軍事大事典そ

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＜ソア＞：アメリカ空軍弾道ミサイルThor（北欧神話の巨人トール）、別名B-75またはSM75（SM31？SM79？）またはPGM-17A、ウェポンシステム名称WS-315A。空軍に配備された初の弾道ミサイルで、ICBMが完成するまでの繋ぎとして1955年末からアメリカ空軍とダグラス社が開発し、1957年に実用化された。全長21m（19.8m？）、直径2m（2.4m？）、発射重量20トン。推進は１段式液体燃料ロケット、射程2700km。弾頭はW35の予定だったが開発中止となり、W49（１メガトン）を１発搭載した。１個中隊に３発が配備される。1958年9月から1959年3月にイギリス東部と北東部のミサイルサイト４カ所に15発ずつ配備され、戦略航空コマンドが管理した。アトラスICBMとポラリスSLBMの完成で用済みとなり、1962年12月（1963年12月20日？）に退役した。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、核兵器図鑑、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊軍事研究3,’19

＜ソア＞：イギリスのシートラック社が開発した双胴高速艇Twin Hull Offshore Raider。サーブ社製12.7mm遠隔操作銃塔トラックファイアとオランダのテンカート社製複合装甲を装備する。満載排水量9.5トン。主機はヤンマー製8LV-370ディーゼル２基、推進はロールスロイス社製FF-310ウォータージェット、最大速力40ノット以上。ペイロード１トン。参考：月刊軍事研究12,’13

＜ソア＞：サーブ・ボフォース・ダイナミクス・スイッツァランドが開発した120mm迫撃砲弾。MAPAM迫撃砲弾の120mm版で、鋼球1400個とタングステン片1700個をエポキシマトリクス複合材で固めて弾体にしており、MAPAMと同様に後方への破片散布界を広げて空中炸裂時の無駄な弾片撒布を全体の２割に削減、155mm榴弾並（従来の120mm迫撃砲弾の２倍）の威力を持たせている。全長770mm、重量15kg。最大射程9.5-14.5km。参考月刊軍事研究1,’18

＜ソアⅢ＞：アメリカ軍の携帯型対IED用ジャマー。周波数別に３種類のアンテナが用意されている。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ソイジャン＞：602（ミサイル艇）を参照。

＜ソイム＞：IAR-99（練習機）を参照。

＜ソイルアーマー＞：陸上自衛隊の地上設置型掩体器材。太陽工業が開発した。1m×1m×1mの立方体状または1m×1m×0.5mの直方体状金網（天井と底は無い）の内側を不織布で内張りしたもので、２個１セットとなっており、折り畳んで持ち運べる。設置場所で金網を広げ、連接ピンで複数を横に繋げて掩体側面の形にし、中に油圧ショベルやバケットなどで土砂や砂利を詰め込み（コンクリートを流し込めるタイプもある）、６段まで重ねてＵ字型ピンにより固定する。掩体の天井（掩蓋部）は、簡易掩蓋（曳火射撃抗堪）なら鋼矢板を天井に敷いて厚さ0.5mのソイルアーマーを載せ、軽掩蓋（120mm砲弾直撃抗堪）ならFRP橋梁板を天井に敷いて厚さ2.5mの土または厚さ1.5mのコンクリートを詰めたソイルアーマーを載せる。専門技術が要らず、施設科部隊が４日かかって作る車両用掘削型掩体と同レベルの防御力を持つ掩体を10名が10時間で作ることができ、器材無しでは掘れない岩盤や南西諸島海岸線の固い地盤といった陣地掘削の難しい場所に掩体を作製するのに向いている。太陽工業では必要な土砂や砂利のレンタル事業も実施中。2016年8月30日に航空自衛隊が行った平成28年度実爆を伴う滑走路被害復旧訓練で爆破地点の傍に設置され、抗堪性を確認するテストが行われた。2020年10月16日から11月5日の02鎮西では96式多目的誘導弾システムや155mm榴弾砲FH70の掩体をこれで構成している。参考：朝雲

＜曹＞：自衛隊の階級。専門分野の技能を持ち、幹部を補佐し、小規模部隊を運用、士を直接指導する。陸上自衛隊は陸曹、海上自衛隊は海曹、航空自衛隊は空曹となる。参考：MAMOR vol.102、vol.113

＜卡２８＞：Ka-28ヘリ（中国軍）を参照。

＜ソヴァ＞：MT-LB BRM（除染車）を参照。

＜ソヴィエツク＞：ロシア海軍プロジェクト22800カラクルト級コルベットSovetsk。2019年10月12日就役。2023年7月30日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日祝賀行事に参加。参考：月刊世界の艦船10,’23、8,’24

＜総員起こし＞：日本海軍／海上自衛隊の起床の号令。飛び起きて寝具整頓、着替え、整列まで90秒くらいなので、朝が弱いなどと言っている暇は無い。参考：MAMOR vol.100

＜総員退去（日本海軍）＞：この命令が出るまでは配置を離れることが出来ず、勝手に逃げたら軍法で処罰される。艦船の戦闘損害で通信手段が断たれていて命令が届かない事も多かった。参考：海軍操舵員よもやま物語

＜掃引妨害＞：スイープ・スルー・ジャミングを参照。

＜総員離艦＞：海上自衛隊の号令詞。艦長が、遭難した自艦を救護するための方策が全く尽きた場合に発令する。艦艇には要所に総員離艦安全守則を記したプレートがあり、これに従いつつ乗員は短艇や救命ボートなどを降ろし、舷外飛込（片手で鼻と口を抑え、もう一方の手で肘を支えて飛び、着水直前に真っ直ぐな姿勢になって足から着水し、衝撃を最小限にする）で海に飛び込んだ後、短艇や救命ボートに移乗する。艦長は自衛艦乗員服務規則第34条に基づき、乗員の生命を救助し、かつ、重要な書類、物品等を保護して最後に退艦する。参考：MAMOR vol.159

＜総員離艦安全守則＞：総員離艦の際の注意点で、海自艦艇の要所に取り付けられた金属プレートに記されている。１．あわてるな。２．衣服を着用せよ。３．救命胴衣を着用せよ。４．早く艦から遠ざかれ。５．集団を作れ。６．無理な泳ぎはするな。７．水中爆発及びサメに注意。参考：MAMOR vol.159

＜桑栄＞：GP-441（掃海船）を参照。

＜桑栄型＞：海上自衛隊掃海艦Soei型。元は海上保安庁航路啓開本部所属の桑栄丸で、大元は昭和20年1月10日竣工の2TM型戦時標準油槽船桑榮丸であり、1954年7月1日の海自発足で移管された。船倉に木材を詰め込んだり小型タンクを多数設けたりして浮力を保持、バラスト海水3000トンを積んで吃水を増し、乗員保護のため操舵室と機関操縦室に緩衝材を設置、舷外電路を設け、艦橋後部の操縦室から機関を遠隔操作できるよう改修を施してあり、機雷の敷設された海面を実際に航行して掃海を確認する任務に就いた。艦内スペースを利用して母艦や掃海司令部としての任務も行っている。全長99m、最大幅13.8m、深さ7.6m、吃水3m、基準排水量2850トン、満載排水量4300トン。主機は甲一二型蒸気タービン１基、主缶は乾燃室用主汽缶三号缶（蒸気性状1.57MPa、飽和温度）１基、出力1200馬力、１軸推進、速力９ノット。乗員75名。GP-441桑栄が就役した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊、海上自衛隊全艦艇史、丸スペシャルNo.78

＜桑栄丸＞：警備隊掃海船MS-101。元は昭和20年（19年？）に竣工した2TM型戦時標準油槽船桑榮丸で、戦後は海上保安庁航路啓開本部に編入され、この名称が付いた。全長99m、基準排水量2850トン。主機は蒸気タービン、速力９ノット。1950年3月31日、大阪湾和泉灘で行われた昭和天皇の掃海船艇32隻の御親閲で受閲部隊旗艦を務めた。1954年、掃海艦GP-441桑栄になった。参考：月刊世界の艦船5,’02増刊、8,’21

＜相応標的攻撃計画＞：韓国国防省が天安撃沈事件や延坪島砲撃事件を受けて立案した作戦計画。北朝鮮が韓国に対して限定的な攻撃を仕掛けてきた場合、それ相応の武力行使を以て反撃するというものである。参考：月刊JWings7,’12

＜騒音＞：ノイズを参照。

＜槍械＞：銃の中国語。参考：月刊軍事研究5,’09

＜掃海＞：Mine Sweeping。対機雷戦手段の１つで、機雷を掃海具で一気に処分すること。係維機雷の係維索を係維掃海具で切断して浮かんできた機雷を爆破処理する係維掃海、音響ノイズを発生させて誘爆させる音響掃海、磁力線を発生させて誘爆させる磁気掃海などがあり、沈底機雷に爆雷を落として爆破処分することもある。一般には音響と磁気掃海を組み合わせた感応掃海・複合掃海を使用することが多い。機雷の調定諸元に合わせて掃海具を調整するMSM掃海と、船舶のシグネチャーに合わせて掃海具を調整するTEM掃海という分類もある。ヘリコプターに掃海具を取り付ける航空掃海はアメリカ軍と海上自衛隊しか採用しておらず、他の国は無人処分具を主流としつつある。機雷が開発された当時は水面に流れてきたのを拾い上げたり、係維索に錨を引っ掛けて移動させたりする程度だった。日露戦争では両軍とも係維機雷を使用したため、戦後に日本海軍は一号掃海具と二号掃海具を駆逐艦や水雷艇で引っ張って掃海を行ったが、あまり効果は無く、半年後くらいから係維索が自然に切れて浮上してきた機雷を処分した数の方が10倍多かったという。第１次大戦では各国が掃海専門の掃海艇や徴用船改造の特設掃海艇を多数揃え、パラベーン、高速掃海具、オロペサ型係維掃海具を開発し、掃海効率が向上した。第２次大戦後半に登場した沈底感応機雷には非磁性掃海艇、磁気掃海ケーブル、発音機などで対抗したが、低周波音響機雷や沈底機雷は試航船（モルモット船）を使うしか無く、時限信管や回数起爆信管と組み合わされるとますます掃海が困難になり、朝鮮戦争の元山上陸作戦では早くも掃討への切り替えが始まっている。更に発見しにくく誘爆もさせにくい機雷の登場により、掃海具で一網打尽にするのは難しくなったため、1960年代から掃討が主流となった。参考：月刊世界の艦船4,’18、10,'15、8,’82増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、MORIBITO Vol.3、月刊軍事研究1,’14、3,’03、兵器メカニズム図鑑

　＜ＭＳＭ掃海＞：MSMはMine Setting Modeの略。機雷の調定諸元を推定し、それに合わせて掃海具を調整して掃海を行うこと。推定内容が合致していれば効率良く掃海が行えるが、外れていれば全く効果が無い。参考：月刊世界の艦船10,'15

　＜ＴＥＭ掃海＞：TEMはTarget Emulation Modeの略。実際の船舶が発する磁気や音響などと似た模擬シグネチャーを発するように掃海具を調整し、掃海を行うこと。掃海具が複雑になり、掃海効率も良くないが、高知能機雷に対応できる。参考：月刊世界の艦船10,'15

　＜感応掃海＞：感応機雷を掃海すること。複合機雷が仕掛けられていることを考慮し、音響掃海具と磁気掃海具を同時に使う（複合掃海）。水圧機雷を掃海具で処分するのは困難なので、こちらは掃討する必要がある。参考：月刊世界の艦船10,'15

　＜係維掃海＞：係維機雷を掃海すること。係維機雷の係維索を切断して機雷を浮き上がらせ、銃撃して爆発させる。時々銃弾が浮き室に命中して機雷が誘爆せずに沈んでしまうことがあるが、一応は無力化できる。近年は炸薬の安定化が図られて20mm機関砲弾でも誘爆しなかったりするので、水中処分員が爆薬を仕掛けて爆破することが多い。係維索カッターを曳く深さを決めるのが重要で、浅すぎると機雷缶そのものを引っかけてしまい、深すぎると海底の岩にワイヤーが引っかかる。参考：月刊世界の艦船10,'15、小艦艇入門

　＜航空掃海＞：ヘリコプターで掃海具を牽引して行う掃海。安全だが、掃海可能時間が短く、曳航できる掃海具に限りがあり、確実な掃海には１ヤード・１ノット単位のヘリコプターのコントロールが必要で、夜間掃海も難しく、アメリカ軍と海上自衛隊しか採用していない。参考：月刊世界の艦船10,'15、月刊航空ファン5,’17

　＜複合掃海＞：感応掃海を参照。

　＜掃海（海上自衛隊）＞：太平洋戦争が終わっても引き続きスタベーション作戦で敷設された感応機雷推定6500個と日本海軍が敷設した機雷55000個の掃海を行っているが、海上自衛隊発足前の1945年8月16日から1953年末までに166隻が触雷して90隻が沈没し、1300人が死亡・行方不明になった。朝鮮戦争勃発でアメリカ海軍基地に機雷を撒かれる恐れが出たため、警備隊時代の1950年7月から1953年9月に東京湾と佐世保で日施掃海や湾口哨戒を行っている。海上自衛隊に入っても太平洋戦争時の機雷に対する掃海作業は続き、航路啓開業務が終わったのは1985年で、30隻が触雷、79名が殉職した。その後も年に2-3個くらいの機雷が見つかっており、平成11年でも3000個が残存しているとされ、平成22年度までに処分された機雷は感応機雷6247個、浮遊機雷745個にのぼった。平成3年4月には砂利を満載した砂利運搬船が関門海峡で海底の機雷に衝突して沈没する事故が起きている。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、2,’12、8,’24

　＜掃海（日本海軍）＞：昭和17年9月にドイツから磁気機雷と音響機雷を入手し、感応機雷を初めて知ったため、磁気掃海具や発音弾の研究を開始。スタベーション作戦を受け、昭和20年5月に対機雷対策委員会が設置され、五式掃海具を開発して磁気機雷の掃海が行えるようになったが、回数起爆式の磁気水圧機雷は掃海できず、戦後に試航船などを使用して漸く掃海した。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、2,’12

＜掃海艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1954年7月1日、海自創設と共に自衛艦の種別として定められ、桑栄丸が類別された。1956年8月、GPの艦種記号が定められ、1957年9月1日に公式制定された。1960年10月1日、区分・自衛艦－大分類・警備艦－中分類・機雷艦艇の下の種別となった。1968年3月16日に廃止された。1990年3月23日、区分・自衛艦－大分類・警備艦－中分類・機雷艦艇の下の種別として再度定められた。艦種記号はMSO、艦番号は301以降。深々度対潜機雷の掃海・掃討を主任務とし、掃海艇よりやや大型である。1993-94年、やえやま型３隻が就役。2017年からあわじ型が就役。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’17、9,’17

＜掃海艦（２０４）取扱説明書＞：自衛隊の備品。ジャパンマリンユナイテッド製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜掃海管制艇＞：海上自衛隊の艦種。遠隔操作式掃海具SAMによる浅海面の磁気・音響掃海を主任務とする。1998年3月23日、区分・自衛艦－大分類・警備艦－中分類・機雷艦艇の下の種別として定められた。艦種記号はMCL、艦番号は721以降。1993年、ふくえ型掃海管制艇が艦種変更された。1998年からにいじま型掃海管制艇６隻が艦種変更された。2010年からいえしま型掃海管制艇が艦種変更された。2020年10月1日にいえしま型の最後の２隻が除籍され、艦種が消滅した。参考：月刊世界の艦船1,’14、12,’20

＜掃海業務支援システムソフトウェア（その１）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜掃海業務支援隊＞：海上自衛隊の部隊。すがしま型掃海艇のNAUTIS-M対機雷戦情報処理装置からのデータを扱う組織が必要となったため、掃海隊群隷下に2000年3月13日に新編された。機雷戦・対機雷戦に必要な情報の統合管理、地方隊における対機雷戦支援、掃海部隊の訓練支援を主任務とする。水路調査科で重要水路や港湾の海底地形調査、戦術支援科で掃海艇搭載対機雷戦システムのデータ整理提供、訓練科で各掃海部隊の訓練指導と練度評価を行っている。2014年12月8日、横須賀基地船越地区合同庁舎前で避難訓練に参加。2020年10月1日に廃止された。参考：月刊世界の艦船10,’15、12,'20、1,'21、8,'24、朝雲

＜掃海具装着訓練機用小型係維掃海具＞：自衛隊の機器。JMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜掃海船＞：警備隊の船種で、掃海作業に従事する船舶を指す。船種符号はMS。1952年10月に制定され、8月1日に遡って適用された。1953年度計画で、大型掃海船（実際は敷設艇）、中型掃海艇（実際は沿岸掃海艇）の名称が用いられた。1954年度計画では小型掃海艇（実際は浅海掃海艇）の名称も登場している。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜掃海隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の対機雷戦部隊、略称Md。地方隊に所属し警備区域内の航路啓開を主任務とするものと、掃海隊群に所属し戦術掃海を主任務とするものがある。掃海艦または掃海艇２隻以上と掃海母艦１隻からなるもの、掃海艦または掃海艇２隻以上からなるもの、掃海管制艇２隻以上からなるものに分かれる。トップは掃海隊司令（一等海佐または二等海佐）で、地方総監・掃海隊群司令・基地隊司令の指揮監督下に掃海隊の隊務を統括する。保安庁警備隊時代の1952年11月1日に第１から第10までが航路啓開隊隷下に創設され、うきしま型１隻とちよづる型2-3隻が配備された。その後所属が地方隊、地方基地隊、基地隊に移っている。1954年7月1日に海上自衛隊が発足すると、地方隊または基地隊の隷下となり、1955年10月1日の掃海隊群創設で掃海隊群または地方隊に所属するようになった。1997年3月19日、隊番号を整理変更した。参考：掃海隊の編制に関する訓令、月刊世界の艦船8,’11増刊、8,'24、日本の防衛戦力Part3、MORIBITO Vol.3

＜掃海隊（日本海軍）＞：掃海艇２隻以上で編成される。大正12年7月の掃海隊編制で定められた。大正14年11月17日付で発出された達第148号で、所属艦艦首舷側に掃海隊番号をアラビア数字で記入することになった。参考：帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船2,’16

＜掃海隊群＞：Mine warfare force。海上自衛隊の対機雷戦部隊で、機動運用される。1954年10月1日、防衛庁長官直轄として第１掃海隊群が新編された。1961年9月1日、自衛艦隊隷下に第２掃海隊群が編成された。第１掃海隊群は防衛庁長官直轄のままで、太平洋戦争時に撒かれた機雷の業務掃海を行う。1969年3月、太平洋戦争時に撒かれた機雷の掃海が一通り終わったため、第１掃海隊群も自衛艦隊隷下に移った。主任務は第１掃海隊群が訓練と業務掃海、第２掃海隊群が戦術などの研究開発である。平成8年度以降に係る防衛計画の大綱で１個に統合することになり、2000年3月13日に掃海隊群として自衛艦隊隷下に再編された。この際、英語名称がMinesweeper flotillaからMine warfare forceに変更されている。隷下部隊を平時に鍛え上げ有事に自衛艦隊司令官や地方総監に提供するフォース・プロバイダー、地方隊所属掃海艇及び潜水員のタイプ統制、機雷戦や水陸両用作戦におけるフォース・ユーザーの役割を持つ。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。津波の被害を避けるため、隷下艦船に緊急出港を命じ、司令部を掃海母艦MST-464ぶんごに置いて第４海災部隊として捜索救援にあたった。3月下旬、MST-464ぶんごが補給のため横須賀基地に向かったため、司令部を一時DDG-177あたごに移した。4月17日、司令部が横須賀基地に帰投した。2013年6月20-28日、硫黄島沖で実機雷処分訓練に参加し、２個水中処分班のEOD15名や司令部要員など65名を派遣した。8月9日、水陸両用作戦担当準備完了を自衛艦隊に報告。9月、司令部に両用戦幕僚が配置された。2015年7月20日から10月20日、ドーン・ブリッツ15に参加。6月19-28日、硫黄島周辺海域で平成27年度実機雷処分訓練（43回目）に参加。2016年6月30日から8月4日、司令部水中処分班５名がリムパック2016に参加。7月1日、水陸両用作戦体制整備のため改編を実施。掃海隊群司令部幕僚組織を強化し人員を20名弱から30名強に増員、第51掃海隊を解隊し、第３掃海隊を新編、第１輸送隊を隷下に入れ、直轄艦MST-463うらがを第１掃海隊、MST-464ぶんごを第３掃海隊に移した。10月13-15日、平成28年度国内における統合訓練に参加。2017年8月2-8日、相浦駐屯地でイギリス海軍・海兵隊教官による水陸両用作戦教育に参加。2020年10月1日、司令部が横須賀基地船越地区の海上作戦センターに移った。第101掃海隊が解隊された。掃海業務支援隊が廃止され、水陸両用戦・機雷戦戦術支援隊が新編された。2022年3月22日、FFM-2くまのが配備された。4月28日、FFM-1もがみが配備された。5月16-20日、ベトナム海軍に対する水中不発弾処分の能力構築支援事業に参加。2023年5月13日から6月9日、司令部３名がベトナム海軍に対する水中不発弾処分に関する能力構築支援事業に参加。7月10-13日、太平洋水陸両用指揮官シンポジウムに参加。2024年3月21日、FFM-1もがみとFFM-2くまのが第11護衛隊に移った。参考：月刊丸1,’10別冊、MORIBITO Vol.3、MAMOR vol.52、vol.105、vol.129、月刊世界の艦船11,’18、1,’18、7,’11、9,’13、10,’15、9,’16、1,’17、3,’19、12,'20、5,’22、7,'22、6,'24、月刊航空ファン8,’16、朝雲

　＜掃海隊群（２０００年３月１３日）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に置かれている。MST-463うらが、MST-464ぶんご、第１掃海隊、第２掃海隊、第３掃海隊、第51掃海隊、第101掃海隊、掃海業務支援隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船8,’24

　＜掃海隊群（２００１年度）＞：自衛艦隊隷下で、横須賀に置かれている。直轄艦（横須賀のMST-463うらが、呉のMST-464ぶんご）、第１掃海隊、第２掃海隊、第３掃海隊、第51掃海隊、第101掃海隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’02

　＜掃海隊群（２００９年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。MST-463うらが、MST-464ぶんご、第１掃海隊、第２掃海隊、第51掃海隊、第101掃海隊、掃海業務支援隊を隷下に置く。参考：月刊丸1,’10別冊、MORIBITO Vol.3、月刊世界の艦船1,’11

　＜掃海隊群（２０１１年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。MST-463うらが、MST-464ぶんご、第１掃海隊、第２掃海隊、第51掃海隊、第101掃海隊、掃海業務支援隊を隷下に置く。参考：海上自衛新聞

　＜掃海隊群（２０１５年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。MST-463うらが、MST-464ぶんご、第１掃海隊、第２掃海隊、第51掃海隊、第101掃海隊、掃海業務支援隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’15

　＜掃海隊群（２０１６年７月１日改編後）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。司令部幕僚組織は機雷戦幕僚（作戦幕僚、掃海幕僚、訓練幕僚を統合）、機雷戦航空幕僚（航空幕僚から変更）、気象幕僚、両用戦幕僚、艦艇運用幕僚、火力計画幕僚、火力運用幕僚、航空計画幕僚、航空運用幕僚からなる（艦艇運用幕僚以降は改編前から増員）。隷下に第１掃海隊、第２掃海隊、第３掃海隊、第101掃海隊、掃海業務支援隊、第１輸送隊を置く。参考：月刊世界の艦船11,’16

　＜掃海隊群（２０２０年）＞：自衛艦隊隷下で、司令部は横須賀にある。第１掃海隊、第２掃海隊、第３掃海隊、第101掃海隊、第１輸送隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜掃海隊群戦技＞：海上自衛隊掃海隊群が1970年から実施している戦技。訓練用機雷が敷設された海面を掃海・掃討していくもので、参加艦船のタイプごとに成績が評価される。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜掃海艇＞：掃海専用艇。掃討対応の掃海艇は機雷掃討艇として別分類したりする。機雷の傍で作業をするので、静音化、非磁性化を図り、水圧変化も局限する必要がある。掃海作業や掃討ではボートも合わせて使用することが多いので、艦載艇を積んでいる。浅く狭い場所でも作業が行えるよう小型浅吃水にするのが好ましいが、機雷の発達で掃海機材も多種多様になっており、掃討も行わなければならないので、バランスを取るのが難しい。日露戦争時代には17メートル内火艇や駆逐艦が係維掃海具を引っ張っていたが、第１次大戦中の1917年にイギリスで底引き網漁船を流用した710トン級の掃海専用艇が登場した。第２次大戦で磁気機雷が登場すると船体を非磁性にして対抗。感応機雷の発達で朝鮮戦争頃には掃海から掃討への移行が始まったが、掃海艇への掃討設備搭載は機雷探知ソナーが実用化された1960年代になり、水中処分員や処分用爆雷を積むようになった。参考：小艦艇入門、月刊世界の艦船4,’18、1,’12、1,’18

　＜掃海艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。沿岸型と内海用小型の２種類を配備している。船体は当初木製で、磁気機雷に備えて主機も非磁性化されており、材料の90%以上が非磁性金属で構成されるようになった。筋トレ用のダンベルも持ち込み禁止。クランク軸の非磁性化には苦戦したが、神戸製鋼所がステンレス鋼に表面窒化する技術を開発し、1962年度建造艦から実用化している。1954年7月1日、海自創設と共に自衛艦の種別として艦種が制定された。1953年度計画であただ型（1956年２隻就役）とやしろ型（1956年１隻就役）を建造、アメリカからブルーバード級掃海艇４隻を供与されてやしま型として1954年から配備した。1956年8月、艦種記号としてMSA、MSB、MSC、MSI、GP、WTが付与され、1957年9月1日に公式制定された。1958年、以降のモデルとなるかさど型26隻が就役開始。1960年10月1日、区分・自衛艦－大分類・警備艦－中分類・機雷艦艇の下の種別となった。1968年3月16日、MSA、MSI、GPの艦種記号が廃止された。1969年、ASDIC193ソナーと水中処分員を乗せて機雷掃討も行えるようにしたたかみ型19隻が就役開始。1979年、掃討用にS-4自走式機雷処分具を搭載したはつしま型23隻が就役開始。湾岸の夜明け作戦の戦訓を元に、遅ればせながら機雷掃討をメインとした艇の建造に移り、1990年からうわじま型９隻が就役した。1997年頃、MSBを廃止した。1999年、すがしま型12隻が就役開始。2008年、ひらしま型３隻が就役開始。木造だと寿命が16年しかない、経年変化で木が痩せて水漏れする、熟練工が減った、ライフ・サイクル・コストが高いなどの問題があり、寿命が30年あって、建造費は１割高いもののライフ・サイクル・コストが大幅に安いGFRP製に切り換え、2012年からえのしま型３隻が就役した。通信装備が無線とワイドスター衛星船舶電話（データ送受信も可能だが、通信速度が4.8kbpsと遅く、電話と同時には使えない）しか無く、東日本大震災で支障を来したので、2011年度第三次補正予算でワイドスターⅡ（データ通信速度上り144kbps・下り384kbps。ただし電話と同時には使えない）を装備することになった。対機雷戦能力を持つもがみ型護衛艦建造に伴い、そちらに任務を譲って消滅する予定。参考：朝雲、月刊世界の艦船1,’79増刊、11,'17増刊、5,’12、9,’17、12,’22、丸スペシャルNo.78、月刊軍事研究1,’14、MAMOR vol.115

　＜掃海艇（ドイツ海軍）＞：第２次大戦時は航洋汎用型の掃海艇（Minensuchboot）と、沿岸汎用型の局地掃海艇（Raumboot）の２種類を運用し、掃海の他、機雷敷設や哨戒などにも使用した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

　＜掃海艇（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。日露戦争で戦艦２隻を機雷により失った反省を基に開発を開始した。当初は雑役船に類別されていて、第１次大戦中に駆逐艦を雑役船（掃海艇）とし、掃海に使用した。大正9年4月の艦船令改訂で特務艇の１つとして類別が制定され、一等と二等の等級も定められた。大正12年に等級が廃止され、後に艦艇の下の種別になっている。掃海艇として最初に竣工したのは掃海艇第１号型（大正12-14年６隻）で、掃海艇第７号型（昭和13-14年６隻）、掃海艇第13号型（昭和8-11年６隻）、掃海艇第19号型（昭和16-19年18隻）、掃海艇第101号・第102号が建造された。主任務は当初艦隊に随伴して水上戦時に前路掃海を行う事だったが、後にアメリカが日本や前進基地の海域周辺に敷設した機雷の掃海となっている。敵地に進出した場合に備え、機雷原の後方にある海岸砲との交戦も考慮されており、強力な砲を持つ他、海防艦や護送艦としての任務もこなせるよう、爆雷まで積んでいた。第２次大戦末期に磁気機雷が大量にばらまかれると、船体が鉄製だったために対応できなくなり、船団護衛に回されている。掃海は五式掃海具を木製の駆潜特務艇と大発に牽引させて実施した。参考：小艦艇入門、月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊丸3,’14、月刊モデルアート9,'15増刊

＜掃海艇１号＞：MSB-701を参照。

＜掃海艇１号型＞：海上自衛隊掃海艇、技術研究本部計画番号I-103。船型は平甲板型（没水部は角型）で、キールとスケグに米松の積層材を使い、他の部位にはケヤキ、杉、耐水合板といった種々の木材を特性に応じて使用した。上部構造物は耐水合板性１層構造、内部が操舵室で、上面が全周に手摺りの付いた露天艦橋になっていて、後部にポールマスト１本が立っている。５・６番艇は艦橋前面に前板と風防を追加しており、1-4番艇も後に手摺りに帆布を巡らし、全面に簡易風防を装着した。上部構造物後方に磁気・音響掃海具巻取り装置、艦尾に係維掃海具用ウインチ、係維掃海具用フロート、0.2トン掃海ダビット（両舷）を装備する。掃海作業は掃海母艇の管制下で行うため、マスト頂部にコーナー・リフレクターを装備し、掃海母艇がレーダーで各艦の位置を確実に把握できるようにした。67式普通掃海具片舷分を搭載しており、必要に応じて掃海母艇からA-Mk6b音響掃海具を受け取って使用する。艦内は倉庫と機関区画くらいで居住設備は無く、通信・航法装置も貧弱で、基本的に６隻で１隊を構成して掃海母艇の支援下で行動する。給食設備も無いので、主食は電気炊飯器を持ち込んで炊き、副食は掃海母艇から受け取った。全長18.5m、最大幅4.9m、深さ2.4m、吃水1m、基準排水量40トン、満載排水量45トン。主機は三菱DH7M型４サイクルディーゼル２基２軸320馬力、速力10ノット。掃海発電機用原動機（出力340馬力）１基を搭載する。乗員10名（士官１名、科員９名）。1954-57年度計画でMSB-701掃海艇１号、MSB-702掃海艇２号、MSB-703掃海艇３号、MSB-704掃海艇４号、MSB-705掃海艇５号、MSB-706掃海艇６号の６隻が建造されて1957-59年に竣工し、呉地方隊に配備された。1973-74年に除籍され、廃船処分となった。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、9,’24、10,'15、1,’79増刊、5,’02増刊、丸スペシャルNo.76、月刊軍事研究9,’13

＜掃海艇２号＞：MSB-702を参照。

＜掃海艇３号＞：MSB-703を参照。

＜掃海艇４号＞：MSB-704を参照。

＜掃海艇５号＞：MSB-705を参照。

＜掃海艇６号＞：MSB-706を参照。

＜掃海艇７号＞：MSB-707を参照。

＜掃海艇７号型＞：海上自衛隊掃海艇。掃海艇１号型の後継として開発された。構造はほぼ同じで、平甲板型の船体を一回り大型にし、主機の出力を向上させ、乗員用ベッド（５名分）を搭載している。構造材は米松で、他の部分には集成材を多用した。67式普通掃海具片舷分を搭載しており、必要に応じて掃海母艦からA-Mk6b音響掃海具を受け取って使用する。任務から給養まで掃海母艦の支援下に行動するため、当初は航海レーダーも搭載していなかった。全長22.5m、最大幅5.4m、深さ2.5m、吃水1m、基準排水量50トン（53トン？）、満載排水量58トン。主機は三菱4ZV20MAまたは4ZV20MC非磁性ディーゼル２基２軸480馬力、速力11ノット。乗員10名。MSB-707掃海艇７号、MSB-708掃海艇８号、MSB-709掃海艇９号、MSB-710掃海艇10号、MSB-711掃海艇11号、MSB-712掃海艇12号の６隻が就役した。1990年、小型の航海レーダーを搭載した。遠隔操縦式掃海具SAMの装備に伴い、1992-97年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’95、1,’79増刊、5,’02増刊、丸スペシャルNo.76

＜掃海艇８号＞：MSB-708を参照。

＜掃海艇９号＞：MSB-709を参照。

＜掃海艇１０号＞：MSB-710を参照。

＜掃海艇１１号＞：MSB-711を参照。

＜掃海艇１２号＞：MSB-712を参照。

＜掃海艇第１号＞：日本海軍掃海艇第１号型、第１号掃海艇。大正12年6月、第１掃海艇として竣工。大正13年4月24日、第１号掃海艇に改称された。太平洋戦争開戦時は第１掃海隊に所属していた。昭和20年8月10日、岩手県山田港で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊世界の艦船10,’19

