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＜カ＞：日本海軍／海上自衛隊用語で、艦長のこと。参考：月刊軍事研究10,’13

＜科＞：海上自衛隊の組織で、固有の業務を遂行する。砲雷科、水雷科、船務科、航海科、機関科、飛行科、補給科、衛生科などがある。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜カ四弾＞：日本陸軍の黄燐焼夷弾。カを火にしなかったのは中国人に読まれないようにするためらしい。一〇〇式五十瓩投下焼夷弾の別名という説もある。参考：日本海軍の爆弾

＜カ−１６＞：九七式二号艦上攻撃機を参照。

＜カー＞：FFG-52（フリゲート）を参照。

＜ガー＞：SS-206（潜水艦）を参照。

＜カーウィン＞：APD-90（高速輸送艦）またはDE-229（護衛駆逐艦）を参照。

＜ガーカ＞：F20（駆逐艦）を参照。

＜ガーカ＞：イギリス海軍トライバル級フリゲートGurkha。1963年就役。後にインドネシア海軍に引き渡され、ウィルヘルムス・ザカリアス・ヨハンネスとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜ガーガニー＞：P194（防材敷設船）を参照。

＜ガーガニー級＞：イギリス海軍防材敷設船Garganey級。全長57.9m、幅11.2m、吃水4m、軽荷排水量850トン。主機はディーゼル、出力550馬力、速力10ノット。P194ガーガニー、P195ゴールデンアイが1966年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜カーク＞：DD-611（駆逐艦）またはFF-1087（ノックス級護衛艦）を参照。

＜ガーク＞：DD-783（駆逐艦）を参照。

＜カークパトリック＞：DE-318（護衛駆逐艦）を参照。

＜カークリストン＞：M1157（機雷掃討艇）を参照。

＜ガーゲット機関＞：GHQ総参謀第２部防諜隊札幌支部（防諜隊441部隊）の通称で、司令官がジョージ・ガーゲット大佐だったので、こう呼ばれる。北海道でソ連情報機関との諜報戦を行った。参考：月刊軍事研究7,’09

＜カーゲネック＞：エルボ・グラーフ・フォン・カーゲネック（Erbo Graf von Kageneck）。ドイツ空軍エース。1918年4月2日、ボン生まれ。1936年、ドイツ空軍に入隊。少尉となり、第１戦闘航空団第２中隊（後に第27戦闘航空団第８中隊に改称）に配属された。1940年5月12日、初撃墜を達成。9月18日、第27戦闘航空団第９飛行中隊の中隊長となった。1941年5月からシチリア島に展開。7月、37機撃墜を達成して騎士鉄十字章を受章した。12月24日、Bf109F-4に搭乗して出撃したが、リビア上空でハリケーンに撃墜され、1942年1月12日に死亡した。総撃墜機数67機。最終階級は大尉。参考：グラフィックアクション36、39

＜カーゴ＞：カマン・コーポレーションが開発している無人輸送機KARGO。アメリカ海兵隊遠征前進基地作戦EABO向けで、遠征前進基地間輸送を担う中型輸送機である。貨物は胴体下部のコンフォーマルポッドに収容するか、スリング輸送する。標準輸送コンテナに入れて搬送でき、２名で展開可能。全長6m以下、全幅2.4m以下、航続距離523マイル・841km（無搭載時）。最大積載量800ポンド・362kg。参考：月刊JWings12,’21

＜ガーゴイル＞：48N6（艦対空ミサイル）またはS-300PM（地対空ミサイル）を参照。

＜カーゴ・キャリアーＴ１６＞：ユニバーサル・キャリアーT16（輸送車）を参照。

＜カーゴ式迫撃砲弾（１２０ｍｍ）＞：スイスのムニションズ・エンタープライズ社ラージ・カリバーズ＆シェイプド・チャージ・システムズ部が開発した、スイス陸軍向けクラスター迫撃砲弾。安定翼６枚付きで、内部に対人・対装甲両用てき弾32発が内蔵されており、予定高度で散布用火薬が炸裂し、最大半径100mの範囲にてき弾をばらまく。目標に命中すると直ちに炸裂し、地面に落ちた場合には自爆装置により自動的に無力化される。てき弾の装甲貫徹力は70mm、弾片威力は爆発地点から距離5mで80ジュール。弾丸長763mm（信管無し）／827mm（DM93信管付）、弾丸重量14.8kg、てき弾直径42mm、炸薬重量33g。射程6000-7200m。参考：月刊軍事研究7,’99

＜カーゴドア＞：Cargo door。貨物用扉のこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜カーゴネット＞：自衛隊の機器。JALUX製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜カーゴ・バリアント＞：ハーパーズ・フェリー級（揚陸艦）を参照。

＜カーゴフック用カートリッジ（国産）＞：自衛隊の火工品。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜カーゴマスター＞：C-133シリーズ（輸送機）を参照。

＜カーゴローダー＞：ACL-2またはPDLC-65。全長9.3m、全幅2.45m、全高1.8m、総重量11.4トン。エンジンはトヨタ自動車工業製Ｈ型液冷６気筒（総排気量3576cc）、最大速度24km、燃料タンク容量70リットル。最大積載量6.5トン。乗員１名。ゼノアまたは神鋼電機製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜カーサ・グランデ＞：LSD-13（ドック型揚陸艦）を参照。

＜カーサ・グランデ級＞：アシュランド級（ドック型揚陸艦）を参照。

＜ガージ＞：パキスタン海軍潜水艦Ghazi。元はアメリカ海軍テンチ級潜水艦SS-479ディアブロで、1964年に貸与された。1971年12月3日夜、第３次印パ戦争でヴィシャカパトナム港外を行動中、インド軍の攻撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ガーシア＞：DE-1040（護衛駆逐艦）を参照。

＜ガーシア級＞：アメリカ海軍護衛艦Garcia級。ブロンスタイン級の改良型で、船体を大型化して砲撃力を強化、アスロック次発装填装置を搭載し、速力と航続力も増大したものである。船型は遮浪甲板型に変更し、上部構造物後端にダッシュ格納庫を設けた。船体中央部はスプリンター防御を施しており、構造部材を高張力鋼としている。艦首にAN/SQS-26AXバウソナー（DE-1047以降はAN/SQS-26BX）を搭載し、船体水線下にはフィン・スタビライザーを設けた。ソナーを避けるため、艦首左舷の錨はかなり後方に付く。主缶は缶内部をターボチャージャーにより圧力１平方センチあたり4.6kgに加圧できるタイプを使用し、機関部をコンパクトに纏めたが、高価で取り扱いや整備が難しかったようで、ノックス級では採用されなかった。DE-1047以降はアスロック次発装填装置を機力としたため、アスロック発射機が艦橋構造物直前に後退した。全長126.19m、幅13.41m、吃水7.32m（満載時）、軽荷排水量2440トン、満載排水量3371トン。主機はウェスティングハウス式高低圧２胴式ギヤード・タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー式過給型水管缶（圧力１平方センチあたり84.4kg、温度510℃）２基、出力35000馬力、１軸推進、速力27ノット、燃料はND海軍蒸留油、航続距離4000海里（20ノット）。兵装は38口径127mm単装両用砲Mk30が２門（FCSはMk56GFCS１基）、アスロック８連装発射機１基、483mm対潜魚雷固定式連装発射管１基（初期艦は艦尾に装備していたが、魚雷誘導用電纜がスクリューに絡まるため移設された）、324mm短魚雷３連装発射管２基、ダッシュ１組（DE-1041のみ実機搭載）。乗員209名。1964-68年にDE-1040ガーシア、DE-1041ブラッドレイ、DE-1043エドワード・マクダネル、DE-1044ブランビー、DE-1045デイヴィッドソン、DE-1047ヴォージ、DE-1048サンプル、DE-1049ケールシュ、DE-1050アルバート・デイヴィッド、DE-1051オカラハンが就役した。1975年にフリゲートに艦種変更された。FF-1048とFF-1050は後にAN/BQR-15曳航聴音アレイを装備したが、1982年に撤去された。８隻がダッシュ設備をヘリコプター設備に改装し、SH-2Dヘリコプター１機を搭載した。1988-89年に退役し、４隻ずつがブラジルとパキスタンに貸与されている。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船9,’96、10,’11、12,’13

＜ガーシア級・海外シリーズ＞

　＜ガーシア級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍フリゲート。４隻が貸与され、F-264セイフ、F-265アスラット、F-266ハイバル、F-267スウィクカットとして就役した。全長126.3m、幅13.5m、吃水4.4m、基準排水量2620トン、満載排水量3403トン。主機は蒸気タービン１基１軸35000馬力、速力27.5ノット。兵装はアスロック８連装発射機１基、38口径127mm単装砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基。SH-2Gヘリまたはアルエート１機を搭載できる。乗員270名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ガーシア級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍フリゲート。1989年に４隻が貸与され、D27パラ、D28パライバ、D29パラーニャ、D30ペルナンプコとして就役した。全長126.3m、幅13.5m、吃水4.4m、基準排水量2620トン、満載排水量3403トン。主機は蒸気タービン１基１軸35000馬力、速力27.5ノット。兵装はアスロック８連装発射機１基、127mm単装砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基。ウェストランドSAH-11リンクス対潜ヘリを１機搭載できる（D27パラはヘリ搭載改修を行っておらず、ダッシュ格納庫が残っている）。乗員270名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’96

＜カーショウ＞：APA-176（攻撃輸送艦）を参照。

＜ガース＞：L20（護衛駆逐艦）を参照。

＜カースター＞：イギリス海軍カンブリアン級軽巡洋艦Caster。1915年竣工。1925-26年に小改装を受けた。1936年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜ガーズマン＞：P-35ファミリー（練習機）を参照。

＜カースル＞：DD-720（駆逐艦）を参照。

＜カーゾン＞：K513（フリゲート）を参照。

＜カーソン・シティ＞：JHSV-7（統合高速輸送艦）またはPF-50（フリゲート）またはT-EPF-7（遠征用高速輸送艦）を参照。

＜カーター＞：DE-112（護衛駆逐艦）を参照。

＜カーダー部隊＞：ドイツ陸軍の部隊で、カーダー（CADRED）は補充教導の意。緊急時や戦時に部隊を充足する動員現役兵、訓練補充兵、召集予備役兵の教育訓練を行う部隊であり、現役将校・下士官が運営する。参考：月刊グランドパワー10,’94

＜カーター・ホール＞：LSD-3（アシュランド級ドック型揚陸艦）またはLSD-50（ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦）を参照。

＜カーチス・Ｗ・ホワード＞：DE-752（護衛駆逐艦）を参照。

＜カーチス・ウィルバー＞：DDG-54（駆逐艦）を参照。

＜カーチス社＞：アメリカの航空機会社。1910年、グレン・カーチスが設立した。1916年、カーチス発動機会社を分離。1929年7月、カーチス発動機会社を統合し、ライト社と合併してカーチス・ライト・コーポレーション（Curtiss-Wright Corporatioin）に改称した。1937年、P-36戦闘機がアメリカ陸軍航空隊に採用された。1939年、P-40がアメリカ陸軍航空隊に採用された。電動フルフェザリング・プロペラも開発してP-40、P-38、P-47に使用している。1948年、航空機部門を閉鎖した。プロペラ事業部など他の部門は存続している。参考：月刊JWings12,’21、1,'22、月刊丸10,’10、月刊航空ファン10,’19

＜カーチス・タービン＞：１895年にアメリカのカーチス技師が開発した速度複式衝動蒸気タービン。ノズルから出る蒸気を動翼、静翼、動翼の順に当てるもので、タービンに伝達される蒸気エネルギーのうち１列目の動翼には70%、２列目の動翼には30%が移行、蒸気速度は25%程度に減速する。回転数はド・ラヴァル式よりも低く、高圧タービンの初段に設置して熱量を吸収、蒸気速度を落とし、次段以降に効率の良いツェリー式・ラトー式・パーソンズ式を置くことが多い。1902年にジェネラル・エレクトリック社が発電機用に特許を購入した。1905年にはアメリカ海軍が偵察巡洋艦セイラム用として導入を開始、日本海軍も1905年起工の戦艦安芸と1907年起工の装甲巡洋艦伊吹用に採用した。ドイツでは1902年に製造権を持つトゥルビナ社から海軍大臣に製造権譲渡の話があったが、高額すぎたため拒否。ブロム・ウント・フォス社がトゥルビナ社とサブライセンス契約を結び、1908年起工の巡洋戦艦フォン・デア・タンから搭載した。1907年起工のアメリカ海軍ド級戦艦BB-29ノース・ダコタに搭載されたものは、タービン最終段をディスク式からドラム構造に改良、低圧蒸気の利用効率を上げている。この最終段は当初は衝動式だったが、後に低圧で効率の良い反動式に変更された。効率が低いという欠点があり、次第に高圧タービン初段もツェリー式やラトー式といった圧力複式タービンが使用されるようになっていった。参考：月刊丸11,’09、スピアヘッドNo.12、月刊軍事研究1,’16

＜カーチス・ライト社＞：カーチス社を参照。

＜カーツ＞：FFG-38（フリゲート）を参照。

＜加圧救出モジュール＞：SRDRSを参照。

＜加圧水型原子炉＞：軽水炉を参照。

＜加圧漏れＬＲＵ分離ツール＞：航空自衛隊のF-15戦闘機用レーダーセット加圧点検器材。レーダーセットの加圧点検は構成品を１カ所ずつ外して点検するため最大29時間も掛かっていたが、この器材を使えば構成品を外さずに点検でき、２時間で済む。開発者の第６航空団空曹３名・空士長１名には平成30年度下期優良提案褒賞が授与された。参考：朝雲

＜ガーディアン＞：AF-2シリーズ（艦上対潜機）またはCL-327（無人機）またはM1117シリーズ（装甲車）またはMCM-5（掃海艦）または第73航空隊（海自）を参照。

＜ガーディアン＞：アブダビの８×８輪装輪歩兵戦闘車。BTR-80の車体を大型化して車内容積を増大し、パワーパックを換装、タイヤ空気圧調整装置とパワーステアリングを採用し、エアコンも装備した。砲塔は新設計で、30mm機関砲BKA-2、7.62mm同軸機銃、ブルガリア製9M113コンクールス連装発射機（砲塔右に縦列装備）を搭載した。最大速度105km。生産はウクライナで、2003年から調達されている。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ガーディアン＞：アメリカ国土安全保障省の要求に基づき、ノースロップ・グラマン社がBAEアビオニクス及びセレックスESと開発した大型民間航空機用対ミサイルシステム。２人が10分で装着でき、軽量で抗力も小さく運航への影響が殆ど無いという触れ込みだったが、価格が高いといった欠点があり、民間では売れなかった。代わりにAN/AAQ-24としてアメリカ軍が導入している。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ガーディアン無人機シリーズ＞：ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ社製無人機（RPA、Remotely Piloted Aircraft）Guardian。MQ-9リーパーの民間型である。参考：月刊軍事研究8,’18、朝雲

＜ガーディアン＞：レイセオン社製AN/APS-134シーバリュー監視システムを搭載しており、機首下面に光学センサーターレット、中央胴体下面にセンサー収容フェアリングを持つ。主翼ハードポイントは廃止し、翼端にウイングレットを付け、機内燃料タンクを拡大、航続距離を延伸した。アメリカ税関とアメリカ国境監視局が配備しており、国境監視局は最大18機（うち６機が海洋監視型）を導入予定で、2010年5月から運用された。インド海軍が22機をFMSで導入する予定で、2017-18年の契約締結を目指して交渉を開始した。参考：月刊軍事研究9,’11、11,’16、世界航空機年鑑2018-2019

＜ガーディアンＥＲ＞：ガーディアンの改良型で、ERはExtra Rangeの略である。機首左右にバルジが追加されていて、内部にＸバンドAESAレーダーを収容、前方220度を監視して空中衝突回避システムとの組み合わせで空中衝突事故を防止するDRR（Due Regard Radar）を装備する。航続距離延伸のため燃料タンクを増設した。主翼下に６箇所のハードポイントがあり、救命ボートやソノブイを投下できる。民間型なので当然ながら兵装搭載能力は無い（武装させるならMQ-9を買った方が早い）。離着陸操縦は見通し内Ｃバンド・データリンク（胴体前部上下ポッドにアンテナ収容）、見通し外空中操縦はKuバンド衛星通信データリンク（機首上面フェアリングにアンテナ収容）を使う。最大離陸重量での離陸滑走距離は1500mで、プロペラ換装、ブレーキ強化、フラップ改良などにより1200mに短縮する改良を計画している。全長11m、翼スパン20m、最大離陸重量10500ポンド・4.763トン。エンジンはハネウェルTPE331-10ターボプロップ単発、推進は３翅プッシャー・プロペラ、最大速度240ノット、上昇限度15240m、燃料搭載量3900ポンド・1.769トン、最大滞空時間26時間。機内ペイロード850ポンド・0.386トン、機外ペイロード3000ポンド・1.361トン。地上制御ステーションは３軸トレーラー・コンテナ式だが、XC2可搬式軽量制御システムも使える。自衛隊が26中期防で導入する滞空型無人機に応募したが、グローバルホークに負けて採用されなかった。GA-ASI社では諦めずに洋上哨戒、災害時情報収集、環境モニタリング用として防衛省や海保などの日本政府機関に売り込み中んでおり、2018年5月9-24日にリンクス多機能レーダー、UHF/VHF無線機、空中衝突回避システムTCAS、自動従属監視システムADS-B、胴体下面ポッドにレイセオン社製シービュー（SeaVue）対水上監視レーダー（AN/APY-10の民間型。探知距離200km、同時追尾目標数5000）、機首下面にレイセオン社製MTS-B電子光学赤外線センサーを搭載して壱岐空港で飛行実証試験を行っている。遠隔操縦用Kuバンド衛星通信は日本上空をカバーするスカパーJSATの衛星を使った。試験中に集めた画像データはスパークコグニッションが情報分析用人工知能の試験に使った。参考：月刊航空ファン8,’18、月刊軍事研究8,’18、1,’15、月刊JWings8,'18、6,’17、7,’18

＜ガーディアン４００＞：ベトナム海軍海洋哨戒機。開発はカナダのバイキング・アビエーション社で、DHC-6-400ツインオッターの機首にEO/IRセンサーと捜索レーダーを搭載している。2011年に３機を発注した。参考：月刊JWings8,’13

＜ガーディアン−ＬＳ＞：ジーニアス社（エルビット社とIAI社の合弁）が開発したUGV。ガーディアン警備用UGVをベースとしており、歩兵の荷物やセンサーを搭載して歩兵に随伴行動する。自律行動能力や航法能力を持つが、運転席があり、有人運転も可能である。全長3.4m、全幅1.7m、全高2.2m、重量1.2トン。エンジンはユーザーが選択可能。ペイロード1.2トン。イスラエル国防軍がナシュホンとして採用する予定である。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ガーディアン・エンジェル＞：発着艦事故救難のこと。参考：月刊世界の艦船10,’18

＜ガーディアン級＞：アメリカ海軍レーダー・ピケット艦Guardian級。リバティ船を徴用してレーダー・ピケット艦に改造したもので、AN/SPS-8B高角測定レーダー、AN/SPS-29/-37対空捜索レーダー、AN/SPS-12対空捜索レーダーを搭載して哨戒任務を行う。全長134.5m、満載排水量10760トン。主機はレシプロ蒸気機関１基１軸2500馬力、速力12.5ノット。兵装は76mm単装両用砲２門。AGR-16ウォッチマンなどが就役した。参考：月刊世界の艦船10,’13

＜ガーディアン級＞：イギリス海軍設網艦Guardian級。防潜網を港湾や泊地に敷設するのが主任務で、平時には標的曳航・弾着観測などに使用された。全長103m、基準排水量2860トン。速力18ノット。兵装は10cm単装砲２門。1933年にガーディアンが竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ガーディアン級＞：サモアの哨戒艇Guardian級。オーストラリアがSEA3036PPB-R計画で建造したものである。ナファヌア�Uが2019年に就役した。参考：月刊世界の艦船11,’19

＜ガーディアン級＞：パプア・ニューギニアの哨戒艇Guardian級。オーストラリアがSEA3036PPB-R計画で建造したもので、４番艇ギルバート・トロポなど４隻が2023年までに納入された。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜ガーディアン級＞：ミクロネシア連邦の哨戒艇Guardian級。オーストラリアがSEA3036PPB-R計画で建造したものである。１番艇トシオ・ナカヤマなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜ガーディアン・ノース１６＞：航空自衛隊とイギリス空軍が2016年10月17日から11月6日に三沢基地と周辺空域で実施した共同訓練Guardian North 16。空自がイギリス空軍と行う初の共同訓練で、国内を拠点にアメリカ以外の国と実施する初の共同訓練でもあり、2016年1月の日英2+2で開催が決まった。参加したのは北部航空方面隊第２航空団F-15J戦闘機４機、同第３航空団F-2A戦闘機２機、同F-2B戦闘機２機、イギリス空軍タイフーンFGR.4戦闘機４機、ボイジャーKC.3空中給油機１機、C-17輸送機２機、兵員200名。イギリス空軍部隊は極東展開演習イースタン・ベンチャーの一環として訓練を組んでいる。10月17日、イギリス先遣隊が三沢基地に到着。10月21日にタイフーンFGR.4戦闘機が到着予定だったが、フィリピン付近を通過中の台風22号による天候悪化で翌日に延びた。10月22日1833、タイフーンFGR.4戦闘機２機が三沢基地に着陸。1837、タイフーンFGR.4戦闘機２機が三沢基地に着陸。1840、ボイジャーKC.3空中給油機１機が三沢基地に着陸。10月23日1730、C-17輸送機１機が三沢基地に着陸。10月24日朝、ボイジャーKC.3空中給油機が三沢基地を離れた。1000から共同訓練を開始。10月25日、C-17輸送機１機が三沢基地を離れた。10月26日、別のC-17輸送機１機が三沢基地に着陸。10月27日、C-17輸送機１機が三沢基地を離れた。11月2日、記念式典が開催され、稲田防衛大臣、イギリス空軍参謀長、航空幕僚長が訓練を視察した。イギリス空軍憲兵隊の２名が三沢基地居合道部に体験入門した。1135から防衛大臣、航空幕僚長、イギリス空軍参謀長、駐日イギリス大使らが参加して記念式典を実施。11月5日、タイフーンFGR.4戦闘機４機が三沢基地を離陸し、烏山基地に向かった。参考：月刊航空ファン1,’17、12,’16、月刊JWings1,’17、朝雲

＜カーディガン＞：クリミア戦争で、イギリス陸軍軽騎兵旅団長だった第七代カーディガン伯爵ジェームズ・ブルデネルが、制服の保温用セーターをＶネックからボタン留めに変更して着脱しやすいようにしたのが名前の由来である。参考：MAMOR vol.50

＜カーディガン・ベイ＞：K630（フリゲート）またはL-3009（揚陸艦）を参照。

＜カーティス＞：AV-4（水上機母艦）またはT-AVB-4（航空修理支援艦）を参照。

＜カーティス・Ｅ・ルメイ＞：ルメイ（アメリカ空軍参謀総長）を参照。

＜カーディスィーヤ・サダム＞：イラク共和国フセイン大統領の私用船で、デンマークの企業が建造した。自衛用に艦対空ミサイルを搭載し、窓は防弾仕様で、手術室付きの医療施設に脱出用小型潜水艇や秘密通路まで備えている。全長82m。1981年竣工。1986年、イラン・イラク戦争を受けサウジアラビアのジェッダ港に避難した。以降イラクに戻ることは無く行方不明になってしまい、フセイン大統領は一度も乗船する機会を得られず（目にすらしていなかったともいう）2006年に死刑に処された。2007年にニースで競売に出品された。売り主はケイマン諸島の企業で、背後に誰がいたのかは不明である。新生イラク政府が所有権を主張して認められ、イラク戦争終結後の復興資金に充てるため3000万ドルで売りに出したが誰も買わず、2015年にバスラ大学海洋研究センター海洋調査船バスラ・ブリーズとなった。参考：朝雲

＜カーティス・ウィルバー＞：DDG-54（イージス駆逐艦）を参照。

＜カーティス級＞：アメリカ海軍水上機母艦Curtiss級。第２煙突後部に大型格納庫とクレーン（吊り上げ能力25-30トン）を持ち、その後ろに長さ44mの飛行機用甲板があり、PB2Y飛行艇を１機載せられる。飛行艇隊２個計24機の運用を支援するため、航空用燃料1200トンや爆弾・魚雷など補給物資を収容し、各種工作整備施設も備える。カタパルトや固有の水上機は無く、移動式の水上補給修理基地といった役割を担っていた。全長160.7m、幅21.1m、吃水6.4m、基準排水量9090トン。主機はパーソンズ式ギヤードタービン、主缶はバブコック＆ウィルコックス式水管缶４基、出力12000馬力、２軸推進、速力19.7ノット。兵装は38口径127mm単装両用砲４門。水上機25機を搭載できる。乗員1195名。1937-38年度計画でAV-4カーティスとAV-5アルベマールの２隻が建造され、1940年に竣工した。第２次大戦中に40mm機関砲、20mm機関砲、レーダーなどが追加装備されている。参考：月刊世界の艦船11,’00、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜カーティス級＞：アメリカ海軍航空修理支援艦Curtiss級。平時に海兵隊機作戦支援、有事に係争地域で海兵隊航空機修理・整備を行うのが主任務である。T-AVB-4カーティスなどが就役した。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜ガーディナー＞：K478（フリゲート）を参照。

＜ガーディナーズ・ベイ＞：AVP-39（飛行艇支援艦）を参照。

＜カーディナル＞：MHC-60（機雷掃討艇）を参照。

＜カーディフ＞：D-108（42型駆逐艦）またはI58（軽巡洋艦）を参照。

＜ガーデニア＞：K99（コルベット）を参照。

＜カーテレト＞：APA-70（攻撃輸送艦）を参照。

＜カーデン・シリーズ＞：チリの通常爆弾。アメリカのMk80シリーズを基にカーデンが設計した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８１＞：重量121kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８２＞：重量230kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８３＞：全長2.89m、直径0.356m、翼スパン0.5m、重量416kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８４＞：重量900kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ガーデン作戦＞：マーケット・ガーデン作戦で、地上部隊が担った作戦を指す。

＜カーデンロイド軽装甲車シリーズ＞：イギリスのカーデンロイド社が開発した豆戦車。イギリスのマーテル中佐が製作したマーテル・マシンの話を聞いて完成させ、イギリス国防局に提案し、採用された。輸出も行われた他、各国がこれを参考にした車両を多数開発しており、T-27、TK3、ルノーUE、CV33、P-1、MU-2、九四式軽装甲車などが生まれた。第２次大戦のダンケルク撤退で装甲車両が足りなくなると、手持ちの砲を積んで自走砲や対戦車自走砲への改造が試みられたが、車体が小さすぎて運用に難があり、試作のみに終わっている。参考：月刊丸6,’01、歴史群像12,’09、British and American tanks of World War Two

　＜カーデンロイド軽装甲車（試作車）＞：1925年に製作された。車体は箱形で、部分的に装甲が施されており、前部に車長兼操縦手席、後部に機関室がある。かなり小型であり、乗員の肩から上は丸見え状態だった。足回りは装軌式で、下部転輪は片側14枚、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、サスペンションはコイルスプリング。エンジンはフォード・モデルＴ液冷４気筒ガソリン（14馬力）。小改良を加えて採用され、カーデンロイド軽装甲車Mk.�Tになった。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�T＞：試作車に小改良を加えた実験用車両で、1925年に製作された。乗員の肩から上を防御する装甲板が車体上面前側部に追加され、ルイス軽機関銃１丁を装備する。参考：月刊丸6,’01、歴史群像12,’09

　＜カーデンロイド軽装甲車（２名用）＞：Mk.�Tをベースに２名用にしたもので、制式名が無く、ハネムーン・タンクという名称が付けられた。車体幅を広げて上部に固定式戦闘室を設け、２名が並列で座れるようにしている。戦闘室前面には左右と真ん中に１箇所ずつの切れ込みがあり、ルイス軽機関銃を装備可能。1926年に製作された。参考：月刊丸6,’01、歴史群像12,’09

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�T＊＞：Mk.�Tを装輪装軌併用に改造したもので、履帯の外側に車輪を左右１枚ずつ取り付け、車体後部にステアリングホイール１個を追加している。装輪走行の際は車輪を降ろし、起動輪に繋いだチェーンで駆動する。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�U＞：Mk.�Tの足回りを改良したもの。下部転輪を片側４枚とし、２枚１組でリーフスプリング付きボギーに取り付け、ガーダーフレームで固定している。乗員１名。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�V＞：Mk.�Uの装輪装軌併用型。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�W＞：Mk.�Uのサスペンションを改良し、上部転輪５個を追加、六角形の２名用装甲車体を搭載したもの。ヴィッカーズ12.7mm機銃を装備する。試験評価に使用され、Mk.�Xとして採用された。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�X＞：Mk.�Wの制式化型で、装輪装軌併用機構が追加された。８両が生産され、実験機械化部隊用偵察車両として配備されている。後に一部は武装をヴィッカーズ7.62mm機銃に換装し、歩兵戦闘車両としての実用実験に供された。Mk.�Yが採用されると、それに準じる改造が施され、装輪装軌併用機構は廃止されている。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�X＊＞：防御力強化型、別名インファイター（接近戦が得意なボクサー）。Mk.�Xの上部車体を再設計して装甲板をかさ上げし、機銃に防楯を付けたものである。Mk.�Xのうち１両が改造された。参考：月刊丸6,’01

＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y＞：イギリス陸軍の小型偵察用マシンガンキャリアー要求に応えたもので、Mk.�Xをベースとして1927-28年に開発した。車体は厚さ6-9mmの装甲板で構成され、中央の戦闘室に２名が並列で座り、乗員は１名ごとに開閉可能な帽蓋で防御される。戦闘室左にヴィッカーズ7.7mm水冷機銃１丁を装備し、機銃を車体左前部に装着して使用することも可能。機関室は乗員の間にあり、エンジンはアスベストを張った断熱ボックスに収容される。下部転輪は片側４枚、２枚１組でリーフスプリングを介してボギーに装着され、ボギーは外側からガーダーにより車体に固定される。起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は無く、代わりにガイドレールを持つ。全長3.5m、全幅1.7m、全高1.22m、重量2.5トン。装甲厚5-9mm。エンジンはフォードＴ型ガソリン（22.5馬力）、最大速度45km、航続距離144km。300両がアームストロング・ヴィッカーズ社（カーデンロイド社を吸収合併した）と王立造兵廠で生産されたが、前線で使用するには武装と装甲が貧弱すぎ、主に牽引車両として使用された。参考：月刊丸6,’01、月刊PANZER5,’04、歴史群像12,’09、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Yインド型＞：Mk.�Yのラジエーターやファンなど冷却装置を強化し、戦闘室上部に日除けのキャンバス、内部にアスベストを張ったもの。1929年にB11E3とB11E4の２両が製作された。参考：月刊丸6,’01

＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y（クローズドトップ型）＞：Mk.�Yの戦闘室上面にピラミッド型装甲カバーを追加したもので、装甲カバーは後ろに開けられる。1930年に製造され、イギリス空軍にも１両が引き渡された。イタリア、ソ連、タイなどに輸出され、日本陸軍も弾薬運搬車両として使用、更に九四式軽装甲車のベースとした。参考：月刊丸6,’01

＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y＊（クローズドトップ型）＞：輸出用。Mk.�Yの戦闘室上面を前後開きの装甲ハッチで密閉し、車体後部にも乗降ハッチを追加した。エンジンはモデルBBフォード。タイ、日本、ボリビアなどに輸出された。参考：月刊丸6,’01

＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y実験車体Ｂ１１Ｅ１／Ｂ１１Ｅ２＞：試作型で、Mk.�Yａに含むこともある。上部構造に避弾経始を付け、前面にハッチを追加、エンジンをアームストロング・シドレー（25馬力）に換装し、排気装置収容部を密閉化して戦闘室に熱気が伝わりにくくした。誘導輪がガーダーから外されて独立しており、上部ガイドレールの代わりに上部転輪２枚を装着している。1930年にB11E1とB11E2の２両が製作され、B11E2はエジプトで試験を受けた。参考：月刊丸6,’01

＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y実験車体Ｂ１１Ｅ６＞：Mk.�Yの上部構造を改良し、履帯幅を広げ、上部ガイドレールを外して上部転輪２枚を装備したもの。1929年に１両が試作された。参考：月刊丸6,’01

＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Yａ型＞：B11E1/B11E2のエンジンを改良したもので、1931年に１両が製作された。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Yｂ型＞：Mk.�Yａのサスペンションを改良し、装甲帽蓋を左右一体式の装甲天蓋に変更、機銃防楯を新型に換装したもの。1932年に10両が生産され、５両がエジプトでテストされた。日本海軍上海海軍特別陸戦隊が数両購入し、カ式機銃車と名付けて使用した。参考：月刊丸6,’01、月刊PANZER5,’04

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y＊＞：Mk.�YａのエンジンをモデルＡフォード（24馬力）に換装したもの。1932年に２両が製作された。参考：月刊丸6,’01

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y実験車体Ｂ１１Ｅ１０＞：３名用試作車。車体を大型化して機関室を左に移し、排気装置を車外の左後面に移設、戦闘室右前部に乗員２名が並列で乗り、右後部にもう１名の乗員が座れるようにしている。足回りはMk.�Yｂに準じるもので、上部転輪が１枚に減った。1933年に１両が試作された。参考：月刊丸6,’01

＜カーデンロイド・キャリアー・ファミリー＞

　＜３．７インチ榴弾砲牽引車＞：Mk.�Yの機銃を撤去し、3.7インチ（94mm）榴弾砲搭載装軌式トレーラーを牽引可能としたもの。参考：月刊丸6,’01

　＜２０ｍｍガンキャリアー＞：迫撃砲搭載車の迫撃砲を外し、車体後部に牽引フックを追加、砲要員４名と装備を搭載したトレーラーと、その後ろの20mmエリコン機関砲搭載装軌式トレーラーを牽引できるようにしたもので、対戦車チームを迅速に展開するのが主任務である。少数のみ生産されてテストに供された。参考：月刊丸6,’01

　＜煙幕展張車＞：Mk.�Yの車体後部に煙幕発生装置と展張用パイプを追加したもの。少数が生産された。参考：月刊丸6,’01

　＜キャリアー２ポンド・マウンティングＭｋ.�T＞：カーデンロイド・キャリアーに２ポンド砲を搭載した自走砲。参考：月刊PANZER10,’04

　＜自走２５ポンド砲＞：車体前面に25ポンド砲を剥き出しで搭載したもの。1941年初めに試作されたが、量産はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜自走４７ｍｍ歩兵砲＞：Mk.�Yの機銃を外し、車体前部右に47mm歩兵砲（100発）を防楯付きで搭載したもの。同じ砲架が使える砲なら47mm歩兵砲に限らず装備できる。試作のみ。参考：月刊丸6,’01

　＜自走対空機銃＞：兵員室にブレン軽機関銃４連装銃座を搭載したもの。機銃手用の装甲座席も用意されている。1941年に試作されたが、量産には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜迫撃砲搭載車＞：Mk.�Yの機銃を外して車体前部に３インチ（76.2mm）迫撃砲を搭載し、軽戦車部隊の近接支援を行うもの。通常は地上に降ろし二脚とベースプレートを付けて射撃するが、車上からの砲撃も行える。歩兵携行迫撃砲や60mm迫撃砲を搭載するタイプもある。参考：月刊丸6,’01

　＜ロイド２ポンド自走対戦車砲＞：Loyd 2pdr SP A/T gun。２ポンド砲を搭載した対戦車自走砲で、防楯ごと車体中央上部に積んで全周射界を持つタイプと、左右にも防楯を追加して車体前面に積み左右計270度の射界を持つタイプの２種類がある。第２次大戦のダンケルク撤退を受け急遽開発されたが、採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜カーデンロイド・キャリアー海外シリーズ＞

　＜ＣＶ２８＞：CV28を参照。

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y（日本海軍）＞：日本海軍軽装甲車。４両を輸入した。参考：日本戦車隊戦史

　＜カーデンロイド軽装甲車Ｍｋ．�Y（日本陸軍）＞：日本陸軍軽装甲車。陸軍技術本部が昭和5年に２両を輸入している。参考：日本戦車隊戦史

＜カーデンロイド社＞：Carden-Loyd社。イギリス軍予備士官で技術者のカーデンとヴィヴィアン・ロイドが設立した。両大戦間にカーデンロイド軽装甲車で一世を風靡したが、1928年3月にヴィッカーズ・アームストロング社に吸収合併されている。1935年にカーデンが航空機事故で死亡した後、ロイドはヴィッカーズ社を退社してヴィヴィアン・ロイド社を創設、ロイド・キャリアーを製作した。参考：月刊PANZER11,’86、月刊丸6,’01

＜カード＞：ACV-11（護衛空母）を参照。

＜ガート検査システム＞：R-27空対空ミサイル用訓練システム。訓練用ミサイルとAPU68ランチャーから構成される。参考：月刊軍事研究5,’02

＜ガード・カートリッジ＞：軍用施設や捕虜収容所の警備用に作られた弱装弾のこと。参考：GUN用語事典

＜ガードナー銃＞：19世紀後半にウィリアム・ガードナーが開発した多銃身手回し発射銃。クランクを回すと遊底が前後に動いて作動を行うもので、銃身水冷方式を採用している。また、ロバートソン氏がベルト給弾に改良して長時間の射撃を可能としており、これらのアイディアはマキシム機関銃のベースとなった。参考：歴史群像10,’04

＜ガードフィッシュ＞：SS-217（ガトー級潜水艦）またはSSN-612（スレッシャー級原潜）を参照。

＜カートホイール作戦＞：太平洋戦争で昭和18年6月30日からアメリカ軍が開始した、ラバウル攻略・ソロモン群島北上作戦。太平洋南方戦線の戦況が好転したため、昭和18年初めに対独優先でなく対日戦にも力を注ぐことになった。しかしニューギニア攻勢を主張するマッカーサーのアメリカ陸軍南西太平洋軍と、中部太平洋攻勢を主張するハルゼーのアメリカ海軍南太平洋軍で意見が対立。両面作戦を進める事となったが、どちらも日本軍航空拠点のラバウルが目の上のたんこぶとなったため、こちらは協力して陥落させることにした。昭和18年6月30日、アメリカ軍が中部ソロモンのニュージョージア島ムンダ（トゥネイル作戦）、レンドバ島、ニューギニアのナッソウ湾、ウッドラーク島に上陸。アメリカ海兵隊は日本軍の夜襲に備え、集音マイクと赤外線投光式暗視装置を試験的に使用して効果を挙げた。6月30日から7月4日、日本軍は航空戦力による反撃を試みたが、高射砲と迎撃機に阻まれ失敗。7月4日には陸海軍協同で出撃したが、陸軍重爆17機のうち半分を喪失し、陸軍航空戦力がソロモン方面から退く羽目になった。7月4-6日、クラ湾夜戦。7月13日、コロンバンガラ島沖夜戦。8月6-7日、ベラ湾夜戦。8月8日、日本軍がニュージョージア島を放棄してコロンバンガラ島に撤退。8月15日、アメリカ軍がコロンバンガラ島を飛ばしてベララベラ島に上陸。9月28日から10月14日、日本軍がコロンバンガラ島からブインに撤退。10月6日、ベララベラ島沖夜戦。10月7日、ベララベラ島の日本軍守備隊589名がブインに撤退。参考：歴史群像8,’15、月刊軍事研究8,’01、10,’05、8,’11、山本五十六と米内光政、太平洋海戦史、日本海軍艦隊総覧

＜カードム＞：イスラエルのソルタム社が開発した120mm迫撃砲。既存の装甲車に搭載して自走迫撃砲に改造することができる。重量670kg。俯仰角40-85度、最大射程7200m。手動装填で、発射速度毎分12-15発。参考：月刊軍事研究11,’06

＜カートメル＞：イギリス海軍アバードヴェイ級通船Cartmel。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜カートリッジ＞：薬莢を参照。

＜カートリッジ＞：火管。電気による点火部、圧力発生部または爆轟発生部から構成され、高圧や爆轟波を発生させる。電気を伝えるリード線に火薬の圧力を伝えないようになっており、スクイブと同じく点火装置に使用される他、発生する圧力を利用して爆発ボルトや爆発ナットの作動部分として用いられる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜カートリッジ＞：弾丸、薬莢、装薬、雷管からなる。最初は装薬と弾丸を紙で包んだペーパー・カートリッジを使用していたが、次第に金属製薬莢を使用したメタリック・カートリッジが主流となった。参考：GUN用語事典、世界の軍用銃

＜カートリッジ・アクチュエータ（改）＞：自衛隊の火工品。ミネベア製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜ガードレール＞：RC-12シリーズ（情報収集機）を参照。

＜ガードレール�X＞：RU-21H情報収集機が装備する空地協同通信システム。敵の電波を傍受して送信位置を特定することが可能。参考：スパイ機

＜ガーナード＞：SS-254（ガトー級潜水艦）またはSSN-662（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜カーナヴォン＞：FV221（重戦車）を参照。

＜ガーナ海軍＞：2011年10月24日、スネーク級哨戒艇４隻が引き渡された。参考：月刊世界の艦船2,’12

　＜ガーナ海軍（１９７７年）＞：兵力1300名。対潜コルベット２隻、トン級掃海艇１隻、ハム級掃海艇２隻、フォード級哨戒艇２隻、哨戒艇２隻、高速哨戒艇２隻、練習船１隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ガーナ海軍（１９８９年）＞：兵力800名。セコンディに西部管区司令部、テマに東部管区司令部がある。クロマンツ級哨戒艇２隻、アチモタ級高速哨戒艇２隻、ドザタ級内海哨戒艇２隻、デラ級高速哨戒艇２隻を保有する。ただし稼動しているのは２隻のみ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ガーナ海軍（２０１５年）＞：現役兵力2000名。海軍司令部はアクラ、西部軍管区司令部はセコンディ、東部軍管区司令部はテマにある。哨戒艇14隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガーナ空軍＞：2013年1月10日、Mi-171ヘリ４機が就役した。参考：月刊JWings4,’13

　＜ガーナ空軍（１９７７年）＞：兵力1400名。MB326F攻撃機６機、アイランダー輸送機８機、スカイバン3M輸送機６機、F27連絡機６機、F28連絡機１機、HS125連絡機１機、ベル212ヘリ２機、アルエート�Vヘリ４機、ヒューズ269ヘリ３機、ウェセックス53ヘリ、ブルドッグ練習機13機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ガーナ空軍（１９８９年）＞：兵力800名。MB-326K対ゲリラ戦機４機（稼動しているかは不明）、MB-339対ゲリラ戦機２機、フォッカーF27要人輸送機２機、フォッカーF28要人輸送機１機、F27輸送機３機、C212輸送機１機、SC7-3Mスカイバン輸送機６機、ベル212要人輸送ヘリ２機、Mi-2汎用ヘリ２機、SA-318アルエート�U汎用ヘリ４機、ブルドッグ122練習機10機（稼動しているかは不明）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ガーナ空軍（２０１５年）＞：現役兵力2000名。MB-326K攻撃機３機、BN-2輸送機１機、C-295輸送機２機、セスナ172輸送機３機、DA-42輸送機３機、F-27輸送機４機、F-28要人輸送機１機、K-8練習機４機、L-39ZO練習機２機、MB-339A練習機２機、ベル412SP汎用ヘリ１機、Mi-17V-5汎用ヘリ３機、SA319アルエート�V汎用ヘリ２機、Z-9EH汎用ヘリ４機、Mi-171Sh汎用ヘリ４機、AW109A汎用ヘリ２機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガーナ軍＞

＜ガーナ軍（１９８９年）＞：兵力11600名。国連レバノン暫定軍UNIFILに１個大隊850名、国連イラン・イラク軍事監視団UNIMOGにオブザーバーを派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガーナ軍（２０１５年）＞：現役総兵力15500名（陸軍11500名、海軍2000名、空軍2000名）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員２名とオブザーバー３名、コートジボアールにUNOCI要員104名、ヘリ隊１個、オブザーバー６名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員465名、機械化歩兵大隊１個、オブザーバー22名、インド／パキスタンにUNMOGIPオブザーバー２名、レバノンにUNIFIL要員871名、機械化歩兵大隊１個、リベリアにUNMIL要員820名、歩兵大隊１個、兵站小隊１個、オブザーバー13名、マリにMINUSMA要員217名、工兵中隊１個、野戦病院１個、オブザーバー３名、南スーダンにUNMISS要員312名、歩兵大隊１個、オブザーバー８名、スーダンにUNAMID要員19名とオブザーバー４名、UNISFA要員３名とオブザーバー２名、西サハラにMINURSO要員７名とオブザーバー11名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カーナベアン＞：FV214（重戦車）を参照。

＜ガーナ陸軍＞：

＜ガーナ陸軍（１９７７年）＞：兵力15000名。旅団２個、偵察大隊１個、迫撃砲大隊１個、野戦工兵大隊１個、通信大隊１個、空挺中隊１個からなる。FV601サラディン装甲車９両、フェレット偵察車26両、82mm/120mm迫撃砲10門を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ガーナ陸軍（１９８９年）＞：兵力10000名。軍司令部２個、旅団２個、偵察大隊１個、空挺部隊１個、独立歩兵大隊１個、砲兵連隊１個、野戦工兵連隊１個からなる。FV601サラディン偵察車３両、EE-9偵察車３両、ピラーニャ装甲兵員輸送車50両、81mm迫撃砲50門、120mm迫撃砲タンペラ28門、カールグスタフ50門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガーナ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力11500名。軍司令部２個、機甲偵察連隊１個、即応自動車化歩兵大隊１個、歩兵大隊６個、空挺中隊２個、砲兵連隊（砲兵中隊１個、迫撃砲中隊２個）１個、野戦工兵連隊１個、通信連隊１個、通信隊１個、兵站群１個、輸送中隊１個、整備中隊２個、医療中隊１個、訓練大隊１個からなる。EE-9偵察車３両、ラーテル90歩兵戦闘車24両、ラーテル20歩兵戦闘車15両、ピラーニャ装甲兵員輸送車50両、05P式装輪装甲車６両、122mm砲D-30を６門、63式107mm多連装ロケット、81式122mm多連装ロケット３基、81mm迫撃砲50門、120mm迫撃砲タンペラ28門、84mm無反動砲カールグスタフ50門、9K32携帯地対空ミサイル、14.5mm対空機銃ZPU-2を４基、14.5mm対空機銃ZPU-4、23mm高射機関砲ZU-23-2を４基、ピラーニャ装甲回収車（を保有しているという報告あり）を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カーニー＞：DDG-64（駆逐艦）を参照。

＜ガーニッシュド・ネット＞：アメリカ軍の迷彩ネット。網に着色した麻布の切れ端を結び付けてある。陣地、車両、ヘルメットに用いられたりしたが、ノルマンディ上陸作戦時の限定的使用に止まった。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜カーニボー＞：DCS-1000（インターネット盗聴装置）を参照。

＜カーニャ＞：岩手地本マスコットキャラ・海自版。参考：朝雲

＜カーネーション＞：K00（コルベット）を参照。

＜カーネス＞：APA-175（攻撃輸送艦）を参照。

＜カーネル密度推定＞：CFAR（定誤警報率）を参照。

＜ガーハウ・コウラ＞：トンガ王国海軍哨戒艇。2023年8月30日、トンガ王国周辺で日トンガ親善訓練に参加し、DD-120しらぬいと通信訓練や戦術運動などを行った。参考：月刊世界の艦船11,’23

＜ガーハウ・シリヴァ＞：トンガ王国海軍哨戒艇。2022年8月20日と22日、ヌクアロファ周辺で日トンガ親善訓練に参加し、DD-104きりさめと通信・戦術運動訓練を行った。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜カーバス＞：ASM-N-8（核ミサイル）を参照。

＜カービン＞：騎兵銃。馬上での取り回しが良いように、歩兵用ライフルよりも全長が短くなっている。現在、騎兵はいないが、全長が短めのライフルはこう呼ばれる。語源は、撃った後に銃を引っ掛けておくベルトのフック（カラビナ）から。参考：GUN用語事典、最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究4,’14、

＜カープ＞：K-239（945型潜水艦）またはSS-20（Ｆ級潜水艦）またはSS-338（ガトー級潜水艦）を参照。

＜ガーフィールド・トーマス＞：DE-193（護衛駆逐艦）を参照。

＜ガーフィッシュ＞：SS-30（Ｈ級潜水艦）を参照。

＜カーペット＞：イスラエルのラファエル社が開発した、燃料気化爆弾による地雷原処理システム。ランチャーは3m×2m×1.32m、重量3.5トンで、戦車・装甲車の車体後部や車内スペースに搭載できる。ランチャーには全長1.39m・重量46kgのロケット弾20発が収納されており、これを地雷原に投射して長さ100mを啓開する。プーマ工兵車に搭載された。参考：イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004、月刊グランドパワー9,’04、月刊PANZER6,’14

＜ガーヘル＞：イラン航空機製造工業が開発しているステルスSTOL戦闘機Qaher（征服者の意。カーヘル、カヘルかも）。2013年2月4日にアフマディネジャド大統領ら政府要人・軍高官が列席して披露式典が行われている映像が流された。機体はステルス性を意識した平面構成だが、やたらと小さく、コクピット内の座席までミニサイズで、パイロットの肩の所にヘッドレストが位置している。計器板には一応MFDらしきものが数枚貼り付けてあるが、丸見えの裏側には配線が無い。キャノピーは背の高いバブル型だが、不透明で歪みも酷いため、向こう側の景色がまともに見えない。機首にレーダーを収容するのもかなり難しそうなサイズで、胴体も薄っぺらく、ウェポンベイはおろか燃料タンクも入らない（アクセスパネルの開閉ラインも無い）が、一応2000ポンド爆弾２発を収容できるらしい。エアインテイクはコクピット後方の機体上面左右に開口しているが、サイズが小型すぎる、迎え角を取ると鋭角の胴体前部から乱流が発生して空気が入らない、境界層と衝撃波をまともに吸い込むといった欠点がある。機体形状はカナード付き無尾翼デルタで、Ｖ字の垂直尾翼を持つが、主翼がかなり分厚く、遷音速での飛行は無理っぽい。主翼端は下に折り曲げられているが、Ｖ字尾翼なのでこの形状にする意味は無く、イランのオリジナル設計を強調する役目しか担っていない。ラダーはホーン・バランス型で、操縦システムはフライ・バイ・ワイヤでなく機力式である。降着装置は３車輪式で、ブレーキやショックアブソーバーが無いという超簡略設計である。エンジンには排気ダクトに排気温低下装置が組み込まれている他、排気ノズルを省略するという斬新すぎるアイディアが取り入れられている。全長16m以下、全高4m以下、最大離陸重量20トン。モックアップを更にダウングレードしたような感じだが、イランによると立派な原型機らしい。2017年3月5日、イラン国防軍需相が開発の最終段階に入ったと発表した。4月15日、イラン国営放送がタキシング試験の映像を公開し、ユーチューブにもアップロードした。双発化されているが、エアインテイクは位置も形状も大きさもあまり変わらず、排気ノズルは無いままである。キャノピーは２分割式に変更されて透明度が上がり、コクピットはパイロットが乗れるサイズになった。コクピット後方の胴体背面に大きめのブレードアンテナが付いているが、新手のレーダーリフレクターだろうか。前輪はダブルタイヤに変更された。機首下にはヘリやCOIN機に付いているような円筒形センサーターレット（引き込み式。ステルス性無し）が突き出していて、相変わらず主翼も分厚く、高速飛行は考えていないようである。参考：月刊航空ファン5,’13、月刊JWings5,’13、7,’17、9,'15、5,’17、7,’17、月刊軍事研究8,’13、8,’17

＜カーヘル弾道ミサイル・シリーズ＞：イエメン反政府勢力の弾道ミサイル。S-75地対空ミサイルを地対地弾道ミサイルに改造したものである。参考：月刊軍事研究9,’17

　＜カーヘル１＞：2015年12月に存在が確認された。参考：月刊軍事研究9,’17

　＜カーヘルＭ２＞：弾頭重量350kg。射程400km、CEP5-10m。2017年3月28日、キング・ハリド空軍基地に４発が発射されたが、サウジアラビア空軍のパトリオットで撃墜されている。参考：月刊軍事研究9,’17

＜カーペロッティ＞：APD-136（高速輸送艦）またはDE-548（ジョン・Ｃ・バトラー級護衛駆逐艦）またはDE-720（ラッデロウ級護衛駆逐艦）を参照。

＜カーペンター＞：DD-825（駆逐艦）を参照。

＜カーペンター級＞：アメリカ海軍対潜護衛駆逐艦Carpenter級。ギアリング級駆逐艦のうち２隻を戦後に改設計したもので、対潜兵装を強化して完成した。全長119m、基準排水量2425トン、満載排水量3460-3550トン。主機は蒸気タービン、速力34ノット。兵装は76mm連装両用砲２基、Mk108対潜ロケット発射機２基、旋回式ヘッジホッグ１基、533cm対潜魚雷発射管４門、爆雷投下軌条１条。1949年にDD-825カーペンターとDD-827ロバート・Ａ・オーエンスの２隻が竣工した。艦種記号は建造中DD、竣工時DDK、1950年DDE、1962年DDと順次変更されている。1960年代にFRAM�T改装工事が実施され、対潜駆逐艦に改装された。1981-82年に除籍され、２隻ともトルコに貸与（供与？）された。参考：月刊世界の艦船12,’13、12,’21、3,’07、3,’92増刊

＜カーペンター級・海外シリーズ＞

　＜カーペンター級（トルコ海軍）＞：トルコ海軍護衛駆逐艦。1981-82年に２隻が貸与（供与？）され、D-346アルチテペ、D-347アニトゥテペとなった。就役後にエリコン35mm連装機関砲を艦橋直前に装備している。全長119m、幅12.5m、吃水6.4m、基準排水量2425トン、満載排水量3450トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力33ノット。兵装はアスロック８連装発射機１基、127mm連装砲１基、76mm連装砲１基、35mm連装機関砲１基、324mm短魚雷３連装発射管２基、爆雷投下軌条１条。AB-212ヘリ１機を搭載できる。乗員275名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜カーボネロ＞：SS-337（潜水艦）を参照。

＜カーボベルデ沿岸警備隊（２０１５年）＞：現役兵力100名。巡視船５隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カーボベルデ海軍＞

＜カーボベルデ海軍（１９８９年）＞：兵力200名。プライアに基地がある。シェルシェン級内海哨戒艇（魚雷発射管は装備せず）２隻、小型哨戒艇３隻、調査船１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カーボベルデ空軍＞：

＜カーボベルデ空軍（１９８９年）＞：兵力100名以下。An-26輸送機２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カーボベルデ空軍（２０１５年）＞：現役兵力100名以下。C-212輸送機１機、Do-228輸送機１機、An-26輸送機３機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カーボベルデ軍＞：

　＜カーボベルデ軍（２０１５年）＞：現役総兵力1200名（陸軍1000名、沿岸警備隊100名、空軍100名）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カーボベルデ陸軍＞：

＜カーボベルデ陸軍（１９８９年）＞：兵力1000名。歩兵中隊４個からなる。BRDM-2偵察車８両、82mm迫撃砲、120mm迫撃砲M-1943、89mmロケットランチャーを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カーボベルデ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力1000名。歩兵大隊２個、工兵大隊１個からなる。BRDM-2偵察車10両、82mm迫撃砲12門、120mm迫撃砲M-1943を６門、9K32携帯地対空ミサイル、14.5mm対空機銃ZPU-1を18門、23mm高射機関砲ZU-23を12門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カーミック＞：DD-493（駆逐艦）を参照。

＜カーライル＞：APA-69（攻撃輸送艦）またはI67（軽巡洋艦）を参照。

＜カーラ級＞：ソ連海軍大型対潜艦（ミサイル巡洋艦）プロジェクト1134B型Berkot-B級のNATOコード、Kara級。ソ連では当時人気の映画からMagnificant Seven（荒野の七人）という愛称が付けられている。竣工当時は世界最大のオールガスタービン艦だった。米英仏の戦略原潜部隊の増勢に61型カシン級大型対潜艦だけで対抗するのは難しくなってきたため、1964年8月に建造命令が出されたベルクート型対潜艦の１つ（他はクレスタ�T／�U級）である。第53設計局が設計し、1965年10月に建造計画、1966年4月に設計原案、1967年11月に技術案が承認された。クレスタ�U級の船体を一回り大きくして主機をガスタービンにし、クレスタ�U級とほぼ同じ兵装を搭載、主砲は76mmに換装した。オールガスタービン艦の先鞭である61型は高出力ガスタービンのみを組み合わせて燃費が悪くなったため、燃費の良い巡航タービン１基と高速タービン２基を組み合わせたM5型（３番艦以降はM5E型）推進システムを２基搭載して２軸を推進する方式としている。捜索レーダーは煙突上から艦橋後部に移設されており、主機換装に伴って煙突形状も変化した。艦載戦闘システムは1-2番艦がコレン1134B、3-4番艦がMVU-202、5-7番艦がMVU-203。艦首部にチタン2Tバウソナー（MG-332？）、ヘリ甲板下にはMG-325ヴェガVDSを持ち、原潜捜索用にMI-110R放射能センサー（後にMI-110RM）とMI-110K海水温センサーを搭載する。電子装備はMR-600全周捜索レーダー（タワーマスト頂部。３番艦は後にMR-700に換装）、MR-310A対空三次元捜索レーダー（艦橋後端上面）、ヴォルガ型航海レーダー２基（後にドン型１基を追加）、4R60グロムＭ（ヘッド・ライト誘導レーダー。URPK-3/M-11用。ウラジオストクはグロムＲ）、ポップ・グループ誘導レーダー（オーサＭ用）２基、MR-105射撃指揮レーダー（76mm砲用）２基、MR-123射撃指揮レーダー（CIWS用）。レーダー情報処理装置は1-4番艦がバイカルS4、５番艦がMRO-410A、6-7番艦がMRO-400。水中通信識別装置はMG-26コスタ。全長173.2m、幅18.6m、吃水6.7m、満載吃水7.8-8.2m、基準排水量6670-7010トン（船体53.1%、機関13.7%、兵装15.7%、電気関係7.6%、液体2.2%、乗員・糧食2.6%）、満載排水量8505-8900トン。主機はCOGAG方式で、1-2番艦はDO54型高速用ガスタービン４基72000馬力＋DO61巡航用ガスタービン２基12000馬力、３番艦以降はDE59型高速用ガスタービン４基90000馬力＋DO63型巡航用ガスタービン18000馬力、出力84000-108000馬力、２軸推進、巡航速力18.0-18.6ノット、最大速力32.1-33.0ノット、燃料搭載量1820-1830トン（標準）／1918-2153トン（最大）、航続距離7050-7890海里（巡航速力）／2270-2760海里（最大速力）。ガスタービン潤滑油9-19トン、真水145トン、缶水14トン、航空燃料16.8トンを搭載する。艦内電力は交流三相400ボルトで、発電機はGTG-12/5Aガスタービン発電機４基、MSK-1560/1500型発電機１基、出力1560kVA（6-7番艦は出力が低い）。兵装はM-11艦対空ミサイルシステム用B-192連装発射機２基（V-611ミサイル80発）、URPK-3メテル対潜ミサイルシステム用85R対潜ミサイル４連装発射筒KT-100（艦橋両舷）２基、76mm連装砲AK-726が２基、30mm近接防御兵器AK-630が４基（後にAK-630Mに換装）、RBU-6000対潜ロケット発射機２基（144発）、RBU-1000対潜ロケット発射機２基（60発。ペトロパブロフスクは搭載せず）、533mm魚雷５連装発射管PTA-53-1134Bが２基（53-65型またはSET-65型魚雷10本）。ESMとしてMRP-11-12/13-14/15-16、ECMとしてMRP-150/-152とR-740K/R-743KV、チャフ・システムとしてZIF-121（PK-2発射機使用）を搭載する。データリンクはアレヤ1134B。Ka-25ホーモーンＡヘリ１機を搭載できる。乗員540名。ニコライエフ、オチャコフ、ケルチ、アゾフ、ペトロパブロフスク、タシュケント、ウラジオストクの７隻が1971-79年に竣工した。1977年、アゾフが1134BF型への改装を受けた。1984年以降に近代化改装を受け、対潜ミサイルシステムをURPK-5ラストルブＢ多目的ミサイルシステムに、対潜ミサイルを85RU対潜／対艦ミサイルに、発射機をKT-100U1に換装した。1980年代に主機を高速用DN59ガスタービン（出力22500馬力）４基と巡航用DS71ガスタービン（8500馬力）２基に換装する計画があったが、予定性能が出ずに実現しなかった。当初はアメリカ戦略原潜の哨戒任務に就き、トライデント実用化でアメリカ戦略原潜がフィリピンからいなくなると、ソ連原潜援護、アメリカ攻撃原潜への哨戒任務、他国への軍事プレゼンス任務に就いた。1992-2014年に退役した。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’09、6,’09、ザ・マーチ23号

　＜１１３４ＢＦ型＞：S-300F艦対空ミサイル試験艦で、４番艦アゾフが1977年に改装を受けた。後部B-192連装発射機を外し、その脇の魚雷発射管を連装に変更、上構の幅を広げて5V55RM（V-500R）型艦対空ミサイル用８セル垂直発射機PU-203を両舷に３基ずつ計６基（48発）埋め込んでいる。ミサイル射撃指揮レーダーは4R60からカップケーキ型のフォート（NATOコードはトップ・ドーム）に換装された。当初は前部B-192も外してPU-203を４基搭載し、主砲を100mm砲とする予定だったが、新兵器に対する信頼性の問題があって見送りとなっている。兵装はM-11艦対空ミサイルシステム用連装発射機B-192が１基（V-611ミサイル40発）、S-300F艦対空ミサイル用８セル垂直発射機PU-203が６基（V-500Rミサイル48発）、URPK-3メテル対潜ミサイルシステム用85R対潜ミサイル４連装発射筒KT-100（艦橋両舷）２基、76mm連装砲AK-726が２基、30mm近接防御兵器AK-630が４基（後にAK-630Mに換装）、RBU-6000対潜ロケット発射機２基（144発）、RBU-1000対潜ロケット発射機２基（60発）、533mm魚雷連装発射管PTA-53-1134BFが２基（53-65型またはSET-65型魚雷）となった。魚雷発射管は舷側に装備されており、レールで後方に引き出してから旋回させて先端を舷外に向ける。1998年に退役した。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜カーラ型改装案＞

　＜３Ｍ５５搭載案＞：1980年代に第53設計局で設計されたもの。3M55ミサイル用VLS48セル、M-11艦対空ミサイルシステム用発射機１基（V-611ミサイル40発）、オーサＭ発射機２基（9M33ミサイル40発）、コールティク近接防御システム８基（9M311Kミサイル256発、機関砲弾24000発）を装備する。改装費用が5140万ルーブルと、新造艦建艦費用の70%以上に達すると見込まれたため、実現しなかった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09

　＜１１３４ＢＫ型＞：1960年代半ばに開発されていたクヴァント垂直発射式艦対空ミサイル（射程は対空80km・対水上40km）を搭載するもの。M-11艦対空ミサイルシステムの代わりにクヴァント垂直発射機（64セル）を装備し、主砲を100mm砲AK-100MR-114に換装、電子装備も改良する。クヴァントが開発中止になったため、立ち消えになった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09

＜１１３４２型＞：1980年代末にニコライエフ及びタシュケントに対して計画されたもの。艦対艦ミサイル換装抜きのKh-35案といったもので、後にKh-35搭載も追加された。ソ連崩壊で中止になった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09

　＜Ｋｈ−３５搭載案＞：Kh-35実用化に合わせて設計されたもの。Kh-35艦対艦ミサイル４連装発射機3M24を４基、シュトルムＮ艦対空ミサイル連装発射機２基（V-611ミサイル80発）、URPK-5多目的ミサイル４連装発射機２基（85RUまたは85RUS多目的ミサイル８発）、RBU6000対潜ロケット（ザパド自動誘導弾頭装備）を装備し、MR-760フレガットMAレーダー、MGK-365ズヴェズダM1ソナーなどを搭載する。改装費が4810万ルーブルもかかるため、立ち消えになった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09

　＜Ｐ−１２０搭載案＞：URPK-3メテル対潜ミサイルシステムの代わりにP-120艦対艦ミサイルを搭載する案。ミサイルに実績はあるが目新しさが無く、わざわざ作る必要も無いので却下された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09

　＜Ｐ−５００搭載案＞：URPK-3メテル対潜ミサイルシステムの代わりにP-500艦対艦ミサイル発射筒８基（両舷４基ずつ）を搭載するもので、1971年にゴルシコフ海軍総司令官が提案した。ただミサイルが大型のため、船体を長さ13m・幅2.3m・排水量2700トンほど拡大しないと載せることができないことが分かり、後部のM-11艦対空ミサイルシステム用発射機、魚雷発射管、RBU-1000、ヘリ設備を撤去してP-500艦対艦ミサイル発射筒６基（両舷３基ずつ）を搭載する案が出された。1972年4月20日に承認され、新型ミサイル艦として設計されることになり、スラヴァ級のベースとなった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09

　＜準ウダロイ型改装案＞：M-11艦対空ミサイルシステムを外してキンジャルに換装、9M330用VLSを前後に４基ずつ装備（ミサイル64発）し、艦対潜ミサイルをURPK-5に、主砲を100mm単装砲AK-100に変更、Ka-27PLヘリを搭載するものである。ソ連崩壊間際に計画されたが、案だけに終わった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09

＜カーランジ＞：S21（潜水艦）を参照。

＜ガーランド＞：H37（駆逐艦）を参照。

＜ガーラント＞：アドルフ・ガーラント（Adolf Galland）。出自はフランスからの移民なので、名字の読みは正しくはギャランらしい。右手に斧、左手にピストルを持ち、葉巻を加えたミッキーマウスを乗機に描いている。ヘビースモーカーで、ブラジル葉巻を１日に20本も吸い、愛機には専用の灰皿とシガーライターを取り付け、酸素マスクを付ける必要の無い低高度では機内でも煙草をふかしまくっていたという。1912年3月18日、ヴェストファーレン州ヴェスターホルト生まれ。1930年に民間の航空学校に入り、操縦者免許を取った。ただし実際には空軍パイロットとしての養成であり、ソ連のリペック基地で軍事訓練を受けている。1935年3月、ドイツ再軍備宣言でドイツ空軍が誕生すると、第１戦闘航空団に配属された。1937年6月、コンドル連隊第88戦闘飛行隊第３中隊長としてスペイン内戦に参加し、当初はHe51で対地支援を実施、その後Bf109Bに乗り換えて７機を撃墜した。ドイツに戻ると第２教導航空団第５飛行中隊／地上襲撃中隊に転属となり、第２次大戦勃発時には中隊長で、Hs123により対地支援を実施して功二級鉄十字章を授与された。しかし戦闘機に乗りたかったため、知人の医師にリウマチで開放コクピット機には乗れないという診断書を書かせて1940年4月に第27戦闘航空団に移った。当初は本部付将校として本部でのデスクワークを担当したが、黄作戦では司令の目を盗んで空戦に参加、イギリス空軍機３機（本人はベルギー空軍機と思っていた）を撃墜した。黄作戦の最終段階である6月6日に第26戦闘航空団第３飛行隊に転属、大尉に昇進して飛行隊司令官になった。6月20日のフランス降伏時のスコアは17機である。8月1日、少佐となり、騎士鉄十字章を授与された。8月22日、第26戦闘航空団司令官となった。9月24日、40機撃墜を達成し、柏葉騎士鉄十字章を受章した。バトル・オブ・ブリテン中に視察に来たヘルマン・ゲーリング元帥から何か欲しいものは無いかと聞かれ、スピットファイアを下さいと答えて周囲を凍り付かせている。11月1日、50機撃墜を達成。1941年4月15日、60機撃墜を達成。6月22日、剣付柏葉騎士鉄十字章を授与され（全軍で初）、その後中佐に昇任した。12月4日、戦闘機隊総監となり、後方に下がった。1942年1月28日、ダイヤモンド剣付柏葉騎士鉄十字章を受章した。11月、最年少で少将となった。1945年1月、ラインの守り作戦に反発したのとMe262の早期配備主張とでゲーリングとの対立が決定的となり、戦闘機総監を更迭されたが、部下がゲーリングを弾劾裁判にかける事態にまで発展したため、ヒトラーが間を取り持って第44戦闘航空機部隊司令に任命、エリートパイロットからなる精鋭ジェット機部隊を指揮することになり、自身もMe262で４機を撃墜して終戦を迎えた。出撃回数705回。総撃墜機数103機。最終階級は中将。戦後は航空コンサルタントを務め、1996年に死去した。参考：月刊JWings12,’11、グラフィックアクション２、36

＜ガーリーズ＞：K475（フリゲート）を参照。

＜カーリュー＞：I42（軽巡洋艦）を参照。

＜カール＞：An-26シリーズ（輸送機）を参照。

＜カール＞：ドイツ国防軍自走重攻城臼砲。制式名称は040機材（Gerat 040。口径600mm型）または041機材（Gerat041。口径540mm型）で、1941年2月に本機材の開発推進者であるカール・ベッカー将軍にちなんでカールの名が付いた。マジノ線突破用に1935年から開発され、1940年9月から1941年8月に６両を製作、順にアダム（レックスという説も）、エーファ、トール、オーディン、ロキ、ジウというニックネームが付けられている。車体は軟鋼製箱形で、後装式600mmライフル臼砲を後ろ向きに搭載する。車体前部左に操縦室があり、その後方に独立して副操縦手席が設けられている。下部転輪はガータービーム付き片側８個（１・２号車）またはガータービーム無し片側11個（３号車以降）、サスペンションはトーションバー式、上部小転輪８個（１・２号車）または６個（３号車以降）を持つ。車体前部が機関室で、起動輪は前方、誘導輪は後方にある。履帯は１・２号車が133枚、３号車以降は94枚。エンジンを切るとサスペンションが上昇し、下部履帯全体を接地させるようになっていた（故障したら手動で行う）。また、発射時はサスペンションを折り畳んで車体下部を接地させ、安定化することができる。臼砲は砲身長5.069m・重量64トン、仰角0-70度（砲左のハンドルで操作する）、射撃時角度55-70度、旋回角左右４度ずつ。弾種はSeBe対ベトン重徹甲榴弾（2.5mのコンクリートまたは0.4mの鉄板を貫通できる。重量2200kg、炸薬重量348kg、初速毎秒220m、射程6800m）、対ベトン軽徹甲榴弾（重量1700kg、炸薬重量220kg、砲口初速毎秒283m、チャージ５装薬で射程4260m、チャージ９で6640m。厚さ2.5m以上の強化コンクリートを貫通できる）、榴弾（重量2170kg、炸薬重量280kg。地面に直径15m、深さ5mの爆発孔を開け、破片は周囲300m、高さ170mに飛散する。チャージ１で射程2840m、チャージ４で初速毎秒220m、射程4320m）の３種で、発射速度は10分に１発。1944年6-7月には540mm砲身（砲身長6.21m、最大射程５10500m）も開発され、１・４・５号車に搭載された（４号車は後に600mm砲に戻された）。砲全長は2m長く（7.108m）、重量は2.35トン重く、射撃時仰角は58-70度となった。強化コンクリート3-3.5mを貫徹できる。射程はチャージ１で4840m、チャージ９で10060m。発射速度は同じく10分で1発。全長11.15m、全幅3.15m、全高4.78m、車体重量60トン、砲重量64トン（口径600mm型）／66.35トン（口径540mm型）。エンジンはMB503A液冷12気筒ガソリン（総排気量44500cc、出力580馬力、燃費毎時175リットル。１・２・６号車搭載）またはMB507Cディーゼル（総排気量・馬力とも同じ、燃費毎時120リットル。3-5号車搭載）、変速機はアルデルト社製機械式（前進４速、後進１速。１・３・６号車搭載）またはボイス社製TG504油圧式変速機（２・４・５号車搭載）、最大速度10km、燃料搭載量1200リットル、航続距離60km（MB507Cディーゼル搭載型）。操作員は指揮官１名＋射撃要員15名（18名？）。長距離輸送時は専用の輸送貨車で運び、その後４組のユニットに分けて24輪トレーラー（本体）と８輪路上輸送車クーレマイヤー（上部駐退機構＋装填装置、砲身、砲尾部）に載せて運搬し、組み立てた。1941年7月、1-4号車が第628重砲兵大隊に配備された。初陣はバルバロッサ作戦だが、数発発射して弾詰まりが発生し、修理はしたものの数日で後方に下げられた。次にセヴァストポリ攻略戦に駆り出され、マキシム・ゴーリキー及びバスチオン要塞を粉砕した。その後第833重砲兵大隊（機械化）に配置換えとなり、1942年にはゲオルグ作戦（レニングラード攻略戦）に出撃したが、作戦自体が中止され、新たに練り直されたフューアーザウバー作戦も発動されず、結局何もせず後方に下がった。1943年、レニングラード南方に出撃を予定したが、結局本国に戻された。1944年、ワルシャワ蜂起の鎮圧に派遣され、市街に弾丸を撃ち込んだ。また、西部戦線でラインの守り作戦に投入され、1945年にはレマーゲン鉄橋防衛戦に参加。4月11日、ベルリン南方50kmの地点でソ連軍と戦闘を行ったのが最後の戦いである。クビンカ戦車博物館に１両保存されている。参考：月刊グランドパワー6,’04、月刊PANZER6,’03、ジャーマンタンクス

＜カール運搬貨車＞：ドイツ国防軍のカール自走臼砲専用輸送貨車。重量123トンのカールを鉄道輸送するためのもので、油圧式リフターを備え、カールを14.5トンの支持架２基で吊り下げて輸送した。参考：月刊グランドパワー6,’04、月刊PANZER1,’90、世界の軍用車両(1)

＜カール弾薬運搬車＞：ドイツ国防軍のカール自走臼砲用弾薬運搬車Munitionsschalepper für Karlgerät。�W号戦車Ｄ型の車体を利用した専用運搬車が計画され、結局D/E/F型を流用して13両が生産された。車体後方の起倒式鋼板内部に砲弾４発を収納、車体上部前方右側に2.5トン電動クレーン（動力は砲塔旋回用モーターから得る）を持つ。参考：ジャーマンタンクス、月刊グランドパワー6,’04、月刊PANZER6,’03

＜カール弾薬トレーラー＞：ドイツ国防軍のカール自走臼砲用弾薬トレーラー。カール用砲弾８発を搭載できる。12-18トンハーフトラックで牽引する。参考：月刊PANZER6,’03

＜カール・Ｍ・ブラシア＞：T-AKE-7（補給艦）を参照。

＜カール・Ｍ・レヴィン＞：DDG-120（駆逐艦）を参照。

＜カール・ヴィンソン＞：CVN-70（空母）を参照。

＜カール・ガルスター＞：Z-20（駆逐艦）を参照。

＜ガール級＞：イギリス海軍曳船Girl級。船名は造船所により頭文字がＡとＢのものに分かれている。基準排水量40トン。機関出力495馬力、速力10ノット。A113アリス、A116アガサ、A117オードリー、A121アグネス、A322ベティ、A323ブリジェット、A324バーバラ、A335ブレンザが1961-63年に進水した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜カール・グスタフ＞：M45（短機関銃）を参照。

＜カール・グスタフ・シリーズ＞：スウェーデン国営兵器製造局FFV社カール・グスタフ・ライフル工廠が開発した個人携行無反動砲Carl Gustav。スウェーデン軍がPvgm/42無反動対戦車ライフルの後継として1946年に発注し、1948年にGrg m/48（8.4cm Granatgevar m/48）の名称で採用した。参考：月刊軍事研究1,’18、9,’08、5,’17

　＜カール・グスタフＭ１＞：初代で、カールグスタフM2登場に伴いGrg m/48を改称したものである。クルップ式無反動砲で、初速が遅いため、重量のある対戦車榴弾だけロケット推進にして所要の射程を確保した。砲身、閉鎖機兼砲身後部ノズル、チークピース、肩当て、脚、グリップ、撃発装置、照準器からなる。砲身は特殊鋼製内筒を金属製外筒で包んでおり、ライフリングは右回り24条。全長1.13m、重量16.35kg。使用弾は多目的榴弾、対戦車榴弾、照明弾、発煙弾など。重すぎるという欠点があり、1950年代から改良型M2を開発した。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜カール・グスタフＭ２＞：軽量化型で、1950年代から開発され、1964年に採用された。砲身は鋼製で、砲腔には24条のライフリングが刻まれ、砲身前部に前方グリップ（斜め左下向き）があって、その後方に引き金付きの撃発握りがある。更に後ろに肩当て付きの脚があり、伏せ撃ちの時に砲身を固定できる。引き金部の安全子をＳにしてから砲尾固定ハンドルを前方に倒し、閉鎖機レバーにより砲尾を開放、弾薬の切り欠きと薬室底部の凸部を合わせて弾薬を装填し、槓桿を圧縮して閉鎖機レバーにより砲尾を閉鎖、安全子をＦにすると発射準備が完了する。引き金を引くと薬莢の片側に付いている雷管が発火し、薬莢底が吹き飛ばされてガスを後方に噴射、反動を相殺する。閉鎖機を回転させて開放すると薬莢が後ろにずれるので、それを取り出して排莢終了。砲尾にはゴムバンドが巻かれており、発射時の金属音を抑制する。口径84mm、全長1130mm、重量14.2kg（16.1kg？）。使用弾はFFV441HE、FFV551HEAT、FFV469発煙弾、FFV545照明弾、HEDP（塹壕・トーチカ・市街戦用）、FFV552訓練弾など。発射速度毎分4-5発。照準器はオープン・サイトとM2テレスコープ（長さ250mm、重量1.1kg、倍率３倍、視野12度。目盛りは対戦車榴弾で0-700m、他で0-1300m。外気による照準修正指標付）の２つが用意されており、照明弾の閃光から目を守るフレア・サイトもある。有効射程700m（固定目標）／400m（移動目標）。イギリス軍やオーストラリア軍も採用し、自衛隊も84mm無反動砲として装備した。参考：月刊PANZER10,’01、コンバット・バイブル２、スピアヘッドNo.2、月刊軍事研究5,’17、3,’04、1,’18、火器弾薬技術ハンドブック

　＜カール・グスタフＭ２−５５０＞：M2の照準器改良型。1972年に実用化された。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜カール・グスタフＭ３＞：M2の軽量化型。アメリカ陸軍第75レンジャー連隊のM67無反動砲後継に応募するため1980年代から開発してM3として採用され、スウェーデン陸軍にも8.4cm Granatgevar m/86（Grg m/86）の名称で制式採用された。本体はライフリングを切った特殊鋼製ライナーをカーボンファイバーの外筒で覆ってあり、全長も1065mmとM2よりも65mm短縮し、本体重量は5.7kg軽量化されて8.5kgに、システム重量は8kg減って21.5kgになった。ランチャー左には照準用テレスコープ（倍率２倍／３倍）があり、Nd-YAGレーザー測距器（50-4000m）と組み合わせたコンピュータ射撃統制ユニットFCS12（2kg）を取り付けることもできる。弾種はFFV502多目的榴弾、FFV509対構造物榴弾、FFV756対人・対構造物榴弾、FFV401フレシット弾、FFV597対戦車榴弾、FFV551/551C対戦車榴弾、FFV655CS対戦車榴弾、FFV751タンデムHEAT、FFV441B/D榴弾、FFV469B発煙弾、FFV545/545C照明弾、FFV469C発煙弾など。自衛隊も84mm無反動砲(B)として採用した。参考：月刊PANZER8,’03、月刊軍事研究1,’18

　＜カール・グスタフＭ４＞：M3の軽量化型で、2014年9月24日にサーブ社が公開した。砲身内筒をチタン合金、外筒をCFRPに変更し、砲身後部ノズルを改良、全長を短縮して軽量化した。ただし値段は５割増しで、サーブ社では一般部隊向けはM3とし、特殊部隊など高性能装備が必要な部隊への少数配備を薦めている。砲身寿命は1000発で、発射弾数記録装置を備える。シリーズで初めて安全装置を搭載しており、装填したままで持ち運びでき、キャリングハンドルも大型化して落下事故を防ぐ措置を執った。砲弾を薬室に装填して後部ノズルを半回転させ薬室を閉鎖すると同時に後部ノズルが砲身に固定されるようになり、安全子を操作する手間を省いている。照準器は標準がテレスコープ式だが、ピカティニーレールが用意されていて、ダットサイトなども使える。フォアグリップ、二脚、肩当てもレールに取り付けられていて、体格に合わせ微調整が可能。外部照準装置とのインターフェースを搭載しており、スマート照準システムの追加が可能で、砲腔内温度、装薬温度、砲身劣化などを測定する砲身センサーも標準装備しているため、将来的に知能化弾薬が開発されるかもしれない。全長950mm、本体重量6.7kg。スウェーデン軍はまだ採用しておらず、アメリカ特殊作戦軍とスロバキア陸軍が少数を配備している。参考：月刊軍事研究3,’15、朝雲

＜カール・グスタフ海外シリーズ＞

　＜８４ｍｍ無反動砲＞：陸上自衛隊個人携行無反動砲、略称84RR。89mmロケット発射筒M20改４型の後継として1978年に採用したカール・グスタフM2で、1979年度から1000門が輸入され、1980年度に部隊配備を開始、1984年度からは豊和工業でライセンス生産された。採用時にはM3も開発されていたが、なぜM2になったのかは不明。普通科部隊の小銃班１個に１門ずつ配備され、対戦車戦闘から陣地制圧にまで広く使用される。口径84mm、全長1.13m、全備重量16.1kg。使用弾は84mm無反動砲榴弾（重量2.3kg）、対戦車榴弾（重量2.4kg）、発煙弾、照明弾、演習弾で、ダイキン工業製。初速毎秒260-350m、有効射程700m（対戦車榴弾）／1000m（榴弾）。発射速度毎分4-5発。弾薬は２発ずつグラスファイバー製コンテナに入れられており、装填手が４発を運搬する。参考：月刊軍事研究3,’04、7,’08、自衛隊装備カタログ1981、自衛隊図鑑2002、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.2、No.6、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜８４ｍｍ無反動砲（Ｂ）＞：陸上自衛隊個人携行無反動砲。カール・グスタフM3を2012年度から調達したもので、2012年度概算要求では多用途ガンという名称であり、2013年度概算要求でこの名称が付いた。住商エアロシステムが受注している。砲身、グリップ、光学照準器、マウント、頬当、肩当、脚、撃発装置、砲身後部ノズルで構成される。全長1.065m、本体重量8.5kg、全備重量9.91kg（光学照準器・マウント付）。使用弾はFFV441D榴弾、FFV551対戦車榴弾、FFV469C発煙弾、FFV545C照明弾で、砲口初速毎秒225-255m、有効射程600m（FFV751対戦車榴弾）／1000m（FFV441B榴弾）。訓練などで空包が必要な際にはアタッチメントを介して7.62mm空包を発射する。参考：月刊JWings9,'15、月刊軍事研究1,’18、12,’11、10,’15

　＜Ｌ１４Ａ１＞：イギリス海兵隊個人携行無反動砲。カール・グスタフM2を採用したものである。フォークランド紛争でアルゼンチン海軍フリゲート・ゲリコを中破させた。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜Ｍ３＞：アメリカ特殊作戦コマンド個人携行無反動砲、別名MAAWS（多目的対装甲・対人兵器システム）。アメリカ陸軍第75レンジャー連隊用M67無反動砲の後継としてカール・グスタフM3を1987年に採用したもので、当時の別名はRAAWS（Ranger Anti-Armor/ Anti-Personal Weapon System）だった。不朽の自由作戦（アフガン）で空挺部隊に試験配備され、高い有効性を示したため、追加調達して空挺部隊などへの配備も進めている。アメリカ海兵隊もSMAWの後継として配備予定。全長1.07m、重量8.5kg。有効射程700m、発射速度毎分６発。参考：月刊軍事研究1,’18、12,’16、11,’14

　＜Ｍ３Ｅ１＞：アメリカ特殊作戦コマンド個人携行無反動砲。カール・グスタフM4を採用したものである。参考：月刊軍事研究1,’18

＜カールスクローナ＞：M04（敷設艦）を参照。

＜カールスクローナ級＞：スウェーデン海軍機雷敷設艦Carlskrona級。掃海母艦や練習艦としての任務もこなせるようにできている。船型は長船首楼型。戦闘システムはフィリップス社製9LV300。全長105.7m、全幅15.2m、吃水4m、基準排水量3300トン、満載排水量3550トン。主機はNohab F-212D825ディーゼル４基、出力10560馬力、速力20ノット。兵装は57mm単装砲Mk1が２門、ボフォース70口径40mm単装機関砲２門、103mmロケット弾３連装ランチャー２基、機雷敷設装置一式、機雷105個。自衛用チャフ・フレアロケットランチャーとしてフィラックスを２基装備する。艦後部にヘリ甲板を持つ。乗員186名（敷設艦時）／50名＋練習生136名（練習艦時）。1982年にM04カールスクローナが就役した。後に後部の57mm単装砲１門を撤去した。2010年、哨戒艦に改造され、艦種記号−艦番号がP04になった。満載排水量3658トン。参考：ザ・マーチ39号、月刊世界の艦船6,’05、12,’19、月刊軍事研究6,’05、JShips Vol.20

＜カールスタッド＞：K35（コルベット）を参照。

＜カール・ストーン＞：MR-244（レーダー）を参照。

＜カールスルーエ＞：F212（フリゲート）を参照。

＜カールスルーエ（２代目）＞：ドイツ海軍ケーニッヒスベルク級（２代目）軽巡洋艦Karlsruhe。1916年竣工。1919年に自沈した。参考：近代巡洋艦史

＜カールスルーエ（３代目）＞：ドイツ海軍ケーニッヒスベルグ級（３代目）軽巡洋艦２番艦Karlsruhe。1926年7月起工、1927年8月進水、1929年11月6日竣工・就役。士官候補生遠洋航海練習艦として使用された。1934年、ポーランドのスイネミュンデ港を訪問。1935年6-10月、太平洋方面に遠洋航海を実施。途中で台風に遭遇して船体縦通材が折れ、沈没しかかった。1936年3月、長崎と神戸に寄港。1938-39年、船体強化及び近代化改装を実施。8.8cm高角砲を10.5cm連装高角砲に換装した。1940年4月9日、ヴェーゼル演習作戦に参加。クリスチャンスンド上陸作戦を支援中にイギリス潜水艦N68トルーアントの雷撃を受け、魚雷２本（３本？）が命中して大破し、友軍に雷撃処分された。2020年9月6日、ノルウェー国営送電会社スタットネットが、2017年にクリスチアンサン沖13海里・深度490mの海底で発見された未確認沈没船がカールスルーエであることを確認したと発表した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船12,’20、月刊丸8,’11

＜カールスルーエ＞：ドイツ海軍ケルン級フリゲートKarlsruhe。1962年就役。1983年にトルコ海軍に売却され、ゲリボルとなった。参考：月刊世界の艦船9,'96

＜カールソン＞：DE-9（護衛駆逐艦）を参照。

＜カール・デア・グロッセ＞：SS第10装甲師団を参照。

＜カール・デーニッツ＞：デーニッツ（ドイツ海軍元帥）を参照。

＜ガールド・ネス＞：イギリス海軍実験艦。元は揚陸艇工作艦で、1953年から改造し、1956年に竣工した。イギリス初の艦載ミサイルであるシースラグの実験を行うため、艦首に３連装発射機を装備している。排水量8580トン。地中海で実験に従事した。参考：月刊丸2,’07

＜カール・ニコバル＞：インド海軍カール・ニコバル級哨戒艇１番艇Car Nicobar。2009年2月就役。2009年12月4日、インド海軍公開演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’10

＜カール・ニコバル級＞：インド海軍哨戒艇Car Nicobar級。全長48.9m、満載排水量293トン。主機はディーゼル、速力35ノット。兵装は30mm単装機関砲CRN-91が１門。カール・ニコバル、コスワリ、カンカルソ、コンダルなど14隻が2009-17年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’10、10,’11、9,’10、1,'15増刊、1,’21

＜カール・ハインツ・ベンデルト＞：ベンデルト（ドイツ空軍エース）を参照。

＜カール・ペタース＞：ドイツ海軍アドルフ・ルデリッツ級魚雷艇母艦。1940年4月7日からノルウェー攻略ヴェーゼル演習作戦に参加。1945年5月10日、爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、JShips VOL.70

＜カール・マイヤー＞：ドイツ海軍水上機母艦。第２次大戦後はフランスに譲渡された。参考：グラフィックアクション44

＜ガーロパ＞：SS-358（潜水艦）を参照。

＜カーン＞：TFX戦闘機（トルコ）を参照。

＜カーン３３級＞：パキスタン海軍高速艇Kaan33級。船体はステルス性を考慮している。全長35.6m。主機はCODAG方式、二連MTUディーゼル＋ハネウェル社製TF50ガスタービン、推進はMJPウォータージェット２基。乗員20名。トルコのYonca-Onuk造船所で２隻が建造され、１番艦Zarrarは2008年初めに就役予定。参考：月刊軍事研究10,’08

＜カーン・クエスト＞：モンゴルとアメリカが2003年からモンゴルのタバントロゴイ（英語名ファイブヒルズ）演習場で行っているPKO演習。中国とロシアから圧迫を受ける立場にあるモンゴルと、モンゴルの資源を両国に渡したくないアメリカの利害が一致して開始されたようである。2005年には多国間演習となり、2006年には７カ国が正式参加、16カ国がオブザーバー参加し、モンゴル軍事外交強化の場となった。中国はオブザーバー参加を依頼されたが拒否し、韓国は中国に配慮してオブザーバー参加のみとしている。日本は指揮所演習にオブザーバー参加した。2011年は7月31日から8月12日に実施され、モンゴル、アメリカ、インド、韓国、日本（陸自中央即応集団幹部２名）が参加した。2012年は8月12-23日に実施され、モンゴル、アメリカ、インド、オーストラリア、カザフスタン、カナダ、韓国、ドイツ、日本（陸自中央即応集団幹部２名）、ニュージーランドが参加した。2014年は6月17-28日に実施され、モンゴル、アメリカ、イギリス、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、タジキスタン、ドイツ、日本（陸自中央即応集団・陸幕計８名）、ネパール、パキスタン、フランスが参加した。中央即応集団の６名は実動訓練で教官を務め、陸幕の２名はオブザーバー参加している。2015年は6月20日から7月1日にタバントロゴイ演習場で実施され、モンゴル、アメリカ、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国（特殊戦司令部、UDT/SEALなど）、カンボジア、シンガポール、タイ、タジキスタン、チェコ、中国、ドイツ、トルコ、日本（中央即応連隊25名、国際活動教育隊８名、陸幕等６名）、ネパール、ハンガリー、バングラデシュ、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベラルーシ、マレーシアの27カ国1200名が参加した。自衛隊は初の訓練部隊を派遣したが、日本からは銃を持ってこれなかったため、モンゴル軍からAK47系突撃銃を借り、中国軍や韓国軍の兵士とも訓練を行っている。前段の機能別座学・訓練は巡察、第一線救護、検問、車両縦隊行動、IED対処、暴動対処、包囲索敵などで、自衛隊は法的根拠の無い暴動対処と包囲索敵には参加しなかった。6月23日の第一線救護訓練は、負傷した中国軍兵士を自衛隊と中国軍が協力して救出・救護する想定で実施されている。後段では総合訓練が行われた。2016年は5月22日から6月4日に実施され、モンゴル、アメリカ、インド、韓国、中国など21カ国1000名が参加した。自衛隊は第９師団から39名、国際活動教育隊から８名、中央即応集団司令部から２名が参加し、巡察、検問、移動検問、車両縦隊行動、IED対処、衛生、指揮所演習を行っている。演習の枠組みの中でGPOIキャップストーン演習も実施された。2017年は7月23日から8月5日に実施され、モンゴル、アメリカ、オーストラリア、カナダ、韓国、中国、ネパール、ベトナムなど27カ国1000名が参加した。陸上自衛隊は中央即応連隊など46名を派遣し、共同検問、車両縦隊行進、IED対処、救護、緊急対処訓練（いわゆる駆け付け警護）などを行っている。2018年は6月14-28日に実施され、モンゴル、アメリカ、イギリス、イタリア、インド、オーストラリア、カナダ、韓国、中国、ドイツ、フランス、ロシアなど32カ国1000名が参加した。陸上自衛隊は陸上総隊教官要員４名と中央即応連隊35名を派遣し、巡察、包囲・捜索、群衆対処、検問、国連指定施設警備、交付所任務、車列警護、IED対処、救護、文民保護教育、PKOミッション司令部指揮幕僚活動指揮所訓練を行っている。2019年は6月14-28日に実施され、モンゴル、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、カナダ、インド、中国、韓国など39カ国が参加した。陸上自衛隊は中央即応連隊１個小隊基幹55名と陸上総隊国際活動教育隊教官要員５名の60名が参加し、指揮所訓練、検問、IED対処、巡察、救護、交付所任務、いわゆる駆け付け警護などの訓練を行っている。2020-21年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された。2022年は6月6-20日にファイブ・ヒルズ訓練場で行われ、16カ国が参加、陸上自衛隊は陸上総隊司令部、中央即応連隊、国際活動教育隊、第11旅団第18普通科連隊の隊員90名を派遣し、国連PKOにおける多国間共同幕僚活動を想定した指揮所訓練と、国連PKOの安全確保業務に関する実動訓練を実施した。2023年は6月にモンゴルのファイブヒルズ訓練場で開催され、モンゴル、アメリカ、オーストラリア、バングラデシュ、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、陸自、マレーシア、ネパール、フィリピン、カタール、韓国、シンガポール、タイ、トルコ、イギリス、ベトナムが参加した。陸自派遣期間は6月19日から7月2日で、陸上総隊司令部、中央即応連隊、国際活動教育隊、第７師団第11普通科連隊などが参加、指揮所訓練と実動訓練（車列警護、国連指定施設警護・検問、文民保護など）を行っている。参考：月刊軍事研究1,’07、9,'15、10,'15、朝雲、MAMOR vol.131

＜ガーンジー＞：P297（哨戒艦）を参照。

＜カーン博士＞：アブドル・カディール・カーン博士。1936年、インド生まれ。1972-75年、オランダの超遠心分離器ネダーランド社に勤務。1975年にオランダ当局が産業スパイ容疑で逮捕しようとしたが、CIAが泳がせることを決定し、圧力をかけて逮捕を見送らせたらしい。1976年、パキスタンに帰国し、そのコピー遠心分離器を試作、ウラン濃縮に成功した。1993年から北朝鮮と接触。2004年12月、核技術を外国に売り渡した容疑でパキスタン政府に拘束された。参考：月刊軍事研究5,’05、10,’05

＜ガイ装甲車シリーズ＞：イギリス陸軍４輪高機動装甲車（Armoured-Car）。1938年のイギリス戦争局仕様書に基づいてガイ・モータース社が開発し、1939年に制式化された。クオッド・アーント15cwtGS砲牽引車（４×２輪）のコンポーネントを流用しており、当初はガイ軽装輪戦車（Light Tank Wheeled）と呼ばれていたが、1941年頃にこの名称に変更されている。第２次大戦開戦後はガイ社がトラックの生産で手一杯になったため、101両で生産を終え、ハンバー装甲車に後を譲った。６両がフランスに送られて実戦参加し、北アフリカ戦で本格投入された。訓練用としても多数が使用され、一部はイギリス本土でVIP護衛車両としても使われている。ベルギー、デンマーク、オランダなどの義勇軍部隊に貸与されたものもあった。参考：月刊PANZER10,’12、世界の軍用車両(4)、月刊丸2,’07

　＜ガイＭｋ．�T＞：最初の量産型。シャシーを強化してエンジンを後方に移し、溶接製（試作段階ではリベット止めだった）の装甲車体を載せた。銃塔は密閉式で、12.7mm機銃と7.7mm機銃を１丁ずつ装備する。50両が生産された。参考：月刊PANZER10,’12、世界の軍用車両(4)、月刊丸2,’07

　＜ガイＭｋ．�TＡ＞：武装をベサ15mm機銃とベサ7.92mm機銃に換装したもの。51両が生産された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’12

＜改６メートル内火艇＞：６メートル内火艇シリーズを参照。

＜改７．９メートル内火艇＞：7.9メートル内火艇シリーズを参照。

＜改１２型＞：ロスシー級フリゲートを参照。

＜改Ｅ−２Ｃ機上警戒管制訓練装置＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜改Ｋ級潜水艦＞：イギリス海軍の潜水艦。Ｋ級潜水艦を更に大型化したものである。６隻を建造する予定だったが、第一次大戦が終わったため、1923年にK26潜水艦のみ竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜改Ｗ級改造型短距離護衛艦＞：イギリス海軍の改造型短距離護衛艦。改Ｗ級駆逐艦から改装された。全長95.2m、幅9.1m、吃水3.3m、基準排水量1120トン。主機は蒸気タービン、出力27000馬力、速力34ノット。兵装は12cm単装砲2-3門、7.6cm単装砲１門（D77は６ポンド連装砲１基）、533mm魚雷３連装発射管１門。D72ベテラン、D77ホイットシェッド、D62ワイルド・スワン、D76ウィザリントン、D66ワイバーン、D78ウォルバリンの６隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜改Ｗ級改造型長距離護衛艦＞：イギリス海軍の改造型長距離護衛艦。改Ｗ級駆逐艦から改装された。全長95.2m、幅9.1m、吃水3.3m、基準排水量1120トン。主機は蒸気タービン、出力18000馬力、速力24.5ノット。兵装は12cm単装砲2-3門、２ポンド単装砲2-3門。D64ヴァンジッタート、D75ヴェノマス、D63ヴェリティ、D71ヴォランティア、D74ワンダラー、D94ホワイトホールの６隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜改Ｗ級駆逐艦＞：イギリス海軍の駆逐艦。全長95.2m、幅9m、吃水2.6m、基準排水量1120トン。主機は蒸気タービン、出力27000馬力、速力34ノット。兵装は12cm単装砲４門、２ポンド単装砲１門、533mm魚雷３連装発射管２基。D88レン、D96ウースターなどが1922-23年に竣工した。第２次大戦にも14隻が参加、大部分は改造型護衛艦などに改装されている。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ガイァー＞：G7es魚雷（ガイァー）を参照。

＜改阿賀野型＞：日本海軍がマル五計画で建造を予定した水雷戦隊旗艦用軽巡洋艦、第810号艦型軽巡。島風型の旗艦となるため、速力を高めている。基準排水量8520トン。速力37.5ノット。兵装は15cm連装砲４基、長8cm連装高角砲４基、61cm魚雷４連装発射管２基。水上偵察機２機を搭載する。５隻を建造する予定だったが、改マル五計画で２隻に減らされ、結局建造されなかった。参考：近代巡洋艦史

＜改アクラ型＞：971U型潜水艦を参照。

＜ガイアナ海軍＞：

＜ガイアナ海軍（１９８９年）＞：兵力150名。ジョージタウン、ニューアムステルダムに基地がある。ペカリ級内海哨戒艇１隻、小型内海高速艇５隻、汎用揚陸艇１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガイアナ海軍（２０１５年）＞：現役兵力100名。哨戒艇５隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガイアナ空軍＞：

＜ガイアナ空軍（１９８９年）＞：兵力300名。BN-2A輸送機６機、スカイバン２輸送機２機、スーパーキングエアB200要人輸送機１機、ベル206ヘリ２機、ベル212ヘリ１機、ベル412ヘリ１機、Mi-8ヘリ１機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガイアナ空軍（２０１５年）＞：現役兵力100名。セスナ206輸送機１機、Y-12（�U）輸送機１機、ベル412汎用ヘリ１機、ベル206汎用ヘリ２機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガイアナ軍＞

＜ガイアナ軍（１９７７年）＞：兵力2000名。歩兵大隊２個からなる。ショーランド装甲車４両、81mm迫撃砲12門、高速哨戒艇３隻、BN2A軽輸送機８機、軽飛行機１機、ヒューズ269ヘリ２機、ベル206Bヘリ２機、ベル212ヘリ１機、アルエート１機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ガイアナ統合防衛軍（１９８９年）＞：兵力5450名、予備役（ガイアナ人民民兵）2000名。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガイアナ防衛軍（２０１５年）＞：現役総兵力3400名（陸軍3000名、海軍200名、空軍200名）、予備役670名（陸軍500名、海軍170名）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガイアナ陸軍＞：

＜ガイアナ陸軍（１９８９年）＞：兵力5000名。歩兵大隊２個、親衛大隊１個、特殊部隊大隊１個、支援兵器大隊１個、工兵大隊１個からなる。ショーランド偵察車４両、130mm砲M-46を６門、81mm迫撃砲L16A1を12門、82mm迫撃砲M-43を18門、120mm迫撃砲M-43を18門、SA-7地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガイアナ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力900名。特殊作戦中隊１個、歩兵大隊１個、大統領警護大隊１個、砲兵中隊１個、戦闘支援中隊１個、工兵中隊１個からなる。EE-9偵察車６両（を保有しているという報告あり）、S52ショーランド偵察車３両、130mm砲M-46を６門、81mm迫撃砲L16A1を12門、82mm迫撃砲M-43を18門、120mm迫撃砲M-43を18門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜改アリゲーター級＞：プロジェクト1171.1（揚陸艦）を参照。

＜改アルタイ型＞：ロシア海軍給油艦、改Altay型。全長106.2m、満載排水量7250-7366トン。速力14ノット。ドライカーゴ200立方メートルや燃料4400トンなどを搭載できる。イジョラ、イリムなどが就役した。参考：月刊世界の艦船6,’09、5,’14

＜改ヴィール級＞：ヴィール級ミサイル艇シリーズ（２代目）を参照。

＜改ヴィビェルネン級＞：デンマーク海軍改Hvidbjornen級。全長74.7m、幅12.2m、吃水5.3m、満載排水量1970トン。主機はディーゼル、出力7440馬力、１軸推進、速力18ノット。兵装は76mm単装砲１門。ヘリコプター１機を搭載できる。1976年に１隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜改ウナ級＞：クロアチア海軍潜水艦Modified Una級。元はユーゴスラビア海軍ウナ級潜水艦４番艦艦番号914ソカで、1991年に譲渡されて艦番号P-01ヴェレビトとして就役した。船体中央にセイル状の構造物を追加している。全長20.92m、全幅2.7m、吃水2.4m（4.42m？）、水上排水量88トン、水中排水量99トン。主機は電動機２基、出力54馬力、１軸推進、水上速力６ノット（８ノット？）、水中速力７ノット（11ノット？）。潜航深度120m。機雷６個または水中工作員輸送艇４隻を搭載可能。乗員６名（４名？）＋工作員４名（６名？）。1993年にディーゼル発電機の搭載工事が行われた。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜改ウルサン級＞：バンガバンドゥ級（フリゲート）を参照。

＜海運基地（日本陸軍）＞：日本陸軍の船舶輸送拠点。船舶輸送の策源地で、軍事輸送上枢要な内地港湾に設けられ、船舶輸送司令部が置かれる。参考：作戦要務令

＜海運主地（日本陸軍）＞：日本陸軍の船舶輸送拠点。船舶輸送端末での中枢地で、外地の主要港湾に設けられる。参考：作戦要務令

＜海運総監部＞：日本軍の海上輸送統括機関。国家総動員態勢や国民の生活に必要な物資・食料を効率的に輸送するため、船舶と港湾を一元管理するのが主任務で、陸海軍、運輸省、船舶運営会などから要員が派出された。昭和20年5月、大本営付設で新編された。トップの海運総監は野村直邦海軍大将、参謀長は磯矢伍郎陸軍中将、参謀副長は森下信衛海軍少将である。参考：月刊丸8,’15別冊

＜海運補助地（日本陸軍）＞：日本陸軍の船舶輸送拠点。海運基地または海運主地以外で必要な港湾に設けられる。参考：作戦要務令

＜海鴎級＞：台湾海軍ミサイル艇ハイオウ（Haiou）級。イスラエル海軍ドヴォラ型をベースに国産したもので、世界最小のミサイル艇である。船体はアルミ合金製。艦橋脇にはチャフ発射筒が２本ずつ装着されており、艦橋上部にはペリスコープが突き出している。艦橋の後ろにマストがあり、最初はモノコック構造だったが、後にラティスマストに換えられた。全長21.6m、全幅5.5m、吃水1m、満載排水量47トン。主機はディーゼル、出力2605馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装は雄風�T型ミサイル発射筒２基（マスト直後両舷）、20mm単装機関砲１丁（後甲板）、12.7mm機銃２丁（マスト直前両舷）。乗員10名。1980-84年にFABG7-12、14-21、23-30、32-39、41-58の48隻（49隻？50隻？）が就役し、他に２隻がパラグアイに売却された。2012年6月27日、在役艇が最後の哨戒に出撃。6月28日、在役20隻全艇が除籍され、光華�Y型に後を譲った。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船12,’12、4,’98、9,’22

＜海王星＞：852（情報収集艦）を参照。

＜カイオ・ジュリオ・チェザーレ＞：ジュリオ・チェザーレ（戦艦）を参照。

＜カイオ・デュイリオ＞：D554（駆逐艦）を参照。

＜カイオ・デュイリオ＞：イタリア海軍アンドレア・ドリア級戦艦Caio Duilio。1912年起工、1915年竣工。1937-40年、大改装を受けた。1942年、練習艦に艦種変更された。イタリア降伏後、マルタで武装解除され、その後イタリアに返還された。1956年に除籍された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船4,’17

＜カイオ・デュイリオ＞：イタリア海軍アンドレア・ドリア級ヘリコプター巡洋艦２番艦Caio Duilio。1964年就役。1990年に除籍され、海軍兵学校練習艦となった。参考：月刊軍事研究12,’03、月刊世界の艦船3,’92増刊

＜カイオ・マリオ＞：イタリア海軍カピタニ・ロマニ級軽巡洋艦Caio Mario。建造中止になった。参考：近代巡洋艦史

＜カイオワ＞：OH-58A（観測ヘリ）を参照。

＜カイオワ・ウォーリア＞：アームドOH-58D（武装ヘリ）を参照。

＜懐化＞：566（フリゲート）を参照。

＜改ガール級＞：イギリス海軍曳船、改Girl級。船名は造船所の違いで頭文字Ｃ、Ｄ、Ｅのものに分かれている。基準排水量38トン。機関出力495馬力、速力10ノット。A145デイジー、A156ダフネ、A173ドロシー、A177イーディス、A210シャーロット、A217クリスティーン、A218クレア、A252ドリスの８隻が1966-69年に進水した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜海外情報局＞：IDBを参照。

＜海外任務略綬章（アメリカ陸軍）＞：Overseas Service Ribbon（OSR）。規定の海外任務に従事すると授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜海外派遣（自衛隊）＞：湾岸の夜明け作戦、後方支援・復興支援（テロ特措法／補給支援法、イラク復興人道支援特措法）、PKO（PKO協力法）、国際緊急援助（国際緊急援助法）、海賊対処（海賊対処法）で海外に派遣されている。他にも海外軍との共同訓練や共同演習、アメリカの演習場を使用しての実弾射撃訓練などが行われる。国民は行くまでは大騒ぎで帰ってくる時も多少騒ぐが、間の出来事に対する関心がすっぽ抜け、終わって暫くするとさっぱり忘れるという悪い癖がある。自衛隊発足前（海上自衛隊の前身である海上警備隊も発足前）の1950年に朝鮮戦争で海上保安庁が特別掃海隊を密かに派遣した。イラン・イラク戦争時に海自で掃海部隊派遣プランが練られ、掃海艇６隻に護衛艦２隻を付ける予定としたが、計画のみとなった。1991年1月17日の湾岸戦争勃発を受け、1月23日深夜に池田防衛庁長官から空自にC-130Hによる避難民救出準備命令が口頭で出され、翌日には「中東における避難民の輸送の準備に関する長官指示」が文書で発出され、航空幕僚監部防衛部長と航空支援集団司令官・第１輸送航空隊が派遣準備を整えて即応待機に入った（任務責任者は鈴木航空幕僚長）。派遣要員二百数十名も選抜され、任務拒否者はゼロだった。派遣されれば自衛隊初の海外展開になるため、新聞記者が砂塵吸い込みテストでC-130Hのエンジンが故障したと誤報を出して社内処分を喰らうほどマスコミから緊迫した雰囲気で注視されたが、幸い派遣される事態にはならなかった。停戦後に官邸で海部総理大臣から航空幕僚長に対して賞詞が出され、航空幕僚長が総理の許可を得て小牧基地で関連全隊員に伝達している。4-10月、湾岸の夜明け作戦に参加。1992年9月から1993年9月、カンボジアPKO。1993年5月から1995年1月、モザンビークPKO。1994年9-12月、ルワンダPKO。1996年2月から2013年1月、ゴラン高原PKO。1998年11-12月、ホンジュラス国際緊急援助活動。1999年9-11月、トルコ地震に対する国際緊急援助を実施。11月から2000年2月、東チモール避難民救援。2001年2月、インド国際緊急援助活動。10月、アフガニスタン難民救援。11月から2010年1月、インド洋洋上補給活動。2002年2月から2004年6月、東ティモールPKOに参加。2002年12月から2005年6月、二等陸佐を国連PKO局軍事計画課に派遣。2003年3-4月、イラク難民救援。7-8月、イラク被災民救援。12月から2004年1月、イラン国際緊急援助活動。2003年12月（2004年2月？）から2009年2月、イラク人道復興支援活動に参加。2004年12月から2005年1月、インド洋大津波に対するタイでの国際緊急援助を実施。2005年1-3月、インド洋大津波に対するインドネシアでの国際緊急援助活動。8月、ロシア潜水艇AS28救難の国際緊急援助を実施。10-12月、パキスタン国際緊急援助活動。11月から2008年11月、陸上自衛官を国連PKO局軍事計画課に派遣。2006年6月、インドネシア国際緊急援助活動。2007年3月30日から2011年1月15日、国連ネパール政治ミッションUNMINに参加。2008年10月から2011年9月、国連スーダン派遣団UNMISに参加。2009年1月、PKO協力法に基づくパレスチナ被災民救援の物資協力を実施。3月からソマリア沖海賊対処を実施。10月、インドネシア国際緊急援助活動。2010年1-2月、ハイチ国際緊急援助活動。2月から2013年2月、ハイチPKOに参加。2010年8-10月、パキスタン洪水に対する国際緊急援助を実施。2010年9月から2012年9月、国連東チモール統合ミッションUNMITに参加。2011年1月17日から陸上自衛官を国連PKO局軍事計画課に派遣。2-3月、ニュージーランド国際緊急援助活動。2011年11月（2012年1月？）から国連南スーダン共和国ミッションUNMISSに南スーダン派遣国際平和協力隊を派遣。2012年度から能力構築支援事業を開始。2013年1月、在アルジェリア邦人等を輸送。11月12日から12月21日、フィリピン台風30号被害に対する国際緊急援助活動を実施。12月上旬から第151連合任務部隊に連絡官を派遣。2014年3-4月、マレーシア航空機捜索活動。8月28日、第151連合任務部隊に司令部要員を派遣。12月8日、国際緊急援助隊派遣法に基づき、エボラ対策としてガーナに個人防護具２万セットを輸送。2015年、国連三角パートナーシップ・プロジェクトを開始。1月3-9日、エアアジア機捜索活動。4月25日からネパール大地震の国際緊急援助活動に参加。5月31日、第151連合任務部隊司令官に第４護衛隊群司令が就任し、司令部要員として他に９名を派遣した。6月1日、国連PKO局アフリカ第１部に陸幕運用支援・情報部の一等陸佐（課長級）を上級連絡官として派遣した（任期２年）。9月7日、アフリカ施設部隊早期展開プロジェクトに参加。2016年6月6日から7月29日、ケニア国際平和支援訓練センターでアフリカ施設部隊早期展開プロジェクトに参加。8月29日から国連本部PKO局に陸幕運用支援・情報部の二等陸佐を派遣。11月15-18日、ニュージーランド地震で国際緊急援助活動を実施。2017年5-7月、アフリカ施設部隊早期展開プロジェクトに参加。7-9月、アフリカ施設部隊早期展開プロジェクトに参加。12月1日、エチオピアPKOセンターにジェンダー分野担当講師として女性自衛官１名、国際コンサルタントとして男性自衛官１名を派遣。2018年6月30日から7月15日、防衛大学校所属２等陸佐をエチオピア平和支援訓練センターに派遣し、紛争管理コースの運営支援や教育などを行った。6-8月、アフリカ施設部隊早期展開プロジェクトに参加。7-10月、アフリカ施設部隊早期展開プロジェクトに参加。2018年8月22-28日、防衛大学校の２等陸佐をインドネシア軍平和維持ミッションセンターにカナダ軍事訓練協力プログラム戦略的平和支援活動コースの講師として派遣。9月21日から12月16日、施設科隊員13名をジブチに派遣し、災害対処能力強化支援事業を実施。11月2-18日、防衛大学校の２等陸佐をエチオピア平和支援訓練センターに派遣。12月7-16日、陸自衛生学校の２等陸佐をPKO応急救護訓練教官としてイタリアのブリンディシに派遣した。2019年3月3日、防衛大学校の２等陸佐をエチオピア平和支援訓練センターに国際コンサルタントして２週間ほど派遣し、PKO要員カリキュラムのコース改定・更新などに関する技術的助言を行った。4月、初の国際連携平和安全活動として、多国籍軍・監視団MFO司令部に２名を派遣。5月中旬、陸自UNMISS経験幹部２名をイギリスのノーフォークに派遣し、イギリス陸軍主催国連南スーダン共和国ミッションUNMISS派遣前訓練でイギリス陸軍UNMISS司令部派遣要員を指導した。6月28日から7月12日、エチオピア平和支援訓練センターに防衛大学校の二等陸佐を派遣し、PKO要員人材育成に関する教育カリキュラムコース運営支援や講義などを行った。9月14-24日、陸自衛生学校医官１名と東部方面衛生隊救急救命士１名をPKOにおける応急救護上級訓練コース教官としてブラジルのサルバドール市に派遣した。10月3日、支援部隊早期展開プロジェクトに参加する陸自衛生学校２名が日本を出国。10月19日、陸幕運用支援課の２等陸佐を２年間の予定で国連本部に派遣した。国連平和活動局軍事部軍事計画課でPKOの方針策定、基準設定、計画作成などにあたる。11月8-22日、防衛大学校の二等陸佐をエチオピア平和支援訓練研究センターに派遣し、PKO要員人材育成に関する教育カリキュラムコース運営支援や講義などを行った。11月25日、二等空佐を２年間の予定でNATO本部諮問・指揮統制幕僚部NHQC3S（NATO HQ Consultation, Command and Control Staff）に情報通信幕僚として派遣した。2020年1月10日、防衛大臣が中東地域情報収集活動の派遣命令を海自に発出した。1月15日から2月8日、オーストラリア森林火災でオーストラリア連邦国際緊急援助空輸隊を派遣。2-6月、第151連合任務部隊司令官に第３護衛隊群司令が派出された。3月6-15日、防衛大学校所属２等陸佐をエチオピアのアジスアベバにあるエチオピア平和支援訓練研究センターに国際コンサルタントとして派遣し、PKO要員の人材育成に関する対話・交渉・協定コースのカリキュラム作成支援などを行った。8月8日、国連本部に陸幕運用支援・訓練部運用支援課の女性２等陸佐を派遣。11月2日、USSTRATCOMに自衛隊からの初代連絡官として統幕防衛課野本１等空佐が着任した。2021年3月15日、防衛大臣官房秘書課付・統幕首席参事官付の丸崎事務官をニューヨークの国連本部にある国連活動支援局特別活動部パートナーシップ支援課に１年間の予定で派遣した。3月29日、アメリカ空軍宇宙コマンドAFSPC多国間宇宙調整所に初代連絡官として窪田２等空佐を２年間の予定で派遣（正確には2020年10月15日から派遣されており2021年3月29日付で正式に連絡官として着任）。8月23日、在外邦人等輸送に基づき、在アフガニスタン・イスラム共和国邦人等輸送統合任務部隊をアフガニスタンに派遣。11月24日、NATO本部軍事幕僚部・協調的安全保障局に３等陸佐１名を任期２年間で派遣。2022年1-2月、トンガ海底火山噴火で国際緊急援助隊を派遣。4月3日、オーストラリア陸軍第１師団司令部に初代連絡官として陸上総隊司令部の２等陸佐を派遣。4月28日、岸防衛大臣が航空支援集団にウクライナ被災民救援国際平和協力業務の実施に関する自衛隊行動命令を発出した。5月、2019年10月から国連平和活動局軍事部軍事計画課に派遣されていた１等陸佐（活動中に昇任）が活動を終了して帰国した。7月1日、国連平和活動局軍事部軍事計画課に派遣される二等陸佐が吉田陸幕長に出国報告を実施。参考：MAMOR vol.50、vol.100、vol.57、vol.135、vol.161、vol.162、スピアヘッドNo.5、月刊PANZER4,’11、月刊世界の艦船6,’11、3,’15、1,'21、4,'22、月刊JWings5,’12、3,’12、8,’14、7,’15、4,’20、11,’21、7,'22、月刊軍事研究2,’16、月刊航空ファン2,’17、ペルシャ湾の軍艦旗、朝雲

＜海外有償援助＞：FMSを参照。

＜海外領土警備艦＞：POMを参照。

＜開回路式スキューバ＞：スキューバを参照。

＜海岸要塞＞：敵艦船に備えて建設される要塞。背後が弱点で、旅順、青島、香港、シンガポール、バターン、セバストポリなど、陥落した海岸要塞は全て陸側から攻略されている。参考：工兵入門

＜海弓＞：K-SAAM（艦対空ミサイル）を参照。

＜階級＞

　＜アメリカ海軍＞：元帥（Fleet Admiral）、大将（Admiral）、中将（Vice Admiral）、少将（Rear Admiral Upper Half）、准将（Rear Admiral Lower Half）、大佐（Captain）、中佐（Commander）、少佐（Lieutenant Commander）、大尉（Lieutenant）、中尉（Lieutenant Junior Grade）、少尉（Ensign）、上級准尉（Chief Warrant Officer）、准尉（Warrant Officer）、上級曹長（Master Chief Petty Officer of the Navy/ Fleet/Farce Master Chief Petty Officer/ Master Chief Petty Officer）、曹長（Senior Chief Petty Officer）、一等軍曹（Chief Petty Officer）、二等軍曹（Petty Officer First Class）、三等軍曹（Petty Officer Second Class）、伍長（Petty Officer Third Class）、上等兵（Seaman）、一等兵（Seaman Apprentice）、二等兵（Seaman Recruit）。実戦で活躍した海軍士官が退役時に一階級特進する制度があった（退役後の年金は元の階級のまま）が、1959年に廃止された。参考：月刊JWings2,’13別冊付録、月刊軍事研究4,’16

　＜アメリカ海兵隊＞：大将（General）、中将（Lieutenant General）、少将（Major General）、准将（Brigadier General）、大佐（Colonel）、中佐（Lieutenant Colonel）、少佐（Major）、大尉（Captain）、中尉（First Lieutenant）、少尉（Second Lieutenant）、上級准尉（Chief Warrant Officer）、准尉（Warrant Officer）、上級曹長（Sergeant Major of the Marine Corps/ Sergeant Major/ Master Gunnery Sergeant）、曹長（First Sergeant/ Master Sergeant）、一等軍曹（Gunnery Sergeant）、二等軍曹（Staff Sergeant）、三等軍曹（Sergeant）、伍長（Corporal）、上等兵（Lance Corporal）、一等兵（Private First Class）、二等兵（Private）。実戦で活躍した海兵隊士官が退役時に一階級特進する制度があった（退役後の年金は元の階級のまま）が、1959年に廃止された。参考：月刊JWings2,’13別冊付録、月刊軍事研究4,’16

　＜アメリカ空軍＞：元帥（Chief of Staff of the Air Force）、大将（General）、中将（Lieutnant General）、少将（Major General）、准将（Brigadier General）、大佐（Colonel）、中佐（Lieutenant Colonel）、少佐（Major）、大尉（Captain）、中尉（First Lieutenant）、少尉（Second Lieutenant）、上級曹長（Chief Master Sergeant of the Air Force/ Command Chief Master Sergeant/ First Sergeant/ Chief Master Sergeant）、曹長（First Sergeant/ Senior Master Sergeant）、一等軍曹（First Sergeant/ Master Sergeant）、二等軍曹（Technical Sergeant）、三等軍曹（Staff Sergeant）、伍長（Senior Airman）、上等兵（Airman First Class）、一等兵（Airman）、二等兵（Airman Basic）。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

　＜アメリカ軍＞：恒久階級は少将までで、中将と大将は臨時階級であり、准将や少将が中将や大将の階級に見合う職に就いた時にセットで昇任し、職を外れれば元の階級に戻る。最終階級が中将だった初代大統領ジョージ・ワシントンのため、1976年にGeneral of the Armies of the United Statesという６つ星の元帥階級が設けられた。第１次大戦時にアメリカ遠征軍司令官を務めたジョン・Ｊ・パーシングにも同じ名称の階級が付与されているが、ジョージ・ワシントンの方が上位である。参考：月刊軍事研究3,’16、1,’18

　＜アメリカ陸軍＞：元帥（General of the Army。戦時のみ）、大将（General）、中将（Lieutenant General）、少将（Major General）、准将（Brigadier General）、大佐（Colonel）、中佐（Lieutenant Colonel）、少佐（Major）、大尉（Captain）、中尉（First Lieutenant）、少尉（Second Lieutenant）、上級准尉（Chief Warrant Officer）、准尉（Warrant Officer）、上級曹長（Sergeant Major of the Army/ Command Sergeant Major/ Sergeant Major）、曹長（First Sergeant/ Master Sergeant）、一等軍曹（Sergeant First Class）、二等軍曹（Staff Sergeant）、三等軍曹（Sergeant）、伍長（Corporal）、上等兵（Private First Class）、一等兵（Private E-2）、二等兵（Private）。参考：月刊JWings2,’13別冊付録、月刊軍事研究2,’08

　＜イギリス軍＞：元帥（Field Marshal）、大将（General）、中将（Lieutenant General）、少将（Major General）、准将（Brigadier）。参考：月刊軍事研究2,’08

　＜海上警備隊＞：海上警備監、警備監、警備監補（将官相当）、1-3等海上警備正（佐官相当）、1-3等海上警備士（尉官相当）、1-3等海上警備士補（海曹相当）、海上警備員長、1-3等海上警備員（海士相当）。参考：月刊世界の艦船5,’02増刊、1,’79増刊

　＜海上自衛隊＞：統合幕僚会議議長／統合幕僚長及び海上幕僚長たる海将（Admiral or Chairman of the Joint Staff Council）、海将（Vice Admiral）、海将補（Rear Admiral）、一等海佐（Captain）、二等海佐（Commander）、三等海佐（Lieutenant Commander）、一等海尉（Liutenant Senior Grade）、二等海尉（Lieutenant Junior Grade）、三等海尉（Ensign）、准海尉（Warrant Officer。1970年5月25日新設）、海曹長（1980年11月29日新設）、一等海曹（Petty Officer First Class）、二等海曹（Petty Officer Second Class）、三等海曹（Petty Officer Third Class）、海士長（Leading Seaman）、一等海士（Seaman）、二等海士（Seaman Apprentice）、三等海士（Seaman Recruit）。2010年10月1日、三等海士が廃止された。参考：月刊世界の艦船5,’02増刊、1,’79増刊、8,’11増刊、6,'22、月刊丸12,’90、自衛隊装備カタログ1981、朝雲

　＜警察予備隊＞：警察監、警察監補、一等警察正、二等警察正、警察士長、一等警察士、二等警察士、一等警察士補、二等警察士補、三等警察士補、警査長、一等警査、二等警査。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜警備隊＞：第２幕僚長たる警備監、警備監、警備監補（将官相当）、1-3等警備正（佐官相当）、1-3等警備士（尉官相当）、1-3等警備士補（海曹相当）、警査長、1-3等警査（海士相当）。参考：月刊世界の艦船5,’02増刊

　＜航空自衛隊＞：統合幕僚会議議長／統合幕僚長及び航空幕僚長たる空将（General or Chairman of the Joint Staff Council）、空将（Lieutenant General）、空将補（Major General）、一等空佐（Colonel）、二等空佐（Lieutenant Colonel）、三等空佐（Major）、一等空尉（Captain）、二等空尉（First Lieutenant）、三等空尉（Second Lieutenant）、准空尉（Warrant Officer）、空曹長、一等空曹（Master Sergeant）、二等空曹（Technical Sergeant）、三等空曹（Staff Sergeant）、空士長（Airman First Class）、一等空士（Airman Second Class）、二等空士（Airman Third Class）、三等空士（Airman Basic）。2010年10月1日、三等空士が廃止された。参考：自衛隊装備カタログ1981、MAMOR Vol.42、朝雲

　＜自衛隊＞：自衛隊法第32条に規定されている。統合幕僚会議議長／統合幕僚長たる将、幕僚長たる将、将、将補（以上将官）、１等佐、２等佐、３等佐（以上佐官）、１等尉、２等尉、３等尉（以上尉官）、准尉（1970年5月13日制定）、曹長、１等曹、２等曹、３等曹（以上曹）、士長、１等士、２等士（以上士）で、これに陸海空が付く。以前は自衛隊生徒の階級として３等士があったが、自衛隊生徒の制度が2010年に廃止・変更されたため、2010年10月1日に廃止された。将官・佐官・尉官を纏めて幹部といい、曹長以下を纏めて曹士と呼ぶ。定年は統合幕僚会議議長／統合幕僚長・幕僚長たる将が62才、将と将補（と医師、歯科医師、薬剤師、音楽などの職務に携わる者）が60才、１等佐が57才（2020年12月までは56才）、２等佐と３等佐が56才（2020年12月までは55才）、１等尉から１等曹までが55才（2019年12月までは54才）、２等曹と３等曹が54才（2021年12月までは53才）。士長以下は任期制で、陸自が２年（特殊技術を有する場合は志願で更に１年）、海空自が３年である。退職で自衛隊の任務遂行に重大な支障が出る場合には、防衛出動時には１年以内、それ以外は６ヶ月以内の延長を防衛大臣が命じることが可能である。2001年に再任用の制度が設けられ、退職後に選考で１年以内の任期を定め、60歳代での再任用は最大65歳まで更新できることとした。しかし１年ごとに更新のための選考をクリアすることが必要で、生活設計に不便なことから、６年間で158名しか利用者がいなかったため、2009年8月1日に60歳までは１任期３年以内に期間を延長した（60歳以上は従来通り１年ごと65歳まで）。また、2009年8月1日から、強制勤務延長制度に加え、本人の同意を得て定年後３年以内の勤務延長を実施することができるようになった。参考：月刊JWings5,’10、MAMOR Vol.42、朝雲、自衛隊法、月刊世界の艦船4,’19

　＜台湾海軍＞：上将、中将、少将、上校、中校、少校、上尉、中尉、少尉。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

　＜中国海軍＞：上将、中将、少将、大校、上校、中校、少校、上尉、中尉、少尉。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

　＜中国人民解放軍＞：1927年の創設時には階級は存在せず、1955年にソ連に準ずる階級を設けた。1965年の文化大革命で廃止され、1988年に再創設している。組織の順位を示す職位等級というものもあり、中央軍事委員会主席、中央軍事委員会副主席（階級は上将）、中央軍事委員会委員（主に上将、時に中将）、正大軍区級（主に上将、時に中将）、副大軍区級（主に中将、時に少将）、正軍級（主に少将、時に中将）、副軍級（主に少将、時に大校）、正師級（主に大校、時に少将）、副師級／旅級（主に上校、時に大校）、正団級／副旅級（主に上校、時に中校）、副団級（主に中校、時に少校）、正営級（主に小校、時に中校）、副営級（主に大尉、時に小校）、正連級（主に大尉、時に中尉）、副連級（主に中尉、時に大尉）、排級（主に少尉、時に中尉）の順となっている。参考：月刊軍事研究2,’12、5,’16

　＜中国陸軍＞：上将、中将、少将、大校、上校、中校、少校、上尉、中尉、少尉（以上軍官。一般に言う将校と士官）、軍士、一級軍士長、二級軍士長、三級軍士長、四級軍士長、上士、中士、下士（以上士官。一般に言う下士官）、上等兵、列兵（以上兵）。参考：月刊軍事研究2,’12

＜ドイツ海軍（再軍備後）＞：元帥（Grossadmiral）、大将（Generaladmiral）、中将（Admiral）、少将（Vizeadmiral）、准将（Konteradmiral）、大佐（Kaptan zur See）、中佐（Fregattenkapitan）、少佐（Korvettenkapitain）、大尉（Kapitanleutnant）、中尉（Oberleutnant）、少尉（Leutnant）、司令部付兵曹長（Stabsoberfeltweber）、特務兵曹長（Oberfeldwebel）、上級兵曹長（Stabsfeltwebel）、兵曹長（Feldwebel）、一等兵曹（Obermaat）、二等兵曹（Maat）、司令部付水兵長（Stabsgefreiter）、水兵長（Huptgefreiter）、上等水兵（Obergefreiter）、一等水兵（Gefreiter）、二等水兵（Matrose）。将校は元帥から少尉まで、兵曹長（広義）は司令部付兵曹長から兵曹長まで、下士官は一等兵曹と二等兵曹、兵は司令部付水兵長から二等水兵を指す。参考：グラフィックアクション36

　＜ドイツ空軍＞：国家元帥、元帥、大将、中将、少将、大佐、中佐、少佐、大尉、中尉、少尉、司令部付曹長、特務曹長、曹長、見習い曹長、軍曹。参考：グラフィックアクション36

　＜ドイツ国防軍＞：元帥（Generalfeldmarschall）、上級大将（Generaloberst）、大将（General / General der Infanterie）、中将（Generalleutnant）、少将（Generalmajor）、大佐（Oberst）、中佐（Oberstleutnant）、少佐（Major）、大尉（Hauptmann）、中尉（Oberleutnant）、少尉（Leutnant）、上級士官候補生（Oberfahnriche）、特務曹長（Stabsfeldwebel）、上級曹長（Oberfeldwebel）、曹長（Feldwebel）、下級曹長（Unterfeldwebel）、軍曹（Unteroffizier）、本部付上等兵／伍長（Stabsgefreiter）、伍長勤務上等兵／兵長（Obergefreiter）、上等兵（Gefreiter）、上級狙撃兵／一等兵（Oberschutze）、狙撃兵／二等兵（Schutze）。参考：月刊PANZER11,’86、武装親衛隊、月刊軍事研究2,’08

　＜ドイツ連邦軍＞：大将（General）、中将（Generalleutnant）、少将（Generalmajor）、准将（Brigadegeneral）。参考：月刊軍事研究2,’08

　＜日本海軍＞：大将（定年65才）、中将（定年62才。戦艦戦隊司令などを務める）、少将（定年58才。巡洋艦戦隊司令など）、大佐（定年54才。戦艦・巡洋艦艦長、駆逐隊司令、潜水隊司令など）、中佐（定年50才。駆逐艦長、潜水艦艦長など）、少佐（定年47才）、大尉（定年45才）、中尉（定年40才）、少尉（定年40才）、特務大尉（定年54歳）、特務中尉（定年52歳）、特務少尉（定年52歳）、兵曹長（定年40才）、一等兵曹（定年40才）、二等兵曹（定年40才）、三等兵曹（定年40才）、一等兵、二等兵、三等兵、四等兵（海兵団に入団した新兵で、階級章が無い）。更に兵科名称が付く（一等飛行兵曹など）。ちなみに元帥はただの称号である。また、「大」は「だい」と濁音で発音し（ダイイ、ダイサなど）、普通に発音すると陸式だの陸さんだのと罵られる。ただし大将だけは代将と間違うので「タイショウ」である。大正9年7月29日の改訂で、下士を下士官、卒を兵、下士官と兵を合わせて兵員と呼ぶことになった。昭和17年11月1日の改訂で、兵曹が兵曹長、上等兵曹、一等兵曹、二等兵曹に、兵が兵長、上等水兵、一等水兵、二等水兵になった。参考：帝国陸海軍事典、歴史群像10,’08、4,’16、自衛隊装備カタログ1981、月刊丸12,’11、7,’14、月刊世界の艦船9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧、月刊航空ファン6,’16、海軍兵学校岩国分校物語

　＜日本陸軍＞：明治4年の創設時は、大将、中将、少将、大佐、中佐、少佐、大尉、中尉、少尉、曹長、権曹長、一等軍曹、二等軍曹、三等軍曹、四等軍曹、一等伍長、二等伍長、三等伍長、一等兵卒、二等兵卒。太平洋戦争時は、元帥大将、大将（定年65才）、中将（定年62才。各部は総監）、少将（定年58才。各部は監）、大佐（定年55才。各部は一等正）、中佐（定年53才。各部は二等正）、少佐（定年50才。各部は三等正）、大尉（定年50才）、中尉（定年46才）、少尉（定年46才）、准尉／特務曹長（定年40才。工兵科の一部などは上等工兵）、曹長（定年40才。工兵科の一部などは一等工長）、軍曹（定年40才。工兵科の一部などは二等工長）、伍長（定年40才。工兵科の一部などは三等工長）、上等兵、一等兵、二等兵。大佐から下の階級では各兵科名称が頭に付く（陸軍航空兵大佐）。各部のトップは中将相当の総監（陸軍薬剤総監など）だが、軍楽部は大尉にあたる陸軍一等楽長がトップ。各部の尉官相当は1-3等主計、同軍医、同薬剤官、同看護官、同獣医、同楽長で、准士官相当は上等計手、上等縫工長、上等靴工長、上等看護長、上等磨工長、上等鋳鉄工長、楽長補であり、下士官相当は1-3等計手、同縫工長、同靴工長、同看護長、同磨工長、同蹄鉄工長、同楽手、兵相当は上等・一等・二等看護兵、同磨工兵、楽手補（上等兵相当）。経理部と獣医部には兵相当の階級が無い。参考：写真で見る日本陸軍兵営の食事、帝国陸海軍事典、自衛隊装備カタログ1981

　＜武装親衛隊＞：SS国家長官（Rsichsfuhrer SS）、最高上級指揮官（Oberstgruppenfuhrer。1942年以降SS上級大将SS-Obergruppenfuhrer und Generaloberst der Waffen-SS）、上級集団指揮官（Obergruppenfuhrer。1942年以降SS大将Obergruppenfuhrer und General der Waffen-SS）、集団指揮官（Gruppenfuhrer。1942年以降SS中将SS-Gruppenfuhrer und Generalleutnant der Waffen-SS）、旅団指揮官（Brigaderfuhrer。1942年以降SS少将SS-Brigadefuhrer und Generallmajor der Waffen-SS）、上級指揮官（Oberfuhrer。1942年以降SS准将SS-Oberfuhrer）、連隊指揮官（Standartenfuhrer。1942年以降SS大佐SS-Standartenfuhrer）、上級大隊指揮官（Oberststurmbannfuhrer。1942年以降SS中佐SS-Obersturmbannfuhrer）、大隊指揮官（Sturmbannfuhrer。1942年以降SS少佐SS-Sturmbannfuhrer）、高級中隊指揮官（Haupsturmfuhrer。1942年以降SS大尉SS-Hauptsturmfuhrer）、上級中隊指揮官（Obersturmfuhrer。1942年以降SS中尉SS-Obersturmfuhrer）、下級中隊指揮官（Untersturmfuhrer。1942年以降SS少尉SS-Untersturmfuhrer）、SS上級特務曹長／SS准尉（Sturmscharfuhrer/ SS-Sturmcharfuhrer）、SS上級士官候補生（SS-Standarten-Oberjunker）、高級小隊指揮官（Hauptscharfuhrer。1942年以降SS上級曹長SS-Haputscharfuhrer）、上級小隊指揮官（Obersharfuhrer。1942年以降SS曹長SS-Oberschafuhrer）、小隊指揮官（Scharfuhrer。1942年以降上級軍曹）、下級小隊指揮官（Unterscharfuhrer。1942年以降SS軍曹SS-Unterschafuhrer）、分隊指揮官（Rottenfuhrer。1942年以降SS伍長SS-Stabsrottenfuhrer）、SS兵長（SS-Rottenfuhrer）、上級狙撃兵／SS上等兵（SS-Sturmmann）、突撃兵（Sturmann。1942年以降SS一等兵SS-Oberschutze）、SS二等兵（SS-Mann/ SS-Schutze）、兵員候補（Staffelbewerber）。参考：月刊PANZER11,’86、武装親衛隊、グラフィックアクション２

　＜フランス軍＞：大将、中将、少将、准将。参考：月刊軍事研究2,’08

　＜陸上自衛隊＞：統合幕僚会議議長／統合幕僚長及び幕僚長たる大将（General or Chairman of the Joint Staff Council）、陸将（Lieutenant General）、陸将補（Major General）、一等陸佐（Colonel）、二等陸佐（Lieutenant Colonel）、三等陸佐（Major）、一等陸尉（Captain）、二等陸尉（First Lieutenant）、三等陸尉（Second Lieutenant）、准陸尉（Warrant Officer）、陸曹長、一等陸曹（Master Sergeant）、二等陸曹（Sergeant First Class）、三等陸曹（Sergeant）、陸士長（Corporal）、一等陸士（Private First Class）、二等陸士（Private Second Class）、三等陸士（Private Third Class）。2010年10月1日、三等陸士が廃止された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊軍事研究2,’08、MAMOR Vol.42、朝雲

　＜ロシア軍＞：ロシア連邦元帥、上級大将、大将、中将、少将。参考：月刊軍事研究2,’08

＜海久級＞：中国海軍037-1型（Type-037/�T）哨戒艇のNATOコード、Haijiu級。海南級の改良型で、1987年に存在が確認されたが、３隻（４隻？）しか建造されておらず、試作に止まったらしい。FCSとしてラウンド・ボールを搭載している。全長64m、満載排水量498トン。主機はディーゼル、速力28ノット。兵装は57mm連装砲1-2基、RBU1200対潜ロケット発射機４基、爆雷投下軌条２条。艦番号649、688などが就役した。参考：月刊世界の艦船9,’11、5,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜海鳩型＞：中国海軍062-1型（Type-062/�T）哨戒艇のNATOコード、Haizhui（Haizui？）級。1992年に存在が確認された。対潜ロケットを装備するタイプは上海�V（Shanghai�V）級と呼ばれる。全長41m、満載排水量170-173トン。主機はディーゼル、速力25ノット。兵装は37mm連装機関砲２基、25mm/14.5mm連装機銃２基。艦番号1201、1205、1239など38隻（うち上海�V型13隻）が就役し、艦番号1100番台は北海艦隊、1200番台は東海艦隊、1300番台は南海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’19、3,’13、9,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜階級章（自衛隊）＞：制服により付ける位置が違う。陸自・空自冬制服の場合、幹部は肩、曹は襟、士は左腕に付ける。海自冬制服の場合、幹部は両袖、曹士は左腕に付ける。参考：MAMOR vol.91、vol.100

＜海峡スーツ＞：ドイツ空軍が1942年頃から使用した２ピースのフライトスーツの通称で、Kanaljacke（海峡ジャケット）とKanalhosen（海峡ズボン）からなる。ズボンの正面と左側面には大型のポケットが付いており、航空地図や信号弾カートリッジなどを収納できる。ジャケットは従来のものとあまり変化が無かったので、パイロットの好みで他のジャケットを着ることも多かった。参考：グラフィックアクション36

＜改キロ級＞：636型（潜水艦）を参照。

＜外禁＞：航空・陸上自衛隊のスラングで、外出禁止の略。参考：MAMOR vol.164

＜海空連絡メカニズム＞：自衛隊と中国軍の偶発的衝突回避メカニズム。ホットライン開設（適切なレベルでの迅速な電話会談）、年次会合及び専門会合（相互理解と信頼醸成）、国際規範である海上衝突回避規範（CUES）に基づく自衛隊と中国軍の艦艇・航空機関による無線による直接通信（現場レベルでの連絡体制）の３つからなる。ホットラインの通話者は事態に応じて当局間で調整し決定する。2018年5月9日に覚書が交わされ、6月8日から海上衝突回避規範に基づく無線による直接通信の運用が開始された。2023年3月31日、日中防衛当局間ホットラインの設置を完了した。運用は春頃からになる予定。参考：朝雲

＜カイクン＞：鹿児島地方協力本部マスコットキャラクター鹿地本３兄弟の海自版。錦江湾のイルカの被り物をしている。参考：MAMOR vol.132

＜海軍＞：主任務は海上権益や海上優勢の確保である。作戦域は海なので広大になり、７つの海を駆ける海軍もある。洋上行動が長くても数日以内の沿岸海軍と、数十日以上の遠洋海軍に分かれる。速力の限界から移動に時間がかかるので、概ね時単位の対応時間になるが、対空戦となればスピーディな対応も求められる。艦船が作戦運用単位で、作戦艦艇は数も限られ、規模によっては稼働各艦の概略状況を上級司令官が全て把握することも可能。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船4,’18、歴史群像4,’18

＜海軍三校＞：海軍兵学校、海軍機関学校、海軍経理学校のこと。参考：歴史群像6,’16

＜海軍０４８工程＞：中国海軍が2004年8月に開始した空母建造プロジェクト。空母の他、空母用軍港２カ所（青島膠南小口子基地、楡林錦母角基地）と艦上機用陸上飛行場３カ所（興城飛行場、膠州飛行場、陵水飛行場）を整備する。参考：月刊世界の艦船9,’13

＜海軍衣糧廠＞：日本海軍の地方官庁で、軍服や保存食を製造する。品川に第１海軍衣糧廠、姫路に第２海軍衣糧廠、札幌に第３海軍衣糧廠が設置された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍運輸本部＞：日本海軍の組織。昭和18年6月、運輸本部から改称された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍衛生学校＞：日本海軍の術科教育学校。普通科看護術練習生の教育（それまでは海軍病院練習部が担当していた）を行って看護科衛生兵を育成する。戸塚海軍衛生学校（神奈川県戸塚。横須賀・舞鶴鎮守府担当）、賀茂海軍衛生学校（広島県乃美尾村。呉・佐世保鎮守府担当）が昭和20年4月に開設された。戸塚海軍衛生学校では海軍軍医普通科教育も行われている。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、陸海軍学校と教育、軍医サンよもやま物語

＜海軍遠征任務部隊＞：アメリカ海軍の任務部隊で、NETFと略す。海軍遠征部隊コンセプトから生まれたもので、空母戦闘群CVBGと揚陸即応群ARGで構成される。参考：月刊軍事研究2,’02

＜海軍遠征部隊＞：アメリカ海軍の軍事作戦コンセプトで、NEF（Naval Expeditionary Forces）と略す。地域紛争に対応するため、湾岸戦争後に構築された。軍事作戦が発動されると、海軍司令官が空母戦闘群CVBGに海兵隊の海兵遠征隊を搭載した揚陸即応群ARGを帯同させ、海軍遠征任務部隊というタスクフォースを形成し、作戦に参加させる。これにより、内陸部での作戦も可能となる。参考：月刊軍事研究2,’02

＜海軍乙事件＞：古賀長官行方不明事件を参照。

＜海軍／海兵隊遠征対艦阻止システム＞：NMESISを参照。

＜海軍海洋哺乳類計画＞：NMMPを参照。

＜海軍化兵戦部＞：日本海軍の組織で、第101事務所ともいう。化学兵器に対抗する戦術などを研究するのが主任務で、昭和20年4月に開設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍火薬廠＞：日本海軍の地方官庁で、火薬類や原料の製造研究などを行う。大正8年4月に新設された。太平洋戦争時には第１海軍火薬廠（宮城県船岡）、第２海軍火薬廠（神奈川県平塚。昭和16年4月に海軍火薬廠から改称）、第３海軍火薬廠（舞鶴）があった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍艦政本部＞：日本海軍の艦船兵器開発生産を司る機関で、海軍大臣直属である。第一部（砲熕）、第二部（魚雷）、第三部（電気）、第四部（造船）、第五部（造機）、第六部（航海機雷）に分かれる。海軍技術研究所、造船造兵監督官を監督下に置く。参考：帝国陸海軍事典、海軍技術研究所、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍艦船＞：艦船（日本海軍）を参照。

＜海軍艦隊混成飛行隊＞：VCを参照。

＜海軍艦隊補助戦力＞：NFAFを参照。

＜海軍機関学校＞：日本海軍の学校。機関科将校養成教育を担当し、京都府舞鶴市にある。元は明治7年5月5日に創設された海軍兵学寮分校（機関術）で、明治11年6月に海軍兵学校付属機関学校に改称され、明治14年7月28日に海軍機関学校として独立、横須賀に開校した。明治17年12月、練習生課程の名称で機関科下士卒（木工、機関工）に対する教育を開始。明治20年7月、一旦廃校となった。明治26年11月、機関科士官、機関手、技工などの教育学校として再創設された。明治30年、機関科士官のみの教育学校となった。大正3年3月、海軍工機学校を吸収し、下士官兵（特修兵）への術科教育も行うようになった。大正8年7月、特修科工術練習生課程（防弾、防水、防火、注排水、応急などを教育する）を新設。大正9年、選修学生を新設。大正12年9月1日、関東大震災で校舎が全焼し、9月28日から海軍兵学校を間借りして教育が行われた。大正14年3月4日、舞鶴に移転し、4月から舞鶴の新校舎で教育が行われるようになった。昭和3年6月25日、海軍工機学校が独立。昭和19年10月1日、海軍兵学校舞鶴分校に改編された。昭和20年3月、海軍工機学校を横須賀海軍機関学校（蒸気機関担当）、海軍工機学校大楠分校を大楠海軍機関学校（蒸気機関以外の内火機関と電機担当）に改編した。太平洋戦争終結後は建物を占領軍が使用し、海上警備隊／海上自衛隊舞鶴地方総監部に引き継がれている。参考：陸海軍学校と教育、日本海軍艦隊総覧、月刊丸2,’12、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍機関工練習所＞：日本海軍の教育機関。機関科下士卒（木工、機関工）に対する教育を行う機関として明治26年11月に海軍機関学校から独立した。明治30年9月、海軍機関術練習所に改称された。参考：月刊丸2,’12

＜海軍機関術練習所＞：日本海軍の教育機関。海軍機関工練習所が明治30年9月に改称されたものである。明治40年4月に海軍工機学校に改称された。参考：月刊丸2,’12

＜海軍技術会議＞：日本海軍の機関。海軍大臣の監督の下、日本海軍の艦船・兵器などの技術に関する事項を審議するのが主任務で、明治22年4月21日に設置され、名称変更などの後、昭和10年1月30日に再びこの名称で設立された。海軍高等技術会議（艦船・航空機計画を審議）、海軍艦政本部技術会議（艦船の船体、艤装、機関、兵器などを審議）、海軍航空本部技術会議（航空機や航空兵器を審議）から構成される。後に海軍電波本部技術会議（電波兵器を審議）が加わった。参考：帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍技術研究所＞：日本海軍の組織。海軍艦政本部隷下にあり、艦船技術の試験や研究を行う。明治42年2月1日に海軍艦型試験所の名称で設立され、大正12年4月1日に航空機実験所及び造兵廠と統合されてこの名称に改称された。直後に関東大震災が発生して建物が損害を受けたため、目黒の陸軍火薬製造所跡地に移転、昭和5年9月に完成した。組織は理学、化学、電気、電波、造船、材料、音響、実験心理の各研究部に分かれており、艦艇、主機、兵器の開発に役立つ技術を研究していた。昭和18年7月、電波研究部を新設。昭和19年4月、電波研究部を格上げして海軍大臣直属の電波本部とした。昭和20年3月、電波本部が第二海軍技術廠となった。終戦後に要員は民間会社に散り、後の電子立国の礎を築いた。参考：海軍技術研究所、帝国陸海軍図鑑

＜海軍技術廠＞：日本海軍の組織。海軍航空廠が第一海軍技術廠に改編され、昭和16年に海軍技術支廠が独立して第二海軍技術廠となった。参考：月刊世界の艦船11,’18

＜海軍気象学校＞：日本海軍の術科教育学校で、気象術を教育する。土浦市霞ヶ浦にある。昭和20年3月（昭和19年7月？）、海軍航海学校から独立して創設された。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍記念日＞：5月27日。明治38年5月27-28日の日本海海戦勝利を記念し、明治39年に制定された。食事は将校から兵に至るまで特別メニューで、加給品（菓子）も配布された。参考：月刊世界の艦船6,’15、写真で見る海軍糧食史

＜海軍救難本部＞：日本海軍の組織。沈没・損傷船舶の補充修理計画立案や、乗員救助を主任務とする。昭和19年12月に創設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍強襲エクラノプラーン＞：A-90（WIG機）を参照。

＜海軍共通戦術データリンク＞：NCTDLを参照。

＜海軍機雷学校＞：日本海軍の掃海・対潜戦教育学校。水測、掃海、爆雷、防潜網などについての教育を施す。水測兵を目指す者は、耳にダメージを受けないよう、ヘマをやらかしても顔を殴られることは無かったという。昭和16年4月、神奈川県久里浜に設立された。昭和19年3月、海軍対潜学校に名称変更された。参考：小艦艇入門

＜海軍機雷戦対潜戦コマンド＞：アメリカ海軍の組織Naval Mine and Anti Submarine Warfare Command（NMAWC）。2008年に機雷戦コマンドと対潜戦コマンドを統合して新編した組織で、司令部はサンディエゴにある。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜海軍緊急戦備促進部＞：日本海軍の部局で、昭和19年6月に開設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍区＞：全国の陸海上を分割して制定した鎮守府ごとの管轄地域で、師団管区の日本海軍版。明治8年に潮岬と能登岬を繋ぐ線を境目として東部と西部を設定したのが始まりである。明治19年4月に５つの海軍区を設定し、各区に鎮守府を置くこととなり、まず第１海軍区・横須賀鎮守府が設定された。明治19年5月、第２海軍区・呉鎮守府と第３海軍区・佐世保鎮守府を設定。明治22年5月、第４海軍区・舞鶴鎮守府を設定。明治23年3月、第５海軍区・室蘭鎮守府を設定したが、実際に鎮守府を設置するには至らず、明治36年1月に第１海軍区と統合された。明治39年10月、関東州海軍区・旅順鎮守府を設定。明治44年、第５海軍区・鎮海鎮守府を設ける計画が立てられたが、設定には至らなかった。大正11年3月、南洋群島委任統治領（第１次大戦でドイツから獲得）を担当する南洋海軍区を設定。鎮守府は横須賀鎮守府が担当した。大正12年4月、第４海軍区が廃止された。昭和14年12月、第４海軍区が復活した。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、帝国陸海軍事典

＜海軍軍医学校＞：日本海軍の術科教育学校。軍医（普通科／高等科／選科）、看護師（看護兵曹長／衛生兵曹長に対する選修学生教育）、薬剤師（普通科／高等科／選科）の教育を行う学校で、東京都京橋区にある。明治6年8月9日に海軍病院学舎として東京の芝に創設され、明治7年8月23日に海軍軍医寮学舎、明治9年8月31日に海軍軍医学舎に改称され、明治13年1月に一旦廃止された。明治15年8月28日に医務局学舎として再開され、明治17年12月15日に海軍軍医学舎に改称され、明治19年8月4日に海軍医学校と改称され、明治22年4月20日に海軍軍医学校に改称され、明治27年3月31日にまた廃止されて海軍大学校軍医科になり、明治31年4月1日に海軍軍医学校として築地に再創設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、陸海軍学校と教育

＜海軍軍医会雑誌＞：日本海軍が発行した医学雑誌。医学関連記事論文の他、軍医の人事なども取り扱っており、戦時中は部外秘だった。参考：軍医サンよもやま物語

＜海軍軍令部＞：日本海軍の軍令機関で、明治26年5月19日に創設された。トップは海軍軍令部長である。戦時には陸軍参謀総長に隷属する立場で、自由な作戦が難しかったため、明治32年から山本権兵衛海軍大臣が権限強化に乗り出し、明治36年末に漸く陸海軍が作戦上同等の地位となった。昭和8年10月1日、軍令部に改称された。参考：帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船12,’10、9,’13増刊、山本五十六と米内光政

＜海軍刑法＞：海軍軍人（帰休兵以外の現役軍人、召集中の予備役・後備役、制服を着用中の現役・予備役・後備役。海軍所属の学生、海軍軍属、海軍で勤務中の陸軍軍人もこれに準ずる）に適用される刑法で、明治41年4月9日に制定され、10月1日から施行された。兵役逃れの罪など、一部海軍軍人以外にも適用される条文がある。参考：帝国陸海軍事典

＜海軍警備隊＞：日本海軍の軍港・要港防備部隊。昭和16年11月に新編され、従来は海兵団が行っていた防備任務を引き継いだ。参考：日本海軍艦隊総覧

＜海軍経理学校＞：日本海軍の術科教育学校。主計科士官の養成と主計科士官・下士官・兵への専門教育を担当する。大元は明治7年10月23日に東京都芝山内に創られた海軍会計学舎で、明治9年8月31日に海軍主計学舎と改称され（明治10年6月14日に東京池上に移転）、明治10年9月に一旦廃止され、明治15年11月に東京芝で再創設され、明治19年7月1日に海軍主計学校と改称され、明治21年10月23日に東京築地に移転し、明治26年12月31日にまた廃止され、明治32年5月22日に海軍主計官練習所として東京築地に再々創設され、明治40年4月20日に海軍経理学校令が定められ、海軍経理学校となった。軍人を学生として入校させる他、明治42年4月からは生徒（身分は準軍人）を入校させるコースが設けられた。ただ養成数が需要に追いつかず、大学や高等商業学校の卒業生を民間から採用して少尉や中尉に相当する階級を付け、海軍経理学校で補修教育を受けさせて補っていた。また、専門学科の教育を一般大学に任せる選科学生制度も設けられた。修業期間は３年で、１期あたりの採用人数は15名である。大正11年、校舎が東京築地に移った。昭和3年、修業期間が３年８ヶ月となった。昭和7年9月30日、校舎が東京都京橋区小田原町三丁目に移転した。鉄筋コンクリート３階建て庁舎の両翼に鉄筋コンクリート３階建てと４階建ての居住棟１棟ずつを配置している。講堂は木造２階建て。昭和8年、定数が20名に増加。昭和9年、修業期間が４年（生徒３年＋候補生１年）になり、学生は甲種学生（旧高等科。主計少佐と主計大尉に１年間の高等教育を行う）、乙種学生（旧普通科）、選科学生（主計少佐または主計大尉養成コース）、選修学生（主計兵曹長養成コース。１年６ヶ月間）という分類になった。昭和10年、定数が25名に増加。昭和12年（生徒第29期）、定数が30名に増加。昭和13年4月1日、第30期30名が入校。修業期間は３年になった（昭和16年3月25日卒）。昭和13年12月1日、第31期36名が入校（昭和16年11月15日卒）。昭和14年12月1日、第32期45名が入校（昭和17年11月14日卒）。昭和15年12月1日、第33期48名が入校。修業期間は２年10ヶ月になった（昭和18年9月15日51名卒）。昭和16年12月1日、第34期75名が入校。修業期間は２年４ヶ月になった（昭和19年3月22日卒）。太平洋戦争勃発で定数が一気に増加。ちなみに第1-34期の生徒卒業数は合計905名だった。昭和17年に見習尉官の制度が発足すると、民間採用者は海軍経理学校での補習教育の前に短期の軍事基礎研修を受けるようになった。昭和17年12月1日、第35期104名が入校（昭和20年3月30日99名卒）。昭和18年、品川台場跡に分校を設置。昭和18年12月1日、第36期250名が入校。昭和19年9月、品川分校を本校に、従来の本校を築地分校にして生徒教育と術科教育を品川本校に移した。10月15日、第37期500名が入校。11月、浜松分校を設置。昭和20年2月、兵庫県垂水に本校を開設し、従来の本校を品川分校にした（昭和20年1月に垂水分校を開設、品川は本校のまま？）。4月、奈良県橿原市に分校を開設。4月1日、第38期500名と、第39期（予科生徒）600名が入校。8月15日の終戦で生徒（垂水に第36-38期、橿原に第39期予科生徒の計1850名）は復員となり、12月（9月30日？）に閉校した。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船12,’17、9,’13増刊

＜海軍現役軍人結婚条例＞：海軍省が明治41年7月24日に公布した、結婚に関する条例。候補生と二等兵以下の軍人は結婚できず、将官は勅許（昭和13年改訂版では海軍大臣になっている）、士官・准士官は海軍大臣、下士官・兵は所属鎮守府長官の許可が必要で、結婚相手は品行端正の者に限るというものである。結婚の際には婚姻願書と結婚相手の身元証明書及び戸籍謄本を提出し、海軍による身元調書の作成と審査を経て許可が降りる。相手が売春婦や飲食店従業員だったり、家族を含め犯罪者がいたり極端に思想が左右に寄っていたりすると、弾かれる。参考：歴史群像6,’16、海軍よもやま物語

＜海軍航海学校＞：日本海軍の術科教育学校。運用術練習生（航海、操艦）と信号術練習生（光学通信、天文気象観測）の教育を行う。昭和9年4月、横須賀市に創設された。その後茨城県阿見村にも設置されている。昭和17年12月、天文気象観測が気象術として独立した。昭和20年3月、気象術教育部門が海軍気象学校として独立した。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍工機学校＞：日本海軍の術科教育学校。機関（主機関連の掌機、主缶関連の掌缶、補機関連の掌補機、内火機関関連の内火術、電動機・発電機・電池関連の電機術）や造船技術者の育成を担当する。海軍機関術練習所が明治40年4月に改称されて創設された。大正3年3月に廃止されて海軍機関学校に吸収されたが、昭和3年6月25日に再度独立して創設された。昭和20年3月に廃止された。参考：月刊丸2,’12、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍航空技術廠＞：日本海軍の組織。海軍航空廠から改称されて昭和14年4月5日に創設された。航空機の開発研究担当で、実験部では試作機の性能試験を行っていた。昭和20年2月、本廠が第１海軍航空技術廠に、支廠が電波本部と統合されて第２海軍航空技術廠に改編された。参考：月刊丸4,’13、月刊世界の艦船9,’13増刊、帝国陸海軍事典、陸海軍学校と教育

＜海軍航空基地＞：NAS（Naval Air Station）と略す。参考：月刊航空ファン10,’16

＜海軍航空攻撃開発センター＞：NAWDCを参照。

＜海軍航空廠＞：日本海軍の機関。航空兵器設計・研究などを行うのが主任務で、昭和7年4月1日に航空研究開発関連部門を統合して横須賀に設立された。トップは廠長で、横須賀鎮守府司令長官に隷属し、技術に関しては海軍艦政本部長の指導を受ける。早速５カ年計画で高速風洞など必要な設備の建設に入り、ちょうど開発が始まっていた九六式シリーズ全金属機や、国産航空エンジン（減速機構付き寿三型、栄、金星）の開発支援にあたった。昭和14年4月5日に海軍航空技術廠に改称された。その後、昭和16年10月1日に海軍航空廠令が制定され、第１（霞ヶ浦）、第２（君津）、第11（呉）、第21（大分）、第22（鹿屋）、第31（舞鶴）、第41（大湊、その後千歳に移設）、第51（鎮海）、第61海軍航空廠（高雄）が各地に新たに設置された。こちらは鎮守府または警備府に隷属し、航空兵器の補給、生産、購入、修理、保管などを司る。参考：帝国陸海軍事典、月刊丸3,'18別冊

＜海軍航空隊＞：日本海軍の陸上航空部隊。トップは航空隊司令で、その下に副長がおり、更に下に飛行長、整備長、砲術長、機関長、主計長、軍医長がいる。飛行長は戦闘分隊・偵察分隊・爆撃分隊・飛行艇分隊・二座分隊・三座分隊といった各分隊、整備長は機体分隊、発動機分隊、兵器分隊、砲術長は機銃分隊、支援分隊、機関長は機関分隊、電気分隊、補機分隊、主計長は糧食分隊、衣服分隊、軍医長は看護分隊をそれぞれ指揮する。航空士官は海軍兵学校を卒業して少尉になった後に霞ヶ浦練習航空隊で１年間の操縦教育を受ける。大尉まで進むと練習航空隊の高等科学生課程で１年間の教育を受ける。整備士官は海軍機関学校または整備関係下士官出身の特務士官で、海軍兵学校卒業者は整備士官にはならない。艦上機／艦載機は母艦の装備であるという位置付けで、作戦運用、訓練、整備、人事などの実施責任は母艦の艦長が有しており、航空隊で統合運用するのではなく艦それぞれに飛行科と整備科を置いていた。大正5年4月、海軍航空隊令が発令され、航空隊では２機以上の航空機を運用し、航空隊基地に置くとした。最初に航空隊が開設されたのは追浜飛行場があった横須賀軍港である（大正5年開設）。必要に応じて他の軍港、要塞、要所にも航空隊を設置するとし、まずは飛行場を開設する必要があったため、大正7年に佐世保と広支廠、大正11年に霞ヶ浦と大村に飛行場を作り、それぞれに航空隊を置いた。大正13年8月12日、海軍航空隊編制令草案が施行された。昭和5年のロンドン条約締結を受け、制限が強化された水上戦闘艦に代わって陸上基地に配備した陸上攻撃機で洋上漸減戦法とシーレーン防護を行うこととし、それまで飛行艇による警備や哨戒を主任務としていた航空隊の強化に入った。昭和6年、基地航空隊14個の新設が決定した。昭和11年4月、常設陸攻部隊として木更津航空隊と鹿屋航空隊が新編された。昭和12年、日華事変緒戦の戦訓に基づき、航空隊の統一指揮部隊として第１・第２連合航空隊を創設。昭和14年、第３次ヴィンソン法案に対抗する第４次軍備拡充計画で、実用機34.5隊・練習機40.5隊を増勢することになった。昭和15年10月1日、美幌航空隊が新編された。11月15日、出師準備が発動され、日華事変向けの第13航空隊と第15航空隊が解隊され、武力南進に備え元山航空隊が新編された。昭和16年1月15日、艦隊令第１条が改正され、航空隊２隊以上で航空艦隊を編成できるようになり、艦上機部隊の第１航空艦隊と陸上航空機部隊の第11航空艦隊が新編された。また、連合航空隊を廃止して航空隊２個以上からなる航空戦隊を編成することになり、第１連合航空隊が第21航空戦隊、第２連合航空隊が第22航空戦隊に改編された。太平洋戦争開戦直後の昭和17年1月10日の定数は作戦機1469機、練習機932機だった。ちなみに艦上機・艦載機定数は703機。昭和17年4月10日、基地航空隊の大改編を実施。第25航空戦隊と第26航空戦隊を新編し、隷下部隊と担当域を変更、第21航空戦隊（鹿屋空、東港空）が南西方面とベンガル湾、第22航空戦隊（美幌空、元山空）が本土東、第23航空戦隊（高雄空、第３航空隊）が南西方面・オーストラリア北部・ニューギニア、第24航空戦隊（千歳空、第１航空隊、第14航空隊）が南洋とマーシャル方面、第25航空戦隊（第４航空隊、台南空、横浜空）が南東方面・ソロモン諸島・東部ニューギニア、第26航空戦隊（三沢空、木更津空、第６航空隊）が本土と内南洋を担当することになった。陸攻パイロット養成部隊の木更津航空隊は外戦部隊となり、代わりの練習航空隊として台湾に新竹航空隊を新編している。10月26日の航空隊令改正を受け、11月1日に部隊名称が３桁（一部４桁）のナンバーになった。最初の数字は１が偵察機、２・３が戦闘機、４が水上機、５が艦攻・艦爆、６が空母機、７が陸攻、８が飛行艇、９が哨戒機、０が輸送機。２番目の数字は0-2が横須賀鎮守府、3-5が呉鎮守府、6-7が佐世保鎮守府、8-9が舞鶴鎮守府。３番目の数字は機数が常設、偶数が特設。昭和19年2月、空母固有の飛行隊を廃止して600番台の海軍航空隊を新編し、適宜空母に派遣する方式とした。7月10日、空地分離と呼ばれる大改編を実施。参考：月刊世界の艦船12,’10、6,’14、9,’13増刊、続日本海軍よもやま物語、陸海軍学校と教育、歴史群像8,'15、首都防空網と空都多摩、月刊JWings9,’13、1,’13、山本五十六と米内光政、太平洋海戦史、月刊丸1,'15増刊、月刊航空ファン6,’18、7,’19

＜海軍航空本部＞：日本海軍の航空関連事務を司る機関。昭和2年4月、海軍艦政本部から独立した。総務部、教育部、技術部からなり、航空機や関連技術の開発・調達や航空要員教育を担当する。参考：帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船9,’13増刊、山本五十六と米内光政

＜海軍攻撃航空戦センター＞：NSAWCを参照。

＜海軍工作学校＞：日本海軍の術科教育学校。ダメージ・コントロール、工作、築城、設営、航空機整備要員を育成する。横須賀海軍工作学校（横須賀。昭和16年4月創設）と沼津海軍工作学校（静岡県清水村。昭和19年6月創設、航空関連専門）がある。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、陸海軍学校と教育

＜海軍甲事件＞：山本長官搭乗機撃墜事件を参照。

＜海軍工廠＞：日本海軍の組織で、艦船・兵器・有線通信装置の製造、購入、修理、実験を担任する。艦艇や兵器の製造・修理を行う工場部門と、開発実験を行う実験部門からなる。トップは工廠長で、鎮守府司令長官に隷属しており、技術面に関しては海軍艦政本部長や海軍航空本部長の指示を受ける。横須賀（明治36年11月10日設置）、呉（明治36年11月10日）、佐世保（明治36年11月10日）、舞鶴（明治36年11月10日設置、大正12年4月1日廃止、昭和11年7月1日再設置）、豊川（昭和14年12月15日）、広（大正12年4月1日）、光（昭和15年10月1日）、相模（昭和18年5月1日）、川棚（昭和18年5月1日）、鈴鹿（昭和18年11月。6月？）、沼津（昭和18年6月1日）、多賀城（昭和18年10月1日。11月？）、高座（昭和19年4月）、津に設けられた。参考：帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船9,’13増刊、海軍技術研究所

＜海軍工廠模型＞：ドックヤード・モデルを参照。

＜海軍高等技術会議＞：日本海軍の海軍技術会議の１つ。艦船や航空機などの計画に関する重要事項を調査審議するのが主任務である。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍高等軍法会議＞：日本海軍の軍事裁判所。海軍治罪法で規定されている。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍作戦計画作成手順教育プロジェクト＞：アメリカ太平洋艦隊司令部が主催し、海上自衛隊幹部学校で行われる教育で、APNIC（Asia-Pacific Navy Planning Process International Course）と略す。アメリカ海軍大学校で行われている海軍作戦計画作成手順NPPの講義をアメリカ海軍大学校の教官が行い、海上自衛隊やアジア太平洋地域の若手士官が聴講して将来の多国間共同作戦や大規模災害時の多国間人道支援・災害救援活動に役立てる。第１回は2016年6月20日から7月1日に行われ、海自護衛艦隊や航空集団などから隊員９名、アメリカ、オーストラリア、韓国、シンガポール、ニュージーランド、バングラデシュ、フィリピンから海軍士官14名が参加した。第３回は2018年6月18-29日に行われ、海自から16名、アメリカ、イギリス、タイ、ニュージーランド、フィリピン、ベトナム、ペルー、マレーシアから海軍士官ら17名が参加した。2019年は6月17-28日に行われ、海自、アメリカ、イギリス、インド、インドネシア（初参加）、オーストラリア、韓国、スリランカ（初参加）、タイ、ニュージーランド、パキスタン（初参加）、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ペルー、マレーシアから計40名が参加し、１週目の17-20日にアメリカ海軍大学校の海軍作戦計画作成手順NPPに関する教育、２週目に架空の国が大型ハリケーンによる被害を受けたとの想定で多国間対応用危機対処計画作成実習を実施した。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された。2021年は6月14-18日に新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン開催となり、海自、アメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、韓国、チリ（初参加）、フィリピン、ブルネイ（初参加）など18カ国が参加し、アメリカ海軍大学校の海軍作戦計画作成手順NPPに関する講義や実習を受けた。参考：朝雲、月刊世界の艦船8,’19

＜海軍さんの港まちツアー＞：財団法人佐世保観光コンベンション協会が2008年から行っている、アメリカ海軍佐世保基地・海自佐世保基地を巡るツアー。アメリカ海軍佐世保基地のレストランでの昼食（ブランチバイキング）やPXでの買い物、護衛艦見学、日本海軍歴史遺産見学などを行う。参考：朝雲

＜海軍志願兵＞：海軍志願兵令（昭和2年12月、勅令により施行）により海軍兵に採用された者または兵役法で徴集・採用された後に海軍志願兵令で再現役となった者のこと。対象年齢は採用年の12月1日時点で水兵・機関兵・軍楽兵・看護兵・主計兵・船匠兵は17歳以上20歳未満（昭和4年12月以降は15歳以上21歳未満）、掌電信兵は15歳以上19歳未満、軍楽兵は16歳以上20歳未満、航空兵（昭和4年12月追加）は15歳以上17歳未満である。入隊にあたっては身体検査と高等小学校卒業程度の学力検査があり、掌電信兵、航空兵、軍楽兵には適性検査も実施される。採用された場合、6月1日をもって４等兵として所管鎮守府の海兵団（軍楽兵は横須賀海兵団）に入隊し、５ヶ月の教育で部隊に配属される。航空兵は海軍飛行予科練習生として横須賀航空隊に入隊する。参考：帝国陸海軍事典、日本海軍艦隊総覧

＜海軍指揮支援システム＞：NCSSを参照。

＜海軍次期戦闘攻撃機＞：VFAXを参照。

＜海軍施設本部＞：日本海軍の組織で、昭和16年8月に開設された。一般施設、築城施設、敵前強行設営戦術の計画や研究を担当する。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍重攻撃飛行隊＞：VAHを参照。

＜海軍省＞：日本海軍の中央統轄機関で、海軍の軍政及び海軍全般の教育事務を司る。トップは海軍大臣（大将または中将）。議会との交渉には政務次官と参与官があたる。昭和19年7月、海軍特攻部が新設された。昭和20年11月30日に廃止された。参考：帝国陸海軍事典、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船12,’10

＜海軍省大型機赤外線対抗策＞：AN/AAQ-24(V)27赤外線対抗装置を参照。

＜海軍将官会議＞：日本海軍の軍政機関で、明治18年9月22日に設置された。海軍における重要事項の審議と海軍高等武官進級名簿議定を主任務とする。議長は海軍大臣、議員は軍令部総長、海軍次官、海軍艦政本部長、軍務局長、横須賀鎮守府司令長官である。参考：帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍省射撃指揮盤＞：AFCTを参照。

＜海軍情報戦システムズ・コマンド＞：NAVWARSYSCOMを参照。

＜海軍水雷学校＞：日本海軍の術科教育学校。魚雷員や水雷術指揮官の育成教育を行う。横須賀市にある。明治40年4月に創設された。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍水路部＞：日本海軍の組織。水路や海洋の測量及び観測、水路図・海図や航空図などの作成を行う。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍精神注入棒＞：バッターを参照。

＜海軍生徒＞：海軍兵学校、海軍機関学校、海軍経理学校（海軍三校）の生徒のこと。階級は上等兵曹の上、兵曹長の下である。参考：海軍兵学校岩国分校物語

＜海軍潜水学校＞：日本海軍の術科教育学校。潜水艦乗員（潜航術練習生）の教育を行う。大正9年9月に開設されたが、陸上の校舎ではなく厳島を使っていた。呉市新宮に陸上校舎が建ち始めたのは大正13年3月のことである。聴音員養成に使用する聴音講堂は防音壁と二重窓を備え、外部からの音を完全に遮断する構造となっていた。聴音科練習生向けに外国主要艦艇のスクリュー音を記録したレコード300枚による判別訓練や、グランドピアノによる音感教育などを行っている。昭和17年4月、大竹分校を開校し、その後本校も移転した。太平洋戦争末期には山口県柳井と石川県七尾に分校を置き、海軍水雷学校でも潜水艦教育を行っている。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,'15、9,’13増刊

＜海軍潜水艦部＞：日本海軍の潜水艦開発建造・乗員教育機関。昭和18年5月、海軍艦政本部第７部から独立して創設された。昭和20年4月、特兵部に統合された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍戦闘機兵器学校＞：NFWSを参照。

＜海軍戦闘攻撃機上級課程訓練＞：SFARPを参照。

＜海軍戦闘飛行隊＞：VFを参照。

＜海軍総合射撃管制−対空＞：NIFC-CAを参照。

＜海軍総隊＞：日本海軍の組織。全作戦部隊（外戦部隊の連合艦隊と内戦部隊）の統一指揮を行うために昭和20年4月25日に編成され、豊田副武連合艦隊司令長官が海軍総司令長官兼務となり、要員は全て連合艦隊司令部の兼務だった。海軍総司令部の隷下に置かれたのは燃料も無く繋留され対空砲台と化した連合艦隊艦艇と、５個特攻戦隊の特攻機、特攻艇、特攻潜水艇、伏龍部隊のみである。5月1日、総司令長官が海上護衛総司令長官も兼務し、全海軍部隊指揮が一元化された。5月29日、海軍総司令官が小澤治三郎中将（連合艦隊司令長官・海上護衛総司令長官兼務）となった。10月10日に解隊された。参考：月刊世界の艦船12,’10、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜海軍第２技術廠＞：日本海軍の組織。海軍電波本部があまり役に立たなかったので、昭和20年2月15日に電波兵器関連の開発組織として新たに誕生した。横須賀鎮守府司令長官に隷属し、技術面では海軍航空本部長や海軍艦政本部長の助言を受けた。参考：帝国陸海軍事典

＜海軍大学校＞：日本海軍の上級将校養成学校で、東京の上大崎にある。海軍兵学校出身の大尉から少佐、毎年20名くらいが甲種学生として試験選抜で採用される。ただ陸軍大学校ほどのエリートコースではなく、術科学校高等科を修了していれば参謀の資格としては十分だった。教育期間は２年間、教育内容は国際関係教養などの普通学が多く、戦時には教育中止になることもあった。首席と次席には御賜の長剣が授与される。他に特修学生、機関学生、選科学生がある。明治21年7月に海軍大学校官制が定められ、8月28日（15日？）に築地の海軍兵学校跡地で開校し、9月に第１期学生募集と選抜試験を実施、11月26日から教育が始まった。この時は甲種学生でなく甲号学生という名称で、兵科だけでなく機関科も含んでいた。明治30年9月、機関科を機関科学生（後の機関学生）として分離した。昭和7年8月29日、東京上大崎に移転。昭和12年、甲種学生を採用しなかった。昭和13年12月、第37期甲種学生が入校。昭和14年、甲種学生を採用しなかった。昭和15年、第37期甲種学生が１年４ヶ月の短縮年限で卒業。昭和18年7月、予定より３年遅れで第39期甲種学生が入校。昭和19年3月、第39期甲種学生が８ヶ月の超短縮年限で卒業。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’19、陸海軍学校と教育

＜海軍大学指揮課程＞：NCCを参照。

＜海軍大学幕僚課程＞：NSCを参照。

＜海軍対潜学校＞：日本海軍の学校。昭和19年3月に海軍機雷学校から改称された。水測術（ソナー運用）と機雷術（機雷敷設・掃海）の教育を行う。絶対音感を持つ水測兵は聴音分離能力に長けるということで音感教育も行われたが、年齢的に無理があった。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍体操＞：日本海軍が毎朝行う体操。大正時代にはスウェーデン体操で、昭和18年から堀内豊秋中佐が考案したデンマーク体操式柔軟・ウォームアップ体操になった。夏は上半身裸、冬でもシャツ１枚で実施するので、不要な上衣は脱いで右前方45度の所に置いておく。艦船では上甲板で行うが、スペースが限られているので、ラッタルの下に入ってしまったりして十分に体を伸ばせないこともある。参考：海軍よもやま物語、月刊世界の艦船12,’17、月刊丸7,’14

＜海軍打撃戦センター＞：NSWCを参照。

＜海軍短期現役士官制度＞：日本海軍の士官養成制度で、短現と略す。ちなみにこれと比較する意味で職業軍人は本チャンと呼ばれた。軍医、主計、技術の要員に２年間の短期現役教育を施して予備役に入らせ、有事に召集するものである。志願すれば予備役に入らず現役を続行することも可能で、この場合は現役士官として術科学校などに制限無く入校できる。参考：陸海軍学校と教育

　＜海軍短期現役主計科士官制度＞：日華事変勃発で主計科士官が足りなくなり、海軍経理学校で４年間教育を受けさせていると増員が間に合わないし、貴重な大学卒業者を陸軍の一兵卒に取られて戦死させるのももったいないため、大学令に定める大学の法学部・経済学部・商学部などを卒業した者や、高等文官試験に合格した者を募り、選考試験によって主計中尉として採用したものである。服務期間は２年間で、海軍に入籍すると海軍経理学校補修学生として４ヶ月の教育を受け、その後実施部隊や海軍官衙に移る。期間を満了すると１階級昇任して予備役に入るが、在官中に希望して選考試験に合格すれば永久服役士官になれる。後に採用対象が高等専門学校や旧制高校卒業生を含むようになり、こちらは主計少尉候補生として入籍、基礎教育後に主計少尉となった。太平洋戦争勃発で採用人数が大幅に増えたため、主計見習尉官または主計少尉候補生として入籍し、基礎教育後に大卒者は主計中尉、高専卒業者は主計少尉とするよう変更が加えられている。海軍経理学校の校庭南西部に２階建ての宿舎があり、補修学生はここで寝泊まりして海軍軍人及び主計科士官としての教育を受ける。教育内容は主に座学（教室での講義）で、軍事学、海軍法規、庶務、金銭会計、物品会計、原価鑑査、厨業管理、軍需品学などを学ぶ。他に陸戦訓練、短艇訓練、軍歌練習（夕食後）、号令演習（就寝前）が行われる。第１期から第12期（１期と10期は年１回、その他は前後期で年２回採用）まで計3558名が採用された。第１期は昭和13年7月1日入校・12月1日卒業で、総員35名、戦死３名。第２期は昭和14年5月5日入校・9月5日卒業で、総員100名・戦死９名。第３期は昭和14年10月25日入校・昭和15年3月1日卒業で、総員68名・戦死７名。第４期は昭和15年5月20日入校・9月9日卒業で、総員89名・戦死17名。第５期は昭和15年9月10日入校・昭和16年1月6日卒業で、総員80名・戦死15名。第６期は昭和16年4月18日入校・8月11日卒業で、総員110名・戦死22名。第７期は昭和16年8月20日入校・12月20日卒業で、総員98名・戦死24名。第８期は昭和17年1月20日入校・5月20日卒業で、総員319名、戦死57名。第９期は昭和17年9月30日入校・昭和18年1月30日卒業で、総員473名・戦死92名。第10期は昭和18年9月30日入校・昭和19年3月1日卒業で、総員708名・戦死85名。第11期は昭和19年2月1日入校・9月1日卒業で、総員559名、戦死55名。第12期は昭和19年9月30日入校・昭和20年4月1日卒業で、総員919名、戦死17名。1-2期は主計大尉に進級後予備役となり、太平洋戦争で召集されて概ね主計少佐で終戦を迎えた。第３期は海軍軍需工場監査要員（昭和14年に監査制度が強化された）に振り分ける予定とされたため、ほぼ全員を大学経済学部卒業者から採用し、教育終了後は海軍監査官事務所に赴任させた。更に満期前の昭和16年10月に服役期間が延長され、結局終戦まで６年間現役を続けている。第4-7期も服務期間が延長されて終戦まで現役だった。８期から募集人員が大幅に増加。９期から短現主計士官も教官を務めるようになった。10期から品川分校でも教育を開始。11期では学徒動員が始まったため、大学在学中の昭和18年12月に海兵団に入り、選考試験に合格し水兵として服務する者もいた。太平洋戦争では実務の中枢要員を務めており、損害も多かった。幸いにして生き抜いた短現士官は、大蔵省を始めとする各省庁や民間企業で活躍した。参考：陸海軍学校と教育、海軍こぼれ話

＜海軍タンク＞：グリロ（特殊艇）を参照。

＜海軍単兵自熱食品＞：中国海軍の陸戦隊用レーション。加熱剤２個が付属しており、レトルトを挟み込んで20分ほど温めると美味しく食べられる。赤豆飯に副食の付いたもの、圧縮干粮メインのもの、ご飯ものだけ、麺だけなど５種類のバリエーションがある。新型ではメニューが６種類になり、トレイが付くようになった。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11

＜海軍通信学校＞：日本海軍の術科教育学校。無線や電測機器の操作要員教育を行う。横須賀海軍通信学校（横須賀市。昭和5年6月に海軍水雷学校から独立して開設）と防府海軍通信学校（山口県防府市）がある。昭和17年12月、高等科電信術練習生暗号班が暗号術練習生として独立した。昭和18年8月、電測術練習生が誕生した。昭和19年9月、電測術部門が海軍電測学校として独立した。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍偵察攻撃飛行隊＞：RVAHを参照。

＜海軍電信システム＞：アメリカ海軍の通信システムで、NTS（Naval Telecommunications System）と略す。世界中に展開する海軍部隊の通信を維持するため開発された。地域的電信センターと艦隊通信センターからなり、後者は世界中に展開するNCS（Naval Communication Station）で管制される。衛星通信FLTSATCOM、通信メッセージ自動処理システム、通信処理システムで構成され、通信メッセージ自動処理システムは海軍通信処理配布システムNAVCOMPARS（Nacal Communications Processing and Routing System）、地域デジタル・メッセージ交換システムLDMX（Local Digital Message Exchange）、海軍モジュラー式自動化通信システムNAVMACS（Naval Modular Automated Communication System）からなる。参考：日本の防衛戦力Part3

＜海軍電測学校＞：日本海軍の術科教育学校。電測兵器（レーダーや逆探など）操作要員の教育を担当する。昭和19年9月、海軍通信学校から独立して神奈川県藤沢市に開設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、陸海軍学校と教育

＜海軍電波本部＞：日本海軍のレーダー・ソナー・無線兵器研究機関。昭和19年4月20日に設立された。元々これらを研究していた海軍航空技術廠及び海軍技術研究所との協力関係が得られなかったため、あまり成果を残していない。昭和20年2月、海軍第２技術廠に改編された。参考：帝国陸海軍図鑑、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍東京軍法会議＞：日本海軍の軍事裁判所。大元は明治2年7月に開設された糾問司で、海軍治罪法に基づいて設置された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍特殊戦群＞：アメリカ海軍特殊戦コマンド隷下の部隊Naval Special Warfare Group。参考：月刊丸9,’97、月刊軍事研究3,’13

　＜海軍特殊戦群１＞：SEALチーム１・３・５、SEAL輸送艇チーム１、海軍特殊戦隊１、海軍特殊戦分遣隊からなり、太平洋方面を担当する。SEALチーム３隷下の１個小隊は1992年から沖縄にローテーション配備されている。参考：月刊丸9,’97

　＜海軍特殊戦群２＞：司令部はバージニア州リトルリーク基地にある。隷下にSEALチーム２・４・６、SEAL輸送艇チーム２、海軍特殊戦隊２・４・８・10、海軍特殊戦分遣隊を置く。大西洋方面が担当。参考：月刊丸9,’97

＜海軍特殊戦コマンド＞：US Naval Special Warfare Command。アメリカ特殊作戦軍USSOCOM隷下の海軍特殊部隊である。参考：月刊軍事研究3,’13

　＜海軍特殊戦コマンド（１９８９年）＞：要員3360名。海軍特殊作戦群２個に海軍特殊戦部隊３個、SEALsチーム６個、SEALs運搬チーム２個、特殊艇部隊３個、両用戦輸送潜水艦２隻（SSN-608など）、ドライデッキシェルター３個を配備する。予備役は要員1400名で、海軍特殊戦群支隊５個、海軍特殊戦部隊支隊３個、SEALsチーム支隊３個、特殊艇戦隊２個、特殊艇部隊４個、技術支援部隊１個、戦闘支援特別ヘリ飛行隊２個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜海軍特殊戦コマンド（１９９６年）＞：カリフォルニア州コロナド基地に司令部がある。海軍特殊戦群２個、海軍特殊戦隊５個、特殊ボート中隊２個、哨戒艇13隻、特殊ボート隊３個、予備役特殊ボート隊２個、SEALチーム６個、SEAL輸送艇チーム２個、海軍特殊戦開発群、海軍特殊戦センターを隷下に置く。参考：月刊丸9,’97

　＜海軍特殊戦コマンド（２０１２年）＞：司令部はカリフォルニア州コロラドにある。兵力8900名（うちSEALs2400名）。隷下に海軍特殊戦群１（カリフォルニア州コロナド。SEALsチーム１、３、５、７、兵站支援隊１、海軍特殊戦隊１、３からなる）、海軍特殊戦群２（バージニア州リトル・クリーク。SEALsチーム２、４、８、10、兵站支援隊２、同南方分遣隊、海軍特殊戦隊２、10からなる）、海軍特殊戦群３（カリフォルニア州コロナド。SEALs輸送艇チーム１、同分遣隊１、兵站支援隊３からなる）、海軍特殊戦群４（バージニア州リトル・クリーク。特殊ボートチーム12、20、22、海軍小型艇指導技術訓練学校からなる）、海軍特殊戦群10（バージニア州リトル・クリーク。支援隊１、２、任務支援センターからなる）、海軍特殊戦群11（カリフォルニア州コロナド。支援隊１、２、任務支援センターからなる）、開発群（SEALsチーム６の秘匿名称）を置く。参考：月刊軍事研究3,’13

　＜海軍特殊戦コマンド（２０１５年）＞：兵力9850名。SEALチーム８個（特殊作戦小隊計48個）、SEAL輸送チーム２個からなる。DDS６基を配備する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜海軍特兵部＞：日本海軍の部局。海軍潜水艦部と海軍特攻部を統合して昭和20年4月に創設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍特別幹部練習生＞：日本海軍が本土決戦に備えて発足させた制度。中等学校卒業／卒業予定の者を下士官候補の兵長として採用し、術科学校で８ヶ月間教育、二等下士官として各部隊に配属させる。最早出撃できる軍艦はほぼ無かったため、防空、陸戦、電測、暗号、整備、築城土木、看護、医療、経理といった陸戦要員だけを養育する予定だった。昭和20年5-6月に第１期生が入隊したが、第１期生卒業前に終戦となった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍特別年少兵＞：日本海軍の制度で、特例年齢兵とも呼ばれ、特年兵と略す。従来16歳以上で採用していた志願兵を、水兵（掌機雷兵・掌電信兵を除く）、整備兵、機関兵、工作兵、看護兵、主計兵に限り15歳以上16歳未満を対象として採用するものである。昭和16年7月5日の官房機密第5921号で導入し、第一期生は昭和17年9月1日に入団する予定とされた。ただし昭和16年11月19日達第351号で年齢が１歳引き下げられ、名称が練習生に変更され、教育期間は１年６ヶ月以内とされた。昭和17年8月には練習兵（年齢14以上16未満の者より採用したる水兵、整備兵、機関兵、工作兵、軍楽兵、看護兵及主計兵にして特別教育を施すべき者）という名称になり、海兵団練習部で１年６ヶ月以内の教育を受けることになった。中堅幹部を育てるのが目的で、海兵団練習兵教程を終えると実施部隊を経ず直接普通科練習生（水兵科は横須賀海軍砲術学校、館山海軍砲術学校、海軍航海学校、海軍水雷学校、海軍対潜学校、海軍電測学校、機関科は大楠海軍機関学校、整備科は第二相模野海軍航空隊、洲ノ埼海軍航空隊、藤沢海軍航空隊、郡山海軍航空隊、工作科は海軍工作学校、看護科は横須賀海軍病院練習部、主計科は海軍経理学校。それぞれ特別年少兵用の専門コースが設けられた）に進級、最終的に海軍兵学校選修学生となり、佐官級まで育成する。午前中は国語、数学、理科、社会、英語など旧制中学４年程度の普通教育が行われ、師範学校出身の下士官や文官の英語教官が教師を務めた。午後は軍事学や体育が行われる。教班長はベテラン下士官、分隊長は海軍兵学校などの卒業者、分隊士は海軍兵学校選修科出身の特務士官と予備学生出身の２名が配置されてエリート教育が施された。年齢が低いからといって教練内容に手加減が加えられた訳ではない。第一期生は3500名で、予定通り昭和17年9月1日に武山海兵団、呉海兵団大竹分団、相浦海兵団、舞鶴海兵団に入隊したが、9月4日には修業期間が半年縮まり、11ヶ月で海兵団を卒業している。第二期生は昭和18年7月1日に入隊した。戦局悪化に伴い修業期間がどんどん削られ、最短3-5ヶ月で戦線に投入せざるを得なくなっている。終戦までに第四期生まで17000-18000名が入団したとみられる。参考：陸海軍学校と教育、戦時用語の基礎知識

＜海軍特別陸戦隊＞：日本海軍が内地の鎮守府で編成した陸戦専門部隊で、海軍陸戦隊の鎮守府版である。海兵隊に相当する部隊で、大人数を要する時や、要地を長期にわたり確保する必要がある時に出撃する。日露戦争をきっかけに創設の機運が高まり、中国内戦の激化で鎮守府海兵団などを主力とする陸戦隊が揚子江へと派遣されるようになった。第１次上海事変で重要性が認識され、鎮守府以外にも上海特別陸戦隊などが編成された。砲や戦車なども装備したが、水陸両用戦に十分適応した戦力までには至らず、太平洋戦争終結で消滅した。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊軍事研究10,’13、月刊PANZER8,’04、月刊丸12,’90

＜海軍特例年齢兵＞：海軍特別年少兵を参照。

＜海軍特攻部＞：日本海軍の部局で、特攻兵器研究開発を主任務とする。昭和19年9月に開設された。昭和20年4月、海軍潜水艦部と統合されて海軍特兵部になった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍燃料廠＞：日本海軍の石炭・石油担当官庁で、採掘、精製、貯蔵などを行う。第１、第２、第３、第４、第５、第６海軍燃料廠がある。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍爆破部隊＞：NCDUを参照。

＜海軍派遣飛行予科練習生＞：海軍飛行予科練習生として採用した者のうち、飛行術練習生に採用される前に電信術、電測術、整備術（後に搭載兵器整備術と光学兵器が追加されたらしい）を履修させるか、または航空関係の艦船部隊に配置して実務練習を行わせた者の総称で、昭和19年4月19日の官房人機密第1010号、飛行予科練習生派遣修業取扱特例で制定された。戦局悪化による航空関連要員不足に対応するもので、甲種飛行予科練習生電信練習生、乙種飛行予科練習生電信練習生、甲飛整備練習生、乙飛整備練習生、甲飛電測練習生、乙飛電測練習生、甲飛実務練習生、乙飛実務練習生がある。実務練習生は電信、整備、電測それぞれに存在するが、電信、整備、電測といった呼称は付けず、単に甲飛・乙飛実務練習生という。練習生は全員が土浦海軍航空隊に籍を置き、七つ釦の制服なども全て海軍飛行予科練習生と同じだが、横須賀海軍通信学校、防府海軍通信学校、海軍電測学校、海軍練習航空隊（人吉、串良、第二鹿屋、洲ノ埼、岡崎、第二岡崎、藤沢、垂水、滋賀、宝塚などが新設された）、航空関係の艦船部隊に派遣されて飛行訓練ではなく電信術、電測術、整備術、実務練習を行う。飛行予科練習生に入隊した者を上層部が勝手に振り分けていたため、いつの間にか飛行訓練とは関係無い教育を受けることにされていた練習生本人が戸惑うことになった。派遣先での訓練（7-9ヶ月）が終わった後に正規ルートに戻って飛行訓練を行うことが規定されていたが、実際にはそのまま電信・整備・電測の高等教育に進んだり、電信・整備・電測員として航空機搭乗配置に就いたり、戦局悪化で陸戦隊や警備隊に回されたりと、正規ルートでの飛行教育を受けた者はいなかったようである。昭和19年4月19日以降に入隊した甲飛・乙飛計155030名のうち83800名が海軍派遣飛行予科練習生としての教育を受けた。参考：陸海軍学校と教育

＜海軍飛行士官＞：NFOを参照。

＜海軍飛行予科練習生＞：日本海軍のパイロット養成制度で、予科練と略す。制服のボタンが７つだったので、通称は７つ釦である。昭和5年6月1日に海軍練習航空隊令が制定され、これ以降に必要に応じて新たに採用された海軍航空兵（海軍志願兵）のことであり、当初は単に予科練習生と呼ばれたが、昭和11年に飛行予科練習生と改称された。満15歳以上17歳未満で高等小学校卒業程度の学力を持つ者が採用基準で、訓練期間は３年。４等航空兵として入隊し、最初の１年は横須賀海軍航空隊で一般軍事教程及び一般教育を受け、一等航空兵（後に飛行兵長）に進級して飛行練習に入り、修了後は三等航空兵曹として各航空隊や艦隊に配属された。教育は分隊単位で行われ、教官が分隊長を務めるが、当直練習生１名が一日交替で分隊長の代わりとなり職務を学ぶ。また、甲板士官の代わりに内務を仕切る甲板練習生１名や、分隊と上官との連絡を行う当直伝令２名などの割り当てがあった。１個分隊は２つの組からなり、最小単位は班で、班には週番練習生（一週交替で班長の代わりとなる）、班長係、酒保係、理髪用具係、釣床係、ゲヤ当番、道場係、短艇係などが置かれていて、班員が交替で当番や係を務めた。教育内容は訓育科目（精神教育、勤務、体育）と学術科目（国語、修身、数学、理化学、歴史地理、英語の普通学と、運用術、航海術、砲術、水雷術、通信術、航空術、機関術、生理・衛生の兵学）で、訓育630時間、普通学1340時間、兵学1200時間である。普通学のレベルは旧制中学５年卒業程度で、数学と理化学のみ旧制高等学校初級程度。年中行事としてウサギ狩り、行軍、登山、艦務実習などが行われていたが、陸奥爆沈以降は艦務実習が中止された。昭和5年6月1日入隊の第一期生は79名で、志願倍率は74倍（志願者数5807名）だった。昭和6年の第２期生は128名だった。昭和11年7月28日からは２年４ヶ月に短縮され、昭和12年9月1日には一般教程を４ヶ月で終わらせる甲種予科練制度（それまでの予科練制度は乙種と呼ばれることとなった）が開始された。昭和13年、甲・乙共に毎年２期ずつ入隊するようになった。昭和14年3月31日、甲・乙計４期の生徒が入り切らなくなったのと、海軍航空廠のテスト機による騒音が教育に支障を来すようになったため、教育部が横須賀海軍航空隊から霞ヶ浦海軍航空隊水上班（霞ヶ浦海軍航空隊予科練習部）に移転し、乙種8-10期と甲種2-3期の1300名が移動した。昭和15年11月15日、霞ヶ浦海軍航空隊水上班が土浦海軍航空隊となった。飛行練習は霞ヶ浦海軍航空隊や各地の練習航空隊で実施した。昭和16年、岩国に予科練養成航空隊が創設された。5月、徴兵者から選抜して入隊する丙種予科練制度が始まった。12月8日の真珠湾攻撃では出撃搭乗員765名のうち甲種出身者181名、乙種出身者145名だった。昭和17年、三重に予科練養成航空隊が創設された。昭和17年11月1日、海軍兵学校に準じた地位と言われて入隊したのに水兵服を着せられることに対して不満が大きかったため、７つボタンの制服が制定された。昭和18年3月、甲・乙練習生の間で確執が激しくなってきたため、甲種を土浦、乙種を三重で訓練するようになった。4月1日、乙種の中から17歳以上の者に短期教育を行う乙種（特）予科練制度が開始され、丙種予科練は廃止された。同年、三重の分遣隊が４カ所に開設され、以降は急速に拡大し、昭和18-19年の２年で20万名が採用され、航空隊も鹿児島、松山、美保、福岡、滋賀、小松、清水、三沢、小富士、浦戸、倉敷、宇和島、奈良、西宮、宝塚、高野山に新編されている。昭和19年9月から、一部の練習生（いわゆる海軍派遣飛行予科練習生）が横須賀海軍通信学校、防府海軍通信学校、海軍電測学校、整備航空隊９カ所に回されて通信や整備の教育を受けるようになった。昭和20年3月1日（6月1日？）、燃料不足で飛行訓練ができなくなったため、予科練教育は中止となり、水上・水中特攻部隊や陸戦隊に回された。飛行機に乗れず基地建設の土木作業ばかりしていたおり、予科練でなく土科練などと自嘲する有様であった。初実戦参加は日華事変で、九六式陸攻により大村基地から出撃して渡洋爆撃を実施した。入隊者総数は乙種87550名、甲種139720名、丙種 7298名、特乙6715名、卒業者24000名、戦死者19000名。参考：陸海軍学校と教育、歴史群像10,’04、戦時用語の基礎知識

＜海軍飛行予備学生＞：海軍予備学生を参照。

＜海軍病院＞：日本海軍の病院。戦闘に巻き込まれた場合、衛生科特務士官が指揮官となり、衛生兵分隊と主計分隊が防衛戦闘を行う。軍医や日本赤十字社の救護看護婦は非戦団員となっている。参考：赤十字の旗なにわに百年

＜海軍武官＞：日本海軍の下士官以上の総称。参考：帝国陸海軍事典

＜海軍褌＞：日本海軍の下着で、晒布製の三尺褌である。下士官・兵から士官・将校に至るまで全員が着用する。海に放り出された際、白く長いものが嫌いなサメを遠ざける役目もあった。参考：陸海軍学校と教育

＜海軍兵学校＞：日本海軍の兵科将校養成学校。ちなみに日本海軍では海外の海軍士官学校も兵学校（アナポリス海軍兵学校など）と呼んだ。大元は1855年に江戸幕府が開いた長崎海軍伝習所である。明治2年9月18日、兵部省が東京築地に海軍操練所を開設したのが始まり（よって開校記念日は9月18日）で、明治3年11月4日に海軍兵学寮と改称し、明治5年2月27日の海軍省創設でその指揮下に入り、明治9年8月31日に海軍兵学校となった。明治21年8月1日に広島の江田島に移設され、江田島海軍兵学校と呼ばれるようになった。明治19年11月から建設工事を開始していたが、大部分が未竣工で、生徒は学習船である汽船東京丸に居住している。明治24年6月、生徒館の建造を開始。玄関には長期修理時に外したコルベット金剛の甲板木材を使用した。明治26年6月15日、生徒館、事務所、兵舎などが竣工し、陸上に移った。海軍省（海軍大臣）隷下の組織であり、トップは校長（中将）で、その下に教頭（少将）、学術各科長（普通学は先任教授、軍事学は中佐クラス）、教授（文官）・教官（普通学は予備士官・技術科士官、軍事学は武官）、教員（下士官）と続く。また、生徒の日常生活を指揮するのは監事長（教頭が兼務）で、その下に生徒隊監事（大佐。大尉の生徒隊付監事が補佐）、部監事（大佐か中佐）、分隊監事（佐官か大尉）が配される。各期の生徒の教育全般を指導するのは期指導官で、主任指導官（中佐）１名と、各部・各科指導官（少佐・大尉）1-2名ずつで構成される。志願者は年齢15-18歳、学歴は不問（極端な話、学校に行っていなくても良い）で、中学校第４学年第１学期修了程度の学力と健全な身体を持つことが条件である。入学試験は体格検査、学科検査、口頭試問で、数日に分けて行われ、それぞれ当日のうちに結果が張り出されて不合格者（名前が赤線で消されている）はその時点で帰らなければならない。学科検査は総合点方式ではなく、科目ごとに合格ラインが決まっている。全国から成績優秀者が集結するので、心技体共に相当優れていないと受からない。とはいえ太平洋戦争末期昭和19年10月入校予定の第76期・16才未満（実際には大原分校開校が間に合わず第77期入校になった）の身体検査基準は身長149cm・体重40kgで、平成25年度調査に当てはめると12才の平均ちょい下くらいであり、当時の栄養状態が窺われる状況となっている。あまりに小柄だったため、上級生も殴るに殴れなかったらしい。合格すると服の寸法を採って一時帰郷となり、日を改めて憲兵が身元調査に訪れ、最終的に入学が決まって電報で知らされる。入学直前に再度身体検査があり、入校式を迎える。教育期間は第1-57期が３年制、第58-62期が３年８ヶ月、第63-65期が４年、第69-71期が３年、第72期が２年10ヶ月、第73-74期が２年４ヶ月で、最上級生を一号生徒と称し、以下二号生徒、三号生徒、四号生徒となる。胸に名札（黒い縁取りの有無と範囲で何号か見分ける）を付けるだけで階級章は付けないが、下士官の待遇（四号生徒でも一等兵曹と兵曹長の間）を受け、卒業すると甲板士官（少尉候補生、准士官の上）になる。生徒は1-4号混成の生徒隊（分隊。１学年10名ずつ計40名。３年制になっても40名になるよう各学年の人数を調整した）を編成し、各分隊は同じ自習室や寝室を使い、寝食を共にする。３個分隊（74期入校時は８個分隊、75期入校時は10個分隊）で部を編成し、体育（水泳、体操、剣道、柔道、相撲など）や訓練（短艇橈漕、陸戦訓練など）は部の単位で行われる。また、学術教育（軍事学、普通学）は学年別の部単位で実施される。教育内容は教育綱領で定められており、他に上級生から下級生に対して日常生活指導が行われる。また、シーマンシップ涵養の一環として、週末には生徒同士による巡航を奨励していた。伝統的な教育方針として、機械力よりも自然力、自然力よりも人力というものがあった。被服や日用品が官給で、家からの仕送りは現金若干（小遣い程度）と歯ブラシや楊枝などのみ、食物の仕送りは厳禁されていた。日曜、祝祭日、記念日などには島内のみ外出可能で、学校指定の生徒倶楽部に行くことが出来る。休暇は8月に夏期休暇12日間、12月下旬から冬期休暇12日間だったが、第74期から三号生徒時の冬期休暇が無くなった。校歌は無いが、開校50周年記念で大正9年3月に募集し、大正11年に選定された江田島健児の歌（第50期神代猛男生徒作詞、佐藤清吉軍楽特務少尉作曲）が校歌代わりである。学校の敷地の真ん中に生徒が居住する第１−３生徒館（１階に自習室、2-3階に寝室）があり、同心円状に取り巻くように大講堂（大正6年4月21日竣工。倉橋島の花崗岩製。正門は貴族門と呼ばれ、皇族や貴族しか入れない。平民は裏門の平民門から入る）、普通学講堂、軍事学講堂、庁舎、教官官舎、教育参考館といった建物が配置されている。生徒館の自習室は後ろから一号、二号、三号、四号と机が配置されており、それぞれ最右翼から伍長、伍長補、…と先任順の席次となっていて、同期なら第１分隊伍長が首席、第２分隊伍長が次席、…というクラス分けだった。浴場には立ったままで肩までつかれる深い浴槽が２つあり、北側は一号生徒専用なので、他の生徒は南側の浴槽に芋洗い状態で入浴する。体を洗うためにタオルを持ちこむが、前を隠すのと、浴槽内にタオルを浸けるのは厳禁。表門は南側の海岸にある表桟橋で、北側にある陸上の門（赤レンガの角柱だけの簡素なもの）は裏門の扱いだった。裏門には海軍兵学校と書かれた青銅の門標があるが、これは勝海舟の書いた文字を組み合わせて広島県立工業学校で鋳造したものである。占有海面は表桟橋の沖合500mまでで、目印として1000m離して赤色ブイ２基が設置してあり、この間の見えないラインを赤道と称する。敷地は軍艦と同じ扱いであり、校庭に座ったり、立木に寄りかかったりすることは禁止。また、校庭は必ず東西方向に歩く、芝生の端は踏まない、といった不文律があり、これに引っかかると週番生徒から修正を喰らう。昭和3年11月23日、八方園神社が建立された。昭和11年3月12日、教育参考館が竣工。第１生徒館の東・第２生徒館の北に位置し、鉄筋コンクリート２階建て（一部３階建て）で、東郷元帥室や戦公死者銘牌があり、御下賜品、戦死者殉職者遺品、東郷元帥の遺髪、ネルソン提督の遺髪を収めた盾、第６潜水艇艇長佐久間勉大尉の遺書といった各種史料10000点以上が展示された。入館の際は正面に最敬礼をし、靴を脱いで上がる。昭和13年7月9日、鉄筋コンクリート三階建ての第１生徒館が完成し、従来の生徒館は第２生徒館となった。昭和18年11月3日の明治節は戦局の推移から休日でなく平日として普段通りの教育が行われた。昭和18年12月1日入校の第75期は入校者数が多すぎて収容しきれなくなり、岩国分校が設営された。また、第73期の修業年限が２年４ヶ月に短縮されたため、冬期休暇が無くなった。昭和19年、服装が白事業服から第三種軍装（緑の略装）に変更された。10月1日、大原分校と舞鶴分校が開校した。11月15日、新柔剣道場４棟が全焼した。全教官会議で原因を追及すべきとの声が上がったが、生徒隊監事が漏電であるとしてそのまま押し通している。昭和20年3月1日、アメリカ艦上機による空襲を受け、74期の２名と76期の１名が死亡した。4月10日、第77期の入校式が行われたが、空襲で短剣を積んだ列車が遅れて間に合わず、生徒は一号・二号生徒に短剣を借りて入校式に臨んだ。5月1日、生徒全員で護国隊を結成し、陸戦訓練を開始。生徒の情操が荒れるのを防止するため、生徒隊付監事の命で昼食時に生徒隊軍歌係主任が選曲したクラシック音楽を流すようになった。6月末から御殿山の防空壕設営を開始。7月13日、アメリカ艦上機の空襲を受けて75期の１名が死亡した。8月15日の終戦を受け、8月17-24日に生徒は帰郷し、10月1日を以て生徒を免じられた。9月23日、栗田健男校長が訓示を発出。海軍兵学校は10月20日に廃校となり、第75期生徒には卒業証書、第76-78期生徒には修業証書が授与された。第１期は明治6年11月19日卒業で、卒業数２名。第２期は台湾出兵で練習艦筑波に搭乗して長崎に碇泊していた明治7年11月1日に少尉補に抜擢された者で、卒業数17名。明治8-9年に初の遠洋練習航海があり、第３期生に加え、少尉補に昇任済みの第１期・第２期も乗り込んだが、帰国後の試験で第２期のうち１名しか合格判定にならなかったため、第２期生は再度海軍兵学校で航海術と数学の教育を受ける羽目になった。第３期は明治9年9月卒業で、卒業数13名。第４期は初の遠洋練習航海後の試験で特に成績不良とされ、更なる実艦実習が必要と判定されて軍艦６隻での補習を受け、西南戦争従軍中の明治10年6月に少尉補に任じられた者で、卒業数９名。第７期には加藤友三郎総理大臣がいる。第15期は明治22年4月卒業で、卒業数80名。広瀬武雄中佐、岡田啓介大将がいる。第17期には秋山眞之先任参謀がいる。第18期には加藤寛治連合艦隊司令長官がいる。第26期は卒業数59名。第27期は卒業数113名。第28期は卒業生105名。第29期は卒業数125名。米内光政大将がいる。第31期は寺田健中将がいる。第32期は明治34年11月入校・明治37年1月卒業で、山本五十六元帥、塩沢幸一大将、嶋田繁太郎大将、吉田善吾大将がいる。第33期には豊田副武大将がいる。第34期には古賀峯一元帥がいる。第36期は明治38年12月2日入学、明治41年11月21日卒業で、卒業数191名。南雲忠一中将がいる。第37期は明治39年11月24日入校・明治42年卒業で、井上成美大将、小澤治三郎中将、草鹿任一中将、小松輝久中将（北白川宮輝久王）がいる。第38期は栗田健男中将がいる。第40期は山口多聞中将、大西瀧治郎中将がいる。第41期は大正2年12月卒業で、木村昌福中将がいる。第43期は有馬正文少将がいる。第47期は大正5年入校・大正8年10月9日卒業。第50期には堀内豊秋大佐がいる。第51期は大正9年入校・大正12年卒業。第52期は卒業生236名。源田実大佐、淵田美津雄大佐がいる。高松宮宣仁親王（大佐）も入校しており、これに際して和風家屋の高松宮記念館が敷地内に建てられた。第53期は卒業生62名。第54期は大正12年4月入校・大正15年3月卒業で、卒業数68名。第60期は昭和4年4月入校・昭和7年11月卒業で、卒業数127名。第61期は昭和5年4月入校・昭和8年11月卒業で、卒業数116名。第62期は昭和6年4月入校・昭和9年11月卒業で、卒業数125名。第63期は昭和7年4月入校・昭和11年3月卒業で、卒業数124名。第64期は昭和8年4月入校・昭和12年3月卒業で、卒業数160名。第65期は昭和9年4月入校・昭和13年3月卒業で、卒業数187名。第66期は昭和10年4月入校・昭和13年9月卒業で、卒業数220名。第67期は昭和11年4月入校・昭和14年7月卒業で、卒業数248名（249名？）。第68期は昭和12年4月1日入校、昭和15年8月卒業で、卒業数288名、うち航空要員115名、潜水艦要員55名。第69期は昭和13年4月1日入校、昭和16年3月25日卒業で、卒業数343名（342名？）。第70期は昭和13年12月1日450名入校、昭和16年11月卒業で、卒業数432名。第71期は昭和14年12月1日入校、昭和17年11月卒業で、卒業数581名、うち航空要員282名、潜水艦要員116名。第72期は昭和15年12月1日入校、昭和18年9月15日卒業で、卒業数625名、うち艦船班314名、航空班311名。東郷良一大尉（東郷平八郎元帥の孫）がいる。第73期は昭和16年12月1日入校、昭和19年3月22日卒業で、卒業数898名（艦船班400名・航空班502名の計902名？）。第74期は昭和17年12月1日入校、昭和20年3月30日卒業で、入校者数1028名、卒業数1024名。第75期は昭和18年12月1日入校で、入校者数3480名（3378名？）。賀陽宮治憲殿下がいる。第76期は昭和19年10月9日入校、入校者数3570名。合格者はもっと多いが、大原分校完成前で入りきらなかったらしく、中学４年生年長組、５年生、浪人受験者が第76期となり、残りの年少組は第77期に回されている。第77期は昭和20年4月10日入校、入校者数3771名（3756名？分校含む）。久邇宮邦昭王がいる。卒業生は77年間で11000名、うち4012名が戦死した。太平洋戦争では第60期53名、61期60名、62期66名、63期70名、64期81名、65期106名、66期119名、67期155名（154名？）、68期191名（うち航空要員89名、潜水艦要員45名192名？）、69期222名（214名？）、70期282名（285名？）、71期329名（331名？）、72期335名（337名？336名？）、73期283名（282名？）、74期16名（17名？）が戦死した。太平洋戦争終結でオーストラリア軍が占領し、昭和23年にオーストラリア軍が呉に移駐するとアメリカ軍がキャンプ江田島として使用、警察予備隊幹部教育なども行われ、昭和31年に返還された。現在は海上自衛隊幹部候補生学校と海上自衛隊第１術科学校が建っており、東生徒館は幹部候補生学校庁舎、大講堂は入校式・卒業式などの行事用として使用されている。教育参考館はアメリカ軍に接収され、昭和31年に返還されて防衛庁が国有財産としての管理を開始、引き続き史料収蔵展示に使われているが、40000点あった史料は終戦で各地に分散させたり焼却処分したりして16000点に減った（うち1000点を展示）。参考：海軍兵学校よもやま物語、陸海軍学校と教育、海軍兵学校岩国分校物語、月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’14、9,’19、月刊軍事研究1,’05、月刊丸6,’01、7,’14、歴史群像2,’08、4,’16、海軍よもやま物語、海軍こぼれ話、月刊JWings3,’15、海軍操舵員よもやま物語

＜海軍兵学校岩国分校＞：海軍兵学校の分校。第75期入校で海軍兵学校の生徒数が5000名を超え、114個分隊が作られたが、江田島には第４生徒館を増設しても90個分隊しか収容できなかったため、残り24個分隊を収めるべく、岩国海軍航空隊の予科練用施設を流用・増築して新設された。工事担当は呉海軍施設部である。教頭兼幹事長は矢牧章少将、生徒隊幹事は鹿江隆大佐、第77期主任指導官兼第202・第212分隊幹事は竹山百合人少佐。収容された分隊は第101-112分隊と第201-212分隊（第１部所属第1-12分隊と第２部所属第1-12分隊の意）で、江田島本校と区別するためイを頭に付けた（イ101分隊など。ちなみに江田島の第１部所属第１分隊はエ101分隊になる）。本校に対するライバル心が強く、教官も情けない生徒は江田島に帰れなどと檄を飛ばしていたという。教育内容や日常生活は本校とだいたい同じ。バス（風呂場）は本校と同じく大小２つで、小さい方が一号生徒、大きい方が二号・三号生徒用である。やはりタオルで前を隠すのと浴槽内に入れるのは厳禁で、浴槽の縁に置いておく。カッターの係留場所は水上隊桟橋（ダビットあり）と潜水艦桟橋（ダビット無し）だが、校舎との間に飛行場があるので、訓練やアカ汲みの度に往復4kmを駆け足しなければならない。昭和18年11月15日に開設された。11月19日、開校式を実施。昭和19年10月、第76期340名が入校。昭和20年4月10日、第77期340名が入校。短剣が空襲で貨車ごと燃えてしまったため、上級生から借りた。5月5日、本土決戦に備えて岩国護国隊が編成された。6月11日、第２部奇数分隊が山口県屋代島久賀町に疎開。6月12日、第２部偶数分隊が久賀町に疎開。6月25日、第１部奇数分隊が久賀町に疎開。6月26日、第１部偶数分隊が久賀町に到着して疎開を完了（公式疎開日も6月26日となっている）し、久賀国民学校を生徒館、隣の県立久賀高等女学校を講堂・自習室として使用、三角兵舎も増設し、課業に加えて陸戦訓練と防空壕設営を開始した。ちなみに久賀町に疎開が通達されたのは6月1日で、呉海軍工廠施設部に加えて町の大工などを総動員して突貫工事を行っている。寝室は教室を流用したが、狭いのでベッド２台を縦に重ねて脚を木材で固定し無理矢理２段ベッドにした。これにより、起床動作は行えなくなり、一号生徒も起床の際には「怪我をするな」と二号以下を叱責するようになっている。烹炊員はいなかったので、麦缶で配られる食事を三号生徒が配食した。厠は水洗式とはいかず、汲み取り式にグレードダウンしている。7月24日、呉軍港を空襲した帰りのF6F艦戦による機銃掃射を受けた。生徒に死傷者は無かったが、定員隊兵舎と監視哨が被弾して死傷者が発生、また久賀町で民間人５人が死傷している。8月6日、広島原爆投下による閃光と爆風を観測、キノコ雲が立ち上がるのも目撃された。黒い雨は降っていない。8月7日、新型爆弾の強烈な熱線に対抗するため、皮膚の露出を防ぐ目的で白頭巾と手甲の携行指示が出された。ただ服装は褐青色、ゲートルと編上靴は黒色のままだった。8月15日正午、生徒は下着を取り替え、二種軍装を着用して練兵場に集合し、ラジオ放送を拝聴した。ただ雑音が酷くて内容が聞こえず、監事長は多分頑張れという放送であろうとして解散している。1430、再度総員集合がかけられ、ポツダム宣言受諾が生徒に知らされた。以降の日課は予定表通り続けられることになり、灯火管制は解除されている。8月16日以降も課業が続けられた。8月19日、二部生徒が４海里の遠泳を実施。8月20日、生徒の帰休準備、機密図書などの返却、書類焼却、校舎返還作業を開始。8月21日、生徒の身分が分かるものは全て焼却、貸与品はできるだけ持ち帰るよう指示が出された。8月22日、教官と生徒総員による最後の夕食では汁粉が出た。高温多湿で食堂も狭く、略装の上着は脱いではいけないので、汗だくになりながら食べたらしい。8月23日、中部地方より東の出身生徒が帰休。8月24日、近畿地方と福岡県以外の九州の出身生徒が帰休。8月25日、残る生徒全員が帰休。9月6日、久賀国民学校の校地と校舎を町に返戻。10月1日、生徒全員が差免された。11月30日、海軍兵学校令が廃止され、12月1日に廃校となった。参考：海軍兵学校岩国分校物語、月刊丸7,’14、海軍兵学校よもやま物語、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍兵学校大原分校＞：海軍兵学校の分校。第76期入校で生徒数が7000名に達したため、大原海岸（江田島本校の北西2km）に設営され、昭和19年10月1日に新たに開校した。生徒館は木造二階建てで、４棟あり、４個部40個分隊2000名を収容する。分隊には頭にオを付けて本校や他の分校と区別する。暖房があまり効かず、冬には外套を着て授業を受けた。第77期入校に合わせて生徒館が８棟に増えている。昭和20年5月27日、生徒全員で菊水隊を結成し、陸戦訓練と防空壕設営を開始。6月初め、空襲による延焼対策で生徒館を間引きして４棟に戻した。参考：海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜海軍兵学校の３Ｃ＞：海軍兵学校にある３つの楽しみで、倶楽部（Club）、養浩館（酒保、Canteen）、巡航（Cruise）のことである。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜海軍兵学校針尾分校＞：海軍兵学校の分校で、明治19年に廃止されて以来59年振りに復活した海軍兵学校予科生徒の教育を行う分校である。長崎県針尾島の東南端にある。昭和20年3月1日開校。4月3日、第78期4048名が入校した。5月7日、生徒全員で七生護国報国隊七八真士（なやまし）部隊を結成、陸戦訓練を開始した。7月15日、海軍通信学校に移転して海軍兵学校防府分校となった。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜海軍兵学校防府分校＞：海軍兵学校の分校で、海軍兵学校針尾分校が昭和20年7月15日に防府海軍通信学校の敷地に移転したものである。8月8日、生徒館５棟がアメリカ艦上機の空襲で焼失した。参考：海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜海軍兵学校舞鶴分校＞：海軍兵学校の分校。元は海軍機関学校で、機関科と兵科の統合に伴い、昭和19年10月1日に改編されて創設された。同時に海軍省官房第1159号が発令され、教育内容は海軍機関学校機関・工作・整備専修生徒のものを引き継ぐこと、海軍機関学校に在学中の生徒は海軍兵学校の機関・工作・整備専修生徒に変更することが命じられている。これに伴い、海軍機関学校第55期が海軍兵学校第74期、海軍機関学校第56期が海軍兵学校第75期に変更され、10月9日には海軍機関学校第57期になる筈だった新入生が海軍兵学校第76期生として入校した。２個部24個分隊1300名を収容する。昭和20年3月、318名が卒業した。参考：海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜海軍兵学校予科生徒＞：日本海軍の教育制度。明治2年に創設され、明治19年に一旦廃止された。太平洋戦争末期、食糧不足と勤労動員で学力・体力低下が著しくなったため、１年早く生徒として採用し、海軍兵学校生徒として十分な教育・錬成を受けさせるために復活。対象は14-16歳で、中学２年終了程度の学科試験と身体検査に合格すれば入校できる。昭和20年4月3日に海軍兵学校第78期として4048名が海軍兵学校針尾分校に入校した。卒業前に終戦となった。参考：海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜海軍兵科予備学生＞：海軍予備学生を参照。

＜海軍兵器評価施設＞：アメリカ海軍・海兵隊で使用する核兵器システムを開発研究する施設で、カートランド空軍基地の空軍兵器研究所と同じ場所にある。参考：核兵器事典

＜海軍砲術学校＞：日本海軍の術科教育学校。砲術練習生、測的術練習生、高等科学生の教育を担当し、砲術指揮官を育成する。明治40年4月、横須賀海軍砲術学校（横砲）が創設された。昭和16年6月、館山海軍砲術学校が創設された。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍予備学生＞：日本海軍の予備士官養成制度。商船学校生徒全員を海軍の生徒として扱う海軍予備士官や海軍予備下士官の制度が着想のきっかけで、アメリカが大正15年（1926年）から開始した予備士官制度（在学中の一般大学学生に予備士官教育を行い、卒業と同時に予備少尉に任官する）も参考にし、昭和9年に飛行機操縦予備将校が誕生した。日本学生航空連盟海洋部の大学生を卒業後に採用し、2-3年間の兵役を務めさせ、予備士官として有事の際に召集するものである。昭和13年4月10日、第５期飛行専修予備学生が入隊。卒業数は19名で、うち９名が戦没した。昭和14年4月11日、第６期飛行専修予備学生が入隊。卒業数は26名で、うち10名が戦没した。昭和15年4月15日、第７期飛行専修予備学生が入隊。卒業数は32名で、うち24名が戦没した。昭和16年4月15日、第８期飛行専修予備学生が入隊。卒業数は43名で、うち22名が戦没した。アメリカとの戦争に備えた海軍第５次軍備増強計画では太平洋の島嶼地域を海軍陸戦隊で全て防衛することにしており、大量の将校が必要になったため、軍令部は海軍兵学校の定員を１学年1000名くらいに拡充する案を出したが、人数が多すぎて全員を兵学校卒にふさわしい地位（艦長／大佐クラス）に就けるのが難しくなるということで、海軍省人事局が大井篤中佐を中心に案を出し、昭和16年10月3日に一般兵科でも予備学生制度を発足させることにした（一時雇い扱いなので、概ね大尉、せいぜい少佐クラスで済む）。26歳未満の大学学部卒業者（何の学部でも良い）、24歳未満の大学予科または高等学校高等科または専門学校またはこれと同等以上の学校卒業者（戦局が悪化すると在学中の者も）が対象で、兵曹長の上・少尉候補生の下の身分で採用し、１年半（最初の半年は基礎教程として海兵団分団や砲術学校、残る１年は専攻課程として術科学校など。飛行専修者は最初の２ヶ月が土浦海軍航空隊、残りが各航空隊など）の教育を受けさせて予備少尉に任官、有事の際に召集する。ただし制度発足直後に太平洋戦争が始まったため、専攻課程が半年に切り詰められ、１年くらいの教育で戦地に送り出されていった。当初は大学卒業者を引っ張ってこれるよう学生の時から予備中尉に任官する予定だったが、人材を奪われかねない陸軍（陸軍幹部候補生は修了後漸く少尉になる）が猛反対して没になった（大井篤中佐曰く、陸軍のおかげで三階級損した）。とはいえあくまでも予備扱いであり、現役士官とは身分が違い、術科学校入校には制限が設けられていて、当初は服装も違っていた。昭和16年10月25日、第一期予備学生（兵科）の募集が告示され、12月21-25日に試験と身体検査を実施。昭和17年1月15日、第９期飛行専修予備学生が入隊。卒業数は34名で、うち22名が戦没した。1月20日、第一期予備学生（兵科）278名が横須賀第１海兵団に、100名程度が特信班に入隊した。同時に第10期飛行専修予備学生100名が岩国海軍航空隊に入隊している。昭和17年9月10日、第２期予備学生（兵科）が台湾の東港などに入隊。9月30日、第11期・第12期飛行専修予備学生が入隊。卒業数は第11期が85名、第12期が61名で、それぞれ68名と26名が戦没した。昭和18年1月20日、第一期予備学生（兵科）396名と第10期飛行専修予備学生98名（うち61名戦没）が教育を修了して予備少尉に任官した。4月、第２期予備学生（兵科）が館山海軍砲術学校（海軍陸戦隊初級指揮官と防空砲台長になる）、海軍機雷学校（防備隊・掃海艇指揮官になる）、海軍通信学校（通信関係予備士官になる）、海軍航海学校（中央気象台技官養成所出身者で気象予備士官になる）、霞ヶ浦海軍航空隊（飛行科転科組）、海軍兵学校機関学校（普通学教官に任命）に分かれて内地で術科教育を開始。8月30日、第２期予備学生（兵科）484名が教育を修了して任官した。9月30日、第13期飛行専修予備学生が土浦海軍航空隊と三重海軍航空隊に入隊。損耗と航空機増産による搭乗員不足を解決すべく2000名（4000名？）を採用する予定だったが、応募数が数万名に達したため5199名を採用、卒業数は4726名で、1535名が戦没した。10月1日、第３期予備学生（兵科）が館山や旅順などに入隊。昭和19年1月20日、前年に卒業した第１期予備学生（兵科）の殆どが海軍中尉に昇任した。1月30日、第３期予備学生（兵科）と第13期飛行専修予備学生が専修教程と中練教程に進んだ。2月1日、第４期予備学生（兵科）と第14期飛行専修予備学生（卒業数1954名、戦没239名）が武山などに入隊。3月1日、初級士官不足に対応するため、館山海軍砲術学校第３期予備学生（兵科）に、特分隊と呼ばれる速成部隊を創設。陸戦専修20名と対空専修110名を選び、１ヶ月の訓練で4月1日に海軍少尉として各地に任官させた。5月31日、第３期予備学生（兵科）3515名が教育を修了して任官した。8月10日と9月30日、第15期飛行専修予備学生が入隊。卒業数は計1854名で、うち15名が戦没した。10月1日、第５期予備学生（兵科）が武山や旅順に入隊。12月25日、第４期予備学生（兵科）3404名が教育を修了して任官した。昭和20年4月1日、第６期予備学生（兵科）が武山や旅順に入隊。燃料が確保できず、飛行予備学生の採用は停止された。入隊者は第３期海軍予備生徒と合わせて2700名とされる。6月1日、第５期予備学生（兵科）3140名が教育を修了して少尉に任官した。終戦までに海軍予備学生（兵科）は第1-6期が募集され、第５期までが任官した。戦没者は第１期が82名、第２期が70名、第３期が706名、第４期が246名、第５期が17名である。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’01、海軍こぼれ話、月刊丸6,’01、帝国陸海軍事典

＜海軍予備士官（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍が1926年から開始した制度。各大学に海軍予備士官訓練団を置き、志願した大学生を入団させ海軍の教育を施しておいて、卒業後すぐにアメリカ海軍（一般兵科も飛行科も可能）に入隊させて１年間の勤務後に予備少尉に任官する。試験をクリアすれば正規の海軍士官となることもできた。参考：月刊丸6,’01

＜海軍予備士官（日本海軍）＞：日本海軍の制度。商船学校の卒業生全員を海軍の予備士官として任用するもので、イギリス海軍の制度をベースとしている。明治8年に創設された三菱商船学校が明治15年に官立の東京商船学校となったのをきっかけに、明治16年に所轄の西郷従道農商務卿から川村純義海軍卿に提案され、明治17年（西暦1884年）8月に制定された。同年12月からは海軍で砲術の授業を受けるようになり、商船学校校則も改定されて東京商船学校生徒は海軍予備員志願者に限ることになった。卒業すると海軍少尉補に任官されるが、階級はこの１種類しか無かった。明治19-21年、士官不足に対応するため、14名を現役士官に任用した。うち２名は少将まで昇任している。明治37年6月、海軍予備員条例が制定され、入学時から海軍予備生徒または海軍予備機関生徒として兵籍に入ることとなり、階級も航海科は海軍予備中佐まで、機関科は海軍予備機関小監（後に海軍予備機関少佐）までが創設された。ただ海軍でなくとも一般商船で勤務していれば昇任していくので、一度も軍艦に乗ったことの無い予備少佐や予備大尉が大量生産されている。大正8年6月、海軍予備員条例が海軍予備員令に改定され、機関科に海軍予備機関中佐の階級が制定された。大正9年8月、川崎商船学校を母体として文部省所轄の神戸高等商船学校が創設され、こちらも海軍予備員条例の適応を受けた。大正14年4月、東京商船学校が専門学校令による東京高等商船学校になった。昭和2年6月、海軍予備大佐と海軍予備機関大佐の階級が制定された。昭和3年、平時でも定期的に予備員を訓練し、第１次大戦で大量に召集して戦果を挙げたイギリスに倣い、秋の小演習で初めて予備員に対して演習召集を下令した（ただし予備下士官２名のみ）。昭和4年、演習に際して予備士官が数名ずつ召集されるようになった。昭和8年5月、第一期召集予備将校航空術講習員を召集。海運不況で余った人手を海軍航空要員に回すもので、予備少尉と予備機関少尉から志望者を募り、操縦・整備要員を霞ヶ浦海軍航空隊に、偵察要員を横須賀海軍航空隊に入隊させて講習を受けさせ、実施部隊での延長教育の後に現役士官の海軍少尉または海軍機関少尉に任用した。11月、商船学校卒業者に対して６ヶ月の勤務召集を行うようになった。商船学校生徒は入学すると３年間は座学を行い、横須賀海軍砲術学校で半年間の軍事学練習を受講、次いで航海科は帆船練習、機関科は海軍工廠や民間造船所での製作実習を１年間行う。その後１年間にわたり海運会社の汽船に見習士官（アプレンチス）として乗船し、甲種二等航海士または甲種二等機関士の海技免許を受け卒業すると同時に、海軍予備少尉または海軍予備機関少尉に任官する。航空術講習員は勤務召集中の生徒から希望者を募り、特別任用海軍士官講習を終えて現役士官となってから飛行学生として航空教育を受けるようになった。昭和10年7月、第４期召集予備将校航空術講習員を最後に、この制度が廃止され、飛行専修予備学生に切り替えられた。昭和12年7月7日、日華事変勃発で勤務召集が充員召集に切り替えられ、主に特設艦船や小型艇に配置された。卒業と同時に召集される予備士官もいたが、まずは戦艦などの大型艦で初級士官としての勤務を経験させた後に中国へと派遣している。昭和13年、整備予備学校制度が設けられた。昭和16年10月3日、一般兵科予備学生制度が設けられた。昭和17年11月、軍令承行令の関係上、航空機部隊に配属された予備士官の指揮権に問題が発生したため、予備大尉、予備中尉、予備少尉を現役の大尉、中尉、少尉にすることができるようになり、飛行予備学生出身者を皮切りに適用されていった。昭和18年、清水高等商船学校が加わり、更に水産講習所遠洋漁業科にも適用されるようになった。6月30日、勅令第560号で海軍予備員令が改正され、予備士官が予備員たる海軍士官に変更されて階級名から「予備」の文字が消え、階級章・帽章がコンペイトウから桜に変更された。ただし中身まで一緒になった訳ではなく、身分の差はそのままである。9月、予備員たる機関科中尉・少尉のうち33名が飛行機整備学生として航空機整備に回された。昭和19年12月、艦船に配置されている予備士官も現役の大尉、中尉、少尉に転換されるようになった。太平洋戦争では小艦艇や特設艦船の大部分の運用に携わり、犠牲者も多かった。戦争末期になると配属される艦艇も撃沈され尽くし、昭和20年3月の商船学校卒業者からは56名が蛟龍や海龍の艇長要員としての訓練に入ったが、出撃前に終戦を迎えた。参考：陸海軍学校と教育、戦時用語の基礎知識、月刊世界の艦船6,’83、6,’01

＜海軍予備生徒＞：日本海軍の予備士官養成制度で、学徒動員が開始されたのに伴い、大学や高専の在学生を予備士官候補者として採用するものとして昭和19年に創設された。海軍予備学生と同じ期間の教育を受け、海軍少尉候補生となる。終戦までに第1-3期が募集され、１期は少尉、２期は少尉候補生に任官された。戦没者は第一期77名、第二期４名である。昭和19年2月1日、第１期生徒が旅順などに入隊。10月1日、第２期生徒が旅順などに入隊。12月25日、第１期生徒987名が教育を修了して少尉候補生に任官した。昭和20年4月1日、第３期生徒が武山や旅順に入隊した。入隊者は第６期海軍予備学生（兵科）と合わせて2700名とされる。6月1日、第２期生徒788名が教育を修了して少尉候補生に任官した。第３期生徒は任官前に終戦を迎えている。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’01

＜海軍陸戦学校＞：館山海軍砲術学校を参照。

＜海軍陸戦隊＞：日本海軍の艦上警備・陸上戦闘部隊。海兵隊が主任務としていた敵艦に乗り込んでの艦上戦闘が廃れ、陸上戦闘をメインとする必要が出たため、明治9年7月の海兵隊・水兵本部廃止と同時に各艦に創設したものである。艦船による機動力を活かして海岸の要地を確保するのを主任務とし、艦船が臨時に乗員の一部を武装させるという扱いで、明治19年11月に海軍陸戦隊概則が定められた。ただ乗員を地上戦闘に派遣してしまうと艦内の人出が足らなくなるので、大人数・長期間の兵力抽出は不可能であり、その場合に備えて海軍特別陸戦隊を内地で編成した。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊軍事研究10,’13、月刊PANZER8,’04

＜海軍陸戦隊特勤隊＞：台湾海軍陸戦隊隷下の部隊で、1980年に創設され、1995年の演習で存在が明らかとなった。主任務は対テロ及び対ハイジャックで、1999年から海軍陸戦隊両棲偵察大隊の隷下に入り、2001年の同時多発テロ以降は２個中隊に増強された。１個中隊は増強特別行動隊10名及び小隊２個、１個小隊は分隊（９名）５個から構成されている。隠密行動の際には火器だけでなく、ナイフやクロスボウを使用することもある。参考：月刊軍事研究4,’07

＜海軍陸戦隊両棲偵察大隊＞：台湾海軍陸戦隊隷下の部隊で、1998年7月に設立された。本部は左営海軍基地で、隷下に４個中隊を置き、兵力400名。主任務は沿岸警備及び上陸作戦時の特殊戦である。隊員はアメリカ本土でSEALによる教育を受けている他、７ヶ月間にわたり連日12-16時間の過酷な基本訓練が施される。参考：月刊軍事研究4,’07

＜海軍療品廠＞：日本海軍の地方官庁で、医療品や医療機器を作るのが主任務である。第１海軍療品廠（目黒）、第２海軍療品廠（京城）が設置された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海軍練習兵＞：海軍特別年少兵を参照。

＜会計（航空自衛隊職種）＞：航空自衛隊の職種。空自で使用する全物品の購入、隊員給与計算、出納業務などを行うのが主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜会計員＞：航空自衛隊の会計職種隊員。第３術科学校で初級会計員課程を修了すると任じられる。参考：MAMOR vol.118

＜会計科＞：陸上自衛隊の職種。防衛予算のうち、陸上予算を運用し、装備品・日用品の調達契約、支払い、歳出入金の出納などを実施、給与支払いや糧食・物資調達といった会計・経理業務を行い、作戦目的達成のため各部隊を支援するのが主任務である。中央会計隊、方面会計隊、会計隊／派遣隊（各駐屯地に置かれる）、会計監査隊といった部隊がある。自衛隊の活動には全て予算が関わるため、災害派遣や海外派遣の際にも部隊に同行して必要な支援を行う。もちろん有事でも部隊に同行して駐屯地を発ち陣地に野営し、敵襲があれば自力で反撃する。現地調達で現金払いが必要となれば所要額を算出して小切手を発行、銀行に行って国庫の現金を引き出し、支払いを行う。小平学校で陸曹会計課程を修了して会計科隊員となる。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.144、vol.62、vol.118、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1、朝雲

＜改ケープ級＞：オーストラリア海軍哨戒艇、略称ECCPB（Evolved Cape-class Patrol Boat）、計画名SEA1445フェーズ１。オースタル社が建造した。ケープ級の改良型で、居住性を高め、居住区画も10名分増やしている。８隻を建造予定で、１番艇艇番号314ケープ・オトウェイ、２番艇ケープ・ペロン、３番艇ケープ・ナチュラリステ、４番艇ケープ・カプリコーン、５番艇ケープ・ウーラナイ、６番艇ケープ・ピラーなどが2022年から竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’22、2,’23、1,’24

＜改ゲパルト級フリゲート（ベトナム海軍）＞：ディン・ティエン・ホアン級を参照。

＜海剣�U型＞：台湾海軍艦対空ミサイル。台湾国産で、細長い箱型キャニスターに収容される。誘導は中間が慣性＋データリンク、終末がアクティブ・レーダー。飛翔速度マッハ2.4、射程30km。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜外舷式エレベーター＞：エレベーター（空母）を参照。

＜戒厳地境（大日本帝国）＞：戦闘準備や事変に際し、兵備により警戒する必要がある地境として、戒厳を宣告された地域のこと。参考：衛兵勤務必携

＜海剣羚＞：台湾の国家中山科学研究院がRIM-72Fシー・チャパラルの後継として開発した艦対空ミサイルシステム、別名シー・オリックス（Sea Oryx）。ミサイルはシーTC-1で、ファランクスを流用した旋回俯仰架台に16連装（４列４段）や８連装のランチャーを搭載する。2015年8月13-16日に台北で開かれた国際航空宇宙・国防工業技術展で展示された。参考：月刊世界の艦船12,’15、11,’17、2,’20

＜戒厳令＞：martial law。戦争、内乱、大災害で、治安回復のため立法・司法・行政の一部または全部を軍隊が執行する非常対策のこと。戦後日本には建前上軍隊が無いので、戒厳令も存在せず、政府に制定の意志も無い（1977年参院答弁）。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜戒厳令（大日本帝国）＞：戦時または事変に際して兵備により全国または地方を警戒するため、明治15年8月5日に交付された。軍団長、師団長、旅団長、要塞司令官、警備隊司令官、分遣隊長、艦隊司令長官、艦隊司令官、鎮守府長官、特命司令官が戒厳を宣告することができ、直ちに理由を太政官と隷属する長官に上申する。戒厳は臨戦地境（戦時・事変時に警戒すべき区域）と合囲地境（敵の合囲・攻撃などの事変に際し警戒すべき区域）に分かれており、前者では軍事に関係のある地方行政事務と司法事務を、後者では全ての地方行政事務及び司法事務を軍司令官に委ねる。合囲地境における軍事に関する裁判は軍事法廷で行うが、地境内に裁判所が無く、管轄裁判所への通路も断絶された時は、民事刑事とも全ての裁判を軍事法廷で行う。軍事法廷での裁判では、控訴・上告することはできない。司令官は必要に応じて集会・新聞雑誌などの停止、軍事関連物品の輸出禁止、武器の押収、郵便検閲、船舶検査、動産・不動産の破壊、合囲地境内の建造物・船舶・家屋立ち入り検察、合囲地境内の寄宿者強制退去を行うことができ、損害賠償を行う必要は無い。戦時や事変が平定されても、解除が布告・宣告されるまでは戒厳令が敷かれたままとなる。参考：帝国陸海軍事典

＜海虎＞：SS-794（潜水艦）を参照。

＜海口＞：171（駆逐艦）を参照。

＜海紅旗７＞：HHQ-7シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜海紅旗９＞：HHQ-9シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜海紅旗１０＞：HHQ-10（艦対空ミサイル）を参照。

＜海紅旗１６＞：HHQ-16（艦対空ミサイル）を参照。

＜偕行社＞：日本陸軍将校や陸空自衛隊幹部自衛官らで作る公益財団法人。元は陸軍将校互助親睦組織で、太平洋戦争終戦後に社団法人となり、その後公益財団法人になった。戦没者慰霊、遺族援護、後輩の士気向上などを活動目的とする。戦後暫くは陸軍将校の集まりという側面が強かったが、高齢化により幹部自衛官に引き継いでいる。2022年4月17日、靖國神社で初の偕行社慰霊祭を実施。偕行社理事長、防衛事務次官、第１師団長ら200人が参列し、祭文奏上や玉串拝礼などを行った。2023年に陸上自衛隊幹部の会（修親会）のOB会になる予定。参考：月刊軍事研究8,’16、朝雲

＜海光丸＞：日本海軍給糧船Kaiko maru。大元は葛原冷蔵の冷凍冷蔵貨物船で、大正11年10月20日に竣工し、大正14年に東洋冷蔵、その後日魯漁業に転属、太平洋戦争で日本海軍に徴用された。垂線間長73.15m、幅10.67m、深さ6.1m、吃水5.36m、総トン数1516トン、重量トン数1770トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1482馬力、航海速力８ノット、最大速力12.5ノット。昭和19年10月、い號海光丸に改称された。昭和26年、日本郵船に売却され、鋼材運搬船になった。その後石炭運搬船に改造され、昭和32年に北星海運の松前丸となり、昭和37年に前田汽船に転属、昭和41年に解体された。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜開口面アンテナ＞：アンテナの一種。電波ビームの指向方向に直交する面内で二次元に広がるアンテナで、パラボラアンテナやプラナー・アレイ・アンテナがある。電波波源の電流、電界、磁界ベクトルを同一方向・同位相となるように励振することにより、開口面に垂直の方向にビーム幅の狭い電波を効率的に形成することができる。具体的には、開口長をＤ、波長をλとすると、ビーム幅（電力半値幅）はＤ／λに反比例し、この時の定数はビーム幅補正係数と呼ばれ、開口励起分布の形状により決定される。サイドローブ抑制のため開口両端の電力を低くすると、開口長が等価的に小さくなり、ビーム幅補正係数が大きくなってビーム幅が拡大、アンテナ利得が減少する。円形開口では矩形開口に比べてビーム幅が広がりアンテナ利得が減少し、サイドローブレベルも低下する。参考：レーダシステムの基礎理論

＜外国国内防衛航空ミッション＞：AvFID（Aviation Foreign Internal Defense）と略す。アメリカ空軍特殊作戦コマンドAFSOCが行っている、外国軍航空要員や特殊部隊員に対する訓練及び政変・災害後援助ミッションである。軍事色を出さないよう、NSAv（空軍マークを消して民間塗装としたターボプロップ小型機）を使用し、航空戦闘顧問CAA（Combat Aviation Advisors）が対地攻撃・航空機動・ISRなどの評価・訓練・助言を行ったりする。参考：月刊航空ファン7,’18、月刊軍事研究4,’16

＜外国製ハイス型射撃監査写真機＞：ハイス型射撃監査写真機シリーズを参照。

＜外国留学授業料（ＦＭＳ）＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜外国留学授業料（ＦＭＳ海軍ケース）＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜外国留学授業料（ＦＭＳ海軍ケース）（ティルト・ローター関連）＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜外国留学授業料（ＦＭＳ空軍ケース）＞：防衛省がアメリカ空軍に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜外国留学授業料（ＦＭＳ陸軍ケース）＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究5,’18

＜カイコス＞：K505（フリゲート）を参照。

＜改ゴダヴァリ級＞：ブラマプトラ級フリゲート（２代目）を参照。

＜海鯤＞：711（潜水艦）を参照。

＜海鯤級＞：台湾海軍潜水艦Haikung級、開発名称IDS型。台湾初の国産潜水艦で、台湾国際造船が建造した。イギリス国防省武器輸出関連統計の2023年度第１四半期に台湾向け潜水艦関連システム輸出許可があり、イギリス企業が開発に関わっているらしい。通常動力型潜水艦で、船型は涙滴型。艦首上面にソナー用小型フェアリングがある。舵はセイル・プレーンと艦尾Ｘ舵＋水平フィン。L3ハリス・テクノロジーズ社製マスト昇降システム、同社製通信システム、同社製プラットフォーム管制システム、RTX社製ソナー、アセルサン社製ZOKA対魚雷用自衛装置を装備する。全長70m、幅8m、水中排水量2500-2700トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、蓄電池はリチウム・イオン電池。兵装はMk48Mod6AT魚雷とハープーン潜対艦ミサイルらしい。８隻を建造予定で、１番艦艦番号711海鯤は2023年9月28日に進水した。参考：月刊世界の艦船12,’23、2,’23、1,'24、月刊JWings12,’23

＜カイザー＞：ドイツ海軍カイザー級戦艦Kaiser。1912年竣工。1916年5月31日、第３戦艦戦隊第６小隊所属でジュットランド海戦に参加。第１次大戦終結後にスカパフローに集められ、抑留された。1919年6月21日、スカパフローのイギリス艦隊が水雷教練に出動した隙に、ドイツ艦隊司令官の「状態Ｚとなせ」の指令の下、自沈した。参考：近代戦艦史、歴史群像6,’16

＜カイザー級＞：カサブランカ級（護衛空母）を参照。

＜カイザー級＞：ドイツ海軍ド級戦艦Kaiser級。主砲塔は５基で、３基を前後甲板の中心線上、２基を艦中央両舷に互い違いに配置（反対舷射界120度）してあり、横方向に10門を射撃できる。イギリスのネプチューン級と同じような主砲配置だが、船体幅を3m以上広くして縦通隔壁を二重にするなど垂直防御を強化した。副砲は全て第１甲板上に並んでいる。フリードリヒ・デア・グローセのみ司令部設備が用意されており、後部マスト近くに後部艦橋を持つ。プリンツレゲント・ルイトボルトは中央軸をゲルマニア式複動ディーゼル（６気筒、12000馬力）で駆動させる予定だったが、間に合わず、蒸気タービン２基２軸推進で完成した。全長172.4m、幅29m、吃水8.3m、常備排水量24724-25390トン（うち防御重量10100トン）。主機は改良パーソンズ式高低圧串型直結蒸気タービン３基、主缶はシュルツ・ソーニクロフト石炭専焼缶（圧力１平方センチあたり16kg、飽和温度）16基、出力40000馬力、３軸推進、推進軸回転数毎分270回転、プロペラ直径3.75m、速力22ノット（プリンツレゲント・ルイトボルトは主機２基主缶14基出力34000馬力、２軸推進、速力21ノット）。兵装は30.5cm連装砲５基、14.9cm単装砲14門、8.8cm単装砲８門、8.8cm単装高角砲４門、50cm水中発射管５門。装甲厚は水線部350mm、甲板100mm。乗員1084名。1912-13年にカイザー、フリードリヒ・デア・グローセ、カイゼリン、ケーニッヒ・アルベルト、プリンツレゲント・ルイトボルトの５隻が竣工した。1916年以降、主砲仰角を13.5度から16度に引き上げ、8.8cm砲の全てと8.8cm高角砲２門を撤去、魚雷防御網も外した。参考：近代戦艦史、月刊丸11,’09、月刊世界の艦船1,’12

＜カイザー・フランツ・ヨーゼフ�T世級＞：オーストリア・ハンガリー海軍防護巡洋艦（正式艦種は水雷衝角巡洋艦）Kaiser Franz Joseph �T級。全長103.7m、常備排水量3967トン。主機はレシプロ蒸気機関２基２軸8450馬力、速力19ノット。兵装は23.8cm単装砲２門、14.9cm単装砲６門、47mm単装砲９門、37mm機砲３門、40cm魚雷発射管４門。6.6cm舟艇砲・上陸砲２門を搭載する。１番艦カイザー・フランツ・ヨーゼフ�T世と２番艦カイゼリン・エリーザベトの２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜改サウロ級＞：イタリア海軍潜水艦。1018型ナザリオ・サウロ級の改良型で、HY80鋼を使用して潜航深度を300m、圧壊深度を600mに高め、レーザー測距器付き潜望鏡を装備した。後期２隻は船体を2m延長、水中排水量を200トン増やし、船体に吸音タイルを貼り付け、USMの搭載を可能とし、クリップオンTASSの装備も予定している。ただしUSMはまだ搭載されていない模様。全長64.4m（前期型）／66.4m（後期型）、全幅6.8m、吃水5.6m、水上排水量1476トン（前期型）／1653トン（後期型）、水中排水量1662トン（前期型）／1862トン（後期型）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機３基・電動機１基１軸3128馬力、水上速力11ノット、シュノーケル速力12ノット、水中速力19ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門（A184魚雷12本）。乗員50名。S-522サルヴァトーレ・ペロシ、S-523ジュリアーノ・プリニ、S-524プリモ・ロンゴバルド、S-525ジャンフランコ・ガッツァーナ・プリアロッジアの４隻が1988-95年に就役した。1998-2004年、戦闘システムとソナーを換装した。USMは相変わらず搭載されていない模様。全長64.4m（前期型）／66.4m（後期型）、水中排水量1689トン（1-2番艦）／1892トン（3-4番艦）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力19ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究5,’07、月刊世界の艦船3,’05、11,’16、4,’20

＜凱山１＞：HQ12（地対空ミサイル）を参照。

＜凱山１Ａ＞：HQ12シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜海獅＞：SS-791（潜水艦）を参照。

＜海士＞：海上自衛隊の階級で、一般に言う海軍兵である。入隊すると二等海士になり、教育隊で15週間の基本教育を受けて各部隊に配属され、一等海士、海士長と進む。任期は最初が３年で、終了すると退職金を受け取り、継続任用か退任かを選ぶ。以降は２年ごとの任期を務め、同様の選択をする。海曹に昇任すると、任期でなく定年制になる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜海自＞：海上自衛隊を参照。

＜海自ＩＰ暗号機等用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。光電製作所製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜会式一号＞：エンジンはノーム50馬力、プロペラはショービエール木製２翅（直径2.6m、ピッチ1.32m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜会式二号＞：エンジンはノーム50馬力、プロペラはショービエール木製２翅（直径2.6m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜会式三号＞：エンジンはノーム50馬力、プロペラはショービエール木製２翅（直径2.6m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜会式四号＞：エンジンはノーム50馬力、プロペラはショービエール木製２翅（直径2.6m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜会式五号＞：エンジンはノーム70馬力、プロペラはラピードサントラル木製２翅（直径2.9m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜会式六号＞：エンジンはノーム70馬力、プロペラはラピードサントラル木製２翅（直径2.9m）。参考：月刊航空ファン8,’19

＜海獅級＞：ガピー�U型・海外シリーズ（潜水艦）を参照。

＜海自造修整備補給システム（オープン系）＞：海上自衛隊補給本部が2014年6月30日に運用を開始した、造修整備補給システム。艦船造修整備システム、航空機造修整備システム、補給システムを統合したもので、効率化・迅速化、セキュリティ向上、運用経費削減などを図っている。参考：朝雲

＜海士地上救難課程＞：海上自衛隊の地上救難員養成課程で、第３術科学校が行う。航空機地上救難、艦上救難、警備、車両整備、関連機材に関する基礎的事項や管理事項、基本操作をマスターするのが目標で、大型化学消防車を運転できるよう、自衛隊自動車教習所で大型免許も全員取得する。P-3C哨戒機の実物を使用した要救助者搬送訓練や、炎上する実物大模型の消火訓練も行う。期間は４ヶ月。参考：MAMOR vol.108

＜海士特技課程＞：海上自衛隊の術科教育。本人の希望または部隊の要求で各職域に振り分けられ、課程を修了すると術科特技員となる。第１術科学校（運用、射撃、射管、魚雷、水測、機雷・掃海、航海、電測、通信、電子整備、気象海洋）、第２術科学校（蒸気、ディーゼル、ガスタービン、電機、応急工作、情報）、第３術科学校（航空発動機整備、航空電機計器整備、航空機体整備、航空電子整備、航空武器整備、地上救難、施設）、第４術科学校（経理、補給、給養）、自衛隊横須賀病院（衛生）、東京音楽隊（音楽）で実施される。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜海自認証基盤（設計）＞：自衛隊の機器。沖電気工業が受注している。参考：月刊軍事研究9,’11

＜海自乃湯＞：ミュール社が販売している入浴剤。護衛艦ひゅうが、こんごう、むらさめ、潜水艦そうりゅうを擬人化したイラストが描かれたパッケージに、入浴剤２包と海自活動写真などのカード１枚が入っている。参考：朝雲

＜海雀級＞：台湾海軍ミサイル艇。イスラエルのデボラ改級をベースとしている。兵装は雄風�T型艦対艦ミサイル発射筒２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜介壽＞：台湾空軍練習機で、蒋介石の長寿を願うという意味。ラディスラオ・パズマニーが設計したPL-1BをAIDCでライセンス生産したものである。台湾航空教育展示館に展示されている。参考：月刊航空ファン8,’09、6,’16

＜外出（自衛隊）＞：営内（基地や駐屯地）居住隊員が許可を得て営内から外出すること。その日の門限までに帰る普通外出（普外と略す）、土日など１泊できる特別外出（特外と略す）、金曜の課業終了後から日曜門限まで２泊できる金特がある。海上自衛隊では上陸という。参考：MAMOR vol.164

＜外出点検（防衛大学校）＞：防衛大学校生が土日祝日の外出前に受ける、上級生からのチェック。0800、0830、1300の３回だが、例外もある。遅れると時間不備で一発不合格。制服のホコリ、プレス掛け、靴や帽章・襟章の磨き方、持ち物などを徹底的にチェックされ、不備ならちゃんと直して次の点検時に再度チェックを受け、合格しないと外出できない。参考：MAMOR vol.103

＜海上移動基地＞：MOB（モバイル・フローティング・ベース）と略す。アメリカ海軍が1997年にノルウェー・シーベース社に研究を命じた巨大な海上移動基地で、C-17が離着陸できる1800m級の滑走路、１万名の収容施設を持つ。費用は50億ドルと見積もられた。1999年にはロイ・マクダーモット社が300mの艀を５隻組み合わせる案、ベクテル・ナショナル社が488mの艀を３隻組み合わせる案を出しており、どちらの艀も15ノットで海上を航行、現地で基地に仕上げる。今のところは案のみである。参考：月刊軍事研究8,’10

＜海将旗＞：海上自衛隊の指揮官旗の１つ。白字の旗に桜が３つ、三角形の頂点に並んでいる。自衛艦隊司令官、地方総監、護衛艦隊司令官といった海将が座乗した艦に掲揚する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜海上機動第１旅団＞：日本陸軍の海上機動旅団。昭和19年2月下旬、第31軍の隷下に入った。昭和19年後半、第27軍の隷下にあった。参考：太平洋海戦史、比島決戦

＜海上機動第２旅団＞：日本陸軍の海上機動旅団。昭和19年後半、第２方面軍の隷下にあった。参考：比島決戦

＜海上機動旅団＞：日本陸軍が昭和18年11月16日の陸軍令甲第106号で編成した強襲上陸作戦部隊。兵力5458名で、旅団本部、機動大隊（３個歩兵中隊、迫撃砲中隊、砲兵中隊、作業隊。歩兵中隊に軽機関銃15丁、重機関銃２丁、迫撃砲４門、迫撃砲中隊に迫撃砲12門、砲兵中隊に山砲３門、速射砲２門配備）、戦車隊（軽戦車14両）、機関砲隊（機関砲４門）、輸送隊（特大発10隻、大発150隻、駆逐艇10隻、SS艇３隻）、通信隊、衛生隊からなる。参考：歴史群像6,’01

＜海情級＞：中国海軍対潜哨戒艇037�T／�TＤ／�TＳ型（Type-037／�T／�TＤ／�TＳ）のNATOコード、ハイチン（Haiqing）級。海南型の後継で、哨戒・警備に重点を移しているが、ハル・ソナーや可変深度ソナーを搭載しており、一定の対潜能力も持つ。37mm機関砲射撃指揮用に347G型レーダーを搭載する。全長62.8m、全幅7.2m、吃水2.4m、満載排水量478-486トン。主機はディーゼル、出力4000馬力、４軸推進、速力28ノット。兵装は37mm連装機関砲２基（前後甲板）、14.5mm連装機銃２基（上構01甲板前後）、87型６連装対潜ロケット発射機２基（前甲板の機関砲前方両舷）。乗員71名。艦番号613任丘、634、710-717、743黄岩、744、761、762蕭山、763-765、787-792など22隻が1993年11月から就役した。2020年現在、北海艦隊に３隻、東海艦隊に４隻、南海艦隊に２隻が配備されている。2022年現在、計７隻が就役中。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,'21、2,’20、2,’19、3,’18、9,’11、6,’14、5,’15、4,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜海上協力２０１２＞：中露二国間合同海上演習で、2012年4月に行われた。参考：月刊軍事研究4,’13

＜海上協力２０１９＞：中露海軍共同演習で、2019年に行われた。ロシア海軍からスラヴァ級ミサイル巡洋艦１隻、ステレグシュチイ級フリゲート１隻、キロ級潜水艦１隻、ロプーチャ�T級揚陸艦１隻、イーゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦１隻が参加している。参考：月刊世界の艦船7,’19

＜海上訓練指導隊＞：海上自衛隊の部隊。自衛艦（潜水艦、練習潜水艦、潜水艦救難艦、潜水艦救難母艦、掃海艦艇、掃海管制艇、掃海母艦を除く）と支援船の乗員に対する配置についての訓練の指導、護衛艦隊の行う訓練に対する指導、護衛艦隊その他の海上部隊の行う訓練に対する協力（以上は潜水医学実験隊及び誘導武器教育訓練隊の所掌に属するものを除く）、対潜戦術訓練装置を使用した護衛艦に対する訓練の指導、自衛艦の乗員に対する講習、自衛艦（潜水艦と練習潜水艦を除く）の艦長・艇長に必要な知識と技能を習得させるための教育訓練、これらに必要な調査研究を行うのが主任務である。大湊・横須賀・舞鶴・呉・佐世保海上訓練指導隊があり、トップは海上訓練指導隊司令（１等海佐）で、海上訓練指導隊群司令の指揮監督下に隊務を統括する。また、副長１名が置かれ、司令の補佐や緊急事態での代理を務める。隷下に総務科と指導部（訓練科、砲雷科、船務航海科、機関科。横須賀・佐世保海上訓練指導隊には対潜戦術科も）があり、横須賀海上訓練指導隊には教育科も置かれている。1954年12月1日に新編された。参考：海上訓練指導隊の編制に関する訓令、月刊世界の艦船11,’18、6,’22

