度に航空総隊司令部を横田に移転するとした。また、2014年までにアメリカ海軍空母艦上機（CVW-5）59機が厚木から岩国に移転し、海自航空機17機が岩国から厚木に移転することで合意した。グアム移転経費は102億7000万ドルで、うち60億9000万ドルを日本が負担する。日本負担のうち28億ドルは財政支出、残りは民間などからの融資で賄う。ミサイル防衛、訓練移転、アメリカ陸軍司令部能力改善、横田飛行場・空域に関する事項も盛り込まれている。2010年5月28日に共同発表を行い、キャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びその隣接水域への普天間飛行場移設、アメリカ軍の活動の沖縄県外への移転拡充、環境保全、施設共同使用拡大、海兵隊のグアム移転の着実な実施、嘉手納飛行場の騒音軽減などを講じることになった。2011年6月21日、アメリカ国務省で民主党政権初となる会合を行い、日米同盟の重要性の再確認、共通戦略目標見直し、安全保障と防衛協力の深化拡大、在日米軍基地移設・移転問題、東日本大震災への対処などで協議した。2012年4月27日、海兵空地任務部隊を日本、グアム、ハワイに置き、オーストラリアにローテーション展開することなどを発表した。普天間基地の移設がさっぱり進まないため、沖縄からグアムに移す海兵隊員を4000名（第３海兵遠征旅団司令部、第４海兵連隊、第３海兵遠征軍陸上／航空／兵站部隊の一部）とし、沖縄からハワイなどに5000名を移転させることにした。移転経費も、移設・移転の目処が立たず融資してくれる企業が出なかったので、日本負担は財政支出28億ドルのみに変更されている。2013年10月3日、2014年末までの日米防衛協力のための指針再改定実施、経ヶ岬分屯基地へのAN/TPY-2レーダー早期配備、2020年代前半の在沖米海兵隊グアム移転開始、サイバー防衛政策作業部会設置、オスプレイを含む共同訓練の沖縄県外での実施増、日本の集団的自衛権行使容認に向けた法的基盤再検討歓迎を表明した。2014年12月19日、日米防衛協力のための指針の改定時期を2015年前半に延期した。2015年4月27日、ニューヨークで開催され、日米防衛協力のための指針を改定した。11月3日、共同計画策定メカニズムの１つとなった。2017年8月17日、ワシントンのアメリカ国務省で開催され、北朝鮮への圧力継続、中国を念頭に置いた東・南シナ海情勢への懸念表明、日米同盟の強化に向けた自衛隊とアメリカ軍の役割分担見直しによる日本の役割拡大などで一致した。2019年4月19日、ワシントンのアメリカ国務省で開催され、日本がサイバー攻撃を受けた場合に日米安保条約第５条が適用されうることを確認した。2021年1月7日、オンラインで開催され、1月5日に北朝鮮が極超音速ミサイル発射実験を行ったと発表したことなどを踏まえ、中国や北朝鮮の極超音速兵器への対処について、日米共同研究を進めるとした。3月16日、外務省飯倉公館で実施。自由で開かれたインド太平洋と、ルールに基づく国際秩序を推進し、尖閣諸島を日米安保条約第５条の適用対象であることを確認、中国海警法に深刻な懸念を表明し、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する共同文書を発表した。2022年1月7日、テレビ会議方式で開催され、同盟の役割・任務・能力の継続的前進で一致した。2023年1月11日、ワシントンで開催され、日米安保条約第５条が宇宙空間にも適用されることを確認した。アメリカは国家安全保障戦略での反撃能力保有を評価し、効果的運用に向けた協力を深化させると共に、ターゲッティングに関する協力でも一致している。在日米軍再編で、沖縄の第12海兵連隊を2025年までに第12海兵沿岸連隊に改編することになった。参考：朝雲、月刊軍事研究9,’11、7,'15、12,’16、月刊世界の艦船2,’12、7,’15、3,'22、4,'23、月刊航空ファン11,’17、MAMOR Vol.71

＜日米安保刑事特別法＞：日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第６条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法。1952年5月7日に施行され、1953年に改正された。正当な理由無く在日米軍基地内に入ると、１年以下の懲役または2000円以下の罰金または科料。アメリカ軍事裁判所が裁判権を行使する刑事被告事件の証拠を隠滅した場合、２年以下の懲役または１万円以下の罰金。アメリカ軍事裁判所で宣誓した証人が虚偽陳述をすると、３ヶ月以上10年以下の懲役。アメリカ軍の兵器などを損壊した場合、５年以下の懲役または５万円以下の罰金。アメリカ軍の機密を、軍隊の安全を害するため又は不当な方法で探知収集した場合、10年以下の懲役。それを他人に漏らした場合も同じ。未遂、教唆、扇動も処罰対象。正当な理由無くアメリカ軍の制服またはこれに似せて作った衣服を着用したものは、拘留または科料。在日米軍基地内で逮捕・拘留状を執行する場合、アメリカ軍の許可がいる。ただし死刑、無期、３年以上の懲役・禁固にあたる罪を犯した現行犯人を追跡して逮捕する場合には許可不要。在日米軍人が公務中に罪を犯すか、アメリカの財産・安全または在日米軍人・財産に対して罪を犯した場合、刑事訴訟法の規定にかかわらず、直ちに被疑者をアメリカ軍に引き渡さねばならない。在日米軍基地内を捜索したり、差し押さえたりする場合、アメリカ軍の許可を得るか、アメリカ軍に嘱託して行う。アメリカ軍事裁判所が裁判権を行使する事件でも、日本の法律による罪に関わる事件については、検察官などが捜査可能である。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜日米安保条約＞：2020年1月18日、トランプ大統領が現安保条約署名60周年で祝意を伝える声明を発表した。1月19日、現安保条約署名60周年記念式典が外務省飯倉公館で開催され、安倍総理、河野防衛大臣、茂木外務大臣、麻生副総理兼財務大臣、アイゼンハワー元大統領の孫であるメアリーさんらが参加した。参考：朝雲

＜安保条約（旧）＞：日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約。1951年9月8日、サンフランシスコ講和条約の調印５時間後に調印され、11月18日に国会で承認され、1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約と同日発効した。武装を解除されて固有の自衛権を持たない状態にある日本を無責任な軍国主義から守るため、アメリカが軍を日本に配備することを認めている。在日米軍が攻撃された場合、日本側がアメリカ軍を防衛する義務は無く、片務条約と呼ばれた。1960年6月23日、新条約の発効に伴い効力終了となった。参考：軍縮条約・資料集第２版、ベーシック条約集2018

＜安保条約（現）＞：日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約。1960年1月19日、アメリカ軍が日本を防衛し、自衛隊も在日米軍を守る（アメリカを防衛する訳では無いので、アメリカ本国が攻撃を受けても自衛隊は派遣されない）という双務条約に変更されて岸信介首相とアイゼンハワー大統領がホワイトハウスで署名し、激烈な反対運動に遭ったものの6月19日に国会で承認され（5月に衆議院で強行採決、参議院で自然成立）、6月23日に発効した。日米両国が国連憲章に定める個別的または集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、日本の施政下にある領域で、日米いずれか一方に対して武力攻撃があった場合、それぞれの国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処すると定めている。ただ在日米軍はROEに従って交戦を開始するのに対し、自衛隊は防衛出動が下令されてから武器の使用を始めるので、場合によっては在日米軍が日本防衛のために戦っているのを自衛隊が暫く眺めている事態になる。1970年に条約固定期間の10年間が過ぎ、締結国どちらか一方の通告で条約の改定や廃止が可能となった。参考：軍縮条約・資料集第２版、ベーシック条約集2018、月刊世界の艦船8,’10、月刊軍事研究1,’14、6,’15、朝雲

＜日米安保民事特別法＞：日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第６条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法。在日米軍構成員・被用者が職務中に他人に損害を与えたり、在日米軍管理施設の設置・管理に瑕疵があったため他人に損害が生じたりした時は、国が賠償責任を有すると規定している。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜日米宇宙協力ワーキンググループ＞：2019年1月9日、第５回会合がアメリカ国防総省で開催され、防衛省防衛政策局次長やアメリカ国防次官補代理（宇宙政策担当）らが宇宙協力に関する包括的意見交換を実施した。参考：朝雲

＜日米エアフォース友好協会＞：JAAGAと略す。航空自衛隊とアメリカ空軍の相互理解及び日米友好促進を目的に、1996年に創設された。2016年7月19日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で創立20周年記念行事を実施。2017年5月9日、都内のホテルで総会を開き、在日米軍司令官兼第５航空軍司令官が講演した。2020年2月6日、那覇基地で沖縄地区表彰式を行い、那覇救難隊機上整備員の松山曹長とアメリカ空軍中尉に表彰状を授与した。参考：朝雲

＜日米韓豪４カ国法務官等会議＞：日米韓豪４カ国の統合軍法務要員による会議で、人道支援／災害救援などをテーマに、法的側面での連携強化を図るものである。2013年1月に非公式会議が行われた。公式第１回は1月15-16日にハワイのアメリカ太平洋軍司令部で開催され、統幕主席法務官、統幕法務班長らが参加した。参考：朝雲

＜日米艦艇貸与協定＞：アメリカが日本に対してMSA協定対象外の1500トン以上の大型艦を貸与する協定で、1954年6月5日に発効した。これに基づき、あさかぜ型護衛艦、あさひ型護衛艦、ありあけ型護衛艦、おおすみ型揚陸艦、くろしお型潜水艦、うじしま型掃海艇が貸与されている。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜日米共同訓練（航空自衛隊）＞：日米防衛協力の指針が定められた1978年11月27日に早速三沢基地でコープ・ノースを開始した。1979年度、救難訓練を開始。1982年度、B-52爆撃機／B-1爆撃機との電子戦訓練を開始。1983年度、指揮所演習を開始。1984年度、防空戦闘訓練を開始。1989年5月、アメリカ空軍輸送競技会に参加。1990年度、航空輸送訓練を開始。1992年度、再発進準備訓練を開始。1999年度、アンダーセン基地でコープ・ノース・グアムを開始。2003年度、エレメンドルフ空軍基地でコープ・サンダーに参加。参考：月刊軍事研究9,’15

＜日米共同統合作戦調整所＞：略称BJOCC（Bilateral Joint Operations Coordination Center）。米軍再編に伴う2005年10月の日米安全保障協議委員会合意文書「日米同盟　未来のための変革と再編」に基づいて横田基地の地下に設立された組織で、日米共同作戦におけるアメリカ軍と自衛隊の作戦調整を担当する。アメリカ軍にも自衛隊にも属せず、共有の施設となっており、司令部や指揮所ではないので指揮官は派遣されず、幕僚が配置される。人員は150名で、12時間交替で勤務する。2006年2月の日米指揮所演習キーン・エッジで稼働を開始した。同年の北朝鮮による弾道ミサイル発射、核実験の対応を行い、2007年の新潟中越沖地震でも対応の調整を行っている。2012年3月26日の航空総隊横田移転に伴い、施設同士が地下トンネルで結ばれる予定。参考：月刊軍事研究3,’08、6,’09、10,’09、5,’15

＜日米共同方面隊指揮所演習（ＷＡＲＳＩＭ）＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜日米豪印戦略対話＞：クアッドを参照。

＜日米相互防衛援助協定＞：MSAを参照。

＜日米装備・技術定期協議＞：S&TF（Systems & Technology Forum）と略す。日米間の装備や技術関係の諸問題を協議する場で、1980年から開催されている。第26回は2013年8月に開催された。第27回は2016年2月3日に防衛省で開催され、日本から防衛装備庁長官、整備計画局長、各幕僚監部、アメリカから国防次官、陸海空軍省などが参加し、日米ガイドライン改訂や防衛装備庁新設を踏まえた協力深化や、共同研究開発及び装備取得分野での協力強化で一致すると共に、日米科学技術者交流プログラムを10年間延長することで合意した。共同研究の進捗状況確認も行っている。第28回は2018年6月19日に防衛省で開催され、日本から防衛装備庁長官、整備計画局長など、アメリカから国防次官などが参加し、日米ガイドラインを踏まえた防衛装備・技術協力の着実な深化を確認、FMS調達に関する諸課題を議論した。第29回は2019年7月25日（現地時間）にアメリカ国防総省で開催され、防衛装備庁長官、整備計画局長、アメリカ国防次官（取得・維持担当）などが参加し、これまでの取り組みに加えて宇宙・サイバー・電磁波の分野でも防衛装備・技術協力を深化させることを確認し、日米共同研究開発やFMSなどに関する議論を行った。参考：月刊航空ファン4,’16、9,’18、10,’19、朝雲

＜日米爆傷フォーラム＞：日米主体で2016年から毎年開催しているフォーラムで、爆発に伴う衝撃波により引き起こされる爆傷に対する防護技術や医学的対処がテーマである。第３回は2018年5月9-11日に防衛医科大学校が主催して都内のホテルで実施され、日本、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ドイツの研究者ら100人以上が参加し、44件の研究発表が行われた。参考：朝雲

＜日米物品・役務相互提供協定＞：日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品または役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定。日米ACSAと略す。1996年4月15日に東京で署名され、1996年10月22日に発効した。共同訓練、国連平和維持活動または人道的な国際救援活動に必要な後方支援、物品または役務の相互提供に関する基本的な条件を定めたものである。具体的には、食料（食事提供・調理器具含む）、水（給水・給水用具含む）、宿泊（宿泊設備、入浴設備、寝具類含む）、輸送、燃料・油脂・潤滑油（給油及びそれに必要な用具含む）、被服、通信、衛生業務、基地支援（廃棄物収集・処理、洗濯、給電含む）、保管、施設利用、訓練業務、部品・構成品（軍用航空機、軍用車両及び軍用船舶の部品または構成品）、修理・整備、空港・港湾業務を相互に提供する。弾薬提供は含まない。キーン・ソード97から適応され、この演習では燃料補給・洋上給油、貨物積み降ろし、食事提供など80件の役務提供が行われた。1999年に改正された。2004年7月に武力攻撃や大規模災害への対処を対象に加えた改正協定が締結され、2011年3月11日の東日本大震災で初適用されて自衛隊からアメリカ軍に燃料など、アメリカ軍から自衛隊に輸送用資材などが提供された。2016年9月26日、平和安全法制整備に伴う改正協定（名称は同じ）が署名され、2017年4月25日に発効、同法制により実施できるようになった物品役務提供（重要影響事態、武力攻撃事態または武力攻撃予測事態、存立危機事態を排除するために必要な活動に対する提供）に関しても、それまでの協定と同様の枠組みで行えるようにした。参考：軍縮条約・資料集第２版、ベーシック条約集2018、月刊軍事研究3,’97、月刊航空ファン12,’16、月刊世界の艦船12,’16、朝雲

＜日米兵站幕僚会議＞：陸幕装備部が毎年主催している会議、略称BLST（Bilateral Logistics Staff Talks）。陸上自衛隊とアメリカ陸軍の兵站協力が主目的で、日本が会場だと東京（BLST-T）、アメリカが会場だとハワイ（BLST-H）と呼ばれ、１年交代で開かれる。1976年（1978年？）に初開催され、この時は日米兵站実務者会議という名称だった。1980年は11月17-19日に実施され、スティンガー携帯地対空ミサイルの調査やマクレガー射場での陸自ホーク部隊年次射撃見学なども行っている。1991年、日米兵站幕僚会議に名称変更された。平成20年度は2009年3月2-5日に防衛省陸幕会議室で実施された。平成25年度は2014年3月31日から4月4日に防衛省で実施され、陸幕、統幕、中央即応集団、中央輸送業務隊、研究本部、補給統制本部などから55名、アメリカ陸軍第１軍団、アラスカ陸軍、第３海兵遠征軍などから10名が参加し、日米兵站ハンドブック２次案作成に向けた協議を行った。平成26年度は2015年3月16-17日に防衛省で実施され、陸幕、統幕、中央即応集団、研究本部、補給統制本部などから50名、アメリカ陸軍第１軍団、第８戦域戦力維持コマンド、在日米陸軍、アメリカ太平洋海兵隊などから12名が参加し、日米兵站ハンドブックを2016年3月に完成させることなどを決定した。参考：月刊軍事研究10,’12、朝雲

＜日米防衛協力のための指針＞：別名ガイドライン、日米ガイドライン。アメリカ名称はWar Manual。日米安保条約では自衛隊・米軍双方の行動規定が無いので、役割分担等の日米防衛協力の基本的な枠組みを示す文書として、防衛協力小委員会で協議を行い、それを具体的に制定して1978年11月27日に日米安全保障協議委員会が了承したものである。1997年と2015年に見直しが行われた。参考：月刊軍事研究4,’14、9,'15、月刊JWings1,’15、朝雲

　＜日米防衛協力のための指針（１９７８年制定）＞：1978年11月27日の日米安全保障協議委員会で了承され、11月28日に国防会議と閣議でも了承された。日米安保条約第５条（アメリカの対日防衛義務）に基づき、平時において侵略を事前に防ぐ体制、日本に対する武力攻撃の際の対処法、極東地域における脅威行動の際の行動について定めている。平時には共同作戦計画を研究し、共同演習や共同訓練を適宜行い、日本防衛に必要な情報を作成・交換する。日本に対して武力攻撃の恐れがある場合、相互連絡を密とし、調整機関を開設するなど共同対処行動確保のために必要な準備を行うと共に作戦準備を実施する。日本に対して武力攻撃がなされた場合、原則として日本が独力でこれを排除し、それが困難ならばアメリカの協力を待って排除する。作戦の主体は自衛隊で、アメリカ軍がこれを補助する。日本以外の極東における事態で、日本の安全に重要な影響がある場合、情勢の変化に応じ日米両政府が協議し、日米安保条約などに基づいて日本がアメリカ軍に対し便宜供与を行う。これに基づき、1981年から陸上自衛隊とアメリカ陸軍・海兵隊との共同演習（実動演習と指揮所演習）が開始された。実動演習は自衛隊の演習場で行われるため、在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域として、千歳演習場、別海矢臼別大演習場、上富良野中演習場、鹿追然別中演習場、旭川近文台演習場、名寄演習場、滝川演習場、美幌訓練場、倶知安高嶺演習場、遠軽演習場、岩手山中演習場、大和王城寺原大演習場、青森小谷演習場、弘前演習場、神町大高根演習場、高田関山演習場、相馬原演習場、長坂小銃射撃場、富士演習場、今津饗庭野中演習場、原村演習場、日本原中演習場、日出生台・十文字原演習場、大矢野原・霧島演習場が指定されている。航空自衛隊も有事の際のアメリカ空軍との共同作戦研究を行えるようになり、1978年11月27日から日米共同訓練が開始された。冷戦終結後に見直され、新ガイドラインに発展した。参考：軍縮条約・資料集第２版、月刊丸9,’97、戦争がやってくる、月刊軍事研究4,’10、4,’14、4,’15、月刊世界の艦船1,’15、6,’22

　＜日米防衛協力のための指針（１９９７年見直し）＞：新ガイドラインともいう。沖縄での米兵による狼藉などで日米関係が冷え込む中、アジアの利権を中国と日本に明け渡すわけにいかないアメリカが安保体制の再確認のために見直しを迫り、冷戦終結による情勢変化や朝鮮半島の緊張化に加えて湾岸戦争で金だけ出して血を流さないと批判されたのを持ち出して日本に軍事協力態勢の整備を求め、防衛協力小委員会での協議を経て1997年4月28日に具体化のための関連法案と協定案を安全保障会議と閣議で決定し、9月23日に日米安全保障協議委員会で了承された。1999年5月24日には本ガイドライン関連３法案が成立している。1978年11月に制定されたガイドラインを見直したもので、日本有事だけでなく周辺事態対処（日米安保条約第６条・極東条項に基づく自衛隊のアメリカ軍への協力）を中心に据えている。７項目からなり、北朝鮮のゲリラ・コマンドーによる日本の重要施設襲撃を想定し、極東有事を周辺事態（日本の平和と安全に重要な影響を与える場合）と換言、集団安全保障に関する条項を加え、義務なし条項を実質的に義務ありとするなど、踏み込んだ内容となった。日米協力地域が日本周辺地域となっており、拡大解釈すれば地球上のどこでも行けそうだが、実際にはアメリカ太平洋軍の作戦範囲らしく、本指針に基づき1999年に制定された周辺事態安全確保法では日本の領域内に限定（輸送のみ公海上も可能）されており、インド洋での補給活動は本指針に基づくものでは無い。有事において日米それぞれが行う活動での協力（救難活動、避難民への対応、捜索救難、非戦闘員待避、経済制裁実効性確保）、アメリカ軍の活動に対する日本の支援（空港や港湾といった施設の使用、補給、輸送、整備、衛生、警備など後方地域支援）、運用面における日米協力（情報収集、警戒監視、機雷除去、海空域調整）などを定めており、事実上、片務条約の日米安保条約を双務化するものである。新ガイドラインに基づく作戦立案運用組織は包括メカニズム（計画立案担当）と調整メカニズム（周辺事態や武力攻撃事態発生時の作戦運用担当）からなり、前者は日米安全保障協議委員会、防衛協力小委員会、共同計画検討委員会、関係省庁局長等会議、連絡・調整の場で、後者は日米合同委員会、日米政策委員会、合同調整グループ、日米共同統合運用調整所、日米共同調整所である。周辺事態における日米相互協力計画（自衛隊だけでなく、日本全体のアメリカ軍に対する協力内容）は既に策定済みであることが2002年に明らかとなった。2011年の東日本大震災では防衛省、在日米軍司令部、東北方面総監部／統合任務部隊司令部に日米調整所が置かれたが、これはガイドラインに基づく調整メカニズムではない。参考：月刊軍事研究4,’14、1,’00、8,'15、MAMOR vol.104、月刊丸9,’97、月刊PANZER1,’98、月刊世界の艦船1,’15、3,’15、6,'22、月刊JWings1,’15、朝雲

　＜日米防衛協力のための指針（２０１５年見直し）＞：中国の軍事力強化を受けて2012年に日米が見直しで合意し、2013年10月3日の日米安全保障協議委員会で防衛協力小委員会に見直しが勧告され、2014年末までに策定を終えることとなったが、集団的自衛権関連法整備の遅れなどを理由に2015年前半までに延期された。2014年10月8日に公表された中間報告では、有事だけでなく平時から緊急事態（有事やグレーゾーン事態など平時以外の全てのケース）まで切れ目のない形での平和と安全確保を行うとし、限定容認された集団的自衛権行使を適切に反映して、国連平和維持活動、人道支援・災害救援、海洋安全保障、能力構築、情報収集・警戒監視・偵察、後方支援、非戦闘員退避といった日米協力を実施するとしている。2015年4月27日、ニューヨークで開催された日米安全保障協議委員会で改訂が合意された。平時から緊急事態までの全状況（平時、日本の平和と安全に対する脅威、日本以外の国に対する武力攻撃、日本に対する武力攻撃、日本の大規模災害）で日本の平和と安全を確保することと、アジア太平洋地域及びこれを越えた地域の安定を確保することを主目的とし、日米両国間の安全保障と防衛協力を定めている。平時には情報収集・警戒監視・偵察、防空・ミサイル防衛、海洋安全保障、アセット（装備品等）防護、訓練・演習、後方支援、施設の使用で日米が協力し、非戦闘員退避活動、海洋安全保障、避難民への対応、捜索救難、施設・区域警護、後方支援、施設使用を通じて日本の平和や安全への脅威に対処する。日本に対する武力攻撃が行われた場合、自衛隊は日本とその周辺海空域、それら海空域の接近経路において防勢作戦を主体的に実施する。日本の上空及び周辺空域を防衛するための作戦は日米共同で実施し、自衛隊は航空優勢を確保しつつ防空作戦を主体的に行い、航空機や巡航ミサイルに対する防衛に限られない必要な行動をとり、アメリカ軍は自衛隊の作戦を支援・補完する。日本に対する陸上攻撃（島嶼に対するもの含む）が行われた場合、自衛隊が主体的に攻撃排除・領域奪回作戦を行い、アメリカ軍はそれを支援・補完するための作戦（打撃力の使用を伴う作戦を含む）に就く。弾道ミサイル防衛では、自衛隊が作戦を主体的に実施し、アメリカ軍が支援・補完する。前ガイドラインと違い、日本有事の際は、概ね自衛隊が作戦を主体的に行い、アメリカ軍は支援・補完という立場で、アメリカ軍が極力早期に増援を送り込むとか、打撃力・機動打撃力の使用を考慮するといった文言が無くなった（日本に対する大規模侵攻に対処するための領域横断的な作戦を除く）。平時の情報共有や日米共通の情勢認識を図るためと、空域防衛作戦、弾道ミサイル対処作戦、海域防衛作戦、陸上攻撃対処作戦、領域横断的な作戦、作戦支援活動といった日米共同作戦行動をスムーズに行うため、日米両政府が同盟調整メカニズムを確立（具体的には日米共同統合運用調整所BJOCCの常時開設）し、共同計画策定メカニズムを構築、自衛隊とアメリカ軍は緊密な情報共有を確保し、定期的な訓練・演習、緊密な情報共有、要員交換などを実施する。日本の平和と安全に対する脅威への対処として、周辺事態に換わって重要影響事態という用語を用い、活動地域を限定せずに非戦闘員待避、海洋安全保障、避難民対応、捜索救難支援（戦闘捜索救難を行うアメリカ軍への支援）、施設区域警護、後方支援（補給、整備、輸送、施設、衛生を含むが、これらに限らない）、施設使用を実施する。集団的自衛権行使容認を受け、第４章Ｄ項に日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動が定められ、装備品等のアセットの相互防護、捜索救難、海上作戦（掃海、船舶護衛、敵支援船舶活動阻止）、弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦、後方支援が挙げられている。集団的自衛権行使に際しては、主権の十分な尊重を含む国際法や各々の憲法・国内法に従い、被害国の意向を尊重する。第５章では、アジア太平洋地域とそれを越えた地域の平和、安全、安定、経済的繁栄のため、パートナー（オーストラリア、韓国、ASEAN諸国などを考慮しているらしい）と協力し、海洋安全保障、能力構築支援、非戦闘員待避活動、情報収集・警戒監視・偵察、訓練演習を通じて主導的役割を果たすとしている。国際的な活動協力として、平和維持活動PKO、国際的人道支援・災害救援、海洋安全保障、パートナーの能力構築支援、非戦闘員待避活動、情報収集・警戒監視・偵察、訓練演習、後方支援を挙げ、PKOでの外国要員保護（外国PKO要員が攻撃を受けた際の自衛隊 PKO要員による反撃、いわゆる駆け付け警護）の文言を加えた。いわゆる駆け付け警護は2002年のPKO協力法改正でPKF（治安維持活動含む）への参加凍結が解除された時点で法的にはクリアされており、これを追認した形である。改定にあたり発表された「変化する安全保障環境のためのより力強い同盟」と称する日米共同文書では、尖閣諸島が日本の施政化に置かれ、日米安全保障条約第５条に含有される領域であることをコメントしている。集団的自衛権容認を含めて国会の審議や承認は無く、閣議決定と与党協議のみで大幅な防衛政策転換を行ったため、これに基づく安全保障法制（平和安全法制整備法、国際平和支援法）は2015年5月11日に閣議決定されたものの国会審議は揉めまくり、大幅な会期延長と乱闘を経て9月19日の参院本会議で可決成立、9月30日に公布された。2015年11月3日、防衛協力小委員会で同盟調整メカニズムと共同計画策定メカニズムの設置が決定し、即日運用を開始した。参考：月刊軍事研究8,'15、月刊世界の艦船7,’15、1,’15、3,’15、6,'22、月刊JWings1,’15、7,’15、12,'15、朝雲、ベーシック条約集2018

＜日邦丸＞：飯野海運1TL型戦時標準油槽船。総トン数10542トン。昭和18年10月5日起工、昭和19年1月12日進水、3月5日竣工。参考：戦時標準船入門

＜日穂丸＞：日産汽船貨物船Nichiho maru。大元は大正2年（1913年）2月に竣工したモウィンケル汽船ストリンダで、日本産業汽船コルモポライト商会が購入してオルトウォに改称され、日産汽船に移籍して日穂丸に改称された。垂線間長134.04m、幅17.31m、深さ8.8m、満載吃水7.76m、総トン数6363トン、重量トン数11185トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2400馬力、航海速力10ノット、最大速力11ノット。太平洋戦争時は船舶運営会の輸送を行った。昭和17年10月21日、馬公から門司に向かう途中、基隆北北東125海里でSS-217ガードフィッシュの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’18

＜日明丸＞：日産汽船貨物船Nichimei maru。大元は大正元年（1912年）9月に竣工したコンコルディア汽船アルフレッド・ノーベルで、昭和9年に日本産業汽船コスモポライト商会が購入してオルトリに改称され、昭和13年に日産汽船に移籍して日明丸に改称された。垂線間長121.92m、幅15.93m、深さ8.64m、満載吃水7.66m、総トン数4704トン、重量トン数9060トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2400馬力、航海速力10ノット、最大速力11ノット。太平洋戦争では陸軍の輸送を行った。昭和18年1月15日、シンガポールからラングーンに向かっていたところ、ラングーン南南東200海里でB-24爆撃機の爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’18

＜日龍丸＞：日本陸軍輸送船。大元は大正8年5月30日に竣工した国際汽船の櫨山丸で、昭和4年に樺太汽船に売却されて樺太丸になり、昭和12年に合併で日産汽船の日龍丸となり、太平洋戦争開戦直前に徴用された。垂線間長191.92m、幅16.15m、深さ9.75m、吃水8.11m、総トン数5466トン、重量トン数8794トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2800馬力、航海速力９ノット、最大速力11ノット。昭和16年11月下旬、カムラン湾に進出。太平洋戦争勃発でマレー半島パタニ上陸作戦に参加。昭和18年1月7日、ラバウルからラエに向かう途中、ニューブリテン島南方でアメリカ爆撃機の空襲を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜日連丸＞：日本陸軍輸送船Nichiren maru。元は大正9年2月27日竣工の山一汽船ウラル山丸で、大正14年に樺太汽船に売却され第十二平榮丸に改称、昭和12年に平榮丸に改称され、同年に樺太汽船と日本産業汽船が合併して日産汽船になったため移籍、昭和13年に日連丸に改称され、太平洋戦争で陸軍に徴用された。垂線間長121.92m、幅16.15m、深さ9.75m、満載吃水7.85m、総トン数5460トン、重量トン数8761トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2800馬力、航海速力9.5ノット、最大速力10ノット。昭和19年3月16日、釧路からウルップ島に向かっていたところ、釧路南東100kmでSS-199トートグの雷撃を受け沈没し、1934名が戦死した。参考：月刊世界の艦船6,'20、輸送船入門

＜日露２＋２＞：日露外務防衛担当閣僚協議。日本にとってはアメリカ、オーストラリアに次いで３カ国目、ロシアにとってはアメリカ、イギリス、フランス、イタリアに次いで５カ国目の２＋２である。2013年11月2日に外務省飯倉公館で第１回目が開かれ、アジア太平洋地域での両国の情報認識や安全保障について話し合われた他、海自とロシア海軍の共同テロ・海賊対処訓練、ソマリア沖での両国海賊対処部隊共同訓練実施、ドモデドボ内務省訓練センターでのアフガニスタン麻薬対策人材育成共同プロジェクト立ち上げ、サイバー安全保障協議新設、日露防衛大臣相互訪問定例化などで一致した。2017年3月20日、第２回が東京の外務省飯倉公館で開催され、北朝鮮による挑発行動の自制や安保理決議遵守の要請、防衛当局間での実務レベル協議、部隊間交流、捜索救難共同訓練の継続で一致した。日本が北方領土へのロシア軍増強の懸念を示したのに対し、ロシアは第三国向けの活動ではないと説明。ロシアのBMDシステムへの懸念に対し、日本は北朝鮮の脅威に対するものでロシアの脅威にはならないと説明した。2018年7月31日、第３回がモスクワで開催され、防衛協力・交流の推進、北朝鮮の非核化に向けた緊密な連携で一致した。日本はロシアによる北方領土の軍備強化に遺憾の意を表明。ロシアがイージス・アショアに懸念を表明したのに対し、ロシアに脅威を与えるものでは無いと理解を求めた。2019年5月30日、第４回が外務省飯倉公館で開催され、防衛協力・交流の更なる推進で一致した。日本は北方領土の軍備強化、ロシアはイージス・アショアに懸念を示している。参考：月刊軍事研究4,’14、6,’17、朝雲

＜日朗丸＞：日本海軍特設運送船（油槽船）。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。昭和17年8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。参考：日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜日露海上事故防止協定＞：領海外に位置する水域またはその上空で、自衛隊とロシア軍の艦船及び航空機の安全を確保するために結ばれた条約で、別名「領海の外側に位置する水域及びその上空における事故の予防に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定」。1993年10月13日に署名され、1993年11月12日に発効した。互いの艦船が視界内にある場合、信号により行動や意図を示す。視界が悪い場合は発光信号か、VHF 無線チャンネル16（156.8MHz）で交信する。航空機が他方の領空や航空機・艦船と接近する恐れがある場合、VHF121.5MHzまたは243MHzで交信する。また、他方の艦船や航空機に攻撃・模擬攻撃行動、操縦室への照明照射などを行うことを禁じている。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜日和丸＞：日本陸軍輸送船Nichiwa maru。大元は明治42年7月に竣工したイギリスのホガース・シッピング社所属貨物船バロン・ネイピアで、大正15年に小熊商店が購入して維新丸になり、昭和10年に共和汽船が購入、昭和13年に合併で日産汽船に移り日和丸と改称され、太平洋戦争勃発で陸軍に徴用された。垂線間長122m、幅15.85m、深さ9.14m、吃水7.33m、総トン数4955トン、重量トン数8070トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2500馬力、航海速力9.5ノット、最大速力12ノット。昭和19年5月14日、3503船団の一員として館山からサイパンに進出。5月17日、サイパンからパラオに向かっていたところ、グアム北西270kmでSS-282タニーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船8,’19

＜ニツァホン＞：イスラエル海軍サール６型コルベット４番艦Nitzachon。2021年7月に納入された。8月30日、ハイファに到着した。参考：月刊世界の艦船10,’21、11,’21

＜日課＞：軍隊の日課は分刻みでスケジュールが決まっているが、自由が無く窮屈と感じるか、指示に従っていれば一日過ぎるので楽と感じるかは本人次第である。参考：月刊軍事研究9,’13

＜日課（アメリカ戦略原潜）＞：６時間ごとの３直哨戒配備で、６時間の当直に就いたら12時間の非番というサイクルである。非番時には訓練、整備、自学自習、食事（１日４回）、各種ゲーム、映画、読書、運動（SLBM区画でランニングも可能）、睡眠などを行う。出入港や戦闘配置の際には総員配置が下命される。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜日課（海軍兵学校）＞：0600、総員起こし。起床動作の後、洗面所に走って上半身裸で洗面と歯磨きと乾布摩擦を行い、上着を着て練兵場で号令演習、また上着を脱いで乾布摩擦をする。0615、15分間体操。海軍体操を行う。自習室・寝室室直の生徒は五分くらいで切り上げて掃除に入る。体操後は朝の自習。0655、大食堂入り口前に集合する。0700、朝食。生徒隊当直監事の着けの号令で着席し、聖訓５箇条を声を出さずに唱える。続いて当直監事の食事にかかれの号令で食べ始める。隊務当番は当直監事の開けの号令（早いと３分くらいで告げられる）で隊務に移らなければならないので、食べると言うよりも流し込む作業となる。0755、定時点検。午前中の課業の服装で生徒館前に分隊ごとに整列し、生徒隊監事に敬礼、分隊監事による点検を受ける。終わると分隊は解散し、各学年・教班別に並び直す。0800、軍艦旗掲揚。君が代と共に練兵場中央東端の千代田艦橋のマストに軍艦旗が掲揚されるので、挙手の敬礼を行う。続いて課業始め。教班ごとに行進して講堂に向かう。0810-1200、学術教育（２教科）。1200、課業止め。1215、昼食。1315-1405、学術教育（１教科）。1430-1630、教練・体育（1-2教科）。1630-1730、入浴。日没時に軍艦旗降下。1730、夕食。2000-2015、自習中休み。2130、自習止め。2145、巡検用意、就寝動作。就寝動作が終わると一号生徒の周りに集まり、四方山話に花を咲かせる。2200、巡検。巡検後は数分間の寝言がある。月曜日は0745に千代田艦橋前に整列し、0750から監事長点検を受ける。土曜は午前が平日と同じで、1300-1430が大掃除、1435-1450が銃器手入れ、1500から総員訓練（棒倒しや総短艇など）である。日曜・祝日は以下の通り。0800、軍艦旗掲揚。0900、外出点検。終われば生徒倶楽部などへの外出が可能で、その際は校門左の外出札を裏返して赤字側を表にする。1715、帰校点検。1730、夕食。1800、軍歌演習用意。号令台を囲んで二重同心円の隊列を組む。1805、軍歌演習開始。生徒隊週番生徒の右向け右の号令で外側は右、内側は左を向き、前へ進めで歌いながら行進する。2100、自習止め。1月初めから２週間ほど厳冬訓練として0500に起床し、15分間の体操の後、短艇または柔道・剣道の訓練を毎日交代で１時間行う。7月1日から8月31日は酷暑日課として時間が１時間繰り上がり（0500総員起こし、2100巡検）、酷暑訓練として晴雨に関わらず午後の課業が遊泳だけになる。また、巡検終了後の30分は練兵場や生徒館屋上で納涼が許される（ただし寄りかかったり座ったりは禁止）。9月中は0530総員起こし、2130巡検で、10月1日から冬期日課として元に戻る。参考：海軍兵学校よもやま物語、月刊丸7,’14

＜日課（海上自衛隊護衛艦）＞：日の出と共に航海灯または停泊灯消灯。0545、当直員起床。0555、総員起こし５分前。0600、総員起こし、総員体操用意。0605、体操。0615、甲板掃除始め。別れ、配食用意。以前は別れと配食用意の間に休め、顔洗えがあり、配食用意も食卓番手を洗えと言った。0630、甲板掃除終了。配食始め。0645、朝食。0715、艦長以下幹部と先任伍長が課業などについてのミーティングを開始。0755、自衛艦旗揚げ方５分前。後甲板やヘリ甲板に艦長以下乗員が整列する。0800、揚げの号令で自衛艦旗掲揚。終了したら掛かれの号令詞がかかる。0805、課業始め５分前。0810、課業始め、分隊整列。副長が課業の内容を伝える。離着任の挨拶や重要伝達事項がある場合は総員集合の号令詞がかかる。課業の途中に休憩を入れる時は休めの号令詞が入り、元の課業につけで課業に戻る。以前は煙草盆出せ・煙草盆引けだったが、禁煙推奨で変更された。1130、配食用意。1145、課業止め、配食始め。1250、体操。1300、課業始め。1615、配食用意。1630、課業止め。配食始め。1700、応急隊整列、上陸員上陸用意。1710、上陸員整列５分前。1715、上陸員整列。日没と共に自衛艦旗降下、航海灯または停泊灯点灯。1900、甲板掃除始め。機関科点検。1915、甲板掃除終了。1915、分隊点検用意。1925、分隊点検の位置に整列。1930、分隊点検。終了したら別れの号令詞がかかる。2200、消灯。通路の灯火は赤色になる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜日課（海上自衛隊教育隊）＞：0600、総員起こし。起床して服を着てベッドを整え、隊舎の前に整列する。ここまで３分以内。0605、総員体操用意。人員点呼と海上自衛隊体操を行う。0615、甲板掃除。屋外や共用区画を掃除する。0630、朝食。その後教務準備などを行う。0745、行進移動。0800、国旗掲揚・朝礼。0820、課業始め（教務開始）。1200、課業やめ、昼食。1255、体操・整列。日本海軍のいわゆる「整列」とは違うので注意。1315、課業始め。1605、別課。体育訓練を行う。1700（1645？）、課業やめ。1730、夕食、入浴、洗濯など。日没と共に国旗降下。1930、人員点呼、甲板掃除。教室や隊舎などを清掃する。2000、自習はじめ、巡検。巡検は指導官と当番隊員が行う。巡検終了後は自習時間となる。2100、自習止め。自由時間。2200、消灯。申請すれば延灯が認められ、自習室で2300まで勉強できる。休日は0700総員起こし、人員点呼、体操。0715朝食。0800国旗掲揚。外出は自由だが制服着用である。1200、昼食。1630、点呼。この時までに外出から帰っていなければならない。1700、夕食。日没と共に国旗降下。1930、人員点呼及び甲板掃除。2000、火の元点検。2200、消灯。参考：MAMOR vol.58、vol.117、月刊JWings9,’14、海上自衛官紹介資料

＜日課（看護学生自衛官コース）＞：0630、起床。0635、日朝点呼。0645-0735、朝食。0735-0750、清掃。0800、国旗掲揚。0800-0815、朝礼。0815-0830、課業整列。0830、課業始め。1145、課業やめ。1145-1245、休憩。1150-1240、昼食。1245-1300、課業整列。1300、課業始め。1700、課業やめ。1715、国旗降下。1730-1830、夕食。1700-2040（金曜は1700-2100）、入浴。2050（金曜は2250）、日夕点呼。2100-2300、自習。2300、消灯。土日祝日は休校で、0700起床、0705日朝点呼、0730-0820朝食、1200-1250昼食、1700-1750夕食、1700-2100入浴、2250日夕点呼、2300消灯。参考：MAMOR vol.90

＜日課（自衛隊）＞：自衛官の勤務時間及び休暇に関する訓令に規定がある。基本的な勤務時間は部隊が0815-1700、防衛省や技本などが0830-1715（どちらも昼休憩1200-1300あり）だが、時間外でも行動、訓練、演習など必要時には何時でも職務に従事することが求められる。年次休暇（有休）、特別休暇（年末年始など）、代休もあるが、連絡は常に取れるようにしておき、有事には押っ取り刀で駆けつける。国旗降下は陸空自では課業終わりの時だが、海自は日没時である。参考：MAMOR vol.83、vol.93

＜日課（少年工科学校）＞：0600起床。0630-0720朝食。0730朝礼。0800国旗掲揚、課業初め。50分授業で休みは10分である。午後に毎日１時間のクラブ活動が必須科目として組み込まれている。1700夕食、入浴。1915-2130自習時間。2200消灯。参考：日本の防衛戦力Part1

＜日課（女性自衛官教育隊）＞：0600、起床・日朝点呼。0830、朝礼・国旗掲揚・課業始め。1200、昼食・昼休み。1300、課業始め。1715、終礼・国旗降下・課業やめ、夕食、入浴、自由時間。2230、日夕点呼。2300、消灯。参考：スピアヘッドNo.13

＜日課（ドイツ陸軍再軍備後・兵営）＞：0530起床、シャワー。0550、整列点呼。0600、ランニング（3-5km）。0630、清掃と食事。0700、課業始め。1200、食事。1300、課業始め。1700、清掃。1800、食事。1900、自由時間。2200、消灯。参考：月刊丸9,’03

＜日課（日本海軍）＞：0545、総員起こし15分前。三等兵はこの前に目を覚まし、釣床をくくってネッチングに収容、服を着ておく。0555、総員起こし５分前。班長と下士官が起きてくるので、三等兵は彼らの釣床をくくり、一・二等兵のくくった釣床をネッチングに収める。0600、総員起こし。上甲板に出る。0615、総員体操用意。適度に散らばり、当直下士官の号令と行進ラッパに合わせて体操を行う。0630、両舷直甲板洗い。兵科の下士官と兵が甲板掃除にかかる。下士官がデッキブラシで擦る真似をし、一等兵や上等兵が号令を掛け、一等兵や古手の二等兵は砲塔などを雑巾で磨き、新二等兵や三等兵が上甲板磨きを行う。機関科や主計科などは別の仕事がある。洗濯の日は甲板洗い終了後に水配給の号令がかかるので、各分隊の若年兵がオスタップとチンケースを持って水配給所に並び、各分隊に水を持ち帰って洗濯を行う。洗濯機はもちろん洗濯板も無いので、手もみ・足踏みの石鹸洗いである。水は限られているが、石鹸の匂いが残らないように濯いでおかないと後が怖い。0655、総員手を洗え。ハッチ横の台に消毒水とガーゼの入った洗面器があるので、これで手を洗い、食卓番が烹炊所に食事を取りに行く。潜水艦は余計な水が使えないので、布で拭くだけである。0700、朝食。0745、日課手入れ始め。0755、課業整列５分前。0800、課業始め。1145、課業止め。1155、総員手を洗え。1200、昼食。1255、課業整列５分前。1300、課業始め。1645、課業止め。午前と午後の課業の間にはそれぞれ15分の休め、煙草盆出せがある。1655、総員手を洗え。1700、夕食。1710、上陸員整列５分前。1715、上陸員整列。1745、別科始め。1815、別科止め。1830、酒保開け。2115、巡検用意。釣床を張って寝たふりをする。2130、巡検。巡検終わり、煙草盆出せ。2230、消灯。参考：海軍よもやま物語、月刊丸9,’03、潜水艦気質よもやま物語

＜日課（日本海軍特別年少兵）＞：0445当直係・釣床係起床。0500、総員起こし、釣床収め、洗面、乾布摩擦。0520、人員点呼、宮城遙拝、海行かば、体操。0530、各部掃除。0600、掃除止め。0615、朝食。0645、診察、指定分隊のみ洗濯始め。0720、水・土曜のみ銃器手入。0730、洗濯止め、同乾方。0740、銃器手入止め。0750、定時点検。0800、第一時教科始め。0850、第一時教科止め。0900、第二時教科始め。0950、第二時教科止め。1000、第三時教科始め。1050、第三時教科止め。1100、第四時教科始め。1150、第四時教科止め。1200、昼食。1305、木曜のみ軍事点検。1315、第五時教科始め。1405、第五時教科止め。1415、第六時教科始め。1505、第六時教科止め。1515、第七時教科始め。1605、第七時教科止め。1645、夕食。1715、防火隊立対。1815、釣床卸し、各部掃除。1845、厠、洗面所点検。1900、第１次温習始め。1945、休憩。1950、第２次温習始め。2030、温習止め、御製拝唱、掃き掃除。2045、巡検用意。2100、巡検。2130、消灯。冬は0545当直係・釣床係起床。0600、総員起こし、釣床収め、洗面、乾布摩擦。0620、人員点呼、宮城遙拝、海行かば、体操。0630、各部掃除。0700、掃除止め。0715、朝食。0745、診察、指定分隊のみ洗濯始め。0805、水・土曜のみ銃器手入。洗濯止め、同乾方。0820、銃器手入止め。0830、定時点検。0840、第一時教科始め。0930、第一時教科止め。0940、第二時教科始め。1030、第二時教科止め。1040、第三時教科始め。1130、第三時教科止め。1145、昼食。1300、木曜のみ軍事点検。第四時教科始め。1350、第四時教科止め。1400、第五時教科始め。1450、第五時教科止め。1500、第六時教科始め。1550、第六時教科止め。1615、夕食。1645、防火隊立対。1800、釣床卸し、各部掃除。1845、厠、洗面所点検。1900、第１次温習始め。1940、休憩。1950、第２次温習始め。2030、温習止め、御製拝唱、掃き掃除。2045、巡検用意、巡検。2100、消灯。土曜日は午後が1200昼食・大掃除用意、1215防火隊立対、1300大掃除始め、1430大掃除止め、掃除点検、1445体技始め、1545体技止め、1645夕食、2015釣床卸し、各部掃除になる。冬の土曜日午後は1145昼食・大掃除用意、1215防火隊立対、1300大掃除始め、1430大掃除止め、掃除点検、1445体技始め、1545体技止め、1645夕食、1945釣床卸し、各部掃除である。日曜祝祭日は0730温習始め（軍人勅諭奉読）、0800温習止め、0845外出許可・防火隊立対、1645外出団帰団、帰団点検、軍歌、1715夕食。冬の日曜祝祭日は0815温習始め（軍人勅諭奉読）、0845温習止め、0915外出許可・防火隊立対、1600外出団帰団、帰団点検、軍歌、1630夕食。参考：陸海軍学校と教育

＜日課（日本海軍予備学生）＞：0600総員起床。0615-0645朝拝体操、室内掃除。0655室内点検。0715朝食。1815始業。1145昼食。1245軍事点検。1300始業。1450止業。1510-1610訓練。1630夕食。1840釣床卸す。1900自習始め。2045自習止め。2100巡検用意。2115巡検。参考：陸海軍学校と教育

＜日課（日本陸軍内務班）＞：0530、起床ラッパで起床。布団を畳む。週番上等兵の「点呼用意」で舎前営庭に整列する。「点呼」で日朝点呼を開始。班長が週番士官と週番下士官に「第○内務班、総員○名、現在員○名、番号！」と言うので、班員は「一」「二」…と番号を叫ぶ。その後は内務班の掃除を行い、週番上等兵の「食事当番、集合」で食事当番がメシ上げに行く。朝食後、「作業員集合用意」「使役集合」などの号令で午前の作業に入る。1200、昼食。1300、午後の作業開始。1800、夕食。その後は学科などがある。2030、日夕点呼。2100、消灯。消灯後も初年兵は破れた靴下の繕い（古参兵のもの含む）などを行う。コツを覚えると、布団の中の真っ暗闇でも針に糸を通せるようになる。参考：新兵サンよもやま物語

＜日課（日本陸軍中野学校）＞：0600起床。0600-0800、朝食など。0800-1130、学科または実技。1130-1300、昼食・昼休憩。1300-1530、学科または実技。1600-1700、剣道または空手。1700-1800、夕食。1800-2000、自習。教官と共に神楽坂に出向き、酒席や女性に関する実技を学ぶこともあった。2100、就寝。夏期には三浦半島野比海岸で合宿が行われた。また、中国東北部への２週間の卒業旅行があり、諜報戦の現場を見学した。参考：陸海軍学校と教育

＜日課（防衛医科大学校）＞：0630起床。0645-0735朝食。0800国旗掲揚。0800-0820朝礼、課業行進。0830課業始め。1150、課業止め。1150-1240昼食。1300、課業始め。1700課業止め。1715国旗降下。1730-1830夕食。1700-2000入浴。2100-2400自習。2400消灯。学友会活動は1700（1715？）以降である。参考：防衛医科大学校学生募集案内、MAMOR vol.136

＜日課（防衛大学校）＞：0600起床。0605日朝点呼、乾布摩擦。0610-0630掃除（２年生が指導、１年生が実施）。0635-0720朝食。0800国旗掲揚、朝礼。0815課業行進。0830-1140、午前授業（1-4時限）。1200昼食。1300課業行進。1315-1625午後授業（5-8時限）。1625-1830校友会活動（サークル活動。体育会系が義務）。1730国旗降下。1730-1915入浴。1815-1915夕食。1920-1935軽清掃。実際には軽くなく、本気で掃除をするので注意。1940日夕点呼。学生同士の連絡事項の伝達もここで行う。2000自習（2210まで。延長希望者は日夕点呼時に申告）。2230消灯（必要なら2400まで延長可）。土日祝日の外出は、翌日が休みなら門限2320、平日なら2220で、外出点検クリア後の外出となる。参考：MAMOR vol.103、vol.104、月刊丸3,’13、防衛大学校学生募集案内

＜日課（防衛大学校、１９８３年）＞：0615起床。07310朝食。0830-1210午前課業。1225昼食。1320-1715午後課業。1715夕食。1920-2115自習。2215消灯。参考：日本の防衛戦力Part8

＜日課（予備自衛官招集訓練）＞：0600起床。0615日朝点呼、0630-0730朝食。0815朝礼。0830課業始め。1200-1300昼食。1300課業始め。1715課業やめ。1730終礼。1800-1900夕食。1900-1930入浴。2100日夕点呼。2300消灯。参考：MAMOR Vol.56

＜日課（陸上自衛隊）＞：0600起床。0630-0720朝食。0730間稽古（駆け足、銃剣道など）。0750朝礼。0800国旗掲揚、課業始め。1200昼食。1300課業始め。1700課業やめ。1700-1740夕食。2140日夕点呼。2200消灯。参考：日本の防衛戦力Part1