＜掃海艇第１号型＞：日本海軍掃海艇。八八艦隊計画の一環として建造されたもので、日本海軍前進基地にアメリカが敷設した機雷を掃海するのが主任務である。敷設任務や対潜掃討任務も限定的だが実施できる。船型は船首楼型で、船首楼の部分は居住区とされた。艦首は二重湾曲型で、艦首水線下は連係機雷を乗り越えられるよう30度傾斜している。艦橋は２層構造、煙突は２本。敵の敷設駆逐艦と出くわしても対応できるよう、強力な砲も搭載したが、欲張りすぎたせいか、重量が予定よりも１割増になってしまった。第５号以降は船体を少し大型にし、前部マストを単脚から三脚に変更、前部主砲に防楯を装備した。全長76.2m、水線長74.3m（第４号まで）／75m（第５号以降）、最大幅8.03m（第４号まで）／8.25m（第５号以降）、基準排水量600トン（第４号まで）／620トン（第５号以降）、公試排水量702トン（第４号まで）／717トン（第５号以降）。主機はSL型直立型三段膨張式レシプロ蒸気機械２基、主缶はロ号艦本式石炭専焼水管缶３基、出力4000馬力、２軸推進、速力20ノット（第４号まで）／21 ノット（第５号以降）、石炭搭載量185トン（第１号）／190トン（第２号）／184トン（第３号）／186トン（第４号）／176トン（第５号）／178トン（第６号）、航続距離2000海里（10ノット）。兵装は四五口径三年式一二サンチ砲２門（前後甲板）、四〇口径三年式八サンチ高角砲１門（後部マスト直前）、毘式12ミリ単装機銃（前後煙突間）、爆雷投射機２基、爆雷投下台６基、爆雷18個。艦尾に大掃海具二号（対艦式）と三号（単艦式）を１基ずつ搭載する。掃海具を外せば機雷を50個積める。第１号掃海艇、第２号掃海艇、第３号掃海艇、第４号掃海艇、第５号掃海艇、第６号掃海艇の６隻が大正12-14年に竣工した。後に前部主砲に防楯を追加し、前部煙突を延長、高角砲を撤去して爆雷投射機を増設している。参考：小艦艇入門、月刊モデルアート9,'15増刊、月刊世界の艦船10,’19、5,’18、日本海軍艦隊総覧

＜掃海艇第２号＞：日本海軍掃海艇第１号型、第２号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第１掃海隊に所属していた。昭和17年3月1日、ジャワ島バンダム湾で友軍魚雷の誤射を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第３号＞：日本海軍掃海艇第１号型、第３号掃海艇。大正12年6月、第３掃海艇として竣工。大正13年4月24日、第３号掃海艇に改称された。太平洋戦争開戦時は第１掃海隊に所属していた。昭和16年12月26日、ボルネオのクチンに上陸する船団の護衛に就いた。昭和20年4月9日、岩手県東方でSS-384パーチェの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊モデルアート9,'15増刊

＜掃海艇第４号＞：日本海軍掃海艇第１号型、第４号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第１掃海隊に所属していた。昭和19年5月19日、ハルマヘラのカウ湾で触雷して大破した。昭和20年1月4日、高雄港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて擱座した。昭和21年7月11日、シンガポールのケッペル港南でイギリス軍により処分された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第５号＞：日本海軍掃海艇第１号型、第５号掃海艇。大正14年（昭和4年2月？）竣工。太平洋戦争開戦時は第１掃海隊に所属していた。昭和19年11月4日、マラッカ海峡でイギリス潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊モデルアート9,'15増刊

＜掃海艇第６号＞：日本海軍掃海艇第１号型、第６号掃海艇。大正14年竣工。太平洋戦争開戦時は第１掃海隊に所属していた。昭和16年12月26日、ボルネオのクチンに上陸する船団の護衛に就いたが、上陸完了直後にクチン沖でオランダ海軍 Do24飛行艇の50kg爆弾による爆撃を受けて沈没、36名が戦死した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊モデルアート9,'15増刊

＜掃海艇第７号＞：海風（初代）を参照。

＜掃海艇第７号＞：日本海軍掃海艇第７号型、第７号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第21掃海隊に所属していた。昭和19年4月15日、インド洋アンダマン諸島ロス島の東南東20海里でイギリス潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第７号型＞：日本海軍掃海艇。マル三計画で計画され、旧式駆逐艦を転用した同名の掃海艇が退役した後に建造されており、掃海艇第13号型よりも就役時期が遅く、掃海艇第13号型の兵装強化型となっている。艦橋上に1.5m測距儀、探照灯後方の電信室上に3m測距儀を装備する。煙突右舷に６メートル・カッターと６メートル内火艇、左舷に６メートル・カッターと６メートル通船を搭載した。水線長71.3m、最大幅7.85m、基準排水量630トン、公試排水量750トン。主缶は混焼缶、出力3850馬力、速力20ノット、航続距離2000海里。兵装は四五口径三年式一二サンチ砲３門（船首楼甲板、後部マスト前後）、九六式二五ミリ連装機銃１基（後部マスト直前）、爆雷投射機（後甲板）、爆雷36個。艦尾両舷に大掃海具を搭載する。第７号掃海艇、第８号掃海艇、第９号掃海艇、第10号掃海艇、第11号掃海艇、第12号掃海艇の６隻が昭和13-14年に就役した。参考：小艦艇入門、月刊モデルアート9,'15増刊

＜掃海艇第８号＞：浦波（駆逐艦、初代）を参照。

＜掃海艇第８号＞：日本海軍掃海艇第７号型、第８号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第21掃海隊に所属していた。昭和21年7月11日、シンガポールのケッペル港南でイギリス軍により処分された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第９号＞：綾波（駆逐艦、初代）または楢（駆逐艦、初代）を参照。

＜掃海艇第９号＞：日本海軍掃海艇第７号型、第９号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第21掃海隊に所属していた。昭和17年2月2日、アンボンで触雷して沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第１０号＞：日本海軍掃海艇第７号型、第10号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第21掃海隊に所属していた。昭和16年12月10日、銃撃を受けて搭載爆雷が誘爆し、1032に沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第１１号＞：長月（駆逐艦、初代）を参照。

＜掃海艇第１１号＞：日本海軍掃海艇第７号型、第11号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第21掃海隊に所属していた。昭和17年2月2日、アンボン沖で触雷して小破した。昭和20年3月28日、セレベス島マカッサル沖で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第１２号＞：日本海軍掃海艇第７号型、第12号掃海艇。太平洋戦争開戦時は第21掃海隊に所属していた。昭和17年2月2日、アンボン沖で触雷して小破した。昭和20年4月6日、ジャワ島サリニ海峡南口でSS-321ベスゴの雷撃により沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第１３号＞：日本海軍掃海艇第13号型、第13号掃海艇。昭和8年竣工。太平洋戦争開戦時、第11掃海隊に配備されていた。昭和17年1月12日、タラカン油田上陸船団の護衛に就き、タラカン島にオランダ敷設艦プリンツ・ファン・オレンジが敷設した機雷を掃海していたところ、オランダ軍12センチ沿岸砲台の砲撃を受けて大破し、放棄された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第１３号型＞：日本海軍掃海艇、基本計画番号13A（1-4番艦）／13B（5-6番艦）。掃海艇第１号型の改良型で、船型を小型にし、艦首をクリッパー型に変更、艦首水線下を垂直とし、艦首底部にパラベーン曳航用の防雷具鑽孔を設け、艦橋を３層構造にし、８サンチ高角砲を撤去、煙突を１本に統一して増高し、マストを前後とも三脚にしたものである。吃水を0.25m浅くして触雷を防いだが、復元性が悪化したため、第13・第14号は竣工後、第15・第16号は建造中に、艦橋を２層に減らしてマストと煙突を低くし、平板キールの下にバラスト・キールを装着してセメントを詰め、復元用液体バラストを搭載するなどの復元力強化改修を行った。第17・第18号は根本的な改設計を施しており、主機をタービンにし、三式感応磁気掃海具を装備、大掃海具３号用のパラベーンを後部マスト前方両舷にも搭載し、13mm機銃を連装１基（後部マスト直前）に換装している。全長74m、水線長72m（1-4番艦）／70m（5-6番艦）、最大幅8.2m（1-4番艦）／7.85m（5-6番艦）、基準排水量500トン（1-4番艦）／578トン（5-6番艦）、公試排水量560トン（1-4番艦）／700トン（5-6番艦）、満載排水量864トン。主機はレシプロ蒸気機械（1-4番艦）／蒸気タービン（5-6番艦）、主缶はロ号艦本式混焼缶２基、出力3200馬力、速力20ノット（1-4番艦）／19ノット（5-6番艦）、石炭搭載量120トン、重油搭載量55トン。兵装は四五口径三年式一二サンチ砲２門（船首楼甲板、後甲板）、保式13mm単装機銃２丁（羅針艦橋直前、後部甲板室上。1-4番艦）／13mm連装機銃１基（羅針艦橋直前。5-6番艦）、片舷式爆雷投射機２基、爆雷投下台４基、爆雷36個。掃海具は単艦式大掃海具１組と対艦式大掃海具２組。掃海具を外して機雷敷設軌条と八九式機雷26個または五号機雷40個を積めば敷設艇としても使える。艦載艇は６メートル内火艇と６メートル・カッター。第13号掃海艇、第14号掃海艇、第15号掃海艇、第16号掃海艇、第17号掃海艇、第18号掃海艇の６隻が昭和8-11年に竣工した。太平洋戦争中に前部マスト前面に一三号電探を装備、艦橋前方に機銃台を増設して25mm機銃を追加するなどの改装を行っている。参考：小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊、月刊世界の艦船5,'22、6,’18

＜掃海艇第１４号＞：日本海軍掃海艇第13号型、第14号掃海艇。昭和8年竣工。太平洋戦争開戦時、第11掃海隊に配備されていた。昭和17年1月12日、タラカン油田上陸船団の護衛に就き、タラカン島にオランダ敷設艦プリンツ・ファン・オレンジが敷設した機雷を掃海していたところ、オランダ軍12センチ沿岸砲台の砲撃を受けて大破し、放棄された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第１５号＞：日本海軍掃海艇第13号型、第15号掃海艇。昭和9年竣工。太平洋戦争開戦時、第11掃海隊に配備されていた。昭和19年8月5日、鹿児島港外で伏見丸と接触した。昭和20年3月5日、鹿児島県諏訪之瀬島付近でSS-307タイルフィッシュの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第１６号＞：日本海軍掃海艇第13号型、第16号掃海艇。昭和8年6月20日起工、昭和9年9月29日竣工。太平洋戦争開戦時、第11掃海隊に配備されていた。昭和18年9月11日、セレベス・マカッサル港外で爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船5,'22、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第１７号＞：日本海軍掃海艇第13号型、第17号掃海艇。昭和11年竣工。太平洋戦争開戦時、第30掃海隊に配備されていた。昭和19年11月26日、海南島付近でB-24爆撃機の爆撃を受けて損傷した。昭和20年3月17日、東シナ海で爆撃を受けて損傷した。8月2日、鎮海湾で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第１８号＞：日本海軍掃海艇第13号型、第18号掃海艇。昭和11年竣工。太平洋戦争開戦時、第30掃海隊に配備されていた。昭和18年3月24日、勝浦沖で触礁した。昭和19年11月26日、海南島付近でB-24爆撃機の爆撃を受けて沈没した。参考；第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第１９号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第19号掃海艇。太平洋戦争開戦時、第30掃海隊に配備されていた。昭和16年12月10日、航空攻撃を受けて大破、擱座した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第１９号型＞：日本海軍掃海艇。掃海艇第７号型の小改良型で、主砲を高仰角のＭ型砲に変更した。水線長71.3m、最大幅7.85m、基準排水量648トン、公試排水量755トン。機関出力3850馬力、最大速力20ノット。兵装は四五口径十一年式一二サンチ砲３門（船首楼甲板、後部マスト前後）、25ミリ連装機銃１基（後部マスト直前）、爆雷投射機、爆雷36個。第39号掃海艇の竣工時は四五口径十一年式一二サンチ砲２門（船首楼甲板、後部マスト前方）、九六式25ミリ連装機銃３基（艦橋直前、後部マスト前後）、九六式25ミリ単装機銃１丁（煙突後方）で、艦橋上面に二二号電探も装備した。艦尾両舷に大掃海具を搭載する。第19号掃海艇、第20号掃海艇、第21号掃海艇、第22号掃海艇、第23号掃海艇、第24号掃海艇、第25号掃海艇、第26号掃海艇、第27号掃海艇、第28号掃海艇、第29号掃海艇、第30号掃海艇、第33号掃海艇、第34号掃海艇、第36号掃海艇、第38号掃海艇、第39号掃海艇、第41号掃海艇の18隻（17隻？）が昭和16-19年に竣工した。参考：小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊

＜掃海艇第２０号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第20号掃海艇。太平洋戦争開戦時、第30掃海隊に配備されていた。昭和17年5月4日、MO作戦の上陸部隊を乗せた輸送船12隻を護衛してラバウルを出港。5月6日、MO攻略部隊所属で珊瑚海海戦に参加。昭和20年5月5日、黄海南部でSS-412トレパンの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊世界の艦船6,’83

＜掃海艇第２１号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第21号掃海艇。昭和18年12月25日、カビエンでアメリカ機動部隊の攻撃を受けて損傷した。昭和20年4月10日、揚子江口南東で触雷して損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第２２号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第22号掃海艇。昭和18年2月27日、コロンバンガラ島付近で爆撃を受けて小破した。昭和19年11月11日、パラオ島付近で爆撃を受けて大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第２４号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第24号掃海艇。昭和17年7月15日、青森県大門崎沖でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第２５号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第25号掃海艇。昭和18年12月25日、カビエンでアメリカ機動部隊の攻撃を受けて損傷した。昭和19年7月4日、父島北西で艦上機の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第２６号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第26号掃海艇。昭和17年11月2日、ラバウルで爆撃を受けて損傷した。昭和19年2月17日、ラバウルで爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第２７号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第27号掃海艇。昭和20年7月10日、岩手県魚毛崎沖5.5 海里でSS-476ランナーの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、アメリカ潜水艦史

＜掃海艇第２８号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第28号掃海艇。昭和18年10月2日、カビエン湾で触雷して小破した。昭和19年8月29日、メナド北西でSS-259ジャックの雷撃により沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第２９号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第29号掃海艇。昭和20年2月5日、父島付近で触雷して小破した。5月7日、関門海峡で触雷して大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第３０号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第30号掃海艇。昭和19年6月、渾作戦に参加。8月5日、ダバオ南方でアメリカ潜水艦の雷撃により損傷した。11月11日、第３次多号作戦（オルモック輸送）に従事中、オルモック湾で艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第３３号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第33号掃海艇。昭和20年8月9日、宮城県女川港でイギリス空母67フォーミダブル搭載コルセア戦闘機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜掃海艇第３４号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第34号掃海艇。昭和18年8月25日、ローヤル岬付近で座礁した。昭和20年11月20日、シンガポールの北東で潜水艦の攻撃を受けて小破した。5月21日、ジャワ海でSS-329チャブの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第３８号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第38号掃海艇。昭和19年11月19日、南シナ海バシー海峡でSS-403アトゥールの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、アメリカ潜水艦史

＜掃海艇第３９号＞：日本海軍掃海艇第19号型、第39号掃海艇。昭和19年5月竣工。昭和20年5月8日、山口県蓋井灯台の南東4.8kmで触雷して損傷した。7月20日、済州島東方でSS-410スレッドフィンの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊モデルアート9,’15増刊

＜掃海艇第１０１号＞：日本海軍掃海艇、第101号掃海艇。昭和18年7月29日、香港でドックイン中に爆撃を受けて小破した。昭和20年1月12日、仏印南部でアメリカ機動部隊の空襲を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇第１０２号＞：日本海軍掃海艇、第102号掃海艇。昭和20年1月9日、台湾基隆港でアメリカ機動部隊の空襲を受けて損傷した。2月3日、中国の海壇島北方で触雷し、航行不能となった。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海艇・駆潜艇・護衛艦章＞：ドイツ軍の小艦艇乗員向け勲章Kriegsabzeichen fur Minenshch-, U-Boot-Jagt- und Sicherungsverbande。1940年8月31日に制定された。作戦航海に３回参加した場合、25日以上護衛任務に従事した場合、戦闘中に艦艇が沈没した場合、作戦中に最初に負傷した場合などに授与される。軍属にも与えられた。参考：グラフィックアクション44

＜掃海艇用コンソール改１型＞：自衛隊の機器。日本アビオニクス製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜掃海艇用ディーゼル主機＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究11,’13

＜掃海特別訓練＞：海上自衛隊とアメリカの掃海部隊の共同掃海訓練。海自の日米共同訓練としては最も古く、1955年4月から実施されている。参考：月刊軍事研究10,’13

＜掃海特務艇（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。昭和6年、特務艇の下の類別として制定された。中国方面での掃海を主任務とし、艦隊随伴行動は取らないが、ある程度の遠洋航海には耐えられるようにしてある。掃海特務艇第１号型が昭和17-18年に22隻竣工した。参考：月刊モデルアート9,’15増刊、小艦艇入門

＜掃海特務艇第１号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第１号掃海特務艇。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月4日、ツラギでアメリカ機動部隊艦上機の攻撃を受けて沈没した。昭和19年9月24日、カロリン諸島マラカル島沖で砲撃を受けて大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜掃海特務艇第１号型＞：日本海軍掃海特務艇。船型は船首楼型で、遠洋トロール船と同じ漁船型とした。船体は鋼製で、非磁性化が徹底しておらず、磁気機雷が反応してしまうという欠点がある。Ｋ型水中聴音機１基を搭載しており、海中にあるのが機雷でなく潜水艦だった場合には、全長0.5mの小型爆雷を手動で投下して攻撃する。船首楼直後の前甲板に前部マスト、上構後部の煙突後方に後部マストがあり、どちらもポールマストである。艦橋前方右舷側上甲板にボート・ダビットを持つ。全長29.6m、最大幅5.9m、吃水2.2m、排水量222トン。主機はディーゼル、出力300馬力、速力9.5ノット。兵装は五年式短八サンチ平射砲１門（船首楼）、25ミリ機銃2-4丁、留式7.7ミリ空冷機銃１丁（艦橋上）、小型爆雷12個。大掃海具二型２個、小掃海具２個を搭載する。昭和17-18年に22隻が建造された。終戦時には11隻が残存しており、戦後も瀬戸内海の掃海（磁気機雷以外）を行った。参考：小艦艇入門、月刊丸3,’14、月刊モデルアート9,’15増刊、月刊世界の艦船2,’24

＜掃海特務艇第２号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第２号掃海特務艇。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月4日、ツラギでアメリカ機動部隊艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜掃海特務艇第３号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第３号掃海特務艇。昭和20年7月24日、スラバヤ沖で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第４号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第４号掃海特務艇。昭和19年7月19日、チモール島のデリー港で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第５号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第５号掃海特務艇。昭和17年11月4日、東カロリン諸島付近で爆撃を受けて中破した。昭和19年9月18日、カロリン諸島エンダービ島付近で爆撃を受けて小破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第７号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第７号掃海特務艇。昭和19年9月21日、シブヤン島の東で艦上機の攻撃により大破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第８号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第８号掃海特務艇。昭和19年10月21日、フィリピンのギガンデス島付近で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第１０号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第10号掃海特務艇。昭和20年1月11日、ルソン島北西部のビガン南方で駆逐艦の攻撃を受けて沈没した。参考；第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第１４号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第14号掃海特務艇。昭和20年2月25日、三宅島の大船戸で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第１８号＞：日本海軍掃海特務艇第１号型、第18号掃海特務艇。昭和18年10月11日、大湊航空隊分遣隊の九四式水偵から潜水艦発見の報告を受け、第15号駆潜艇及び第43号駆潜艇と共に、宗谷海峡でSS-238ワフーを撃沈した。参考：小艦艇入門

＜掃海特務艇第１０１号＞：日本海軍掃海特務艇、第101号掃海特務艇。昭和18年10月13日、ジャワ海で触雷して小破した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第１０４号＞：日本海軍掃海特務艇、第104号掃海特務艇。昭和20年4月12日、バリ島北岸でイギリス潜水艦と交戦し、大破して放棄された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海特務艇第１０５号＞：日本海軍掃海特務艇、第105号掃海特務艇。昭和20年5月25日、ジャワ海でイギリス潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜掃海ヘリコプター＞：掃海を主任務とするヘリコプター。大型ヘリに掃海具を積んだもので、安全な空中から高速で掃海を行える。対機雷戦が掃討メインになったのを受け、掃海ヘリの戦術も機載機雷探知装置で発見した機雷を銃撃して破壊する掃討方式に変更された。常設部隊で運用しているのはアメリカ軍と自衛隊だけである。参考：月刊JWings3,’15、5,’18

＜掃海母艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1960年6月30日、自衛艦の種別として定められ、MSTの艦種記号が付与された。同日にはやとも型掃海母艦１隻が就役している。10月1日、区分・自衛艦－大分類・警備艦－中分類・機雷艦艇の下の種別となり、461以降の艦番号が付与された。1971年、はやせ型掃海母艦１隻が就役。1997年、うらが型掃海母艦２隻が就役開始。参考：月刊世界の艦船11,’17増刊、自衛隊装備年鑑1996

＜掃海母艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1955年3月31日、自衛艦の種別として制定され、なさみが類別された。1956年8月、艦種記号 MSTが付与され、1957年9月1日に公式制定された。1960年10月1日、区分・自衛艦－大分類・警備艦－中分類・機雷艦艇の下の種別となり、471以降の艦番号が付与された。1999年頃に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜掃海用クレーン６型＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜掃海用情報処理装置＞：海上自衛隊の対機雷戦用戦闘システム。機雷探知ソナーや掃討具を一括管理し、GPSと連動した精密操艦も行える。ひらしま型、えのしま型に搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’13

＜総火演＞：富士総合火力演習を参照。

＜宋型＞：039型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜増加タンク＞：増槽を参照。

＜造渦抵抗＞：粘性圧力抵抗を参照。

＜双眼二五倍監視用望遠鏡（教育訓練用）＞：自衛隊の機器。富士フイルム製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜双眼四〇倍監視用望遠鏡＞：自衛隊の機器。富士フイルム製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜双眼鏡３型七倍改＞：自衛隊の機器。装備開発機構製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜双眼鏡Ａ型＞：日本陸軍の双眼鏡。倍率６倍、視野６度８分。参考：日本陸軍兵器資料集

＜双眼鏡Ｂ型＞：日本陸軍の双眼鏡。倍率12倍、視野３度３分。参考：日本陸軍兵器資料集

＜双眼鏡Ｃ型＞：日本陸軍の双眼鏡。倍率６倍、視野９度５分。参考：日本陸軍兵器資料集

＜双眼式暗視装置（Ａ型）＞：自衛隊の機器。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究7,’16

＜双眼式暗視装置（Ｂ型）＞：自衛隊の機器。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究7,’16

＜早期運用能力＞：EOCを参照。

＜早期影響（放射線障害）＞：被曝後数週間以内に現れる人体への影響。被曝線量が一定レベル（しきい値）を超えない限り影響が出ない確定的影響である。参考：知ることから始めよう放射線のいろいろ、放射線健康科学

　＜急性放射線症＞：全身または広範囲に短時間・大量被曝した場合に生じる症候群。前駆期、潜伏期、発症期、回復期の４段階がある。前駆期は被曝後48時間以内で、1Sv以上を被曝すると意識障害、頭痛、発熱、嘔吐、下痢、唾液腺腫脹疼痛、紅斑などが一過性に出現する。発症までの時間や症状の程度は線量に比例する。その後は症状が一旦消えて潜伏期となる。期間は1-2Svで21-35日、2-4Svで18-28日、4-6Svで8-18日、6-8Svで７日以下、8Sv以上でゼロである。これが経過すると発病期となり、線量に応じて0.5Gyでリンパ球減少（自覚症状は無い）、1Gyで悪心・嘔吐、1.5Gy以上で死亡の可能性があり、3-5Gyで骨髄障害（致死率50%）、7-10Gyで消化管症候群（粘膜上皮が全滅して体液や血液が漏出し、腸内細菌が体内に侵入する）や肺障害（被曝後1-7ヵ月で出現）、12-15 Gyで皮膚障害、15Gy以上で脳が深刻な障害を受けて早期に死亡といった症状が出る。1-2Svなら軽症なので外来経過観察を行う。2Svを越えたら入院管理が必要である。4Sv以上では高度骨髄障害や消化管粘膜障害に対する長期集中治療を要する。6Sv以上では造血幹細胞移植が必要。消化管症候群や肺・皮膚・脳障害を発症した場合、造血幹細胞移植に成功しても救命は不可能である。参考：血液フロンティア12,’11、放射線健康科学

　＜消化器系＞：10Gy以上の急性被曝を受けると、小腸粘膜の細胞が傷害されて広範な潰瘍を生じ（腸死）、死亡する。参考：放射線健康科学

　＜水晶体＞：放射線感受性が高く、急性で0.5Gy・多分割で計5Gy照射されると水晶体の混濁を生じ、急性で5Gy・多分割で計8Gy照射されると白内障となる。参考：放射線健康科学

　＜生殖腺＞：急性0.15Gy・慢性0.4 Gy／年で男性一時不妊、急性3.5Gy・慢性2Gy／年で男性永久不妊、急性0.65-1.5Gyで女性一時不妊、急性2.5-6Gyで女性永久不妊となる。参考：放射線健康科学

　＜造血系＞：骨髄は細胞分裂の頻度が高く、放射線感受性が高い。急性に0.5Gy、慢性で0.4Gy／年被曝すると造血機能が低下し、急性に1Gy 被曝すると造血機能が一時的に失われて無治療なら死亡、急性に6Sv 被曝すると造血幹細胞が壊滅して移植を受けなければ死亡する。参考：知ることから始めよう放射線のいろいろ、放射線健康科学

　＜皮膚＞：2Gy照射されると数時間後に紅斑が生じる。12.5Gyの照射で４週後に紅斑を生じ、14Gyで永久脱毛となる。18Gyで皮膚が壊死し、17.5-25Gyで落屑を生じ、75Gyで潰瘍となる。また、線量が高くなると数ヶ月後に萎縮・色素沈着・潰瘍などの慢性症状が起きる。参考：放射線健康科学

＜装軌型ストライカー＞：アメリカ陸軍 AMPVにGDLS社が提案した装軌式ファミリー車Tracked Stryker、Stryker+Tr。ストライカー装輪装甲車を装軌式に変更したもので、コンポーネントの60%以上が共通である。下部転輪はダブルタイプ片側６組で、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、装甲スカートを装備する。車体底部はダブルＶ型車体（Ｗ型と言った方が通りが良い気がする）と呼ばれる構造をしており、耐地雷性が高い。エンジンは装軌化に合わせて強化する。全長7m、全幅2.7m、全高2.5m、戦闘重量28-38トン。エンジンはディーゼル（675馬力）、最大速度70km、航続距離550km。乗員２名＋乗車歩兵９名。ブラッドレイA3共通車体ファミリー車に負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究8,’13、4,’17

＜早期警戒機に関する米空軍技術支援＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜早期警戒飛行隊＞：VAWを参照。

＜早期警戒レーダー＞：敵の接近をできるだけ早く探知し、見失わないよう追尾しつつ、方位、高度、距離を特定するために使用されるレーダーで、EWRと略す。精度は二の次で、高出力電磁エネルギーを照射することにより探知距離を長くしている。パルス幅は長く、パルス繰り返し周波数は低い。参考：月刊エアワールド4,’00、月刊軍事研究9,’16

＜装軌式＞：履帯で推進する車両のこと。参考：歴史群像12,’03

＜装軌式２８０ｍｍ榴弾砲＞：フランス軍280mm自走榴弾砲。1917年に製作された。装軌車体に280mm榴弾砲を剥き出しで搭載している。参考：月刊PANZER10,’85

＜装軌式３７０ｍｍ榴弾砲＞：フランス軍370mm自走榴弾砲。参考：月刊PANZER10,’85

＜装軌車回収車（試験用車両）＞：自衛隊の車両。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜装軌車用試験装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜雑木林艦隊＞：松型駆逐艦を参照。

＜雑木林駆逐艦＞：松型駆逐艦を参照。

＜宋級＞：039型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜双曲線航法＞：Hyperbolic navigation。電波航法の１つ。地上無線局２ヵ所から同時に発射された電波を受信して到達時間差を測定し、双方の地上無線局との距離差を算出して地図上にプロットすると、自分の位置を１つの双曲線上に絞り込むことができる。これにもう一工夫加えて自分の位置を一点に特定するのが双曲線航法で、工夫の仕方によってデッカ方式、ロラン方式、オメガ方式がある。電波の伝播特性による誤差が生じるので、使用周波数の検討が重要。参考：航空用語事典増補改訂版

＜蒼空＞：日本海軍試作輸送飛行艇、略符号H11K1-L。沿岸部に着水した後、直接接岸して人員と物資を上陸させるというコンセプトで、昭和19年1月10日から川西航空機が開発した。全木製で、艇首には観音開きドアを持つ。主翼は高翼配置で、ファウラーフラップ付き親子フラップを装備して離着水性能を確保している。木で作るには大きすぎ、２分の１スケールのモックアップを製作してから試作機の開発に入ったが、木材すら入手困難となっており試作は遅れ、昭和20年8月1日に戦局悪化で開発中止となった。全長37.72m、全幅48m、全高12.58m、全備重量45500kg。翼面積290平方メートル。エンジンは三菱製火星二二型空冷14気筒ガソリン（1850馬力）４発、最大速度380km、航続距離3890km。貨物6000kgを搭載できる。乗員５名＋人員80名。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜遭遇戦＞：Meeting Engagement。移動中の部隊が、敵に対して不十分な情報しか持たず、展開も不完全な状態で生じる戦闘のこと。参考：兵器最先端５

　＜遭遇戦（日本陸軍）＞：要訣は先制にあり、敵に先立って戦闘を準備し、有利な状態に軍隊を展開、戦闘の初動から戦勢を支配するのが重要である。師団長以下で適時適切な情報を得るようにするが、各種の手段を尽くしても状況を明確にするのは困難で、且つ先制獲得の好機は瞬時に経過してしまうため、地形を精密に観察したり、刻々と変化する敵情に関して多くの情報を待ってから処置しようとしたりすると、多くは失敗に終わってしまう。よって、各級指揮官は機を失せずその企図を確定し、断固たる決意を以て迅速に処置しなければならず、独断専行を要する場合が特に多い。師団長は機を失せずその企図を部下指揮官に示して可能な限り速やかに必要な準備を整えさせ、各部隊指揮官も積極的に師団長の決心に必要な資料を報告する。参考：作戦要務令

＜増源丸＞：満州海運貨物船。大元はドイツ貨物船エルゼで、明治38年に辰馬本家と川野宗太郎が共同購入して喜代丸となり、数度の転籍を経て昭和16年に大連の満州海運が購入して増源丸になった。垂線間長72.67m、幅9.88m、深さ6.7m、吃水5.49m、総トン数1424トン、重量トン数1999トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸600馬力、航海速力9.5ノット、最大速力11ノット。太平洋戦争では船舶運営会が運航した。昭和18年3月19日、大阪から大連に向かっていたところ、大連南東の黄海でSS-238ワフーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’22

＜巣湖＞：568（フリゲート）または890（補給艦）を参照。

＜倉庫（日本海軍）＞：各科ごとに運用科倉庫、砲術科倉庫、飛行科倉庫、整備科倉庫、機関科倉庫、主計科倉庫があり、各種消耗品の貸与や支給を行う。無駄遣いする余裕は無いので、使うと無くなるもの以外は使えなくなったものと交換である。倉庫管理のトップは中堅下士官の倉庫長。貸与・支給を行う際は、倉庫を管理する倉庫員（古参一等兵）と、各分隊の物品管理係であるギヤ当番（古参二等兵）のバトルになるが、倉庫長や倉庫員と知り合いだとギンバイし放題である。ただし飛行科倉庫から爆弾を出す際は命令による。艦が入港すると軍需部から物品が支給され、倉庫に積載される。参考：海軍よもやま物語

＜倉庫（日本陸軍）＞：管理担当は主任者で、軍紀・風紀維持や一般の取締を行って作業能率の向上を図り、危害・災害の防止に努め、作業用材料・備付兵器・物品の監守を監督する。勤務人員、勤務日時、業務内容、守るべき事項は連隊長が定める。火薬、火具、揮発油、爆発・発火しやすい薬品などを取り扱う場所内やその周囲では、一切の火気及び発火の誘因となる恐れのある物の使用並びに喫煙を禁じる。また、当該の場所では何人たりともマッチなど発火の誘因となる恐れがある物を携帯してはならない。参考：軍隊内務令

＜造語（日本海軍）＞：長い用語は書くのが面倒なので、それらしい文字を勝手に作って１字で済ませた。カッターは舟偏にカ。艦載水雷艇は舟偏に水で、第一艦載水雷艇なら水の上に一を加える。方位盤は左にイ、右に方、下に皿。艫は舟偏に尾。参考：海軍こぼれ話、月刊丸7,’14

＜装甲＞：英語ではArmor、ドイツ語ではPanzer、フランス語ではBlinde。銃砲弾、ロケット弾、弾片、NBC兵器、ビーム兵器などから人員や機材を直接防護する装備のこと。鉄砲玉を防ぐ鎧兜に始まり、1859年には艦砲に対抗するため吃水線より上の舷側を厚さ120mmの鉄板で固めたフランス海軍航洋装甲艦グロワールが進水し、第１次大戦時には人員と火砲を纏めて防護する戦車や装甲車が誕生、第２次大戦ではフラック・ジャケットが製作され、発展を続けている。参考：月刊軍事研究7,’99、月刊世界の艦船4,’24