＜海上訓練指導隊群＞：海上自衛隊の組織。海上訓練指導隊などを統括するのが主任務で、訓練指導に必要な規則類などを整備し、どの指導隊でも同じ練度で仕上がるように管理している。1962年7月1日に新編され、第１・第２・第３海上訓練指導隊を隷下に置いた。1978年7月1日、開発指導隊群に改編された。2002年3月22日、護衛艦隊隷下に再編された。2015年6月22日、誘導武器教育訓練隊が環境月間に伴う清掃奉仕活動を実施。2020年10月1日、誘導武器教育訓練隊が廃止され、水上戦術開発指導隊が新編された。参考：月刊世界の艦船11,’11、11,’18、12,’20、6,'22、日本の防衛戦力Part3、朝雲、MAMOR vol.139

＜海上訓練指導隊群（２０１１年）＞：護衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。横須賀海上訓練指導隊、呉海上指導訓練隊、佐世保海上訓練指導隊、舞鶴海上訓練指導隊、大湊海上訓練指導隊、誘導武器教育訓練隊を隷下に置く。参考：海上自衛新聞

＜海上警備行動＞：自衛隊法第82条、93条に規定がある。防衛大臣／防衛庁長官は、海上での人命・財産の保護、治安維持のために特別の必要がある場合、内閣総理大臣の承認を得て自衛隊の部隊に海上に於いて必要な行動を取ることを命じることができる。自衛官の職務の執行について警察官職務執行法第７条が準用される。また、海上自衛官の職務の執行について、海上保安庁第20条第２項の規定が準用され、三等海曹以上の海上自衛官の職務の執行について、海上保安庁法第16条、第17条第１項、第18条の規定が準用される。つまり自衛官には司法警察権が付与されないので、船舶の拿捕や乗員の逮捕はできず、巡視船に任せるか、自衛艦に海上保安官を同乗させる必要がある。自衛官は警察官職務執行法第７条、海上自衛官は海上保安庁法第20条第２項に基づき、武器の使用が行える。即ち、相手が軍艦や公船でなく、正当防衛、緊急避難、死刑・無期・懲役禁固三年以上の凶悪な罪に相当する行為を防ぐため等の場合で他に手段が無い場合に限り、相手に危害をもたらす武器を使用できる。1999年3月24日の北朝鮮工作船事件で初めて発令された。2004年11月10日、漢級原潜領海侵犯で発令された。2009年3月13日、ソマリア沖海賊対処で発令された。2015年5月14日の閣議決定で、外国軍艦が無害通航に該当しない航行を行っていた場合、海上警備行動を発令して自衛隊の部隊が領域外への退去要求などの対処措置を行う事となった。参考：自衛隊法、月刊世界の艦船7,’19、1,'22、11,'22、月刊軍事研究3,’05、月刊JWings6,’19

＜海上警備隊＞：太平洋戦争終結後暫くして第２復員局残務処理部資料課長ら数名が海上防衛力再建計画の研究を進め、島国である日本の防衛には陸上だけでなく海上や航空兵力が必要であるとし、日本独自の国益に沿った立場での再建が必須で、海上保安庁部隊を拡大強化しただけで済ませるのは安易であると結論づけ、1950年10月に研究資料を作成、政府要人に配布した。同年6月には朝鮮戦争勃発を受けてマッカーサーが警察予備隊創設と共に海上警備力強化を日本政府に命じており、10月の吉田総理主催のパーティーで、アメリカ極東海軍司令官ジョイ中将が野村吉三郎元海軍大将（開戦時駐米特命全権大使、終戦時横須賀鎮守府司令長官）に対して、横須賀に係留されているソ連から返還された18隻（10隻？）のパトロール・フリゲートを日本に供与できると伝えた。そのため、野村元大将は極東海軍参謀副長アーレイ・バーク少将（当時）と連絡を取り、1951年1月21日に極東海軍司令官へ海上防衛力建設計画を提出した。1月23日に野村元大将の代理である保科元中将がバーク少将を訪問し、12000トン級護衛空母や6000トン級巡洋艦を含む供与艦の要望を出したが、占領理事国のソ連や中国の理解が得られないとして必要性を明記するに止め、要望書をアメリカ国防総省に送った。1951年10月初め、パトロール・フリゲート18隻とLSSL50隻が日本に提供（当初はパトロール・フリゲート24隻とLSSL40隻だったが、供与交渉中に６隻が韓国、タイ、コロンビアに貸与されたため18隻に減り、代わりにLSSLを10隻増やした）されることとなり、10月19日に連合国軍最高司令官リッジウェイ陸軍大将が吉田総理に申し入れ、総理は即時に受け入れを表明、翌日に日本側はアメリカの意向に基づいて、艦船受け入れのためのＹ委員会（旧海軍関係者８名、海上保安庁２名・後に３名）を設立した。1952年1月21日、旧海軍の中佐から大尉まで30名を選抜し、海軍水雷学校兵舎で横須賀のアメリカ海軍海上訓練指導班による講習が始まった。2月21日、艦艇乗員候補261名が海上保安庁内部（３名のみ海保外から特殊採用）から集められ、横須賀市田浦の管船部で準備教育を受けた。これらの要員をベースに、1952年4月26日、海上保安庁法の一部を改正する法律の公布に伴い（法案成立は4月23日）海上保安庁の１機関として創設されたのが海上警備隊で、総監部は霞ヶ関の海上保安庁構内に設立された。初代海上警備隊総監は山崎小五郎海上保安庁次長が就任している。定員は6038名（海上警備官5947名、事務官91名）だが実員は1122名（海上警備官1045名、事務官77名。1760名？1761名？）で、横須賀市田浦に地方総監部を置いたが、アメリカからの貸与手続き遅延でPFとLSSLの配備が間に合わず、装備艦艇はゼロ（掃海艦艇は海上保安庁航路啓開本部所属）で、幹部隊員を３班に分けて２班をアメリカ海軍横須賀基地に派遣し教育を受けさせ、その２班が残る１班に日本語で教育を行い、その１班が更に下士官の教育にあたった。5月12日、横須賀のPF１隻とLSSL２隻を保管引き受けの名目で仮受領し、実艦訓練を開始。5月15日、田浦にあった管船部が横須賀地方監部と改称された。6月、新しい服制が決まり、階級も改正された。7月15日、海上警備隊総監が隊員に対し基本方針を提示。海上警備隊員は国民のために我が国の平和と秩序を維持する使命を担っており、友愛、良識、政教を信条として任務を達成すべきこと、海上警備隊は非常即応体制を速やかに完結すべく、運営に当たっては全て非常時即応を基準とすることとした。8月1日に保安庁法が施行されて海上保安庁から分離され、警察予備隊と共に保安庁に統合されて警備隊に名称変更された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、6,'22、1,’13、5,’02増刊、8,’10、11,'15、11,'17増刊、6,'22、歴史群像8,’15、日本の防衛戦力Part3、月刊軍事研究9,’03

＜海上警務官＞：海上自衛隊の犯罪捜査・規律保持担当自衛官で、SP（ショア・パトロール）と略す。警務隊に所属する。参考：日本の防衛戦力Part3

＜海上航空作戦指揮統制システム（ＭＡＣＣＳ）＞：海上自衛隊の指揮統制システム。ASWOCの発展型で、P-1に対応した。対潜哨戒機が得た情報を分析し、作戦指揮を行う。富士通製。参考：MAMOR vol.58、月刊軍事研究4,’10、1,’16

＜海上航空作戦指揮統制システム用テストサイト＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜海上交通破壊作戦＞：敵国商船の海上交通路を破壊する作戦で、通商破壊作戦ともいう。産業や経済を海上交通による貿易に頼る海洋国家に対して仕掛けると効果が高いが、そういった国は大規模な海軍力を持っており、水上艦艇で海上交通破壊作戦を仕掛けると逆にコテンパンにやられるので、潜水艦や機雷といった特殊な手段を講じる必要がある。商船への継続的な攻撃を行わねばならず、十分な数の潜水艦や敷設艦艇が必要になる。敵国に物資を輸送するのは敵国所属商船だけではないので、効果を考えれば敵国に物資を運び込む第三国の商船も全て妨害することになるが、そうなると世界全体を敵に回しかねない。参考：月刊丸6,’01、月刊世界の艦船8,’82増刊、8,’18

＜海上交通路＞：シーレーンを参照。

＜海上護衛総司令部（日本海軍）＞：日本海軍の組織で、海上護衛総隊とも呼ばれる。昭和18年11月15日、大本営直属のシーレーン防衛部隊として東京で編成された。総司令長官は及川古志郎大将。連合艦隊と同格で、シーレーン防衛と対潜作戦に関して海上護衛隊（第１・第２）、各鎮守府、各警備府を統括する。戦力は海防艦18隻、旧式駆逐艦15隻、水雷艇７隻、特設砲艦４隻、駆潜艇13隻、掃海艇12隻、哨戒艇４隻、特設掃海艇22隻で、シーレーン防衛に使える航洋艦は特設砲艦までの44隻しか無く、長大なシーレーンを守るのは無理があった。また、連合艦隊とは独立した組織の筈が、実際には連合艦隊直轄のような扱いを受け、船団護衛以外の任務に駆り出されたり、所属艦を引き抜かれたりした。12月15日、隷下に第901航空隊を新編。小型空母５隻（大鷹型、海鷹、神鷹）を編入した。しかしシーレーン防衛には数が足りなすぎ、アメリカ空母機動部隊艦上機が跳梁跋扈する中で航空機による対潜戦を行うのは無理な状況だった。昭和19年1月、第18戦隊を編入した。2月1日、隷下に第931航空隊を新編。4月、隷下に第３・第４海上護衛隊が新編された。昭和20年4月25日、海軍総隊の隷下に入った。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、比島決戦、月刊世界の艦船9,’13増刊、12,’10、護衛空母入門、輸送船入門

＜海上護衛隊（日本海軍）＞：日本海軍のシーレーン防衛部隊。本来は鎮守府や警備府の防備戦隊でシーレーン防衛を行う予定だったが、太平洋戦争ではシーレーンが東南アジア方面や内南洋方面まで延びてカバーしきれなくなったため、昭和17年4月10日に第１・第２の２個が編成された。ただ兵力が少なすぎ、指揮系統の違う鎮守府・警備府防備戦隊との協同作戦も上手く行かなかったため、昭和18年11月15日に統括部隊の海上護衛総司令部を創設している。昭和19年4月、第３・第４の２個が新編された。参考：比島決戦、月刊世界の艦船9,’13増刊、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海上作戦部隊指揮管制システム＞：MOFシステムを参照。

＜海上自衛隊＞：海自と略す。英語ではJapan Maritime Self-Defence Forceで、JMSDFと略すが、アメリカ海軍上層部はこれも面倒なのかKaijojieitaiで済ますようになっている。自衛隊のうち、海上幕僚監部並びに統合幕僚長及び海上幕僚長の監督を受ける部隊及び機関で、主に海で行動する。特性を表現（揶揄）して伝統墨守・唯我独尊と言われる。独自の航空戦力は対潜戦用以外は持ち合わせておらず、航空自衛隊やアメリカ軍のエアカバーを必要とする。日米同盟下で重要な任務の１つは在日米軍及び有事にアメリカから送り込まれる増援部隊の安全確保であり、シーレーン防護のため整備している対潜戦能力と対機雷戦能力がこちらにも役立つ。1954年7月1日の自衛隊法施行に伴い、警備隊から改編されて誕生した。自衛艦旗はこれに先立つ6月9日に制定されている。編制は自衛隊法第15条に規定されており、自衛艦隊、地方隊、教育航空集団、練習艦隊その他の長官直轄部隊からなると決められた。当初は海上幕僚監部（第２幕僚監部から改称）の下に自衛艦隊（第１・第２護衛隊群、第１警戒隊群）、５個地方隊（横須賀、舞鶴、佐世保、大湊に加え、呉地方基地隊が呉地方隊に昇格）、術科学校が編成され、地方隊隷下に２個航空隊（鹿屋航空隊、館山航空隊）を有していた。装備艦はくす型警備艦、ゆり型警備艇、うきしま型掃海艇、ちよづる型掃海艇などで、その後アメリカから駆逐艦、護衛駆逐艦、潜水艦、やしま型掃海艇などを供与された。航空部隊の主任務は対潜哨戒、掃海作業、救難活動だったが、対潜哨戒機はTBM-3S/-3W（1954年12月供与）、PV-2、PBY-6Aの通称「おんぼろ三羽烏」しか無く、実質役に立たなかった。練習機はSNJ-5の供与を受けている。9月1日、横須賀に幹部学校が開設された。10月1日、第１掃海隊群が新編された。10月9日、MSA協定／日米艦艇貸与協定第１次引き渡し艦艇のあさかぜ型護衛艦２隻が貸与された。12月、日本海流機雷強化対策で掃海艇を派遣。以降毎年行うようになった。SS-501くろしおの貸与決定に伴い、潜水艦訓練派遣隊が編成され、アメリカ海軍潜水学校での教育が始まった。12月1日、海上訓練指導隊が新編された。1953年度から建造（甲型警備艦２隻、乙型警備艦３隻、掃海艇３隻、魚雷艇６隻、敷設艦１隻、敷設艇１隻）していた国産警備船は警備艦に名称変更されて1955年度から就役（敷設艦ARC-481つがるが最初）した。1954年度、艦艇58000トン、航空機60機を有していた。1955年、えりも型敷設艇１隻が就役。揚陸艇1001号型、揚陸艇2001号型が供与された。うじしま型掃海艇の貸与が開始された。2月21-28日、初の海上自衛隊演習を四国・九州沿岸で実施。海上幕僚長を統裁官とする甲演習で、統裁部、青部隊（PF14機、MS４隻、S-51/S-55ヘリ３機からなる護衛部隊と、GP-441桑栄、PF-289うめからなる船団、第１掃海隊群主体の阪神方面部隊、呉方面部隊）、赤部隊（鹿屋航空隊のTBM４機、アメリカ海軍潜水艦２隻）が参加して対抗戦形式の実地訓練や装備器材の活用研究を行った。4月25-28日、アメリカ海軍との第１回掃海特別訓練を佐世保港外黒島南方で実施。第12掃海隊MSC-656えたじま、MSC-655うじしま、MSC-657ぬわじま、第11掃海隊MSC-656やくしま、アメリカ海軍第１機雷戦隊旗艦LST-802ハミルトン・カウンティ、アメリカ掃海艇３隻が参加した。6月、あさひ型護衛艦２隻が貸与された。8月15日、海自初の潜水艦SS-501くろしおが貸与された。9月、掃海隊による別府湾イペリット弾引き揚げ作業を開始。10月10日から11月5日、太平洋沿岸と瀬戸内海で海上自衛隊演習（甲演習）を実施。12月、鹿屋第２航空隊が新編された。1956年、あけぼの型護衛艦１隻、いかづち型護衛艦２隻、はるかぜ型護衛艦２隻、護衛艦DE-261わかば、魚雷艇１号型２隻、魚雷艇３号型２隻、魚雷艇５号型２隻、あただ型掃海艇、やしろ型掃海艇が就役。P-2対潜哨戒機の配備を開始。1月、術科学校が江田島に移転。4月26日、甲型警備艦第１号のDD-101はるかぜが竣工した。5月、仮屋磁気測定所が開設された。5月16日、大湊航空隊が新編された。12月1日、鹿屋第２航空隊が大村航空隊に改編された。1957年、魚雷艇７号型が就役開始。魚雷艇９号型、はやぶさ型駆潜艇、揚陸艇3001号型が就役。SNB-4練習機の供与が開始された。3月16日、八戸航空隊が新編された。4月、S2F-1対潜哨戒機の供与が開始された。5月、第１警戒隊群が解隊された。5月10日、練習隊群、需給統制隊、海自幹部候補生学校が新編された。9月16-19日、初の日米共同対潜特別訓練を実施。EBB（Exercise Base Ballの略）というニックネームが付けられ、海上自衛隊第５護衛隊（DD２隻）、第６護衛隊（DE２隻）、鹿屋航空隊（P2V対潜哨戒機10機、S2F対潜哨戒機８機）、アメリカ海軍第253駆逐隊（DDE４隻）、給油艦（AO１隻）、潜水艦（SS１隻)、第６哨戒飛行隊（P2V数機）が参加して四国沖で対潜訓練や洋上給油訓練が行われた。10月、第２回日米共同対潜特別訓練を実施。10月2日、羽田沖で初の観艦式を実施。1958-61年度の第１次防衛力整備計画（１次防）で艦艇51隻と航空機103機を配備。新造艦船はあまつかぜ型１隻、なみ型２隻、いすず型、潜水艦５隻、掃海艇、駆潜艇、PT-810魚雷艇10号、潜水艦救難艦１隻、給油艦１隻だった（一部は二次防期間中に竣工）。また船舶設計協会の技術者が海自や技研の技官に採用され、部内での設計能力が整備された。1958年、かさど型掃海艇26隻が就役開始。R4D-6輸送機３機、R4D-6Q練習機１機を配備。HSS-1ヘリの導入を開始。1月14日、初の遠洋練習航海に出発。3月16日、徳島航空隊が新編された。4月1日、術科学校が第１術科学校に、術科学校田浦分校が第２術科学校に改称された。1959-64年、うみたか型駆潜艇４隻が就役。1959年、ありあけ型護衛艦２隻、むらさめ型護衛艦（初代）３隻が就役。八戸・徳島・鹿屋救難飛行隊を新編。1959年2月、吉浦貯油所が新設された。10月、術科教育隊が新編された。

1960年、あきづき型護衛艦２隻、はやとも型掃海母艦１隻が就役。みずとり型駆潜艇８隻が就役開始。1月16日、実用実験隊が新編された。6月4日夜、三陸沖でDE-201あけぼのとDE-203いなづまが衝突。6月30日、戦後国産潜水艦第１号のSS-511おやしおが竣工した。12月1日、第２護衛隊群を廃止し、第３護衛隊群を新編した。12月24日、防衛庁が航空救難に関する訓令を発出し、空自との救難分担区域が決定された。1961年、第２次防衛力整備計画が策定される予定だったが、１年遅れて1962年からとなった。1961-64年、いすず型護衛艦４隻が就役。1961年、ちはや型潜水艦救難艦１隻が就役。下総航空基地に救難飛行隊が新編された。1961年2月1日、第３術科学校を開設し、第２護衛隊群を再編した。3月、水中処分隊が新編された。4月、第１揚陸隊を新編。6月12日、自衛艦隊が改編され、司令部が横須賀の陸上に置かれた。練習隊群は練習艦隊に名称変更となった。9月1日、自衛艦隊が大規模改編を実施し、隷下に護衛艦隊、航空集団、第２掃海隊群を新編、第１・第２海上訓練指導隊を編入した。第１掃海隊群は防衛庁長官直轄のままである。教育航空集団が新編された。10月、UF-2飛行艇が供与された。1962-66年度の二次防で局地戦以上の侵略に対処すべく、HSS-2の配備やP-2Jの開発、本格的対潜能力を持つ警備艦（たかつき型、やまぐも型、みねぐも型）、あさしお型潜水艦の建造を開始。1962年、はやしお型潜水艦２隻、魚雷艇10号型１隻が竣工。B-65航法訓練機、KM-2練習機の導入を開始。2月10-28日、九州南方で日米共同船団護衛訓練を実施。3月、初の給油艦であるAO-411はまなが竣工。6月14日、海幕内に海上自衛隊東京オリンピック委員会を設置。9月1日、第４航空群が新編された。9月15日、三宅島噴火で延べ艦艇59隻、航空機29機を派遣。1963年、なつしお型潜水艦２隻が竣工。3月31日未明、東京湾でDD-162てるづきが貨物船に衝突されて死傷者を出した。6月6日、SS-511おやしおが訓練のため潜水艦として初めてアメリカ（真珠湾）に派遣されることになり、横須賀を出港。7月1日、海上訓練指導隊群が新編された。7月19日、初のヨーロッパ遠航部隊が出港した。9月、KV-107A掃海ヘリの引き渡しが開始された。年末、P2V-7によるオホーツク海氷流観測（マイク・フライト）が始まった。1964年3月、HSS-2ヘリの配備を開始。4月、海幕内に南極観測支援準備室が設置された。6月2日から8月19日、SS-521はやしおとSS-522わかしおがパールハーバーでの潜水艦派米訓練に参加。7月16日、東京湾南方で日米共同船団護衛訓練を実施。10月、東京オリンピック支援を実施。開会式では五輪旗を持って行進・掲揚した。1965年、小月航空基地に救難飛行隊が新編された。1965年2月1日（1月20日？）、第１潜水隊群が新編された。2月15日、初のミサイル護衛艦DDG-163あまつかぜが竣工。4月、作戦区分を従来の周辺海域制海・海上交通保護・本土直接防衛から海上交通保護と周辺海域防衛の２つに集約した。6月14日から10月9日、DDG-163あまつかぜを装備認定試験SQTのため派米した。10月7日に発生した台風29号がマリアナ諸島で猛威をふるい、避泊していた７隻の漁船が遭難したため、10月9-22日に艦艇４隻とP2V-7哨戒機11機を派遣して捜索した。1966年、やまぐも型護衛艦、あさしお型潜水艦、YS-11M輸送機が就役。1966年2月4日、東京湾で墜落した全日空ボーイング727の遭難者捜索のため、延べ艦艇255隻、航空機253機を5月上旬まで派遣。7月20-29日、日米共同対潜訓練を日本海で実施。アメリカからは対潜空母CV-33キアサージ、DD-517ウォーカーなど駆逐艦５隻、潜水艦、海自からはあやなみ型護衛艦５隻が参加した。7月25日、ソ連のスコーリー級駆逐艦が日米共同対潜訓練の偵察にやってきた。7月28日、日米共同対潜訓練を偵察中のソ連駆逐艦が日米輪形陣の内部に入り込んで写真を撮り始めたため、DD-517ウォーカーがブロックしていたところ、コトリン型駆逐艦と衝突、ソ連の内火艇に搭載されていた救命ブイと非常用糧食箱がDD-517ウォーカーの甲板上に落ちた。その後も訓練は続けられたが、国会で追求される可能性に懸念を感じた防衛庁が訓練中止命令を出したため、海上自衛隊は訓練を打ち切って佐世保に帰投した。11月2日、P2V-7対潜哨戒機６機（先発隊３機は11月1日に厚木基地を離陸）がハワイに派遣され、航空機として初の派米訓練を実施。11月13日、松山で全日空機が墜落したため、呉地方隊を中心に延べ艦艇396隻、航空機33機を派遣した。1967-71年の３次防でDDHを２隻、DDGを１隻、ちくご型DE、DDK、魚雷艇、うずしお型潜水艦、敷設艦、掃海母艦、輸送艦、練習艦、訓練支援艦、海洋観測艦などを建造。涙滴型潜水艦の建造も開始された。1967年、たかつき型護衛艦４隻が就役開始。7月、海幕内に指揮管制システム開発推進委員会を設置。1968年、みねぐも型護衛艦３隻が就役開始。3月、松前警備所、鹿児島魚雷試験所などを開設。3月16日、中央通信隊群を新編した。3月30日、大阪基地隊が神戸市に移転して阪神基地隊となった。5月、大島東方で展示訓練を実施。6月26日の小笠原諸島日本復帰では準備や輸送に協力。父島基地分遣隊、硫黄島航空基地分遣隊、南鳥島航空派遣隊を新編。7月1-16日、DD-113やまぐもとDD-114まきぐもがグアム島への航海実習を実施。1969年、あづま型訓練支援艦１隻とかとり型練習艦１隻が竣工。たかみ型掃海艇とYS-11T-A練習機が就役開始。1969年3月、第１掃海隊群が自衛艦隊に編入された。10月1日、海洋業務隊を新編した。

1970年、ちくご型護衛艦が就役開始。ふしみ型潜水艦救難艦１隻が就役。1970年3月2日、江田島に少年術科学校が開設された。7月、余市防備隊が新編された。10月、PS-1対潜飛行艇を制式化。1971年、魚雷艇11号型、うずしお型潜水艦が就役開始。はやせ型掃海母艦とそうや型敷設艇が就役。厚木航空基地に救難飛行隊が新編された。2月1日、第４護衛隊群が新編され、護衛隊群が整備、訓練、任務、待機のローテーションを組めるようになった。1972年2月、国会で４次防問題が紛糾し、予算施行が一時凍結される事態になった。1972-77年度の４次防はDDH２隻、DDG１隻、DDA１隻、DDK３隻、2200トン級潜水艦、潜水母艦、多用途補給艦、LSTなどを建造することにしたが、政治的反発が強く1972年10月まで予算執行が凍結された上、次期対潜哨戒機の国内開発が白紙撤回になり、更に第４次中東戦争によるオイルショックがあって防衛計画の見通しが立たなくなったため、老朽化した装備の更新に力を入れた。八八艦隊構想が生まれ、PS-1、KV-107掃海ヘリも配備された。1972年、あつみ型輸送艦が就役開始。1月20日、札幌オリンピックの聖火が青函連絡船でリレーされた際に護衛艦５隻で護衛した。4月27日から6月5日、沖縄復帰に伴う京浜−那覇間通貨海上輸送（往路540億円・復路１億ドル）に輸送艦LST-4001おおすみとLST-4003しれとこが参加。5月15日、沖縄返還に伴い、臨時那覇施設管理隊、臨時勝連施設管理隊、臨時沖縄航空隊が新編された。7月16日、臨時勝連施設管理隊が臨時沖縄基地派遣隊に改編された。1973年、TC-90練習機、S-61救難ヘリ、OH-6J練習ヘリが就役開始。2月、初のヘリコプター護衛艦DDH-141はるなが竣工。3月1日、第31航空群が新編され、第３航空群が徳島教育航空群に改編された。6月29日、MSC-615こしきが勝浦沖でパナマ貨物船と衝突して大破した。10月、自衛艦隊隷下にプログラム業務隊が置かれ、艦隊電子指揮システム開発にあたった。10月16日、第２潜水隊群が新編された。10月26日、臨時沖縄基地派遣隊が沖縄基地隊に、臨時沖縄航空隊が沖縄航空隊に改編された。12月、航空集団司令部と第４航空群が厚木に移動。1974年、US-1が就役開始。2月15日、横須賀のアメリカ海軍艦船修理所（元日本海軍工廠）を海自（1-3号ドック）と運輸省（５号ドック）も共同使用できるようになった。4月22日、オイルショックのため観艦式の中止が決定、観艦式実施基準も変更された。5月、海自初（日本海軍を通じても初）の婦人自衛官が入隊。5月9日に発生した伊豆地震の救援のため、延べ艦艇38隻を派遣。11月26日、国防会議で、オイルショックによる建造費値上がりのため、護衛艦と潜水艦１隻ずつの建造を止め、ガスタービン護衛艦を在来型に換えることを決定。11月27-28日、第10雄洋丸を砲雷爆撃で撃沈。1975年、みうら型輸送艦が就役開始。4月、SFシステムの運用を開始。5月、４次防の完全達成を断念し、ポスト４次防に回すことになった。10月1日、第４術科学校が新設された。1976年、たちかぜ型護衛艦が就役開始。1976年6月、US-1救難飛行艇を制式化。7月1日、第71航空隊を新編。7月17日から8月28日、護衛艦による初の派米訓練を実施。第23護衛隊DD-119あおくも、DD-120あきぐも、P-2J哨戒機８機、アメリカ海軍艦艇10隻以上、アメリカ海軍艦上機などが参加した。10月、佐世保米海軍施設の共同使用を決定。1977-79年のポスト４次防でヘリ搭載甲型警備艦はつゆき型５隻の建造を決定。ガスタービン艦、ミサイル搭載艦が普及した。この頃の水上部隊の主任務は対潜掃討と日本近海での船団護衛で、航空部隊は広域哨戒及び水上部隊周辺の捜索任務を行っていた。1977年5月12日から6月27日、DD-165きくづきとDD-166もちづきをハワイに派遣し、日米共同訓練を実施。12月27日、横須賀地区病院潜水医学実験部が潜水医学実験隊に改編された。1978年7月1日、海上訓練指導隊群と実用実験隊を統合して開発指導隊群に改編した。7月3日から8月17日、DDH-141はるなとDDH-142ひえいがハワイで派米訓練を実施。8月、P-3Cの導入を決定。9月20日、PC-309うみたかが龍飛埼西で漁船喜代丸と衝突し、喜代丸が沈没した。1979年、はつしま型掃海艇が就役開始。さがみ型補給艦が就役。2月、第４護衛隊群が新編された。5月24-30日、自衛隊統合演習に艦艇10隻と航空機15機で参加。

1980年代に入り、シーレーン防御と海洋の自由の確保、アメリカ艦艇の進出経路啓開が任務に加わり、アメリカ海軍と協同でソ連太平洋艦隊の封じ込めを行うことになった。1980年、しらね型護衛艦、ゆうしお型潜水艦が就役開始。むろと型敷設艦が就役。P-3Cの配備を開始。OH-6Dヘリの量産を開始。2月26日から3月16日、リムパック80に初参加。3月17日、海洋業務隊が海洋業務群に改編された。9月、日英共同訓練フジ80を実施。1981年、いしかり型護衛艦とゆら型輸送艦が竣工。2月10日、潜水艦隊を新編した。5月、レーガン大統領・鈴木首相会談で1000海里シーレーン防衛を発表。7月15日、沖縄航空隊が第５航空群に改編された。7月20-27日対馬方面で自衛隊統合演習に参加。1982年、すま型海洋観測艦としらせ型砕氷船（初代）が就役。はつゆき型護衛艦が就役開始。硫黄島航空基地に厚木救難隊の分遣隊が新編された。3月22日から4月29日、リムパック82に参加。4月25日、海自創設30周年記念式典を実施。10月1日、少年術科学校を第１術科学校生徒教育部に改編した。1983-85年の56中業では改良型のあさぎり型を７隻建造し、八八艦隊がほぼ充足。1983年、ゆうばり型護衛艦、OH-6Dが就役。2月14-27日、周防灘で対機雷戦協同訓練を実施。第１掃海隊群、第２掃海隊群、各地方隊掃海隊から艦艇27隻（掃海母艦MST-462はやせ、機雷敷設艦MMC-951そうや、掃海艇27隻）、航空集団から航空機12機（P-2J対潜哨戒機６機、KV-107ヘリ６機）が参加した。6月28日から8月16日、DDH-144くらま、DDG-168たちかぜ、DD-122はつゆきをハワイに派遣し、7月21日から8月9日に派米訓練、8月11-14日に対潜哨戒機と共に日米共同訓練を行った。1984年、アメリカ海軍との共同演習Fleetex85を実施。2月、第４護衛隊群がアメリカ海軍FF-1077ウーレット及びFF-1050アルバート・デイヴィッドと日米対潜訓練ASWEX（戦術運動、対空射撃、対潜訓練など）を実施。5月14日から6月28日、リムパック84に参加。6月、アメリカ海軍との初CPXを実施。1985年、潜水艦救難母艦AS-405ちよだが就役。4月25日から7月13日、ハワイにDDH-143しらね、DDG-169あさかぜ、DD-125さわゆきを派遣し、5月22日から6月4日に日米共同訓練を行った。1986-90年の61中期防で八八艦隊、P-3C対潜哨戒機、SH-60J対潜ヘリを戦力化。シーレーン防衛を重視し、Tu-22Mバックファイア（１個飛行隊12機が空対艦ミサイル24発を発射）に対応するため、こんごう型の建造を開始。1986年、はたかぜ型護衛艦が就役開始。2月中旬、沼津市今沢海岸とその沖合で輸送艦総合訓練を実施。第１輸送隊、横須賀地方隊、佐世保地方隊、呉地方隊、舞鶴地方隊が参加した。6月18-30日、リムパック86に参加。10月27-31日、太平洋沿岸で日米共同統合実動演習を実施。1987年、とわだ型補給艦、LC-90連絡機、U-36A訓練支援機が就役開始。6月6日から8月21日、DDH-143しらね、DDG-171はたかぜ、DD-122はつゆき、P-3C哨戒機がハワイとサンディエゴで派遣訓練を実施。9月19-28日、海上自衛隊演習を実施。アメリカ海軍艦艇10隻と航空機数十機も参加した。12月1日、第22航空群が新編された。1988年、あさぎり型護衛艦と輸送艇１号型が就役開始。5月19日、伊豆大島東方でカナダ海軍との共同訓練を実施。6月16日から7月20日、リムパック88に参加。7月23日、潜水艦なだしおと第一富士丸が衝突し、第一富士丸が沈没、30人が死亡した。1989年、訓練支援艦ATS-4202くろべが就役。あぶくま型護衛艦６隻、T-5練習機、MH-53E掃海ヘリ、SH-60J対潜ヘリが就役開始。1月23-30日、アメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習を実施。6月18日から9月6日、DDH-141はるな、DDG-172しまかぜ、DD-124みねゆきがハワイとサンディエゴで派米訓練を実施。9月29日から10月14日、平成元年度海上自衛隊演習を実施。

1990年、EP-3、はるしお型潜水艦６隻、うわじま型掃海艇９隻が就役開始。4月10日から6月2日、リムパック90に参加。10月2-9日、平成2年度海上自衛隊演習を実施。11月26-28日、西太平洋海軍シンポジウムに初参加した。1991年、UH-60J救難ヘリ、ひびき型音響測定艦４隻が就役開始。4月26日から10月30日、ペルシャ湾に掃海部隊６隻を派遣して湾岸の夜明け作戦を実施。6月27日から9月7日、DDH-144くらま、DDG-169あさかぜ、DD-156せとぎりがハワイとサンディエゴで派米訓練を実施。11月5-15日、平成3年度海上自衛隊演習を実施。1992年4月9日、硫黄島航空基地分遣隊を硫黄島航空基地隊に拡大改編した。4月26日、海上自衛隊創設40周年記念式典を実施。6月19日から8月24日、リムパック92に参加。7月30日、第８航空隊が新編された。9月17日から12月26日、カンボジアPKOに輸送艦LST-4151みうら、LST-4152おじか、補給艦AOE-422とわだを派遣。11月7-16日、平成4年度海上自衛隊演習を実施。1993年、こんごう型イージス護衛艦、ミサイル艇１号型、やえやま型掃海艦が就役開始。6月14日から9月1日、DDH-143しらね、DDG-172しまかぜ、DD-158うみぎりをハワイとアメリカ本土に派遣して派米訓練を実施。7月11日（30日？）、第９航空隊を新編した。9月27日、下総救難飛行隊を新編した。9月29日から10月12日、平成5年度海上自衛隊演習を自衛隊統合演習の一部として実施。艦艇120隻、航空機190機に加え、アメリカ海軍から艦艇10隻と航空機60機も参加した。1994年、UP-3Cが就役。5月24日から7月7日、リムパック94に参加。6月、訓練支援艦と補給艦を自衛艦隊直轄から護衛艦隊直轄に変更。11月3-12日、平成6年度海上自衛隊演習を実施。1995年、あすか型試験艦とかしま型練習艦が就役。3月16日、DDG-174きりしまが就役し、八八艦隊４個護衛隊群体制が完成した。6月15日から9月5日、DDH-141はるな、DDG-170さわかぜ、P-3C対潜哨戒機をハワイとアメリカ本土に派遣し、派米訓練を実施。11月6-17日、平成7年度海上自衛隊演習を実施。1996-2000年の08中期防で、冷戦後の防衛力整備のため部隊のコンパクト化と装備の近代化を図ることとなった。地方隊護衛隊と哨戒機航空隊を廃止し、SH-60J改の開発とP-3Cの改良を実施。1996年、むらさめ型護衛艦９隻が就役開始。5月22日から6月21日、リムパック96に参加。期間中の6月4日にDD-153ゆうぎりがアメリカ海軍A-6E攻撃機を誤撃墜した。7月23日から8月1日、ロシア海軍創設300周年記念観艦式参加のため護衛艦DDH-144くらまがウラジオストクを訪問し、初の自衛艦ロシア訪問となった。11月5-15日、平成8年度海上自衛隊演習を実施。11月26-27日、初の海自主催国際会議となる西太平洋海軍シンポジウムを東京で開催。1997年、うらが型掃海母艦、UP-3Dが就役開始。6月9日から9月3日、DDH-141はるな、DDG-175みょうこう、DD-155はまぎりをハワイとアメリカ本土に派遣し、派米訓練を実施。6月27-30日、戦後初めてロシア軍艦が来日し、DDH-143しらねと親善訓練を行った。11月6-12日、平成9年度海上自衛隊演習を実施。1998年、おおすみ型輸送艦３隻、おやしお型潜水艦11隻、にいじま型掃海管制艇６隻、OH-6DAが就役開始。7月7日から8月7日、リムパック98に参加。7月29-30日、日本海で初の日露共同捜索救難訓練を実施。DDH-144くらま、AOE-424はまな、空自航空機２機、アドミラル・ヴィノグラードフが参加した。10月13日、韓国建国・海軍創設50周年記念国際観艦式に護衛艦３隻（DDG-175みょうこうなど）で参加。11月5-12日、平成10年度海上自衛隊演習を実施。11月15日、三自衛隊初の統合演習に参加。12月7日、需給統制隊が廃止された。12月8日、補給本部を新編した。1999年、すがしま型掃海艇12隻、にちなん型海洋観測艦１隻が就役開始。通算100回目の日米合同対潜特別訓練を実施。3月1日、MOFシステムが稼働。3月24日、工作船追跡事件で初の海上警備行動を実施。5月11日から8月12日、DDH-142ひえい、DDG-175みょうこう、DD-154あまぎりがハワイとアメリカ本土で派米訓練を実施。7月14日、初の日米共同輸送訓練を実施。8月4-6日、韓国海軍と初の共同訓練を実施。DDH-143しらね、DE-234とね、DD-131せとゆきが、艦番号971クワンゲトデワン、953チュンナムと、東シナ海で捜索救難訓練を行った。9月23日、トルコ大地震救援のため、MST-464ぶんご、LST-4001おおすみ、AOE-423ときわが仮設住宅500戸などを搭載して出港。10月7日、海上保安庁と不審船共同対処訓練を実施。10月27日から11月9日、平成11年度海上自衛隊演習を実施。11月7日、初の在外邦人等輸送訓練を行った。11月30日、能登半島沖で海上保安庁との初の共同実動訓練を実施。護衛艦３隻、巡視船５隻、航空機４機ずつが参加した。

2000年、潜水艦救難艦ASR-403ちはやと訓練支援艦ATS-4203てんりゅうが就役。OP-3Cが就役開始。3月13日、第１・第２掃海隊群を纏めて掃海隊群を新編。4月29-30日、海上保安庁観閲式に初参加。5月31日から7月6日、リムパック2000に参加。9月8日、隊員（３佐）が在日ロシア大使館駐在武官に機密文書を流した疑いで逮捕された。9月11日、３回目となる日露共同訓練をペトロパブロフスク・カムチャツキー沖で実施。10月2-14日、第１回西太平洋潜水艦救難訓練パシフィック・リーチ2000にAS-405ちよだとSS-579あきしおが参加。11月6-17日、平成12年度海上自衛隊演習を実施。2001-05年の13中期防で、新型護衛艦、新型輸送艦、P-3C後継機開発、SH-60K導入を図った。2001年2月17日、インド建国50周年記念国際観艦式にDD-154あまぎりが参加。3月14日、横須賀地区で衛生特別訓練を実施。海自から290名、アメリカ海軍から730名が参加した。5月16日から8月3日、DDH-142ひえい、DDG-176ちょうかい、DD-106さみだれがハワイとアメリカ本土方面で派米訓練を実施。6月11-22日、第１回西太平洋掃海訓練に掃海母艦MST-464ぶんご、掃海艦MSO-301やえやま、掃海艇１隻が参加。6月22-26日、東海・四国沖でアメリカ海軍との共同対潜特別訓練を実施。DD-154あまぎり、航空機数機、FFG-48ヴァンデグリフトが参加した。また、日米候補生交歓行事も行われ、幹部候補生20名がFFG-48ヴァンデグリフト、士官候補生20名がDD-154あまぎりに乗艦した。7月7-12日、十勝沖で掃海艇４隻が参加して掃海訓練を実施。7月17-29日、陸奥湾で掃海特別訓練を実施。掃海母艦MST-463うらが、MST-464ぶんごなど艦艇19隻、航空機22機、航空自衛隊の航空機１機、アメリカ海軍機雷戦指揮艦MCS-12インチョン、航空機８機が参加した。8月10日から12月16日、ASR-403ちはやがハワイ周辺でえひめ丸引き揚げ作業・船内捜索作業等支援に参加。11月4-11日、平成13年度海上自衛隊演習を実施。艦艇80隻、航空機80機が参加し、同時に行われた日米共同訓練にはアメリカ海軍艦艇２隻が参加した。11月9日、テロ対策特措法に基づく派遣部隊第１陣が佐世保を出港し、自衛艦初の戦時下海外活動を開始した。11月19-30日、アメリカ海軍と共同で掃海特別訓練を実施。海上自衛隊艦艇28隻、航空機４機、アメリカ海軍水中処分員５名が参加した。2002年、はやぶさ型ミサイル艇６隻、ひうち型多用途支援艦５隻が就役開始。3月15日から4月27日の東ティモールPKOでDD-124みねゆきとLST-4001おおすみが陸自部隊を輸送。3月22日、中央通信隊群をシステム通信隊群に改編し、開発指導隊群を開発隊群と海上訓練指導隊群に分けた。4月22日から5月2日、第２回西太平洋潜水艦救難訓練パシフィック・リーチ2002を実施。日本が初めて主催した多国間共同訓練で、潜水艦救難艦１隻、潜水艦１隻、掃海母艦１隻が参加した。4月26日、海自創立50周年記念式典を実施。5月11日から8月16日、平成14年度派米訓練を実施。第６航空隊P-3C哨戒機８機、隊員170名、第１護衛隊群DD-101むらさめ、DD-107いかづち、DD-155はまぎり、DDG-174きりしま、隊員870名、潜水艦SS-584なつしお、隊員80名が参加した。6月25日から7月23日、リムパック2002に参加。10月15日、初の海自主催多国間捜索救難訓練を関東南方海域で実施し、自衛艦９隻、外国艦艇８カ国10隻が参加した。11月11-22日、自衛艦隊総合訓練・日米共同実動演習を実施。2003年、たかなみ型護衛艦５隻が就役開始。5月16日から9月10日、DDH-144くらま、DDG-172しまかぜ、DD-156せとぎりがハワイとアメリカ本土で派米訓練を実施。11月7-16日、平成15年度海上自衛隊演習を実施。12月19日、安全保障会議と閣議でイージスBMDシステムの導入を決定。2004年、ましゅう型補給艦２隻が就役開始。4月14-21日、呉で護衛艦隊集合訓練を実施。4月21日、西太平洋掃海訓練に掃海艦艇３隻が参加した。5月3-13日、第３回西太平洋潜水艦救難訓練パシフィック・リーチ2004に潜水艦救難母艦１隻と潜水艦１隻で参加。6月29日から7月27日、リムパック2004に参加。10月25-27日、PSI海上阻止訓練に参加。11月9-10日、平成16年度日米統合演習に参加。11月10-12日、中国海軍原潜が領海侵犯したため、海上警備行動が発令された。11月10-19日、日米共同統合演習を実施し、海自艦艇25隻とアメリカ海軍艦艇９隻が参加した。2005年、SH-60Kが就役開始。5月18日から8月8日、DDG-175みょうこう、DD-112まきなみ、DD-108あけぼのがハワイとアメリカ本土で派米訓練を実施。5月21-22日、シンガポールで行われた西太平洋海軍シンポジウム主催多国籍海上訓練にDD-156せとぎりが参加。11月9-18日、平成17年度海上自衛隊演習を実施。2005年度、C4Iへの予算配分を優先するため、海自創設以来初めて護衛艦の建艦要求を見送った。2006年、MCH-101が就役開始。4月、第６潜水隊が廃止された。4月3日、第１海上補給隊が新編された。6月26日から7月28日、リムパック2006に参加。11月9-15日、平成18年度海上自衛隊演習を実施。2007年、あたご型イージス護衛艦２隻、US-2救難飛行艇が就役開始。4月16日、初の日米印共同訓練に参加。5月16日から8月1日、DDH-144くらま、DDG-176ちょうかい、DD-105いなづまがハワイとアメリカ本土で派米訓練を実施。9月4-9日、マラバール2007に参加。10月17日、初の日米豪共同訓練を九州西方海域で行った。11月5-16日、日米共同統合演習に参加。11月26日から12月7日、第４回西太平洋潜水艦救難訓練パシフィック・リーチ2007に潜水艦救難艦１隻で参加。12月14日、DDH-143しらねで火災事故が起きた。2008年、ひらしま型掃海艇３隻が就役開始。US-2救難飛行艇が部隊使用承認を取得。2月19日、DDG-177あたごが清徳丸と衝突。3月26日、平成17年度以降に係る防衛計画の大綱に基づく大規模再編を完了。八八艦隊を廃止して護衛隊群を機能別に再編し、護衛隊の数を護衛隊群あたり各３個・計12個から各２個・計８個に減らし（第61・第62・第63・第64護衛隊を解隊）、１個をDDHグループ（DDH１隻、DDG１隻、DD２隻。対潜、シーレーン防衛、島嶼防衛などを担当）、１個をDDGグループ（DDG１隻、DD３隻。対空、対水上、弾道ミサイル防衛などを担当）として編成した。また、護衛艦隊が地方隊の護衛隊を全て吸収、護衛艦隊に第１海上訓練支援隊を新編した。航空部隊は航空集団、教育航空集団、地方隊所属の航空隊から構成されているが、固定翼哨戒機部隊は航空隊の数を航空群あたり各２個・計８個から各１個・計４個（鹿屋の第１航空隊、八戸の第２航空隊、厚木の第３航空隊、那覇の第５航空隊）に集約し、回転翼哨戒部隊は航空群所属の６個航空隊と地方隊所属の３個航空隊を航空集団隷下の５個（館山の第21航空隊、大村の第22航空隊、舞鶴の第23航空隊、小松島の第24航空隊、大湊の第25航空隊）に集約した。回転翼救難部隊は航空群隷下の４個飛行隊及び教育航空集団隷下の３個飛行隊を航空集団航空群隷下に集約し、７個救難飛行隊を６個（大村の第72航空隊、館山の第73航空隊、硫黄島の硫黄島航空分遣隊、大湊の大湊航空分遣隊、徳島の徳島航空分遣隊、鹿屋の鹿屋航空分遣隊）に減らした。6月24-28日、DD-113さざなみが湛江に寄港し、自衛艦として初めて中国を訪問した。6月29日から7月31日、リムパック08に参加。7月21日から8月8日、カカドゥ08に参加。8月14-16日、豊後水道沖の領海内に侵入した国籍不明潜水艦を護衛艦４隻と対潜哨戒機２機で捜索。11月13-19日、平成20年度海上自衛隊演習を実施。

2009年、ひゅうが型護衛艦２隻、そうりゅう型潜水艦12隻が就役開始。しらせ型砕氷艦（２代目）が就役。TH-135練習ヘリの導入を開始。1月26日から2月1日、東海沖から四国沖でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。海自から護衛艦４隻、潜水艦５隻、補給艦１隻、航空機20機、アメリカ海軍から潜水艦１隻が参加した。2月9-12日、アメリカ空母機動艦隊と沖縄周辺海域で対潜特別訓練を実施。海自から護衛艦４隻、潜水艦３隻、航空機10機、アメリカ海軍から第３空母打撃群、空母１隻、巡洋艦２隻、駆逐艦６隻、潜水艦３隻、音響測定艦２隻、航空機10機が参加した。3月9-19日、ロードアイランド州ニューポートのアメリカ海軍大学校でアメリカ海軍との平成20年度日米共同指揮所演習に参加。3月13日、ソマリア沖海賊対処の海上警備行動命令が発令された。4月26日から5月3日、マラバール09に参加。6月9日から7月30日、DDG-177あたごがハワイで派米訓練を実施。6月20-29日、硫黄島周辺海域で平成21年度実機雷処分訓練を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-302つしま、MSC-672うわじま、MSC-679ゆげしま、MSC-673いえしま、MSC-686うくしま、MSC-685とよしま、MH-53E掃海ヘリ２機、UH-60J救難ヘリ１機、隊員750名が参加した。7月6日、DD-111おおなみ、DE-229あぶくま、艦番号978ワン・ゲオン、973ヤン・マンチュンが参加して隠岐諸島北方海域で日韓共同捜索救難訓練を実施。7月7日、隠岐諸島北方海域で日韓捜索救難共同訓練を実施。海自からDD-111おおなみ、DE-229あぶくま、SH-60Kヘリ１機、P-3C哨戒機１機、US-2救難飛行艇１機、韓国海軍から艦番号978ワン・ゲオン、973ヤン・マンチュン、リンクス哨戒ヘリ１機、P-3C哨戒機１機が参加した。7月13-16日、海上幕僚長が初めて中国を公式訪問した。7月17-29日、陸奥湾において、アメリカ海軍と共同で平成21年度第１回機雷戦訓練と掃海特別訓練を実施。9月17-26日、紀伊半島沖から九州南方海域で日米豪共同訓練を実施。海自から護衛艦DD-105いなづま、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、潜水艦１隻、アメリカ海軍から駆逐艦６隻、潜水艦１隻、航空機、オーストラリア海軍から駆逐艦FFH155バララト、補給艦サクセス、AP-3C哨戒機１機が参加した。10月27日、関門海峡でDDH-144くらまとカリナ・スターが衝突。11月10-18日、海上自衛隊演習（乙、実働演習）を実施。自衛艦隊、各地方隊などから艦艇30隻、航空機60機が参加した。同時に日米年次共同訓練ANNUALEXも実施され、アメリカ海軍からは第７艦隊所属の艦艇20隻が参加した。11月17-19日、アメリカ海軍横須賀基地と横須賀港内でアメリカ海軍と基地警備特別訓練を実施。11月18日、横須賀基地で日米共同衛生特別訓練を実施。11月19日、佐世保市で平成21年度原子力艦原子力防災訓練に参加。11月21日から12月1日、日向灘で掃海特別訓練を実施。掃海母艦MST-463うらが、MST-464ぶんご、掃海艦MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇23隻、MH-53Eヘリ３機、アメリカ海軍水中処分員５名が参加した。12月3-6日、沖縄周辺海域で日米共同対潜特別訓練を実施。海上自衛隊から護衛艦３隻、潜水艦１隻、航空機数機、アメリカ海軍から駆逐艦３隻、潜水艦１隻、補給艦１隻、音響測定艦１隻、航空機数機が参加した。

2010年1月26-28日、佐世保港と九州西方海域で輸送特別訓練を実施。LST-4001おおすみ、LST-4003くにさき、LSD-46トーテュガとそれぞれのLCACが参加した。1月26日から2月2日、東海沖から四国沖で対潜特別訓練を実施。護衛艦７隻、潜水艦５隻、訓練支援艦１隻、航空機20機、アメリカ海軍潜水艦１隻が参加した。1月30日から2月7日、伊予灘（郡中沖）で掃海訓練を実施。掃海母艦MST-463うらが、MST-464ぶんご、掃海艦MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇16隻、掃海管制艇１隻、MH-53E/MCH-101掃海ヘリ数機が参加した。2月16-26日、アメリカ海軍大学校で平成21年度日米共同指揮所演習を実施。海幕、自衛艦隊司令部などから隊員30名、在日米海軍、太平洋艦隊、第７艦隊、海軍大学校などから40名が参加した。5月16-17日、房総半島沖南島海域でオーストラリア海軍と共同訓練を実施。DDG-177あたご、DD-108あけぼの、フリゲート06ニューキャッスルが参加した。5月23日から7月15日、LST-4003くにさきがパシフィック・パートナーシップ2010に参加。6月21-25日、沖縄周辺海域でアメリカ海軍及びオーストラリア空軍と共同訓練を実施。海上自衛隊から護衛艦４隻、ミサイル艇１隻、潜水艦２隻、航空機数機、アメリカ海軍からCVN-73ジョージ・ワシントン、巡洋艦１隻、駆逐艦７隻、潜水艦３隻、航空機数機、オーストラリア空軍からAP-3C哨戒機１機が参加した。6月23日から8月1日、リムパック10に参加。7月14-26日、陸奥湾でアメリカ海軍と掃海特別訓練を実施。海上自衛隊から掃海母艦MST-463うらが、MST-464ぶんご、掃海艦MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇19隻、掃海管制艇１隻、P-3C哨戒機13機、MH-53Eヘリ2-3機、UH-60Jヘリ１機、SH-60Jヘリ１機、アメリカ海軍からP-3C哨戒機1-2機、水中処分員10名が参加した。7月23-27日、ウラジオストク沖で日露捜索救難共同訓練を実施。DDH-142ひえい、DE-230じんつうが参加した。8月16日から9月3日、カカドゥ10に参加。8月17-25日、第５回西太平洋潜水艦救難訓練パシフィック・リーチ2010に参加。9月9日、アメリカ海軍横須賀基地で日米衛生特別訓練を実施。9月13-17日、平成22年度海上自衛隊演習（図上演習）を実施。11月14-24日、日向灘で掃海特別訓練を実施。掃海母艦MST-463うらが、MST-464ぶんご、掃海艦MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇22隻、掃海管制艇２隻、MH-53Eヘリ2-3機、MCM-5ガーディアンが参加した。12月3-10日、日米共同統合演習を実施。

2011年1月24-27日、LST-4002しもきたがLSD-46トーテュガと輸送特別訓練を実施。1月26日から2月2日、東海沖から四国沖でアメリカ海軍と対潜特別訓練を実施。2月4-9日、伊勢湾で対機雷戦訓練を実施。掃海母艦MST-463うらが、掃海艦MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇４隻（MSC-675まえじまなど）が参加した。2月28日から3月3日、アメリカ海軍とBMD特別訓練を実施。DDG-176ちょうかい、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケインなどが参加し、初の日米艦艇ネットワーク連接による弾道ミサイル対処を行った。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月31日、自衛艦143隻447700トン（警備艦112隻320920トン、補助艦31隻126780トン）と支援船287隻24668トンを保有していた。4月1日、生徒制度を廃止した。6月18-27日、硫黄島周辺海域で実機雷爆破処分訓練を実施。7月4日から9月29日、DDG-178あしがらとP-3C哨戒機３機が平成23年度派米訓練を実施。7月9日、ブルネイ沖の南シナ海で日米豪海軍共同訓練を実施。護衛艦DDG-172しまかぜ、駆逐艦DDG-88プレブル、哨戒艇ブルームが参加した。7月14-26日、陸奥湾でアメリカ海軍との掃海特別訓練を実施。海上自衛隊から掃海母艦MST-463うらが、MST-464ぶんご、掃海艦MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇12隻（MSC-690みやじまなど）、掃海管制艇２隻、P-3C哨戒機９機、MH-53Eヘリ３機が、アメリカ海軍からMCM-2ディフェンダー、P-3C哨戒機２機、水中処分員16名が参加した。9月2-16日、平成23年度海上自衛隊演習（図上演習）を海自幹部学校及び各参加部隊所在地で実施。海上幕僚長を統裁官とし、2700名が参加した。9月8日、海自横須賀基地とアメリカ海軍横須賀病院で日米合同衛生特別訓練を実施。10月14日、YS-11M/M-Aの後継としてC-130Rの採用を決定した。10月15-30日、MST-463うらがとMST-464ぶんごが、バーレーン周辺で米英海軍とのペルシャ湾派遣掃海20周年記念多国間掃海訓練に参加。10月27日から11月4日、平成23年度海上自衛隊演習（実動演習）を九州・沖縄周辺海域で実施。自衛艦隊などから艦艇30隻と航空機60機、アメリカ海軍から艦艇20隻が参加した。11月4日、TH-135ヘリによる訓練を開始。11月10-20日、日向灘で掃海特別訓練を実施。掃海母艦MST-464ぶんご、掃海艦２隻（MSO-303はちじょうなど）、掃海艇19隻（MSC-674つきしま、MSC-676くめじま、MSC-689あおしまなど）、掃海管制艇MCL-727さくしま、MCL-728いえしま、MH-53Eヘリ３機、アメリカ海軍水中処分員13名が参加した。11月12-13日、対馬北東で日韓捜索救難訓練を実施。海自から護衛艦DD-126はまゆき、DD-130まつゆき、SH-60Jヘリ２機、P-3C哨戒機１機、韓国海軍からミサイル駆逐艦978ワン・ゲオン、機雷敷設艦560元山、揚陸艦681コージュンボン、リンクス対潜ヘリ１機、P-3C哨戒機１機が参加した。

2012年、あきづき型護衛艦４隻、えのしま型掃海艇３隻が就役開始。2012年2月1-8日、伊勢湾で機雷戦訓練を実施。掃海母艦MST-464ぶんご、掃海艦MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇16隻、YDT-03水中処分母船３号、航空機2-3機が参加した。2月3-10日、アメリカ海軍と対潜特別訓練を実施。海自から護衛艦３隻、潜水艦６隻、航空機数機、アメリカ海軍から潜水艦１隻が参加した。2月13-16日、横須賀地区でアメリカ海軍とBMD特別訓練を実施。自衛艦隊司令部、DDG-174きりしま、第７艦隊司令部などが参加した。3月5-15日、アメリカ海軍との平成23年度日米共同指揮所演習（派米訓練）をロードアイランド州ニューポートのアメリカ海軍大学校で実施。海幕や自衛艦隊などから30名と、在日米海軍、太平洋艦隊、第７艦隊、アメリカ海軍大学校などから40名が参加した。3月12日、海上保安庁と協同で若狭湾において不審船対処訓練を実施。4月26日、第２術科学校で創設60周年記念式典を実施。6月4-5日、九州南東沖でオーストラリア海軍フリゲートFFH155バララト及びオーストラリア空軍AP-3C哨戒機との共同訓練を実施。6月6-8日、日米豪共同訓練を実施。海自からDDG-172しまかぜ、潜水艦１隻、航空機１機、アメリカ海軍から駆逐艦１隻、潜水艦１隻、オーストラリア海軍からFFH155バララトが参加した。6月9日、インド海軍との間で初となる二国間共同訓練を実施。DDG-171はたかぜ、DD-111おおなみ、US-2、D52ラナ、F47シヴァリク、P64カルムク、A57シャクティが参加し、相模湾で戦術運動訓練、フォト・エクササイズ（A57シャクティを基準艦とし、基準針路270度、速力10ノット）、US-2による想定着水（海面すれすれを飛行する）、単縦陣対向を行った。6月17-21日、硫黄島周辺海域で掃海母艦MST-463うらが、掃海艇MSC-602やくしま、MSC-603たかしま、MSC-684なおしま、MSC-686うくしま、MSC-679ゆげしま、MSC-680ながしま、潜水艦１隻などが参加して実機雷処分訓練を実施。6月21-22日、朝鮮半島南方で日米韓協同訓練を実施。海自からDDH-144くらま、DDG-174きりしま、DD-108ゆうだち、アメリカ海軍からCVN-73ジョージ・ワシントン、CG-63カウペンス、CG-67シャイロー、DDG-82ラッセン、DDG-85マッキャンベル、韓国海軍から駆逐艦976ムーンム・デワン、991セジョンデワン、補給艦１隻が参加した。6月29日（23日？）から8月3日、リムパック12に参加。7月2-6日、平成24年度海上自衛隊演習（図上演習）を海自幹部学校などで実施。7月14-26日、陸奥湾でアメリカ海軍との平成24年度機雷戦訓練及び掃海特別訓練を実施。海自から掃海母艦MST-463うらが、掃海艇19隻（MSC-602やくしま、MSC-603たかしまなど）、掃海管制艇２隻、水中処分母船１隻、P-3C哨戒機10機、MH-53E/MCH-101掃海ヘリ３機、アメリカ海軍から掃海艦１隻、P-3C哨戒機２機、水中処分員14名が参加した。8月29日から9月14日、カカドゥ12演習にDDG-172しまかぜと第２航空群P-3C哨戒機２機が参加。9月16-23日、オーストラリアのダーウィン周辺で実施された日米豪共同訓練に第２航空群の隊員40名とP-3C哨戒機２機が参加。9月16-27日、アラビア半島周辺海域で実施された国際掃海訓練IMCMEX12にMST-463うらがとMSO-303はちじょうが参加。9月26日、ウラジオストク沖の日本海で実施された日露捜索救難共同訓練にDD-109ありあけとDE-231おおよどが参加。9月27日、韓国釜山沖で実施されたPSI海上阻止訓練イースタン・エンデバー12にDD-154あまぎりとP-3C哨戒機１機が参加。10月24日、若狭湾で海上保安庁と不審船対処共同訓練を実施。DDH-143しらね、PG-824はやぶさ、SH-60哨戒ヘリ１機が参加した。11月7日、日米共同衛生特別訓練を実施。海自から200名、アメリカ海軍から350名が参加した。11月17-30日、日向灘で掃海特別訓練を実施。掃海母艦MST-464ぶんご、掃海艦２隻（MSO-302つしまなど）、掃海艇21隻（MSC-601ひらしま、MSC-602やくしま、MSC-675まえじま、MSC-687いずしま、MSC-688あいしまなど）、掃海管制艇２隻、MH-53E/MCH-101掃海ヘリ、アメリカ海軍水中処分員が参加した。12月5-7日、横須賀地区で基地警備特別訓練を実施。海自から170名、アメリカ海軍から40名が参加した。

2013年、むろと型敷設艦（２代目）１隻が就役。P-1哨戒機が就役開始。1月19日、DD-111おおなみ搭載SH-60Kヘリが中国海軍フリゲート526温州から射撃指揮レーダーを照射された。1月30日、DD-103ゆうだちが中国海軍フリゲート522連雲港から射撃指揮レーダーを照射された。2月18-23日、八代海で掃海隊群司令を訓練統制官として機雷戦訓練を実施。MST-464ぶんご、MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇13隻（MSC-602やくしま、MSC-603たかしま、MSC-681すがしまなど）が参加し、訓練機雷を使用した機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。2月18-24日、対潜特別訓練を実施。海自から潜水艦６隻と航空機数機、アメリカ海軍から潜水艦１隻が参加した。2月25-28日、横須賀でBMD特別訓練を実施。海自から自衛艦隊司令部とDDG-175みょうこう、DDG-173こんごう、アメリカ海軍から第７艦隊司令部などが参加した。3月4-14日、ロード・アイランド州ニューポートのアメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習を実施。海上幕僚監部など30名と在日米海軍司令部など40名が参加した。5月4-29日、バーレーンで開催された第２回国際掃海訓練（主催はアメリカ）に隊員６名で参加。5月15日、日米韓共同捜索救難訓練を実施。DDG-178あしがら、DD-115あきづき、韓国海軍991セジョンデワン、975チュンムゴン・イースンシン、アメリカ海軍CVN-68ニミッツ、イージス艦２隻が参加した。韓国の要請により、訓練情報は公表されていない。6月10-26日、ドーン・ブリッツ2013に参加。6月15-16日、関東南方海域で日豪共同訓練を実施。DD-101むらさめと03シドニーが参加した。6月20-29日、硫黄島周辺海域で平成25年度実機雷処分訓練を実施。掃海隊群司令部要員65名、MST-463うらが、第51掃海隊（MSO-301やえやま、MSO-302つしま）、第42掃海隊（MSC-676くめじま、MSC-677まきしま）、第46掃海隊（MSC-691ししじま、MSC-692くろしま）、第111航空隊（MH-53Eヘリ２機）、第73航空隊硫黄島航空基地分遣隊（UH-60J救難ヘリ１機）、横須賀水中処分隊（水中処分員１名）、呉水中処分隊（水中処分員１名）、佐世保水中処分隊（水中処分員１名）、掃海業務支援隊が参加した。6月22-26日、グアム周辺で日米豪共同訓練パシフィック・ボンド2013を実施。7月18-30日、陸奥湾でアメリカ海軍との掃海特別訓練（機雷敷設、掃海、潜水訓練）を実施。海自からMST-463うらが、MSO-301やえやま、MSO-302つしま、掃海艇20隻、掃海管制艇２隻、水中処分母船１隻、P-3C哨戒機８機、アメリカ海軍から第７対機雷戦隊司令、第７艦隊哨戒偵察部隊司令、第５機動水中処分隊第502小隊指揮官、掃海艦１隻、P-3C哨戒機２機、水中処分員９名が参加した。7月21-24日、横須賀でアメリカ海軍と共催のアジア太平洋潜水艦会議を実施。アメリカ、イギリス、インド、インドネシア、エクアドル、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、中国、日本、ノルウェー、パキスタン、フランス、ベトナム、ペルー、マレーシア、ロシア、ISMERLO、SMERWGが参加した。9月10-13日、海自とアメリカ太平洋艦隊が共催する国際会議PAC HOSTAC（Pacific Helicopter Operation from Ship other Than Aircraft Carriers）を横須賀で実施。国際救難活動時のヘリ運用について意見交換した。9月15-19日、平成25年度海上自衛隊演習（図上演習）を海自幹部学校などで実施。3000名が参加した。9月20-28日、パシフィック・リーチ2013を相模湾と横須賀で開催。9月29日から10月3日、関東南方から紀伊沖で日豪共同訓練を実施。海自から護衛艦２隻、潜水艦１隻、オーストラリア海軍から潜水艦SSG-75ウォーラーが参加した。10月2日、横須賀地区で日米衛生特別訓練を実施。横須賀地方隊から100名、アメリカ海軍横須賀病院から50名が参加した。10月5日、DD-112まきなみがオーストラリア海軍国際観艦式に参加。10月14-18日、沖縄周辺海域でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。海自から護衛艦１隻、潜水艦１隻、航空機数機、アメリカ海軍から駆逐艦２隻、潜水艦１隻、航空機数機が参加した。11月16-28日、平成25年度海上自衛隊演習（実動演習）を沖縄から九州周辺の海空域で実施。艦艇15隻、航空機50機が参加し、日米共同訓練ANNUALEX13も行われた。11月18-28日、日向灘で掃海特別訓練を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇22隻（MSC-602やくしま、MSC-685とよしまなど）、第111航空隊MH-53E/MCH-101掃海ヘリ2-3機、アメリカ海軍第５機動水中処分隊第501小隊水中処分員10名が参加し、訓練機雷敷設、掃海、潜水訓練を行った。12月7-24日、日本からグアムに至る海空域と、グアム周辺海空域で、平成25年度護衛隊群米国派遣訓練を実施。DD-110たかなみ、DD-116てるづき、DD-154あまぎり、DDG-178あしがら、UP-3D訓練支援機２機が参加した。12月9-12日、アメリカ海軍横須賀基地などで日米共同基地警備訓練を実施。横須賀基地隊などから170名、アメリカ海軍横須賀基地所在憲兵隊から40名が参加した。12月11日、新潟港から佐渡島付近の海上で、海上保安庁と共同で不審船対処共同訓練を実施。DD-151あさぎり、PG-824はやぶさ、SH-60ヘリ１機が参加した。アデン湾でDD-109ありあけとDD-156せとぎりがアメリカ海軍イージス艦１隻・韓国海軍駆逐艦１隻と海賊対処訓練を実施。12月12日、九州西方海域で韓国海軍との第８回日韓捜索救難共同訓練を実施。DD-115あきづき、DE-232せんだい、SH-60K哨戒ヘリ１機が参加した。12月18日と20日、舞鶴港内と若狭湾北方海域で日露捜索救難訓練を実施。DDH-143しらね、PG-824はやぶさ、水中処分母船１号、P-3C哨戒機１機、SH-60ヘリ１機、アドミラル・ヴィノグラードフ、イルクート、カラルが参加した。

2014年、C-130R輸送機の配備を開始。1月15日、LST-4001おおすみと釣り船とびうおが衝突。2月1-8日、伊勢湾で機雷戦訓練を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇16隻（MSC-692くろしま、MSC-601ひらしまなど）、MCL-728いえしま、MCL-729まえじま、MH-53Eヘリ２機が参加した。2月8-16日、東海から四国沖でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。海自から護衛艦８隻、潜水艦５隻、航空機数機、アメリカ海軍から潜水艦１隻が参加した。2月13日、日本とサウジアラビアの友好・協力関係強化に貢献したとして、海幕長がサウジアラビア副首相兼国防大臣サルマン皇太子からキング・アブドル・アジーズ最高勲章を授与された（海上自衛官として初）。2月17日から3月7日、第５回西太平洋掃海訓練（ニュージーランド海軍主催）に水中処分員ら７名で参加。2月25-28日、横須賀でBMD特別訓練を実施。3月3-13日、アメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。3月19日、宮古島東方の接続水域を潜没航行する潜水艦をP-3C哨戒機が探知した。3月20日から4月9日、インドネシアのバタム島周辺で多国間共同訓練コモドに参加。6月20-29日、硫黄島周辺海域で平成26年度実機雷処分訓練を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSC-604えのしま、MSC-605ちちじま、MSC-681すがしま、MSC-682のとじま、MSC-687いずしま、MSC-688あいしま、MSC-690みやじま、UH-60J救難ヘリ１機が参加した。6月25日から7月16日、グアム周辺海空域などで平成26年度第１回護衛隊群米国派遣訓練を実施。DDG-173こんごう、DDG-172しまかぜ、DD-115あきづき、DD-101むらさめ、DD-107いかづち、DD-108あけぼの、DD-109ありあけ、ATS-4203てんりゅう、UP-3D電子戦訓練支援機２機が参加した。6月26日から8月1日、リムパック2014に参加。7月18-30日、陸奥湾で平成26年度機雷戦訓練・掃海特別訓練を実施。掃海隊群司令、MST-463うらが、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇16隻（20隻？MSC-604えのしま、MSC-601ひらしま、MSC-686うくしまなど）、掃海管制艇２隻、水中処分母船１隻、MH-53Eヘリ２機、P-1哨戒機１機、P-3C哨戒機10機、アメリカ海軍第７対機雷戦隊司令、第７艦隊哨戒偵察部隊司令、第５機動水中処分隊第501小隊指揮官、掃海艦１隻、P-3C哨戒機１機、MH-53Eヘリ１機、水中処分員８名が参加した。7月24-30日、日米印共同訓練マラバール14に参加。8月20-24日、沖縄周辺海域でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。護衛艦１隻、潜水艦１隻、航空機数機、アメリカ海軍駆逐艦２隻、補給艦１隻、潜水艦１隻、航空機数機が参加し、対潜戦訓練を行った。8月25日から9月12日、カカドゥ2014に参加。9月20日から12月14日、コア・カイ・イーストにDD-116てるづきが参加。9月25日、アデン湾でNATO軍との共同訓練を実施。DD-110たかなみ、P-3C哨戒機１機、デンマーク海軍戦闘支援艦L-17エスバーン・スネールが参加し、戦術運動、通信、立ち入り検査などの訓練を行った。9月25日から12月17日、アラビア半島周辺海域で実施された第３回国際掃海訓練にMST-464ぶんごとMSO-301やえやまが参加。10月8日、アメリカ海軍横須賀病院などで自衛隊横須賀病院と横須賀地方隊がアメリカ海軍との第18回衛生特別訓練に参加。10月26日と28日、DD-155はまぎりとSH-60Jヘリ１機がウラジオストク沖などでロシア海軍との共同捜索救難訓練を実施。11月20-30日、アメリカ海軍との日向灘掃海特別訓練を実施。海上自衛隊から艦艇23隻（MST-463うらが、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、MSC-683つのしま、MSC-687いずしま、MSC-688あいしま、MSC-690みやじまなど）、航空機３機、アメリカ海軍第５機動水中処分隊第501小隊の水中処分員６名が参加した。12月4日、海上保安庁と不審船対処及び原発テロ対処訓練を実施。PG-824はやぶさ、PG-828うみたか、SH-60Kヘリ１機、巡視船きそ、ほたかが参加した。12月8-12日、アメリカ海軍との基地警備特別訓練をアメリカ海軍横須賀基地と横須賀港で実施。横須賀地方隊、横須賀海上保安部、アメリカ海軍横須賀基地憲兵隊が参加した。

2015年、いずも型護衛艦２隻が就役開始。2015年2月1-10日、伊勢湾で平成26年度機雷戦訓練を実施。MST-464ぶんご、MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇16隻（MSC-602やくしま、MSC-603たかしま、MSC-605ちちじま、MSC-679ゆげしま、MSC-680ながしま、MSC-682のとじま、MSC-684なおしま、MSC-686うくしま、MSC-688あいしま、MSC-690みやじまなど）、掃海管制艇２隻、MH-53Eヘリ２機が参加し、機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。2月8-16日、四国沖から九州南方にかけての海域でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。海自から護衛艦３隻、潜水艦４隻、航空機数機、アメリカ海軍から潜水艦１隻が参加し、対潜戦訓練を行った。2月24-27日、横須賀と佐世保でBMD特別訓練を実施。自衛艦隊司令部、DDG-175みょうこう、DDG-176ちょうかい、アメリカ第７艦隊司令部などが参加した。3月、MOFシステムをMARSシステムに換装した。3月2-12日、アメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習（派米訓練）を実施。海幕や自衛艦隊司令部から30名が参加し、在日米海軍司令部、太平洋艦隊司令部、第７艦隊司令部、アメリカ海軍大学校など40名と訓練を行った。3月14日から4月4日、DDG-177あたご、DD-112まきなみ、DD-103ゆうだち、ATS-4202くろべ、第91航空隊UP-3D電子戦訓練支援機２機が参加し、日本からグアムに至る海空域などで平成26年度第２回護衛隊群米国派遣訓練を実施。3月23-27日にはアメリカ海軍第15駆逐隊年次訓練マルチ・セイル（Multi-Sail）に参加している。4月11-16日、佐世保・宇久島・納島とその周辺海域で陸自と平成27年度水陸両用戦訓練を実施。LST-4003くにさき、MST-464ぶんごが参加した。4月28日、US-2救難飛行艇が四国沖で離水に失敗して沈没した。6月19-28日、硫黄島周辺海域で平成27年度実機雷処分訓練を実施。隊員550名、MST-463うらが、MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSC-679ゆげしま、MSC-680ながしま、MSC-683つのしま、MSC-684なおしま、UH-60J救難ヘリ１機が参加し、水中処分員やPAP104・S7機雷処分具による沈底機雷爆破処分、磁気機雷と音響機雷の感応掃海、水中処分員による浮流機雷爆破処分を行った。6月21-27日、日比共同訓練MTA15を実施。7月18-30日、平成27年度機雷戦訓練（陸奥湾）と掃海特別訓練を実施。MST-463うらが、掃海艦２隻、掃海艇14隻（MSC-602やくしま、MSC-604えのしま、MSC-605ちちじま、MSC-690みやじまなど）、掃海管制艇１隻、MH-53Eヘリ２機、P-1哨戒機１機、P-3C哨戒機６機、アメリカ海軍掃海艦MCM-7パトリオット、MCM-10ウォーリア、P-3C哨戒機１機、MH-53Eヘリ２機、水中処分員８名が参加した。7月31日から9月24日、ARC-483むろとがグアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加。8月10-24日、平成27年度米国派遣訓練（航空機）を実施。第５航空群第５航空隊第52飛行隊P-3C哨戒機２機と隊員40名が参加し、グアム島と周辺海域で洋上訓練と陸上施設利用訓練を行った。8月14日から9月14日、MST-464ぶんご、MSC-688あいしま、MSC-691ししじまがインドネシア・シンガポール主催の多国間掃海訓練である第６回西太平洋掃海訓練WPMCMEX2015に参加。8月18日から9月9日、ドーン・ブリッツ2015に参加。8月31日から9月4日、幹部学校や参加部隊所在地で平成27年度海上自衛隊演習（図上演習）を実施。自衛艦隊隷下の各司令部、各地方総監部、補給本部などから3000名が参加した。9月14日、アメリカ海軍との衛生特別訓練を実施。自衛隊横須賀病院、横須賀地方隊などから360名、在日米海軍横須賀病院から70名が参加した。9月15日、千葉県鎌ケ谷市市民体育館で第１回海上自衛隊フットサル大会を実施。男子９チーム・女子６チームが参加し、男子は厚木（横須賀地区Ｃ代表）、女子は下総・木更津・館山連合チーム（横須賀地区代表）が優勝した。9月21-24日、沖縄周辺海域でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。海自から護衛艦１隻、潜水艦１隻、航空機数機が参加した。9月26日から10月12日、PHIBLEX2015にオブザーバー参加した。9月26日から11月10日、マラバール15に参加。10月19日、関東南方海域で韓国海軍との捜索救難共同訓練を実施。海自からDD-111おおなみ、韓国からミサイル駆逐艦977テー・ジョヨンが参加し、捜索救難訓練、通信訓練、戦術運動、クロスデッキ、写真撮影を行った。10月19-22日、関東南方から四国南方の海空域で、オーストラリア海空軍と日豪トライデント共同訓練を実施。海自からDD-104きりさめ、DD-106さみだれ、DDG-172しまかぜ、DDG-174きりしま、DDG-176ちょうかい、P-3C哨戒機２機、オーストラリア海軍からFFH-153スチュアート、オーストラリア空軍からAP-3C対潜哨戒機１機が参加し、対潜戦、対水上戦、対水上訓練射撃、洋上給油、クロスデッキ訓練を行った。10月23日、沖縄北方海域でフランス海軍との親善訓練を実施。海自からDE-229あぶくま、フランス海軍からF734ヴァンデミエールが参加し、近接運動、戦術運動、写真撮影を行った。11月16-25日、平成27年度海上自衛隊演習（実動演習）を実施。DDH-183いずも、DDH-182いせ、DDH-181ひゅうが、DDH-144くらま、DDG-176ちょうかいなど艦艇25隻、航空機60機が参加した。また、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン（CVW-5含む）、CG-54アンティータム、CG-62チャンセラーズヴィル、DDG-63ステザム、DDG-89マスティン、T-AO-199ティペカノーなど艦艇10隻と対潜戦、対空戦、対水上戦の共同訓練を行っている。11月20-30日、平成27年度機雷戦訓練（日向灘）を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、掃海艦３隻、掃海艇17隻（MSC-686うくしま、MSC-604えのしま、MSC-606はつしまなど）、掃海管制艇１隻、MH-53Eヘリ２機が参加し、機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。12月1日、海洋業務群が海洋業務・対潜支援群に改編された。

2016年1月9-30日、平成27年度第１回護衛隊群米国派遣訓練（グアム方面）に第４護衛隊群DDH-182いせ、DDG-176ちょうかい、DDG-172しまかぜ、DD-117すずつき、DD-104きりさめ、DD-105いなづま、DD-106さみだれ、隊員1500名、第91航空隊UP-3D電子戦訓練支援機１機、隊員20名が参加。アメリカ海軍DDG-85マッキャンベル、DDG-89マスティン、EA-18G電子戦機も加わっている。1月18日から4月9日、SS-504けんりゅうが平成27年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）に参加。1月20日と1月22日、第１輸送隊が日向灘小倉ヶ浜でLCACによる揚陸訓練を実施。1月26日から2月2日、東海沖でアメリカ海軍との対潜特別訓練（通算128回目）を実施。海自から護衛艦７隻、潜水艦５隻、航空機30機が参加した。2月1-10日、伊勢湾で機雷戦訓練を実施。MST-464ぶんご、MSO-301やえやま、MSO-302つしま、MSO-303はちじょう、掃海艇15隻（MSC-601ひらしま、MSC-602やくしま、MSC-603たかしま、MSC-606はつしま、MSC-681すがしま、MSC-687いずしま、MSC-688あいしま、MSC-690みやじまなど）、掃海管制艇２隻、MH-53Eヘリ１機が参加した。2月6日、DD-130まつゆきがインド海軍主催国際観艦式に参加。2月16-25日、アメリカ海軍大学校で平成27年度日米共同指揮所演習（派米訓練）を実施。海幕、自衛艦隊司令部、幹部学校などから35名、在日米海軍司令部、太平洋艦隊司令部、第７艦隊司令部、海軍大学校などから60名が参加した。2月22-26日、在日米海軍横須賀基地・佐世保基地などでBMD特別訓練（通算６回目）を実施。DDG-174きりしま、DDG-175みょうこう、第７艦隊司令部などが参加した。2月23日、若狭湾で海上保安庁と不審船対処共同訓練を実施。PG-826おおたか、SH-60Jヘリ１機、SH-60Kヘリ１機、巡視船４隻などが参加し、情報共有訓練、共同対処訓練（追跡・監視）、ヘリ発着訓練、テロ対処訓練を行った。2月28日から3月20日、平成27年度第２回護衛隊群米国派遣訓練（グアム島方面）を実施。隊員900名、DDH-144くらま、DDG-174きりしま、DD-102はるさめ、DD-154あまぎりが参加した。3月9-11日、アメリカ海軍・カナダ空軍との共同訓練を実施。第２航空群P-3C哨戒機１機、第４航空群P-1哨戒機１機、アメリカ海軍第16哨戒飛行隊P-8A哨戒機１機、カナダ空軍第19航空団CP-140哨戒機１機が参加し、三陸沖で対潜訓練や通信訓練などを行った。3月15日から5月25日、シドニー周辺海域でオーストラリア海空軍との共同訓練を実施。DD-158うみぎり、DD-132あさゆき、SS-503はくりゅう、艦載ヘリ２機が対潜訓練、戦術運動、通信訓練などを行った。4月1-30日、働き方改革推進キャンペーンを実施。4月4-26日、アラビア半島周辺海域でアメリカ主催第４回掃海訓練（掃海訓練、潜水訓練）にMST-463うらがとMSC-603たかしまが参加。4月12-16日、インドネシア海軍国際観艦式とコモド2016にDDH-182いせが参加。5月25日から6月3日、パシフィック・リーチ2016に参加。6月10-17日、マラバール16に参加。6月17-23日、硫黄島周辺海域で平成28年度実機雷処分訓練（通算44回目）を実施。隊員400名、MST-464ぶんご、MSC-602やくしま、MSC-604えのしま、MSC-681すがしま、MSC-682のとじま、MSC-685とよしま、MSC-686うくしま、UH-60Jヘリ１機、水中処分員が参加した。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。7月1日、水陸両用作戦体制整備のため、掃海隊群を改編し、第１輸送隊が護衛艦隊から掃海隊群の隷下に移った。7月18-30日、陸奥湾で平成28年度機雷戦訓練・掃海特別訓練を実施。隊員1300名、MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-303はちじょう、掃海艇18隻（MSC-604えのしま、MSC-691ししじま、MSC-692くろしまなど）、掃海管制艇２隻、航空機９機、アメリカ海軍掃海艦１隻、HM-14所属MH-53Eヘリ２機、HSC-25所属MH-60Sヘリ１機、水中処分員７名が参加した。8月8-9日、ハワイ周辺海空域で日米豪韓加共同訓練を実施。DDH-181ひゅうがが参加し、戦術運動や捜索救難訓練を行った。8月22-26日、九州南方海域でアメリカ海軍との対潜特別訓練（1957年度以来129回目）を実施。護衛艦１隻、潜水艦１隻、航空機数機が参加した。8月26日から10月18日、カカドゥ16にDD-118ふゆづきとP-3C哨戒機２機が参加。9月26日から10月9日、平成28年度海上自衛隊演習（図上演習〈日米共同演習〉）を実施。海幕、自衛艦隊各司令部、各地方総監部、補給本部などが参加し、上級指揮官による情勢判断や部隊運用などを演練した。10月18日、海上保安庁と共同訓練を実施。AMS-4301ひうち、PG-828うみたか、SH-60K哨戒ヘリ１機、巡視船きそ、えちぜん、ボンバルディア300固定翼哨戒機１機が参加し、不審船対処と原子力発電所に対するテロへの対処を想定した情報共有訓練、共同追跡・監視訓練、巡視船へのSH-60K発着艦訓練・燃料補給訓練を行った。10月20日、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院などから150名、横須賀アメリカ海軍病院、アメリカ空軍第459空輸中隊などアメリカ軍から350名が参加して関東平野での地震を想定した衛生特別訓練を実施。10月21日から12月15日、ニュージーランド海軍国際観艦式とADMMプラス海洋安全保障実動訓練マヒ・タンガロア16にDD-110たかなみを派遣。10月18-21日、日米英３カ国海軍種参謀長級会議が初開催され、海幕長、アメリカ海軍作戦部長、第１海軍卿がアメリカ国防総省で会合を行い、関係強化を図る共同メッセージを発出した。10月22-23日、九州西方海域で日米韓共同訓練（海上阻止訓練）を実施。DD-109ありあけ、アメリカ海軍DDG-85マッキャンベル、韓国海軍992ユルゴク・イイが参加した。11月上旬から12月下旬、平成28年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）にSS-502うんりゅうが参加。11月9-10日、日米韓弾道ミサイル情報共有訓練にDDG-176ちょうかいが参加。11月9-23日、ニュージーランド海軍国際観艦式とニュージーランド海軍主催多国間共同訓練ナタヒにP-1哨戒機２機を派遣。11月20-30日、日向灘でアメリカ海軍との機雷戦訓練及び掃海特別訓練を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-303はちじょう、掃海艇16隻（MSC-603たかしま、MSC-605ちちじま、MSC-682のとじま、MSC-684なおしま、MSC-688あいしま、MSC-690みやじまなど）、掃海管制艇２隻、MH-53Eヘリ１機、MCH-101ヘリ２機、アメリカ海軍艦艇１隻、水中処分員10名が参加した。

2017年、あわじ型掃海艦が就役開始。2017年1月21日、横浜大桟橋に繋留中の日本郵船クルーズ客船飛鳥�Uで行われた第３管区海上保安本部主催の大規模救難訓練に参加。1月22-23日、舞鶴港内と若狭湾北方海域でロシア海軍との捜索救難共同訓練SAREX（16回目）を実施。DDH-181ひゅうが、AMS-4301ひうち、ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、補給艦ボリス・ブトマが参加し、捜索救難、立ち入り検査、戦術運動、航空機発着艦、通信の各訓練を行った。2月1-10日、平成28年度機雷戦訓練（伊勢湾）を実施。MST-464ぶんご、MSO-303はちじょう、掃海艇14隻（MSC-601ひらしま、MSC-602やくしま、MSC-605ちちじま、MSC-681すがしま、MSC-682のとじま、MSC-683つのじま、MSC-687いずしま、MSC-688あいしまなど）、掃海管制艇１隻が参加し、訓練機雷による機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。2月6-16日、アメリカ海軍大学校で平成28年度日米共同指揮所演習（派米訓練）を実施。海幕、自衛艦隊司令部、海自幹部学校などから40名、アメリカ第７艦隊司令部、在日米海軍司令部、太平洋艦隊司令部、海軍大学校などから60名が参加した。2月10-14日、アマン17にP-3C哨戒機２機で参加。その後観艦式で展示飛行を行っている。2月17日と21-24日、横須賀や佐世保などでアメリカ海軍とBMD特別訓練を実施。自衛艦隊司令部、DDG-174きりしま、第７艦隊司令部などが参加した。3月6-10日、グアム沖で日米共同訓練マルチセイル2017を実施。海自からDDG-171はたかぜ、DD-107いかづち、アメリカ海軍からDDG-63ステザム、DDG-52バリー、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-85マッキャンベル、DDG-89マスティンなど水上艦６隻、潜水艦が参加し、対空戦や対潜戦などの訓練を行った。3月7-10日、東シナ海周辺でアメリカ海軍との共同巡航訓練を実施。DD-106さみだれとDD-113さざなみがCVN-70カール・ヴィンソン及び艦艇数隻と戦術訓練を行った。3月14日、日本周辺海域でDDG-174きりしまとDDG-54カーティス・ウィルバーが991セジョンデワンと日米韓共同訓練（弾道ミサイル情報共有訓練）を実施。3月27-29日、東シナ海周辺でアメリカ海軍との共同巡航訓練を実施。DD-108ゆうだち、DD-106さみだれ、DD-113さざなみ、DD-155はまぎり、DD-158うみぎりが、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-108ウェイン・Ｅ・マイヤーなどと、戦術訓練を行った。4月3-5日、九州西方海域でDD-157さわぎりと第５航空群P-3C哨戒機１機がDDG-85マッキャンベル及び979カン・ガンチャンなどと日米韓共同訓練（対潜戦訓練）を実施。投棄型音響装置EMATTを使用した対潜訓練などを行った。4月23日、DDG-178あしがらとDD-106さみだれがCVN-70カール・ヴィンソン空母打撃群と西大西洋で共同巡航訓練を実施。4月25日、DDG-176ちょうかいとDDG-62フィッツジェラルドが日本海でBMD対処共同訓練を実施。4月28日、DDG-178あしがら、DD-106さみだれ、第９航空団F-15J戦闘機２機、CVN-70カール・ヴィンソン空母打撃群が、沖縄東方で共同訓練を実施。5月1日、DDH-183いずもとDD-113さざなみが長期外洋行動に出発。5月1-3日、DDH-183いずもがT-AKE-4リチャード・Ｅ・バードに対する米艦防護任務を実施。5月2-18日、海幕運用支援課、自衛艦隊司令部、掃海業務支援隊の計４名がバーレーンでアメリカ主催国際海上訓練（指揮所演習）に参加。5月3日、DD-113さざなみがT-AKE-4リチャード・Ｅ・バードに対する米艦防護任務を実施。5月3-22日、海幕、自衛艦隊、横須賀地方隊、LST-4003くにさき乗員の隊員計160名とLST-4003くにさきが、日仏英米共同訓練に参加。5月7-10日、DDH-183いずも、DD-113さざなみ、DDG-104スタレット、DDG-105デューイが南シナ海で共同巡航訓練を実施。5月15日、DDH-183いずもとDD-113さざなみがシンガポール海軍国際観艦式に参加。5月20-25日、DDH-183いずもとDD-113さざなみがパシフィック・パートナーシップ2017に参加。6月、第１回日米水陸両用将官級会議BASG（Bilateral Amphibious Steering Group achievement）を開催。6月1-3日、DDH-181ひゅうがとDDG-178あしがらが、日本海でCVN-70カール・ヴィンソン、CVN-76ロナルド・レーガン、イージス巡洋艦２隻、イージス駆逐艦６隻、F/A-18などと共同訓練を実施。6月1-2日には空自第６航空団F-15戦闘機も加わっている。6月3-9日、DDH-181ひゅうがとDDG-178あしがらが、日本海から沖縄東方に至る海域と沖縄東方空域で、CVN-76ロナルド・レーガン、EA-18G電子戦機などと共同訓練を実施。6月6日には空自F-15戦闘機も加わっている。6月5-16日、水中処分員４名と訓練統制要員１名がグアム島周辺海域でアメリカ主催第７回西太平洋掃海訓練に参加し、潜水訓練を行った。6月9-10日、DDH-183いずもとDD-113さざなみが南シナ海でDDG-104スタレット、オーストラリア海軍FFH-155バララト、カナダ海軍FFH-338ウィニペグと共同巡航訓練を実施。6月13-15日、DDH-183いずもとDD-113さざなみがCVN-76ロナルド・レーガンと南シナ海で共同巡航訓練を実施。6月16-25日、硫黄島沖で実機雷処分訓練を実施。隊員400名、MST-464ぶんご、MSC-605ちちじま、MSC-606はつしま、MSC-683つのしま、MSC-688あいしま、MSC-691ししじま、MSC-692くろしま、UH-60Jヘリ１機が参加し、掃海、掃討、水中処分員による機雷処分訓練などを行った。6月19-20日、パリ航空ショーにP-1哨戒機１機を派遣。7月1日から10月3日、SS-505ずいりゅうが平成29年度第１回派米訓練（潜水艦）に参加。7月2-15日、九州周辺から関東南方の海域で、DD-158うみぎり、DE-229あぶくま、AOE-423ときわが、カナダ海軍FFH-338ウィニペグ、FFH-341オタワとの共同訓練KAEDEXに参加し、戦術運動、対空戦、模擬洋上給油などの各種訓練を行った。7月5日から8月12日、平成29年度米国派遣訓練（航空機）を実施。第１航空群P-3C哨戒機２機がハワイとグアムで洋上訓練及び施設利用訓練を行った。7月10-17日、DDH-183いずもとDD-113さざなみがマラバール2017に参加。7月18-30日、陸奥湾で平成29年度機雷戦訓練・掃海特別訓練を実施。訓練統裁官は海自が掃海隊群司令、アメリカ海軍が第７対機雷戦隊司令、第７艦隊哨戒偵察部隊司令、第５機動水中処分隊第502小隊指揮官で、MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、掃海艇12隻（MSC-606はつしま、MSC-687いずしま、MSC-688あいしまなど）、掃海管制艇１隻、水中処分母船１隻、P-3C哨戒機８機、P-1哨戒機１機、MCH-101掃海ヘリ３機、アメリカ海軍から掃海艇２隻（MCM-9パイオニアなど）、P-3C哨戒機２機、HM-14Det.2AのMH-53E掃海ヘリ２機、水中処分員10名が参加し、訓練機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練などを行った。7月26日にはMST-464ぶんごとMCM-9パイオニアが米艦防護に関する手順確認のための通信訓練を実施している。7月26日、DD-110たかなみとDD-111おおなみがアメリカ海軍DDG-89マスティンと日本海で自走水中標的EMATTを使用した対潜戦訓練を実施。9月6-7日、第81航空隊EP-3電子情報収集機１機とOP-3C画像情報収集機１機が東シナ海でアメリカ海軍EP-3E電子情報収集機１機と日米共同情報交換訓練を実施。9月6-9日、PSI海上阻止訓練パシフィック・プロテクター21に第５航空群P-3C哨戒機１機が参加。9月11日、DD-116てるづきがインド西方海域でインド海軍哨戒艦P57スナイナと親善訓練（戦術運動など）を実施。9月11-28日、DDH-182いせ、DD-108あけぼの、DD-113さざなみが、CVN-76ロナルド・レーガンなどアメリカ海軍艦艇数隻と、関東南方から沖縄周辺に至る海域で日米共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。9月12-19日、本州南方海域で日米豪共同訓練を実施。海自潜水艦４隻、護衛艦４隻、航空機30機、アメリカ海軍SSN-722キーウエスト、オーストラリア海軍SSG-76デチェイニュスクが参加し、対潜訓練を行った。9月13-14日、第５航空隊P-3C哨戒機１機がフィリピン海軍哨戒艇１隻・アイランダーBN2A哨戒機１機と南シナ海及びスールー海で親善訓練（捜索救難訓練）を実施。9月18日、DD-116てるづきがタイ西方海域でタイ海軍フリゲートのチャオ・プラヤと親善訓練（戦術運動訓練など）を実施。9月29日から10月1日、DD-113さざなみがCVN-76ロナルド・レーガンなどアメリカ海軍艦艇数隻と沖縄周辺からバシー海峡周辺に至る海域で日米共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。10月7-16日、DDG-172しまかぜが、CVN-76ロナルド・レーガン、T-AO-194ジョン・エリクソンなどアメリカ海軍艦艇数隻と、沖縄周辺からバシー海峡周辺に至る海域で日米共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。10月13-21日、オーストラリア空海軍と第９回日豪トライデント共同訓練を実施。DDやまぎり、第３航空隊P-1哨戒機、潜水艦、オーストラリア海軍05メルボルン、FFH-154パラマタ、オーストラリア空軍第92航空群第11飛行隊AP-3C哨戒機１機が参加し、関東南方空海域で対潜訓練や戦術運動訓練などを行った。10月13日から11月25日、DD-117すずつきが平成29年度米国派遣訓練（護衛艦）のためハワイ周辺海域に派遣され、立入検査訓練やミサイル射撃訓練などを行った。10月15日、九州西方海域で日印共同訓練を実施。DD-104きりさめ、インド海軍F48サツプラ、P29カドマットが参加し、各種戦術訓練を行った。10月17日、横須賀地方総監部、自衛隊横須賀病院、アメリカ海軍横須賀病院でアメリカ軍との衛生特別訓練を実施。海自から隊員160名、アメリカ軍から人員350名が参加した。10月24-25日、DDG-174きりしま、DDG-175みょうこう、アメリカ海軍DDG-63ステザム、DDG-73ディケイター、韓国海軍992ユルゴク・イイが参加し、日本周辺海域で日米韓共同訓練（弾道ミサイル情報共有訓練）を実施。10月26日から11月12日、DDH-182いせ、DD-112まきなみ、DD-105いなづまが、空自F-15戦闘機共に、沖縄周辺の東シナ海から日本海に至る海空域で、CVN-68ニミッツ、CVN-71セオドア・ルーズベルト、CVN-76ロナルド・レーガンなどと共同巡航訓練を実施。10月30日、P-3C哨戒機１隻がインド西方海域でインド海軍P-8I哨戒機１機と親善訓練（対潜訓練、通信訓練など）を実施。10月31日から11月9日、平成29年度海上自衛隊演習（図上演習<日米共同演習>）を海自幹部学校で実施。統裁官は自衛艦隊司令官で、各艦隊司令部、地方総監部、補給本部などから隊員3200名が参加した。11月3-6日、DD-105いなづまが日本海でアメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、DDG-90チャフィー、インド海軍F48サツプラ、P29カドマットと日米印共同訓練に参加。11月3日から12月5日、DD-111おおなみがタイ海軍主催ASEAN創立50周年記念国際観艦式に派遣され、11月20日の式に参列した。11月10-26日、平成29年度海上自衛隊演習（実動演習<日米共同演習および日米加共同訓練>）を実施。艦艇25隻（DDH-182いせ、DDH-183いずも、DDH-184かがなど）、航空機60機、アメリカ海軍艦艇10隻（CVN-76ロナルド・レーガンなど）、カナダ海軍潜水艦879チコーティミが参加し、日本周辺海空域で対潜戦、対水上戦、対空戦などの演習を行った。11月12日、DDH-182いせ、DD-112まきなみ、DD-105いなづまが、日本海でCVN-68ニミッツ、CVN-71セオドア・ルーズベルト、CVN-76ロナルド・レーガンなどと共同巡航訓練を実施。11月20-25日、DD-155はまぎりがウラジオストクでウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、航洋曳船アラタウなどと日露捜索・救難共同訓練（第17回）を実施。11月20-30日、日向灘で平成29年度機雷戦訓練および掃海特別訓練を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSC-685とよしま、MSC-686うくしま、MCL-730くめじまなど艦艇22隻、航空機３機、アメリカ海軍第７機雷戦隊掃海艇１隻、航空機２機、第５機動水中処分隊第501小隊水中処分員10名が参加し、訓練機雷による機雷敷設、掃海、潜水の各訓練を行った。11月22日、DD-111おおなみが南シナ海でオーストラリア海軍フリゲート05メルボルンと日豪共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。11月28日、DD-111おおなみがフィリピン周辺海域でフィリピン海軍コルベットPS-19ミゲル・マルバーと親善訓練（戦術運動など）を実施。12月11-12日、DDG-176ちょうかいがDDG-63ステザム、DDG-73ディケーター、993ソエ・ユ・ソンリョンと日本周辺海域で日米韓共同弾道ミサイル情報共有訓練に参加し、シミュレータを使って仮想弾道ミサイル情報を共有し対処する訓練を行った。12月15日、相模湾でDD-116てるづき、979ガン・ガンチャン、AOE-59ファチョンによる日韓捜索救難共同訓練（捜索救難、航空機相互発着艦、通信など）を実施。12月19日、本州南方海域でカナダ海軍との共同訓練KAEDEXを実施。DDH-183いずも、DDG-171はたかぜ、DD-101むらさめ、DD-107いかづち、P-1哨戒機が参加し、カナダ海軍潜水艦879チコーティミと対潜戦訓練を行った。

2018年、あさひ型護衛艦２隻が就役開始。1月16日から4月14日、平成29年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）にSS-503はくりゅうを派遣。ハワイ諸島方面で洋上訓練と施設利用訓練を実施した。1月20日、東シナ海の公海上で違法な物資積み替えを行っている北朝鮮船籍タンカーをP-3C哨戒機が発見したため、国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報した。2月1-10日、伊勢湾で平成29年度機雷戦訓練を実施。隊員770名、MST-463うらが、掃海艇14隻（MSC-685とよしま、MSC-688あいしまなど）、MCL-731ゆげしま、MCH-101掃海・輸送ヘリ２機が参加し、機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。2月12-13日、DD-153ゆうぎりが関東南方海域でフランス海軍フリゲートF734ヴァンデミエールと共同訓練VINEX18（対水上戦訓練、対空戦訓練、戦術運動など）を実施。2月12-22日、平成29年度日米共同指揮所演習（派米訓練）を実施。海幕、自衛艦隊司令部、幹部学校などから40名（自衛艦隊司令官含む）、太平洋艦隊司令部、在日米海軍司令部、第７艦隊司令部、アメリカ海軍大学校などから50名（第７艦隊司令官含む）が参加し、アメリカ海軍大学校で指揮幕僚活動を演練した。2月26日から3月22日、平成29年度護衛艦米国派遣訓練（グアム島方面）にDD-118ふゆづきが参加。3月8-14日、DD-118ふゆづきがマルチセール2018に参加。3月11-23日、南シナ海北部から沖縄周辺の空海域でDDH-182いせがCVN-70カール・ヴィンソン、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤー、T-AO-193ウォルター・Ｓ・ディールなどと日米共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。DDH-182いせはT-AO-193ウォルター・Ｓ・ディールから洋上給油を受けた。3月12日、第６潜水隊が新編された。3月19-22日、第81航空隊EP-3電子情報収集機１機とOP-3C画像情報収集機１機が東シナ海でアメリカ海軍EP-3E電子戦機１機と日米共同訓練（情報交換訓練）を実施。4月2日、陸上配備航空救難機能と部隊管理運用の効率化を図るべく、航空部隊の改編を実施。第73航空隊を第21航空隊第213飛行隊、第72航空隊を第22航空隊第224飛行隊に改編し、大湊航空分遣隊を廃止した。4月9日、九州西方海域でLST-4002しもきたがLHD-1ワスプなどと日米共同訓練（各種戦術訓練）を実施。4月25-29日、第51航空隊P-1哨戒機２機がベルリン国際航空宇宙ショーに参加。4月27-28日、関東南方海域でDD-114すずなみ、AOE-423ときわ、P-3C哨戒機、潜水艦がF81サザランドと日英共同訓練（対潜戦、模擬洋上給油、DD-114搭載SH-60KとF81搭載ワイルドキャットHMA.2による航空機相互発着艦訓練、戦術運動、海上阻止行動訓練など）を実施。5月5日、第51航空隊P-1哨戒機２機がインド海軍P-8I哨戒機１機、F43トリシュル、潜水艦１隻と、インド洋ゴア西方海域で共同訓練（対潜戦訓練）を実施。5月5-9日、LST-4001おおすみがコモド2018に参加。5月7-18日、オーストラリア海軍主催第８回西太平洋掃海訓練に潜水員７名で参加。5月8日、第51航空隊P-1哨戒機２機がフィリピン海軍C-90哨戒機１機、哨戒艇１隻と、南シナ海及びスールー海パラワン島周辺海空域で、親善訓練（捜索救難訓練）を実施。5月10-15日、LST-4001おおすみ艦上で第２回ASEAN乗艦協力プログラムを実施。5月13-14日、DD-156せとぎりがインドのヴィシャカパトナム沖でインド海軍D-53ランジト、キロ級潜水艦１隻、航空機数機と共同訓練（対潜戦、対空戦、戦術運動）を実施。6月8-16日、マラバール2018にDDH-182いせ、DD-118ふゆづき、DD-114すずなみ、艦載ヘリ５機、SS-501そうりゅう、P-1哨戒機２機が参加。6月14日、横須賀港で日米共同衛生訓練を実施。自衛艦隊司令部、潜水医学実験隊、ASR-404ちよだ、自衛隊横須賀病院、横須賀基地業務隊、横須賀衛生隊、第７艦隊司令部、アメリカ海軍横須賀基地司令部、T-AH-19マーシー、横須賀米海軍病院などが参加し、トリアージ、救命処置、患者搬送などを行った。6月16-23日、DD-118ふゆづき、DD-114すずなみが、グアム周辺から沖縄南方に至る空海域で、アメリカ海軍艦艇数隻（CVN-76ロナルド・レーガンなど）と、日米共同巡航訓練を実施。6月16-25日、平成30年度実機雷処分訓練を硫黄島周辺海域で実施。隊員400名、MST-463うらが、MSC-601ひらしま、MSC-602やくしま、MSC-681すがしま、MSC-682のとじま、MSC-686うくしま、MSC-690みやじま、MCH-101掃海ヘリ２機が参加し、掃海、掃討、水中処分員による機雷処分の各訓練を行った。6月16日から8月20日、平成30年度米国派遣訓練（リムパック2018）にDDH-182いせ、哨戒ヘリ３機、P-3C哨戒機２機、掃海部隊隊員10名で参加。7月5-10日、日露捜索救難共同訓練（海賊行為による被害を想定した洋上捜索救難、船内捜索、通信）を舞鶴港と若狭湾で実施し、DD-151あさぎり、AMS-4301ひうち、アドミラル・トリブツ、アドミラル・ヴィノグラードフ、ペチェンガが参加した。7月9-15日、アメリカとフィリピンの共同訓練MTA SAMA SAMA 2018にUP-3D電子戦訓練支援機１機で参加。7月18-30日、機雷戦訓練（陸奥湾）および掃海特別訓練（日米印共同訓練）を実施。MST-463うらが、MSO-304あわじ、MSO-305ひらど、掃海艇13隻（MSC-604えのしま、MSC-605ちちじま、MSC-692くろしまなど）、掃海管制艇２隻、P-1哨戒機１機、P-3C哨戒機４機、MCH-101ヘリ３機、アメリカ海軍からMCM-14チーフ、HM-14所属MH-53Eヘリ２機、水中処分員10名、インド海軍から水中処分員４名が参加し、訓練機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。8月5日、第２航空隊P-3C哨戒機１機がスリランカ東方海域でスリランカ空軍ビーチクラフトB200輸送機１機と親善訓練（捜索救難訓練）を実施。8月15-21日、DDG-174きりしまとCVN-76ロナルド・レーガンなどが関東南方から四国南方を経て沖縄周辺に至る空海域で共同巡航訓練を実施。8月16日から10月10日、カカドゥ2018に参加。8月21日から11月17日、平成30年度第１回米国派遣訓練（潜水艦）にSS-506こくりゅうが参加。8月22日、トリンコマリー周辺海域でDD-107いかづちがスリランカ海軍ミサイル艇スラニミラと親善訓練を実施。8月23-24日、LST-4002しもきたがイギリス海軍ドック型輸送揚陸艦L-14アルビオンと静岡県沼津市今沢海岸で日英統合水陸両用作戦訓練を実施。8月24-31日、DD-113さざなみがグアムからダーウィンに至る海空域でオーストラリア海軍05メルボルン、カナダ海軍FFH-335カルガリー、補給艦アステリクス、ニュージーランド海軍F111テ・マナと日豪加新共同巡航訓練を実施。8月25日、LST-4002しもきたがイギリス海軍L-14アルビオンと本州南方海域で共同訓練を実施。8月26-27日、LST-4001おおすみが沖縄周辺海域でLHD-1ワスプ、LSD-48アシュランド、LPD-20グリーン・ベイ、DDG-86シャウプと各種戦術訓練を実施。8月26日から10月30日、DDH-184かが、DD-105いなづま、DD-117すずつき、ヘリ５機で平成30年度インド太平洋方面派遣訓練ISEAD18を実施。8月30日から9月15日、カカドゥ18に参加。8月31日、DDH-184かが、DD-105いなづま、DD-117すずつきがフィリピン西方海空域でCVN-76ロナルド・レーガン、艦艇数隻と各種戦術訓練を実施。9月12日、DDG-177あたごがハワイでJFTM-05試験に参加。9月13日、DDH-184かが、DD-105いなづま、DD-117すずつき、SS-596くろしおが南シナ海で対潜戦訓練を実施。9月16-18日、DD-113さざなみとオーストラリア海軍06ニューキャッスルが共同巡航訓練（各種戦術訓練など）を実施。9月17-21日、SS-596くろしおがベトナム（カムラン港）を海自潜水艦として初めて訪問した。9月21日、アメリカ海軍横須賀基地、自衛隊横須賀病院、横須賀米海軍病院で衛生特別訓練を実施。横須賀地方総監部、自衛隊横須賀病院、横須賀基地業務隊、横須賀衛生隊から160名、アメリカ海軍横須賀基地司令部、横須賀米海軍病院から350名が参加し、アメリカ海軍横須賀基地の一般開放中にダーティボムによるテロが発生したという想定で、トリアージ、応急処置、患者搬送などを訓練した。DD-108あけぼのがクアンタン周辺海域でマレーシア海軍トレンガヌ及びミサイル艇ガニヤンと親善訓練（戦術運動など）を実施。9月22日、DDH-184かが、DD-105いなづま、DD-117すずつきがジャカルタ周辺海域でインドネシア海軍哨戒艦856クラウと親善訓練（戦術運動など）を実施。9月26日、DDH-184かがとDD-105いなづまがスマトラ島西方海空域でイギリス海軍F231アーガイルと共同訓練（戦術運動など）を実施。9月27日、DD-107いかづちがアデン湾でインド海軍F45テグと共同訓練（戦術運動）を実施。舞鶴教育隊プールで第31回海上自衛隊水泳大会を実施。横須賀Ｂが総合優勝した。10月4日、DDH-184かがとDD-105いなづまがコロンボ周辺海空域でスリランカ海軍哨戒艦P822サガラと親善訓練（捜索救難訓練）を実施。10月8-10日、DDH-183いずもが沖縄東方から東シナ海を経て九州西方に至る空海域でCVN-76ロナルド・レーガン及び艦艇数隻と共同巡航訓練（各種戦術訓練など）を実施。10月7-15日、DDH-184かがとDD-105いなづまがインド海軍フリゲートF49サヒャドリ、コルベットP62キルチ、コルベットP29カドマット、補給艦A57シャクティ、キロ級潜水艦１隻、P-8I哨戒機と共同訓練を実施。10月22日から11月24日、平成30年度方面隊実動演習に参加。10月23日、DDH-184かがとDD-105いなづまがシンガポール海軍91ヴァリアントと親善訓練を実施。10月29日、海幕長とインド海軍参謀長が、海自とインド海軍の協力促進に関する取り決め文書に署名した。11月8-16日、DD-118ふゆづきが四国南方から沖縄周辺に至る海空域でCVN-76ロナルド・レーガン、CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、艦艇数隻と共同巡航訓練（各種戦術訓練など）を実施。11月10日、DD-107いかづちがアデン湾でロシア海軍ミサイル駆逐艦セヴェロモルスクと海賊対処訓練を実施。11月14-17日、第81航空隊EP-3電子偵察機１機とOP-3C画像情報収集機１機が東シナ海でアメリカ海軍EP-3E電子偵察機１機と情報交換などの訓練を実施。11月17日、DD-107いかづちがインド海軍哨戒艦P57スナイナと海賊対処訓練を実施。11月18-28日、平成30年度機雷戦訓練（日向灘）および掃海特別訓練を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-305ひらど、MSC-683つのしま、MSC-684なおしま、MSC-687いずしま、MSC-689あおしま、MSC-690みやじま、MSC-691ししじまなど掃海艇17隻、掃海管制艇２隻、MCH-101ヘリ2-3機、アメリカ海軍掃海艦１隻、MH-53E掃海ヘリ２機、水中処分員10名、オーストラリア海軍（初参加）掃海艇85ガスコイン、82ヒューオンが参加し、訓練機雷による機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。11月24-29日、カナダ海軍との共同訓練KAEDEX2018を実施。11月27日から12月5日、DDH-181ひゅうががバシー海峡周辺から関東南方に至る海空域でCVN-76ロナルド・レーガン及び艦艇数隻と共同巡航訓練（各種戦術訓練など）を実施。12月11日、海上保安庁と不審船対処に係る共同訓練を実施。PG-829しらたかとSH-60K哨戒ヘリ１機が、鹿児島南方海空域で巡視船とから、かいもん、たかちほと、情報共有、共同追跡・監視、原発に向かう不審船への対処の各訓練を行った。12月20日、第４航空群第３航空隊所属P-1哨戒機が能登半島沖で韓国海軍ミサイル駆逐艦971広開土大王から射撃管制レーダーを照射された。12月22日、日米英共同訓練を実施。DDH-183いずもとP-1哨戒機が本州南方海空域でアメリカ海軍ヴァージニア級原潜１隻、P-8A哨戒機１機、イギリス海軍フリゲートF231アーガイルと訓練を行った。

2019年1月11-12日、LST-4003くにさきが九州西方海域でLHD-1ワスプ、LPD-20グリーン・ベイなど艦艇数隻と共同巡航訓練を実施。1月25日、パキスタン海軍と共同訓練を実施。第２航空隊P-3C哨戒機２機がカラチ沖でパキスタン海軍P-3C哨戒機１機及び艦艇２隻と捜索救難訓練及び海賊対処訓練を行った。1月27日、スリランカ軍と共同訓練を実施。第２航空隊P-3C哨戒機２機がハンバントタ沖海空域でスリランカ海軍（空軍？）機１機及びスリランカ海軍艦艇２隻と捜索救難訓練及び通信訓練を行った。2月1-10日、平成30年度機雷戦訓練（伊勢湾）を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、掃海艇11隻、掃海管制艇２隻、MCH-101ヘリ1-2機、隊員800名が参加し、訓練機雷による機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。2月13-22日、アメリカ海軍との共同対潜特別訓練を四国沖で実施。海自から護衛艦５隻、潜水艦５隻、航空機数機、アメリカ海軍から潜水艦が参加した。2月27日、DD-120しらぬいが就役し、護衛隊群４個大型汎用護衛艦20隻体制が完成した。3月18-28日、平成30年度日米共同指揮所演習（派米訓練）を実施。自衛艦隊司令官以下40名がアメリカ海軍大学校で第７艦隊司令官以下60名と指揮幕僚活動訓練を行った。3月30日から6月29日、平成30年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）にSS-593まきしおを派遣した。4月14日、DD-104きりさめが九州西方海空域でフランス海軍フリゲートF734ヴァンデミエールと共同訓練（対空戦、機銃射撃、航空機発着艦など）を実施。4月24日、第５航空隊P-3C哨戒機１機がインドのゴア沖の海空域でインド海軍P-8I哨戒機１機及び潜水艦１隻と共同訓練（対潜、通信）を実施。4月26日、第５航空隊P-3C哨戒機１機がブルネイ沖の海空域でブルネイ空軍ヘリ１機及びブルネイ海軍艦艇１隻と共同訓練（捜索救難、通信）を実施。4月30日、平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめ、SH-60Kヘリ４機が、陸自水陸機動団30名を乗せて横須賀を出港。5月3-9日、アメリカ海軍、インド海軍、フィリピン海軍と、九州西方から南シナ海に至る海域で共同訓練を実施。DDH-183いずも、DD-101むらさめ、SH-60Kヘリが、アメリカ海軍DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、MH-60ヘリ、インド海軍D63コルカタ、A57シャクティ、SH-3ヘリ、チェタック、フィリピン海軍17アンドレス・ボニファシオと、各種戦術訓練を行った。5月8-12日、平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめが、拡大ASEAN国防相会議（ADMMプラス）海洋安全保障実動訓練に参加。訓練後はシンガポールのチャンギ港に入港し、IMDEX Asia2019に参加した。5月16日、平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめがチャンギ港を出港。5月19-22日、スマトラ島西方のインド洋で日仏豪米共同訓練ラ・ペルーズ（La Pérouse）を実施。平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめが、フランス海軍空母R91シャルル・ド・ゴール、ホライズン級ミサイル駆逐艦D620フォルバン、FREMM級フリゲートD652プロヴァンス、ジョルジュ・レイグ級駆逐艦D646ラトゥーシュ・トレヴィル、デュランス級補給艦A630マルヌ、オーストラリア海軍アンザック級フリゲートFFH-156トゥーウムバ、コリンズ級潜水艦SSG-73コリンズ、アメリカ海軍アーレイ・バーク級イージス駆逐艦DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンスと、共同訓練（クロスデッキ、写真撮影など）を行った。5月20-29日、グアム島近海などでアメリカ、オーストラリア、韓国との共同訓練を実施。5月20-22日がオーストラリアとの巡航訓練、5月23-28日が４カ国共同訓練パシフィック・ヴァンガード19-1、5月29日が日米・日米豪共同訓練だった。5月23-24日、平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめが、スマトラ島北方のアンダマン海で、インド海軍シヴァリク級フリゲートF49サヒャドリと共同訓練を実施。5月26-29日、平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめがマレーシアのポートクランに寄港。5月29日、平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめがポートクランを出港。ポートクラン沖でマレーシア海軍レキウ級フリゲート30レキウと親善訓練を実施。6月3日、自衛隊家族会、隊友会、水交会と、隊員家族の支援に対する協力に関する中央協定を締結。大規模災害や突発事態発生時に隊員と家族を支援してもらうことになった。6月10-12日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのが、南シナ海でCVN-76ロナルド・レーガン及び艦艇数隻と、日米共同訓練（各種戦術訓練）を実施。6月13-15日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのが、ベトナム沖の南シナ海でカナダ海軍フリゲートFFH-334レジャイナ及び補給艦アステリクスと日加共同訓練KAEDEX19-1を実施。6月15-24日、令和元年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練を実施。MST-463うらが、MSO-304あわじ、MSO-305ひらど、MSC-606はつしま、MSC-683つのしま、MSC-684なおしま、MSC-685とよしま、MSC-689あおしま、アメリカ海軍第５機動水中処分隊第501小隊水中処分員６名が参加し、掃海、掃討、水中処分員による機雷処分の各訓練を行った。6月17日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのが、カムラン沖でベトナム海軍BPS500型コルベットHQ-381と親善訓練（戦術運動、通信、捜索救難）を実施。6月19-20日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのが、CVN-76ロナルド・レーガン及び艦艇数隻と、日米共同訓練（各種戦術訓練）を実施。6月26日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのが、ブルネイ沖で海保巡視船つがると共同訓練（通信、人員輸送）を実施。第１護衛隊群首席幕僚が艦載ヘリでつがるを訪問した。MSC-682のとじまが貨物船と衝突した。6月28日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのが、スールー海で、フィリピン海軍ドック型輸送揚陸艦602ダバオ・デル・スルと捜索救難訓練を実施。7月18-30日、令和元年度機雷戦訓練（陸奥湾）及び掃海特別訓練（日米印共同訓練）を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、掃海艇13隻（MSC-688あいしま、MSC-689あおしま、MSC-683つのしま、MSC-605ちちじま、MSC-604えのしまなど）、掃海管制艇２隻、MCH-101ヘリ３機、P-3C哨戒機４機、P-1哨戒機１機が参加し、アメリカ海軍掃海艦１隻、MH-53Eヘリ２機、水中処分員10名、インド海軍水中処分員４名と、訓練機雷による機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。7月22日、第２航空隊P-3C哨戒機１機がモルディブ国防軍沿岸警備隊哨戒艇シャヒード・アリとモルディブ統合海空域で親善訓練（捜索救難、通信）を実施。8月13-24日、DDG-175みょうこうが、バシー海峡周辺から関東南方に至る海空域で、CVN-76ロナルド・レーガン及び艦艇数隻と日米共同訓練（各種戦術訓練）を行った。8月28日から9月16日、令和元年度米国派遣訓練を実施。第２航空隊P-3C哨戒機１機と隊員40名がハワイ諸島州周辺海空域で対潜戦訓練や魚雷投下訓練などを行った。9月1日、令和元年度離島統合防災訓練に参加。9月3-9日、令和元年度方面隊実動演習（北部方面隊）に参加。9月4-9日、令和元年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）を実施。自衛艦隊司令官を統裁官とし、自衛艦隊各司令部、各地方総監部、システム通信隊群、海自補給本部などから隊員3200名が参加し、海自幹部学校やその他参加部隊所在地で、有事に於ける部隊運用、海上諸作戦等の演練、戦術技量向上、米海軍との連携強化を目的とする図上演習を行った。9月12日から12月18日、令和元年度第１回米国派遣訓練（潜水艦）のため、ハワイ諸島方面にSS-505ずいりゅうを派遣し、対潜戦訓練などを行った。9月15日、MST-464ぶんごとMSC-603たかしまが、インド洋地域各国（バングラデシュ、インド、マレーシア、モルディブ、フィリピン、ベトナム）海軍との海上訓練のため、３ヶ月の予定で出港。9月17-29日と10月15-23日、日豪トライデント共同訓練を実施。DD-102はるさめ、DD-116てるづき、DD-119あさひ、DDG-177あたご、AOE-425ましゅう、P-3C哨戒機、P-1哨戒機が参加し、オーストラリア海軍水上艦、コリンズ級潜水艦SSG-76デシェイノー、航空機と、関東南方から沖縄周辺に至る海空域で、各種戦術訓練を行った。9月20日、横須賀地方総監部、自衛隊横須賀病院、横須賀基地業務隊、横須賀衛生隊の隊員125名が、横須賀米海軍病院250名と、横須賀地方総監部ヘリポート、逸見岸壁、横須賀米海軍病院で、トンネル崩壊事故を想定した日米衛生特別訓練（トリアージ、応急処置、患者搬送など）を行った。9月26日から10月4日、マラバール2019に参加。10月6-7日、MST-464ぶんごとMSC-603たかしまが、バングラデシュのチッタゴンに寄港。10月8日、MST-464ぶんごとMSC-603たかしまが、バングラデシュ海軍コルベットのプロトイ及びミサイル艇ダージョイと親善訓練を実施。10月8-10日、第81航空隊EP-3電子情報収集機１機とOP-3C画像情報収集機１機が東シナ海でアメリカ海軍EP-3E電子戦訓練機１機と共同訓練（情報交換訓練）を実施。10月12日に上陸した台風19号の被害に対する災害派遣に参加。これに伴い、10月14日に実施予定だった観艦式は中止された。10月14-19日、第５航空群第５航空隊P-3C哨戒機２機が米比共同訓練MTA SAMA SAMA 2019に参加。パラワン島東方海空域で、アメリカ海軍P-8A哨戒機１機、艦艇２隻など、フィリピン海軍C-90哨戒機１機、艦艇１隻などと、捜索救難訓練を行った。10月15-16日、DDG-177あたごが、オーストラリア海軍ホバート級イージス駆逐艦39ホバートと、日豪共同訓練（各種戦術訓練）を実施。10月16日、DD-106さみだれと中国海軍052D型ミサイル駆逐艦131太原が日中親善訓練（通信訓練）を実施。10月16-17日、カナダ海軍との共同訓練KAEDEX19-2を実施。10月17日から12月5日、ARC-483むろとが令和元年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加。10月18日、日本政府が国家安全保障会議４大臣会合を開催し、中東のシーレーン安定化のため独自の海自部隊派遣に関する具体的な検討着手を決定。DD-116てるづきとイギリス海軍エコー級測量艦H88エンタープライズが日英共同訓練（通信訓練）を実施。10月24日から11月2日、DD-118ふゆづきが、沖縄南方から関東南方に至る海空域で、CVN-76ロナルド・レーガン及び艦艇数隻と、日米共同訓練（各種戦術訓練）を実施。10月26日から11月21日、令和元年度航空総隊総合訓練（実動訓練）に航空機２機で参加。11月、MST-464ぶんごとMSC-603たかしまがバーレーン周辺海域で第８回国際海上訓練多国間掃海訓練（掃海、潜水、射撃、不測事態対処、洋上補給など）に参加。11月4-15日、ASR-404ちよだがパシフィック・リーチ2019に参加。11月4-21日、令和元年度海上自衛隊演習（実動演習＜日米共同演習及び日米豪加共同訓練＞）を実施。艦艇20隻、航空機40機、アメリカ海軍艦艇５隻（DDG-69ミリアスなど）、P-8A哨戒機、オーストラリア空軍第92航空団第11飛行隊P-8A哨戒機２機、オーストラリア海軍ホバート級イージス艦39ホバート、アンザック級フリゲートFFH154パラマタなど）、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH341オタワが参加し、対潜戦、対水上戦、対空戦などの訓練を行った。11月12-13日、岩国航空基地でアメリカ海軍などと航空掃海システムに関する後方補給態勢会議を開催。第111航空隊司令、第31整備補給隊司令、日米民間企業技術者、アメリカ海軍水上戦センターパナマオフィス職員ら80名が参加し、航空掃海具運用法改善などについて意見交換した。11月18-28日、令和元年度機雷戦訓練（陸奥湾）及び掃海特別訓練（日米豪共同訓練）を実施。MST-463うらが、MSO-304あわじ、掃海艇13隻（MSC-605ちちじま、MSC-685とよしま、MSC-686うくしまなど）、掃海管制艇２隻、MCH-101掃海輸送ヘリ2-3機、アメリカ海軍MCM-9パイオニア、MH-53E掃海ヘリ２機、水中処分員10名、オーストラリア海軍ヒューオン級掃海艇85ガスコイン、86ディアマンティナが参加し、訓練機雷による機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。11月28日、幹部予定者課程出身幹部４名、准尉１名、技官１名の令和元年度永年勤続功労隊員顕彰行事を防衛省で実施。

2020年、まや型イージス護衛艦が就役開始。1月8-9日、海自幹部学校で、中東のシーレーンを航行する日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動を行う艦艇派遣に先立つ図上演習を実施。統裁官は海幕防衛副長で、海幕、自衛艦隊司令部、DD-110たかなみから20名と、オブザーバーとして内閣官房国家安全保障局、外務省、国土交通省の職員らが参加、平時部隊運用・情報伝達要領や、不測事態発生時の対処など、国内・現地における各級指揮官の情勢判断に関する訓練を行っている。1月20-31日、アメリカ海軍主催の固定翼哨戒機多国間共同訓練シードラゴン2020に第５航空隊P-3C哨戒機１機を派遣し、グアム島周辺で対潜戦訓練を行った。1月21日、第２航空隊P-3C哨戒機２機がスリランカ海軍との共同訓練に参加。1月26日から3月9日、コブラ・ゴールド20に自衛艦隊が参加。1月30日、横須賀基地に停泊するDD-110たかなみで、中東のシーレーンを航行する日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動を行う艦艇派遣に先立つ図上演習を実施。自衛艦隊、護衛艦隊、第２護衛隊群、第６護衛隊が参加し、各級指揮官の情勢判断、部隊運用・情報伝達の要領などを訓練した。1月31日から3月8日、グアム島アンダーセン基地及び周辺海空域で行われた日米豪共同訓練コープ・ノース20（捜索救難訓練）にUS-2救難飛行艇１機が参加。2月1-10日、令和元年度機雷戦訓練（伊勢湾）及び掃海特別訓練を実施。MST-464ぶんご、掃海艦・掃海艇16隻（MSO-305ひらど、MSC-688あいしまなど）、掃海管制艇２隻、LST-4003くにさき、LCAC-2106エアクッション艇６号、MCH-101ヘリ２機、陸自AAV-7水陸両用車３両、アメリカ海軍第５機動水中処分隊第501小隊指揮官以下水中処分員10名が参加し、訓練機雷での機雷敷設、掃海、潜水の各訓練を行った。LST-4003くにさきからエアクッション艇とAAV-7が発進し、測定作業（エアクッション艇やAAV-7の放射雑音による音響機雷センサーの反応具合を調べる）を実施している。2月12日、令和元年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）のため、SS-504けんりゅうが呉を出港。2月17-21日、令和元年度対潜特別訓練を実施。潜水艦２隻、護衛艦４隻、航空機数機が参加し、四国沖でアメリカ海軍潜水艦と対潜水艦戦訓練（潜水艦探知・追尾・模擬攻撃など）を行った。2月19日、LST-4001おおすみ、LCAC-2101エアクッション艇１号が、静岡県沼津市今沢海岸でビーチング訓練に参加。2月21-23日、令和元年度日米共同統合防災訓練に参加。2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。2月24日から3月5日、アメリカ海軍大学校で令和元年度日米共同指揮所演習（派米訓練）を実施。海幕、自衛艦隊司令部、幹部学校などから40名、第７艦隊司令部、在日米海軍司令部、太平洋艦隊司令部、アメリカ海軍大学校などから50名が参加し、日本防衛のための日米海上部隊の共同対処などを演練した。2月25日、LST-4001おおすみ、LCAC-2101エアクッション艇１号、LCAC-2103エアクッション艇３号が、宮崎県日向市お倉ヶ浜海岸でビーチング訓練に参加。2月29日から3月5日、アメリカ海軍との共同訓練を実施。DD-157さわぎりとDD-114すずなみが、CG-54アンティータム、DDG-52バリー、DDG-89マスティンと、関東南方からグアム北方に至る太平洋上で、各種戦術訓練を行った。3月5日、若狭湾で海上保安庁との不審船対処共同訓練を実施。PG-828うみたかと第23航空隊SH-60Kヘリ１機が参加し、第８管区海上保安本部巡視船きそ及びえちぜんと、情報共有、共同追跡・監視、原発に向かう不審船への対処、発着船・燃料補給（SH-60Kが巡視船きそに発着船した）の各訓練を行った。3月10日、兼業と秘密保全に関する違反で、護衛艦隊司令部付１等海佐を懲戒免職にした。3月30日、DDG-172しまかぜが中国漁船と衝突した。4月7-8日、中東における情報収集活動のための部隊派遣に伴う図上演習を幹部学校で実施。自衛艦隊司令部、第８護衛隊、DD-104きりさめなどが参加し、各級指揮官の情勢判断や部隊運用・情報伝達要領などの訓練を行った。4月10-11日、DD-108あけぼのが、LHA-6アメリカ、T-AO-194ジョン・エリクソンと共に、東シナ海で日米共同訓練（通信、戦術運動、洋上補給など）を実施。6月15日、アメリカ陸軍との共同訓練を実施。DDH-184かがが関東南方空海域でアメリカ陸軍UH-60Lヘリと発着艦訓練を行った。6月17-26日、令和2年度実機雷処分訓練を実施。隊員500名、MST-463うらが、MSO-304あわじ、MSO-305ひらど、MSC-604えのしま、MSC-605ちちじま、MSC-687いずしま、MSC-690みやじま、MSC-691ししじまが参加し、硫黄島周辺海域で掃海、掃討、水中処分員による機雷処分の各訓練を行った。6月18日、奄美大島北東の接続水域内を西に航行する潜没潜水艦（中国海軍所属と推定）を確認したため、第１航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機、DDH-184かが、DD-115あきづき、DDG-178あしがらで情報収集及び監視を行った。同潜水艦は6月20日午前には鹿児島県横当島西の接続水域外の海中を西に航行している。7月15-16日、潜水艦１隻が四国南方海域でアメリカ海軍航空機数機との対潜特別訓練を実施。7月18-30日、令和2年度機雷戦訓練（陸奥湾）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、MSO-305ひらど、掃海艇11隻（MSC-604えのしま、MSC-605ちちじま、MSC-681すがしま、MSC-684なおしま、MSC-686うくしま、MSC-689あおしま、MSC-691ししじま、MSC-692くろしまなど）、P-1哨戒機２機、P-3C哨戒機３機、MCH-101掃海輸送ヘリ３機、水中処分員15名、アメリカ海軍第７対機雷戦隊掃海艦２隻（MCM-7パトリオット、MCM-9パイオニア）が参加し、訓練機雷による機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。7月18日、DD-116てるづきが南シナ海でフィリピン海軍C-90哨戒機と共同訓練を実施。7月19-23日、南シナ海及びフィリピン東方からグアム周辺海域でアメリカ海軍・オーストラリア海軍との共同演習を実施。DD-116てるづきがオーストラリア国防軍統合任務群L02キャンベラ、39ホバート、FFH-151アランタ、FFH-153スチュアート、O226シリウス、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVW-5、CG-54アンティータム、DDG-89マスティンなどと戦術訓練を行った。7月21-23日、海幕がアメリカ海軍主催多国間共同訓練シーキャット2020の一部である海洋安全保障に関するシンポジウムに参加。8月6日、関東南方空海域でアメリカ陸軍との共同訓練を実施。DD-154あまぎりがアメリカ陸軍UH-60Lヘリと発着艦訓練を行った。8月15-17日、DD-117すずつきとDDG-89マスティンが東シナ海で共同訓練を実施。8月15-18日、DD-107いかづちが沖縄南方海域でCVN-76ロナルド・レーガン及びT-AO-194ジョン・エリクソンなどと共同訓練を実施。8月17-31日、DDH-182いせ、搭載機２機、DDG-178あしがらが、リムパック2020に参加。8月26日から9月11日、令和2年度海上自衛隊演習（総合図演）前段を実施。8月27日から11月28日、令和2年度第１回米国派遣訓練（潜水艦）のため、SS-502うんりゅうをハワイ諸島方面に派遣。8月31日、関東南方空海域でアメリカ陸軍との共同訓練を実施。DD-116てるづきがアメリカ陸軍UH-60Lヘリ２機と発着艦訓練を行った。9月9日から10月17日、DDH-184かが、DD-107いかづち、搭載機３機、SS-510しょうりゅうが令和2年度インド太平洋方面派遣訓練に参加。9月10-13日、日米豪韓共同訓練パシフィック・ヴァンガード20にDDH-182いせとDDG-178あしがらが参加。9月13-17日、令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊がオーストラリア海軍イージス駆逐艦39ホバート、補給艦O226シリウスと南シナ海で共同訓練（洋上補給など）を実施。9月23-24日、令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊がスリランカ海軍哨戒艦ガジャバフとコロンボ周辺海域で共同訓練JA-LAN EX（戦術運動）を実施。9月26-28日、令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊がインド海軍ミサイル駆逐艦D-65チェンナイ、フリゲートF46タルカシュ、補給艦L50ディーパク、シーキング対潜ヘリ、アルエート�Vヘリとインド西方海空域で共同訓練JIMEXを実施。新型コロナウイルス感染防止のため、第32回海上自衛隊水泳大会を全国５地区６会場で初のオンライン開催し、呉（陸上・航空）が総合優勝した。10月1日、情報業務群を廃止し、艦隊情報群を新編。海上訓練指導隊群誘導武器教育訓練隊を廃止し、同群水上戦術開発指導隊を新編。掃海隊群掃海業務支援隊を廃止し、同群水陸両用戦・機雷戦戦術支援隊を新編。対潜資料隊海洋科を気象海洋情報科に、同隊気象科を気象海洋予報科に改編。第101掃海隊を解隊。印刷補給隊を廃止し、業務を東京業務隊に統合。第91航空隊を第81航空隊に統合。横須賀基地船越地区で海上作戦センター（自衛艦隊、護衛艦隊、潜水艦隊、掃海隊群、海洋業務・対潜支援群、艦隊情報群の各司令部を集約）の運用開始記念式典を実施。10月2日から11月15日、ARC-483むろとが令和2年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加し、グアム島周辺海空域で電纜敷設訓練を行った。10月6日、令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊（DDH-184かが、DD-107いかづち）がインドネシア海軍フリゲート358ジョン・リー及びコルベット377スタントと南シナ海で親善訓練（戦術運動、近接運動、通信など）を実施。10月12-23日、令和2年度海上自衛隊演習（総合図演）後段を実施。10月12日、令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊（DDH-184かが、DD-107いかづち）が南シナ海でDDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン及びT-AO-199ティペカノーと共同訓練を実施。10月19-20日、DD-104きりさめが、南シナ海でアメリカ海軍DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン及びオーストラリア海軍フリゲートFFH151アルンタと共同訓練を実施。10月21日、津軽東方海空域でアメリカ海軍との共同訓練を実施。第２航空群P-3C哨戒機１機がP-8A哨戒機１機と対潜戦及び情報交換の各訓練を行った。10月22日、海自先任伍長、自衛艦隊先任伍長、横須賀地方隊先任伍長が、アメリカ太平洋艦隊先任伍長が主催する多国間テレビ会議の上級下士官リーダー・シンポジウムに参加。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、ニュージーランド、フィリピンの下士官らと、新型コロナウイルス感染症下でも自由で開かれたインド太平洋の実現のため協力を続け、意見交換や交流により関係を深化させることで一致した。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。11月3-6日と11月17-20日、マラバール2020に参加。11月6-7日、ベンガル湾で日米豪共同訓練を実施。DD-111おおなみがDDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン及びFFH155バララトと各種戦術訓練を行った。11月7-9日、四国南方海域で日米共同対潜特別訓練を実施。海自から潜水艦３隻と航空機、アメリカ海軍から潜水艦１隻と航空機が参加した。11月12日、日本造船工業会艦艇部会と、コロナ禍における艦船造修の実施に関する申し合わせの署名式を実施。DDG-172しまかぜとFFH151アルンタが九州西方海空域で日豪共同訓練（各種戦術訓練）を実施。11月17日、九州西方海空域でカナダ海軍との日加共同訓練KAEDEX20を実施。DDG-172しまかぜがFFH-338ウィニペグと各種戦術訓練を行った。11月18-28日、日向灘で令和2年度機雷戦訓練及び掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。統制官は掃海隊群司令部幕僚長吉田圭司１等海佐と第７対機雷戦隊司令で、隊員1200名、MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、MSO-305ひらど、掃海艇15隻（MSC-601ひらしま、MSC-602やくしまなど）、MCH-101掃海・輸送ヘリ３機、アメリカ海軍掃海艦２隻、水中処分員10名が参加し、訓練機雷による機雷敷設、掃海、潜水の各訓練を行った。12月2-15日、ヤマサクラ79に参加。12月15-17日、アメリカ海軍及びフランス海軍との共同訓練を実施。DDH-181ひゅうががDDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン及び攻撃原潜S-604エムロードと沖ノ鳥島周辺海空域で対潜訓練を行った。

2021年1月14-28日、令和2年度アメリカ海軍主催固定翼哨戒機多国間共同訓練シー・ドラゴン2021に第１航空群P-1哨戒機２機を派遣し、グアム島周辺で対潜戦訓練を行った。1月14日から4月1日、令和2年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）のため、SS-599せとしおをハワイ方面に派遣し、洋上訓練及びハワイ諸島のアメリカ海軍施設を利用した訓練を行った。1月15日、沖大東島周辺海空域でアメリカ海軍との共同訓練を実施。DDG-173こんごうとDD-119あさひが、CVN-71セオドア・ルーズベルト、CG-52バンカー・ヒル、DDG-113ジョン・フィンと、各種戦術訓練を行った。1月18日から2月28日、コープ・ノース21に隊員30名とUS-2救難飛行艇１機で参加。1月31日から2月4日、在沖縄米軍訓練場とその周辺海空域で、LST-4001おおすみがアメリカ揚陸艦３隻と共同訓練を行う予定だったが、LST-4001おおすみの機器に不具合が発生したため中止になった。2月1-10日、令和2年度機雷戦訓練（伊勢湾）および掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。隊員900名、MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、掃海艇13隻、MCH-101掃海・輸送ヘリ３機、アメリカ海軍水中処分員10名が参加し、訓練機雷による機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練を行った。2月8日、SS-501そうりゅうが商船と衝突した。2月9日から3月16日、TV-3518せとゆき、TV-3520はたかぜ、DD-153ゆうぎりが、第54期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業者108名に対する外洋練習航海を実施。補給のためグアムとサイパンに寄港した。他にもミクロネシア連邦バルキール沖とウエノ島に錨泊する予定だったが、中止になっている。2月11-16日、アマン21に参加。2月12-13日、日米共同統合防災訓練TREXに参加。2月13日、沖縄周辺海域で日米共同訓練ILEX21-1（Interchangeable Logistics Exercise21-1）を実施。AOE-422とわだとT-AKE-10チャールズ・ドリューが洋上補給訓練を行った。2月19日、九州西方海域で日米仏共同訓練を実施。AOE-424はまなが、DDG-54カーティス・ウィルバー、F731プレリアルと洋上補給訓練を行った。2月26日から4月4日、令和2年度第２回米国派遣訓練（護衛艦）にDD-118ふゆづきを派遣した。2月26日、外洋練習航海部隊DD-153ゆうぎりが、グアム周辺海空域でスペイン海軍帆装練習艦ファン・セバスティアン・デ・エルカノと親善訓練（通信、戦術運動）を実施。2月28日、外洋練習航海部隊TV-3518せとゆき、TV-3520はたかぜ、DD-153ゆうぎりが、グアム周辺海空域で、CVN-71セオドア・ルーズベルト、CG-52バンカーヒルと共同訓練（通信、戦術運動）を実施。3月1-5日、関東南方からグアム北方で日米共同訓練を実施。DDH-182いせ、DD-102はるさめ、DD-120しらぬいが、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン、DDG-65ベンフォールドと、各種戦術訓練を行った。3月3日、九州西方海空域で不審船対処に係る海上保安庁との共同訓練を実施。DD-157さわぎり、PG-826おおたか、SH-60J/Kヘリ２機が、巡視船あそ、ほうおう、巡視艇１隻と、重要施設等に向かう不審船を想定した情報共有訓練、共同追跡・監視訓練、停船措置訓練を行った。3月13日、令和3年度近海練習航海部隊TV-3508かしま、MST-463うらが、ATS-4203てんりゅうが第71期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ江田内を出港。令和3年度外洋練習航海（飛行）のため、DD-108あけぼのが第73期飛行幹部候補生課程修了者59名を乗せ江田内を出港。3月19日、DDG-180はぐろ就役でイージス護衛艦８隻体制が完成した。3月23日、種子島東方海空域で日米共同対潜特別訓練を実施。海自から潜水艦１隻と航空機１機、アメリカ海軍から航空機１機が参加し、対潜戦訓練を行った。3月29-31日、南シナ海で日豪共同訓練を実施。DD-108あけぼのがフリゲートFFH-150アンザックと各種戦術訓練を行った。3月29日、東シナ海で日米共同訓練を実施。DDG-173こんごうがLCC-19ブルー・リッジと各種戦術訓練を行った。4月5-7日、ベンガル湾で、日仏米豪印共同訓練ラ・ペルーズ（宗谷海峡の国際名）21に参加。DD-108あけぼの（外洋練習航海中）が、フランス海軍強襲揚陸艦L9014トンネール、フリゲートF711シュルクーフ、アメリカ海軍LPD-25サマセット、オーストラリア海軍FFH-150アンザック、補給艦O226シリウス、インド海軍フリゲートF48サップラ、コルベットP30キルタン、P-8I哨戒機と、対空戦、対水上戦、洋上補給などの各訓練を行った。4月5日、奄美東方海空域で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機１機がP-8A哨戒機１機と対潜戦訓練・情報交換訓練を行った。4月6日、海上保安庁と不審船対処に係る共同訓練を実施。DDG-177あたご、PG-828うみたか、SH-60Kヘリ２機が、巡視船ほたか、ボンバル300固定翼機１機と、情報共有、共同追跡・監視、停船措置の各訓練を行った。4月8日、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化のため、日豪加共同訓練に参加。DD-108あけぼのが、スマトラ島西方海空域で、オーストラリア海軍フリゲートFFH-150アンザック、カナダ海軍フリゲートFFH-335カルガリーと、各種戦術訓練を行った。4月13-15日、第81航空隊EP-3電子情報収集機１機が東シナ海でアメリカ海軍第１偵察航空隊EP-3E電子偵察機１機と情報交換訓練を行った。4月20日、第21航空隊SH-60Kヘリ２機が相模湾でアメリカ海軍HSM-77所属MH-60R汎用ヘリ１機と編隊飛行訓練を行った。5月4日、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化のため、フランス海軍と共同訓練を実施。AOE-425ましゅうが、フランス海軍フリゲートF711シュルクーフと洋上補給訓練を行った。5月7日、MSC-603たかしまが漁船と衝突した。5月11-16日、関東南方海空域で日米共同訓練を実施。DDG-179まやがCVN-76ロナルド・レーガンと各種戦術訓練を行った。5月22日、四国南方海空域で日米共同訓練を実施。AOE-424はまながLHA-6アメリカと洋上補給訓練を行った。5月26-29日、沖縄東方海域で日米共同訓練を実施。DDH-182いせがCVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイロー、T-AO-197ペコスと共同訓練（各種戦術訓練）を行った。6月2日、関東南方海空域で日豪共同訓練を実施。DD-101むらさめがFFH-155バララトと各種戦術訓練を行った。6月4日、日本海で日米共同訓練を実施。DDG-177あたごがアメリカ海軍EA-18G電子戦機２機と防空戦及び電子戦訓練を行った。6月9-19日、LST-4002しもきたとLCAC-2105エアクッション艇５号、LCAC-2106エアクッション艇６号が九州西方海域などで水陸機動団及び第１ヘリコプター団CH-47JAヘリとの水陸両用作戦協同訓練に参加。6月12-14日、沖縄東方海空域で日米共同訓練を実施。LST-4002しもきた、LCAC-2105エアクッション艇５号、LCAC-2106エアクッション艇６号がLHA-6アメリカ、LPD-18ニュー・オーリンズ、LSD-42ジャーマン・タウンと各種戦術訓練を行った。6月13日、インド洋でインド海軍との共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3518せとゆきが、インド海軍コルベットP63クリシュと、戦術運動・通信訓練を行った。6月15日、DDH-183いずも艦内で日米共同訓練を実施。システム通信隊群保全監査隊とアメリカ海軍情報作戦コマンド横須賀NIOC-Yがサイバー攻撃等対処訓練を行った。6月18-24日、第４護衛隊群護衛艦６隻（DDH-184かが、DD-113さざなみ、DD-104きりさめ、DD-105いなづま、DD-106さみだれなど）が空自E-767早期警戒管制機、F-35A戦闘機、F-15J戦闘機、F-2戦闘機との協同訓練（海空混成部隊による対抗戦形式での実戦的な防空戦）に参加。6月19-25日、硫黄島周辺で令和3年度実機雷処分訓練および掃海特別訓練（日米共同訓練）を行う予定だったが、6月23日に悪天候による中止が発表された。6月21日、インド洋で日米共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3518せとゆきが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイロー、DDG-97ハルゼーと、戦術運動・通信訓練を行った。6月22-24日、紀伊半島沖でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。海自潜水艦１隻とP-1哨戒機３機が、アメリカ海軍P-8A哨戒機４機と、対潜訓練を行った。6月23日、グアム西方海空域で日米共同訓練を実施。DD-112まきなみとMk�Y型高速哨戒艇が各種戦術訓練を行った。6月23-24日、関東南方海域で日米共同訓練を実施。DDG-174きりしま、DDG-179まや、DDG-180はぐろ、AOE-423ときわが、DDG-89マスティンと、各種戦術訓練を行った。6月25-30日、オーストラリア北方海空域で日米共同訓練を実施。DD-112まきなみとSH-60Kヘリ１機が、DDG-115ラファエル・ペラルタ、T-AKE-2サカガウェアと、各種戦術訓練を行った。6月29日、東シナ海でインド海軍との共同訓練を実施。AOE-424はまながコルベットP30キルタンと洋上補給訓練を行った。6月30日から7月3日、オーストラリア東方海空域で、自由で開かれたインド太平洋に向けた関係強化のため、アメリカ海軍、オーストラリア海軍、韓国海軍と共同訓練を実施。DD-112まきなみとSH-60Kヘリ１機が、DDG-115ラファエル・ペラルタ、オーストラリア海軍イージス駆逐艦41ブリスベーン、韓国海軍駆逐艦978ワン・ゲオンと、電子戦・戦術運動・通信の各訓練を行った。6月30日、カラット2021にDD-153ゆうぎりが参加。7月5-10日、パシフィック・ヴァンガード21にDD-112まきなみとSH-60Kヘリが参加。7月11-12日、DD-156せとぎりがアデン湾でイギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21との共同訓練（写真撮影、洋上補給）に参加。7月14-17日、DD-112まきなみとSH-60Kヘリがオーストラリア東方沖で日豪韓共同訓練に参加。オーストラリア海軍イージス駆逐艦41ブリスベーン、フリゲートFFH-154パラマタ、韓国海軍駆逐艦978ワン・ゲオンと、電子戦・戦術運動・通信の各訓練を行った。7月18-27日、タリスマン・セイバー21にDD-112まきなみとSH-60Kヘリが参加。7月18-30日、令和3年度機雷戦訓練（陸奥湾）および掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。MST-463うらが、MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、MSO-305ひらど、掃海艇10隻、MCH-101掃海輸送ヘリ２機、P-3C哨戒機３機、P-1哨戒機２機、アメリカ海軍掃海艦MCM-10ウォーリアが参加し、訓練機雷を使用しての機雷敷設、掃海、潜水の各訓練を行った。8月2-27日、DD-112まきなみ、DDH-182いせ、DD-119あさひ、SH-60Kヘリが大規模広域演習LSGE21に参加。8月10-20日、アメリカ海軍主催東南アジア協力訓練SEACAT2021に海幕幹部２名がオンラインで参加。8月14-15日、東シナ海で日米共同訓練を実施。DDG-176ちょうかいがDDG-65ベンフォールドと各種戦術訓練を行った。8月20日から9月22日、SS-511おうりゅうが令和3年度第１回米国派遣訓練（潜水艦）に参加。8月20日から11月25日、令和3年度インド太平洋方面派遣訓練IPD21（Indo-Pacific Deployment 2021）にDDH-184かが、DD-101むらさめ、DD-120しらぬい、搭載機４機、潜水艦１隻、P-1哨戒機１機が参加。8月22-23日、沖縄東方海空域で日米共同訓練を実施。LST-4002しもきたがLPD-18ニュー・オーリンズと各種戦術訓練を行った。8月23日から9月10日、DDH-184かが、DD-101むらさめ、DD-120しらぬい、特別警備隊がマラバール2021に参加。8月24日、フィリピン海で日米英共同訓練を実施。DDH-182いせ（陸自CH-47搭載）とDD-119あさひがイギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF805エフェルトセン、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、アメリカ海軍強襲揚陸艦LHA-6アメリカ、輸送揚陸艦LPD-18ニュー・オーリンズと各種訓練を行った。8月25-26日、沖縄南方海空域で、日英米蘭共同訓練パシフィック・クラウン21-1（Pacific Crown 21-1）を実施。DDH-182いせ、DD-119あさひ、SH-60Kヘリが、イギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと通信訓練を行った。8月25日、東シナ海で海上保安庁と不審船対処に係る共同訓練を実施。DD-117すずつきとSH-60Kヘリが、巡視船しきしま、巡視艇うけゆり、スーパーピューマ332ヘリと、通信、洋上救難、発着艦の各訓練を行った。8月26日、東シナ海で日米共同訓練を実施。AOE-426おうみがアメリカ沿岸警備隊巡視船WMSL-755マンローと洋上補給訓練を行った。8月27-28日、沖縄東方から東シナ海に至る海空域で、日英米蘭共同訓練パシフィック・クラウン21-2（Pacific Crown 21-2）を実施。DDH-182いせ、DD-116てるづき、SH-60Kヘリが、イギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと、各種戦術訓練を行った。9月1日、DDH-184かが、DD-101むらさめ、DD-120しらぬいがパラオ海上保安局巡視船ケダムとの日パラオ親善訓練に参加。9月2-7日、東シナ海から四国南方を経て関東南方に至る海空域で、日英米蘭加共同訓練パシフィック・クラウン21-3（Pacific Crown 21-3）を実施。DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-102はるさめ、DD-110たかなみ、DD-111おおなみ、DD-119あさひ、潜水艦１隻、P-1哨戒機、SH-60Jヘリ、SH-60Kヘリ、空自F-15戦闘機、F-2戦闘機が、イギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21所属R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、同アメリカF-35B戦闘機、D36ディフェンダー、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、E-767早期警戒管制機、アメリカ海軍P-8A哨戒機、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、対抗戦、防空戦、対潜戦などの各訓練を行った。9月2日、関東南方海空域で日米共同訓練を実施。DD-110たかなみがCVN-70カール・ヴィンソンと各種戦術訓練を行った。9月4日、東シナ海で日米共同訓練を実施。AOE-423ときわがDDG-52バリーと洋上補給訓練を行った。9月8-9日、関東東方海空域で日英米蘭加共同訓練共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）を実施。DDH-182いせ、DDH-183いずも、SH-60J/K哨戒ヘリ、MCH-101掃海輸送ヘリが、空自第301飛行隊F-35A戦闘機２機（F-35AX-9/-19）、第302飛行隊F-35A戦闘機２機（F-35AX-14/-20）、E-767早期警戒管制機と共に、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、アメリカF-35B戦闘機、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF805エフェルトセン、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア）、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグと、戦術運動・通信・発着艦・写真撮影の各訓練を行った。9月13-16日、DD-120しらぬいがバヌアツ周辺でバヌアツ警察海上部隊オペレーション・センターと通信訓練を行った。9月14-15日、潜水艦１隻がイギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21所属アスチュート級攻撃原潜１隻と対潜戦訓練を行った。ちなみにこれが初の海自・イギリス海軍潜水艦共同訓練である。9月15日から12月15日、SS-506こくりゅうが令和3年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）に参加。9月16日、システム通信隊群保全監査隊がアメリカ海軍横須賀基地でアメリカ海軍情報作戦コマンド横須賀NIOC-Y（U.S.Navy Information Operation Command Yokosuka）と共同訓練（サイバー攻撃等対処）を行った。9月17日、DD-120しらぬいがニューカレドニア周辺海空域でニューカレドニア駐留フランス軍ファルコン200ガーディアン哨戒機との防空戦訓練に参加。9月18日から10月1日、沖縄南方で日米共同訓練を実施。DDG-176ちょうかい、DD-107いかづち、DDG-174きりしま、DD-152やまぎりが、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、T-AO-204ラパハノックと、防空戦、対空戦、洋上補給、通信などの各訓練を行った。9月18日、DDH-184かが、DD-101むらさめがオーストラリア北方海空域でオーストラリア海軍哨戒艇88マイトランドと戦術運動訓練を実施。9月21日、日本海で日米共同訓練を実施。DDG-175みょうこう、EP-3電子戦データ収集機、OP-3C画像データ収集機、UP-3D電子戦訓練支援機がアメリカ海軍EA-18G電子戦機と防空戦・電子戦訓練を行った。9月24日、DDH-184かが、DD-101むらさめが、インド洋東方海空域でドイツ海軍フリゲートF217バイエルンと各種戦術訓練を実施。若狭湾で海上保安庁と不審船対処共同訓練を実施。PG-824はやぶさ、YDT-01水中処分母船１号、SH-60Kヘリが、巡視船だいせん、あさま、巡視艇あまかぜ、ヘリコプターと、重要施設に向かう不審船対処を想定した情報共有・共同追跡監視・停船措置の各訓練を行った。9月28日から10月1日、令和3年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）を実施。自衛艦隊、佐世保地方隊、システム通信隊群、補給本部が、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊と、海上作戦センター及び参加部隊などの所在地で、上級指揮官情勢判断や部隊運用要領などを演練した。9月29日、DDH-184かが、DD-101むらさめが、インド洋東方海空域でアメリカ海軍給油艦T-AO-202ユーコンと各種戦術訓練を実施。10月2-3日、沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加。DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-152やまぎりが、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセン）、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-67シャイロー、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、対抗戦、防空戦、対潜戦、戦術運動、通信などの各訓練を行った。10月3日、DDH-183いずもが初のF-35B戦闘機発着艦を実施。10月4-9日、南シナ海で日米英蘭加新共同訓練に参加。DD-120しらぬいが、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセン）、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、各種戦術訓練及び洋上補給訓練を行った。10月4日、DDH-184かががスリランカのコロンボ周辺でスリランカ海軍哨戒艦P822サガラと戦術運動・捜索救難訓練などを実施。10月6-8日、DDH-184かが、DD-101むらさめが、インド西方海空域でインド海軍ミサイル駆逐艦D-64コチ、フリゲートF45テグ、MiG-29K、P-8Iなどと、日印共同訓練JIMEX（防空戦、対空訓練射撃、対水上訓練射撃、洋上補給など）を実施。10月8日、システム通信隊群中央システム通信隊、同横須賀システム通信隊、同保全監査隊が、保全監査隊（市ヶ谷地区）で、アメリカ海軍情報作戦コマンド横須賀NIOC-Yと日米共同訓練（サイバー攻撃等対処）を実施。10月11-12日、海幕３名が米比共同訓練サマ・サマ2021にリモートで参加。10月12-16日、四国南方から関東南方に至る海空域で日米共同訓練を実施。DDG-173こんごうが、CVN-76ロナルド・レーガン及びCG-67シャイローと、各種戦術訓練を行った。10月15-18日、ベンガル湾で日米英豪共同訓練Maritime Partnership Exerciseを実施。DDH-184かが、DD-101むらさめが、アメリカ海軍CVN-70カール・ヴィンソン、搭載CVW-1（VFA-147所属F-35C、VFA-192所属F/A-18E、VFA-113所属F/A-18E、VFA-2所属F/A-18F、VAQ-136所属EA-18G、VAW-113所属E-2D）、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-106ストックデイル、DDG-68ザ・サリヴァンズ、T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、第617飛行隊所属F-35B、VMFA-211所属F-35B、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF-239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア）、オーストラリア海軍フリゲートFFH-155バララトと、対抗戦、防空戦、対水上射撃、洋上補給などの訓練を行った。10月19-23日、南シナ海で日米共同訓練を実施。DD-115あきづきがDDG-69ミリアスと各種戦術訓練を行った。10月19-24日、南シナ海で日米共同訓練を実施。DD-120しらぬいが、DDG-76ヒギンズと、各種戦術訓練を行った。10月21日、東シナ海で海上保安庁との不審船対処共同訓練を実施。佐世保地方総監部とDE-229あぶくまが、第10管区海上保安本部、巡視船あかいし、とから、かいもん、たかちほ、固定翼機と、重要施設に向かう不審船対処を想定し、情報共有、共同追跡・監視、停船措置の各訓練を行った。10月25日、沖縄東方海空域で日米豪共同訓練を実施。DD-115あきづきが、DDG-65ベンフォールド、駆逐艦41ブリスベーンと、各種戦術訓練を行った。10月26日、ハイフォン沖で日越親善訓練を実施。DD-120しらぬいが、ベトナム海軍哨戒艇266号と、戦術運動・通信訓練を行った。10月28日から11月4日、南シナ海、東シナ海、日本海で、日米共同訓練を実施。DD-120しらぬいが、DDG-76ヒギンズ、T-AO-198ビッグ・ホーンと、各種戦術訓練を行った。10月28日、房総半島南方空域で日米共同訓練を実施。SH-60J/Kヘリが、アメリカ海軍MH-60Rヘリと、対潜戦訓練を行った。10月29日から11月4日、南シナ海で日米共同訓練を実施。DDH-184かが、DD-101むらさめが、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、CG-67シャイロー、DDG-69ミリアスと、各種戦術訓練を行った。11月2日から12月23日、ARC-483むろとが令和3年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加。11月3日、東シナ海で日米共同訓練を実施。DDH-182いせ、DD-102はるさめ、DD-119あさひ、PG-826おおたか、MSC-601ひらしま、MSC-602やくしま、MSC-603たかしまが、LHA-6アメリカと、各種戦術訓練を行った。東シナ海で日米共同訓練ILEX21-5を実施。AOE-426おうみとDDG-105デューイが洋上補給訓練を行った。11月4-5日、関東南方海空域で日独共同訓練を実施。DD-106さみだれがドイツ海軍フリゲートF217バイエルンと各種戦術訓練を行った。11月5日、厚木航空基地で日米共同訓練を実施。第51航空隊P-1哨戒機１機がアメリカ海軍VAQ-138所属EA-18G電子戦機２機と情報交換訓練を行った。11月7日、カムラン沖で日越親善訓練を実施。DDH-184かが、DD-101むらさめが、ベトナム海軍フリゲートHQ-011ディン・ティエン・ホアンと戦術運動・通信訓練を行った。11月8-12日、南シナ海でアメリカ海軍との共同訓練を実施。DDH-184かが、DD-101むらさめが、DDG-69ミリアスと、各種戦術訓練を行った。11月9日、東シナ海でカナダ海軍との共同訓練KAEDEX21を実施。DE-230じんつうが、フリゲートFFH338ウィニペグと、各種戦術訓練（戦術運動など）を行った。11月10-12日、四国南方海空域で日豪共同訓練トライデントを実施。DD-105いなづまがオーストラリア海軍フリゲートFFH-152ワラムンガと各種戦術訓練を行った。この際、オーストラリアからの要請に基づき、アメリカ軍以外で初となる武器等防護を行っている。11月14-17日、南シナ海でアメリカ海軍との共同訓練を実施。DDH-184かが、DD-101むらさめが、DDG-69ミリアスと、各種戦術訓練を行った。11月14日、南シナ海でフィリピン海軍との親善訓練を実施。DDH-184かが、DD-101むらさめが、フリゲートFF-150ホセ・リサールと、戦術運動・通信訓練を行った。11月16日、南シナ海でアメリカ海軍との共同訓練を実施。DDH-184かが、DD-101むらさめ、おやしお型潜水艦、P-1哨戒機が、DDG-69ミリアス、P-8A哨戒機と、対潜戦訓練を行った。11月18-28日、日向灘で令和3年度機雷戦訓練（日向灘）および掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、MSO-306えたじま、掃海艇15隻（MSC-687いずしま、MSC-690みやじまなど）、MCH-101掃海輸送ヘリ２機、アメリカ海軍掃海艦MCM-10ウォーリア、MCM-14チーフ、MH-53E掃海ヘリ２機が参加し、訓練機雷による機雷敷設戦と対機雷戦の訓練を行った。11月21-30日、令和3年度海上自衛隊演習（実動演習＜日米共同演習および日米豪加独共同訓練＞）を実施。統裁官は自衛艦隊司令官湯浅海将で、海自艦艇20隻（DDH-183いずも、DDG-174きりしま、DDG-176ちょうかい、DD-105いなづま、DD-116てるづき、DD-119あさひ、そうりゅう型潜水艦など）、航空機40機（P-1哨戒機など）、アメリカ海軍艦艇10隻（CVW-2搭載CVN-70カール・ヴィンソン、DDG-106ストックデイル、ロサンゼルス級潜水艦など）、オーストラリア海軍イージス駆逐艦39ホバート、フリゲートFFH152ワラムンガ、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ドイツ海軍フリゲートF217バイエルンが参加し、日本周辺海空域で対潜戦や日米共同統合情報戦などの訓練を行った。11月26日、東シナ海でペルー海軍との親善訓練（日本周辺海域での二国間訓練としては初）を実施。DE-229あぶくまが、コルベットCM-28ギーセと、戦術運動・通信訓練を行った。12月1-13日、ヤマサクラ81に参加。12月12日、MST-463うらがとMSO-305ひらどが令和3年度インド太平洋・中東方面派遣IMED21（Indo-Pacific and Middle East Deployment 21）として横須賀を出港。12月14日、房総半島南方海空域でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。P-1哨戒機、SH-60K哨戒ヘリ、潜水艦が、アメリカ海軍P-8A哨戒機、MH-60R多用途ヘリと、対潜戦訓練を行った。12月16-17日、アメリカ海軍横須賀基地で日米共同訓練（サイバー共同対処訓練）を実施。システム通信隊群保全監査隊がアメリカ海軍情報作戦コマンド・ハワイN3J部とサイバー攻撃等対処訓練を行った。12月22日、伊豆大島東方海域で海上保安庁との共同訓練を実施。自衛艦隊司令部、DD-110たかなみ、DD-152やまぎりが、第３管区海上保安本部、巡視船ぶこう、同あぐにと、尖閣諸島に中国船が接近した事を想定し、情報共有訓練や、護衛艦と巡視船との運動要領に関する訓練を行った。12月27日、MST-463うらがとMSO-305ひらどが、南シナ海でブルネイ海軍哨戒艦07ダルレサンと親善訓練を行った。

2022年、もがみ型護衛艦とたいげい型潜水艦が就役開始。1月2-20日、第３航空隊P-1哨戒機２機と隊員50名が、グアム島周辺海空域で、令和3年度米海軍主催固定翼哨戒機多国間共同訓練シー・ドラゴン2022に参加。1月10-11日、チッタゴン周辺で日バングラデシュ親善訓練を実施。MST-463うらがとMSO-305ひらどがバングラデシュ海軍コルベットのプロッタシャ及びミサイル艇ニアムルと戦術運動訓練などを行った。1月13日、ベンガル湾で日印共同訓練を実施。MST-463うらがとMSO-305ひらどがインド海軍フリゲートF-47シヴァリク及びコルベットP-29カドマットと各種戦術訓練を行った。1月17-22日、沖縄南方海空域で日米共同訓練を実施。DDH-181ひゅうがが、CVN-70カール・ヴィンソン、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、DDG-101グリッドレイ、DDG-111スプルーアンス、LHA-6アメリカ、LHD-2エセックス、LSD-52パール・ハーバーと、各種戦術訓練を行った。1月18日、MST-463うらがとMSO-305ひらどがベンガル湾でスリランカ海軍艦艇と親善訓練を実施。1月28日から2月1日、関東南方海空域でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機が、DDG-62フィッツジェラルド、P-8A哨戒機と、対潜戦訓練を行った。1月31日から2月17日、MST-463うらがとMSO-305ひらどがアメリカ主催国際海上訓練カットラス・エキスプレス2022に参加し、バーレーン周辺海域で機雷敷設戦及び対機雷戦訓練を行った。2月1-10日、令和3年度機雷戦訓練（伊勢湾）および掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。MST-464ぶんご、MSO-304あわじ、MSO-306えたじま、掃海艇12隻（MSC-606はつしま、MSC-689あおしまなど）、MCH-101掃海輸送ヘリ1-3機、アメリカ海軍第５機動水中処分隊UUV操作員５名が参加し、機雷敷設戦と対機雷戦の訓練を行った。2月2-18日、隊員30名と第71航空隊US-2救難飛行艇１機がコープ・ノース・グアム22に参加。2月4-7日、東シナ海と西太平洋で日米共同訓練を実施。DDG-173こんごうとP-3C哨戒機が、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-105デューイ、DDG-111スプルーアンス、LHA-6アメリカ、LHD-2エセックス、LPD-20グリーン・ベイ、LSD-48アシュランド、LSD-52パール・ハーバー、MCM-10ウォーリア、ESB-5ミゲル・キース、P-8A対潜哨戒機と、各種戦術訓練を行った。2月9日、外洋練習航海部隊TV-3520はたかぜとDD-105いなづまが第55期一般幹部候補生課程（部内課程）実習員105名を含む計440名を乗せ江田内を出港。2月14日、第22航空隊第224飛行隊が解隊された。2月16-17日、沖縄東方海空域で日米共同訓練を実施。TV-3520はたかぜとDD-105いなづまが、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-111スプルーアンスと各種戦術訓練を行った。2月19-22日、沖縄周辺海空域で日米共同訓練を実施。DDG-175みょうこうが、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-111スプルーアンスと各種戦術訓練を行った。2月26日、ダナン沖海空域で日越親善訓練を実施。TV-3520はたかぜとDD-105いなづまがベトナム海軍砲艦HQ-277と戦術運動・通信訓練を行った。2月28日から3月4日、関東南方からグアム北方の海空域で日米共同訓練を実施。DDH-181ひゅうがとDD-120しらぬいが、水陸機動団、DDG-52バリー、DDG-69ミリウス、DDG-76ヒギンズ、DDG-105デューイ、T-AKE-4リチャード・Ｅ・バード、アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊と、対地射撃や対水上戦などの訓練を行った。2月28日、コロンボ沖で日スリランカ親善訓練を実施。MST-463うらがとMSO-305ひらどが、スリランカ海軍哨戒艦シンドゥララと、戦術運動訓練などを行った。3月1日、警務隊の改編を実施。3月6日、パラオ周辺で日パラオ親善訓練を実施。TV-3520はたかぜとDD-105いなづまが、パラオ共和国海上保安局巡視船ケダムと、戦術運動・通信訓練を行った。3月8日、日本周辺の太平洋上で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機、OP-3C画像情報収集機、UP-3D電子戦訓練支援機が、アメリカ海軍EA-18G電子戦機と、電子戦訓練を行った。3月8日と10日、相模湾で日米共同訓練を実施。SH-60Kヘリがアメリカ海軍MH-60R汎用ヘリと対潜戦訓練を行った。3月9日、SS-513たいげいが就役し、潜水艦22隻体制が完成した。3月12日、令和4年近海練習航海部隊（その１）のTV-3508かしま、TV-3521しまかぜ、ATS-4202くろべが第72期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ江田内を出港。令和3年度外洋練習航海部隊（飛行）のDD-117すずつきが第74期飛行幹部候補生課程修了者54名を乗せ江田内を出港。3月14-16日、南シナ海で日米豪共同訓練を実施。DD-103ゆうだちが、アメリカ海軍P-8A哨戒機、DDG-92マンセン、オーストラリア空軍AP-3C哨戒機、オーストラリア海軍フリゲートFFH151アランタと、各種戦術訓練を行った。3月15日、MST-463うらがとMSO-305ひらどが、カンボジア海軍と親善訓練を実施。3月15-17日、MST-463うらがとMSO-305ひらどが、カンボジアのシアヌークビル港に寄港。3月17-18日、三陸沖で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がアメリカ海軍P-8A哨戒機と対潜戦などの訓練を行った。3月17日、自衛隊横須賀病院の機能強化により、自衛隊大湊病院、自衛隊舞鶴病院、自衛隊佐世保病院が廃止された。東シナ海で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニーを実施。DD-104きりさめがフリゲートF734ヴァンデミエールと各種戦術訓練を行った。3月22-24日、MST-463うらがとMSO-305ひらどが、マレーシアのコタキナバルに寄港。3月28-29日、東シナ海でEP-3電子戦データ収集機がアメリカ海軍EP-3E電子偵察機と日米共同訓練を行った。3月30日、タイランド湾で日タイ親善訓練を実施。DD-117すずつきがタイ海軍哨戒艇タピと戦術運動・通信訓練を行った。4月3日、MST-463うらがとMSO-305ひらどが令和3年度インド太平洋・中東方面派遣IMED21任務を終えて横須賀基地に帰港。4月8-17日、東シナ海と日本海を含む日本周辺でアメリカ海軍との共同訓練を実施。DDG-173こんごう及びDD-105いなづまが、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-111スプルーアンス、T-AO-199ティペカノー、T-AKE-4リチャード・Ｅ・バードと、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、洋上補給、PHOTOEXなど）を行った。空自第５航空団F-15戦闘機、第８航空団F-2戦闘機、陸自第１ヘリコプター団CH-47JA輸送ヘリ、第１戦闘ヘリコプター隊AH-64D戦闘ヘリも一部訓練に参加、空自機は対艦攻撃訓練を行い、CH-47JA輸送ヘリは水陸機動団隊員が乗り込んでCVN-72エイブラハム・リンカーンに着艦、AH-64DはDD-105いなづまに着艦している。4月9日、鳥取沖で海上保安庁との共同訓練を実施。DD-156せとぎりが、第８管区海上保安本部及びアグスタ139ヘリと、災害発生時の救助者輸送を想定した情報共有及び人員移送訓練を行った。スービック沖で日比親善訓練を実施。DD-117すずつきがフィリピン海軍フリゲートFF-150ホセ・リサールと戦術運動・通信訓練を行った。4月13-14日、日本海でアメリカ海軍との共同訓練を実施。DDG-173こんごうが、CG-53モービル・ベイ及びDDG-111スプルーアンスと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。4月26日、創設70周年記念式典を横須賀芸術劇場大ホールで実施。4月28日、DD-117すずつきが令和3年度外洋練習航海（飛行）を終え呉に帰投。5月9日、南シナ海で日米共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがDDG-101グリッドレイと戦術運動訓練などを行った。5月8-16日、関東南方海空域で日米共同訓練を実施。DD-116てるづき、P-3C哨戒機、UP-3D電子戦訓練支援機が、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータムと、防空戦訓練などを行った。5月11-12日、アメリカ海軍横須賀基地で日米共同訓練を実施。システム通信隊群保全監査隊が、NIOC-HAWAII（U.S.Navy Information Operation Command-Hawaii） N3J部とサイバー攻撃等対処訓練を行った。5月18日、相模湾で日米共同訓練を実施。SH-60J哨戒ヘリがMH-60R汎用ヘリと対潜戦訓練を行った。沖縄周辺海域で日米共同訓練ILEX22-1を実施。AOEはまながDDG-115ラファエル・ペラルタと洋上補給訓練を行った。5月20日、自衛隊横須賀病院と横須賀米海軍病院で日米共同訓練（第24回衛生特別訓練）を実施。横須賀地方総監部、自衛隊横須賀病院、横須賀基地業務隊、横須賀衛生隊の隊員計60名が、横須賀米海軍病院200名と、衛生関係部隊連携要領及び負傷者対応能力向上を目的とした訓練を行った。5月21日、コロンボ沖で日スリランカ親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがスリランカ海軍哨戒艦１隻と戦術運動訓練などを行った。5月22日1545頃、横須賀基地でDE-230じんつうとMST-463うらがが接触事故を起こした。5月23日、アラビア海で日印共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがインド海軍補給艦１隻と戦術運動訓練や洋上補給訓練などを行った。5月24-26日、関東南方海空域で日米共同訓練を実施。DD-116てるづきが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、DDG-65ベンフォールドと、対潜戦訓練などを行った。5月25日、アラビア海で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-2を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがフランス海軍多用途支援艦１隻と戦術運動訓練などを行った。5月31日、房総半島南方海空域で日米共同訓練を実施。潜水艦とSH-60KヘリがMH-60Rヘリと対潜戦訓練を行った。アデン湾で日ジブチ親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがジブチ海軍ダーメンFCS5009型哨戒艇P22アジュダン・アリ・Ｍ・フムド、哨戒艇キャプテン・エルミ・ロブレと戦術運動訓練などを行った。6月6日、地中海で日NATO共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがNATO第２常設海上部隊イタリア海軍FREMM級フリゲートF-592カルロ・マルゴッティーニ及びトルコ海軍バルバロス級フリゲートF246サーリヒレスと戦術運動訓練などを行った。6月8-11日、西太平洋海軍シンポジウムWPNSワークショップ2022を実施。6月13日から10月28日、DDH-183いずも、DD-110たかなみ、DD-104きりさめ、搭載ヘリ４機、潜水艦１隻、第３航空隊P-1哨戒機１機、第71航空隊US-2救難飛行艇１機、第81航空隊UP-3D電子戦訓練支援機１機が、令和4年度インド太平洋方面派遣IPD22（Indo-Pacific Deployment 2022）に参加。DDH-183いずもとDD-110たかなみは第１水上部隊、DD-104きりさめは第２水上部隊として別行動を取っている。6月14日、地中海ツーロン沖で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-3を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがフランス海軍アキテーヌ級駆逐艦D654オーヴェルニュと戦術運動訓練などを行った。6月16日、大西洋ジブラルタル海峡西で日スペイン共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがスペイン海軍F-100級イージス・フリゲートF-102アルミランテ・ファン・デ・ブルボン、サンタ・マリア級フリゲートF-82ヴィクトリアと戦術運動訓練などを行った。6月17-19日、太平洋で日米共同訓練を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみが、アメリカ海軍DDG-102サンプソン及びT-AO-204ラパハノックと、各種戦術訓練（防空戦、洋上補給など）を行った。6月19-24日、太平洋で日米豪共同訓練ノーブル・パートナー22（Noble Partner 22）を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみが、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-101グリッドレイ、DDG-102サンプソン、DDG-111スプルーアンス、オーストラリア海軍強襲揚陸艦L02キャンベラ、フリゲートFFH-152ワラムンガ、補給艦A195サプライと、各種戦術訓練（防空戦など）を行った。6月20日、大西洋イギリス海峡で日英共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがイギリス海軍クイーン・エリザベス級空母R-09プリンス・オブ・ウェールズと写真撮影、リバー級外洋哨戒艦P283マージー及びエコー級海洋観測艦H88エンタープライズと戦術運動訓練などを行った。6月21-30日、硫黄島周辺海域で令和4年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練を実施。MST-464ぶんご、MSO-305ひらど、MSC-601ひらしま、MSC-681すがしま、MSC-686うくしま、MSC-688あいしま、MSC-692くろしま、アメリカ海軍水中処分員など10名が参加し、実機雷による掃海・掃討や水中処分員による機雷処分訓練を行った。6月23日2120頃、MSC-688あいしまが補給のためMST-464ぶんごに横付け作業中、MST-464ぶんごの左舷に接触した。死傷者、浸水、油の流出などは無かった。6月25日、太平洋で日米共同訓練ILEX22-2を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみがT-AO-187ヘンリー・Ｊ・カイザーと洋上補給訓練を行った。6月26日、大西洋イギリス海峡で日英共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがイギリス海軍哨戒艦セヴァーンと戦術運動訓練などを行った。6月27日、ハワイ周辺海空域で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-4を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみがポリネシア駐留フランス軍フリゲートF731プレリアルと各種戦術訓練（戦術運動、LINK-EXなど）を行った。6月27-29日、ハワイのヒッカム統合基地とDDH-183いずもで日米共同訓練（サイバー共同対処訓練）を実施。システム通信隊群保全監査隊とアメリカ海軍NIOC-HAWAIIがサイバー攻撃等対処訓練を行った。6月29日から8月4日、リムパック2022にDDH-183いずも、DD-110たかなみ、搭載ヘリ３機、第３航空隊P-1哨戒機１機、第４整備補給隊が参加。6月30日、伊豆大島東方沖で海上保安庁との共同訓練を実施。DD-152やまぎり、DD-154あまぎり、SH-60K哨戒ヘリが、第３管区海上保安本部、巡視船あきつしま、みやこ、スーパー・ピューマ225ヘリと、情報共有訓練及び護衛艦と巡視船との運動要領に関する訓練を行った。7月4-6日、東シナ海から沖縄東方に至る海空域で日米豪共同訓練を実施。DD-119あさひがDDG-105デューイ及びオーストラリア海軍フリゲートFFH-154パラマタと各種戦術訓練（対水上戦、PHOTEXなど）を行った。7月7日、大西洋で日米共同訓練ILEX22-3を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがT-AOE-8アークティクと洋上補給訓練などを行った。7月13日、南西諸島周辺空域で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がアメリカ海軍P-8A哨戒機と対水上戦訓練を行った。7月15-19日、パシフィック・パートナーシップ2022にDD-104きりさめが参加。7月17-29日、陸奥湾で令和4年度機雷戦訓練（陸奥湾）及び掃海特別訓練を実施。MST-464ぶんご、掃海艦２隻、掃海艇10隻（MSC-605ちちじま、MSC-683つのしまなど）、MCH-101掃海輸送ヘリ２機、P-3C哨戒機４機、P-1哨戒機２機、アメリカ海軍掃海艦２隻（MCM-14チーフなど）、HM-14所属MH-53E掃海ヘリ２機が参加し、訓練機雷を使用しての機雷敷設、掃海、掃討、水中処分員による機雷処分の各訓練を行った。7月17日、カリブ海で日コロンビア親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜがコロンビア海軍フリゲートのアンティオキア及びカルダスと戦術運動訓練などを行った。7月20-22日、パラオ周辺海空域で日パラオ親善訓練を実施。DD-104きりさめがパラオ海上保安局巡視船２隻と通信訓練や情報交換訓練などを行った。7月23-24日、太平洋で日米共同訓練を実施。DD-104きりさめが、LCS-6ジャクソン及びT-AKE-7カール・Ｍ・ブラシアと、各種戦術訓練（戦術運動、洋上補給など）を行った。7月25日、日本周辺の太平洋上で日米共同訓練を実施。DDH-181ひゅうが、DD-105いなづま、DD-112まきなみ、DD-153ゆうぎり、DDG-174きりしま、P-1哨戒機、EP-3電子偵察機、OP-3C情報収集機、UP-3D電子戦訓練機が、アメリカ海軍EA-18G電子戦機と、防空戦・電子戦訓練を行った。相模湾で日米共同訓練を実施。DD-152やまぎりがアメリカ陸軍UH-60L汎用ヘリ２機と発着艦訓練を行った。7月29-31日、ミクロネシア周辺で日ミクロネシア親善訓練を実施。DD-104きりさめが、ミクロネシア連邦国境管理・海上監視部オペレーションセンターと、通信・情報交換訓練などを行った。7月30日、ミクロネシア周辺で日米共同訓練ILEX22-4を実施。DD-104きりさめがT-AKE-14セサール・チャベスと洋上補給訓練を行った。8月1日、日米共同訓練ILEX22-5を実施。太平洋でTV-3508かしまとTV-3521しまかぜがT-AKE-4リチャード・Ｅ・バードと洋上補給などの訓練を行った。8月4日から9月11日、令和4年度第１回米国派遣訓練（潜水艦）にSS-597たかしおを派遣し、日本からグアムに至る海域で、対潜戦訓練などを行った。8月5日、ハワイ周辺で日メキシコ親善訓練を実施。DDH-183いずもが、メキシコ海軍フリゲートのベニート・フアレス及び揚陸艦A412ウスマシンタと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。ハワイ周辺で日チリ親善訓練を実施。DD-110たかなみがチリ海軍フリゲート07アルミランテ・リンチと戦術運動訓練、AS532SCヘリ発着艦訓練、PHOTOEXなどを行った。8月7日、ハワイ周辺で日米共同訓練ILEX22-6を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみがT-AO-197ペコスと洋上補給訓練を行った。8月8-14日、ハワイ周辺で日米豪韓加ミサイル警戒演習パシフィック・ドラゴン2022（Pacific Dragon 2022）を実施。DDG-180はぐろ、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、F/A-18F戦闘機、オーストラリア海軍駆逐艦42シドニー、韓国海軍駆逐艦991セジョン・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH331バンクーバーが弾道ミサイル模擬標的等の追尾に係る情報共有などの訓練を行った。8月8日、インド太平洋方面派遣第２水上部隊DD-104きりさめがソロモン諸島ホニアラに寄港していた際、ブラッディリッジ国立記念公園で乗員１名が現地住民に首筋を刺された。DD-104きりさめ医務室で手当を受け、命に別状は無かった。ソロモン諸島周辺で日米ソロモン親善訓練を実施。DD-104きりさめが、LCS-24オークランド、ソロモン諸島海上警察巡視船タロと、戦術運動訓練やPHOTOEXを行った。ソロモン諸島周辺で日米親善訓練を実施。DD-104きりさめがLCS-24オークランドと戦術運動訓練やPHOTOEXを行った。8月9日、太平洋で日加新共同訓練を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみが、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグ、ニュージーランド海軍補給艦A11アオテアロアと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。8月10日、バヌアツ周辺で日バヌアツ親善訓練を実施。DD-104きりさめがバヌアツ警察海上部隊オペレーションセンターと通信訓練や情報交換訓練などを行った。太平洋で日米共同訓練ILEX22-7を実施。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜが、T-AO-197ペコスと、洋上補給訓練を行った。8月13-24日、沖縄東方で日米共同訓練を実施。DD-111おおなみとDD-152やまぎりが、CVN-76ロナルド・レーガン、LHA-7トリポリ、LPD-18ニュー・オーリンズ、LSD-47ラシュモアと、各種戦術訓練を行った。8月15日、フィジー周辺で日フィジー親善訓練を実施。DD-104きりさめがフィジー共和国海軍哨戒艇キカウと戦術運動訓練などを行った。8月20日と22日、ヌクアロファ周辺で日トンガ親善訓練を実施。DD-104きりさめがトンガ王国海軍哨戒艇ガーハウ・シリヴァと通信・戦術運動訓練を行った。8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22（Pacific Vanguard 22）を実施。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、陸自水陸機動団、アメリカ海軍潜水艦、T-AKE-6アメリア・イアハート、P-8A哨戒機、EA-18G電子戦機、第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、フリゲートFFH-157パース、韓国海軍ミサイル駆逐艦991セジョン・デワン、976ムーンム・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーが、各種戦術訓練（対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜戦など）を行った。8月25-26日、幹部学校で派遣海賊対処行動水上部隊に係る図上演習を実施。海幕、自衛艦隊司令部、派遣護衛艦などが参加し、各級指揮官の情勢判断や部隊運用・情報伝達要領などの訓練を行った。ニューカレドニア周辺で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-5を実施。DD-104きりさめがフランス領ニューカレドニア駐留フランス軍哨戒艦ドントルキャストー及びファルコン200哨戒機などと各種戦術訓練（防空戦等）を行った。8月25日、房総半島南方で対潜特別訓練を実施。P-1哨戒機と潜水艦がアメリカ海軍P-8A哨戒機及びMH-60Rヘリと対潜戦訓練を行った。8月27日、関東南方海域で日シンガポール親善訓練を実施。DD-152やまぎりがシンガポール海軍フリゲート69イントレピッドと戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。8月30日から9月1日、ニューカレドニア周辺で日仏豪共同訓練ラ・ペルーズ22を実施。DD-104きりさめが、フランス領ニューカレドニア駐留フランス軍フリゲートF734ヴァンデミエール、オーストラリア海軍フリゲートFFH-152ワラムンガと、各種戦術訓練（戦術運動、対空戦など）を行った。8月30日から9月7日、グアム周辺から南シナ海で日米加共同訓練ノーブル・レイブン22を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみが、アメリカ海軍DDG-76ヒギンズ、T-AO-194ジョン・エリクソン、T-AO-204ラパハノック、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練を行った。9月5日から10月12日、TV-3508かしまとTV-3521しまかぜなどが令和4年度近海練習航海（その２）を実施。9月11-17日、アンダマン海からベンガル湾で日印共同訓練JIMEX2022を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみが、インド海軍駆逐艦D-55ランヴィジェイ、フリゲートF49サヒャドリ、コルベットP-29カドマット、P-31カヴァラッティ、哨戒艦スカーニャ、補給艦A58ジョティ、潜水艦、P-8I哨戒機、MiG-29K戦闘機、ドルニエ228哨戒機などと、各種戦術訓練（対空射撃、対水上射撃、対潜戦、防空戦、洋上補給など）を行った。9月16-19日、日本周辺（太平洋上）と沼津海浜訓練場で日米共同訓練（輸送特別訓練）を実施。LST-4003くにさき、LCAC-2105エアクッション艇５号、LCAC-2106エアクッション艇６号が、LHA-7トリポリ、LSD-47ラシュモア、LCU-1651（LTV汎用装甲車搭載）、MH-60Sヘリと、ビーチング、捜索救難、PHOTOEXの各訓練を行った。9月12-16日、DD-104きりさめがダーウィン周辺海域でカカドゥ22に参加。9月12-22日、東シナ海を含む日本周辺で日米共同訓練を実施。DD-154あまぎりが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-52バリー、DDG-65ベンフォールド、T-AO-204ラパハノックと、各種戦術訓練（対水上戦、対潜戦、PHOTOEXなど）を行った。9月15日0330頃、種子島南南東の接続水域内を西に航行する中国海軍636型測量艦海洋二十二号をDD-105いなづまと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後これは0720頃に屋久島南の日本の領海内に入り、1052頃に口之永良部島西で領海を出域、西に向かっている。9月21-23日、マレーシア沖からシンガポール沖で日加共同訓練KAEDEX22を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみが、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、各種戦術訓練を行った。9月21-23日、東シナ海で日米共同訓練を実施。EP-3電子偵察機とOP-3C画像情報収集機が、アメリカ海軍EP-3D電子偵察機と、情報交換訓練を行った。9月23日から10月1日、南シナ海で日米加共同訓練ノーブル・レイヴン22-2を実施。DDH-183いずもとDD-110たかなみが、DDG-76ヒギンズ、T-AO-198ビッグ・ホーン、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、各種戦術訓練を行った。9月30日、日本海で日米韓共同訓練を実施。DD-119あさひが、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-52バリー、DDG-65ベンフォールド、SSN-760アナポリス、韓国海軍ミサイル駆逐艦976ムーンム・デワンと、各種戦術訓練（対潜戦、PHOTOEXなど）を行った。10月1-10日、日本海を含む日本周辺海空域で日米共同訓練を実施。DD-119あさひが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-65ベンフォールド、T-AO-202ユーコンと、各種戦術訓練（対水上戦訓練、洋上補給、PHOTOEXなど）を行った。連携強化と訓練調整のため第１護衛隊司令以下連絡調整要員をCVN-76ロナルド・レーガンに派遣し、一部の訓練には陸自も参加している。10月4-8日、南シナ海で日米豪加共同訓練ノーブル・ミスト22を実施。DD-104きりさめが、DDG-69ミリウス、DDG-76ヒギンズ、アメリカ沿岸警備隊巡視船ミジェット、オーストラリア海軍駆逐艦39ホバート、フリゲートFFH-151アルンタ、補給艦A304ストルワート、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、各種戦術訓練（対潜戦など）を行った。10月6日、日本周辺海域で日米韓共同訓練を実施。DDG-178あしがらが、アメリカ海軍CG-62チャンセラーズビル及び韓国海軍駆逐艦991セジョン・デワンと、弾道ミサイル情報共有訓練と各種戦術訓練を行った。10月9日から12月26日、令和4年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）を実施。SS-512とうりゅうと隊員80名が、日本からハワイに至る海域及びハワイ周辺海域とパールハーバー・ヒッカム統合基地で、対潜戦訓練を行った。10月11-18日、スールー海で米豪比主催共同訓練Exercise SAMASAMA/LUMBAS 2022に参加。DD-104きりさめとUS-2救難飛行艇が、アメリカ海軍DDG-69ミリウス、P-8A哨戒機、オーストラリア海軍駆逐艦39ホバート、補給艦A304ストルワート、フィリピン海軍フリゲートFF-150ホセ・リサール、C-90哨戒機など、フランス領ポリネシア駐留フランス軍ファルコン200哨戒機、イギリス海軍哨戒艦P234スペイと、捜索救難・洋上補給などの訓練を行った。10月12日、日本海で海上保安庁との共同訓練を実施。DD-156せとぎり、PG-828うみたか、SH-60K哨戒ヘリが、第８管区海上保安本部、巡視船きそ、あさま、ほたか、巡視艇あおいと、重要施設等に向かう不審船を想定した共同追跡・監視、停船措置、情報共有の各訓練を行った。10月13日、日本海で海上保安庁との共同訓練を実施。大湊地方総監部とDD-120しらぬいが、第２管区海上保安本部、巡視船でわ、つるぎ、しんざん、巡視艇すぎかぜ、MA861哨戒機と、重要施設等に向かう不審船を想定した共同追跡・監視、停船措置、情報共有の各訓練を行った。10月19-21日、南シナ海で日米共同訓練ノーブル・フュージョン22を実施。DD-104きりさめが、LCS-24オークランドと、各種戦術訓練を行った。10月19日、東シナ海で海上保安庁との共同訓練を実施。佐世保地方総監部、DD-157さわぎり、PG-826おおたか、SH-60K哨戒ヘリが、第７管区海上保安本部、巡視船あまみ、ほうおう、ちくごと、重要施設等に向かう不審船を想定した共同追跡・監視、停戦措置、情報共有の各訓練を行った。10月26-27日、日本周辺の太平洋上で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がP-8A哨戒機と情報交換・対潜戦訓練を行った。10月27-28日、沖縄南方で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がP-8A哨戒機と情報交換、対潜戦、対水上戦の各訓練を行った。10月29-30日、沖縄東方で日印共同訓練を実施。AOE-424はまなが、インド海軍F47シヴァリク、P28カモルタと、洋上補給訓練を行った。11月1-2日、アメリカ海軍横須賀基地で日米共同訓練（サイバー共同対処訓練）を実施。システム通信隊群保全監査隊がアメリカ海軍NIOC-HAWAII N3J部とサイバー攻撃等対処訓練を行った。11月1日1950頃、鹿児島県臥蛇島西の接続水域内を北東に航行する636A/B型測量艦海洋二十六号陳景潤を、第１航空群P-1哨戒機、第４航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機、PG-826おおたかが確認した。11月2日0010頃に口之永良部島南西の日本の領海内に入り、0300頃に屋久島南で領海を出域、南東に向かっている。11月6-7日、関東南方海空域で多国間共同訓練を実施。MST-464ぶんご、MSC-605ちちじま、DD-120しらぬい、US-2救難飛行艇、SH-60K哨戒ヘリ、CVN-76ロナルド・レーガン、MH-60S汎用ヘリ、インド海軍、インドネシア海軍、韓国海軍、オーストラリア海軍駆逐艦39ホバート、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグ、シンガポール海軍、タイ海軍、パキスタン海軍、マレーシア海軍の11カ国から艦艇30隻などが参加し、災害派遣・人道支援訓練（捜索救難、負傷者医療搬送、緊急後送）を行った。被災船４隻からSH-60Kヘリで負傷者をMST-464ぶんごに搬送し、CVN-76ロナルド・レーガンから医療従事者をMH-60Sヘリ、駆逐艦39ホバートから医療従事者をSH-60KでMST-464ぶんごに派遣、手術室や再圧タンクでの治療訓練を実施している。US-2救難飛行艇による緊急後送訓練を行う予定だったが、US-2が着水できなかったため、MST-464ぶんごから処分艇に負傷者を乗せUS-2救難飛行艇に向け航行させる訓練のみを行った。11月7-8日、横浜ロイヤルパークホテルで第18回西太平洋海軍シンポジウムを実施。11月8-15日、マラバール2022を実施。11月18-28日、日向灘で令和4年度機雷戦訓練（日向灘）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。MST-464ぶんご、掃海艦３隻、掃海艇16席、MCH-101掃海・輸送ヘリ３機、アメリカ海軍掃海艦２隻、MH-53E掃海ヘリ２機が、機雷敷設戦及び対機雷戦の各訓練を行った。11月16-21日、ハワイ州周辺でDDG-179まやとDDG-180はぐろがJFTM-7試験に参加。11月19-20日、関東南方から四国南方で日米豪共同訓練を実施。DD-156せとぎりが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-69ミリアス、オーストラリア海軍補給艦A304ストルワートと、各種戦術訓練（対空戦、対水上戦、洋上補給など）を行った。11月26日、スービック周辺で日フィリピン親善訓練を実施。DD-102はるさめが、フィリピン海軍哨戒艦PS-39コンラド・ヤプと戦術運動などを行った。12月2-8日、関東南方から四国南方に至る海空域で、日米共同訓練を実施。DD-107いかづちが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイロー、T-AO-194ジョン・エリクソンと、各種戦術訓練（対水上戦、洋上補給など）を行った。12月6日、関東南方海空域で日米共同対潜特別訓練を実施。DDH-183いずも、P-1哨戒機、潜水艦が、アメリカ海軍P-8A哨戒機、MH-60R汎用ヘリと、対潜戦訓練を行った。12月11日、LCAC-2103エアクッション艇３号とLCAC-2104エアクッション艇４号が沼津海浜訓練場でビーチング訓練を実施。12月13日、防衛省が、複数の部下にパワハラを繰り返したとして、一等海佐を２階級降格、上司の海将補を１階級降格とする懲戒処分を行った。12月19日、硫黄島南方からグアム東方に至る海空域で、日米共同訓練を実施。P-1哨戒機が、CVN-68ニミッツ、P-8A哨戒機、F/A-18戦闘機、E-2D早期警戒機、E/A-18G電子戦機、B-52戦略爆撃機と、対水上戦訓練を行った。伊豆大島東方で海上保安庁との共同訓練を実施。DD-110たかなみとDD-116てるづきが、第３管区海上保安本部、巡視船しきね、回転翼機と、情報共有訓練・護衛艦及び巡視船の運動要領等に関する訓練を行った。12月26日、防衛省が、特定秘密を漏洩したとして、当時情報業務群司令だった一等海佐を懲戒免職とした。

2023年1月10日1210頃、DD-105いなづまが伊予灘で座礁事故を起こした。1月15-23日、関東南方から四国南方を経て沖縄周辺に至る海空域で、日米共同訓練を実施。DDG-178あしがらが、CG-54アンティータム、CG-62チャンセラーズビル、CG-67シャイロー、DDG-115ラファエル・ペラルタ、T-AO-194ジョン・エリクソン、T-AKE-11ワシントン・チャンバースと、各種戦術訓練（対空戦、対水上戦、対潜戦）、洋上補給などの訓練を行った。1月19-27日、海上幕僚監部がカラット2023に参加。1月19日から5月23日、MST-463うらがとMSO-304あわじが令和4年度インド太平洋・中東方面派遣IMED23に参加。1月26日、沖縄周辺で日米共同訓練ILEX23を実施。AOE-426おうみが、CG-54アンティータムと、洋上補給訓練を行った。1月27日、日本海で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機が、空自F-35A戦闘機、アメリカ海軍P-8A哨戒機、アメリカ空軍F-16戦闘機、E-3早期警戒管制機、アメリカ海兵隊F-35B戦闘機と、各種戦術訓練を行った。1月30-31日、沖縄南方で日米共同訓練を実施。P-1哨戒機とP-3C哨戒機がアメリカ海軍P-8A哨戒機と各種戦術訓練（対水上戦・対潜戦）と情報交換訓練を行った。2月1-10日、令和4年度機雷戦訓練（伊勢湾）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。LST-4002しもきた、掃海艦２隻、掃海艇７隻（MSC-683つのしま、MSC-690みやじまなど）、MCH-101掃海輸送ヘリ３機が、アメリカ海軍水中処分員・UUV操作員15名と、対機雷戦訓練を行った。2月4日の報道公開ではLST-4002しもきたに仕掛けられた爆薬をEOD員が撤去する爆発物除去訓練が実施されている。2月5日、南シナ海で日米共同訓練を実施。DD-112まきなみがLCS-18チャールストンと各種戦術訓練（対水上戦、LINKEX）やPHOTOEXなどを行った。2月8日、DD-151あさぎりとTV-3521しまかぜが第56期一般幹部候補生課程（部内課程）修了者100名を乗せ外洋練習航海部隊として江田内を出港。2月9-14日、海幕とDD-117すずつきがアマン23に参加。2月16日から3月12日、LST-4001おおすみがアイアンフィスト23に参加。2月22日、日本海でBMDに関する共同訓練を実施。DDG-177あたごが、アメリカ海軍DDG-52バリー、韓国海軍991セジョン・デワンと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。グアム周辺で日米共同訓練を実施。DD-151あさぎりとTV-3521しまかぜが、CVN-68ニミッツ、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤーと、戦術運動訓練などを行った。日本海で日米共同訓練ILEX23-2を実施。AOE-425ましゅうがDDG-52バリーと洋上補給訓練を行った。2月24日から3月7日、令和4年度米国派遣訓練（電磁機動戦）を実施。第81航空隊EP-3電子戦データ収集機１機と人員40名が、ホイッドビー・アイランド海軍航空基地とその周辺空域で、電磁機動戦訓練を行った。2月26日から3月19日、MST-463うらがとMSO-304あわじがバーレーン周辺でアメリカ主催国際海上訓練IMX/CE23に参加し、機雷戦訓練などを行った。2月26日、インドネシアのビトゥン周辺で日インドネシア親善訓練を実施。DD-151あさぎりとTV-3521しまかぜが、インドネシア海軍フリゲート・ファタヒラーと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。2月27日から3月12日、広島湾及び九州西方から沖縄周辺の海空域で、日米共同訓練を実施。LST-4001おおすみ、エアクッション艇１号型LCAC、MSC-601ひらしま、MSC-602やくしまが、LHA-6アメリカ、LSD-48アシュランド、LPD-20グリーンベイ、LCAC、LCU、MH-60Sヘリと、クロスデッキ、船舶誘導、捜索救難、立入検査、PHOTOEXなどの各訓練を行った。2月28日から3月3日、日米共同訓練コープ・エンジェルを実施。US-2救難飛行艇が、アメリカ空軍MC-130J特殊戦輸送機、CV-22特殊戦輸送機、HH-60特殊戦ヘリと、四国南方及び九州南方で捜索救助訓練を行った。3月1日、日米共同訓練を実施。SH-60Kヘリがアメリカ海軍MH-60Rヘリと対潜戦訓練を行った。3月6-8日、日米豪共同訓練を実施。第31航空群EP-3電子戦データ収集機１機、同OP-3C画像データ収集機１機が、航空戦術教導団RC-2電波情報収集機１機、在日米空軍第55航空団RC-135偵察機１機、オーストラリア空軍監視・即応団P-8A哨戒機１機と、九州周辺空域で情報交換訓練、海自岩国航空基地で部隊間交流を行った。3月11日、TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが第73期一般幹部候補生課程修了者170名を乗せ近海練習航海部隊として江田島を出港。DD-104きりさめが第75期飛行幹部候補生課程修了者40名を乗せ、外洋練習航海（飛行）のため江田内を出港。3月13-14日、DD-117すずつきが日仏米豪印英加新共同訓練ラ・ペルーズ23に参加。3月13日から3月30日、第１航空隊P-1哨戒機と人員40名が、グアムと周辺海空域で令和4年度アメリカ海軍主催固定翼哨戒機多国間共同訓練シードラゴン2023に参加し、対潜戦訓練を行った。3月16日、令和3年度永年勤続功労隊員顕彰を実施。3月17日、外洋練習航海部隊（DD-151あさぎりとTV-3521しまかぜ）が帰投した。3月18日、日米共同訓練を実施。DDG-177あたごが、DDG-69ミリアスと、日本海で弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。3月19日、日米共同訓練を実施。DDG-177あたごが、DDG-69ミリアスと、日本海で各種戦術訓練を行った。3月23-26日、日米共同訓練を実施。DDH-182いせが、陸自西部方面隊、CVN-68ニミッツ、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤーと、太平洋から東シナ海で各種戦術訓練（対潜戦、対空戦、対水上戦）、PHOTOEXなどを行った。3月24-25日、日米共同訓練を実施。DD-104きりさめが、DDG-93チャンフーン及びDDG-69ミリアスと、南シナ海で各種戦術訓練（対水上戦、LINKEX）やPHOTOEXなどを行った。4月1日、開発隊群が組織改編を実施。4月3-4日、東シナ海で日米韓共同訓練を実施。DD-158うみぎりが、CVN-68ニミッツ、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤー、977テー・ジョヨン、981チェ・ヨン、992ユルゴク・イイ、51ソヤンと、対潜戦、捜索救難、PHOTOEXなどの各訓練を行った。4月4-6日、東シナ海から太平洋で日米共同訓練を実施。DD-158うみぎりが、CVN-68ニミッツ、CG-52バンカー・ヒル、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤーと、各種戦術訓練（LINKEX、クロスデッキ）などを行った。4月5日、マラッカ海峡周辺で日マレーシア親善訓練を実施。DD-104きりさめが、フリゲート30レキウと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。4月11日、ムアラ周辺で日ブルネイ親善訓練を実施。DD-104きりさめが、哨戒艦09ダルタクワと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。4月13-14日、南シナ海で日米共同訓練を実施。DD-104きりさめが、DDG-69ミリアスと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。4月13日、相模湾で日米共同訓練を実施。SH-60KヘリがMH-60Rヘリと対潜戦訓練を行った。4月17日、日本海で日米韓共同訓練を実施。DDG-177あたごが、DDG-65ベンフォールド、992ユルゴク・イイと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。4月19-20日、日本周辺の太平洋上で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がP-8A哨戒機と各種戦術訓練（対潜戦、LINKEX）を行った。4月20日から9月17日、令和5年度インド太平洋方面派遣IPD23を実施。第１水上部隊DDH-183いずも、DD-106さみだれ、DD-120しらぬい、搭載航空機４機、第２水上部隊LST-4002しもきた、LCAC２隻、第３水上部隊FFM-2くまの、潜水艦部隊潜水艦１隻が、インド太平洋地域の各国海軍などとの共同訓練などを行った。4月20-21日、関東南方で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー23を実施。FFM-2くまのがF731プレリアルと各種戦術訓練（戦術運動、LINKEXなど）を行った。4月21日、房総沖でアメリカ海軍との対潜特別訓練を実施。P-3C哨戒機と潜水艦がP-8A哨戒機と対潜戦訓練を行った。相模湾で日米共同訓練を実施。DD-101むらさめがアメリカ陸軍UH-60Lヘリと発着艦訓練を行った。4月24-26日、カンボジア海軍との親善行事及び親善訓練を実施。シアヌークビル港及びリアム海軍基地などで、令和4年度インド太平洋・中東方面派遣IMED23部隊MST-463うらがとMSO-304あわじが、親善行事（表敬、艦艇公開など）及びリアム海軍基地所属隊員との親善訓練（応急工作器材の実演展示）を行った。5月8-10日、日本周辺の太平洋上で日米共同訓練を実施。EP-3電子情報収集機とOP-3C画像情報収集機が、アメリカ海軍EA-18G電子戦機と、電磁機動戦訓練を行った。5月9日、第２航空群がシー・ガーディアンUAVの実運用試験を開始。5月11日、ジャワ海で日インドネシア親善訓練を実施。令和5年度インド太平洋方面派遣IPD23第３水上部隊FFM-2くまのがインドネシア海軍コルベット・パチムラと戦術運動訓練やPHOTOEXを行った。5月18-19日、太平洋から東シナ海で日米共同訓練を実施。DD-109ありあけが、CVN-68ニミッツ、DDG-108ウェイン・Ｅ・メイヤーと、各種戦術訓練（LINKEXなど）を行った。5月23-24日、本州南方で日米共同訓練を実施。令和5年度インド太平洋方面派遣IPD23第１水上部隊DD-120しらぬいが、CVN-68ニミッツ、CG-52バンカー・ヒル、DDG-108ウェイン・Ｅ・メイヤーと、各種戦術訓練（対水上戦、LINKEXなど）を行った。5月25日、相模湾で日米共同訓練を実施。SH-60Kヘリがアメリカ海軍MH-60Rヘリと対潜戦訓練を行った。5月27日、金刀比羅宮で第72回掃海殉職者追悼式を行い、LST-4001おおすみ、MSO-306えたじま、MSC-684なおしまが参加した。5月29日、関東南方で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー23-2を実施。DD-152やまぎりがフランス海軍フリゲートD-657ロレーヌと各種戦術訓練（戦術運動、LINKEXなど）やPHOTOEXを行った。6月2日から7月13日、令和5年度米国派遣訓練（護衛艦）を実施。DD-117すずつきと搭載航空機が、ハワイ周辺でミサイル射撃訓練を行った。6月3-5日、アメリカ主催大規模広域訓練LSGE23の一環として、日米豪加共同訓練ノーブル・ウルフを実施。DD-120しらぬいとP-1哨戒機が、DDG-93チャンフーン、オーストラリア海軍FFH-150アンザック、カナダ海軍フリゲート・モントリオール、補給艦アステリクスと、各種戦術訓練（対水上戦、LINKEXなど）及びPHOTOEXを行った。6月3-15日、日本周辺の太平洋上で日米豪共同訓練を実施。P-3C哨戒機と潜水艦が、アメリカ海軍P-8A哨戒機及びオーストラリア海軍P-8A哨戒機と、各種戦術訓練（対潜戦、LINKEXなど）を行った。6月4-9日、コモド2023に参加。6月4日、ダッチハーバー周辺で日米共同訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、アメリカ沿岸警備隊巡視船WMSL-750バーソロフと、戦術運動・PHOTOEXなどを行った。6月7-10日、沖縄東方海空域でアメリカ主催大規模広域訓練LSGE23の一環として日米仏共同訓練Multi Big-Deck Eventを実施。DDH-183いずも、DD-106さみだれが、第９航空団F-15戦闘機４機、南西航空警戒管制団、アメリカ空軍B-52H爆撃機、アメリカ海軍CVN-68ニミッツ、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-52バンカーヒル、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-73ディケイター、DDG-93チャンフーン、DDG-108ウェイン・Ｅ・メイヤー、DDG-115ラファエル・ペラルタ、フランス海軍D-657ロレーヌと、各種戦術訓練（対潜戦、対空戦、対水上戦、LINKEXなど）及びPHOTOEXを行った。6月7日、四国南方海空域で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー23-3を実施。FFM-2くまのと潜水艦が、空自第８航空団F-2戦闘機４機、西部航空警戒管制団、フランス海軍D-657ロレーヌと、各種戦術訓練（対潜戦、対空戦、対水上戦、LINKEXなど）を行った。6月10-14日、沖縄南方から南シナ海でアメリカ主催大規模広域訓練LGSE23の一環として日米加仏共同訓練ノーブル・タイフーンを実施。DDH-183いずもとDD-106さみだれが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-93チャンフーン、DDG-115ラファエル・ペラルタ、T-AO-204ラパハノック、カナダ海軍フリゲート・モントリオール、フランス海軍D-657ロレーヌと、各種戦術訓練（対水上戦、対空戦、対潜戦、LINKEXなど）及び洋上補給訓練を行った。6月13-14日、ビクトリア周辺で日加共同訓練KAEDEX23を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、カナダ海軍FFH338ウィニペグと、各種戦術訓練（戦術運動、PHOTOEX、LINKEXなど）を行った。6月14-19日、南シナ海でアメリカ主催大規模広域訓練LSGE23の一環として日米加共同訓練ノーブル・レイブン23を実施。DDH-183いずもが、DDG-115ラファエル・ペラルタ及びカナダ海軍フリゲート・モントリオールと、各種戦術訓練（対水上戦、対潜戦、LINKEXなど）及び洋上補給訓練を行った。6月14-19日、南シナ海でアメリカ主催大規模広域訓練LSGE23の一環として日米仏共同訓練ノーブル・バッファローを実施。DD-106さみだれが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62ロバート・スモールズ、フランス海軍D-657ロレーヌと、各種戦術訓練（対水上戦、対潜戦、LINKEXなど）を行った。6月20-29日、硫黄島周辺で令和5年度実機雷処分訓練（通算50回目）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。MST-463うらが、LST-4001おおすみ、MSC-601ひらしま、MSC-683つのしま、MSC-684なおしま、MSC-690みやじま、MSC-691ししじま、アメリカ海軍水中処分員等20名が、対機雷戦（機雷掃討）訓練と水中処分訓練を行った。6月22日、伊豆大島沖で海保との有事を想定した初の実動訓練を実施。DD-152やまぎりとSH-60Kヘリが、海保巡視船PLH-03さがみと、離島住民避難訓練（やまぎりが周辺海域警備、さがみが離島住民を避難）を行った。6月23日から7月22日、令和5年度第１回米国派遣訓練（潜水艦）を実施。SS-598やえしおがグアム島周辺で対潜戦訓練を行った。6月23日、南シナ海で日ベトナム親善訓練を実施。DDH-183いずもとDD-106さみだれが、ベトナム海軍フリゲートHQ-012リ・タイ・トと、通信訓練や戦術運動訓練などを行った。6月24-25日、南シナ海で日豪共同訓練トライデント23を実施。DDH-183いずもとDD-106さみだれが、オーストラリア海軍FFH150アンザック、オーストラリア空軍P-8A哨戒機と、各種戦術訓練（対水上戦、対空戦、LINKEXなど）及びPHOTOEXを行った。6月24日、キリバス周辺で日豪キリバス親善訓練を実施。DD-120しらぬいが、キリバス共和国警察巡視船テアノアイ�Uと、情報交換訓練などを行った。テアノアイ�Uには海上保安庁MCT（Mobile Cooperation Team）とオーストラリア海事サービスアドバイザーが乗り込み、キリバス共和国に対する能力向上支援を行っている。7月1-10日、パシフィック・ヴァンガード2023を実施。7月3日、東シナ海で日伊共同訓練を実施。AOE-424はまながイタリア海軍P431フランチェスコ・モロジーニと洋上補給・戦術運動などの訓練を行った。7月5-10日、ビシャカパトナム港とベンガル湾周辺海空域で日印共同訓練JIMEX2023を実施。DD-106さみだれが、インド海軍D61デリー、P28カモルタ、A57シャクティ、潜水艦、P-8I哨戒機、Do-228哨戒機などと、艦艇相互訪問、艦上レセプション、スポーツ交流、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、防空戦など）、洋上補給訓練、PHOTOEXなどを行った。7月11日、四国南方で日米共同訓練を実施。DD-117すずつきがLCC-19ブルー・リッジと各種戦術訓練などを行った。珊瑚海で日パプアニューギニア親善訓練を実施。DDH-183いずもがパプアニューギニア軍哨戒艇フランシスアグウィと通信訓練や戦術運動などを行った。7月14-15日、カヤオ沖で日ペルー親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、ペルー海軍フリゲート・パラシオス、コルベット・フェッレ、潜水艦と、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。7月16-28日、陸奥湾で令和5年度機雷戦訓練（陸奥湾）及び掃海特別訓練（日米印伊共同）を実施。MST-463うらが、護衛艦２隻（FFM-1もがみなど。無人機雷排除システム用USVやOZZ-5を運用）、掃海艦２隻、掃海艇８隻（MSC-601ひらしま、MSC-604えのしま、MSC-606はつしま、MSC-684なおしま、MSC-688あいしま、MSC-690みやじま、MSC-692くろしまなど）、MCH-101掃海輸送ヘリ、P-3C哨戒機、P-1哨戒機が、アメリカ海軍掃海艦MCM-7ペイトリオット、HM-15所属MH-53E掃海ヘリ、インド海軍水中処分員、イタリア海軍水中処分員と、訓練機雷を使用した機雷敷設訓練、掃海、掃討、水中処分員による機雷処分訓練及び潜水訓練を行った。7月16日、日本海で日米韓共同訓練を実施。DDG-179まやが、DDG-113ジョン・フィン、992ユルゴク・イイと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。7月17日、日本海で日米共同訓練ILEX23-3を実施。AOE-425ましゅうがDDG-114ラルフ・ジョンソンと洋上補給訓練を行った。7月20日から8月4日、タリスマン・セイバー23に参加。7月23日、バルパライソ沖で日チリ親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、チリ海軍フリゲート・コクレーン及びコンデルと、戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。7月27日、パラオ共和国周辺で日パラオ親善訓練を実施。DD-120しらぬいがパラオ共和国海上保安局巡視船ケダムと情報交換訓練などを行った。7月28日、紀伊半島南東で日米共同訓練ILEX23-4を実施。AOE-423ときわがDDG-65ベンフォールドと洋上補給訓練を行った。7月29日、コロンボ沖で日スリランカ親善訓練を実施。DD-106さみだれがスリランカ海軍P626ガジャバフと戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。8月3日、ブエノスアイレス沖で日アルゼンチン親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、アルゼンチン海軍哨戒艇P54コントラールミラント・コルデロ、H-3ヘリ、B-200海洋監視機と、戦術運動、クロスデッキ、PHOTOEXの各訓練を行った。8月4日、ホニアラ港で日ソロモン親善訓練を実施。DD-120しらぬいがソロモン諸島海上警察立入検査部隊と立入検査訓練を行った。8月6-13日、第５回日ASEAN乗艦協力プログラムと、第１回日太平洋島嶼国及び東ティモール乗艦協力プログラムを、DDH-183いずも艦上で実施。オーストラリア周辺海域のDDH-183いずも艦上で、防衛政策局インド太平洋地域参事官付３名、海上幕僚監部１名、ASEAN加盟７カ国、太平洋島嶼国10カ国（ソロモン諸島とパプアニューギニアも加わる予定だったが不参加）、東ティモールが参加し、海上保安庁による海洋に関する国際法セミナーなど各種セミナー、訓練見学、搭載航空機体験搭乗、各国参加者による海洋安全保障に関する発表などを行った。8月10日、ニューカレドニア周辺で日仏共同訓練オグリヴェルニー23-4を実施。LST-4002しもきたが、フランス領ニューカレドニア駐留フランス軍哨戒艦P779オーガスト・ベネビッグと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。リオデジャネイロ沖で日ブラジル親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、ブラジル海軍F44インデペンデンシア、F45ウニアン、AH-11Bヘリ、UH-12ヘリと、戦術運動訓練を行った。8月11-21日、マラバール2023に参加。8月14-16日、DD-106さみだれがシンガポールでアメリカ海軍主催多国間共同訓練SEACAT2023に参加。8月21-25日、沖縄東方から関東南方で日米共同訓練を実施。DDG-179まやとCVN-76ロナルド・レーガンが各種戦術訓練（LINKEX、クロスデッキ）などを行った。8月21-28日、千島列島東方から関東南方で日米加共同訓練ノーブル・チヌークを実施。DDH-181ひゅうがが、DDG-65ベンフォールド、カナダ海軍FFH-341オタワ、FFH-331バンクーバー、補給艦アステリクスと、各種戦術訓練（対水上戦、クロスデッキなど）、PHOTOEXを行った。8月24日、マニラ周辺海空域で日米豪比共同訓練を実施。DDH-183いずもとDD-106さみだれが、アメリカ海軍LCS-26モービル、オーストラリア海軍L02キャンベラ、FFH-150アンザック、オーストラリア空軍F-35A戦闘機、フィリピン海軍602ダバオ・デル・スルと、洋上補給訓練やPHOTOEXを行った。ブラジルのレシフェ沖で日ブラジル親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、ブラジル海軍哨戒艦マカウと、戦術運動訓練、PHOTOEX、通信訓練を行った。8月29日から9月1日、東シナ海で日米共同訓練を実施。EP-3電子情報収集機とOP-3C画像情報収集機が、アメリカ海軍EP-3E電子情報収集機と、情報交歓訓練を行った。8月29日、東シナ海で日米韓共同訓練を実施。DDG-180はぐろが、DDG-65ベンフォールド、992ユルゴク・イイと、弾道ミサイル情報共有訓練を含む各種戦術訓練を行った。8月30日、トンガ王国周辺で日トンガ親善訓練を実施。DD-120しらぬいがトンガ海軍哨戒艇ガーハウ・コウラと通信訓練や戦術運動などを行った。9月4日、令和5年度インド太平洋方面派遣IPD23部隊が南シナ海で対潜訓練を実施。DDH-183いずもとDD-106さみだれがIPD23潜水艦部隊の潜水艦と対潜戦やPHOTOEXなどを行った。9月5-6日、沖縄南方で日米加共同訓練ノーブル・スティングレイを実施。DDH-183いずも、DD-106さみだれ、潜水艦が、DDG-114ラルフ・ジョンソン、FFH-341オタワと、各種戦術訓練（対潜戦など）やPHOTOEXを行った。9月8日、カルタヘナ周辺海域で日米コロンビア親善訓練を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、LCS-7デトロイト、コロンビア海軍哨戒艦ビクトリア、AS365ヘリと、戦術運動、PHOTOEX、クロスデッキの各訓練を行った。9月19日から12月21日、令和5年度第２回米国派遣訓練（潜水艦）を実施。SS-508せきりゅうがハワイ諸島周辺及びパールハーバー・ヒッカム統合基地で対潜戦訓練を行った。9月19日、サンディエゴ沖で日米共同訓練ILEX23-5を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜがT-AO-187ヘンリー・Ｊ・カイザーと洋上補給訓練を行った。9月21日、相模湾で日米共同訓練を実施。DD-103ゆうだちがCG-62ロバート・スモールズと戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。9月22日から10月6日、ホイッドビー・アイランド海軍航空基地と周辺空域で、令和5年度米国派遣訓練（電磁機動戦）を実施。第81航空隊EP-3電子情報収集機が電磁機動戦訓練を行った。9月25日から10月3日、九州西方から四国沖を経て駿河湾に至る海空域と沼津海浜訓練場で日米共同訓練（輸送特別訓練）を実施。LST-4002しもきた、LCAC、FFM-4みくま、MSC-602やくしま、MSC-603たかしま、MCH-101掃海・輸送ヘリが、アメリカ海軍LCACと、クロスデッキ（LCAC）、ビーチング、捜索救難、LCAC整備、PHOTOEXの各訓練を行った。9月27日、関東南方で日米共同訓練を実施。FFM-2くまのが、LCS-24オークランド、レンジャーUSV、マリナーUSVと、戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。9月30日から10月7日、関東南方から東シナ海で日米共同訓練を実施。DD-103ゆうだちとFFM-3のしろが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-86シャウプと、各種戦術訓練（LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。10月2-13日、米比主催共同訓練EXERCISE SAMASAMA2023にDD-108あけぼのが参加。10月3-6日、令和5年度海上自衛隊演習（図上演習＜共同演習＞）を実施。自衛艦隊、各地方隊、システム通信隊群、海自補給本部などが参加し、海上作戦センターや参加部隊等所在地で、平時から武力攻撃事態における各種作戦・事案への対応要領を演練した。10月4日、秋田沖で海上保安庁との共同訓練を実施。DE-231おおよどが、第２管区海上保安本部、巡視船しんざん、つるぎ、巡視艇すぎかぜ、ビーチ350型、シー・ガーディアンと、情報共有、共同追跡・監視、停船措置の各訓練を行った。10月6-8日、佐世保港及び九州西方海域で日米共同訓練ILEX23-6を実施。AOE-426おうみがアメリカ海軍油槽船アカディア・トレーダーと洋上補給訓練を行った。10月9-10日、東シナ海で日米韓共同訓練を実施。DDH-181ひゅうがが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-86シャウプ、韓国海軍992ユルゴク・イイ、AOE57チョンジーと、各種戦術訓練（対潜戦、電子戦、LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。10月16-18日、南シナ海で日米共同訓練を実施。DD-108あけぼのが、DDG-105デューイ、LCS-10ガブリエル・ギフォーズと、各種戦術訓練（戦術運動、LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。東シナ海で日米共同訓練を実施。FFM-3のしろが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-86シャウプと、各種戦術訓練（LINKEXなど）を行った。10月18-25日、第11回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラムを実施。10月23-27日、与那国島東方、宮古島東方、沖縄本島南方で、日米共同訓練レスキュー・フラッグ・オキナワを実施。第71航空隊US-2救難飛行艇が、空自那覇救難隊U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリ、アメリカ空軍第353特殊作戦航空団MC-130J特殊作戦機、第33救難飛行隊HH-60G特殊作戦ヘリと、捜索救助訓練（外洋でのUS-2救難飛行艇からHH-60G特殊作戦ヘリへの患者移送など）を行った。10月23日、南シナ海で日米豪加新共同訓練ノーブル・カリブーを実施。DD-108あけぼのが、DDG-115ラファエル・ペラルタ、オーストラリア海軍41ブリスベーン、カナダ海軍FFH-341オタワ、ニュージーランド海軍F111テ・マナと、各種戦術訓練（通信、戦術運動など）、PHOTOEXを行った。10月26日、北海道西方で海上保安庁との共同訓練を実施。PG-827くまたかが、第１管区海上保安本部、巡視船ほろべつ、おくしりと、情報共有訓練、ミサイル艇及び巡視船の運動要領等に関する訓練を行った。10月30-31日、沖縄南方で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がP-8A哨戒機と各種戦術訓練（LINKEX、対潜戦）を行った。日本周辺の太平洋上で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がP-8A哨戒機と各種戦術訓練（LINKEX、対潜戦）を行った。10月31日、トリンコマリー沖で日スリランカ親善訓練を実施。DD-108あけぼのがスリランカ海軍L880シャクティと戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。11月4-7日、日米共同訓練を実施。DDH-181ひゅうがが、CVN-70カール・ヴィンソン、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-59プリンストン、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-70ホッパー、DDG-86シャウプ、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンスと、各種戦術訓練（LINKEX、クロスデッキなど）、PHOTOEXを行った。11月10-20日、日本周辺海空域で令和5年度海上自衛隊演習（実動演習（共同演習））を実施。DDH-181ひゅうがなど艦艇15隻、P-1哨戒機など航空機20機が、アメリカ海軍CVN-70カール・ヴィンソンなど艦艇10隻、P-8A哨戒機など航空機10機、オーストラリア海軍41ブリスベーンなど艦艇２隻、オーストラリア空軍P-8A哨戒機１機、カナダ海軍FFH-331バンクーバーなど艦艇２隻、カナダ空軍CP-140哨戒機１機と、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦等）、洋上補給を行った。フィリピン海軍が初めてオブザーバー参加している。11月17-27日、令和5年度機雷戦訓練（日向灘）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。護衛艦１隻、掃海母艦２隻、掃海艦２隻、掃海艇15隻、MCH-101掃海輸送ヘリ２機、横須賀・呉・佐世保・舞鶴・大湊・沖縄水中処分隊水中処分員が、アメリカ海軍掃海艦２隻、MH-53E掃海ヘリ２機、水中処分員、UUV操作員などと、機雷戦訓練（機雷敷設、機雷掃海、機雷掃討及び水中処分）、PHOTOEXを行った。11月19-20日、日本周辺海空域で日米豪共同訓練を実施。P-1哨戒機がアメリカ海軍P-8A哨戒機及びオーストラリア空軍P-8A哨戒機と情報収集・警戒監視・偵察（ISR）訓練を行った。11月19-21日、四国南方から東シナ海で日米共同訓練を実施。DD-103ゆうだちが、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-59プリンストン、DDG-70ホッパー、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンスと、各種戦術訓練（LINKEXなど）を行った。11月20-21日、関東南方から四国南方で日豪共同訓練トライデント23-2を実施。DD-113さざなみ、P-1哨戒機、潜水艦が、オーストラリア海軍41ブリスベーン、A304ストルワート、オーストラリア空軍P-8A哨戒機と、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。11月22日、東シナ海で日豪共同訓練トライデント23-3を実施。P-3C哨戒機がFFH-156ツゥーウムバと各種戦術訓練（LINKEX）を行った。11月26日、東シナ海で日米韓共同訓練を実施。DD-104きりさめが、CVN-70カール・ヴィンソン、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、韓国海軍991セジョン・デワンと、各種戦術訓練を行った。11月28日、沖縄周辺で日印共同訓練を実施。AOE-422とわだが、インド海軍P-29カドマットと、洋上補給訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に協力部隊として参加。11月30日、相模湾で日米共同訓練を実施。SH-60K哨戒ヘリがアメリカ海軍MH-60R多用途ヘリと各種戦術訓練（対潜戦訓練）を行った。12月2-9日、アンダーセン空軍基地と周辺海空域で令和5年度米国派遣訓練（航空機）を実施。第３航空隊P-1哨戒機が対潜戦訓練を行った。12月5-7日、西太平洋海軍シンポジウム上級下士官会同を実施。12月6-7日、南シナ海で日米共同訓練を実施。DD-107いかづちがLCS-10ガブリエル・ギフォーズと各種戦術訓練（戦術運動、LINKEX）及びPHOTOEXを行った。12月7日、九州南方で日印共同訓練を実施。AOE-422とわだが、インド海軍P-29カドマットと、洋上補給訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。12月13日、自衛隊横須賀病院と横須賀米海軍病院で第25回衛生特別訓練を実施。横須賀地方総監部、自衛隊横須賀病院、横須賀衛生隊の隊員計70名が、横須賀米海軍病院40名と、日米関係部隊の連携要領及び負傷者への対応能力（トリアージ、傷者処置、搬送及び医療活動）の向上を目的とする訓練を行った。

2024年1月8-24日、第３航空隊P-1哨戒機と隊員40名がシードラゴン2024に参加。1月14-17日、東シナ海で日米韓共同訓練を実施。DDH-181ひゅうが、DDG-173こんごうが、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-59プリンストン、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、駆逐艦991セジョン・デワン、駆逐艦978ワン・ゲオンと共に、各種戦術訓練（弾道ミサイル情報共有、海上阻止、対潜戦、LINKEX、クロスデッキ）とPHOTOEXを行った。1月24-25日、沖縄東方で日米共同訓練を実施。P-3C哨戒機がP-8A哨戒機と各種戦術訓練（LINKEX、対潜戦）を行った。1月29日から2月1日、沖縄南方で日米共同訓練を実施。DDH-182いせが、CVN-70カール・ヴィンソン、CVN-71セオドア・ルーズベルト、CG-59プリンストン、CG-70レイク・エリー、DDG-97ハルゼー、DDG-104スタレット、DDG-105デューイ、DDG-110ウィリアム・P・ローレンス、DDG-113ジョン・フィン、DDG-115ラファエル・ペラルタ、DDG-118ダニエル・イノウエと、各種戦術訓練（クロスデッキ、LINKEXなど）及びPHOTOEXを行った。2月1-10日、令和5年度機雷戦訓練（伊勢湾）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）を実施。護衛艦１隻、掃海母艦１隻、掃海艦３隻、掃海艇８隻、MCH-101掃海輸送ヘリ１機、横須賀・呉・佐世保・舞鶴・大湊・沖縄水中処分隊水中処分員、アメリカ海軍水中処分員、UUV操作員などが参加し、機雷戦（機雷敷設、機雷掃海、機雷掃討、水中処分）訓練を行った。2月5-23日、第71航空隊US-2救難飛行艇と隊員30名がコープ・ノース24に参加。2月7日から3月14日、令和5年度外洋練習航海（部内）を実施。DD-114すずなみとTV-3521しまかぜが、第57期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業生を乗せ、ブルネイのムアラ、カンボジアのシアヌークビル、ベトナムのハイフォンに寄港した。2月13-17日、海自幹部学校で第27回インド太平洋海軍大学セミナーIPNCSを実施。2月19-27日、インド海軍主催多国間共同訓練MILAN2024にDD-113さざなみが参加。

参考：自衛隊法、海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船1,’79増刊、3,’00、11,’00、5,’02増刊、5,’86、4,’98、6,’01、9,’01、9,’09、1,’10、2,’10、1,’02、4,’10、8,’10、9,’10、1,’11、4,’11、7,’11、9,’11、11,’11、1,’12、4,’12、5,’12、8,’12、9,’12、9,’12、10,’12、12,’12、1,’13、2,’13、4,’13、5,’13、7,’13、6,’83、9,’13、10,’13、11,’13、12,’13、1,’14、2,’14、3,’14、5,’14、8,’14、9,’14、10,’14、11,’14、12,’14、2,’15、4,’15、5,’15、6,’15、9,’15、10,’15、12,'15、1,'16、2,'16、4,'16、5,'16、6,’16、9,’16、10,’16、11,’16、12,’16、1,’17、2,’17、4,’17、5,’17、6,’17、7,’17、8,’17、9,’17、10,’17、11,’17、12,’17、1,’18、2,’18、4,’18、5,’18、6,’18、7,’18、8,’18、9,’18、10,’18、11,’18、12,’18、1,’19、2,’19、4,’19、5,’19、9,’19、11,’19、1,’20、2,’20、4,'20、5,’20、10,'20、11,'20、12,'20、1,'21、4,'21、5,'21、6,'21、7,'21、8,'21、9,'21、11,'21、12,'21、1,'22、2,'22、3,'22、4,'22、5,'22、6,'22、7,'22、8,'22、9,'22、10,'22、11,'22、12,'22、1,'23、2,'23、3,'23、4,'23、5,'23、6,'23、7,'23、8,'23、9,'23、10,’23、11,'23、12,'23、1,'24、2,'24、3,'24、4,'24、月刊JWings8,’02、6,’08、5,’11、10,’12、9,’14、12,’14、9,’15、10,’15、4,'16、5,'16、9,’16、12,’16、1,’17、4,’17、7,’17、11,’17、10,’18、11,’18、3,’19、4,’19、7,’19、10,’19、11,’19、12,’19、1,’20、2,’20、4,’20、5,’20、9,'20、10,'20、11,'20、1,'21、2,'21、3,'21、4,'21、6,'21、12,'21、1,'22、1,'23、1,’24、月刊軍事研究4,’97、6,’09、4,’10、7,’10、1,’12、9,’14、6,’18、世界の傑作機No.50、JShips VOL.44、VOL.70、月刊航空ファン10,’14、11,’15、2,'16、5,'16、10,’16、10,’17、11,’17、12,’17、1,’18、6,’18、7,’18、9,’18、10,’18、1,’20、月刊航空情報8,’02、MAMOR vol.144、朝雲

　＜海上自衛隊（１９７８年）＞：トップは防衛庁長官で、海上幕僚長及び海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、教育航空集団、中央通信隊群、警務隊、潜水医学実験隊、海洋業務隊、需給統制隊、印刷補給隊、資料隊、中央調査隊、東京音楽隊、東京業務隊、幹部学校、幹部候補生学校、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校、少年術科学校、横須賀地区病院、江田島地区病院、舞鶴地区病院、大湊地区病院からなる。護衛艦46隻95000トン、潜水艦14隻23000トン、機雷戦艦艇・哨戒艦艇・輸送艦・特務艦艇57000トンの計481隻194000トン、航空機200機を配備する。参考：月刊世界の艦船1,’79別冊、日本の防衛戦力Part3

　＜海上自衛隊（１９８０年）＞：トップは防衛庁長官で、海上幕僚長及び海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、教育航空集団、中央通信隊群、幹部学校、幹部候補生学校、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校、少年術科学校、その他長官直轄部隊から構成される。現役艦艇は護衛艦49隻109400トン（DDH４隻、DDG３隻、DDA４隻、DDK９隻、DD14隻、DE15隻）、潜水艦14隻24000トン、機雷戦艦艇40隻16000トン（MSC31隻、MSB６隻、MMC１隻、MST２隻）、哨戒艦艇25隻5000トン、輸送艦６隻11000トン（2000トン型LST３隻、1500トン型LST３隻）、特務艦艇24隻36000トンの計157隻196000トンを保有している。他に哨戒艇９隻、練習艦３隻、訓練支援艦１隻、海洋観測艇７隻、砕氷艦２隻、敷設艦１隻、潜水艦救難艦２隻、試験艦１隻、補給艦２隻、特務艇11隻などを配備する。航空機はP2V-7対潜哨戒機９機、P-2J対潜哨戒機80機、S-2F1対潜哨戒機25機、HSS-2ヘリ57機、KV-107ヘリ６機、PS-1対潜飛行艇18機、US-1救難飛行艇３機、S2F-U曳航機／S2F-C連絡機６機、YS-11M輸送機４機、B-65P地理調査機１機、S-61Aヘリ７機（うち４機は南極用）、S-62ヘリ７機、ベル47Gヘリ１機、T-34Aメンター練習機６機、KM2練習機26機、TC-90練習機５機、B-65練習機27機、YS-11T練習機６機、OH-6J練習ヘリ３機、ベル47G練習ヘリ９機である。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜海上自衛隊（１９８１年）＞：兵力45000名。しらね型ヘリコプター護衛艦２隻、はるな型ヘリコプター護衛艦２隻、たちかぜ型ミサイル護衛艦２隻、あまつかぜ型ミサイル護衛艦１隻、はつゆき型護衛艦１隻、たかつき型護衛艦４隻、みねぐも型護衛艦３隻、やまぐも型護衛艦６隻、むらさめ型護衛艦３隻、あやなみ型護衛艦７隻、あきづき型護衛艦２隻、いしかり型護衛艦１隻、ちくご型護衛艦11隻、いすず型護衛艦４隻、ゆうしお型潜水艦３隻、うずしお型潜水艦７隻、あさしお型潜水艦４隻、はつしま型掃海艇７隻、たかみ型掃海艇19隻、かさど型掃海艇５隻、掃海艇７号型６隻、はやせ型掃海母艦１隻、かさど型掃海母艇１隻、そうや型敷設艦１隻、むろと型敷設艦１隻、うみたか型駆潜艇２隻、みずとり型駆潜艇３隻、魚雷艇11号型５隻、哨戒艇19号型９隻、みうら型輸送艦３隻、あつみ型輸送艦３隻、ゆら型輸送艦２隻、かとり型練習艦１隻、あづま型訓練支援艦１隻、あかし型海洋観測艦１隻、ふたみ型海洋観測艦１隻、すま型海洋観測艦１隻、ふじ型砕氷船１隻、ふしみ型潜水艦救難艦１隻、ちはや型潜水艦救難艦１隻、さがみ型補給艦１隻、はまな型補給艦１隻を保有する。航空戦力は固定翼機200機、回転翼機105機。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

　＜海上自衛隊（１９８０年代後半）＞：トップは防衛庁長官で、海上幕僚長及び海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、教育航空集団、中央通信隊群、海洋業務群、各種学校、海上自衛隊病院などからなる。参考：月刊軍事研究3,’10、日本の戦力

　＜海上自衛隊（１９８９年）＞：現役隊員数44000名（航空集団12000名）、予備自衛官1100名。横須賀、呉、佐世保、舞鶴、大湊に地方総監部がある。護衛隊群４個、潜水隊群２個、地方隊10個、航空群７個などからなる。保有船舶トン数は護衛艦55隻149000トン、潜水艦14隻30000トン、機雷戦艦艇41隻18000トン、哨戒艦艇14隻10000トン、輸送艦艇９隻12000トン、補助艦艇30隻69000トン。ゆうしお型潜水艦10隻、うずしお型潜水艦４隻、うずしお型試験潜水艦１隻、はたかぜ型ミサイル護衛艦２隻、たちかぜ型ミサイル護衛艦３隻、あまつかぜ型ミサイル護衛艦１隻、しらね型ヘリコプター護衛艦２隻、はるな型ヘリコプター護衛艦２隻、あさぎり型護衛艦４隻、はつゆき型護衛艦12隻、たかつき型護衛艦４隻、やまぐも型護衛艦６隻、みねぐも型護衛艦３隻、ゆうばり型護衛艦２隻、いしかり型護衛艦１隻、ちくご型護衛艦11隻、いすず型護衛艦４隻、あきづき型護衛艦１隻、むらさめ型護衛艦２隻、あやなみ型護衛艦２隻、かとり型練習艦１隻、魚雷艇11号型５隻、哨戒艇19号型９隻、そうや型敷設艦１隻、はやせ型掃海母艦１隻、はつしま型掃海艇21隻、たかみ型掃海艇11隻、掃海艇７号型６隻、水中処分母船６隻、うとね級掃海支援艦１隻、みうら型輸送艦３隻、あつみ型輸送艦３隻、戦車揚陸艇３隻、中型揚陸艇15隻、車両人員揚陸艇22隻、とわだ型補給艦１隻、さがみ型補給艦１隻、潜水艦母艦１隻、訓練支援艦３隻、調査・実験艦５隻、砕氷艦１隻、P-3C対潜哨戒機40機（＋保管中10機）、P-2J哨戒機30機、HSS-2A/B対潜ヘリ60機（＋保管中45機）、KV-107A掃海ヘリ５機、S-80掃海ヘリ２機、EP-2J電子戦機２機、YS-11M輸送機４機、P-3C実験機３機、UP-2J訓練支援機３機、U-36A訓練支援機２機、SH-60J試作ヘリ２機、HSS-2B実験ヘリ２機、US-1/-1A救難飛行艇10機、S-61救難ヘリ10機、KM-2練習機30機、P-3C練習機10機、B-65A-65練習機22機、TC-90/UC-90練習機20機、YS-11T練習機10機、HSS-2A/B練習ヘリ10機、OH-6D/J練習ヘリ10機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜海上自衛隊（２００１年）＞：トップは防衛庁長官で、海上幕僚長と海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、海洋業務群などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜海上自衛隊（２００７年度、改編前）＞：トップは防衛大臣で、海上幕僚長及び海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、教育航空集団、システム通信隊群、海洋業務群、幹部学校、幹部候補生学校、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校、補給本部などからなる。隊員数44000名、予備自衛官1100名。戦闘艦艇は130隻で、うち53隻が護衛艦であり、イージス護衛艦５隻、ミサイル護衛艦４隻、ヘリコプター護衛艦４隻、汎用護衛艦32隻などから構成される。潜水艦は16隻が２個潜水隊群を形成して横須賀と呉に配備されている。航空戦力はP-3C哨戒機約80機とSH-60J/K対潜ヘリ92機。P-3C哨戒機は八戸、厚木、鹿屋、那覇の各航空基地に２個航空隊ずつが配備されており、毎日担当海域の哨戒を行っている。SH-60J/K対潜ヘリは大湊、館山、小松島、大村、舞鶴の各航空基地に配備されていて、適宜護衛艦（機動運用部隊の24隻と地域配備部隊の20隻）に配属される。参考：月刊JWings6,’07、月刊丸5,’07

＜海上自衛隊（２００９年）＞：トップは防衛大臣で、海上幕僚長と海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、教育航空集団、システム通信隊群、補給本部、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校などを隷下に置く。定員45600名、現役42000名、予備1100名。護衛艦52隻220290トン（DDH４隻、DDG９隻、DD25隻、DE８隻）、潜水艦16隻43000トン、機雷戦艦艇30隻27000トン、哨戒艦艇７隻10000トン、輸送艦艇13隻29000トン、補助艦艇30隻114000トン、SH-60Jヘリ62機、SH-60Kヘリ29機を保有する。参考：月刊軍事研究3,’10、7,’10、月刊航空ファン4,’10

＜海上自衛隊（２０１２年）＞：トップは防衛大臣で、海上幕僚長と海上幕僚監部が補佐する。隷下に自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊などを置く。参考：月刊世界の艦船6,’12

＜海上自衛隊（２０１５年）＞：トップは防衛大臣で、海上幕僚長と海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、教育航空集団、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校、補給本部などからなる。主要艦艇基地は横須賀、呉、佐世保、舞鶴、大湊で、潜水艦基地は呉と横須賀にある。現役隊員数45500名（うち航空隊9800名）、予備自衛官1100名。保有艦船トン数は自衛艦137隻467140トン（警備艦107隻341010トン＋補助艦30隻126130トン）、支援船166隻25207トン。そうりゅう型潜水艦６隻、おやしお型潜水艦10隻、あさしお型練習潜水艦１隻、おやしお型練習潜水艦１隻、ひゅうが型護衛艦２隻、いずも型護衛艦１隻、しらね型護衛艦１隻、あたご型イージス護衛艦２隻、こんごう型イージス護衛艦４隻、はたかぜ型ミサイル護衛艦２隻、あさぎり型護衛艦８隻、あきづき型護衛艦４隻、むらさめ型護衛艦９隻、たかなみ型護衛艦５隻、はつゆき型護衛艦３隻、あぶくま型護衛艦６隻、はやぶさ型ミサイル艇６隻、うらが型掃海母艦２隻、いえしま型掃海艇２隻、ひらしま型掃海艇３隻、すがしま型掃海艇12隻、うわじま型掃海艇２隻、やえやま型掃海艇３隻、えのしま型掃海艇３隻、おおすみ型輸送艦３隻、エアクッション艇１号型LCAC６隻、輸送艇１号型２隻、あすか型試験艦１隻、しらせ型砕氷艦１隻、ひびき型音響測定艦２隻、ふたみ型海洋観測艦１隻、にちなん型海洋観測艦１隻、しょうなん型海洋観測艦１隻、すま型海洋観測艦１隻、ましゅう型補給艦２隻、とわだ型補給艦３隻、むろと型敷設艦１隻、ちはや型潜水艦救難艦（２代目）１隻、ちよだ型潜水艦救難母艦（初代）１隻、かしま型練習艦１隻、くろべ型訓練支援艦１隻、しまゆき型練習艦３隻、てんりゅう型訓練支援艦１隻、はしだて型迎賓艇１隻、ひうち型多用途支援艦５隻、P-1哨戒機７機、P-3C哨戒機73機、EP-3電子情報収集機５機、US-1A救難飛行艇２機、US-2救難飛行艇４機、C-130R輸送機４機、LC-90輸送機５機、TC-90輸送機19機、T-5練習機30機、SH-60J対潜ヘリ43機、SH-60K対潜ヘリ42機、MH-53E掃海ヘリ５機、MCH-101掃海ヘリ６機、OH-6DA練習機２機、UH-60J救難ヘリ18機、CH-101輸送ヘリ２機、TH-135練習ヘリ13機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊航空ファン4,’16、月刊世界の艦船6,’15、7,15

＜海上自衛隊（２０２０年）＞：トップは防衛大臣で、海上幕僚長と海上幕僚監部が補佐する。自衛艦隊、大湊地方隊、横須賀地方隊、舞鶴地方隊、呉地方隊、佐世保地方隊、練習艦隊、教育航空集団、補給本部などからなる。参考：月刊世界の艦船6,'20、月刊JWings6,’20

＜海上自衛隊演習＞：海上自衛隊の総合演習。海幕長統裁の甲演習と、自衛艦隊司令官統裁の乙演習があり、青・赤の対抗形式で実施される。また、図上演習と実動演習があり、後者は可動艦艇・航空機のほぼ全てが参加、海外海軍との共同訓練になることもある。海上自衛隊発足年度である1954年度末（1955年2月21-28日）に初めて甲演習が実施され、2002年・2007年・2010年以外は甲と乙を毎年１回ずつ実施中。1981年、アメリカ海軍との共同訓練を初めて実施。1989年、オーストラリア海軍との共同訓練を初めて実施。1995年8月、海自幹部学校に図上演習装置が導入された。2017年、カナダ海軍との共同訓練を初めて実施。2021年、ドイツ海軍との共同訓練を初めて実施。2023年、フィリピン海軍が初めてオブザーバー参加した。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、6,'22、1,'24、MAMOR vol.111、自衛艦隊ホームページ、月刊JWings2,’22

＜海上自衛隊警務隊＞：警務隊（海上自衛隊）を参照。

＜海上自衛隊呉史料館＞：てつのくじら館とも呼ばれる。2004年にSS-579あきしおをそのまま陸揚げして史料館にしたもので、潜水艦と掃海艇に絞って展示を行っており、自衛官OBによる解説ツアーが毎日実施されている。３階建ての展示施設も併設されており、１階に海上自衛隊の歴史、２階に掃海艇、３階に潜水艦に関する展示がある。所在地は広島県呉市宝町5-32で、JR呉駅から徒歩５分。開館時間は0900-1700（入館は1630まで）。休日は年末年始（12月29日から1月3日）と毎週火曜日（祝日の場合は翌日）。2007年4月5日に開館した。2009年5月17日、入館者100万人を達成。2012年6月24日、入館者200万人を達成。2014年2月22日、７年連続年間入館者30万人を達成。2015年5月24日、入館者300万人を達成。2020年2月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休館に入った。6月22日に再開している。参考：MAMOR vol.42、vol.91、月刊JWings2,’15、月刊世界の艦船9,'15、朝雲

＜海上自衛隊佐世保史料館＞：セイルタワーとも呼ばれる。佐世保水交社跡地に1997年3月に開館した施設で、東郷元帥が明治38年12月20日に訓辞を行った時の音声、日本海軍制服、日露戦争史料、72式１型魚雷カット模型、佐世保地方隊資料などが展示されている。所在地は長崎県佐世保市上町8-1。館内撮影禁止。開館時間は0930-1700（最終入館1630）。休館日は年末年始（12月28日から1月4日）と毎月第３木曜日。入場は無料。2010年11月1日から2011年1月31日まで18歳以上400円、小中高校生200円の有料化実験が行われたが、来館者が35%減った。2019年5月25日、入館者200万人を達成した。参考：月刊世界の艦船2,’10、MAMOR vol.114、vol.42、月刊JWings9,’10、4,’11、朝雲

＜海上自衛隊指揮統制・共通基盤システム＞：MARSシステムを参照。

＜海上自衛隊指揮統制・共通基盤システム用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。エヌ・ティ・ティデータ製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜海上自衛隊創設史料室＞：2012年4月26日に海上自衛隊創設60周年を記念して第２術科学校に開設された史料室。海上警備隊創設の経緯、初の国産警備艦DE-201あけぼのの舵輪、第２術科学校の課程教育資料などの史料200点が展示されている。一般公開もされており、第２術科学校総務課に事前予約すれば見学可能（開室時間1030-1130、1330-1430）。参考：朝雲

＜海上自衛隊体操＞：海上自衛隊独自の体操で、自衛隊体操とは別物。何も持たずに行うので徒手体操ともいう。第１から第５まであり、第１は準備体操、第２は２名１組のストレッチ、第３はサーキット・トレーニング、第４・第５は筋力トレーニングである。参考：MAMOR vol.100、vol.56、月刊丸4,’17

＜海上自衛隊の日＞：4月26日。1952年4月26日の海上警備隊発足にちなみ、海自の歴史と伝統を考える日として2013年に制定された。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜海上システム開発隊＞：海上自衛隊の部隊。2023年4月1日、開発隊群隷下に新編された。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜海上事前集積船＞：MPSを参照。

＜海上戦闘ヘリコプター飛行隊＞：HSCを参照。

＜海上挺進第７戦隊＞：日本陸軍のマルレ部隊。戦隊104名、基地大隊948名で、昭和19年11月中旬にルソン島のマウバンに配置された。昭和20年１月24日、戦隊はインファンタに、基地大隊はマニラ東方の山岳地帯に移動。4月3日、戦隊はニコルス飛行場に斬り込み攻撃を行って玉砕した。生存者は戦隊３名、基地大隊57名だった。参考：月刊丸10,’93

＜海上挺進第９戦隊＞：日本陸軍のマルレ部隊。戦隊104名、基地大隊902名からなる。昭和19年11月中旬にルソン島インファンタに配置された。昭和20年3月20日、基地大隊がマニラ東方山岳地帯に移動。生存者は戦隊27名、基地大隊95名だった。参考：月刊丸10,’93

＜海上挺進第１０戦隊＞：日本陸軍のマルレ部隊。戦隊104名、基地大隊1036名からなる。昭和19年11月中旬に戦隊はルソン島インファンタ、基地大隊はルソン島グミアンに配置された。昭和20年3月20日、基地大隊がボソボソ方面に移動。生存者は戦隊５名、基地大隊57名だった。参考：月刊丸10,’93

＜海上挺進部隊＞：第31戦隊（日本海軍）を参照。

＜海上特攻＞：特攻を参照。

＜海上配備Ｘバンド・レーダー＞：アメリカ軍NMD/BMD用海上レーダー、制式名AN/SBX-1、略称SBXR（Sea-Based X-band Radar）。海底油田掘削用の自走式オイル・リグを改造した全長119m、全幅73.2m、満載排水量50000トン、速力８ノットの自走洋上プラットフォームに、高さ20m以上・重量2000トンの巨大なアクティブ・フェイズド・アレイ式Ｘバンドレーダーを搭載している。アンテナ素子69832個（最大81000個。45000個？）、平均出力170kW、ピーク出力20MW。スキャン範囲は方位角・俯仰角共にプラスマイナス25度で、それ以上の範囲はアンテナ自体を支持台で旋回・俯仰させてカバーする。同時追尾能力25目標、最大探知距離4000km以上で、2000km以内ならICBM弾頭の形状も識別できるとされる。レドームは直径36.6m・高さ31.4mにもなり、風速60mの暴風に耐えられる。Ｘバンドは解像度が高いが、大気中での減衰が著しいため、レーダーを巨大にしてカバーした。要員75名で、居住区画も用意されている。2005年にテキサス州沖で完成し、海上試験を終えて2006年1月に真珠湾に到着した。テストを行った後、2007年2月初旬にアリューシャン列島アダク島に配備されて試験を実施。3月20日、ヴァンデンバーグ空軍基地から発射された弾道ミサイルを探知追尾し、C2BMCシステムとGBI発射管制センターにデータを転送した。6月上旬に整備改良のためハワイに戻っており、2008年2月に再び北太平洋に配置され、弾道ミサイル迎撃試験に使用されている。この時のソフトウェアはビルド（Build）2.2で、2009会計年度にビルド3.0へとアップグレードされた。北朝鮮から飛んでくる弾道ミサイルをアリューシャン列島で監視する予定だったが、荒天に耐えられなかったらしく、パールハーバーに係留されるようになった。2012年3月23日、外洋曳船DOVEに曳航されてパールハーバーを出港。4月9日にグアムに入港する予定だったが、北朝鮮情勢を受けて変更し、4月13日のテポドン２号改発射監視を行った。2015会計年度にソフトウェアをビルド3.2.0へと更新する予定。2016年9-10月、朝鮮半島周辺に展開した。参考：月刊軍事研究9,’05、11,’18、10,’07、6,’09、10,’12、3,’15、9,'15、2,’17、月刊世界の艦船6,’05、日米イージス艦とミサイル防衛

＜海上配備型上層システム＞：NTWDを参照。

＜海上配備型中間段階セグメント＞：NTWDを参照。

＜海上幕僚監部＞：海幕、MSOと略す。海上自衛隊の運用に関して防衛大臣を補佐する部隊で、実動部隊を監督し、防衛や警備に関する計画を立案、教育訓練や編成などの事務を行う。トップは海上幕僚長で、防衛大臣の命令を執行する。勤務隊員の９割が幹部自衛官で、将来のエリートは必ずここで勤務する。1967年、アメリカ海軍横須賀艦隊補給センター研修を開始。1982年7月1日、防衛部装備体系課（総括・陸上システム等担当の第１班、艦船担当の第２班、航空機担当の第３班、研究開発等担当の研究班からなる）が新編された。2006年3月、統合運用体制への移行に伴い改編を実施。調査部と防衛部指揮通信課を廃止し、指揮通信・情報部を新編した。2012年11月5-16日、キーン・ソード13に参加。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。2月24-25日、静岡県高校教職員７人に進路担当海自研修を実施。11月8-19日、キーン・ソード15に参加。2015年1月26-30日、平成26年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9-20日、コブラ・ゴールド15に参加。3月、海上自衛隊における体育実施基準の一部改正に伴い、年１回以上の体力測定実施が義務づけられた（それまで対象外だった）。3月2-12日、アメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。5月30日、教育課長以下６名の隊員と家族がたまがわクリーン10Kに参加し、10kmランニングと清掃奉仕を実施。6月4日、教育課が海幕初の体力測定（運動能力測定�T、同�U）を実施。6月16日、教育課が厚木航空基地で体力測定（水泳能力測定）を実施。9月25日、防衛装備庁新設により廃止される技術部の伝統を新組織に引き継ぎ、海上防衛技術発展を祈る技術継承式を行った。10月1日、防衛装備庁発足に伴い、技術部が廃止され、装備部が装備計画部に改編された。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。2月16-25日、平成27年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。3月5日、厚生課が横須賀市内のホテルで米海軍家族支援関係者による公演会を実施。横須賀地区部隊指揮官、副長、先任伍長、その家族ら130人が参加し、家族支援の重要性について意識向上を図った。6月29-30日と7月5-8日、平成28年度自衛隊統合防災演習に参加。9月26日から10月9日、平成28年度海上自衛隊演習（図上演習〈日米共同演習〉）に参加。10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。2017年2月6-16日、アメリカ海軍大学校で平成28年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。5月3-22日、日仏英米共同訓練に参加。7月14日、指揮通信情報部長が在日米軍横田基地でマティス国防長官からリージョン・オブ・メリットを伝達された。7月28日、アメリカ海軍横須賀基地で横須賀艦隊補給センター研修50周年記念行事を実施。海上幕僚長の感謝状を艦隊補給センターに贈呈した。2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。2月12-22日、アメリカ海軍大学校で平成29年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。3月15日、呉地方総監部主催の米海軍家族支援講演会を支援した。4月2日、人事計画課の要員班を廃止して同課にワークライフバランス推進企画班を新設。防衛課の分析室を廃止して能力評価・分析室を新設。装備需品課の装備需品班、輸送調整班、調整管理班を廃止し、企画班、広報運用班、共同後方班を新設。6月19-22日、平成30年度自衛隊統合防災演習に参加。10月18日、広報室がミス・ワールド日本代表ファイナリストら４人を招き、大会議室で職場でできるヨガクラスを開催。11月11-14日、村川海幕長がインドのコーチンでインド海軍主催のインド洋海軍シンポジウム10周年記念セミナーに出席し、インド海軍参謀長ランバ大将とも会談した。11月29日、作戦法規研究室の２名がハーバード大学ロースクールで国際法の講義を実施。12月6日、平成30年度海上自衛隊永年勤続功労隊員に対する海上幕僚長顕彰が行われ、幹部予定者課程出身幹部４名、准尉２名、曹長４名、事務官１名に顕彰状が授与された。2019年1月28日、海幕応接室で海自最優秀教官表彰式を行い、２名に三級賞詞と三級防衛功労賞を授与した。2月1日、海幕長として初めてブルネイを訪問中の村川海幕長がボルキア国王から指揮官徽章を受賞し、ブルネイ軍司令官から伝達された。6月13日、広報室が防衛省海幕大会議室でヨガクラスを開催。10月16-20日、山村海幕長がベネチアを訪問し、イタリア海軍主催地域シーパワー・シンポジウムに出席して基調講演を行った。11月11-21日、令和元年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。11月20日、山村海幕長がメリーランド州アナポリスで日米英海軍種参謀長級協議に出席した。11月25日、山村海幕長が防衛省でロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将と会談した。12月10-14日、山村海幕長がベトナムを訪問し、ベトナム海軍高官との会談や海軍部隊の視察を行った。2020年1月8-9日、海自幹部学校で海自部隊中東派遣の図上演習に参加。2月9-13日、山村海幕長がインドを訪問し、国防省で海軍参謀長カランビル・シン大将と会談し、西部海軍コマンド司令部でフリゲートF51トリカンドと潜水艦S-60シンドゥケサリを視察した。2月24日から3月5日、アメリカ海軍大学校で行われた令和元年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。4月1日、人事教育部人事計画課募集班を廃止して募集推進室を、総務課文書班と情報公開・個人情報保護室を統合して行政文書管理室を新設した。5月19日、山村海幕長がフランス海軍参謀長ヴァンディエ大将とテレビ会談し、共同訓練の成果を確認、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた関係強化で一致した。6月25日、山村海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官アクイリノ海軍大将とテレビ会議を行い、新型コロナウイルス感染症の情報を共有し、防衛協力・交流などについても緊密な協力と情報交換で一致した。6月26日、山村海幕長がアメリカ海軍作戦本部長ギルデイ海軍大将とテレビ会議を行い、軍種間協力に関する意見交換を実施、緊密な協力を確認した。7月21-23日、アメリカ海軍主催多国間共同訓練シーキャット2020の一部である海洋安全保障に関するシンポジウムに参加。7月22日、山村海幕長がフィリピン海軍司令官バコルド中将とテレビ会談し、コロナ下での防衛協力・交流継続で一致した。8月5日、山村海幕長がオーストラリア海軍本部長ヌーナン中将とテレビ会談し、コロナ下でも自由で開かれたインド太平洋の維持強化のため緊密に協力することを確認した。9月4日、山村海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官アクイリノ海軍大将とテレビ会談し、リムパック2020の成果を確認、自由で開かれたインド太平洋の維持強化のための積極的連携で一致した。9月8日、山村海幕長がシンガポール海軍司令官ベン少将とテレビ会談し、遠洋練習航海部隊の寄港や親善訓練の実施に謝意を述べ、関係強化で一致した。9月25日、山村海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官主催のインド太平洋諸国14カ国（アメリカ、インド、オーストラリア、海自、韓国、シンガポール、トンガ、ニュージーランド、バングラデシュ、フィジー、フィリピン、フランス、ブルネイ、マレーシア）による海軍種参謀長級多国間テレビ会議に参加し、海洋安全保障活動についての情報を共有、防衛協力・交流の継続を確認した。10月1日、山村海幕長がフランス海軍参謀長ヴァンディエ大将とテレビ会談を行い、関係強化で一致した。10月6日、人事計画課企画班長、同課企画班員、同課制度班長が在日米海軍人事部（CNFJ N1）関係者と在日米海軍横須賀基地で会談し、協力関係を構築した。10月15日、山村海幕長がアメリカのブレイスウェイト海軍長官と会談し、安全保障協力や地域情勢などについて意見を交換、更なる連携協力を確認した。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。10月28日、装備需品課後方運用班長が米インド太平洋軍USINDOPACOM主催WPS（女性・平和・安全保障）４カ国ウェビナーに参加。11月1日、令和2年度海上幕僚長感謝状を部外功労９団体・10個人に贈呈した。11月2日、山村海幕長がインドネシア海軍参謀長アルゴノ海軍大将とテレビ会談し、防衛交流・関係強化で一致した。11月13日、山村海幕長がカナダ海軍司令官マクドナルド中将とテレビ会談し、緊密な協力を確認した。11月16日、山村海幕長がドイツ海軍総監クラウゼ中将とテレビ会議を行い、防衛交流の成果や様々な分野での協力を確認した。11月20日、令和2年度永年勤続功労隊員海幕長顕彰を実施。幹部４名、准尉３名、曹長３名、技官１名に山村海幕長が顕彰状を授与した。11月30日、山村海幕長がフランス海軍ヴァンディエ海軍参謀長と会談し、幅広い意見交換を行い、更なる関係強化で一致した。12月21日、山村海幕長と海幕副長が新型コロナウイルスに感染したと防衛省が発表した。16日に14名で行われた会合・会食で感染したとみられ、他に２名が陽性になっている。会食そのものは感染防止策を取っていて問題が無かったが、危機管理官庁の対応としては問題があったとして、岸防衛大臣が指導を行った。