＜日海丸＞：日本海軍特設砲艦／特設運送船Nikkai maru。元は日産汽船貨物船で、昭和13年5月31日に竣工し、昭和15年に海軍が徴用して特設砲艦に改造、昭和16年1月に就役した。全長89.92m、幅13.72m、深さ7.29m、満載吃水6.2m、総トン数2562トン、重量トン数4092トン。主機は2DC-2000型二連成レシプロ・タービン連動汽機１基１軸1990馬力、航海速力11ノット、最大速力13.89ノット。太平洋戦争開戦後はラバウルで哨戒任務に就いた。昭和18年10月、特設運送船に艦種変更された。11月26日、ラバウルから横須賀に向かっていたところ、トラック南西500kmでSS-271レイの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜日華事変＞：当時の名称は支那事変で、勃発当初は北支事変だった。日華戦争や日中戦争と呼ばれることもあるが、日本側は宣戦布告をしていないので、最後まで事変と呼んでいる。昭和12年（1937年）7月7日、蘆溝橋での日本軍・中国軍衝突（盧溝橋事件）をきっかけに勃発した。当時の戦力は日本陸軍支那駐屯軍が歩兵連隊２個など6000名で、日本海軍は南支に第５水雷戦隊（第13駆逐隊と第16駆逐隊。駆逐艦計６隻）を展開していた。日本陸海軍は陸海軍中央協定を締結し、航空作戦は日本陸軍が北支、海軍が中支と南支を担当することを決定。国民政府軍は戦闘機200機を含む航空機700機を配備しており、アメリカ退役将校シェンノートの指導の下で日本軍に対抗した。7月8日、軍令部が第３艦隊に対し、台湾での陸海協同演習を中止して上海に復帰するよう命じた。7月9日、近衛内閣が臨時閣議で事件不拡大と円満解決の方針を決定。北京と東京で交渉に入り、一時は現地で停戦協定も成立したが、現地警備のため日本軍が動員を開始して兵力を拡大、国民政府軍も前線部隊への指導を徹底できず戦闘が拡大し、日本陸軍内部でも当初は石原莞爾参謀本部作戦部長らを中心に不拡大の方針も見られていたが、戦闘拡大と共に強硬派に押されていった。7月11日、日本は現地交渉が纏まらかったとして華北出兵を表明、中国側に事件不拡大方針の覚書を渡し、華北地域の警戒を強めた。日本陸軍が第20師団の応急動員を開始。日本海軍が第１連合航空隊（木更津航空隊と鹿屋航空隊からなる）、第２連合航空隊、水上機部隊２個を臨時編成した。第３艦隊が上海に到着。独立混成第１旅団が酒井兵団として公主嶺を鉄道で出発し、熱河省承徳から乗車行動を行い、7月16日に北京の東北にある密雲に到着した。7月14日、第16駆逐隊が青島に到着。7月21日、駆逐艦朝顔が福州から青島に到着。国民政府軍が西宛から撤退。アメリカのハル国務長官が13原則を提示し、平和的解決を望むという声明を出した。7月26日、郎坊で日本軍と国民政府軍が交戦。7月27日、北平に入場した日本軍が不法射撃を受けた（北平広安門事件）。内地の３個師団及び戦車第１・第２連隊に動員が下命され、戦車連隊は戦車第１大隊・戦車第２大隊に改称されている。現地では主食の調理にクリークの水を使ったが、コレラ菌に汚染されていたためコレラ患者が大量発生し、患者ではなく健康人を隔離しなくちゃいけねえと軍医が思わず呟く程の事態となり、必死の対症療法を行ったものの３割が死亡した。7月28日、日本陸軍が動員を下令。支那駐屯軍が国民政府軍に攻撃を開始。7月29日、通州事件勃発。7月30日、日本軍が天津を占領。7月31日、支那駐屯軍が２個軍と６個師団に増強され、北支那方面軍に改称された。また、18個飛行中隊からなる臨時航空兵団も北支那方面軍に派遣された。1800、重慶の居留日本人29人が宜陽丸に乗船し、翌日に砲艦比良に護衛され上海へと脱出した。8月1日、宜昌の居留日本人57人と沙市の居留日本人57人が長陽丸に乗船して上海へと脱出。8月2日、久留米で戦車第５連隊が編成され、戦車第５大隊に改称された後、北支那に派遣された。8月5日、長沙の居留日本人76人が勢多に護衛されて上海に脱出。8月6日、国民政府が南京で全国国防会を開催し、対日抗戦不可避を決定した。2100、漢口総領事代理が居留民の全面引き揚げを発令、揚子江流域に居住する日本人全員が上海に脱出した。8月7日夕方、敷設艦八重山、駆逐艦栂、栗が海軍陸戦隊収容のため漢口に入港。8月8日、日本軍が北京に入城。0100、敷設艦八重山、駆逐艦栂、栗が漢口を出港して上海に向かった。途中で砲艦勢多が収容した邦人を引き取っている。8月9日午後、敷設艦八重山、駆逐艦栂、栗が上海に到着した。夕方、大山事件が発生し、これが第２次上海事変に発展。8月10日、アメリカが和平斡旋の意向を示した。8月11日までに、中華民国海軍艦艇のうち巡洋艦５隻が自沈していた。8月14-16日、日本海軍が渡洋爆撃を実施。8月15日、陸軍戦車第１連隊に第５大隊（八九式中戦車乙型30両装備）が増強され、上海に出動して上海派遣軍の指揮下に入った。8月下旬、第11師団先遣部隊と第３師団の半数が海軍艦艇で上海に輸送された。ただ最初に上陸した呉淞では敵の防備が堅い所への強襲上陸となり、次に上陸した河沙鎮では一気に羅天鎮まで進んだものの上陸兵力が少なすぎて敵に包囲されてしまった。チャハル派遣兵団が編成され、酒井兵団と３個旅団が隷下に入った。8月20日、酒井兵団は張北に転進。５日間で700kmを踏破し、チャハルを攻撃したが、作戦の指揮を執った関東軍参謀東条英機中将が酒井兵団の機械化部隊を歩兵・戦車・砲兵に分割して使用し、陣地に正面攻撃を仕掛けたために大損害を出した。8月21日、中ソ不可侵条約が締結され、中国国民党政府がソ連に空軍の支援を要請。I-15戦闘機、I-16戦闘機、SB-2爆撃機など60機以上と、パイロットや航法士など250名弱が義勇兵として送り込まれた。8月23日、日本軍が上海に敵前上陸。8月24日、第５水雷戦隊が中南支沿岸で第１次交通遮断（海上封鎖）を開始。8月26日、駐華イギリス大使一行に日本軍が発砲し、ヒューゲッセン大使が重傷を負う事件が発生。9月、日本陸軍の動員派兵が15個師団となり、弾丸不足が懸念されだした。9月3日、第１・第２・第４・第５水雷戦隊が第２次交通遮断を開始。9月5日、日本海軍が第三国租借地と青島を除く中国全沿岸の海上交通を遮断する声明を出した。9月12日、中国側が国際連盟に提訴したが、当時ヨーロッパも情勢が悪化しておりアジアどころでは無く、解決への道は開けなかった。9月13日、日本軍が上海を占領。9月22日、中国国民党と共産党が第２次国共合作を正式に発表、蒋介石の国民党勢力が共産党を隷下に置いて日本軍に共同で対抗することとなった。10月、日本軍が上海方面に第10軍を編成。軍需動員令を発動し、弾丸などの生産を拡大した。10月27日、日華事変に関する９国条約会議に日本が欠席を表明。11月、上海方面担当の中支那方面軍を編成。この頃、主戦場は上海に移っており、国民政府軍は兵力35万名と１個戦車大隊を上海防衛に充てていた。そのため戦線が膠着してしまい、日本軍は敵後方への正面上陸を行うことにし、8月下旬に行った上海付近への上陸作戦の反省を活かして多数の兵員を一気に上陸させることにした。11月5日、杭州湾に第10軍が輸送船100隻で上陸。背後を突かれた国民政府軍は南京に後退を開始した。11月6日、駐華ドイツ大使を通じて和平条約を提示したが、調停は進捗しなかった。杭州湾は嵐となり、兵員に続いて上陸する筈の重装備を陸揚げできず、上海方面の黄浦江に迂回揚陸させたが、もともと補給基地として作用していた上海付近の取り扱い能力を超える物資が集中してしまい、揚陸を終えるのに２週間かかっている。11月13日、南京に撤退する国民政府軍を上海の西で包囲殲滅するため、杭州湾上陸作戦で使用した資材を流用して白茆江への上陸作戦を実施。当初は16日の予定だったが急遽繰り上げられ、上陸地点には国民政府軍が陣地を構築していて激戦となったが、制圧して上陸に成功した。11月19日、木更津空が北京郊外の南苑飛行場に移動。11月20日、大本営を設置。日本海軍が戦時編制を発動。11月末、独立混成第１旅団は公主嶺に帰還。12月1日、日本軍が南京攻略を開始、国民政府は南京を脱出して漢口に遷都した。12月12日、アメリカ砲艦PR-5パネイが九六式艦攻の誤爆を受けて沈没した（パネイ号事件）。イギリス海軍アフィス級河用砲艦レディーバードが中国の砲艦と間違えられ、日本陸軍第10軍の15cm榴弾砲の射撃を受けて損傷した（レディーバード号事件）。12月13日、南京が陥落。入城に備えて苛烈な市街掃討戦となり、南京虐殺と呼ばれることとなる。日本側は和平条約に条件を加担したため、交渉は振り出しに戻ってしまった。12月14日、歩兵第66連隊が南京郊外で大量の中国兵を捕虜にした。12月16日、歩兵第66連隊兵舎に収容中の中国人捕虜があまりに大勢過ぎたため、十分な食糧や水が行き渡らなくなり、師団司令部に問い合わせたが射殺せよと言われ、そうするわけにもいかないので上海派遣軍司令部に問い合わせたが明確な回答は無く、揚子江への進撃命令も出ていたため、取り敢えず揚子江の中州（かなり広く、住居などもある）に移して隔離することにした。12月17日午後、歩兵第66連隊第１大隊130名が中国兵捕虜数千名を後ろ手に縛り、夕方に護送して出発。前方が揚子江に差し掛かった時、中州から射撃を受けたため、中国兵捕虜が日本兵による射撃と勘違いして一斉に逃げ出し、第１大隊が発砲したが人数が違いすぎて抑えきれず大混乱となり、撃たれたり踏まれたりして相当の死傷者が出た。第１大隊でも７名が死亡している。12月17日、中支方面軍司令部が南京に入城。蒋介石政権は抵抗を止めず持久戦の道を選び、重慶への遷都を決め、準備が整うまで武漢に仮首都を置いた。昭和13年、造兵廠が全生産兵器中の弾薬生産比率を76%にまで高め、小口径弾650万発と中口径弾80万発を生産、需要増を何とか乗り切った。昭和13年1月、南京基地がSB-2爆撃機による爆撃を受け、撃墜した機体にソ連人パイロットが乗っていたため、日本政府は外務省経由で抗議したが、ソ連は義勇兵が勝手に参加したものであるとして受け入れなかった。1月1日、中華民国臨時政府が北京に創設された。1月15日、大本営政府連絡会議で国民政府との交渉打ち切りを決定。1月16日、近衛内閣は「国民政府を対手とせず」とする対支根本国是を発表。2月1日、イギリスの上海派遣部隊が撤収。3月18日、木更津空が九六式陸攻９機で江西省南城飛行場を爆撃し、大型機１機を破壊した。3月22日、南京陥落後も蒋介石政権の抵抗が続くため、日本海軍が航空隊の再編を実施。鹿屋空と木更津空を内地に帰還させて補充及び洋上の漸減作戦の練度回復を行い、代わりに高雄空を新編、第13航空隊を陸攻部隊に改編した。3月28日、南京に中華民国維新政府が創設された。4月27日、高雄空が初出撃し、60kg爆弾12発搭載九六式陸攻６機ずつで龍巌飛行場と福州飛行場を爆撃した。4月29日、九六式艦戦30機と第13航空隊九六式陸攻13機が漢口飛行場・漢口兵器工廠を爆撃。I-15戦闘機、I-16戦闘機、カーチス・ホーク戦闘機の迎撃を受け、九六式艦戦２機と九六式陸攻２機が撃墜された。空中戦戦果は九六式艦戦が撃墜37機、九六式陸攻が撃墜14機と報告されたが、中国側は被撃墜９機としている。5月初旬、徐州会戦。5月10日、廈門上陸作戦。5月20日、日本軍が徐州を占領。6月、日本陸海軍は武昌と漢口を攻略するため揚子江遡航作戦を開始。6月7日、中国軍は黄河の堤防を決壊させて日本軍の進撃を止めようとしたが、作戦的効果は殆ど無く、民間人に死者100万人と被災者600-1200万人を出してしまった。6月12日、日本陸軍中支派遣軍が安慶を占領。6月13日、海軍航空隊が安慶に進出。6月16日、高雄空の九六式陸攻６機が楽昌駅を爆撃。グラディエーター戦闘機の迎撃を受け、機銃弾により搭載していた60kg爆弾の下瀬火薬が誘爆し、巻き込まれた３機が墜落した。7月15日、張鼓峰事件が起こり、中国大陸は二正面作戦の様相を呈してきた。7月24日、国民政府が重慶に移転。8月、日本陸海軍が航空協定を締結し、武漢攻略作戦を開始。陸上部隊の航空支援を陸軍、上陸作戦と河川遡江艦艇支援を海軍、老河口－宜昌－常徳－宝慶を結ぶ線の内側での後方要地航空攻撃を陸軍、それ以外の後方要地航空攻撃を海軍が担当する。8月上旬、高雄空が第２連合航空隊の隷下に入った。8月11日、高雄空が上海戊基地に進出。8月12日、第12航空隊・第15航空隊九六式艦戦18機の護衛を受け、高雄空九六式陸攻13機が武昌の将軍行営（師団司令部）、第13航空隊九六式陸攻14機が漢口駅を爆撃。8月17日、木更津空と鹿屋空が九六式陸攻15機ずつで上海戊基地に展開。8月18日、高雄空九六式陸攻９機と第13航空隊九六式陸攻18機が衡陽の飛行場を爆撃。遠いため戦闘機の護衛は付けられず昼間強襲爆撃となり、敵戦闘機（I-15、I-16、グラディエーターなど）の迎撃を受けて第13航空隊九六式陸攻２機が被弾損傷し、２名が戦死した。この衡陽爆撃は当時内閣情報部の依頼で従軍取材していた北村小松が「海軍爆撃隊」のタイトルで昭和15年3月に小説として出版、5月には木村荘十二監督で東宝映画が映画化している。航空機が主役の戦意高揚映画はこれが日本初で、円谷英二が初特撮を行った映画でもある。昭和13年8月下旬、高雄空が第２連合航空隊の隷下を外れ台湾に帰投。9月15日、高雄空が三竈島に展開。9月20日、第１連合航空隊、木更津空、鹿屋空が安慶飛行場に移動。9月28日、高雄空が九六式陸攻９機で昆明を爆撃。敵戦闘機の迎撃で１機が撃墜された。10月11日、木更津空と鹿屋空の九六式陸攻24機が衡陽飛行場を爆撃。２機が撃墜され７機が被弾、14名が戦死した。10月12日、南支方面軍上陸部隊と海軍陸戦隊がバイアス湾（広東。現在の名称は大亞湾）に上陸。10月17日、国民政府は日本軍の武漢三鎮攻撃を受けて漢口から重慶に遷都。工業地帯に攻め込まれて自力で経済を維持できない状態に陥ったが、米英ソが援蒋ルートで重慶に援助物資を送り込んで政権を支えた。10月21日、日本軍が広東を占領し、香港からの援蒋ルート阻止を図った。10月24日、蒋介石が漢口を脱出。10月26日、漢口に日本軍偵察部隊が到達し、次いで第６師団が漢口を占領。武昌を日本軍が占領。10月27日、日本軍が漢陽を占領し、武漢三鎮を制圧した。ただ蒋介石ら主力の捕捉に失敗してしまい、汪兆銘を重慶から脱出（12月19日）させて政権を樹立させ、和平に持ち込む作戦に出たが、政府や軍の要人が続かなかったため、なかなか政権樹立に至らなかった。11月8日、木更津空と鹿屋空の九六式陸攻９機ずつが成都を爆撃。６機が被弾し２名が負傷した。11月9日、第27師団が通城を占領。11月11日、第９師団が岳州を占領。12月2日、日本軍が航空に関する陸海軍中央協定を締結。これ以上の地上侵攻には限界があり、主役を航空兵力に移して敵主要政府施設、航空基地含む軍事施設、援蒋ルートを爆撃する戦政略的航空作戦により、敵の継戦意志を挫くことにした。日本陸軍は長距離爆撃に備えて九七式重爆にテレフンケン社製方向探知機を積んでいる。12月15日、日本海軍が南支担当の第３連合航空隊を新編した。昭和14年1月、アメリカ・イギリス・フランスを中心に国際連盟で援蒋決議が行われた。1月4日、近衛内閣が総辞職。1月5日、平沼内閣が誕生。2月10日、日本軍が海南島に上陸。イギリスとフランスは日本軍の海南島占領に抗議した。3月、南昌攻略作戦。3月27日、日本陸軍部隊が南昌を占領。4月3日、日本海軍Ｔ作戦部隊が南昌に到達。4月8日、第14航空隊が昆明の航空基地を爆撃。4月10日、日本陸軍第５師団と海軍陸戦隊が海南島北部に上陸。5月3日、フランスが日本品の輸入禁止を決定。5月3-4日、第２連合航空隊第13・第14航空隊が重慶を爆撃。5月4-5日、蒋介石総統が重慶を視察し、高射砲含む防空体制強化と疎開を指示した。欧米メディアも重慶を取材し、無差別爆撃として批判している。5月5日、梅機関が汪兆銘を上海に脱出させた。5月7日、第13航空隊が重慶爆撃に向かったが、悪天候で宜昌に目標を変更した。第14航空隊は成都飛行場爆撃に向かったが、悪天候で襄陽に目標を変更している。5月12日、第13航空隊が成都飛行場爆撃に向かったが、悪天候で引き返した。5月25日、第13航空隊と第14航空隊が九六式陸攻38機で重慶を爆撃。第13航空隊の１機が高射砲で撃墜された。5月28日、第１次ノモンハン事件が勃発。6月、第２次ノモンハン事件勃発で日本陸軍が航空部隊を満州に引き揚げた。6月11日、第14航空隊が九六式陸攻27機で成都飛行場の夜間爆撃を実施。第13航空隊と高雄航空隊が九六式陸攻27機で1645に漢口基地を出撃、2120から重慶西側の軍事施設に高度5500mから爆撃を行った。戦闘機６機の迎撃で１機がエンジン１基を破壊されたが、2350に全機漢口に戻っている。6月21日、日本軍が汕頭に奇襲上陸して港を占領。7月26日、アメリカ国務省が日米通商航海条約破棄を通告。8月16日、日本軍が広東省宝安県南方に上陸した。8月28日、平沼内閣が総辞職。8月30日、阿部内閣が誕生。9月1日、第２次大戦が勃発。9月4日、日本政府は第２次大戦に介入せず、日華事変処理に全力を尽くすと発表。9月6日、第１連合航空隊木更津空・鹿屋空が漢口基地に進出。9月11日、木更津空が来鳳飛行場を爆撃。9月12日、支那派遣軍総司令部を新編。木更津空が恩施飛行場を爆撃。9月16日、日満ソ停戦協定が成立。9月29日、木更津空と鹿屋空が重慶付近の飛行場の夜間爆撃を実施。離陸時に鹿屋空の２機が衝突して破壊された。10月3日1400頃、漢口飛行場に同日着任する要員が九六式陸攻３機で到着して第１連合航空隊仮設戦闘指揮所で報告を行っていたところ、中国空軍SB-2爆撃機8-9機（パイロットは大半がソ連空軍所属）による奇襲爆撃を受けた。高度6000m以上からの投弾で、飛行場内には３発しか着弾せず、飛行機の被害は１機だけだったが、仮設戦闘指揮所が吹き飛ばされて第１連合航空隊司令官塚原二四三少将が左腕を切断、木更津空副長、鹿屋空副長ら士官４名と下士官８名が即死し、38名が重軽傷を負い、木更津空飛行隊長が10日後に死亡している。衡陽爆撃が題材の東宝映画「海軍爆撃隊」の撮影スタッフが漢口に滞在しており、被害状況を写真に残した。10月3日黄昏から10月4日黎明、SB-2爆撃機が出撃したとみられる来鳳と梁山を第13航空隊と木更津空が爆撃したが、SB-2爆撃機の姿は無く、梁山では戦闘機の迎撃を受けて３機が撃墜された。10月5日からSB-2爆撃機の中継基地とみられる衡陽や自流井などを爆撃したが、戦果は乏しかった。10月14日1240頃、中国空軍SB-2爆撃機３梯団計20機が漢口基地を空襲。上空哨戒にあたっていた第12航空隊の戦闘機は爆撃機編隊を発見できず、高射砲も届かず、基地には第13航空隊、高雄空、鹿屋空、第12航空隊所属機や陸軍機が剥き出しでずらりと並んでおり、九六式艦戦が緊急発進したが間に合わず、50機以上が大中破する大損害を受けた。第１連合航空隊では残存機材を南京に一時避難させ、第13航空隊は内地から機材を空輸している。10月19日、負傷した第１連合航空隊司令官塚原少将に代わって第２連合航空隊司令官桑原虎雄少将が第１連合航空隊司令官となり、第２連合航空隊司令官には大西瀧治郎大佐が着任した。この際、大西大佐が桑原少将に対し、第１連合航空隊司令官が第２連合航空隊も統一指揮し、第２連合航空隊司令官は参謀長役を務め、２個連合航空隊で統合作戦を行うことを提案し、了承されている。11月、南寧作戦。11月4日0800、第13航空隊九六式陸攻27機、木更津空九六式陸攻18機、鹿屋空九六式陸攻18機が漢口を離陸し、成都近郊の鳳凰山飛行場と温江飛行場を爆撃。中国空軍第５大隊I-15戦闘機・I-16戦闘機30機の迎撃を受け、総指揮官機（第13航空隊司令、飛行隊長、先任分隊長搭乗）を含む２機が撃墜された。11月13日、華北駐留英仏軍が撤収。11月下旬、第１・第２連合航空隊陸攻部隊が漢口から山西省運城に移動。12月5日、第２連合航空隊司令官大西瀧治郎大佐が陸軍第３飛行集団を訪問して陸海軍協同での蘭州昼間爆撃を提案し、百号作戦の名称で12月下旬に実行することになった。12月24日、第１・第２連合航空隊司令部が運城に移動。12月26-28日、百号作戦を実施。12月26日、運城から飛行第60戦隊九七式重爆36機と第１・第２連合航空隊九六式陸攻が出撃し、第１連合航空隊が蘭州東飛行場、第２連合航空隊が蘭州市街、飛行第60戦隊が蘭州市街東半分を爆撃。飛行第60戦隊は250kg爆弾を25発、50kg焼夷弾カ四を69発投下している。第１連合航空隊九六式陸攻１機が対空砲火で撃墜された。12月27日、運城から飛行第60戦隊九七式重爆36機と第１・第２連合航空隊九六式陸攻が出撃し、飛行第60戦隊は西固城飛行場と蘭州市街、第１・第２連合航空隊は東飛行場と西固城飛行場を爆撃した。12月28日、運城から飛行第60戦隊九七式重爆と第１・第２連合航空隊九六式陸攻が出撃し、共に蘭州市街を爆撃した。昭和15年1月13日、欽州湾に日本陸軍第５師団及び台湾混成旅団が上陸。1月14日、阿部内閣が総辞職。1月16日、米内内閣が誕生。3月30日、日本陸軍は参謀総長、参謀次長、総務、第１・第２・第３部部長、陸軍大臣、陸軍次官、軍務局長が出席した会議で、昭和15年中に和平工作を進め、終戦に至らない場合には昭和16年初めから撤兵を開始し、昭和18年には上海・蒙疆付近を残して撤収するという方針を固めた。新中国政府が樹立された。5-9月、重慶方面の戦略爆撃作戦である百一号作戦を実施。6月17日、第２次大戦欧州戦線でフランスが降伏。これを受けて日本陸軍は方針を転換し、日華事変継続と仏印進駐を決めた。7月15日、十二試艦上戦闘機（後の零戦）６機が漢口基地に到着。百一号作戦で陸攻の損害が多発していたため、第１・第２連合航空隊の両司令官が戦闘機を率いる横須賀航空隊横山大尉を直々に出迎えたらしい。ただ初期不良に悩まされ、初出撃は8月中旬となった。7月16日、米内内閣が総辞職。7月21日、第二次近衛内閣が誕生。7月26日、零戦（7月24日に制式化）６機が漢口基地に到着。8月10日、日本が中国沿岸海上封鎖の拡大を通告。8月13日、零戦７機が漢口基地に到着。零戦は第12航空隊の分隊で運用することになった。9月12日、第２連合航空隊第13航空隊九六式陸攻27機と同第12航空隊零戦13機が重慶近郊の李家花園を爆撃。敵機の迎撃は受けなかったが、帰投後に中国軍戦闘機32機が重慶上空を示威飛行したという偵察機の報告を受けた。9月13日、第13航空隊九六式陸攻（250kg爆弾２発＋60kg爆弾４発搭載）27機が第35回重慶爆撃のため出撃。第13航空隊九八式陸偵が先行して事前偵察と誘導を行い、江南セメント工場を爆撃する第12航空隊九九式艦爆９機が同行し、第12航空隊零戦13機の護衛を受け、零戦前進基地（宜昌）防空の九六式艦戦や零戦帰投時収容役の第12航空隊九七式艦攻２機も配置した。1335から爆撃を行い、帰投すると見せかけて重慶東70kmで零戦だけ重慶に戻ると、退避していた敵戦闘機（飛行第４大隊I-16戦闘機・I-153戦闘機）が戻ってくるのを発見。確実撃墜27機、被撃墜ゼロを記録した。9月25日、援蒋ルート遮断のため北部仏印に進駐。10月4日、第12航空隊零戦８機が成都の太平寺飛行場を攻撃。空中戦で６機を撃墜し、地上で10機を撃破、更に４機は敵飛行場に強行着陸してパイロットが地上の機体に火を付け、19機を炎上させた。10月5日、第14航空隊零戦９機と艦隊付属水上機がハノイ近郊ジャラム基地（二〇一基地）に進出。10月7日、第15航空隊九六式陸攻27機が海口基地から出撃し、ジャラム基地からの第14航空隊零戦９機の護衛を受け昆明南方の大兵工廠を爆撃。迎撃してきた中国空軍I-16戦闘機・I-153戦闘機を零戦隊が蹴散らして14機を撃墜、４機を地上撃破した。10月8日、第15航空隊九六式陸攻がジャラム基地に進出。10月13日、零戦２機、艦爆９機、第15航空隊九六式陸攻27機がジャラム基地を出撃し、昆明北西の兵工廠を爆撃した。10月18日、第15航空隊九六式陸攻34機がジャラム基地を出撃し、援蒋ルート滇緬公路メコン河の功果橋を爆撃したが、失敗した。10月25日、第15航空隊九六式陸攻36機がジャラム基地を出撃して功果橋を爆撃し、北の新橋に18発、南の旧橋に８発を直撃させて破壊した。この戦果を受け、伏見宮軍令部総長と及川海軍大臣が祝電を寄せている。10月26日、第15航空隊九六式陸攻35機がジャラム基地を出撃して雲南省ローウィンの飛行機工場を爆撃し、250kg爆弾59発と60kg爆弾184発を投下して爆砕した。10月28日、第15航空隊九六式陸攻35機がジャラム基地を出撃し、援蒋ルート滇緬公路サルウィン河の恵通橋を爆撃し、250kg爆弾７発と60kg爆弾14発を直撃させたが、橋は落ちなかった。10月29日、第15航空隊九六式陸攻35機がジャラム基地を出撃し、恵通橋を爆撃。800kg爆弾12発、250kg爆弾46発、60kg爆弾92発を投下し、800kg爆弾１発の直撃により橋を破壊した。11月29日、南京大礼堂で汪兆銘が南京国民政府主席に就任。11月30日、日本と南京国民政府との間で日華基本条約を締結し、更に満州も加えて日満華共同宣言に調印したが、蒋介石政府への中国国民の支持は高く、米英も援助を増大させた。12月初め、艦爆・艦攻装備の第14航空隊だけでは援蒋ルートに届かないため、陸攻部隊を派遣することになり、高雄航空隊派遣隊が九六式陸攻12機でハノイのジャラム基地に展開した。12月初め、九六式陸攻12機からなる派遣隊がハノイのジャラム基地に進出。12月11日、九六式陸攻（60kg爆弾12発搭載）12機がジャラムを出撃して昆明飛行場を爆撃。12月12日、九六式陸攻（250kg爆弾４発＋60kg爆弾４発搭載）がジャラムを出撃して援蒋ルート功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。12月13日、九六式陸攻９機がジャラムを出撃して箇旧市街を爆撃。12月14日、九六式陸攻がジャラムを出撃して功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。12月15日、九六式陸攻がジャラムを出撃して功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。12月22日、日本が中南支沿岸の海上封鎖強化を宣言。九六式陸攻がジャラムを出撃して功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。昭和16年2月、北部仏印進駐後に主要援蒋ルートとなった中支・南支の港湾を制圧する日本陸海軍協同作戦Ｃ作戦を立案。2月1日、援蒋ルートのビルマルート封鎖を狙ってビルマ独立支援特務機関の南機関を設立。5月までにC1-C5の５段階で実施することになった。2月3日、第２次バイアス湾上陸作戦。4月10日、第22航空戦隊美幌空・元山空が上海戊基地に進出。4月11日、美幌空が廣信、元山空が玉山と麗水を爆撃。4月15日、美幌空が余江、貴渓、弋陽、廣豊街縣、元山空が祟安、浦城、龍泉を爆撃。4月17日、美幌空が海門と石浦の沿岸砲台、元山空が海門の沿岸砲台を爆撃。4月18日、美幌空・元山空が玉山市街地と玉山飛行場を爆撃。4月19日、C4号作戦（福州攻略作戦）に呼応するF1作戦（鎮海・寧波・温州攻略作戦）が開始され、日本陸軍・海軍陸戦隊が福州と鎮海に上陸した。4月20日、元山空・美幌空が漢口基地に進出。4月23日、元山空・美幌空が常徳、長沙、益陽の軍事施設を爆撃。4月29日、元山空・美幌空が恩施と冷水灘の軍事施設を爆撃。5月3日、第12航空隊（誘導用陸偵１機、九八式陸偵２機、艦攻９機、零戦３機）、元山空（６番陸用爆弾12発搭載九六式陸攻27機）、美幌空（６番陸用爆弾12発搭載九六式陸攻26機）が重慶を爆撃。5月9日、美幌空と元山空が九六式陸攻（250kg爆弾２発＋60kg爆弾４発）27機ずつで重慶を爆撃。1125に漢口基地を離陸して重慶北西の軍事施設に向かい、美幌空の２機がエンジン不調で引き返し、うち１機が帰投中に高射砲で左エンジンを撃ち抜かれ（弾丸は不発だった）、宜昌に胴体着陸して大破した。5月10日、美幌空などが重慶を爆撃。5月16日、美幌空と元山空が重慶を爆撃。5月21日、蘭州で航空戦力の回復を図り成都と頻繁に往復している中国空軍を撃滅する六〇一号作戦を開始。参加部隊は第12航空隊、元山空、美幌空で、蘭州基地攻撃隊を北方隊、成都基地攻撃隊を南方隊とし、北方隊には運城から出撃する美幌空主力の九六式陸攻と第12航空隊零戦12機、南方隊には漢口から出撃する元山空主力の九六式陸攻と第12航空隊零戦27機を割り当てた。北方隊では零戦が敵地での空戦を終えてバラバラになると帰路の誘導が困難になると考え、美幌空九六式陸攻５機、元山空九六式陸攻４機、九六式輸送機２機を帰投コース上の高度4000mに８海里間隔で配置し、誘導にあたることにしたが、出撃直後に黄砂に襲われて零戦が帰投を余儀無くされている。九六式陸攻は護衛無しで爆撃を行い、60kg爆弾300発を投下。迎撃に上がってきたI-153戦闘機15機との戦闘では被撃墜は無く５機が損傷したのみだったが、高射砲で１機が撃墜されている。5月22日、六〇一号作戦第２次攻撃を実施。北方隊は零戦と陸攻が会同できず、護衛無しで爆撃を実施、I-16戦闘機の迎撃を受けたが被撃墜は無かった。南方隊は成都飛行場に駐機していた中型機とI-153戦闘機計10機を地上撃破し、護衛の零戦がSB爆撃機２機を撃墜している。5月26日、六〇一号作戦第３次攻撃を実施。北方隊の第12航空隊零戦が天水上空で５機を撃墜し、天水飛行場を機銃掃射してSB爆撃機とI-153戦闘機計17機を破壊、九六式陸攻は蘭州東飛行場を爆撃した。零戦の帰路誘導にあたる九六式陸攻は西安市街に60kg爆弾を投下した後でコース上に待機している。6月28日、美幌空九六式陸攻（60kg陸用爆弾６発、70kg焼夷弾２発、250kg陸用爆弾１発）26機と元山空九六式陸攻25機が第12次重慶爆撃のため出撃。ただ雲で視界が悪く、元山空は重慶南温泉周辺を爆撃したが、美幌空は目標を変更して1606に萬縣市街地を爆撃した。6月30日、美幌空九六式陸攻（250kg陸用爆弾１発、７番６号陸用爆弾２発、60kg陸用爆弾６発）24機と元山空九六式陸攻23機が第14次重慶爆撃のため出撃。第12航空隊九八式陸偵が先行して現地偵察を行い、美幌空が1308に重慶Ｂ区、元山空が1340に重慶江北市街を爆撃した。美幌空の１機が高射砲で右主翼２番燃料タンクに穴を開けられたが、無事帰投している。7月6日、美幌空陸攻３個中隊が重慶夜間爆撃を実施。7月8日、第20次重慶爆撃を実施。7月10日、第21次重慶爆撃を実施。7月16日、近衛内閣が総辞職。7月18日、第三次近衛内閣が誕生。第22次重慶爆撃を実施。美幌空九六式陸攻27機が1505に重慶Ｅ区の政府重要機関を爆撃した。7月22日、第11航空艦隊司令部が漢口に進出。7月25日、鹿屋空と高雄空が漢口に進出。美幌空と元山空が孝感に移動。7月27日、百二号作戦を開始。7月30日、アメリカ砲艦ツツイラが九六式陸攻の至近弾で損傷。8月31日、百二号作戦が終了し、日華事変における海軍航空作戦が事実上終結した。海軍はパイロット680名（うち陸攻379名）と航空機554機（うち陸攻113機）を喪失している。9月27日、日本軍が長沙を占領。10月16日、近衛内閣が総辞職。10月18日、東条内閣が誕生。12月8日、太平洋戦争勃発。12月12日、12月8日以降の名称を支那事変から大東亜戦争に統一。12月9日、重慶政府がドイツとイタリアに宣戦を布告。12月10日、大本営陸軍部第20班（戦争指導班）が対重慶屈服工作の研究を開始。12月10日、重慶政府屈服作戦の陸海軍関係者会議を開催し、諜報路線構築が喫緊の課題に挙げられた。12月24日、大本営政府連絡会議で対重慶屈服工作として諜報路線の構築を決定。まずは諜報ルート確保を最優先とし、屈服工作への移行は状況を見て判断することになった。昭和17年3月21日から4月8日、陸軍参謀総長、参謀本部第２課長（作戦課長）、第15課長（戦争指導課長）、陸軍省軍事課長らが南方戦線を視察し、4月6日に支那派遣軍総司令官に対して重慶攻略作戦の意向を伝達した。ただ支那派遣軍では華中穀倉地帯の制圧を目指しており、4月中旬に大本営陸軍部に対して西安攻略を打診。そこに日本本土奇襲攻撃があり、爆撃後のB-25B改が中国大陸に逃げたことから、4月30日に大本営陸軍部が支那派遣軍に対して浙江省方面航空基地制圧のせ号作戦を下命した。5月16日、陸軍参謀次長が支那派遣軍総司令部を訪問し、西安攻略の五十号作戦と重慶・成都など四川方面攻略の五十一号作戦の準備を下命。5月25日、北支那方面軍が陸軍参謀次長に対して西安攻略作戦（北支那方面軍では五号作戦と呼称）に必要な増強戦力リストを提出。総兵力30万名、３個軍の９個師団２個旅団での大攻勢を計画した。6月6日、参謀本部が対支政策要領を発出。五号作戦終了後は重慶攻略準備に移り、重慶政権に和平交渉を提案、決裂すれば重慶攻略を発動することにした。6月末、大本営陸軍部では五十号作戦と五十一号作戦を連続して行うことがほぼ決まり、名称を五十一号作戦に統一。鉄５万トン、航空燃料５万トン、輸送船10万総トンが不足していたので、海軍に譲渡を頼んだが、7月27日に拒否された。8月19日、物資不足で作戦開始の決定は先送りされたが、五十一号作戦の作戦準備の一部を開始することとなった。8月30日、五十一号作戦のうち四川攻略作戦を五号作戦と呼ぶことに決定し、大本営陸軍部から支那派遣軍に作戦要領が提示された。支那派遣軍隷下に四川攻略担当の第５方面軍を新設し、その下に既存の第１軍・第11軍に加えて第７軍と第28軍を新編編入、エアカバーは第３飛行師団が行う。占領地域の警備は北支那方面軍隷下の第12軍、第18軍（新編）、駐蒙軍と方面軍直轄１個師団・３個独立混成旅団、北支那方面軍直轄の第９軍、第13軍、第23軍が担当する。支那派遣軍の兵力は満州から18万名、内地から12万名、南方から６万名を引き抜いて増強し、総兵力97万名とする。9月22日、川口支隊によるガダルカナル島ヘンダーソン飛行場奪回の失敗を受け、兵力を南方戦線に回す必要性が高まったことから、大本営陸軍部が支那派遣軍に対して輸送船不足を理由に五号作戦延期を打診。11月7日、第２師団総攻撃によるヘンダーソン飛行場奪回の失敗を受け、大本営陸軍部が支那派遣軍に五号作戦中止を内示。以降もガダルカナル戦の戦況は悪化する一方で、12月10日に大本営陸軍部から支那派遣軍に五号作戦準備中止が正式に下命された。昭和18年1月9日、中国の租界還付・治外法権撤廃協定を調印。9月13日、蒋介石が国民政府主席に就任。10月30日、汪兆銘政権と南京で日華同盟条約を調印。昭和19年4月、一号作戦を開始。9月13日、拉孟・騰越守備隊玉砕。昭和20年3月、老河口作戦を開始。8月15日の終戦時、軍民合わせて日本人200万人が中国にいたが、国民政府は日本の支那派遣軍総司令官に中国戦区徒手官兵善後連絡部長官の肩書きを与えて軍による復員業務を実施させ、昭和20年から11ヶ月の間に引き揚げを完了した。ただ重慶軍との取り決めで、重慶軍が戦線に到着するまで中国共産党軍との戦闘を続けたため、昭和20年末まで武装解除されなかった部隊もある。参考：日本赤十字社社史稿第５巻、月刊PANZER9,’04、5,’06、戦時用語の基礎知識、月刊戦車マガジン11,’92、小艦艇入門、ラバウル航空戦、歴史群像6,’08、6,’14、8,’15、太平洋海戦史、大砲入門、月刊丸3,’90、12,’90、8,’95、6,’01、スピアヘッドNo.8、月刊世界の艦船5,’11、5,’18、月刊JWings1,’13、日本戦車隊戦史、月刊軍事研究9,’16、月刊航空ファン3,’17、7,’17、9,'17、11,’17、1,’18、3,’18、6,’18、8,’18、軍医戦記、軍医サンよもやま物語

＜日華事変・データ集＞：開戦時の日本海軍艦艇は戦艦９隻、空母４隻、重巡洋艦12隻、軽巡洋艦21隻、駆逐艦102隻、潜水艦59隻。開戦時の中華民国海軍艦艇は小型巡洋艦９隻、旧式小型駆逐艦２隻。参考：月刊世界の艦船5,’11

＜日華事変まで＞：大正13年、第１次国共合作。昭和元年7月、蒋介石が北伐軍を創設。昭和2年、チャッポロ事件。3月、南京事件（その１）。3月21日、北伐軍が上海に入城。4月、蒋介石が四・一二反共クーデターを起こして国共合作が崩壊。国民政府は反英抗日をスローガンに結束を図った。昭和3年4月、第２次山東出兵。5月3日、済南事変。6月5日、第３次山東出兵。同月、張作霖爆殺。昭和4年、世界大恐慌。グローバル化・自由貿易経済が国家主義・ブロック経済へと転換され、中国市場の開拓が日本にとって至上命題となり、満州を完全に植民地化して経済の活性化を図る方針が生まれた。昭和6年9月18日、満州事変。10月17日、十月事件。昭和7年1月、第１次上海事変。5月15日、五・一五事件。昭和8年3月27日、日本が国際連盟を脱退。昭和9年11月、日本陸軍クーデター未遂。昭和10年8月、陸軍省軍務局長斬殺事件。昭和11年2月26日、二・二六事件。11月25日、日独伊防共協定調印。12月12日、西安事件。参考：太平洋海戦史、月刊世界の艦船2,’15、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜日課手入れ＞：日本海軍の日課の一つ。朝食後の0745から行われる甲板（中甲板や下甲板）掃除のことで、分隊ごとに受け持ちが決まっている。まずテーブルと椅子の固定金具を外して天井に吊り上げ、箒で掃いてリノリウム油を撒いた後、三等兵と新二等兵が油雑布で甲板を磨く。古参兵は海軍精神注入棒で甲板を突きながら回れ、回れと号令を掛ける。サボっているのが見つかると、海軍精神を注入される。ラバウルやトラックに来襲する連合軍爆撃機による連日の空襲もこう称した。参考：海軍よもやま物語、続日本海軍よもやま物語

＜ニッカド電池＞：ニッケル・カドミウム電池の略で、アルカリ蓄電池ともいう。陽極がオキシ水酸化ニッケル、電解液が水酸化カリウム、陰極がカドミウムで、放電するとそれぞれ水酸化ニッケル、水酸化カリウム、水酸化カドミウムに変化する。起電力は1.2ボルト。電極をフィルム状にし、その間に水酸化カリウムを含んだシートを挟んで巻いてパッケージすることにより、電解液が漏れて腐食するような事態を防ぐことができる。完全放電せずに充電すると電池の容量が減ってしまうという欠点があるが、放電器で完全放電することにより復活する。参考：月刊軍事研究10,’06

＜日韓秘密軍事情報保護協定＞：日本と韓国の間の軍事情報包括保護協定（GSOMIA）、秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定。日本政府と韓国政府が秘密軍事情報を相互提供する際に、第三国への情報流出や漏洩を防止するための協定で、2012年6月に締結予定だったが韓国世論が反発して白紙に戻り、改めて2016年11月23日に署名・発効し、日本では12月2日に公布された。日韓両政府の国家安全保障のために保護を必要とする、秘密指定された防衛関連情報を秘密軍事情報とし、その保護、アクセス制限、送付、施設保安、保管、破壊、複製、翻訳、契約企業への提供などを定めている。１年ごとの自動更新で、破棄する場合は３ヶ月前に通告する。2019年8月23日、日本が韓国を輸出管理優遇対象国から外したことの報復として、韓国政府が破棄を通告した。ただ日本が韓国から得ている情報は北朝鮮から韓国に逃れて来た脱北者からの軍事関連HUMINTくらいで、情報衛星・BMD関連を始めとする各種情報を日本から得ているとみられる韓国の方がダメージが大きいらしい。11月22日、アメリカが圧力を掛けて韓国政府が協定維持を発表した。2023年3月16日、日韓首脳会談で完全な正常化を宣言した。参考：月刊JWings11,’19、月刊世界の艦船2,’20、ベーシック条約集2018、朝雲

＜日久丸＞：日産汽船貨物船Nikkyu Maru。大元は大正7年11月に竣工したイギリスＮ級戦時標準船ウォー・メロディで、大正8年にアメリカのダラーライン貨物船グレース・ダラーとなり、大正13年に大連の辰馬商会が購入して白辰丸と名付け、昭和12年に龍運汽船に売却されて龍運丸に改称され、昭和16年に日産汽船に移籍して日久丸になった。垂線間長125.7m、幅17m、深さ10.5m、満載吃水8.6m、総トン数6536トン、重量トン数10760トン。主機は三連成汽機１基１軸2600馬力、航海速力10ノット。昭和18年7月4日、横浜から長崎県崎戸に向かう途中、御前崎の東南東でSS-259ジャックの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜日錦丸＞：大洋漁業貨物船。総トン数5705トン。昭和19年6月、朝鮮半島木浦の西で雷撃を受けて沈没し、乗員と将兵計3219名が死亡した。参考：輸送船入門

＜ニック＞：二式複座戦闘機を参照。

＜ニッケル水素電池＞：陽極に水酸化ニッケルやオキシ水酸化ニッケルなどニッケル酸化物、電解液に濃水酸化カリウム、陰極に水素を使用した二次電池。放電すると陽極が水酸化ニッケル、電解液が水酸化カリウム、陰極が水素イオン（水と反応して水酸化イオンになる）になる。陰極に水素をそのまま使うと貯蔵に問題があるので、水素吸蔵合金を用いることが多く、ニッケル金属水素化物（Ni-MH）電池やニッケル金属水素蓄電池とも呼ばれる。起電力は1.2ボルトで、ニッカド電池の２倍の電気エネルギーを放出できる。人工衛星用に開発され、ハイブリッド車用二次電池や乾電池型二次電池として広く使用されている。自己放電率が高く、メモリー効果があるので、携帯電話などには向かない。参考：月刊世界の艦船11,'20、月刊軍事研究10,’06、クルマのすべてがわかる事典

＜日航１２３便墜落事故＞：1985年8月12日1812に羽田を離陸した東京発大阪行き日本航空123便（乗員15人、乗客509人）が1824頃に高度24000フィート（7315m）へと上昇した際、以前の修理が不適切だったため疲労破壊が進展していた後部圧力隔壁上半部の一部が破損して2-3平方メートルの孔が開き、与圧空気が機体尾部に流れ込んでAPUや尾部構造が吹き飛ばされ、更に垂直尾翼アフト・トルクボックス下部開口部から垂直尾翼内にも流入してアフト・トルクボックスが破壊され方向舵が脱落、方向舵操縦系四重油圧システム配管が全損して操縦不能となり、1856に群馬県多野郡上野村にある御巣鷹山の山頂から南東2kmの地点に墜落した。航空自衛隊は峯岡山分屯基地のレーダーで迷走する123便の航跡をキャッチし、百里基地からF-4戦闘機がスクランブル発進。運輸省に確認したところ、123便が操縦系統の故障で迷走し陸上に向かっていると返答があり、災害派遣に備えて入間基地に非常呼集をかけた。スクランブル機が123便の墜落炎上地点を発見したため、第１・第12師団に災害派遣準備が下命されたが、F-4戦闘機搭載TACANの位置測定誤差が１海里もあるため墜落現場を特定できず、周辺には木材運搬用ワイヤーが張り巡らされていて夜間のヘリコプター運用は無理があり、救助活動は翌日の日の出を待って開始されている。ちなみに夜間に照明弾を投下して降りればいいという投書が新聞にあったが、航空燃料が飛び散っているところに高熱の照明弾を落としたら大惨事になるので注意。8月13日0500過ぎ、第１空挺団に第Ⅰ種勤務（指揮官のみ待機）及びヘリボーン部隊編成の命令が出された。第１空挺団は本部と５個班73名を編成し、携帯糧食３食分と着替え、小綱、ナス環、革手袋、各班に２本ずつのラペリング用ザイル、指揮及び部隊交信用に携帯無線機１号、基地との交信用に地上無線機３号を用意した。0730、相馬原からV-107救難ヘリ６機が木更津に到着し、ラペリング用ロープの固定などを行った後、第１空挺団を乗せて0754に離陸。班は第12師団に配属され、生存者の救出及び現地の細部地形の偵察を行うことになり、ヘリ６機の内３機が現地に直行、現地の状況を把握し、残る３機は一旦相馬原に着陸して状況を見つつ投入することにした。0840、第１空挺団を乗せたヘリ３機が現場を発見。現場は40度の傾斜があり、ヘリの強烈なダウンウォッシュの中のラペリング降下となったため、要員36名が揃うのに30分かかった。残りのヘリに現場に向かうよう指示を出した後、30分かけて墜落中心部に到着し、捜索を開始したが、1000頃に生存者は見当たらない旨報告している。この頃後続のヘリも到着し、南北の沢で捜索を開始した。北の沢に向かった班は消防団及び警察隊と合流し、生存者４人を発見、空挺隊員が機体と遺体を押し分けて救出にあたった。1120頃、群馬県警対策本部から前橋日赤病院に生存者救出のため医師２人と看護婦２人の派遣要請があり、1145に前橋日赤病院外科部長、婦長１人、看護婦１人、原町日赤病院外科部長が警視庁ヘリで病院ヘリポートを離陸、1213に現場に到着して医師２人と看護婦２人は救命ロープで降下し、応急処置を行っている。空挺隊員は傍の木と燃え残った毛布で応急担架を作り、警察・消防と共に８人がかりでV-107救難ヘリがホバリングする地点まで運び、未成年女性２人はレスキュー隊員が抱えた状態で、成人女性２人はヘリから降下された担架に乗せて引き上げ、収容後送した。捜索現場は捜索救難と取材のための航空機が飛び交って危険な状態になったため、YS-11を無線中継機兼空中統制機として派遣し、運輸省とも調整して有視界飛行方式での航空管制を行っている。1130、第13普通科連隊が現場に到着。機動隊と自衛隊員は現場に宿泊し、警察と消防団は日没後に上野村に帰投した。第１空挺団の隊員はヘリポート及び遺体搬出用の小径を夜通し設営し、8月14日0700頃にUH-1H多用途ヘリ１機が着陸できる仮設へリポートを完成させている。遺体収容作業は第12師団、空自、警察隊、消防団が行い、ヘリポートの運営及び積み込みを第１空挺団が担当した。8月15日朝、第１空挺団要員は第12師団の指揮下を離れ、習志野に帰投。捜索活動は２ヶ月に及び、隊員延べ10000名、車両960両、航空機180機が参加した。参考：月刊軍事研究10,'15、現代の空挺作戦、赤十字の旗なにわに百年

＜日光演習場＞：自衛隊の演習場。2018年12月11-14日、平成30年度在外邦人等保護措置訓練（国内）が行われた。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜日國丸＞：日本海軍特設運送船Nikkoku Maru。元は日産汽船Ｃ型平時標準船である。垂線間長93.8m、幅13.7m、深さ7.6m、満載吃水6.45m、総トン数2728トン、重量トン数4236トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基、出力1829馬力、１軸推進、航海速力10ノット、最大速力14.1ノット。昭和16年3月30日竣工。12月8日、太平洋戦争開戦時は第11航空艦隊補給部隊に所属していた。12月13日、海南島沖で座礁した。12月18日、波浪で船体が折れて沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’20、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜ニッコリ笑えば必ず墜とす＞：杉田庄一（日本海軍エース）を参照。

＜ニッサン＞：イラク軍地対地ミサイル。S-75地対空ミサイルがベースである。射程25km。参考：月刊丸4,’99

＜日産＞：昭和11年の自動車製造事業法制定時に許可会社となり、グラハムをベースとして昭和12年からトラックを製造した。参考：機甲入門

＜日産丸＞：日本海軍特設給炭油船。元は昭和14年1月15日竣工の日産汽船貨物船で、後に海軍に徴用された。垂線間長129.2m、幅17.5m、深さ10.5m、吃水8.39m、総トン数6537トン、重量トン数10211トン。主機は蒸気タービン１基１軸最大出力3601馬力、航海速力12ノット、最大速力16.1ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第５艦隊補給部隊に所属していた。昭和17年6月18日、キスカ島の南29kmで爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’13、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜ニッシェ・ウント・ギュンター＞：ドイツ空軍が第２次大戦時に使用した破砕予防型ゴーグル（Blendschutzbrille）の通称で、メーカーの名前をとっている。レンズに安全ガラスを採用しており、左右のストラップは飛行帽後部に固定する。参考：グラフィックアクション36

＜日春丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時は兵力部署では南方部隊航空部隊付属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜日照＞：598（ミサイル・フリゲート）を参照。

＜日章旗＞：日の丸。1854年（嘉永7年）7月9日に幕府が日本総船印として定めたのが始まりで、明治3年1月27日の太政官布告第57条で制定された。旗の縦横比は７対10で、日章の直径は旗の縦の長さの５分の３、日章の中心は旗の横の長さの100分の１だけ旗竿側にある。参考：続日本海軍よもやま物語、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜日章丸＞：日本海軍特設給油艦。元は昭和13年11月29日に竣工した昭和タンカーの大型タンカーで、太平洋戦争で海軍に徴用された。垂線間長159m、幅22m、深さ12m、満載吃水9.131m、総トン数10526トン、重量トン数13833トン。主機はMAN社製D8Zuディーゼル１基１軸10617馬力、航海速力16.5ノット、最大速力19.59ノット。石油搭載量14526トン。戦時中はトラックやベトナム方面の輸送任務に就いた。昭和19年2月25日、バリクパパンからダバオに向け航行中にダバオ湾口でSS-258ホーの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’13、敷設艦工作艦給油艦病院船

＜日昌丸＞：昭和19年8月8日、ヒ71船団の一員として六連島泊地を出港。参考：輸送船入門

＜日進＞：日本海軍春日型装甲巡洋艦。元はアルゼンチン向け装甲巡洋艦マリアーノ・モレノで、イタリアで建造中の明治36年12月30日に購入し、明治37年1月7日に竣工した。1月9日、ジェノバを出港し、ロシア海軍の妨害をイギリス海軍の護衛で排除しつつ日本に向かった。2月2日、シンガポールに到着。日露戦争開戦後の2月16日に横須賀に入港した。大正7年11月16日、第２特務艦隊旗艦となった。昭和10年に廃艦となり、倉橋島亀ヶ首で実艦的と使用され沈没、その後解体された。参考：月刊世界の艦船10,’14、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜日進＞：日本海軍日進型水上機母艦Nisshin。昭和13年11月2日、呉海軍工廠で起工、昭和17年2月27日竣工。4月26日、甲標的を搭載してペナンに到着。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。9月7日、ラバウルやショートランドへの輸送任務に就いた。9月28日、ココダの東で暗礁に触れて浸水した。10月からガダルカナル輸送作戦に３回参加し、第２師団に重火器を送り届けた。10月11日0600、ガダルカナル島輸送のためショートランドを出撃。12月、横須賀からラバウルへの輸送任務に就いた。昭和18年1月から内地とトラック環礁間の輸送任務を実施。2月20日から4月9日まで、内地で訓練を行い、舞鶴にドックインして整備を行った。その後スラバヤ経由でラバウルに魚雷艇を輸送。5月29日、呉－幌延間の舟艇輸送を実施し、キスカ撤退作戦支援のため幌延と大湊で待機した。7月10日、トラック・ラバウル経由でブインに向かうため内地を出撃。7月22日、ブイン東60海里のショートランド北水道で敵機100機以上と交戦し、爆撃を受けて沈没した。9月10日に除籍された。参考：日本航空母艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、日本海軍艦隊総覧

＜日進型＞：日本海軍水上機母艦Nisshin型。ただし実際には甲標的母艦で、艦隊決戦に際して甲標的12隻を発進させて敵艦隊を漸減させるのが主任務である。また、大和型戦艦の艦本式一三号複動２サイクル無気噴射式ディーゼルの実地試験用という意味もあった。当初計画の第１状態が敷設艦（計画番号H-9）だったため、高角砲でなく14cm連装砲を搭載して砲戦能力を付与されている。その後第１状態が水上機母艦（搭載水上機常用25機・補用５機）に変更され、進水後に第２状態の甲標的母艦となった。全長192.5m、水線長188m、最大幅19.7m、平均吃水7m、基準排水量11317トン、公試排水量12500トン。主機はCODAD方式、艦本式一三号一〇型10気筒ディーゼル４基＋艦本式一三号二型12気筒ディーゼル２基、出力47000馬力、２軸推進、速力28ノット、重油搭載量1200トン（＋補給用重油1650トン＋軽質油216トン）、航続距離8000海里（16ノット）。兵装は50口径14cm連装砲３基、25mm３連装機銃８基。二号一一型射出機４基を装備する。甲標的12機と水上偵察機12機（全て常用）を搭載できる。乗員750名。日進が昭和17年に竣工した。太平洋戦争では甲標的が活躍する場面は無く、昭和17年半ばからは専ら輸送任務に投入された。参考：日本航空母艦史、歴史群像8,’98、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船11,’00、月刊軍事研究6,’16

＜日成丸＞：大洋興業貨物船。大元は明治22年6月に竣工したイギリスのグランピアン汽船所属ブレアマウントで、明治31年にロシア東清鉄道の吉林になり、日露戦争において旅順港で沈没したのを日本海軍が浮揚して吉林丸（船名録ではKichirin Maruだが船首にはKIRIN MARUと表記）と改称、農商務省などに移った後、昭和8年に中国に売却されて利成になり、昭和17年7月頃に日光汽船が購入して日成丸に改名し、その後大洋興業の所有船となった。垂線間長74.1m、幅10.4m、深さ5.5m、吃水5.11m、総トン数1484トン、重量トン数2029トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸740馬力、航海速力9.5ノット、最大速力10.5ノット。太平洋戦争中の運航は船舶運営会が担当した。昭和19年9月25日、青島から鎮南浦に向かっていたところ、仁川西の黄海でSS-200スレッシャーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’19

＜日夕点呼＞：日本陸軍の消灯前の点呼のこと。消灯時限の30分前または１時間前に行われ、対象や方法は日朝点呼と同じ。命令や訓示などは日夕点呼で伝達する。参考：軍隊内務令、帝国陸海軍事典

＜新田飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和13年、群馬県新田郡生品村に開設された。昭和20年4月下旬、常陸教導飛行師団の常用飛行場となった。参考：首都防空網と空都多摩、月刊航空ファン11,’15

＜日中佐官級交流事業＞：笹川平和財団が主催する、自衛隊と中国軍の中堅幹部相互交流・対話事業。2001年に開始され、2012年10月に尖閣諸島問題などで中断、2018年に再開された。2019年9月17-26日、第25回目が開催され、中央軍事委員会国際軍事合作弁公室副主任宋延超陸軍少将以下24名が来日し、歓迎レセプションや入間基地・舞鶴基地視察などを行った。参考：朝雲

＜日中防衛当局間ホットライン＞：日中防衛当局間における海空連絡メカニズムの一環として、2023年3月31日に設置を完了した。5月16日1630-1650、浜田防衛大臣が李尚福中国国防部長と初回の通話を実施し、海空連絡メカニズムの重要性と、ホットラインの適切かつ確実な運用を確認し、日中防衛当局間の意思疎通継続で一致した。参考：防衛省ホームページ

＜日朝点呼＞：日本陸軍の起床後の点呼のこと。兵営内に居住する下士官以下が号音により連隊長の定める位置に並び、検査を受け、異状の有無を週番司令（連隊本部・大隊本部は週番下士官、物品販売所・集会所・炊事場など週番を設けない場所では上級先任者）に報告する。参考：軍隊内務令、帝国陸海軍事典

＜日直衛生下士官（日本陸軍）＞：連隊（独立中隊を除く）毎に連隊長が衛生部下士官・兵長・上等兵から１名を任じ、医務室の事務室を定位とする。週番司令の指揮を受け、衛生部先任将校と当直衛生部将校の指示に基づき連隊内の衛生に注意し、週番衛生兵が居る場合はこれを指揮する。日常業務は医務室内外の巡察、医務室の火災予防・灯火管制、兵舎・炊事場・浴場・物品販売所・厠などの巡察、それらの衛生諸規定服行状況の週番司令・衛生部将校への報告、諸官退営後の入室患者の看護と患者の救急処置、急病・重症患者に対する当直衛生部将校来診までの応急処置、日朝・日夕点呼の際の人員とその状況の週番司令への報告、薬室の鍵保管及び掃除器具監守など。参考：軍隊内務令

＜日直下士官（日本陸軍輸送船）＞：輸送船１隻に数名（本部、各兵種の中隊、各兵種中隊以下の独立部隊ごとに少なくとも１名）が置かれる。日直将校から内務に関する指示を受け、これを所属部隊長に報告し、これに関する部隊長の命令の実施を警視する。参考：作戦要務令

＜日直看護長（日本陸軍）＞：日本陸軍の衛生部要員。部隊の急患対応や衛生管理を担任し、各部隊で看護長１名が交代で勤め、医務室内の事務室を定位とする。週番司令の指揮と軍医の指示を受け、日直看護兵を率いて任務にあたる。また、日直看護兵の補助として、上等看護兵１名を週番看護兵に任じることができる。参考：月刊丸4,’17

＜日直看護兵（日本陸軍）＞：日本陸軍の衛生部要員。部隊の急患対応や衛生管理を担任し、各部隊で上等看護兵１名が交代で勤め、医務室内の事務室を定位とする。週番司令の指揮と軍医の指示を受け、日直看護長の下で任務にあたる。参考：月刊丸4,’17