＜操江＞：日本海軍操江型砲艦Soko。元は清国北洋水師砲艦操江（Tsao kiang）で、明治27年7月25日に鹵獲した。明治29年、台湾総督府所属となった。明治31年3月21日、二等砲艦に類別された。明治34-35年、馬公要港部所属となった。明治36年、濃霧に遭い根室湾口で座礁した。離礁した後、10月26日に除籍された。兵庫県検疫船となり、大正13年頃に機帆船操江丸と改称され、昭和22年まで使用されている。参考：日本海軍特務艦船史

＜装甲回収車＞：前線で行動不能になった車両を牽引したり、簡易修理などを行ったりするための装甲車。参考：月刊軍事研究2,’13

＜操江型＞：日本海軍砲艦Soko型。元は清国北洋水師の砲艦で、日清戦争中に鹵獲したものである。主機の状態がイマイチで、帆走主体の運用を行ったらしい。垂線間長47.76m、最大幅8.61m、吃水3.14m、常備排水量610トン。主機は横置式レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼円缶、出力117馬力、１軸推進、速力９ノット。兵装は鹵獲時が六角砲１門とブレッケレー砲２門で、全て撤去して47mm重速射砲１門と保式５連装37mm機砲２基に換装し、明治36年には克式8cm単装砲２門と保式47mm単装重速射砲３門を装備していた。乗員79名。操江が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜走行間射撃＞：車両が走りながら装備する銃砲を射撃することで、行進間射撃ともいう。もちろん撃つだけではなく、命中させる能力が必要であり、高度なFCSを要する。戦車砲など単発大口径火器の場合、走行間に揺れまくる薬室へ大重量の次弾を装填するのが極めて困難なため、連続で走行間射撃を行うなら自動装填装置が必須となる。参考：戦車隊長

＜装甲観測車＞：一式中戦車ファミリーを参照。

＜装甲貫徹力＞：弾丸やミサイルなどが、どれくらいの厚さの装甲を貫通できるかを示す数値。アメリカなど西側諸国は50%の確率で貫通できる装甲厚、ロシアなど東側諸国は80%の確率で貫通できる装甲厚で記載しているので、比較には注意が要る。参考：月刊軍事研究3,’12

＜装甲騎兵連隊（アメリカ陸軍８６師団編制）＞：本部中隊、防空砲兵中隊（対空機関砲12門、スティンガー携帯地対空ミサイル27基）、工兵中隊、電子戦情報中隊、NBC 中隊、戦闘航空中隊（偵察ヘリ26機、攻撃ヘリ26機、汎用ヘリ18機）、３個装甲騎兵中隊（戦車43両、騎兵戦闘車37両）、砲兵大隊（155mm自走砲24門）、支援中隊からなる。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜総合近代化師団／旅団＞：平成17年度以降に係る防衛計画の大綱で示された、陸上自衛隊の師団／旅団。重装備を含む総合的なバランスを考慮して編成配置し、本格的な侵略から新たな脅威への対応まで全ての事態に対応することのできる部隊で、北海道の２個師団・２個旅団がこれに改編される。特に第７師団は機甲タイプと呼ばれ、戦車を主力とする。2007年度末に第11旅団、2011年度初めに第５旅団が改編された。参考：月刊軍事研究8,’11

＜装甲鋼板＞：装甲板を参照。

＜装甲作業機シリーズ＞：日本陸軍の工兵用装軌式装甲車、別名SS器。陣地攻撃の際に、側防機能制圧、鉄条網破壊、除雷、消毒、撒毒、発煙、簡易壕展開などを行う装甲化自走器材である。昭和4年6月から開発され、三菱重工で昭和5年10月から試作車を製作、昭和6年6月に完成し、昭和12年3月に九六式装甲作業機として制式化され、昭和18年までに計130両が生産された。値段は昭和17年度で204750円。参考：工兵入門、月刊PANZER9,’05、機甲入門

　＜装甲作業機＞：装甲車、作業具、付属車、器材補給車で構成され、装甲車に各種作業具を取り付けることで様々な任務に投入できる。作業具としては履帯前方の地雷を鋤で除去する地雷掃機（マインローラー式は延期信管に対応できない、不整地踏破能力が低い、破損が多いといった欠点で没になった）、有効幅5mのシザーズ式戦車橋を４分の１円弧の特送装置（スケルトン式ガイドレール）に沿って前方に展開する超壕装置、車体前部中央に取り付ける箱形爆薬投下装置である特殊装薬装置具（爆薬重量0.3トン。装甲板に包まれており、数発貫通されたとしても爆発しない）、火焔発射機（重油に少量のガソリンを混ぜた燃料180リットルと火薬式点火信管を使う）などがあった。鋤式掘削装置も開発されたが、主任務から簡易壕展開が外されたので装備化はされていない。また、晒し粉の補給と湿気対策が難しいので消毒装置も装備化せず、掘削機で汚染表土を削って盛り土で覆う方式に変更した。付属車は当初装甲車で牽引するトレーラー方式だったが、装甲車の運用に支障が出るので、九四式六輪自動貨車に所要機材を載せたものが開発されている。器材補給車は特殊装薬装置具用爆薬３個などの予備器材と１トンクレーンを搭載しており、補助履帯により装甲作業機に付随して補給作業を行うことができる。装甲車の諸元は以下の通り。全長4.5m、全幅2.3m、全高1.75m、重量10トン。エンジンは水冷直列６気筒ガソリン（105馬力）、常用路上速度20km、最大路上速度28km、航続距離100km。装甲厚は主要部15mm、その他8-10mm。乗員４名。器材補給車の諸元は以下の通り。全長5.4m、全幅2.5m、全高1.9m、自重11トン。エンジンは空冷ディーゼル（135馬力）、巡航速度30km。前面装甲厚16mm。ペイロード３トン。乗員２名。参考：工兵入門

　＜装甲作業機甲型＞：初期型（試作型？）で、起重機、撒毒・消毒用撒水機、鋤式掘削装置、鉄条網清掃用錨、突角を装備するが、超壕装置、特殊装薬装置具、地雷掃機は付けられない。車体後部に２個の強固な尾体を持っており、壕を超えるのに便利な他、後進しつつ障害を破壊できる。全長4.4m、全幅2.3m、全高1.8m、自重９トン、全備重量12トン。エンジンは液冷ガソリン（105 馬力）、巡航速度20km、燃料搭載量120リットル。火焔発射機は大型と小型を１基ずつ装備する。前面装甲厚10mm。乗員４名。13両が生産された。参考：工兵入門、月刊PANZER7,’09

＜装甲作業機乙型＞：エンジンを空冷ディーゼルに換装したもの。全長5m、全幅2.3m、全高1.8m、自重13トン、全備重量15トン。エンジンは空冷６気筒ディーゼル（135馬力。120馬力？）、巡航速度29km、燃料搭載量400リットル。火焔発射機は大型３基と小型２基を装備する。自衛用に軽機関銃１丁を搭載。前面装甲厚25mm。乗員５名。８両が生産された。参考：工兵入門、日本戦車隊戦史

＜装甲作業機丙型＞：車体後部にも操縦席を設置し、流体変速機を搭載したもの。１両が生産された。参考：日本戦車隊戦史

＜装甲作業機丁型＞：乙型のエンジンを150馬力に強化したもの。20両が生産された。参考：日本戦車隊戦史

＜装甲作業機戊型＞：カタパルト射出式7m戦車橋（飛距離5m）を車体上に搭載したもの。昭和15-19年に77両が生産された。参考：日本戦車隊戦史、工兵入門

＜装甲師（中国陸軍、２００７年）＞：装甲団３個、機械化歩兵団１個、砲兵団１個、防空団１個、偵察営、工程営、防化営、通信営、電子対抗営、指揮組、救護所、修理所、軍需庫、燃料庫、弾薬庫、機材庫、輸送隊、警衛通信隊からなり、主力戦車300両を保有する。参考：月刊軍事研究5,’07

＜総合試験平台＞：中国海軍試験艦。船型は中央船楼型で、ステルス性を考慮し、船体幅と上構幅を揃え、ナックルラインより上の舷側を下とは逆傾斜にし、上構前面にきつめの傾斜を付け、艦橋後部と一体化したタワーマストを装備した。前甲板に砲身格納式ステルス砲塔を備え、後甲板はヘリ甲板で、上構後部がヘリ格納庫になっており、その上にHHQ-10艦対空ミサイル発射機１基を装備しているとみられたが、後に後方から撮影した写真が公開され、HHQ-10発射機はダミーで、上構後面にヘリを収容できるようなドアやシャッターは無く、後甲板にヘリ用移送軌条やマーキングの類いは存在しないことが判明している。上構最前部01甲板レベルにVLSらしきものがあるが、前甲板の砲塔も含めて実際に使えるのかダミーなのかは不明。2024年4月末から5月初め頃に洋上公試を開始したらしい。参考：月刊世界の艦船8,’24、11,’24

＜装甲自走砲架Ⅱ型＞：ドイツ陸軍試作対戦車自走砲。リアエンジン式５トンハーフトラックの車体中央上部に、40.8口径7.5cm対戦車砲を搭載している。エンジンはマイバッハ製HL45ガソリン、最大速度50km。車体のみ２両、武装付き２両が完成し、1940年までテストされた。車体のみのうち１両はA-4弾道ミサイル発射管制用装甲車に、もう１両は5cmFlak41搭載自走高射砲に改造されている。武装付き２両は北アフリカ戦に投入され、うち１両が連合軍に鹵獲された。参考：ジャーマンタンクス

＜装甲車＞：装甲化された車両のこと。19世紀後半の装甲板（ニッケル鋼、ハーバー鋼板）の発達、1883年のマキシム機関銃とダイムラーのガソリン内燃機関の発明により、実用的な装甲車の道が開かれた。1896年、アメリカのデビットソン大佐が４輪自動車に機関銃を乗せて武装化したが、装甲板は使用せず、只の武装車だった。1902年、乗用車の後部にオープントップ装甲銃塔を載せたものが開発されたが、車体の方は非装甲だった。1903年、ダイムラーが車体の方も完全装甲化した機関銃搭載装甲車を開発し、1905-14年に軍が装甲車を採用し始めた。1909年にアメリカで１ポンド砲を搭載した装甲車が出現。1910年、水陸両用装甲車、装輪装甲兵員輸送車、対気球用自走対空機銃が誕生。この頃、ドイツでは7.5cm自走高射砲が開発された。第１次大戦時、イギリスが装軌式強武装装甲車である史上初の戦車（Mk.Ⅰ菱形戦車）を開発。これを改造して補給物資を搭載できるようにしたMkⅨ装甲補給車や、自走砲の元祖ともいえるMk.Ⅰ火砲運搬車も誕生した。現在、一般には装輪装甲車を指すという意見と、装軌装甲車を指すという意見がある。参考：機甲入門、歴史群像10,’08、月刊丸2,’07、自衛隊装備カタログ1981

＜総合情報保安局＞：AVIDを参照。

＜装甲巡洋艦＞：巡洋艦を参照。

＜装甲生残キット＞：ASKを参照。

＜装甲戦闘車＞：ACV（Armored Combat Vehicle）と略す。装甲兵員輸送車と歩兵戦闘車に分かれる。参考：月刊戦車マガジン1,’88、軍縮条約・資料集第２版

＜装甲戦闘車（ＣＦＥ条約）＞：CFE条約での定義は、「装甲防護を施した路外走行能力を持つ自走車両。装甲人員輸送車、歩兵戦闘車、重装甲戦闘車を含む」。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜装甲戦闘車（通常兵器登録制度）＞：通常兵器登録制度での定義は、「装甲防護を施した路外走行能力を有する装軌式または装輪式自走車両で、４名以上の歩兵分隊輸送用に設計されかつ装備されたもの、または口径20mm以上の兵器を一体としてもしくは固有に装備しまたは対戦車ミサイル発射機を装備したもの」。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜総合戦闘射撃訓練場用備品（標的装置）＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究2,’13

＜装甲捜索大隊（ドイツ装甲師団、１９４０年）＞：大隊本部（Sd.Kfz.247装甲車１両）、装甲車中隊（Sd.Kfz.247またはSd.Kfz.263装甲車１両、Sd.Kfz.223装甲車４両、Sd.Kfz.231またはSd.Kfz.232装甲車３両、Sd.Kfz.221装甲車６両、Sd.Kfz.221またはSd.Kfz.222装甲車４両）２個、オートバイ狙撃兵中隊１個、重火器中隊１個、軽装甲捜索段列からなる。兵力806名、装甲車53両、オートバイ・サイドカー111両、自動車125両、重機関銃４丁、5cm迫撃砲３門、8cm迫撃砲６門、3.7cm対戦車砲３門、7.5cm歩兵砲２門を有する。参考：歴史群像12,’09

＜装甲付装輪車＞：クルップ社製L2H143トラックのシャシーに被せて装甲車に変身させることができる装甲車体で、前後に機銃１丁、上面に機銃１丁を搭載する銃塔を持つ。数両がオランダの東インド陸軍に売却された。また、ベルリン戦では総統官邸の中庭で１両が破壊されている。参考：ジャーマンタンクス

＜装甲艇＞：日本海軍の上陸用舟艇援護用武装舟艇。シンガポール攻略戦やレイテ攻略戦で使用された。排水量16.5トン。速力14ノット。57mm戦車砲を搭載している。参考：激闘太平洋戦記

＜総合的電磁波対抗システム＞：AN/ALQ-214シリーズ（電子戦装置）を参照。

＜総合電話機Ⅰ型＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’14

＜装甲ドーザ＞：75式装甲ドーザを参照。

＜総合燃料管制方式＞：IECを参照。

＜装甲発電車＞：日本陸軍の器材。日野重工業製。参考：工兵入門

＜装甲板＞：防弾鋼板ともいう。炭素含有率が0.12-0.5%の普通鋼にニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、マンガン、珪素などを少量添加した特殊鋼で、焼き入れにより硬度を、焼き戻しにより靱性を持たせ、引っ張り強度を１平方mmあたり90-180kg、ブリネル硬度を200-350程度（表面硬化鋼では表面のみ500以上）にしたものである。ニッケルなどを添加しない場合、炭素を多めに加えることで強度を保つことができるが、製造中に鋼板が割れたり、溶接が困難になったりするので、硬度を犠牲にしなければならない。1886年にフランスが開発したニッケル鋼が最初の装甲板で、戦艦の垂直防御用として使用された。参考：機甲入門、月刊軍事研究5,’04、月刊丸4,’07

　＜装甲板（日本海軍）＞：艦船用の装甲板は自主製造に努め、外国で建造する場合でも世界最高水準の装甲板を導入するようにしており、富士と八島は建造中に複合甲鉄（硬くて脆い鋼鉄と粘り強い錬鉄を貼ったもの）からハーヴェイ甲鉄に変更した。敷島型建造の際はハーヴェイ甲鉄を使用していたが、建造が遅れていた同型の三笠だけは最新のクルップ甲鉄を早々と導入し、日露戦争での活躍の源となっている。太平洋戦争参加艦は均質圧延装甲鋼板としてCNC1、NVNC、MNCを、表面硬化鋼としてVC甲鈑、VH甲鈑を使用した。モリブデン入りVH甲鈑であるMH鋼板やMH1鋼板、銅入りVH甲鈑であるCH1鋼板の開発も行っていたが、完成前に終戦を迎えている。スプリンター防御用の装甲板は明治18年に対機銃・対ノルデンフェルド砲防御用として必要性が認識され、厚さ0.9インチ（22.9mm）及び0.75インチ（19.1mm）の装甲板を試作し、海外のものよりも良好な成績を修めたが、量産設備が無かったので輸入に頼ることにした。その後、スプリンター防御には高張力鋼（DS、HT）を使用するようになり、艦艇用薄板装甲板に関する研究は行っていない。航空機用防弾鋼板を研究したのは昭和14年からで、製造は全て民間に委託しており、7.7mm弾に抗堪できる5-7mm厚装甲板を使い始めたのは昭和18年、対13mm機銃用の12mm厚装甲板は終戦直前になって漸く使用が始まった。それ以上の厚さのものも開発されてはいたが、実戦には殆ど投入されていない。航空機用防弾鋼板は初期にはニッケル・クロム・モリブデン鋼を使用していたが、やがてマンガン・クロム・モリブデン鋼になり、クロム・モリブデン鋼になった。規格は厚さ3-7mmの均質圧延装甲鋼板であるロ601、厚さ8mmまたは12mmの浸炭表面硬化鋼であるロ631、厚さ16mmの浸炭表面硬化鋼であるロ632の３種類である。装甲板の他、航空搭乗員防御用に安全ガラスとスポンジゴムを使用したが、軽合金、ナイロン、皮革は使用しなかった。参考：続・海軍製鋼技術物語

　＜装甲板（日本陸軍）＞：通称ニセコ鋼板。太平洋戦争時には防弾鋼Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種などを使用していたが、ニッケルクロム鋼なので、高価で資源不足に弱いという欠点があった。射距離500mで抗堪するのに必要な厚さは、7.7mm普通弾で6mm、7.7mm徹甲弾で13mm、37mm歩兵砲榴弾（初速毎秒450m）で17mm、37mm対戦車砲徹甲弾（初速毎秒570m）で20mm、47mm対戦車砲徹甲弾（初速毎秒800m）で40mm、75mm野砲徹甲弾（初速毎秒450m）で45mmとされていた。これに基づいて九七式中戦車の装甲を500mで37mm対戦車砲に耐えられるよう設計したが、アメリカの37mm戦車砲M6（M3軽戦車搭載）は想定の３倍の装甲貫徹力を持っており、射距離1000mでも貫徹されている。参考：機甲入門、スピアヘッドNo.3

＜装甲フェリーボート＞：ドイツ陸軍試作水陸両用車両Panzerfahre。LWSの代替としてマジルス社が開発した。足回りはⅣ号戦車Ｆ型の流用である。1942年に試作車２両が引き渡された。参考：ジャーマンタンクス

＜装甲兵員輸送車＞：略称APC（Armored Personnel Carrier）。機動力を活かして機械化歩兵を戦場に高速で輸送する装甲車である。乗車歩兵を銃弾や弾片から守れるので、前線でも活動でき、戦場のタクシーとも呼ばれる。自衛用及び降車歩兵支援用に機銃を搭載していることが多い。乗車するのは１個分隊10-12名と操縦手・機銃手などである。搭乗兵が周囲の状況を把握できるようにペリスコープや観察窓を設けたり、ついでにガンポートを積んだりしたものもある。1918年にイギリス軍が配備した。市街戦や対テロ戦で対戦車ロケット、地雷、IEDの脅威に晒されているため、どんどん装甲が分厚くなっている。参考：兵器最先端５、コンバット・バイブル２、月刊軍事研究3,’97、9,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜装甲兵員輸送車（ＣＦＥ条約）＞：CFE条約での定義は、「戦闘歩兵分隊の輸送用に設計されかつ装備された装甲戦闘車両で、概して、口径20mm未満の兵器を一体としてまたは固有に装備しているもの」。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜装甲兵員輸送艇＞：ATCを参照。

＜総合兵力戦略＞：アメリカの核戦略Total Force Strategy。1971年のアメリカ国防報告でレアード国防長官が表明した。地域核戦争の抑止には同盟国の核戦力も必要であるとして、同盟国の持つ核抑止力を認めている。参考：アメリカの核兵器

＜総合保安局＞：イラク軍の秘密警察、通称アムン（セキュリティーの意）。公式には内務省所属だが、実際はフセイン大統領直属で、重武装の公安警察部隊である。参考：月刊軍事研究2,’04

＜装甲砲列＞：帝政ロシアで1917年に設計された３輪装輪式移動砲台。前方に小型車輪１対、後方に大型車輪１個を持つ。全長8.36m、全幅6.1m、全高8.36m。エンジンはガソリン（125馬力または150馬力）２基。武装は４タイプ考えられ、203mm榴弾砲２門または152mm榴弾砲６門または102mm砲４門または76.2mm砲３門＋機銃10丁を搭載する。装甲厚20-30mm。運用要員60-100命（支援要員含む）。設計のみで終了した。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜曹候補士＞：自衛隊の教育制度。1990年4月1日に導入された。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜装甲旅（中国、２００７年）＞：装甲営４個、機械化歩兵営１個、砲兵営１個、ロケット砲営１個、防空営１個からなる。兵力4000名。戦車124両、装甲車40両、自走砲18両、自走ロケット砲18両、防空車両18両を装備する。参考：月刊軍事研究5,’07

＜装甲列車＞：列車を装甲化して火器を搭載したもので、鉄道路周辺での直接戦闘を主任務とする。市街地や道路網が無く鉄道網しか存在しないような場所で、高い機動力を発揮して輸送ルートの維持に貢献する。線路に障害物や爆発物が仕掛けられていた時に備え、先頭と最後尾には排障器付きの無蓋貨車を配置し、機関車は攻撃を受けにくい編成の中央に置いておく。線路が破壊されていると走れないので、修復資材も積んでいた。南北戦争で初実戦投入され、第２次ボーア戦争でイギリス軍が使用して有効性が確立したとされる。道路網の整備、車両の不整地踏破力向上、軍用機の発達などで第２次大戦後は廃れた。参考：月刊軍事研究7,’17

＜装甲列車（ドイツ）＞：Nrシリーズを参照。

＜装甲列車（日本）＞：シベリア出兵で日本陸軍が簡易型を製作して使用したのが初である。大正14年から南満州鉄道が歩兵車ヒニ（有蓋貨車改造）７両と砲兵車ヒサ（石炭貨車改造）４両を生産した。満州事変勃発後には南満州鉄道で1C2型タンク機関車ダブイに装甲板を貼り付けてヒニ１両とヒサ１両を連結した装甲列車を６編成製作し、日本陸軍が使用している。日本陸軍自前のものは陸軍技術本部で昭和7年8月から開発（昭和7年5月に完成？）し、臨時装甲列車という名称で満州鉄道に配備した。また、６両前後の編成で、戦利品の火砲を搭載した装甲列車も使用している。昭和9年、臨時装甲列車の戦訓を基にした九四式装甲列車を配備した。参考：月刊軍事研究7,’17、丸エキストラ版No.71

＜装甲列車（ロシア）＞：ソ連創設時の内戦で赤軍が移動砲台兼騎兵移動用として広く使用した。チェチェンなど南部ロシアのテロリスト対策として1999年から第37鉄道旅団を編成、23mm機関砲や迫撃砲を装備したり、2S1自走榴弾砲といった戦闘車両を貨車に載せたりした装甲列車を運用している。参考：月刊PANZER9,’12

＜走行連動変速機＞：クラッチ・ブレーキ式操向装置の手前に遊星歯車減速機を加えたもので、ガク引き現象や逆操向現象をかなり防止することができた。1925年（大正14年）に日本で開発され、試製第一号戦車から五式中戦車に至るまで搭載された。英語ではGeneral Stear Systemと呼ばれ、発展して203mm自走砲M110にも使用されている。参考：月刊PANZER6,’98

＜相互運用弾頭オプション＞：IWオプションを参照。

＜相互運用レベル＞：LOIを参照。

＜相互確実破壊戦略＞：冷戦時代の核戦略 Mutual Assured Destruction。核兵器の発射を探知したらすぐに核兵器で全力反撃、地球が滅びるのが嫌なら核兵器を使うな、という戦略である。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊JWings9,’17

＜相互作用演習＞：合同機動対応部隊KSORが毎年行っている演習。参考：月刊軍事研究9,’12

　＜相互作用２００９＞：2009年10月にカザフスタンで実施された。ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ベラルーシから兵員7000名、装甲車など300両、航空機60機が参加している。参考：月刊軍事研究9,’12

　＜相互作用２０１０＞：2010年10月にロシアで実施された。ロシア、アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ベラルーシから兵員1700名、装甲車など270両、航空機30機が参加している。参考：月刊軍事研究9,’12

　＜相互作用２０１１＞：2011年9月にロシア軍秋季大演習の一環として行われ、アルメニアも参加した。参考：月刊軍事研究9,’12

＜相互連関方式＞：ガスト方式（機関砲）を参照。

＜相互連携２０１５＞：2015年8月23-28日に集団安全保障条約機構CSTO 合同機動対応部隊KSORが実施した合同演習。ロシア、アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ベラルーシから兵力2000名、装備品200点、航空機40機が参加し、ロシアのプスコフ州ストゥルーギ・クラスヌィエ空挺軍演習場で行われた。東ヨーロッパの某CSTO加盟国（架空）にKSORを展開し、軍事紛争を局限・非合法武装組織を殲滅して領土的一体性と憲法秩序を回復、復興や機動捜索活動などを実施するという想定で、ウクライナ紛争を念頭に置いているようである。参考：月刊軍事研究12,’15

＜相互連携ショック・アブソーバー・システム＞：ショック・アブソーバーを参照。

＜相殺戦略＞：アメリカの核戦略。確証破壊戦略の後に策定され、ジミー・カーター政権下の1980年に指令第59号（PD59）として採用され、レーガン大統領時代にも続けられた。確証破壊戦略で破壊する目標を具体的に定め、米ソ全面戦争がお互いに自殺行為となることを示したものである。ソ連崩壊と共に意味をなさなくなり、大量破壊兵器拡散防止に主眼が移った。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究7,’05

＜相殺戦略＞：アメリカの戦略Offset Strategy。ソ連に対抗するため冷戦中に編み出した。兵器、システム、作戦概念の新規組み合わせを開発し、相手の軍事的優位を相殺して抑止力とする。第１相殺戦略として戦術核兵器、第２相殺戦略として精密誘導通常兵器の開発に注力した。2010年代に入ってロシアや中国の脅威が高まったため、第３相殺戦略（Third Offset Strategy）としてハイテク兵器（ロボット、人工知能、電磁波兵器、レールガンなど）の開発を進めている。参考：月刊世界の艦船3,’17、朝雲

＜走査型赤外線センサー＞：赤外線センサーを参照。

＜捜索＞

　＜捜索（ドイツ陸軍）＞：戦略的、戦術的、戦闘的の３つがあり、空中、地上、特殊手段で獲得する。強行捜索や敵捜索部隊排除に際しては攻勢的に実施するが、それ以外は戦闘を避ける。参考：歴史群像12,’09

　＜捜索（日本陸軍）＞：敵情を明らかにしようとする手段のことで、敵がいるかどうか分からない所で敵を探すことをいう。敵情と地形を明らかにする時は、偵察でも捜索でも可。周到な捜索は、戦闘の部署と指導を適切に行うために極めて重要であり、一部隊の得た情報は直ちにこれを必要な部隊に通報してその捜索を的確ならしめ、捜索の完全を期さなければならない。高級指揮官が作戦指導に必要な遠距離目標に対して行うのが遠距離捜索で、主に敵の輸送や集中状態、兵団の行動、飛行場など重要な後方施設、地形などを探る。各級指揮官が戦術上の部署や戦闘指導に必要な資料を収集するのが近距離捜索で、敵の兵種、兵力、位置、行動、敵歩兵の到着地点、後続部隊・機甲部隊・ガス部隊等の有無と状態、敵の配備と陣地（特にその翼の状態と団・隊の接際部）、直接戦闘に関係ある敵側背の状況、戦闘指導に関係ある地形、撒毒地域などを探る。指揮官は一旦敵と接触したら触接を保ち状況を捜索する責任があり、常に敵情を監視させるのが重要である。空中捜索は主に偵察飛行隊が行う。瓦斯捜索は一般捜索と併せて行い、必要に応じて捜索機関に瓦斯勤務員や器材を配属するが、瓦斯斥候を派遣して特別に瓦斯捜索のみを実施することもある。有効な手段として捕虜の獲得があるので、各部隊はなるべく敵兵の捕獲に勉め、必要なら捕虜を得るために局地攻撃を行う。捜索部隊が有力な部隊（特に歩兵や機甲部隊）と遭遇した時、敵が初めて化学兵器を使用した時または新しい化学兵器を使用した時、状況が激変した時、目的や一任務を達成した時などは、速やかに報告する。また、その場所に敵がいない事、既往の情報が確実である事、一定時間中の状況変化の有無なども、指揮官にとって価値ある情報である。捜索の際は、命令されなくとも、地形、交通、通信、これらに対し気象が及ぼす影響、地方物資や利用すべき材料の状況、住民の意向や動静などに関し、緊要な事項を報告する。地図が無いか不完全な地域の最前方で行動する部隊は、勉めて経過地域の要図を作成するか、地図を補修して報告を行う。捜索部隊や斥候は、状況（特にその任務）に応じて可能な限り軽装とし、その分を弾薬、糧食、燃料などの携行に回す。戦闘前の捜索は、主に戦闘部署を適切にし、且つ爾後の戦闘指揮を有利にするため、また戦闘間における捜索は、戦闘前の捜索に引き続き、主に各部隊の戦闘実行及び上級指揮官の爾後の戦闘指導に必要な資料を得るため実施する。戦場では特に威力捜索の必要性が高い。情報は戦闘の経過に伴いますます詳細的確にするよう勉め、特に状況の変化に対して細心の注意を払い、報告及び通報の速達を図る。参考：作戦要務令、歴史群像12,’09、海軍よもやま物語

＜捜索救難＞：SAR（Search And Rescue）と略す。遭難した将兵や一般人を救出すること。敵地で遭難した人員を救出する場合は戦闘捜索救難CSARという。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜捜索大隊（ドイツ歩兵師団、１９３９年）＞：大隊本部、騎兵中隊１個、自転車中隊１個、重火器中隊１個、軽捜索段列からなる。兵力652名、軽装甲車３両、オートバイ・サイドカー45両、自動車30両、馬車３両、馬匹213頭、自転車135台、重機関銃２丁、50mm軽迫撃砲３門、37mm対戦車砲３門、75mm軽歩兵砲２門を有する。参考：歴史群像12,’09

＜捜索レーダー＞：Search / Surveillance radar。電波（レーダー波）を空間に発し、伝播経路上の物体から得られた反射波をキャッチすることで、目標の捜索を行うレーダーのこと。時間帯や天候に関わらず遠距離目標をほぼリアルタイムで探知できる。パルス・レーダーの一種で、送信信号発生方法により直接発信方式と増幅方式、捜索領域によってボリューム・サーチ・レーダーと表面サーチ・レーダー、プラットフォームによって地上レーダー（Groundbased radar）・艦載レーダー（Shipborne radar）・機載レーダー（Airborne radar）・衛星搭載レーダー（Spacebased radar）に分類される。ボリューム・サーチ・レーダーでは、目標が存在しそうな空間を一定間隔でまんべんなく捜索するため、水平面内では幅が狭く、垂直方向には扇型に広がった電波ビーム（ファンビーム）を水平方向に一定速度で回転させながら送信し、遠距離では毎分10-20回転、近距離では毎分60回転程度の捜索を行う。水平にも垂直にも幅が狭いペンシルビームを使って水平にも垂直にも首を振りながら全周を捜索するタイプもある。レーダーアンテナそのものを機械的に回転させることもあれば、電波ビームだけを電子的に旋回させることもある。水平ビーム幅が狭いといってもある程度の幅を持ち、遠距離捜索レーダーならパルス繰り返し周波数が数百から1000Hzくらいなので、１回の走査で同一目標からの反射波をパルス10回分くらい探知できるため、ノンコヒーレント積分処理を行って目標検出能力を向上させる。開発当初はスコープに表示された受信波形（受信ビデオ）をオペレーターが目視して目標かどうか判断していたが、手間が掛かるのと不確実なので、目標検出閾値を設けるなどして自動目標検出処理を行うようになった。対空捜索レーダーの場合、探知しようとする航空機の最大飛行高度以下の空域を効率良く覆う目的で、ビーム形状をコセカント２乗型ファンビームとすることが多いが、仰角50度くらいしかカバーできないので、ハイダイブ攻撃に弱い。反射波を受信した方向で目標の方位が分かり、送信から受信までの時間差で距離を算出できるので、両者を組み合わせて目標の位置を特定する。遠距離捜索レーダーではパルス幅を長く（数百マイクロ秒）取るが、近距離に数十キロメートルにも及ぶ死角が生じるため、そこをカバーする短パルスを別に送信するシステムを備えるものが多い。レーダー波の波長が長い（周波数が低い）方が減衰せずに遠くまで届くので、1-8GHz帯（Ｌ・Ｓ・Ｃバンド）を使用することが多く、捜索範囲が広いのでビーム幅も広めにする。大型艦では対空（Ｌバンド）と対水上（Ｃバンド）の２種類（更に対空を遠距離用と近距離用の２つ搭載することもある）を用意するが、小型艦ではスペースが無いので１基（Ｓバンド）で両方捜索する。波長が短い（周波数が高い）と観測精度や分解能に優れるので、近距離を高解像度で監視観測するのに使用される。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、レーダシステムの基礎理論、レーダの基礎、月刊軍事研究5,’13、月刊世界の艦船8,’82増刊