2021年1月26日、山村海幕長がチリ海軍司令官モリーナ大将とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を含めた協力関係強化で一致した。1月29日、山村海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官アクイリノ大将、オーストラリア海軍本部長ヌーナン中将とテレビ会談し、緊密な連携で一致した。2月2日（暦の関係で124年振りにこの日が節分）、広報室が節分の豆まきを実施。2月5日、働き方改革推進コンテスト海幕長表彰をリモート形式で行い、新型コロナウイルス感染防止対策に取り組んだ岩国航空基地隊が受賞した。4月14日、山村海幕長がアメリカ海軍ギルデイ作戦部長とテレビ会談した。4月16日、山村海幕長がマレーシア海軍サニー司令官及びシンガポール海軍ベン司令官とテレビ会談した。5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練に参加。6月1日、山村海幕長が防衛省でインド太平洋軍司令官アクイリーノ大将からリージョン・オブ・メリット・ディグリー・オブ・コマンダー勲章を授与された。6月7日、山村海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官パパロ大将と会談し、更なる関係強化で一致した。7月7日、山村海幕長が来日したアメリカ太平洋海兵隊司令官ラダー中将と会談し、連携強化で一致した。7月20日、山村海幕長がインド外務省とシンクタンクのアナンタ・センターが共催する第１回日印フォーラムのセッションにオンラインで参加した。7月26-29日、山村海幕長がシンガポールを訪問し、国際海上安全保障会議に出席、今後の展望−アジア太平洋における海上安全保障と連携をテーマとするパネルディスカッションに参加した。8月10-20日、アメリカ海軍主催東南アジア協力訓練SEACAT2021に幹部２名がオンラインで参加。8月10-13日は海洋状況把握に関するシンポジウム、8月14日から不測事態発生時の対処要領などの指揮所演習に参加した。9月13-19日、山村海幕長がロードアイランド州ニューポートを訪問し、9月15-17日に開催されたアメリカ海軍大学校主催の国際シーパワー・シンポジウムに出席、団結の強化をテーマとする議論に参加した。アメリカ滞在中にアメリカ海軍トロ長官、インド海軍参謀長、オランダ海軍司令官、カナダ海軍司令官、フィリピン海軍司令官、アメリカ海軍大学校長チャットフィールド少将と会談している。10月11-12日、３名が米比共同訓練MTA SAMA SAMA2021にリモートで参加。10月12日、山村海幕長が防衛省でアメリカ第７艦隊司令官トーマス中将と会談し、日米同盟の抑止力・対応力強化で一致した。10月25日、大町防衛部長がノーフォーク海軍基地を視察。10月27日、大町防衛部長がアメリカ海軍作戦本部で運用計画戦略部長N3/N5マーズ中将と幕僚協議を行い、情報戦部長N2/N6トラスラー中将、戦闘開発部長N7ヒューズ中将、戦闘要求・能力部長N9コン中将と会談した。10月29日、大町防衛部長がサンディエゴの海上開発部隊を視察。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。

2022年1月25日、山村海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官主催海軍種多国間テレビ会談に参加し、15カ国の海軍種参謀長らと意見交換した。2月10日、山村海幕長がフランスからレジオン・ドヌール勲章オフィシエを授与された。2月16日、働き方改革推進のための取り組みコンテスト海上幕僚長賞の表彰式が行われ、海幕装備計画部艦船・武器課が山村海幕長から賞状と盾を授与された。2月20-28日、山村海幕長がハワイ、ニューデリー、ヴィシャカパトナムを訪問し、日米豪参謀長級会談と日印参謀長級会談を行い、インド海軍主催多国間共同訓練MILAN2022海洋セミナーに出席してスピーチした。3月23日、総務課女性自衛官１名が、横田基地で行われたアメリカ第５航空軍WPS（Women, Peace and Security）シンポジウムに参加。3月30日、第34代海幕長山村海将の離任式と第35代海幕長酒井良海幕長の着任行事を実施。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。6月24日、酒井海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官ババロ大将と防衛省で会談し、日米同盟の抑止力・対処力強化で一致した。6月26日から7月3日、酒井海幕長がワシントンDCとハワイを訪問し、アメリカ海軍作戦本部長ギルデイ大将及びアメリカ大平洋艦隊司令官ババロ大将と会談し、リムパック2022に参加する海自インド太平洋方面派遣訓練IPD22部隊を視察、隊員を激励した。8月25-26日、幹部学校で派遣海賊対処行動水上部隊に係る図上演習に参加。

2023年1月19-27日、カラット2023に参加。2月9-14日、アマン23に参加。6月4-9日、コモド2023に参加。8月6-13日、DDH-183いずも艦上で、第５回日ASEAN乗艦協力プログラムと、第１回日太平洋島嶼国及び東ティモール乗艦協力プログラムに参加。

参考：月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船1,’13、1,’15、4,’15、5,’15、12,'15、1,'16、5,'16、12,’16、4,’17、5,’18、9,’18、1,’20、3,’20、5,'20、10,'20、1,'21、3,'21、5,'23、8,'23、10,'23、MAMOR vol.77、vol.131、月刊JWings4,’15、3,'22、月刊航空ファン1,’17、日本の防衛戦力Part3、月刊軍事研究1,’18、朝雲

＜海上幕僚監部（１９７８年）＞：海上幕僚長、海上幕僚副長、総務部（総務課、人事課、厚生課、援護室）、防衛部（防衛課、運用課、教育第１課、教育第２課、通信課、南極支援室、CCS幹事室）、調査部（調査第１課、調査第２課）、経理補給部（経理課、補給課、監査課）、技術部（管理課、艦船課、航空機課、武器第１課、武器第２課）、衛生部（課は無い）、監察官、副官からなる。参考：月刊世界の艦船1,’79別冊、日本の防衛戦力Part3

＜海上幕僚監部（２０１０年）＞：総務部、防衛部、指揮通信情報部、装備部、技術部、人事教育部、首席法務官、監察官、首席衛生官、首席会計監査官からなる。参考：月刊丸1,’10別冊

＜海上封鎖＞：戦時または武力紛争時に、敵国または敵国占領地に対して第三国が行う海上経由の物資搬入を、海上で阻止すること。海上戦力や機雷により実施する。ある程度の海上戦力差が無いと強行突破される。平時に行うと国際法違反である。海上封鎖を行う際には交戦国と中立国に通告、全ての国の船舶に公平に適用し、中立国の港や湾岸への立ち入りは妨害しないことが要件となる。参考：月刊世界の艦船10,'15、8,’82増刊

＜海上不可侵境界線＞：NLLを参照。

＜海上分散作戦＞：アメリカ海軍の作戦構想、略称DMO（Distributed Maritime Operation）。分散型構成Distributed Architectureともいう。分散型攻撃力Distributed Lethalityをセンサーやターゲッティング分野にも拡大し、無人ヴィークルも含めたもので、2018年に海軍作戦部長が「海上優勢維持のための構想Ver2.0」で承認した。A2/ADに対抗するため、センサーや攻撃兵装を大型戦闘艦だけでなく小型艦から補給艦や無人艇に至るまで多数のプラットフォームに分散搭載して100海里四方に展開し、空母航空団や陸上基地からの航空戦力もセンサー・攻撃兵装プラットフォームに加え、敵に攻撃対象を絞らせなくするものである。敵が全てのプラットフォームに最適な兵装を割り当てるにはISRなどの労力が掛かりすぎ、かといって全プラットフォームに対艦弾道ミサイルや極超音速兵器を割り当てるのは費用が掛かりすぎる。これに基づき2018年からゴースト・フリート計画を発動し、無人水上艇の開発にあたっている。2020年にはバトルフォース2045を策定し、目標整備艦艇数を2016年の有人艦定数のみ355隻からUSV/UUVを加えて500隻以上に増やした。参考：月刊世界の艦船4,’21、1,’24

＜海上保安史料館横浜館＞：海上保安庁横浜海上防災基地に併設されている史料館で、2001年の不審船事件で沈没した北朝鮮工作船長漁3705が展示されている。所在地は横浜市中区新港1-2-1。開館時間1000-1700（入館1630まで）、休館日は年末年始と月曜（月曜が祝日の場合は翌日）。入場無料。参考：月刊世界の艦船9,’09、3,’05

＜海上防衛図演装置＞：海上自衛隊の図上演習装置。単独の艦船や航空機の運用といったビークルの戦術レベルから政府の意志決定に基づく大規模部隊運用といった戦略・政策レベルまで、平時から有事に至る全状況下において、防衛省／防衛庁・自衛隊のみならず関係省庁や自治体も参画でき、異なる２つの図上演習を同時に実施することができるシミュレータである。1988年から研究開発し、1995年に第１世代の運用を開始した。2000年、ダウンサイジング化を図り、参加部隊所在地とネットワークで結んで幹部学校に来なくても図上演習を行えるようにした第２世代の運用を開始。2008年、ハードウェアの性能を向上させ、自衛隊共通ソフト基盤を適用した第３世代の運用を開始。2014年、多重図上演習を可能とし、海自他システムとも接続させ、ヒューマン・マシン・インターフェースの改善を図った第４世代の運用を開始。2019年から第５世代になる予定。参考：海上自衛隊幹部学校ホームページ

＜海上防衛図演装置（換装用）ソフトウェア（その２）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜海将補旗＞：海上自衛隊の指揮官旗の１つ。白字に桜が２つ並んでいる。練習艦隊司令官や護衛隊群司令など海将補が座乗した艦に掲揚する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜海祥丸＞：日本陸軍輸送船Kaisho maru。元は大正7年4月に竣工した勝田汽船の貨物船で、昭和6年に三瑞汽船、昭和7年に八馬汽船に売却されたのを、太平洋戦争勃発で陸軍が徴用したものである。垂線間長124.13m、幅15.49m、深さ9.93m、吃水7.99m、総トン数6071トン、重量トン数8831トン。主機は三連成汽機１基１軸3537馬力、航海速力10.5ノット、最大速力13.3ノット。昭和18年8月4日、スラバヤからボルネオに向かう途中、スラバヤ北北西130海里でSS-230フィンバックの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜會昌丸＞：日本海軍特設運送船（雑用船）Kaisho maru。元は會陽汽船の貨物船で、昭和13年6月30日に竣工して中村汽船が用船し、太平洋戦争開戦直前に特設運送船になった。垂線間長110.81m、幅15.24m、深さ8.84m、計画吃水7.32m、総トン数4164トン、重量トン数6414トン。主機は蒸気タービン１基１軸3565馬力、航海速力13.5ノット、最大速力16.963ノット。昭和18年8月22日、トラックから横須賀に向かう途中、グアム南東440kmでSS-284タリビーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’19

＜海上輸送力＞：アメリカ海軍の海上輸送組織。軍事海上輸送コマンドの下部組織で、重師団・後続部隊用の兵器・物資を輸送する。高速海上輸送艦、大量急速輸送（サージ）部隊、即応予備役船隊からなる。参考：月刊軍事研究5,’03

＜海上要員基礎訓練装置＞：自衛隊の機器。マリックス製。参考：月刊軍事研究5,’17

＜海上要塞（イギリス）＞：イギリス軍の海上要塞。第２次大戦でのダンケルク撤退後、ドイツ軍の上陸に備えて開発され、テムズ川河口やリバプール湾に1942年初めに設置された。参考：英独航空決戦

　＜海上要塞（海軍型）＞：太い２本の柱の上に大型構造物を建てたもので、単独で要塞として機能する。レーダーと高射砲が設置され、内部には居住区もある。設置場所までタグボートで曳航し、沈めて使用した。参考：英独航空決戦

　＜海上要塞（陸軍型）＞：ポンツーン上にコンクリート脚を４本建て、３層の箱形構造物を載せたものである。これを５角形の各頂点と中心、頂点の１つの延長上の合計７つ並べ、キャットウォークで繋いで完成させた。５角形の中心は指揮所、頂点はボフォース対空機関砲塔１基と3.7インチ（94mm）対空砲塔４基、延長上はサーチライトとなっている。設置場所まで船で運ぶことが可能。参考：英独航空決戦

＜海上用汎地球指揮統制システム＞：GCCS-Mを参照。

＜海上・臨海部テロ対策協議会＞：日本の港湾部テロ対処活動組織。日本外航客船協会など13団体と、国交省など関係省庁が構成し、警察庁、財務省関税局、法務省入国管理局もオブザーバー参加している。2018年に活動を開始した。2020年1月24日、初のテロ対応実動訓練を東京湾で実施。東京オリンピック・パラリンピックを意識しており、東海汽船の橘丸で旅客船でのテロを想定した訓練を行っている。参考：月刊世界の感染4,’20

＜海上レーザー実証機＞：MLDを参照。

＜海上連合＞：ロシア海軍と中国海軍の共同演習。参考：月刊軍事研究1,’17

＜海上連合２０１２＞：2012年に実施し、中国から4000名、艦艇16隻、航空機13機、ロシアから太平洋艦隊艦艇７隻（ワリャーグなど）が参加した。参考：月刊軍事研究1,’17

＜海上連合２０１３＞：2013年7月5-12日（13日？）にウラジオストク沖ピョートル大帝湾内の日本海で行った。ロシア海軍から艦艇11隻、中国海軍から051C級ミサイル駆逐艦115瀋陽、同116石家荘、052B級ミサイル駆逐艦169武漢、052C級ミサイル駆逐艦170蘭州、054A級フリゲート538煙台、同546塩城、福清型補給艦881洪澤湖が参加し、他に固定翼機２機、ヘリコプター５機、特殊部隊２個分隊が加わり、総兵力は4000名だった。演習終了後、中国海軍艦船のうち南海艦隊所属の169武漢と170蘭州は対馬海峡を南下して帰国したが、残る北海艦隊所属の５隻は7月14日に宗谷海峡を通過して中国海軍艦艇として初めてオホーツク海に入り、千島列島を横切って太平洋に進出後、日本を周回して7月25日に宮古島の東を通り、東シナ海に入った。ロシア軍は本演習終了後に極東で大規模な抜き打ち演習を行っており、オホーツク海に入った中国への牽制ともいわれる。参考：月刊世界の艦船9,’13、10,’13、月刊軍事研究1,’17

＜海上連合２０１４＞：2014年5月20-26日に東シナ海で行った。中国側は尖閣諸島近くで行うよう求めたが、ロシア側が拒否して東シナ海北部で実施されている。ロシアからスラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ（ロシア側旗艦）、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ロプーチャ�T級揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、改アルタイ級補給艦イリム、ネフテガズ級航洋曳船カラル、中国から052C級ミサイル駆逐艦151鄭州、054A級フリゲート、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦139寧波、旅滬型駆逐艦112哈爾浜、056級コルベット、福池型補給艦、潜水艦などが参加（総計で水上艦14隻、潜水艦２隻、固定翼機９機、艦載ヘリ数機）し、中露合同艦隊を編成、防空戦、対水上戦、対潜戦、海賊対処、捜索救難などの訓練を行った。参考：月刊世界の艦船9,’14、8,’14、月刊軍事研究1,’17

＜海上連合２０１５（�T）＞：2015年5月11-21日に地中海で行われ、ロシア黒海艦隊艦艇６隻と中国海軍艦艇３隻（547臨沂、550維坊など）が参加した。547臨沂と550維坊は黒海艦隊ノヴォロシースク基地を訪問し、5月9日の対独戦勝記念式典に参列している。参考：月刊軍事研究1,’17、8,’16

＜海上連合２０１５（�U）＞：2015年8月20-28日に日本海で行われ、ロシアからスラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、中国から051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦138泰州、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、071型揚陸艦989長白山、072�V級玉亭�U型揚陸艦997雲霧山、福池型補給艦889太湖が参加した。演習後に051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、071型揚陸艦989長白山、福池型補給艦889太湖が日本列島を周回している。これら艦艇はアリューシャン列島のアメリカ領海を無害通航と称して航行しており、1992年に中国が制定した領海法で中国に対する無害通航権は拒絶（他国軍艦が領海を通る際は事前同意を求めている）しておきながら他国に対する無害通航権は平気で行使する姿勢を露わにした。参考：朝雲、月刊世界の艦船1,’16、月刊軍事研究1,’17

＜海上連合２０１６＞：2016年9月11-19日に南シナ海や広東省沿岸部で実施された。ロシアからウダロイ級駆逐艦２隻、ロプーチャ型戦車揚陸艦ペレスヴェート、ドゥブナ型補給艦１隻、曳船、ヘリ２機、装甲車、海軍歩兵96名、中国から071型揚陸艦、072A型戦車揚陸艦、052B型駆逐艦、052C型駆逐艦、054A級フリゲート３隻、904B型補給艦、潜水艦２隻、固定翼機11機、ヘリ８機、水陸両用装甲車、陸戦隊160名が参加し、統合指揮情報システムを使用した対抗演習や離島奪還演習などを行っている。参考：月刊軍事研究3,’17、1,’17

＜海上連合２０１７＞：2017年9月18-26日（9月22-26日？）にオホーツク海（中国海軍初のオホーツク海での訓練）や日本海で実施された。ロシアからスラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、イゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦イゴリ・ベロウソフ、キロ級潜水艦２隻、中国から052D級ミサイル駆逐艦174合肥、051C級ミサイル駆逐艦116石家荘、054A型フリゲート571運城、同576大慶、福池型補給艦960東平湖、大老型潜水艦救難艦867長島が参加して各種戦術訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船12,’17、11,’17、月刊軍事研究11,’17、朝雲

＜海上連合２０２１＞：2021年10月14-17日、日本海で実施された。ロシアからウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・トリブツ、ステレグシュチイ級フリゲートのグロームキイ、同アルダー・ツィデンジャポフ、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフ、中国から055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦172昆明、054A級フリゲート515浜州、同573柳州、福池型補給艦902東平湖、大老型潜水艦救難艦846、通常動力型潜水艦１隻が参加し、主砲射撃やクロスデッキなどの訓練を行っている。その後中露参加艦が日本を一周した。参考：月刊JWings1,'22、月刊世界の艦船1,’22

＜海神＞：ZKJシリーズ（艦載戦闘システム）を参照。

＜改シンフン型＞：北朝鮮海軍魚雷艇。排水量43トン。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜海瑞級＞：中国海軍沿岸哨戒艇。兵装は対潜ロケット５連装発射機３基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜海水脱塩キット＞：自衛隊の機器。イヨンインターナショナルが受注している。参考：月刊軍事研究1,’18

＜海水電池＞：GE社が第２次大戦後に開発した魚雷用電池。陽極に塩化銀、陰極にマグネシウムを使用し、魚雷が海中に投下されると海水が浸入して電解液となり、起電力を発生する。管理や整備が容易で保存性やエネルギー密度が高く、魚雷を小型軽量にできる。欠点は銀を使用するので高価なこと、再使用ができないことなど。参考：丸スペシャルNo.76

＜改スヴェトラーナ級軽巡洋艦＞：ロシア海軍軽巡洋艦。黒海艦隊向けで、計画時の諸元は以下の通り。全長166.7m、幅15.7m、吃水5.6m、排水量7663トン。主機は蒸気タービン４基、主缶は13基、出力50000馬力、巡航速力14ノット、最大速力29.5ノット、常備燃料搭載量498トン、最大燃料搭載量1167トン、航続距離1200海里（14ノット）／470海里（29.5ノット）。兵装は55口径130mm単装砲（射程９海里、発射速度毎分15発）15門、6.4cm高角砲４門、7.62mm機銃４丁、450mm水中魚雷発射管２門（魚雷６本）、機雷100個。100cm探照灯と90cm探照灯を４基ずつ搭載する。装甲厚は中央舷側25-75mm、艦首50mm、機関室天蓋20mm、揚弾薬機25mm、上甲板20mm、下甲板20mm、司令塔75mm、防楯25mm。1913-15年にアドミラル・ナヒモフ、アドミラル・ラザレフ、アドミラル・コルニロフ、アドミラル・イストミンが起工したが、建造中の1917年10月11日にいずれも建造中止命令が出た。ソ連時代になってアドミラル・ナヒモフとアドミラル・ラザレフが巡洋艦としての工事を再開、前者はチェルヴォナ・ウクライナとして1927年に就役し、後者はクラスニイ・カフカズ級巡洋艦クラスニイ・カフカズとして竣工した。チェルヴォナ・ウクライナの1941年の諸元は以下の通り。全長166.9m、幅15.7m、吃水6.5m、基準排水量6600トン、満載排水量8400トン。主機は蒸気タービン４基４軸55000馬力、巡航速力14ノット、常備時最大速力29.5ノット、満載時最大速力25ノット、燃料搭載量石炭540トン・重油690トン、航続距離1370海里（14ノット）。兵装は130mm単装砲15門（2625発）、100mm連装砲３基（1621発）、45mm単装砲４門（3050発）、12.7mm機銃４丁、450mm魚雷３連装発射管４基（12本）、機雷100個。探照灯４基を装備する。装甲厚は舷側75mm、上甲板20mm、下甲板20mm、艦尾50mm、司令塔125mm、砲塔25mm。乗員830名。1952年に実艦的として処分された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜回数起爆機雷＞：機雷を参照。

＜海星＞：SSM-700K（艦対艦ミサイル）を参照。

＜海星２＞：韓国海軍艦対地巡航ミサイル、ヘソン２（Haeseong 2）。SSM-700Kがベースで、2011年度から開発した。弾頭はクラスター弾頭で、軽装甲車両を破壊できる子爆弾をサッカー場２つ分のエリアにばらまく。最大射程500kmらしい。データリンクにより飛翔中の飛行経路・目標アップデートが可能。2017年度から低率初期生産に入っており、2019年に就役予定。2017年11月29日に北朝鮮軍が火星15号を発射した際、直後にイージス艦から１発を発射して火星15号発射地点を想定した目標に命中させた。参考：月刊軍事研究3,’18

＜改正二十三口径二十四センチ加農＞：日本陸軍のカノン砲。二十四センチ加農の砲架を改良したものである。弾量150kg。最大射程9000m。東京湾要塞に４門、猿島第２砲台に４門、観音崎第１砲台に２門が設置された。参考：大砲入門

＜回生協調ブレーキ＞：エネルギー回生装置（回生ブレーキ）によるブレーキ力と制動装置からのブレーキ力をバランス良く振り分けるシステムを備えたブレーキのこと。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜解析結果表示ソフトウェア＞：自衛隊の機器。三菱プレシジョン製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜解析装置＞：自衛隊の機器。パナソニックシステムネットワークス製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜カイゼリン＞：ドイツ海軍カイザー級戦艦Kaiserin。1913年竣工。1916年5月31日、第３戦艦戦隊第６小隊所属でジュットランド海戦に参加。第１次大戦終結後にスカパフローに集められ、抑留された。1919年6月21日、スカパフローのイギリス艦隊が水雷教練に出動した隙に、ドイツ艦隊司令官の「状態Ｚとなせ」の指令の下、自沈した。参考：近代戦艦史

＜カイゼリン・エリーザベト＞：オーストリア＝ハンガリー海軍カイザー・フランツ・ヨーゼフ�T世級防護巡洋艦２番艦Kaiserin Elisabeth。1892年1月24日竣工。1893年、フランツ・フェルディナント皇太子を乗せ日本に来航。第１次大戦勃発時は青島にあり、日本軍と交戦して1914年11月2日に自沈した。乗員は陸戦隊を編成して戦闘を継続したが、捕虜になっている。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜改善Ｅ−２Ｃ運用データ分析装置＞：自衛隊の機器。東芝電波プロダクツ製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜外線作戦＞：Exterior lines of operation。戦場の外周に離れて配備された複数の部隊が、中央に位置する敵に向かって歩調を合わせ前進し、側背を突きつつ包囲殲滅する作戦のことで、攻勢作戦となる。敵に壊滅的打撃を与えることができるが、分散させた部隊の統一指揮が難しい、部隊を分散させすぎると逆襲される、前進の歩調が合わないと脱出される、分散した部隊に物資を供給できるだけの後方部隊の用意が要る、といった欠点がある。参考：月刊軍事研究4,’12、5,’12、5,’15、7,’15

＜海戦条約＞：ジュネーブ第２条約を参照。

＜開戦の詔勅＞：大日本帝国が戦争を起こす際、天皇が発する詔勅。概ね「天佑ヲ保全シ万世一系ノ皇祚ヲフメル大日本帝国ハ忠実勇武ナル汝有衆ニ示ス・・・（開戦理由）・・・汝有衆ノ忠実勇武ニ倚頼シスミヤカニ平和ヲ永遠ニ克復シ以テ帝国ノ光業ヲ全クセムコトヲ期ス　御名御璽　年　月　各大臣副署」と書かれる。参考：月刊PANZER10,’01

　＜開戦詔勅（大東亜戦争）＞：天佑ヲ保有シ万世一系ノ皇祚ヲ践メル大日本帝国天皇ハ昭ニ忠誠勇武ナル汝有衆ニ示ス朕茲ニ米国及英国ニ対シテ戦ヲ宣ス朕カ陸海将兵ハ全力ヲ奮テ交戦ニ従事シ朕カ百僚有司ハ励精職務ヲ奉公シ朕カ衆庶ハ各々其ノ本分ヲ尽シ億兆一心国家ノ総力ヲ挙ケテ征戦ノ目的ヲ達成スルニ遺算ナカラムコトヲ期セヨ　抑々東亜ノ安定ヲ確保シ以テ世界ノ平和ニ寄与スルハ丕顕ナル皇租考丕承ナル皇考ノ作逑セル遠猷ニシテ朕カ挙々措カサル所而シテ列国トノ交誼ヲ篤クシ万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ之亦帝国カ常ニ国交ノ要義ト為ス所ナリ今ヤ不幸ニシテ米英両国ト釁端ヲ開クニ至ル洵ニ已ムヲ得サルモノアリ豈朕カ志ナラムヤ中華民国曩ニ帝国ノ真意ヲ解セズ濫ニ事を構ヘテ東亜ノ平和ヲ攪乱シ遂ニ帝国ヲシテ干戈ヲ執ルニ至ラシテ茲ニ四年有余ヲ経タリ幸ニ国民政府更新スルアリ帝国ハ之ト善隣ノ誼ヲ結ヒ相提携スルニ至レルモ重慶ニ残存スル政権ハ米英ノ庇蔭ヲ恃ミテ兄弟尚未タ牆ニ相鬩クヲ悛メス米英両国ハ残存政権ヲ支援シテ東亜ノ禍乱ヲ助長シ平和ノ美名ニ匿レテ東洋制覇ノ非望ヲ逞ウセムトス剰ヘ与国ヲ誘ヒ帝国ノ周辺ニ於テ武備ヲ増強シテ我ニ挑戦シ更ニ帝国ノ平和的通商ヲ有ラユル妨害ヲ与ヘ遂ニ経済断行ヲ敢テシ帝国ノ生存ニ重大ナル脅威ヲ加フ朕ハ政府ヲシテ事態ヲ平和ノ裡ニ回復セシメムトシ隠忍久シキニ弥リタルモ彼ハ毫モ交譲ノ精神無ク徒ニ時局ノ解決ヲ遅延シセメテ此ノ間却ッテ益々経済上軍事上ノ脅威ヲ増大シ以テ我ヲ屈従セシメムトス斯ノ如クニシテ推移セムカ東亜安定ニ関スル帝国積年ノ努力ハ悉ク水泡ニ帰シ帝国ノ存立亦正ニ危殆ニ瀕セリ事既ニ此ニ至ル帝国ハ今ヤ自存自衛ノ為蹶然起ッテ一切ノ障礙ヲ破砕スルノ外ナキナリ　皇租皇宗ノ神霊ニ在リ朕ハ汝有衆ノ忠誠勇武ニ信倚シ租宗ノ遺業ヲ恢弘シ速ニ禍根ヲ芟除シテ東亜永遠ノ平和ヲ確立シ以テ帝国ノ光栄ヲ保全セムコトヲ斯ス　御名御璽　昭和16年12月8日　参考：戦時用語の基礎知識

＜海戦要務令＞：日本海軍が戦時要務の基準などを纏めたもので、これに基づいて各級指揮官が用兵を行い、軍令部が必要な兵器を揃える。明治34年2月に天皇の裁可を受け制定され、軍機（海軍最高機密）に指定された。第１部の戦時要務と第２部の演習に分かれている。艦隊戦闘は、陣形を保持して敵よりも数の優位を保てるよう敵の弱点に向かい、大打撃を与えるのが主眼とされた。日露戦争を受けて明治43年3月と大正元年9月に第１回の改正が行われ、先制攻撃による攻勢決戦を重視、主力艦隊及び水雷戦隊により昼間決戦を実施し、決着が付かない場合には水雷戦隊単独で夜間攻撃を行い、翌日もう一度主力艦隊と水雷戦隊で決着を付けることにした。第１次大戦を受けて大正9年10月に第２回の改正海戦要務令が発布され、潜水艦、航空機、機雷といった新兵器に対応した改訂が行われた。昭和3年6月に第３回の改定が行われ、まず夜戦で水雷戦隊により敵艦隊を漸減し、昼間に主力艦隊と水雷戦隊で決戦を行うことになった。昭和9年に第４回の改定が行われ、巡洋戦艦（高速戦艦）戦隊も夜戦に参加し、敵艦隊（有力な重巡洋艦艦隊を持つアメリカ海軍艦隊）の漸減に努めることとなった。主力艦隊は前衛（高速戦隊１個、巡洋艦戦隊3-4個、水雷戦隊２個、重雷装艦２隻）及び本隊（戦艦戦隊２個、巡洋艦戦隊1-2個、水雷戦隊２個。巡洋艦戦隊と水雷戦隊は戦艦戦隊の後衛を務める）からなり、互いに20kmほど前後に離れて展開する。昼間決戦では敵主力から35km前後まで接近し、前衛が長射程の酸素魚雷を使用して雷撃を実施、砲戦が始まった直後に魚雷が敵主力に殺到するようにする。これにより敵の陣形を乱し、タイミングを計って突撃を開始。主力艦は砲撃を続けると共にその他の艦は魚雷を再装填し、巡洋艦戦隊は射距離10km、水雷戦隊は射距離5kmで雷撃を行い、敵を撃滅する。夜間戦闘では夜戦隊（重巡戦隊１個、水雷戦隊１個）４個と支援隊（高速戦艦戦隊１個）、指揮官部隊（巡洋艦戦隊１個）を基本戦闘単位とし、日没時点で敵艦隊から60海里以内に接近し、深夜０時までには触接できるようにしておく。日没後に左右に分かれて包囲を開始し、敵主力から20-30kmの距離を保って４個夜戦隊が斜め四方に展開する（４つ固め）。この際、指揮官戦隊は２個小隊に分かれ、敵主力後方に展開して敵の大変針に備える。編制などの関係で４つ固めが無理な場合には、３部隊で敵を包囲する３つ固めを用いる。魚雷の航走距離は外れた場合でも向かい側の味方艦隊に届かないようにセットし、魚雷を発射。敵艦に魚雷が到達する直前に夜戦部隊は敵艦隊に突撃し、指揮官部隊が照明弾や探照灯で敵を照射する。直後に魚雷が着弾、敵陣が乱れたら、水雷戦隊は再装填した魚雷を2000mで発射する。敵艦隊が壊滅すれば主力部隊を加えて残敵を掃討し、敵艦隊の戦力が残存していて翌日の昼戦に備える場合には日の出の３時間前に戦線を離脱、日の出の１時間前までに主力部隊と合流して陣形を整える。昭和10年頃、夜戦部隊を積極的に主力艦が支援すべきという意見、薄暮戦を避けて高速戦艦を早めに主力艦隊に戻し、昼戦をメインにすべきという意見、戦場周辺の状況次第で夜戦・昼戦のどちらを主体にするか決定するという意見などが出て議論になったが、日華事変勃発で大演習が一時的に行われなくなり、研究が困難となったため、結論が先送りされたまま太平洋戦争になった。また、昭和15年3月には航空優先を旨とする航空戦の部の草案が作成されているが、こちらも艦隊・鎮守府各参謀長宛に送付されたところで太平洋戦争を迎えており、日露戦争以来の先制攻勢艦隊決戦を行うために揃えた軍備で太平洋戦争を戦うこととなった。参考：歴史群像2,’08、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜回線連接用多重化装置＞：自衛隊の機器。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜海倉＞：南運951（輸送艦）を参照。

＜海曹＞：海上自衛隊の階級で、一般に言う海軍下士官である。階級としては海曹長、一等海曹、二等海曹、三等海曹があり、役目としては上級海曹、中堅海曹、初級海曹に分かれる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜改装＞：艦の性能を向上させるため、部分的な手直しをすること。日本海軍戦艦では、前ジュットランド型からポスト・ジュットランド型への改装をこう称した。参考：戦艦入門

＜改造＞：本来の任務とは異なる任務を持つ艦船に変更されること。参考：戦艦入門

＜改造四年式十五珊榴弾砲＞：四年式十五珊榴弾砲シリーズを参照。

＜改造三八式野砲＞：三八式野砲シリーズを参照。

＜改造三八式野砲用砲床＞：日本陸軍の改造三八式野砲用ターンテーブル。野砲を上に載せて全周射界を得る。移動する戦車を射撃すべく開発され、昭和10年に制式化された。参考：大砲入門

＜改造型護衛駆逐艦＞：イギリス海軍が旧式駆逐艦を第２次大戦時に船団護衛任務用に改装したもので、兵装を完全に護衛用に積み替えている。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜改造型短距離護衛艦＞：イギリス海軍が旧式駆逐艦を第２次大戦時に船団護衛任務用に改装したもので、兵装の一部を護衛用に換装してある。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜改造型長距離護衛艦＞：イギリス海軍が旧式駆逐艦を第２次大戦時に船団護衛任務用に改装したもので、兵装の一部を護衛用に換装し、缶を１基撤去して燃料搭載量を増加、航続距離を延ばしている。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜海曹士航空士対潜（ＳＨ６０Ｊ）課程＞：海上自衛隊の航空士教育課程。1996年12月に開始された。2016年3月、SM2703期課程の海士長２名に、本課程で最後となる修業式を第211教育航空隊で実施。20年間で75コース241名の航空士を育成した。参考：朝雲

＜海曹士航空士対潜（ＳＨ６０Ｋ）課程＞：海上自衛隊の航空士教育課程。2012年に開始された。参考：朝雲

＜海曹士専修科課程＞：海上自衛隊の術科教育で、海士・海曹特技課程よりも高度で専門的な分野を扱う。170種類あり、各術科学校、潜水医学実験隊、自衛隊横須賀病院などで実施される。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜海曹士専修科潜水艦課程＞：海上自衛隊の潜水艦乗員向け術科教育。潜水艦教育訓練隊で実施される。潜水艦、電測武器、水測武器、攻撃武器、情報処理装置、深海潜水艇基礎など11課程があり、潜水艦に数年間勤務した海曹士に各特技関連の高度な知識や技術を教育する。参考：月刊世界の艦船1,’13、9,’12増刊

＜海曹士潜水艦課程＞：海上自衛隊の潜水艦乗員教育。潜水艦教育訓練隊で実施される。海曹士として入隊し、教育隊で練習員課程（17週間）を終えた後、そのまま受講するコース（16週間）と、練習員課程修了後1-2年の水上艦勤務を終えてから受講するコース（14週間）があるが、早期教育が重要ということで、ほぼ前者が占めるようになった。潜水艦の全体像に関する教育が主で、特技別の教育も織り交ぜられる。修了すると潜水艦部隊実習（16週間）で特技別の実習を受け、総合試験をクリアすれば潜水艦徽章（ドルフィンマーク）を授与されて潜水艦乗員となる。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜海曹士特修科課程＞：海上自衛隊の術科教育で、海士・海曹特技課程よりも高度で専門的な分野を扱う。第１術科学校で行われる潜水、警備、特別警備基礎、特別警備隊で行われる特別警備応用、第２術科学校で行われる艦船整備、情報の計６種がある。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜海曹士特修科潜水課程＞：海上自衛隊の術科教育。水深40mまでの潜水技術を習得するのが目的である。第１術科学校潜水科で行われ、期間は15週間。参考：MAMOR vol.153

＜海曹上級課程＞：上級海曹特技課程を参照。

＜解像度＞：分解能ともいう。画像を構成するピクセルの大きさを表す。解像度100mmの場合、100mm四方のドットで画面が構成されるということである。参考：月刊軍事研究12,’98

＜改造馬式五十七粍砲＞：日本陸軍の試作対戦車砲。日露戦争で鹵獲したロシアの長砲身57mm砲（馬式五十七粍速射砲）の薬室を改造し、九五式野砲の砲架を組み合わせたものである。昭和16年7月に試作され、僅か５日で完成させてテストに入ったが、九二式徹甲弾を150発発射したところで砲身が使い物にならなくなったため、砲身寿命が短すぎるとして制式化はされなかった。参考：月刊PANZER4,’93

＜海曹予定者課程＞：海上自衛隊の教育課程。海士長に対し、海曹に必要な精神的・身体的基盤の育成と知識技能の教育を施すもので、初任海曹課程の後継である。教育期間は２ヶ月半で、修了すると三等海曹に昇任する。育児や介護などやむを得ない理由がある場合、特別外出付入校として通学形式で教育を受けられる。2016年10月から第１期生の試行が横須賀教育隊と佐世保教育隊で開始された。第２期生は2017年1月に入校した。第３期生は舞鶴教育隊と呉教育隊も加えた全教育隊で教育を行う事になり、2017年10月に学生が入校した。参考：朝雲

＜海賊＞：中世には国際法も何も無いので海賊が横行しており、海賊船や私掠船だけでなく、通常の貿易船も相手の護衛船や自衛武装がこちらより劣勢なら襲いかかって掠奪にかかる有様で、海軍は平時でも味方商船の護衛や海賊掃討作戦に投入されていた。イギリスはスペインとの対決の際に海賊や私掠船を海上交通破壊作戦に利用しているが、スペイン、オランダ、フランスに勝利して19世紀初めに海洋覇権を握ると逆に制圧する必要に迫られ、1856年のパリ宣言で私掠船が国際的に非合法とされた。2017年に入ってアラビア海に海賊が出没するようになり、半年間で10回の襲撃をかけて２隻を乗っ取っている。参考：月刊世界の艦船5,’83、9,’17

＜快速戦車＞：騎兵戦車を参照。

＜海賊対処行動＞：自衛隊法第84条の２に規定がある。防衛大臣は、海賊対処法（海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律）の定めるところにより、自衛隊の部隊による海賊対処行動を行わせることができる。自衛官は、海賊対処法で規定する権限を行使できる。参考：自衛隊法

＜海賊対処法＞：正式名は海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律。2009年6月19日に成立し、7月24日に施行された法律で、ソマリア沖海賊対処行動の根拠となる。13条と付則で構成され、海賊行為に関する罪（最高刑は死刑）を第3-4条で規定し、第９条で海賊行為に対して日本の法令を適用するとしている。海賊対処行動は第７条に規定されていて、防衛大臣が首相の承認を得て必要な行動を命じることができ、その際には必要性、行動範囲、部隊規模・装備・活動期間、その他重要事項を首相に提出する。海賊対処行動時は海上保安庁法と警職法を準用し（なのでソマリア沖海賊対処行動水上部隊には司法警察活動のため海上保安官がソマリア周辺海域派遣捜査隊として同乗する）、武器の使用が認められる。防護対象には外国船も含まれる。参考：朝雲、月刊世界の艦船8,’20

＜怪蛇＞：PL-8シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜海大１型＞：日本海軍一等潜水艦。八八艦隊計画の主力艦隊に随伴し、洋上の漸減作戦を行う海軍大型潜水艦のプロトタイプとして開発された。しかし必要とされた20ノット（アメリカ主力艦戦闘速力と同等）を出すための強力なディーゼルエンジンが無かったため、海中型と同じ1300馬力（実測では1450馬力）のディーゼルを４基搭載することにし、船体中央を多筒式（円筒３つを横に並べた二重八の字型）にして収容している。この特殊な船体形状のためますます速力が落ち、全力運転ができないなどの問題もあって最大速力は18.4ノットに留まった。潜望鏡は３本で、２本を司令塔に、１本を発令所に装備する。全長91.44m、垂線間長87m、幅8.81m、平均吃水4.6m、基準排水量1390トン、常備排水量1500トン、水中排水量2430トン。主機はズルザー式２号ディーゼル４基（5800馬力）・閉鎖通風型モーター４基（2000馬力）、４軸推進、水上速力18.4ノット、水中速力8.4ノット、燃料508トン、一号二型ペースト式電池342個、水上航続距離20000海里（10ノット）、水中航続距離100海里（４ノット）。補助発電機としてズルザー式300kW型を装備する。安全潜航深度45.7m。兵装は四五口径三年式一二サンチ砲１門（セイル前方）と一〇年式魚雷発射管８門（艦首６門・艦尾２門。533mm魚雷20本）。乗員70名。大正13年に伊51が就役した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊世界の艦船12,’10、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海大２型＞：日本海軍一等潜水艦。当初は海大１型の２番艦として建造されていたが、スイスのズルザー社製3400馬力ディーゼルが入手できたので、それに合わせて設計を変更した。高速発揮のため船体を細長くし、２軸推進に変更、艦首を斜めにして水上航行時の凌波性を向上させ、内殻の形状を円筒形にし、メインタンクの排水をターボブロワーによる低圧排水に変更、潜航秒時を短縮するために注水用キングストン弁を大型化している。操舵装置は電動式になり、補助発電機２基を搭載、電池を１号６型240個とした（総出力は同じ）。全長100.85m、垂線間長94.6m、幅7.64m、平均吃水5.14m、基準排水量1390トン、常備排水量1500トン、水中排水量2500トン。主機はズルザー式３号3400馬力型ディーゼル２基（6800馬力）・閉鎖通風型モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力22ノット、水中速力7.7ノット。最大速力公試で20.1ノットを記録し、日本海軍初の20ノット超え潜水艦となったが、主機に不具合が多く、実際の水上速力は19.5ノットが限界だった。燃料搭載量284.5トン、一号六型ペースト式電池240個、水上航続距離10000海里（10ノット）、水中航続距離100海里（４ノット）。補助発電機としてズルザー式300kW型を装備する。安全潜航深度45.7m。兵装は一五式魚雷発射管６門（艦首４門、艦尾２門。533mm魚雷16本）、四五口径三年式一二サンチ砲１門（セイル前方）、八八式40口径8cm単装高角砲１門。乗員58名。伊52（初代）が大正14年に就役した。高角砲は後に撤去されている。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海大３型ａ＞：日本海軍一等潜水艦。艦隊随伴型潜水艦の量産型である。海大２型までの実績と第１次大戦で入手したドイツ軍潜水艦の技術を基に開発し、大正12年度計画で量産された。内殻を厚くして潜航深度を増大させ、ハッチを全て二重としてある。また、艦首を更に前方に傾け、セイル付け根を一回り太くして内部容積を拡大、司令塔内に作戦指揮所を設けた。主機は海大２型と同じスイスのズルザー３号で、多少の設計変更を加えてある。全長100.85m、垂線間長94.5m、幅7.98m、平均吃水4.83m、基準排水量1635トン、常備排水量1800トン、水中排水量2300トン。主機はズルザー式３号ディーゼル２基（6800馬力）・閉鎖通風型モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力20ノット、水中速力８ノット。燃料搭載量241.8トン、一号五型ペースト式電池240個、水上航続距離4500海里（10ノット。メインタンクを燃料タンクにすると10000海里）、水中航続距離90海里（３ノット）。補助発電機としてズルザー式300kW（伊58は280kW）を１基搭載する。安全潜航深度60m。兵装は一五式魚雷発射管８門（艦首に６門、艦尾に２門。533mm魚雷16本）、四五口径三年式一二サンチ砲１門（セイル前方）、留式／九二式7.7ミリ単装機銃１丁。乗員63名。伊53（初代）、伊54（初代）、伊55（初代）、伊58（初代）の４隻が昭和2-3年に竣工した。昭和9-10年、水中聴音機や主機を改良するなどの改装が行われた。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊世界の艦船6,’09、12,’10、6,’83、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海大３型ｂ＞：日本海軍一等潜水艦。巡潜型の設計を海大３型ａに取り入れたものである。大正13年から設計をメートル法に統一することになり（アメリカ・イギリス設計艦はヤードポンド法だった）、板厚や型鋼も面積１平方フィート・長さ１フィートあたりの重量でなく実際の厚さをミリメートル単位で表すようになったため、それに伴う改正も加えられた。ドイツから招聘したテッヘル博士の助言に基づき、艦首と艦尾の形状を変更して水上抵抗を減らし、低圧ブロワーと残水管による排水力強化を図り、トリムポンプを２台に増やし、メインタンクにキングストン弁を追加した。また、上部構造物に直径178mmの耐圧通風管を、魚雷発射管室内に送風機を設置して換気冷却能力を向上させた。全長101m、垂線間長94m、幅7.9m、平均吃水4.9m、基準排水量1635トン、常備排水量1800トン、水中排水量2300トン。主機はズルザー式３号ディーゼル２基（6800馬力）・閉鎖通風型電動モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力20ノット、水中速力８ノット。燃料搭載量230トン、一号五型ペースト式電池240個、水上航続距離4500海里（10ノット）、水中航続距離90海里（３ノット）。安全潜航深度60m。兵装は一五式魚雷発射管８門（艦首に６門、艦尾に２門。533mm魚雷16本搭載）、十一年式45口径12サンチ単装砲１門、留式／九二式7.7ミリ単装機銃１丁。乗員58名。伊56（初代）、伊57、伊59、伊60、伊63が昭和3-5年に就役した。昭和9-12年に主機の改良、ソナー換装、航続距離延長などの改装工事が施行された。昭和15年、艦齢延長工事と魚雷発射管無気泡化改装を実施した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊世界の艦船12,’10、6,’83、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,'15増刊

＜海大４型＞：日本海軍一等潜水艦。海大３型ｂのズルザー式ディーゼルが不調だったので、MAN社製のラウシェンバッハ式２号ディーゼルに換装したものである。船体もやや縮小されているが、排水量は変わらない。艦首の魚雷発射管室内殻を円形断面に変更し、魚雷発射管は４門に減ったが、60mまで安全に潜航できるようになった。潜望鏡も8m型に換えられている。全長97.7m、垂線間長91m、幅7.8m、平均吃水4.83m、基準排水量1635トン、常備排水量1720トン、水中排水量2300トン。主機はラウシェンバッハ式二号ディーゼル２基（6000馬力）・閉鎖通風型電動モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力20ノット、水中速力8.5ノット。補助発電機はズルザー式280kW型１基。燃料搭載量230トン、一号五型ペースト式電池240個、水上航続距離4770海里（10ノット。メインタンクを燃料タンクにすると10000海里）、水中航続距離60海里（３ノット）。安全潜航深度60m。兵装は一五式魚雷発射管６門（艦首４門・艦尾２門。魚雷14本）、十一年式45口径12サンチ単装砲１門（セイル前方）、留式／九二式7.7ミリ単装機銃１丁。乗員63名。昭和4-5年に伊61、伊62、伊64の３隻が竣工した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊世界の艦船12,’10、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,'15増刊

＜海大５型＞：日本海軍一等潜水艦。昭和2年に予算が通った高速型で、船体を完全複殻式にして船体形状を洗練させ、速力を向上した。電気溶接を多用、内殻を厚くして安全潜航深度を75mに増し、司令塔のくびれ部分を補強、重油漏洩対策や南方作戦を考慮した冷却器強化なども施している。魚雷発射管は無気泡式に換装し、艦隊随伴時の対空戦闘のため上部構造物前方に10cm単装高角砲を搭載した。潜望鏡は八八式九メートル潜望鏡で、夜間潜望鏡も装備、ソナーはMV式とし、水中探信儀を追加した。主機は昭和3年の南方巡航でズルザー式の方が優れていたため、こちらを積んでいる。全長97.7m、垂線間長90.5m、幅8.2m、平均吃水4.7m、基準排水量1575トン、常備排水量1705トン、水中排水量2330トン。主機はズルザー式三号ディーゼル２基（6800馬力）・閉鎖通風型電動モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力20.5ノット、過負荷全力時22ノット、水中速力8.2ノット。燃料搭載量230トン、一号十型ペースト式電池240個、水上航続距離10000海里（10ノット）、水中航続距離60海里（３ノット）。安全潜航深度75m。補助発電機はラウシェンバッハ式300kW型１基。兵装は八八式発射管６門（艦首４門・艦尾２門。魚雷14本）、八八式50口径10サンチ単装高角砲または四五口径三年式12サンチ砲１門（セイル前方）、毘式12ミリ単装機銃（7.7ミリ単装機銃または13ミリ単装機銃？）１丁。乗員62名。伊65、伊66、伊67の３隻が昭和7年に就役した。昭和10年に新型魚雷搭載や水測兵器改良を含む改装が実施され、昭和15-16年に発射管を九五式に換えた。昭和18年、作戦期間延長のため、燃料・水搭載量増大、電池への対爆防御、自動懸吊装置搭載などが行われた。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊世界の艦船12,’10、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海大６型ａ＞：日本海軍一等潜水艦。ロンドン条約の制限により巡潜型を多数持つことができなくなったため、小型でも高速で足の長い艦隊随伴用潜水艦として開発された。ベースは海大５型で、全長を7m延ばして高速性能を発揮できるようにし、縦横舵を大型化、内殻を外フレーム式に変更して内殻内に燃料タンクを増設し、メインタンク容積を拡大すると共に重油の搭載を可能とし、海水と重油を分離する洗浄装置を搭載した。水中聴音機はMV式を装備している。南方での長距離作戦用に冷房能力を強化、真水タンクを拡大した。また、九二式方位盤と縦舵機一斉発動装置（装填された全ての魚雷の縦舵を一気にコントロールできる）を装備し、攻撃能力を高めた。主機は国産ディーゼルで、従来のドイツ製3000馬力ディーゼルとほぼ同じ重量ながら1.5倍の出力を発揮でき、水上速力は敵艦隊触接反復攻撃に必要な値（敵艦隊進出速力の５割増し且つ敵艦隊最大速力の3-4ノット増し）をクリアしている。全長104.7m、垂線間長98.4m、幅8.2m、平均吃水4.58m、基準排水量1400トン、常備排水量1785トン、水中排水量2440トン。主機は艦本式１号甲８型８気筒２サイクル複動ディーゼル２基（9000馬力。過負荷時12000馬力）・閉鎖通風型電動モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力23ノット（過負荷時24ノット）、水中速力8.2ノット、燃料搭載量341トン、一号型ペースト式電池240個、水上航続距離14000海里（10ノット）、水中航続距離65海里（３ノット）。安全潜航深度70m（１・２番艦）／75m（３番艦以降）。補助発電機は三菱式400kW型１基。兵装は八八式発射管６門（艦首４門・艦尾２門、魚雷14本）、八八式50口径10サンチ単装高角砲（３番艦まで）または十一年式45口径12サンチ単装砲（４番艦以降）１門（セイル前方）、九三式13mm機銃（7.7ミリ単装機銃？）１丁（セイル後方）。乗員68名。昭和6年度のマル１計画で伊68、伊69、伊70、伊71、伊72、伊73の６隻が建造され、昭和9-12年に竣工した。1-2番艦は溶接技術の問題で安全潜航深度が70mになっており、水中聴音機もＫチューブのままである。昭和13年、水中聴音機を九三式に換装し、九八式潜水艦対勢儀対勢盤を装備、伊68・伊69・伊70の３艦は機関を改良した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,'15増刊

＜海大６型ｂ＞：日本海軍一等潜水艦。海大６型ａの内殻を厚くして安全潜航深度を85mにし、燃料搭載量を増やし、主機を改良、魚雷発射管を断気弁式無気泡型とし、九三式探信儀と九三式聴音機を搭載した。全長105m、垂線間長98.4m、幅8.2m、平均吃水4.6m、基準排水量1420トン、常備排水量1810トン、水中排水量2564トン。主機は艦本式一号甲八型複動ディーゼル２基（9000馬力）・閉鎖通風型電動モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力23ノット、水中速力8.2ノット、燃料搭載量442トン、一号型ペースト式電池240個、水上航続距離10000海里（16ノット）、水中航続距離65海里（３ノット）。安全潜航深度85m。補助発電機は三菱式400kW型１基。兵装は九五式発射管６門（艦首４門・艦尾２門、魚雷14本。八八式発射管？）、10サンチ単装平射砲１門（十一年式45口径12サンチ単装砲？）、7.7ミリ単装機銃（九三式13mm単装機銃？）１丁。乗員68名。昭和9年度策定のマル２計画で伊74と伊75の２隻が建造され、昭和13年に竣工した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,'15増刊

＜海大７型＞：日本海軍一等潜水艦。マル４計画で艦隊随伴用潜水艦として急速生産できるよう設計された。巡潜丙型の数を補うため建造されたという説もある。海大６型ａ・ｂのような漸減作戦能力は求められず、航続力は減らされたが、代わりに水上・水中での機動性を改善した。主機を改良して信頼性を増すと共に艦尾発射管を艦首に移して船体形状を高速用に変更した。ただし艦首に魚雷発射管を収めるスペースを作るために内殻形状が変更され、安全潜航深度が85mから80mに減っている。全長105.5m、垂線間長98.6m、幅8.25m、平均吃水4.6m、基準排水量1630トン、常備排水量1833トン、水中排水量2602トン。主機は艦本式一号乙八型複動ディーゼル２基（8700馬力）・特七型電動モーター２基（1800馬力）、２軸推進、水上速力23ノット、水中速力８ノット、燃料搭載量354.7トン、一号一三型ペースト式電池236個、水上航続距離8000海里（16ノット）、水中航続距離50海里（５ノット）。兵装は艦首の九五式発射管６門（魚雷12本）、十一年式45口径12サンチ単装砲１門（セイル前方）、九六式25ミリ連装機銃１基（セイル上面やや後部）。乗員86名。昭和17-18年に伊76、伊177、伊178、伊179、伊180、伊181、伊182、伊183、伊184、伊185の10隻が就役した。就役後は戦局の推移から艦隊支援や輸送任務に充てられることが多く、潜水艦が大きな威力を発揮する海上交通破壊作戦にはあまり投入されなかった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船9,’14、月刊モデルアート9,'15増刊

＜海田市駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。顕彰館には陸軍幼年学校の史料が展示されている。所在地は広島県安芸郡海田町寿町2-1。JR海田市駅から徒歩なら30分、バスなら「旅団司令部前」下車徒歩２分、JR矢野駅から徒歩30分。元は1935-36年に日本陸軍が軍用施設建設地として買収・埋め立てを行い、1939年に物資集積所として使用を開始した場所である。太平洋戦争終結で一時連合軍が駐屯し、1950年10月に警察予備隊の海田市駐屯地として開設された。1952年5月、第３管区隊第８普通科連隊第２大隊が駐屯した。1953年、第33会計隊第２分遣隊が新編された。10月、第33会計隊第２分遣隊が出雲駐屯地に移った。1962年1月、第13師団が新編され、第13施設大隊、第13補給隊、第13衛生隊、第13武器隊、第13通信大隊が他の駐屯地から移駐し、第８普通科連隊本部が米子駐屯地に移った。1970年3月10日、第46普通科連隊が新編された。1975年8月、第13音楽隊が新編された。1991年3月、第13後方支援連隊が新編された。1999年3月、第13師団が第13旅団に改編され、第47普通科連隊が新編された。2010年6月24日、服務指導に活かせる面接法というテーマで、部外講師によるメンタルヘルス教育を実施。2012年4月11日から7月3日、平成24年度第13期旅団レンジャー集合訓練に参加。4月26-27日、陸曹候補生試験を実施。2013年3月26日、第13化学防護隊が新編された。2014年2月3日、南海トラフ巨大地震及び想定される高さ3.6mの津波に対応できる集約倉庫（鉄骨２階建て、幅200m、奥行き34.6m、延べ床面積15620平方メートル）の運用開始式を実施。3月、第13施設中隊が第13施設隊、第13通信中隊が第13通信隊、第13化学防護隊が第13特殊武器防護隊に改編された。2015年2月25日、呉造修補給所貯油所の隊員19名が集約倉庫を見学した。2016年5月12日、広島市内企業の女性新入社員32人が駐屯地を見学した。8月25日、日本・ミャンマー将官級交流プログラムで来日したミャンマー軍訪日団の訪問を受けた。2017年8月24日、日本・ミャンマー将官級交流プログラムの訪日団10名が訪問し、部隊研修を行った。2018年7月16日、小野寺防衛大臣が駐屯地を訪問し、西日本豪雨で災害派遣活動中の隊員を激励した。2020年4月11-12日、中部方面混成団第47普通科連隊が令和2年度即応予備自衛官招集訓練開始式を実施。2021年11月20日、駐屯地内理髪店に1969年の開業当初から勤務し引退した女性スタッフに、第13旅団長が感謝状を授与した。2023年5月20日、G7広島サミット支援のため、第１ヘリコプター団CH-47JAヘリや中央即応連隊が展開した。参考：海田市駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、vol.140、JWings8,'23、朝雲、出雲駐屯地ホームページ、米子駐屯地ホームページ

　＜海田市駐屯地（２０１５年）＞：第13旅団司令部／司令部付隊、第46普通科連隊、第13後方支援隊、第13施設隊、第13通信隊、第13特殊武器防護隊、第13音楽隊、中部方面混成団第47普通科連隊、第307普通科直接支援中隊、第312基地通信中隊、第350会計隊、第132地区警務隊、第104輸送業務隊第２端末業務班、海田市駐屯地業務隊が駐屯している。参考：海田市駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜海田市駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2017年11月16日、NPO法人キッズNPOと「大規模災害時における特定隊員の子供一時預かりに関する協定」を締結した。12月12日、「家族支援に関する協定」を広島県自衛隊家族会と締結した。2018年1月17日、熊本地震での派遣部隊支援と方面隊防災演習での支援完遂の功績で、陸幕長から２級賞状が授与された。2019年7月24日、平成30年7月豪雨災害における各種支援の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が贈呈された。参考：朝雲

＜改大鳳型＞：日本海軍が改マル五計画で建造を予定した空母で、正式艦型名称5021号艦型、基本計画番号G15。大鳳型をベースに、装甲化飛行甲板の範囲を拡大し、水中防御と対空兵装を強化している。搭載機数は大鳳型と同数を確保した。基準排水量30360トン。5201-5205号艦の５隻を昭和22-23年に竣工させる予定だったが、戦局の推移と材料不足で建造中止になった。参考：日本航空母艦史

＜ガイダンス・コントロール・ユニット＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注した。参考：月刊軍事研究9,’16

＜海中１型＞：日本海軍二等潜水艦。艦隊随伴潜水艦で、フランスのローブーフ型（Ｓ型）とドイツのゲルマニア型（U23級らしい）を参考に開発された。船体は二重船殻式で、艦橋前方の耐圧船殻外に旋回式魚雷発射管を持つ。速力18ノットを達成するため、スイスのズルザー式ディーゼルを搭載したが、故障が頻発している。全長69.19m、幅6.35m、平均吃水3.43m、基準排水量720トン、常備排水量735トン（783トン？）、水中排水量1000トン。主機はズルザー式二号ディーゼル２基（2900馬力）、開放型電動モーター２基（1200馬力）、２軸推進、水上速力18.2ノット、水中速力9.1ノット、燃料搭載量58.4トン、ペースト式電池120個、水上航続距離4000海里（10ノット）、水中航続距離85海里（４ノット）。安全潜航深度30.5m。兵装は45cm魚雷発射管８門（艦首４門、艦尾２門、艦橋前方の連装旋回式１基。魚雷10本）、五年式短８サンチ高角砲１門（前甲板引き込み式）。乗員43名。呂11（第19潜水艦）と呂12（第20潜水艦）の２隻が大正8年に就役した。後にＫ式水中聴音機を装備し、艦首甲板上にＫチューブを搭載している。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像6,’08、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海中２型＞：日本海軍二等潜水艦。海中１型の改良型で、潜航時に使用できない艦橋前方上部構造物内部の旋回式魚雷発射管を撤去し、両舷に１門ずつ固定式魚雷発射管を設け、高角砲を艦橋直後に移し、燃料搭載量を増やして水上航続力を強化した。全長70.1m、幅6.1m、平均吃水3.68m、基準排水量740トン、常備排水量763トン、水中排水量1003トン。主機はズルザー式二号ディーゼル２基（2900馬力）、閉鎖通風型電動モーター２基、２軸推進、水上速力16.5ノット、水中速力8.5ノット、燃料搭載量75トン、ペースト式電池240個、水上航続距離6000海里（10ノット）、水中航続距離85海里（４ノット）。安全潜航深度30.5m。兵装は45cm魚雷発射管８門（艦首４門、艦尾２門、艦橋前方両舷１門ずつ。魚雷10本）、五年式短８サンチ高角砲１門（引き込み式。呂13は固定式）。乗員43名。呂14（第22潜水艦）、呂13（第23潜水艦）、呂15（第24潜水艦）が大正9-10年に就役した。後にＫ式水中聴音機を搭載している。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像6,’08、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海中３型＞：日本海軍二等潜水艦。海中２型の改良型で、軟鋼製内殻の厚さを12.5mmにして安全潜航深度を45.7mに増やし、潜望鏡を電動式または手動式とした。全長70.1m、幅6.12m、平均吃水3.7m、基準排水量740トン、常備排水量772トン、水中排水量997トン。主機はズルザー式二号ディーゼル２基（2900馬力）、閉鎖通風型電動モーター２基（1200馬力）、２軸推進、水上速力16.5ノット、水中速力8.5ノット、燃料搭載量75トン、ペースト式電池240個、水上航続距離6000海里（10ノット）、水中航続距離85海里（４ノット）。安全潜航深度45.7m。兵装は45cm魚雷発射管８門（艦首４門、艦尾２門、艦橋前方両舷１門ずつ。魚雷10本）、五年式短８サンチ高角砲１門（セイル上面前部）。乗員46名。大正9-12年に呂17（第34潜水艦）、呂18（第35潜水艦）、呂19（第36潜水艦）、呂16（第37潜水艦）、呂20（第38潜水艦）、呂21（第39潜水艦）、呂22（第40潜水艦）、呂23（第41潜水艦）、呂24（第42潜水艦）、呂25（第43潜水艦）の10隻が就役した。就役後、艦首甲板上にＫ式水中聴音機を装備している。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像6,’08、月刊世界の艦船7,’14、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海中４型＞：日本海軍二等潜水艦。海中１型系統が外洋行動で不具合を生じたため、第１次大戦の戦利品であるＵボートの設計を参考にして改良を加えたものである。船首をクリッパー型にして凌波性を向上させ、船体形状を水中抵抗の少ないものに変更、上甲板を拡大して木張りにし、作業しやすくした。船体の大型化に合わせてメインタンク容積を拡大、キングストン弁の口径を拡大して潜航時間を短縮し、低圧式ターボブロワーによる排水方式を採用して浮上時間も短縮している。司令塔を採用して水上見張り能力及び潜望鏡機能を改善し、Ｋ式水中聴音機を搭載、潜舵を電気駆動とし、兵装に管外斜進角設定装置付魚雷発射管を採用、前甲板に砲を置いた。全長74.22m、幅6.12m、平均吃水3.13m、基準排水量750トン、常備排水量805.3トン、水中排水量1080トン。主機はズルザー式二号ディーゼル２基（2900馬力）、閉鎖通風型電動モーター２基（1200馬力）、２軸推進、水上速力16ノット、水中速力8.5ノット、燃料搭載量75トン、ペースト式電池240個、水上航続距離6000海里（10ノット）、水中航続距離85海里（４ノット）。安全潜航深度45.7m。兵装は一〇年式発射管６門（艦首４門・艦尾２門。533mm魚雷８本）、八八式40口径8cm単装高角砲または五年式短８サンチ高角砲１門、6.5ミリ単装機銃１丁。乗員46名。当初は７隻を建造予定だったが、ワシントン条約により大正12-13年に呂26（第45潜水艦）、呂27（第58潜水艦）、呂28（第62潜水艦）の３隻のみ就役した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像6,’08、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海中５型＞：日本海軍二等潜水艦。日本海軍では昭和初期から海大型と巡潜型の建造に集中したため、中型潜水艦の建造は暫く止まっていた。ロンドン条約締結により、新しく建造できる潜水艦が19200トンまでに制限されたため、これを主に大型潜水艦の戦力拡張に使用することにしたが、この余りを使って戦時急造型中型潜水艦のプロトタイプとして設計されたのが本型である。海大型の縮小版で、当初は量産向きにする予定だったが、海大型の代替機能を要求されて艤装や兵装をこれに準じるものとしたため、生産に手間がかかるものとなってしまった。潜望鏡は八八式八メートル潜望鏡で、無線方位探知装置を搭載する。魚雷発射管は無気泡式、射撃指揮装置は九二式潜水艦方位盤。全長73m、垂線間長71.5m、幅6.7m、平均吃水3.25m、基準排水量700トン、常備排水量940トン、水中排水量1200トン。主機は艦本式二一号八型ディーゼル２基（2900馬力）・閉鎖通風型電動モーター２基（1200馬力）、２軸推進、水上速力19ノット、水中速力8.2ノット。燃料搭載量108.7トン、一号一〇型ペースト式電池240個、水上航続距離8000海里（12ノット）、水中航続距離90海里（3.5ノット）。安全潜航深度75m。兵装は艦首の八八式発射管４門（魚雷８本。10本？）、三年式40口径八サンチ単装高角砲１門（セイル前方）、13ミリ単装機銃１丁。乗員61名。昭和10-12年に呂33と呂34の２隻が竣工した。操縦性や凌波性が良好で、乗員からは好評を博したが、潜水艦用兵が変わってしまったため、太平洋戦争中に戦時急増された潜水艦の設計は全くの別物となった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊モデルアート9,’15増刊

＜懐中電圧電流計＞：日本陸軍の通信機材。参考：工兵入門

＜カイツェリート＞：エストニアの民兵組織。全国15管区にそれぞれ設けられており、総員12000名以上、軽歩兵クラスの装備を持っており、平時は軍事訓練を実施、有事には大隊規模の編成で戦闘に参加する。参考：月刊軍事研究12,’11

＜海底核兵器禁止条約＞：正式名称は「核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約」。1971年2月11日に署名され、1972年5月18日に発効した。日本は1971年2月11日に署名し、1971年6月3日に批准、1972年5月18日に発効した。領海の外側にあたる海底に、核兵器及び大量破壊兵器を貯蔵・実験・使用するための構築物、発射設備その他の施設を据え付けず、置かないことを協定している。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜改丁型＞：松型駆逐艦を参照。

＜階梯射＞：日本海軍用語で、艦砲射撃の試射の際に、一定の距離修正（捕捉濶度）を加えながら連続射撃すること。三斉射による階梯射なら、１度目の試射を行った後、捕捉濶度分の射距離修正を加えて２度目の試射を行い、更に捕捉濶度分の射距離修正を加えて３度目の試射を行う。いずれかの弾着間で目標を挟めば、それらの射距離の中間を適正照尺として本射を開始する。いずれかで夾叉すれば、その射距離を適正照尺として本射に入る。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜海底敷設ソナー＞：SOSUSを参照。

＜改テゲトフ級＞：オーストリア＝ハンガリー海軍計画戦艦。フィリブス・ウニーティス級の改良型である。常備排水量24500トン。兵装は35cm連装砲塔２基、35cm３連装砲塔２基。1914年6月に２隻を発注したが、第１次大戦開戦で取り消され、計画中止になった。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜改デスクビエルタ級（モロッコ海軍）＞：モロッコ海軍コルベット。スペインから１隻を導入した。全長88.8m、幅10.4m、吃水3.8m、満載排水量1479トン。主機はディーゼル、出力16000馬力、２軸推進、速力25.5ノット。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル単装発射筒４基、アスピーデ艦対空ミサイル８連装発射機１基、76mm単装砲１門、40mm単装機関砲２門、ボフォース対潜ロケット連装発射機１基、324mm短魚雷３連装発射管２基。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜回天シリーズ＞：日本海軍の人間魚雷。名称は、天業を既倒に挽回するの略、または徳川幕府時代の軍艦回天からとったといわれる。昭和19年4月にマル六金物一型と名付けられて開発が命令され、7月に試作型がテストを終了、8月に回天として制式化された。創案者２名のうち１名は訓練中の事故で死亡、もう１名はその遺骨と遺影を持って菊水隊の一員となり、ウルシー環礁に突入して戦死している。昭和19年11月に山口県徳山湾の大津島と光、昭和20年3月に山口県平生と大分県大神に訓練基地が建設されて訓練が行われ、玄作戦や沖縄戦などに投入されたが、延べ出撃数32回で撃沈数３隻と戦果はあまり無く、沖縄では母艦ごと撃沈させられることが多かった。母艦は戦果確認のため現場に留まることを望んだが、回天隊員は発進後すぐに母艦が引き返して再び回天を積み、出撃することを望んだという。終戦時には122基が残存していたが、回天を搭載可能な潜水艦は12隻しか無く、本土決戦に備えて海岸部に基地回天隊を配置していた。香川県さぬき市に実物大模型が展示されている。参考：月刊軍事研究8,’04、激闘太平洋戦記、戦時用語の基礎知識、続潜水艦気質よもやま物語、月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’14、月刊丸8,'15別冊、朝雲

　＜回天�T型＞：九三式魚雷の前半部から中央部に一回り大きな筒を被せて１名が乗るスペースを設け、潜望鏡（特眼鏡）などを取り付けたもの。当初は艇下部にハッチを付け、舵輪を固定した後で乗員を脱出させる予定だったが、敵泊地で脱出しても生還できないとして設計途中で廃止された。よって、命中しなかった場合でも帰還・脱出手段は無く、自爆する他に道は無い。全長14.75m、直径1m、水中排水量8.3トン。頭部にTNT炸薬1.55トンを積む。航走距離23km（30ノット）／78km（12ノット）。潜水艦１隻に4-6基を搭載した。潜水艦の安全潜航深度が100mなのに、回天の耐圧深度が80mなのが欠点だが、昭和19年7月に試作が完了、制式採用された。プロペラの逆転が不可能なため後進ができず、舵の効きも悪く旋回半径が大きいため、航行中の艦船に対する攻撃は実際には困難だった。発見されないように潜望鏡も時々しか上げられないから、時速60kmで走る自動車を数十キロメートル目隠し運転し、たまに目隠しを外して周りを見渡しつつ、走っている列車に突っ込むようなものである。訓練も命がけで、訓練旗艦の筑紫丸、海底、浅瀬に突っ込んでしまう艇もあった。昭和19年9月5日に徳山湾の大津島で訓練が開始され（9月6日に事故で一号艇が沈没、発案者を含む２名が死亡している）、10月下旬に回天特攻隊である菊水隊が編成され、西カロリン諸島の機動部隊に攻撃をかけたのが初陣である。参考：月刊軍事研究8,’04、激闘太平洋戦記、日本の潜水艦パーフェクトガイド、続潜水艦気質よもやま物語、日本潜水艦物語

　＜回天�U型＞：船体を大型化してワルター機関を搭載したもの。全長16.5m、幅1.35m、水中排水量18.37トン、炸薬重量1.5トン。主機は六号機械１基、速力40ノット、航続距離13.5海里（40ノット）。乗員１名。ワルター機関が完成せず、計画のみに終わった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

　＜回天�W型＞：�U型の機関を酸素魚雷と同じものに変更したもの。全長16.5m、幅1.35m、水中排水量18.17トン、弾頭重量1.8トン。主機は魚雷用機関１基、速力40ノット、航続距離33.4海里（20ノット）。乗員１名。計画のみに終わった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

　＜回天�]型＞：九二式電池魚雷を回天に改造したもの。前後に切断して中央に操縦室を設けている。速力が低く、航行中の艦は攻撃不能だった。全長9m、幅0.7m、重量2.5トン、炸薬重量0.3トン。主機は九二式魚雷用電動機１基、速力８ノット、航続距離16.2海里（８ノット）。乗員１名。計画のみに終わった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜回天（戦歴）＞：昭和19年11月20日、第１次玄作戦を実施。回天特別攻撃隊菊水隊12基が出撃し、ウルシー環礁で給油艦ミシシネワを撃沈した。昭和20年1月12日、第２次玄作戦を実施。金剛隊24基が出撃したが、戦果は無かった。2月26日、硫黄島付近で伊368・伊370潜水艦から千早隊５基ずつが発進したが、戦果無し。3月、伊44・伊56潜水艦から多々良隊が沖縄に出撃したが、戦果無し。昭和20年1-3月に出撃した回天特別攻撃隊は金剛隊24基、千早隊12基、振武隊９基（うち１基は作戦中止）、多々良隊21基（うち１基は作戦中止）だった。4月以降は泊地攻撃から洋上襲撃に転向し、天武隊12基、振武隊５基、轟隊18基、多聞隊33基が参加した。4月、伊36と伊47から天武隊が沖縄に出撃。５月、伊361から轟隊、伊367から振武隊が沖縄に出撃。6月、伊36と伊165から轟隊がマリアナに出撃。7-8月、伊53、伊58、伊366から多聞隊が沖縄に出撃。8月、伊363から多聞隊が沖縄に出撃。日本海軍発表の総戦果は巡洋艦２隻、駆逐艦５隻、水上機母艦１隻、油槽船または輸送船15隻、艦種不明4-6隻撃沈だったが、実際には撃沈が護衛駆逐艦１隻と給油艦１隻、損傷が駆逐艦１隻、護衛駆逐艦１隻、攻撃輸送艦１隻、輸送船１隻だった。母艦となった潜水艦は延べ32隻で、８隻が撃沈されている。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究8,’04、歴史群像6,’14

＜回転式拳銃＞：リボルバー（Revolver）。回転弾倉（シリンダー）を持つ拳銃で、連発式拳銃のルーツである。シリンダーは撃鉄と連動しており、撃鉄を起こすとシリンダーが一発分回転する。自動式拳銃に対して装弾数が少なく、再装填に時間がかかるが、作動が確実で、扱いも楽であり、装填状況を簡単に把握できる。不発弾が生じても、ダブルアクションでそのまま射撃を継続可能。参考：GUN用語事典、拳銃・小銃・機関銃

　＜スイングアウト式＞：Swing-out cylinder type。装填時に弾倉開閉子を介して回転弾倉を銃床から横に振り出すもの。主にダブルアクション式リボルバーに採用されており、普通左に振り出される。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

　＜ソリッド・フレーム＞：Solid Frame。回転弾倉がフレームに組み込まれており、ローディング・ゲートから１発ずつ装填・排莢を行うタイプ。参考：GUN用語事典

　＜中折れ式＞：Hinging frame system。ブレイク・オープン式ともいう。銃身を銃床にヒンジで連結し、それを折って装填を行うタイプ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜回転式弾倉＞：ロータリーマガジンを参照。

＜回転銃身＞：ターン・バレル。銃身２本を上下に並べ、両方に弾薬を装填しておき、１発撃ったら銃身を180度回してもう１発を射撃する。装填に時間のかかる前装式ライフルで採用されたが、当時の銃身は分厚いので、相当重くなった。現在はガトリング砲に採用されており、銃身3-7本を円周上に配置する。参考：GUN用語事典

＜回転信号標＞：海上自衛隊の標識で、僚艦にエンジン回転数の増減を示す。回転数を上げる場合には黒いくつと号令を発して小さなＰ旗を、下げる場合には赤いくつと号令を発して小さなＲ旗をヤードに掲揚する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜回転盤式給弾機＞：回転盤の中が弾倉になっており、それを回転させて給弾する方式の給弾装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜回転閉鎖式＞：閉鎖機構を参照。

＜回転翼＞：ローターを参照。

＜回転翼機＞：Rotorcraft、Rotary wing aircraft。ローターにより飛行に要する揚力の全部または一部を得る重航空機で、ヘリコプター（動力で回転させる）、オートジャイロ（気流で自由回転させる）、ジャイロダイン、複合ヘリ、転換式航空機の一部などを指す。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings6,’02、飛行機のしくみ

＜回転翼航空機システム＞：RWUASを参照。

＜回転翼失速＞：Rotor Stall。対気速度を持つ回転翼が逃れることの出来ない失速現象である。前進飛行中の回転翼機において、後退側ローターブレードの対気速度は、ローターの回転による接線速度と、回転翼機の前進速度の差になるため、前進側ブレードの揚力と釣り合わせるには、前進速度が大きくなるほど迎え角を大きくしなければならず、ついには失速に陥ることになり、機体は操縦不能になる。一方で、前進側ローターブレードの対気速度は、ローターの回転による接線速度と、回転翼機の前進速度の和になる。接線速度はブレード翼端部で最大になるから、前進速度が大きくなると翼端部が音速に近づき、圧縮性効果により抵抗と振動が急激に増加する。通常は後退側ブレードの失速の方が前進側ブレードの圧縮性効果よりも先に出現するため、回転翼失速の出現速度が回転翼機の最大速度に制限を掛けてしまうことになる。ブレード翼型を失速しにくい形状とし、捻り下げを付け、翼面荷重を軽くし、機体抵抗を減少させることで、回転翼失速に陥りにくくすることが可能。参考：航空用語事典増補改訂版

＜回転翼兵器学校＞：RWWSを参照。

＜カイト＞：U87（スループ）を参照。

＜海斗＞：埼玉地本のマスコットキャラ、海自版。真面目で仕事熱心な海上自衛官という設定で、空自版の翔子、陸自版の大地と共に2017年に制定された。参考：朝雲

＜カイト２０００＞：イランの航空機搭載クラスター弾。AGM-65空対地ミサイルの流用で、内部に子爆弾172発を収容する。射程15km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜かいどう＞：LSSL-420（警備船）を参照。

＜回頭破壊＞：徹甲弾が装甲板に斜めに当たってめり込んだ際に、装甲板の抵抗によって弾丸入射方向が垂直に近づき、弾丸飛翔方向内側の装甲板にひび割れを生じて弾丸が貫通すること。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜カイト・スクリーチ＞：130mm艦砲AK-130用MR-184射撃指揮レーダーまたはMR-145方位盤のNATOコード。参考：月刊軍事研究10,’09、11,’13

＜改トダロ級＞：212NFS型（潜水艦）を参照。

＜ガイドベーン＞：Guide Vane、案内羽根。ガスタービンエンジンに設けられている構造で、空気や燃焼ガスの整流を行い、後方へと送り出す。圧縮機入り口にあるインレット・ガイドベーン（入口案内羽根）、遠心式圧縮機羽根車出口にあるディフューザー・ガイドベーン（拡散筒案内羽根）、タービン入り口にあるノズル・ガイドベーンなどがある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ガイドライン＞：S-75シリーズ（地対空ミサイル）またはM-2（艦対空ミサイルシステム）または日米防衛協力のための指針を参照。

＜ガイド・レール＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜海南＞：31（強襲揚陸艦）を参照。

＜海南衛星コンステレーション計画＞：中国軍が南シナ海監視用に打ち上げ予定の偵察衛星群で、2017年12月14日に計画が発表され、2018年1月3日には監視範囲を北緯30度から南緯30度までとした。海南一号光学偵察衛星６基、三亜一号マルチスペクトラム衛星２基、三沙一号合成開口レーダー衛星２基からなり、2019年から4-5年かけて打ち上げる予定。参考：月刊軍事研究6,’18

＜海南級＞：中国海軍対潜哨戒艇037型（Type-037）のNATOコード、ハイナン（Hainan）級。ソ連海軍SO-1級がベースで、1963-1980年代末に100隻以上が建造され、北朝鮮やパキスタンなど５カ国に30隻が輸出された。全長58.8m、全幅7.2m、吃水2.2m、満載排水量398トン。主機はディーゼル、出力4000馬力、４軸推進、速力30.5ノット。兵装は66式70口径57mm連装砲２基、61式25mm連装機関砲２基、RBU1200対潜ロケット発射機４基、爆雷投射機２基、爆雷投下軌条（機雷敷設軌条？）２条、機雷12個。乗員78名。艦番号275-285、290、302、205、609、610、618-622、626-629、636-643、646-681、683-687、689-692、695-699、701、707、723-733、740-742などが就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船6,’14、9,’11、3,’13、1,’21

＜海南級・海外シリーズ＞

　＜海南級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍哨戒艇、別名Al-Nour級。兵装は324mm短魚雷３連装発射管２基、RBU1200対潜ロケット発射機４基、57mm連装砲２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜海南級（北朝鮮海軍）＞：北朝鮮海軍哨戒艇。全長58.8m、幅7.2m、吃水2m、満載排水量392-398トン。主機はディーゼル４基４軸4000馬力、速力30.5ノット。兵装は57mm連装機関砲２基、25mm連装機関砲２基、RBU1200対潜ロケット発射機４基、爆雷投射機２基、爆雷投下軌条２条。乗員69名。1975年、76年、78年に２隻ずつが引き渡され、艦番号201-204、292、293が就役した。参考：月刊世界の艦船9,’01、7,’13

　＜海南級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍高速沿岸哨戒艇、別名バルチスタン級。兵装は対潜ロケット発射機４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜海南級（バングラデシュ海軍）＞：バングラデシュ海軍哨戒艇、別名ダージョイ級。兵装は対潜ロケット５連装発射機４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜海南級（ミャンマー海軍）＞：ミャンマー海軍哨戒艇Hainan級。兵装は57mm連装砲２基、RBU1200対潜ロケット発射機４基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜海南警備府＞：日本海軍の警備府。昭和16年4月10日に設置された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海南警備府部隊（太平洋戦争開戦時）＞：支那方面艦隊隷下で、司令長官は砂川兼雄中将。第１水雷隊を隷下に置く。参考：日本海軍艦隊総覧

＜海南島基地＞：中国海軍南海艦隊基地。海南島南部の東側に亜龍湾海軍基地、西側に楡林海軍基地がある。2010年、亜龍湾第２原潜基地の隣に長さ950mの大型桟橋２本が建設されているのが確認された。同年、楡林海軍基地の南にある三亜六街村では住民の立ち退きが行われ、海底浚渫が始まっており、2013年に建設中の空母用とみられる大型桟橋（長さ600m、幅120m）が出現した。参考：月刊軍事研究10,’13

＜開南丸＞：日本の油槽船。総トン数724トン。昭和20年3月5日、南号作戦ヒ八八ｉ船団の一員としてシンガポールを出港。3月20日、パラダン岬沖で潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：戦時標準船入門

＜外燃機関＞：原動機の外で熱を発生させ、動力に変換するエンジンのこと。蒸気機関、原子力タービン、スターリングエンジンなどがこれにあたる。参考：自動車メカニズム図鑑、月刊世界の艦船10,’11

＜改ノヴェンバー型＞：645型（潜水艦）を参照。

＜改バーミンガム級＞：イギリス海軍軽巡洋艦。ネームシップの名を取ってカヴェンディッシュ級とも呼ばれ、ネームシップが空母に改造されたのに伴い２番艦の名を取ってホーキンス級とも呼ばれる。ドイツの通商破壊艦に対抗できる長距離行動艦として設計されており、Ｃ級軽巡洋艦の２倍強の大きさで、航洋性が高い。船型は船首楼型で、船体にはバルジを装着し、外板には傾斜鋼板を張って防御力を強化した。主缶は燃料確保に便利なよう、混焼缶としてある。全長184.5m、幅17.7m（19.8m？）、吃水5.3m（5.9m？）、常備排水量9750トン、基準排水量9770トン（I98は9550トン、I81は9860トン）。主機は蒸気タービン、主缶は混焼缶12基（後期艦は重油専焼10基）、出力65000馬力、４軸推進、速力30.5ノット。兵装は19cm単装砲７門（I98は15.2cm単装砲９門、I81は19cm単装砲５門）、10.2cm単装砲４門（I98は10.2cm連装砲４基、I81は10.2cm単装砲５門）、7.6cm単装高角砲４門、533mm魚雷発射管６門（水上固定式４門、水中２門。I81は４門）。I36ヴィンディクティブ、I98エフィンガム、I81フロビッシャー、I86ホーキンス、ローリーが1918-25年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜カイバール＞：パキスタン海軍バトル級駆逐艦Khaibar。1971年12月4日、第３次印パ戦争でインド海軍の攻撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜飼い葉桶＞：Ｌ型防空装置を参照。

＜海幕＞：海上幕僚監部を参照。

＜海幕経理システム用入出力装置＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜海幕システム用ソフトウェア（その１）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜海幕システム用ソフトウェア（その２）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜開発実験団＞：陸上自衛隊の研究開発試験評価部隊。陸自装備品の開発研究や実験、射表作成、傷病予防・応急治療に関する調査研究を行うのが主任務である。2001年3月27日、装備開発実験隊を改編し、教育支援飛行隊、職種学校、衛生学校研究部の同部門を統合して研究本部の隷下に富士駐屯地で創設された。団本部、飛行実験隊、装備実験隊、部隊医学実験隊からなる。2018年3月27日、上級部隊の改編に伴い、教育訓練研究本部の隷下に移った。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加し、9月8日から装備実験隊が6月に納品された無人機を投入、厚真町の大規模土砂崩れ現場の被害状況確認を行った。参考：月刊軍事研究3,’15、8,’14、MAMOR vol.81、vol.113、朝雲

　＜開発実験団（２０１４年）＞：研究本部の隷下で、団本部（富士駐屯地。総務科、計画科、評価科）、装備実験隊（富士駐屯地。隊本部、第1-7実験科）、飛行実験隊（明野駐屯地。隊本部、計測解析班、飛行班、整備班）、部隊医学実験隊（三宿駐屯地。隊本部、医学・特殊武器衛生研究科、実験科）からなる。参考：月刊軍事研究3,’15、8,’14

　＜開発実験団（２０２０年）＞：教育訓練研究本部隷下で、富士駐屯地にある。飛行実験隊などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜開発指導隊群＞：海上自衛隊の艦艇研究開発・訓練部隊。群司令部、装備実験隊、運用開発隊、第１海上訓練指導隊、第２海上訓練指導隊、第３海上訓練指導隊、第４海上訓練指導隊、第11海上訓練指導隊、鹿児島試験所、直轄艦DD-102ゆきかぜからなる。装備実験隊では航空を除く海自装備品をテストし、開発改良に役立てる。運用開発隊では装備品の運用に関する研究を行い、対潜戦、対水上戦、潜水艦戦、機雷戦、電子戦などの能力を向上させる。海上訓練指導隊は乗員や部隊に対する訓練指導、訓練に関する調査研究を実施する機関で、第１はMTTやSTTといった戦術訓練装置を装備しており、第11はダッシュやドローンといった無人機を担当する。鹿児島試験所は魚雷に関するテストを行う。直轄艦は装備実験隊と運用開発隊の試験や研究を支援する。1978年7月1日、海上訓練指導隊群と実用実験隊を合わせて自衛艦隊隷下に新編された。1980年4月8日、試験艦ASE-6101くりはまが編入された。2002年3月、開発隊群と訓練指導隊群に改編された。参考：日本の防衛戦力Part3、朝雲、月刊世界の艦船10,’19、6,’01

＜開発指導隊群（１９７８年）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に司令部がある。直轄艦（DD-102ゆきかぜ）、装備実験隊、運用開発隊、第１海上訓練指導隊、第２海上訓練指導隊、第３海上訓練指導隊、第４海上訓練指導隊、第11海上訓練指導隊、鹿児島試験所を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79別冊

＜開発指導隊群（１９８０年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。隷下にDD-102ゆきかぜ、装備実験隊、運用開発隊、第１海上訓練指導隊、第２海上訓練指導隊、第３海上訓練指導隊、第４海上訓練指導隊、第11海上訓練指導隊、鹿児島試験所を置く。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜開発指導隊群（２００１年４月１日）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に置かれている。ASE-6101くりはま、ASE-6102あすかが配備されていた。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜開発隊群＞：海上自衛隊の組織、Fleet research and development command。艦船や航空機の運用に関する研究開発、実用試験、性能調査などを行い、戦術能力を向上させるのが主任務である。指揮通信開発隊で指揮統制通信システム、艦艇開発隊で艦艇や関連装備品、航空プログラム開発隊で航空機情報通信機器を開発し、試験艦ASE-6101くりはま・ASE-6102あすかで洋上試験を行う。2002年3月22日、開発指導隊群の開発部門を改編・集約して新編され、隷下に指揮通信開発隊、艦艇開発隊、航空プログラム開発隊、ASE-6101くりはま、ASE-6102あすかを置いた。2006年3月、荒井地区から船越地区に移転した。2012年4月6日、ASE-6101くりはまが除籍された。2016年12月1日、鹿児島試験所が鹿児島音響測定所に改編されて海洋業務・対潜支援群の隷下に移った。2020年4月1日、ASE-6102あすかが艦艇開発隊の隷下に移った。2023年4月1日、指揮通信開発隊と艦艇開発隊を廃止し、海上システム開発隊と技術評価開発隊を新編、ASE-6102あすかが技術評価開発隊の隷下に移った。組織改編に伴い、横須賀基地で意見公開海を実施している。参考：開発隊群ホームページ、MAMOR vol.111、月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船6,’12、6,’01、6,'23、朝雲

　＜開発隊群（２０１０年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。隷下に指揮通信開発隊、艦艇開発隊、航空プログラム開発隊、ASE-6101くりはま、ASE-6102あすかなどを置く。参考：月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船1,’11

　＜開発隊群（２０１１年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。指揮通信開発隊、艦艇開発隊、航空プログラム開発隊、鹿児島試験所、直轄艦を隷下に置く。参考：海上自衛新聞

　＜開発隊群（２０１５年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀基地船越地区にある。指揮通信開発隊（船越地区）、艦艇開発隊（船越地区）、航空プログラム開発隊（厚木航空基地）、ASE-6102あすか（定係港は横須賀）を隷下に置く。参考：MAMOR vol.111、月刊世界の艦船6,’15、11,’18

　＜開発隊群（２０２０年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。ASE-6102あすかなどを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜カイバル＞：282（コルベット）を参照。

＜カイバル−１＞：ヒズボラの長射程ロケット弾。シリアのM-302A/M-302Bロケットを密輸してきたものらしい。2006年に使用された。参考：月刊軍事研究9,’14

＜海豹＞：SS-792（潜水艦）を参照。

＜海冰７２２＞：中国海軍272型砕氷観測艦の艦番号。2016年1月2日就役、北海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜海氷７２３＞：中国海軍海氷723級砕氷艦兼情報収集艦１番艦の艦番号Haibing 723。正式艦名は不明。1982年就役。1999年4月24日、対馬東水道を航行するのを第１航空群P-3Cが確認した。5月6日、大隅海峡を航行するのを第１航空群P-3Cが確認した。5月18日、沖縄県那覇北西260kmを航行するのを第１航空群P-3Cが確認した。5月20日、沖縄県那覇北北西150kmを航行するのを第１航空群P-3Cが確認した。11月16日、沖縄の北北西130kmを航行するのを第５航空群P-3Cが確認した。2000年5月、津軽海峡を通過した。2001年10月31日、大隅海峡を通過。以降は沖縄東方海域で１週間以上の情報収集活動を行った。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’00、1,’02

＜海氷７２３級＞：中国海軍砕氷艦兼情報収集艦で、正式なクラス名は不明。全長102m、全幅17.1m、吃水5.9m、満載排水量4420トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、２軸推進、速力17ノット。兵装は37mm連装機関砲４基。乗員95名。海氷723が1982年に就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜海氷観測（海上自衛隊）＞：マイク・フライトを参照。

＜改飛龍型＞：雲龍型（空母）を参照。

＜外部圧縮型エアインテイク＞：エアインテイクを参照。

＜開封＞：109（駆逐艦）または124（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜改フォレスタル級＞：キティホーク級（空母）を参照。

＜カイフォン＞：109（駆逐艦）を参照。

＜海福丸＞：日本海軍輸送船Kaifuku maru。大元は日本汽船向けとして大正6年3月29日に進水したストック・ボートで、大正7年に勝田汽船に移籍、昭和6年に北日本汽船に売却され、太平洋戦争勃発で昭和17年12月から昭和18年4月まで陸軍が徴用、その後日本海軍指定船になった。垂線間長92.96m、幅13.34m、深さ8.3m、満載吃水6.97m、総トン数3181トン、重量トン数5049トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2147馬力、航海速力10ノット、最大速力12.4ノット。昭和18年11月4日、サイゴンから高雄に向かう途中、香港南西130kmでSS-197シーウルフの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜外部タンク＞：増槽を参照。

＜怪物作戦＞：Operation Monstrous。第２次大戦時の1944年5月13-14日、地中海西部でＵボートによる船団攻撃によりGUS-39船団の商船２隻が撃破されたために発動された。5月13日1400、アメリカ第21駆逐隊（DD-423グリーブス、DD-458メイコム、DD-616ニールズ）がオランから出撃。5月14日0330、アメリカ第10駆逐隊（DD-454エリソン、DD-455ハンブルトン、DD-456ロッドマン、DD-457エモンス）がオランから出撃。0836、第10駆逐隊が商船の襲撃現場に到着。商船護衛のDD-427ヒラリー・Ｐ・ジョーンズなど３隻が付近を捜索中で、DD-427ヒラリー・Ｐ・ジョーンズは爆雷攻撃を実施したが、損傷を与えたのみで撃沈には至っていなかった。その後第21駆逐隊も現場に到着、イギリス軍の航空機も加えて捜索を行った。1944、ウェリントン爆撃機が駆逐隊北方にU616潜水艦を探知、2138にDD-454エリソンがソナーで確認して攻撃を仕掛けたが、目標を見失った。5月15日朝から水上部隊は二手に分かれて捜索を開始。5月16日2226、ウェリントン爆撃機がフランスのリヴィエラに向かっているU616を探知。U616は対レーダー用デコイバルーンを使用するなどして追尾を逃れようとしたが、日付が替わる頃にDD-458メイコムが現場に到着、U616を照射して射撃を開始した。３分後にU616は潜航して逃走を図っている。5月17日0014、駆逐隊がU616をソナーで探知、爆雷攻撃を開始した。0807、U616は海面に浮上、駆逐艦隊は127mm砲弾を叩き込んで撃沈した。U616乗員は全員が脱出してDD-454エリソン及びDD-456ロッドマンに救助されている。駆逐隊はオランに帰投したが、その間、作戦成功を祝して全兵員にビール飲み放題が言い渡されたという。参考：ナチスＵボート

＜外部バゲージコンテナ＞：CNU-188/Aを参照。

＜外部吹き出しフラップ＞：フラップを参照。

＜外部兵装＞：機外兵装を参照。

＜外部模擬装置（ＣＯＴＳリフレッシュ用テストサイト器材）＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究11,’16

＜外部模擬装置（テストサイト器材）＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜改ブラック・スワン級＞：イギリス海軍護衛スループ、改Black Swan級。船体はブラック・スワン級のままで、機関と兵装を改良している。全長91.3m、幅11.7m、吃水2.7m、基準排水量1350トン。主機は蒸気タービン、出力4300馬力、速力20ノット。兵装は10.2cm連装砲３基、40mm連装機関砲２基、20mm連装機関砲６基、ヘッジホッグ１基など。1943-45年にU05チャンティクリア、U11ラーク、U16アメティスト、U23クレイン、U30マーメイド、U33オポッサム、U38シグネット、U39ハインド、U42モデスト、U58ハート、U60アラクリティ、U62ラップウイング、U66スターリング、U69レッドポール、U82マグピー、U87カイト、U96ピーコックの17隻が竣工し、戦後にも７隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜改ブラック・スワン級スループ海外シリーズ＞

　＜改ブラック・スワン級（ドイツ連邦海軍）＞：ドイツ連邦海軍フリゲート。全長91.44m、全幅11.7m、基準排水量1490トン。最大速力18ノット。兵装は10.2cm砲２門、40mm連装機関砲２基。海軍再建時にU30マーメイドなど４隻が供与され、シャルンホルスト、グラーフ・シュペー、ヒッパー、シェーアとして就役した。参考：JShips VOL.70

＜改フラワー級＞：イギリス海軍コルベット、改Flower級。フラワー級の船体拡張型で、船首楼を延長して艦橋も一段高くし、マストをその後ろに移動させた。全長63.5m、幅10.2m、吃水3.4m、基準排水量980トン。主機はレシプロ、出力2880馬力、速力16ノット。兵装は10.2cm単装砲１門、２ポンド単装砲１門、ヘッジホッグ１基。1942-44年にK274ベトニー、K275バドレイア、K277コンフレイ、K278コーネル、K279ディタニー、K280スミラックス、K281ステイタイス、K282リナリア、K283ウィロウハーブ、K284フラックス、K285オネスティ、K286ローズベイ、K287マンドレイク、K288ミルフォイル、K289マスク、K290ネペタ、K291プライヴェット、K306バグロス、K307バルラッシュ、K348バーネット、K360シーノサス、K382キャンディタフト、K385アラビス、K395シャーロク、K401ルイスバーグ、K403アルバタスなど50隻以上が建造され、イギリス連邦諸国海軍にも引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜外フレーム式耐圧船殻＞：耐圧船殻を参照。

＜開平＞：809（掃海艇）を参照。

＜海兵沿岸連隊＞：アメリカ海兵隊の部隊、略称MLR（Marine Littoral Regiment）。アメリカ海軍の分散型海洋作戦に対応すべくフォース・デザイン2030イニシアティブで編成することになった部隊で、海兵遠征隊から改編される。兵力1500-2000名（海兵隊・海軍計）で、沿岸戦闘チームLCT（Littoral Combat Team。歩兵大隊１個、長距離地対艦ミサイル中隊１個）、沿岸対空大隊（主任務は防空、航空索敵、早期警戒、航空管制、前線給油、兵装搭載）、沿岸兵站大隊からなり、有事の際に軽揚陸艦LAWで離島に分散機動展開し、周辺の制海権を確保する。台湾有事に備えて2022年3月に最初の部隊がハワイで新編され、2023年7月にキャンプ・ペンドルトンで最初のNMESIS装備トマホーク発射中隊が新編された。第12海兵連隊を改編して沖縄に2025年までに配備する予定で、グアムにも１個連隊を置く予定。参考：月刊世界の艦船12,'23、5,'23、4,’23

＜海兵遠征軍＞：アメリカ海兵隊の部隊、略称MEF（Marine Expendictionary Force）。日本政府は海兵機動展開部隊と訳している。MAGTFの最大規模部隊で、1952年に制定されたダグラス・マンスフィールド法に基づいて３個が編成され、第１海兵遠征軍が太平洋のカリフォルニア州キャンプ・ペントルトンに、第２海兵遠征軍が大西洋のノース・カロライナ州キャンプ・レジューンに、第３海兵遠征軍が沖縄と岩国に配備されている。海兵遠征旅団（MEB）１個、海兵遠征隊（MEU）1-3個、海兵兵站群（以前は軍役務支援群と呼ばれた）を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船11,’18、月刊JWings5,’10、月刊丸12,’90、月刊軍事研究8,’10、7,’15

　＜海兵遠征軍（１９９０年）＞：司令部、１個海兵師団（歩兵連隊３個、砲兵連隊１個、戦車大隊１個、軽装甲大隊１個、強襲水陸両用車両大隊１個、戦闘工兵大隊１個、特殊偵察大隊１個）、１個海兵航空団（回転翼機・固定翼機群１個、対空戦隊数個、航空指令・統制部隊、海兵航空支援群１個）、１個軍役務支援群（60日分の物資を供給）から構成される。兵力は海兵隊49700名、海軍2600名、海軍支援要員2800名。装備はAV-8B攻撃機40機またはA-4M攻撃機38機、F/A-18戦闘機48機またはF-4戦闘機48機、A-6攻撃機20機、EA-6電子戦機８機、RF-4B偵察機８機、TA-4/OA-4観測機９機、KC-130給油機12機、OV-10観測機12機、CH-53E強襲ヘリ16機、CH-53D強襲ヘリ32機、CH-46輸送ヘリ60機、UH-1汎用ヘリ24機、AH-1攻撃ヘリ24機、ホーク地対空ミサイル24基、スティンガー携帯地対空ミサイル75基、戦車70両、AAVP-7水陸両用車208両、LAV-25装甲車147両、TOW対戦車ミサイル144基、ドラゴン対戦車ミサイル288基、60mm迫撃砲81門、81mm迫撃砲72門、牽引式155mm榴弾砲90門、155mm自走榴弾砲18門、８インチ（203mm）自走砲12門、M2重機関銃435丁、M60機銃255丁、Mk19てき弾発射機345丁、５トントラック254両、ドラゴンワゴン230両、2.5トントラック53両、浮橋車９両、30トン給水車12両、7.5トン給水車17両、５トントラック72両、５トン救援車19両、ブルドーザー39両、ブレーダー24両、給水タンク車28両、野戦トラック447両。参考：月刊丸12,’90

　＜海兵遠征軍（２０１２年）＞：第１・第２・第３海兵遠征軍の３個が編成されている。兵力50000名以上。陸上戦闘部隊は海兵師団複数個で、M-1A1戦車58両、AAVP-7水陸両用車247両、155mm榴弾砲72門などを装備する。航空戦闘部隊は海兵航空団複数個で、AV-8B攻撃機64機、F/A-18C/D戦闘攻撃機84機、KC-130輸送機12機などを装備する。兵站戦闘部隊は戦闘兵站群複数個で、60日間の補給能力を持つ。輸送には海空軍の全輸送力を要する。参考：月刊軍事研究4,’12

　＜海兵遠征軍（２０１８年）＞：平時は第１・第２・第３海兵遠征軍の各司令部が編成されており、必要時に海兵師団１個、海兵航空団１個、海兵兵站群１個、海兵遠征旅団司令部、海兵遠征隊数個が隷下に入り、兵力50000名以上になる。指揮官は少将または中将。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜海兵遠征隊＞：アメリカ海兵隊の最小空陸任務部隊単位、略称MEU（Marine Expeditionary Unit）。1970年代半ばから1980年代前半に新編され、当時は海兵水陸両用隊MAUと称していたが、1988年に海兵遠征隊MEUに改称された。特殊作戦対応能力も持っており、MEU(SOC)と呼ばれることもあったが、USSOCOMほどの能力は無いため、単にMEUと称されることが多くなった。任務は半年ローテーションで、練度向上を図る展開前期間、任務に当たる展開期間、任務後の休養や訓練を行う展開後期間をそれぞれ半年ずつ過ごす。海軍揚陸即応群ARG（強襲揚陸艦など各種揚陸艦が主体）または遠征打撃群ESG（揚陸艦、原潜、イージス艦で構成）の水陸両用戦艦艇3-5隻に乗船し、作戦戦域に展開する。兵力1500-3000名規模で、支援作戦や治安安定化、要人救出などの任務を負う。揚陸艦隊には15日間の単独作戦が実行可能な武器弾薬食糧などが搭載されている。司令部、陸上戦闘部隊（強化歩兵大隊による大隊上陸団）、航空戦闘部隊（ヘリ装備の飛行隊。必要に応じて固定翼機を加えて強化する）、戦闘後方支援部隊（MEU役務群、後に戦闘兵站大隊）という海兵空陸任務部隊MAGTF編成を常時維持する。フォース・デザイン2030で海兵沿岸連隊に改編されることになった。参考：月刊丸12,’90、月刊軍事研究2,’02、8,’10、5,’13、8,’14、月刊世界の艦船5,’23

　＜海兵遠征隊（１９９０年）＞：兵力は海兵隊1900名、海軍100名、海軍支援要員490名。装備はCH-53D/E強襲ヘリ４機、CH-46E輸送ヘリ12機、UH-1汎用ヘリ２機、AH-1攻撃ヘリ４機（必要に応じてA-6またはAV-8攻撃機１機を追加）、スティンガー５基、戦車５両、AAVP-7水陸両用車12両、81mm迫撃砲８門、60mm迫撃砲９門、TOW対戦車ミサイル発射機８基、M47ドラゴン対戦車ミサイル32基、40mmてき弾発射機Mk19が26丁、12.7mm機銃M2が20丁、7.62mm機銃M60が60丁。参考：月刊丸12,’90

　＜海兵遠征隊（２０１２年）＞：第11、第13、第15、第22、第24、第26、第31の７個が編成されている。2-3個が即応状態にあり、揚陸艦隊に搭載されて世界各地に前方展開する。兵力は2200名強。陸上戦闘部隊は大隊上陸チーム（１個歩兵大隊980名に砲兵中隊、戦車小隊、軽装甲偵察小隊、水陸両用強襲車小隊を１個ずつ増強）で、M-1A1戦車４両、AAVP-7水陸両用車15両、155mm榴弾砲M777A2を６門、120mm重迫撃砲EFSS６門などを装備する。航空戦闘部隊は増強海兵中型ヘリ飛行隊または増強海兵中型ティルトローター飛行隊（500名）で、AV-8B攻撃機６機、AH-1W攻撃ヘリ４機、CH-53E強襲ヘリ４機、CH-46E輸送ヘリ／MV-22B輸送機12機、KC-130J空中給油輸送機２機などを装備する。兵站戦闘部隊は戦闘兵站大隊（300名）で、15日間の補給能力を持つ。揚陸艦３隻からなる１個揚陸隊で輸送される。参考：月刊軍事研究4,’12、5,’13

　＜海兵遠征隊（２０１５年）＞：兵力2200名。本部CE（Command Element）、大隊上陸チームGCE（Ground Combat Element）、航空戦闘エレメントACE（Aviation Combat Element）、後方支援大隊LCE（Logistics Combat Element）からなる。大隊上陸チームは歩兵大隊１個、特殊作戦中隊１個、軽装甲偵察中隊１個（LAV-25装備）、砲兵隊１個、機甲小隊１個（M-1A1装備）、偵察小隊１個、水陸両用強襲小隊１個（AAV-7装備）、戦闘工兵小隊１個で構成される。ときに海兵特殊目的部隊MSPF（Maritime Special Purpose Force）や直接行動任務担当小隊DAP（Direct Action Platoon）が加わる。航空戦闘エレメントは増強海兵中型ティルトローター飛行隊VMM-Rein（VMM１個に攻撃ヘリ、汎用ヘリ、重輸送ヘリ、攻撃機、防空アセットを増強したもの）で構成される。AV-8B攻撃機６機、MV-22B輸送機12機、CH-53E強襲ヘリ４機、AH-1Z攻撃ヘリ４機、UH-1Y汎用ヘリ３機、MH-60S救難ヘリ２機、RQ-21無人機５機、M-1A1戦車４両、LAV-25装甲車７両、AAV-7水陸両用車14両、HMMWV輸送車120両、LW155牽引式榴弾砲４門、EFSS重迫撃砲４門、工兵車両５両、MTVRトラック30両、LVSR重トラック７両を装備する。参考：月刊世界の艦船3,’19、月刊軍事研究1,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜海兵遠征隊（２０１８年）＞：兵力2200名。本部CE（Command Element）、陸上戦闘エレメントGCE（Ground Combat Element）、航空戦闘エレメントACE（Aviation Combat Element）、兵站戦闘エレメントLCE（Logistics Combat Element）からなる。本部は人員170名で、指揮統制、ISR、火力調整、民事などを担当する。陸上戦闘エレメントは大隊上陸チーム（増強歩兵大隊）１個で、人員1700名、本部／本部管理中隊、歩兵中隊３個、火器中隊１個、砲兵中隊１個、戦車小隊１個、水陸両用強襲車小隊１個、軽装甲偵察中隊／小隊１個、工兵小隊１個、偵察小隊１個からなり、M-1A2戦車４両、LAV-25装甲車7-17両、AAV-7水陸両用車15両、155mm榴弾砲M777を６門、120mm迫撃砲６門、81mm迫撃砲８門、対戦車ミサイル発射機16基、７トントラック31両、HMMWV105両などを配備する。HIMARS中隊１個６両が配属されることもある。航空戦闘エレメントはVMM(Rein)で、人員420名、VMM１個、重ヘリコプター分遣班１個、軽攻撃ヘリ分遣班１個、固定翼機分遣班、空中給油機分遣班、航空統制分遣班、航空兵站分遣班などからなり、MV-22B輸送機12機、CH-53E強襲ヘリ４機、UH-1Y汎用ヘリ３機、AH-1Z攻撃ヘリ4-6機、AV-8B/F-35B戦闘機６機、KC-130空中給油機２機、RQ-21無人機５機などを配備する。兵站戦闘エレメントは戦闘支援大隊１個で、人員270名、本部／本部小隊、工兵小隊、上陸支援小隊、通信小隊、補給分遣班、整備分遣班、爆発物処理分遣班、医療分遣班、法執行分遣班などからなり、戦車回収車１両、水陸両用回収車１両、７トントラック15両、HMMWV18両、ブルドーザー２両、レッカー車２両、フォークリフト３両、燃料トラック４両、浄水装置2-5基などを配備する。第１海兵遠征軍隷下に第11・第13・第15海兵遠征隊、第２海兵遠征軍隷下に第22・第24・第26海兵遠征隊、第３海兵遠征軍隷下に第31海兵遠征隊が置かれており、平時から編成を完結して即応状態にあり、命令一下６時間以内に作戦を開始し、ESGの支援を受ければ15日間の継戦能力を持つ。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜海兵遠征旅団＞：アメリカ海兵隊の部隊、略称MEB（Marine Expenditionary Brigade）。海兵遠征隊では対処不可能な大規模紛争時に編成される上級部隊で、元々は戦時に臨時編成される旅団規模部隊であり、1901年に第１海兵旅団が臨時編成されたのが最初である。ベトナム戦争では第３・第４・第９海兵遠征旅団が編成された。常設部隊となったのは1983年で、海兵水陸両用旅団MAB（Marine Amphibious Brigade）という名称で第１・第４・第５・第６・第７・第９の６個MABが創設され、1988年にこの名称に改称されている。平時には司令部のみが存在しており、司令官は海兵遠征軍MEF副司令官が兼務し、幕僚もMEF司令部から派出される。戦時にはMEFから作戦部隊が配属され、総兵力17300名、連隊上陸チーム（歩兵大隊2-5個、砲兵大隊１個、戦車中隊１個、特殊偵察中隊１個、強襲水陸両用中隊１個、軽装甲車中隊１個、TOW小隊１個）、海兵航空群MAG（固定翼機、回転翼機、対空戦隊、指令・統制、海兵航空支援群独立班。陸海いずれでも作戦可能）、旅団後方支援群（後に戦闘兵站連隊に改称。再補給無しで30日間活動可能な物資を用意）を１つの指揮系統に統合した空陸任務部隊MAGTFになる。部隊は海軍水陸両用戦艦艇20隻に搭載される。６個MEBは第１・第２・第３海兵遠征軍に２個ずつが配属され、うち１個は海軍揚陸艦隊により装備（主に軽装備）ごと輸送されて水陸両用作戦を行う水陸両用展開MEB、もう１個は航空機で隊員を運んだ後、海上事前集積部隊MPSから装備（主に重装備）と物資を受け取って戦闘を行う海上事前集積部隊展開MEBとされた。冷戦崩壊で1992年に第１と第６のみとされ、2000年に第２と第３が新編されて４個になり、同時多発テロを受けて第４（対テロ部隊）が再編されて５個に増え、2004年頃に第６が解隊されて４個に減り、2006年の海兵隊特殊作戦コマンド創設で第４が解隊されて第１・第２・第３の３個となっている。参考：月刊丸12,’90、月刊軍事研究7,’12、2,’02、8,’10

　＜海兵遠征旅団（１９８９年、海上事前集積部隊展開）＞：兵力16375名（うち海軍875名）。M-60A1/M-1A1戦車53両、AAV7水陸両用車109両、155mm榴弾砲30門、航空機126機（AV-8B攻撃機20機、CH-53ヘリ20機、CH-46Eヘリ12機など）、中型ギルダー橋３基、30トンクレーン12基、ブルドーザー29両、グレーダー10両、発電機438基、浄水装置41基、大型油槽トラック59両、５トントラック564両、軽トラック625両、トレーラー593両、フォークリフト107両、コンテナ運搬車10両などを装備する。参考：月刊軍事研究7,’12

　＜海兵遠征旅団（１９８９年、水陸両用展開）＞：兵力15350名（うち海軍550名）。M-60A1/M-1A1戦車17両、AAV7水陸両用車47両、155mm榴弾砲30門、航空機198機（AV-8B攻撃機40機、CH-53ヘリ32機、CH-46Eヘリ48機など）、中型ギルダー橋１基、30トンクレーン１基、ブルドーザー５両、グレーダー３両、発電機44基、浄水装置９基、大型油槽トラック５両、５トントラック66両、軽トラック85両、トレーラー174両、フォークリフト116両、コンテナ運搬車10両などを装備する。参考：月刊軍事研究7,’12

　＜海兵遠征旅団（１９９０年）＞：ハワイのカネオヘベイに第１、東海岸ノーフォークに第４、西海岸ペンドルトンに第５、東海岸レジューンに第６、西海岸29パームズに第７、沖縄に第９の６個旅団が編成されていた。兵力は海兵隊15000名、海軍700名、海軍支援要員1250名。装備はAV-8B攻撃機20機またはA-4攻撃機19機、F/A-18戦闘機24機またはF-4戦闘機24機、A-6攻撃機10機、EA-6電子戦機４機、RF-4B偵察機４機、OA-4M観測機５機、KC-130空中給油機６機、OV-10観測機６機、CH-53Eヘリ８機、CH-53Dヘリ20機、CH-46Eヘリ48機、UH-1ヘリ12機、AH-1ヘリ12機、ホーク６基、スティンガー12基、戦車17両、LAV25装甲車36両、AAVP7装甲車48両、81mm迫撃砲24門、TOW発射機48基、M47ドラゴン96基、155mm牽引式榴弾砲24門、155mm自走榴弾砲６門、203mm自走榴弾砲６門、60mm迫撃砲27門、M2機銃138丁、M60機銃255丁、Mk19てき弾発射機114丁である。参考：月刊丸12,’90

　＜海兵遠征旅団（２００１年）＞：兵力17300名。M1A1戦車58両、LAV25装甲車25両、LVTP-7A1強襲揚陸車109両、M198榴弾砲30門、装甲HMMWV129両、ホーク地対空ミサイル８基、スティンガー45基、固定翼機（F/A-18戦闘機、EA-6B電子戦機など）61機、回転翼機（AH-1W攻撃ヘリ、CH-53E強襲ヘリなど）63機などを装備する。陸上装備はMPSRONで輸送され、航空機は海上輸送・空輸されるか自力飛行で展開する。参考：月刊軍事研究12,’02、12,’01

　＜海兵遠征旅団（２０１２年）＞：第１、第２、第３の３個が編成されている。兵力1.4-2万名。陸上戦闘部隊は連隊上陸チームで、M1A1戦車17-58両、AAV7水陸両用車47-109両、155mm榴弾砲M777を24-30門、81mm迫撃砲24門、60mm迫撃砲36門、TOW発射機24基を装備する。航空戦闘部隊は海兵航空群MAGで、AV-8B攻撃機20-40機、F/A-18C/D戦闘攻撃機24-36機、EA-6B電子戦機４機、KC-130空中給油機６機、CH-53D/E強襲ヘリ32機、CH-46E輸送ヘリ24機、UH-1N汎用ヘリ12機、AH-1W攻撃ヘリ12機を装備する。兵站戦闘部隊は戦闘兵站連隊で、30日間の補給能力を持つ。輸送には揚陸艦15隻か、海上事前集積船隊MPS１個と航空機を使う。参考：月刊軍事研究4,’12、月刊PANZER1,’13

　＜海兵遠征旅団（２０１８年）＞：平時には第１・第２海兵遠征旅団の司令部のみが編成されており、必要時に歩兵連隊１個から数個、海兵航空群MAG１個から数個、戦闘兵站大隊１個から数個が隷下に入って兵力3000-20000名規模となる。指揮官は准将。洋上支援下での継戦能力は30日間。水陸両用艦艇だけで輸送するには20隻ほど必要で、直援・支援艦艇も含めると大規模すぎて即応性に欠けることから、人員や軽装備は輸送機で運び、重装備は予め海上事前集積船隊MPSに積んで予想作戦地域近くに展開させておく。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜海兵機動展開部隊＞：海兵遠征軍を参照。

＜海兵空地任務部隊＞：MAGTFを参照。

＜海兵空中給油輸送飛行隊＞：VMGRを参照。

＜海兵軽攻撃ヘリコプター飛行隊＞：HMLAを参照。

＜海兵航空管制群＞：MACGを参照。

＜海兵航空基地＞：略称MCAS（Marine Corps Air Station）。参考：月刊航空ファン8,’16

＜海兵航空群＞：MAGを参照。

＜海兵航空団＞：MAWを参照。

＜海兵航空団支援中隊＞：MWSSを参照。

＜海兵航空兵站中隊＞：MALSを参照。

＜海兵攻撃飛行隊＞：VMAを参照。

＜海兵師団＞

＜海兵師団（アメリカ、１９８９年）＞：旅団司令部２個、歩兵大隊９個、LAV-25装甲歩兵大隊１個、偵察大隊１個、戦車大隊１個、砲兵連隊１個、戦闘工兵大隊１個、強襲両用戦大隊１個、防空大隊１個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜海兵重ヘリコプター飛行隊＞：HMHを参照。

＜海兵水陸両用旅団＞：MABを参照。

＜海兵戦車大隊（イラク戦争時）＞：兵力は海兵隊791名、海軍32名の823名。本部／支援中隊と海兵戦車中隊４個からなる。M1A1戦車58両、M88A2戦車回収車５両、TOW搭載HMMWV26両、M60AVLB４両など車両194両を装備する。参考：月刊軍事研究10,’03

＜海兵戦車大隊本部中隊（イラク戦争時）＞：斥候小隊（TOW搭載・M2重機関銃搭載・Mk19擲弾発射機搭載HMMWV各１両ずつ）、対戦車小隊（TOW搭載HMMWV24両）、本部・支援部隊（M1A1戦車２両、M60AVLB４両、M88A2戦車回収車１両、各種貨物車両装備）からなる。参考：月刊軍事研究10,’03

＜海兵戦車中隊（イラク戦争時）＞：中隊本部（M1A1戦車２両、M88A2戦車回収車１両、兵員34名）、戦車小隊（M1A1戦車４両、兵員16名）３個の兵員82名、戦車14両からなる。参考：月刊軍事研究10,’03

＜海兵戦術電子戦飛行隊＞：VMAQを参照。

＜海兵全天候攻撃飛行隊＞：VMA(AW)を参照。

＜海兵戦闘攻撃飛行隊＞：VMFAを参照。

＜海兵戦闘飛行隊＞：VMFを参照。

＜海兵隊＞：海軍歩兵と呼ぶ軍もある。大元は味方艦から敵艦に乗り移って戦闘を行う艦上白兵戦専門要員で、紀元前５世紀のフェニキアで誕生した。ついでに艦内の紀律を力で維持する役目も担っている。海軍歩兵という名称で創設されたのは1537年のスペイン海軍歩兵が初、海兵隊（Marines）は1644年のイギリス海兵隊が初である。艦砲の発達で艦上白兵戦が無くなると、殴り込み先を敵地沿岸に移し、水陸両用作戦による海岸堡の確保が主任務となった。海軍艦船部隊と協同し、水陸両用作戦や敵前上陸を行う他、海外植民地や居留地の、在外公館を初めとする国家的資産や自国民の生命財産を防衛するのが主任務で、エリート部隊と認識されている。海軍や陸軍の一部に組み込まれている所もあれば独立している所もあり、日本では海軍陸戦隊／海軍特別陸戦隊、ロシアでは海軍歩兵と呼ばれた。攻勢戦略を取る国に作られていることが多いが、島嶼防衛に最適のため、島の領有権をめぐる紛争を抱えている国も保有している。第２次大戦後の沿岸防備の発展や、冷戦終結による軍縮などで、本格的な水陸両用作戦に投入する大規模戦力を揃えられる国は限られるようになった。それに伴い、水陸両用襲撃作戦などを主任務とする、即応性の高い特殊部隊として運用する国が多くなっている。参考：月刊世界の艦船3,’19、12,'23、月刊丸12,’90、朝雲

　＜海兵隊（自衛隊）＞：1960年前後、関東から北海道・九州方面に戦略機動を行う部隊として空挺団と共に創設する案がアメリカ軍顧問団から出されたが、航空自衛隊の新設で忙しかったこと、海上自衛隊がシーレーン防衛のための対潜戦力整備に集中していたこと、イメージ的に対外侵攻作戦に繋がりやすいという政治判断などから作られなかった。島嶼防衛のため1954年から供与LSTに陸上自衛隊員を乗せての海上機動演習を実施しており、1960年代からLSTの建造を開始したが、暫くは普通科連隊１個程度の輸送能力を持つのみだった。おおすみ型の完成で１個連隊戦闘団程度の輸送は可能となったが、強襲上陸は難しく、敵支配地域から離れた場所に上陸した後、敵海岸堡や被占領域の奪回作戦に移る戦術を取らざるを得ないようである。平成26年度以降に係る防衛計画の大綱で水陸機動団を創設することになったが、陸上自衛隊の隷下となっていて、アメリカ式よりイギリス・フランス式に近い。参考：月刊丸12,’90、月刊軍事研究7,’14、6,’18、朝雲

　＜海兵隊（日本海軍）＞：明治3年9月、兵部省海軍部がイギリス海兵隊をベースに創設した。志願制で、主に士族から採用している。組織は歩兵科、砲兵科、楽隊、鼓隊海軍規則取締掛、通訳掛、隊附医官で構成され、各軍艦に派遣されて平時は儀礼や礼砲射撃を担当し、有事には陸戦や乗移戦（敵艦に乗り移って戦う）を行う。艦隊派遣兵力は191名で、軍艦８隻に10-30名ずつ乗り込んでいた。明治4年9月、海兵隊の中央組織として水兵本部（トップは本部長の中佐）が新編され、隷下に歩兵局と砲兵局が置かれた。明治5年7月10日、海兵隊将校を養成するための砲術生徒学舎が創設された。明治8年6月1日には水兵本部24名、歩兵科839名、砲兵科371名、楽隊65名、鼓隊73名、海軍規則取締掛５名、通訳掛３名、隊附医官10名の1390名（海軍総兵力の４割弱）を擁していた。9月23日、砲術生徒学舎が海兵士官学校に改編された。海軍陸戦隊の発足に伴い、明治9年7月（明治11年2月19日？）に廃止され、海兵士官学校は明治9年10月1日に兵学分校と改称され、海軍兵学校に吸収されて明治10年8月に廃止された。参考：月刊軍事研究10,’13、写真で見る海軍糧食史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜海兵隊攻撃飛行隊＞：VMAを参照。

＜海兵隊全天候攻撃飛行隊＞：VMA（AW）を参照。

＜海兵隊全天候戦闘攻撃飛行隊＞：VMFAを参照。

＜海兵隊戦闘攻撃飛行隊＞：VMFA（AW）を参照。

＜海兵隊部隊サイバーコマンド＞：アメリカ海兵隊のサイバー戦部隊、略称MARFORCYBER（Marine Corps Forces, Cyber Command）。2009年に創設され、2010年から実戦活動を開始した。海兵隊ネットワーク作戦保安センター、海兵暗号支援大隊Ｌ中隊からなる。参考：月刊軍事研究3,’13

＜海兵隊サイバー・コマンド（２０１３年）＞：サイバー・コマンド隷下で、司令部はフォート・ミードにある。隷下に海兵隊ネットワーク作戦保全センター（ヴァージニア州クワンティコ）、海兵隊暗号支援大隊Ｌ中隊（フォート・ミード）を置く。参考：月刊軍事研究5,’13

＜海兵隊部隊特殊作戦コマンド＞：アメリカ海兵隊の部隊、略称MARSOC（Marine Corps Forces Special Operations Command）。2006年2月24日、キャンプ・レジューンでUSSOCOM隷下に創設された。総兵力2600名で、司令部、海兵特殊作戦連隊（３個大隊）、海兵特殊作戦学校、海兵特殊作戦支援群（支援中隊、兵站中隊、ウエスト分遣隊）からなる。主任務は直接行動、特殊偵察、情報戦、保安部隊支援、反乱鎮圧、対テロ作戦、友好国に対する防衛支援。参考：月刊軍事研究3,’13

　＜海兵隊部隊特殊作戦コマンド（２０１２年）＞：司令部はノースカロライナ州キャンプ・レジューンにある。隷下に海兵特殊作戦連隊、海兵特殊作戦支援群、海兵特殊作戦情報大隊、海兵特殊作戦学校を置く。参考：月刊軍事研究3,’13

　＜海兵隊部隊特殊作戦コマンド（２０１５年）＞：兵力3000名。特殊部隊連隊１個（特殊部隊大隊３個からなる）、情報大隊１個、支援群１個を隷下に置く。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜海兵隊兵員輸送車＞：MPCを参照。

＜海兵隊予備役集団（２０１０年）＞：Marine Foces Reserve（MarForRes）。司令部はルイジアナ州ニューオーリンズにある。隷下に第４海兵師団、第４海兵航空団、第４海兵兵站群を置く。参考：月刊JWings5,’10

＜海兵団（日本海軍）＞：日本海軍の組織。鎮守府の隷下にあり、軍港防衛警備、消防、下士官・兵の教育訓練を主任務とする。艦船が修理に入ったり、予備艦に編入された際に、配属されていた下士官・兵を収容して訓練する組織でもあり、鎮守府人事部から定員補充の要請があると、補充員として送り出す。昭和16年11月に軍港警備任務を海軍警備隊に譲り、教育訓練・定員補充専門部隊となった。日本海軍に入隊した兵（志願、徴兵問わず。航空兵を除く）が最初に配属されるところで、太平洋戦争勃発で新兵が増えると鎮守府管轄下に増設、要港警備府の下にも新設され、最終的に横須賀、呉、佐世保、武山、浜名、大湊、大竹、安浦、大阪、相浦、針尾、舞鶴、平、鎮海、高雄の15ヵ所になった（管轄は横須賀・呉・佐世保鎮守府３ヵ所ずつ、大阪警備府２ヵ所、舞鶴鎮守府・大湊・鎮海・高雄警備府１ヵ所ずつ）。海軍に入隊すると所管鎮守府の海兵団（武山、浜名、大湊、大竹、安浦、大阪、相浦、針尾、舞鶴、平、鎮海、高雄）に振り分けられ、練習部での教育終了後に所管鎮守府の在籍艦艇に配属されるが、軍楽兵は全国から横須賀海兵団に集められた。ちなみに航空兵は横須賀航空隊に入隊する。徴募兵は1月から５ヶ月、志願兵は6月から練習部で半年間の教育を受け、卒業半月前に志望調査があり、成績順に志望が通って各艦船や部隊に配属される。兵の身分は四等兵で、服には階級章が何も付いていないので、カラスと通称された。帽子は夏は黒で、冬には白覆いを被せる。兵舎の中は居住区に分かれており、１つの居住区を１個の分隊（兵科別。４個小隊12個教班からなる）が使う。居住区は学校の教室の壁を取っ払ったような感じで、廊下の両側に居住区が並んでおり、天井の梁（ビーム）が各教班の境界線である。各教班にはテーブルと７人掛けベンチ２つ、班長用の椅子が用意されていて、普段はビームの上にしまってあるが、食事などの時には下に下ろし、窓側に班長、両側に班員７名ずつが身長順に座る。居住区は教室兼食堂兼寝室で、寝る時にはビームの間に釣床をかける。居住区の一端に分隊長室、分隊士室、班長室などが、もう一端に洗面所、厠などがある。屋外は訓練場となっている。酒保は無く、菓子や汁粉などが週３回配られる。入隊する者は高等小学校卒業クラス（まれに中卒）で、教育する方も18-20才くらい。志願兵は試験を受けてある程度レベルが揃っているが、徴兵の方はピンからキリまでで、訛りを標準語に直すことから始まり、教える方も苦労したらしい。海など見た事も無ければ泳いだ事も無い者が入隊してくることもある。入隊前日に鎮守府近くの旅館に宿泊するよう指示があり、班長が来て入隊日の予定と所属教班を教えてくれる。当日時間通りに海兵団に行くと、班長が待っているので付いていき、仮入団式に参加する。その後は親類や友人に手紙を書いて住所が変わったことを知らせ、身体検査の後、班長から今後の説明を受け、昼食となる。食後は支給された制服に着替え、着ていた服などを隊門で付添人に渡す。支給された被服に名前を書いたり、敬礼を習ったり、入団式の予行練習をしたりしつつ数日過ぎると正式の入団式があるが、この日を境に教育方針が一変、罰直の嵐が吹き荒れるようになる。まず0545に総員起こし15分前のアナウンスが流れる。次いで0555に総員起こし５分前のアナウンスがされるが、この号令がかかると全員釣床に戻っていなければならず、起きた後は忙しいので、トイレなどは総員起こし15分前から５分前の間に済ませておく。0600に起床ラッパが鳴るが、起きるのは鳴り終わってからである。鳴り終わると総員起こしのアナウンスが流れるので、飛び起きて釣床をきれいにくくり上げてネッチングにしまい、服を着て廊下側に整列し、当直班長に報告する。総員起こしからここまで１分弱で済ませないと罰直を喰らうし、かといって釣床をいい加減にくくっているとくくり直しになるから、寝起きが悪いなどとは言っていられない。続いてダッシュで兵舎前に並び、分隊ごとに号令台上にいる副直将校に報告する。全分隊が揃うと副直将校は号令台から下りて当直将校に報告、副直将校は再び台上に戻る。そして副直将校の指導の下、全員で宮城遙拝、伊勢神宮遙拝、明治天皇御製拝誦、軍人勅諭拝誦を行う。その後は体操を15分間行い、ダッシュで居住区に戻って全員で甲板（居住区の床のこと）掃除となる。掃除が終わるとテーブルと椅子を下ろし、食卓番整列の号令で各班から４名ずつの食卓番が烹炊所まで食事を取りに行く。取ってくるのが他班よりも遅くなると最悪の場合配膳した朝食をひっくり返されて飯抜きになるので、これもダッシュである。準備が終わると班長室にいる教班長に食事用意よろしいと報告しに行き、班長が椅子に腰掛けたところで班務が気を付けと号令を掛け、班長がつけと言ったら食事開始である。食卓番が食器と残飯を返したところで課業始めの号令がかかり、課業（座学と訓練）が開始される。座学は艦船及び艦載兵器などの構造、各部名称、日課、一般教養、普通学などで、テーブルと椅子は使わず、手箱の上に座って講義を聴く。居眠りをすると見回りをしている教班長から棒で叩かれる。試験の時には手箱に座り、椅子を机の替わりにして回答を書く。カッター漕ぎ、通船、手旗、結索、水泳、相撲、銃剣術、陸戦教練といった訓練は分隊ごとに行われるため、何かというと班ごとの競争となり、負けると罰直が待っている。昼食を挟んで午後の課業が行われ、終わると夕食である。課業での班競争で成績が悪いと、教班長が食卓カバーを引きずり上げて食事を床にぶちまけたり、食後に罰直が待っていたりと最悪ムードになる。その後は入浴で、兵舎前に整列し、当直教班長の後に続いて浴場に行く。入る前にはさらし粉入りの水槽に下半身を浸けるという今の学校のプール方式をとる。湯に入る際には自分の石鹸を石鹸箱ごと手拭いで包み、それを頭に巻いて（額に結び目を作る）盗難防止にする。将来艦船に配置された時に備え、水の使用は最小限に止めるよう心がける。ある程度教育が終わったら練習艦隊で１週間の艦務実習を行う。仕上げの最終訓練は陸戦演習で、横須賀海兵団では辻堂演習と称し、修了すると海軍三等兵となって各部隊に配属される。修了半月前くらいに配属希望を提出するが、第一希望に入れるかは成績順で決まる。准士官・下士官候補生は横須賀、呉、佐世保、舞鶴の各海兵団で教育を受けた。練習部では新兵のみならず、各術科特修科や海軍予備練習生などへの教育も行う。参考：海軍よもやま物語、写真で見る海軍糧食史、陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜海兵飛行隊＞：アメリカ海軍の航空部隊。トップは中佐で、副官は先任順位の低い中佐または先任の少佐。参考：月刊エアコマンド8,’93

＜改ペチャ�T型＞：ペチャ型シリーズ（警備艦）を参照。

＜改ペチャ�U型＞：ペチャ型シリーズ（警備艦）を参照。

＜カイベル級＞：ブルク級ミサイル・フリゲート（パキスタン海軍）を参照。

＜開放＞：作動を参照。

＜海防艦＞：Coast Defence Ship。海岸要塞と協力し、沿岸地域や港湾の防衛を行う軍艦。旧式戦艦・巡洋艦で代用することも多かった。アメリカやイギリスでは新型艦を次々と建造し、旧式艦を廃棄していったため、この種の艦船は保有しなかった。北欧ではバルチック海が主要な作戦海面だったため、大洋型の軍艦よりもこちらの建造に力が入っていたりした。参考：小艦艇入門、帝国陸海軍事典

　＜海防艦（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。明治31年3月に制定された軍艦及水雷艇類別等級標準で軍艦の下の類別として艦種が設けられ、排水量7000トン以上を一等海防艦、3500-7000トンを二等海防艦、3500トン未満を三等海防艦とした。主任務は自国の沿岸防衛で、艦隊から外された旧式戦艦や旧式巡洋艦が多く、主力艦が艦隊決戦で壊滅した場合の予備の役目も持つ。最初に組み込まれたのはスループの海門とコルベットの筑波である。明治37年12月、鎭遠が類別変更された。大正元年に三等海防艦が廃止された。大正元年、通報艦鈴谷が類別変更された。昭和に入り、新たに漁業保護艦にあたるものを海防艦として分類し直し、昭和6年に等級を廃止した。この分類で最初に建造されたのは昭和15-16年に４隻が竣工した占守型で、任務上砲撃戦能力を重視しており、千島やカムチャッカ周辺の漁業紛争時に出撃した。船体は小型になったが、艦長は中佐である。旧式艦の転用海防艦は昭和17年7月に重巡洋艦に艦種変更され、この時に海防艦は軍艦から外れ種別の１つとなった。太平洋戦争勃発直前の昭和16年7月に南方航路防衛用として択捉型30隻の建造を決定したが、就役は昭和18年からになってしまった。結局択捉型は14隻で打ち切って御蔵型８隻に切り替え、昭和17年6月には簡易設計の鵜来型34隻を建造することにしたが、１番艦が就役したのは昭和20年で、20隻の竣工に止まっている。他に簡易設計の日振型も昭和19-20年に９隻竣工した。さすがにこれでは足りなすぎるので、戦時急造護衛艦としてナンバリングのみの海防艦第１号型・第２号型を昭和18年度から計画し、432隻を建造する予定だったが、竣工したのは170隻だった。完成した海防艦は海防隊や第101-104戦隊に配備されて本土からトラック環礁やシンガポールを結ぶ商船の対潜護衛などを行い、大半はヒ船団の護衛を務め、時に対潜掃討任務にも就いた。ただ既に制海権を失っていた時期で、損害が多発している。速力も低く、水上航行中の潜水艦を追撃するのは無理だった。ナンバリング海防艦は大量生産されたため、艦長の教育が間に合わず、商船学校の卒業生が艦長に任命された。太平洋戦争中、海防艦のみで７隻、駆逐艦と共同で１隻の潜水艦を撃沈したが、潜水艦により39隻が沈められている。太平洋戦争での全沈没数は75隻（昭和18年２隻、昭和19年20隻、昭和20年50隻の計72隻？）で、生き残ったもののうち42隻が解体され、68隻が戦時賠償として外国に譲渡され（うち17隻は日本で解体された）、５隻が海上保安庁巡視船となった。参考：小艦艇入門、輸送船入門、月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’14、月刊丸6,’14、3,’14、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海防艦第１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第１号海防艦。昭和19年2月竣工。昭和20年3月9日、香港で火災事故を起こした。4月5日、香港東方で爆撃を受けて損傷した。4月6日、アメリカ陸軍機の攻撃を受け沈没し、脱出した乗員も機銃掃射を喰らい、20名が救助されたが後に全員戦死した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊世界の艦船12,’21

＜海防艦第１号型＞：日本海軍海防艦、別名は丙型海防艦。奇数番号の付いている海防艦がこれにあたる。長距離対潜護衛が主任務で、戦時量産を考慮して船型を小型単純化し、ブロック建造方式を採用、主機も過給器無しのディーゼル２基にした。煙突は太く、マフラーを内蔵している。艦型は船首楼型で、上甲板レベルより上の船首楼舷側に直線状のフレアを付けた。主砲は前部のみ防楯を持つが、一部に後部も防楯付きとした艦がある。前部マスト中段フラットに二二号電探、前部マスト直後の探照灯台に75cm探照灯、艦橋頂部の防空指揮所に2m高角測距儀を装備する。ボートダビッドは探照灯台付近に配置しており、右舷側と左舷側前方が６メートル救命艇用、左舷側後方が６メートル内火艇用である。工数は28000で、御蔵型の半分。水線長66m、最大幅8.4m、基準排水量745トン、公試排水量810トン。主機は二三号乙八型ディーゼル２基1900馬力、速力16.5ノット、燃料搭載量120トン、航続距離6500海里（14ノット）。兵装は45口径十年式12サンチ単装高角砲Ｅ型またはＥ型改一２門（前後甲板）、九六式二五ミリ三連装機銃２基（煙突両舷）、三式爆雷投射器12基（後期型は16基。後甲板両舷）、爆雷投下軌条２条（後甲板中央）、爆雷120個。後期艦は主砲防楯形状を変更し、艦橋前方に三式14口径8cm迫撃砲１門と九六式二五ミリ単装機銃１丁、艦橋両舷に九六式二五ミリ連装機銃１基ずつ、後部マスト後面に一三号電探を追加した。艦尾両舷に機雷敷設軌条を増設したものもある。昭和19-20年度計画で132隻の建造が予定され、太平洋戦争終戦までに53隻が竣工し、26隻が戦没した。終戦後に未完成艦のうち３隻が特別輸送艦に艤装され、昭和20年12月から昭和21年5月に竣工している。参考：小艦艇入門、輸送船入門、月刊モデルアート9,’15増刊、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船3,’19

＜海防艦第２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第２号海防艦。昭和19年2月竣工。昭和19年7月9日、海南島楡林港で暴風により座礁した。昭和20年7月30日、舞鶴で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第２号型＞：日本海軍海防艦、別名は丁型海防艦。偶数番号の付いている海防艦がこれにあたる。第１号型（丙型）の主機を生産性の高い第２次戦時標準Ａ型貨物船用の蒸気タービンに変更したもので、煙突は細いものに換装し、煙突直後で上部構造物を前後に分けた。最短建造日数記録は75日。全長69.5m、水線長68m、最大幅8.6m、基準排水量740トン、公試排水量900トン。主機は甲二五型単筒蒸気タービン１基、主缶はホ号艦本式缶２基、出力2500馬力、１軸推進、速力17.5ノット、燃料搭載量240トン、航続距離4500海里（14ノット）。兵装は45口径十年式12サンチ単装高角砲Ｅ型またはＥ型改一２門（前甲板に防楯付き、後甲板に防楯無し）、九六式二五ミリ三連装機銃２基（後部上構前部両舷）、Ｋ砲12基（後甲板両舷６基ずつ）、爆雷投下軌条１条（艦尾中央）、爆雷120個。乗員125名。143隻を建造する予定で、昭和19-20年度計画で71隻（63隻？62隻？）が竣工した。後期型は前部主砲防楯形状を変更（後部主砲にも防楯を付けた艦もある）し、艦橋前方に三式14口径8cm迫撃砲１門と九六式25mm単装機銃１丁、艦橋両舷に九六式25mm連装機銃１基ずつ、後部マスト前縁に一三号電探を増設、水測・レーダー員などを増やしたため、乗員が186名（士官８名、操舵４名、信号・航海13名、見張り２名、運用１名、測距２名、気象３名、機関31名、電機１名、電信７名、暗号４名、電測11名、砲術41名、機銃９名、弾庫１名、弾薬供給３名、爆雷21名、水測10名、工作３名、主計９名、看護２名）に増えた。参考：小艦艇入門、輸送船入門、月刊世界の艦船12,’11、月刊モデルアート9,’15増刊、日本海軍艦隊総覧

＜海防艦第３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第３号海防艦。昭和20年1月9日、基隆北西野柳沖でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第４号海防艦。昭和19年6月12日、サイパン北北西でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。8月4日、父島付近で艦上機の機銃掃射を受けて損傷した。11月11日、八丈島沖でSS-277スキャンプを撃沈した。昭和20年7月24日、三重県鳥羽沖で被弾損傷した。7月28日、横須賀で空襲を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第５号海防艦。昭和19年9月21日、フィリピンのマシンロック北方で艦上機の攻撃を受け大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第６号海防艦。昭和20年2月5日、父島付近で触礁して損傷した。8月13日、北海道の西でSS-403アテュールの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第７号＞：日本海軍海防艦第１号型、第７号海防艦。昭和19年11月14日、ルソン島の西でSS-271レイの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第８号海防艦。昭和19年2月15日、兜島付近で演習弾の誤射を受けて損傷した。10月8日、香港南東でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。昭和20年4月11日、海防艦沖縄、第32号海防艦、第52号海防艦と共にSS-279スヌークを撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第９号海防艦。昭和19年5月13日からヒ六三船団の護衛に就いた。昭和20年1月9日、台湾左営沖で艦上機の攻撃を受けて損傷した。2月14日、済州島南東でSS-212ガトーの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸3,’90

＜海防艦第１０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第10号海防艦。昭和19年6月28日、ミンダナオ南方で潜水艦の雷撃を受け大破した。9月27日、奄美大島北北西でSS-390プレイスの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、アメリカ潜水艦史

＜海防艦第１１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第11号海防艦。昭和19年8月17日からヒ七一船団の護衛に参加。11月10日、オルモック湾口でB-25の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、輸送船入門

＜海防艦第１２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第12号海防艦。昭和19年7月14日、小笠原諸島付近で爆撃を受けて小破した。8月4日、父島付近で艦上機の機銃掃射を受けて損傷した。昭和20年2月6日、父島の北西36海里で爆撃を受けて小破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第13号海防艦。昭和19年10月23日、サブタン水道で座礁した。11月7日、マニラ湾で海防艦千振及び駆逐艦時雨と共にSS-215グラウラーを撃沈した。11月10日、オルモック付近で爆撃を受け損傷した。昭和20年1月9日、台湾左営沖で艦上機の攻撃を受けて損傷した。3月2日、ルソン島北東で爆撃を受け損傷した。8月14日、兵庫県余部沖でSS-423トースクの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第１５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第15号海防艦。昭和19年5月13日からヒ六三船団の護衛に就いた。6月6日、仏印サンジャック南西でSS-270レイトンの雷撃により沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸3,’90

＜海防艦第１６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第16号海防艦。昭和19年7月19日、ヤップ島の西南西156海里で爆撃を受けて小破した。昭和20年8月13日、北海道の西で雷撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１７号＞：日本海軍海防艦第１号型、第17号海防艦。昭和17年7月18日、高雄付近で潜水艦の雷撃を受けて大破した。昭和20年1月12日、仏印サンジャック沖でアメリカ機動部隊の空襲を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第18号海防艦。昭和20年3月29日、仏印東方で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第19号海防艦。昭和19年12月17日、仏印カムラン湾南方で爆撃を受けて小破した。昭和20年1月12日、仏印サンジャック沖でアメリカ海軍機動部隊の空襲を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第20号海防艦。昭和19年12月29日、ルソン島サンフェルナンド沖で爆撃を受けて沈没した。昭和20年4月4日、香港東方で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第21号海防艦。昭和19年10月6日、ルソン島北西でSS-304シーホースの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第22号海防艦。昭和19年8月25日、ルソン島の西でSS-257ハーダーを第102号哨戒艇と共に爆雷で撃沈した。10月30日、都井崎の南東100海里でSS-182サーモンの攻撃を受けて船体に破孔を生じた。昭和20年6月23日、富山湾でSS-223ボーンフィッシュを攻撃して撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊丸8,’95

＜海防艦第２３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第23号海防艦。昭和20年1月12日、仏印キノン北方でアメリカ機動部隊の空襲を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第24号海防艦。昭和19年4月29日、今治沖で光島丸と衝突した。6月28日、硫黄島南岸でSS-311アーチャーフィッシュの雷撃により沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第25号海防艦。昭和19年9月27日、高雄付近でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて中破した。昭和20年5月5日、黄海南部でSS-414スプリンガーの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第26号海防艦。昭和20年3月30日、海南島楡林港外で爆撃を受けて中破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２７号＞：日本海軍海防艦第１号型、第27号海防艦。昭和20年1月12日、仏印キノン北方でアメリカ機動部隊の空襲を受けて損傷した。7月30日、鎮海沖で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第28号海防艦。12月24日（14日？）、ルソン島サンタクルーズ沖でSS-324ブレニーの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、アメリカ潜水艦史

＜海防艦第２９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第29号海防艦。昭和20年3月23日、奄美大島会津高崎沖で爆撃を受けて損傷した。5月28日、九州沖で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第３０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第30号海防艦。昭和19年12月19日、基隆の東でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。昭和20年1月10日、沖縄の西方で潜水艦の雷撃を受けて大破した。7月28日、和歌山県由良港で空襲を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第３１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第31号海防艦。昭和20年4月14日、朝鮮でSS-420タイラントの雷撃を受け沈没した。参考：アメリカ潜水艦史

＜海防艦第３２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第32号海防艦。昭和20年4月3日、東シナ海で爆撃を受けて損傷した。4月11日、中国の舟山列島東で、海防艦沖縄、第８号海防艦、第52号海防艦と共に、SS-279スヌークを撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第３３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第33号海防艦。昭和20年1月3日、高雄西方でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。3月26日、東シナ海で、海防艦御蔵、第59号海防艦と共に、SS-237トリガーを撃沈した。3月28日、宮崎県青島沖で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第３４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第34号海防艦。昭和19年10月25日、SS-306タングが発射した魚雷がタング自身に命中して爆発したのに気付き、付近に爆雷２個を投下して撃沈、乗員２名を捕虜にした。参考：小艦艇入門

＜海防艦第３５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第35号海防艦。昭和20年1月12日、仏印南部で船団護衛中にアメリカ機動部隊の空襲を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第３６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第36号海防艦。昭和20年3月9日、海南島楡林で爆撃を受け損傷した。3月15日、中国の汕頭沖で爆撃を受け損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第３８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第38号海防艦。昭和19年11月25日、マニラの西60海里でSS-365ハードヘッドの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第３９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第39号海防艦。昭和20年8月7日、巨済島沖で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第40号海防艦。昭和20年4月13日、山口県蓋井島灯台の南4kmで触雷して小破した。昭和21年7月19日、周防灘で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第41号海防艦。昭和20年6月9日、対馬海峡でSS-405シー・アウルの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第42号海防艦。昭和20年1月10日、沖縄の西方でSS-268パッファーの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第43号海防艦。昭和20年1月12日、仏印南部で船団護衛中にアメリカ機動部隊の空襲を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第44号海防艦。昭和20年3月9日、奄美大島北西でアメリカ潜水艦の雷撃を受け損傷した。7月28日、佐世保で空襲を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第45号海防艦。艦尾両舷に機雷敷設軌条を持つ。昭和20年7月28日、横須賀で空襲を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊モデルアート9,’15増刊

＜海防艦第４６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第46号海防艦。昭和20年6月17日、朝鮮青島列島北部付近で座礁した。8月17日、朝鮮半島木浦で触雷して戦没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第４７号＞：日本海軍海防艦第１号型、第47号海防艦。昭和20年1月29日、小笠原諸島付近で爆撃を受け中破した。2月16日、横浜港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。7月15日、小樽港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。8月6日、千葉県野島崎沖で爆撃を受けて損傷。8月14日、兵庫県余部沖でSS-423トースクの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第５０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第50号海防艦。昭和20年5月1日、和歌山県黒島の南２海里での雷撃を受け大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第５１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第51号海防艦。昭和20年1月12日、仏印キノン北方でアメリカ機動部隊の空襲により沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第５２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第52号海防艦。昭和20年1月11日、唐津港で鉄洋丸と接触する事故を起こした。4月5日、香港東方で爆撃を受けて損傷した。4月11日、中国舟山列島東で、海防艦沖縄、第８号海防艦、第32号海防艦と共に、SS-279スヌークを撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第５３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第53号海防艦。昭和20年2月7日、サイゴン付近でSS-320バーゴールの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第５４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第54号海防艦。昭和19年12月15日、ルソン島北方のカラヤン島北端で艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第５５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第55号海防艦。昭和20年7月15日、小樽港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第５６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第56号海防艦。昭和20年2月17日、伊豆諸島の御蔵島の東５海里でSS-287バウフィンの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第５９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第59号海防艦。昭和20年3月26日、東シナ海で、海防艦御蔵、第33号海防艦と共に、SS-237トリガーを撃沈した。昭和21年7月30日、呉で荒天に遭い、戦艦日向と接触して沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第６０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第60号海防艦。昭和20年1月9日、台湾左営沖で艦上機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第６１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第61号海防艦。昭和20年2月9日、仏印サンジャック灯台の南10海里で潜水艦の雷撃を受け中破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第６３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第63号海防艦。昭和19年9月20日、高雄付近で爆撃を受けて航行不能となった。昭和20年1月16日、香港でアメリカ機動部隊の攻撃を受けて損傷した。6月19日、富山湾に於いて、海防艦沖縄、第75号海防艦、第158号海防艦、第209号海防艦と共に、SS-223ボーンフィッシュを攻撃して損傷させた。8月10日、鳥取県能登島沖で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第６４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第64号海防艦。昭和19年12月3日、海南島の東方でSS-388パイプフィッシュの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第６５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第65号海防艦。昭和20年7月14日、室蘭港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第６６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第66号海防艦。昭和20年1月2日、ルソン島サンフェルナンド沖で爆撃を受けて小破した。3月13日、香港に向けて航行中に南澳島南東で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第６８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第68号海防艦。昭和20年3月24日、東シナ海で艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第６９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第69号海防艦。昭和20年3月8日、海南島東方で爆撃を受けて航行不能になり、3月16日に荒天で沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第７２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第72号海防艦。昭和20年7月1日、朝鮮の鎮南浦の南西50海里でSS-255ハッドの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第７３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第73号海防艦。昭和20年4月16日、岩手県とど崎の西南西２海里でSS-281サンフィッシュの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第７４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第74号海防艦。昭和20年7月14日、室蘭港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第７５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第75号海防艦。昭和20年6月19日、富山湾で、海防艦沖縄、第63号海防艦、第158号海防艦、第209号海防艦と共に、SS-223ボーンフィッシュを攻撃して損傷させた。参考：小艦艇入門

＜海防艦第７９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第79号海防艦。昭和20年9月18日、舞鶴港で触雷して小破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第８１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第81号海防艦。昭和20年4月22日、東シナ海で爆撃を受けて小破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第８２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第82号海防艦。昭和20年8月10日、朝鮮半島舞水端の沖７海里でソ連軍機の爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第８４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第84号海防艦。昭和20年3月29日、仏印東方でSS-364ハンマーヘッドの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第８７号＞：日本海軍海防艦第１号型、第87号海防艦。昭和20年8月9日、朝鮮東岸の雄基港で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第９５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第95号海防艦。昭和20年7月8日、横須賀港で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１０２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第102号海防艦。昭和20年3月28日、台湾基隆港内で爆撃を受けて小破した。4月9日、黄海でアメリカ潜水艦の雷撃を受け損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１０６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第106号海防艦。昭和20年3月28日、台湾基隆港内で爆撃を受けて小破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１１２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第112号海防艦。昭和20年1月3日、高雄西方でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。昭和20年7月18日、宗谷海峡でSS-220バーブの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１１６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第116号海防艦。昭和20年11月28日、鹿児島県枕崎付近で座礁したため放棄された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１２４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第124号海防艦。昭和20年2月12日、神戸港で触礁した。4月10日、山口県蓋井島灯台付近で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１３０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第130号海防艦。昭和20年3月29日、仏印東方で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１３１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第131号海防艦。昭和20年1月12日、仏印サイゴン港でアメリカ機動部隊の空襲を受けて大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１３２号＞：日本海軍海防艦第２号型、第132号海防艦。昭和19年10月24日、高知県足摺岬の南南西211海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受け大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１３４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第134号海防艦。昭和19年9月竣工。昭和20年3月29日、海南島三亜南方で爆撃を受けて小破した。4月6日、南シナ海で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜海防艦第１３８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第138号海防艦。昭和20年1月2日、ルソン島サンフェルナンド沖で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１４０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第140号海防艦。昭和20年1月12日、仏印サイゴン港でアメリカ機動部隊の空襲を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１４４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第144号海防艦。昭和20年2月2日、マレー半島北東でSS-321ベスコの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１４６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第146号海防艦。昭和20年4月2日、奄美大島の瀬相湾内で艦上機の攻撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１５４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第154号海防艦。昭和20年6月30日、福岡県部崎燈台付近で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１５６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第156号海防艦。昭和20年4月10日、山口県六連島燈台付近で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１５８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第158号海防艦。昭和20年6月19日、海防艦沖縄、海防艦第63号、第75号、第209号と共に、SS-223ボーンフィッシュを攻撃して損傷させた。参考：小艦艇入門

＜海防艦第１８６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第186号海防艦。昭和20年4月2日、奄美大島瀬相湾内で艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１９０号＞：日本海軍海防艦第２号型、第190号海防艦。昭和20年7月24日、和歌山県田辺沖で被弾損傷。7月28日、由良で空襲を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１９４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第194号海防艦。昭和20年8月10日、対馬海峡で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１９６号＞：日本海軍海防艦第２号型、第196号海防艦。昭和20年6月22日、千葉県南東でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第１９８号＞：日本海軍海防艦第２号型、第198号海防艦。昭和20年8月10日、対馬海峡で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２００号＞：日本海軍海防艦第２号型、第200号海防艦。昭和20年5月17日、京都府宮津港外で触雷して中破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２０４号＞：日本海軍海防艦第２号型、第204号海防艦。昭和20年7月17日、山口県仙崎湾で事故を起こし、損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２０５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第205号海防艦。昭和20年7月14日、小樽港外でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２０９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第209号海防艦。昭和20年6月19日、富山湾で、海防艦沖縄、海防艦第63号、第75号、第158号と共に、SS-223ボーンフィッシュを攻撃して損傷させた。参考：小艦艇入門

＜海防艦第２１３号＞：日本海軍海防艦第１号型、第213号海防艦。昭和20年8月18日、釜山港で触雷沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２１５号＞：日本海軍海防艦第１号型、第215号海防艦。昭和20年7月14日、函館港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。7月15日、北海道福島錨地でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２１９号＞：日本海軍海防艦第１号型、第219号海防艦。昭和20年7月15日、函館付近でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜海防艦第２２１号＞：日本海軍海防艦第１号型、第221号海防艦。昭和20年7月15日、津軽海峡でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜開放式閉鎖機＞：閉鎖機を参照。

＜解放操縦＞：ハッチを開け、頭を外に覗かせて操縦すること。参考：スピアヘッドNo.14

＜海防隊＞：日本海軍の海防艦部隊。１部隊に３隻から数隻が所属しており、隊司令は中佐で、司令部要員６名が海防艦３隻に２名ずつ搭乗する。昭和17年7月から第１・第２・第11・第12・第21・第22・第23・第31海防隊の計８部隊が編成された。参考：小艦艇入門

＜海防艇（日本海軍）＞：日本海軍が太平洋戦争末期に計画した特務艇（海防艇という艦種は昭和20年6月に特務艇の下の類別として制定）で、本土決戦時に回天を発進地点付近まで輸送するのが主任務である。鋼製の甲型（第１号型）と木製の乙型（第101号型）の２種類を設計した。全長40.2m、最大幅6m、吃水2.4m、排水量285トン。機関出力800馬力、速力12ノット。兵装は40mm機関砲１門、25mm機関砲６門、爆雷8-60個。回天２基を搭載する。建造中に終戦となった。参考：小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊丸3,’14

＜海邦丸＞：飯野海運2TL型油槽船。総トン数10238トン。昭和19年6月10日起工、8月1日進水、9月15日竣工。昭和20年1月8日、新竹沖中港泊地で濱風と衝突した。参考：戦時標準船入門

＜開放遊底式＞：作動（撃発準備）を参照。

＜開放路風洞＞：風洞を参照。

＜改ホランド級＞：オーストリア＝ハンガリー帝国海軍潜水艦。ホランド級の改良型で、ホワイトヘッド社が自主開発したのを購入したものである。全長32.09m、水上排水量240トン、水中排水量273トン。水中出力230馬力。水上航続距離800海里、水中航続距離60海里。兵装は艦首の45cm魚雷発射管２門（魚雷４本）。U12が1914年に就役した。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜改ボルテックス＞：アメリカのSIGINT衛星。参考：月刊軍事研究3,’02

＜カイホン＞：中国航空宇宙工学アカデミーと中国航天科技集団公司が開発したソーラー動力UAV、CH-T4。機体は双胴式で、上に翼スパン45mの細長い主翼が載っており、上面にソーラーパネルが装着されている。ペイロード数十kgで、データ中継機材などを積める。推進は電動モーター８基、巡航速度150-200km。2017年5月24日、中国航天科技集団公司が高度20000mを15時間飛行したと発表した。参考：月刊軍事研究11,’17

＜改マル五計画＞：日本海軍が太平洋戦争時にミッドウェイ海戦の敗北を受けて策定した戦時艦船建造補充計画で、昭和17年6月30日に軍令部総長から海軍大臣に商議され、12月に成立した。昭和17-22年度の建造計画で、航空部隊の増強と空母大量建造を主体としている。具体的には、基地航空隊の132隊から347隊への増加と雲龍型４隻（天城、葛城、笠置、阿蘇）、改雲龍型９隻（生駒、5008-5015号艦）、改大鳳型５隻（5201-5205号艦）の建造である。ちなみに雲龍型／改雲龍型は当初計15隻を作る予定だったが、大和型戦艦３番艦を空母信濃に改造することになったため、13隻に減らされた。戦艦建造数はゼロ。巡洋艦は大淀型軽巡２隻、改阿賀野型軽巡２隻、駆逐艦は夕雲型駆逐艦８隻、秋月型駆逐艦23隻を建造することとした。潜水艦は巡潜甲型改二と新甲型６隻、乙型改二14隻と新乙型18隻、巡潜丙型改と新丙型40隻、中型43隻、潜特型18隻を建造する予定である。他に潜水母艦（計画番号J-27）３隻、秋津洲型飛行艇母艦３隻、鵜来型海防艦34隻、改若鷹型（朝鳥型）急設網艦１隻、掃海艇第19号型36隻、駆潜艇第13号型30隻、網代型敷設艇12隻、風早型給油艦７隻、鷹野型給油艦８隻、筑紫型測量艦１隻、伊良湖型給糧艦１隻、新型給糧艦２隻、杵埼型給糧艦７隻、新型砕氷艦１隻、改明石型工作艦２隻、改魚雷艇第10号型18隻、大濱型爆撃標的艦５隻を建造し、陸上基地用飛行隊115隊、艦載飛行隊129隊、練習機飛行隊93隊、練習用実用機飛行隊90隊を創設して飛行機15238機を製作、搭乗員45000名（うち士官2800名）を育成することにした。予算は杵埼型給糧艦３隻が減らされただけで臨時軍事予算から62億円が計上され、昭和17年10月21日には昭和17年度戦時艦船建造補充追加計画として潜丁型輸送潜水艦11隻が追加され、昭和18年2月2日には昭和17年夏以降の駆逐艦損失を補うため、昭和17年度戦時艦船建造補充第２次追加計画で松型駆逐艦42隻を建造することとした。昭和18年4月、潜水艦の所要量を満たすため、昭和19年度以降は中型と潜戊型に絞って建造することとした。戦時急増が必要なのに建造に時間の掛かる艦が多く、国力の限界と戦況の悪化も加わって、実際に竣工したのは空母２隻（天城、葛城）、潜水艦４隻（伊14、潜特型３隻）、松型駆逐艦42隻、潜丁型11隻、屋久型海防艦12隻、駆潜艇第28号型３隻、大濱型爆撃標的艦１隻だけで、マル戦計画や第三段戦備計画に移行し、終戦間際には特攻兵器最優先になってしまった。参考：月刊世界の艦船12,’11、11,’15、日本駆逐艦史、日本の潜水艦パーフェクトガイド、近代巡洋艦史、日本航空母艦史、月刊丸6,’01、日本潜水艦物語、日本海軍特務艦艇史

＜カイマン＞：SS-323（潜水艦）を参照。

＜カイマン＞：フランス海軍ルカン級潜水艦Caiman。1927年竣工。1944年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜カイミテ＞：V-150海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜壊滅＞：軍が50%以上の損害を出すこと。参考：歴史群像8,’11

＜カイメン＞：CAIMEN（戦車揚陸艇）を参照。

＜海面上昇率＞：上昇率を参照。

＜改最上型＞：伊吹型（重巡洋艦）を参照。

＜海門＞：日本海軍海防艦Kaimon。明治17年竣工。明治31年、三等海防艦に類別された。明治37年7月、触雷して沈没した。参考：月刊丸6,’14

＜改大和型＞：日本海軍計画戦艦。マル五計画で建造予定の大和型戦艦５番艦（第797号艦）の俗称だが、太平洋戦争勃発で基本計画制定前に中止された。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜カイヤン＞：924（駆逐艦）を参照。

＜カイユース＞：OH-6シリーズ（ヘリ）を参照。

＜海陽＞：FF936（フリゲート）を参照。

＜海鷹＞：日本海軍海鷹型空母。元は昭和14年5月31日に竣工した大阪商船あるぜんちな丸で、昭和17年5月1日（昭和16年12月？）に徴用され、特設運送船となった。昭和17年6月30日に空母に改造されることになり、12月9日に買収されて改造が開始され、昭和18年11月23日竣工、空母に類別されて連合艦隊付属となった。12月15日、海上護衛総司令部に転属。昭和19年1月、航空機輸送任務のため、九七式艦攻12機、九九式艦爆、月光を搭載して呉を出港。マニラを経てシンガポールに到着した。シンガポールで天山21機を搭載し、1月21日に出港、スラバヤ経由でトラックに向かった。2月11日、トラックに入港。5月13日からヒ六三船団の護衛に就いた。7月、大鷹、神鷹と共にフィリピンへの航空機輸送任務を実施。３隻で零戦95機、雷電10機、月光９機、彗星５機、天山５機を運んでいる。11月24日からヒ八三船団の護衛に就いた。12月26日、ヒ八四船団の護衛に就いた。昭和20年3月19日、呉で爆撃を受けて損傷した。4月20日、連合艦隊付属となり、回天や神雷の標的艦として使用された。7月18日（14日？）、愛媛県佐多岬北方で触雷して損傷した。7月24日、大分県別府湾関崎沖11海里で触雷し、機関室を大破して航行不能となり、浸水して沈没しかかったため、艦長が日の出海岸に座礁させた。7月28日、アメリカ艦上機の爆撃を受けて放棄され、そのまま終戦を迎えた。11月20日（29日？）に除籍された。昭和21年9月1日、日本サルベージが現地で解体を開始。昭和23年1月31日に解体を完了した。参考：護衛空母入門、日本航空母艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、図解日本の空母、帝国陸海軍事典、月刊丸3,’90

＜海鷹１型シリーズ＞：中国軍対艦ミサイル、別名HY（Hăi Yīng）-1。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜海鷹１型（艦対艦）＞：艦対艦ミサイル型、米軍コードCSS-N-2、NATOコードはサフラワー（Safflower）。1959年にソ連からミサイル艇ごと供与されたP-15対艦ミサイルをSY-1としてコピーしたが、1960年代の中ソ対立でソ連から新型ミサイルを導入できる見込みが無くなったため、独自に改良したものである。飛翔速度マッハ0.9、射程25海里。誘導はARHまたは赤外線パッシブ。1960年代後半に完成した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’17、8,’82増刊、6,’14

　＜海鷹１型（空対艦）＞：空対艦ミサイル型、米軍コードCSS-C-2、NATOコードはシルクワーム（Silkworm）。THE MILITARY BALANCE 2016

　＜海鷹１型（地対艦）＞：地対艦ミサイル型、NATOコードはシルクワーム（Silkworm）。全長6.35m、直径0.78m、全幅2.75m、重量2998kg、弾頭重量513kg。推進は固体燃料ブースター＋液体燃料ロケット、射程20-95km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊グランドパワー4,’95、軍事分析湾岸戦争、月刊JWings11,’18

＜海鷹２型シリーズ＞：中国海軍対艦ミサイル、別名HY（Hăi Yīng）-2、輸出名称C201。P-20K（SS-N-2C）相当で、1970年代から開発され、1970年代後半に完成した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、日米イージス艦と弾道ミサイル防衛、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＨＹ−２（艦対艦）＞：艦対艦ミサイル型、米軍コードCSS-N-2、NATOコードはサフラワー（Safflower）全長7.36m、直径0.76m、翼スパン2.4m、重量2988kg、弾頭重量513kg。推進は液体ロケット、最大速度マッハ0.9、最大射程95km。誘導はオートパイロットとARHで、高度200mを巡航し、70mに降下してレーダーを作動させる。1978年に就役し、旅大型駆逐艦などに搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、日米イージス艦と弾道ミサイル防衛、月刊軍事研究6,’93別冊

　＜ＨＹ−２Ａ＞：終末誘導を赤外線パッシブに換えたもの。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜ＨＹ−２Ｂ＞：終末誘導をモノパルス式レーダーによるARHに変更したもの。参考：月刊世界の艦船11,’17

　＜ＨＹ−２Ｇ＞：終末誘導はARH。参考：月刊世界の艦船11,’17

　＜海鷹２型（空対艦）＞：空対艦ミサイル型、米軍コードCSS-C-3、NATOコードはシアサッカー（Seeasucker）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜海鷹２型（地対艦）＞：地対艦ミサイル型、米軍コードCSS-C-3、NATOコードはシアサッカー（Seeasucker）。外観はシルクワームとほぼ同じ。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、THE MILITARY BALANCE 2016

＜海鷹３型＞：中国海軍艦対艦ミサイル、別名HY-3(Hăi Yīng-3)。海鷹２型をラムジェット推進に変更し、射程を延伸したものである。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜海鷹４型シリーズ＞：中国軍対艦ミサイル、別名HY-4、輸出名称C401。参考：世界軍用機年鑑1990-91、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、日米イージス艦と弾道ミサイル防衛、月刊航空ファン6,’19

＜海鷹４型（艦対艦）＞：艦対艦ミサイル型、米軍コードCSS-C-7、NATOコードはサッドサック。海鷹２型のエンジンをターボジェットに換えたもので、海鷹２型と同じ発射機を使用できる。全長6.187m、翼スパン2.713m、発射重量3.039トン（1.76トン？）。誘導はアクティブレーダー。射程150km。参考：世界軍用機年鑑1990-91、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、日米イージス艦と弾道ミサイル防衛

＜海鷹４型（空対艦）＞：空対艦ミサイル型、米軍コードCSS-C-7、NATOコードはサッドサック（Sadsack）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜海鷹４型・海外シリーズ＞

　＜ラード＞：イラン軍対艦ミサイルRa’ad。イラン国内で量産している。参考：月刊航空ファン10,’18

＜海洋４号＞：中国国務院国土資源部海洋調査船の艦番号で、ハイヤンシーハオと読む。制式名称は不明。船体は科学１号級と同じだが、後甲板にＡフレームが無いなどの違いがある。全長104.2m、総トン数2608トン。主機はディーゼル、２軸推進、速力20ノット。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜海洋二十号＞：中国海軍636A/B型測量艦。2023年2月12日0050頃、屋久島南の接続水域を北に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機、PG-829しらたかが確認した。その後これは0230に屋久島南西の領海に入域し、0410頃に口之島北東で領海から出域、西に向かっている。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜海洋二十二号＞：中国海軍636A/B型測量艦、銭学森。2022年9月15日0330頃、種子島南南東の接続水域内を西に航行するのを、DD-105いなづまと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後0720頃に屋久島南の日本の領海内に入り、1052頃に口之永良部島西で領海を出域、西に向かっている。2023年6月8日0730頃、屋久島南東の接続水域を西に航行するのを、DE-234とねと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後1000頃に屋久島南西の領海内に入り、1300頃に口之永良部島西で領海を出て西に向かっている。参考：月刊世界の艦船12,’22、3,’23、防衛省ホームページ

＜海洋二十六号＞：中国海軍636A/B型測量艦、陳景潤（Chen Jigrun）。2022年11月1日1950頃、鹿児島県臥蛇島西の接続水域内を北東に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機、第４航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機、PG-826おおたかが確認した。11月2日0010頃に口之永良部島南西の日本の領海内に入り、0300頃に屋久島南で領海を出域、南東に向かっている。12月19日0320頃、種子島南東50kmを西に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後これは種子島南で日本の接続水域に入り、0650頃に屋久島南の領海に入域、1030頃に口之永良部島西の領海から出域して南西に向かっている。9月15日1900頃、屋久島南東の接続水域を西に航行するのを、FFM-4みくま、PG-829しらたか、第１航空群P-1哨戒機が確認した。これは2208頃に口之島北東の領海に入域し、2343頃に口之島北で領海を出て西に向かっている。参考：月刊世界の艦船1,’23、3,’23、12,’23

＜海鷹型＞：日本海軍商船改造空母。大阪商船の南米航路移民輸送貨客船あるぜんちな丸（総トン数12000トン）を改造したものである。ちなみに姉妹船のぶらじる丸も改造する予定だったが、その前にアメリカ潜水艦の雷撃で沈められてしまった。平甲板型空母で、船体の上甲板より上の構造物を撤去し、その5m上方に飛行甲板を設置、上甲板と飛行甲板の間を一段式格納庫とし、上甲板前端に甲板２層分の高さの構造物を設け、上部を羅針艦橋としている。艦首はクリッパー型で、商船時代そのままの形状である。羅針艦橋後方に海図室、作戦室などがあり、その一段下には艦長休憩室、搭乗員室などが配置された。飛行甲板は全長160m、前端幅13m、中央幅23m、後端幅16mで、縦13m・横12mのエレベーターを前後に１基ずつ装備する。着艦制動装置は呉式四型が８基で、アレスティング・ワイヤーは８本。滑走制動装置は空廠式三型が２基。飛行甲板前部舷側には補助艦橋、防空指揮所、発着艦指揮所が設置され、右舷側に起倒式信号マストがある。舵はストリームライン式。商船時は速力21.5ノットで、カタパルトも無く、九七式艦攻に雷装させると飛行甲板の全長を滑走に使わねばならず、１機ずつエレベーターで上げては発進準備をして発艦させる状態になってしまうため、主機を陽炎型駆逐艦と同じ艦本式タービンに、主缶をロ号艦本式専焼缶４基に換装、重油タンクも増設し、速力を23.8ノットまで引き上げた。右舷中央やや下に斜め下向き煙突１本を持つ。乾舷が低めのため、12.7cm砲は全て船体後方に装備して波飛沫がかからないようにしてある。全長166.55m、最大幅21.9m、平均吃水8.25m、基準排水量13600トン、公試排水量16700トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン２基、主缶をロ号艦本式重油専焼水管缶４基、出力52000馬力、２軸推進、速力23.0ノット、重油搭載量2500トン、航続距離7000海里（18ノット）。兵装は12.7cm連装高角砲４基（後部両舷２基ずつ）、25mm３連装機銃８基（右舷２基、左舷３基、艦尾２基）で、終戦までに25mm単装機銃20門や二八連装十二糎噴進砲（艦尾両舷）を追加装備した。搭載機は艦上戦闘機（零戦）18機、艦上攻撃機（九七式艦攻）６機で、全機常用。乗員587名。海鷹が昭和18年に竣工した。小型・鈍足なので新鋭機が運用できず（九九式艦爆すら無理）、主に航空機輸送と船団護衛に使用され、太平洋戦争末期には発着艦や特攻の訓練に使われた。参考：図解日本の空母、護衛空母入門、月刊丸2,’12別冊付録、月刊丸10,’93、月刊世界の艦船9,’14

＜海洋型＞：日本海軍200トン海洋観測船。大型トロール漁船と同じ船型で、単独航海を行い、深度測定機、巻き揚げウインチなどを使用して各種測定や海底標本採取を行う。製図室や標本保存倉庫も持っていた。全長37.0m、最大幅6.8m、吃水2.3m、排水量277トン。主機は中速ディーゼル、出力400馬力、速力11.5ノット。兵装は九三式一三ミリ機銃または九二式7.7ミリ機銃数丁、爆雷数個。第１海洋、第２海洋、第３海洋、第４海洋、第５海洋、第６海洋の６隻が昭和14-18年に建造され、水路部に配備された。太平洋戦争を生き延びた第４海洋と第５海洋の２隻は海上保安庁の中型測量船となった。参考：小艦艇入門、月刊世界の艦船12,’21

＜海洋監視衛星＞：NOSSを参照。

＜海洋観測艦＞：海洋地誌の作成のため、海洋の水質、水温、塩分濃度、波浪、潮流、塩分濃度、地磁気、海底地形、季節・天候による海象変化などを調査する艦。データは対潜作戦に役立てられる。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜海洋観測艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1968年3月16日、区分・自衛艦−大分類・特務艦−中分類・特務艦艇の下の種別として定められた。艦種記号はAGS、艦番号は5101以降である。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜海洋観測艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1973年4月23日、区分・自衛艦−大分類・特務艦−中分類・特務艦艇の下の種別として定められた。艦種記号はAGS、艦番号は5111以降である。1974-78年、海洋観測艇１号型５隻が配備された。1986年に最後の１隻が退役し、1987年頃に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜海洋観測艇１号＞：AGS-5111を参照。

＜海洋観測艇１号型＞：海上自衛隊海洋観測艇。元はかさど型掃海艇で、流速計や海底音波探知機を装備する。全長46m、幅8.4m、深さ3.9m、吃水2.3m、基準排水量340トン。主機は三菱YV10ZCディーゼル２基２軸1200馬力、速力14ノット。乗員30名。AGS-5111海洋観測艇１号、AGS-5112海洋観測艇２号、AGS-5113海洋観測艇３号、AGS-5114海洋観測艇４号、AGS-5115海洋観測艇５号の５隻が1974-78年に艦種変更された。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜海洋観測艇２号＞：AGS-5112を参照。

＜海洋観測艇３号＞：AGS-5113を参照。

＜海洋観測艇４号＞：AGS-5114を参照。

＜海洋観測艇５号＞：AGS-5115を参照。

＜海洋業務群＞：海上自衛隊の組織、Oceanographic command。海洋観測艦、音響測定艦、敷設艦を運用し、海上・海中・海底の各種データを調査して対潜戦に役立てるのが主任務である。1980年3月17日、海洋業務隊から改編されて創設され、防衛庁長官直轄となった。1986年2月25日、AGS-5104わかさが配備された。1992年2月15日、対潜資料隊と気象隊が新編された。2006年、自衛艦隊隷下に移った。2012年4月、ARC-482むろとが除籍された。2013年3月15日、ARC-483むろとが配備された。2015年6月26日、AGS-5103すまが除籍された。12月1日、海洋業務・対潜支援群に改編された。参考：月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船6,’14、1,’11、5,’86、5,’13、9,’15、2,'16、6,'22、自衛艦隊ホームページ

　＜海洋業務群（２００１年４月１日）＞：防衛庁長官直轄で、横須賀に置かれている。AGS-5102ふたみ、AGS-5103すま、AGS-5104わかさ、AGS-5105にちなん、AOS-5201ひびき、AOS-5202はりま、ARC-482むろとを配備する。参考：月刊世界の艦船6,’01

　＜海洋業務群（２０１０年）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に置かれている。隷下に対潜資料隊、気象資料管理隊、沖縄海洋観測所、下北海洋観測所、AGS-5103すま、AGS-5104わかさ、AGS-5105にちなん、AGS-5106しょうなん、AOS-5201ひびき、AOS-5202はりま、ARC-482むろと（SOSUS敷設用）を置く。参考：月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船1,’11

　＜海洋業務群（２０１１年）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に置かれている。対潜資料隊、気象資料管理隊、沖縄海洋観測所、下北海洋観測所、直轄艦を隷下に置く。参考：海上自衛新聞

　＜海洋業務群（２０１２年）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に置かれている。AGS-5103すま、AGS-5104わかさ、AGS-5105にちなん、AGS-5106しょうなん、AOS-5201ひびき、AOS-5202はりま、ARC-482むろとを配備する。参考：月刊世界の艦船6,’12

　＜海洋業務群（２０１５年）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に置かれている。AGS-5103すま（6月26日除籍）、AGS-5104わかさ、AGS-5105にちなん、AGS-5106しょうなん、AOS-5201ひびき、AOS-5202はりま、ARC-483むろとを配備する。参考：月刊世界の艦船6,’15、9,’15

＜海洋業務隊＞：海上自衛隊の組織。防衛庁長官直轄で、海洋観測艦と各地方隊所属海洋観測艇により海洋データを収集し、整理分析する。1969年10月1日に新編された。1980年3月17日、海洋業務群に改編された。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船6,’22

＜海洋業務隊（１９７８年）＞：東京に置かれており、AGS-5101あかし（定係港は横須賀）を配備する。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜海洋業務・対潜支援群＞：海上自衛隊の組織、略称OAC（Oceanography Anti submarine warfare support Command）。主任務は広域対潜戦に必要な気象・海洋・音響情報の収集処理配布、対潜戦の分析評価・技術指導・調査研究である。2015年12月1日、海洋業務群から改編されて自衛艦隊隷下に横須賀基地（司令部は船越地区）で創設された。指揮官は海将補に格上げされている。隷下に第１海洋観測隊、第１音響測定隊、対潜評価隊（気象資料管理隊から改編）、鹿児島音響測定所（開発隊群鹿児島試験所から改編）が新編され、対潜資料隊、沖縄海洋観測所、下北海洋観測所はそのまま存続し、直轄艦としてARC-483むろとを置いた。司令部直轄部隊として技術指導班があり、所属艦艇に技術指導を行う。2016年12月1日、横須賀基地で部隊改編１周年記念行事を実施。2017年9月30日、家族支援及び自主募集の一環として、海洋対潜群横須賀地区アットホームを開催した。2020年10月1日、司令部が横須賀基地船越地区の海上作戦センターに移った。参考：月刊世界の艦船2,'16、3,’16、7,’16、4,’18、12,’20、月刊航空ファン4,’16、朝雲

　＜海洋業務・対潜支援群（２０２０年）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀にある。第１海洋観測隊、第１音響測定隊、ARC-483むろとなどを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜海洋警察（韓国）＞：海軍と共に海洋における領域警備を行う組織で、海上での誤越境・誤侵入の防止、水域警備、密出入国警備を主任務とする。参考：月刊軍事研究5,’07

＜海洋山＞：936（揚陸艦）を参照。

＜海洋師団＞：日本陸軍が昭和18年4月に編制を提示した師団。隷下に歩兵連隊（甲）２個と歩兵連隊（乙）１個を置き、前者は要地確保及び反撃、後者（兵力3964名。戦車９両、トラック12両装備）は逆上陸による海上機動反撃を主任務とする。参考：月刊軍事研究11,’16

＜開陽星＞：796（情報収集艦）または856（情報収集艦）を参照。

＜海洋戦闘ヘリコプター飛行隊＞：HSMを参照。

＜外洋多用途警備艦＞：イタリア海軍多用途哨戒艦、略称PPA（Pattugliatori Polivalenti d’Altua）、別名パオロ・タオン・ディ・レヴェル（Paolo Thaon di Revel）級。1980年代に建造したフリゲートとコルベットの後継で、戦闘、保安警備、法執行支援、捜索救難、災害救援／人道支援などを主任務とし、安価に纏めて数を揃える。船型はステルス性を考慮しており、アンテナはクロノス多機能アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー、ESM、IFFも含めプラナー・アレイとした。船体は鋼製、上構はアルミ合金製で、艦首形状はステップ・バウである。前部上構に航海艦橋があり、壁面を上に延ばしてプラナー・アレイ・アンテナの装着場所を確保、上面には太短いタワーマストを置いた。前部上構後面から斜め後ろに煙突が出ている。航海艦橋前面のガラス窓４枚は水色の特殊ガラスで、海面からの日光照り返しを防いでくれる。斜め左右の３枚ずつは通常ガラスなので、眩しければ日避けのフィルムを下ろす。航海艦橋最前部中央にはコクピットと呼ばれるサイド・バイ・サイドのコンソールがあり、正操縦士（操艦・航海担当）と副操縦士（兵装・センサー担当）が位置する。航海艦橋全体では哨戒型で４名、戦闘能力強化型で10名以下の人員が配置され、HUDにより航海、操艦、戦闘指揮を行う。CICは船体内ではなく、航海艦橋の後ろにあり、カーテンで区切っている。後部上構は煙突とヘリ格納庫で、ヘリ格納庫上に新形状のOTOメララ社製ステルス砲塔76mm単装砲を配置している。艦中央（前後上構間）にペイロード区画を持ち、各種任務用モジュール・コンテナなら８基、15m級救難ボートなら２隻（＋揚収装置）を積む。艦尾にも各種任務用モジュール・コンテナ５基や9mRHIBを収容するスペースがあり、RHIBは艦尾右舷側ランプドアから直接海面に出入りできる。後甲板はヘリ甲板で、ヘリ格納庫にEH-101なら１機、NH-90なら２機を搭載可能。曳航ソナーを装備する。陸上に電力や真水を供給することが可能。戦闘管制システムはSADOC4。６隻＋オプション４隻を配備する予定で、2015年に哨戒型２隻、中規模脅威対応型３隻、戦闘能力強化型２隻が発注された。参考：月刊世界の艦船9,’23、11,'21、3,’19、6,’19、10,’19、9,'20、2,'21、5,’16、5,’18、11,’16、10,’17、12,’18、8,’20、6,’21、8,’23

　＜哨戒型＞：Light。基本は砲熕装備のみで、クロノス多機能レーダー、艦対空ミサイル、魚雷発射管は無く、ソナーもダイバー探知用だけだが、艦橋前方甲板室上面にテセオMk2A艦対艦ミサイル連装発射筒４基（両舷２基ずつ）の搭載スペースがある。全長143m、幅16.5m、吃水5m、満載排水量5830トン。主機はCODAGハイブリッド方式、低速巡航用MAN社製12V165Dディーゼル発電機４基＋推進用電動モーター（2145.5馬力）２基・高速巡航用MTU20V-8000-M91ディーゼル（13410馬力）２基・高速用LM2500-G4ガスタービン（43520馬力）１基、５翅スキュード・プロペラ２軸推進、舵は２枚、高速巡航速力25ノット、最大速力32ノット、航続距離5000海里（15ノット）。兵装はOTOメララ社製64口径127mm単装砲１門（前甲板）、76mm単装砲１門（ヘリ格納庫上）、25mm機関砲２門。NH-90ヘリ２機またはEH101ヘリ１機を搭載可能。乗員90名＋予備居住区53名分（乗員120名＋予備53名分？乗員137名？最大搭乗人員200名？）。１番艦P-430パオロ・タオン・ディ・レヴェルと２番艦P431フランチェスコ・モロシーニが2021年に就役予定。参考：月刊世界の艦船9,’23、11,’21、2,’23、8,’23

　＜中規模脅威対応型＞：Light-Plus。哨戒型の兵装に加え、クロノス多機能レーダーと艦対空ミサイル用VLS、艦対艦ミサイルを装備している。全長143m、満載排水量5880トン。主機はCODAG方式、速力32ノット。兵装はアスター15/30/CAMM-ER用８セルVLSシルヴェールA50が２基、テセオ艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、127mm単装砲１門、76mm単装砲１門、25mm単装機関砲２門。NH-90対潜ヘリ２機またはEH-101対潜ヘリ１機を搭載可能。乗員90名（＋予備居住施設53名分）。３番艦P432ライモンド・モンテクッコリ、５番艦P433マルカントニオ・コロンナ、６番艦ルジェーロ・ディ・ラウリア（Ruggiero de Lauria。2023年10月6日進水）の計３隻が2023・24・25年に１隻ずつ就役予定。参考：月刊世界の艦船9,'23、11,’21、5,’22、2,’23、1,’24

　＜重武装型＞：Full。中規模脅威対応型の兵装に加え、ATAS型VDS、魚雷探知ソナー、魚雷発射管を装備する。全長143m、幅16.5m、吃水5m、満載排水量6230トン。主機はCODAGハイブリッド方式、低速巡航用MAN社製12V165Dディーゼル発電機４基＋推進用電動モーター（2145.5馬力）２基・高速巡航用MTU20V-8000-M91ディーゼル（13410馬力）２基・高速用LM2500-G4ガスタービン（43520馬力）１基、５翅スキュード・プロペラ２軸推進、舵は２枚、高速巡航速力25ノット、最大速力32ノット、航続距離5000海里（15ノット）。兵装はOTOメララ社製64口径127mm単装砲１門（前甲板）、76mm単装砲１門（ヘリ格納庫上）、25mm機関砲２門、アスター15/30/CAMM-ER用16セルVLSシルヴェールA50を１基（艦橋前方甲板室）、テセオMk2A艦対艦ミサイル連装発射筒２基（艦橋前方甲板室上面両舷２基ずつ）、533mm魚雷発射管２門、324mm短魚雷３連装発射管２基。NH-90ヘリ２機またはEH101ヘリ１機を搭載可能。乗員90名＋予備居住区53名分（乗員120名＋予備53名分？最大搭乗人員200名？）。４番艦P434ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレと７番艦の２隻が2024年と2026年に１隻ずつ就役予定。参考：月刊世界の艦船9,'23、11,’21、2,’23

＜海洋島＞：864（潜水艦救難艦）を参照。

＜外洋練習航海（飛行）＞：海上自衛隊の練習航海。ウイングマークを取得して航空部隊で勤務した後、飛行幹部候補生として幹部候補生学校に入校し、課程を修了した幹部自衛官に対する練習航海で、護衛艦と潜水艦に乗艦して40日間にわたる対潜戦実習を行う。参考：月刊軍事研究11,’17

＜外洋練習航海（部内）＞：海上自衛隊の練習航海。二等海士からスタートして幹部候補生学校を卒業し、幹部自衛官になった者に対する練習航海で、30日間の航海中に幹部自衛官としての資質を教育する。参考：月刊軍事研究11,’17

＜外翼＞：Outer Wing。主翼を両翼端まで一体化して作るのは困難なため、外側を別構造として製作することが多いが、その外側部分を指す。中央翼や内翼とは主桁、後桁、外皮で結合されており、分解して取り外せば輸送にも便利である。内部構造に関係無く、単に主翼の外側部分を称していることもあるので注意。参考：航空用語事典増補改訂版

＜カイラーＡＭＣＶ地雷処理車＞：M48戦車・海外ファミリーを参照。

＜改ラファイエット級＞：ラファイエット級シリーズ（潜水艦）を参照。

＜海里＞：英語ではnautical mile、nmと略す。子午円（地球の円周）の中心角１分にあたる海面上の距離のこと。もちろん緯度によって異なるので、国ごとに違っていて（アメリカ海里United States nautical mile、イギリス海里Admiralty mileなど）不便だったため、1929年の第１回臨時国際水路会議で赤道周囲径を360×60＝21600で割った距離である1.852kmを１海里とすると決定した。単にマイルと表記される場合があるので、陸でのマイルと間違えないように注意。参考：図解船の科学、月刊JWings4,’02、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜海狸式運輸機＞：U-6海外シリーズ（軽輸送機）を参照。

＜海竜＞：SS-793（潜水艦）を参照。

＜海龍＞：日本海軍局地防衛用特殊潜航艇。昭和18年に海軍工作学校教官の浅野卯一郎中佐が考案した有翼潜水艇で、大きな魚雷のような形状をした艇体の中央に大型の水平翼を付け、メインタンクは持たず、水平翼の水中揚力によって浮潜をコントロールする。海軍艦政本部は注目しなかったが、海軍航空技術廠が水槽試験を行ったところ実用化の見込みがあると判断され、浅野中佐が昭和19年から横浜工業専門学校生徒を指導して設計に取り掛かると共に、呉工廠大浦支所で甲標的に水中翼を付けたＳ金物を製作してテストに入った。これらを踏まえて同年に横須賀海軍工作学校でSS金物（マル三金物ともいう）と呼ばれる試作艇を建造、昭和20年5月28日に制式化された。操縦装置は銀河のものを流用しており、ハンドルとフットバーで操縦するようになっていた。艇中央上部にはセイルがあり、後部の特眼鏡、吸気筒、排気筒を収容する部分が一段高い。セイル前面上部は耐圧窓になっていたが、後期型では生産が間に合わない転輪羅針儀を磁気羅針儀に変更してセイル前面上部に積んだため、窓が無くなった。セイル中央上面に乗降用ハッチ、セイル左舷側中央に覗孔がある（右舷側には無い）。艇後部上面には主機の排ガスを通すパイプがセイルへと繋がっている。艇体下部両側に45cm魚雷（炸薬量600kg）を１本ずつ外部搭載しており、発射時には魚雷を収容した魚雷射出筒をロケットで後方に吹っ飛ばして反動を吸収する仕組みになっていて、艇体側面の電極と発射筒後端が点火用ケーブルで繋げられている。魚雷発射管を外装したので艇体全長を短縮できたが、発射筒の耐圧深度が60mしかないという欠点があった。水中雑音対策として、全ての機器をゴムの台座に載せていた。魚雷と発射筒の生産が間に合わなくなり、艇首の燃料タンク部分に600kg炸薬を搭載して特攻艇となったものもある。主機も足りず、別のものを取り敢えず積んだため全長が違ったりもした。攻撃優先順は輸送船、空母、巡洋艦、駆逐艦、戦艦を予定したが、低速なので軍艦への攻撃は辛い。全長17.28m、幅1.3m、水中排水量19.2トン。主機は防滴型特Ｍ改二１基（九二式魚雷の電動モーターを２基タンデムにしたもの。80馬力）と65馬力統制型小型ディーゼル（六頓牽引車用いすゞDA60と同じもの）１基、水上速力6.5ノット（7.5ノット？）、水中速力10ノット（9.7ノット？）、水上航続距離450海里（５ノット）、水中航続距離37.5海里（３ノット）。安全潜航深度150m。行動日数２日。乗員２名。制式化前の昭和20年4月から生産され、224隻が完成し、207隻が建造途中で終戦となった。6月から海龍隊（１個隊あたり12隻）が編成され、終戦までに21隊が編成を終えていたが、実戦使用はされていない。平成5年2月、アメリカ海軍横須賀基地で１隻が発見された。平成11年9月、下田沖で１隻が発見された。平成27年8月5日、下田燈台の南西250m・水深38mの海底で１隻が発見された。昭和20年8月14日に横須賀を出港して静岡県沼津市江浦に向かった４隻のうち、下田市須崎付近で沈座した１隻とみられる。9月24-25日に下田海上保安部の依頼を受けて横須賀水中処分隊水中処分母船３号と隊員12名が潜水調査を行い、魚雷を積んでおらず水中翼も付いていないことが確認されたが、艇首に炸薬が積まれている可能性は否定できないとした。下田海上保安部では、引き上げ要望が無いことから沈船として海図に記入して残置することを決めている。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊丸1,’77、8,’95、8,'15別冊、月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊軍事研究9,’16、朝雲

＜海龍＞：日本陸軍機動艇（SS艇）３番艇、ES船３号。参考：歴史群像6,’01

＜海龍級＞：ズヴァールヴィス改級・海外シリーズ（潜水艦）を参照。

＜海龍級＞：台湾陸軍快速艇。第101両棲偵察営が成功級快速艇の後継として採用した。全長14m、幅3.7m、排水量３トン。主機はディーゼル（800馬力）２基、最大速力51ノット。兵装は前甲板の40mm榴弾槍１丁と後甲板の12.7mm機銃１丁。乗員７名（艇長、通信手、操舟手、前方機槍手、後方機槍手、偵察員２名）。2010年から配備された。参考：ストライクアンドタクティクスマガジン5,’12

＜改良九三式重構桁鉄道橋＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜改良九三式重構桁鉄道橋架設機＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜改良型アウタータクティカルベスト＞：アメリカ軍の防弾ベストで、IOTVと略す。インターセプターボディアーマー用強化ベストの後継として採用し、2008年から供給される予定。重量が従来のものよりも1.36kg軽量化されており、側面インサートを使用しなくても済むように脇の部分を高くしている。前頸部防護材の形状も改良された。左肩には開口部が設けられており、ベストを付けたままでも負傷部の治療が可能である。参考：月刊軍事研究6,’08

＜改良型遠隔監視戦場センサー・システム＞：アメリカ軍のセンサー・システムで、IREMBASSと略す。人員・車両の数やタイプを探知・識別する装置で、1994年から配備した。センサー、中継器、モニターからなり、電磁波、振動、音、赤外線を遠隔操作で探知可能である。参考：月刊丸10,’97

＜改良型化学剤モニター＞：ICAMを参照。

＜改良型戦略空中発射型デコイ＞：ADM-141Cを参照。

＜改良型装弾器＞：海上自衛隊の7.62mm機銃弾用曳光弾組み込み治具。7.62mm機銃弾はメーカーから普通弾のみが装着された状態で納入され、部隊で曳光弾を組み込んでいたが、従来のリンク装弾器では対応できず、金属製のリンクから普通弾を全て手作業で外し、一定割合で曳光弾を混ぜて付け直していたため、膨大な時間がかかり、付け直す際に傷をつけてしまうこともあった。そのため、リンク装弾器の押し出し棒を取り外し式にして一定間隔ごとに付けられるようにし、ベルトリンクの普通弾を一定間隔で外してそこに曳光弾を取り付ける方法を採れるようにしたのがこれである。この治具を使用すると１万発の普通弾組み替えにかかる時間を８日間から２日間に短縮することが可能で、開発者の大湊弾薬整備補給所火工整備科の立花技官は平成22年度防衛技術奨励賞を受賞した。参考：朝雲

＜改良型タービンエンジン計画＞：T901-GE-900（ターボシャフトエンジン）を参照。

＜改良型多連装エジェクターラック＞：BRU-41/Aを参照。

＜改良型データモデム＞：アメリカ軍のデータ伝送装置で、IDMと略す。AH-64DとAH-1Zに搭載されており、各種センサーで得た目標データを、チーム全体や、IDM互換システムを使用する友軍（地上指揮所、戦術作戦センター、OH-58D、陸軍空中指揮統制システム機、AWACS、J-STARS、同地上局など）に伝えることができる。デジタル式４チャンネルデータ通信機材で、通信速度は毎秒16kbとAH-64A（1.2kb）の10倍以上。転送可能なデータは、目標・脅威の座標データ、経由点・障害物の座標データ、FCR目標データ（AN/APG-78ロングボウレーダーが捕捉した全目標、目標の優先順位、無線周波による伝達）、戦闘損害評価BDA、射撃ゾーン（目標優先順位、射撃禁止ゾーン）である。これにより、AH-64D部隊は友軍部隊の周囲に非射撃ゾーンNFZを設定して同士討ちを防止したり、優先射撃ゾーンPFZを設定して集中攻撃を行ったりできる。参考：月刊航空ファン7,’00、月刊軍事研究6,’03、1,’00、4,’08

＜改良型フレネルレンズ光学着艦装置＞：IFLOLSを参照。

＜改良型防蚊覆面＞：日本軍が開発した、ハマダラ蚊（マラリアを媒介する）に刺されないようにする顔マスク。元の覆面が熱帯用でなく、携行にも不便だったため、鉄帽とも併用できるように改良された。防暑帽の周りに長さ300mmの蚊帳を縫いつけ、目の所は白色カンレーシヤ生地にして夜間でも視野が確保できるようにしてある。使わない時は、帽子の縁に蚊帳を巻き上げれば、なくす心配が無い。参考：月刊丸9,’97

＜改良パーソンズ蒸気タービン＞：パーソンズ・タービンの初段に衝動式カーチス翼車を搭載し、反動段落を減らして全長を短くしたもの。参考：月刊丸11,’09

＜海猟兵コマンドー＞：ノルウェーの特殊部隊。長大な沿岸や多数の島嶼を防衛するため1951年に編成された。ラムスンドとベルゲンの２ヵ所に基地がある。特殊部隊としての一般技能の他、ダイビング能力など、海軍特殊部隊としての技能も有する。参考：月刊軍事研究9,’06

＜改良ホーク誘導弾の改善＞：三菱電気が受注している。参考：月刊軍事研究2,’19

＜改良リボン橋＞：アメリカ軍の組み立て式浮橋で、IRBと略す。川に浮かべるインテリアル・ベイ（内側橋体）12個、岸に着けるランプ・ベイ（坂道橋体）５個、Mk2BEB動力ボート７隻で構成される。橋体は４つ折りになっていて、川に下ろすと自動的に展開するので、これを組み立てて浮橋にし、流されないよう2-3橋体に１隻ずつMk2BEB動力ボートを取り付けて押し戻す。長さ100mの浮橋を掛けるのに30-45分しかかからない。ランプ・ベイ２個とインテリアル・ベイ数個を組み合わせて動力ボートで押せばM-1A1戦車を載せられる重門橋としても使用可能。器材は８×８輪リボン橋輸送車Mk48/18LVSや10×10輪リボン橋輸送車MKR18LVSRに搭載されており、機動性が高い。インテリアル・ベイは全長6.92m、全幅8.62m、重量6.35トン。浮橋最大通過可能重量80トン。架設可能流速毎秒3.05m。海兵隊工兵戦闘大隊橋梁中隊には３セットずつ配備されている。参考：月刊軍事研究6,’12

＜外輪船＞：外車船ともいう。蒸気機関で水車を回し、水をかいて進む船である。荒波に弱いという欠点があり、クリミア戦争ではイギリスの外車船が水車を狙い撃たれて大損害を出し、推進効率の良いスクリュープロペラ船に替えられていった。参考：図解雑学　船のしくみ

＜カイル＞：Kh-28（対レーダーミサイル）を参照。

＜改ルポ級＞：ルポ改級（フリゲート）を参照。

＜改レスティゴーシュ級＞：カナダ海軍改Restigouche級。1959年から４隻が竣工した。1992年現在の諸元は以下の通り。全長113.1m、幅12.8m、吃水4.3m、満載排水量2900トン。主機は蒸気タービン、出力30000馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装はハープーン４連装発射筒２基、76mm連装砲１基、ファランクス１基、40mm単装機関砲２門。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ガイレットゥ＞：D-352（駆逐艦）を参照。

＜カイロ＞：I87（軽巡洋艦）を参照。

＜カイロ会談＞：1943年11月にルーズベルト、チャーチル、蒋介石が行った会談。南洋諸島の日本委任統治権放棄、満州・台湾・澎湖島の中華民国への返還、朝鮮の自由と独立の保障という方針が発表された他、日本本土侵攻に関する合意が得られた。参考：朝鮮戦争（上）、歴史群像12,’03

＜改ロサンゼルス級＞：ロサンゼルス級フライト�V（潜水艦）を参照。

＜回路試験器（８７式地雷散布装置・ヘリコプター用）＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜改ロメオ級（中国海軍）＞：ロメオ級・海外シリーズ（潜水艦）を参照。

＜カイン＞：DE-744（護衛駆逐艦）を参照。

＜華陰＞：513（フリゲート）を参照。

＜科員＞：海上自衛隊用語で、一般にいう兵員のこと。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜カイントッシュ＞：ヴィリー・カイントッシュ。ドイツ空軍エース。1921年5月12日、キッセルエック生まれ。1941年5月27日、第27戦闘航空団本部小隊に補充兵として配属された。1942年、第27戦闘航空団第６飛行中隊士官候補生として北アフリカに派遣された。3月18日、初撃墜を達成。1943年5月27日、第６飛行中隊長となった。11月22日、騎士鉄十字章を受章。1944年1月29日、ベルギーでBf109G6に搭乗して低空飛行中に地上に激突、死亡した。7月20日、柏葉騎士鉄十字章を受章。総撃墜機数53機（北アフリカ16機、シチリア島25機、本土12機。４発重爆20機）、最終階級は中尉。参考：グラフィックアクション36

＜カヴァナンター＞：A13Mk.�V（戦車）を参照。

＜カヴァラッティ＞：P31（カモルタ級コルベット）またはP80（アルナラ級フリゲート）を参照。

＜カヴィナ＞：イギリス海軍特設大型臨検船Cavina。元は1924年に建造された商船で、第２次大戦時に徴用されて改造された。船首に音響機雷処理用のハンマーボックス吊り下げ装置を持つ。総トン数6907トン。あまり使用されず、1943年に商船に戻された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ガヴィントン＞：M1140（トン級機雷掃討艇）を参照。

＜カヴェンディッシュ級＞：改バーミンガム級（軽巡洋艦）を参照。

＜カウサンド＞：イギリス海軍アバードヴェイ級通船Cawsand。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜カウスリップ＞：K196（コルベット）を参照。

＜カウツ＞：Do17Z-6（夜間戦闘機）を参照。

＜カウツ�U＞：Do17Z-10（夜間戦闘機）を参照。

＜カウツ�V＞：Do215B-5（夜間戦闘機）を参照。

＜カウドレイ＞：L52（駆逐艦）を参照。

＜カウフマン＞：FFG-59（フリゲート）を参照。

＜カウペンス＞：CVL-25（軽空母）またはCG-63（巡洋艦）を参照。

＜カウボーイズ＞：VMFA-112（海兵戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜カウラ＞：ノルウェー海軍潜水艦Kaura。元はドイツ海軍Ｕボート�ZC41型潜水艦U995で、1952年12月6日に就役した。1965年に退役し、1971年10月に西ドイツに返還され、修復の後キール北方のラボエで展示されている。参考：ナチスＵボート、Ｕボート入門

＜ガウリ・シリーズ＞：パキスタンの弾道ミサイルGhauri。参考：月刊航空ファン9,’02

＜ガウリ＞：別名ハトフ３またはガズナビまたはシャヒーン。1998年4月に発射実験に成功した。ペイロード700kg。射程1500kmで、ムンバイとニューデリーを射程内に収める。国産と発表されたが、実際はノドン２号をそのまま組み立てたらしい。参考：月刊軍事研究8,’02、4,’04、10,’17、月刊丸8,’98

＜ガウリ２＞：Ghauri�U（12世紀の北インド王の名前）、国内開発名称ハトフ５。北朝鮮にウラン濃縮用ガス遠心分離器を輸出する代わりに輸入したノドン弾道ミサイルである。全長16m、直径1.35m、発射重量16000kg、弾頭重量1000kg。推進は１段液体燃料ロケット、射程1500km。1999年4月14日に試射を行っている。参考：月刊軍事研究6,’05、月刊航空ファン7,’99、月刊JWings8,’02

＜ガウリ３＞：別名アブダリ（Abdali）。北朝鮮のテポドン１がベースで、１段目がノドン、２段目がファソン５またはファソン６といわれる。射程2500-3000km以上。2002年5月25日にガウリ２として発射したのが実際にはこれともいわれる。参考：月刊航空ファン9,’02、月刊軍事研究4,’04、月刊航空情報8,’02

＜カウリング＞：Cowling。カウル（Cowl。頭巾の意）、フランス語でナセル（容器）ともいう。航空機のエンジンカバーのことで、自動車で言うフードまたはボンネットである。空気抵抗を減少させ、エンジン冷却効率を上昇させる。1910年頃に誕生した時は、ロータリーエンジンの上に取り付けられた三日月状のカバーであり、エンジンから後方に撒き散らされる潤滑油がコクピットにかからないようにするのが主な役目だった。その後、段々と下に延びていって第一次大戦の頃にはすっかり円形となっている。1930年頃、イギリスのタウネンド大佐が大直径で奥行きを浅くして整備などを簡単にしたタウネンド環を開発。1930年代、NACAが奥行きの深い流線型のNACAカウルを完成させた。参考：陸海軍学校と教育、月刊JWings10,’09別冊付録

＜カウル＞：カウリングを参照。

＜カウルフラップ＞：Cowl Flap。カウリング後部に設けられるシリンダー冷却空気流量調節ドアのこと。エンジン冷却に必要な空気の量は運転状態によって異なり、空気流量は航空機の速度によって変化するので、適切な量をエンジンに送り込むため設置される。開くと空気流量が増え、閉じると減るので、離陸時などエンジンが高回転で機体が低速の時は全開にし、巡航飛行中などエンジンが低回転で機体がある程度速い時には閉じる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊丸10,’93

＜ガウロン�U級＞：プロジェクト621（コルベット）を参照。

＜カウンター・インサージェンシー＞：B-26K（攻撃機）を参照。

＜カウンター・インテリジェンス＞：Counter Intelligence、対情報。敵の情報活動（諜報、サボタージュ、転覆など）及び謀略から組織を防衛する機能のこと。情報収集と分析により脅威を探知し、受動的（予防、阻止、実害軽減など脅威・情報漏洩の防止。ECMもこれにあたる）及び能動的（敵工作員や情報組織の無力化など脅威の破砕。侵入した敵レンジャー／コマンドー部隊を殲滅することから、観測を妨げるために煙幕を張ることまで、多岐にわたる）な対情報活動を行う。自衛隊では1973年の金大中拉致事件での国会討論で分かりにくいという意見が出され、保全（Security）と言い換えている。参考：月刊軍事研究7,’97、2,’12、5,’15、日本の防衛戦力Part1

＜カウンター・インベーダー＞：B-26K（攻撃機）を参照。

＜カウンター・ウェイト＞：Counter Weight。砲身の重量バランスを取るため、砲口部に装着する錘のこと。マズルブレーキと間違えられたりする。または主砲や防楯のせいで前方が重くなった砲塔の重量バランスを取るため、砲塔後部に装着する錘のこと。参考：British and American tanks of World War Two

＜カウンターシェード・スキーム＞：アメリカ空海軍軍用機の制空迷彩で、機体全体をモノトーンに見せる効果がある。参考：月刊JWings6,’05

＜カウンターシェード迷彩＞：日光が当たった時の陰影やコントラストを打ち消すことを目的とする迷彩のこと。参考：戦闘機のしくみ

＜カウンターシェード迷彩（イギリス軍戦車用）＞：1940年から1941年頃までアフリカ戦線で使用された迷彩塗装で、車体を斜めのラインで分割し、上に行くほど濃い色で塗ってある。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜カウンターシェード迷彩（ファイアフライ用）＞：ファイアフライ戦車の長い砲身を75mm砲に見せかけるために実施された迷彩。マズルブレーキ先端から1.6mの所まで、上部を車体色またはより暗い色に塗り、グレイの細い帯を塗って、下部を白で塗装。その部分より砲塔側の砲身には幅12.7mmの白い塗装を置き、更に内側0.61mの所は上部をグレイ、下部を車体色またはより暗い色に塗った。参考：月刊グランドパワー2,’04

＜カウンター・フォース戦略＞：核戦略の１つで、最初に敵のICBM基地など戦略攻撃能力を破壊するものである。先制攻撃の場合、保有ICBMの３分の１を発射し、相手の反撃で残りの半分を破壊されても残る３分の１で二の矢を放つ。敵が先制攻撃をかけてきた場合、自国ICBMの半分が失われると仮定し、残り半分のうち更に半分で反撃をかけ、残った４分の１は第二撃のため取っておく。SLBMは破壊される恐れが少ないので、反撃または都市攻撃用とする。主に軍事基地が狙われるが、当然ながら周辺都市にも甚大な被害が出る。参考：アメリカの核兵器

＜カウンタ・パワーメータ＞：自衛隊の機器。菊水電子工業製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜カウンティ級＞：イギリス海軍初のミサイル駆逐艦County級。空母機動部隊の艦隊防空が主任務で、シースラグ艦対空ミサイルを装備し、固有の対潜兵装は省いて対潜ヘリを積んでいる。船型は長船首楼型で、長船首楼後端と後部上構をヘリ格納庫とし、その後ろをヘリ甲板にした。ただ後部上構後端にシースラグ用FCSを装備せねばならなかったため、格納庫扉が左舷側面に付いていて、ヘリを一旦格納庫の左に出してからヘリ甲板に持って行く必要があり、運用しにくかった。船体の上には長船首楼にも収めきれないほど大きいシースラグの艦内システムを収容するため長大な中央船楼が載っており、トップヘビー防止で一部にアルミ合金を使用している。レーダーは965型早期警戒レーダー（後部マスト上）、992型対空目標捕捉レーダー、978型対水上・航海レーダーで、後期型はシースラグMk2を搭載したため、早期警戒レーダーをAKE-2に換装した。GFCSはMRS3が１基。ソナーは177型（使用周波数7kHz）。全長158.7m（153.9m？）、幅16.5m、吃水6.1m（5m？）、基準排水量5200-5440トン、満載排水量6200-6800トン。主機はCOSAG方式、蒸気タービン（15000馬力）２基・ヴィッカーズ社製G-9ガスタービン（7500馬力。G-6？）４基、主缶（蒸気圧１平方センチあたり49kg、温度510℃）２基、出力60000馬力、２軸推進、最大速力32.5ノット（30ノット？）。兵装はトラス構造シースラグ発射機１基（前期４隻はシースラグMk1、後期４隻はMk2。長船首楼直後の艦後部上甲板）、シーキャットGWS21艦対空ミサイル４連装発射機２基（艦中央部両舷）、45口径114mm連装砲Mk6が２基（前甲板背負い式）、40mm単装機関砲２門（D19グラモーガンのみ）、20mm単装機関砲２門（D19グラモーガンは４門）、３連装短魚雷発射管２基。ウェセックス対潜ヘリ１機を搭載可能。乗員450名。1962-70年にデヴォンシャー、D21ノーフォーク、D12ケント、D18アントリム、D19グラモーガン、D20ファイフなど８隻が竣工した。後に国産のブルー・スラグ艦対艦ミサイルを積む予定だったが、開発中止になったため、代わりにエグゾセMM38単装発射筒４基をＢ砲塔撤去跡に横一列で搭載している。艦対空ミサイルの旧式化と国防費削減のため1978-87年に早々と退役し、うち４隻はチリ海軍に、１隻はパキスタン海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船12,'21、3,’92増刊、12,’18、4,’12、3,’05、5,’83、5,’86、4,’14、6,’16、月刊丸3,’90、2,’07

＜カウンティ級・海外シリーズ＞

　＜カウンティ級（チリ海軍）＞：チリ海軍駆逐艦。1984-87年に４隻が引き渡された。全長158.7m、幅16.5m、吃水6.3m、基準排水量5440トン、満載排水量6200トン。主機は蒸気タービン２基・ガスタービン２基、出力60000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装はエグゾセMM38単装発射筒４基、シースラグ２艦対空ミサイル連装発射機１基、114mm連装砲１門、40mm単装機関砲２門（ラトーレのみ）、20mm単装機関砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基。SA319Bヘリ１機を搭載可能。乗員470名。艦番号11プラット、12コクレン、14ラトーレ、15ブランコ・エンカラダが就役した。コクレンとブランコ・エンカラダは後に艦対空ミサイル発射機を撤去してヘリ甲板とヘリ格納庫を拡大し、NAS-332Fヘリ２機を搭載できるようになった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カウンティ級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍駆逐艦。1982年5月に１隻がイギリスから売却され、C-84ババルとして就役した。1984年、シースラグ発射機を撤去して甲板室を設けた。1988年、ヘリ甲板を後方に延長してヘリ格納庫を拡大、シーキングを収容できるようにした。また、20mmCIWS、37mm機関砲、23mm機関砲を増設している。1992年の諸元は以下の通り。全長158.7m、幅16.5m、吃水6.3m、基準排水量5440トン、満載排水量6200トン。主機は蒸気タービン２基・ガスタービン２基、出力60000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装はシーキャット艦対空ミサイル４連装発射機１基、114mm連装砲２基、37mm連装機関砲３基、ファランクス１基、４連装23mm機関砲２基。シーキングMk45ヘリ２機を搭載できる。乗員470名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜カウンティ級重巡洋艦＞：イギリス海軍条約型重巡洋艦の総称で、ケント級、ロンドン級、ノーフォーク級、ヨーク級がこれにあたる。参考：近代巡洋艦史

＜カエーン級＞：イラン海軍の国産潜水艦Qaeem（Quaeen？）級。兵装は魚雷と巡航ミサイル。2008年10月から建造中。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊世界の艦船4,’09

＜カエザール＞：フランス陸軍装輪自走砲CAESAR（CAmion Equipe d’un Systeme d’ARtillerie）。元は輸出向けとしてGIAT社が開発しており、1994年6月に公表され、1995年に開発が完了した。車体はメルセデス・ベンツU2450Lウニモグ６×６輪トラックの予定だったが、生産中止になったためルノー社製シェルパ10（シェルパ５？）を使用しており、後部に52口径155mm榴弾砲を搭載する。キャビンは５名用で、7.62mm弾に耐えられる装甲を持ち、指揮官、操縦手、砲要員３名が位置する。車体中央が弾丸及び装薬のコンテナスペースで、18発分を収容する。車体尾部に車体固定用油圧式ブレードがあり、射撃時に降ろして後２軸を浮かせた形にする。射撃姿勢をとるのに掛かる時間は60秒。フリック式装弾ラマーを装備し、発射速度は最大毎分６発、15秒で３発のバースト射撃が可能。射程35km（通常弾・ボーナス弾）／42km（射程延長型ボア・ベースブリードERFB-BB）。俯仰角マイナス３度からプラス66度、旋回角左右17度（15度？）ずつ。射撃統制装置はCS2002-G弾道コンピュータを中心とするタレス社製アトラスC41で、C3Iインターフェース、無線機、航法システムなども完備する。戦闘重量17.7トン。エンジン出力291馬力、路上最大速度100km、路外最大速度50km、航続距離600km。主砲を39または45口径に換装することも可能。オプションでNBC防護装置を追加できる。乗員５名。C-130での空輸やCH-53Eでのスリング輸送が可能。2011年3月末までに77両が納入された。同じ車体を利用した砲側弾薬車も開発されている。2009年8月1日、３両（４両？）がAn-124でカブール空港に運ばれ、フランス第３海兵隊第11砲兵連隊第２大隊に配備されて実戦投入された。最終的にアフガンには７両（８両？）を配備しており、2011年1月18日からはレバノンでも５両を運用中。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’07、8,’06、11,’02、9,’08、1,’10、6,’10、8,’11、月刊グランドパワー6,’10、月刊PANZER8,’18

　＜カエザール８×８＞：DSEi2015に出品した改良型。車体をタトラ８×８輪トラックT815に換装し、耐弾NATOレベル３・耐地雷NATOレベル２の本格的な装甲キャビンを取り付け、車体後部も平面構成のスタイリッシュな外形にし、エンジンを強化した。主砲は同じだが、携行弾数を30発に増やしている。弾丸は全自動または半自動、装薬は半自動で装填する。最大射程42km、直接照準射撃時最大射程2km。APUも装備する。戦闘重量28.4-32トン。エンジン出力410馬力、最大速度90km（路上）／50km（路外）、航続距離600km超。走行中から射撃開始までの時間は60秒。参考：月刊軍事研究12,’15、11,’18

＜カエザール海外シリーズ＞

　＜カエザール（インド）＞：インド陸軍向けとして、インドのアショク・レイランド・ディフェンス社製６×６輪トラック、スーパー・スタリオンに搭載したバージョンを売り込み中である。最大速度80km（路上）／30km（路外）、航続距離600km。参考：月刊軍事研究7,’14

　＜カエザール（インドネシア）＞：インドネシア陸軍自走榴弾砲。2012年に37両の導入を決め、2014年から配備した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜カエザール（サウジアラビア国家警備隊）＞：サウジアラビア国家警備隊装輪自走砲。車体はダイムラー・ウニモグU5000で、元々４×４輪なのを６×６輪に改造している。100両を導入予定で、2010年3月から納入された。参考：月刊軍事研究8,’11、10,’12

　＜カエザール（タイ陸軍）＞：タイ陸軍装輪自走砲。2009年3月に６両が配備された。参考：月刊軍事研究8,’11

　＜カエザール８×８（デンマーク陸軍）＞：デンマーク陸軍装輪自走砲。2017年3月に15両の導入を決めた。2020年に引き渡される予定。参考：月刊PANZER8,’18

＜ガエタ＞：5554（掃海艇）を参照。

＜ガエタ級掃海艇＞：イタリア海軍掃海艇Gaeta級。レリチ級の拡大改良型で、レリチ級5-12番艇に分類されることもある。全長52.5m、満載排水量697-733トン。速力14.6ノット。プルート・プラス機雷処分具を搭載する。艇番号5554ガエタから艇番号5561リミニまで８隻が建造された。参考：月刊世界の艦船10,'15、3,’18、月刊軍事研究9,’14

＜ガエタ級・海外シリーズ＞

＜ガエタ級（オーストラリア海軍）＞：ヒューオン級を参照。

＜ガエタ級（タイ海軍）＞：タイ海軍掃海艇。STN社製アトラス・ソナー、ゲイマリン社製プルートROVを搭載し、機雷処理用に30mm機関砲を装備する。主機はMTU社製ディーゼル。1996年に採用が決定し、８隻を建造する予定だったが、２隻のみ1999年に引き渡された。参考：月刊軍事研究3,’97、9,’14

＜かえで＞：PF-293（警備船）を参照。

＜楓（初代）＞：日本海軍樺型駆逐艦３番艦。大正4年3月25日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正6年3月11日、第２特務艦隊第10駆逐隊の一員としてシンガポールを出撃して地中海に向かい、海上護衛作戦を行った。7月4日、桂と共にイギリス軽巡ウェイマスをマルタから護衛してイタリアのブリンディジに入港。7月6日、桂と共にブリンディジを出港し、タラントに向かった。昭和7年4月1日除籍。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船9,’13増刊、5,’21

＜楓（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦17番艦。昭和19年10月30日竣工。昭和20年1月31日、台湾南方で爆撃を受けて損傷した。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年7月6日に賠償艦として中国に引き渡され、国府海軍所属の衡陽となり、昭和37-38年にかけて解体された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜かえでちゃん＞：山梨地方協力本部のマスコットキャラ。2021年5月15日、小瀬スポーツ公園陸上競技場で、ふじ君と共に広報活動を実施。6月26日、都留うぐいすホールで行われた中部航空音楽隊ふれあいコンサートで、ふじ君と共に広報を実施。参考：朝雲

＜蛙跳び作戦＞：スキップ戦略を参照。

＜火炎瓶＞：古くから使用されている最も簡易な対戦車兵器で、機関部めがけて投げつけ、燃料や潤滑油に引火させて戦車を擱座させる。瓶にガソリンを詰めて布で蓋をし、火を付けて投げるのが一般的だが、硝酸カリウムと砂糖を詰めて着発式にしたタイプもある。参考：兵器最先端５

＜火炎防護衣＞：陸上自衛隊化学防護隊の耐熱服。高熱の火災現場での行動に使用する。重量14kg。雲仙普賢岳の災害派遣でも使用された。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜火炎放射器＞：Flame thrower、Flamethrower。可燃性燃料に点火した後、不燃性ガスの圧力でそれを遠距離に放射する兵器。ドイツ人のカール・フィードラーが1901年に開発、第１次大戦時にドイツ軍が塹壕戦で使用し、各国に広まった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、軍事力バランス78年版

＜火炎放射器（陸上自衛隊）＞：携帯放射器を参照。

＜火焔放射機搭載車＞：日本陸軍の器材。日野重工業製。参考：工兵入門

＜火炎放射突撃砲＞：�V号戦車ファミリーを参照。

＜カオジャン＞：609（哨戒艇）を参照。

＜薫空挺隊＞：日本陸軍の空挺隊で、台湾軍遊撃第１中隊隷下のゲリラ戦部隊である。通信・衛生兵以外の兵は台湾の高砂族で編成されていた。昭和19年11月26日、隊員40数名が輸送機４機に分乗してリバ基地を離陸、ブラウエン飛行場に強行着陸しての空挺特攻を行ったが、戦果などは不明のままである。うち１機はバレンシヤに不時着、乗員は第26師団に編入され、全員が戦死した。参考：特別攻撃隊

＜かが＞：DDH-184（護衛艦）を参照。

＜加賀＞：日本海軍加賀型空母Kaga。大正9年7月19日、加賀型戦艦１番艦として起工。当初は呉海軍工廠で長門の進水後に建造を始める予定だったが、職工不足で長門の工事が遅れたため、神戸川崎造船所で建造されている。大正10年11月17日進水。大正11年のワシントン条約締結で解体されることになり、7月に横須賀に回航され、解体前に実艦的として使用される予定だった。大正12年9月1日、関東大震災が発生。繋留されていた小海岸壁が崩れかけたが、損傷は受けず、10月30日に震災で大破した天城の代わりに空母に改造する案が出された。11月12日、海軍省が公式に加賀の空母改造を発表。11月19日、改造訓令が発令され、空母に類別された。大正13年9月2日、横須賀工廠で空母への改造を開始。昭和3年3月31日に書類上竣工したが、予算不足で工事が終わっておらず、昭和3年12月4日の横浜沖大礼特別観艦式には参列したが、引き渡しから１年経っても航空艤装や砲が搭載されていない状態で、昭和4年11月に砲熕公試を終えて漸く完工した。昭和4年11月30日、連合艦隊第１航空戦隊に所属。昭和5年、特別大演習と観艦式に参加。年末、１年間の修理工事に入った。12月1日、連合艦隊第１航空戦隊から外された。昭和6年12月1日、連合艦隊第１航空戦隊に所属、第１航空戦隊旗艦となった。第１次上海事変勃発に伴い、昭和7年1月31日に上海沖に出動。正規空母として世界初の実戦参加となった。2月2日、第３艦隊第１航空戦隊に転属。3月20日、連合艦隊第１航空戦隊に転属、以降は艦隊訓練を行った。昭和8年5月20日、第１艦隊第１航空戦隊に転属。10月、大改装工事に入り、10月20日、第１艦隊第１航空戦隊から外された。昭和10年6月25日、大改装を完工。11月15日、第２艦隊第２航空戦隊に所属。昭和12年7月7日、日華事変勃発時は第２航空戦隊に所属していた。8月10日から中支方面に出動。8月15日の搭載機は艦戦16機、艦爆14機、艦攻22機だった。9月15日から公大飛行場に九〇艦戦６機、九六艦戦６機、艦爆18機、艦攻18機を進出させた。9月26日、佐世保に入港し、九六艦戦16機、九六艦爆16機、九六艦攻32機を搭載した。10月上旬、南支方面に出動。12月1日、第１艦隊第１航空戦隊に転属。昭和13年7月1日、第５艦隊第１航空戦隊に転属。12月15日、第５艦隊第１航空戦隊から外されて予備艦となり、改装工事を実施。昭和15年秋から年末までカタパルト試験を実施したが、成果は乏しく、実用化は諦めた。11月15日、第２艦隊第１航空戦隊に所属。昭和16年4月10日、第１航空艦隊第１航空戦隊に転属。昭和16年12月8日、第１航空戦隊に所属して真珠湾攻撃に参加。昭和17年1月20日、ラバウルを空襲した。1月21日、カビエンを空襲。2月7日（9日？2日？）、パラオで艦底を触礁して損傷した。2月15日、パラオを出港。2月19日、ダーウィンを空襲。作戦終了後にスターリング湾へ帰投する際、触礁して艦底を損傷した。3月22日、佐世保に帰投し、艦底の修理に入った。このため、セイロン島攻撃には参加できなかった。5月27日、瀬戸内海を出撃。6月5日、ミッドウェイ海戦で爆撃を受けて1626に沈没。艦長以下800名強が戦死した。8月10日に除籍された。昭和39年、元乗員と遺族が加賀会を設立。昭和41年6月5日、加賀会が佐世保東山海軍墓地で25回忌慰霊祭を実施。平成3年6月5日、加賀会が佐世保東山海軍墓地で最終慰霊祭となる50回忌慰霊祭を実施。平成11年、海底5200mに沈む加賀が調査船により確認された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、図解日本の空母、月刊世界の艦船11,’15、5,’17、1,’12、9,’14、日本海軍戦闘機隊、月刊丸12,’11、2,’12別冊付録、日本海軍艦隊総覧、太平洋海戦史、歴史群像6,’16、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜かかえ撃ち＞：機関銃を脇の下に抱え込んで撃つこと。接近戦闘時の掃射に用いる。参考：コンバット・バイブル

＜加賀型＞：日本海軍計画戦艦。八四艦隊計画（大正5年度案）に盛り込まれ、八八艦隊計画により着工されたポスト・ジュットランド型戦艦で、長門型に次ぐ３・４番艦となる筈だった。参考：近代戦艦史

　＜加賀型（Ａ１１６案）＞：初期案の１つ。大正5年10月9日の大臣室会議で、A115案、A116案、A118案と共に提出された。煙突は２本。全長240.2m、水線幅29.6m、排水量36700トン。機関出力120000馬力、速力30ノット。兵装は45口径41cm連装砲塔４基（艦前後背負い式）、50口径14cm単装砲20門（両舷ケースメート式10門ずつ。最後部２門ずつは中甲板レベル、他は上甲板レベルに装備）。装甲厚は水線部229mm（傾斜25度）、水平152mm（中甲板76mm＋下甲板76mm）。参考：月刊世界の艦船6,’20

　＜加賀型（Ａ１２２案）＞：大正5年12月26日の大臣室会議で、A119案、A120案、A121案と共に提出された。船体を大型化して砲塔を１基増やし、機関強化で速力も増している。全長282.9m、水線幅29.6m、排水量43500トン。機関出力157000馬力、速力32ノット。兵装は45口径41cm連装砲塔５基（艦前後背負い式、後部三脚マスト後方１基）、14cm単装砲20門（両舷ケースメート式10門ずつ。全て上甲板レベル）。装甲厚は水線部229mm（傾斜25度）、水平152mm（中甲板76mm＋下甲板76mm）。参考：月刊世界の艦船6,’20

　＜加賀型（Ａ１２３案）＞：大正6年1月11日の大臣室会議で、A124案、A124'案と共に提出された。A122案と同じ火力をA116案と同じくらいの船体に詰め込んでおり、機関出力は抑えて速力は控えめだが長門型（26.5ノット）より微妙に速い。全長229.5m、水線幅29.6m、排水量36600トン。機関出力90000馬力、速力27ノット。兵装は45口径41cm連装砲塔５基（艦前後背負い式、後部三脚マスト後方１基）、14cm単装砲20門（両舷ケースメート式10門ずつ。最後部２門ずつは中甲板レベル、他は上甲板レベルに装備）。装甲厚は水線部229mm（傾斜25度）、水平152mm（中甲板76mm＋下甲板76mm）。参考：月刊世界の艦船6,’20

　＜加賀型（Ａ１２６案）＞：大正7年2月19日にA126A案、A126B案、A126C案と共に提出された。長門型戦艦２番艦陸奥の改設計案であるA125案がベースである。後部主砲塔はピラミッド式で、最前部の１基は前向き、後ろ２基は後ろ向きに設置した。煙突は１本。水線長227.1m、水線幅30.5m、排水量39300トン。出力88000馬力、速力26.5ノット。兵装は45口径41cm連装砲塔５基（艦前部背負い式、艦後部ピラミッド型）、50口径14cm単装砲20門（両舷ケースメート式10門ずつ。前部主砲塔脇の４門は中甲板レベル、煙突脇の６門は上甲板レベル）。装甲厚は水線部292mm（傾斜付き）、水平172mm（中甲板102mm＋下甲板70mm）。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜加賀型（Ａ１２７案）＞：最終案。長門型の砲門数を10門に増やしたもので、八年式魚雷の有効射程より遠い交戦距離20-25kmでの戦闘に対応しており、集中防御方式及び傾斜装甲を採用した。主砲塔は長門型より１基増やし、その分船体を延長、船型を平甲板型としたが、長船首楼型の長門型より副砲が海面に近くなっている。後部主砲塔はA126案と同じくピラミッド型だが、最前部の１基も後ろ向きにしており、中央部との間隔が開いた。主砲塔の射界は第１・第２が左右150度ずつ、第３が左右130度ずつ（前方30度ずつと真後ろ20度ずつが死角）、第４が左右160度ずつ、第５が左右150度ずつ。船体主要部の舷側装甲は15度傾けた279mm装甲板で、中甲板から水線下1.82mまでを覆い、その内側には76mm厚の防御縦壁を装着した。甲板防御は中甲板が100-163mm、下甲板平坦部が20-50mm、傾斜部が50-102mm。主砲バーベットの装甲は229-280mmで、開口部防御も備えており、煙路装甲は229mm。水中防御は舷側装甲板下端から始まるバルジ及び15度傾斜25mm高張力鋼３枚重ねの水雷防御縦壁、その両側の水防区画で、TNT200kgの魚雷に耐えられる。主機は技本式オールギヤードタービン４基４軸91000軸馬力、速力26.5ノットとする予定だったが、呉工廠の主機製作能力が不十分で、民間造船所に仕事を回すという意味もあり、ブラウン・カーチスと三菱パーソンズを搭載することにした。主缶に細管を採用、重油専焼缶の力量比率を大きくして缶室区画を短縮している。全長234.09m、常備排水量39900トン（うち機関重量3620トン）。主機は技本式ブラウン・カーチス高低圧オールギヤードタービン（加賀）／三菱パーソンズ式高圧衝動・低圧反動（インパルス・リアクション。土佐）４基、主缶はロ号艦本式重油専焼缶（蒸気圧力１平方センチあたり19.3kg、飽和温度）８基＋同混焼缶（蒸気圧力１平方センチあたり19.3kg、飽和温度）４基、出力91000馬力（81000馬力？）、４軸推進、プロペラ回転数毎分210回転、速力26.5ノット。兵装は45口径41cm連装砲塔５基（長門型と同じもの。前甲板背負い式、後甲板ピラミッド型）、50口径14cm単装砲20門（両舷ケースメート式10門ずつ。最大仰角25度。前部主砲塔脇６門ずつは中甲板レベル、煙突脇４門ずつは上甲板レベル）、61cm魚雷発射管８門。装甲厚は水線部279.4mm（傾斜15度）、水平NVNC鋼鈑166mm（中甲板102mm＋下甲板64mm）。加賀、土佐が大正9年に起工されたが、ワシントン条約締結により土佐は実験艦として処分され、加賀は空母に改造された。参考：近代戦艦史、月刊丸11,’09、月刊世界の艦船6,'20、11,’15、1,’12、3,’15、5,’15

＜加賀型＞：日本海軍空母Kaga型。八八艦隊計画の戦艦加賀として設計され、ワシントン条約で廃棄対象になったが、同条約に基づき空母に改造中の巡洋戦艦天城が関東大震災で大破してしまい、代わりに急遽空母に改造されることになった。元が戦艦のため、空母赤城（元巡洋戦艦）よりも速力が４ノット以上少ない。艦首前端は前に突出しており、外舷にフレアを持ち、凌波性が高い。飛行甲板上に構造物の無い平甲板方式を採用しており、赤城と同じく同時発着艦を狙った三段の飛行甲板を持ち、上部飛行甲板は全長171.2m・最大幅30.5m、下部飛行甲板は全長55.2m、最大幅24.4mで、下部飛行甲板は艦首前端まで伸びている。当初は中部飛行甲板にある戦時格納庫から戦闘機を直接発艦させる予定で、艦橋を左右に分けて中部飛行甲板（艦橋甲板）に設ける筈だったが、不便極まりないため左右を繋げることになり、この甲板からの発進が不可能になった。上部飛行甲板は艦尾に向かって僅かにスロープをなしており、艦上機を逆着艦させるためともいわれているが詳細不明。エレベーターは前部が縦10.7m・横15.9m、後部が縦12.8m・横9.2mで、後部は２階建てになっている。格納庫は３段で、下部格納庫にはエレベーターが通っておらず、補用機昇降口が設けられた。補用機は分解格納する。上部飛行甲板の中央付近２カ所に伸縮継手を持つ。着艦制動装置は赤城と同じ縦張り式である。艦橋両側のスポンソンに対空見張り所を設置した。対空見張り所の後ろにある格納庫甲板の両舷に20cm砲射撃指揮用の主砲指揮所があり、その後ろに13mm機銃用スポンソン、更に後ろに高角砲指揮所がある。対空見張り所の一段下には予備指揮所と測距儀、右舷主砲指揮所の前方には起倒式信号マストが設置された。缶室からの排気は煙路を２つに分けて後方に導き、船体中央付近で飛行甲板左舷下方の長大な煙突を通してそのまま艦尾両舷の排気口（外側下方に向けてある）に誘導した。この煙路にした理由は、戦艦からの改造で上部重量が足りなくなったため重量100トンの煙路を高所に設置して補った、イギリス空母I49アーガスや47フューリアスの真似をした、赤城との比較、など諸説あるが、ともかく結果として艦尾の気流が乱れた上、熱気で居住区が灼熱地獄になって最悪の状態に陥った。機械室は缶室の後方にあり、シフト配置ではなく、缶室と機械室の両舷に重油タンクを配して防御構造としてある。艦尾は長門型戦艦と同じ形状で、格納庫後端から艦尾にかけて前後２組の飛行甲板支柱、それらの間の両舷に飛行機取り入れ用ホイスト式クレーンを持つ。後甲板には短艇搭載デッキがあり、中甲板上とデッキ上に内火艇とカッターが収容されている。全長238.5m、最大幅29.6m、平均吃水7.92m、基準排水量26900トン。主機はブラウン・カーチス式オールギヤードタービン４基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶12基（蒸気圧力１平方センチあたり19.3kg、飽和温度）、出力91000馬力、４軸推進、速力26.7ノット（27.5ノット？）、重油搭載量5300トン、航続距離8000海里（14ノット）。兵装は三年式二〇サンチ連装砲塔２基（中段飛行甲板両舷に１基ずつ）、三年式二〇サンチ単装砲６門（艦尾寄り中甲板両舷に３門ずつケースメート式）、十年式一二サンチ連装高角砲６基（船体中央両舷スポンソン上に３基ずつ）、九三式13mm連装機銃、九二式7.7mm単装機銃。搭載機は、三式艦上戦闘機15機（常用12機、補用３機）、一〇式艦上偵察機８機（常用６機、補用２機）、一三式艦上攻撃機24機（常用18機、補用６機）の計47機で、最大60機積めるが、実際には予算の関係で当初は25機くらいしか搭載していなかったらしい。装甲厚は舷側127mm。乗員1269名。加賀が昭和3年に竣工した。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、日本海軍戦闘機隊、月刊世界の艦船11,’15、4,’17、12,’10、9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜加賀型（改装）＞：昭和6年、留式7.7ミリ機銃２丁を搭載。昭和7年、縦張り式着艦制動装置を、赤城で実用試験を終えた横張りのフュー式着艦制動装置に変更。13mm連装機銃10基を搭載。上部飛行甲板右舷前方に飛行作業用小型艦橋を臨時設置した。昭和8年5-6月、中部飛行甲板の艦橋が不便すぎたため、上部飛行甲板上に仮設艦橋を設置。10月から近代化改装のため予備艦となり、仮設艦橋と艦橋甲板の艦橋を撤去。上部飛行甲板右舷前方に小型の艦橋（建造時期の重なる蒼龍と類似）を設置した。艦橋後端の露天甲板には探照灯管制機兼上空見張り方向盤、最上部の露天甲板には双眼鏡、60cm信号用探照灯、方位測定器用ループアンテナ、1.5m測距儀、九一式高射装置などが置かれている。艦橋構造物前方の飛行甲板上には探照灯管制機兼上空見張り方向盤が設置された。昭和9年6月から昭和10年6月、大改装を実施。下部飛行甲板と支柱を撤去して飛行甲板を全長248.6m・前端幅14.3m・中央及び後端幅30.5mの１段にし、艦首よりも前方に突出させ、支柱４本（後に６本に増えた）で支えた。格納庫も拡大され、前部エレベーターの前にもう１基のエレベーター（縦11.5m、横12m）を追加し、後部エレベーターを一層式に変更。着艦制動装置を呉式四型（ワイヤー８本）に換装し、空技廠三型滑走静止装置（固定式２基、移動式２基）を搭載した。また、飛行甲板前端両舷には将来のカタパルト搭載を見越して予備工事が施された（装着スペースの溝が入っている）が、昭和15年末の予備実験に失敗して結局カタパルトは実用化できなかった。艦橋は右舷前方寄りにあり、友鶴事件などを受けて小型化し、トップヘビーを防止した。艦橋後方に信号マスト、右舷後部に通信マストがあり、外側に倒せる。主缶は出力向上型のロ号艦本式重油専焼缶８基（蒸気圧力１平方センチあたり22kg、飽和温度）に換装し、機関出力を125000馬力に強化、艦尾を延長してバルジを取り付け、速力を28.3ノットに上げた。艦尾の煙突を撤去し、８基の煙路を一纏めにして船体中央右舷の飛行甲板直下に斜め下向き煙突（後ろに10度、下向きに55度傾けてある。赤城と同じく熱煙冷却装置や緊急時排気口も付いている）を１基設置した。三年式二〇サンチ連装砲塔を撤去し、後部両舷に三年式二〇サンチ単装砲をケースメート式に２門ずつ増設した（砲力の維持というより重心調整の関係か）。高角砲を八九式12.7サンチ連装砲塔８基（飛行甲板前方右舷に２基、左舷に１基、後方右舷に２基、左舷に３基）に換装し、装備位置を高くして反対舷の仰角30度以上の目標にも対処できるようにした。また、九一式高射装置、九六式二五ミリ連装機銃11基（飛行甲板両舷スポンソン上）も装備した。艦尾は8m延長し、飛行甲板支柱を１組増設（計２組４本）、飛行甲板は艦尾に達している。諸元は以下の通り。全長248.6m、最大幅32.5m、平均吃水9.48m、基準排水量38200トン。主機は艦本式オールギヤードタービン２基＋ブラウン・カーチス式オールギヤードタービン２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶８基、出力125000馬力、４軸推進、速力28.3ノット、重油搭載量7500トン、航続距離10000海里（16ノット）。搭載機は九〇式艦上戦闘機16機（常用12機、補用４機）、八九式艦上攻撃機28機（常用24機、補用４機）、九四式艦上爆撃機16機（常用12機、補用４機）の計60機。兵装は50口径20cm単装砲10門、八九式12.7サンチ連装砲塔８基、九六式二五ミリ連装機銃11基。装甲厚は舷側127mm。乗員2000名。その後、煙突前端に防熱板を装着したり、煙突周辺の高角砲射撃指揮装置や機銃の配置を変えたり、最後部のケースメート式三年式二〇サンチ単装砲を撤去したりといった小改装が加えられた。昭和13年12月から２年かけて飛行甲板と格納庫を拡張し、艦橋を整備した。排水量は40000トン以上となり、搭載機は艦戦16機（常用12機、補用４機）、艦爆24機（常用18機、補用４機）、艦攻64機（常用48機、補用16機）の計104機となった。また、カタパルト搭載改修も行われたが、カタパルトの実用化には至らず、実験終了後に撤去されている。真珠湾攻撃時の搭載機は、零戦21機、九七式艦攻27機、九九式艦爆27機の計75機だった。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊世界の艦船11,’15、12,'23、日本海軍戦闘機隊

＜科学＞：中国海軍海洋調査船。全長99.6m、幅17.8m、吃水5.6m、総トン数4864トン。最大速力15ノット、航続距離15000海里、連続航海能力60日。乗員80名。2007年起工、2011年11月30日進水。参考：月刊世界の艦船3,’12

＜科学１号＞：中国国務院国土資源部科学１号級海洋調査船１番艦の艦番号で、コーシュエイーハオと読む。制式名称は不明。1987年に就役した。1999年5月20日、沖縄県那覇西270kmを航行するのを第５航空群P-3Cが確認した。2004年12月7日、沖ノ鳥島南320kmを航行するのを第１航空群P-3Cが確認した。12月10日、沖ノ鳥島南南西350kmを航行するのを第１航空群P-3Cが確認した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’98、3,’05

＜科学１号級＞：中国国務院国土資源部海洋調査船コーシュエイーハオ級。正式なクラス名は不明。沿岸用客船をベースとしており、後部甲板を観測用に改造、深海調査用ケーブル格納リールやＡフレームなどを追加している。全長104.2m、総トン数2579トン。主機はディーゼル、２軸推進、速力20.8ノット。1987年、89年に１隻ずつが就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜化学エネルギー弾＞：Chemical Energy Shot（CE弾）。炸薬の爆轟エネルギーによって生成される指向性金属ジェットまたは応力波により装甲を破壊する弾丸。HEAT、自己鍛造弾、粘着榴弾を指す。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究11,’08

＜化学科＞：陸上自衛隊の職種の１つで、対NBC兵器防護部隊である。徽章はフラスコと桜を組み合わせたもので、職種色は藍色。各部隊に中央特殊武器防護隊／特殊武器防護隊／化学防護隊が編成されており、教育機関・職種学校として化学学校、教育支援部隊として化学教導隊がある。汚染物質特定及び汚染状況把握を実施する偵察と、部隊及び地域の汚染を除去する除染を主任務とし、偵察のために化学防護車、部隊除染のために除染装置、地域除染のために除染車を装備する。1953年に臨時化学教育隊が宇治駐屯地で新編されたのが始まりで、1954年に化学教育隊に改編されて富士駐屯地に移動した。この時の主任務は煙幕展張である。1956年、化学教育隊隷下に第301化学発煙中隊が創設された。1957年、化学教育隊が化学学校に改編されて第301化学発煙中隊と共に大宮駐屯地に移動。1970年、第301化学発煙中隊が第101化学防護隊に改編された。1988年、第２師団を皮切りとして師団司令部付隊隷下に化学防護小隊が新編されていった。1994年以降、化学防護小隊が師団／旅団司令部付隊から独立して化学防護隊に改編されていった。2001年、第101化学防護隊が東部方面隊隷下に移り、化学学校の教育支援部隊として化学教導隊が編成された。生物剤警報器と生物偵察車の配備に伴い、2007年に第101化学防護隊は第101特殊武器防護隊に改編されて中央即応集団隷下に移った。2008年、第101特殊武器防護隊が中央特殊武器防護隊に改編された。第１・第３・第４・第６師団と第11旅団の化学防護隊も特殊武器防護隊に改編されている。参考：スピアヘッドNo.12、月刊軍事研究12,’06、8,’10、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜化学学校＞：陸上自衛隊の化学科職種学校。衛生学校が担当する細菌以外の特殊武器からの防護及び防護技術や、発煙器、火焔放射器、化学防護車、測定器などの器材の補給整備といった教育を行う。化学科幹部・陸曹・陸士や一般部隊他職種化学特技者だけでなく、警察、消防、地方自治体といった部外者への教育も実施している。校長は陸将補で、1997年7月からは大宮駐屯地司令を兼ねるようになった（それまでは通信補給処長が駐屯地司令だった）。総務部、教育部（教務科、教材科、運用教育科、技術教育科）、研究部（総括科、教育訓練研究科、装備研究科。実際に少量の化学剤を合成することもある）、化学教導隊（緊急時即応部隊を兼ねる）、企画室からなる。屋内訓練場を持ち、第１−第５訓練室で除染や催涙剤体験などを実施する。1957年10月、化学教育隊から改編されて大宮駐屯地で創設された。2001年3月、第101化学防護隊が東部方面隊隷下に移り、教育部隊として化学教導隊が新編された。2008年12月16日、外務省生物・化学兵器禁止条約室、軍備管理軍縮課、不拡散・科学原子力課、邦人テロ対策課、防衛省国際政策課などの職員と防衛参事官に対し、研修や催涙剤体験を実施。2009年2月25日、平成20年度教育・研究成果普及会を開催。関連部隊の隊員300名と埼玉県警やさいたま市消防局の防災関係者ら14人がCBRN対処の研究発表や訓練展示を実施・見学した。2010年9月1日、緊急登庁・即時救援活動などの防災訓練を実施。11月10日、埼玉県議会警察危機管理防災委員会の19人に対する研修を実施。2011年2月2日、埼玉県庁などで実施された国民保護共同図上訓練に参加。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月15日、災害派遣に備えて初級幹部課程学生を１日前倒しで卒業させ、原隊に復帰させた。2013年2月22日、栃木県消防学校消防職員特殊災害科25人に研修を実施。2017年6月12-15日、第12回国際CBRN会議が開催された。アジア太平洋地域では初開催で、NATO諸国、オーストラリア、シンガポール、タイなど15カ国30名が出席している。7月23-29日、化学兵器禁止機関OPCWの査察を受け、秀逸の評価が下された。10月3日、UAE国家緊急事態危機・災害管理庁計画準備部長以下13人が訪問し、原子力防災研修を行った。10月13日、創立60周年記念行事を実施。12月19日、OPCW発足20周年記念行事の一環として主席法務官らの訪問を受けた。2018年3月26日、除染セット（除染装置�T型１両と除染車２両）を配備した。7月23日と27日、パシフィック・シールド18の一環として、フィリピン軍とタイ軍の計９名に放射性物質処理要領に関する能力構築支援を実施。7月24-26日、パシフィック・シールド18に参加。2019年3月8-18日、MEDEX2019に１名が参加。6月21日、化学兵器禁止機関OPCWのアリアス事務局長らが訪問した。7月10-11日、イースタン・エンデバー19に１名が参加。2020年12月7-10日、化学兵器禁止機関OPCWの査察を受け、申告内容に問題が無い事が確認された。2022年6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。参考：月刊軍事研究12,’06、MAMOR vol.52、vol.134、vol.142、陸海軍学校と教育、朝雲、月刊JWings8,’12、スピアヘッドNo.16

＜化学加熱器＞：陸上自衛隊普通科部隊・化学防護隊が装備する器材。ゲル化剤の調整や除染用の湯を作るために使用される。常温の水2000リットルを１時間以内に45度（65度？）に加温可能。重量480kg。燃料消費量毎時15リットル。日本無煙工業製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜化学教育隊＞：陸上自衛隊の化学科隊員教育部隊。1953年6月、関西地区補給廠長の監督下に宇治駐屯地で臨時化学教育隊として新編された。1954年7月、富士駐屯地で正式発足した。1956年、隷下に第301化学発煙中隊が創設された。1957年10月、化学学校に改編された。参考：月刊軍事研究12,’06、スピアヘッドNo.12、No.17

＜化学教導隊＞：陸上自衛隊のNBC関連教育・研究部隊で、NBC事態における緊急即応や災害派遣なども行う。それまで教育と実務の両方を担ってきた第101化学防護隊が実務専門に改編されたため、2001年3月、教育担当部隊として化学学校隷下に創設された。隊員は40名で、隊本部、偵察小隊、除染班２個からなり、化学学校学生に対特殊武器戦闘を教授する。また、警察、消防、医療機関などとも連携してNBCに関する調査研究を行う。参考：スピアヘッドNo.17、MAMOR vol.117

＜化学軽整備車搭載器材＞：自衛隊の機器。水戸工業製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜化学軽整備車用シェルタ＞：自衛隊の機器。日本トレクス製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜科学研究開発局＞：アメリカの機関で、OSRDと略す。国防に関する科学研究を行う。1941年6月28日にアメリカ大統領が設立命令を出し、マンハッタン計画などを推進した。参考：歴史群像6,’02

＜化学検知器＞：陸上自衛隊の化学剤検知器、別名AP2C。ガス検知器２型の後継で、先端から化学剤を吸入し、水素ガスで燃焼させることにより、リンと硫黄の炎光（炎色反応）を判別し、化学剤の種類（リン原子を含むＧ剤、硫黄原子を含むマスタード及びＶ剤）を判定することが可能である。水素ガスは水素吸蔵合金から供給し、１カートリッジで25回の判定が可能。全備重量2kg。フランス製で、双日エアロスペースが納入している。参考：JGround　Vol.11、月刊軍事研究1,’15、1,’08、9,’07

＜化学高燃焼装薬砲＞：ETCを参照。

＜化学剤監視装置＞：陸上自衛隊の化学剤監視装置。ヘリ搭載型の監視装置１セット、高機動車３両の荷台に搭載された監視装置（車載用）、73式大型トラックまたは３・１／２トントラック１両のシェルターに収容された評定処理装置で１個監視班を編成しており、化学剤の流動状況を把握し、汚染回避などに利用する。監視装置（車載用）は昇降式監視部（全周旋回可）、連接部、表示部、通信機器からなり、三脚に載せて地上に設置することが可能で、赤外線センサー（正面向かって右の大型レンズ）とビデオカメラ（向かって左の小型ボックス）が用意されていて、化学剤が吸収する特有波長の赤外線を分析して化学剤を探知する。ビデオカメラは操作員に装置の方向を知らせるためのものである。表示部はノートパソコンで、これにより監視部を制御しつつ監視部で得られたデータを表示させる。このデータはリアルタイムで標定処理装置に送られ、標定処理装置では化学剤が流れていく方向などを予測して師団指揮システムに情報を流す。2009年から中央特殊武器防護隊に配備された。参考：月刊軍事研究6,’11、8,’10、8,’09、スピアヘッドNo.5、No.16、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜化学剤検知器＞：陸上自衛隊の化学兵器探知識別装置。小型水素カートリッジと充電式バッテリーを装備する携帯式検知器で、Ｇ剤、Ｖ剤、びらん剤を検知できる。双日エアロスペースまたは横河電子機器が受注している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究10,’10、12,’14

＜化学剤検知器２型＞：自衛隊の機器。エス・ティ・ジャパンが受注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜化学剤検知機（改）（試験用）＞：自衛隊の機器。エス・ティ・ジャパンが受注している。参考：月刊軍事研究12,’14

＜化学剤検知器（車外搭載型）＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究11,’11

＜化学重整備車搭載器材＞：自衛隊の機器。水戸工業製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜化学重整備車用シェルタ＞：自衛隊の機器。新明和工業製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜化学消防車＞：航空自衛隊の油脂火災用４輪消防車。全長6.7m、全幅2.3m、全高3.1m、車両重量6.06トン。エンジン出力215馬力、最大速度105km。ペイロード2.153トン。ジーエムいちはら工業またはモリタ製。シャシーはいすゞ自動車製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究2,’09、10,’10

＜化学消防車１形（４×４）＞：自衛隊の車両。日本機械工業製。参考：月刊軍事研究11,’13

＜化学消防用シャシ＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜化学消防車用シャシ１形（４×４）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究9,’13

＜化学消防車用シャシ２形＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜化学生物兵器事態対応部隊＞：CBIRFを参照。

＜化学戦車チハ車＞：九七式中戦車ファミリーを参照。

＜化学兵器＞：化学的作用で敵を殺傷する兵器で、CW（Chemical Weapon）と略す。いわゆる毒ガスだが、最近は液体をミストとして撒布することが多く、化学兵器や化学剤という名称になった。びらん剤、窒息剤、神経剤、血液剤、嘔吐剤、催涙剤などがあり、爆弾に詰め込んで投下したり、エアロゾル状にして上空から散布したり、化学弾頭として投射したり、化学地雷として使用したりする。中国や台湾などでは火炎放射器や煙幕弾も化学兵器と見なされている。紀元前429年、アテネとスパルタの戦いで、スパルタ軍が硫黄化合物（硫黄と松ヤニの混合物）を燃やして亜硫酸ガスを発生させたという記録がある。これは後に「ギリシャの火」となり、十字軍との戦いでイスラム軍が使用したり、ビザンチン帝国がオスマントルコに対して使用したりした。15-16世紀にはベネチアが砲弾内に毒物を詰め込んで砲撃している。19世紀には化学兵器は戦争の倫理に反するという意見が出され、1907年のハーグ条約陸戦法規付属協定で有毒武器の使用禁止が定められたが、第１次大戦中の1915年4月22日、イープルでの戦闘でドイツ軍が塩素ガスを大量に使用した。これに対し連合軍はホスゲンで反撃、双方に多数の死傷者を出した。また、イペリットやルイサイトなども開発され、第１次大戦では30種類113500トン（125000トン？）の化学兵器が使用され９万名が死亡、120万名以上が負傷した。ちなみにアメリカ軍死傷者の３割が化学兵器によるものだった。イープルでは1980年代になっても年間20トンの不発化学弾が掘り出されていた。1925年のジュネーブ毒ガス議定書で戦争への使用が禁止されたが、開発、生産、貯蔵は禁止されなかった。1930年、霧社事件で日本が初めて化学兵器を使用。第２次世界大戦では各国とも報復を恐れて実戦使用しなかった。ベトナム戦争でアメリカがジュネーブ毒ガス議定書の条文には窒息性ガス、毒性ガス、またはこれらに類するガスと書いてあるので、枯れ葉剤は含まないと主張して使用した。このため、新たに化学兵器禁止条約CWCが制定されている。無風状態で盆地・峡谷などの大気が滞留しやすいところに使用すると効果が高い。高性能炸薬弾１トンの製造価格は7000ドル、ミサイル１トンでは50万ドル以上だが、化学弾１トンの価格は2000ドル程度であり、貧者の核兵器とも呼ばれる。また、農薬・肥料製造プラントを改造すれば容易に生産でき、外からの監視では軍用なのか民間用なのか判断ができず、こっそり作ることが可能（例：オウム真理教）。粘度が高い方が効果の持続時間が長い。身体への吸収率、大気への拡散性を考慮すると直径１ミクロンの粒子にして散布する必要があり、爆薬で散布するには高度な技術が要求される。アメリカはクラスター弾化して散布範囲を広げ、ソ連は弾頭内に火薬による噴出装置を付けて解決を図ったが、後者でも飛沫直径が100ミクロン程度にしかならない。また、炸裂地点が高度200mを越えると拡散しすぎて地上での濃度が低下するため、弾道ミサイルに搭載する時には終末速度が毎秒数キロメートルの弾頭を正確に高度100m以下で炸裂させる特殊な信管が必要になる。貯蔵時の安定性も問題となる。化学兵器そのものを弾頭に詰めるユニタリー方式は単純だが貯蔵性や充填時の安全性に問題があり、２種類の物質を発射時の衝撃や旋転時の遠心力で混ぜて化学剤にするバイナリー方式が開発されている。使用を示唆するだけで敵国にパニックを起こすことができ有効性が高く、安価で、アフガニスタン侵攻やクルド人虐殺などで使われた際には国際社会からそれほど強い反発が出ていないため、今後とも拡散・使用の可能性が懸念される。と書いてたら案の定シリア内戦で使用されたが、化学兵器を使って無差別攻撃を行ったシリア政府より、報復で通常弾頭型トマホークを航空基地に撃ち込んだアメリカの方が非難の対象になる始末で、本気で規制する気があるとは到底思えない。参考：参考：軍事分析湾岸戦争、戦争がやってくる、化学・生物兵器概論、図解雑学生物・化学兵器、月刊PANZER4,’98、月刊軍事研究7,’95、10,’16、3,’09、月刊戦車マガジン6,’89