＜日直将校（日本陸軍輸送船）＞：輸送船１隻に１名が置かれる。輸送指揮官の命を受け、日直下士官、衛兵、巡察を指揮し、通常軍紀、危険品、貴重品、給水栓の位置、出入り口などに哨兵を置き、時々船内を巡視し、軍紀維持と諸規定の実施を警視する。参考：作戦要務令

＜ニッツ＞：DDG-94（駆逐艦）を参照。

＜ニッビオ＞：イタリア海軍スパルビエロ級ミサイル艇。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ニッピオ＞：イタリアのメテオール社が2002年3月に開発した戦術偵察 UAVで、凧の意味。ミラキ100/5無人標的機が原型で、CL-289の後継機として検討されているらしい。長さ4m、翼幅2.12m、最大発射重量330kg。最大速度マッハ0.86、運用高度22960-39360フィート（6998-11997m）。ペイロード60kg以上（100kgともいわれる）。最大運用範囲380km。翼下パイロン２基を持ち、ジャミング機材を装備できる。胴体下にはチャフ／フレア・ディスペンサーなどを搭載可能。エレクトロニカALR733モジュラー電子支援手段レシーバーや発展型デジタル走査機などを搭載すれば、ELINT任務や偵察任務などに投入できる。参考：月刊軍事研究8,’02、1,’04

＜日報（日本陸軍）＞：隊長が軍隊の現状を知悉するためのもので、様式は軍隊内務令附表第１にある。連隊本部、大隊本部、中隊、材料廠ごとに作製し、前日の起床から当日の起床までの事故や予報事項などを記載する。差し出し要領は連隊長が規定する。参考：軍隊内務令

＜日豊丸＞：日本海軍特設給水船Nippo Maru。元は昭和11年11月10日竣工の岡崎汽船貨物船（大阪商船がチャーター）で、太平洋戦争勃発により海軍に徴用された。垂線間長107.29m、幅15.24m、深さ8.38m、吃水6.947m、総トン数3763トン、重量トン数5747トン。主機は川崎T-DR型蒸気タービン１基１軸3600馬力、航海速力13ノット、最大速力16.347ノット。昭和19年2月17日、トラック大空襲で爆撃を受け、トラック夏島泊地で沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’14

＜ニテロイ＞：F40（フリゲート）を参照。

＜ニテロイ級シリーズ＞：ブラジル海軍フリゲートNiterói級。第２次大戦型駆逐艦の後継で、イギリスのヴォスパー・ソーニクロフト社製Mk10型（VT10型ともいう）を採用したものである。1970年に６隻が発注され、1-4番艦はイギリス、5-6番艦はリオデジャネイロ海軍工廠で建造され、1976-80年に竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’10、4,’20

　＜ニテロイ級汎用型＞：エグゾセ艦対艦ミサイルを搭載したもの。全長129.2m、幅13.5m、吃水5.5m、基準排水量3200トン、満載排水量3800トン。主機はCODOG方式、ガスタービン２基・ディーゼル４基、出力56000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル単装発射筒４基（艦橋構造物後方両舷）、シーキャット艦対空ミサイル３連装発射機２基、114mm単装砲Mk8Mod0が１門（前甲板。２門？）、40mm単装機関砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基（ヘリ格納庫両舷）、ボフォース連装対潜ロケット発射機１基（中央船楼前端）、爆雷投射機１基。後部上構がヘリ格納庫、中央船楼後端がヘリ甲板で、リンクス１機を搭載可能。F42コンスティトゥイサオン、F43リベラウが就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。エグゾセMM40 ブロックⅡ艦対艦ミサイル連装発射筒２基、アスピーデ艦対空ミサイル８連装発射機アルバトロス１基、Mk46短魚雷３連装発射管Mk32が２基、375mm連装対潜迫撃砲１基、シートリニティMk3CIWS２基、114mm砲１門。スーパーリンクスMk21Aヘリ１機を搭載可能。2020-21年、F43リベラウの指揮管制装置をSICONTA（Sistema de Controle Tatico e de Armas）MkⅡからSICONTA MkⅡMod1に換装する予定。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,’19、9,’10、9,’19、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ニテロイ級対潜型＞：アイカラ艦対潜ミサイルを搭載したもの。後にエグゾセ艦対艦ミサイルが追加された。全長129.2m、幅13.5m、吃水5.5m、基準排水量3200トン、満載排水量3800トン。主機はCODOG方式、ガスタービン２基・ディーゼル４基、出力56000馬力、速力30ノット。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル発射筒４基、シーキャット艦対空ミサイル３連装発射機２基、アイカラ艦対潜ミサイル発射機１基、114mm単装砲Mk8Mod0が１門、40mm単装機関砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基、ボフォース連装対潜ロケット発射機１基。リンクス１機を搭載可能。F40ニテロイ、F41デフェンソーラ、F44インデペンデンシア、F45ウニオンが就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。エグゾセMM40 ブロックⅡ艦対艦ミサイル連装発射筒２基、アスピーデ艦対空ミサイル８連装発射機アルバトロス１基、Mk46短魚雷３連装発射管Mk32が２基、375mm連装対潜迫撃砲１基、シートリニティMk3CIWS２基、114mm砲１門。スーパーリンクスMk21Aヘリ１機を搭載可能。2020-21年、F44インデペンデンシアとF45ウニオンの指揮管制装置をSICONTA（Sistema de Controle Tatico e de Armas）MkⅡからSICONTA MkⅡMod1に換装する予定。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’10、9,’19、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜二動信管＞：信管を参照。

＜ニトカ＞：ソ連がオデッサ地方のサキに建設した空母艦上機発着艦訓練施設NITKA。陸上滑走路にアドミラル・クズネツォフ級空母の甲板を再現してあり、素材も同じで、スキー・ジャンプ台やアレスティング・ワイヤなども設置している。ソ連崩壊でウクライナ領に入ったが、ロシア海軍が年間70万ドルの賃貸料を払って引き続き使用していた。2008年頃からロシアとウクライナの関係が悪化したため、ロシアはクラスノダール州エイスクにある南部軍管区エイスク空軍基地に同様の施設の建造を開始。2012年にロシアとウクライナで使用協定継続が合意されたが、2013年には１度も使用されておらず、エイスク空軍基地の空母関連施設を2015年に竣工させて訓練を移管する模様である。代わりにウクライナでは中国海軍と賃貸交渉を行う予定。参考：月刊世界の艦船1,’14、月刊JWings2,’14、月刊軍事研究8,’14

＜ニトロ＞：AE-2（給兵艦）を参照。

＜ニトログアニジン＞：NGでなくNQと略す（NGはニトログリセリンの略）。極めて鈍感で、単独での起爆は困難であり、RDXなどと混ぜて使用される。また、トリプルベース発射薬の成分として用いられる。融点232度、爆速毎秒8592m、爆轟圧24.5GPa。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜担え銃（陸上自衛隊）＞：になえつつ、と読む。気を付けの姿勢で小銃の床尾板を右手で持ち、右前腕を地面と水平に保って小銃を右肩に担ぐ。右肘は直角、右手と小銃は45度の角度を取る。弾倉は内向き。参考：MAMOR vol.116、vol.152

＜にのしま＞：MSC-650（はつしま型掃海艇）またはMSC-662（うじしま型掃海艇）を参照。

＜似島＞：日本海軍戸島型敷設特務艇。大正9年5月進水。太平洋戦争終戦時は台湾の馬公にいた。現地で接収または処分されたようである。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門

＜似島陸軍検疫所＞：日本陸軍の検疫所。日清戦争の戦訓から、広島湾の似島に明治28年に創設された。後に陸軍運輸部似島検疫所と陸軍運輸部馬匹検疫所に分かれた。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜ニパト＞：K42（２代目ヴィール級ミサイル艇）またはK86（初代ヴィール級ミサイル艇）を参照。

＜ニピゴン＞：DDE-266（護衛駆逐艦）を参照。

＜ニブラック＞：DD-424（駆逐艦）を参照。

＜ニポリト＞：ドイツ国防軍の爆薬Nipolit。ウェストファリッシュ・アルハルティッシェ火薬工業株式会社WASAGが開発し、第２次大戦時に使用された。旧式砲弾から回収した無煙火薬に、ペンスリット、RDX、TNTといった爆薬を混ぜており、硝酸430トンから1000トンを生産できる（TNTだと硝酸1100トンから1000トン）。物理的強度も高いため、ケースに入れる必要が無く、弾体から柄までニポリトで製作した柄付き手榴弾も開発された。参考：手榴弾・迫撃砲

＜日本＞：国土は北海道、本州、四国、九州、沖縄本島と離島からなる島国で、有人島327、無人島6520から構成され（島の数は世界第３位）、海岸線総延長は29750km（33600km？）、領海は43万平方キロメートル、排他的経済水域は447万平方キロメートルに達し、国土面積は世界第61位だが、領土・領海・排他的経済水域を含めた総面積は世界第６位である。南北正面2880km（3500km？）、国土縦深最大240km。人口は平野部にある少数の都市に集中しており、災害や有事には脆弱だが、世界の活火山のうち7%が日本に存在し、マグニチュード６以上の地震は世界の２割が日本で発生するため、常に備えが必要である。2006年現在、重量ベースで国内貨物の38.7%、貨物輸出入の99.7%は船舶が担っており、シーレーン防衛が重要。1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効し、主権を回復した。参考：月刊軍事研究7,’95、8,’18、4,’10、9,’10、図解雑学　船のしくみ、MAMOR vol.42、vol.87

＜日本アビオトロニクス社＞：日本電気とヒューズ社が1960年4月に創設した合弁会社で、Aviation＋ElectroniceからAviotronicsという社名が作られた。航空自衛隊 F-86D戦闘機に搭載されたヒューズ社製射撃指揮装置を日本国内でオーバーホールするのがメイン事業である。初代BADGEシステムも主契約社として開発した。後に日本アビオニクス社に改称した。参考：月刊軍事研究7,’14

＜日本海軍＞：正式には大日本帝国海軍（Imperial Japanese Navy）。統帥権は天皇にあり、軍政を海軍省、軍令を軍令部が司る。軍令部が作戦を発案し、軍令部総長が天皇に奏上、裁可を受ける（政府や議会の承認は要らない）と、軍令部総長が連合艦隊司令長官などに伝達する。モットーは迅速、静粛、確実。大元はオランダに発注した軍艦の運用人員を育成するため安政2年（1855年）10月に長崎奉行所西役方に開設された長崎海軍伝習所で、慶応4年（1868年）1月17日に新政府が３職７科を制定した際に創設された陸海軍科が嚆矢である。その後すぐ３職８局に変更されて陸海軍局になり、更に３職８局が廃止されて太政官７官に改正、陸海軍局は軍務官（組織は海軍局、陸軍局、築造司、兵船司、兵器司、馬政司の２局４司）になった。7月、軍務官が海軍創設を建言し、組織・軍艦・造船所の本格的整備が始まった。明治2年（1869年）7月8日、官制が２官６省となり兵部省が設置され、軍艦３隻（富士山、甲鉄、千代田形）2500トンと運送船４隻1730トンを保有していた。明治3年2月9日、兵部省海軍掛（と陸軍掛）が設置された。5月、兵部省が軍艦200隻（甲鉄艦50隻、木鉄艦70隻、大砲艦60隻、護送艦20隻）を建艦し10個艦隊を編成、艦令20年として７年ごとに３分の１ずつ後継艦を作る計画を出したが、建造費だけで300万両かかるのに予算が海軍全体でも50万両しか降りず、蹴られた。7月28日、晋仏戦争勃発に伴い明治政府が大政官布告を発令、中立を維持するため1-3隻の小艦隊を初めて編成し、横浜、兵庫、長崎などに配備している。10月2日、イギリス式兵制の採用を決定。明治4年7月28日、海軍提督府と水兵部が設置された。9月8日、兵部省に海軍部が設置された。秘史局（今で言う総務）、軍務局、造船局、水路局、会計局からなり、兵部省外に海軍操練所（後に海軍兵学寮）、軍医寮、糺問司、造兵司、造船司、武庫司、水路司、水兵部、海軍総督府を置く。明治5年2月27日に兵部省を廃止され、5月28日に海軍省（と陸軍省）を新編、築地に海軍省庁舎を建造した。秘史局、翻訳局、軍務局、造船局、水路局、会計局からなる。この時の保有艦艇は軍艦14隻（東、富士山、千代田形、春日、乾行、摂津、日進、孟春、龍驤、第一丁卯、第二丁卯、雲揚、鳳翔、筑波）12352トン、運送艦３隻（春風丸、大阪丸、快風丸）1480トンの合計トン数13832トンだった。初代海軍大臣の勝海舟は18年計画104隻（甲鉄艦26隻、大艦14隻、中艦32隻、小艦16隻、運送艦など16隻）の建艦構想を立てたが、実現しなかった。5月18日、小艦隊２個で中艦隊を編成。明治7年、佐賀の乱の鎮圧のため軍艦を派遣。征台の役に参加。10月13日、相模に第一提督府、鹿児島に第二仮提督府を設置。明治8年4月、イギリスから輸入する予定だった9000トン級戦艦が進水事故で契約取り消しになったため、浮いた予算で甲鉄艦扶桑、鉄骨木皮艦金剛、比叡を建造することにした。9月20日、江華島事件勃発。10月28日、東西２つの海軍区を設け、東京湾と長崎港に艦船を常置した。10月28日、中艦隊を解隊。11月6日から初の遠洋航海を行い、練習艦筑波がサンフランシスコまで往復した。明治9年、萩の乱の鎮圧に参加。西南戦争に参加。8月19日、水夫を水兵に改称。9月11日、提督府を廃止して横浜港に東海鎮守府を設置。明治15年、８年計画32隻建艦案が勅諭で認可された。10月12日、中艦隊を再編。明治17年10月1日、艦隊編成例（連合艦隊編成条例）を制定。艦隊２個で連合艦隊を編成することになった。12月、東海鎮守府を横須賀に移し、横須賀鎮守府に改称した。明治18年、太政官制が廃止され、初代海軍大臣に西郷従道が就任した。12月28日、中艦隊を解隊し、常備小艦隊を編成。明治19年、朝鮮半島情勢の悪化を受け、明治15年の８年計画を修正して54隻66300トン建艦案が成立。海軍条令で海軍区５区と鎮守府等の設置を定めた。明治21年5月12日、海軍参謀本部を設置。明治22年3月7日、海軍参謀部を設置。7月23日、艦隊条例を制定。7月29日、常備小艦隊を常備艦隊に改称。5月29日、呉鎮守府と佐世保鎮守府を設置。明治24-25年、海軍増強計画が議会に蹴られ続けた。明治26年2月10日、天皇自ら宮廷の内費を節約して軍艦建造費を捻出すると発言されたため、第２期軍備拡張計画が漸く成立した。5月19日、海軍軍令部が創設され、軍令と軍政が分離した。明治27年6月18日、艦隊は軍艦（水雷艇・輸送船含む）３隻以上で編成されることとした。7月13日、旧式小型艦で沿岸警備用の警備艦隊を編成。7月19日、警備艦隊を西海艦隊に名称変更し、常備艦隊を加えて連合艦隊を編成した。明治27年8月1日から明治28年4月17日、日清戦争に参加。この時の戦力は軍艦31隻・排水量59000トン（水雷艇24隻も含めると61373トン）であり、予算否決の影響で甲鉄艦は扶桑しかなく、巡洋艦を主力として戦った。宣戦布告に先立つ7月25日の豊島沖海戦が日本海軍初の対外海戦である。日清戦争後、軍艦57隻、駆逐艦19隻、水雷艇76隻の計251700トンを建造して戦艦６隻・装甲巡洋艦６隻の六六艦隊を完成させ、バー式距離命令伝達装置を導入して一斉射撃を可能とした。明治27年12月、海軍省が霞ヶ関に移転。明治28年11月15日、西海艦隊が解隊され、常備艦隊のみとなった。明治30年2月13-23日、常備艦隊が大阪湾で艦隊運動を実施。7月2日、舞鶴鎮守府を設置。明治38年、日露戦争勃発。この際、戦艦６隻、装甲巡洋艦６隻、駆逐艦19隻、水雷艇76隻など264600トンを配備していた。明治39年、重油を燃料として採用。明治40年4月、帝国国防方針、国防に要する兵力、帝国軍用兵綱領を陸軍と共同で策定。海軍が専ら従事するアメリカとの戦争（仮想敵国の第１はロシアで、アメリカは２番目だった）に対応するため、弩級戦艦８隻と装甲巡洋艦８隻を整備し、艦齢８年以内の弩級艦16隻による八八艦隊を実現することとした。ただ予算の関係で八四艦隊からスタートしている。明治41年、対米戦を想定した初の大演習を実施。奄美諸島経由で本土に来襲したアメリカ艦隊に対し、九州東方沖で艦隊決戦を挑んだ。明治45年6月26日、航空技術研究委員会を創設。大正2年、海軍大臣現役武官制を廃止。大正3年8月18日、第１次大戦勃発に伴い、艦隊戦時編制に移行。8月23日、ドイツへの宣戦布告に伴い、第１・第２艦隊が出動。9月1日、第１南遣枝隊を編成し、南洋群島方面の索敵に就かせた。9月2日、第２南遣枝隊を編成し、オーストラリア方面の索敵に就かせた。10月1日、特別南遣枝隊を編成し、シンガポール方面の海上交通保護に就かせた。11月19日、遣米枝隊を編成し、北米西岸で海上交通保護に就かせた。大正4年、戦闘通信指揮装置制式を発行。2月1日、第１・第２・第３南遣枝隊の任務を解除。5月7日、遣米枝隊の任務を解除。大正5年、海軍航空隊令を公布。大正6年2月7日、第１次大戦でインド洋の船団護衛を行うため、第１特務艦隊を新編。3月11日、第１次大戦で地中海の船団護衛を行うため、第２特務艦隊を派遣。4月13日、第１次大戦でオーストラリア方面の船団護衛を行うため、第３特務艦隊を新編。7月20日、八四艦隊完成予算案が公布された。大正7年3月23日、八六艦隊完成予算案が公布された。大正8年、艦砲射撃教範を改訂。大正9年8月1日、八八艦隊完成予算案が公布され、昭和2年度末に実現する目処を立てたが、大正11年2月6日調印のワシントン条約により軍縮が行われることになり、八八艦隊は実現不可能となった。これには質の向上で対抗することとし、現有の六四艦隊に近代化改装を実施。大正12年2月28日、帝国国防方針、国防に要する兵力、用兵綱領に２回目の改訂があり、漸減作戦を採用し、これを実行するため駆逐艦による雷撃が重視されるようになった。揃える予定の兵力は戦艦９隻、空母３隻、巡洋艦40隻、水雷戦隊旗艦９隻、潜水艦隊旗艦７隻、駆逐艦144隻、潜水艦70隻である。3月24日、舞鶴鎮守府を廃止し、舞鶴要港部を設置。4月、戦闘通信指揮装置制式を改訂し、砲戦指揮装置制式草案を発行した。大正14年、短期現役士官制度を導入。大正15年、横須賀軍港に48500トン、呉軍港に120000トン、佐世保軍港に87000トン、馬公に27000トン、徳山に60000トンの重油貯油施設が完成。昭和元年、兵力75761名（士官5029名、特務士官1292名、准士官1540名、下士官15732名、兵52168名）だった。昭和2年8月24日、美保関事件。10月11-24日、特別大演習を実施。昭和5年にロンドン条約が調印されると、補助艦の保有量が制限されたため、個艦能力向上を図り、制限外の航空部隊の強化を開始した。この頃はアメリカ艦隊に対抗するため、重巡戦隊と水雷戦隊を１個ずつ組み合わせた夜戦隊を編成して夜間攻撃により漸減を行い、その後主力艦隊で昼間決戦を行うことを考えていた。兵力は79393名（士官5141名、特務士官1370名、准士官1584名、下士官17958名、兵53340名）だった。昭和5年10月18-22日、日本近海で昭和5年度特別大演習を実施。青軍連合艦隊（旗艦陸奥。第１艦隊、第２艦隊）が赤軍艦隊（仮想アメリカ艦隊。第３艦隊）を本州南方で迎え撃つシナリオで、夜襲と艦隊決戦により赤軍主力を全滅させて終了した。10月20日に赤軍軽巡阿武隈と北上が衝突事故を起こしている。昭和6年4月1日、マル一計画を策定。昭和8年10月1日、海軍軍令部を軍令部に改称。昭和9年の海戦要務令第４回改定で、夜戦隊に高速戦艦からなる支援隊を付けてアメリカ艦隊重巡部隊に対抗することにした。3月12日、友鶴事件。4月1日、マル二計画を策定。昭和10年、兵力は98896名（士官5435名、特務士官1720名、准士官2154名、下士官23342名、兵66244名）だった。昭和11年度作戦計画を策定。奄美大島、馬公、父島、パラオ、トラック、サイパン、ルソン島カシグラン湾に前進根拠地を建設することにした。9月26日、第４艦隊事件。昭和11年1月15日、ロンドン軍縮会議脱退。6月、帝国国防方針、国防に要する兵力、用兵綱領に３回目の改訂を実施。ロンドン条約切れを見込み、主力艦と空母を対米7-8割を目標として建造し、巡洋艦と駆逐艦は減らすことにした。予定戦力は戦艦12隻（第２回改訂から３隻増し。比叡を練習戦艦から高速戦艦に戻し、大和と武蔵を新造する）、空母10隻、巡洋艦28隻、水雷戦隊旗艦６隻、潜水戦隊旗艦７隻、駆逐艦96隻、潜水艦70隻である。8月1日から10月29日、特別大演習を実施。最終の第三期対抗演習（10月22-24日）では仮想敵に負けてしまった。12月31日、ロンドン条約が失効。昭和12年4月1日、第三次補充計画（マル三計画）を策定。7月7日、日華事変勃発。11月20日、戦時編制を発動。昭和13年1月19日、臨時機関調査委員会を設置。12月9日、連合航空隊令を制定し、２個以上の航空隊や陸上航空兵力を統一指揮できるようになった。昭和14年度作戦計画で、対イギリス作戦として開戦劈頭に第３艦隊が中国のイギリス艦隊を壊滅させ、第５艦隊がボルネオとマレー半島のイギリス軍攻略に協力することにし、ブルネイとシンガポールを前進根拠地予定地に加えた。昭和14年4月1日、第四次補充計画（マル四計画）を策定。第三次補充計画（マル三計画）と合わせ戦艦14隻、空母９隻、海上航空機750機、基地航空隊航空機1800機体制を整備してアメリカ海軍に対抗することにした。昭和15年8月、マル臨計画を策定。8月24日から大演習第一特別演習を実施。連合艦隊司令部、第３潜水戦隊、第４潜水戦隊、第１連合航空隊を甲軍、南洋防備艦隊（第４艦隊）を乙軍として航空部隊と潜水部隊の作戦訓練を行った。10月1日から第二特別演習を実施。対潜対空防備の訓練を行うと共に、全国で防空演習を実施した。11月15日、第６艦隊（潜水艦部隊）、第３・第６・第７航空戦隊、第６水雷戦隊を編成。昭和16年1月15日、基地航空部隊で航空艦隊を編成することになり、連合航空隊を航空戦隊に改称、第21・第22・第24航空戦隊から第11航空艦隊を編成し、連合艦隊に編入した。また、第１・第２・第６根拠地隊を編成した。4月10日、第４・第23航空戦隊を新編し、第１・第２・第４航空戦隊から第１航空艦隊を編成。また、第３艦隊（フィリピン作戦用）、第16戦隊を編成した。海南警備府を設置した。5月1日、第６艦隊司令部が独立し、第６潜水戦隊が編成された。7月13日、第３潜水戦隊が編成された。7月25日、第５艦隊（北方警備用）が編成された。7月31日、南遣艦隊が編成された。8月11日、連合艦隊司令部が独立となり、第１艦隊司令部が新設された。トラック環礁に第４根拠地隊が編成された。第11戦隊が解隊された。9月、艦艇238隻、航空機1461機を保有していた。9月1日、昭和16年度帝国海軍戦時編制を発動。第11航空艦隊司令部が独立となり、第21航空戦隊司令部が新設された。第５航空戦隊が編成された。9月21日、マル五・マル六計画を策定。10月1日、第７・大島・羅津根根拠地隊、舞鶴・鎮海防備戦隊を編成。10月31日、第９根拠地隊を編成し、南遣艦隊に編入した。11月6日、マル急計画とマル追計画を策定。11月20日、第９戦隊、第11特別根拠地隊を編成。第32特別根拠地隊を編成し、第３艦隊に編入した。12月8日、太平洋戦争開戦。外戦部隊の連合艦隊は主力部隊（第１戦隊・第１艦隊）、機動部隊（第１航空艦隊）、先遣部隊（第６艦隊）、南洋部隊（第４艦隊）、南方部隊主隊（第２艦隊）、南方部隊マレー部隊（南遣艦隊）、南方部隊比島部隊（第３艦隊）、南方部隊航空部隊（第11航空艦隊）、北方部隊（第５艦隊）の各軍隊区分（作戦部隊のこと）に分かれて作戦行動を行った。ちなみに内戦部隊は鎮守府・警備府部隊である。昭和17年2月1日、第８根拠地隊を編成。2月5日、第24根拠地隊を編成。3月10日、第21・第22・第23根拠地隊を編成。4月1日、第25航空戦隊を編成。4月10日、方面別の要域防衛用海空部隊として方面艦隊を編成することになり、まず南西方面艦隊が新編された。海上護衛隊を編成。横須賀警備戦隊が編成から除かれた。6月30日、改マル五計画を策定。10月、輸送船団護衛を担当する海上護衛課（軍令部第12課）が新設され、漸くシーレーン防衛を行う部署が誕生した。年末の兵力は429368名（士官17491名、特務士官6143名、准士官11135名、下士官114310名、兵280289名）だった。昭和18年3月25日、軍令部総長が第三段作戦日本海軍作戦方針を連合艦隊司令長官に指示。戦線の整理と守勢持久作戦を決定した。4月22日、マル戦計画を策定。5月18日、第24・第27航空戦隊で第12航空艦隊を編成。8月15日、連合艦隊司令長官が第三段作戦日本海軍作戦方針に基づく作戦命令を発令。9月20日、第13航空艦隊をスラバヤで編成した。11月15日、海上護衛総司令部が東京に新設されたが、将官１名、参謀3-4名（ほぼ病後のリハビリ中）という貧弱な体制で、アメリカの潜水艦による輸送船団の被害を受け続けた。昭和19年2月15日、空母と飛行隊を分離して運用することになり、第１航空戦隊の飛行隊を第601航空隊に、第２航空戦隊の飛行隊を第652航空隊に、第３航空戦隊の飛行隊を第653航空隊に改編した。3月1日、第１機動艦隊を編成。艦隊統一指揮を容易とするため、第２・第３艦隊司令長官を兼任とした。4月10日、第４海上護衛隊、沖縄方面根拠地隊を編成し、佐世保鎮守府部隊に編入した。5月1日、第３艦隊隷下に第４航空戦隊を、第４南遣艦隊隷下に第28根拠地隊を編成。6月20日、第15根拠地隊を編成。7月10日、第27特別根拠地隊を南西方面艦隊に編入。8月1日、第22戦隊を北東方面艦隊から連合艦隊付属に転属。8月5日、第32特別根拠地隊を編成。8月20日、第31戦隊を編成。11月15日、第３艦隊を解隊し、機動部隊は第１航空戦隊及び第４航空戦隊のみとなった。12月10日、第１海上護衛隊を第１海上護衛艦隊に改編。昭和20年1月5日、第10方面艦隊を編成。1月20日、第103戦隊を編成。2月10日、一部を除いて艦艇の全廃を決定し、空母航空隊は基地航空隊に編入された。第１航空戦隊が解隊された。第５航空艦隊を編成。3月、全海軍艦艇で特攻戦隊を編成。4月25日、海軍総隊司令部を設置。6月10日、第81戦隊を編成。8月8日、海軍大臣は軍務局長を呼び、海軍の優れた技術や伝統を戦後日本の復興に用いるよう伝え、また終戦後の近い将来には必ず極東の軍事バランスが崩れる事態が生じ、日本海軍の再建が必要になると述べた。これを受け、軍務局長は海軍と関係の深い民間会社のトップに面会し、戦後の会社再建のため海軍技術者を採用するよう依頼している。8月15日、太平洋戦争終戦。8月22日、海軍総司令長官と隷下部隊の作戦任務を解除。9月2日、GHQ 一般命令第１号で日本周辺の掃海が命じられたため、海軍省軍務局、各鎮守府、各警備府に掃海課（後に掃海部）が編成され、各種艦艇100隻と19000名（360隻と士官773名・下士官兵9227名？）が配備された。10月1日、帝国海軍戦時編制を帝国海軍編制に変更した。10月10日、海軍総隊と連合艦隊が解隊された。10月15日、軍令部が廃止された。11月30日、海軍省が廃止され、日本海軍は創設から73年9ヶ月で消滅した。米内光政海軍大臣は「三年有余の苦闘遂に空しく征戦すでに往事と化し茲に海軍解散の日を迎ふるに至れり。顧みれば明治初頭海軍省の創設以来七〇余年、この間邦家の進運と海軍の育成に尽瘁せる先輩諸氏の業績を憶う時、帝国海軍を今日において保全すること能わざりしは、吾人千載の恨事にして深く慚愧に堪えざる所なり。…」との談話を発表し、日露戦争当時のトン数を基準とした海軍再建、海軍の築いた伝統の継承、海軍技術による日本復興を後身（保科善四郎中将）に託している。海軍省中庭では米内光政海軍大臣以下職員の前で元日本海軍軍楽隊が軍艦マーチを演奏したと言われていたが、史実ではないと判明した。12月1日、第２復員省に改称され、119隻が特別輸送艦に、117隻が掃海艦に、29隻が特設艦船となり、外地からの引き揚げ及び掃海を引き続き実施した。昭和21年6月、第２復員省が復員庁となった。昭和22年5月3日、海軍編制が廃止された。7-10月、賠償艦に指定された131隻が米英中ソに引き渡された。10月、復員庁が厚生省第２復員局残務処理部になった。参考：近代戦艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、歴史群像2,’08、小艦艇入門、日本海軍戦闘機隊、月刊丸12,’90、8,’95、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船5,’02増刊、9,’13増刊、12,’10、4,’11、5,’11、12,’11、1,’13、1,’20、6,'22、10,'22、11,'22、山本五十六と米内光政、海軍技術研究所、写真で見る海軍糧食史、続日本海軍よもやま物語

　＜日本海軍（昭和１９年８月）＞：連合艦隊、支那方面艦隊、海上護衛総司令部、横須賀鎮守府部隊、舞鶴鎮守府部隊、佐世保鎮守府部隊、大湊警備府部隊、大阪警備府部隊、鎮海警備府部隊、高雄警備府部隊などからなる。参考：比島決戦

＜日本海軍航空＞：明治42年3月、日本海軍が航空研究に着手した。7月、臨時軍用気球研究会が創設され、陸海軍共同での航空研究を開始。明治45年6月26日、日本海軍独自の海軍航空術研究委員会を設置し、臨時軍用気球研究会を実質的に離脱した。大正元年10月、神奈川の追浜に水上機用の飛行場を開設した。11月2日、カーチス式水上機により日本海軍初の飛行に成功。11月12日、観艦式でモーリス・ファルマン水上機とカーチス水上機で初の公式飛行を実施。大正2年、運送艦若宮丸を改造して飛行機母艦にし、ファルマン式水上機２機とカーチス式水上機１機を搭載、小演習に参加させた。大正3年8月18日、第１次大戦勃発により艦隊が戦時編制に移行したのに伴い、第２艦隊隷下に艦隊航空隊（若宮丸に搭乗）を編成。9月4日、若宮丸が青島沖に出動し、水上機母艦を実戦初使用した。大正4年8月の大演習には若宮の他に運送艦高崎改造の飛行機母艦も参加した。大正7年、横廠式水上偵察機を制式化。大正11年、十年式艦上雷撃機を制式化。大正12年11月22日、十年式艦上戦闘機と十年式艦上偵察機を制式化。大正13年8月12日、海軍航空隊編成令草案が施行された。大正14年、一三式艦上攻撃機を制式化。大正15年1月、一四式水上偵察機を制式化。昭和4年、三式艦上戦闘機と一五式飛行艇を制式化。昭和5年のロンドン条約で水上艦のみによるアメリカ海軍への対抗が困難となったため、航空戦力による漸減を図ることとなり、陸上攻撃機を開発することにした。昭和6年、九〇式水上偵察機を制式化。10月、九〇式機上作業練習機を制式化。昭和7年、八九式艦上攻撃機を採用。1月、九一式水上偵察機を制式化。4月1日、航空機開発体制の強化を図り、海軍航空廠を創設。10月、九〇式二号飛行艇を採用。昭和8年5月、九〇式水上初歩練習機を制式化。8月、九二式艦上攻撃機を制式化。昭和9年、八九式飛行艇を制式化。1月、九三式中間練習機を制式化。5月、九四式水上偵察機を制式採用。12月、九四式艦上軽爆撃機を制式化。昭和10年、九五式陸上攻撃機を制式採用。9月、九五式水上偵察機を制式化。昭和11年、九六式小型水上偵察機、九六式夜間水上偵察機を制式化。1月、九五式艦上戦闘機を制式化。6月2日、九六式陸上攻撃機を制式化。11月、九六式艦上戦闘機、九六式艦上爆撃機、九六式艦上攻撃機を制式化。昭和12年11月16日、九七式艦上攻撃機を制式化。昭和13年1月、九七式大型飛行艇を制式採用。昭和14年、世界速度記録を更新できるY10、長大な航続距離を誇るY20、成層圏を飛べるY30の設計を開始。11月、九八式陸上偵察機を制式化。12月16日、九九式艦上爆撃機を制式化。昭和15年、零式水上観測機、零式輸送機を制式化。1月15日、第２次大戦勃発など世界情勢の緊迫化を受け、洋上の漸減作戦に向けた大規模改編と人事刷新を実施。2月、九九式飛行艇を採用。6月、零式水上初歩練習機を制式化。7月24日、零式艦上戦闘機を制式化。12月、零式三座水上偵察機と零式小型水上偵察機を制式化。昭和17年2月、二式大型飛行艇を採用。7月、二式陸上偵察機を制式化。7月6日、二式水上戦闘機を制式化。昭和18年、月光と彗星を制式化。二式陸上初歩練習機の量産を開始。6月、二式陸上中間練習機を制式化。昭和19年、雷電を制式化。2月、それまで陸上航空部隊は海軍航空隊、艦上機や艦載機は母艦飛行科・整備科で運用していたが、空母固有の飛行隊を廃止して600番台の海軍航空隊を新編し、適宜空母に派遣する方式とした。7月10日、空地分離と呼ばれる大改編を実施。8月、天山を制式化。9月、彩雲を制式化。11月、紫電を制式化。昭和20年、紫電改を制式化。1月、東海を制式化。参考：月刊世界の艦船12,’10、6,’14、9,’13増刊、続日本海軍よもやま物語、陸海軍学校と教育、月刊JWings9,’13、1,’13、月刊丸3,’18別冊、首都防空網と空都多摩

＜日本海重工業富山造船所＞：戦時標準船建造のため新設された造船所。総トン数2000トン級の建造船渠２基を有する。参考：戦時標準船入門

＜日本海の虎＞：DD-107（護衛艦、初代）を参照。

＜日本楽器製造＞：元は明治22年に浜松で創業した山葉風琴製造所である。昭和6年から航空機用木製プロペラの生産を開始。金属プロペラ導入に際し、日本陸軍では日本楽器製造を担当から外す方針だったが、社長が陸軍航空本部長に直訴して金属プロペラも担当することになった。昭和8年3月、社長が欧米を視察し、金属製可変ピッチプロペラを開発しているドイツのVDM社、フランスのラチエ社、アメリカのカーチス社、ハミルトン・スタンダード社を訪れたところ、実用段階に進んでいるのがハミルトン・スタンダード社だけだったため、早速ライセンス交渉を持ちかけたが、住友伸銅鋼管に先を越されたため、次に実用が近そうなカーチス社と将来の優先交渉を確約して秋に帰国した。その後カーチス社が電動式可変ピッチ機構を実用化すると住友伸銅鋼管に先んじてライセンス権を取得し、住友側の申し入れでハミルトン・スタンダード社及びカーチス社のライセンス権を日本楽器製造及び住友で共同所有する形にして陸海軍向け可変ピッチプロペラの量産に入っている。昭和15年、多摩に調布研究所を設置し、プロペラや補助タンクの生産を行った。参考：月刊航空ファン10,’19、首都防空網と空都多摩

＜日本軍＞：陸軍と海軍で対立が激しく、太平洋戦争中でも海軍軍務局員が陸軍のことを「敵国陸軍」と称するような有様だった。昭和18-20年に軍需省航空兵器長官を務めた遠藤三郎陸軍中将も、アメリカと戦っているのか、陸軍と海軍が戦争しているのか分からないと嘆いている。お互いの階級章の見方も分からないので、将校ならともかく、階級章の複雑な下士官はどっちが上級なのか不明で、敬礼をすることも無く何となくやりすごしていた。昭和14年に陸海軍の初等・中間練習機を統一して訓練体系を共通にする計画が出されたが、Bu131を海軍二式陸上初歩練習機・陸軍四式練習機として共通採用する頃には太平洋戦争が終わりかけていた。陸海軍の航空機用材料・部品の共通規格である日本航空規格が出来たのは昭和18年のことである。陸海軍航空部門を共通化する案も昭和18年に漸く出されたが、両軍機関の統合は果たせず、協同開発できたのはエンジンから何から全くの新型機である秋水／キ－200くらいだった。明治2年（1869年）7月、兵部省が創設され、中央政府直轄軍隊の設立が決まった。明治3年、越中島練兵場で天覧練兵を実施。薩摩藩士の楽隊がイギリス陸軍軍楽隊フェントン隊長作曲の君が代を初めて演奏した。10月、陸軍をフランス式、海軍をイギリス式にすることを決定。明治4年2月、廃藩置県を強行するため、有力藩の士族からなる御親兵１万名を整備。その後東京、大阪、鎮西、東北に鎮台を設置し、各藩の士族から兵力を抽出して鎮台兵を揃えた。明治5年（1872年）、兵部省を陸軍省、御親兵を近衛兵に改称。海軍省を設立。明治6年に徴兵令を出し、歩兵、騎兵、砲兵、工兵、輜重兵の各兵科を揃え、ここで軍隊という名称が誕生することとなった。明治10年、西南戦争が勃発。戦費が税収の85%にも達し、陸軍の強化を最優先することになった。明治11年、陸軍参謀本部が独立。明治13年、海岸砲台の整備に着手。東京湾要塞、下関要塞、対馬要塞、由良要塞を建造した。明治15年、軍人勅諭で軍隊の頭首を天皇と定めた。明治19年、海軍軍令部が独立。明治21年5月、メッケルの指導により陸軍がフランス式からプロシア式に改編され、鎮台が廃止されて師団となった。明治27年、日清戦争勃発。明治28年、下関条約締結。三国干渉で遼東半島を返還しなければならなかったため、軍拡に着手し、明治28年に国家予算の32%、明治29年に48%、明治30年に55%を軍事費につぎ込んだ。明治35年1月30日、日英同盟を締結。明治38年、日露戦争勃発。明治40年4月、帝国国防方針、帝国国防所要兵力、帝国用兵綱領を策定。明治42年7月、臨時軍用気球研究会を創設。大正3年、日英同盟に基づいて第１次大戦に参加。ベルサイユ講和会議で日本は五大国の１つとなり、国際連盟常任理事国と南洋群島委任統治権を獲得した。大正7年6月、日中関係悪化を受けて帝国国防方針、帝国国防所要兵力、帝国用兵綱領を改定。第１次大戦後は軍縮ムードとなり、ワシントン条約締結もあって大正11年から軍縮に入った。大正デモクラシーで人権が重視され始めた時代でもあり、徴兵された兵士を上官の命令に服従させるため、誓約書が必要になっている。ただ誓約を拒否する兵士に対しては概ね特務曹長や助教がぶん殴って捺印させていたから、どの程度人権重視だったかは不明。大正12年2月、帝国国防方針、帝国国防所要兵力、帝国用兵綱領を改定。昭和6年9月18日、満州事変勃発。軍拡へと路線変更。昭和7年5月15日、５・15事件。昭和11年、帝国国防方針第三次改訂を実施。2月26日、２・26事件。昭和12年7月7日、日華事変勃発。昭和14年9月の第２次大戦勃発と昭和16年6月のドイツによるソ連侵攻を受け、対ソ連偏重を改めてソ連と南方を同一比率で監視することに決定。昭和16年9月、米英に対する開戦準備が決定された。昭和16年12月8日、太平洋戦争勃発。参考：月刊世界の艦船12,’10、9,’13増刊、帝国陸海軍事典、日本海軍艦隊総覧、太平洋海戦史、大砲入門、潜水艦気質よもやま物語、続日本海軍よもやま物語、新兵サンよもやま物語、歴史群像8,’11、陸海軍学校と教育、首都防空網と空都多摩、月刊軍事研究9,’16

　＜日本軍（昭和１６年７月）＞：天皇の直隷で、天皇が参謀総長と軍令部総長による輔翼を受けて陸海軍を統帥し、大本営陸軍部／参謀本部と大本営海軍部／軍令部からの上奏を裁可して大命を下すが、実際には天皇の発令を代行する形で参謀総長が陸軍、軍令部総長が海軍を指揮する。政府は天皇の国務を輔弼する立場にあり、陸海軍大臣には軍の指揮権は無い。陸海軍協同作戦は大本営陸軍部と大本営海軍部で協議して締結した陸海軍中央協定に基づいて行い、現地部隊間でも現地協定を結んでから陸海軍が別々に作戦を実行したため、統合作戦は行えず、作戦が始まるまでにも時間がかかった。参考：歴史群像4,’17

＜日本鋼管鶴見造船所＞：元は浅野造船所で、戦前は空母鳳翔の進水までの工事を行い、太平洋戦争終戦まで海防艦や駆潜艇などを建造していた。また、Ａ型大型貨物船36隻を建造した。1953年、くす型警備船とゆり型警備船の特別調査を実施。全装備品を一旦分解して組み立て直し、陸上・海上公試を実施、国産艦建造や特別修理の基礎データを取得した。掃海艇MSC-602いつきから自衛艦建造に参加、以降はほぼ掃海艇のみを建造している。後にユニバーサル造船京浜事業所となった。参考：月刊世界の艦船6,’11、8,’11増刊、戦時標準船入門

＜日本航空工業＞：日本の航空機会社。昭和12年に航空機の生産を開始した。昭和16年、国際工業と合併して日本国際航空工業になった。参考：首都防空網と空都多摩

＜日本国際航空工業＞：日本の航空機会社。昭和16年に日本航空工業と国際工業が合併して創設された。日本航空工業時代と合わせ、太平洋戦争終戦までに1322機を生産した。参考：首都防空網と空都多摩

＜日本国内における合衆国軍隊の使用する施設・区域外での合衆国軍用航空機事故に関するガイドライン＞：2005年4月1日に日米が合意して発表された。2019年7月25日に日米が改正で合意し、内周規制線内への迅速かつ早期立ち入りの明確化と、特に有害物質に関する情報のアメリカ軍から日本当局への迅速な提供が示され、残骸除去に際してのアメリカ軍と土地所有者との調整は地方防衛局が行うこと、日米当局または地元当局が環境調査を行った場合は結果を日米合同委員会の枠組みで共有することが決まった。参考：月刊航空ファン10,’19

＜日本国による沖縄局地防衛責務の引き受けに関する取極＞：久保・カーチス協定を参照。

＜日本地雷処理復興センター＞：陸上自衛隊OBを中心に設立されたNPO法人、略称JDRAC。2003年5月から東ティモールで地雷・不発弾処理技術伝習を行っている。不発弾処理支援事業第２期生の教育開始直後に現地で騒乱が発生し、事業が中断状態となったが、2009年2月に第３期生の教育を再開した。2011年3月末、東ティモールのディリ技術学校で自動車整備支援事業を開始した。2012年4月2日、東ティモールで自動車整備支援事業２期生30人に対する整備士養成教育を開始。参考：月刊軍事研究8,’09、MORIBITO Vol.3、朝雲

＜日本地雷処理を支援する会＞：自衛官OBが運営するNPO、略称JMAS（Japan Mine Action Service）。カンボジアPKOに参加した自衛官OBが発起人となり、カンボジアの不発弾と地雷を除去するため2002年5月に設立された。除去後のインフラ整備や農業支援なども実施する他、遺骨収集支援（パラオ）、武装解除監視（アフガニスタン）、水道改善事業（パキスタン）、JICA専門家の派遣（アンゴラ、カンボジア）、外務省の人材育成事業現地教育受託（アジア各国）などを行っており、東日本大震災では被災地の支援活動を実施している。カンボジアで2002年7月に不発弾除去、2006年に地雷除去を開始し、住民に対する除去技術の伝授も行った。他にもアフガニスタン（2006年11月から）やラオス（2006年6月から）など世界各地で不発弾処理事業を実施しており、「オヤジたちの国際貢献」という活動報告を出している。2008年7月1日から2009年2月28日、カンボジアのバッタンバン州ラタナックモンドル群区サンハー村で地雷除去、学校建設、道路整備、水源確保を総合的に行うコミュニティ総合開発プロジェクトを行い、村を丸ごと復興させた。2009年4月からはアンゴラで地雷除去装置に関する教育訓練や、小松製作所製D85MS地雷除去装置、日立建機製BM307-SG16対人地雷除去装置、ブルドーザー、ショベルカーによる地雷原処理作業、道路などの地域復興支援を開始。2009年4月から2010年3月末、アンゴラのベンゴ州マブバス村で地雷原26万2700平方メートルを安全化した。2012年1月12日、歌会始の儀で所属する渡邉榮樹元陸相補（元施設学校副長）の歌が入選し、宮中で朗詠された。6月14日、グランドヒル市ヶ谷で設立10周年記念行事を実施。防衛大臣、カンボジアやラオスなどの大使、国会議員ら200人が参加した。9月4日、2006年3月から行っていたカンボジアのバッタンバン州における地雷処理活動を終了し、376ヘクタールを農地化、カムリエン郡タサエンコミューンの中学校跡地で記念式典を行った。11月2日、カンボジアのノロドム・シハモニ国王から感謝状（モハ・セレイ・ワットの勲位のモニ・サラ・ポアン名誉勲章）を授与された。11月29日、アンゴラ地雷処理面積100ヘクタール達成記念式典をアンゴラの現地事務所で実施。2014年7月31日、ラオスのアッタプー県における４年間の地雷処理プロジェクトを終了。大型爆弾50発を含む6300発を処理し、アッタプー県知事から感謝状と記念品が贈呈された。11月12日、ラオスの首都ビエンチャン特別市の郊外にあるラオス不発弾機関不発弾訓練センターで、技術委譲、教育改善支援、施設建て替えの３年計画プロジェクトを開始。11月14日、ラオス南部のサラワン県とチャンバサック県での処理プロジェクトを終了し、３年間で600ヘクタールを安全化、ラオス政府から感謝状が贈呈された。2016年8月、ラオスで不発弾除去活動支援を開始。小松製作所が開発した新型の対人地雷除去機（不発弾処理用）を投入する予定である。2017年3月22日、アンゴラでの８年間に亘る地雷除去活動支援を終え、現地で地雷除去完了式典が開かれた。成果は213ヘクタールの地雷除去や20kmの道路啓開などで、小松製作所製対人地雷除去機はアンゴラに無償貸与されて引き続き地雷除去に使用される。2018年5月22日、カンボジアのバッタンバン州で行っている地域復興支援プロジェクトが10周年を迎え、記念式典を実施。副州知事、カンボジア地雷除去センター、JMAS、小松製作所などの関係者が参加し、JMAS関係者と小松製作所会長にメダルが授与された。10年間の活動実績は地雷処理数1360個、処理面積1735ヘクタール、道路整備62km、建設小学校８校、溜め池46個である。2019年7月8日、カンボジア国王からカンボジア王国友好勲章を授与された。2022年4月28日、カンボジアを公式訪問中の山崎統幕長がプノンペンの東屋ホテルでスタッフを激励した。5月26日、岸川理事長が防衛省を訪問し、山崎統幕長に謝意を伝えた。参考：月刊軍事研究8,’13、11,’16、9,’17、8,’18、朝雲、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’12

＜日本製鋼所＞：明治時代、北海道炭礦汽船会社が、鉄道の国有化により回収された資金を北海道での製鉄製鋼事業に充てることを考えていたが、日英同盟協約改訂にあたってアームストロング社とヴィッカーズ社が日本に兵器製造所を建設する計画が持ち上がり、３社の思惑が一致、明治40年7月に北海道炭礦汽船会社、アームストロング社、ヴィッカーズ社の間で設立協定を締結。資本金1000万円を３社で等分して明治40年11月に創設され、工場を室蘭に設立、日本初の民間兵器製作所となった。日本海軍も設立に関わっており、呉鎮守府長官が現役のまま会社の運営に当たった他、日本海軍呉製鋼部から技術者を引き抜いている。昭和10年頃にそれまでの4000トンプレス機を6000トンに強化することにしていたが、板厚の大きい装甲板を呉製鋼部でしか作れないのは問題があるため、１万トン水圧機の導入を決定し、昭和13年6月にデマーグ社に石炭蒸気動力３万馬力四重式１万トン水圧プレス機を発注、室蘭製作所に据え付けて昭和16年6月1日から操業を開始した。しかし太平洋戦争では大艦巨砲主義が潰えてしまったため、殆ど役目が無く、昭和19年に商船用普通鋼板を製作したのみに止まった。八九式中戦車も製造したことがある。府中に武蔵工場を建設し、ここでは昭和15年から九七式中戦車を生産したが、昭和17年8月から火砲を専門に製造した。日本海軍の航空機用装甲板も室蘭工場で製作しており、昭和19-20年は月産15トンだった。昭和20年7月に室蘭工場が艦砲射撃を受けて破壊され、復旧中に終戦を迎えている。１万トンプレス機は昭和21年8月に国有財産として賠償指定を受けたが、造船業が盛んになったため昭和27年3月から高級キルド鋼板のプレス用として再稼働を開始。昭和33年には原子炉用クラッド鋼板を製作し、他にも石油化学プラントや火力発電用の極厚鋼板の製作を行った。昭和36年、東海村の商用原子力発電所第１号機の圧力容器用特殊鋼がイギリスから搬入されたが、スペアも含めて内部に小さな亀裂がある欠陥品だったため、替わりに圧力容器を製作して納入した。現在でも原子炉圧力容器など特殊鋼の圧延製造に関しては世界一のシェアを誇っている。日本刀の製作技術を保存する瑞泉鍛刀所を企業内に持つ。自衛隊に納入した各種砲のオーバーホールは室蘭製作所特機工場で行っており、柱には昭和20年7月の艦砲射撃による損傷が残っている。参考：続・海軍製鋼技術物語、機甲入門、月刊グランドパワー3,’11、朝雲

＜日本製鉄＞：昭和19-20年、八幡工場で日本海軍航空機用装甲板を月産５トンで生産した。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜日本赤軍＞：1972年5月8日、パレスチナ人民解放戦線PFLPのハイジャックが失敗したことを受けて報復を肩代わりし、5月30日、３人がテルアビブにあるロッド空港の手荷物受け取り場でプエルトリコからの聖地巡礼団に向け突撃銃を乱射して26人を射殺した。犯人の内２人は死亡、１人が逮捕されている。この事件をきっかけにPFLPとの共同作戦を進め、1973年7月20日に日本航空B-747をハイジャックした。1974年1月31日にシンガポールの石油施設を爆破、2月6日に別働隊がクウェートの日本大使館を占拠し、日本政府は犯人のために逃亡用日航機を準備する羽目になった。1974年7月26日、パリで日本赤軍メンバー１人が逮捕された。これを受けて9月13日にオランダでフランス大使館を占拠し、メンバーを釈放させている。1975年8月4日、マレーシアのアメリカ領事館及びスウェーデン代表部を占拠し、日本政府は要求に応じて超法規的措置でメンバー５人を釈放した。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊丸11,’72

＜日本赤十字社＞：慶応3年（1867年）に佐賀藩主の命を受けパリ大博覧会に出席した際に第１回赤十字国際会議を見聞し、明治6年にも明治政府の命でウィーン大博覧会に出席して赤十字事業への感銘を深めた佐野常民が、明治10年の西南戦争における戦傷病者の惨状をきっかけに、同じく元老院議官だった大給恒の協力を取り付け、官軍・賊軍の区別無く戦場の創者を救う組織として博愛社の設立を政府に嘆願した。しかし賊軍の創者も救助するという条項のため許可が下りず、佐野常民自ら5月1日に熊本城の征伐軍本営に乗り込んで征伐総督有栖川宮に直接提出し（この日が日本赤十字社創立記念日）、5月3日に征伐総督宮が許可を決裁したのを受け、同月から早速救護活動を開始、11月までに両軍戦傷病者930名強（530名強？）を救護している。その間の8月1日には政府の不許可も取り消され、東伏見宮嘉彰親王が博愛社総長に就任した。8月7日、宮内省が博愛社に下賜金1000円を下付。これにより賊軍救護に明治天皇のお墨付きが得られたことになり、反対意見は一気に沈静化した。戦時救護には平素からの備えが重要ということで西南戦争終結後も組織は存続し、明治14年1月19日に社則81カ条を制定した。明治17年12月、ジュネーブ条約加盟の建議書を政府に提出。明治19年11月、初の常設病院である博愛社病院を設立。11月15日、号外勅令でジュネーブ条約の加入を公布。これにより国際赤十字に正式に加盟することを決め、12月から明治20年3月に議員会と臨時総会で社則改正を議論し、5月20日の第１回社員総会で19条の社則を定め、社名を博愛社から日本赤十字社に改称、記章を白地に赤十字とし、皇室の保護下に置かれ、皇族を総裁に推戴し、宮内省・陸軍省・海軍省の監督を受け、ジュネーブ条約に基づく篤志社員により維持され、平素は救護員養成と救護物資備蓄、戦時は傷病者救護に尽力する組織となった。明治20年、有栖川宮薫子妃が提唱して篤志看護婦人会が発足。9月2日、ジュネーブ府赤十字万国中央社社長から公認書と国際委員会出席認可の回答が届いて正式に国際赤十字に加盟した。明治21年、皇后・昭憲皇太后が本社資金10万円を下賜。7月、会津磐梯山噴火災害で皇后の内意を受け救護班を派遣し、初の平時災害救護を行った。明治23年4月、救護看護婦の養成を開始。明治25年4月、臨時天災救護規則を制定。5月、近衛師団衛生隊演習に合わせ、救護員演習を実施。6月、日本赤十字社病院を渋谷に開院。明治27年8月から明治28年12月、日清戦争で救護員1500人強（うち看護人524人、救護看護婦690人）を派遣し、初の戦時救護を行った。当初陸軍では看護人（男性看護師）よりも力が弱いことと、男ばかりの軍人に女性が混じると風紀上の問題が生じかねないとして看護婦（女性看護師）の派遣を断ったが、軍医監が取り消して内地病院・広島予備病院での勤務を許可している。広島予備病院では海軍中将仁礼子爵閣下令夫人が救護看護婦取締として指揮を執り、地方長官夫人や高官夫人・令嬢も救護看護婦と共に看護を行ったため、失礼を働かないよう軍医監が傷病兵に対して注意喚起したという。看護人は戦地にも派遣された。また、陸軍が仮病院船として使用した輸送船田子浦丸に医員100人と看護人300人を派遣している。明治28年8月19日、清国捕虜傷病者救護に関し、留守第４師団長から日本赤十字社大阪支部長に謝状が贈呈された。明治30年5月、千葉支部が陸軍演習に伴う救護演習を実施。8月、日清戦争の戦訓で必要性が認識された病院船（患者輸送船。全長90m、全幅12m、総トン数2600トン、速力13ノット）２隻を日本郵船経由でヨーロッパに発注。明治31年10月、戦時救護規則を制定。明治32年5月、病院船博愛丸が配備された。6月、病院船弘済丸が配備された。明治33年6月17日、北清事変が差し迫ったため、博愛丸の病院船への艤装を開始し、7月1日に横浜港を出港、太沽港に向かった。8月、北清事変が勃発し、明治34年9月7日に終結するまで救護班27個・救護員590人強と博愛丸・弘済丸を派遣した。病院船では外国将兵250人を含む1300人強を治療しつつ日本に後送している。明治34年、篤志看護婦人会の会則が改正され、本格的に活動を開始した。12月3日、勅令第223号で日本赤十字社条例が制定され、社団法人になった。明治35年12月、天災救護規則を制定。明治36年11月、戦時救護規則を改正。明治37年2月から明治39年3月、日露戦争で内地向け救護班78個、内地向け材料庫１個、戦地向け救護班32個、戦地向け患者輸送縦列１個、病院船２隻、陸軍病院船18隻向け救護班38個を派遣し、患者休養所（港や駅に設置して後送途中の傷病兵救護を行う）28カ所と臨時救護部出張所13カ所を設け、救護員延べ数は内地2491人、戦地1495人、病院船1304人で、内地15人、戦地47人、病院船16人の殉職者を出した。延べ取り扱い患者数は救護が内地183233人（うち捕虜7287人）・戦地356590人（うち捕虜14547人）、輸送が戦地141738人・病院船139678人（うち捕虜3759人）である。病院船航走回数は延べ99回だった。陸軍では看護婦を戦地最後方の兵站病院に派遣すべきとの意見が出され、賛同者も多かったが、交戦中に女性を海外戦地に送り込むことを許可する事例が無かったため断念し、病院船乗り組みと内地病院での救護に止まった。それでも婦長２人と看護婦20人が激務による罹病で殉職し、明治40年5月に軍人と同じく靖國神社に合祀（男性含む救護員総合祀者数は77人）されている。明治41年11月、戦時救護規則を改正。明治43年5月19日、勅令第228号で日本赤十字社条例が改正された。10月、臨時救護規則を制定し、戦時・天災救護以外の救護事業を開始した。明治44年9月、災害救護規則を制定。