＜総参謀部＞：中国共産党中央軍事委員会総参謀部を参照。

＜曹士＞：自衛隊の階級で、曹と士の総称。参考：MAMOR vol.115

＜掃射＞：機関銃の射撃方向を急速に変えながら連射すること。横行する車両や散開する敵部隊に対する射撃である。参考：コンバット・バイブル

＜掃射（Ｆ－４戦闘機）＞：目標の風下側から攻撃する。高度2000フィート（609.6m）、速度350ノットを維持し、目標の手前10000フィート（3048m）で左旋回を行い、掃射コースに入る。次いで5-15度の緩降下を行って400ノットに増速、目標手前1600-2000フィート（487.7m-609.6m）で掃射を開始する。目標手前600フィート（182.9m）で射撃を切り上げて引き起こし、目標上空15フィート（4.6m）を通過、左旋回上昇で離脱。高度2500フィート（762m）、速度350ノットに回復したら再攻撃に移る。参考：アメリカジェット戦闘機

＜ゾウシャン＞：529（フリゲート）を参照。

＜滄州＞：537（フリゲート）を参照。

＜操縦応答最適化＞：制御増強を参照。

＜操縦学校＞：航空自衛隊の学校。1954年7月、浜松基地で創設された。1956年3月、小月基地に移動した。1959年6月1日、第11・第12飛行教育団に改編された。参考：航空教育集団ホームページ、浜松基地ホームページ

＜操縦学生＞：航空自衛隊のパイロット育成制度。1955年6月に第１期207名が防府基地（後の防府南基地）に入隊し、幹部学校操縦学生基本課程（10ヶ月）に入校した。7月、操縦学生制度の施行に関する訓令を発令。9月、第２期48名が入隊し、操縦学生教育隊が編成された。幹部候補生学校発足に伴い、操縦学生基本課程は幹部候補生学校で行われるようになり、教育期間が１年に延長されている。1957年1月、操縦学生教育隊が奈良基地に移駐。12月、第１期９名がウイングマークを取得。1958年7月、第８期から操縦学生基本課程で航空実習・操縦適性検査を実施するようになった。1959年5月、第10期が基本課程を卒業し、卒業者が1000名を超えた。1961年3月、幹部候補生学校芦屋訓練隊が芦屋基地で新編され、第15・第16期学生から編入された。教育期間は15ヶ月に延長されている。1962年5月、航空学生制度に改称された。参考：朝雲

＜操縦桿＞：Control stick。航空機のピッチとロールを制御するための棒で、手前に引くと昇降舵が作動して機首が上がり、奥に倒すと機首が下がり、右に倒すとエルロンが動いて機体が右にロールし、左に倒すと左にロールする。ハンドル形状だと操縦輪（ヨーク）と呼ばれる。風圧に打ち勝って舵面を動かせるよう、座席の中央前方に設置してパイロットの邪魔にならない範囲で大きく可動するようになっていたが、フライ・バイ・ワイヤを採用した機体ではその必要が無くなったため、サイドスティック式フォース・スティックとされることも多くなった。普通は右手で操作するが、サイド・バイ・サイド複座機では左右座席間にスロットル・レバーがあるため、機長は操縦桿（操縦輪のことが多い）を左手で操作する。軍用機の場合、手を離さずに兵装などの操作ができるよう、ボタン、スイッチ、トリガーが取り付けられていることが多く、スロットル・レバーの方にも付いているとHOTASと呼ばれる。参考：月刊軍事研究6,’15、11,’12、月刊JWings5,’08

＜操縦軍医（日本海軍）＞：日本海軍の航空医学担当軍医。日本陸軍に続いて制度を設けた。太平洋戦争末期には戦闘機に乗り込んで本土防空戦に参加した操縦軍医もいる。参考：軍医サンよもやま物語

＜操縦軍医（日本陸軍）＞：日本陸軍の航空医学担当軍医（薬剤官も１名いたらしい）。軍医学校で乙種学生課程を終えた後、志願して飛行学校に入校し、操縦学生の教育も受ける。大正末期に寺師義信軍医中尉が同乗飛行で航空医学の研究を始めたのが嚆矢で、昭和10年には田所吉輝軍医中尉が軍医として初めて自ら飛行した。参考：軍医サンよもやま物語

＜操縦士＞：パイロット、Pilot。航空機の操縦を行う者のこと。三次元機動に必要な基本三舵をスムーズに釣り合わせて操縦できる能力、先を読んで操作を行う能力（Thinking ahead）、全体に注意力を配分できる能力（Divided attention）が必要とされる。適性のある者では操縦技量がどんどん上達するが、無い者はどれだけ練習しても上手くならないという。自分が下手だと気付かずに人の云う事を聞かないのが最悪で、パイロットに最も適するのは謙虚な人格者らしい。また、上手く飛ぼう、敵を撃墜してやろうと欲張る程、実戦で早死にするという。参考：月刊軍事研究6,’14、世界の傑作機No.50

　＜操縦士（アメリカ海軍）＞：Aviatorという。第２次大戦時には士官が殆どを占めており、1941年4月には海軍兵学校出身の士官が50%、海軍予備士官が43%、下士官・兵が7%という割合だった。教育部隊では航空増産に備えて飛行練習生の採用数をそれまでの３倍の毎月2500名に増やしており、そのうちの85%が海軍予備士官だった。空母艦上機パイロットは陸上でFCLPを行い、10日以内に洋上で発着艦資格CQを取得、出撃する空母に配置される。突発有事でもFCLPを経てのCQ取得は必須であり、CQを得られなかった場合には空母に乗れず配置転換されてしまう。参考：月刊丸6,’01、月刊JWings8,’14、3,’18

　＜操縦士（海上自衛隊）＞：高校などを卒業し、航空学生として入隊する方法と、防衛大や一般大学を卒業し、一般幹部候補生として入隊（一般幹部候補生課程、近海練習航海、遠洋練習航海を終えてからパイロットに道に進む）する方法がある。まず小月教育航空隊で基礎課程（航空学生は航空学生課程２年、初級幹部は幹部航空基礎課程12週間）の座学教育を受け、第201教育航空隊で実機により操縦の基礎を学ぶ。回転翼操縦士はその後、徳島教育航空群での計器飛行課程、第211教育航空隊でのOH-6DA練習ヘリによる操縦士回転翼基礎課程（座学とシミュレータ1-2ヶ月、OH-6DA練習ヘリ3-4ヶ月）、同隊でのSH-60J哨戒ヘリによる実用機課程（座学、シミュレータ、実機。4-5ヶ月）を経てパイロットとなる。TH-135練習ヘリが導入された後は、小月教育航空隊での基礎課程の後、第201教育航空隊での操縦士基礎（共通）課程（17週間）、第201教育航空隊での操縦士基礎（回転翼）課程（11週間）、第211教育航空隊でのTH-135練習ヘリによる操縦士回転翼基礎課程（19週間）、第211教育航空隊でのTH-135練習ヘリによる操縦士回転翼計器飛行課程（13週間）、第211教育航空隊でのSH-60K哨戒ヘリによる操縦士回転翼実用機課程（27週間）を修了してウイングマークを取得し、部隊勤務に入るという順になった。固定翼機は小月教育航空隊での基礎課程の後、第201教育航空隊での操縦士基礎（共通）課程と操縦士基礎（固定翼）課程（17週間）を経て、第202教育航空隊での固定翼計器飛行課程（25週）または第203教育航空隊での固定翼実用機課程（23週）に進み、修了するとウイングマークを取得して部隊勤務に入る。確かな操縦技術と適切な判断力を有し、任務を安全・確実・迅速に達成することが求められる。参考：MAMOR vol.70、vol.98、vol.111、陸海軍学校と教育、月刊JWings3,’16

　＜操縦士（海上自衛隊、１９７８年）＞：小月教育航空群第221教育航空隊で飛行準備過程（航空基礎教育と航空英語）を受け、同第201教育航空隊で単発固定翼練習機（T-34A/KM-2）による基礎訓練を実施、徳島教育航空群第202教育航空隊（B-65/TC-90）で双発練習機による計器飛行訓練に移る。その後固定翼哨戒機操縦士は鹿屋教育航空群第203教育航空隊（P-2J）、回転翼機操縦士は小月教育航空群第221教育航空隊で操縦訓練と実用機訓練を受ける。参考：日本の防衛戦力Part3

　＜操縦士（航空自衛隊）＞：航空学生、一般幹部候補生、防衛大学校卒業者が飛行教育を受けて操縦士になる。コミュニケーション能力、協調性、誠実さ、情熱と冷静のバランス感覚が重要らしい。ただ冷静すぎるよりは情熱にあふれる方が良く、空回りした際には教官が補正してくれるので大丈夫。教官の指導や、他人から指摘された自分の欠点を素直に受け止め、自分で考えて直すことも必要である。操縦士になるための教育は厳しく、同じテストに２回落ちると強制アウトになったりするが、適性は教官が判断するので、不向きと自己判断して途中で諦めず指導に喰らいついていく、自分に負けない精神力も必要である。外国軍との訓練やアメリカに留学することもあるので、英語力を付けておくと便利。航空学生課程（防府北基地の第12飛行教育団航空学生教育群）または一般幹部候補生課程（幹部候補生学校。＋隊付教育２ヶ月）を修了すると防府北基地で第12飛行教育団の飛行準備課程（1-6ヶ月。時代によって5-8.5ヶ月だった時もある）に進み、静浜基地第11飛行教育団または防府北基地第12飛行教育団の初級操縦課程（６ヶ月）を経て、基本操縦課程（12ヶ月）に移って国家資格を取得、ウイングマークを得て機種別の教育を受け、三等空尉となって各部隊に配属という流れである。戦闘機パイロットの場合、航空学生（２年）または一般幹部候補生飛行要員（一般大卒10ヶ月、防大卒６ヶ月）の教育を受け、飛行準備課程（６ヶ月）を経て初級操縦課程（６ヶ月）に入り、T-7練習機による飛行訓練を受ける。その後は第１航空団／第13飛行教育団の基本操縦（T-4）前期課程（17ヶ月）または米留T-6操縦課程または米留T-38操縦課程（20ヶ月）を卒業してウイングマークを取得、基本操縦（T-4）後期課程（７ヶ月）または戦闘機導入課程（２ヶ月。アメリカでT-38による訓練を受ける）を経て飛行教育航空隊第23飛行隊の戦闘機操縦（F-15）課程（9-10ヶ月）または第４航空団第21飛行隊の戦闘機操縦（F-2）課程（10ヶ月）を修了するとトレーニング・レディネスの資格を得て各部隊に配属される。F-4EJ戦闘機の場合、F-2戦闘機を修了した後にF-4EJ機種転換操縦課程（４ヶ月）を受ける。その後は周辺で訓練を重ねてアラート・レディネスの資格を取得、F-15戦闘機なら空対空戦闘訓練、F-2戦闘機なら空対空戦闘訓練、対地戦闘訓練、対艦戦闘訓練を行い、コンバット・レディネスとなる。更に修練を積み、エレメント・リーダー（２機編隊長）、フライト・リーダー（４機編隊長）、マス・リーダー（多数機編隊長）と進む。2000年10月6日に飛行教育航空隊が創設されるまでは、ウイングマークを取得したら松島基地の第21飛行隊でT-2練習機による戦闘機操縦課程を修了し、F-15J/DJ戦闘機は第202飛行隊、F-4EJ改戦闘機は第301飛行隊で機種転換操縦課程の教育を受け、飛行隊へと配置されていた。輸送機なら初級操縦課程までは同じで、その後は基本操縦（T-400）課程（長期）か米留T-6/T-37基本操縦課程（13ヶ月）＋米留T-1A基本操縦課程（６ヶ月）を卒業してウイングマークを取得、第１･第３輸送航空隊の輸送機操縦課程（C-1またはC-130。どちらも６ヶ月）を修了する。救難機なら初級操縦課程までは同じで、その後は第41教育飛行隊の基本操縦（T-400）課程（12ヶ月）を受講してウイングマークを取得、救難教育隊の救難操縦（UH-60J）課程（６ヶ月）または救難操縦（U-125A）課程（４ヶ月）を修了する。E-2C早期警戒機、E-767早期警戒管制機、KC-767空中給油輸送機、U-4多用途支援機、B-747政府専用機、CH-47J輸送ヘリは、戦闘機・輸送機・救難機で経験を積んだパイロットが各部隊で機種転換訓練を受けて操縦資格を得る。参考：月刊JWings2,’16、9,’13、2,’13、4,’15、4,’16、6,’16、8,’18、戦闘機のしくみ、陸海軍学校と教育、MAMOR vol.111、vol.82、vol.98、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊航空情報9,’17、朝雲

　＜操縦士（自衛隊）＞：アメリカ軍に倣って陸海空とも幹部自衛官の階級である。防衛大臣が隊員に行う航空従事者技能証明には、LR-1/-2連絡偵察機以外の固定翼機を操縦する隊員に対する高級操縦士、上級操縦士、操縦士、LR-1/-2連絡偵察機に対する上級Ｌ操縦士、Ｌ操縦士、回転翼機に対する上級Ｈ操縦士、Ｈ操縦士、滑空機に対するＧ操縦士がある。参考：陸海軍学校と教育、航空従事者技能証明及び計器飛行証明に関する訓令

　＜操縦士（日本海軍）＞：士官は将来の人事の関係から割り当てが少なく、乗員の15%を士官とする予定が実際には11%、太平洋戦争中には6-8%まで低下しており、下士官と兵が大部分だった。指揮官は操縦経験５年・飛行時間2000時間、僚機は操縦経験４年以上・飛行時間1000時間が目安である。特攻も初期にはベテランパイロットが割り当てられたが、すぐに不足して操縦経験１年・飛行時間200時間の新米パイロットが投入されるようになり、戦果が激減した。参考：月刊丸6,’01

　＜操縦士（陸上自衛隊）＞：幹部航空操縦課程POCまたは陸曹航空操縦課程FECを修了すると操縦士になれる。幹部候補生学校に入校した一般幹部候補生は全員航空適性検査と航空身体検査を受け、合格者のうち志望者が幹部候補生学校幹部航空操縦課程に進み、修了すると三等陸尉に昇任して部隊勤務に入る。TH-480B練習ヘリ導入後は、航空適性検査・航空身体検査に合格した一般幹部候補生のうち志望者が航空操縦要員に指定され、航空科職種の三等陸尉（院卒は二等陸尉）に昇任後、幹部初級課程を経て幹部航空操縦課程（航空学校霞ヶ浦校での座学２ヶ月、航空学校本校でのTH-480B練習ヘリによる操縦教育９ヶ月）を受講し、航空操縦士資格（ウイングマーク）を取得、機種別操縦訓練（航空学校本校／宇都宮校／第１ヘリコプター団で4-7ヶ月）を受け、機種別操縦資格を付与されて航空科部隊に配備される。固定翼機の操縦が必要になったら第１ヘリコプター団（連絡偵察飛行隊がLR-2連絡偵察機を保有、教育は同団本部管理中隊飛行教育班が担当。2015年7月13日までは航空学校宇都宮校がLR-2連絡偵察機を他部隊から借りて教育していた）で幹部航空操縦課程（LR-2）を受講し技能習得を行う。LR-1連絡偵察機は幹部LR操縦課程で教育していた。また、三等陸曹を１年以上経験した27歳未満の者は、選抜試験に合格すれば航空学校宇都宮校陸曹航空操縦課程（座学の前期教育34週＋操縦技能の後期教育46週）に進むことができ、在校中に学生から二等陸曹になり、修了後は飛行幹部候補生（一等陸曹）として飛行部隊で在隊間教育を受け、更に幹部候補生学校幹部航空操縦課程を経て三等陸尉となり、部隊勤務に入る。TH-480B練習ヘリ導入後の2015年度（第199期から）に陸曹航空操縦課程の教育体系が変更され、航空学校宇都宮校陸曹航空操縦課程（前期で座学教育９ヶ月、後期で操縦教育９ヶ月）を受講して航空操縦士資格（ウイングマーク）を取得、その後は時を同じくして幹部航空操縦課程を卒業した幹部と共に機種別操縦訓練（AH-64D戦闘ヘリは６ヶ月、AH-1S攻撃ヘリ、OH-1観測ヘリ、CH-47J/JA輸送ヘリ、UH-1J多用途ヘリ、UH-60JA多用途ヘリは５ヶ月。UH-1J多用途ヘリは宇都宮校、CH-47J/JA輸送ヘリは第１ヘリコプター団、それ以外は本校）を受け、技能証明を取得して航空科部隊に配備されるようになった。参考：月刊JWings12,’13、11,’15、2,'23、MAMOR vol.98、vol.111、陸海軍学校と教育、月刊航空ファン10,’15、11,’15、5,’16、11,’16

＜操縦者作業負担度測定装置（航空自衛隊）＞：航空医学実験隊第１部航空知覚科（人間工学科？）の器材、略称POWERS。F-104戦闘機のコクピット部分を流用し、前側面にスクリーンを設置、飛行中の景色を映し出す。被験者はコクピットに座って計器と景色を見ながら指示に従って操縦を行い、その際の脳波、筋電図、心拍数などのデータを記録する。1989年に配備された。参考：月刊軍事研究7,’14、MAMOR vol.138

＜操縦手＞：Driver。装甲車両の運転手。視界が狭く死角も多いので、障害物に突っ込んだり、地雷を踏み抜いたりしないよう、操縦には細心の注意が必要である。いざ交戦となれば敵の射線を切りつつ自らの射撃に有利な地形へと最適な進路で進まねばならない。操縦手がボンクラだと車長が進路、速度、前方の地形などをいちいち教えなければならず、戦闘能力が大いに削がれてしまうので、直接武装を扱う訳では無いが、重要なポジションである。日本陸軍では昇進が遅く、整備下士官になって後方任務に就くことが多かった。参考：戦車隊長、機械化部隊の主力戦車、月刊軍事研究2,’09

＜造修所（海上自衛隊地方隊）＞：海上自衛隊地方隊隷下の整備組織で、艦船や武器などを整備する。艦船部、武器部、工作部、検査官が置かれており、横須賀造修所には音響測定科も設けられている。参考：日本の防衛戦力Part3

＜操縦指令＞：自衛隊用語で、フライトマニュアルのこと。参考：月刊JWings11,’16

＜操縦性最適化＞：制御増強を参照。

＜操縦性増大装置＞：CASを参照。

＜操縦席用ヘッドセット（Ｐ－１用）＞：自衛隊の機器。長野日本無線製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜造修補給所＞：海上自衛隊の施設。各地方隊に設置され、艦艇や船舶の整備検査修理補給、艦艇の特別改造、武器の維持修理などを行う。作業は民間に発注する事も多く、民間技術者や民間作業員も多数出入りする。2020年4月1日、情報処理科が廃止された。参考：MAMOR vol.139、朝雲

＜操縦翼＞：Control surface。参考：航空用語事典増補改訂版

＜総重量＞：Gross weight、All-Up Weight（AUW）、Wtとも略す。飛行機のある特定の状態（飛行前後や飛行中など）における飛行機全体の重量のことで、零燃料重量に、その時点で搭載している燃料の重量を足したもの。機体に燃料、オイル、乗員、貨物、兵装など諸々を搭載した時の重量（出撃直前の重量）であり、全備重量（Gross weight）ともいう。最大値は一般に最大離陸重量と同じだが、軍用機の場合は外部兵装重量を含まない（固定武装とその弾薬は含む）ことがあり、その場合は最大離陸重量より少なくなる。飛行中や飛行後の総重量の場合、燃料に加えて潤滑油も消費するので、厳密にはこちらも補正しないといけないが、燃料に比べると消費量が少ないので、普通は省略する。参考：航空用語事典増補改訂版、JWings11,’02、10,’09別冊付録、2,’13、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜操縦輪＞：Control wheel。ハンドルタイプの操縦桿のことで、ヨークともいう。回転させてロール、前後させてピッチを制御する。自動車と異なり、腕が交差しないように可動範囲は左右60-70度ずつとされており、円形にする必要は無いので台形だったりする。操縦桿より操縦力が大きく、滑らかに操縦できるため、主に大型機で採用された。また、乗降の際に邪魔にならない、エンジン制御装置を中央に配置できるといった利点もあり、小型機でも使われている。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings5,’03、5,’08

＜層状宇宙センサー＞：アメリカのミサイル防衛局が計画している極超音速ミサイル探知衛星、略称SSL。大気圏外低層を周回しつつミサイルを監視する。参考：月刊JWings4,’19

＜層深＞：Layer Depth、LD。海面から潜っていった時、音速が最初に極大を示す深さのこと。海面からある深さまでは海流により海水が攪拌され、水温はほぼ一定なので、深くなるほど海水密度が上昇して音速は速くなる。層深を過ぎると海水温が低下するため、サウンド・チャンネルに達するまで音速は遅くなり、サウンド・チャンネルを過ぎると海水温は一定だが密度が上がって音速は海底まで速くなる。概ね深度100mくらいで、層深までのところを混合層と称し、ここでは音速の関係で音が表層に向かって上向きに曲がる。この混合層を通る音の道を表面層ダクト（Surface Duct）と称し、アクティブソナーでの探知に使用されるが、表層での反射回数が多いので減衰率が高く、５海里程度先しか探知できない。層深よりも深い地点で音を出すと、層深と海底との間でサインカーブを描いて伝播し、海面には出てこない。よって、潜水艦が層深より深く潜った場合、水上艦のバウ・ソナーやハル・ソナーでは探知が困難になる。参考：月刊世界の艦船3,’07、ザ・マーチ39号

＜双垂直尾翼＞：Twin vertical fin。垂直尾翼を２枚に分けて装着しているもの。１枚あたりの面積が小さくて済むので、垂直尾翼のアスペクト比を抑えてシルエットを小さくでき、垂直尾翼上部のラダーが余計なローリング・モーメントを発生する恐れも低く、ラダーが２枚あるので運動性も高い。双発機ならプロペラ後流の当たる位置に置いておくと低速でも利きが良くなり、尾輪式降着装置の地上操向を容易にする効果もある。枚数が通常の倍になるので重量がかさみ、構造が複雑になるのが欠点。第２次大戦頃には後方銃座の射界が広くなるという効果を期待して水平尾翼の両端に設置したが、水平尾翼の構造を強化しなければならず重くなる、フラッターを起こしやすいという欠点があって廃れ、胴体尾部上面左右に１枚ずつ付けるようになった。ツイン・テールブーム機のテイルブーム後端に１枚ずつ装着することもある。参考：飛行機のしくみ、航空機設計法、世界の傑作機No.155、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings8,’16

＜層成砲身＞：複数の同心円筒を組み合わせた砲身。旧式火砲に多く用いられている。単肉自緊砲身の製作が可能となったため、廃れた。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜層成鋼線砲身＞：ライフリングを切った内筒に外筒を焼きばめし、その外側に鋼線を巻き、その上に外套を填めて完成させた砲身。参考：図解日本の戦艦

＜棗荘＞：542（フリゲート）を参照。

＜増槽＞：External fuel tank。航空機の機体外部に搭載される燃料タンクで、増加タンク、外部タンクなどともいう。抗力を低くしつつ燃料容量を確保するため、形状に工夫が要る。参考：月刊JWings9,’13、2,’03、7,’02、飛行機のしくみ

　＜コンフォーマル・タンク＞：コンフォーマル・タンクを参照。

　＜翼端増槽＞：翼端渦を防ぐのも兼ねて翼端に搭載するもの。使い切っても切り離さない。参考：月刊JWings9,’13、2,’03、7,’02、飛行機のしくみ

　＜落下増槽＞：投棄可能なもので、落下燃料タンク、ドロップ・タンク（Drop tank）ともいう。戦闘時には投棄する（ステルス機の場合はパイロンごと捨てる）が、ちょっとしたことで投棄するのはもったいないので、超音速飛行や、ある程度のＧに耐えられるものもある。投棄しやすいよう、後端をカットしたり、尾部にフィンを付けたりして抗力を生むようにしている。また、後部上面にピボットと呼ばれる突起を付け、ここをパイロンから最後に切り離すことで、増槽が下を向いて機体から離れるようにしたタイプもある。初めて採用したのは零戦。参考：月刊JWings9,’13、2,’03、7,’02、飛行機のしくみ、軍事力バランス78年版

＜増速上昇＞：指示対気速度を一定にしたまま上昇すること。高度が上がるほど真対気速度が増えていくので、飛行機のエネルギーが増速に費やされてしまい、上昇率は下がっていく。操縦操作が単純なので民間機では使われるが、上昇率重視の軍用機では用いられない。参考：航空用語事典増補改訂版

＜増速排気管＞：Augument tube。航空機用レシプロ・エンジンの排気管出口に装着する、排気管より太くした金属管のこと。高速排気がこの金属管を流れることにより、排気管と金属管の隙間からカウリング内部の高温空気が吸い込まれ、エンジン冷却効果が増す。参考：航空用語事典増補改訂版

＜総隊学校＞：警察予備隊の教育機関。アメリカ軍から教育任務が日本側に移管されたことに伴い、1951年5月14日（4月30日？）に久里浜の日本海軍通信学校跡地で開設された。初級幹部教育を行う第１部、指揮幕僚教育を行う第２部、通信教育を行う第３部からなる。1952年3月、衛生教育を行う第４部が創設された。更に人事・会計・保安教育担当の第５部、補給教育を行う第６部も設立されている。1952年8月に保安庁が発足すると、10月に第４部が衛生学校として独立した。他の部も各職種学校として分離独立している。参考：月刊軍事研究11,’08、11,’11、陸海軍学校と教育

＜相対方位＞：方位角を参照。

＜操舵員長（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の航海科要員。出入港など重要な場面に於いて、航海指揮官（艦長、航海長、当直指揮官）の号令に従い、航海指揮官の意図通りに操艦を行うのが主任務である。もちろん号令に疑義があれば意見具申する。参考：月刊軍事研究11,’18、MAMOR vol.148

＜送弾＞：作動を参照。

＜装弾子＞：クリップまたはベルト給弾式を参照。

＜送弾装置＞：弾倉に給弾された弾薬を薬室まで送る装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜総短艇＞：海自幹部候補生学校で行われる、分隊対抗短艇競争。抜き打ちで行われ、号令がかかったら総出で短艇を準備し、漕ぎ出して元の場所に帰り、整備を終えるまでのタイムを競う。参考：MAMOR vol.103、vol.99

＜装弾筒＞：サボーを参照。

＜装弾筒付徹甲弾＞：APDSを参照。

＜装弾筒付翼安定徹甲弾＞：APFSDSを参照。

＜装置製造工場＞：ソ連の核関連施設。核兵器の組み立て及び劣化ウランの製造を行っている。参考：核兵器事典

＜装置搭載キット（２）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜装着帯操縦・着水訓練用（１３式用）＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜曹長＞：

＜曹長（自衛隊）＞自衛隊の階級。曹士のリーダーで、隊内の団結力向上、隊員の服務指導、規律維持、指揮高揚などを主任務とする。幹部自衛官を補佐する職に任じられる事もある。陸自は陸曹長、海自は海曹長、空自は空曹長と称する。参考：MAMOR vol.115

＜曹長（日本陸軍）＞：日本陸軍の階級。中隊では１名が庶務掛を務め、他は教育訓練に従事し、必要に応じて庶務掛の業務を手伝う。航空部隊や機甲部隊の中隊では兵器掛下士官の業務を手伝うこともある。参考：軍隊内務令

＜装填＞：作動を参照。

＜装填演習機＞：海上自衛隊の砲員訓練機材。人力給弾・機力装填または全人動の艦砲における信管調定・給弾・装填訓練に使用する。参考：丸スペシャルNo.75、自衛隊装備カタログ1981

　＜装填演習機（スローファイア用）＞：54式50口径３インチ単装砲用。固定弾を装填する訓練に使用するので、構造は単純である。くす型、あさひ型、いかづち型、つがる型に搭載され、改装で砲と一緒に撤去された。参考：丸スペシャルNo.75

　＜装填演習機（５インチ砲用）＞：５インチ（127mm）砲Mk30及びMk39の訓練用。装薬分離式なので、それに見合った複雑な構造をしている。あさかぜ型、ありあけ型、はるかぜ型、むらさめ型、あきづき型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.75

　＜装填演習機（ラピッドファイア用）＞：68式76mm50口径連装速射砲の訓練用で、回転弾倉と機力装填機構部分が再現されており、使用時には両脇のプラットフォームを広げる。あやなみ型、むらさめ型、あきづき型、やまぐも型、みねぐも型、あまつかぜ型（Mk10Mod1）、いすず型、かとり型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.75、自衛隊装備カタログ1981

＜装填手＞：ローダー。主砲に砲弾を装填する兵士。固有のハッチやペリスコープによる周囲の監視、装填機構の整備修理なども行う。比較的手隙のことが多いので、空いた時間には他の乗員の仕事ぶりを観察して将来の参考とする。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊JWings1,’03

＜掃討＞：MineHunting。機雷を探知機やUUVなどで発見して個別に処分していくこと。掃海よりも時間はかかるが確実である。水中処分員や自走式水中処分具を使用し、ヘリによる航空掃海ではヘロー・キャスティングなどの方法をとる。未知の機雷を発見した場合、OPチャージで無力化して調査研究のために回収することもある。機雷の個別爆破自体は機雷誕生時から行われているが、海中の機雷を見つける手段に難があり、実用的な掃討が行えるようになったのは1960年代に機雷掃討ソナーが出現してからである。掃海艇のハルソナーでは浅深度から中深度の機雷しか探知できず、機雷に近づく必要もあって危険なため、VDSを使うようになった。ただし海底に完全に潜ってしまった機雷は探知できない、海底地形が複雑だと探知しにくい、海水条件によって探知距離などが変わってくるといった欠点がある。自走式水中処分具も高性能化が図られていたが、準備が面倒、機雷の爆発に巻き込まれて損傷すると勿体無い、といったことから、使い捨ての自爆タイプ（EMD、Expendable Mine Destruction）が開発されている。参考：月刊軍事研究1,’14、MORIBITO Vol.3、丸スペシャルNo.76、月刊世界の艦船10,'15、9,’13

＜双胴船体＞：Catamaran。船胴２つを水面上のデッキで繋いだもの。メタセンタ高さが大きく、船体安定性が良好で、広い甲板面積が得られる。船胴を細長くすることで、造波抵抗を軽減することが可能。船首連結部が波を被ると過大な応力がかかって損傷する恐れがあるので、海面からの距離をとる必要があり、シルエットが大型になってRCSも大きくなる。過度なピッチングを防ぐため、スタビライザーを装備することも多い。ペイロードを増やすと吃水が大きく増加して速力がガタ落ちになる、予備浮力が少ない、水線下に損害を受けた時の影響が単胴船より大きいといった欠点もある。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学、月刊軍事研究1,’00、月刊世界の艦船3,’13、1,’24

＜相当抵抗面積＞：単発プロペラ機の空力的効率を示す値で、抵抗係数×主翼面積／プロペラ効率。参考：月刊丸1,'17別冊

＜双胴の悪魔＞：P-38シリーズ（戦闘機）を参照。

＜相当メガトン数＞：メガトン等価量を参照。

＜総統ヨット＞：グリレを参照。

＜総トン数＞：船内体積を表す単位、Gross tonnage（GT）またはGross registered tonnage（GRT）。以前は、船内の囲まれた箇所（煙突など囲まれていない所は除く）の体積から、二重底、操舵機室、機関室、上甲板より上の操舵室など航海に直接結びつく部分の体積を除き、100立方フィート（2.83立方メートル）を１トンとして計算していた。ただ国ごとに微妙に規定が異なり、不便だったため、1969年に国際海事機関で国際総トン数が決定され、船内の囲まれた箇所の体積をＶ（立方メートル）として、（0.2+0.02×Ｖの常用対数）×Ｖという式で表すことになった。ただし税金、通航量、各種規制の基準となるため、各国政府の規定も残っており、パナマ運河当局が決めるパナマ運河トン数、スエズ運河公社が定めるスエズ運河トン数もある。日本も国内航路向けに独自の総トン数（国内総トン数）を定めていて、車両甲板２層以上のRo-Ro船では特に違いが顕著であり、海外に売却された途端に総トン数が倍になったりする。参考：図解船の科学、図解雑学　船のしくみ

＜象の檻＞：三沢基地大浦地区と読谷村楚辺通信所に設置されていた、アメリカ空軍通信傍受施設AN/FLR-9の通称。三沢には1965年に建設され、アメリカ空軍第6920電子保全群が使用した。自衛隊も、東千歳と美保基地にこれの小型版を建設している。楚辺通信所のものはアメリカ海軍が運用していたが、2006年にキャンプ・ハンセンに代替施設（通称オストリッチ）が完成したため2007年に撤去され、楚辺通信所も日本に返還された。2012年には三沢基地のものもゴルフボールによるデジタル通信傍受施設や情報収集衛星に代替されて運用を停止しており、2014年10月15日に解体開始式典が行われた。参考：月刊軍事研究2,’09、5,’15、9,’01、11,’08、4,’09、月刊JWings1,’15、日米イージス艦とミサイル防衛

＜総排気量＞：排気量を参照。

＜造波抗力＞：Wave drag。遷音速や超音速領域で衝撃波が発生すると、その背後で流速低下や運動量損失が生じ、抗力として作用する。これが造波抗力で、臨界マッハ数あたりから発生し、超音速領域では機体抗力の大部分が造波抗力で占められる。胴体を細長くし、翼厚と翼厚比を小さくすることで減少させることが可能。参考：航空用語事典増補改訂版