　＜化学兵器（１９４８年ブリュッセル条約に対する議定書）＞：化学物質の窒息性、有毒性、刺激性、麻痺性、成長抑制性、反潤滑性又は触媒性の特性を軍事目的で使用するために明示的に設計された装備又は装置。参考：軍縮条約・資料集第２版

　＜化学兵器（化学兵器禁止条約）＞：毒性化学物質及びその前駆物質（本条約により禁止されていない目的のためのもので、かつ種類及び量が当該目的に適合する場合を除く）、毒性化学物質の毒性により死その他の害を引き起こすよう特別に設計された弾薬類及び装置、それら弾薬類・装置の使用に直接関連して使用するように特別に設計された装置。参考：軍縮条約・資料集第２版

　＜化学兵器（日本海軍）＞：化兵と称し、発煙剤や生物毒素兵器も含んでいた。第一次上海事変後に製造に着手し、一号特薬・二号特薬・三号特薬の生産に成功、昭和11年3月にルイサイトを合成した。また、陸戦用として陸軍から青酸ガスの合成法を受領し、四号特薬として採用した。爆弾に詰めるタイプ（一号爆弾）を開発した他、徹甲弾の隙間に封入することも考えていたが、どちらも実戦で使用されることは無かったようである。昭和18年、化学兵器生産施設である相模海軍工廠を設立した。参考：日本海軍の爆弾、図解雑学生物・化学兵器

　＜化学兵器（日本陸軍）＞：ドイツに倣って防諜名に色の名称を付けており、イペリットを黄一号、ルイサイトを黄二号、青酸ガスを茶、催涙ガスを赤とした。第１次大戦後の大正7年、陸軍省に臨時毒瓦斯調査委員会を設置。大正8年、陸軍科学研究所を設立。昭和2年、化学兵器の生産工場である陸軍造兵廠忠海製造所を瀬戸内海の大久野島に建設。昭和5年、霧社事件で化学兵器を使用。昭和8年、陸軍習志野学校を創設し、化学戦将校の育成を開始。日華事変ではイペリットやルイサイトを使用しており、南京攻略戦でもイペリットを使う計画だったが、天皇からストップがかけられた。あか剤入りの砲弾は昭和19年まで使用している。関東軍は昭和12年に満州516部隊という化学戦部隊を設立、人体実験も行った。参考：図解雑学生物・化学兵器、日本海軍の爆弾、軍医サンよもやま物語

　＜化学兵器（ロシア軍）＞：ソ連誕生時には労農赤軍軍事化学局が開発と生産を担当していた。1930年代、開発生産が重工業人民委員会に移管された。1939年、化学工業人民委員会第一総局が化学兵器担当となった。第２次大戦中に生産を本格化させ、イペリット工場30カ所とルイサイト工場13カ所を建造した。終戦後、化学工業人民委員会が化学工業省に改編された。化学兵器製造工場は独立して存在する訳ではなく、大規模化学工業プラントと一体化していて、民生化された後もこっそり作れるようになっていたりするらしい。1958-59年、サリンの製造を開始。1965年、化学兵器開発生産企業であるソユーズオルグシンテズが化学工業省付属企業として創設された。1967年、ソマンの製造を開始。1972年、Ｖ剤の製造を開始。1987年、ノヴィチョークの生産を開始。チャパイェフスキーにある化学兵器工場に化学兵器廃棄施設が建設されたが、実際には使用されなかった。1993年1月、化学兵器禁止条約に署名。1997年に発効し、10年で化学兵器を全廃することになったが、予算不足で間に合わず、ドイツやEUの支援も受けて2015年までに終わらせる予定である。ただしノヴィチョークは化学兵器でないという立場をとっており、保有量すら判明していない。参考：月刊軍事研究7,’13、7,’18

＜化学兵器禁止機関＞：OPCWを参照。

＜化学兵器禁止条約＞：正式名称は化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約で、CWC（Chemical Weapon Convention）と略す。日本は1995年9月に批准、1997年3月1日に承認した。1997年4月29日に発効し、2008年5月末現在では183カ国が締結している。参加国に化学兵器の開発、生産、取得、貯蔵、保有、移譲、使用、使用準備を禁止している。また、化学兵器の廃棄（他の締約国の領域内に1925年1月1日以降に遺棄したものを含む）、化学兵器生産施設の廃棄も定めており、戦争における暴動鎮圧剤の使用禁止も謳っている。化学兵器禁止機関OPCWという条約執行機関がオランダのハーグにあり、申し立てにより対象国の承認無しに査察を行うことができる。平和目的及び防護目的、国内での暴動鎮圧を含む法執行目的、化学兵器の使用に関連せず化学物質毒性を戦争の方法として使用するものでない軍事目的に関しては禁止していない。有効期間は無期限。アメリカは調印したが議会が承認しておらず、アメリカでは発効していない。参考：軍縮条約・資料集第２版、化学・生物兵器概論、月刊軍事研究2,’98、図解雑学生物・化学兵器

＜化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約＞：化学兵器禁止条約を参照。

＜化学兵器防護（日本陸軍）＞：瓦斯防護という。各級指揮官は状況や任務に応じて消毒部隊の部署や防護資材の配当を決定し、特に重要時期・重要地点での防護を確実に行えるようにする。化学兵器による攻撃を受けたら、大隊長またはこれに準ずる部隊長（輜重兵は中隊長）以上、その他分離して行動している部隊の長、特に指定された者は、瓦斯警報を発する。猶予の無い場合は、小隊長以上の者が自分の責任で警報を発令する。警報は伝達が確実容易で誤解や混同の恐れが無いものを選び、必要に応じて各種手段を併用すると共に、同じものを使い続けて敵に偽警報を出されないよう注意する。瓦斯警報を聞くか、瓦斯攻撃を受けつつある時は、直ちに近隣者へと伝達し、各自が速やかに防毒面（瓦斯雨下では先ず防毒覆）を着ける。防毒覆の脱除は通常小隊長以上の命令で行う。軍馬の防毒面・防毒覆の着脱は人員に準ずる。消毒包は各自が必要に応じて使用し、その他の防毒具の使用は通常中隊長以上の命令による。参考：作戦要務令

＜化学防護衣＞：陸上自衛隊のNBC防護服。藤倉ゴム工業製。マスクカバー、上衣、ズボン、手袋、靴からなるゴム製密閉スーツで、防護マスクと合わせて全身を覆う。化学兵器汚染地帯では、防護衣にさらし粉を塗布してから作業を行う。オリーブドラブ一色（手袋は黒）で、基本的に化学科が使用する後方用であり、戦闘地域では戦闘用防護衣や個人用防護装備を用いる。参考：月刊PANZER5,’98、JGround　Vol.11、スピアヘッドNo.3、No.17、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜化学防護衣１型＞：

　＜化学防護衣２型＞：

　＜化学防護衣３型＞：重量4.9kg。酷寒時は２時間以上、常温時は1-2時間、酷暑時は１時間以内の着用が可能。酷暑時の作業時間は30分以内。参考：月刊PANZER5,’98

　＜化学防護衣４型＞：送風装置を取り付けられるタイプで、酷暑時でも80分以上の作業を可能とした。それでも内部は凄まじい暑さになる（長靴や手袋が汗で満杯になるほど）ので、指揮する班長や小隊長は防護マスクから覗く目だけを注意して観察し、充血の有無などから体調の異変を判断する。膝と肩の裏側はゴムが二重になっており、除洗タンクを背負ったり、膝をついて作業をしたりしても破れにくい。重量6.6kg。防護マスク４型を付けると、重量8.6kg。参考：月刊PANZER5,’98、12,’99、自衛隊装備年鑑1996、MAMOR vol.46、vol.50

　＜化学防護衣４形（Ｂ）＞：自衛隊の機器。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜化学防護衣４形送風装置＞：自衛隊の機器。重松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜化学防護車（装輪）＞：82式指揮通信車ファミリーを参照。

＜化学防護装備（イラク軍、湾岸戦争時）＞：CF4吸収管の付いた重量1kgの防護マスク、防護衣服、ゴム手袋、ゴム製シューズからなる。マスクはマスタードに６時間以上耐えられ、衣服は噴霧状マスタードに最低４時間、気化状マスタードに最低６時間耐えられる。有効期間２年間。参考：軍事分析湾岸戦争

＜化学防護小隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の化学戦小隊。第101化学防護隊だけでは自衛隊全体の化学戦対応が困難なため、1987年の第２・第７師団を皮切りに各師団隷下に新編された。人員20名で、大型トラックを改造した除染車と発煙装置を装備する。編成直前の1985年度から化学防護車の配備が始まっているが、生産が進まず、長らくNBC検知装置を大型トラックで運んでくる状態が続いていた。湾岸戦争における生物化学兵器使用の危険性、NBCテロの脅威が指摘されたことから、1994年から逐次化学防護隊に改編されたが、旅団の一部にまだ残存していて、化学防護車を装備した偵察班、除染車を装備した除染班から構成される。参考：月刊軍事研究12,’06、スピアヘッドNo.12

＜化学防護隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の化学戦部隊。化学兵器の脅威に対応するため、化学防護小隊を改編して1994年に創設された。師団隷下には大隊クラス、旅団隷下には中隊クラスで編成されている。人員50名で、化学防護車を装備した偵察班１個、除染車を装備した除染班４個からなる。生物検知器材が導入されると特殊武器防護隊に改編される。参考：月刊軍事研究12,’06、10,’10

＜化学沃素酸素レーザー＞：COILを参照。

＜可可西里湖＞：903（補給艦）または968（補給艦）を参照。

＜加賀戦闘機隊＞：日本海軍空母加賀の艦上戦闘機隊。昭和7年、第１次上海事変勃発により上海の公大飛行場に進出。2月22日、三式艦戦３機で出撃し、艦攻と協力してボーイング218を撃墜、日本海軍初の空中撃墜を記録した。昭和12年7月23日から8月8日まで大村で訓練を実施。8月10日から陸軍部隊の輸送を援護。8月15日から中支方面の航空作戦を実施。8月16日、九〇式艦戦６機で出撃し、江湾上空で戦闘機４機と交戦、３機を撃墜した。8月17日、九〇式艦戦４機で出撃し、江湾上空で２機を撃墜した。8月22日、九六式艦戦２機が配備された。9月4日、九六式艦戦２機がカーチス・ホーク３機を撃墜。9月7日、戦闘機３機で出撃し、５機を撃墜。9月15日から10日間、公大飛行場に進出。9月19日、九六式艦戦部隊が南京空襲に参加。12月9日から昭和13年1月15日、艦戦６機が上海及び南京に派遣された。昭和13年3月3日から4月4日まで、艦戦９機が上海及び南京に派遣された。4月13日、天河・白雲攻撃で九六式艦戦３機・九五式艦戦３機がグラジュエーター戦闘機と空戦になり、６機を撃墜したが、九六式艦戦１機と九五式艦戦２機を喪失した。8月30日、南雄攻撃で艦戦６機が出撃、敵機21機と空戦になり、確実９不確実２のスコアを残したが、２機を喪失した。昭和16年12月8日、真珠湾攻撃に参加。第１次攻撃に９機、第２次攻撃に９機が出撃し、１機撃墜、20機地上撃破の戦果を残したが、４機（第１次攻撃２機、第２次攻撃２機）を喪失した。昭和17年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。第１次攻撃で零戦９機が出撃して12機を撃墜。母艦上空での空戦で延べ32機が出撃して32機を撃墜したが、加賀を守ることはできず、パイロット６名が戦死した。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊世界の艦船11,’15

＜夏型＞：092型（潜水艦）を参照。

＜かかったまま＞：日本海軍の号令。職務などを続けたままでいることで、後に続く達示の内容により、職務を中断してそちらに移行するか、引き続き現在の職務などを続けるかを判断する。空襲警報発令の伝達など、「待て」の姿勢を取らせている暇も無く行動に移さなければならない時にも使われる。参考：海軍兵学校岩国分校物語

＜カカドゥ演習＞：オーストラリア海軍が1993年から実施している多国間演習Kakadu。参考：朝雲

　＜カカドゥ０８＞：2008年7月21日から8月8日に行われ、海上自衛隊が初参加し、DD-106さみだれを派遣した。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19、朝雲

＜カカドゥ１０＞：第10回で、2010年8月16日から9月3日にダーウィン周辺海域で実施された。参加したのはオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、タイ、海上自衛隊（通算２回目。DD-108あけぼの、第３航空隊第32飛行隊P-3C哨戒機２機）で、インド、インドネシア、韓国、パプアニューギニア、フィリピン、フランス、マレーシアがオブザーバーとして参加した。参考：朝雲

＜カカドゥ１２＞：2012年8月29日から9月14日、ダーウィン周辺海空域で実施された。参加国は８カ国で、海上自衛隊はDDG-172しまかぜとP-3C哨戒機２機を派遣した。参考：月刊世界の艦船10,’12、朝雲

＜カカドゥ１４＞：2014年8月25日から9月12日、ダーウィン周辺海空域で実施された。オーストラリア（FFH151アランタ、FFH153スチュアートなど４隻）、海上自衛隊（DDG-171はたかぜ、P-3C哨戒機２機）、ニュージーランド（航空機）、フィリピン（16ラモン・アルカラス）、パキスタン（サイフなど２隻）から艦艇８隻、航空機26機、人員1200名が参加し、対空戦、対潜戦、対テロ戦などを演練した。オブザーバーは９カ国。参考：月刊世界の艦船11,’14、10,’14

＜カカドゥ１６＞：2016年9月7-28日、ダーウィン周辺海域で実施された。オーストラリア（06ニューキャッスル、FFH152ワラムンガ、オルバニー、サクセス）、アメリカ（DDG-70ホッパー）、インドネシア（366スルタン・ハサヌディン）、海上自衛隊（DD-118ふゆづき、第１航空隊第11飛行隊P-3C哨戒機２機）、カナダ（FFH331バンクーバー）、シンガポール（91ヴァリアント、92ヴィガー）、タイ、ニュージーランド、パプア・ニューギニア（モレスビー、03ゼーアドラー）など19カ国から艦艇19隻が参加し、対潜戦、対水上戦、対空戦などを訓練している。参考：月刊世界の艦船12,’16、11,’16、月刊航空ファン11,’16、朝雲

＜カカドゥ１８＞：2018年8月30日から9月15日、ダーウィン周辺海空域で実施された。オーストラリア（06ニューキャッスル、シリウス、MH-60R）、アメリカ（DDG-112マイケル・マーフィー）、インド（F49サヒャドリ）、インドネシア（365ディポネゴロ）、海自、カナダ（アステリクス）、シンガポール（91ヴァリアント、92ヴィガー）、スリランカ（シンドゥララ）、中国（初参加。570黄山）、ニュージーランドなどオブザーバー含む27カ国から人員3000名、艦艇23隻、航空機21機が参加した。海上自衛隊はDD-113さざなみを8月16日から10月10日まで、P-3C哨戒機１機を8月31日から9月18日まで派遣し、対潜戦、対水上戦、対空戦、射撃訓練を行った。参考：月刊世界の艦船12,’18、10,’18

＜カカドゥ２２＞：2022年9月12-26日、ダーウィン周辺海域で実施された。オーストラリア、海自（DD-104きりさめ）、タイ（471プミポン・アドゥンヤデート）、フランス（F734ヴァンデミエール）など20カ国から艦艇15隻と航空機34機が参加し、対潜戦、対空戦、対水上戦などの各訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船12,’22

＜カガノヴィッチ＞：ソ連海軍マキシム・ゴルキイ級巡洋艦４番艦Kaganovich。1938年8月26日起工。名前の由来はラーザリ・カガノヴィッチ（Lazar Kaganovich）で、その後弟のミハイル・カガノヴィッチがスターリンの粛正に遭ったため、区別目的にラーザリ・カガノヴィッチに改称された。1942年12月、船台の屋根が崩落し、船体が損傷した。1944年5月7日進水。秋に公試が開始され、全力公試で最大速力35.65ノットを記録した。航続距離は17ノットで4480海里だった。1944年12月6日に書類上は竣工したが、実際には工事が続いており、配備は第２次大戦終戦後にずれこんでいる。1953年、スターリンが死去したため艦名がカガノヴィッチに戻された。1957年8月3日、ペトロパブロフスク（Petropavlovsk）に艦名変更された。1958年9月19日、オホーツク海で台風により船体に複数の亀裂が入り、以降は活動しなくなった。1960年2月6日に除籍されてスクラップにされた。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜かかみがはら航空宇宙科学博物館＞：岐阜県各務原市にあった航空博物館で、1996年にかかみがはら航空宇宙博物館として開設され、2005年に改称された。乙式一型偵察機のレプリカ、テストパイロット養成用T-33A（コクピットの飛行計器が特殊仕様になっている）、KAL-1、T-1B（T-1Aからの改造）、UF-XS、OH-6J改造ローター実験機、OH-1モックアップ、T-2ブルーインパルス、T-2CCV、P-2J、US-1Aなどを収蔵している。OH-6Jを利用したシミュレータがあり、操縦席で操縦桿やフットペダルを操作すると前方の模型ヘリがそれに合わせて飛行する。また、40人収容の大型シミュレータもあり、T-4ブルーインパルスや飛鳥などの飛行をシミュレートする。年に何回かは収蔵格納庫も公開される。開館時間は屋外が0900-1700まで、屋内が0900-1630まで。休館日は８月を除く火曜日（祝日の場合は翌日）、12/25-1/3。2016年9月26日からリニューアル工事のため閉館し、2018年3月24日に岐阜かかみがはら航空宇宙博物館としてリニューアルオープンした。参考：月刊丸2,’08付録、5,’07、5,’18、月刊航空ファン2,’15、2,’17、5,’18

＜各務原飛行場＞：日本陸軍飛行場。大元は明治9年に陸軍省が購入した砲兵演習場用地で、大砲の射程延伸で使えなくなったため明治32年に第３師団演習場となり、大正5年12月に所沢飛行場に次ぐ日本で２つ目の飛行場が完成、大正6年6月に開場式が挙行された。ただし名称は各務原演習場のままである。大正7年12月、航空第２大隊が移駐。その後、西側にも飛行場（西飛行場／那加地区）が作られ、大正9年5月に航空第１大隊が所沢から移駐した。9月、各務原飛行場に改称され、陸軍航空本部補給部各務原支部が開設された。大正10年8月、飛行機格納庫１棟が新築され、中飛行場／三柿野地区と呼ばれるようになった。大正11年8月、航空第１・第２大隊が飛行第１・第２大隊に改編された。大正14年5月、飛行第１・第２大隊が飛行第１・第２連隊に改称された。隣には川崎造船所各務原飛行機工場（中飛行場の北。大正10年7月土地取得、大正12年工場竣工）や三菱飛行機整備工場が造られて航空機開発（八八式偵察機、九二式重爆、三式戦闘機飛燕など）やテスト飛行も行うようになっている。終戦後はアメリカ軍が駐留し、1958年6月から中飛行場と西飛行場を航空自衛隊が岐阜基地として使用中。参考：月刊航空ファン1,’17、2,’17、朝雲、MAMOR vol.103

＜火管＞：プライマーを参照。

＜柿（初代）＞：日本海軍樅型駆逐艦７番艦。大正9年8月2日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年2月1日に除籍された。11月15日、雑役船に編入された。昭和20年2月23日、大須に改称された。昭和23年に解体され、船体は秋田港の防波堤になった。参考：日本駆逐艦史、日本海軍艦隊総覧

＜柿（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦19番艦。昭和20年3月5日竣工。3月19日、大阪港で空襲を受けて損傷した。終戦時は小破状態だった。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年7月4日に賠償艦としてアメリカに引き渡された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜鍵＞：韓国陸軍第５師団のニックネーム。団結というニックネームもある。

＜カキナダ＞：M93（掃海艇）を参照。

＜かきの助＞：和歌山地方協力本部のマスコットキャラ、空自版。参考：朝雲

＜可逆式操縦装置＞：Reversible control system。操縦桿からも基本三舵の舵面からも動かせる操縦装置のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜夏級＞：092型（潜水艦）を参照。

＜過給機＞：スーパーチャージャーを参照。

＜加給食＞：自衛隊の食事。給食の実施に関する訓令に基づき、通常の食事に加えて支給される特別食のことで、航空機乗員などに提供される。参考：MAMOR vol.98

＜過給水管缶＞：ターボ・スーパーチャージャーを備え、炉を耐圧構造にした缶のこと。ボイラー燃焼ガスで過給器タービンを回して圧縮機を駆動させ、吸気した空気を加圧してボイラーに送り、加圧下で燃料を燃焼させる。水管への熱伝達が大きく、出力と効率が上昇するため、缶を小型化できる。保守整備に手間が掛かるのが欠点。参考：アメリカ護衛艦史

＜嘉興＞：521（フリゲート）を参照。

＜架橋＞：河川に橋を架けること。敵砲火の範囲内で行う場合には戦術架橋という。部隊を迅速に通過させることが可能だが、設置に時間がかかり、攻撃にも弱いので、舟艇などにより部隊を対岸に渡河させて安全を確保した後で行う。鉄道橋として使う場合は、列車を通せる強度を持つ橋を架けた後にきちんとレールを敷く必要上がり、余計に時間がかかる。工兵が予め準備しておいた架橋資材なら設置は速いが、量に限りがあるので、すぐにその辺から材料を集めて応用架橋を作り、制式架橋資材は速やかに撤収して次の川に向かう。紀元前485年にはギリシャがヘレスポンド河に船を使用して軽徒橋を架橋した記録が残っている。参考：工兵入門、月刊軍事研究3,’17

＜火器用工具セット（その１）＞：自衛隊の機器。大木製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜火器用工具セット（その２）＞：自衛隊の機器。東邦商工製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜下餃子＞：中国で2017年頃に流行した言葉で、多数の軍艦を進水させる中国海軍を、鍋の中に水餃子を大量投入した状態に例えたものである。参考：月刊世界の艦船2,’20

＜架橋戦車＞：戦車橋を参照。

＜核アラート（Ｂ−５２）＞：米ソ間のICBM戦争に対応するためにとられた態勢で、1960年7月から始まった。ソ連のICBM発射から着弾までは30分、警報が出てからだと20分弱しかないため、B-52に燃料を満載して核爆弾を搭載、滑走路近傍の「クリスマス・ツリー」と呼ばれるアラートパッドにクルーと一緒に15分待機させていた。常時B-52爆撃機６機とKC-135A空中給油機３機が待機しており、MITO（最短時間での連続離陸）によって２分間で離陸していく。アメリカ全体ではB-52の４分の１くらいが15分待機状態にあったとみられ、冷戦終結後の1991年8月28日まで続けられた。地上アラートだけでなく、空中待機もクロームドーム作戦として1958年9月から1968年まで行っている。参考：月刊軍事研究10,’02、空軍

＜核開発＞：原子炉さえ持っていれば入手が容易で精製も容易、純度も低くて済むプルトニウムを使用した爆縮型原爆から開発に入り、水爆の起爆装置として必要なウラン235を使用するガンバレル型に進み、水爆を開発する、という順序になることが多いらしい。参考：アメリカの核兵器

＜核開発（アメリカ）＞：核兵器にはMkナンバーを付けていたが、後に（時期不明）爆弾にはＢナンバー、弾頭にはＷナンバーが付けるようになった。核兵器を運用するのは軍だが、再突入体なども含め保全、管理、備蓄、改修はエネルギー省国家核安全保障局が行う。1939年8月、アメリカに亡命していたアインシュタインがルーズベルト大統領に原爆製造に関する書簡を送った。1940年春、コロンビア大学の研究グループがウランの同位体のうち核分裂連鎖反応を起こすのはウラン235であることを発見。カリフォルニア大学のシーボーグはウラン238に加速器で加速した中性子を当て、プルトニウム239を作った。1941年7月、プルトニウム239が核分裂物質であることが発見された。1941年12月6日、原爆開発計画と開発機構の拡充を決定。1942年8月17日、マンハッタン計画を開始。1945年7月16日、世界初の原爆実験「トリニティ」を実施。8月6日、広島原爆投下。8月9日、長崎原爆投下。1946年、核技術の海外移転を禁じるマクマホン法が制定された。3月、戦略核任務を担う戦略航空コマンドを新編。1947年、核爆弾13発を保有していた。12月10日、チャリオッター計画を承認。1948年、核爆弾56発を保有していた。1949年、量産型のMk4核爆弾の製造を開始し、保有核爆弾数は159発となった。1950年1月31日、前年のソ連の原爆実験を受けて水爆開発にゴーサインが出た。6月、朝鮮戦争が勃発し、水爆開発に拍車がかかった。1951年、Mk6核爆弾とMk8核爆弾を配備。春、グリーンハウス実験を実施。古典的スーパーでは原爆のブースターにしかならないことが判明。3月、3F爆弾の理論が完成。1952年、Mk5核爆弾と、戦術攻撃機にも搭載できるMk7核爆弾を配備。Mk9核砲弾とMk90対潜核爆弾を実用化。1952年11月1日、アイビー実験を実施。10.4メガトンの熱核反応が起こり、エルゲラブ島が消滅した。1953年、280mm原子砲とMk18核爆弾の配備を開始。1954年、Mk12核爆弾とMk24核爆弾を実用化。Mk17核爆弾とMGR-1オネストジョンを配備。1月、大量報復戦略を発表。3月1日、キャッスル作戦で第５福竜丸が被曝。4月、Mk14水爆の核実験を実施。5月、レギュラス�T潜水艦発射核巡航ミサイルを配備。1955年、MGM-5コーポラル弾道ミサイルを配備。4月、Mk15水爆を配備。12月、B21水爆を実戦配備。1956年、レッドストーン弾道ミサイル、Mk11核爆弾、B36核爆弾、W19核砲弾を配備。Mk33核砲弾を実用化。5月、Mk17水爆の投下実験に成功。11月、AIR-2ジニー空対空核ロケットを実戦配備。1957年、キッシンジャー博士が限定核戦争論を発表。B39核爆弾を配備。11月、ネオ・ニュールック戦略を採用。1958年、新原子力法の改定と米英相互防衛協定の締結により、核技術の交換などが行えるようになった。MGM-13核巡航ミサイル、ナイキ・ハーキュリーズ、B27核爆弾、B28核爆弾、Mk105核爆弾を配備。対兵力戦略と対都市戦略の論争が始まった。9月、初の弾道ミサイル用水爆W49を実戦配備。1959年、MGM-18A核巡航ミサイル、W40核弾頭の配備を開始。Mk101対潜核爆弾を実用化。10月31日、初のICBMであるアトラスＤを実戦配備。1960年、ポラリスA1搭載戦略原潜SSBN-598ジョージ・ワシントンが就役。B41核爆弾を配備。有限抑止戦略を採用。1961年、リトル・ジョン地対地核ロケット、B43核爆弾、W54核弾頭の配備を開始。柔軟反応戦略を採用。1962年、B53核爆弾、W45核弾頭の量産を開始。MGM-29サージャント弾道ミサイル、UGM-27BポラリスA2SLBMを配備。11月、LGM-30ICBMの配備を開始。1963年、B57核爆弾、155mm榴弾砲用Mk48核砲弾を配備。1964年1月、被害局限戦略を採用。3月、初のMRVであるW58核弾頭が配備された。9月、UGM-27CポラリスA3SLBMを実用化。1965年、確証破壊戦略を採用。456Lシステムの運用を開始。1967年、SSBNが131回の戦略パトロールを実施。1968年、B61核爆弾の配備を開始。1970年、W72核弾頭の量産を開始。6月、初のMIRVであるW68核弾頭を配備。1971年、総合兵力戦略を採用。1972年、MGM-52ランス弾道ミサイルを配備。SALT-�T及びABM条約に調印。1974年、目標選択戦略を採用。1978年、トライデント�Tが就役。1979年、SALT-�Uに調印したが、レーガン政権は批准を拒否。1980年、相殺戦略を採用。1981年、W79核砲弾、W82核砲弾を実用化。1982年、W80核弾頭の量産を開始。1983年、B83核爆弾、W84核弾頭の量産を開始。1987年、INF条約に調印。1990年、トライデント�Uが就役。1991年、START-�T条約に調印。1993年、START-�U条約に調印したが、批准せず。1999年、SSBNが戦略パトロールを64回実施。2002年、核態勢見直しNPRを策定。実戦配備戦略核弾頭を2012年までに1700-2200発に削減するが、弾頭の一部は数週間で現役復帰できる状態で保管するとした。5月、モスクワ条約に調印。2007年、戦略核弾頭の配備数はB61Mod3が200発、B61Mod4が200発、B61Mod7が215発、B61Mod11が20発、B83Mod1が323発、ミニットマン�VのW62が325発、W78が550発、W87が50発、トライデント�UのW76が1344発、W88が384発、SLCMのW80Mod0が100発、AGM-86ALCMのW80Mod1が1452発。即応予備・保管数はB61Mod3が186発、B61Mod4が204発、B61Mod7が224発、B61Mod10が206発、B61Mod11が21発、B83Mod0が298発、B83Mod1が３発、ミニットマン�VのW62が255発、W78が244発、W87が502発、トライデント�UのW76が1686発、W88が20発、SLCMのW80Mod0が189発、AGM-86ALCMのW80Mod1が354発、GLCMのW84が383発。2012年、SSBNが戦略パトロールを28回実施。2012年末までに配備中の核弾頭を2592発、即応予備・保管中の核弾頭を2455発に減らす予定。2015年11月現在、核投射手段はICBM450発、SLBM336発、戦略爆撃機90機で、戦略核弾頭1538発、準戦略核弾頭500発を保有している。2017年1月現在、W78核弾頭600発（配備200、保管400）、W87核弾頭540発（配備200、保管340）、W76-0核弾頭385発（全て保管）、W76-1核弾頭1215発（配備506、保管709）、W88核弾頭384発（全て配備）、W80Mod1核弾頭528発（配備200、保管328）、B61-7/-11/B83戦略核爆弾510発（配備100、保管410）、B61-3/-4/-10戦術核爆弾500発（配備150、保管350）。2018年2月2日、４回目となる核態勢見直しNPRを発表。参考：月刊軍事研究8,’99、10,’09、1,’10、10,’10、1,’18、5,’18、核兵器事典、丸エキストラ版No.71、アメリカの核兵器、空軍、月刊世界の艦船10,’13、11,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜核開発（イギリス）＞：1940年1月、フリッシュ＝パイエルス覚書が防空科学技術調査委員会に提出された。1940年4月、トムソン委員会が発足し、ウラン235のガス拡散法の研究を開始した。1941年9月、トムソン委員会は原子爆弾審議会（チューブ・アロイ）となり、1943年8月にはアメリカと共同で開発することとなって12月までにマンハッタン計画に吸収された。1945年8月、終戦と共に内閣委員会を極秘に結成。1946年、アメリカが核技術の海外移転を禁じるマクマホン法を制定したため、マンハッタン計画に参加したのにアメリカから核技術を導入できなくなり、開発を独力で一からやり直す羽目になった。4月、ハーウェル空軍基地跡地にハーウェル原子力研究所の建設を開始。1947年1月、原爆を５年で開発する計画（秘匿名称は高性能爆薬研究High Explosive Research）がスタートした。8月14日、ハーウェル原子力研究所の一号原子炉（黒鉛低エネルギー実験炉）が臨界に達した。プルトニウム生産黒鉛炉はウィンドスケール（現シェラフィールド）に建設され、1950年10月から稼働している。1952年2月、プルトニウム分離プラントが稼働。同月、原子力潜水艦の保有意図を公表したが、ワルター機関の研究を優先していた。9月、プルトニウム爆発装置「ハリケーン」がオーストラリアのモンテベロ島近くに運ばれ、フリゲートK271プリムの船体中央に設置された。10月3日、核実験を実施。「ハリケーン」により25キロトンの爆発が起こり、実験は成功した。1956年10月11日、航空機搭載核爆弾ブルー・ダニューブの最初の空中投下核実験を実施。完成後はヴァリアント、ヴァルカン、ヴィクターの3V爆撃機に搭載した。1957年、ブルー・ストリークIRBMの開発を開始。11月8日、太平洋イギリス領クリスマス島核実験場にヴァリアントB1爆撃機から熱核爆弾（水爆）グランプルＸ／ラウンドＣを投下。1.8メガトンの爆発が起こり、実験は成功した。1958年、アメリカ海軍のS5W原子炉を導入する協定（原子力に関する相互協定Mutual Defence Agreement）が結ばれた。バイオレット・クラブ核爆弾を配備。1959年6月、イギリス初の原潜S-98ドレッドノートを起工。1960年4月、ブルー・ストリークIRBMの開発が中止され、アメリカ戦略航空コマンドからGAM-87Aスカイボルト弾道ミサイルの購入を決定した。1961年、レッド・ベアード核爆弾を配備。1962年、ブルースチール空対地核ミサイルを配備。1月、攻撃型原潜S-102ヴァリアントを起工。12月、アメリカからスカイボルト開発中止を通告され、代わりにアメリカ海軍からポラリスの提供を受けるポラリス・ミサイル・セールス合意に調印。1963年、NATO理事会で、必要な場合には戦略核をNATO指揮外で国家目的に使用することがあると表明。独自の核戦力として、戦略原潜と核弾頭は自国開発を続けている。1966年、WE177核爆弾を配備。1967年、A-3Tポラリスを搭載する戦略ミサイル原潜S22レゾリューションが就役。1973年、攻撃原潜S126スイフトシュアが就役。1983年、攻撃原潜S-107トラファルガーが就役。1984年3月、ヴァルカン爆撃機が退役して戦略爆撃機が無くなった。1986年、トライデント�Uを搭載する戦略ミサイル原潜S-28ヴァンガードが発注された。1998年、戦略防衛見直しに基づき、トライデント�UのMIRV数を３発前後とすることを決定。空軍がWE177核爆弾を退役させて核兵器の運用を停止。1999年、攻撃原潜S-94アスチュートを起工。2010年、戦略防衛及び安全見直しで、戦略原潜のトライデント�U搭載数を１隻あたり８発にすることを決定。2015年11月現在、核投射手段はSLBM64発で、戦略核弾頭120発を保有している。参考：月刊軍事研究5,’01、2,’18、月刊JWings5,'22、月刊世界の艦船12,’11、5,’83、10,’13、11,’17、アメリカの核兵器、THE MILITARY BALANCE 2016

＜核開発（イスラエル）＞：1949年、イスラエルがフランスと核共同開発に乗り出し、1952年半ばにはイスラエル国防省にイスラエル原子力委員会が設立された。1956年には天然ウラン重水型研究原子炉IRP2（出力24MW）がフランスから供与され、翌1957年にネゲブ砂漠ディモナに設置、プルトニウムの生産を開始した。1958年にCIAのU-2偵察機がイスラエルのディモナで核施設が増設中であることをキャッチしたが、イスラエルは繊維工場だと言い張り、何故か深い追求はされなかった。1960年2月、サハラ砂漠で行われたフランスの核実験にイスラエルの科学者も参加、直後にはイスラエルも長崎原爆と同等の核兵器を保有したとされる。1963年にはニューカレドニア沖でフランスとの共同核実験を実施、1960年代に科学情報連絡局を設立して核開発推進体制を固めた。しかし第３次中東戦争をきっかけにフランスとの協力態勢が破綻し、代わりに南アフリカに接近、1968年には共同開発協定にサインした。この年、プラムバット作戦を実施。1973年2月21日、トリポリ発カイロ行きのリビア航空ボーイング727旅客機がシナイ半島ネゲブ砂漠にある飛行禁止空域に入り込んでしまい、イスラエル空軍F-4戦闘機に撃墜された。どうやらこの付近に核兵器生産貯蔵施設があったらしい。1979年9月には南アフリカ近くの南インド洋で南アフリカとの共同核実験（175mm核砲弾）を実施、更に1981年にはインド洋で水爆実験を行った。この頃の原爆保有数は300発以上とされている。1986年、イスラエル原子力技術者のバヌヌが核弾頭200発分の核物質を保有していると暴露。1980年代後半、南アフリカがイラクと接近すると協力態勢が壊れ、水爆の原料入手先としてペルーのセンデロ・ルミノソに接近し、協力態勢を築いているとされる。2010年12月17日、シナイ半島のネゲブ砂漠にある核施設に動力付き無人気球が接近したため、イスラエル空軍機が撃墜した。2015年11月現在、核投射手段はIRBM24発と攻撃機50機で、核弾頭数は80発とみられる。参考：月刊軍事研究5,’02、月刊航空ファン3,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜核開発（イラク）＞：1960年7月20日、ソ連との間に研究用小型原子炉を建設する協定を締結、1968年に完成した。しかし、ソ連は兵器転用可能な技術や大量の核燃料の供給は行わなかった。1968年7月30日、バース党の無血クーデターでサダム・フセインが政権を掌握。1972年3月14日、NPTを批准。1973年のオイルショックを機に西側諸国へのアプローチを開始し、まず日本に核技術開発の協力を求めたが、承諾される筈も無く、次いでフランスに協力を要請した。石油の２割をイラクからの輸入に頼るフランスは1974年8月に協定を結び、1975年11月には70MW原子炉「オシリス（後にオシリス＋イラクのオシラクと改称）」と１MWの「イシス」を建設し、93%の高濃縮ウラン11.8kgを６回搬入する契約を行った。この見返りに、年間7000万バレル以上の石油を販売し、20-30億ドルのフランス製兵器を購入している。1976年1月、原子炉の建設に着手。この時、オシラクをタムーズ�T、イシスをタムーズ�Uと改称し、施設全体の名称をタムーズ17とした。またイタリアにも核開発の協力を求め、1976年1月15日に、プルトニウム加工にも使えるホットセルを輸入する契約を結んだ。西ドイツとブラジルからも原子炉売却契約を秘密裡に進めていたが、こちらは阻止された。1978年2月8日、イタリアの間でプルトニウム再処理施設の契約を締結し、建設に着手した。これに対し、イスラエルはモサドを使って阻止を試みるも失敗し、バビロン作戦を発動して1981年6月8日に原子炉を爆撃、施設は完全に粉砕された。これによりイラクの核開発が明るみに出たため、西側諸国は支援を止めてしまい、核開発はほぼ停止してしまった。その後も核開発に転用可能な技術を入手しようと試みていたが、イラク戦争でフセイン政権は崩壊し、その後の捜索でも核開発関連資料は見つかっていない。参考：歴史群像12,’03

＜核開発（イラン）＞：1967年、アメリカから出力5MWの研究用小型原子炉をテヘラン大学に導入。1970年、核拡散防止条約に加盟。1974年、西ドイツのシーメンス社から出力1300MWの加圧水型軽水炉と沸騰水型軽水炉１基ずつを購入、ブシェールに建設を開始した。1975年、イラン原子力エネルギー機構（イラン原子力庁）を設立。1979年、イラン・イスラム革命勃発で軽水炉の工事が中断された。その後イラン・イラク戦争でイラク軍の爆撃を受けて建設中の軽水炉が破壊されてしまった。1984年、イスファハンに原子力研究センターを設立。停戦後は軍事利用の恐れがあるとしてドイツが工事再開を拒否。湾岸戦争後にイスラム統治体制確立の手段としての核開発を本格的に決意したとされる。また、1991年末にカザフスタンから核兵器４発を購入したという未確認情報もある。その後ロシアと中国から技術を得て研究用原子炉をいくつか完成させたが、1992年頃からアメリカとイスラエルが核開発疑惑に目を付け始めた。この頃にはウラン濃縮施設などの核関連施設を建造していたとみられる。1995年1月、ロシアの軽水炉２基を導入する契約を締結。2002年7月、10年で更に軽水炉４基を建設する契約を締結。8月14日、ナタンツとアラークでIAEAに通知しない核施設を建設中と、イラン反体制組織の国民抵抗評議会に暴露された。12月12日にはCNNとロイター通信がナタンツ及びアラークの施設が偵察衛星でキャッチされたと伝え、イランは翌日にこれを否定したが、前者はウラン濃縮工場（ガス遠心機プラント）、後者は重水製造工場（熱出力40メガワットの重水減速炉、兵器級プルトニウム239を生産可能）であると後に判明しており、軍用施設の可能性が高い。2003年2月21日、IAEAの査察団がイラン入りし、３日間の調査で極めてクロに近いとされた。イラク戦争後の7月8日、国民抵抗評議会が、テヘラン西のコラドウズと南部のアルダカンに極秘の核施設があると暴露し、秋にかけて各マスコミで核疑惑報道が相次いだ。イランは2003年10月2日に査察受け入れを表明。ただし無制限査察は拒否した。10月14日、国民抵抗評議会はイラン中部の古都イスハファン周辺にある核燃料研究生産センターでウラン濃縮を行う予定であると暴露。11月1日、IAEAが70-80%の高濃縮ウランを確認したと報道される。11月10日、IAEAの報告書でプルトニウム抽出実験を行っていたことも明るみに出た。11月13日、イスラエルのモファズ国防相が、講演の中で、イランが1年以内に核兵器を保有すると発言した。2003年12月18日にイランは民間機関への査察と抜き打ち査察を受け入れる議定書に調印した。ただし、まだ批准されていない。2004年2月、核兵器起爆用のポロニウムなどを極秘研究していたことがIAEAにばれ、パキスタンのカーン博士も核技術供与を認めた。3月、IAEAの査察でイラン軍基地での核活動が発覚。6月、新たな高濃度ウランと高性能遠心分離器の存在が明らかとなり、IAEAが非難決議を採択。7月31日、ガス遠心分離器の組み立て製造を開始したと表明。9月、ウラン濃縮の再開を表明すると共に恫喝外交にうって出た。11月14日、英、仏、独の３国の調停により、ウラン濃縮関連活動全面停止で合意。2005年2月27日、ロシアから導入したブシェール１号原発のVVER-1000型加圧水型軽水炉（出力1073メガワット）がほぼ完成し、核燃料供給及び使用済み燃料返還に関するロシアとの協定に署名。2月28日、ロシアがブシェール以外に新たに原子炉７基の建設を表明。4月、遠心分離器の再稼働を宣言。6月15日、IAEAの報告書で、1993年にプルトニウム抽出を停止したとしていたイランが実は1998年までプルトニウム抽出作業を続けていたと記載されていることが判明。7月、ウラン転換作業再開を明言。8月1日、ウラン転換再開をIAEAに通告。8月8日、ウラン転換施設を再稼働。8月10日、核施設封印を解除。8月12日、IAEA緊急理事会でウラン転換施設の稼働停止を求める決議を採択。8月23日、英、仏、独はイランとの交渉を中止。2006年1月、イランは核研究活動再開を公表。2月、IAEAがイラン核問題の国連安保理への付託を議決。イランはウラン濃縮活動を実施し続けた。4月11日、イラン原子力庁長官が、イランは６フッ化ウラン110トン（原爆12個分）を保有していると発言。4月19日、ブッシュ大統領はイラン核開発が阻止できなければ核による先制攻撃の可能性があると発言。6月5日、イランのハメネイ師はアメリカの威圧に対してホルムズ海峡の封鎖を示唆。7月、安保理決議1696でイランにウラン濃縮及び再処理活動の停止を求めたが、イランは無視。12月上旬、アメリカが空母CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワー打撃群をペルシャ湾に展開。12月23日、国連安保理でウラン濃縮・重水炉建設・弾道ミサイル開発に関わる物資や技術の禁輸を義務づけ、関与する金融資産の凍結を盛り込んだ制裁決議（安保理決議1737）が採択されたが、イランは開発を予定通り進めた。2007年、イスファファンのウラン濃縮施設でイラン最高の原子力科学者がガス中毒死したが、モサドの関与が疑われている。1月、イランはIAEA査察官の入国を拒否。1月末、空母CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス打撃群が２個海兵遠征打撃群を伴ってペルシャ湾に展開。3月24日、安保理決議1737の期限が過ぎたため、国連加盟国に対しイランからの全ての武器調達を禁じる安保理決議1747を全会一致で採択。25日、イラン大統領は核開発停止を拒否し、IAEAに対する報告義務を停止した。4月9日、イラン大統領は産業規模のウラン濃縮段階に入ったと発表。11月24日、イラン原子力庁長官が実験用原子炉に使用するウランペレットの製造に成功したと発表。12月3日、アメリカ政府はイランが2003年秋から核兵器開発を停止しているという国家情報評価を発表、最初の核弾頭生産は2010-2015年になるとした。12月5日、イランはアメリカ政府の報告書が国際勢力に対するイラン国民の勝利宣言であるとコメントを出した。12月6日、フランス大統領とドイツ首相が会談し、イランの核問題に関して圧力と対話が重要であり、圧力を弱めることはないと発表した。2008年3月3日、国連安保理が安保理決議1803を可決、イランに対する制裁拡大を決議した。5月、イスラエルのオルメルト首相が、イスラエル建国60周年記念行事に参加するためイスラエルを訪問中のアメリカのブッシュ大統領にイラン核施設爆撃を提案したが、失敗や報復の可能性から拒否されたという。6月、大統領の指示でヨーロッパの銀行から750億ドルの資金を引き出したとの報道があり、制裁による資金凍結を予見した動きとみられる。6月6日、イスラエルのモファズ副首相が、イラン核開発阻止にはイラン攻撃以外に手段が無いという見解を発表した、とイスラエル紙に掲載され、IAEAやイスラエル政府関係者が懸念を表明し、イランも6月9日に攻撃されれば反撃すると警告した。7月14日、大統領がアメリカとの直接交渉を提言し、7月17日にアメリカが外交官の派遣を表明した。2009年1月末時点で原子爆弾１発分にあたる低濃縮ウラン1.01トンを確保。3月時点でガス遠心分離器4000基が稼働しており、6000基が試運転中、9000基が建設準備中とされていて、最終的に54000基を整備するとみられる。5月、CIA長官が極秘にイスラエルを訪問し、アメリカの意向を無視してイランを攻撃しないようイスラエル首相・国防相らに伝えたとイスラエル紙が報じた。9月、２カ所目のウラン濃縮施設の存在が明るみに出た。この施設に関与していた医療用放射線技術研究者の１人は、巡礼に訪れたサウジアラビアで6月3日に消息が途絶えており、亡命したとも、モサドの工作に遭ったともいわれる。10月、安保理常任理事国＋ドイツの６カ国とイランが会談し、ウラン濃縮の一部を国外で行うことで合意したが、11月7日にイランは国外ウラン濃縮を拒否した。10月23日、ニューヨークでオバマ大統領とメドベージェフ大統領が会談し、イランが核兵器を入手できないよう協力することで一致した。この時期の開発ペースは遅く、原爆製造にこぎ着けるまでには相当の時間が掛かるとみられていた。ただイスラエルは圧力がなければイランは2010年までには最初の核兵器を製造し、その後遅くとも数年以内にヒズボラ支配地域に持ち込んでイスラエルに対する自爆核攻撃を行うとみており、「最後の選択肢だが唯一の選択肢となりうる（2006年11月10日、国防次官談）」イラン核施設に対する先制攻撃計画を練り上げていて、イランも自国の核施設を守るためにはイスラエルへの先制攻撃も辞さないと語っている。2009年6月頃、イスラエルがブシェール原子力発電所とナタンツのウラン濃縮施設にスタックスネットと呼ばれるコンピュータウイルスでサイバー攻撃を仕掛け、大損害を与えた。半年で遠心分離器4800基（全体の56%）に故障が発生したとされるが、全壊したものは2000基程度で残りは修復され、新型遠心分離器への買い換えも進んで濃縮能力にはあまり影響が無かったらしい（それどころか1.7倍に向上したともいわれる）。2010年2月、イランのアフマディネジャド大統領がウラン濃縮率を20%に引き上げるよう命じた。2011年9月12日、イラン初の原子力発電所（軽水炉、出力１メガワット）が稼動を開始した。2012年1月23日、EU理事会がイラン産原油と石油製品の新規輸入を即時停止すると発表。契約済みのものも7月1日までに段階的に輸入を停止するとした。2013年11月24日、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、中国、ロシアのE3+3（P5+1とも呼ばれる）がイランとの間で共同行動計画に合意。5%以上のウラン濃縮を半年停止し、保有20%濃縮ウランのうち半分を酸化物に転換、残り半分を希釈することになった。2014年1月20日、E3+3とイランが共同合意計画の実施に関する第１段階の合意を行い、1月21日からウラン濃縮の停止と希釈が開始された。2015年4月2日、E3+3とイランが核問題の包括的解決に向けた枠組みに合意。低濃縮ウランを現有10トンから15年後に0.3トンまで削減する、遠心分離器を現有15000基から6104基に減らす、15年間は濃縮ウランの生産を停止する、アクラの重水炉で武器級プルトニウムを生産できないよう設計変更することになった。7月14日、ウィーンでE3+3とイランが包括共同行動計画で最終合意に達し、枠組み合意内容に加え、遠心分離器6104基のうち新型のIR-2mは10年間使用せず旧式のIR-1を使う、フォルドウの核施設でのウラン濃縮を全面停止しナタンズ核施設のみで実施する、ウラン濃縮率は3.67%未満とする、15年間はウラン濃縮施設を建設しない、20%濃縮ウランは全廃棄することになった。ただし検証の仕組みは無く、見返りにアメリカがイランに供与した17億ドルのうち４億ドルは用途を追跡できない現金で、それを核開発に投入し続けた疑惑もある。アメリカのトランプ大統領が核合意破棄を公約にしており、2018年1月12日には合意維持を表明したが、5月8日に核合意からの離脱とイラン制裁再開を表明した。8月6日、トランプ大統領がイランへの経済制裁の一部を再開する大統領令に署名。アメリカ東部時間8月7日0001、アメリカがイランによる米ドル紙幣の購入・取得、金など貴金属取引、自動車業界などを対象とするイランへの制裁第１弾を発動。2020年7月、ナタンズの遠心分離器組立工場で爆発・火災事故が発生した。イスラエルによる破壊工作説が出ている。2021年4月10日、ロウハニ大統領が、ナタンズの核施設で、IR-6型遠心分離器164機とIR-5型遠心分離器30機を連結したカスケードの稼働を開始したと発表した。4月11日、ナタンズの核施設で電気系統の異常が発生した。イランはイスラエルが関与したとして報復を表明したが、イスラエル側はノーコメントである。参考：月刊軍事研究1,’05、4,’04、5,’05、10,’05、4,’07、2,’08、5,’08、9,’08、1,’10、11,’11、3,’12、11,’12、6,’15、9,'15、3,’18、歴史群像10,’06、月刊世界の艦船10,’15、朝雲、月刊航空ファン8,’18

＜核開発（インド）＞：1948年4月、原子力法を制定し、原子力委員会を設立。1956年8月、カナダから輸入した1MW級研究原子炉アプサラ（Apsara）が稼動を開始。1957年7月、40MW級研究原子炉サイラス（Cirus）が稼動を開始。1961年1月、低出力型研究原子炉ゼルリナ（Zerlina）が稼動を開始。1964年10月に核を持った中国と、核開発疑惑のあったパキスタンに対抗するため、1964年11月末に核開発を開始、トロンベイにプルトニウム分離精製工場を製作し、1965年1月から操業させた。1974年5月18日、インド西部のラジャスタン州ポカラン（ポラカン？）で地下核実験ポカラン１に成功。核弾頭の実験でなく、爆縮型の核爆発装置によるものとみられている。海外からの経済援助を打ち切られないよう、インドは平和的核爆発と称して平和目的を強調し、核兵器製造の意図は無いとした。1983年からプリトヴィ弾道ミサイルを開発。1989年、アグニ�T弾道ミサイルの発射試験を実施。1995年のNPT永続化、1996年のCTBT採択、パキスタン核開発進捗といった国際情勢変化を受け（インド自身はNPT及びCTBTには加盟していない）、1998年5月11日と13日、軍事目的として５回の核実験を実施。このうち１回はブーステッド核分裂弾頭であった。これで公式に核武装することとなり、以降は弾道ミサイルの開発も精力的に進めた。1999年8月17日、戦略爆撃機、弾道ミサイル、SLBMのトライアドからなる核抑止力を持つべきとの草案が出されたが、公式見解とはされていない。2001年、核先制攻撃はしないという方針を表明した。2003年、核ドクトリンを公表し、最小限抑止、先制不使用、非核保有国への不使用（ただし生物・化学兵器攻撃に対しては留保）、大量報復、文民による運用（平時には核爆発物質を原子力庁、国防研究開発機構が空の弾頭、軍が核運搬手段を管理し、国家危機に際して組み立て、首相が使用を決定する）を挙げた。2008年、原子力供給国グループの対インド例外措置が適応された。2015年11月現在、核投射手段はMRBM12発とSRBM42発（他に実戦状態にあるか不明のSLBM12発がある）で、核弾頭数は120発までとみられる。2016年、アリハント級弾道ミサイル原潜が配備された。参考：月刊軍事研究10,’17、6,’05、9,'15、月刊航空ファン9,’02、核兵器事典、歴史群像8,’02、アメリカの核兵器、THE MILITARY BALANCE 2016

＜核開発（エジプト）＞：第１次中東戦争敗戦後、アブドゥル・ジャマル・ナセルが大統領に就任すると、1955年にエジプト原子力機構を創設し、1959年頃にナチスの核開発技術者数百人を雇ってサラサート（333）計画という弾道ミサイル計画を開始。イスラエルの核開発情報がもたらされると、イヴィス�Tというコバルト60を使用したダーティ・ボム開発計画及びクレオパトラという核弾頭開発計画を開始した。しかし、イスラエルのモサドはこの情報をキャッチすると、核開発技術者たちに爆弾入りの小包を送りつけ、ジェットエンジン開発計画の統括幹部を行方不明にさせるなどして対抗。科学者たちはエジプトから全員逃げ出してしまい、核開発は続行不能となった。参考：歴史群像12,’03

＜核開発（韓国）＞：1970年代初期、在韓米軍が削減される方針となったため、北朝鮮に対抗する手段として核兵器の開発を計画、使用済み核燃料棒からのプルトニウム抽出を行う再処理工場をフランスの協力の下に建設しようとしたが、アメリカがこれを察知して圧力を掛け、中止させた。1974年にはアメリカとの間で原子力協定を締結、再処理にアメリカの許可が必要となった。その後も密かに核関連実験を継続、1982年には韓国原子力研究所でプルトニウム抽出実験を行っている。2001年、レーザー分離法によるウラン濃縮実験で濃縮ウラン0.2gを製造した。IAEAへの申告が無かったため問題になったが、実験が小規模で、その後は査察に協力したため、安保理での制裁決議は免れている。参考：月刊丸4,’07、月刊世界の艦船10,’23

＜核開発（北朝鮮）＞：1956年、ソ連と原子力平和利用研究協定を締結。1950年代後半、ソ連のドゥブナ核研究所に技術者を派遣。1964年2月、寧辺原子力研究所を設立。1965年、ソ連から導入した実験原子炉が稼働を開始。1979年、核燃料サイクルの研究に力を入れ、プルトニウム製造研究用黒鉛原子炉の建造を開始。1985年、使用済み核燃料再処理工場の建造を開始。NPTに加入。1986年、出力5MWの黒鉛減速炉の運転を開始。使用済み核燃料は地下施設に貯蔵されていた。1992年、IAEAとの間で保障措置協定を締結したが、特別査察を拒否。1993年3月12日、チーム・スピリット93への反発を名目にNPTから脱退した。韓国国防長官が寧辺で爆発レンズの起爆実験を70回行っていると発表。1994年3月31日、国連安保理がIAEAの査察を促す議長声明を採択。5月、アメリカ軍が１万名の兵力を韓国に派遣して圧力をかける案を大統領に報告。韓国と北朝鮮が戦争に陥った場合、戦費は１兆ドルに達し、アメリカ軍には8-10万名、全体で100万人以上の犠牲が出るとも報告した。6月14日、北朝鮮がIAEAからの脱退を表明。6月中旬、北朝鮮の核施設攻撃に関してアメリカ国防総省が検討を行ったが、北朝鮮主席の思惑がはっきりしないために大統領には報告しなかった。6月17日、金日成主席とカーター元大統領が会談し、米朝協議再開や核開発凍結などで合意。10月21日、アメリカとジュネーブで枠組み合意（Agreed Framework）を結び、黒鉛減速炉の稼働及び建設を停止し、使用済み核燃料棒を鋼鉄製の容器に封印、放射化学研究所（再処理施設）の建設を停止することになった。ただ建設中だった50MW級原子炉と200MW級原子炉の核関連設備は合意に基づく核凍結直前にどこかに消えてしまったらしく、北朝鮮は秘密裏に核開発を続けていた。その後、アメリカ国防総省が、北朝鮮が韓国に対して化学兵器による攻撃を仕掛けた場合に関してシミュレーションを行い、戦術核及びICBMによる反撃を検討したが、前者は大統領が使用に踏み切れない、後者は中国上空を通過する恐れがあるとのことで、これらの選択肢は有効とはされなかった。1995年3月、KEDOの設立協定に署名。1996年夏頃からロシアよりプルトニウムを輸入する案を推進したが、実現しなかった。1997年頃、パキスタンからウラン濃縮技術などを輸入開始（代わりに弾道ミサイル技術を輸出）。1998年6月、在パキスタンの北朝鮮大使館経済担当参事官夫人が暗殺された。参事官はパキスタンとの武器取引を行っていたらしく、その情報を漏らしたために暗殺されたようである。遺体を北朝鮮に空輸する際、ガス遠心分離器も一緒に載せてきたらしい。8月、アメリカは北朝鮮が新たな地下核施設を建設しているとの疑惑を受け、食糧60万トンの支援と引き替えに査察を行ったが、ただの洞窟だった。10月、韓国議会で北朝鮮のプルトニウム製造施設の存在が明らかとなった。同じ頃、アメリカは偵察衛星で1997-98年に少なくとも３回の起爆実験に成功したことをキャッチ。1999年5月、アメリカが金倉里の施設１箇所を視察したが、何も発見されなかった。2000年、使用済み核燃料8000本の封印を完了。5月、金倉里の施設を再度視察したが、何も発見されなかった。実際の核施設は30km離れた天摩山の地下にあったらしい。1997年から2002年9月、爆発レンズの起爆実験を70回施行。2002年10月初め、北朝鮮を訪問したアメリカ国務省のケリー次官補に対し、高濃縮ウランを利用した核開発プログラムの存在を暴露。また、アメリカが新たに３箇所の核施設を指摘、プルトニウム型原爆の開発が終了し、小型化の研究が推進中であると表明。米朝枠組み合意は破綻した。12月、核燃料棒の封印を撤去し、再処理を開始。2003年、放射化学研究所の建設を再開。2月、黒鉛増殖炉を再稼働。8月、６カ国協議を開始。10月、核燃料棒の再処理を終了し、プルトニウムの抽出を完了した。2005年2月10日、北朝鮮政府が公式に核兵器保有を宣言。5月、寧辺にある出力50MWの黒鉛減速炉と、泰川にある出力200MWの黒鉛減速炉の建造を再開。7月、北朝鮮が６カ国協議再開で合意。9月、６カ国協議で北朝鮮核放棄を明記した共同声明を採択。アメリカは金融制裁を発動した。2006年10月9日、初の核実験を実施。12月、６カ国協議が再開されたが、成果無く中断。2007年2月、６カ国協議を再開。求められている全ての核計画の申告には核兵器を含めない考えらしく、前途多難が予想された。同月、アメリカ科学国際安全保障研究所は北朝鮮がプルトニウム46-64kgを保有しており、28-50kgが核兵器として使用できる状態にあるとした。7月、寧辺の核施設の稼働を停止した。9月、核物質をシリアに密輸したようである。2008年6月、核計画を申告し、寧辺の原子炉冷却塔を爆破した。10月、アメリカとの間で核計画の検証手続きに合意し、アメリカがテロ支援国家指定を解除した。12月11日、６カ国協議が決裂。2009年4月5日、テポドン２号発射。4月14日、６カ国協議からの離脱と核開発再開を表明、寧辺のIAEA要員に対して国外退去を通告した。4月25日、使用済み核燃料棒の再処理に着手したと発表。5月25日、２回目の核実験を実施したと発表。6月頃、西岸の東倉里に弾道ミサイル発射塔の建造を開始。2010年5月12日、核融合実験に成功したと発表。信憑性には疑問があるが、5月14日に韓国の江原道にある韓国原子力安全技術院の測定所で通常の８倍のキセノンを探知している。11月、軽水炉を建設していることを認めた。11月19日、寧辺にウラン濃縮施設（遠心分離器2000基収容）があることが判明。2011年11月17日、アメリカ連邦議会の非公開ブリーフィングで、北朝鮮が移動式ICBMの開発を進めているとの報告が行われたとされる。2012年8月6日、寧辺の原子炉建屋上部を直径21mのドームで覆ったことが確認された。2013年2月12日、３回目の核実験を実施。3月、朝鮮労働党中央委員会総会で経済と核武装の並進を決定。核兵器は政治的駆け引きや経済取引の対象では無いことを明確にした。2015年5月、北極星１号SLBM発射試験を実施し、成功したと発表した。11月現在、20発までの核弾頭を保有しているとみられる。核投射手段としてICBMを６発程度保有しているとされるが、実用状態にあるかは不明。11月28日、ウォンサン沖の日本海でSLBM発射試験を行ったが、失敗したらしい。2016年、高濃縮ウラン300-450kgを保有しており、生産能力は年間150kgとされ、核弾頭向けを減らせば艦艇用原子炉開発に回せる。1月6日、４回目の核実験を実施。3月、軍需工業部直属の核開発担当部署である核兵器研究所の存在を公表。それまでは第83研究所という秘匿名称を使っていた。8月24日、北朝鮮東岸の新浦から北極星１号SLBMを１発発射、東北東に500km飛んで日本海に落ちた。9月9日、５回目の核実験を実施。2017年9月3日、６回目の核実験を実施。11月29日、火星15号ICBMの発射実験を実施。2018年3月5日、金正恩が訪朝した韓国代表団に対し、アメリカの軍事的脅威除去及び体制保障が得られるなら核を保有する理由は無いと発言。4月20日、朝鮮労働党中央委員会総会で対話継続中の核実験・ICBM実験停止を表明。核廃棄には触れなかった。4月24日、外国報道陣を招待して豊渓里の核実験場を爆破したが、専門家の立ち会いなどは許可せず、只のパフォーマンスとみられる。4月27日、金正恩国務委員長と文在寅大統領が板門店で会談し、朝鮮半島の非核化で合意。5月9日、日中韓サミットで朝鮮半島の完全な非核化を明記した共同宣言を発表。6月7日午後（ワシントン時間）／8日未明（日本時間）、ワシントンで日米首脳会談が開催され、北朝鮮非核化までの制裁継続を確認した。6月12日、シンガポールで初の米朝首脳会談が開催され、朝鮮半島の完全非核化を目標として確認した。ただ非核化の文言が出てくるのは共同声明の３番目で、完全・検証可能・不可逆的な非核化どころか具体的な非核化手順は何も決まっておらず、翌日には北朝鮮が非核化には段階別・同時行動の原則遵守が必要と報道し、従来の立場を変えていない事が明らかとなっている。6月14日、小野寺防衛相がマティス米国防長官と電話で会談し、北朝鮮に国連安保理決議の完全な履行を求めていくことで一致した。6月26日、寧辺核施設の整備が相変わらず進行中であることが判明した。6月29日、高濃縮ウランを増産している疑惑が出た。日米防衛相が防衛省で会談し、北朝鮮の大量破壊兵器及び全射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な方法での廃棄に向けて取り組むことで一致した。6月30日、核施設や各生産能力の秘匿疑惑が浮上。7月1日、弾道ミサイル製造拠点を整備していることが判明。7月2日、北極星２号用TELの増産を図っている疑惑が出た。7月3日、アメリカ国務省が非核化の具体的な予定表は設けないと発表。7月4日、アメリカ国務省が、北朝鮮に求める非核化を、「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」から「最終的かつ完全に検証された非核化」に変更。看板を変えただけで中身は変えていないらしい。アメリカ側は非核化検証に必須となる核施設リストと非核化措置工程の提出を求めているが、北朝鮮は朝鮮戦争終戦宣言が先だとして応じていない。7月6-7日、アメリカ国務長官が訪朝し、非核化の進展を表明したが、北朝鮮外務省はアメリカが一方的かつ高圧的に非核化を要求したと批判した。7月9日、アメリカ国務長官が非核化には何十年もかかると発言。7月12日、トランプ大統領が7月6日付けの金正恩からの書簡を公開したが、非核化関連の文言は無く、同日のアメリカ軍兵士遺骨返還協議にも北朝鮮代表は出席しなかった。9月10日、IAEAの会合で、北朝鮮が国連安保理決議に違反して核開発を進めているとして、深刻な懸念を表明した。11月、韓国とアメリカの北朝鮮核問題首席代表が主催・運営する米韓ワーキング・グループが発足。2019年2月、ハノイで米朝首脳会談が行われたが、物別れとなった。7月、金正恩朝鮮労働党委員長が、建造中の通常動力型弾道ミサイル潜水艦を視察する写真を、朝鮮中央通信が公開した。10月2日、北極星３号SLBMを試射。10月5日、ストックホルムで米朝実務協議が行われたが、物別れになった。2020年4月30日、アメリカのサキ大統領報道官が、バイデン政権の北朝鮮の核問題解決に向けた政策見直しが完了し、歴代政権が非核化で結果を出せなかった事を踏まえ、日韓両国などと連携して調整された現実的アプローチによる外交的解決を図る、と発表した。6月、北朝鮮が米韓ワーキング・グループの廃止などを要求し、南北共同連絡事務所を爆破した。2021年1月、金正恩朝鮮労働党書記長が原潜計画研究の完了を表明した。6月22日、韓国が米韓ワーキング・グループの廃止を発表した。10月19日、新浦沖の日本海でSLBMの水中発射試験を実施。実験潜水艦8.24英雄艦からKN-23短距離弾道ミサイルがベースとみられるSLBMを水中発射し、600km先の日本海に着弾した。2023年3月、ファサル巡航ミサイルに搭載できる小型核弾頭とみられる映像を公開した。8月21日、アムノク型フリゲートからファサル巡航ミサイルを発射する試験を金正恩総書記が視察したと、北朝鮮国営メディアが発表した。9月6日、戦術核攻撃潜水艦と称する弾道ミサイル潜水艦金君玉英雄が進水した。参考：月刊軍事研究1,’03、5,’05、6,’05、12,’06、12,’07、7,’99、8,’95、10,’09、1,’11、8,’11、2,’13、6,’16、9,’18、10,’18、11,’18、核兵器事典、月刊丸4,’07、月刊航空ファン2,’12、2,’16、11,’17、月刊世界の艦船11,’16、12,’16、1,'22、10,'23、11,'23、THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

＜核開発（シリア）＞：2007年9月、北朝鮮から核物質を密輸入したとみられるが、直後の9月6日にイスラエル軍機の爆撃を喰らって実験用原子炉ごと粉砕されてしまった。この実験用原子炉は北朝鮮のヨンビョンにあるガス黒鉛原子炉と類似しており、北朝鮮の技術協力があったとみられる。2008年4月24日、アメリカはこの施設が北朝鮮と同じタイプの発電には向かないガス冷却黒鉛減速型原子炉で、数週間から数ヶ月のうちに稼働を開始する状態にあったと発表、シリアの核施設でシリアの高官と北朝鮮の高官が並んで収まっている写真を公開した。6月17日、IAEA議長はシリアには核開発に必要な技術や燃料が無いと発表したが、ドイツ週刊誌の報道によれば、ドイツの情報機関はこの発言を否定、イスラエルが破壊した原子炉はイランの核兵器開発を補助するためのプルトニウム生産炉であったと分析しているという。また、2005年2月にダマスカスでイランとシリアが共同核開発計画に合意し、2006年に北朝鮮技術者を招いての本格的な開発に移ったとしている。この記事のプレッシャーがあったためか、ドイツ情報機関の仲介により、7月15日、イスラエルと、シリアの影響を受けているヒズボラとの間で、捕虜交換が行われた。参考：月刊軍事研究12,’07、7,’08、9,’08

＜核開発（スウェーデン）＞：第２次大戦終結直後の1945年末から核開発を開始し、1950年代末には核実験を検討する段階に至ったが、世論とアメリカの反対でそれ以上は進まず、1968年に核拡散防止条約を批准、1972年に核開発を断念した。参考：月刊軍事研究2,’16

＜核開発（台湾）＞：1969年、IAEAと核保障措置協定を締結し、査察を受け入れたが、中国の脅威に対抗するため、中山科学研究院原子力研究所で秘密裏に核開発を行っていた。1988年にアメリカに亡命した副所長がこれを明らかにしたため、アメリカが圧力をかけて断念させている。参考：月刊丸4,’07

＜核開発（中国）＞：1955年4月、ソ連と原子力平和利用協定を締結。1957年10月、ソ連との間で国防新技術協定が結ばれ、ソ連から供与された研究用原子炉が翌年6月に稼働した。しかし同年の金門島・馬祖島を巡る戦闘で、中国へのアメリカの核使用に対する防衛をソ連が拒否したため、対立が生まれ、1959年に技術協定が破棄されてしまった。このため独力で開発を進め、国力不相応でしかも周辺諸国に開発がばれていたにも関わらず開発を続行、1964年には蘭州のガス拡散分離工場が90%以上の濃縮ウランを生産できるようになり、10月16日に大気圏内核実験を成功させた。場所は青海省西寧市から北西100kmの海北チベット族門源回族自治県ロプノールの草原に1958年から建設されていた国営221工場という偽装名の核実験場で、出力22キロトンのウラン核分裂装置を炸裂させている。弾道ミサイルに関しては、1956-60年にソ連のR-1・R-2弾道ミサイルを輸入・ライセンス生産して更に改良を続け、東風シリーズを完成させた。1957年12月から北京に弾道ミサイルの訓練大隊（600名）を編成。1958年10月に国産弾道ミサイルの発射実験を行い成功した。1959年6月、弾道ミサイル実戦部隊である戦略導弾発射営を創設。1963年7月、中央軍事委員会が戦略導弾発射営に実弾発射任務を与えた。1963年10月3日（1966年？）、核弾頭を含む弾道ミサイル実験に成功。1964年初頭には水爆の開発に取り掛かり、乾式熱核爆弾（3.3メガトン）を1967年に完成させ、6月に実験に成功した。1969年には轟炸６型からの空中投下に成功。1988年9月27日、中性子爆弾の実験に成功。2015年現在、核兵器の開発担当はCAEP（Chinese Academy of Engineering Physics）で、アメリカの核関連研究所の倍以上にあたる23000人を擁し、レーザー兵器や民間分野の研究開発も担当している。核兵器工場は第903工場で、綿陽市街から40kmのところにあり、スタッフは1000人以上で、２割が博士号を持っている。戦略弾道ミサイルはCASC（China Aerospace Science and Technologr Corporation）とCASIC（China Aerospace Science and Industry Corporation）の担当である。CASC第１研究所として知られるCALT（Chinese Academy of Launch Vehicle Technology）はスタッフ28000人を揃え、第211工場で液体ロケット推進弾道ミサイル東風４／５、固体ロケット推進弾道ミサイル巨浪２／東風31の組立を行っている（巨浪２／東風31用固体燃料ロケット自体はCASIC第６研究所とCASC第４研究所が生産）。ミサイル制御システムは第12研究機関、再突入体は第14研究機関、TELを含む地上発射装置は第15研究機関の担当で、これらCALT付属の研究機関は全て北京にある。チャンジーの第512工場でも宇宙ロケットと弾道ミサイルの発射装置を生産している。CASC第４研究所は西安にあり、弾道ミサイル（東風31、東風41、巨浪２）・宇宙ロケット用大直径固体燃料ロケットを生産している。固体燃料ロケットの開発と戦術弾道ミサイル計画は同研究所付属の第41研究機関、新型固体燃料の開発は第42研究機関、固体燃料ロケット構成品及び複合材の生産は第43研究機関、ロケットの金属コンポーネント組み立ては第7414工場、ロケットの最終組み立ては第7416工場（西安航空宇宙化学推進剤工場）が担当する。CASICはCASCと同じく各分野専門の研究所や研究機関に分かれている。CASIC第４研究所は固体燃料ロケット開発の中心で、固体燃料ロケット推進IRBMの全体設計と最終組立を行っている。巨浪１、東風21、東風26の開発を行ったのも第４研究所で、第307工場が東風21や東風26の最終組立を担当する。CASIC第９研究所は東風11短距離弾道ミサイルを開発した。CASIC第６研究所は内蒙古自治区にあり、弾道ミサイル用中直径固体燃料ロケットモーターの責任研究所となっていて、短距離弾道弾やIRBMの生産に関して主要な役割を担っている。一方で、北京の第４設計総局では、固体燃料ロケット推進MRBM/IRBMと、宇宙ロケット（恐らく対衛星兵器も）の設計を行っている。第９設計局は戦術地対地ミサイル担当で、固体レーザー兵器の開発も行っている。北京制御・電子技術研究機関（第17研究機関）は弾道ミサイルの誘導制御システムを担当する。CASC第１研究所第211工場とCASIC第４研究所第307工場を合わせたスタッフ数は2013年の時点で8400人で、ロシアの固体燃料弾道ミサイル工場の10000人以上という規模に比べれば小さく、戦略弾道ミサイルに集中している訳でも無い。この研究規模と生産規模のアンバランスは、中国が核開発を２段階に分けているためと推定され、現段階では研究に力を注いで米露との技術的な差を縮めるのを優先しており、その後で第２段階として生産強化へと歩みを進めるものとみられる。2011年12月に行われたCASIC第４研究所と第９研究所の再編は第２段階の第一歩とされるが、生産拡大には暫く時間を要するとされる。2015年11月現在、核投射手段はICBM62基、IRBM16基、MRBM80基、爆撃機50機（他に核搭載可否不明の空中発射巡航ミサイル54発と実戦状態にあるか不明のSLBM48発がある）で、核弾頭数は250発までとみられる。2017年現在、東風５Ａ型ICBM５基・弾頭５発、東風５Ｂ型ICBM15基45発、東風31型ICBM８基８発、東風31A型ICBM25基25発、巨浪２型SLBM48基48発を配備する。2021年6月末、甘粛省玉門市近くに核ミサイル地下格納庫120基を建設していることが判明した。7月26日、アメリカ科学者連盟が衛星画像の解析結果を公表し、新疆ウイグル自治区東部のハミ市に3月から核ミサイル地下格納庫が建設されていることが判明した。建設を隠蔽するためのドーム状シェルター14カ所と、建設準備用整地場所19カ所が確認されており、最終的に格納庫110基を整備する模様。参考：月刊軍事研究11,’99、7,’95、8,’18、月刊丸8,’87、THE MILITARY BALANCE 2016

＜核開発（ドイツ）＞：第２次大戦勃発直後から研究に着手し、1940年に実験用原子炉の建設を開始。3月、ノルウェーを占領して中性子減速剤として使用する予定の重水素を生産できる世界唯一の工場を手に入れたが、1941年に連合軍が爆撃で破壊した。参考：アメリカの核兵器

＜核開発（日本）＞：昭和5年頃から兵器への放射性物質利用が考案されだしたが、輸入したラジウムを夜光塗料として使用する程度で、サイクロトロンなどで自作するまでには至らなかった。昭和15年4月、陸軍航空技術研究所で核分裂の軍事利用に関する研究を開始。嵯峨根博士や理化学研究所の仁科芳雄工学博士から助言を得て一般向けの調査報告に纏め、核分裂や、それに必要な地下資源に関する調査が必要であろうと結論づけて陸軍航空本部長や関係者に配布した。これを受けて基礎研究に着手するようになり、昭和16年には20万円の予算を付けて理化学研究所で核エネルギー利用（仁科芳雄博士ら）や放射性同位元素を利用した金属材料（仁科存博士ら）の研究を開始。開戦直後、陸軍航空技術研究所ではアメリカは原爆開発に10年かかるだろうと予想していた。昭和17年に理化学研究所で核分裂を利用した兵器が出現する可能性は相当にあるという結論が出たため、研究は軍事機密研究に指定され、原爆開発を強力に推進することとなった。これに基づき、ニ号研究（ニは仁科博士の頭文字）という暗号名の核開発研究が陸軍航空本部で始められたが、日本の占領地域にウラン鉱山が無かったため、戦前に得ていた１トンのウランを使用するしか無く、試験用原爆１発分しか製作できる見込みは無かった。ウラン濃縮法も仁科研究室で検討され、大型質量分析器による方法は収量が少ない、遠心分離器による方法は濃縮度が小さいということで、熱拡散法をとることにした。原子炉でプルトニウムを作ることは全く考えられていなかった。まずはウランを６フッ化ウランにする実験を行い、硝酸ウラニルをクリプトール炉で焼いて炭化ウランにし、フッ化水素と反応させてフッ化ウランを合成することに成功した。熱拡散分離塔は新造された理化学研究所49号館に建築され、直径が4mm違う銅パイプ２本を重ねて間にフッ化ウランを入れ、内側を数百度に加熱して外側を冷却、軽いウラン235を含む気体を上部に集めるようにした。昭和18年、戦局の悪化で研究員にも召集令状が出されたが、戦時研究従事者ということで1-2日で召集解除となっており、戦災を免れた基礎物理学者は戦後物理学発展の基礎を築いている。昭和19年、海軍技術研究所に依頼し、大阪大学理学部菊池研究室にも熱拡散分離塔を建設。こちらは内側銅パイプの内部に鋼鉄パイプを密着させて銅パイプの変形を防ぐようにした。昭和20年初めに海軍から原爆研究に参加したいという申し出があったが、重複した研究をしても意味が無いので、海軍は京大で遠心分離法によりウラン235を分離することになった。遠心分離器は北辰電機で製作されたが、据え付ける前に爆撃で破壊されてしまっている。熱拡散法による濃縮実験も行われたが、第１回目の実験では全く濃縮されずに失敗。更に49号館が爆撃で全焼し、実験装置だけでなくデータや資料も失われてしまった。3月には阪大理学部の水道施設が爆撃で破壊されて復旧の見込みが立たなくなり、パイプの隙間を1.5mmにした改良型分離塔を住友鋼管研究部に設置した。その後は空襲や資材欠乏で実験もままならなくなり、研究を中止すべきとの声も出された。広島・長崎原爆投下を受けて仁科博士や陸軍航空技術研究所員らが広島や長崎を視察、8月14日夜に広島で今後の研究について話し合った翌日に終戦を迎えた。太平洋戦争中、アメリカが3000トン級サイクロトロンを製作しているという情報を得たため、20000トン級サイクロトロンを作ってみたらどうかと陸軍航空技術研究所長から仁科博士に提案があったが、費用が巡洋艦５隻分くらいかかり、210トン級サイクロトロンしかない現状でいきなり作っても失敗するだろうということで、実現しなかった。1957年5月15日、岸信介総理が政府の統一見解として、原水爆を中心とする核兵器は自衛権の範囲に入らないが、将来開発されるものなどを悉く憲法違反とするのはいきすぎであると表明。1968年1月30日、核政策の４本柱を表明。1971年、沖縄返還に関し、非核三原則の遵守などをうたった決議を衆院本会議で議決。1972年10月9日の閣議で、核の脅威に対してはアメリカの核抑止力に依存すると決定。1995年5月、防衛庁の内部研究「大量破壊兵器の拡散問題について」の中で、核武装には否定的な見解を示した。11月28日の閣議で、核兵器の脅威に対しては、核兵器の無い世界を目指した核軍縮の国際的努力とアメリカの核抑止力に依存すると決定。1996年2月19日、アメリカの持っている核報復力の下に日本があることは否定できないが、日本を核兵器基地にしたり、NATOの多角的核戦力に類似するものに日本が参加したりすることはないと表明。2002年6月10日、政府は、自衛のための核兵器保有が禁じられていないとする憲法解釈を維持する考えを示し、非核三原則は見直さないと表明した。広島・長崎原爆投下を受けての反核世論、IAEAの厳格な査察受け入れ、非核三原則などで戦後は核開発を行っていないが、2004年現在発電用原子炉52基と実験用原子炉36基を持ち、大量のプルトニウムを貯蔵しており、シミュレーションに必要なスーパーコンピュータやレーザー核融合実験装置GEKKO-XII号などもあり、潜在的な核兵器開発可能国として認識されている。全力開発すれば１年かからずに核開発が可能とみられ、再突入弾頭を開発して誘導装置と一緒に固体燃料ロケットMV／イプシロンに載せればICBMになる。1993年にはアメリカ下院で北朝鮮核武装により日本も核武装するという発言があり、1994年にはイギリス国防省でも同様の秘密報告書が出されたらしい。参考：月刊軍事研究8,’05、丸エキストラ版No.71、海軍技術研究所

＜核開発（パキスタン）＞：NPT、CTBTには加盟していない。国境紛争を繰り返しているインドに対抗するため、1972年頃より核兵器を開発していたとみられる。1974年にインドが原爆実験を行った後は開発を加速させ、カーン博士を中心とした原爆開発チームが誕生したのは1976年7月で、アメリカがこれを止めるためにF-16引き渡しを中止するなどしたが、代わりにインドと仲の悪い中国から兵器を導入するなどして核開発を続けた。更に、弾道ミサイル技術に関して北朝鮮とも協力している。核戦略は全方位抑止（Full-spectrum Deterrence）と呼ばれるもので、インドの軍事力変化に対応するため保有数の限度は特に定めず、通常戦力の差を埋めるため核兵器を戦術的に先制使用する可能性を残している（非対称エスカレーション核抑止）。1998年5月28日と30日、パキスタン南西部のパルチスタン州チャガイ丘陵で６回の核実験を施行。高濃縮ウランを使用したもので、短射程ミサイル用もテストした。1999年5月の印パ紛争（カルギル紛争）では実戦配備を行い、核戦争寸前までいったが、アメリカのクリントン大統領が圧力を掛けて潰した。2013年、ナスル短距離弾道ミサイルを配備。2015年9月と2016年4月にエアバス・ディフェンス・アンド・スペースイメージ社が撮影したパンジャブ州カフタにあるカーン研究所の衛星写真に、ウラン濃縮施設や遠心分離施設と思われる新設の構造物が写っていた。2015年11月現在、核投射手段はMRBM30発とSRBM30発で、130発までの核弾頭を保有しているとみられる。参考：月刊軍事研究10,’17、3,’17、9,’18、月刊航空ファン9,’02、核兵器事典、歴史群像8,’02、THE MILITARY BALANCE 2016

＜核開発（フランス）＞：フランスはアメリカの核の傘に入るのを拒み、独自核開発に進んだ。1945年秋、シャルル・ド・ゴール将軍がフランス原子力エネルギー委員会（AEC）を発足させた。1946年、実験用原子炉の建設を開始。1948年12月15日、実験用原子炉が臨界に達した。しかし核開発に関する意見対立が深刻化し、1950年4月には原子力委員長が罷免されてしまった。1952年、マルクール原子力センターの設立が議会で承認され、核開発５カ年計画を作成、年間50kgのプルトニウムを生産して再処理する施設を建設することにした。これによりマルクールにG1プルトニウム生産炉とUP1再処理プラントが完成し、1956年から稼動した。1956年11月、原子エネルギー軍事応用委員会が秘密裡に創設され、核兵器と運搬手段の開発を決定した。1959年9月、弾道ミサイル実現・演習のための協会（SEREB）を創設、1960-67年に２段式ロケットによるIRBMを完成させる計画を立てた。1959年11月、フランス軍に核部隊が創設された。1960年2月13日、アルジェリア・サハラ砂漠のレッガンでプルトニウム原爆による空中核実験（70キロトン）に成功。1962年、戦略原潜の建造計画を開始。ベリル核実験で事故が発生。1964年、AN-11核爆弾を配備。10月、ミラージュ�W戦略爆撃機が就役。1965年6月、２段式固体燃料ロケット「サファイア」の発射実験に成功。11月26日、サファイアの１段目にエメラルド２段ロケットを搭載した３段式固体燃料ロケット「ディアマン」により、フランス初の人工衛星A1を打ち上げた。1966年7月、フランス核武装に反対する米英の圧力に反発し、パリにあったNATO本部をベルギーのブリュッセルに引っ越させた。強化型原爆の実験を開始。1967年、AN-22核爆弾を配備。1968年8月24日、太平洋ファンガタウファ実験場で初の水爆実験（２メガトン級）に成功。1971年、フランス最初の実用IRBMであるS-2と、SLBMであるM-1が実用化され、戦略ミサイル原潜ル・ルドゥダブルも就役した。これに合わせ、戦略潜水艦隊司令をウイユ（パリ北西10km）に設立した。1972年、AN-52核爆弾を配備。1974年、プリュトン戦術ミサイルとM-2SLBMを実戦配備。1977年、M-20SLBMを実戦配備。1979年、S3弾道ミサイルを開発。1985年、M-4A SLBMを実戦配備。1989年、M-4B SLBMを実戦配備。1992年、M-45SLBMの開発を開始。その後長射程のM-5SLBMの開発にかかったが、コストが高くなり、射程の短いM-51に移った。1996年、ムルロア環礁でM-45SLBM用TN-75核弾頭の実験を実施。9月18日、S-3D中距離弾道ミサイルとプリュトン戦術ミサイルを廃棄し、関連施設を２年かけて解体することを決定。ムルロア環礁とファンガタウファ環礁の核実験関連施設の解体、核分裂物質製造停止・核物質製造施設解体も決定され、実行された。2010年、M-51SLBMの運用を開始。2015年11月現在、核投射手段はSLBM64発と攻撃機43機で、核弾頭数は280発。参考：月刊軍事研究2,’01、12,’16、核兵器事典、アメリカの核兵器、月刊世界の艦船12,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜核開発（リビア）＞：1970年、リビアのアブドゥル・サラーム・ジャルード首相が訪中した際に周恩来に原爆の購入を申し出たが、あっさり断られた。1975年5月30日、ソ連から原子炉を導入したものの、NPT条約批准と引き替えに手に入れたのは10MW級研究炉だけだった。1977年には440MWの発電用原子炉を導入するという話も出たが、纏まらないままに時は過ぎ、1991年にソ連が崩壊、リビアの核開発は中断されてしまった。1999年にパキスタンから濃縮ウランを輸入し始めたものの、アメリカの海上臨検で阻止され続け、2003年10月には地中海でウラン濃縮用ガス遠心分離器を差し押さえられた。2003年12月19日、リビア政府は国内全ての大量破壊兵器の廃棄を宣言し、核開発は事実上停止している。参考：歴史群像12,’03、月刊軍事研究4,’04

＜核開発（ロシア）＞：1941年9月、NKVDのベリア長官がアナトリー・ゴルスキー諜報員（コードネームはヴァディム）からイギリスの核兵器プログラムの報告書を入手し、エノーマスというコードネームで原爆開発に関する情報収集を開始した。1942年末、ベリア長官の提案により、ソ連政府が原爆開発に着手。1943年初め、スターリンが国家防衛委員会の指揮下で原爆を開発することを決定。2月11日、第２研究所（第２実験室？後のクルチャトフ原子力研究所）を設立し、ウラン・プルトニウム生産研究を開始した。1944年11月までにNKVDは1167の核兵器関連情報を収集。ウラン同位体分離にガス遠心分離装置が有効であること、核分裂連鎖反応に重水炉が必要なこと、プルトニウム239でも原爆が作れること、核分裂だけでなく核融合を利用した兵器が製造できる可能性があることなどが判明し、水爆開発にも着手した。1945年8月20日、広島・長崎原爆投下を受けてスターリンが核開発を国家戦略の最優先事項に置くことを決定し、国家防衛委員会に原子力問題に関する特別委員会を創設。全ての諜報機関を原爆開発に関する情報収集任務に振り向けるボロジノ作戦を開始した。核開発秘匿のため、核関連施設はコードネームや郵便番号で呼ばれ、施設のある都市の名前は消され、地図にも描かれなくなった。1946年11月6日、原子炉の建造を開始。12月14日、第１号原子炉が臨界に達した。1948年、ガンバレル型原爆の効率が悪いため、こちらの研究を中止し、爆縮型に絞った。1949年8月29日、セミパラチンスク核実験場でソ連初の原爆RDS-1「ジョー1号」の実験に成功。アメリカは通常任務で気象観測中だったWB-29が採取した9月3日のサンプルから大量の放射性物質を検出、ソ連が8月26-29日に天然ウランをタンパーに使用したプルトニウム原爆を爆発させたと判断し、9月23日にトルーマン大統領はソ連が核実験を行った確証があると声明を出した。1951年2月26日、水爆開発プロジェクトを開始。9月24日、ソ連独自設計のRDS-2原爆の実験に成功。10月18日、RDS-3航空機投下型原爆の投下実験に成功。1953年8月、スパイがアメリカから得た古典的スーパーの情報を基にコピーした原爆ブースター「スロイカ（Sloyka）」の実験を行った。8月12日、乾性水爆RDS-6の実験に成功。1955年11月23日、Tu-16爆撃機からRDS-37水爆を投下し、実験に成功。1956年2月2日、核弾頭搭載可能なR-5M準中距離弾道ミサイルの発射に成功。1957年、R-11FM潜水艦発射弾道ミサイルを搭載できるプロジェクトAV-611級が就役。1957年8月21日、初のICBMであるR-7の発射テストに成功。1959年、R-12中距離弾道ミサイルの配備を開始。R-11FM潜水艦発射弾道ミサイルの引き渡しが始まった。2月、R-7ICBMの実戦配備を開始。12月、戦略ロケット軍を創設。1960年代、報復核攻撃をいち早く行うための敵核ミサイル早期探知システムであるミサイル攻撃警戒システム（SPRN）用地上設置レーダーの配備を開始。1961年、R-13SLBMが就役。R-14中距離弾道ミサイル、R-16ICBMを配備。1964年、RT-15弾道ミサイルを開発。R-9A大陸間弾道ミサイルを配備。1966年、R-36ICBM、UR-100ICBMを配備。1968年、R-27SLBMの運用を開始。1969年、RT-20弾道ミサイルの配備を開始。1971年、テンプ−2S大陸間弾道ミサイルを配備。1972年、SALT-�T及びABM条約に調印。1974年、RS-20ICBMを配備。R-29SLBMが就役。1975年、RS-16ICBM、UR100Nを配備。1976年、MIRV搭載のR-29R潜水艦発射弾道ミサイルを配備。1979年、SALT-�Uに調印。核巡航ミサイルを配備。1980年、R-31SLBMの運用を開始。1984年、RT-2PM弾道ミサイル、RS-12M大陸間弾道弾、R-39SLBMの配備を開始。1987年、INF条約に調印。RS-22ICBM、RT-23列車移動式ICBMの配備を開始。1991年、START-�T条約に調印。1993年、START-�U条約に調印。2002年、モスクワ条約に調印。2005年初め、ICBM戦力はRS-20Vがミサイル100基・弾頭1000発、UR100Nが130基780発、RS-22Vが15基150発、RS-12Mが300基300発、RS-12M2が40基40発だった。2006年、ICBM配備数がアメリカを下回った（弾頭数は上）。2009年、RS-20Vを68基、UR100Nを72基、RT-2PMを180基、RT-2UTTHを65基、667BDR型を５隻、667BDRM型を６隻、タイフーン級を１隻、955型を１隻配備している。核兵器は旧式化が進んでおり、新規調達数より退役ペースが速く、戦略核戦力の維持を謳っているものの思うように進まないため、2009年後半から核兵器先制使用権（敵に攻撃される前に核兵器を使う予防攻撃）の保留を表明した。2010年初め、ICBM戦力はRS-20Vがミサイル50基・弾頭500発、UR100Nが60基360発、RS-12Mが150基150発、RS-12M2（サイロ型15P165）が50基50発、RS-12M2（TEL型15P155）が18基18発、RS-24（TEL型15P155M）が３基12発だった。2011年、RS-24ICBMを配備。2014年、667BDR型３隻、667BDRM型６隻、955型２隻を保有しており、それぞれSLBMを16基（核弾頭は１基あたり4-6発）する。戦略爆撃機はTu-95MS爆撃機（Kh-55巡航ミサイル装備）55機とTu-160爆撃機11機。2015年11月現在、核投射手段はICBM332発、SLBM192発、戦略爆撃機76機で、戦略核弾頭1648発、準戦略核弾頭2000発を保有しているとみられる。2017年、ICBM戦力はRS-20Vがミサイル46基・弾頭460発、UR100Nが20基120発、RS-12Mが90基90発、RS-12M2（サイロ型15P165）が60基60発、RS-12M2（TEL型15P155）が18基18発、RS-24（サイロ型15P165M）が12基48発、RS-24（TEL型15P155M）が70基280発。SLBM戦力は667BDR型搭載R-29Rが16基48発、667BDRM型搭載R-29RMU2が96基384発、955型搭載R-30ブラヴァが48基288発。戦略爆撃機（核任務）はTu-95MS爆撃機55機、Tu-160爆撃機16機。空中発射核巡航ミサイルはKh-55SM/Kh-102計200発。2018年3月1日、プーチン大統領が年次教書演説で新型兵器６種類（9M730プレヴェストニク原子力巡航ミサイル、プロジェクト4202アヴァンガルド極超音速滑空弾頭、ポセイドン核魚雷など）を発表。参考：核兵器事典、月刊軍事研究8,’99、11,’09、12,’09、1,’10、5,’12、9,’14、2,’15、5,’18、10,’18、アメリカの核兵器、月刊PANZER2,’12、月刊世界の艦船5,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

＜角形双眼鏡（広義）＞：砲隊鏡の通称。参考：日本陸軍兵器資料集

＜角形双眼鏡（狭義）＞：日本陸軍の砲隊鏡。三七式砲隊鏡の三脚を外し、双眼鏡本体にグリップを付けたものである。倍率10倍、視野３度５分。眼鏡重量0.85kg、全備重量1.5kg。参考：日本陸軍兵器資料集

＜霍邱＞：804（掃海艇）を参照。

＜霍克三型＞：BF2C海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜角材＞：加工が楽なので、防水用として艦船に積まれている。必要なサイズを測定して差し金を使って印を付け、ノコギリで切断し、浸水穴を塞ぐ部材や、反対側の壁との間のつっかえ棒などとして使う。電動ノコギリは浸水時に海水を浴びると使えないので、人力により素早く正確に切断する訓練が重要である。固定にはクサビやかすがいを使用する。外れかけた履帯を嵌め直すのにも便利で、短く切った角材を羊羹という通称で用意していた。参考：MOLIBITO Vol.3

＜かく座機収容器材＞：航空自衛隊大型自走クレーンKC200S。滑走路上で擱座した航空機をプラットフォームに収容し、速やかに移動させるために使用される。全長22.9m、全幅5m、全高5.15m、車重111.8トン、最大積載量22トン。走行用エンジンはRD10T04ディーゼル（Ｖ型10気筒、総排気量17892cc、出力375馬力）、トランスミッションはセミオートマチック（前進１段・後進１段）、最大速度23km、燃料タンク容量400リットル。クレーン用エンジンはEP100T直列６気筒ディーゼル（総排気量8821cc、出力185馬力）で、250リットル入り燃料タンクが別に用意されている。乗員３名（操縦手、副操縦手、統括係）。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.127

＜擱座着岸＞：ビーチング。揚陸艦が海岸に直接乗り上げて兵員・兵器の揚陸を行うこと。事前に揚陸地点の偵察を行い、揚陸目標に接近。バラストを調節して艦首を上げ、着岸点近くで艦首の門扉を全開にし、艦首道板を海水が中に入らない程度の半開きにする。着岸直前に艦尾の錨を降ろし、海岸に突っ込む。海自では「着岸１分前、着岸に備え」の号令で搭乗者は両手を壁に当て両足を踏ん張るなど耐衝撃姿勢を取る。前部バラストタンクに海水を積み直し、艦首部を重くすると共に、微速前進を続けて海岸に艦首を固定する。海自では「着岸した」の号令がかかる。着岸後は艦首道板を全開にして固定、係船索で船体も固定して揚陸作業に入る。強風下では、LCMに船体を押さえてもらう。離岸時は、艦首道板を折り畳んで門扉を閉じ、バラストを調節して艦首を上げ、係船索を解く。ギアをバックに入れ、錨を巻き取りながら離岸する。離岸時にかなり船体が不安定になるので、LCMに姿勢を調節してもらう。また、洋上で警戒待機している僚艦に曳航してもらって離岸する方法をとることもある。海面下障害物の問題で揚陸可能な海岸地形が限定され地球全海岸線の15%くらいでしか行えない、潮の満ち引きに影響され最悪離岸できなくなる、反撃を受けやすいので強力な護衛部隊が要るといった欠点がある。また、これを行う揚陸艦は平底船型・浅吃水・幅広艦首のため、最大速力15ノットが限界で凌波性も最悪になる。参考：月刊PANZER10,’04、小艦艇入門、月刊世界の艦船2,’19、5,’15、11,’19、朝雲

＜鶴山＞：844（掃海艇）を参照。

＜拡散照明迷彩＞：Diffused lighting camouflage。カナダ海軍が開発した艦艇用対潜迷彩で、ホタルイカが発光により海面に溶け込むのを応用し、艦艇側面に照明を多数設置、星空の光量や色に合わせて船体を照射することにより、夜空に紛れて潜水艦から見つかりにくくする。1941年からイギリス海軍と共同でテストを行い、コルベット用などとして採用された。参考：歴史群像4,’17

＜拡散スペクトル変調＞：送信されたAM波やFM波を受信側のパルス信号で更に変調して広帯域にし、妨害を困難にすると共に、送受信側のみが知っているパルス信号で復調しないと内容を分からないようにする変調法。参考：航空用語事典増補改訂版

＜拡散筒＞：ディフューザーを参照。

＜鶴嘴＞：日本陸軍の土工器材。参考：工兵入門

＜核シェルター＞：核攻撃に対抗できるシェルター施設。火球の直撃に耐えるのは無理だが、熱線と爆風に抗堪して影響を内部に伝えず、放射線を遮蔽して致命的な被曝を避け、フォールアウトを遮断するなどして残留放射線の被害を抑制し、外部の残留放射線がある程度減少して外で活動できるようになるまで立て籠もることができる。空気清浄機、脱出用ドア、除染室、２週間分の食糧と水、トイレ、通信設備などが必要である。核ミサイルが飛んでくると逃げる時間が限られるので、住民や観光客がすぐ避難できるよう、公共施設や観光名所にも設置される。参考：月刊軍事研究1,’18、4,’97

＜核シェルター（スイス）＞：全市民が収容できる分のシェルターが山中に用意されており、数ヶ月間の生活が可能である。参考：化学・生物兵器概論

＜核シェルター（スウェーデン）＞：1950年代から建設した。車でそのまま入っていくこともでき、空気濾過器、水濾過装置、自家発電設備、蓄電池などが用意されている。2017年現在、ストックホルムには14500ヵ所が設置されており、19万人を収容できる。参考：化学・生物兵器概論、月刊軍事研究1,’18

＜核シェルター（ノルウェー）＞：市民防衛機関が建設にあたっている。2017年現在、25000ヵ所のシェルターに250万人を収容できる。参考：月刊軍事研究1,’18

＜核シェルター（フィンランド）＞：テリトリアル・ディフェンスにより国土全土を防衛線にする戦略を採用したため、ソ連からの核攻撃を全土で防衛できる体制を取り、市民防衛法に基づいて核シェルターの建設を義務づけた。集合住宅には必ず小型シェルターがあり、重要な公共施設や企業にもシェルターが設けられ、2017年現在で40000ヵ所（うち民間85%）全部合わせると400万人を収容でき、核兵器の標的になりそうな主要都市の住民から観光客まで十分に入れるという。うち１割は地球上で最も古い岩盤をくり抜いて地下数十メートルに作られており、100キロトン核爆弾の地上炸裂でも平気らしい。普段はプールやアスレチックジムに駐車場、果てはサンタパーク（サンタクロースのテーマパーク）としても使われていて無駄を省き、かつ不案内な観光客でもすぐ逃げ込めるようにしてある。参考：月刊軍事研究4,’07、1,’18、月刊PANZER10,’03

＜核事故＞：核兵器そのものに対して起こす事故と、運用に関連する事故がある。核兵器が間違って核爆発を起こすと、被害は広範囲・長期間となり、全面核戦争の引き金にもなりかねないので、誤爆発、誤使用、誤発射を防止するための安全管理は十分に行われており、盗まれたりすると大事になるので輸送・貯蔵・保管にも相当な配慮がなされているが、核兵器を搭載したり輸送したりしている航空機や艦船、保管している建物が事故を起こせば当然巻き込まれる。ただし起爆装置が正常の手順を踏んで炸裂しないと核分裂連鎖反応は起きないので、核爆発には至らず、核兵器を構成する放射性物質が周辺に撒き散らされるといった被害になる。原潜７隻が沈没し、原子炉９基と核兵器50発が海に沈んだままである。アメリカとロシアの原潜による衝突事故は15件起きている。2009年2月にはイギリスとフランスの戦略原潜が海中で衝突した。参考：アメリカの核兵器、現代の潜水艦、月刊軍事研究3,’99、月刊世界の艦船9,’12増刊

＜核事故（アメリカ）＞：発射前インターロックや飛行中の安全装置解除コード入力といった誤発射を防ぐメカニズムを採用している。核兵器に関する規則違反など軽微な事象はベント・スピア、核兵器関連事故はブロークン・アロー、核戦争を誘発する恐れのある事故はニューク・フラッシュというコードが付く。1950年2月13日、アラスカ州エイルソン空軍基地からテキサス州カースウェル空軍基地に向かっていたB-36爆撃機のエンジンが故障、３基が停止してしまった。高度2500mまで降下を余儀無くされ、更に結氷状態に至り、乗員はブリティッシュ・コロンビア沖合で核爆弾を投棄した後で脱出した。核爆弾はダミーの核カプセルが装着されており、炸薬が爆発したものの核物質の飛散は無く、B-36爆撃機はバンクーバー島に墜落した。4月11日、ニューメキシコ州マンザーノ基地（カートランド空軍基地？）でMk4核爆弾を積み込んだ第830爆撃飛行隊所属B-29爆撃機が、ウォーカー空軍基地に戻るため離陸した３分後に付近の山に衝突、乗員13名全員が死亡した。Mk4核爆弾は破損して炎にあぶられたが、核物質は爆弾内に封入されたまま（核カプセルは装着されていなかった？）で周辺の汚染は無かった。7月13日、訓練のためテキサス州ビッグス空軍基地を離陸したB-50爆撃機が、オハイオ州レバノン付近の高度2100mを飛行中に突然ひっくり返って墜落し、乗員16名全員が死亡した。核爆弾の炸薬が発火したが、核カプセルは搭載していなかった。8月5日、カリフォルニア州フェアチャイルド・スゥイサン空軍基地で離陸滑走中だったB-50爆撃機の主脚が突然引き込まれ、プロペラ２基が吹き飛ばされて機体も爆発炎上し、乗員19名が死亡した。炎上して12-15分後に核爆弾の炸薬が発火したが、核カプセルは搭載していなかった。ちなみにこの事故で死亡したトラビス将軍を悼み、基地名がトラビス基地に改称された。11月10日、アメリカ本土外の洋上3200mを飛行していたB-50爆撃機が、誤ってに核爆弾を投下してしまった。炸薬が作動したが、核カプセルは装着していなかった。1956年3月10日、核爆弾２発分のプルトニウムを収容したコンテナを積んだB-47爆撃機４機がフロリダ州マクディル空軍基地を離陸し、地中海方面に向かったが、うち１機が地中海上空での２回目の空中給油機とのランデブーに現れなかった。大西洋上で行方不明になったとみられ、未だに乗員や核物質共々どこにいったか不明である。7月27日、イギリスのレイクンヒース基地で兵装未搭載のB-47爆撃機が離着陸訓練中に滑走路をはみ出し、Mk6核爆弾を収容した貯蔵庫に突っ込んで乗員全員が死亡した。核カプセルは別の場所に保管されており、核爆弾も誘爆などはしなかった。1957年3月22日、テキサス州ビッグス空軍基地からニューメキシコ州カートランド空軍基地へB-36で核爆弾を輸送することになり、標準手順通りに核爆弾と核カプセル（核爆弾には装着されていない）から緊急兵装投下用安全ピンを離陸前に除去した。滑走路から飛び立った後、高度520mに達したところで爆弾倉扉と核爆弾が落下。ビッグス空軍基地の管制塔から560mの所に落ちて炸裂、直径7.6m・深さ3.7mのクレーターができ、破片が1.6kmにわたり飛散した。放射線量測定値は0.5ミリレントゲン（4.4マイクログレイ）だった。5月27日、ビッグズ空軍基地でMk17核爆弾を積み込んだB-36Jがテキサス州カートランド空軍基地に着陸しようとした際、高度500mで核爆弾を誤って落下させた。地面に衝突した衝撃で高性能炸薬が爆発して直径7.6m・深さ3.7mのクレーターができ、核物質が飛散した。放射線量測定値はクレーターの縁で0.5ミリレントゲン（4.4マイクログレイ）だった。7月28日、C-124輸送機が核爆弾３個と核カプセルを搭載してデラウェア州ドーバー空軍基地を離陸したが、大西洋上でエンジン２基が停止。高度を保てなくなり、核爆弾１個を高度1370mで、更に１個を高度760mで投下し、残りの核爆弾と核カプセルを積んだままニュージャージー州アトランティック・シティの空港に緊急着陸した。投棄した核爆弾は両方とも見つからなかった。10月11日、Mk6核爆弾を搭載したB-47Bが訓練のためフロリダ州ホームステッド空軍基地を離陸滑走中、時速56kmに達したところで左後車輪ケースが破損して機体尾部が滑走路に衝突、燃料タンクに引火した。10分後に乗員は脱出したが、機体は７時間に亘り炎上。核爆弾の炸薬は爆発しなかったが、除染のため破片と滑走路のアスファルトを除去して一帯を水洗する作業が行われ、消防車１台と消防士１名の被服が水洗前にα線で汚染されていることが判明した（炸薬は爆発したが核物質カプセルは乗員の手元にあり、放射能汚染は生じなかったという説もある）。1958年1月31日、海外基地（モロッコのスリマン基地らしい）を離陸しようとしたB-47Eが炎上し、搭載していたMk36核爆弾から核物質が漏れて消防士１名の衣服と周辺の土地を汚染した。2月5日、模擬作戦任務でカリフォルニア州ホームステッド空軍基地を離陸したB-47爆撃機がジョージア州サバンナ付近でF-86戦闘機と空中衝突した。B-47はジョージア州ハンター空軍基地に向かったが、機体の損傷とペイロード過大で安全着陸速度まで減速することができず、搭載していた核爆弾（核カプセル抜き）をタイビ−・ビーチの海上2200mで投下、その後緊急着陸に成功した。核爆弾の炸薬は作動しなかったが、１ヶ月に亘る捜索でも核爆弾は発見できなかった。3月11日、ジョージア州ハンター空軍基地からB-47爆撃機４機が離陸し、海外基地に向かったが、３番機が高度4600mに達した際に核爆弾（核カプセル抜き）を誤って投下した。核爆弾はサウスカロライナ州フローレンスの東10.5kmに落下して炸薬が炸裂し、負傷者と建物被害を出している。11月4日、テキサス州ダイス空軍基地でB-47爆撃機が離陸時に火災を起こし、乗員のうち３名は高度460mで脱出したが、残る１名は機体と共に墜落して死亡した。搭載核兵器の炸薬が炸裂し、直径10.6m・深さ1.8mのクレーターができたが、核物質は墜落現場付近で回収された。11月26日、ルイジアナ州シャヌート空軍基地でB-47爆撃機が地上火災を起こし、搭載していた核兵器１個が破壊されて付近に軽微な放射能汚染を生じた。1959年1月18日、太平洋地域の基地でF-100戦闘機が離陸しようとした際、間違ってドロップタンクを落としてしまい、火災が発生。第４パイロンに搭載されていた核爆弾１個は消火後に回収された。7月6日、C-124Aが核兵器を輸送するためルイジアナ州バークスデイル空軍基地を離陸直後に墜落して機体が炎上、核兵器が破壊されて残骸が少量の放射能汚染を受けた。9月25日、P-5M飛行艇がワシントン州ホイッドビー・アイランド海軍航空基地付近のパジェット・サウンド海上に墜落した。核物質の入っていない核兵器が１個搭載されており、回収には失敗している。10月15日、使用状態に無い核兵器２個を搭載したB-52爆撃機がケンタッキー州ハーデンスバーグ上空で夜間空中給油を行っていたところ、高度9760mで相手のKC-135と空中衝突し、双方が墜落。B-52爆撃機乗員８名のうち４名と、KC-135乗員４名全員が死亡し、核兵器１個が炎にあぶられたが、放射能汚染は無かった。1960年7月6日、ボマーク爆発事故。1961年1月24日、B39核爆弾２発を搭載したB-52が空中分解した。3月14日、B39核爆弾２発を搭載したB-52Fがカリフォルニア州で墜落。1963年4月10日、原潜スレッシャーが試験航海中に沈没。11月13日、テキサス州メディナの原子力工場で、旧式核兵器から炸薬コンポーネントを外す作業中に爆発事故が起きた。作業員３名が負傷し、軽微な放射能汚染が生じた。1964年1月13日、B53核爆弾を積んだB-52Dがメリーランド州の山岳地帯に衝突。12月5日、ミニットマン�Tが弾頭落下事故を起こした。12月8日、B43核爆弾４発とBA-53核爆弾（B-58用ポッド搭載型W53核弾頭）１発を搭載したB-58がインディアナ州バンカーヒル空軍基地をタキシング中に滑走路を外れて炎上、乗員２名は脱出したが航法士が脱出後に死亡した。焼けた核兵器により機体周辺に放射能汚染が発生している。1965年11月11日（10月11日？）、核物質と訓練用ダミーユニットを輸送中のC-124Cが、オハイオ州ライト・パターソン空軍基地で給油中に炎上し、消火作業員の被服と機体周辺が放射能汚染を受けた。12月5日、CVA-14タイコンデロガからB43核爆弾を積んだA-4E攻撃機が奄美諸島の南東150kmの海中に転落。1966年1月17日、スペインでB-52GとKC-135が空中衝突した。1968年1月21日、B-52Gがグリーンランドのツーレ基地で緊急着陸に失敗して墜落。5月22日、原潜スコーピオンが沈没。1980年9月15日、ノースダコタ州グランド・フォークス空軍基地でB-52爆撃機が離陸準備中にエンジン火災を起こし、乗員５名が負傷した。核兵器は回収され、放射能汚染は無かった。9月19日、タイタン�Uが爆発した。2007年8月30日、核ミサイル誤搭載事件（ベント・スピア）が発生。参考：月刊軍事研究8,’11、9,’08、アメリカの核兵器、月刊世界の艦船6,’11、戦争がやってくる、月刊JWings11,’00、現代の潜水艦

＜核事故（ロシア）＞：1956-94年に原子力潜水艦で112件の重大事故が起き、うち31件がメルトダウン含む原子炉事故で、原潜４隻（K-8、K-219、K-278、K-419）が沈没し、３隻（K-8、K-219、K-278）がそのまま海底に沈んでいる。また、K-27は液体金属冷却材の凝固でメルトダウンを起こし、基地に帰投した後で原子炉ごと自沈処分にされた。細かい事故はもっと多く、627型ノヴェンバー級だけで退役までに1500件以上の原子炉事故を起こした。1957年9月29日、ウラル核惨事が発生。1960年10月13日、K-8原潜で冷却水漏れが発生。1961年7月4日、K-19で冷却材喪失事故が発生。1962年5月、砕氷船レーニンで冷却材喪失事故が発生して炉心が溶融。7月、K-3原潜の蒸気発生器が破裂。1965年2月、K-11で臨界事故が発生。1965年8月26日、K27の原子炉室で火災が発生。1968年5月24日、K-27の核燃料の一部が溶融して原子炉が爆発。1970年、K-320原潜が公試中に事故で火災と放射性物質漏れを起こした。1月末、ボルガ川河口のゴーリキー潜水艦造船所で大爆発が発生。その後に放射能汚染が検出されたと伝えられ、西側の一部では核爆発が起きたのではという推測が出た。4月11日、K-8が火災を起こし、曳航中に沈没した。1972年、K-64が原子炉冷却系の重大事故を起こした。2月24日、K-19で火災が発生。1977年、カムチャツカ付近を航行中の原潜から核弾頭が飛び出したが、すぐに発見された。1978年1月24日、発電用原子炉を積んだコスモス954号がカナダ北西部に落下した。12月28日、K-171が原子炉事故を起こした。1979年7月2日、K-116で冷却材喪失事故が発生。1980年9月30日、K-18原潜が原子炉の炉心損傷事故を起こした。1982年、K-123が大規模放射性物質漏出事故を起こした。2月、第569陸上技術基地使用済み核燃料事故。K-123が放射能漏れ事故を起こした。1983年、コスモス1402号が発電用原子炉を地上に飛散させる事故を起こした。1985年8月10日、K-31で臨界事故が発生。1986年10月9日、K-219がミサイル爆発で沈没。1989年4月7日、K-278が火災で沈没。6月26日、K-172が一次冷却水漏れの事故を起こした。2000年8月12日、K-141クルスクが沈没。2003年8月28日、K-159が退役後曳航中に沈没。2011年12月29日、K-84が核弾頭付き弾道ミサイルを搭載した状態で火災事故を起こした。2019年8月8日、アルハンゲリスク州ニョノクサ近郊のロシア海軍海上実験施設で実験中の原子力エンジンが爆発し、テストに携わっていたロスアトム職員5-7人が死亡した。9M730原子力巡航ミサイル用エンジンの事故らしく、ストロンチウム91、バリウム139/140、ランタン140といった放射性同位体がばらまかれ、40km東のセヴェロドビンスク市では事故直後に線量が毎時２マイクロシーベルトまで急上昇し、少なくとも40分間継続したが、程無くして毎時0.11マイクロシーベルトの通常値に戻った。参考：月刊世界の艦船6,’11、5,’12、10,'23、月刊軍事研究3,’99、12,’99、11,’10、ソ連・ロシア原潜建造史、アメリカの核兵器

＜核実験＞：兵器として設計された核弾頭の作動と破壊力を実証するため、実際に核爆発を起こしてみる実験。国力デモンストレーションとしても実施される。史上最大の実験は1961年10月31日のRDS-220（RDS-54？）で、史上最小は1962年7月17日のW54（リトル・フェラー�T）。参考：核兵器事典、月刊軍事研究10,’10

＜核実験（アメリカ）＞：1945年7月16日、史上初の核実験（大気圏内、Mk�V核爆弾）を実施。1945年には大気圏内核実験を計３回実施した。1946年6月30日と7月24日、クロスロード作戦で大気圏内核実験を計２回実施。1948年4月14日・30日・5月14日、エニウェトク環礁サンドストームでMk4核爆弾の大気圏内核実験を１回ずつ実施。1946-48年の核実験は核弾頭の小型化を目指すものだった。朝鮮戦争勃発で核実験の回数が急増。1951年、大気圏内核実験を16回実施。1月27日、ネバダで戦術用小型原爆の実験を実施。4-5月、エニウェトク環礁でMk5核爆弾、レギュラス�T核ミサイル、マタドール核ミサイルの核実験を計４回実施。5月、強化型原爆の実験（グリーンハウス作戦）を実施。1952年、大気圏内核実験を10回実施。11月1日、初の水爆実験（湿式。実験装置重量50トン）に成功。1953年、大気圏内核実験を11回実施。2月25日、原爆砲弾の実験を実施。5月25日、280mm原子砲のMk.9核砲弾発射実験ショット・グレイブルを実施。1954年、大気圏内核実験を６回実施。3月1日、キャッスル作戦で乾式水爆実験に成功。しかしフォールアウトがビキニ環礁から東側に450kmまで飛散したとみられ、第五福竜丸が被曝、アリンギネ環礁、ロンゲラップ環礁、ロンゲリク環礁も覆い尽くし、ロンゲラップ島の住民86人が被曝した。3月26日、ビキニ環礁でMk17核爆弾の地上設置核実験（推定威力11メガトン）を実施。1955年、大気圏内核実験14回と地下核実験１回（？）を実施。4月6日、AIR-2A空対空核ロケットの空中投下実験がネバダ上空で行われ、３キロトンの爆発が起きた。1956年、大気圏内核実験を13回実施。5月21日、爆撃機からのMk17水爆投下実験に成功（推定威力数メガトン）。1957年、大気圏内核実験23回と地下核実験１回を実施。7月19日、初のAIR-2A空対空核ロケット実射試験であるジョン・ショットを実施。9月19日、ネバダで世界初の地下核実験を実施。1958年、大気圏内核実験48回と地下核実験４回を実施。8月、ジョンストン島上空500kmで高空核実験を実施。1961年、大気圏内核実験を９回実施。1962年、大気圏内核実験40回と地下核実験23回を実施。5月11日、クリスマス島でソードフィッシュ演習を行い、DD-826アガーホルムがMk17核爆雷付きアスロックによる核実験に成功した。7月9日、高空核実験スターフィッシュ・プライムを実施。11月、ジョンストン島で高空核実験を実施。高度97kmで410キロトンの核爆発を起こした結果、オーロラの発生や、電離層破壊による無線通信妨害などが確認された。1963年、大気圏内核実験を８回と地下核実験を26回実施。8月5日、部分的核実験禁止条約に調印。1964年、地下核実験を29回実施。1965年、地下核実験を27回実施。1966年、地下核実験を40回実施。1967年、地下核実験を28回実施。1968年、地下核実験を32回実施。1969年、地下核実験を28回実施。1970年、地下核実験を30回実施。1971年、地下核実験を11回実施。1972年、地下核実験を７回実施。1973年、地下核実験を８回実施。1974年、地下核実験を７回実施。1975年、地下核実験を16回実施。1976年、地下核実験を15回実施。1977年、地下核実験を12回実施。1978年、地下核実験を３回実施。1979年、地下核実験を14回実施。1980年、地下核実験を14回実施。1981年、地下核実験を16回実施。1982年、地下核実験を17回実施。1983年、地下核実験を14回実施。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜核実験（イギリス）＞：1952年10月3日、オーストラリアのモンテベロ島でプルトニウム239を使用した原爆実験に成功。1953年、大気圏内核実験を２回実施。10月、オーストラリアのウーメラで小型原爆の実験を実施。1956年、大気圏内核実験を６回実施。9-10月、オーストラリアのマラリンガで20キロトン級原爆の実験を実施。10月11日、マラリンガで第49飛行隊ヴァリアントB.1爆撃機がブルーダニューブ核爆弾の空中投下核実験に成功。1957年、大気圏内核実験を７回実施。5月15日、クリスマス島で水爆実験グラップル作戦を行い、水爆実験に成功。11月8日、ヴァリアントB.1爆撃機からの水爆（威力1.8メガトン）投下実験に成功し、水爆が実用配備段階に到達した。1958年、大気圏内核実験を５回実施。1962年、地下核実験を２回実施。3月、アメリカのネバダでポラリス用イギリス製弾頭の地下核実験を実施。1963年8月5日、部分的核実験禁止条約に調印。1964年、地下核実験を１回実施。1965年、地下核実験を１回実施。1974年、地下核実験を１回実施。1976年、地下核実験を１回実施。1978年、地下核実験を１回実施。1979年、地下核実験を１回実施。1980年、地下核実験を３回実施。1981年、地下核実験を１回実施。1982年、地下核実験を１回実施。1983年、地下核実験を１回実施。参考：アメリカの核兵器

＜核実験（インド）＞：1974年5月18日、初の原爆実験（地下核実験、威力10-15キロトン）を実施。1998年5月11日と13日、核実験を５回実施。このうち１回はブーステッド核分裂弾頭だった。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究6,’05、4,’18

＜核実験（北朝鮮、第１回）＞：2006年10月3日、アメリカの制裁に対抗して核実験を行うとする声明を北朝鮮が発表。10月9日に爆縮型原爆の地下核実験を行った。アメリカの発表では標準時で1時35分27秒、北緯41.311度・東経129.114度、深さ0kmの地点でマグニチュード4.2の地震を観測。韓国はマグニチュード3.58-3.7の地震を観測。ロシア科学アカデミー地質調査所情報処理センターはマグニチュード４の地震を観測。気象庁は日本時間1035頃に北緯41.2度・東経129.2度でマグニチュード4.9の地震を観測した（全て実体波マグニチュードの値）。推定威力は１キロトン未満で、実験は失敗したと考えられた。当日は日韓会談の最中で、前日は金正日総書記の労働党総秘書就任記念日、翌日は労働党創建記念日である。北朝鮮はロシアに対して9日0800頃、中国には1015頃に４キロトン規模の核実験を実施するということを伝え、1030頃には中国外務省から北京の日本大使館に連絡があった。中国への連絡を遅らせたのは、核実験中止を説得する暇を与えないためといわれる。実験をした時刻、韓国の国家情報院院長は国会審議で核実験の兆候無しと答弁しており、韓国側の認識不足と情報収集力の低さを露呈する結果となった。実験後、アメリカはWC-135を、日本は集塵ポッド搭載T-4を、イギリスはVC-10K.3（国連軍として飛行。10月11日に２機が飛来、10月12日に収集活動実施）を、韓国も気象観測機を飛ばして大気中の放射性物質の収集にあたった。10月14日、国連安保理で制裁決議（安保理決議1718）が全会一致で採択された。10月16日、大気分析の結果からアメリカの国家情報長官は北朝鮮の核実験を確認したと発表。10月20日、米韓年次安保協議でアメリカの核の傘を再確認する声明が盛り込まれたが、韓国への核攻撃はアメリカへの核攻撃と同等と見なすという韓国側の望んだ表現は入らなかった。10月25日、韓国政府がキセノンの放射性同位体を観測したと発表。10月末、中国が瀋陽軍区の２個集団軍を中朝国境に移動。脱北者に対する国境警備強化の名目だが、北朝鮮への暗黙のプレッシャーとみられ、北朝鮮もこれに対抗する形で部隊の一部を中朝国境に移動させた。核実験にかかった費用は350-910億円に達するとみられており、北朝鮮経済を相当圧迫している。参考：月刊軍事研究12,’06、1,’07、月刊JWings1,’07、月刊丸1,’07

＜核実験（北朝鮮、第２回）＞：2009年4月29日、北朝鮮外務省は、テポドン２号発射に対する国連安保理の議長声明に関し、国連安保理の謝罪が無い限り、核実験とICBM発射実験を実施し、軽水炉建設に直ちに着手すると発表した。5月25日0954頃、東経129.2度、北緯41.2度の北朝鮮北東部咸鏡北道吉州郡豊渓里付近で人工的な地震が発生した。規模は日本の気象庁発表が5.3、アメリカ地質研究所が4.7、核実験全面禁止条約機構準備委員会が4.52、韓国地質資源研究院が4.5で、威力2-3キロトン（1-22キロトン？）の爆発に相当するとみられる。同日、北朝鮮は地下核実験の成功を発表した。5月25日夜、百里基地、三沢基地、築城基地から集塵ポッド搭載T-4が離陸し、高度3000mと10000mで大気サンプリングを実施。以降も１日1-2回、北部、中部、西部の３空域で集塵活動を行った。5月27日0400頃、イギリス空軍VC-10が横田基地に着陸。給油を行った後は嘉手納基地に向かい、１週間ほど大気収集調査を行ったが、放射性物質は検出されなかった。6月3日、VC-10が嘉手納基地を発って横田基地に着陸。6月4日、VC-10が横田基地を離陸して帰投した。6月5日、日本政府が放射能対策連絡会議代表幹事会を開き、北朝鮮核実験に関連する核物質などの特別調査終了を決定。防衛省はT-4練習機による大気浮遊塵の採取を終了した（延べ18回実施）。日本、韓国、アメリカ、イギリスが北朝鮮周辺や本土で放射性物質の観測を行ったが検出されず、大量の爆薬を地下坑道に運び込んで炸裂させただけという疑惑も出された。参考：月刊軍事研究7,’09、8,’09、5,’13、月刊航空ファン8,’09、月刊JWings10,’09、朝雲

＜核実験（北朝鮮、第３回）＞：2013年1月12日、韓国の中央日報が、北朝鮮が1月13-20日に核実験を行うと中国政府に伝達したと報道した。1月15日、WC-135W気象観測機１機が嘉手納基地に飛来。1月22日、2012年12月12日のテポドン２号改（銀河３号）発射に対する国連安保理制裁決議が可決された。1月24日、北朝鮮国防委員会が核実験を予告。戦闘動員準備態勢も発動し、民兵の労働赤衛隊に銃が支給された。韓国の連合ニュースは北朝鮮が核実験準備を完了したと伝えた。1月27日、朝鮮中央放送は金正恩第１書記が強度の高い国家的重大措置を講じる断固とした決心を表明したと発表。1月28日、アメリカ国務省が北朝鮮核実験強行の際には重大な行動を取ると警告した。日本の外務省アジア大洋州局長がアメリカの北朝鮮担当特別代表と会談。1月29日1800頃、嘉手納基地にE-8C戦場監視機１機が飛来。1月30日、日本の外務大臣が外務省で駐日韓国大使と協議。1月31日、韓国が外交安全保障関係閣僚会議を開き、強力な対応態勢を取ることを決定。2月3日、朝鮮中央放送は金正恩第１書記が重要な結論を下したと発表。韓国の大統領が国家危機管理状況室を訪問し、準備態勢の促進を指示。2月4日、日本の外務次官がロシアの第１外務次官とモスクワで第11回日露戦略対話を開催し、北朝鮮核実験への懸念を表明した。1848、嘉手納基地のE-8C戦場監視機が空中給油機１機と共に基地を離陸し、今回の嘉手納基地展開後の初ミッションに入った。2月10日、北朝鮮の祖国平和統一委員会がインターネット上で声明を出し、アメリカと敵対勢力が金正恩第１書記の国家的重大措置を核実験であると早合点しているとした。北朝鮮が短距離ミサイル数発を日本海に向け発射。2月11日、北朝鮮がアメリカと中国に核実験実施を通告。2月12日午前11時57分50秒、北朝鮮咸鏡北道吉州郡の地下０メートルを震源とする地震が発生。規模は韓国国防部発表でマグニチュード4.9、韓国気象庁発表で5.0、アメリカ合衆国地質研究所発表でマグニチュード5.1、日本気象庁発表でマグニチュード5.2、中国発表でマグニチュード4.9、包括的核実験禁止条約機関発表でマグニチュード4.9であり、地下核実験によるものと断定された。推定威力は韓国気象庁とアメリカ地質研究所が6-7キロトン、ロシア国防省が７キロトン強、ノルウェー研究機関が10キロトン、アメリカ核脅威削減評議会が12.5キロトン、ドイツ連邦地質化学天然資源研究所が40キロトンで、実際には10キロトン前後とみられる。事前にブースト核兵器の実験をするという説が流れたが、威力が小さいため、ブースト核兵器では無かったか失敗した模様である。午後、国連事務総長、日本政府、韓国政府、アメリカ政府、ロシア外務省、NATO、EU外交安全保障上級代表が非難声明を発表。中国も外相が北朝鮮の駐中国大使を呼んで抗議した。1440、北朝鮮が核実験の成功を発表。アメリカの敵対行為への対応措置であるとした。1535、集塵ポッド搭載T-4が三沢基地と築城基地を離陸。1545、集塵ポッドを搭載した第305飛行隊T-4が百里基地を離陸。2月13日、WC-135W気象観測機がサンプリングを行おうとしたが、エンジントラブルを起こした。1106、集塵ポッドを搭載した第302飛行隊T-4が小松基地を離陸。この日T-4の集塵ポッドで回収した愛知県沖上空300mの大気から、１立方メートルあたり1.9ミリベクレルの放射性キセノンが検出された。しかし過去の核実験時よりも遙かに微量であり、核実験との因果関係は不明と発表されている。2月15日、故障したWC-135Wの代替となるWC-135Cが嘉手納基地に飛来した。2月22日、T-4による集塵飛行を終了。3月7日、国連安保理で安保理決議2094が中国も賛成して採択され、金融制裁の強化、貨物検査の義務化、核実験やミサイル発射強行時の重大な措置（軍事介入含む）などが決まった。4月8-9日、包括的核実験禁止条約機関の群馬県高崎観測所がキセノン131mとキセノン133を観測したと発表したが、通常の変動範囲内で、核実験によるものではないとされた。参考：月刊軍事研究4,’13、5,’13、月刊世界の艦船4,’13、7,’13、月刊航空ファン5,’13、月刊JWings5,’13、朝雲

＜核実験（北朝鮮、第４回）＞：2015年12月10日、金正恩第１書記が北朝鮮は水素爆弾を保有する強大な核保有国となったと述べた、と朝鮮中央通信が発表。2016年1月6日1024（日本時間。現地時間0954）、北朝鮮が核実験を実施。1029、韓国気象庁が、北朝鮮北東部の豊渓里にある核実験場から北東に3kmの地点を震源とするマグニチュード4.8（4.3？）の人工的な揺れ（TNT６キロトン相当）を観測。豊渓里の100km北にある中国吉林省延辺朝鮮族自治州延吉でも揺れが感じられた。1030、気象庁が北朝鮮北東部付近を震源とするマグニチュード5.1の地震波を観測した。アメリカ地質研究所はマグニチュード5.1、包括的核実験禁止条約機関準備委員会はマグニチュード4.85と発表している。1053、首相官邸に北朝鮮による核実験実施情報に関する対策室が設置された。1120、中谷防衛大臣が防衛省で緊急幹部会議を開催し、情報収集を指示した。1143、海上保安庁長官が警戒監視と情報収集を指示。1144、首相官邸で国家安全保障会議４大臣会合を実施。1230（北朝鮮時間1200）、朝鮮中央テレビが水爆実験に成功したと報道し、自衛のための開発で自主権が侵害されない限り先制使用せず、アメリカが敵視政策をやめない限り核は放棄しないとした。安倍総理は日本の安全に対する重大な脅威であり容認できず、国連安保理決議に明確に違反すると声明を発表し、国家安全保障会議で断固たる対応の検討を指示、日本政府は北朝鮮に抗議した。岸田外務大臣はケネディ駐日大使と外務省で会談して連携を確認、韓国外相とも電話会談して対応協力で一致している。アメリカは国家安全保障会議報道官が国連安保理決議違反として批判。ロシアは外務省報道官が国際法と国連安保理決議違反であると批判声明を出した。中国は外務省の定例記者会見で批判声明を発表した。EU、英仏独などヨーロッパ各国、インド、IAEAも非難声明を出している。1350、航空自衛隊が集塵ポッド搭載T-4練習機を三沢基地（第３飛行隊）、百里基地（第302飛行隊）、築城基地（第304飛行隊）から１機ずつ離陸させた。日本国内の観測地点では1月6日夜までに放射性物質や放射線量の増加は確認されていない。国連安保理は緊急会合を開催し、強く非難し新たな安保理決議に向けて速やかに作業を始めるとする声明を発表した。マグニチュードから推定される威力は３回目より若干小さいようで、10キロトン弱くらいとみられ、水爆としては完全に失敗、プライマリーのブースト原爆すら失敗している可能性がある。1月7日、航空自衛隊が集塵ポッド搭載T-4練習機と放射性希ガス収集装置積載C-130Hによる放射性物質収集を実施。6-7日の採取では放射性物質の検出は無かった。1月8日午前、WC-135Wが嘉手納基地に飛来してミッションを開始。夜、中谷防衛大臣がカーター国防長官及び韓民求国防相と電話会談し、北朝鮮を強く非難、日米調整メカニズムや日米間情報共有に関する防衛当局取り決めなどの枠組みにより連携対処する方針で一致した。1月9日午後、RC-135Sが１機嘉手納基地に飛来し、それまで嘉手納基地に展開していたRC-135Sと交代した。1月10日、アメリカ空軍第36航空団第23遠征爆撃飛行隊（元は第５爆撃航空団第23爆撃飛行隊所属で、遠征爆撃飛行隊として第36航空団隷下にローテーション配備中）B-52爆撃機１機がグアムのアンダーセン空軍基地を離陸し、韓国の烏山空軍基地上空をアメリカ空軍F-16戦闘機、韓国空軍F-15K戦闘機と共に低空飛行した。1月14日、空自が放射性物質収集ミッションを終了。日本分析センターでの解析の結果、人工アイソトープは検出されなかった。アメリカ機からも検出されなかった模様。3月、安保理決議2270号が採択され、北朝鮮への航空燃料の輸出・供給禁止、北朝鮮からの石炭・鉄鉱石輸入禁止などが決定した。ただ中国が輸入を続けているとみられており、北朝鮮も核開発を経済制裁の交渉材料にするつもりは無く、ほぼ効果が無い。参考：月刊JWings3,’16、月刊航空ファン4,’16、月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船12,’16、朝雲

＜核実験（北朝鮮、第５回）＞：2016年9月9日0930頃、豊渓里の地下核実験場で実施。気象庁ではマグニチュード5.3の揺れを観測しており、韓国国防省による推定威力は10キロトンである。北朝鮮核兵器研究所は戦略弾道ミサイル用核弾頭の実験に成功したと発表した。同日、国連安保理が緊急協議を行い、強く非難する議長声明を採択し、制裁協議に入った。日本政府は国家安全保障会議を開催し、防衛省は緊急幹部会議をき、空自は集塵ポッド搭載T-4による放射性物質収集を開始。稲田防衛大臣は北朝鮮を強く非難した。また、防衛省でケネディ駐日大使及びラッセル国務次官補と会談し、緊密な連携を確認した。9月10日、同盟調整メカニズムの枠組みで、日米防衛当局が局長級テレビ会議を行い、情報を共有した。また、日米韓防衛当局も局長級テレビ会議を開始し、北朝鮮を強く非難した。空自が希ガス収集装置搭載C-130Hによる放射性物質収集を開始。9月12日、アメリカ空軍WC-135C気象偵察機が嘉手納に展開を開始した。放射性物質サンプリング目的とみられる。9月16日、空自が放射性物質収集を終了。三沢・小松・築城基地近海上空で収集にあたったが、異常な数値は検出されなかった。10月14日、アメリカ国防総省でアメリカ統合参謀本部議長、統合幕僚長、韓国合同参謀本部議長が会談し、連携強化による対応で一致、北朝鮮には地域の緊張を高める無責任な挑発行為を慎み、国際的な責務を果たすことを求める声明を発表した。参考：月刊世界の艦船12,’16、11,’16、月刊JWings11,’16、12,’16、朝雲

＜核実験（北朝鮮、第６回）＞：2017年9月3日12時29分57秒、北緯41.3度・東経129.1度、深さ0kmでマグニチュード6.1（CTBTOと日本気象庁）／6.3（アメリカ地質調査所）／5.7（韓国気象庁）の地震が発生。1238、安倍総理が関係閣僚らに国民への的確な情報提供などを指示した。1334、日本政府が首相官邸で国家安全保障会議４大臣会合を開催し、北朝鮮が核実験を行ったと判断した。1530、北朝鮮朝鮮中央テレビがICBM用水爆実験に成功したと発表した。防衛省ではCTBTOの発表を元に推定爆発規模を160キロトン（当初CTBTOの推定マグニチュード初期値が5.8だったため9月3日午後に70キロトンと発表、その後暫定値でマグニチュード6.0としたため9月5日に120キロトンに修正、最終値がマグニチュード6.1と発表されたため9月6日に160キロトンに修正）としており、ジョンズ・ホプキンズ大学38ノースでは250キロトン、韓国国防省とロシアは50キロトンと発表していて、水爆とみられる。1400頃から機上集塵器２型装備T-4練習機が三沢基地（第３飛行隊）・小松（第301飛行隊）・築城基地から離陸した。外務省アジア太平洋州局長、アメリカ国務省北朝鮮担当特別代表、韓国外交部朝鮮半島平和交渉本部長が電話会談して北朝鮮を非難した。9月4日、韓国空軍F-15K戦闘機がAGM-84H空中発射巡航ミサイル発射訓練を実施し、洋上目標に命中させた。韓国陸軍が玄武2A弾道ミサイル発射訓練を実施し、洋上目標に命中させた9月5日、空自第401飛行隊が大気（希ガス）収集装置装備KC-130Hを飛行させ、収集物を青森県むつ市の日本分析センターむつ分析化学研究所に提供した。9月6日、小野寺防衛大臣とマティス国防長官が電話会談で北朝鮮への圧力継続と日米の緊密な連携を確認。防衛相は韓国国防部長官、イギリス国防相、オーストラリア国防相とも電話で会談し、連携を確認している。9月11日、防衛省が空自T-4練習機による連日の集塵飛行を終了。参考：月刊JWings11,’17、月刊航空ファン11,’17、月刊軍事研究12,’17、11,’17、朝雲

＜核実験（ソ連）＞：1949年8月20日（29日？）、セミパラチンスクでRDS-1核爆弾による初の原爆実験に成功。1951年、大気圏内核実験を２回実施。1953年8月、戦術用小型原爆の実験を実施。8月12日、世界初の乾式水爆実験に成功。1954年、大気圏内核実験を２回実施。1955年、大気圏内核実験を６回実施。1955年7月、原爆砲弾の実験を実施。9月、水中原爆の実験を実施。11月23日、爆撃機による水爆投下実験に成功、世界初の実用水爆配備を証明した。1956年、大気圏内核実験を11回実施。1957年、大気圏内核実験を14回実施。1957年8月、世界初のICBM試射に成功。10月6日、ICBM用水爆弾頭の高空核実験を実施。1958年、大気圏内核実験を25回実施。3月31日、核実験停止を宣言。1961年8月30日、核実験再開を表明。同年中に大気圏内核実験を50回実施した。9月1日、ノバヤゼムリア島で大気圏内核実験を実施。10月23日、50メガトン核爆弾の実験を実施。1962年、大気圏内核実験40回と地下核実験１回を実施。初の大気圏外核実験を実施。1963年、大気圏内核実験を３回実施。8月5日、部分的核実験禁止条約に調印。1964年、地下核実験を５回実施。1965年、地下核実験を５回実施。1966年、地下核実験を14回実施。1967年、地下核実験を14回実施。1968年、地下核実験を12回実施。1969年、地下核実験を15回実施。1970年、地下核実験を10回実施。1971年、地下核実験を15回実施。1972年、地下核実験を22回実施。1973年、地下核実験を16回実施。1974年、地下核実験を12回実施。1975年、地下核実験を10回実施。1976年、地下核実験を10回実施。1977年、地下核実験を11回実施。1978年、地下核実験を４回実施。1979年、地下核実験を29回実施。1980年、地下核実験を21回実施。1981年、地下核実験を21回実施。1982年、地下核実験を31回実施。1983年、地下核実験を27回実施。セミパラチンスク核実験場（現カザフスタン共和国）では1949年から核実験が456回行われ、150万人が被曝したとされる。参考：アメリカの核兵器、MAMOR vol.122

＜核実験（中国）＞：1964-96年に核実験を45回行い、1982年以降の22回は地下核実験となっている。1964年10月16日、ロプノールで初の原爆実験（ウラン235使用、20キロトン）に成功。1965年、大気圏内核実験を１回実施。1966年、大気圏内核実験を３回実施。1967年、大気圏内核実験を２回実施。6月17日、６回目の核実験で航空機投下型水爆実験（2-3メガトン）に成功。1968年、大気圏内核実験を１回実施。1969年9月23日、天山山脈で地下核実験を実施。9月29日、ロプノールで轟炸６型Ａから水爆の空中投下実験を実施。1970年、大気圏内核実験を１回実施。1971年、大気圏内核実験を１回実施。1972年、大気圏内核実験を２回実施。1973年、大気圏内核実験を１回実施。1974年、大気圏内核実験を１回実施。1975年、地下核実験を１回実施。1976年、大気圏内核実験を３回と地下核実験を１回実施。1977年、大気圏内核実験を１回実施。1978年、大気圏内核実験を２回と地下核実験を１回実施。1981年、大気圏内核実験を１回実施。1983年、地下核実験を１回実施。1988年9月27日、中性子爆弾の実験に成功。参考：アメリカの核兵器、月刊世界の艦船5,’15、月刊軍事研究2,’18

＜核実験（フランス）＞：1960年2月13日、サハラ実験場で初の原爆実験（プルトニウム239を20kg使用、威力60-70キロトン）を実施。1960年中に大気圏内核実験を３回実施。1961年、大気圏内核実験を１回と地下核実験を１回実施。1962年、大気圏内核実験を１回と地下核実験を１回実施。1963年、地下核実験を３回実施。1964年、地下核実験を３回を実施。1965年、地下核実験を４回を実施。1966年、大気圏内核実験を５回と地下核実験を１回実施。7月、ムルロア環礁で強化型原爆の実験を開始。1967年、大気圏内核実験を３回実施。6月、核融合開始用原爆の実験を開始。1968年、大気圏内核実験を５回実施。8月24日、ファンタガファ環礁で初の水爆実験（２メガトン）を実施。1970年、大気圏内核実験を８回実施。1971年、大気圏内核実験を５回実施。1972年、大気圏内核実験を３回実施。1973年、大気圏内核実験を５回実施。1974年、大気圏内核実験を９回実施。1975年、地下核実験を２回実施。1976年、地下核実験を４回実施。1977年、地下核実験を２回実施。1978年、地下核実験を７回実施。1979年、地下核実験を９回実施。1980年、地下核実験を11回実施。1981年、地下核実験を11回実施。1982年、地下核実験を５回実施。1983年、地下核実験を７回実施。1996年、ムルロア環礁でM-45SLBM用TN-75核弾頭の実験を実施。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究2,’01

＜核実験制限準備＞：PALENを参照。

＜鄂州＞：513（コルベット）を参照。

＜確証破壊戦略＞：アメリカのマクナマラ国防長官がベトナム戦争勃発後の1965年に議会証言で提示した核戦略。核戦争の抑止には被害局限（Damage Limiting）と確証破壊（Assured Destrucion）の２つの戦力が必要であるというものである。前者は核戦争が起きた際のアメリカの国民と工業力に対する被害を可能な限り抑制すること、後者は先制攻撃を受けてもカウンター・バリュー攻撃によりソ連の人口の３分の１ないし４分の１と工業力の３分の２を破壊して国を崩壊させるだけの報復戦力を保有しているとソ連に確証させることを指す。具体的には、被害局限戦力はICBM・SLBM・有人爆撃機の一部（ソ連の残存核戦力破壊に使う）、地域防御部隊（戦闘機や対潜作戦部隊）、終端防御部隊（地対空ミサイル、対弾道ミサイルシステム）、受動防御（フォールアウト退避、警戒網。民間防衛含む）であり、確証破壊戦力はICBM・SLBM・有人戦略爆撃機である。ソ連の戦略攻撃目標は200カ所で、ここに工業力の４分の３が集中しており、これを壊滅させると１億人に損害を与えられることから、必要な戦力はLGM-30ミニットマン1200基とポラリス搭載潜水艦41隻であると見積もった。1966年2月には必要戦力が下方修正され、ソ連からの攻撃で残存する20%の報復戦力によりソ連の人口の３分の１と工業力の２分の１を破壊すれば良いとして、LGM-30の配備数を1000基に減らした。1967年1月には破壊量をソ連人口の５分の１ないし４分の１、工業力の２分の１ないし３分の２、中国の50都市（都市人口の半分、工業力の２分の１）に修正した。ソ連も同様の核戦力を保有すれば、米ソ核戦争が起きた場合に報復合戦で共倒れになるので、抑止力として作用させるには十分ということになり、1972年のSALT�Tでこれに基づく核兵器保有制限を規定した。ベトナム戦争終戦後は総合兵力戦略、目標選択戦略、相殺戦略に引き継がれた。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究7,’05、9,’18

＜核地雷＞：ADMを参照。

＜革新的研究開発推進プログラム＞：ImPACT（Impulsing Paradigm Change through disruptive Technologies）と略す。2013年9月13日の総合科学技術会議で安倍総理が推進を発表し、10月29-30日の防衛技術シンポジウム2013で政府が概要を発表した構想で、日本版DARPAとして産業・経済・社会にパラダイムシフトを起こすようなハイリスク・ハイリターンの革新的技術研究を行うものである。参考：朝雲

＜角錐形ホーンアンテナ＞：ホーンアンテナを参照。

＜核スチュワードシップ計画＞：アメリカのエネルギー省が1995年5月に発表した計画で、コンピュータ・シミュレーションにより核兵器の安全性、信頼性、性能を確認でき、開発や改良も行えるものである。参考：月刊軍事研究8,’05

＜カクストン＞：M1125（掃海艇）を参照。

＜核政策の四本柱＞：佐藤栄作総理大臣が1968年1月30日に発表した、日本の核政策の基本。非核三原則の堅持、核軍縮・核軍備管理の推進、アメリカの核抑止力への依存、核エネルギーの平和利用の４つである。参考：月刊軍事研究2,’07

＜較正対気速度＞：対気速度を参照。

＜学生長＞：防衛大学校学生の役職。学生隊、大隊、中隊、小隊にそれぞれ置かれており、文武両道・質実剛健の優秀な学生が任命され、リーダー的役割を務める。任期は４ヶ月。参考：MAMOR vol.121

＜核戦争＞：核兵器を使用する戦争。参考：戦争がやってくる

　＜限定核戦争＞：核保有国が核兵器の使用に制限を加えて行う戦争。戦域核戦争に同じ。後に非戦略的核戦争と言い換えられた。参考：戦争がやってくる

　＜戦域核戦争＞：限定核戦争に同じ。参考：戦争がやってくる

　＜戦略的核戦争＞：戦争当事国両者が戦略核兵器を使用して行う戦争。参考：戦争がやってくる

　＜非戦略的核戦争＞：核保有国と核保有国または非核保有国が、核兵器の使用を限定的にして行う戦争。参考：戦争がやってくる

＜核戦略＞：核兵器で戦争に勝つための戦略というより、相手に戦争を起こさせない、核を使わせないための戦略という面が大きい。実際に戦争で核兵器を使ったのが太平洋戦争末期だけであり、使用経験に基づいて戦略を練ることが困難なため、外交・経済・数学といった軍事以外の理論も駆使して作成されている。参考：MAMOR vol.163

＜核戦略（アメリカ）＞：1957年11月、ネオ・ニュールック戦略を採用。1958-60年頃、対兵力戦略と対都市戦略の議論が発生。1961年、柔軟反応戦略を発表。1964年、被害局限戦略を発表。1965年、確証破壊戦略を採用。1971年、総合兵力戦略を発表。1980年、相殺戦略を採用。冷戦終結とソ連崩壊で大量破壊兵器拡散防止に主眼を移し、1993年に地域防衛戦略を発表した。2002年、NPR（核態勢見直し）を発表。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究7,’05

＜核戦略（中国）＞：1964年10月の核武装と同時に、核の先制不使用と、非核保有国・非核地帯に対しての不使用を表明し、核兵器の主任務を実戦使用でなく外交や心理戦に置いた。�ｹ小平時代に最小限抑止理論を打ち立て、核抑止に必要な最小限の核兵器を保有するとした。参考：月刊軍事研究6,’17

＜核戦略（ロシア）＞：1982年、核先制不使用宣言を出した。1993年、軍事ドクトリン要約版が公表され、核兵器保有国と同盟協定を結んでいる国が、ロシアや領土、軍、その他部隊、同盟国に対して武力攻撃を行った場合と、当該国家が核兵器保有国と共にロシアや領土、軍、その他部隊、同盟国に対して侵攻・武力攻撃・それらの支援において共同行動をとる場合に、核兵器を使用すると表明。相手国が核兵器を使用しなくても核兵器を使う可能性が出た。1999年4月、安全保障会議で非戦略核兵器の充実と使用構想を採択（内容は公表されず不明）。2000年、軍事ドクトリンが公表され、ロシアまたは同盟国に対して大量破壊兵器が使用された場合、通常戦力による大規模攻撃でロシアの安全保障が危機的状態に陥った場合、核不拡散条約に加盟する非核保有国が単独または核保有国と連携してロシアや領土、軍、その他部隊、ロシア同盟国、ロシアが安全保障上の義務を有する国に攻撃を行った場合に核兵器を使用するとし、使用基準が改変拡大された。2010年、軍事ドクトリンが公表され、ロシアと同盟国に対して核兵器または大量破壊兵器を使用した攻撃が行われた場合と、ロシアに対する通常攻撃により国家の存立が脅かされる場合に核兵器を使用するとした。ただ軍事ドクトリンは公開部分と非公開部分から構成されるらしく、安全保障会議書記長は公表３ヶ月前に地域紛争や局地戦での核使用、予防核攻撃の実施についても言及している。2014年12月25日に2010年版軍事ドクトリンが改訂されたが、核使用基準はそのままである。2020年6月2日、核抑止分野におけるロシア連邦の国家政策の基礎にプーチン大統領が署名した。核兵器の主任務は軍事的紛争または侵略の抑止で、国家が存立の危機に直面した場合（自国・同盟国に対して核兵器など大量破壊兵器が使用された場合や、通常兵器によるロシアへの侵略により国家の存立が危機に瀕した場合）に使用するとしている。参考：月刊軍事研究6,’15、月刊世界の艦船11,’22

＜拡大ＡＳＥＡＮ国防相会議＞：ADMMプラスと略す。ASEAN国防相会議（ADMM）にアメリカ、インド、オーストラリア、韓国、中国、日本、ニュージーランド、ロシアの国防相を加えた会議で、2010年10月に第１回が開催された。2011年には専門家会合が発足している。2013年8月、第２回が開催され、朝鮮半島非核化やシリアの化学兵器に関する意見交換を行った。2014年7月3-4日、東京都内で人道支援・災害救援専門家会合を実施。今後３年間の目標として、ガイドラインやハンドブックの作成などで合意した。2015年11月4日、マレーシアで全体会合を実施。航行の自由の文言を盛り込むかどうかなどで米中が対立し、共同宣言は採択されず、議長声明のみ発表された。中谷防衛大臣はアメリカによる航行の自由作戦を支持し、法の支配に立脚した航行・飛行の自由を訴えた。また、アメリカ、インド、オーストラリア、中国（４年５ヶ月ぶり。海空連絡メカニズム早期運用開始で一致）、フィリピン、マレーシアなどの国防大臣と２国間会談を行っている。12月9-10日、東京都内で人道支援・災害救援専門家会合を開催。ADMMプラスの18カ国と国連人道問題調整事務所などから100名が参加し、軍による災害救援活動を効率化する標準作業手順書を翌年度中に完成させるべく議論を行った。2016年5月10日、千葉県内のホテルで人道支援・災害救援専門家会合を開催。18カ国とASEAN事務局関係者ら80名が出席し、標準作業手順書基本案を決定、9月の多国間演習で試行することになった。9月3-9日、タイ南部で第２回人道支援・災害救援及び防衛医学実動演習（AM-HEx2016）を実施。ASEANプラス構成18カ国が多国間調整要領や医療活動の訓練を行った。自衛隊から隊員210名、LST-4003くにさき、C-130H輸送機１機が参加している。2017年10月24日、フィリピンのクラーク経済特区で第４回が開催された。航行の自由を巡って米中が対立し共同宣言は見送られたが、北朝鮮への圧力強化を明記する議長声明を採択した。小野寺防衛大臣はアメリカ、韓国、オーストラリア、フィリピン、ベトナムの国防相と個別に会談し、日米韓防衛相会談や日ASEAN防衛担当大臣会合も実施、中国国防相とも短時間言葉を交わして中国による北朝鮮制裁支持を評価し、海空連絡メカニズム早期運用への努力を再確認している。2019年7月30日から8月1日、クアラルンプールで人道支援／災害救援演習を実施。ASEAN10カ国、アメリカ、インド、オーストラリア、韓国、中国、日本（自衛隊から統幕や情報本部など５名）、ニュージーランド、ロシアが参加し、ASEAN域内での大規模地震・津波発生を想定した多国間幕僚活動や防衛省−マレーシア間での通信訓練などを行っている。11月17-18日、バンコクで第６回が開催された。2020年12月10日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で第７回がオンライン形式で開催され（議長はベトナム）、共同宣言を採択、日本が2021-23年にベトナムと共にPKO専門家会合共同議長国を務めることが決まった。2021年4月6日、PKO専門家会合を開催。日本とベトナムが共同議長を務め、統合幕僚学校国際平和協力センターなどが参加し、国連PKOにおける女性・平和・安全保障を議題とする会合を行った。6月16日、ブルネイが議長を務め、第８回をオンライン形式で開催。岸防衛大臣が力による現状変更の試みに反対し、全ての当事者が国連海洋法条約など国際法に基づく紛争の平和的解決に向けた努力の重要性を強調、中国の海警法に懸念を示し、台湾問題の平和的解決を期待、北朝鮮の大量破壊兵器と全弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄に向けた国連安保理決議の完全な履行の重要性を述べ、ミャンマー情勢に対するASEANによる努力を評価、自由で開かれたインド太平洋ビジョンへの協力・連携を呼びかけた。会議では未来に備えた平和的で繁栄したASEANに関するADMMプラス国防大臣によるADMM15周年記念バンダル・スリ・ブガワン宣言を採択している。2023年10月14-21日、インドネシアのジョグジャカルタ特別州で人道支援・災害救援演習を実施。ADMMプラス参加国18カ国（自衛隊からは統幕５名、陸自10名、空自20名、C-130H輸送機１機）とASEAN事務局が参加し、図上訓練（国際緊急援助活動における多国間調整）と実動訓練（多国間調整所における調整、参加国軍等と連携した航空輸送活動及び医療援助活動）を行った。参考：MAMOR vol.71、vol.83、月刊航空ファン11,’16、朝雲

＜核態勢見直し＞：NPRを参照。

＜拡大方形捜索パターン＞：捜索目標の位置が判明しており、捜索区域が狭い場合に用いる。目視や、赤外線暗視装置のポジション・スキャン機能を使用した捜索に適している。参考：月刊JWings12,’99

＜拡大抑止戦略協議体＞：韓国とアメリカの核戦略協議体、略称EDSCG(Extended Deterrence Strategy and Consultation Group)。2016年に設置された。文在寅政権下で停止された。2022年5月21日、米韓首脳会談共同声明で再開を確認した。参考：朝雲

＜カクタス＞：クロタル・シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜カクタス＞：ロシア陸軍試作装甲防御システムで、さぼてんの意。複合装甲とEDZを組み合わせており、チョールヌイ・オリョールが採用した。参考：月刊グランドパワー9,’03

＜楽長＞：日本海軍用語で、善行章を１本付けた上等水兵（二等兵）のこと。３年勤務しているのに一等兵になれていない者（普通は２年半で進級する）で、軍楽兵は進級が遅いことからきている。成績が悪い、病気がち、素行不良といった原因があり、自分では一等兵以上の気分で行動するため、タチが悪かった。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜拡張型低高度空中偵察機＞：RO-6A ARL-Eを参照。

＜拡張型モジュラー装甲システム＞：MEXASを参照。

＜格闘徽章＞：陸上自衛隊の徽章。盾と二叉の剣を月桂冠が囲むデザインで、格闘に関する技能検定で陸上幕僚長が定める基準以上の成績を収めた者が付ける。上級指導官が付ける格闘徽章（金）と、部隊指導官または逮捕術検定で逮捕術指導官の資格を持つものが付ける格闘徽章（銀）があり、（金）では盾と剣が金色になる。参考：MAMOR vol.62、vol.86、vol.100

＜格闘教範＞：陸上自衛隊の教範。陸上自衛隊の格闘技術や訓練法が記載されており、これに基づいて格闘教育訓練を行う。グレーゾーン事態対応で、工作員やゲリラに格闘で対抗する必要性が高まったため、2020年に改編を加え、相手を複数で制止・抑制・拘束連行する非致死技術を追加し、警棒や拳銃などの装備を使用した技術を多様化、格闘技術を合理的かつ必要に応じて使用するための戦術格闘訓練を実施することとした。参考：朝雲

＜格闘術（陸上自衛隊）＞：従来は徒手格闘と銃剣格闘だったが、近接戦闘への実戦的対処を行うため、徒手技術と武器技術に改編され、2008年に全部隊への導入を完了した。2012年からは28の技からなる新基準のテストを実施中。参考：朝雲

＜格闘戦＞：ドッグファイトを参照。

＜学童疎開＞：疎開を参照。

＜学徒義勇戦闘隊＞：国民義勇戦闘隊を参照。

＜学徒出陣＞：大日本帝国の徴兵制では20歳男性が徴兵の対象となるが、昭和2年の段階で、22歳までの中学校生徒、25歳までの師範学校、高等学校、高等科、大学校予科、専門学校（3-4年制）、高等師範学校生徒、27歳までの専門学校（５年制）、高等師範専攻科、大学学部生徒には徴兵猶予特権があった。昭和14年、在学者の徴収延期年齢が26歳以下に引き下げられた。昭和16年、大学学部などの修業年限が３ヶ月短縮され、昭和17年には3-6ヶ月の修業年限短縮が決定した。昭和18年、大学予科の修業年限が２年に、中学校の修業年限が４年に短縮され、中学校の徴収延期が廃止され、10月（9月？）からは在学を理由とする徴収猶予制度自体が廃止された。これに伴い、在学中の学生も軍に入ることとなり、10月25日から11月5日までに最初の学生徴兵検査が実施され、11月21日に出陣学徒壮行会が東條首相兼陸軍大臣と岡部文部大臣列席のもと神宮外苑競技場で行われ、12月1日に入隊（海軍は12月9-10日）した。ただし11月13日の陸軍省令で、教員を目指す学生と理工系学生は入営延期が認められていたので、出陣学徒として執銃帯剣し校旗を先頭に神宮外苑競技場を分列行進した77校の生徒は全員文科系学生であり、スタンドでは96校の理工医科系男子学生と女学生が校旗を持って見送った。学生の総動員数は30万人以上といわれる。参考：戦時用語の基礎知識、軍医サンよもやま物語

＜学徒隊＞：日本が太平洋戦争末期に編成した学童・生徒組織。昭和20年5月22日の戦時教育令を受けたもので、全学徒を食料増産、軍需生産、防空、重要研究などの国防任務に総動員し、授業を１年間停止することにした。終戦時には340万人が動員されていた。参考：戦時用語の基礎知識

＜格納庫＞：艦上機の収容・整備スペース。ヘリコプター用はヘリコプター格納庫を参照。参考：月刊世界の艦船8,’11

＜格納庫（航空母艦）＞：Hangar Bay。艦上機の収容・整備スペースで、飛行甲板直下に設けられる。多数の航空機を収容するため床面積が広く、甲板を構成するので、格納庫甲板（Hangar Deck）もいう。搭載機数を稼ぐため２段にしたものもあるが、艦上機の大型化で第２次大戦後は１段になった。艦上機はエレベーターで飛行甲板に持ち上げる。格納庫内にはスライド式防火扉がいくつか設置されており、火災になった場合には扉を閉じて区画を閉鎖、消火剤を充満させる。前方を開放して短い飛行甲板にしたり、カタパルトを取り付けたりして緊急時に格納庫内から直接艦上機を発艦できるようにしたものも作られたが、実用性に欠けたらしく、廃れた。船体上甲板が床になるよう格納庫を作り側面を吹き抜けにした開放型と、船体内に格納庫を設けた閉鎖型がある。開放型といっても舷側が支柱だけで内部が丸見えという訳では無く、要所に壁やシャッターを配置している。閉鎖型でもエレベーターや艦尾の艦上機エンジン点検場所などに開口部があり、適宜シャッターで塞ぐ。ブラスト・デフレクターを設けて被弾時の爆風を逃がすこともある。開口部の多い開放型は格納庫火災時に火の付いた物を投棄でき、ダメージ・コントロールに優れ、重量軽減と搭載機数増加が見込めるとしてアメリカ海軍が採用した（ただしCV-7ワスプのように沈む時は沈む）。これに伴い、アメリカ海軍では主船体の上甲板を格納庫の床にし、支柱を立てて上にギャラリー・デッキと飛行甲板を載せる構造にしたので、格納庫甲板をメイン・デッキ（Main Deck）と呼んだ。第２次大戦後はアメリカ海軍も閉鎖型を採用し、主船体の上甲板は飛行甲板になったが、相変わらず格納庫甲板をメイン・デッキと呼称している。参考：月刊世界の艦船8,’11、11,’15、6,’17、3,'21、2,'22、護衛空母入門

＜格納庫（揚陸艦）＞：強襲揚陸艦では上甲板を広い飛行甲板とし、船体内に航空機格納庫を設ける。主役は水陸両用戦部隊なので、船体前部は居住区や倉庫に譲り、船体中央から艦尾あたりに配置し、エレベーターで飛行甲板と繋ぐ。ドック型輸送揚陸艦では搭載機数が少なく飛行甲板（ヘリ甲板）も狭いので、飛行甲板前方にヘリ格納庫を設けて済ませる。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜核の傘＞：核保有国が、核の使用の可能性などによる威嚇を通じ、核非保有または核能力の不十分な同盟国及び友好国に対する、核攻撃を含む武力攻撃を抑止すること。核保有国が核の傘を被せるのに十分な核戦力を持っており、それを使用する意志を持ち、同盟国や友好国がそれに肯定的な評価を有していることが核の傘の下に入る要件である。参考：月刊軍事研究7,’95

＜核爆発検知システム＞：NDSを参照。

＜核爆雷＞：爆雷の弾頭に核兵器を使用したもの。対象の潜水艦をほぼ確実に沈められるが、味方や中立国の艦船を巻き込む危険があるので、1-5キロトンくらいに威力を抑えておく。参考：アメリカの核兵器

＜岳飛＞：FFG1106（フリゲート）を参照。

＜核不拡散条約＞：NPTを参照。

＜核分裂反応＞：ある原子核を２つ以上の原子核に分裂させること。質量数56以上の原子ではこれにより核子質量の一部がエネルギーに転換される。また、中性子が放出される。1938年、ドイツのハーンとシュトラウスマンが、ウラン235に中性子を当てると核分裂を起こし、２つの新たな原子と平均2-3個の中性子を放出、減った分の質量がエネルギーに転換されることを発見した。参考：月刊世界の艦船2,’15、核兵器事典、アメリカの核兵器

＜核分裂物質＞：核分裂反応が起こりうる物質のことだが、核分裂連鎖反応を起こせる物質、要するに原爆・原子炉燃料の材料になる物質を指すことが多い。参考：核兵器事典

＜核分裂兵器＞：原子爆弾を参照。

＜核分裂連鎖反応＞：核分裂１回あたり１個以上の中性子が更なる核分裂のために生じ、核分裂反応が維持されること。一定量を超える核分裂物質が必要で、この必要量を臨界量という。中性子の漏れを防いだり、中性子を吸収する不純物を除いたりすると効率が良くなる。発生する中性子のエネルギーにはムラがあるので、高速中性子のみで核分裂反応が生じる核分裂物質（ウラン238、プルトニウム240など）では、単独では連鎖反応の維持ができない。参考：核兵器事典

＜核兵器＞：原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾など、核分裂・核融合反応を用いた兵器の総称。使用法には人口や政治経済中枢など敵国の基盤を破壊するカウンター・バリュー攻撃と、敵軍核戦力や司令部組織などを破壊するカウンター・フォース攻撃があり、後者は核攻撃を想定して作られた頑丈な施設を破壊できる威力とCEP200m以下の精度が求められる。不必要に威力が大きくて味方も巻き添えにする、相手に戦略戦術上及び人道上過大すぎる損害を与える、核保有国相手に使うと全面核戦争に発展して人類や地球が滅びるといった欠点があり、実戦では広島と長崎に投下されたのみで、後は核抑止の役割を果たしている。参考：戦争がやってくる、月刊軍事研究10,’10、月刊世界の艦船11,’17、1,’18

　＜戦域核兵器＞：Theater nuclear。参考：軍事力バランス78年版

　＜戦略核兵器＞：都市、工業地帯、軍事・交通・通信中枢、戦略兵器基地などを破壊するために用いられる核兵器。弾頭威力は0.1-数メガトン。参考：月刊軍事研究5,’07、10,’10、戦争がやってくる

　＜中距離核兵器＞：核搭載IRBMのこと。参考：戦争がやってくる

　＜戦術核兵器＞：敵正面戦力や後方連絡線など、戦術目標に対し使用する核兵器。ただし戦略目標にも十分な威力を発揮できるので、一般には戦術機にも搭載可能な小型軽量核兵器を指す。あまり威力が大きくても効率が悪く、被害が味方にまで及んだりするので、弾頭威力は0.1-100キロトン程度である。被害を局限するための投下法も重要。アメリカなど西側では核抑止力の一端を担うもので、戦略核兵器と同様に最後の手段として考えられていたが、ソ連では戦力の一部を分担する兵器であり、実戦で使用するハードルは相当に低かった。参考：月刊軍事研究10,’10、5,’07、4,’11、アメリカの核兵器、戦争がやってくる

＜核兵器禁止条約＞：前文24項目と条文20からなる。前文では核兵器の使用が招く壊滅的な人道上の結末、事故などによる核兵器の存在リスク、被爆者と核実験の影響を受けた人々の受け入れがたい苦痛と危害を指摘し、核兵器のいかなる使用も国際法（特に国際人道法）の原理規則に反しているとして核兵器廃止の意義を述べ、本条約が既存の核軍縮態勢と矛盾せず、原子力平和利用の権利を妨げないとしている。条文では、核兵器または核爆発装置の開発、実験、生産、製造、その他獲得、保有、貯蔵、直接・間接問わずいかなる核兵器または核爆発装置またはそうした兵器または爆発装置の管理の委譲、直接・間接問わず核兵器または核爆発装置の委譲・管理の委譲の受け入れ、核兵器または核爆発装置の使用または使用の威嚇、本条約で締約国が禁じられる活動に従事させるためにいかなる方法でも誰かを援助・奨励・勧誘すること、本条約で締約国が禁じられる活動に従事させるためにいかなる方法でも誰かに援助を求めたり援助を受け入れたりすること、領域内または管轄権・支配が及ぶいかなる場所にも核兵器または核爆発装置を配備・導入・展開させることが禁止されている。締約国は条約発効後30日以内に、国連事務総長に宛て、保有する核兵器または核爆発装置、核兵器計画関連施設、自国管理領域内にある核兵器または核爆発装置の状況を申告し、条約発効後もこれらを保有していた場合には直ちに破壊・廃棄・不可逆的転換・撤去を行い、法的権限のある国際機関（具体的にどういう国際機関にするかは今後決める予定で、どの程度の強制力があるかは不明）による検証を受ける。締約国の管轄が及ぶ核兵器の使用または核実験の影響を受けた個人に対して援助し、汚染領域の環境改善に向けた処置を行う。核兵器の使用または核実験を行った締約国は、その影響を受けた締約国に、被害者援助と環境改善に必要な支援を提供する責任を負う。締約国は、非締約国に対し、本条約への署名、批准、受諾、承認、加盟を促し、全ての国から普遍的な支持が得られるようにする。2016年の国連総会で2017年からの条約交渉開始決議案が123カ国の賛成で採択され、2017年3月27日に国連本部で条約交渉会議開幕式典を実施。日本は軍縮大使を派遣し、核保有国の協力が得られる見込みが無いため交渉参加が困難であると表明した。7月7日、国連本部で投票が行われ、参加124カ国中賛成122カ国、反対１カ国（オランダ）、棄権１カ国（シンガポール）で採択された。核保有国や核の傘の下に入っている各国（オランダ除く）は投票に参加していない。2020年10月24日、50カ国が批准し、90日後の発効が決定した。2022年6月、ウィーンで第１回締約国会議を実施。この時点で加盟国は65カ国だが、オブザーバー国含め83カ国が参加し、核無き世界の実現に向けた即時行動を呼びかける政治宣言と、50項目の行動計画を採択した。参考：月刊軍事研究2,’18、朝雲

＜核兵器使用禁止決議＞：1961年11月24日に国連で採択された国連決議1653。核兵器・熱核兵器の使用が、国連憲章の直接的違反、国際法規と人道法違反、人類と文明に対する犯罪であると定めている。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜核兵器の威嚇又は使用の合法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見＞：1996年7月8日に国際司法裁判所で出された勧告的意見。1994年に国連総会で採択された、核兵器の威嚇又は使用は国際法の下でいかなる状況においても許容されるかについて意見を求める決議に基づいて出された。核兵器による威嚇、核兵器の使用に関し、いかなる特別の権限も慣習国際法上・条約国際法上存在しないこと、その包括的・普遍的禁止も慣習・条約国際法上存在しないこと、国連憲章２条４項に違反し51条の全ての要請を満たしていない核兵器による威嚇・使用は武力紛争に適用される国際法の規制（特に人道法の原則と規制）において一般的には違法であることを勧告している。ただし、国家存亡のかかった自衛の極端な事情の下で、核兵器の威嚇・使用が合法か違法かははっきりと結論し得ないとした。また、核軍縮交渉を誠実に遂行し完了させる義務が存在するとしている。参考：月刊軍事研究1,’18、軍縮条約・資料集第２版

＜核兵器の威力＞：原爆が空中爆発した場合、放出エネルギーの50%が爆風、35%が熱線（赤外線）、5%が初期放射線（爆発後１分以内に放出される放射線）、10%が残留放射線（原子雲やフォールアウトから爆発後１分以上経過して放出される放射線）となる。水爆が空中爆発した場合、30%が爆風、20%が熱線、50%が初期放射線、数％が残留放射線となる。これらによる被害は爆発規模のみならず、気象や地形によって大きく左右される。霧や雨は熱線を遮り、複雑な地形は爆風を屈折回折させ、風はフォールアウトを遠距離まで運搬する。爆心には火球が出現し、温度は数千度から数百万度に達するので全てが蒸発してしまう。熱線は光速で伝播し、着火物を燃焼させ、皮膚に火傷（１平方センチメートルあたり4-7Calで第２度熱傷、それ以上で第３度熱傷）を与える。ガラスなど透明なものを除いて物体を貫通はしないので、遮蔽物の陰に入れば損害を軽減でき、白など明るい色のものなら熱線エネルギーの一部を反射してくれるが、遮蔽物が可燃物だと燃え出したりするので注意。炸裂した際の強烈な閃光が目に入ると最大数分間の盲目状態を作り出し、直視すれば網膜が焼けて失明する。自動車などを運転していれば事故を引き起こすし、火災や瓦礫などを避けることも出来なくなる。爆風は、爆発地点の空気が押しのけられることで発生する衝撃波（静的加圧）と、それに続く毎秒数十メートルの強風（動圧）の２種類で構成される。人間に対する直接被害は、静的加圧によるものは爆心地近く以外では鼓膜が破れる程度、動圧によるものは地面や建物などに叩き付けられて生じる損傷であり、爆風そのものによる直接被害よりは、爆風により破壊された建物の下敷きになったり、破片に当たったりといった間接被害の方が遥かに多い。5psi（１平方センチあたり0.35kg、345hPa）の静的加圧が加わる地点では、その後秒速70mの強風が襲い、普通の建物はほぼ確実に倒壊し、外に立っている人は吹き飛ばされて致命傷を負うが、建物の中にいる人が爆風の直接・間接被害で死亡する確率は50%前後とみられている。建物の中にいた場合、爆風が到達した際に伏せていると、立っているよりも被害は少なくなる。爆発高度ゼロの場合、爆心地付近の地上における加圧は最大となるが、被害の及ぶ範囲は限定されるので、ミサイルサイロなど堅固な小目標の破壊に適する。爆発高度を上げていくと、爆心地付近の地上における加圧は減少するが、一定の圧力が発生する範囲は広くなり、都市や工業地帯など防備されていない広い地上面の破壊に使用される。初期放射線はα線、β線、γ線、中性子線を含むが、α線は数センチメートル、β線は数メートル飛んだところで大気中の原子に当たって阻止されるので、実質的に人体へ被害を与えるのはγ線と中性子線である。これらは急性及び慢性の放射線障害を引き起こす。残留放射線は原子雲、初期放射線で放射能化した土壌・瓦礫、フォールアウトから放出される。火球が地面に接触する高度での炸裂ではフォールアウトが大量に発生し、風に乗って広範囲を汚染、体内に取り込まれて内部被曝を引き起こす（よってα線やβ線による障害も発生する）。ストロンチウム90やプルトニウム239は骨や筋肉、ヨード132は甲状腺と肝臓に蓄積する。初期放射線のγ線は大気中または地面の原子と衝突して電離状態を引き起こし、強力な電離空間を出現させ、NEMP（核電磁パルス）と電波吸収効果を発生させる。高空爆発では熱線、爆風、初期放射線が地上の広範囲に被害を与えるが、地中の構造物への被害とフォールアウトは限定的である。屋外にいる人員の殺傷や、NEMPによる効果を期待する際に使用される。低空爆発では爆風の被害を爆心地近くに集中させることができ、熱線や放射線の被害は高空爆発に似る。人員や建物を破壊するのに使用される。地上爆発（爆発高度が火球の半径以下）では熱線と爆風の被害が爆心地近くに限定され、地上にはクレーターが生じる。クレーターの大きさは、威力１キロトンでは乾燥土壌で半径20m・深さ7m、飽和土壌で半径30m・深さ10m、５キロトンでは乾燥土壌で半径34m・深さ10m、飽和土壌で半径50m・深さ15m、10キロトンでは乾燥土壌で半径42m・深さ12m、飽和土壌で半径63m・深さ18m、50キロトンでは乾燥土壌で半径70m・深さ15m、飽和土壌で半径110m・深さ26m、100キロトンでは乾燥土壌で半径90m・深さ20m、飽和土壌で半径130m・深さ30m、500キロトンでは乾燥土壌で半径200m・深さ30m、飽和土壌で半径230m・深さ45m、１メガトンでは乾燥土壌で半径250m・深さ35m、飽和土壌で半径300m・深さ50m。初期放射線の範囲は狭いが、大量のフォールアウトが生じて広範囲に汚染を生じる。地上や地下のハードターゲットの破壊に使用される。地中爆発では被害が爆心地付近に局限されるため、被災地域を限局しつつ地下のハードターゲットを破壊する際に使用される。地下200mの施設を破壊するには300キロトン、300mの施設では１メガトンの弾頭を地下10mまで潜らせて炸裂させる必要がある。都市への破壊効果はメガトン等価量、ミサイルサイロなど点目標への破壊効果はCMPで表される。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究2,’07、1,’18、月刊丸3,’90

　＜核兵器の威力（長崎）＞：長崎に投下されたMk3原爆の実際の爆発力は20プラスマイナス２キロトンと推定される。光線エネルギーは爆心地から1kmで１平方メートルあたり1768kJ、2kmで261kJ、3kmで184kJであり、4kmでも92kJあって露出皮膚に火傷を負わせた。爆風と火災で6.7平方キロメートルが壊滅、51000戸が被災（うち全焼22.7%、全壊2.6%、半焼・大破10.8%）した。発生した放射線の大部分はγ線と中性子線で、被曝線量は爆心地でγ線251Gy／中性子線39Gy、爆心地から500mで70.9Gy／7.03Gy、1000mで8.88Gy／0.359Gy、1500mで1.19Gy／0.017Gy、2000mで0.178Gy／0.001Gy、2500mで0.029Gy／0Gyと推定される。半年後までの人的被害は死者27000人、負傷者41000人。参考：アメリカの核兵器

　＜核兵器の威力（広島）＞：広島に投下されたMk1原爆の計画爆発力は20キロトンだが、実際には12.5プラスマイナス１キロトンであったとされる。炸裂と同時に温度数百万度の火球が発生し、１万分の１秒後に温度30万℃・直径28m、100分の１秒後に5000℃・180m、10分の３秒後に7000℃、１秒後に5000℃・直径280mとなり、以降は直径を縮小、３秒後に1700℃まで下がり、10秒で光を出さなくなった。炸裂高度は600m弱なので、火球の直撃による被害は無かったと推定される。炸裂から３秒までに光線エネルギーの99%が放射され、0.3-3秒までに放出された赤外線が人間と建物に被害を与えた。爆心地近くでは太陽光線（３秒間で2.6kJ）の1000倍以上の熱エネルギーに晒されて物体の表面温度は数千℃にも達し、爆心地から1.2km以内では遮蔽の無い所にいた人間は致命的な熱傷を負った。また、爆心地から2km以内の着火物には全て火が付き、死者の60%は熱傷と火災が原因だった。高速で膨張する火球により圧縮された火球周辺の空気は高圧の衝撃波を生み、通過後に低圧部分を生じた後、高圧の爆風が続いた。衝撃波は10秒後に3.7km、30秒後には11kmの地点にまで達している。最大風速は爆心地から500mの所で秒速280mにもなり、鉄骨の建物も吹き飛ばされた。爆心地から1.8kmまでの建物はほぼ全て大破し、15km離れた所でもガラスが砕け散ったため、下敷きになったり、破片が直撃したりして大量の死傷者（死者の20%は爆風が原因）を生じており、爆心地から1.3kmまででは爆風による死傷者が最も多かったとみられる。この爆風と火災で13万平方キロメートルが壊滅、76000戸が大破・半焼以上の損害を受けた。発生した放射線の大部分はγ線と中性子線で、被曝線量は爆心地でγ線103.33Gy／中性子線141Gy、距離500mで27.9Gy／31.5Gy、1000mで2.55Gy／1.91Gy、1500mで0.216Gy／0.101Gy、2000mで0.019Gy／0.005Gy、2500mで0.002Gy／0Gyと推定され、死者の20%は被曝による死亡と推定される。核反応を起こさずに残ったウランや、放出されたγ線及び中性子線により生じた放射性物質などのため、爆心地から1km以内へ爆発後100時間以内に立ち入った人は最大0.6-1.3Gyを被曝したとみられる。また、「黒い雨（火災により上空に達した炭素粉末が水滴と混じったもの）」やフォールアウトによる被曝も広範囲に生じた。半年後までの死者は74000人、行方不明者数千人、負傷者84000人と発表されている。参考：アメリカの核兵器

　＜核兵器の威力（５キロトン）＞：地表爆発では暴露人員は爆心地から925mまでで第２度熱傷を負い、1050mまでで傷害を受ける。建物内にいると950mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が325mまで、建物が175mまで。高度100mでは暴露人員は爆心地から1550mまでで第２度熱傷を負い、1050mまでで傷害を受ける。建物内にいると950mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が500mまで、建物が250mまで。高度200mでは暴露人員は爆心地から1550mまでで第２度熱傷を負い、1025mまでで傷害を受ける。建物内にいると950mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が450mまで、建物が200mまで。高度400mでは暴露人員は爆心地から1525mまでで第２度熱傷を負い、975mまでで傷害を受ける。建物内にいると925mまでで傷害を受ける。物的損害は生じない。高度600mでは暴露人員は爆心地から1450mまでで第２度熱傷を負い、850mまでで傷害を受ける。建物内にいると725mまでで傷害を受ける。物的損害は生じない。高度800mでは暴露人員は爆心地から1350mまでで第２度熱傷を負い、675mまでで傷害を受ける。建物内にいると500mまでで傷害を受ける。物的損害は生じない。高度1000mでは暴露人員は爆心地から1200mまでで第２度熱傷を負い、325mまでで傷害を受ける。建物内にいると傷害を受けない。物的損害は生じない。参考：アメリカの核兵器

　＜核兵器の威力（２０キロトン）＞：地表爆発では暴露人員は爆心地から1675mまでで第２度熱傷を負い、1250mまでで傷害を受ける。建物内にいると1175mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が600mまで、建物が325mまで。高度100mでは暴露人員は爆心地から2350mまでで第２度熱傷を負い、1250mまでで傷害を受ける。建物内にいると1175mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が850mまで、建物が450mまで。高度200mでは暴露人員は爆心地から2875mまでで第２度熱傷を負い、1250mまでで傷害を受ける。建物内にいると1200mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が850mまで、建物が250mまで。高度400mでは暴露人員は爆心地から2850mまでで第２度熱傷を負い、1200mまでで傷害を受ける。建物内にいると1350mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が700mまで、建物は損害を受けない。高度600mでは暴露人員は爆心地から2825mまでで第２度熱傷を負い、1125mまでで傷害を受ける。建物内にいると1500mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が75mまで、建物は損害を受けない。高度800mでは暴露人員は爆心地から2775mまでで第２度熱傷を負い、975mまでで傷害を受ける。建物内にいると1150mまでで傷害を受ける。物的損害は生じない。高度1000mでは暴露人員は爆心地から2700mまでで第２度熱傷を負い、775mまでで傷害を受ける。建物内にいると625mまでで傷害を受ける。物的損害は生じない。高度1200mでは暴露人員は爆心地から2625mまでで第２度熱傷を負い、400mまでで傷害を受ける。建物内では傷害を受けない。物的損害は生じない。参考：アメリカの核兵器

　＜核兵器の威力（４０キロトン）＞：加圧による死亡は爆心地から0.2kmまで、重傷肺損傷は0.6kmまで、軽症肺損傷は1.3kmまで、鼓膜破裂は2.2kmまで生じうる。50%の人間が鼓膜破裂を起こすのは0.7kmまで。爆風で人間が吹き飛ばされる（確率1%）のは、開けたところで1.7kmまで、構造物近くだと1.9kmまで。構造物近くの人間が50%の確率で吹き飛ばされるのは1.1kmまでである。３度熱傷が生じるのは2.8kmまで、熱傷無しで済むのは5.2km以上離れた地点。閃光盲目は14.8km、網膜熱傷は37.0kmまで発生する。放射線を1000ラド（10グレイ）の致死量被曝するのは1.3km、即時障害の出ない100ラド（１グレイ）被曝は1.9km。参考：アメリカの核兵器

＜核兵器の威力（１００キロトン）＞：地表爆発では暴露人員は爆心地から3100mまでで第２度熱傷を負い、1700mまでで傷害を受ける。建物内にいると1875mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が1100mまで、建物が600mまで。高度100mでは暴露人員は爆心地から3850mまでで第２度熱傷を負い、1950mまでで傷害を受ける。建物内にいると1925mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が1625mまで、建物が925mまで。高度200mでは暴露人員は爆心地から4600mまでで第２度熱傷を負い、2100mまでで傷害を受ける。建物内にいると2000mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が1600mまで、建物が800mまで。高度400mでは暴露人員は爆心地から1400mまでで第２度熱傷を負い、2175mまでで傷害を受ける。建物内にいると2100mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が1400mまで、建物は600mまで。高度600mでは暴露人員は爆心地から5650mまでで第２度熱傷を負い、2175mまでで傷害を受ける。建物内にいると2275mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が950mまで、建物が275mまで。高度800mでは暴露人員は爆心地から5625mまでで第２度熱傷を負い、2175mまでで傷害を受ける。建物内にいると2475mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が200mまで、建物は損害を受けない。高度1000mでは暴露人員は爆心地から5575mまでで第２度熱傷を負い、2150mまでで傷害を受ける。建物内にいると2600mまでで傷害を受ける。物的損害は生じない。高度1200mでは暴露人員は爆心地から5525mまでで第２度熱傷を負い、1150mまでで傷害を受ける。建物内では2700mまで傷害を受ける。物的損害は生じない。高度1400mでは暴露人員は爆心地から5000mまで第２度熱傷を負い、600mまでで傷害を受ける。建物内では2600mまでで傷害を受ける。参考：アメリカの核兵器

　＜核兵器の威力（１７０キロトン）＞：加圧による死亡は爆心地から0.3kmまで、重傷肺損傷は0.9kmまで、軽症肺損傷は2.0kmまで、鼓膜破裂は3.7kmまで生じうる。50%の人間が鼓膜破裂を起こすのは1.1kmまで。爆風で人間が吹き飛ばされる（確率1%）のは、開けたところで3.0kmまで、構造物近くだと3.5kmまで。構造物近くの人間が50%の確率で吹き飛ばされるのは1.9kmまでである。３度熱傷が生じるのは4.8kmまで、熱傷無しで済むのは8.9km以上離れた地点。閃光盲目は16.7km、網膜熱傷は42.6kmまで発生する。放射線を1000ラド（10グレイ）の致死量被曝するのは1.5km、即時障害の出ない100ラド（１グレイ）被曝は2.0km。参考：アメリカの核兵器

＜核兵器の威力（１メガトン）＞：炸裂の瞬間、半径1200mの火球が生じ、加圧による死亡は爆心地から0.5kmまで、重傷肺損傷は1.5kmまで、軽症肺損傷は3.9kmまで、鼓膜破裂は6.5kmまで生じうる。50%の人間が鼓膜破裂を起こすのは1.9kmまで。爆風で人間が吹き飛ばされる（確率1%）のは、開けたところで6.1kmまで、構造物近くだと7.0kmまで。構造物近くの人間が50%の確率で吹き飛ばされるのは3.9kmまでである。爆風で半径8kmの地域が壊滅する。爆心から9.6kmまでは３度、12kmまでは２度（深度）以上、18kmまでの地域の人は２度（浅度）以下の熱傷を負う。熱傷無しで済むのは16.1km以上離れた地点。半径20kmまでの地域で火災が発生し、炸裂時の強烈な閃光で、快晴の昼間なら21km先、快晴の夜間なら85km先まで閃光盲目に陥る恐れがある。網膜熱傷は46.3kmまで発生する。高度500-600mで炸裂した場合、爆心直下に直径600m・深さ30mのクレーターができ、そこにある物質は死の灰となって基部13km・頂上21km・半径20kmのキノコ雲を生じる。クレーターの外側には高さ10m・幅350mの土手ができる。初期放射線により1.7km以内では1000ラド（10グレイ）を被曝、2.8km以内の人は死亡し、風が秒速3.3mで吹いていると飛散した残留放射性物質により250km圏内の人は健康被害を受ける。爆風の効果を考慮する場合、高度2400mで炸裂させると10psi（１平方センチあたり0.7kg）以上の静的加圧を受ける範囲が最大となる。爆心地から1300mでは20psi（１平方センチあたり1.4kg）の静的加圧の後に毎時752km（秒速208.9m）の暴風が吹き込み、鉄筋コンクリートの建物が壊滅する。4800mでは10psi（１平方センチあたり0.7kg）・毎時464km（秒速128.9m）で、大部分の工場とビルが崩壊する。7000mでは5psi（１平方センチあたり0.35kg）・毎時256km（秒速71.1m）で、普通の住宅が倒壊する。9500mでは3psi（１平方センチあたり0.21kg）・毎時152km（秒速42.2m）で、鉄枠の建物や住宅が損傷大破する。18600mでは1psi（１平方センチあたり0.07kg）・毎時56km（秒速15.6m）で、ガラスが砕ける。NEMPの効果範囲は地上爆発で10-50平方キロメートル、空中爆発では10000平方キロにも達する。地表爆発では暴露人員は爆心地から7125mまでで第２度熱傷を負い、4275mまでで傷害を受ける。建物内にいると4100mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が2775mまで、建物が1500mまで。高度100mでは暴露人員は爆心地から7925mまでで第２度熱傷を負い、4600mまでで傷害を受ける。建物内にいると4150mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が3350mまで、建物が1875mまで。高度200mでは暴露人員は爆心地から8700mまでで第２度熱傷を負い、4850mまでで傷害を受ける。建物内にいると4200mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が3825mまで、建物が2125mまで。高度400mでは暴露人員は爆心地から10275mまでで第２度熱傷を負い、5525mまでで傷害を受ける。建物内にいると4300mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が4075mまで、建物は2325mまで。高度600mでは暴露人員は爆心地から11850mまでで第２度熱傷を負い、5400mまでで傷害を受ける。建物内にいると4400mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が4150mまで、建物が2200mまで。高度800mでは暴露人員は爆心地から13400mまでで第２度熱傷を負い、5475mまでで傷害を受ける。建物内にいると4550mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が4050mまで、建物は2050mまで。高度1000mでは暴露人員は爆心地から14075mまでで第２度熱傷を負い、5475mまでで傷害を受ける。建物内にいると4700mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が3850mまで、建物が1850mまで。高度1200mでは暴露人員は爆心地から14050mまでで第２度熱傷を負い、5475mまでで傷害を受ける。建物内では4900mまで傷害を受ける。物的損害は車両が3560mまで、建物が1600mまで。高度1400mでは暴露人員は爆心地から14025mまで第２度熱傷を負い、5475mまでで傷害を受ける。建物内では5050mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が3400mまで、建物が1325mまで。高度1600mでは暴露人員は爆心地から14000mまでで第２度熱傷を負い、5475mまでで傷害を受ける。建物内では5250mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が3075mまで、建物が875mまで。高度1800mでは暴露人員は爆心地から13975mまでで第２度熱傷を負い、5450mまでで傷害を受ける。建物内では5450mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が1780mまで、建物が275mまで。高度2000mでは暴露人員は爆心地から13975mまでで第２度熱傷を負い、5450mまでで傷害を受ける。建物内では5600mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が1000mまで、建物は損害を受けない。高度2200mでは暴露人員は爆心地から13925mまでで第２度熱傷を負い、5350mまでで傷害を受ける。建物内では5700mまでで傷害を受ける。物的損害は車両が375mまで、建物は損害を受けない。参考：戦争がやってくる、アメリカの核兵器

＜核兵器の威力（５０メガトン）＞：1961年10月30日、ソ連の北極圏、ノーバヤゼムリャーで50メガトン水爆の実験が行われた。これは第２次大戦を通じて投下された通常爆弾総火薬量の10倍に相当する。全長8m・重量20トンの水爆がTu-16から投下されて高度4000mで炸裂、直径10kmの火球を生じて投下機を巻き込みかけ、NEMPにより周囲の通信が40分間にわたり遮断された。参考：世紀の失敗物語

＜核兵器の威力（米ソ核戦争）＞：人口430万人のデトロイトとレニングラードで１メガトン水爆が１発ずつ炸裂した場合、死者は22-250万人、負傷者は42-110万人に達し、負傷者も多くはその後死亡する。石油精製基地に対してMIRV10基による攻撃が行われた場合、アメリカでは全施設の64%が破壊されて500万人が死亡、ソ連では73%が破壊されて100万人が死亡する。精油所は修復不能なダメージを受け、深刻なエネルギー不足に陥る。ICBMサイロに対する核攻撃の場合、損害は主にフォールアウトにより生じ（全て地上爆発または浅い地下爆発になるため大量のフォールアウトが出る）、シェルターをフル活用しても米ソでそれぞれ100万人以上、最悪の場合アメリカで2000万人、ソ連で1000万人が死亡し、生態系も破壊される。全力で核攻撃が行われた場合、アメリカでは人口の35-77%、ソ連では20-40%が死亡し、人口密集地に対する核攻撃が拡大した場合には更に2000-3000万人ほど犠牲者が増える。核兵器による直接の被害を受けなくても、周辺の街には大量の負傷者と避難民が流入して食糧不足に陥り、社会が崩壊する。生態系も世界規模で破壊される。参考：アメリカの核兵器

＜核兵器の威力推定＞：地下核実験の場合、観測される地震の規模を使用する。通常の断層のずれによる地震と異なり、核爆発ではＳ波が殆ど生じない。推定式は、威力をkt（キロトン）、観測された実体波マグニチュードをmb、定数をα・βとすると、kt＝10^（mb−α）/βで表される（mb＝αlogkt+βでも可）。地盤によって威力推定式の定数が異なるので、実験地付近の地質状況（密度、地震波速度、水飽和度、有孔性、地下水面深度など）が過去の地下核実験などから実測されていないと正確な推定は難しい。ネバダ核実験場の柔らかい地盤ではα＝0.56、β＝4.921、同実験場の固い地盤ではα＝0.973、β＝4.262、アリューシャン列島アムチトカ核実験場ではα＝9.426、β＝5.285である。参考：月刊軍事研究12,’06、5,’13

＜核兵器の爆発＞：起爆後100万分の１秒後、中性子線とγ線が放出され、爆心地近辺には致死量の中性子線が降り注ぐ。γ線は原爆エネルギーの70%以上を持つといわれるほど強烈なもので、爆弾は蒸発、1000万度の高温と数十万気圧の高圧が生じる。爆発点周囲2-3mの空気が超高温に加熱され、１メガトン水爆の場合100万分の１秒後に直径150m、10秒後に直径2200mの火球を生じ、大量の熱放射を起こし、大火災を発生させる。また、高温高圧により周囲の空気が急膨張して衝撃波が生じる。中心部では気圧が急低下して周囲から空気が吹き込み、強風と強烈な上昇気流を生じてキノコ雲を作る。また、この強風は火事嵐を発生させ、内側に向かう炎が可燃物全てを焼き尽くす。強風と衝撃波を合わせて爆風と呼ぶ。爆発時には中性子線、α線、β線、γ線が放射され、更に核分裂生成物及び中性子により誘導された放射性物質が生成される。放射性物質はキノコ雲と共に巻き上げられ、死の灰（フォールアウト）として降下する。参考：核兵器事典、アメリカの核兵器、月刊軍事研究8,’99

＜隔壁装甲＞：ショト装甲を参照。

＜各別命令＞：命令（日本陸軍）を参照。

＜香久丸＞：日本海軍香久丸級特設水上機母艦Kagumaru。昭和11年6月30日、国際汽船の高速貨物船として竣工した。昭和12年8月、日華事変を機に水上機母艦への改造が始まり、8月25日に特設水上機母艦に類別された。昭和13年12月15日、解役されて民間商船に戻った。昭和16年10月31日に再度徴用され、特設運送船となった。昭和19年11月4日、ルソン島の西でSS-243ブリームとSS-271レイの雷撃を受けて沈没した。昭和20年1月10日に解役された。参考：日本航空母艦史、写真集日本の小艦艇

＜香久丸級＞：日本海軍特設水上機母艦Kagumaru級。日華事変勃発に伴い、国際汽船の高速貨物船を徴用して水上機母艦に改造したものである。上甲板に木を張って航空甲板にし、３番デリックポストを外して上構後方に移設した。デリックポストは１・３番が単柱、２番が門型である。カタパルトは無く、水上機はデリックで海面に降ろして発進させる。水線長137.17m、最大幅18.59m、満載吃水8.77m、総トン数6806トン（香久丸）／8417トン（衣笠丸）。主機は川崎MAN式ディーゼル１基１軸7000馬力、速力19.7ノット。兵装は45口径十年式12サンチ単装高角砲Ｅ型２門。水上機10機（前部６機、後部４機）を搭載する。香久丸と衣笠丸の２隻が改造された。参考：日本航空母艦史、月刊世界の艦船11,’00、写真集日本の小艦艇、月刊モデルアート9,’15増刊

＜核ミサイル誤搭載事件＞：2007年8月29-30日、B-52H戦略爆撃機が誤って核弾頭付AGM-129巡航ミサイルを積んで飛行した事件。8月29日、第５爆撃航空団B-52H戦略爆撃機に核弾頭を外して訓練弾頭を装着した廃棄予定のAGM-129巡航ミサイル12発を搭載し、ノースダコタ州マイノート空軍基地からカリフォルニア州バークスデイル空軍基地まで輸送することになった。しかし取扱規則に反して核弾頭を外していないことを書類に記載しておらず、兵装搭載責任者も確認せず、うち６発に核弾頭が付いたままB-52Hに搭載されてしまった上、搭載された8月29日の夜には歩哨も立てずほったらかしにされていた。気が付いたのはバークスデイル基地に到着してミサイルを降ろした後であり、8月31日にベント・スピアが発令され、大統領に報告された。9月5日にマスメディアが報道して発覚した。航空戦闘コマンド司令官、第５爆撃航空団指揮官、整備群指揮官、第２作戦指揮官が更迭され、第５爆撃航空団全員が核兵器取り扱い資格を剥奪された。最終的には空軍長官と空軍参謀総長も引責辞任させられることになり、戦略核専用の運用部隊として空軍全地球打撃コマンドAFGSCが創設された。参考：月刊軍事研究9,’08、1,’11

＜核密約＞：日米安保改定交渉が妥結した1960年1月6日、藤山外相とマッカーサー駐日大使が核の持ち込みについて行った密約。新条約第６条の実施に関する交換公文の付属取り決めで、閣議にも国会にも報告されなかった。参考：月刊軍事研究1,’00

＜革命＞：Revolution。一般には広範な大衆運動を基盤とし、国家形態や政治形態そのものを変革させる活動のこと。民衆蜂起がベースなので、好意的に受けとめられる傾向にはあるが、国家の正当性が絶たれるので、改めて国際社会から承認される必要がある。参考：月刊軍事研究8,’95

＜革命防衛隊＞：略称IRGC（Islamic Revolutionary Guard Corps）、通称パスダラーネ。イラン・イスラム革命後もイラン軍に残る王党派がクーデターを起こした際に対抗する組織として、1979年5月5日（27日ともいわれる）にホメイニ師の命で創設された。法学者直属の武装組織で、モスクや僧侶の護衛民兵組織を統合しており、創設当初の兵力は陸上部隊３万名で、イラン・イラク戦争時には兵力を35万名まで拡大した。1982年、隊員650名がレバノンに進出。1982年7月にはラマダンの隙を突いてイラクに対して大攻勢を行ったが、軽装備の兵士をイラク軍陣地に突入させたために大損害を出して退却する羽目になり、志願者が激減した。9月、革命防衛隊省を設立、無謀な作戦を立てないように中央でコントロールすることになった。1985年9月、海軍・空軍と情報組織が設立された。イラン・イラク戦争後、この戦争に参加した14-17歳の若年層と60歳までの兵役終了者からなるバシージ（人民動員者）を統制下に置いた。1989年5月23日、革命防衛隊省は国防省と統合され、国防・軍需省となった。1991年にはクアトアル・コドゥスと呼ばれる15000名規模の特殊作戦部隊を隷下に設立した。7月3日に「悪魔の詩」のイタリア語翻訳者に重傷を負わせ、7月11日に日本語翻訳者を暗殺したのはクアトアル・コドゥスであるとみられる。また、8月6日にはバクチアル元首相と側近が刺殺される事件が起こり、フランス警察がホメイニ師の甥をパリで逮捕するなどした。これを受けて1992年4月30日にアメリカ国務省がイランをテロ支援国家に認定している。1992年8月17日、ベルリン市内のレストランでクルド民主党幹部４名が襲撃される事件が発生し、1997年4月にベルリン上級裁判所が暗殺指令を出したのはイラン指導部であると認定したため、EUはイランとの対話を中止した。1993年からは兵力12-12.5万（陸軍10万、海軍15000、海兵隊5000、空軍少数）となっている。2000年からヒズボラに長射程多連装ロケット弾ファジル３の供与を開始。2002年からヒズボラにファジル５の供与を開始。2003年頃から空軍は軍用機でなくIRBMの担当となり、シャハブ３を運用するようになったとみられる。2007年頃から空軍はシャハブ１とシャハブ２も運用しているようだ。平時には国内の体制・治安維持任務に就いているとされる。2011年、クイエイム弾道ミサイルの量産を開始。2012年12月25日、革命防衛隊海軍がファジル91演習を実施。2013年2月23-25日、Great Prophet 8演習を実施。2015年10月、シリアのアサド政権支援のため現地で作戦を行っていたフセイン・ハマダニ旅団長が、シリアのアレッポ近郊で殺害された。2016年1月、海軍哨戒艇がアメリカの民間船船員10人を一晩抑留した。8月、海軍哨戒艇がホルムズ海峡上空を飛行中のアメリカ海軍P-8哨戒機とP-3哨戒機に威嚇射撃を行った。アメリカ民間船を威嚇する事案も起こし、PC-7スコールから警告射撃を受けている。ホルムズ海峡を通峡中のアメリカ海軍DDG-87メイスンとDDG-94ニッツにも通航妨害をかけてDDG-94ニッツから警告射撃を喰らった。9月、海軍哨戒艇がアメリカ海軍PC-10ファイアボルトに異常接近した。11月、ホルムズ海峡を通峡中のアメリカ海軍CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワー所属MH-60多用途ヘリに海軍哨戒艇が重機関銃で狙いを付けた。2017年1月8日、海軍哨戒艇４隻がホルムズ海峡を通峡中のアメリカ海軍DDG-72マハンに高速で接近し、警告射撃を受けた。2019年6月20日、アメリカ軍RQ-4無人偵察機がホルムズ海峡近くのイラン領空を侵犯したとして地対空ミサイルで撃墜した。7月14日、密輸燃料1000キロリットルを積んだ容疑でパナマ船籍小型プロダクト・タンカーを拿捕した。7月19日、国際的海洋規制違反を理由にイギリスのプロダクト／ケミカルタンカーを拿捕した。シリア向け原油輸送疑惑があったVLCCをイギリスが拿捕したことに対する報復とみられる。7月31日、密輸の疑いでイラク船籍小型タンカーを拿捕した。イラク側は密輸を否定している。2020年1月2日、カタイブ・ヒズボラによるイラク軍基地攻撃の報復として、アメリカ軍UAVがバグダッド国際空港付近の車列を攻撃、革命防衛隊コッズ隊ガセム・ソレイマニ司令官が爆殺された。1月8日、イランの国際空港を離陸したウクライナ航空752便を地対空ミサイルで誤撃墜した。2023年7月5日夜、ホルムズ海峡で革命防衛隊とみられる武装高速艇３隻が民間船を襲撃した。緊急救難信号を受けてアメリカ海軍P-8A哨戒機、DDG-74マクファウル、イギリス海軍F229ランカスターが現場に急行したため、武装高速艇は逃走している。参考：月刊軍事研究11,’07、4,’07、7,’13、9,’13、月刊航空ファン9,’19、月刊丸4,’17、月刊JWings9,’19、3,’20、10,'23、月刊世界の艦船10,’19、THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

　＜革命防衛隊（１９８９年）＞：陸軍は兵力25万名。地域コマンド11個、歩兵師団40個、機甲師団５個、独立旅団多数からなる。戦時には人民動員軍バシージを隷下に入れ、陸軍協同または独立で行動し、小火器や支援火器は陸軍から提供を受ける。海上部隊（沿岸防衛部隊含む）はアル・ファルシーア島、ハルル島、シリ島、アブ・ムサ島、ララク島に基地があり、スウェーデン製ボガマル・マリーン級小型舟艇に対戦車ミサイル、無反動砲、機関銃を乗せた武装ボート40隻、イタリア製艦対艦ミサイル、シルクワーム地対艦ミサイルを保有する。航空部隊は編成中で、J-7戦闘機60機とJ-6訓練機10機を保有する。レバノンに2000名を派遣しているとみられる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜革命防衛隊（２００６年末）＞：陸軍は現役20万名で、20個師団、数個独立旅団、１個独立空挺旅団からなる。海軍は15000名で、ボガマール・マリン級高速ボート40隻以上、ホウドン級高速ミサイル艇10隻、HY-2地対艦ミサイルを運用する。海兵隊員は5000名で、海軍の隷下に置かれている。空軍は5000名弱で、弾道ミサイル運用部隊となっており、シャハブ１（50-300発）、シャハブ２（50-150発）、シャハブ３/3A/3B（50発）を装備している。参考：月刊軍事研究4,’07

　＜革命防衛隊（２０１５年）＞：現役総兵力125000名以上。準軍事組織のバシジ（Basij）を統制している。第１任務は国内治安維持、第２任務は軍と共同での対外防衛である。陸軍は現役100000名以上。地方軍司令部31個（うちテヘラン２個）、特殊作戦師団３個、機甲師団２個、機甲旅団３個、歩兵師団８個以上、歩兵旅団５個以上、空挺旅団１個からなる。海軍は兵力20000名以上（海兵隊含む）。哨戒艇部隊、砲兵大隊数個、地対艦ミサイル大隊数個からなる。チャイナ・キャット級ミサイル哨戒艇５隻、トンドー級ミサイル艇10隻、ペイカープ�U級ミサイル哨戒艇25隻、ゾルファガール／ペイカープ�V級ミサイル哨戒艇６隻、ペイカープ�T級哨戒艇15隻、その他哨戒艇52隻、LST４隻、兵站支援船３隻、C-701（コサール）/C-704（ナスル）/C-802艦対艦ミサイル、HY-2地対艦ミサイルを配備する。海兵隊は兵力5000名以上。海兵旅団１個からなる。空軍は戦略ミサイルを運用する。シャハブ−３／ガドル−１移動発射機12基、シャハブ−３／ガドル−１発射サイロ10基、セジル２弾道ミサイル少数（開発中）、ファテフ110短距離弾道ミサイル少数、シャハブ-1/-2短距離弾道ミサイル発射機12-18基（ミサイル200-300発）、ゼルザル地対地ミサイル少数を保有する。シリアに2000名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜核融合＞：元素２個の原子核が融合して１個の原子核を形成することで、高熱が必要なので熱核反応とも呼ばれる。水素などの軽い元素を融合させると、核子あたりの質量が低い元素になるので、その質量差がエネルギーに転換される。重水素２個がヘリウムと中性子または三重水素と水素になる反応、重水素と三重水素がヘリウムと中性子になる反応、三重水素２個がヘリウムと中性子２個になる反応、リチウム７と重水素がベリリウムと中性子になる反応などがある。三重水素と重水素がヘリウムと中性子になる反応では17.58MeV、三重水素同士なら11.3MeV、リチウム７と重水素がベリリウムと中性子になる反応では１原子あたり15.01MeVのエネルギーが出る。重水素２個がヘリウムと中性子になる反応では、1gの重水素が7700万キロジュールのエネルギーを発し、三重水素と水素になる反応では9600万キロジュールになる。重水素と三重水素による反応では1gの水素が３億5000万キロジュール（1gのウラン235による核分裂の４倍）のエネルギーを放出する。これを利用したのが水素爆弾である。核融合の開始にはクーロン力に打ち勝って原子核同士を直接ぶつけなければならず、重水素同士なら３億度、重水素と三重水素なら3000万度という高温と、密度×閉じこめ時間（原子数×秒／立方センチメートル）100兆以上という高密度が必要なので、今のところ原爆を使用して反応を開始する方法しかない。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、月刊軍事研究8,’05、ザ・マーチ17号

＜核融合兵器＞：水素爆弾を参照。

＜核融合燃料＞：核融合に使用される物質のこと。湿式燃料の液体重水素・液体三重水素や、乾式（粉末）燃料の重水素化リチウム・三重水素化リチウムなどがあるが、水素爆弾に使用されるのは後者である。参考：月刊軍事研究8,‘05、アメリカの核兵器

＜岳陽＞：575（054A型フリゲート）を参照。

＜核抑止哨戒＞：潜水艦による核抑止行動。原子力潜水艦にSLBMを積んで行うのが最も抑止力を発揮するが、在来型潜水艦に核搭載巡航ミサイルを積んでも実施できる。もちろん積んでいるだけでなく、水中を航行して生残性を高め、交代で24時間365日の哨戒に就き、命令一下いつでも相手に核を叩き込める態勢を作っておく必要がある。相手から存在を秘匿できるなら単独行動するが、追尾される可能性があるなら護衛を付ける。参考：月刊世界の艦船7,’18

＜核抑止論＞：敵の攻撃に対して核兵器を報復使用し、大損害を与えると敵側に予見させることにより、戦争を抑止するという核戦略のこと。一般的に懲罰的抑止にあたる。単に核兵器を持っているだけでなく、敵に対して確実に大損害を与えられる能力を持つ必要があり、敵の核による先制攻撃（第一撃）に耐えて報復攻撃（第二撃）を撃ち込まなければならず（確証破壊）、プラットフォームも核兵器も先制破壊・迎撃されにくい潜水艦発射弾道ミサイルが核抑止の代表格となっている。また、24時間365日報復できる態勢（定常的核抑止哨戒）も整える必要がある。ただ敵の攻撃に対して全て核兵器で対応する訳にはいかないので、非正規戦、通常兵器戦争、戦術核戦争、限定核戦争、全面核戦争の各段階全てで敵に大損害を与える能力（戦争遂行）を持つ必要もある。これらには大規模な核戦力が必要であり、中小核保有国では核兵器に確証破壊の役割のみ担わせる最小限抑止や、限定的な戦争遂行の能力を持たせる非対称エスカレーションを採用している。西側諸国は戦略核と戦術核の両者を抑止力として使用しており、どちらも報復のみに使用するという建前だった。ソ連側は戦略核だけを報復用として考えており、戦術核は報復以外でも使用できる実戦兵器であると捉えていた。参考：月刊軍事研究4,’11、9,’18、月刊世界の艦船1,’18

＜カクラ＞：401（潜水艦）を参照。

＜隔螺式閉鎖機＞：閉鎖機を参照。

＜隔離式ガスマスク＞：ガスマスクを参照。

＜核励起Ｘ線レーザー＞：SDI計画で開発が進められていたレーザー兵器。小型核爆発（1-10キロトン）で生じたＸ線を反射材でレーザー媒質に集束させてプラズマ化し、波長0.04ミクロン・出力数百兆ワットの強力なＸ線レーザーを形成させ、標的を破壊する。

＜駆け足行進＞：自衛隊用語。左足から踏み出し、歩幅85cm（女性自衛官は80cm）で１分間に170歩の速度で走る。三歩以上は駆け足が基本。参考：MAMOR vol.58、朝雲

＜カケ車＞：日本陸軍の工兵用車両。６輪トラックの荷台に50kW発電機を積んでおり、鉄条網に１万ボルトの電流を流すことができる。電気中隊に配備されて日華事変に投入されたが、雨が降ると地面に漏電して周りの兵士が感電した。参考：工兵入門

＜駆け付け警護＞：2016年3月29日施行の平和安全法制整備法でPKO協力法が改正されて追加された任務の俗称。正式な用語ではないので、PKO協力法の条文には「駆け付け警護」という文言は存在せず、救出作戦と言った方が早い。PKO協力法第３条第５項ラでの規定は、国際平和協力業務に従事する自衛官が、国連平和維持活動・国際連携平和安全活動・人道的国際救援活動に従事したり活動を支援したりする者（活動関係者）の生命または身体に対する不測の侵害または危難が生じるか生じる恐れがあるとして緊急の要請を受けた場合に、これに応じて活動関係者の生命身体の保護を行うこと。この際、PKO協力法第26条に基づき、やむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合に限り、合理的に必要と判断される範囲で、実施計画に定める装備である武器を使用して他人の生命・身体・財産を防護することができる。ただし刑法第36・第37条の規定に該当する場合以外は人に危害を与えてはならない。PKO協力法第25条第３項では、自己、自己と共に現場にいる他の自衛隊員、隊員もしくはその職務を行うに伴い自己の管理下にある者に対する武器による防護が規定されていたが、第26条では自己もしくは他人となっていて、自衛隊員や管理下にある者以外を防護することが可能となった。2016年11月15日、南スーダンPKOの陸自施設隊第11次隊に付与することを閣議決定し、11月18日に防衛大臣が命令を発出した。参考：MAMOR vol.120、朝雲

＜掛鉄砲＞：日本海軍用語で、砲術学校高等科卒業マークの通称。大砲２門がクロスしているのでこう呼ばれる。参考：海軍よもやま物語

＜陽炎（初代）＞：日本海軍東雲型駆逐艦４番艦。明治32年10月31日竣工、水雷艇（駆逐艇）に類別された。明治33年6月22日、軍艦（駆逐艦）に類別変更された。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更された。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正11年4月1日、雑役船に編入された。大正14年2月25日、廃船となった。参考：日本駆逐艦史

＜陽炎（２代目）＞：日本海軍陽炎型駆逐艦１番艦Kagero。昭和14年11月6日竣工。昭和16年12月8日、第18駆逐隊に所属して真珠湾攻撃に参加。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月18日夜、一木支隊をガダルカナル島に輸送した。8月19日、ツラギを砲撃。9月21日、ガダルカナル島で揚陸作業中に爆撃を受けて損傷した。11月30日、ルンガ沖夜戦に参加。昭和18年5月8日、ソロモン諸島コロンバンガラ島付近でMk12機雷に触雷し、航行不能になったところにアメリカ軍機の爆撃を受け沈没した6月20日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸4,’99、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜陽炎型＞：日本海軍駆逐艦Kagero型、基本計画番号F49。マル３計画で15隻・マル４計画で４隻が建造され、甲型駆逐艦とも呼ばれた。ワシントン／ロンドン条約が失効したので、装備に見合った大きさとし、朝潮型が速力・航続力不足を指摘されたことからそれを改善したものである。速力36ノット・航続距離6000海里（18ノット巡航）を予定していたが、巡洋艦級の大きさになってしまうため、35ノット・5000海里で我慢し、艦尾形状とプロペラを改良、高温高圧缶を採用した。しかし機関製造が難しくなり、戦時の生産性が低下している。艦首と舷側にフレアと強いシアを持ち、凌波性が高い。舷窓の数が多く、中甲板にも設けられている。全長118.5m、水線幅10.8m、吃水3.8m、基準排水量2000トン。主機は艦本式高中低圧３胴型オールギヤードタービン（巡航タービンは高低圧の２つあり、減速歯車で１軸に纏めて中圧タービンに結合されている。巡航タービン使用時は排気で低圧タービンも作動させる）２基、主缶はロ号艦本式空気予熱器付き重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり30kg、蒸気温度350℃。天津風は実験艦として40kg400℃の収熱器付き缶を搭載）３基、出力52000馬力、２軸推進、速力35ノット、重油搭載量622トン、航続距離5000海里（18ノット、計画値）／6000海里弱（18ノット、実測）。兵装は三年式50口径12.7サンチ連装砲Ｃ型（平射専用）３基、25mm連装機銃２基、九二式四連装魚雷発射管（九三式酸素魚雷、次発装填装置付）２基、両舷用爆雷投射機１基、爆雷投下台６基、爆雷18個。艦載艇は７メートルカッター２隻、7.5メートル内火艇２隻。乗員239名。陽炎（２代目）、不知火（２代目）、黒潮、親潮、早潮、夏潮、初風、雪風、天津風（２代目）、時津風（２代目）、浦風（２代目）、磯風（２代目）、濱風（２代目）、谷風（２代目）、野分（２代目）、嵐、萩風、舞風、秋雲の19隻が昭和14-16年に就役した。終戦時に生き残っていたのは雪風のみである。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11、8,’19、9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜加古＞：日本海軍古鷹型重巡洋艦２番艦Kako。大正11年11月17日起工。建造中に起重機事故で船体を損傷したため、進水・竣工は後から起工された古鷹よりも遅くなった。大正14年4月進水、大正15年7月20日竣工。昭和11年7月から１年半かけて大改装を実施。昭和12年12月27日、大改装を完工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第１艦隊第６戦隊、兵力部署では南洋部隊グアム島攻略支援隊に所属していた。12月9日、グアム島攻略作戦に参加。12月21日、ウェーク島攻略作戦に参加。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、第６戦隊所属で珊瑚海海戦に参加。8月8日、第１次ソロモン海戦に参加。8月10日、第１次ソロモン海戦終結後にカビエンに向け航行中、アメリカ潜水艦S44の雷撃を受け沈没した。参考：巡洋艦入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊丸2,’08、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜囲い込みマスト＞：マストを参考。

＜化合火薬類＞：発火、燃焼、爆発性を有する単一の化合物。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜カ号観測機シリーズ＞：日本陸軍のオートジャイロ式観測機で、カは回転翼のカ。ノモンハン事変で、弾着観測用気球がたちまち落とされて役に立たなかったため開発された。1939年8月にアメリカから輸入したケレットKD-1A（事故で破損していた）を修理し、1941年4月に初号機（離昇出力240馬力のヤコブスL-4MA-7を搭載）が完成、1942年11月にアルグスAs-10エンジン（離昇出力250馬力）を搭載した２号機を�T型として制式採用した。製作は萱場製作所で、昭和18年度に60機、昭和19年度に240機を量産する予定だったが、エンジン生産が追いつかず、�T型・�U型計98機の完成に留まっている。更に戦況が弾着観測どころではなくなっていたため、あきつ丸で対潜哨戒機としての運用試験が行われ、使用可能と判断されたが実戦配備はされなかった。参考：月刊JWings5,’07、月刊航空ファン9,’02

　＜カ号�T型＞：最初の量産型。ローターを毎分160回転まで加速し、クラッチ切り替えで動力をプロペラに伝えると、滑走距離30-60mで離陸できる。迎え角15度でエンジンを全開にすると、殆どホバリング状態を取れ、360度旋回も可能である。乗員は２名だが、対潜哨戒任務では操縦士１名のみが搭乗し、代わりに胴体下面に60kg爆雷を１発搭載する。参考：月刊JWings5,’07、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜カ号�U型＞：エンジンの冷却に問題があったため、試作初号機と同じジェイコブズL-4MA-7に換装したもの。胴体長6.95m、ローター直径12.2m、自重750kg、全備重量1020kg。エンジンはジェイコブズL-4MA-7空冷星形７気筒（240馬力）単発、最大速度180km、実用上昇限度4000m、航続距離240km。乗員２名で、１名を降ろせば60kg爆雷１発を搭載できる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings5,’07

＜嘉興基地＞：中国軍の航空基地。2400m滑走路と掩体23カ所を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜火光標定＞：敵砲迫の発砲炎を火光標定機により測定し、発射位置を推定すること。精度が比較的高く、逆探知されにくく、操作が簡単で確実だが、気象の影響を受けやすく、多数の砲迫の同時標定が難しい。参考：月刊PANZER8,’01

＜火工品＞：火薬に点火したり、爆薬を爆轟させたりするために使用されるもの。信管、雷管、起爆薬などがこれにあたる。参考：月刊軍事研究12,’04

＜加古川飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜河谷級＞：中国海軍ミサイル艇024型のNATOコードで、ホウク級と読む。ソ連のコマール級を参考に開発された。満載排水量79.2トン。速力37.5ノット。兵装はSY-1艦対艦ミサイル単装発射機２基、61式25mm連装機関砲２基。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船1,’21

＜鹿児島音響測定所＞：海上自衛隊の音響測定所。1982年6月、音響業務支援隊の隷下に新編された。1995年6月、対潜資料隊の隷下に移った。2002年3月、鹿児島試験所に統合された。2016年12月1日、鹿児島試験所から改編されて再編され、海洋業務・対潜支援群の隷下に入った。2019年10月15日、霧島市牧之原小学校児童と牧ノ原幼稚園園児にメダカをプレゼントした。11月12日、創設以来の任務遂行による海上優勢確保貢献の功績で、内閣総理大臣特別賞状が授与された。2020年7月3日、企画課が国分南小学校にエコキャップ2000個を贈呈した。2021年4月26日、新型魚雷の試験発射支援を実施。参考：朝雲、MAMOR vol.156

＜鹿児島海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、鹿児島市にある。飛行予科練習生教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜鹿児島試験所＞：海上自衛隊の試験所。海自の魚雷試験は長崎県大村湾で実施していたが、魚雷の高性能化で新たな試験場が必要となったため、富山湾、駿河湾、錦江湾のうち航行船舶が少なく海面が穏やかで地元の反発も少ない錦江湾が選ばれ、旧海軍の引き継ぎでは無い海自初の取得用地・施設として1968年3月16日に霧島市福山町で開設され、実用実験隊の隷下に入った。1978年7月1日、開発指導隊群の隷下に移った。2002年3月、鹿児島音響測定所を統合して開発隊群の隷下に移り、魚雷と機雷の性能・運用試験、海自艦船の音響測定が主任務となった。2012年7月9日1420頃、試験所南東3kmの地点で黒煙が上がっていたため、所員17名がトラックで出動したところ、西念寺が延焼しており、消防団から消火協力要請が出された。試験所から消火器材と消火ホースを運んで４時間にわたる消火活動を行い、1630過ぎに鎮圧した。2013年5月17日、霧島市立福山小学校児童７人の総合学習を支援。2016年12月1日、鹿児島音響測定所に改編され、海洋業務・対潜支援群の隷下に移った。参考：朝雲

＜かごしまマモルくん＞：鹿児島地方協力本部のオリジナルキャラクターで、広報部長を務める。2016年3月6日、鹿児島マラソン2016に出場して完走した。参考：朝雲

＜籠マスト＞：マストを参照。

＜カサートカ＞：Ka-60シリーズ（ヘリ）を参照。

＜カサール＞：D614（駆逐艦）を参照。

＜カサール＞：フランス海軍ヴォークラン級駆逐艦Cassard。1933年竣工。1940年6月13日からヴァード作戦に参加。1942年にツーロンで自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船2,’18

＜カザール＞：イランの新型対艦ミサイル。高いECCM能力を持ち、迎撃不能であるというコメント付きで2006年4月4日に発表された。実際には中国のC-801対艦ミサイルと同じものか、若干の改良を加えたものといわれる。参考：月刊軍事研究6,’08

＜カサール級＞：フランス海軍ミサイル駆逐艦（フランス海軍での分類はミサイル・コルベット）Cassard級、別名C70AA型。船型は遮浪甲板型で、ジョルジュ・レイグ級の船体を流用し、長大な上部構造物を設置、スタンダード艦対空ミサイル単装発射機（デュプティ・トアール級からの流用）を搭載した。船体中央に艦対空ミサイル関連装備を置いたため、機関室が圧迫され、主機は吸排気スペースが大きく過熱も激しいガスタービンではなく、オールディーゼルを採用している。ジョルジュ・レイグ級より出力が9000馬力も低くなってしまったが、速力低下は0.5ノットに抑えた。艦橋頂部前方に100mm砲用DRBC33射撃指揮レーダーを装備し、煙突上部にDRBJ-11Bアクティブ・フェイズド・アレイ式三次元レーダーを収容した大型レドームがあり、煙突後方にAN/SPG-51Cを背負い式で２基搭載する。艦載戦闘システムはSENIT6/8。全長139m、幅14m、吃水6.5m（5.7m？）、満載排水量4730トン（4688トン？5080トン？）。主機はCODAD方式、ディーゼル４基２軸42400馬力（43200馬力？）、速力29.5ノット。兵装はMM40エグゾセ（後にMM40エグゾセ・ブロック２）４連装発射筒２基（艦橋と煙突の間）、SM-1MR艦対空ミサイル用Mk13単装発射機１基（ヘリ格納庫前方の艦後部）、サドラル艦対空ミサイル６連装発射機２基（ヘリ格納庫両舷01甲板）、100mm単装砲モデル1968CADAM１門（前甲板）、20mm機関砲２門、12.7mm機銃２丁、533mm対潜魚雷固定式発射管KD59E（L5長魚雷）２門。自衛用としてマスト付け根両舷にダゲ近距離用チャフ・フレアディスペンサーとサゲ遠距離用チャフ・フレアディスペンサーを装備する。リンクスMk2/Mk4ヘリ２機（後にAS565SA対潜ヘリ１機）を搭載可能。乗員236名。D-614カサールとD-615ジャン・パールの２隻が1988年と1990年に就役した。FREMM対空型に後を譲って2020年代前半に退役予定。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船10,’02、5,’91、3,’92増刊、6,’12、5,’86、1,'15増刊、12,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カサーン・ベイ＞：CVE-69（護衛空母）を参照。

＜笠井智一＞：日本海軍エース。大正15年、兵庫県生まれ。昭和17年、甲種飛行予科練習生として土浦航空隊に入隊し、昭和18年11月に飛行練習生教程を修了、二飛曹となって第263航空隊に配属された。昭和19年3月、サイパンに展開。5月、ハルマヘラ島カウ基地に展開。アメリカ軍のマリアナ上陸後はパラオに向かい、サイパン沖で艦船攻撃に従事した。7月10日、第201航空隊戦闘306飛行隊に転属。その後セブに配置され、フィリピン戦に参加し、12月に本土に戻り、第343航空隊戦闘301飛行隊に転属となって終戦を迎えた。総撃墜機数10機。最終階級は上飛曹。2014年、航空自衛隊幹部候補生学校（協力団体の育鵬会で幹事を務めていた）で部外講師講話に招かれ、命を惜しいと思ったことは無い、実戦となれば被弾して乗機は被害を受けるが死んではいけない、自分は国のためにという一心で戦闘機に乗り戦っていた、といった講話を行った。参考：日本海軍戦闘機隊、朝雲

＜火災防護衣＞：陸上自衛隊の耐熱服。全備重量14kg。倉本産業製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜笠置＞：日本海軍笠置型二等巡洋艦Kasagi。明治30年2月13日、アメリカのウイリアム・クランプ・アンド・サンズ社フィラデルフィア造船所で起工。明治31年1月20日進水。5月25-31日、繋留運転試験を実施。6月4-5日、予行運転を実施。6月18-20日、予行運転を実施。7月10-11日、ポーツマス沖で20海里標柱間速力公試を実施。計画速力を上回る速力21.68ノット（自然通風）／22.75ノット（強圧通風）を記録した。10月24日竣工。10月25日、デラウェア河口沖で米西戦争凱旋観艦式に参加。10月28日、アメリカ海軍長官らを招いてレセプションを実施。11月2日、フィラデルフィアを出港してニューヨーク経由でイギリスに向かい、アームストロング社で兵装搭載工事を受けた。明治32年5月16日、横須賀に到着。北清事変、日露戦争に参加。大正5年7月18日、船川湾で座礁した運送船志自岐を曳航するため、横須賀を出港。7月20日午後、津軽海峡で濃霧に遭い、北海道渡島支庁尻岸沖で座礁した。自力で離礁を試みたが失敗し、8月8日からの荒天で船体に亀裂が入り、8月10日に第２煙突後方で船体が折れてしまった。11月5日に除籍された。参考：月刊世界の艦船12,’13、12,'20、5,’86

＜笠置＞：日本海軍雲龍型空母。昭和20年4月1日、進捗率84%で工事中止となり、三菱長崎造船所から佐世保に回航されて放置された。昭和21年9月21日、佐世保船舶工業で解体が開始された。昭和22年12月31日、解体を完了した。参考：日本航空母艦史、月刊丸1,’77

＜笠置型巡洋艦＞：日本海軍二等巡洋艦Kasagi型。対露戦備第一着・明治29年度第１期拡張計画に基づき、アメリカとの外交に配慮して船体と主機をアメリカに発注し、兵装は１番艦をイギリス、２番艦を日本で搭載した。菊の御紋章が１番艦は艦首両舷上部に計２個、２番艦は艦首正面上部に１個付いているのが識別点である。垂線間長114.2m、常備排水量4978トン（4760トン？）。主機はレシプロ蒸気機関２基２軸15500馬力、計画速力20.5ノット（自然通風）／22.5ノット（強圧通風）、速力22.3ノット、石炭搭載量1000トン、航続距離4000海里（10ノット）。燃料節約のため、前後マストに帆を張ることができる。兵装は20.3cm単装砲２門、12cm単装砲10門、8cm単装砲12門、4.7cm単装砲６門、35.6cm水上魚雷発射管４門。笠置と千歳の２隻が明治31-32年に竣工した。参考：月刊世界の艦船12,’14、12,'20、5,’86、月刊丸6,’14

＜風雲＞：日本海軍夕雲型駆逐艦４番艦。昭和17年3月28日竣工。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月14日、第３次ソロモン海戦に参加。昭和18年2月1日、イサベル島沖海戦に参加。4月3日、ショートランド付近で至近弾を受けて小破した。10月6日、ベラ・ラベラ島沖夜戦に参加。昭和19年6月8日、ダバオ湾口でSS-256ヘイクの雷撃を受け沈没し、7月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜かささぎ＞：PC-314（駆潜艇）を参照。

＜鵲（初代）＞：日本海軍隼型水雷艇Kasasagi。明治33年11月30日竣工。大正8年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜鵲（２代目）＞：日本海軍鴻型水雷艇４番艦。昭和12年1月15日竣工。9月4日、佐世保を出港。9月6日、上海に到着。9月14日から10月11日、第１水雷隊の一員として、馬鞍群島−呉淞の陸軍部隊集中輸送の護衛任務に就いた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第15戦隊所属だった。開戦直後、香港でイギリス付属船エルシー・モラーを捕獲した。昭和16年12月25日、香港付近でイギリス海軍魚雷艇の攻撃を受けた。昭和18年2月17日、広州湾で触礁した。9月27日、ニューブリテン島北西でSS-222ブルーフィッシュの雷撃を受け沈没し、12月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、日本海軍艦隊総覧、アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船8,’20

＜ガザ侵攻＞：2023年10月7日、ハマスがイスラエルにロケット弾と地上部隊による大規模攻撃を実施。イスラエルも航空攻撃などで反撃した。レバノンのヒズボラもイスラエルを攻撃している。アメリカはイスラエル支持を表明したが、イスラム過激派が中東派遣アメリカ軍に攻撃を仕掛けた。10月8日、アメリカがCVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードを地中海からイスラエル沖に展開させると発表した。10月11日までにイスラエル空軍は各種爆弾6000発を投下。F-16戦闘機に750ポンド無誘導爆弾M117を搭載する写真がイスラエル軍公式で発表されており、無差別爆撃を堂々とアピールしている。10月13日、外務大臣が防衛大臣に在イスラエル邦人等輸送の実施に係る準備行為を要請。韓国空軍が退避作戦のための輸送機を中東に派遣し、シンガポール人と日本人も同乗した。10月14日、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーがノーフォークを出港。当初はイスラエル沖に向かうとみられたが、イラン牽制のためアラビア海・ペルシャ湾方面に展開することになった。10月17-26日、イスラム過激派からイラクのアメリカ軍駐留基地が17回、シリアのアメリカ軍駐留基地が４回の攻撃を受け、21名が負傷した。10月17日、オーストラリア政府がオーストラリア空軍C-17A輸送機１機とC-130J輸送機２機による在外豪人等避難ビーチ作戦を開始。10月18日、外務大臣の要請に基づき、自衛隊が在イスラエル邦人等輸送を開始。DDG-64カーニーが紅海を航行中に、シーア派武装組織フーシがイスラエルに向けて発射したとみられる巡航ミサイルまたはUAVとみられる飛翔体を探知し、艦対空ミサイルで撃墜した。10月21日、アメリカ軍が防空ミサイル部隊を中東に増派。10月24日、ニュージャージー州空軍第117戦闘航空団第119遠征戦闘飛行隊F-16C戦闘機がアメリカ中央軍作戦地域に展開。10月26日、アメリカ空軍がシリア東部のイラン革命防衛隊拠点を爆撃した。10月31日、フーシがミサイルと無人機でイスラエル南部のエイラートを攻撃し、イスラエル軍はアイアンドームで迎撃した。11月5日、アメリカ海軍がオハイオ級原潜１隻をアメリカ中央軍作戦域に派遣すると発表した。11月7日、オハイオ級原潜１隻がスエズ運河を通過し、紅海に入った。参考：月刊世界の艦船1,’24、月刊JWings1,’24

＜かさど＞：MSC-604（掃海艇）を参照。

＜笠戸＞：日本海軍択捉型海防艦Kasado。昭和19年2月27日竣工、呉防備戦隊に編入された。3月20日、連合艦隊に移った。4月6日から横須賀−パラオの船団護衛に就いた。4月27日、パラオ北方でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。10月10日から門司−シンガポールの船団護衛に就いた。昭和20年4月6日から大湊−北海道方面の船団護衛に就いた。6月22日、北海道西方でアメリカ潜水艦の雷撃を受け損傷、艦首を喪失した。7月15日、小樽港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷した。終戦時は小樽にいた。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜かさど型＞：海上自衛隊掃海艇。やしろ型の拡大改良型である。昭和30-41年度計画艦で、建造中に線図、構造、材料、艤装を変更しつつ1958-68年に26隻が竣工した。後に２隻が掃海母艇に、５隻が海洋観測艇１号型になった。残りは支援船となり、そのうち６隻が水中処分隊母船に改造されている。1981-90年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、3,’10、丸スペシャルNo.76、自衛隊装備カタログ1981

　＜かさど型第１バッチ＞：1955年度計画（計画番号I-106）の２隻。船型は船首楼型として乾舷を高め、艦内容積を拡大した。船体は木製角型で、縦通材がケヤキ、肋骨がケヤキとベイマツの異種材積層、外板内層材がヒノキ、外装板がベイマツと種々の木材を使い分けており、金属材料（背面開放式艦橋やマスト）も極力非磁性軽合金にしている。組み立ては環状肋骨を舷縁から舷縁まで一体積層する方式である。煙突は作業スペースを広く取るために廃止し、舷側排気とした。掃海具としてA-Mk6b及びA-Mk4v音響掃海具、67式普通掃海具、53式Ｏ型改2-4係維掃海具、56式改１磁気掃海具を搭載する。掃海用デリックポストは後甲板中心線上に１基搭載されていて、吊り上げ能力は2.5トン。掃海ダビットは艦尾両舷にあり、吊り上げ能力は0.5トン。掃海具巻き上げ用の電線捲上機が搭載されており、掃海発電機用ディーゼルはYV10ZC15/20�U型（主機と同じで型式番号だけ区別のため異なっている）を搭載、可変制御器は日立製作所製で、直流115V27A、重量54kg。機雷探知機はAN/UQS-1シリーズ、対水上レーダーはOPS-3（後にOPS-4Dに換装）。全長45.5m、最大幅8.4m、深さ3.9m、吃水2.3m、基準排水量340トン、満載排水量360トン。主機は三菱製YV10ZC15/20�T型10気筒Ｖ型高速２サイクル非磁性ディーゼル２基２軸1200馬力、速力14ノット。兵装は20mm単装機関砲１門。乗員39名。MSC-604かさどとMSC-605しさかが1958年に就役した。参考：月刊世界の艦船8,’12、11,'17増刊

　＜かさど型第２バッチ＞：1957-60年度計画（計画番号I-106-1）の11隻。機雷探知機がZQS-1に、対水上レーダーがOPS-4Dに換装された。MSC-615こしきからは漂遊磁場対策として艦橋を木造の閉囲艦橋としている。全長45.5m（MSC-614まで）／45.7m（MSC-615以降）、最大幅8.4m、深さ3.9m、吃水2.3m、基準排水量340トン（MSC-614まで）／330トン（MSC-615以降）、満載排水量360トン（MSC-614まで）／350トン（MSC-615以降）。主機は三菱製YV10ZC15/20�T型10気筒Ｖ型高速２サイクル非磁性ディーゼル２基２軸1200馬力、速力14ノット（MSC-615は13ノット）。兵装は20mm単装機関砲１門。乗員39名。MSC-606かなわ、MSC-607さきと、MSC-608はぶし、MSC-609こうづ、MSC-610たたら、MSC-611つくみ、MSC-612みくら、MSC-613しきね、MSC-614ひらど、MSC-615こしき、MSC-616ほたかが1959-62年に就役した。参考：月刊世界の艦船8,’12、11,'17増刊

　＜かさど型第３バッチ＞：1961-66年度計画（計画番号I-108）の13隻で、からと型とも呼ばれる。組み立てを両舷側と船底の３部材に分けて積層し、ブラケットで接着する方式に変更、工数を減らした。ケヤキの入手が難しくなったので、タモを使っており、肋骨はタモの単材積層にしている。掃海発電機に防振ゴムを装着し、マスト形状を変更した。MSC-621以降は機雷探知機をZQS-1Aに換装している。MSC-625以降は対水上レーダーをOPS-9とし、艦橋背部の独立レーダーマストに搭載した。全長45.7m、最大幅8.6m、深さ4m、吃水2.3m、基準排水量330トン、満載排水量350トン。主機は三菱製YV10ZC15/20�T型10気筒Ｖ型高速２サイクル非磁性ディーゼル２基２軸1200馬力、速力14ノット（MSC-626は13ノット）。兵装は20mm単装機関砲１門。乗員39名。MSC-617からと、MSC-618はりお、MSC-619むつれ、MSC-620ちぶり、MSC-621おおつ、MSC-622くだこ、MSC-623りしり、MSC-624れぶん、MSC-625あまみ、MSC-626うるめ、MSC-627みなせ、MSC-628いぶき、MSC-629かつらが1963-68年に就役した。参考：月刊世界の艦船8,’12、11,'17増刊

＜笠取山分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地（防空監視所）。所在地は三重県津市榊原町4183-12（三重県布引山系笠取山の山頂、標高845m）。1957年3月から1959年8月に第２代司令を務めた谷口氏が陣頭指揮を執って開設したＢ訓練場は谷口グラウンドと通称される。1955年7月にアメリカ軍が開設し、1958年7月に航空自衛隊に移管された（アメリカ軍の完全撤収は12月）。1957年9月に空自東部訓練航空警戒群第３警戒隊第１中隊と空自第9081部隊がジョンソン基地／入間基地から中部訓練航空警戒群として移駐しており、1961年7月15日に中部航空警戒管制団第１警戒群と改称された。1973年10月、第４高射群指揮所運用隊が新編された。1993年3月、第４高射群指揮所運用隊が岐阜基地に移った。2008年5月、J/FPS-3をJ/FPS-3改に改修した。7月13-17日、基地業務隊が陸自第10師団第33普通科連隊第３中隊と合同調理訓練を実施。参考：笠取山分屯基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings5,’08、6,’10別冊付録、MAMOR vol.87、月刊軍事研究5,’12、朝雲

＜笠取山分屯基地（２００８年）＞：航空自衛隊第１警戒群が配置されている。NCW-29/GPSレドーム内にJ/FPS-3レーダーを配し、基地内に物資輸送用ヘリポートを持つ。オペレーションルームには正面に大型モニター３基が並び、PPIスコープ付レーダーコンソールで24時間の監視任務にあたっている。売店や理髪店などの施設も用意されている。参考：月刊JWings5,’08

＜カザネツ＞：ロシア海軍パルヒム�U型コルベットKazanets。2019年7月28日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日海上パレードに参加。参考：月刊世界の艦船10,’19

＜風早＞：日本海軍風早型給油艦Kazahaya。昭和16年9月起工、昭和18年3月31日竣工、運送艦に類別され、連合艦隊に編入された。昭和18年7月27日、カビエン北西でアメリカ潜水艦の雷撃を受け中破した。10月6日、トラック北西250海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受け沈没した。12月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜風早型＞：日本海軍給油艦Kazahaya型、計画番号J-33。剣埼型給油艦が潜水母艦に艦種変更されたため、代わりに建造された艦隊随伴用大型給油艦である。洋上給油装置に加えて給兵能力も備えている。全長157.3m、水線長153m、最大幅20.1m、吃水8.83m、基準排水量18300トン、公試排水量20000トン。主機は石川島式オール・ギヤード・タービン１基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶２基、出力9500馬力、１軸推進、速力16.5ノット。兵装は十年式45口径12サンチ高角砲３門（船首楼甲板、船尾楼甲板タンデム）、九六式３連装25mm機銃２基。重油搭載量10000トン、軽質油搭載量1000トン、真水搭載量500トン、糧食搭載量500トン。昭和16年度計画で４隻を建造予定だったが、１隻（速吸）は補助空母兼用に設計変更され、２隻は建造中止となり、風早のみ昭和18年に竣工した。参考：日本海軍特務艦艇史、小艦艇入門、月刊丸7,’14、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜カサビアンカ＞：S-603（潜水艦）を参照。

＜カサビアンカ＞：フランス海軍ルドゥダブル級潜水艦Casabianca。1935年竣工。1952年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜カザフスタン海軍＞：カスピ海の防衛を主任務とする。2017年6月1日、初の掃海艇であるアラタウが就役した。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊世界の艦船9,’17

＜カザフスタン海軍（２０１５年）＞：兵力3000名。カザフスタン級ミサイル艇３隻、哨戒艇20隻、兵站支援船１隻を保有する。海軍歩兵旅団１個（BTR-82A装甲車70両）を隷下に置く。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究8,’16

＜カザフスタン級＞：カザフスタン海軍ミサイル艇Kazakhstan級。兵装は3M24艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、9K38イグラ用3M47艦対空ミサイル単装発射機１基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カザフスタン空軍＞：1998年、カザフスタン防空軍の防空ミサイル部隊と国家保安委員会航空部隊を統合し、カザフスタン防空軍という名称になった。2014年、Su-30SM戦闘機の導入を開始。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊JWings4,’23

　＜カザフスタン空軍（２０１５年）＞：兵力12000名（防空部隊含む）。年間飛行時間100時間。８個航空基地からなる。MiG-29戦闘機12機、MiG-29UB戦闘機２機、MiG-31/-31BM戦闘機32機、MiG-27戦闘機12機、MiG-23UB戦闘機２機、Su-27戦闘機21機、Su-27UB戦闘機４機、Su-30SM戦闘機４機、Su-25攻撃機12機、Su-25UB戦闘機２機、An-30情報収集機１機、An-12輸送機２機、An-26輸送機６機、An-72輸送機２機、C-295輸送機４機、Tu-134輸送機２機、Tu-154要人輸送機１機、L-39練習機17機、Mi-24V攻撃ヘリ20機、Mi-17V-5汎用ヘリ20機、Mi-26輸送ヘリ４機、ベル205ヘリ６機、H145ヘリ６機、2K12/2K11/9K35/S-75M/S-125/S-200/S-300/S-300PS地対空ミサイル、Kh-23/-25/-29空対地ミサイル、Kh-27/-28/-58対レーダーミサイル、R-27/-33/-60/-73/-77空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究8,’16

＜カザフスタン軍＞：2003年、陸軍総司令部を廃止し、東部地域コマンド、南部地域コマンド、西部地域コマンド、アスタナ地域コマンドの４個地域コマンド制に移行。2009年、陸軍総司令部を復活させた。参考：月刊軍事研究8,’16

　＜カザフスタン軍（２０１５年）＞：現役総兵力39000名（陸軍20000名、海軍3000名、空軍12000名、国防省4000名）、準軍事組織31500名（政府防衛隊500人、内務省保安隊20000人、大統領警護隊2000人、国境防衛軍9000人）。コートジボアールにUNOCIオブザーバー２名、西サハラにMINURSOオブザーバー４名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カザフスタン陸軍＞：2003年、陸軍総司令部が廃止され、空中機動旅団４個が空中機動軍として最高司令部隷下の独立軍種となり、ロケット・砲兵部隊が独立兵科となった。2009年、陸軍総司令部が復活し、空中機動軍とロケット・砲兵部隊が陸軍の隷下に戻った。参考：月刊軍事研究8,’16

　＜カザフスタン陸軍（２０１５年）＞：兵力20000名。アスタナ地域コマンド、東部地域コマンド、西部地域コマンド、南部地域コマンド、戦車旅団１個（２個？）、機械化旅団３個（自動車化歩兵旅団１個？）、空中強襲旅団４個、砲兵旅団３個、地対艦ミサイル部隊１個、戦闘工兵旅団３個からなる。T-72BA戦車300両、BRDM-2偵察車40両、BRM偵察車60両、BMP-2歩兵戦闘車500両、BTR-80A装甲車107両、BTR-3E装甲車２両、MT-LB装甲車150両、BTR-80装甲車190両、コブラ装甲車17両、122mm自走砲2S1を120両、122mm自走砲Semser６両、152mm自走砲2S3を120両、122mm砲D-30を100門（＋保管中300門）、152mm砲2A65を50門、120mm自走迫撃砲2S9を25両、BM-21多連装ロケット100両（＋保管中100両）、9P140多連装ロケット180両（全て保管中）、TOS-1A多連装ロケット３両、BM-30多連装ロケット６両、300mm多連装ロケット砲リンクス18両（誘導弾50発）、120mm自走迫撃砲CARDOMを18両、120mm迫撃砲2B11/M120を45門、BMP-T自走対戦車ミサイル３両、9K113搭載HMMWV、9P149（9K113搭載MT-LB）、9K111/9K113/9K115対戦車ミサイル、100mm対戦車砲MT-12/T-12を68門、9K79弾道ミサイル12基、MT-LB装甲工兵車を装備する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究8,’16

＜カサブランカ＞：ACV-55（護衛空母）を参照。

＜カサブランカ会談＞：第２次大戦中の1943年1月に開かれた、連合国の会談。戦略爆撃の目的を、ドイツの戦争経済破壊と戦争遂行意欲喪失と定めた。参考：月刊PANZER6,’04

＜カサブランカ級＞：アメリカ海軍護衛空母Casablanca級。全艦カイザー造船所で生産されたため、カイザー級とも呼ばれる。護衛空母を増勢したいが改造元のC3/C3P/T2型標準設計船が尽きてしまい困っていたところ、カイザー造船所ヘンリー・カイザー社長が1942年初めに新規急造量産案を提示した。一旦は海軍が不可能として蹴ったが、ルーズベルト大統領が復活させ、1942年6月に1943年度追加予算で50隻を発注している。公差をできる限り少なくした部品を用いて全溶接ブロック建造方式で作った空母であり、１番艦は建造に241日かかったものの最終的に100日に短縮され、同時並行で何隻も建造したので１週間に１隻ペースで完成した。船体はP-1型高速商船（C3型標準貨物船／T2型標準輸送船？）をベースとした商船構造だが、艦尾のシアを無くしてトランサムスターンに換え、機関系のシフト配置（前部機関室・燃料庫・清水タンク・後部機械室。機械室に主機と主缶を１基ずつ収容）を採用している。ただ直接防御が皆無で、1943年11月24日にCVE-56リスカム・ベイが魚雷１本で航空機用弾薬庫の誘爆により轟沈したため、航空機弾薬庫周囲に重油タンクを配置して水中防御にする設計変更を行った。飛行甲板は長さ144.6m、幅24.4mで、飛行甲板前部左舷にH2-1カタパルト１基を持つ。着艦制動装置はMk4-5。エレベーターは内舷式で、前部が長さ12.8m、幅10.3m、最大荷重6.3トン、後部が長さ11.6m、幅12.7m、最大荷重6.3トン。アイランドは右舷前方にあり、煙突は飛行甲板中央両舷（機関室直上）に２本ずつ設けられた。アイランド上のマストにSG-Aレーダー、SKレーダーなどを装備する。格納庫は１層で、長さ78m、幅17.1m、高さ5.3m。全長156.1m（168.7m？）、水線長149.4m、最大幅34.8m、水線幅22.9m、吃水9.8m、基準排水量8188トン（11400トン？7800トン？）、満載排水量15400トン（10400トン？）。主機はスキナー式ユニフロー機関（レシプロ蒸気機関）２基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式またはコンバッション・エンジニアリング式（CVE-59、-60、-61、-66、-67、-72、-73、-74、-80、-86、-87、-88、-89、-94、-104）またはフォスター・ホイーラー式（CVE-65、-71、-75、-76、-79、-83、-84、-85、-90、-91、-95、-96、-97、-100、-103）重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり20kg、温度289℃）４基、出力9000軸馬力、２軸推進、最大速力19.3ノット、重油搭載量2228トン、航続距離10200海里（15ノット）。兵装は38口径12.7cm単装両用砲１門（艦尾スポンソン）、40mm連装機関砲８基（飛行甲板両舷前後スポンソン）、20mm単装機関砲12-24門。搭載機数27機（28機？30機？34機？）。乗員860名（1100名？）。1943年7月8日から1944年7月8日にACV-55からACV-57とCVE-58からCVE-104の50隻が就役し、大部分が太平洋戦線に投入されて船団護衛でなく軽空母代わりの攻撃支援任務に就いた。後に40mm機関砲を連装８基、20mm機関砲を単装30門前後に強化している。第２次大戦でACV-56、CVE-63、CVE-73、CVE-79、CVE-95の５隻が戦没した。1960年代初めまでに全艦退役した。参考：月刊世界の艦船6,’17、6,’18、11,’19、10,'22、護衛空母入門、第２次大戦のアメリカ軍艦、歴史群像2,’01

＜風見安定＞：Weathercock Stability。風見鶏（Weathercock）の頭が常に風上を向くのと同じく、航空機の機首が相対風の方向に向かう特性のことで、方向安定ともいう。地上滑走中の航空機が機首を風上に取られるのも、この特性による。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ガザラ・ボックスの戦い＞：第２次大戦北アフリカ戦で1942年5月26日から開始された、ドイツ・アフリカ軍団のガザラ防衛陣地突破作戦。ドイツ・アフリカ軍団は戦車322両（37mm砲装備�V号戦車223両、50mm砲装備�V号戦車19両など）を揃え、5月26日1400に攻撃準備射撃を開始し、2100に本隊が出撃、イギリス軍陣地の南方を迂回して後方に回り込んだ。5月27日の明け方からドイツ軍はガザラ防衛陣地に対して攻撃を開始。しかしイギリス軍はジェネラル・グラント／ジェネラル・リー中戦車167両を配備しており、遠距離砲撃を仕掛けてドイツ戦車を破壊したため、ドイツ軍は接近戦を挑み、75mm砲の死角から射撃して16両を撃破、イギリス軍を後退させることに成功した。その後補給に入ろうとしたところ、イギリス第２機甲旅団がドイツ軍補給部隊を襲撃。ドイツ軍は8.8cm高射砲で対抗し、20両以上を破壊して退却させた。その後もガザラ防御陣地への攻撃を継続したが、ボックス陣地、M3中戦車、６ポンド対戦車砲の前に攻勢は頓挫し、5月30日にドイツ軍はシディ・ムフタフ周辺に大釜（コルドロン）と呼ばれる円形陣地を構築してイギリス軍の逆襲を食い止めると共に、後方のドイツ軍補給路を抑えていたイギリス第150旅団をゴト・エル・ウアレブから追い出した。その後、ドイツ軍は主力を迂回させてトブルクに向かわせた。参考：JGround　Vol.19、月刊PANZER9,’02、月刊丸6,’01

＜笠利湾の誓＞：湾岸の夜明け作戦を参照。

＜カザン＞：K-561（885M型攻撃原潜）を参照。

＜カサンドラ＞：R62（駆逐艦）を参照。

＜カサンドラ＞：イギリス海軍カレドン級軽巡洋艦カサンドラ（Cassandra）。1917年竣工。1917年に触雷して沈没した。参考：近代巡洋艦史

＜かし＞：PF-283（警備船）を参照。

＜樫（初代）＞：日本海軍桃型駆逐艦２番艦。大正6年3月31日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正6年8月14日、第２特務艦隊第15駆逐隊に所属してマルタ島に到着、地中海での船団護衛任務を開始した。昭和12年5月1日に除籍され、満州国海辺警察隊に引き渡されて海威と改称されたが、実際にはそのまま日本海軍で使用された。昭和19年10月10日に戦没した。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜樫（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦10番艦。昭和19年9月30日竣工。11月14日からヒ81船団の護衛に参加。12月26日、礼号作戦に第43駆逐隊として参加。昭和20年1月21日、高雄港内でアメリカ海軍機動部隊の攻撃を受けて小破した。10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年8月7日に賠償艦としてアメリカに引き渡され、昭和23年に売却されて解体された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’98、輸送船入門

＜舵＞：航空機や船舶を変針させるための器材。参考：トコトンやさしい油圧の本

　＜舵（航空機）＞：基本３舵を参照。

＜舵（水上艦）＞：断面は左右対称流線型で、水の流れに対して仰え角を取ることで揚力を生み、回転モーメントを作り出す。舵の角度を変えるのには大きいトルクが必要なため、油圧システムを使用することが多く、小型船は電磁弁、大型船は斜軸形可変容量油圧ポンプの傾転方向切り換えで変角する。自動操船装置で操舵する場合は、電気信号で舵取り機の油圧システムを遠隔操作して舵を取る。舵を切りすぎると失速して舵が効かなくなるので、最大舵角は35度前後とすることが多い。舵に当たる水の流速が速いほど揚力が大きくなり（速度の２乗に比例する）、船体中央から離れているほど回転モーメントが大きくなるので、プロペラ後方の船尾に取り付ける。プロペラ軸が複数あれば、舵も複数付ける。舵を切る（転舵する）と、一旦逆方向に横流れ（キック）を起こし、その後船首が曲がりたい方向を向き（回頭）、船首の方向と実際の進行方向との間にずれが生ることによって船体にも揚力が発生し、針路が曲がっていく（変針）。低速では舵が効かないので、曳船に動かしてもらうか、バウ／スターンスラスターなどを使う。参考：図解雑学　船のしくみ、艦船メカニズム図鑑、海軍操舵員よもやま物語、トコトンやさしい油圧の本

＜舵（潜水艦）＞：艦首やセイルに潜舵／セイル・プレーン、艦尾に縦舵と横舵（纏めて十字舵という）またはＸ舵が配置される。涙滴型潜水艦ではスクリューの前に舵があるので、微速航行時の舵の効きが悪いが、それ以上の速力では逆に効きが良いらしい。水上航行時は艦尾の縦舵／Ｘ舵を使い、水上艦と同じように舵を切る。潜航時は潜舵／セイル・プレーンで深度の変更、縦舵／Ｘ舵で針路の変更、横舵／Ｘ舵で前後傾斜（姿勢角）の変更を行い、深度を急速に大きく変える時には潜舵／セイル・プレーンと横舵／Ｘ舵を一緒に使ってプロペラ推進力を深度変更力として使用する。潜航時に艦が前後左右に傾いていると、水平面で曲がる予定が深度まで変わってしまうので、トリムタンクでちゃんと水平をとっておく。参考：月刊世界の艦船10,’16、9,’12増刊、6,’21

＜ガジ＞：S-134（潜水艦）を参照。

＜ガジアンテプ＞：F490（フリゲート）を参照。

＜ガジアンテプ級＞：ガブヤ級（フリゲート）を参照。

＜香椎＞：日本海軍香取型練習巡洋艦。昭和16年12月5日（7月15日？）竣工。12月8日の太平洋戦争開戦時は建制では南遣艦隊所属、兵力部署では馬來部隊第２護衛隊所属で、マレー攻略作戦に参加。昭和17年2月11日、Ｌ作戦参加のためカムラン湾を出撃。3月8日、Ｔ作戦参加のため昭南を出港。昭和19年12月30日、ヒ八六船団を護衛してシンガポールを出港。昭和20年1月12日、仏印キノン北方の南シナ海でアメリカ機動部隊の空襲を受けて沈没した。参考：月刊丸1,’07、4,’07、連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、輸送船入門、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜樫出勇＞：日本陸軍エース。大正4年、新潟県生まれ。昭和9年2月、所沢陸軍飛行学校に入学、昭和10年11月に卒業し、明野で教育を受け、飛行第１連隊配属となった。昭和13年7月、飛行第59戦隊第２中隊に転属。昭和14年9月、ノモンハン事件に参加。9月15日、タムスク進攻で２機を撃墜。昭和15年春、飛行第４戦隊に転属。昭和16年10月、航空士官学校を卒業して少尉となった。太平洋戦争勃発後は二式複座戦闘機への転換を行い、昭和18年4月に中尉に昇進。昭和19年6月16日、八幡上空でB-29爆撃機２機（不確実１機含む）を撃墜。8月20日、B-29爆撃機２機を撃墜。昭和20年3月27日、B-29爆撃機３機を撃墜し、３機を撃破。5月8日、西部軍司令官から武功徽章を授与された。6月、大尉に昇進し、終戦を迎えた。総撃墜機数９機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜カジーブ＞：D62（護衛空母）を参照。

＜香椎丸＞：大阪商船貨物船Kashii maru。垂線間長138.19m、幅18.59m、深さ12.19m、吃水8.45m、総トン数8407トン、重量トン数9400トン。主機は神戸製鋼所スルザー複動式ディーゼル１基１軸8595馬力、航海速力17ノット、最大速力19.435ノット。昭和11年4月18日、国際汽船貨物船として竣工。昭和18年、大阪商船に移籍。昭和19年8月8日、ヒ71船団の一員として六連島泊地を出港。11月10日、多号作戦に参加し、レイテ島オルモックで部隊を揚陸した後にB-25爆撃機の空襲を受け、オルモック湾口付近で沈没した。参考：輸送船入門、月刊世界の艦船11,’19

＜ガジェット＞：世界初の核装置、Gadget。1945年7月16日にニューメキシコ州で実験され、成功した。参考：核兵器事典

＜ガジ・オスマン・パシャ＞：ゲリボル（フリゲート）を参照。

＜カシオペ＞：M642（掃海艇）を参照。

＜カシオペア＞：P401（哨戒艦）を参照。

＜カシオペア級＞：イタリア海軍哨戒艦Cassiopea級。全長79.8m、幅11.8m、吃水3.5m、満載排水量1475トン。主機はディーゼル、出力8800馬力、２軸推進、速力20ノット。兵装は76mm単装砲MMI１門、12.7mm単装機銃２丁。AB-212ヘリ１機を搭載可能。P401カシオペアなど４隻が1989-90年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,'15増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カシオペア・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ、Cassiopeia。前から３機、２機と並んでＷ型隊形を取り、航過する。参考：月刊JWings6,’09