大正3年からの第１次大戦で初の看護婦戦地派遣を実施。青島に婦長４人と看護婦40人を送ると共に、大正3年11月から大正5年9月までペトログラードに医員１人、事務員１人、通訳１人、看護婦長１人、看護婦12人、パリに医員１人（救護班長塩田廣重博士。帰国後に日本初の輸血を実施）、事務員１人、通訳１人、婦長２人、看護婦20人、ロンドンに医員１人、事務員１人、通訳１人、婦長２人、看護婦20人を派遣して各国軍傷病兵を救護した。大正3年9月、第１次大戦救護のため病院船博愛丸・弘済丸を宇品港に派遣した。大正6年、救護員養成規則が改正され、常備・後備・補充兵役にある者は救護員生徒として採用できなくなり、救護看護人（生徒募集対象が20-40歳なので兵役17-40歳ともろに被る）が大幅に減って救護看護婦メインの救護班編成となった。大正7年7月から大正14年4月、シベリア出兵で救護班を派遣。殉職者も出して靖國神社に合祀された。大正8年5月、赤十字連盟が発足し、日本赤十字社も加盟した。大正9年6月18日、ロシア内戦下でウラジオストクに脱出したポーランド人からなるシベリア救済委員会のビエルキュビッチ女史が来日し、外務省を訪問。18世紀から第１次大戦にかけロシアに捕らえられてシベリア送りにされたポーランド人は内戦を避け各地を彷徨い、一部がウラジオストクに逃れてきたため、ウラジオストク在住ポーランド人がシベリア救済委員会を創設して救出にあたっており、孤児はアメリカに送致して保護下に置くことにしたが、食糧も物資も無い中で船の都合が付くまで待機させるのは不可能なため、一時救護を依頼した。これを受け、外務政務次官が日本赤十字社社長に保護を依頼、日本赤十字社ではウラジオストク派遣軍司令官に援助を要請し、7月20日に第１便の日本陸軍交通船筑前丸がポーランド男児30人、女児26人、付添人男性２人、同女性３人を乗せてウラジオストクを出港、7月22日に敦賀港に到着し、汽車で東京に送って7月23日に育児所に収容した。9月17日、第２便の男児63人、女児49人、付添人男性６人、同女性５人を収容。9月28日、伏見丸が男児30人、女児26人、付添人男性２人、同女性３人を乗せアメリカに向かった。10月21日、第３便の男児35人、女児38人、付添人男性１人、同女性４人を収容。10月21日、香取丸が男児29人、女児26人、付添人男性３人、同女性１人を乗せてアメリカに出発。12月6日、諏訪丸が男児65人、女児60人、付添人男性１人、同女性６人を乗せアメリカに出発。12月27日、男児３人をウラジオストクに送還。大正10年1月21日、付添人男性２人と同女性２人がアメリカに向け出国。3月1日、第４便の男児75人、女児51人、付添人男性６人、同女性５人を収容。3月4日、諏訪丸が男児25人、付添人男性１人、同女性１人を乗せアメリカに出発。3月6日、女児２人をポーランド公使館に引き渡した。5月6日、付添人男性１人がアメリカに向け出国。6月18日、伏見丸が男児25人、女児31人、付添人男性３人、同女性２人を乗せアメリカに出発。7月6日、第５便の男児２人、女児６人、付添人女性１人を収容。7月8日、香取丸が男児28人、女児31人、付添人男性２人、同女性２人を乗せアメリカに出発。合計収容者数は男児205人（3-16歳）、女児170人（2-16歳）、付添人男性15名、同女性18人だった。大正11年、シベリア救済委員会が新たにウラジオストクに収容した孤児2000人をポーランドに送還するまで保護することになった。8月5日、明石丸がウラジオストク及びニコリスク方面からの児童107人、付添人11人を乗せウラジオストクを出港し、8月7日に敦賀港に入港し、8月8日に汽車で大阪に到着、大阪公民病院看護婦寄宿舎に入った。8月12日、明石丸がハルピン及びチタ方面からの児童129人、付添人12人を乗せウラジオストクを出港し、8月14日に敦賀港に到着、夕方に大阪公民病院看護婦寄宿舎に入った。8月18日、大阪公民病院看護婦寄宿舎に女児１人、付添人男性２人、同女性１人を収容。8月25日、大阪公民病院看護婦寄宿舎に女児１人、付添人男性３人、同女性１人を収容。香取丸が大阪公民病院看護婦寄宿舎収容の男児103人、女児88人、付添人男性７人、同女性12人を乗せ神戸を出港し、ポーランドに向かった。8月27日、壷北丸がブラゴエスチエンスク及びハバロフスク方面からの児童153人、付添人16人を乗せウラジオストクを出港し、8月29日に敦賀港に到着、8月30日に大阪公民病院看護婦寄宿舎に入った。8月31日、大阪公民病院看護婦寄宿舎に女児１人を収容。9月6日、熱田丸が大阪公民病院看護婦寄宿舎収容の男児104人、女児95人、付添人男性11人、同女性16人を乗せ神戸を出港し、ポーランドに向かった。11月、熱田丸がロンドンを経由してグダンスク港に入港。大正12年9月1日の関東大震災で本社社屋が焼失したが、赤十字中央病院に仮事務所を設置し、日本・朝鮮・満州の全本支部から救護員1663人を集めて9月16日までに被災地に派遣、大正13年6月まで救護を行った。救護員延べ4400人強が被災者延べ2067000人を救護している。

昭和3年5月、済南事変で救護班を派遣して臨時救護を実施。昭和4年4月、日清戦争で殉職した救護員21人が靖國神社に合祀された。昭和6年9月18日に満州事変が勃発したため、11月21日に陸軍大臣から救護班の派遣要請が出され、陸軍に17個・海軍に７個を派遣した。活動実績は総出動救護員数637人、取扱患者数15245人（うち戦傷6579人）、輸送人員数450056人（うち戦傷213200人）だった。引き続いて発生した第一次上海事変を含めると、救護班26個・救護員685人（うち看護婦580人）を内外地に派遣し、取扱患者数18000人だった。昭和7年、篤志看護婦人会規則を改正し、平時事業を拡大した。

昭和11年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、入院者延べ26268人・外来者延べ43393人の救護を行った。傷痍軍人27人（陸軍23人、海軍４人）に職業再教育を実施している。2月26日に発生した２・26事件では本社が東京警備司令部と連絡を取り、本社救護部と内務省衛生局が東京支部に対して救護班の派遣を内命、救護班２個の招集準備と救護班４個分の救護材料を整備して出動準備態勢を整えた。2月28日、東京支部事務所内に臨時救護所を開設。2月29日0715、本社から東京支部に救護班を赤坂三会堂に出動させるよう命令が出されたため、救護所を開設したが、地形上危険であると判断されたため、0900に閉鎖して0940に赤坂仲の町小学校に移設した。午後に事件が鎮定されたため、1500に臨時救護所を閉鎖している。住民の避難に伴い、傷病者24人を救護した。5月27日、第１回鳥取付近防空演習に鳥取支部が参加。6月12-14日、第９師団管下防空演習に石川支部と福井支部が参加。9月14-15日、昭和11年度四国防空演習に愛媛支部が参加。9月16-18日、鹿児島県防空演習に鹿児島支部が参加。9月18日、大阪朝日新聞社主催の防毒面装着防空大行進に大阪支部が参加。9月20-21日、昭和11年度阪神地方防空演習に大阪支部が参加。10月3-6日、北海道で実施された陸軍特別大演習に参加する軍人、軍属、見学の一般民衆の傷病者救護のため、北海道支部が救護活動を実施。医員１人、書記１人、看護婦２人、使丁１人からなる救護班６個を派遣し、219人を救護した。軍人と軍属は靴擦れ、民衆は腹痛などが主だった。

昭和12年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、居宅医療延べ279183人・入院医療延べ84695人・医薬医療補助延べ29189人・助産9786人の救護を行った。傷痍軍人30人（陸軍26人、海軍４人）に職業再教育を実施している。7月7日の日華事変勃発を受け、7月16日に副社長が各支部宛に救護員召集に備えた調査と救護班派遣準備を下命。7月26-30日、近畿地方防空演習に大阪支部が参加。7月28日、陸軍大臣が陸支密第93号で陸軍病院船（甲）１隻・（乙）２隻の衛生員編成要員として大阪陸軍病院及び広島陸軍病院に救護員の派遣を要請（第１次派遣）。陸軍省医務局長からは医第86号で細部指示が出され、病院船盛運丸、六甲丸、嘉義丸に乗り込むことになった。8月3日、第１次派遣救護班６個199人が各地を出発し、8月4日に大阪・広島陸軍病院に到着した。8月14日、陸軍大臣が陸支密第272号で病院船（乙）６隻衛生要員の派遣を要請（第２次派遣）。8月19日、陸軍大臣が陸支密第385号で関東軍管下陸軍病院幇助要員の派遣を要請（第３次派遣）。8月20日、第２次派遣救護班12個336人が軍の編成下に入り、8月31日から順次病院船での任務に就いた。8月20-27日、第３次派遣救護班３個72人（関東州委員部臨時第３、満州委員部第178、同第179）が編成され、承徳・奉天・錦州陸軍病院に派遣された。8月22日、海軍大臣が官房第4353号で海軍病院への救護班の派遣を要請（第４次派遣）。8月25日、海軍大臣が官房第4398号で海軍病院への救護班の派遣を要請（第５次派遣）。8月26日、第４次派遣救護班２個47人が編成され、佐世保海軍病院に派遣された。第５次派遣救護班２個48人が呉海軍病院に配属された。陸軍大臣が陸支密第489号で病院船に救護班の派遣を要請（第６次派遣）。海軍大臣が官房第4411号で海軍病院への救護班の派遣を要請（第７次派遣）。8月28日、第７次派遣救護班広島第71（24人）が佐世保海軍病院に派遣された。8月29日、海軍大臣が官房第4464号で海軍病院への救護班の派遣を要請（第８次派遣）。海軍大臣が官房第4464号で海軍病院への救護班２個の派遣を要請（第９次派遣）。8月30日、第６次派遣救護班12個314人が軍の指揮下に入り、病院船４隻に派遣された。8月31日、第８次派遣救護班佐賀臨時第４（24人）が編成され、佐世保海軍病院に派遣された。第９次派遣救護班神奈川第13（24人）が横須賀海軍病院に派遣された。9月4日、第９次派遣救護班神奈川第105（23人）が横須賀海軍病院に派遣された。9月3日、海軍大臣が官房第4553号で海軍病院への救護班１個の派遣を要請（第10次派遣）。9月8日、第10次派遣救護班大分臨時第５（24人）が別府海軍病院に派遣された。9月10日、陸軍大臣が陸支密第784号で病院船への救護班の派遣を要請（第11次派遣）。9月15日、海軍大臣が官房第4289号の５で救護員の派遣を要請（第12次派遣）したため、本部特別救護班32人を編成して上海特別陸戦隊に配属した。9月16日、第11次派遣救護班14個342人が病院船に派遣された。9月22日、陸軍大臣が陸支密第1035号で救護班50班（華北20班、上海20班、大阪陸軍病院３班、小倉陸軍病院３班、広島陸軍病院４班）の派遣を要請（第13次派遣）。大量派遣なので細部指示が出されており、編成は北支那方面軍及び上海派遣軍向けが救護医員・救護書記・救護看護婦長・使丁各１名と救護看護婦20名の計24名、大阪・広島陸軍病院向けが救護医員・救護書記・使丁を省く計21名、小倉陸軍病院向けが救護医員と使丁を省く22名（実際には大分第87と佐賀第89が21名、福岡第１が22名の編成だった）となっていて、コレラ予防接種液1200名分を交付するので速やかに接種するよう指示されていた。9月26-30日、第13次派遣救護班50個を編成。10月1日、第１次派遣救護班の東京（本部編成）臨時第１救護班に所属する看護婦１人が殉職し、日華事変救護班初の殉職者を出した。10月6日、陸軍大臣が陸支密第1242号で救護班６個の派遣を要請（第14次派遣）。10月8-12日、第14次派遣救護班６個119人を編成し、東京第１・名古屋・善通寺陸軍病院と陸軍軍医学校に派遣。10月12日、陸軍大臣が陸支密第1351号で病院船勤務救護班員114人の派遣を要請（第15次派遣）。11月7-8日、第15次派遣救護班４個114人が病院船に派遣された。11月12日、海軍大臣が官房第5732号で救護班１個の派遣を要請（第16次派遣）。海軍大臣が官房第5744号で救護班１個の派遣を要請（第17次派遣）。11月18日、第16次派遣救護班静岡臨時第６の23人が湊海軍病院に派遣された。11月25日、日本赤十字社戦時救護規則第66条に基づき、陸軍大臣が陸支密第2110号で日本赤十字社病院並同支部病院の陸軍戦傷病者収療に関する件達を発令したため、一般患者の入院を停止、非常収容力への増大を開始した。11月27日、陸軍大臣が陸支普第1419号で東京第一陸軍病院赤十字病院開設を指示したため、11月28日から日本赤十字社病院が東京第一陸軍病院の衛生勤務幇助を開始した。12月2日、陸軍大臣が陸支普第1516号で日本赤十字社支部病院に陸軍戦傷病者収療方の件を達し、12月5日から富山支部病院が富山陸軍病院、福井支部病院が鯖江陸軍病院の衛生勤務幇助を開始した。12月10日、陸軍大臣が陸支密第2347号で内地陸軍病院勤務救護員520人の派遣を要請（第18次派遣）。12月11-20日、第18次派遣救護班29個を編成し、内地陸軍病院と陸軍軍医学校に派遣。12月20日、第17次派遣救護班長崎第107（22人）を編成して佐世保海軍病院に派遣。日華事変勃発以来、昭和12年中に救護班149班3573人（病院船50班1317人、内地陸海軍病院55班1195人、満州陸海軍病院３班72人、華北陸海軍病院26班477人、華中陸海軍病院21班512人）を派遣し、５人が殉職した。

昭和13年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、居宅医療延べ1014919人・入院医療延べ157493人・医薬医療補助延べ84856人・助産延べ6312人の援護を行った。傷痍軍人21人（陸軍19人、海軍２人）に職業再教育を実施している。4月、赤十字病院17院が陸軍の管下に入り、日本赤十字社病院が東京第一陸軍病院赤十字病院、京都支部病院が京都陸軍病院赤十字病院、大阪支部病院が大阪陸軍病院赤十字病院、兵庫支部姫路病院が姫路陸軍病院赤十字病院、群馬支部病院が高崎陸軍病院赤十字病院、茨城支部病院が水戸陸軍病院赤十字病院、愛知支部病院が名古屋陸軍病院赤十字病院、静岡支部病院が静岡陸軍病院赤十字病院、福井支部病院が鯖江陸軍病院赤十字病院、富山支部病院が富山陸軍病院赤十字病院、鳥取支部病院が鳥取陸軍病院赤十字病院、島根支部病院が松江陸軍病院赤十字病院、岡山支部病院が岡山陸軍病院赤十字病院、山口支部病院が山口陸軍病院赤十字病院、香川支部病院が善通寺陸軍病院赤十字病院、愛媛支部病院が松山陸軍病院赤十字病院、高知支部病院が高知陸軍病院赤十字病院となった。9月9日、勅令第635号で日本赤十字社条例を日本赤十字社令と改称し、一部を改正した。10月24日、華中作戦開始や武漢三鎮攻略に伴い、陸軍大臣が陸支密第4076号で病院船勤務救護班員200人の派遣を要請（第19次派遣）。10月27-30日、第19次派遣救護班８個（京都第９、台湾第97、三重第147、滋賀第150、北海道第102、茨城第120、埼玉第144、長野臨時第７）200人が病院船に派遣された。日華事変勃発以来、昭和13年までに救護班186班5673人を派遣し、うち79班は内地陸海軍病院、46班は陸軍病院船に対するもので、他は中国北部・中部や満州に展開した。20人が殉職している。香川・愛媛・高知・愛知・静岡支部病院が戦時衛生勤務幇助を解除され、北海道支部病院が旭川陸軍病院赤十字病院、宮城支部病院が仙台陸軍病院赤十字病院、静岡支部病院が静岡陸軍病院赤十字病院、愛知支部病院が名古屋陸軍病院赤十字病院、和歌山支部病院が和歌山陸軍病院赤十字病院、宮城支部病院が森岡陸軍病院赤十字病院、滋賀支部病院が京都陸軍病院赤十字病院として幇助を要請された。支部病院延べ22院が陸軍病院分院となり、延べ2290300人の傷病将兵を収療、広島県には広島療院を新設して傷病兵の収容に充てた。

昭和14年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、居宅医療延べ1046542人・入院医療延べ163383人・医薬医療補助延べ66087人・助産3341人の援護を行った。傷痍軍人３人（全員陸軍）に職業再教育を実施している。支部病院20院が日華事変傷病将兵の収療に従事。3月1日、陸軍大臣が陸支密第614号で華北・華中の救護班交代を要請（第20次派遣）。華北に10班、華中に17班の第20次派遣救護班を送った。3月25日、日赤救護班に対し、北支那派遣最高指揮官杉山元大将から感謝状が贈呈された。7月19日、陸軍大臣が陸支密第2456号で病院船勤務救護班の交代を要請（第21次派遣）。第21次派遣救護班は22班570人で、8月13日から10月13日に病院船へと派遣されて患者輸送を開始した。8月30日、陸軍大臣が陸支密第3058号で救護班７個の派遣を要請（第22次派遣）。9月5-7日、第22次派遣救護班７個186人を編成し、華北の済南・石門・包頭・北京・青島・太原陸軍病院に派遣した。9月8日、陸軍大臣が陸支密第3203号で関東軍衛生幇助救護班３個の派遣を要請（第23次派遣）。9月12-13日、第23次派遣救護班３個72人を編成し、奉天・哈爾浜・新京陸軍病院に派遣した。12月9-10日、栃木支部が毒ガスに対する防毒演習を実施。昭和14年中に新たに救護班59班1455人（病院船19班513人、満州陸軍病院３班72人、華北陸軍病院20班462人、華中陸軍病院17班408人）を派遣した。30人が殉職している。富山・福井・鳥取・島根・岡山支部病院と兵庫支部姫路病院が戦時衛生勤務幇助を解除され、広島支部病院が広島陸軍病院赤十字病院となった。

昭和15年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、居宅医療延べ721446人・入院医療延べ210152人・医薬医療補助延べ32537人・助産2509人の援護を行った。傷痍軍人３人（全員陸軍）に職業再教育を実施している。支部病院15院が陸海軍傷病将兵の収療に従事した。1月31日、陸軍大臣が陸支密第316号で病院船向け救護班３個の派遣を要請（第24次派遣）。2月26-28日、第24次派遣救護班３個63人を編成し、病院船に派遣した。3月13日、陸軍大臣が陸支密第786号で長期派遣救護班の交代を要請（第25次派遣）。4月1-10日と7月4-6日、第25次派遣救護班33個を編成し、病院船に８班、華北の陸軍病院に３班、内地陸軍病院に18班、陸軍軍医学校に４班を派遣した。4月6日、陸軍大臣が陸支密第1106号で華南軍病院に救護班２個の派遣を要請（第26次派遣）。4月15-18日、第26次派遣救護班２個44人を編成し、広東・南寧陸軍病院に派遣した。6月17日、海軍大臣が官房第3167号で横須賀海軍病院に救護班１個の派遣を要請（第27次派遣）。6月26日、第27次派遣岩手第231救護班12人を編成し、横須賀海軍病院に派遣した。11月9日、陸軍大臣が陸支密第3633号で長期派遣救護班の交代を要請（第28次派遣）。12月1-18日、第28次派遣救護班29個を編成し、華北の陸軍病院に11班、華中の陸軍病院に17班、東京第１陸軍病院に１班を派遣した。昭和15年中に新たに病院船11班363人、内地陸海軍24班532人、満州陸軍病院３班72人、華北陸軍病院11班264人、華中陸軍病院17班408人、南方陸軍病院２班44人を派遣した。36人が殉職している。岩手・山口・宮城・北海道・静岡支部病院が戦時衛生勤務幇助を解除された。

昭和16年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、居宅医療延べ620640人・入院医療延べ231978人・医薬医療補助延べ13144人、助産延べ3464人の扶助を行った。傷痍軍人１人（陸軍）に職業再教育を実施している。日華事変の拡大と泥沼化に太平洋戦争開戦も重なり、ほぼ全ての支部病院が傷病将兵収療に従事していた。1月、日本赤十字社病院を日本赤十字中央病院に改称。4月9日、陸軍大臣が陸支密第989号で長期派遣救護班の交代を要請（第29次派遣）。4月15-25日、第29次派遣班７個189人を編成し、華北方面に派遣した。5月28日、陸軍大臣が陸支密第1501号で長期派遣救護班の交代を要請（第30次派遣）。6月12日から8月4日、第30次派遣救護班24個を編成し、病院船と関東軍の陸軍病院に派遣した。8月14日、海軍大臣が官房第4327号で救護班２個の派遣を要請（第31次派遣）。8月25日、第31次派遣救護班２班を編成し、横須賀海軍病院に派遣した。10月2日、海軍大臣が官房第5168号で救護班１個の派遣を要請（第32次派遣）。10月6日、第32次派遣和歌山第294救護班23人を編成し、呉海軍病院に派遣した。10月9日、陸軍大臣が陸支密第3490号で病院船向け救護班15個の派遣を要請（第33次派遣）。10月13-16日、第33次派遣救護班15個を編成し、病院船に派遣した。12月6日、海軍大臣が官房第6329号の1-4で救護班４個の派遣を要請（第34次派遣）。12月17-19日、第34次派遣救護班４個90人を編成し、別府・佐世保・湊・舞鶴海軍病院に１個ずつ派遣した。昭和16年中に新たに救護班53班1863人（内地陸海軍11班430人、満州陸軍病院24班589人、華北陸軍病院３班148人、華中陸軍病院８班216人、南方の陸軍病院４班274人）を派遣した。35人が殉職している。愛知・茨城・群馬・滋賀支部病院・京都支部第一病院が戦時衛生勤務幇助を解除された。

昭和17年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、居宅医療延べ675031人、入院医療延べ262988人の援護を行った。1月、日本赤十字社救護員教育要領を改正。1月10日、海軍大臣が官房第94号で救護班増派を要請（第35次派遣）。1月14日、日本赤十字社捕虜救恤委員部を設置。陸軍大臣が陸亜密第103号で太平洋戦争開戦に伴う南方・台湾向け救護班30個の派遣を要請（第36次派遣）。1月17日から2月10日、第36次派遣救護班30個を編成し、台北陸軍病院に４個、台南陸軍病院に６個、南方の陸軍病院に20個を派遣した。1月20日、第35次派遣佐賀第299救護班22人を編成し、嬉野海軍病院に派遣した。2月10日、海軍大臣が官房第723号で内地海軍病院向け救護班２個の増派を要請（第37次派遣）。2月16日、海軍大臣が官房第822号で救護班１個の派遣を要請（第38次派遣）。2月23日、第37次派遣救護班２個46人を編成し、佐世保海軍病院諫早病院に派遣した。第38次派遣埼玉第348救護班21人を編成し、野比海軍病院に派遣した。3月18日、海軍大臣が官房第1453号で救護班１個の派遣を要請（第39次派遣）。3月23日、第39次派遣佐賀第347救護班23人を編成し、嬉野海軍病院に派遣した。4月2日、海軍大臣が官房第2028号で救護班１個の派遣を要請（第40次派遣）。4月14日、第40次派遣山口第349救護班23人を編成し、岩国海軍病院に派遣した。4月24日、海軍大臣が官房第2525号で救護班１個の派遣を要請（第41次派遣）。海軍大臣が官房第2526号で救護班１個の派遣を要請（第42次派遣）。4月27日、海軍大臣が官房第2571号で救護班１個の派遣を要請（第43次派遣）。4月28日、海軍大臣が官房第2586号で救護班１個の派遣を要請（第44次派遣）。海軍大臣が官房第2587号で救護班１個の派遣を要請（第45次派遣）。5月2日、第42次派遣富山第351救護班23人を編成し、舞鶴海軍病院に派遣した。5月3日、第41次派遣群馬第350救護班23人を編成し、久里浜海軍病院に派遣した。5月9日、第43次派遣栃木第354救護班23人を編成し、海軍軍医学校に派遣した。5月10日、第45次派遣鹿児島第353救護班23人を編成し、舞鶴海軍病院に派遣した。5月13日、第44次派遣石川第352救護班23人を編成し、山中海軍病院に派遣した。5月19日、海軍大臣が官房第3031号で救護班１個の派遣を要請（第46次派遣）。5月21日、海軍大臣が官房第3093号で救護班１個の派遣を要請（第47次派遣）。5月23日、海軍大臣が官房第3140号で救護班１個の派遣を要請（第48次派遣）。6月1日、第46次派遣福島第355救護班23人を編成し、霞ヶ浦海軍病院に派遣した。6月2日、海軍大臣が官房第3371号で救護班１個の派遣を要請（第49次派遣）。第47次派遣長野第357救護班23人を編成し、海軍軍医学校に派遣した。6月3日、第48次派遣愛知第356救護班23人を編成し、横須賀海軍病院に派遣した。6月12日、第49次派遣本部第360救護班24人を編成し、昭南島第101海軍病院に派遣した。6月23日、陸軍大臣が陸亜密第2181号で華南方面に交代救護班２個の派遣を要請（第50次派遣）。7月4-9日、第50次派遣救護班２個44人を編成し、広東方面陸軍病院に派遣した。7月、救護本部と捕虜救恤委員部を設置。7月8日、海軍大臣が官房第4181号で救護班１個の派遣を要請（第51次派遣）。7月15日、第51次派遣岐阜第361救護班22人を編成し、呉海軍病院に派遣した。7月16日、海軍大臣が官房第4368号で救護班２個の派遣を要請（第52次派遣）。7月21-24日、第52次派遣救護班２個44人を編成し、大村海軍病院に派遣した。9月22日、陸軍大臣が陸亜密第3621号で南方勤務救護班５個の増派を要請（第53次派遣）。10月5-10日、第53次派遣救護班５個115人を編成し、南方の陸軍病院に派遣した。10月9日、海軍大臣が官房第5987号で内地海軍病院勤務救護班６個の派遣を要請（第54次派遣）。10月12日、赤十字通信の事務を開始。11月4-5日、第54次派遣救護班６個135人を編成し、横須賀・野比・霞ヶ浦・呉・岩国・舞鶴海軍病院に１個ずつ派遣した。12月23日、海軍大臣が官房第7723号で救護班１個の派遣を要請（第55次派遣）。12月27日、第55次派遣本部第375救護班23人を編成し、ラバウル第８海軍病院に派遣した。昭和17年中に新たに救護班62班1446人（内地陸海軍26班588人、台湾陸海軍５班120人、南方陸海軍31班738人）を派遣した。58人が殉職している。大阪支部阿武野病院が大阪第二陸軍病院阿武野赤十字病院、三重支部山田病院が横須賀海軍病院山田赤十字病院、香川支部病院が呉海軍病院高松赤十字病院、愛媛支部病院が呉海軍病院松山赤十字病院として戦時衛生勤務幇助を開始した。

昭和18年、傷痍軍人及び軍事遺家族に対し、居宅医療延べ557775人、入院医療延べ201323人、医薬医療補助延べ22494人、助産1950人の援護を行った。在敵国同胞救援金5100円強を集金した。1月15日、社長を救護総長とする救護本部を編成。大本営に派遣した救護団体の衛生勤務は、陸軍は野戦衛生長官、海軍は海軍医務部長、その他は陸海軍医務局長の指揮を受けることとなった。2月16日、陸軍大臣が陸亜密第856号で南方勤務救護班６個の派遣を要請（第56次派遣）。2月20日、海軍大臣が官房第17号で救護班１個の派遣を要請（第57次派遣）。2月26日から3月6日、第56次派遣救護班６個144人を編成し、南方の陸軍病院に派遣した。3月1日、第57次派遣本部第382救護班23人を編成し、南方第８海軍病院に派遣した。4月6日、海軍大臣が官房医第35号で救護班27個の増派を要請（第58次派遣）。4月8日、陸軍大臣が陸亜密第1921号で華北・華中長期勤務救護班の交代を要請（第59次派遣）。4月10-17日、第59次派遣救護班35個840人を編成し、18個を華北の陸軍病院、17個を華中の陸軍病院に派遣した。4月14-28日、第58次派遣救護班27個を編成し、横須賀海軍病院に１個、野比海軍病院に１個、霞ヶ浦海軍病院に２個、湊海軍病院に１個、大湊海軍病院に１個、川奈海軍病院に２個、海軍軍医学校に１個、呉海軍病院に３個、岩国海軍病院に２個、別府海軍病院に２個、佐世保海軍病院に２個、諫早海軍病院に１個、嬉野海軍病院に１個、舞鶴海軍病院に２個、山中海軍病院に１個、高雄海軍病院に１個、上海第１海軍病院に１個、南方第４海軍病院に１個、南方第102海軍病院に１個を派遣した。5月15日、本社内庭で東京空襲（焼夷弾及びガス弾）を想定した救護演習を実施。5月16日、陸軍大臣が陸亜密第2858号で南方と台湾への救護班増派を要請（第60次派遣）。5月19-27日、第60次派遣救護班６個138人を編成し、南方の陸軍病院に５個、台北陸軍病院に１個を派遣した。6月19日、海軍大臣が官房医第77号で内地海軍病院に救護班２個の派遣を要請（第61次派遣）。6月28日、第61次派遣救護班２個44人を編成し、海軍軍医学校と大村海軍病院に１個ずつ派遣した。7月27日、陸軍大臣が陸亜密第4673号で関東軍衛生勤務幇助のため救護班20個の増派を要請（第62次派遣）。8月12日、第62次派遣救護班20個420人を編成し、華北の陸軍病院に派遣した。8月13日、海軍大臣が官房医第100号で外地海軍病院向け救護班７個の派遣を要請（第63次派遣）。8月16-23日、第63次派遣救護班７個156人を編成し、第８海軍病院に３個、第４・第101・第102・第103海軍病院に１個ずつを派遣した。9月15日、海軍大臣が官房医第108号で内地向け救護班４個の増派を要請（第64次派遣）。9月28日、第64次派遣救護班４個84人を編成し、佐世保海軍病院に２個、大村・大湊海軍病院に１個ずつを派遣した。10月11日、海軍大臣が官房医第117号で内外地海軍病院向け救護班18個398人の増派を要請（第65次派遣）。10月13日、陸軍大臣が陸亜密第6723号で南方軍向け救護班10個の派遣を要請（第66次派遣）。11月1-3日、第66次派遣救護班10個230人を編成し、南方の陸軍病院に派遣した。11月6-10日、第65次派遣救護班18個を編成し、霞ヶ浦・野比・岩国・山中・大湊・高雄・第１海軍病院と病院船天応丸に１個ずつ、第４・霧島・大村・嬉野・舞鶴海軍病院に２個ずつを派遣した。11月13日、陸軍大臣が陸亜密第7588号で臨時東京第一陸軍病院向け救護班２個の増派を要請（第67次派遣）。11月26日、第67次派遣救護班２個を編成し、臨時東京第一陸軍病院に派遣した。12月2日、海軍大臣が官房医第127号で内地向け救護班５個の派遣を要請（第68次派遣）。12月13-14日、第68次派遣救護班５個110人を編成し、呉・戸塚海軍病院に２個ずつ、鎮海海軍病院に１個を派遣した。昭和18年中に新たに救護班144班3251人（病院船１班21人、内地陸海軍病院60班1315人、満州陸海軍病院20班431人、華北陸海軍病院18班430人、華中陸海軍病院19班453人、南方陸海軍病院32班511人、台湾陸海軍病院３班68人、朝鮮陸海軍病院１班22人）を派遣した。78人が殉職している。群馬支部病院が霞ヶ浦海軍病院前橋赤十字病院、志賀支部病院が野比海軍病院大津赤十字病院、本部諏訪病院が野比海軍病院諏訪赤十字病院、静岡支部病院が静岡陸軍病院赤十字病院、茨城支部病院が水戸陸軍病院赤十字病院として戦時衛生勤務幇助を開始した。

昭和19年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対し、居宅医療延べ223924人、入院医療延べ87419人、医薬医療補助延べ3425人、助産延べ380人の援護を行った。在敵国同胞救援金99381円を集金した。1月16日、海軍大臣が官房医第２号で救護班４個の増派を要請（第69次派遣）。1月19日、海軍大臣が官房医第13号で内地海軍病院向け救護班７個の派遣を要請（第70次派遣）。1月22日、第69次派遣救護班４個88人を編成し、第101・第102海軍病院に１個ずつ、第103海軍病院に２個を派遣した。1月30日、第70次派遣救護班７個147人を編成し、横須賀・舞鶴海軍病院に１個ずつ、岩国海軍病院に２個、呉海軍病院に３個を派遣した。2月9日、陸軍大臣が陸亜密第964号で華北・華中向け救護班30個の派遣を要請（第71次派遣）。2月22-25日、第71次派遣救護班30個690人を編成し、華北の陸軍病院に５班、華中の陸軍病院に25班を派遣した。3月18日、海軍大臣が官房医第38号で内地・朝鮮・台湾の海軍病院向け救護班38個の派遣を要請（第72次派遣）。3月25日から4月28日、第72次派遣救護班38個798人を編成し、野比海軍病院に９班、戸塚海軍病院に２班、横須賀海軍病院に11班、別府海軍病院に４班、呉・佐世保海軍病院に３班ずつ、岩国・嬉野・鎮海・高雄海軍病院に１班ずつ、海軍軍医学校に１班を派遣した。3月31日、陸軍大臣が陸亜密第2554号で内地陸軍病院に救護班４個の派遣を要請（第73次派遣）。4月28日、第73次派遣救護班４個84人を編成し、陸軍軍医学校に１個、大阪陸軍病院に３個を派遣した。6月6日、陸軍大臣が陸亜密第4973号で内外地陸軍病院向け救護班50個の派遣を要請（第74次派遣）。6月13日、海軍大臣が官房医第117号で内地海軍病院向け救護班20個の増派を要請（第75次派遣）。7月3-7日、第74次派遣救護班50個1051人を編成し、内地の陸軍病院に28個、朝鮮の陸軍病院に４個、関東軍の陸軍病院に９個、華南の陸軍病院に２個、華中の陸軍病院に５個、華北の陸軍病院に３個を派遣した。7月6-7日、第75次派遣救護班20個460人を編成し、横須賀・戸塚・大湊・加茂・別府・岩国・佐世保海軍病院に２個ずつ、大阪・舞鶴海軍病院に３個ずつを派遣した。8月15日、海軍大臣が官房第149号で内地海軍病院向け救護班４個の増派を要請（第76次派遣）。8月28日、海軍大臣が内地海軍病院向け救護班４個の増派を要請（第77次派遣）。9月1日、第76次派遣救護班４個92人を編成し、横須賀海軍病院に２個、横須賀海軍砲術学校に１個、大竹海兵団に１個を派遣した。9月12日、陸軍大臣が陸亜密第9249号で内地陸軍病院向け救護班47個の増派を要請（第78次派遣）。第36次派遣第340救護班の乗った船が海南島東沖で雷撃を受け、４人が殉職した。9月15日、第77次派遣救護班４個を編成し、平・安浦海兵団、呉海軍病院大阪分院、大湊海軍病院に１個ずつ派遣した。9月22日、バギオの第12陸軍病院がアメリカ軍機の爆撃を受け、第302救護班看護婦長１人が殉職した。9月27日、第36次派遣第335救護班の乗船したうらる丸が雷撃を受けて沈没、救助された旭邦丸も10月1日に航空攻撃で沈没し、14人が殉職した。9月29日、海軍大臣が官房医第162号で救護班１個の派遣を要請（第79次派遣）。10月12-23日、第78次派遣救護班47個937人を編成し、広島陸軍病院に４個、金沢・善通寺・小倉・熊本陸軍病院に３個ずつ、臨時名古屋第２・相武台・武振台・千葉・東京第一・宇都宮・大阪・久留米陸軍病院に２個ずつ、臨時東京第三・習志野・所沢・仙台第一・水戸・松本・弘前・名古屋・豊橋・京都・姫路・福岡大一・旭川・浜松・各務原陸軍病院に１個ずつを派遣した。10月27日、第79次派遣熊本第727救護班22人を編成し、高雄海軍病院に派遣した。11月8日、海軍大臣が官房医第174号で救護班４個の派遣を要請（第80次派遣）。11月27日、海軍大臣が官房医第180号で内地海軍病院向け救護班７個の増派を要請（第81次派遣）。11月30日、第80次派遣救護班４個92人を編成し、別府海軍病院に２個、呉海軍病院大阪分院に１個、佐世保海軍病院に１個を派遣した。12月16日、陸軍大臣が陸亜密第12699号で支那派遣軍向け救護班30個の増派を要請（第82次派遣）。12月18-23日、第81次派遣救護班７個161人を編成し、横須賀・野比・岩国・別府・佐世保・霧島海軍病院と呉海軍病院大阪分院に１個ずつ派遣した。12月19日、海軍大臣が官房医第186号で救護班４個の派遣を要請（第83次派遣）。昭和19年中に新たに救護班220班4639人（内地病院163班3399人、満州11班231人、華北８班177人、華中30班662人、南方１班22人、台湾２班43人、朝鮮５班105人）を派遣した。128人が殉職している。埼玉支部小川病院が野比陸軍病院小川赤十字病院、福井支部病院が敦賀陸軍病院赤十字病院、台湾支部病院が台北陸軍病院赤十字病院、岐阜支部高山病院が名古屋陸軍病院高山赤十字病院、愛知支部病院が横須賀海軍病院名古屋赤十字病院、京都支部第一病院が舞鶴海軍病院赤十字病院、京都支部第二病院が舞鶴海軍病院京都第二赤十字病院として戦時衛生勤務幇助を開始した。日華事変勃発から昭和19年度までに派遣した救護班は761班（陸軍570班、海軍191班）、班員は27902人（陸軍22140人、海軍5762人）だった。昭和19年度の戦傷病者救護は陸軍９病院、海軍10病院、療養所２ヵ所で、日華事変勃発からの収療者数は陸軍6563522人・海軍1677798人の計8741320人に達した。

昭和20年、傷痍軍人及び軍人遺家族に対する救護は記録が焼失しており不明。赤十字通信安否調査で日本から国際委員会に依頼した赤十字通信は日本人向け9583通、外人向け588通、安否調査4508通、消息通信436通で、国際委員会から日本に依頼された赤十字通信は日本人向け19339通、外人向け6133通、安否調査2614通、消息通信98通、捕虜抑留者通信の捕虜向けは258通、抑留者向けは373通、同電報は2493通だった。1月11日、陸軍大臣が陸亜密第269号で台湾向け救護班５個の派遣を要請（第84次派遣）。1月15日、第82次派遣救護班30個を編成し、10個を華中、20個を華北の陸軍病院に派遣した。第83次派遣救護班４個92人を編成し、横須賀海軍病院に１個、呉海軍病院に２個、佐世保海軍病院諫早分院に１個を派遣した。1月17日、海軍大臣が官房医第13号で救護班５個の増派を要請（第85次派遣）。1月20日から2月22日、第84次派遣救護班５個107人を編成し、嘉義・屏東・高雄・基港・台中陸軍病院に１個ずつ派遣した。1月31日、バギオの第12陸軍病院が空襲を受け、第302救護班臨時救護看護婦１人が殉職した。2月14-24日、第85次派遣救護班５個115人を編成し、横須賀・湊・岩国海軍病院に１個ずつ、佐世保海軍病院諫早分院に２個を派遣した。2月17日、フィリピン・タルラックの第138兵站病院が空襲を受け、第318救護班救護看護婦１人が殉職した。2月21日、海軍大臣が官房医第25号で救護班４個の増派を要請（第86次派遣）。3月9日、東京大空襲で救護班２班と救急車を派遣し、３日間で班員延べ90人が患者延べ799人を救護した。東京大空襲での被災を受け、救護本部が諏訪の臨時出張所に機能の一部を移転。3月14日、第86次派遣救護班４個88人を編成し、岩国海軍病院と針尾海軍兵学校に２個ずつを派遣した。大阪空襲で救護班６個を派遣し、８日間で班員延べ432人が患者延べ877人を救護した。大阪支部も被弾している。3月20日、海軍大臣が官房医第39号で救護班23個の増派を要請（第87次派遣）。3月24日、バギオの第12陸軍病院がアメリカ軍機の空襲を受け、救護看護婦１人と使丁１人が殉職した。3月31日、海軍大臣が官房医第43号で救護班３個の派遣を要請（第88次派遣）。4月10日、第87次派遣救護班23個を編成し、鎮海海軍病院に１個、横須賀・呉・加茂・佐世保・大村・嬉野・山中海軍病院に２個ずつ、野比・大阪海軍病院に３個ずつを派遣した。4月20日、第88次派遣救護班３個63人を編成し、霞ヶ浦海軍病院に１個、霧島海軍病院人吉病舎に２個を派遣した。4月26日、海軍大臣が官房医第60号で救護班12個の増派を要請（第89次派遣）。4月27日、陸軍大臣が陸亜密第2168号で内地陸軍病院向け救護班72個の派遣を要請（第90次派遣）。5月20日、第66次派遣和歌山第490救護班がビルマのチンドラ村境で機銃掃射を浴び、９人が殉職した。5月24-25日、日本赤十字社中央病院が空襲を受け、構内に焼夷弾650個が投下され、直撃を受けた伝染病棟４棟、細菌研究室、養心分寮が全焼し、本館は天井を貫通された。5月25日、第89次派遣救護班12個256人を編成し、野比・舞鶴海軍病院に４個ずつ、霧島海軍病院に２個、呉・山中海軍病院に１個ずつを派遣した。5月29日、横浜空襲で救護班を派遣し、14日間に班員延べ71人で患者延べ980人を救護した。6月7日、海軍大臣が官房医第73号で内地海軍病院向け救護班の増派を要請（第91次派遣）。6月15日、大阪赤十字病院が焼夷弾を被弾し、木造建造物が全焼失したが、総鉄筋コンクリートの病棟に損害は無く、人的被害は出なかった。6月16日から7月23日、第90次派遣救護班72個を編成し、札幌・旭川・帯広・湯川・弘前・秋田・盛岡・山形・相武台・習志野・千葉・横須賀・村山・振武台・沼田・東京第二・下志津・柏・甲府・佐倉・立川・名古屋・金沢・大宮・福山・岡山・姫路・京都・鯖江・敦賀・善通寺・高知・亀山・高田・篠山・各務原・八日市・松江・浜松・松山陸軍病院に１個ずつ、仙台第一・高崎・柴田・豊橋・名古屋第二・広島・大阪・臨時福岡第二・久留米陸軍病院に２個ずつ、宇都宮陸軍病院に３個、小倉陸軍病院に４個、熊本陸軍病院に７個を派遣した。7月2日、陸軍大臣が陸密第4557号で救護班１個の増派を要請（第92次派遣）。第72次派遣岡山第587救護班の派遣先病院が空襲を受け、防空壕内で21人が殉職した。7月19日、海軍大臣が官房医第85号で内地海軍病院向け救護班15個の増派を要請。編成は完了したが、空襲や交通事情悪化などで派遣不能と判断され、中止された。7月24日（？）、第93次派遣救護班２個42人を編成し、台中陸軍病院に派遣した。7月28日、第91次派遣救護班36個756人を編成し、戸塚海軍病院飯坂分院に２個、同見延分院に１個、同草津病舎に４個、同秋葉山病舎に１個、湊海軍病院湯田中病舎に４個、霞ヶ浦海軍病院成田病舎に４個、霧島海軍病院林田病舎に１個、佐世保海軍病院雲仙病舎に２個、舞鶴海軍病院片山津病舎に２個、同薬師寺病舎に２個、同上加茂病舎に２個、和倉病舎に２個、大阪海軍病院宝塚病舎に１個、同豊中病舎に３個、同厚生園病舎に１個、同有馬病舎に２個、田辺海兵団に１個、海軍兵学校大原分校に１個を派遣した。8月、大阪赤十字病院の敷地内に１トン爆弾４発が落下した。8月1日、陸軍大臣が陸密第5400号で救護班２個の増派を要請（第93次派遣）。第92次派遣長野第933救護班21人を編成し、長野陸軍病院に派遣した。8月6日、広島原爆投下で広島赤十字病院は門の一歩手前まで瓦礫の山となったが奇跡的に焼け残り、殺到した負傷者の治療にあたった。山口支部から救護班３班を送って２班を赤十字病院、１班を若草町東練兵場に、鳥取支部から救護班１班を広島市庁舎に展開、若草町東練兵場では22日間で救護員延べ792人が患者延べ31000人を、広島市庁舎では４日間で救護員延べ26人が患者延べ1029人を救護している。8月11日、救護班４個を編成し、終戦後に広島第２陸軍病院に派遣した。8月15日、太平洋戦争終戦で全自主権を喪失、GHQから派遣された顧問を通じて社務を実施することになり、赤十字病院は軍病院配属を解除された。救護班が即時に引き揚げると傷病者救護活動に支障が出るため、引き続き救護任務にあたっている。終戦までの昭和20年中に新たに派遣した救護班は198班4172人（内地陸海軍病院160班3351人、華北20班433人、華中10班216人、台湾７班151人、朝鮮１班21人）だった。山口支部病院が岩国海軍病院赤十字病院、鳥取支部病院が舞鶴海軍病院鳥取赤十字病院、宮城支部病院が横須賀海軍病院仙台赤十字病院、島根支部病院が呉海軍病院松江赤十字病院、福岡支部今津病院が佐世保海軍病院今津赤十字病院、高知支部病院が呉海軍病院高知赤十字病院、秋田支部病院が大湊海軍病院秋田赤十字病院、福島支部病院が戸塚海軍病院福島赤十字病院、岩手支部病院が盛岡陸軍病院赤十字病院、岡山支部病院が岡山陸軍病院赤十字病院、兵庫支部姫路病院が姫路陸軍病院赤十字病院、北海道支部旭川病院が旭川陸軍病院赤十字病院として戦時衛生勤務幇助を開始し、終戦時には32院が軍患者収療にあたっている。太平洋戦争の本土空襲で26支部と14病院が全半焼した。8月21日、救護班１個を編成し、山口陸軍病院に派遣した。8月29日、諏訪の救護本部臨時出張所が帰京した。10月、GHQ公衆衛生福祉部からアメリカ赤十字社シッキス・スミス女史が初顧問として派遣された。10月7日、京都第一赤十字病院が進駐軍に接収された。11月12日、秋田赤十字病院から派遣された医員・看護婦による中岡収容所（秋田県花岡にある中国人捕虜収容所）での活動に対し、第11空輸師団フランク・ドーン准将が感謝状を贈呈した。11月15日、救護支部が廃止された。11月16日、復員者、引揚者、朝鮮人救護のため、山口支部が仙崎港に臨時救護所を設置。翌月15日までの31日間で救護員延べ310人が患者延べ87900人を救護した。11月30日、救護本部が廃止され、救護班が平時編制に復帰した。12月1日、救護班７個を編成し、国立霞ヶ浦病院に４個、国立久里浜病院に３個を派遣した。12月10日、救護班２個を編成し、引揚船氷川丸と浦賀検疫所に派遣した。12月25日、救護班１個を編成し、佐世保検疫所針尾病舎に派遣した。12月24日、救護班１個を編成し、国立久里浜病院に派遣した。12月12日（1日？）、救護班１個を編成し、国立久里浜病院に派遣した。12月31日現在、未帰還または任務中の救護班が347班残っていた。内訳は内地陸海軍病院132班、満州50班、華北44班、華中59班、台湾16班、南方46班で、内地班は国立病院や引揚船勤務を継続、外地班は現地外国軍病院に留用されるなどして帰国ルートが復活するのを待っていた。昭和20年の救護班殉職者は413人だった。日華事変勃発以来昭和20年末までの日本赤十字社投入経費（御下賜金交付金、事務費、救護班費、防護費、俘虜救護委員部費、敵国人救護費、在外抑留邦人慰問費）は53001914円78銭で、事業費全体の38.99%を占めた。日華事変勃発以来の派遣数は救護班960班33156人（医師324人、薬剤師55人、書記593人、看護婦長1888人、看護婦29562人、使丁734人）で、殉職者は835人に上り（救護班員807人、通常病院勤務28人。うち靖國神社合祀23人。8月15日までの殉職者は戦死121人、戦病死542人）、派遣費用は56792583円だった。殉職者１人が昭和26年9月に赤十字国際委員会からフローレンス・ナイチンゲール記章を贈呈されている。日華事変勃発以来の軍幇助病院取り扱い傷病将兵延べ数は陸軍63755002人・海軍30661177人の計94416179人。昭和11-20年、青少年赤十字団員は在外陸海軍将兵に慰問金3939円65銭と慰問品983242点、赤十字救護班に慰問金166円43銭と金品59750点、満州国境警備警察官に慰問金184円80銭と慰問品39971点を送り、国防献金7972円９銭と飛行機献納きょ金71337円96銭５厘を納め、陸軍に小型患者輸送機（昭和13年5月30日命名式挙行）、海軍に報国第472号少年赤十字号（昭和17年11月8日命名式挙行）を献納した。

昭和21年1月20日、大阪赤十字病院の土地及び建造物が全て進駐軍に接収された。2月、本社在外機関を廃止し、篤志看護婦人会が解散した。2月6日、医療局と日本赤十字社救護班派遣に関する協定を締結。陸海軍病院が国立病院になっても一般看護婦が充足されるまで引き続き救護班を派遣することになった。この時点で国立病院69院に192班3984人が派遣されていた。3月29日、第１・第２復員省が廃止されたのに伴い、厚生省の所管となることが閣議決定され、6月3日に厚生省から通知された。5月3日、リバティ型病院船６隻向け30班と復員省所管病院船向け６班を除き、内地救護班が全て解任された。昭和22年、最後の救護班がソ連から引き揚げた。1月、定款を改正し、平時の事業に重点を置いた。1月末、病院船向け救護班が全て解任された。終戦後新たに派遣した救護班は187班4015人（医師８人、主事８人、婦長187人、看護婦3810人、使丁２人）だった。10月20日に災害救助法が施行され、法律の運用にあたり日本赤十字社の協力が義務づけられたため、市町村各区域に災害時救護を担任する篤志救護員からなる日赤奉仕団を編成し、昭和23年4月には厚生省と災害救護に関する協定を結んだ。昭和23年8月20-30日、第17回赤十字国際会議にGHQオブザーバーの技術顧問として出席。11月（昭和22年11月？）、最後の外地派遣救護班である群馬第532班が解散した。昭和24年7月、戦犯収容所巣鴨拘置所で戦犯者援助のため設置された巣鴨学園を援助するため、学用品の贈呈や講演会・映画会などを行うようになった。昭和25年、支部病院規則が改正され、医療法に準じた赤十字病院が開設された。昭和26年、大韓赤十字社の要請に基づき、朝鮮戦争の犠牲者救護のため救恤金36268947円26銭、慰問金4708321円66銭、救恤品495932点、慰問品232716点を韓国に送った。また、GHQから韓国赤十字病院への医療機械寄付の要請があり、義援金の一部で医療機械や衛生材料を調達して韓国赤十字社に送付している。北朝鮮にも救援の希望を問い合わせたが、回答は無かった。9月8日、サンフランシスコ講和条約が調印され、１年以内に1949年8月12日のジュネーブ諸条約に加盟することを日本政府が宣言した。昭和27年4月11日、赤十字中央病院に日本赤十字社血液銀行東京業務所を開設し、血液事業を開始。7月26日から8月7日、第18回赤十字国際会議に正式に代表を派遣した。8月14日、第19回国会の法律第305号で制定された日本赤十字社法が公布・即日施行された。10月31日、厚生省令第43号で日本赤十字社法施行規則が公布された。日本赤十字社定款を改正した。社団法人から特殊法人への組織変更が認可された。昭和28年2月13日、特殊法人としての登記を完了した。3月、中国に残されていた未帰還救護員345人が赤十字の引揚船で帰国を開始。昭和29年1月1日、日本赤十字社医療施設規則が制定された。1月30日に引揚援護庁復員局が対ソ連地域安否照会実施要項案を策定したことを受け、臨時安否調査部設置規定により臨時安否調査部を設け、ソ連と中共地区の残留邦人安否調査を行うことになった。

昭和30年2月5日、大阪赤十字病院が進駐軍から返還された。2月15日、京都第一赤十字病院が進駐軍から返還された。6月、日本赤十字社救護規則を定めた。12月、第12次赤十字引揚船が中国から帰国。第1-12次で273人が帰国し、未帰国者は72人となった。昭和21年から昭和30年12月までの太平洋戦争派遣救護班殉職者は287人だった。昭和31年9月、広島原爆病院を開設。昭和33年5月、長崎原爆病院を開設。昭和35年8月8日から11月18日、戦後初の海外医療班（内科医１人、外科医１人、通訳・渉外連絡員１人）をコンゴ共和国に派遣。昭和37年7月、災害対策基本法が施行され、これに基づく指定公共機関に指定された。

昭和52年8月、ベトナム難民の受け入れを開始。昭和54年11月、タイのカンボジア難民キャンプに医療班を派遣。昭和55年3月、タイ難民キャンプに日本医療センターを開所。6月、ベトナム難民救護のためマレーシアにレントゲンチームを派遣。昭和59年6-9月、タイのカンボジア難民キャンプに第13次医療班を派遣。

昭和60年9月、エチオピア難民救済でスーダンに女性看護師らを派遣。昭和61年1-5月、マレーシアのビドン島でベトナム難民医療救護に参加。昭和61年10月から昭和62年4月、マレーシアのビドン島でベトナム難民医療救護に参加。

平成2年、スリランカ内戦難民救済で救護員を派遣。平成3年1月、湾岸戦争で医療団を派遣。4月、クルド難民救援で医療班を派遣。平成4年4月、スーダン内戦負傷者救護で女性看護師１人を派遣。平成5年1月、ソマリア内戦で救援要員を派遣。3月、スーダン難民救援で女性看護師をケニアに派遣。参考：日本赤十字社社史稿第５巻・第６巻、人道・博愛－百年のあゆみ、赤十字の旗なにわに百年

＜日本赤十字社戦時救護規則＞：日本赤十字社条例／日本赤十字社令に基づき、日本赤十字社の戦時救護を定めた規則で、明治36年に制定された。日露戦争を経て明治41年、第１次大戦を経て大正11年5月1日（本達甲第４号）、日華事変勃発により昭和15年12月26日、太平洋戦争勃発により昭和17年7月27日に改正されている。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