＜双発＞：共稼ぎのこと。参考：続日本海軍よもやま物語

＜双発機＞：エンジン（発動機）が２つ付いている飛行機のこと。単純計算で単発機より出力が２倍になるが、抗力と重量も増えるから、２倍高性能という訳にはいかない。一般には両主翼にエンジンを１基ずつ取り付けるが、プロペラ機では胴体前後に並べたり（串型配置）、ジェット機では胴体後部両側に付けたり（リア・エンジン方式）することもある。胴体や主翼の両側に１基ずつ取り付ける場合、片方のエンジンが停止（片発停止）すると、そちらの推力が失われて機体にヨーイング・モーメントが発生し、飛行に支障を来す。このヨーイング・モーメントを制御できず機体が回転すると、残ったエンジン側の主翼に対する気流速度が増し、停止側では減少、揚力アンバランスが生じて機体にローリング・モーメントまで生じてくる。低速で片発停止を起こすと、ラダー及びエルロンの効きが不十分でこれらのモーメントを打ち消すことができず、ひっくり返って墜落してしまう場合があるので、片発停止時に操縦可能な最低速度VMCが定められている。参考：飛行機のしくみ、世界の傑作機No.157、航空機設計法

＜造波抵抗＞：艦船が水面を進行する時に形成される波により生じる、エネルギーロス。20ノット以上の高速になると急激に増加する。先端を鋭くする、船体を細長くする、軽量化して水面下体積を減らす、といったことで造波抵抗を減らすことができる。潜航中の潜水艦では発生せず、水との摩擦抵抗のみで済むので、高速航行では潜航する方が抵抗によるロスが少ない。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学、月刊JWings2,’00、ザ・マーチ39号

＜装備開発実験隊＞：陸上自衛隊の装備品試験評価部隊。1970年8月、機械化実験隊から改編されて創設された。隷下に試験評価を行う５個科を置く。1985年2月、射表作成担当と計測機能担当の科が追加され、７個科体制となった。2001年3月、開発実験団に改編された。参考：月刊軍事研究3,’15

＜装備施設本部＞：防衛省の中央調達組織。2007年8月31日に防衛施設庁が解体されたことに伴い、一部組織を装備本部と合併して9月に創設された。2015年10月1日の防衛装備庁発足に伴い廃止された。参考：月刊軍事研究11,’14、朝雲

＜装備実験隊＞：海上自衛隊の部隊。航空を除く海自装備品をテストし、開発改良に役立てるのが主任務である。1978年7月1日、開発指導隊群隷下に新編された。参考：月刊世界の艦船9,’24

＜装備審査会議＞：防衛省に設置される会議。装備品、船舶、航空機、食料その他の需品に関し、技術研究開発の方針など技術関連重要事項や、装備品・役務調達の相手方の選定といった事項を審査する。議長は防衛省事務次官、委員は官房長、防衛政策局長、経理装備局長、技術監、総合取得改革の推進に関することを総括整理する審議官、統幕長、陸幕長、海幕長、空幕長、情報本部長、技術研究本部長、装備施設本部長で、議案が衛生資材に関する時は衛生監が加わる。特定の幕僚監部または情報本部に係る装備品等を議題とする場合には、他の幕僚監部等の委員を出席させる必要は無い。審査会議には、経理装備局長を議長とし、委員27-28名からなる調整部会が設置される。審査会議と調整部会の庶務は経理装備局技術計画官が担当する。参考：装備審査会議に関する訓令

＜装備総合集成＞：中国海軍が2004年4月の海軍工作会議で策定した計画。陸海空天潜の全方位における作戦任務を統合的に行うもので、宇宙から海中までの全プラットフォームから得た情報をリアルタイムで全部隊が共有し、脅威に対処する。これに基づく水上艦用戦闘システムとして、H/ZBJ艦載戦闘システム、H/ZKB艦載戦闘システム、H/TJN-906データリンク、JIDS、統合データリンクシステム艦載Ⅰ型などが開発された。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜装備品＞：自衛隊では兵器と呼ばずにこう称する。統合長期防衛戦略と長期防衛見積もりで必要な装備品を検討設計し、防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画・中期防衛構想で具体的な配備調達計画に入り、年度業務計画で調達数量を決める。ただし防衛計画の大綱で決められるのは10年間の調達数だけで、調達期間が大綱をまたぐ場合には最終的にどれくらいの量を総額いくらでどれくらいの期間内に調達するかが不明であり、納品する方も税金を払う方も困る状態になっている。防衛省が基本要求を出し、メーカーが要求提案を送付、審議入札が行われて主契約社が決まる。自衛艦は1998年度まで防衛庁長官指示による随意契約を行っており、各社の建造能力などと防衛技術基盤維持のための仕事配分などを勘案して受注造船所を決めていたが、同年の調達実施本部背任事件で1999年度から指名競争になった。試作品の実用試験を行い、装備審議調整部会で仮採用を決定、富士などでの部隊試験を経て装備審査会議にかけられ、制式採用された後、名称が定められて防衛大臣が部隊使用承認を出す。選定に際しては大蔵省／財務省を説得する必要があるため、国産やアメリカ製を導入する方針であっても、ヨーロッパなど他国の似たような兵器を全て網羅し、公平な評価に基づく結果であると説明する。防衛省・自衛隊には工廠が無いので、国産装備品の開発生産には民間企業との密接な協力が不可欠である。しかし密接になりすぎて贈収賄事件になる事態もしばしば発生、その度に調達組織を作り替える羽目になっている。自衛隊に少数配備するだけの装備品を国産するのは費用の無駄と批判されるが、防衛技術の育成には必須であり、また有事の際に想定外の事態に対応すべく緊急の改造を行う際には手持ちの技術力で何とかするしか無いため、国産化に励んでいる（国内企業に支払った費用の一部は法人税、所得税、消費税などで戻ってくるかもしれない）。主力装備など高額で計画的な調達が必要な場合には調達実施本部／防衛装備庁による中央調達を、維持部品、事務用品、食料品などの細かい物品は下部組織（補給統制本部、補給処、駐屯地業務隊、補給本部、基地業務群など）による地方調達を行う。管理は国有財産法と物品管理法に基づいており、仕様変更には装備審査会議での再議決が必要なため、コンピュータのメモリーを増設するのにも時間がかかり、承認された頃には倍の容量のチップが同じ値段で買えたりする。更に試作と試験が終わって装備化を認めたのだから改善は不要、改善が必要な不良品なら装備化を中止せよなどと大蔵省に難癖を付けられる。この面倒な手間を省くため、高機動車では仮制式化後に部隊使用承認を得て制式化せず導入したところ、大量生産と逐次改良が可能となったため、軽装甲機動車などに引き継がれていった。各種国内法の適用を受けるため、安い海外兵器を導入しようとしても大規模改修無しには不可能であることが多々あり、装輪装甲車なら車幅を2.5mまでに抑えて警察署の許可無しに走れるようにし、排ガス基準をクリアするためエンジンやマフラーを積み替え、方向指示灯、ブレーキ灯、シートベルトを取り付けなければならない。また、数年分を一括購入して価格を低減する策も取っているが、会計法の制限で５年国債を超える長期契約が結べず、最大５年分に限られていたため、財務省などと調整してより長期の一括購入契約を結べるよう検討を行い、P-1哨戒機で実現した。参考：月刊PANZER8,’10、月刊軍事研究10,’12、9,’14、11,’14、3,’15、月刊世界の艦船12,’15、11,’17、月刊JWings3,’16、12,’15、月刊航空ファン7,’16

＜装備品除洗（陸上自衛隊）＞：除洗を参照。

＜装備品の生産及び開発に関する基本方針＞：1970年7月16日に中曽根防衛庁長官が決定した基本方針で、装備品の国産化を旨としている。21世紀に入り、防衛予算削減などで防衛事業から撤退するメーカーが相次いだため、防衛生産・技術基盤戦略が新たに策定された。参考：月刊軍事研究9,’14

＜装備本部＞：防衛庁の中央調達組織。2006年7月、契約本部と防衛庁原価計算部を統合して創設された。2007年9月、防衛施設庁解体に伴い、装備施設本部に改編された。参考：朝雲、月刊軍事研究11,’14

＜雑布＞：日本海軍で雑巾代わりに使用していたもので、ソウフと読む。元は使い古しの麻綱（直径4cmくらい）で、長さ150cmくらいに切り、二つに折って真ん中を別の紐で結び、麻綱をほぐしたものである。海軍兵学校では木甲板（寝室など）用としてスパニヤン（縒り縄）を直径10cmくらいに束ねたもの、リノリウム甲板（自習室など）用として古靴下を束ねて帆布で包んだものを使う。海兵団では使い古しのケンバスを用いる。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典、海軍兵学校よもやま物語、日本海軍艦隊総覧

＜相武台＞：陸軍士官学校を参照。

＜操砲訓練標的＞：戦車砲を思い通りに俯仰旋回させて迅速正確に目標を照準するための訓練標的。角張った渦巻き、横倒しのＷ、一筆書きのZMB、歪んだＸといった形状をしており、これに沿って照準レティクルをスムーズに動かせるよう訓練する。参考：戦車隊長

＜相馬原演習場＞：陸上自衛隊の演習場。群馬県にある。面積580万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。参考：JGround Vol.23、月刊軍事研究4,’10

＜相馬原駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。相馬原飛行場として長さ500m・幅30m・ランウェイ06/24の滑走路がある。桜武記念館には日本軍や自衛隊国際貢献活動などの資料が展示されている。所在地は群馬県北群馬郡榛東村新井1017-2。JR渋川駅からバス20分。大元は1910年（明治43年）に陸軍が御料地の払い下げを受けて使用していたもので、1922年に更なる払い下げと民有地買い上げで面積を増して砲撃訓練に使用され、1941年には前橋陸軍予備士官学校が開校して終戦まで使用されていた。これを太平洋戦争後にアメリカ陸軍が接収し、1958年に返還されたのを受けて1959年に駐屯地として開設したものである。1962年1月、第12師団司令部が置かれた。1989年、日本陸軍前橋陸軍予備士官学校出身戦没者を慰霊する友魂記念館が建立された。1991年、第12後方支援連隊が新編された。2001年3月、第12師団が第12旅団に改編された。第12高射特科大隊が宇都宮駐屯地から移駐し、第12高射特科中隊に改編された。2009年12月、平成21年度第４回予備自衛官５日間招集訓練を実施。公募技能予備自衛官（医師）が中隊長として参加109名の指揮を執り、射撃検定、ラペリング、武装走、救急救命処置などの訓練を行った。2010年3月8日、防衛懇話会が防衛オリエンテーションを実施。会員社の中堅若手社員が基本教練、装備品研修、訓練展示見学、部隊指揮官との懇談などを行った。2012年1月12日から3月14日、平成23年度初級ラッパ集合訓練を実施。隊員８名が参加し、全員が初級ラッパ特技検定に合格した。2019年5月15日、群馬地本が令和元年度援護業務指揮官等会同を開催。2022年3月17日、第12高射特科中隊が第12高射特科隊に改編され、改編行事が行われた。10月28日、群馬地方協力本部が群馬県内の学校写真部・新聞部などを対象とする相馬原飛行場取材研修を実施。11月18日、群馬地本が大学生向けインターンシップを実施。2023年3月15日、第12偵察隊が廃止された。3月16日、第12偵察戦闘大隊が新編された。参考：JGround Vol.23、MAMOR vol.46、vol.91、スピアヘッドNo.18、月刊JWings11,’18、7,'23、朝雲、宇都宮駐屯地ホームページ

＜相馬原駐屯地（２００７年度）＞：第12旅団第12ヘリコプター隊本部付隊（OH-6D観測ヘリ）、第12旅団第12ヘリコプター隊第２飛行隊（CH-47J/JA輸送ヘリ）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜相馬原駐屯地（２０１５年）＞：第12旅団司令部、第12旅団司令部付隊、第12ヘリコプター隊、第12偵察隊、第12高射特科中隊、第12後方支援隊第１整備中隊、同第２整備中隊直接支援小隊、第12化学防護隊、第12通信隊、第12音楽隊、第12旅団相馬原自動車教習所、東部方面管制気象隊第５派遣隊、東部方面混成団第48普通科連隊、東部方面後方支援隊東部方面輸送隊、第303普通科直接支援隊、第102輸送業務隊第２端末地業務班、第317基地通信中隊、第125地区警務隊、第406会計隊、相馬原駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜相馬原駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2015年11月11日、板妻駐屯地で家族支援訓練に参加。2016年12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。2019年7月24日、緊急登庁支援に伴う家族支援ツール導入・普及の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が贈呈された。参考：MAMOR vol.52、朝雲

＜そうや＞：MMC-951（機雷敷設艇）を参照。

＜宗谷＞：日本海軍二等巡洋艦Soya。元はロシア海軍防護巡洋艦ワリャーグで、日露戦争仁川沖海戦で大破自沈したのを引き揚げ、明治38年8月22日に海軍艦籍に編入した。前後２本のポールマスト間に煙突が４本立っている。艦尾にスターン・ウォークを持つ。常備排水量6500トン。主機はレシプロ蒸気機関、速力23ノット。兵装は15.2cm単装砲12門（艦首尾に２門ずつ並列、両舷に４門ずつ）。大正4年、巡洋艦阿蘇と共に遠洋練習航海に参加。大正5年、ロシアに譲渡され、ワリャーグに戻った。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜宗谷＞：日本海軍宗谷型運送艦Souya。大元は北満鉄道譲渡協定に基づいて日本に売却された北満鉄路の現物払いとして、昭和11年9月18日にソ連が松尾造船所に発注したボルシェビキ級耐氷型貨物船２番船ボロチャエベツ（Volochaevets）で、直後に松尾造船所が川南工業株式会社香焼島造船所になったためこちらで起工され、昭和13年2月16日に進水したが、国際情勢の変化で直後に契約が破棄され、昭和13年6月10日に辰南汽船の地領丸として竣工した。7月、張鼓峯事件勃発による日ソ関係悪化で北方作戦の可能性が出たため、耐氷構造を持つ本船に日本海軍が注目。昭和14年11月に購入を決定し、12月から東京石川島造船所深川第１工場で改造に入り、昭和15年2月20日に日本海軍が買い上げ、特務艦の雑用運送艦（砕氷型）に類別し、宗谷と改称した。6月4日、改造整備を完了し、横須賀鎮守府籍に編入された。6月14日、大湊を経由してカムチャツカ方面の測量に向かった。10月11日、紀元2600年特別観艦式に拝観艦として参加。11月12日、サイパン島に向かった。以降は南洋方面の測量や気象・海象観測を実施。12月16日、横須賀に帰港。昭和16年2月8日、サイパン島に向かった。以降は南洋方面の測量や気象・海象観測を実施。3月末、横須賀に帰港。5月、コロニアを拠点にポナペ島・トラック環礁周辺の測量を実施。7月末、トラック環礁に帰投。再度トラック環礁や東カロリン諸島などで測量任務に就き、11月中旬に横須賀に帰港した。12月8日の太平洋戦争勃発後は香港の測量任務に就いた。昭和17年1月7日、横須賀を出港。1月20日、第４艦隊の隷下に入った。その後ビスマルク諸島、ソロモン諸島、ニューアイルランド島、ブーゲンビル島の測量を実施。3月30日、海軍陸上警備隊をショートランド島に上陸させた。3月31日、陸戦隊を編成してブーゲンビル島キエタ港に入港し、キエタを無血占領した。6月、MI作戦に参加。ミッドウェイ島占領後に周辺測量を行う予定だったが、ミッドウェイ海戦で負けたため、引き返している。8月、ガダルカナル輸送任務に就き、海軍陸戦隊を乗せてツラギ島奪回作戦に向かったが、僚艦が潜水艦に沈められたため途中で引き返した。昭和18年1月28日、ブカ島クイカロナ水道でアメリカ潜水艦の雷撃を受け、４本中１本が命中したが、不発だったため軽微な損傷で済んだ。その後駆潜艇と共に逆襲をかけて爆雷により撃沈している。5月5日、ソロモン諸島イサベル島沖でB-24爆撃機の爆撃を受けて小破した。昭和19年2月17日、トラック空襲で回避行動中に座礁して損傷した。2月18日夜、CV-6エンタープライズ搭載アヴェンジャーの攻撃を受け、副長以下９名が戦死、艦長も重傷を負い、25mm機銃や音響測深儀を破壊された。一時総員退艦して夏島に避難したが、2月19日に自然離礁したため乗員は艦に戻り、横須賀に向かっている。昭和20年2月27日、軍需物資を積んで横須賀を出港。3月2日、室蘭に入港し、物資を降ろした。8月27日、横須賀に入港。9月5日に除籍された。10月1日、日本商船管理局特別輸送船となり、宗谷丸と改称され、第２復員省や船舶運営会の引揚船として昭和23年まで使用された。昭和24年12月、海上保安庁大型灯台補給船となり、宗谷に改称され、LL-01の艦種記号／艦番号が付けられた。昭和30年に南極観測参加が決まったことを受け、耐氷構造を持つことから南極観測船に改造されることになり、船体強化、砕氷型船首採用、主機のディーゼル２基への換装、船体両舷バルジ追加、ベル47G用格納庫及びヘリ甲板設置などを施し、船体もオレンジに塗粧、昭和30年12月に巡視船に種別変更され、PL-107の艦種記号／艦番号が付けられた。昭和31年11月8日、第１次南極観測のため乗員77人と観測員53人を乗せ、数千人の見送りを受けて東京を出港。昭和32年1月24日に南極大陸沖オングル島に到達し、昭和基地の設営に成功したが、帰路で氷に閉じ込められてしまい、ソ連砕氷船オビの救援により脱出した。昭和32年の第２次観測では氷に閉じ込められて１ヶ月近く漂流し、アメリカ海軍砕氷艦バートンアイランドに救援を求める事態となり、何とか自力で脱出に成功したがスクリューを損傷、天候も回復せず越冬を断念してカラフト犬15頭を残したまま帰国した。ベル47Gの輸送力では限界があったため、昭和33年の第３次観測ではベル47Gに加えてS-58大型ヘリを導入、23m×17mのヘリ甲板も設置した。11月12日、ベル47G2ヘリ２機、S-58ヘリ２機、DHC-2固定翼機１機を搭載して東京の日の出桟橋を出港。昭和34年1月2日、南極洋に到着。1月14日、昭和基地から163kmの氷盤に到達。午後にS-58ヘリが２機編隊で昭和基地に向かい、生き残ったカラフト犬タロとジロを発見した。昭和34年10月31日、ブリッジの後ろに航空司令室を設けるなどの改装を施し、第４次観測のため東京を出港。船体の痛みが酷く、帰国後にリベット1500本を打ち直し、プロペラシャフトを交換するなどの修理を行った。昭和35年11月12日、第５次観測のため東京を出港。昭和36年1月10日から2月4日、物資121.4トンをヘリで空輸し、越冬隊16人を昭和基地に残して帰国した。昭和36年10月30日、第６次観測のため東京を出港。昭和37年に帰国して南極観測任務をAGB-5001ふじに譲り（正式に譲ったのは昭和40年）、船体を白く塗り直して警備救難用巡視船に改装され、北海道に配備された。昭和53年10月2日に退役し、昭和54年5月1日から東京にある船の科学館に展示されている。海保特殊救難隊の訓練施設としても時々使用中。平成28年9月、東京港新客船埠頭建設のため対岸に移動し、再整備に入った。平成29年4月1日、船体塗粧などの再整備を終え、展示を再開した。見学無料（協力金は寄付可能）。開館時間1000-1700（乗船1645まで）。令和5年7月、日本船舶海洋工学会第７回ふね遺産に認定された。参考：月刊世界の艦船12,'23、8,’11増刊、12,’18、7,’19、9,’23、月刊航空ファン5,’13、朝雲、日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜宗谷型＞：日本海軍運送艦Souya型。元は北満鉄道買収の対価として川南造船所がソ連向けに建造していた貨物船ボロチャエベツで、昭和11年に契約が破棄され、昭和13年に辰南汽船社が地領丸と名付けて引き取り、昭和14年11月に日本海軍が購入を決定したものである。主任務はソ連領海の強行測量と、北洋での補給・輸送。ソ連向けのため艦首水線下構造が砕氷船類似のマイヤー型になっており、厚さ12cmの砕氷能力を持つ。船体も耐氷構造で、前部３割は肋骨の間隔を狭く取り、船底や吃水部の外板を通常より2-5割ほど厚くし、船尾は舵とスクリューを氷からガードする形状にした。海氷対処のため、竣工当時からイギリス製音響測深儀を搭載しており、日本海軍配備にあたって日本海軍制式の音響測深儀を装備している。全長82.3m、垂線間長77.53m、最大幅12.8m、吃水5.77m、基準排水量3800トン、公試排水量4410トン。主機は直立式３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は艦本式石炭専焼水管缶１基、出力1450馬力、１軸推進、速力12.1ノット、航続距離5000海里（8.5ノット）。兵装は四〇口径三年式八サンチ高角砲１門。宗谷が昭和15年に就役した。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、月刊世界の艦船12,’23

＜そうや型＞：海上自衛隊敷設艦（1977年から機雷敷設艦）。海自初の機雷敷設艦で、主機や船体下部形状ははやせ型掃海母艦と共通だが、船型はスペース確保のため船首楼型を採用し、第２甲板上の大部分を機雷庫として機雷搭載量を倍増した。後甲板はヘリコプター甲板である。機雷自動敷設装置を搭載しており、敷設状況は機雷戦指揮室及びCICの表示板に自動的に標示されるようになっている。掃海支援や掃海隊群旗艦任務も実施可能。全長99m、全幅15m、深さ8.4m、吃水4.2m、基準排水量2150トン、満載排水量3300トン。主機は川崎MAN社製V6V22/30ATLディーゼル４基２軸6400馬力、速力18ノット。兵装は50口径76mm連装砲１基、20mm単装機関砲２門、３連装短魚雷発射管２基、機雷敷設装置１型、機雷226個。AN/SQS-11ソナー、ZQS-1B機雷探知機、72式射撃指揮装置１型Ｂを装備する。乗員185名（190名？）。MMC-951そうやが1971年9月に就役し、1996年に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,’17増刊、10,'15、1,’95、1,’79増刊、5,’02増刊、8,’82増刊、3,’10、海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備カタログ1981、丸スペシャルNo.76

＜装薬＞：弾丸を所定の速度で銃砲身の外に発射する、火薬類（発射薬）を主とした組み立て品の総称で、点火薬などを含む。劣化を防ぐために最近では真空パックされており、一旦出したものを後で使うことはしない。参考：月刊PANZER3,’98、自衛隊装備カタログ1981、MAMOR vol.146

＜卡尤塞式直升機＞：OH-6海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜總洋丸＞：日本海軍給炭油船。元は東洋汽船の貨物船である。垂線間長126.5m、幅17.07m、深さ9.68m、吃水7.67m、総トン数6081トン、重量トン数9108トン。主機は神鋼スルザー・ディーゼル１基、最大連続出力3680馬力、１軸推進、航海速力12.5ノット、最大速力15.41ノット。昭和6年1月17日竣工。昭和11年、東洋海運に移籍した。昭和14年5月、日本海軍に徴用されて特設運送船になった。後に給炭油船に変更されている。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊所属だった。昭和18年12月7日、サイパン東方でSS-266ポーギーの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’13

＜そうりゅう＞：SS-501（潜水艦）参照。

＜層流＞：Laminar flow。物体の表面に沿って層を保ったままきれいに流れる流体の流れのこと。流れに平行な面で薄い層に細分すると、各層の流体は層別にきちんと流れている。面に直角な方向に流速が変化している場合には、隣接する層が滑り合って整然と動く。ただ流れていくに従って乱流に移行していくことが多い。レイノルズ数2300以下で層流になり、流体の粘度が高く、流速が比較的小さい時に生じやすい。きれいに流れすぎると剥離しやすくなるので、ボルテックス・ジェネレーターなどにより少し乱してやることもある。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、トコトンやさしい油圧の本

＜蒼龍＞：日本海軍蒼龍型空母Soryu。昭和9年初めに起工する予定だったが、友鶴事件で再設計の必要があり、昭和9年11月20日に呉海軍工廠で起工、昭和10年の第４艦隊事件で再度設計変更を加えて昭和10年12月23日進水、昭和12年12月29日竣工、第２艦隊第２航空戦隊に編入された。搭載戦闘機は九六艦戦の予定だったが、機数が足りなかったため、九五式艦戦を配備し、大村基地の鳳翔で発着艦訓練を行った。昭和13年、中支方面の揚子江作戦を支援するため、艦戦９機、艦爆18機、艦攻９機を搭載して馬鞍群島沖に出撃し、搭載機を南京飛行場に進出させた。7月10日に艦戦１個分隊を残して航空機部隊は母艦に帰投、9月25日から広東作戦に参加した。12月1日、内地に帰還。以降は艦隊訓練に従事した。昭和14年3月16日、赤城、龍驤と共に佐世保に入港。3月21日、赤城、龍驤と共に佐世保を出港。3月24日、青島港外に到着。午後に艦上機を発進させ、青島上空を示威飛行した。4月1日、青島港を出港して日本に向かった。昭和14年10月31日、横須賀を出港し、南寧作戦支援にあたった。昭和15年9月、航空機部隊全機を飛龍に移した。10月11日、皇紀2600年記念横浜沖特別観艦式に参加。昭和16年4月10日、第１航空艦隊第２航空戦隊に転属。6月20-29日、連合艦隊後期訓練に参加。6月30日、横須賀に入港。7月10日、横須賀を出港。7月14日、馬公に入港し、燃料を補給した。7月15日、馬公を出港。7月16日、海南島三亜に入港。7月25日、南部仏印進駐部隊を護衛するため三亜を出港してサイゴン沖の南シナ海に進出。7月30日、三亜に戻った。8月6日、佐世保に帰港。すぐに出港して訓練に入り、8月下旬に鹿児島県串木野沖に展開。真珠湾攻撃に向けた航空艦隊機種別合同訓練を実施した。11月26日、真珠湾攻撃のため単冠湾を出撃。12月8日、太平洋戦争開戦時は第２航空戦隊所属で、真珠湾攻撃に参加。12月21-23日、ウェーク島第二次攻略戦に参加し、飛龍と共にウェーク島を空襲した。12月29日、呉軍港に帰投。昭和17年1月12日、ケンダリー作戦参加のため柱島を出撃、アンボン南西に展開。1月23-24日、アンボン攻撃を実施。2月15日、パラオを出港。2月19日、ダーウィンを空襲。2月22日、セレベス島スターリング湾に入港。ケンダリーで休養した後、3月25日にインド洋に向け出撃した。4月5日、セイロン島攻撃に参加。4月22日、呉に帰投。5月27日、柱島を出撃、ミッドウェイ島に向かった。6月5日、ミッドウェイ海戦で爆撃を受けて1615に沈没した。8月10日に除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊JShips Vol.20、図解日本の空母、日本海軍戦闘機隊、月刊丸12,’92、8,’87、6,’83、2,’12別冊付録、月刊世界の艦船9,’14、太平洋海戦史、日本海軍艦隊総覧

＜蒼龍型＞：日本海軍空母Soryu型。ロンドン軍縮条約での空母建造可能排水量81000トンで当初は27000トン級空母３隻を作る予定にし、まず赤城と加賀を建造したが、残る27000トンは半分に割って空母２隻を作ることになり、そのうちの１隻としてマル二計画で一号航空母艦として建造された。飛行甲板上に艦橋を持つ日本初の空母である。20cm連装砲３基と航空機70機搭載の予定で計画されたが、後に15.5cm砲５門（３連装砲と連装砲１基ずつ）と航空機常用72機＋補用24機搭載に変更（この時の基本計画番号はG8）された。この要目で建造すると極端なトップヘビーで復元力が危うくなってしまうが、友鶴事件を受けて工事が一時中止となり、完成が条約切れ後にずれ込むこととなったため、排水量の制限無しに設計をやり直し、基本計画番号もG9に変更された。想定された主任務は、空母機動部隊に配備されて高速性能と高い航空機運用能力により敵空母を先制攻撃し、急降下爆撃で飛行甲板を使用不能にさせて機能を喪失させることで、当初は艦戦と艦爆だけを搭載し、艦攻は積まない予定だった。ちなみに搭載艦爆として高速で敵艦戦を振り切る十試艦上軽爆撃機をドイツに発注したが、ちょうど再軍備の時期と被ってしまいキャンセルされたため、代わりに彗星を開発、完成までの繋ぎとして九六式艦爆を積んでいる。艦首はダブル・カーベチャー型で、艦首上部に軽いシアとフレアを持ち、重巡洋艦に似た高速船形をしている。当初は軽量化のため船体肋骨間隔を２種類設定し、電気溶接を多用して仕上げたが、建造中に第４艦隊事件が起こったため、大幅な補強工事を行った。錨甲板には投揚錨機械が設置されており、その後方には飛行甲板支柱（25mm機銃揚弾筒を内蔵）が一組配置されている。支柱前方の飛行甲板前端部下には機銃台があり、九六式25mm連装機銃２基と機銃用射撃指揮装置が装備された。飛行甲板は全長216.99m、最大幅26m、吃水線からの高さ12.8mで、強度甲板が最上甲板のため、飛行甲板には数カ所に伸縮継手が設けられている。エレベーターは３基で、大きさは前部が縦16m・横11.5m、中央が縦12m・横11.5m、後部が縦10m・横11.8mである。前部エレベーター直前に起倒式遮風柵を持つ。制動装置は電磁式の呉式四型着艦制動装置９基（アレスティング・ワイヤー９本）で、滑走制止装置は空廠式三型が２基（固定・移動式２基ずつ）。格納庫は上下２段で、航空機は当初後端の開口部から搭載していたが、被弾して傾くと大量に浸水する恐れがあるので、格納庫を水密構造に変更し、クレーンで飛行甲板上に吊り上げてエレベーターで下ろす方式に変えた。艦橋は４層構造で、一番下の飛行甲板レベルに司令官室や艦長休憩室がある。その上の２層目が下部艦橋甲板で、操舵室などがあり、後部は露天甲板で発着艦指揮所が置かれた。３層目が羅針艦橋甲板で、羅針艦橋などが配置され、舷側スポンソンに60cm信号燈を装備する。最上層は露天甲板で、防空指揮所が設けられ、九四式高射装置、方位測定器用ループ・アンテナ、無線電話アンテナ、1.5m測距儀、60cm信号燈などが設置されている。艦橋前方に探照灯管制機を載せた背の高い構造物、艦橋後方の飛行甲板上に三脚式信号マストが配置された。機関は最上型巡洋艦と同じものを使用していて、主缶は缶室８室に１基ずつ収められており、煙路は４室ずつ纏められて右舷の斜め下向き煙突（熱煙冷却装置、緊急用上面排気口付き）２本に導かれる。主機は缶室後方の前後左右４室に１基ずつ収容されている。艦尾の飛行甲板支柱は１組で、後甲板の上のデッキに短艇を格納する。舵は軸傾斜角18.5度の２枚並列傾斜装備釣合舵だが、効きがあまり良くなかった。艦内には艦攻18機２出撃分＋補用10機分の魚雷関係施設（計46本収容）が設けられ、航空機燃料360トンの搭載スペースが設置された。防御は機関や舵取り機室などに12センチ砲に耐えられる程度、燃料タンクと弾薬庫などに20センチ砲に耐えられる程度の装甲が施されていたが、排水量制限の関係もあって舷側防御や飛行甲板防御は考慮されていない。アメリカ軍の航空巡洋艦に対抗するため、兵装は当初20cm砲の搭載を考慮していたが、軍縮条約と友鶴事件を受けて高角砲と機銃のみ装備した。右舷の５番高角砲と右舷後部の機銃３基には、煙突からの排煙避けシールドが設けられた。両舷に九一式高射装置１基ずつ、飛行甲板上に隠顕式探照灯４基を装備する。全長227.5m、水線長222.46m、最大幅21.34m、平均吃水7.62m、基準排水量15900トン、公試排水量18448トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン４基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（空気予熱器・加熱器付き。蒸気圧力2.16MPa、温度300℃）８基、出力152000馬力、４軸推進、最大速力34.5ノット（10/10全力公試時34.9ノット）、重油搭載量3400トン、航続距離7680海里（18ノット）。兵装は四〇口径八九式十二糎七連装高角砲６基（飛行甲板両舷３基ずつ）、九六式25mm連装機銃14基（飛行甲板前端３基、左舷前部３基、左舷後部３基、右舷後部５基）。装甲厚は舷側35-140mm、甲板40mm。搭載機は、九四式艦爆45機（常用33機、補用12機）、九〇式艦戦24機（常用18機、補用６機）の計69機を予定したが、完成時には九六式艦戦12機（常用９機、補用３機）、九七式艦攻24機（常用18機、補用６機）、九六式艦爆24機（常用18機、補用６機）、九七式艦偵11機（常用８機、補用３機）の計71機（九六式艦戦常用12機＋補用４機、九七式艦攻常用18機＋補用３機、九六式艦爆常用27機＋補用９機の計73機？）となった。乗員1100名。蒼龍が昭和12年に竣工した。昭和12年の艦船飛行機搭載標準による搭載機は艦戦９機、艦爆33機、艦攻８機で、昭和14年には艦戦12機、艦爆27機、艦攻18機に変更されている。参考：日本航空母艦史、図解日本の空母、月刊JShips Vol.20、月刊丸2,’12別冊付録、3,'18別冊

＜そうりゅう型＞：海上自衛隊潜水艦、計画番号S131。16SS以降の建造計画により、SS-501そうりゅう、SS-502うんりゅう、SS-503はくりゅう、SS-504けんりゅう、SS-505ずいりゅう、SS-506こくりゅう、SS-507じんりゅう、SS-508せきりゅう、SS-509せいりゅう、SS-510しょうりゅう、SS-511おうりゅう、SS-512とうりゅうの12隻が2009-21年に就役した。潜水艦戦闘システム近代化・18式魚雷搭載改修を順次実施中。参考：月刊世界の艦船5,’20、5,’21、1,’24