＜下士官＞：兵を従え、士官の命令を忠実に実行する。そのため兵と日常生活を共にし、信頼を勝ち取り、各人の長所と短所を把握しておく。士官は次々と交代していくが、軍隊経験の長い下士官が緩衝材の役目をしてその影響を戦闘力にまで達しないようにする。参考：続海軍よもやま物語

＜下士官（ドイツ国防軍陸軍）＞：志願の場合、16歳で志願申請し、17歳で陸軍下士官学校に現役下士官候補生として入隊、10ヶ月（1944年2月以降は3-6ヵ月）の訓練を受けて上等兵となり、野戦師団で分隊長を４ヶ月勤め、晴れて下士官の伍長となる。野戦師団に配属済みで志願した場合、戦闘教育学校下士官過程または野戦下士官学校下士官候補生過程で２ヶ月半の訓練を受けて上等兵となり、野戦師団に戻って分隊長を４ヶ月勤めれば伍長となる。部隊指揮官からの推薦の場合、予備役下士官候補生として軍管区内の下士官課程または陸軍下士官学校で教育を受ける。参考：月刊丸9,’03

＜下士官（日本海軍）＞：三等兵曹、二等兵曹、一等兵曹（昭和17年11月1日以降は二等兵曹、一等兵曹、上等兵曹）のことで、元は下士と呼んでいたが、大正9年1月に官が付いた。最低６年間の服務義務がある。一等兵として艦や海兵団などで１年４ヶ月ほど勤務し、下士官試験（甲種、乙種、普通学の３科目）を受けて合格すると三等兵曹になり、１ヶ月の初任下士官特別教育を受けて艦や海兵団に戻り、資格が得られ次第術科学校高等科練習生や同特修科練習生としての教育を受けて二等兵曹、一等兵曹と進み、初任准士官講習を受けて兵曹長（准士官）になる。海軍勤務に必要な能力は技術分野が多いので、術科学校での教育が重視されており、基本的に術科学校の教育を経ないと下士官には昇任できない。航空機操縦要員も同様の養成課程を受けていたが、航空戦力の増強で大量のパイロットが必要になり、飛行予科練習生の制度が設けられた。参考：陸海軍学校と教育、月刊世界の艦船9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜下士官（日本陸軍）＞：入営して３ヶ月経つと候補が選抜（倍率30-40倍）されて連隊で下士官候補者としての教育に入り、入営から１年経過したところで歩兵・騎兵・砲兵は教導学校、他兵科・各部は実施学校などの下士官候補者隊に入って１年間の教育を受け、伍長として連隊に戻り分隊長を務める。その後一部は実施学校に下士官学生として入校するが、大部分はそのまま連隊で勤務し、軍曹、曹長、特務曹長（准士官）と進む。航空機操縦要員も同様の養成課程を受けていたが、航空戦力の増強で大量のパイロットが必要になり、少年飛行兵の制度が設けられた。参考：陸海軍学校と教育

＜下士官職務上達略綬章（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の略綬章NCO Professional Development Ribbon（NCOPDR）。下士官職務上達コース修了者に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜下士官兵集会所＞：日本海軍の福利厚生施設。軍港と要港に設置されており、食堂、娯楽室、図書館、売店、浴場、宿泊所などが揃っていて、上陸時に泊まるところが無い兵員はここで外泊した。参考：歴史群像6,’16

＜カ式機銃車＞：カーデンロイド軽装甲車�Yｂ型を参照。

＜加式測遠機＞：日本陸軍の野砲部隊用測遠機で、カール・ツァイス社製のものを採用した。総重量が100kgを超えるため、運搬に不便で、八年式野戦重測遠機が製作された。参考：日本陸軍兵器資料集

＜可視光線＞：目に見える電磁波のこと。波長380-450nmは紫、450-495nmは青、495-570nmは緑、570-590nmは黄、590-620nmは橙、620-750nmは赤に見える。参考：月刊軍事研究8,’13、図解・電波のしくみ

＜カシタン級設標船＞：ソ連海軍141型設標船Kashtan級。艦前部に箱形上構と煙突があり、その後方が全て作業甲板となっていて、艦中央に100トンデリック、艦尾に130トンクレーンを持つ。全長95.5m、満載排水量4674トン。主機はディーゼル、速力13.5ノット。1986-91年にKIL-158、KIL-168、KIL-498、KIL-927など９隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、9,'96、9,’12、12,’13

＜樫野＞：日本海軍樫野型給兵艦Kashino。昭和15年7月竣工、運送艦に類別された。昭和16年10月3-5日、武蔵の１番砲塔を呉から長崎に輸送。10月29日、３番砲塔を輸送。11月20日、２番砲塔を輸送。昭和17年9月4日（3日？）、台湾北方でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて沈没した。10月20日、除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊丸6,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜樫野型＞：日本海軍給兵艦Kashino型。戦艦武蔵の砲塔を呉工廠から三菱長崎造船所まで運ぶため、昭和12年度計画・計画番号J-12で造られた艦である。万が一にも沈没すると武蔵の竣工が遅れてしまい、国防計画に支障を来すので、船底から舷側まで全て二重構造にした。また、50サンチ砲の積み込みも考慮して第３ハッチは長さ15.7m・幅14.8mの開口部となっており、船体強度を保つため、この部分の上甲板を左右に0.55mずつ広げた。砲塔の積み降ろしは工廠や造船所のクレーンを使うので、自前のデリックは容量５トンである。機関は実用テストも兼ねて高温高圧缶を搭載した。水線長135m、最大幅19.9m、水線部最大幅18.8m、吃水6.67m、基準排水量10360トン、公試排水量11468トン。主機はブラウン・ボベリー社製オール・ギヤード・タービン（レシプロ・タービン組み合わせ機関？）１基、主缶はラ・モント式重油専焼水管缶２基・ホ号艦本式重油専焼水管缶２基、出力4500馬力、１軸推進、速力14ノット、重油搭載量900トン、航続距離6000海里（14ノット）。兵装は一〇年式45口径12サンチ単装高角砲２門、九三式13mm連装機銃２基。貨物搭載量5800トン。乗員303名で、他に260名を載せられる。樫野が昭和15年7月に竣工した。信濃の砲塔を横須賀に運ぶ任務は、信濃が空母に改造されたため実施されず、大型資材輸送などを行った。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、月刊世界の艦船8,’82増刊

＜橿原丸＞：隼鷹（空母）を参照。

＜かしま＞：TV-3508（練習艦）を参照。

＜鹿島＞：日本海軍香取型戦艦２番艦Kashima。計画名は第２号甲鉄戦艦で、明治37年2月29日（13日？）、アームストロング社エルジック造船所で起工、明治38年3月22日進水。明治39年4月初めからタイン河口沖で出動公試を開始。速力公試では出力17280馬力、平均速力19.242ノットを記録した。4月10日、出動公試を終えて最終艤装を開始。明治39年5月23日竣工。6月8日、ポーツマスを出港してスエズ運河経由で日本に向かった。8月4日、横須賀に到着。明治40年5-6月、皇太子の御召艦となり、山陰地方巡啓を行った。9月16日、広島湾甲島付近で射撃訓練中に、右舷後部中間砲塔でバックファイアを起こしてしまい、34名が死亡、８名が負傷した。大正10年3月3日、皇太子訪欧供奉艦として御召艦香取と共に横浜を出港。9月3日、横浜に帰港した。参考：月刊世界の艦船9,’13、1,’15、9,’13増刊、2,’20、月刊丸4,’13

＜鹿島＞：日本海軍香取型練習巡洋艦。昭和16年5月31日竣工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第４艦隊旗艦、兵力部署では連合艦隊南洋部隊主隊だった。昭和20年5月19日、朝鮮南方で貨物船大進丸と衝突した。太平洋戦争終結後に除籍されて引き揚げ船となり、邦人及び復員兵の輸送任務に就いた。昭和21年11月26日、舞鶴川南で解体を開始。参考：連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜鹿島海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、茨城県にある。操縦教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜かしま型＞：海上自衛隊練習艦。かとり型の後継として海上自衛隊が27年振りに建造した練習艦である。本当はもう１年早く建造する予定だったが、湾岸戦争への戦費拠出で予算が削られたために遅れた。船型は長船首楼型で、船首楼甲板と後部の訓練甲板兼ヘリ甲板が緩めのオランダ坂で繋がっている。上構最前部が司令官公室、最後部が実習員講堂で、練習艦隊旗艦設備を持ち、婦人自衛官用の居住区（竣工時16名分）を自衛艦として初めて就役時から設置し、国家元首クラスのVIPの来艦にも対応できる公室や、迎賓用の和室もある。艦載艇は作業艇と将官艇を積む。上構からオーニングをヘリ甲板に引き出せば、ヘリ甲板を立食パーティ会場として使える。造水能力が高く、遠洋練習航海中には訓練も兼ねて僚艦へと真水を供給する。かとり型で訓練器材の旧式化が問題になったが、いちいち最新装備に積み替えていると艦内スペースや予算がいくらあっても足りないので、艦対空ミサイル、艦対艦ミサイル、アスロックなどの訓練はCICのシミュレータで行うようにした。乗員は実習幹部の教員を兼ねており、階級によっては年下の上官に教える立場となる。全長143m、全幅18m、深さ12.3m、吃水4.6m、基準排水量4050トン、満載排水量5400トン。主機はCODOG方式、スペイSM1Aガスタービン（13500馬力）２基・三菱S16U-MTKディーゼル（4000馬力）２基２軸27000馬力、速力25ノット。兵装は76mm単装砲１基、３連装短魚雷発射管２基。艦橋前部には40mm礼砲２門が付いている。乗員360名（うち実習生125名）。1995年にTV-3508かしまが就役した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、7,’19、1,’04、1,’14、1,’16、1,’19、1,’95、5,’91、5,’02増刊、1,’11、9,’17、海上自衛隊全艦艇史、月刊JWings1,’99、自衛隊装備年鑑1996、月刊丸1,’10別冊、MAMOR vol.103

＜鹿島飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和13年、茨城県稲敷郡で開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜カシミア・プラスキ＞：SSBN-633（ジェームズ・マディソン級戦略原潜）を参照。

＜カシミール＞：F12（駆逐艦）を参照。

＜樫村寛一＞：日本海軍エース。大正2年、香川県生まれ。昭和9年7月、操縦練習生を卒業、大村海軍航空隊に配属された。横須賀海軍航空隊、鹿屋海軍航空隊に転属し、昭和12年10月に第13航空隊所属となり、11月22日に２機を撃墜した。12月9日の南昌攻撃で１機を撃墜した後、他の１機と衝突し、左翼の外翼部分を切断したが、そのまま帰還。着陸を４回やり直し、５回目に接地すると同時に転覆、尾部を切断したが、負傷も無く生還した。この時左翼を切断したまま飛行する写真が新聞に取り上げられ、片翼帰還の樫村として有名になり、特別善行章を受章している。しかし後に禁止されていた郷土訪問飛行を行い、９機編隊で曲技飛行を実施。仲間は全員口をつぐんでいたが、これを見た村長が感動して横須賀鎮守府長官に礼状を送ったため発覚、特別善行章を剥奪されてしまった。昭和13年3月、横須賀海軍航空隊に転属した。昭和14年末、第12航空隊に転属し、柳州・桂林攻撃を実施、３ヶ月後に横須賀海軍航空隊に復帰した。昭和17年12月、第582航空隊に転属し、ソロモン諸島に進出。昭和18年3月6日、ルッセル島上空で行方不明となり、戦死認定された。公式撃墜数12機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊、海軍よもやま物語

＜カシモフ＞：ソ連海軍グリシャ�X型フリゲートKasimov。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜ガシャ＞：GSh-23海外シリーズ（機関砲）を参照。

＜貨車山砲＞：日本陸軍簡易自走砲。４輪・６輪トラックの荷台上に四一式山砲や九四式山砲を搭載したものである。荷台に土嚢を載せて脚を固定し、砲を後ろ向きに搭載したタイプと、荷台に角材を積んで砲座を作り、その上に砲を前向きに固定したタイプ（旋回角左右16度ずつ、俯仰角はプラスマイナス16度）の２種が製作された。発射時の衝撃による車体トラブルはみられず、射撃時に車止めかフットブレーキを使用すれば安定したプラットフォームとなった。運用法は、前向きに砲を載せたタイプが隊列の先頭を走り、敵に遭遇した場合はすぐに射撃を開始、続いて後ろ向きに砲を載せたタイプが方向転換して戦闘に加わるというものである。山砲兵第48連隊第1-3大隊に装備され、昭和16年12月23日にフィリピン攻略戦で初実戦参加した。12月30日にはM3軽戦車部隊に対して反撃を行い、２両を撃破している。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜ガジャバフ＞：P626（哨戒艦）を参照。

＜貨車防楯＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜カシャロート＞：9P113（ミサイルランチャー）またはK-322（971型潜水艦）またはN83（ポーパス級潜水艦）またはSS-33（Ｋ級潜水艦）を参照。

＜カシャロット＞：1910型潜水艦またはSS-170（カシャロット級潜水艦）を参照。

＜カシャロット級＞：アメリカ海軍潜水艦Cachalot級。ロンドン条約下で建造された艦隊型潜水艦（Ｖボートの１つ）で、ドルフィン級と同じくドイツU-135級Ｕボートをベースとし、同等の性能や行動日数を持たせつつ小型に纏めている。船体は全溶接構造。全長82.7m（SS-170）／83.5m（SS-171）、幅7.5m、吃水3.9m、水上排水量1110トン（SS-170）／1130トン（SS-171）、水中排水量1650トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用MAN式M9V40/46型９気筒４サイクルディーゼル（1535馬力・480rpm）２基＋水中用ウェスティングハウス式（SS-170）／エレクトロ・ダイナミック式（SS-171）電動モーター２基、水上出力3070馬力、水中出力1600馬力、２軸推進、水上速力17ノット、水中速力８ノット、重油搭載量333トン、エレクトリック・ストレージ・バッテリー社製WLLH31蓄電池120セル２群計240セル、水上航続距離6000海里（10ノット）、水中航続時間10時間（５ノット）。安全潜航深度76m。兵装は533mm魚雷発射管６門（艦首４門、艦尾２門。魚雷16本）、50口径76mm単装両用砲１門（セイル後方）。乗員45名。小型すぎて乗員の疲労が大きい、主機が不調で高速運転できない、充電能力が低いといった欠点があり、SS-170カシャロットとSS-171カトルフィッシュの２隻のみ1933-34年に竣工した。不調の主機は1936年にGM式ディーゼルに換装している。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜荷重強化点＞：ハードポイントを参照。

＜荷重試験＞：Load Test。運用中に構造が受ける荷重と類似の負担を掛け、構造の強さや剛性などを調べる試験のこと。機動、離着陸、不時着、突風などで様々な荷重が加わることが想定されるが、そのうち最も厳しい荷重と方向でテストを行い、歪みや撓みの程度、破壊や変形の有無を調べる。静荷重試験と動荷重試験があり、弾性限界以内で抑える弾性試験、壊れるまで荷重をかける破壊試験、繰り返し荷重をかける疲労試験といった分類もある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜カシューブ＞：ポーランド海軍カシューブ級コルベットKaszub。1986年竣工、1987年就役。2010年6月19-27日、ドイツのキール・ウィーク2010に参加。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜カシューブ級＞：ポーランド海軍コルベットKaszub級。グリシャ型がベースで、煙突は無く、排気は舷側から排出する。全長82.3m、幅7.7m、吃水3.1m、満載排水量1183-1220トン。主機はディーゼル、出力24000馬力、２軸推進、速力25-27ノット。兵装は9K32艦対空ミサイル４連装発射機２基、76mm単装砲２門、23mm連装機関砲３基、RBU6000対潜ロケット発射機２基、533mm魚雷連装発射管２基（SET-53長魚雷）、爆雷投下軌条２条など。カシューブが1987年に就役した。参考：月刊世界の艦船9,’10、3,’92増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カシュタン・シリーズ＞：コールティク・シリーズ（CIWS）を参照。

＜仮称一号局地戦闘機＞：紫電シリーズを参照。

＜仮称一式二号爆弾信管＞：一式二号爆弾信管シリーズを参照。

＜仮称二号爆弾信管＞：日本海軍の二号爆弾用信管。浮上潜水艦攻撃用である。遅延秒時1.5-2秒、炸裂深度3-5m。昭和19年7月に制式化されて生産されたが、使用されなかった。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称二式六番一号通常爆弾三型＞：日本海軍の60kg級一号爆弾。中に何が入っていたかは不明で、実用化されたかも不明である。昭和17年11月13日に九九式通常爆弾信管甲、九九式通常爆弾信管丙、十七試特殊弾頭発火装置二型を付けて九七式艦攻から高度100-4000mで投下する実験が行われたが、結果がどうなったかは不明。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称二式二十五番二十一号爆弾一型＞：日本海軍の試作250kg級二十一号爆弾。内部に子弾120個を収容する。昭和18年1月頃に完成したようだが、その後どうなったかは不明。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称三式六番三号爆弾一型＞：三式六番三号爆弾一型を参照。

＜仮称三式六番二十七号爆弾一型＞：三式六番二十七号爆弾一型を参照。

＜仮称三式六番三十二号爆弾一型＞：日本海軍の60kg級三十二号爆弾。全備重量63kg。内部に子弾６個（炸薬1.9kg入り）を収容する。前線では性能に尾ひれが付いて広まっており、トラック春島では空中の酸素を燃やし尽くして１発で3-4km四方を火の海にする爆弾ということになっていた。参考：日本海軍の爆弾、海軍よもやま物語、続日本海軍よもやま物語

＜仮称三式二十五番三十一号爆弾一型＞：日本海軍の250kg級（実際はもっと軽いが）三十一号爆弾。弾頭部に光学センサーが付いており、自ら発する光が地上で反射して返ってくるのを捉え、地上3-15メートルで炸裂する。全備重量190kg。内部に九八式爆薬77kg（97kg？）を収容する。昭和19年に攻撃702が初使用した。参考：日本海軍の爆弾、月刊航空ファン11,’02

＜仮称三式哨信儀＞：日本海軍の試作哨信儀。二式哨信儀の小型化版で、昭和18年から開発されたが、実用化前に終戦となった。参考：丸スペシャルNo.78

＜仮称四式三番七号爆弾＞：日本海軍の30kg級七号爆弾。内部に十一号特薬甲・乙（リシンとアコニチンらしい）を収容する。開発途中で終戦になったようだ。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称四式六番一号陸用爆弾＞：日本海軍の60kg級一号爆弾で、一型と二型がある。内部に炸薬2.3kgが詰まっており、これが炸裂して三号特薬22kgをばらまく。全備重量55.5kg。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称五式一番九号爆弾＞：日本海軍の10kg級九号爆弾。一番二十八号爆弾を浮上潜水艦攻撃用に改造したもので、潜水艦の甲板を貫通できるよう弾頭部に通常爆弾を使用している。上陸用舟艇も攻撃可能。全備重量13kg、推進薬重量2kg。増速毎秒230m、装甲貫徹力25mm。炸薬は九八式爆薬で、重量0.9kg。昭和19年末に採用され、100発ほど試作されて前線に送られたが、結局使用されなかった。参考：日本海軍の爆弾、月刊丸5,’13

＜仮称五式六番九号爆弾＞：日本海軍の九号爆弾で、六番だが全備重量は84kgもある。六番二十七号爆弾の弾頭部を強化して15mm厚装甲を貫通できるようにしてあり、潜水艦や商船を攻撃する予定だった。推進薬重量10kg、増速毎秒200m。炸薬重量10kg。昭和20年2月から開発されたが、完成前に終戦となった。参考：日本海軍の爆弾、月刊丸5,’13

＜仮称五式二十五番二十九号爆弾＞：日本海軍の試作250kg級二十九号爆弾。二十五番三号爆弾を対B-29用にスケールアップしたもので、キルレートを海軍戦闘機：B-29爆撃機＝１：３にするため開発された。内部に黄燐焼夷弾子1100個が入っており、炸薬37kgにより初速毎秒450mで散布する。全備重量250kg、黄燐総重量50kg。専用の三式電気爆弾信管二型も作られたが、爆弾共々実用化前に終戦となった。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称五式二十五番三十三号爆弾＞：日本海軍の試作250kg級（実際はもっと重いが）三十三号爆弾。ワイヤー延長式信管により地上数メートルで炸裂させるシステムを備えており、飛行場や上陸地点の攻撃用に開発されたが、信管作動不良による不発が多く、完成前に終戦となった。全備重量320kg。内部に子弾1100個（炸薬110kg）を収容する。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称五式五〇番通常爆弾＞：日本海軍の試作500kg通常爆弾。二式五〇番通常爆弾一型の炸薬量を増やし、生産性を上げるべく昭和20年から開発されたが、完成前に終戦となった。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称五式撃雷＞：伏龍が装備する爆薬付き竹竿で、通称棒機雷。頭部が円錐台形をした円筒形の缶体（全長566mm）の先端に信管、後端に竹竿固定具を付け、長さ5m（3.3m？）の竹竿を固定したものである。缶体は前部が炸薬装填部、後部が空気の入る浮室で、前部側面に丸い蓋があり、ここから九七式爆薬15kgを詰め込む。円錐台形部分の側面にはリングが付けられていて、信管覆をワイヤーで結び、地上で引きずっていく際の持ち手となるロープも括り付ける。缶体の色は黒色一度塗粧。信管は仮称護謨触角という名称で、上陸用舟艇の底部を突くとゴム皮膜に覆われた液壜が割れて電解液が流出し、電極に触れて信管が作動する。陸上総重量は30kg以上だが、海中では浮室の浮力で1kgくらいになる。上陸用舟艇を乗員ごと破壊するだけの炸薬を詰め込んであり、伏龍自身も破壊される。参考：月刊丸8,’15別冊

＜渦槳６型＞：WJ6シリーズ（ターボプロップエンジン）を参照。

＜仮称十三試双発三座戦闘機兼爆撃機＞：十三試双発三座戦闘機を参照。

＜仮称７１号艦＞：日本海軍試作水中高速潜水艦。主機はダイムラーベンツ製ディーゼル（600馬力）２基を搭載する予定だったが、国産ディーゼル１基となり、予定水上速力18ノット・水中速力25ノットを下回る結果となった。全長42.8m、最大幅3.3m、公試時吃水3.15m、基準排水量195トン、常備排水量213トン、水中排水量240トン。主機はディーゼル（300馬力）１基、１軸推進、水上速力13ノット、水中速力21ノット、燃料搭載量16トン、水上航続距離3830海里（12.5ノット）、水中航続距離33海里（７ノット）。兵装は艦首の45cm魚雷発射管３門。昭和13年に竣工した。参考：日本潜水艦物語

＜仮称九七式九メートル潜望鏡四型＞：日本海軍試作夜間潜望鏡。八八式潜望鏡四型の後継として開発した。倍率15倍、視野４度で、視認能力が強化されている。方位角測定に難があり、実用化されなかった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜仮称九七式三十七粍速射砲＞：日本軍の速射砲。ドイツ国防軍PaK35/36対戦車砲を輸入したものである。参考：月刊PANZER11,’03

＜仮称九八式六番二号爆弾＞：日本海軍試作60kg級二号爆弾。全備重量64.9kg、炸薬重量39.7kg。実用性がイマイチだったらしく、制式化されなかった。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称九八式二十五番二号爆弾＞：日本海軍試作250kg級二号爆弾。全長1.814m、直径0.375m、全備重量263kg、炸薬重量150.5kg。採用されなかった。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称九九式練習用爆撃機一二型＞：九九式艦上爆撃機ファミリーを参照。

＜仮称一五〇番通常爆弾＞：日本海軍計画1500kg通常爆弾。昭和13年3月頃から構想された。全備重量1500kg、炸薬重量600kg。マル四計画で3140発、マル五計画で5230発を生産する予定だったが、戦局の推移に伴い開発を先延ばしにしているうちに終戦となった。参考：日本海軍の爆弾

＜仮称第五〇三四号艦型＞：日本海軍計画潜水母艦。改マル五計画で３隻を建造する予定だったが、昭和18年の計画見直しで開発中止となった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜ガジョン＞：SS-211（Ｔ級潜水艦）またはSS-567（タング級潜水艦）を参照。

＜ガジラジ＞：Il-76輸送機（インド空軍）を参照。

＜柏＞：日本海軍樺型駆逐艦７番艦。大正4年4月4日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正6年3月11日、第２特務艦隊第11駆逐隊の一員としてシンガポールを出撃して地中海に向かい、海上護衛作戦を行った。昭和7年4月1日除籍され、昭和8年1月12日に廃駆逐艦第４号となった。参考：日本駆逐艦史

＜柏崎市駅前公園＞：1998年7月からUH-1Hが無償貸与されて展示されていたが、2010年7月に貸与期間が終了して撤去され、解体された。参考：朝雲

＜柏送信所＞：航空自衛隊の送信所。所在地は千葉県柏市、敷地面積は東京ドーム1.4個分である。2018年6月20日から8月20日、航空システム通信隊が統幕指揮通信システム部の依頼でロボット芝刈り機（愛称かるしげ君）の実地検証を行い、全天候下で２ヶ月連続（２時間駆動・１時間充電）の完全自律芝刈りを達成した。参考：朝雲

＜鹿地亘氏拉致事件＞：鹿地亘氏は作家で、本名瀬口貢。共産党リンチ事件で服役した後の昭和11年に上海に渡航し、日華事変勃発で国民政府の抗日反戦同盟を立ち上げている。1951年11月25日1900、結核の療養のため滞在していた藤沢市で散歩中に、GHQ諜報部（G2）直属のＺユニット（キャノン少佐がトップなのでキャノン機関ともいう）要員が鹿地氏を車で拉致した。Ｚユニットの本拠地である湯島の旧岩崎別邸などを結核の治療も行いながら転々とし、連合軍による日本占領終結でキャノン機関が解散した後はCIAが引き継ぎ、1952年12月7日に神宮外苑路上で解放された。12月8日、鹿地氏はアメリカ軍に監禁拷問され、スパイになることを強要されたと発表。12月10日、鹿地氏が衆院法務委員会で不法監禁を証言し、アメリカ軍施設にいた複数の日本人も証言の裏付けを行った。アメリカ大使館は拘束の理由を外国のスパイだったためと発表し、日本の警察には鹿地氏がアメリカ諜報機関の一員であると自供したとする調書が渡されたが、鹿地氏側は強要されたものであると主張した。その後立川警察署にシベリア抑留中にモスクワでスパイ教育を受けていた三橋正雄氏が自首。自分が会っていたソ連向けスパイ情報収集者（レポ）が鹿地氏であると証言したが、鹿地氏は否定し、1953年8月4日の衆院法務委員会での直接対決でも供述は平行線だった。日本にはスパイを取り締まる法律が無いため、両者はソ連に向けてレポの情報を不法に無線送信していたという電波法違反で起訴され、鹿地氏は二審で無罪、三橋氏は有罪となった。アメリカが日本の国家主権を無視し、鹿地氏の病気を治療してまで長期に拘束して何をさせようとしていたのかは未だに不明である。参考：月刊丸5,’13

＜柏台演習場＞：陸上自衛隊の演習場。東千歳駐屯地の北に隣接している。広さは2km四方くらい。参考：月刊軍事研究10,’13

＜柏飛行場＞：日本陸軍の飛行場。総面積15万平方メートル。滑走路は1500×100mで、北と東西に誘導路がある。昭和13年、千葉県葛飾郡田中村十余二に建設された。11月、飛行第５戦隊が配備された。昭和14年5月、格納庫地区南側に陸軍航空廠立川航空支廠柏分廠が設営された。昭和17年8-10月、飛行場建設演習を実施。運土車（ダンプカー）、掬土車（ショベルカー）、伐根機などを使用した陸軍初の機械による飛行場設営で、演習終了後は機材を早速南方に送ったが、輸送船を潜水艦に沈められてしまい、現地には届かなかった。昭和18年7月、飛行第５戦隊が南方に移動し、飛行第87戦隊が展開した。11月、飛行第１戦隊が展開した。12月、飛行第87戦隊が南方に移動。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく陸軍大臣所管の機密飛行場に指定された。6月、誘導路沿いに土を盛った無蓋掩体壕の設営を開始。終戦までに79基が作られた。10月、飛行第１戦隊がフィリピンに移動。飛行第18戦隊が展開。11月、飛行第70戦隊が展開。12月からキ−200ロケット局地戦闘機の出撃基地として整備され、昭和20年3月には燃料庫の一部が稼働を開始、海軍第１燃料廠で作られた80%高濃度過酸化水素が20リットルガラス瓶に入れられて保存された。終戦時には燃料庫が20基以上建設されていた。今でも花野井地区には燃料庫１号基の通気筒とされるコンクリートの円柱が畑の真ん中から突き出していたり、未完成の燃料庫５号基のコンクリート部分が露出していたりする。また、正蓮寺地区では旧柏ゴルフ倶楽部コースの地下で過酸化水素保管庫４基が発掘された。飛行場正門は空自柏送信所と県道47号線の交点にある。滑走路は東京大学柏キャンパスへの大通りとなっていて、関税中央分析所沿いの通りからこんぶくろ池に至る途中の林の中に無蓋掩体壕が残っている。参考：月刊航空情報5,’18、首都防空網と空都多摩、月刊丸8,'15別冊

＜橿原＞：日本海軍香取級練習巡洋艦Kashiwara。建造中止になった。参考：近代巡洋艦史

＜カシン級ミサイル駆逐艦＞：ソ連海軍大型対潜艦のNATOコード、Kashin級。世界初のオール・ガスタービン水上戦闘艦である。1964-73年に計20隻が建造され、2020年に退役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、4,’18、12,’21

　＜プロジェクト６１ＭＥ＞：大型対潜艦と言いつつ対空兵装重視の艦で（相手がアメリカ空母機動部隊だから必然的にそうなるが）、艦隊防空ミサイルを駆逐艦として初めて搭載した。煙突は前後に並列で搭載、それぞれガスタービン１基の排気を担当する。レーダーマストは前部煙突前後にラティスマスト１本ずつ、後部煙突前方に背の低いタワーマスト１本が立っており、アルミを使用して軽量化を図った。艦橋上に艦対空ミサイル用ピール・グループ射撃指揮レーダー、前後マスト頂部にヘッド・ネットＡ対空二次元捜索レーダーを装備する。ソナーはMG-312捜索ソナーとMG-311攻撃用ソナー。全長144m（132.2m？）、幅15.8m、吃水4.7m、基準排水量3400-3500トン、満載排水量4390-4750トン。主機はCOGAG方式、M8Eガスタービン４基２軸72000馬力（94000馬力？）、速力37ノット（34ノット？）、航続距離4500海里（18ノット）／1400海里（34ノット）。兵装はM-1艦対空ミサイルシステム用ZIF-101連装発射機２基（上構前後に１基ずつ）、76mm連装砲２基（前後甲板）、RBU-6000対潜ロケット発射機２基、RBU-1000対潜ロケット発射機２基、533mm魚雷５連装発射管１基（53-61型魚雷。艦中央01甲板上）。艦尾にヘリ着艦スペースがある。乗員280名。1962-73年に15番艦スメトリブイなど19隻が竣工した。1972-80年に５隻がプロジェクト61PM型に改装された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,'21、5,’86、4,’14、2,’15、6,’15、4,’18、12,’18、ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊軍事研究6,’05、月刊丸4,’07

＜プロジェクト６１Ｍ＞：NATOコードはカシン改級。20番艦スデルジャンヌイで、P-15艦対艦ミサイルを追加している。1973年に竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜プロジェクト６１ＰＭ＞：プロジェクト61MEカシン型のうち５隻が1970年代にプロジェクト61Mに準ずる改装工事を受けたもので、NATOコードはカシン改級。船体を延長してMGK-335ソナーシステム、MG-325可変深度ソナー、P15M（SS-N-2c）艦対艦ミサイル４基、AK-630CIWS４基を搭載し、RBU-1000を撤去、前部煙突を２メートル増高し、前部マスト頂部の対空捜索レーダーをMR-310Aヘッド・ネットＣ三次元レーダーに、後部マスト頂部をMR-500ビッグネット二次元レーダーに換装した。P15Mは艦尾向きに搭載しており、平時は公海上でアメリカ空母艦隊に随伴し、開戦と同時にミサイルを発射してそのまま逃げる気だったのかもしれない。全長146.5m、幅15.8m、吃水4.7m、基準排水量3950トン、満載排水量4750トン（4900トン？）。主機はCOGAG方式、ガスタービン４基２軸72000馬力（94000馬力？）、速力35ノット、航続距離4500海里（18ノット）／1400海里（34ノット）。兵装はP15M艦対艦ミサイル単装発射筒４基、M-1艦対空ミサイル連装発射機２基、76mm連装砲２基、RBU-6000対潜ロケット発射機２基、AK-630CIWS４基、533mm魚雷５連装発射管１基。艦尾VDS格納庫上にヘリ甲板を持つが、ヘリ格納庫は無い。乗員300名。スメリイは1988年にポーランドに引き渡された。参考：月刊世界の艦船6,’83、5,’86、3,’92増刊、1,'15増刊、9,’20

＜プロジェクト０１０９０＞：15番艦スメトリブイが1987-95年に改装を受けたもので、艦種も警備艦（フリゲート）に変更された。艦対艦ミサイルをKh-35（SS-N-25）に換装している。全長144m、幅15.8m、吃水4.7m、満載排水量4826トン。主機はCOGAG方式、ガスタービン４基２軸72000馬力、速力32ノット。兵装はM-1艦対空ミサイル連装発射機２基、Kh-35艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（後部煙突前方両舷）、76mm連装砲１基、RBU-6000対潜ロケット発射機２基、533mm魚雷５連装発射管１基。乗員280名。参考：月刊世界の艦船6,’15、2,’17

＜カシン改級・海外シリーズ＞

　＜カシン改級（ポーランド）＞：ポーランド海軍大型対潜艦。ワルシャワ級駆逐艦275ワルシャワの退役に伴い1988年1月にプロジェクト61PMスメリイが供与され、艦番号271ワルシャワとなった。艦尾にVDS格納ハッチを持つ。全長147m、幅15.8m、吃水4.7m、基準排水量3950トン、満載排水量4900トン。主機はガスタービン４基２軸94000馬力、速力37-38ノット。兵装はP15M艦対艦ミサイル単装発射筒４基、M-1艦対空ミサイル連装発射機２基、76mm連装砲２基、30mmCIWS４基、533mm魚雷５連装発射管１基、RBU-6000対潜ロケット発射機２基。乗員280名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜カシン�U級＞：ラジプット級（駆逐艦）を参照。

＜ガス圧作動式＞：Gas Operating System。銃身にガス漏孔を設け、発射ガスの一部を取り出し、その圧力で遊底を後方に押し下げて銃尾機構を作動させる方式。軽量で、構造がさほど複雑でなく、泥などで汚れて作動しにくくなった場合には取り敢えずガス量を増やして対応することが可能。銃身交換構造にできるので、自動小銃や軽機関銃の作動方式として採用されている。参考：火器弾薬技術ハンドブック、拳銃・小銃・機関銃

　＜カットオフ式＞：ガス漏孔からガス筒内に導いたガスをガスピストン延長部で締め切り、その後にガスの膨張によって銃尾機構を作動させる。ガス筒から銃身への発射ガスの逆流が無くなり、作動が滑らかである。M14ライフルなどに採用されている他、M60機関銃はタペット式と組み合わせて使用している。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜ショートストロークピストン式＞：タペット式を参照。

　＜タペット式＞：tappet type。ショートストロークピストン式ともいう。ガス漏孔からガス筒内に導いた発射ガスの圧力で、タペット（ガスピストン）を短距離のみ後退させ、銃尾機構を作動させる方式である。銃尾機構を作動させるオペレーティング・スライドはタペットとは直接繋がっておらず、タペットがオペレーティング・スライドを押すことにより作動が行われる。漏孔から入るガスの圧力変動の影響を受けやすいので、弾薬との適合性が重要である。M1カービンなどに使用されている。参考：火器弾薬技術ハンドブック、世界の軍用銃

　＜直接吹き込み式＞：Direct Gas Action。ガス漏孔からパイプで発射ガスを導き、銃尾機構内に噴出して銃尾機構を作動させる方式。ピストン機構が要らないので構造は単純だが、ガスにより作動部が汚れるため、信頼性に欠ける。M16などに使用されている。参考：火器弾薬技術ハンドブック、世界の軍用銃

　＜ピストン式＞：ガス漏孔からガス筒内に導いた発射ガスをガスピストンに作用させ、銃尾機構を作動させるもの。ガスピストンの後ろには長いオペレーティング・ロッドが繋がっていて、直接銃尾機構を動かす。ガス圧作動式の中で最も信頼性が高く、機関銃や自動小銃に広く利用されている。参考：火器弾薬技術ハンドブック、世界の軍用銃

＜ガス圧利用リボルバー式＞：薬室の無い砲身の後方に数個の薬室付きシリンダーを用意し、このシリンダーを回転させながら弾丸を発射する方式で、発射速度を高められる。薬室に弾薬を装填し、シリンダーを回転させて発射位置まで進めるのには別の動力源を使うことが多い。シリンダーには偏心慣性が働いて砲身の振動を引き起こすので、サポートを設ける必要がある。また、速射でシリンダーが過熱すると、射撃中止時にも発射薬が自然発火する恐れがある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ガス医极＞：日本陸軍の軍医用器材入れ。本来は化学兵器の治療材料を収容したものだが、新しく出来た器材は全てこちらに放り込まれており、歯科治療用の器材や一時貸与用のメガネまで入っていた。参考：軍医サンよもやま物語

＜カズー＞：Kh-59Mシリーズ（空対艦ミサイル）を参照。

＜ガス・エロージョン＞：発射薬の燃焼で生じる高温高圧のガスにより、砲腔内面が滑らかに除去される現象。砲腔開始部で顕著になる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ガス遠心分離器＞：直径75-400mmのシリンダーを真空中で秒速300m・毎秒20000回転以上の高速で回転させ、内部のガスを構成する分子の質量数の違いにより物質を精製する機器。ガス遠心分離法を用いた武器グレード・ウランの製作に用いられる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ガス遠心分離法＞：Gas Centrifuge Uranium Enrichment、気体遠心ウラニウム濃縮法ともいう。超高速回転するガス遠心分離器を多数配列し、６フッ化ウランの気体を順次濃縮する。ガス拡散法よりも効率が良く、工場の規模も小さくて済む。参考：月刊軍事研究1,’03、アメリカの核兵器

＜ガス・オペレーティング・システム＞：ガス圧作動式を参照。

＜春日＞：日本海軍春日型一等巡洋艦Kasuga。元はアルゼンチン向け装甲巡洋艦リバダビアとしてイタリアで建造されていたもので、日露戦争開戦直前の明治36年12月30日に購入し、明治37年1月7日に竣工した。1月9日、ジェノバを出港。イギリス海軍リー予備中佐が臨時艦長となり、日本海軍士官４名が監督官として乗艦、日本へと向かった。ロシア海軍の妨害をイギリス海軍の護衛で排除しつつ2月2日にシンガポールに到着。日露戦争開戦後の2月16日に横須賀に入港し、第１艦隊に所属して参戦した。大正11年7月、摂政宮北海道行啓の供奉艦を務め（御召艦は戦艦日向）、第３艦隊司令長官鈴木貫太郎中将が座乗した。昭和17年7月、練習特務艦春日に艦種変更された。参考：月刊世界の艦船10,’14、12,’10、9,’13増刊、7,’17

＜春日＞：日本海軍練習特務艦。垂線間長104.88m、最大幅18.9m、基準排水量7080トン（7310トン？）。機関出力13500馬力、速力20ノット。元は明治37年1月（2月？）に竣工した装甲巡洋艦春日で、昭和17年7月に艦種変更されて横須賀の吉倉海岸で海軍航海学校練習艦となり、航海術や運用術の訓練に使用された。昭和20年7月18日、横須賀でアメリカ第38機動部隊艦上機の攻撃を受けて損傷し、船体が60度傾斜して座礁した。終戦後に解体された。参考：小艦艇入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜カスカード＞：MRK-50（レーダー）を参照。

＜春日井駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は愛知県春日井市西山町無番地。JR桂川駅から徒歩３分。JR春日井駅から名鉄バス桃花園行きに乗り、西山口で下車して徒歩15分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。1967年3月、西山分屯地から昇格して創設され、第10偵察隊に加えて豊川駐屯地から第10施設大隊が移駐した。1974年、春日井駐屯地業務隊が新編された。1975年、第10対戦車隊が岐阜から移駐した。1991年6月、第10後方支援連隊武器隊と同輸送隊が新編された。2004年3月、第10対戦車隊が廃止され、第104輸送業務隊第１端末地業務班が新編され、第10後方支援連隊主力が守山駐屯地から移駐した。2012年3月4日、創立45周年記念行事を実施。2013年10月4日、本部庁舎耐震工事の完成披露式典を実施。2021年2月2日、PAC-3機動展開訓練で第４高射群第15高射隊が展開した。2022年3月9日、愛知地本の大学生36人を対象とした春季インターンシップに協力し、オートバイ訓練・整備工場見学や宿営用天幕展張などを行った。参考：春日井駐屯地ホームページ、第10師団ホームページ、JGround Vol.23、月刊JWings4,'21、朝雲

　＜春日井駐屯地（２０１５年）＞：第10師団第10偵察隊、第10後方支援連隊、第10施設大隊、中部方面会計隊第426会計隊（3月26日から第408会計隊春日井派遣隊）、第306基地通信中隊春日井派遣隊、第104輸送業務隊第１端末地業務班、第130地区警務隊春日井連絡班、春日井駐屯地業務隊、愛知地方協力本部春日井案内所が駐屯している。参考：春日井駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜春日井駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1974年、春日井駐屯地で新編された。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：春日井駐屯地ホームページ、朝雲

＜春日井三兄弟＞：陸上自衛隊春日井駐屯地のマスコットキャラで、第10偵察隊所属の長男みはる、第10施設大隊所属の次男こうじ、第10後方支援連隊所属の長女まもりの三兄弟である。2013年4月7日にデビューした。参考：朝雲

＜春日型装甲巡洋艦＞：日本海軍装甲巡洋艦Kasuga型。ロシアとの関係悪化で戦力強化が急務となり、イタリアのアンサルド社で建造されていたアルゼンチン装甲巡洋艦２隻を明治36年12月30日に購入したものである。売却の打診を受けてから契約を結ぶまで２週間弱という即断即決で、衆議院が解散されていたため予算の裏付けが出来ず、勅裁による予算外支出で支払った。公試排水量7400トン、常備排水量7700トン。公試時出力14900馬力、公試速力20.2ノット。兵装は40口径25.4cm単装砲１門（日進は無し）、アームストロング社製20.3cm連装砲１基（日進は２基）、15.2cm単装砲14門。春日と日進が明治37年1月7日に竣工した。参考：月刊世界の艦船10,’14、12,’10

＜春日艦＞：兵部省報知艦Kasuga Kan。大元はイギリスで建造された木造外輪船キャンスー（Keangsoo）で、鹿児島藩が春日丸として導入、明治3年11月27日に兵部省に編入された。排水量1015トン。主機はレシプロ蒸気機関で、トップスル・スクーナーの帆装も有し、常用速力9-10ノット。明治4年、イギリス測量艦シルヴィアと共に北海道の水路測量を実施。帰路には釜石も測量した。12月、測量艦に指定された。明治5年4月、測量艦から外れた。明治6-7年、台湾方面の測量を行った。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜春日管制隊＞：航空自衛隊の管制隊。航空保安管制群隷下で、春日基地に置かれている。自衛隊機の運航情報処理伝達といった飛行管理中枢業務を主任務とする。2023年2月9-20日の令和4年度航空保安管制競技会において、飛行管理部門学科で優勝した。参考：月刊JWings4,’16、8,’14、5,’23

＜春日気象隊＞：航空自衛隊の気象隊で、春日基地に置かれている。2012年6月3日、九州電力玄海原発の事故を想定した総合防災訓練に参加。参考：月刊JWings8,’14、朝雲

＜春日基地＞：航空自衛隊の基地。西部航空方面隊司令部、西部航空警戒管制団司令部、第２高射群本部などがある庁舎地区、西部防空管制群などがある防空指令所地区、西部航空方面隊司令部支援飛行隊、春日ヘリコプター空輸隊、西部航空警戒管制団整備補給群、基地業務群、春日気象隊板付気象班のある飛行場地区／板付地区（福岡空港内）に分かれている。所在地は福岡県春日市原町3-1-1（飛行場地区は福岡県福岡市博多区）。大元は1940年（昭和15年）に開設された陸軍小倉造兵廠春日製造所で、太平洋戦争終結でアメリカ軍に接収された。1954年、航空自衛隊西部訓練航空警戒隊が新編された。1959年、春日基地として発足した。3月1日、西部航空司令所が新編された。1961年7月15日、西部航空司令所が西部航空方面隊司令部に改編された。1964年4月1日、第２高射群が新編された。1972年、アメリカ軍から全面移管された。1992年5月22日、春日ヘリコプター空輸隊が編成された。1993年、飛行場地区が福岡空港内の旧米軍格納庫から福岡空港国際線ターミナル南側Ｃ地区に移転した。2009年7月1日、JADGEシステム稼働に伴い、新BADGEシステムの火落とし式を実施。2010年1月25-26日、西部航空警戒管制団後方競技会（LAN構築の部）を実施。２名１組９チームが参加し、第43警戒群が優勝した。2016年3月9-11日、基地所在部隊が補助衛生員養成訓練に参加。2018年4月26日、第６高射隊がPAC3機動展開訓練を実施。2019年7月2日、ベトナム軍佐官級研修プログラムで来日したベトナム軍佐官級訪日団14名が視察した。9月、空自QCサークル第４回大会が開催された。2020年2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。7月4日に発生した九州豪雨の災害派遣に参加。9月1日、基地業務群業務隊給養班が防災の日に合わせて野外炊飯訓練を実施。野戦釜でご飯、豆腐キムチ炒め、かき玉汁を作製し、夕食として基地隊員に提供した。2022年3月9日、春日基地准曹会が社会福祉法人希望学園に衣類や文房具などを寄付した。3月28日、月末で閉店する基地内飲食店春日サロン店主に防衛省共済組合航空春日支部長から感謝状が贈呈された。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、春日基地ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、月刊航空ファン1,’15、5,’20、朝雲

＜春日基地（２００７年度）＞：西部航空方面隊司令部、西部航空方面隊司令部支援飛行隊（T-4）、航空救難団春日ヘリコプター空輸隊（CH-47J）、西部航空警戒管制団、第２高射群、西部航空音楽隊などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜春日基地（２０１５年）＞：西部航空方面隊司令部、西部航空方面隊司令部支援飛行隊、春日ヘリコプター空輸隊、西部航空警戒管制団、第２高射群、第２移動通信隊、飛行教導群教導隊春日要撃管制班、西部航空音楽隊、春日管制隊、春日気象隊、春日地方警務隊、第２通信監査班、第４補給処調達部福岡調達室が置かれている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings8,’14

＜春日基地広報館＞：航空自衛隊春日基地にある広報館。F-86F、F-104J、F-1などが展示されている。基地開放時や事前予約で見学可能。所在地は福岡県春日市原町3-1-1。開館時間は0900-1700。休館日は土日祝日。参考：MAMOR Vol.42

＜ガス拡散法＞：ウラン濃縮法の１つ。ウランをフッ素と化学反応させて６フッ化ウランの気体にし、浸透性の隔膜を通すと、質量の軽いウラン235がウラン238よりも先に拡散してくるので、これを取り出して濃縮していく方法である。核兵器用ウラン濃縮技術の主流だが、90%濃縮には3000回以上繰り返す必要があって工場が大規模になるのと、６フッ化ウランの腐食性が高いので特別な設備が要るのが欠点。参考：アメリカの核兵器

＜春日駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は福岡県春日市小倉東1-61。参考：JGround Vol.23

　＜春日駐屯地（２０１５年）＞：自衛隊福岡病院が置かれている。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜春日ヘリコプター空輸隊＞：航空自衛隊のヘリコプター空輸隊。春日基地飛行場地区に置かれており、空港との協定で、離着陸は１日４回まで、災害時以外の土日離着陸禁止、離着陸時間0700-1900などの運用制限がある。1992年5月22日、春日基地で航空救難団隷下に新編された。2010年3月7日、那珂川町総合防災訓練ビッグレスキューなかがわ2010に参加。CH-47Jにより衛生隊員、九州救助犬協会救助犬２頭、指導士を那珂川南中学校に輸送した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月23日1031、CH-47Jで松島から網地島に燃料を輸送。2012年1月29日、長崎県で国民保護訓練に参加。2016年6月18日、下甑島分屯基地のCH-47J体験搭乗に協力した。7月29日、徳島航空基地で兵庫・徳島・愛媛・高知・香川地本のCH-47J合同体験搭乗を支援した。2017年7月5日に発生した九州北部豪雨の災害派遣に参加。2018年7月5日からの西日本豪雨に対する災害派遣に参加。2019年8月31日、防府北基地が行った一般市民へのCH-47Jヘリ体験搭乗に協力した。2020年8月5日、CH-47Jヘリ体験搭乗を実施。2021年8月5日、大分地本の募集対象者13人に対する航空機体験搭乗に協力した。参考：月刊JWings4,’12、7,’13、9,’18、月刊航空ファン1,’15、10,’17、朝雲

　＜春日ヘリコプター空輸隊（２０１５年）＞：航空救難団隷下で、春日基地にある。CH-47Jを装備する。参考：月刊航空ファン4,’16

　＜春日ヘリコプター空輸隊（２０２０年）＞：航空救難団隷下で、春日基地にある。CH-47Jを装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜カスカベル＞：EE-9シリーズ（装甲戦闘車）を参照。

＜春日丸＞：大鷹（空母）または第二号春日丸（特設運送船）を参照。

＜ガスキン＞：9K31（地対空ミサイル）を参照。

＜カスク＞：SS-348（潜水艦）を参照。

＜カスク＞：フランス海軍ル・アルディ級駆逐艦Casque。1940年竣工。1942年11月にツーロンで自沈した。その後イタリア軍が引き揚げ、イタリア降伏後はドイツ軍に接収され、1944年4月に連合軍の爆撃を受けて損傷し、後に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ガス検知器＞：陸上自衛隊の有毒ガス検知器。市販のものをそのまま利用していて、災害派遣や公害測定にも使える。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ガス検知器２型＞：陸上自衛隊の有毒ガス検知器。一般ガス用検知管を使用しており、災害派遣や公害測定にも有効である。重量1.6kg。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜瓦斯警報器＞：日本陸軍の警報器材。参考：工兵入門

＜カスコ＞：AVP-12（飛行艇支援艦）を参照。

＜ガスコイン＞：85（掃海艇）を参照。

＜ガスコーニュ級＞：フランス海軍計画戦艦Gascogne級。1938年度計画のリシュリュー級４番艦だが、大型艦建造ドックが空くまで起工できないので、その間に大改良を施すことにし、B3ter設計案に基づいて1939年に設計を変更した。主砲塔１基を後部に移し、主要区画長を134.1mに延長、前後バルクヘッドの位置を変えている。副砲塔はリシュリュー級３番艦と同じ３基だが、配置を変更し、装甲を強化した。防御力は射距離18800-29800mからの38cm弾、高度4700mからの500kg爆弾、TNT300kgの魚雷に対抗できるレベルとしている。水線部装甲は水線上3.38mから水線下2.22m（艦尾）／2.58m（艦中央）をカバーし、最厚部は320mm＋背面板18mm、最下部では170mmにテーパーする。水平装甲は中甲板が主装甲で弾火薬部170mm・機関部150mm、下甲板が40mm、下甲板舷側傾斜部が50mm（燃料タンク防御及び主水線装甲補助）。水中防御はリシュリュー級と同じ多層式水中防御＋エボナイト・ムースで、配置が少し変更されている。機関系はリシュリュー級と同じ缶機缶機のシフト配置で、機関区画全長51.1m、缶室長計21m。煙突は２番缶室上方にマック形式で１本立っており、煙路は後方に曲げて排煙、煙突上部に10cm高角砲用高射装置２基を置き、後部マストを前部高射装置の上面に付けた。全長247.9m、基準排水量35000トン、常備排水量40567トン、満載排水量44438トン。主機はパーソンズ式高中低圧ギヤード・タービン４基、主缶はアンドレ・スラル式重油専焼水管缶（蒸気圧１平方センチあたり27kg、温度350℃）６基、公称出力155000馬力、４軸推進、計画速力32ノット。兵装は45口径38.1cm４連装砲塔２基（艦前後１基ずつ）、55口径15.2cm３連装砲塔３基（前部主砲塔後方背負い式２基、後部主砲塔前方１基）、10cm連装高角砲８基（両舷４基ずつ）、37mm連装機関砲８基、13.2mm４連装機銃９基。装甲厚は水線部主装甲320mm＋背面板18mm、甲板170mm、主砲塔バーベット405mm、主砲塔前楯430mm、主砲塔側面300mm、主砲塔天蓋170-195mm、副砲塔前楯155mm、副砲塔側面85-135mm、副砲塔天蓋85mm。艦尾中心線にカタパルト１基、その前方左舷側にクレーン、艦尾船体内に格納庫があり、水上偵察機３機（カタパルト上１機、格納庫内２機）を搭載可能。ガスコーニュが第２次大戦直前に名目上だけ起工されたが、開戦で工事を中断、1940年4月に再開したものの6月10日に進捗6%で建造中止となり、戦後に解体された。参考：月刊世界の艦船6,’20、近代戦艦史

＜ガスコネイド＞：APA-85（攻撃輸送艦）を参照。

＜ガスジャケットＲＢ１　３９／４９＞：ドイツが第２次大戦時に使用した民間乳幼児用化学防護衣。上半身をすっぽり覆うもので、顔の前面が透明になっており、母親などの介護者がふいごを使って清浄化空気を中に送る構造をしている。参考：歴史群像12,’10

＜ガス・シリンダー＞：ガス圧作動式の銃を作動させるため、発射ガスのパワーの一部をガスピストンに伝える部品。参考：GUN用語事典

＜ガス操縦＞：履帯走行式の車両で旋回する時にアクセルを吹かす操作の通称。履帯の抵抗が大きいために装輪車とは逆の操作をせねばならず、こう名付けられた。動力再生式操向装置の採用により、この操作はほぼ不要となった。参考：月刊PANZER5,’02

＜瓦斯斥候（日本陸軍）＞：斥候（日本陸軍）を参照。

＜カスター＞：APA-40（攻撃輸送艦）を参照。

＜カスター�UＢ＞：ベガ艦載FCS用射撃指揮レーダー。ＸバンドモノパルスレーダーとTV/IR追尾装置を組み合わせている。探知距離11km（航空機）／6.5km（シースキミングミサイル）、追尾精度0.8ミル。参考：ザ・マーチ42号

＜カスター�UＣ＞：トムシー艦載FCS用射撃指揮レーダー。探知距離25km（航空機）／15km（シースキミングミサイル）、追尾精度0.8ミル。参考：ザ・マーチ42号

＜カスター�UＪ＞：トムシー艦載FCS用射撃指揮レーダー。Kuバンドモノパルスレーダー、Ｘバンドイルミネーター、TV/IR追尾装置を組み合わせてある。探知距離25km（航空機）／12km（シースキミングミサイル）、追尾精度0.8ミル。参考：ザ・マーチ42号

＜カスターニョ級＞：アジュタント級掃海艇（イタリア海軍）を参照。

＜ガスタービン員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の機関科員。ガスタービンエンジンの維持管理整備を担当する。参考：MAMOR vol.148

＜ガスタービン・エンジン（広義）＞：Gasturbine engine。燃焼ガスをタービンに吹き付けて回転運動を得ると共に、高速の排気ジェットを生成し、それらにより出力を得るエンジンの事で、連続型内燃機関である。ターボジェットエンジン、ターボファンエンジン、ガスタービンエンジン（狭義）、ターボプロップエンジン、ターボシャフトエンジンなどを指す。吸入した空気を圧縮する圧縮機、燃料を吹き付けて燃焼させる燃焼室、タービンにより燃焼ガスから圧縮機を回転させる動力を取り出すと共に、燃焼ガスの温度と圧力を低くして速度を急激に高め、後方に噴射するタービン室からなる。吸入空気を圧縮しておかないとジェットができないのはガスコンロを見ての通り。出力と比較して小型軽量で、往復運動しないので振動が少ない。気温が上がると吸入空気密度が下がって性能が低下する。低速運転時の燃費が悪い。1937年にイギリスのフランクリン・ウィットルが開発したのが最初である。参考：月刊軍事研究11,’16、月刊JWings1,’01、12,’04、航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ

＜ガスタービン・エンジン（狭義）＞：ガスタービンエンジン（広義）の１つ。大気を吸入して圧縮機で高圧圧縮空気を作り、燃焼室に送って燃料を燃焼させ、発生した高温高圧のガスジェットを圧縮機タービン翼に当て、圧縮機を回転させる。圧縮機タービンを出たガスはまだ大きなエネルギーを持っているため、これを出力タービン翼に当てて主軸の回転力に変換し、車輪やプロペラに伝達する。要するに空を飛ばないターボシャフトエンジンである。レシプロエンジンが２ないし４サイクルに１回しか燃焼できないのに対し、常に燃焼し続けられるため、小型軽量で出力が大きい。騒音や振動も少なく、故障発生率が低い。燃焼温度がディーゼルの半分程度で、冷却ファン駆動に割く出力がディーゼルよりも少なくて済むため、終変速機に伝達される出力（ネット出力）が高く、加速力にも優れる。発電機として使用する際には負荷が変動しても周波数の整数倍の回転数を維持することが求められるが、レスポンスが迅速なので対応が容易である。また、始動トルクが少なくて済むため、急速起動ができ、始動後２分で運転に入れる。低外気温でも始動が容易であり、Strv.103はガスタービンを寒冷時のエンジン始動にも用いている。主に空気の濃い地上・海上で使用されるため、圧縮機前段タービン翼の圧縮比は小さい。大気汚染の原因となるNOXやSOXの排出がディーゼルよりも少なく、潤滑油の消費量も少ない。自動化が容易で要員を減らすことができる。空気吸入量は同出力のディーゼルの３倍に達するため、高性能のエアフィルターを必要とする。部分負荷運転時の性能低下が激しく、出力を抑えるほど燃料消費率が上昇するため、特に巡航時の燃費が悪く、停止時にも大量の燃料を消費してしまうのが欠点で、燃費向上のため大型の熱交換器を搭載して排気中の熱を回収しているが、そうすると燃料系統を含めた動力システム容積・重量がディーゼルと大差無くなってしまう。燃料タンクを車体各所に大量に配置せねばならず、脆弱性が増す他、燃料補給が兵站の負担になるのも欠点である。動力伝達系、変速機構、後進機構といった構造も複雑で、高価であり、整備や修理が大がかりになる。艦船用のガスタービンは1940年代にイギリス海軍が実用化したが、軽量過ぎる上、上甲板の吸気システムに異物吸入防止用フィルターを組み込まねばならないのでトップヘビーになるという欠点があり、防振も兼ねて鉄板を敷くなどの対策を取っている。大出力ガスタービンとなると製造も難しく、殆どが航空機用ガスタービンを転用したもので、西側で信頼性の高い大型艦船用ガスタービンはオリンパスTM3B、スペイSM1A、スペイSM1C、LM2500、タインRM1C、MT30の６種類しかない。艦船用ガスタービンは単独では燃費や部分負荷性能に問題があるため、同種及び他種機関と組み合わせて使用することが多い。1968年にイギリスがフリゲートのエクスマウスをオールガスタービン艦にして実験を行い、始動２分で運転できる、製造費用は蒸気タービンより10%ほど高価だがライフサイクルコストは安い、重量も蒸気タービンやディーゼルより軽い、ディーゼルより振動や騒音が少ない（発生する音の大部分は排気管から空中に放散され、船体振動による水中放射雑音を生むことが少ない）といった利点が見いだされ、以降は広く軍用艦用として装備されるようになった。参考：月刊戦車マガジン2,’81、丸スペシャルNo.78、月刊軍事研究11,’16、5,’08、6,’93別冊、自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’98、1,’02、9,’10

＜ガスタービン・コンプレッサー＞：GTSを参照。

＜ガスタービン洗浄剤＞：自衛隊の機器。グローバルコム製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ガス体験＞：陸上自衛隊の訓練の１つ。防護マスクを付けて天幕に入り、催涙線香に点火、マスクの効果を確認した後でマスクを外し、催涙ガスの威力を実体験する。ついでにその状態で歌を歌ったり、決意表明を行ったりして隊員の結束連帯を高めることもある。参考：朝雲

＜ガス・ダイナミック・レーザー＞：GDLと略す。高温高圧のガスを特殊なノズルから吹き出させ、励起状態の原子を大量に作り出す。これにエネルギーを加えると、波長の揃った光波が一気に放出され、レーザーとなって射出される。この時使用するエネルギーに、従来のような外部電力ではなく高温高圧ガスの燃焼による分子振動エネルギーを使用するのが特徴である。エネルギー変換効率が高く、燃焼用ガスを増やせば出力を簡単に上げることが可能。熱は燃焼ガスと共に排出されるので、装置が過熱しにくい。燃焼ガスタンクなどのスペースが必要で大型大重量になる、使用ガスや排気ガスの毒性や環境汚染対策が要るといった欠点がある。参考：月刊軍事研究9,’00、2,’18、月刊JWings8,’00

＜ガス・ダイナミック・ＣＯ２レーザー＞：ベンゼンなどの炭化水素燃料と、笑気などの酸化剤を燃焼室で化学反応させることで窒素分子にエネルギーを与え、高温高圧のガスを超音速で吹き出して断熱冷却すると、エネルギーがCO2に移って反転分布となり、ノズル下流を挟む形で鏡を置いておけば流れと直角にレーザーが発生する。波長は9.35-10.6ミクロンで、大気の窓にあたるので、大気圏内でも使い勝手が良い。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ガスタフトン＞：DE-182（護衛駆逐艦）を参照。

＜ガスチェック式メカニズム＞：M1895（拳銃）を参照。

＜ガス・チェック・ブレット＞：鉛の弾丸底に銅のカップを填めたもの。装薬威力が強くなると銃身内で鉛が溶け出す恐れがあるので、それを防止するために銅を填め込んでいる。参考：GUN用語事典

＜カスツーリ級＞：マレーシア海軍コルベットKasturi級。ドイツのHDW社製FS1500級を導入したものである。船体は中央船楼型で、煙突後方にDA08対空レーダーを装備する。全長97.3m、幅11.3m、吃水3.5m、満載排水量1850トン。主機はディーゼル、出力28000馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル単装発射筒４基、100mmコンパクト単装砲１門、ボフォース連装375mm対潜ロケットシステム１基、57mm単装砲１門、30mm連装機関砲２基。ヘリ甲板を持ち、ワスプ・ヘリを運用する。1984年から艦番号25カスツーリ、艦番号26レキルが就役した。後に艦対艦ミサイルをエグゾセMM40ブロック�Uに換装した。参考：月刊世界の艦船3,'92増刊、3,’10、11,’14、1,'15増刊、月刊軍事研究12,’02、JShips Vol.24、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カスティーヤ＞：L21（揚陸輸送艦）を参照。

＜カスティーヤ級＞：スペイン海軍揚陸輸送艦Castilla級。元はアメリカ海軍ポール・リヴィア級攻撃輸送艦である。満載排水量16838トン。兵員1600名を搭載できる。1980年に２隻が引き渡され、L21カスティーヤ、L22Aragonとして就役した。参考：月刊世界の艦船2,’87、ミリタリー・バランス1989-1990

＜カステット＞：9M117（対戦車ミサイル）を参照。

＜ガス筒＞：ガス利用ピストン式の小火器で、発射ガスの一部を流入させる部分。このガス圧を利用してガスピストンを後退させる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜カスティーリャ＞：L-52（揚陸艦）を参照。

＜ガス天幕２型＞：自衛隊の機器。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜カストール＞：P901（沿海哨戒艦）を参照。

＜カストール＞：フランス海軍敷設艦Castor。ロシアの砕氷船をロリアン工廠で改造したものである。全長75.2m、幅17.3m、吃水6.4m、基準排水量3150トン。主機はレシプロ、出力6400馬力、速力14.5ノット。兵装は10cm単装砲４門、37mm機関砲２門、機雷投下軌条、機雷268個。1942年にビゼルトでドイツ軍に接収され、イタリア軍に引き渡されてFR.60と改称され、1943年5月にビゼルトで自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜カストール２＞：DRBC33（レーダー方位盤）を参照。

＜カストール２Ｊ＞：フランス海軍艦載方位盤CTM（Couduit de Tir Multi-sensor）、Castor 2J。電子光学センサー（可視光・赤外線撮像装置）とＪバンド（Kuバンド）レーダーを組み合わせている。レーダー用アンテナは円形カセグレン方式。ラファイエット級フリゲートに搭載された。台湾海軍康定級フリゲートやサウジアラビア海軍サワリ�U型フリゲートも搭載している。参考：月刊世界の艦船3,’22

＜カストール級＞：ベルギー海軍沿海哨戒艦CPV（Coastal Patrol Vessel）またはRDS（Ready Duty Ship）Castor級。EEZ警備、捜索救難、密輸・海洋汚染監視などが主任務で、フランスで建造された。全長53.5m、全幅9.2m、吃水3.19m、満載排水量569トン。主機はディーゼル２基、最大速力22ノット、航続距離4500海里（12ノット）。兵装は12.7mm遠隔操作機銃シー・ディフェンダー１丁。後甲板に9mRHIBと7.5mRHIBを１隻ずつ搭載する。乗員15名。追加で18名を乗せられる。2014-15年にP-901カストールとP-902ポルックスが就役した。参考：月刊軍事研究12,’15

＜ガスト方式＞：２砲身機関砲から交互に発射する方式で、相互連関方式ともいう。1910年代にカール・ガストが開発した。参考：月刊JWings10,’20

＜ガスト・ロック＞：Gust lock。ガストは突風のことで、駐機中に突風に煽られて舵面が大きく動くと故障の原因になるため、中立位置で固定しておく装置である。解除し忘れて飛行したり、飛行中にロックがかかったりすると事故に繋がるので、ロックを解除しないとエンジンをかけられず、またエンジン作動中はロックできないような機構が組み込まれている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ガズナビ＞：パキスタンの弾道ミサイルGhaznavi、別名ガウリまたはシャヒーンまたはハトフ２。シャヒーン�Uの改良型で、射程をインド全域が収まる2000kmとしている。2002年5月26日に試射されたらしい。参考：月刊航空ファン9,’02、月刊軍事研究8,’02、9,’09

＜ガスパール海峡の戦い＞：太平洋戦争時の昭和17年2月15日1000、南遣艦隊旗艦鳥海から発艦した九四式水偵がスマトラ島東のガスパール海峡で戦艦１隻、巡洋艦２隻、駆逐艦５隻からなる敵艦隊を発見。これはジャワ沖海戦での損傷修復と補給を終えてジャワから北上していたABDA艦隊で、パレンバン上陸作戦直前というタイミングで発見された脅威だったため、南遣艦隊司令長官小澤治三郎中将は隷下全艦・全機に攻撃を下命した。これを受け、第22航空戦隊は隷下航空隊に準備が整い次第の出撃を命令し、元山・美幌・鹿屋航空隊は魚雷より準備時間が短くて済む爆弾を積むことにした。1130、クチンから元山海軍航空隊九六式陸攻23機が250kg爆弾１発ずつを積んで（滑走路長の関係で２発は無理だった）離陸。1235、マレーのクァンタンから美幌海軍航空隊九六式陸攻27機が250kg爆弾２発ずつを搭載して離陸。1240、ツドウムから鹿屋海軍航空隊第３中隊一式陸攻９機が離陸。1330過ぎ、ツドウムから鹿屋海軍航空隊第１・第２中隊一式陸攻17機が離陸。1350、元山空がABDA艦隊を発見。高度2500mから第３中隊９機、指揮中隊８機、第４中隊６機の順で編隊公算水平爆撃を仕掛け、250kg爆弾計23発と60kg爆弾計８発を投下したが、全て回避された。1530、美幌空がABDA艦隊を発見し、1545-1625に第４中隊９機が250kg爆弾18発を投下、更に第１・第２中隊18機が250kg爆弾28発で爆撃したが、これも全て躱された。ABDA艦隊は反転南下したため、美幌空は敵艦隊反転を打電。鹿屋空第３中隊は日没が近かったため事前の打ち合わせ通り引き返したが、第１・第２中隊は追撃して1827に南下するABDA艦隊を発見、攻撃に入った。日没に差し掛かり周囲が暗かったのと、雲高も3500mくらいと低かったため、低空から水平爆撃を行ったが、猛烈な対空砲火を喰らい全機が被弾し２名が重症を負い、投下した爆弾は全て外れ、帰投時に１機が不時着して乗員全員が戦死した。相手は４カ国の急ごしらえで輪形陣すら取れない状態だったが、それ以上に水平爆撃の命中率が低く、無線通信能力欠如で航空隊間の連携も取れず、惨憺たる結果に終わっている。参考：月刊航空ファン5,’19

＜ガスパイプ＞：ガス利用直接吹き込み式の小火器で、発射ガスを機関部まで流入させる部品。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜カスピ海の怪物＞：A-90（WIG機）またはKM（WIG機）またはプロジェクト903（WIG機）を参照。

＜カスピ小艦隊＞：ロシア海軍の艦隊。ソ連時代は司令部をバクーに置いていたが、ソ連崩壊でアゼルバイジャンが独立したため、アストラハン州マハチカラに移った。2006-12年、プロジェクト21630ブヤン級コルベット３隻が配備された。2015年10月7日、シリアにカリブル巡航ミサイルを撃ち込んだ。2017年8月、司令部をダゲスタン共和国カスピースクに移すことになった。第１段階の工事は2019年に完了する予定。参考：月刊世界の艦船6,’15、6,’18、月刊軍事研究6,’18

　＜カスピ小艦隊（１９８９年）＞：兵力4000名。司令部はバクーにある。フリゲート５隻、哨戒・沿岸戦闘艦艇25隻、機雷戦艦艇26隻、両用戦艦艇15隻、支援艦艇10隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カスピ小艦隊（２０１５年）＞：南部軍管区隷下で、ミサイル・フリゲート２隻、哨戒艦艇11隻、対機雷戦艦艇３隻、中型揚陸艇２隻、汎用揚陸艇７隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガスピストン＞：ガス利用ピストン式小火器で、ガス筒内の圧力を受けて後退する部分。後退するとまず遊底・揺底などの連結が解かれ、次いで薬莢を弾き出す。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜瓦斯防護＞：化学兵器防護（日本陸軍）を参照。

＜ガス・ポート＞：ガス圧作動式銃の銃身に設けられている孔で、発射ガスの一部をガス・シリンダーに導く。参考：GUN用語事典

＜カスマ級＞：チリ海軍ミサイル艇。イスラエルのレシェフ級を導入したものである。兵装はガブリエル艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガスマスク＞：イギリス軍ではレスピレーターという。化学兵器から顔面、呼吸器系、口腔内などを防護するためのマスク。酸素を供給する訳ではないので、酸欠の所では使っても意味が無い。また、一酸化炭素は通常のフィルターでは除去できないので、特殊なマスクでないと対処できない。消防や鉱山で使用するための防煙マスクは1860年頃には完成しており、化学兵器が大量使用された第１次大戦でもそのまま流用されたが、大型過ぎて不便だったため、鼻と口を覆う布製マスクにチオ硫酸ナトリウムなどの中和剤を浸して使うようになった。ただこれでは塩素ガスが目に入ってくるのを防げないので、ゴーグルも装着するようになり、両者を組み合わせて中和剤浸透マスクの代わりに中和剤・吸収剤及びフィルター入りのキャニスターを付けた本格的なガスマスクが開発された。第１次大戦後はボイスミッター（伝声器）を付けて声がこもらないようにしたものなど各種機能的なタイプが出現。第２次大戦では合成ゴム製マスクが使用されるようになり、核兵器による放射性物質が問題となるとNBC汚染全てに対応したプロテクティブマスクに発展した。1980年代にはシリコンゴム製マスクが開発され、飲料水を摂取するためのストローチューブや、無線などを内蔵したものも出現している。参考：歴史群像12,’10

　＜隔離式ガスマスク＞：乾式ガスマスクの１つで、キャニスターがマスクと別々に用意されており、両者をホースで繋いである。吸気はキャニスター経由だが、呼気はマスクから直接排出される。キャニスターを大型化できるので多くの中和剤や吸収剤を使用できるが、かさばるので不便。参考：歴史群像12,’10

　＜乾式ガスマスク＞：ガス濾過フィルターやガス中和・吸収剤を収容したキャニスターを使用するガスマスクで、湿式の欠点を改善すべく開発された。参考：歴史群像12,’10

　＜湿式ガスマスク＞：ガス濾過フィルターを兼ねるマスクに中和・吸収剤を染み込ませたガスマスク。簡単に作れるが、臭いがきつい、毒性のある薬剤は使えない、薬剤が蒸発していくので長時間付けていると効果が薄れる、といった欠点があり、乾式ガスマスクが登場した。参考：歴史群像12,’10

　＜直結式ガスマスク＞：乾式ガスマスクの１つで、キャニスターとマスクを一体化したもの。キャニスターを大型化することが難しいが、交換が容易なのでカバーできる。軽量でかさばらない。参考：歴史群像12,’10

＜霞（初代）＞：日本海軍暁型駆逐艦２番艦。明治35年2月13日竣工、軍艦（駆逐艦）に類別された。明治36年、前艦橋上の６サンチ単装砲をアームストロング式８サンチ単装砲に、残りの６サンチ単装砲を防楯無しの山内式６サンチ単装砲に換装した。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更された。大正元年8月28日、三等駆逐艦に変更。大正2年4月1日除籍、大正3年8月23日、雑役船に編入。参考：日本駆逐艦史

＜霞（２代目）＞：日本海軍朝潮型駆逐艦９番艦Kasumi。昭和14年6月28日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、第18駆逐隊に所属して真珠湾攻撃に参加。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。6月27日、キスカ島付近で爆撃を受けて中破した。7月5日、キスカ島付近でSS-215グラウラーの雷撃を受けて大破した。昭和19年10月21日、比島沖海戦に参加。12月26日、礼号作戦に参加。昭和20年4月6日、沖縄海上特攻作戦に出撃。4月7日、奄美大島北西で艦上機の攻撃を受けて沈没し、5月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14

＜霞４号音響発生器＞：H/13を参照。

＜カスミ網＞：EC-130H（電子戦機）を参照。

＜霞ヶ浦海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。航空教育を主任務とし、航空機搭乗員養成教育、飛行予科練習生教育、飛行機整備教育、兵器整備教育、操縦教育を行う。茨城県稲敷郡の霞ヶ浦飛行場に置かれている。練習生は滑走路前方の森を見据えて離陸していくが、滑走中から機体が左右にふらついて森が踊り出すので、霞空の森にゃ足がある、と自嘲気味に歌われた。昭和19年、海軍グライダー空挺隊の新編に備え、隣に駐屯していた陸軍東部117部隊（落下傘降下部隊）と連携してグライダー操縦要員教育を施すことになり、4月に予備士官２名が着任、5月に甲種飛行予科練習生12期と乙種飛行予科練習生18期の計70名が訓練生として配属された。実戦では零式輸送機または九六式陸攻でMXY5グライダーを曳航する予定だったが、グライダーはまだ開発中なので、九三式中練と力型タンデム複座練習グライダーの組み合わせにし、陸軍東部117部隊が駐屯する石岡町で訓練に入っている。7月には予備学生第14期と甲種飛行予科練習生13期の計50名が配属され、第３飛行隊という名称が付いた。10月に陸軍ク８−�U滑空機が配備されたため、霞ヶ浦に戻り九六式陸攻で曳航して訓練を開始したが、２機ずつしか配属されず、訓練生は予備学生第13期なども加わって170名以上もおり、錬成は進まなかった。12月、第３飛行隊が第1001海軍航空隊に転属した。参考：陸海軍学校と教育、月刊丸2,’12、海軍こぼれ話、月刊航空ファン1,’20

＜霞ヶ浦駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。敷地面積110万平方メートルで、本部地区と飛行場地区からなり、霞ヶ浦飛行場として長さ550m・幅15m・ランウェイ06/24の芝地滑走路を持つ。広報センターには日本軍や自衛隊の史料が展示されている。所在地は茨城県土浦市右籾町2410で、空自霞ヶ浦分屯基地と同居する。JR荒川沖駅からタクシーで10分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。毎週水曜日は麺の日。元は大正11年に設置された霞ヶ浦海軍航空隊の霞ヶ浦飛行場で、1953年2月に開設された。1954年1月、武器補給処が立川駐屯地から移駐した。1962年、東部方面航空隊が宇都宮北分屯地に移った。1964年、第101高射大隊第３中隊が航空自衛隊に移管され、霞ヶ浦分屯基地に移った。2011年3月11日、東日本大震災で停電と暖水が発生した。2017年3月27日、東部方面後方支援隊第302弾薬中隊（コア部隊）が新編され、編成完結式が行われた。9月2日、茨城地本が自衛官候補生採用試験を実施。2018年1月27日、茨城地本が募集対象者・援護関係者50人にUH-1ヘリ（航空学校霞ヶ浦校と東部方面ヘリコプター隊）体験搭乗を実施。2019年7月29日、土浦市と、自衛隊が駐屯地内に設置する子供の一時預かり施設の運営等に関する協定を締結した。参考：JGround Vol.23、霞ヶ浦駐屯地ホームページ、月刊軍事研究3,’10、月刊JWings6,’10別冊付録、11,’18、MAMOR vol.91、vol.160、朝雲、北宇都宮駐屯地ホームページ

＜霞ヶ浦駐屯地（２００７年度）＞：航空学校霞ヶ浦校（OH-6D、UH-1J、AH-1S、CH-47J、UH-60JA、OH-1、AH-64D）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜霞ヶ浦駐屯地（２０１５年）＞：航空学校霞ヶ浦校、第101全般支援隊、東部方面管制気象隊第１派遣隊、東部情報保全隊霞ヶ浦情報保全派遣隊、関東補給処、第320基地通信中隊、第127地区警務隊霞ヶ浦派遣隊、東部方面会計隊第413会計隊霞ヶ浦派遣隊（3月26日から第341会計隊霞ヶ浦派遣隊）、茨城地方協力本部県南地域援護センター、霞ヶ浦駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜霞ヶ浦駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。参考：MAMOR vol.52

＜霞ヶ浦飛行場＞：日本海軍の飛行場。大正10年、稲敷郡阿見村で開設された。敷地は東西2400m、南北1300m。参考：首都防空網と空都多摩、海軍こぼれ話

＜霞ヶ浦分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。入間基地の分屯で、第３高射隊が駐屯する。所在地は茨城県土浦市右籾2410で、陸自霞ヶ浦駐屯地と同居する。元は大正11年に設置された霞ヶ浦海軍航空隊の霞ヶ浦飛行場だった。1964年4月、陸自第101高射大隊第３中隊が空自第１高射群第３中隊に改編されたのを機に開設された。参考：霞ヶ浦分屯基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings6,’10別冊付録、8,’14

＜霞目駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。霞目飛行場の滑走路は長さ708m、幅30m（60m？）、ランウェイ14/32。所在地は宮城県仙台市若林区霞目1-1-1。JR仙台駅から市営バスで霞目営業所下車、徒歩５分。元は1937年（昭和12年）4月に開設された陸軍仙台飛行場で、1944年4月から日本陸軍航空部隊が使用を開始、太平洋戦争終結でアメリカ軍が駐屯し、1955年12月に霞目分屯地（多賀城駐屯地の分屯）として創設された。1957年10月、アメリカ軍が撤収。12月、霞目駐屯地に改編された。1962年1月、東北方面航空隊が新編された。1976年3月、東北方面輸送隊が新編された。2011年3月11日の東日本大震災では津波が迫った（大昔の地震では津波が到達し、神社も建っている）が、仙台東部有料道路が堰き止めたために難を逃れ、発災15分後には東北方面ヘリコプター隊第１飛行隊のUH-1Jがヘリ映伝を積んで離陸、２機が交替で27時間連続の撮影を行うなど捜索救難・被災者支援の拠点駐屯地となった。ただ飛行場灯台ABN（Aerodrome Beacon）が損傷したため、東北方面管制気象隊のJMRN-A2航法援助装置で飛行場の位置を電波的に知らせている。管制塔建屋入り口付近が液状化して電力供給がストップしたが、自家発電で間に合わせた。自衛隊だけでなく警察・消防・海保ヘリの拠点にもなり、最大60機以上が集結、逆に自衛隊のヘリが駐機できなくなって大和駐屯地に避難する事態となっている。荒浜小学校と中野小学校に取り残された被災者を救助した際、避難場所が無かったため、駐屯地体育館で受け入れ、ライフラインが全て止まった近隣住民も続々と集まってきたためこちらも避難させ、延べ3140人（最大1000人）を受け入れた。隊員は一日一袋の乾パンで我慢して被災者に戦闘糧食を提供し、毛布、ジェットヒーター、テレビなどを体育館に運び込んだが、被災者の間でインフルエンザが発生し始めたため、地元の避難所へと移送している。3月13日、中部方面管制気象隊支援隊の着陸誘導装置を設置。その後北部方面航空隊と第６師団第６飛行隊のJMRN-A2航法援助装置とJTPN-P20着陸誘導装置を配備した。2012年1月14日、周辺町内会連絡協議会との共催で新春凧揚げ大会を実施。子供や隊員家族ら200人が参加した。2014年3月2日、近隣住民を対象に、平成25年度４回目の研修会を実施。2017年4月22日、宮城地本が平成29年度防衛モニター委嘱式を実施。2018年4月28日、宮城地本が平成30年度防衛モニター委嘱式を実施。2019年4月20日、宮城地本が新年度防衛モニター３人への委嘱状伝達を実施。2021年10月30日、内閣府主催令和3年度大規模地震時医療活動訓練に参加し、広域搬送拠点臨時医療施設SCUを開設した。参考：霞目駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、スピアヘッドNo.14、No.8、航空ファン9,’11、月刊JWings11,’18、朝雲

＜霞目駐屯地（２００７年度）＞：東北方面航空隊本部付隊（OH-6D）、東北方面ヘリコプター隊（UH-1H/J）などが駐屯している。参考：月刊JWings6,’07

＜霞目駐屯地（２０１５年）＞：東北方面航空隊本部、東北方面航空隊本部付隊、東北方面ヘリコプター隊、東北方面管制気象隊、東北方面輸送隊本部、同本部付隊、第303基地システム通信中隊霞目派遣隊、第124地区警務隊霞目連絡班、東北方面会計隊第399会計隊（3月26日から第416会計隊霞目派遣隊）、霞目駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜霞目駐屯地（２０２０年）＞：東北方面航空隊、東北方面ヘリコプター隊（UH-1J、OH-6D）、東北方面輸送隊などが所在する。参考：月刊JWings3,’20

＜霞目駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2012年10月22-26日、仙台白百合女子大学学生４人の校外実習を支援。2013年8月26-30日、東北生活文化大学学生３人の実習（給食運営、給食経営管理）を支援した。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜ガス溶接＞：溶接を参照。

＜ガス・レギュレータ＞：規整子。ガス圧作動式小火器のガス抽出量を調節する部品。大、中、小、カットの４つに分かれており、通常は小で使用する。連射しているうちに火薬カスが貯まって作動が鈍くなった場合、清掃するのが一番だが、戦闘中でそんな暇が無い時は、これを中や大に合わせて無理矢理作動させることも可。参考：GUN用語事典

＜火星シリーズ＞：日本海軍の航空機用エンジン、略号MK4。金星シリーズを大型機用に拡大したもので、三菱重工が十三試へ号改の名称で開発し、昭和14年から搭載された。空冷複列星型14気筒ガソリンエンジンで、金星よりもボアを10mm・ストロークを20mm拡大し、総排気量を42050ccに増やしている。各型計15901基が量産され、陸軍もハ一〇一として採用した。参考：月刊丸3,'18別冊、月刊JWings7,’21

　＜火星一一型＞：全長1.705m、直径1.34m、重量725kg。ボア150mm、ストローク170mm、圧縮比6.5。減速比0.684。離昇出力1530馬力（回転数2450rpm、ブースト圧240mmHg）、公称出力1450馬力（回転数2350rpm、ブースト圧165mmHg、高度2600m）。一式陸攻一一型に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜火星一二型＞：離昇出力1530馬力、二速公称出力1380馬力（高度4000m）。深山の試作１・２号機に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜火星一五型＞：離昇出力1460馬力、二速公称出力1300馬力（高度6000m）。一式陸攻一二型・一三型に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜火星二一型＞：水メタノール噴射装置を追加したもの。全長1.753m、直径1.34m、重量750kg。ボア150mm、ストローク170mm、圧縮比6.5。減速比0.5。離昇出力1850馬力（回転数2600rpm、ブースト圧450mmHg）、公称出力1680馬力（回転数2500rpm、ブースト圧300mmHg、高度2100m）。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜火星二二型＞：水メタノール噴射装置を装備する。離昇出力1800馬力。二式大艇一二型・二二型、二式輸送飛行艇に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜火星二三甲型＞：水メタノール噴射装置を装備する。離昇出力1820馬力、二速公称出力1510馬力（高度4150m）。雷電一一型に搭載された。参考：月刊丸3,’18別冊

　＜火星二三乙型＞：空技廠で開発した暫定型ターボスーパーチャージャーとインタークーラーを追加して高々度性能を改善したもの。参考：月刊丸3,’18別冊

　＜火星二三丙型＞：三菱製の正規型ターボスーパーチャージャーとインタークーラーを追加したもの。参考：月刊丸3,’18別冊

　＜火星二四型＞：出力1680馬力。二式水上偵察機に搭載された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜火星二五型＞：離昇出力1850馬力、二速公称出力1540馬力（高度5500m）。一式陸上攻撃機二四型に搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊、月刊JWings10,’04

　＜火星二五乙型＞：出力1840馬力。二式大型飛行艇二三型、二式輸送飛行艇、十九試陸上哨戒機に搭載された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜火星二六甲型＞：ターボスーパーチャージャーの開発が上手くいかなかった時に備え、メカニカルスーパーチャージャーの強化で高々度性能の改善を図ったもの。参考：月刊丸3,'18別冊

＜火星５号＞：スカッド海外シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜火星６号＞：スカッド海外シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜火星７号＞：スカッドER（弾道ミサイル）またはノドン・シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜火星１０号＞：BM25（弾道ミサイル）を参照。

＜火星１２号＞：北朝鮮軍の弾道ミサイル、米軍コードKN-17。ロケット部分はウクライナのRD250に酷似しており、技術導入または密輸したともいわれる。弾頭部はフェアリング無しで、再突入部がそのまま剥き出しとなっている。全長16.5m、直径1.5m。弾頭重量0.5-1トン。推進は非対称ジメチルヒドラジン＋赤煙硝酸の１段式液体燃料ロケット、射程4500-5000km（グアム向け）。BM25用TELを改造した６軸12輪TELに搭載され、普段は地下に隠れており、発射時にはミサイルを立ててランチャーとミサイルを残したままTELが退避する。2017年4月28日、北倉飛行場から発射したが、１分後に高度70km未満から水平飛翔距離39km北東に落下し、徳川市の工業・農業施設に被害が出た。5月14日の発射試験で距離787km・高度2111km飛翔し、金正恩第一書記が実戦配備を下命したらしい。8月29日と9月15日に北海道上空を通過させる試射を行った。2022年1月30日、１発を最高高度2000km・飛翔距離800kmのロフテッド軌道で発射した。参考：月刊軍事研究8,’17、7,’17、10,’17、11,’17、3,’18、5,’18、朝雲

＜火星１２号発射（２０１７年８月）＞：2017年8月29日0558頃、北朝鮮西岸の順安から北東方向に火星12号とみられる弾道ミサイル１発を発射。0601、現状の飛翔弾道解析で日本本土に落下する可能性が出たため、0602に全国瞬時警報システムＪアラートが北海道から長野までの12道県に発射情報を伝達した。0606頃に北海道渡島半島と襟裳岬上空を通過し、0612頃に襟裳岬東1180kmの太平洋に落ちた。飛翔距離2700km、最大到達高度550kmだった。自衛隊には2016年8月から破壊措置命令を発令したままだが、発射後すぐ日本の領域内に飛翔体が落下する恐れは無いと判断されたため、迎撃は行っていない。船舶の被害も出なかった。菅官房長官は日本海上空で３つに分裂した可能性を指摘しているが、確度の低い情報らしい。厚木航空基地からP-1哨戒機が太平洋、八戸航空基地からP-3C哨戒機が日本海に向かい、落下物を捜索したが、発見されなかった。海上保安庁も巡視艇と航空機を落下地点付近に向かわせている。北朝鮮は8月10日に島根・広島・高知上空を通過させてグアムから30-40kmの海域に４発撃ち込むと豪語していたが、さすがにその度胸は無かったようである。ただ発射コースはハワイ向けと類似しており、南方向に飛ばせば日本本土上空も避けられた筈なので、一応日米を揺さぶる脅しには使ったとみられる。飛翔距離はグアム（平壌から3400km先。8月10日の声明でも3356.7km飛ばすと具体的すぎる値を示していた）には数百キロメートル短く、意図的に短くする必要性も無いので、どうも軽く失敗したらしい。日本政府は国家安全保障会議を開催し、北朝鮮を強く非難、外交ルートで抗議を伝えた。韓国軍は報復能力を示すためF-15K戦闘機による爆撃訓練を実施。0930頃、安倍総理とトランプ大統領が緊急電話会談を行い、日米韓の連携及び中露の役割の重要性、日米防衛関係を再確認した。参考：読売新聞、月刊軍事研究11,’17

＜火星１２号発射（２０１７年９月）＞：2017年9月15日0657頃、北朝鮮西岸の順安から火星12号とみられる弾道ミサイル１発が東北東に発射された。0704-06に北海道渡島半島と襟裳岬の上空を通過し、0716頃に襟裳岬東2200kmの太平洋に落下した。防衛省では水平飛翔距離3700km、最高到達高度800kmと推定しており、今度はグアムまで届く距離を飛んでいる。9月18日、防衛省が八雲分屯基地のPAC-3を函館駐屯地に展開することを決定した。参考：月刊軍事研究11,’17

＜火星１３号＞：KN-08（弾道ミサイル）を参照。

＜火星１４号＞：北朝鮮軍が開発中のICBM、米軍コードKN-20。１段目はメインノズル周囲にバーニア４基を有する構造で、火星12号より一回り大きく、完全新設計らしい。１段目と２段目にはそれぞれ上部に分離用小型固体ロケット４基が装着されている。弾頭部は円錐形のフェアリングでカバーした。全長19.5-19.8m、１段目直径1.7-1.85m、２段目直径1.25m。推進は液体燃料ロケット２段式、射程9000-10000m。ミサイルはKN-08/-14と同じ８軸16輪TELに載せられているが、発射台付きのミサイルを地面に立てた後で車両は退避する。TELはミサイルを積んだ状態で不整地を走行できるものの、ミサイル発射地点は水平を取れてロケット発射炎に耐えられるコンクリート陣地を使うようである。2017年7月4日に亀城から発射実験を行い、水平距離で933km飛翔、高度2802kmに達した。7月28日には舞坪里から発射し、水平距離で998km飛翔、高度3725kmに達している。NHKが北海道に設置していたカメラに落下する弾頭部が偶然映り込んでおり、大気圏再突入で燃え尽きてしまったらしい。参考：月刊軍事研究10,’17、9,’17、3,’18

＜火星１５号＞：北朝鮮軍のICBM、Hwasong 15、米軍コードKN-22。全長22-23m、直径2.4-2.5m、発射重量70トン以上。進は液体燃料ロケット２段式、最大射程10000-13000km。９軸18輪TELに搭載され、ランチャーとミサイルを立てた後に自走車両部分は退避する。TELはミサイルを積んだ状態で不整地を走行できるものの、ミサイル発射地点は水平を取れてロケット発射炎に耐えられるコンクリート陣地を使うようである。2017年11月29日に発射実験を行い、水平距離で950km飛翔、高度4475kmに達した。参考：月刊軍事研究2,’18、3,’18

＜架設＞：通信線を設置すること。参考：月刊JWings1,’03

＜カセトカ＞：T-72戦車の自動装填装置。戦闘室床面に円盤状の装弾トレイがあり、上段に装薬、下段に弾丸が収容されている。砲手がボタンで弾種を選択すると、トレイが回転して指定弾種をブリーチ後方に移動、これをワイヤーで引き揚げて動力ラマーで装填する。トレイ収容弾数22発。参考：月刊グランドパワー7,’03

＜カセル＞：イラク軍地対地ミサイル。2K12地対空ミサイルをベースにしている。射程20km。参考：月刊丸4,’99

＜ガゼル＞：53T6（ミサイル）またはSA341シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ガゼル＞：フランス海軍シャモア級掃海通報艦Gazelle。フランス占領時には北アフリカにおり、第２次大戦後は仏印に配備され、1961年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ガゼルＡＨ−１＞：SA341B（ヘリ）を参照。

＜ガゼルＡＨ−３Ｎ２＞：SA341シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ガゼルＨＣＣ−４＞：SA341E（ヘリ）を参照。

＜ガゼルＨＴ−２＞：SA341C（ヘリ）を参照。

＜ガゼルＨＴ−３＞：SA341D（ヘリ）を参照。

＜ガゼレ＞：ドイツ海軍艦隊母艇。元は第１次大戦中に建造された掃海艇M135で、1923年に艦隊母艇に改造されてヘラに改称され、1938年にガゼレに改称された。1940年にはM535に改称されている。第２次大戦中は特務艇として訓練や雑用に使用され、戦後はソ連に接収された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜渦扇１５＞：中国が殲撃20用に開発中のターボファンエンジンで、別名WS-15。ドライ推力16.3トン、A/B時推力18.7トン。参考：航空ファン5,’11

＜可潜型潜水艦＞：潜水艦を参照。

＜河川機動部隊＞：MRFを参照。

＜河川防御（日本陸軍）＞：直接河川に沿って兵力を配置し、敵の渡河を妨害するのが有利だが、正面が大きすぎるなど兵力の配置が難しい場合は、敵の渡河予想地点に歩兵と工兵からなる警戒部隊を配置し、主力を敵の渡河地点にすぐ出撃できる位置に置く。敵が渡河を始めたらすぐに反撃態勢を整えるのが重要で、敵情を常に捜索し、陽動に引っかからないように気を付け、敵が橋頭堡を完全に確保していない半渡状態で逆襲して撃滅する。参考：作戦要務令

＜渦掃級掃海艇＞：中国海軍082型沿岸掃海艇のNATOコード、ウオサオ（Wosao）級。船体は低磁性鋼製、船型は平甲板型で、機雷探知側方捜索ソナーを装備する。水中処分員の乗艇設備も持つ。後期型は機関砲が１基に減り、マスト形状が変更された。全長44.8m、全幅6.8m、吃水2.3m、満載排水量320-325トン。主機はディーゼル２基、出力4400馬力、２軸推進、速力15ノット。兵装は61式25mm連装機関砲1-2基、機雷６個。316型係維掃海具、318型音響掃海具、317型磁気掃海具、319型超低周波音響掃海具を搭載する。乗員40名。1988年から艦番号4422、4423、802、803、821など16隻が就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,'21、2,’20、5,’15、3,’18、6,’14、3,’13、9,’11、1,'21、月刊軍事研究4,’05

＜渦蔵級掃海艇＞：中国海軍082�U型掃海艇のNATOコード、Wozang級。T-43/T-58型掃海艇の後継で、主任務は掃討らしく、後甲板にクレーンや処分具移送軌条を持つが、係維掃海具は無く、H/TJM-01機雷処分具（フランスのプルート・プラスがベース）を装備する。529型無人掃海艇の管制能力があるが、実際に運用しているのは東海艦隊所属の２隻だけである。船型は長船首楼型で、船体と上構はGRP製（１番艇のみ船体が低磁性鋼説あり）らしい。全長55m、幅9.3m、吃水2.6m、満載排水量575-584トン。主機はディーゼル２基、２軸推進。兵装は25mm連装機関砲１基（１番艇）または遠隔操作式25mm単装機関砲１門（２番艇）または30mm単装機関砲１門。2005年に艇番号804霍邱が確認された。２番艇艇番号818昆山は2011年12月25日、艇番号809開平は2015年5月6日、艇番号811栄成は2016年1月25日に就役し、2005-17年に計６隻が就役した。参考：月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、2,’19、3,’18、5,’15、6,’14、3,’13、9,’11、9,’10、6,’09、5,’12、4,’16

＜画像情報＞：IMINTを参照。

＜画像精密偵察衛星＞：IMINTを参照。

＜画像データ入出力装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’18

＜仮想敵＞：アグレッサーを参照。

＜過早破裂＞：弾丸が砲口直前から数百メートルの間で飛翔中に炸裂してしまうこと。友軍を殺傷する恐れがある。参考：大砲入門

＜画像レーダー＞：Imaging radar。精細な地表面画像を取得するためのレーダーで、航空機や低高度人工衛星に搭載される。高い分解能を得るため、側視レーダーや合成開口レーダーを使う。参考：レーダシステムの基礎理論

＜加速器＞：リコイル・ブースターを参照。

＜加速停止距離＞：Accelerate-stop distance。航空機が離陸滑走を開始した後でエンジン故障が判明し、十分な速度が出ていない（V1に達していない）場合は、エンジンを切って停止操作を行うことになるが、この時に離陸滑走を始めてから機体が完全に停止するまでに滑走する距離のこと。滑走路は乾燥したコンクリート路面で、停止操作は車輪ブレーキ、アンチスキッド装置、スポイラー、スピードブレーキをフルに使用したと想定するが、エンジン故障なのでプロペラの逆ピッチやスラストリバーサーによる減速効果は含めない。エンジン故障が発生してから停止操作に入るまでの時間を計算に入れるかどうかは定まっておらず、航空機メーカーによってまちまちである。参考：航空用語事典増補改訂版

＜加速度計＞：Accelerometer。航空機の計器の１つで、横滑りや過操舵の防止、自動操縦、慣性航法などに必要な加速度の測定・指示を行う。ナイロン糸の先に錘を付けて振れ具合を測るもの、不釣り合い錘を付けた腕の回転角をピックオフで精密測定するもの、金属膜に錘を乗せて膜の歪みを測るもの、錘の圧電を測定するもの、デジタル計算機に入力するため加速度に応じたパルスを発生させる装置を使うものなどがある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜加速度計応答特性試験器＞：自衛隊の機器。東京計器製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜加速度上昇＞：Accelerate climb。計器指示速度を一定に保って飛行機を上昇させること。エンジン出力を速度エネルギーの方にも充てなければならないので、上昇率は低下する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜家族の日＞：自衛隊各部隊が定期的に設定している、隊員家族に対する職場参観日。実射訓練を公開したり、運動会や懇親会を行ったりと内容は様々である。参考：朝雲

＜カソス級＞：ギリシャ海軍哨戒艇Kasos級。兵装は76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜可塑性鋳鉄爆弾＞：CDIBを参照。

＜カソック＞：グラントCDL（特殊戦車）を参照。

＜ガソリン＞：Gasoline。炭化水素の混合物で、パラフィン系脂肪族炭化水素50-60%、ナフテン系炭化水素30-50%、オレフィン系脂肪族炭化水素0.5-2.0%、芳香族炭化水素2-4%から構成される。比重0.72。着火温度は空気中で520-530度、燃料中の2%が蒸発すれば着火可能となる。発熱量は1kgあたり43500kJ/10392kcal、１リットルあたり33370kJ/7972kcal。オクタン価やパフォーマンス価で性能を表す。レギュラーガソリンのオクタン価は86-88、ハイオクは96-97である。蒸発温度が低いので、常温でもすぐに気化して着火可能な状態となり、何かの拍子に爆発炎上するという欠点がある。航空用では発熱量が大きく、気化性が良く、オクタン価／パフォーマンス価が高く、ヴェイパーロックを起こしにくいものが良い。参考：自動車エンジンの技術、月刊JWings10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究1,’16

　＜ガソリン（ドイツ軍）＞：第２次大戦中の航空燃料としては合成石油原料のB4（容積比0.115-0.120%の四エチル鉛添加、オクタン価89）及びC3（容積比0.115-0.120%の四エチル鉛添加、パフォーマンス価95/130）を使用した。参考：月刊軍事研究2,’08

　＜ガソリン（日本海軍）＞：太平洋戦争開戦時には戦闘機はオクタン価92の航空九二揮発油、爆撃機や偵察機はオクタン価87の航空八七揮発油、練習機はオクタン価80のガソリンを使っていた。新型発動機用にオクタン価100のガソリンも規格化する予定だったが、開戦に伴い量を優先することになり、四エチル鉛の添加量を増やしてオクタン価を92に上げた（代わりに分留性状は悪くなった）戦時規格の航空九一甲揮発油・航空九一乙揮発油を規格化している。分留性状の低下は水噴射装置や水メタノール噴射装置でカバーする予定だったが開発に手間取り、オクタン価100で設計したエンジンに低いオクタン価のガソリンを入れて不調の噴射装置で正規の出力を発揮させようとしたため、無理が生じることになった。太平洋戦争後半にはオクタン価がだんだん低くなっていき、南方からの石油還送も先細りになったため、台湾のサトウキビからエタノールを生成し、ガソリンと混ぜて使用した。ちなみにガソリン・エタノール混合燃料の名称にはオクタン価の後ろに丙を付ける（航空八七丙揮発油など）。太平洋戦争末期になると台湾から本土への輸送もできなくなり、松根油を生産している。参考：月刊丸3,’18別冊、続日本海軍よもやま物語

　＜ガソリン（日本陸軍）＞：太平洋戦争緒戦でパレンバンの製油所を占領し、設備を復旧させてオクタン価100の燃料を生産、蘭印方面運用機を中心に使用した。参考：月刊丸3,'18別冊

＜ガソリン一滴、血の一滴＞：太平洋戦争末期の日本の標語。元ネタは第一次大戦時にフランスのクレマンソーが言った「石油の一滴は血の一滴に等しい」らしい。参考：続日本海軍よもやま物語

＜ガソリンエンジン＞：内燃機関レシプロエンジンの１つ。燃料（ガソリン）を空気と混ぜて密閉容器（シリンダー）内で圧縮し、電気スパークで点火、そのエネルギーをピストンに伝えて出力を得る。1893年にダイムラーが開発した。参考：自動車エンジンの技術、自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典

＜ガソリン機関直結推進方式＞：潜水艦推進方式の１つで、ディーゼル直結推進方式のガソリンエンジン版である。初期の潜水艦で使用されたが、発火点が低く揮発性が高く爆発性を有するガソリンを密閉空間で扱うのが危険すぎるので、ディーゼルエンジンの発達に伴いディーゼル直結推進方式に切り替えられた。参考：アメリカ潜水艦史

＜肩当て＞：床尾板を参照。

＜カターディン＞：アメリカ海軍装甲衝角艦Katahdin。高速で敵艦に衝撃を加えるのを唯一の攻撃法とする。満載排水量2421トン。速力16ノット。1896年に竣工したが、艦砲の発達が衝撃戦を過去の遺物にしていたため、1898年に退役した。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜カダール＞：エジプト軍の滑走路破壊爆弾。尾部のパラシュートで姿勢を安定させた後、ロケットに点火して加速し、コンクリートを0.4m貫通して炸裂、直径4m・深さ1.7mの大穴を開ける。全長1.71m、直径0.242m、翼スパン0.41m、重量100kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜カタール海軍＞：2022年、ムシェリブ級哨戒艦の引き渡しが開始された。アル・ファルク級ドック型輸送揚陸艦を建造中。参考：月刊世界の艦船7,’22、4,’23

＜カタール海軍（１９７７年）＞：兵力400名。哨戒艇６隻、沿岸哨戒艇５隻を装備する。参考：軍事力バランス78年版

＜カタール海軍（１９８９年）＞：兵力700名（海上警察隊含む）。ドーハに基地がある。コンバタント�V級ミサイル艇３隻、バルザン級哨戒艇６隻、エグゾセMM40地対艦ミサイル４連装発射機３基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カタール海軍（２０１５年）＞：現役兵力1800名（沿岸警備隊含む）。バルザン級ミサイル艇４隻、コンバタント�V級ミサイル艇隻、哨戒艇50隻、ラブハ級LCT１隻、兵站支援船２隻、巡視船12隻、エグゾセMM40地対艦ミサイル４連装発射筒３基装備沿岸防衛大隊１個を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カタール空軍＞：Qatar Emiri Air Force。1974年に創設された。1983年、SA342ヘリ２機を導入。1992年5月29日から6月4日、アメリカ空軍との合同演習インペリアル・ビクトリーを実施。1997年、ミラージュ2000-5DDA/EDA戦闘機の配備を開始。2009年、C-17A輸送機の引き渡しが開始された。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。9月28日、C-130J-30輸送機４機が引き渡された。2012年、MH-60R10機とMH-60S12機を武装キットと共に発注した。2014年、PC-21練習機の配備を開始。2015年2月、ラファール戦闘機24機の導入を決定。2017年6月、F-15QA戦闘機36機の導入を決定。9月17日、EF2000タイフーン戦闘機24機の導入を決めた。2019年、AH-64E攻撃ヘリの配備を開始。参考：月刊JWings8,’11、10,’12、12,’17、3,’20、月刊航空ファン6,’11、11,’92、12,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜カタール空軍（１９７７年）＞：兵力300名。ハンター戦闘攻撃機４機、アイランダー輸送機１機、ホワールウインド２機、コマンドー４機、ガゼル２機、タイガーキャット地対空ミサイルを配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜カタール空軍（１９８０年）＞：ハンターFGA.78戦闘攻撃機／T.79練習機４機、アイランダー輸送機１機、コマンドーMk.2A/2Cヘリ４機、ホワールウインドMk3ヘリ２機、リンクスHC.28ヘリ２機保有している。参考：ザ・マーチ18号

　＜カタール空軍（１９８９年）＞：兵力300名。アルファジェット６機、ミラージュF1E戦闘機11機、ミラージュF1D戦闘機２機、B727輸送機１機、B707輸送機２機、SA342L武装ヘリ（HOT装備）12機、コマンドーMk3ヘリ（エグゾセAM39装備）８機、コマンドーMk2輸送ヘリ３機、コマンドーMk2C要人輸送ヘリ１機、SA341G連絡ヘリ２機、ローランド地対空ミサイル６基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カタール空軍（２０１１年）＞：ミラージュ2000-5EDA戦闘機９機、ミラージュ2000-5DDA戦闘機４機、アルファジェットＥ攻撃機６機、C-17A輸送機２機、SA342Lヘリ12機、コマンドーMk.2A/2Cヘリ２機、コマンドーMk.3ヘリ７機を保有する。参考：月刊JWings8,’11

　＜カタール空軍（２０１５年）＞：現役兵力1500名。ミラージュ2000ED戦闘機９機、ミラージュ2000D戦闘機３機、C-17A輸送機４機、C-130J-30輸送機４機、A340要人輸送機１機、B707要人輸送機２機、B727要人輸送機１機、ファルコン900要人輸送機２機、アルファジェット練習機６機、PC-21練習機６機以上、コマンドーMk3対潜ヘリ８機、AW139汎用ヘリ21機、SA341汎用ヘリ２機、SA342L汎用ヘリ11機、コマンドーMk2A輸送ヘリ３機、コマンドーMk2C輸送ヘリ１機、ミストラル地対空ミサイル、ローランド�U自走地対空ミサイル、ブローパイプ携帯地対空ミサイル、FIM-92A携帯地対空ミサイル、9K32携帯地対空ミサイル、AM-39エグゾセ空対艦ミサイル、アパシュ空対地ミサイル、HOT対戦車ミサイル、R-550空対空ミサイル、ミカ対レーダーミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カタール軍＞：2015年9月からサウジ主導イエメン軍事作戦に地上部隊1000名を派遣しているとされる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜カタール軍（２０１５年）＞：現役総兵力11800名（陸軍8500名、海軍1800名、空軍1500名）。レバノンにUNIFIL要員３名、サウジアラビアにリストア・ホープ作戦でミラージュ2000ED戦闘機４機、イエメンにリストア・ホープ作戦で1000名、ピラーニャ�U（90mm砲装備）、VAB装甲車、VAB VCAC HOT自走対戦車ミサイルを派遣している。USCENTCOM8000名、アメリカ空軍CAOC、E-8C４機、KC-135R/T空中給油輸送機24機、C-17A輸送機４機、C-130H/J-30輸送機４機、MIM-104E/FパトリオットPAC-2/-3防空部隊２個、USSTRATCOMのAN/TPY-2レーダーが駐留している。また、アル・ウデイド空軍基地にアメリカ空軍B-1B爆撃機６機、RC-135V/W電子偵察機４機、イギリス空軍RC-135W電子偵察機１機（シェーダー作戦向け）が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カタール国軍士官学校＞：カタール軍の士官学校。1996年に設立された。高等教育機関も兼ねており、卒業すると学士が授与される。参考：MAMOR vol.142

＜カタール陸軍＞：1991年、AMX-10RCの配備を開始。2015年、レオパルト2A7戦車とPzH2000自走砲の配備を開始。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊PANZER5,’98

＜カタール陸軍（１９７７年）＞：兵力3500名。FV601サラディン装甲車30両、フェレット偵察車10両、FV603サラセン装甲兵員輸送車８両、25ポンド砲４門、81mm迫撃砲を装備する。参考：軍事力バランス78年版

＜カタール陸軍（１９８９年）＞：兵力6000名。王室警備隊連隊１個、戦車大隊１個、機械化歩兵大隊３個、野戦砲兵連隊１個、レイピア地対空ミサイル中隊１個からなる。AMX-30戦車24両、フェレット偵察車10両（保管中）、AMX-10P歩兵戦闘車30両、VAB装甲兵員輸送車160両、コマンドーMk3装甲兵員輸送車８両、25ポンド砲８門、155mm自走砲MkF3を６両、81mm迫撃砲、ミラン対戦車ミサイル発射機100基、VAB-HOT自走対戦車ミサイル24両、カールグスタフ無反動砲、レイピア地対空ミサイル12基、ブロウパイプ地対空ミサイル、スティンガー地対空ミサイル12基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カタール陸軍（２０１５年）＞：現役兵力8500名。特殊部隊中隊１個、機甲旅団（戦車大隊１個、機械化歩兵大隊１個、対戦車大隊１個、迫撃砲隊１個）１個、機械化歩兵大隊３個、王国親衛旅団（歩兵連隊３個）１個、野戦砲兵大隊１個からなる。AMX-30戦車30両、AMX-10RC偵察車12両、EE-9偵察車20両、ピラーニャ�U偵察車（90mm砲装備）36両、V-150カイミテ偵察車８両、VBL偵察車16両、AMX-10P歩兵戦闘車40両、AMX-VCI装甲兵員輸送車30両、VAB装甲兵員輸送車160両、155mm自走砲MkF3を28両、155mm牽引砲G-5を12門、122mmロケット弾30連装ランチャー２基以上、122mm自走多連装ロケット砲アストロス�UMk3を４両、81mm自走迫撃砲VAB VPM81を４両、81mm迫撃砲L16を26門、120mm迫撃砲ブラント15門、VAB VCAC HOT自走対戦車ミサイル24両、ミラン対戦車ミサイル、84mm無反動砲カールグスタフ40門、AMX-30D戦車回収車１両、ピラーニャ装甲回収車２両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カタイブ・ヒズボラ＞：イラクの反米武装組織で、イランやヒズボラが支援している。2007年に創設され、シリア内戦後はシリアにも進出した。2019年12月27日、キルクークのイラク軍基地を襲撃し、アメリカ人１人を殺害、数人を負傷させた。12月29日、アメリカ空軍F-15E戦闘機が拠点５カ所を爆撃した。2020年1月2日、前年12月27日の攻撃の報復としてアメリカ軍UAVがバグダッド国際空港付近の車列を攻撃、イラン革命防衛隊コッズ隊司令官とイラク民兵組織人民動員隊司令官代理を爆殺した。参考：月刊JWings3,’20

＜肩撃ち＞：軽機関銃・汎用機関銃・分隊機関銃などを小銃の立射のように撃つこと。突撃に際し、敵火力を制圧するため用いる。参考：コンバット・バイブル

＜菏沢＞：512（コルベット）を参照。

＜ガタク無人機シリーズ＞：インド空軍が開発している戦闘用無人航空機。参考：月刊JWings9,’22

　＜ＳＷＩＦＴ＞：技術実証機で、Stealth WIng Flying Testbedの略。インド防衛開発研究機構航空開発公社が開発した。全翼機形状で、機首上面にエアインテイクが開口する。降着装置は前輪式。エンジンはターボファン。2022年7月1日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

＜片島＞：日本海軍戸島型敷設特務艇。大正6年5月19日竣工。太平洋戦争終戦後は掃海作業を行い、昭和22年10月3日に賠償艦としてソ連に引き渡された。参考：写真集日本の小艦艇

＜カダシャン・ベイ＞：CVE-76（護衛空母）を参照。

＜堅田＞：日本海軍勢多型河用砲艦３番艦Katata。大正12年10月20日竣工、二等砲艦に類別された。昭和6年6月1日、単なる砲艦に類別変更された。昭和12年7月7日、日華事変勃発時は第11戦隊に所属していた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第１遣支艦隊所属だった。昭和18年8月27日、揚子江上流で爆撃を受けて小破した。昭和19年12月18日、揚子江九江で座礁した。昭和20年4月2日、上海で爆撃を受けて擱座した。終戦後に解体されたらしく、昭和22年5月3日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、日本海軍艦隊総覧

＜カタディン浄水器＞：スイスが開発した注射器型浄水器。本体にはセラミック・フィルターが内蔵されており、毎分750mlの浄水能力がある。ベトナム戦争でアメリカ軍も使用した。参考：コンバット・バイブル２

＜カタナ＞：DA20シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜カタパルト＞：Catapult、射出機。航空機が発艦する際の加速を補助する機材。語源は弩で、ボルト（弩用の矢）の代わりに航空機を打ち出す。飛行甲板が無い艦でも艦上から航空機を発艦させることができるが、着艦はできないので、水上機を使うか、陸上基地に着陸する。空母にも搭載されたが、初期には飛行甲板の滑走だけで発艦できたため、手間とスペースと重量がかかるカタパルトの装備は進まなかった。その後艦上機の大型化・重量増に伴い、飛行甲板だけで発艦するのが困難になったため、空母用カタパルトの開発が進み、飛行甲板の狭い護衛空母だけでなく、正規空母にも搭載されている。第２次大戦後は大重量で失速速度の高いジェット艦上機を所定の速度に加速させる強力なカタパルトを開発するのが次第に困難になり、アメリカの専売特許と化した。加速力を生み出す方法によって類別されており、火薬、空気圧、油圧、スチーム、電磁などがある。1922年、BB-41ミシシッピが３番主砲塔上に設置したのが水上戦闘艦用実用カタパルトの始まりらしい。参考：月刊軍事研究7,’09、月刊JWings10,’09別冊付録、月刊世界の艦船4,’12、6,’17、歴史群像8,’17、

　＜カタパルト（アメリカ海軍）＞：空母用カタパルトの早期実用化に成功し、アメリカ海軍初の空母であるCV-1ラングレーにA3、CV-2レキシントンやCV-3サラトガにF Mk2を搭載したが、この頃は艦上機が自力で発艦できたため、単にカタパルト発進準備の手間と時間がかかるだけで、後に外されてしまった。動力を油圧式に変更したH2をヨークタウン級とワスプ級に装備したが、これもあまり使われていない。緊急発進用に格納庫にも横向きで用意していたが、空母の前進速度を加味することが出来ないため、後に撤去された。第２次大戦頃になると艦上機の大型化やカタパルト能力向上などで使用頻度が増え、エセックス級にはH4型シリーズを搭載。また、速力が低く飛行甲板の短い護衛空母には必須の装備となった。第２次大戦後はスチーム・カタパルトを使用。ジェラルド・Ｒ・フォード級で電磁カタパルトを開発している。参考：月刊世界の艦船6,’17

　＜カタパルト（日本海軍）＞：空母用のものは昭和15年秋から年末にかけて空母加賀で実験したが、滑走のみで発艦するより時間がかかる、スペースを取る、重量がかさむといった欠点があり、カタパルトでないと発艦できないような重量級艦上機も無かったため成果に乏しく、実用化は断念された。そのため小型空母や特設空母から発艦できる艦上機が限定され、戦力価値が低下してしまっている。参考：月刊世界の艦船11,’15、6,’17

＜カタパルト＞：インド陸軍130mm自走砲Catapult。国産開発で、ビジャンタ戦車の車体を延長して下部転輪を片側７組に増加やし、オープントップの戦闘室を設けてソ連製130mm野砲M-46を後ろ向きに搭載した。起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は片側４個。射程27km（重量33.4kg榴弾）／40km（RAP弾）。タングステン弾芯の徹甲弾も用意されており、装甲貫徹力250mm（射距離500m）／150mm（射距離4000m）。発射速度毎分5-8発、搭載弾数30発。170両が生産され、21世紀初頭には100両前後が現役にあったが、2010年で現役にあるのは20両以下（他に80両以下が保管状態にあるらしい）とされる。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究9,’10

＜カタパルト作戦＞：第２次大戦中の1940年6月22日、フランスがドイツに降伏。フランス海軍襲撃部隊の戦艦ダンケルク（旗艦）、ストラスブール、プロヴァンス、ブルターニュ、水上機母艦コマンダン・テスト、駆逐艦モガドール、ヴォルタ、ランクス、ティグル、ケルサン、ル・テリブルはフランス領アルジェリアのメルス・エル・ケビール軍港に入港した。休戦条約でフランス海軍艦艇はフランス政府の管轄下に置かれていたが、ドイツに接収・利用される恐れが高いため、イギリスのチャーチル首相はイギリス海軍に対し、フランス海軍艦艇のイギリスへの脱出または自沈を要求し、両方断られたら沈めるよう厳命した。これに基づき、イギリス海軍は7月2日にカタパルト作戦を発動し、Ｈ部隊の巡洋戦艦51フッド（旗艦）、戦艦06リベンジ、09レゾリューション、空母91アーク・ロイヤル、軽巡26アリシューザ、I52エンタープライズ、駆逐艦11隻が出撃。7月3日早朝にメルス・エル・ケビール軍港沖に到着し、フランス語が堪能な空母アーク・ロイヤル艦長が駆逐艦H69フォックスハウンドに乗り込んで軍港に入りフランス側と交渉、連合軍側に付くか、艦艇をイギリスまで回航して引き渡すか、西インド諸島またはアメリカ（当時は中立国）に回航するか、ここで自沈するか、Ｈ部隊により沈められるかの選択肢を提示した。これに対し、フランス海軍襲撃部隊司令長官（兼第１艦隊司令長官）は、本国と連絡が取れないため事前の取り決め通りフランス海軍の立場を尊重する態度を取るのみで、明確な回答を行わなかった。昼過ぎにはアーク・ロイヤル搭載ソードフィッシュが軍港口に機雷を敷設したが、フランス空軍H75ホーク戦闘機の迎撃を受け、直掩にあたっていたスクア艦爆１機が撃墜され乗員２名が戦死している。その後もフランス海軍側は態度を保留し続けたため、1754にＨ部隊が平均射距離18000mで砲撃を開始。フランス海軍襲撃部隊も急いで抜錨し反撃を開始したが、ブルターニュが転覆、ダンケルクとプロヴァンスが大破座礁し、モガドールが艦尾爆雷の誘爆で大破、駆逐艦３隻が損傷し、1300名が戦死、350名が戦傷を負った。ストラスブールは脱出に成功してツーロンに帰還し、ヴィシー政権下フランス海軍の旗艦となっている。これによりフランスの国民感情は反イギリスに傾き、戦後は枢軸国への抵抗の道を選ばなかったとしてフランス襲撃部隊司令長官も批判の的になった。参考：月刊世界の艦船2,’18

＜カタパルト発射式燃料気化爆弾＞：CATFAEを参照。

＜カタパルト発艦（日本海軍）＞：水上機は運搬車に乗せられ、移動用レールに固縛されているので、まず固縛を解いてカタパルトの所まで移動させる。カタパルトの尾部で運搬車の上下を分離し、運搬車の上の部分を水上機ごとカタパルトに装填する。飛行長が発進用意と号令を掛けたらパイロットが搭乗し、エンジンを始動、発進準備が整ったら飛行長によろしいと伝える。飛行長は赤と白の旗を持って白旗を横に出す。するとカタパルト操作室の射手がカタパルト用の火薬を装填し、右手を挙げてよしと飛行長に伝える。これを見た飛行長が赤旗を真上に挙げると、パイロットはエンジンを全開にし、各計器を確認して手を挙げる。飛行長はこれを確認して赤旗を三回回して振り下ろす。これを見た射手がカタパルトの射出ハンドルを一回転させると火薬が爆発し、水上機が射出される。搭乗員には航空加棒が支給されるので、カタパルトでポンと飛び出ると手当が貰えるということからポン六（士官搭乗員の場合）、ポン四（候補生・准士官搭乗員の場合）、ポン三（下士官搭乗員の場合）、ポン二（兵搭乗員の場合）などと称した。参考：海軍よもやま物語

＜カタパルト・フック＞：艦載機・艦上機の機体に取り付けられているフックで、ブライドル・ケーブルによりカタパルトのシャトルと連結される。参考：世界の傑作機No.3

＜カタパルト・ランチ＞：艦載機・艦上機がカタパルトで発艦すること。自力滑走で発艦するのはデッキ・ランチという。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊JWings1,’17

　＜ブライドル方式＞：カタパルトのシャトルと機体とをブライドルと呼ばれるワイヤーで固定して射出する方式。射出時にブライドルは機体から外れ、飛行甲板先端にある回収装置（ホーン）の先端に引っかかる。これは後でカタパルト要員が回収して再利用する。参考：アメリカジェット戦闘機

＜ノーズ・ギア射出方式＞：カタパルトのシャトルに機体の前脚だけを固定して射出する方式。機体の前脚にホールドバック・バーを付けて滑り出さないようにし、更に前脚に装備されたランチ・バーでカタパルトのシャトル（カタパルト・スプレーダー）に固定する。カタパルトが作動するとホールドバック・バーが外れ、機体は急加速、カタパルト先端でランチ・バーが外れて射出される。前脚の強度を相当高めておかないと、射出中に折れる。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊JWings1,’02

＜カタピラ・シュナイダー＞：シュナイダー戦車ファミリーを参照。

＜カダフィ＞：ムアマル・アル・カダフィ。1942年6月7日、リビアのシルト近辺でベドウィンの家庭に生まれた。ただし当時ベドウィンに出生届というものは存在せず、この誕生日は小学校入学の時に書類に書かれた便宜上のものであり、本当はいつなのかは本人も知らない。10才の時にエジプトで起こったナセル大佐による革命に感銘を受け、ナセルを理想とした。1959年、反政府組織を結成。リビア陸軍士官学校に入ると自由将校団という反政府組織を秘密裏に立ち上げた。1965年8月、士官学校を卒業して少尉となった。1969年9月1日、陸軍大尉の時に自由将校団を率いて無血革命を起こし、リビアに共和国制を敷いた。1970年1月に大佐に進級して以来、ずっと大佐を名乗っていたのは、尊敬するナセル以上の階級に昇進しないという哲学のためである。ちなみに軍人を辞めた後は革命指導者を名乗っている。オイルマネーでNBC兵器の開発に着手、キリスト教も無宗教徒も仏教徒も核を持っているのでイスラム教徒も持つべきだという持論の下に開発を進めた。理想を追いかけすぎてアラブ諸国から嫌われた上、1979年からアメリカとの関係が険悪になり、1986年4月15日には航空攻撃を受けたが、庭でアメリカ製のベトナム戦争のビデオを見ていたために難を逃れた。その後旅客機への爆弾テロを繰り返して国連の制裁を受け、1992年にテロ放棄宣言を行った。しかし爆弾テロ犯を引き渡したのは1999年になってからで、それ以降も経済制裁が続いた。イラク戦争を受けて2003年12月19日夜、大量破壊兵器の放棄を表明し、査察を受け入れた。2011年2月から発生したリビア内戦で反政府組織の弾圧を行ったが、国際社会の軍事介入を受けて次第に追い詰められ、2011年10月に反政府側に捕らえられて射殺された。参考：歴史群像8,’11、月刊軍事研究4,’04、月刊JWings7,’11

＜カタマラン＞：双胴船体を参照。

＜片眼のジャック＞：S-62Jヘリ（海自）を参照。

＜片持ち式エレベーター＞：エレベーター（空母）を参照。

＜片持ち翼＞：Cantilevert wing。主翼を胴体構造に直接取り付けたもので、支柱や張り線が無い。主翼に働く揚力により発生する曲げモーメントが全て主翼取付部に掛かってくるので、支柱翼（Braced Wing）よりも主翼付け根の構造を頑丈にする必要があり、航空黎明期には重量増が問題だったが、軽いアルミ合金の加工技術向上などで解決した。支柱翼よりも固有振動数が低く、フラッターを起こしやすいので注意。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、月刊JWings12,’00、10,’09別冊付録

＜片揺れ＞：ヨーイングを参照。

＜肩翼配置＞：胴体の高い位置から主翼が出ているもの。F-15とか。参考：月刊JWings12,’00

＜カタリナ＞：PBYシリーズ（飛行艇）を参照。

＜カタリナ�T＞：PBY海外シリーズ（飛行艇）を参照。

＜カタリナ事件＞：1952年6月13日、ストックホルムを離陸したスウェーデン空軍Tp79輸送機（DC-3A-360のスウェーデン名称）がバルト海の公海上で行方不明になった。スウェーデン空軍Tp47飛行艇（PBY-5のスウェーデン名称）が捜索を行っていたところ、6月16日にソ連空軍MiG-15戦闘機にTp47飛行艇１機が撃墜された。後にTp79輸送機の救命ボートが発見され、弾痕が残っていたことから、こちらもソ連が撃墜したと判明したが、Tp79輸送機も訓練飛行ではなくNATOからの依頼で密かにソ連に対するSIGINTを行っていたことから、中立政策の裏が明らかになるのを恐れたスウェーデン政府はTp79被撃墜の事実をソ連崩壊後までひた隠しにしている。2003年6月に海底でTp79輸送機の残骸が発見され、2004年3月に引き揚げられてリンチェピンの航空博物館に展示された。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ガダルカナル＞：CVE-60（護衛空母）またはLPH-7（揚陸艦）を参照。

＜ガダルカナル戦＞：ガダルカナルはニューギニア島の東に浮かぶソロモン諸島東部にあり、南北46km・東西148km、面積5350平方キロメートル（千葉県くらい）、フロリダ島にある水上基地ツラギから南に34kmの向かい側で、東京から5000km、ポートモレスビーから1500km、ラバウルから1100km離れている。太平洋戦争で日本海軍は昭和17年5月3日からガダルカナル島対岸フロリダ諸島のツラギ、ガブツ、タナンボコに呉第３特別陸戦隊や第84警備隊を進出させ、水上機・飛行艇基地の設営を開始した。オーストラリア方面にはアメリカ軍機200機、空母1-2隻、イギリス戦艦１隻、重巡2-3隻、軽巡など若干数が配備されているとみられ、5月4日から連合軍が早速基地設営の妨害に入っている。直後の珊瑚海海戦の結果MO作戦が中止となり、6月のミッドウェイ戦に破れて水上移動航空基地（空母戦力）が壊滅した日本海軍は、陸上航空兵力によるFS作戦支援のため、ガダルカナル島のルンガ岬に第11航空艦隊用の航空基地を建設することにした。ガダルカナル島はサンタクルーズ諸島、ニューカレドニア島、ニューヘブリディス諸島といった連合軍拠点の他、ハワイやアメリカ本土からオーストラリアに向かう航路にも近いため、戦略的（軍令部主導の米豪遮断作戦）にも非常に重要な地点であった。対するアメリカ軍は昭和17年4月、対日戦略をオレンジ計画第２段階「防衛的攻撃」に移行させることを検討しはじめ、4月18日に合衆国艦隊司令長官兼海軍作戦部長アーネスト・キング大将は海軍屈指の逸材と呼ばれたロバート・ゴームレー中将を南太平洋海域司令官兼南太平洋軍司令官に任命し、8月1日を目処にソロモン諸島での反撃作戦であるウォッチタワー作戦（Operation Watchtower）を開始するよう命じた。陸軍マッカーサー大将と海軍ニミッツ太平洋艦隊司令長官とでどちらが指揮を執るかで揉めたが、ガダルカナル戦は太平洋艦隊が指揮し、ニューギニア侵攻はマッカーサーが担当することで決着している。6月半ば、連合艦隊はSN作戦を発動し、ガダルカナルでの飛行場設営準備に入った。6月26日、第１海兵師団にウォッチタワー作戦を8月1日から開始するよう命令が下され、主力はニュージーランドへの集結を開始した。6月29日、第１海兵師団は隷下部隊を２個戦闘群に分け、弾薬10会戦分と食糧30日分を準備し、兵員輸送艦と貨物輸送艦に分けて搭載することになったが、強襲上陸作戦時の標準である弾薬20会戦分・食糧90日分を大きく下回るもので、海兵隊はシューストリング（困窮）作戦などとニックネームを付けた。11月には北アフリカ上陸作戦が予定されていて陸軍兵力はそちらに回されており、増援も期待できなかった。6月29日、ガダルカナル飛行場設営隊（第11・第13設営隊計2571名、呉第３特別陸戦隊ガダルカナル警備隊247名）を乗せた輸送船吾妻丸、吾妻山丸、北陸丸と、護衛の軽巡夕張、駆逐艦卯月、第21駆潜隊がトラックを出港。7月1日、日本軍が先遣隊をガダルカナルに上陸させた。7月6日、設営隊本隊が上陸を開始。7月14日、ニューギニア東部からソロモン諸島を担当する第８艦隊が新編された。7月16日、日本海軍設営隊2000名と守備隊（第84警備隊ガ島派遣隊）がガダルカナル島ルンガ地区に飛行場の建設を開始。地元住民も作業を手伝ったが、予め展開していたコースト・ウォッチャーにより好意的であることを装うように指令を受けており、工事の進捗状況は連合軍に筒抜けだった。7月下旬、飛行場で小型機の運用が可能なレベルになったため、戦闘機隊の進出を打診したが、ラバウルの航空戦力が不足気味で、延期された。7月28-31日、フィジー諸島コロ島でアメリカ海軍第61任務部隊（空母CV-3サラトガ、CV-6エンタープライズ、CV-7ワスプからなる機動部隊。第61.1任務部隊？）及び第62任務部隊（輸送艦14隻を擁するエックスレイ船団、輸送艦３隻とマンリー級高速兵員輸送艦４隻を擁するヨーク船団、護衛の戦隊からなる両用部隊。第61.2任務部隊？）が上陸演習を実施した。この際、LCPがサンゴ礁に座礁したり、艦砲射撃と艦上機の観測とが連携できなかったりといった問題点が洗い出された。当初は夜間上陸を考慮していたが、上陸海岸確認や艦砲射撃観測修正の問題で払暁へと変更されている。7月31日深夜、フレッチャー中将率いるアメリカ海軍第61・第62任務部隊がコロ島を出撃。ガダルカナル島付近は日本海軍第11航空艦隊第25航空戦隊が哨戒飛行を行っていたが、スコールに阻まれてアメリカ船団を発見できなかった。8月初めからアメリカ基地航空部隊第63任務部隊がガダルカナル島とツラギに対してB-17による爆撃を開始。8月5日、日本海軍は長さ800m・幅60mの滑走路と主要施設を完成させ、小型機の運用を可能とした。これはアメリカ軍に全て察知されており、ガダルカナルへの上陸作戦を連合軍から知らされた地元住民は退避を開始、飛行場周辺には日本軍以外誰もいなくなってしまった。8月7日0020、アメリカ・イギリス・オーストラリアの艦艇82隻（空母３隻、戦艦１隻、重巡11隻、軽巡２隻など）がサボ海峡を通過。0100、ツラギ島などに向かう船団を分離。0300、アメリカ第１海兵師団将兵は起床し、朝食を取って上陸に備えた。0330、第61機動部隊の艦上機が上陸前航空攻撃を開始。0413、上陸地点への艦砲射撃を開始。0445、揚陸船団が停泊予定海面に到着。0710、アメリカ海兵隊員がガダルカナル島（7000名。巡洋艦３隻と駆逐艦４隻が援護）、ツラギ島、ガビュッツ島、タナンボゴ島（３島計4500名）にLCP、LCV、LCM(2)型などで上陸。第１海兵師団は巡洋艦３隻に航空管制班（士官２名、下士官２名）を１個ずつ派遣しており、空母や艦上機と無線で直接交信して航空支援を要請した。日本軍はこのようなアメリカ軍の早期反攻を想定しておらず、各島数百名の守備隊（ガダルカナル島には陸戦隊１個中隊247名、ツラギには呉第３特別陸戦隊700名、第７設営隊、横浜航空隊水上機隊）がいるのみで、ツラギ島で玉砕して抵抗したりしたものの、ガダルカナル島では飛行場占領を許した。アメリカ海兵隊は飛行場にミッドウェイ海戦で戦死した第241海兵偵察爆撃中隊長ロフトン・ヘンダーソン海兵少佐に因むヘンダーソン・フィールドの名称を付けている。海兵隊は日本軍（守備隊7000名がいると見積もった）の抵抗を予想していたため、荷役部隊を投入しなかったが、大量の荷物が海岸に山積みになってしまい、荷揚げを一時中断せざるを得なくなった。日本海軍第８艦隊司令部には0412（0430？）にツラギ通信基地から「敵猛爆中」の緊急電が入り、0425に「敵機動部隊見ゆ」「敵機動部隊20隻ツラギに来襲空爆中、上陸準備中、救援頼む」、0519（0435？）には「敵はツラギに上陸開始」と伝えられ、0600過ぎに「敵兵力大、最後の一兵迄守る、武運長久を祈る」、0630に「至近弾、電信室死守す」の通信を最後に連絡が途絶えた。これを受け、第11航空艦隊司令長官は第25航空戦隊に速やかな反攻を下命。ラバウルの第５空襲部隊が早朝に陸攻３機で索敵を行い、１機がツラギ方面の偵察を実施、「ツラギにある敵艦大巡３、駆逐艦７、輸送船27、輸送船の大部マキレウキレ（ガダルカナル島ルンガ岬東６海里）に集結しあり、敵飛行機を見ず」と打電したため、ガダルカナル島付近に輸送部隊支援の機動部隊がいると見て上陸２時間後に零戦18機、艦爆９機、陸攻（艦攻？）27機で攻撃に向かったが空母は見つからず、ツラギ沖の輸送船団に目標を変更したもののコースト・ウォッチャーに発見されて艦上戦闘機に迎撃され、21機を撃墜したが６機が未帰還・３機が不時着となり、艦爆が駆逐艦１隻に命中弾を与えたのみに終わった。連合艦隊は上陸支援中のアメリカ空母機動部隊を壊滅させるべく、インド洋方面海上交通破壊作戦を中止して第２艦隊（高速戦艦・重巡）及び第３艦隊（空母機動部隊）の可動艦艇全力を急派したが、大本営は本格的な反攻と判断せず、モスクワ駐在武官からのアメリカ海兵隊2000名による短期襲撃という情報を信じ、ガダルカナル島の部隊には取り敢えずジャングルに潜んで敵が撤退するまで待てと伝え、ラバウルの佐世保第５特別陸戦隊と警備隊からなる519名を輸送船明陽丸に乗せて特務艦宗谷と敷設艦の護衛を付けガダルカナルに向かわせた。第８艦隊は夜襲を企図して連合艦隊と軍令部から出撃許可を受け、陸軍ではガダルカナル奪回のため作戦協力部隊を南海支隊から第17軍に強化した。8月7日夕方、第８艦隊が出撃。夜、明陽丸がアメリカ潜水艦S-38の雷撃を受け沈没した。8月8日、第１次ソロモン海戦。これによりアメリカ第62機動部隊の護衛隊が大損害を受けてしまったため、アメリカ輸送船は沖合に退避し、弾薬４会戦分と食糧35日分しか陸揚げできなかった。以降は暫く駆逐艦で補給を行う羽目になり、食事を１日２回に制限し、朝食は米だが夕食は干しぶどう入り米飯で我慢しており、ある部隊は戦場で日本軍の米を盗ってきてオートミールを作ったりしていた。朝には一式陸攻23機が輸送船団に超低空雷撃をかけ、体当たりでAP-13ジョージ・Ｆ・エリオットを撃沈したが、18機が未帰還となっている。8月9日までにアメリカ軍はガダルカナル島に第１海兵師団隷下の第１・第５海兵連隊、第11海兵砲兵連隊第１・第２・第３・第５大隊（第４大隊も後に到着）、第１海兵戦車大隊、第１海兵工兵大隊、第１海兵土木工兵大隊、第１海兵役務大隊、第１海兵特殊兵器大隊、第１海兵空挺大隊、第１海兵水陸両用トラクター大隊、第１海兵医療大隊、第１海兵襲撃大隊、第３海兵防衛大隊、第９海兵防衛大隊、第５海兵防衛大隊Ａ分遣隊、第１海兵航空整備大隊、第３海兵阻塞気球中隊、師団司令部計10900名の上陸を完了、日本軍が無傷で残した機材を活用して工兵隊が飛行場（ミッドウェイ海戦で戦死したVNSB-241の中隊長の名を取ってヘンダーソンと名付けた）の完成を急ぎ、何とか兵站を間に合わせた。日本軍は海兵隊員を10日賄える食糧や日本酒、タバコに製氷施設まで残しており、海兵隊では早速アイスクリームを製造して戦意を昂揚させた。また、陣地には日本軍の残した機関銃も一緒に配備した他、飛行場周囲にマイクロホンを配置して日本兵の位置を把握した。日本軍はラバウル及びトラックに反攻兵力を集結させ、ラバウルからガダルカナルに向けて8月10日まで航空攻撃を繰り返したが、アメリカが本格的反攻を開始したとは思っておらず、兵力の集中が不十分で、戦果が挙げられないままだった。8月10日、大本営が第17軍隷下にミッドウェイ上陸部隊だった一木支隊（第７師団第28連隊第２大隊基幹）を編入。ただ輸送船の速度が遅く、夜にガダルカナル島に揚陸しても夜明けまでに敵制空権下から離脱できないため、取り敢えず支隊兵力の半分にあたる900名を駆逐艦６隻に乗せて先行させ、ガダルカナル島奪回作戦を行わせることにした。また、鼠輸送や蟻輸送で逐次兵力をガダルカナル島に送り込んだ。8月12日、アメリカ軍航空機がヘンダーソン飛行場に飛来し始めた。アメリカ軍は秘匿のためガダルカナル島をカクタス（Cuctus。サボテン）と呼んでおり、配備された陸海軍海兵隊航空部隊はカクタス航空軍（Cuctus Air Force）と総称されている。8月13日、アメリカでの諜報活動を司っていた駐スペイン公使が、アメリカ海軍のソロモン方面作戦が本格的反攻の開始であることを外務省に伝え、外務省も陸軍参謀本部第２部及び海軍軍令部第３部に情報を渡したが、検討されなかった。海兵隊の偵察部隊が飛行場の東方を流れるマタニカウ川の西岸に白旗が掲げられているのを発見。投降するものと思いこんで24名で現地に向かったが、日章旗が垂れ下がっているのを見間違えただけで、日本軍の攻撃を受けて21名が死亡した。8月15日、一木支隊先遣隊を乗せた駆逐艦６隻が出撃。アメリカ海軍が駆逐艦で補給物資や航空燃料をガダルカナル島に輸送。8月16日、連合艦隊が第２艦隊と第３艦隊に出動を下命し、空母３隻基幹の第３艦隊が内地からトラックに向かった。駆逐艦追風が海軍陸戦隊113名を揚陸させた。一木支隊第２梯団と横須賀鎮守府第５特別陸戦隊を乗せた輸送船団がトラックを出撃。8月17日、連合艦隊旗艦大和と第２艦隊が内地を出発し、トラックに向かった。8月18日、海兵隊はマタニカウ川西岸のマタニカウ村と、ヘンダーソン飛行場西側の海岸沿いにあるコクンボナ村に集結している日本軍を攻撃。狙撃で指揮官を倒されながらも午後までに制圧を完了した。2100-2300、一木支隊先遣隊916名が駆逐艦嵐、萩風、谷風、浦風、濱風、陽炎からガダルカナル島ダイボ岬に上陸し、２日かけて飛行場に向かった。8月20日、海兵隊第23海兵航空軍第223戦闘飛行隊（F4F装備）と第232海兵爆撃飛行隊（SBD装備）がヘンダーソン飛行場に到着。日本海軍はガダルカナル付近に敵空母の存在をキャッチ。反攻のため、トラックにいた第２艦隊が出撃し、第３艦隊もトラック寄港を中止して第２艦隊と合流、南下を続けた。テナル河畔の戦いで一木支隊が全滅。8月24日、第２次ソロモン海戦。8月25日、一木支隊第２梯団などを乗せた輸送船団がアメリカ艦爆隊の空襲を受け、駆逐艦睦月と輸送船金龍丸（横須賀鎮守府第５特別陸戦隊搭乗）が沈没し、軽巡神通が損傷した。このため、連合艦隊は輸送船団をショートランドに引き返させ、一木支隊第２梯団と川口支隊の増派を駆逐艦による輸送に全面的に頼ることとした。アメリカ軍は8月下旬から１日１隻ペースで輸送船により重装備を搬送していた。8月27日、日本海軍は機動部隊の戦闘機をガダルカナル島から400海里の所にあるブカ基地に移動させたが、基地の設営がまだ済んでおらず、桟橋に積んであるドラム缶を乗員自ら運んできて給油を行う有様で、不時着用にするのが精一杯だった。8月28日、将兵950名を乗せてガダルカナルへの第１次輸送作戦に就いていた天霧、朝霧、夕霧、白雲、海風、江風、磯風がアメリカ軍機に空襲され、朝霧が沈没、白雲が大破、夕霧が中破して輸送作戦を中止した。8月29日、駆逐艦初雪、吹雪、白雪、海風、江風が将兵750名をガダルカナル島に揚陸。8月30日、海兵隊第23海兵航空軍第224戦闘飛行隊（F4F戦闘機19機）と第231海兵爆撃飛行隊（SBD艦爆12機装備）が到着し、ヘンダーソン飛行場の可動機が64機となった。また、ヘンダーソン飛行場の隣にファイター・ストリップ（戦闘機隊用急造飛行場）が完成し、第223・第224戦闘飛行隊はこちらに配置されている。日本海軍は第21航空戦隊を基地航空部隊第１空襲部隊に編入。駆逐艦夕立と哨戒艇４隻がガダルカナル島への揚陸を実施。8月31日、駆逐艦海風、江風、涼風、陽炎、初雪、吹雪、白雪、天霧がガダルカナル島に1200名を揚陸。9月1日、アメリカ海軍基地建設部隊シービーズがヘンダーソン飛行場に到着、拡張工事を開始した。駆逐艦浦風、谷風、浦波、敷波が465名をガダルカナル島に揚陸。9月5日、前日にガダルカナル島に増援部隊を運んだ帰りの駆逐艦夕立、初雪、叢雲がアメリカ海軍高速輸送艦APD-3グレゴリーとAPD-4リトルを発見、砲撃で両艦とも大破させた。上空でPBY哨戒飛行艇が爆撃の機会を窺っており、部隊指揮官の夕立艦長は避退の態勢を取ったが、叢雲艦長が反転攻撃を具申し、左急速一斉回頭で再度砲撃を加えて２隻とも沈めている。9月7日、日本海軍は10日間の駆逐艦輸送により、一木支隊第２梯団と川口支隊の将兵5600名、対戦車砲14門、山砲６門、野砲４門、高射砲２門をガダルカナル島に揚陸し、一旦輸送を終了した。ただ将兵は食糧を２週間分しか持っていなかった。9月8日、ブーゲンビル島ブインに日本海軍設営隊が到着、飛行場の整備を始めたが、その後１ヶ月しても完成できない状態だった。このため、ガダルカナル島へはラバウルからはるばる飛んでいって15分ほど空戦を行い、引き返していく状態が続くことになった。9月11日、第２師団を増派することになり、鼠輸送を再開。駆逐艦海風、江風、夕立が、ガダルカナル島に630名を揚陸した。9月13日、川口支隊の飛行場攻撃。海軍はこれを支援すべく出撃したが、敵艦艇を発見できず、あまり貢献できなかった。9月15日、伊19潜水艦が空母CV-7ワスプを撃沈。駆逐艦叢雲、白雪、海風、江風、浦波、敷波、嵐がガダルカナル島に1116名を揚陸。9月17日、日本陸軍はセイロン作戦に投入する予定だったスマトラの第38師団を第17軍の隷下に入れ、ガダルカナルへと増派することにした。9月24日、月が明るくなり輸送に失敗、10月1日以降まで中止することになった。9月25日、ヘンダーソン飛行場でB-17の運用が可能となった。9月26日、駆逐艦や小艦艇による部隊輸送では増援に限界があると判断した第17軍司令部は、日本海軍に全艦隊護衛下での大輸送船団による部隊集中輸送を提案し、海軍も受け入れ、基地航空部隊による爆撃、高速戦艦による艦砲射撃、陸軍現地部隊による砲撃でヘンダーソン飛行場を制圧、敵航空戦力を撃滅し、機動部隊にも十分な警戒を払いつつ速力16ノットの高速輸送船団による揚陸を実施することを9月28日に承認、10月14日に揚陸を行うこととした。ただ海軍の燃料の関係で、機動部隊を警戒する上陸支援部隊はトラック出撃から帰還まで14日間しか時間を取ることができなかった。9月27日、蟻輸送を開始。9月末、アメリカ海兵隊第１海兵師団第７海兵連隊がガダルカナルに上陸。10月1日、第２師団と第17軍司令部がガダルカナルに上陸開始。日本海軍前進部隊（空母２隻、戦艦２隻、重巡４隻など）及び機動部隊（空母３隻、戦艦２隻、重巡４隻など）がトラックを出撃。駆逐艦による部隊輸送を再開。10月3日、第２師団司令部がガダルカナル島に上陸。10月4日、効率が上がらない蟻輸送が打ち切られた。10月7日、日本軍は増援輸送が遅れたことから揚陸を10月15日とした。アメリカ海兵隊がマタニカウ川に設営中の日本軍陣地を攻撃、飛行場砲撃用の拠点と砲撃陣地が制圧されてしまい、総攻撃の予定も立てられなくなった。10月9日、連合艦隊司令部がラバウルで作戦会議を実施。作戦日程を決定し、10月12日に陸軍が飛行場に射撃を行い、続いて13日に戦艦金剛・榛名が砲撃を実施、同日まで基地航空隊が航空撃滅戦を展開し、敵機を20機以下に減少させ、14日に高速輸送船６隻がガダルカナル泊地に突入し、15日1100までに揚陸作業を終了することにした。天候不良による作戦中止は無いが、14日に敵機が増強された場合は突入を延期する。10月9日、第17軍司令部がガダルカナル島に上陸。この時、7日のアメリカ海兵隊攻撃により総攻撃が困難な状況にあることを知り、連合艦隊に陸軍による飛行場制圧射撃ができないことを伝えた。連合艦隊は再度作戦を検討し、燃料の問題から予定を遅らせることができないと判断、そのまま作戦を実行することにした。10月11日、サボ島沖夜戦。10月12日、聖川丸がショートランドに入港し、水上戦闘機部隊を神川丸に引き渡した。この水上機部隊により、14-15日に輸送船団の上空警戒を行うことにした。ガダルカナル島に歩兵第16連隊主力、歩兵第230連隊、海軍舞鶴第４特別陸戦隊を輸送する輸送船は佐渡丸、九州丸、吾妻山丸、南海丸、笹子丸、埼戸丸の６隻で、護衛の駆逐艦８隻（秋月、五月雨、白露、有明など）と共に12-13日にかけてガダルカナル島に向け出撃した。10月13日、ヘンダーソン飛行場砲撃。10月14日0400、ショートランドを増援部隊（軽巡川内、由良、駆逐艦４隻）が出撃、エスペランス岬に接岸し、陸軍兵1100名、食料、弾薬を揚陸した（駆逐艦白雪は甲標的部隊をカミンボに輸送）。1345と1605に輸送船団は戦闘機、艦爆、飛行艇から攻撃を受けたが、水上機部隊の反撃と適切な回避行動により駆逐艦五月雨が軽微損傷のみで輸送船には損害は無かった。10月15日早朝に高速輸送船団はタサファロング泊地に到着、物資及び人員の８割を0845頃までに揚陸させた。しかしヘンダーソン飛行場にドラム缶で燃料を空輸・海上輸送したアメリカ軍は揚陸地点に銃爆撃を加え、0842には輸送船笹子丸が炎上。0940-1020、B-17が爆撃を加えたため、吾妻山丸が炎上、船団は一時泊地を離脱して回避運動を実施し、駆逐艦有明と揚陸を終えた輸送船南海丸はショートランドに引き返した。B-17が去った後、残りの輸送船は再び泊地に突入して揚陸作業を開始したが、1115-1130に戦爆連合20機が銃爆撃を加えたため、九州丸が擱座。損害が増す一方であると判断した護衛隊指揮官は一旦輸送船団と共に沖に待避し、日没後に再突入することを決め、1200に佐渡丸と埼戸丸を従えてサボ島北方に待避した。1500、輸送船団は反転して泊地に向かったが、月明かりが出ているとのことで再突入を断念し、1545に反転してショートランドに向かった。1600、軽巡川内率いる増援部隊がショートランドに帰投。ブイン飛行場が漸く完成し、零戦25機と艦爆11機が進出した。これにより、零戦二一型ならガダルカナル島で90分の空戦が可能となり、零戦三二型でもガダルカナル島に進攻できるようになった。10月16日0530、駆逐艦有明と輸送船南海丸がショートランドに到着。0830、輸送船団本隊がショートランドに帰投。タサファロングの揚陸地点には朝からヘンダーソン飛行場のアメリカ軍機と空母CV-8ホーネットの艦上機が押し寄せ、10月17日朝には駆逐艦の艦砲射撃まで加えられたため、水上機や基地航空隊が必死に防戦したものの、揚陸した資材の殆どが吹き飛ばされてしまった。10月18日、アメリカ南太平洋方面軍司令官がロバート・リー・ゴームレー中将からウィリアム・フレデリック・ハルゼー・ジュニア中将に交代。10月24日、第２師団がヘンダーソン飛行場に総攻撃。10月25日、南太平洋海戦。第17軍はもう一度攻勢をかければ飛行場を落とせるとみて第２師団にマタニカウ側方面への転進を命じ、砲兵火力を集中して敵陣地を一気に突破する作戦を立てたが、第２師団は食糧も重火器を運搬する余裕も無く、10月27日には逆にマタニカウ方面からアメリカ軍の逆襲を受けて西へと撤退した。第17軍は増強兵力として第38師団、第51師団、独立混成第21旅団などを送り込んで正攻法による奪還を図ることにしたが、兵力30000名、火砲300門、軍需品30000トンを運ぶには、輸送船なら延べ150隻、駆逐艦なら延べ800隻が必要で、完全に無茶な計画となってきた。それでも10月29-30日に駆逐艦２隻、10月31日から11月1日に駆逐艦１隊、11月2-4日に輸送船７隻を投入、11月5日から飛行場への陸軍部隊による砲撃を強化し、11月6-7日に輸送船５隻、11月8-9日に輸送船５隻、11月11-13日に輸送船８隻、11月14-16日に輸送船７隻で兵力を輸送することにした。11月12日、第３次ソロモン海戦。11月14日、第38師団の主力5000名が輸送船11隻でガダルカナル島に向かったが、ブーゲンビル島及びブインのコーストウォッチャーに通報され、上陸直前に空襲を受けて７隻が沈められ、兵士は揚陸したものの武器弾薬はほぼ全て沈んでしまい、積んでいた食料33500俵のうち陸揚げできたのは2000俵（所在兵力３日半分）だけで、奪回作戦ができなくなってしまった。11月25日、南太平洋海戦。制海権を失った日本軍は鼠輸送のみでしか補給できなくなり、ガ島は餓島と化した。11月29日、鼠輸送部隊がブーゲンビル島ショートランドを出港。11月30日、ルンガ沖夜戦。12月8日、アメリカとの海戦や鼠輸送による損害に耐えきれなくなり、日本海軍が鼠輸送の中止を陸軍に通達。こうなると現地部隊が飢え死にを待つしか無くなるため、陸軍は海軍との交渉を繰り返したが、結局12月31日に大本営はガダルカナル島奪回作戦を放棄、昭和18年1月4日の南太平洋方面作戦陸海軍中央協定で1月下旬から2月上旬の撤退を正式決定した。この頃の日本軍将兵の日記の文面は、「敵前でも各人は専ら食べることにのみ関心を向けている（昭和17.12.26）」「わずか１合の米を食べるだけでは疲労が重なり、歩行も極めて困難・・・全員、重病になった今、仮に交替部隊が来ても誰１人、回復は不可能。敵弾に当たる前に疲労と栄養失調により倒れるのを待つのみ（12.28）」「28日以来、米は一粒も配分無く、これまでの間に乾パン３個を受領、今日は煙草３本にわずかな栄養食のみ（12.31）」「新年までの３日間、乾パン１個で生活、今朝は最後の米１合を食べ、夕方に圧縮非常食を２人で分けた。今になって米粥を１日２回（昭和18.1.1）」「補給状態は次第に改善、今夜は３人あたり２人分の定量が配分された。空輸されるため多くの物資が届かず（1.4）」「ある中隊では下士官は兵の２倍、将校は兵の３倍も食べていたという。ある大隊長は部下に支給すべき煙草100個を受領したが、各中隊長に１ないし２個ずつを与えて残りを着服、指揮官の威信すべて喪失（1.9）」「米５勺、それに幾らかの圧縮非常食、米粥で約１ヶ月（1.10）」「敵軍は我が方が殺せる範囲まで近づかず、レーションを奪う機会に恵まれず。深刻な空腹。飢えに苦しむ兵の行動が心配。夢に出てくるのは餅と菓子、欲求を克服する自己鍛錬が不可欠。別の友軍部隊の前進記録は典型的な戦場の様相を反映。すなわち…食料、医薬品とも一切なし。行軍５日目になると下士官たちは気力の落ちた兵を罵り青竹で叩きながら前進を強制した（1.14）」「飢えに苦しむ今、掘り出して食べた蟻の巣の中身は旨い（1.19）」という有様だった。1月29日、レンネル島沖夜戦。アメリカ海軍部隊を阻止できたため、1月30日1940に山本五十六連合艦隊司令長官が第２艦隊（前進部隊）にガダルカナル島北方700海里への進出を下命した。1月31日0900、前進部隊がトラックを出撃してガダルカナル島に向け南下し、ガダルカナル島撤退作戦（ケ号作戦）支援に入った。2月1日、日本軍が撤退を開始。連合軍とイサベル島沖海戦を繰り広げつつ、2月1日、4日、7日の３次にわたる駆逐艦輸送で撤退を完了した。日本側公刊戦史では日本陸軍第17軍は上陸31350名、撤退10665名、戦死12508名、病死4203名、行方不明2497名（死没者計21138名という説も）。アメリカ軍公刊戦史では海兵隊参戦兵力60000名、戦死10000名、負傷4000名以上。本作戦での喪失艦艇は両軍とも26隻で、合計トン数もほぼ同じだが、日本軍は損失の補填ができなかった。ヘンダーソン飛行場はホニアラ空港として使用されている。参考：歴史群像2,’05、10,’08、10,’10、8,’15、6,’16、4,’18、月刊軍事研究1,’04、10,’05、8,’09、月刊PANZER1,’13、月刊世界の艦船5,’11、6,’83、4,’17、3,’19、激闘太平洋戦記、激闘！太平洋戦争地上戦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸2,’08、4,’13、太平洋海戦史、太平洋戦争情報戦、アメリカ揚陸艦史、朝雲

＜ガダルカナル島砲撃＞：太平洋戦争のガダルカナル戦で日本軍はガダルカナル島奪回のため第17軍を上陸させることを決定、これを支援するため昭和17年9月29日にガダルカナル島のヘンダーソン飛行場を三式対空弾と榴霰弾で砲撃して壊滅させるという作戦が示された。当初は第１次大戦時のダーダネルス海峡戦の戦訓から、戦艦による陸上砲撃は反撃を受ける可能性が大きいとして現場部隊は反対したが、連合艦隊司令部の説得で実行が決定した。敵制空権下での行動となるため、第３艦隊隷下の金剛型高速戦艦を投入して夜間に砲撃し夜明け前までに脱出することにし、試作段階の三式焼夷榴散弾100発強を金剛に搭載、榛名に対空用の零式榴散弾をありったけ積み込み（残りは両艦とも一式徹甲弾）、砲身の消耗を防ぐため射距離24000mで弱装薬射撃を行うこととした。出撃基地のトラック環礁には連合艦隊旗艦大和や第１艦隊戦艦群が進出していたが、艦隊決戦戦力なので本作戦には投入できず、敵戦艦群と遭遇した場合にはアウトレンジされてしまうため、万一の時にはガダルカナル島に乗り上げて陸上砲台になる予定だった。日本では戦艦による陸上砲撃はこれが最初で最後だったが、戦艦に限らず軍艦による陸上砲撃は昔から（下関戦争とか）しばしば行われている。10月11日0340、主隊の第３戦隊（戦艦金剛・榛名）、直衛部隊の第15駆逐隊（親潮、黒潮、早潮）、第24駆逐隊（海風、江風、涼風）、前路警戒隊の第２水雷戦隊（軽巡五十鈴）、第31駆逐隊（高波、巻波、長波）、護衛の第４戦隊（重巡洋艦愛宕、高雄、摩耶）、第５戦隊（重巡洋艦妙高）、第２航空戦隊（空母隼鷹、飛鷹）がトラック環礁を出撃。アメリカ空母に備えて第１航空艦隊（翔鶴・瑞鶴）を主力とする第３艦隊も出撃した。これに先立ち、ガダルカナル島には第６戦隊が突入してアメリカ艦隊と交戦（サボ島沖夜戦）し、古鷹が沈没して青葉が大破したが、アメリカ艦隊を後退させることに成功。飛行場砲撃部隊は暫くは欺瞞のために北上し、次いで南東に変進してガダルカナル島に向かった。10月13日0600、基地航空隊の陸攻26機と零戦18機がラバウルを出撃し、1013にヘンダーソン飛行場を爆撃。10月13日朝、日本艦隊は敵哨戒艇と接触したが、無事にやりすごした。1100、基地航空隊第２次攻撃隊が飛行場を爆撃。その後、陸軍野戦重砲兵第４連隊が15cm榴弾砲で飛行場への制圧射撃を実施。1616の日没以後、飛行場砲撃部隊は第２艦隊と分かれて最大戦速28ノットで突撃した。2000、艦内哨戒第１配置が下令された。2030、総員戦闘配置を発令。1030、ガダルカナル島のエスペランス岬とクルツ岬に測定用のかがり火が灯った。艦隊は速力を18ノットに落として左に進路を変え、ガダルカナル島の内海に突入。1136、レカタの水上機基地から飛来した水上偵察機の照明弾を基に金剛が射距離23160mで三式弾の砲撃を交互撃ち方で開始、初弾から命中。1137、榛名も零式榴霰弾の砲撃を開始。1140、第３戦隊は一斉撃ち方を開始。速力18ノットで航行しながら20分間射撃、三式弾・零式榴霰弾が尽きたため一式徹甲弾に切り替えて10月14日0013まで砲撃を行った後、反転して更に0056まで砲撃した。探照灯の照射を受けたものの、五十鈴の主砲で沈黙させている。魚雷艇６隻も反撃してきたが、駆逐艦の12.7cm砲で撃退した。砲撃後は速力29ノットで離脱、0448に味方のエアカバーエリアに入り、0800には第２艦隊と合流した。発射数は金剛が三式弾104発、一式徹甲弾331発、副砲27発。榛名が零式榴散弾189発、一式徹甲弾294発、副砲21発。ヘンダーソン飛行場にあった100機以上の航空機のうち、SBDドーントレス艦爆32機、F4F艦戦19機、TBFアベンジャー艦攻８機以上、P-39エアラコブラ戦闘機４機、B-17爆撃機２機など65機以上が破壊され、航空燃料の殆どが焼失、アメリカ兵41名が戦死した。ただ主滑走路は600mが滑走可能な状態で残り、予備の戦闘機用第２滑走路は無傷で、単発機42機とB-17爆撃機６機が生き残っている。10月14日夜にも重巡鳥海と衣笠が主砲弾752発を砲撃したが、さほどの戦果は挙げられなかった。アメリカ軍はエスピリサンツのC-47輸送機と水上機母艦AVD-14マクファーランドにガソリン入りドラム缶を満載して航空燃料を急速に補充した。10月15日には日本軍高速輸送船６隻がガダルカナル島に揚陸したが、アメリカ軍戦闘機の小型爆弾による反撃で物資集積所が炎上、陸軍総攻撃は10月下旬にまでずれこんでしまうこととなった。10月15日0931、連合艦隊司令部は支援部隊に対して重巡２隻程度による夜間ガダルカナル島砲撃を命じ、第５戦隊（妙高、摩耶）及び第２水雷戦隊が摩耶の水偵による観測の下で2227から2320に砲撃を行い、飛行場及び駐機場を炎上させた。参考：激闘太平洋戦記、戦艦入門、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船1,’12、月刊JWings8,’12

＜カタルナ＞：F-73（フリゲート）を参照。

＜ガダレーテ＞：M41（掃海艇）を参照。

＜ガタレーテ級＞：アグレッシブ級・海外シリーズ（掃海艇）を参照。

＜カタログデータ＞：スペックを参照。

＜カタンパー＞：40（機雷掃討艇）を参照。

＜カタンパー級機雷掃討艇＞：フィンランド海軍機雷掃討艇Katanpää級。イタリアのインターマリン社製で、2006年11月に契約が締結された。船型は長船首楼型で、前甲板にブルワークを持ち、船体と上構はステルス性を考慮している。全長52.45m、全幅9.47m、排水量680トン、満載排水量708トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、MTU製8V-396-TE74ディーゼル２基＋電動モーター、推進はボイス・シュナイダー18GH/135PPプロペラ２軸、速力13ノット。兵装はボフォース70口径40mm単装機関砲（ステルス砲塔）１門。機雷探知器材としてコングスバーグEM-710RDマルチビームソナー、TOPASソナー、クライン5500曳航式サイドスキャンソナー、機雷処分具としてダブルイーグル�U（ダブルイーグル�V？）、シーフォックスＩ、自律型UUVを装備する。1-2番艦はイタリア、３番艦はフィンランドで建造され、2009年にイタリアの造船所が洪水被害に遭って建造が遅れたが、艦番号40カタンパー、艦番号41プルンパー、艦番号42ファーターパの３隻が2013-16年（2012-14年？）に就役した。参考：月刊軍事研究9,’14、8,’12、月刊世界の艦船10,’17

＜渦池級＞：中国海軍081型掃海艇のNATOコード、Wochi級。船型は撫順型掃海艇ベースの船首楼型。５番艇以降は船首楼を延長して艦前部にナックルを付け、兵装を変更するなどの改良を加えた081A型である。全長65m（４番艇まで）／67.6m（５番艇以降）、幅10m、満載排水量996トン（４番艇まで）／1200トン（５番艇以降）。主機はディーゼル。兵装は前甲板の76F型37mm連装機関砲１基（４番艇まで）／遠隔操作式30mm単装機関砲１門（５番艇以降）。後甲板に繋維掃海具と音響掃海具を搭載する。掃討具は運用しないらしい。艇番号805張家港、810靖江、840瀘渓、843常熟、844鶴山、845青州など18隻が2007-20年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,'23、4,'22、4,'21、2,’20、2,’19、3,’18、5,’15、10,'15、6,’14、3,’13、9,’11、9,’10、6,’09、1,'15増刊

＜鹿地本３兄弟＞：鹿児島地方協力本部のマスコットキャラクターで、リックン、カイクン、コウクンの３兄弟である。2014年に公募で決まった。参考：MAMOR vol.132

＜カチャル＞：P81（フリゲート）を参照。

＜カチャローテ＞：S-165（潜水艦）を参照。

＜架柱橋＞：支柱で直接橋梁を支える方式の橋。参考：月刊PANZER6,’01

＜華中軍区＞：中国軍の大軍区（一等軍区）。1949年5月、第４野戦軍と統合された。1950年1月、中南軍区に改称された。参考：月刊航空ファン5,’16

＜カチューサ＞：KATUSA（在韓米軍軍属）を参照。

＜カチューシャ＞：SB-2（爆撃機）を参照。

＜カチューシャ＞：ソ連軍が第２次大戦中に使用した自走多連装ロケット全般の愛称。BM-13-16、BM-31-12、BM-8シリーズなどがこれにあたる。戦時中に流行したイサコフスキーの歌曲「カテリーナ」にちなんで従軍ジャーナリストが命名したようで、軍制式名称は親衛迫撃砲、秘匿名称はコスチコフ砲という。ドイツ軍からは「スターリンのオルガン」と呼ばれた。NKVDの保安管理下に置かれており、特殊親衛迫撃砲連隊、独立親衛迫撃砲大隊、重迫撃砲大隊、機械化重親衛迫撃砲大隊、親衛迫撃砲旅団、親衛迫撃砲師団などに配備された。独ソ戦開始時には独立特殊大隊に計40両が配備されているのみだったが、BM-31-12だけで1941-45年に12197両が製作され、1942年には3237両、1943年には2200両、1945年初めには2993両が前線にあった。最初に使用されたのは1941年10月、ユフロフ西のドーブロヤ近郊である。全型計10万両以上が製作され、大戦末期には518個中隊に配備されており、地上設置式で使用されたり、装甲列車に積まれたり、海軍で河川艦隊に配備されたりもした。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊PANZER9,’97、月刊グランドパワー2,’99、月刊軍事研究3,’09

＜科長＞：海上自衛隊の科のトップで、砲雷長、船務長、航海長、機関長、補給長、飛行長などがいる。各科の技量・練度向上、各部保守整備、戦闘時における科員指揮などが主任務で、各部署において指揮官となる。分隊長を兼任し、輪番で当直士官を務める他、教育訓練係士官や福利厚生係士官といった規定外の係士官としての役目もこなす。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜華頂山＞：992（揚陸艦）を参照。

＜カチンの森事件＞：第２次大戦中の1943年4月13日、スモレンスク近郊のカチンの森で、ポーランド軍将校4400名の銃殺遺体が地中から見つかった事件。1940年3月頃にスターリンの命令でNKVDが射殺して埋めたもので、スモレンスクの森林地帯で計15000名が殺害されたとみられる。ソ連はナチスによる犯行と主張し、NKVDによるものと認めたのは1990年になってからだった。2010年4月10日、慰霊行事に参加するポーランド大統領夫妻ら政府・軍要人97名を乗せたTu-154政府専用機がスモレンスク空港に着陸しようとしたところ、濃霧で空港付近の樹木に接触して墜落し、全員が死亡した。参考：WW�U欧州戦史シリーズVol.4、月刊JWings6,’10、朝雲

＜割愛制度＞：自衛隊パイロットを民間航空会社などにパイロットとして雇用してもらう制度の通称。高度経済成長による民間航空業界拡大に伴うパイロット不足を受けて1962年に始まり、2009年秋に天下りの一種とされて自粛していたが、LCCの就航増加などで民間航空会社のパイロット不足が深刻になり、2014年から再開した。自衛隊側の対象は40歳程度以上の現役パイロット（年に10名くらい）、民間企業側の対象は定期便を運航する航空輸送事業者と防衛関連企業で、第三者機関の一般社団法人自衛隊援護協会が調整する。また、2014年度からは割愛制度で民間会社に転職した佐官級パイロットに予備自衛官への志願を促し、有事に指揮官を補佐する司令部配置操縦士のポストに就かせることとした。2014年度は５名が民間に再就職している。参考：朝雲

＜カツーサ＞：KATUSA（在韓米軍軍属）を参照。

＜かつおぶし＞：P-40シリーズ（戦闘機）を参照。

＜カツオブシ＞：二式大艇の機体底部前方に装備された波抑え板の通称。離水時の波飛沫を大幅に抑えられる。PS-1、US-1、US-2も装備した。参考：月刊JWings6,’05、9,’05

＜閣下＞：日本陸軍の敬称で、将官以上に対して使用する。参考：帝国陸海軍事典

＜学科（日本軍）＞：数学や外国語などの普通学と、講義形式で教育される軍事学（日本陸軍）・兵学（日本海軍）を合わせてこう称する。教科書、典範令、操式、教範を使用する。陸軍幼年学校、陸軍士官学校、海軍兵学校など軍人養成学校では普通学の割合が大きく、軍事学講義の時間は一般中学校の学校教練よりも短かったりした。徴兵で召集された兵に至っては小学校も卒業していないことがあり、こちらでも普通学は重要で、現役を終える前の下士官などに民間再就職用の普通学講義を受けさせたりもした。参考：陸海軍学校と教育

＜甲木清實＞：昭和18年7月、二式水上戦闘機に機種転換した。総撃墜機数16機。参考：月刊丸1,'15増刊

＜カックー＞：日本海軍初の艦上攻撃機。ソッピース社のクック攻撃機を大正10年に輸入したものである。ブラックバーン社のスイフト攻撃機共々使用された。参考：図解日本の空母

＜滑空角＞：Glide angle。滑空時に飛行経路と水平面がなす角度のこと。その時の速度における揚力と抗力の比（揚抗比）で決定される。動力機でも着陸時には滑空するので、エンジン出力や高揚力装置などを駆使して定められた滑空角をとる。機体姿勢は滑空角を維持するのに必要な揚抗比に左右されるので、機首上げだったり機首下げだったりする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜滑空機＞：グライダーを参照。

＜滑空比＞：Glide ratio。滑空中に前進する距離と、降下する高度の比。揚抗比で決まり、高性能のグライダーでは40対１以上にもなる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜滑空飛行第１戦隊＞：日本陸軍のグライダー部隊。昭和17年2月のパレンバン降下作戦や、昭和16年5月に行われたドイツのグライダー部隊によるクレタ島降下作戦の戦訓を基に、昭和17年6月、宮崎県新田原の陸軍挺身練習部に滑空班が発足し、グライダー操縦訓練を開始。その後人員が増やされて所沢に移動し、昭和18年春には茨城県の西筑波飛行場に移り、滑空飛行第１戦隊が創設された。12月、学徒出陣で大日本飛行協会学生航空連盟在籍者が特別操縦見習士官として入隊。昭和19年6月、二式小型輸送滑空機ク−１による操縦訓練を開始。8月、四式特殊輸送滑空機ク−８による操縦訓練を開始。10月12日、先行偵察機と九七式重爆＋ク−８滑空機６機ずつで西筑波飛行場を出発し、九州、上海、台湾経由でフィリピンに展開、物資輸送に投入されることになった。しかし台湾まで到着したところでフィリピン周辺にアメリカ機動部隊が跋扈し始めたため、グライダーを曳航してのフィリピン展開は不可能になってしまい、九七式重爆のみをフィリピンに送って輸送を行った。11月27日、戦時編成を開始。11月30日、戦時編成を完了し、滑空歩兵第１連隊と共にフィリピンに展開することになった。第一陣は宇品で空母雲龍に便乗して大連経由でフィリピンに向かったが、途中でSS-395レッドフィッシュの雷撃を受け、積んでいた桜花が誘爆して雲龍は沈没し、滑空飛行第１戦隊派遣第一陣は３名しか生き残れなかった。第二陣は門司港から輸送船で出発し、高雄に上陸、嘉義飛行場で待機したが、先にフィリピンに到着した滑空歩兵第１連隊が地上戦闘で壊滅してしまったため、昭和20年3月に西筑波飛行場に戻った。5月、空襲を避けて朝鮮の宣徳飛行場に移駐。戦況は逼迫して特攻以外に運用法も無く、滑空機パイロットも強行着陸後の戦闘に参加するため一〇〇式短機関銃や爆薬の操作法を学び、夜間斬り込み訓練などを行った。7月中旬、特攻志願者が募られ、7月25日に適任者８組（曳航機の九七式重爆二型乗員と、グライダー搭乗の少尉１名・下士官１名で１組）が選抜された。7月27日、福生飛行場に進出するよう命令を受けたが、悪天候で出発が8月5日にずれこんだ。温存している戦爆連合で急襲して一時的に制空権を確保し、戦闘機の援護の下に飛行場に突入、12.7mm機銃２丁と20mm機関砲１門で武装した九五式四輪駆動車を降ろして航空機を破壊する予定だったが、作戦決行前に終戦となった。参考：月刊丸4,’99

＜滑腔砲＞：Smooth Bore Gun。腔の正しい発音は「こう」だが、慣用で「かっくうほう」と読む。ただ1979年の段階では「かっこうほう」だったようである。火砲の腔内が平滑なもの。大砲発明時からナポレオン戦争まではこのタイプの火砲から球形の弾丸を発射していたが、その後ライフル砲が開発され、一旦滑腔砲は廃れた。しかし第２次大戦後、ソ連により戦車砲として復活。これはライフル砲に比べ、回転させない分初速を上げられる、弾丸を細長くして貫徹力を上昇させられる、遠心力がかからないので成型炸薬弾の弾頭威力が減殺されない、といった長所のためである。また、砲身に負担をかけないため、同じ口径でもライフル砲より砲身厚を薄くでき重量を抑えられる、ライフリング加工の手間が無いのでコストが安い、エロージョンが少なく耐用寿命が長いという利点がある。ただ弾丸に回転を与えるためのエネルギーはそれほど多くなく初速はライフル砲と変わらない、ライフル砲でもスリッピング・バンドを使えば成型炸薬弾の威力も減らずAPFSDSも使用できる、最大腔圧の差も4%程度しかないので砲身強度もほぼ同じで済むという意見もある。欠点は、椎の実型弾丸を使う場合には安定フィンを付けないと真っ直ぐ飛ばない、安定フィンの工作精度が低いと命中率が落ちる、安定フィンのせいで横風に影響されやすい、などで、1975年のイギリスのテストではラインメタル製120mm滑腔砲の集弾率がM68ライフル砲より15%以上も悪かったという。参考：月刊グランドパワー5,’03、月刊PANZER5,’79、月刊丸7,’09別冊、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜滑空歩兵第１連隊＞：日本陸軍のグライダー搭乗歩兵部隊。滑空飛行第１戦隊の隣に配置されており、昭和19年9月には２個中隊の実戦部隊が編成された。12月7日、フィリピン戦に参加するため西筑波飛行場を出発、第一陣は宇品から空母雲龍に乗り込んだが、途中で潜水艦に沈められてしまった。第二陣は輸送船で門司を出発し、フィリピンに到着したが、グライダー部隊の到着前に地上戦闘で壊滅してしまった。参考：月刊丸4,’99

＜ガッグル＞：ガチョウの意。第２次大戦末期の練度が低下したドイツ軍機にアメリカ第８航空軍第８戦闘軍団戦闘機パイロットが付けたニックネーム。参考：月刊航空ファン11,’92

＜脚気＞：ビタミンB1（チアミン）欠乏で生じる鬱血性心不全及び末梢神経障害で、貧しい農家の子供が都会に奉公に出されて栄養不足になり罹患するため、江戸患いや大阪腫れとも呼ばれた。ビタミンB1は糖代謝やエネルギー代謝に関連する補酵素で、欠乏すると脚気の他にもウェルニッケ・コルサコフ症候群（中枢神経障害）や乳酸アシドーシスなどを引き起こし、最終的には死に至る。日本軍創設当時から最も罹患率の高い疾患で、明治6年には陸軍がわざわざ脚気病院を設立しているものの、当時は予防や治療の見当もつかず、どうにもならなかった。遠洋航海などで栄養不足に陥りやすい海軍では明治15-16年の第６回・第７回遠洋練習航海で脚気患者が大量発生し、高木兼寛海軍軍医総監が脚気病調査会を各艦に設置、食事が原因と推定して明治18年に米麦混合食、明治19年には完全パン食を採用。一方で陸軍は脚を清潔にする、室内では土足厳禁で脚絆を解き足を下げない、暑い時の訓練を避ける、といった中途半端な対症療法または全く無関係な予防策しか立てられなかった。隊付軍医の方で麦飯が脚気予防に役立ちそうだという意見が出たため、明治17年に麦などを混ぜて主食費用を安上がりに済ませたら余剰金で副食を買えるようにし、明治24年には平時の全陸軍兵食が麦飯に切り替わっている。しかし戦時には兵站を簡略化すべく陸軍が主食に米だけを送ったため、明治27-28年の日清戦争では脚気患者が海軍罹病34名・死亡ゼロに対して陸軍罹病41431名・死亡4064名、明治37-38年の日露戦争では海軍罹病87名・死亡３名に対して陸軍罹病20万名以上・死亡27800名という惨憺たる状況となった。明治38年3月10日の奉天占領日に陸軍が満発第2000号で出征部隊麦飯喫食の訓令を発出したが、既に手遅れだった。明治42年、森林太郎陸軍省医務局長をトップとする臨時脚気病調査会が発足して原因究明にあたったが、2月に発表された結論は白米に含まれる毒素が原因とする中毒説に類似したものだった。明治43年には鈴木梅太郎博士が米ぬかからオリザニン（ビタミンB1）を発見したが、これの欠乏が原因と確定できたのは大正14年までずれこみ、大正12年には日本人の脚気による死亡率は人口10万対44.46人（ちなみに2020年では死因５位の肺炎が10万人対63.6人、６位の誤嚥性肺炎が34.6人）に達していた。その後は原因確定で減少したが、現代でも慢性アルコール中毒で酒しか飲まなかったり、高カロリー輸液にビタミン製剤の追加を忘れたりすると発生するので注意。参考：軍医サンよもやま物語、月刊世界の艦船9,'13増刊、2,’23

＜学校（イギリス海軍）＞：1729年に海軍兵学校が開設された。19世紀初頭のアメリカ独立戦争における戦訓から、砲術を体系的に教育する必要性が痛感され、ポーツマスに砲術練習艦エクセレントと砲術練習艦ケンブリッジ、デヴォンポートに水雷術練習艦ヴァーノンと水雷術練習艦デファイアンスを置いて教育を開始したのが術科学校の始まりである。術科教育艦が老朽化すると別の艦が名前を引き継いで新校舎となった。20世紀に入ると校舎は陸上に移ったが、引き続き艦名が継承され、通信学校にマーキュリー、応急学校にフェニックス、工機学校にサルタン、経理学校にシアリーズ、教育隊にローリーといった艦名が付けられている。ちなみに国内基地隊や海外基地、挙げ句にゴスポートの給与人事管理ビル（HMSセンチュリオン）にまで艦名が付く。海軍兵学校の艦名はブリタニアだったが、1953年に進水した王室ヨットが同名を継承したため、ダートマスに改称した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜学校（海上自衛隊）＞：職務を遂行するのに必要な知識や技能を隊員に習得させるための教育訓練を行うと共に、各種部隊の運用などに関する調査研究を行う。幹部学校、幹部候補生学校、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校がある。参考：自衛隊法、MAMOR vol.100

＜学校（航空自衛隊）＞：職務を遂行するのに必要な知識や技能を隊員に習得させるための教育訓練を行うと共に、各種部隊の運用などに関する調査研究を行う。校長が校務を掌理するにあたっては、航空教育集団司令官の指揮監督を受ける。幹部学校、幹部候補生学校、第１術科学校、第２術科学校、第３術科学校、第４術科学校、第５術科学校がある。参考：自衛隊法、MAMOR vol.100

＜学校（自衛隊）＞：防衛大学校、防衛医科大学校、統合幕僚学校、陸海空自所属の学校があり、自衛官になるための教育や、自衛官に知識・技術を教えるための教育などを行っている。校長は自衛官で、防衛大臣の定めるところにより校務を掌理する。参考：MAMOR vol.100

＜学校（日本海軍）＞：陸軍の実施学校にあたるものは術科学校と呼ばれるが、補充学校にあたるものには特に総称は無く、制度はどちらも勅令で定められている。海軍大臣隷下に海軍大学校、海軍兵学校、海軍機関学校、海軍経理学校、海軍軍医学校、鎮守府司令長官隷下に海軍砲術学校、海軍工作学校、海軍水雷学校、海軍機雷学校、海軍潜水学校、海軍航海学校、海軍病院練習部、海軍通信学校、海軍工機学校が置かれている。教えるのは将校の教官と下士官の教員。学ぶのは准士官以上の学生と下士官兵の練習生で、軍としての階級が無い生徒もいる。参考：陸海軍学校と教育

＜学校（日本軍）＞：入試では必要学力の程度が示されるだけで、実際の学歴は基本的に問わないので、尋常小学校卒業の学歴でも中学校卒業程度など必要な学力を備えて試験を通れば入校できる。参考：陸海軍学校と教育、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜学校（日本陸軍）＞：戦闘を教育する実施学校（陸軍歩兵学校、陸軍飛行学校など）と、軍人に教育を施して各部隊に補充する補充学校（陸軍士官学校、陸軍幼年学校など）に分かれており、前者は軍令で規定されるので軍令学校、後者は勅令で定められるので勅令学校ともいう。教育総監部の管轄下に陸軍幼年学校、陸軍予科士官学校、陸軍士官学校、陸軍予備士官学校、陸軍歩兵学校、陸軍戸山学校、陸軍砲工学校、陸軍騎兵学校、陸軍野戦砲兵学校、陸軍重砲兵学校、陸軍工兵学校、陸軍通信学校、陸軍戦車学校、陸軍自動車学校、陸軍防空学校、陸軍教導学校、陸軍輜重兵学校が、陸軍航空総監の管轄下に陸軍航空士官学校、陸軍航空技術学校、陸軍航空整備学校、陸軍航空通信学校、陸軍航空学校、陸軍飛行学校が、陸軍大臣の管轄下に陸軍経理学校、陸軍兵器学校、陸軍軍医学校、陸軍獣医学校、陸軍憲兵学校、陸軍参謀総長の管轄下に陸軍大学校が設けられている。兵の教育は軍隊教育でなされるため、学校に通うのは下士官候補生以上の階級に限られる。教えるのは将校の教官と下士官の助教で、学ぶのは学生または軍としての階級が無い生徒である。実施学校には戦闘実習を行う教導隊が配置された。実施学校には甲乙丙丁の各課程があり、甲種課程は中隊長になるための教育（大尉向け、4-5ヶ月）、乙種課程は陸軍士官学校卒業者に対する兵科専門教育（中少尉向け、６ヶ月）である。参考：陸海軍学校と教育、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜学校（陸上自衛隊）＞：職務を遂行するのに必要な知識や技能と、陸曹長以下三等陸曹以上の自衛官となるべき者に必要な知識や技能を習得させるための教育訓練を行う。幹部学校、幹部候補生学校、富士学校、高射学校、航空学校、施設学校、通信学校、武器学校、需品学校、輸送学校、小平学校、衛生学校、化学学校、高等工科学校がある。参考：自衛隊法、MAMOR vol.100

＜学校教練＞：中学校や大学など一般の学校に教員として派遣された将校（配属将校）が生徒に対して行う教練科目のこと。明治19年、中学校などの体操科目に兵式体操を加えたのが始まりで、一般学校に将校を派遣して本格的に行うようになったのは大正14年である。参考：陸海軍学校と教育

＜各個教練＞：基本教練を参照。

＜カッサム・シリーズ＞：ハマスの手製ロケット弾。参考：月刊軍事研究10,’13

　＜カッサム１＞：弾頭重量5kg。射程5km。参考：月刊軍事研究10,’13

＜カッサム３＞：全長2m以上、直径0.17m、重量90kg、弾頭重量10kg。最大射程10km。順次改良が加えられており、弾頭重量は20kg、最大射程は25kmくらいまで延伸されている。2008年現在、２千発以上がイスラエル北部のスデロットに撃ち込まれており、更に毎日数十発が撃ち込まれ続けていて、着弾まで20秒（10秒以内？）しかかからないので退避する暇が無い。参考：月刊軍事研究1,’07、2,’08、7,’08、10,’13

＜合衆国艦隊＞：アメリカ海軍の艦隊。1922年12月、太平洋艦隊と大西洋艦隊を廃止・統合して新編され、大西洋方面に偵察部隊と制海部隊、太平洋方面に戦闘部隊と基地部隊を置いた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜合衆国軍遠征章（アメリカ陸軍）＞：Armed Forces Expenditionary Medal（AFEM）。1958年以降の従軍章の無い作戦（ソマリアなど）に参加した将兵に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜合衆国軍従軍章（アメリカ陸軍）＞：Armed Forces Service Medal（AFSM）の略。1992年6月以降のユーゴスラビア、1995年4月以降のハイチで任務に就いた将兵に授与される従軍章である。参考：コンバットマガジン7,’06

＜合衆国防衛振興法＞：レンドリース法を参照。

＜褐色六稜火薬＞：黒色火薬を参照。

＜カッシン＞：DD-372（駆逐艦）を参照。

＜カッシング＞：DD-376（マハン級駆逐艦）またはDD-797（フレッチャー級駆逐艦）を参照。

＜カッシン・ヤング＞：DD-793（駆逐艦）を参照。

＜合戦準備＞：いつどこで会敵しても、すぐに戦闘状態に入れるようにすること。将兵は戦闘配置に付き、兵装の動作チェックを完了する。訓練の場合は教練合戦準備という。第２次大戦頃までは日中は昼戦の合戦準備（合戦準備、昼戦に備え）を行い、日没になると夜戦の合戦準備（合戦準備、夜戦に備え）を下令して照明弾や探照灯の準備をしていたが、レーダーの発達で昼夜の区別が無くなり、いちいち準備を切り替える必要が無くなった。敵を発見すると、左／右砲戦の号令がかかり、一斉射撃、交互発射などと続く。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、海軍よもやま物語

　＜合戦準備（自衛艦）＞：出港後すぐにこの号令詞がかけられ、乗員は合戦準備部署につき、武器弾薬などを準備して戦闘に備える。潜水艦では潜航準備も行う。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、JShips Vol.20

　＜合戦準備（日本海軍潜水艦）＞：艦橋以外のハッチを全て閉め、メイン・バラスト・タンクの金氏弁を開ける。これにより、ベント弁を開けるだけで潜入できる態勢となる。軍艦旗など紐類は全て取り外し、短波マストなどのアンテナは必要時以外は引き込む。続いて三直哨戒、第一直哨兵残れの号令で３交替の監視態勢を布く。艦橋に残るのは哨戒長と見張り員など８名くらいである。参考：潜水艦気質よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語

＜滑走制止索＞：クラッシュ・バリアを参照。

＜滑走艇＞：Planing craft。航行時のトリム変化で船首を上げ、船底に揚力を作用させて船体を持ち上げることにより、水上を滑るように航行して水の摩擦抵抗を少なくし、高速を発揮できるようにした船舶。低速では通常船型よりも抵抗が大きいが、速力を上げて滑走状態に入ると一気に抵抗が少なくなり、少ない出力で大きな速力を得られる。参考：日本の防衛戦力Part3、図解船の科学

＜滑走路＞：Runway。空港や航空基地の基本的な施設。最も良く吹く風（卓越風）の方向に平行滑走路を設置し、複数置ける場合には90度オフセットした横風滑走路を建設する。補修の手間が少ないアスファルト滑走路と、強度が高くアフターバーナーにも耐えられるコンクリート滑走路がある。レシプロ機時代は土を固めただけの未舗装滑走路も多かった。表面にはグルービングという横溝が付けられており、水はけを良くしてハイドロプレーニング現象を防ぐ。滑走路端から内側3000フィート（914.4m）の部分は接地帯と呼ばれ、標識や灯火が設置されている。滑走路の両外側には悪天候で滑った時のことを考慮してオーバーランが60mほど設けられている他、軍用空港ではクラッシュ・バリアを設置しているところもある。滑走路の向いている方向はランウェイ○○と示す。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings11,’18

＜滑走路待機＞：Runway Alert。滑走路上でエンジンを回したままスクランブル待機すること。参考：月刊JWings7,’01

＜滑走路被害復旧マット＞：自衛隊の機器。エビエーション・サービスまたはイヨン・インターナショナルが受注している。参考：月刊軍事研究7,’13、4,’15

＜カッター＞：オールで漕ぐボート。シーマンシップの涵養、船員の体力強化などに使用される。カッターでの送迎は非常に名誉なことであり、離着任の際にわざわざカッターを使う海上指揮官もいる。後部中央が上席で、先任者は最後に乗せて最初に降ろす。参考：丸スペシャルNo.77、MAMOR vol.99

＜カッター（海上自衛隊）＞：海上自衛隊第３種支援船、船種記号Ｃ（Cutter）。訓練用で、第１術科学校、横須賀・呉・佐世保・舞鶴教育隊、岩国航空基地隊、小月航空基地隊、大湊港務隊に配備されている。以前は艦載用の７メートル・カッターと６メートル・カッターもあったが、しらね型以降は搭載されなくなった。現在は全て９メートル型であり、帆走設備も有する。船体は木造の重ね板式。短艇指揮１名、短艇長１名、特別短艇員など計14名が基本乗員で、最大45名まで乗れる。漕ぐ時には短艇指揮が艇後部右舷ディッキー（腰掛け）、短艇長が左舷ディッキーに腰掛け、短艇長が右手でティラーを握って操舵する。漕ぎ手には右舷側に奇数番号、左舷側に偶数番号が艦首側から付けられ、スオートに腰掛けてストレッチャーに脚をかけ、太さ100mm・重量10kgのオールを握る。予備員はスターン・ベンチに座る。１・２番漕ぎ手は艇首員またはバウメンと呼ばれ、最後部漕ぎ手のうち達着舷側のものを内側艇尾員と称し、出発・到着の際にボートフックを操作する。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981、丸スペシャルNo.77、日本の防衛戦力Part8

＜カッター（日本海軍）＞：９メートルカッター、８メートルカッター、７メートルカッター、６メートルカッターがあり、兵員輸送、食糧弾薬搭載、人命救助、繋留などの各種作業に用いられる。木造で、壊れて木片になっても水に浮くため、どんな非常時でも絶対に沈まないと教え込まれた。漕ぎ手（専門の要員は特艇員と呼ばれる）は後方右舷から若い順に奇数番号（１番、３番、…）、左舷から若い順に偶数番号（２番、４番、…）で呼ばれる。細かい操法が規定されており、「櫂用意」または「櫂備え」で漕ぎ手が防舷物を艇内に入れ、櫂を櫂座に填めて握り、「用意」「前へ」で漕ぎ出す。掛け声は「十枚」で、毎分32-33枚のペースで漕ぐ。「櫂上げ」で櫂を水平に保つ。敬礼は「櫂立て」で、漕ぎ手は櫂を直立させてブレードを前進方向に合わせ、艇長は直立不動の敬礼を行う。「櫂組め」で櫂を交差させてブレードを水平にして固定し、休憩する。外海に漕ぎ出す時には、軍艦旗を掲げる。海軍記念日には各艦対抗のカッター競争が開催された。カッター訓練（短艇訓練）はシーマンシップの基本なので相応に厳しく、手や尻の皮が剥けて血まみれになり、海軍兵学校では同じ甲板で血を流す仲、という言葉も生まれた。参考：海軍よもやま物語、陸海軍学校と教育、海軍兵学校よもやま物語、月刊丸7,’14

＜カッター５００１号型＞：海上自衛隊カッター。木製で、全長9m、幅2.5m、深さ0.8m、吃水0.4m、排水量1.5トン。44隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜カッター５０７３号型＞：海上自衛隊カッター。木製で、全長9m、幅2.5m、深さ0.8m、吃水0.4m、基準排水量1.5トン。C-5073、5075、5076、5078-5120、5128-5138の57隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜カッター５１６２号型＞：海上自衛隊カッター。FRP製で、全長9m、幅2.5m、深さ0.8m、吃水0.4m、排水量1.5トン。30隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜勝田駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は茨城県ひたちなか市勝倉3433。JR勝田駅から徒歩15分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。1954年10月、第107施設大隊が新編された。1962年8月14日、第107施設大隊の一部が高田駐屯地に移駐。1968年8月9日、第107施設大隊残存部隊（第３中隊）が高田駐屯地に移駐。2009年9月17日、茨城県自衛隊殉職隊員追悼行事を実施。11月15日、東北方面ヘリコプター隊の支援を受けて協力会員や防衛・駐屯地モニターら40人に対するヘリ体験搭乗を実施。2010年1月13日、新成人隊員27名の成人式を実施。6月28-30日、住友金属プラントと日立協和エンジニアリングの新入社員36人に隊内生活体験を実施。6月30日から7月2日、日立電線の社員10人に隊内生活体験を実施。2011年2月15-25日、常磐大学栄養学科の学生11人に隊内生活体験（調理実習）を実施。3月11日、東日本大震災で建物の一部が破損した。2017年9月3日、茨城地本が自衛官候補生採用試験を実施。2019年7月20-21日、施設教導隊の支援で茨城県内小学生・保護者計68人に夏休みキャンプ教室を実施。2020年1月26日、ひたちなか市で勝田全国マラソン大会を支援し、音楽演奏、給水、コース清掃を行った。3月27日、ひたちなか市と、自衛隊が設置する子どもの一時預かり施設の運営等に関する協定を締結した。4月15日、厚生センターにファミリーマートが開店した。10月2日、令和2年度茨城県自衛隊殉職隊員追悼式を実施。12月2日、令和2年度第２回調理コンテストを実施。2021年1月14日、新成人31名の成人行事を実施。2022年1月13日、新成人隊員26名の成人記念行事を実施。参考：高田駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、朝雲

　＜勝田駐屯地（２０１５年）＞：施設学校、施設教導隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜カッダロール＞：M90（掃海艇）を参照。

＜カッダロール級＞：インド海軍沿岸掃海艇Cuddalore級。基準排水量360トン。主機はディーゼル、速力15ノット。兵装は40mm単装機関砲１門。1955-56年にM90カッダロール、M91カンナモール、M92カルワル、M93カキナダの４隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜カッチー隊＞：佐賀地方協力本部のマスコットキャラ。2016年4月7日、佐賀地本の隊員募集出陣式に参加。参考：朝雲

＜カッツ・コンペンセイター＞：散弾銃の可変チョークの１つで、アメリカ海兵隊リチャード・Ｍ・カッツ大佐が製作した。機関銃用マズルブレーキに交換可能なチョーク部分を追加したものである。参考：GUN用語事典

＜ガッティ＞：ナフィールド社の４×４輪軽輸送車両。アメリカから供給されたジープの有用性に着目したイギリス陸軍が同様の車両を作らせたもので、クラッチとブレーキを２セット装着して右ハンドルでも左ハンドルでも運転できる。サスペンションはダブルウィッシュボーンとトーションバーだが、不整地踏破能力が低く、搭載していたモーリス社製水平対向４気筒エンジンがオーバーヒートしやすいという欠点もあり、採用されなかった。参考：月刊PANZER2,’12

＜カット・アウェイ＞：メイン・パラシュートを切り離すこと。参考：コンバット・バイブル２

＜カットアップ＞：キールの後端にある、急に切れ上がった部分のこと。参考：艦船メカニズム図鑑

＜カット・アンド・プラグ方式＞：潜水艦の船体を切断し、設備を挿入して再び接合すること。通常動力潜水艦にAIP機関を導入する際などに用いられる。参考：月刊軍事研究4,’00

＜活動支援専門官＞：陸上自衛隊が駐屯地業務隊厚生科に配置している自衛官。同科が行う厚生活動や、PKO・災害派遣などで駐屯地を離れて活動する隊員・家族間の支援、部隊内外の連絡調整などを主任務とする。PKOの本来任務化を受け、隊員が駐屯地や家族の元を離れて活動する機会が増加すると予想され、その間も隊員が安心して任務に専念するための支援業務を行う専門職として陸幕厚生課家族支援班が2008年頃から配置を検討していた。2011年3月の東日本大震災で、隊員家族の安否確認ができないケースが多発、部隊や自治体・協力団体との調整の重要性も認識されたため、2012年4月から全国10カ所以上に配置されている。参考：朝雲

＜活動写真銃＞：写真銃（日本海軍）を参照。

＜活動的神学校派＞：ムクタダ・アル・サドル師率いるシーア派過激派組織。反米闘争を呼びかけ、更にはアメリカ支持のシーア派をも公然と批判し、テロや襲撃を繰り返している。参考：月刊軍事研究2,’04

＜カットエッジ＞：ショルダーパッチの角が切りっぱなしのもの。アメリカ軍では、1960年代半ばまでこのタイプだった。参考：月刊JWings5,’02

＜カットオフ式＞：ガス圧作動式を参照。

＜カットオフ要撃戦術＞：敵機に直行して要撃する戦術のこと。参考：世界の傑作機No.1

＜カットラス＞：F7Uシリーズ（戦闘機）またはSS-478（潜水艦）を参照。

＜カットラス・エキスプレス２０２２＞：アメリカ海軍主催多国籍演習Cutlass Express 2022。2022年2月6-17日にペルシャ湾や紅海などで行われ、オブザーバー含め60カ国から人員9000名と艦艇50隻が参加し、対機雷戦、対テロ戦、密輸取り締まりなどの各訓練を行った。アメリカ海軍遠征用海上基地艦ESB-3ルイス・Ｂ・プラー、掃海艦MCM-6デバステイター、MANTAS T-38USV、セイルドローン・エクスプローラー帆走USV、スローカムG3グライダー型UUV、イギリス海軍フリゲートF236モントローズ、揚陸艦L-3007ライム・ベイ、掃海艇M109バンゴール、掃海艇M34ミドルトン、RQ-20A無人機、MAST-13型USV、海上自衛隊MST-463うらが、MSO-305ひらど、サウジアラビア海軍掃海艇アル・シャクラー、UAE海軍揚陸艦A82アル・フタイシが参加している。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜カットラス・フューリー２０１６＞：カナダ海軍主催多国間演習Cutlass Fury 2016。2016年9月9-26日に大西洋で実施され、カナダ（282アサバスカン、FFH337フレデリクトン、877ウインザー）、アメリカ（DDG-66ゴンザレス、DDG-84バルキリー、SSN-769トレド）、イギリス（F235モンマス）、スペイン、ドイツ、フランス（S-606ペルル）から艦艇11隻が参加し、対潜戦、対空戦、対水上戦などの訓練を行った。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜河童＞：日本陸軍船舶工兵の通称。参考：小艦艇入門

＜カッパーヘッド＞：アメリカ軍155mm榴弾砲用対戦車誘導砲弾、M712 Copperhead（北米に生息する毒蛇）。セミアクティブレーザー誘導式で、HEAT弾頭を搭載し、尾部に４枚フィン２組を持つ。発射後、水平弾道となった時点で電源が入り、ジャイロが作動、安定翼を展開して飛翔し、最終段階で信管がアクティブとなり、レーザー反射波を捉えて目標に向かう。全長1.372m、重量63.5kg、弾頭重量22.5kg、炸薬重量6.4kg。最小射程3km、最大射程20km。湾岸戦争に投入されたが、射程が短めなこととレーザー照射を行う前進観測者が必要なことから、90発前後の使用に留まっている。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊グランドパワー10,’03、月刊軍事研究11,’99、3,’09

＜カッパーヘッド作戦＞：第２次大戦時に連合軍がオーバーロード作戦の欺瞞として行った、モントゴメリー替え玉作戦。地中海から南フランスへの上陸を狙っているとドイツ側に思いこませるため、モントゴメリーのそっくりさんを使ってアルジェとジブラルタルで派手な行動をとらせ、わざとドイツ側にキャッチさせるものである。1944年3月に作戦が立案され、特殊任務実行委員会（Ｂ作戦部）が担当、イギリスのレスターに駐留していた部隊の経理将校であるクリフトン・ジェームズ中尉を替え玉に仕立て上げ、5月26日にジブラルタルに送った。ジェームズ中尉はジブラルタル提督公邸でパーティに出席、オープンカーに乗って飛行場まで移動した後アルジェに向かい、市内をパレードしている。ドイツ情報員と接触しているとみられた人物なども招いて万全を期したが、結局ドイツ側にモントゴメリーが中東方面にいるという欺瞞行動を気づかせることは出来なかった。作戦は高度の秘匿だったため、ジェームズ中尉は５週間も行方不明になっていた理由を所属部隊に説明できず、軍法会議送りにされかけている。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ガッビアーノ級＞：イタリア海軍コルベット、Gabbiano級。対潜捜索時に静粛航行を行う必要があり、電動補助推進装置を搭載した。基準排水量660トン。兵装は10cm単装砲１門、爆雷投射機８基、爆雷投下軌条２条。1942-43年に29隻が竣工し、ドイツ占領下でも数隻が建造され、地中海での船団護衛任務に就いた。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜カップ・アルコナ撃沈事件＞：ドイツの大型客船カップ・アルコナ（27561総トン）は1945年1月からハンニバル作戦に参加していたが、機関故障で航行不能となり、4月14日からリューベック湾ノイシュタット沖に繋留されていた。4月下旬、付近の強制収容所に収容されている外国人収容者を移すことになり、囚人6000人と看守・親衛隊500人が収容された。5月3日、リューベック湾にイギリス空軍が空襲をかけ、カップ・アルコナに第２戦術空軍第197飛行中隊のタイフーン戦爆20機が殺到、20mm機関砲とロケット弾の集中砲火を浴びて40分後に転覆し、5594人が死亡した。参考：月刊世界の艦船1,’02、輸送船入門

＜カップス＞：DD-550（駆逐艦）を参照。

＜カップド・ブレット＞：フル・メタル・ジャケットが一時期こう呼ばれた。参考：GUN用語事典

＜カップ・ランチャー式＞：てき弾発射機を参照。

＜カッペリーニ＞：イタリア海軍潜水艦。1943年4月11日、ボルドーを出港。7月14日、シンガポールに到着した。イタリア降伏を受けてドイツに接収され、UIT24となった。参考：月刊丸11,’09

＜滑油冷却器＞：オイルクーラーを参照。

＜かつら＞：MSC-629（掃海艇）を参照。

＜桂（初代）＞：日本海軍樺型駆逐艦４番艦。大正4年3月31日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正6年3月11日、第２特務艦隊第10駆逐隊の一員としてシンガポールを出撃して地中海に向かい、艦首舷側に特定欧字船名符号のＲを記入、海上護衛作戦を行った。7月4日、楓と共にイギリス軽巡ウェイマスをマルタから護衛してイタリアのブリンディジに入港。7月6日、楓と共にブリンディジを出港し、タラントに向かった。昭和7年4月1日除籍。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船9,’13増刊、5,’21

＜桂（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦36番艦。昭和20年6月23日に進水したが、同日建造中止になり、戦後に解体されて福島県小名浜港の防波堤になった。参考：日本駆逐艦史

＜葛城＞：日本海軍海防艦Katsuragi。明治20年竣工。明治31年、三等海防艦に類別された。大正元年、二等海防艦に類別変更された。大正2年4月に除籍された。参考：月刊丸6,’14

＜葛城＞：日本海軍雲龍型空母Katsuragi。昭和17年12月8日、呉海軍工廠で起工、昭和19年1月19日進水、10月15日竣工、第３艦隊第１航空戦隊に配属された。11月15日、連合艦隊第１航空戦隊に転属。昭和20年1月1日、第２艦隊第１航空戦隊に転属。3月19日、呉で爆撃を受けて損傷した。4月20日、連合艦隊付属となった。7月10日、呉鎮守府部隊に転属。7月24日、呉で空襲を受けて損傷した。7月28日、呉で空襲を受けて爆弾２発が飛行甲板を直撃、飛行甲板中央部が左舷側にめくれて大穴が開き、空母としての機能を喪失した。副長以下25名が戦死している。そのまま終戦を迎えたが、機関系は無傷だったので復員輸送に使うことになった。10月5日（20日？）に除籍された。11月、呉海軍工廠で損傷部の修理や兵装の撤去を行って収容者数12000人の復員船に改造され、12月18日に出港して南大東島からの第１回復員輸送を行った。昭和21年3月、復員者居住区画に風が通らず高温に悩まされたことを受け、飛行甲板に超大型の通風筒を多数設置した。11月2日、バンコクからの鉄道第５連隊復員者などを乗せて内地に帰投し、復員輸送を完了した。飛行甲板中央の被弾部は最後まで盛り上がったままで、復員者からは葛城山と呼ばれていたという。復員業務での総航程43000海里、復員数50000人。12月22日、日立造船桜島工場で解体を開始した。昭和22年11月30日、解体を完了した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、日本航空母艦史、図解日本の空母、月刊世界の艦船2,’15、歴史群像10,’18

＜葛城丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第21航空戦隊所属、兵力部署では南方部隊航空部隊付属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T、日本海軍艦隊総覧

＜桂駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は京都府京都市西京区川島六の坪。阪急京都線洛西口駅から徒歩３分。元は三菱重工航空機エンジン工場で、1954年11月に桂分屯地（宇治駐屯地の分屯）として開設され、関西地区補給処武器・施設補給部が駐屯した。1960年1月、関西地区補給処武器・施設補給部が関西地区補給処桂支処に改編された。1969年3月、中部方面武器隊が新編された。1974年4月、桂駐屯地になった。1994年3月、第103不発弾処理隊が新編された。1998年3月26日、関西地区補給処桂支処が関西補給処桂支処に改編された。2004年3月、中部方面武器隊が廃止され、中部方面後方支援隊が新編された。2009年1月14日、新成人隊員13名の成人行事を実施。2010年11月8日、駐屯地統一消防訓練を実施。2012年12月8日、第３飛行隊UH-1ヘリで駐屯地モニターら12人に対する航空機体験搭乗を実施。2014年1月15日、新成人隊員８名の祝賀行事を実施。2月14日、部外講師を招きメンタルヘルス講話を開催。3月2日、近隣12チームが参加して桂駐屯地司令杯バレーボール大会を開催。7月9日、中部方面総監部の巡回法令教育を受講した。2015年5月11-20日、全国交通安全運動に協力した。2017年3月27日、中部方面後方支援隊第101補給大隊（コア部隊）が新編された。2018年4月7-8日、桂さくら並木公開を実施。2019年5月14-17日、京都地本が行った京都市立樫原中学校生徒５人の職業体験に協力した。2020年9月2-4日、京都地本が京都先端科学大学学生５人に行ったインターシップを支援した。2022年3月12日、大久保駐屯地、宇治駐屯地、福知山駐屯地、京都地本、京都府自衛隊家族会、京都府隊友会が、隊員の支援に対する協力に関する協定書を締結した。4月1日から施行される。参考：桂駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、朝雲、宇治駐屯地ホームページ

　＜桂駐屯地（２０１５年）＞：中部方面後方支援隊本部／本部付隊、中部方面輸送隊、第103不発弾処理隊、第107全般支援大隊、関西補給処桂支処が駐屯している。参考：桂駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜勝力＞：日本海軍勝力型敷設艦Katsuriki。艦名の由来は横須賀軍港内の勝力鼻岬。大正5年起工、大正6年1月15日、勝力丸の艦名で竣工し、特務船（敷設船）に分類された。大正9年4月1日、軍艦籍に移って敷設艦となり、勝力に改称された。昭和5年10月26日、特別大演習観艦式に参加。昭和10年、測量艦任務も行うようになった。太平洋戦争開戦時は呉鎮守府付属で、瀬戸内海にいた。昭和17年3月16日、第３測量隊と機材を積載して横須賀を出港。シンガポールに進出し、マラッカ海峡方面で測量を行った。6月8日からビルマ方面で測量を実施。7月20日、測量艦に艦種変更された。昭和19年9月8日、触礁した。9月21日、マニラ南西でSS-255ハッドの雷撃を受けて沈没した。11月10日、除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍特務艦船史、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜勝力型敷設艦＞：日本海軍初の敷設艦Katsuriki型。竣工時は敷設艦という艦種が無く、特務船（敷設船）勝力丸で、大正9年に制定された際に編入された。船体は商船構造で、航洋力はあまり高くなく、前進基地の防衛に使うことを考えていたらしい。船型は船首楼型。艦尾はカウンター・スターンで、機雷を投下してもスクリューや舵にぶつからないようになっていた。水線長73.15m、最大幅11.89m、吃水4.27m、基準排水量1540トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶は艦本式石炭専焼水管缶２基、出力1800馬力、２軸推進、最大速力13ノット、石炭搭載量449トン、航続距離1800海里（10ノット）。兵装は安式40口径12cm砲３門（船首楼甲板並列、後部甲板室上）、機雷投下軌条２条（上甲板両舷）、機雷150個（100個？）。乗員138名。大正6年に勝力が竣工した。後に五号機雷を上甲板に120個、艦内に360個搭載するようになった。昭和に入って主砲を8cm砲３門に換装した。昭和17年7月20日、測量艦に艦種変更された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、日本海軍艦隊総覧

＜勝連基地隊＞：海上自衛隊の基地隊。2016年12月18日、アメリカ海軍と友好親善行事を実施。日米から家族含め100人が参加し、もちつき大会などを行った。参考：朝雲

＜勝連分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。那覇駐屯地の分屯地であり、勝連高射教育訓練場ともいう。所在地は沖縄県うるま市勝連内間2530で、海自沖縄基地隊とホワイトビーチを挟んで向かい側にある。1973年5月1日に開設された。2010年3月、車両整備工場の落成式を実施。2014年3月26日、第６高射特科群第342中隊が第15旅団第15高射特科連隊第２高射中隊に改編された。2020年9月5日、沖縄地本の女性限定企画イベントであるガールズアドベンチャーに協力し、沖縄県内女性14人に装備研修を行った。参考：第15高射特科連隊ホームページ、MAMOR Vol.86、JGround Vol.23、朝雲

　＜勝連分屯地（２０１５年）＞：第15旅団第15高射特科連隊第２高射中隊、第15後方支援隊高射直接支援中隊第２直接支援小隊が駐屯している。参考：第15高射特科連隊ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ガディシェ軍団＞：第３軍団（イラク）を参照。

＜カティストック＞：イギリス海軍ハント級掃海艇３番艇Cattistock。1982年就役。参考：月刊世界の艦船1,’04

＜ガティノー＞：DDE-236（護衛駆逐艦）を参照。

＜ガディル＞：イランが開発した長距離防空監視レーダー。大型地上施設で運用される。最大探知距離1000km、最大探知高度300km。2011年7月にテストされ、2014年6月2日に公開された。参考：月刊軍事研究11,’14

＜カディル級＞：イラン海軍ミゼット潜水艦Qadir級。ガディール（Ghadir）級かも。北朝鮮海軍ヨノ型と同型らしく、建造支援を受けたとされる。船体は直径2.75mの円筒形で、高さ1m弱の上部構造物と高さ2m未満のセイルを持つ。全長29m、幅2.75m、水中排水量123トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力８ノット。兵装は21インチ（533.4mm）魚雷発射管２門で、ナスルまたはジャスク２潜対艦ミサイルを運用できる。2004年に初めて存在が確認された。2015年現在、16隻を保有しており、更に建造中。2017年前半頃にミサイルを試射したが、失敗したらしい。2020年現在、18隻を保有している。参考：月刊世界の艦船4,'20、9,’10、11,’16、月刊軍事研究10,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カデット＞：PA-28シリーズ（軽飛行機）または飛行幹部候補生を参照。

＜嘉手納基地＞：アメリカ空軍基地。太平洋戦争で屋良飛行場をアメリカ軍が接収して使用したものである。沖縄県嘉手納町、北谷町、沖縄市に跨がっており、面積19.86平方キロメートル、滑走路は長さ3688m（12100フィート）・幅91m（300フィート）・ランウェイ05L/23Rと長さ3688m（12100フィート）・幅61m（200フィート）・ランウェイ05R/23Lの２本、対爆シェルター15基、整備格納庫を持ち、戦時となれば太平洋航空コマンドの全保有戦闘機を一挙に運用する能力があるといわれる。スペースシャトルの緊急着陸場にもなっていた。シェルターは小型機用なので、大型機は台風が来ると他基地に避難する。国連軍地位協定に基づく国連軍基地でもあり、アメリカだけでなく協定締結国の日本、イギリス、イタリア、オーストラリア、カナダ、タイ、トルコ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、南アフリカも自由に使用できる。隣には面積26.58平方キロメートルの嘉手納弾薬庫と面積1.28平方キロメートルの陸軍貯油施設が設けられている。1954年、第18追撃航空隊が配備された。1979年、F-15C戦闘機が初めて配備（第67戦術戦闘飛行隊。アメリカ空軍全体でも初）された。E-3A早期警戒管制機が初めて配備（第552空中警戒管制航空団第961空中警戒管制飛行隊から第18戦術戦闘航空団にローテーション配備）された。

1990年12月、台風避難のためB-52H爆撃機が着陸した。1991年、第18戦術戦闘航空団が第18航空団に改称され、隷下のE-3部隊が第961空中指揮管制飛行隊となった。1992年1月21日、第９戦略偵察航空団SR-71戦略偵察機がアメリカ本土配備になり、嘉手納を去った。1999年4月6日、第18航空団第67戦闘飛行隊F-15C戦闘機が離陸時にトラブルを起こし、離陸滑走を中止した。急ブレーキをかけたためブレーキパッドが過熱し、右主輪が炎上したが、消防車により消し止められている。パイロットに怪我は無かった。2006年11月30日、アメリカ陸軍第94陸軍防空ミサイル防衛コマンド第１防空砲兵連隊第１大隊が嘉手納基地と嘉手納弾薬庫地区に展開し、PAC-2GEM/PAC-3装備の４個射撃中隊（ランチャー24基、要員600名）が配備された。2007年2月17日、ラングレー空軍基地の第１戦闘航空団第27戦闘飛行隊F-22A戦闘機２機が飛来。2月18日、F-22A戦闘機８機が飛来。2月21日、F-22A戦闘機２機が飛来し、計12機と要員250名が暫定配備を完了した。2009年1月10日からラングレー空軍基地第１戦闘航空団F-22A戦闘機12機が第27遠征戦闘飛行隊に３ヶ月間暫定配備された。2月13日、RC-135S偵察機２機が展開。3月16-19日、F-22A戦闘機と第83航空隊第204飛行隊F-15J戦闘機が日米共同訓練を実施。3月27-30日、第３航空団第90戦闘飛行隊F-22A戦闘機４機が展開。4月6日、WC-135W気象観測機が展開。4月8日、RC-135W偵察機が展開。4月10日、RC-135S偵察機２機がアメリカに帰国。4月13日、WC-135W気象観測機が展開後初ミッションを行った。4月19-20日、第27遠征戦闘飛行隊F-22A戦闘機がアメリカに帰国。5月30日から6月18日、第１戦闘航空団第94戦闘飛行隊F-22A戦闘機12機が４ヶ月の暫定配備のため飛来。

2010年2月6日、シンガポール航空ショーでリモートショーを行ったB-52Hが、KC-135Rのトラブルにより空中給油を受けられなくなり、20年振りに嘉手納に着陸した。2月8日、B-52Hがグアムに向かった。4月上旬、イギリス空軍VC-10K.3が放射性物質収集ミッションを実施。5月末、４ヶ月間の予定で第49戦闘航空団F-22A戦闘機が展開。6月上旬、第９偵察航空団U-2S偵察機が展開。7月11日、第９偵察航空団U-2S偵察機がミッションを終了して嘉手納を離れた。7月25-28日、展開していた第49戦闘航空団F-22A戦闘機４機がインヴィンシブル・スピリット演習に参加。7月27日、F-22A戦闘機がリペアペイント作業を実施。特殊塗料の塗り直し作業が嘉手納でも行えることが分かった。8月30日、F-22A戦闘機がホロマン空軍基地に帰還を開始。2011年1月中旬から４ヶ月の予定で第３航空団第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機15機が展開することになり、1月12-17日に計15機が飛来した。4月18日と22日、F-22A戦闘機がエルメンドルフ基地に帰還した。2012年1月中旬から4月中旬、第３航空団第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機が展開した。7月28日、第１戦闘航空団第27戦闘飛行隊F-22A戦闘機が展開を開始し、7月31日までに12機が到着した。配備期間は半年の予定だったが、10月20日までに全機帰投している。2013年1月14日から第１戦闘航空団第94戦闘飛行隊F-22A戦闘機12機が展開。当初は４月までの予定だったが、強制予算削減で帰りの旅費（？）が出ず、10月18日に漸く本土に帰投していった。5月28日0843頃、基地所属のF-15戦闘機が沖縄県東方沖126kmの海上に墜落した。パイロットは空自那覇救難隊に救助された。8月14日、VP-16のP-8A哨戒機が三沢基地を経由して到着。8月20日、VP-16のP-8A哨戒機が厚木に向かった。10月26日、RC-135Vが飛来して展開を開始した。12月1日、VP-16のP-8A哨戒機２機が到着した（P-8A初度作戦能力獲得後初の海外展開）。12月14日、P-8A洋上哨戒機６機が展開を完了。2014年1月14日、第94戦闘飛行隊F-22A戦闘機12機が展開を開始。4月3日、北谷町との間で、災害時に基地の一部を避難経路として解放する協定を締結した。4月6日、WC-135Cが展開を開始。4月21日、VP-16と交代するVP-5のP-8A洋上哨戒機が到着。9月4日1600頃、VMA-542所属AV-8B+が緊急着陸した際、主輪から出火し、２分後に消火された。11月5日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機８機が飛来。11月7日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機４機が飛来。11月8日、地域住民やキャロライン・ケネディ駐日大使を招いて第15回嘉手納スペシャルオリンピックスを実施。11月21日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機８機が離陸し、エルメンドルフ・リチャードソン統合基地に向かったが、トラブルが生じたらしく、４機が三沢基地にダイバートし、23日に三沢基地からエルメンドルフ・リチャードソン統合基地へと離陸した。11月25日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機４機がエルメンドルフ・リチャードソン統合基地に向かった。12月9日、VP-5と交代するVP-45のP-8A洋上哨戒機が到着。12月21日、第353特殊作戦群第17特殊作戦飛行隊に配備されるMC-130Jの最初の１機（計５機配備予定）が到着した。

2015年1月、VP-5がVP-45と交代。1月15日から4月18日、ウィスコンシン州航空隊第115戦闘航空団第176戦闘飛行隊F-16C戦闘機12機が第18航空団に暫定配備されて嘉手納基地に展開し、第18航空団や海軍・海兵隊と訓練を行った。2月4日、F-15戦闘機が垂直安定板先端部分の円錐状の部品（重量5kg超）を海上に落下させる事故を起こした。3月7日、ジョージア州航空隊116空中管制航空団所属E-8C地上監視機が展開を開始。5月18-26日、RC-135Sが連日のミッション・フライトを実施。6月16日、暫定配備されるバーモント州航空隊第158戦闘航空団第134戦闘飛行隊F-16C戦闘機７機が到着。6月20日、第134戦闘飛行隊F-16C戦闘機３機が到着。8月、VP-45がVP-16と交代。10月22-26日、暫定配備されるオクラホマ州航空隊第138戦闘航空団第125戦闘飛行隊とオハイオ州航空隊第180戦闘航空団第112戦闘飛行隊のF-16C戦闘機計12機が到着。

2016年1月25-26日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機14機が到着。2月16-21日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機２機がシンガポールエアショー2016に参加。2月17-19日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機４機が烏山基地に展開。2月17日には烏山基地上空で韓国空軍F-15K戦闘機、在韓米軍第51戦闘航空団第36戦闘飛行隊F-16C戦闘機と編隊飛行を行った。2月24日から3月2日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機14機が帰国。3-4月、VP-16がVP-8と交代。4月、VP-46が帰国。5月13日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Uが飛来。5月22-27日、オバマ大統領のベトナム訪問と伊勢志摩サミット出席に合わせてE-4Bが展開。6月9-18日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sコブラボール３が展開。6月22日午後、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sが飛来した。6月30日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Uがアメリカ本土に戻った。7月18日、オーストラリア空軍KC-30Aが飛来。7月21日、オーストラリア空軍KC-30Aが離陸してオーストラリアに戻った。7月29日、TC-135Wが飛来。8月1日、第９偵察航空団第69偵察航空群第１分遣隊のRQ-4Bグローバルホーク・ブロック30とブロック40が１機ずつ飛来。RQ-4Bが嘉手納に来るのは初で、前に何のミッションを行っていたかは不明だが、到着後はミッションは行わず、8月7日に両機ともアンダーセン空軍基地に向かった。9月からVP-1が展開を開始。9月9日0012、中国でのG20首脳会議とラオスでの東アジアサミットから帰国するオバマ大統領を乗せたVC-25Aが着陸し、給油して0149に離陸した。9月11日午後、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sがアメリカ本土に戻った。9月12日午後、第55航空団第45偵察飛行隊WC-135Wが飛来し、13日からミッションを開始。9月29日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vが飛来。10月14日午後、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sが飛来。10月15日午前、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Uが飛来。10月23日午前、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sがアメリカ本土に戻った。10月27日午後、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Vが飛来。10月30日午後、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sが飛来。11月1日午後、RC-135Vがアメリカ本土に戻った。11月8日、第55航空団第45偵察飛行隊WC-135Wがアメリカに戻った。11月29日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vが飛来。12月8日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sがアメリカに戻った。12月14日、RC-135Uがアメリカに戻った。12月17日、第55航空団第45偵察飛行隊TC-135Wが飛来。12月18日0600頃、エプロンでVP-10所属P-8Aのトーイング作業を終えて外した牽引バーがP-8Aの機体にぶつかり、前輪と前部胴体が破損した。午後、TC-135Wがアメリカに戻った。

2017年1月13日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Uが飛来。3月、VP-1とVP-47がローテーション展開を終え、VP-9とVP-46がローテーション展開を開始。3月3日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vが飛来。4月1日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wが飛来。4月3日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vがアメリカに戻った。4月7日、第55航空団第45偵察飛行隊WC-135Cが飛来。4月12日、第18航空群がエレファントウォーク演習を実施。F-15戦闘機20機がAIM-120Cの実弾を搭載し、E-3早期警戒管制機１機、KC-135R空中給油機１機、HH-60Gヘリ１機と共に05Rエンドから滑走路上をゆっくりとタキシング、誘導路に戻ってデアーミングを行い終了した。4月14日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sが飛来し、交代で4月15日に第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sがアメリカに戻った。5月4-5日と10日、第120遠征戦闘飛行隊（コロラド州空軍第140戦闘航空団第120戦闘飛行隊６機とウィスコンシン州空軍第115戦闘航空団第176戦闘飛行隊６機）所属F-16C/D戦闘機計12機が到着し、3-4ヶ月間の臨時展開を開始した。5月17-18日と6月2日、陸自第15旅団第15高射特科連隊03式中距離地対空誘導弾１セット、アメリカ空軍第515航空機動作戦航空団（第15航空団第535空輸飛行隊？）C-17A輸送機１機、アメリカ陸軍第１防空砲兵連隊第１大隊PAC-3発射機１セットが共同実動訓練（器材測量、搭載手順確認、機内への固縛、積載・卸下など）を実施。5月26日、第18航空団F-15C戦闘機が洋上訓練中に長さ203mm・幅127mm・重さ2.3kgの部品を紛失した。海上での被害は確認されていない。5月31日から6月1日、第９偵察航空団第５偵察飛行隊U-2S偵察機４機が飛来。烏山基地が滑走路工事に入るため嘉手納に移ってきたもので、１ヶ月くらい嘉手納から出撃する。6月21日早朝に離陸した第９偵察航空団第５偵察飛行隊U-2S偵察機１機が、トラブルにより朝に緊急着陸した。6月26日、VMFA-121のF-35B戦闘機２機が飛来。初のF-35戦闘機展開となった。6月27日、VMFA-121のF-35B戦闘機２機が飛来。7月3日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135SとRC-135Vが横田基地に向かった。7月4日、RC-135SとRC-135Vが戻った。7月6日、第９偵察航空団第５偵察飛行隊U-2S偵察機２機が烏山基地に帰投。7月14日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wが飛来。7月15日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vがアメリカに戻った。7月17日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wが飛来。7月19日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vがアメリカに戻った。8月1日、第176遠征戦闘飛行隊F-16C戦闘機の右主輪が着陸時にパンクした。滑走路上でタイヤ交換を行っている。8月4-5日（3-11日？）、コロラド州空軍第140戦闘航空団第120戦闘飛行隊とウィスコンシン州空軍第115戦闘航空団第176戦闘飛行隊のF-16C戦闘機計12機が暫定配備を終えて群山基地に向かった。8月8日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vが飛来。8月9日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wがエルメンドルフ・リチャードソン統合基地に向かった。8月29日、トラブルが発生したRC-135Sコブラボール３の代替としてRC-135Sコブラボール１が飛来。9月5日、第55航空団第45偵察飛行隊WC-135C気象観測機が飛来。10月11日、第55航空団第45偵察飛行隊WC-135W気象観測機が飛来。第563救難群第79救難飛行隊HC-130J捜索救難機２機が飛来。10月23日、オーストラリア空軍C-130J-30輸送機が飛来。10月25日、オーストラリア空軍P-8A哨戒機が飛来。10月27日、オーストラリア空軍C-130J-30輸送機が入間基地に向かった。10月30日と11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊F-35A戦闘機計12機が飛来し、半年の予定で暫定展開配備TSPを開始した。11月5日、E-4Bが飛来。10月31日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Uが飛来。11月3日、RC-135Uがミッションを開始。11月29日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sコブラボール１が飛来。11月30日1000頃、第34戦闘飛行隊F-35A戦闘機（F-35AF-106）が通常訓練中に右エアインテイク後方側面の跳ね上げ式アクセスドア（地上給油口や通信機器コネクターを覆う）を紛失した。回転式留め具の締め付け不足らしく、洋上で脱落したとみられる。12月2日、第３航空団E-3B早期警戒管制機１機が飛来し、12月4-8日にミッションを実施、12月14日にエルメンドルフ・リチャードソン統合基地に戻った。12月14日、ジョージア州空軍E-8C地上監視機１機が飛来し、それまで派遣されていたE-8Cと交代した。12月22日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sコブラボール３が飛来。

2018年1月4日、フェリーフライトの途中で嘉手納基地に着陸した第55航空団RC-135Vリベットジョイント７の左主輪から煙が出たため、ホットブレーキとのことで全乗員が退避したが、火災には至らず、駐機場まで牽引されていった。1月12日、航空総隊防衛部長が第388戦闘航空団F-35A戦闘機を視察した。2月4日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sが離陸し、アイルソン空軍基地経由でアメリカ本土に戻った。2月13日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wが飛来。3月、アメリカ陸軍RO-6Aが横田から岩国経由で飛来。以降は東シナ海方面でのミッション（北朝鮮の違法洋上取引監視含む）を行っているらしい。4月4日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Vが着陸し、暫定展開配備を開始。4月27日、E-8C、RC-135V、空中給油機１機が離陸してミッションを実施。韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が板門店で会談しており、突発事態を警戒していた模様である。4月28日、オーストラリア空軍C-17A輸送機１機、KC-30A空中給油輸送機１機が飛来。カナダ空軍CP-140M哨戒機１機が飛来。4月29日、オーストラリア空軍C-17A輸送機１機、KC-30A空中給油輸送機１機が離陸。4月30日、オーストラリア空軍P-8A哨戒機１機が飛来し、１ヶ月半に亘る北朝鮮の違法洋上取引（瀬取り）監視任務を開始した。5月2日、第388戦闘航空団F-35A戦闘機10機が離陸し、アメリカに帰投。オーストラリア空軍P-8A哨戒機１機が北朝鮮の瀬取り監視飛行を実施。5月3日、カナダ空軍CC-177輸送機１機が飛来。5月5日、第388戦闘航空団F-35A戦闘機２機が離陸し、アメリカに帰投。5月10日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sコブラボール３が飛来。5月30日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機10機が到着し、TSPによる配備を開始。6月1日、オーストラリア空軍P-8A哨戒機が北朝鮮の瀬取り監視任務を終えてオーストラリアに帰国。6月3日、カナダ空軍CP-140M哨戒機が北朝鮮の瀬取り監視任務を終えてカナダに帰国。6月4日、横田基地からCV-22B特殊作戦機４機が飛来。他に１機が飛行システム異常警告のため奄美空港に予防着陸している。6月5日、CV-22B特殊作戦機４機が離陸。韓国に向かったらしい。オーストラリア空軍KC-30A空中給油輸送機１機が離陸。6月7日、RC-135Sコブラボール３が離陸してアメリカに向かったが、HFワイヤーアンテナが飛行中に切れてしまい、引き返してそのまま展開を続けている。6月8日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機４機が到着し、TSPによる配備を開始。6月11日0630頃、早朝訓練のため離陸した第18航空団F-15C戦闘機７機のうち１機が沖縄本島南端南80kmに墜落した。パイロットは緊急脱出したが足を骨折し、0740に空自那覇救難隊UH-60J救難ヘリに救助されてキャンプ瑞慶覧に運ばれている。6月30日、RC-135Sコブラボール３が台風避難のため横田基地に向かった。7月3日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機がTSP展開を終えてエルメンドルフ−リチャードソン統合基地への帰還を開始。RC-135Sコブラボール３が横田基地から戻った。7月8日、RC-135Sコブラボール３とRC-135Wが台風８号から避難するため横田基地に向かった。7月18日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Uが飛来。8月12日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sコブラボール２が飛来し、これまで展開していたRC-135Sコブラボール３（8月17日アメリカへ離陸）と交代した。8月13日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Wが飛来。8月14日1750頃、MV-22B輸送機１機が緊急着陸した。8月13日、VMFA-121所属F-35B戦闘機５機が着陸。8月22日、VMFA-121所属F-35B戦闘機１機が着陸。9月11日、北朝鮮の瀬取り監視任務支援のため、ニュージーランド空軍B757-2K2輸送機が飛来。9月12日、北朝鮮の瀬取り監視機としてニュージーランド空軍P-3K2哨戒機１機が着陸。同空軍B757-2K2輸送機が離陸。9月下旬から11月、オーストラリア空軍機が北朝鮮の瀬取り監視を実施。10月6日、北朝鮮の瀬取り監視機支援のためカナダ空軍CC-177A輸送機１機が着陸。10月9日、エプロンをタキシングしていたHSC-85所属HH-60Hヘリ２機がメインローターを接触させる事故を起こした。10月22日午後、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135Sが飛来して展開を開始。11月6日、インド太平洋軍司令官と河野統幕長が基地を視察し、北朝鮮船舶による瀬取りを監視するアメリカ海軍P-8A・海自P-3C部隊を視察した。11月8日、北朝鮮の瀬取り監視撤収のため飛来していたニュージーランド空軍第40飛行隊C-130H輸送機１機が離陸し、グアムに向かった。12月4日、オーストラリア空軍第92航空団第11飛行隊P-8A哨戒機が飛来し、１週間に亘る北朝鮮の瀬取り監視を開始した。

2019年1月23-29日、烏山基地滑走路改修工事に伴い、第９偵察航空団第５偵察飛行隊U-2S偵察機４機（うち２機は胴体背部にシニア・スパン装着）が飛来。1月28日、U-2S偵察機１機の後部右輪が着陸時にパンクした。そのまま後ろ向きに牽引されてエプロンに戻っている。2月11日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wが飛来し、これまで展開していた１機は2月14日にアメリカに戻った。3月13日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Uが飛来。北朝鮮の瀬取り監視のため、フランス海軍第25飛行隊ファルコン200哨戒機が飛来。4月4日、第55航空団第38偵察航空隊RC-135Vが飛来。4月5日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wが飛来し、前任のRC-135Wは6月6日にアメリカへと戻った。4月26日、オーストラリア空軍第86航空団第36飛行隊C-17A輸送機が北朝鮮の瀬取り監視要員と機材を乗せて着陸。4月27日、オーストラリア空軍C-17A輸送機が離陸。5月1日、オーストラリア空軍第92航空団第11飛行隊P-8A哨戒機１機が飛来し、１ヶ月間に亘り北朝鮮の瀬取りを監視した。5月25日、トランプ大統領訪日に合わせ、E-4Bが着陸。ちなみにVC-25AとC-32Aは羽田空港に展開した。5月28日、E-4Bが離陸。5月30日、カナダ空軍第405海洋哨戒飛行隊CP-140哨戒機が飛来し、6月上旬から北朝鮮の瀬取り監視を実施。6月5日、RC-135Sコブラボール２が離陸。中国国家航天局が打ち上げた長征11号ロケット（技術試験衛星補風１号Ａ・Ｂと商業衛星５機搭載）の観測を行ったらしい。6月27日、G20大阪サミットでトランプ大統領が訪日するのに合わせ、E-4Bが飛来した。午後、MC-130のタイヤが着陸時にバーストしたため、滑走路が一時閉鎖され、RC-135Wが横田基地にダイバートした。7月1日、E-4Bがオファット空軍基地に向かった。7月2日、那覇救難隊女性自衛官と第18航空団下士官最上級曹長以下女性軍人が日米ガールズトークを開催。7月14日、KC-46A空中給油輸送機が飛来し、人員を乗せて7月15日にカリフォルニア州トラビス空軍基地に向かった。8月16日、WC-135Wがアンダーセン基地に戻った。8月16日、第55航空団第45偵察飛行隊OC-135Bが飛来。8月17日、第21特殊作戦飛行隊CV-22B特殊作戦輸送機３機が訓練のため飛来。8月18日、RC-135Sコブラボール３がアメリカに戻った。8月19日、OC-135Bがロシアのウランウデ空港に向かった。8月24日、CV-22B特殊作戦輸送機３機が横田基地に戻った。8月30日、北朝鮮の瀬取り監視を行うオーストラリア空軍第92航空団第11飛行隊P-8A哨戒機が飛来し、9月3日から監視活動に入った。9-10月、RC-135Sコブラボール２が展開。9月13日、第55航空団第38偵察飛行隊RC-135Wがアメリカに戻った。10月、RC-135Sコブラボール３とRC-135Uが展開を開始。10月3日、北朝鮮瀬取り監視の要員と器材を輸送するため、カナダ空軍CC-177輸送機１機が飛来。10月6日、カナダ空軍CP-140哨戒機が飛来し、北朝鮮の瀬取り監視を開始した。10月19日、RC-135S（62-4128）がアメリカに帰還。北朝鮮瀬取り監視の要員と機材を輸送するため、ニュージーランド空軍第40飛行隊C-130H輸送機とB757-2K2輸送機が飛来。10月20日、RC-135S（61-2662）が飛来。北朝鮮瀬取り監視のため、ニュージーランド空軍第５飛行隊P-3K2哨戒機が飛来。10月25日、RC-135Sが横田経由でエルメンドルフ・リチャードソン統合基地に向かった。10月31日、RC-135Sがエルメンドルフ・リチャードソン統合基地から戻った。11月5-6日、在日米軍最先任上級曹長が日米最先任下士官会同を開催し、統幕最先任下士官、陸自最先任上級曹長、陸上総隊最先任上級曹長、海自先任伍長、航空総隊准曹士先任らが参加して情報共有や意見交換を行った。11月8日1930頃、嘉手納からミッションを行っていたジョージア州空軍所属E-8C地上監視機が緊急着陸し、滑走路東北側エンドのＦ誘導路で脱出シュートから乗員が避難した。12月9日、第55航空団第82偵察飛行隊RC-135Vが飛来し、夜間のみの任務飛行を開始した。12月12日、RC-135Uがオファット空軍基地に戻った。12月13日、RC-135Vがハワイ経由でオファットに帰投。12月20日、第55航空団第45偵察飛行隊RC-135S（62-4128）が飛来。

2020年1月4日、10月から展開しているジョージア州空軍所属E-8C地上監視機２機のうち１機が交代した。1月6日、RC-135S(62-4128)がオファット空軍基地に戻った。2月14日、北朝鮮による瀬取り監視を支援するオーストラリア空軍C-17A輸送機が飛来。2月16日、北朝鮮による瀬取り監視を行うオーストラリア空軍第11飛行隊P-8A哨戒機１機が飛来。3月30日、ヴォルガ・ドニエプル航空An-124-100輸送機が飛来。4月2日頃、アメリカのテナックス・エアロスペースLLC所属CL600-2B16双発リアジェット機が飛来。胴体前部下面に大型フェアリング、機体下面にブレードアンテナ多数、機体上面にブレードアンテナや衛星通信アンテナを備えており、政府所有の情報収集機らしく、4月中旬から0700離陸・1400着陸というスケジュールで連日飛行していて、台湾から黄海にかけての情報収集を行っているとみられる。9月23日、北朝鮮瀬取り監視支援のオーストラリア空軍C-17A輸送機が飛来。同日夜、北朝鮮の瀬取り監視を行うオーストラリア空軍第11飛行隊P-8A哨戒機１機が飛来。9月24日、オーストラリア空軍C-17A輸送機が帰国。9月28日、オーストラリア空軍第11飛行隊P-8A哨戒機１機が監視活動を開始。10月1日、ニューハンプシャー州空軍第157空中給油航空団第133空中給油飛行隊KC-46A空中給油輸送機１機が飛来。カナダ空軍第８航空団第437輸送飛行隊CC-150輸送機１機が飛来。10月13日、北朝鮮の瀬取り監視を行うニュージーランド空軍第５飛行隊P-3K2哨戒機１機が飛来した。10月18日、北朝鮮の瀬取り監視を行うカナダ空軍CP-140哨戒機１機が飛来した。10月下旬、北朝鮮の瀬取り監視を行っていたオーストラリア空軍P-8A哨戒機が帰国。代わりにニュージーランド空軍P-3K2哨戒機が11月下旬までの予定で監視活動を開始した。11月上旬、カナダ空軍CP-140哨戒機１機が12月上旬までの予定で北朝鮮の瀬取り監視を開始。12月6日、アメリカ空軍第１戦闘航空団F-22A戦闘機がグアムから飛来。

2021年3月18日、那覇基地を離陸した第204飛行隊F-15J戦闘機（AAM-5キャプティブ弾搭載）の降着装置が収容できなくなり、嘉手納基地にアレスティング・フックを使って予防着陸した。整備後の3月19日に離陸して那覇基地に戻っている。3月24日、アメリカ空軍第21特殊戦飛行隊CV-22B輸送機３機がホイスト訓練や夜間訓練などを行った。3月29日、第１特殊作戦航空団第73特殊戦飛行隊AC-130Jガンシップ１機が展開を開始。4月16日、AC-130Jが鳥島射爆場で訓練を実施。4月19日、AC-130Jが出砂射爆場で訓練を実施。4月21日、ニュージーランド空軍B757輸送機が下旬からの北朝鮮瀬取り監視を行う要員と機材を載せて飛来。4月24-25日、AC-130Jがフィリピンで演習に参加。フィリピンに滞在はせず、日ごとに嘉手納基地に戻っている。4月28日、AC-130Jがグアム経由でアメリカに帰投。ニュージーランド空軍第５飛行隊P-3K2哨戒機１機が瀬取り監視のため展開を開始。5月21日、フランス空軍A330-223政府専用機が羽田空港から飛来。5月22日、フランス空軍A330-223政府専用機が離陸。7月12日、岩国基地VMFA-242所属F-35B戦闘機７機が飛来し、移動訓練を開始した。7月14日、第353特殊作戦群が第353特殊作戦航空団に改編された。7月末現在、岩国基地VMFA-242所属F-35B戦闘機10機が移動訓練を実施中。8月7日、TC-135W練習機が飛来。8月12日、第67戦闘飛行隊F-15C戦闘機が離陸のため滑走路に入ろうと左に曲がった際、前脚が90度以上捻ったまま戻らなくなった。牽引車に曳かれて引き返している。10月中旬から11月中旬、カナダ空軍CP-140哨戒機が北朝鮮の瀬取り監視を実施。10月19日夜、第55航空団第45偵察飛行隊WC-135W気象観測機が到着。同日の北朝鮮によるSLBM発射実験を受けてのものとみられる。10月24日0700頃、WC-135Wが主翼上方の胴体両側面に集塵ポッドを装着して離陸し、日本海上空を飛行、夕方に帰投した。11月上旬から11月下旬、ニュージーランド空軍P-3K2哨戒機が北朝鮮の瀬取り監視を実施。

2022年1月、第18航空団第961空中航空管制飛行隊にE-3G早期警戒管制機２機が配備された。2月7日、第27特殊戦航空団第17特殊戦飛行隊AC-130Jガンシップが飛来。2月16日、CVN-72エイブラハム・リンカーン搭載HSM-71所属MH-60Rヘリと同搭載HSC-14所属MH-60Sヘリが飛来し、同日中に空母に戻った。2月21日、コープノース・グアム22演習を終えた第354戦闘航空団第355戦闘飛行隊F-35A戦闘機10機（F-35AF-294など）が展開。2月24日、オーストラリア空軍第92航空団第11飛行隊P-8A哨戒機が飛来し、3月下旬まで北朝鮮の瀬取り監視任務に就いた。2月28日、第354戦闘航空団F-35A戦闘機12機（2月21日到着の第355戦闘飛行隊所属10機と、シンガポール・エアショー帰りの第356戦闘飛行隊所属２機）が訓練を開始。2月26日、第55航空団RC-135Sコブラボール３がアラスカから飛来。3月2日、第18航空団所属機がエレファント・ウォークを実施。4月中旬、グローバル6500ビジネスジェットが展開した。登録上はテキサス州TCN TRANSPORT �Y LLC所属の試験機だが、機体上面にアメリカ軍仕様のフリスビー型衛星通信アンテナが付いており、東シナ海で情報収集を行っていた模様。6月1日、第199戦闘飛行隊F-22A戦闘機11機が展開を開始した。6月5日、CL-600ビジネスジェットが飛来。アメリカ民間籍だが、機体前部下面に大型フェアリング、中央下面にFLIR、上下にブレードアンテナ多数を搭載しており、ISR任務機らしく、翌日からミッションに入った。8月12日、第55航空団第45偵察飛行隊TC-135W練習機が飛来。10月4日、北朝鮮の瀬取り監視を行うカナダ空軍CP-140哨戒機と、支援のCC-177輸送機が飛来。10月14日、アメリカ国防総省からISR任務を受領しているMetrea Special Aerospace社のビーチクラフトB300（胴体上下フェアリング、胴体上面フリスビーアンテナ３枚、機体各所ブレードアンテナ多数付き）が飛来し、翌日にフィリピンのセブ島に向かった。10月18日、瀬取り監視撤収のためカナダ空軍CC-150輸送機が飛来。10月20日、北朝鮮の瀬取り監視を行うニュージーランド空軍P-3K2哨戒機が飛来。10月27日、アメリカ空軍が、第18航空団第44・第67飛行隊の装備するF-15C/D戦闘機を11月上旬から２年掛けて本土に引き揚げると発表した。機体だけなのか、部隊ごと引き揚げるのかは不明だが、代わりにF-22A戦闘機をローテーション派遣する予定としている。11月4-5日、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機計８機が飛来。11月22日、F-22A戦闘機８機、F-15C戦闘機23機、HH-60Gヘリ２機、KC-135R空中給油輸送機１機、RC-135V偵察機１機、E-3G早期警戒管制機１機がエレファント・ウォークを実施。12月1日、F-15C戦闘機12機がアメリカに戻った。1400過ぎ、VMFA-121所属F-35B戦闘機（BF-81）が電気系統トラブルで緊急着陸した。Ｅ誘導路でエンジンを停止して牽引車で牽引されていったが、前脚の牽引バーが外れて前脚がへたり込み、前のめりの状態で誘導路に擱座している。機首や前脚ドアはギリギリ地面に付かず、クレーンで持ち上げて機首をベッドマットに挟み、トレーラーに載せて再び牽引されていった。

2023年3月4日、第55航空団RC-135Sコブラボール１電子偵察機が横田基地から飛来し、展開を開始した。2月7日、オーストラリア空軍C-17A輸送機１機が北朝鮮瀬取り監視用人員・機材を搭載して飛来。2月9日、オーストラリア空軍P-8A哨戒機１機が北朝鮮瀬取り監視のため飛来。3月6日、北朝鮮瀬取り監視用人員・機材の撤収のため、オーストラリア空軍C-17A輸送機１機が飛来。3月18日夜、CVN-68ニミッツ搭載VFA-137所属F/A-18E戦闘機が随伴機と共に緊急着陸した。整備を行い、3月19日に離陸したが、また不具合が発生して戻ってきている。4月3日、カナダ空軍CP-140哨戒機が北朝鮮瀬取り監視のため飛来。5月中旬、カナダ空軍CP-140哨戒機が北朝鮮瀬取り監視を終えて帰国。5月18日、G7広島サミットに出席するバイデン大統領来日（岩国基地に到着）に合わせ、第595指揮管制群第１空中指揮管制飛行隊E-4B空中指揮機が飛来。5月21日、E-4Bが離陸。7月、第355航空団第79救難飛行隊HC-130J特殊戦機２機が展開し、韓国などで戦闘救難訓練を行った。7月15日、第９偵察航空団第５偵察飛行隊U-2S偵察機１機が緊急着陸した。8月17日、第９偵察航空団第５偵察飛行隊U-2S偵察機１機が緊急着陸した。9月30日、VQ-1所属EP-3E電子偵察機がアメリカに向け離陸し、EP-3Eによる極東での電子偵察任務が終了した。10月13日、第319遠征偵察飛行隊MQ-9無人偵察機が鹿屋航空基地から移駐を開始した。

参考：月刊JWings9,’01、3,’09、6,’09、7,’10、10,’10、4,’11、7,’11、8,’11、10,’12、12,’12、4,’13、9,’13、11,’13、1,’14、2,’14、3,’14、6,’14、7,’14、12,’14、3,’15、5,’16、8,’16、7,’17、8,’17、9,’17、1,’18、2,’18、3,’18、4,’18、8,’18、2,’19、4,’19、6,’19、7,’19、8,’19、9,’19、10,’19、11,’19、12,’19、1,’20、5,’20、7,'20、12,'20、1,'21、2,'21、6,'21、7,’21、8,'21、10,'21、11,'21、12,'21、1,'22、4,'22、5,’22、7,'22、8,'22、12,'22、1,'23、2,'23、5,'23、6,'23、9,'23、11,'23、12,'23、1,'24、月刊丸5,’07、6,’14、月刊軍事研究6,’09、10,’13、11,’13、3,’14、月刊航空ファン7,’99、4,’10、3,’11、5,’11、7,’11、1,’15、2,’15、7,'15、8,'15、4,'16、5,'16、8,’16、9,’16、10,’16、11,’16、1,’17、2,’17、3,’17、4,’17、5,’17、6,’17、7,’17、8,’17、10,’17、11,’17、1,’18、2,’18、3,’18、4,’18、5,’18、6,’18、7,’18、8,’18、9,’18、10,’18、11,’18、12,’18、1,’19、4,’19、5,’19、6,’19、8,’19、9,’19、10,’19、11,’19、1,’20、2,’20、3,’20、朝雲

　＜嘉手納基地（２００７年度）＞：アメリカ空軍第18航空団第44・第67戦闘飛行隊、同第961空中警戒管制飛行隊、同第33救難飛行隊、第55航空団第72偵察飛行隊、第353特殊作戦群第１・第17特殊作戦飛行隊、アメリカ海軍哨戒飛行隊嘉手納分遣隊１個、第１艦隊航空偵察飛行隊分遣隊、嘉手納ベースフライトが所在している。また、中国及び北朝鮮の弾道ミサイルに対応するため、PAC-3大隊（４個射撃中隊、ミサイル400発）が配備された。参考：月刊JWings6,’07、月刊軍事研究5,’07

　＜嘉手納基地（２０１２年度）＞：管理部隊はアメリカ空軍第18航空団。第18航空団第18作戦群隷下の第44戦闘飛行隊（F-15C/D。定数24機）、第67戦闘飛行隊（F-15C/D。定数24機）、第31救難飛行隊（パラトルーパー。航空機無し）、第33救難飛行隊（HH-60G。定数10機）、第909空中給油飛行隊（KC-135R。定数15機）、第961空中警戒管制飛行隊（E-3B/C。定数２機）、第18整備群、第18任務支援群、第18医療群、第18施設群が配備されている。他に第82偵察飛行隊（RC-135S/U/V/W）、第353特殊作戦群第１特殊作戦飛行隊（MC-130H）、第17特殊作戦飛行隊（HC-130P）、第320特殊戦術隊、第353特殊作戦支援隊、第35整備隊、アメリカ海軍嘉手納航空基地飛行隊（UC-12F）、第１艦隊航空偵察飛行隊（EP-3E）、第７艦隊哨戒航空群（P-3C）が所在している。参考：月刊軍事研究5,’15、月刊JWings2,’13別冊付録

　＜嘉手納基地（２０２０年）＞：アメリカ空軍第18航空団、同団第44戦闘飛行隊（F-15C/D）、同第67戦闘飛行隊（F-15C/D）、同第33救難飛行隊（HH-60G）、同第909空中給油飛行隊（KC-135R）、同第961空中航空管制飛行隊（E-3B/C）、第353特殊戦航空群第17特殊戦飛行隊（MC-130J）、第55偵察航空団第82偵察飛行隊（RC-135S/U/V/W）、アメリカ海軍嘉手納航空基地飛行隊（UC-12F）、哨戒飛行隊VP１個（P-3C、P-8A。ローテーション配備）、第１艦隊航空偵察飛行隊（EP-3E）が所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜嘉手納基地見学ツアー＞：在日米軍第18航空団広報局が開催している嘉手納基地の見学ツアーで、基地の概要や各種取り組みを広く知って貰うのが目的である。参考：朝雲

＜嘉手納暫定訓練システムポッド＞：AN/ASQ-T34を参照。

＜嘉手納弾薬庫＞：在日米空軍の弾薬庫で、陸海軍も使用している。嘉手納基地に隣接しており、面積2568万平方メートルで、嘉手納基地よりも大きい。太平洋戦争で沖縄を占領した時から使用しており、管理権は1978年にアメリカ陸軍からアメリカ空軍に移った。参考：月刊軍事研究4,’10

＜嘉手納ラプコン＞：アメリカ軍のラプコン。嘉手納飛行場を中心に半径50海里以内・高度20000フィート（6096m）以下、及び久米島飛行場を中心に半径30海里以内・高度5000フィート（1524m）以下のレーダー進入管制業務を行っている。沖縄返還後も引き続いてアメリカ軍が管制を行ってきたが、2000年3月に日本への業務返還が表明された。2004年、2007年度末に日本側に返還することで合意が成立。2010年3月31日、日本に移管された。参考：月刊JWings9,’00、6,’00、2,’05、月刊航空ファン6,’10

＜カテリック＞：L81（駆逐艦）を参照。

＜荷電粒子ビーム＞：Charged particle beam。陽子や電子といった電荷を持つ粒子を電磁的に加速・収束し、ビームとして投射するもの。粒子の速度は投入するエネルギーによって決まる。電磁パルスを誘導するので、至近通過でも電子機器に損害を与えられる。電荷を持つ粒子で構成されるため、地磁気や気象によりビームが曲げられる可能性がある。ビーム構成粒子同士が反発し、ビームが拡散してしまうので、電子を加えるか奪うかして中性粒子ビーム（Neutral particle beam）にすることもある。参考：月刊世界の艦船11,'21、兵器メカニズム図鑑

＜餓島＞：ガダルカナル戦を参照。

＜カドゥール＞：GBU-67/9A（誘導爆弾）を参照。

＜加藤�ｪ治＞：海軍兵学校18期卒。大正4年2月1日から大正4年12月13日、第２艦隊参謀長を務めた。大正10年、ワシントン軍縮会議に首席随員として参加したが、加藤友三郎全権から怒鳴りつけられる程の軍縮反対派だった。軍縮条約締結後、東郷平八郎に訓練は制限されていないと激励され、猛訓練で鳴らした。大正12年6月1日から大正13年12月1日、第２艦隊司令長官を務めた。大正15年12月10日、第１艦隊司令長官に就任。相変わらずの猛訓練で、敷設艦常磐の機雷爆発事故や美保関事件が発生したが、責任は問われていない。昭和3年12月10日に第１艦隊司令長官を退き、昭和4年1月に軍令部長となった。ロンドン軍縮会議にも反対で、天皇に対して直接辞表を提出している。昭和14年4月9日、69歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜加藤邦逵＞：かとうくにみち。日本海軍エース。大正12年、愛知県生まれ。昭和18年1月、海軍丙種飛行予科練習生を卒業、大村航空隊に配属された。この時、佐伯鎮守府管内の射撃競技で優勝している。5月、第254航空隊に配属され、海南島に着任した。夏に飛行服無しで緊急出動し、P-38戦闘機を撃墜したのが初戦果である。昭和18年末から在支米空軍の迎撃を行い、昭和19年秋までに９機を撃墜、第210航空隊に配属されて内地に帰還した。その後は明治基地で本土防空任務に就き、昭和20年2月16日の本土空襲では浜松上空で３機を撃墜した。更に国分基地に移り、特攻隊の護衛に就いて終戦を迎えた。飛行時間882時間、総撃墜数16機。最終階級は上飛曹。参考：日本海軍戦闘機隊

＜華東軍区＞：中国軍の大軍区（一等軍区）。1947年2月、華東野戦軍と同時に創設された。1949年6月、第３野戦軍と統合された。1955年の改編で廃止された。参考：月刊航空ファン5,’16

＜加藤健次＞：日本陸軍エース。大正12年、愛知県生まれ。昭和13年10月、東京陸軍航空学校に入学し、大刀洗飛行場で戦闘機教育を受け、昭和16年8月に少年飛行生を卒業し、昭和17年1月に飛行第11戦隊に配属された。昭和17年末、ラバウル方面に進出。昭和18年夏、満州に帰還。12月、武昌に進出。昭和18年1月15日、B-24爆撃機２機を撃墜した。1月27日、広東上空でP-40戦闘機２機を撃墜。2月11日、P-40戦闘機１機を撃墜。3月、内地に帰還。その後病気となり、昭和20年2月12日に病死した。総撃墜数９機。最終階級は曹長。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜火道式時限信管＞：信管を参照。

＜加藤正治＞：かとうしょうじ。日本陸軍エース。明治45年、愛知県生まれ。昭和8年、陸軍飛行第１連隊に入隊。昭和11年3月、所沢陸軍飛行学校を卒業し、飛行第11戦隊第４中隊に配属され、ハルビンに着任した。昭和14年のノモンハン事件では23機を撃墜。昭和15年12月、少尉候補者として航空士官学校に入学。昭和16年7月に卒業し、飛行第11戦隊に復帰。9月6日、関特演で訓練中の事故により殉職した。公認撃墜数23機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜加藤隆義＞：加藤友三郎元帥の養嗣子である。海軍兵学校31期卒。大正3年、海軍大学校を卒業。大正6年、フランスに駐在。大正8年、パリ講和会議で全権委員随員を務めた。大正11-14年、東宮武官に就任。昭和2年、パリに出張し、昭和4年末まで国際連盟海軍・空軍代表を務めた。昭和4年11月、軍令部第１班長となり、ロンドン条約には反対の立場だった。昭和9年1月、軍令部次長となった。昭和10年12月2日から昭和11年12月1日、第２艦隊司令長官を務めた。昭和12年8月、呉鎮守府司令長官時代に戦艦大和の建造命令を受けた。昭和13年11月、軍事参議官となった。昭和20年6月、予備役に編入された。昭和30年2月10日、72歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜加藤建夫＞：日本陸軍エース。明治36年、北海道生まれ。大正14年7月、陸軍士官学校を卒業。10月、少尉に任官され、歩兵から航空兵科に転科した。大正15年6月、所沢陸軍飛行学校に入学、昭和2年5月に首席で卒業し、飛行第６連隊に帰隊した。その後所沢教官、陸士区隊長、明野教官となり、昭和11年2月に飛行第５連隊中隊長となった。昭和12年7月、日華事変勃発に伴い飛行第２大隊中隊長として北部戦線に出撃。昭和13年3月、飛行第２大隊隊第２中隊長としての活躍を認められ、加藤中隊として部隊感状を授与された。5月までの中隊戦果は撃墜39機、損害３機で、自身も９機を撃墜している。5月、本土に帰還し、陸軍大学校専科に入学、航空本部部員となった後、昭和16年4月に陸軍第３飛行集団第７飛行団飛行第64戦隊長（所在地は広東。当時の階級は少佐）に着任。一式戦闘機隼の実戦テストをすることとなった。また、寺内使節団の一員としてドイツを訪れている。昭和16年12月、マレー侵攻作戦準備のためカンボジア南岸のフコク島に進出。12月7日、マレーに向かう輸送船団の護衛任務に就いた。以降は北部マレーで制空任務に就き、12月13日、飛行第64戦隊は南方軍総司令官から部隊感状を授与された。12月25日、ラングーン爆撃の掩護に参加、以降はシンガポールの制空任務に就いた。2月にはパレンバン攻略戦での掩護任務を成功させ、部隊感状を授与された。19日からジャワの制空戦闘を行い、3月には中佐に昇進、3月12日に第３飛行集団長から感状を授与された。その後第５飛行集団の隷下に入り、ビルマ方面での制空任務を遂行。5月中旬、ビルマ作戦を終了し、戦隊主力はアキャブ防空のため移動した。5月22日、ブレニム爆撃機を追って離陸したが、1430に相打ちとなってベンガル湾に沈んだ。総撃墜数18機。5月30日、南方軍総司令官から個人感情を授与され、二階級特進で少将になり、軍神として全国民に敬仰されることとなった。参考：激闘太平洋戦記、日本陸軍戦闘機隊