　＜日本赤十字社戦時救護規則（大正１１年５月１日改正）＞：日本赤十字社の戦時救護事業は、1906年7月6日にスイスのジュネーブで調印された戦地軍隊に於ける傷者及病者の状態改善に関する条約と、1907年10月18日にオランダのハーグで調印されたジュネーブ条約の原則を海戦に応用する条約、陸戦の法規慣例に関する条約の主義に従って行い、戦時又は事変の際に陸軍・海軍大臣の命または認可を受けて実施し、社長が統括する。戦時救護事業を執行するのは、救護部と救護団体（救護班、病院船、病院列車、救護自動車）で、救護団体の勤務は陸海軍戦時衛生勤務の規定に従う。救護部と救護団体の編成・解散は陸軍大臣または海軍大臣の命または認可を受けて社長が実施する。救護部は本部、支部、派出所からなる。救護班は陸軍177個（看護婦組織167個、看護人組織10個）、海軍12個（全て看護婦組織）とし、陸海軍病院、病院船、病院列車、患者自動車、患者護送の勤務を幇助する。陸軍向け救護班の編成は、これを要する動員師団の所管、近衛師団は第１師管、第19・第20師団は第３師管、第５師管、朝鮮本部台湾支部の所管内にある救護班で充当する。足りない場合は、隣接師管内の救護班も充てる。海軍向け救護班の編成は、これを要する鎮守府所在支部の救護班で充当する。数個の救護班が必要な時は、他の鎮守府所在支部の救護班も充てる。戦地での救護班の作業は、特に前方での作業を命じられない限り、兵站管区内で行う。病院船は陸海軍に対して２隻とし、病院船何丸と呼ぶ。病院列車は陸海軍に対して２列車とする。社長が救護部や救護団体を編成した時や、救護員の欠員を補充した時は、編成名簿を陸軍大臣または海軍大臣に報告する。編成後の救護団体を交代させる時は、陸軍大臣または海軍大臣の認可を得る。戦地（本社で準備できない場合は戦地外も）での宿舎と糧食は陸海軍から支給される。病院船、病院列車、救護自動車に収容した傷病者の費用、船車に要する燃料、飲料水は、所属に従い陸海軍の支給を受ける。救護部と救護団隊が発する電信は野戦電信、信書は軍事郵便に依ることができる。救護員は理事員（救護理事長、救護理事、救護主事、救護書記）、医員（救護医長、救護医員）、調剤員（救護調剤員、救護調剤員補）、看護婦（救護看護婦監督、救護看護婦長、救護看護婦）、看護人（救護看護人長、救護看護人）からなり、白地赤十字の臂章を左上膊部に装着する。服務中に傷痍を受けるか疾病に罹患した時は陸海軍の治療を受ける。救護部と救護団体の救護材料は衛生材料（器械、薬物、滋養品、消耗品、患者被服、寝具、患者運搬具）と普通材料（事務用品、救護員貸与品、救護員給与品、天幕、食器、厄厨具、雑品）からなり、容器梱包に白地赤十字の記章を付け、戦地では追送品などと共に陸海軍が輸送する。救護団体の救護材料は陸海軍と本社規定以外の者を使ってはならない。戦時又は事変にあたり、本社各病院はその全部または一部を陸海軍傷病者の収容に供し、地方支部は戦地でない碇泊場または停車場などに患者休憩所を置くことができる。本則で準備した救護員と救護材料は、平時救護にも使用可能。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

　＜日本赤十字社戦時救護規則（昭和１５年１２月２６日改正）＞：小改正で、施行は昭和16年1月1日からである。救護看護婦を甲種と乙種に分けた。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

　＜日本赤十字社戦時救護規則（昭和１７年７月２７日改正）＞：大改正で、施行は昭和17年8月1日からである。救護部を救護本部、救護支部、派出所として日本赤十字社本社に救護本部を置き、救護事業を統括するようにした。また、患者の輸送手段として、救護自動車に加えて救護航空機を定めた。救護班は救護医員１人（班長を務める）、救護看護婦長１人、救護看護婦20人の編成で、救護医員の代わりに救護看護婦長を増員したり、救護調剤員、救護書記、通訳、使丁を配属したりできる。病院船の定員は救護医長１人、救護部部長１人、救護医員５人、救護調剤員１人、救護看護婦監督１人、救護書記４人、救護調剤員補１人、救護看護婦長２人、救護看護婦50人、磨工１人、役夫若干、必要に応じ通訳。病院列車の定員は救護医長１人、救護部部員１人、救護医員１人、救護調剤員１人、救護書記１人、救護調剤員補１人、救護看護婦長２人、救護看護婦20人、必要に応じ通訳・厨夫・役夫。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

＜日本赤十字社法＞：1952年8月14日法律第305号で交付され、1953年2月13日から施行された。６章41条と付則からなる。日本赤十字社は赤十字に関する諸条約及び赤十字国際会議で決議された諸原則の精神に則り、赤十字の理想とする人道的任務を達成することを目的とし、赤十字に関する国際機関及び各国赤十字社と協調を保ち、国際赤十字事業の発展に協力し、世界の平和と人類の福祉に貢献するように努めなければならない。日本赤十字社は法人とし、社員をもって組織し、その標章として白地赤十字を使用する。何人も、社員となるにつき、及び社員の権利義務につき、人種、国籍、信条、性格、社会的身分または門地によって、差別されることがない。日本赤十字社は、赤十字に関する諸条約に基づく業務、非常災害時または伝染病流行時に傷病その他の災厄を受けた者の救護、健康増進・疾病予防・苦痛軽減その他社会奉仕のために必要な業務、赤十字の理想とする人道的任務を達成するために必要な業務を行う。厚生大臣は、日本赤十字社に法令や法令に基づいてする行政庁の処分または定款を守らせるため必要があると認める時は、日本赤十字社に対し、業務や財産の状況に関し報告をさせ、日本赤十字社の事務所その他の場所に立ち入り、業務または財産の状況または帳簿・書類その他の物件を検査させることができる。拒んだり虚偽の報告をしたりしたら１万円以下の罰金。参考：日本赤十字社史稿第６巻

＜日本赤十字社令＞：昭和13年9月9日、勅令第635号で日本赤十字社条例を改称し、一部を改正したものである。日本赤十字社は救護員を養成し救護材料を準備し、陸軍・海軍大臣の定めるところにより陸海軍の戦時衛生勤務を幇助する。そのため、陸軍・海軍大臣は日本赤十字社の監督権を持ち、社長と副社長は陸軍・海軍大臣の奏請により勅任し、赤十字病院の開設・移転・閉鎖、救護員の服制及び帯剣、資産帳簿などの検査、事業に関する状況報告、事業監督命令発出、戦時衛生勤務に就いている救護員の給与は陸軍・海軍大臣に認可・実施・官給権がある。また、陸軍・海軍大臣は、日本赤十字社の申請により、陸軍衛生部将校と海軍軍医科士官を赤十字病院に派遣し、患者の診断治療や救護員の養成に関する事務に幇助させることができる。救護員が戦時衛生勤務に就いた場合、陸海軍の規律を守り命令に服する義務を負い、救護員と救護材料などの官用輸送機関による輸送は陸海軍人と軍用品に準じる。陸海軍の戦時衛生勤務に就いている日本赤十字社の理事員、医員、調剤員、看護婦監督の待遇は陸軍各部将校と海軍将校相当官に、書記、調剤員補、看護婦長、看護人長の待遇は下士官に、看護婦と看護人の待遇は兵に準じる。ただ救護員が軍属であると明文化されなかったため、実際に各部隊に配属されてみると待遇が一定せず、昭和14年7月17日に板垣征四郎陸軍大臣が戦時衛生勤務に服する日本赤十字社救護員の取り扱いに関する件達を発出し、救護員が陸軍部隊の指揮下に入って部隊長に宣誓してから陸軍の指揮下を離れるまでは軍属であると規定した。同通達では給与標準も示されており、救護医員、救護調剤員、救護主事、救護看護婦監督は尉官（陸軍大臣の指定する救護医員は佐官に引き上げ可）に、救護書記、救護調剤員補、救護看護婦長、救護看護人長は下士官に、救護看護婦と救護看護人は兵に、使丁は雇人に準じ、その他の者はその都度としている。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

＜日本特殊鋼＞：航空機用エンジンの合金鋼部品製造にあたった他、太平洋戦争中は月産22000ポンド（10トン）の装甲板を製造していた。また、海軍航空機用の3-16mm厚装甲板も名古屋工場で製作しており、昭和19-20年は月産10トンだった。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜日本特別掃海隊＞：特別掃海隊を参照。

＜日本原中演習場＞：陸上自衛隊の演習場。岡山県奈義町にあり、面積1882万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。元は1907年（明治40年）に日本陸軍が開設した演習場で、太平洋戦争終戦後の1946年3月に占領軍が接収して実弾射撃に使用、1957年10月に返還されて陸上自衛隊の演習場となった。2018年6月、中国四国防衛局と岡山県奈義町が米軍単独使用に関する覚書を締結した。10月7-27日、アメリカ海兵隊が単独訓練を実施。参考：月刊軍事研究4,’10、MAMOR vol.145、朝雲

＜日本原駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。顕彰館には日本軍や陸自の史料が展示されている。正門付近広場の装備品展示場は正門の警衛所で申請書に記入すれば平日・休日問わず0930-1530に見学可能。所在地は岡山県勝田郡奈義町滝本。JR津山駅からバス「自衛隊前」下車。1965年3月に開設され、第13特科連隊第２大隊が姫路駐屯地から移駐した。6月、第13戦車大隊が今津駐屯地から移駐した。1971年3月、第13特科連隊主力が姫路駐屯地から移駐した。1981年3月、第２混成団特科大隊と同戦車隊が新編された。1990年3月、第２混成団戦車隊が廃止された。1991年3月、第13高射特科大隊が新編された。1994年3月、第２混成団特科大隊が松山駐屯地に移駐。1999年3月、第13特科連隊第１大隊が出雲駐屯地から移駐すると共に、第13師団が第13旅団に改編されたため、第13特科連隊が第13特科隊、第13戦車大隊が第13戦車中隊、第13高射特科大隊が第13高射特科中隊に改編された。2004年3月、第13後方支援隊第２整備中隊直接支援小隊が新編された。2006年3月、第２混成団が第14旅団に改編されたため、第14戦車中隊と第14後方支援隊戦車直接支援小隊が新編された。2016年9月2日、岡山県知事が県議会議長と共に防衛省を訪問し、駐屯地の体制維持を求める要望書を政務官に手渡した。9月17日、岡山学芸館高校文化祭で装備品を展示した。2017年3月1日、岡山県勝田郡奈義町と、大規模災害時における派遣隊員の留守家族支援に関する協定を締結。6月4日、自衛隊家族会津山地区と大規模災害時における派遣隊員の留守家族支援に関する協定を締結。9月15日、岡山学芸館高校文化祭の学芸祭に三軒屋駐屯地と共に協力し、装備品展示を行った。10月25日、広島県自衛隊家族会安佐北支部が駐屯地を研修した。2019年5月14-17日、鳥取市立中学校２年生５人の職場体験学習に協力した。2020年1月20日、正門付近広場に新たに開設した装備品展示場のオープニングセレモニーを実施。4月11-12日、中部方面混成団第47普通科連隊が令和2年度即応予備自衛官招集訓練開始式を実施。2022年4月24日、全日本銃剣道優勝大会防衛省２部で優勝した。6月12日、岡山地本が行った74式戦車体験試乗に協力した。2023年5月27-28日、玉野市宇野港で開催された、たまの・港フェスティバルで、96式装輪装甲車と93式近距離地対空誘導弾を展示した。9月30日から10月1日、水島港で行われた第９回玉島ハーバーフェスティバルで岡山地本が実施した広報に協力した。参考：日本原駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、出雲駐屯地ホームページ、朝雲

＜日本原駐屯地（２０１５年）＞：第13旅団第13戦車中隊、第13特科隊、第13高射特科中隊、第13後方支援隊第２整備中隊戦車・高射・特科直接支援小隊、第14旅団第14戦車中隊、第14後方支援隊第２整備中隊戦車直接支援小隊、中部方面会計隊第421会計隊（3月26日から第356会計隊日本原派遣隊）、警務隊日本原派遣隊、基地通信隊日本原派遣隊、日本原駐屯地業務隊が駐屯している。参考：日本原駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜日本飛行機＞：日本の航空機会社。昭和10年、航空機生産を開始。太平洋戦争終戦までに2670機を生産した。戦後は自衛隊機及び民間機の分担生産や、自衛隊機、海保機、アメリカ海軍・海兵隊機の機体整備を行っている。2003年、川崎重工の完全子会社になった。2014年2月、大雪で厚木ハンガーの屋根が倒壊し、格納していた機体が損害を受けた。参考：首都防空網と空都多摩、月刊軍事研究1,’16

＜日本本土奇襲作戦＞：太平洋戦争時の昭和17年4月18日に行われた、日本初空襲。思いついたのはルーズベルト大統領といわれる。日本は連合軍空母を監視するため、日本本土の東海岸沖1000-1100kmの地点に南北1600kmに亘り特設監視艇を配置すると共に、哨戒機による哨戒飛行を実施していたが、日本海軍の空母機動部隊主力はインド洋作戦に出払っており、有効な対応能力には欠けていた。昭和17年1月、ジェームズ・ドゥーリットル中佐が陸軍航空軍ハップ・アーノルドから2000ポンド（907.2kg）の爆弾を積んで500フィート（152.4m）の滑走で離陸し2000海里飛べる飛行機は無いかと質問され、B-23爆撃機とB-25爆撃機に燃料タンクを追加すれば良いと答えた。B-25爆撃機と翼面荷重がほぼ同じで馬力荷重の低く離陸滑走距離が短い筈のB-26爆撃機も条件を満たすが、選ばなかった理由は不明である。3月3日、アメリカ空母機動部隊が南鳥島を攻撃したため、日本海軍は監視網を強化、空母瑞鶴及び翔鶴を本土に戻し、第21航空戦隊を東南アジアから東京近郊に配置換えした。4月2日、ドゥーリットル中佐以下乗員80名とB-25B改造型16機が第16機動部隊（指揮官はハルゼー中将）の空母CV-8ホーネットに積まれ、日本目指して出港。同行したのは第16機動部隊第２群の重巡３隻で、4月13日には第16機動部隊第１群の空母CV-6エンタープライズ、重巡２隻、駆逐艦４隻、給油艦１隻が加わった。4月18日未明、本来なら翌日に犬吠埼沖741kmでB-25B改造型を発進させる筈だったが、東京から668海里の所で監視活動を行っていた特設監視船第二十三日東丸に見つかったため、0725-0825に1150km沖から16機を発艦させ、超低空飛行で日本に向かわせた。この時第二十三日東丸、長渡丸など特設監視船４隻を巡洋艦の砲撃などで撃沈し、第16機動部隊は引き返している。山本連合艦隊長官は0630に第二十三日東丸からの警報を受け取ったが、空母にB-25爆撃機が載っているとは思いもよらず、艦上機の航続距離から考えて攻撃は翌日になるとみて、第２艦隊に出港を命じ、関東地区で待機させていた第11航空艦隊の零戦90機及び陸攻80機のうち零戦12機（18機？）と陸攻32機（29機？）を木更津飛行場から索敵のため発進させた。しかし航空機部隊が離陸した時には既にB-25B改造型が日本上空に達しており、1200頃に13機が東京（荒川区、王子区、葛飾区、牛込区、小石川区、品川区）に爆弾を落とし、残り７機は横浜、横須賀、名古屋、神戸に向かい、１機は故障で爆弾を投棄した。関東地区の防衛を担当する東部軍には九七式戦闘機50機しか配備されておらず、ちょうど水戸の陸軍射撃場でキ－61試作機の13mm機関砲射撃試験が行われており、試作２号機・３号機が離陸して迎撃に向かい、霞ヶ浦上空でB-25B改造型１機の燃料タンクを撃ち抜いたが、撃墜か撃破か見届けることは出来なかった。地上部隊は東部軍に高射砲中隊30個（八八式七糎高射砲122門）、照空中隊13個、中部軍に高射砲中隊23個（同92門）、照空中隊14個、西部軍に高射砲中隊22個（同88門）、照空中隊13個を配置していたが、肉眼による対空警戒が主だったので、完全に迎撃に失敗。第11航空艦隊機は600海里まで進出して捜索に当たったが、敵を発見できなかった。日本海軍はバシー海峡を内地に向け航行中の第２航空艦隊にも機動部隊追撃を命じたが、敵までの距離は3000kmもあり、追いつける筈も無く、しかも燃料が内地帰還分しかなかったため、下手をすれば太平洋を漂流する羽目になるところだった。B-25B改造型は中国の連合軍勢力圏にある飛行場に向かったものの、航続距離が足りずに辿り着けず、15機が不時着、１機がソ連領内に抑留されている。乗員のうち１名が戦死、２名が行方不明となり、８名が日本軍の捕虜となって後に３名が民間人への無差別攻撃により死刑、１名が獄死した。日本側の被害は家屋全焼160戸、全壊21戸、死者45人、負傷者153人。荒川区では旭電化工場周辺の人口密集地域に爆弾が落ちたため、死者10人と負傷者48人を出した。早稲田中学では校庭にいた生徒を焼夷弾が直撃し、肩から背中に突き抜けて即死している。横須賀工廠では改装工事中の潜水母艦大鯨が損傷した。アメリカでは太平洋反攻の象徴とされ、ドゥーリットル中佐に名誉勲章が授与されたが、日本の民衆に対するインパクトは小さく、ドゥーリットルどころかドゥー・ナッシング（Do nothing）だという駄洒落も生まれたらしい。4月18日1357、東部軍司令部はラジオで京浜地方への敵空襲と敵機９機撃墜の戦果を発表したが、当日は快晴で誰も撃墜された敵機の姿を見た者は無く、後の大本営発表では敵機は全て中国に遁走したと訂正された。大井警察署近くに投下された１発は不発弾になり、赤羽工兵隊が処理のため派遣されたが、アメリカ製爆弾の知識が無く陸軍航空本部に相談。陸軍航空本部はアメリカ製爆弾を入手分析する絶好の機会と判断し、土肥原航空本部長が航空技術研究所に連絡を入れたが、既に夕方で所長の正木博大佐は帰っており、信管研究のトップも不在だった。そのため航空本部長からの電話を受けた奥原兵技伍長が所長の自宅に電話し、正木所長と奥原伍長の２名で4月19日から信管分離作業を開始、昼頃に完了した。両名は航空技術研究所に帰った後、すぐ首相官邸に呼ばれ、所長は首相と面会して賞詞を受け、伍長には翌日150円の酒肴料が渡されている。日本は本土防空体制を強化し、翌4月19日には各新聞で防空防火義務の徹底が呼びかけられ、昭和17年9月には高射砲中隊の装備砲数を４門から６門に増やし、昭和18年8月には東部・中部・西部軍に防空集団司令部を設置、九九式八糎高射砲や三式十二糎高射砲の配備を開始した。また、昭和18年末から電波警戒機と電波標定機も配備している。日本海軍では、山本五十六連合艦隊司令長官が開戦前に危惧していた日本本土空襲が現実のものとなり、再度実施されて大損害を受けた場合には国民感情が一気に嫌戦反軍へとひっくり返る可能性もあることから、MI作戦・AL作戦でアメリカ空母機動部隊を叩くこととした。2012年4月14-20日、アメリカ空軍博物館とオハイオ州グライムス飛行場で第70回ドゥーリットル・トーキョー・レイダース・リユニオンが実施され、存命する搭乗員５名のうち４名、B-25爆撃機（海軍型PBJ-1J含む）20機、ダコタブレイド社製零戦二一型などが参加した。2014年5月19日、存命する搭乗員にアメリカ議会が議会ゴールドメダルの授与を決定した。2019年4月9日、作戦参加乗員の最後の１名が死去した。参考：月刊JWings1,’04、7,’01、9,'23、7,’12、6,'21、月刊丸9,’97、1,'17別冊、写真版東京大空襲の記録、第２次大戦日本海軍作戦年誌、ミッドウェー運命の３秒間、山本五十六と米内光政、海軍操舵員よもやま物語、大砲入門、日本航空母艦史、陸海軍学校と教育、月刊軍事研究8,’14、海軍こぼれ話、月刊航空ファン5,’16

＜日本本土空襲＞：昭和12年5月20日、中国軍機２機が熊本・宮崎に反戦ビラを撒布。昭和17年4月18日、日本本土奇襲攻撃。昭和19年6月15日、中国の成都や重慶から出撃した第20爆撃航空団所属B-29爆撃機68機が八幡製鉄所を爆撃し、高度6000-7000mから47機が投弾（うち製鉄所には19機）。飛行第４戦隊の二式複座戦闘機夜戦型８機による迎撃を受け、７機を損失、55名が戦死・行方不明となった。製鉄所はコークス炉から3700フィート（1128m）ほど離れた発電所に命中弾があったのみで、製鉄能力に影響は無かった。7月7日、佐世保海軍工廠、大村、戸畑、八幡にB-29爆撃機19機が出撃、12機が投弾。8月、アメリカ軍がサイパン島にイスリー飛行場（滑走路長1800m）を完成させた。8月10日、長崎市街にB-29爆撃機29機が出撃、24機が投弾。１機を喪失した。8月20日、八幡製鉄所に第20航空軍第20爆撃航空団所属B-29爆撃機88機が出撃、71機が投弾。第12飛行師団飛行第４戦隊（二式複戦28機、九七式戦闘機３機）、同飛行第59戦隊（三式戦闘機21機）、同飛行第51戦隊（四式戦闘機＋二式単戦計17機）、同飛行第52戦隊（四式戦闘機＋二式単戦計12機）、第16飛行団司令部（四式戦闘機または二式単戦２機）、独立飛行第17中隊（一〇〇式司偵５機）、第352海軍航空隊による迎撃を受け、14機を喪失した（アメリカ記録。日本側戦果発表では確実撃墜24機、不確実撃墜13機、撃破47機）。中国からの爆撃では基地の規模や兵站の問題があり、多数機で頻繁に戦略爆撃をかけることが出来ず、九州方面は日本軍の防空態勢が整っていたこともあって効果が上がらなかった。10月12日、マリアナ基地にB-29爆撃機１番機が到着。関東や中部地方を戦略爆撃圏に収められるため、まず航空機生産力を奪うことにし、第１目標（航空機やエンジンの工場）として三菱重工名古屋発動機製作所、同名古屋工場、中島飛行機武蔵野製作所、同多摩製作所、同太田製作所、同小泉製作所、川崎航空機工業明石発動機工場、同各務原工場、愛知航空機永徳工場、第２目標第１群（港湾地区）として東京、大阪、名古屋、川崎、横浜、下関、呉、広島、神戸、長崎、佐世保、横須賀、第２目標第２群（都市地区）として広島、呉、新潟、八幡、戸畑、若松、小倉、福岡、長崎、大牟田、門司、久留米、延岡を選定した。10月25日、大村の第21海軍航空廠にB-29爆撃機78機が出撃、59機が投弾した。第352海軍航空隊甲戦隊零戦（一部が九九式三番三号爆弾装備）延べ57機、乙戦隊雷電、丙戦隊月光が迎撃している。

11月1日1300過ぎ、F13偵察機１機が勝浦、木更津、東京、立川、東京、千葉、勝浦の順に飛行して戦略偵察を実施し、中島飛行機製作所武蔵工場などを写真に収めた。東京には1323に空襲警報が発令され、1455に解除されている。11月5日、硫黄島に第73爆撃航空団B-29爆撃機36機が出撃、24機が投弾。第252海軍航空隊戦闘第302飛行隊分遣隊の零戦五二型５機が迎撃したが、戦果は無かった。F13偵察機１機が東京を偵察。11月7日、F13偵察機１機が東京を偵察。11月8日、硫黄島にB-29爆撃機17機が出撃、６機が投弾。第252海軍航空隊戦闘第302飛行隊分遣隊の零戦５機が迎撃したが、戦果は無かった。11月11日、大村の第21海軍航空廠にB-29爆撃機96機が出撃、29機が投弾。11月中旬までにアメリカ海軍がホットフート計画に基づき艦上機による東京空襲を行う予定だったが、11月12日に延期が決まった。11月17日、B-29爆撃機初の東京空襲であるサンアントニオ計画が天候の影響で11月24日に延期された。11月21日、大村の第21海軍航空廠にB-29爆撃機109機が出撃、61機が投弾。第352海軍航空隊が迎撃にあたった。11月24日0615、マリアナ基地から第21爆撃航空団第73爆撃飛行隊、グアムから同団第21爆撃飛行隊が離陸し、B-29爆撃機計111機（109機？）が中島飛行機武蔵工場に向かった。往路で15機がエンジン故障により引き返している。1100、小笠原諸島の陸軍監視哨がB-29爆撃機編隊を発見して東部軍司令部に通報。1105、小笠原諸島沖の特設監視艇がB-29爆撃機編隊を発見して第22戦隊司令部に通報。1150に警戒警報、1158に横須賀鎮守府管区に空襲警報、1210に東部軍司令部から空襲警報が発令され、厚木基地から雷電48機、零戦27機（夜戦型含む）、月光18機、彗星（夜戦型含む）など110機が迎撃に上がった。B-29爆撃機は高度8000m超で御前崎から富士山を目指し、大月で東にコースを変え東京に向かい、1215から爆撃を開始したが、天候が悪く地上を目視できず、工場を爆撃したのは24機のみで、雲に阻まれたのと風速120ノットのジェット気流に流され対地速度445マイルでの投下となったのとで照準が乱れ大きな損害を与えられず、64機は工場すら発見できずに6-8機に分かれて荏原区、品川区、杉並区の住宅地と東京港を爆撃し、５機が故障で投弾不能、17機が故障で引き返し、２機を喪失（戦闘による喪失は体当たりで昇降舵と右水平尾翼を破壊され墜落した１機のみ）、11機が損傷した。投弾量215トン。武蔵工場には爆弾37発と焼夷弾12発が落下し、工場の付属病院を直撃、作業場３棟が半壊し、作業場９ヵ所が延焼、死者73人と負傷者84人を出し、旋盤など機械70台が破壊された。朝比奈鉄工所保谷工場第５工場には大型焼夷弾２発が命中し、１棟300坪が全焼。周辺に落下した爆弾６発により死者８人と負傷者13人を出した。陸軍は５機撃墜を報告し、うち１機は飛行第48戦隊一式戦闘機の体当たりによるものである。海軍では厚木基地の雷電が１機撃墜を報告した。零戦１機と月光１機が被弾し、木更津基地から出撃した零戦２機がエンジンを焼損、零戦１機が着陸時に脚を折り、銀河１機が八丈島に不時着大破している。第302航空隊の二式艦偵１機が九九式三番三号爆弾２発を搭載して出撃したが、投弾には至らなかった。11月27日、マリアナ基地からB-29爆撃機81機が中島飛行機武蔵工場に出撃。またも天候が悪く、目標を市街地と港湾施設に切り替え、49機が静岡から大阪にかけて住宅地を爆撃した。木更津基地も爆撃している。投弾量148トン。B-29爆撃機は２機を喪失した。第302航空隊からは銀河１機、月光10機、零戦５機、彗星３機が出撃し、銀河１機が神奈川県丹沢・蛭ヶ岳山頂付近に墜落している。帰投時に硫黄島西を通ったB-29爆撃機５機を第252航空隊戦闘第302飛行隊分遣隊の零戦２機が迎撃したが、追いつけなかった。11月29日、東京の工場群に対してB-29爆撃機29機が出撃、23機がエリアボミングを実施して通常爆弾ながら9000戸が火災などで失われた。

12月3日、マリアナ基地からB-29爆撃機86機が中島飛行機太田製作所を爆撃に向かったが、天候不良で武蔵製作所に切り替えた。1347、八丈島の日本陸軍電波警戒機乙型が編隊を探知し、横須賀鎮守府管区に空襲警報を発令。第302空の雷電24機（二式三〇粍固定機銃一型装備雷電一一型１機含む）が迎撃に向かった。B-29爆撃機60機（73機？75機？86機？）が10梯団に分かれて179トンを投弾したが、推定命中率は2.5%、13機（５機？）が失われている。第500爆撃航空群司令機も撃墜され、パラシュートで脱出した司令ら５名が捕虜になった。実際には1420頃に武蔵製作所に爆弾13発と焼夷弾12発が落下し、西工場ボイラー室１棟と倉庫１棟が全焼、東工場１棟が半焼し、人的被害は死者55人、負傷者58人だった。機械などの損傷は小規模で、生産に重大な影響は出ていない。二式三〇粍固定機銃一型装備雷電一一型はB-29爆撃機１機（恐らく第500爆撃航空群司令機）を撃墜して厚木基地に戻る途中で燃料ポンプ異常により不時着水して失われたが、パイロットは陸軍監視哨の部隊に救出されている。12月8日、B-29爆撃機82機が硫黄島に出撃、61機が投弾。12月13日、三菱重工名古屋発動機製作所にマリアナ基地からB-29爆撃機90機が出撃し、71機が投弾、工場に壊滅的な被害を与えた。損失は３機。12月18日、B-29爆撃機89機が三菱重工名古屋航空機製作所に出撃、63機が投弾。12月19日、大村の第21海軍航空廠にB-29爆撃機36機が出撃、17機が投弾。12月22日、B-29爆撃機が三菱重工名古屋工場を焼夷弾のみで爆撃。発進した78機のうち48機が投弾し、２機を不時着で喪失した。日本陸軍は撃墜16機・撃破25機（撃墜２機・撃破４機説あり）を報告している。12月24日、B-29爆撃機29機が硫黄島に出撃、23機が投弾。12月27日、B-29爆撃機72機が中島飛行機武蔵製作所に出撃、39機（52機？）が134トンを投弾した。日本軍機272機の迎撃を受け、14機が損傷している。武蔵製作所に爆弾13発と焼夷弾13発が落ち（うち４発が不発弾）、西工場第３ボイラー室１棟が全焼してボイラー３個が全損し、中島池田組倉庫１棟も全焼、引き込み線の一部が破壊されて貨車に積んであった重油が焼失した。また、付属病院３棟が全焼したが、疎開済みで中身は空だった。人的被害は死者５人と負傷者32人。

昭和20年1月3日、B-29爆撃機97機が焼夷弾による名古屋地域爆撃のため出撃。それぞれ収束焼夷弾2.24トンと、消防団員殺傷用190kg破片爆弾１発を搭載し、57機が名古屋、21機が大阪（航法ミスによる）に投弾した。1月6日、大村の第21海軍航空廠にB-29爆撃機49機が出撃、うち28機が投弾。1月9日、中島飛行機武蔵製作所を爆撃するためB-29爆撃機72機が出撃したが、ジェット気流が激しく18機のみの投弾に終わった。日本軍機200機の迎撃で11機が損傷している。武蔵製作所には爆弾13発が落下し、死者４人が出たが、施設への被害は無かった。1月14日、B-29爆撃機73機が三菱重工名古屋航空機製作所に出撃、40機が投弾。1月19日、B-29爆撃機80機が出撃して62機が川崎航空機明石工場を高々度精密爆撃し、製作されていたエンジン、機体、生産能力の90%を破壊した。1月20日、カーチス・Ｅ・ルメイ少将が第21爆撃機兵団の司令官に就任。1月23日、三菱重工名古屋発動機製作所にB-29爆撃機73機が出撃し、28機が投弾したが、天候不良で戦果は無かった。第302海軍航空隊の銀河夜戦が九九式三番三号爆弾４発を積んで出撃し、遠州灘沖で１機の撃墜戦果を報じている。1月24日、B-29爆撃機28機が硫黄島に出撃、20機が投弾。1月27日1350-1500、B-29爆撃機74機が中島飛行機武蔵工場を爆撃し、62機が５梯団に分かれて182トンを投弾したが、厚い雲に覆われており、殆どが有楽町や銀座などの市街地に着弾、南北多摩郡にも落ちた。有楽町駅も直撃弾を浴びて死者100人、負傷者300人以上の損害を出し、全体では死者540人、負傷者911人、行方不明者２人の人的被害が出ている。日本軍機は984機が迎撃に向かい、32機を損傷させた。1月29日、B-29爆撃機33機が硫黄島に出撃、28機が投弾。

2月4日、神戸に対して焼夷弾による地域爆撃を実施。B-29爆撃機110機が出撃し、69機が焼夷弾159トンと破片爆弾14トンを投下した。2月9日、古河飛行場と銚子飛行場を爆撃。2月10日、B-29爆撃機118機が中島飛行機太田製作所に出撃。84機が投弾し、施設の３分の１を破壊したが、12機が撃墜された。2月12日、B-29爆撃機21機が硫黄島に出撃、全機投弾。2月16日、硫黄島上陸作戦前の日本軍航空戦力撃滅のため、空母艦上機が関東地区を空襲。第10飛行師団が迎撃し、撃墜65機を報告、37機が未帰還となった。保谷町に小型爆弾らしきもの２発が落ちて１人が負傷。北多摩郡調布町で高射砲破片により１人が軽傷を負った。2月17日、B-29爆撃機が単機で中島飛行機武蔵製作所に高度1500mから超大型焼夷弾と中型爆弾を投下し、第１機械工場７棟に命中、10棟が焼失した。空母艦上機が関東地区を空襲。第10飛行師団が迎撃し、撃墜30機を報告、14機が未帰還となった。1020頃、立川飛行機立川工場に小型機50機編隊が急降下銃撃を実施。1020-1030、小型機30機編隊が日立航空機立川工場を銃爆撃した。日立航空機立川工場では着弾の振動で防空壕が崩落し、70人が死亡している。以降は防空壕を深く大きく掘らず、１人用の蛸壺型式とするよう指示が出た。2月18日、空母艦上機が関東地区を空襲。2月19日、中島飛行機武蔵製作所にB-29爆撃機150機が出撃、精密爆撃を実施する予定だったが、天候不良（雲量53、北の風6.3m）で目標を変更し、131機が386トンを都市地域に投弾した。日本軍機570機が迎撃し、53機を損傷させている。1520頃、南多摩群恩方村にB-29爆撃機から脱出した乗員３名が落下傘降下し、２名は即死だったが１名が生存、捕虜となった。西多摩郡檜原村山中にも１名が落下傘降下し、20日0830に逮捕されている。2月25日、B-29爆撃機229機が東京市街に出撃、172機が500ポンド爆弾及び焼夷弾40000発を投弾。下谷区、神田区、本郷区、浅草区に大損害が出た。消火活動など不可能な状況で、日本側報告書には一般民衆が待避に重点を置いて初期消火や自衛消防の活動が行えていないと記されている。2月25日の空襲結果を分析したルメイ司令官は、高々度昼間精密爆撃から低高度夜間焼夷弾爆撃に方針を変更した。

3月4日、中島飛行機武蔵製作所をB-29爆撃機192機が爆撃に向かったが、武蔵製作所には投弾できず、177機が他の目標を２個梯団７個編隊で0845から90分間爆撃し、532トンを投弾した。3月10日、東京大空襲。3月12日、B-29爆撃機310機が名古屋に出撃、285機が焼夷弾を投弾し、５平方キロ以上を灰燼に帰した。3月14日、大阪にB-29爆撃機301機が出撃、274機が焼夷弾を投弾し、20平方キロ以上が焼け野原になった。3月17日、神戸市街地にB-29爆撃機330機が出撃、306機が焼夷弾を投弾した。3月18-19日、土佐沖にアメリカ機動部隊（空母16隻、戦艦８隻、巡洋戦艦２隻、巡洋艦14隻など）が展開し、中国・四国・九州地方の航空基地を攻撃。3月19日、B-29爆撃機310機が名古屋市街に出撃、290機が焼夷弾を投弾した。これで3月10日からの焼夷弾投下量が9365トンに達し、マリアナの在庫が底をついたため、暫く都市空襲が出来なくなった。第３艦隊第58任務部隊艦上機350機が0720頃から呉海軍工廠を空襲。軽巡大淀が航行不能になった。3月25日、三菱重工名古屋発動機製作所にB-29爆撃機248機が出撃、223機が投弾した。3月27日、大刀洗飛行場、大分飛行場、大村航空基地にB-29爆撃機161機が出撃、137機が投弾した。B-29爆撃機102機がスタベーション作戦の機雷敷設のため出撃、92機が1000ポンド／2000ポンド機雷（音響または磁気感応式）633個を関門海峡両側入り口に投弾した。3月31日、三菱重工名古屋発動機製作所にB-29爆撃機14機が出撃、12機が投弾。関門海峡にB-29爆撃機94機が機雷敷設のため出撃、85機が投弾した。大刀洗飛行場、大村航空基地にB-29爆撃機149機が出撃、137機が投弾した。

4月2日、中島飛行機武蔵製作所にB-29爆撃機121機が出撃、0232から115機が1019トンを投弾したが、写真判定の結果、成果無しと判断された。日本軍機39機が迎撃にあたり、B-29爆撃機12機が損傷している。多摩地域では死者160人・負傷者11人の被害を出し、南多摩群町田町、西多摩郡吉野村、北多摩郡東村山町に敵機１機ずつが墜落炎上した。呉軍港にB-29爆撃機６機が機雷敷設のため出撃、６機が投弾。4月3日、広島港にB-29爆撃機10機が機雷敷設のため出撃、９機が投弾。4月4日、広島港にB-29爆撃機９機が機雷敷設のため出撃、９機が投弾。静岡にB-29爆撃機49機が出撃、48機が投弾。中島飛行機小泉製作所にB-29爆撃機78機が出撃、43機が投弾。立川飛行機立川製作所にB-29爆撃機115機が出撃、房総半島と駿河湾方面から侵入して0112から61機が単機または少数編隊で低空から投弾。淀橋区と向島区に焼夷弾、他に爆弾を使用した。多摩地区には4月3日2300に警戒警報が出され、4月4日0000に解除されたが、0030に警戒警報、0100に空襲警報が発令され、0112から空襲が始まった。立川市では72人が死亡し、うち41人は山中坂の横穴式防空壕が直撃弾で崩落したことによる。立川飛行機工場で機械工場１棟全焼、西川工場で工場１棟全焼、立川工作所で工場１棟全壊、日本通信工場で寄宿舎と炊事場１棟全壊、昭和飛行機工業工場で同盟通信社飛行機１機焼失の被害が発生、陸軍航空工廠も損害を受けた。立川駅付近では火災が発生して駅北側地区の大部分と南側地区の一部が焼失している。空襲警報解除は0415、警戒警報解除は0425。4月6日、東京の新島飛行場を爆撃。4月7日、初のP-51戦闘機（91機。硫黄島から）による護衛付きでB-29爆撃機101機が中島飛行機武蔵製作所に出撃、伊豆半島・房総半島から侵入し、0950から101機が高度4500mから500トンを投弾。飛行第18戦隊が三式戦闘機と五式戦闘機で体当たり攻撃を含む迎撃戦闘を行い、五式戦闘機１機が被弾撃墜されている。三菱重工名古屋発動機製作所にB-29爆撃機194機が出撃、153機が投弾し、施設の90%を破壊した。4月8日、鹿屋・出水・鹿児島・国分航空基地にB-29爆撃機53機が出撃、48機が投弾。4月10日、関門海峡にB-29爆撃機20機が機雷敷設のため出撃、16機が投弾。4月12日、中島飛行機武蔵製作所にB-29爆撃機114機が出撃（護衛戦闘機93機付き）、1058から93機が556トンを投弾。4月7日の爆撃と合わせて屋根面積の94パーセントを破壊・損傷させ、事実上の壊滅判定を得た。4月12日、郡山の化学工場にB-29爆撃機167機が出撃、136機が投弾。4月13日、関門海峡にB-29爆撃機５機が機雷敷設のため出撃、５機が投弾。松戸飛行場を爆撃。4月14日、赤羽兵器廠にB-29爆撃機348機が出撃、房総半島南部（一部は伊豆半島南部）から京浜地区に来襲し、13日2257－14日0233に327機が市街地に焼夷弾を投弾。4月16日、川崎市街地にB-29爆撃機219機が出撃、194機が焼夷弾を投弾。東京西部市街地・大森・蒲田にB-29爆撃機118機が出撃、109機が焼夷弾を投弾。4月17日、沖縄に向かう特攻機の出撃を抑えるため、九州の航空基地への爆撃を開始。大刀洗・新田原飛行場、出水・鹿屋航空基地にB-29爆撃機108機が出撃し、98機が投弾した。4月18日、大刀洗・新田原飛行場、大村・鹿屋・国分・笠ノ原・出水・宮崎航空基地にB-29爆撃機130機が出撃、120機が投弾。4月21日、大刀洗・新田原飛行場、大分・笠ノ原・鹿屋・宇佐・国分・串良・出水航空基地にB-29爆撃機252機が出撃、217機が投弾。4月19日、東京にP-51戦闘機が出撃し、低空から機銃掃射を実施。1010頃、北多摩郡府中町での機銃掃射で、飯場土工の２人が重傷（貫通銃創）を負い、芝浦電気株式会社府中工場第108工場の変圧器が破損、日本小型機株式会社府中製作所第１倉庫屋根裏１坪が焼失した。1010頃、立川市外の大和村にある日立航空機工場での機銃掃射で、死者３人、重傷者３人、軽傷者11人、社宅１戸全焼、１戸半焼の被害が出た他、昭和町の空き地に日本軍機が墜落して退避壕を直撃し、２人が死亡した。1010頃、北多摩郡武蔵野町、小平町、調布町などに19機が機銃掃射をかけ、調布飛行場の飛行機２機が炎上、高射砲陣地が損傷し、大日本時計田無工場全工場被弾・工員１人負傷、三共製薬株式会社工場ボイラー室発火、民家３棟全焼、退避者４人軽傷の損害が出た。立川飛行場にもP-51戦闘機７機が来襲し、日本軍機２機が撃墜されている。4月22日、出水・串良・宮崎・富高・鹿屋航空基地にB-29爆撃機104機が出撃、87機が投弾。4月24日、日立航空機立川製作所にB-29爆撃機131機が出撃、0830から101機が投弾。立川飛行機立川工場の20%（工場４棟、附属病院１棟、本館３棟、工員寮２棟、その他22棟が倒壊し、工員寮１棟が全焼、飛行機７機破壊）が損害を受けた。日立航空機立川工場では10%が被害を受けたが、労働者は空襲警報と同時に工場外に退避したため、人的被害は監督官１人に止まっている。立川飛行場中島飛行機納品倉庫に爆弾５発が投下され、飛行機５機を焼失。北多摩郡砂川村には爆弾200発以上が投下され、死者100人と負傷者60人を出し、砂川国民学校が全焼、家屋35戸が全壊、70戸が半壊、分散していた飛行機も30機が破壊された。北多摩郡東村山町では柳瀬橋付近に爆弾20発が投下され、35人が死亡し民家40戸が全壊、粂川地内に爆弾２発が落ちて６人死亡・１人負傷、民家３戸全壊、東村山町役場付近に爆弾１発が投下され、民家３戸が全壊している。西多摩郡三田村では爆弾１発により民家１軒が全焼し、一家４人と通行人１人が即死した。4月25日1250、北多摩郡砂川村に１機が爆弾10発を投下し、死者１人、負傷者３人の被害が出た。4月26日、新田原・都城飛行場、宇佐・大分・佐伯・富高・松山・西条・宮崎・鹿屋・国分航空基地にB-29爆撃機256機が出撃、195機が投弾。4月27日、都城飛行場、出水・宮崎・国分・鹿屋・串良航空基地にB-29爆撃機123機が出撃、112機が投弾。4月28日、都城飛行場、出水・宮崎・国分・鹿屋・串良航空基地にB-29爆撃機129機が出撃、122機が投弾。1215、１機が立川警察署管内の昭和町陸軍航空廠内に爆弾８発を投下したが、松林と空き地に穴が空いただけだった。4月29日、都城飛行場、出水・宮崎・国分・鹿屋・串良航空基地にB-29爆撃機121機が出撃、111機が投弾。1100、B-29爆撃機１機が立川警察署管内の昭和町を銃撃。1230、B-29爆撃機３機が立川警察署管内の昭和町を爆撃し、爆弾11発により死者５人、負傷４人、家屋全壊５戸、半壊３戸の損害が出た。4月30日、立川陸軍航空廠、各務原陸軍航空廠浜松分廠にB-29爆撃機106機が出撃、69機が投弾。立川陸軍航空廠には47機が爆撃に向かい、富士山付近から北東に変針、1020-1030に投弾して山梨から駿河湾に抜けた。立川陸軍航空廠内飛行場周辺に250kg爆弾200発が着弾したが、損害は軽微だった。南多摩郡由井村の畑に250kg爆弾８発が着弾、コンクリート溝に退避していた７人が死亡し、４人が重傷、８人が軽傷を負っている。立川市富士見町に50kg爆弾７発が着弾し、民家12戸が全壊、10戸が半壊。北多摩郡大和村に日本軍機１機が墜落して乗員が死亡、民家１戸が全壊した。鹿屋・笠ノ原・国分・大分・富高・佐伯航空基地に B-29爆撃機66機が出撃、59機が投弾。鹿屋基地第352航空隊の雷電が九九式三番三号爆弾でB-29爆撃機１機の撃破を報告している。

5月3日、大刀洗・都城飛行場、佐伯・宮崎・鹿屋・笠ノ原・国分航空基地にB-29爆撃機66機が出撃、59機が投弾。5月4日、関門海峡と瀬戸内海にB-29爆撃機97機が機雷敷設のため出撃、88機が投弾。大分・大村・佐伯・松山航空基地にB-29爆撃機62機が出撃、47機が投弾。5月5日、大刀洗・知覧飛行場、大分・鹿屋・指宿航空基地にB-29爆撃機60機が出撃、55機が投弾。呉海軍工廠、広海軍工廠、第11海軍航空廠にB-29爆撃機170機が出撃、148機が投弾。和歌山県龍神村上空で撃墜されたB-29爆撃機１機が龍神村殿原の山中に墜落したため、村民が生存者の手当と戦死者の埋葬を行い、毎年慰霊祭を実施している。5月6日、東京湾、伊勢湾、神戸湾にB-29爆撃機98機が機雷敷設のため出撃、86機が投弾。5月7日、鹿屋・指宿・大分・宇佐航空基地にB-29爆撃機42機が出撃、41機が投弾。5月8日、都城飛行場、大分・鹿屋・松山航空基地にB-29爆撃機42機が出撃、40機が投弾。5月10日、松山・宇佐・大分・宮崎・鹿屋・国分航空基地にB-29爆撃機67機が出撃、42機が投弾。徳山の第３海軍燃料廠、呉海軍工廠にB-29爆撃機123機が出撃、110機が焼夷弾と爆弾を投弾。大竹の精油所にB-29爆撃機132機が出撃、112機が焼夷弾と爆弾を投弾。奄美大島の燃料庫と呉海軍工廠にB-29爆撃機88機が出撃、80機が焼夷弾と爆弾を投弾。5月11日、新田原・都城飛行場、大分・佐伯・宮崎航空基地にB-29爆撃機65機が出撃、52機が投弾。川西航空機鳴尾本工場にB-29爆撃機102機が出撃、92機が投弾。5月14日、関門海峡と新潟港にB-29爆撃機12機が機雷敷設のため出撃、全機投弾した。名古屋北部市街地をB-29爆撃機524機が出撃、472機が焼夷弾を投弾した。この際、名古屋城も焼失している。5月17日、B-29爆撃機516機が出撃し、457機が名古屋南部市街地に焼夷弾を投下、名古屋はほぼ全市が焼失して地域爆撃リストから外れた。関門海峡、宮津港、舞鶴港にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、25機が投弾した。5月19日、関門海峡と敦賀湾にB-29爆撃機34機が機雷敷設のため出撃、30機が投弾した。浜松市街にB-29爆撃機309機が出撃、272機が焼夷弾を投弾した。立川飛行機も空襲目標に挙げられているが、戦果の報告は無く、日本側にも立川周辺への空襲の記録は無い。5月21日、関門海峡と舞鶴湾にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、全機投弾した。5月23日、関門海峡にB-29爆撃機32機が機雷敷設のため出撃、30機が投弾した。5月24日、B-29爆撃機558機が発進し、520機が0130から２時間に亘り東京西部に焼夷弾3650トンを低空から投下。大森区、品川区、目黒区、渋谷区、世田谷区、杉並区が焼失し、死者762人と負傷者4130人の損害が出た。B-29爆撃機の損害は17機。5月25日、関門海峡、新潟、七尾、伏木にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、25機が投弾した。5月26日、B-29爆撃機498機が出撃し、464機が東京北西部に焼夷弾3260トンを投下、東京山の手方面を中心に全域が被害を受け、死者2258人、負傷者8465人が出た。警視庁裏の木造建造物から明治宮殿正殿屋根裏に飛び火して皇居が炎上したため、近衛第２連隊第２派遣隊の歩哨にあたっていない各中隊兵士計50名と皇宮警察消防隊の消防車30両が消火にあたったが、炎に巻かれたり、熱さで池に飛び込んだりした将校１名、下士官１名、兵９名が殉職している。これによりアメリカ軍は東京市街地の50.8%を焼失させたと判断、地域爆撃リストから外した。B-29爆撃機の損害は26機。5月27日、関門海峡、福岡、唐津、伏木にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、29機が投弾。5月28日、関門海峡と門司港にB-29爆撃機11機が機雷敷設のため出撃、９機が投弾した。5月29日、硫黄島からのP-51戦闘機の護衛付きで横浜市街地にB-29爆撃機510機が出撃、454機が焼夷弾を投弾した。一部は東京大森区、蒲田区、品川区、芝区、牛込区にも投弾している。

6月1日、大阪市街地にB-29爆撃機509機が出撃、平均高度7000mで来襲し、458機が焼夷弾を投弾した。6月5日、神戸市街地にB-29爆撃機530機が出撃、平均高度5000mで来襲し、473機が焼夷弾を投弾して壊滅させ、神戸は焼夷弾爆撃リストから外された。明野第１教導飛行隊の五式戦闘機28機などが迎撃し、戦果はアメリカ側記録で撃墜11機・損傷176機、日本側記録で撃墜30機・撃破50機だった。6月7日、大阪市街地にB-29爆撃機449機が出撃、409機が焼夷弾と爆弾を投弾した。6月8日、関門海峡、福岡、唐津にB-29爆撃機31機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾した。6月9日、川西航空機鳴尾本工場にB-29爆撃機46機が出撃、44機が焼夷弾を投弾した。海軍鳴尾基地にも焼夷弾と爆弾が投下され、出撃した第332航空隊機が着陸不能になり陸軍佐野飛行場にダイバートしている。川崎航空機明石工場にB-29爆撃機26機が出撃、24機が焼夷弾を投弾した。愛知航空機熱田発動機工場にB-29爆撃機44機が出撃、42機が焼夷弾を投弾した。6月10日、関門海峡にB-29爆撃機28機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾した。中島飛行機大宮製作所、霞ヶ浦航空基地にB-29爆撃機29機が出撃、23機が焼夷弾を投弾した。日本飛行機富岡製作所にB-29爆撃機33機が出撃、32機が焼夷弾を投弾した。中島飛行機武蔵製作所、日立航空機立川製作所にB-29爆撃機124機が出撃、118機が焼夷弾を投弾した。中島飛行機荻窪製作所、霞ヶ浦航空基地にB-29爆撃機65機が出撃、52機が焼夷弾302トンを投弾した。立川陸軍航空廠にB-29爆撃機34機が出撃、0758から29機が焼夷弾を投弾した。立川陸軍航空廠では３棟600坪・附属寄宿舎２棟全焼、飛行機１機焼失、立川陸軍航空廠勤務班研究室では200坪・建築場200坪全焼、大型飛行機１機焼失、陸軍航空技術研究所では火災の被害が出ている。6月11日、P-51戦闘機60機が立川と八王子を銃爆撃した。昭和飛行機工業で輸送機１機焼失、日立航空機立川工場で工場屋根１坪焼失の損害が出ている。6月12日、関門海峡と敦賀湾にB-29爆撃機27機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾した。6月14日、関門海峡と新潟にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、29機が投弾した。6月15日、大阪、尼崎市街地にB-29爆撃機511機が出撃、444機が焼夷弾を投弾した。第332航空隊が鳴尾基地から25機ないし27機で迎撃している。6月16日、関門海峡、福岡、唐津、伏木にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、全機投弾した。6月18日、関門海峡と神戸港にB-29爆撃機28機が機雷敷設のため出撃、25機が投弾した。鹿児島市街地にB-29爆撃機120機が出撃、117機が焼夷弾を投弾。大牟田市街地にB-29爆撃機126機が出撃、116機が焼夷弾を投弾。浜松市街地に B-29爆撃機137機が出撃、130機が焼夷弾を投弾。四日市市街地にB-29爆撃機94機が出撃、89機が焼夷弾を投弾。6月20日、豊橋市街地にB-29爆撃機141機が出撃、136機が焼夷弾を投弾。福岡市街地にB-29爆撃機237機が出撃、221機が焼夷弾を投弾。静岡市街地にB-29爆撃機137機が出撃、125機が焼夷弾を投弾。関門海峡、新潟、宮津、舞鶴にB-29爆撃機28機が機雷敷設のため出撃、全機投弾した。6月22日、伏木、七尾、仙崎にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、25機が投弾。呉海軍工廠造兵部にB-29爆撃機195機が出撃、162機が投弾。造兵関係の工場が壊滅し、砲熕地区防空壕に爆弾が直撃して700人が死亡した。第332航空隊零戦五二型丙３機（本来は４機編隊だが４番機が不具合か何かで欠）が爆撃前に編隊を組むのを妨害するため高知沖に出撃したが、１番機が未帰還となっている。三菱重工第７製作所にB-29爆撃機123機が出撃、108機が投弾。川西航空機姫路製作所にB-29爆撃機58機が出撃、52機が投弾。川崎航空機岐阜工場にB-29爆撃機49機が出撃、34機が投弾。川崎航空機明石工場にB-29爆撃機30機が出撃、25機が投弾。6月24日、福岡、唐津、堺、新潟にB-29爆撃機27機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾した。6月26日、関門海峡、舞鶴、古浜にB-29爆撃機27機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾。大阪の住友軽金属にB-29爆撃機71機が出撃、64機が投弾。大阪造兵廠にB-29爆撃機120機が出撃、109機が投弾。川崎航空機明石工場にB-29爆撃機38機が出撃、31機が投弾。名古屋造兵廠にB-29爆撃機35機が出撃、33機が投弾。川崎航空機岐阜工場にB-29爆撃機114機が出撃、85機が投弾。名古屋造兵廠、日本車輌本社工場にB-29爆撃機32機が出撃、25機が投弾。愛知航空機永徳工場にB-29爆撃機67機が出撃、50機が投弾。住友軽金属名古屋工場にB-29爆撃機33機が出撃、29機が投弾。これらのB-29爆撃機編隊には硫黄島から出撃した P-51D戦闘機148機が護衛に就いており、第332航空隊の零戦１機が第15戦闘群第45戦闘飛行隊P-51D戦闘機により撃墜され、パイロットは脱出したが落下傘降下中にP-51D戦闘機の猛射を喰らって戦死した。6月27日、四日市の第２海軍燃料廠にB-29爆撃機35機が出撃、33機が投弾。6月28日、萩、神戸、新潟にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、29機が投弾。6月29日、岡山市街地にB-29爆撃機141機が出撃、138機が焼夷弾を投弾。佐世保市街地にB-29爆撃機145機が出撃、141機が焼夷弾を投弾。門司市街地にB-29爆撃機101機が出撃、91機が焼夷弾を投弾。延岡市街地にB-29爆撃機122機が出撃、117機が焼夷弾を投弾。6月30日、日本石油下松工場にB-29爆撃機36機が出撃、32機が投弾した。関門海峡、舞鶴、酒田にB-29爆撃機29機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾した。