＜そうりゅう型（１－１０番艦）＞：スターリング機関によるAIP 潜水艦で、おやしお型よりも船体が全長2m・幅0.2m拡大されていて、水中排水量が700トン増え世界最大の現役実戦用ディーゼル潜水艦となったが、省力化で乗員は５名減った。船型はおやしお型を少し涙滴っぽくした第２世代葉巻型の部分単殻式で、船体やセイルには音響タイルが貼り付けられており、大型化した船体の音響反射面積を少しでも減らすべく、貼付面積はおやしお型よりも多く船体全面に及んでいる。これにより船内雑音に対する遮蔽効果も得た。セイルと上構にはアクティブソナー音を反らす反射タイル、水線下にはアクティブソナー音を吸収する遮音タイルを使用しており、色調や光沢で見た目でも違いが分かる。艦首上部に魚雷発射管、下部に艦首ソナー・アレイ（籠型構造装着式で、カージオイド指向性を形成する）を収容する。艦首ソナー・ドームはラバー製。上構はおやしお型と同様にFRPを多用して雑音低減と整備性の向上を図ると共に、おやしお型より若干低くして形状を洗練させ、音響反射タイルも貼り付けていて、アクティブソナーの音響を入射方向とは別の方に弾き返す。船体前部上構上面に逆探ソナーのフェアリングを持ち、船体後部上構にフリーフラッド・スリットが片側２本ずつタンデムに開けられていて、スリット間にディーゼル排気口がある。セイルは翼型断面で、反射タイルを装着しているのに加え、ステルス性を考慮して上面に向かって絞り込まれており、おやしお型よりも上面の幅が少し狭い。セイル前面下部には雑音防止の整流覆い（フィレット）が付けられており、この部分から発生する微少雑音が気になるレベルにまで艦内雑音を抑制できているとみられる。おやしお型と同様、艦底部にはバラスト・キールを装着する。内殻内は６つの防水区画に分かれ、第１防水区画上層に魚雷発射管室、第１下層に科員居住区（通路両脇に３段ベッドが並ぶ）、第２上層に発令所、艦長室、第２中央に電子機器室、電信室、第２居住区、事務室、第２下層に前部電池室、第３上層に士官公室、士官居住区、第３中央に科員食堂（士官居住区直下）、調理室、糧食庫、第３下層に後部電池室、第４上層にAIP室（スターリング機関４基）、第４下層に液体酸素貯蔵タンク２基、第５に主機械室（ディーゼル主機、発電機、関連補機類など）、第６に電動機室（主電動モーター、推進軸受け、関連機器）がある。セイルに通じる艦橋昇降筒は第１防水区画最後部にある。第１・第５防水区画の上部にそれぞれ前部・後部脱出筒／前部・後部ハッチが付き、第３防水区画上部（セイル後方）には中部昇降筒／中部ハッチが用意されている。従来の潜水艦（５区画）に長さ11mのAIP区画（浮甲板構造）を足した構造だが、おやしお型よりも2mの全長拡大で済んでいるのは、士官室を大部屋化するなど居住区を縮小し、艤装密度を高くしたためである。そのせいで居住性はSS-501くろしお（ガトー級）の方が遥かに良いとまで言われているらしい。おやしお型までは居住性に配慮しすぎて無駄なスペースが多かったという意見もあるが、女性自衛官用居住区画の追加もできなくなってしまった。電動モーターは複電機子式永久磁石同期電動機を採用しており、半導体を使用したインバータで直流電源を交流電流に変換して交流モーターを回している。これにより従来の直流型で必要だったブラシ、整流子、磁石用冷却装置が不要となり、速力無段階制御能力獲得、低騒音化、小型化などを達成した。スターリング AIPを搭載しており、排気を冷却用海水と混合して排出することにより、潜望鏡深度でも海面に気泡が出ないといわれる。液体酸素貯蔵・供給装置や排ガス放出装置は潜水艦に合わせて国産開発した。基地には液体酸素補給施設を建設する必要があり、横須賀基地の方は施設整備が遅れて５番艦からの配備になったという説がある。水中での長期行動に備え、乗員用の酸素供給はAIP用の液体酸素を流用、空気監視装置により艦内空気の清浄度を常時監視できるようにし、一酸化炭素対策として酸化触媒による一酸化炭素除去装置（一酸化炭素を二酸化炭素に変える）を追加した。二酸化炭素吸収装置は改善型液体アミン式である。キセノンやトルエンの吸着フィルターも装備する。艦尾には後舵装置という名称のＸ舵を搭載し、船体大型化に伴う旋回半径増大を抑制した。13メートル潜望鏡Ｂ型改５（従来型貫通式潜望鏡）、耐圧殻非貫通型潜望鏡１型（タレスUK社製CM010オプトロニック潜望鏡を三菱電機でライセンス生産。電子光学撮像装置を内蔵しており、映像をリアルタイムで記録できる。監視は直接覗くのではなく、ジョイスティックで操作し、モニターを介して画像を見る。頂部にESM アンテナも持つ）、ZPS-6F対水上レーダー（アンテナはＴ字）、ZQQ-7ソナー・システム、ZQX-11戦術情報表示装置、ZLR-3-6ESM、ZYQ-3/ZYQ-51指揮管制装置、ZQX-2水冷式多機能共通コンソールMFICC、戦術状況表示装置を装備しているが、潜水艦情報処理装置は搭載しておらず、目標データベースサーバーTDBS（Target Data Base Server）と基幹信号伝送装置SLI（Submarine LAN Interface。光ファイバー使用の二重LAN）による自律分散型ネットワークシステムにより、ソナーを初めとする各センサーの情報処理と兵装への出力を行う。発令所には艦首側に操舵員席（Maneuvering Control Console液晶モニター１基、Ｘ舵操作コンソール１基、操舵用ジョイスティック２本がある）、中央前部に在来型潜望鏡、中央後部に耐圧殻非貫通型潜望鏡１型のコンソール、右舷側に武器システム系戦術状況表示装置TDS（Tactical Display System）の多機能水冷式共通コンソールMFICC（Multi Function Intelligent Control Console）７面（３列２段とその右上に１面）、左舷側に艦制御系コンソールSCC（Ship-Condition Control）４面が配置されている。MCCとSCCは潜水艦の重量、姿勢、動力、艦内環境を発令所で遠隔監視・管制するもので、従来は機側で行っていた各種機能を発令所に集約した。艦長は発令所中央付近のZQX-11戦術情報表示装置のディスプレイを見て意思を決定する。指揮管制支援ターミナルZYQ-31シリーズにより艦外ネットワークとリンク可能。全長84m、幅9.1m、深さ10.25m、吃水（常備）8.4m、基準排水量2950トン、水中排水量4200トン。主機はディーゼル・エレクトリック／スターリング機関、川崎重工製12V25/25SBディーゼル発電機（2700馬力）２基、川崎コックムスV4-275R MkⅢスターリング機関（60-75kW、88馬力）４基、主電動機（交流式の複電気子式永久磁石同期電動機）１基、水上出力3900馬力、水中出力8000馬力、７翅スキュード・プロペラ１軸推進、水上速力13ノット、水中AIP速力4-5ノット、水中速力20ノット、液体酸素タンク２基、水上航続距離6100海里（6.5ノット）。兵装は艦首上部の533mm魚雷発射管HU-606が６門（上段２門、下段４門）。UGM-84D/-84Lハープーン潜対艦ミサイルや89式魚雷を20本搭載でき、機雷も積める。また、新型魚雷運用能力の付加や、自動次発魚雷装填装置の搭載に対応する余裕をもって設計されている。乗員65名。建造費は１番艦が604億円、10番艦が513億円。１年に１隻の建造ペースなので、音響タイル（反射材及び吸音材）の素材や装着法などに逐次改良を加えた。７番艦以降はＸバンド衛星通信装置を追加し、指揮通信能力を強化している。８番艦以降は潜水艦魚雷防御システムTCMをセイル後方の船体内に装備した。参考：月刊世界の艦船11,'20、5,'22、10,’12、9,'15、1,’16、1,’19、4,'20、1,'24、11,'17増刊、1,’15、6,’09、1,’10、3,’10、1,’11、8,’12、1,’14、4,’14、12,’14、9,’12増刊、1,’16、8,’16、7,’17、1,’18、1,’20、1,'21、1,'22、月刊丸2,’08、1,’10別冊、月刊軍事研究4,’11、9,’10、4,’10、6,’10、11,’10、1,’12、11,’14、2,’15、6,’15、8,'15、11,’15、3,’17、JShips vol.46、vol.48、MAMOR vol.91

　＜そうりゅう型（１１－１２番艦）＞：2019年度計画の11番艦SS-511おうりゅうと2020年度計画の12番艦SS-512とうりゅうで、世界初の実用リチウム主蓄電池搭載型である。スターリング AIP、鉛蓄電池、蓄電池関連機器（蓄電池用水冷系統・電解質撹拌系統など）を外し、第４防水区画を上下２段から上中下の３段に変更、リチウム電池を第２・第３防水区画下部と第４防水区画中央・下部に搭載し、第４防水区画上部にはブロー用高圧空気製造装置（左舷後部）、艦内酸素供給装置と液体酸素タンク（右舷前部）、電池関連機器（空冷装置や電池管理装置など）などを置いた。蓄電池換装に伴い主電路を再構成し、電動モーターも10番艦までと比べて価格が倍以上のためリチウム電池の特性に対応した新型を搭載しているとみられ、10番艦までよりも最大出力は低く水中最大速力も２ノットほど低下したが、巡航速力での水中行動能力を向上させたといわれ、また最大出力を30分しか出せない鉛蓄電池と違って最大出力・最大速力を数時間に亘り発揮できるようになり、AIPのように燃料を使い切ったら只の錘になることも無くなった。中・高速域での行動時間が増えたため、この速度域での雑音を抑制できるよう、プロペラ形状も変更している。リチウム電池は潜水艦用新型主蓄電池の研究という名称で2002-05年度に研究を行っており、安全性（過充電、過放電、ショート）や有効性（鉛蓄電池比でエネルギー密度２倍以上、充放電繰り返し数1.5倍以上、充電効率高）を確認している。電極は正極がコバルト酸リチウム、負極が炭素で、リチウム電池ユニットは単電池10個を２列５段に重ねて頂部に電池監視ユニット（温度計と電圧計）を配してあり、従来の鉛蓄電池ユニットと同じ寸法である。メーカーはジーエス・ユアサテクノロジー。鉛蓄電池＋スターリング AIPを上回る水中航続性能を発揮したらしい。艦の価格は644億円に上昇した。恐らくは初度費のせいと思ったら12番艦は662億円だったが、12番艦には29SSと同じ新型ソナー・システムを搭載しているので、どこまでがリチウム電池分かは良く分からない。蓄電池換装に合わせて主機・主発電機や充電システムまで換装すると大がかりになりすぎるので、本艦での搭載は見送り、29SS／たいげい型で新型にする。ソナー・システムは11番艦がそうりゅう型と同じZQQ-7D-2、12番艦がTASSを新型にしたZQQ-7E。全長84m、幅9.1m、吃水8.4m、深さ10.1m、基準排水量2950トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中出力5600馬力、１軸推進、水中速力18ノット。兵装は艦首上部の533mm魚雷発射管HU-606が６門（上段２門、下段４門。89式魚雷、ハープーン潜対艦ミサイル）。潜水艦魚雷防御システムTCMを装備する。乗員65名。オーストラリアがコリンズ級潜水艦の後継（SEA1000計画艦）として注目しており、リチウム・イオン電池の電極を変更して提案したが、AIPを外したことの評価や、トマホーク対応のAN/BYG-1戦闘システムを積めるか、オーストラリアの建艦技術で作れるか、どこまで建艦技術をオーストラリアに譲渡できるか（NS80鋼は無理らしい）などの問題点があり、結局採用されなかった。インドも興味を示しているらしい。参考：月刊世界の艦船11,'20、5,'22、9,'15、6,'20、1,'24、1,’16、1,’19、4,'20、5,'20、11,'17増刊、1,’15、1,’16、8,’16、7,’17、1,’18、1,’20、5,'24、月刊軍事研究2,’15、6,’15、8,'15、11,’15、3,’17、JShips vol.46、vol.48、MAMOR vol.91

＜層流境界層＞：Laminar boundary layer。境界層のうち完全な層流をしている部分で、境界層の出来始めの部分である。層流境界層では流体の微少部分が混ざり合うことが無く、物体表面近くの流体は外側の流れからエネルギーを受け取ることが出来ないので、剥離しやすいという特徴があり、ボルテックス・ジェネレーターなどにより少し乱してやることもある。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ

＜双流式蒸気タービン＞：蒸気タービンを参照。

＜層流制御＞：境界層制御の１つで、LFC（Laminar Flow Control）と略す。層流境界層をできるだけ長く保つようにする方式のことで、表面の凹凸を減らしたり、表面に多数の孔を設けてエネルギーの小さくなった境界層を吸い込んだりする。摩擦抵抗を減らすことができる他、層流境界層は熱伝導が悪いので超音速時の加熱が鈍く、チタンや鋼鉄による耐熱加工を施さずに済む。表面に多数の孔を設ける方式は剥離を防ぐ効果もある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜層流制御翼＞：翼全面に境界層吸い込み孔を設け、常に境界層を吸い込むことにより、乱流の発生を防いで摩擦抵抗を減らす翼のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜蒼龍戦闘機隊＞：昭和13年4月25日、中支方面支援のため艦戦９機で母艦から出撃、南京飛行場に展開した。6月初旬には蕪湖に、6月中旬に安慶基地に進出したが、占領したばかりの未整備飛行場で、飲料水不足もあり、6月25日の戦闘では衰弱によりパイロットが失神して墜落するという事故を起こした。7月10日、１個分隊を第15航空隊に編入し、残りは母艦に引き揚げた。9月25日から広東作戦に参加したが、空戦は生じなかった。昭和15年9月、飛龍の北部仏印進駐支援任務を援護するため、飛龍に搭乗して出撃、9月17日から10月初旬にかけて海南島沖に展開した。昭和16年2月、台湾方面で南支封鎖作戦を実施。7月中旬、南部仏印進駐に際しては海南島三亜に展開した。12月8日、真珠湾攻撃に零戦８機で第１次攻撃を行い、空戦で５機、地上で27機を破壊した。第２次攻撃では零戦９機が出撃、飛行艇６機を地上で破壊し、空戦で２機を撃墜したが、１機が対空砲火で、２機が空戦で撃墜されている。12月21-23日、ウェーク島攻略作戦に参加。12月29日、母艦が呉に帰投したため、宇佐基地で休養に入った。昭和17年1月11日、蒼龍に搭載され、2月19日にダーウィン攻撃を実施。4月5日のコロンボ攻撃では９機が出撃して14機（うち不確実３機）を撃墜したが、１機を喪失した。ミッドウェイ海戦ではミッドウェイ島攻撃に零戦９機で出撃し、６機を撃墜。母艦上空に来襲した敵機に対し、延べ18機で迎撃にあたり、32機を撃墜したが、母艦を守ることはできず、戦闘機隊は海上に不時着水して保有機を失い、駆逐艦に救助された乗員は内地に帰投した。参考：日本海軍戦闘機隊

＜層流底層＞：Laminar sublayer。乱流境界層が物体表面と接する部分の非常に薄い層で、流れは乱流だが、平均速度分布は層流境界層と同じ法則に基づき変化する。物体表面に近いので、層流に近いと考えられて層流底層と命名されたのだが、実際には乱流状態であると分かり、粘性底層または摩擦底層と呼ばれることもある。物体表面と流れの間の摩擦を考える上で重要だが、レイノルズ数や物体表面の粗さによって複雑に変化する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜そうりゅうとオーシャン・アルテミスの衝突事故＞：2021年2月8日、修理後の練度回復訓練を行っていたSS-501そうりゅうが、足摺岬南南東沖で完全潜航状態から露頂状態に移行するため、パッシブソナーで付近を捜索し、安全確認を実施。艦長と哨戒長は他の船舶とは十分に距離が取れていると判断し、南南東に航行しつつ露頂作業（露頂深度までの深度変換）を開始した。しかし実際には付近を北東に航行していた香港船籍貨物船オーシャン・アルテミス（総トン数51208トン、重量トン数93103トン。船長以下20人乗船）の方位線（音源からの放射音の方位がソナー画面に経時的に連続表示されることで描かれる線）と、西南西に航行する別のコンテナ船の方位線が組み合わされてコンテナ船のみの方位線として表示されており、オーシャン・アルテミスの方位線を船舶以外の音源と解釈して船舶として認識しておらず、そうりゅうがオーシャン・アルテミスの針路上に出る形になった。そうりゅうは衝突直前に潜望鏡にオーシャン・アルテミスを認め、回避しようとしたが間に合わず、10時57分44秒頃、高知県足摺岬南南東沖（足摺岬灯台から真方位163度28海里付近）でセイル上部右舷側が貨物船の船底に擦るように衝突。そうりゅうは乗員３名が軽傷を負い、アンテナマストを損傷、右潜舵が付け根から大きく下に折れ曲がり、セイル右上面が損傷して外板の一部が失われた。左潜舵には損傷は無いが、大きく下げ舵を取った状態で作動不能になっている。更に通信が不能となり、事故から３時間20分後に漸く携帯電話で呉基地に事故を報告した。貨物船側は衝突の振動も無く、負傷者は生じなかったが、バルバス・バウを中心とした船首船底右舷外板周辺に20cmの亀裂、凹み、擦り傷が生じた。そうりゅうは海保の指示で2321に高知港に入港し、2月9日早朝から海上保安庁の調査を受けている。海自は警戒のため潜水艦救難艦ASR-403ちはやと多用途支援艦AMS-4304げんかいを現地に向かわせ、海幕は事故調査委員会を設置した。9月8日、第５管区海上保安本部がそうりゅう艦長を業務上過失往来危険と業務上過失傷害で高知地方検察庁に書類送致した。2022年8月25日、運輸安全委員会が船舶事故調査報告書を発表（9月29日に一部を訂正し正誤表を公表）。パッシブソナーでの捜索の際、オーシャン・アルテミスの方位線とコンテナ船の方位線が表示されたが、オーシャン・アルテミス付近のソナー画面映像の感度が高くなく船舶航走音が聞こえなかったため、ソナー当直員長がオーシャン・アルテミスの方位線を船舶によるものと認識せず、その後オーシャン・アルテミスの方位線がコンテナ船の方位線として自動探知されたため付近にコンテナ船しかいないと誤認、更に後でコンテナ船方位線付近の聴音変化がみられたものの自艦変針に伴うものであると判断し、ソナー当直員長はオーシャン・アルテミスの方位線の探知操作やコンテナ船方位線付近の聴音変化を報告しなかったことで、艦長や哨戒長もオーシャン・アルテミスの存在に気付かず、オーシャン・アルテミスの針路上の海面に向かって露頂作業に入ったことが原因と判明した。運輸安全委員会では、2006年11月に発生した露頂作業中のあさしおとケミカルタンカーとの衝突事故も踏まえ、防衛大臣に対し、露頂作業時の安全確保（ソナーによる他船舶の確実適切な捜索監視、全情報の操艦者等への確実な集約）、報告要領（ソナーでの方位線探知操作要領、聴音変化時の報告要領）などの改訂、ソナー監視強化、事故発生等の迅速な通報（衛星携帯電話など）、継続的な教育訓練を再発防止策として提言している。参考：運輸安全委員会船舶事故調査報告書、月刊世界の艦船4,’21、5,’21、11,’21、11,'22、朝雲

＜層流剥離＞：Laminar separation。境界層が層流境界層のまま剥離すること。参考：航空用語事典増補改訂版

＜層流剥離泡＞：Laminar separation bubble。翼表面の層流境界層が剥離して乱流に遷移した後、翼上方で渦を巻き、再度翼表面に再付着することで生じる流れ場のこと。翼の迎え角を増大させていくと、翼前縁付近の圧力最小領域（サクションピーク）後方にまずショートバブル（Short bubble）が発生する。更に迎え角を増やしていくと、ショートバブルの長さが短くなっていき、ある迎え角で再付着を起こさなくなってバブルの崩壊（バースト）を起こす。これにより翼上面の広範囲で剥離が発生して失速するのが前縁失速である。薄翼の場合、バーストを起こした後に再度翼後方で再付着することがあり、この流れ場をロングバブル（Long bubble）と呼ぶ。この際、圧力分布のサクションピークが無くなり、迎え角を増やしていくとロングバブルはショートバブルとは逆に長さを増し、最終的に失速する（薄翼失速）。参考：航空機設計法

＜層流翼型＞：Laminar airfoil。翼表面の層流境界層部が多くなるような形状をした翼型のこと。翼の抗力の大部分を占める摩擦抗力（翼は薄いので圧力抗力はあまり無い）は、翼表面に接する境界層の速度勾配に比例して増加するので、乱流境界層より速度勾配の小さい層流境界層が翼表面を広く覆うようにすれば、摩擦抗力を減らすことができる。迎え角が小さい時、翼上面・下面共に翼前縁から最小圧力点までは層流境界層が保たれるので、最小圧力点をなるべく下流に設けるよう工夫すれば良く、前縁半径を小さくし、翼弦の中央付近に最大翼厚部を設け、後縁角を大きくする。氷や虫などが張り付いて翼前縁形状が少し乱れたり、翼表面が少し粗くなったりしただけでも抗力が増える、翼厚が薄くなるので主翼内燃料タンク容量が小さくなるといった欠点がある。アメリカではNACA１シリーズから７シリーズの各型、日本ではLB24などが開発された。参考：航空用語事典増補改訂版、歴史群像10,’11、月刊航空ファン7,’15、航空機設計法

＜総力戦＞：国家が持つ全ての力を注ぎ込む戦争のこと。敵軍隊を壊滅させるだけでなく、軍隊の予備戦力の源となっている敵国民を屈服させ、敵国を崩壊させるまで追い込んだ方が勝利となる。参考：月刊軍事研究11,’15、比島決戦

＜装輪１５５ｍｍりゅう弾砲＞：19式装輪自走155mmりゅう弾砲を参照。

＜装輪１５５ｍｍ榴弾砲（その１）＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜装輪１５５ｍｍ榴弾砲（その２）＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究8,’17

＜装輪１５５ｍｍ榴弾砲（その３）＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜装輪１５５ｍｍ榴弾砲の米国射撃のための日米調整会議＞：防衛省がアメリカ陸軍に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜装輪式＞：タイヤで推進する車両のこと。不整地踏破能力は装軌式に劣り（タイヤの半径以上の段差は物理的に超えられない）、重量もあまり重くできないが、装軌式よりも構造が単純で、信頼性や整備性が高く、航続距離や静粛性に優れ、乗員の疲労度も低い。運用コストは装軌式の３分の１とされる。床が高くなるので兵員室への乗降は不便だが、耐地雷性の面では有利かもしれない。参考：月刊軍事研究7,’95、12,’11、歴史群像12,’03、月刊PANZER1,’13

＜装輪式軽量多目的防護車＞：VBMT-LRを参照。

＜装輪装軌併用車両＞：Convertible vehicle。参考：軍事力バランス78年版

＜装輪装甲車（改）＞：陸上自衛隊 96式装輪装甲車及び82式指揮通信車の後継として2014年度から開発していた８×８輪装甲車。開発期間短縮のため、COTSや既存技術を適用している。仕様書には基本車体に追加できる拡張器材が列挙されており、名称はケージ装甲部Ⅰ型（スラット装甲Ⅰ型／ネット装甲Ⅰ型、反応装甲Ⅰ型）、前面付加装甲Ⅰ型、側面付加装甲Ⅰ型、後面付加装甲Ⅰ型、底面付加装甲Ⅰ型（ケージ装甲部Ⅰ型と各付加装甲Ⅰ型を合わせて付加装甲モジュールⅠ型と称する）、遠隔操作式銃架モジュール、増強給電モジュール、増強空調モジュール、対線状障害モジュール、耐衝撃乗員座席、ランフラットタイヤ、発煙弾発射筒モジュール、レーザ検知器、射撃位置探知装置モジュール、全周視察装置、対特殊武器防護装置、車両連接具となっている。小松製作所と三菱重工が提案を行い、小松製作所の方が採用され、2017年1月10日に試作車が防衛装備庁に納入された。2018年度までテストし開発を終え、2019年度に装備化する予定だったが、耐弾テストの結果、装甲板の板厚が足りない、耐弾性能にばらつきが大きいといった不具合が見つかり、開発体制の再構築が必要となったため、2017年12月16日に防衛省が開発機関の３年延長を発表し、開発完了時期が2021年度以降にずれこむこととなった。2018年2月に共通戦術装輪車システム設計Ｂを小松製作所と契約して仕切り直したものの、現状のまま開発を継続しても耐弾性、重量、量産コストの目標達成が不可能であるとして、6月に防衛装備庁長官が小野寺防衛大臣に事業白紙化を報告して了承され、7月27日に防衛装備庁が開発中止を発表した。代替車両選定のため、2018年1月16日に次期装輪装甲車の量産にあたっての取得方法に関するRFPを発出、国内外から試験車両を購入する費用が2019年度概算要求に20億円ほど計上されている。代替車両はパトリア製AMVと三菱重工製機動装甲車（試作車）が争い、2022年12月9日にAMVの採用を決定した。参考：月刊軍事研究5,’17、3,’18、1,'19、月刊JWings10,’18、11,’18、月刊PANZER8,’18、朝雲

＜装輪装甲車（改）小松製作所試作車＞：NBC偵察車がベースらしく、96式装輪装甲車よりも車内容積を拡大すると共に防御力強化を図っており、車体がかなり前後と上下に大型化している。横幅拡大は法律制限（と海外競合品が選択肢に入ってしまう関係）で無理だった模様で、提案した全幅2.5mのO-1、全幅2.75mのO-2、全幅3mのO-3のうち、採用されたのはO-1となった。そのため、最大安定傾斜角が低め、隊員室内で向かい合わせの隊員が足を入れ違いにして座らなければならない、といった欠点を持つ。全高は遠隔操作式銃架モジュールを装備しても3.2mの予定で、C-2輸送機（貨物室高3.8m）には余裕で収まる。車体は前面だけ避弾経始を考慮しており、側面は直立、後面は僅かに下に向かって内側に傾斜している。車体上面前部右に操縦手用ハッチ、その左後方に前方視察ペリスコープ３基と弾片防御プレート付きハッチ、車体中央右にエンジン、車体中央上面右に排気ルーバー（車体中央上面中央に多分吸気ルーバー）、車体中央上面左にハッチ・全周視察ペリスコープ付きキューポラ、車体上面後部両側に外開きハッチ３基ずつ（最前部だけ縦長）がある。操縦手用ハッチ前方両側にワイヤーカッターを装備でき、右側のカッターは２段折り畳み式で、かなり背が高い。車体後部隊員室には向かい合わせのベンチシートが用意されており、隊員室前部中央上方にモニターが付く。ベンチシートは背もたれを座面側に折り畳むことができる。隊員室側後面に視察窓やガンポートは無い。車体後面には下開きのランプが用意されていて、ランプには右ヒンジのドアもある。車体全周に増加装甲をボルト止め可能。車体前部両側に４連装発煙弾発射機を装備する。車体後部はユニット化されていて、隊員室（人員輸送ユニット）の他、電子機器冷却装置完備の通信ユニットや、地雷敷設装置などの牽引装置が付いた施設ユニットが用意されている。全長8.4m、全幅2.5m、全高2.9m、重量20トン。エンジンは水冷直列６気筒ディーゼル（507馬力）。乗員定数11名。参考：月刊軍事研究5,’17、3,’17、月刊丸4,’17、月刊JWings5,’17、3,’17、MAMOR vol.127、vol.122

＜装輪装甲車（改）三菱重工試作車＞：16式機動戦闘車の砲塔を外し、車体中央から後部を１段かさ上げして隊員室に改造している。O-1（全長7.46m、全幅2.98m、車体高2.24m、重量20トン、乗車定員11名）とO-2（提案要求書の制限に合わせて全幅を2.73mに縮め、機関系を重装輪車両と共通化したもの。他はO-1と同じ）の２種を用意した。参考：月刊軍事研究5,’17

＜装輪用道路マット敷設車＞：陸上自衛隊の施設科車両。3.5トントラックの後部荷台にボビン装置を搭載したもので、後進しながら細長い板を繋げた道路マットを軟弱地盤に敷いていく。参考：月刊軍事研究8,’17

＜ソウル＞：821（インチョン級バッチ２フリゲート）または952（蔚山級フリゲート）を参照。

＜ソウル級＞：レバノン海軍 LCT、Sour級。フランスのエディック級を導入したものである。装甲車８両と人員96名を輸送可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソウル航空ショー＞：ADEXを参照。

＜双腕作業機＞：陸上自衛隊の施設機材。日立建機のASTACOを導入したものである。車体前部左右にアームを１本ずつ備えた装軌式作業車両で、アーム先端に様々なアタッチメントを取り付けて瓦礫撤去などを効率的に行える。災害派遣用に2015年度予算で２両を導入予定で、2016年に施設学校に納入された。参考：月刊軍事研究11,’14、月刊JWings4,’15、MAMOR vol.113

＜ソエ・ユ・ソンリョン＞：993（イージス艦）を参照。

＜蘇澳＞：台湾海軍キッド級ミサイル駆逐艦スーオウ（Suao）。元はアメリカ海軍キッド級ミサイル駆逐艦 DDG-994キャラハンである。2006年就役。2012年1月18日、台湾北東沖で洋上訓練を実施。2013年10月16日、与那国島南方でキッド級ミサイル駆逐艦馬公と共にスタンダードSM-2艦対空ミサイル発射訓練を実施。2018年4月13日、蘇澳基地沖で着上陸阻止演習に参加。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船4,’12、1,’14、8,’18

＜ソーカット＞：Saw cut。ノコギリで切れ込みを入れたような構造で、超音速機の主翼前縁に付けて渦を発生させ、前縁剥離渦を安定させることにより主翼表面気流が翼端部で淀むのを防ぎ、翼端失速を防止する。大迎え角時には切れ込みから空気が翼下面から上面に向かって吹き出し、空力的なフェンスを作り出すので、重量や抗力を生むフェンス構造を取り付ける必要が無い。ライトニング戦闘機やミラージュⅢ戦闘機に採用された。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings6,’06、戦闘機のしくみ

＜ソーグッド・マーシャル＞：T-AO-211（給油艦）を参照。

＜ソーシー＞：PG-65（コルベット）を参照。

＜ソース作戦＞：第２次大戦時にイギリスが行った、Ｘ潜航艇によるドイツ海軍戦艦ティルピッツ攻撃作戦。1943年9月11-12日、X5-X10の６隻が潜水艦に搭載され、スコットランドのケアボーン入り江を出撃、ノルウェーに停泊中のティルピッツを攻撃に向かった。途中でX8-X10が失われ、X5-X7の３隻が9月25日に目的地に到着、X7がティルピッツの艦底に８トンの爆雷を仕掛けて炸裂させた。ティルピッツは船体の肋材が損傷、砲塔４基が使用不能になり、推進軸が歪むなど大損害を受けている。爆発の巻き添えでX6とX7が破壊され、乗員６名が捕虜になった。X6艇長ドナルド・キャメロン大尉とX7艇長バジル・プレイス大尉にビクトリア・クロス勲章が授与されている。後にドイツがX6とX7を引き揚げ、これらを参考にしてネガーなどの特殊潜航艇を開発した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊丸3,’90、Ｕボート入門、月刊軍事研究1,’15

＜ソーズマン＞：シンガポール海軍アーチャー級潜水艦２番艦Swordsman。元はスウェーデン海軍ヴェステルイェトランド級潜水艦ヴェステルイェトランドで、2010年10月20日に改装工事を完了して再進水式を行った。2012年12月31日にシンガポールのチャンギ海軍基地で受領式が行われ、2013年1月7日にチャンギ海軍基地に到着、同年に就役した。参考：月刊世界の艦船11,’11、3,’13、4,'20、月刊軍事研究7,’13

＜ソーズメン＞：VF-32（戦闘飛行隊）を参照。

＜ソーダーマン＞：T-AKR-317（輸送艦）を参照。

＜ソーダ水＞：アメリカ海軍が戦艦などにソーダ水配給所を設け、水代わりに配給していた。参考：月刊世界の艦船5,’13

＜ソーダ・マウンテン作戦＞：ポスト・イラク戦争でアメリカ軍などが2003年7月12-17日に行った、イラク全土での武装勢力掃討作戦Soda Mountain。旧政権幹部64人を含む678人を拘留し、多数の武器弾薬を押収した。本作戦名は総称であり、第４歩兵師団の実施した作戦名は、アイヴィー・サーペントである。参考：月刊軍事研究9,’04、12,’14

＜ソーティ＞：Sortie。出撃と訳されるが、延べ出撃機数といった感じである。航空作戦の量的尺度で、出撃機数と出撃回数の積。10機が10回出撃しても、20機が５回出撃しても100ソーティである。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ソートゥース＞：ドッグツースを参照。