＜加藤友三郎＞：文久元年（1861年）2月、広島生まれ。海軍兵学校第７期を２番、海軍大学校第１期を首席で卒業した。明治36年12月28日、第２艦隊参謀長となった。明治38年1月12日、第２艦隊参謀長を退き第１艦隊参謀長に就任。この頃は発展家として有名で、参謀長でなくヘル謀長だと言われていたらしい。日露戦争日本海海戦では第１艦隊参謀長だった。12月20日、第１艦隊参謀長を退き、軍務局長、海軍次官、呉鎮守府司令長官などを経て大正2年12月1日に第１艦隊司令長官となった。大正4年8月、第２次大隈内閣に途中入閣して海軍大臣に就任。大正5年2月、第１次大戦でイギリスから巡洋戦艦２隻の派遣要請を受けたが、ヨーロッパへの介入は国益を損なうと判断し、軍艦の派遣はセイロン島より東に限るとして断った。しかし大正6年には無制限潜水艦戦により窮地に陥りかけた連合軍を救うため、第２特務艦隊を地中海に派遣している。フランスからも駆逐艦数隻を譲渡するよう要請を受けたが、これは断って代わりに12隻を新造し、引き渡した。八八艦隊構想を立案して実現を目指したが、建艦費用が莫大になりすぎることから、大正10年11月のワシントン軍縮会議に際して首相から首席全権に任命されると、戦艦陸奥建造及びグアム・フィリピンでのアメリカ海軍基地建設中止を条件に軍縮に応じ、将官87名など7500名を削減。国内では痩せた顔立ちから残燭大臣と揶揄されたが、フランスのド・ボン提督からは、偉大なるステイツマンであり、ディプロマットであり、グレートセーラーであり、国境と民族を超えた世界海軍共通の誇りであると絶賛されている。高橋是清内閣の後の大正11年6月に首相に就任。首相在任中の大正12年8月24日、62歳で直腸癌により死去した。参考：日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船9,'13増刊、山本五十六と米内光政

＜可動閉鎖方式＞：遊底が、発射時には銃身・砲身を閉鎖しているが、何らかの方法で開放することができ、発射後の薬莢引き出し・カートリッジ装填・再閉鎖ができるもの。自動機構、ボルトアクション、レバーアクション、フォーリング・ブロック、カノン砲、榴弾砲の砲尾がこれにあたる。参考：GUN用語事典

＜可動率＞：保有装備のうち、任務を行える状態にあるものの割合。参考：月刊JWings10,'19、4,'18

＜稼働率＞：保有装備のうち、任務を遂行したものの割合、Rate of operation。任務を行える状態にあっても使わないことがあるので、可動率よりは低くなる。航空機の場合、被撃墜やパイロットの体調不良などで離脱した機はカウントしない。保有10機が全機発進したが１機離陸できず、１機が機体不調で引き返し、１機撃墜された時は稼働率80%。参考：月刊JWings10,’19、10,’01

＜ガドゥル１＞：イランの弾道ミサイル。シャハブ3Bの改良型らしい。全長18m、発射重量19トン。最大射程1800km、CEP300m。2007年9月の軍事パレードに登場した。ガドルと同じ？参考：月刊軍事研究11,’11、7,’08

＜ガトゥルン＞：Yak-12海外シリーズ（連絡機）を参照。

＜ガトー＞：SS-212（潜水艦）またはSSN-615（スレッシャー級攻撃原潜）を参照。

＜ガトー級＞：アメリカ海軍艦隊型潜水艦Gato級。Ｔ級の改良型で、計画時はＴ級第３群またはＧ級第２群と呼ばれ、船体を大型化し、復元性を強化、機械室を前後に分けて抗堪性を向上させ、魚雷搭載数も増やし、安全潜航深度を増大させた。船体はブロック建造方式溶接構造部分複殻式（船体中央が複殻）で、内殻は軟鋼製。水密区画は前方から前部発射管室、士官・下士官居住区／前部電池室、発令所、電信室、厨房、兵員食堂・兵員居住区／後部電池室、第１機械室、第２機械室、運転室／電動機室、後部発射管室である。潜舵は艦首水線上にあり、横舵は２枚、縦舵は１枚。JPパッシブソナー、WCAアクティブソナー、魚雷発射諸元計算盤を装備する。全長95m、幅8.3m、吃水4.6m、水上排水量1526トン、水中排水量2424トン（SS228-235とSS275-280は2410トン、SS285-291は2414トン、SS308-312とSS381-404は2391トン、SS405-410は2401トン）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM製16-278A型２サイクル16気筒ディーゼル（SS228-239、SS275-284、SS292-312はFM製38 8-1/8型対向９気筒ピストン型、SS381-416はFM製38D8-1/3型対向10気筒ピストン型、SS253-264はHOR製99-DA型９気筒複動型。全て出力1600馬力、720rpm。HOR製は不調のため後にGM製16-278Aに換装）４基＋GE式発電機（1100kW）４基＋減速歯車付GE式電動モーター（出力685馬力）４基（SS228-235とSS292-312は減速歯車付エリオット式電動モーター４基、SS258-264は減速歯車付アリス・シャルマース式電動モーター４基、SS343-352はGE式低速直結電動モーター２基、SS405-410とSS416はエリオット式低速直結電動モーター２基）、水上出力5400馬力、水中出力2740馬力、２軸推進、水上速力20.25ノット、水中速力8.75ノット、重油搭載量389トン（SS228-235とSS275-280は378トン、SS236-239、SS265-274、SS281-284は464トン、SS285-291、SS-298、SS-299、SS308-312は378トン、SS292-297、SS300-307、SS361-364、SS381-404、SS411-416は464トン、SS313-360、SS365-380、SS405-410は472トン）、エレクトリック・ストレージ・バッテリー社製VLA47B蓄電池126セル２群（前後電池室に１群ずつ）計252セル、水上航続距離11000海里（10ノット）、水中航続距離95海里（５ノット）、水中航続時間48時間（２ノット）。哨戒日数75日、連続潜航可能時間48時間、安全潜航深度91m（SS285-360とSS365-416は122m）、急速潜航秒時60秒（後にバラストタンクを改良して40秒）。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門・艦尾４門。発射管内魚雷10本＋予備魚雷14本。機雷なら40個）、50口径76mm単装砲１門（SS285-291は50口径102mm単装砲１門、SS292-360とSS365-416は25口径127mm単装両用砲Mk17を１門）、40mm単装機関砲１門（SS285-360とSS365-416が装備）、20mm単装機関砲１門（SS313-360とSS365-416が装備）、12.7mm単装機銃２丁（SS361-364以外）、7.62mm単装機銃２丁。乗員80名（士官10名、下士官70名。計85名？）。初期艦は艦首左右に主錨があったが、すぐ左舷のみとされ、初期艦も片舷装備に改装された。艦尾魚雷発射管扉の形状変更や艦橋見張所の潜望鏡支基部への移設といった改良も順次施されている。SS-285以降は内殻を軟鋼から高張力鋼に変更して安全潜航深度が91mから122mに増大、砲熕兵装を50口径102mm単装砲１門＋40mm単装機関砲１門に換装しており、バラオ級とも呼ばれた。SS-343からは低回転大出力モーターを各推進軸に１基ずつとし、減速歯車を廃して騒音を低減している。日本軍の対潜戦力が乏しく、悠々と水上砲撃による海上交通破壊が行えたため、バラオ級後期艦では砲熕兵装を25口径127mm単装砲１門、40mm単装機関砲1-2門、20mm単装機関砲1-2門に強化しており、バラオ級前期艦やガトー級も適宜換装した。バラオ級のうち８隻は電動機を減速歯車無しの低速直結電動機（2700馬力）２基として騒音を減らしている。1940-42年に205隻が発注され、SS212-416とSS-425（とSS-426？）が建造され、SS353-360、SS-379、SS-380が建造中止となり、195隻（197隻？）が就役した。太平洋戦争時にはプロペラガードを外して水中速力を向上させている。1941年12月、SD対空捜索レーダーとSJ対水上捜索レーダーを搭載。1944年、APR-1逆探知装置を装備。1945年頃、対空捜索レーダーをSVに換装し、夜間襲撃用対水上捜索レーダーを追加した。太平洋戦争では日本船舶500万トン以上を撃沈している。戦後は大半が退役し、38隻がガピー改装を受け、20隻弱が他用途艦に変更され、53隻が他国に渡った。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船9,’12増刊、6,’09、10,’13、第２次大戦のアメリカ軍艦、比島決戦

　＜ガトー級（ガピー改装）＞：ガピー改装を参照。

　＜ガトー級（艦隊型シュノーケル改装）＞：Fleet Snorkel改装。予算の関係でガピー改装を行える艦が限定されたため、シュノーケルだけ追加したものである。SS-328など14隻が改装を受けた。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガトー級（対潜潜水艦改装）＞：対潜ハンター・キラー潜水艦に改装したもの。静粛性を高め、遠距離ソナーと対潜ホーミング魚雷を搭載した。SS-214などが改装を受け、SSKに艦種記号が変更された。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガトー級（ミグレイン�V改装）＞：レーダーピケット潜水艦に改装したもの。セイル後部上面、セイル後方、後部上構中央にレーダーアンテナを追加しており、艦隊前方で対空警戒にあたり、敵機が接近してきたら潜航して逃げる。SS-269が改装を受け、SSR-269に艦種記号が変更された。艦上早期警戒機の誕生で用無しになり、1960年に海洋調査潜水艦に改造された。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガトー級（レギュラス�T搭載改装）＞：レギュラス�T戦略巡航ミサイル搭載改装を行ったもの。セイルのすぐ後方に繭型の格納筒を設けており、発射時には発射レールに載せられたレギュラスを後方に引き出し、仰角をかけて射出する。SS-282タニーが改装を受け、SSG-282に艦種記号が変更された。参考：アメリカ潜水艦史

＜ガトー級ファミリー＞

　＜ガトー級改造前進補給潜水艦＞：P6M飛行艇母艦のテストを行うため改造を施したもので、艦尾に補給用ランプを設けており、洋上でP6Mに燃料を補給できる。SS-362グアヴィナが改造され、AGSS-362に艦種記号が変更された。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガトー級改造特殊部隊輸送潜水艦＞：レギュラス巡航ミサイル運用停止に伴い、ミサイル格納筒を特殊部隊用器材格納庫に流用するなどして巡航ミサイル潜水艦から特殊部隊輸送潜水艦に改造したもの。全長95m、幅8.3m、吃水5.03m、水上排水量1526トン、水中排水量2424トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、フェアバンクス・モース・ディーゼル発電機４基＋電動機２基、水上出力5400馬力、水中出力2740馬力、２軸推進、水上速力20.25ノット、水中速力8.75ノット、水上航続距離12000海里（10ノット）。兵装は533mm魚雷発射管４門。乗員81名。SS-282タニーが1966年に改造を受けてAPSS-282に艦種記号が変更された。参考：アメリカ揚陸艦史

　＜ガトー級改造輸送潜水艦＞：海兵強襲大隊を搭載する輸送潜水艦のプロトタイプとして改造されたもの。魚雷発射管と前部主機２基を外して兵員111名と貨物85トンを収容できるようにし、セイル後方の上構左右にバルジを設けて繭型耐圧格納筒を積みジープとゴム浮舟やLVTを収容、シュノーケルを追加した。全長95m、幅8.3m、吃水5.18m、水上排水量1526トン、水中排水量2500トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GMディーゼル発電機４基＋電動機２基、水上出力2305馬力、水中出力2740馬力、２軸推進、水上速力13.8ノット、水中速力8.5ノット、水上航続距離12000海里（10ノット）。兵装は25口径12.7cm単装砲１門（前甲板）、40mm単装機関砲１門（艦橋前部。SSP-315シーライオンは２門）。乗員68名。1948年にSS-313パーチとSS-315シーライオンが改造を受け、SSP-313とSSP-315に艦種記号が変更された。テストの結果、繭型耐圧格納筒のせいで水中運動性が劣悪となることが判明し、格納筒を撤去してバルジ部分をヘリ甲板に改造している。量産化は断念された。参考：アメリカ揚陸艦史、アメリカ潜水艦史

＜カトーバ＞：T-ATF-168（曳船）を参照。

＜加徳＞：日本海軍戸島型敷設特務艇。大正5年4月4日竣工。太平洋戦争終戦後は復員輸送を実施。その後アメリカに引き渡されたが、返還され、海上保安庁巡視船加徳となった。昭和27年に除籍され、瀬戸内海汽船つるみとなった。昭和45年頃に退役した。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門

＜カト車＞：日本陸軍計画10cm自走カノン砲。四式中戦車ベースで、砲塔を外して試製一〇糎対戦車砲を搭載しており、射撃時には車体側面装甲板を横倒しにして操砲スペースを確保する。射界は左右90度ずつ、俯仰角はマイナス10度からプラス20度。前面装甲厚25mm。重量30トン。エンジンはディーゼル（400馬力）、最大速度40km。車体を試作中に終戦となった。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車、機甲入門

＜カトソニス＞：S-121（潜水艦）を参照。

＜ガドフライ＞：3K90（艦対空ミサイル）または9K37シリーズ（地対空ミサイル）または9M38（地対空ミサイル）を参照。

＜カドマス＞：P78（フリゲート）を参照。

＜門松＞：正月には海自各艦艇が趣向を凝らした門松を製作して飾り付ける。参考：月刊世界の艦船3,’10

＜カドマット＞：P-29（コルベット）を参照。

＜カトラニット＞：イスラエル陸軍遠隔操作式兵装ステーション。ラファエル兵器開発局が開発した。7.62mm機銃M240、12.7mm機関銃M2、40mm自動てき弾発射機Mk19のどれかを搭載可能で、給弾装置、昼夜間作戦用非空冷FLIRセンサー、戦闘管理システム、監視システムなども搭載している。各種戦闘車両の他、小火器探知システム・即時音響探知システム、方向計測システムと組み合わせて監視塔に設置されている。参考：月刊軍事研究7,’05

＜カトラン＞：Ka-52K（艦上攻撃ヘリ）を参照。

＜カトラン＞：ロシアンヘリコプターズの回転翼型UAVで、アブラツノザメの意。離陸重量450kg。最大速度150km、滞空時間４時間。ペイロード150kg。試作機２機でテスト中らしい。参考：月刊軍事研究9,’18

＜カトラン計画＞：ソ連海軍の燃料電池潜水艦計画。613型ウイスキー級潜水艦に燃料電池を搭載するもので、1970年代初期にソ連のラズリット中央設計局が担当した。改造された潜水艦は613E型という。参考：月刊軍事研究2,’01

＜かとり＞：TV-3501（練習艦）を参照。

＜香取＞：日本海軍香取型戦艦１番艦。明治37年4月27日、ヴィッカーズ社バロー・イン・ファーネス造船所で起工、明治38年7月4日進水、明治39年4月24日から5月1日、アイリッシュ海で公試を実施。4月28日、速力公試で出力17211馬力・平均速力20.226ノットを記録。5月20日竣工。6月7日、ポーツマスを出港してスエズ運河経由で日本に向かった。8月15日に横須賀に回航されて横須賀鎮守府第１予備艦となった。12月7日、横須賀を出港。清水、二見、津の各港に寄って12月21日に横須賀に帰港した。明治40年10-11月、皇太子の御召艦となり、韓国行啓、南九州・高知巡啓を行った。大正10年3月3日、皇太子訪欧御召艦として供奉艦の戦艦鹿島と共に横浜を出港。9月3日、横浜に帰港した。参考：月刊世界の艦船3,’10、9,’13、9,’13増刊

＜香取＞：日本海軍香取型練習巡洋艦Katori。昭和15年4月20日竣工。昭和15年11月、第６艦隊旗艦となり、練習艦隊旗艦だった時の充実した通信設備を活かして潜水戦隊旗艦として活動した。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制上は第６艦隊旗艦、兵力部署では連合艦隊先遣部隊所属だった。昭和17年2月1日、アメリカ機動部隊の空襲を受けて小破。昭和19年2月15日、海上護衛総司令部に編入された。2月17日、トラック大空襲で航行不能となり、連合軍重巡と駆逐艦の砲撃を受けて沈没した。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、第２次大戦日本海軍作戦年誌、連合艦隊巡洋艦、月刊世界の艦船9,’14、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜香取海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。千葉県匝磨郡にある。飛行機整備教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜香取型＞：日本海軍戦艦Katori型。日露関係悪化により、明治36年の第３期拡張計画でイギリス（１番艦がヴィッカーズ社、２番艦がアームストロング社）に発注された。日本海軍初の準ド級戦艦で、イギリス海軍キング・エドワード�Z級戦艦をベースとし、主砲塔はMk.B�ZＳに準じたものである。香取は前部マスト上檣がマスト主柱上部前面、鹿島は背面に取り付けられている。全長139m、垂線間長128m、幅23.8m、常備排水量15950トン（16400トン？）。主機はレシプロ蒸気機関、速力18.5ノット。発電容量330kW、供給電圧100V。兵装は毘式（香取）／安式45口径30.5cm連装砲（鹿島）２基（主砲）、毘式（香取）／安式45口径25.4cm単装砲（鹿島）４門（中間砲）、毘式（香取）／安式45口径15.2cm単装砲（鹿島）12門（副砲）、45cm水中発射管５門。装甲厚は舷側229mm、甲板51mm、砲塔305mm。香取と鹿島が明治39年に竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’10、1,’15、9,’13、1,’17、2,’20、月刊丸4,’13

＜香取型＞：日本海軍練習巡洋艦。磐手と八雲の後継として建造された。設計は迅鯨型潜水母艦を参考としており、船体強度は高いが、練習用なので装甲防御は無く、船体が軽いためバラストを搭載して重心を下げている。全長133.5m、水線長130m、最大幅15.95m、吃水5.8m、基準排水量5890トン、公試排水量6300トン。主機は蒸気タービン＋ディーゼル、出力8000馬力（蒸気タービン4400馬力＋ディーゼル3600馬力）、速力18ノット、航続距離7000海里（12ノット）。兵装は三年式五〇口径一四サンチ連装砲２基（艦前後に１基ずつ）、八九式四〇口径12.7サンチ連装高角砲１基（後部砲塔と背負い式で配置）、25mm機銃４丁（香椎は８丁）、53.3cm連装発射管２基（煙突両舷上甲板に１基ずつ）。カタパルト１基と水上偵察機１機を装備する。乗員315名、候補生275名。４隻を建造する予定だったが、昭和15-16年に香取、鹿島、香椎の３隻のみ竣工し、橿原は太平洋戦争開戦で建造中止になった。香取と鹿島は１度ずつ遠洋航海を実施したが、すぐ太平洋戦争に突入したため、広い艦内スペースを利用して旗艦任務などに就いた。香取と鹿島は太平洋戦争後期に魚雷発射管を撤去して12.7cm高角砲２門に換え、司令部居住区を爆雷庫に変更（香椎が300個、鹿島が100個搭載）、対潜部隊旗艦となった。参考：連合艦隊巡洋艦、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船12,’10、日本潜水艦物語

＜かとり型＞：海上自衛隊初の専用練習艦。それまで遠洋練習航海などの初任幹部実習には護衛艦を数隻割いていたが、実任務に支障が出るので、専用の艦を作ったものである。船型は長船首楼型（船首楼がヘリ甲板の半分くらいに達しているのでほぼ遮浪甲板型）で、建造費の節約のため商船規則に準じた構造や艤装をとり、機関実習に便利なようにタービンとボイラーを同一区画（左舷軸用を第１機関室、右舷軸用を第２機関室）に設置し、後甲板は体育実習にも使用できるヘリ甲板とした。巡航出力は計画全力の３割に抑えてあり、巡航タービンは装備していない。煙突直後には大型の甲板室があり、中は１層目が実習幹部寝室、２層目が165名収容の講堂になっていて、３つに区切って使用することもできる。外国訪問の機会が多いため、司令部設備や貴賓室などの公室を整備し、チーク材で作った特別食堂も備えて国家元首も歓待可能とした。ただ振動や騒音が大きく、迎賓時の居住性には難があった。練習艦隊司令官用の10m将官艇を搭載する。全長128m、全幅15m、深さ10m、吃水4.3m、基準排水量3350トン、満載排水量4200トン。主機は石川島播磨重工製高・低圧２胴型衝動タービン２基、主缶は石川島播磨重工製フォスター・ウィラーＤ型二胴水管缶（蒸気発生量毎時44トン、圧力１平方センチあたり40kg、温度450℃。バーナーは操縦室からの遠隔操作）２基、出力20000馬力、２軸推進、速力25ノット、航続距離7000海里（18ノット）。兵装は50口径76mm連装速射砲Mk33が２基（前甲板背負い式）、ボフォース４連装対潜ロケットランチャー１基（砲の後方）、３連装短魚雷発射管２基（煙突両脇）、礼砲専用砲２門。対空レーダーはDE-261わかばから転用した。Mk63射撃指揮装置とAN/SQS-4ソナーを搭載する。乗員295名＋実習生165名＋司令部要員67名。TV-3501かとりが1969年9月に就役した。1993年度に除籍予定だったが、かしま型の建造が遅れたために延期され、1998年に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’95、7,’19、11,'17増刊、1,’79増刊、5,’91、5,’02増刊、海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備カタログ1981、丸スペシャルNo.77、No.78

＜香取飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和13年7月に横須賀海軍建築部が用地買収を開始。昭和17年4月18日、空襲を受けた。昭和19年（昭和18年？）、千葉県匝瑳郡に開設された。昭和20年2月、空襲を受けた。2月14日、第601航空隊が移駐し、神風特別攻撃隊第二御盾隊を編成。終戦後は兵舎が移設されて小中学校の校舎や駅舎となり、航空機掩体壕は個人の農業倉庫として使用され、滑走路は鎌数工業団地の日清紡績ブレーキテストコースになっている。参考：隊友、首都防空網と空都多摩

＜ガトリング＞：DD-671（駆逐艦）を参照。

＜ガトリング式＞：Gatling System。各１個の遊底を有する複数の銃身を円周上に配置し、尾部をハウジングに収容、ハウジング内部にあるローターを銃身ごと外部動力で回転させながら射撃する作動方式のこと。ハウジング内壁にはカム経路が形成されており、ローターが回転すると各遊底はカム経路に沿って後座と復座を繰り返し、それに伴い作動の８行程が行われる。極めて高い発射速度を得ることができ、外部動力で強制作動させるためジャミングも起こしにくい。欠点は、外部動力が必要なので構造が複雑になることや、ローターの回転がトップスピードになるのに時間を要するため、最大発射速度に達するのにタイムラグがあることである。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊丸3,’90、ワイルドウエポン

＜ガトリング砲＞：1862年にアメリカ・インディアナ州の医学博士（ただし医科学校を出たが、医者としての仕事は一切していない）リチャード・ジョーダン・ガトリングが発明した、連射可能な多銃身銃。手動クランクで銃身を回転させながら金属製薬莢（初期は金属の筒に弾丸と発射薬を詰めていた）を使用した実包の装填と発射を繰り返す。弾倉は箱型またはドラム型である。銃自体の重量が100kg以上あり、当時の野砲のように大車輪付きの架台に搭載されていたので、射界を取るのが難しいという欠点があった。総重量は500-700kgにもなる。南北戦争に投入された他、1865年に輸入したものを戊辰戦争で長岡藩が使用している（公式記録として残っているものではこれが世界初使用らしい）。1866年にはアメリカ政府が口径１インチ・25.4mmのものを50丁、.50-1.00・12.7-25.4mmのものを50丁発注した。また、明治7年（1874年）には北海道開拓使が２門を購入し、明治18年には日本軍が試験用に１門購入しているが、制式装備とはならなかった。ガトリングは電動式ガトリング砲も製作しており、発射速度毎分3000発を誇ったが、当時は必要性が認められず、採用されなかった。1890年代からは軽量の機関銃に押されて忘れられた存在となったが、第２次大戦後にM61バルカン砲やAO-18CIWSなどとして蘇った。参考：月刊軍事研究11,’02、月刊PANZER2,’02、12,’02、GUN用語事典、歴史群像10,’04

＜ガトリング砲・海外シリーズ＞

＜ゴルロフ機関銃＞：ロシアが輸入したガトリング砲で、1871年にアレキサンダー・ゴルロフ大将が輸入して使用したため、この名がある。当時ロシアの制式小銃だったベルダン小銃と同じ口径10.6mmの弾丸を発射する。1900年にマキシム機関銃に後を譲った。参考：月刊PANZER12,’04

＜カドル＞：GBU-67/9A（誘導爆弾）を参照。

＜ガドル・シリーズ＞：イラン革命防衛隊空軍の中距離弾道ミサイルGahdr、別名カドル（Qadr）。中国のM18をベースに開発した。2011年6月27日からの弾道ミサイル発射訓練で使用されたとみられる。参考：月刊航空ファン9,’11、6,’16

　＜ガドル＞：推進は固体燃料ロケット、射程1800km。参考：月刊航空ファン9,’11

　＜ガドル１１０Ａ＞：弾頭重量１トン以上（最大射程時0.5トン）、最大射程2000-2500km。参考：月刊航空ファン9,’11

　＜ガドルＦ＞：射程1950km。参考：月刊軍事研究8,’16

　＜ガドルＨ＞：弾頭重量0.7-1トン。射程1100-2500km。2016年3月8-9日に発射テストを行い、1400kmほど飛んだ模様。参考：月刊航空ファン6,’16

＜カドルナ級＞：イタリア海軍軽巡洋艦Cadorna級。ジユッサノ級の改良型で、艦橋を縮小して後部指揮所を撤去し、タンブルホームを廃止して復元性能を改善した。主砲を新型にし、旋回式カタパルト１基を後部煙突と３番砲塔の間に設置、後部マストを後部煙突前方に移している。全長169.3m、幅15.5m、吃水5.5m、基準排水量5232トン。主機は蒸気タービン、出力95000馬力、２軸推進、速力36.5ノット。兵装は15.2cm連装砲４基、10cm連装高角砲３基、40mm機関砲２門、533mm連装魚雷発射管２基。後甲板に機雷 150個を積める。Ro.43水上偵察機など艦載機２機を搭載可能。乗員544名。ルイジ・カドルナ、アルマンド・ディアスが1933年に竣工した。第２次大戦中に航空装備と魚雷発射管を撤去し、対空兵装を強化した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’12

＜カトルフィッシュ＞：SS-11（Ｂ級潜水艦）またはSS-171（潜水艦）を参照。

＜カトレーン＞：A166（曳船）を参照。

＜ガナー＞：AT-21（練習機）を参照。

＜カナード翼＞：Canard wing。前翼、先尾翼ともいう。主翼の前に取り付ける小さな翼で、新たな翼面を加えることにより、更に高い機動性を得る。また、カナードから発生した渦が主翼上面気流の剥離を防ぐ。デルタ翼と組み合わせれば、低速時には揚力を発生させて離着陸・旋回性能を改善させ、高速時には下向き揚力を発生させることでピッチアップを防ぐことができる。無尾翼デルタ翼と組み合わせたものはクローズド・カップルド・カナードやクロース・カップルド・デルタと呼ぶ。欠点はバードストライクに耐えられる強度を持たせる必要性（どうしても頑丈な金属製になる）からくる重量及びRCSの増大、機首上げ自動修正能力の不足、エレベータの効きの過敏によるピッチ不安定、垂直尾翼取り付け位置が機体重心に接近することに伴うラダーの効き不足、超音速飛行時の有害抵抗増大、整備の手間の増加など。ロシアのSu-35、欧州のEF2000ユーロファイター、フランスのラファール、スウェーデンのJAS39グリペン、中国の殲撃20型などが装備している。参考：月刊JWings12,’00、3,’09、10,’09別冊付録、4,’17、航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究11,’11、11,’17、月刊丸8,’11

＜金井守告＞：かないもりつぐ。日本陸軍エース。大正8年、山梨県生まれ。昭和12年2月、少年飛行兵として熊谷陸軍飛行学校に入学。昭和13年7月に卒業し、満州平安鎮で戦技教育を受け、飛行第11戦隊第１中隊に配属された。昭和14年5月25日、ノモンハン事件勃発に伴いハイラルに到着。停戦までに７機を撃墜した。10月、中支に移動。昭和15年末ハルビンに帰還。昭和16年3月、飛行第87戦隊に転属、団山子に移動。その後曹長に昇進し、昭和17年12月に少尉候補者として航空士官学校に入学した。昭和18年9月に卒業し、少尉に任官された。12月、飛行第25戦隊第１中隊に配属された。昭和19年3月10日、安慶上空でP-38戦闘機を撃墜。昭和19年末までにB-29爆撃機１機を含む19機を撃墜した。在支米空軍のエースであるリチャードソン大尉機と洞庭湖上空で１対１の空戦になり、勝負が付かずに帰投したこともあった。昭和20年初夏、朝鮮に移動。そのまま終戦を迎えた。戦後は空自に入隊し、三等空佐で退官。民間のヘリコプターパイロットとなったが、昭和47年8月に事故で死去した。総撃墜数26機。最終階級は中尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜神奈川丸級＞：日本海軍特設水上機母艦。総トン数6853トン。速力19.5ノット。カタパルト１基と水上機12機を搭載する。高速貨物船から４隻が改造された。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜金沢駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。尚古館がある。敷地面積142000平方メートル。所在地は石川県金沢市野田町1-8。JR金沢駅からバス20分。元は明治30年に開設された野戦砲兵第９連隊（大正11年に山砲兵第９連隊に改称）の駐屯地で、1950年に警察予備隊金沢営舎として開設された。1952年11月22日、独立第532施設大隊が新編された。1953年2月28日、独立第532施設大隊が岩見沢駐屯地に移駐した。1954年、第14普通科連隊が新編された。1957年、金沢駐屯地業務隊が新編された。1959年6月、第14普通科連隊第２大隊が守山駐屯地に移動した。1962年、第302地区施設隊が新編された。1990年、第302地区施設隊が廃止された。2013年3月26-28日と4月2-4日、石川県・福井県の２団体９企業新入社員156人に隊内生活体験を実施。2014年1月8日、新成人隊員47名の成人式を実施。5月30日、石川地本が任期制隊員などに対する就職補導教育を実施。8月4日、石川地本が任期制隊員などを対象に就職補導教育を実施。2015年1月9日、新成人隊員68名の成人式を実施。1月29-30日、銀行など11社の専門家を招き、全隊員を対象として駐屯地体育館で生涯生活設計セミナーを実施。2016年10月4日、平成28年度北陸３県殉職隊員追悼式を実施。2017年4月5日、自衛官候補生入隊式を実施。5月12日、方面ナンバーワン戦士と、師団金鯱戦士および具現化隊員の表彰式を実施。11月27日、隊員14名のレンジャー帰還式・レンジャー徽章授与式を実施。2018年2月13日、富山地本が富山県の入隊予定者とその家族らに行った部隊見学ツアーを支援した。4月5日、自衛官候補生課程入隊式を実施。6月26日、ベトナム人民軍幹部14名が来訪し、雪上車、化学防護車、除染装置などを視察、災害派遣を想定した訓練を見学した。2019年3月26日、門標を架け替え、案内看板を新設、除幕式を行った。10月2日、北陸３県殉職隊員追悼式を実施。2020年4月7日、新型コロナウイルス感染症対応訓練を実施。各部隊長や先任者などが参加し、患者発生時の上級部隊への報告、隔離、感染防護衣着脱、患者管理、消毒などの各要領を演練した。8月8日、募集広報の日として北陸３県の募集対象者100人に装備品展示やライフハック体験などを行った。2021年1月18日、新成人隊員59名に令和2年度金沢駐屯地成人行事を実施。12月3-7日、予備自衛官召集訓練を実施。参考：金沢駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR Vol.42、第10師団ホームページ、岩見沢駐屯地ホームページ、朝雲、月刊PANZER6,’18

　＜金沢駐屯地（２０１５年）＞：第10師団第14普通科連隊、第10後方支援連隊第２整備大隊第１普通科直接支援中隊、第336会計隊、第306基地通信中隊金沢派遣隊、第130地区警務隊金沢派遣隊、金沢駐屯地業務隊が駐屯している。参考：金沢駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜金沢駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1957年、金沢駐屯地で新編された。参考：金沢駐屯地ホームページ

＜金沢飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜ガナソン＞：DE-795（護衛駆逐艦）を参照。

＜カナダ＞：イギリス海軍カナダ級戦艦Canada。1915年9月30日竣工。1916年5月31日、第４戦艦戦隊第３小隊に配備されてジュットランド海戦に参加。1920年4月、チリに返還され、アルミランテ・ラトーレとなった。参考：月刊世界の艦船1,’12、6,’16、近代戦艦史、歴史群像6,’16

＜カナダＮＡＴＯ飛行訓練部隊（２０１５年）＞：CT-156ハーバード�U練習機26機、CT-155練習機19機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カナダ海軍＞：Royal Canadian Navy。1968年に三軍が統合されて以降は、正確にはカナダ軍の海上・潜水艦部隊である。1910年に創設された。1944年、駆逐艦アルゴンキンが就役。1945年、軽巡洋艦32オンタリオが就役。1955年、サン・ローラン級護衛駆逐艦７隻、P2V-7対潜哨戒機が就役。1962年、マッケンジー級護衛駆逐艦４隻が就役開始。1964年、アナポリス級護衛駆逐艦２隻が竣工。1965年からオベロン級潜水艦４隻が就役。1969年、プロテクター級補給艦２隻が就役開始。1972年、イロコイ級ヘリコプター駆逐艦４隻が就役開始。1992年、ハリファックス級フリゲート12隻が就役開始。2000年、アップホルダー級潜水艦４隻が就役開始。2010年6月12日、カナダ海軍創設100周年記念国際観艦式を実施。2014年、プロテクター級補給艦が退役して補給艦が無くなり、他国の支援を受けざるを得なくなった。2016年9月9-26日、多国間演習カットラス・フューリー2016を実施。2018年3月、給油艦アステリクスが就役し、自前の洋上給油態勢が復活した。2021年、ハリー・デウォルフ級砕氷哨戒艦が就役開始。クイーンストン級統合支援艦２隻を建造中。次世代水上戦闘艦CSCを15隻建造する予定。参考：月刊世界の艦船9,’10、12,’16、2,’18、4,’18、12,’22

　＜カナダ海軍（１９７７年）＞：海上航空グループや在欧第１カナダ航空グループの作戦統制権も持つ。兵力13400名、海上司令部9000名、予備役3200名。オベロン級潜水艦３隻、対潜ヘリ搭載駆逐艦４隻、対潜フリゲート19隻、支援艦３隻、沿岸哨戒練習艇６隻、予備用練習艇５隻、予備用水中翼艇１隻を装備する。海上航空グループはCP-107アーガス32機、CP-121トラッカー26機、CH-124ヘリ32機、T-33練習機９機、CP-121練習機５機、CH-135ヘリ２機を、第１カナダ航空グループはCF-104D戦闘機48機、CH-136ヘリ12機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜カナダ海軍（１９８９年）＞：兵力17100名、第１予備4000名。司令官は大西洋海域軍司令官を兼務する。大西洋海域軍はハリファックスに司令部があり、潜水艦３隻、フリゲート11隻、海洋観測艦２隻、海上哨戒飛行隊３個、対潜ヘリ飛行隊３個、太平洋海域軍はエスキモルトに司令部があり、フリゲート８隻、海洋観測艦１隻、沿岸哨戒艇６隻、海上哨戒飛行隊２個を配備する。オベロン級潜水艦３隻、イロコイ級フリゲート４隻、アナポリス級フリゲート２隻、サン・ローラン級フリゲート５隻、改レステグーシュ級フリゲート４隻、マッケンジー級フリゲート４隻、ファンデイ級沿岸哨戒艇６隻、ポルト・サンジャン級沿岸哨戒艇５隻、内海哨戒艇１隻、アンティコスティ級外洋掃海艦２隻、プロクテール級洋上給油艦（プロテクター級補給艦？）２隻、プロバイダー級洋上給油艦１隻、海洋観測艦３隻、潜水支援艦１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カナダ海軍（２０１５年）＞：兵力11300名、予備役5430名。アップホルダー級潜水艦４隻（うち現役３隻）、イロコイ級駆逐艦１隻、ハリファックス級フリゲート12隻、キングストン級掃海艦12隻、プロテクター級補給艦１隻（予備役待機状態）、クエスト級海洋観測艦１隻、オルカ級軽練習艦８隻、オリオール級練習帆船１隻、グランビー級機雷掃討艇２隻、シェルト級水中処分母船４隻、航洋曳船６隻、軽航洋曳船２隻を保有する。予備役は24個部隊が編成されており、掃海艦のうち10隻を運用すると共に、沿岸防衛や航海管制を担当している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カナダ級＞：イギリス海軍戦艦Canada級。元はチリ海軍がイギリスに発注した超弩級戦艦２隻で、トルコが購入する動きを見せたため第１次大戦中に抑留して1914年9月に購入、１隻（アルミランテ・ラトーレ）を戦艦カナダとして、もう１隻を艦番号94イーグルとして竣工させた。アイアン・デューク級の船体を延長し、船首楼を短縮、後甲板を広くしている。三脚マスト頂部のフラット下に主砲用方位盤、三脚マスト中段フラットに探照灯、中段フラット下に副砲用方位盤を搭載した。また、第２煙突後方にも探照灯塔を装備した。全長201.5m、幅28m、吃水8.8m、常備排水量28600トン。主機はブラウン・カーチス式高圧直結蒸気タービン・パーソンズ式低圧直結蒸気タービン２組、主缶はヤーロー式混焼水管缶21基、出力37000馬力、４軸推進、速力22.75ノット。兵装は45口径35.6cm連装砲５基、50口径15.2cm単装砲16門、20口径7.6cm単装高角砲２基、4.7cm単装砲４門、533mm水中発射管４門。装甲厚は水線部229mm、甲板102mm、バーベット254mm、砲塔前楯254mm、司令塔279mm。乗員1167名。カナダが1915年に竣工した。第３主砲塔を射撃すると船首楼最後部両舷の副砲に爆風が到達するため、就役後にこの副砲を撤去している。参考：月刊世界の艦船1,’12、近代戦艦史

＜カナダ空軍＞：RCAF（Royal Canadian Air Force）と略す。1940年7月15日、B-18爆撃機の配備を開始。1955年、P-2対潜哨戒機の供与を受けた。1961年、CF-101B戦闘機の供与が決定した。CF-104戦術攻撃機が初飛行。1968年、CF-5A戦闘機が就役開始。1968年2月1日にカナダ軍に統合され、下部組織にも航空戦力統合運用組織が作られなかったために一旦消滅したが、1975年にカナダ航空コマンドとして再創設された。2011年（2012年？）、カナダ航空コマンドからカナダ空軍RCAFに改称された。組織系統はそのままである。2011年3月19日からモバイル作戦に参加。2012年12月、F-35Aの開発遅延や導入資金計画の杜撰さを指摘され、採用計画を白紙に戻した。2013年1月25日、改めてCF-188A/B後継機計画を立ち上げ、ロッキード・マーチンF-35A、ボーイングF/A-18E/F、ユーロファイター・タイフーン、ダッソー・ラファール、サーブ・グリペンNGから選定することになった。ただ後にタイフーン（2019年8月30日）とラファールが撤退している。6月、CH-147Fの配備を開始。8月、漁業監視活動のためCP-140を函館空港に展開させた。2014年5月12日から6月1日、漁業監視活動のためCP-140を函館空港に展開させた。2016年7月29日から8月19日、ピッチブラック2016に参加。2017年5月22日から１ヶ月間、リアシュアランス作戦に参加するため、アイスランドのケフラビーク基地にCF-18戦闘機６機からなる分遣隊を派遣した。9-12月、CF-18戦闘機４機をルーマニアのコンスタンツァ基地に派遣してリアシュアランス作戦に参加。CF-188A/B後継機決定までの繋ぎとしてF/A-18E戦闘機10機とF/A-18F戦闘機８機をアメリカから購入する予定だったが、ボーイングの訴えに基づきアメリカ商務省がボンバルディアへの相殺関税付与を仮決定した事への対抗措置として2017年12月5日にF/A-18E/Fの契約を破棄し、12月12日にオーストラリア空軍からF/A-18A/B戦闘機18機を購入すると発表した。2020年7月31日、カナダ政府が、CF-188A/B後継機の入札に、JAS39グリペンＥ、F/A-18E/Fブロック�V、F-35Aの応募があったと発表した。2022年3月28日、CF-188A/Bの後継としてF-35A戦闘機88機の導入を決めた。参考：月刊JWings6,’13、8,’14、10,’14、11,’16、3,’18、11,’19、10,'20、6,'22、月刊航空ファン8,’17、11,’17、12,’18、世界の傑作機No.50

　＜カナダ空軍（２０１５年）＞：現役兵力19900名、予備役2350名。CF-18AM戦闘機59機、CF-18BM戦闘機18機、CP-140M哨戒機18機、CC-150T空中給油輸送機２機、KC-130H空中給油輸送機５機、CC-177輸送機５機、CC-130E輸送機10機、CC-130H輸送機（C-130H輸送機６機、C-130H-30輸送機２機）、CC-130J輸送機17機、CC-115輸送機６機、CC-138輸送機４機、CC-150輸送機３機、CC-144B/C輸送機６機、CT-142練習機４機、CH-124対潜ヘリ26機、CH-148対潜ヘリ６機、CH-146多用途ヘリ68機、CH-147F輸送ヘリ15機、CH-149汎用ヘリ14機、長距離防空レーダー11基、短距離防空レーダー36基、沿岸監視レーダー４基、可搬式レーダー２基、AGM-65空対地ミサイル、AIM-9L/-7M/-120C空対空ミサイル、GBU-10/-12/-16/-24誘導爆弾を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カナダ軍＞：Canadian Armed Force、CAFと略す。NATO所属で、アメリカ軍との仲も深い。1968年2月1日にそれまでの陸海空軍を統合して誕生したもので、カナダ国防軍と総称される。当初は航空部隊の統括組織は無く、1975年になって漸くカナダ航空コマンドとして創設された。地上軍コマンドLFC、海洋コマンドMARCOM、航空コマンドAIRCOM、カナダ・コマンドCANCOM、カナダ遠征軍コマンドCEFCOM、カナダ特殊部隊軍コマンドCANSOFCOMを隷下に置く。1968年10月16日、カナダ兵站サービスが新編された。1974年、CH-147輸送ヘリ９機を配備。1986年、全軍統一制服が廃止され、各コマンドで別々の制服を使用するようになった。1996年、災害派遣チームのDARTを創設した。2011年、組織は統合軍のままで各軍の名称がカナダ陸海空軍になった。2014年9月4日、対イスラム国有志連合に参加し、軍事顧問69名をイラクに派遣。11月2日、対イスラム国爆撃インパクト作戦を開始。参考：月刊JWings5,’07、8,’06、JShips Vol.24、月刊世界の艦船4,’10、月刊エアコマンド6,’94、月刊航空ファン2,’19

　＜カナダ軍（１９７７年）＞：志願制で、総兵力80000名（うち女性2700名）。機動司令部（17700名）が陸上部隊、海上司令部が海上部隊（潜水艦、海上航空部隊、在ヨーロッパ第１カナダ航空グループ含む）、空軍司令部が航空部隊、防空グループがNORAD部隊の指揮を執る。他に通信司令部と訓練部隊などを持つ。参考：軍事力バランス78年版

　＜カナダ軍（１９８９年）＞：志願制で、現役89000名（90000名に増員中）、第１予備役26100名（陸上部隊18800名、海上部隊4000名、航空部隊1300名、通信コマンド2000名）、補充予備28500名。機動軍、海上軍、航空軍、通信軍、訓練軍からなる。西ドイツに機械化旅団グループ１個4400名（レオパルト１戦車77両、M-109自走榴弾砲26両、TOWミサイル48基、CH-136ヘリ13機）、航空師団１個2700名（CF-18戦闘機51機）、分遣隊１個（CC-132輸送機１機、CT-133連絡機４機）、キプロスPKFに歩兵大隊１個575名、エジプトPKOに136名、イラン・イラクに監視員、シリア・イスラエルPKOに226名、中東地域国連休戦監視機構UNTSOに22名、ナミビア国連独立移管援助グループUNTAGに262名を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カナダ軍（２０１５年）＞：現役総兵力66000名、予備役30850名。アルバニアに欧州安全保障協力機構要員３名、ボスニア・ヘルツェゴビナに欧州安全保障協力機構要員１名、キプロスにUNFICYP要員（スノーグース作戦）１名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員（クロコダイル作戦）７名、エジプトにMFO要員（カルメット作戦）70名、ドイツにNATO要員287名、ハイチにMINUSTAH要員（ハムレット作戦）５名、イラクにインパクト作戦要員70名、クウェートにインパクト作戦要員530名、CF-18AM戦闘機６機、CP-140M哨戒機２機、CC-150T空中給油輸送機１機、中東にUNTSOオブザーバー（ジェイド作戦）４名、北海にフリゲート１隻、セルビアにKFOR要員（コボルド作戦）５名、コソボに欧州安全保障協力機構要員４名、南スーダンにUNMISS要員（ソプラノ作戦）５名とオブザーバー５名、ウクライナにユニファイア作戦要員200名と欧州安全保障協力機構要員18名、アメリカにUSCENTCOM要員（ファウンデーション作戦）17名とUSNORTHCOM/NORAD/NATO要員300名を派遣している。イギリス軍280名、２個訓練隊、SA341ヘリ１個飛行隊、アメリカ軍130名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カナダ航空コマンド＞：AIRCOM（Air Command）と略す。カナダ軍の航空部隊で、カナダ軍に配備されている全ての航空機を運用する。指揮を執る第１カナダ航空師団の司令部はウィニペグにあり、NORADカナダ管区の司令部と併設されている。1975年に創設された。1988年、西ドイツに派遣していた飛行隊を解散した。1993年4月1日、航空団を創設した。1997年、第１カナダ航空師団・NORADカナダ管区統合司令部をウィニペグに編成した。2000年、パイロット養成訓練の民間委託（使用機はCT-156ハーバード�UとCT-155ホーク）を開始した。2008年、CF-188A/Bの後継としてF-35Aの導入を決定。2011年、カナダ空軍（Royal Canadian Air Force、RCAF）に改称された。参考：月刊JWings5,’07、月刊航空ファン6,’11、世界の傑作機No.50

　＜カナダ航空コマンド（１９７７年）＞：兵力36600名、航空司令部22800名、予備役700名。DEWライン主基地４個、同補助基地17個、パインツリー・ライン用レーダー基地24カ所、CF-101戦闘機48機、CF-100電子戦機９機、T-33電子戦機15機、CF-101練習機８機、C-130E/H輸送機24機、CC-137輸送機５機、CC-109コスモポリタン輸送機７機、ファルコン20輸送機７機、CC-115輸送機14機、CC-138輸送機８機、CH-113/-113Aヘリ８機、CF-5戦闘機24機、CH-135輸送ヘリ30機、CH-136輸送ヘリ36機、CH-147輸送ヘリ７機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜カナダ航空コマンド（１９８９年）＞：兵力24200名、第１予備1300名。CF-188戦闘飛行隊２個、CF-188攻撃飛行隊３個（うち２個はNATO指定）、電子戦訓練飛行隊１個（CC-144、CT-133）、CP-140海上哨戒飛行隊４個、CP-121海上哨戒飛行隊２個、CH-124対潜ヘリ飛行隊３個、多用途飛行隊２個（T-33、CP-121、CH-135）、CH-135/CH-136輸送ヘリ飛行隊４個、CH-147輸送ヘリ飛行隊２個、CH-136予備役ヘリコプター飛行隊４個、CC-130E/H輸送飛行隊４個、CC-137輸送飛行隊１個、CC-109/CC-142/CC-144/輸送飛行隊１個、捜索救難飛行隊４個（CC-115、CC-138、CH-113/-113A）、基地ヘリコプター飛行小隊３個（CH-118、CH-135）、飛行学校３個、CT-114展示部隊１個、早期警戒システム、短距離レーダーサイト、衛星追跡・識別サイトからなる。CF-188A戦闘攻撃機96機、CF-188B戦闘攻撃機20機、CP-121哨戒機18機、CP-140哨戒機18機、CC-130E/H輸送機27機、CC-137輸送機３機、CC-137空中給油輸送機２機、CC-109輸送機７機、CC/E-144航空機16機（電子戦訓練７機、試験１機、要人輸送４機、輸送４機）、CC-132輸送機１機、CC-138捜索救難機８機、CC-115捜索救難機14機、T-33連絡機９機、CT-133練習機50機、CT-114練習機108機、CT-134練習機20機、CC/T-142輸送機２機、CC/T-142練習機６機、CH-124対潜ヘリ35機、CH-135輸送ヘリ46機、CH-136輸送ヘリ63機、CH-147輸送ヘリ７機、CH-113捜索救難ヘリ14機、CH-118連絡ヘリ９機、CH-139練習ヘリ13機を保有する。CF-18戦闘攻撃機15機、CP-121哨戒機15機を保管中。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カナダ航空コマンド（２００７年）＞：保有機350機。主なものはCF-188A（75機）、CF-188B（34機）、CC-177輸送機、CC-130輸送機、CH-124A/B対潜ヘリ、CP-140哨戒機、CH-147輸送ヘリ、CT-155練習機など。参考：月刊JWings5,’07

＜カナダ特殊部隊コマンド（２０１５年）＞：現役兵力1500名。カナダ特殊作戦連隊１個、特殊部隊群１個、CH-146飛行隊１個、カナダ統合事態対応ユニット（CBRN対処部隊）１個からなる。バイソンNBC偵察車４両、CH-146ヘリ10機（機体は空軍所属）を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カナダ陸軍＞：1968年に三軍が統合されて以降は、正確にはカナダ軍の地上部隊である。1918年初め、イギリスのMk�X重戦車とフランスのルノー軽戦車を導入し、戦車部隊を創設した。1930年頃には歩兵部隊に戦車小隊が配置され、カーデンロイドMk.�Wｂ軽戦車が配備されていた。1936年、機械化の推進に着手。1940年、アメリカからMk�[戦車90両及びヴィッカーズ６トン戦車140両が訓練用に提供された。イギリスからもMk�Y軽戦車シリーズを少数導入して訓練に使用している。同年、イギリスから依頼を受けてカナダ太平洋鉄道会社がバレンタインMk.�Y戦車の生産を開始。Mk.�Z／�ZＡと合わせて1420両を生産し、うち1390両がレンドリースでソ連に送られ、残る30両を訓練用に使用した。1940年夏、戦車1000両で２個機甲師団を配備することになったが、バレンタインは生産が間に合いそうに無かったため、アメリカのM3中戦車をベースとしたラム巡航戦車を生産した。訓練用戦車も足らず、アメリカからMk�[菱形戦車を含む旧式戦車229両の譲渡を受けている。アメリカではその後M4中戦車の生産に移ったが、カナダはバレンタインの生産を継続し、モントリオール汽車製造会社のみグリズリーを生産した。他にチャーチル戦車やM10駆逐戦車を配備している。第２次大戦中は戦車及び自走砲（セクストン）計5800両を生産した。1964年、CH-113A輸送ヘリの配備を開始。1974年、汎用装甲車両AVGP（Armoured Vehicle General Purpose）の選定を開始。1976年、レオパルトC1戦車の導入を決定。1977年、AVGPとしてグリズリー装甲車、クーガー偵察車、ハスキー野戦修理車の導入を開始。1989年、バイソン装甲兵員輸送車を採用。1996年、コーディアック装甲兵員輸送車とコヨーテ偵察車の導入を開始。2003年、戦車の全廃を決定し、ストライカーM1128MGSを装備することになった。2006年9月にアフガニスタンへの戦車派遣が決定、運用してみると対テロ作戦にも戦車が必要であると認識されたため、ストライカーM1128MGSの装備は中止され、2007年にレオパルト２を購入して戦車の運用を続けている。参考：月刊戦車マガジン10,’78、月刊PANZER7,’10、8,’10、British and American tanks of World War Two

　＜カナダ陸軍（１９７７年）＞：兵力28500名、予備役15200名。レオパルト１戦車32両、センチュリオン戦車223両、フェレット偵察車121両、リンクス装甲車174両、M113装甲兵員輸送車827両、105mm分解式榴弾砲58門、105mm榴弾砲159門、M109自走榴弾砲50門、カールグスタフ無反動砲810門、TOW対戦車ミサイル、CL-89無人機、40mm高射機関砲57門、ブローパイプ携帯地対空ミサイル103基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜カナダ陸軍（１９８９年）＞：兵力23500名、第１予備18800名。師団司令部１個、機械化旅団グループ（機甲連隊１個、機械化歩兵大隊２個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個）１個、旅団グループ（機甲連隊１個、機械化歩兵大隊３個、砲兵大隊１個、工兵連隊１個）２個、防空連隊１個、特殊任務部隊（4000名。機甲連隊１個、歩兵大隊１個、空挺連隊１個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個）１個からなる。予備役はカナダ民兵の機甲大隊８個、砲兵大隊18個、歩兵大隊52個、工兵大隊11個、支援大隊20個、衛生中隊11個、カナディアン・レンジャーの北方地域部隊750名、パトロール隊37名、ニューファンドランド部隊900名からなる。レオパルトC-1戦車114両、リンクス偵察車174両、クーガー偵察車195両、M-113装甲兵員輸送車881両（＋保管中136両）、M-577装甲兵員輸送車55両、グリズリー装甲車269両、105mm駄載牽引砲L-5を12門、105mm砲C-1（M-101）を179門、155mm砲M-114を57門（全て保管中）、155mm自走砲M-109を76両、81mm迫撃砲150門、TOW対戦車ミサイル215基（M-113車載含む）、35mm高射機関砲GDF-005を20門、40mm高射砲L-40/60を57門、ADATS少数、ブローパイプ携帯地対空ミサイル111基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カナダ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力34800名、予備役23450名（レンジャー５個グループ5000名、陸軍予備役10個旅団18450名）。第１師団任務部隊司令部、第１・第２・第５機械化旅団グループなどからなる。レオパルト2A6M戦車40両、レオパルト2A4戦車80両、レオパルト1C2戦車61両（保管中）、LAV-25コヨーテ偵察車194両、Bv-206装甲兵員輸送車64両、M113装甲兵員輸送車235両、M577装甲兵員輸送車33両、LAV-�Vコーディアック装甲兵員輸送車635両、バイソン装甲兵員輸送車175両（うち電子戦車両10両、救急車32両、修理車両32両、回収車64両）、RG-31装甲車60両、クーガー装甲車５両、バッファロー装甲車５両、105mm榴弾砲M101を98門、105mm榴弾砲LG1Mk�Uを28門、155mm榴弾砲M777を37門、81mm迫撃砲100門、バイソン自走81mm迫撃砲24両、LAV-TOW自走対戦車ミサイル33両、エリックス／TOW-2A／ITAS対戦車ミサイル、カールグスタフM2/M3無反動砲1075門、スターバースト携帯地対空ミサイル、Bpz-3ビュッフェル装甲回収車２両、スカイラークUAVを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カナック＞：CF-100シリーズ（戦闘機）を参照。

＜カナデア社＞：カナダの国営航空機会社。元は1928年にヴィッカーズ社の子会社として創設されたカナディアン・ヴィッカーズ社で、1944年11月11日にカナダ国営とされてPBYカタリナ飛行艇の生産を開始した。1986年にボンバルディアに買収され、ボンバルディア・エアロスペースになった。参考：月刊JWings4,’13

＜カナディアン・トロフィー射撃競技会＞：北欧に駐屯するNATO諸国の戦車部隊による、小隊単位の射撃競技会。1985年はM-1小隊が優勝した。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜金丸健男＞：かなまるたけお。日本海軍エース。大正9年、山梨県生まれ。昭和14年1月、操縦練習生を卒業し、8月に第12海軍航空隊に配属された。その後赤城戦闘機隊、大湊航空隊、大分航空隊に転属となり、昭和18年6月、第202航空隊に転属して南方に展開した。6月30日、ブロックスクリーク方面でスピットファイアを撃墜し、初戦果を挙げた。12月、第204航空隊に転属。昭和19年1月7日、３機を撃墜した後に被弾し、重傷を負って本土に送還された。退院後は筑波航空隊に配属され、終戦を迎えた。公認撃墜数12機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜金丸貞三＞：宮崎県生まれ。日本陸軍エース。昭和9年2月、所沢飛行学校に入学し、昭和10年11月に卒業、明野で戦闘機教育を受けた後、昭和11年2月に飛行第８連隊に配属された。昭和12年8月、独立飛行第10中隊に転属し、上海に配置された。12月2日、２機を撃墜して初戦果を挙げた。昭和15年12月、航空士官学校に入学。昭和16年7月に卒業して少尉となり、飛行第50戦隊に配属された。12月10日、B-17爆撃機２機を撃破。昭和17年2月9日、リマイ上空でP-40戦闘機を撃墜。秋にビルマに進出。12月24日、離陸直前に爆撃を受けて戦死した。公認撃墜数８機以上。最終階級は中尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜カナリアス＞：スペイン海軍カナリアス級重巡洋艦Canarias。1936年竣工。1975年に除籍された。参考：近代巡洋艦史

＜カナリアス級＞：スペイン海軍重巡洋艦Canarias級。ケント級をベースにイギリスで設計され、スペインで建造された。船体は細長くしてバルジを装着、出力を上げて速力を改善した。煙突は当初２本の予定だったが、建造中に１本になっている。煙突と後部マストの間に航空装備を搭載し、航空機２機を運用する予定だったが、結局積まなかった。全長193.6m、幅19.5m、吃水5.3m、基準排水量10113トン。主機は蒸気タービン、出力90000馬力、４軸推進、速力33ノット。兵装は20.3cm連装砲４基、12cm単装高角砲８門、40mm機関砲８丁、533mm魚雷３連装固定発射管４基。乗員780名。バレアレスとカナリアスの２隻が1936-37年に竣工した。第２次大戦後は煙突を２本にし、魚雷発射管を撤去して対空装備を充実させた。参考：近代巡洋艦史

＜カナリス＞：D-212（駆逐艦）を参照。

＜かなわ＞：MSC-606（掃海艇）を参照。

＜カナワ＞：T-AO-196（給油艦）を参照。

＜カニオン＞：ポセイドン（魚雷）を参照。

＜可児才次＞：かにさいじ。日本陸軍エース。明治45年、千葉県生まれ。昭和7年、陸軍士官学校を卒業、10月に航空兵少尉となり、飛行第５連隊所属となった。昭和9年1月、明野飛行学校を卒業、8月に飛行第11大隊所属となった。昭和12年11月、大尉に昇進。昭和13年9月、飛行第24戦隊第１中隊長となった。昭和14年5月、ノモンハン事件勃発でカンジュル廟飛行場に進出。5月22日、１機を撃墜。6月22日、ハルハ川上空で５機を撃墜。7月29日、着陸直前にI-16の奇襲を受けて戦死した。総撃墜機数９機。最終階級は少佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜カニバリゼーション整備＞：共食い整備を参照。

＜蟹眼鏡＞：日本陸軍砲隊鏡の俗称。形状からこの名が付いた。参考：日本陸軍兵器資料集

＜ガニヤン＞：マレーシア海軍ミサイル艇Ganyang。2018年9月21日、コルベットのトレンガヌと共に、クアンタン周辺海域でDD-108あけぼのと親善訓練（戦術運動など）を実施。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜カニュラー型燃焼室＞：燃焼室を参照。

＜カニヨン＞：ポセイドン（魚雷）を参照。

＜カニン型＞：ソ連海軍57A型ミサイル駆逐艦のNATOコード、Kanin型。元はクルップニイ型で、艦対艦ミサイルを撤去して艦対空ミサイルに換装した際にNATOコードが変更されたものである。全長139m、幅14.7m、吃水5m、基準排水量3700トン、満載排水量4750トン。主機は蒸気タービン、出力85000馬力、２軸推進、速力36ノット。兵装はM-1艦対空ミサイルシステム用ZIF-102連装発射機１基、57mm４連装機関砲２基、30mm連装機関砲４基、533mm魚雷５連装発射管２基、RBU-6000対潜ロケット発射機３基。1968-75年に艦番号567など８隻が改装された。1987-93年に退役した。参考：月刊世界の艦船5,’86、5,’83、3,’05、9,'22、ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜カニンブラ＞：オーストラリア海軍カニンブラ級揚陸輸送艦１番艦Kanimbla。元はLST-1188サギノーである。1994年8月就役。2010年6月23日から8月1日、リムパック2010に参加。2011年2月、１年２ヶ月に及ぶ緊急修理に入ったが、早期退役することになり、11月25日に退役した。参考：月刊世界の艦船11,’00、6,’05、5,’11、2,’12、月刊軍事研究12,’11

＜カニンブラ級＞：オーストラリア海軍揚陸輸送艦（LPA）、Kanimbla級。元はアメリカ海軍ニューポート級揚陸艦で、1994年にLST-1188サギノーとLST-1193フェアファックス・カウンティの２隻を購入してカニンブラ及びマノラと改称し、強襲揚陸艦として運用できるような改装を施した。艦首デリック・アームやランプを撤去し、前甲板にLCM(8)型揚陸艇２隻を搭載（艦橋前部に追加した70トンクレーンで積み降ろしを行う）できるスペースを設けており、ヘリ発着スポット（１カ所）としても使用できる。上部構造物を拡張、指揮通信管制機能を強化し、艦底にはビルジキールを追加した。上構後部のヘリ格納庫にUH-60級ヘリ４機またはシーキング級ヘリ３機を搭載でき（CH-47の格納も可能）、後部ヘリ甲板には発着スポット２カ所がある。全長168.2m、幅21.2m、吃水5.2m、満載排水量8450トン。主機はディーゼル、出力16500馬力、２軸推進、速力20ノット。兵装は20mmCIWS１基、12.7mm機銃３丁。乗員180名。兵員450名を搭載可能。就役は1994年になっているが、改装が終わって作戦可能になったのは2002年である。2011年に退役した。参考：月刊世界の艦船11,’00、6,’05、12,'20、JShips Vol.24、Vol.44

＜カヌー＞：Ｕボート�UＡ型（潜水艦）を参照。

＜カネオヘ海軍航空・海兵隊基地＞：アメリカ海軍・海兵隊の基地で、ハワイのオアフ島カネオヘにある。参考：月刊軍事研究2,’17

　＜カネオヘ海軍航空・海兵隊基地（２０１６年）＞：太平洋艦隊太平洋海軍航空部隊太平洋哨戒偵察群司令部、同群第２偵察哨戒航空団、第２特殊プロジェクト哨戒飛行隊、第３海兵遠征軍第３通信大隊、同軍第３海兵師団第３海兵連隊・第12海兵連隊第１大隊、同軍第１海兵航空団第36海兵航空群、同軍第３海兵兵站群第３戦闘兵站連隊第３戦闘兵站大隊が置かれている。参考：月刊軍事研究2,’17

＜兼子正＞：日本海軍エース。昭和7年、海軍兵学校を卒業。昭和10年7月に飛行学生教程を修了し、龍驤戦闘機隊で日華事変を迎えた。昭和12年8月22日、上海付近でP-36ホーク戦闘機２機を撃墜。9月、本土に帰還。昭和13年8月、第15航空隊に転属し、中国で戦闘任務に就いた。年末、本土に帰還。昭和14年4月、第12航空隊分隊長となり、漢口に進出。昭和15年5月、大村航空隊分隊長となった。10月、美幌航空隊分隊長となった。昭和16年9月、翔鶴戦闘機隊分隊長となり、太平洋戦争開戦を迎えた。昭和17年5月、第４航空隊飛行隊長となり、赤城に搭乗してミッドウェイ海戦に参加。ミッドウェイ島占領後に展開する予定だったが、海戦でも出撃し、大型攻撃機２機を撃墜している。本土に帰還後、飛鷹飛行隊長となった。10月下旬からラバウル基地に進出してガダルカナル戦に参加。11月11日、F4F戦闘機３機を撃墜。11月14日に戦死した。公認撃墜数８機以上。最終階級は中佐。参考：日本海軍戦闘機隊

＜ガネット対潜哨戒機シリーズ＞：イギリス海軍艦上対潜哨戒機Gannet（カツオドリ）。元はイギリス海軍が1945年に発出した艦上対潜哨戒機要求仕様GR17/45にフェアリー社が応募したタイプＱ（別名フェアリー17）で、試作初号機は1949年9月19日に初飛行し、レーダー操作士官席を設けた３座の試作３号機（1951年5月10日初飛行）をベースとして量産化、1953年4月から引き渡されて1955年から配備された。総生産機数348機。西ドイツ、オーストラリア、インドネシアにも輸出され、1978年まで使用された。参考：月刊丸6,’14、月刊JWings6,’18、12,’06、10,’17

　＜ガネットＡＳ．Ｍｋ．�T＞：最初の量産型。対潜哨戒に必要な低速・長時間滞空能力を確保するため、エンジンはジェットでなくターボプロップを採用しており、ターボプロップを２基タンデムに繋げた（つまり双発機）アームストロング・シドレー社製ダブル・マンバにより、機首先端の１軸の二重反転プロペラを回す。主翼は中翼配置の逆ガル式で、Ｚ字に畳まれる２段式折り畳み機構を採用している。胴体下部に魚雷も積めるウェポンベイを設けたため、胴体は縦長になった。胴体後部下面に引き込み式レーダーを装備する。通常の垂直尾翼に加え、水平尾翼中央上下に小さい垂直安定板が付く。降着装置は前輪式。乗員は３名で、機首上面（タンデム）と胴体上面やや後ろ寄りに独立したキャノピーが設けられている。参考：月刊JWings6,’18、12,’06、10,’17、月刊世界の艦船2,’22

　＜ガネットＡＳ．Ｍｋ．�W＞：

＜ガネット対潜哨戒機ファミリー＞

　＜ガネットＡＥＷ．Ｍｋ．�V＞：イギリス海軍艦上空中早期警戒機。ガネットAS.Mk�Wの機首下面に大型フェアリングを設けてアンテナを収容し、主翼を低翼配置に変更、レーダー要員２名は胴体内に配し、キャノピーはパイロット用の１つのみとした。スカイレイダーAEW.Mk�Tの後継として配備された。正規空母運用停止に伴い、1978年に退役した。参考：月刊JWings6,’18、月刊丸6,’14、月刊世界の艦船3,’21

＜ガネット海外シリーズ＞

　＜ガネット（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍対潜哨戒機。本当はS-2トラッカーやアリーゼを導入したかったが、西イリアンを係争中だったオランダの妨害でガネットになった。1959年にガネットAS.Mk.�Wを16機とガネットT.Mk.�Xを２機配備し、1971年まで使用している。他に地上訓練用としてAS.Mk.�Tを１機輸入した。参考：月刊航空ファン12,’17

　＜ガネットＡＳ．Ｍｋ．�W（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍対潜哨戒機。ガネットAS.Mk.�TをMk.�W規格に改修したものをイギリスから16機輸入した。参考：月刊航空ファン12,’17

　＜ガネットＡＳ．Ｍｋ．�W（オーストラリア海軍）＞：オーストラリア海軍対潜哨戒機。第816・第817飛行隊に配備し、空母R21メルボルンに搭載した。参考：月刊JWings10,’19

＜ガネット海外ファミリー＞

　＜ガネットＴ．Ｍｋ．�X（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍練習機。ガネットT.Mk.�UをMk.�X規格に改修したものをイギリスから２機輸入した。参考：月刊航空ファン12,’17

＜ガネフ＞：2K11（地対空ミサイル）を参照。

＜金丸原飛行場＞：日本陸軍の飛行場で、かねまるはらと読む。昭和12年、栃木県那須郡南金丸村に開設された。昭和20年2-3月、常陸教導飛行師団の常用飛行場となった。4月下旬、常陸教導飛行師団の飛行隊が新田飛行場に移った。参考：首都防空網と空都多摩、月刊航空ファン11,’15

＜可燃性毒物＞：Burnable Poison。原子炉工学用語で、中性子吸収断面積が大きく（中性子を多く吸収でき）、中性子を吸収することで中性子吸収断面積の小さい他の物質に変化する物質のこと。人体に対する毒性を言うのではない。硼素やガドリニウムがこれにあたり、核燃料に混ぜ込むことで核反応を制御することができ、武器グレードウランでも核分裂連鎖反応を起こさせずに核燃料として使用することが可能となる。参考：月刊軍事研究6,’07

＜加農砲＞：カノン砲を参照。

＜カノーネンフォーゲル＞：Ju87G（攻撃機）を参照。

＜カノーパス＞：アメリカ海軍潜水母艦。1941年12月29日、爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜カノーポ級＞：イタリア海軍フリゲートCanopo級。イタリア海軍戦後初のフリゲートである。全長103.1m、満載排水量2250トン。主機は蒸気タービン、速力26ノット。兵装は76mm連装砲２基、メノン３連装対潜迫撃砲１基。1957年と1959年に計４隻が就役した。連装砲が縦に砲身を重ねていたせいでトラブルが続発し、後に76mm単装砲３門に換装している。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜鹿屋海軍航空基地＞：日本海軍の航空基地。太平洋戦争中は南方と内地を繋ぐ中継基地で、陸軍も含む多数の航空部隊が入れ替わり立ち替わり利用していた。それに見合うだけの兵舎が無かったので、許可も無いのに外出し放題であった。戦争末期になると特攻基地となり、兵舎は昭和20年3月18日から始まった空襲で燃えてしまったため、近くの山に掘った横穴を兵舎代わりにした。特攻で908名が戦死している。参考：海軍よもやま物語、月刊JWings11,’15、月刊丸8,'15別冊

＜鹿屋海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。昭和11年4月1日、鹿屋基地で海軍初の陸攻隊として木更津空と共に創設され、九六式陸攻1.5個飛行隊18機と九五式艦上戦闘機１個飛行隊12機を隷下に置いた。昭和12年7月7日の日華事変勃発を受け、7月11日に第１連合航空隊隷下となった。8月8日、台北の松山飛行場に進出。8月15日、渡洋爆撃を開始。12月10日、上海の虹橋飛行場に進出。12月25日、上海の海軍戌基地に移動。その後南昌爆撃作戦のため南京に移動した。昭和13年1月9日、第２連合航空隊戦闘機13機の護衛を受け、九六式陸攻14機で木更津空と共に南昌を爆撃した。3月22日、第１連合航空隊の隷下を外れて本土に帰還し、艦戦隊が除かれた。8月17日、九六式陸攻15機で上海戊基地に展開。8月25日、吉安飛行場を爆撃。10月11日、衡陽飛行場の夜間爆撃を実施。11月8日、九六式陸攻９機で成都を爆撃。昭和14年3月、内地に戻った。9月6日、第１連合航空隊隷下で中国奥地攻撃を行うため漢口基地に進出。9月29日、重慶付近の飛行場の夜間爆撃を実施。離陸時に風向きの変化で滑走路東から離陸滑走を行うことになり、指揮官機は滑走路東側で待機していた。しかし後続の小隊がそれを知らず、西側から離陸滑走に入ったため、離陸直後に小隊長機の主車輪が指揮官機のコクピットを直撃し、小隊長機は墜落して爆弾が誘爆し木っ端微塵となり、指揮官機は炎上して全損した。小隊長機の乗員７名は全員死亡、指揮官は重傷を負ったが漢口海軍第一病院に搬送されて年末に復帰している。10月23日、第１連合航空隊司令部のある漢口基地が爆撃を受け、副長が死亡した。11月4日、成都近郊の温江飛行場を九六式陸攻18機で爆撃。昭和15年1月、一旦内地に帰還し、雷撃訓練など対艦攻撃訓練を行った。5月18日から第１連合航空隊隷下で百一号作戦に参加。9月5日の百一号作戦終了で原隊に復帰した。昭和16年7月25日、漢口に進出。7月27日から百二号作戦に参加。太平洋戦争に備えた陸海軍中央協定では一式陸攻定数72機全機をフィリピン攻略に投入する予定だったが、イギリス東洋艦隊に戦艦が増派されたという情報を受け、半分をマレー攻略に割くこととなった。12月5日、本隊が一式陸攻27機でサイゴン飛行場に展開し、マレー部隊に配備された。支隊も一式陸攻27機で、比島部隊に配属されている。12月7日、インドシナのツドウム飛行場に一式陸攻36機で展開。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第21航空戦隊の隷下にあり、定数は一式陸攻72機、兵力部署では本隊（一式陸攻36機）が馬來部隊第１航空部隊所属でマレー作戦に、支隊（一式陸攻36機）が南方部隊航空部隊第１空襲部隊所属でフィリピン作戦に参加した。12月10日、本隊が一式陸攻27機でマレー沖海戦に参加し、戦艦53プリンス・オブ・ウェールズを撃沈した。その後蘭印作戦に参加。昭和17年2月4日、ジャワ沖海戦に参加。2月15日、ガスパール海峡の戦いに参加。2月19日、アンボンから一式陸攻27機でダーウィン空襲に参加。3月10日、木更津基地に戻った。その後サバン及びラングーン方面に配備され、インド洋哨戒を実施。4月1日、第22航空戦隊司令部付戦闘機隊パイロット主力の艦戦隊（定数36機）が新編され、9月までサバン及びアンダマン基地で訓練と防空を行った。9月16日、陸攻23機と零戦９機でカビエン基地に進出。9月21日、モレスビー攻撃に参加。9月29日、ガダルカナル方面で初の空戦を行い、４機を撃墜した。11月1日、艦戦隊が第253航空隊、陸攻隊が第751航空隊に改称され、鹿屋海軍航空隊は佐世保鎮守府所管の艦爆・艦攻練習航空隊になった。昭和19年1月1日、陸攻の練習航空隊に改編され、新竹海軍航空隊から要員と機材（九六式陸攻）を受領した。6月末からB-29の九州爆撃が始まり、訓練に支障を来す可能性が高まったため、7月10日に豊橋海軍航空隊への改編が決定している。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊丸8,’95、歴史群像8,’15、月刊航空ファン9,’16、3,’17、9,’17、11,’17、3,’18、8,’18、11,’18、3,’19、5,’19、7,’19、3,’20、日本海軍艦隊総覧

＜鹿屋教育航空群＞：海上自衛隊の教育航空群。1961年9月1日、鹿屋教育航空隊から改編されて教育航空集団隷下に創設された。1965年3月25日、第201教育航空隊が小月教育航空群の隷下に移った。1974年2月16日に一旦廃止された。5月16日、教育航空集団隷下に再編された。1987年12月1日に廃止された。参考：教育航空集団司令部ホームページ

　＜鹿屋教育航空群（１９６１年９月１日新編時）＞：教育航空集団隷下で、鹿屋航空基地に置かれている。司令部、第201教育航空隊、第203教育航空隊、第205教育航空隊、第201支援整備隊からなる。参考：教育航空集団ホームページ

　＜鹿屋教育航空群（１９７４年５月１６日再編時）＞：教育航空集団隷下で、鹿屋航空基地に置かれている。司令部、第203教育航空隊、第211教育航空隊、第204支援整備隊からなる。参考：教育航空集団司令部ホームページ

＜鹿屋教育航空群（１９７８年）＞：教育航空集団隷下で、第203教育航空隊、第211教育航空隊、第204支援整備隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜鹿屋教育航空隊＞：海上自衛隊の教育航空隊。1958年12月16日、鹿屋航空隊から改編されて創設された。本部、鹿屋術科教育隊、第１飛行隊、鹿屋工作所からなる。1961年9月1日、鹿屋教育航空群に改編された。参考：教育航空集団ホームページ

＜鹿屋航空基地＞：海上自衛隊の航空基地。滑走路は長さ1200m・幅40m・ランウェイ08L/26Rと長さ2250m・幅60m・ランウェイ08R/28Lの平行滑走路２本。300×45mのヘリスリップもある。所在地は鹿児島県鹿屋市西原3-11-2。公共交通機関を使う場合、JR日豊本線鹿児島中央駅で下車して鴨池から南海郵船フェリーに乗り、垂水で降りて鹿屋バスセンター行きのバスで航空隊前に行く。または鹿児島空港から鹿屋バスセンター行き空港バスで航空隊前下車。マスコットキャラは特攻花をモチーフとした大空（そら）くんと海美（うみ）ちゃんで、2011年に決定した。航空祭（エアーメモリアルinかのや）では第１航空隊「ジュピター」がP-3Cによる機動飛行ジュピター・フライトを行う。大元は1936年（昭和11年）4月に開設された鹿屋海軍航空隊の鹿屋飛行場で、太平洋戦争終結後はアメリカ第５航空軍が進駐した。1948年11月にアメリカ第５航空軍が撤退した後、1950年12月に警察予備隊、1952年10月に保安隊が駐屯し、1953年11月に警備隊鹿屋航空隊が創設され、1954年7月に海自鹿屋航空基地となった。1955年11月、陸自駐屯部隊が国分駐屯地に移駐した。1958年12月16日、鹿屋航空隊が鹿屋教育航空隊に改編された。1961年9月、第１航空群が新編された。9月1日、鹿屋教育航空隊が鹿屋教育航空群に改編された。1962年9月3日、基地所属P-2V-7が鹿児島県知事の要請で輸血用血液を奄美大島に緊急空輸した際、奄美市らんかん山に墜落し、乗員12名全員と住民１人が死亡した。奄美市ではこの日を献血の日と定めている。1963年、奄美大島青年会議所の募金活動により、らんかん山に慰霊碑くれないの塔（プロペラを模った３本の塔。後にP-2V-7の車輪も設置）が建立された。1987年12月、第７航空隊が新編された。2002年3月、鹿屋システム通信分遣隊が新編された。2008年3月、第72航空隊鹿屋航空分遣隊が新編された。2008年12月17日、新ターミナル管制所の完成披露式を実施。2009年4月11-13日、ニュージーランド空軍P-3K哨戒機１機が親善訪問した。2012年1月6日、年初訓練飛行を実施。第１航空隊P-3C哨戒機３機、第211教育航空隊TH-135練習ヘリ３機、SH-60Kヘリ１機、SH-60Jヘリ２機、第72航空隊UH-60Jヘリ２機が参加した。2015年3月、旧庁舎（鹿屋海軍航空隊司令部庁舎・士官舎）から新庁舎に機能を移転。2016年3月16日、鹿屋市長と市議会議長が防衛省を訪問し、中谷防衛大臣に対して沖縄基地負担軽減策のKC-130空中給油機訓練移転に関する安全・騒音対策徹底を申し入れた。5月、鹿屋市主催の浜田海岸清掃活動に隊員と家族146人が参加。6月、錦江湾クリーンアップ作戦・夏の部に隊員と家族92人が参加。7月17日、肝属川クリーン作戦に隊員と家族84人が参加。8月9日、浜田海岸ウミガメ放流会に隊員と家族が参加。2018年3月23日、第212教育航空隊、第１整備補給隊第11・第12機側整備隊、鹿屋航空基地隊鹿屋航空警備隊が新編された。8月10日、西部方面総監部主催の自衛隊ツアーであるパワーアドベンチャーに協力した。9月16日、奄美市らんかん山くれないの塔で慰霊式に参加し、所属P-3Cが慰霊飛行を行った。2019年7月29日、第６格納庫で第１航空群がP-1哨戒機配備記念式典を実施。9月、岩国基地の混雑解消を図るため、アメリカ海兵隊機の訓練を実施するようになった。2020年10月2日、初任海士に心の教育を実施。2021年5月11-12日、東串良町立東串良中学校生徒６人の職場体験を支援した。2022年3月18日、航空自衛隊第403飛行隊C-2輸送機１機がアメリカ空軍MQ-9無人偵察機一時配備計画の日米調査員を乗せて飛来。10月23日、アメリカ空軍第319遠征偵察飛行隊が第374空輸航空団第374運用群隷下に新編され、鹿屋航空基地に一時配備されることになった。MQ-9A無人機の運用部隊（定数８機）で、使用機や機材は10月24日にC-17A輸送機で運び込み、11月2日に初飛行している。11月21日、第319遠征偵察飛行隊が１年間の期限付きで正式に展開を開始。2023年1月末、鹿屋航空分遣隊が解隊された。10月13日、第319遠征偵察飛行隊が嘉手納基地への移駐式を行い、MQ-9A無人偵察機の１機目が嘉手納基地に向かった。参考：鹿屋航空基地ホームページ、JWings6,’09、6,’10別冊付録、3,’12、7,’13、11,’18、10,’19、3,’20、6,'22、1,'23、5,’23、1,'24、朝雲、月刊航空ファン5,’13、月刊丸8,'15別冊

＜鹿屋航空基地（２００７年度、改編前）＞：第１航空群第１航空隊（P-3C、LC-90）、同第７航空隊（P-3C）、第211教育航空隊（SH-60J、OH-6D、OH-6DA）、鹿屋救難飛行隊（UH-60J）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜鹿屋航空基地（２０１２年度）＞：第１航空隊（P-3C）、第211教育航空隊（OH-6DA、SH-60J/K、TH-135）、第72航空隊鹿屋航空分遣隊（UH-60J）などが所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜鹿屋航空基地（２０１５年）＞：第１航空群司令部、第１航空隊、第１整備補給隊、鹿屋航空基地隊、第１航空修理隊、第211教育航空隊、第72航空隊鹿屋航空分遣隊、佐世保システム通信隊鹿屋システム通信分遣隊、佐世保調査隊鹿屋調査分遣隊、佐世保地方警務隊鹿屋警務分遣隊が所在している。参考：鹿屋航空基地ホームページ

＜鹿屋航空基地（２０２０年）＞：第１航空群第１航空隊（P-1、P-3C）、第22航空群第22航空隊鹿屋航空分遣隊（UH-60J）、第211教育航空隊（TH-135）、第212教育航空隊（SH-60K）などが所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜鹿屋航空基地史料館＞：海上自衛隊の航空博物館。US-1、S-61AH救難ヘリ、S-61A救難ヘリのカットモデル（コクピットに座れる）、P-2J対潜哨戒機、P-2J機首カットモデル（コクピット、見張り席、作戦室に座れる）、零戦五二型丙（1992年に錦江湾と吹上浜から引き揚げた機体を組み合わせ、足りない部品は三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所の支援を受け鹿屋航空工作所で製作して1993年7月に修復完了）、R4D-6Q、P2V-7、ベル47G-2、二式大型飛行艇（2004年に船の科学館から寄贈）など5500点の資料が展示されている。所在地は鹿児島県鹿屋市西原3-11-2。鹿児島中央駅からバス停「航空隊前」（２時間弱かかる）下車、徒歩５分。開館時間は0900-1700（入館は1630まで）、休館日は12/29-1/3。入館料無料。1973年12月に開設され、1993年に移設されて夏から一般公開された。2020年2月28日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休館に入った。6月24日に再開している。2021年3月13日、入館者200万人達成セレモニーを実施。参考：月刊丸2,’08付録、MAMOR vol.42、vol.91、vol.114、vol.148、月刊JWings11,’15、朝雲

＜鹿屋航空基地隊＞：海上自衛隊の航空基地隊。1992年10月13日、鹿屋飛行場管制所が無事故管制200万回（1982年10月から）を達成。2013年9月3日、鹿屋飛行場管制所が無事故管制300万回（1982年10月から）を達成。9月9日、鹿屋航空基地管制塔前エプロンで無事故管制300万回記念セレモニーを実施。2018年3月23日、警衛隊、運航隊地上救難班、管理隊車両班を統合し、鹿屋航空警備隊を新編した。4月1日、隊員11名が鹿屋市のジョギング大会に参加。参考：月刊JWings12,’13、7,’18、朝雲

　＜鹿屋航空基地隊（１９７８年）＞：第１航空群隷下で、S-62が配備された。油津連絡所を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、日本の防衛戦力Part3

＜鹿屋航空基地隊（２００７年度、改編前）＞：第１航空群隷下で、鹿屋救難飛行隊を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜鹿屋航空基地隊（２０１５年）＞：第１航空群隷下で、鹿屋航空基地に置かれている。本部、管理隊、警衛隊、運航隊、経理隊、厚生隊、衛生隊からなる。参考：鹿屋航空基地ホームページ

＜鹿屋航空工作所＞：海上自衛隊の航空工作所。鹿屋航空隊本部航空工作所から改編されて1961年に創設された。1986年8月、OH-6Dの定期特別修理を開始。1998年、第１航空修理隊に改編され、航空集団の隷下に入った。参考：MAMOR vol.148、朝雲

＜鹿屋航空隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の航空隊。1953年12月1日、戦後初の固定翼航空隊として警備隊佐世保地方隊隷下に新編された。1958年12月16日、鹿屋教育航空隊に改編された。参考：教育航空集団ホームページ、月刊世界の艦船5,’02増刊

＜鹿屋航空分遣隊＞：海上自衛隊の航空分遣隊。2008年3月26日、第72航空隊隷下に鹿屋航空基地で新編された。2008年、急患輸送49件を実施。2009年、急患輸送39件を実施。2010年、急患輸送38件と海難救助等２件を実施。11月4日、急患輸送３件を行った。2011年、急患輸送47件と海難救助等１件を実施。2月15-18日、鹿児島県硫黄島地区でUH-60Jヘリの救難訓練を島民に公開した。2012年、急患輸送41件を実施。3月9日、奄美市の大島病院でCT検査を受けた結果、鹿児島市内の病院で緊急手術が必要となった女性を搬送することになり、1340にUH-60Jヘリ１機が鹿屋航空基地を離陸し、1500過ぎに奄美市佐大熊ヘリポートで患者と医師らを収容、1650頃に鹿児島市谷山ヘリポートで消防局救急隊に引き継いだ。1720頃、奄美市の妊婦が鹿児島市内の病院で緊急治療を受けることになり、搬送要請を受けた。1800前、UH-60Jヘリ１機が離陸して1900に佐大熊ヘリポートで患者と医師らを収容し、2100過ぎに谷山ヘリポートで救急隊に引き継いだ。5月1日0000過ぎ、奄美大島名瀬の北東130kmを航行中のヨットから男性乗員が海中に転落して行方不明になり、0618に第10管区海上保安本部長から第１航空群司令に災害派遣要請が出された。0700、UH-60Jヘリ１機が鹿屋航空基地を離陸して捜索を開始、0930頃に洋上を漂流中の男性を発見し、1000頃にホイストで収容、1120過ぎに鹿児島市谷山ヘリポートで救急隊に引き継いだ。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。2013年、急患輸送40件を実施。2014年、急患輸送36件を実施。6月2日、鹿児島県霧島山火山活動観測支援の功績で気象庁長官から感謝状を授与された。2015年、急患輸送39件と海難救助等１件を実施。2016年、急患輸送62件を実施。12月7日に墜落したVMFA-115所属F/A-18C+のパイロット捜索に参加。12月30日、奄美大島から鹿児島市に急患輸送を実施。2017年7月11日1156頃、鹿児島湾を震源とするマグニチュード5.3・最大震度５強の地震が発生したため、UH-60Jヘリ１機で情報収集を実施。2018年4月2日、第72航空隊解隊により第22航空隊の隷下に移った。2020年7月25日、鹿児島県知事から新型コロナウイルス感染者の急患輸送に係る災害派遣要請があり、UH-60J救難ヘリ２機を鹿屋航空基地−奄美大島佐大熊ヘリポート−鹿児島市内ヘリポート−鹿屋航空基地のルートで飛ばし、感染者４人を輸送した。9月4日、台風10号接近に伴う離島住民避難の災害派遣に参加。10月7日、1960年以来2500回目の急患輸送を行った。2021年5月9日1245、鹿児島県知事から第１航空群司令に急患輸送の災害派遣要請があり、UH-60Jヘリで鹿児島県奄美市佐大熊ヘリポートから鹿児島市マリンポート鹿児島に新型コロナウイルス患者１人を空輸、救急車に引き継いだ。5月22日1329、鹿児島県知事から第１航空群に急患空輸の災害派遣要請があり、UH-60Jヘリで屋久島空港からマリンポートかごしまに新型コロナウイルス陽性患者２人を空輸した。2023年1月16日、救難任務を完了し、最終配備UH-60Jヘリ１機が大村航空基地に向かった。1月末に解隊された。1961年の鹿屋救難飛行隊開隊以来の急患搬送数は2600人。参考：第72航空隊ホームページ、朝雲、月刊JWings6,’18、10,'20、4,’23、5,’23

　＜鹿屋航空分遣隊（２０１５年）＞：第72航空隊隷下で、鹿屋航空基地にある。飛行班、整備班からなる。参考：第72航空隊ホームページ

　＜鹿屋航空分遣隊（２０２０年）＞：第22航空隊隷下で、鹿屋航空基地にある。UH-60Jを装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜鹿屋工作所＞：海上自衛隊の工作所。1961年、佐世保地方隊隷下に開設された。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜鹿屋第２航空隊＞：海上自衛隊の航空隊。1955年、佐世保地方隊隷下に新編された。後に大村航空隊に改編された。参考：佐世保地方隊ホームページ

＜鹿屋飛行場＞：日本海軍の飛行場。戦後は鹿屋航空基地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜カノン＞：DE-99（護衛駆逐艦）を参照。

＜カノン級＞：アメリカ海軍護衛駆逐艦Cannon級。長船体型の１つで、DET（Diesel-Electric Tandem drive）型ともいう。バックレイ級の船体にディーゼル・エレクトリック機関を搭載したものである。当初はディーゼルエンジンのみを搭載し、機関出力を12000馬力にする予定だったが、エンジンの数が足らなくなる恐れがあったので半分の6000馬力に抑え、生産の楽なGM製750馬力ディーゼルを採用することにした。そうなるとディーゼル８基を積む必要があり、４基で１軸を直接回転させるとすると歯車機構が複雑になって量産に向かないため、ディーゼル４基で発電して電動機を作動させ、１軸あたり3000馬力を発揮するようにしている。イギリス海軍仕様で建造されたため、操舵室の上にソナー室を設けてあり、艦橋は背が高い。ただしイギリスには結局引き渡されなかった。マストトップにはHF/DFアンテナを搭載、40mm連装機関砲の直前にMk51射撃指揮装置を装備する。全長93.27m、幅11.2m、吃水2.52m、基準排水量1240トン、満載排水量1520トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM式278Aディーゼル４基・発電機４基・電動機４基、出力6000馬力、２軸推進、速力21ノット、燃料搭載量279トン、航続距離10800海里（12ノット）。兵装は7.6cm50口径単装両用砲３門、40mm連装機関砲１基（上部構造物後端）、20mm単装機関砲８門（艦橋前面、２番砲舷側後方、煙突舷側後方。DE740-762とDE765-788は10門）、533mm魚雷３連装発射管１基、爆雷投射機Ｋ砲８基、ヘッジホッグ１基、爆雷投下軌条２条。乗員186名（戦時は220名）。116隻が発注され、DE-99カノン、DE-100クリストファー、DE-101アルガー、DE-102トーマス、DE-103ボストウィック、DE-104ブリーマン、DE-105バロウズ、DE-112カーター、DE-113クラレンス・Ｌ・エヴァンス、DE-162レヴィ、DE-163マッコネル、DE-164オスターハウス、DE-165パークス、DE-166バロン、DE-167アクリー、DE-168アミック、DE-169アサートン、DE-170ブース、DE-171キャロル、DE-172クーナー、DE-173エルドリッジ、DE-174マーツ、DE-175ベネウィル、DE-176ミッカ、DE-177レイボールド、DE-178ハーツォーグ、DE-179マッカン、DE-180トランピーター、DE-181ストラウブ、DE-182ガスタフソン、DE-183サミュエル・Ｓ・マイルズ、DE-184ウェッソン、DE-185リドル、DE-186スウィアラー、DE-187スターン、DE-188オニール、DE-189ブロンスタイン、DE-190ベイカー、DE-191コフマン、DE-192アイスナー、DE-193ガーフィールド・トーマス、DE-194ウィングフィールド、DE-195ソーンヒル、DE-196ラインハート、DE-197ロッシュ、DE-739バンガスト、DE-740ウォーターマン、DE-741ウィーバー、DE-742ヒルバート、DE-743ラモンズ、DE-744カイン、DE-745スナイダー、DE-746ヘミンガー、DE-747ブライト、DE-748テイルズ、DE-749ロバーツ、DE-750マックレランド、DE-751ゲイニア、DE-752カーティス・Ｗ・ホワード、DE-753ジョン・Ｊ・ヴァンビューレン、DE-763ケイツ、DE-764ガンディ、DE-765アール・Ｋ・オルセン、DE-766スレイター、DE-767オズワルド、DE-768エバート、DE-769ニール・Ａ・スコット、DE-770ミュア、DE-771サットン、DE-772ミルトン・リュイス、DE-773ジョージ・Ｍ・キャンベル、DE-774ラッセル・Ｍ・コックスが建造され、DE751-753やDE772-774など44隻が建造中止となり、1943-44年に72隻が竣工、60隻がアメリカ海軍で就役し、ブラジルとフランスに６隻ずつ引き渡された。大戦末期には魚雷発射管を外して40mm単装機関砲や20mm単装機関砲を増設している。参考：アメリカ護衛艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船3,’13

＜カノン級・海外シリーズ＞

　＜カノン級（海上自衛隊）＞：あさひ型（初代）を参照。

　＜カノン級（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍護衛駆逐艦、別名アエトス級。全長93.3m、幅11.2m、吃水4.3m、満載排水量1900トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力6000馬力、２軸推進、速力19.3ノット。兵装は76mm単装砲１門、40mm連装機関砲２基、20mm連装機関砲７基、ヘッジホッグ１基、324mm短魚雷３連装発射管２基、爆雷投射機８基、爆雷投下軌条１条。４隻が引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カノン級（タイ海軍）＞：タイ海軍護衛駆逐艦。全長93.3m、幅11.2m、吃水4.3m、満載排水量1930トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力6000馬力、２軸推進、速力20ノット。兵装は76mm単装砲３門、40mm連装機関砲３基、ヘッジホッグ１基、324mm短魚雷３連装発射管２基、爆雷投射機８基、爆雷投下軌条２条。１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

　＜カノン級（フィリピン海軍）＞：フィリピン海軍フリゲート、別名ダツ・シラトナ級。全長93.3m、幅11.2m、吃水4.3m、満載排水量1750トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力6000馬力、２軸推進、速力18ノット。兵装は76mm単装砲３門、40mm連装機関砲３基、20mm単装機関砲２基、ヘッジホッグ１基、爆雷投射機８基、爆雷投下軌条１条。１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜カノン・ド・７５モデル１８９７＞：FT18戦車ファミリー（自走砲）を参照。

＜カノン・ド・７５モデル１８９７ＳＴＡ＞：STAファミリー（自走砲）を参照。

＜カノン・ド・１２０＞：サンシャモン戦車ファミリーを参照。

＜カノン・ド・１９４モデルＧＰＦ＞：GPF194mm自走砲を参照。

＜カノン・ド・２２０シュナイダーＭ１９１７＞：フランス軍220mm自走カノン砲。装軌車両に220mmカノン砲を剥き出しで搭載している。参考：月刊PANZER10,’85

＜カノン・ド・２２０短＞：サンシャモン戦車ファミリーを参照。

＜カノン・ド・２２０長シュナイダー＞：フランス軍220mm自走カノン砲。オープントップ電動装軌車両に220mmカノン砲を搭載している。遠隔操作式のものもある。参考：月刊PANZER10,’85

＜カノン砲＞：ガン（Gun）とも呼ばれ、漢字では加農砲と書く。戦車砲や高射砲もこのタイプである。構造は榴弾砲と同じだが、口径長35以上で、初速が高く、弾道が低進するため、射角45度以下で主に装甲化目標やバンカー等に対する直接照準射撃を行う。強装薬を使用して弾丸に大エネルギーを与える必要があり、砲身を長く頑丈に作る。反動も強烈で、砲自体の構造も頑強にする必要がある。間接射撃用のカノン砲は、精度が良く射程が長いため、敵の榴弾砲をアウトレンジするのに使う。破壊力を運動エネルギーのみに頼っていた時代には主力の大砲だったが、大量の発射薬を使用する関係で炸裂弾が発射できず（腔発を起こす）、高価で大重量だったこともあり、炸裂弾の登場した19世紀前半頃から野戦では榴弾砲にお株を奪われたが、移動する必要の無い要塞では広く使用され続けた。19世紀後半に装甲艦が出現すると、装甲を貫通するにはカノン砲を使用する必要が出てきたため、大型艦に大口径カノン砲を搭載するようになった。その後、カノン砲でも炸裂弾（榴弾）を撃てるようになっている。参考：コンバット・バイブル２、火器弾薬技術ハンドブック、日本陸軍兵器資料集、兵器最先端５、自衛隊装備カタログ1981、歴史群像12,’09、ザ・マーチ５号

＜樺（初代）＞：日本海軍樺型駆逐艦１番艦。大正4年3月5日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正12年12月1日、所属の第21駆逐隊転属に伴い旅順防備隊に転属し、大正14年12月まで北支方面警備を行った。昭和7年4月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史

＜樺（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦20番艦。昭和20年5月28日、小豆島妙見崎の北東2.7海里で触雷して損傷した。5月29日竣工。7月24日、呉で爆撃を受けて損傷した。8月11日、呉で爆撃を受けて損傷した。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年8月4日に賠償艦としてアメリカに引き渡され、昭和23年に解体された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜カパ＞：海上自衛隊の略号で、甲板士官のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜カバー・ジャミング＞：ジャミングを参照。

＜樺型＞：日本海軍駆逐艦。第１次大戦勃発時に航洋型駆逐艦が海風型と櫻型の計４隻しか無かったので、臨時軍事費により3-5ヵ月で急造したものである。海風型の運用実績を元に重油専焼缶を採用して櫻型よりも主缶を１基減らし、その分燃料搭載量を増やして航続力を強化した。最後のレシプロ機関搭載駆逐艦である。全長82.9m、水線幅7.3m、吃水2.4m、基準排水量595トン。主機は直立式４気筒三段膨張レシプロ蒸気機械３基、主缶はロ号艦本式水管缶４基（重油専焼２基・重油石炭混焼２基、蒸気圧力１平方センチあたり17.6kg、飽和温度）、出力9500馬力、３軸推進、最大速力30ノット、航続距離1600海里（15ノット）。兵装は40口径12サンチ単装砲１門、40口径８サンチ単装砲４門、45cm魚雷連装発射管２基。乗員94名。樺、榊、楓、桂、梅、楠、柏、松、杉、桐の10隻が大正4年に就役した。樺・桐以外の８隻は第２特務艦隊に編入され、地中海で連合軍輸送船団護衛にあたった。また、フランス向けとして同型艦12隻が第１次大戦中に建造された。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜カバキャット＞：NPエアロスペース社が開発した４×４輪装甲車。イベコ社製の軍用トラックに複合材製軽量型スラットアーマーなどの増加装甲を装着したものである。参考：月刊軍事研究10,’07

＜カパク＞：625（ミサイル艇）を参照。

＜かは号器材＞：日本陸軍の高圧電気器材で、「か」は高圧（かうあつ）、「は」は破壊の頭文字である。か号研究と称して高圧電流の戦場への応用を検討した結果、１万ボルトの電圧があれば乾燥土壌や防寒服着用の兵士に対しても殺傷能力や通信網・電力網破壊能力を発揮できることが判明し、連続１万ボルトを発揮できる発電装置を開発することになった。当初は６輪トラックに車載したが、後に九七式中戦車に載せて独立工兵第27連隊に４両が配備された。これで作業を行う兵士は九八式防電具（厚手のゴム服）を着用する。参考：工兵入門

＜カバナ＞：DE-260（護衛駆逐艦）を参照。

＜カパナ級＞：ベネズエラ海軍戦車揚陸艦Capana級。韓国から輸入した。兵員200名、戦車12両を搭載できる。1984年に４隻が就役した。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、月刊世界の艦船12,’20

＜カハバ＞：AO-82（給油艦）を参照。

＜カパプ＞：イスラエル軍特殊部隊の対テロ用格闘技KAPAP。イスラエル軍対テロ特殊部隊ヤマム出身のアヴィ・ナルディア元少佐が退役後の2000年頃から民間でもこっそり訓練を開始し、公に認められた後はイスラエル国際カパプ連盟を創設してアメリカ海兵隊、アルゼンチン軍、クロアチア軍などに訓練を施している。参考：朝雲

＜ガバメント・モデル＞：M1911シリーズ（拳銃）を参照。

＜カバラ＞：SS-244（ガトー級潜水艦）またはSSN-684（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜下反角＞：Cathedral angle、Negative dihedral。主翼取り付け部から下向きに角度が付けられているもの。後退翼には横安定効果があるが、これに上反角も付けてしまうと横安定が良くなりすぎることがあり、横安定が方向安定に比べて強すぎるとダッチロールに陥ってしまうため、下反角にして横安定を適度に抑える必要が出てくる。また超音速戦闘機では機体や主翼に比べて大型の垂直安定板を装備しており、垂直安定板による上反角効果も大きくなるため、それを打ち消す目的で主翼に下反角を付けることがある。安定性の高い高翼配置や肩翼配置で、運動性を高めるため下反角を付けることもある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’00、10,’09別冊付録、7,’21

＜可搬型訓練統裁支援システム＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜可搬型電子戦モジュール＞：AN/SLQ-59（電子戦装置）を参照。

＜可搬型電波環境測定装置＞：自衛隊の機器。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜可搬式海上航空作戦指揮統制ユニット用安定化電源装置＞：自衛隊の機器。丸文が受注している。参考：月刊軍事研究5,’18

＜可搬式海上航空作戦指揮統制ユニット用サーバ＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜可搬式計器着陸装置＞：DILSを参照。

＜可搬式航空通信ユニット＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜可搬式整備作業台＞：自衛隊の機器。海外物産が受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜可搬式ダイバー探知ソナー＞：ケルベロスMk2を参照。

＜可搬式発動発電機＞：自衛隊の機器。東芝イーアイコントロールシステム製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜カビアオ＞：SA315B海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ガピー改装＞：アメリカ海軍水中高速型潜水艦改装Guppy。Guppyはグッピーのことだが、改装計画名Greater Underwater Propulsion Power（水中推進力強化改造）の頭文字にＹを足したものでもある。第２次大戦終結で入手したドイツＵボート�]�]�T型の資料を元に、ガトー級とテンチ級を水中高速潜水艦に改装したもので、甲板砲と機銃を撤去、艦橋形状を変更し、電池を改良、シュノーケルを採用するなどしており、内容によりガピー�T、ガピー�TＡ、ガピー�TＢ、ガピー�U、ガピー�UＡ、ガピー�Vの６種類に細分される。テンチ級２隻にガピー�T改装を施してテストした結果が良好だったため採用が決まり、ガトー級・テンチ級計66隻に改装が施された。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船10,’13、現代の潜水艦、月刊軍事研究9,’06

　＜ガピー改装（ガトー級）＞：基本はガピー�U改装で、バリエーションであるガピー�TＡ／�TＢ／�UＡを含め計38隻が改装を受け、1948年から就役した。ガピー�U改装艦のうち６隻には後にガピー�V改装が施されている。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガピー改装（テンチ級）＞：２隻にガピー�T改装を施してテストに使用、更にガピー�TＡ／�U／�UＡ改装が実施された。ガピー�U改装艦のうち３隻には後にガピー�V改装が施されている。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガピー�T改装＞：試作型、SCB-47。元は高速水中標的への半年間での急速改造計画で、最終的に水中高速型潜水艦改装プロトタイプになった。船体やセイルの形状を流線型にし、電動モーターを強化、潜望鏡を２本から１本に減らしてセイル後部上面の流線型支筒に内蔵し、甲板砲は撤去してレーダーも１基減らしている。蓄電池はガピー型と呼ばれる新型で、サーゴ型よりも重量を３分の２に軽量化して発生電流容量を1.75倍に増やしたが、寿命は４分の１の１年半になった。シュノーケルは実用化前だったため積んでいない。ソナーはJTとWFA。予備魚雷は４本削減したが、ホットバンク制にすれば搭載できる。全長93.8m、幅8.3m、吃水5.2m、水上排水量1990トン、水中排水量2400トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、FM式38D81/8型ディーゼル４基・電動モーター２基、水上出力4610-5400馬力、水中出力4610-4800馬力、２軸推進、水上速力17.8ノット、水中速力18.2ノット。蓄電池はガピー型126セル４群計504セル。安全潜航深度137m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。魚雷24本）。乗員79名。SS-484オダックス、SS-486ポモドンが改装を受けた。その後ガピー�U改装を受けている。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガピー�TＡ改装＞：ガピー�T改装の簡易型で、艦内配置の変更部分を減らし、短時間放電量を低くする代わりに寿命を長くした新型蓄電池のサーゴ�U型を積んだ（126セル３群計378セル）。ガトー級潜水艦SS-319ベキュナ、SS-322ブラックフィン、SS-323カイマン、SS-324ブレニー、SS-341チャイヴォ、SS-342チョッパー、SS-403アテュール、SS-406シー・ポーチャー、SS-407シー・ロビン、テンチ級潜水艦SS-417テンチが改装を受けた。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガピー�TＢ改装＞：ガピー�TＡ改装の簡易型。蓄電池はサーゴ�U型126セル２群計252セルである。ガトー級潜水艦SS-220バーブ、SS-247デイス、SS-366ホークビル、SS-367アイスフィッシュが改装を受けた。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガピー�U改装＞：SCB-47A。ガピー�T改装にシュノーケルを追加したもので、設計を担当したポーツマス工廠とエレクトリックボート社で図面に異差があり、前者はセイル後縁の傾斜がほぼ一直線だが、後者は途中で傾斜角が変化するといった違いが見られる。バウソナー・ドームにBQR-2シリーズまたはBQR-3またはWFAソナーを装備する。全長93.6m、幅8.3m、吃水5.2m、水上排水量2040-2075トン、水中排水量2400-2420トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM式278A型またはFM式38D81/8型ディーゼル４基・電動モーター４基、水上出力4610-5400馬力、水中出力4610-4800馬力、２軸推進、水上速力18ノット、水中速力16ノット、水上航続距離15000海里（11ノット）、水中航続距離192海里（４ノット）。安全潜航深度122m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門・艦尾４門。魚雷24本）。乗員85名。ガトー級潜水艦SS-339キャットフィッシュ、SS-343クラマゴア、SS-344コブラー、SS-345コチノ、SS-346コーポラル、SS-347キュベラ、SS-349ディオドン、SS-350ドッグフィッシュ、SS-351グリーンフィッシュ、SS-352ハーフビーク、SS-416タイルー、SS-425トランペットフィッシュ、SS-426タスク、テンチ級潜水艦SS-478カットラス、SS-483シー・レパード、SS-484オダックス、SS-486ポモドン、SS-487レモラー、SS-490ヴォラドア、SS-522アンバージャック、SS-523グランパス、SS-524ピカレル、SS-525グレナディアが改装を受けた。後に前部上構上面にBQS-2/-3/-4アクティブソナーを搭載した。参考：アメリカ潜水艦史

　＜ガピー�UＡ改装＞：SCB-47C。ガピー�TＡ改装型が艦内容積不足に陥ったため、ディーゼル主機を１基減らし、ついでに蓄電池や補機を換装、シュノーケルを当初から搭載し、プロペラをスキュード５翅に変更、セイルをFRP製としたタイプ。ソナーはWFAで、後にBQS-2/-3/-4に換装した。全長93.6m、幅8.3m、吃水5.2m、水上排水量1840-1870トン、水中排水量2445トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、FM式38D81/8型ディーゼル３基・主電動モーター２基、水上出力3430馬力、水中出力4610-4800馬力、２軸推進、水上速力17-18ノット、水中速力14-15ノット、蓄電池はサーゴ�U型126セル４群計504セル、水上航続距離10000海里（10ノット）、水中航続距離95海里（５ノット）。安全潜航深度122m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。魚雷24本）。乗員85名。ガトー級潜水艦SS-340エンテメダー、SS-365ハードヘッド、SS-368ジャラオ、SS-377メンハーデン、SS-382ピキュダ、SS-385バング、SS-391ポンフレット、SS-394レザーバック、SS-396ロンキル、SS-402シー・フォックス、SS-410スレッドフィン、SS-415スティックルバック、テンチ級潜水艦SS-418ソーンバック、SS-420タイラント、SS-421トラッタ、SS-424クイルバックが改装を受けた。参考：月刊世界の艦船10,’13、アメリカ潜水艦史

　＜ガピー�V改装＞：SCB-223。ガピー�U改装艦に更なるFRAM改装を加えたもの。船殻を近代化すると共に主機・補機・艦内装備の全てにオーバーホールを施して艦齢を延長し、原潜並みの戦闘システムを搭載、ソナーを改良した。艦首魚雷発射管室と前部電池室の間を4.6m（SS-416はディーゼル主機１基を撤去して3.8mに止めた）延長し、司令塔を1.5m延ばして目標情報関連コンソールを追加、セイルはグラスファイバー製段無しとして水上航走時の飛沫防止と水中騒音抑制を図っている。上構上面前・中・後部にAN/BQG-4方位測定・射撃指揮ソナー用フィン型ソナードームを１基ずつ追加した。全長98.2m（SS-416は97.2m）、幅8.3m、吃水5.2m、水上排水量1975トン、水中排水量2870トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM式278A型ディーゼルまたはFM型38D81/8型ディーゼル４基（SS-416は３基）・主電動モーター４基、水上出力4610-5400馬力（SS-416は3430馬力）、水中出力4610-4800馬力、２軸推進、水上速力７ノット、水中速力14-16ノット、蓄電池はガピー型126セル４群計504セル、水上航続距離15900海里（8.5ノット）、水中航続距離108海里（３ノット）。安全潜航深度122-137m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。魚雷24-28本）。ソナーはAN/BQR-2B、AN/BQS-4、AN/BQG-4。乗員95名。ガピー�U改装24隻全てを対象とする予定だったが、延長できる艦齢に限界があったため費用対効果に劣ると判断され、ガトー級潜水艦SS-343クラマゴア、SS-344コブラー、SS-346コーポラル、SS-351グリーンフィッシュ、SS-416タイルー、SS-425トランペットフィッシュ、テンチ級潜水艦SS-487レモラー、SS-490ヴォラドア、SS-524ピカレルの計９隻のみ改装を受けた。参考：アメリカ潜水艦史

＜ガピー改装艦・海外シリーズ＞

　＜アマゾナス級＞：ブラジル海軍潜水艦Amazonas級。元はアメリカ海軍ガトー級潜水艦ガピー�V改装艦である。全長97.9m、水中排水量2870トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水上出力5400馬力、水中出力4610馬力、２軸推進、水上速力17.2ノット、水中速力14.5ノット。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門）。アマゾナスとS15ゴイアスが就役した。参考：月刊世界の艦船10,’23

　＜海獅級＞：台湾海軍潜水艦ハイシー（Hai Shih）級。元はアメリカ海軍が1945-46年に建造したテンチ級潜水艦で、その後ガピー�U改装を施したものである。魚雷発射管を潰して1973年に対潜訓練目標艦として台湾海軍に引き渡され、1976年に台湾海軍で魚雷発射管を再装備した。全長93.7m、全幅8.3m、吃水5.5m、水上排水量1870トン、水中排水量2420-2459トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル４基２軸5400馬力、水上速力18ノット、水中速力15ノット（12ノット？）。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。SUT長魚雷）。乗員75名（士官11名＋下士官・兵70名？）。SS-791海獅とSS-792海豹が1973年に就役した。21世紀になっても使われ続けており、潜航深度に制限を設けて訓練を行っている。2017年に１隻が2026年までの延命改修を受けた。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’16、12,’18、4,'20、2,'23、月刊軍事研究4,’10、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ガピー�TＡ改装艦（ペルー海軍）＞：ペルー海軍潜水艦。1974年にSS-403アテュールとSS-406シー・ポーチャーが引き渡され、S48パコーチャとS49ラ・ペドレラと改称して1975年に就役した。水上排水量1870トン、水中排水量2391トン。水中速力15ノット。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。Mk37長魚雷）。参考：月刊世界の艦船5,’83、6,’01、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ガピー�UＡ改装艦（トルコ海軍）＞：トルコ海軍潜水艦、別名ブラクレイス級。1970年代から引き渡された。全長93.57m、幅8.33m、吃水5.18m、水上排水量1870トン、水中排水量2440トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル４基、２軸推進、水上速力18ノット、水中速力16ノット。潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。Mk37長魚雷）。乗員は士官11名、下士官・兵70名。S336、S338、S340などが就役した。参考：現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ガピー�V改装艦（ベネズエラ海軍）＞：ベネズエラ海軍潜水艦、別名ピクア級。兵装は533mm魚雷発射管。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガピー型＞：アメリカ海軍の潜水艦用鉛蓄電池で、形式名はMLB-27やTLX-39など。サーゴ型の軽量大出力化型で、発生電流容量を1.75倍にし、重量は３分の２に減らした。ただ寿命は４分の１の１年半しか無い。ガピー�T／�U／�V改装艦、タング級潜水艦に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜峨眉山＞：991（揚陸艦）を参照。

＜カピタニ・ロマニ級＞：イタリア海軍軽巡洋艦Capitani Romani級。フランス海軍ル・ファンタスク級などに対抗すべく建造されたもので、兵装はル・ファンタスク級に合わせ、装甲は無く、速力重視としている。船型は平甲板型で、缶機缶機のシフト配置を採用した。全長142.9m、幅14.4m、吃水4.9m、基準排水量3686-3750トン。主機は蒸気タービン２基、出力110000馬力、２軸推進、速力40ノット（公試では43ノットを出したが、戦闘状態では36ノットが限界）。兵装は13.5cm連装砲４基（前後背負い式２基ずつ）、37mm単装機関砲８門、533mm魚雷４連装発射管２基（前後煙突間にある３番砲前方の上甲板中心線上）。機雷敷設が可能。乗員418名。1939年に12隻が起工されたが、１番艦アッティリオ・レゴロ、ジュリオ・ゲルマニコ、ポンペオ・マーノ、シピオーネ・アフリカーノの４隻のみ1942-1956年に竣工し、カイオ・マリオ、クラウディオ・ドルソ、クラウディオ・ティペリオ、コルネリオ・シラ、オッタヴィアノ・アウグスト、パオロ・エミリオ、ウルピオ・トライアノ、ヴィスパニオ・アグリッパの８隻が建造中止となった。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船11,'21、7,’11

＜カピタン・シェフチェンコ＞：ロシア海軍プロジェクト23120耐氷型支援船２番艦Kapitan Shevschenko。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜カピタン・デ・ナビオ・セバスチャン・ホセ・オルシングレ＞：メキシコ海軍砲艦Capitan de Navio Sebastian Jose Holzingre。全長74.4m、満載排水量1290トン。速力22ノット。兵装は57mm単装砲１門。後甲板はヘリ甲板で、格納庫も持つ。1991年就役。2000年7月16日から8月2日、海自遠洋航海練習艦隊のホストシップを務めた。8月2日、海自遠洋航海練習艦隊と親善訓練を実施した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜カピタン・パティムラ＞：インドネシア海軍コルベットKapitan Pattimura。2021年4月21日に行方不明になったインドネシア海軍潜水艦402ナンガラの捜索活動に参加。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜カピタン・パティムラ級＞：インドネシア海軍コルベットKapitan Patimura級。東ドイツ海軍から購入した。全長75.2m、幅9.8m、吃水3.5m、満載排水量769トン。速力24ノット。兵装は57mm連装砲１門、30mm単装機関砲１門、400mm魚雷発射管４門。9M32または9K34艦対空ミサイルを搭載できる艦もある。参考：JShips Vol.24

＜カピタン・プラット＞：チリ海軍アデレード級ミサイル・フリゲートCapitan Prat。元はオーストラリア海軍アデレード級ミサイル・フリゲート艦番号06ニューキャッスルで、2020年4月15日にシドニーのワトソン海軍基地で引き渡された。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜カピテーン＞：SS-336（潜水艦）を参照。

＜カビナンター＞：A13Mｋ.�V（戦車）を参照。

＜カビナンター架橋戦車＞：A13戦車ファミリーを参照。

＜カピョ＞：KAPYO（レーダー）を参照。

＜ガビラン＞：SS-252（潜水艦）を参照。

＜カヒル・アル・アムワジ級＞：オマーン海軍コルベットQahir Al Amwaj級。イギリスのヴォスパー・ソーニクロフト社が建造した。全長83m。兵装はエグゾセMM40艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、クロタル艦対空ミサイル８連装発射機１基、76mm砲１門。ヘリ甲板を持つ。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究4,’97

＜カヒル級＞：オマーン海軍コルベットQahir級。イギリスのヴォスパー・ソーニクロフト社が建造した。満載排水量1473トン。主機はディーゼル、速力28ノット。兵装はエグゾセ艦対艦ミサイル、クロタル艦対空ミサイル、短魚雷発射管など。２番艦アル・マザーなどが就役した。参考：月刊航空ファン7,’18

＜カビルド級ドック型揚陸艦・海外シリーズ＞

　＜カビルド級（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍ドック型揚陸艦、別名ナフクラトウサ級。兵員200名、戦車18両、ヘリ１機を搭載可能。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜カビルド級（台湾海軍）＞：台湾海軍ドック型揚陸艦。元はアシュランド級ドック型揚陸艦LSD-19カムストックで、1985年に台湾の民間業者がスクラップとして買い取ったが、状態が良かったので海軍が取得し、1986年2月に就役させたものである。全長144.8m、全幅23.2m、吃水5.5m、満載排水量9375トン。主機は蒸気タービン、出力7000馬力、２軸推進、速力15.4ノット。ドック内にLCUなら３隻、LCMなら18隻を収容できる。兵装は40mm４連装機関砲２基、40mm連装機関砲２基。乗員316名。艦番号191中正が就役した。1992年にシーチャパラル４連装発射機１基を装備した。2012年6月16日に退役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’12

＜カブ＞：An-12シリーズ（輸送機）を参照。

＜カブール＞：C-550（STOVL空母）を参照。

＜カブール級＞：イタリア海軍STOVL空母Cavour級。ヴィットリオ・ヴェネト級ヘリ巡洋艦の後継で、最初はルイージ・エイナウディ（Luigi Einaudi）と呼ばれ、途中でアンドレア・ドリア（Andrea Doria）に変わり、最終的にこの名になった。航空作戦の他、揚陸作戦にも投入でき、PKO/PKF支援任務、民間支援任務、大規模災害にも対応できる。飛行甲板は全長220m（232.6m？）・幅34.5m（39m？）で、発艦用滑走路は183m・幅14.2mを確保、左舷側に12度のスキージャンプ台があり、発着スポットは７カ所（右舷前部１カ所、左舷６カ所）で、右舷後方（デッキサイド式。15m×14m）と飛行甲板中央やや右寄りのアイランド前方（インボード式。21.6m×14m）に１基ずつの30トンエレベーターを持つ。他に弾薬用15トンエレベーターと汎用エレベーターが２基ずつ用意されている。格納庫は１層で車両甲板を兼ね、床が第５甲板、天井が第２甲板で、床面積2500平方メートル、全長134.2m、幅21m、高さ7.2-8.5m（整備庫は11m）あり、STOVL機8-10機とAW101ヘリ6-12機を収容可能（他に飛行甲板露天繋止10機前後）。航空機を積まない強襲任務時には格納庫内にトラックなどの軽車両100両またはLVTP-7などの装甲車両60両またはC-1戦車24両を搭載でき、搭載用の60mランプ（Ro-Ro機能付、耐荷重60トン）を船体中央右舷と艦尾右舷寄りに各１基を装備する。艦後部には25m×14mのウェル・ドックがあり、LCM(6)級揚陸艇４隻またはLCM(8)級揚陸艇２隻またはLCAC１隻を収容可能。旗艦任務のため、右舷にある大きめのアイランド内に1000平方メートルの指揮管制センターを備え、430平方メートルの医療区画もある。アイランド前部に窓が並んだ艦橋があり、上段が航海・戦闘艦橋、下段が司令部艦橋。煙突はアイランド上面右舷前後に１本ずつで、どちらも外舷側に傾けてあり、ガスタービン２基・ディーゼル発電機３基ずつを担当する。マストはタワー型で、アイランド前後に１本ずつあり、前部マストトップにはEMPARレーダーアンテナ収容球形ドームを装備。他に艦橋後端上面にRAN-40L（SPS-798）対空捜索レーダーの旋回式矩形平面アンテナを持つ。艦載戦闘システムはSADOC3、対空戦闘システムはSAAM-IT、対空・対水上捜索レーダーはRAN-30X/I、主砲用射撃指揮装置はNA-25X２基、主砲用レーダー方位盤はRTN-25X。SPN720及びSPN-41A航空管制レーダー、VAMPIR-MB及びSASS赤外線捜索装置、ネッツーノ4100ECMも装備する。ソナーはSNA2000バウソナー。両舷後部舷側に２カ所ずつのレセスがあり、LCVPを計４隻収容する。CICは第２甲板レベル後方寄りにあり、第２甲板前部には倉庫やキッチン、後部には居住区が設けられている。NATO軍作戦における指揮管制が行えるよう、指揮設備も充実しており、1100平方メートルの専用室にワークステーション150基以上と操作員230名を配している。歯科治療施設、手術室３室、レントゲン撮影設備、Ｘ線CTを完備。主機はシフト配置。全長235.6m（244m？）、水線長215.6m、飛行甲板最大幅39m、水線幅29.5m、吃水7.5m、満載排水量27100-27535トン。主機はCOGAG方式、GE/FIAT社製LM2500ガスタービン４基、出力118000馬力・88MW、５翅可変ピッチプロペラ２軸推進、最大速力28ノット、航続距離7000海里（16ノット）。電動バウ／スターン・スラスターを持つ。発電機はディーゼル（2.2MW）６基。標準でヘリコプター（EH101、NH90、AB212、SH-3D）12機と、AV-8Bハリアー�UプラスまたはF-35B戦闘機８機を搭載する。兵装はアスター15短SAM用８セル垂直発射機シルヴェールA43が４基（右舷前部スポンソンに２基、左舷艦尾スポンソンに２基）、62口径76mm速射砲スーパー・ラピッド（ステルス砲塔）２門（2013年1月に後日装備。飛行甲板最前部中央と艦尾右舷スポンソンに１門ずつ）、25mm単装機関砲KBAが３門。自衛用にSCLAR-Hデコイ20連装発射機２基、SLAT魚雷防御システム２基、MM/SLQ-750ECM２基（艦首76mm砲の下、艦尾右舷）を装備する。乗員841名（本艦528名、航空要員168名、司令部要員145名。本艦451名、航空要員203名、司令部要員140名？）。揚陸部隊員325名（予備91名）を収容できる。C550カブールが2008年に就役した。2019年7月から2020年5月、F-35B戦闘機運用に備え、飛行甲板1500℃耐熱・防滑コーティング実施、着艦スポット2-5の甲板下部熱力学的強化、着艦スポット４への夜間着艦支援システムLUDS（Line Up Director Sight）追加、飛行甲板側部構造物移設、航空機用格納庫配置変更、航空燃料320トン増載、AN/SPN-35PALS・AN/SPN-41ICLS・AN/USN-3JPALS搭載、高度セキュリティ区画SAPF（Special Access Program Facility）設置、飛行甲板下区画・アイランド防音強化、飛行計画・ミッションシミュレータ設置などの改装を行い、満載排水量が300トンくらい増えた。ちなみにエレベーターなどは設計当初からF-35B対応にしてある。2021年3月からアメリカでF-35B艦上運用評価試験を実施した。本格運用は2024年からになる予定。参考：月刊軍事研究8,’11、1,’07、11,’04、9,’17、月刊世界の艦船8,'23、8,’17、10,’16、11,’15、8,'21、8,'22、5,'17、6,’18、9,’13、10,’14、9,’12、8,’11、4,’09、4,’10、8,’20、3,'21、2,'22、6,'22、月刊JWings10,’19

＜カフカス２００８＞：ロシア軍の演習。北カフカス軍管区第58軍が2008年に行った。参考：月刊軍事研究10,’10

＜カフカス２００９＞：ロシア軍の演習。2009年に行われ、北カフカス軍管区第58軍8500名が参加した。自動指揮システムのアカツィヤＭとESU-TZのテストも行われたが、アカツィヤＭはディスプレイへのデータ表示が上手くいかず専門オペレーターがつきっきりで対応し、アカツィヤＭとESU-TZの連接もされず、あまり役に立たなかったらしい。参考：月刊軍事研究10,’10

＜カフカス２０１２＞：ロシア軍の大規模指揮参謀演習（図上演習メイン。実動部隊は最終決戦フェイズのみ参加）。2012年9月17-23日、南部軍管区アシュルク演習場、カプスティン・ヤール演習場、プルードボイ演習場、ラエフスキー演習場などで実施され、ロシア陸軍第58軍第19自動車化歩兵旅団と第136親衛自動車化歩兵旅団を主力とする諸兵科連合部隊、西部軍管区第５親衛自動車化歩兵旅団の一部、ロシア空挺軍第７親衛空中襲撃師団第247空中襲撃連隊の１個大隊、第56独立空中襲撃旅団、北洋艦隊、黒海艦隊、カスピ小艦隊、ロシア空軍第6972航空基地、内務省、国境警備隊、国家非常事態省などから人員8000名、戦闘車両200両、火砲100門、艦艇10隻、航空機120機が参加した。演習指揮官はニコライ・マカロフ参謀総長兼第一国防次官である。第５親衛自動車化歩兵旅団はESU-TZ指揮通信システムの実戦配備モデル部隊であり、最終実用テストを兼ねていた。ただ結果が芳しくなかったのか、軍の機関誌でもESU-TZの運用結果に関する話題には一切触れていない。カスピ小艦隊はバールＥ地対艦ミサイルシステム、ゲパルト3.9級フリゲート・ダゲスタンはカリブルNK艦対艦／艦対地ミサイルの発射訓練を初めて行った。9M79M-1トチカＵとイスカンデルＭの発射訓練も行われている。演習開始日の9月17日、グルジアの外相が、グルジア及び周辺地域全体の安定と安全保障に対する脅威であるとして、本演習を非難する声明を発表した。参考：月刊軍事研究11,’12

＜カフカス２０１６＞：ロシア軍の図上・実動演習。2016年9月5-10日に南部軍管区で実施され、人員125000名、戦車90両、艦艇15隻、航空機60機が参加し、国境防衛、防空、対機雷戦、対水上戦、空挺作戦、非合法武装勢力掃討などの訓練を行った。弾薬480トンと燃料35000トンを消費したらしい。8月には準備段階として抜き打ち演習を含む特別演習が12回行われている。参考：月刊軍事研究12,’16

＜カフカス国境２００６＞：ロシア軍が2006年に実施した対テロ演習。陸海空空挺軍と国境警備軍から人員6000名が参加した。参考：月刊軍事研究10,’10

＜カフカス国境２００７＞：ロシア軍が2007年に実施した演習。北カフカス軍管区第58軍の人員8000名以上が参加した。参考：月刊軍事研究10,’10

＜カフジの戦い＞：湾岸戦争中の1991年1月29日から始まった、イラク軍によるサウジアラビア侵攻。デザート・シールド作戦で、アメリカ海兵隊は２個師団を展開したが、兵站基地建設が遅れたため、1991年1月下旬になっても主力はクウェート国境から100km南の地点にいた。サウジアラビアとクウェートの国境は東側をアラブ東部合同軍、中央部を第２海兵師団、西側を第１海兵師団が防衛していたが、海兵隊担当地域のクウェート・イラク国境から50km南までは戦車が１両もおらず、LAV軽装甲車などを配備した軽機甲歩兵大隊のみで警戒に当たっていた。警戒線は国境線120kmを監視哨８カ所で哨戒するもので、東からOP8、OP7、OP1、OP2、OP3、OP4、OP5、OP6と命名されており、OP８・７・１をアラブ東部合同軍（サウジアラビア軍３個旅団とイスラム７ヵ国軍計37000名で４個支隊を形成）、OP２・３を第２海兵師団第２軽機甲歩兵大隊、OP４・５・６を第１海兵師団シェパード支隊（第１軽機甲歩兵大隊、第３機甲歩兵大隊Ｄ中隊、偵察小隊、第11海兵連隊第５砲兵大隊など）が担当していた。クウェートにはイラク軍第３軍団の12個師団が配備されていたが、アメリカ軍偵察機は42機しかなく、殆どがスカッド狩りに駆り出されていて、クウェートにいるイラク軍への監視態勢は甘かった。1月28日、アメリカ海兵隊RQ-2パイオニア無人偵察機が、クウェート東部の湾岸道路沿いをサウジアラビアのカフジに向けて南下するイラク軍部隊を捉えたものの、多国籍軍はイラク軍の侵攻方向をタワカルナ及びメディナ師団の配備位置（クウェート北西からイラク南部）に近い西のワジ・バティン方面と判断しており、この部隊を爆撃しなかった。しかし実際にはイラク軍による本格的なサウジアラビア侵攻作戦で、戦力はクウェート南部に予備として配置されていたイラク第３軍団第３戦車師団、同第５機械化師団、第４軍団第１機械化師団の36500名、戦車603両、装甲車751両、野砲216門であり、第１・第５機械化師団は湾岸道路沿いに南下してカフジを攻略後、一気にサウジアラビア・クウェート国境から50km南にある兵站の要所ミシャブ港を目指し、第３戦車師団はその50km西側からサウジアラビアに侵攻してキブリトにある海兵隊兵站基地を攻略、東に向きを変えてミシャブ港に到達する予定で、大量の捕虜を獲得して人間の盾に使う計画も立てていた。1月29日1200、第１海兵師団第３軽機甲歩兵大隊Ｄ中隊（LAV-25装甲車13両、LAV-AT対戦車車両７両、LAV-C指揮通信車１両）がOP4へと移動を開始、1500にOP4の北西2.5kmの地点から西側に広がる長さ4kmの防衛ラインを張った。OP4には１個偵察小隊29名が偵察任務にあたっており、警察署及び両側に築かれた砂堤に展開していた。1830、イラク軍が電波妨害を開始。1926、Ｄ中隊所属LAV-AT対戦車車両の暗視装置が、Ｄ中隊まで7km・OP4まで4kmの地点から接近してくる戦車50両基幹のイラク軍を捉えた。2000、イラク軍先鋒の第３戦車師団１個旅団がOP4に向けて進撃を開始したが、OP4の偵察小隊から個人携行対戦車ロケットなどによる反撃を喰らい、事前の小型無人機による偵察で付近に敵はいないと判断していたイラク軍は驚いて進撃を停止した。Ｄ中隊はシェパード支隊の支隊長に航空支援を要請するよう具申し、支隊長は師団長に向け航空支援の要請を行った。その間も偵察小隊は戦闘を継続したが、手持ちの武器では応戦にも限界があり、赤の信号弾を発射して至急の応援を要請した。これを受けてＤ中隊は対戦車班と第２小隊（両部隊合わせてLAV-25装甲車６両とLAV-AT対戦車車両７両装備）をOP4に向け出動させた。LAV-ATの暗視装置で確認したところ、付近には敵車両75両以上が展開しており、半分は戦車であることが判明、直ちに後列に布陣していたLAV-AT３両が射距離2500-3000mでTOW対戦車ミサイルを発射したが、２発は敵戦車の手前に着弾し、１発（グリーン１が発射）は前方にいた別のLAV-AT（グリーン２）を直撃して吹き飛ばしてしまい、４名が戦死した。イラク軍も暗視装置の能力不足で積極的な攻撃が行えず、その隙にOP4にいた偵察小隊は離脱を完了。Ｄ中隊はTOW用暗視装置を持つLAV-ATで索敵しつつLAV-25が榴弾で目標を射撃して炎上させ、１個小隊で集中射撃を行って敵の前進を阻止、遅滞戦闘に努めることとした。そこに海兵隊A-6攻撃機、次いでF/A-18戦闘攻撃機が到着し、500ポンド通常爆弾を投下したが、正確性に欠けて効果は薄かった。更に空軍A-10A攻撃機が飛来、イラク軍部隊をマーヴェリックとGAU-8/Aで吹き飛ばしたが、夜間のため視界が確保できず、2230にLAV-25（レッド２）をマーヴェリックで誤射して戦死７名・負傷１名の損害を出してしまった。Ｄ中隊は翌30日0100に前進してきたＡ中隊と任務を交替。Ａ中隊はレッド２から生存者を救出し、爆撃で破壊された戦車３両を確認した。イラク軍は夜明け頃から再度前進を開始したが、Ａ中隊のTOW対戦車ミサイルで戦車３両を破壊され、0653に到着した海兵隊AH-1W攻撃ヘリにより更にT-55戦車４両を撃破され、0700過ぎからはA-10A攻撃機・F/A-18戦闘攻撃機２機ずつによる爆撃も加えられたため、イラク軍は撤退した。この攻撃を受けて他の第１海兵師団防衛区でも警備を強化、OP6付近では1月29日2231にＣ中隊が付近に展開し、OP6の偵察部隊は後方に引き揚げた。1月30日0110、OP6付近にイラク軍が攻撃準備射撃を開始し、30分の砲撃の後に機械化部隊が進撃してOP6を占領、更に装甲戦闘車両50-75両からなる本隊が続いているのをＣ中隊が確認した。これを受けて第１海兵師団は爆撃による反撃を決めたが、イラク軍もこれを予想しており、OP6付近に対空機関砲を設置して防御を固め、本隊は地対空ミサイルのカバー範囲内に後退した。0337から海兵隊攻撃機が爆撃を開始したが、対空機関砲の反撃で戦果は挙げられなかった。しかし共同で反撃に出たＣ中隊がTOW対戦車ミサイルで戦車11両を破壊してイラク軍を後退させている。第２海兵師団にもイラク軍侵攻情報は1月29日2100頃には伝わっており、第２軽機甲歩兵大隊はOP2及びOP3付近に戦力を集中して警戒に当たっていたところ、2250に戦闘車両29両を擁するイラク第３戦車師団の先鋒部隊が付近に出現し、交戦状態に入った。2345、LAV-ATがTOW対戦車ミサイルによりT-62を撃破し、前進を阻止。第２海兵師団は後方のキブリトにある兵站基地にイラク軍が進撃する可能性があると考え、M-1A1を装備するタイガー旅団に北上を命じ、うち１個戦車中隊をキブリトに配置した。また、航空攻撃を要請して第２軽機甲歩兵大隊の支援に当たらせた。1月30日、第２海兵師団第６連隊が国境付近に展開を終了。夜になりイラク軍本隊とみられる１個混成旅団が南下を開始。2032、イラク軍が化学兵器による攻撃を行ったという情報が入ったため、キブリトよりも北に展開する海兵隊部隊はMOPPレベル３を発動し、化学防護服を着用した。2050、イラク軍は戦車74両を含む装甲車170両でサウジアラビアに侵攻したが、多国籍軍攻撃機部隊が反復攻撃を行い、第２梯団と兵站部隊を徹底的に叩いたため、イラク軍は2200にはクウェート領内に引き返した。アラブ東部合同軍守備地域では、アメリカ海兵隊パイオニア無人観測機が1月29日2000頃に湾岸道路をイラク軍装甲車10両が南下しているのを発見。詳細な偵察を行った結果、１個機械化旅団規模の敵が接近していることが判明した。2100、OP8付近の海兵隊偵察チームがイラク軍接近の報を第１海兵師団司令部に伝えた。1月30日0130、イラク軍は国境を越えてサウジアラビアに侵入、OP8付近の海兵隊偵察チームは撤退した。この頃、東部合同軍司令官にもイラク軍侵攻の情報が入ったため、海兵隊に爆撃を要請したが、西側のイラク軍への対応に追われていて爆撃は実施されなかった。イラク軍がカフジの北5kmまで迫ったところで再度爆撃を要請したが、サウジアラビア軍部隊との距離が近いことを理由に拒否された。0300、T-55戦車中隊１個とERC-90装甲車小隊１個を従えたイラク軍機械化歩兵大隊１個（装甲車両少なくとも57両を装備）は、イラク軍砲兵の射程に入っていたため住民15000人が全員避難し、サウジアラビア軍海兵中隊及びアメリカ海兵隊偵察チーム４個を残してゴーストタウンとなっていたサウジアラビアのラス・アル・カフジ（アラビア石油の鉱業所もある）を占領した。この時、アメリカ海兵隊爆撃艦砲射撃連絡中隊の偵察チーム２個が脱出し損ねて取り残されている。ここは地形上防御不能とみられていたため、防御部隊はイラク軍砲兵射程外の後方に配置されており、兵力は第２サウジアラビア国家警備隊機械化旅団とカタール軍機械化歩兵大隊で編成されるアブ・バクル支隊で、AMX30戦車25両しか保有していなかった。それでもアブ・バクル支隊は湾岸道路沿いに防御態勢を整え、増援としてオスマン支隊からM60戦車中隊と対戦車ミサイル小隊を引き抜き、東部合同軍司令官自らカフジ付近に偵察に向かった。0500、東部合同軍司令官はカフジ郊外に到着し、付近に１個中隊が展開しているのを発見、隷下の戦車部隊に攻撃を命じてT-55戦車２両を撃破し、12名を捕虜にした。その後カフジ市内の掃討も考えたが、捕虜から２個大隊が展開しているという情報を得て諦め、1300に司令官は司令部に帰投した。この時司令部にはアラブ合同軍総司令官がおり、多国籍軍航空部隊司令官に向け３度目の爆撃要請を行い、漸く夕方からカフジ後方の増援部隊に対して爆撃が始まった。カフジに取り残された偵察チームから連絡を受けた第１海兵師団では救出作戦を考えたが、海兵隊が前面に出るとサウジアラビアのメンツを傷つけることになるため、第３海兵連隊（タロー支隊）の一部を増援として送り、救出及びカフジ奪回はサウジアラビア軍が主体で行われることになった。夕方、サウジアラビア軍２個中隊がカフジの南に進出し、海兵隊偵察チームの救出に向かった。V-150装輪装甲車42両からなる機械化中隊がカフジ市街に突入し、偵察チームの隠れているビルに向けて幅の広い街道を直進していたところ、両脇の建物からイラク軍狙撃兵がタイヤ目掛けて射撃を集中、10両が擱座してしまった。そのため後方にいたオスマン支隊戦車中隊が前進して戦車砲で制圧、その間に機械化中隊は何とか離脱した。サウジアラビア軍司令部には海兵隊偵察チームも脱出に成功したと連絡が入ったが、実際には脱出できずにいた。夜、サウジアラビアのファハド国王はカフジの奪回が進んでいないことを知り激怒、アメリカ軍の爆撃で街を破壊せよなどと無茶を言ってきたため、更迭を恐れたアラブ軍総司令官は1月31日朝から予定していた奪回作戦を1月30日の真夜中から行うことにした。カフジにいるイラク軍兵力を最大でも１個大隊規模とみて第２サウジアラビア国家警備隊旅団第７機械化大隊にカタール軍２個戦車中隊（AMX-30戦車22両装備）の増援を付けて派遣したが、夜間市街地戦闘訓練は受けておらず、イラク軍の実際の兵力も１個旅団（３個大隊）で、更に増援の１個旅団がカフジに向かっていた。2300、海兵隊が攻撃準備射撃を実施した後、カフジ奪回部隊が前進を開始したが、カフジ前面でイラク軍戦車の反撃に遭ってカタール軍戦車部隊が進撃を停止。無線機器の関係でこの情報がサウジ軍側には上手く伝わらず、サウジ軍機械化部隊はV-150装甲車を連ねてそのまま突入していったため、イラク軍の阻止砲火を浴びてこちらも退却を余儀無くされた。ただイラク軍側も夜間射撃には精度を欠き、双方共に損害は出なかった。海兵隊がカフジ市内に取り残された偵察チームの情報を基に再び援護射撃を行い、サウジ軍部隊は再度攻撃に移ったが、またも反撃に遭ってカタール軍戦車１両を破壊され、1月31日0320に撤退を余儀無くされた。0635、E-3から夜が明けたため退避せよという警告を受けつつもイラク軍アストロス自走多連装ロケットランチャー中隊を攻撃していたAC-130H攻撃機「スピリット03」が、SA-7系携帯地対空ミサイルで主翼を吹き飛ばされペルシャ湾に墜落し、乗員14名が戦死した。カフジに向かっていたイラク軍増援の第20機械化旅団が多国籍軍の空襲を受け、B-52爆撃機からクラスター爆弾を投下されて足止めを喰らい、続いて攻撃機の集中爆撃により車両80両以上が灰になった。サウジ軍は第８機械化旅団戦車大隊（M60装備）や海兵大隊などを加えて６個大隊に戦力を増強、更に海兵隊空海軍砲撃連絡中隊による砲撃・爆撃援護を受けて0730にカフジ奪回を再開。0830、サウジ軍第７機械化大隊、カタール軍１個戦車中隊、カタール軍HOT対戦車ミサイル小隊がカフジ市街に突入。V-150装甲車１両がRPG-7の直撃を受けて破壊され、１名が死亡、４名が負傷した。1000、イラク軍第５機械化師団第26戦車旅団（戦車・装甲車100両装備）がクウェート領内からカフジに向けて進撃を開始。カフジ北の湾岸道路はサウジ軍第５機械化大隊が封鎖しており、第26戦車旅団先鋒の機械化中隊と激戦の末、戦車・装甲車13両を破壊して足を止めた。この間に多国籍軍攻撃機部隊が到着し、第26戦車旅団を徹底的に爆撃して壊滅させた。ただサウジ軍第５機械化大隊は補給のため道路の封鎖を解いて後方に下がってしまった。1200頃、カフジで第７機械化大隊の90mm砲装備V-150装甲車と歩兵輸送型V-150装甲車がT-55の砲撃及びRPG-7の攻撃により１両ずつ破壊され、死者10名と負傷者３名を出した。取り残されていた海兵隊偵察チームの近くにはYW531装甲車17両が前進してきたため、ハリアー２機と海兵隊砲兵で全て破壊し、この隙に偵察チームは２個とも撤退に成功している。1330、主攻部隊を第７機械化大隊から第８機械化大隊に変更し、カフジ中心部に向けて進撃。第５機械化大隊はカフジ北の淡水化施設に向かったが、イラク軍戦車の反撃を受けて車両３両を破壊され、死者８名、負傷者４名を出した。1830、サウジ軍がカフジをほぼ制圧、攻撃を停止した。イラク軍の大部分はクウェート領内に撤退した。夜、第18空挺軍団輸送牽引トラックが道を間違えてカフジに入ってしまい、女性兵士１名を含む２名がイラク軍の捕虜となった。2月1日0730、残敵掃討を開始。ビルに立て籠もるイラク兵を対戦車ミサイルで吹き飛ばし、1600頃にカフジを解放した。カフジ市街の戦闘ではイラク軍に死者60名、捕虜463名、戦車32両、自走砲２両、装甲車70両の損害が出た。カフジ周辺も合わせるとイラク軍の死傷者は2000名、破壊された車両は300両にのぼるとされる。アラブ合同軍に死者18名、負傷者50名、AMX-30戦車２両、装甲車７両、アメリカ海兵隊に死者11名、装甲車２両、アメリカ空軍に死者14名、攻撃機１機の損害が出た。1月29-31日、クウェート南部からサウジアラビアには６つのキルボックスが設定され、B-52爆撃機（７ソーティ）、F-15E戦闘爆撃機（12ソーティ）、F-16戦闘機（30ソーティ）、A-6E攻撃機（20ソーティ）、A-10攻撃機（54ソーティ）、AV-8B攻撃機（90ソーティ）、AC-130H攻撃機（５ソーティ）の固定翼機延べ267機のと、AH-1W攻撃ヘリなどの回転翼機（1000ソーティ）が投入された。フセイン大統領はカフジの占領をアメリカ軍に対する勝利としてプロパガンダに利用している。この戦闘でイラク軍は航空攻撃により大損害を被ったため、以降は爆撃対策を厳重に行うようになった。参考：月刊軍事研究7,’08、8,’08、月刊グランドパワー4,’95、核兵器事典

＜カプストニークＢＭ＞：ソ連のスプラフ研究生産機構が2000年に開発した、BM-21用発射統制システム。カプストニークＢの改良型で、６輪駆動トラック・ウラル375またはウラル4320にIV153M発射指揮装置を搭載している。航空機や戦場監視レーダーなどの情報を自動的に入手し、バゲット41型コンピュータで解析、発射諸元を発射機及びロケット弾に自動的に送付する。これにより、発射機が停止してから発射するまで６分以内となった。また、発射機の照準鏡で照準する必要が無くなるので、発射機乗員を２名に減らすことが出来る。参考：月刊軍事研究9,’00

＜カプセルジャック＞：RC-12H（情報収集機）を参照。

＜下部洗浄装置�T型＞：自衛隊の機器。澤田産業製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜下部転輪＞：ロード・ホイール。接地している履帯の、ガイド用ローラーである。参考：月刊JWings1,’03

＜下部砲架＞：上部砲架が左右に回転できるように支持すると共に、砲を地面に固定する装置。参考：MAMOR vol.146、火器弾薬技術ハンドブック

＜カプライス＞：R01（駆逐艦）を参照。

＜カプラン＞：トルコのFNSS社が開発予定の戦車駆逐車。カプラン装軌式装甲車にロケットサン社製OMTAS対戦車ミサイル４連装ターレット（7.62mm機銃付き）を搭載したものである。浮航能力付き。トルコ陸軍向けに184両生産する予定。参考：月刊軍事研究11,’16

＜カプラン＞：トルコのFNSS社が開発した歩兵戦闘車。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、スカートを装備する。履帯はゴム製にして騒音を減らした。砲塔はTEBER-30無人砲塔で、主兵装は30mm機関砲。ウォータージェットで水上航行できる。IDEX2017で展示された。参考：月刊PANZER4-5,’17

＜カプランＭＴ＞：トルコ国防省、FNSS社、インドネシア国防省、PTピンダト社が開発している戦車、Kaplan MT。下部転輪はダブルタイプ片側６組、履帯はダブルピン式。砲塔はCMIディフェンス社製コッカリル105砲塔で、主砲は自動装填装置付き105mm戦車砲105HP。戦場管理システムとレーザー警報を搭載する。エンジンはディーゼル、トランスミッションは電子制御式オートマチック、最大速度70km、航続距離450km。乗員３名。IDEF2017で試作車が展示された。参考：月刊軍事研究11,’17

＜カブリＧ２＞：ギンバル社のヘリコプター。2005年3月31日に初飛行し、2007年12月に欧州航空安全局の形式証明を取得した。全長6.22m、メインローター直径7.19m、胴体幅1.24m、全高2.36m、空虚重量400kg、総重量700kg。エンジンはライカミング社製O-360J2Aレシプロ（108kW）単発、巡航速度90ノット、最大速度100ノット、実用上昇限度3962m、上昇率毎分366m、航続距離380海里。乗員1-2名。VSR700無人機のベースとなった。参考：月刊JWings3,’19

＜カプリコーナス＞：AKA-57（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜カプリ作戦＞：メデニーヌ攻勢を参照。

＜ガブリエル＞：C.160G（電子戦機）を参照。

＜ガブリエル・シリーズ＞：イスラエル海軍対艦ミサイルGabriel。1960年代からP-15テルミットに対抗して開発し、エイラート撃沈を受けて開発を加速、IAIが生産した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸12,’92、月刊世界の艦船9,’22

＜ガブリエルＭｋ１＞：弾体は円筒形で、中央にＸ字配置の矩形主翼、尾部にＸ字配置の矩形尾翼を持つ。グラスファイバー製コンテナに収容されており、発射後はＩバンドレーダー・ビーム・ライディングまたは無線コマンドリンク方式で誘導されつつ高度15-100mを巡航、終末では高度1.5mに降下し、セミアクティブ・レーダー・ホーミング方式で命中する。全長3.35m、直径0.34m、翼スパン1.39m、全備重量430kg（510kg？）、弾頭重量100kg（150kg？180kg？）。推進は固体燃料ブースター＋固体燃料サステナー、速力マッハ0.65、射程18km（22km？）。1972年に実用化されてサール級／サール�U級ミサイル艇に搭載され、第４次中東戦争でエジプト軍ミサイル艇２隻を撃沈した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,'22、月刊軍事研究12,’99、月刊丸12,’92、3,’90、ザ・マーチ17号

＜ガブリエルＭｋ２＞：射程延伸型で、ロケットを改良した。全長3.35m、直径0.35m、翼スパン1.39m、発射重量519kg、弾頭重量180kg（HE）。射程36-40km。システムは単装ランチャー2-4基、ランチャースイッチ、捜索レーダー、射撃統制レーダー、光学目視サイト、FCSコンピュータ、ディスプレイ・コントロール＆プロセッシング・ユニット、ヴァーティカル・リファレンス・ユニットからなり、FCSはオプションで艦砲の制御も出来る。操作要員２名。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、ザ・マーチ33号、17号

＜ガブリエルＭｋ３＞：誘導を中間慣性＋データリンク／終末ARHに変更し、発射後に目標情報を受け取れるようにしたもの。全長3.8m、直径0.34m、翼スパン1.35m、重量560kg、弾頭重量150kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ0.65、最大射程36km。突入高度1.5-4m。ハープーンを導入できたため、量産されなかった。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船8,’82増刊、月刊軍事研究6,’93別冊

＜ガブリエル�VＡＳ＞：空対艦ミサイル型。ガブリエルMk3の空中発射型で、IAIが開発した。発射時にファイア・アンド・フォーゲット・モードとファイア・アンド・アップデート・モードの２種類を設定でき、後者なら発射後の目標変更が可能。最終接近高度も1.4m/2.3m/3.7mから選択でき、ECCM能力も強化した。全長3.8m、直径0.335m、翼スパン1.097m、全備重量595kg、弾頭重量150kg。発射高度90-9150m。誘導は慣性誘導＋Ｘバンド可変周波数レーダー。巡航速度マッハ0.73、巡航高度18m、最大射程60km以上。F-4E、A-4、クフィールC2などに搭載できる。参考：ザ・マーチ23号、世界軍用機年鑑1990-91、月刊丸10,’97

＜ガブリエルＭｋ４＞：ガブリエルMk3の改良型。安定翼を後退翼にし、弾体を大きくしてターボジェットエンジンを装備、射程を200kmに延伸した。全長4.7m、直径0.44m、発射重量960kg、弾頭重量240kg。推進は固体燃料ブースター＋ターボジェットエンジン、最大速度マッハ0.85。誘導は中間が撃ちっ放し／データリンク／レーダー・アップデートのどれか、終末がARH。ハープーンを導入できたため、量産されなかった。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、6,'20、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究6,’93別冊

＜ガブリエル�WＬＲ＞：ガブリエル�VASの改良型。弾頭重量を増やし、射程を延伸した。全長4.7m、直径0.44m、翼スパン1.6m、重量960kg。最大射程200km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ガブリエルＭｋ５＞：別名先進海軍攻撃ミサイルANAM（Advanced Naval Attack Missile）。対地攻撃も行える。全長5.5m、発射重量1250kg。誘導は中間GPS/INS・終末ARH。エンジンはターボジェット、飛翔速度亜音速、最大射程200km。参考：月刊世界の艦船6,'20、3,’20、9,’22

＜ガブリエル海外シリーズ＞

　＜スコーピオン＞：南アフリカ軍艦対艦ミサイル。ガブリエルMk2をライセンス生産したものである。参考：月刊軍事研究6,’93別冊

＜ガブリエル・ギフォーズ＞：LCS-10（沿海戦闘艦）を参照。

＜カブリラ＞：SS-288（潜水艦）を参照。

＜ガブレスキ＞：フランシス・Ｓ・ガブレスキ。アメリカ陸軍・空軍エース。両親はポーランドからの移民で、1919年1月28日、ペンシルベニア州オイルシティ生まれ。1940年、大学を休学してアメリカ陸軍航空隊に志願入学。1941年3月、陸軍少尉となり、オアフ島の第15追撃航空群第45追撃飛行隊に配属された。1941年12月7日、真珠湾攻撃では戦闘に参加できなかった。その後、本土に帰還したのを機に、イギリス空軍ポーランド亡命パイロット部隊に転属し、1942年11月に連絡将校として配属された。1943年2月末、アメリカ陸軍航空軍に復帰し、第８航空軍第８戦闘機軍団第56戦闘航空群に配属された。4月8日、P-47を駆って実戦に出撃。6月9日、第56戦闘航空群第61戦闘飛行隊指揮官となった。8月24日、Fw190戦闘機を撃墜して初撃墜を記録。11月26日、Bf110戦闘機２機を撃墜してエースとなった。1944年1月29日、Bf110戦闘機１機を撃墜。1月30日、Bf109戦闘機１機とMe410戦闘機１機を撃墜し、通算撃墜機数11機でダブルエースとなった。2月20日、Me410戦闘機２機を撃墜。2月22日、Fw190戦闘機１機を撃墜。3月末に通算撃墜機数18機でトリプルエースとなった。5月22日、Fw190戦闘機３機を撃墜し、通算撃墜機数22機となった。7月5日、Bf109戦闘機１機を撃墜して通算撃墜機数28機となった。7月20日、コブレンツ市近郊の飛行場に駐機していたHe111爆撃機を地上撃破したが、効果不十分として規則に反し再攻撃を実施。攻撃位置に低高度進入した際に地上にプロペラを擦り、近くの草原に不時着した。ベルギーへの脱出を図ったが、５日後に警察に捕まり、終戦まで捕虜になっている。第２次大戦時のスコアは28機撃墜、３機地上撃破（全て欧州戦線）。戦後は一時退役したが、1947年4月、アメリカ空軍に入隊し直し、中佐となった。1949年9月、第56戦闘航空群司令となった。1951年6月から朝鮮戦争に参加、MiG-15戦闘機を6.5機撃墜している。1967年10月に退役し、2002年に病死した。最終階級は大佐。参考：月刊JWings10,’10、歴史群像6,’10

＜渦噴１０Ａ＞：中国のLMAC（Liming Aero-Engine Manufacturing Corporation）社が開発したターボファンエンジンWS-10A（渦扇10A？）。サチュルン／リューリカAL-31F並の性能を持つとされるが、AL-31Fを勝手に国産化したものらしく、サチュルンの担当者は、完全コピーではないが７割方コピーであると述べている。残り３割はWS-6（CFM56）の技術を入れたらしい。中国政府では全ロシア製エンジンをこれで代替する計画を立てているが、不良品が出まくっており、工場を出る数よりも修理のため送り返される数の方が多いとまで言われていて、中国軍ではAL-31Fの輸入を要求、政府側と対立している。2016年前半に入って漸く殲撃10戦闘機に搭載しての実用試験が始まったらしい。参考：月刊軍事研究2,’15、月刊航空ファン6,’10、7,’16、月刊JWings2,’17

＜化兵＞：化学兵器（日本海軍）を参照。

＜化兵車両＞：九四式甲型撒車と九四式甲型消車、九七式撒毒車と九七式消毒車のこと。参考：月刊PANZER9,’03

＜カベゾン＞：SS-334（潜水艦）を参照。

＜壁透過型人物探知装置＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究6,’16

＜カペラ＞：T-AKR-293（輸送艦）を参照。

＜カペリン＞：SS-289（潜水艦）を参照。

＜カペル＞：DDE-264（護衛駆逐艦）を参照。

＜可変圧縮比エンジン＞：圧縮比を変化させることのできるエンジン。始動時には高い圧縮比を設定して始動を容易にし、始動後は低くすることでエンジンへの負荷を軽減する。ピストンヘッドを二重にして間に潤滑油を入れてあり、ピストン内圧が高くなると潤滑油が押し出されて圧縮比が低下するようになっている。参考：月刊PANZER5,’81

＜可変安定性飛行シミュレータ試験機＞：NF-16D（試験機）またはX-62A（実験機）を参照。

＜可変威力弾頭＞：弾頭威力を変更できる核弾頭のこと。起爆装置を取り付けた時点で、ダイヤルにより威力を設定する。参考：核兵器事典

＜可変キャンバー翼＞：Variable Camber Compliant Wing。主翼にほぼ全幅にわたる前縁スラットまたは空戦フラップと後縁フラップを装備し、主翼のキャンバー（反り）を最良の揚抗比が得られるよう変化させることができるもの。機体構造重量を増やさずに揚力を増加でき、キャンバー変化による機体操縦では可動式操縦翼面による操縦よりも抗力や騒音が減る。参考：ジェット戦闘機、月刊JWings10,’09別冊付録、月刊航空ファン3,’20

＜可変後座装置＞：駐退復座装置の後座長を変えるために用いられる装置。仰角を大きく取った時、後座時に砲尾が地面にぶつかるのを防ぐために使用される。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜可変後退翼＞：Variable swept wing。後退角を変化させることで空力特性を変え、機体の空力形態を変更する主翼のこと。翼幅、翼弦長、アスペクト比、翼厚比なども同時に変化するので、実際には翼平面形を変えており、VG翼（Variable Geometry Wing）と略される。離着陸など低速飛行時には直線翼、遷音速飛行では後退翼、音速突破時にはデルタ翼が一番有利な翼平面形なので、速度に合わせた最適な翼平面形を選択することにより、全速度域で高性能を発揮できる。後退角を減らせば翼幅が増して亜音速での揚抗比が改善され離着陸性能や航続性能が向上、後退角を増やせば超音速での造波抵抗が減って高速飛行に有利となり、前線滑走路から短距離離陸して低空高速爆撃を行ったり（F-111、B-1、トーネードIDS、Su-17、MiG-23、Su-24、Tu-160）、発着艦・離着陸性能を維持しつつ高速迎撃を実施したり（F-14、トーネードADV）することが可能である。欠点は、構造が複雑になる、整備性が悪い、重量が増える、可変部が強度不足になりやすい、など。後退角の変化により風圧・空力中心が移動してしまうと、操縦安定性も変化してしまうので、後退角が変わっても風圧・空力中心を一定に保つような工夫が要る。主翼後退角がそのまま機体のエネルギー状況を示してしまうため、ドッグファイト時には不利な面もある。主翼の取り付け部全体が可動する全可変翼と、機体に主翼を固定するピボットを中心に主翼が回転する部分可変翼に分類される。全可変翼は機体の中心に主翼回転軸を置き、空力中心が変化しないよう後退角に合わせて取り付け部を前後させるものだが、機構が複雑すぎて実用性に難があり、主翼回転軸を胴体側面張り出し部のピボットに置くことで空力中心を一定に保つ部分可変翼が主流となった。ピボット周辺には高い強度が要求されるので、キャリースルーという頑丈な箱形構造物を設置して支持している。設計用コンピュータ（スーパーコンピュータ）の発展で、可変機構が無くても同等以上の性能を発揮できる主翼を開発できるようになり、廃れた。参考：航空用語事典増補改訂版、図解現代の航空戦、戦闘機のしくみ、世界の傑作機No.113、月刊軍事研究3,’12

＜可変サイクルエンジン＞：Variable Cycle Engine。ターボファンエンジンのバイパス流通過部を開閉式にしておき、強力な推力が必要な際にはバイパス流を閉じてターボジェットとして作動させるエンジンのこと。参考：月刊軍事研究2,’16

＜可変斜板式エアインテイク＞：エアインテイクを参照。

＜花弁状成型＞：徹甲弾による装甲破壊モードの１つで、ペタリングともいう。徹甲弾速度が毎秒1000m以下で、装甲厚が弾丸直径に比べて小さい場合に、徹甲弾先端で装甲板が押されて貫徹孔周囲が花弁状にめくれ返る現象を指す。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜可変深度ソーナーシステム（バイ／マルチスタティック用）（その１）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜可変深度ソナー＞：VDSを参照。

＜可変ステーター・ブレード＞：Variable Stator Blade。可変静翼（Variable Stator Vane、VSV）ともいう。ガスタービンエンジンの軸流式圧縮機では、回転羽根を付けたローターが固定翼（ステーター・ブレード。静翼、ステーター・ベーンともいう）を付けたステーターの中で回転して空気を圧縮しているが、ローターの回転速度によって空気の流れる方向が変化し、場合によっては回転羽根が失速を起こして圧縮できなくなり、コンプレッサー・ストールからサージングに至る。これを防ぐため、ステーター・ブレードの角度を可変式にして回転羽根に送られる空気の流れを制御し、効率良く圧縮できるようにしたものが可変ステーター・ブレードである。２軸式圧縮機よりも構造が単純で、軽量化できる。GE社のジェラード・ニューマンが開発し、J79ターボジェットエンジンに採用した。参考：世界の傑作機No.104、航空用語事典増補改訂版

＜可変静翼＞：可変ステーター・ブレードを参照。

＜可変静翼実験エンジン＞：VSXEを参照。

＜可変チョーク＞：チョークを参照。

＜カベンディッシュ＞：R15（駆逐艦）を参照。

＜可変取り付け角翼＞：Variable Incidence Wing。主翼の取り付け角を変えられるようにしたもの。胴体の角度を変えずに迎え角を増やせるので、下方視界の確保などに便利。F-8クルセイダー艦戦に搭載された。参考：月刊JWings8,’02、航空用語事典増補改訂版

＜可変ピッチプロペラ＞：CPP（Controlable Pitch Propeller）と略す。Variable pitch propellerともいう。プロペラ翼のピッチを変化させることができるプロペラ。回転速度を一定にしたまま、推進速度を変化させることができ、停止や後進も可能である。瞬時にクラッシュ・アスターンをかけることが出来るので便利。ピッチ可変機構を組み込むためにプロペラ付け根（プロペラボス）が太くなり、推進効率がやや悪くなる。大トルクが必要なので、油圧シリンダーを使ってピッチ位置制御を行う。航空機用として最初に製作したのはイギリスのヘル・ショー博士で、1925年にグロスター機が装備した。当初は高低２段式で、次いで無段階の定速プロペラ、更にピッチ角を90度まで取れるフルフェザリング・プロペラと進み、第２次大戦後には短距離着陸を可能とするリバース・ピッチ・プロペラが開発されている。高速飛行時の羽根角の大きいプロペラピッチで離陸しようとすると、迎え角が大きすぎてプロペラが失速してしまい、地上滑走が出来なくなるので、可変ピッチ機構により解決する必要があるが、高速回転する航空機用プロペラの遠心力に耐えられる機構を作るのが難しい。75%半径設計羽根角が30-35度以上なら可変ピッチ機構を付ける必要があるが、それ未満なら要らない。参考：艦船メカニズム図鑑、図解雑学　船のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、図解船の科学、月刊航空ファン10,’19、トコトンやさしい油圧の本

＜可変面積排気ノズル＞：排気ノズルを参照。

＜火砲＞：口径20mm以上の砲身から、発射薬または推進薬で弾丸などの飛翔体を発射するもの。参考：GUN用語事典

＜火砲（ＣＦＥ条約）＞：主に間接照準射撃により地上目標を攻撃することができる大口径のシステム。口径100mm以上のカノン砲、榴弾砲、カノン砲と榴弾砲の両方の特性を兼ね備えた火砲、迫撃砲、多連装発射ロケットシステムを指す。また、将来の大口径直接照準射撃システムで、二次的なものとして間接照準射撃能力を有するものを含む。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜火砲係用工具セット＞：自衛隊の機器。大木製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜化防車＞：化学防護車の愛称。略称ではない。参考：月刊JWings6,’01

＜火砲弾薬＞：弾薬を参照。

＜カボ・オッジェル＞：チリ海軍哨戒艦Cabo Odger。2020年11月2-11日、ユニタス2020に参加。参考：月刊世界の艦船2,’21

＜華北軍区＞：中国軍の大軍区（一級軍区）。晋察冀軍区（山西省、河北省、山東省）と晋冀魯軍区（山西省、河南省）を統合して1948年5月20日に設置された。1955年の改編で廃止され、管轄地域は北京軍区に移管された。参考：月刊航空ファン5,’16

＜カボ・サン・アントニオ級＞：アルゼンチン海軍戦車揚陸艦。兵員600名、戦車18両を搭載できる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カポダノ＞：FF-1093（フリゲート）を参照。

＜カポック＞：海上自衛隊用語で、救命胴衣のこと。昔はカポックという落葉高木の繊維で作っていたので。参考：MAMOR vol.164

＜カボット＞：CVL-28（軽空母）を参照。

＜カポレット会戦＞：第１次大戦中の1917年3月、ロシア革命で東部戦線が消滅したため、ドイツ・オーストリア軍は東部戦線の兵力を西部に回し、イタリア戦線における攻勢を決定。イタリア軍はイゾンツォ川の東にある山岳地帯に62個師団を展開し、平地を中心に陣地を構築していたが、ドイツ・オーストリア軍は53個師団を集め、山岳地帯から奇襲をかけることにした。10月24日、ドイツ・オーストリア軍はイゾンツォ川方面からイタリア軍に攻撃を開始。ドイツ軍は少数兵力を事前に潜入させて指揮系統を混乱させ、数時間のガス弾による突撃支援射撃の後に前進し、僅か３日でイタリア軍防御陣地３線を突破して山岳地帯を抜けた。イゾンツォ川の防御線もあっさり突破され、イタリア第４軍主力は戦闘前に包囲されて降伏している。11月9日、ドイツ・オーストリア軍はベネチア直前のビアベ川に到達して前進を停止。イタリア軍は90万の損害を出し、陸軍全62個師団中28個が壊滅、火砲7000門のうち5000門を喪失した。これを受けてイギリスとフランスは急遽６個師団を現地に増派、何とか戦線を保つことに成功した。この戦いに参加したロンメルはヴュルテンベルク山岳大隊の１個中隊を指揮して急峻な山岳を突破、突撃を敢行し、プール・ラ・メリート勲章を受章している。参考：月刊PANZER5,’06、グラフィックアクション39

＜ガボン海軍＞：

＜ガボン海軍（１９７７年）＞：兵力100名。哨戒艇３隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ガボン海軍（１９８９年）＞：兵力500名。ポート・ジェンティルに司令部がある。ジェネラル・ナゼール・ブリンギ・クンバ級高速ミサイル艇１隻、ジェネラル・バウマール級哨戒艇１隻、スグエーヌ級内海哨戒艇１隻、小型哨戒艇３隻、バトラル級戦車揚陸艦１隻、戦車揚陸艇２隻、機械化揚陸艇１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガボン海軍（２０１５年）＞：現役兵力500名。ポート・ジェンティルに司令部がある。ジェネラル・バウマール級哨戒艇２隻、パトラ級ミサイル艇２隻、哨戒艇８隻、バトラル級戦車揚陸艦１隻、LCU Mk9を１隻、LCVPを12隻保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガボン空軍＞：1981年、EMB-111洋上哨戒機１機を導入。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ガボン空軍（１９７７年）＞：兵力200名。C-130輸送機２機、C-47輸送機３機、ノード262輸送機３機、アルエート�Vヘリ３機、SA330ヘリ３機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ガボン空軍（１９８９年）＞：兵力1000名。ミラージュ�XＧ戦闘機２機、ミラージュ�XＧ�U戦闘機４機、ミラージュ�XDG戦闘機３機、EMB-111P1哨戒機１機、C-130H輸送機１機、L-100-20輸送機１機、L-100-30輸送機２機、EMB-110輸送機、ファルコン50輸送機１機、ガルフストリーム�V輸送機１機、YS-11A輸送機２機、AS-350武装ヘリ２機、SA-342武装ヘリ５機、SA330C/H汎用ヘリ３機、SA-316/-319連絡ヘリ３機、CM-170対ゲリラ戦機６機、T-34対ゲリラ戦機４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガボン空軍（２０１５年）＞：現役兵力1000名。ミラージュF1AZ戦闘機６機、MB-326インパラ�T攻撃機２機、EMB-111洋上哨戒機１機（保管中）、C-130H輸送機１機、L-100-30輸送機１機（保管中）、ATR-42F輸送機１機、CN-235M-100輸送機１機、ファルコン900要人輸送機１機、ガルフストリーム�W−SP輸送機１機、ガルフストリームG650ER輸送機１機、CM-170マジステール練習機４機（全て保管中）、ベル412汎用ヘリ(AB-412)１機、SA342M汎用ヘリ２機、SA342L汎用ヘリ２機（全て保管中）、AS332汎用ヘリ１機、SA330C/H汎用ヘリ３機、H135汎用ヘリ１機、H120練習ヘリ２機、Ｕダーター（を保有しているという報告あり）を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガボン軍＞：

＜ガボン軍（１９８９年）＞：兵力4700名。フランス軍海兵歩兵連隊550名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガボン軍（２０１５年）＞：現役総兵力4700名（陸軍3200名、海軍500名、空軍1000名）、準軍事組織（憲兵）2000名。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員436名、歩兵大隊１個、オブザーバー１名を派遣している。フランス軍450名、空挺大隊１個、捜索救難・輸送飛行隊１個、CN-235M輸送機１機、SA330ヘリ１機が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガボン陸軍＞：2004年、パンデュル装甲車20両の配備を開始。2015年、アラビス装甲車の配備を開始。参考：月刊PANZER10,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガボン陸軍（１９７７年）＞：兵力950名。歩兵大隊１個、奇襲攻撃中隊２個、工兵中隊１個からなる。スカラト偵察車、無反動砲、81mm迫撃砲を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ガボン陸軍（１９８９年）＞：兵力3200名。大統領親衛隊大隊グループ（大統領直轄）、歩兵中隊８個、コマンドー／空挺中隊１個、工兵中隊１個からなる。EE-9偵察車16両、AML-90偵察車24両、EE-3偵察車12両、VBLM-11偵察車、EE-11歩兵戦闘車（20mm機関砲装備）12両、V-150装甲兵員輸送車６両、パナールM3装甲車、VXB-170装甲兵員輸送車12両、105mm砲M101を４門、140mm多連装ロケットランチャー８基、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲20門、89mmロケットランチャーLRAC、106mm無反動砲M-40、23mm高射機関砲ZU-23-2を24基、37mm高射機関砲M-1939を10基、40mm高射機関砲２門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガボン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力3200名。共和国警護隊（大統領直轄、大隊規模。機甲／偵察中隊１個、歩兵中隊３個、砲兵中隊１個、防空砲兵中隊１個）１個、歩兵中隊８個、コマンドー／空挺中隊１個、工兵中隊１個からなる。AML-60/-90偵察車24両、EE-3偵察車12両、EE-9偵察車14両、ERC-90F4偵察車６両、RAM V-2偵察車７両、VBL偵察車14両、EE-11歩兵戦闘車（20mm機関砲装備）12両、LAV-150装甲兵員輸送車９両、バスティオン装甲兵員輸送車５両、WZ-523装甲兵員輸送車３両、VXB-170装甲兵員輸送車12両、パンデュル装甲兵員輸送車１両、アラヴィス装甲車５両、アショク・レイランドMPV装甲車34両、105mm砲M101を４門、テルエル140mm多連装ロケット８基、81mm迫撃砲35門、120mm迫撃砲ブラント４門、ミラン対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1、20mm自走高射機関砲ERC-20、23mm高射機関砲ZU-23-2を24基、37mm高射機関砲M-1939を10門、70口径40mm高射機関砲３門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カマ＞：SS第23山岳師団を参照。

＜カマ＞：ロシア海軍カリーニングラードネフチ級補給艦。2019年4月28日0600頃、プロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートのアドミラル・ゴルシコフ、バクラザン型航洋曳船ニコライ・チカー、エルブラス級補給支援艦エルブラスと共に、下対馬南西220kmを北東に航行するのを、第１航空群P-3CとMSC-601ひらしまが確認した。その後これらは対馬海峡を北上し、日本海に向かっている。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜鎌＞：日本陸軍の木工器材。参考：工兵入門

＜釜石Ｆ−１６墜落事故＞：1999年1月21日1304、三沢基地から初期即応演習のためF-16CJ戦闘機２機が離陸、十和田湖、岩洞ダム上空を通過して南下し、岩手県北上市の東にある田瀬ダム上空から三陸海岸に向かった。ターゲットは唐丹湾の小白浜漁港とみられ、射角10度のダイブトス攻撃の模擬機動を行い、互いに「パンサー（攻撃成功）」をコールして２機は現場から離脱、MiG-21戦闘機に扮して空対空演習を行う訓練空域に向かった。1325頃、１機のパイロットが耐Ｇスーツのジッパーが外れているのに気付き、これを直そうとしている時、海抜990mの山の立木に機体を擦り、機体が損傷。正常な飛行を維持できなくなり、45秒後にパイロットが脱出、更に30秒後に墜落した。原因はパイロットの過労（前々日の勤務時間18時間、当日も５時起きで、悪天候により訓練が午後にずれこんだ上コクピット内で２時間以上待機させられた）による不注意とされている。参考：月刊軍事研究12,’99

＜鎌倉丸＞：日本郵船客船Kamakura maru。全長178m、幅22.56m、深さ12.95m、吃水8.7m、総トン数17498トン（17526トン？）。主機はB&W製複動ディーゼル２基２軸15500馬力、航海速力17.5ノット、最大速力20.65ノット。船客定員一等226人／二等96人／三等500人。昭和5年3月10日、秩父丸として竣工。4月4日、日本郵船サンフランシスコ航路に就航。昭和14年1月14日、横浜に帰港。その後ドックインし、ヘボン式表記禁止令に伴い1月18日に鎌倉丸に改称された。太平洋戦争中は日英交換船として使用され、海軍の輸送も行っている。昭和18年4月28日、マニラからバリクパパンに向かう途中、フィリピン中部パナイ島南西端ナソ岬南西28kmでSS-211ガジョンの雷撃を受け沈没し、2176名が戦死した。参考：月刊世界の艦船3,’19、輸送船入門

＜ガマ・ゴート＞：M561（軽輸送車）を参照。

＜ガマ灯＞：日本海軍用語で、夜間に着艦制動索を照らすための照明灯のこと。空母飛行甲板両舷に設置されており、ガマガエルのような形状をしているので、この名称を付けた。参考：月刊丸10,’93

＜ガマル・アブデル・ナセル＞：1010（強襲揚陸艦）を参照。

＜ガマル・アブデル・ナセル級＞：ミストラル級強襲揚陸艦（エジプト海軍）を参照。

＜カマン・エアクラフト社＞：アメリカのヘリコプター会社。1945年、チャールズ・カマンが設立した。参考：月刊軍事研究2,’16

＜カマン級＞：コンバタント�U級ミサイル艇（イラン海軍）を参照。

＜カマンダグ＞：アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍とフィリピン海兵隊の共同訓練で、カマンダグ（KAMANDAG）は協力という意味のタガログ語。参考：朝雲、月刊世界の艦船3,’19

＜カマンダグ２０１７＞：PHIBLEXの後釜として2017年9-10月にルソン島で行われた。陸上自衛隊も中央即応集団14名を派遣し、ルディアルドブラウン海兵隊基地での人道支援・災害救援指揮所訓練とアウロラ州カシグランでの小学校補修活動に参加している。参考：朝雲

＜カマンダグ２０１８＞：人道支援・災害救援における共同作戦能力の向上を目的に、2018年9月8日から10月23日までルソン島で行われた。陸上自衛隊も陸上総隊司令部、水陸機動団、中央即応連隊などから80名が参加している。10月2日1250（現地時間）／1350（日本時間）頃、水陸機動団の隊員１名と中央輸送業務隊の隊員１名がフィリピン人男性の運転する役務契約車両でスービック海軍基地近くを移動中に、大型車両と衝突し、水陸機動団の隊員が死亡、中央輸送業務隊の隊員が肋骨骨折の重症を負った。参考：朝雲

＜カマンダグ２０１９＞：2019年10月6-23日にフィリピンのテルテナ市などで実施された。アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍とフィリピン海軍第12海兵大隊に加え、三自衛隊が指揮所訓練、陸上自衛隊水陸機動団第２水陸機動連隊長以下80名がAAVによる着上陸訓練に参加している。参考：月刊世界の艦船12,’19、MAMOR vol.156

＜カマンダグ２０２１＞：2021年9月28日から10月8日、フィリピンのサンアントニオ市にあるレオヴィギルド・ガンディオキ海軍基地で実施された。陸上自衛隊からも水陸機動団30名が参加し、フィリピン軍海兵大隊140名と、救護所開設・運営及び被災者救助活動を演練している。参考：朝雲

＜カマンダグ２３＞：2023年11月9-20日、フィリピンのイリノイ州ボヘアドール海兵隊基地、カビテ州カビテ海軍基地、プエルト・プリンセサ州ウエスト・ロドルホ海兵隊基地、タギッグ州ボニアシオ海兵隊基地などで行われ、アメリカ海兵隊から第３海兵遠征軍、第３海兵沿岸連隊、第11海兵遠征隊など、フィリピン海兵隊から第４海兵隊大隊、海兵沿岸連隊などが参加した。陸上自衛隊も令和5年度比国における米比海兵隊との実動訓練として陸上総隊司令部、水陸機動団、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、富士学校が参加し、日米比３カ国共同訓練（水陸両用作戦能力を活用した孤立地域への救援活動、専門家交流の枠組みでの島嶼・沿岸防衛訓練）を行っている。また、イギリス海兵隊と韓国海兵隊が訓練を研修し、日米比英４カ国の水陸両用部隊等最先任上級曹長が効果的な水陸両用作戦に係る訓練の実施要領をテーマに懇談した。参考：陸上自衛隊ホームページ

＜神風＞：高速艇（甲）を参照。

＜神風（初代）＞：日本海軍神風型（初代）駆逐艦１番艦。明治38年8月16日竣工、軍艦（駆逐艦）に類別された。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更された。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正13年12月1日に掃海艇に転籍となった。昭和3年4月1日に除籍され、7月6日に廃駆逐艦第８号となった。参考：日本駆逐艦史

＜神風（２代目）＞：日本海軍神風型（２代目）駆逐艦１番艦。大正11年12月28日、第１駆逐艦という名称で就役し、一等駆逐艦に類別された。大正13年4月24日、第１号駆逐艦に改称された。昭和3年8月1日、神風に改称された。昭和20年2月14-15日、北号作戦に参加。6月15日、シンガポールで爆撃を受けて損傷した。10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された。昭和21年6月7日に座礁して放棄され、昭和22年に解体された。参考：日本駆逐艦史、激闘太平洋戦記、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜神風百三十馬力発動機＞：日本軍の航空機用エンジン。日本初の実用純国産航空機用エンジンで、大正15年から東京瓦斯電気工業が設計し、計画した５気筒90馬力、７気筒130馬力、９気筒150馬力のうち７気筒130馬力の試作を開始、昭和3年に試作エンジンが完成し、昭和4年に逓信省のテストに合格、同年5月6日には逓信大臣から賞状と銀杯が授与された。日本海軍もテストを行い、昭和6年12月22日に制式採用した。空冷星型７気筒ガソリンエンジンで、全長935mm、直径970mm、重量166-175kg。筒径115mm、行程120mm、総排気量8722cc。離昇出力160馬力（回転数2200rpm）、公称出力150馬力（回転数2000rpm。130馬力？）。三式二号陸上初歩練習機、九〇式水上初歩練習機、九一式水上偵察機、零式水上初歩練習機、渡辺十二試水上初歩練習機、日飛十二試水上初歩練習機に搭載された。参考：月刊丸8,’95、3,'18別冊

　＜神風百三十馬力発動機一型＞：マグネット発電機をクランクシャフトと平行に取り付けたタイプ。参考：月刊丸8,’95

　＜神風百三十馬力発動機二型＞：マグネット発電機をクランクシャフトと垂直に取り付けたタイプ。参考：月刊丸8,’95

　＜九五式一五〇馬力発動機＞：日本陸軍が昭和10年に採用したもので、ハ一二とも呼ばれた。公称出力150馬力、離昇出力160馬力。キ−９初号機、九五式三型練習機に搭載された。参考：月刊丸8,’95

　＜ハ２１＞：陸海軍エンジン名称統一により付けられた制式名。参考：月刊丸8,’95

＜カミカゼＵＡＶ＞：LMAMS（無人機）またはカミカゼ・ドローンを参照。

＜神風型（初代）＞：日本海軍駆逐艦。日露戦争開始直後に量産が決定した。春雨型の改良型で、艦周囲のブルワークが金属製の固定式になり、主缶の高さも低くなっている。垂線間長69.2m、全幅6.6m、平均吃水1.8m、常備排水量381トン。主機は直立式４気筒三連成レシプロ蒸気機械２基、主缶は艦本式石炭専焼（浦波、磯波、綾波は重油・石炭混焼）水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり17.6kg、飽和温度）４基、出力6000馬力、２軸推進、速力29ノット、航続距離850海里（11ノット）。兵装は安式十二斤速射砲２門、一号短（改）８サンチ砲（短十二斤速射砲）４門、45サンチ魚雷単装発射管２門。乗員62名。明治38-42年に神風、初霜、弥生、如月、白露、白雪、松風、朝風、春風、時雨、朝露、疾風、追風、夕凪、夕暮、夕立、三日月、野分、潮、子日、響、白妙、初春、若葉、初雪、卯月、水無月、長月、菊月、浦波、磯波、綾波の32隻が就役した。明治末期にかけて水雷戦隊の主力だったが、以降は仮想戦域が太平洋になったため小型の本艦では使用に耐えられなくなり、艦尾の武装を撤去して掃海艇に改造され、昭和初期までに退役した。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜神風型（２代目）＞：日本海軍駆逐艦。野風型の兵装配置を踏襲しつつ、重心上昇を抑えるため船体幅を0.23m、吃水を0.02m増加させた。艦橋前側面の壁はキャンバス張りから鋼製になった。大正12年新補充計画で追加された追風（２代目）、疾風（２代目）、朝凪、夕凪（２代目）は開放型缶室を採用し、ボイラー員の疲労低減を図っている。全長102.6m、水線幅9.2m、吃水2.9m、基準排水量1270トン。主機は旗風までが三菱パーソンズ式オール・ギヤード・タービン（峯風型より高圧タービンの直径を増して回転数を減らし、巡航段落２群を追加するなどして燃費を改善）、追風以降が艦本式衝動型高低圧式２胴型オール・ギヤード・タービン（巡航タービン内蔵高圧タービンと後進タービン内蔵低圧タービンからなる）、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり18.3kg、55.6℃の加熱器付き）４基、出力38500馬力、最大速力37.3ノット、航続距離3600海里（14ノット）。兵装は三年式45口径12サンチ単装砲４門、6.5ミリ単装機銃２丁、十年式五三サンチ二連装水上発射管（追風、疾風、夕凪は★十年式五三サンチ二連装水上発射管）３基、八一式爆雷投射機（追風以降）、一号機雷16個。乗員154名。18隻を建造する予定だったが、ワシントン条約締結による建造計画改定で神風（２代目）、朝風（２代目）、春風（２代目）、松風（２代目）、旗風、追風（２代目）、疾風（２代目）、朝凪、夕凪（２代目）の９隻に減らされ、大正11-14年に就役した。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船12,’10、5,’11、9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜神風特別攻撃＞：神風特別攻撃を参照。

＜カミカゼ・ドローン＞：自爆無人機、カミカゼUAV。神風特別攻撃よろしく、炸薬を搭載し、目標に自機ごと突入して破壊する無人機のこと。小型の機体がそれなりの速度で突っ込んでくるため小銃や機関銃の目視照準では撃墜が難しく、かといって地対空ミサイルを持ち出すのは費用対効果に劣り、ECMでは人工知能で目標識別も可能な自律型無人機に対抗できないので、各国軍ではレーザー砲などの無力化手段開発を急いでいる。長時間滞空して空中待機できるタイプは徘徊型兵器という。参考：朝雲

＜神風丸＞：日本海軍特設水雷母艦。元は昭和13年3月17日に竣工した東大汽船中型貨物船で、山下汽船が用船し、昭和15年8月に山下汽船に移籍、太平洋戦争で日本海軍が徴用した。垂線間長111.5m、幅16.5m、深さ8.9m、吃水7.25m、総トン数4916トン、重量トン数7198トン。主機は蒸気タービン１基１軸3237馬力、航海速力13.5ノット、最大速力16.3ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争勃発時は第２艦隊付属だった。昭和19年3月30日、パラオに停泊していた際、アメリカ第５艦隊艦上機の空襲で大破し、3月31日に沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’17、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜神川丸＞：日本海軍神川丸型特設水上機母艦。元は昭和12年3月15日に竣工した川崎汽船の高速貨物船で、日華事変勃発により昭和12年9月17日に徴用され、9月18日に特設水上機母艦に類別された。昭和13年12月5日、特設運送艦（航空機運搬艦）に艦種変更された。昭和14年11月15日、特設水上機母艦に戻った。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第12航空戦隊に所属していた。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、MO攻略部隊に所属して珊瑚海海戦に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。昭和18年5月28日、ビスマルク諸島北東沖でSS-277スキャンプの雷撃を受けて沈没した。7月15日に解役された。参考：日本航空母艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、写真集日本の小艦艇、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜神川丸型特設水上機母艦＞：日本海軍特設水上機母艦。元は川崎汽船のニューヨーク航路用ディーゼル高速貨物船で、日華事変や太平洋戦争を機に徴用されて改造を受けた。艦橋前後を水上機搭載スペースとし、後甲板に航空機移送軌条を設け、艦橋後方右舷にカタパルト１基を設置し、艦内部は整備スペースや機材収容スペースとして使用している。前部の水上機はデリッククレーンで海上に降ろして発進させる。水線長146.15m、全幅19m、満載吃水8.23m、総トン数6853トン。主機は川崎MAN式ディーゼル１基１軸7500馬力、速力19.5ノット。兵装は14cm単装砲２門、12cm単装高角砲２門、8cm単装高角砲２門、25mm連装機銃２基の予定だったが、実際は40口径安式15cm単装砲２門（前後甲板）、13mm連装機銃２基（艦橋後部両舷）、13mm単装機銃２丁（艦橋ウイング両舷）となった。君川丸は五年式短８サンチ高角砲２門（艦橋前方の前甲板両舷）も装備している。水上機12機（前部４機、後部８機）を搭載し、カタパルトの上にもう１機収容できる。搭載機は九四式水上偵察機、零式水上偵察機、九五式水上偵察機、零式観測機、二式水上戦闘機など。乗員141名。神川丸、聖川丸、君川丸、國川丸の４隻が就役した。君川丸は後に15cm砲を45口径十年式12サンチ単装高角砲Ｅ型に換装した。昭和18年に撃沈された神川丸以外は、後に輸送船に戻されている。参考：日本航空母艦史、歴史群像6,’04、月刊モデルアート9,’15増刊

＜上九一色村異臭事件＞：1994年7月9日と15日に、山梨県上九一色村にあるオウム真理教第７サティアンの近くで有毒ガスが発生した事件。付近の住民が異臭により息苦しさを訴えて次々と逃げ出した。オウム真理教の所有する第７サティアン付近で発生したため、ここが発生源ではないかといわれたが、オウム真理教はアメリカ軍により毒ガスが撒布されたと主張した。11月、再度異臭事件が起こり、この時の草むらの枯れ方が松本サリン事件の際と同じであると気付いた警察は、アメリカ陸軍の協力を得て付近の土壌からサリンの最終産物であるメチルホスホン酸を検出した。原因はオウム真理教がサリンを製造していたためで、1995年1月1日に新聞で上九一色村の土からサリン分解産物が検出されたというスクープ記事が出ると第７サティアンのサリン製造工場の解体とサリンの廃棄を開始し、警察に摘発される前には地下鉄サリン事件を起こした。参考：図解雑学生物・化学兵器、化学・生物兵器概論

＜神重徳＞：海軍兵学校48期卒。昭和8年11月、海軍大学校を首席で卒業した。12月、ドイツに渡った。昭和10年4月、ドイツ大使館付武官補佐官となった。ヒトラーとナチスの動向を観察し、ドイツが武力で領土を回復すると確信したらしい。昭和11年3月、軍務局第一課付となった。昭和13年、軍務局第一課に勤務。昭和14年11月、軍令部第一部第一課（作戦）勤務となった。昭和17年7月、第８艦隊参謀となった。昭和18年8月、第５艦隊旗艦多摩の艦長としてキスカ撤収作戦に参加。12月、教育局第１課長となった。昭和19年7月13日、連合艦隊専任参謀となった。昭和20年6月20日、第10航空艦隊参謀長となった。9月14日、出張先の北海道から帰る際、乗っていた飛行機が津軽海峡で不時着水した。近くのアメリカ駆逐艦が救助にあたったが、一人だけ行方不明となり死亡認定された。参考：日本海軍艦隊総覧

＜かみしま＞：MSC-664（掃海艇）を参照。

＜神島＞：日本海軍神島型敷設艇。昭和20年7月30日竣工。8月8日、横須賀に到着した。終戦時は横須賀に停泊していた。昭和22年10月3日、ナホトカでソ連に引き渡された。参考：小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜神島型＞：日本海軍敷設艇。測天型の改良型で、簡略化を図った戦時量産型である。主機は丙型海防艦と同じものを使用した。全長73.3m、最大幅7.85m、基準排水量766トン、公試排水量800トン。主機はディーゼル、出力1900馬力、速力16.5ノット。兵装は仮称五式40ミリ機銃２丁、25ミリ機銃13丁、爆雷投下台８個、爆雷投射機４基、機雷120個。爆雷は機雷を搭載しない時は36個積める。一三号電探、二二号電探、三式二型探信儀、九二式水中聴音機を装備する。神島が昭和20年に就役した。２番艇の粟島は戦後に竣工し復員船として使用され、３番艇の彦島は特攻兵器優先のため起工直前で建造中止になった。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊

＜上瀬谷通信施設＞：在日米軍の通信施設。横浜市にあり、面積242ヘクタール。2015年6月30日、日本に返還された。参考：MAMOR vol.98、朝雲

＜上対馬警備所＞：海上自衛隊の部隊。2012年4月18日と20日、史跡・企業研修を兼ねた保健行軍を実施。2015年4月14日、対馬市上県町棹崎公園への保健行軍を実施。砲座、弾薬庫、観測所、兵舎跡、対馬野生生物保護センターを研修し、公園内のボランティア清掃を行った。参考：朝雲

＜カミナ＞：ベルギー海軍輸送艦。元はドイツ海軍魚雷艇母艦ヘルマン・フォン・ヴィスマンである。コンゴ動乱でコンゴへの兵員輸送に使用された。参考：グラフィックアクション44

＜雷レーダー＞：気象レーダーの１つ。雷雲が垂直方向に成長して高々度に達する事や、雷雲中の雨滴が大粒に成長して特有のレーダー波反射特性を示す事などを利用し、雷を予測するレーダーである。参考：レーダシステムの基礎理論

＜神ノ池飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和19年、茨城県那珂郡木崎村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜神の党＞：ヒズボラを参照。

＜上平啓州＞：日本海軍エース。大正9年、神奈川県生まれ。昭和12年9月、甲種飛行予科練習生となり、昭和14年6月に卒業、大分航空隊に配属された。その後大村航空隊、横須賀航空隊に配属され、昭和15年8月に第12航空隊所属となり、漢口基地に進出した。昭和16年3月14日、成都攻撃で４機（不確実１機含む）を撃墜。昭和16年10月、台南航空隊に転属となった。12月8日、ルソン島攻撃で１機を撃墜。昭和17年4月、第６航空隊所属となり、隼鷹に搭乗してAL作戦に参加した。7月、大分航空隊所属となった。昭和18年4月、飛曹長に昇進。10月、第381航空隊に転属となった。昭和19年9月5日、P-38戦闘機２機、B-24爆撃機５機（不確実２機含む）を撃墜した。その後負傷して本土に帰還し、特攻隊の教官となった。終戦後は海上保安庁に勤務したが、昭和35年、操縦するヘリコプターが函館で墜落し、死亡した。総撃墜数17機、最終階級は中尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜上富良野中演習場＞：陸上自衛隊の演習場。面積は3469万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。極寒地域であり、冬季演習中の車両からは何本ものつららが垂れ下がる。参考：月刊軍事研究4,’10、スピアヘッドNo.12

＜上富良野駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は北海道空知郡上富良野町南町４丁目で、JR上富良野駅から歩いて20分。警察予備隊総監が道央の演習場適地を探して空中視察を行った際に目を付けたのがきっかけで、1951年10月4日に設置が決まり、1955年9月1日に開設され、上富良野駐屯地業務隊などが新編され、第２特科連隊が旭川駐屯地から移駐した。9月6日、第２特車隊が名寄駐屯地から移駐した。1956年10月10日、多田弾薬支処が開設された。1957年1月25日、第330固定無線隊が第330重無線隊に改編された。1958年12月2日、第308地区施設隊が旭川駐屯地から移駐した。1960年1月14日、第330重無線隊が第330基地通信隊に改編された。3月28日、第２管区警務隊第329警務分遣隊が第380警務隊上富良野派遣隊に改編された。1961年1月16日、旭川地方連絡部上富良野分駐所が開設された。7月11日、第２対戦車隊が新編された。1962年1月18日、第２特科連隊が旭川駐屯地に移駐した。第２特車隊が第２戦車大隊に改編された。3月13日、第４特科群が東千歳駐屯地から移駐した。8月1日、第315武器中整備中隊が島松駐屯地から移駐した。1963年8月24日、第315武器中整備中隊が第304武器野整備隊、第305装輪車野整備隊、第306装輪車野整備隊に分かれ、第305装輪車野整備隊が帯広駐屯地に移駐した。1966年8月1日、第306装輪車野整備隊が旭川駐屯地に移駐した。1971年3月25日、第102装甲輸送隊が新編された。1972年7月17日、旭川地方連絡部上富良野分駐所が旭川地方連絡部上富良野募集事務所に改編された。1973年3月27日、第380警務隊上富良野派遣隊が第106地区警務隊上富良野連絡班に改編された。1976年3月26日、第330基地通信隊が第301基地通信中隊上富良野派遣隊に改編された。1977年3月25日、多田分屯地が開設され、多田弾薬支処が移った。第304武器野整備隊が第304武器野整備中隊に改編された。1981年3月24日、第102装甲輸送隊が廃止された。1984年3月26日、第301多連装ロケット中隊が新編された。1988年3月25日、第308地区施設隊が廃止された。1991年3月29日、第316戦車中隊が新編された。1994年3月28日、第２対戦車隊が廃止された。第３地対艦ミサイル連隊が新編された。1995年3月28日、第301多連装ロケット中隊と第316戦車中隊が廃止された。第２戦車大隊が第２戦車連隊に改編された。2000年3月28日、第３地対艦ミサイル連隊直接支援隊と第304武器野整備中隊が廃止された。第103全般支援大隊、第101特科直接支援大隊第２・第５直接支援中隊が新編された。第117特科大隊が第131特科大隊に改編された。2003年3月23日、北部方面調査隊上富良野派遣隊が北部方面情報保全隊上富良野派遣隊に改編された。2006年8月1日、旭川地方連絡部上富良野募集事務所が旭川地方協力本部上富良野募集事務所に改編された。2008年から冬山の救助活動に備えて冬期遭難救援隊を毎年編成するようになった。2008年3月25日、第２戦車連隊本部管理中隊整備小隊が廃止された。3月26日、第２後方支援連隊第２整備大隊戦車直接支援中隊が新編された。2011年1月14日、新成人隊員29名が参加して成人祝賀行事を実施。新成人は高さ5mのやぐらから抱負を述べた後、下の雪に飛び降りた。4月22日、第２対舟艇対戦車中隊と第２後方支援連隊第２整備大隊対舟艇対戦車直接支援小隊が新編された。2013年4月7日、平成25年度自衛官候補生課程教育入隊式を実施。12月15日、関係団体や隊員家族らと共に、年末恒例餅つき大会を実施。2014年1月10日、新成人隊員37名の成人祝賀行事を実施。マイナス13℃の寒さの中、恒例の雪中飛び降りを行った。2015年1月16日、富良野高校の生徒６人のインターンシップに協力。2月18日、上富良野町と美瑛町が共催した平成26年度十勝岳噴火災害総合防災訓練に参加。3月18日、十勝岳周辺で冬期遭難救援隊訓練を実施。スキー指導官31名が冬山での遭難者捜索・救出搬送訓練を行った。2016年4月3日、自衛官候補生23名の入隊式を実施。6月11日、駐屯地音楽隊が千歳市民文化センターで第１特科団音楽隊が開催したユーカラコンサートを支援した。7月12日と15日、人命救助システム訓練を実施。12日は南富良野町金山湖で救命ボートを使用した救助訓練、15日は駐屯地グラウンドで第２師団第２飛行隊UH-1多用途ヘリによる後送訓練を行った。12月10日、地元協力会員や隊員家族など650人を招いて駐屯地年末行事を実施。餅つき大会、昼食会、演芸会などを行った。2017年2月4日、駐屯地修親会と曹友会が上富良野町社会福祉協議会主催の除雪ボランティアに参加。2月9-10日、十勝岳噴火災害対処指揮所訓練を実施。2月22-23日、十勝岳噴火総合防災訓練に参加。3月26日、第４特科群第120特科大隊が廃止された。第14施設群（本部、第395施設中隊、第396施設中隊）と第101施設直接支援大隊第４直接支援中隊が新編され、第301坑道中隊が南恵庭駐屯地から移駐した。11月5日、中富良野町子供会の小学生・保護者32人に部隊研修を実施。2018年2月6日、平成29年度十勝岳噴火災害対処指揮所訓練を実施。駐屯地所在部隊、上川総合振興局、美瑛町、上富良野町、両町消防署、中富良野町、旭川開発建設部、旭川方面警察本部、旭川東警察署、富良野警察署が参加し、北海道危機対策課もオブザーバー参加して、噴火前の住民緊急避難に重点を置いた訓練を行った。9月1日、消防ポンプ班８名が上富良野・中富良野消防総合演習に参加し、水防工法訓練（土のう運搬・堤防作成）の部で優勝した。9月26日、秋の交通安全運動に合わせたキャンペーン活動を行い、富良野地方自衛隊協力会上富良野支部女性部、先任上級曹長、曹友会員らが、駐屯地正門と東門で1700-1800に交通安全旗を掲揚し、退庁する隊員の交通安全意識向上を図った。2019年2月12日、消防・警察と共に、十勝岳周辺で平成30年度冬季遭難救援隊総合訓練を実施。5月20日、駐屯地曹友会と各部隊先任上級曹長らが春の交通安全運動週間に合わせた交通安全キャンペーンを実施。7月13日、駐屯地音楽隊と紫彩太鼓（駐屯地太鼓部）が、なかふらのラベンダー祭り＆花火大会を支援した。8月8日、小学生13人に青少年防衛講座を実施。2020年2月10日、中富良野町北星山スキー場でウインターフェスティバルのイベントに協力し、駐屯地音楽隊による演奏や第３地対艦ミサイル連隊によるメインステージ・雪像作成を行った。2月19日と22日、十勝岳噴火総合防災訓練に参加。8月5日、大雨による河川氾濫を想定した駐屯地即応態勢点検を実施。2021年1月12日、駐屯地基本訓練場で隊員６名に３曹昇任行事を実施。4月4日、富良野地方自衛隊協力会各支部女性部と女性自衛官との第１回交流事業を実施。12月18日、美瑛町町民ホールで公開音楽演奏会を実施。2022年3月29日、駐屯地太鼓部の紫彩太鼓が富良野地方自衛隊協力会上富良野支部女性部の定期総会で太鼓演奏を披露した。参考：上富良野駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、スピアヘッドNo.18、朝雲、戦車隊長、月刊JWings10,’17、MAMOR vol.133

　＜上富良野駐屯地（２０１５年）＞：第２師団第２戦車連隊、第２対舟艇対戦車中隊、第２後方支援連隊第２整備大隊戦車直接支援中隊、同第２整備大隊対舟艇対戦車直接支援小隊、第１特科団第４特科群、第３地対艦ミサイル連隊、北部方面後方支援隊第103全般支援大隊、第101特科直接支援大隊第２直接支援中隊（第４特科群の支援）、同第５直接支援中隊（第３地対艦ミサイル連隊の支援）、第301基地通信中隊上富良野派遣隊、第119地区警務隊上富良野連絡班、北部方面会計隊第344会計隊、上富良野駐屯地業務隊、旭川地方協力本部上富良野地域事務所・援護センターが駐屯している。参考：、上富良野駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜上富良野駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2015年7月13-17日、第１特科団訓練検閲を支援した。2020年4月17日、油流出対処訓練を実施。8月5日、大雨による河川氾濫を想定した駐屯地即応態勢点検に参加し、厚生センター図書館に隊員の子どもの一時預かり施設を開設した。9月10日、救急患者発生時対処訓練を実施。参考：朝雲

＜上別府飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜上村彦之丞＞：海軍兵学校第４期卒。日清戦争時は秋津洲艦長で、戦後は常備艦隊参謀長となった。明治36年10月27日、第２艦隊司令長官となった。日露戦争には第２艦隊司令長官で参加。緒戦でウラジオストク艦隊を捕捉し損ねたため自宅に投石されたり国賊や露探提督などと侮辱する手紙を届けられたり切腹勧告状まで送りつけられたりしたが、蔚山沖海戦で勝利し海戦後に旗艦リューリック生存者の救出に奔走すると我が武士道を世界に示した栄えある英雄と称賛に変わった。明治38年12月20日、第２艦隊司令長官を退いた。明治42年12月1日から明治44年12月1日まで第１艦隊司令長官を務めた。将官時代はほぼ海上勤務だったため、船乗り将軍（提督ではない）と呼ばれている。大正5年8月8日、67歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜紙洋服＞：昭和15年に登場した、スフの代用服。紙をテープ状にし、撚り合わせて糸にしたものを織って洋服に仕立ており、洗濯も可能。あまり普及しなかった。参考：戦時用語の基礎知識

＜カミリーノ＞：VCC-1（装甲車）を参照。

＜カミングス＞：DD-365（駆逐艦）を参照。

＜カミンスキー旅団＞：ドイツ武装親衛隊の旅団。ロシア人技術者ブロニスラブ・カミンスキーSS准将を旅団長とする脱走ロシア兵・ウクライナ兵部隊で、兵力7000名、鹵獲兵器を装備する。ワルシャワ蜂起に投入されて残虐な鎮圧を行った。参考：武装親衛隊

＜仮眠用覆い＞：陸上自衛隊の個人用仮眠具。ポンチョ式のナイロン製二重構造防水防寒布で、迷彩塗装が施されており、仮眠や夜間歩哨の際に着用する。屋外用覆いや日除けとしても利用でき、折り畳むと200mm×300mmくらいになるので、戦闘背嚢に収容可能。参考：MAMOR vol.126

＜カム＞：K264（フリゲート）を参照。

＜カムイの砦作戦＞：自衛隊の道東方面防衛作戦。まず第５師団が網走・釧路ラインを確保して敵の侵攻を食い止める。第７師団は空襲を避けて室蘭本線の東に展開し、安平弾薬支処と早来燃料支処で兵站を整え連隊戦闘団を編成し、第１戦車団と合同で３個梯団を形成、１個は旭川から国道333号沿いに網走・美幌へ、１個は滝川から富良野を越え国道38号線経由で帯広から先へ、１個は国道272号線を通って帯広から海岸線沿い、または苫小牧から襟裳岬経由で十勝川を渡って釧路に向かう。参考：月刊軍事研究4,’10、3,’09

＜カムコプターＳ１００＞：オーストリアのシーベル社が開発したヘリコプター型UAV、Camcopter S100。製造はタワザン・ホールディングスと合同で設立したジョイントベンチャー、ADASI（Abu Dhabi Autonomous Systems Investments）が担当する。INSとGPSを搭載しており、離着陸、発着艦、飛行は完全自律で行える。可視光センサー、赤外線カメラ、合成開口レーダーなどを搭載でき、得られた情報は母艦などにリアルタイムで伝送可能。全長3.11m、メインローター直径3.4m、胴体幅1.24m、全高1.04m、発艦時最大重量200kg。エンジンはAE50Rロータリーエンジン（55馬力）、巡航速度55ノット、最大速度120ノット、航続距離180km、航続時間６時間（ペイロード25kg。34kg？）／10時間（増槽あり）。ペイロード50kg。2007年に軍艦での自動発着艦テストに成功し、2008年にはSADA着陸システムと組み合わせてフランス海軍ジョルジュ・レイグ級駆逐艦D642モンカルムへの着艦テストに成功した。フランス海軍、ドイツ海軍、UAE軍が採用しており、ヨルダンにはL-3ウェスカム社製MX-10EO/IRセンサーポッドを搭載した機体が２機輸出されている。中国海軍も導入したようで、2011年に洋上でテスト飛行を行っているのを海上自衛隊が発見した。民間用としても売り込み中。参考：月刊軍事研究9,’12、5,’11、3,’09、5,’09、月刊世界の艦船4,’12

＜カムコプターＳ１００海外シリーズ＞

　＜カムコプターＳ１００（フランス海軍）＞：フランス海軍の艦載無人機。2019年7月に運用部隊（艦載ヘリ部隊から改編）が指定された。運用先はミストラル級強襲揚陸艦で、まず３番艦L-9015ディズミュドが2019年に運用改修を終えている。参考：月刊世界の艦船10,’19、3,’21

　＜ペリグリン＞：イギリス海軍無人ヘリ。カムコプターS100に電子光学センサー、タレス社製I-Master合成開口レーダー（洋上移動目標識別MMTI機能付）、船舶自動識別装置用受信機、CarteNavミッションシステムを搭載したものである。23型フリゲートに搭載予定。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜カムコプターＳ３００＞：オーストラリアのシーベル・エアクラフトが開発している回転翼型無人機。カムコプターS100の拡大型で、管制ステーションはカムコプターS100と共用でき、機体と管制ステーションを纏めて20フィート・コンテナに収容できる。全長4.8m、全幅0.9m、全高1.9m、最大離陸重量660kg。巡航速度55ノット、最大速度120ノット。ペイロード340kg（燃料含む）。ユーロネイヴァル2022で発表された。参考：月刊世界の艦船1,’23

＜カムストック＞：LSD-19（アシュランド級ドック型揚陸艦）またはLSD-45（ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦）を参照。

＜カムデン＞：AOE-2（高速戦闘支援艦）を参照。

＜カムフーバー・ライン＞：ヒンメルベッド（高射砲射撃指揮装置）を参照。

＜カムロンシン＞：531（哨戒艦）を参照。

＜カムロンシン級＞：タイ海軍哨戒艦Khamronsin級。満載排水量640トン。兵装は76mm単装砲１門、３連装対潜魚雷発射管２基（スティングレイ短魚雷）など。１番艦艦番号531カムロンシンなど３隻が1992年に就役した。参考：月刊世界の艦船2,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カメ＞：陸自用語で、車両が悪路に嵌って動けなくなること。スタック。戦車の場合、後進中にカメになれば車長の責任、それ以外は操縦手の責任である。参考：月刊軍事研究10,’07

＜亀ヶ首射撃試験場＞：日本海軍の射撃試験場。呉の南にある倉橋島東端に設営され、各種徹甲弾・装甲板の射撃試験に使用された。実際の口径の砲による射撃試験の他、40cm徹甲弾５号を摸した4.7cm砲弾による縮射試験も行っている。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜ガメさん＞：日本陸軍用語で、歩兵のこと。参考：新兵サンよもやま物語

＜ガメどん＞：航空自衛隊第42警戒群のゆるキャラ。J/FPS-5ガメラレーダー（1/17スケール）をモチーフとして2015年に製作された。参考：朝雲

＜亀の子＞：い号装置（UGV）を参照。

＜カメノコ＞：日本軍の棒付き爆弾の通称。ゴム製吸盤付きケースに爆薬を搭載し、長い棒の先に取り付けたものである。参考：激闘太平洋戦記

＜カメハメハ＞：SSBN-642（ラファイエット改級戦略原潜）またはSSN-642（SEAL支援特殊任務原潜）を参照。

＜カメラ・ガン＞：写真銃を参照。

＜ガメラレーダー＞：J/FPS-5シリーズ（レーダー）またはFPS-XX（試作レーダー）を参照。

＜カメリア＞：K31（コルベット）を参照。

＜カメルーン海軍＞：1983年、ミサイル艇バッカシが竣工。参考：月刊軍事研究3,’00

＜カメルーン海軍（１９７７年）＞：兵力200名。大型哨戒艇１隻、沿岸哨戒艇６隻、小型上陸用舟艇６隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜カメルーン海軍（１９８９年）＞：兵力700名。ドウアラに司令部、リンベとクリビに基地がある。バッカシ級ミサイル艇１隻、ロウダッシュウ級内海高速哨戒艇１隻、小型内海哨戒艇２隻、機械化揚陸艇２隻、兵員車両揚陸艇５隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カメルーン海軍（２０１５年）＞：現役兵力1300名。司令部はドゥアラにある。哨戒艇17隻、アレサ2300中型揚陸艦１隻、ユンナン級LCU２隻を保有する。海兵隊は３個海兵大隊からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カメルーン空軍＞：2019年5月13日、第51飛行隊Z-9武装ヘリ１機がバメンダを離陸後に悪天候に巻き込まれ、オク近隣に墜落、同乗者４名のうち警察関係者１名が死亡した。参考：月刊航空ファン8,’19

＜カメルーン空軍（１９７７年）＞：兵力300名。マジステール４機、C-47輸送機４機、DHC-4輸送機２機、HS748輸送機２機、アルエート�U／�Vヘリ２機、SA330ヘリ１機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜カメルーン空軍（１９８９年）＞：兵力300名。アルファジェット攻撃機５機、マジステール攻撃機11機、Do-128D-6海上哨戒機２機、SA-342L武装ヘリ（HOT対戦車ミサイル装備）４機、C-130H/C-130H-30輸送機３機、DHC-4輸送機１機、DHC-5D輸送機４機、IAI-201輸送機１機、PA-23輸送機２機、SE-3130ヘリ３機、SA-318ヘリ１機、SA-319ヘリ４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カメルーン空軍（２０１５年）＞：現役兵力300-400名。MB-326Kインパラ�T攻撃機１機、MB-326Kインパラ�U攻撃機４機、C-130H輸送機２機、C-130H-30輸送機１機、CN-235輸送機１機、DHC-4輸送機１機、DHC-5D輸送機１機、IAI-201輸送機１機、J.300ジョーカー輸送機２機、MA60輸送機１機、PA-23輸送機２機、テトラス輸送機７機、ガルフストリーム�V要人輸送機１機、アルファジェット練習機４機、AS365ドーファン２ヘリ１機、ベル412ヘリ１機、Mi-17ヘリ２機、SA319アルエート�Vヘリ２機、HOT対戦車ミサイル搭載SA342ヘリ４機、Z-9ヘリ３機、AS332ヘリ２機、SA330Jヘリ２機、ベル206Bヘリ２機、ベル206L3ヘリ１機を保有する。保安大隊１個が編成されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カメルーン軍＞：

　＜カメルーン軍（２０１５年）＞：現役総兵力14200名（陸軍12500名、海軍1300名、空軍400名）、準軍事組織（憲兵）9000名。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員967名、歩兵大隊１個、オブザーバー５名、コートジボアールにUNOCIオブザーバー１名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員２名とオブザーバー３名を派遣している。アメリカ軍300名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カメルーン陸軍＞

＜カメルーン陸軍（１９７７年）＞：兵力5500名。歩兵大隊４個、装甲車中隊１個、通信中隊１個からなる。フェレット偵察車、81mm迫撃砲、106mm無反動砲を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜カメルーン陸軍（１９８９年）＞：兵力6600名。軍管区３個、軍区７個、大統領親衛隊（護衛大隊１個、機甲偵察大隊１個、歩兵中隊３個）、コマンドー／空挺大隊１個、歩兵大隊５個、工兵大隊１個、砲兵大隊１個、高射砲大隊１個からなる。M8偵察車８両、フェレット偵察車、V-150偵察車（20mm機関砲装備）８両、V-150歩兵戦闘車（90mm砲装備）12両、V-150装甲兵員輸送車29両、M3ハーフトラック12両、75mm砲M-116を６門、105mm砲M101を16門、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲16門、ミラン対戦車ミサイル、89mmロケットランチャーLRAC、52式75mm無反動砲13門、106mm無反動砲M-40を40門、58式14.5mm機銃18丁、エリコン35mm連装機関砲18基、63型37mm高射機関砲18門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カメルーン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力12500名。軍管区３個を置く。即応旅団（機甲偵察大隊１個、空挺大隊１個、水陸両用大隊１個）１個、自動車化歩兵旅団（自動車化歩兵大隊３個、支援大隊１個）３個、自動車化歩兵旅団（自動車化歩兵大隊２個、支援大隊１個）１個、即応歩兵大隊３個、コマンドー／空挺大隊１個、大統領警護大隊１個、砲兵連隊（砲兵中隊５個）１個、防空連隊（防空中隊６個）１個、工兵連隊３個からなる。AML-90偵察車31両、AMX-10RC偵察車６両、フェレット偵察車15両、M8偵察車８両、RAM-2000偵察車５両、VBL偵察車５両、LAV-150歩兵戦闘車（20mm機関砲装備）８両、LAV-150歩兵戦闘車（90mm砲装備）14両、07P式歩兵戦闘車８両、M3ハーフトラック12両、LAV-150装甲兵員輸送車21両、クーガー４×４輪装甲車６両、155mm自走砲アトモス2000を18両、105mm砲M101を20門、130mm砲M-1982を12門（保有しているという報告あり）、59式130mm砲（M-46）12門、155mm砲I1を８門、122mm多連装ロケット20両、81mm迫撃砲（自走迫撃砲もあり）、120mm迫撃砲ブラント16門、TOW搭載ジープ24両、ミラン対戦車ミサイル25基、106mm無反動砲M40A2を40門、52式75mm無反動砲（M20）13門、89mmロケットランチャーLRAC、105mm自走砲PTL-02改（Cara105）、58式14.5mm対空機銃（ZPU-2）18基、35mm高射機関砲GDF-002を18門、63式37mm高射機関砲18門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カメレオン＞：CV90TriAD（自走高射機関砲）を参照。

＜カメレオン＞：アドバンスド・ディフェンス・ヴィークル・システムズ社がプライベント・ベンチャーで開発した装輪装甲車。ヴェトロニクスはオープン・アーキテクチャーを採用している。エンジンはディーゼル（600馬力）。アメリカ海兵隊ACVに提案したが、採用されなかった。参考：月刊軍事研究5,’16

＜カメンカ型測量艦＞：ロシア海軍測量艦。満載排水量772トン。GS-211などが就役した。参考：月刊世界の艦船9,’12

＜神威＞：日本海軍神威型給油艦Kamoi。大正10年9月、ニューヨーク造船所で起工、大正11年6月進水、9月5-7日洋上公試、9月12日竣工、運送艦に類別された。9月26日から10月2日、ハドソン川に停泊。パナマ運河を通って12月10日に徳山に入港し、貨油を陸揚げした。12月13日、徳山を出港。12月15日、横須賀に入港。大正12年9月1日に発生した関東大震災救護のため、日本赤十字社大阪支部救護班第３班15人を便乗させ、9月5日0900に大阪を出港して東京に向かった。昭和7年8月から昭和8年2月、水上機母艦に改造された。昭和9年6月1日、水上機母艦という艦種が制定され、この分類となった。昭和12年7月7日、日華事変勃発時は第12戦隊に所属していた。昭和14年、飛行艇母艦（搭載はせず、補給と整備のみ行う）に改造された。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時は建制では第４艦隊第24航空戦隊、兵力部署では南洋部隊航空部隊所属で、ギルバート・ウェーク島攻略作戦を支援した。昭和17年1月20日、ラバウル攻略作戦に参加。4月1日、第11航空艦隊に編入され、マーシャル方面に展開。6月29日から7月24日、舞鶴で整備を実施。その後はマーシャル方面に展開した。昭和18年1月5日、ルオットから木更津まで第24航空戦隊を輸送する任務に就いた。1月25日、呉を出港し、以降は南方各地への輸送任務を行った。昭和19年1月28日、マカッサル付近で潜水艦の雷撃を受け大破した。シンガポールで修理中の4月15日に運送艦に艦種変更された。9月24日、フィリピンのコロン湾で艦上機の攻撃により大破した。9月27日、マニラの西240海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受け大破した。昭和20年1月9日、台湾高雄港で艦上機の攻撃を受けて損傷した。1月16日、香港でアメリカ機動部隊の攻撃を受けて損傷した。4月5日、香港でドックイン中に爆撃を受けて大破した。4月7日、香港でドックイン中に爆撃を受けた。4月13日、浸水が酷く着底し、終戦までそのままだった。終戦後はイギリス軍に解体され、昭和22年5月3日に除籍された。参考：日本航空母艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船2,’18、11,’00、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T、赤十字の旗なにわに百年

＜神威型給油艦＞：日本海軍給油艦Kamoi型。八八艦隊計画の給油艦で、ターボ・エレクトリック推進の調査研究を行うためアメリカに発注しており、日本海軍唯一のターボ・エレクトリック推進艦となった。船型は三島型で、中央船楼に艦橋、後部船楼前部に煙突を持つ。石油タンクの一部に石炭を積むこともでき、艦橋と煙突の間が石炭荷役装置スペースとなっていた。他にも前部と中部に貨物500トンを搭載可能で、真水も600トン積める。垂線間長148.89m、最大幅20.42m、吃水8.53m、基準排水量17000トン。主機はGE式発電機１基・GE式電動機２基、主缶はヤーロー式混焼水管缶４基、出力8000馬力、２軸推進、速力15ノット、石炭搭載量2542トン、航続距離8000海里（７ノット）。兵装は三年式50口径14サンチ単装砲２門、三年式40口径８サンチ単装高角砲２門。石油10000トンまたは石油7500トン＋石炭2000トンを搭載可能。乗員181名。神威が大正11年に竣工した。昭和7-8年、神威型水上機母艦に改造された。参考：日本海軍特務艦船史、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船2,’18

＜神威型水上機母艦＞：日本海軍水上機母艦Kamoi型。元は給油艦神威で、昭和7-8年に改造した。ただこの時は水上機母艦という艦種が無く、昭和9年6月の制定後に艦種変更されている。能登呂を参考に改造を受けており、艦橋前後に鋼製天蓋付き格納所を設置、水上偵察機常用12機（６機？）＋補用６機を搭載できるようにした他、艦尾にはハイン式マットを装備した。揚子江や沿岸部など、波の穏やかな場所での作戦を主任務としたため、カタパルトは装備していない。垂線間長151.18m、最大幅20.42m、平均吃水8.53m、基準排水量17000トン。主機はターボ・エレクトリック方式、GE式発電機１基・GE式電動機２基、主缶はパブコック＆ウイルコックス式混焼水管缶４基、出力8000馬力、２軸推進、速力15ノット、石炭搭載量2542トン、航続距離8000海里（７ノット）。兵装は8cm高角砲２門。搭載機は常用12機（６機？）＋補用６機。乗員324名。昭和12年、12mm単装機銃６丁を装備した。昭和14年、神威型飛行艇母艦に改造された。参考：日本航空母艦史、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船11,’00、日本海軍艦隊総覧

＜神威型飛行艇母艦＞：日本海軍飛行艇母艦Kamoi型。水上機母艦神威を昭和14年に改造したものである。前甲板に居住区を仮設し、水偵搭載設備は廃止した。垂線間長151.18m、最大幅20.42m、平均吃水8.53m、基準排水量17000トン。主機はターボ・エレクトリック方式、GE式発電機１基・GE式電動機２基、主缶はロ号艦本式混焼水管缶４基、出力8000馬力、２軸推進、速力15ノット、石炭搭載量2542トン、航続距離8000海里（７ノット）。兵装は50口径14cm単装砲２門、8cm高角砲１門。乗員324名。昭和19年、神威型運送艦となった。参考：日本航空母艦史

＜神威型運送艦＞：日本海軍運送艦Kamoi型。飛行艇母艦神威を太平洋戦争時の修理の際に運送艦に艦種変更したもので、航空設備を全て撤去して給油艦にした。垂線間長151.18m、最大幅20.42m、基準排水量17000トン。機関出力8000馬力、速力15.1ノット。兵装は14サンチ砲２門。石油輸送任務に使用された。参考：小艦艇入門、日本航空母艦史、日本海軍艦隊総覧

＜加茂川丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第11航空艦隊付属、兵力部署では南方部隊航空部隊付属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜かもしま＞：MSI-684（掃海艇）を参照。

＜貨物自動車（パネルバン型）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜貨物自動車（パネルバン型、全輪駆動）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜貨物自動車（ライトバン）＞：自衛隊の車両。日産自動車またはトヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09、9,’11

＜貨物自動車（ライトバン、全輪駆動）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜貨物パレット＞：航空貨物の単位搭載用具。アルミ合金製の板で、貨物を上に載せて網を被せ固定する。パレット上に機体断面形状に合わせたグラスファイバー製カバーを被せた物もあり、イグルーと呼ばれる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜貨物輸送艦（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍艦隊補助艦Cargo Ship、艦種記号はAK。揚陸地点の沖合に車両や装備を輸送するのが主任務である。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜かもづる＞：MSI-691（掃海艇）を参照。

＜鴨番機＞：日本海軍用語で、編隊のうち最も損害を受けやすい位置に付く機のこと。陸攻中隊９機編隊では左端の第２小隊２番機と右端の第３小隊３番機が鴨番機になる。参考：月刊航空ファン3,’19

＜カモフ＞：ニコラーイ・イーリイチ・カモフ。1902年9月、シベリアのイルクーツク生まれ。商科大学を首席で卒業後、航空機に興味を持ったため15歳でトムスク工科大学に入り直し、卒業後はユンカースのロシア工場に入社、アエロフロートの前身であるドブロリョートを経てグリゴロヴィッチ設計局に入局した。まずオートジャイロの製作を行い、1929年9月26日にKASKR-1を初飛行させ、航空機だけでなく造船開発も行い、合間に回転翼機の研究を実施、海洋航空機設計局を経て1931年10月に中央航空機開発流体力学研究所（TsAGI）に入所、回転翼機部門のトップになった。1940年にKASKR-1の開発を共に行ったスクルジーンスキイと設計局を興し、1948年にカモフ試作設計局と名称変更。二重反転ローター式ヘリコプターを中心に開発を行った。1973年11月に死去した。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings9,’05

＜カモフ設計局＞：カモフがKASKR-1の共同開発者であるスクルジーンスキイと共に1940年に興した設計局が元で、1948年にカモフ設計局に改称した。1955年、リュベルツイの第938工場に移った。ソ連崩壊でカモフ・ヘリコプター科学技術複合企業（Vertoletniy Nauchno-Tekhnicheskiy Kompleks imeni N. I. Kamova）に改称された。2007年、ロシアン・ヘリコプター社に統合された。2020年、ミルと合併し、ミル設計局の建屋に移転、ミル・カモフ国立ヘリコプター工学センターに改称された。参考：月刊JWings5,’23、月刊軍事研究3,’09、月刊航空ファン11,’92、ウォーマシン・レポートNo.67

＜カモフラージュ＞：Camouflage、迷彩、偽装／擬装、光学ステルス。周囲の環境に溶け込んで相手を惑わすこと。1849年のインド戦争でイギリス軍が採用したカーキ色の軍服が最初といわれる。第１次大戦で航空機による偵察が行われるようになると、迷彩と擬装が発達し、変装を意味するフランス語のCamouflerからCamouflageという英語が作られた。人間は肌の露出部や顔の凹凸が目立つので、ドーランなどで陰影をぼかし周囲に溶け込む色を塗る。体型の輪郭線はその辺の草木を刺して誤魔化す。車両は本体や輪郭線の偽装に加え、ガラスや金属部の反射を防ぐようにする。艦船用としては1898年の米西戦争でアメリカ艦がたまたま灰色に塗ったのが始まりという説もあるが、それより前の1890年前後に日本を初め各国が船体を灰色に塗装している。もっと古い古代ローマ・ギリシャ時代には戦闘用艦艇に海の色と同じ青系単色塗粧を施していたが、カモフラージュとしての意味があったかは不明である。1933年にソ連が透明な部品を多用した見えない軽飛行機を試作したことがあるが、エンジン、燃料、タイヤ、乗員など透明に出来ない部分がかえって目立ってしまい、強度上の問題もあって実用化されなかった。第２次大戦後は赤外線センサーや偵察衛星からも身を隠す必要が出てきており、派手な塗装はすっかり身を潜め、スペシャルマーキングも塗装ではなくステッカーで臨時に貼り付ける方式となった。ただし高速飛行する航空機では、せっかくのマーキングがフライト１回でどこかに飛んで行ってしまったりする。飛行場の管制塔といったカモフラージュしきれない大型固定施設は、車載式移動管制装置などを開発して対処するしかない。参考：歴史群像2,’01、6,’02、4,’17、月刊丸8,’98、2,’07、ミリタリー・イラストレイテッド17、スパイ機、月刊PANZER10,’85、MAMOR vol.116、月刊航空ファン8,’16

　＜カモフラージュ（アメリカ海軍、軍用機）＞：MIL-STD-2161(AS)で規定されている。第２次大戦開戦時は全面ライトグレイで、主翼上面に黄、カウリングや尾翼に赤・青・黄・緑・白・黒などを入れていた。1940年12月30日、艦上／艦載機は全面つや消しライトグレイ、それ以外は上面つや消しブルーグレイ・下面つや消しライトグレイとした。1941年10月13日、艦上／艦載機も上面つや消しブルーグレイ・下面つや消しライトグレイに統一した。1943年2月1日、上面をシーブルーとインターメティエット・ブルー、下面をインシグニアホワイトとするカウンターシェード迷彩を採用。1944年3月、迷彩を止めて全面ツヤありシーブルーに変更。1955年、機体上面ライトガルグレイ、下面・動翼ホワイトの２色迷彩を採用。ベトナム戦争勃発を受け、1966年3-8月にアメリカ空軍方式の３色迷彩（ミディアムグリーン、ダークグリーン、タン。タンは後にダークグレイに変更。機体下面はホワイト）をテストしたが、夜間運用時に赤色光を吸収するため空母上での運用が危険とのことで、グレイ系迷彩に戻されている。その後下面もライトガルグレイとして単色迷彩になった。1980年代に戦術機用の戦術ペイントスキームとして明るい部分にダークコンパスゴーストグレイ、暗い部分にライトコンパスゴーストグレイを塗るカウンターシェード迷彩が復活。ヘリは明るい部分が暗めのブルーグレイとなっている。参考：図解世界の軍用機史、月刊JWings10,’16、1,’16、A-5ビジランティ

　＜カモフラージュ（アメリカ海軍、艦船）＞：第１次大戦時に技術者５名を投入し、目視を困難にさせたり、眩惑させたりする方法を考案した。2500トン以上の船舶1256隻に迷彩を施したところ、潜水艦の雷撃で沈んだのは1%未満だったという。ただ効果がありすぎて僚船が針路を見誤り、衝突して４隻が沈んでいる。1935年にアメリカ海軍研究所が艦船用迷彩の本格的な研究を行い、1941年1月にメジャー１（暗灰色単色。煙突頂部は黒、マストトップは白）からメジャー９まで９種類のメジャー（指標）パターンを採用、実証試験を行い、9月に太平洋艦隊はメジャー11、大西洋艦隊はメジャー12を施すことにした。第２次大戦開戦前には航空機からも視認しにくい迷彩の研究を開始しており、明るめのスタンダード・ネイビー・グレイ、暗いダーク・グレイ、中間のオーシャン・グレイを組み合わせた迷彩を考案、第２次大戦勃発後に10種類ほど制式化した。参戦後は戦訓を元にして新たな迷彩を開発し、大戦中には基本方式で21種類ほど（対空単色メジャー１、対水上３階調メジャー２、欺瞞波メジャー５、対潜・対水上幻惑用メジャー12改、オーシャングレー単色の対潜・対水上隠蔽メジャー14、グレー３階調＋時に茶や緑の対潜・対水上幻惑用メジャー15、垂直面ネイビーブルー・水平面デッキブルーの対空用メジャー21、垂直面下方ネイビーブルー・垂直面上方ヘイズグレーの対潜・対水上用メジャー22、対空隠蔽・幻惑用メジャー31aデザイン8b、多色幾何学迷彩の対潜・対水上用メジャー32デザイン7D、垂直面ライトグレー・オーシャングレー・ダルブラック・水平面フライト・デッキ・ステインの対潜・対水上用メジャー32デザイン11Aなど）を制式化した。艦艇のクラス別でも細かく分けて塗粧用パターンシートを作成しており、メジャー31/32/33だけで300種類以上もある。1945年に青色塗料が不足したため、灰色系だけの迷彩になった。参考：月刊丸2,’07、月刊世界の艦船12,’15、4,’17、6,’17、歴史群像4,’17、8,’15

　＜カモフラージュ（アメリカ空軍）＞：技術指令書TO1-1-4で規定されている。アメリカ陸軍航空隊から空軍になった当初は基本的に無塗装銀地色だったが、ベトナム戦争でジャングルを背景にするとさすがに無理があったらしく、迷彩塗装を施すようになった。F-4シリーズは当初上面ライトグレイ・下面及び動翼ホワイトの海軍塗装で、ベトナム戦争で上面三色迷彩（ミディアムグリーン、ダークグリーン、タン）・下面ライトグレーの東南アジア（SEA）戦術スキーム（ベトナム迷彩）を採用、1980年代には下面も三色迷彩にしたオーバーラル・カモフラージュとし、その後タンをダークグレイに変えたヨーロピアン１スキームに変更した。後にアメリカ本国配備機はグレイ系制空迷彩としている。F-15A-Dは当初上面エアスーペリオリティブルー、主翼・前胴下面グロッシー・エアスーペリオリティブルーの水色系二色迷彩だったが、雲が背景だと目立つので、ライトコンパスゴーストグレイ＋ダークコンパスゴーストグレイ上面地図上迷彩のコンパスゴーストグレイ・スキームを採用し、その後ライトグレイ＋ダークグレイ上面地図上迷彩のMODイーグル・スキームになった。やや青みがかっており、快晴や洋上にも対応できる。F-16は濃淡グレイ２色のヒル・グレイ。F-22Aはステルスコーティングを施したMODイーグル・スキーム。F-35はカモフラージュグレイ単色。C-130輸送機など輸送機や空中給油機は東南アジア戦術スキーム、ヨーロピアン１を経てミディアムグレイ単色のAMCグレイ・スキーム（旧名称バトルグレイ・スキーム）となった。AC/MC-130は上面ミディアム・ガンシップグレイと下面ライトグレイのAFSOCスキームで、CV-22Bも採用した。F-15E、B-1B、B-52Hはミディアム・ガンシップグレイ単色のガンシップグレイ・スキームである。U-2、SR-71、F-117は夜空に溶け込む黒一色。2012年にステルス塗装の第５世代ハブ・グラス（Have Glass 5th generation、Have Glass �X）が登場し、F-16の一部（SEAD/DEAD任務を行う州空軍F-16CMブロック50/52）がF-35類似のツヤありカモフラージュグレイ単色のRAM塗装とキャノピーへの酸化インジウム錫コーティングを施しており、濃灰色一色（レドーム除く）なのでダークヴァイパーと呼ばれる。参考：月刊JWings10,'20、10,’16、1,’16、6,’17、9,’20

　＜カモフラージュ（アメリカ陸軍）＞：第２次大戦時には全てをオリーブドラブ一色で塗りたくっていた。1975年にMASSTERが迷彩パターンを開発、マニュアル化した。作戦地域の自然環境に対象物を溶け込ませるため、車両や装備に特徴的な形状（直線部分など）を変容させるのが目的である。そのため、塗り分けラインは垂直や水平の線を避け、外形の凹凸により生じる影を隠すようにし（影の部分に明るい色、ハイライトに暗い色を塗る）、状況に合わせて12色の内から４色（完全降雪地帯除く）を選んで塗装、適宜木の枝やカモフラージュ・スクリーンを追加する。塗装面積は２色が45%ずつ、２色（完全降雪地帯を除き、うち１色は黒である）が5%ずつという比率になっていて、車両の場合は５面図により塗装パターンが決められており、誤差プラスマイナス２インチ（50.8mm）以内で塗らなければならない。ナショナル・スターマークは直径３インチ（76.2mm）の黒色で車両中央前後に描く。塗装パターンの区分けを鉛筆で下書きした後、チョークでラインを描き、塗装対象が小さいならエナメル塗料をエアブラシで、大きいなら塗料バケツからハケで塗る。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

　＜カモフラージュ（アメリカ陸軍航空隊／陸軍航空軍）＞：第１次大戦後はオリーブドラブの単色迷彩を採用。1933-40年に機体上面を4-5色で塗り分ける迷彩を試したが、第２次大戦勃発直後に採用したのは上面オリーブドラブ・下面ニュートラルグレイの塗装だった。地中海、北アフリカ、中国大陸では現地迷彩を適応したものもある。1944年後半からはジュラルミン地肌に透明保護膜を塗ったポリッシュド・スキンを基本とした。鏡のように空を移し込んで見えなくなる筈だったが、実際には鏡のように光を反射して目立つと判明、軽量化や整備性といった利点と勘案して朝鮮戦争ではB-29が機体下面だけ黒塗りにしたりしている。参考：図解世界の軍用機史、月刊JWings12,’23

　＜カモフラージュ（アメリカ陸軍航空機）＞：技術マニュアルTM-55-1500-345に規定されている。基本はオリーブドラブ単色。ただ砂漠では目立つので、砂漠用のタンとの間を取ってウッドランドデザートセージをCH-47Fに塗ってテストしている。参考：月刊JWings10,’16

　＜カモフラージュ（イギリス海軍艦船）＞：第１次大戦時に眩惑塗装（ダズル迷彩）を採用し、カウンターシェード迷彩を施して距離、針路、速力を欺瞞した。距離200-300ヤード（182.9-274.3m）、針路15度、速力２ノットの誤差を与えれば、潜水艦の潜望鏡下での雷撃を外させることが可能だったという。第２次大戦時には側面をアドミラルティ・ディスラプティブ・パターンと呼ばれる明暗灰色の曲線迷彩でくっきりと塗り分け、針路や艦型を見極めにくくした。上面（上甲板以外）は濃い灰色である。1920年代頃の潜水艦は上空からの視認性を低くしつつ横から見た時の威容を維持するため、側面を明灰色、上面を黒で塗っていたが、第２次大戦が勃発すると威容もへったくれも無く、全面黒塗装にしている。参考：月刊丸2,’07、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船12,’15、歴史群像4,’17

　＜カモフラージュ（イギリス海軍戦闘機）＞：1939年まで全面無塗装銀色だった。1939年夏、上面をエキストラダークシーグレイとダークスレートグレイの２色、下面をスカイに塗ることになった。上面迷彩や国籍標識は空軍戦闘機に準じるものである。太平洋戦線に展開したものは赤丸無しの国籍標識を使用。1945年4月以降、太平洋艦隊の艦上機は国籍標識の両側に白帯を追加し、アメリカ軍から誤認されないようにした。1945年5月（に就役したシーファイアMk.�]�X）からは上面がエキストラダークシーグレイ１色となった。1948年、胴体下面のスカイを胴体上方まで塗るようになり、垂直尾翼は全体がスカイ塗装となった。参考：スピットファイア

　＜カモフラージュ（イギリス空軍戦闘機）＞：空軍誕生前、第１次大戦中の1915年初め頃から、機種を問わず機体上面に光沢有り暗褐色の単色カモフラージュ（酸化鉄と油煙の混合物をセルローズや油ワニスなどの防水溶媒に溶いたもの）を施すようになった。1918年3月に空軍が創設されると、1918年夏にカーキ、ダークブラウン、ダークグリーンの３色雲形迷彩を試したが、これは採用されなかった。1920年代から、全面無塗装銀色にスコードロン・マーキングを描くようになった。1935年、上面をダークアースとダークグリーンの島状に塗装するよう改訂され、国籍標識もダル・ブルーとダル・レッドになり、ハリケーンとスピットファイアには生産時から適用された。上面塗り分けラインは細かく規定されており、逸脱した機体は殆ど無い。当初はＡとＢの２パターンが用意され、シリアルナンバー末尾の偶数機がＡ、奇数機がＢを使用していたが、面倒なので1941年からはＡスキームに統一された。下面は当初無塗装で、国籍マークだけ入れていたが、1938年末から右下面を白、左下面を黒（補助翼だけ左右逆）に塗るようになった。また、胴体国籍標識を挟んでミディアム・シーグレイの飛行隊・個機識別コード３文字を記入するようになった。1939年4月24日、工場では主翼の左下面のみ黒、他を白で塗るようにした。4月27日、前線機は補助翼も含めて胴体・主翼・尾翼下面を右白・左黒塗装に変更した。1940年6月6日、下面をスカイブルー（といってもイギリスの空なので、淡い黄緑色である）一色に塗装することになり、胴体塗装もつや消しのタイプＭからつや有りのタイプＳに変更した。11月27日、バトル・オブ・ブリテンが一段落したため、左主翼下面のみ黒に塗る味方識別塗装に戻った。それまであまり統一されていなかった国籍マーク（ラウンデル）も、胴体にA1タイプ（外側から黄、ダル・ブルー、白、ダル・レッドの順）、主翼上面にＢタイプ（外側からダル・ブルー、ダル・レッドの順）、主翼下面にＡタイプ（外側からダル・ブルー、白、ダル・レッドの順）を付けることになった。左主翼下面の国籍マークには黄色の縁取りを加えて目立つようにしている。1941年4月22日、再び下面をスカイブルー一色に塗装することになった。イタリア参戦により地中海・北アフリカ・中東向け迷彩が必要になり、8月からこの方面に展開する戦闘機は上面をダークアースとミドルストーンの雲形迷彩、下面をエザーブルーで塗ることにした。また、特に規定された訳ではないが、スピナーを赤に塗る機が多かった。8月15日、イギリス本土周辺用迷彩が下面は蒼空を背景にすると塗装が明るすぎ、上面は暗すぎる（もともとイギリス上空で地面を背景に戦う塗装だった）ことが判明したため、上面のダークアースをオーシャングレイ（初期には塗料が間に合わず、ミディアムシーグレイと黒を７対１で混ぜたミックスド・グレイを使用したものもある）に、コードレターのミディアムシーグレイをスカイに、下面のスカイブルーをミディアム・シーグレイに変更した。コードレターは高さも36インチ（914.4mm）から24インチ（609.6mm）に縮小している。スピナーは黒からスカイになり、胴体後部に幅18インチ（457.2mm）の同色帯、外翼部前縁に幅４インチ（101.6mm）の黄帯を入れて味方識別に使用した。1942年、地中海・北アフリカ・中東向け機体の下面塗料として、エザーブルーに加え、ライトメディテラニアンブルー、ダークメディテラニアンブルーが使用可能となった。5月中旬、主翼下面の国籍標識を直径32インチ（812.8mm）のＣタイプ（Ａタイプの白を細くし、ダル・ブルーとダル・レッドを太くしたもの）に、胴体の国籍標識を直径36インチ（914.4mm）のC1タイプ（A1タイプの黄と白を細くし、ダル・ブルーとダル・レッドを太くしたもの）に変更した。1943年6月、太平洋戦線で使用する国籍標識が、日の丸と間違えないようにダル・レッドを省いたホワイト（後にライトブルー）とダル・ブルーの２色構成となった。単発戦闘機は16インチ（406.4mm）サイズを使用し、フィンフラッシュも同様の２色（高さ24インチ・609.6mm、幅16インチ・406.4mm）構成に変更された。6月7日、高々度戦闘機型Mk.�Zの塗装を上面ミディアム・シーグレイ、下面PRUブルー（偵察機用ブルーグレイ）に変更。Mk�[・Mk�\高々度型の一部にも適応された。1944年1月から東南アジアにスピットファイアが順次到着したが、この時は上面ダークグリーン・ダークアース迷彩、下面ミディアムシーグレイで塗られていた。春、イタリア戦線が地中海周辺からイタリア北部に移ったため、この方面でもイギリス周辺と同様の迷彩塗装を施すことが多くなった。6月のオーバーロード作戦では白３本、黒２本の帯状識別マーク（侵攻帯。白、黒、白、黒、白の順で、各帯は18インチ・457.2mm幅）を主翼（縦）と胴体後方（横）に記入した。ドイツ空軍の活動が不活発だったため、侵攻帯は9月までに殆ど見かけなくなり、年末までに全て廃止された。11月、太平洋戦線でP-47を使用する部隊が日本軍機（空冷機ばかりだった）と誤認されることが多くなったため、P-47のカウリング先端、主翼中央部28インチ（711.2mm）、水平・垂直尾翼18インチ（457.2mm）を白く塗るようになった。1945年2月、太平洋戦線に展開する全戦闘機にP-47と同様の白帯を入れることになり、ハリケーンとスピットファイアはカウリングでなくスピナーを白く塗った。夜間戦闘機は初期には全面スムース・ナイト（つや消し黒）で、ボーファイターとモスキートは中期から基本色ミディアム・シーグレイ＋上面ダークグリーン雲形迷彩となっている。参考：スピットファイア、ミリタリー・イラストレイテッド17、図解世界の軍用機史

　＜カモフラージュ（イギリス空軍偵察機）＞：第１次大戦時には戦闘機と同様の迷彩を施していた。第２次大戦時は地上から見つからないような塗装がモットーで、スピットファイアMk�TAPRは、1939年11月18日の初実戦参加の際、曇りの日に目立たないことを考えて全面ペイル・グリーン（明るい黄灰緑色）だった。国籍標識は戦闘機用Ａタイプである。以降は全面白、ピンク、ブルー、ブルーグレイなどが試され、1941年半ばには上面にエキストラ・ダークシーグレイとエキストラ・ダークシーグリーンの２色迷彩を施したこともあった。1941年後半にPRUブルー（偵察機用ブルーグレイ）を採用し、PR型に適用した。ただし一部は曇天対応のピンクで使用され続けている。国籍標識は戦闘機用Ｂタイプに変更され、胴体後部側面と主翼上面に記入した。参考：スピットファイア、図解世界の軍用機史

　＜カモフラージュ（イギリス空軍爆撃機）＞：第２次大戦時は夜間爆撃に従事しており、上面はダークグリーンとダークアースの雲形迷彩とし、他はスムース・ナイト（つや消し黒）で塗り潰した。参考：図解世界の軍用機史

　＜カモフラージュ（イタリア空軍）＞：第２次大戦時には上面と側面が黄色（地色）＋緑（斑点、まだら、蛇行など）、下面がグレイの迷彩を施した。上側面の地色と斑点色を逆にしたり、茶色を加えたりしたものもある。1942-43年新造機は上面グリーン＋下面グレイというパターンもあった。参考：図解世界の軍用機史

　＜カモフラージュ（海上自衛隊艦船）＞：外舷はマンセル記号N-5の灰色、上甲板はN-4の灰色。水線付近は戦闘艦、練習艦、補給艦、潜水艦が水線塗料の黒で、その他の艦は防汚塗料の赤色が剥き出しである。砕氷艦は主船体と煙突をオレンジ、上構をベージュに塗っている。迎賓艇ASY-91はしだては主船体が灰色、上構が白。潜水艦は全面黒（正確には黒に近い濃灰色、マンセル記号N-1。初期は船体が灰色だった）。艦首両舷に艦番号、艦尾に艦名が記入されるが、潜水艦は就役後すぐに塗り潰される。当初は船体舷側に艦名も記入していたが、1969年5月から消去された。自衛艦塗装規定変更により、2019年12月12日進水のMSO-306えたじまから艦番号・艦名（従来は白）と煙突上部（従来は黒）が薄灰色のロービジ塗装となった。既存艦は定期修理などの際に塗り直す。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊、1,’17、3,’20

＜カモフラージュ（海上自衛隊航空機）＞：P-3Cは上面白・下面灰色の２色で、接近した時に視認しやすいHigh Visibility塗装だったが、2000年に明灰色単色のLow Visibility塗装に変更した。参考：月刊JWings12,’23、月刊世界の艦船10,’17

　＜カモフラージュ（航空自衛隊）＞：F-86Fは透明保護膜だけのポリッシュド・スキン。F-4EJは上面ライトガルグレイ・下面ホワイトで、F-4EJ改はグレイ系２色とした。第８飛行隊は2003年からブルー系濃淡２色の洋上迷彩を使用している。RF-4EJはミディアムグリーン、ダークグリーン、ダークグレイのアメリカ空軍迷彩ヨーロピアン１で、2015年からブルー系濃淡２色の洋上迷彩が加わった（2016年8月末現在３機が洋上迷彩）。F-15J/DJはゴーストグレイ・スキームと呼ばれるFS36375ライトゴーストグレイとFS36320ダークゴーストグレイの２色迷彩。C-130H輸送機はヨーロピアン・ワンの迷彩塗装で、イラク派遣に伴い11機をスカイブルー単色にした。2017年1月現在、うち６機がヨーロピアン・ワンに戻され、５機がスカイブルーとなっている。2019年、最後のスカイブルー単色迷彩機がIRANに入り、スカイブルー機が無くなった。12月4日、C-2と同型のブルーグレイ系迷彩（下三分の一と機首がライトブルーグレイ単色、上三分の二がブルーグレイ系三色迷彩）を施した機体が登場した。次にIRANを終えた１機も同様の塗装だったが、2022年8月3日にテストフライトを行ったIRAN完了機は従来のヨーロピアン・ワン塗装である。MU-2救難機は黄色系で、U-125Aはライトブルーに変更、IRANで洋上迷彩に塗り替え中。H-19救難ヘリは視認性の良い黄色を基調に、胴体には安心を与える緑の線を入れ、ローター付近（コクピットと垂直安定板）は危険を示す赤とした。H-21とS-62も同様の塗装で、KV-107救難ヘリは緑のラインが入っておらず、UH-60Jも黄色系で、21世紀に入ってブルー系の洋上迷彩に塗り直している。21世紀に入り、マーキングをフルカラーからグレイ系にロービジ化する動きが続いていて、戦闘部隊だけでなく支援部隊でもロービジ化が進んでいる。KC-767は当初ツヤあり塗装だったが、2014-17年のIRANでツヤ消しに変更、ついでに胴体下面に黄色いセンターラインを追加した。F-35Aは全面カモフラージュ・グレイ（FSナンバー36170）で、日の丸も赤ではなく、縁取りライト・ゴースト・グレイ（FSナンバー36375）＋中央ヘイズ・グレイ（FSナンバー36270。アメリカ製は完成時には機体と同色のカモフラージュ・グレイだったが配備前に塗り直した）で、灰丸になってしまった。ちなみに左主翼下面の日の丸は右主翼下面より前方にあり、他国F-35の国籍マークも同様で、ベントホールを避けてずらしてあるらしい。参考：月刊JWings1,’16、8,’16、11,’16、4,’17、9,’17、10,’17、10,’19、2,’20、9,'20、1,’21、10,'22、12,'23、月刊航空ファン7,’16、11,’16、12,’16、2,’20

　＜カモフラージュ（ドイツ海軍艦船）＞：第２次大戦前は吃水線下を赤褐色に、船体を明るめのグレーに、上部構造物を白く塗装し、船体を海に、上部構造物を空に溶け込ませるようにした。戦時中は白黒や灰色の直線ストライプを描いたり、黒の波形塗装を施したり、小型艦では黒・灰色２色の迷彩塗装を行って外形判別を困難にしたりしている。第２次大戦初期のＵボートは基地への入出港時に航空機から狙われることが多かったため深海向けの黒塗装にはせず、ノルウェーの基地に配備されたものの中には白塗りにしたものもある。参考：グラフィックアクション29、日本潜水艦物語

　＜カモフラージュ（ドイツ空軍）＞：第１次大戦中の1916年初めには機体上面をダークグリーン一色とし、ダークグリーンとブラウンを短冊状に塗ったパターンを使用しており、夏にはダークグリーン、ブラウン、カーキ、モーヴ（紫）などによる雲形迷彩（主にダークグリーンとモーヴの２色）を施すようになった。1917年4月からはローゼンジ・パターンを採用している。また、羽布が収縮しないようセルローズ液体溶媒のみで溶いた塗料を一定方向にボカシ塗りしたストレーキ・パターンも使用された。夜間爆撃用大型双発機はダークブルーやダークグリーンの夜間用迷彩を施した。1920年代後半、ガラスのヒビのように直線的に塗り分けるシュプリッテルターン（破片迷彩）を採用。1937年初めにドイツ空軍カモフラージュ塗装が制定され、上面をRLM70ブラックグリーンとRLM71ダークグリーン（北ヨーロッパ針葉樹林地帯で上から襲撃されることを考慮）、下面をRLM65ライトブルーで塗ると決定した。水上機は上面を明るめのRLM72/73としている。1941年11月、戦闘機は上面がRLM74/75のグレー系２色、下面がRLM76に変更された。また、下面色が胴体側面上部まで達するようになり、RLM74/75/70/71/02などのインクスポット迷彩（モットリング、斑状塗装）も施されている。1944年7月、上面色をダークグリーン系RLM81/82/83に変更したが、空軍省で色見本を作らなかったため各社バラバラの色調であり、メッサーシュミット社に至ってはRLM81が茶色になってしまった。また、塗装の切り替えにも時間がかかり、1944年末頃から本格的に登場したが、塗料の届かない部隊では適当に手持ちの色を塗っていた。Fw190はRLM74/75/76が基本で、初期の一部にグリーン系のRLM71/02/65を使用していたものや、1944年7月以降にRLM81/82/83を塗ったものもある。モットリングはFw190A-8以降施されるようになった。プロペラとスピナーは光沢仕上げのRLM70が標準で、1944年7月20日からはスピナーが黒地に白のスパイラルに変更された。1944年後半からは味方識別記号としてスピナーを黒地に白塗り（正面から見ると白が３分の１の面積）とすることもあった。地中海・北アフリカでは現地で独自迷彩を施していたが、後にRLM78ライトブルー/79サンドイエロー/80オリーブグリーンとして公式迷彩色に採用されている。夜間戦闘機はRLM22（黒）一色で塗り潰し、1943年初め頃からRLM74/75/76の昼間戦闘機用迷彩と同パターンとした。夜間戦闘機型Fw190は昼間戦闘機型と同じ塗装で、一部に機体下面を黒塗りにしたものがあった。戦闘機以外は上面RLM70/71、下面RLM65のままで終戦を迎えている。参考：図解世界の軍用機史、ミリタリー・イラストレイテッド17、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜カモフラージュ（日本海軍、戦闘機）＞：航空部隊発足当初は全面銀一色だった。昭和12年7月の日華事変から中国大陸で迷彩塗装を実施。上面は濃緑色と茶褐色の雲形迷彩、下面は灰色のみとしている。ただ九六艦戦は暫くして銀一色に戻した。昭和15年7月に実戦投入された零戦は全面ライトグレーである。昭和18年4月、上面を濃緑黒色、下面を灰色で塗るようになった。夜間戦闘機は全面濃緑黒色のものもある。参考：図解世界の軍用機史

　＜カモフラージュ（日本海軍、零戦）＞：機体色は試作1-2号機が全面ライトグレー、三二型・二二型試作機が全面黄橙である。量産型初期は全面ライトグレー（仮規格117色別標準記号J3、灰緑色）で、太平洋戦争初期まで使用されていた。昭和17年秋頃から基地航空隊、昭和18年初め頃から艦上機が、上側面ダークグリーン・下面ライトグレーの２色迷彩を使うようになった。海軍の仮規格117色別標準記号D1・暗緑色よりも少し黒っぽかったらしい。南方戦線では日光による塗装の退色が著しく、塗料不足で再塗装もできず、取り敢えず日の丸の周りだけを塗り直して後は退色した黄褐色のまま、といった機体も多かったようである。練習機用は全面黄橙で、太平洋戦争末期には大部分が上側面をダークグリーンで塗装した。一部にダークシーブルーで塗装したものもあるらしいが、詳細不明。夜戦型の一部は上部と側面を黒または黒に近い暗緑色としている。第203航空隊戦闘第303飛行隊の一部は下面を明黄緑色に塗った。昭和16-18年、谷田部基地では全面暗灰色という塗装をしているものがあった。カウリングは全て黒。スピナーは銀色で、太平洋戦争末期には機体と同色または茶褐色となった。一部に白や赤として識別に使用したものもある。プロペラは二二型までは前面銀色、裏面黒で、前面先端に赤で細い２本線が入っていた。以降は両面茶褐色で前面先端に幅50mmの黄色線を入れてあり、二二型まででもこの塗装に塗り替えた機があった。主脚支柱は黒、オレオのスライド部はクロームメッキ、尾輪支柱は銀、ホイールも銀。脚収納部内側は青竹色または銀色。コクピット内壁は青竹色、床は銀または黒、計器板は暗緑色、操縦桿は柄が銀色で握把と付け根が黒、レバーは柄が銀色で握把が黒、シートは銀または青竹色。ピトー管は先端がクロームメッキ、それ以外は機体と同色。アンテナ支柱は茶褐色。翼端灯と編隊灯は左が赤、右が緑。日の丸は地色が明るければ縁無し、暗ければ白縁ありだが、例外もある。昭和20年以降は白縁を消すことが多くなった。練習機用は全て白縁ありである。昭和18年以降、補助翼内端延長線上にあたる主翼前縁から内側を黄色に塗って味方識別帯とした。指揮官機は後部胴体や垂直尾翼に階級に応じた帯を入れる（捷一号作戦では指揮官機が垂直尾翼に黄帯３本、小隊長機が２本、区隊長機が１本）が、目立つ、塗料が足りない、といったことで記入しないことも多かった。参考：丸メカニック別冊１

　＜カモフラージュ（日本海軍、艦船）＞：最初は船体を白く塗っていたが、明治21-24年に灰色（ねずみ色）に塗装することにした。明治33年、イギリス式を取り入れて黒色に変更。明治34年9月10日、船体、マスト、煙突、通風筒を黒、それ以外の上甲板上構造物を明るい灰色（日本海軍呼称は「鼠色」。亜鉛華／酸化亜鉛に松煙を1400分の１ほど混ぜたもの）に塗装することにした。明治35年9月17日、塗色を変更。明治37年1月、自衛艦の外舷色と同じくらいの濃い灰色（日本海軍呼称は「濃い鼠色」。いわゆる軍艦色）に変更。煙突は最大径の３分の１の幅で上部を黒く塗っている。大正4年に戦艦榛名と駆逐艦海風が灰色船体に白の波線または直線を断片的に塗ったり、昭和10年に軽巡那珂及び駆逐艦数隻がオリーブドラブに塗ったりして視認テストを行っているが、迷彩の研究は概して低調だった。太平洋戦争中も基本的には軍艦色のみで、各部隊が独自に考案したり、北方作戦時に一時的に白系の塗装を行ったりに止まっている。塗料の素材が不足してくると、銀ねずみ色と通称される明るめの灰色になっていった。昭和18年に対潜塗色の研究を行う委員会が発足し、その成果を基に昭和19年から一般商船に対し、船体前後を明るく、中央を暗くして船体サイズを見誤らせる塗装を実施した。この塗装は空母にも採用されたが、空母以外の艦船には適応されなかった。空母には昭和19年から飛行甲板に対空迷彩が施され、艦首と艦尾に似せた塗装を実際の中央線からずらして描くことにより、進行方向を見誤らせるようにしていた。太平洋戦争末期の空母や輸送船は緑色濃淡の迷彩塗装を施した。潜水艦は黎明時には目立つように白で塗られていたが、後に水上艦と同様の灰色にした。昭和に入って航空機が発達すると、上空から見つけられないように第２潜水戦隊が黒一色の塗装を採用したが、乗員の士気が落ちたらしく、1-2年で元の灰色に戻している。太平洋戦争が始まるとそうも言っていられず、全て黒にした。参考：歴史群像6,’02、月刊世界の艦船3,’20、日本潜水艦物語