7月、アメリカ海軍第58機動部隊（正規空母10隻、軽空母６隻、艦上機1200機）が本州太平洋沿岸に展開し、護衛空母27隻（うち４隻は補充用航空機搭載、１隻は対潜任務）が日本近海で支援にあたった。7月2日、呉市街地にB-29爆撃機160機が出撃、154機が焼夷弾1096トンを投弾し、1900人が死亡、2900人が負傷して市街地がほぼ全焼した。熊本市街地にB-29爆撃機162機が出撃、154機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機112機が宇部市街地に出撃、100機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機141機が下関市街地に出撃、127機が焼夷弾を投弾。関門海峡、七尾、伏木にB-29爆撃機31機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾した。7月3日、丸善石油箕島工場にB-29爆撃機40機が出撃、29機が投弾。7月4日、関門海峡、舞鶴、船川にB-29爆撃機31機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾。高松市街地にB-29爆撃機257機が出撃、241機が焼夷弾を投弾。姫路市街地にB-29爆撃機107機が出撃、106機が投弾。徳島市街地にB-29爆撃機137機が出撃、120機が焼夷弾を投弾。7月6日1250、多摩地域でP-51戦闘機４機が焼夷実包による機銃掃射を行い、村山国民学校で１人が死亡、１人が重傷を負い、八王子市第２国民学校で教員２人と警防団員１人が重傷を負った。また、南多摩郡加住村の円通寺が全焼したが、寺に疎開していた学童30人に死傷者は無かった。7月7日、関東地区にP-51戦闘機1000機が銃爆撃を行った。千葉市街地にB-29爆撃機129機が出撃、124機が焼夷弾を投弾。明石市街地にB-29爆撃機131機が出撃、123機が焼夷弾を投弾。清水市街地にB-29爆撃機136機が出撃、133機が焼夷弾を投弾。甲府市街地にB-29爆撃機138機が出撃、131機が焼夷弾を投弾。死者1127人、負傷者1239人、被害戸数18094戸で、市街地の74%が灰になった。丸善石油大阪工場にB-29爆撃機60機が出撃、59機が投弾。7月8日、関東地区にP-51戦闘機150機が３個梯団に分かれて来襲。第１梯団は1230頃に房総半島から関東東部・北東部、第３梯団は1240頃に相模湾から京浜西部・南西部・北西部に銃爆撃を行い、1330頃に南へと去った。立川駅では機銃掃射で車掌１人が死亡、車掌１人が重傷を負った。浅川駅では駅員１人が重傷、２人が軽傷を負い、子供１人も負傷、ドラム缶積載貨車が火災を起こしている。7月10日、関門海峡、新潟、七尾にB-29爆撃機31機が機雷敷設のため出撃、29機が投弾。仙台市街地にB-29爆撃機131機が出撃、123機が焼夷弾を投弾。堺市街地にB-29爆撃機124機が出撃、115機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機109機が和歌山市街地に出撃、108機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機135機が岐阜市街地に出撃、129機が焼夷弾を投弾。四日市の第２海軍燃料廠にB-29爆撃機64機が出撃、61機が投弾。陸軍横芝飛行場をCV-15ランドルフなどの艦上機が攻撃。7月12日、関門海峡、宮津、舞鶴、小浜にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、25機が投弾。関東南東沖の機動部隊からF6F･F4U艦戦300機が出撃し、鹿島灘と相模湾から関東地方を攻撃。0630-0700に100機が東京北部・西部に機銃掃射を加えた。立川市で死亡１人、重傷２人、軽傷３人、多摩村で重傷２人、軽傷１人、調布町で軽傷２人の損害が出ている。7月13日、宇都宮市街地にB-29爆撃機130機が出撃、115機が焼夷弾を投弾。一宮市街地にB-29爆撃機130機が出撃、123機が焼夷弾を投弾。敦賀市街地にB-29爆撃機98機が出撃、92機が焼夷弾を投弾。宇和島市街地にB-29爆撃機130機が出撃、123機が焼夷弾を投弾。三菱石油（日本石油？）川崎精油所にB-29爆撃機60機が出撃、53機が投弾。7月14日、関門海峡、福岡にB-29爆撃機31機が機雷敷設のため出撃、30機が投弾。アメリカ艦隊が釜石を艦砲射撃。着弾音は山形まで聞こえてきたらしい。アメリカ機動部隊が北海道・東北の船舶と地上施設を爆撃。7月14-15日、函館・青森の青函連絡船と関連施設をアメリカ機動部隊が空襲し、貨客用連絡船津軽丸、飛鸞丸、松前丸、翔鳳丸、貨車専用連絡船第４・第６・第７・第８・第10青函丸が沈められ、貨車専用連絡船第２青函丸も大破し、残りはＷ型戦時標準青函連絡船３隻（２隻？）だけになってしまった。乗員乗客396人が死亡している。7月15日、アメリカ第38.4任務群BB-61アイオワ、BB-63ミズーリ、BB-64ウィスコンシンが室蘭の日本製鋼所と日本製鐵輪西製鉄所を艦砲射撃。30km沖から砲撃したが、悪天候で目標が見えず、雲高300mの中を飛ぶ観測機が頼みとなり、日本製鋼所が重油を燃やして展帳した煙幕を砲撃による火災と誤認、日本製鐵輪西製鉄所を滅多打ちにして壊滅させた。7月16日、直江津、新潟にB-29爆撃機28機が機雷敷設のため出撃、26機が投弾。日本石油下松工場にB-29爆撃機69機が出撃、59機が投弾。7月17日、沼津市街地にB-29爆撃機128機が出撃、119機が焼夷弾を投弾。大分市街地にB-29爆撃機129機が出撃、124機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機99機が桑名市街地に出撃、94機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機132機が平塚市街地に出撃、129機が焼夷弾を投弾。関東地区飛行場をアメリカ機動部隊が空襲。水戸、日立工業地帯を艦砲射撃。7月18日、関門海峡、七尾、伏木、岩瀬にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、27機が投弾。アメリカ機動部隊が横須賀市と関東地区飛行場を空襲。横須賀市では汐入国民学校と市立工業学校が爆撃を受けて破壊された。アメリカ第38.4任務群BB-61アイオワ、BB-63ミズーリ、BB-64ウィスコンシンが日立を砲撃。夜間の雨天で視界２マイルの中、予定された航路を厳密に辿りながらレーダーで沿岸までの距離を測り自艦位置を正確に推定し、目標に向けて射撃を行った。7月20日、神戸、大阪、新潟、宮津、鼠ヶ関、舞鶴、敦賀、小浜にB-29爆撃機31機が機雷敷設のため出撃、27機が投弾。福井市街地にB-29爆撃機130機が出撃、127機が焼夷弾を投弾。日立市街地にB-29爆撃機130機が出撃、126機が焼夷弾を投弾。銚子市街地にB-29爆撃機97機が出撃、91機が焼夷弾を投弾。岡崎市街地にB-29爆撃機130機が出撃、126機が焼夷弾を投弾。日本石油尼崎工場にB-29爆撃機84機が出撃、83機が投弾。7月24日、関門海峡にB-29爆撃機29機が機雷敷設のため出撃、23機が投弾。宇部油化工業にB-29爆撃機80機が出撃、72機が投弾。大阪の住友金属製鋼所にB-29爆撃機90機が出撃、82機が焼夷弾と爆弾を投弾。川西航空機宝塚製作所と桑名市にB-29爆撃機88機が出撃、81機が焼夷弾と爆弾を投弾。大阪造兵廠と桑名市にB-29爆撃機170機が出撃、154機が焼夷弾と爆弾を投弾。愛知航空機永徳工場にB-29爆撃機74機が出撃、66機が焼夷弾と爆弾を投弾。津市にB-29爆撃機41機が出撃、38機が焼夷弾と爆弾を投弾。名古屋の三菱重工と津市にB-29爆撃機81機が出撃、75機が焼夷弾と爆弾を投弾。中島飛行機半田製作所にB-29爆撃機81機が出撃、77機が焼夷弾と爆弾を投弾。瀬戸内海在泊艦艇をアメリカ機動部隊が空襲。戦艦日向、重巡利根、青葉、軽巡大淀、空母龍鳳などが損傷した。7月26日、三菱石油川崎精油所にB-29爆撃機83機が出撃、75機が投弾。七尾、伏木、敦賀、小浜にB-29爆撃機30機が機雷敷設。7月27日、松山市街地をB-29爆撃機129機が出撃、127機が焼夷弾を投弾。徳山市街地にB-29爆撃機102機が出撃、97機が焼夷弾を投弾。大牟田市街地にB-29爆撃機130機が出撃、124機が焼夷弾を投弾。7月28日、B-29爆撃機30機が関門海峡、福岡、舞鶴、仙崎に機雷敷設のため出撃、24機が投弾。呉を中心に瀬戸内海一帯をアメリカ機動部隊が空襲。戦艦榛名、重巡利根、軽巡大淀などが損害を受けた。1225から多摩周辺にP-51戦闘機が来襲し、機銃掃射をかけた。五日市線の旅客列車が被弾して２人死亡、12人重傷、２人軽傷、西秋留村で疎開学童１人死亡、2-3人軽傷、霞村の日本発送電株式会社青梅開閉所で油入開閉機２組大破・２組小破、横山村で民家１戸焼失、元八王子国民学校で校舎側柱５本折損の被害を受けている。7月29日、津市街地にB-29爆撃機78機が出撃、76機が焼夷弾を投弾。青森市街地にB-29爆撃機65機が出撃、61機が焼夷弾を投弾。一宮市街地にB-29爆撃機127機が出撃、122機が焼夷弾を投弾。宇治山田市街地にB-29爆撃機99機が出撃、93機が焼夷弾を投弾。大垣市街地にB-29爆撃機96機が出撃、90機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機32機が宇和島市街地に出撃、29機が焼夷弾を投弾。丸善石油下津精油所にB-29爆撃機82機が出撃、76機が投弾。1020頃、B-29爆撃機１機が北多摩郡谷保町のガスタンク付近に１トン爆弾１発を投下し、即死２人、負傷７人、全壊20戸、半壊１戸、小破多数の被害が出た。浜松方面をアメリカ艦隊が艦砲射撃。7月30日、関門海峡、福岡、唐津にB-29爆撃機29機が機雷敷設のため出撃、24機が投弾。機動部隊が本州中部地区を攻撃。1445頃、西多摩郡西秋留町に500kg爆弾１発が投下され、死亡１人、半壊２戸、破損２戸の被害が出た。7月31日2000頃、B-29爆撃機が八王子に空襲予告伝単を散布。8月1日昼、B-29爆撃機が八王子に空襲予告伝単を散布。8月2日、関門海峡、浜田、堺、米子、中海にB-29爆撃機43機が機雷敷設のため出撃、37機が投弾。未空襲の中小地方都市（八王子、富山、長岡、水戸）に対する集中爆撃を実施。八王子市街地にB-29爆撃機180機が出撃、0005から169機が焼夷弾67万発を投弾、473人が死亡した。八王子では8月1日2020に警戒警報、2055に空襲警報が発令され、8月2日0241に空襲警報、0322に警戒警報が解除されている。立川市柴崎町で死者６人、重軽傷者50人、罹災者500人、全焼140戸の被害が出た。また、立川市役所が直撃弾で４分の１焼失、立川機械製作所寄宿舎９棟全焼、日本通信株式会社工場３棟全焼、多摩川製作所１棟全焼、立川飛行機会社建設工事事務所７棟全焼、立川飛行機砂川工場内木材集積所６棟全焼、砂川村４番戸全焼、昭和飛行機株式会社４棟全焼、日野重工業株式会社青年学校付属病院飯場焼失の損害が出ている。富山市街地にB-29爆撃機182機が出撃、173機が焼夷弾を投弾。長岡市街地にB-29爆撃機136機が出撃、125機が焼夷弾を投弾。水戸市街地にB-29爆撃機167機が出撃、160機が焼夷弾を投弾。三菱石油川崎精油所にB-29爆撃機128機が出撃、120機が投弾。8月3日、関東地区をP-51戦闘機120機が銃爆撃。8月5日1220、八王子市を７機が機銃掃射し、死者52人、負傷者133人の被害が出た。大半は浅川町の中央線湯ノ花トンネル付近でP-51戦闘機が旅客列車を銃撃したことによるもので、死者49人と負傷者多数を出している。8月6日、堺、米子、宮津、舞鶴、敦賀、小浜、中海にB-29爆撃機30機が機雷敷設のため出撃、27機が投弾。佐賀市街地にB-29爆撃機65機が出撃、63機が焼夷弾を投弾。前橋市街地にB-29爆撃機102機が出撃、92機が焼夷弾を投弾。西宮、御影市街地にB-29爆撃機261機が出撃、250機が焼夷弾を投弾。海軍鳴尾基地も焼夷弾を喰らい、指揮所や宿舎が全焼、掩体に収容してあった零戦・雷電計17機が焼失した。今治市街地にB-29爆撃機66機が出撃、64機が焼夷弾を投弾。宇部油化工業にB-29爆撃機111機が出撃、106機が投弾。広島市街地にB-29爆撃機６機が出撃、１機が原爆投下。8月7日、豊川海軍工廠にB-29爆撃機131機が出撃、124機が投弾。8月8日、関門海峡、宮津、舞鶴、敦賀、小浜にB-29爆撃機32機が機雷敷設のため出撃、29機が投弾。八幡市街地にB-29爆撃機245機が出撃、221機が焼夷弾を投弾。第343航空隊第701飛行隊などが大村基地から24機で出撃して迎撃にあたったが、P-51戦闘機の反撃で10機が未帰還となった。赤羽兵器廠、中島飛行機武蔵製作所にB-29爆撃機69機が出撃、60機が投弾。うち50機は1138から８編隊に分かれて高々度から爆弾を投下し、武蔵野町には24発が落下（うち50kg爆弾５発、不発４発）、１トン爆弾が防空壕を直撃して18人が死亡し、家屋１棟が全焼、家屋230棟が破壊された。8月9日、福山市街地にB-29爆撃機98機が出撃、91機が焼夷弾を投弾。長崎市街地にB-29爆撃機５機が出撃、１機が原爆投下。山形県を艦上機が空襲。8月10日、日本石油尼崎工場にB-29爆撃機107機が出撃、95機が投弾。0415、第38.4任務群CV-10ヨークタウン搭載第88戦闘飛行隊F6F-5戦闘機16機（12機が127mmロケット弾４発装備、４機が写真偵察機型）とCV-18ワスプ・CV-38シャングリラ搭載艦上戦闘機隊が発艦し、陸軍横芝飛行場を攻撃した。赤羽兵器廠、中島飛行機武蔵製作所にB-29爆撃機78機が護衛のP-51戦闘機50機と共に出撃、0930頃に御前崎付近から侵入し、0946-1010にB-29爆撃機70機が投弾、1030頃までに九十九里浜・鹿島灘から洋上に去った。山形県を艦上機が空襲。8月11日、関門海峡、堺、米子、中海にB-29爆撃機31機が機雷敷設のため出撃、全機投弾。8月13日、0523から艦上機500機以上が関東甲信越に来襲。第１波100機は鹿島灘、第２波70機は鹿島灘・相模湾、第３波60機は銚子、第４波190機は房総・伊豆半島、第５波80機は房総・伊豆半島、第６波50機は相模湾から侵入した。うち60機が大森区、蒲田区、品川区を銃爆撃している。CV-9エセックス、CVL-26モントレイ、CVL-29バターンから発艦したF6F-5艦戦16機、F4U-1D艦戦８機、SB2C-4E艦爆12機、TBM-3艦攻25機は川崎市の東京芝浦電気を攻撃しに向かったが、雲で視認できなかったため立川・八王子方面に針路を変え、発見した山梨県大月市の中央線駅舎、水力発電施設、都留高等女学校校舎を銃爆撃し、女学校生徒を中心に50人が死亡した。山形県を艦上機が空襲。8月14日、光海軍工廠にB-29爆撃機167機が出撃、157機が投弾。大阪造兵廠にB-29爆撃機161機が出撃、145機が投弾。岩国市麻里布鉄道操車場にB-29爆撃機115機が出撃、108機が投弾。1200前から30分間に亘って岩国駅周辺に爆弾3000発が投下され、市街地は直径5-30m・深さ5-10mの孔だらけになり壊滅、517人（1000人以上説あり）の死者を出した。関東地区にF6F艦戦など103機が来襲。三〇二空などに所属する少数機が厚木や茂原などから出撃して迎撃にあたった。8月15日、秋田市土崎港の日本石油土崎精油所（日本の石油の37%を精製していた）にB-29爆撃機141機が出撃、132機が952.9トンを投弾。B-29爆撃機93機が熊谷市街地に出撃、81機が焼夷弾を投弾。伊勢崎市街地にB-29爆撃機93機が出撃、86機が焼夷弾を投弾。B-29爆撃機39機が関門海峡、七尾、浜田、宮津に機雷敷設のため出撃、35機が投弾。木更津基地をF6F艦戦が機銃とロケット弾で攻撃。1320頃、西多摩郡青梅町に８機が焼夷弾76発を投下し、５戸が全焼、23人が罹災した。本土への空襲回数353回（うちB-29爆撃機228回）、機数延べ51903機（うちB-29爆撃機延べ17760機）、投弾量はB-29爆撃機が爆弾・焼夷弾計169800トン（市街地104000トン、航空機工場14150トン、精油所10600トン、兵器廠4700トン、各種工場3500トン、沖縄戦支援8115トン）、その他のアメリカ陸軍機7109トン、海軍機6740トン。B-29爆撃機総参加機数1200機、延べ出撃数33000機、戦闘行動中の損失は450機。被害は全焼219万戸、半焼５万戸、全壊６万戸、半壊６万戸、死者33万人（うち東京が10万人強）、行方不明２万人、負傷58万人、罹災者920万人、総罹災面積645平方キロメートル。66都市の建物密集区域のうち40%が破壊され、軍需工場600カ所が全損または甚大な損害を受けた。参考：世界の傑作機No.52、月刊航空情報10,’05、戦時用語の基礎知識、歴史群像6,’14、4,’17、10,’18、月刊丸11,’72、10,’10、6,’14、8,'15別冊、4,’17、写真版東京大空襲の記録、ストライク・アンド・タクティカル・マガジン3,’12、護衛空母入門、首都防空網と空都多摩、戦時標準船入門、輸送船入門、月刊軍事研究10,’16、月刊航空ファン2,’17、8,’19、月刊世界の艦船11,’18、朝雲、軍医サンよもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜日本丸＞：日本海軍特設給油艦。全長152.4m、全幅19.8m、総トン数10152トン。主機はディーゼル１基、出力10658馬力、最大速力19.9ノット。石油搭載量14234トン。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊所属で、真珠湾攻撃に参加。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。昭和19年1月14日、メレヨン島南西で雷撃により沈没した。参考：敷設艦工作艦給油艦病院船、月刊軍事研究12,’07、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜日本・ミャンマー将官級交流プログラム＞：日本財団とミャンマー軍が2014年10月に実施で合意した交流事業。５年間実施される予定で、第１回は2014年12月8-17日に実施され、ミャンマー軍幹部10名が浜松基地、浜松広報館、舞鶴基地、補給艦AOE-425ましゅうなどを訪問した。第２回は2015年に実施され、ミャンマー軍将官９名が防衛省、富士総合火力演習、海田市駐屯地、浜松基地、呉基地などを視察した。2016年8月22日、ミャンマー軍訪日団10名が防衛省で稲田防衛大臣と会談した。また、日本財団ビルで歓迎レセプションが行われ、防衛副大臣や統幕長ら100人が出席した。8月25日、訪日団が海田市駐屯地を訪問。8月26日、訪日団が海自呉地区と江田島地区を訪問。8月28日、訪日団が富士総合火力演習を見学。8月29日、訪日団が浜松基地を訪問。8月30日、訪日団が防衛大学校を訪問。9月1日に帰国した。2017年8月21日、ミャンマー軍訪日団10名が来日し、防衛省で小野寺防衛大臣を表敬した。その後、富士総合火力演習、海田市駐屯地、呉基地、浜松基地、防衛大学校などを見学し、8月31日に帰国した。2019年8月23日、ミャンマー軍第６特別作戦室長タン・トゥン・ウー陸軍中将を団長とする将官10名が来日し、岩屋防衛相と山崎統幕長を表敬した。8月25日、訪日団が富士総合火力演習を研修。その後浜松基地、海田市駐屯地、呉基地、防衛大学校を訪問し、9月3日に帰国した。参考：朝雲

＜日本陸軍＞：正式には大日本帝国陸軍。明治3年2月9日、兵部省陸軍掛が設置され、陸軍はフランスを範として兵力整備にあたることを決めた。この時は東京、仙台、名古屋、大阪、広島、熊本に鎮台があり、兵力は36000名だった。当時は各藩から朝廷に納めさせた兵器を鎮台に再分配していたため、規格がばらばらで、これを統一することに着手、大砲はフランス製の四斤野砲及び四斤山砲に統一した。その後はイタリア製の青銅火砲を国産化することにした。明治4年7月28日、兵部省に陸軍部が設置された。明治5年2月28日、兵部省が廃止されて陸軍省と海軍省に分かれた。明治13年、十三年式村田小銃を制式化。明治16年、七センチ野砲と七センチ山砲の生産を開始。明治19年、二十四センチ加農を配備。明治22年、二十二年式村田連発銃を制式化。明治25年、二八糎榴弾砲を制式化。明治27年、日清戦争勃発。明治31年、三十年式歩兵銃を制式化。明治34年、十二センチ加農を制式化。明治37-38年、日露戦争に参加。明治39年、三八式歩兵銃を採用。明治40年、三八式野砲を制式化。9月、電信大隊と鉄道連隊を統合して交通兵旅団を新編。10月、気球隊を創設。明治41年、四一式騎砲を制式化。大正元年、四五式二十四糎榴弾砲を制式化。第１次大戦では青島攻略戦に参加。大正3年、三年式機関銃を制式化。大正4年、軍用自動車保護法が制定され、軍用に転用できる一定基準の自動車に補助金を出す制度が定められた。四年式十五珊榴弾砲を制式化。10月14日、気球隊を改編して初の常設航空部隊である航空大隊を創設。大正6年11月、近江で陸軍特別大演習を実施。大正7年、シベリア出兵。七年式三十糎榴弾砲を制式化。10月、Mk.Ⅳ菱形戦車を輸入。大正10年11月、武相地方で陸軍特別大演習を実施。裕仁皇太子が初めて統監を行った。11月21日、代々木練兵場で観兵式を実施。第１次大戦終結後は帝政ロシアの崩壊を受けて軍縮を行うこととなり、大正11年に第１次山梨軍縮を施行、５個師団相当の兵力を減少させた。海軍でも軍縮が行われたが、余った軍艦の主砲塔を譲り受けて海岸要塞用に据え付けている。航空部隊の名称を航空大隊から飛行大隊に変更した。十一年式軽機関銃、十一年式平射歩兵砲、十一年式曲射歩兵砲、十一年式七珊半野戦高射砲を採用。大正13年5月1日、航空科が兵科として独立し、飛行大隊は飛行連隊に改称された。6月、二号火焔放射器を制式化。大正14年、軍の近代化を目的として宇垣軍縮を実施、旧式装備及び学校を廃制して近代装備と近代教育設備に切り替えた。十四年式拳銃を制式化。昭和3年、八八式七糎野戦高射砲を制式化。昭和4年、八九式中戦車、八九式十五糎加農砲を制式化。昭和5年、九〇式野砲、九三式戦車地雷を制式化。昭和6年、九一式手榴弾を制式化。昭和7年、九二式重装甲車、九二式歩兵砲を制式化。昭和9年9月25日、九三式小火焔発射機を制式化。12月、九四式拳銃を制式化。昭和10年、九四式軽装甲車の配備を開始。九五式重戦車と九五式軽戦車を制式化。2月、九四式甲号撒車と九四式甲号消車を制式化。10月、九二式一〇糎加農砲を制式化。11月、九四式山砲を仮制式化。昭和11年2月、九四式三十七粍速射砲を制式化。6月、帝国国防方針第３次改訂で戦時の兵力を50個師団と制定。平時に27個を保持し、戦時には特設師団21個と樺太・台湾・華北の２個師団相当兵力を動員して50個に強化する予定だったが、予算の関係で41個に減らし、昭和12-17年の６カ年（予算は昭和18年まで計上）で完成させることとした。これを基に極東ソ連軍に対抗するための軍備充実計画である一号軍備を昭和11年11月に策定している。10月3-6日、北海道で特別大演習を実施。昭和12年、九七式中戦車、九七式自動砲、九七式手榴弾を制式化。昭和12年の日華事変勃発直前には17個師団編制で、戦時には朝鮮軍第19・第20師団、近衛師団、第７師団を除く13個が特設師団を動員し、30個師団となる。10月、九五式野砲を仮制式化。昭和13年、作戦要務令を制定。九六式軽機関銃を制式化。7月、飛行連隊を空中勤務の飛行戦隊と地上勤務の飛行場大隊・航空分廠に分けた。8月、陸軍防空学校を創設。昭和14年、九九式歩兵銃、九九式乙号除毒車を制式化。4月、九六式中迫撃砲を制式化。7月、九九式軽機関銃を採用。12月、二号軍備を策定。昭和15年7月、三号軍備を策定。8月、九七式軽迫撃砲を制式化。8月20日、九九式破甲爆雷を制式化。昭和15年末の師団数は50個で、うち30個が満州や中国に展開していた。昭和16年、関特演を実施、関東軍の兵力を70万名に増やした。7月、九八式二〇粍高射機関砲を制式化。11月6日、南方軍を新編。昭和17年、一式半装軌装甲車を制式化。春、四号軍備を策定。機械化師団15個、一般師団100個を昭和25年までに整備することにし、満州に２個戦車師団、中国に４個一般師団と１個戦車師団を編成した。9月、一式機動四十七粍速射砲を制式化。昭和17年度には61個師団、６個独立混成旅団、62個軍直轄砲兵を有していた。昭和18年、一式七糎半自走砲、一式一〇糎自走砲、三式十二糎高射砲の生産を開始。昭和18年度には70個師団、13個独立混成旅団、61個軍直轄砲兵を有していた。昭和19年、二式多連二十粍高射機関砲を制式化。一式中戦車、二式軽戦車、二式砲戦車、三式砲戦車、四式七糎半高射砲の量産を開始。4月、陸軍防空学校を陸軍高射学校に改編した。昭和19年度には103個師団、44個独立混成旅団、124個軍直轄砲兵を有していた。昭和20年、師団70個、独立混成旅団58個、軍直轄部隊273個を本土決戦に備えて動員。三式中戦車の量産を開始。4月、鈴鹿山系より東の本州を担当する第１総軍と、その西の本州、四国、九州を担当する第２総軍を新編。司令官にはそれぞれ東久邇宮稔彦防衛総司令官と朝香宮鳩彦軍事参議官を充てる予定だったが、両名とも国土を二分して防衛することを拒絶したため、杉山元陸軍大臣と畑俊六教育総監が第１・第２総軍司令官に就任した。五式十五糎高射砲２門が完成。太平洋戦争終戦時には172個師団、99個独立混成旅団、225個軍直轄砲兵を有していた。参考：月刊軍事研究12,’06、歴史群像6,’08、6,’10、4,’16、10,’18、大砲入門、月刊丸11,’72、12,’11、8,'15別冊、月刊航空ファン1,’15、月刊世界の艦船9,’13増刊、首都防空網と空都多摩、日本赤十字社社史稿第５巻

　＜日本陸軍（昭和１６年）＞：大本営隷下に防衛総司令部（東京）、北部軍（札幌）、東部軍（東京）、中部軍（大阪）、西部軍（福岡）、台湾軍（台北）、朝鮮軍（京城）、第１飛行集団（各務原）、関東軍（新京）、南方軍（サイゴン）、支那派遣軍（南京）、第４師団（上海）、南海支隊（小笠原）、船舶輸送司令部（宇品）を置く。兵力212万名。51個師団、32個独立混成旅団、７個独立速射砲大隊、12個独立速射砲中隊、15個戦車連隊、４個独立山砲連隊、３個独立山砲大隊、14個野戦重砲連隊（甲）、１個野戦重砲大隊（甲）、５個野戦重砲連隊（乙）、５個24cm榴弾砲連隊、２個28cm榴弾砲大隊、４個30cm榴弾砲大隊、４個15cm加農砲大隊、１個15cm加農砲中隊からなる。参考：帝国陸海軍事典、月刊PANZER6,’13

　＜日本陸軍（昭和１９年後半）＞：大本営隷下に南方軍、支那派遣軍、第５方面軍、第８方面軍、第10方面軍、第31軍、小笠原兵団、防衛総司令部、関東軍、朝鮮軍が編成されている。参考：比島決戦

　＜日本陸軍（昭和２０年）＞：戦闘序列は大本営、総軍、方面軍、軍、師団／旅団、連隊、大隊、中隊、小隊、分隊である。大本営隷下に第１総軍（東京）、第２総軍（広島）、関東軍（新京）、支那派遣軍（南京）、南方総軍（ダラット）、航空総軍（東京）、内地鉄道隊（千葉）、船舶輸送司令部（宇品）を置く。参考：帝国陸海軍事典、月刊PANZER6,’13

＜日本陸軍クーデター未遂＞：昭和9年11月に発覚した、陸軍のクーデター計画。11月28日の議会開催初日に合わせ、近衛歩兵連隊の４個中隊と戦車10両で首相官邸、議会、警視庁を襲撃するクーデターを起こす予定だった。しかし計画が士官学校中隊長の辻政信大尉の耳に入り、憲兵司令官に通報され、首謀者が拘束されて失敗している。関係者には定職６カ月・士官学校退学などの処分が下された。参考：月刊軍事研究7,’05

＜日本陸軍航空＞：陸軍航空を参照。

＜日本歴史資料館＞：京都府京都市にある資料館で、地下に旧陸海軍戦史室がある。九二式重機関銃、三八式歩兵銃、1864年型ミニェー銃、1872年型ゲベール銃などが展示されている。参考：月刊丸12,’90

＜ニマー・シリーズ＞：UAE軍・ヨルダン軍４×４輪高機動戦術車両。UAEのビン・ジャバ・グループとヨルダンのKADDBの共同企業体であるアラビア先進工業社が開発・生産した。UAE軍は1000両を１億4540万ドルで調達している。参考：月刊軍事研究6,’05、5,’07、8,’11

　＜ニマー（４×４輪）＞：汎用型で、HMMWVに似ており、非装甲型、２ドア型、４ドア型、ステーションワゴン型、シェルター運搬型、軽装甲型などのファミリーが用意されている。砂漠での使用に耐えられるよう、エアコンを完備する。戦闘重量７トン。エンジンはMTU6R106TD20ディーゼル（総排気量6300c、出力250馬力）、トランスミッションはアリソン製LCT1000オートマチック。ペイロード２トン。ペイロード５トンの６×６輪型も開発された。2011年のIDEXでは居住性改善型が登場している。参考：月刊軍事研究6,’05、5,’07、5,’11

　＜ニマー（オープントップ型）＞：特殊部隊向け。ロールバー兼兵装ターレットを装備する。参考：月刊軍事研究7,’08

　＜ニマーⅡ（装甲強化型）＞：装甲車型。全周でNATO標準規格レベル１の防御力を持ち、追加装甲でレベル４に強化できる。TNT6kg相当の耐地雷能力を持つ。車体後部両側面に３箇所ずつ、後部に１箇所のガンポートがある。NBC防護装置やGPSの追加も可能。全備重量9.2トン。エンジンはカミンズ社製ISBeディーゼル（320馬力）、最大速度135km、航続距離800km。ペイロード2.5トン。車内前部に４名、後部に６名が搭乗できる。参考：月刊軍事研究5,’07、7,’08

＜ニムラド＞：ニマーⅡの武装型。後部兵員室を延長してルーフに熱線暗視照準装置とレーザー測距器を搭載する武装ターレットを装備している。12.7mm機銃、ミストラル２携帯地対空ミサイル、ミラン対戦車ミサイルなどを搭載可能。エンジンはMTU6105に換装した。乗員２名＋乗車歩兵10名。参考：月刊軍事研究5,’07

　＜ニマー（６×６輪型）＞：別名ハフェット。エンジンを296馬力に強化し、ペイロードが６トンとなった。参考：月刊軍事研究7,’08

　＜ニマー（６×６輪装甲パトロール車両）＞：６×６輪型の改良型。2011年のIDEXで発表された。全周で小火器耐弾レベルの装甲を持つ。キャビンは４ドアで、車体後方はオープントップの荷物室である。ホイール・ベースは0.2m短縮して3.1mとした。タイヤはランフラット式で、タイヤ圧調整装置を持つ。エアコンを標準装備する。戦闘重量13トン。エンジンはカミンズ社製ISBe300ターボディーゼル（300馬力）、トランスミッションはアリソン社製S3000オートマチック（前進６速）、最大速度135km、航続距離800km。ペイロード3.5トン。天井に銃座を搭載可能。参考：月刊軍事研究5,’11

　＜ニマーＭＲＣＶ６×６＞：偵察・火力支援型。６×６輪型にBAEシステムズ・サウスアフリカ社製TRT無人砲塔（30mm機関砲、7.62mm同軸機銃、イングウェ対戦車ミサイル発射筒２基）を搭載している。戦闘重量13.5トン。参考：月刊軍事研究6,’13

　＜ニマーＲＩＶ＞：特殊部隊用車両で、RIVはRapid Intervention Vehicleの略。４×４輪型ベースのオープントップ車両で、ロールバーとピントル・マウント２基に機銃などを装備可能。車体下部にはモジュラー装甲を追加でき、ランフラットタイヤなどもオプションで付けられる。CH-47輸送ヘリに搭載可能。全長4.89m、全幅2m、全高1.71m、戦闘重量４トン。エンジンはディーゼル（300馬力）、トランスミッションはオートマチック前進８速、最大速度160km、航続距離1000km。ペイロード1.5トン。乗員４名。参考：月刊軍事研究5,’17

＜ニマー・ファミリー＞

　＜ニマーＭＬＲＳ＞：自走多連装ロケットランチャー型。ニマー（６×６輪）にロケットサン社製107mmロケット弾24連装ランチャー２基を搭載しており、FCSと航法装置を完備する。最大射程11km。参考：月刊軍事研究6,’13

　＜ニマー装甲野戦救急車＞：装甲野戦救急車型。ニマー（６×６輪）にフィンランドのクレステル社製担架を搭載したもので、担架２床と軽傷者２名を載せられる。全長7m、全幅2.6m、全高2.7m、戦闘重量15トン。エンジンはディーゼル（360馬力）、トランスミッションはオートマチック前進６段、最大速度110km、航続距離700km。ペイロード1.75トン。乗員３名（車長、操縦手、衛生員）。参考：月刊軍事研究5,’17、6,’13

＜ニミッツ＞：CVN-68（空母）を参照。

＜ニミッツ＞：チェスター・ウィリアム・ニミッツ（Chester William Nimitz）。ドイツ系移民がルーツで、1885年2月24日、テキサス州フレデリックスバーグ生まれ。陸軍士官学校への入学を望んでいたが、知り合いの州議会議員の推薦枠の関係でアナポリス海軍兵学校に入った。士官候補生時の遠洋航海で来日し、東郷平八郎提督と面会している。1905年、アナポリス海軍兵学校を114名中７番目で卒業。1907年1月、少尉となった。1909年、SS-2プランジャーの艦長となった。1910年10月、大尉に昇任し、第３潜水隊司令となった。第１次大戦では大西洋艦隊潜水艦部隊の幕僚を務めた。1929年、第20潜水隊司令となった（階級は大尉）。1934年、東郷平八郎提督の国葬に参列した。1939年8月、航海局長に就任。1941年12月13日、太平洋艦隊司令長官となった。真珠湾攻撃直後（のキンメル提督更迭を受けた人事）だったため、暗殺されないよう、DC-3輸送機で副官１名のみと共に本土からハワイに降り立ち、派手な出迎えも無く、就任式はSS-209グレイリングで挙行されている。戦時中はキャデラックと軍艦グレー塗装のMBジープ（陸軍から贈られたもので、ボンネット脇にU.S.A.2054843の陸軍車籍番号入り）を愛用し、気晴らしのパイナップル畑でのドライブや、馬蹄投げ遊びの中で、作戦構想を練ったりした。1942年3月、太平洋戦域最高司令官兼任となった。1945年9月2日、日本の降伏調印式に出席し、アメリカ代表として降伏文書に署名した。その後は海軍作戦部長を務め、1947年に退役している。1966年2月20日、脳卒中から合併した肺炎により、80歳で死去した。最終階級は元帥。参考：月刊世界の艦船6,’19、アメリカ潜水艦史、歴史群像4,’17、THE JEEP

＜ニミッツ級＞：アメリカ海軍原子力空母（艦種記号CVAN、1975年6月からCVN）Nimitz級。エンタープライズ級の次に作られた原子力空母で、水上艦用高出力原子炉の開発により原子炉が２基で済み、建造費や整備運用の問題が大幅に改善すると見込まれたため、建造が決まった。ついでに航空燃料を積み増すなどの改良を加えている。飛行甲板（04甲板レベル）はアングルド・デッキ付き全通飛行甲板で、面積18211平方メートルあり、厚さ100mmのHSLA-100高強度鋼（耐力１平方インチあたり100キロポンド、１平方ミリメートルあたり70.4kg）により装甲化されている。アングルド・デッキはキティ・ホーク級で問題が生じた飛行甲板乱気流対策として開度が小さくなっており、左に９度３分（9.05度。9-10番艦は９度９分・9.15度）の角度で装備され、長さ242.9mある。飛行甲板と格納庫を繋ぐエレベーターは、大きさ25.9m×15.9m、挙上能力58.5トン（70トン？）で、F-14戦闘機やF/A-18戦闘機なら２機、ヘリコプターなら３機同時に昇降でき、右舷前方・中央・後方（第１－第３）と左舷後方（第４）に全て外舷式で計４基用意されていて、第１エレベーターは格納庫第１区画、第２エレベーターは格納庫第２区画、第３・第４エレベーターは格納庫第３区画と繋がる。C13Mod1蒸気カタパルト４基（飛行甲板前部右に第１カタパルトCAT1、左に第２カタパルトCAT2、アングルド・デッキ前部右に第３カタパルトCAT3、左に第４カタパルトCAT4）により、昼間37秒・夜間60秒間隔で２機ずつ発艦でき、１個戦闘攻撃飛行隊12機を７分で発艦させることが可能。ただ第４カタパルトは装備位置の関係で過荷重状態の艦上機発艦に支障がある。通常出撃（１日のうち12時間運用）では１日あたり延べ120機、有事（24時間連続運用）では延べ240機が発艦可能。１番艦CVN-68は全カタパルトにホーンを備えていたが、２・３番艦は艦首左舷とアングルド・デッキのカタパルトをホーン不要のタイプにしたため艦首右舷のみの装備となり、４番艦以降は全てホーンを持たないタイプを搭載、1-3番艦も後日撤去した。５番艦以降はカタパルトをC13Mod2としている。カタパルト後方にはMk7ジェット・ブラスト・デフレクター、第１・第２カタパルト間と第４カタパルト左キャットウォークに統合カタパルト管制所ICCSがある。また、予備として飛行甲板上のハッチから中に入ってカタパルトの管制を行う従来型の管制所も用意されている。Mk.7Mod3着艦拘束装置がアングルド・デッキ後部に４本張られており、艦尾から４本目の位置にクラッシュ・バリア（高さ6m、ナイロン製）を装備する。航空機用兵装は船体内各所の兵器庫から６基の下部武器エレベーターで02甲板の武器仕分け区画に運ばれ、フィン取り付けなどの最終組立と仕分け作業が行われて３基（第１・第２カタパルト間、第１・第２航空機用エレベーター間、艦橋後方）の上部武器エレベーター（油圧式）により飛行甲板へと送られる。武器仕分け区画でなく格納庫に送られて航空機に搭載されることもある。武器エレベーターの能力は搭載量10500ポンド（4.8トン）、昇降速度毎分100フィート（30.5m）で、負傷者を飛行甲板から医務区画に運ぶのにも使用される。航空機への燃料供給所は飛行甲板に14ヵ所と格納庫に７ヵ所用意されているが、通常は格納庫では給油しない。着艦誘導装置は遠距離レーザー装置（艦尾）、計器空母着艦装置、精密進入着艦装置、Mk6Mod3FLOLS（飛行甲板後部左舷キャットウォーク。統合カタパルト管制室ICCSの前方）、手動操作目視着艦支援装置MOVLASで、発着艦監視用に統合発着艦テレビ監視装置を装備する。飛行甲板周囲にはキャットウォークがあって膨張式救命筏などを積んでおり、キャットウォークの無い部分には安全網が設置されている。飛行甲板下のギャラリー・デッキ（03甲板）には空母航空管制センターCATCC、戦闘指揮センターCDC、統合情報センターJIC、司令部戦術指揮センターTFCC（Tactical Flag Command Center）、搭乗員待機室、艦長室、士官居住区などが配置されている。ギャラリー・デッキの下には長さ208.5m、幅32.9m、高さ8.1mの格納庫（第１－02甲板）がある。格納庫には30機程度しか収容できないので、残りは露天係止となる。格納庫はスライド式防火シャッター２枚で艦首から艦尾に向かって第１－第３区画に分けることが可能。広さ2530平方メートルのハンガーベイがあり、30機を収容可能だが、普段は10機程度に止めて整備を行う。第３区画後部はエンジンテスト用スペースで、艦尾に開口部を有する。02甲板前方は錨甲板で、主錨はダンフォース型ストックレス・アンカー（重量60000ポンド・27.2トン）である。格納庫の下の甲板のうち、第２甲板のみ横隔壁に水密扉を持つ。第２甲板は事務室、食堂、調理室、兵員居住区など、第３甲板は居住区画など、第４甲板は機械室など、第5-8甲板は機関室（原子炉・蒸気タービン収容）などに割り当てられている。吃水線は第３甲板付近で、第3-8甲板の舷側に４層くらいの多層水中防御区画があり、厚さ64mmのケブラー装甲が張られていて、バイタル・パートは更に装甲で固められている。艦底の第８甲板は二重底である。ビルジ・キールを持つが、フィン・スタビライザーは無い。艦尾水線上に櫛状の構造物があり、交通艇などはここに乗り付ける。アイランドは右舷やや後方に位置し、後方にはAN/SPS-43A（1-2番艦）またはAN/SPS-49（V）5対空レーダー（３番艦以降）をマストトップに持つタワー型レーダーマストがある。アイランドは７層で、１層目の床が04甲板にあたる。最上階に航空管制所プライ・フライ、その下に航海艦橋、更に下に司令部艦橋があり、最下層の04甲板は飛行甲板管制・発艦オペレーション室である。アイランド上のマストにはトップにAN/URN-25TACAN、最上段にWSC-3/OE-82C衛星通信アンテナとMk23低空目標捕捉レーダー、下段にAN/SPS-67(V)1水上捜索レーダー、AN/SPS-64(V)9航海レーダー、付け根にOE-82C衛星通信アンテナが装備されており、マスト前方のアイランド上面にはAN/SPS-48E三次元レーダーの平面アンテナがあり、アイランド右側面上方後部にはAN/SLQ-32(V)4電子戦装置が付いている。また、AN/SPN-43C航空管制レーダー、シースパロー艦対空ミサイル管制用Mk95射撃指揮装置（アイランド上面前部などに６基。アイランド上２基と艦後部両舷１基ずつの計４基？）、AN/WLH-1H電波探知機を搭載する。AN/SPS-48Eは真後ろにレーダーマストが立っていて、後方象限に死角があり、AN/SPS-49でカバーする。レーダーマストはラティス式で、半ばまでパネルでカバーされており、６番艦CVN-73以降は頂部までパネルで覆ってステルス性に配慮、９番艦CVN-76以降はアイランドを長くして一体化した。右舷エレベーター開口部の天井に洋上補給ポストが格納されており、使用時にはエレベーターを下げ、洋上補給ポストを降ろす。洋上補給・洋上給油ステーションは右舷に３ヵ所、左舷に３ヵ所用意されており、移送重量2.6トン、補給艦とは55mの距離を取る。補給を受けるだけでなく、原子力推進で無い随伴艦への補給を行うことも可能。航空機用にJP-5燃料350万ガロン（13250キロリットル）と弾薬2900トンを積む。淡水化装置４基により、１日40万ガロン（1514キロリットル）の真水を生成できる。全長332.9m、船体幅40.8m、飛行甲板幅76.8m、吃水11.3m（CVN-71は11.8m、CVN72-76は11.9m、CVN-77は12.1m）、基準排水量81600トン、満載排水量91487-92955トン（CVN-71は96386-97933トン、CVN72-77は102000-103637トン。RCOHついでの改装などで排水量が増える）。主機はA4W加圧水型原子炉２基・蒸気タービン４基、出力280000馬力（260000馬力？）、５翅プロペラ（銅合金製スキュー無し、直径7.6m、重量30トン。直径6.7m？）４軸推進、舵は２枚（高さ8.8m、幅6.7m、重量50トン）、最大速力30ノット以上、無補給作戦行動日数16日間。補機はディーゼル４基10720馬力、主発電機は蒸気タービン（出力8MW。蒸気は原子炉から供給）８基、非常用発電機はディーゼル（出力2MW）４基。兵装はシースパロー艦対空ミサイル８連装発射機Mk25/Mk29が３基（前部右舷、艦尾両舷。CVN-68は新造時Mk25を３基、後に２基。CVN-70は新造時Mk29を３基。CVN-76、-77は新造時前部右舷、後部左舷に１基ずつ計２基でESSM運用可。2015年時点ではCVN-71のみ３基、他は２基。2017年以降は全艦２基）、RAM近接防御艦対空ミサイル 21連装発射機Mk49が２基（艦前部右舷、後部左舷。CVN-76、-77のみ新造時から２基装備。CVN-68、-69はRCOH時に搭載。2015年以降は全艦２基装備）、20mmCIWSファランクスMk15が４基（艦首付近両舷、艦尾両舷。CVN-68は新造時無し・1980年代に３基搭載・1998-2001年のRCOHで全撤去。CVN-69は新造時無し・1985年定期修理で３基搭載。CVN-70、-71は新造時４基。CVN-72、-75は３基。CVN-76、-77は新造時無し。2015年時点ではCVN-68、-69、-76、-77が無し、CVN-72と-74が３基、他が２基。2017-22年時点ではCVN-68、-69、-77が無し、CVN-72、-74、-75が３基、他が２基）、25mm単装機関砲Mk38が３門（新造時は全艦装備せず。2015-18年時点でCVN-76のみ装備。2021-22年時点でCVN-68、-72、-76が装備）。右舷前部キャットウォークに礼砲２門を搭載する。自衛用にAN/SLQ-25A魚雷防御装置を装備。搭載機は１個空母航空団所属F-14戦闘機、F/A-18戦闘機、EA-6B電子戦機、E-2C早期警戒機、S-3B対潜哨戒機、SH-60対潜ヘリ、HH-60汎用ヘリなどで、標準搭載機数は固定翼機68機、ヘリコプター６機（2015年の標準は固定翼機52機＋ヘリコプター15機）、最大130機。航空兵装搭載量2970トン、航空燃料搭載量7920トン（8500トン？）。乗員3270（標準）／3360名（最大）、空母航空団要員2480（標準）／2500名（最大）、空母打撃群・駆逐隊司令部要員70名（標準）。艦固有の乗員は管理課（人事担当）、作戦科、航空科（航空機移動・クラッシュ＆サルベージ担当V-1部門、カタパルト・アレスティングワイヤ運用整備担当V-2部門、航空機用エレベーター運用整備担当V-3部門、航空燃料管理供給担当V-4部門、エアボス・ミニボス以下空母側航空機運用担当V-5部門に分かれる）、武器科、航空機中間整備部門AIMD、戦闘システム科、甲板科（甲板保守点検・転落者発生時の緊急放送担当）、原子炉科、技術科、航海科、安全科、補給科、医科、歯科、法務科、宗教科（宗教関連行事の他、赤十字を介しての乗員と家族との緊急連絡調整や図書室・インターネット室運営も行う）、グラフィック・メディア科、訓練科の各部門（纏めてシップス・カンパニーと呼ばれる）に配属される。価格は35億ドル。核燃料は初期には13年で交換したが、後に25年保つようになった。全艦ニューポート・ニューズ造船所が建造を担当し、CVN-68ニミッツ、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワー、CVN-70カールビンソン、CVN-71セオドア・ルーズヴェルト、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CVN-73ジョージ・ワシントン、CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン、CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-77ジョージH.W.ブッシュが1975-2009年に竣工した。全艦の建造に40年ほどかかったため、順次改良が加えられており、船体も逐次大型化、装備も各艦で異なる。価格も１番艦で18億8100万ドルだったのが10番艦では60億6000万ドルになった。４番艦は一部の重要区画に装甲を施しており、弾薬庫周囲には厚さ76mm（2.5インチ？）のケブラーを張り、弾薬庫と機関室の天井を箱形二重構造として防御を強化している。５番艦以降は飛行甲板装甲を強化し、弾薬庫舷側に厚さ64mmのケブラー装甲を備え、艦尾水線上にポンツーン接舷用のガードを設けた（４番艦までも後日装備）。自動式ウィジャ・ボードADMACSのプロトタイプも搭載されている。６番艦以降はFLOLSをMk13Mod0IFLOLSに変更した（５番艦までも後日装備）。７番艦は船体にもHSLA-100高張力鋼（HSLA-110？）を使用し、構造重量が減った分を防御力強化に充てた。９番艦はCVNX/CVN-21（後のジェラルド・Ｒ・フォード級）の技術確認を行うための移行空母とされ、重量722トンのシリンドリカル・バウを装着して荒天時の安定性を増しており、発着艦時の安全を考慮してアングルド・デッキの開度を９度９分（9.15度）に拡大、後部マストをアイランドと一体化してアイランド全長を6m延長し、上部武器エレベーター３基のうち最後部の１基をアイランド内に組み込んだ。アイランドは艦尾側にずらすと共に１層減らして６層にし、その分だけ各層の天井高を高くしている。04甲板に飛行甲板管制・発艦オペレーション室、05-06甲板に各種機器収容室、07甲板に司令部艦橋、08甲板に航海艦橋、09甲板に航空管制所プライ・フライがある。新設計の航空管制所は270度の視野を持ち、飛行甲板上の航空機を全て見渡せるようになった。航海艦橋の航海計器はデジタル式に換装。着艦拘束装置はMk7Mod4着艦拘束装置３本になり、クラッシュ・バリアは艦尾から３本目の位置に移っている。個艦防空システムとして新造時からSSDS Mk2Mod1個艦防御システムを搭載した。Mk23目標捕捉レーダーをAN/SPQ-9B水上捜索目標捕捉レーダーに換装しており、それまでの艦も後日換装している。プロペラは直径6.4m・重量30トンの５翅スキュード・プロペラに換えた。第１エレベーターを廃止して第２・第３エレベーターを航空機３機用に強化する案もあったが、没になっている。10番艦はCVNX/CVN-21（後のジェラルド・Ｒ・フォード級）の技術を導入する予定で、アングルド・デッキを廃止し、アイランドを２分割、固定式レーダーアンテナを採用する予定だったが、開発が遅れて９番艦と同じものになった。着艦拘束装置も９番艦と同じく３本。RCOHはニューポート・ニューズ造船所で退役までに１回だけ行われる予定で、炉心交換と近代化改装に2000万マンアワーを要する大工事となる。この際、20mmCIWSを全て撤去し、1-8番艦の円柱状前部マストをステルス性の高い角柱断面に変更、1-4番艦にはSSDS Mk2Mod1個艦防御システムを、5-8番艦にはSSDS Mk2Mod6C個艦防御システムを搭載する。MQ-25無人空中給油機の運用に備え、2024年にCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュにUAWC管制施設を設置した。2025年初めからテストを行う予定で、同年度にはCVN-70、CVN-71、CVN-76にも搭載する。参考：月刊世界の艦船8,'21、10,'22、10,’16、4,’04増刊、10,’14、11,’15、2,'16、4,’15、5,’14、6,'24、3,’00、9,’09、1,’10、7,’11、12,’12、9,’13、2,’14、1,’15、7,’17、8,’17、9,’17、1,'15増刊、12,’17、9,'23、11,’24、月刊軍事研究4,’16、5,’03、3,’99、7,’09、9,'15、12,’15、7,’16、月刊JWings11,’05、1,’17、世界の傑作機No.118

＜ニムラド＞：ニマー・シリーズ（高機動車）を参照。

＜ニムル・シリーズ＞：ニマー・シリーズ（高機動車）を参照。

＜ニムロッド＞：L-60軽戦車・海外ファミリーを参照。

＜ニムロッド＞：イスラエルのレーザー誘導式地対空ミサイル。CH-53強襲ヘリから発射できる空対空型もある。全長2.6m、直径0.17m、翼スパン0.40m、重量98kg。最大射程25km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ニムロッド＞：イギリス海軍複葉艦上戦闘機。フライキャッチャー艦戦の後継として採用された。主翼は複葉、降着装置は尾ソリ式固定脚。全長8.2m、全幅10.23m、全備重量1931kg。エンジンはロールスロイス社製ケストレルⅤ（608馬力）単発、最大速度314km、航続時間1.65時間。固定武装は7.7mm機銃２丁。9kg爆弾４発を搭載可能。乗員１名。1931-39年に運用された。日本海軍も１機を購入している。参考：イギリス航空母艦史、月刊航空ファン7,’19

＜ニムロッド・シリーズ＞：イギリス空軍対潜哨戒機Nimrod（ノアの曽孫の狩人でバベルの塔を建てようとした人物）。シャクルトンの後継で、史上初のジェット旅客機デ・ハビラント社製コメット４を改造して製作された。エンジンが非力で巡航速度が低く、ジェット機としては低空でしか飛行できなかったため、かえって対潜哨戒機には向いていた。試作機含め各型計49機が生産された。参考：月刊JWings12,’03、10,’19、月刊軍事研究2,’08、世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン7,’99

　＜ニムロッドＭＲ．Ｍｋ１＞：コメット4C旅客機の胴体長を1.8mほど短くし、機首から胴体後部にかけての円形断面与圧胴体下面に非与圧の下部胴体を設け、機首部をソーンEMI製ASV Mk.21D海洋監視レーダー用レドーム、胴体部をウェポンベイとして使用、尾部にはMADブームを装着し、客室スペースにECM、ソニックICソナーシステム、シュノーケル排気探知装置、AN/ASQ-10A磁気探知装置、データ処理用GEC920Bデジタルコンピュータ、状況表示装置を搭載した。慣性航法装置、ドップラー航法装置、スミス社製自動操縦装置も積んでおり、全天候下での作戦遂行が可能。哨戒飛行時の燃費改善のためエンジンを積み替えており、エアインテイクを大型にした。主翼や尾翼を補強し、方向安定性確保のためドーサル・フィンを拡大、垂直尾翼上端にECM アンテナ用フェアリングを追加している。全長38.6m、全幅35m、全高9m、全備重量79.605トン、離陸重量87.09トン。翼面積197平方メートル。エンジンはロールスロイス社製スペイRB168-Mk250ターボファン（推力5.217トン）４発、巡航速度400ノット、最大速度460ノット、燃料容量48780リットル、フェリー航続距離5000海里、戦闘行動半径1000海里以上、最大航続時間12時間。ウェポンベイ内に対潜爆弾・魚雷など４発、主翼下パイロンにAS-12空対地ミサイルまたはAS-37空対艦ミサイルを2-4発搭載できる。乗員11名。1967年5月23日に初飛行し、1969年10月から1972年に38機が引き渡された。更に1972年度に構造を強化した後期型８機が発注されたが、MR.1仕様で完成したのは５機で、１機はMR.Mk2となり、２機はAEW.Mk3の試作機となった。1975年から35機がMR.Mk2に改造されている。参考：世界の軍用機1982、1979、月刊JWings2,’11、月刊航空ファン7,’99、空軍

　＜ニムロッドＭＲ．Ｍｋ２＞：潜水艦探知用電子システムを更新したもの。1972年度発注で１機が完成し、1978年以降MR.Mk1から35機が改修された。ドーサル・フィン左側にエアスクープが追加されている。EMI社製サーチウォーター・デジタル捜索レーダー、MAD、赤外線探知装置、ソノブイ、ESMを搭載しており、920ATCデジタルコンピュータで戦術航法、レーダー、音響システムの各情報を独立処理し、コクピットのCRTディスプレイに表示する。ソノブイ・ラックは胴体後部に６基用意されていて、Ａサイズのソノブイ18本を収容する。ソノブイ用データ・プロセッサはAQS-901を２基搭載した。全長38.6m、全幅35m、全備重量79.6トン。エンジンはロールスロイス社製スペイRB168-Mk250ターボファン（推力5.217トン）４発、哨戒速度200ノット、巡航速度740km、最大運用速度500ノット、最大運用高度12800m、燃料容量48780リットル、フェリー航続距離4500-5000海里。兵装はウェポンベイの短魚雷４発、翼下の空対地ミサイル４発または空対艦ミサイル２発。核爆雷の運用装備は外されている。乗員13名（操縦士、副操縦士、機関士、航法士２名、電子装置士官１名、電子装置操作員７名。計11名？12名？）。後に機首に空中給油受油プローブを装着した。1985年から翼端にロラール社製ESM（ECM？）フェアリングを装備している。参考：月刊丸10,’93、3,’90、世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン7,’99、世界の軍用機1979、月刊JWings2,’11

　＜ニムロッドＭＲ．Ｍｋ２Ｐ＞：MR.Mk2の機首に空中給油受油プローブを取り付け、早期警戒支援装置を装着したもので、Ｐはプローブの頭文字。1982年に勃発したフォークランド紛争に参加するための改造で、18日間の作業で16機が改修された。後にMR.Mk2の全機が空中給油受油プローブを付けたため、MR.Mk2に名称統一されている。参考：月刊航空ファン7,’99、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ニムロッドＭＲ．Ｍｋ２グランビー・フィット＞：湾岸戦争（イギリス軍作戦名称グランビー）での海洋監視に参加するための改修を受けた機体で、グランビー・フィットは非公式名称である。リンク11、AN/ALE-40チャフ／フレア・ディスペンサー、赤外線警報装置を追加し、主翼下面パイロンにボズ・ポッドと呼ばれるチャフ／フレア・ディスペンサー・ポッドを搭載した。参考：月刊航空ファン7,’99