＜ソード海岸＞：第２次大戦オーバーロード作戦時、上陸地点の一番東、オルヌ河河口のウィストルアムを中心とする地域に付けられたコードネーム。イギリス第３歩兵師団、第27機甲旅団、第13/18ハッサーズ（シャーマンDD装備）、イーストライディング・ヨーマンリー（シャーマンDD装備）、第79機甲師団第22ドラグーン・ガーズＡ中隊（シャーマン・クラブ装備）、同師団第５突撃工兵連隊第77・第79突撃工兵中隊（チャーチルAVRE装備）などが上陸した。ここにはドイツ軍の高さ15mの監視トーチカがあり、6月6日には押し寄せる大量の連合軍艦艇を一望していた筈である。参考：月刊PANZER12,’01、月刊丸3,’90、歴史群像4,’16

＜ソード級＞：江衛Ⅱ型フリゲート（パキスタン海軍）を参照。

＜ソードシップ＞：フランスのDCN社がコンセプトを発表したステルス駆逐艦、Swordship。三胴船で、形状を工夫すると共に複合材を多用し、高いステルス性を持つ。全長145m、幅33.7m、吃水5.6m、満載排水量5300トン。主機は出力45MWのガスタービン発電によるウォータージェット（60345馬力ガスタービン１基＋13410馬力ディーゼル４基の発電で56322馬力モーターを駆動、ダクテッド・プロペラ２基で推進？）だが、静粛性が求められる際には燃料電池を使用する。最大速力30ノット。兵装は３砲身155mm砲または格納式155mm単装砲２門、48セルVLS、機関砲２門などで、レーダーはＳバンド・Ｘバンド多機能レーダーや水平線以遠捜索用短波レーダーなど。ヘリ１機と無人機３機、無人水上艇２隻を搭載する。乗員40名。参考：月刊軍事研究2,’07、月刊世界の艦船7,’11

＜ソードフィッシュ＞：Mk18Mod1（UUV）またはN61（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはSS-193（新Ｓ型潜水艦グループ２）またはSSN-579（スケート級攻撃原潜）を参照。

＜ソードフィッシュ艦上攻撃機シリーズ＞：イギリス海軍艦上攻撃機Swordfish（メカジキ）。多彩な兵装を搭載できるのでストリングバッグ（買い物バッグ）とも呼ばれている。イギリス航空省が艦隊航空隊用雷撃・観測・偵察機として発出した仕様書S.9/30に応じてフェアリー社が開発し、1933年3月に原型機（初号機）TSRⅠ（Ｔは雷撃、Ｓは攻撃、Ｒは偵察の略）が初飛行、1934年に試作機（２号機）のTSRⅡが製作され、1935年に採用されて1936年2月から配備された。フェアリー社が1940年初めまでに692機（689機？）を生産、以降はブラックバーン社が量産し、1944年12月までに各型計2392機（2391機？）が生産され、ヨーロッパ方面に有力な敵対海軍航空戦力が無かったこともあってレーダー搭載などのアップグレードを受けつつ第２次大戦を戦い抜き、1953年まで使用された。参考：月刊JWings3,’03、8,’17、3,’15、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸8,’87、図解世界の軍用機史

　＜ソードフィッシュＭｋ．Ⅰ＞：複葉機で、車輪を外して双フロートを取り付ければ水上機としても使用可能。主翼は浅い後退角が付いており、付け根で後方に折り畳める。上翼外翼部前縁にハンドレイ・ページ式自動スラットを持つ。降着装置は尾輪式固定脚。コクピットは開放式。全長10.87m、全幅13.72m、全高3.76m、自重2134kg、全備重量3410kg。翼面積56.39平方メートル。エンジンはブリストル製ペガサスⅢM.3空冷星型９気筒レシプロ（690馬力）単発、プロペラは金属製固定ピッチ３翅、最大速度222km、上昇限度5867m、航続距離879km（満載時）。固定武装は機首右の7.7mm機銃１丁（外しているものも多い）と後部シートの7.7mm旋回機銃１丁。胴体下面に18インチ（457mm）魚雷１発または680kgまでの爆弾・爆雷を、主翼下面に計230kgまでの爆弾を搭載可能。乗員３名（操縦士、航法偵察士、無線通信射撃手）。参考：月刊JWings8,’17、3,’03、図解世界の軍用機史

　＜ソードフィッシュＭｋ．Ⅱ＞：1941年からの改修型。下翼を強化して羽布張りから金属外皮に変更し、ロケットランチャー８基を装備した。フロートは取り付け不能となっている。生産途中でエンジンをペガサスMk.ⅩⅩⅩ（750馬力。690馬力？）に換装した。生産数1080機。参考：月刊JWings3,’03、イギリス航空母艦史

　＜ソードフィッシュＭｋ．Ⅲ＞：対潜哨戒機型。主任務が対潜作戦になったので、専用機にしたものである。魚雷搭載ラックを廃止し、主脚の間にASV Mk.ⅩⅠレーダーを装備した。生産数420機。参考：月刊JWings3,’03

＜ソードフィッシュ艦上攻撃機・海外シリーズ＞

　＜ソードフィッシュ（カナダ）＞：カナダ海軍攻撃機。寒冷地任務のため、多くが密閉式コクピットを装備する。Mk.Ⅱ99機とMk.Ⅲ６機が引き渡された。参考：月刊JWings3,’03

＜ソードフィッシュ高速潜水艦＞：イギリス海軍実験高速潜水艦Swordfish。1913年度計画で建造された試作水上高速潜水艦で、蒸気タービンを搭載し、水上速力は18ノットだった。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ソードフィッシュ水中翼ミサイル艇＞：イタリアのアリナビ社（ボーイング社の子会社）が建造した水中翼ミサイル艇。PGH-2タカムカリの改良型で、ボーイング社からライセンス製造権を得て開発した。排水量60トン。公試時速力45ノット。兵装はオットー・メララ社製76mm単装砲１門（前甲板）、オトマート艦対艦ミサイル単装発射筒２基（後甲板両舷に外舷前方向き）。1973年5月に進水し、イタリア海軍がテストした。参考：月刊軍事研究12,’73、ザ・マーチ33号

＜ソードフィッシュ洋上哨戒機＞：サーブ・インターナショナルABが開発している洋上哨戒機。サーブ2000またはボンバルディア製グローバル6000またはQ400に、グローバルアイAEW&Cと同じセレックス社製ES7500Eシー・スプレー海洋監視レーダー、Star製SAFIR380-HD電子光学センサー、ソノブイランチャー、MADブームなどを積んだもので、主翼下パイロンにMU90短魚雷、RBS15EF空対艦ミサイル、SKAD救命ポッドなどを搭載できる。地上監視にも使用可能。グローバル6000なら主翼下パイロン４箇所、搭載短魚雷数６発、ソノブイ搭載数200本以上、哨戒時間11.5時間（200海里進出）／6.3-8時間（1000海里進出）、乗員２名＋操作員５名。参考：月刊航空ファン7,’18、月刊軍事研究1,’17、月刊JWings5,’16

＜ソーナーケーブルカッターカートリッジ部＞：自衛隊の機器。SH-60Kに搭載されている。伊藤忠アビエーションまたは日本電気が受注している。参考：月刊軍事研究2,’12、6,’13

＜ソーナー着脱用支援器材（艦上用）＞：自衛隊の機器。ゴオダ工業製。参考：月刊軍事研究9,’14

＜ソーナー補助表示器材＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜ソーナー模擬装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ソーニークロフトＶ級改造型護衛駆逐艦＞：イギリス海軍改造型護衛駆逐艦Thornycroft Ｖ級。全長95.2m、幅9.3m、吃水3.3m、基準排水量1120トン。主機は蒸気タービン、出力30000馬力、速力35ノット。兵装は10.2cm連装砲２基。D91ビセロイが1918年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ソーニークロフトＶ級改造型長距離護衛艦＞：イギリス海軍改造型長距離護衛艦Thornycroft Ｖ級。全長95.2m、幅9.3m、吃水3.3m、基準排水量1120トン。主機は蒸気タービン、出力20000馬力、速力25ノット。兵装は10.2cm単装砲２門、7.6cm単装砲１門、533mm魚雷３連装発射管１基。D92ヴィスカウントが1918年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ソーニークロフトＷ級＞：イギリス海軍改造型護衛駆逐艦Thornycroft Ｗ級。全長95.2m、幅9.3m、吃水3.3m、基準排水量1120トン。主機は蒸気タービン、出力30000馬力、速力35ノット。兵装は10.2cm連装砲２基（L49は２ポンド単装砲１門も装備）。D98ウォルゼイ、L49ウールストンの２隻が1918年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ソーニークロフト改Ｗ級＞：イギリス海軍改造型短距離護衛艦Thornycroft改Ｗ級。全長95.2m、幅9.3m、吃水3.3m、基準排水量1140トン。主機は蒸気タービン、出力30000馬力、速力35ノット。兵装は12cm単装砲３門、7.6cm単装砲１門、533mm魚雷３連装発射管１基。D67ウィシャートとD89ウィッチの２隻が1920-24年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ソーニャ型＞：ロシア海軍12650型／1265M型沿岸掃海艇Sonya型。船体は木製で、GRP被覆が施されている。GKT-2係維掃海具、AT-5音響掃海具、TEM-3磁気掃海具などを装備する。全長48m、幅6.5m、吃水1.9m、満載排水量457トン。主機はディーゼル、速力15ノット。兵装は30mm連装機関砲または30m多砲身機関砲２基、25mm連装機関砲２基。AK630CIWSを４基搭載するものや、9M32ストレラ２艦対空ミサイル４連装発射機２基を装備するものもある。BT-115、BT-212、BT-215、BT-232、BT-256、艦番号553など80隻以上が1973-95年に竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’15、2,’17、8,'82増刊、10,'15、10,’13、11,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソーニャ型・海外シリーズ＞

　＜ソーニャ級（シリア海軍）＞：シリア海軍掃海艇Sonya級。兵装はAK630CIWS２基、9K32艦対空ミサイル４連装発射機２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ソーニャ型（ブルガリア海軍）＞：ブルガリア海軍掃海艇、別名Briz級。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ゾーパルク＞：IL-219（レーダーシステム）を参照。

＜ソーフィッシュ＞：SS-276（潜水艦）を参照。

＜ソーフライ＞：R-29（SLBM）を参照。

＜ソーフレイ＞：DD-465（駆逐艦）を参照。

＜ソーブレジーツェルニイ＞：531（コルベット）を参照。

＜ソーム＞：フランス海軍マルヌ級一等通報艦Somme。第２次大戦初期はビスケー湾で対潜哨戒任務に就いていた。フランス降伏後にモロッコのポール・リオーティで武装解除され、1941年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ソーラ＞：九七式輸送機（日本陸軍）を参照。

＜ソーラー＞：DE-221（護衛駆逐艦）を参照。

＜ソーリ＞：SS-189（潜水艦）を参照。

＜ソールズベリー級＞：61型（フリゲート）を参照。

＜ソールズベリ・スクリーン＞：Salisbury Screen。RAMの一種で、レーダー波を干渉させて反射波を減衰させるものである。外板からレーダー波の４分の１波長だけ離して抵抗皮膜（スクリーン）を張っておくと、皮膜表面で反射したレーダー波と、皮膜を透過して機体表面で跳ね返ったレーダー波がちょうど逆位相になり、互いに打ち消し合う。皮膜と機体との間に比誘電率εの誘電体をスペーサーとして挟み込むと、誘電体内部のレーダー波波長がεの２乗根の逆数倍になるため、皮膜から機体までの距離をεの２乗根の逆数倍だけ短くすることができる。航空機用として一般的なセンチメートル波レーダーに対抗するためにはセンチメートル単位で塗りつけないといけないので重くなる上、特定波長にしか効果が無い。参考：レーダの基礎、歴史群像2,’01

＜ソーレイ＞：DD-707（駆逐艦）を参照。

＜ゾーン＞：装薬量を表す単位。短い射程に相当する方から順にゾーン１、ゾーン２…と称する。参考：兵器最先端５

＜ソーン＞：DD-505（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-647（リバモア級駆逐艦）またはDD-988（駆逐艦）またはN11（Ｔ級潜水艦第１グループ）を参照。

＜ソーンダーズ・ロウ社＞：イギリスの航空機会社。1959年8月、ヘリ部門とホバークラフト部門がウエストランド社に買収された。参考：月刊JWings4,’20

＜ソーントン＞：AVD-11（水上機母艦）を参照。

＜ソーンバック＞：SS-418（潜水艦）を参照。

＜ソーンハム＞：M2773（内水掃海艇）を参照。

＜ソーンヒル＞：DE-195（護衛駆逐艦）を参照。

＜ソーンブロー＞：K574（フリゲート）を参照。

＜ソカ＞：914（潜水艦）を参照。

＜疎開（ドイツ）＞：1940年10月、ベルリンとハンブルクの14歳以下の児童を疎開させる勧告が出され、1941年から実施された。1943年初めからは都市住民に対する疎開を行い、軍務に従事しない65歳以上及び15歳以下の650万名が対象となっている。終戦までに1200万名が疎開対象者となったが、大部分は任意だったため、半分くらいが疎開するに留まった。参考：歴史群像10,’10

＜疎開（日本）＞：疎開区域外に職場を持つ人員、疎開区域に居住する必要の少ない人員、学童を地方に転出させる人員疎開、学校や工場を統合したり地方に移転させたりする施設疎開、防空・防火のため建物を破壊・撤去して空き地を作る建物疎開、不必要な家財道具を地方の親類や知人に預ける物資疎開がある。軍の部隊や施設を地方に移転させるのは疎開でなく転営という。法的根拠は昭和16年12月20日制定の改正防空法で、主務大臣（内務大臣など）や地方長官が防空上必要と認めた場合に、一定の区域を指定して、建築物に対して防火改修、建築禁止、除去、改築などを命令することが可能となった。昭和18年10月31の防空法改正で、更に人員疎開を行えるようになった。昭和19年1月26日に東京と名古屋が疎開指定を受け、同年中に大阪、横浜、川崎、神戸、門司、小倉、八幡、呉、佐世保、立川、横須賀、仙台、四日市、広島、長崎、室蘭、鹿児島などが指定され、昭和20年には更に増加している。昭和19年8月に国民学校初等科児童の集団疎開（学童疎開）が始まり、全国で50万人が地方に疎開した。昭和19年7月25日、横須賀市に建物疎開の指示が出され、鎮守府前や密集地の建物が破壊された。10月2日、横須賀市に学童疎開の指示が出され、12月30日までに20校5702人が集団疎開、10264人が縁故疎開で市外に転出した。空襲と疎開により、東京の人口は開戦時の735万人から終戦時には347万人と半減している。参考：戦時用語の基礎知識、写真版東京大空襲の記録、軍医サンよもやま物語、月刊世界の艦船11,’18

＜ソカタ＞：フランスの航空機会社SOCATA（Societe de Construction d’Avions de Tourisme et d’Affaires、ツーリズム・ビジネス航空機製作社）。モラン・ソルニエ社がシュド・アビアシオンに買収されて社名変更したものである。1970年、アエロスパシアル社の傘下となった。2000年、EADSソカタになった。2009年、ダエヤに買収されてダエヤ－ソカタになった。参考：月刊JWings1,’15

＜ソキ車＞：九五式装甲軌道車または九八式軽戦車ファミリー（自走対空機関砲）または試製一式装軌貨車または試製九八式装軌自動貨車を参照。

＜ソキ車（いすゞ製）＞：いすゞ自動車の試作兵員輸送車、社内名称CA40。エンジンはDB51Bディーゼル。昭和16年5月に開発し、改良型の九八式装甲貨車が採用された。参考：月刊PANZER8,’05

＜ソキ砲＞：日本陸軍の高射機関砲。九八式機関砲の砲身をラインメタル式砲架に搭載したもので、昭和12年から開発され、重量がかさむために一時中断していたが、昭和18年に防空司令部の要求で開発を再開、昭和19年2月に完成した。戦闘重量550kg。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜ソキ砲Ⅳ型＞：四式基筒双連二十粍高射機関砲を参照。

＜ソキル－２＞：ウクライナのキエフ・デザイン・ビューロー社が開発したUAV。発射筒に収容し、装甲車の砲塔などに装着して射出する。折り畳み式の主翼と尾翼を持ち、電動モーターでプッシャー・プロペラを駆動して推進、GPSによる自律飛行または遠隔操作で飛翔する。巡航速度100-120km、航続時間２時間。参考：月刊軍事研究6,’11

＜ソクウ＞：W-3A（ヘリ）を参照。

＜側衛（日本陸軍）＞：側敵行時に主力縦隊と併進して側敵行動を掩護し、必要なら主力縦隊行進路側方に陣地を占領して安全に通過できるようにし、非常の場合には敵を攻撃して抑留し主力縦隊への近接を防ぐのが主任務で、どんな場合でも主力縦隊を戦わせないことが重要である。主力縦隊と併進する場合は、側兵などにより側面を警戒し、必要に応じ側衛前兵や側衛後兵などを派出して正面背後も警戒する。前進行や退却行の場合でも、縦隊の側方を警戒する必要があり、特に隠蔽地や有力な敵騎兵・機甲部隊などが存在する場合は注意。前進行より退却行で必要性が高く、退却行では騎兵は特に敵の迂回行動を捜索するようにする。参考：作戦要務令

＜測遠機＞：測距器を参照。

＜即応機動連隊＞：陸上自衛隊の連隊、略称RDR（Rapid Deployment Regiment）。平成26年度以降に係る防衛計画の大綱で示された統合機動防衛力に基づいて新編された。有事になった後で師団・旅団隷下の部隊から戦力を抽出して連隊戦闘団を編成し、各駐屯地から集結させるのは時間がかかるので、予め即応編成の連隊を作って１つの駐屯地に置いておき、命令一下直ちに戦闘に入るというコンセプトである。16式機動戦闘車や96式装輪装甲車を中心とする自動車化部隊で、道路網、ヘリ、C-2輸送機で機動展開する。定員1000名。連隊本部、本部管理中隊（連隊本部班、情報小隊、対戦車小隊、高射小隊、施設作業小隊、通信小隊、衛生小隊、補給小隊の５職種７個小隊。狙撃班もある。中距離多目的誘導弾、93式近距離地対空誘導弾、70式地雷原爆破装置、75式装甲ドーザ装備）、第１・第２・第３中隊（普通科中隊。96式装輪装甲車配備）、機動戦闘車隊（隊長は二等陸佐。隊本部／本部付隊、第１・第２機動戦闘車中隊。16式機動戦闘車25両配備）、火力支援中隊（120mm迫撃砲RT、偵察観測用無人機装備。運用は特科隊員で、海空自の火力誘導も行う）からなり、第42即応機動連隊では重迫撃砲中隊（運用は普通科隊員）がプラスされている。師団・旅団隷下の高射部隊に配備されていた93式近距離地対空誘導弾を本部管理中隊に配備するなど、多様な戦闘に即応できるようにしてある。敵の侵攻に際しては、まず先遣部隊がヘリで空輸され（即応展開）、次いでC-2輸送機や路上機動により本隊が展開（一次展開）し、機動師団・旅団他部隊の到着（二次展開）や増援（三次展開）を待つ。機動師団・旅団の隷下に１個連隊が置かれる予定で、2017年度に第14旅団第15普通科連隊が最初に改編され、第８師団第42普通科連隊が続いた。2018年度に第６師団第22普通科連隊、第11旅団第10普通科連隊が改編され、以降第２師団、第５旅団、第12旅団も改編を受ける。2022年3月17日、第２師団第３普通科連隊が第３即応機動連隊に改編され、５番目の即応機動連隊になった。2023年3月16日、第５旅団第６普通科連隊が第６即応機動連隊に改編され、６番目の即応機動連隊になった。参考：月刊軍事研究2,’17、6,’18、9,’18、11,’18、月刊PANZER6,’18、8,’18、月刊JWings2,’18、MAMOR vol.140、朝雲

＜即応近代化師団／旅団＞：平成17年度以降に係る防衛計画の大綱で示された陸上自衛隊の師団／旅団。重装備を効率化し、即応性と機動性を重視して編成配置することにより、ゲリラやコマンドーといった新たな脅威や多様な事態に対し、迅速かつ効率的に対処する。本州以南にある７個師団４個旅団が対象で、特に第１師団と第３師団は都市部へのゲリラ・コマンドー攻撃や大規模災害に対応する政経中枢タイプ、第15旅団は離島作戦に対応した離島タイプとして編成される。2005年度末に第３・第６師団と第14旅団、2007年度末に第13旅団、2009年度末に第９師団が改編され、2009年度末に第15旅団が新編された。参考：月刊軍事研究8,’11

＜即応展開旅団１＞：DRB1を参照。

＜即応予備役船隊＞：アメリカ海軍の海上輸送力を構成する部隊の１つ、略称RRF（Ready Reserve Force）。車両輸送船、バラ積み輸送船、クレーン船、タンカー、重量物運搬船、航空整備船、部隊支援船から構成され、4-20日で出撃できる。湾岸戦争ではRO-RO船の不足や旧式船が多いことなどからあまり役に立たなかった。参考：月刊軍事研究5,’03、1,’00

＜即応予備自衛官＞：陸上自衛隊が1997年に導入した制度で、自衛隊法第５章第６節第２款（第75条の2-8）に規定されている。１年以上勤務して退職１年未満の元陸上自衛官か、陸自予備自衛官として採用されている元陸上自衛官が対象で、年齢制限があり、士長・１士は18歳以上32歳未満（2018年10月1日以降は50歳未満）、２曹・３曹は50歳未満、１曹から２尉は51歳未満まで。2017年現在の員数は8075名、身分は非常勤の特別職国家公務員で、防衛省職員の定員外である。有事立ち上がり戦力（前線で戦う）として常備自衛官と同様の練度が求められるため、普段は社会人として生活しつつ年間30日の招集訓練に応じる。階級は自衛隊退職時と同じで、前に即応予備が付き、即応予備２等陸尉から即応予備１等陸士までの９階級に分かれる。所属は各地の地方協力本部で、毎月の手当（即応予備自衛官手当）と訓練時の日当（訓練召集手当）、１任期３年ごとの勤続報奨金が支給される。また、普段勤務している企業にも雇用企業給付金が出される。平時から部隊を指定されており、招集（防衛招集、国民保護等招集、治安招集、災害等招集）に応じて部隊を充足する。以前は招集命令書受領後５日経過しないと自衛官として出頭できなかったが、2016年8月に自衛隊法施行令が改正され、有事や大災害に際しては招集命令書の受領直後から自衛官として活動できるようになった。また、2019年に自衛隊未経験者の一般公募予備自衛官も即応予備自衛官に任官できるようになった。この際は前線任務に必要な技能を得るため、コア普通科連隊で2-3年間に40日間の基本特技教育訓練を受け、基本軽火器または基本迫撃砲の特技を取得する。2011年3月16日、東日本大震災に対応するため、訓練以外で初めて招集され、東北６県の地本からの招集者は概ね１週間交替、北部・東部・中部・西部方面管内の招集者は１回限りの招集で災害派遣に参加した。2016年4月17日、熊本地震に対応するため招集が決定し、4月23日から5月2日まで162名が被災者を支援した。2018年7月11日、西日本豪雨で300名が招集された。9月6日に発生した北海道胆振東部地震で9月7日に招集命令が出され、9月8日から１日最大200名規模で活動した。10月1日に防衛省令を改正し、士長以下の採用年齢上限を50歳未満に引き上げた。2019年10月の台風19号・21号被害で招集された（通算５回目）。2020年7月4日に発生した九州南部豪雨で招集命令が出された（通算６回目）。参考：MOLIBITO Vol.3、自衛隊法、月刊軍事研究1,’01、月刊世界の艦船6,’11、MAMOR vol.133、vol.52、vol.105、vol.114、vol.167、月刊丸8,’11、月刊JWings7,’15、9,'20、月刊航空ファン7,’16、朝雲

＜即応予備自衛官招集訓練＞：即応予備自衛官を招集して行う訓練。毎年、小火器射撃や格闘訓練など各個訓練を16日間、班から中隊までの部隊訓練を14日間の計30日間受けなければならない。参考：MAMOR vol.133

＜測角器＞：敵の位置を水平角及び高低角で標定するための機械。参考：日本陸軍兵器資料集

＜測距器＞：距離を測定する装置。測遠機、測距儀ともいう。スタジアメトリック式、基線長式、測距レーダー、レーザー測距器などがある。参考：月刊JWings2,’00

＜測距儀＞：測距器を参照。

＜測距経緯儀＞：日本陸軍の測量器材。大正14年に試作され、工兵部隊に配備された。参考：工兵入門

＜測距銃＞：スポッティング・ライフルを参照。

＜測距レーダー＞：目標までの距離を測定するレーダーのこと。パルス・レーダーの一種で、目標に向けパルス電波を発し、反射波を受信、その経過時間から距離を測る。つまり送信から受信までの経過時間を２で割り、光の速さを掛ければ良い。具体的には、経過時間１マイクロ秒なら150m、１ミリ秒なら150kmになる。送信波形に時間的局在性を持たせる必要があるため、単一正弦波ではなく、AM変調やFM変調をかけた送信波を用いる。参考：レーダシステムの基礎理論、レーダの基礎

＜測高レーダー＞：目標の高度を測定するためのレーダー、略称HFR。高角測定レーダーともいう。早期警戒レーダー（二次元レーダー）と組み合わせて使用され、二次元レーダーで探知した目標の方にアンテナまたはレーダービームを向け、垂直ビーム幅の狭いファンビームを垂直に振って目標を捉え、その時の仰角から目標高度を測定する。機械的にアンテナを振る方式だと高速スキャンが難しいので、ロビンソン・スキャナや受信マルチビーム方式のような工夫を凝らしたが、多目標同時測高能力や連続測高能力に欠けるため、現在では水平・垂直情報を同時に得られる三次元レーダーに換えられている。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊エアワールド4,’00、月刊丸3,’90、空軍

＜即時全地球規模攻撃＞：PGSを参照。

＜即時待機＞：バトルステーションを参照。

＜測斜水準機＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜速射砲＞：Rapid Fire Gun。発射速度が毎分40発以上の砲のこと。黒色火薬時代は速射すると前が見えなくなるので実用化に無理があり、無煙火薬の誕生に伴い開発された。当初は小口径砲が速射化されて機関砲になり、次いで尾栓を改良して中口径砲が速射砲となり日清戦争で活躍している。大口径砲では装弾・装填機構も含めて高速化する必要があり、動力作動機構を持つ砲塔形式に発展した。参考：月刊世界の艦船4,’18、8,’82増刊

＜速射砲（日本軍）＞：日露戦争の頃までは復座機を持つ大砲のことをこう呼んだ。参考：歴史群像8,’98

＜即時要攻撃目標＞：アメリカ軍用語、略称TST（Time Sensitive Targets）。即時攻撃を要する重要目標として統合軍司令官が認定した目標のことで、急遽発見された敵主要指導者、大量破壊兵器を積んで近づいてくる船舶、友軍重要施設に接近してくる敵航空機、弾道ミサイル用TELなど、人間を含む移動可能な重要目標（固定目標は逃げないので即時でなくても破壊できる）であることから、高価値移動目標や重要移動目標と意訳される。高速移動したり隠蔽を図ったりする目標の位置を24時間リアルタイムで捕捉し続け、重要目標を確実に選定して攻撃計画を迅速に策定し、目標を確実に破壊・無力化して戦果確認を行う必要があり、高いISR能力、ターゲッティング能力、攻撃能力が求められる。参考：月刊軍事研究8,’18、1,’19

＜側視レーダー＞：画像レーダーの１つ、略称SLAR（Side-Looking Airborne Radar）またはSLR（Side Looking Radar）。合成開口レーダーとの対比で実開口レーダー（Real aperture radar）とも呼ばれる。高速飛翔体の長軸方向に長い直線アレイ・アンテナを装着し、飛行方向（アジマス方向）に対して側下方（スラントレンジ方向）にパルス・レーダー波を放射、受信した反射波を送信パルスごとにアジマス方向へと並べていくと、二次元のレーダー画像として取り出せるので、フィルム、CRT、デジタル信号を介して記録しておき、光学的像変換を施して視覚画像を再現する。飛ぶ位置を変えれば電波の照射方向を自由に変更できるため、可視光（撮影時の太陽位置が平地で水平線から30度付近、山岳で40度付近に限定され、地形図では水平線から45度の北西に太陽があるものとして描写しないと立体感が出ない）に比べて鮮明な立体地形映像を得ることが可能である。ドップラー効果を利用して移動目標のみを表示することもできる。アンテナは機体のピッチ・ヨー・ロールに対して安定化し、独立して目標方向に向けられるようにしておく必要があり、撮影中の機体運動変化に備えてそれを補正する信号処理回路も搭載しているが、機体を急激に動かすと補正しきれずに像がぶれる。飛行方向に垂直な方向（グランドレンジ方向）の解像度はパルス幅に比例するので、パルス圧縮技術を使えば解像度を向上させることができる。また、レーダー波入射角の正弦に反比例するので、機体に近いほど解像度が悪くなり、真下（入射角90度）では解像度が無限大になってしまって何も見えなくなる。よって、グランドレンジ方向にある程度離れた場所でないと観測できない（よって側視になる）が、敵の領域内に入らなくても横目で地上を偵察できるので便利。機体から離れると解像度は良くなるが、反射波の受信信号強度が弱くなって画像強度が減少するので、レーダー方程式を使用したラジオメトリック補正により一様な強度の画像を取得する。アジマス方向の解像度はレーダー波のビーム幅を絞ることで向上し、ビーム幅は波長とスラントレンジに比例しアンテナ長に反比例するので、長いアンテナを使えばビーム幅が狭くなって高い解像度を得られるが、大型航空機に長大なアンテナを積んでも解像度は10mから100m単位（波長0.25mでアンテナ長10mだとスラントレンジ10kmでアジマス解像度250m）で、衛星軌道から同じ解像度を得ようとすると長さ数キロメートルのアンテナを積まねばならず、合成開口レーダーが実用化されることとなった。参考：レーダの基礎、スパイ機、A-5Aビジランティ、レーダシステムの基礎理論、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、11,’19

＜測深儀＞：海中に音波を発振し、海底からの反射波を受信して水深を計測、連続的に記録する装置のことで、音響測深儀ともいう。シングルビームだと真下の水深しか分からないが、マルチビームなら海底地形も分かる。座礁防止装置として浅海アラームを追加したものもあり、軍民問わず幅広い艦船に採用されている。参考：月刊世界の艦船5,’91、1,’17

＜測深儀（日本海軍）＞：日本海軍の深度測定ソナー。海底地質も分かる。運用科・操舵長の担当である。参考：続潜水艦気質よもやま物語

＜束草＞：778（コルベット）を参照。

＜ソクチョ＞：778（コルベット）を参照。

＜測的＞：目標の針路と速力を測ること。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜測天＞：日本海軍戸島型敷設特務艇。大正4年、雑役船測天丸として竣工した。後に敷設特務艇に艦種変更され、測天と改称された。太平洋戦争前に退役している。参考：月刊モデルアート9,’15増刊、小艦艇入門

＜測天＞：日本海軍測天型敷設艇。昭和13年12月28日竣工。太平洋戦争開戦時は馬公防備隊所属で、馬公付近で船団護衛を行った。昭和18年7月4日、ソロモンのキエタ付近で座礁した。昭和19年3月、佐世保からサイパンに進出し、パラオ方面で機雷敷設と船団護衛を実施。11月（7月？）25日、パラオ諸島付近で艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜測天型＞：日本海軍敷設艇Sokuten型。夏島型がベースで、対潜兵装を強化して汎用性を増した。夏島型より基準排水量がかなり大きいのは、排水量の計測基準が改正されたためである。艦橋を前にずらして船首楼を艦橋後面まで延長した。後部マスト両舷には機雷搭載用スキッドビームがある。昭和12年度計画（マル三計画）艇では連射できた方が対潜戦で有利とみて40mm機関砲を装備したが、潜水艦の内殻を破壊できず、昭和14年度計画（マル四計画）艇の平島以降は８サンチ高角砲に換装したため、平島型とも呼ばれる。網代は戦時量産に向けた簡略化を図っており、網代型と別分類することもある。水線長73.3m（74.74m？）、最大幅7.85m、深さ4.6m、吃水2.6m、基準排水量720トン、公試排水量750トン。主機はマ式三型ディーゼル２基、出力3600馬力（５番艦浮島まで）／3500馬力（６番艦平島以降）、２軸推進、速力20ノット、航続距離4000海里（14ノット）。兵装は毘式四〇ミリ連装機銃１基（船首楼甲板。５番艦浮島まで）／四〇口径三年式八サンチ高射砲１門（６番艦平島以降）、九三式一三ミリ連装機銃１基（後甲板機銃台。網代は無し）、爆雷投射機２基、機雷敷設軌条２条。機雷120個（前部機雷庫20個、後部機雷庫60個、露天搭載40個）または防潜網２組または捕獲網８組を搭載する。マル三計画５隻、マル四計画で９隻の予算が認められ、測天、白神、成生、巨済、浮島、平島、澎湖、石埼、鷹島、済州、新井埼、由利島、怒和島、前島、網代が昭和13-19年に竣工した。太平洋戦争中に一三号または二二号電探を装備している。海自えりも型敷設艇のベースになった。参考：小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船5,’91、11,’13、月刊モデルアート9,’15増刊