＜カモフラージュ（日本陸軍、軍用機）＞：昭和2年11月に「塗粧と標識」が制定され、全面ツヤあり灰緑色塗装を採用。主翼上下と胴体左右に日の丸、胴体に機体番号、方向舵上部に機種、方向舵右に製造年月を記入した。昭和12年5月の陸軍航空技術学校塗装工術教程では、金属用下塗り塗料として灰藍色、中塗塗料として淡青色、中上塗塗料として一般飛行機向け灰緑色と練習機向け橙黄色が指定されており、木製プロペラは翼前面を灰緑色、後面を暗緑褐色、金属プロペラは翼前面を無塗装、後面を濃暗褐色で塗装するとしている。また、プロペラ翼端から50mm内側の前面に幅50mmの翼端標識を入れるとされ、木製プロペラでは橙黄色、金属製プロペラでは濃暗褐色が指定されているが、昭和13年6月に定められた陸海軍航空部品統一規格では翼端標識を無塗装時は赤、プロペラ前面防眩塗装時は黄としていて、橙黄色の翼端標識を入れた木製プロペラの写真は残っていないらしい。日華事変から戦闘機以外が機体上面に2-3色雲形迷彩（濃緑色、緑色、茶褐色、土色、赤褐色、薄茶色、黄褐色などから選択）を施すようになった。太平洋戦争に際し、南方に展開する一式戦闘機は、上面を濃緑色または濃緑色＋茶褐色、下面は無塗装とした。二式複座戦闘機は全面ツヤあり灰緑色である。二式単戦や三式戦は部隊配備まで塗装せず、各部隊で上面に濃緑色の全面塗装または迷彩塗装（斑点、蛇行、マダラなど様々）を施しており、戦闘機以外は全面ツヤあり灰緑色の基本色に濃緑色の各種パターンを加え、部隊によって様々な迷彩パターンが使用された。昭和19年秋、上面迷彩色を濃緑色から暗褐色に変更。ただ光源による色調変化や劣化が激しく、工場で塗り終えた時にはチョコレート色だが、部隊に送られる頃には赤っぽい暗灰色に変わり、劣化すると灰色から薄墨色になっていったようである。昭和19-20年、九州や台湾の洋上行動機は上面を濃紺色で塗り潰した。夜間戦闘や特攻に使用される戦闘機には上面を黒に近い濃緑色で塗ったものもある。参考：図解世界の軍用機史、月刊航空ファン2,’18、1,’20

＜カモフラージュ（フィンランド空軍）＞：冬戦争・継続戦争では上面が黒と緑の雲形迷彩、下面がライトブルー単色。冬期は上面に白の雲形迷彩またはマダラ模様を追加した。参考：図解世界の軍用機史

　＜カモフラージュ（フランス空軍）＞：1917年初め頃からテストし、10月に機体下面をライトイエロー、機体上面をチェスナットブラウン、ダークグリーン、ライトグリーン、ベージュの４色またはこれにブラックを加えた５色で雲形に塗装すると規定した。第２次大戦直前に機体上面をグリーン、ダークブルーグレイ、ダークブラウンの３色雲形迷彩、下面をライトブルーグレイ単色と規定。フランス降伏後に連合軍側で戦った機は、1941年9月に塗装を変更し、上面をダークアース、ダークブルーグレイ、カーキの３色雲形迷彩、下面をフラット・アルミとした。参考：図解世界の軍用機史

　＜カモフラージュ（陸上自衛隊）＞：創設当時はオリーブドラブ主体だった。1980年代から緑・茶・黒の三色迷彩を採用。北部方面隊は冬に白と茶色の冬季用白色迷彩を使用したが、攻撃ヘリの冬期用白色迷彩は2011年に廃止された。V-22は機首・胴体・主翼上面・垂直尾翼上縁が濃いブルーグレイ、機体上部が濃いめのライトシーグレイ、機体下部・下面と主翼下面が薄めのライトシーグレイ。参考：月刊JWings3,’16、10,’20、12,’23

　＜カモフラージュ（ロシア空軍）＞：創設当時は地上直協任務を主眼にしていたため、I-15には早くも上面ダークグリーン・下面ライトブルーの迷彩を取り入れている。第２次大戦勃発時には上面を黒と緑または茶と緑の２色雲形迷彩（一部に黒・茶・緑の３色迷彩）としていた。緑と言ってもロシア平原の緑なので、明るい黄緑に近い。冬には白の水性塗料を上からスプレーした。1943年春頃からLaGG-5、Yak-3、Yak-9の新型機が上面を濃淡灰色の２色迷彩として空中戦を意識し出したが、旧迷彩も終戦まで使用されている。参考：図解世界の軍用機史

＜カモフラージュＭ６９＞：M69（戦闘服）を参照。

＜カモフラージュＭ７０＞：M70（戦闘服）を参照。

＜加茂分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地で、第33警戒隊が駐屯している。所在地は秋田県男鹿市男鹿中国有地内（男鹿国定公園の中）。男鹿半島入道崎に1946年から展開したアメリカ軍レーダー部隊（9062部隊）が1955年に移駐してキャンプ加茂が開設されたのが始まりである。キャンプ男鹿でないのは、1945年8月28日に秋田県大館市のアメリカ軍捕虜収容所に物資投下を行おうとしたB-29が悪天候で本山山頂付近に墜落した際、救助活動を行い生存者１名を救出した加茂集落の住民に謝意を示すため。1956年に空自北部訓練航空隊第３中隊が駐屯を開始し、1957年に北部訓練航空警戒群第２警戒隊第33警戒中隊に改編され、1958年12月に空自に移管されて加茂分屯基地になった。1961年、第33警戒中隊が第33警戒群に改編された。1994年、J/FPS-3の運用を開始。1999年、J/FPS-3改の運用を開始。2000年、第33警戒群が第33警戒隊に改編された。2008年、J/FPS-3UGの運用を開始。2019年3月23日、秋田地本が秋田テルサでのキッズフェスで行った広報活動に協力し、なまはげ太鼓を披露した。参考：航空自衛隊ホームページ、北部航空警戒管制団ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、5,’12、朝雲

＜かもめ＞：AS332Lヘリ（陸上自衛隊）またはPC-305（駆潜艇）を参照。

＜鴎（初代）＞：日本海軍隼型水雷艇Kamome。明治37年6月4日竣工。大正12年12月15日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜鴎（２代目）＞：日本海軍燕型敷設艇。大正12年に予算化された。昭和13年7月6日、揚子江で触雷して艦尾を大破し、舵取機要員全員が死亡、燕の救援を受けて基地に帰投した。太平洋戦争開戦後はフィリピン攻略作戦に参加。昭和17年2月から高雄−スラバヤの護衛任務を実施。4月から佐世保近海及び奄美大島方面の哨戒警備、佐世保−上海間の船団護衛を実施。昭和19年1月1日から佐世保−沖縄の船団護衛を実施。3月、沖縄西方に五号機雷を敷設した。4月27日、沖縄から鹿児島に向かう船団を護衛中にSS-232ハリバットの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜かもめ型＞：海上自衛隊駆潜艇甲型、計画番号K101B。かり型の機関を別のディーゼルに交換し、推進軸に直結させたものである。機関重量が増えたので、船体がやや大型化した。補機室が前方、主機室が後方となったため、煙突の位置がずれて甲板室から分離、前部上構が長くなり、搭載艇の位置が側面から後部上甲板に移っている。搭載艇もFRP製に変更された。機銃射撃指揮装置は艦橋上のMk63、レーダーはAN/SPS-5B対水上レーダー、ソナーはAN/SQS-11Aである。全長54m、最大幅6.6m、深さ4m、吃水2.1m、基準排水量330トン、満載排水量360トン。主機は三井B&W・635VBU-45型直列６気筒２サイクルディーゼル２基２軸4000馬力、速力20ノット。兵装は40mm連装機関砲１基、ヘッジホッグ１基、爆雷投射機（Ｙ砲）２基、爆雷投下軌条２条。乗員70名。PC-305かもめ、PC-306つばめ、PC-307みさごが1957年に就役し、呉地方隊第２駆潜隊に配備された。後にOLR-3電子戦装置を搭載した。1977年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊丸5,’07、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、8,’11増刊

＜カモルタ＞：P28（カモルタ級フリゲート）またはP77（アルナラ級フリゲート）を参照。

＜カモルタ級＞：インド海軍28型対潜コルベットKamorta級。船体にはインド国産DMR249A鋼材を使用した。ステルス性を考慮し、長船首楼型の船体に前後に長く船体一杯の幅を持つ中央船楼を載せている。船体側面は外側に傾斜し、艦首上部から艦尾まで続くナックルラインより上は内側に傾き、上構01甲板あたりから上は外側に傾斜する。艦首にインド製HUMSAソナーを装備。76mm砲とAK630管制用にTMX/EO Mk2方位盤を搭載する。全長109.2m、幅14.2m（12.8m？）、吃水3.7m、満載排水量3150トン。主機はCODAD方式、ピールスティック12PA6STCディーゼル４基２軸22030馬力、最大速力25ノット（28ノット？）、航続距離4000海里（12ノット）／3500海里（18ノット）。兵装は62口径76mmステルスシールド付きスーパーラピッド単装砲１門（前甲板）、AK630CIWS２基、RBU6000対潜ロケットランチャー改２基（艦橋前方甲板室上面）、533mm連装魚雷発射管DTA-53が２基。バラク１用16セルVLS１基と3M54シリーズ用VLSの装備スペースが用意されている。Ka-28ヘリックスＡまたはドゥルブ対潜ヘリ１機を搭載可能。乗員123名（士官13名＋下士官兵180名？）。１番艦P-28カモルタ、２番艦P-29カドマット、３番艦P-30キルタン、４番艦P-31カヴァラッティの４隻（＋オプション８隻）を建造予定で、１番艦は2014年、２番艦は2015年（2016年？）、４番艦は2020年に就役した。参考：月刊世界の艦船10,’17、5,’18、3,’16、9,’10、8,’13、10,’14、8,’15、2,’16、5,’20、7,'21、4,'22、月刊軍事研究1,’11

＜厦門＞：154（ミサイル駆逐艦）または515（フリゲート）を参照。

＜ガモン＞：5V28（地対空ミサイル）またはNo82（手榴弾）またはS-200（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜かや＞：PF-288（警備船）を参照。

＜カヤ＞：オトカ社が開発した耐地雷装甲車。操縦席と後部キャビンが別のコンポーネントになっており、不整地踏破性が高い。地雷炸裂の衝撃から乗員を守るフローティング・シートを持ち、車体下部装甲はSTANAGレベル3Bである。戦闘重量12.5トン。最大速度96km、航続距離800km。乗員２名＋乗車兵員10名。トルコ陸軍に提案されたが、採用されなかった。参考：月刊軍事研究8,’09

＜榧（初代）＞：日本海軍樅型駆逐艦２番艦。大正9年3月28日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年2月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史

＜榧（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦11番艦。昭和19年9月30日竣工。12月26日、礼号作戦に第43駆逐隊として参加、軽微な損傷を受けた。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年7月5日に賠償艦としてソ連に引き渡された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’98、日本海軍艦隊総覧

＜カヤオ＞：ペルー海軍ピスコ級戦車揚陸艦Callao。1985年就役。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜火薬＞：推進薬、発射薬のこと。参考：月刊軍事研究12,’04

＜火薬式カタパルト＞：航空機の加速に火薬の爆発を使うカタパルトのこと。シリンダー内で火薬を爆発させてピストンを瞬間的に加速することにより、ピストンと連結したワイヤーが滑車を介して滑走台を牽引し、滑走台に載せられた航空機を射出する。加速が瞬間的に行われるので、下手をすると機体や乗員が壊れる。参考：護衛空母入門

＜火薬類＞：火薬、爆薬、火工品の総称。参考：月刊軍事研究12,’04

＜カヤック＞：Kh-35（空対艦ミサイル）を参照。

＜カヤンデル・ユニフォーム＞：冬戦争時に軍服が支給されず（帽章だけ配られた）、私服で任務に就いたフィンランド兵のこと。戦前に軍事予算を削減して装備品不足に陥らせたカヤンデル首相を皮肉ったネーミングである。参考：月刊軍事研究8,’11、1,’14

＜カユーガ＞：LST-1186（戦車揚陸艦）を参照。

＜カヨル＞：セネガル海軍ワロ級外洋哨戒艦３番艦Cayor。2023年5月2日進水。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜がら＞：砲兵の通称。車輪がガラガラ音を立てるので。参考：帝国陸海軍事典

＜空上げ＞：航空自衛隊が名物メニューを目指している料理。唐揚げでなく、空自全体で更に上を目指すという意味を込めて空上げにしている。2020年2月5日に空上げナンバーワンを決める空自調理競技会が初開催され、経ヶ岬分屯基地第35警戒隊の七味鶏が初代チャンピオン（空幕長特別賞）になった。参考：朝雲

＜カラー計画＞：アメリカ軍が1900年代初めに計画した、仮想敵などに対する作戦計画。オレンジが日本、グリーンがメキシコ、ゴールドがフランス、パープルがロシア、ブラックがドイツ、ホワイトが国内治安、レッドがイギリスに対するものである。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜カラート・ベニ・アベス＞：474（揚陸艦）を参照。

＜カラート・ベニ・アベス級＞：アルジェリア海軍LPD、Kalaat Béni-Abbès級。洋上補給や医療支援も行える多目的揚陸艦で、2011年7月にイタリアのフィンカンティエーリ造船所と契約を結び、イタリアで建造した。イタリア海軍サン・ジョルジョ級ドック型輸送揚陸艦３番艦L-9894サン・ジューストをベースに、船体を一回り大きくした。飛行甲板は全通式で、AW101やCH-47クラスのヘリが発着艦できるヘリスポットが２カ所、飛行甲板中央にヘリ用エレベーター１基が用意されており、右舷には前後に長いアイランドを備える。船体中央左舷の飛行甲板から１甲板低い位置にLCVP用ダビットが３基並んでいて、スポンソン構造にはなっているものの、アイランドとダビットに挟まれる飛行甲板中央部分がかなり狭くなっている。艦内にはドック・ウエルがあり、LCMを３隻収容可能。車両甲板はヘリ格納庫と兼用で、中型ヘリなら５機、戦車なら15両積める。艦首水線下はバルバス・バウで、バウ・スラスターを持つ。船体中央水線下にはビルジ・キールを装着する。アイランド前部上面にタワーマストがあり、頂部にEMPAR／クロノス多機能レーダーを収容した球形レドームを持つ。全長142.9m、幅21.5m、吃水4.9m、満載排水量8800トン。主機はディーゼル、出力16100馬力、２軸推進、速力20ノット、航続距離7000海里（15ノット）。兵装はアスター15艦対空ミサイル用８セル（16セル？）垂直発射機シルヴェールA50（右舷後部スポンソン）１基、76mm単装砲１門（艦首）、25mm単装機関砲（左舷ダビット前方）など。車両など1200トン以上、兵員450名（438名？430名？350名？）を収容できる。ヘリは主に海軍AW101捜索救難ヘリを運用中。空軍Mi-8、AW139、ベル412を積んで陸軍兵の輸送も行えるが、本格運用には至っていない。艦番号474カラート・ベニ・アベスが2014年に竣工した。もう１隻のオプション契約があるが、2020年現在、予算不足で行使されていない。参考：月刊世界の艦船10,’19、12,'20、12,'23、5,’16、5,’17、10,’17、4,’14、10,’14、8,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カラート・ベニ・ハンマド級＞：アルジェリア海軍戦車揚陸艦Kalaat beni Hammad級。兵員240名、戦車10両（７両？）、ヘリ１機を搭載可能（ヘリ甲板のみ？）。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カライアピ＞：イギリス海軍カライアピ級軽巡洋艦Calliape。1915年竣工。1931年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜カライアピ級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Calliope級。Ｃ級巡洋艦の１つで、元はカロライン級として発注されたが、設計を変更して完成したものである。主機に減速装置を装備し、缶を６基に減らして煙突を３本から２本にした。全長135.9m、幅12.6m、吃水4.5m、常備排水量4228トン。主機は蒸気タービン、出力37500馬力（カライアピ）／40000馬力（チャンピオン）、４軸推進（カライアピ）／２軸推進（チャンピオン）、速力29ノット。兵装は15.2cm単装砲２門、10.2cm単装砲８門、7.6cm単装高角砲１門、533mm水上固定式魚雷発射管２基。乗員368名。カライアピ、チャンピオンが1915年に竣工した。参考：近代巡洋艦史

＜カラヴェラス＞：ブラジル海軍カリオカ級敷設艇５番艇Caravelas。1940年6月7日竣工。1960年に除籍された。参考：月刊世界の艦船3,’18

＜空撃ち＞：ドライ・ファイアを参照。

＜カラカル＞：AS332シリーズ（ヘリコプター）またはMAS-1（空対艦ミサイル）を参照。

＜カラカル拳銃＞：UAE軍・警察の拳銃。UAEのカラカル・インターナショナル社が開発した。設計はグロック社などで仕事をしていたオーストリア人で、外見がグロック17に似ており、ポリマー製フレームとトリガーセーフテイを持つ。9mm×19、9mm×21、.357マグナム、.40口径など様々なバリエーションが用意されており、グリップには取り替え可能なカラープレートが埋め込まれていて、一目で区別できるようになっている。参考：月刊軍事研究5,’07

　＜カラカルＦ＞：後部にストックを装着できる他、フレーム前部にレールマウントを持ち、フォアグリップも付けることが可能。全長178mm、銃身長104mm、重量0.75kg。装弾数18発。参考：月刊軍事研究6,’07

　＜カラカルＣ＞：コンパクト型。参考：月刊軍事研究6,’07

　＜カラカルＨ＞：撃針をストライカー式からハンマー式に変更したもの。参考：月刊軍事研究5,’11

＜カラカル狙撃銃＞：カラカル・インターナショナル社が2011年から開発中のライフルで、CSR（Caracal Sniper Rifle）と略す。使用弾は.308弾または.300ウィンチェスター・マグナム弾。有効射程600m。弾倉は箱型、装弾数10発。参考：月刊軍事研究5,’11

＜カラカル・インターナショナル社＞：UAEの拳銃開発・生産会社。大統領の肝入りで2002年に設立された。2007年のIDEXでカラカル拳銃を発表した。後に投資顧問会社タワザン・ホールディングスの傘下となっている。参考：月刊軍事研究5,’07、5,’11

＜カラカル自走対戦車ミサイル＞：ベラルーシ・ホールディング社が開発した装輪式自走対戦車ミサイル。装輪装甲車に統合センサー付きRK-25対戦車ミサイル（装甲貫徹力670mm、最大射程6700m）４連装発射機を引き込み式で搭載しており、使用時にルーフから突き出して発射する。車内には誘導装置、射手用ワークステーション、無線機、GPS、航法装置、予備弾12発を搭載している。参考：月刊軍事研究6,’11

＜カラクルト級＞：プロジェクト22800（ミサイル艇）を参照。

＜華羅庚＞：892（試験艦）を参照。

＜カラコルム８型＞：K-8（練習機）を参照。

＜カラコルムイーグル＞：ZDK-03（早期警戒機）を参照。

＜葦崎＞：日本海軍戸島型敷設特務艇Karasaki。昭和18年9月、三陸沖で九四式水上偵察機と共にSS-181ポンパノを撃沈した。昭和20年11月17日、新潟沖で座礁したため放棄された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜韓崎＞：日本海軍韓崎級潜水母艦Karasaki。元はロシア義勇艦隊エカテリーノスラフで、ウラジオストクからオデッサに向かう途中、明治37年2月6日に釜山沖で日本海軍済遠が鹵獲した。その場所から韓崎丸という仮名を付けて4-10月に陸軍御用船として使用。その後海軍運送船となり、明治38年7月に韓崎丸が正式名となった。明治38年の第１潜水艇隊創設時には潜水母艦としての任務を開始していたが、明治39年3月8日に軍艦籍に編入されて水雷母艦として正式に就役し、第１潜水艇隊母艦となった。大正元年8月28日、二等海防艦に艦種変更された（任務は変わらず）。大正9年4月1日、水雷母艦に艦種変更された。大正11年4月、イギリス皇太子来日時に、御召艦の巡洋戦艦72レナウンと供奉艦の軽巡I99ダーバンのホストシップを務めた。大正12年9月1日の関東大震災発生時には中国沿岸にあり、釜山で食料と医薬品を積み込んで9月10日から京浜地区の救難任務に参加した。大正13年12月1日、潜水母艦に艦種変更。昭和9年、第４予備艦に編入され、海軍潜水学校の停泊練習艦として使用された。昭和14年4月1日に廃艦として除籍され、昭和15年に廃艦第９号に改称され、太平洋戦争初頭（昭和17年頃らしい）に解体されたが、一部資材は終戦時にも倉橋島などの廃材置き場に置かれたままとなっていた。参考：日本潜水艦物語、日本海軍特務艦船史、日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜韓崎級＞：日本海軍潜水母艦Karasaki級。元は日露戦争で明治37年にロシアから鹵獲した義勇艦隊船エカテリーノスラフ（Ekaterinoslav）、大元は明治29年にイギリスのホーソン・レスリー社で進水した貨客船である。潜水艇乗員の休養設備や旗艦設備を設けられる十分な内部スペースがあり、明治38年に横須賀工廠で乗員居住区と補給施設などを設置、日本海軍初の潜水母艦（この時の正式な艦種は運送船）として潜水隊創設時から潜水艇母艦の任務に就き、明治39年3月に水雷母艦と定められ、大正13年に潜水母艦に艦種変更された。垂線間長127.71m、最大幅15.16m、吃水4.8m、常備排水量10500トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶は石炭専焼円缶４基、出力2300馬力、２軸推進、速力12.6ノット、石炭搭載量900トン。兵装は安式40口径8cm単装砲１門、山内式47mm単装重速射砲４門。乗員249名。韓崎が明治39年に就役した。後に8cm高角砲１門を追加し、更に安式40口径8cm単装砲も8cm高角砲に換装した。参考：日本海軍特務艦船史、日本潜水艦物語、日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜カラシニコフ軽機関銃＞：RPKシリーズを参照。

＜カラシニコフ突撃銃＞：AK-47シリーズまたはAK-74シリーズを参照。

＜カラス＞：P.23シリーズ（偵察・軽爆撃機）を参照。

＜カラス＞：日本海軍海兵団員（四等兵）の通称。階級章が何も無いので。参考：海軍よもやま物語

＜ガラス線量計＞：陸上自衛隊の個人線量計。バッジ状をしており、ガラス線量計計測器により線量を読み取る。重量27g。東芝製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ガラス線量計計測器＞：陸上自衛隊の線量計測器。ガラス線量計の線量計測に使用する。重量14kg。測定可能範囲はガンマ線0-1000レントゲン。東芝製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ガラスブロック９０＞：ドイツ国防軍の防弾ガラス。最前部と最後部に4mm厚のクリスタルガラスを置き、その間に20mm厚のガラス３枚を挟み込み、各ガラス間に薄いプレキシガラスをサンドイッチしており、その後ろに10mm空けて10mm厚のインナーガラスを設けている。小銃弾程度ではびくともしない。参考：月刊PANZER10,’99

＜唐瀬原飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜唐津＞：日本海軍唐津型砲艦Karatsu。元は昭和3年に竣工したアメリカ海軍河用砲艦PR-7ルソンで、昭和17年5月6日にマニラ湾で自沈処分となっていたのを鹵獲して第103工作部で整備したものである。昭和17年8月1日、唐津と命名され、砲艦に類別された。昭和19年2月3日（3月3日？）、フィリピンのスルー海東部でSS-167ナーワールの雷撃により大破した。昭和20年2月5日（2月3日？）、マニラで修理続行不能となり、爆破処分された。4月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜唐津型＞：日本海軍砲艦Karatsu型。元はアメリカ海軍河用砲艦PR-7ルソンで、マニラ湾で自沈していたのを鹵獲し、兵装を日本海軍式に換装するなど整備したものである。垂線間長65.4m、最大幅9.52m、吃水1.75m、基準排水量560トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶はソーニクロフト式重油専焼水管缶２基、出力3150馬力、２軸推進、速力16ノット。兵装は7.6cm単装高角砲２門、機銃10丁。乗員82名。唐津が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜カラット演習＞：カラット（CARAT）はCooperation Afloat Readiness And Trainingの略。ASEAN諸国との友好関係を構築するため、アメリカ海軍（第７艦隊）が２国間演習を東南アジア諸国海軍との間で実施するもので、海上阻止行動、情報共有、海賊・密輸取り締まりなどを目的に1995年から毎年開催している。参考：月刊世界の艦船9,’11、3,’12、月刊丸12,’10

　＜カラット１９９８＞：1998年5月12日から8月5日に行われ、アメリカ（1700名。DD-985カッシング、LSD-43フォート・マクヘンリー）、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアが参加した。インドネシアも参加予定だったが、スハルト大統領の再選を巡って政情不安定となり、キャンセルしている。参考：月刊軍事研究12,’13

　＜カラット２００１＞：第７回で、アメリカ（SSN-688ロサンゼルス）、インドネシア、シンガポール（エンデュアランス）、タイ、フィリピン、ブルネイ、マレーシアが参加した。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜カラット２００９＞：アメリカ（DDG-90チャフィー、DDG-93チャンフーン、LSD-49ハーパーズ・フェリー）、タイ、フィリピン、シンガポール（艦番号69イントレピッド、エンデバー、ヴィクトリー）、マレーシア（艦番号30レキウ、スリ・インデラ・サクティ）、ブルネイが参加して2009年5月21日から実施された。参考：月刊世界の艦船9,’09

＜カラット２０１０＞：2010年5月にアメリカ（LSD-46トーテュガ、FFG-48バンデグリフト、救難艦サルボール）やインドネシアなどが参加して実施された。参考：月刊丸12,’10

＜カラット２０１１＞：2011年5月11日に開始され、アメリカ（DDG-93チャンフーン）、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、バングラデシュ、フィリピン（パンガシナン）、ブルネイ、マレーシアが参加した。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜カラット２０１２＞：2012年5月29日から6月8日、アメリカ海軍（FFG-48ヴァンデグリフト、LSD-42ジャーマンタウン）とインドネシア海軍（シラス・パパレ、593バンダ・アチェ）の二国間演習が行われた。参考：月刊世界の艦船8,’12

＜カラット２０１４＞：通算20回目。2014年6月27日からアメリカ海軍（DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン、LSD-48アシュランド）とフィリピン海軍（艦番号15グレゴリオ・デル・ピラル、16ラモン・アルカラス）の二国間演習が行われた。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜カラット２０１５＞：2015年6-10月にアメリカ海軍（DDG-82ラッセン、DDG-88プレブル、LCS-3フォート・ワース、LSD-42ジャーマンタウン、T-AO-197ペコス、RCB型哨戒艇）とインドネシア（艦番号358ジョン・リー、潜水艦402ナンガラ、揚陸艦590マカッサル、90HEX型哨戒艇）、シンガポール（イントレピッド、艦番号73シュープリーム、S-70Bヘリ）、タイ、バングラデシュ（オスマン、バンガバンドゥ）、マレーシアなどとの間で二国間演習を実施した。参考：月刊世界の艦船11,’15、12,’15

＜カラット２０１９＞：通算25回目。2019年10月下旬、アメリカ海軍（LCS-8モントゴメリー、T-EPF-3ミリノケット）とブルネイ海軍（哨戒艇シャファート）が南シナ海で訓練を実施。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜カラット２０２１＞：2021年6月30日、スリランカのトリンコマリー沖で行われ、アメリカ海軍LCS-18チャールストン、P-8A哨戒機、海上自衛隊DD-153ゆうぎり、スリランカ海軍哨戒艦P626ガジャバフ、哨戒艦P623サユララ、スリランカ空軍ベル212ヘリなどが、捜索救難や戦術運動の各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船9,’21

＜カラット２０２３＞：2023年1月19-27日、コロンボ沖で行われ、アメリカ海軍LPD-23アンカレッジ、P-8A哨戒機、スリランカ海軍哨戒艦P626ガジャバフ、ビヤバフ、海上幕僚監部、モルディブ国防軍司令部などが参加し、捜索救難訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜からっと隊長＞：航空自衛隊空上げイメージキャラクター。空自制服のニワトリで、空上げの普及を主任務とする。2020年2月5日に誕生した。参考：朝雲

＜ガラテ＞：フランス海軍シレーヌ級潜水艦Galatee。1927年竣工。1942年11月、ツーロンで自沈した。イタリア海軍に引き揚げられたが、1944年6月に連合軍の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ガラテア＞：F18（リアンダー級フリゲート）を参照。

＜ガラテア＞：イギリス海軍アリシューザ級（初代）軽巡洋艦Galatea。1914年竣工。1921年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜ガラティーア＞：71（軽巡洋艦）を参照。

＜ガラティン＞：APA-169（攻撃輸送艦）を参照。

＜カラ天組＞：天保銭組を参照。

＜からと＞：MSC-617（掃海艇）を参照。

＜からと型＞：かさど型掃海艇第３バッチを参照。

＜カラバ＞：VTG01（軽車両）を参照。

＜ガラパ＞：SS-359（潜水艦）を参照。

＜カラバジャル級＞：ペルー海軍フリゲート、Carvajal級。イタリアのフィンカティエリ社が開発し、６隻をライセンス生産した。全長113.2m、幅11.3m、吃水3.7m、満載排水量2500トン。速力35ノット。兵装はオトマートMk2艦対艦ミサイル単装発射筒８基、アルバトロス艦対空ミサイル８連装発射機１基、127mm単装砲１門、40mm連装機関砲２基、３連装短魚雷発射管２基。ヘリ２機を搭載できる。参考：JShips Vol.24

＜カラハン＞：DD-792（フレッチャー級駆逐艦）またはDDG-994（キッド級駆逐艦）を参照。

＜カラビナ−Ｓ＞：SKS海外シリーズ（自動小銃）を参照。

＜カラビニーレ＞：F581（アルピーノ級フリゲート）またはF-593（FREMM級フリゲート）を参照。

＜樺太特務機関＞：日本陸軍北方軍情報部樺太支部の別名で、主任務は対ソ情報収集（放送傍受、軍用有線通信傍受）、兵要地誌調査、先住民族に対する工作、諜報要員獲得、防諜拠点整備である。昭和17年4月に新編され、本部を南樺太豊原、支部を敷香と恵須取に置いた。現地先住民族数百人に工作員やゲリラとしての教育訓練を施し、早速ソ連との国境線で情報戦に投入、ソ連側の先住民族工作員との間で殺し合いになることもあり、昭和18年8月までで50人以上が死亡している。ロシア人二重スパイも得て情報収集に利用した。昭和18年6-7月、敷香支部の機関長が参謀本部命令に基づき偽名を使って外務省通訳生の身分で北樺太やカムチャツカ半島での特殊偵察勤務（外国領内での諜報）を実施。終戦時には中野学校出身者32名が所属しており、19名がシベリア送りにされた。参考：歴史群像8,’17

＜カラブリア沖海戦＞：第２次大戦中の1940年7月9日、マルタからアレクサンドリアに向かう船団を護衛中のイギリス地中海艦隊（戦艦03ウォースパイト、01マレーヤ、05ロイヤル・サブリン、空母１隻、軽巡５隻、駆逐艦18隻）と、輸送任務を終えて北アフリカからタラントに帰還中のイタリア第１艦隊（戦艦コンテ・ディ・カブール、ジュリオ・チェザーレなど）が交戦したもの。双方に損傷艦は出たが、沈没は無かった。参考：月刊世界の艦船1,’12、4,’17

＜カラボザ＞：LCU-2009（汎用揚陸艇）を参照。

＜カラミス・ユーティリティ・ナイフ＞：アメリカ軍の多用途ナイフ。ナイフ、缶切り、リーマー（キリ）、栓抜き兼マイナスドライバーの４得ナイフである。参考：コンバット・バイブル

＜空薬莢＞：中身が入っていない空の薬莢のこと。発射後の空薬莢は打殻薬莢と呼ばれる。参考：月刊軍事研究8,’16、MAMOR vol.132、朝雲

＜カラリー＞：IGZ（射撃指揮装置）を参照。

＜ガラリヤ平和作戦＞：レバノン侵攻を参照。

＜カラル＞：イラン陸軍主力戦車Karrar。T-90MSに似ているが、国産らしい。車体前側面に爆発性反応装甲を装備する。下部転輪はダブルタイプ片側６組。スカートは前３分の２くらいが上部爆発性反応装甲＋下部ゴム、後ろ３分の１くらいがスラット装甲。主砲は125mm滑腔砲で、砲塔上面の遠隔操作銃塔に12.7mmまたは14.5mm機銃を装備する。砲塔前面は爆発性反応装甲で楔形をしており、砲塔側面後部はスラット装甲でガードしている。2016年8月から配備された。参考：月刊PANZER4・5,’17

＜カラル＞：イランが開発した戦術武装UAV、Karrar（攻撃者）。無人標的機がベースで、移動式発射機から射出される。エンジンはターボジェット、航続距離1000km（片道ならイスラエルまで何とか届く）。胴体中央に500ポンド爆弾、両翼下に250ポンド爆弾を搭載できる。GPS誘導爆弾の運用も可能らしい。ミサイルなら４発積め、増槽も装備できるとされる。2010年8月22日に公表された。参考：月刊軍事研究2,’11、4,’13、月刊JWings11,’10

＜カラル＞：ロシア海軍ネフテガズ型救難船Kalar。2001年10月13日2245頃、ロプーチャ�T型揚陸艦艦番号55、同66と共に礼文島の北東54kmを西に航行するのをDD-156せとぎりが確認した。10月14日、ロプーチャ�T型揚陸艦艦番号55、同66と共に礼文島の西132kmを南西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2013年12月14日、ドゥブナ級補給艦イルクート、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフと共に、下対馬の南30kmを航行するのを第４航空群P-3Cが確認した。12月16-21日、ドゥブナ級補給艦イルクート、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフと共に舞鶴を訪問した。12月18日と21日、舞鶴港内と若狭湾北方海域で日露捜索救難訓練に参加。2014年2月22日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、改アルタイ級補給艦イリムと共に、青森県尻矢崎の北東50kmを西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。2014年5月16日0100頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、改アルタイ級補給艦イリムと共に、上対馬北東140kmを南西に航行するのを、DD-132あさゆきが確認した。その後対馬海峡を南下している。5月20-26日、東シナ海で海上連合2014に参加。5月29日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、改アルタイ級補給艦イリムと共に、対馬海峡を北上するのを、DD-132あさゆきが確認した。6月1日、ウラジオストクに帰港。8月20日1800頃、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、グリシャ�X型警備艦MPK82、同エルクーツキー・コムソモレッツ、改アルタイ級補給艦イリムと共に、宗谷岬の西90-150kmを北東に航行するのを、DD-114すずなみと第２航空群P-3Cが確認した。10月2日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、オビ級病院船イルティシュと共に、宗谷岬北東40-60kmを航行するのを、DE-231おおよどが確認した。2021年4月30日2100頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツと共に、対馬東35kmを南西に航行するのを、MSC-601ひらしまが確認した。その後これらは対馬海峡を南下し、東シナ海に向かっている。6月16日2200頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツと共に、対馬南西250kmを北東に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機とPG-829しらたかが確認した。その後これらは対馬海峡を北上して日本海に向かっている。参考：月刊世界の艦船1,’02、2,’14、4,’14、5,’14、8,’14、11,’14、3,’15、3,'22、月刊JWings3,’14

＜賀蘭山＞：932（揚陸艦）を参照。

＜カランジ＞：インド海軍スコルペン級潜水艦３番艦Karanj。2018年1月31日進水、2021年3月10日就役。参考：月刊世界の艦船4,’18、5,’21

＜ガラント＞：H59（駆逐艦）を参照。

＜ガラント＞：シンガポール海軍フィアレス級哨戒艇Gallant。2020年12月退役。ブルネイ海軍に無償譲渡されてアル・シディークになる予定。参考：月刊世界の艦船11,’19、7,’23

＜かり＞：PC-301（駆潜艇）を参照。

＜雁（初代）＞：日本海軍隼型水雷艇Kari。明治36年7月25日竣工。大正11年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜雁（２代目）＞：日本海軍鴻型水雷艇６番艦。昭和12年9月20日竣工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第３遣支艦隊第11水雷隊に所属していた。太平洋戦争開戦直後、イギリス商船シーワとノルウェー商船デュカットを鹵獲した。12月16日、雉と共に香港付近でイギリス海軍魚雷艇８号を砲撃して撃沈した。昭和17年2月、第１南遣艦隊第12特別根拠地隊に転属した。昭和17年11月30日、インド洋のアンダマン諸島付近で爆撃を受けて小破した。昭和18年2月1日、ラングーンで爆撃を受けて小破した。昭和19年2月24日夜、マカッサル海峡でイギリス海軍潜水艦P317タリー・ホーを至近距離で発見し、衝撃して損傷させたが、自らの船体にも30cm×50cmの破孔が生じ、右舷スクリュー軸と右ビルジキールが破損した。その後シンガポールの第101工作部に引き返して１ヶ月半の修理を行った。昭和20年7月16日、ボルネオ南方でSS-318バヤの雷撃を受けて戦没し、9月30日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜カリアー＞：DE-700（護衛駆逐艦）を参照。

＜ガリアル＞：L12（戦車揚陸艇）を参照。

＜ガリアル級＞：インド海軍戦車揚陸艇Gharial級。基準排水量780トン。主機はディーゼル、速力18ノット。兵装は25mm連装機関砲１基、140mmロケット18連装ランチャー２基。L12ガリアルとL13グルダルが竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜カリーナ級＞：ロシア海軍AIP潜水艦Kalina級。677型の後継で、ルビーン設計局が開発している。AIPとしてBTE-50（クリスタル27E？）を搭載し、１ヶ月以上の潜航行動を可能とする。蓄電池もリチウムイオン電池に変更する。2020年以降に洋上公試を始める予定だったが、AIPの完成に2021年までかかるので、それに合わせて遅れるとみられる。参考：月刊軍事研究12,'18、10,’15

＜カリーニン＞：ソ連海軍マキシム・ゴルキイ級巡洋艦３番艦Kalinin。1938年8月12日起工、1942年5月8日進水。秋の公試（公試排水量10040トン）では最大出力126900馬力・最大速力36.0ノット、17ノットでの航続距離5590海里を記録した。1942年12月31日竣工、太平洋艦隊に配備され、軽機動部隊旗艦となった。1943年3月、北洋艦隊に転属する予定になったが、6月に取り消された。1956年5月7日、予備役に入った。1957年12月1日、現役に復帰した。1960年2月6日、兵装を撤去して宿泊艦PKZ-21に艦種変更された。1963年4月12日に除籍されてスクラップにされた。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜カリーニン＞：ソ連海軍キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦３番艦Kalinin。1983年3月21日起工、7月21日艦籍編入、1986年4月12日進水、1988年12月30日竣工。1989年4月21日、北洋艦隊に配属された。1992年5月27日、アドミラル・ナヒーモフに改称された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’00

＜カリーニングラード＞：ソ連海軍ロプーチャ�T型揚陸艦Kaliningrad。2010年6月19-27日、ドイツのキール・ウィーク2010に参加。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜カリーニングラード州＞：ロシアの飛び地領土。北から東でリトアニア、南でポーランド、西でバルト海と接し、面積は15125平方キロメートルで、北西連邦管区に属する。元はドイツのケーニヒスベルク一帯で、第２次大戦によりソ連が領土を獲得し、1946年にソ連最高会議幹部会議長ミハイル・カリーニンの名前を取ってカリーニングラードと名付けられた。ソ連軍による占領前後にドイツ系住民が脱出したり追放されたりした結果、住民の９割以上がスラブ系で占められており、ソ連崩壊でバルト三国が独立した後も飛び地としてロシアに残った。バルト海中央部を抑える戦略的要地であり、陸軍第11軍や防空部隊が配置され、1956年にはバルチック艦隊司令部がレニングラードから移っている。冷戦終結後も重要性は変わらず、東ドイツ駐留ソ連軍の一部を加えて戦力を増強し、1990年代前半には兵力20万名、戦車620両、装甲戦闘車両940両、火砲695門、固定翼機155機、ヘリ95機にも達しており、1994年には統合防衛組織であるカリーニングラード防衛地区（陸軍第11諸兵連合軍、海軍バルチック艦隊、防空軍カリーニングラード防空区域、国境警備隊、内務省軍を隷下に置く）を創設したが、兵站や国力の問題からさすがに戦力維持が困難となり、1997年に陸軍と防空軍の部隊をバルチック艦隊の隷下に編入する改編を実施、21世紀に入ると兵力は8-10分の１くらいに減った。バルト三国がNATOに加盟すると陸路での兵站輸送がますます難しくなり、海路へと切り替えた。2006年、アメリカがポーランドとチェコへのBMDシステム配備を表明すると、イスカンデルＭの配備をほのめかし（既に10基くらい配備したともいわれる）、ヴォロネジDM早期警戒レーダーを配置した。2012年、第183防空ロケット連隊がS-400への改編を完了した。2016年10月9日、ロシア国防省がイスカンデルＭの配備を認めた。2017年12月1日、バルチック艦隊広報部が3K60バール地対艦ミサイルとK-300Pバスティオン地対艦ミサイルを装備する沿岸ロケット大隊を編成したと発表した。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊航空ファン12,’16、月刊世界の艦船2,’18

＜カリーニングラードネフチ級＞：ロシア海軍補給艦。船型は船首尾楼型で、凹甲板前部に単脚補給ポスト、中央に門形補給ポスト、船尾楼に艦橋、その後ろに煙突がある。カマが就役した。参考：統合幕僚監部ホームページ、月刊世界の艦船3,’20

＜カリーニン・ベイ＞：CVE-68（護衛空母）を参照。

＜カリオカ級＞：ブラジル海軍敷設艇Carioca級。ドイツが第１次大戦時に建造した掃海艇がベースで、機雷敷設の他、哨戒、警備、護衛、掃海などにも使用できる。機雷44個を搭載可能。５番艦カラヴェラスなど６隻が1937-40年に竣工した。1942年8月に連合軍側で第２次大戦に参戦すると、機雷兵装を外し、コルベットに艦種変更された。垂線間長57.5m、基準排水量552トン。主機はレシプロ蒸気機関２基２軸2200馬力、速力15ノット。兵装は10.2cm単装砲１門（前甲板）、20mm単装機関砲３門、両舷式爆雷投射機２基、爆雷投下軌条２条。第２次大戦終戦後に機雷兵装を積み直した。参考：月刊世界の艦船3,’18

＜カリオペ＞：T34カリオペ・シリーズ（ロケットランチャー）を参照。

＜かり型＞：海上自衛隊駆潜艇甲型、計画番号K101A。港湾、海峡、近海の対潜防御用低コスト船舶として1954年度に計画され、日本海軍第４号型駆潜艇、第13号型駆潜艇、アメリカ海軍駆潜艇を参考に開発された。重量軽減のため上構にアルミ合金を多用し、船体の鋼板も薄くして亜鉛メッキ処理を施してある。船型は平甲板型で、艦首にシアが付いていて艦首乾舷は高く、舷側に大きなフレアを持つ。主機室は前方、補機室は後方にあり、煙突は艦橋後方の甲板室にめり込んでいて、外からは目立たない。主機のディーゼルは減速装置を介して推進軸に繋いである。艦橋と後部上構は分離しており、後部上構側面に搭載艇を収容する。重心降下のため、爆雷投下軌条を艇尾上甲板の窪みに埋め込んだ。QHBソナー、AN/SPS-5B対水上レーダー、Mk63機銃射撃指揮装置（艦橋上）を装備する。全長56m（54m？）、最大幅6.5m、深さ4m、吃水2m、基準排水量310トン、満載排水量340トン。主機は川崎MAN・V8V22/30型16気筒Ｖ型４サイクルディーゼル２基２軸4000馬力、速力20ノット。兵装は40mm連装機関砲１基（前甲板砲座上）、ヘッジホッグ１基（艦橋前方）、爆雷投射機（Ｙ砲）２基（後甲板）、爆雷投下軌条２条（艦尾）。乗員70名。PC-301かり、PC-302きじ、PC-303たか、PC-304わしの４隻が1957年に就役し、第１駆潜隊を編成した。後にOLR-3電子戦装置を搭載し、ソナーをAN/SQS-11に換装した。1977年に全て除籍され、解体された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊丸5,’07、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、3,’10、8,’11増刊、丸スペシャルNo.76、No.78

＜かりがね＞：UF-2飛行艇（海上自衛隊）を参照。

＜カリサ＞：海上自衛隊の略号で、監理幕僚のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ガリシア＞：L31（揚陸艦）またはL-51（揚陸艦）またはプリンシペ・アルフォンソ（巡洋艦）を参照。

＜ガリシア級（初代）＞：スペイン海軍ドック型揚陸艦Galicia級。満載排水量9375トン。L31ガリシアが1945年に竣工した。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜ガリシア級（２代目）＞：スペイン海軍ドック型輸送揚陸艦Galicia級。1990年代初めにオランダ海軍と共同開発し、ロッテルダム級と類似の艦型を持つ揚陸艦として完成した。船型は平甲板型で、前部に大型の箱型上構があり、中央から後部が広いヘリ甲板で、後面に下開きのランプがある。ドック・ウエルは長さ55m、幅16m、床面積885平方メートル。車両甲板は床面積1010平方メートル。上構後部がヘリ格納庫で、上面両舷に煙突１本ずつ、上面中央前後にタワーマスト１本ずつが立っている。２番艦はドイツ製TRS3D/16ES対空レーダー、SICOA指揮統制システム、向上化通信装置、戦闘群用CIC、海兵隊スタッフ65名用支援施設を有する点が１番艦と異なっており、海兵隊員を収容するため、輸送兵員を404名に減らした。全長160m、幅25m、吃水5.9m、満載排水量13815トン。主機はCODADE方式、ディーゼル２基、固定ピッチプロペラ２軸推進、速力19-20ノット、航続距離6000海里（12ノット）。ヘリ格納庫にSH-3Dシーキング４機またはHA-18（ベル212）ヘリ６機またはNH90ヘリ６機を搭載でき、ドック・ウエルにLCVP６隻またはLCM４隻またはLCU１隻＋LCVP１隻を収容し、車両甲板に主力戦車33両または装甲兵員輸送車130両を積載、揚陸部隊543名（１番艦）／404名（２番艦）を乗せられる。兵装はメロカ2B近接防御兵器２基。乗員127名（１番艦）／179名（２番艦）、航空要員72名。L-51ガリシアとL-52カスティーリャが1998年と2000年に就役した。参考：月刊軍事研究11,’08、3,’00、月刊世界の艦船9,’01、5,’17、12,'23、1,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カリ・システム＞：イラク軍統合化防空システム。KARIはフランス語のイラクの綴りを逆さにしたものである。フランスのトムソンCSF社が1970年代後半から建設し、1987年から運用した。イラク全土を４つ（北部、中部、西部、南部）の防空戦区に割り振り、戦区作戦センター（キルクーク、タジ、H-3、タリル）を建設、バグダッドにこれらを統括する防空作戦センターを置いた。湾岸戦争でクウェートを占領した後は、クウェートを第５防空戦区（戦区作戦センターはサレムにある）としていた。各防空戦区は1-6ヵ所の迎撃作戦センターとリンクし、早期警戒レーダーなどの情報を統合して迎撃戦闘機とSAM陣地に目標を割り振る。これらの施設は光ファイバーとマイクロ波通信装置で結ばれていた。参考：月刊軍事研究12,’09、4,’99

＜カリスト＞：ギリシャ海軍ハント級掃海艇Kallist。2020年10月27日、ピレウス港外でポルトガル船籍コンテナ船マークス・ランセストンと衝突した。艦尾を破壊されて大傾斜したため、乗員は退避、ピレウス港に曳航されている。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜カリスフォート＞：R25（駆逐艦）を参照。

＜カリスフォート＞：イギリス海軍カロライン級軽巡洋艦Carysfort。1915年竣工。1931年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜カリスブレイク・キャッスル＞：K379（コルベット）を参照。

＜カリタック＞：AV-7（水上機母艦）を参照。

＜カリタック級＞：アメリカ海軍水上機母艦Currituck級。カーティス級の改良型で、海兵隊が採用を予定していた水上爆撃機を運用できるように格納庫と飛行甲板を拡大し、カタパルト１基を搭載した。ただ水上爆撃機は実用化されず、飛行艇隊２隊の母艦任務に就いている。基準排水量9106トン。主機は蒸気タービン、速力19.2ノット。兵装は12.7cm単装両用砲４門。1944-45年にAV-13サルズベリーなど４隻が就役した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ガリツェン＞：SS第14擲弾兵師団を参照。

＜ガリックス１３＞：発煙弾。波長0.35-14ミクロンの電磁波透過を防げる。参考：月刊PANZER12,’03

＜カリド＞：S137（潜水艦）またはチーフテン海外シリーズ（戦車）を参照。

＜カリド級＞：アゴスタ90B級（潜水艦）を参照。

＜カリナ＞：アメリカ海軍自律式UUV。魚雷に翼を生やしたような形状で、機雷捜索などに投入される。2021年4月17-25日、アメリカ海軍無人兵器統合演習Unmanned Systems Integrated Battle Problemに参加。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜カリファ＞：GHY02（自走榴弾砲）を参照。

＜カリファ−２＞：DCA6（装甲兵員輸送車）またはGHY03（自走榴弾砲）を参照。

＜カリブー＞：DHC-4シリーズ（軽輸送機）またはC-7A（軽輸送機）を参照。

＜カリブー�U＞：DHC-5シリーズ（軽輸送機）を参照。

＜カリフォルニア＞：ACR-6（装甲巡洋艦）またはBB-44（戦艦）またはCGN-36（巡洋艦）またはSSN-781（潜水艦）を参照。

＜カリフォルニア級＞：アメリカ海軍原子力ミサイル・フリゲートCalifornia級、計画番号SCB-241・65。原子力空母を直衛する駆逐艦クラスの原子力推進護衛艦として設計されており、スタンダードミサイル単装発射機Mk13と５インチ速射砲Mk45を艦前後にそれぞれ１基ずつ装備（ダブル・エンダー）した。当初は対空用にも使える発射速度の速い５インチ両用砲を搭載する予定だったが、Mk45に変更されている。ミサイル発射機を単装にしたのは排水量節約のためだが、他の同級艦に比べると打撃力に劣った。搭載予定だった長魚雷用Mk25発射管はアスロックに変更している。航空艤装はヘリ格納庫とヘリ甲板を予定したが、ヘリ格納庫は省き、艦後部のVERTREP用ヘリ甲板のみとした。船型は平甲板型（遮浪甲板型？）で、マストは前後に１本ずつあり、上部を切り落とした円錐形をしている。前部マストにAN/SPS-48C三次元レーダー、後部マストにAN/SPS-40B対空レーダー、後部マスト中段にAN/SPQ-9Aを装備し、他にMk74MFCS２基、AN/SPG-51Dイルミネーター・レーダー４基、Mk86砲射撃指揮装置、AN/SPG-60射撃レーダー（前部艦橋頂部）を搭載する。EDSはMk11、ソナーはAN/SQS-26CXバウソナー。データリンクはリンク11。艦載戦闘システムはWDSとNTDSで、対空・対水上・対潜システム全ての統合を目指したが、開発中だった対空用ターターＤシステムと他のシステムとの統合が上手く行かず、システム形態管理にも欠陥があり、完成が遅延しまくった。全長181.7m、幅18.6m、吃水9.6m（6.3m？）、基準排水量9561トン（DLGN-36）／9473トン（DLGN-37）、満載排水量10150トン。主機は原子力蒸気タービン方式、D2G原子炉２基・蒸気タービン２基２軸70000馬力、速力31.5ノット。兵装はハープーン４連装発射筒２基（前後上構の間に右舷向き１基、後部上構直後に左舷向き１基）、スタンダードMR単装発射機Mk13Mod7が２基（前後甲板、40発ずつ）、アスロック８連装発射機Mk16が１基（艦橋前方。弾庫は前にあり、再装填時は発射機を後ろに向ける）、127mm単装砲Mk45Mod1が２門（Mk13とアスロック発射機の間の前甲板に１門、後部上構ハープーン４連装発射筒の後ろに１門）、Mk15ファランクス２基（後部上構前部両舷）、固定式324mm短魚雷連装発射管Mk32が２基。乗員603名（DLGN-36）／595名（DLGN-37）。３隻を建造予定で、艦隊防空中枢艦として量産する案もあったが、ヴァージニア級の方が費用対効果の面で有効であるとして１隻がキャンセルされ、DLGN-36カリフォルニアとDLGN-37サウスカロライナの２隻が1974-75年に就役した。価格は１番艦が２億2000万ドル。1975年6月、原子力ミサイル巡洋艦CGNに艦種変更された。1989-90年、ターターＤシステムNTU改装を実施。艦対空ミサイルをSM-2MRに換装（SM-2ERは発射機の関係で積めず）し、ついでにAN/SLQ-32電子戦装置とAN/SLQ-25対魚雷デコイを装備した。改装後の諸元は以下の通り。全長181.8m、全幅18.6m、軽荷排水量9676トン、満載排水量10530トン。主機は原子力蒸気タービン方式、D2G原子炉２基２軸70000馬力（60000馬力？）、速力30ノット。兵装はSM-2MR艦対空ミサイル単装発射機Mk13Mod3（40発）２基、127mm砲Mk45が２門、ハープーン４連装発射筒２基、Mk15ファランクス２基、アスロック８連装発射機Mk16が１基、固定式324mm短魚雷連装発射管Mk32が２基。レーダーはAN/SPS-48E、AN/SPS-49(V)5、AN/SPS-64(V)9、AN/SPS-67(V)1、AN/SPG-51D、AN/SPG-60、AN/SPQ-9A。Mk86砲射撃指揮装置とAN/SQS-26CXバウソナーを搭載する。乗員528-547名。1993年、アスロックを撤去した。トマホークは最後まで搭載せず、1999年に両艦とも退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’15、9,’16、3,’00、12,’13、10,’02、10,'23、月刊軍事研究12,’15、5,’03、10,’18、近代巡洋艦史

＜カリフォルニア級＞：アメリカ海軍戦艦California級。第１次大戦の戦訓を基にニューメキシコ級を改良し、ドイツ戦艦に対抗できるようにしたもので、艦橋を大型化し、主砲仰角を30度に引き上げ、副砲の船体装備を止めて最上甲板に移し、主機をターボ・エレクトリック方式とした。艦中央首尾線上に発電機室を前後に並べ、その両側に缶室４室ずつを設けて主缶を１基ずつ収容し、発電機室後方に制御室、左右缶室後方に主電動機１基ずつを収めた外舷用主電動機室を、制御室後方に主電動機２基を収めた内舷用主電動機室を配置している。缶室は水中防御を兼ねて前後に長く配置しており、煙突は２本設けた。水中防御強化のため、舷側に多層式防御縦壁（片舷５層ずつ。うち４層が衝撃吸収層で、うち外側３層が重油タンク）を初採用している。全長190.2m、幅29.7m、吃水9.2m、常備排水量32300トン（うち機関重量1862トン）、基準排水量32600トン。主機はターボ・エレクトリック方式、ウェスティングハウス社製改良パーソンズ単胴蒸気タービン（BB-43）／GE社製カーチス単胴蒸気タービン（BB-44）、主缶はバブコック＆ウィルコックス式（BB-43）／ニューロー・エキスプレス式（BB-44）重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり20kg、飽和温度）８基、交流発電機（定格出力11000kW）２基、主電動機（定格出力7025軸馬力）４基、出力30000軸馬力（26800馬力？）、４軸推進、速力21ノット、重油搭載量4656トン、航続距離8000海里（10ノット）。兵装は50口径35.6cm砲（弾重量680kg、最大射程は仰角30度で33.19km、発射速度毎分２発）３連装砲塔４基、51口径12.7cm単装砲14門、50口径7.6cm単装高角砲４門、533mm水中発射管２門。装甲厚は水線部356mm（343mm？）、甲板89mm、バーベット330mm、砲塔前楯457mm、砲塔天蓋127mm、司令塔406mm。乗員1084名（士官57名、下士官兵1026名。計2200名？）。1915年度計画でBB-43テネシーとBB-44カリフォルニアの２隻が建造され、1920-21年に就役した。1927年頃、３番砲塔と艦尾にカタパルトを設置して水上機３機を搭載。1929年頃、高角砲を25口径12.7cm高角砲（片舷４門ずつ）に換装。真珠湾攻撃でどちらも損害を受けた後、1942-44年に大改装を実施。船体にバルジを設置し、艦橋と煙突を一体化してマストを棒状にするなど上部構造をサウス・ダコタ級と同様に改装、中央舷側に38口径12.7cm連装両用砲を４基ずつ並べ、ボフォース40mm４連装機関砲（BB-43が10基、BB-44が14基）とエリコン20mm単装機関砲50門を搭載、主砲及び副砲の方位盤にレーダーを装備して基準排水量が37000トンに増大した。これにより幅が34.7mとなり、パナマ運河を通れなくなった。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船3,’15、1,’12、12,’15、9,’17、月刊丸11,’09

＜カリブ軍＞：CARIBCOMを参照。

＜カリプソ＞：ギリシャ海軍オスプレイ級掃海艇Calypso。元はアメリカ海軍オスプレイ級掃海艇MHC-52ヘロンである。2007年3月就役。参考：月刊世界の艦船2,’10

＜カリプソ＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Calypso。２機が上下に並んで会場右から進入し、上の機が背面飛行に移り、背中合わせで左に抜けていく。T-2ブルー時代に誕生し、T-4ブルーになってからは暫く行われていなかったが、2010年のブルーインパルス創設50周年記念に合わせて復活した。参考：月刊JWings6,’10、8,’15

＜カリプソ�V＞：DRUA33（レーダー）を参照。

＜カリプソ・バイキング＞：S-3対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜カリブディス＞：88（軽巡洋艦）またはF75（フリゲート）を参照。

＜カリプリ＞：フランス海軍シルセ級潜水艦Carypso。1929年竣工。1943年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜カリブル・シリーズ＞：ロシア海軍艦載巡航ミサイルコンプレックスKalibr（口径）、別名P-900または3K14、米軍コードはSS-N-27（艦対艦）またはSS-N-30/SS-N-30A（艦対地）、NATOコードはシズラー（Shizzler。艦対艦）。対地型はビリューザ（Biryuza）とも呼ばれる。ノバトール設計局がRKP-55巡航ミサイルをベースに1985年から開発したが、ソ連崩壊で予算が付かなくなったのと、ウクライナ製R-95-300ターボファンエンジンに代わるロシア製エンジンの開発に手間取ったため、射程300km以内で済む輸出用クラブ統合ミサイルシステムより10年以上実用化が遅れ、2010年代初めになって漸く配備された。3M54潜対艦ミサイル、3M54T艦対艦ミサイル、3M14潜対地ミサイル、3M14T艦対地ミサイル、91RE艦対潜ミサイル・シリーズなどを運用可能。自国向けなので、ミサイル輸出管理規制による射程制限を気にする必要が無く、対艦ミサイルは440-660km、対地ミサイルは1500-2500kmの射程を誇る。シリア内戦介入で2015年10月7日にカリブルNK／3M14T艦対地ミサイル、12月9日にカリブルPL／3M14潜対地ミサイルが初実戦使用された。ウクライナ戦争にも投入されたが、命中率がかなり悪く、40%くらいという話も出ている。参考：月刊軍事研究6,’18、7,’16、月刊世界の艦船9,’20、9,’22

＜カリブルＮＫ＞：水上艦用Kalibr Nadvodnyi Korabl’。ゲパルト3.9級コルベット２番艦以降、プロジェクト20380ステレグシュチイ級フリゲート、アドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲート、アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート、プロジェクト21631ブヤンＭ型コルベット、プロジェクト20385グレミャーシュチイ級コルベットに搭載された。参考：月刊軍事研究7,’16、11,’12、4,’15、11,’15、月刊世界の艦船5,’16、1,'15増刊、8,’13、11,’17、8,’20

＜カリブルＰＬ＞：潜水艦用Kalibr Podcodnyi korabL’。636型キロ級潜水艦、677型ラダ級潜水艦、885/885M型ヤーセン級原潜に搭載され、949A型原潜、671RTMK型原潜、971型原潜に搭載改修が行われた。参考：月刊軍事研究6,’18、7,’16、7,’17、月刊世界の艦船11,’17

＜カリブルＭ＞：GPV-2027で開発中の威力強化・射程延伸型。弾頭重量を１トン弱とし、射程を4500kmに延ばす。相応に大型化するため、フリゲート以上の大型水上艦か原潜でしか運用できない。参考：月刊世界の艦船4,’19

＜カリベ＞：S-32（潜水艦）を参照。

＜ガリポリ上陸作戦＞：第１次世界大戦で、黒海と地中海を結ぶダーダネルス海峡を制圧するため、英仏連合軍が行った上陸作戦。1915年2-3月にダーダネルス海峡突破作戦が失敗したため、まずダーダネルス海峡の西側を南に延びるガリポリ半島に強襲上陸して制圧することにした。参加兵力はイギリス第29歩兵師団、海兵隊１個師団、オーストラリア及びニュージーランド軍の志願兵からなるアンザック軍団、フランス軍１個師団（陸上兵力合計75000名）、イギリス海軍・航空部隊で、主力の第29歩兵師団が上陸海岸を確保してトルコ軍の砲台を制圧し、アンザック軍団は半島の西側に上陸してトルコ軍の増援を阻止、フランス軍とイギリス海兵隊は陽動攻撃を行うことになった。編成に手間取って作戦開始は4月とされたが、ドイツ軍諜報員にその情報が筒抜けとなってしまい、トルコ軍は６個師団７万名を海峡周辺に配置、艦砲射撃に晒される水際での防御は行わず、海岸線に敵を釘付けにして撃退する戦法をとることにし、主力部隊は内陸に配置した。ただし移動に使える道路が１本しかないため、予備部隊などの迅速な移動は困難だった。1915年4月25日、悪天候のため２日遅れで英仏連合軍はガリポリ半島に上陸を開始。艦船200隻を投入したが、上陸専用の舟艇は無く、艀やボートに兵を乗せて内火艇で引っ張っていったため、各艦艇は上陸作業に忙しく、攻撃準備射撃が出来なかった。また、阻止砲火を浴びて木製の艇体が破損、曳索も切断されて上陸作業にも難渋した。第29歩兵師団は海岸に釘付けになり、石炭運搬船を装い兵員2000名を収容したリバー・クライド号は海岸に乗り上げて上陸を図ったが、射撃が集中して兵士が船外に出られなくなっていた。アンザック軍団と陽動部隊の向かった先はは防御態勢が薄かったため、抵抗を排除して上陸に成功。トルコ軍は予備師団を第29歩兵師団の上陸したヘレス岬に向かわせた。翌26日には30000名が上陸を終了し、戦艦クイーン・エリザベスが381mm砲でトルコ軍陣地を猛射したが、増強を続けるトルコ軍を撃破することは出来なかった。アンザック軍団の上陸した地点ではトルコ軍第７師団が内陸部への突破を防ぐために猛反撃を行い、増援到着の時間を稼ぐことに成功。4月28日には戦線が膠着状態に陥り、7月に入ると両軍共に補給が続かなくなってきた。そのため、連合軍は8月にスーブラ湾上陸作戦を行うこととなった。2015年4月24日、ガリポリ沖でガリポリ作戦100周年記念海上パレードが行われ、トルコからF240ヤウズやF241トゥルグットレイスなど７隻、イギリスからL15ブルワーク、フランスからD614カサール、オーストラリアから１隻、ニュージーランドからF77テ・カハが参加した。参考：月刊軍事研究9,’07、月刊PANZER7,’05、工兵入門、月刊世界の艦船7,’15

＜仮屋磁気測定所＞：海上自衛隊の艦船磁気測定所。阪神基地隊の隷下にある。艦艇の船体磁気データを測定するのが主任務で、航行中の艦艇が発する磁気の特性（動的磁気特性）を測定できる唯一の磁気測定所であり、これに基づいて仮屋磁気測定所や横須賀造修所消磁所で船体の消磁を行い、磁気機雷や磁気探知装置が作動しにくくする。1955年12月に開設された。参考：阪神基地隊ホームページ、日本の防衛戦力Part3

＜火龍＞：AC-47ガンシップ（南ベトナム空軍）またはキ−201（戦闘爆撃機）を参照。

＜火力＞：Fire Power。一定時間内に目標に叩き込める弾量のこと。参考：GUN用語事典

　＜制圧火力＞：敵兵を伏せさせたり、心理的ショックを与えて行動不能にしたり、塹壕内に閉じこもらせたりして反撃できなくさせるための火力のこと。命中精度よりも発射速度の方がものを言い、あたり一面に短時間に弾丸・弾片の雨を降らせる。参考：歴史群像8,’02、月刊軍事研究1,’16

＜火力２０１４＞：中国軍が2014年7月15日から３ヶ月にわたり実施した演習。兵力遠距離投入、統合演習、反省・評価、実弾演習、集結・撤収の５段階からなり、７大軍区の陸軍長距離ミサイル、砲兵、防空、空軍、学校４校などが参加、事前シナリオを用意せず地形の下見もさせないなど実戦に近い状況での演習を行った。参考：朝雲

＜火力強化型遠征打撃群＞：アメリカ海軍の揚陸艦隊Up-Gunned Expeditionary Strike Group、アップガンドESG。F-35B搭載強襲揚陸艦を中核とし、イージス艦を多めに配したESG部隊で、F-35Bのセンサー情報をMEUの人員含む全部隊でリアルタイムに共有し、高い戦闘能力を発揮する。2018年、LHD-1ワスプ＋F-35B戦闘機装備VMFA-121、ドック型揚陸艦２隻、イージス艦５隻、攻撃原潜１隻などの組み合わせで初編成された。参考：月刊航空ファン3,’20

＜火力支援中隊＞：陸上自衛隊の部隊。即応機動連隊の隷下で、120mm迫撃砲RTによる火力支援を主任務とし、対迫レーダーも装備する。参考：MAMOR vol.140

＜火力戦闘指揮統制システム＞：陸上自衛隊の野戦特科用指揮統制システム。野戦特科情報処理システムとJGSQ-W3野戦特科射撃指揮装置の後継である。地対艦ミサイルシステムの目標情報取得を効率的に行うため、海自指揮統制システムやP-3C/P-1哨戒機とのデータリンク追加を予定している。東芝製。2014年度に３セットを37億円で取得し、2015年度から第２師団で量産化検証に入る予定。参考：月刊軍事研究11,’10、3,’14、3,’15、朝雲

＜火力戦闘指揮統制システム教育用教材＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究6,’16

＜火力戦闘指揮統制システム（模擬装置用）＞：陸上自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜火力戦闘車＞：19式装輪自走155mmりゅう弾砲シリーズを参照。

＜火力戦闘用指揮システム（試験用）＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜火力誘導＞：地上の人員が弾着観測地点に陣取って敵の位置を航空機や艦艇に伝え、航空機や艦艇が射撃を実施、地上の人員が弾着修正を行って敵陣を制圧すること。敵の位置を示すために迫撃砲を撃ち込んだりすることもある。参考：月刊JWings5,’13

＜火力誘導員（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の要員。統合火力を発揮するに際し、射撃目標の捜索・標定、情報報告、火力要求、射撃要求、射撃効果・火力戦闘結果報告を行うのが主任務である。セミアクティブレーザー誘導兵器のレーザー照射も担当する。参考：MAMOR vol.135

＜火力誘導課程＞：陸上自衛隊の火力誘導員養成教育。器材操作、艦砲射撃観測手順、航空機誘導手順、レーザー誘導要領などの座学を４週間行い、次の１週間で海自・空自施設などで装備特性を研修、最後の３週間で統合火力誘導シミュレーターによる教育、対戦車ヘリやF-2戦闘機のパイロットを教官とする火力誘導教育などを実施する。第１期生は22名で、2017年10月23日から12月12日まで教育を受けた。第２期生は18名で、2018年1-3月に教育を受けた。参考：MAMOR vol.135

＜火力誘導装置＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究2,’17

＜カリラヤ＞：フィリピン海軍給油艦Caliraya。元はフィリピン国立石油会社タンカーのラプ・ラプ（Lapu-Lapu）で、フィリピン海軍初の給油艦として2015年3月26日に海軍に引き渡され、5月23日に就役した。参考：月刊世界の艦船8,’15

＜ガリラヤ平和作戦＞：レバノン侵攻を参照。

＜ガリルＡＲＭ＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ガリルＭＡＲ＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ガリルＳＡＲ＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ガリル狙撃銃＞：IMIの狙撃銃。ガリルARMがベースで、使用弾を7.62mm×51弾とし、フルオート機能を廃止、肉厚の銃身を装備して振動を減らし、銃口にマズル・コンペンセイターを装着した。ショルダー・ストックは折り畳み式で、チーク・ピースが付く。レシーバー左側面に光学スコープを標準装備する。全長1180mm／845mm（銃床折り畳み時）、銃身長508mm、重量8.2kg。ライフリングは４条右回り。装弾数20発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ガリレオ＞：EU独自開発の測位衛星。GPSのヨーロッパ版で、基本的には民生用だが、軍事にも使える。投入する衛星は30個で、衛星高度23616km、軌道傾斜角56度、軌道面３面、14時間で１周する。衛星重量700kg、発生電力1.5kW。イギリスがEU脱退で計画から追い出される可能性があり、2018年8月29日に独自開発移行を検討するため9200万ポンドの予算を付けた。2019年7月11日、軌道上の実用型衛星24基全てが使用不能となる事態が発生した。試験用の２基は無事だったが、地上での測位は不能に陥っている。原因は地上施設の機器誤作動で、7月18日に全面復旧した。参考：月刊軍事研究11,’04、2,’19、月刊航空ファン11,’18、10,’19

＜カリワラ＞：オーストラリア海軍コリンズ級潜水艦の曳航アレイ・ソナー。アレイ部は直径0.04m・長さ70mで、曳航ケーブルは数百メートルある。低周波パッシブ式で、円筒形のハイドロフォンを多数並べており、これだけでは音の発信源の方向は分からないが、TSM2253型フランク・アレイ・ソナーとの組み合わせでその欠点を克服している。水上艦にも搭載可能。参考：月刊軍事研究2,’98、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜カリン＞：CD80（沿岸砲）を参照。

＜ガリンガ＞：ガーナ海軍スネーク級哨戒艇Garinga。参考：月刊世界の艦船2,’12

＜カリンシア＞：イギリス海軍特設巡洋艦Carinthia。元はキュナード・ライン中型客船で、1925年8月に竣工した。全長190.2m、幅22.4m、深さ12.4m、総トン数20277トン。主機は蒸気タービン２組６基２軸13500馬力、航海速力16ノット。第２次大戦勃発で特設巡洋艦となった。1940年6月6日、南部アイルランド沖でU-46の雷撃を受け、6月7日に沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’16

＜渦輪式追蹤者式反潜機＞：S-2海外シリーズ（対潜哨戒機）を参照。

＜ガル＞：YQM-94A（無人偵察機）を参照。

＜カルヴァリ＞：S23（潜水艦）を参照。

＜カルヴァリ＞：インド海軍スコルペヌ級潜水艦１番艦Kalvari。2010年起工、2015年4月6日（10月？）進水。2016年5月1日、海上公試を完了した。2017年3月1日、エグゾセSM39潜対艦ミサイルを発射し、標的に命中させた。9月21日、インド海軍に引き渡された。12月14日、ムンバイで就役式典が実施されて就役した。参考：月刊世界の艦船7,’15、4,’16、6,’17、12,’17、3,’18、月刊軍事研究10,’16、2,’17、12,’17

＜カルヴァリ級＞：641型潜水艦（インド海軍）を参照。

＜ガルヴェストン＞：CL-93（軽巡洋艦）を参照。

＜ガルヴェストン級＞：クリーブランド級ミサイル巡洋艦（タロス搭載）またはクリーブランド級ミサイル巡洋艦（テリア搭載）を参照。

＜カルーガ＞：B-800（キロ級潜水艦）を参照。

＜ガルーダ演習＞：インド空軍とフランス空軍の合同演習Garuda。1998年に締結されたインドとフランスの安全保障条約に基づき、2003年に第１回ガルーダ�Tがインドのグワーリオール空軍基地で行われた。第２回ガルーダ�Uは2005年にフランスのイストル空軍基地で行われた。第３回ガルーダ�Vは2007年にインドで行われた。第４回ガルーダ�Wは2010年にフランスで行われ、シンガポール空軍が加わった。第５回ガルーダ�Xは2014年にインドのジョードプル空軍基地で行われた。第６回ガルーダ�Yは2019年にフランスのモンドマルサン空軍基地で行われ、異機種目視内空戦、多数機戦闘、迎撃、攻撃部隊直掩などの訓練を行った。参考：月刊航空ファン11,’19、月刊JWings9,’05、9,’10

＜ガルーダ航空Ｂ７３７ハイジャック事件＞：1981年に発生したハイジャック事件で、アメリカのデルタフォースが出動し、ハイジャック機がバンコク空港に着陸した直後に突入、犯人４人を射殺し、１人を逮捕した。参考：防衛技術ジャーナル1,’07

＜ガルーダ・シールド演習＞：アメリカ太平洋陸軍とインドネシア陸軍がインドネシアで2007年から毎年開催している合同軍事演習。参考：月刊丸12,’10

　＜ガルーダ・シールド２０１０＞：2010年5-6月に開催され、アメリカ、インドネシア、タイ、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ブルネイが参加した。アメリカ太平洋陸軍第797工兵中隊とインドネシア陸軍第３・第９工兵大隊は民生支援活動を行い、インドネシアでコミュニティセンターや病院などの建設にあたっている。参考：月刊丸12,’10

＜ガルーダズ＞：VAQ-134（電子戦飛行隊）を参照。

＜カルカッタ＞：I82（軽巡洋艦）を参照。

＜カルカテラ＞：DE-390（護衛駆逐艦）を参照。

＜かるかや＞：LSSL-446（警備艇）を参照。

＜刈萱＞：日本海軍若竹型駆逐艦８番艦。大正12年8月20日竣工、第18駆逐艦という名称で二等駆逐艦に類別された。大正13年4月24日、第18号駆逐艦に改称された。昭和3年8月1日に刈萱と改称された。昭和19年5月10日、フィリピンでSS-224コッドの雷撃を受け沈没し、7月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜カルカラ＞：オーストラリア海空軍の無人空中標的曳航システムで、嵐の鳥という意味のアボリジニー語。アメリカのMQM-107E標的システムがベースで、発射後に回収できる。推進はジェット。参考：月刊軍事研究2,’01

＜カルガリー＞：FFH335（フリゲート）を参照。

＜カルカン＞：P331（ミサイル艇）を参照。

＜ガル級＞：206型潜水艦・海外シリーズを参照。

＜カルギル紛争＞：1998年5月、パキスタン軍がカシミールのインド支配地域カルギル地区に隠密侵入し、インド軍陣地を占領した。これに対してインド軍が反撃し、パキスタンは核の使用も辞さない態度を見せたと言われるが、アメリカが介入して収束させた。参考：月刊軍事研究9,’15

＜カルクム＞：AGM-86C（ミサイル）を参照。

＜ガルシア・イ・ガルシア＞：DD75（駆逐艦）を参照。

＜ガルシア・イ・ガルシア級＞：ペルー海軍駆逐艦Garcia y Garcia級。元はオランダ海軍ホラント級駆逐艦（1954年竣工）で、1978年に購入した。満載排水量2765トン。速力32ノット。兵装は120mm連装砲２基、ボフォース対潜ロケット４連装発射機など。DD75ガルシア・イ・ガルシアが就役した。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜ガルシア級・海外シリーズ＞

　＜パラ級＞：ブラジル海軍Para級。1989年から４隻を導入し、若干の改装を加えて就役させたものである。全長126.3m、幅47m、吃水13.5m、満載排水量3560トン。速力27.5ノット。兵装はアスロック８連装発射機１基、127mm単装砲１門、３連装短魚雷発射管２基。ヘリ１機を搭載できる。参考：JShips Vol.24

＜ガルシア・ダヴィラ＞：G29（戦車揚陸艦）を参照。

＜カルス＞：鷹撃１型・海外シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜カルセール＞：T-80戦車の自動装填装置。

＜カルダス＞：コロンビア海軍アルミランテ・パディラ級フリゲート２番艦Caldas。2015年10月17日、アメリカ海軍との共同演習UNITASに参加。2022年7月17日、アンティオキアと共にカリブ海で日コロンビア親善訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと戦術運動訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船1,’16、9,’22、10,’22

＜カルタヘナ＞：コロンビア海軍砲艦（小型巡洋艦とも呼ばれる）Cartagena。元はアルミランテ・レッソという艦名で、1904年に改称された。1917年11月の諸元は以下の通り。全長70m、常備排水量1200トン。主機はレシプロ蒸気機関１基１軸2300馬力、速力16ノット。兵装は12cm単装砲２門、10.2cm単装砲４門、35.6cm魚雷発射管４門。1924年に除籍されたらしい。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜カルタル級＞：ヤグアル級ミサイル艇（トルコ海軍）を参照。

＜カルダン砲架＞：正式名称はカルダン枠構造で、形状から球形砲架とも呼ばれる。長方形の枠の上下左右に支点を設け、中に砲身を通し、砲身を囲むように装着されている揺架をボルト止めして上下左右に可動できるようにしたものである。構造が単純なのが長所。�W号駆逐戦車やヘッツァーなどに搭載されている。参考：月刊PANZER11,’00

＜カルダン枠構造＞：カルダン砲架を参照。

＜カルツーム＞：F45（駆逐艦）を参照。

＜カルディ＞：A332（タンク清掃船）を参照。

＜ガルテン＞：RG-32M耐地雷型（装甲車）を参照。

＜カルドーム級＞：イラク海軍練習フリゲート。兵装は対潜魚雷発射管２門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カルトサット１号＞：IRS-P5（偵察衛星）を参照。

＜カルトシュ・ドレ＞：フランス空軍ディスプレイ・チームCartouche Dore（黄金の薬莢。飛行訓練学校コールサインのカルトシュに識別色のドレを足したもの）。使用機はTB30エプシロン３機である。1989年6月2日、フランス空軍でTB30練習機の総飛行時間が10万時間を達成。これを記念してエアショーが開催され、TB30B練習機３機によるディスプレイ・チームが編成されたのがきっかけで、そのまま存続が承認された。カラーリングは通常の練習機仕様で、ストライプを追加してロゴマークを入れただけである。1994年、ノルマンディ上陸作戦50周年記念行事に白と青を基調とするスペシャルマーキングで参加。以降はこのカラーリングとなった。1995年、フランス空軍公式ディスプレイ・チームになった。2012年、カラーリングをメタリックブルー基調に変更した。参考：月刊JWings1,’15

＜ガルドノ＞：ポーランド海軍ゴプオ級掃海艇Gardno。1984年就役。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜カルトロン＞：電磁分離を参照。

＜カルナフ＞：C-130E輸送機（イスラエル空軍）またはC-130H輸送機（イスラエル空軍）を参照。

＜カルバー＞：Y87（スループ）を参照。

＜カルパチア軍管区（ソ連軍、１９８９年）＞：西部戦略方面隷下で、ルボフに司令部を置く。軍司令部３個、戦車師団４個、自動車化狙撃師団９個、砲兵師団２個、空中強襲旅団１個、スカッド旅団３個、Mi-8/-24ヘリ150機、対地攻撃戦闘飛行連隊４個（MiG-26/Su-27/Su-25計165機）、戦闘飛行連隊３個（MiG-21/MiG-23/MiG-29計115機）、MiG-25偵察機10機、Su-17偵察機15機からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カルパチア＝ドゥクラ作戦＞：第２次大戦時の1944年9月8日にソ連軍が開始した、スロバキア・ハンガリー侵攻作戦。8月29日に蜂起したスロバキアのパルチザンと連絡を付けるもので、第１ウクライナ方面軍第38軍とチェコスロバキア軍第１軍団がカルパチア山脈ドゥクラ峠を攻撃。9月9日、第４ウクライナ方面軍第１親衛軍がカルパチア山脈を越えてハンガリー北部に侵攻。防衛にあたるドイツ国防軍第１装甲軍とハンガリー第１軍は第１・第８装甲師団の増援を受けるなどして山岳地帯を盾に抵抗、ソ連軍はスロバキアに第２チェコ空挺旅団を空輸して戦力を増強し、10月28日までにハンガリー北部のウジゴロドとムカチェヴォを占領したが、パルチザンは制圧された後で、スロバキアは占領できないまま終戦を迎えた。参考：歴史群像4,’18

＜カルパティ＞：ソ連海軍ネパ型潜水艦救難艦Karpaty。1967年就役。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜ガルバニック作戦＞：アメリカ軍のタラワ・マキン島上陸作戦Operation Galvanic（直流電気）。ギルバート諸島にある両島は太平洋戦争開戦当時イギリスの植民地で、昭和16年12月10日に日本が占領した。昭和17年に連合軍がガダルカナル上陸を行った際、アメリカ軍が8月17日0500に潜水艦（SS-166アーゴノートとSS-168ノーチラス）で海兵隊２個中隊222名をLCR(2)型ゴムボート19隻の手漕ぎでマキン環礁ブタリタリ島に隠密上陸させ、日本海軍陸戦隊第62警備隊64名と日本軍関係者９名を蹴散らし、甲板砲射撃で飛行機２機や施設を破壊、8月18日1900から撤収した。ただ潮の流れが海岸側に流れており、半数がブタリタリ島に押し戻されてしまったため、8月19日に再度撤収したものの、９名が離脱に失敗して捕虜になり、全員処刑された。アメリカ軍側は他に戦死・行方不明28名、戦傷17名の損害を出しており、日本軍側は46名が戦死している。短期間の占領に止まったのは、連合軍の反攻方面をソロモン諸島でなくギルバート諸島と見誤らせる陽動だったため及び暗号書奪取目的だったためといわれている。その後、日本軍はマキン島を9月に再占領して要塞陣地を築いた。タラワ島の南西端にあるベティオ島には飛行場も建設され、昭和18年2月25日に海軍第３特別根拠地隊をベティオに編成し、守備隊4600名（第３特別根拠地隊902名、佐世保第７特別陸戦隊1669名・九五式軽戦車７両、第755航空隊派遣隊30名、第101設営隊2000名）を、マキン島には守備隊693名（守備兵243名、設営隊員など450名）をそれぞれ配置した。8月5日、アメリカ太平洋艦隊司令長官はギルバート攻略部隊である第５艦隊を創設。ナウル島とタラワ島を攻略する予定だったが、ナウル島は地形的に困難と判断し、代わりにマキン島を攻略することとした。第５艦隊の戦力は、空母６隻、軽空母５隻、サンガモン級護衛空母３隻、ボーグ級護衛空母２隻、カサブランカ級護衛空母３隻、重巡４隻、軽巡５隻、駆逐艦16隻、潜水艦10隻など合計200隻で、第４戦艦戦隊BB-45コロラドとBB-46メリーランドも加わった。タラワ島の日本軍守備兵力を4500名と見積もり、第２海兵師団など18300名の上陸戦力を準備し、タラワ島周囲には遠浅のサンゴ礁が連なっているため、LVT-1水陸両用車75両とLVT-2水陸両用車50両を配備している。作戦開始日時を延期して潮位が高くなる日に上陸し、LCVPやLCMがサンゴ礁に引っかからないようにすべきであるという意見も出されたが、上級司令部に却下された。上陸部隊指揮官は、戦病により後方に送られた第２海兵連隊長に代わり、作戦計画を立案したデイヴィッド・シャウプ大佐が務めている。11月上旬より偵察を行い、11月9日からギルバート諸島及びマーシャル諸島への爆撃を開始。11月19日、タラワ・マキンに対する事前艦砲射撃を開始。11月21日0200、マキン島に対する上陸前艦砲射撃を開始。0431、海兵隊を乗せたLVT及びLCVPがベティオ島北岸に向けて発進した。0500、日本軍の海岸砲台が発砲を開始、ほぼ同時にアメリカ軍の上陸支援艦砲射撃が開始され、２時間半に及ぶ撃ち合いとなり、アメリカ側は3000トンの砲弾を上陸地点一帯に叩き込んだ。しかしヤシとサンゴを重ねて作った日本軍陣地に爆風を吸収されてしまい、捲き上げられた大量の砂とサンゴの破片で照準ができなくなり、あまり効果が上げられなかった。更にLCVPは海流とサンゴ礁に阻まれて上陸予定地の遙か沖で停止する羽目になり、発進したM4A2戦車８両のうち４両が海没、重装備の兵士は波に呑まれ、応急装甲板しか装備していないLVTは重機関銃に撃ち抜かれ、海兵隊は海岸に辿り着く前に3000名近い死傷者を出した。0530、マキンのブタリタリ島に陸軍第27歩兵師団6471名が上陸を開始。マキンに沿岸陣地は無く、上陸はスムーズに進み、0830までに海岸に到達した。0855、海兵隊がベティオ島の大桟橋に上陸。上陸後もM4A2戦車２両を破壊されたが、残る２両を先頭に橋頭堡を確保している。昼頃には水際陣地がほぼ壊滅した。1000、ブタリタリ島のアメリカ陸軍が内陸部への進撃を開始。日本軍守備兵は塹壕やトーチカ内から反撃したが、戦力の差は圧倒的で、夜までに主戦陣地はほぼ壊滅した。海軍航空隊はルオットから反撃に出てギルバート諸島沖航空戦となったが、戦果は挙がらなかった。SS-168ノーチラスからは海兵隊78名が出撃してアパママに上陸、海軍陸戦隊24名を撃退して占領している。11月22日、ベティオ島にM3A1軽戦車小隊を含む海兵隊増援が上陸。タラワ守備隊は夜襲を掛けたが撃退され、組織的戦闘が不可能となり、残存兵はベティオ島北端及びタラワ環礁の他の島に移動。11月24日、マキン島守備隊がほぼ玉砕。捕虜は陸戦隊員１名、朝鮮人建設要員104人の計105名で、アメリカ軍の損害は死者65名、負傷者152名だった。11月25日、タラワ島守備隊がほぼ玉砕。捕虜は守備隊の将校１名、下士官16名、民間人14人、設営隊として徴用されていた朝鮮人104人など146名のみだった。アメリカ軍のタラワ島での死傷者は3400名（戦死993名、戦傷2296名？）で、殆どが上陸時に生じている。上陸部隊指揮官のシャウプ大佐も重傷を負い、名誉勲章を受章した。LVT水陸両用車125両のうち90両が破壊されたが、残りは環礁を乗り越えての兵員輸送に成功し、改良を加えて以後の上陸作戦で多用されることとなった。榴弾のみの艦砲射撃は地下陣地に対して効果が薄かったため、以降の上陸作戦では徹甲弾も混ぜている。12月20日、大本営がタラワ・マキン両島の守備隊が玉砕したと発表した。連合艦隊は1500マイル先のトラック環礁に集結していたが、ろ号作戦で航空戦力を消耗しており、救援に駆け付けることはできなかった。参考：激闘！太平洋戦争地上戦、歴史群像6,’02、ラバウル航空戦、太平洋海戦史、海軍技術研究所、月刊世界の艦船6,’09、12,’15、4,’18、月刊丸3,’13、月刊軍事研究8,’14、日本戦車隊戦史、アメリカ揚陸艦史、護衛空母入門、アメリカ潜水艦史

＜ガルフ�X型＞：ガルフストリーム・エアロスペース式Ｇ−�X型（洋上哨戒機）を参照。

＜カルフェックス＞：CALFEX（演習）を参照。

＜ガルフストリーム�X＞：ガルフストリーム社のビジネスジェットGulfstream�X、G-�X。1995年11月28日に初飛行した。リスク・シェアリング・パートナーとして新明和工業とヴォート社が主翼を担当している。1997年6月から納入され、2003年に生産を終えた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings6,’19

＜ガルフストリーム�X海外シリーズ＞

　＜Ｃ−３７Ａ＞：C-37Aを参照。

　＜ガルフストリーム�X（トルコ空軍）＞：トルコ空軍要人輸送機。2019年6-7月、セントレア空港、関西空港、羽田空港に滞在した。参考：月刊JWings9,’19

　＜ガルフストリーム・エアロスペース式Ｇ−�X型＞：海上保安庁捜索監視機、公式略称ガルフ�X型。マラッカ海峡海賊事件に対応できる長大な航続距離を持つ航空機として導入したもので、胴体前部下面フェアリングに捜索レーダー、機首下面に引き込み式赤外線暗視装置（自動追尾機能付）を装備し、マーカー・発煙筒投下装置などを搭載している。離陸重量を減らせば離島の短距離滑走路でも運用できるので、急患輸送やVIP輸送にも使用される。全長29.4m、全幅28.5m、全高7.9m、自重21.773トン、最大離陸重量41.05トン。エンジンはターボファン（推力14750ポンド・6.56トン）双発、巡航速度488ノット、最大速度510ノット、航続距離6500海里。最大搭乗者数22名。2005年に２機が就役した。2020年度（令和2年度）計画で海洋監視体制強化のため１機が追加されており、2023年度に就役予定。参考：月刊世界の艦船7,’18、10,’20

＜ガルフストリーム社＞：Gulfstream Aerospace。1958年にグラマン社のビジネスジェット部門が子会社として独立したものである。1970年、アメリカン・エビエーションを買収した。1977年、アメリカン・ジェット・インダストリーに買収された。1985年、クライスラーに買収された。1989年、フォルストマン・リトル&Coに買収された。1999年、ジェネラル・ダイナミクスに買収された。2001年、イスラエルのギャラクシー・エアロスペースを買収した。参考：月刊JWings7,’16

＜ガルフ・タイフーン＞：EF2000海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ガルフ・ファルコン演習＞：フランス陸海空軍とカタール陸海空軍の共同演習。両国に防衛協定が成立した1994年から３年おきに実施されている。参考：月刊PANZER12,’01

＜ガルフポート＞：PF-20（フリゲート）を参照。

＜ガルプン＞：ロシアの通信中継衛星。ペルソナ光学偵察衛星のデータ中継に使用されるらしい。2011年に１基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究5,’13

＜ガルプンＢ＞：ロシア海軍対水上捜索・目標指示用OTHレーダーGalpun B（Gurpun B？）、別名3Ts-25E、NATOコードはプランク・シェイブ（Plank Shave）、輸出名称フルケ（Furke）。グラニット・エレクトロン社が製造した。アンテナは横長略矩形パラボラ式の回転型（幅2.5m）で、アンテナ上部にホーンが付く。使用周波数はＸバンド（Ｓバンド？）で、探知距離は小型艦なら44kmだが、大型艦なら高周波のサーフィス・ダクト現象を利用して140km先まで探知できる。精度は低いが、探知した方向に撃ちっ放し式ミサイルを発射してやれば、ミサイルが自力で目標を探知してくれるので問題は無い。ただし通常のレーダーとは異なる信号方式を使用していると思われるため、逆探知されやすい可能性がある。ロシア海軍プロジェクト20380フリゲートやアドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲートなどの他、インド海軍タルワル級フリゲートにも搭載された。参考：月刊軍事研究11,’13、12,’15、11,’15、10,’07、2,’09、10,’13、月刊世界の艦船6,’15、1,'15増刊

＜カルペ＞：L71（駆逐艦）を参照。

＜ガルベズ＞：DD-78（駆逐艦）を参照。

＜カルペニ＞：インド海軍高速戦闘艇。2012年6月16日、インド西方海域で海上自衛隊との共同訓練に参加。参考：朝雲

＜ガルボ＞：第２次大戦時にダブルクロス工作で活躍したMI5エージェントのコードネームで、スペイン人のファン・プジョル・ガルシアのことである。19419年1月、マドリードのイギリス大使館を訪問して自分をスパイとして雇うように申し入れたが、ドイツのエージェントではないかと疑われ、拒否された。そのため、一旦ドイツのアプヴェーアのエージェントとなり、コード名アラベルを取得、ポルトガルに滞在しながらイギリス国内で活動していると偽り、諜報網を想像で作り上げ、新聞記事や空想によりでっちあげた情報をアプヴェーアに流した。これらのことを交渉材料とした結果、イギリスのスパイとなることに成功し、当初はMI6がボブリルというコードネームで二重スパイ活動をさせようとしたが、ダブルクロス工作を行っていたMI5がガルボのコードネームを与えて配下とした。1942年4月、イギリスに渡り、MI5のB1Aに所属していたトーマス・ハリスと共にアプヴェーアに対して偽情報を流し始めた。トーチ作戦ではノルウェー上陸という偽情報を流すと共に、連合軍がフランス領北アフリカに上陸するという正しい情報を、作戦実行数時間前にアプヴェーアに届くように調整して流した。オーバーロード作戦の欺瞞作戦「ボディガード」では、正しい情報を作戦に差し支えのないタイミングでドイツ側に伝えて信用を得た後、主上陸方面がパ・ド・カレー地区であるという偽情報を流し、オーバーロード作戦の成功を陰で支えた。これによりイギリスからはMBE勲章を授与され、二重スパイと見抜けなかったドイツからも鉄十字章を授与されている。参考：月刊軍事研究5,’10

＜カルマー型＞：667BDR型（潜水艦）を参照。

＜カルマル＞：K23（コルベット）を参照。

＜カルマン＞：APA-78（攻撃輸送艦）を参照。

＜カルマン渦列＞：Karman vortex street。静止した流体の中に円柱を置き、軸に垂直な方向へ動かした際に発生する、円柱後方に規則正しく並んだ渦の列のことで、オーストリアの工学者カルマンが1911年に詳しく研究したのでこう呼ばれる。平板を面に垂直に動かしたりしても発生する。カルマンの研究の結果、対称な配列の渦では減衰するが、非対称配列で列同士の間隔と列内での渦同士の間隔が一定の比になる場合では安定するといった特徴が判明した。カルマン渦列が生じると、物体には周期変動する横力が発生し、航空機の張線、潜望鏡、煙突、吊り橋のワイヤーなどに振動を生じさせ、最悪破壊してしまう。参考：航空用語事典増補改訂版

＜カルマンフィルタ＞：ベイズ推定の一種で、北基準直交座標による干渉形追尾フィルタを構築するのに使用されるフィルタ。目標運動モデル、レーダーの観測モデル、初期値を定めれば、ゲイン行列を自動的に計算できるので、予め目標運動モデルを正確に作っておき、レーダー観測雑音の性質をリアルタイムで把握して代入すれば、正確な追尾を行うことが可能。ただ丸め誤差の影響を受けやすいので、十分な演算桁数を確保しておく。実際には目標の運動を予め精密にモデル化するのが困難なことが多々あるので、複数のカルマンフィルタを同時に実行して性能を補う方法が提案されている。サンプリング間隔一定、観測雑音分散一定なら、等速直線運動モデルを使用した一次元空間追尾用カルマンフィルタは定常状態ではα−βフィルタとなり、駆動雑音がランダムな加速度ならα＝（−β／２）＋（２β）＾1/2、駆動雑音がランダムな速度誤差ならβ＝α＾２／（２−α）で定められる。駆動雑音ゼロ、サンプリング間隔一定、観測雑音分散一定なら、等速直線運動モデルによる一次元空間追尾用カルマンフィルタは線形最小２乗フィルタと等価になり、位置ゲインと追尾ゲインも線形最小２乗フィルタと同じ式で求められる。参考：レーダの基礎

＜カルムク＞：P64（コルベット）を参照。

＜カルモイ＞：M341（掃海艇）を参照。

＜ガル翼＞：Gull wing。主翼が胴体から上に出た後、水平になるもの。かもめの翼に似ているのでこの名がある。構造重量がかさむ上、上反角の効果自体を発揮させるなら翼端を上に向けた方が良いので、通常の機体ではまず使われないが、主翼に付けたエンジンに水しぶきがかかりにくいため、飛行艇などに採用されている。超音速巡航時の揚抗比を考慮した場合、付け根に軽い上反角、翼端に軽い下反角を付けた弧状にすると有利になる（コンコルドやSSTに採用）が、これはガル翼とは呼ばない。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’00、10,’09別冊付録

＜カルロ・コマンドＭ４０＞：M13/40戦車ファミリーを参照。

＜カルロ・コマンドＭ４１＞：M13/41戦車ファミリーを参照。

＜カルロ・コマンドＭ４２＞：セモベンテ突撃砲ファミリーを参照。

＜カルロ・ダサルト＞：突破戦車という意味のイタリア語。2000型突破戦車などを指す。

＜カルロ・ダサルト・フィアット３０００モデル１９２１＞：フィアット3000モデル1921（戦車）を参照。

＜カルロ・ベルガミーニ＞：F-590（フリゲート）を参照。

＜カルロ・ベルガミーニ級＞：イタリア海軍対潜フリゲートCarlo Bergamini級。マック後方に入れ子式のヘリ格納庫とヘリ甲板を持つ。満載排水量1650トン。主機はディーゼル。兵装は7.6cm単装両用砲３門、対潜迫撃砲１基、３連装短魚雷発射管２基。A/B-47-J3対潜ヘリ１機を搭載する。1961-62年にF596ルイージ・リッツォなど４隻が竣工した。後にヘリ甲板を後方に延長し、ヘリ格納庫を拡大して中型ヘリを運用できるようにした。参考：月刊世界の艦船3,’07、4,’12、2,’21

＜カルロ・マルゴッティーニ＞：F-592（フリゲート）を参照。

＜カルワル＞：M92（掃海艇）を参照。

＜カレイジャス＞：50（空母）またはS50（原潜）を参照。

＜カレイジャス級＞：イギリス海軍大型軽巡洋艦（ハッシュ・ハッシュ巡洋艦）。バルト海侵攻作戦のため1914年10月に建造が決定した。主機はパーソンズ高低圧オール・ギヤード・タービン４基、主缶はヤーロー細管重油専焼缶（蒸気圧力１平方センチあたり16.5kg、飽和温度）18基、出力90000軸馬力、４軸推進、速力32ノット。兵装は38.1cm砲４門。カレイジャスとグロリアスの２隻が1915年3-5月に起工され、1917年に就役した。後にカレイジャス級空母に改造された。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船1,’12、1,’23

＜カレイジャス級＞：イギリス海軍空母Courageous級。カレイジャス級ハッシュ・ハッシュ巡洋艦にフューリアス級と同様の改造を施したものである。グロリアスは艦尾甲板が一段高くされ、飛行甲板が後ろに延長された。全長239.8m、幅27.6m、吃水7.3m、基準排水量22500トン。主機は蒸気タービン、出力90000馬力、速力30.5ノット。兵装は12cm単装砲16門。搭載機48機。艦番号50カレイジャスと77グロリアスが1928年に改造後再就役した。カレイジャスは1936年、グロリアスは1934-35年に近代化改装を受け、艦橋やマストを変更している。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船3,’21

＜カレー＞：フランス海軍アラ級一等通報艦Calais。1946年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜カレーの戦い＞：紀元前53年に勃発した、ローマ軍とパルティア騎兵部隊の戦闘。ローマ軍歩兵39000名がユーフラテス川を渡河したところ、パルティア騎兵部隊に包囲されたため、円陣を組んで戦闘態勢に入った。パルティア騎兵部隊は弓軽騎兵部隊を投入、３交替で間断なく射撃させたため、ローマ軍に損害が続出した。ローマ軍は攻勢に出て事態を打開しようとしたが、後退しながら射撃を続ける軽騎兵隊に徒歩では追随できず、突撃したローマ騎兵隊も敵中で孤立して殲滅されてしまった。これによりローマ軍は退却を余儀無くされたが、パルティア騎兵部隊はユーフラテス川を渡河するタイミングで総攻撃をかけ、ローマ軍を全滅させた。隠れる所の無い地形、機動力に勝る遠距離大火力の連続投入、止めの一撃を与える打撃力は湾岸戦争のモデルとなった。参考：月刊軍事研究4,’97

＜カレーライス＞：日本海軍が明治時代に作るようになったのが大元といわれ、シチューにインド産スパイスを加えたイギリス海軍カレーを日本人好みにアレンジしたものである。当時脚気に悩まされていた日本海軍が、脚気患者の出ないイギリス海軍に食事を倣った一環であり、イギリス海軍で脚気予防効果ありとされていたニンニクやタマネギといった多種多様な食材を含み栄養バランスに優れ、大量調理が可能で、とろみがあり艦船が揺れてもこぼれないため採用されたという。明治22年の海軍五等主厨厨業教科書には主計科新兵必修料理としてカレーライス、シチュウ、ビーフステイキが挙げられている。明治41年に海軍割烹術参考書に掲載されて正式メニューになった。ある程度出来上がるまでは手の混んだ料理で、日本海軍時代は定期的に出すのは難しかったが、調理するなら艦内大掃除の金曜日にするという習慣はあったらしい。ただ昭和3年5月24-30日の戦艦長門の兵食献立ではカレーが5月24日木曜日の昼に出されており、昭和12年度練習艦艇のある１週間の献立ではカレーが無く、決まったルールは無かったようである。海軍兵学校でも食事ラッパの合調音「兵学校の食事は大根に人参、たまには混ぜ飯ライスカレー」の通り、たまに出る程度であったようだ。しかし海上自衛隊のパンフレットである「海上自衛官紹介資料　未来を切り拓くために」には旧海軍時代から毎週土曜日にカレーを食べていたと記載されていて、何だか良く分からない。昭和７年制定の海軍研究調理献立集では、兵食としてアサリのカレーとチキンカレー、士官食として伊勢エビカレーとチキンカレーが掲載されている。食器用液体洗剤や自動食器洗い機など無い時代のため片付けが面倒で、食卓番は残ったカレーをスカッパーにレッコした後、熱で食缶にへばりついたカレーを何枚もの食器マッチで洗い落とし、洗い湯を注いで濯ぎ、面石で汚れた食器マッチを念入りに洗い、十分に濯いで石鹸の匂いを落とす必要があった。食器マッチの濯ぎが甘いと古参兵に因縁を付けられる。日本陸軍でもカレーライス、ライスカレー、カレー汁として提供されており、昭和4年の献立標準表にもカレー汁が載っている。肉は豚や牛の他、鶏、羊、兎、貝剥身、鯨が使用され、昭和19年には獣肉というザックリした分類も登場した。ライスだけでなくカレー饂飩（干饂飩、カレー粉、小麦粉、食塩、ラード、豚肉／鯨肉、人参、玉葱）・カレー南蛮（干饂飩、カレー粉、醤油、兎肉、大根、人参、長葱、油揚）というメニューもあり、軍隊調理法にはカレー汁がパンの副食にも最適と記載されている。一般社会では東京市に大正13年から開設された市設公衆食堂で単品１食８銭で提供されていたが、農村部で人口に膾炙するようになったのは戦後暫く経ってからで、終戦後早々に農村出身女子工員の寮で出したところ、見た目が気持ち悪いと誰も食べなかったという。海上自衛隊時代になっても定期的に出すのは困難なままで、昭和30年代後半に即席カレールーが出るまでは調理担当の腕次第だった。カレールーの誕生で調理時間が短縮されると曜日感覚を保つために日曜前日の毎週土曜日に出されるようになり、週休二日制になった1993年からは金曜（主に昼）にカレーを出すのが定着した。入港まで残り３カレーなどとカウントダウンにも使用される。とはいえ金曜以外にもカレーを出すこともあり、陸上だと曜日感覚を他で養えるためか館山航空基地の委託食堂では毎週水曜日がカレーの日になっていた（2011年時点）。各艦で独自のレシピを編み出していて、2008年からは海自ホームページ上で各艦オリジナルのレシピを公開中だが、実際の艦では代々受け継がれているのは稀で、細かい味付けはその時に給養員の好みで変わるらしい。ちなみにカレーパウダー、カレーフレーク、カレールーは自衛隊一括購入で、配合や隠し味などによりオリジナルの味付けを編み出している。2014年12月1日、防衛省施設として初めて、今津駐屯地にカレーハウスCoCo壱番屋が開店した。航空自衛隊では築城基地名物隊員食堂カレー（築城基地レシピベース）、新田原基地カレー（新田原基地レシピベース）、小松基地隊員給食カレー（小松基地レシピベース。パッケージイラスト全12種類）が商品化されている。陸上自衛隊では飯塚駐屯地のボタ山カレー、旭川駐屯地の北鎮カレーが商品化された。ネット通販やふるさと納税の返礼品にもなっている。海自ではGC1グランプリを開催中。参考：月刊丸1,’10別冊、12,’10、MAMOR vol.46、vol.114、vol.148、vol.164、vol.165、写真で見る海軍糧食史、写真で見る日本陸軍兵営の食事、海軍よもやま物語、海上自衛官紹介資料、JShips Vol.48、朝雲、陸海軍学校と教育、海軍兵学校よもやま物語、月刊世界の艦船11,’18、MAMOR vol.164

＜カレッジ＞：PG-70（コルベット）を参照。

＜カレドン＞：I53（軽巡洋艦）を参照。

＜カレドン級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Caledon級。Ｃ級軽巡洋艦の１つで、第１次大戦勃発による軽巡不足を解消するため1916年度計画で建造された。セントー級の改良型で、艦首形状を変更し、幅を0.2m広げて復元性能を改善している。水中発射管は高速時の発射が困難なので、魚雷発射管は甲板上に配置した。全長137.2m、幅13.1m、吃水4.4m（5m？）、常備排水量4120トン、基準排水量4180トン。主機は蒸気タービン２基２軸40000馬力、速力29ノット。兵装は15.2cm単装砲５門、7.6cm単装高角砲２門、２ポンド単装ポンポン砲２基、53.3cm魚雷連装発射管４基。乗員400名（通常時）／437名（旗艦時）。６隻の建造が予定され、I53カレドン、I61カリプソ、I60カラドク、カサンドラの４隻が就役し、残る２隻はシアリーズ級となった。I53カレドンは第２次大戦中に防空巡洋艦に改装され、兵装を10.2cm連装高角砲３基と２ポンド４連装ポンポン砲に換装した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船6,’05、2,’87

＜枯葉作戦＞：アメリカ軍がベトナム戦争中の1962-72年に実施した、ジャングル枯死作戦。表向きはマラリア媒介生物撲滅だったが、実際にはベトコンが潜むジャングルを無くすのが目的とされる。普通の除草剤を水溶液にして要点に帯状に散布すれば数ヶ月は効果があるのだが、C-123輸送機により高濃度ダイオキシンを含む大量の枯葉剤を散布した結果、ジャングルはおろか周辺の田畑までが枯死して生態系が壊滅し、周辺の村では流産率が２倍以上、先天性障害発生率が12倍以上に増加した。参考：図解雑学生物・化学兵器、空軍

＜ガレブ＞：G-2シリーズ（練習機）を参照。

＜カレフ＞：エストニア海軍カレフ級潜水艦１番艦Kalev。1936年就役。第２次大戦で戦没した。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜カレフ＞：エストニア海軍掃海艇。元は1967年に就役したドイツ海軍掃海艇ミネルヴァ（Minerva）で、1997年に編入された。全長38m、満載排水量246トン。主機はディーゼル、出力2200馬力、２軸推進、速力12ノット。兵装は40mm単装機関砲１門。エストニア海洋博物館に展示されている。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜カレフ級潜水艦＞：エストニア海軍機雷敷設潜水艦Kalev級。イギリスで建造された。船型はサドルタンク式で、サドルタンク内に機雷敷設筒が仕込まれている。全長59.5m、水上排水量665.5トン、水中排水量853.4トン。主機はディーゼル２基と電動モーター２基、水上出力1200馬力、水中出力450馬力、２軸推進、水上速力13.7ノット、水中速力8.5ノット、水上航続距離2000海里（10ノット）。兵装は533mm魚雷発射管４門（艦首。魚雷８本）、機雷20個、40mm単装機関砲１門。カレフとレンビットが1936年に竣工した。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜カレム・エアクラフト社＞：アメリカの航空機会社Karem Aircraft Inc.。リーディング・システムズ社の創設者であるアブラハム・カレムが2004年に設立した。2008年、アメリカ陸軍JMR/FVL計画向けとしてロッキード・マーチン社と共にTR36Dティルトローター機を提案したが、採用されなかった。これを発展させたTR36XPをDARPAのVTOL-X-Plane計画に提案している。参考：月刊JWings9,’17、月刊軍事研究2,’16

＜カレラ＞：チリ海軍オ・ヒギンス級潜水艦２番艦Carrera。スペインのナバンティア造船所で建造された。2004年11月24日進水。2006年12月13日に公試を終えてチリに到着した。2010年9月20日、チリ独立200周年国際観艦式に参加。2011年9月1日、アメリカ第３艦隊との共同訓練に参加するため、サンディエゴ軍港に入港。参考：月刊世界の艦船3,’07、12,’10、11,’11

＜カレリア＞：K-18（潜水艦）を参照。

＜カレリア旅団＞：フィンランド軍の旅団。1618年5月6日、スウェーデン統治下のフィンランドでカレリア連隊として誕生した。19世紀にフィンランドがロシアに占領されると廃止されたが、1917年のフィンランド独立に伴い、1918年にカレリア近衛連隊として復活し、ヴィープリに部隊を置いた。1939年に第２旅団第１大隊となり、更に第８歩兵連隊と改称され、第２次大戦後にヴィープリがソ連領となったためコウヴォラに移駐した。1952年に解隊されたが、1957年に軽歩兵部隊のカレリア旅団としてコウヴォラで再編された。1968年、ヴェカランヤルヴィに移駐。1980年、隷下に砲兵連隊、工兵大隊、通信大隊、補給大隊が新設され、独立作戦能力を得た。2003年、東コマンド隷下の即応旅団に改編され、重機甲装備が重点的に配備されることになった。参考：月刊軍事研究12,’08

　＜カレリア旅団（２００８年）＞：駐屯地はヴェカランヤルヴィで、訓練施設も隣接している。隷下に旅団本部、ケミ猟兵大隊（機械化歩兵部隊で、３個中隊からなる）、カレリア砲兵連隊（３個中隊と下士官学校からなる）、サルパウッセルキョ対空大隊（３個中隊からなる）、東部フィンランド通信大隊（３個中隊からなる）、カレリア補給大隊（１個中隊、輸送センター、運転学校、メンテナンスセンター、資材センターからなる）を置く。また、直接の指揮下には無いが、医療センターや給食センターも配属されている。平時は軍人424名、民間人133名、徴兵者1800名だが、有事には対戦車ミサイル中隊が新編され、ケミ猟兵大隊が３個大隊に増勢され、要員は5000名になる。平時から配属されている部隊は命令直下数時間で展開の用意が完了し、戦時動員部隊も７日以内に編成を完了、３週間以内に出動できる。主要装備はレオパルト2A4戦車４両（有事にはパロラ旅団から融通してもらい、65両に増える）、CV9030歩兵戦闘車104両、155K98牽引式榴弾砲、E15Tレグアン架橋システム、U5000ペッカ工作車両、ITO05CMAD（ASRAD-R）地対空ミサイルシステム、ITO5MANPAD地対空ミサイルシステム、TAR87ジラフ対空レーダー車両、MOSKE自走式C3Iセンターなど。参考：月刊軍事研究12,’08

＜カレリン自走砲架＞：スウェーデン軍沿岸砲兵隊155mm自走砲。６×６輪トラックVME A25Cに155mm野砲FH-77の車載型FH-77ADを搭載している。ハウブ77Dと同じ？。参考：月刊PANZER2,’01

＜カレル・サトゥイトゥブン＞：インドネシア海軍ヴァン・スペイク級フリゲートKarel Satsuitubun。元はオランダ海軍ヴァン・スペイク級フリゲートのイサーク・スウェールスである。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜カレル・ドールマン＞：A833（統合支援補給艦）またはF827（フリゲート）またはR81（空母）を参照。

＜カレル・ドールマン級＞：JSS（統合支援補給艦）を参照。

＜カレル・ドールマン級空母＞：オランダ海軍空母Karel Doorman級。イギリス海軍コロッサス級空母ヴェネラブルを購入したものである。全長212.95m、満載排水量19900トン。主機は蒸気タービン２基、出力40000馬力、２軸推進、速力23.5ノット。兵装は40mm単装機関砲10門。R81カレル・ドールマンが1948年5月28日に就役した。1955-58年、ジェット機運用のための近代化改装を受け、アングルドデッキとスチームカタパルト１基を装備した。1961年、S-2A対潜哨戒機８機とSH-34J対潜ヘリ６機搭載の対潜空母となった。1968年4月に退役し、アルゼンチン海軍に売却されてベインデシンコ・デ・マヨとなった。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜カレル・ドールマン級フリゲート＞：オランダ海軍汎用フリゲートKarel Doorman級、別名Ｍ型フリゲート（Multi-Purpose type）。ウォルフ級及びヴァン・スペイク級の後継で、ステルス性を考慮しており、上部構造物は逆Ｖ字、マストもタワー型だが、ヘリ格納庫側面は垂直である。船体にはナックルが付く。艦載戦闘システムはSEWACO�ZＢ、対空捜索レーダーはLW-08、76mm砲・シースパロー射撃指揮装置はSTIR1.8（マスト張り出し部）。ソナーはPHS-36バウソナーとDSBV61TASS。全長122.3m、幅14.4m、吃水4.3m、満載排水量3320トン。主機はガスタービン２基・ディーゼル２基、出力37500馬力（前期艦）／52300馬力（後期艦）、２軸推進、速力30ノット。兵装は62口径76mm速射砲１門、30mm CIWSゴールキーパー１基（ヘリ格納庫上面左後部）、20mm単装機関砲２門、RIM-7Pシースパロー用Mk48垂直発射機16セル、RGM-84A/Cハープーン４連装発射筒Mk141が２基、324mm短魚雷連装固定式発射管２基（Mk46短魚雷）。Mk48VLSはヘリ格納庫の左側面に剥き出しで搭載されているため、被弾時に危険な気がするが、爆風が艦内に向かわないから良いのだろうか。リンクスSH-14Cヘリ１機を搭載可能。乗員154名。1991-95年にF827カレル・ドールマン、F828ヴァン・スペイク、F829ウイレム・ヴァン・デル・ザーン、F830テルク・ヒデス、F831ヴァン・アムステル、F832アブラハム・ヴァン・デル・フルスト、F833ヴァン・ネス、F834ヴァン・ガレンの８隻が就役した。後に２隻がポルトガル、２隻がチリ、２隻がベルギーに売却された。残る２隻は2010年から近代化改装に入り、戦闘システムを換装、新型タワーマストを装着して壁面にシースター・レーダーを張り付けた。2020年から２隻の対水上レーダーをスカウトからスカウトMk3に換装する予定。2021年10月27日、F828ヴァン・スペイクとF831ヴァン・アムステルをギリシャ海軍に引き渡す趣意書に調印した。後継としてASWFを計画している。参考：月刊軍事研究1,’98、7,’97、月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’07、9,’96、4,’10、10,’11、2,’14、1,'15増刊、12,’18、10,'20、4,'21、1,'22、4,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カレル・ドールマン級・海外シリーズ＞

　＜カレル・ドールマン級（ギリシャ海軍）＞：2021年10月27日、オランダ海軍の中古２隻（F828ヴァン・スペイク、F831ヴァン・アムステル）を導入する趣意書に調印した。参考：月刊世界の艦船1,’22

　＜カレル・ドールマン級（チリ海軍）＞：チリ海軍フリゲート、別名アルミランテ・リベロス（Almilamte Riveros）級。全長122.3m、幅14.4m、吃水4.3m、満載排水量3320-3373トン。速力30ノット。兵装はRGM-84ハープーン艦対艦ミサイル４連装（連装？）発射筒２基、RIM-7Pシースパロー艦対空ミサイル用８セル垂直発射機Mk48が１基、76mm砲１門、30mmCIWS１基、20mm機関砲２門、324mm短魚雷Mk46Mod5用Mk32Mod9連装発射管２基（単装発射管４門？）。AS532SCヘリ１機を搭載可能。アルミランテ・リベロス、艦番号15アルミランテ・ブランコ・エンカラーダの２隻を2005年末から配備した。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船3,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜カレル・ドールマン級（ベルギー海軍）＞：ベルギー海軍フリゲート。2005年にオランダからF827カレル・ドールマンなど２隻を購入し、F930レオポルド�T世、F931ルイーズ＝マリーとして就役させた。再就役後、ヘリ格納庫をNH-90対応に改修している。2010年から近代化改装に入り、戦闘システムを換装、新型タワーマストを装着して壁面にシースター・レーダーを張り付けた。満載排水量3373トン。2020年から２隻の対水上レーダーをスカウトからスカウトMk3に換装する予定。後継としてASWFを計画している。参考：月刊世界の艦船9,’11、2,’14、6,’18、10,’20、4,’21

　＜カレル・ドールマン級（ポルトガル海軍）＞：ポルトガル海軍フリゲート。2006年11月にF833ヴァン・ネスとF834ヴァン・ガレンの２隻を２億4000万ユーロで売却する契約が結ばれた。１番艦は2008年11月に引き渡される予定だったが、2009年1月16日にずれ込んでいる。原因はポルトガル海軍の支払い遅延とも、中周波ソナーの不調ともいわれる。全長122.3m、満載排水量3320トン。主機はCODOG方式、ガスタービン２基・ディーゼル２基、速力30ノット。兵装はRIM-7Mシースパロー用16セル垂直発射機Mk48が１基、RGM-84Cハープーン・ブロック�TＢ艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk141が２基、76mm単装砲１門、ゴールキーパー１基、固定式324mm短魚雷連装発射管Mk32が２基（Mk46短魚雷）。スーパーリンクス（リンクスMk95）ヘリ１機を搭載可能。F333バーソロミュー・ディアス、F334ドム・フランシスコ・デ・アルメイーダが2009-10年に就役した。2018年から近代化改装と延命工事を行っており、戦闘システムと指揮管制システムを改良して2035年まで運用できるようにする。参考：月刊世界の艦船4,’09、4,’10、11,’19、1,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガレルナ＞：S-71（潜水艦）を参照。

＜ガレルナ級＞：アゴスタ級潜水艦（スペイン海軍）を参照。

＜カレン＞：Kh-25空対地ミサイル・シリーズその２を参照。

＜カレン民族同盟＞：ミャンマーからの分離独立を要求しているカレン族で構成されている反政府組織。カレン州やカヤ州の一部を支配下に置いている。参考：月刊軍事研究5,’08

＜カレンデュラ＞：K28（フラワー級コルベット）またはPG-67（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜カレント＞：日本海軍士官のスラングで、流連（居続け）のこと。流を英訳（Current）したものである。参考：帝国陸海軍事典

＜カレンブルグ＞：F808（フリゲート）を参照。

＜花郎＞：韓国陸軍第11師団のニックネーム。

＜ガロー＞：P3725（ミサイル艇）を参照。

＜ガロッシュ＞：A-135（対弾道ミサイルシステム）を参照。

＜カロライン＞：イギリス海軍カロライン級軽巡洋艦Caroline。1914年12月4日竣工・就役。1915年5月31日から6月1日、ジュットランド海戦に参加。1922年退役。1924年、ベルファストに係留され、イギリス海軍志願予備隊練習艦として再就役した。その後イギリス海軍予備隊ベルファスト支部となり、艦後部に講堂や事務所が設置されている。2011年に除籍された。2012年10月、保存されることが決定し、復元工事を行った上でイギリス海軍国立博物館保存艦としてベルファストで2016年6月から一般公開されている。参考：月刊世界の艦船4,’18、4,’16、近代巡洋艦史

＜カロライン級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Caroline級。Ｃ級軽巡洋艦の１つで、アリシューザ級の船体を拡大し、兵装を強化して配置も変更した。15.2cm砲は艦後部に背負い式装備とし、船首楼甲板に10.2cm砲を両舷併置している。前部機械室に両舷外軸、後部機械室に両舷内軸の主機を収容する。全長135.9m、幅12.6m、吃水4.9m、常備排水量4219トン。主機はパーソンズ式直結蒸気タービン４基、主缶はヤーロー式重油専焼水管缶８基、出力40000馬力、４軸推進、速力28.5ノット。兵装は45口径15.2cm単装砲２門（艦後部背負い式）、45口径10.2cm単装砲８門（船首楼両舷２門ずつ、上甲板中央部両舷２門ずつ）、7.6cm単装高角砲１門、533mm魚雷連装発射管２基。水線部装甲厚38-76mm。乗員325名。1913年度計画でカロライン、カリスフォート、クレオパトラ、コーマス、コンケスト、コーデリアの６隻が建造され、1914-15年に竣工した。就役後に何度か改装を受けており、使い勝手の悪い艦前部の併置10.2cm砲を撤去して15.2cm砲に換装した。10.2cm砲を全て撤去して15.2cm砲４門と連装魚雷発射管４基を主武装とした時もある。ただ15.2cm砲弾が重量45kgもあり、発射速度が遅いのが欠点だった。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’18

＜カロリン・シャウエスト＞：アメリカ海軍海洋調査潜水艦支援母船。元は1994年に竣工されたエジソン・シャウエスト・オフショア社製の海上油井支援船で、同年に軍事海上輸送コマンドMSCに編入された。原子力海洋調査潜水艦NR-1の支援が任務で、曳航能力も持つ。船型は長船首楼型で、艦橋直後に箱形の大型上部構造物がある。後甲板は乾舷が低く、作業性を考慮して広くなっている。発電力を強化し、衛星通信装置を新設した。全長72.6m、満載排水量1599トン。主機はディーゼル２基２軸2440馬力、速力17ノット。乗員13名＋海軍支援要員40名。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜カロン＞：DD-970（スプルーアンス級駆逐艦）またはR30（Ｃ級駆逐艦Caグループ）を参照。

＜ガロンヌ＞：フランス海軍油槽艦Garonne。全長120m、幅15.4m、吃水8.3m、排水量3533トン。主機はレシプロ、出力2600馬力、１軸推進、速力11ノット。兵装は10cm単装砲２基。貨油積載量5800トン。1912年に就役した。1942年11月にツーロンで自沈した。1944年4月にドイツ国防軍が引き揚げたが、6月にツーロン港閉塞のため沈められた。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜かわ＞：日本海軍士官のスラングで、佐世保の料亭いろはのこと。川沿いにあるのでこう呼ばれた。参考：帝国陸海軍事典

＜可愛いスーちゃん＞：日本軍の隊内俗謡の通称。スーちゃんは好きな人・恋人・愛人といった意味で、歌詞の中にスーちゃんという言葉が使われている以外は部隊によって正式な題名や歌詞が全く違っており、兵士の恋人がスーちゃんだったり、恋人が兵士のスーちゃんだったりする。太平洋戦争終戦後は更に歌詞が変えられてネリカン・ブルースになった。参考：軍医サンよもやま物語

＜江風（初代）＞：日本海軍浦風型駆逐艦２番艦。大正3年9月12日に命名されたが、大正5年8月7日にイタリアに譲渡され、12月23日に竣工してイタリア海軍駆逐艦オーダチェとなった。後にサン・マルコと改称され、昭和18年9月12日にドイツ海軍に接収されてTA20と改称され、昭和19年11月1日に戦没した。参考：日本駆逐艦史

＜江風（２代目）＞：日本海軍江風型駆逐艦１番艦。大正7年11月11日竣工、一等駆逐艦に類別された。大正12年9月1日に発生した関東大震災救護のため、日本赤十字社大阪支部病院救護班第二班14人を便乗させ、9月3日1230に大阪港を出港、横須賀軍港に向かった。昭和9年4月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、赤十字の旗なにわに百年

＜江風（３代目）＞：日本海軍白露型駆逐艦９番艦Kawakaze。昭和12年4月30日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第24駆逐隊に所属していた。昭和17年2月27日、スラバヤ沖海戦に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月21日夜、ルンガ泊地に突入し、DD-387ブルーとDD-391ヘンリーを発見、ブルーに距離3000mで魚雷１本を命中させた（ブルーは8月23日に味方に処分された）。9月11日、ガダルカナル島に青葉支隊の一部を揚陸した。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月18日、ニューギニアのブナで爆撃を受け、至近弾で中破した。11月30日、ルンガ沖夜戦に参加。12月11日、ガダルカナル島沖でアメリカ魚雷艇44号を砲撃して撃沈した。昭和18年2月1日からイサベル島沖海戦に参加。2月4日、イサベル島沖海戦で損傷した。2月9日、ショートランドで東運丸と衝突事故を起こした。8月6日、ベラ湾夜戦で雷撃により沈没し、169名が戦死、10月15日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸4,’99、歴史群像12,’09、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜江風型＞：日本海軍駆逐艦。大正4年の八四艦隊計画により建造され、当初は１艦のみの予定だったが、浦風型２番艦江風がイタリアに渡って代金が返却されたため、それを利用してもう１隻建造した。磯風型を改良した航洋駆逐艦で、船首楼甲板を延長して２番砲をその後端に配置、３番砲を上部構造物上に装備して波をかぶらないようにしてある。ただ艦橋の位置は船首楼甲板上で、船体のかなり前寄りにあり、荒天時に影響を受けやすかった。後部マスト基部に探照灯を１基増設し、夜間戦闘能力を向上させている。全長99.6m、水線幅8.8m、吃水2.8m、基準排水量1180トン。主機はパーソンズ式オール・ギヤード・タービン（江風）／衝動型ブラウン・カーチス式オール・ギヤード・タービン（谷風）２基（巡航タービン内蔵高圧タービンと低圧タービン。減速歯車はジョン・ブラウン社製）、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり18.3kg、55.6℃の過熱器付き）４基、出力34000馬力、２軸推進、速力37.5ノット。航続距離3400海里（14ノット）。兵装は三年式四五口径十二サンチ単装砲３門、6.5mm単装機銃２丁、53サンチ魚雷連装発射管３基。乗員128名。江風（２代目）と谷風の２隻が大正7-8年に就役した。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11

＜川上弾薬庫＞：在日米陸軍の弾薬庫。広島県東広島市にあり、広さ260万平方メートル。元は日本海軍が昭和15年に設置した弾薬庫で、太平洋戦争終結によりアメリカ軍に接収された。弾薬処分施設と修理整備施設が設けられており、アジア太平洋地域最大のアメリカ軍弾薬庫といわれる。2001年には通常弾薬12701トンを貯蔵していた。2013年、管理担当の第83兵器大隊が解隊されたため、第35継戦支援大隊に移管された。参考：月刊軍事研究4,’10、7,’15、MAMOR Vol.77、朝雲

＜河口湖飛行舘＞：河口湖自動車博物館に併設されている航空博物館で、毎年8月のみ開館する。F86Fブルー、九三中練のレプリカ、一式陸攻二二型、零戦二一型２機、零戦五二型、隼�T型、桜花など（復元途中のものもあり）が展示されている。山梨県南都留郡鳴沢村富士桜高原内。開館時間は1000-1600。富士急行河口湖駅からタクシー15分くらい。参考：月刊丸2,’08付録、月刊航空ファン9,’16

＜川口支隊飛行場攻撃＞：太平洋戦争ガダルカナル戦で、日本陸軍は、駆逐艦による鼠輸送と舟艇による蟻輸送により、昭和17年8月29日から9月7日に、ガダルカナルに川口支隊（３個大隊からなる歩兵第124連隊、第２師団第４連隊第２大隊、独立工兵第６連隊を基幹とする舟艇隊、独立無線第６小隊、衛生隊、兵站病院）の将兵4500名と食料10日分、高射砲２門、野砲４門、山砲６門、速射砲14門を上陸させた。これに一木支隊主力の熊大隊及びテナル河畔の戦いの残存兵を加えた6200名で３方向に分かれて内陸からの迂回攻撃を行うこととしたが、ジャングル内での移動が困難で、戦力の集結が不十分になった。8月末、アメリカ海兵隊第１海兵空挺大隊及び第１海兵襲撃大隊がツラギからガダルカナル島に派遣された。9月8日、川口支隊の後方拠点だったタシンボコを海兵隊が攻撃し、補給物資を破壊した。この時作戦命令書を押収しており、ヘンダーソン飛行場南方の丘（100高地及び120高地）付近から川口支隊主力が攻撃をかけることが判明したため、第１海兵空挺大隊を丘の東側、第１海兵襲撃大隊を西側に配置し、防備を固めた。9月12日夜、川口支隊主力は100高地の南側に展開、一部はヘンダーソン飛行場西のククム村付近及び東のイル川沿いに進み、2130から各個に攻撃を開始した。海兵隊はマイクロホンで日本軍の夜襲を警戒しており、反応のあった場所に向けて突撃破砕射撃を浴びせかけ、大損害を与えたが、川口支隊の攻撃は止まず、100高地付近の海兵隊は第２陣地に後退した。ここで夜明けとなったため、川口支隊は攻撃を中断。9月13日2000から再度突撃を開始した。深夜になって海兵隊は120高地付近の第３防衛ラインまで撤退を余儀無くされ、9月14日0200から川口支隊が３度目の攻撃を開始し、一部は後方に侵入して第１海兵師団司令部まで迫ったが、増援の第５海兵連隊第２大隊が到着し、夜明けまでに川口支隊を押し戻した。川口支隊は戦死・行方不明700名及び負傷500名と20%の損害を出して9月14日昼前に撤退し、9月15日に川口少将が軍司令部に作戦失敗を伝えた。海兵隊の損害は戦死・行方不明40名、負傷103名だった。ヘンダーソン飛行場南のアウステン山は日本兵の血で染まり、「血染めの丘（ブラッディ・リッジ）」と呼ばれることになった。第１海兵襲撃大隊では大隊長の名前を取ってエドソンズ・リッジと呼んだという。川口支隊の食料は10日分しか無かったので、生存者は飢餓状態に追い込まれ、戦闘のできる将兵は1000名弱しかいなかったが、第17軍司令官の命令に基づいてマタニカウ川左岸の集結点に向かった。参考：歴史群像10,’08、2,’05、激闘太平洋戦記、激闘！太平洋戦争地上戦

＜川崎ＢＭＷ６水冷Ｖ型１２気筒＞：川崎航空機がドイツのBMW社と提携して開発したエンジン。大正13年から昭和9年に1500基を生産し、ハ９に発展した。参考：月刊丸9,’97

＜川崎型＞：波６型（潜水艦）を参照。

＜川崎航空機株式会社＞：日本の航空機会社。大元は川崎造船所兵庫工場飛行機科で、大正7年末には川崎造船所社長がサルムソン2A-2複葉偵察機及びAZ-9エンジンのライセンスを取得しており、大正8年7月に陸軍からサルムソン2A-2複葉偵察機の生産命令を受けている。大正11年に飛行機部となり、大正14年にドルニエ社からリヒャルト・フォークト博士を招聘（昭和8年まで）、設計技術指導を受けた。昭和に入ってKDA-3試作戦闘機、八七式夜間爆撃機、八八式偵察機、九二式戦闘機、キ−５試作戦闘機を開発した。昭和9年に作る機体が無くなって潰れかけたが、陸軍が三菱九三式単軽爆撃機の転換生産を命じたため、何とか命脈を繋いでいる。昭和10年、九五式戦闘機が制式化された。昭和11年、キ−28試作戦闘機を製作。昭和12年7月に日華事変が勃発したため、陸軍から増産命令が出され、それに応じて各務原に工場を新設、神戸工場も明石に移転し、11月に川崎造船所から分離独立して川崎航空機株式会社となった。その後の事変拡大長期化と太平洋戦争勃発で一宮工場（東洋紡の工場を買収）や都城工場を増設し、工場の拡充が続いた。昭和15年、キ−60試作戦闘機を製作。更にキ−64、キ−78、キ−88、キ−96、キ−102、キ−108試作戦闘機を製作した。昭和19年末から日本本土空襲が始まると疎開の必要が生じ、近隣へと設備を分散させていたが、昭和20年6月22日と6月26日に空襲を受け、岐阜工場と明石工場が周辺市街地及び分散した設備ごと焼け野原になり、操業停止状態に陥って終戦を迎えた。昭和1-20年の生産機数は9627機で、三式戦闘機3000機以上、九九式双発軽爆撃機2000機、二式複座戦闘機1700機、五式戦闘機などを生産している。戦後は川崎航空機工業として1953-54年にKAL-1/-2連絡機やKAT-1練習機を開発、1969年に川崎重工に統合された。参考：月刊丸6,’14、9,’97、1,'17別冊、月刊JWings2,’16、週刊エアクラフトNo.137、首都防空網と空都多摩

＜川崎市平和館＞：川崎市に1992年に建造された平和記念館。川崎大空襲などの資料を展示しており、2009年からは拉致被害者家族支援コーナーも作られた。所在地は神奈川県川崎市中原区木月住吉町33-1。開館時間は0900-1700。休館日は月曜日・第３火曜日（祝日の場合は翌日）、12月29日から1月3日。入館料無料。参考：MAMOR vol.58

＜川崎重工業＞：1969年、川崎航空機工業と川崎車両を統合した。2001年、カンパニー制を採用。宇宙機器や航空機を担当する航空宇宙カンパニー、航空機用エンジンを担当するガスタービン・機械カンパニーなどを創設した。2003年3月、日本飛行機株式会社を100%子会社とした。参考：月刊JWings2,’16

＜川崎重工神戸工場＞：川崎重工神戸造船所が戦後に川崎造船所神戸工場を経て改称したもの。DE-202いかづちとDD-105うらなみを建造した。1956年度にSS-511おやしおを建造し、以降は潜水艦に特化している。2020年9月8日0940頃、第２ドックの潜水艦内で鋼材の切断作業を行っていた際、天井や養生シートなどを焼く火事が発生した。30分後に消し止められ、作業員２人が煙を吸う怪我をしている。参考：月刊世界の艦船6,’11、8,’11増刊、11,’20

＜川崎重工神戸造船工場＞：2015年3月1日に組織改正を行い、潜水艦プロジェクト室を新設、安全衛生課、業務部、品質保証部、潜水艦設計部、潜水艦プロジェクト室、工作部、修繕部という編成になった。参考：月刊軍事研究5,’16

＜川崎重工神戸造船所＞：昭和14年、神戸川崎造船所から改称された。昭和17年、大阪に泉州工場を新設し、潜水艦と海防艦の進水までの工事を実施した。太平洋戦争終結までに戦艦伊勢、榛名、空母瑞鶴、大鳳、巡洋艦７隻、駆逐艦20隻、海防艦９隻、潜水艦29隻、Ａ型戦時標準貨物船18隻、Ｄ型戦時標準貨物船20隻、TL型戦時標準油槽船６隻などを建造した。戦後は川崎重工神戸工場になった。参考：月刊世界の艦船5,’11、6,’11、戦時標準船入門

＜川崎造船所＞：大元は明治11年に川崎正蔵氏が創設した川崎築地造船所で、明治13年に兵庫川崎造船所も創設、明治29年に株式会社化して川崎造船所となった。明治40年、砲艦４隻を清国海軍南洋水師に引き渡した。大正7年、川崎造船所造機設計部自動車掛を創設し、軍用トラック製造を開始。大正8年4月、川崎造船所兵庫工場飛行機科を創設、造機設計部自動車掛は自動車科に改称された。昭和12年11月、川崎航空機株式会社が分離した。参考：月刊丸6,’14、歴史群像10,’18

＜かわせみ部隊＞：独立飛行第47中隊を参照。

＜川棚海軍工廠＞：日本海軍の海軍工廠。昭和17年、現在の長崎県東彼杵郡川棚町に佐世保海軍工廠川棚分工廠として開設され、昭和18年5月にこの名称で独立した。航空魚雷の生産を主に行っており、片島魚雷発射試験場を含めた総面積は400ヘクタールあった。昭和19年から付近の山に疎開しており、工場トンネル20本以上や、総延長221.4mの総務部防空壕を作っている。参考：月刊世界の艦船3,’10、9,’13増刊

＜河内＞：日本海軍河内型戦艦Kawachi。明治42年起工、明治45年3月31日竣工。大正7年7月12日、徳山湾に停泊中、火薬庫が爆発して転覆沈没した。9月21日に除籍された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、9,’13増刊

＜河内型＞：日本海軍初のド級戦艦（主砲が口径長の異なるものを混載しているので準ド級とも呼ばれる）。艦首は二重湾曲型を採用した。主砲塔を六角形に配置してあるが、前後が50口径、両舷が45口径なので、斉射の際には前後の砲に減装薬を装填する必要があった。副砲は舷側に搭載し、主砲塔上面には水雷艇反撃用の砲を装着している。全長160.3m、水線長152.4m、幅25.7m、吃水8.2m（河内）／8.5m（摂津）、常備排水量20823トン（河内）／21443トン（摂津）。主機はカーチス式単胴直結蒸気タービン２基、主缶は宮原式混焼缶16基、出力25000馬力、２軸推進、プロペラ直径4.06m、速力20ノット。兵装はヴィッカーズ社製50口径30.5cm連装砲２基、45口径41式30.5cm連装砲４基、45口径呉式15.2cm単装砲10門、（12cm単装砲８門？）、40口径8cm単装砲16門、短8cm単装砲、45cm水中魚雷発射管５門。装甲厚は水線部305mm、甲板31mm。乗員999名（河内）／986名（摂津）。明治45年に河内と摂津の２隻が竣工した。参考：近代戦艦史、戦艦入門、月刊丸11,’09、月刊世界の艦船12,’10、1,’12

＜河内爆沈事件＞：大正7年7月12日1551、徳山湾に停泊中の戦艦河内の右舷１番砲塔付近で突如２回の大爆発が起こり、砲塔と煙突付近から火柱が上がって４分後に転覆してしまった。乗員1033名のうち621名が死亡している。調査の結果、第１砲塔火薬庫で火災が発生し、副砲火薬庫が誘爆したのが原因と判明、火薬の自然発火は再現実験で否定されたため、乗員による故意が疑われた。確たる証拠が得られなかったため、結局原因不明という結論になったが、弾火薬庫の出入りのチェックや鍵の管理を厳重にするといった対策が取られている。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜カワッチ＞：愛媛地方協力本部の公式マスコットキャラ、陸自版。愛媛県の県獣であるカワウソがモチーフである。参考：MAMOR vol.121

＜革手袋＞：自衛隊の装備。武田商店が受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜川南工業香焼島造船所＞：太平洋戦争時はＡ型戦時標準貨物船18隻とTL型戦時標準油槽船６隻を建造した。参考：戦時標準船入門

＜川南工業深堀造船所＞：Ｅ型戦時標準貨物船を建造するため新設された造船所。年産300隻が目標で、全長480m・幅15mの複数建造用船渠１基を持ち、内部で4-5隻を１列に並べて建造、進水の際には船渠内に水を入れて建造中の船を全て浮かせ、出口に一番近い船を進水させて船渠の外に引き出し、他の船を１隻分ずつ出口側に移動、排水した後で出口から一番遠いところでまた新しい船の建造に入る。作業員4780人のうち2130人が囚人だった。参考：戦時標準船入門

＜川西航空機＞：日本の航空機会社。元は川西機械製作所飛行機部で、日本飛行機製作所所長の中島知久平と、神戸の資本家の川西清兵衛が対立して大正8年12月26日に日本飛行機製作所が分裂してしまったため、川西派のスタッフが大正9年2月に立ち上げたものである。昭和3年11月、飛行機部が独立して川西航空機株式会社になった。同年、海軍指定の飛行艇メーカーとなり、昭和4年にショート社と技術提携を結んだ。九七式飛行艇、二式飛行艇、紫電改などを開発している。昭和20年8月2日に国営化され、第２軍需工廠となった。昭和1-20年の生産機数は2851機。戦後は航空機の製造を禁止されたため、生活用品などを作っている。昭和24年、明和興業株式会社に社名変更した。参考：月刊JWings6,’05、5,’05、丸エキストラ版No.71、首都防空網と空都多摩

＜川西駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は兵庫県川西市久代4-1-50。参考：JGround Vol.23

　＜川西駐屯地（２０１５年）＞：中部方面指揮所訓練支援隊、自衛隊阪神病院が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜川原幸助＞：日本陸軍エース。大正2年、東京生まれ。昭和10年6月、陸軍士官学校を卒業。昭和11年7月、所沢飛行学校を卒業し、飛行第５連隊所属となった。昭和12年7月、日華事変勃発で北支戦線に移動。10月25日、２機を撃墜。昭和13年1月30日、I-15戦闘機３機を撃墜。3月8日、１機を撃墜。3月25日、帰徳上空で２機を撃墜した後に被弾して戦死した。公認撃墜機数９機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜川戸正治郎＞：日本海軍エース。大正14年、京都府生まれ。昭和17年5月、舞鶴海兵団に入隊。丙種飛行予科練習生を経て飛行練習生となり昭和18年7月に卒業、10月10日に第253航空隊配属となり、ラバウルに到着した。11月2日、B-25と空中衝突して落下傘降下。11月11日、敵機に撃墜されて負傷した。12月17日、P-39と正面衝突して負傷したが、救助されて翌日から任務に復帰した。昭和19年2月6日、B-24の尾翼に体当たりして落下傘降下。2月20日に部隊がトラックに後退した後もラバウルに残り、ゲリラ航空戦や航空偵察活動を行った。7月、第253航空隊解隊により、第105航空基地隊付となった。昭和20年3月9日、複座零戦に搭乗してB-25を追撃しに向かったが、途中で駆逐艦を発見し攻撃していたところ、対空砲火で撃墜された。海岸に流れ着いたがオーストラリア軍に捕らえられ、昭和20年12月にレイテ収容所から帰還した。日本では戦死認定されていた。総撃墜数は18機で、体当たり３回、被撃墜２回、落下傘降下４回を経験している。最終階級は上飛曹。参考：日本海軍戦闘機隊

＜河本幸喜＞：かわもとこうき。日本陸軍エース。大正8年、愛媛県生まれ。昭和12年11月、陸軍航空士官学校に入学し、昭和14年9月に卒業、11月に少尉となり、明野で空戦戦技課程を修了して飛行第13戦隊に配属された。昭和17年4月、第106教育飛行連隊に転属。昭和18年5月、明野で教官となった。10月、飛行第50戦隊に転属。昭和20年、サイゴンに後退。6月、武功章を授与された。終戦時は台湾に所在していた。総撃墜数８機。最終階級は少佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜厠＞：日本陸軍も日本海軍も便所のことを必ずこう称する。これを受け継いで海上自衛隊もこう言う。ちなみにアメリカ海軍用語ではHeadで、15世紀頃に便所を船首に設置して波を被った際に自動的に洗浄されるようにしてあったのが由来である。参考：帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船8,’11増刊、美術の窓11,’14

　＜厠（海上自衛隊）＞：アメリカからの貸与艦はアメリカ式そのままで、水が流れている大きな樋に腰掛けを渡しただけで隣との仕切りも無い（ちなみに狭い艦だからという訳では無く、当時のアメリカ空軍基地ハットメントのトイレもそんな感じだった）という超シンプルデザインであり、頑張っている隊員の顔も、流れてくる頑張りの成果も丸見えという有様で、デリケートな日本人は便秘に陥る者が続出した。日本の建造艦はステンレス製（便座はプラスチック製）洋式個室で、時代が進むとウォッシュレット完備となっている。潜水艦も同じだが、流すためのハンドルやバルブが付いている。昔は潜水艦外にそのまま流していたが、ハンドルやバルブの操作を間違えると海水が逆流し、凄まじい水圧のため全身に浴びるという悲劇も生じた。海洋汚染防止法が定められると汚物タンクに溜める方式となり、操作も簡素化され、悲劇は滅多に起こらなくなっているようである。2010年6月、護衛艦DD-153ゆうぎりで硫化水素が逆流して乗員が死亡する事故が起きたため、一次タンクまで真水で流して負圧で引き込み、二次タンクに移して海水と共に処理する方式にして逆流が根本的に起きないようにする対策を実施、25MSO／あわじ型掃海艦及び25DD／あさひ型護衛艦から採用した。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊、9,’18、月刊軍事研究7,’14

　＜厠（日本海軍）＞：水上艦艇には士官厠と兵員厠があり、海水による水洗式の小便器と大便器が備えつけてある。海軍創設時にイギリスなど海外で建造した艦が多かったこともあり、大便器は当初は全て洋式水洗で、全てが艦艇を基準にしたため陸上でも出先部隊でも洋式水洗だった。ただイギリス式では兵員厠に仕切りが無く丸見えで、海軍に入るまで個室のボットン便所しか使ったことのない兵員には酷な話であり、極度の便秘に陥り体調不良を起こす者が続出したため、昭和に入って改装のついでに個室和式に切り替え、太平洋戦争頃にはほぼ和式になったようである。大和型戦艦はほぼ個室の洋式水洗だった。概ね艦の中央部にあるが、どの高さの甲板にあるかなどは艦によって違うので、着任したらまず場所を確認した。潜水艦は和式（これも恐らく初期の輸入艦は洋式だったと思われる）で、使用後は手動ポンプでメインタンク内の汚物タンクに送り、水雷長が安全海域にいることを確認し、艦外への排出を命じる。ポンプや配管のバルブ操作を間違えると高圧で逆流し、頭からかぶる羽目になるので注意。潜航中は外の水圧が高いので逆流したり、ポンプが壊れて自分で修理しなければならなくなったりするので、敵地に近づくと昼間潜航中は我慢し、夜間浮上中だけ行くようにした。よって、夜の短い時期に北方で行動する時は、浮上中に行列になった。スモールならチンケースで済ませることも可能である。艦内には士官用と兵員用に１カ所ずつ用意されているが、区別無くどちらも使用する。艦橋構造物後部にもあるが、艦橋から上甲板に降りて入らなければならず、内部は海水が吹き抜けなので、波が荒いと海水やら汚物やらが飛び散って大変なことになる。小型機には無く、スモールは適当な袋や空き瓶で済ませた。どうしてもグレートが我慢できず、コクピットから尻だけ突き出してやらかす者もいたという。大型機では底抜けバケツ状態のものが付いており、排泄物はそのまま下に落ちる（液体だと風で舞い上がって自爆することもある）ので、ビッグなグレートは地上まで達したと思われる。万事が艦船をベースに作られているので、陸上施設も全て水洗式であり、「一歩前へ　小便は西に東にたらすなよ　皆見（南）る人が汚（北）ながる」というような標語が張ってあることもあった。前線基地を設営したばかりで建設が間に合わなかった時は、例外としてその辺の地面が厠となった。海軍兵学校ではスモールは水が上から流れてくるタイル壁に向かって排泄する。甲板（床）に滴が落ちないよう、足を半分くらい縁から前に出し、終わって褌の中にしまったら後退して場所を譲り、そこでズボンの前ボタンを閉める。大便所に汚物を放置したり、褌を捨てたりするのは厳禁で、見つかると連帯責任ということで総員集合がかけられて修正を喰らう。海軍兵学校岩国分校ではグレートは個室和式水洗で、ドアの外にあるフックに帽子をかけるのが使用中の合図のため、内鍵は無い。便器には予め１枚紙を敷いて便器が汚れないようにした。参考：写真で見る海軍糧食史、潜水艦気質よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語、海軍よもやま物語、続海軍よもやま物語、海軍こぼれ話、月刊世界の艦船8,’11増刊、9,'21、海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語、月刊丸7,’14

　＜厠（日本陸軍）＞：内務班では個室のボットン便所で、便座は無く、穴だけである。朝夕を除いて空いているので、初年兵が腹痛を装って15分くらい居眠りしたり、差し入れや残飯をこっそり食べたり、破れた靴下を縫ったりする。外出や面会時に貰った小遣いを隠しておくこともある。大発などの上陸用舟艇には用意が無く、長期海上機動の際には不自由を強いられた。参考：新兵サンよもやま物語、月刊軍事研究9,’16

＜厠番＞：日本海軍の役職で、便所当番のことである。誰でも出来るので、分隊の他任務にあまり適さないような兵が任命された。厠１カ所あたり各分隊から派出された厠番5-6名が付く。トップは厠番長で、お茶を挽いたようなあまり成績の宜しくない者が選出される。巡検用意の号令がかかると厠の入り口にロープをかけて使用止めの札を吊るし、巡検までに掃除を完了させる。便所が詰まりでもしない限り、他の時間は便所紙製作（低質紙を適当な大きさに切って紐に通す）、手洗い用クレゾール水準備、煙草盆用意くらいしか用が無いので、しっかりと勉強する余裕があった。参考：海軍よもやま物語

＜厠番長（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の役職で、厠の管理責任者である。古参海士長が任命されることが多い。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜河用砲艦＞：River Gouboats。河川で使用するための砲艦。荒波に揉まれることは無いので艦首は低く、乾舷も低く、座礁しないように吃水を浅くしてある。全長に比べて最大幅が大きく、いわゆる下駄船の格好をしており、船室などは全て水線上に設けられている。高速は必要としないため居住性に優れており、換気も重視される。イギリスが揚子江用として1897年に建造したのが始まりのようだが、12センチ砲を搭載した大型船体の河用モニター艦は1870年代にフランスが配備した。明治末期頃には各国が上海に河用砲艦を展開していたが、これらは中国で取れる石炭を燃料とする石炭専焼缶・混焼缶を搭載した。フランスは河川航行砲台とも呼べるような、小型船体に10-14センチ砲を搭載した河用砲艦も建造し、第１次大戦に投入した。満州国とソ連が黒竜江に投入した河用砲艦は下駄船ではなく砲艦と同様の構造をしており、駆逐艦や軽巡洋艦並の兵装を搭載した。第２次大戦後も使用されており、南米アマゾン川ではペルーやブラジル、マグダレナ川ではコロンビアの河用砲艦が沿岸地域に睨みをきかせている。参考：小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊

　＜河用砲艦（日本海軍）＞：正式な艦種類別は砲艦。上海周辺の揚子江で自国民保護にあたるのが主任務で、吃水は極めて浅く、接近戦に備えて火器には防楯を備え、窓を銃眼として使えるようにしてある。国際共同租界だった上海には他国軍も自国民保護のため展開しており、場合によっては事態が国際問題に発展するため、強力な無線装置に高いマストを備え、上級司令部などと密な連絡を取れるようにした。明治39年、隅田と伏見が就役。当時は浅吃水戦闘艦の建造経験が無く、イギリスから輸入した。航洋性は皆無なので、竣工後に一旦解体して上海に運び、組み立て直している。明治44年、国産の鳥羽が竣工。大正12年、勢多型４隻が竣工。昭和4-5年、熱海型２隻が竣工。昭和14-15年、伏見型（２代目）２隻が就役。参考：月刊モデルアート9,’15増刊

＜ガン＞：カノン砲を参照。

＜勘４０７＞：中国海軍海洋調査船。1999年6月10日、沖縄県大正島北西78kmを航行するのを海上保安庁が確認した。6月12日、沖縄県魚釣島北北東60kmを航行するのを第５航空群P-3Cが確認した。6月24日、沖縄県大正島北北東157kmを航行するのを海上保安庁が確認した。7月21日、鹿児島県坊ノ岬西南西307kmを航行するのを海上保安庁が確認した。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜簡易画像伝送装置�U型＞：自衛隊の機器。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究2,’15

＜簡易トイレ＞：陸上自衛隊の簡易トイレ。凝固剤を使う組み立て式トイレを１名用テントの中に入れたものである。参考：スピアヘッドNo.20

＜簡易候敵機＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜簡易消毒車＞：日本陸軍の化学戦闘器材。参考：工兵入門

＜簡易生物剤検査装置＞：陸上自衛隊開発実験団部隊医学実験隊医学・特殊武器衛生研究科臨床検査技師の小原２曹が開発した生物剤同定装置。現場で収集した生物剤サンプルは、対特殊武器衛生隊本部に持ち込んで検査する必要があるが、隊本部は安全な後方に置かれているため、運搬するだけで１時間以上かかる。これを現場でいち早く分析できるようにしたのがこの器材で、LAMP法を使用することにより30分で同定することができる。生物剤サンプルから抽出したDNAと、LAMP法で使用する試薬キットを入れたチューブ（最大６本）を保温容器に入れ、アルコールバーナーで65度30分加熱し、ペンライト型紫外線ライトでDNA増幅の有無を確認する。開発者は平成21年度防衛技術奨励賞を受賞した。参考：朝雲

＜簡易セーター＞：自衛隊用語で、ウールセーターのこと。1980年代後半に着用が許可されたが、支給はされないので、自費購入である。参考：月刊丸2,’12

＜簡易測候具＞：日本陸軍の化学戦気象器材。参考：工兵入門

＜簡易代燃装置＞：日本陸軍試作木炭エンジン。昭和19年にサイパンが陥落して南方からの石油が入ってこなくなったため、本土決戦時に後方輸送に従事する軍用自動車用に開発し、昭和20年7月から運用指導に入ったが、実際に使用される前に終戦となった。参考：機甲入門

＜簡易低温乾留製品＞：松根油を参照。

＜簡易偵察具＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜簡易被＞：日本陸軍の防毒具。参考：工兵入門

＜簡易服＞：陸上自衛隊の制服。服装規則とは別に定められており、防寒用のセーターやジャンパーがこれにあたる。参考：MAMOR vol.137

＜簡易防護壁＞：自衛隊の機器。上村製作所または上村商事が受注している。参考：月刊軍事研究7,’17、7,’18

＜簡易防護壁（ＢＭＤ）＞：自衛隊の機器。大川工業製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜カンウォン＞：814（フリゲート）またはDD-922（駆逐艦）を参照。

＜簡閲点呼＞：帰休兵及び予備役・後備役の下士官兵と補充兵を集め、点検・査閲・教導を実施すること。軍隊で教育を受けていない第１補充兵は２年に１回、その他は１年に１回行われる。参考：帝国陸海軍事典

＜棺桶＞：MQ-9A分解輸送用コンテナの通称。参考：月刊航空ファン3,’17

＜ガンガ＞：F-22（フリゲート）を参照。

＜カン型燃焼室＞：燃焼室を参照。

＜カンガルー＞：Fw190シリーズ（戦闘機）またはKh-20（空対地ミサイル）を参照。

＜カンガルー＞：ベルギー軍単座複葉戦闘機Kangourou。フェアリー社が開発した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜カンガルー＞：イギリス連邦軍が第２次大戦中に使用した、戦車改造装甲兵員輸送車の総称。損傷戦車の砲塔を外しただけだが、機動性や防御力に優れており、随伴歩兵の運搬や物資輸送に多用された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜カンガルー・ダック＞：アメリカ空軍がテスト中のゴム製ライフラフト。水害時に使用するもので、HH-60Gなどヘリコプターの機体下部に収容され、投下されると自動的に展開する。参考：月刊JWings12,’06

＜カンカルソ＞：インド海軍カール・ニコバル級哨戒艇５番艇Cankarso。2008年7月29日起工、2009年3月27日進水、2010年6月29日竣工。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜観艦式＞：海上の軍事パレードNaval Review。国家元首が自国軍艦を整列させて観閲するもので、1341年にイギリス国王エドワード３世が英仏百年戦争ブルターニュ継承戦争への出撃時に初めて行ったとされる。受閲部隊が観閲部隊とすれ違いながら観閲官に向かい敬礼をする移動式と、錨泊した受閲部隊の前を観閲部隊が通り過ぎる停泊式の２種が代表的で、観閲官が陸上から観閲するタイプもある。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、9,'22、月刊軍事研究11,’15、2,’07

　＜観艦式（インド海軍）＞：President’s Fleet Reviewと呼ばれ、大統領の任期５年の中で１回開催される。2001年2月17日、インド建国50周年記念国際観艦式（インド海軍初の国際観艦式）を停泊式で実施。海自からDD-154あまぎりが参加し、ついでにインド西部地震の救援物資を引き渡している。2011年12月20日、ムンバイ沖で実施。停泊式が主体で、受閲部隊66隻、観閲部隊６隻、警備部隊９隻、航空機44機が参加した。2016年2月6日、2001年以来の国際観艦式（停泊式）をヴィシャカパトナム沖で実施。21カ国24隻を招待し、計98隻が参加した。観閲艦はサリュー級哨戒艦スミトラで、大統領と首相が座乗している。参加外国艦はアメリカ海軍CG-54アンティータム、DDG-85マッキャンベル、イギリス海軍D36ディフェンダー、イラン海軍71アルヴァンド、オマーン海軍哨戒艦Z20アル・シーブ、コルベットQ40アル・シャミキ、海自DD-130まつゆき、スリランカ海軍P620サユラ、セイシェル沿岸警備隊哨戒艇トパーズ、タイ海軍458サイブリ、中国海軍574三亜、573柳州、バングラデシュ海軍F28ソムドロ・ジョイ、ブラジル海軍P120アマゾナス、フランス海軍D652プロヴァンス、ベトナム海軍HQ-011ディン・ティエン・ホアン、南アフリカ海軍F147スピオエンコプ、ミャンマー海軍F11アウン・ゼーヤ、ロシア海軍救難艦エプロンなど。参考：月刊世界の艦船3,’12、5,’16、4,’16、月刊軍事研究11,’15、5,’16

＜観艦式（海上自衛隊）＞：日本海軍に引き続いて観艦式と呼んでいる。1996年からは自衛隊記念日中央式典として３年に１度開催されており、観閲部隊と受閲部隊がすれ違う移動式で、艦艇・航空機の観閲に始まり、次いで訓練展示を実施する。観閲部隊は先頭に先導艦、２番目に観閲官が座乗した観閲艦が位置し、観閲艦の航路や式の進行（秒単位）を制御するのは先導艦の役目である。参加艦艇に乗艦して展示を見られるので、当日の抽選倍率は数十倍になる。事前訓練や予行も見学可能で、こちらの倍率はもっと低い。1957年10月2日に第１回が東京湾で実施され、艦艇32隻38700トン、航空機49機が参加した。停泊式で、観閲官の岸首相は観閲艦DD-102ゆきかぜに座乗した。東京音楽隊が演奏を行っている。1958年は狩野川台風で中止（初）された。1959年は伊勢湾台風で中止（２回目）された。1960年11月2日、東京湾で第２回を停泊式で実施。参加したのは43隻42500トンで、風雨が強く航空機は参加しなかった。観閲官は防衛庁長官で、DD-161あきづきに座乗した。第３回は1961年11月2日に東京湾で行われ、初の移動観艦式となった。参加したのは32隻39000トンと航空機29機、観閲官は防衛庁長官で、DD-161あきづきに座乗した。1962年11月3日、大阪湾で第４回を停泊式と移動式で実施。参加したのは48隻46000トン（潜水艦が初参加）で、風雨が強く、航空機は参加しなかった。観閲官は防衛政務次官で、DD-161あきづきに座乗した。1964年11月2日、東京湾で第５回を停泊式と移動式で実施。参加したのは52隻52000トンで、雨のため航空機は参加しなかった。観閲官は防衛庁長官で、DD-162てるづきに座乗した。潜水艦はドルフィン運動を初めて行った。1965年11月3日、大阪湾で第６回を移動式で実施。参加したのは艦船49隻49000トン、航空機51機（HSS-2ヘリが初参加）で、観閲官は防衛庁長官、DDG-163あまつかぜに座乗した。招待者数を増やしたことに対応し、観閲付属部隊も編成している。1966年11月3日、博多沖で第７回を停泊式と移動式で実施。参加したのは37隻43700トンと航空機56機で、観閲官は防衛庁長官、DDG-163あまつかぜに座乗した。航空自衛隊機も14機が参加した。1967年11月5日、伊勢湾で第８回を移動式で実施。艦船43隻50000トンが参加したが、天候不良で航空機の参加は数機だった。観閲官は防衛庁長官で、DD-164たかつきに座乗。観閲式に反対する漁船が海上デモを行った。1968年11月3日、東京湾で第９回を停泊式で実施。44隻54000トンと航空機47機が参加した。観閲官は佐藤栄作総理で、DD-164たかつきに座乗した。1969年11月3日、大阪湾で第10回を移動式で実施。50隻53000トンと航空機51機が参加した。観閲官は防衛庁長官で、DD-165きくづきに座乗した。1970年11月3日、相模湾で第11回を移動式で実施。45隻55900トンと航空機48隻が参加。観閲官は防衛庁長官で、DD-166もちづきに座乗した。P-2Jが初参加した。1971年11月3日、佐世保沖で第12回を移動式で実施。50隻55000トンと航空機65機が参加した。観閲官は防衛庁長官で、DD-165きくづきに座乗した。1972年11月5日、相模湾で第13回を移動式で実施。51隻75000トンと航空機61機が参加した。観閲官は防衛庁長官で、DD-167ながつきに座乗した。1973年9月16日、若狭湾で第14回を移動式で実施。39隻55000トンと航空機48機が参加した。観閲官は防衛庁長官で、DD-164たかつきに座乗した。航空自衛隊から39機が飛来した。オイルショックのあおりで1974年度に観艦式実施基準が変更された。1981年11月3日、相模湾で第15回を移動式で実施。45隻93600トンと航空機55機が参加した。観閲官は鈴木善幸首相で、ヘリコプターにより来艦、観閲・訓練展示の間だけDDH-143しらねに座乗し、以降はこの方式がとられることになった。音楽隊は横須賀音楽隊が艦に搭乗し、東京音楽隊は岸壁で見送り演奏を行うことになった。1984年11月4日、相模湾で第16回を移動式で実施。自衛隊創設30周年記念観艦式を兼ねた。53隻118300トン、航空機51機が参加し、観閲官は加藤紘一防衛庁長官（中曽根首相は暗殺されたインド首相国葬のため欠席）で、DDH-143しらねに座乗した。P-3Cが初参加した。1987年11月3日、相模湾で第17回を移動式で実施。54隻127300トンと航空機49機が参加し、観閲官は中曽根康弘首相で、DDH-143しらねに座乗した。1989年11月5日、相模湾で第18回を移動式で実施。55隻143100トンと航空機51機が参加し、海部俊樹首相がDDH-143しらねに座乗した。1992年10月11日、相模湾で第19回を移動式で実施。海上自衛隊創設40周年記念観艦式を兼ねた。52隻149500トンと航空機54機が参加、観閲官は宮沢喜一首相で、DDH-143しらねに座乗した。SH-60Jが初参加。海上自衛隊音楽隊の全６隊が集合することになった。10隊に分けて10艦に搭乗させるという意見が幕僚から出されたが、音楽隊がそれは無理だと断って揉め、陸上自衛隊から２隊、航空自衛隊から１隊の応援を受けている。1994年10月16日、相模湾で第20回（防衛庁創設40周年を兼ねる）を移動式で実施。45隻130300トンと航空機52機が参加した。観閲官は村山富市首相で、DDH-143しらねに座乗した。イージス艦が初参加。1997年10月26日、相模湾で第21回を移動式で実施。46隻159100トンと航空機48機（空自９機含む。47機？）が参加し、観閲官は橋本龍太郎首相で、DDH-143しらねに座乗した。むらさめ型が初参加している。この回から防衛庁主催の三自衛隊共通行事になった。2000年10月29日、相模湾で第22回を移動式で実施。自衛隊記念日中央観閲行事として開催された初の観艦式で、63隻201700トンと航空機38機（62隻と61機？）が参加し、観閲官は森喜朗首相で、DDH-143しらねに座乗した。陸自ヘリと海保巡視船が初参加している。2002年10月13日、初の国際観艦式となる海上自衛隊創設50周年記念国際観艦式を東京湾羽田沖で実施。停泊式で、アメリカ海軍CG-49ヴィンセンズ、ロシア海軍ミサイル巡洋艦ワリヤーグなど11カ国17隻の外国艦艇を含む艦艇65隻と航空機11機が参加した。2003年10月26日、相模湾で移動式で実施。艦艇52隻、航空機53機が参加した。2006年10月29日、相模湾で移動式で実施。観閲官は安倍首相で、艦艇48隻と航空機50機（約30機？）が参加した。2009年10月25日、相模湾で第26回を移動式で実施。観閲官は菅直人副総理で、DDH-144くらまに座乗した。艦船40隻、航空機43機、人員8000名が参加した。2012年10月14日、相模湾で第27回を移動式で実施。観閲官は野田首相で、DDH-144くらまに座乗した。艦船39隻（＋警戒任務９隻）、航空機18機、人員8000名が参加し、オーストラリア海軍フリゲート03シドニー、シンガポール海軍揚陸艦パーシステンス、アメリカ海軍CG-67シャイローも特別参加して祝賀航行を行った。2015年10月18日、相模湾で移動式で実施。観閲官は安倍首相で、DDH-144くらまに座乗した。艦艇42隻（36隻？）、航空機37機が参加し、空自F-15J、F-2、ブルーインパルス（1973年9月以来42年振り）、陸自AH-64Dもフライトしている。アメリカ（２回目の参加。CG-62チャンセラーズビル、DDG-89マスティン、P-8哨戒機、MV-22B輸送機。CVN-76ロナルド・レーガンもサプライズで姿を見せた）、インド（初参加。F49サヒャドリ）、オーストラリア（２回目の参加。FFH-153スチュアート）、韓国（初参加。977テー・ジョヨン）、フランス（初参加。F734ヴァンデミエール）から計６隻が参加した。その次は2018年の予定だったが中央観閲式を１年前倒ししたため入れ替わりで１年遅れになり、2019年10月14日にDDH-183いずもを観閲艦として実施予定だったが、台風19号被害に対する災害派遣を優先して中止（３回目）された。2022年11月6日、相模湾で海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式を移動式で実施。観閲官は岸田首相で、DDH-183いずもに座乗し、海自艦艇20隻（DDH-183いずも含む観閲部隊４隻、受閲部隊12隻、海保・外国艦祝賀航行部隊先導艦４隻）、自衛隊航空機28機（指揮官機第51航空隊P-1哨戒機１機、第21航空隊SH-60J/K哨戒ヘリ３機、第１戦闘ヘリコプター隊AH-64Dヘリ１機、第12ヘリコプター隊CH-47JA輸送ヘリ２機、輸送航空隊V-22輸送機２機、第71航空隊US-2救難飛行艇１機、第203教育航空隊P-3C哨戒機１機、第402飛行隊C-2輸送機１機、第３飛行隊F-2戦闘機３機、第303飛行隊F-15J戦闘機３機、第３航空団F-35A戦闘機４機）、海保巡視船PL-31いず、外国艦艇12カ国18隻（アメリカ海軍CG-62チャンセラーズヴィル、インド海軍ミサイル・フリゲートF47シヴァリク、コルベットP28カモルタ、インドネシア海軍コルベット365ディポネゴロ、オーストラリア海軍ミサイル駆逐艦39ホバート、フリゲートFFH-151アルンタ、補給艦A304ストルワート、潜水艦SSG-74ファンコム、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバー、フリゲートFFH-338ウィニペグ、韓国海軍補給艦51ソヤン、シンガポール海軍フリゲート68フォーミダブル、タイ海軍フリゲート471プミポン・アドゥンヤデート、ニュージーランド海軍補給艦A11アオテアロア、パキスタン海軍フリゲート252シャムシール、補給艦47ナスル、ブルネイ海軍哨戒艦07ダルエーサン、マレーシア海軍コルベット175ケランタン）、アメリカ軍航空機５機（CVW-5所属F/A-18E/F戦闘機３機、VMFA-242所属F-35B戦闘機２機）、フランス海軍第25飛行隊ファルコン200哨戒機１機が参加した。訓練展示の最後にはブルーインパルスが編隊連携機動飛行を行い、岸田首相がDD-183いずも格納庫内で訓示している。公式参加艦ではないが、CVN-76ロナルド・レーガンも姿を見せ、訓示を終えた岸田首相がMCH-101掃海・輸送ヘリでDDH-183いずもからCVN-76ロナルド・レーガンに移動し、アメリカ海軍作戦部長、第７艦隊司令官、駐日アメリカ大使らとの記念撮影などを行った。参加艦艇のうち30隻が11月6-7日に多国間共同訓練を実施している。参考：月刊JWings1,’01、1,’16、1,’20、1,'23、月刊丸1,’07、月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’02増刊、7,’19、6,’09、9,’09、1,’10、3,’10、8,’10、8,’15、12,'15、1,’16、12,’19、12,'22、1,'23、MOLIBITO Vol.3、月刊軍事研究1,’10、10,’18、朝雲、月刊航空ファン1,’19

＜観艦式（韓国海軍）＞：現在は移動式で、軍創設記念日に５年ごとで行う。1998年10月13日、韓国軍創設50周年記念国際観艦式（初の国際観艦式）を実施。海自からも護衛艦３隻が参加した。2008年、韓国海軍創設60周年記念観艦式を実施。2015年10月23日、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズ・ビル、DDG-54カーティス・ウィルバーを招いて韓国海軍70周年記念観艦式を実施。2018年10月11日、国際観艦式を実施。統一事項と称し、参加各国に自国国旗と韓国国旗をマストに掲げ、艦首旗と艦尾旗は掲揚しないよう求めたため、法令で自衛艦旗の艦尾掲揚を定めている海自は参加を見送った。韓国艦は観閲艦に李舜臣将軍を象徴する旗を掲揚して自ら統一事項を破り、他国参加艦も全て自国・韓国国旗に加えて軍艦旗をマストや艦尾旗竿に掲揚している。参加艦は韓国海軍・海洋警察庁船など26隻、外国軍艦18隻だった。参考：月刊軍事研究11,’15、月刊JWings1,’16、月刊世界の艦船1,’16、1,’19、6,'22、朝雲

＜観艦式（中国海軍）＞：2018年4月12日、海南島沖で海上閲兵式を実施。観閲艦２隻（検閲艦052D型ミサイル駆逐艦173長沙、随伴艦052D型ミサイル駆逐艦172昆明）、受閲艦48隻（作戦群７個、094A型戦略原潜４隻、093A/B型攻撃原潜４隻、039B型元級潜水艦６隻、001型空母遼寧、052C/D型ミサイル駆逐艦11隻、054A型フリゲート５隻、056/056A型コルベット８隻、071型LPD２隻など）、航空機76機が参加した。終了後は全艦が北上し、4月17-18日に台湾海峡近くの福建省泉州沖で実弾演習を行い、中国空軍H-6K爆撃機もCJ-20巡航ミサイルの訓練弾を搭載して３日連続で台湾周辺を飛行、更に北部戦区所属艦は沖縄と宮古島の間を抜けて青島に帰投している。2019年4月23日、中国海軍創設70周年記念国際観艦式を実施。観閲艦は習近平国家主席で、052D型ミサイル駆逐艦117西寧に搭乗した。中国から艦艇32隻（空母16遼寧、就役前の055型ミサイル駆逐艦101南昌など）と航空機39機、海外から海自含む13カ国18隻（オーストラリア海軍フリゲート05メルボルン、韓国海軍インチョン級フリゲート812キョンギ、シンガポール海軍フォーミダブル級フリゲート72ストルワート、タイ海軍ナレースアン級フリゲート421ナレースアン、ロシア海軍アドミラル・ゴルシコフなど）が参加。海自からはDD-117すずつきが海自艦として７年半振りに訪中して参加し、海上幕僚長も５年振りに訪中して参列した。参考：月刊世界の艦船7,’19、5,'20

＜観艦式（日本海軍）＞：大演習または特別大演習の実演終了後に行う大演習観艦式や、天皇が御召艦に座乗して親閲する特別観艦式があり、停泊式で行われることが多い。明治23年に行われた際はMilitary Reviewが陸軍観兵式なのでNavy Reviewは海軍観兵式と訳していたが、明治30年のヴィクトリア女王即位60周年記念Navy Reviewの招待状を訳した際に外務省が海軍省宛の書簡で観艦式の名称を使い、以降は観艦式と呼ばれるようになった。また、内容もヴィクトリア女王即位60周年記念観艦式に準拠して実施されるようになっている。停泊式の場合、各艦は満艦飾を行い、乗員は登舷礼式の位置に付き、天皇の御召艦乗艦時に21発の皇礼砲を実施、御召艦は天皇旗を掲げ、親閲中は各艦が君が代の軍楽と喇叭を吹奏し、御召艦が通過する際には指揮艦の号令で乗員が万歳三唱する。正午頃に天皇は関係者と午餐し、終わると登舷礼式と皇礼砲を受けて退艦、観艦式終了となる。各艦は日没と共に軍艦旗と満艦飾を降下し、電灯艦飾に切り替える。移動式の場合、受閲艦が御召艦の両側を反航分列航行し、受閲各艦が御召艦に近づいたら登舷礼式と21発の皇礼砲、君が代の奏楽・吹奏を実施、御召艦とすれ違うところで乗員が万歳三唱する。慶応4年（1868年）3月26日、大阪天保山沖で明治天皇が軍艦叡覧（海軍天覧、軍艦操練展覧ともいう）を実施。肥前藩電流丸（艦隊旗艦）、肥後藩萬里丸、久留米藩千歳丸、長州藩華陽丸、芸州藩万年丸、薩州藩三邦丸の６隻計2452トンの艦船が参加し、移動式で挙行された。フランスから軍艦デュープレが参列しており、排水量は６隻足してもデュープレに満たない、こぢんまりとした観艦式だった。明治天皇は陸上（天保山の閲覧台）から叡覧し、各艦は横一列になって礼砲21発を発射、デュープレの礼砲に対して電流丸が答砲を行い、兵庫方面に30分間航行した後、反転して天保山沖に戻り、２列復縦陣で錨泊している。明治2年6月16日、品川沖で函館戦争後の凱旋整列式実施（観艦式に含めない説もある）。６隻4282トンが参加し、有栖川兵部卿宮が各艦を巡視した。明治4年、海軍操練天覧を実施（観艦式に含めない説もある）。明治23年4月18日、神戸沖で海軍観兵式を停泊式で実施。3月30日から4月2日の陸海軍連合大演習を終えた19隻32328トン（軍艦18隻、水雷艇４隻、雑船など８隻と拝観者を乗せた供奉艦赤城？）が参加し、御召艦は高千穂だった。明治33年4月30日、神戸沖で大演習観艦式を実施。49隻129601トンが参加し、明治天皇の御召艦は浅間だった。明治36年4月10日、神戸沖で大演習観艦式を実施。61隻217176トンが参加し、御召艦は浅間だった。明治38年10月23日、横浜沖で日露戦争凱旋観艦式を実施。御召艦は浅間で、166隻324159トン（175隻？）が参加し、横浜沖では収まりきれず、羽田沖までずらりと並んでいた。明治41年11月18日、神戸沖で大演習観艦式を実施。御召艦は浅間で、123隻404460トンが参加した。大正元年11月12日、横浜沖で大演習観艦式を実施。御召艦は筑摩で、115隻460825トンと飛行機２機が参加した。大正2年11月10日、横須賀沖で恒例観艦式を実施。御召艦は香取で、57隻353965トンが参加した。大正4年12月4日、横浜沖で大正天皇即位特別観艦式を実施。御召艦は筑波で、124隻598848トンが参加した。大正5年10月25日、横浜沖で恒例観艦式を実施。御召艦は筑波で、84隻472254トンと航空機４機が参加した。大正8年7月9日、横須賀沖で御親閲式を実施。御召艦は出雲で、第１・第２特務艦隊及び戦利潜水艦26隻86013トンが参加した。10月28日、横浜沖で特別大演習観艦式を実施。御召艦は摂津で、111隻624180トンと航空機12機が参加した。昭和2年10月30日、横浜沖特別大演習観艦式を実施。158隻664292トン（番外列の公船、拝観船、民間船含め170隻）、飛行機80機（82機？）、飛行船１隻（３隻？）が参加し、御召艦は陸奥だった。昭和3年12月4日、横浜沖大礼特別観艦式を実施。186隻（168隻？）778891トン、飛行機130機、飛行船２隻が参加し、御召艦は榛名だった。アメリカ、イギリス、イタリア、オランダ、フランスから軍艦７隻が招待されている。昭和5年10月26日、神戸沖特別大演習観艦式を実施。165隻703295トン（軍艦42隻、駆逐艦67隻、潜水艦35隻、掃海艇10隻、特務艦８隻、特務艇２隻、特設巡洋艦１隻）と航空機72機が参加し、御召艦は霧島、先導艦は足柄、供奉艦は妙高、那智、羽黒だった。昭和8年8月25日、横浜沖特別大演習観艦式を実施。艦船171隻（159隻？）847766トン（806000トン？）と航空機160機が参加し、御召艦は比叡だった。昭和11年10月29日、神戸沖特別大演習観艦式を移動式で実施。艦船110隻580133トン（108隻649468トン？）と航空機100機が参加し、御召艦は比叡だった。昭和15年10月11日、横浜沖紀元二千六百年記念特別観艦式を実施。碇泊式で、艦船98隻622000トン（596060トン？）と航空機527機（529機？）が参加し、御召艦は比叡だった。観艦式指揮官は連合艦隊司令長官山本五十六中将。この通算19回目の観艦式が日本海軍最後の観艦式となった。参考：月刊世界の艦船9,'22、9,’13増刊、12,’10、12,’12、6,’15、月刊丸8,’95、写真で見る海軍糧食史、歴史群像6,’14、日本の防衛戦力Part7、日本海軍艦隊総覧

＜ガン・ガンチャン＞：979（駆逐艦）を参照。

＜ガン・キャリアーＭｋ．�T＞：イギリス軍自走砲。第１次大戦中にMk.�W菱形戦車の足回りを流用して製作した。ただし実際には６ポンド榴弾砲（14.6口径、最大射程10425m）や60ポンド砲（口径127mm、砲身長38.45口径、最大射程13815m）の車輪を外して車体前部に乗せただけの代物で、単なる装軌式火砲運搬車である。火砲だけでなく、砲弾などの輸送にも使用された。参考：世界の軍用車両(1)、月刊JWings7,’04

＜漢級＞：091型（潜水艦）を参照。

＜換給食＞：日本海軍の特殊糧食。昭和6年3月の海軍糧食表改訂で制定された。戦闘状況などで通常の食材調達や調理が不可能な場合に代替として使用するもので、換給表に基づいて規定されている。参考：写真で見る海軍糧食史

＜漢級潜水艦領海侵犯事件＞：2004年11月8日深夜、大江型潜水艦救難艦861長興島と徒仲型救難曳船830が種子島の南東海域を航行するのをDD-108あけぼのが確認した。11月9日夜、海上自衛隊が石垣島南東で国籍不明の潜水艦を発見。11月10日0500、石垣島南東の公海上を潜航するのを確認した。0600頃、領海内に侵入したのをP-3Cが確認。アクティブ・ソノブイを投下したが、潜水艦が対応する様子は無かった。0800頃、領海外に出た。0845、防衛庁長官が首相の承認を得て海上警備行動を発令。DDH-144くらま、DD-103ゆうだち、P-3C、SH-60Jで追尾を開始したが、既に領海外を航行中なので実効性は無かった。また、中国軍機の発進に備えてE-767を８時間交替で計７ソーティ飛行させた。海上保安庁も出動したという説もある。11月12日0700、潜水艦は防空識別圏を出た。スクリュー音や潜航時間から中国海軍091型漢級潜水艦とみられ、後に中国側もこれを認めた（５番艦艦番号405長征５号）。実際にはアメリカの偵察衛星が10月中旬に青島を出港した時から追跡しており（この時点で艦番号まで分かっていたらしい）、更にロサンゼルス級原潜がこっそり後を付けていたようである。海上自衛隊・アメリカ海軍合同演習の偵察に出かけ、その後マリアナ諸島・グアム付近まで進出、その帰りの出来事だった。意図的なもの、航法装置の故障など原因は様々に推察されている。中国側は故障（技術的原因）のためと発表しているが、まさか原子炉故障ではあるまいな。核魚雷を積んでいたら非核三原則にも抵触するが、そこまで突っ込んだ分析は行われていない模様。また、海上に投下したソノブイを中国船が回収していたらしい。参考：月刊JWings1,’05、2,’05、月刊軍事研究3,’05、4,’05

＜艦橋＞：正しくは艦橋構造。英語ではBridgeで、Connとも呼ばれる。外輪船時代に両舷外車のケースに橋（Bridge）を渡し、その上で操舵したのが語源である。航海中の操艦を統括する航海艦橋と、戦闘、作戦、情報通信、見張りなどに必要な諸室や司令室・艦長室などで構成されるフラッグ・ブリッジがある。舷側の視界を確保しようとして船の幅一杯に作ると風の抵抗が大きくなるので、一部をウイングとして張り出させ、コンパクトに纏める。高速船ではウイングも省略してテレビカメラで済ませたりする。参考：艦船メカニズム図鑑、米海軍サバイバルマニュアル、図解船の科学

＜環境改変技術禁止条約＞：正式名称は環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約。1978年10月5日に効力が発生した。日本では1982年6月9日に効力発生、公布された。締約国は破壊・損害・傷害を引き起こす手段として、広範（数百平方キロ以上）で長期的（数ヶ月または１季節）または深刻な効果をもたらす環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用を他の締約国に対して行わないこととしている。環境改変技術とは、自然の作用を意図的に操作することで地球または宇宙空間の構造、組成、運動に変更を加えることを指し、具体的には、地震、津波、地域の生態系の破壊、天候変更、気候変更、海流変更、オゾン層・電離層変更など。有効期間は無期限。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜艦橋情報表示装置＞：自衛隊の機器。三井造船製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜環境整備＞：陸上・航空自衛隊用語で、清掃一般のこと。参考：MAMOR vol.164

＜艦橋測距手＞：日本海軍の役職、通称ケージー。航海科水兵で、艦橋に配置され、手持ちの携帯用測距儀で艦隊行動の際に他艦との距離を測定・報告するのが主任務である。号令詞は「さんびゃくふたじゅう、はなれまーす（距離320m、更に離れている）」「ふたひゃくろくじゅう、ちかづきまーす（距離260m、更に近づいている）」といった感じである。参考：海軍こぼれ話

＜艦橋用小型電子海図装置＞：自衛隊の機器。東京計器製。参考：月刊軍事研究10,’13

＜カンギョン＞：561（掃海艇）を参照。

＜カンギョン型＞：スワロー級（掃海艇）を参照。

＜ガングート＞：ロシア海軍海防戦艦Gangut。1894年4月竣工。1897年6月12日、フィンランド湾で触礁事故を起こして沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜ガングート＞：ロシア海軍ガングート級戦艦Gangut。1911年起工、1914年竣工。ロシア革命勃発により、1925年にオクチャブルスカヤ・レヴォルチャ（Oktyabrskaya Recolutsia・10月革命）に艦名変更された。1941年6月の独ソ戦開始時にはタリンに停泊しており、レニングラード防衛戦に参加した。9月8日、巡洋艦キーロフと共にクラスノーエ・セロとペテルゴフのドイツ軍集結地を砲撃。9月21日、クロンシュタットで爆弾３発を被弾して主砲塔２基が作動不能になった。10月23日、オルジョニキーゼ工廠に入り、修理を受けた。1942年、ガングートに改称されたとされる。また、燃料不足からボイラー１基を木材用に改造した。1月、前部煙突付近の水線下に22cm砲弾を被弾。ドックが無かったので木製ケーソンを使用して修理した。4月4日、大型爆弾１発と中型爆弾３発を被弾。4月24日、爆弾３発を被弾し、11月まで修理を行った。1944年7月、赤旗章を授与された。第２次大戦終結後は練習艦となり、1956年頃に除籍された。参考：月刊丸11,’09、近代戦艦史、月刊世界の艦船4,’17

＜ガングート級＞：ロシア海軍海防戦艦Gangut級。バルチック艦隊向けで、バルト海沿岸での陸上砲撃任務に備えて浅吃水とした。水線長88.32m、常備排水量6590トン。主機はレシプロ蒸気機関２基２軸6000馬力、速力14.7ノット。兵装は30.5cm単装砲１門、22.8cm単装砲４門、47mm単装砲４門、37mm単装砲10門、37mm機砲６基、38.1cm魚雷発射管６門。ガングートが1894年に竣工した。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜ガングート級＞：ロシア海軍戦艦Gangut級。日露戦争後の海軍再建で建造された弩級戦艦で、当初は敗戦時の不信感から予算が下りなかったが、ドイツに対抗するため1908年に予算が認められて建造された。ベースはイタリア戦艦ダンテ・アリギエーリで、イギリスの造船所の指導の下に国産したが、設計変更などで竣工が遅れた上、居住性が悪く非衛生的とのことで評判は芳しくなかった。艦首はバルト海での行動を考えて砕氷構造としている。副砲は主砲の外側に置いたが、一方を発射するともう一方に爆風などの影響が及んでしまう上、副砲に被弾すると主砲まで損傷する危険があり、使い勝手が悪い。全長181.2m、幅26.6m、吃水8.4m、常備排水量23360トン。主機は蒸気タービン４基、主缶は混焼缶、出力50000馬力、４軸推進、速力23ノット。兵装は30.5cm艦砲M1910用３連装砲塔MB-3-12が４基、12cm単装砲16門、4.7cm単装砲４門、45cm水中発射管４門。装甲厚は水線部225mm、甲板38mm。乗員1126名。ガングート、ペトロパブロフスク、ポルタワ、セヴァストーポリの４隻が1914-15年に就役した。1928-38年に順次改装を受け、艦首をクリッパー型に変更し、主缶を換装、第１煙突を途中から後方に曲げて前檣楼に排煙が被らないようにし、後部艦橋を新設、主砲仰角を引き上げた。全長184.9m、基準排水量23606トン。主機は蒸気タービン、速力22.7ノット。兵装は52口径30.5cm３連装砲塔３基。乗員1400名。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船4,’17、1,’12

＜カングーロ＞：SF600（輸送機）またはSM.82（爆撃輸送機）を参照。

＜管区隊（警察予備隊）＞：警察予備隊の主力。当時のアメリカ軍歩兵師団をモデルとして４個（京浜、阪神、青函、関門海峡の防衛にあたる）が編成された。定員15000名。３個普通科連隊を基幹としており、特科連隊、施設大隊、衛生大隊、通信隊、武器隊、補給隊、偵察中隊も所属していて、偵察中隊にも戦車が配置されていた。ただし軍隊ではないという建前から部隊に職種は冠されておらず、第１・第２など番号だけで呼ばれていた。また、朝鮮戦争中で戦車の供与が間に合わず、保安隊編成直前に相馬原特別教育隊に装備されたのみで、実戦部隊には１両も配備されていなかった。参考：月刊軍事研究8,’04、4,’07、4,’10

＜管区隊（陸上自衛隊）＞

＜管区隊（陸上自衛隊、１９５４年）＞：警察予備隊・保安隊時代から縮小され、定員は12700名となった。普通科連隊に所属していた戦車中隊と偵察中隊の戦車隊が管区隊直轄の戦車大隊に統合され、戦車大隊の各中隊戦車定数も17両（３個小隊）に減った。正面幅3kmに展開する戦車大隊の演習場が北海道にしか無かったため、M4戦車は北恵庭駐屯地の第１特車群に集めている。管区隊が２個（道東、東北）増加して６個になったことに伴い高射自動火器が不足したため、特科連隊第５大隊の定数が48両に減った。後方支援要員も、国内のみでの運用ということを考えて減らされた。参考：月刊軍事研究8,’04、4,’07、4,’10

＜環形照準具＞：対空用簡易照準器で、前方サイトと後方サイトからなる。前方サイトは同心円状または扇状をしていて、見越し射撃を容易としている。後方サイトは穴照門型だったり、球形だったりする。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜関係方位角＞：相対方位を参照。

＜乾舷＞：Freeboard。舷側で、水面から露天甲板（最上甲板）舷側までの垂直距離をいう。測定場所により艦首乾舷や中央部乾舷などがある。参考：艦船メカニズム図鑑、米海軍サバイバルマニュアル、月刊世界の艦船4,’98

＜艦攻＞：艦上攻撃機を参照。

＜緩江＞：602（ミサイル艇）を参照。

＜漢光演習＞：台湾軍が実施している、中国の攻撃に対する防衛演習Hankuang。1973年に開始され、1984年からは毎年行われている。1978年に高速道路からの戦闘機離着陸訓練が行われたが、事故の危険と経済的影響からその後は中止されており、2004年に復活した。参考：月刊軍事研究9,’07、月刊世界の艦船12,’14

　＜漢光２０号演習＞：2004年7月に行われたもの。中国が短距離弾道ミサイル500発以上を台湾付近に配備したため、26年ぶりに高速道路での離着陸訓練が復活、ミラージュ2000戦闘機２機が着陸し、給油と再武装を行って離陸した。参考：月刊軍事研究9,’07

　＜漢光２２号演習＞：2006年に実施された。参加人員12000名。PAC-2の公開試射を行った。参考：月刊軍事研究9,’07

　＜漢光２３号演習＞：2007年5月に実施された。5月11日、陸軍施設内にF-5E戦闘機が墜落し、乗員２名と現場にいたシンガポール兵士２名が死亡、９名が負傷した。5月15日、中山高速道路にF-16、ミラージュ2000、経国戦闘機２機ずつが着陸、18分で再武装を済ませて離陸した。また、澎湖島で上陸軍に対する迎撃訓練を実施した。5月16日、空陸部隊による実弾射撃訓練を実施。この中でアベンジャー自走地対空ミサイル、M-48自走地対空ミサイル、MIM-23ホーク地対空ミサイルが２発ずつ射撃したが、アベンジャーは２発とも海に落ち、M-48は１発が海に墜落、もう１発は逸れて行方不明になり、ホークも１発が500m先の墓地に着弾、きちんと飛んだのはホーク１発だけだった。5月17日、上陸軍に対する反撃訓練が行われたが、悪天候のため航空部隊は参加しなかった。参考：月刊軍事研究9,’07

　＜漢光３０号演習＞：2014年9月17日から行われた。台湾海軍からはキッド級ミサイル駆逐艦左営、同馬公、ノックス級フリゲートFF935蘭陽、康定級フリゲート、成功級フリゲートFFG-1101成功、光華�Y型ミサイル艇、潜水艦SS-794海虎など88隻が参加し、花蓮沖で対空戦、対水上戦、対潜戦訓練を実施した。参考：月刊世界の艦船12,’14

　＜漢光３５号演習＞：2019年5月下旬に実施された。5月22日、台湾海軍艦艇22隻（キッド級ミサイル駆逐艦基��、同左営、成功級フリゲートFFG-1112銘傳、ノックス級フリゲートFF938宜陽、康定級フリゲートFF1205昆明、ミサイル艇PGG-618沱江、錦江級ミサイル艇611湘江など）と戦闘機３機などが参加して台湾東部洋上で各種訓練を実施。5月26日、高速道路からの離着陸訓練を実施。彰化県の国道１号中山高速公路にあるチャンファ・ハイウェイストリップ（ランウェイ01/19、長さ2400m）を使用し、0200に滑走路への転用作業を開始して0430に完了、0600からF-16B戦闘機（AIM-9・AIM-120装備）、F-CK-1B戦闘機（AIM-9）、ミラージュ2000-5Di戦闘機（マジック）、E-2K早期警戒機が着陸して燃料補給を行い、F-16B戦闘機はハープーン２発、F-CK-1B戦闘機は500ポンド爆弾７発、ミラージュ2000-5Di戦闘機はMICA２発を追加搭載して0730までに全機再出撃した。補給の際にはCH-47SDヘリが物資輸送にあたり、台湾陸軍AH-1W攻撃ヘリ、OH-58D武装ヘリ、台湾海兵隊カーディナルUAVが周辺警戒を行っている。参考：月刊世界の艦船11,’19、月刊航空ファン8,’19

　＜漢光３８号演習＞：2022年7月25-29日に実施された。台湾海軍からキッド級ミサイル駆逐艦基��、同左営、成功級フリゲートFFG-1107子儀、同FFG-1105継光、康定級フリゲートFF-1206迪化、錦江級哨戒艇615昌江、海龍級潜水艦SS-793海龍、永豊級掃海艇1301永豊、同1303永定、FMLB-1級敷設艇FMLB-1、台湾海軍陸戦隊からM109型複合艇、台湾海巡署から巡視船CG602成功などが参加し、FFG-1105継光がSM-1MR艦対空ミサイル発射訓練、615昌江が爆雷投下訓練、CG602成功が対艦用多連装ロケット発射訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船11,’22

　＜漢光３９号演習＞：2023年7月下旬に実施された。台湾空軍は初めて民間の豊年／台東空港でF-16V戦闘機を運用する訓練を実施。出撃した志航基地が巡航ミサイルの攻撃で被害を受けたという想定で、C-130H輸送機が先に豊年空港に着陸して必要な物資を降ろし、続いてF-16Vが着陸し、30分以内に燃料補給と再武装を終えて再出撃した。参考：月刊JWings11,’23

＜漢口方面特別根拠地隊＞：日本海軍の特別根拠地隊。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第１遣支艦隊附属だった。参考：日本海軍艦隊総覧

＜看護学生＞：自衛隊の看護師養成制度。防衛医科大学校高等看護学院または自衛隊中央病院高等看護学院の学生で、３年間の教育の後、看護師国家試験を受験する。合格すると２等陸曹になり、自衛隊中央病院、陸上自衛隊地区病院、陸上幕僚監部衛生部、師団司令部などに配置される。その後３年以上勤務すると、３等陸尉への昇任試験を受けられる。2014年4月、防衛医科大学校医学教育部看護学科（４年制）が新設された。保健師・看護師の資格を有する幹部自衛官を育成するための自衛官コースと、防衛医科大学校病院で勤務する技官を育成するための技官コースがある。身分は自衛官コースが特別職国家公務員で、入学金や授業料は無料、学生手当と年２回のボーナスが支給され、学生舎で生活し、食事は支給、被服は無償貸与される。技官コースは非常勤の特別職国家公務員で、入学金や授業料は無料、非常勤職員手当（時給制）が支給され、被服は無償貸与される。通学（手当支給あり）または有料寄宿舎への入寮で、食事は自分で持ってくるか、有料で喫食する。１年次に基礎分野、2-3年次に専門分野の教育（自衛官コースは防衛看護学、技官コースは先駆的医療看護・医療連携システムを含む）を受け、４年次に国家試験を受験する。また、自衛官コースでは幹部自衛官として小隊長以下の指揮能力を身に付ける徒歩教練、野外での勤務を想定した野外行動訓練、三自衛隊での部隊実習なども行う。自衛官コースを卒業すると陸海空幹部候補生学校での教育訓練と自衛隊病院などでの新人看護職員研修を経て幹部自衛官となり、自衛隊病院や衛生科部隊に配属される。技官コースを卒業すると防衛医科大学校病院で自衛官や一般患者の看護にあたる。卒業後６年間は自衛隊で勤務する義務があり、それ未満で離職する場合には経費を償還しなければならない。2014年4月8日、防衛医科大学校医学教育部看護学科第１期生119名（自衛官コース74名、技官コース45名）が入校した。参考：MAMOR vol.90、MOLIBITO Vol.3、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜看護官＞：看護師・保健師たる幹部自衛官のこと。防衛医科大学校看護学科（以前は自衛隊中央病院高等看護学院や防衛医科大学校看護学院）を卒業して看護師・保健師免許を取得し、幹部候補生学校に入校して幹部自衛官としての訓練を受け、卒業すると任官されて自衛隊病院などで新人看護研修を行い、自衛隊病院や衛生科部隊に配置される。隊員の健康管理、健康診断、健康相談、外来・入院患者の看護や診療介助が主任務で、PKOや国際緊急援助活動などに加わり海外で医療活動を行うこともある。自衛官の一員なので、射撃訓練、体力検定、野外訓練なども実施する。2017年3月、防衛医科大学校看護学科１期生が卒業し、航空自衛隊初の看護官２名が誕生、２年間の研修などを経て2020年4月に初めて部隊配備された。参考：MAMOR vol.110、vol.103、朝雲

＜韓国海軍＞：1945年11月11日、民間船員の孫元一が設立した海事協会が大元で、これが後に韓国沿岸警備隊になり、1948年8月15日の韓国政府樹立で韓国海軍となった。司令部はチンヘにあり、艦隊はチンヘ、トンヘ、ピョンタクに置かれている。朝鮮戦争時、兵力は7000名で、1951年の戦力はパトロールフリゲート２隻、PC４隻、AMS（木造掃海艇）13隻、AML（元日本海軍敷設艇）10隻、LSSL２隻、砲艇（元日本海軍）22隻、哨戒艇（元日本海軍）８隻、各種支援船だった。1953年9月、海軍作戦艦隊を創設。1950年代は両用戦艦艇と哨戒艦を配備し、1960年代は水上戦艦艇を中心に増強した。1963年、南陽級掃海艇３隻の引き渡しを開始。1970年代、国産のパエク級ミサイル艇を建造した。1970年、S-2対潜哨戒機の運用を開始。1972年、ギアリング級駆逐艦７隻とアレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦２隻の引き渡しが始まった。1975年、永同級掃海艇２隻が就役。1978年、シードルフィン／ワイルドキャット級高速艇100隻が就役開始。1980年代から潜水艦を導入し、艦艇を国産化、救難体制を整備した。1980-93年、ウルサン級フリゲート９隻が就役。1982年、東海級コルベット４隻が就役開始。1983年、ドルゴレ級潜水艦が就役。8月13日、工作船朝日丸を撃沈した。1984年、浦項級コルベット24隻が就役開始。1986年、スワロー級掃海艇６隻が就役開始。1990年、天地級補給艦３隻が就役開始。1993年、アリゲーター級戦車揚陸艦４隻が就役開始。1993年、チャンボゴ級潜水艦９隻が就役開始。1996年、清海鎮級潜水艦救難艦１隻が就役。P-3C哨戒機の導入を開始。1997年、元山級機雷敷設支援艦１隻が就役。1998年、KDX-1級ミサイル駆逐艦３隻が就役開始。1999年、ヤンヤン級掃海艇３隻が就役開始。1999年8月4-6日、ミサイル駆逐艦971広開土大王とフリゲート953忠南が海上自衛隊（DDH-143しらね、DD-131せとゆき、DE-234とね）との初の共同訓練を東シナ海で実施。

21世紀に入り、PKO/PKFへの本格的参加や外洋海軍を目指した戦力強化が続いている。2001年、韓国政府が５大洋における国益の保護と世界平和への貢献を可能とする戦略機動艦隊計画を発表、2010年までにLPD、イージス艦、駆逐艦６隻からなる戦略機動戦団を創設し、済州島に基地を建設する予定とした。2003年、KDX-2級ミサイル駆逐艦６隻が就役開始。2005年、ムレナＥ型LCAC３隻の配備を開始。2007年、独島級強襲揚陸艦１隻が就役。2007年、214/1700型ソンウォンイル級潜水艦バッチ１の３隻が就役開始。2008年、KDX-3級ミサイル駆逐艦３隻と尹永夏級ミサイル艇が就役開始。2009年、KDX-2Aイージス艦６隻を2019-26年に就役させる予定と報道官が述べた。2011年9月28日、鬱陵島に海軍基地の建設を決定したとの報道がなされた。竹島に95分で到着できる距離にあるためで、2015年に完成予定。2013年、インチョン級フリゲートが就役開始。11月中旬、巨済島沖でアメリカ海軍と共同対機雷戦演習を実施。2014年、チョンワンボン級戦車揚陸艦が就役開始。3月27日から4月7日、サン・ヨン14演習に参加。2015年6月8-12日、アメリカ海軍との共同演習サイレントシャークに参加。9月16日、北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党創立70周年に合わせて長距離弾道ミサイルを発射する可能性があるとみられたため、日本海にイージス艦１隻を展開した。12月8日、領海を侵犯した国籍不明の船舶に対し、軍艦艇が警告射撃を行った。中国の漁船だったらしく、船体や乗員に損害は無かったが、中国外務省が憂慮の念を表明している。2016年9月28日、国会で野党議員が防衛事業庁内部監査資料を公表。過去４年間に業者から納入された部品の内、600件の品質保証書類が偽造されていた事が明らかとなった。11月9-10日、日本周辺海域で日米韓弾道ミサイル情報共有訓練に参加。2017年、チャムスリ�U級ミサイル艇の引き渡しが開始された。2018年12月20日、ミサイル駆逐艦971広開土大王が能登半島沖で海自第４航空群第３航空隊所属P-1哨戒機に射撃管制レーダーを照射した。

2020年10月20日、初の専用練習艦である閑山島が竣工した。

参考：月刊世界の艦船4,’09、9,’17、3,’00、1,’10、9,’10、12,’11、2,’14、12,'15、3,'16、11,’16、1,’17、JShips Vol.24、月刊丸1,’10別冊、7,’14、月刊軍事研究11,’15、10,’15、月刊JWings12,’16、3,’19、月刊航空ファン6,’19

　＜韓国海軍（１９６０年）＞：兵力16600名（海兵隊除く）。DE２隻、PF４隻、PC９隻、APD１隻、PT３隻、MSC３隻、AMS10隻、LST８隻、LSM12隻、LSSL５隻、AO１隻を保有する。参考：月刊世界の艦船4,’09

　＜韓国海軍（１９７０年）＞：兵力16600名（海兵隊除く）。DD３隻、DE３隻、PF４隻、PCE３隻、PC12隻、PCS２隻、APD６隻、MSC６隻、AMS５隻、LST８隻、LSMR１隻、LSM11隻、ARL１隻、AO１隻を保有する。参考：月刊世界の艦船4,’09

　＜韓国海軍（１９７７年）＞：兵力25000名、予備役25000名。ギアリング級／アレン・Ｍ・サムナー級／フレッチャー級駆逐艦７隻、護衛駆逐艦９隻、沿岸護衛艦14隻、哨戒艇44隻、ミサイル艇１隻、沿岸掃海艇12隻、戦車揚陸艦８隻、ドック型上陸用舟艇１隻、中型揚陸艦11隻、多用途型上陸用舟艇１隻、水陸両用艇70隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜韓国海軍（１９８０年）＞：兵力20000名（海兵隊除く）。DD10隻、DE１隻、PCE３隻、PG９隻、PKM６隻、MSC８隻、LST８隻、LSMR１隻、LSM11隻、ARL１隻、AO１隻を保有する。参考：月刊世界の艦船4,’09

　＜韓国海軍（１９８１年）＞：ギアリング級駆逐艦５隻、アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦２隻、フレッチャー級駆逐艦３隻、ラッデロウ級フリゲート１隻、チャールズ・ローレンス／クロスリー級フリゲート６隻、オーク級コルベット３隻、PSMM5型ミサイル高速艇８隻、アッシュヴィル型１隻、高速哨戒艇６隻、大型哨戒艇10隻、沿岸哨戒艇16隻、沿岸掃海艇８隻、小型掃海艇１隻、戦車揚陸艦８隻、ロケット揚陸支援艦１隻、機動揚陸艇11隻、汎用揚陸艇４隻、軽工作艦１隻、小型補給艦４隻、固定翼機20機を保有する。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

　＜韓国海軍（１９８９年）＞：兵力60000名（うち徴兵19000名、海兵隊25000名）。鎮海に司令部、済州、仁川、木浦、墨湖、北坪、浦項、釜山に基地がある。KSS-1級潜水艦３隻、ギアリング級駆逐艦５隻、アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦２隻、フレッチャー級駆逐艦２隻、ウルサン級フリゲート５隻、東海級コルベット12隻、ペーク52級ミサイル艇８隻、ペーク51級ミサイル艇１隻、キルルキ71級ミサイル艇２隻、シードルフィン／ワイルドキャット級高速艇32隻、チェビ51級哨戒艇36隻、スワロー級掃海艇１隻、クンサン級掃海艇８隻、LST-1級戦車揚陸艦８隻、LSM-1級中型揚陸艦７隻、戦車揚陸艇６隻、機械化揚陸艇10隻、汎用揚陸艇１隻、車両兵員揚陸艇20隻、支援給油艦３隻、外洋曳船２隻、水路測量船４隻、S-2A対潜哨戒機９機、S-2E対潜哨戒機16機、ヒューズ500MD対潜ヘリ25機、SA-316対潜ヘリ10機、ベル206連絡ヘリ２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜韓国海軍（１９９０年）＞：兵力35000名（海兵隊除く）。209型潜水艦３隻、小型潜水艇６隻、駆逐艦９隻、ウルサン級フリゲート７隻、浦項級コルベット18隻、東海級コルベット４隻、PG９隻、シー・フォックス型PKM36隻、シードルフィン／ワイルドキャット級高速艇34隻、MHC３隻、MSC８隻、LST８隻、LSM７隻、ARS２隻、リンクス・ヘリ12機を保有する。参考：月刊世界の艦船4,’09

　＜韓国海軍（１９９５年）＞：兵力60000名。水上戦闘艦180隻、支援艦60隻、潜水艦２隻を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜韓国海軍（１９９６年）＞：兵力66000名。水上戦闘艦180隻、支援艦50隻、潜水艦４隻を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜韓国海軍（２０００年）＞：国防省海軍本部隷下に海軍作戦本部が置かれ、その指揮下に第１艦隊（東海）、第２艦隊（平澤）、第３艦隊（釜山）、潜水艦部隊、掃海艇部隊がある。兵力40000名（海兵隊除く）。チャンボゴ級潜水艦８隻、小型潜水艇11隻、KDX-1級ミサイル駆逐艦３隻、ギアリング級駆逐艦５隻、ウルサン級フリゲート９隻、浦項級コルベット24隻、東海級コルベット４隻、ペク級ミサイル艇５隻、シードルフィン／ワイルドキャット級高速艇101隻、ウォンサン級機雷敷設艦１隻、ヤンヤン級掃海艇１隻、カンキョン級MHC６隻、クンサン級MSC８隻、LST10隻、LSM-1級３隻、AOR３隻、ASR１隻、ARS２隻、P-3C哨戒機８機、S-2A/F哨戒機８機、リンクス30機、F-406固定翼小型洋上監視機５機を保有する。参考：月刊世界の艦船9,’01、4,’09

　＜韓国海軍（２００７年）＞：航空部隊のトップは浦項（ポハン）基地の第６航空団で、隷下に２個航空群と２個ヘリコプター飛行隊を置く。使用機はC-400軽輸送機、P-3C哨戒機（８機）、F406キャラバン�U（５機）、スーパーリンクスMk99（11機）、スーパーリンクスMk99A（13機）、SA319B、UH-1H、UH-60P。参考：月刊軍事研究4,’08

　＜韓国海軍（２００８年）＞：トップは海軍本部の海軍参謀総長で、軍政は大統領、国防長官、海軍本部、海軍作戦司令部、艦隊の序列、軍令は大統領、国防長官、合同参謀本部、海軍作戦司令部、艦隊の序列である。海軍本部はソウルにあり、作戦司令部は釜山、教育訓練司令部、軍需司令部、兵学校は鎮海、海兵隊司令部は華城に所在する。海軍基地はソウル、仁川、東海、平澤、浦項、釜山、鎮海、木浦、済州に置かれている。艦隊のトップは作戦司令部で、隷下に第１艦隊（東海）、第２艦隊（平澤）、第３艦隊（木浦）、第５戦団（釜山）、第６戦団（浦項）、第９戦団（鎮海）を置く。兵力41000名、海兵隊27000名。保有艦艇170隻153000トン。チャンボゴ級潜水艦９隻、214型潜水艦１隻、小型潜水艇11隻、KDX-1級ミサイル駆逐艦３隻、KDX-2級ミサイル駆逐艦４隻、KDX-3級ミサイル駆逐艦１隻、ウルサン級フリゲート９隻、浦項級コルベット24隻、東海級コルベット４隻、シードルフィン／ワイルドキャット級高速艇83隻、ウォンサン級機雷敷設艦１隻、ヤンヤン級掃海艇３隻、MHC６隻、独島級ドック型揚陸艦１隻、LST６隻、AOR３隻、ASR１隻、ARS２隻、P-3C哨戒機８機、S-2A/F哨戒機８機、リンクス25機を保有する。参考：月刊世界の艦船4,’09

　＜韓国海軍（２０１３年）＞：兵力41000名（海兵隊除く）。海軍総司令部は鶏龍市、艦隊司令部は鎮海にある。第１艦隊（東海市）、第２艦隊（平澤市）、第３艦隊（釜山）、第５統合戦団（水陸両用作戦、掃海、捜索救難）、第６航空戦団、第７機動戦団、第９潜水戦団からなる。214型ソン・ウォンイル級潜水艦３隻、209型チャンボゴ級潜水艦９隻、ドルゴレ級潜水艇２隻、KDX-1級ミサイル駆逐艦３隻、KDX-2級ミサイル駆逐艦６隻、KDX-3級イージス艦３隻、インチョン級ミサイル・フリゲート１隻、ウルサン級フリゲート９隻、浦項級コルベット22隻、東海級コルベット４隻、独島級ドック型揚陸艦１隻、アリゲーター級戦車揚陸艦４隻、ムレナＥ級エアクッション艇３隻、LSF-2級LCAC２隻、LCM-8級揚陸艇10隻、ヨン・ヨンハ級ミサイル艇９隻、シードルフィン／ワイルドキャット級高速艇75隻、襄陽級掃海艇３隻、スワロー級掃海艇６隻、元山級機雷敷設艦１隻、天地級補給艦３隻、統営級救難艦１隻、清海鎮型潜水艦救難艦１隻、イーデントン級救難艦２隻、スンジン型試験艦１隻、P-3Cブロック�V哨戒機８機、P-3CK哨戒機８機、F406軽輸送機５機、リンクスMk99対潜ヘリ11機、リンクスMk99A対潜ヘリ13機、UH-60P輸送／救難ヘリ19機（８機説あり）、ベル205輸送ヘリ７機（14機説あり）、SA319Bアルエート�V訓練／軽輸送／救難ヘリ３機（５機説あり）を保有する。参考：月刊世界の艦船7,’13、月刊軍事研究11,’14

　＜韓国海軍（２０１５年）＞：現役兵力70000名（海兵隊含む）。第１艦隊、第２艦隊、第３艦隊、独立潜水艦司令部、特殊作戦・機雷戦・対機雷戦・水陸両用・支援艦隊３個、海軍航空団（飛行群３個と支援群１個）１個からなる。209型チャンボゴ級潜水艦９隻、214型214型ソン・ウォンイル級潜水艦３隻、コスモス級潜水艇９隻、ドルゴレ級潜水艇２隻、KDX-3級イージス艦３隻、KDX-2級ミサイル駆逐艦６隻、KDX-1級ミサイル駆逐艦３隻、インチョン級ミサイル・フリゲート３隻、ウルサン級フリゲート８隻、尹永夏級ミサイル艇17隻、浦項級コルベット19隻、シードルフィン／ワイルドキャット級高速艇80隻、カンキョン級掃海艇６隻、襄陽級掃海艇３隻、元山級機雷敷設艦１隻、LST-�Uチョンワンボン級揚陸艦１隻、独島級ドック型揚陸艦１隻、アリゲーター級戦車揚陸艦４隻、ムレナＥ級エアクッション艇３隻、LSF-2級LCAC２隻、LCM-8級揚陸艇10隻、LCT６隻、LCVP20隻、兵站支援船24隻、P-3C哨戒機８機、P-3CK哨戒機８機、F406軽輸送機５機、リンクスMk99対潜ヘリ11機、リンクスMk99A対潜ヘリ13機、SA319Bアルエート�V汎用ヘリ３機、UH-60P輸送ヘリ８機、ベル205/UH-1Hヘリ７機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜韓国海兵隊＞：北朝鮮との戦争時、戦線後方に上陸して兵站路を遮断するのが主任務である。戦車揚陸艦を使って多数の戦車を上陸させると共に、KAAV-7A1水陸両用車も大量に投入、機甲戦力を一気に上陸させるのを基本戦術とする。独島級揚陸艦にはLSF-2級LCACを積んでいるが、１隻あたり戦車を１両しか搭載できないので、第一波ではKAAV-7A1水陸両用車を大量に発進させ、LSF-2級は第二波以降の増援車両揚陸に使用するとみられる。チーム・スピリットに加えて年1-3回ほどアメリカ軍との共同訓練を実施している。1949年、独立軍種として創設された。兵力380名で、すぐ１個大隊規模に拡大している。ベトナム帰還兵による反政府活動疑惑が摘発されたのを受け、1973年に韓国海軍の隷下に置かれた。1987年に海兵隊司令部が復活したが、平時は海軍の下に置かれている。2014年3月27日から4月7日、サン・ヨン14演習に参加。参考：月刊丸12,’90、7,’14、月刊世界の艦船5,’16、3,’19

　＜韓国海兵隊（１９７７年）＞：兵力20000名、予備役60000名。１個師団と２個旅団からなる。参考：軍事力バランス78年版

　＜韓国海兵隊（１９８９年）＞：兵力25000名。２個師団、１個旅団、支援部隊からなる。M47戦車40両、LVTP7装甲車60両、105mm/155mm砲、車載型ハープーン地対艦ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜韓国海兵隊（１９９０年）＞：兵力25000名。２個師団、１個旅団、支援部隊からなる。M47戦車40両、LVTP7装甲車60両、105mm/155mm牽引式榴弾砲、車載型ハープーン地対艦ミサイルを保有する。両用戦艦艇15隻、舟艇37隻により戦場に投入される。参考：月刊丸12,’90

　＜韓国海兵隊（２０１３年）＞：兵力27000名。第１海兵師団、第２海兵師団、第６海兵旅団からなる。K1A1戦車とM48戦車を計100両、KAAV-7A1水陸両用車166両を保有する。トラック車載型RGM-84A地対艦ミサイルを装備しており、沿岸防備も行う。参考：月刊世界の艦船7,’13、月刊軍事研究5,’13

　＜韓国海兵隊（２０１５年）＞：兵力29000名。第１海兵師団「海龍」（偵察大隊１個、戦車大隊１個、海兵連隊３個、水陸両用大隊１個、砲兵連隊１個、工兵大隊１個）、第２海兵師団「青龍」（第１と同編成）、第６海兵旅団「黒龍」、第９海兵旅団「白龍」、戦闘支援ユニット数個からなる。K1A1戦車50両、M48戦車50両、AAV7A1装甲車166両、105mm牽引砲、155mm牽引砲、スパイクNLOS対戦車ミサイル、トラック車載型RGM-84A地対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船3,’19

＜韓国空軍＞：RoKF（Republic of Korea Air Force）と略す。1948年9月13日にL-4Jグラスホッパー連絡機10機を受領して陸軍航空隊に配備したのが始まりで、10月にはL-5Gセンチネル連絡機10機の供与を受け、1949年1月14日に陸軍航空士官学校が設立され、10月1日に韓国空軍が誕生した。この時陸軍航空士官学校は空軍士官学校に改称されている。1950年5月14日、T-6高等練習機の献納式を実施。6月25日、朝鮮戦争勃発時のパイロットは57名、保有機はL-4J連絡機10機、L-5G連絡機10機、AT-6練習機10機だけだった。7月、アメリカからF-51D戦闘機を供与され、実戦に参加。1951年、O-1A観測機の配備を開始。朝鮮戦争休戦時にはF-51D戦闘機、AT-6練習機、C-47輸送機、L-4連絡機など118機が配備されていた。1954年、エアロコマンダー520軽輸送機を導入。1955年1月、初のジェット機となるT-33A練習機を導入した。同年、F-86F戦闘機とC-46D輸送機の配備を開始。1958年、H-19B/Dヘリの配備を開始。1961年7月、空軍作戦軍を編成。12月、F-86D戦闘機の運用を開始。1962年、C-123輸送機の運用を開始。1966年7月、空軍兵站軍を編成。1965年、F-5A戦闘機を配備。1969年、F-4D戦闘機の配備を開始。1972年、PL-2情報収集機が初飛行。O-1G観測機とT-41B練習機の運用を開始。1973年、T-37C練習機の運用を開始。4月、空軍教育訓練軍を編成。1974年、O-2A前線航空統制機の運用を開始。1975年、A-37B軽攻撃機とEC-47Q電子戦機を配備。1970年代後半にF-5E/F戦闘機を配備。1977年、F-4E戦闘機の引き渡しとUH-1Bヘリの配備が始まった。1980年代、F-16C/D戦闘機とC-130輸送機を配備。1992年、T-59練習機（ホークMk67）を配備。2000年代、KT-1練習機やT-50練習機（2005年配備）など国産機を実用化し、T-103練習機（2004年配備）やHH-32Aヘリといったロシア機も配備した。2011年、E-737AEW&C４機の導入を開始。2012年3月2日から群山基地などでアメリカ空軍との共同演習を行った。5月7-18日、米韓空軍共同訓練マックスサンダーを実施。2013年、F/A-50戦闘攻撃機を配備。2014年4月11-25日、マックスサンダー14-1演習に参加。2015年6月1-5日、群山基地で米韓空軍共同演習バディウイング15-4を実施。2016年4月下旬、マックスサンダー2016-1演習に参加。4月22日、熊本地震を受け、C-130で支援物資を熊本空港に輸送。11月4-11日、米英韓合同訓練インヴィンシブル・シールドに参加。2017年12月1日、RQ-4グローバルホーク無人偵察機運用部隊の航空情報団を新編した。2018年4月5日、第11航空団F-15K戦闘機１機がチルゴク郡の山に衝突し、乗員２名が死亡した。2019年、A330-200MRTT空中給油輸送機を配備。3月29日、F-35A戦闘機の最初の２機が清州基地に到着。12月23日、RQ-4Bブロック30無人偵察機初号機が到着した。2022年1月4日、訓練飛行中のF-35A戦闘機１機で電子機器などのトラブルが発生し、瑞山基地に緊急着陸したが、降着装置が降りず胴体着陸になった。乗員は無事だが、韓国空軍ではF-35A戦闘機を飛行停止処分にして原因を究明している。1月11日1333に水原空軍基地を離陸したF-5E戦闘機が上昇中に、エンジン火災警告灯が点灯した。緊急着陸を試みたものの、操縦系統も故障したため断念、パイロットは基地に緊急脱出を２度告げたものの機体が民家に突っ込む恐れがあったためか脱出せず、京畿道華城市の山林に墜落してパイロットも死亡した。3月30日、F-35A戦闘機が完全実働態勢に入ったと発表した。7月19日、KF-21戦闘機試作初号機が初飛行した。10月31日から11月5日、米韓空軍合同演習ヴィジラント・ストームを実施。参考：月刊軍事研究4,’08、10,’10、月刊航空ファン3,’19、8,’16、10,’19、3,’20、月刊JWings5,’12、7,’12、7,’14、9,’14、10,’14、8,’15、1,’17、3,’18、3,'22、4,'22、6,'22、10,'22、1,'23、MAMOR vol.114

　＜韓国空軍（１９７７年）＞：兵力30000名、予備役55000名。F-4D/E戦闘機33機、F-5A/E戦闘機270機、F-86D/F/AT-33戦闘機、RF-5A偵察機12機、S-2F対潜哨戒機20機、C-46輸送機20機、C-54輸送機12機、C-123輸送機12機、HS-748輸送機２機、エアロコマンダー輸送機、T-28D練習機20機、T-33A練習機30機、T-41D練習機20機、F-5B練習機35機、UH-19ヘリ６機、UH-1Dヘリ５機、ベル212ヘリ２機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜韓国空軍（１９８０年）＞：F-4D/E戦闘機72機、F-5E戦闘機125機、F-5A/B戦闘機/RF-5A偵察機80機、F-86F戦闘機60機、F-86D戦闘機15機、RF-86F偵察機10機、S-2A/F対潜哨戒機20機、C-46D輸送機20機、C-54輸送機６機、HS748輸送機２機、C-130H輸送機６機、C-123K輸送機10機、UH-1Dヘリ15機、UH-19ヘリ６機、ベル212／UH-1Nヘリ６機、AH-1S攻撃ヘリ、KH-4を５機、T-33A練習機30機、T-28A/D練習機、T-41D練習機、O-1A/E観測機30機、U-17A、DHC-2輸送機を保有する。参考：ザ・マーチ18号

　＜韓国空軍（１９８９年）＞：兵力40000名。F-16C戦闘機36機、F-16D戦闘機12機、F-5A戦闘機44機、F-5E戦闘機160機、F-4D戦闘機34機、F-4E戦闘機34機、A-37B対ゲリラ戦機23機、RF-5A偵察機10機、UH-1Bヘリ15機、UH-1Nヘリ２機、C-54輸送機10機、C-123J/K輸送機14機、エアロコマンダー輸送機３機、HS-748要人輸送機２機、C-130H輸送機８機、T-28D練習機20機、T-33A練習機33機、T-37C練習機14機、T-41D練習機20機、F-5B練習機35機、F-5F練習機51機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜韓国空軍（１９９０年）＞：兵力60000名。F-5E/F戦闘機100機、F-16C/D戦闘機48機、F-4D/E戦闘機96機、輸送機25機を保有する。参考：月刊軍事研究11,’14

　＜韓国空軍（１９９５年）＞：兵力55000名。戦術機520機、支援機160機、ヘリ630機を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜韓国空軍（１９９６年）＞：兵力64000名。戦術機530機、支援機160機、ヘリ630機を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜韓国空軍（２０００年）＞：兵力63000名。F-5E/F戦闘機185機、F-16C/D戦闘機153機、F-4D/E戦闘機130機、輸送機23機、ホーカー800XP電子戦機７機などを保有する。参考：月刊軍事研究11,’14

　＜韓国空軍（２００７年）＞：司令部の下に空軍作戦軍、空軍兵站軍、空軍教育訓練軍（１個訓練航空団の４個飛行隊を隷下に置く）、空軍士官学校（３個飛行隊を隷下に置く）、航空宇宙計画群、航空作戦開発群、１個空輸航空団（４個空輸飛行隊を隷下に置く）、１個混成輸送航空団（１個戦術管制飛行隊、１個特殊作戦飛行隊、１個飛行隊を隷下に置く）、１個混成航空群（１個飛行隊を隷下に置く）が編成されている。空軍作戦軍には６個戦闘航空団、１個戦闘航空群、１個戦術偵察航空群、１個防空管制団が直轄部隊として編成されており、空軍作戦軍隷下の空軍南方作戦軍団には４個戦闘航空団、１個捜索救難航空群、１個戦術開発訓練航空群が配備されている。また、空軍作戦軍隷下の防空砲兵軍団には防空砲兵旅団３個が編成され、それぞれナイキ・ハーキュリーズ１個中隊とホーク改２個中隊を隷下に置く。兵力64000名。作戦機はF-4D/E戦闘機130機、F-5E/F/KF-5E/F戦闘機185機、F-15K戦闘機40機、F-16C/D/KF-16C/D戦闘機152機で、DMZ近くにはA-37Bなどの軽攻撃機も配備されている。他にT-50練習機20機、RF-4C偵察機20機、RF-5A偵察機８機、RC-800RA合成開口レーダー偵察機４機、RC-800SIG信号情報収集機４機、KO-1観測機、CH-47D/HH-47D戦闘捜索救難ヘリ28機、UH-60P/VH-60P戦闘捜索救難ヘリ77機、HH-32A救難ヘリ（基地周辺救難用）８機などを保有する。参考：月刊軍事研究4,’08、11,’14

　＜韓国空軍（２０１２年）＞：兵力65000名。F-5E/F戦闘機176機、F-4E戦闘機70機、F-15K戦闘機52機、F-16C戦闘機18機、F-16D戦闘機46機、KF-16C/D戦闘機100機を保有する。参考：月刊軍事研究5,’13、11,’14

＜韓国空軍（２０１５年）＞：現役兵力65000名。作戦コマンド、南部戦闘コマンド、兵站コマンド、訓練コマンドからなる。F-4E戦闘飛行隊３個、F-5E/F戦闘飛行隊６個、F-15K戦闘飛行隊３個、F-16C/D（KF-16C/D）戦闘飛行隊10個、F/A-50戦闘飛行隊２個（うち１個は編成中）、KO-1観測飛行隊、ホーカー800RA/XP信号情報収集飛行隊１個、ベル412EP/AS332L/HH-47D/HH-60P/Ka-32捜索救難飛行隊２個、B737-300/B747/CN-235-220/S-92A/VH-60P要人輸送飛行隊１個、C-130H/C-130H-30/C-130J-30飛行隊３個（うち特殊作戦飛行隊１個）、CN-235M-100/-220飛行隊２個、F-5E/F訓練飛行隊２個、F-16C/D訓練飛行隊１個、KT-1訓練飛行隊４個、Il-103訓練飛行隊１個、T-50/TA-50訓練飛行隊３個、UH-60P特殊作戦ヘリ飛行隊１個、防空旅団３個からなる。F-5E戦闘機142機、F-5F戦闘機32機、F-4E戦闘機70機、F-15K戦闘機60機、F-16C/KF-16C戦闘機118機、F-16D/KF-16D戦闘機46機、F/A-50戦闘機20機、F-4D戦闘機少数（全機保管中）、B737早期警戒管制機４機、ホーカー800RA偵察機４機、KO-1観測機20機、ホーカー800SIG信号情報収集機４機、C-130H輸送機８機、C-130H-30輸送機４機、C-130J-30輸送機４機、CN-235M-100輸送機12機、CN-235M-220輸送機８機（うち要人輸送機２機）、B737-300要人輸送機１機、B747要人輸送機１機、Il-103練習機23機、KT-1練習機83機、T-50練習機49機、T-50B曲技飛行機９機、TA-50練習機22機、HH-47D捜索救難ヘリ５機、HH-60P捜索救難ヘリ11機、ベル412EP汎用ヘリ３機、AS332L輸送ヘリ２機、Ka-32輸送ヘリ８機、S-92A輸送ヘリ３機、UH-60+汎用ヘリ７機、VH-60P要人輸送ヘリ10機、ナイト・イントルーダー無人機少数、サーチャー無人機３機、ハーピー無人機100機、MIM-104EパトリオットPAC-2GEM-T発射機48基、MIM-23B改ホーク発射機158基、AIM-7/-9/-9X/-120B/-120C5空対空ミサイル、AGM-65A/-84H空対地ミサイル、AGM-84/-130/-142空対艦ミサイル、AGM-88対レーダーミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜韓国空軍士官学校＞：韓国空軍の士官学校。1949年創立。参考：MAMOR vol.142

＜韓国軍＞：陸軍、海軍、空軍からなる。北朝鮮が再び侵攻したら個別的自衛権により第二次朝鮮戦争を開始、アメリカも米韓相互防衛条約に基づいて在韓米軍が参戦し、米韓連合軍として北朝鮮軍に対処するが、アメリカ陸軍人の米韓連合軍司令官が韓国軍の指揮を執る規定であり、アメリカ軍に隷属する体制になっている。戦時作戦統制権の韓国側への返還が何度か取り沙汰されるが、その度に北朝鮮の脅威で先延ばしにされる。ちなみに戦時作戦統制権が返還されても韓国空軍の戦術統制権は米韓連合航空攻勢部隊司令官（恐らくアメリカ空軍将官が任命される）が持つことになる。1950年、朝鮮戦争勃発。1950年7月15日、大田協定（大韓民国陸海空軍指揮権移譲に関する李承晩大統領のマッカーサー元帥への公翰）で在韓国連軍司令官の作戦統制下に組み込まれた。ただし韓国軍自体は在韓国連軍の一員ではない。移譲は作戦指揮権（アメリカ軍用語では作戦統制権）のみ、という建前だったが、作戦上必要ということで韓国軍の建制や人事にまで介入を受ける羽目になっている。1953年10月、米韓相互防衛条約を締結。12月、第１野戦軍司令部が創設された。1954年3月、第1-3軍団の作戦指揮権がアメリカ第８軍司令官から第１野戦軍司令官に移譲された。5月、第６軍団が新編された。11月、韓国軍に対する軍事および経済援助に関する米韓合意議事録が締結され、在韓国連軍司令官が韓国軍に対して作戦統制権（アメリカ軍用語では戦術統制権）を行使することが規定された。1955年秋、朝鮮戦争後初となる師団対抗演習を実施。しかし朝鮮戦争中には実弾ばかり作っていたため空包の準備に手間取り、始めてみると実戦経験者ぞろいの部隊が演習の手順を無視して突っ走り、あまり良い内容ではなかったらしい。この頃から第１野戦軍とアメリカ第８軍との指揮所演習も開始された。1961年、クーデターが起こり、5月26日に国家再建最高会議と国連軍司令官との共同声明が出され、在韓国連軍司令官は共産侵略から韓国を防衛する時のみ作戦統制権を行使することになり、第30・第33師団と５個憲兵中隊が在韓国連軍の指揮下から外れて韓国軍首都警備司令部の隷下に入り、国内治安維持を韓国軍独自で行うようになった。1966年4月、RSOIを開始。1968年、乙支演習を開始。3月、米韓共同空輸演習フォーカス・レティナを実施。1971年3月、米韓共同空輸演習フリーダム・ボルトを実施。1973年3月、米韓合同上陸演習ゴールデン・ドラゴンを実施。1974年、足かけ20年に及ぶ国産重装備開発計画である栗谷事業（ノックダウン生産、ライセンス生産・共同開発、独自装備量産の３段階からなる）を開始。1975年6月、米韓合同上陸演習イエロー・ドラゴンを実施。1976年、チーム・スピリットを開始。1978年7月、米韓軍事委員会が創設された。メンバーはアメリカ統合参謀本部議長、アメリカ太平洋軍司令官、在韓米軍司令官、韓国軍合同参謀本部議長、韓国国防次官である。11月7日、米韓連合軍司令部が発足し、作戦統制権が在韓国連軍司令官から米韓連合軍司令官に移った。とはいっても米韓連合軍司令官は米韓軍事委員会（アメリカ側３名、韓国側２名）で選出するので必ずアメリカ軍人になり、しかも在韓国連軍司令官と在韓米軍司令官を兼任するので、実質的に中身は同じだが（副司令官は韓国陸軍大将）。1991年、向こう５年間で総兵力をこれまでの３分の２の50万名とし、兵力比を陸海空88:5:7から78:10:12に変更することを決めた。これに合わせ、KDX、新型潜水艦、P-3、F-16の導入を行うこととしている。1994年、平時の作戦統制権が韓国に返還され、韓国軍合同参謀本部議長が行使できるようになった。1995年、兵力65万５千名、予備戦力308万名だった。1996年、防衛兵制度廃止で防衛兵が現役に組み込まれたため、兵力は３万５千名増えて69万名となった。予備戦力は308万名のままである。3月、韓国軍統合実動演習「保国」を開始。2005年、国防改革2020計画を策定し、2020年頃には北朝鮮の脅威が薄れ他の周辺諸国の脅威が増大すると仮定、世界的規模での作戦が行えるよう軍備増強を図ることにした。2008年、RSOIをキー・リザルブ演習に改称した。2010年3月、天安轟沈事件が勃発。11月、延坪島砲撃事件が勃発。2011年3月、国防改革307を策定し、国防改革2020計画から方針転換して対北朝鮮向けの局地的挑発・非対称戦戦力を強化することにした。3月11日に発生した東日本大震災を受け、空軍C-130輸送機を派遣し、救助隊員102名や救援物資を輸送した。12月17日の金正日総書記死去を受け、午後に非常警戒態勢レベルを引き上げた。2012年10月7日、弾道ミサイルの弾頭重量・射程制限に関する米韓ガイドラインを更新し、それまで最大300kmに制限されていた弾道ミサイルの射程を、弾頭重量500kgまでなら射程800km、弾頭重量1000kgなら射程500km、弾頭重量2000kgなら射程300kmまでとした。2015年4月15日、アメリカと4D作戦の作成で合意した。6月、作戦計画5015に署名。2015年12月1日、韓国への戦時作戦統制権返還が予定されていたが延期された。2017年9月4日、米韓首脳会談で弾道ミサイルの弾頭重量・射程制限に関する米韓ガイドラインを見直すことを決定した。前日の北朝鮮核実験（第６回）に対抗し、0600頃に玄武2A弾道ミサイル１発とAGM-84K SLAM-ER空対地ミサイル１発を発射、核実験場までの距離を考慮した目標物に命中させた。9月14日、北朝鮮に対して即座に軍事的対応を取るよう命令が下され、玄武2A弾道ミサイルを即応状態に置いた。9月15日、北朝鮮軍が火星12号を発射した６分後に玄武2A弾道ミサイル２発を発射。１発は250km飛翔して洋上目標に命中したが、もう１発は発射後数秒で洋上に落下した。10月末、韓国政府が対中折衝の際に３不政策（アメリカのミサイル防衛に参加しない、韓米日協力を軍事同盟にしない、在韓米軍にTHAADを追加配備させない）を発表。11月29日、北朝鮮軍が火星５号を発射して5-26分後に玄武2A弾道ミサイル、海星２巡航ミサイル（イージス艦から）、スパイス2000空対地ミサイル（KF-16戦闘機から）を１発ずつ発射し、北朝鮮軍ミサイル発射地点を想定した目標に同時弾着させた。2018年、乙支フリーダム・ガーディアン演習を中止した。1月21日、文在寅大統領の韓国軍少数精鋭化計画ディフェンス・リフォーム2.0の一環として、兵役期間を段階的に21ヶ月から18ヶ月に短縮し、今後４年以内に現役軍人を12.5-50万名削減する予定と発表した。2019年3月2日、韓国国防相とアメリカ国防長官代行の電話会談で、フォール・イーグルとキー・リザルブ両演習の終了が決定した。3月4日、在韓米軍との小規模演習ドン・メン（同盟の意）を実施。アメリカ軍は在韓米軍のみの参加で、水陸両用演習には参加していない。2021年5月、米韓ミサイル指針の廃止に合意した。2022年8月22日、米韓合同軍事演習乙支フリーダム・シールドを開始。参考：月刊軍事研究3,’97、10,’16、10,’10、6,’13、6,’16、2,’18、3,’18、7,’18、月刊丸12,’92、月刊世界の艦船10,’12、MAMOR vol.52、月刊JWings5,’19、11,'22、朝雲

　＜韓国軍（２０１５年）＞：現役総兵力628000名（陸軍495000名、海軍70000名、空軍65000名）、準軍事組織（沿岸警備隊）4500名、予備役4500000名、準軍事組織予備役3000000名。アフガニスタンにISAF要員50名、アラビア海CTF-151にミサイル駆逐艦１隻、コートジボアールにUNOCIオブザーバー２名、インド・パキスタンにUNMOGIPオブザーバー７名、レバノンにUNIFIL要員320名、機械化歩兵大隊１個、リベリアにUNMIL要員１名とオブザーバー１名、南スーダンにUNMISS要員273名とオブザーバー２名、工兵中隊１個、スーダンにUNAMID要員２名、UAEに特殊作戦学校訓練生128名、西サハラにMINURSOオブザーバー４名を派遣している。在韓米軍28500名（在韓米陸軍19200名、在韓米海軍250名、在韓米空軍8800名、在韓米海兵隊250名）、スウェーデン軍NNSCオブザーバー５名、スイス軍NNSCオブザーバー５名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜韓国軽ヘリコプター＞：KLHを参照。

＜韓国航空宇宙産業＞：KAIを参照。

＜韓国戦争＞：朝鮮戦争を参照。

＜韓国多用途ヘリコプター＞：KUH-1シリーズを参照。

＜韓国併合＞：日清戦争終結から２年後の1897年（明治30年）、中国との従属関係を脱した李氏朝鮮は大韓帝国と改称し、国王は皇帝（光武帝）となった。しかし開化派と守旧勢力が対立して皇帝暗殺未遂事件も起こり、近代化政策が頓挫しかかったが、1899年に基本法の大韓国国制が制定され、軍の近代化も開始された。1904年の日露戦争では中立を宣言したものの、日本軍の通行権を認め、第１次日韓条約締結で財政・外交顧問に日本政府推薦者を任命することになった。光武帝はこれに反発して欧米諸国に密書を送ったが、ばれてしまい、日露戦争終結後の1905年11月には第２次日韓条約が締結され、日本が韓国統監府を設置して外交権を掌握することになり、事実上の保護国となった。光武帝はオランダのハーグで開かれた万国平和会議で条約無効を訴えたが、認められず、退位させられた。政府内も親日派で固められてしまい、1907年7月、第３次日韓条約が締結され、高級官吏任命権、司法権、警察権が日本の管轄下になった。8月、韓軍解散式を実施。これに反発した韓軍兵士は抗日組織を作り、義兵運動を展開した。1909年7月、日本が韓国併合を閣議決定。韓国での抗日運動が活発化した。9月、日本は清と間島協約及び満州５協約を締結。豆満江を国境線として確定し、間島は清領となったが、ここは元々朝鮮族が多く、清の治安維持能力が低かったため、武装して自力で身を守るようになった。10月26日、ハルビン駅で伊藤博文枢密院議長が安重根に暗殺された。早期併合に反対していた伊藤博文の暗殺でかえって韓国併合の流れが加速し、1910年8月22日、韓国併合条約締結で日本が韓国を併合、韓国統監府が朝鮮総督府に改称された。直後に日本は土地調査事業を行い、多数の朝鮮人が農地を失って満州やシベリアに逃れたが、そのうち多数が間島に移住した。1911年秋頃、義兵運動が下火となった。1918年、シベリア出兵で救出したチェコ軍将兵が武器弾薬をシベリア鉄道沿線で売り払ったため、沿海州の朝鮮人がこれを手に入れて東辺道に送った。1919年3月1日、李氏朝鮮26代高宗の死去に触発され、朝鮮全土で独立運動（万歳事件）が発生。無抵抗の民衆を朝鮮総督が武力弾圧したため、日本側資料で２千人、韓国側資料で23万人にのぼる死者が出た。これを逃れた民衆は間島付近の朝鮮人と合流、東辺道に流入していた武器を手に入れ、本格的な抗日武力闘争が始まった。日本軍は掃討作戦を行ったが、すぐに豆満江を渡って国外に逃げてしまうため、埒があかず、1920年5月には日本軍の１個中隊が独断で対岸に渡る事態が発生。10月には間島出兵となり、1925年には朝鮮総督府警務局長と奉天省警務所長との間で三矢協定が結ばれた。1945年8月15日、日本がポツダム宣言受諾を発表すると、大韓民国臨時政府と光復軍はソウル入城一番乗りを目指して光復軍第２支隊の４名をアメリカ戦略情報局OSS要員18名に同行させ、8月16日にC-47輸送機で西安を離陸したがこの時は安全確保が不十分として引き返し、8月18日に再離陸して京城第２飛行場に強行着陸した。しかし最終的に大韓民国臨時政府はアメリカ軍政庁から正当性を認められず、解散を命じられている。参考：月刊軍事研究6,’09、歴史群像12,’09、月刊航空ファン6,’19

＜韓国ヘリコプタープログラム＞：KUH-1シリーズを参照。

＜韓国防衛任務章（アメリカ陸軍）＞：Korea Defence Service Medal（KDSM）。1954年6月28日以降、韓国に30日以上従軍した将兵に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜韓国陸軍＞：朝鮮戦争休戦後に増強に入り、1953年11月には20個師団となった。これを指揮する軍団司令部は５個が創設され、上級司令部として1954年3月に第１野戦軍司令部が創られた。同年、U-6A汎用機の運用を開始。1958年、M47戦車の導入を決定。1961年5月26日、第30・第33師団と憲兵中隊５個が在韓国連軍の隷下を外れたため、これらでソウル周辺の治安維持を主任務とする首都警備司令部を新編した。1965年、M48戦車の導入を開始。1967年、OH-23Gヘリの運用を開始。1977年、アメリカのカーター大統領が在韓米軍の全面撤収を考え出したため、栗谷（ユルコク）事業と呼ばれる国産兵器開発計画をスタートさせた。1978年、国産弾道ミサイルの発射試験に成功。これを受け、アメリカが米韓ミサイル指針を締結し、韓国軍の配備ミサイル射程などに制限を付けた。1983年、首都警備司令部が首都防衛司令部に改称された。1985年、K200装甲兵員輸送車の量産を開始。1986年、K-1戦車の量産を開始。1988年、AH-1F攻撃ヘリの導入を開始。1989年、K55自走榴弾砲の量産を開始。1996年、T-80U戦車とBMP-3歩兵戦闘車が借金のカタにロシアから引き渡された。1998年、K9自走榴弾砲を制式化。MD500の後継となるKLHを開発して2000年までに12機配備したが、MD500全機を更新するには至らなかった。2004年、ナイト・イントルーダー300UAVシステムを配備。2009年、ARTHUR対砲レーダーを配備。AH-1とUH-1（とMD500）を更新するKMPを進めており、KUHを2012年に、AH-Xを2015年に量産する予定だった。ただAH-Xの開発が上手くいかず、外国製攻撃ヘリ（UH-60の武装型AH-60、タイガー、AW129、Ka-52など）を2011年までに選定し、2013年から36機配備する計画が出され、結局LAHに移行した。2014年、K2戦車の配備を開始。2017年6月、レイボルト対戦車ミサイルの量産を開始。2021年、米韓ミサイル指針の廃止でアメリカと合意した。参考：月刊軍事研究4,’08、11,’09、1,’10、3,’18、10,’18、月刊PANZER2,’11、8,’13、月刊丸12,’11、月刊航空ファン5,’19、6,’19

　＜韓国陸軍（１９７７年）＞：兵力56万名、予備役110万名。機械化師団１個、歩兵師団19個、機甲旅団２個、特殊旅団５個、防空旅団２個、戦車大隊７個、砲兵大隊30個、地対地ミサイル大隊１個、地対空ミサイル旅団２個からなる。M-60/M-47/M-48戦車880両、M-113/M-577装甲兵員輸送車500両、105mm/155mm/175mm/203mm砲2000門、82mm/107mm迫撃砲3000門、M18対戦車自走砲、57mm/75mm/106mm無反動砲、TOW対戦車ミサイル、LAW軽対戦車兵器、MGR-1オネストジョン地対地ミサイル、40mm高射機関砲、ホーク地対空ミサイル80基、ナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイル40基、KH-4ヘリ５機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜韓国陸軍（１９８９年）＞：兵力550000名。軍３個、軍団７個、機械化歩兵師団２個、野砲兵旅団１個、歩兵師団19個、独立歩兵旅団１個、特殊部隊旅団７個、地対地ミサイル大隊２個、高射砲旅団２個、地対空ミサイル旅団２個、ホーク大隊３個、ナイキ・ハーキュリーズ大隊２個、航空旅団１個からなる。予備役部隊は軍司令部１個、歩兵師団23個からなる。K1戦車200両、M-47戦車350両、M-48A5戦車950両、M-60戦車60両、KIFV歩兵戦闘車200両、M-113装甲兵員輸送車450両、フィアット6614/KM-900/KM-901装甲兵員輸送車400両など装甲兵員輸送車1550両、牽引砲4000門（105mm砲M-101/KH-178、155mm砲M-53/M-114/KH-179、203mm砲M-115）、155mm自走砲M-109A2を100門、175mm自走砲M-107、203mm自走砲M-110、36連装130mm多連装ロケットK136コーリョン140基、迫撃砲5300門（81mm迫撃砲KM-29、107mm迫撃砲M-30）、MGR-1オネストジョン地対地ミサイル12基、TOW対戦車ミサイル、57mm無反動砲、75mm無反動砲、90mm無反動砲M-67、106mm無反動砲M40A2、76mm対戦車砲M-18を８門、90mm自走対戦車砲M-36を50両、20mm地対空バルカン砲60基、35mm高射機関砲GDF-005を20門、60口径／70口径40mm高射機関砲80門、M-1高射機関砲など高射砲600門、ジャベリン地対空ミサイル100基、FIM-43レッドアイ携帯地対空ミサイル、FIM-92スティンガー携帯地対空ミサイル130基、ホーク地対空ミサイル110基、ナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイル200基、O-1A観測機10機、AH-1S攻撃ヘリ48機、ヒューズ500MD武装ヘリ50機、ヒューズ500汎用ヘリ144機、KH-4汎用ヘリ５機、UH-1B汎用ヘリ34機、UH-1H汎用ヘリ120機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜韓国陸軍（１９９０年）＞：兵力65万名。K1戦車250両、M47/M48/M48A5戦車1300両、155mm自走榴弾砲M109A2を100門保有する。参考：月刊軍事研究11,’14

　＜韓国陸軍（１９９５年）＞：兵力54万名。11個軍団からなる。戦車2050両、装甲車2200両、野砲4650門を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜韓国陸軍（１９９６年）＞：兵力56万名。11個軍団からなる。戦車2050両、装甲車2250両、野砲4700門を保有する。参考：月刊軍事研究3,’97

　＜韓国陸軍（２０００年）＞：兵力56万名。K1戦車1000両、M47/M48/M48A5戦車1250両、T-80U戦車80両、BMP-3歩兵戦闘車40両、155mm自走榴弾砲K9を36両、155mm自走榴弾砲M109A2を1040門保有する。参考：月刊軍事研究11,’14

　＜韓国陸軍（２００７年）＞：兵力56万名。K1戦車1000両、M47/M48/M48A5戦車1250両、T-80U戦車80両、BMP-3歩兵戦闘車40両、155mm自走榴弾砲K9を36両、155mm自走榴弾砲M109A2を1042門保有する。航空部隊は陸軍航空作戦軍団と２個航空旅団で、他に第１−第３軍と第１・第５−第７軍団隷下に航空群１個ずつが編成されている。AH-1J攻撃ヘリ９機、AH-1S攻撃ヘリ11機、CH-47D輸送ヘリ20機強、UH-60P汎用ヘリ100機弱、UH-1H汎用ヘリ100機、MD500軽ヘリ（TOW装備可能）280機を保有する。参考：月刊軍事研究11,’14、4,’08

　＜韓国陸軍（２０１２年）＞：兵力506000名。戦車2300両（K1戦車1000両、K1A1戦車484両、M48戦車253両、M48A5K戦車597両、T-80U戦車80両）、装甲車2600両（うちK21歩兵戦闘車250両、BMP-3歩兵戦闘車40両）、火砲11000門（うち155mm自走榴弾砲K9が40両、155mm自走榴弾砲M109A2が1040門）を保有する。参考：月刊軍事研究5,’13、7,’13、11,’14

　＜韓国陸軍（２０１５年）＞：現役兵力495000名。軍司令部２個、群団司令部８個、首都防衛コマンド司令部１個、特殊作戦コマンド１個、特殊作戦旅団７個、機甲旅団５個、機械化歩兵師団（偵察大隊１個、機甲旅団１個、機械化歩兵旅団２個、野戦砲兵旅団１個、工兵大隊１個）６個、歩兵師団（偵察大隊１個、戦車大隊１個、歩兵連隊３個、砲兵連隊１個、工兵大隊１個）16個、独立歩兵旅団２個、空中強襲旅団１個、対浸透作戦旅団３個、陸軍航空コマンド１個、地対地ミサイル大隊３個、防空砲兵旅団１個、防空砲兵大隊５個、工兵旅団６個、工兵グループ５個、CBRN防衛旅団１個、通信旅団８個、兵站支援コマンド４個、保安連隊５個、陸軍予備役司令部１個、予備役歩兵師団24個からなる。K1戦車1000両、K1A1戦車484両、K2戦車４両強、M48戦車253両（＋保管中400両）、M48A5戦車597両、T-80U戦車80両、BMP-3歩兵戦闘車40両、K21歩兵戦闘車330両、Bv206装甲車300両、K200装甲車1700両、M113装甲車420両、M577装甲車140両、BTR-80装甲車20両、KM-900/-901装甲車（フィアット6614）200両、マックスプロ装甲車10両、155mm自走榴弾砲K9を300両、155mm自走榴弾砲M109A2/K55/K55A1を1040両、175mm自走カノン砲M107少数、203mm自走砲M110を13両、105mmm榴弾砲M101/KH-178を1700門、155mm榴弾砲KH-179/M114/M115を1800門強、130mm多連装ロケットK136を156両、227mm多連装ロケットM270MLRSを29両（ATACMS発射能力あり）、239mm多連装ロケットK239チョンム少数、迫撃砲（81mm迫撃砲KM29/M29、107mm迫撃砲M30）6000門、9K115対戦車ミサイル、TOW-2A対戦車ミサイル、57mm/75mm無反動砲、90mm無反動砲M67、106mm無反動砲M40A2、M36駆逐戦車50両、76mm対戦車砲M18を８門、AH-1F/J攻撃ヘリ60機、ヒューイ500D汎用ヘリ130機、MD500汎用ヘリ175機、CH-47D輸送ヘリ31機、MH-47E輸送ヘリ６機、KUH-1汎用ヘリ40機、UH-60P汎用ヘリ87機、ベル205/UH-1Hヘリ100機、Bo-105ヘリ12機、天馬自走地対空ミサイル、FIM-92A携帯地対空ミサイル、ジャベリン携帯地対空ミサイル、ミストラル携帯地対空ミサイル、9K31携帯地対空ミサイル、20mmバルカン砲装備K263A1自走高射機関砲150両、30mm自走高射機関砲K30飛虎20両、20mmバルカン砲M167を60基、35mm高射機関砲GDF-003を20基、40mm高射機関砲（ボフォース60口径・70口径・M1）80門、AN/TPQ-36対砲迫レーダー、AN/TPQ-37対砲レーダー、RASIT対車両・対砲レーダー、玄武�T／�UＡ／�UＢ弾道ミサイル30基、玄武�V対地巡航ミサイル、M9装甲工兵車207両、K1・K288A1・M47戦車回収車200両、M88A1戦車回収車38両、K1戦車橋56両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜韓国陸軍兵士銃乱射事件＞：2005年6月19日0230、DMZに面した第530最前線哨戒所勤務の一等兵が兵舎に手榴弾１個を投げ込んで炸裂させ、K1小銃を乱射して８名を殺害した事件。韓国軍の士気低下を示すもので、中隊長、連隊長、師団長が処分され、第６軍団長も辞任を表明した。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ガン・コズィ＞：イギリス軍のカモフラージュ開発訓練センターCDTCが開発した、牽引砲用カモフラージュネット。暗い色の繊維素材でできており、反射を防ぐ房が付けられた。砲側面はスクリーンでカバーされ、不規則な外形により防楯形状を分かりにくくし、砲員に隠れるスペースを提供している。1943年末頃に開発されて使用された。参考：月刊PANZER11,’99

＜カンゴ・ハンマー＞：SA型発音装置を参照。

＜艦載型空中給油システム＞：MQ-25A（無人機）を参照。

＜艦載機＞：Carrier-borne aircraft。戦艦や巡洋艦などに搭載される水上機・飛行艇のこと。第１次大戦で水上機が活躍したことを受け、これを艦載して艦隊に付随させ、洋上防空・対潜・偵察・観測任務に投入できるようにするという案が生まれたのが始まりである。また、艦船に滑走台を装着して陸上機を発艦させるという別パターンも誕生したが、着艦ができないので、こちらは廃れた。水上機の方も、海面に上げ下ろしする際には母艦が停止していなければならず脆弱なため、本格的に装備されたのはカタパルト誕生後である。第２次大戦初期には活躍したが、特に波の荒い大西洋では揚収に時間が掛かったり、陸上基地の航空機で用が足りたり、発進させる時間が無く単なる甲板上の可燃物になってしまったり、陸上機との性能差が埋めきれなくなったりと次第に欠点を露呈。第２次大戦後に完全に廃れ、ヘリコプターに後を譲ったので、従来の艦上機が艦載機と呼ばれるようになった。参考：月刊世界の艦船4,’12、月刊JWings11,’99、近代巡洋艦史

　＜艦載機（アメリカ）＞：1911年、グレン・カーチスが、水上機を艦の近くに着水させてホイストで回収するデモを実施。これを受け、5月8日にカーチスA-1水上機２機を発注した。1912年、ワシントン海軍工廠でカーチスA-3水上機がカタパルト発進に成功。1915年10月、装甲巡洋艦ACR-12ノースカロライナの艦尾に搭載したカタパルトからカーチスAB-2飛行艇が発艦に成功、更に装甲巡洋艦２隻にカタパルトを取り付けた。しかし当時は水上機の能力に限界があり、1917年にはカタパルトを撤去している。第１次大戦後に航空機が発展し、航空用無線機も搭載するようになると、長距離偵察・観測任務を水上機に任せることを決定、BB-41ミシシッピを皮切りに戦艦の艦尾にカタパルトとデリックを設けるようになった。1923年から竣工したオマハ級軽巡にチャンスボートUO水上偵察機を搭載。1930年頃に改良型のO2Uが登場し、広く搭載された。その後O3U、カーチスOSCを経て太平洋戦争勃発時はチャンスボートOS2Uを主力とした。ミッドウェイ海戦直後からSO3Cが加わっている。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’12、月刊航空ファン6,’19

　＜艦載機（イギリス）＞：1928年、重巡57カンバーランドの煙突後方にカタパルトを設け、フライキャッチャー戦闘機（の双フロート装備型）を運用した。同じ頃、戦艦の後甲板にカタパルトを設置し、フェアリー３水上偵察機を載せ、長距離偵察に使用するようになった。カタパルトと水上機を本格的に配備し始めたのは1931年になってからである。1933年、オスプレイ複座水上機とウォーラス水陸両用飛行艇を採用し、各艦に広く搭載した。ウォーラスは観測、哨戒、爆撃から捜索救難、連絡、輸送まで多目的に使えるため便利で、第２次大戦終戦まで使用され、戦艦や巡洋艦はこれを収容する格納庫を設けている。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’12

　＜艦載機（イタリア）＞：1907年10月、機雷捜索実験のため、防護巡洋艦エルバに係留気球を積んだのが大元で、1911年10月の伊土戦争では飛行船型カイト・バルーンを帆船に積んで弾着観測を行っている。1912年、パテラス・ペスカラ弁護士が海軍省に雷撃機のアイディアを持ち込み、グイドーニ大尉が1914年にパテラス・グイドーニ水上雷撃機を完成させたが、試作に止まった。初期にはカタパルトを前部上甲板に設置し、複葉飛行艇のカント21、カント25、マッキM-71などを使用、1930年からはカタパルト射出に適したピアッジオP-6を搭載している。第２次大戦時にはカタパルトを艦中央に移し、Ro.43水上機やRo.44水上機を搭載した。参考：月刊丸7,’14、近代巡洋艦史

　＜艦載機（ドイツ）＞：再軍備宣言後はHe60を装備し、一部はHe114を搭載した。第２次大戦勃発後はAr196を装備し、終戦まで使用した。参考：近代巡洋艦史

　＜艦載機（日本）＞：大正9年6月22日、水上機母艦若宮の前甲板の滑走台からソッピース3Dパップ戦闘機が自力で発艦に成功。その後、戦艦山城の２番砲塔に10mの滑走台を設け、スパローホークを発艦させることに成功した。大正11年、カタパルトの開発を開始したが、空気式と火薬式のどちらにするかで揉め、取り敢えず滑走台を使って発艦させることにした。大正11年8月、軽巡木曽の艦橋前に滑走台を設置してスパローホークの発艦に成功。大正15年、ハインケル社製水偵を戦艦長門でテストし、複座型の採用が決定した。ただこの頃にカタパルトが完成したため、それに搭載できる一五式水上偵察機の方を量産している。昭和4年、5500トン型軽巡用として、カタパルトの射出に耐えられる金属製骨組みを持つ九〇式一号水偵（ハインケルHD-56）と九〇式二号水偵（チャンスボートO2U-1）が採用され、後者が量産された。昭和5年、呉式二号射出機が実用化され、戦艦と巡洋艦への艦載水偵搭載が本格化した。昭和6年、夜間水偵の研究を開始。飛行艇方式で、軽巡に乗せるため単発で折り畳み主翼を持つ水偵を開発した。昭和7年、長距離偵察用三座水偵を採用することになり、昭和9年に九四式水偵が採用された。昭和10年、九〇式水偵の改良型である九五式水偵を採用し、近距離用に九五式水偵、遠距離用に九四式水偵を使い分けるようになった。夜間水偵としては九六式夜間水偵と九八式水偵が完成したものの、夜間離着水や艦上への収容に難点があり、あまり使われなかった。太平洋戦争時には零式三座水偵と零式水上観測機を偵察距離により使い分けたが、無線の能力不足や連合軍のレーダーの発達により、次第に活躍できなくなった。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船4,’12

　＜艦載機（フランス）＞：第１次大戦後、航空機産業は急速に発展したが、軍艦の方はあまり建造が進まず、さほど際立った艦載機は登場していない。カタパルトが装備され始めた頃にはロアールL-2、FBA-19、FBA-21、CAMS-37が使用され、1935年からはロアール130飛行艇が登場、第２次大戦中まで使用された。参考：近代巡洋艦史

　＜艦載機（ロシア）＞：第２次大戦時はベリエフKOR-1水上偵察機を使用しており、後部煙突と後部マストの間に置いたカタパルトから射出した。参考：近代巡洋艦史

＜艦載救難作業車＞：海上自衛隊の消防車両。ひゅうが型護衛艦やいずも型護衛艦に搭載され、ヘリ発着艦時の事故で火災が発生した際の消火活動を担当する。キャビンはオープントップで、前部に放水ターレットを持ち、車体後部からホースを延ばして消火活動を行う事も可能。全長4.8m、全幅1.8m、全高1.7m、全備重量8.6トン。エンジンは水冷４サイクル直列６気筒ターボチャージド・ディーゼル（240馬力）、トランスミッションはオートマチック（前進１段・後進１段）、最大速度24km。乗員２名（操縦手兼噴射機操作員、ホース操作員）。参考：MAMOR vol.127

＜関西地区補給処＞：陸上自衛隊の地区補給処。1954年7月、陸上自衛隊発足に伴い、保安隊関西地区補給廠から改編されて宇治駐屯地で創設された。11月、桂分屯地に武器・施設補給部が新編された。1955年4月15日、三軒屋弾薬支処が新編された。1960年1月、武器・施設補給部が桂支処に改編された。12月、祝園弾薬支処が新編された。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の災害派遣に参加。1998年3月26日、関西補給処に改編された。参考：宇治駐屯地ホームページ、桂駐屯地ホームページ、月刊軍事研究4,’17