　＜ニムロッドＭＲ．Ｍｋ２ブロードソード改修＞：2002年にMR.Mk2の５機が受けた改造で、ウェスカムMX-15電子光学システム（倍率４倍）、レーザー測距・照射システム、データリンクを搭載した。１機はポスト・イラク戦争に参加している。アフガニスタンにも投入されていたが、2006年9月2日、シリアルナンバーXV230が空中給油を受けた直後に主燃料タンクから燃料が漏れ、機体後部第７タンクのドライベイ底部にある冷却パイプ（温度400度）に接触して炎上し、現地時間15時47分39秒頃に高度900mで爆発、カンダハル空港の西20kmの地点に墜落し、乗員14名全員が死亡した。2010年3月31日までに全機退役した。参考：月刊JWings6,’06、11,’06、12,’06、4,’10、月刊軍事研究10,’08

　＜ニムロッドＭＲＡ．Ｍｋ４＞：MRAはマリタイム・リコニジェンス・アタックの略。RMPAに基づいてニムロッド2000の計画名で1996年7月に開発が始まり、1996年10月に採用された。主任務は対潜作戦、対地上・対水上作戦、捜索救難。ニムロッドMR.2の改良型で、機体をオーバーホールして胴体側面外板と床を交換し、主翼と降着装置を新型に変更しており、ほぼ新造に近い。エンジン換装に伴い主翼付け根の空気取り入れ口が大きい円形になっているのが識別点である。対潜システムはGECマルコーニ社製第４世代型で、サーチウォーター2000MR捜索レーダーや新型戦術指揮システムを搭載する。計器板はA340旅客機と同じグラス・コクピットを採用、多機能ディスプレイ７基を填め込んだ。胴体下のウェポンベイからスタンドオフ・ミサイルや無人機を発射でき、主翼下にもハードポイント４カ所を持ち、ハープーン空対艦ミサイルなら計６発搭載できる。エンジンはロールスロイス製BR710Mk101ターボファン（デジタル制御方式。推力15500ポンド・７トン）、最大速度マッハ0.77、運用上昇限度42000フィート（12800m）、航続距離6000海里以上、滞空時間14時間。乗員10名（操縦士２名、戦術航空士２名、通信士１名、センサーオペレーター５名）。当初は21機を改造し、2003年4月から就役させる予定だったが、元の機体が古すぎて各機の製作誤差が大きすぎ、新主翼と旧胴体がマッチングせず、量産初号機の引き渡しは2010年3月10日に遅れた。2008年には調達機数が９機に減らされていたが、38億ポンドに及ぶ開発費用と１機あたり４億ポンドの調達費用に耐えられず、2010年10月19日に計画中止が決定。完成していた１機と制作中の８機は使用可能な部品を外した上でスクラップとなった。代わりにP-8A哨戒機を４機リースするという話が出たが、没になったらしく、2015年末に後継機としてP-8A哨戒機を採用している。参考：月刊軍事研究12,’02、6,’01、5,’05、3,’08、3,’97、1,’15、JWings2,’11、10,’19、11,’02、6,’10、3,’11、7,’16、月刊航空ファン11,’02、7,’99

＜ニムロッド・ファミリー＞

　＜ニムロッドＡＥＷ．Ｍｋ３＞：試作早期警戒管制機AEW型。シャクルトンAEW.Mk2の後継で、1977年から開発され、試作機は1980年7月16日に初飛行した。ニムロッドMR.Mk1がベースで、機首と尾部に幅2.45m・高さ1.83mの円盤状レーダーアンテナを収容した大型のレドームを設けて前方・後方180度ずつの監視を担当させている。レーダーはマルコニ・エリオット社製ドップラー・レーダーで、主に洋上での運用を考慮しており、探知距離250海里、同時目標処理能力300-400個、ルックダウン能力を持ち、洋上を低空で移動する航空機や艦船も監視できる。IFFはコッサー製ジュビリー・ガーディアンで、レドーム内にドップラー・レーダーと共に前後１基ずつ搭載されている。コクピットは並列複座で、その後ろのキャビン前部に航法士席、通信管理及び電子戦将校席、電子戦操作員席が左に向けて一列に並んでいて、その前にはそれぞれコンソールが用意されている。電子戦操作員席の反対側にはアビオニクス・モジュールがある。胴体中央にはコンピュータ類やESMが収容されており、後部には乗員休養所、台所、トイレ、荷物入れがあり、その後ろがレーダー装置収容部、最後部がスペア倉庫である。主翼付け根にエンジンが左右２基ずつ並列に置かれていて、すぐ外側に主脚収容部がある。主翼前縁やや外側に気象レーダーを収容した長いフェアリング、後縁にフラップ２枚とタブ付きエルロン１枚、両翼端に円筒形のローラル社製ECM アンテナを装備する。水平尾翼端にはVOR アンテナがある。垂直尾翼は方向安定性確保のため0.91mほどスパンを拡大しており、上端前方にHF アンテナを持つ。データリンクはリンク11で、JTIDSも搭載する予定だった。全長41.97m、全幅35.08m、全高10.67m、総重量87.09トン。エンジンはロールスロイス社製スペイRB168-Mk250（推力5.217トン）４発、通常哨戒速度370km、最大速度450ノット（830km）、航続時間10時間以上。乗員10-11名。当初は1982年までに実用化する予定だったが、量産機の初飛行は1982年3月9日になり、引き渡しは1984年以降に延期された。一応MR.Mk1のうちMR.Mk2に改造されなかった11機がこのタイプへの改造を受けたが、レーダーの開発遅延、GEC4080Mミッション・コンピュータのメモリ容量不足（最大2.4MB）、冷却システム容量不足（燃料で電子機器を冷却するので残燃料が半分を切ると過熱により運用不能となる）でいつまで経っても実用化されず、1986年にイギリス空軍はE-3Bを採用することにしたため、本機は計画中止になった。試作２号機は地上器材に転用され、フィニングレイ基地の航空整備航空隊で1995年まで使用されている。参考：ワイルドウエポン、世界の軍用機1982、1979、スパイ機、月刊JWings2,’11、ザ・マーチ17号、月刊航空ファン7,’99

　＜ニムロッドＲ．Ｍｋ１＞：電子偵察（SIGINT）機型。ワイトン基地の第51飛行中隊に配備されて1973年10月頃から活動を始めたようだが、イギリス軍が公式に存在を認めたのは不朽の自由作戦に参加した時からである。MR型と比較すると、MADブームが無く、テイルコーンと主翼増槽前部に受信アンテナが装着されている。３機が製作され、１機が試験飛行中に墜落したためもう１機が改造された。RC-135V/Wリベット・ジョイントに相当する機体で、ミッション・パッケージはアメリカ製とされ、Ｅシステムズ社製スターウインド通信傍受装置を搭載する。乗員29名（28名？）。後継はニムロッドMRA4と同等の機体になる筈だったが、開発遅延のためRC-135Wを導入することにした。2009年11月に１機が退役し、残る２機も2011年3月に退役予定だったが、リビア内戦に介入することになったため、3月3日から１機が地中海に派遣され、全機退役は6月28日となった。イーストミドランズ空港のエアロパーク・ミュージアムで展示されている。参考：月刊軍事研究2,’02、9,’11、スパイ機、月刊JWings4,’10、2,’11、10,’11、月刊航空ファン6,’10、7,’99

＜ニメル１＞：オマーンのエンジン・エンジニアリング社が開発した４×４輪装甲車。シャシーは三菱製４輪駆動車がベースで、厚さ6mmの装甲鋼板製車体を被せてあり、後部に４名用シートが向かい合っている。防弾窓により全周視界が確保されており、ガンポートも装備する。車体上面に5.56mm/7.62mm機銃を搭載可能。ウインドシールド前方に４連装発煙弾発射機を装備する。全備重量5.5トン。エンジンは三菱製ディーゼル（102馬力）、最大速度110km、航続距離590-720km。乗員２名（車長、操縦手）＋乗車歩兵８名。バーレーンに６両の輸出が決まったが、こちらはトヨタのランドクルーザーをベースにしている。参考：月刊軍事研究8,’05、月刊PANZER6,’05

＜ニュー＞：DD-818（駆逐艦）を参照。

＜ニューアーク＞：CL-100（クリーブランド級軽巡洋艦、初代）またはCL-108（クリーブランド級軽巡洋艦、２代目）またはG08（駆逐艦）を参照。

＜ニュー・アムステルダム＞：ホランド・アメリカ・ライン客船Nieuw Amsterdam。全長231.2m、幅26.9m、深さ16.8m、吃水9.7m、総トン数36287トン。主機は蒸気タービン２組２軸35100馬力、航海速力20.5 ノット、最大速力22.8ノット。船客定員一等556人、ツーリスト・クラス455名、三等209人。1938年竣工。1939年、第２次大戦勃発によりニューヨークで係船状態とされた。1940年、イギリス戦時運輸省に徴用され、兵員輸送船となった。1946年4月に返還され、復旧と改装で総トン数36667トン、船客定員一等552人、キャビン・クラス426人、三等209人となり、1947年10月29日に北大西洋航路に就いた。1973年12月に引退し、1974年に台湾で解体された。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜入院（日本陸軍）＞：傷病により軍医や衛生部将校の診察を受けた結果、陸軍病院に入院しての治療が必要と診断したもの。送院と、その時期の決定は、軍医や衛生部将校が行う。参考：軍隊内務令、軍医サンよもやま物語

＜ニュー・ヴァイキングス＞：VAQ-129（電子攻撃飛行隊）を参照。

＜ニューウェル＞：DE-322（護衛駆逐艦）を参照。

＜入営者職業保障法＞：軍に入営したことを理由に被雇用者に不利益な扱いをしないことを定めた法律で、昭和6年4月2日に公布された。参考：帝国陸海軍事典

＜ニュー・オーリンズ＞：CA-32（重巡洋艦）またはLPD-18（揚陸艦）またはLPH-11（強襲揚陸艦）を参照。

＜ニュー・オーリンズ級＞：アストリア級（重巡洋艦）を参照。

＜ニューギニア戦＞：太平洋戦争で日本海軍は昭和17年5月中旬にMO作戦を中止、6月5日のミッドウェイ海戦で空母戦力を喪失し、ポートモレスビーの海路攻略がほぼ不可能となったため、6月7日に軍令部が陸路侵攻でのポートモレスビー攻略を提案。6月12日、大本営は大陸命第633号で第17軍司令官に対し、ポートモレスビーの陸路攻略を海軍と共に研究（リ号研究と称する）するよう命じ、ニューギニア戦の主役は陸軍に移った。第17軍は早速侵攻路の調査に入ったが、当時あった資料は大正4年にイギリスからもらった１枚の地図だけ、ポートモレスビーの市街も海軍少佐１名が以前にたまたま沖合から見ただけという有様だった。連合軍側はもともと東部ニューギニアがイギリス領、西部ニューギニアがオランダ領で、オーストラリアもニューギニアを統治していたため、地誌には詳しく、現地人をコースト・ウォッチャーや荷役として大量に雇い、オーストラリア本土からの兵站を確保している。6月26日、元山海軍航空隊九六式陸攻20機が台南海軍航空隊零戦11機の護衛でポートモレスビー飛行場を爆撃。帰路にオーエンスタンレー山脈を越えて高度3000mに降下した際、潜んでいたP-40戦闘機に襲撃されて第３中隊第３小隊２番機の主操縦士と副操縦士が負傷し、気絶した主操縦士が操縦桿を握ったまま仰け反ったため機体が宙返りしかけたが、他の乗員が操縦席から引きずり下ろして体勢を立て直し、搭乗整備員がラエに不時着させ、機体は大破したが墜落は免れた。6月30日、第17軍司令官がダバオの第17軍司令部に南海支隊長を呼び、作戦打ち合わせを実施。リ号研究の途中経過ではブナからココダまでは自動車通行可能な道路１本、ココダからサンボという集落までは馬の通れる道があるが、そこからオーエン・スタンレー山脈（標高3500-4000m）を経てポート・モレスビーまではジャングル地帯で道が無く、ココダからポート・モレスビーの実距離200kmを人力補給に頼らねばならないことが判明していた。25kgを背負って１日20kmの山道を歩くとなると往復20日かかり、自分で食べる糧食12kgを除いた13kgが１名あたりの補給可能量となる。とすると前線部隊5000名に対して米を補給するだけでも補給要員4600名が必要で、弾薬を送るとなれば要員は数倍に達する見込みであり、とても準備できるものではなく、南海支隊長は作戦遂行に懐疑的であった。7月11日、大本営は第17軍にポート・モレスビーと東部ニューギニア要地の攻略を下命。ただ実施するかはリ号研究の結果を待って決定するとしていたが、大本営が第17軍に派遣した辻政信参謀が、第17軍司令官になるべく早期の作戦実行を求めたため、第17軍司令官は辻参謀の見解を大本営の意図と見なし（実際は独断だった）、7月15日に隷下部隊に対してポート・モレスビーと東部ニューギニアの攻略作戦を発動した。主力の南海支隊はブナ周辺に上陸し、ブナからココダを経由してポート・モレスビーを攻撃する予定としている。連合軍は陸路でのポート・モレスビー攻略を暗号解読により掴んでいたが、実現性が低いとしてマッカーサーが信じなかったため、上陸予定地点への防備強化などの対策は取られなかった。7月20日夜、独立工兵第15連隊主力、歩兵第114連隊１個大隊、山砲兵第55連隊１個中隊からなる南海支隊先遣隊と、海軍佐世保鎮守府第５陸戦隊の一部がラバウルを出発。7月21日に海軍部隊がギルワ、南海支隊先遣部隊がゴナに上陸し、7月22日朝までにブナに進出、海軍部隊は基地の設営に入り、先遣隊はオーエン・スタンレー山麓のココダに向かった。最初の50kmは自動車、次の50kmは馬が通れたが、最後の60kmは人しか通れず、7月28日夜になってココダの攻撃を開始、7月29日朝にココダ飛行場を占領した。既に食料も不足気味で、押収した敵の食料を携行している。8月1日、南海支隊先遣隊先発隊の携行米が底を突いた。後方から送られてくる気配も無く、その辺の山芋を掘って食べたら凄まじい下痢に襲われたが、他に主食となりそうなものが無いので口に入れるしか無かった。8月7日、先遣隊はココダを出発し、先発隊と合流。補給の問題があったため、山砲兵中隊の砲を１門だけにし、砲弾は200発のみとした。泥濘の急坂で歩いて上るのがやっとの状態であり、兵器や機材の搬送には凄まじい時間と労力を要し、食料も無く補給も期待できず、リ号研究の主目的からすれば進撃は不可能との結論だが、そのまま前進を続けている。8月15日、先遣隊はスタンレー山頂帯の入口にあるデネギを占領したが、地誌が不確かだったため第17軍司令部にスタンレー山頂帯の一角を占領と打電してしまい、第17軍では主力のニューギニア上陸を急いだ。8月17日夕方、南海支隊主力は補給物資担装要員として第８根拠地隊1000名と原住民2000人を加え16000名でラバウルを出発。8月18日、主力がバサブア沖に到着し、上陸を開始した。8月22日、主力は20日分の食料を携帯し、ココダに向けて進撃を開始。8月23-24日に先遣隊はレフント山中腹のイスラバ付近に達し、主力はココダを出発した。ジャングルに行く手を阻まれ、マラリア感染者が続出、進撃は困難を極めたが、8月25日にイスラバ付近で先遣隊と主力が合流し、8月26日からイスラバの敵三重陣地に攻撃を開始。正面突破が困難なため、8月27日から独立工兵第15連隊の１個中隊が先導して歩兵１個大隊が左側から陣地後方に回り込み、8月31日に突破した。敵の食料庫から大量のコンビーフ缶を押収できたものの、既に先遣隊は栄養失調状態に陥っており、マラリアも毎日数十名発症する有様で、戦闘に参加できない者を保健予備隊に収容し、この先オーエン・スタンレー山脈帯峠を越える途中で適当な場所に収容所を開設、体力回復を図る事としている。8月25日、呉第５特別陸戦隊と佐世保第５特別陸戦隊がニューギニア東端ミルン湾に上陸し、ラビの海空基地を獲得するという作戦を決行したが、佐世保第５特別陸戦隊は海上で航空攻撃を受けて上陸を断念、呉第５特別陸戦隊も上陸地点を間違えた上に連合軍の激しい抵抗で9月6日には撤退せざるを得ず、海軍陸戦隊のポートモレスビー東方地区上陸が不可能となった。ガダルカナル島では8月に一木支隊による飛行場奪回作戦が失敗しており、ガダルカナルと東部ニューギニアの両面攻勢作戦は無理と判断した第17軍は、8月28日に南海支隊に対してオーエン・スタンレー山系南側の要線確保と山系以北への主力集結を命じており、ポートモレスビー攻略は9月末まで棚上げになっていた。9月3日、南海支隊がイオラを通過。9月5日、南海支隊がオーエン・スタンレー山脈帯峠を制圧。9月7日、カギに保健予備隊を開設し、70名を収容したが、医薬品も衛生材料も携行食糧すら全く無く、その辺の山芋や野草で粥を作って飲ませ、寝かせておくだけの状態だった。４日ほどで食料や医薬品をギルワに取りに行った兵が戻り、後は周辺に敵輸送機が落とした食料梱包を回収して凌いでいる。9月14日、オーエン・スタンレー山系末端のイオリバイワ陣地への攻撃を開始。9月16日夕方、イオリバイワ陣地の制圧を完了してポートモレスビーから50kmの地点に到達。しかしこれは連合軍の策略で、暗号解読により補給が貧弱であることを掴んでいたため、補給線を伸びきらせるために抵抗を弱くして懐に引き込ませるというものだった。予想通り南海支隊は先遣隊に続いて主力も食料が尽きてしまい、ポートモレスビーを早期に攻略して食料を奪うしか無くなった。しかし9月14-15日にガダルカナルで川口支隊による飛行場総攻撃が失敗しており、ポートモレスビー攻略に充てる筈だった第２師団をガダルカナルに送り込まなければならなくなったため、ポートモレスビー攻略は無期延期とされ、第17軍は9月19日に南海支隊に対して進軍停止を下命。南海支隊は補給が途絶え、食糧不足が限界に達して付近の集落で芋掘りをして凌いでいるような状況で、連合軍は進撃の止まった南海支隊の側面や後方に回り込んで反撃をかけた。9月23日、第17軍は南海支隊に対してスタンレー山系北側のココダ・イスラバ付近への集結とブナ方面の防衛強化を指示した。9月26日、南海支隊は食料の無いまま撤退を開始。保健予備隊の収容者は655名に膨れ上がっており、撤退中に傷病兵どころか保健予備隊員までバタバタ斃れている。再びオーエン・スタンレー山系を越え、追撃に移ったオーストラリア軍第７歩兵師団から逃れつつ10月4日までにココダに退却した。しかし10月下旬にオーエンスタンレー頂部をオーストラリア軍に制圧され、10月25日に南海支隊がイオリバイワ陣地から完全撤収したもののクムシ河を渡河する際に支隊長と参謀が濁流に呑み込まれてしまい、更に沿岸部のバサブア、ギルワ、ブナまで後退した。日本軍は独立工兵第15連隊長の指揮でギルワに三線陣地を構築、ギルワ南西のソプタ－ギルワ街道沿いに北ギルワ陣地を設営して中央地区隊1100名を置き、更に南西に南ギルワ陣地を置いて550名を配し、ギルワ西のバサブア陣地に500名、東のブナ陣地に700名を配置した。11月8日にアメリカ軍第32歩兵師団がブナに上陸、11月16日にも1000名がブナの南8kmに上陸し、11月19日からブナへと攻勢を開始、オーストラリア第７歩兵師団18000名がソプタ－ギルワ街道を迂回して南ギルワ陣地に攻め上ってきたため、劣勢の日本軍（バサブア、ギルワ、ブナ計4500名）は苦戦を強いられた。11月18日、南太平洋方面作戦陸海軍中央協定で、ニューギニア方面はマダン、ラエ、サラモア付近に作戦根拠地を確保し、ウェワクなどニューギニア北岸の要地を占領して特に航空基地の増設に努め、ブナ方面部隊は状況により適宜サラモア方面に撤退、所要の拠点を確保するとした。11月26日（16日？）、ガダルカナルからソロモン諸島への進撃を図るアメリカ南太平洋軍（アメリカ海軍主体）と、ポートモレスビーを拠点にニューギニア反攻を企てるアメリカ南西太平洋軍（アメリカ陸軍主体）の２正面作戦を、第17軍だけでこなすのは無理が出てきたため、日本陸軍は第17軍をソロモン諸島専任とし、ニューギニアを担当する第18軍と、両軍を統括する第８方面軍を新設。大本営運輸部からの兵站及び航空戦力増勢困難による反対論を押しのけ、本格的にポートモレスビー攻略・ニューギニア攻勢へと取り組む事となったが、そもそもガダルカナルと中国大陸の２正面作戦中に３つ目の正面を作ろうとした理由は良く分からないらしい。11月28日から駆逐艦で将兵を送り込もうとしたが、制空権を確保しきっていない中での揚陸は失敗、蟻輸送も魚雷艇や航空攻撃で潰され、12月中旬までに将兵1300名と少しの資材をクムシ河口・マンバレー河口に揚陸したに留まった。南海支隊は潜水艦輸送以外に補給の手段が無く、戦力を磨り減らしている。ニューギニアは未開の島で、拠点同士を結ぶ道路もろくに整備されておらず、沿岸航路による海上輸送で兵站線を確保するしか無かったが、アメリカの魚雷艇や爆撃機が跋扈しており、安定的な補給は不可能な状態だった。11月28日にオーストラリア軍が南ギルワ陣地から攻撃方面を変更し、ソプタ－バサブア街道を北上してバサブアへの攻撃を開始。圧迫に耐えきれず、12月8日にバサブア守備隊はギルワへの独断撤退を図ったが、追撃を受けて玉砕し、守備隊長はバサブア陣地内で自決した。12月、日本軍がム号作戦でマダンとウェワクの攻略作戦を発動。12月14日、新たに南海支隊長となった小田健作少将がギルワ陣地中央地区対戦闘司令所に着任し、独立工兵第15連隊長から指揮権を引き継いだ。少数の増援の兵士も到着し、南ギルワ陣地に配置されている。ただ食料を積んだ輸送船は途中で沈められてしまい、守備隊には極度の栄養失調から精神異常を来す者まで現れ、更にマラリアとアメーバ赤痢が追い討ちを掛けた。12月初めにマッカーサーが第32歩兵師団長を解任して第１軍団長にブナを占領するまで帰ってくるなと活を入れたため、アメリカ軍のブナに対する攻勢が開始され、12月20日頃にブナの大部分をアメリカ軍が占領。下旬に第18軍はブナ救出部隊の独立混成第21旅団主力歩兵２個大隊からなるブナ支隊をギルワに上陸させてブナに向かわせたが、進撃を止められ、昭和18年1月2日にブナ守備隊は玉砕した。1月4日、南太平洋方面作戦陸海軍中央協定で、スタンレー山脈以北のニューギニア北東部要域を確保し、ポートモレスビー方面への作戦準備を行う事になった。ブナ方面の部隊には引き続きサラモア方面への撤収が命じられている。日本陸軍は輸送船不足で増援が間に合わず、1月5日になって漸く第18軍第51師団岡部支隊3500名がラバウルからラエに上陸、ジャングルを抜けて飛行場のあるワウに向かった。ブナを制圧したアメリカ軍とオーストラリア軍はギルワへの攻勢を開始。ブナ支隊は南海支隊を隷下に置いて粘ったが、1月9日に連合軍が南北ギルワ陣地を結ぶ連絡道を制圧して両陣地が分断され、補給を殆ど受けられないまま砲迫による物量砲撃を喰らって支えきれなくなった。1月12日0400、連合軍が戦車３両を先頭にして南ギルワ陣地に突撃したが、守備隊が先頭の１両を撃破して撃退した。0700、南ギルワ陣地指揮官の歩兵第144連隊第１大隊長塚本初雄陸軍中佐が守備隊に玉砕準備を命令。しかし1500に陣地を脱出して北西30kmのクムジ河口へとジャングルの中を後退する命令に変更され、2100から独断で後退を開始した。自力で後退できない傷病兵は置いていくしか無く、捕虜にもなれないので自決の道しか残されていなかった。1月17日には独立工兵第15連隊も独断で後退を開始。第８方面軍は1月13日に第18軍に対してブナ支隊への撤退命令を指示したが、ブナ支隊は隷下の南海支隊に命令を伝達せず単独で逃げ出してしまった。1月19日、ブナ支隊が海路で撤退。1月20日、大雨に紛れて南海支隊の残存兵力1000名も撤退を図ったが、海上輸送力はガダルカナル撤退準備に忙しかったため、陸路での撤退となり、車両も無く、歩行不能な傷病者は置いていくしかなかった。最後尾の南海支隊司令部は間に合わず、1月21日に支隊長小田少将と司令部付中佐は残された傷病者と共に自決の道を選び、アメリカ軍がギルワを占領した。1月下旬から2月上旬にかけてクムジまで撤退できたのは、投入した陸軍15000名・海軍1000名のうち3400名で、食料も無くジャングルを彷徨ううちに鉄帽から小銃、銃剣に拳銃も捨て、天幕１枚と飯盒１個だけを下げ、その辺の木で作った杖で漸く体を支えている状態で、兵科将校ほぼ全員が指揮を執れる状態ではなくなり軍医が指揮して漸く一日に数百メートルずつ後退してきた有様だった。しかも連合軍部隊が迫っており、2月4日にはクムジから2kmの地点に連合軍部隊が出現、将兵は船舶輸送隊本部の大発に飛び乗って2月15日にラエに後退したが、南海支隊残存兵は600名になっていた。ワウを目指す岡部支隊は進撃中にジャングルの中で部隊がバラバラになってしまい、1月27日に食料が尽きた状態で攻撃を開始したものの、部隊の連携が取れず800名の死傷者を出して失敗。オーストラリア第17歩兵旅団が空路で増強されたため2月8日に撤退せざるを得なくなり、飢えとマラリアにも襲われ、2月14日に撤退を完了した時には戦力が殆ど残っていなかった。大本営では第20・第41・第51師団を増援に送ることにしたが、ガダルカナル撤収で忙しく、2月末になって漸くラエ向けの第18軍司令部と第51師団7000名が輸送船７隻に分乗してラバウルを出発。3月3日、ダンピール海峡で連合軍機130機の爆撃を受け、輸送船は全て沈没、3000名が死亡した。ラエに直接増援を海上輸送するのが無理と判明したため、ラエ・サラモアに第51師団を配置し、ウェワクに第41師団、マダンに第20師団を送って陸路でラエ・サラモアに向かわせたが、前線のラエ・サラモアはマダンの300キロメートル南東、ウェワクはマダンの数百キロメートル北西にあり、戦力の集中は不可能だった。3月からワウのオーストラリア軍がサラモアへの攻撃を開始。日本軍はラエとサラモアに第51師団や残存部隊（岡部支隊、海軍根拠地隊など）をかき集めて何とか防衛したが、補給を断たれていて苦戦が続いた。4月に入り、マダンからラエまで全長300km・幅4mの道路を３ヶ月で作る工事に入ったものの、２個工兵連隊と第20師団の一部が人力で啓開したため濃密なジャングルと高山地帯に阻まれ、３分の２くらい進んだところでラエが陥落しかかって道路建設どころではなくなってしまった。5月30日、ラエ地区防衛守備部隊長会議が開催された。独立工兵第15連隊は連隊長がマラリアで病欠し軍医が代行、人員を連隊長以下47名と報告する有様で、ラエ地区防衛守備部隊の一部青年将校の間では、何かの口実で本土に帰り戦争推進指導者に死を賭して反省を求め早期終戦を図るべきとの密談が持たれたらしい。6月10日、ガダルカナル戦で壊滅した独立工兵第４連隊の生存将兵が独立工兵第15連隊に転属となった。6月20日、第51師団がウイバリのオーストラリア軍陣地に攻撃を仕掛け、6月22日に一部を占領したが、撃退された。6月30日、連合軍がラバウル攻略を目指しカートホイール作戦を開始。ナッソー湾にアメリカ陸軍第41歩兵師団１個連隊が上陸し、北100kmにあるサラモアへと攻撃に向かった。これにより第51師団はワウとナッソー湾の両方から圧迫されている。8月16-17日、ウェワクとブーツに戦力を集中していた第４航空軍が、連合軍の航空攻撃を受けて大損害を出し、ただでさえ細すぎる補給線のエアカバーが不可能となった。8月30日、大本営はラエ方面で持久戦に移行し、時期を図りダンピール海峡沿岸に撤退すること、陸海軍協同でダンピール海峡方面の防備を強化することを決めた。9月3日、陸上戦闘では第18軍司令官が陸海軍の統一指揮を執ることになった。9月4日、オーストラリア軍第９師団15000名がラエ東40kmにあるホポイに上陸。海軍航空隊は9月4-6日に延べ230機で輸送船団や地上部隊に航空攻撃を掛けたが、戦果は挙がらず、第18軍は第51師団にラエとサラモアを放棄して北方のカイアビット・シオ方面へ脱出するよう命じた。9月5日、アメリカ陸軍第503空挺連隊がラエ北西30kmのナザブにパラシュート降下し、放棄されていた飛行場を再整備して重砲を運び込み、ラエとサラモアを３方向から締め上げた。9月11日、連合軍がサラモアを制圧。9月12日、第51師団など陸軍守備隊6600名と海軍部隊2054名は５個梯団に分かれてラエからキアリ・シオへの脱出を開始。食料も無い状態で標高4000m以上のサラワケット山脈を越えなければならず、夏服で雪と氷に覆われた山頂付近を踏破するうちに凍死したり、凍り付いた細い道で足を滑らせ谷底に転落したりする兵士も続出、３週間かけて撤退を完了したのは陸軍4900名、海軍1543名で、海軍のうち1134名は傷病により後送が必要な状態だった。9月22日、オーストラリア軍10000名以上がアント岬（ラエの東、フィンシュハーフェンの西）に上陸。フィンシュハーフェンはニューギニアとニューブリテン島の間に横たわるビティアス海峡とダンピール海峡を制圧できる要衝だったが、日本軍はラエとサラモアで手一杯だったため、オーストラリア軍に先回りされてしまった。慌てて第20師団を奪回に向かわせたものの、マダンから前線に到着するのに１ヶ月もかかり、その間は海軍機30機強で航空攻撃をかけたものの戦果に乏しく、10月17日に第20師団がフィンシュハーフェンのオーストラリア軍に第１次総攻撃をかけたが、撃退された。9月25日、絶対国防圏策定により、東部ニューギニアの放棄が決定。10月21日、第51師団はキアリに到着したが、兵力は8500名から6400名に減少した。10月15日、第582航空隊が九九式艦爆15機でニューギニアのオロ湾に在泊する敵艦船を攻撃したが、14機が未帰還となった。11月6日、独立工兵第15連隊がマダンから輸送船でパラオに転進。連隊長と副官は後でウエワクを経由しパラオに向かったが、11月22日に輸送船が潜水艦の雷撃を受けて沈没、戦死した。11月22日、第20師団がフィンシュハーフェンのオーストラリア軍に第２次総攻撃をかけたが、撃退され、兵力は３分の１になってしまった。12月1日、満州から第２軍司令部が西部ニューギニアに移動し、第２方面軍の隷下に入った。12月15日、アメリカ軍がニューブリテン島に上陸。12月20日、第20師団が後退を開始。シオで第51師団の残存兵と合流した。12月26日、アメリカ軍がニューブリテン島グロスター岬に上陸。ビティアス海峡及びダンピール海峡を制圧した。第552航空隊九九式艦爆13機と第582航空隊九九式艦爆12機がグロスター岬の上陸船団を爆撃したが、迎撃機と対空砲火により13機が未帰還になっている。12月27日、第552航空隊九九式艦爆８機と第582航空隊九九式艦爆９機がニューブリテン島マーカス岬の敵陣地と岬沖の魚雷艇２隻を爆撃したが、迎撃機と対空砲火で第552航空隊の１機と第582航空隊の３機が未帰還となった。昭和19年1月2日、アメリカ軍がスキップ戦略（蛙跳び作戦）でシオを通り越してその西側のグンピ岬に上陸、第18軍がシオ（第20・第51師団、海軍第７根拠地隊）とマダン（第41師団）に分断された。第18軍は孤立した第20・第51師団にフェニステール山系を迂回してのマダンへの撤退を命令。1月22日、独立工兵第15連隊がニューギニア西部マノクワリ地区ソイに上陸。2月17日のトラック空襲を受けてラバウル基地から海軍航空戦力が後退し、ニューギニア、ニューブリテン島、その間のビティアス海峡・ダンピール海峡での日本軍のエアカバーが消滅した。2月末、第20・第51師団がグンピ北西のマダンに到着したが、飢えと病気で1000名以上の損害を出し、陸軍は兵力の20%、海軍は40%を失っていた。更に第20師団はアイタペ、第51師団はウェワクへと西への後退を続けている。2月29日、アメリカ第１騎兵師団１個任務部隊がニューブリテン島北西のアドミラルティー諸島ロスネグロス島に上陸。3月15日、アメリカ第２騎兵旅団がアドミラルティー諸島マヌス島に上陸。3月16日、アドミラルティー諸島のハイン飛行場とロレンゴウ飛行場がアメリカ軍に占領され、ラバウル基地含むニューブリテン島が完全に孤立した。3月25日、第18軍と第４航空軍が第２方面軍の、第９艦隊が南西方面艦隊の隷下に移った。4月、日本軍の増援２個師団を乗せた輸送船が上海から出発したが、暗号を解読されており、アメリカ潜水艦の待ち伏せ攻撃を受けて船団９隻のうち４隻を沈められ、ハルマヘラに降ろさざるを得なくなった。4月22日、アメリカ第24・第41師団がアイタペと更に西のホーランジアに上陸。連合軍が上陸してくるのはせいぜいウェワクまでと予想していた第18軍は完全に裏をかかれた。アイタペにはアメリカ軍２個連隊10000名が押し寄せ、第20師団アイタペ警備隊450名、兵站部隊、船舶兵、航空兵など計2000名を蹴散らして飛行場を設営している。アイタペの守備兵は東西に別れて退却し、東に向かった部隊は第20師団本隊に合流できたが兵力は４割に減少。西に向かった部隊は、ホーランジアにアメリカ軍が上陸していたためサルミまで更に220kmも後退しなければならなくなり、アイタペとホーランジアの間にいた第18軍先遣隊と合流して4000名で西に逃れたものの、飢えとマラリアとゲニムの戦闘でサルミに辿り着いたのは数名だけだった。ホーランジアでは付近の第３野戦輸送司令部北園少将をトップとする北園部隊と第９艦隊地上部隊（第90警備隊など）の計8000名を反撃に送り込んだが、北園部隊は兵站部隊ばかりで戦闘部隊が南洋第６支隊（編成途中で基幹要員のみ）のみであり、正規編制のアメリカ軍部隊には敵う筈も無く、その日のうちに第９艦隊司令部が消滅。後退した北園部隊は第６飛行師団と合流してホーランジアの西30kmにあるセンタニ湖畔飛行場群の防衛にあたったが、あっという間に蹴散らされて残存14500名でサルミへと後退、ニューギニアに展開していた第18軍の３個師団はグンピ岬とアイタペ・ホーランジアの間に押し込められ、制空権と制海権も無く、兵力を半減（20000名）したまま無力化された。これを打開するため、第18軍はアイタペ攻撃を計画。4月末、第18軍主力がウェワクに到着。5月17日、アメリカ軍がサルミとワクデ島に上陸。5月18日、第36師団歩兵第224連隊がサルミ東のトムに設けられたアメリカ軍海岸堡陣地を攻撃したが、火力に圧倒されて兵力の７割を失った。5月27日、連合軍がビアク島に上陸。ウェワクを迂回してニューギニア北部を制圧したため、第18軍はウェワクに孤立して第２方面軍と遮断されてしまった。第18軍が残存糧食を見積もったところ、定量を半分に節約しても４ヶ月しか持たないことが判明。ニューギニアは限られた場所で数万人が現地自活できるような肥沃な土地ではなく、完全に追い詰められた。第36師団歩兵第224連隊が残存兵力でトムに薄暮奇襲攻撃を掛け、アメリカ軍守備隊を後退させたが、海岸堡の制圧には至らなかった。5月30日、第36師団歩兵第223連隊がサルミ西のアラレに設けられたアメリカ軍海岸堡陣地に２個大隊で夜襲を掛けたが、暗闇のジャングルで１個大隊が道に迷い、残る１個大隊で物資集積所を破壊したものの、周囲に遮蔽物が無く砲爆撃をもろに喰らう恐れが高かったため、朝にはジャングルに戻らざるを得なかった。5月末、アメリカ軍が日本軍守備隊（陸海軍600名）を全滅させワクデ島を制圧。6月、北園部隊と第６飛行師団がサルミ西のトル河に到着し、サルミを防衛する第36師団と合流したが、飢えと病気で兵力は10分の１の1500名になっていた。北園部隊と第６飛行師団を率いていた稲田少将は司令部要員と航空機乗員を連れて脱出してしまい、停職２ヶ月の処分を受けている。残存兵はトル河西岸に留め置かれ、食料の供給も無く、終戦で日本に復員できたのはたった143名だった。第18軍が第２方面軍から完全に遮断されてしまったため、南方軍の直轄に移された。6月上旬、マノクワリ守備隊が甲機関を編成し、住民の安全確保及び機密漏洩防止のため、マノクワリ住民を戦線後方に避難させることになった。出発の際に若い女性だけ残すよう命令が伝達されたが、甲機関参謀の李少佐が激怒し、全員を安全地帯に誘導している。ただ安全地帯での生活が安定するのに数ヶ月かかるとみられたため、軍医が指揮する歩兵機関銃小隊１個からなる宣撫工作隊を編成し、物々交換で食料調達などを行った。6月1日、南方軍総司令部がアイタペ攻撃に備え大本営に向けて潜水艦２隻により物資28トンを輸送するよう暗号を打ったが、これが連合軍に解読されており、6月10日には作戦計画まで解読されてしまった。6月3日、第36師団歩兵第223・第224連隊がサルミのアメリカ軍海岸堡陣地に攻撃を仕掛けたが、アメリカ軍はそれまでの奇襲に対応して陣地を固めており、破砕された。6月5日、サルミのアメリカ軍が西に向け進撃を開始。大損害を受けた第36師団に止める力は無く、6月22日にアメリカ軍はトル河を渡河し、第36師団は更に西に後退してマッフィン西の飛行場付近にある山に籠もった。7月3日、マノクワリ守備隊のうち勢部隊12000名が第２軍司令官の指揮で南のイドレに向かったが、途中で餓死者が続出し、10月27日に到着した時には1000名を割っていた。7月8日、第２軍の命を受け、マノクワリ守備隊のうち東部隊7000名が第35師団長の指揮で西のソロンに向かったが、こちらも餓死者が続出、9月5日に到着した時には400名足らずだった。残ったマノクワリ部隊は10000名で、マノクワリ支隊を編成して守備を固めている。ただ食糧不足は相変わらずで、栄養失調とマラリアにより4000名が死亡したため、潜水艦でフィリピンからサツマイモの苗を送ってもらい、農耕を開始して凌いだ。7月10日、第18軍は大本営の持久命令を押し切ってアイタペの連合軍に総攻撃をかけ、アイタペ会戦が始まった。しかし戦力は１個師団程度で、作戦を掴んでいた連合軍はアイタペに2.5個師団を増強して待ち構えていたため、アイタペ東の沿岸部にあるアナモとチベレの陣地に阻まれて失敗、7月29日からは南側に回り込んで第２次攻撃をかけたが陣地帯２本を突破したところで力尽き、8月3日までに13000名が戦死して撃退され、戦力が半減。組織的な反攻ができなくなり、補給も無く、アレキサンダー山系に立て籠もってのゲリラ戦に転じた。7月末、マノクワリに独立工兵第15連隊が飛行場を建設したが、終戦まで日本軍機は一度も飛来せず、連合軍もスキップ作戦でマノクワリごと放置した。昭和20年7月25日、第18軍司令官が玉砕命令を下し、攻撃の機会を覗ううちに終戦を迎えた。8月16日、現地部隊に停戦の詔勅が出され、大本営陸軍部命令（大陸命）第1382号で戦闘行動停止（自衛行動除く）が下命され、停戦完全徹底時期が18日1600に指定された。8月18日、南方軍総司令官寺内寿一元帥から停戦命令が出され、第18軍はオーストラリア軍に降伏。兵力は97000名から13000名にまで減っていた。9月13日、東南アジア軍司令官マウント・バッテン将軍代理のオーストラリア軍ランドン中佐がマノクワリに上陸し、マノクワリ支隊が降伏した。10月、連合軍への賠償行動としてホーランジア派遣作業隊を編成することになり、日本陸海軍1500名がホーランジアに派遣され、収容所に入れられて肉体労働に従事させられた。昭和21年1月にはインドネシア兵の捨てた煙草の火がガソリンタンクに引火して爆発し、巻き添えで作業員３名が死亡、30名が重傷を負っている。また、３名が戦犯容疑でインドネシア憲兵に逮捕された。6月10日、ホーランジア派遣作業隊が復員船で日本に向け出発。6月18日、ホーランジア派遣作業隊が和歌山県田辺港に帰港。参考：激闘太平洋戦記、激闘！太平洋戦争地上戦、歴史群像8,’15、4,’16、軍医戦記、月刊軍事研究9,’09、第２次大戦日本海軍作戦年誌、太平洋戦争情報戦、月刊丸5,’07、6,’01、12,’90、3,’18別冊、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船1,’11、11,’15、月刊航空ファン7,’99、7,’19

＜ニューキャッスル＞：06（フリゲート）または76（重巡洋艦）またはD-87（駆逐艦）を参照。

＜ニューク・フラッシュ＞：核戦争を誘発する恐れのある事故にアメリカ軍が付けるコード。事故による核爆発、核兵器の誤発射、核搭載機の未許可飛行などがこれにあたる。参考：月刊軍事研究8,’11

＜ニュークリア・スーパーファルコン＞：AIM-26シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ニュークリア・スニッファー＞：WC-135W（気象偵察機）を参照。

＜ニュークロティミイ＞：ソ連海軍クリヴァクⅡ型フリゲートNeukrotimy。1978年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ニュー・ケント＞：APA-217（攻撃輸送艦）を参照。

＜入港ぜんざい＞：日本海軍の艦艇が母港に帰投する前日の夜食として必ず出されたメニュー。カレーと同じく食べるのは良いが食器を洗うのは大変で、食卓番泣かせだったらしい。海自にも引き継がれ、佐世保市ではご当地グルメ化している。参考：MAMOR vol.46、vol.100、vol.125、海軍よもやま物語

＜ニューコム＞：DD-586（駆逐艦）を参照。

＜ニュージーランド＞：イギリス海軍インデファティガブル級巡洋戦艦３番艦New Zealand。ニュージーランド自治領政府1909年度予算で1910年6月にイギリスで起工され、1912年11月に竣工し、当時ニュージーランドに独立海軍が無かったことからイギリス海軍で就役した。イギリス太平洋艦隊に配属される予定だったが、新鋭艦を集中配備する方針から本国艦隊に回されている。1913年2-11月、世界一周航海を実施し、ニュージーランドも訪問した。第１次大戦勃発後、グランド・フリート第２巡洋戦艦戦隊所属となり、ヘリゴランド・バイト海戦、ドッガー・バンク海戦に参加。1916年4月22日、戦艦オーストラリアと衝突して損傷した。5月31日、第２巡洋戦艦戦隊所属でジュットランド海戦に参加。後部砲塔に被弾したが、死傷者は出なかった。ワシントン軍縮条約で1921年に予備艦となり、1922年12月19日にに除籍されて売却・解体された。参考：月刊丸4,’07、近代戦艦史、月刊世界の艦船12,’12、11,’00、6,’16

＜ニュージーランド大地震＞：2011年2月22日1251（日本時間0851）頃、ニュージーランドのクライストチャーチ付近でマグニチュード6.3の地震が発生した。日本政府は駐日ニュージーランド大使からの要請を受け、消防、警察、JICAの70人で編成した国際緊急援助隊１次隊を派遣することにし、2月23日1400に空自国際緊急援助空輸隊が運航するB747政府専用機で成田空港を出発した。現地到着後、多数の日本人留学生が行方不明となっているCVTビルの倒壊現場で捜索活動を開始。B747政府専用機はオークランド空港で待機した。3月1日、国際緊急援助隊２次隊30名が民間機で出発した。3月2日、B747政府専用機が救助チーム１次隊65名を乗せてクライストチャーチ空港を出発。3月3日、B747政府専用機が成田に帰国した。3月8日、国際緊急援助隊３次隊と交替を終えた２次隊30名が帰国した。参考：朝雲

＜ニュージーランド海軍＞：1887年、オーストラレイジア海軍防衛法に基づき、軍艦２隻がニュージーランドに分駐した。1909年、イギリスで建造する巡洋戦艦のうち１隻の建造費を負担したが、イギリス本国艦隊の巡洋戦艦部隊に編入されてしまった。このため、1913年の帝国会議でニュージーランド独自の海軍部隊を設置することに決定。1914年7月、イギリスから旧式三等巡洋艦を貸与されて練習艦としたが、第１次大戦が始まったため戦場に派遣されてしまい、訓練が出来なくなった。1921年3月14日、海軍庁の設置が認可された。6月20日、イギリス海軍ニュージーランド分隊と命名された。所属艦はHMSのまま、乗員の身分もイギリス海軍軍人である。1922年1月、イギリス海軍から貸与された軽巡洋艦が到着、分隊旗艦として就役した。1926年、大型掃海艇１隻がイギリスから貸与された。1928-36年、シンガポール海軍基地建設費用を分担する代わりに軽巡洋艦２隻の供与を受けた。1939年8月23日、イギリスから臨戦準備が下令され、8月29日に巡洋艦１隻が出撃。1941年9月、王立ニュージーランド海軍（RNZN）としてイギリス海軍から独立した。所属艦はHMNZSである。第２次大戦中はイギリス海軍から軽巡洋艦２隻とコルベット２隻を貸与され、大型掃海艇など２隻を喪失した。第２次大戦終戦後に本格的な組織作りに着手、定員2000名とし、婦人部隊を解散させた。しかし1947年になっても給与条件が決まらないなど組織確定が遅れて退職者が続出、定員を割り込んでしまい、婦人部隊を復活させたが、現役艦を巡洋艦・コルベット１隻ずつと補助艦艇だけに抑えざるを得なくなっている。空母中心の艦隊編成を考慮したが、主たる脅威は潜水艦であるとみられたことから、対潜艦中心の編成を行うこととし、1948年にイギリスから巡洋艦２隻の代替艦を貸与され、フリゲート６隻も購入した。1966-82年、老朽化したフリゲートをリアンダー級フリゲート４隻で代替。1988年、エンデバー級給油艦１隻が就役。1995年、チャールズ・アップハム級輸送艦１隻が就役。1997年、テ・カハ級フリゲート２隻が就役開始。2007年、カンタベリー級多任務艦１隻が就役。2010年、オタゴ級哨戒艦２隻が就役。2016年11月19日、オークランドで海軍創設75周年国際観艦式を、大型艦は停泊式、小型艦艇は移動式で実施。ニュージーランド哨戒艦オタゴが観閲艦、ニュージーランド総督パツィー・レディ女史が観閲官を務めた。ニュージーランド海軍艦の他、インド（スミトラ）、インドネシア（艦番号593バンダ・アチェ）、韓国（艦番号816チュンブク）、クック諸島（テ・ククパ）、サモア（ナファヌア）、シンガポール（L208レゾリューション）、中国（艦番号546塩城）、チリ（エスメラルダ）、日本（DD-110たかなみ）など11カ国25隻が参加している。日本からは海自 P-1哨戒機２機も派遣されたが、11月13日に発生したニュージーランド地震の国際緊急援助活動と天候不順により参加を見送った。アメリカのDDG-102サンプソン、オーストラリアの艦番号04ダーウィン、カナダのFFH331バンクーバーも参加を取り止めて被災地での援助活動にあたっている。2020年、補給艦A11アオテアロアが就役。参考：月刊世界の艦船11,’00、2,’17、5,’17、10,’20

　＜ニュージーランド海軍（１９７７年）＞：兵力2741名、正規予備役3250名、地域予備役302名。12型フリゲート２隻、リアンダー級フリゲート２隻、哨戒艇４隻、調査船１隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ニュージーランド海軍（１９８９年）＞：兵力2500名、予備役800名、地域軍500名。艦隊司令部はオークランドにある。リアンダー級フリゲート４隻、プカキ級内海哨戒艇２隻（＋保管中２隻）、モア級内海哨戒艇４隻、エンデバー級洋上給油艦１隻、海洋調査船１隻、水路測量艦１隻、潜水支援艦１隻、ワスプHAS-1ヘリ７機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ニュージーランド海軍（２０１５年）＞：現役兵力2050名、予備役450名。艦隊司令部はオークランドにある。テ・カハ級フリゲート２隻、オタゴ級哨戒艇２隻、ロトイチ級哨戒艇４隻、LCM２隻、カンタベリー級多任務艦１隻、エンデバー級洋上給油艦１隻、マナワヌイ級水中処分母船１隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニュージーランド空軍＞：RNZAFと略す。1965年、P-3B対潜哨戒機の配備を開始。1970年、A-4K攻撃機10機とTA-4K攻撃機４機の配備を開始。1991年、MB339CB練習機18機の導入を開始。2000年、SH-2G(NG)対潜ヘリ５機を配備。2001年にA-4K攻撃機及びTA-4K攻撃機が退役し、後継のF-16戦闘機も発注を取り消したため、戦闘用航空機がいなくなった。以降は保管状態のMB-339CB練習機をたまに飛ばす程度で、これもマレーシア空軍に売却する案が出ていたが、政権交代でMB-339CB練習機を現役に復帰させることになった。2009年、戦闘用航空機を保有しないことになり、固定翼機はCT-4E練習機、ビーチ200キングエア機種転換訓練機、C-130H輸送機、P-3K哨戒機、B757輸送機だけになった。2012年7月27日から8月17日、ピッチブラック演習に参加。2014-15年、CT-4E練習機の後継としてT-6C練習機11機を導入。2015年、SH-2G(I)対潜ヘリを導入。2016年10月24-29日、第40飛行隊C-130H輸送機が空自小牧基地に展開し、第１輸送航空隊との間でニュージーランド空軍として初となる空自との部隊間交流を行った。2024年5月11-13日、東シナ海で日米新共同訓練ノーブル・レイブン24に参加。P-8哨戒機が、DD-115あきづき、ESB-5ミゲル・キースと、各種戦術訓練（LINKEX、対水上戦）及びPHOTOEXを行った。参考：月刊JWings3,’09、11,’12、8,’16、月刊航空ファン1,’17、月刊世界の艦船8,’24、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ニュージーランド空軍（１９７７年）＞：兵力4268名、正規予備役1090名、地域予備役139名。A-4K攻撃機10機、TA-4K攻撃機３機、BAC167戦闘爆撃機16機、P-3B対潜哨戒機５機、C-130H輸送機５機、デボン輸送機３機、アンドーバー輸送機10機、ブリストル・フレイター３機、ベル47Gヘリ８機、ワスプ２機、UH-1D/Hヘリ10機、デボン練習機６機、エアトレーナー13機、エアツアラー練習機４機、H-13練習ヘリ４機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ニュージーランド空軍（１９８９年）＞：兵力4200名、予備役800名、地域軍200名。A-4G攻撃機８機、A-4K攻撃機９機、TA-4G攻撃機２機、TA-4K攻撃機３機、P-3K対潜哨戒機６機、BAC-167軽攻撃／練習機15機、C-130H輸送機５機、アンドーバー輸送機８機、B727輸送機２機、UH-1Hヘリ12機、セスナ421C連絡機３機、エアツアラー練習機４機、CT-4練習機15機、F-27練習機３機、ベル47練習ヘリ３機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ニュージーランド空軍（２０１５年）＞：現役兵力2400名、予備役200名。年間飛行時間190時間。P-3K2哨戒機６機、C-130H輸送機５機、ビーチ200キングエア４機（リース）、B757-200要人輸送機２機、T-6C練習機11機、SH-2G(I)対潜ヘリ８機、NH90汎用ヘリ８機、AW109汎用ヘリ５機、ペンギンMk2mod7空対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニュージーランド軍＞：2015年7月、米豪共同演習タリスマン・セイバーに初参加した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニュージーランド軍（１９８９年）＞：兵力12400名、予備役2900名、地域軍6800名。シナイ多国籍軍に25名、イラン・イラク国連軍事監視団に28名、シンガポールに支援部隊20名を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニュージーランド軍（２０１５年）＞：現役総兵力8950名（陸軍4500名、海軍2050名、空軍2400名）、予備役2200名（陸軍1550名、海軍450名、空軍200名）。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員７名、ジブチにCTF-151のP-3K2哨戒機１機、エジプトにMFO28名、訓練ユニット１個、輸送ユニット１個、イラクにインヒアラント・リゾルブ作戦要員103名、中東にUNTSOオブザーバー８名、南スーダンにUNMISS要員１名とオブザーバー２名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニュージーランド地震の国際緊急援助活動＞：2016年11月14日、ニュージーランドのクライストチャーチ北東を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生。ちょうど国際観艦式と多国間共同訓練ナタヒ参加のため、海自第４航空群第３航空隊第31飛行隊P-1哨戒機２機と隊員50名が派遣されていた。11月15日、ニュージーランド政府から地震被害確認の要請があったため、防衛大臣が国際緊急援助活動の実施に関する自衛隊行動命令を発出。1255、P-1哨戒機１機が被災状況確認飛行を実施。11月18日、国際緊急援助活動の終結に関する自衛隊行動命令が発出されて活動を終了した。オークランドを拠点にP-1哨戒機１機が３回計11時間飛行している。参考：月刊航空ファン2,’17、JWings2,’17

＜ニュージーランド陸軍＞：第２次大戦時はマチルダ歩兵戦車、バレンタインⅢ歩兵戦車、M3軽戦車、M4中戦車を使用した。国産のスコフィールド装輪装軌戦車やボブ・センプル戦車も開発したが、試作のみに止まっている。参考：British and American tanks of World War Two

＜ニュージーランド陸軍（１９７７年）＞：兵力5457名、正規予備役1540名、地域予備役5834名。歩兵大隊２個、砲兵中隊１個からなる。M41軽戦車７両、フェレット偵察車８両、M113装甲兵員輸送車55両、25ポンド砲17門、5.5インチ砲10門、105mm榴弾砲28門、106mm無反動砲23門を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ニュージーランド陸軍（１９８９年）＞：兵力5700名、予備役1300名、地域軍6100名。歩兵大隊２個、装甲偵察中隊１個、野砲兵中隊１個、特殊航空任務中隊１個、レンジャー中隊１個からなる。予備役／地域軍は歩兵大隊６個、野砲兵中隊５個、中砲兵中隊１個、機甲偵察中隊１個、装甲兵員輸送車中隊１個、機甲対戦車中隊１個からなる。スコーピオン軽戦車26両、M-113装甲兵員輸送車78両、105mm砲M-101A1を20門、105mm砲L10A1を24門、105mm砲ハメル24門、81mm迫撃砲72門、LAW対戦車ロケット、84mm無反動砲カールグスタフ23門、106mm無反動砲M-40を13門保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ニュージーランド陸軍（２０１５年）＞：現役兵力4500名、予備役1550名。特殊部隊群１個、歩兵旅団１個、爆発物処理中隊１個からなる。NZLAV-25歩兵戦闘車95両、105mm軽砲L118を24門、81mm迫撃砲50門、ジャベリン対戦車ミサイル24基、84mm無反動砲カールグスタフ42門、NZLAV装甲工兵車７両、LAV-R装甲回収車３両を保有する。予備役部隊は訓練連隊３個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜入室（日本陸軍）＞：傷病により軍医や衛生部将校の診察を受けた結果、入院治療は必要無いが、医務室内の休養室で概ね３日以内の静養が必要と診断したもの。参考：軍隊内務令、軍医サンよもやま物語

＜ニュー・ジャージー＞：BB-16（戦艦）またはBB-62（アイオワ級戦艦）またはSSN-796（原潜）を参照。

＜にゅうた＞：新田原基地の通称。

＜入隊（日本陸軍）＞：軍隊の重要行事で、兵の一身上の転機でもあり、周到に準備して最も整正厳粛に行い、兵営生活の開始に意義を持たせるようにする。連隊長は連隊区司令官から送付された現役兵壮丁名簿や身上明細書などにより、入隊兵の素養、職業、体力、本籍地の関係等を顧慮し、予めこれを各大隊に、大隊長はこれを更に各中隊に配当して名簿と書類も交付し、各中隊長はこれに基づいて現役兵連名簿を調整、連隊長に報告する。現役兵が入隊する時は、連隊副官が大隊副官の立ち会いの下、現役兵連名簿に基づいて直ちに各中隊の受領者に交付する。中隊長は入隊兵を受領したら名簿と本人が所持する現役兵証書を照合し、不参者がいたら所属連隊区、本籍地、氏名を調査して連隊長に報告、連隊長はその報告を集めて本籍地と氏名を当該連隊司令官に通報する。各中隊への入隊兵の引き渡しが終わったら、連隊長は衛生部将校に身体検査を行うよう命じ、中隊長または准尉以上の幹部が立ち会う。中隊長は入隊兵を内務班に編入し、兵器や被服など所要のものを支給、私物品は連隊長が許可したもの以外を速やかに返送させる。現役兵が入隊した後、中隊長は中隊を上級先任将校（各部除く）の指揮で整列させ、整列の際は徒手帯剣で入隊兵を第１列に配置し、入隊兵に対して中隊に編入された旨を告達、訓示を行う。その後、入隊兵を御真影に拝謁させる。中隊長は入隊兵の人員、事故者、入隊の景況、教育程度、思想状況、体力、健康状態などの概況を連隊長に報告し、連隊長はこれを纏めて師団長などに報告する。兵だけでなく、士官候補生、幹部候補生、召集者にもこれらの規定を準用する。参考：軍隊内務令

＜入退庁ゲート管理システム＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜新田原管制隊＞：航空自衛隊の管制隊。航空保安管制群隷下で、新田原基地に置かれている。飛行場管制と着陸誘導管制を担当しており、新田原基地周辺のターミナル・レーダー管制は国土交通省宮崎空港事務所が行う。元は1957年12月に新編された新田原管制分遣隊で、1959年に新田原管制隊となった。参考：月刊JWings4,’16、8,’14

＜新田原気象隊＞：航空自衛隊の気象隊。新田原基地に置かれている。元は1957年12月に新編された新田原気象分遣隊で、1959年に新田原気象隊となった。2016年9月14日、府中基地で行われた航空気象群主催の品質管理（QC）サークル第１回発表会でシルバー賞を受賞した。参考：月刊JWings8,’14、朝雲

＜新田原基地＞：航空自衛隊の基地。航空参考館がある。滑走路は2700×46m（45m？）、ランウェイ10/28。所在地は宮崎県児湯郡新富町大字新田19581。最寄り駅は日豊本線日向新富駅だが、航空祭では高鍋駅または南宮崎駅から臨時バスが出る。元は1940年（昭和15年）に建設された日本陸軍新田原飛行場で、終戦後に開拓農地となり、1957年に用地を取得して空自基地として再建、1957年12月1日に新田原基地として設置した。部隊は1957年12月に新田原管制分遣隊、新田原気象分遣隊、新田原警務分遣隊、第３操縦学校分校が新編され、1958年1月に7000フィート（2137m）級滑走路が完成している。1959年、新田原管制分遣隊が新田原管制隊、新田原気象分遣隊が新田原気象隊に改編された。6月、第３操縦学校分校が第17飛行教育団に改編された。10月27日、第６飛行隊が千歳基地から移駐した。11月、滑走路が8000フィート（2438m）に延伸された。1960年3月1日、新田原救難分遣隊が新編された。4月、第６飛行隊がアラートを開始。7月1日、第５航空団が松島基地から移駐した。10月1日、第６飛行隊が松島基地に移った。1961年7月15日、松島基地から第６飛行隊（第５航空団も？）が移駐した。1962年11月、第10飛行隊が新編された。1963年1月、第17飛行教育団が廃止された。1964年2月、第10飛行隊が築城基地に移った。3月、第202飛行隊が新編された。10月26日、第６飛行隊が築城基地に移った。12月、第204飛行隊が新編された。1965年、救難航空隊新田原分遣隊が新田原救難隊に改編された。1967年、西部航空施設隊第２作業隊が新編された。1975年3月、殉職隊員を祀った染雲の碑を建立した。以降毎年6月に慰霊飛行ミッシングマン・フォーメーションを行っている。1978年、新田原警務分遣隊を新田原地方警務隊に改編した。1983年3月16日、飛行教導隊が築城基地から移動してきた。1985年、第301飛行隊が百里基地から移駐し、第204飛行隊が百里基地に移った。1999年、臨時飛行教育航空隊が新編された。2000年、第202飛行隊が解散した。10月6日、臨時飛行教育航空隊が飛行教育航空隊に改編され、第23飛行隊が新編された。2002年、第５基地防空隊が新編された。2008年末、基地正門近くに退役F-4EJ改戦闘機（360号機）を設置。2009年10月、日米共同訓練が行えるよう、本滑走路のかさ上げ工事を開始。南側に設置した仮滑走路で離着陸するようになった。2010年5月2日、宮崎県で発生した口蹄疫の災害派遣に参加。5月13日、6-9名の消毒作業隊を３班編制し、宮崎県新富町などの消毒ポイント３カ所で車両消毒を開始。5月19日、52年振りに建て替えられた新管制塔の運用開始式が執り行われた。6月14日、口蹄疫の災害派遣で延べ人員1382名、車両197両を派遣し、車両34333両を消毒した。7月16日、口蹄疫が収束に向かったため、災派部隊は原隊に復帰した。2011年1月26日から新燃岳が噴火し、火山灰が滑走路に降り積もって訓練に支障が出たことから、2月15日に飛行教育航空隊の一部が小松基地へ、飛行教導隊の一部が百里基地に移動した。12月26日、滑走路のかさ上げ工事が完了し、本滑走路の運用を再開した。2013年12月6日、隊員クラブ・フェニックスのリニューアル工事が完了し、カフェバーラウンジ火の鳥がオープンした。2014年8月1日、飛行教導隊が飛行教導群に改編された。10月18-31日、訓練移転による日米共同訓練（タイプⅡ）を実施。アメリカ空軍第18航空団第67戦闘飛行隊F-15C/D戦闘機12機が展開した。2016年5月14日、飛行教導群が小松基地への移動記念式典を実施。6月10日、飛行教導群が小松基地への移動を完了した。6月17日、第301飛行隊がF-4EJ戦闘機４機でミッシングマン・フォーメーションを実施。7月25-26日、西部方面隊主催の三自衛隊統一広報パワー・アドベンチャーに協力し、基地見学を行った。8月31日、第305飛行隊が百里基地から移駐した。10月2日、第301飛行隊が壮行行事を実施。2017年6月16日、第305飛行隊がF-15J/DJ戦闘機４機でミッシングマン・フォーメーションを実施。2018年1月19-26日、アメリカ空軍嘉手納基地所属F-15C戦闘機６機との日米共同訓練を実施予定だったが、霧島連山の火山活動活発化で取りやめになった。6月15日、F-15J戦闘機３機とF-15DJ戦闘機１機でミッシングマン・フォーメーションを実施。8月9日、西部方面総監部主催の自衛隊ツアーであるパワー・アドベンチャーに協力した。8月18-19日、まつり宮崎2018に広報室が協力した。2019年1月3日、熊本地方を震源とする最大震度６弱の地震が発生したため、U-125A救難捜索機で情報収集を実施、1月4日に終了した。2020年2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。10月7日、第305飛行隊 F-15J戦闘機４機がミッシングマン・フォーメーションを実施。10月26日、キーン・ソード21に参加するアメリカ空軍第18航空団第67戦闘飛行隊F-15C/D戦闘機12機が嘉手納基地から飛来。11月7日、宮崎県新富町商工会主催の散策ウォークラリーを支援し、基地に県民160人が訪れた。12月21日、基地司令と基地准曹会有志６名が宮崎県立児湯るびなす支援学校を訪問し、クリスマスプレゼントを手渡した。2022年2月28日、第301飛行隊 F-35A戦闘機２機（F-35AX-21など）と第302飛行隊 F-35A戦闘機２機（F-35AX-24など）が午前に飛来し、午後に離陸して那覇基地に向かった。3月7-11日、第204飛行隊 F-15J/DJ戦闘機３機が展開し、BAK-12着陸拘束装置によるフックランディング訓練を行った。3月13日、基地所属F-15戦闘機４機がユニリーバスタジアム新富で行われたサッカーJ3開幕セレモニーで航過飛行を行った。5月28日、隊員有志が宮崎県新富町富田浜で清掃活動を実施。6月9日、第305飛行隊 F-15J/DJ戦闘機４機がミッシングマン・フォーメーションを実施。6月20日、若手隊員28名に部内広報（基地概要説明、航空機見学、警備犬訓練見学）を実施。7月31日、３年振りに夏休みちびっ子・ヤング大会／第41回新田原基地剣道大会を実施。8月6日、基地幹部会、准曹会、２曹３曹会の有志が、家族、新田原基地OB会、ウミガメ保護活動者らと共に、新富町富田浜の清掃活動を行った。9月21-25日、有志隊員300名が宮崎県西都市と新富町で台風14号被害復旧ボランティアに参加。12月12-21日、飛行教導群がF-15J戦闘機２機（第303・第306飛行隊から１機ずつ借りた）とF-15DJ戦闘機４機で展開し、第５航空団（築城基地の第８航空団も対象だったらしい）への巡回教導訓練を行った。2023年3月6日1037頃、対領空侵犯措置のためランウェイ10から離陸滑走を開始したF-15J戦闘機が、何らかの理由により滑走を停止したが、滑走路上で止まりきれず逸脱した。操縦士に怪我は無く、機体はクレーンで回収されている。10月7日、鹿児島地本が入隊希望者19人に基地見学を実施。2024年5月29日、アメリカ海軍F/A-18F戦闘機が予防着陸した。5月30日に整備員を乗せたHSC-12所属MH-60S汎用ヘリ２機が飛来し、整備の後、同日1930頃に離陸している。参考：新田原基地ホームページ、世界の傑作機No.104、月刊JWings6,’10別冊付録、3,’17、4,’11、3,’12、10,’14、1,’15、4,’15、9,’16、9,’17、4,’18、9,’18、5,’20、1,'21、5,'22、6,'22、9,'22、3,'23、5,'23、8,'24、MAMOR vol.42、vol.117、vol.147、月刊航空ファン1,’15、8,’16、11,’16、朝雲

＜新田原基地（２００７年度）＞：第５航空団第301飛行隊（F-4EJ改戦闘機、T-4練習機）、飛行教導隊（F-15J/DJ戦闘機、T-4練習機）、飛行教育航空隊第23飛行隊（F-15J/DJ戦闘機、T-4練習機）、航空救難団新田原救難隊（U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリ）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜新田原基地（２０１４年改編前）＞：第５航空団第301飛行隊、飛行教導隊、飛行教育航空隊第23飛行隊、新田原救難隊、西部航空施設隊第２作業隊、新田原管制隊、新田原気象隊が所在している。参考：月刊JWings8,’14

＜新田原基地（２０１５年）＞：第５航空団、同団第301飛行隊、同団整備補給群、同団基地業務群、飛行教導群、新田原救難隊、飛行教育航空隊、西部航空施設隊第２作業隊、新田原管制隊、新田原気象隊、新田原地方警務隊が所在している。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜新田原基地（２０２０年）＞：第５航空団、第５航空団第305飛行隊（F-15J/DJ戦闘機、T-4練習機）、飛行教育航空隊第23飛行隊（F-15J/DJ戦闘機、T-4練習機）、航空救難団新田原救難隊（U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリ）などが所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜新田原救難隊＞：航空自衛隊の救難隊。九州中南部を担当する。1960年3月1日、新田原救難分遣隊として救難航空隊隷下に新田原基地で新編された。使用機はT-34A捜索救難機とH-19B救難ヘリである。1961年7月15日、上級部隊が航空救難群に改編された。1964年9月1日、新田原救難隊に改称された。1970年9月2日、航法訓練のためMU-2S救難機１機が新田原基地を離陸。八尾飛行場で昼食と燃料補給を行い、小松基地に向かったが、彦根付近を飛行中に左エンジンが異常を起こし、1410頃に滋賀県彦根市に墜落、乗員４名全員が殉職し、民間住宅が全焼した（住人は外出中で無事）。全焼した住宅の住人は自宅敷地内に慰霊碑を建立し、近隣の誓念寺と合同で毎年慰霊を行っており、2019年5月26日に救難隊長以下３名が住人と誓念寺に感謝状を贈呈している。1971年3月1日、上級部隊が航空救難団に改編された。1973年4月11日、MU-2S救難機が宮崎県尾鈴山に墜落し、乗員４名全員が殉職した。2009年5月17日、鹿児島県総合防災訓練に参加。2010年3月1日までの50年間の救助実績は、航空救難が54件34名、災害派遣が258件381名。3月6日、創立50周年記念行事を実施。6月24日、宮崎県延岡市沖で漁船が行方不明になったため、2230に第10管区海上保安本部長から第５航空団司令に災害派遣要請があり、2300からU-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリ１機で捜索に入った。6月25日0010、UH-60J救難ヘリが漁船を発見して海上保安庁に連絡したが、乗員は見つからず、0200に海上保安庁から撤収要請が出た。2015年7月13日0252頃に大分県南部で発生した最大震度５強の地震の情報収集をU-125A救難捜索機１機で実施。2016年4月6日、鹿屋航空基地の北10kmで行方不明になった飛行点検隊 U-125飛行点検機の捜索に参加。4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。12月7日に墜落したVMFA-115所属F/A-18C+戦闘機のパイロット捜索に参加。2017年7月5日に発生した九州北部豪雨の災害派遣に参加。7月11日1156頃、鹿児島湾を震源とするマグニチュード5.3・最大震度５強の地震が発生したため、航空機で情報収集を行った。11月5日、四国とその周辺海空域で南海トラフ地震を想定した平成29年度日米共同統合防災訓練に参加。2018年7月5日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。12月6日に発生したF/A-18D戦闘機とKC-130J空中給油輸送機の墜落事故の捜索救助に関する災害派遣に参加。2019年8月28日から佐賀県大雨の災害派遣に参加。12月10日、宮崎県双石山で男性１人が滑落し行方不明になったため、1325に宮崎県知事から第５航空団司令に災害派遣要請があり、1355にUH-60J救難ヘリ１機が現場上空に到達して捜索を開始、消防が発見した男性を収容すべく救難員３名をホイスト降下させて滑落地点から収容地点まで男性を運び、1609にホイストで機内に収容、1626に宮崎空港でドクターヘリに引き継いだ。1644に撤収要請が出されている。2020年2月26日、飛行教育航空隊が行った山岳地における保命訓練に協力した。7月4日に発生した九州豪雨の災害派遣に参加。9月7日、U-125A救難捜索機１機とUH-60J救難ヘリ１機で台風10号の被害情報収集を行った。9月14日2014、宮崎県知事から急患空輸に係る災害派遣要請があり、2143にU-125A救難捜索機が先天性心疾患の新生児と医療関係者計４人を乗せ新田原基地を離陸、2208に福岡空港に着陸してドクターカーに引き継いだ。2022年8月15日、民間ヘリ捜索の災害派遣にU-125A救難捜索機１機で参加。9月20日、台風14号被害確認のためU-125A救難捜索機１機とUH-60J救難ヘリ１機が宮崎県で航空偵察を実施。11月29日、屋久島沖で墜落した第21特殊戦飛行隊 CV-22B特殊戦機の捜索活動に参加。1607、U-125A救難捜索機延べ２機が捜索救難活動を開始。1610、UH-60J救難ヘリ延べ３機が捜索救難活動を実施。11月30日0005、UH-60J救難ヘリ延べ４機が捜索救難活動を開始。0330、U-125A救難捜索機延べ３機が捜索救難活動を実施。12月11日、UH-60J救難ヘリが捜索を終了。12月13日、U-125A救難捜索機が捜索を終了。2023年1月25日、長崎県男女群島西で貨物船乗員救助の災害派遣にU-125A捜索救難機２機とUH-60J救難ヘリ２機で参加。参考：航空救難団ホームページ、月刊JWings5,’10、10,’15、6,'16、2,’20、5,’20、9,'20、11,'20、11,'22、月刊航空情報11,’10、月刊航空ファン1,’15、7,’16、2,’17、10,’17、11,’18、2,’19、MAMOR vol.141、vol.154、朝雲

　＜新田原救難隊（１９７５年）＞：航空救難団隷下で、新田原基地に置かれている。V-107、S-62、MU-2、T-34を装備する。参考：月刊軍事研究10,’75

　＜新田原救難隊（１９８５年）＞：航空救難団隷下で、新田原基地に置かれている。MU-2S救難捜索機、KV-107救難ヘリを装備する。参考：月刊JWings7,’24

　＜新田原救難隊（２００５年）＞：航空救難団隷下で、新田原基地に置かれている。U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリを装備する。参考：月刊JWings7,’24

　＜新田原救難隊（２０１５年）＞：航空救難団隷下で、新田原基地に置かれている。U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリを装備する。参考：月刊航空ファン4,’16

　＜新田原救難隊（２０２０年）＞：航空救難団隷下で、新田原基地に置かれている。U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリを装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜新田原展望広場＞：新田原基地を気軽に展望できる広場。ランウェイ28エンド南側の基地から道路１本挟んだ向かい側にあり、ひな壇式の展望台を備え、ランウェイ10側まで一望できる。駐車場26台分、トイレ、水道、東屋も完備。2020年4月1日にオープンした。参考：月刊JWings6,’20

＜新田原飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和15年に開設され、熊谷陸軍飛行学校分教所及び大刀洗航空工場分廠が置かれた。1200mコンクリート滑走路を持つ。昭和16年、落下傘部隊が移駐した。太平洋戦争終結後は開拓農地として払い下げられたが、昭和32年に航空自衛隊新田原基地になった。参考：月刊JWings10,’15

＜入湯外出＞：入湯上陸を参照。

＜入湯上陸＞：日本海軍用語で、公用、休暇、転勤以外の上陸のこと。艦船が入港すると大抵許可される。下士官は半舷上陸（２日に１度）、兵は土日祝祭日が半舷上陸で、平日は四分の一上陸（４日に１度）である。陸上の部隊では入湯外出という。あまり遠くに行ってしまうと有事の際に戻れなくなるので、一定の区域よりも外に出る場合には区域外外出の許可証が必要である。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典、続日本海軍よもやま物語

＜ニュートン＞：A367（試験艦）またはＮ（単位）を参照。

＜ニュートン級＞：イギリス海軍試験艦Newton級。海中音波伝搬状況やソナー特性の観測が主任務である。水中聴音機敷設用として船体前後にシーブ、艦橋直前にＡフレーム・クレーンを備えており、船倉内にケーブル400トンを収容でき、計測室、暗室、計算機室を持つ。全長98.6m、幅16m、吃水5.7m、基準排水量3940トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力2680馬力、速力14ノット。A367ニュートンが1976年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ニュートンてき弾＞：No22てき弾を参照。

＜ニューナンブ拳銃＞：57型拳銃を参照。

＜ニューナンブＭ６０＞：日本の警察用制式拳銃。開発・製造は新中央工業（現ミネベア）で、1960年に採用された。３インチ・バレル・モデルと、私服警官用の２インチ・バレル・モデルがある。使用弾は.38Spl、装弾数５発。参考：GUN用語事典

＜ニューナンブＭ６５シリーズ＞：自衛隊試作サブマシンガン。アメリカから供与されたサブマシンガンが老朽化したため、1960年代初頭から新中央工業（現ミネベア）に試作を依頼したものである。自動小銃の配備が優先されたのと、アメリカ軍との兵站を一元化する必要上、採用はされなかった。参考：月刊PANZER8,’01、スピアヘッドNo.13

　＜ニューナンブＭ６５＞：外見はカールグスタフM45に似ている。銃身には太いバレルジャケットが巻かれ、機関部も円筒状で銃身と滑らかに繋がっている。機関部後端にグリップがあり、折り畳み式の金属銃床を持つ。弾倉挿入部はフロントグリップとしての機能もあり、ここにグリップ・セーフティとセミ・フルオートのセレクティブ・ファイアの撃発機構がある。全長700mm／500mm（銃床折り畳み時）、銃身長140mm、重量4kg。口径9mm。作動はブローバック、発射速度毎分550発。弾倉は30発入りボックスマガジン。参考：月刊PANZER8,’01

　＜ニューナンブＭ６６＞：発射速度を毎分465発に落としたもの。参考：月刊PANZER8,’01

＜ニュー・ハノーヴァー＞：AKA-73（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ニュー・ハンプシャー＞：BB-70（戦艦）またはSSN-778（原潜）を参照。

＜ニューファンドランド＞：59（軽巡洋艦）を参照。

＜ニュー・ベドフォード＞：PF-71（フリゲート）を参照。

＜ニュー・ヘブン＞：CL-76（クリーブランド級軽巡洋艦、初代）またはCL-109（クリーブランド級軽巡洋艦、２代目）を参照。

＜ニューベリー＞：APA-158（攻撃輸送艦）を参照。

＜ニューポート＞：G54（駆逐艦）またはLST-1179（戦車揚陸艦）またはPF-27（フリゲート）またはT-EPF-12（遠征用高速輸送艦）を参照。

＜ニューポートアダプター＞：自衛隊の機器。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究5,’17

＜ニューポート級＞：アメリカ海軍戦車揚陸艦Newport級、基本計画番号SCB-405。従来の戦車揚陸艦は擱座着岸に必要な艦首形状の関係で速力が出せず、他の揚陸艦と両用戦任務部隊を編成するのが困難だったため、ランプとバウ・ドアを廃止して通常の艦首形状とし、20ノット出せるようにしたものである。擱座着岸は行えないが、代わりに艦首前甲板に大型の固定デリック（ホーン）を装備しており、これにより前甲板両舷の溝に填め込んで格納した長さ34m・重さ75トンのアルミ合金製導板を前甲板から展開、車両を揚陸させる。海岸が遠浅で導板の長さが足りない場合は、艦後部両舷に２基ずつ搭載するポンツーン（長さ20m）を継ぎ足し、最大80m延長できる。車両甲板（床面積1600平方メートル）に搭載した車両は艦内のランプで前甲板に上げてから導板で揚陸を行う。船体中央の上構が船体幅一杯に作られているので、後甲板に車両を積んだ場合には、上構中央の車両連絡通路を通って前甲板から揚陸させる。後甲板はヘリ甲板としても使用できる。艦尾には下ヒンジのスターン・ゲートがあり、車両甲板に積んだ水陸両用車両の発進が可能である。艦首下部にバウ・スラスターを持つ。機関室は第１－第３の３室あり、上構後方左舷側の煙突から２室分、その後方右舷側にあるデリック・ポスト兼用煙突から１室分の排気を排出する。主錨も艦尾錨も右舷側に搭載する。全長159.2m、幅21.2m、吃水5.3m、軽荷排水量4793トン、満載排水量8450トン。主機はアルコ社製（LST1179-1181はGM製）ディーゼル６基２軸16500馬力、航海速力20ノット、最大速力22ノット、航続距離は14ノットで14250海里。兵装は50口径76mm連装速射砲２基（上構後端上部両舷）、20mmCIWS１基（上構前上部中央）。乗員290名。兵員420名や車両（戦車なら29両）など500トンを搭載できる。LST-1179ニューポート、LST-1180マニトウォク、LST-1181サムター、LST-1182フレスノ、LST-1183ペオリア、LST-1184フレデリック、LST-1185スケネクタディ、LST-1186カユーガ、LST-1187タスカルーザ、LST-1188サギノー、LST-1189サン・ベルナルディノ、LST-1190ボールダー、LST-1191ラシーン、LST-1192スパータンバーグ・カウンティ、LST-1193フェアファックス・カウンティ、LST-1194ラ・ムーア・カウンティ、LST-1195バーバー・カウンティ、LST-1196ハーラン・カウンティ、LST-1197バーンスタブル・カウンティ、LST-1198ブリストル・カウンティの20隻が1969-72年に竣工した。もう７隻作る予定だったが、中止されている。2003年までに全艦除籍されており、他国に引き渡されたものも多い。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船5,’91、8,’82増刊、11,’19、12,’13、2,’14、8,’16、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ニューポート級・海外シリーズ＞

　＜ニューポート級（スペイン海軍）＞：スペイン海軍戦車揚陸艦。アメリカ海軍からLST-1196ハーラン・カウンティとLST-1197バーンスタブル・カウンティの２隻が引き渡され、ピサロなどとして就役した。全長159.2m、満載排水量8687トン。主機はディーゼル、速力20ノット。LCVP２隻、LCPL２隻、兵員374名、車両500トンを搭載可能。参考：月刊世界の艦船12,’12

　＜ニューポート級（台湾海軍）＞：台湾海軍戦車揚陸艦、別名Chung Ho級。アメリカ海軍から２隻が貸与され、1995年に引き渡され、整備を受けた後1997年に艦番号232中和及び233中平として就役した。全長171.3m（159.2m？）、全幅21.2m、吃水5.3m、満載排水量8450トン。主機はディーゼル、出力16500馬力、２軸推進、速力20ノット。LCVP３隻、LCPL１隻、車両500トンまたは貨物2000トン、揚陸部隊400名を搭載できる。兵装は76mm連装砲２基、20mmCIWS１基。乗員257名。後に76mm連装砲２基を40mm連装機関砲２門に換装した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船12,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ニューポート級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍戦車揚陸艦。LST-1186カユーガをリースして1994年にマトソ・マイヤとして就役させた。全長159.2m、満載排水量8898トン。主機はディーゼル、速力20ノット。兵装はファランクス１基。LCPL２隻（１隻？）、LCVP３隻、車両2600トン、兵員351名（400名？）を搭載できる。2000年に購入した。参考：月刊世界の艦船12,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ニューポート級（マレーシア海軍）＞：マレーシア海軍戦車揚陸艦。元はアメリカ海軍ニューポート級戦車揚陸艦 LST-1192スパルタンバーグ・カウンティである。艦番号1505 スリ・インデラ・プテラが就役した。参考：JShips Vol.24

　＜ニューポート級（モロッコ海軍）＞：モロッコ海軍戦車揚陸艦。1994年にLST-1198ブリストル・カウンティを購入し、1995年にシディ・モハメッド・ベン・アブダラーとして就役させた。全長159.2m、満載排水量8586トン。主機はディーゼル、速力20ノット。LCVP３隻、LCPL１隻、車両500トン、兵員400名を乗せられる。参考：月刊世界の艦船12,’12

　＜パパロアパン級＞：メキシコ海軍戦車揚陸艦Papaloapan級。LST-1179ニューポートを2001年に、LST-1184フレデリックを2002年に購入したものである。全長159.2m、幅21.2m、吃水5.3m、満載排水量8586トン。主機はディーゼル、速力20ノット。兵装は76mm砲４門。ヘリ甲板を持つ。LCVP３隻、LCPL１隻、車両500トン、兵員400名を乗せられる。リオ・パパロアパンなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船12,’12、JShips Vol.24、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニューポート・ニューズ＞：CA-148（重巡）またはSSN-750（原潜）を参照。

＜ニューポート・ニューズ衝突事故＞：2007年1月9日0415頃（日本時間。現地時間では8日2245頃）、原油を搭載してペルシャ湾のホルムズ海峡を通過中の川崎汽船所属大型タンカー最上川（全長333m、幅60m、総トン数16万トン）が、潜航中のSSN-750ニューポート・ニューズ（ペルシャ湾からソマリア方面に向かう途中だったらしい）と接触、左船底第５バラストタンクに５箇所の穴が開き、4000トンの海水が浸水した。最上川は排水ポンプを作動させてUAEの沖で仮修復を行い、11日に出港してシンガポールに向かっている。原因は、ホルムズ海峡の浅海を通過中のSSN-750ニューポート・ニューズが、真上を通過した最上川からベンチュリ効果によって生じた上向き海流に巻き込まれて急激に浮上してしまったためとされる（最上川は潜水艦を探知できないので、事故の責任は付近の船舶の確認を怠った潜水艦側にある）。参考：月刊軍事研究4,’07

＜ニューポート・ニューズ造船会社＞：アメリカの造船会社。元はコリス・ポッター・ハンチントンが石炭運搬船修理のため1886年に設立したチェサピーク乾ドック及び建造社で、1890年にニューポート・ニューズ造船・乾ドック社（Newport News Shipbuilding & Dry Dock Co.）に改称した。1897年に砲艦３隻を引き渡したのを皮切りに、多数の水上戦闘艦、CV-4レンジャーなどの空母、潜水艦（原潜含む）を建造した他、1961年以降はアメリカ唯一の空母造船所となっている。1968年、パイプライン会社のテネコに買収された。1975年、全長662mの12号乾ドックが完工した。1996年、テネコ社の傘下から独立してニューポート・ニューズ造船所（Newport News Shipbuilding）となった。2001年11月、ノースロップ・グラマン社に吸収合併され、ノースロップ・グラマン社ニューポート・ニューズ・セクターとなった。すぐにノースロップ・グラマン社傘下のインガルス造船所、アヴォンデール造船所と共にノースロップ・グラマン・シップ・システムズとして纏められている。2011年3月、ノースロップ・グラマン・シップ・システムズがハンチントン・インガルス・インダストリーズとして独立したため、こちらの事業部になった。参考：月刊世界の艦船8,'22、12,’16、6,’05、月刊軍事研究9,’07

＜ニューポールⅣＧ＞：エンジンはノーム50馬力、プロペラはショービエール木製２翅（直径2.6m、ピッチ1.32m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜ニューポールⅣＭ＞：エンジンはノーム100馬力、プロペラはショービエール木製２翅（直径2.55m、ピッチ2m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜ニューポール１１＞：ニューポール社の一葉半戦闘機、ニックネームはベベ（Bebe）。1915年に開発された。全幅7.52m、翼面積13.3平方メートル。エンジンはル・ローヌ（80馬力）。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ニューポール１６＞：ニューポール社の一葉半戦闘機。ニューポール11のエンジンを110馬力に強化したものである。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ニューポール１７シリーズ＞：ニューポール社の一葉半戦闘機。ニューポール16を一回り大きくし、主翼を大型にして運動性や上昇性能を強化している。固定武装はヴィッカーズMk.Ⅰ重機関銃１丁。フランス軍、イギリス陸軍（1916年5月から飛行中隊５個に配備）・海軍（飛行中隊８個に配備）、イタリア軍（マッキ社で150機をライセンス生産）、ロシア軍、オランダ軍、ベルギー軍、フィンランド軍、アメリカ軍が採用したが、ドイツ軍アルバトロスD.Ⅲ戦闘機にボロ負けした。参考：月刊航空ファン7,’15、月刊JWings10,’24

　＜ニューポール１７Ｃ．１＞：全長5.86m、全幅8.16m、全高2.40m、自重375kg、全備重量560kg。エンジンはル・ローヌ9J空冷星型９気筒ロータリー（110馬力）単発、最大速度167km、航続時間1.5時間。武装はヴィッカーズMk.Ⅰ重機関銃１丁。乗員１名。参考：月刊JWings10,’24

　＜ニューポール１７ｂｉｓ＞：エンジンをクレルジェ9B（130馬力）に換装したもの。参考：月刊JWings10,’24

＜ニューポール２４＞：ニューポール社の一葉半戦闘機。ニューポール17の改良型で、胴体断面を円形にし、翼端を丸め、垂直尾翼と尾ソリに改設計を加えている。1917年春からフランス軍に配備されたが、ニューポール17と性能があまり変わらず、夏にはスパッドⅩⅢと交代して訓練用に回された。参考：月刊航空ファン8,’15

＜ニューポール２４海外シリーズ＞

　＜ニ式二四型練習機＞：日本陸軍練習機。当初はニューポール式十五平方米単座練習機と呼ばれていた。大正6年に渡仏した陸軍中尉が推薦し、8月に発注され、10月に横浜に到着しており、大正7-8年にも輸入され、更に陸軍航空部補給部所沢支部、陸軍砲兵工廠、中島飛行機で国産もされている。エンジンはル・ローヌ9Cロータリー式９気筒ガソリン（80馬力）、ル・ローヌ9Jロータリー式９気筒ガソリン（110馬力。イギリスからの輸入）、ル・ローヌ9JBロータリー式９気筒ガソリン（120馬力。東京砲兵工廠と東京瓦斯電気工業で国産化）の３種類が用意されており、区別のため前１者はニ式二四型練習機（ロ式80馬力）、後２者はニ式二四型練習機（ロ号120馬力）と表記した。プロペラはル・バッサー木製２翅（直径2.5m）。大正10年10月、甲式三型練習機に改称された。こちらもエンジン出力の違いで後ろに（ロ式80馬力）や（ロ式120馬力）という注記が付く。参考：月刊航空ファン8,’15

＜ニューポール２９Ｃ１＞：フランス空軍複葉単座戦闘機。第１次大戦中に使用されたニューポール11の改良型で、戦後に製作されたスピード機のニューポール29を軍用にしたものである。参考：月刊丸12,’90

＜ニューポール２９Ｃ１海外シリーズ＞

　＜甲式四型戦闘機＞：日本陸軍戦闘機。中島飛行機がライセンス生産した。全長6.5m、全幅9.7m、総重量1150kg。エンジンはイスパノ・スイザ製イ式300馬力、プロペラはリュ・ミエール（「リュ」型）木製２翅（直径2.5m、ピッチ2.18m）、最大速度232km。参考：月刊丸12,’90、月刊航空ファン8,’19

　＜甲式四型戦闘機（東北軍）＞：東北軍戦闘機。抗日活動中の張学良率いる東北軍から日本陸軍に何故か航空指導者派遣要請があり、何故か日本陸軍も応じて昭和4年6月に下志津陸軍飛行学校教育部長と飛行第７連隊特務曹長を派遣、昭和5年5月に再度依頼があって八八式偵察機３機（５機や６機という説もある）、甲式四型戦闘機６機、教官団を送った。教育は冬まで行われたが、器材はそのまま残してきたらしい。昭和6年2月に東北軍から輸出依頼があり、甲式四型戦闘機６機を払い下げた。参考：月刊航空ファン6,’18

＜ニューポール３３海外シリーズ＞

　＜ニューポール三三型練習機（日本陸軍）＞：日本陸軍練習機。大正12-13年に数機を輸入した。参考：月刊航空ファン10,’16

＜ニューポール８１Ｅ２＞：ニューポール社の練習機。ニューポール13E2練習機の改良型である。コクピットはタンデムで、それぞれの操縦席に独立して風防が取り付けられており、複操縦装置を持つ。全長7.2m、全幅9.2m。エンジンはル・ローヌ、出力80馬力。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ニューポール８１Ｅ２海外シリーズ＞

　＜ニ式八一型練習機＞：日本陸軍初歩練習機、別名ニューポール式二十三平方米複座練習機。大正8年に招聘したフランスの航空団が練習用機材として持ち込んだ。ただ操縦性が初歩練習向きとは言えなかったらしく、早期に後継として乙式一型練習機を導入している。エンジンはロ式80馬力発動機、プロペラはレジー木製２翅（直径2.6m）。18機ないし38機を輸入し、陸軍航空部補給部で35機を生産、三菱で大正11年5月から大正12年3月に57機が完成した。大正10年10月、甲式一型練習機に改称された。所沢航空発祥記念館に機首の残骸とレプリカが展示されている。参考：月刊航空ファン7,’15、8,’19

＜ニューポール８２Ｅ２＞：ニューポール社の練習機。全幅11.9m。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ニューポール８２Ｅ２海外シリーズ＞

　＜ニ式八二型練習機＞：日本陸軍初歩練習機、別名ニューポール式二十八平方米複座練習機。10機くらい輸入した。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ニューポール８３Ｅ２＞：ニューポール社の複座練習機。コクピットはタンデムのバスタブ型で、風防は前席前方のみにあり、操縦装置も前席のみに付く。全長7.2m、全幅8.11m。エンジンはル・ローヌ、出力80馬力。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ニューポール８３Ｅ２海外シリーズ＞

　＜ニ式八三型練習機＞：日本陸軍初歩練習機、別名ニューポール式十八平方米複座練習機。大正8年に招聘したフランスの航空団が練習用機材として持ち込んだ。複座だが複操縦装置ではないので、二式八一型練習機での初歩練習を終えた後に階梯練習機として使われたが、練習機として実用的ではなかったらしく、二式八一型練習機よりも早く配備から外されている。エンジンはロ式80馬力発動機、プロペラはレジー木製２翅（直径2.6m）。25機を輸入し、陸軍航空部補給部で51機を生産、大正11年3-7月に中島が40機を完成させた。大正10年10月、甲式二型練習機に改称された。参考：月刊航空ファン7,’15、8,’19

＜ニューポール式十五平方米単座練習機＞：ニ式二四型練習機を参照。

＜ニューポール式十八平方米複座練習機＞：ニ式八三型練習機を参照。

＜ニューポール式二十三平方米複座練習機＞：二式八一型練習機を参照。

＜ニューポール式二十八平方米複座練習機＞：二式八二型練習機を参照。

＜ニューポール社＞：フランスの航空機会社で、1909年にエデュアール・ニューポールとシャルル・ニューポールの兄弟が創設した。1936年、他社との合併で消滅した。参考：月刊航空ファン7,’15

＜ニューマーケット＞：G47（駆逐艦）を参照。

＜ニューマン＞：APD-59（高速輸送艦）またはDE-205（護衛駆逐艦）を参照。

＜ニューマン・Ｋ・ペリー＞：DD-883（駆逐艦）を参照。

＜ニュー・メキシコ＞：BB-40（戦艦）またはSSN-779（原潜）を参照。

＜ニュー・メキシコ級＞：アメリカ海軍戦艦New Mexico級。ペンシルベニア級の改良型で、太平洋の反対側にある日本との戦いを意識して航洋能力を向上させており、艦首をクリッパー型にしてフレアを付けた。ヨーロッパ新型戦艦（主砲口径38cmクラス）に対抗すべく、主砲砲身長を50口径に延ばし、砲塔形状を改良、船体舷側副砲を廃止して船首楼側壁に移した。新造時から方位盤照準装置を装備しており、遠距離砲戦能力が高い。また、水平防御と水雷防御縦壁を強化して防御力も高めた。BB-40は航続性能比較のため主機にGE社製ターボ・エレクトリック方式を採用しており、配置は全缶・全機方式、缶室は３室あって３缶ずつを収め、煙突は１本で、缶室後方の機械室艦尾寄りに主発電機室と主電動機室を置き、交流発電機２基と主電動機４基を収容している。燃料消費量は蒸気タービン艦より10ノットで10.7%、全速で24.4%向上した。全長190.2m（BB-41は190.7m）、幅29.7m、吃水9.1m、常備排水量32000トン、基準排水量33400トン（BB-41は33000トン）。主機はBB-40がターボ・エレクトリック方式、カーチス単胴直結タービン２基・バブコック＆ウイリアムス重油専焼水管缶（蒸気圧力1.93MPa・過熱蒸気）９基＋11500kW二相交流発電機２基＋7250軸馬力主電動機４基（推進軸直結）、BB-41がカーチス式高低圧並列型部分減速蒸気タービン４基、BB-42がパーソンズ式高低圧並列型部分減速蒸気タービン４基、主缶はBB-41・BB-42ともパブコック＆ウイリアムス重油専焼水管缶（蒸気圧力1.93MPa・飽和蒸気）９基、出力32000馬力（BB-41は27500馬力。BB-40が27000馬力、BB-41・BB-42が32000馬力？）、４軸推進、速力21.75ノット、重油搭載量3277トン、航続距離8000海里（10ノット）。兵装は50口径35.6cm砲Mk7連装砲塔４基、51口径12.7cm単装砲22門（BB-42は12門）、50口径7.6cm単装高角砲４門（BB-42のみ）、533mm水中発射管２門。装甲厚は舷側343mm、甲板89mm、バーベット330mm、砲塔前楯457mm、砲塔天蓋127mm、司令塔406mm。乗員1084名（士官58名、下士官・兵1026名。計1930名？）。1914年度計画でBB-40ニュー・メキシコ、BB-41ミシシッピ、BB-42アイダホの３隻が建造され、1917-19年に就役した。第１次大戦時、船首楼と後甲板下の副砲が波を被って使えなかったため、後に撤去している。また、３番砲塔上と後甲板にカタパルトを装備、水上機３機を搭載した。1930-34年に近代化改装を実施し、主砲仰角を15度から30度に引き上げ、マストを籠から三脚式に変更、前檣楼とバルジを追加し、高角砲を25口径12.7cm砲に換装、主機をウェスティング・ハウス衝動反動型ギヤード・タービン４基に、主缶を新型（蒸気圧力2.07MPa、温度244℃）４基に換えた。これで幅が32.4m、出力が40000馬力（44044馬力？）、速力が23ノットになっている。太平洋戦争中も、副砲及び高角砲の38口径12.7cm両用砲10門（BB-42のみ防楯付き。12門？）への換装、レーダー追加、煙突延長、３番砲塔上のカタパルト撤去などの改装を続けた。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船3,’15、1,’12、12,’15、月刊丸11,’09

＜ニューヨーク＞：ACR-2（装甲巡洋艦）またはBB-34（戦艦）またはLPD-21（揚陸艦）を参照。

＜ニューヨーク・シティ＞：SSN-696（潜水艦）を参照。

＜ニューヨーク造船社＞：アメリカの造船会社で、1899年に設立された。装甲巡洋艦、戦艦、空母など大型艦中心に幅広い海軍艦艇の建造を行っていたが、1967年に閉鎖されている。参考：月刊軍事研究9,’07

＜入浴セット＞：陸上自衛隊の需品器材。師団補給隊に配備されており、２・1/2トントラックと牽引するトレーラーに搭載する。天幕１号キャンパス、風呂、湯沸かし器からなり、１時間に2000リットルの水を45度以上に加熱することが可能で、100名を入浴させることができる。浴槽容積1650リットル、上がり湯容積900リットル。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜入浴場＞：風呂を示す日本陸軍用語。参考：帝国陸海軍事典

＜ニュールック戦略＞：大量報復戦略を参照。

＜ニューロン＞：ヨーロッパが開発中のステルス無人戦闘航空機nEUROn。1999年にダッソー社（フランス）が構想を発表し、サーブ社（スウェーデン）、ヘレニック・エアロスペース・インダストリー社（ギリシャ）、EADS CASA（スペイン）、RUAG（スイス）、アレニア（イタリア）が開発に加わった。ヨーロッパでは新型有人戦闘機の開発計画が無いため、有人機用技術の維持開発も兼ねている。2003年のパリ・エアショーでモックアップが公開された。形状はB-2爆撃機に似た全翼機で、機首上面にエアインテイクが開口しており、レーダー、赤外線暗視装置などを備え、精密誘導兵器を含む多用な兵装をウェポンベイ２ヵ所に搭載する。完全自律飛行が可能だが、攻撃任務では地上局や誘導機（ラファール戦闘機またはJAS-39戦闘機、複座型。１機で１個編隊を指揮）からの指令により飛行する。全長9.5m（10m？）、全幅12.5m、標準離陸重量4.9トン、最大離陸重量７トン。エンジンはジャギュア攻撃機の退役機から流用したアドーアMk.951（推力23.7kN）、最大速度マッハ0.8、運用高度14000m。兵装ペイロード１トン。将来的にはラファール戦闘機と同じM88（推力48.7kN）を搭載予定である。2010年に技術デモンストレーターを初飛行させる予定だったが2012年12月1日にずれ込んだ。2014年までフランスで飛行試験を実施、2015年2月にフランスで空力・シグネチャー関連のテストを行い、8月25日にサルジニア島で実施していた飛行試験第２フェーズを終了した。9月から洋上運用を想定した飛行試験を15回行った。2016年5月17日、フランス南部イストル空軍基地で空母適合試験を開始。6月4日、イストル空軍基地航空祭（マルセル・ダッソー航空機設計開始100周年記念）に参加し、ラファールＣ戦闘機、ファルコン8Xと共に編隊飛行を行った。ただニューロンが編隊を組んだというよりは、ニューロンを先頭にして有人機が左右後方に付いていっただけかもしれない。その後はスウェーデンのヴィドセルで兵装投下などの実用試験、イタリアでステルス性・射爆撃・ネットワーク戦試験に入り、実用化は2020年以降となる予定。参考：月刊軍事研究2,’07、11,’10、4,’12、5,’15、11,’15、8,’17、月刊JWings9,’05、8,’11、3,’13、11,’17、月刊航空ファン8,’16、朝雲

＜ニューンザー＞：DE-150（護衛駆逐艦）を参照。

＜ニュランド旅団＞：ウーシマー旅団を参照。

＜ニュルンベルク（２代目）＞：ドイツ海軍ケーニッヒスベルク級（２代目）軽巡洋艦Nurenberg。1917年竣工。1922年、標的となり、沈没した。参考：近代巡洋艦史

＜ニュルンベルク＞：ドイツ海軍ニュルンベルク級軽巡洋艦Nurnberg。1935年11月2日竣工。1937年、スペイン内戦に参加。1939年12月12日、北海を横断してイギリスのタイン川沖に機雷を敷設したが、帰途にヘルゴランド沖でイギリス潜水艦N65サーモンの雷撃を受けて大破し、修理に６ヶ月を要した。この時後部魚雷発射管２基とカタパルトを撤去して機銃を増設している。修復完了後は護衛任務や訓練任務に就き、1941年6月に光学測距器を撤去してFuMO21レーダーを搭載した。1942年、FuMO25レーダーを搭載。1945年1月、カテガット海峡に機雷を敷設した。終戦時はコペンハーゲンにあり、連合軍に引き渡された。1946年1月、戦時賠償艦としてソ連に引き渡され、練習巡洋艦アドミラル・マカロフとなった。1959年に解体された。参考：月刊丸3,’90、8,’11、写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史、グラフィックアクション29

＜ニュルンベルク級＞：ドイツ海軍軽巡洋艦Nurnberg級。ドイツ海軍最後の軽巡である。ライプチヒ級の改良型で、船体を延長し、艦橋を大型化、対空兵装を強化し、砲塔装甲を強化している。煙突後方にカタパルトを持ち、当初はHe60を搭載、後にAr196とした。全長181.3m、幅16.4m、平均吃水4.9m、基準排水量6520トン（6980トン？）、満載排水量8380トン。主機はパーソンズ・ギヤード・タービン２基＋MAN社製ディーゼル４基、出力60000馬力（タービン）＋12400馬力（ディーゼル）、３軸推進（中央軸がディーゼル、両舷がタービン）、速力32ノット、航続距離5700海里（19ノット）。兵装は15cm３連装砲塔SKC25が３基、8.8cm連装高角砲４門、37mm連装機関砲４基、20mm単装機関砲４丁、533mm魚雷３連装発射管４基、機雷120個。装甲厚は水線部中央50mm、甲板最厚部25mm、主砲塔・バーベット32mm。航空機２機を搭載できる。乗員896名。1935年にニュルンベルクが竣工した。第２次大戦中に大破して修理を受ける際、カタパルトと３・４番魚雷発射管を撤去し、20mm機関砲などを搭載して対空兵装を強化した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史

＜ニュルンベルク諸原則の定式化＞：正式にはニュルンベルク国際軍事裁判所条例及び同裁判所の判決において認められた国際法の諸原則。1950年に国際法委員会第２会期で採択された。第１－第７原則からなり、国際法上の犯罪、責任、容疑者が裁判を受ける権利を定めている。参考：ベーシック条約集2018

＜ニュルンベルグ装置＞：ドイツ軍のECCM装置。第２次大戦時にイギリス軍のチャフ対策として開発した装置で、爆撃機のプロペラから反射してくる電波の微細変化を読み取ってチャフと見分けるものである。ベテランのレーダー手は、この装置を使わなくてもヴュルツブルグのレーダー画面から変化を読み取ることが可能だったという。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜によど＞：DE-221（護衛艦）またはFFM-7（護衛艦）を参照。

＜仁淀＞：日本海軍大淀型軽巡洋艦。建造中止となった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜仁良川飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和19年、栃木県河内郡薬師寺村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜ニリット＞：イスラエル海軍ミサイル艇Nirit。サール4.5型のヘリ設備を撤去して兵装を強化したものである。マストはタワー型になった。全長61.7m、幅7.6m、吃水2.8m、満載排水量488トン。主機はMTU社製16V538TB93ディーゼル４基、出力16376馬力、速力32ノット、航続距離3000海里（17ノット）。兵装はハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（上構後方）、ガブリエルⅡ艦対艦ミサイル単装発射筒６基（ハープーンの後方）、バラク艦対空ミサイル用８セルVLS４基（後甲板）、76mm単装砲１門（艦尾）、20mmCIWS１基（前甲板）、機銃２丁（上構両舷）。乗員50名。1990年10月進水。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜ニルガト＞：K44（２代目ヴィール級ミサイル艇）またはK89（初代ヴィール級ミサイル艇）を参照。

＜ニルギリ＞：F33（ニルギリ級フリゲート）またはF33（シヴァリクⅡ級フリゲート）を参照。

＜ニルギリ級＞：シヴァリクⅡ級（フリゲート）またはリアンダー級・海外シリーズ（フリゲート）を参照。

＜ニルデシャク＞：インド海軍サンダヤク級測量艦Nirdeshak。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ニルパク＞：インド海軍サンダヤク級測量艦Nirupak。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ニルビク＞：K88（ヴィール級ミサイル艇）を参照。

＜ニルブハイ＞：インド海軍地上発射中距離巡航ミサイルNirbhay（恐れを知らない、という意味のサンスクリット語）。全長6m、直径0.5m、発射重量1-1.5トン、弾頭重量0.45トン。弾頭は通常弾頭や12キロトン核弾頭など24種類あるらしい。巡航速度マッハ0.8-0.9、射程629海里以上（800-1000km？750-1500km？）。誘導は中間がINSで、弾頭の種類と使用目的によって他の誘導と組み合わせるとみられる。2013年3月12日にオリッサ州で初の発射試験が行われたが、予定距離の半分ほど飛んだところでコースを外れ、テスト中止となった。2014年、２回目の発射実験を行い、1000km飛翔して成功した。３回目と４回目は失敗している。航空機発射型や潜水艦発射型も開発しているらしいが、実射テストには至っていない。参考：朝雲、月刊軍事研究10,’17、月刊世界の艦船1,’16

＜ニルブヒク＞：K41（ヴィール級ミサイル艇）を参照。

＜ニルボイ級＞：バングラデシュ海軍哨戒艇Nirbhoy級。兵装は57mm連装砲２基、RBU1200対潜ロケット発射機４基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ニルマル＞：バングラデシュ海軍ダージョイ級哨戒艇２番艇Nirmul。2012年9月進水。2013年2月、バングラデシュに到着した。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜にれ＞：PF-287（警備船）を参照。

＜楡（初代）＞：日本海軍樅型駆逐艦３番艦。大正9年3月31日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年2月1日に除籍された。昭和15年10月15日、雑役船に編入された。昭和19年12月15日、第１泊浦と改称された。戦後に解体された。参考：日本駆逐艦史、日本海軍艦隊総覧

＜楡（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦27番艦。昭和20年1月31日竣工。6月22日、呉港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。昭和20年10月15日に除籍され、昭和23年4月20日に解体された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜ニレエクシャク＞：A15（潜水作業支援艦）を参照。

＜にわとり＞：日本海軍用語で、甲板士官のこと。ズボンの裾をまくって副長の手足となり怒鳴って回る姿から。参考：帝国陸海軍事典、月刊軍事研究10,’08

＜任官（日本海軍）＞：下士官以上に昇級すること。各鎮守府長官の名の下に行われる。一等兵を18ヶ月勤め、心身健康で勤務成績が良く、普通科練習生を修了すれば下士官に任官される。参考：海軍よもやま物語

＜任期制自衛官＞：定年ではなく勤務期間が定められている自衛官のこと。二等陸士は任官後１年９ヶ月、二等海士・二等空士は任官後２年９ヶ月の任期が定められており、本人の希望で２年間延期できる。参考：MAMOR vol.117

＜任期付自衛官＞：自衛官が育児休業や配偶者同行休業を安心して取得できるよう、休業中の自衛官の代わりに期間限定で元自衛官などを採用する制度（育児休業等代替要員制度）に基づいて採用された自衛官のことで、制度は2007年に開始された。任期は最大３年で、身分は自衛官、採用階級は退職時と同じか、それより下位である。参考：朝雲

＜任丘＞：613（哨戒艇）を参照。

＜人間位置・姿勢計測システム＞：防衛装備庁が開発しているUGV用行動制御システム。前線部隊に付随して運用されるUGVに操作員を割くと戦闘員が減ってしまうため、UGVが戦闘員のハンドシグナルやジェスチャーを認識して適切な行動を自律的にとってくれるようにするものである。UGVが測距や地形認識に使用する三次元LIDARの画像を流用し、人間の頭や手の部分を抽出して精密測距を行い、三次元位置を特定、人間の姿勢として認識することでジェスチャーを割り出す。特定の人間を三次元LIDARにより追尾し続けられるので、こっそり近づいた敵兵士がジェスチャーを出して乗っ取ろうとしても区別できる。参考：月刊軍事研究2,’17

＜人間魚雷＞：回天を参照。

＜人間魚雷＞：超小型の潜水艇で、魚雷型をしており、潜水装備を付けた乗員が跨って操縦し、敵艦に頭部の炸薬だけを取り付けて離脱、時限装置で炸裂させる。第２次大戦時にイタリア海軍がマイアーレを使用し、次いでイギリス海軍がチャリオットを開発した。参考：日本潜水艦物語、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜認識票＞：通称ドッグ・タグ。軍隊が個人識別に使用する金属板で、部隊名、個人番号、氏名などが刻まれており、傷病などで身元が分からなかったり、戦死したりした場合はこれで身元を確認する。参考：歴史群像8,’17、MAMOR vol.123

＜認識票（ＳＳ－ＶＴ）＞：武装親衛隊SS-VTの認識票。長径70mm・短径50mmの横に長い楕円形で、上部に２カ所、下部に１カ所の孔が開いていて、中央には横に３本の細長い切れ目がある。切れ目の上下にそれぞれ個人番号と所属部隊が刻印されていて、戦死すると下半分を折り取って書類の処理のために使用、上半分は身元確認のためそのままにした。参考：グラフィックアクション２

＜認識票（日本陸軍）＞：日本陸軍の認識票。楕円形の真鍮板で、上下に穴が空いており、将校なら部隊名と氏名、下士官・兵なら部隊号、中隊番号、兵籍番号が刻印されている。穴に綿製の紐を通し、右肩から左脇へとたすき掛けにして体に密着させる。参考：歴史群像8,’17

＜ニンジャ・タートル＞：フランス海兵隊やフランス外人部隊の防弾ジャケットに兵士が付けたニックネーム。参考：月刊PANZER11,’00、ウォーマシン・レポートNo.26

＜認証型プレデターＢ＞：MQ-9海外シリーズ（無人機）を参照。

＜認定交換部品移動システム＞：アメリカ陸軍の交換部品収容20フィート・コンテナ、略称ASLMS（Authorized Stockage List Mobility System）。交換部品コンテナのみ２個、ばら貯蔵品コンテナのみ２個、両者を１個ずつ、という組み合わせがあり、補給部隊のM1120重機動トラック＋M1076トレーラーに載せて前線整備に使用する。参考：月刊軍事研究10,’16

＜ニンテンドー＞：攻撃第一波を巡航ミサイルやステルス機などのハイテク兵器で行い、自軍の損害を殆ど出さずに攻撃すること。湾岸戦争以来付けられた通称である。由来はもちろん、任天堂。参考：月刊JWings3,’99

＜ニンハイ＞：PCL-1（駆潜艇）を参照。

＜ニンハイ級＞：寧海級（駆潜艇）を参照。

＜ニンポー＞：139（ソブレメンヌイⅡ型）を参照。

＜任務型機関砲システム＞：MGSを参照。

＜任務機材パッケージ＞：MEPを参照。

＜任務強化型リトルバード＞：AH-6J（ヘリ）またはAH-6M（ヘリ）またはMH-6J（ヘリ）またはMH-6M（ヘリ）を参照。

＜任務識別徽章（アメリカ陸軍）＞：着用者の任務を示すバッジで、制服の胸部に縫いつける。現役には大統領付徽章、副大統領付徽章、国防長官付徽章、統合参謀本部付徽章、陸軍参謀部付徽章、無名戦士の墓警護徽章、訓練担当軍曹徽章、陸軍募兵担当徽章、職業カウンセラー徽章、陸軍憲兵徽章、予備役昇降訓練隊看護婦候補生計画担当徽章（旧医療部隊募兵担当徽章）の11種類が、州兵と予備役には募兵担当徽章がそれぞれ用意されていて、徽章によって装着位置が左右異なる。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜任務対応防護状態＞：MOPPを参照。

＜ニンヤン＞：FF939（フリゲート）を参照。

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