＜艦載艇（海上自衛隊）＞：内火艇、将官艇、揚陸艇、救命艇、カッターなど多種多様な種類がある。搭載艦を代表して行動し、船尾旗竿に自衛艦旗を掲げて搭載艦と同じ礼遇を受ける。指揮官は艇長（階級は海曹）で、将官艇や特別な場合には艇指揮（幹部自衛官）が乗艦する。他のクルーは艇首員と機関員だが、省力化により艇長が機関員を兼ねるようになっている。幹部自衛官が乗船する場合、識別旗を掲げ、腰掛けには短艇敷物を敷く。参考：丸スペシャルNo.77

＜艦載ヘリコプター＞：艦船に搭載されるヘリコプターのこと。垂直離着陸でき、揚収設備や広い飛行甲板が要らずヘリ甲板で済むので、艦載水上機を完全に駆逐した。主任務は対潜戦、対水上戦、水陸両用作戦、人員・要人・急患・貨物輸送など多岐に亘り、早期警戒レーダーを積んで対空戦の一翼を担うこともある。参考：月刊世界の艦船4,’12

　＜艦載ヘリコプター（アメリカ）＞：世界に先駆けて1943年10月に不時着機乗員救助用・連絡用としてR-4ヘリを採用した。1944年9月、観測ヘリとしてR-6を採用。第２次大戦後はベル47を使用した。1953年、HOK-1を採用。同年10月、S-55対潜ヘリを採用。1954年、HSS-1対潜ヘリが登場。1958年、ターボシャフトエンジン装備のHUK-1を採用して巡洋艦などに搭載。1959年3月、HSS-2/SH-3シーキングを採用。4月、UH-2シースプライトを採用。1990年代半ばに対潜用がSH-60B/F、捜索救難用がHH-60Hに交代し、21世紀に入って後継のMH-60R/Sが配備された。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船11,’15

　＜艦載ヘリコプター（イギリス）＞：第２次大戦後期にR-4ヘリを採用し、ホバーフライ�Tと名付けて使用した。1947年、S-51を国産化したドラゴンフライを採用。1949年、S-55を国産化したホワールウインドを採用。1953年、ワスプを採用。1957年、HSS-1を国産化したウェセックスを採用。1970年、SH-3を国産化したシーキングを配備。1977年、艦載型リンクスが配備された。1997年、マーリンHM.1の配備を開始。参考：近代巡洋艦史、世界航空機年鑑2018-2019

　＜艦載ヘリコプター（イタリア）＞：アメリカ機を国産化したAB212とASH-3Dを採用し、AB212の後継としてA109を使用した。参考：近代巡洋艦史

　＜艦載ヘリコプター（フランス）＞：最初に採用したのはSA1221ジンで、本格的に使用したのはSA316アルーエトである。その後はHSS-1などを搭載し、次いで小型のワスプ、中型のSA341ガゼル・リンクス、大型のSA321シュペル・フルロンを併用した。参考：近代巡洋艦史

　＜艦載ヘリコプター（ロシア）＞：Ka-10Mを捜索用としてテストし、その後実用艦隊支援ヘリのKa-15を57bis級カニン型駆逐艦に搭載（1955年に西側が存在確認）した。1957年、Ka-18ホッグを搭載。1961年にはターボシャフトエンジンを装備したKa-20ハープ、1962年にKa-25ホーモーンと進み、その後Ka-27/Ka-32へリックスが登場した。参考：月刊世界の艦船4,’12、近代巡洋艦史

＜艦載ヘリコプターＧＰＩ＞：GPIはグライド・パス・インティケーターの略。艦載ヘリコプター用のミラー着艦誘導装置で、エアロノーティカル・アンド・ジェネラル・インスツルメント社が開発し、IMDEXアジア’97で展示した。三次元安定化マウントに搭載されており、赤と緑の連続光線及びパルス光線を放出する。着艦しようとするヘリコプターパイロットは、緑の連続光線が見える様なコースを取れば良く、緑の点滅を見たら高度を下げ、赤の連続光なら高度を上げる。赤の点滅なら高度が低すぎて危険というサインなので、速やかに上昇する。重量125kg。参考：月刊軍事研究7,’97

＜艦載砲用長射程弾＞：防衛装備庁試作艦砲弾。「遠距離から精密射撃を可能とするための艦載砲用長射程弾技術の研究」という名称で開発した127mm単装砲Mk45Mod4用ロケット・アシスト誘導砲弾である。弾丸部分を従来の弾薬（弾丸＋薬莢）と同じくらいの長さにして後半部をロケット・アシスト装置用スペースとし、弾丸の後ろに装着する薬莢内には新開発の高エネルギー発射薬を詰め込んで初速を向上させ、ロケット・アシストと合わせて射程を100kmくらいに延ばす。また、2007-12年度に技本で研究した高精度火力戦闘システムの弾道修正技術を組み込み、弾丸前後に安定翼や操舵翼などの誘導制御ユニットを内蔵して精密砲撃を可能とする。2016-18年度に試作と実射テストなどを行った。装備化は未定。参考：朝雲、月刊世界の艦船1,’20

＜艦載砲用ロケットアシスト長射程弾技術の研究試作＞：自衛隊の研究試作。川崎重工が受注している。参考：月刊軍事研究11,’18

＜関西補給処＞：陸上自衛隊の補給処。1998年3月26日、関西地区補給処から改編されて宇治駐屯地で創設された。2012年2月10日から3月6日、第３師団・第13・第14旅団増援隊員と共に、伊丹駐屯地でYS61演習で使用した他部隊からの借用品の整備を行った。2018年1月22-25日、平成29年度事態対処兵站訓練を実施。補給部燃料課が今津駐屯地に進出して航空燃料補給点の開設・運営を行い、祝園弾薬支処と三軒屋弾薬支処が第３師団と弾薬交付訓練を行った。これに合わせ、警備課が担任して宇治駐屯地で駐屯地警備訓練を実施。駐屯地警備隊を編成して非常呼集、上番、複哨巡察を演練し、第７施設群第380施設中隊を大久保駐屯地から増援部隊として派遣してもらい、連携訓練を行った。また、駐屯地防護強化のため障害構成小隊を編成し、本部庁舎周囲に鉄条網や防護施設を設営、防御時の指揮手順などを訓練した。2019年9月10-11日、久居駐屯地業務隊に物品管理検査を実施。2021年5月13-21日、フォークリフト操作員養成訓練を実施。隊員20名に京都労働基準協会からフォークリフト運転技能講習修了証が交付された。参考：宇治駐屯地ホームページ、朝雲

　＜関西補給処（２０１５年）＞：トップは関西補給処長。本処（総務部、調達会計部、装備計画部、補給部、整備部、電計課）、桂支処、三軒屋弾薬支処、祝園弾薬支処からなる。参考：宇治駐屯地ホームページ

＜完作戦＞：日本陸軍第28軍が太平洋戦争時に実施した南ビルマ沿岸地域防衛作戦。昭和19年後半に開始されたが、断作戦及び盤作戦が失敗し、昭和20年4月22日に背後のトングーが占領され、5月2日にはラングーンも占領されてしまい、孤立の危機に陥ったため、残存部隊はビルマ東部のモールメン周辺に後退し、作戦は失敗した。参考：激闘！太平洋戦争地上戦

＜カンザスシティー＞：CA-128（重巡）またはLCS-22（沿海戦闘艦）を参照。

＜カンザスシティー工場＞：アメリカの核弾頭生産施設。ミズーリ州カンザスシティーにあり、電子部品など、非核部分の製造を行っている。1949年から稼働した。参考：核兵器事典

＜カンザスの戦い＞：B-29（爆撃機）を参照。

＜カンサン＞：AT-11シリーズ（練習機）を参照。

＜閑山島級＞：韓国海軍練習艦ハンサンド（Hansando）級、計画名ATX。韓国海軍初の専用練習艦で、現代重工が建造した。教室３室、シミュレーション訓練機材、病室、減圧室などを備える。艦橋は２層で、上層が訓練用、下層が航海用。全長142m、基準排水量4500トン。速力24ノット。兵装は76mm単装砲（ステルス砲塔）１門。ヘリ格納庫とヘリ甲板を持ち、ヘリ２機を搭載できる。乗員120名＋士官候補生300名。閑山島が2018年11月16日に進水し、2020年10月20日に竣工、韓国海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船1,’21、2,’21、3,’21

＜ガン・ジープ＞：ジープ（アメリカ陸軍）を参照。

＜監視下士官（日本陸軍）＞：日本陸軍の下士官。面会所で差し入れなどをチェックし、疫病の原因ともなる食物（特に生もの）の持ち込みなど、注意・禁止事項の徹底を図る。ただし情に厚い下士官はそれなりのお目こぼしがある。参考：新兵サンよもやま物語

＜監視カメラ＞：狙撃銃で破壊される恐れがあるため、ダミーをいくつか設置しておく必要がある。参考：月刊軍事研究4,’97

＜乾式ガスマスク＞：ガスマスクを参照。

＜乾式水爆＞：水素爆弾を参照。

＜乾式塗装剥離換気装置＞：自衛隊の機器。パーカーエンジニアリング製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ガンシップ（航空機）＞：Gunship aircraft。対地攻撃用の火砲を多数装備し、射撃指揮装置を搭載した対地支援用航空機。各種弾薬も大量に搭載するため、ペイロードの大きい輸送機を改造することが多い。考案したのはアメリカ空軍のR.W.リティ少佐で、1963年にベトナム戦線を視察した際、長時間にわたり夜間近接航空支援を行える機体を要望されたのがきっかけである。この時、南米の山中でC-47が行っていた、軽貨物を結びつけたロープを吊り下げて旋回すると貨物が空中で静止し、正確な地点に着地させることができるという輸送法をヒントに、機体の片方に武装を集中して旋回しながら集中射撃するという案を思いついた。これに基づいてAC-47が誕生し、更に武装を強化してFCSを組み合わせたAC-130へと発展した。一定高度を定常旋回するため対空火器で反撃を受けた際の生残性は無きに等しいが、夜間悪天候時に正確な近接航空支援を行えるのはこのタイプの機体しか無く、アメリカ軍では配備が続いている。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings10,’09別冊付録

＜ガンシップ（ヘリコプター）＞：ヘリボーン部隊を護衛するための武装ヘリのこと。UTTHCOでベトナム戦争時にテストされ、5-7機により輸送ヘリ20-25機を護衛できることが証明された。しかし装備が重いので速度が低下してしまい、輸送ヘリに付いていくのが難しいため、攻撃ヘリが開発されることになった。参考：兵器最先端５

＜カンジャール＞：P47（クークリ級コルベット）またはP82（アルナラ級フリゲート）を参照。

＜カンジャール作戦＞：不朽の自由作戦でアメリカ第２海兵遠征旅団が2009年7月2日から8月20日に実施したタリバン掃討作戦Operation Kanjar（アフガニスタンのダリー語で剣の一撃の意）。7月2日0100、ナワル・バクラザキ県に１個大隊がヘリボーンし、AH-1W攻撃ヘリの支援を受けてタリバンの拠点を攻撃。7月3日、ガルムシル県に１個大隊がヘリボーンし、AV-8B攻撃機の支援を受けてタリバンの拠点を制圧。7月24日、タリバンの拠点を襲撃して５人を殺害し、IED20発、ケシの種122トン、アヘン33袋、爆薬原料の化学肥料59トンを押収した。8月12-15日、ダハネエ町をタリバンから奪還した。作戦全体でタリバン48-62人を殺害し、海兵隊の損害は14名だった。参考：月刊軍事研究9,’12

＜患者移送装置、陰圧式＞：自衛隊の陰圧式ストレッチャー。ベッドをプラスチック製キャノピーで覆ってあり、内部の気圧を外より低くして、中の空気が外に漏れないようにしている。患者に触れる必要がある際は、頭部付近両側に作り付けられているゴム手袋を使う。換気はHEPAフィルターを通す。機内の気圧変化に対応する装置や内蔵バッテリーを備えているので、飛行機にも積める。長さ2.1m、幅0.7m、高さ0.65m（脚折り畳み時）、重量55kg。対特殊武器衛生隊に配備された。参考：MAMOR vol.147、vol.162

＜感謝状（自衛隊）＞：自衛隊への協力・援助に関し、その功労が著しいと認められる隊員以外の者または団体に対し、功労の程度に応じて、防衛大臣、幕僚長、防衛大学校等の長、地方防衛局長、防衛装備庁長官、駐屯地司令、基地司令、幕僚長の指定する部隊等の長、統合幕僚学校長、防衛装備庁長官の指定する施設等機関の長が贈与する。感謝状には上質な紙を用い、A3またはB4版として金色縁飾りを付け、感謝状の字句、贈られる者の住所氏名または団体の名称及び代表者名、功労の大要、功労を感謝する言葉、贈与年月日、贈与権者の官職・階級・氏名を記載する。感謝状に添えて１件につき一定金額の範囲内で賞金その他の副賞を贈与することが可能。具体的な額は、防衛大臣が１人または１団体につき７万円、幕僚長・防衛大学校等の長・防衛装備庁長官が１人または１団体につき５万円、方面総監・師団長・旅団長・中央即応集団司令官・団長・自衛艦隊司令官・護衛艦隊司令官・航空集団司令官・潜水艦隊司令官・地方総監・教育航空集団司令官・練習艦隊司令官・隊群司令・航空総隊司令官・航空方面隊司令官・航空混成団司令・航空救難団司令・航空戦術教導団司令・航空団司令・航空警戒管制団司令・航空支援集団司令官・第１輸送航空隊司令・航空教育集団司令官・航空開発実験集団司令官・航空教育集団司令官の指揮監督を受ける航空自衛隊の学校の校長・航空自衛隊の補給処の処長・防衛大臣直轄機関の長・統合幕僚学校長・地方防衛局長が１人につき5000円・１団体につき３万円、それ以外の贈与権者が１人につき2000円・１団体につき１万円で、特別の必要がある場合には防衛大臣の承認を得て増額できる。参考：表彰等に関する訓令

＜患者食＞：日本海軍の特殊糧食。昭和6年3月の海軍糧食表改訂で制定された。対象患者により有熱患者食、消化器病患者食、腎患者食、脚気患者食、糖尿患者食、貧血患者食、動脈硬化症患者食、高血圧症患者食、心臓病患者食、肥胖病患者食、結核性疾患患者食などに、食事の形状により粥食、麺麭食、流動食に分類される。昭和10年に改訂され、病状に応じて清涼飲料水350ccが提供されるようになり、嗜好品や栄養品の付加もできるようになった。参考：写真で見る海軍糧食史

＜患者輸送車＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜艦種（海上自衛隊）＞：1954年7月1日の海自発足時には艦船を自衛艦と支援船に区分し、自衛艦として警備艦（甲と乙がある）、警備艇、掃海艦、敷設艦、掃海艇、駆潜艇（甲、乙、丙がある）の種別を設けた。魚雷艇という名称は避けて丙型駆潜艇にしてある。警備隊時代の種別符号と船番号は廃止されたが、貸与・供与艦艇には艦種記号が付いていた。12月1日、自衛艦に敷設艇の種別を制定。1955年1月18日、自衛艦に潜水艦の種別を制定。2月15日、自衛艦に揚陸艇の種別を制定。3月31日、自衛艦に掃海母艇と特務艇の種別を制定。11月1日、自衛艦に魚雷艇の種別を制定。1956年8月、自衛艦全艦種に艦種記号を付与。1957年9月1日、艦種記号を公式に制定し、同型艦が２隻以上ある場合には艦番号を付けた。同型艦が１隻しか無い場合には、この時点では艦番号は付けられなかった。艦と艇の境界は基準排水量900トンとしている。1958年2月21日、自衛艦に哨戒艇の種別を制定。1960年6月30日、自衛艦に掃海母艦の種別を制定。10月1日、自衛艦の区分の下に大分類として警備艦と特務艦を設け、警備艦の下に中分類の機動艦艇、機雷艦艇、哨戒艦艇、揚陸艦艇、特務艦の下に中分類の特務艦艇を定めた。機動艦艇の下には種別として護衛艦（従来の警備艦）と潜水艦、機雷艦艇の下には種別として掃海艦、掃海艇、掃海母艦、掃海母艇、敷設艦、敷設艇、哨戒艦艇の下には種別として駆潜艇、魚雷艇、哨戒艇、揚陸艦艇の下には種別として揚陸艦と揚陸艇、特務艦艇の下には種別として潜水艦救難艦、給油艦、特務艇を設けている。従来の警備艇は特務艦艇の特務艇に移された。1968年3月16日、掃海艦が廃止された。1971年4月1日、中分類の揚陸艦艇が輸送艦艇に改称され、種別の揚陸艦は輸送艦に、揚陸艇は輸送艇に改称された。1974年9月30日、輸送艇が廃止された。1976年5月11日、給油艦が補給艦に改称された。1977年1月12日、敷設艇が廃止された。敷設艦の一部が機雷敷設艦に改称され、残りは特務艦艇の下の敷設艦（種別新設）に分類変更された。1979年4月4日、ゆら型輸送艦の建造に伴い、艦と艇の境界を基準排水量590トンに下げた。7月1日、大分類の特務艦を補助艦、中分類の特務艦艇を補助艦艇に改称し、補助艦艇に試験艦と特務艦の種別を新設した。1990年3月23日、掃海艦の種別が復活した。1996年11月29日、機雷敷設艦が廃止された。1998年3月23日、自衛艦機雷艦艇に掃海管制艇の種別を制定。2020年10月1日、掃海管制艇が廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、12,’20

＜艦種（日本海軍）＞：大元帥天皇陛下の許可（允裁）を経たものが正式の艦種で、給油艦やら給兵艦やら給糧艦やらは全て通称であり、公式には全部運送艦なので注意。明治4年の海軍規則で軍艦の等級の項を設け、出力や乗員数で軍艦を７等級に分類したのが始まりである。明治5年に艦船等級更生の件を発令、運送艦の艦種を加え、こちらは３等級に分けた。明治6年、軍艦・運送船類別標準を制定。戦闘用艦船を軍艦、輸送用艦船を運送船とし、軍艦は乗員170名以上の大艦、65名以上の中艦、それ以下の小艦に分け、更に乗員455名以上の一等、315名以上の二等、170名以上の三等、100名以上の四等、65名以上の五等、40名以上の六等、それ未満の七等と細分、運送船はトン数で等級に分類している。明治21年に水雷艇が初就役したのに伴い、明治23年に海軍艦船籍条例が制定され、第一種（軍艦）、第二種（水雷艇）、第三種、第四種（運送船、曳船、蒸気船）、第五種（倉庫船、荷船、雑船）に類別された。明治24年には水雷艇が排水量別に一等、二等、三等と細分されている。明治29年に海軍艦船条例中の規定が制定され、戦闘用の第一種軍艦、常務用の第二種軍艦、水雷艇、雑役船舟の４種になった。明治31年3月、軍艦及水雷艇類別等級標準が定められ、軍艦の下に戦艦、巡洋艦、海防艦、砲艦、通報艦、水雷母艦、駆逐艇の類別が設けられた。明治33年、艦艇類別標準が制定され、駆逐艇が駆逐艦に改称された。明治38年12月、海軍艦船条例が制定され、軍艦から駆逐艦が独立し、軍艦（戦艦、巡洋艦、海防艦、砲艦、通報艦、水雷母艦）、補助艦艇（駆逐艦、水雷艇、潜水艇）、運送船、病院船、工作船、雑役船舟の分類になった。また、戦艦と巡洋艦は排水量別に一等（7000トン以上）、二等（3500トン以上）、三等（3500トン未満）に細分されている。大正元年8月、艦艇類別標準が改訂され、軍艦に巡洋戦艦が追加された。また、戦艦・巡洋戦艦・巡洋艦の等級が一等（7000トン以上）と二等（7000トン未満）になり、駆逐艦が一等から三等まで、水雷艇が一等と二等に区分された。大正8年、艦船令が改訂され、航空母艦が追加されて潜水艇が潜水艦になった。大正9年4月、艦船令が改訂され、海軍艦船を大分類として艦艇、特務艦艇、雑役船に分け、海軍艦船に含まれない大分類として特設艦艇を設けた。大分類の下には種別を制定し、艦艇には軍艦、駆逐艦、潜水艦、水雷艇、敷設艇、掃海艇、駆潜艇、哨戒艇、特務艦艇には特務艦、特務艇、特設艦艇には特設軍艦、特設特務艇、特設特務艦船を設けている。更にその下には類別を設けて細分しており、軍艦は戦艦、巡洋戦艦、航空母艦、巡洋艦、水上機母艦、水雷母艦、敷設艦、砲艦、海防艦、練習艦、特務艦は工作艦、運送艦、標的艦、練習特務艦、特務艇は敷設特務艇、掃海特務艇、駆潜特務艇、電纜敷設艇、魚雷艇に分けた。一等、二等など等級を持つものもある。大正10年、特務艦に砕氷艦を追加。大正11年、特務艦に測量艦を追加。大正13年12月、艦船令が改訂され、潜水母艦を新設、水雷母艦を廃止した。昭和4年、練習戦艦と練習巡洋艦の艦種を新設し、巡洋戦艦を廃止した。昭和17年、砲艦が軍艦から外れた。参考：月刊丸3,’14、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜干珠＞：日本海軍択捉型海防艦Kanju。昭和18年10月30日竣工、第１海上護衛隊に編入された。11月15日から門司−シンガポールの船団護衛に就いた。昭和19年3月20日、連合艦隊付属に移り、9月まで呉−シンガポールの船団護衛に就いた。昭和20年8月1日から舞鶴−朝鮮の船団護衛に就いた。8月15日、触雷して大破し３名が死亡、更にソ連巡洋艦が接近との報を受け自沈した。参考：月刊丸7,’14

＜贛州＞：620（コルベット）を参照。

＜艦首旗＞：軍艦の艦首旗竿に掲揚される旗、ジャック。1606年、イングランド王兼スコットランド王ジェームス�Y世が両国の船のメインマストに連合旗（ユニオン・ジャック。白地に赤十字のイングランド船旗と青地に白斜め十字のスコットランド船旗を合わせたもの）を掲げるよう命じたが、両国から反発を受けたため、低い位置にある船首に掲揚するよう変更したのが始まりである。船尾には船旗（後の軍艦旗）が掲げられており、船旗よりも格下と見なされる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜艦首旗（海上自衛隊）＞：国旗を掲揚する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜艦首旗（日本海軍）＞：明治3年10月3日の太政官公布第651号、海軍御旗章国旗章並諸旗章で制定された。旗の縦横比は２対３で、日章の中心が旗の中心にあり、日章旗とは微妙に違う。停泊中の0800から日没まで艦首旗竿に掲揚する。参考：続日本海軍よもやま物語

＜艦種記号（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種を識別するアルファベット。警備隊時代の艦種記号は1954年7月1日の海自発足時に一旦廃止されたが、貸供与艦艇には引き続き付けられていて、1956年8月に自衛艦全艦種に対して艦種記号を付与し、1957年9月1日に公式制定した。この時定められたのは警備艦DD/DE/PF、警備艇LSSL、魚雷艇PT、駆潜艇PC、潜水艦SS、掃海艦GP、敷設艦ARC、敷設艇AMC、掃海母艇MST、掃海艇MSC/MSI/GP/MSA/WT/MSB、揚陸艇LSM/LCU/LCM、特務艇ASS/AST/ASR/ASH/ASMである。DDの一部は末尾にＡ（対空・多用途）／Ｃ後にＧ（防空ミサイル艦）／Ｈ（対潜ヘリ３機以上搭載）／Ｋ（対潜）を付与して主任務を示す。複数の艦艇がある場合には艦番号も付けた。1958年2月21日、哨戒艇PBを制定。1959年、掃海艇WTを廃止。1960年、海上自衛隊の使用する船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令が定められ、艦種記号の規定が設けられた。1960年6月30日、掃海母艦MSTを制定。10月1日、揚陸艦LST、給油艦AO、特務救難艇ATRを新設。ASRを特務救難艇から潜水艦救難艦の艦種記号に、LSSLを警備艇から警備艇改造ドローン母艇の艦種記号に変更。特務輸送艇ASSを廃止。全艦種記号に艦番号の付与基準が定められ、同一艦種記号の艦が１隻でも艦番号が付くようになった。1965年3月18日、砕氷艦AGBを新設。1968年3月16日、練習艦TV、訓練支援艦ATS、海洋観測艦AGSを新設。掃海艦GP、掃海艇GP/MSA/MSI、特務艇AST/LSSLを廃止。1970年、警備艦PFを廃止。2018年4月3日、FFMが新設された。2020年10月1日、掃海管制艇MCLが廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’19、12,'20、MAMOR vol.123

＜慣熟訓練＞：艦に慣れるための訓練のこと。参考：月刊世界の艦船12,’22

＜緩衝器＞：フル・オートマチック式の銃の機関部後部にあり、後退してくるスライドの余計なエネルギーを吸収する部品。参考：GUN用語事典

＜艦上機＞：空母に搭載して運用される航空機のこと。機種によって艦上戦闘機、艦上攻撃機、艦上爆撃機、艦上偵察機などに分かれる。艦上空中早期警戒機や艦上対潜哨戒機あたりは名前が長いので、艦上を省くことも多い。飛行甲板、格納庫、エレベーターのサイズ及び能力や、発着艦の都合などから、大きさ、重量、翼面荷重などに制限を受ける。狭い飛行甲板で発着艦できるSTOL能力が要求されるので、主翼面積は大きくなり（複葉機の時代も長く続いた）、ジェット機より推進力の応答が良く発艦に有利なプロペラ機も使われ続けている。発着艦時の衝撃に耐えられる機体・脚構造や、ランチ・バーにアレスティング・フックといった発着艦器材も必要なので、どうしても構造重量がかさむ。格納庫やエレベーターへの収容を考慮して主翼などに折り畳み機構を設けるとますます重くなり、ペイロードが減る。1910年11月14日にアメリカ海軍軽巡洋艦CS-2バーミンガムの特設飛行甲板からカーチス・モデルＤプッシャー複葉機を自力発艦させるのに成功し、1911年1月18日にアメリカ海軍装甲巡洋艦ACR-4ペンシルヴェニアの前甲板滑走台から発艦して後甲板の特設飛行甲板（減速装置として50ポンドの砂袋を両端に付けたロープを甲板上に横並びにした）への着艦にカーチス・モデルＥプッシャー複葉機が成功したのが艦上機の嚆矢である。第１次大戦中の1917年8月2日、イギリス海軍軽巡フューリアスの艦前部滑走台からパップ戦闘機が発艦し、同じ滑走台に機体を横滑りさせて着艦、航行中の軍艦への発着艦に世界で初めて成功した。この頃は陸上機の改造型が使用されていたが、ソッピースが空母運用専門のカックー艦上雷撃機を開発して艦上機の歴史が始まっている。空母からの発艦は、1922年10月17日にボート製VE-7複葉戦闘機がCV-1ラングレーから発艦したのが世界初である。第２次大戦後に艦載機（艦載水上機）が廃れると、艦上機も艦載機と呼ばれるようになったが、細かい類別で呼称する際は相変わらず艦上戦闘機や艦上攻撃機などということが多い。参考：月刊JWings2,’13、11,’99、月刊世界の艦船11,’15、3,’21

＜艦上救難員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の機関科員。ヘリ発着艦事故が起きた際にパイロットを救出し消火を行うのが主任務で、発着艦時には航空用耐火服を着て準備する。参考：MAMOR vol.148

＜干渉形フィルタ＞：追尾フィルタを参照。

＜漢翔航空工業股份有限公司＞：AIDCを参照。

＜艦上攻撃機＞：艦攻と略す。敵水上艦への航空魚雷による雷撃を主任務とする艦上機のこと。航空魚雷が廃れると、核攻撃や航空攻撃任務一般に使用される艦上機がこう呼ばれるようになった。ちなみに対潜魚雷や短魚雷を主兵装にするものは艦上攻撃機でなく（艦上）対潜（哨戒）機と呼ばれる。マルチロール艦上戦闘機の登場で任務を奪われ消滅した。参考：月刊世界の艦船11,’15、9,’13増刊

＜艦上攻撃機（アメリカ海軍）＞：型式名称TB（Torpedo-Bomber）で、1936年1月にTBDデバステーター、1940年4月にTBFアヴェンジャーを制式化して太平洋戦争を迎え、戦時中にTBY-2（1944年末量産開始）を配備した。太平洋戦争も半ばに差し掛かると、戦局の推移から雷撃する機会が減って水平爆撃ばかり行うようになったため、艦上爆撃機と共通化して搭載数を減らす（その分は大型化してきた艦上戦闘機に回す）ことになり、新たな型式名称BT（Bobmer-Torpedo）を制定、BTD-1デストロイヤー（1944年6月から量産）、XBT2D-1/ADスカイレイダー（1946年11月就役）、XBTM-1/AM-1モウラー（1948年配備）を制式化した。太平洋戦争終結後、核攻撃能力を持つことが課題となり、４トン近い原爆を搭載できるAJサヴェージ重攻撃機の開発を開始した。それまでの繋ぎとして、P2V-3Cを港で空母に積んで発艦させ、陸上基地に着陸させるという苦肉の策を弄している。AJ-1実用化後は純ジェット機のA3Dスカイウォーリアを開発し、1953年に配備。しかし軽攻撃機の開発が後回しにされてしまい、朝鮮戦争でもレシプロのADスカイレイダーが飛び回り、F4U、FJフューリー、F9Fといった艦上戦闘機を艦攻の任務に回す始末だった。朝鮮戦争終結後はMiG-15に対抗できる艦上戦闘機の開発が優先され、軽攻撃機は更に後回しにされかかったが、ダグラス社がA-4攻撃機を提案して1956年から配備された。その後は軽・中・重の三本立てで運用し、A-5重攻撃機（1961年配備）、A-6中攻撃機（1963年配備）、A-7軽攻撃機（1966年配備）を開発。核爆弾の小型化が進むと重攻撃機の必要性が薄れて消滅した。冷戦終結でA-6/A-7の後継となるA-12が開発中止となり、F/A-18戦闘攻撃機に任務を統合、純粋な艦攻全体が消滅している。全通飛行甲板を持つ強襲揚陸艦用にAV-8ハリアーVTOL攻撃機（1970年配備）を装備しており、こちらの後継はF-35B戦闘機になった。参考：月刊世界の艦船11,’15、2,'22、世界の傑作機No.3、月刊航空ファン7,’99、月刊軍事研究10,’15

＜艦上攻撃機（イギリス海軍）＞：1936年、複葉のソードフィッシュが就役。次いでアルバコアを開発した。1943年に漸く単葉化してバラクーダを採用している。アメリカからはTBFアヴェンジャーの供与を受けた。第２次大戦終結後はシミター（1957年実用化）やバッカニア（1962年7月就役）を開発。正規空母廃止でバッカニアを空軍に移管し、1981年に就役したシー・ハリアーが艦上固定翼機の任務を一手に引き受ける事になった。参考：月刊世界の艦船3,'21、11,’15

＜艦上攻撃機（日本海軍）＞：日本海軍の攻撃機分類の１つで、魚雷による雷撃を主任務とする艦上機のこと。大正10年にカックーとスイフトを輸入。大正11年に十年式艦上雷撃機／一〇式艦上攻撃機を制式化したが、三葉機で大柄すぎて艦上運用に難があり、少数生産に止まった。その反省を元に、複葉の一三式艦攻を大正14年に制式化し、空母での運用に成功。昭和7年、八九式艦攻を制式化したが実用性に欠け、昭和8年8月に一三式艦攻を改良した九二式艦攻を制式化。しかし稼働率が低く、昭和11年11月に九六式艦攻を採用したがこちらも性能不足で、昭和12年11月に九七式艦上攻撃機を採用した。洋上の漸減作戦で敵主力艦の数を減らすのが主任務であり、第１航空戦隊空母赤城・加賀にのみ搭載し、敵空母を相手にする第２航空戦隊には艦爆しか積まないという案まで出されたが、さすがに机上の空論ということで、全艦隊型空母に艦戦・艦爆と共にバランス良く積んでいる。後継の天山は太平洋戦争直前の昭和16年3月14日に初飛行したが、制式化は昭和18年8月にずれこみ、アメリカ海軍TBF艦攻を上回る高性能を活かすこと無く終戦を迎えた。参考：月刊世界の艦船3,'21、9,’13増刊、11,’15、11,'21、日本航空母艦史

＜艦上攻撃機（フランス海軍）＞：自国開発のシュペル・エタンダールが1974年10月に初飛行して配備された。魚雷の代わりに対艦ミサイルを搭載する。後継はマルチロール艦上戦闘機のラファールＭで、艦攻専用の機体は無くなった。参考：月刊世界の艦船11,’15、3,’21

＜干渉合成開口レーダー＞：合成開口レーダーの一種Interferometric Synthetic Aperture Radar、略称InSAR。正確にはクロストラック干渉合成開口レーダー（Cross-Track InSAR、CT-InSAR）である。同じ観測領域を複数回撮影して複数の複素画像を取得し、干渉データ（複素インタフェログラムと称する）を生成、これに基づいて地表高度DEM（Digital Elevation Model）や地殻変動による高度変化を計測する。ＸバンドやＣバンドよりＬバンドの方が良質な複素インタフェログラムを取得できる。衛星に搭載する場合、大気中の水蒸気によるマイクロ波遅延の影響を受けやすいので注意。参考：レーダの基礎

　＜ＰＳＩｎＳＡＲ＞：Permanent / Persistent Scatterer InSARの略。差分干渉SARの１つで、数十セットの時系列合成開口レーダー・データを集め、後方散乱の大きい点状散乱体をピックアップして干渉位相を計測し、大気中の水蒸気によるマイクロ波遅延の影響を排除する。都市など強い散乱体が多数存在する場所で使用できる方法で、年間数ミリメートルの地殻変動でも観測が可能。参考：レーダの基礎

　＜アロングトラック干渉合成開口レーダー＞：AT-InSAR（Along-Track InSAR）と略す。プラットフォーム１基のアジマス方向に複数のアンテナを設置して複素インタフェログラムを取得するものである。インタフェログラムの位相には目標のスラントレンジ方向の速度成分が含まれているので、移動物を検出したり、海流の流速を測るのに使用される。航空機ではアンテナ間隔が数十センチメートルで済むが、衛星では数十メートル離さなければならないので、合成開口レーダー衛星２基をタンデム飛行させる手法を検討中。参考：レーダの基礎

　＜差分干渉ＳＡＲ＞：DInSAR（Differential InSAR）と略す。マルチパスInSARにより地震や火山活動などの地殻変動による僅かな高度変化を捉える手法である。同一軌道を２回通過できれば干渉位相から高度変化を直接算出できるが、実際には完全に同一の軌道で撮影するのは難しいので、高度が変化する前の２セットのデータや既存の地表高度などから平面位相と地形位相を算出し、変化前後の干渉位相との差分を取って変位位相を算出する。高度変化が大きいと複素インタフェログラムの質が悪くなるので、氷河観測などには向かない。参考：レーダの基礎

　＜シングルパスＩｎＳＡＲ＞：１つのプラットフォームにアンテナ２基を搭載し、１回の通過で２セットの複素画像を得るもの。ペイロードに余裕がある航空機で可能な方法である。参考：レーダの基礎

　＜マルチパスＩｎＳＡＲ＞：リピートパスInSARともいう。１つのプラットフォームにアンテナ１基を搭載し、異なる軌道を通過させて同じ場所を撮影、複数の複素画像を得るもの。衛星はペイロードに余裕が無くアンテナを１基しか積めないので、この方法を採る。撮影間に時間差が生じるので、その間に観測対象が動くと複素インタフェログラムの質が悪くなる。森林など体積散乱を生じる観測対象でも同じ現象が生じるので注意。参考：レーダの基礎

＜緩衝効率＞：Shock absorbed efficiency。ショック・アブソーバーの性能を表す係数で、ηと表す。地面反力Ｆに対してショック・アブソーバーがＳだけストロークして沈下速度をゼロにした場合、仕事量ＷはＦとＳとηの積になる。仕事量Ｗを一定にした場合、地面反力Ｆを減らそうとすればストローク量Ｓか緩衝効率ηを増やす必要があるが、ストローク量を増やすとショック・アブソーバー自身やそれをセットする脚支柱が長くなってしまい、大きさや重量といった問題が生じるので、ショック・アブソーバーの仕組みを改良して緩衝効率を増やすのが好ましい。ゴム紐の引っ張り、ゴム環の圧縮、板バネの曲げ変位を使用する方式では50-60%、オレオ式では70-90%、油の圧縮性を使用するリキッドスプリング式では90%以上の緩衝効率を得られる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜干渉抗力＞：Interference drag。空力干渉により増加する抗力のこと。胴体と主翼が近接する主翼取り付け部などに発生するので、フィレットやフェアリングにより整形するなどして解決する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜緩衝支柱＞：Shock Strut。脚支柱に緩衝装置を組み込んだもの。参考：航空用語事典増補改訂版

＜艦上戦闘機＞：艦上機の一種で、空母で運用される戦闘機のこと。攻撃任務は艦爆や艦攻が担っていたので、任務は迎撃・制空戦闘機に近いが、マルチロールファイターの出現で攻撃任務にも就くようになった。洋上侵攻作戦では攻撃機の護衛にあたるため、航続性能が重視される。参考：アメリカジェット戦闘機

　＜艦上戦闘機（アメリカ海軍）＞：1922年10月17日、VE-7複葉戦闘機が世界初の空母発艦を記録。複葉のF6C-1、FB-1/-3、F11C、F2B、F4B（1929年6月引き渡し開始）、FF-1（1933年引き渡し開始）、F2F（1935年1月引き渡し開始）、F3B、F3F（1936年配備）に続き、F2A（1939年から試験運用）から単葉化し、F4F（1939年8月採用）、F4U（1944年12月空母運用開始）、F6F（1942年10月量産型初飛行）、F8F（1945年2月量産開始）を開発した。太平洋戦争勃発時は正規空母に18機積んでいたが、ミッドウェイ海戦では27機、ガダルカナル戦では36機、1944年の夜間戦闘機部隊追加で40機に増えた。その分艦爆や艦攻の定数が減り、打撃力低下が懸念されたため、直進性が高く命中率が良く、特別な爆撃訓練や急降下機動が要らない５インチ（127mm）ロケット弾を艦戦に積んで駆逐艦以下の艦艇や地上目標攻撃に割り当てている。これにより1944年10月には艦戦定数が50機を突破、1945年2月には72機も積んで特攻機に対抗した。太平洋戦争終結後はジェット化が進み、FD-1ファントム（1945年1月初飛行）、FJフューリー（1946年9月初飛行）、F6Uパイレート（1946年10月初飛行）、F2Hバンシー（1947年1月初飛行）、F9Fパンサー（1947年11月初飛行）、F3Dスカイナイト（1948年3月初飛行）、F7Uカットラス（1948年9月初飛行）を開発、F4Dスカイレイ（1951年1月初飛行）で音速を超え、F3Hデモン（1951年8月初飛行）、F11Fタイガー（1954年7月初飛行）が続いたが、性能が不十分なものも多く、試行錯誤の中で機種だけやたらと多くなっている。その後、超音速飛行・空対空ミサイル運用能力を持つF-8（1955年3月初飛行）と、全天候能力を加えたF-4（1958年5月初飛行）に統一されてベトナム戦争を戦った。これらの後継として艦隊防空専用のF-14を開発し、1972年から配備。また、多任務に使えるF/A-18艦上戦闘攻撃機も就役した。冷戦終結後は単一任務のF-14が退役し、F/A-18がマルチロール艦上戦闘機として戦術航空任務を全て担っている。後継としてF-35Cを配備し、2021年8月に初の実戦航海に出撃した。参考：月刊世界の艦船3,'21、2,'22、11,’15、6,’16、月刊軍事研究10,’15、月刊JWings3,’21

　＜艦上戦闘機（イギリス海軍）＞：ニムロッド複葉艦戦、シー・グラディエーター複葉艦戦を開発した。1940年代に漸く単葉化し、フルマー（1940年引き渡し開始）、シー・ハリケーン（1941年就役）、シーファイア（1942年採用）、ファイアフライ（1943年配備）を採用。フルマーとファイアフライには洋上航法のため航法士が乗っていた。第２次大戦中にアメリカからマートレット（F4F）、コルセア（F4U）、ヘルキャット（F6F）の供与を受けている。第２次大戦終戦後にシーフューリーが完成し、その後はジェット化してDH100シー・バンパイア（1948年就役）、アタッカー（1951年就役）、シーホーク（1953年配備）、シーヴェノム（1954年就役）、シミター（1957年実用化）、DH110シーヴィクセン（1959年就役）などが登場した。1968年、国防費削減の一環として国産開発でなくアメリカから輸入のファントムFG.1を導入。正規空母廃止でシー・ハリアー（1978年配備）が艦上固定翼機の任務を一手に引き受ける事になった。シー・ハリアーの後継としてF-35Bを採用している。参考：月刊世界の艦船11,’15、2,'22、月刊JWings5,’21

　＜艦上戦闘機（中国海軍）＞：空母16遼寧用に殲撃15型シリーズを開発した。002型空母向けの本格的な艦戦として殲撃31型を開発中とみられる。参考：月刊世界の艦船3,’21、2,’22

　＜艦上戦闘機（日本海軍）＞：甲戦ともいう。主任務は艦隊決戦の戦場上空で制空権を確保することである。大正9年6月、水上機母艦若宮からパップ戦闘機が発艦した。その後、複葉の十年式艦上戦闘機（大正12年11月22日制式化）、三式艦上戦闘機（昭和7年運用開始）、九〇式艦上戦闘機（昭和7年4月制式化）、七試艦上戦闘機、九五式艦上戦闘機（昭和10年1月制式化）を開発。九六式艦上戦闘機（昭和11年11月19日採用）で低翼単葉機となり、引き込み脚と密閉コクピットを備えた零式艦上戦闘機（昭和15年7月24日制式化）が続いた。零戦後継機は開発が遅れて太平洋戦争末期に烈風が完成したが、量産前に終戦を迎えている。太平洋戦争開戦時には正規空母に18-21機を積んでいたが、ミッドウェイ海戦後に定数を増やした。それに伴い、艦爆や艦攻の定数が圧迫され、打撃力不足が懸念されたため、零戦を250kg爆弾を積めるよう改造し、爆戦として配置している。しかし爆撃をメインに据えたため、乗員は艦爆パイロットが多く、艦隊防空能力は低下している。参考：月刊世界の艦船3,'21、9,’13増刊、6,’16、11,’15

　＜艦上戦闘機（フランス海軍）＞：クレマンソー級空母建造に合わせて自国開発のエタンダール�WＭ（1958年初飛行）を実用化した。ただ艦攻に近い性格だったため、1964年からF-8E(FN)を配備している。後継のマルチロール戦闘機としてラファールＭが2000年から就役した。参考：月刊世界の艦船11,’15、3,'21、世界の傑作機No.1

　＜艦上戦闘機（ロシア海軍）＞：キエフ級用としてYak-38を1976年に就役させたが能力不足で、Yak-141はソ連崩壊で開発中止になった。アドミラル・クズネツォフ用としてSu-33を1998年に制式化し、後継としてMiG-29Kを実用化、マルチロール機として多様な任務を行えるようにしている。ただしスキージャンプ発艦なので運用に制限も多い。参考：月刊世界の艦船11,’15

＜緩衝装置＞：ショック・アブソーバーを参照。

＜艦上偵察機＞：偵察を主任務とする艦上機のこと。初期には陸上機の観測機を流用し、その後は乗員が複数いる艦爆や艦攻が兼任、敵地に侵入しての偵察は艦戦にカメラや偵察ポッドを積んで済ませた。偵察専用機は日本海軍の二式艦上偵察機と彩雲、アメリカ海軍のRA-3A/BとRA-5Cくらいである。参考：月刊世界の艦船11,’15

　＜艦上偵察機（日本海軍）＞：艦偵と略す。運用に必要なのは少数機なので、実任務は艦爆や艦攻で代用しており、大正12年に十年式艦上偵察機を制式化したが主に陸上で訓練に使われた。海軍機実用試験を担当していた横須賀海軍航空隊にも部隊は無く、艦偵操縦員の育成コースも作らず、艦爆・艦攻パイロットが実戦部隊で艦偵の飛び方を習って出撃していた。ちなみに偵察員の方は横浜海軍航空隊に偵察練習生のコースがある。昭和12年9月に九七式艦上偵察機が採用されたが、九七式艦攻で代用できたので２機しか作られなかった。太平洋戦争勃発で九九式艦爆や九七式艦攻を艦偵として使用したが、足が遅く敵戦闘機に見つかるとすぐ撃ち落とされるため、彗星ベースの二式艦上偵察機を開発した。昭和18年4月15日、偵察機を主力とする基地航空隊の第151航空隊が新編された。定数は艦偵16機＋輸送機２機だったが、二式艦偵の配備が遅れたので、一〇〇式司令部偵察機二型次いで二式陸上偵察機を装備し、6月7日から二式艦偵での偵察を実施している。7月、横須賀海軍航空隊に偵察隊が新編された。昭和19年9月、彩雲が制式化された。参考：月刊航空ファン6,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜艦上爆撃機＞：艦爆と略す。急降下爆撃を主任務とする艦上機のこと。艦上攻撃機との任務共通化と、急降下爆撃が廃れたため、消滅した。参考：月刊世界の艦船11,’15

＜艦上爆撃機（アメリカ海軍）＞：主任務は敵主力艦隊の前衛である巡洋艦や空母の戦闘能力を奪うことであり、遅延秒時0.01秒という信管を付けた汎用爆弾を搭載して命中率の高い急降下爆撃を実施した。空母自体や、敵主力艦の撃沈という任務には重点を置いていなかったので、雷撃が行える艦上攻撃機よりも命中率が期待できる艦爆の方を多く積んだ。初期にはマーチンBMやBT-1を採用。その後、型式名称としてSB（Scout-Bomber）が定められ、SB2Uヴィンディケイター（1936年10月量産開始）、SBCヘルダイバー（1937年7月配備）、SBDドーントレス（1939年4月制式化）、SBN-1（1940年量産開始）、SB2Cヘルダイバー（1943年11月実戦参加）を開発した。1944年になって漸く徹甲爆弾を開発し、0.25秒の遅延信管を付けて使用している。太平洋戦争も半ばを過ぎると、新開発の艦上機がおしなべて大型化し、空母の搭載機数が減少するという問題が発生、解決のために艦上雷撃機と共通化して数を減らすことになり、艦上攻撃機BT（Bomber-Torpedo）に統一されて消滅した。参考：月刊世界の艦船3,'21、日本海軍の爆弾、月刊航空ファン7,’99

＜艦上爆撃機（イギリス海軍）＞：1937年、スクアを開発。第２次大戦開戦後、イギリスで初めて単葉艦上機として設計されたSB2Aバッカニアが就役。アメリカからはドーントレスの供与を受けたが、主に訓練用に使用している。その後は艦上攻撃機に任務を吸収された。参考：月刊世界の艦船3,'21、11,’15

＜艦上爆撃機（日本海軍）＞：急降下爆撃用の艦上機のこと。空母蒼龍の建造時に、敵空母の飛行甲板を破壊して機能を喪失させる任務を担う機体として構想された。航空戦力は仮想敵（アメリカ）より数の上では劣勢と想定され、事前に敵迎撃戦闘機を撃滅しておくことは難しく、敵防空網を強行突破して爆撃をかける必要があり、高速性能や空戦性能も要求されている。昭和12年の艦船飛行機搭載標準では艦爆はほぼ敵飛行甲板撃破専用機としての扱いで、艦隊決戦において敵空母を使用不能にするのを主任務とする第２航空戦隊空母蒼龍・飛龍に搭載し、第１航空戦隊の方には載せないという方針まで出されたが、さすがに机上の空論ということで全艦隊型空母に艦戦・艦攻と共にバランス良く搭載した。その後、艦攻と同時攻撃をかけて打撃力を高めると共に迎撃も難しくするという構想が生まれ、敵艦を撃沈できるよう、遅延秒時0.2秒の丙信管を取り付けて艦底部で炸裂するようにした通常爆弾を装備し、貫通力を高めるため爆弾をロケットで加速させる四号爆弾まで開発している。当初は特殊爆撃機という名称で開発されたが六試と七試が失敗作となり、初の実用艦爆は昭和9年12月に制式化された九四式艦爆となった。十分な高速性能を発揮できる艦爆は当時の日本の技術では開発が難しく、十試艦上軽爆撃機としてドイツに発注したが、ドイツ再軍備の時期と被ってしまいキャンセルされている。代わりに九四式艦爆のエンジンを強化した九六式艦爆を昭和11年11月に採用し、本格的な高速艦爆は十三試艦爆（後の彗星）として開発、複葉旧式の九六式艦爆と完成に時間が掛かる十三試艦爆の繋ぎとして昭和14年12月16日に単葉の九九式艦爆を制式採用した。太平洋戦争勃発後に彗星の量産に入ったが、不調が続き、繋ぎ役の九九式艦爆を戦争後期まで生産して使い続けている。ミッドウェイ海戦で正規空母４隻を失うと、空技廠長が小型空母に載せて敵空母への先制急降下爆撃のみに使用する高速遠距離艦上爆撃機の案を出した。太平洋戦争末期に艦攻の機能も持つ流星を開発したが、本格量産前に終戦を迎えた。参考：日本海軍の爆弾、図解日本の空母、月刊丸2,’12別冊付録、4,’13、3,’18別冊、月刊世界の艦船11,’15、9,’13増刊、10,’21

＜艦上ローリング垂直着艦＞：SRVLを参照。

＜監視用モニタ装置＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究3,’13

＜カンジン＞：562（掃海艇）を参照。

＜ガンスヴォールト＞：DD-608（駆逐艦）を参照。

＜ガンストン・ホール＞：LSD-5（揚陸艦）を参照。

＜ガンストン・ホール＞：LSD-44（揚陸艦）を参照。

＜ガン・スミス＞：銃の修理・改造・製作をする人のこと。ピストル・スミス、ライフル・スミスなどと細分化することもある。参考：GUN用語事典

＜ガンスリンガー＞：USSOCOMが2009年に要求した、MC-130シリーズ用兵器システム。キャビン内にロールオン・ロールオフ方式で積み降ろしでき、GBU-44/BバイパーストライクやグリフィンＡといったスタンドオフ誘導兵器を10発以上連続発射できる。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ガンスリンガーズ＞：VFA-105（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ガン・スレイブ方式＞：砲隷属方式。誘導照準方式FCSの１つで、照準潜望鏡のミラーの向きに主砲軸線が追随するもの。照準潜望鏡で目標を捉え、砲隷属ボタンを押せば、自動的に主砲照準線がオン・ターゲットとなる。照準潜望鏡に安定化装置を組み込んでおけば、走行間射撃も可能。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜慣性基準装置＞：IRSを参照。

＜慣性基準装置＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜管制気象隊＞：陸上自衛隊の気象部隊。航空隊に対する気象支援が主任務で、飛行場だけでなく野外での観測も実施する。隊員教育は航空自衛隊で行われる。防衛大臣直轄の中央管制気象隊と方面航空隊隷下の方面管制気象隊があり、担当地域が広い第15ヘリコプター隊には管制気象班が編成されている。参考：MAMOR vol.161、朝雲

＜管制教育団＞：航空自衛隊の教育部隊。1958年10月1日、松島基地で新編された。1959年11月、小牧基地に移動した。1962年10月、第５術科学校に改編された。参考：月刊航空ファン1,’15、小牧基地ホームページ

＜管制機雷＞：機雷を参照。

＜慣性計測ユニット＞：IMUを参照。

＜慣性撃針＞：撃針を参照。

＜慣性航法装置＞：INSを参照。

＜甘井子丸＞：日本海軍輸送船Kanseishi maru。元は昭和4年4月20日に竣工した大連汽船貨物船で、太平洋戦争勃発当初は船舶運営会の輸送を行い、昭和19年3月に徴用された。垂線間長113.08m、幅15.54m、深さ8.84m、吃水7.23m、総トン数4804トン、重量トン数7130トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2320馬力、航海速力10ノット、最大速力13.5ノット。昭和19年6月15日、父島から横浜に向かう途中、父島北北西150海里でSS-193ソードフィッシュの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’19

＜管制装置用ヘッドセット＞：自衛隊の機器。明星電気製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜管制隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の航空交通管制部隊。航空保安管制群の隷下にあり、各航空基地に置かれていて、航空管制官が航空管制業務を行う管制班、器材整備を行う整備班、事務関連事項を行う総括班からなる。他基地に派遣される移動管制隊もあり、千歳・府中・春日・那覇管制隊は飛行管理隊と同じく飛行管理中枢業務も行っている。参考：月刊JWings4,’16、5,’19

＜慣性誘導方式＞：３次元方向の加速度を積分して速度と移動距離を割り出す慣性航法装置INSにより自身の位置を把握し、飛翔コースを修正して命中させる誘導方式。装置そのものを破壊する以外に外部からの妨害手段は無い。INSにドリフトがあるせいで飛翔距離が長くなるほど誤差が大きくなるという欠点があり、これしか積んでいないSM-62スナーク巡航ミサイルは精度不良で廃制に追い込まれた。トマホーク巡航ミサイルではTERCOMと併用して解決しており、他にも天測や衛星航法などを併用して精度を保つ。目標の位置を予め入力しておく必要があり、動目標に対しては別の終末誘導装置と組み合わせて使う。参考：月刊JWings12,’03、月刊軍事研究7,’99、月刊世界の艦船3,’05、11,’17

＜慣性利用式＞：ブローバック式を参照。

＜関節式装軌車両＞：装軌車両２両をフレキシブルジョイントで繋いだもので、不整地踏破能力が高い。地形の複雑なスウェーデンでBv206、フィンランドでNA-140が開発され、イギリスでBvS10とウォートホッグが採用された。参考：月刊軍事研究4,’97

＜間接照準＞：射手が障害物などで目標を直視できない時に、前進観測班や観測所などに目標位置や弾着修正を無線などで指示してもらって照準すること。無煙火薬の発達と長射程化で大砲を隠蔽陣地から射撃する必要が生じたため、この方式が発達した。大砲だけでなく、口径7.62mm以上の機関銃でも数キロメートル先に間接照準で銃弾の雨を降らせる事ができる。最初は方向盤、磁針儀、測板、測距器などにより射撃諸元を測定していたが、不正確であり、第１次大戦では同一座標系で味方陣地と目標の座標と標高を測定し、方向角、射角、射距離を決定するようになった。このため精密測量器材が導入され、目標位置測定を目的とした地上標定機、音源標定機、砲隊鏡などが開発され、標桿やコリメーターを使用した射撃法や、着弾偏差を求めて最小限の試射で正確な射撃を行う射撃法（夾叉射撃や転移射など）も開発された。コンピュータの発達やGPSなど精密衛星航法の登場で、射撃諸元測定の手間が更に軽減されており、敵を見つけたらタッチパネルの地図に指を触れるだけで遙か後方の砲兵部隊が砲弾を叩き込んでくれる。参考：大砲入門、コンバット・バイブル２、月刊軍事研究1,’16、1,’17、MAMOR vol.146

＜間接防御＞：装甲を破られて艦内に損傷を受けた場合に、その被害を局限するための手段。缶室を分離したり、シフト配置にしたり、機関室の両側に缶室を置いて動力の一挙喪失を防止したり、主砲を3-4連装にして砲塔数を少なくし誘爆の危険性を低くしたり、細分水密区画を採用して各種装備を分散配置したりする。参考：近代戦艦史

＜艦船（海上自衛隊）＞：自衛艦と支援船に分かれる。法令が定める書類、防衛大臣が定める書類、船舶記録（船籍、所属、種別、主要要目、船長階級氏名、改造、主な修理、検査、試験、行動、機雷・爆発性危険物の除去処理、主な訓練などを記載）、航泊日誌（業務、乗員の異動、気象海象などを毎日記載）、機関日誌（主機、補機、ボイラーの検査運転などに関する事項を毎日記載）、来歴簿（船体、機関、武器、通信機器、それらの付属装置につき、改造、修理、検査、試験などに関する事項を記載）を船内に備えなければならない。防衛省令で定めるところにより、国が所有する船舶は国籍を証明する書類、それ以外の船舶は海上自衛隊が使用するものであることを証明する書類を備える。ただし支援船は海上幕僚長の定める規定に従い、航泊日誌、機関日誌、来歴簿を所属部隊または機関の陸上施設内に置くことができる。船舶法、船舶安全法、船舶のトン数の測度に関する法律、小型船舶の登録等に関する法律、船舶職員及び小型船舶操縦者法の規定は適用されないが、船舶安全法第28条のうち危険及び気象の通報その他船舶航行上の危険防止に関する部分は適用される。堪航性と人命の安全を確保するため必要な技術上の基準、配員の基準は防衛大臣が定める。海上自衛隊に工廠は無く、自前で艦船を作れないので、民間造船所に発注して建造してもらう。計画や設計は技術研究本部・調達実施部門または防衛装備庁（2015年以降）の担当だが、こちらも規模が小さく全てを設計するのは無理なので、労務借り上げまたは技術支援役務（2015年以降）という名称で民間技術陣の協力を得ている。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、5,'21、海上自衛隊の使用する船舶に備える書類に関する訓令、自衛隊法

＜艦船（日本海軍）＞：日本海軍固有の艦船を指す。本籍は鎮守府で、艦隊などに編入されてもそのままである。現役かどうかなどで在役艦船、予備艦船、未成艦船（建造中の艦船）に分けられ、任務により艦艇、特務艦艇、雑役船に分かれる。海軍艦艇一般総称としての「軍艦」と同じで、軍艦の特権が適応される。参考：小艦艇入門、帝国陸海軍事典、続海軍よもやま物語

＜緩旋回＞：装軌車両が前進しながら旋回すること。旋回したい方の履帯の回転速度を反対側より遅くする。ただし旋回時には履帯と地面との間で凄まじい摩擦が発生するので、履帯にブレーキを掛けるだけだと旋回途中で止まってしまうことがあり、アクセルを踏み込むか、旋回側の起動輪に供給する動力を反対側の起動輪に回す動力再生式操向装置を仕込んでおく。参考：戦車の戦う技術

＜完全貫通＞：砲弾が装甲を突き抜けることで、貫徹に同じ。突き抜けなくても、めり込んで内部装甲が剥離し、内部を損傷させた場合は完全貫通に定義することもある。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜完全機力方式＞：航空機の操縦方式の１つ。操縦桿やペダルの動きをワイヤーやロッドでパワー・アクチュエーターに伝え、舵をアクチュエーターで動かすもので、操縦桿やペダルと舵は直結されていない。舵の重さがパイロットには直接伝わらないため、操縦桿やペダルを動かしすぎないよう、人工感覚装置が取り付けられている。この操縦装置とパワー・アクチュエーターの間のワイヤーやロッドを電気信号に置き換えたのがフライ・バイ・ワイヤである。参考：月刊JWings9,’10

＜完全自動デジタルエンジン制御＞：FADECを参照。

＜完全弾薬筒＞：日本陸軍用語で、薬莢式弾薬のことである。参考：日本陸軍兵器資料集

＜完全統合戦術システム＞：FITSを参照。

＜艦船搭載用魚雷調整要具及び試験器１２型＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜艦船搭載用魚雷調整用具及び試験器９７型＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜艦船搭載用魚雷調整要具及び試験器９７型改＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜艦船補給処＞：海上自衛隊の機関、略称SSD（Ship Supply Depot）。横須賀基地田浦地区にある。海自艦艇の各種部品調達・保管・修理などを行い、第一線部隊の艦艇運航や作戦行動を支えるのが主任務で、予備機の整備も担当する。1998年12月8日、補給本部隷下に新編された。2001年10月1日、管理部に契約課と原価計算課を新設した。2008年4月1日、補給管理課に需品班を新設した。2011年4月1日、技術管理課を廃止し、需品課を新設、補給管理課を改編した。2013年10月11日、アメリカ海軍横須賀基地で日米スポーツ交歓会を実施。艦船補給処、補給本部、航空補給処、航空補給処下総支処、アメリカ海軍横須賀艦隊補給センター、国防流通廠日本国横須賀支部が参加した。参考：艦船補給所ホームページ、朝雲、海上自衛隊補給本部ホームページ、月刊世界の艦船11,’18

　＜艦船補給処（２０１５年）＞：補給本部隷下で、横須賀基地田浦地区に置かれている。処長、副処長、管理部（総務課、会計課、契約課、原価計算課、原価監査官）、計画部（企画課、補給管理課、需品課、情報処理課）、艦船部（艦船補給課、艦船整備課）、武器部（武器補給課、武器整備課）、保管部（保管課、利材課、輸送課）からなる。参考：艦船補給所ホームページ、月刊航空ファン4,’16

＜艦船用交流発電機＞：自衛隊の機器。東芝三菱電機産業システム製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜艦船用ソノブイ信号処理用付加装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜完全流体＞：Perfect Fluid。粘性が無いと仮定した流体のことで、理想流体（Ideal fluid）ともいう。粘性を考慮すると取り扱いが面倒なので、どうしても考慮する必要がある境界層などの場合を除き、こちらを使って流体力学を研究したりする。実際の現象にも合致することが多い。参考：航空用語事典増補改訂版

＜カンソ＞：PBY海外シリーズ（飛行艇）を参照。

＜乾燥剤（ミサイル警報装置用）＞：自衛隊の機器。研電が受注している。参考：月刊軍事研究10,’18

＜乾燥単板式クラッチ＞：クラッチを参照。

＜乾燥バナナ＞：十五試水上戦闘機を参照。

＜ガンソート＞：UAE海軍ファラジ２型ミサイル艇１番艇Ganthoot。2013年1月8日竣工、UAE海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船4,’13

＜観測機＞：Observation aircraft。地上部隊に随伴して情報を収集したり、着弾観測を行ったりする航空機。必要な時にすぐ飛び立てるよう、小型STOL機を使用する事が多く、不整地からSTOLできる能力を活かして負傷者後送MEDEVACや特殊部隊輸送にも投入されたりする。対空火器、地対空ミサイル、ヘリコプターの発達で、偵察ヘリコプターに後を譲った。参考：月刊JWings3,’15、3,’20、空軍

＜観測鏡＞：日本陸軍の偵察用光学視察装置のうち、単眼のもの。参考：日本陸軍兵器資料集

＜観測哨＞：戦闘前哨を参照。

＜観測ヘリコプター＞：偵察ヘリコプターを参照。

＜観測ヘリコプター用戦術支援システム＞：陸上自衛隊のOH-1用C4Iシステム。2002年から開発が進められ、2005年に評価試験を終了した。OH-1のスタブウイングにカマボコ状データリンクポッドを搭載するなどし、地上指揮所やAH-64Dとの情報共有、陸上戦闘の戦術判断支援を可能とする。ECCM能力に優れるデータリンク能力を持ち、ヘルメットバイザーへの情報表示装置なども用意されている。参考：月刊JWings8,’05、8,’11

＜観測用小気球＞：日本陸軍の観測用気球。容積300立方メートル、最大高度500m。乗員１名。ノモンハン事件で実戦投入された。参考：大砲入門

＜観測用磁力計３型改１型＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜観測用測位装置２型＞：自衛隊の測位装置。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究9,’08

＜観測用望遠鏡＞：自衛隊の機器。興和が受注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ガンダー＞：四式特殊輸送滑空機シリーズを参照。

＜艦隊＞：Fleet。海軍の戦略単位。参考：軍事用語の基礎知識

　＜艦隊（アメリカ海軍）＞：水上艦や潜水艦だけでなく、航空部隊もFleetと呼ばれる。配備される艦船などは固定されている訳では無く、任務に応じて必要な練度に達した艦が担当海域に入って隷下に組み込まれる。主任務はSSBNなどによる戦略抑止、CSG/CVWとトマホークによるパワー・プロジェクション、海兵隊展開、広域海洋監視、対潜戦、潜水艦戦、BMD、特殊作戦、洋上作戦支援、基地機能維持、共同演習による同盟国との友好確立など。戦闘序列は艦隊、任務部隊（Task Force）、任務群（Task Group）である。1907年、太平洋艦隊を新編。1922年12月6日、太平洋艦隊と大西洋艦隊を廃止・統合して合衆国艦隊を新編した。1941年2月1日、合衆国艦隊を廃止して太平洋艦隊と大西洋艦隊に分け、アジア艦隊を新編した。1945年10月10日、合衆国艦隊司令部が廃止された。参考：月刊世界の艦船3,’12、月刊軍事研究9,’12、帝国海軍太平洋作戦史�T

　＜艦隊（中国海軍）＞：トップの艦隊司令員／政治委員は中将が充てられ、所属大軍区の副司令員／副軍事委員を兼ねる。隷下には作戦部隊として支隊（駆逐艦支隊、潜水艦支隊、高速艇支隊、揚陸艦支隊、…）、艦隊航空兵（航空師団、独立航空団、レーダー旅団）、海軍陸戦隊、基地組織として保障基地（Support base）、核潜艇基地（原潜基地）が置かれ、保障基地はフリゲート大隊、駆潜艇大隊、哨戒艇大隊などを配備する水警区や巡防区、沿岸防衛ミサイル大隊などを隷下に収める。参考：月刊軍事研究2,’15

＜艦隊（日本海軍）＞：軍艦２隻以上または軍艦と駆逐隊・潜水隊・掃海隊を編成したもの。必要に応じ、駆逐隊、潜水隊、砲艦隊、海防隊、輸送隊、水雷隊、掃海隊、駆潜隊、航空隊、駆逐艦、潜水艦、砲艦、海防艦、輸送艦、水雷艇、掃海艇、駆潜艇、敷設艇、哨戒艇を編入する。また、港務部、防備隊、航空隊、特務艦など必要な機関を付属することもあり、必要に応じて戦隊に区分した。トップは艦隊司令長官で、天皇直属だが、軍政は海軍大臣の指揮下にある。明治3年6月1日（旧暦）の普仏戦争勃発を受け、7月28日（旧暦。新暦では8月24日）に局外中立を宣言すると共に、初めて艦隊（小艦隊。軍艦1-3隻からなる）を編成し、交易場と沿岸の警備を行った。横浜港と東海海岸を担当する小艦隊は東、甲鉄、乾行（指揮は東の艦長）、兵庫港と南海海岸は春日、富士山、摂津（指揮は春日の艦長）、長崎港と西海海岸は龍驤、電流、延年（指揮は龍驤の艦長）、函館港は日進、品海予備は第二丁卯、千代田形である。明治4年10月28日、海軍概則で軍艦12隻からなる大艦隊（指揮は大将または中将）、８隻からなる中艦隊（指揮は中将または少将）、４隻からなる小艦隊（指揮は大佐または中佐）を規定した。明治5年5月18日、中艦隊を新編した。明治15年10月12日、中艦隊を再編した。明治17年10月1日、艦隊編制例を制定し、連合艦隊の編成を規定した。明治18年（17年？）12月28日、中艦隊を解隊し、常備小艦隊を編成した。明治22年7月23日、艦隊条例を制定し、最新鋭艦からなる常備艦隊を規定。7月29日、常備小艦隊を改編して常備艦隊を初めて編成。明治27年7月13日、警備艦隊を編成。7月19日、警備艦隊を西海艦隊に改称し、常備艦隊と共に連合艦隊を編成した。日清戦争終結後の明治28年11月15日に西海艦隊が解隊されて常備艦隊のみとなった。明治32-36年、各鎮守府に鎮守府艦隊が設置された。明治36年12月28日、日露関係悪化により第１・第２・第３のナンバー艦隊を新編。明治38年1月13日、艦隊条例改正で艦隊に潜水艇隊を付属させることが可能となった。6月14日、第４艦隊を新編した。12月20日、艦隊編制及任務が定められ、第３・第４艦隊が解隊され、南清艦隊と練習艦隊が新編された。明治40年2月17日、アメリカ入植300周年記念行事に参加する遣外艦隊を編成。明治41年10月17-25日、グレート・ホワイト・フリート接遇にあたる接伴艦隊を編成した。12月24日、南清艦隊を第３艦隊に改編した。大正3年12月1日、艦隊条例が廃止され、艦隊令が施行された。また、艦隊編制及任務を艦隊平時編制に改訂した。戦時編制は平時編制に鎮守府・要港部部隊と出師準備計画発動による増備部隊を加えたものである。大正4年12月の艦隊平時編制は、第１艦隊、第２艦隊、第３艦隊、練習艦隊だった。大正6年2月7日、第１次大戦に際して第１・第２特務艦隊を新編。4月13日、第３特務艦隊を新編。12月12日、第３特務艦隊が解隊された。大正7年2月26日、遣支艦隊が新編された。大正8年7月20日、第２特務艦隊が解隊された。8月9日、第１特務艦隊が解隊された。遣支艦隊が第１遣外艦隊に改編され、第２遣外艦隊が新編されて艦隊平時編制に加わった。大正9年（大正11年？）12月1日、第２遣外艦隊が解隊された。大正11年12月1日、第３艦隊が解隊された。大正13年12月、艦隊令改正で連合艦隊を事実上常設することにした。昭和2年5月16日、第２遣外艦隊が再編された。昭和7年2月2日、第３艦隊が再編された。昭和8年4月20日、第２遣外艦隊が解隊された。5月20日、艦隊平時編制が改訂され、連合艦隊が制度上も常設化された。第１遣外艦隊が解隊された。昭和12年10月20日、第３艦隊から戦力を抽出して第４艦隊を新編し、この２個艦隊で支那方面艦隊を編成した。昭和13年2月1日、第５艦隊が新編された。昭和14年11月15日、第３艦隊が第１遣支艦隊、第４艦隊が第３遣支艦隊、第５艦隊が第２遣外艦隊に改編され、第４艦隊が新編された。昭和15年11月15日、第６艦隊が新編された。昭和16年1月15日、第11航空艦隊が新編された。4月10日、第１航空艦隊と第３艦隊が新編された。7月25日、第５艦隊が新編された。7月31日、南遣艦隊が新編された。昭和17年1月3日、南遣艦隊が第１南遣艦隊に改編され、第３南遣艦隊が新編された。3月10日、第３艦隊が第２南遣艦隊に改編された。4月10日、南西方面艦隊が新編され、第３遣支艦隊が解隊された。7月14日、第８艦隊が新編され、第１航空艦隊が第３艦隊に改編された。12月24日、南東方面艦隊が新編された。昭和18年8月5日、北東方面艦隊が新編された。8月20日、第１遣支艦隊が解隊された。11月15日、第９艦隊が新編された。11月30日、第４南遣艦隊が新編された。昭和19年2月25日、第１艦隊が解隊された。3月1日、第１機動艦隊が新編された。3月4日、中部太平洋方面艦隊が新編された。7月10日、第９艦隊が解隊された。7月18日、中部太平洋方面艦隊が解隊された。11月15日、第１機動艦隊と第３艦隊が解隊された。12月5日、北東方面艦隊が解隊された。12月10日、第１護衛艦隊が新編された。昭和20年2月5日、第10方面艦隊が新編され、第５艦隊が解隊された。3月10日、第４南遣艦隊が解隊された。4月10日、第７艦隊が新編された。4月20日、第２艦隊が解隊された。参考：軍事用語の基礎知識、日本海軍艦隊総覧、帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船9,’13増刊、12,’14

＜艦対艦ミサイル＞：Surfice to Surfice MissileまたはShip to Ship Missile、SSMと略す。水上艦から発射する対水上艦ミサイルのこと。1950年代末にソ連で実用化され、大口径艦砲を駆逐した。西側は比較的短射程（射程200km以内）で亜音速のシースキマーが主流で、東側は長射程大威力の大型超音速ミサイルと比較的短射程のミサイルを搭載艦の大きさによって載せ分け、ハイダイブまたはシースキマーとして運用している。P-15ミサイルによるエイラート撃沈で威力が証明され、イスラエルはガブリエルを開発して対抗、他の西側諸国もエグゾセやハープーンなどを開発した。エグゾセはフォークランド紛争やスターク誤射で威力を発揮し、ハープーンはリビアの警備艇などを沈めている。イージス・システムを初めとする艦隊防空・個艦防空システムの発達で艦への到達が難しくなり、超高速でこれを突破できる極超音速艦対艦兵器や対艦弾道ミサイルを各国で開発中。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、11,’21、月刊丸3,’90

＜艦対艦ミサイル艦上装置２形（ＳＳＭＳ−２Ｂ−２）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜艦対艦ミサイル艦上装置３型＞：海上自衛隊の水上艦用艦対艦ミサイル運用装置、別名SSMS-3。17式艦対艦ミサイル対応で、まや型イージス護衛艦２番艦DDG-180はぐろから搭載予定である。参考：月刊世界の艦船1,’19

＜艦対空ミサイル＞：SAM（Surfice to Air MissileまたはShip to Air Missile）と略す。水上艦から発射する対空ミサイルで、エリアディフェンス用の長射程ミサイル、ポイントディフェンス用の中−短射程ミサイル、近接防空（ASMD）用の短射程ミサイルがある。発射母艦の速度は経空脅威と比較すると遅いので、ブースター・ロケットで所要の速度に一気に加速した後、サステナー・ロケットや巡航エンジンに切り換える。基本的に目標は艦に向かってくるので、速度性能は目標の追尾というよりは迎撃時間短縮や機動のためのエネルギー確保といった意味合いである。有効射程はシステムの誘導能力に左右される面が大きく、最大射程は迎撃範囲というより機動に振り向けられる余剰エネルギーを示している。発射機は初期には単装や連装だったが、経空脅威の飽和攻撃に対応するため、多連装発射機やVLSが主流になった。小型艦では携帯式地対空ミサイルを簡易式旋回発射機に装着して済ますこともある。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’15増刊、5,’86、8,’82増刊、11,’21

＜艦隊決戦＞：攻撃空母を持たず、兵力の量及び質がほぼ同じ艦隊同士が、洋上で相手艦隊の撃滅を狙って海戦を行うこと。普通は主力艦隊同士の対決を指す。戦力漸減や戦果拡大のために潜水艦を投入することもある。太平洋戦争前には空母と艦上機の発達で制空権無しでの艦隊展開が不可能であることが認識されてきており、主力艦隊決戦の前哨戦である空母艦隊決戦に負けた方は主力艦隊を引っ込める方向に進んでいたため、太平洋戦争で主力艦隊同士の対決は起きる筈も無かった。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、4,’17

＜艦隊決戦主義＞：大規模艦隊同士の艦隊決戦により戦争の帰趨を決められるという考え方のこと。日露戦争の日本海海戦で実現されたが、以降はジュットランド海戦など大規模艦隊同士の戦闘はあっても、敵艦隊撃滅から戦争終結に至るような戦闘は起きなかった。参考：月刊軍事研究9,’15

＜艦隊航空偵察飛行隊＞：VQを参照。

＜艦隊指揮センター＞：アメリカ海軍指揮支援システムNCSSを構成する指揮管制システム、略称FCC（Fleet Command Center）。各種情報をほぼリアルタイムで受信し、処理解析統合を行い、表示・評価すると共に、必要な情報を必要な時に洋上の指揮官や上級司令部に送付し、情報・通信・補給の各システムを的確に制御し、関係部隊との有効な連係を図る。大西洋艦隊司令部、太平洋艦隊司令部、欧州海軍部隊司令部に設置された。参考：日本の防衛戦力Part3

＜艦隊情報群＞：海上自衛隊の部隊。情報業務群を拡大改編したもので、電磁波情報をはじめとする情報収集・分析機能を強化するため定員を30名増やし、部隊を船越に集約して業務を効率化した。2020年10月1日、自衛艦隊隷下に横須賀基地船越地区の海上作戦センターで新編された。参考：月刊世界の艦船12,’20、朝雲

　＜艦隊情報群（２０２０年１０月１日新編時）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀基地に置かれている。定員230名。作戦情報隊と電磁情報隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜艦隊潜水艦＞：潜水艦を参照。

＜艦対潜ミサイル＞：Surface to Underwater(Subsurface) Missile、SUMと略す。ホーミング対潜魚雷／短魚雷にロケットと誘導装置を取り付けたもので、空中を飛翔することにより攻撃にかかる時間を短縮し、遠距離投射を可能とする。魚雷の方に終末誘導装置が付いているので、ミサイル用の誘導装置は慣性誘導のみといった単純なもので済む（何なら付けなくてもいい）が、衛星航法や双方向データリンクを組み合わせたものもある。西側ではアスロック、アイカラ、マラフォン、ミラス、07式垂直発射魚雷投射ロケット、K-ASROCなどが開発された。ソ連ではSUW-N-1や60RUシリーズ、中国はCY-1、CY-2、CY-3、CY-4、CY-5を採用している。参考：月刊丸3,’90、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’17

＜艦隊総軍＞：United States Fleet Forces Command、FLTFORCOM。アメリカ太平洋艦隊と大西洋艦隊の上級司令部で、2006年にアメリカ統合戦力軍USJFCOM隷下に創設された。司令部はバージニア州ノーフォークで、大西洋艦隊司令部と同じ所にあり、司令官も大西洋艦隊との兼務である。主任務は軍政で、各艦隊に適切な練度の部隊を供給する。2011年、アメリカ統合戦力軍が廃止されたため、アメリカ北方軍の隷下に移った。その後も一応は太平洋艦隊の上級司令部ということになっているが、実際には並列になっている上、戦略原潜を擁するためかアメリカ戦略軍の隷下にもなっており、指揮系統が分かりづらいと批判されている。2018年8月24日、隷下に第２艦隊が新編された。参考：月刊軍事研究1,’13、5,’13、月刊世界の艦船11,’18

　＜艦隊総軍（２０１２年）＞：隷下に第20任務部隊司令部（訓練・演習担当）、大西洋海軍水上部隊、海軍航空部隊、潜水艦部隊、海軍遠征戦闘コマンドを置く。参考：月刊軍事研究1,’13

　＜艦隊総軍（２０１４年）＞：アメリカ北方軍USNORTHCOM隷下で、フォース・プロバイダーとして隷下部隊の即応性を確保し前方展開させ、フォース・ユーザーとして戦争を遂行する。平時には艦隊総軍司令官の指揮の下で海上作戦センターが即応性確保に必要な訓練を施し、十分な訓練を経た部隊を海上司令部（TF80）が前方展開させているが、有事には艦隊総軍司令官が北方軍海上部隊司令官となり、海上司令部は東部海上部隊エレメントという任務部隊（TF180）になって戦争に投入される。また、太平洋艦隊から西部海上部隊エレメントという任務部隊が増派されることもある。機能別任務部隊はTF-80（海上司令部。統合作戦時にはTF-180に改称）、TF-83（大西洋軍事海上輸送コマンド）、TF-84（潜水艦隊司令部）、TF-85（海軍機雷・対潜作戦コマンド）、TF-86（海軍遠征戦闘コマンド）、TF-87（哨戒・偵察群）、TF-89（第２打撃群。人道支援・災害派遣担当）、TF-883（艦隊総軍司令官直轄の第２潜水艦群、第10潜水艦群、第４艦隊、軍事海上輸送コマンド部隊など。統合作戦時にはTF-183と改称）である。TF-80の隷下には任務群（Task Groups）としてTG-80.1（大西洋打撃群訓練部隊）、TG-80.2（第２空母打撃群／CVN-77空母打撃群）、TG-80.3（第８空母打撃群／CVN-69空母打撃群）、TG-80.4（第10空母打撃群／CVN-75空母打撃群）、TG-80.5（第12空母打撃群／CVN-71空母打撃群）、TG-80.6（海軍遠征戦闘コマンド実動部隊）、TG-80.8（第14駆逐隊）、TG-80.9（第２打撃群実動部隊）、TG-80.11（大西洋艦隊航空部隊）が編成されている。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜艦隊即応飛行隊＞：FRSを参照。

＜艦隊転換訓練飛行隊＞：FRSを参照。

＜艦隊入港＞：日本海軍用語で、爪楊枝のこと。入港後の上陸では妻への用事を真っ先にこなすので、妻用事が爪楊枝に転じた。食後に上官が艦隊入港と言ったら、サッと爪楊枝を差し出す。参考：海軍よもやま物語

＜艦隊のマセラティ＞：スキップジャック級（原潜）を参照。

＜艦隊兵站多任務飛行隊＞：VRMを参照。

＜艦隊防空＞：艦艇部隊が所定の任務を遂行するため、敵の空からの脅威に対して戦力を保全することで、対空戦AAW（Anti-Air Warfare）ともいう。陸上部隊の支援を受けて防空を行うこともあるが、艦艇の行動範囲が制限されてしまうので、艦艇部隊のみで自己完結するのが理想である。ESMや対空捜索レーダーなど各種センサーが敵機やミサイルを探知し、敵味方識別装置で識別、三次元レーダーなどが目標座標を正確に測定し、その情報を追尾レーダーなどに送って目標を追尾、これらの情報を射撃指揮装置のコンピュータが処理して適切な対処法を選択し、ミサイル、艦砲、CIWS、ECM、デコイなどで対処する。多数の経空脅威が同時に殺到するので、脅威情報を集約分析処理するCICのような機能も必要で、艦艇間の情報共有を図るため、通信能力やデータリンク能力も要る。１機・１発の撃ち漏らしが被撃沈に繋がるため、単艦で構成するポイント・ディフェンス、防空艦で構成するエリア・ディフェンス、空母艦上機によるエアカバーなどを幾層も組み合わせて縦深防御（Defense in Depth）を行う。確実に目標を探知するため、早期警戒機を飛ばしたり、レーダー・ピケット艦を配置したりする。太平洋戦争緒戦のマレー沖海戦で航空機により航行中の主力艦を撃沈できることが判明すると重要性が一気に増し、空母機動部隊艦上機や特攻への対応で急速に発展、戦後にはミサイルが加わった。アメリカでは3Tミサイルを実用化して大型艦に積み長射程・中射程艦対空ミサイル重層防御としたが、他の西側諸国では駆逐艦クラスが主力だったのでターター艦対空ミサイルしか積めず、それも高価なので一部ミサイル駆逐艦のみの装備に止まり、長らく両用砲や機関砲の時代が続いた。1967年のエイラート撃沈で対艦ミサイルの脅威が認識されると、西側諸国はシースパローなどのポイント・ディフェンス用ミサイルとCIWSを装備した。その後は飽和攻撃対処が課題となり、冷戦終結前後から多数同時対処可能な長射程・中射程艦対空ミサイルによるエリア・ディフェンスと、短射程艦対空ミサイルやCIWSによるポイント・ディフェンスを組み合わせ、艦同士をデータリンクで結んで目標情報を共有、早期発見・遠距離対処に努めるようになっている。冷戦終結で艦上戦闘機のエアカバーが得られるのはほぼアメリカだけになったが、艦艇部隊の数百キロメートル前方で哨戒線を張らねばならないような脅威も無くなり、エアカバーの必要性の方もほぼ消滅してしまった。21世紀に入り、対艦巡航ミサイルの高速化・長射程化、対艦弾道ミサイル脅威の出現により、艦艇部隊から2000km弱の範囲をカバーし、指向性エネルギー兵器を開発する必要性が出てきている。参考：月刊世界の艦船6,’16、2,’87、8,’82増刊、8,’14、4,’18

　＜艦隊防空（アメリカ海軍）＞：太平洋戦争直前はF4F艦上戦闘機によるエアカバー、高角砲によるエリア・ディフェンス、各艦のポイント・ディフェンスを組み合わせており、艦戦への迎撃管制もテストしていた。高角砲装備艦も多かったため、太平洋戦争開戦と共に簡単な防空輪形陣を形成している。太平洋戦争中にCIC、レーダー、レーダー・ピケット艦配備、F4F/F6F艦上戦闘機と迎撃管制無線装置による戦闘空中哨戒CAP、127mm艦砲弾や40mm機関砲弾へのVT信管装着といった改良強化を加え、特攻機による飽和攻撃に対抗した。太平洋戦争終戦後、特攻機のような経空脅威をなるべく遠くで発見して撃ち落とすため、航空機にレーダーを積んだ早期警戒機を実用化し、バンブルビー計画で艦対空ミサイルの開発にも着手した。核兵器で一網打尽にならないよう艦同士の間隔を広げたことと、ジェット化を始めとする航空機の高性能化により、艦砲射撃でのエリア・ディフェンスが困難となったため、1960年頃に3Tミサイルを実用化し、後継はスタンダード艦対空ミサイルで一本化、艦同士をNTDSで繋いで統一射撃指揮を執れるようにした。1967年のエイラート撃沈を受け、シースパロー艦対空ミサイルとファランクスCIWSを急遽開発してポイント・ディフェンスを強化した。1970年代からソ連が長距離対艦ミサイルを装備すると、艦対空ミサイルでのエリア・ディフェンスだけでは防空エリアをカバーしきれなくなり、F-14艦上戦闘機とAIM-54長距離空対空ミサイルを配備し、エアカバー（アウター・ディフェンス・ゾーン）をバリア戦闘空中哨戒とタスクフォース戦闘空中哨戒の２段構えにしてE-2早期警戒機と組み合わせることで機動部隊前方数百海里までカバー、長距離対艦ミサイルを発射される前に発射母機を叩き落とす態勢を整えた。また、多目標同時対処能力を持つイージス・システムを開発し、射程165海里のKh-22空対艦ミサイルを搭載したTu-22M爆撃機による飽和攻撃も防御できるようにした。冷戦終結で経空脅威が減少すると、防空専任のF-14艦上戦闘機を退役させてエアカバーをF/A-18戦闘攻撃機の１段構えとし、空母を中心に、周囲に配置された各艦がポイント・ディフェンス・ゾーン（各艦から距離10km前後）を形成し、その外側に防空艦がエリア・ディフェンス・ゾーン（イージス艦の場合、距離50海里以上）を形成し、その外側に艦上機によるアウター・ディフェンス・ゾーン（空母から100海里以上外側）を張り、３段構えの防御態勢を取るようになった。それと前後して潜水艦の脅威も減ったので空母機動部隊の対潜護衛艦が退役してイージス艦に統一され、空母のポイント・ディフェンス、イージス艦のエリア・ディフェンス、F/A-18によるアウター・ディフェンスの３段構えとした。2002年、水平線以遠エリア・ディフェンスを可能とするCECの搭載を開始。今後はE-2Dを中核とし、空母、イージス艦、F-35C艦上戦闘機を一体として運用することで、エリア・ディフェンスの範囲を水平線以遠まで広げ、アウター・ディフェンスも遙か彼方に延伸するNIFC-CAを装備する。空母機動部隊CSGの防御ゾーンは戦闘機（艦上戦闘機及び陸上戦闘機）による最外側の戦闘機交戦圏FEZ（Fighter Engagement Zone）、戦闘機と長射程艦対空ミサイルによる外周の共同交戦圏JEZ（Joint Engagement Zone）、艦対空ミサイルとCIWSによる最内側のミサイル交戦圏MEZ（Missile Engagement Zone）に分けられ、三重の縦深防御により経空脅威を排除する。参考：月刊世界の艦船6,’16、4,’18、2,’87、月刊丸12,’92

　＜艦隊防空（イギリス海軍）＞：ポイント・ディフェンス、駆逐艦によるエリア・ディフェンス、艦上機によるアウター・ディフェンスの三段構え。冷戦終結後、イタリア・フランスと共同で艦隊防空システムPAAMSを開発した。2014年にインビンシブル級空母が退役して空母とアウター・ディフェンスが無くなり、対潜・対水上戦を主任務とする21型・22型フリゲートを防空艦の45型駆逐艦で守る態勢となった。クイーン・エリザベス級空母の戦力化でF-35B戦闘機によるアウター・ディフェンスが復活する。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜艦隊防空（イタリア海軍）＞：冷戦終結後、イギリス・フランスと共同で艦隊防空システムPAAMSを開発した。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜艦隊防空（海上自衛隊）＞：護衛隊群は各艦によるポイント・ディフェンス・ゾーン及びミサイル護衛艦DDGによるエリア・ディフェンス・ゾーンを形成する。狭義の艦隊防空はエリア・ディフェンス（Area Air Defense）のみを指す。空母の代わりに航空自衛隊のE-2C/D及びE-767がアウター・ディフェンス・ゾーンの哨戒を、戦闘機が防御戦闘を担当するが、戦闘行動半径が短いため、近海でしか十分な防御を受けることができない。航空自衛隊の戦闘機に守ってもらうことは、有事か対領空侵犯措置を根拠にしないと法律上不可能だったが、2009年の北朝鮮テポドン２号発射で空自戦闘機が出動できないという欠点を露呈したため、法律を改正して武器等防護のため戦闘機をスクランブル発進できるようにした。ただ要撃管制は空自が行うので、艦隊防空における空自戦闘機と海自との連携に課題がある。こんごう型イージス護衛艦がBMD改修を受けたが、BMD任務中は対空戦能力が削がれるため、あきづき型護衛艦（２代目）によりこんごう型イージス護衛艦を守る僚艦防空（Limited Area Air Defense）も行うようになった。ただその間はこんごう型によるエリア・ディフェンス能力が無くなるので、一世代前のDDGで限定的なエリア・ディフェンスを行うか、諦めてポイント・ディフェンスに任せるしか無い。その後、あたご型イージス護衛艦２隻とまや型イージス護衛艦２隻の竣工でこの弱点はカバーできるようになった。あたご型は改修でまや型と同様にBMDと対空戦を同時に行えるイージスシステム・ベースライン９を積むので、BMD任務中の艦隊防空能力が強化される。参考：月刊世界の艦船6,’16、2,’87

　＜艦隊防空（中国海軍）＞：創設以来長らく沿岸海軍であり、艦艇はポイント・ディフェンスのみの時代が続いた。1990年代末から外洋海軍への転換を開始し、1999年からロシアのソブレメンヌイ級を導入して比較的長射程の艦対空ミサイルを取得、2004年にシュチル１装備052B型駆逐艦を配備してエリア・ディフェンス能力を得た。空母の建造により、艦上戦闘機によるエアカバーが加わり、空母機動部隊をポイント・ディフェンス、055型／052D型ミサイル駆逐艦によるエリア・ディフェンス、殲撃15型艦上戦闘機によるエアカバーで守ることになる。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜艦隊防空（日本海軍）＞：艦上戦闘機によるエアカバー、高角砲のエリア・ディフェンス、各艦のポイント・ディフェンスを併用する。ただ高角砲装備艦が少なく、エリア・ディフェンスを考慮した防空輪形陣を第１機動艦隊戦策で初めて策定したのは昭和19年3月になってからだった。艦上戦闘機への迎撃管制装置やCICを開発できず、レーダーや射撃指揮装置の性能にも劣り、十分な効果を発揮できなかった。ミッドウェイ海戦後、艦上戦闘機定数は増やしたものの、実際に増載したのは艦爆代用の爆戦で、艦隊防空能力は低下してしまった。太平洋戦争末期にはエアカバーも無くなり、高角砲より対空機銃の増強を優先したため艦隊としての防空能力は一段と低下、坊ノ岬沖海戦では来襲した攻撃機386機のうち撃墜できたのは10機のみだった。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜艦隊防空（フランス海軍）＞：冷戦終結後、イタリア・イギリスと共同で艦隊防空システムPAAMSを開発した。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜艦隊和音＞：日本海軍用語で、通知することあり本艦に注目せよ、の意。参考：歴史群像4,’16

＜カンタス＞：SQR-501（曳航ソナー）を参照。

＜嵌脱式蒸気タービン＞：蒸気タービンを参照。

＜カンダハル＞：F28（駆逐艦）を参照。

＜カンダハル空中強襲作戦＞：アメリカ軍が不朽の自由作戦で実施した作戦。カンダハル郊外にあるタリバンの指揮センター施設を強襲し、ムラ・モハメド・オマル師とその幹部を捕縛または殺害するのが目的である。2001年10月19日深夜、CV-63キティホークから特殊部隊タスクフォース11（デルタ・フォース60名とSAS40名）を乗せたMH-47D/Eヘリ５機が発艦した。一旦パキスタンのダルバンディン基地に着陸して給油などを行った後、指揮センター施設を強襲したが、アル・カイダ最精鋭のアラブ人部隊第55旅団要員による猛烈な抵抗に遭ってオマル師を取り逃がした。更に撤収時にRPGの射撃を受けてデルタ・フォース12名とSAS数名が負傷したが、AC-130の援護射撃により何とか離脱している。タリバン側は破損したMH-47の車輪の映像をテレビに流して撃墜を主張した。参考：月刊軍事研究5,’04

＜カンタブリア＞：A15（補給艦）を参照。

＜カンタブリア級＞：スペイン海軍補給艦Cantabria級。全長174m、満載排水量19813トン。主機はディーゼル、速力21ノット。艦艇用燃料6400トン、航空機用燃料1600トン、各種ドライカーゴなどを搭載できる。ベル212ヘリなら３機、SH-3Dヘリなら２機を収容可能。乗員122名。A15カンタブリアが就役した。参考：月刊軍事研究1,’07、月刊世界の艦船3,’14、12,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

＜カンタベリー＞：F-421（フリゲート）またはL421（多任務艦）を参照。

＜カンタベリー＞：イギリス海軍カンブリアン級軽巡洋艦Canterbury。1916年竣工。1934年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜カンタベリー級＞：ニュージーランド海軍多任務艦Canterbury級。オランダが建造した。揚陸作戦、国際協力活動、医療活動などに使用でき、平時には練習艦となる。民間沿岸用Ro-Ro船ベン・マイ・クリーをベースとして建造費を低減した。南極での行動を考慮し、船体は耐氷構造である。艦前部に大型上構、後部にヘリ甲板を持ち、見た目はドック型揚陸艦だがドック・ウェルは無く、上構後部両舷にLCM（ペイロード50トン）が１隻ずつ搭載されており、LCM収容部後方のデリッククレーン（容量60トン）で降ろして物資を輸送する。他に小型RHIB２隻と11mRHIB２隻を搭載可能。上構中央下部はほぼヘリ格納庫に充てられており、５機を収容可能で、発着スポットはヘリ甲板に２カ所縦に並ぶ。上構後部中央の煙突は微妙に左舷側に寄っている。艦内には広い車両甲板があり、艦尾と右舷にランプウェイを持つ。艦後部両舷にRHIBを１隻ずつ収容するスペースがある。艦内に360名分の居住設備、病室５床、治療室２床、手術室、分析室、遺体安置室を有する。全長131.2m、幅23.4m、吃水5.6m、満載排水量8870-9012トン。主機はCODADE方式（ディーゼルとディーゼル・エレクトリックの併用）、出力4916馬力（1240馬力？）、２軸推進、最大速力19ノット、航続距離6000海里（15ノット）。兵装は25mm単装機関砲１丁、12.7mm機銃２丁。乗員53名。揚陸部隊250名、NZLAV軽装甲車40両またはNZLAV軽装甲車16両＋軽貨物車14両＋その他車両24両、訓練生35名、政府職員４人、SH-2Gヘリ１機＋NH-90ヘリ４機を搭載可能。2007年にL421カンタベリーが就役した。荒海でピッチングした際にプロペラが海上に露出して減速装置に過剰な負荷がかかる、搭載艇が波を被って流されるといった欠点が見つかり、航洋性や外洋行動能力が低いとのことで就役後すぐに改装工事に入り、2013年までに順次改修している。参考：月刊世界の艦船5,’16、11,’14、2,’14、4,’10、6,’09、12,’12、朝雲

＜ガンダム＞：ACIESを参照。

＜ガンタンク＞：87式自走高射機関砲を参照。

＜邯鄲＞：579（054A型フリゲート）を参照。

＜カンチャーズ事件＞：乾岔子事件と書く。昭和12年6月19日、黒竜江の中州にあるカンチャーズ島にソ連軍が上陸し、満州人を退去させた。陸軍中央部は関東軍に対し武力行使を禁じたが、現地の第１師団は１個大隊を派遣、ソ連の砲艦を連隊砲で砲撃し、１隻を撃沈、１隻を撃破した。これによりソ連は撤退している。参考：月刊PANZER1,’90、日本戦車隊戦史

＜カンチャンアーマー＞：アージュン（戦車）を参照。

＜漢中＞：520（コルベット）を参照。

＜艦長＞：艦のトップで、乗員の生命とその家族の幸福、国有財産たる艦に対する全責任を負う。軍艦は所属国の領域の一部という扱いなので、国の代表でもある。平時には常に自艦を鍛え上げ、有事には敵を打倒する。日本海軍及び海上自衛隊では、初代艦長のことを着任艦就役前は艤装員長と呼び、就役後に乗員となる艤装員と共に、艦の最終艤装や公試にあたる。参考：月刊丸4,’07、丸エキストラ版No.71、月刊世界の艦船8,’11増刊、月刊軍事研究9,’13、10,’18

　＜艦長（海上自衛隊）＞：略号はカ。水上艦では幹部中級課程を修了し、科長や副長などを務めて海上訓練指導隊の水上艦艇指揮課程を終える、潜水艦では潜水艦教育訓練隊で教育を受け潜水艦実習幹部となり、科長を務めて潜水艦指揮課程を終えると資格が得られ、部隊の要求で艦長となる。排水量3000トン以上の艦は１等海佐、それ未満の艦は2-3等海佐が着任する。勤務内容は自衛艦乗員服務規則第２章に規定されている。１艦の首脳であり、法令などの定めにより、上級指揮官の命に従って副長以下乗員を指揮統率し、艦務全般を統括し、忠実にその職務を全うする。艦の構造、操縦上の性能、武器・機関等の能力を熟知すると共に活用について常に研究演練し、事に当たっては艦の全能を発揮させる。自艦の最高責任者であり、例え上級者が座乗しても士官室では最上席（マスターズシート）に座り、艦長室を使用させることも無く、艦の指揮は自分で執る。潜水艦の艦長は機関長と副長兼航海長を経験した後に任命されるのが暗黙の了解で、狭い吹き曝しの艦橋に何時間も立って操艦指揮を執ることもあり、30歳代でないと体力的に無理らしい。当直士官との交代に備え、当直勤務に際して必要な命令や注意事項を艦橋命令簿に記載しておく。自艦が遭難して救護の方策が尽きた場合は、乗員の生命を救助し、重要な書類や物品などを保護した後、最後に退艦する。2013年3月22日、初の女性艦長が練習艦TV-3513しまゆきとTV-3518せとゆきに配置された。参考：MAMOR vol.139、自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船8,’11増刊、6,'22、歴史群像6,’14、月刊航空ファン10,'15、日本の防衛戦力Part3

　＜艦長（日本海軍）＞：略号はカ。軍艦では概ね大佐が充てられ、艦名を附して大和艦長などと呼ばれる。それ以外の艦艇の艦長は正確には駆逐艦や潜水艦の長であり、階級も少佐や中佐で、綾波駆逐艦長や伊号第四〇一潜水艦長などと呼ばれ、軍艦の艦長にあたるのは隊司令である。潜水艦長は概ね事業服に使い潰した軍帽と艦内靴を履いている。潜水艦に艦長室を設けるスペースは無いので、士官室の両側にある２段ベッドにカーテンを引いて寝るが、士官室の真ん中は通路になっているので、艦が揺れた拍子にそこを通っている兵がよろけて潜水艦長に手をついてしまうこともある。艦が沈没する場合には艦に残らねばならないという規則はどこにも書いていないが、マレー沖海戦でイギリス東洋艦隊フィリップス提督が参謀の静止を振り切って旗艦53プリンス・オブ・ウェールズと共に沈んだというエピソード（ただしイギリス海軍にも艦長が艦と運命を共にしなければならないという規則は無い）にいたく感銘を受けたらしく、太平洋戦争中には艦と運命を共にする艦長が続出、総員退艦を確認して最後に自ら退艦した艦長が予備役送りにされる事態も発生したが、貴重な人材の浪費になってしまった。参考：月刊丸3,’14、潜水艦気質よもやま物語、歴史群像6,’14、日本の防衛戦力Part3

＜間諜（日本陸軍）＞：使用には細心の注意が必要で、こちらの知りたい点は間諜に明示するが、その情報を集める目的については絶対に知らせてはならない。間諜に与える任務はなるべく単一にし、同一目的のためにそれぞれ任務を与えた２名以上を別々に派遣してもよい。敵方から味方の間諜がやってきたら、何も尋問せず派遣した司令部などにそのまま向かわせる。敵の間諜であると疑われる者も、同様に扱う。作戦地では住民が意想外の信号、無線通信、鳩などによって間諜行為を行うことがあるので、細心の注意を払って行動を観察し、取締にあたる。参考：作戦要務令

＜艦長直披＞：日本海軍用語で、主計科を経由せずに艦長に直接渡す重要機密文書のこと。参考：歴史群像10,’04

＜カンチレバー式エレベーター＞：エレベーター（空母）を参照。

＜貫通＞：弾丸が装甲を貫くこと。部分貫通と完全貫通に分かれ、部分貫通は正確には「めりこむ」。ホプキンソン効果やスポール破壊の場合は貫通しなくても内部にダメージが届く。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜艦偵＞：艦上偵察機（日本海軍）を参照。

＜ガンディ＞：DE-764（護衛駆逐艦）を参照。

＜艦艇（日本海軍）＞：日本海軍艦船の大分類の１つ。軍艦、駆逐艦、潜水艦、砲艦（昭和19年10月1日に軍艦から分離）、海防艦（昭和17年7月に軍艦から分離）、輸送艦（昭和19年2月5日制定）、水雷艇、掃海艇、駆潜艇、敷設艇、哨戒艇（昭和15年4月1日制定）の種別に分かれる。旭日軍艦旗を掲揚する。参考：月刊丸3,’14、小艦艇入門

＜艦艇開発隊＞：海上自衛隊の部隊、Sea System Center。艦艇の運用や教育訓練に必要なシステムの開発・改善・維持管理、海自装備品等の運用に関する開発・改善・運用試験、これらに必要な調査研究を主任務とする。開発部艦艇第１課は主にシミュレーションによる分析評価を行う。2002年3月22日、開発隊群隷下に新編された。2013年11月29日、艦艇システム開発試験棟の落成式を実施。2014年9月27日、横須賀地方総監部田戸台分庁舎で艦艇開発隊ファミリーデーを実施。隊員と家族が交流を深めた。2020年4月1日、装備実験部隷下の誘導武器科、水中武器科、通信電子科、計測科を、武器科、弾薬科、技術科に改編した。ASE-6102あすかが隷下に入った。2021年4月1日、分析部を新設した。4月6日、横須賀基地船越地区の開発試験棟にシステム・インテグレーション・センターSICを新設した。もがみ型護衛艦の戦闘指揮所や戦闘システムを完備しており、もがみ型護衛艦搭載システムの開発と試験を担当する。2023年4月1日に廃止され、ASE-6102あすかは技術評価開発隊の隷下に移った。参考：開発隊群ホームページ、月刊世界の艦船7,'21、6,'23、朝雲

＜艦艇システム開発試験棟＞：海上自衛隊艦艇開発隊が艦載戦闘システムの開発に使用する試験棟。護衛艦、潜水艦、掃海艦艇の戦闘システムをそれぞれ４つ以上テストすることができる。2013年11月29日に落成式が実施され、早速DDH-183いずも用戦闘システムやDD-113さざなみ用新型戦闘システムのテストに投入される予定。参考：朝雲

＜艦艇職域（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の職域の１つ。総合艦艇、航海、船務、電子整備、水上攻撃、水中攻撃、機雷掃海、機関、潜水、潜水艦がある。参考：日本の防衛戦力Part3

＜艦艇装備研究所＞：防衛装備庁／技術研究本部の研究所で、艦艇、艦艇用機器、水中武器、掃海器材、音響器材、磁気器材のシステム化技術や要素技術に関する研究開発試作試験を行うのが主任務である。ちなみに艦艇の設計は艦艇装備研究所ではなく技術研究本部船舶担当技術開発官／防衛装備庁長官官房艦船設計官が担当する。所在地は目黒地区（総務課管理係は久里浜地区、川崎支所は川崎地区、大瀬実験所は伊豆半島）で、海軍技術研究所跡地であり、太平洋戦争でオーストラリア軍エビスキャンプとして使われていたものが1956年に返還され、1957年に防衛庁技術研究所目黒試験場として整備された。1958年に全長247m・幅12.5m・深さ7mの大水槽（昭和5年建造）が復旧し、隣に高速水槽も竣工した。大水槽の両脇には新幹線と同じレールが敷かれており、水槽に跨る形で据え付けられた曳引車がレール上に載っていて、曳引車下面に固定された艦艇模型を最大秒速8mで航行させることができる。1964年の東京オリンピックの際には大水槽がボート競技日本代表の選抜試験にも使用された。2015年10月1日、技術研究本部から防衛装備庁の隷下に移った。2021年9月5日、岩国市の通津沖工業団地にある岩国海洋環境試験評価サテライト（水中無人機等の試験評価施設）の運用を開始し、岸防衛大臣が臨席して発足式が行われた。参考：MAMOR vol.91、vol.133、防衛装備庁ホームページ、朝雲

　＜艦艇装備研究所（２０１５年）＞：技術研究本部（10月1日から防衛装備庁）の隷下にある。トップは所長で、研究企画官、総務課（課長、課長補佐、庶務係、業務係、警備係、管理係、調達係、出納係、用度係、会計管理専門官）、システム研究部（技術分析官、水上艦艇システム研究室、潜水艦システム研究室、水中対処システム研究室、海上試験室）、航走技術研究部（技術分析官、流体ステルス研究室、構造強度研究室、動力推進研究室）、探知技術研究部（技術分析官、探知機器研究室、海洋信号処理研究室、音響誘導研究室、信号制御研究室）、川崎支所（業務班、電磁気研究室）からなる。参考：MAMOR vol.91

＜艦艇装備研究所川崎支所＞：艦艇装備研究所の支所。昭和30年代に設立され、艦艇周辺に生じる電磁界（船体による微弱な磁場変化や地球磁場の歪みなど）の解析や、艦艇の消磁処理などに関する研究を行っている。最終試験は実艦を使うので、海自の協力を得る。参考：朝雲

＜ガンディッシュ＞：RPK-2（レーダー）を参照。

＜カンディド・デ・ラサーラ＞：アルゼンチン海軍アシュランド級ドック型揚陸艦Cándido de Lasala。元はアメリカ海軍アシュランド級ドック型揚陸艦LSD-5ガンストン・ホールである。1981年に除籍された。参考：月刊世界の艦船8,’19

＜艦艇用衛星通信付加機材＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜艦艇用長射程チャフ弾（試験用）＞：自衛隊の火工品。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜カンティン＞：559（フリゲート）を参照。

＜カンディン＞：FF1202（フリゲート）を参照。

＜カンディン級＞：康定級（フリゲート）を参照。

＜貫徹＞：Penetration。弾丸または弾丸の主要部分が装甲を完全に突き抜け、その速度がゼロ以上の場合を指す。完全貫通ともいう。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜貫徹型爆弾＞：目標の外側の装甲やコンクリートなどを貫徹した後に炸裂し、目標内部を破壊するための爆弾。硬目標を貫徹する際には数万Ｇの衝撃がかかるため、それに耐えられるよう強固な弾体を使用する。炸薬重量比は15-30%。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜貫徹試験用発射装薬＞：自衛隊の火工品。日油製。参考：月刊軍事研究2,’15

＜カンテミロフ＞：第４親衛戦車軍団を参照。

＜カンデリ＞：S22（潜水艦）を参照。

＜カンデリ＞：インド海軍スコルペヌ級潜水艦２番艦Khanderi。2017年1月12日進水、2019年9月28日就役。2020年11月17-20日、マラバール2020（後段）に参加。参考：月刊世界の艦船4,’17、9,’19、12,’19、月刊JWings2,’21

＜カント・シリーズ＞：フランスのDCNS社が開発した対魚雷用音響デコイCANTO。アクティブ・パッシブ音響誘導どちらの魚雷にも対応可能。フランス海軍とブラジル海軍が採用し、デンマーク海軍もテストしている。参考：月刊軍事研究6,’15、月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’17

　＜カントＳ＞：潜水艦用で、コントラルトＳシステムにより管制される。耐圧船殻外に装着した発射機から高圧空気で射出され、尾部の折り畳み翼４枚を展張して一定深度を漂い、数百種類に及ぶ広帯域雑音を発し、自艦雑音をマスクしてパッシブ探知を防ぐ。また、発する雑音が多種多様なため、魚雷のアクティブソナー反響音に類似するものが複数含まれることになり、魚雷側はこれを複数目標からの反射音と誤認識し、音響データ処理装置が飽和してホーミング不能になったり、現れては消える偽目標に向かううちに燃料が切れたりする。全長600mm、直径150mm、重量20kg。参考：月刊世界の艦船12,’17、月刊軍事研究6,’15

　＜カントＶ＞：水上艦用で、コントラルトＶシステムにより管制される。専用発射機または電子戦用デコイ発射機から魚雷の針路上に数発発射され、飛翔中にケーブルで繋がれたフロートを展開、着水すると一定深度に漂いつつ広帯域の雑音を発し、カントＳと同様の効果をもたらす。全長1m、直径0.13m、重量20kg。参考：月刊軍事研究6,’15

＜関東＞：日本海軍関東級工作艦Kanto。元は明治33年3月にデンマークで竣工し、明治37年2月8日に黄海で拿捕したロシア東亜汽船会社貨物船マンチュリヤ（Manchuria）号で、横須賀で仮装巡洋艦兼工作船に改造されて明治38年2月14日に関東丸と命名された。同年に仮装巡洋艦を解除され、測量船として使用された後、明治39年3月23日に工作船に艦種変更された。第一次世界大戦では第一次南遣支隊の工作船として青島攻略戦に参加し、補給活動を行っている。大正4年5月、メキシコ沿岸で座礁した巡洋艦浅間を離礁させた。8月18日、特務艦関東となった。大正8年12月26日、７隻の戦利Ｕボート回航のためマルタ島に派遣された。大正9年10月からカムチャッカ方面で警備任務に就いた。大正11年8月26日にカムチャッカ半島南端で座礁転覆した巡洋艦新高の処分及び遺骨収集のため、大正13年12月7日に横須賀を出港し、カムチャッカに向かったが、12月13日に大時化で福井県沿岸に座礁し、97名の死者を出した。大正14年3月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊丸3,’90、12,’10

＜ガントゥート級＞：ファラジ２型（ミサイル艇）を参照。

＜関東級＞：日本海軍工作艦Kanto級。元は日露戦争時に捕獲したロシア汽船マンチュリアで、明治39年3月23日に工作船に艦種変更された。船体後部船倉の上半分に工作工場、錬鉄工場、材料倉庫を設け、船体前部船倉の上半分を工場作業員居住区に改造している。垂線間長124.97m、幅15.11m、吃水6.1m、常備排水量11000トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は宮原式石炭専焼水管缶４基、出力1703馬力、１軸推進、速力11ノット、石炭搭載量982トン。兵装は安式40口径12cm単装砲２門（船首楼甲板、後甲板の甲板室上）。乗員161名。関東が就役した。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、日本海軍特務艦船史

＜関東軍＞：元は日露戦争後に南満州と南満州鉄道付属地域の割譲を引き継ぎ、これらを守備する兵力を常備させたものである。「関」は中国山海関のことで、関東は奉天、吉林、黒竜江の３省を指すが、ロシアが明治31年に租借した南満州（遼東半島一帯）を関東州と呼んでおり、日露戦争の結果、日本がここの租借権を得た。日本は関東総督府を置き、１万名の兵力を駐留させたが、この兵力を指揮統率したのが関東総督、後の関東軍司令官で、正式に関東軍と呼ばれるのはシベリア出兵後の大正8年である。司令部は旅順にあった。大正14年の郭松齢事件で中央の方針を無視して事件に干渉、張作霖側に付いたのが独断専行の始まりで、張作霖爆殺、満州事変と続いていった。満州事変勃発と共に司令部を奉天に移動した。昭和9年の満州国建設に伴い、全満州における行動・駐兵の自由を得た。この時司令部を新京に移している。昭和16年の関特演で85万名に増員されたが、昭和18年8月から昭和20年3月にかけて次々と兵力が南方に抽出された。根こそぎ動員で何とか兵員75万名を保ったが、兵力の劣化は著しく、昭和20年8月に侵攻してきたソ連軍を防ぐことはできず、武装解除された関東軍の殆どがシベリアに抑留された。参考：戦時用語の基礎知識、月刊PANZER1,’90

　＜関東軍（昭和１９年後半）＞：司令部は満州にある。第１方面軍、第３方面軍、関東防衛軍、第２航空軍を隷下に置く。参考：比島決戦

＜関東軍司令部直属特設航空輸送隊＞：満州航空会社が関東軍司令部の命令で社内召集により編成する航空輸送隊。ホームベースは満州航空が所有する新京の飛行場で、使用する機体も満州航空の旅客機や輸送機である。太平洋戦争では南方への輸送作戦に駆り出された。ソ連侵攻で緊急召集され、兵装や軍高官・満州国政府要人の輸送、チャムス飛行場からの社員・関係者救出にあたった。この時は非常事態ということで召集されなかった満州航空の社員も定期便を全廃して義勇飛行隊を編成している。ポツダム宣言受諾後も引き続き輸送任務を行い、終戦処理のため通化から新京に移った関東軍司令部と満州国政府の関係者をピストン輸送した。8月19日、通化に避難していた満州国皇帝（終戦と共に退位）を日本に亡命させることになり、２機のスーパー機が皇帝一行12名を乗せて通化を離陸、奉天北陵飛行場に着陸した。その後AT型旅客機に乗り換えて日本に向かう筈だったが、皇帝一行が貴賓室で休憩している間に奉天北陵飛行場がソ連軍空挺部隊により占領されてしまい、皇帝一行はソ連軍に連行された。輸送要員は隙を見て飛行場を脱出、奉天駅から列車で新京に戻った。同日昼、新京飛行場もソ連に占領され、部隊は自然消滅した。参考：月刊丸8,’95

＜関東軍防疫給水部＞：七三一部隊を参照。

＜関東航空計器＞：日本の航空関連機器メーカー。フライト・データ・レコーダなどの航空機用製品だけでなく、水中翼船用姿勢計測装置や90式戦車用横風センサーも作っている。1952年、日本エアキャリアーサービス株式会社として創立され、1956年に関東航空計器株式会社に改称した。1967年、P-2J用姿勢方位基準装置の生産を開始。2017年8月、石川製作所の子会社になった。参考：月刊JWings11,’20

＜関東座礁事故＞：カムチャッカ半島南端で座礁転覆した巡洋艦新高の処分及び遺骨収集のため、特務艦関東は大正13年12月7日に横須賀を出港し、呉に入港、艦長と航海長が交代した。呉を出港後は徳山で海軍練炭3000トンを積んで12月10日に出港、舞鶴に向かった。山口県青海島沖に到達したところで風速25mの暴風雪となり、午後には視界がほぼゼロになってしまった。12月11日1400、艦長は速力を５ノットに落とすよう指示。これは速力通信器の針が５ノットを指すように意図したものだが（実速は４ノットになる）、当直将校は実速で５ノットを出したため、翌朝までに予定より70kmほど進みすぎてしまった。12月12日0800頃に霧が晴れたが、眼前100mに岩礁を発見。艦長は取り舵一杯、全速後進、両舷錨入れを指示したが間に合わず、0805に福井県河野村糖海岸に座礁した。缶室に浸水して電源が停止、無線も使用できなくなったため、カッターを降ろして数名が何とか上陸、河野郵便局から海軍省へ遭難電報を発信した。艦内の乗員は船体前部に避難したが、直後に船体が２つに折れたため、艦長は離艦自由の号令をかけた。しかし飛び込んだ乗員は荒海にもまれて死者が続出、救難船も暴風で近寄れず、12月13日に艦内から57名が救出され、97名が死亡した。艦長は軍法会議にかけられ、禁錮３ヶ月、執行猶予１年、懲戒免職となった。河野村には慰霊碑が建てられている。参考：月刊丸3,’90

＜雁蕩山＞：908（揚陸艦）を参照。

＜関東州海軍区＞：日本海軍の海軍区で、関東州の海岸及び海面を指す。佐世保鎮守府の所管で、旅順要港が所在している。明治39年10月の創設時には旅順鎮守府が所管していた。参考：帝国陸海軍事典

＜間島出兵＞：大正9年10月、馬賊が間東を襲撃し、日本人13人が死亡、30人が負傷し、１人が誘拐された。同年5月には尼港事件もあり、世論が討伐に傾いたことから、10月8日に作命第57号が発令され、朝鮮軍第19師団の６個歩兵大隊が中国側に越境して討伐作戦を開始した。大正10年5月まで作戦が続けられたが、期間が短すぎてあまり効果は出ず、1924年5月には鴨緑江で朝鮮総督が銃撃を受ける事件まで発生し、朝鮮総督府警務局長と奉天省警務処長との間で三矢協定が結ばれることとなった。参考：月刊軍事研究6,’09

＜関東・東北豪雨＞：2015年9月9日1000、台風18号が愛知県に上陸し、東海・関東・東北地方を記録的な大雨が襲った。1610、神奈川地本が連絡幹部１名を神奈川県庁に派遣。9月10日0020、栃木県に大雨特別警報が発令された。0101、第１施設団が連絡幹部３名を鹿沼市役所に派遣。0330、防衛省が災害対策連絡室を設置。0415、第12旅団第12特科隊が連絡幹部２名を鹿沼市役所に派遣。0530、栃木地本が連絡幹部８名を栃木県庁や宇都宮市役所など栃木県内各市役所に派遣。0535、施設学校が連絡幹部２名を茨城県庁に派遣した。0550、第１師団が連絡幹部２名を東京都庁に派遣。0610、東京地本が連絡幹部１名を東京都庁に派遣。第１空挺団が連絡幹部２名を千葉県庁に派遣。0630、第１師団第32普通科連隊が連絡幹部２名を埼玉県庁に派遣。0710、状況の深刻化を受けて防衛省が災害対策連絡室を災害対策室に改組。0725、第１施設団が連絡幹部３名を常総市役所に派遣。0740、茨城県常総市で鬼怒川が越水した。施設学校が連絡幹部３名を常総市役所に派遣。第12旅団が連絡幹部２名を鹿沼市役所に派遣。0803、茨城地本が連絡幹部４名を茨城県庁、筑西市役所、常総市役所、結城市役所に派遣。0830、武器学校が連絡幹部10名を茨城県庁、筑西市役所、常総市役所、結城市役所に派遣。0905、茨城県知事が施設学校長に住民避難支援と水防活動の災害派遣を要請。0945、第１施設団がFAST-Force20名を常総市に派遣（その後結城市にも派遣）。0955、施設学校がFAST-Force20名を常総市に派遣。1138、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリ４機が救助活動のため北宇都宮駐屯地を離陸。1159、東部方面航空隊UH-1Jヘリ１機が情報収集のため立川駐屯地を離陸。1220、第１師団第１施設大隊FAST-Force35名と第１施設団主力160名が駐屯地を出発。被災範囲が大きいため、東部方面総監が航空救難団に増援を要請し、1245、百里救難隊UH-60Jヘリ572号機とU-125A救難機006号機が離陸。1250頃、常総市三坂町で鬼怒川の堤防が決壊して周辺40平方キロメートル・家屋11000棟が濁流に呑み込まれたため、上空で偵察中の自衛隊ヘリは直ちに救助を開始。百里救難隊U-125A救難機１機とUH-60Jヘリ、海自第21航空群、第51航空隊も加わって救助活動に入った。百里救難隊UH-60Jヘリ572号機は東さくら保育園で孤立している園児と保育士の救出を開始。1320、常総市新石下地先でも鬼怒川左岸が決壊して氾濫が発生し、市街地に濁流がなだれ込んだ。1325、第１師団第１・第32普通科連隊主力150名が古河駐屯地を出発。1400、百里救難隊UH-60Jヘリ571号機が離陸。1413、百里救難隊UH-60Jヘリ572号機が石下総合運動公園に着陸。1419、第１師団第１飛行隊UH-1Jヘリ３機が立川駐屯地を離陸。1420、百里救難隊UH-60Jヘリ572号機が救出者の卸下を終えて公園を離陸。同571号機が東さくら保育園園児・保育士の救出作業を開始。1429、百里救難隊UH-60Jヘリ572号機が燃料補給と再出撃準備のため百里基地に帰投。1430、第１施設大隊主力40名が常総市に出発。1431、百里救難隊UH-60Jヘリ571号機が救出を終えて石下総合運動公園に向かった。1437、浜松救難隊UH-60Jヘリ589号機が浜松基地を離陸。1448、百里救難隊UH-60Jヘリ571号機が石下総合運動公園に着陸し、救出者を降ろしてすぐに離陸、下流の決壊地点に向かった。1458、百里救難隊UH-60Jヘリ572号機が百里基地を離陸。第21航空群UH-60Jヘリ１機とSH-60ヘリ１機が館山航空基地を離陸。1510、百里救難隊UH-60Jヘリ572号機が下流の決壊地点に到着。1512、百里救難隊UH-60Jヘリ571号機が下流の決壊地点に到着。この頃、百里救難隊U-125A捜索救難機006号機が008号機と交代。現場上空は三自衛隊・警察・消防・海上保安庁の救難ヘリに報道ヘリや国土交通省の小型固定翼機も加わってごった返していたため、少し離れた筑西の上空を旋回して無線中継を行った。1517、航空学校ヘリ２機が離陸。1537、第51航空隊SH-60ヘリ２機が厚木航空基地を離陸。1610までにヘリで69人を救助。1615、浜松救難隊UH-60Jヘリ589号機が百里基地に着陸、燃料補給の後に現場に向かった。1643、浜松救難隊UH-60Jヘリ589号機が現場に到着。1645、航空学校ヘリ２機が離陸。1653、第１ヘリコプター団UH-60JAヘリ２機が木更津駐屯地を離陸。1724、東部方面航空隊UH-1Jヘリ２機が離陸。百里救難隊UH-60Jヘリ571号機がビンゴ・フュエルとなり、救助作業を中断して帰投。1809に百里基地に着陸した際には燃料が200ポンド（90.7kg）しか残っていなかった。日没を迎え、1810、UH-60Jヘリ572号機が百里基地に帰投。1814、浜松救難隊UH-60Jヘリ589号機が百里基地に帰投。2200過ぎ、常総市役所１階が水没。夜には第１施設団第101施設器材隊が渡河ボートで160人を救出した。夜明けまでに住民2000人を救助している。9月11日0000過ぎ、宮城県大和町で吉田川が氾濫した。0230、宮城県知事から第６師団長に大和町への災害派遣要請が出された。0323、第６師団第６戦車大隊・第６偵察隊が大和町で救助活動を開始。0430、宮城県大崎市で渋井川が決壊した。0509、百里救難隊UH-60Jヘリ571号機が百里基地を離陸し、状況偵察に向かった。鬼怒川決壊地域では陸自が龍ケ崎市で共通周波数によるレーダー・フライトサービスを行い、救助や報道など目的別に航空機の高度帯を指定、安全を確保する方策が執られた。0615、栃木県日光市で土砂崩れによる孤立者が発生した。0728、百里救難隊UH-60Jヘリ571号機が百里基地に着陸。午前中の鬼怒川決壊地区救難は陸自が主体として行うことになった。0815、宮城県知事が大崎町への災害派遣を要請。0820、東北方面航空隊ヘリが情報収集を開始。0900、栃木県知事が第12特科隊長に災害派遣を要請。0959、東北方面航空隊ヘリが救難活動を開始。1210、第12ヘリコプター隊が第12偵察隊を三依小学校に空輸。1220、第12特科隊主力が宇都宮駐屯地を出発。1548、浜松救難隊UH-60Jヘリ589号機が百里基地を離陸。1552、百里救難隊U-125A救難機018号機が百里基地を離陸。1553、百里救難隊UH-60Jヘリ571/572号機が百里基地を離陸。1630、第12特科隊が孤立者に対する救援物資の輸送を開始。1758、百里救難隊UH-60Jヘリ571号機が救助を終え現場を離脱、1753には浜松救難隊UH-60Jヘリ589号機、1803には572号機が続き、石下総合運動公園で救助者を降ろした後、1807に589号機、1810に571号機、1817に572号機が百里基地に帰投した。1805、百里救難隊U-125A救難機018号機が現場を離脱、1816に百里基地に着陸した。1930、宮城県知事が第６師団長に撤収要請を出した。宮城県への派遣規模は延べ隊員190名、車両40両、航空機７機、ボート37隻で、54人を救出した。2048、栃木県知事が第12特科隊長に撤収要請を出した。9月12日、常総市で入浴支援を開始し、救助や給水支援を継続した。9月13日、常総市内で１人を発見。1000、百里救難隊に撤収命令が出された。9月15日、行方不明者15人全員の生存を確認。その後も水防・給水・入浴・防疫活動を継続し、9月19日2200に撤収要請が出され、9月20日に常総市役所前で活動終了式に参加、撤収した。茨城県への派遣規模は延べ隊員7535名、連絡幹部235名、航空機105機、車両2150両、ボート180隻で、行方不明者１人を発見、航空機で723名、ボートで1292人を救助し、76.3トンを給水、1554人に入浴支援を行い、グラウンド３箇所の消毒を実施した。空自救難隊は9月10日に90名、11日に51名を救出している。参考：朝雲、月刊航空ファン4,’16、5,’16

＜間島特設隊＞：満州国軍の特殊部隊。間島省の朝鮮系兵士が主体で、歩兵中隊２個と機迫中隊（機関銃と迫撃砲装備）１個からなり、ソ連と戦争になった際のソ連領内での破壊工作を主任務とする。付近の治安作戦にも投入され、太平洋戦争末期には華北で八路軍の掃討作戦を行っていた。終戦後に要員は韓国軍に入り、朝鮮戦争でのゲリラ掃討作戦で活躍した。参考：月刊軍事研究12,’09

＜関東防衛軍＞：

＜関東防衛軍（昭和１９年後半）＞：関東軍隷下で、第71師団などからなる。参考：比島決戦

＜関東補給処＞：陸上自衛隊の補給処。東部方面区（関東甲信越＋静岡県）での需品、火器、弾薬、車両、航空機、各種器材の調達・保管・整備・補給・用途廃止手続き・処分を担当し、全国業務の支援も行う。また、これらに関する調査研究を実施している。航空機・高射特科関連装備品と医薬品は関東補給処の専任で、国際平和維持活動支援も担当する。霞ヶ浦駐屯地には８万品目・400万点の物品を保管する90m×60m×30mの自動倉庫を備える。火器車両部は火器工場、車両工場、原動機工場を有し、戦車から軽車両まで各種車両に加え、隊員の小火器も整備する。車両工場は陸運局指定工場として認定されており、民間ナンバー車両の整備（車検含む）を行うことが可能。誘導武器部では陸自全部隊の対戦車誘導弾と地対艦誘導弾の故障復旧や再整備、後方支援部隊が装備する誘導弾整備用計測機器の校正を担当する。1998年3月、古河駐屯地の施設補給処が関東補給処古河支処に改編された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。名取川より南で活動する部隊と茨城県の第１師団に対する兵站支援を行った。3月13日、郡山駐屯地に前方支援地域を開設。2012年9月19-21日、本処、各支所、出張所で応急出動準備訓練を、霞ヶ浦駐屯地と朝日分屯地で駐屯地警備訓練を実施。2013年2月6日、霞ヶ浦駐屯地講堂で平成24年度EDQC発表会を実施。2016年2月9日、防衛監察本部の第29回コンプライアンス講習会を受講した。8月29-30日、隊員の子供を預かる施設の開設訓練を実施。10月13-16日、カザフスタン軍医療関係者に対する能力構築支援事業に協力した。2019年2月6-7日、兵站フェアを実施。206社（うちオブザーバー38社）が参加し、民間製品の展示や企業関係者との意見交換を行った。参考：MAMOR vol.129、vol.60、霞ヶ浦駐屯地ホームページ、朝雲、陸上自衛隊東部方面隊広報紙あづま、古河駐屯地ホームページ、月刊JWings2,’18、5,’20

　＜関東補給処（２０１５年）＞：霞ヶ浦駐屯地に置かれている。総務部、調達会計部、情報処理部、装備計画部、火器車両部、誘導武器部、化学部、航空部、通信電子部からなり、松戸支処、古河支処、用賀支処、吉井弾薬支処、朝日燃料支処、富士弾薬出張所、富士燃料出張所を隷下に置く。参考：霞ヶ浦駐屯地ホームページ

＜関東補給処古河支処＞：陸上自衛隊の補給処支処。施設器材の調達・補給・整備・検査を主任務とする。1998年3月施設補給処から改編されて古河駐屯地で創設された。参考：古河駐屯地ホームページ、霞ヶ浦駐屯地ホームページ

＜関東補給処松戸支処＞：陸上自衛隊の補給処支処で、松戸駐屯地に置かれている。東部方面隊隷下部隊（一部は全国の部隊）の需品器材、被服、燃料、糧食、整備用部品、落下傘などの調達・補給・整備・検査・出納・保管と、これらに関する調査研究を主任務とする。需品部の被服キャンバス工場では地本の広報用着ぐるみも作っている。2011年11月29日、落下傘部隊整備工場が千葉県松戸市主催の平成23年度緑のカーテンコンテストで松戸市長賞に選出された。2015年3月6日、落下傘部が落下傘無事故整備30万個を達成。2016年5月19日、落下傘30万個超無事故整備達成の功績で、防衛大臣から一級賞状を授与された。2020年4月27日から5月10日、隊員54名が布製迷彩マスク1500枚を製作し、各部隊に配布した。参考：千葉県隊友会ホームページ、MAMOR vol.140、朝雲

　＜関東補給処松戸支処（２０１５年）＞：総務部、需品部、落下傘部からなる。参考：千葉県隊友会ホームページ

＜関東補給処用賀支処＞：陸上自衛隊の補給処支処で、用賀駐屯地に置かれている。三自衛隊、防衛大学校、防衛医科大学校に対する衛生器材と医薬品の調達補給保管整備を主任務とし、医療機器の補給整備や医薬品の製剤も行う。2017年2月4日、自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。2021年7月23日から8月6日、隊員30名で用賀駐屯地正門前クリーン作戦を実施。参考：MAMOR vol.129、霞ヶ浦駐屯地ホームページ、朝雲

＜関東補給処吉井弾薬支処＞：陸上自衛隊の補給処弾薬支処で、吉井分屯地に置かれている。弾薬の出納・補給・保管・整備・技術検査・処分、弾薬施設の検査、化学火工品出納管理を主任務とし、関東に所在する陸自駐屯地・部隊への弾薬補給と、全国の陸自高射特科部隊への弾薬補給を担当する。また、誘導弾薬科がある陸自唯一の弾薬支処であり、全国に派遣されてミサイル関連の高度な点検整備を行う。2010年4月22日1400頃、隊員２名が79式対舟艇対戦車誘導弾の作動点検を行っていたところ、突如ミサイルが発射され、5m先の壁をぶち抜き、更に5m先の防護用土手に衝突して停止した。サステナーや信管は作動せず、隊員や部外に被害は無かった。原因は点検用ケーブルの接線コネクターに導電性異物が付着しているのに気付かず、点検終了後に点検器のスイッチを切り忘れた上に点検用ケーブルを外す順番を間違えて発射回路に通電されてしまったことだった。2012年9月14-18日、東富士演習場CR-1射場で小火器用曳光弾と拳銃信号弾の機能検査を実施。参考：MAMOR vol.129、vol.132、霞ヶ浦駐屯地ホームページ、JGround Vol.23

＜カントー＞：カント・シリーズ（対魚雷デコイ）を参照。

＜関特演＞：関東軍特種演習の略。第２次大戦独ソ戦開戦後、極東ソ連軍が欧州戦線に移動することを予想し、その隙にソ連に侵攻するという計画が立てられ、これに必要な兵力を予め動員しておくために行われた。昭和16年7月7日に85個隊の第１次動員、7月16日に544個隊の第２次動員が行われ、内地から２個師団が指揮下に入った。ただし直接戦闘部隊として増強されたのは内地からの２個師団だけで、その他は従来の駐在部隊を戦時編制に切り替えただけである。先制攻撃を行う東側正面には試製四十一糎榴弾砲や九〇式二十四糎列車砲を含む大口径重砲を配置した。当時の極東ソ連軍戦力は30個狙撃師団、戦車2800両、航空機2800機だったが、これが15個、900両、1000機に減った時にソ連に侵攻することとし、予定日は9月10日としている。しかし大本営が予想した戦局では、昭和16年内にモスクワを失ってもソ連は降伏せず、独ソ戦はドイツ側に有利にならないとみており、実際の戦力移動も少なかったため、8月9日に侵攻作戦は断念された。ただ侵攻したとしても、すぐに大寒波が来たため、まともに戦えたかどうかは不明である。太平洋戦争開戦以降は部隊や装備が引き抜かれて南方に送られたため、侵攻はおろか防御もままならない状況に陥ってしまった。参考：月刊PANZER1,’90、月刊軍事研究8,’06、大砲入門

＜乾ドック＞：陸地に作られたドックのこと。参考：小艦艇入門

＜ガントナー＞：APD-42（高速輸送艦）またはDE-60（護衛駆逐艦）を参照。

＜ガントレッツ＞：VAQ-136（電子戦飛行隊）を参照。

＜ガントレット＞：9K330シリーズ（地対空ミサイルシステム）または9M330（地対空ミサイル）を参照。

＜ガントレット＞：イギリス空軍複葉戦闘機Gauntlet。グロスター社が開発し、228機が生産されて1935年5月から配備された。余剰機はフィンランド空軍が装備し、デンマーク空軍ではライセンス生産機を配備している。参考：月刊航空ファン11,’18

＜ガントレット＞：プロイセン軍の刑罰で、鞭を持った兵士を２列に並べ、その間を規律違反者に往復させて両側から叩くものである。36往復あたりから命に関わる。参考：月刊軍事研究2,’09

＜かんな＞：LSSL-441（警備船）を参照。

＜ガンナー＞：砲手を参照。

＜艦内営倉＞：日本海軍の艦内留置場。先任衛兵伍長室の傍にあり、番兵が見張りに就いている。入れられた者は犯件簿に名前が記載され、番兵とは話しもできない。儀式などには参列できるが、最左翼から2-3歩下がったところにこっそり並ぶ。参考：続日本海軍よもやま物語

＜艦内酒保＞：酒保を参照。

＜艦内哨戒配備＞：艦艇乗員全員を24時間戦闘配置に付け続けるのは不可能なので、交代で休養を取りながら戦闘力の一部を常時発揮できるような即応体制に置いておくこと。哨戒配備責任者が艦長の権限委譲を受けて不意に会敵した際などの緊急対処にあたり、その間に戦闘力の全力を発揮できる体制へと持って行く。会敵の危険が少なければ要員の３分の１を戦闘配置に付ける３直哨戒配備をとるが、危険度が増すと２分の１を付ける２直哨戒配備になり、場合によっては１直哨戒配備（総員配置）を行うこともある。操作に要する人員が２名の部署では３直哨戒のため定員を３名にしておき、総員配置の際に余った１名を応急部署に回したりする。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、5,’13、9,’22

　＜艦内哨戒配備（アメリカ海軍）＞：平時・戦時を区別せず、自国領域外では常に当直士官OODを責任者とする哨戒配備を執る。対艦ミサイルの脅威に対抗するため、1970年代半ばに艦橋の当直士官に代わってASMD戦術教育を受けたTAO（Tactical Action Officer）をCICに置くようになった。参考：月刊世界の艦船9,’22

　＜艦内哨戒配備（海上自衛隊護衛艦）＞：通常航海直では航海支援機器（レーダーなど）に配員されるが、搭載武器には配員されない。第３配備では搭載武器の３分の１の即応体制を執り、機関は２分の１全力（最大速力30ノットなら26ノット出せる）を発揮できるようにする。第２配備では搭載武器の２分の１を即応体制とし、機関は２分の１全力とする。第１配備では搭載武器・機関共に全力を発揮できるようにする。戦闘配備では第１配備に加え、弾薬準備、調理体制変更、生活関連諸管（厠など）各弁閉鎖といった措置を執る。アメリカ海軍でTAOが置かれるようになったのを受け、海自でも類似の課程教育を受けた一等海尉・三等海佐をシステム艦哨戒長として配員するようになった。参考：月刊世界の艦船9,’22

　＜艦内哨戒配備（海上自衛隊潜水艦）＞：停泊中は３・４ワッチと呼ばれ、0800から４時間ごと、2000から３時間ごとに要員の３分の１ずつが艦内哨戒部署に付く。航行中は常に６時間ごとの３直哨戒配備（６ワッチ）で、１直（更にＡ、Ｂ、Ｃに分かれる）あたり第１分隊から操舵員１名と魚雷発射管室当直１名、第２分隊から航海１名、ソナー３名、ESM／電子整備２名、電信１名、第３分隊から電機員３名、機械員１名、第４分隊から衛生１名、給養員４名、補給庶務１名が派出され、６時間の当直を行い、続いて12時間の休憩／訓練／自由時間に入るというサイクルを繰り返す。航行中の食事は６時間ごとに出されるので、１日18時間生活になり、入港直後は時差ぼけのような状態になるらしい。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊、MAMOR vol.87、JShips Vol.46、月刊丸12,’11

　＜艦内哨戒配備（日本海軍）＞：事態切迫時や戦時の作戦行動時に哨戒長を責任者とする哨戒直が哨戒配備に就く。平時の内海・沿岸航行では通常航海（責任者は当直将校、艦の運航担当は通常航海直）として即応体制は執らない。参考：月刊世界の艦船9,’22

　＜艦内哨戒配備（日本海軍潜水艦）＞：警戒航行中は３直配備が基本であり、１直あたり8-9名で、接敵の危険が低ければ３時間、高ければ２時間の見張り当直につき、続いて６時間または４時間の非番（休憩・整備などを行う）となる。参考：潜水艦気質よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語

＜艦内神社＞：

＜艦内神社（海上自衛隊）＞：自衛艦に祀られている神社で、士官室通路付近に神棚のような形で設置されていることが多い。艤装員長が艦名と同じ神社を探してきて分霊を祀るが、艦名と同じ神社が無い場合には高名な神社を選ぶ。神棚にはロウソクが立てられているが、火を付けると危ないので、電球を仕込んでいる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、MAMOR vol.116

＜艦内神社（日本海軍）＞：軍艦神社ともいう。艦ごとに艦長室の近くに総檜造りの神棚が設けられており、艦名と同じ名称が付けられ（山城神社など）、中に神社の御札が入っていて、天照大神を祀ってあった。艦名ゆかりの地にある神社（戦艦伊勢は伊勢の皇大神宮、重巡妙高は妙高の関山神社など）や艦名と同じ名の神社（戦艦大和は奈良の大和神社、空母赤城は三夜沢赤城神社など）の御札を頂いて分霊を祀るが、何も無い場合には皇大神宮の分霊とすることが多かったようである。実戦または戦闘訓練時を除き、前を通る時は脱帽して礼拝する。四大節には従兵が御神酒を献上し、艦長以下正装で参拝を行う。とはいえ、海軍が神道を強制していた訳ではなく、海軍同信会名簿にクリスチャンがずらりと並び、太平洋戦争中の昭和17年に山本信次郎海軍少将（大聖グレゴリオ勲章受勲者）が仲介して日本とバチカン市国が国交を樹立した。ちなみに陸軍の方も宗教差別は無く、クリスチャンの大将もいる。参考：月刊世界の艦船9,’14、海軍よもやま物語、海軍こぼれ話、朝雲

＜艦内ネットワーク付加機材＞：自衛隊の機器。エヌ・ティー・ティー・データ製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜艦内帽＞：日本海軍用語で、事業服とセットで被る略式帽の通称。色は白で、裾に士官なら２本、下士官なら１本の黒線が巻いてあり、士官は錨の中央に桜の付いた徽章、下士官と兵は錨の徽章が付いている。太平洋戦争中に黒い事業服が制定されたため、黒の艦内帽（白線付き）も誕生した。毎年２つ支給される。緑色の第三種軍装が制定され、緑色の略式帽が制定されたあたりから略帽に通称が変更された。参考：海軍よもやま物語

＜艦内防御＞：ダメージ・コントロール（海上自衛隊）を参照。

＜艦内ラジオ・テレビ受信装置構成品（２２ＤＤＨ）＞：自衛隊の機器。三波工業製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜艦内ラジオ・テレビ受信装置（構成品）（２４ＤＤＨ）＞：自衛隊の機器。三波工業製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ガンナタ級＞：UAE海軍揚陸艇LCP、Ghannatha級。120mm迫撃砲で武装したものもある。兵員40名を載せられる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カンナモール＞：M91（掃海艇）を参照。

＜カンヌン＞：753（コルベット）を参照。

＜咸寧＞：500（ミサイル・フリゲート）を参照。

＜ガンネル＞：SS-253（潜水艦）を参照。

＜ガンネル＞：Gunwale、舷縁、船縁。シーアストレーキが主甲板と接する部分である。先端で船首材と接する部分はEyesと呼ばれるが、これは古代エジプトで目を描き入れていたことに由来する。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜乾燃室缶＞：主缶の１つで、主缶胴外に燃焼室があるものを指す。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜感応機雷＞：機雷を参照。

＜感応掃海＞：掃海を参照。

＜感応掃海具１型＞：海上自衛隊の掃海具。ムービング・コイル方式発音体（スピーカーから音響を流す）を曳航して音響機雷を誘爆させる音響掃海具と、多数の電極が付いた掃海電線を曳航して磁気機雷を誘爆させる磁気掃海具からなり、機雷の感度以上の磁気・音響を発するマイン・セッティング・モードと、艦船の磁気・音響シグネチャーと類似の磁気・音響信号を流して高知能型機雷も処理できるターゲット・エミュレーション・モードを持つ。ユニバーサル特機製。ひらしま型以降の掃海艇とあわじ型掃海艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’13、月刊軍事研究5,’10、6,’11

＜感応掃海具１型改１＞：自衛隊の機器。ユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜雁巣飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜菅野直＞：かんのなおし。日本海軍エース。大正10年、宮城県生まれ。昭和18年2月1日、戦闘機専攻学生となり、大分海軍航空隊に入隊。空戦訓練や射撃訓練では教官機や吹き流しに衝突寸前まで近づくこともあり、教官や曳航機はヒヤヒヤさせられたという。学生の間に練習機を4-5機壊したともいわれる。9月、飛行学生教程を修了。昭和19年4月、第343航空隊分隊長となり、内南洋に進出した。7月、第201航空隊戦闘306飛行隊分隊長となり、ヤップ島でB-24迎撃戦を指揮、60機以上を撃破して第１航空艦隊長官から部隊表彰された。機体に黄色のストライプを入れており、アメリカ軍からはイエローファイターと呼ばれて恐れられたという。その後飛行隊長に昇進し、フィリピンに進出。10月、神風特攻隊が編成された際に隊長となる予定だったが、飛行機受領のため内地に帰還しており、引き続き空戦任務に就くことになった。10月27日、マリンドケ島上空で17機を率いてF6F戦闘機16機と交戦し、12機を撃墜した。特攻を何回も志願したものの空戦の腕を買われて戦闘機隊に引き続き配属され、12月に第343航空隊戦闘301飛行隊長となり、本土及び沖縄防衛任務に就いた。昭和20年8月1日、第348戦闘群P-51戦闘機を屋久島上空で迎撃中に紫電改の20mm機関砲が筒内暴発を起こして操縦困難に陥り、その後行方不明となって戦死認定された。総撃墜機数は公認25機。死後に２階級特進で中佐となった。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊丸12,’90、1,'15増刊、月刊航空ファン11,’17

＜カンバー＞：SS-527（潜水艦）を参照。

＜カンバーランド＞：57（重巡洋艦）またはF-85（22型フリゲート）を参照。

＜カンバーランド・サウンド＞：AV-17（水上機母艦）を参照。

＜ガン・ハウザー＞：砲身長がカノン砲並みに長い榴弾砲のこと。参考：兵器最先端５

＜ガン・パウダー＞：銃砲用発射薬のこと。黒色火薬を指すことが多い。参考：GUN用語事典

＜ガンパックス＞：GUNslinger Package for Advanced Convoy Securityの略。発砲音検知システムに電子光学センサーと12.7mm機銃を搭載するCROWS�U遠隔操作兵装ステーションを組み合わせている。AMK23アルマジロに搭載可能。参考：月刊軍事研究1,’13

＜カンパニア＞：D48（護衛空母）を参照。

＜カンパニア＞：イギリス海軍カンパニア級水上機母艦Campania。元はキュナード・ラインの北大西洋航路客船で、1893年4月13日に竣工した。1914年にスクラップとして売却されたが、イギリス海軍が購入して水上機母艦に改造し、1915年4月に就役した。1916年、改装を受けた。1918年11月5日、フォース湾に停泊中、突風を受けて走錨してしまい、戦艦08ロイヤル・オークなどに衝突して沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’14、11,’00

＜カンパニア級＞：イギリス海軍水上機母艦Campania級。元は1893年に竣工したキュナード・ラインの高速客船（当時最大最速）で、1915年に改造されてカンパニアとして就役した。1916年の改装後の諸元は以下の通り。常備排水量18000トン。主機はレシプロ、速力23ノット。兵装は12cm単装砲６門、7.6cm単装高角砲１門。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜カンパニア級＞：イギリス海軍護衛空母Campania級。建造途中の貨物船を改造したもので、上構の上に長さ154.5m・幅21.3mの飛行甲板を載せ、船体側面外板を飛行甲板レベルまで伸ばして中を格納庫とし、飛行甲板前部右舷にアイランドを設置した。飛行甲板後部に内舷式エレベーター１基があり、カタパルトは無い。全長164.7m、幅21.4m、吃水5.8m、基準排水量12450トン。主機はディーゼル、出力11000馬力、速力17ノット。兵装は10.2cm連装砲１基、２ポンド４連装砲４基。搭載機数15機（18機？）。D48カンパニアが1944年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、護衛空母入門、月刊世界の艦船6,’18

＜カンパネルラ＞：K18（コルベット）を参照。

＜蒲原大助＞：かんばらだいすけ。日本陸軍エース。明治45年、長崎県生まれ。昭和9年、歩兵第57連隊に入隊。昭和12年6月、下士官操縦学生となり所沢飛行学校に入学、昭和13年2月に卒業して明野で戦技教育を受け、7月に飛行第11戦隊に配属された。昭和14年5月、ノモンハン事件勃発で満蒙国境に出動。10月末、眼病にかかり、昭和15年末に内地に帰投。以降は航空士官学校と大刀洗飛行学校で教育任務に就いた。終戦時は第７練習飛行隊に所属していた。総撃墜数11機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜がんばれ食＞：救命糧食（自衛隊）を参照。

＜ガンバレル型原爆＞：広島型原爆ともいう。臨界量の武器グレード・ウラン235を２つに分けて円筒容器の両端に１つずつ入れ、一方を火薬により毎秒2300m以上で射出、１つに合わせることで臨界量に到達させ、そこにイニシエーターから中性子を撃ち込み（一方のウラン235にリチウム、もう一方にポロニウムを付けておくと合体と同時に中性子が出る）、核分裂連鎖反応を起こさせる。ウラン周囲にはタンパーとリフレクターを配置する。インプローシブ型よりも構造が単純で衝撃に強く、同じ威力なら直径を小さくでき、核砲弾や地中貫徹爆弾の弾頭に向いている。武器グレード・ウランの必要量は純度90%なら10kg（厚さ100mmのベリリウム・リフレクター使用）／13kg（厚さ100mmのウラン・リフレクター使用）と多めで、インプローシブ型よりも効率が悪く、Mk1原爆を広島に投下した際には60kgのウラン235のうち核分裂連鎖反応を起こしたのは0.7-0.75kgに過ぎなかった。プルトニウムだと不純物のプルトニウム240が放出する中性子により核分裂反応が早く始まり威力が出ないため、武器グレード・プルトニウムでもガンバレル型原爆は作れない。参考：軍事分析湾岸戦争、核兵器事典、アメリカの核兵器、月刊世界の艦船11,’22

＜甲板＞：Deck。船の床（下から見上げれば天井）を指す。直接風雨に曝される部分は露天甲板（Weather Deck）という。左右の甲板ビーム、前後の甲板ガーダー、上下の支柱（Stanchion）で支えられる。排水及び補強のため、中心線からガンネルに向けて湾曲（Camber）が付けてある。参考：米海軍サバイバルマニュアル、艦船メカニズム図鑑

　＜甲板（アメリカ海軍）＞：全通飛行甲板など、艦首から艦尾まで両舷間を覆う甲板はComplete Deckという。船尾甲板（Poop Deck）、ボート甲板、空母の格納庫甲板が主甲板にあたり、主甲板（第１甲板）の下が第２甲板（Second Deck）、第３甲板…と続く。主甲板の上はレベル（Level）といい、主甲板の上が01レベル（O-One Level）、その上が02レベル、03レベル…と続く。最下層Complete Deckの更に下にある甲板部分はPlatformといい、第１プラットフォーム、第２プラットフォーム…と続く。フォレスタル級空母からは強度甲板が格納庫甲板でなく飛行甲板になっているが、相変わらず格納庫甲板を第１甲板と称しており、飛行甲板は04レベルになる。参考：米海軍サバイバルマニュアル、月刊世界の艦船11,’15、4,’19

　＜甲板（日本海軍）＞：一番上から最上甲板、上甲板、中甲板、下甲板、最下甲板、第１船倉甲板、第２船倉甲板…となる。船に限らず、床一般全て甲板という。参考：艦船メカニズム図鑑、海軍兵学校よもやま物語

　＜甲板（海上自衛隊）＞：露天甲板が第１甲板で、それより下は第２、第３、…となり、それより上は01甲板、02甲板、…となる。全通飛行甲板を持つヘリコプター護衛艦も、アメリカ海軍とは異なり露天甲板の飛行甲板を第１甲板にしている。陸上施設の床も甲板であり、敷地内を清掃するのは屋外であっても甲板掃除である。参考：艦船メカニズム図鑑、海上自衛官紹介資料、月刊世界の艦船4,’19

＜甲板海曹＞：海上自衛隊の先任海曹で、通称親甲板。掌帆長が任命されることが多く、副長と甲板士官の下で分隊甲板海曹を指揮監督し、艦内作業の監督や艦内環境維持にあたるのが主任務である。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜艦番号＞：水上艦では艦首や上構側面に記入されているが、秘匿性の高い潜水艦、有事の際、常に有事状態のイスラエル海軍などは書かない。海上自衛隊も周辺国の脅威度が増したためか白から灰色系のロービジに切り換えた。ロシアや中国は欺瞞のためちょくちょく艦番号を書き換えたり、複数艦に同じ艦番号を割り当てたりするので、把握が面倒くさい。特に本事典での中国海軍戦略原潜に関しては諦めて下さい。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜艦番号（海上自衛隊）＞：艦船国籍証書の番号を兼ねる。水上艦は艦首両舷に記載されているが、潜水艦の船体表示は1976年9月25日に廃止された。護衛艦FFMは１以降。もがみ型が1-12。汎用護衛艦DDは101以降。はるかぜ型は101と102。あやなみ型は103-106と110-112。むらさめ型（初代）が107-109。やまぐも型が113-115と119-121。みねぐも型が116-118。あさぎり型は150-158。あきづき型（初代）は161と162。たかつき型は164-167。あさかぜ型は181と182。ありあけ型は183と184。むらさめ型（２代目）で101に戻った（109まで）。たかなみ型は110-114、あきづき型（２代目）は115-118、あさひ型（２代目）は119と120。ミサイル護衛艦DDGは160番台から180。あまつかぜが163。たちかぜ型が168-170。はたかぜ型が171と172。こんごう型が173-176。あたご型が177と178。まや型が179と180。ヘリコプター護衛艦DDHは141以降と181以降。はるな型が141と142。しらね型が143と144。ひゅうが型が181と182。いずも型が183と184。護衛艦DEは201以降。あけぼの型が201。いかづち型が202と203。いすず型が211-214。ちくご型が215-225。いしかり型が226。ゆうばり型が227と228。あぶくま型が229-234。わかば型が261。あさひ型（初代）が262と263。警備艦／護衛艦PFは281以降。くす型が281-298。掃海艦MSOは301以降。やえやま型が301-303。あわじ型が304以降。駆潜艇PCは301以降。かり型が301-304。かもめ型が305-307。はやぶさ型が308。うみたか型が309-310と317-318。みずとり型が311-316と319-320。上陸支援艇LSSLは401-453。ゆり型が401以降。潜水艦救難艦ASRは401以降。ちはや型（初代）が401。ふしみ型が402。ちはや型（２代目）が403。ちよだ型（２代目）が404。給油艦AO・補給艦AOEは401以降。はまな型が411。さがみ型が421。とわだ型が422-424。ましゅう型が425-426。潜水艦救難母艦ASは405以降。ちよだ型（初代）が405。掃海艦GPは441。掃海艇GPは445。掃海艇MSAは451以降。おきちどり型が451。掃海母艦MSTは461以降。はやとも型が461。はやせ型が462。うらが型が463と464。掃海母艇MSTは471以降。なさみ型が471。みほ型が472。ふくえ型が476。潜水艦SSは501以降。おやしお型（初代）は511。はやしお型が521と522。掃海艇MSCは600番台。あただ型が601と602。やしろ型が603。かさど型が604-629。たかみ型が630-648。はつしま型が649-671。やしま型が651-654。うじしま型が655-663。うわじま型が672-680。すがしま型が681-692。ひらしま型で601に戻った（603まで）。えのしま型が604-606。掃海艇MSIは680以降。うきしま型が680-689。ちよづる型が690-700。掃海艇MSBは701以降。掃海艇１号型が701-706。掃海艇７号型が707-712。掃海管制艇MCLは721以降。ふくえ型が721。にいじま型が722-727。いえしま型が728以降。魚雷艇PTは801以降。魚雷艇１号型が801と802。魚雷艇３号型が803と804。魚雷艇５号型が805と806。魚雷艇７号型が807と808。魚雷艇９号型が809。魚雷艇10号型が810。魚雷艇11号型が811-815。ミサイル艇PGは821以降。ミサイル艇１号型が821-823。はやぶさ型ミサイル艇が824-829。哨戒艇PBは901以降。哨戒艇１号型が901-907と911-918。哨戒艇19号型が919-927。敷設艦MMCは951。輸送艇LSMは1001以降。輸送艇LCUは2001以降。エアクッション艇LCACは2101以降。輸送艇LSMは3001以降。練習艦TVは3501以降。かとり型練習艦が3501。やまぐも型練習艦が3506、3507、3514。かしま型練習艦が3508。みねぐも型練習艦が3509-3512。しまゆき型練習艦が3513。やまぎり型練習艦が3515と3516。しまゆき型練習艦が3517-3519。練習潜水艦TSSは3601以降。揚陸艦／輸送艦LSTは4001以降。おおすみ型（初代）・おおすみ型（２代目）が4001-4003。訓練支援艦ATSは4001以降。あづま型が4201。くろべ型が4202。てんりゅう型が4203。輸送艦LSUは4171以降。ゆら型が4171-4172。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’19、7,’23

＜甲板士官（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の職名で、略号はカパ。隊内の規律維持を主任務とする幹部自衛官で、日本海軍から名称を引き継いでいるので甲板幹部ではなく甲板士官と称する。陸上施設の床も甲板なので、艦船だけでなく陸上部隊にも同じ名称で配置されている。参考：日本の防衛戦力Part3

＜甲板士官（日本海軍）＞：日本海軍の役職で、海軍兵学校を卒業したての22-23歳くらいの新前将校（兵科士官候補生または少尉）であり、上甲板士官と下甲板士官の二種がある。作業服姿で、靴も靴下も履かず夏も冬も裸足であり、ズボンの裾をまくって艦内を飛び回り、下士官や兵を怒鳴りつけながら海軍精神注入棒を振りかざすため、ニワトリという渾名が付けられた。任務は衛兵司令と協力しつつ甲板下士官を引き連れての艦内風紀取締、艦内外の清潔・整理整頓チェック、巡検、艦全体の作業・行事の計画立案運営などで、下士官・兵の中には当然自分よりも年上・古参の者もいるが、全く容赦はしない。参考：海軍よもやま物語、歴史群像10,’18

＜甲板室＞：上部構造物を参照。

＜甲板整列＞：日本海軍用語で、巡検後に兵を甲板に整列させること。大抵まずは下士官から今日一日の訓練内容について怒鳴られ、次いで上級古参兵からバッターを喰らい、解散となった後も再び下甲板に整列させられてその下の古参兵から罰直を受ける。太平洋戦争開戦後は訓練と実戦で忙しくなり、行う暇が無くなったらしい。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜甲板掃除＞：海上自衛隊用語で、清掃行為全般のこと。艦上でも庭でも陸上の建物でも壁でも天井でも甲板掃除である。参考：MAMOR vol.164

＜甲板砲＞：潜水艦が上甲板に搭載した艦砲。水上航行時に水上艦や商船への攻撃、航空機への反撃に使用する。弾薬を耐圧船殻内に搭載すると給弾が面倒なので、上構内に防水区画を設けて弾薬庫にしている。水中抵抗が大きい、砲要員が艦内に退避するのに時間がかかるので急速潜航に向かないといった欠点があり、第２次大戦後に水中行動がメインになると廃れた。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、月刊モデルアート9,'15増刊

　＜甲板砲（アメリカ海軍）＞：初の潜水艦であるホランド第９号艇に固定式214mm砲を積んだ（艦首に内蔵したので正確には甲板砲では無いが）。ただ照準が付けにくく射程も短く役に立たなかったようで、暫くは砲無しの状態が続き、L-1/L-5級になって23口径76mm砲を積むようになった。R-1級で50口径と長砲身化し、旧Ｓ級では102mm、バラクーダ級では127mm、アーゴノート級とナーワル級では152mm甲板砲Mk18と船体の大型化に合わせて大口径化している。ただ1930年代に排水量2000トン未満の一回り小さいクラスが作られるようになると、50口径102mm砲１門（＋7.62mm/12.7mm機銃２または４丁）が標準になった。太平洋戦争で量産したガトー級とテンチ級では50口径102mm砲、25口径127mm甲板砲Mk17、50口径76mm甲板砲Mk18に20mm/40mm高射機関砲や7.62mm/12.7mm機銃を装備、日本軍の対潜脅威が乏しかったため浮上砲戦を仕掛けて艦船を沈めまくっている。戦後は水中行動がメインとなり、甲板砲は廃止された。参考：アメリカ潜水艦史

　＜甲板砲（ドイツＵボート）＞：U-19級から搭載され、当初は水上艦艇に対する防御兵器だったが、後に攻撃手段に変わった。良い照準器が無いので近距離砲撃に頼らざるを得ず、甲板が狭いため操砲も難しく、要員は命綱を付けて操作した。また、被発見時に甲板員が艦内に戻るのに時間がかかり、甲板砲が水中では抵抗を生じるため、第２次大戦半ばからは外されることが多くなった。Ｕボート�Z型では1943年4月以降の生産型では搭載しておらず、Ｕボート�]�U型以降は元から装備していない。主な砲としては8.8cmSKC/35 in UbtsLC35、10.5cmSKC/32 in 8.8cmMPLC30Dがある。参考：Ｕボート入門

　＜甲板砲（日本海軍）＞：L4型潜水艦は十一年式40口径12cm高角甲板砲を装備。海大�V型ｂ以降の海大型は十一年式45口径12cm単装砲を搭載した。巡潜型、機潜型、潜丁型、潜特型は十一年式40口径14cm単装砲である。巡潜３型は十一年式40口径14cm連装砲にした。参考：月刊モデルアート9,'15増刊

＜ガンビア＞：48（軽巡洋艦）を参照。

＜ガンビア軍＞

＜ガンビア軍（１９８９年）＞：兵力900名。歩兵大隊１個、工兵中隊１個、セネガンビア連邦軍歩兵大隊隷下の歩兵中隊１個からなる。また、兵力100名以上の海兵隊が編成されていて、バンジュルに基地があり、上海�U級高速艇２隻、小型高速艇４隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ガンビア軍（２０１５年）＞：現役兵力800名。歩兵大隊２個、大統領警儀中隊１個、工兵隊１個、海兵隊、航空団からなる。哨戒艇５隻、AT-802A輸送機２機、B727要人輸送機１機、CL-601要人輸送機１機、Il-62M要人輸送機１機を保有する。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員２名とオブザーバー２名、コートジボアールにUNOCIオブザーバー４名、リベリアにUNMILオブザーバー１名、マリにMINUSMA要員３名、スーダンにUNAMID要員21名、歩兵中隊１個を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガンビア・ベイ＞：CVE-73（護衛空母）を参照。

＜ガンビット１＞：KH-7（偵察衛星）を参照。

＜ガンビット３＞：KH-8（偵察衛星）を参照。

＜艦尾当直舵手（アメリカ海軍）＞：Aft Steering Watch。当直士官の指示に従い操舵エンジンを運転し、操舵制御を行う。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜カンピナ＞：フランス海軍水上機母艦Campinas。元は貨物船で、1915年に改造された。常備排水量3319トン。速力11.5ノット。水上機6-10機を搭載できる。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜官品＞：自衛隊用語で、支給品のこと。官品ジャージなどと使う。参考：MAMOR vol.57

＜幹部（自衛隊）＞：幹部自衛官を参照。

＜幹部（海上自衛隊）＞：幹部自衛官（海自）を参照。

＜幹部（航空自衛隊）＞：幹部自衛官（空自）を参照。

＜幹部（陸上自衛隊）＞：幹部自衛官（陸自）を参照。

＜幹部ＬＲ操縦課程＞：陸上自衛隊のLR-1連絡偵察機パイロット養成課程。航空学校宇都宮分校／宇都宮校が担任し、学生はヘリパイロットとして十分な経験を持つ幹部自衛官である。2012年11月13日に最後の期が課程を修了した。累計操縦資格取得者は140名だった。参考：月刊航空ファン5,’16

＜幹部学校＞：自衛隊の学校。幹部自衛官が指揮官または幕僚として任務を行うのに必要な知識・技能を教育する学校。指揮幕僚課程、幹部高級課程、幹部特別課程などが設けられており、佐官クラスに対する高等幹部教育の他、戦略・戦術・兵站の研究も行っている。1994年10月、市ヶ谷地区から目黒地区に移転した。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、月刊丸1,’10別冊、MAMOR vol.52、vol.100、陸海軍学校と教育、朝雲

＜幹部学校（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の幹部学校。モットーは初代校長が提唱した「自由な校風・自啓自発・広い視野に立った論理的な思考」。指揮幕僚課程、幹部高級課程、幹部特別課程といった教育課程で幹部自衛官に必要な知識と技能を修得させる。また、大部隊の運用などに関する調査研究を行う。1954年9月1日、横須賀市田浦で開設された。1955年3月、幹部高級課程と幹部特修科課程教育を開始。1956年6月、小平に移転した。7月、指揮幕僚課程教育を開始。1959年12月、市ヶ谷地区に移転した。1994年10月1日、目黒地区に移転した。海上防衛図演装置を導入。2009年10月19-23日、西太平洋海軍シンポジウム次世代士官セミナーを実施。2010年2月9-11日、第13回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを開催。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。10月3-14日、西太平洋海軍シンポジウム次世代士官短期交流プログラムを開催。2012年2月20-24日、第15回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを実施。アメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、タイ、中国、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ロシアが参加した。2013年2月16-23日、第16回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを実施。アメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、タイ、中国、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ベトナム、マレーシア、ロシアなどから海軍大学教官らが参加した。2014年2月17-21日、第17回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを実施。アメリカ、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、ニュージーランド、タイ、フィリピン、フランス、ベトナム、マレーシア、ロシアなどから海軍大学教官らが参加した。10月15-25日、西太平洋海軍シンポジウム次世代士官短期交流プログラムを開催。2015年2月16-20日、第18回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを実施。アメリカ、イギリス、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ブルネイ、マレーシアの14カ国から海軍大学教官らが参加し、開かれ安定した海洋の追求（メインテーマ）と世界の海洋安全保障環境に影響を与える要因への対処（サブテーマ）についで研究会を行った。8月31日から9月4日、平成27年度海上自衛隊演習（図上演習）が実施された。10月13-23日、西太平洋海軍シンポジウム次世代士官短期交流プログラムを実施。2016年2月16-25日、平成27年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2月25-29日、第19回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを実施。アメリカ、イギリス、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、フランス、マレーシアの海軍大佐級、イギリス王立防衛安全保障研究所の研究員、幹部学校教官、海上保安庁、海洋政策研究所が参加し、アジア太平洋地域における海洋安全保障と協同の強化をテーマとするセミナーを行った。6月20日から7月1日、海軍作戦計画作成プロジェクトを初めて実施した。7月7日、目黒川クリーンアップ大作戦に隊員30名で参加。10月18-28日、第６回西太平洋海軍シンポジウム次世代士官短期交流プログラムを開催。2017年2月6-16日、アメリカ海軍大学校で平成28年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2月22-27日、第20回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを開催。アジア太平洋地域における海洋安全保障と協働の強化（四半世紀間の安全保障環境と海軍の役割の変化）がテーマで、アメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ロシアから大佐級の教官・研究者・軍人、民間の政策研究大学院大学、海洋政策研究財団、大阪大学大学院から研究員が参加した。3月6日、目黒地区で平成28年度前期自衛隊高級課程卒業式を統幕学校及び陸空幹部学校と初の合同で実施した。6月1日、未来戦研究所を新編した。6月19-30日、アメリカ海軍の主催で海軍作戦計画作成プロジェクトAPNIC（Asia-Pacific Navy Planning Process International Course）2017を実施。アメリカ海軍大学校から教官など７名を迎え、海自、アメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、韓国、シンガポール、タイ、ニュージーランド、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ペルー、マレーシアの14カ国36名が、海軍作戦計画作成手順の講義や、ハリケーン被害の災害救助支援を想定した実習などを受講した。6月21日、第72期幹部高級課程の１等海佐が「南シナ海における中国の強制外交−海上法執行機関を活用した強制外交の限界−」と題する論文でイギリス第１海軍卿賞を受賞した。8月4日、推薦図書一覧の海上自衛隊幹部学校リーディングリスト（JMSDF Command and Staff College Professional Readin List）を公開。幹部学校戦略研究会が安全保障、国際法等、戦略、情報、作戦、兵站、歴史、指揮統率管理の８分野で推薦図書を選定したもので、海自幹部学校ホームページのトップから一覧のページに飛べる。10月17-27日、第７回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラムを開催。10月31日から11月9日、平成29年度海上自衛隊演習（図上演習<日米共同演習>）を実施。2018年2月12-22日、アメリカ海軍大学校で平成29年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2月26日から3月4日、第21回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを実施し、日本含め18カ国が参加した。3月5日、統幕学校及び陸空幹部学校と共に、三自衛隊幹部自衛官50名、インド留学生１名、韓国留学生１名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。3月15日、第65期指揮幕僚課程35名（海自30名、陸自１名、空自１名、オーストラリア１名、ミャンマー１名、韓国１名）の卒業式を実施。6月18-29日、海軍作戦計画作成手順教育プログラムを実施。10月9-19日、第８回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラムを実施。2019年2月25日から3月4日、第22回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを実施。内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長、慶応大学・政策研究大学院大学教員、笹川平和財団研究員、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ロシア、フランス、韓国、中国、フィリピン、インド、カナダ、ペルー、ニュージーランド、インドネシア、ブルネイ、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナムから海軍大学教官や大佐級研究者らが参加し、自由で開かれたインド太平洋における海軍間の協力をテーマに、討議や研修を行った。3月6日、統合幕僚学校、教育訓練研究本部、空自幹部学校と共に、陸自18名、海自14名、空自13名、韓国人留学生２名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。3月15日、第66期指揮幕僚課程36名（海自32名、陸自１名、空自１名、オーストラリア留学生１名、韓国留学生１名）の卒業式を実施。6月17-28日、海軍作戦計画作成手順教育プロジェクトを実施。7月31日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、空自幹部学校と統合高級課程合同卒業式を実施。陸自16名、海自15名、空自９名、インド海軍大佐１名に卒業証書が授与された。8月28日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、空自幹部学校と自衛隊高級課程合同入校式を行い、陸自17名、海自10名、空自12名が入校した。9月4-9日、令和元年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。10月8-18日、西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラムを実施。2020年1月8-9日、海幕、自衛艦隊司令部、DD-110たかなみ乗員などが参加し、海自部隊中東派遣の図上演習（各級指揮官情勢判断、部隊運用、情報伝達要領など）を実施。2月24日から3月5日、アメリカ海軍大学校で行われた令和元年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。4月7-8日、中東における情報収集活動のための部隊派遣に伴う図上演習を実施。自衛艦隊司令部、第８護衛隊、DD-104きりさめなどが参加し、各級指揮官の情勢判断や部隊運用・情報伝達要領などの訓練を行った。7月16-17日、中東への護衛艦派遣を想定した図上演習を実施。自衛艦隊幕僚長が統裁官で、中東における情報収集活動水上部隊３次隊として派遣予定のDD-101むらさめ艦長らが参加し、部隊運用、情報伝達、不測の事態が発生した場合の対処要領などを演練した。

2021年2月23-26日、第24回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを新型コロナウイルス感染拡大の影響により初のオンライン形式で行い、笹川平和財団研究員、アメリカ、イギリス、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、中国、チリ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、ペルー、マレーシア、ロシアが参加、自由で開かれたインド太平洋における海洋安全保障のための海軍間の協働をテーマに、基調講演や討議を行った。3月5日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、空自幹部学校と第29期統合高級課程45名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。6月14-18日、人道支援・災害救援分野に関する海軍作戦計画作成手順教育プログラムAPNIC2021を新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンラインで開催。7月30日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、空自幹部学校と自衛隊高級課程合同卒業式を実施。10月25-29日、第10回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラムを対面・オンライン併用で実施。2022年3月30日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、空自幹部学校と令和4年度前期自衛隊高級課程合同入校式を実施し、３自衛隊43名とオーストラリア海軍留学生１名が参加した。8月25-26日、派遣海賊対処行動水上部隊に係る図上演習が行われた。2023年10月18-25日、第11回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラムを実施。2024年2月13-17日、第27回インド太平洋海軍大学セミナーを実施。

参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’12、4,’13、4,’14、4,’15、5,'16、4,’17、12,’17、1,’18、11,’19、3,’20、5,'20、6,'20、月刊丸1,’10別冊、MAMOR vol.52、vol.60、vol.127、朝雲、陸海軍学校と教育、日本の防衛戦力Part3

＜幹部学校（海上自衛隊、２０１５年）＞：学校長、副校長、先任伍長、企画部（総務課、企画課、会計課、資料課）、防衛戦略教育研究部（教務課、課程管理室、戦略研究室、戦史統率研究室、試験業務室）、運用教育研究部（総括室、作戦研究室、作戦法規研究室、ロジスティクス研究室、図演装置運用課）からなる。参考：海上自衛隊幹部学校ホームページ

＜幹部学校（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の幹部学校。空自部隊の上級部隊指揮官や上級幕僚としての職務を遂行するのに必要な知識・技能を取得させるための教育訓練と、空自部隊運用などに関する調査研究が主任務で、目黒基地の基地業務も担当する。モットーは「明智、正義、勇気」。上級幹部向けの指揮幕僚課程、幹部特別課程、幹部高級課程、中級幹部向けの幹部普通課程、上級事務官等講習の各教育が行われる。1954年8月1日、浜松で創設された。1959年、市ヶ谷に移駐。1994年10月、目黒基地に移駐。1996年、国際航空防衛教育セミナーを初開催。2009年9月15-18日、韓国空軍との部隊間交流のため、校長、教官４名、第57期指揮幕僚課程学生50名を韓国空軍大学などに派遣した。2012年11月5-14日、第12回指揮幕僚課程学生多国間セミナーと第17回国際航空防衛教育セミナーを実施。2014年8月1日、空自唯一のシンクタンクである航空研究センターを新編した。8月2日、創立60周年記念式典を目黒基地で実施。9月8-12日、第14回指揮幕僚課程学生多国間セミナーを実施。アジア太平洋地域の14カ国から将校が参加し、指揮幕僚課程学生と各国空軍との連携活動について議論した。9月29日、イギリス・ケンブリッジ大学のステファン・ハルバー教授が学校を訪問し、東アジア情勢などについて意見交換を行った。2015年2月3-6日、第19回国際航空防衛教育セミナーを実施。アメリカ、イギリス、イスラエル、オーストラリア、カナダ、韓国、タイ、ベトナムから１名ずつと、幹部学校教官・研究員ら50名が参加し、各国空軍大学の幹部教育と研究のあり方を話し合った。2月4日、幹部候補生採用予定者８名に対する研修を実施。3月26日、平成26年度幹部学校シンポジウムを実施。アメリカの外交安全保障戦略の行方をテーマにパネリスト５人が議論し、隊員60名が聴講した。7月1日、航空安全管理隊による事故防止に関する講話を受講した。10月27-29日、第15回指揮幕僚課程学生多国間セミナーを実施。指揮幕僚課程学生50名と16カ国（アメリカ、イギリス、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、サウジアラビア、シンガポール、タイ、ドイツ、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、フランス、ミャンマー）の士官26名が参加し、無人機・ロボティクスをテーマとした基調講演を拝聴、６グループに分かれて多国間協力に関する議論を行い、全体会議と質疑応答を行った。2016年3月1日、アメリカ空軍幹部高級課程教官・学生計19名の訪問を受け、学生間で安全保障全般の意見交換を行った。5月31日、目黒区防衛強化定期総会で校長による防衛講話を開いた。8月1日、防衛研究所から図書館の管理運営を引き継ぎ、記念式典を行った。10月5-6日、平成28年度空軍大学セミナー（2015年度に国際航空防衛教育セミナーから改称、改称後２回目）を都内ホテルで実施。航空研究センター、アメリカ空軍参謀本部・研究機関、オーストラリア空軍研究機関、イギリス軍・フランス軍将校が参加し、意見交換を行った。10月25-28日、第16回指揮幕僚課程学生多国間セミナーを実施。アメリカ、イギリス、クウェート（初参加）、フランスなど21カ国から士官27名を招集し、エアパワーの多国間協力の方向性についてをメインテーマとした基調講演聴講、防衛政策発表、グループ討論を行った。2017年2月24日、目黒基地で組織変革とその課題を統一テーマとする平成28年度航空研究センターシンポジウムを開催。3月6日、目黒地区で平成28年度前期自衛隊高級課程卒業式を統合幕僚学校及び陸海幹部学校と初の合同で実施した。6月14日、自衛隊中央病院長を講師に招いて喫煙のリスクと対処に関する講話を実施。11月14-15日、航空研究センターがグレーゾーン事態の課題への取り組みをメインテーマとした空軍大学セミナーを実施。航空研究センターから２名、アメリカ空軍参謀本部連絡官１名、アメリカ（ランド研究所、空軍大学、空軍省）、イギリス（空軍参謀本部）、インドネシア（国防大学）、オーストラリア（空軍航空開発センター）、ドイツ（空軍参謀本部）、フィリピン（空軍教育訓練ドクトリン集団）、フランス（空軍参謀本部）から12名が参加して議論を行い、研究者、各国大使館員・武官など200人が聴講した。2018年3月5日、統合幕僚学校及び陸海幹部学校と共に、三自衛隊幹部自衛官50名、インド留学生１名、韓国留学生１名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。3月22日、平成29年度（第４回）航空研究センターシンポジウムを実施。航空防衛戦略と先進技術の連係強化を目指してが統一テーマで、センター長以下空自隊員やOBら210人が出席し、議論や発表を行った。7月20日、目黒基地で航空中央音楽隊によるサマーキャンパスコンサートを実施。2019年2月13-15日、明治機械の社員14人に隊内生活体験を実施。3月6日、統合幕僚学校、教育訓練研究本部、海自幹部学校と共に、陸自18名、海自14名、空自13名、韓国人留学生２名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。3月29日、第66期指揮幕僚課程卒業式を実施。7月25日から8月2日、課業外時間でｅスポーツ大会を実施。バンダイナムコの協力を得て競技を行い、PS4ドラゴンボールファイターズでシステム管理室の空士長、エースコンバット７で教育部の３等空曹が優勝した。7月31日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、海自幹部学校と統合高級課程合同卒業式を実施。陸自16名、海自15名、空自９名、インド海軍大佐１名に卒業証書が授与された。8月28日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、海自幹部学校と自衛隊高級課程合同入校式を行い、陸自17名、海自10名、空自12名が入校した。11月26日、留学生７名との交流会を実施。2020年2月24日から3月2日、第23回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを開催。日本からアジア・パシフィック・イニシアティブ研究主幹、政策研究大学院大学教授、笹川平和財団研究院、国外からアメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、シンガポール、タイ、チリ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ロシアの大佐級海軍大学教官・研究者が参加し、海賊対処や海上テロ対策について討議、横須賀基地を研修した。11月12日、指揮幕僚課程の英語教育の一環として、ウォーゲーム（市販ボードゲーム）を使用した初の教育を実施。12月、韓国合同軍事大学校に留学していた三等空佐が卒業式で合同軍事大学校総長賞（総合部門、研究報告部門）を受賞した。

2021年3月5日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、海自幹部学校と第29期統合高級課程45名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。7月1日、令和2年度隊員自主募集の功績で、井筒空幕長から第４級賞状を授与された。7月30日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、海自幹部学校と自衛隊高級課程合同卒業式を実施。11月5-9日、第21回指揮幕僚課程学生多国間セミナーをオンラインで実施。学生49名が、初参加のウクライナ、エストニア、バングラデシュ、モルディブを含む19カ国軍人と、日本が直面する安全保障に関するテーマ８点の議論を行った。2022年3月30日、目黒基地大講堂で統合幕僚学校、陸自教育訓練研究本部、海自幹部学校と令和4年度前期自衛隊高級課程合同入校式を実施し、３自衛隊43名とオーストラリア海軍留学生１名が参加した。9月15日、航空研究センター長とインド空軍エアパワー研究所長が空自とインド空軍の教育研究交流覚書に署名した。参考：目黒基地ホームページ、陸海軍学校と教育、MAMOR vol.60、vol.119、vol.132、月刊航空ファン1,’15、月刊JWings12,'22、朝雲

＜幹部学校（航空自衛隊、２０１５年）＞：総務課、人事課、計画課、教育部、業務部、航空研究センター、システム管理室、図書館からなる。参考：目黒基地ホームページ

＜幹部学校（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の幹部学校。陸自部隊の上級指揮官・上級幕僚としての職務を遂行するのに必要な知識・技能を習得するための教育訓練を主任務とする。モットー（三訓）は「思索生知（思索、知を生ず）、公平無私（公平にして、私無し）、至誠奉公（至誠、公に奉ず）」。指揮幕僚課程、幹部高級課程、技術高級課程などの教育を行う。元は1951年に久里浜駐屯地で開設された警察予備隊総隊学校で、保安隊創設により1952年10月に保安隊幹部学校に改称され、1954年3月に小平駐屯地に移り、自衛隊創設で陸上自衛隊幹部学校となった。1955年、総合幕僚課程と指揮幕僚課程の教育を開始。1956年、総合幕僚課程を高級幹部課程に改称。1959年、市ヶ谷駐屯地に移った。1960年、補給管理課程の教育を開始。1972年、技術高級課程の教育を開始。1976年、留学生の受け入れを開始。1977年、指揮幕僚課程の通信教育を開始。1987年、指揮幕僚課程の通信教育を終了。1994年、目黒駐屯地に移駐した。2009年、補給管理課程の教育を終了。2011年3月12日、指揮幕僚課程55期81名と学校職員10名を東日本大震災被災地域の駐屯地や自治体などに派遣。創設以来初の災害派遣となった。2014年8月8日、第68期幹部高級課程と第60期指揮幕僚課程の合同入校式を実施。2015年2月16-20日、第95期一般幹部候補生部内課程教育の最終段階総合訓練「100キロ徒歩行進から攻撃行動」を実施。徒歩行進では佐賀県武雄市内の幼稚園児たちによる応援を受けた。2月25日、陸上自衛隊幹部学校学生歌が完成した。3月18日、第42期技術高級課程学生16名の卒業式を実施。3月31日、第69期幹部高級課程17名（うち海自１名、空自１名）と第43期技術高級課程15名の入校式を実施。5月18日、タイ陸軍訓練コマンド副司令官とタイ陸軍指揮幕僚大学学生ら65名の訪問を受けた。2017年2月9-10日、陸幕防衛部が主催して第10回陸上自衛隊フォーラムを実施。3月6日、目黒地区で平成28年度前期自衛隊高級課程卒業式を統幕学校及び海空幹部学校と初の合同で実施した。2018年3月5日、統幕学校、海空幹部学校と共に、三自衛隊幹部自衛官50名、インド留学生１名、韓国留学生１名の自衛隊高級課程合同卒業式を実施。3月26日に廃止され、27日に教育訓練研究本部に改編された。参考：陸上自衛隊幹部学校・目黒駐屯地ホームページ、陸海軍学校と教育、MAMOR vol.60、朝雲、久里浜駐屯地ホームページ

＜幹部学校（陸上自衛隊、２０１５年）＞：学校長、副校長、最先任上級曹長、企画室、総務部（総務課、管理課、会計課）、教育部（教務課、戦略教育室、作戦運用教育総括室、作戦運用教育第１室、作戦運用教育第２室、情報教育室、研究開発教育室、総合兵站教育室、統率教育室、防衛法制教育室、戦史教育室、語学教育室、教育システム開発室）、研究課からなる。参考：陸上自衛隊幹部学校・目黒駐屯地ホームページ

＜幹部教育課程（陸上自衛隊）＞：陸自幹部学校で行われている課程教育。一等陸佐・二等陸佐向けである。参考：陸海軍学校と教育

＜幹部高級課程（自衛隊）＞：自衛隊の一佐・二佐向け教育。1980年に統合幕僚学校で三幹部学校合同統合教育が開始されたのに伴い、三幹部学校合同統合教育を修了した後に、陸海空の各幹部学校に分かれて幹部高級課程を受講することになった。本課程修了後は統合幕僚学校で統合高級課程教育を受け、一連の３課程教育を合わせて自衛隊高級課程と称する。参考：朝雲

＜幹部高級課程（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の一般教育で、一佐・二佐向け。参考：陸海軍学校と教育

＜幹部航空操縦課程＞：陸上自衛隊の航空機パイロット養成課程で、POC（Pilot Officer Course）と略す。防衛大学校または一般大学を卒業し、幹部候補生学校入校中に航空適性検査を受け航空操縦要員に指定され、一般幹部候補生課程を経て幹部初級課程を修了した隊員が対象である。教育は座学教育（前期教育）２ヶ月とTH-480Bヘリによる操縦教育（中期教育）９ヶ月で、明野駐屯地の航空学校本校と霞ヶ浦駐屯地の航空学校霞ヶ浦校で行われる。修了するとウイングマークが授与され、機種ごとの操縦訓練である実用機課程（後期教育。AH-64Dは明野で４ヶ月、AH-1Sは明野で３ヶ月、UH-60JAは明野で３ヶ月、UH-1Jは北宇都宮で３ヶ月、CH-47J/JAは木更津で３ヶ月、OH-1は明野で３ヶ月）に移り、その後は部隊配属となる。2015年7月27日、固定翼機教育を木更津駐屯地第１ヘリコプター団（2014年度まで航空学校宇都宮校で実施していた）で開始。参考：月刊JWings5,’08、11,’19、MAMOR vol.111、月刊航空ファン2,’19、朝雲

＜幹部候補生（自衛隊）＞：三自衛隊の幹部自衛官を養成する制度。一般幹部候補生、歯科幹部候補生、薬剤科幹部候補生がある。一般では22-26歳の大卒者、20-22歳の大卒見込者、28歳未満の修士課程修了（見込）者を対象に試験を行い、入隊後１年で大卒は三尉、院卒は二尉に昇任させる。歯科では大学の歯学科を対象に採用し、歯科医官を養成する。薬剤科では大学の薬学科を対象に採用し、薬剤官を養成する。参考：月刊JWings4,’20、6,’14、5,’14

＜幹部候補生（日本陸軍）＞：日本陸軍の予備員養成制度。明治22年に創設された一年志願兵制度を昭和2年に改訂したのが始まりで、昭和8年に甲種（将校要員）と乙種（下士官要員）の２つに分かれた。ただし衛生部には乙種が無い。入営後２ヶ月強で有資格者に対して採用試験があり、合格すると一等兵に進級して連隊での教育を受け、入営半年の時点で上等兵に進級し、それまでの成績によって甲種と乙種に振り分けられる。甲種は伍長に進級して連隊（昭和13年以降は歩兵が予備士官学校、歩兵以外が実施学校などの幹部候補生隊）で小隊長になるための７ヶ月の訓練を受ける。終了すると軍曹に進級、見習士官として連隊で勤務し、入営から２年で少尉になって予備役に入り、召集に備える。乙種は連隊でそのまま下士官要員としての教育が行われ、入営から２年で伍長または軍曹となって予備役に入り、召集に備える。戦時には予備役に入ると同時に召集されて戦地に駆り出された。昭和14年以降は陸軍士官学校特別志願将校課程（１年）などに入れば予備役から現役に転換することができるようになった。参考：陸海軍学校と教育、軍医サンよもやま物語

＜幹部候補生学校＞：自衛隊の学校。入校した学生に対して幹部自衛官としての資質を養い、初級幹部に必要な基本的知識・技能を教育する。卒業すると幹部自衛官に任官される。参考：MAMOR vol.100、vol.111

＜幹部候補生学校（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の学校。初級幹部である三等海尉に必要な知識や技能を教育するための機関で、広島県江田島市の海軍兵学校跡地に所在しており、海軍兵学校生徒館で赤レンガと呼ばれるT227庁舎（玄関の床板はコルベット金剛の甲板木材）、海軍兵学校を昭和17年に増設した部分であるT226庁舎、機関講堂T139庁舎などからなる。防衛大や一般大学などを卒業した学生が入校し、初級幹部として必要な知識と技能を学び、体力を練成する。校風として海軍兵学校以来の五省を引き継いでおり、教育期間中にはこれまた海軍兵学校からの伝統である古鷹山登山が行われる。週末に江田島の民家で下宿できるのも海軍兵学校と同じ。一般幹部候補生課程（１年間）、医科歯科幹部候補生課程（1.5ヶ月間）などの教育課程があり、遠泳（15km）、持久走競技（3km）、弥山登山競技、短艇競技（2km）、遠漕競技（15km）、総短艇、野外戦闘訓練（陸自原村演習場）といった訓練をこなす。競技で表彰されるのは優勝チームだけである。修了後は２ヶ月の近海練習航海と５ヶ月の遠洋練習航海に入る。警備隊時代の1953年6月、横須賀地方総監部で幹部候補生教育を開始し、9月に横須賀の警備隊術科学校で行われるようになり、1954年7月の自衛隊創設で海上自衛隊術科学校に改称され、1956年1月に術科学校本校が江田島に移転、3月には幹部候補生教育も術科学校本校で行われるようになり、1957年5月10日に幹部候補生学校として独立した。8月、幹部予定者課程教育を開始。1958年4月、海軍兵学校生徒館の使用を開始。1960年8月、飛行幹部候補生課程と公募幹部課程の教育を開始。1966年7月、一般幹部候補生（部内課程）の教育を開始。1972年10月、アメリカ海軍連絡官が配属されるようになった。1980年4月、医科歯科幹部候補生課程の教育を開始。2011年11月1日、第71期公募幹部課程２名、第64期飛行幹部候補生課程58名、第45期一般幹部候補生課程（部内課程）111名が帆走巡航を実施。11月10日、第64期飛行幹部候補生課程58名と第45期一般幹部候補生課程（部内幹部）111名が短艇競技を実施。2012年3月20日、第62期一般幹部候補生課程200名の卒業式を実施。修了者は初級幹部として引き続き近海練習航海に出発した。11月6-9日、第60期指揮幕僚課程学生32名が韓国研修を実施。2013年3月20日、第63期一般幹部候補生課程178名と第65期飛行幹部候補生課程220名の卒業式を実施。修了者は初級幹部としてそれぞれ近海練習航海と外洋練習航海に出発した。5月16日、組織改編を実施。教育部を防衛戦略教育研究部に、研究部を運用教育研究部に改称し、企画部（総務課、企画課、会計課、資料課）を新設した。2014年3月19日、第61期指揮幕僚課程学生36名（海自33名、空自１名、陸自１名、韓国留学生１名）の卒業式を実施。3月21日、第64期一般幹部候補生課程173名（174名？）、第66期飛行幹部候補生課程48名の卒業式を実施。修了者は初級幹部としてそれぞれ近海練習航海と外洋練習航海に出発した。5月27-28日、陸海空幹部候補生662名が交流行事を実施。2015年2月6日、一般幹部候補生課程（部内課程）の卒業式を実施。112名が外洋練習航海に出発した。3月21日、第64期一般幹部候補生課程と第67期飛行幹部候補生課程の卒業式を実施。一般幹部候補生課程を卒業した初級幹部171名は近海練習航海、飛行幹部候補生課程を卒業した58名は外洋練習航海に出発した。5月21-22日、陸海空幹部候補生723名の交流行事を実施。アメリカ海軍兵学校短期研修で来日中の士官候補生８名も参加した。12月12日、第66期一般幹部候補生175名が江田島市ヒューマンビーチ長瀬と重巡利根慰霊碑の清掃奉仕を実施。2016年2月5日、一般幹部候補生課程（部内課程）113名の卒業式を実施。式典終了後は外洋練習航海に出発した。3月19日、第66期一般幹部候補生課程193名と第68期飛行幹部候補生課程55名の卒業式を実施。式典終了後、一般幹部候補生課程修了者は近海練習航海、飛行幹部候補生課程修了者は外洋練習航海に出発した。2017年2月2日、第50期一般幹部候補生課程（部内課程）の卒業式を実施。引き続き外洋練習航海に出発した。3月18日、第67期一般幹部候補生課程195名（うちタイ留学生１名）と第69期飛行幹部候補生課程44名の卒業式を実施。式典終了後、一般幹部候補生課程修了者は近海練習航海、飛行幹部候補生課程修了者は外洋練習航海に出発した。2018年1月16日、海自第１術科学校や江田島市民と共に、古鷹山登山道を整備した。3月17日、第68期一般幹部候補生課程200名（うちタイ留学生１名）と第70期飛行幹部候補生課程36名の卒業式を実施。島根地本の呉・江田島部隊研修の研修者が式を見学した。式典終了後、一般幹部候補生課程修了者はTV-3508かしま、TV-3513しまゆき、DD-112まきなみでの近海練習航海、飛行幹部候補生課程修了者はDD-115あきづき、TSS-3609みちしおでの外洋練習航海に出発した。門標も７代目に付け替え、除幕式を行った。7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。8月24日、アメリカ海軍連絡官ハセット大尉の少佐昇任に際し、アメリカ海軍式の昇任披露を行った。10月28日、江田島地区自衛隊記念日行事を実施。11月25日、海自第１術科学校との校内一般公開累計見学者数が500万人を達成し、記念行事を行った。12月1日、海自第１術科学校と共に、地元ボランティア団体の野登呂山森保存の会と、真山道を整備した。12月8日、香川地本の自衛隊艦艇等見学ツアーに協力し、香川県内海自入隊予定者ら15人が見学した。2019年3月16日、第69期一般幹部候補生課程190名（うちタイ留学生１名）と第71期飛行幹部候補生課程44名の卒業式を実施。式典終了後、一般幹部候補生課程修了者はTV-3508かしま、TV-3519やまゆき、DD-105いなづまでの近海練習航海、飛行幹部候補生課程修了者はDD-117すずつきでの外洋練習航海に出発した。4月、T226庁舎取り壊し・立て替えに備え、教官室や学生館など全内容を機関講堂T139庁舎に移転した。7月1日、第124期幹部予定者課程88名の卒業式を実施。式典終了後、卒業生はATS-4202くろべに搭乗して江田島を出港した。8月5日、T226庁舎取り壊し・建て替え工事の安全祈願祭を実施。2020年3月14日、第70期一般幹部候補生課程155名と第72期飛行幹部候補生課程58名の卒業式を実施。早速同日に前者は近海練習航海、後者は外洋練習航海に出発した。5月13日、飛行幹部候補生（前期）入港式を実施。2021年2月9日、第54期一般幹部候補生課程（部内）108名の卒業式を実施。卒業生はDD-153ゆうぎり、TV-3518せとゆき、TV-3520はたかぜで外洋練習航海に出発した。3月13日、第71期一般幹部候補生160名と第73期飛行幹部候補生課程59名の卒業式を実施。卒業生は前者がTV-3508かしま、MST-463うらが、ATS-4203てんりゅうに乗艦し近海練習航海に、後者がDD-108あけぼのに乗艦し外洋練習航海に向かった。3月18日、江田島湾で第128期幹部予定者課程の短艇競技を実施。7月27日、第72期一般幹部候補生課程・第55期一般幹部候補生課程（部内）計290名の遠泳を実施。2022年2月9日、第55期一般幹部候補生課程（部内）105名の卒業式を実施。卒業生はTV-3520はたかぜとDD-105いなづまに分乗し、外洋練習航海に向かった。3月12日、第72期一般幹部候補生課程160名と第74期飛行幹部候補生課程54名の卒業式を実施。卒業生は前者がTC-3508かしま、TVしまかぜ、ATSくろべに乗艦し近海練習航海に、後者がDDすずつきに乗艦し外洋練習航海に向かった。12月16日、第131期幹部予定者課程卒業式と第82期公募幹部課程修業式を実施。参考：海上自衛隊幹部候補生学校ホームページ、月刊丸1,’10別冊、MAMOR vol.103、vol.60、vol.111、月刊世界の艦船2,’12、3,'23、朝雲、陸海軍学校と教育、月刊軍事研究4,’18

＜幹部候補生学校（海上自衛隊、２０１５年）＞：学校長、副校長、総務課、教育部（教務課、普通学科、統率科、砲雷科、運用科、航海船務科、機関科、経理補給科、航空科、技術科、体育科）、学生隊（学生隊本部、第１学生隊、第２学生隊、第３学生隊）からなる。参考：海上自衛隊幹部候補生学校ホームページ

＜幹部候補生学校（航空自衛隊）＞：航空教育集団隷下で、奈良基地にある。防衛大、防衛医大、一般大学を卒業した学生や、部内選抜試験合格者、飛行学生／航空学生、幹部昇任試験に合格した三尉候補者が入校し、一般幹部候補生（防大）23週間、一般幹部候補生（一般）40週間、一般幹部候補生（部内）26週間、飛行幹部候補生17週間、医科歯科幹部候補生６週間、三尉候補者13週間の教育を受け、幹部自衛官として必要な知識や技能、体力を身に付ける。モットーは「自ら考え、判断し、行動する。」パイロット要員は卒業後、隊付教育２ヶ月を経て第12飛行教育団の飛行準備過程に入る。昭和17年4月（昭和16年？）に建設された厚生省西部国民勤労訓練所の跡地に建てられており、教育講堂として使われていた建物を大講堂として使用していた。この大講堂は合掌造りの三角屋根を持ち、アメリカ陸軍に接収されていた当時は教会として使われていたことから、チャペルの愛称が付けられた。何回か航空機を運用する基地への移転が計画されたが、休日に奈良や京都で日本古来の文化に触れることで得られる精神的な影響が代え難いということで、奈良基地に留まったままとなっている。1955年9月、防府基地（現防府南基地）で創設された。操縦学生基本課程教育が幹部学校から編入され、操縦学生教育隊が新編されている。1956年11月（1957年3月？）、奈良基地に移転した。1957年1月、操縦学生教育隊が奈良基地に移った。3月、編成を完結。1961年3月、芦屋基地に幹部候補生学校芦屋訓練隊が創設され、操縦学生基本課程教育がそちらで行われるようになった。1977年4月、一般幹部候補生（女子）の教育を開始。1980年4月、医科歯科幹部候補生の教育を開始。1989年3月16日、航空教育集団の隷下に入った。2009年4月3日、新しい大講堂である飛翔館（旧大講堂の三角屋根デザインを継承）の落成式と、第99期一般幹部候補生課程・第30期医科歯科幹部候補生課程の計360名に対する入隊入校式を実施。11月19日、NCWセミナー2009を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。5月24日、第32期医科歯科幹部候補生課程学生12名の卒業式を実施。6月7日、第33期�U種試験採用者初任講習入校式を実施。2012年4月3日、一般幹部候補生課程等325名の合同入校式を実施。5月18日、教育講堂飛翔館で第33期医科歯科幹部候補生課程11名の卒業式を実施。2013年1月21日、新本部庁舎での業務を開始。1月28-29日、基幹隊員による書き初め展示会を実施。3月5日、食堂厨房で調理競技会を実施。4月3日、学生331名の合同入校式を実施。5月10日、第77期飛行幹部候補生（前期）19名の入校式を実施。7月10-12日、第103期Ｂ課程学生と第77期Ａ課程学生が沖縄で現地訓練を実施。10月22-24日、第13回指揮幕僚課程学生多国間セミナーを実施。CS課程学生、教官、15カ国の空軍関係者が参加した。2014年1月13日頃、Ｕ課程学生が陸自長池演習場で５日間の総合訓練を実施。不眠不休の基地警備訓練により指揮幕僚能力を向上させた。2月8日、奈良基地でＵ課程学生65名の卒業式を実施。3月19日、業務課給養班員５チーム10名が参加して調理競技会を実施。10月16日、第79期飛行幹部候補生課程９名の入校式を実施。10月18日、基幹隊員７名が奈良基地周辺で佐保川自治区防災訓練に参加。10月22日、一般幹部候補生150名の卒業式を実施。2015年12月15日、基幹隊員21名が春日若宮おん祭大宿所詣の行列に参加した。12月17日、学校長と、一般幹部候補生（一般）課程・飛行幹部候補生（後期）課程学生計65名が、春日若宮おん祭に参列。2016年2月11日、第105期一般幹部候補生課程（一般大等出身者）57名の卒業式を実施。2017年1月23日、一般幹部候補生（一般）課程入校中の候補生が人命救助の功績により大阪市西成消防署長及び大阪市交通局運輸部長から感謝状を贈呈された。10月6日、剛健の夕べを開催し、Ｉ課程学生が隊歌発表、BU課程学生が少林寺拳法武道展示、中尉会が剛健踊りを披露した。2018年1月23日、奈良県主催国民保護共同図上訓練に第４施設団、奈良地本と共に参加。6月18日に発生した大阪北部地震の災害派遣に参加。11月3日、平城京天平祭東大寺参詣に12名がボランティアとして参加した。2019年5月3日、学校学生隊企画科長以下５名が平城京天平行列に参加。2020年1月20日、公募幹部課程２名の卒業式を実施。4月3日、防大・一般課程174名、部内課程118名、医科歯科看護科課程13名の入校式を実施。5月21日、第３期医科歯科看護科幹部候補生課程13名の卒業式を実施。9月17日、３尉候補者課程入校式を実施。2021年4月2日、第111期一般幹部候補生（防大・一般・部内）課程と第４期医科歯科看護科幹部候補生課程計300名の入隊・入校式を実施。7月1日、令和2年度隊員自主募集の功績で、井筒空幕長から第４級賞状を授与された。12月19日、五條市上野公園で行われた奈良県防災フェア2021で広報を行った。12月22日、防大・一般課程と３尉候補者課程計184名の卒業式を実施。参考：MAMOR vol.52、vol.60、vol.111、vol.140、陸海軍学校と教育、月刊軍事研究6,’14、奈良基地ホームページ、月刊航空ファン4,’16、月刊JWings3,'22、朝雲、航空教育集団ホームページ

＜幹部候補生学校（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の幹部候補生学校。防衛大学校や一般大学などを卒業し幹部候補生として採用された学生に対し、初級幹部として必要な基礎知識・技能を修得させるのが主任務である。防衛大学校卒業者（一般幹部候補生Ｂ課程。Ｂは防大Boudaiの頭文字）、一般大学等卒業者（一般Ｕ課程。ＵはUniversityの頭文字）、防大・一般大出身者一体教育（一般BU課程。2007年度から）、部内選抜試験合格者（一般Ｉ課程）、薬剤課大学卒業者（薬剤Ｐ課程）、防衛医大卒業者（医科Ｍ課程）、一般医科大学出身者（医科MU課程）、一般歯科大学卒業者（歯科Ｄ課程・DU課程）、陸曹航空操縦課程修了者（飛行Ｆ課程）といった種別があり、６週間から１年間の教育が行われる。修了後は職種別の初級幹部教育に進む。教育支援部隊として幹部候補生学校教導隊が置かれている。幹部として部隊を先導指揮する素養を養うべく厳しい教育が行われるため、地名をとって「二度とくるめえ」とささやかれているらしい。モットーは「質実剛健にして清廉高潔」。伝統行事として開校翌年の1956年から実施されている高良山登山走（全長5.6km、標高差156m、登り21カ所）があり、最高記録は東京オリンピック銅メダリストの円谷幸吉二尉が1966年に出した18分９秒である。1951年6月に久里浜の総隊学校で幹部候補生教育が開始され、1952年3月に前川原駐屯地の普通科学校に移転、5月に公募一般幹部候補生、1953年5月に陸曹特別学生課程、1954年5月に衛生幹部候補生課程の各教育が始まり、7月に幹部候補生学校として独立した。1957年4月、防衛大学校卒一般幹部候補生の教育を開始。1958年11月、防衛工学課程の教育を開始。1963年10月、陸曹特別学生課程が３尉候補者課程に改称された。1965年4月、衛生幹部候補生課程が廃止された。1966年7月、防衛工学課程が廃止された。1973年4月、幹部基礎課程の教育を開始。1974年8月、幹部候補生学校教導隊が新編された。1980年4月、一般幹部候補生課程（WAC）と医科歯科幹部候補生（MD）の教育を開始。1981年1月、女性自衛官防衛基礎学等集合教育を開始。1986年6月、幹部基礎課程を廃止。1995年3月、一般幹部候補生課程（WAC）を廃止。2007年4月、BU一体教育を開始。2008年11月24-28日、第89期一般幹部候補生BU課程学生350名が韓国研修を実施。12月14日、第89期一般幹部候補生BU課程339名の卒業式を実施。2009年3月7日、第89期一般幹部候補生Ｉ課程（後段）294名の卒業式を実施。3月27日、第90期一般幹部候補生と第45期医科歯科幹部候補生が着校。4月4日、第90期一般幹部候補生Ｂ・Ｕ課程368名（うちシンガポール留学生１名）、同Ｉ課程214名、第45期MD課程43名の入校式を実施。5月29日、第45期医科歯科幹部候補生課程43名の卒業式を実施。6月23日、第４期幹部基礎（看護師）課程41名の入校式を実施。8月22-25日、第90期一般幹部候補生Ｉ課程（前段）候補生が総合訓練を実施。30kgの背嚢と個人火器を装着し、100km行進の後に大野原演習場で前衛小隊として行動した。11月16-20日、第90期一般幹部候補生BU課程学生350名が韓国研修を実施。12月5日、第90期一般幹部候補生BU課程卒業式を実施。2011年3月12日、第91期一般幹部候補生Ｉ課程（後段）314名の卒業式を実施。4月6日、第92期一般幹部候補生BU課程382名、同Ｉ課程203名、第47期医科歯科幹部候補生課程50名の入校式を実施。5月26日、第47期医科歯科幹部候補生課程50名の卒業式を実施。6月17日、第６期幹部基礎（看護師）課程43名の入校式を実施。7月1日、第60期３尉候補者課程33名の卒業式を実施。2012年7月1日、第61期３尉候補者課程30名の卒業式を実施。10月2日、第93期一般幹部候補生課程学生（Ｉ・後段）320名の入校式を実施。10月23日、国家公務員第�T種採用３年目の防衛省事務官15名による藤山武装障害走体験研修を支援した。2013年1月15日、第93期一般幹部候補生Ｉ課程の徒歩行進訓練を実施。30kgの装具を付け、全長50km・高低差500mのルートを一晩で踏破した。2月18-20日、第93期一般幹部候補生Ｉ課程（後段）の総合訓練を実施。30kgの装備を身に付けての100km雨中徒歩行進に引き続き、大野原演習場で攻撃行動を行った。3月26日、教導隊小銃小隊が１個から２個に増え、教導隊隊員数が39名から59名に増員され、軽装甲機動車７両と高機動車４両が追加配備されたのに伴い、教導隊編成完結式を行った。4月6日、第94期一般幹部候補生BU課程330名、第94期一般幹部候補生Ｉ課程198名、第49期医科・歯科幹部候補生課程50名、第62期３尉候補生課程27名の入校式を実施。5月8-12日、第49期医科・歯科幹部候補生課程50名が大野原訓練に参加。総合訓練では20kgの背嚢と個人火器を携帯して30kmほど夜間行進し、朝に攻撃目標へと突撃した。5月28-29日、第94期一般幹部候補生課程BU学生が江田島地区と呉基地を研修した。7月3-12日、第94期一般幹部候補生BU課程学生が大矢野原演習場で12.7mm重機関銃射撃、個人携帯対戦車弾射撃、潜入課程、分隊防御の各訓練を実施。7月17-22日、第８期幹部基礎（看護師）課程46名の総合訓練を実施。30kgの背嚢を装着しての30km行進などを行った。8月18-25日、第13回多国間セミナーを実施。15カ国の将校22名と指揮幕僚課程学生ら計100名が参加した。9月10日、第94期一般幹部候補生Ｉ課程（前段）198名が卒業した。2014年2月18日、第94期一般幹部候補生323名が100km行進を実施。沿道から佐賀県武雄市明信保育園園児の声援を受けて踏破した。4月5日、第95期一般幹部候補生課程、第50期医科歯科幹部候補生課程、第63期三尉候補課程計577名の入校式を実施。5月24日、第50期医科歯科幹部候補生45名の卒業式を実施。10月13日、陸自中央音楽隊による開校60周年記念演奏会を実施。2016年4月2日、第97期一般幹部候補生BU課程344名、Ｉ課程210名、第52期医科歯科幹部候補生課程49名の入校式を実施。4月16-17日、第57期卒業生がホームカミングデーを行い、募金を熊本地震復興支援などに贈った。6月17日、第11期幹部基礎（看護師）課程38名の入校式を実施。6月21日、藤山武装障害走を実施。7月12-21日、第97期一般幹部候補生Ｉ課程（前段）210名が大矢野原演習場で前衛小隊の行動、小隊攻撃、３夜４日連続状況下の小隊防御を課目とする訓練を実施。8月7日、第11期幹部基礎（看護師）課程教育を修了。8月22-26日、第97期一般幹部候補生Ｉ課程学生210名の総合訓練を実施。２昼夜80km行進の後、大野原演習場で掃討、占領、偵察を行い、敵先遣部隊陣地を攻撃して奪取に成功した。9月8日、第97期一般幹部候補生Ｉ課程209名の卒業式を実施。2017年2月19-23日、第97期一般幹部候補生Ｉ課程302名の総合訓練を実施。佐賀県小城市から大野原演習場まで100kmを２日２晩で踏破し、集結地付近を掃討して占領、周辺の偵察を行い、夜明けと共に総攻撃をかけて敵先遣部隊を撃破した。5月18日、第98期一般幹部候補生Ｉ課程（前段）と第53期医科歯科幹部候補生MD課程の計265名が高良山登山走を実施。8月7日、第98期一般幹部候補生BU課程367名が高良山登山走を実施。8月20-24日、第98期一般幹部候補生Ｉ課程200名の総合訓練を実施。２昼夜80km行進で大野原演習場に進出し、集結地掃討・占領、偵察、総攻撃による敵先遣部隊撃破を行った。2018年3月8日、第98期一般幹部候補生Ｉ課程305名の卒業式を実施。4月2日、一般・医科歯科・看護科幹部候補生課程630名の合同入校式を実施。5月17日、第99期一般幹部候補生Ｉ課程（前段）・第54期医科・歯科幹部候補生課程・第１期看護科幹部候補生課程学生計230名が高良山登山走に参加。7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。9月2日、第99期生126名の卒業式を実施。10月12日、ラグビー場で伝統行事の剛健の夕べを実施。2019年1月19日、第99期一般幹部候補生357名の卒業式を実施。5月29日、医科歯科幹部候補生課程55名と看護科幹部候補生課程65名の卒業式を実施。8月8日、第100期一般幹部候補生課程360名が高良山登山走に参加。10月28-29日、一般幹部候補生予定者100人以上に対する研修（学校長講話、校内・訓練見学、候補生との懇談、体験喫食など）を実施。11月7日、第100期一般幹部候補生（部内）後段301名の高良山登山走を実施。2020年2月17-20日、第100期一般幹部候補生Ｉ課程後期総合訓練を実施。2月23-29日、沖縄戦史現地教育を実施。4月2日、第101期一般・第56期医科歯科・第３期看護科各幹部候補生計667名の入校行事を新型コロナウイルス感染防止のためグラウンドで実施。5月19日、第101期一般幹部候補生（部内）、第56期医科歯科幹部候補生、第３期看護科幹部候補生各課程の持続走検定及び持続走記録会を実施。5月26日、第56期医科歯科幹部候補生課程50名と第３期看護科幹部候補生課程70名の卒業式を実施。6月22日、第101期一般幹部候補生課程に藤山武装障害走を実施。8月19-22日、第101期一般幹部候補生課程（前段）学生150名が総合訓練を実施。9月9日、第101期一般幹部候補生課程（部内、前段）の卒業式を実施。9月18日、第101期一般幹部候補生課程の藤山武装障害走を実施。9月30日から10月16日、第101期一般幹部候補生15名が第12旅団第13普通科連隊で部隊実習（高さ15mのレンジャー訓練棟からのリペリング降下など）を行った。10月29-30日、沖縄地本那覇分駐所が一般幹部候補生入校予定者ら３人を引率し、研修を行った。12月14日、第101期一般幹部候補生（部内）課程（後段）257名に対する藤山武装障害走を実施。

2021年1月26日、第101期一般幹部候補生（防大、一般大等出身者）課程360名の卒業式を実施。4月2日、第102期一般幹部候補生、第57期医科・歯科幹部候補生、第４期看護科幹部候補生各課程計662名の合同入校行事を実施。5月19日、第102期一般・第57期医科歯科・第４期看護科幹部候補生課程計253名の高良山登山走を実施。5月26日、第57期医科歯科幹部候補生課程51名と第４期看護科幹部候補生課程58名の卒業式を実施。6月25日、第102期一般幹部候補生145名が藤山武装障害走に参加。9月9日、第102期一般幹部候補生（部内）課程（前段）147名の卒業式を実施。10月1日、第102期一般幹部候補生課程（後段）257名の入校式を実施。10月21-22日、幹部候補生試験合格者49人に研修を実施。2022年1月26日、第102期一般幹部候補生（防大・一般大等出身者）課程358名の卒業式を実施。4月4日、剛健大講堂で第103期一般幹部候補生課程562名（防大207名、一般大卒185名、部内前段170名）、第58期医科・歯科幹部候補生課程54名、第５期看護科幹部候補生課程66名の合同入校行事を実施。

参考：幹部候補生学校ホームページ、陸海軍学校と教育、月刊軍事研究3,’08、MAMOR vol.60、vol.117、朝雲、戦車隊長

＜幹部候補生学校（陸上自衛隊、２０１５年）＞：校長、副校長、企画室、総務部、教育部、学生隊、教導隊からなる。参考：幹部候補生学校ホームページ

＜幹部候補生学校教導隊＞：陸上自衛隊幹部候補生学校の教育支援部隊。学生隊員の指揮に基づいて基本教練や各種訓練・行動を実行し、ちゃんと指揮を行えているかどうかを身を以て呈示、指揮官に必要な技能や知識を習得させる。1974年8月に新編された。参考：MAMOR vol.117、幹部候補生学校ホームページ

＜幹部候補生学校総合訓練＞：陸上自衛隊幹部候補生学校の卒業訓練。2007年度から防衛大学卒業者（Ｂ課程）と一般大学卒業者（Ｕ課程）が統合されている。2007年度は300名が参加（うち26名が女性自衛官。150名ずつ２グループで実施）し、100kmを２日２晩かけて行進した後、そのまま戦闘訓練を実施するという50時間の訓練を行った。行進では4-5kmごとに5-10分の小休止を入れ、これを6-7回繰り返すごとに30-50分の大休止を入れ、９時間の宿営を挟んで同様に歩き、100kmを踏破する。その後は小隊ごとに分かれて半日間の戦闘訓練となる。参考：月刊軍事研究3,’08

＜幹部候補生隊＞：日本陸軍の補充学校。中部ジャワなどに南方軍幹部候補生隊、河北省に保定幹部候補生隊が編成された。参考：陸海軍学校と教育

＜幹部自衛官＞：三等尉官以上の階級に所属する自衛官のことで、一般の軍隊でいう士官にあたる。部隊の骨幹として部隊を指揮するため、強い責任感、高い実行力、卓越したリーダーシップを備える。参考：MAMOR vol.70、vol.85、vol.86、月刊世界の艦船8,’11

＜幹部自衛官（海上自衛隊）＞：組織指導者という立場であり、出自によりＡ幹部、Ｂ幹部、Ｃ幹部に分かれる。幹部候補生学校卒業で三等海尉となり、５年間で甲板（水雷士）、船務･航海（船務士など）、機関のスリー・ローテーションをこなし、一等海尉に昇任するのが一般的である。一等海尉に昇任後、専門分野別の幹部中級課程に入り、１年間の教育を受ける。参考：月刊軍事研究9,’13、月刊世界の艦船8,’11増刊

＜幹部自衛官（航空自衛隊）＞：防大・防衛医大・航空学生・一般大学等を卒業して幹部候補生学校に入校するか、現職自衛官から幹部候補生学校に進んで幹部候補者課程を終えると三等空尉となり、術科学校で初級幹部特技課程などを経て二等空尉から一等空尉で幹部普通課程を受講する。その後は一等空尉から三等空佐で指揮幕僚課程や術科学校での上級幹部特技課程または三等空佐から二等空佐で幹部特別課程を受講する。指揮幕僚課程と幹部特別課程の後は二等空佐から一等空佐で幹部高級課程・統合高級課程または統合短期課程・防衛研究所一般課程と進む。参考：目黒駐屯地ホームページ

＜幹部自衛官（陸上自衛隊）＞：防大を卒業するか、一般大学を卒業して採用試験に合格するか、陸曹になって部内選抜試験をクリアするか、一等陸曹で昇任試験に合格するかして幹部候補生学校に入校、幹部候補生課程（一般大学出身者は幹部基礎課程も）を卒業し、初任幹部となる。そして部隊に配属されるが、直後に指定された職種の職種学校に入校し、小隊長クラスに必要な幹部基礎課程を受講、卒業して小隊長クラスとなったら職種学校で幹部特技課程に入校して更なる教育を受ける。その後職種学校で幹部初級課程を卒業して中隊長クラス、職種学校の幹部特修課程や幹部学校の指揮幕僚課程を経て連隊長・群長・同隊幕僚クラス、幹部学校の幹部高級課程や統幕学校・防衛研究所などの課程教育を経て方面総監・師団長・団長クラスとなる。指揮幕僚課程を経ないと一等陸佐以上にはなれないらしい。参考：陸海軍学校と教育

＜幹部専修科課程＞：海上自衛隊の術科教育。海曹士専修科課程の幹部版で、55種類あり、術科学校、潜水医学実験隊、電子情報支援隊、指揮通信開発隊、艦艇開発隊、航空プログラム開発隊、誘導武器教育訓練隊、横須賀海上訓練指導隊、第１輸送隊、保全監査隊、航空管制隊などで行われる。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜幹部専修科潜水艦課程＞：海上自衛隊の術科教育。潜水艦乗員向けで、潜水艦教育訓練隊で実施される。潜水艦、潜水艦指揮（艦長になるための教育を行う）、潜水艦戦術、深海救難艇基礎、深海救難艇操縦がある。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜幹部専修科飛行試験課程＞：海上自衛隊の術科教育、略称TPC。飛行試験に必要な知識や技能を習得させるのが目的で、パイロットだけでなく、航空機の試験を行う装備幹部も入校し、卒業後にフライト・テスト・エンジニアとなり、実際の飛行試験でパイロットと技術者の橋渡しをする。参考：朝雲

＜幹部潜水艦課程＞：海上自衛隊の術科教育。潜水艦乗員向けで、潜水艦教育訓練隊で行われ、期間は20週間で、Ａ幹部、Ｂ幹部、Ｃ幹部で以前の経験が異なるため、それぞれ違うクラスに分けられる。修了後は11ヶ月の部隊実習を行い、細目ごとに艦長の検定を受け、最終的に隊司令の１次審査、群司令の２次審査、潜水艦隊司令官の最終審査に合格すれば潜水艦徽章（ドルフィン・マーク）を授与される。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜幹部専門課程＞：海上自衛隊の初級幹部（一尉・二尉）向け術科教育。第１術科学校で行われる通信、気象海洋、第２術科学校で行われる情報、艦船装備、艦船整備、第３術科学校で行われる地上救難、施設、航空装備、航空機整備、航空電子整備、航空武器整備、第４術科学校で行われる経補（経理・補給の略）がある。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜幹部特修科課程＞：海上自衛隊の術科教育で、海曹士特修科課程の幹部版。第１術科学校で行われる潜水、警備、特別警備基礎、特別警備隊で行われる特別警備応用、第４術科学校で行われる監理がある。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜幹部任務課程＞：海上自衛隊の術科教育。一般幹部候補生課程出身の艦艇幹部に対し、中級幹部特技課程に進む前に各科の任務をローテーションで経験させるのが目的である。第１術科学校で射撃、水雷、掃海、船務、第２術科学校で機関（ディーゼル、蒸気、ガスタービン）、応急が、誘導武器訓練隊でミサイル（ミサイルごとに細分される）が実施される。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜幹部賠償・補償課程＞：陸上自衛隊小平学校の法務教育。賠償補償専門官として勤務するのに必要な知識や技能を習得する。参考：朝雲

＜幹部普通課程＞：航空自衛隊の一般教育、略称SOC。一尉・二尉を対象とする幹部必修教育で、幹部学校で行われ、空自幹部として必要な知識と能力を付与するものである。参考：月刊軍事研究10,’14、陸海軍学校と教育

＜幹部法務運用課程＞：陸上自衛隊小平学校の法務教育。幹部法務課程の上級課程として2016年8月22日から開始された。事例研究や討議などを主体として師団司令部などの法務官として勤務するのに必要な知識や技能を習得するもので、教育期間は６週間。参考：朝雲

＜幹部法務課程＞：陸上自衛隊小平学校の法務教育。学科を主体として師団司令部などの法務幹部として勤務するのに必要な知識や技能を習得するもので、教育期間は６ヶ月以上。参考：朝雲

＜乾布摩擦＞：乾いた手拭いで上半身の皮膚を擦るもので、体力作りの一環として日本海軍が海兵団や学校で朝の体操の時間に、日本陸軍も日朝点呼後に行っていた。陸軍ではエッサ、オイサと声を張り上げて擦るが、こっそり上官の悪口を叫ぶ兵もいたという。肌を鍛えて風邪予防になるという事だったが、あまり根拠は無い。皮膚の角質を過剰に擦り落としてしまうので、皮膚疾患が悪化することがあり、注意が要る。参考：海軍よもやま物語、新兵サンよもやま物語

＜幹部予定者課程（海上自衛隊）＞：海上自衛隊幹部候補生学校の教育課程。准海尉または海曹長からの選抜者が受講する。参考：月刊世界の艦船3,’23

＜カンブリア＞：APA-36（攻撃輸送艦）を参照。

＜カンブリアン＞：R85（駆逐艦）を参照。

＜カンブリアン＞：イギリス海軍カンブリアン級軽巡洋艦Cambrian。1916年竣工。1934年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜カンブリアン級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Cambrian級。Ｃ級巡洋艦の１つで、カライアピ級とほぼ同じである。全長135.9m、幅12.6m、吃水4.5m、常備排水量4320トン。主機は蒸気タービン、出力40000馬力、４軸推進、速力28.5ノット。兵装は15.2cm単装砲２門（カンブリアンは３門）、10.2cm単装砲８門（カンブリアンは６門）、7.6cm単装高角砲１門、533mm魚雷水中発射管２基。乗員368名。カンブリアン、カンタベリー、カースター、コンスタンスが1915-16年に竣工した。後に前部マストを三脚式にし、上部に方位盤を設けた。また、カンブリアン以外の艦も艦前部の10.2cm砲２門を外して15.2cm砲１門を装備した。後に残りの10.2cm砲も全て撤去し、甲板室上面後ろ寄りに15.2cm砲１門を増設した。参考：近代巡洋艦史

＜ガンブル＞：アメリカ海軍敷設駆逐艦。1942年8月28日、ガダルカナル島インデスペンサブル海峡で伊123潜水艦を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ガンブル級＞：アメリカ海軍軽敷設艦Gamble級。フラッシュ・デッキ型駆逐艦を1930年代に高速敷設艦に改造したものである。魚雷発射管を撤去して機雷敷設軌条を搭載しており、22隻が改造された。全長95.8m、幅9.7m、吃水4.6m、基準排水量1160トン。主機は蒸気タービン、出力25000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装は7.6cm単装砲３門、40mm連装機関砲１基、機雷80個。乗員122名。DM-20プレブルなどが就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜カンブレーの戦い＞：第１次大戦中の1917年11月20日、イギリス軍が戦車戦力を集中させて行った攻勢。膠着状態で戦闘が行われていなかったカンブレーに９個大隊のMk.�W菱形戦車378両、補給戦車54両、架橋機材戦車２両、電話敷設戦車１両、無線戦車（Mk.�T／Mk.�U／Mk.�V菱形戦車改造。初実戦投入）９両、鉄条網除去戦車（アンカーを牽引して鉄条網を引っこ抜く）32両を集め、５個歩兵師団に配備して攻撃準備射撃無しに奇襲攻撃をかけた。ドイツ軍は野砲の直接照準射撃とＫ弾で対抗し、179両を撃破・行動不能としたが、イギリス軍は戦車と歩兵の協同前進により三重の防御陣地を１日で突破、幅10km・縦深8kmの孔を開けることに成功した。これにより、戦車の有効性が証明され、陣地突破用重戦車が塹壕を数列に渡り突破し、後続の歩兵部隊が浸透するというイギリス軍の戦車運用法が確立された。ただ後方に浸透して戦果を拡大する筈の騎兵が機関銃に阻止されてしまい、11月30日からドイツ軍の反攻を受けて12月3日には穴を塞がれ、イギリス軍は攻撃発起点までの撤退を余儀無くされている。参考：歴史群像12,’03、月刊PANZER1,’11、12,’10、月刊軍事研究5,’16

＜カンプレット＞：OV-10F（対ゲリラ戦機）を参照。

＜韓文植＞：韓国海軍尹永夏級ミサイル艇13番艇ハン・ムンシク（Han Munsik）。2013年4月24日進水。2014年1月27日、韓国海軍に引き渡された。公試の後、3月に就役予定。参考：月刊世界の艦船4,’14、7,’13

＜観兵式＞：日本陸軍が天皇誕生日や陸軍記念日などに天皇臨席で行った式。白馬に跨がる天皇の前を、精鋭部隊や功績を挙げた部隊が行進する。参加部隊指揮官の特別昇進が行われたりしたが、へまをすると満州に飛ばされることもあった。他国の大使や武官も招待された。参考：機械化部隊の主力戦車

＜韓・米非拡散実務協議体＞：1995年7月に米韓の間で発足した協議体。1995年11月の会談で、韓国が開発するミサイルは射程300km・弾頭重量500kgに制限すること、アメリカは韓国のミサイル関連技術輸出規制加入を強制しないこと、韓国は独自開発したミサイルを第３国に輸出しないこと、が合意された。ちなみに巡航ミサイルは対象外である。参考：月刊軍事研究3,’02

＜カン・ホア＞：ベトナム海軍636M型潜水艦４番艦Khan Hoa。2015年8月1日就役。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜艦砲＞：水上艦に搭載された砲。19世紀末にはイギリスで口径16.25インチ（423mm）のものまで出現していたが、当時の船では重量が大きすぎて手に余り、標準の主砲は12インチ（305mm）連装砲で、艦前後に１基ずつ搭載した。同時期には発射薬を黒色火薬から緩燃性火薬に変更して40口径以上の長砲身砲が開発され、小口径砲弾薬が薬莢式となって副砲の発射速度が飛躍的に増大した。20世紀に入ると口径200-250mmクラスの中間砲を装備するようになった。ドレッドノートの登場で主砲砲門数が増え、中間砲が廃止されている。1921-1940年まで、大口径砲の命中率は射距離26000mで6%、22500mで8%、36cm砲の命中率は7%。1929年に陸奥は射距離27500mでの主砲命中率13.5%を記録している。1935-36年、アメリカ海軍の命中率は射距離30000mで2.5%、観測機ありで4%。1936-40年、日本海軍の大口径砲命中率は射距離30000mで6%、観測機有りで9.5%。第２次大戦後は省力化と発射速度増大が進み、水上打撃力は対艦ミサイルに譲り、口径130mm以下の艦砲が中心となって砲塔数１基・砲門数１門に減っていった。中には艦砲を持たない巡洋艦まで出現したが、陸上への支援砲撃には役立つ装備で、内陸部には届かないが、継続的に相応の弾量をある程度精密に撃ち込むことができ、フォークランド紛争では114mm砲でも有効な支援を実施できることが確認され、アイオワ級戦艦は戦争が起こる度に復帰して敵地に406mm砲弾を叩き込んだ。21世紀に入っても、陸上目標や、対テロ戦で危険な小型船舶を破壊する必要があり、76-130mmクラス（中には57mmクラス）の中口径砲を標準装備している。また、対艦ミサイル防御用CIWSとして20-40mmクラスの機関砲システムを搭載する。対テロ戦では30-40mmクラスの機関砲や対戦車ロケットなどを隠し持つ不審船舶に先制攻撃を受けて主砲を破壊される恐れがあり、対艦ミサイルの使えない至近距離から滅多打ちを喰らう羽目になりかねないので、砲塔を複数用意するか、カバー用の機関砲を搭載する必要性が生じた。長射程化及び陸上部隊支援を狙って152-155mmクラスの艦砲を装備する動きもあり、アメリカ、イギリス、ドイツがテストしたが、実際に積むのはアメリカのズムウォルト級３隻だけのようである。自動装填装置により砲塔は無人化され、射程や発射速度といった性能向上も艦砲に関してはほぼ限界に来ており、砲弾を工夫して更に射程を延ばしたり、誘導装置を仕込んで命中精度を高めたり、信管を知能化して破壊力を増したりといった努力をしている。プラットフォームが大きく、大出力発電機を搭載できるので、レールガン、レーザー砲、高出力マイクロ波など、発射薬の代わりに電力を使う艦砲も開発中。参考：月刊軍事研究11,’05、月刊世界の艦船11,’14、4,’17、12,’18、1,'15増刊、3,’92増刊、8,’82増刊、4,’18

　＜艦砲（アメリカ海軍）＞：ド級戦艦までは閉鎖機が水平開閉式隔螺式だったが、超ド級戦艦になって垂直開閉式（下開き）を採用した。これにより３連装砲塔でも全て同じ揚弾メカニズムを使用でき、砲塔をコンパクトにすることができた。装薬は装薬庫に保管されているが、弾丸はバーベットの内側に立てて保管され、別々に揚弾機と揚薬機によって砲尾まで持ち上げられる。砲塔の旋回俯仰や装填は電気駆動式。射弾散布が広めで命中率が悪いが、機力操作による発射速度の速さと戦艦隻数の多さでカバーし、主砲は試射無しで全門斉射から開始、弾着を見て着弾中心点を推定し、それを敵艦と合致させるように撃ちまくりながら修正していく。比島沖海戦スリガオ海峡夜戦では戦艦３隻が夜間レーダー射撃で９分間に279発を叩き込み（これでも弾数不足で発射速度をかなり抑えていたらしい）、確実命中は２発だけだった。第２次大戦後は戦艦が滅びたため中口径砲が主役になり、127mm艦砲としてMk33/Mk34、Mk42、Mk45を使用。76mm艦砲はMk37を開発したが上手く運用できず、Mk75としてオットー・メララ社製コンパクトを採用した。巡洋艦用152mm/203mm艦砲の後継となる対地支援艦砲として、駆逐艦用203mm単装砲Mk71の開発に入ったが、艦が発射反動に耐えられず搭載に無理があるとして中止された。ズムウォルト級ミサイル駆逐艦に対地支援用155mmAGSを搭載したが、発射する砲弾が未完成状態である。参考：月刊世界の艦船1,’12、4,’17、3,’15、10,’20、9,’21、12,’21

　＜艦砲（イギリス海軍）＞：大口径砲は1.5インチずつ大型化しており、６インチ（152mm）、7.5インチ（190mm）、９インチ（実口径9.2インチ・234mm）、10.5インチ（267mm）、12インチ（305mm）、13.5インチ（343mm）、15インチ（381mm）と進み、16.5インチは飛ばして18インチ（457mm）の試作も終わったが、ワシントン条約で16インチ（406mm）にした。1885年竣工のマジェスティック級の35口径30cm艦砲以降、砲身に鋼線砲、閉鎖機に水平開閉隔螺式を採用した。弾庫には弾丸が水平に横積みされており、上下に分割されている揚弾薬筺に弾丸と薬のう式装薬を入れて砲塔まで持ち上げ、ラマーで弾丸を装填、揚弾薬筺を上下にずらして同じラマーで装薬を装填し、閉鎖機で薬室を閉鎖する。砲塔駆動は水圧式である。キング・ジョージ�X世級に搭載した14インチ砲Mk.�Zから鋼線砲に代わって自緊法による層成砲を採用。ネルソン級の40cm砲では重くて弾丸と装薬を一緒に揚げることができなかったらしく、別々の筺に収容して砲塔まで持ち上げている。全門斉射で試射を行い、弾着観測で修正値を割り出し、本射では射距離線の中心に対して100-200ヤード（91.4-182.9m）の加減を行い、射弾散布界をばらつかせて命中率の向上に繋げた。ただ交戦中は避弾蛇行運動を行っているので、この影響で命中率が下がる。第２次大戦後は55口径114mm連装砲Mk6、次いで114mm単装砲Mk8を装備した。26型フリゲートではアメリカ制式の62口径127mm単装砲Mk45Mod4を装備する。参考：月刊世界の艦船1,’12、7,’15、4,’17、10,’20

　＜艦砲（イタリア海軍）＞：イギリスのアームストロング社とヴィッカーズ社から主砲の製造技術を得ており、鋼線砲身・水平開閉隔螺式閉鎖機を採用した。揚弾方式も同じだが、装薬が多いので、揚弾薬筺が３段構成になっていて、装薬を２段に分けて入れるようになっている。ヴィットリオ・ヴェネト級の50口径38cm艦砲から層成砲を採用。砲腔圧が3200気圧と高く、砲身命数が常装薬換算で110発しか無かったので、内筒をルーズライナーとして簡単に交換できるようにした。1968年から54口径127mm単装砲コンパクト、2012年から64口径127mm単装砲LWを運用している。参考：月刊世界の艦船1,’12、10,’20

　＜艦砲（海上自衛隊）＞：口径は76mm（３インチ）と127mm（５インチ）。概ねアメリカ製の輸入とライセンス生産で、他にオットー・メララ社製コンパクト砲と54口径127mm砲を輸入・ライセンス生産している。創設時の貸与艦には76mm砲Mk22と127mm砲Mk30が搭載されており、初期国産艦も同じ艦砲を積んだ。その後76mm艦砲はMk33／57式／68式を経てポスト４次防からオットー・メララ社製コンパクト砲を採用。127mm艦砲はMk39、Mk42／73式からオットー・メララ社製54口径127mm砲を経てMk45Mod4を搭載している。参考：月刊世界の艦船11,’17増刊

　＜艦砲（中国海軍）＞：1960年代、59式57mm連装砲を開発。1970年代、76型130mm連装砲、79式100mm連装砲、66式57mm連装砲、76式57mm連装砲を開発。1990年代、100mm連装砲H/PJ-33シリーズを開発。2000年代、130mm単装砲H/PJ-38、100mm単装砲H/PJ-87、76mm単装砲H/PJ-26を開発。参考：月刊世界の艦船11,'20

　＜艦砲（ドイツ海軍）＞：閉鎖機は水平鎖栓式で、砲尾装置を単純にし、発射速度を向上させた。砲弾は分離装薬で、前方装薬は絹製二重パックの薬のう式だが、最後尾の主装薬は銅または鋼製の薬莢式とし、尾栓からの発射ガス漏れを防ぐと共に保管や取り扱いを容易にしている。ライフリングは砲口部に行くほどきつくなる漸増転度方式を採用し、高初速砲弾による砲身への影響を減じた。第２次大戦直前まで製鋼法に坩堝法を採用していたため作れる鋼の大きさに限界があり、酸性平炉で巨大な鋼塊を作れたイギリスよりも小さい口径の砲しか作れなかったのと、キール運河の通航制限及び沿岸浅水深から大口径砲搭載大型艦が運用できなかったため、軽量弾で同じ威力を出せるように高初速のクルップ製高性能徹甲弾を開発し、発射速度の速さで補った。また、想定する戦場がほぼ毎日悪天候の北海やバルト海だったため、近距離での殴り合いを仮定していて、多少の口径差は問題無いと考えていた。ビスマルク級の48口径38cm砲から層成砲を採用。砲腔圧が3200気圧と高く、砲身命数が常装薬換算で250発しか無かったので、内筒をルーズライナーとして簡単に交換できるようにした。使用弾は徹甲弾、弾底大遅延信管付き通常弾（非装甲・薄装甲部を貫通して艦内で炸裂させる）、弾頭信管付き通常弾。第２次大戦時の射撃指揮装置は射撃指揮計算機（測的盤兼射撃盤）で、前檣楼トップと後部射撃指揮所に装甲板で囲まれた測距儀と方位盤を積み（レーダーアンテナも付く。ジャイロ２基で水平安定化）、各主砲塔の測距儀のデータも統合して射撃諸元を計算する。まず全門斉射で試射を行い、遠ければ近く、近ければ遠くに修正して目標を挟み込み、挟んだ射距離の中間距離を目標との距離に設定し、射撃諸元計算や照準の合ったタイミングを選んで斉射、更に弾着観測で修正、を繰り返す。交戦中は敵弾を避けるべく避弾蛇行運動を行っているので、照準に影響する。参考：月刊世界の艦船1,’12、7,’15、4,’17、月刊丸4,’17

　＜艦砲（日本海軍）＞：イギリスのアームストロング社とヴィッカーズ社から主砲の製造技術を得ており、鋼線砲身・水平開閉隔螺式閉鎖機を採用した。このため３連装砲塔を設計する際には左右対称で設計できず、コンパクトに纏めるため中央砲の砲尾を斜め45度開閉にするといった苦肉の策も採っている。揚弾方式もイギリスと同じ。大和型では砲弾が重かったらしく、イギリスのネルソン級と同じく弾丸と装薬を別に揚げる方式を採った。弾着修正法として射法を定めている。日露戦争の戦訓を基に実施した大正時代の研究から、戦艦の場合には戦隊（同型艦４隻の２個小隊）または小隊（同型艦２隻）単位での統制集中射撃を砲戦の基本に据え、弾着観測の便を図り九一式徹甲弾の被帽に着色剤を仕込んだ一式徹甲弾を開発した。当初は砲塔駆動用水圧機の能力限界から試射も斉射も砲塔の１門ずつを順に発射していたが、水圧機の能力向上による昭和13年の艦砲射撃教範改訂で、斉射の際には砲塔全門同時発砲（一斉打方）も行うようになった。試射は交互打方のまま（大口径砲弾の目視着弾観測は同時６発着弾が限界とされていたため、全門斉射の必要性が薄い）で、発射速度を優先して速やかに修正を行い、遠距離なら初弾観測２または３段打ち方からの急斉射（本射）、中距離なら初弾観測急斉射、近距離なら試射無しで初弾から急斉射に入り、本射でも状況によっては交互打方を行う。大正9年に大口径砲の弾種は徹甲弾のみ、中口径砲（14-15cm級）は通常弾（徹甲榴弾または被冒付徹甲榴弾）のみと定められたが、航空機の発達で高角砲・対空機銃だけでなく大中口径艦砲にも対空弾を用意することになり、大口径砲には榴弾系の零式通常弾と対空クラスター弾の三式焼霰弾、中口径砲には榴弾系の通常弾、零式通常弾、四号通常弾が開発されている。更に中口径砲には照明弾甲／乙／乙改二、三式照明弾、海上煙弾、対潜弾甲などが用意された。48cmクラスの試験砲である四十五口径五年式三十六糎砲や、51cmクラスの試作砲である試作甲砲を製作したが、実用化には至っていない。参考：月刊世界の艦船1,’12、3,’15、6,'20、月刊丸7,’14

　＜艦砲（フランス海軍）＞：リシュリュー級の45口径38cm砲から層成砲を採用。砲腔圧が3200気圧と高く、砲身命数が常装薬換算で200発しか無かったので、内筒をルーズライナーとして簡単に交換できるようにした。閉鎖機は垂直開閉隔螺式だが、アメリカと違って真上に開く方式であり、固定装置が故障すると落下した尾栓が弾薬を直撃するという致命的な欠点があった。1953年から100mm艦砲モデル1953シリーズを採用した。参考：月刊世界の艦船1,’12、10,’20

　＜艦砲（ロシア海軍）＞：1950年代、57mm単装砲AK-157、57mm連装砲AK-257、57mm４連装砲AK-457の運用を開始。1960年代、57mm連装砲AK-725と76mm連装砲AK-726の運用を開始。1970年代、76mm単装砲AK-176シリーズの運用を開始。1970年代末、100mm単装砲AK-100の運用を開始。1980年代半ば、130mm連装砲AK-130の運用を開始。1990年代、130mm単装砲A-192を開発。2000年代、100mm単装砲A-190の運用を開始。2010年代、57mm単装砲A-220Mを開発。参考：月刊世界の艦船11,’20

＜ガン・ポーティー＞：イギリス軍の自走砲で、トラックの後部荷台に後ろ向き（前向きのものもある）に対戦車砲（２ポンド砲・６ポンド砲）を搭載したものである。荷台の下に弾薬を収容する。北アフリカ戦で、砂漠での機動力確保のため製作された。対戦車砲用の車輪も搭載しており（車輪ごと載せたものもあった）、当初は地上に設置して射撃していたが、面倒なので車上から撃つようになった。北アフリカ戦終結後は全てトラックに戻されている。ボフォース40mm機関砲を搭載して自走対空機関砲としたものもこう呼ばれる。参考：月刊PANZER10,’04、月刊グランドパワー7,’02

＜ガン・ポート＞：Gun Port。車両に乗ったまま、乗員や乗車歩兵が射撃できるようにした構造。拳銃用の場合にはピストル・ポート（Pistol Port）ともいう。車両の近接防御用で、乗員が体を外に晒さずに、近寄ってきた敵歩兵を撃つことができる。開口部を大きめにして空薬莢を車外に捨てるのにも使ったりする。装甲兵員輸送車や歩兵戦闘車では兵員室に設けられていて、歩兵が装甲の庇護下で戦闘に参加でき、市街戦などでは有利だと考えられた。また、NBC防護装置が付いていれば、NBC環境下でも乗車歩兵が戦闘できるという利点も挙げられる。ただし密閉を保つ構造にするのに工夫が要り、射撃すると打殻薬莢が足下にまき散らされ、発射ガスを逃がすためベンチレーターを付けるとNBC防護が面倒になり、射撃姿勢が取れるようにすると車高が高くなり、安定装置などは付いていないので命中精度は期待できず、射界も狭く、実戦で役に立ったという話は聞かない。防御上の弱点ともなるため、近年では増加装甲に塞がれたり、最初から作られなかったりする。89式装甲戦闘車のガン・ポートは上記欠点からよく批判されるが、BMP-3や04式歩兵戦闘車のガン・ポートは何故か突っ込まれないことが多い。参考：兵器最先端５、月刊PANZER9,’01、5,’79、British and American tanks of World War Two

＜カンボジアＰＫＯ（自衛隊）＞：1992年に成立した国際平和協力法に基づき、最初に自衛隊が参加したPKOで、国連カンボジア暫定統治機構への参加である。同年9月から輸送艦LST-4151みうら、LST-4152おじか、補給艦AOE-422とわだ、陸上自衛隊中部方面隊第４施設団第６・第７・第８施設群、第321・第322・第323地区施設隊からなる第１次カンボジア派遣施設部隊600名、C-130H輸送機６機が参加した。土木作業機材に加え、75式装甲ドーザ、82式指揮通信車、トラック、ジープ、ロードローラー、ブルドーザー、炊事車など車両300両を持ち込み、9mm拳銃78丁と64式小銃522丁を携帯した。ただし人員や車両の輸送は民間にかなり依存している。1992年9月17日、LST-4151みうら、LST-4152おじか、AOE-422とわだが第１次カンボジア派遣施設大隊第２先遣隊34名と特大型トラック５両、大型トラック４両、炊事車４両、冷凍車２両、水タンク２両、燃料タンク車２両、フォークリフト２両、重レッカー１両、クレーン１両、小銃、弾薬、食糧２ヶ月分を積んで呉を出港。AOE-422とわだは途中でシンガポールに寄り、生鮮食料品などを積み込んだ。9月23日、航空自衛隊第１輸送航空隊C-130H輸送機３機が第１次先遣隊員第１波を乗せて小牧基地を出発。那覇、マニラ、ウタパオを経由して9月25日にプノンペンのポチェントン空港に到着した。9月24日、第１次先遣隊員第２波を乗せたC-130H輸送機３機が小牧基地を出発。10月1-2日、第２次先遣隊を乗せたC-130H輸送機３機ずつ（陸自隊員計160名搭乗）が小牧基地を離陸。第２次先遣隊第１波の１機が燃料系統トラブルによりウタパオで飛行を打ち切ったが、他は10月3-4日にプノンペンのポチェントン空港に到着した。10月13日、チャーター便で施設大隊主力380名が到着。C-130H輸送機計12機は第１次・第２次先遣隊合わせて陸自隊員190名と、車輌10両、テント、非常用食糧など34.5トンを輸送し、10月6日までに小牧基地に帰投した。主任務は国道２号・３号線の修復で、第１次カンボジア派遣施設大隊は1993年4月まで、第２次カンボジア派遣施設大隊は1993年3-9月に活動を行った。道路総補修距離100km（うちアスファルト舗装化10km）、橋梁修理40カ所だった。11月、活動内容を赤坂御所で平成天皇に報告し、「ご苦労でした」とのお言葉を頂いた。2012年8月18日、活動参加隊員OBで作るタケオ会の最後の集会が開催された。参考：月刊軍事研究10,’03、5,’12、月刊戦車マガジン11,’92、月刊丸12,’92、月刊JWings5,’12、朝雲

＜カンボジア海軍＞：

＜カンボジア海軍（１９８９年）＞：兵力1000名。ツーリャ級水中翼魚雷艇２隻、ステンカ級内海高速哨戒艇４隻、小型哨戒艇５隻を保有するらしい。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カンボジア海軍（２０１５年）＞：現役兵力2800名（うち海軍歩兵1500名）。哨戒艇16隻、LCU１隻を保有する。海軍歩兵は第31海軍歩兵旅団、砲兵大隊１個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カンボジア空軍＞：

＜カンボジア空軍（１９８０年）＞：F-6戦闘機12機、T-28Dトロージャン20機、C-47輸送機15機、C-123B/Kプロバイダー10機、U-1Aオッター８機、Mi-8ヘリ６機、UH-1D/Hヘリ20機、アルエート�Vヘリ２機、T-41Aを８機、T-37B/Cを４機、マジェスターを４機、O-1を30機、AU-24スタリオンを10機保有している。参考：ザ・マーチ18号

＜カンボジア空軍（１９８９年）＞：兵力800名。MiG-21戦闘機15機、Mi-24攻撃ヘリ３機、An-2輸送機３機、An-24輸送機、Mi-8/-17ヘリ６機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カンボジア空軍（２０１５年）＞：兵力1500名。An-24RV輸送機２機、BN-2輸送機１機、P-92軽輸送／練習／偵察機５機、Y-12（�U）輸送機２機、L-39練習機５機、Mi-17ヘリ３機、Z-9ヘリ11機、Mi-26ヘリ２機、Mi-8ヘリ４機、AS350ヘリ２機、AS355F2ヘリ２機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カンボジア軍＞

　＜カンボジア軍（２０１５年）＞：現役総兵力124300名（陸軍75000名、海軍2800名、空軍1500名、州政府軍45000名）、準軍事組織67000名（警察、憲兵）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員217名、工兵中隊１個、オブザーバー６名、レバノンにUNIFIL要員184名、工兵中隊１個、マリにMINUSMA要員303名、工兵中隊１個、EOD中隊１個、南スーダンにUNMISS要員147名、野戦病院１個、オブザーバー４名、スーダンにUNAMIDオブザーバー２名とUNISFAオブザーバー３名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カンボジア州政府軍（２０１５年）＞：兵力45000名強。州あたり少なくとも歩兵連隊１個が編成されているとみられる。隷下の歩兵大隊数は連隊によって異なる。武装は小火器程度。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜カンボジア内戦＞：1975-79年、ポルポトの極左勢力クメール・ルージュが国民300万人を殺害した。1973年11月にアンコールワットで行方不明になった日本人カメラマンも1975年頃にプノンペンで処刑されたといわれる。対人地雷30種類と対戦車地雷６種類、計400-600万個が埋設されたといわれ、中央市場には対人地雷で手足を失った人が何十人も這い回って物乞いをするような悲惨な状況に陥った。完全な除去には百年以上かかるとされ、21世紀になっても毎年200人以上が被害に遭っている。2007年1月19日には対戦車地雷によりカンボジア人地雷除去作業者７人が死亡した。JMASが2002年から不発弾処理、2006年から地雷処理に協力中。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’12、朝雲、月刊軍事研究3,’17

＜カンボジア陸軍＞

＜カンボジア陸軍（１９７８年）＞：1975年の内戦終結時にクメール解放軍が有していた４個師団と３個独立連隊が保持されているとみられる。装備はBTR-152装甲車10両、M-113装甲車200両、105mm砲／122mm榴弾砲300門、155mm砲20門、107mm迫撃砲、107mm無反動砲、40mm高射機関砲。海上兵力は上陸用舟艇６隻、小型哨戒艇・河川哨戒艇150隻。航空兵力はAU24対ゲリラ戦機10機、C-47/C-123輸送機９機、T-51練習機15機、T-28練習機20機、UH-1Hガンシップ型25機など。参考：軍事力バランス78年版

＜カンボジア陸軍（１９８９年）＞：兵力42500名、省部隊22500名、地区部隊32500名。軍管区５個、歩兵師団６個、独立歩兵連隊３個、騎兵連隊１個、戦車大隊４個、独立偵察大隊数個、砲兵大隊数個、防空大隊数個からなる。更に各省に少なくとも歩兵連隊１個、各地区に少なくとも歩兵大隊１個が編成されている。T-54/-55戦車80両、59式戦車、PT-76軽戦車10両、BTR-40/-60/-152装甲車150両、M-113装甲車、牽引砲（76mm砲M-1942、122mm砲M-1938、122mm砲D-30、59式130mm砲）350門、63式107mm多連装ロケット、132mm多連装ロケットBM13-16、140mm多連装ロケットBM-14-16、82mm迫撃砲M-37、120mm迫撃砲M-43、160mm迫撃砲M-160、82mm無反動砲B-10、107mm無反動砲B-11、14.5mm対空機銃ZPU-1/-2/-4、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射機関砲S-60、SA-7地対空ミサイルを保有するらしい。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜カンボジア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力75000名。軍管区（首都特別区域含む）６個、第911空挺・特殊作戦旅団、第２・第３歩兵師団、独立歩兵旅団12個、第70保安旅団、国境保安大隊17個、砲兵大隊２個、防空大隊１個、野戦工兵連隊４個、建設工兵連隊１個、輸送旅団２個からなる。59式戦車50両、T-54/-55戦車150両強、62式軽戦車、63式軽戦車20両、BRDM-2偵察車４両強、BMP-1歩兵戦闘車70両、M113装甲車、BTR-60/-152装甲車200両、OT-64装甲車30両、牽引砲400門強（76mm師団砲ZIS-3、122mm砲D-30/M-30、59式�T型130mm砲）、63式107mm多連装ロケット、122mm多連装ロケットBM-21を８両、122mm多連装ロケットRM-70を５両、132mm多連装ロケットBM13-16、140mm多連装ロケットBM-14-16、82mm迫撃砲M-37、120mm迫撃砲M-43、160mm迫撃砲M-160、82mm無反動砲B-10、107mm無反動砲B-11、FN-6携帯地対空ミサイル50基、FN-16携帯地対空ミサイル（を保有しているという報告あり）、14.5mm対空機銃ZPU-1/-2/-4、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射機関砲S-60、T-54/-55戦車回収車、ボゼナ地雷処理車、RA-140DS地雷処理車を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ガンポッド＞：機関銃や機関砲と弾薬をポッドに収容したもの。航空機のパイロンに吊り下げて使用されることが多いが、軸線調整が困難なので、精密射撃は難しい。参考：月刊JWings12,’06

＜艦本式一号ディーゼル・シリーズ＞：日本海軍の潜水艦用２サイクル複動式ディーゼルエンジン。予算が無くてイギリス（ヴィッカーズ）やドイツ（MAN、ズルツァー）の主機を輸入できなかったので、国産したものである。単気筒でテストした後、昭和5年に４気筒の試作型を作り、昭和6年までテストして量産化した。参考：月刊軍事研究9,’16、6,’16

＜艦本式一号一〇形ディーゼル＞：10気筒型。ボア470mm、ストローク490mm。出力6300馬力（回転数350rpm）。参考：月刊軍事研究9,’16、6,’16

＜艦本式二号ディーゼル・シリーズ＞：日本海軍の潜水艦用２サイクル複動式ディーゼルエンジン。参考：月刊軍事研究9,’16、6,’16

　＜艦本式二号一〇形ディーゼル＞：10気筒型。ボア470mm、ストローク530mm。出力7800馬力（回転数350rpm）。参考：月刊軍事研究9,’16、6,’16

＜艦本式一一号ディーゼル＞：日本海軍の水上艦用２サイクル複動式10気筒ディーゼルエンジン。ボア450mm、ストローク600mm。出力8500馬力（回転数400rpm）。参考：月刊軍事研究6,’16

＜艦本式一三号ディーゼル＞：日本海軍の水上艦用２サイクル複動式10気筒ディーゼルエンジン。ボア480mm、ストローク600mm。出力8000馬力（回転数350rpm）。水上機母艦日進に搭載された。大和型戦艦にも搭載する予定だったが、大鯨の艦本式一一号ディーゼルがトラブル続きだったため、蒸気タービンに変更されている。参考：月刊軍事研究6,’16

＜艦本式二二号ディーゼル・シリーズ＞：日本海軍の潜水艦用４サイクル単動ディーゼルエンジン。参考：月刊軍事研究9,’16、6,’16

＜艦本式二二号八形ディーゼル＞：８気筒版。ボア430mm、ストローク450mm。出力2080馬力（回転数600rpm）。参考：月刊軍事研究9,’16、6,’16

＜艦本式二二号一〇形ディーゼル＞：10気筒版。ボア430mm、ストローク450mm。出力2350馬力（回転数600rpm）。参考：月刊軍事研究6,’16

＜艦本式二六号九形ディーゼル＞：日本海軍の潜水艦用４サイクル９気筒単動ディーゼルエンジン。ボア400mm、ストローク460mm。出力2200馬力（回転数470rpm）。参考：月刊軍事研究9,’16

＜艦本式五一号丁六形ディーゼル＞：日本海軍の蛟龍用４サイクル６気筒単動ディーゼルエンジン。ボア140mm、ストローク200mm。出力150馬力（回転数1500rpm）。新潟鉄工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜艦本式ギヤードタービン＞：日本海軍の１段減速式オールギヤードタービン。タービンは全て衝動式で、高圧と中圧がタンデムに置かれて片側のピニオンに、複流式低圧がそれとパラレルに置かれてもう片方のピニオンに接続されている。巡航タービンは減速歯車を介して中圧タービン軸に、後進タービンは低圧タービン軸に繋がる。大正9年頃に採用した。参考：月刊世界の艦船11,’11

＜艦本式トリプルフロータービン＞：日本海軍の艦船用蒸気タービン。海軍艦政本部がウェスティングハウス社製トリプルフロー蒸気タービンをベースに開発した。主缶から出た蒸気は高圧タービンのカーチス翼車を回転させてから二手に分かれ、一方（三割）は高圧タービンの残りの段落（反動タービン）を回し、もう一方（七割）は双流式低圧反動二分流排気式タービンを回す。高圧タービン＋低圧双流で蒸気が３つに分かれるのでトリプルフローと呼ばれる。巡航タービンや巡航段落が無いので、巡航時の蒸気消費量を低く抑えることが可能である。ただ思ったほどの効果は無かったようで、低速時の性能もイマイチであり、技本式オールギヤードタービンが開発された。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船3,’15

＜ガンマ＞：ドイツ国防軍42cm榴弾砲。砲身長6.723m、口径長16、全備重量140トン。俯仰角はプラス43-75度。分解して貨車10台に載せて移動し、組み立てに2-3日かかる。使用弾重量１トン、初速毎秒452m、最大射程14200m。発射速度毎分２発、砲身命数1000発。1906年に生産されたが、第１次大戦では使用されず、第２次大戦でセバストポリ攻略戦などに投入された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜γ線＞：ガンマ線と読む。波長が10nm以下の電磁波で、電磁放射線の一種である。原子核内から放出される。透過力が高く、鉛などでかなり減殺することはできるが、完全にブロックすることはできない。参考：放射線健康科学、図解・電波のしくみ、知ることから始めよう放射線のいろいろ

＜官民防衛産業フォーラム＞：防衛省が2017年から開始した官民一体型２国間フォーラムで、防衛装備移転三原則を踏まえ、日本からの技術移転や装備品輸出を主眼としている。2017年8月28日、インドネシアで初開催された。9月5日、東京でインドと開催。10月5日、ベトナムで開催。参考：朝雲

＜缶飯＞：自衛隊用語で、戦闘糧食�T型のこと。参考：月刊軍事研究2,’08、スピアヘッドNo.2

＜乾麺麭＞：日本海軍の糧食で、かんめんぽうと読む。イギリス海軍のビスケットをコピーしたもので、保存の利く主食として使用された。通称はビスケットで、硬いのでハードビスケット、ハービス、堅パンとも呼ばれている。１食分は50匁（187.5g）あり、防水紙で包んでタコ糸で縛り、２貫入り木箱（駆逐艦・水雷艇用）に40個または４貫入り木箱（大型艦用）に80個を収容する。日露戦争の日本海海戦時にも配られたが、水が無いと飲み込めず、食べるのに時間が掛かるため、戦闘中の糧食としては握飯が一番と評されている。味が悪いので後にソーダビスケットが開発され、昭和になると砂糖入乾麺麭が誕生した。参考：写真で見る海軍糧食史、歴史群像10,’18

＜ガンヤン＞：マレーシア海軍ミサイル艇Ganyang。2019年9月18-20日、ミサイル艇ハンダラン、ペルダナ級ミサイル艇ペルダナと共に、クアンタンを親善訪問したDD-151あさぎりと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船12,’19

＜咸陽＞：108（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜ガンランチャー＞：Gun-Laucher。通常の砲弾とミサイルの両方を発射できる火砲のこと。遠距離目標用にミサイルも発射できる砲、近距離目標用に通常砲弾も発射できるミサイルランチャー、両方を自由に使い分けるタイプの３種類がある。参考：月刊軍事研究2,’12、兵器最先端５

＜監理（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の職種。業務計画の実施状況分析や効率化提案、統計資料作成、部隊組織運営改善、事務作業用情報システム構築運用、これらに必要な情報収集などを主任務とし、海幕や地方総監部などに配属される。幹部特修科監理課程で教育が行われる。参考：MAMOR vol.119

＜監理（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の職種。業務計画の実施状況分析や効率化提案、統計資料作成、部隊組織運営改善、事務作業用情報システム構築運用、これらに必要な情報収集などを主任務とし、空幕や航空方面隊司令部などに配属される。監理部門に12ヶ月以上勤務して経験を積むと任じられる。参考：MAMOR vol.119

＜管理対象防衛情報＞：CDI（Covered Defense Information）と略す。管理対象非秘密情報CUI（Controlled Unclassified Information）のうち防衛関連のものを指し、仕様書やマニュアルなど機密・秘密情報には指定されていないが重要な情報のことをいう。参考：朝雲

＜監理幕僚＞：海上自衛隊の職名で、略号はカリサ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ガンルーム（海上自衛隊）＞：幹部室のこと。日本海軍から用語を引き継いでいる。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ガンルーム（日本海軍）＞：第一士官次室を参照。

＜ガンルーム士官＞：ガンルームに入っている士官のこと。参考：海軍技術研究所

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