＜速度（航空機）＞：対気速度または対地速度を参照。

＜速度性能（回転翼機）＞：円板荷重やソリディティを小さくすると向上する。参考：月刊JWings10,’19

＜速度超過警報装置＞：航空機の警報装置Overspeed Warning。最大運用限界速度／最大運用限界マッハ数を超えた際に警告する。対気速度計に限界速度を指示する指針（バーバー・ボール）、マッハ計に赤色のマークが付いていて、超過を視認できる他、対気速度で６ノット・マッハ数で0.01オーバーすると音響で警告する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜速度範囲＞：Speed range。失速速度から水平最大速度までの範囲のこと。広いほど速度性能が良好である。失速速度を低くするには翼面積が大きい方が良いが、最大速度を速くするには翼面積が小さい方が良いので、どのあたりで妥協するかが設計者の腕の見せ所になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜速度不安定＞：Speed instability。速度を下げるためにスロットルを増加させ、速度を上げるためにスロットルを減少させなければならない状態のこと。高性能フラップを持つ航空機では、着陸進入などでフラップを使用した際に揚力係数が上がり、それの２乗に比例する誘導抗力係数も上昇するため、着陸進入角を大きくしようとして操縦桿を引くと速度が急激に下がってしまい、適切な速度減少のためにはスロットルを開かなければならない。こういった速度とスロットルの逆操作をバックサイド・オペレーション（Backside operation）と称する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜側面アレイ・ソナー＞：フランク・アレイ・ソナーを参照。

＜側面攻撃＞：攻撃を参照。

＜測量艦＞：海流、水温、水深などを測定し、海図を作成する艦のこと。参考：小艦艇入門

　＜測量艦（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。明治2年に兵部省が創設された時から、海軍の重要任務の１つは沿岸水路の測量であり、専用艦の必要性も叫ばれたが、予備艦や旧式艦が充てられ、艦種は制定されていなかった。大正6年に沿岸水路測量が終わり、海洋測量へと移行するにあたって専用艦が不可欠となったため、大正11年に特務艦の下の類別として艦種が制定された。ただ旧式艦の転用測量艦（大和型）がこの分類になっただけで、昭和5年に1600トン型測量艦（計画番号J-6）が要求されたものの予算が下りず、昭和12年度計画で漸く測量艦筑紫が建造され、昭和16年に竣工した。改マル五計画で筑紫改型（計画番号J-11c）を昭和22年に竣工させる予定だったが、起工前に計画中止となり、結局専用艦として建造されたのは筑紫のみだった。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊丸3,’14

＜測量艇（日本海軍）＞

　＜１０メートル型測量艇＞：全長10m、最大幅2.2m、排水量４トン。機関出力10-20馬力、速力７ノット。参考：小艦艇入門

　＜１２メートル型測量艇＞：全長12m、最大幅2.5m、排水量６トン。機関出力30馬力、速力７ノット。参考：小艦艇入門

　＜２０メートル型測量艇＞：全長20m、最大幅4.5m、排水量36トン。機関出力100馬力、速力9.7ノット。参考：小艦艇入門

＜測量手＞：陸上自衛隊の施設科隊員。主任務は測量で、トータルステーションを覗いて遠くに置いたプリズムの光の反射を観測し、高低差や距離を測定する。参考：月刊JWings9,’24

＜測量陸曹＞：陸上自衛隊の施設科隊員。測量だけでなく、施工計画の作成や工事の実施状況確認、現場管理者への助言なども行う。教育は施設学校での初級陸曹測量課程である。参考：MAMOR vol.130

＜速力＞：艦船の速さ。単位はノット。概ね機関出力の３乗根に比例するので、原速12ノットにおける機関出力に比べ、20ノットなら4.7倍くらい、30ノットなら15.6倍くらいの出力が必要になる。参考：月刊世界の艦船9,’24

＜速力（海上自衛隊）＞：区分は前進が微速（対水速力６ノット）、半速（９ノット）、原速（12ノット）、強速（15ノット）、第１戦速、第２戦速（21ノット）、第３戦速、第４戦速（27ノット）…、一杯、後進が最微速（３ノット）、微速、半速、原速、一杯で、号令詞は一軸推進なら前進原速、二軸推進なら両舷後進微速などとなる。区分に無い速力を出す時は、推進軸回転数を直接指示したりする。艦内哨戒配備では、当直に就く機関科員の人数の関係から機関出力２分の１全力が限界なので、その際に発揮できる速力が各種戦闘や戦術運動などを継続できる速力（ちなみに海自の作戦行動時は第２戦速21ノットが標準）以上になるよう設計する。もちろん、いざとなれば戦闘部署で全力発揮する。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、1,’14、8,’14、11,’14、1,’17

＜速力（日本海軍）＞：潜水艦の場合、原速力は12ノットで、２ノット増すごとに強速力、一戦速、二戦速、三戦速…となる。微調整は主機回転数の増減で行い、増加は黒一、黒二…、減少は赤一、赤二…、元に戻すのは赤黒無し、である。参考：続潜水艦気質よもやま物語、海軍こぼれ話

＜速力信号標＞：日本海軍と海上自衛隊が自艦の速力を示すために掲げる標識で、マークと呼ばれる。籠状のパイプ枠の上部に網を張ったもので、マストの左右に掲揚し、位置（高さ）で速力を示す。敵に速力を知られないよう、他の信号を出さずこれだけで速力を変えることもあるので、当直士官・信号員・見張員は前方艦のマークを常に気に掛けておく。夜間は見えないので、点滅速力信号灯を使う。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、5,’12、海軍兵学校よもやま物語

＜狙撃軍（ソ連陸軍、１９４２年）＞：方面軍隷下で、兵力20-25万名。トップは軍司令官（大将・中将）で、軍司令部は軍事会議と参謀機構からなる。隷下に狙撃師団3-4個と重砲兵旅団１個を置き、必要に応じて方面軍予備から砲兵・高射砲兵部隊、戦闘工兵大隊、後送病院隊2-3個、軽傷者野戦病院隊３個、伝染病患者病院隊２個、獣医病院２個、獣医保険病院隊1-2個が配属される。参考：月刊PANZER12,’13

＜狙撃手＞：スナイパーを参照。

＜狙撃銃＞：スナイパー・ライフルを参照。

＜狙撃銃＞：自衛隊の火工品。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究1,’17

＜狙撃銃用弾薬（試験用）＞：自衛隊の弾薬。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜狙撃兵＞：狙撃を主任務とする歩兵のこと。ロシア軍では革命当時の呼称を継承し、軽歩兵を狙撃兵（ストレルコーヴィフ）と称する。参考：兵器最先端５

＜狙撃砲＞：日本陸軍の37mm平射砲。歩兵用軽火砲として大正中期に開発され、制式化はされなかったが、シベリア出兵時には多数が歩兵連隊特殊砲隊に配備（１個小隊に２門）されており、満州事変にも一部が使用された。放列砲車重量175kg。俯仰角は高姿勢でマイナス22度からプラス20度、射界は左右５度ずつ。弾種は破甲榴弾、初速毎秒530m、最大射程5000m。発射速度毎分12発。十一年式平射歩兵砲の採用と共に徐々に歩兵部隊を退き、余った砲は後座長を300mm以下に抑え、撃発装置をピストル・グリップ式に変更、照準器を改良してルノー乙型戦車の備砲として使用した。一部八九式中戦車甲型にも搭載されているが、威力不足で九〇式五糎七戦車砲に換装されている。参考：月刊戦車マガジン10,’78、大砲入門、月刊PANZER8,’13

＜狙撃歩槍＞：中国語でスナイパー・ライフルのこと。阻撃歩槍とも書く。参考：月刊軍事研究5,’0

＜ソケ車＞：試製一式小型牽引車を参照。

＜ソコ＞：ユーゴスラビアの航空機会社Soko。元は1923年に創設されたイカルス社で、第２次大戦により工場が壊滅し、1946年にユーゴスラビア国営企業として再建、1950年に航空機製造拠点をベオグラードに移転したのを機に、航空機部門がPreduzeće Sokoとして独立した。その後ソコ航空機産業（Soko Vazduhoplovna Industrija, RO Vazduhoplovstvo）に改称し、ソコ522、J20クラグイ、G-2ガレブ練習機、J1ヤストレブ攻撃機、J22オラオ攻撃機、G-4スーパーガレブ練習・軽攻撃機を生産。ユーゴスラビア崩壊で本社所在地がセルビア共和国となり、航空機コンポーネントの生産にあたっている。参考：月刊JWings1,’15

＜ソコＳＰ　ＲＲ　１２２ｍｍ＞：セルビアが開発した122mm自走榴弾砲。車体は６×６輪装輪車両で、キャビンを装甲化（耐弾NATOレベル１）してあり、その後ろに機関室と予備弾倉、車体後部に砲塔、車体後面に駐鋤を持つ。砲塔左に車長、右に砲手が位置し、座席前方は防弾ガラスで、直接照準射撃も行える。主砲は35口径122mm榴弾砲D30J（60発。榴弾40発とHEAT５発など）で、俯仰角マイナス７度からプラス65度、最大射程17.3km（通常弾）／21km（ベースブリード）、発射速度毎分６発。砲塔上面に車長用7.62mm/12.7mm機銃を装備でき、車内に対戦車ロケットを積める。GPS航法装置と戦闘統合システムを持つ。移動状態から初弾発射までに掛かる時間は60秒、射撃終了から撤収までは30秒。戦闘重量17トン。乗員４名。８×８輪型、100mm砲型、105mm砲型もある。参考：月刊軍事研究9,’11

＜曽江＞：608（哨戒艇）を参照。

＜遡江作戦＞：河川や運河で水上機動を行い、敵の側背を衝いたり、敵地深くの要点を奪取したりする作戦。ただし幅に限りがあり、敵の妨害や攻撃を避けるのが難しいので、予め障害物や川岸の敵を排除しておく必要がある。参考：工兵入門

＜ソコリ・ルシー＞：ロシア空軍第４戦闘評価・要員訓練センターのアクロバットチーム。2017年、Su-30SM戦闘機からSu-35S戦闘機に機種転換し、モスクワ航空ショーで４機による模擬ドッグファイトを展示した。参考：月刊航空ファン10,’17

＜ソコル＞：ポーランド海軍コッベン級潜水艦１番艦Sokół。元はノルウェー海軍コッベン級潜水艦ストルドである。2002年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ソコル＞：ロシアのソコル実験的設計局がクロン２エンタープライズ社の協力の下に開発した、即時監視・データ伝送用無人機システム。軍民両用とされ、システムは UAV３機、無線通信リンク１基、地形評定システム１基、陸上基地型管制局１基、発射装置１基、支援整備トラック１両からなる。UAVの諸元は以下の通り。全長1.7m、全幅3.7m、全高0.67m、離陸重量30kg。エンジン出力８馬力、滞空時間５時間。誘導飛行往復距離300km、最大管制飛行距離50km。操作要員３名で30分以内に運用でき、着地は通常着陸で行うが、緊急時はパラシュート回収される。発射装置はトラック上のレール。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ソコル級＞：ムカ級（魚雷艇）を参照。

＜阻塞気球＞：防空気球ともいう。低空飛行する航空機を引っかけて撃墜するためのケーブルワイヤー付き気球である。気球本体にぶつかると墜落するし（スピン落下途中に偶然他の気球にバウンドして助かるという奇跡もあったらしいが）、ケーブルワイヤーに絡まっても機体を引き裂かれたり、プロペラを止められたりする。参考：歴史群像10,’08、世界の傑作機No.141

＜阻塞気球（イギリス）＞：別名、空の象。1930年代に夜間防空手段として注目され、1938年末に気球部隊司令部が創設され、配備が開始された。敵の夜間における目標上空への侵入を防ぎ、あわよくばケーブルに絡ませて撃墜するのが使用目的である。涙滴状の本体後部にＹ字の安定翼・方向舵が付いており、側面には操縦用ロープ、下面に鋼製ケーブルが下がっている。全長20m、高さ9m、水素容量1860立方メートル。移動は鋼製ケーブルを荷台後部に繋げたウインチ搭載トラック（水素ボンベも積める）で行う。第２次大戦開戦時には624個が配備されており、バトル・オブ・ブリテンの始まった1940年8月には49個中隊が各地に展開、ドイツ軍機24機を撃墜した。第２次大戦終盤まで使用されている。参考：英独航空決戦

＜阻塞弾発射機＞：日本陸軍の対空防御火器。低空で機銃掃射を行う敵機を墜とすために製作された。てき弾発射機と似たような発射機から8cm弾を発射し、時限信管により炸裂させる。最大射高1000m。参考：機械化部隊の主力戦車

＜ソ作戦＞：太平洋戦争中の昭和18年6月3日に日本海軍が発令した、ガダルカナル島航空撃滅戦。損害の大きい一式陸攻や九九式艦爆に代わり、零戦に爆弾を積んで地上攻撃にも使用する戦術を組織的に用いた、最初の作戦である。使うのは九七式六番陸用爆弾で、厚さ200mmのコンクリートを貫通して内部で炸裂するが、いかんせん軽量なので威力に限界があり、主に爆撃によって敵に爆撃機の来襲と思わせ、迎撃機をおびき出すのが仕事だった。参加飛行隊はブインにいた第582航空隊、作戦発令を受けてブインに進出した第204航空隊、同じくブカ島に進出した第251航空隊で、爆弾を積むのは第204航空隊の２個小隊・零戦８機である。翼端を切った零戦三二型だと爆弾搭載で飛行安定性が悪化する可能性があったため、零戦二二型に積み、爆戦（爆装戦闘機の略）または爆装機と称した。爆弾が小さいので速度低下は少なく、編隊に付いていくのは問題無いが、爆弾搭載中から投弾離脱までは回避機動が取れないので、乗員は敵戦闘機に襲われたら墜とされる覚悟を決めていた。6月7日、第１次ソ作戦を実施。第582航空隊第１突撃隊零戦21機、第204航空隊第２突撃隊零戦24機（うち８機が爆戦）、第251航空隊第３突撃隊零戦36機がガダルカナル島に出撃した。爆戦を九七式艦攻と間違えた連合軍は次々と迎撃機を送り出し、ガダルカナル島手前140kmのガッカイ島上空でVF-11のF4F-4戦闘機と交戦。ガ島60km手前のルッセル島周辺ではアメリカ海軍 F4F戦闘機、F4U戦闘機、アメリカ陸軍 P-40F戦闘機にニュージーランド空軍キティホークⅢ戦闘機も加わり、計100機との乱戦になった。爆戦は高度5000mから爆弾を投下したが、第１小隊の１機が投弾直後に被弾してパイロットが負傷、ガッカイ島に不時着し、第２小隊の２機が撃墜されてパイロット２名が戦死している。出撃機全体では未帰還９機・大破５機の損害で、戦果はVMF-112所属F4U-1戦闘機４機、第347戦闘群P-38F戦闘機１機だった（他に連合軍機２機が事故で喪失）。爆戦の効果は薄く、6月12日の第２次ソ作戦以降は使われていない。参考：月刊航空ファン11,’18

＜ソサナ＞：ロシアのKBテクマッシュ社が開発した牽引式地対空ガン・ミサイル・システム。2S6Mツングースカと同じ30mm機関砲2A38を連装で装備し、9K310/9K38/9M337ソスナＲ地対空ミサイル４発を搭載する。射手が位置するボックスの前には球形の電子光学システムがあり、目標追尾を行う。赤外線追尾システムを搭載することもできるとされる。参考：月刊PANZER9,’97、月刊軍事研究4,’99

＜ソシエテ・ナシオナル・アエロスパシアル社＞：アエロスパシアル社を参照。

＜ソ式一型戦闘機＞：日本陸軍戦闘機。エンジンはクレルジュ130馬力、プロペラは木製２翅。参考：月刊航空ファン8,’19

＜ソ式二型戦闘機＞：日本陸軍戦闘機。エンジンはクレルジュ130馬力、プロペラは木製２翅。参考：月刊航空ファン8,’19

＜ソ式三型戦闘機＞：パップ海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜蘇式直升機＞：H-13海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜阻止分遣隊＞：スターリンの命令第227号に基づいて創設された、懲罰部隊。主要前線部隊の後方に位置し、勝手な後退を実力で阻止する。極東方面から東部戦線に送られた部隊から選抜されて編成された。参考：月刊PANZER7,’99

＜ソジャーナ・トゥルース＞：T-AO-210（給油艦）を参照。

＜蘇州＞：132（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜ソジュ級＞：北朝鮮海軍ミサイル艇Soju級。オサ型をベースに北朝鮮で設計した。排水量269トン。兵装はP-15/SS-N-2艦対艦ミサイル単装発射筒４基。参考：月刊世界の艦船7,’13、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソスナ＞：FL-95（自走アンテナ）を参照。

＜ソスナＲ＞：9M337（地対空ミサイル）を参照。

＜ソダ車＞：九八式装甲運搬車を参照。

＜ソダルマンランド・ブリゲード＞：スウェーデン陸軍第10機械化旅団の別名。由来は地名である。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ゾディアック＞：CRRC（ゴムボート）またはR54（駆逐艦）を参照。

＜ソディオ＞：イタリア海軍フルット級潜水艦Sodio。1943年9月10日、建造中にドイツ軍に接収され、UIT9となった。参考：ナチスＵボート

＜袖章＞：制服の袖に付ける階級章のこと。イギリス海軍兵学校で鼻水を袖で拭くのを止めさせるために袖口に藁を巻いたのが始まりとされており、藁の代わりに階級章を付けるようになったようである。参考：MAMOR Vol.50

＜ソト車＞：九七式軽装甲車ファミリーを参照。

＜ソナー＞：SONAR（SOund Navigation And Ranging）、音波探信儀と訳す。水中音から目標の方位と距離を割り出し、目標識別を行う装置で、自ら発した音が跳ね返ってくるのを探知するアクティブ式と、相手の発する音を探知するパッシブ式がある。音を発したり探知したりする部分（ソナー・アレイ）は水に浸かっているのでウェットエンド、音響情報を処理する部分は艦内にあるのでドライエンドという。取り付け位置によって艦首水線下のバウ・ソナー、潜水艦艦首底部のチン・ソナー、船体下面のハル・ソナー、艦尾から曳航するVDS／TASS、潜水艦の船体に装着するコンフォーマル・ソナー（船体側面の場合はフランク・ソナーともいう）などがあり、潜水艦では上構上面やセイルにフェアリングを設けて内蔵したりもする。遠距離探知には遠くまで届き音響吸収タイルの効果が低い（分厚くしないと吸収できない）低周波、短距離探知には方位精度が良くノイズが低いため音響識別能力の高い中周波、機雷など小型目標の探知には更に解像度の高い高周波が適している。水中の音の伝播は温度、深度、海底地形などにより複雑に変化するため、詳細な海洋調査や海洋情報を得ないと正確な目標探知は難しい。音波の屈折などにより音が絶対に伝わらないシャドー・ゾーンが形成されるため、これをカバーする工夫も必要である。水中を音が長距離伝播するのはレオナルド・ダ・ヴィンチが1490年に指摘しており、パイプを水中に突っ込んでガレオン船の航行音を聞くという元祖パッシブソナーの実験にも成功した。1827年、水中音速が測定された。1912年4月14日のタイタニック号沈没事故を受けてドイツの物理学者ベームがアクティブソナーによる障害物探知を提案、イギリスでは１ヶ月後に水中音響を利用した探知装置の特許が取得された（原理のみで装置は開発されず）。1914年にアメリカの科学者フェッセンデンが可動コイル式送受波機によるアクティブソナーを開発して２マイル（3.2km）先の氷山探知に成功、1915年（1917年？）にフランスの物理学者であるポール・ランジュヴァンが圧電効果（水晶板を金属板で挟んだ圧電素子）による水中音波送受信装置を開発した。第１次大戦中の1916年、イギリス海軍が艦艇にハイドロフォンを装備してパッシブ探知を開始、4月にドイツ潜水艦を発見して初めて撃沈に貢献した。1918年、フランス海軍がランジュヴァン博士の発明を改良してアクティブソナーを開発し、1.5km先の潜水艇の探知に成功した。1920年、イギリス海軍がアクティブソナーであるASDICの実験を開始、1926年に実用化した。第２次大戦中、レーダーと同様音波探信儀にもキャッチコピーを付けようと考えたアメリカがSONARという造語を付け、ASDICに換わって広まった。戦後、CZの概念が広まると、可聴域の低周波を主に使用するようになり、だんだんと巨大化、大型艦ではバウ・ソナーに収容するが、小型艦ではハル・ソナーとして搭載するようになった。深度を選べる潜水艦に比べて水上艦は不利で、潜水艦に層深よりも深く潜られると水面に音が出てこなくなり、水上艦での探知が難しくなることから、VDSが開発されたが、効果に乏しく、TASSが開発されている。潜水艦の静粛化が進み、パッシブ探知のみでは限界が出ているが、単純なアクティブ探知では逆探知されて反撃を喰うため、VDSで発生させた音を潜水艦で跳ね返らせてTASSで探知したり、僚艦のアクティブソナー音を潜水艦で跳ね返らせて自艦のパッシブソナーで探知したりするバイ／マルチスタティック・ソナー技術を駆使するようになった。完全デジタル化と光ファイバーネットワークによりダイナミック・レンジは140dB以上に達しており、ソナーを発振しながら反射波を受信する連続波ソナーや、干渉を除外しての複数艦によるソナー同時運用などが可能となっている。潜水艦も水上艦探知のためソナーを装備しており、当初は艦首に積んでいたが、側後方が死角になるため、側面ソナーやTASSも搭載するようになった。対潜ヘリや対潜哨戒機はディッピング・ソナーやソノブイにより潜水艦を探知追尾する。参考：月刊世界の艦船12,’16、1,’17、1,'15増刊、3,’07、3,’92増刊、5,’12、兵器メカニズム図鑑、月刊JWings2,’00、月刊丸5,’07、3,’90、月刊軍事研究5,’09、日本の防衛戦力Part3、ザ・マーチ39号、空軍

　＜ソナー（日本海軍）＞：昭和初期に潜水艦用として海軍技術研究所電機研究部音響研究科で開発を開始。アクティブソナー（音波探信儀）は、自艦位置を暴露する恐れがあること、送受波器が海中に突出するので速力が落ちる恐れがあることなどから見送られ、専らパッシブソナー（水中聴音機）を研究したが、水中音響工学の研究者が少なく、あまり進まなかった。第２次大戦勃発で開発に本腰を入れることになり、音響研究科を音響研究部に昇格させ、パッシブソナーの研究を続けた。昭和16年、軍事視察団からドイツのアクティブソナーの情報が入ったため、真似て製作することに決定、三式探信儀を開発した。また、南方の高水温では劣化して使えないと思われていたロッシェル塩を、ドイツが地中海で使用していることが分かり、これを使用したパッシブソナーも開発することになった。昭和18年10月9日、横浜に入港した仮装巡洋艦トールに乗艦していた音響技術者２名からパッシブソナーとロッシェル塩の製造法を学んだ。また、積んできたドイツ製アクティブソナーを入手し、海軍技術研究所と日本電気で調査、４種類の改良型を開発することにした。ただアクティブソナーは敵に見つかるとして現場が使うのを嫌がり、パッシブソナーで方向だけ探知した目標を潜望鏡で探そうと浮上して撃沈されることが多かったため、パッシブソナーを艦首と艦尾に置いて距離も探知できるよう提案したが、採用されなかった。アクティブソナーとパッシブソナーの併用案も、潜望鏡至上主義の用兵側に蹴られ、完成した時には装備する艦が全部沈められていた。ロッシェル塩の製造設備は東芝小向工場に作られたが、昭和20年初めにB-29の爆撃で破壊されている。参考：海軍技術研究所

＜ソナー２０５４＞：2054型（ソナー）を参照。

＜ソナー２０７６＞：2076型（ソナー）を参照。

＜ソナー・アレイ＞：アクティブソナーのトランスデューサーやパッシブソナーのハイドロフォンを多数配置し、探知範囲を絞り込んで音の来る方位を判別できるようにしたもの。配置間隔は探知したい音の波長の半分以下にする必要がある。アレイが長いほどアレイゲインが大きくなり性能が良くなる。参考：月刊世界の艦船12,’16、月刊軍事研究2,’14

＜ソナーケーブルカッターカートリッジ部＞：自衛隊の火工品。SH-60Kに搭載されている。日本電気製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ソナー・スイート＞：多数のソナーを組み合わせて運用するもの。AN/BQQ-5Eなどがある。

＜ソナー方程式＞：自己雑音と周囲雑音をNL、パッシブソナー・アレイのアレイゲイン（ハイドロホン数、形状、受信周波数などで決まる）をAG、検知閾値（50%の確率で相手を探知できる音圧）をDT、伝搬損失（水中を伝達する間に屈折や吸収などで弱められる音圧）をTL、目標の出す音（ソースレベル）をSLとすると、DT=SL-TL+AG-NLの式が成り立つ。単位は全てdBである。参考：ザ・マーチ42号

＜ソニア＞：九九式襲撃機を参照。

＜ソニック・ブーム＞：Sonic boom。超音速時に発生する衝撃波が地上に届いた際の衝撃音のこと。衝撃波面には音速を超えた物体から発生する擾乱が全て蓄積されており、衝撃波円錐通過時に爆音のような音が観測される。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録

＜曽根飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜ソノブイ＞：Sonobuoy、聴音浮標。使い捨て式ソナー（ハイドロフォン）で、航空機から海面に向け投下されるとパラシュートや減速プロペラを展開して着水、浮き袋が開いてVHF 通信アンテナが立ち上がり、ソナーをケーブルで海中に降ろし、内蔵電池が切れるまで水中音情報を知らせてくれる。投下してから着水までに風で流されると撒布パターンが乱れるので、高度150m以下からの低高度投下を行う。一定時間が経過すると敵に回収されるのを防ぐために自沈する。探知距離は可聴周波数で２海里くらいだが、低周波を使えば20海里くらいに延びる。深い海でコンバージェンス・ゾーンCZがありそうな場合、60海里おきに14本を撒布して一気に240海里四方を捜索することもある。パッシブとアクティブの両方があり、基本はパッシブ探知だが、水中発音弾と組み合わせてアクティブ探知を行うことも可能である。探知したデータはVHFのFM波で航空機に送られ、コンピュータで解析される。海象により音の伝わり方が違い、一般海中雑音も除去する必要があるので、最初に海水温測定ブイと雑音測定ブイを投下しておく。サイズに限界があり、性能が制限されるのが欠点。1945年3月にリベレーター重爆がU-1055を撃沈した際に使用した。参考：月刊世界の艦船3,’07、7,'20、ザ・マーチ39号、月刊軍事研究2,’14、月刊JWings10,’09別冊付録、自衛隊装備カタログ1981、空軍、日本の防衛戦力Part7

　＜ＣＡＳＳ＞：Command Active Sonobouy Systemの略。航空機の指令によりアクティブソナーの発振を制御できる無指向性ソノブイのこと。参考：月刊軍事研究2,’14、ザ・マーチ39号、日本の防衛戦力Part7

　＜ＤＩＣＡＳＳ＞：DIrectional Command Active Sonobouy Systemの略。アクティブソナーの発振方向を制御可能な指向性を持つCASSのこと。参考：ザ・マーチ39号、日本の防衛戦力Part7

　＜ＤＩＦＡＲブイ＞：DＩrectional low Frequency Analyzing And Recording buoy（低周波音源方向解析記録ブイ）の略。音源発生方向の探知が可能な指向性LOFARブイのことである。参考：ザ・マーチ39号

　＜ＬＯＦＡＲブイ＞：Low Frequency Analyzing And Recording buoy（低周波音源解析記録ブイ）の略。伝播の良好な低周波音源を全周パッシブ探知するソノブイのこと。無指向全周探知なので方位は分からない。参考：ザ・マーチ39号、月刊軍事研究2,’14

＜ソノブイ（派米訓練用・Ｐ－３Ｃ用）＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究9,’14

＜ソバートン＞：M1200（沿岸掃海艇）を参照。

＜ソビエツカヤ・ウクライナ＞：ソ連海軍ソビエツキー・ソユーズ級計画戦艦２番艦Sovyetskaya Ukraina（ソ連邦ウクライナ）。1938年10月31日起工。1941年7月に建造中止となった。第２次大戦でドイツ国防軍に鹵獲され、一部が解体されて船台も破壊された。第２次大戦後に解体された。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ソビエツカヤ・ガバニ＞：ソヴェツカヤ・ガヴァニ（グリシャⅤ型警備艦）を参照。

＜ソビエツカヤ・ベルロシア＞：ソ連海軍ソビエツキー・ソユーズ級計画戦艦３番艦Sovyetskaya Byelorussiya（ソ連邦白ロシア）。1939年12月21日起工。1941年7月に進捗１％未満で建造中止となり、第２次大戦後に解体された。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ソビエツカヤ・ロシア＞：ソ連海軍ソビエツキー・ソユーズ級計画戦艦４番艦Sovyetskaya Rossiya（ソ連邦ロシア）。1940年3月21日に起工されたが、リベットが粗悪で使い物にならないと判明し、1940年に建造中止となり、第２次大戦後に解体された。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ソビエツキー・ソユーズ＞：キーロフ級（巡洋艦、２代目）を参照。

＜ソビエツキー・ソユーズ＞：ソ連海軍ソビエツキー・ソユーズ級計画戦艦１番艦Sovetskiy Soyuz（ソビエト連邦）。1938年7月15日起工。1941年7月に建造中止となった。第２次大戦終戦時も工事の進捗は20%以下で、戦後に解体された。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ソビエツキー・ソユーズ＞：ソ連アルクティカ級原子力砕氷船（初代）４番艦Sovetskiy Soyuz。進水時はレオニード・ブレジネフという名称だったが、1989年に改称された。1990年（1989年？）竣工、北極海航路に就航した。参考：月刊世界の艦船3,’00、月刊軍事研究11,’18

＜ソビエツキー・ソユーズ級＞：ソ連海軍計画戦艦Sovetskiy Soyuz級。1936年制定・1939年改定の艦隊造成計画に基づくもので、国産化を目論んだが大型艦建造の経験と技術力が足りなかったため、イタリアのアンサルド社が1936年に提案した戦艦をベースに、プロイェクト23（第23設計戦艦）の名称で建造した。ヴィットリオ・ヴェネト級に似ており、水中防御もプリエーゼ式を採用している。船型は長船首楼型で、艦首はクリッパー型、シアを持つ。艦尾上甲板両舷にクレーンとカタパルトを１基ずつ装備する。上構は微妙な隙間で前後に分かれており、前部上構最前部に射撃指揮装置、中央前寄りに檣楼、その後ろに前部煙突、後部上構前部に三脚マスト、その後ろに後部煙突、更に後ろに後部艦橋、最後部に射撃指揮装置がある。檣楼は当時提携関係にあったドイツ海軍のドイッチュラント級装甲艦２番艦アドミラル・シェーアを参考にしたともいわれ、操舵艦橋内部に装甲司令塔を備え、操舵艦橋後方に戦闘艦橋があり、戦闘艦橋最上部に測距儀を持つ。前後煙突間には艦載艇を搭載する。全長271m、幅39m、基準排水量59150トン（65150トン？）。速力28ノット。兵装は50口径40.6cm砲M1917の３連装砲塔３基（前甲板背負い式２基、船首楼甲板後端１基）、57口径15.2cm砲M1938の連装砲塔６基（艦中央両舷ピラミッド状３基ずつ）。装甲厚は水線部425mm、甲板150mm。15隻を建造予定で、1938年計画（第３次５カ年計画）で１番艦ソビエツキー・ソユーズ、２番艦ソビエツカヤ・ウクライナ、３番艦ソビエツカヤ・ベルロシア、４番艦ソビエツカヤ・ロシアの４隻の建造が決まり、1938-40年に起工されたが、独ソ戦勃発で資材を陸軍に回すことになり1941年7月に工事を中止。戦後はスターリンの要望で１番艦のみ建造再開が検討されたが、結局全て解体された。参考：月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史

＜ソビエト連邦軍事力の東西展開計画に関する考察＞：ソ連が1941年5月15日した対ドイツ作戦計画。文書には添削の跡が残っていて、きちんとした計画というよりはメモ的なものらしい。ソ連侵攻のため国境近くに集結したドイツ軍に先制攻撃をかけて包囲殲滅するというもので、北西方面軍と南方面軍がフィンランド及びスロバキア・ハンガリー・ルーマニア方面を抑え、西方面軍がブレスト北方からから出撃してドイツ軍を分断、その南から南西方面軍が進撃して後方に回り込み、ポーランドに集結しているドイツ軍を一気に包囲する計画だった。ドイツ軍に先を越されて発動されなかった。参考：JGround Vol.23

＜ソフィー＞：タレス社の指揮官用暗視捜索双眼鏡。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜ソフィーＵＦ＞：倍率３倍の非冷却式熱線暗視装置を搭載したもの。昼間なら人間を8km、主力戦車を15kmで、夜間なら人間を2.5km、主力戦車を5kmで探知できる。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜ソフィーＵＦ２＞：ソフィーUFを1kgほど軽量化し、レーザー測距器（最大測距距離6km）を追加したもの。熱線暗視装置は使用周波数8-12ミクロンで、倍率や探知距離は同じ。本体重量2.2kg／2.4kg（バッテリー付き）。連続使用時間８時間（CR123電池）／24時間（BA5590外部電池）。参考：月刊軍事研究1,’12

　＜ソフィーＸＦ＞：倍率６倍の昼間用双眼鏡に第３世代冷却式熱線暗視装置（倍率３倍、使用波長3-5ミクロン）、レーザー測距器、GPS、デジタルコンパス、デジタルカメラ、スタビライザーなどを統合している。重量3.5kg。探知距離8km（人間）／15km（車両）。参考：月刊軍事研究12,’09

　＜ソフィーＺＳ＞：ソフィーXFの簡易型。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ソ・フィン戦争＞：冬戦争を参照。

＜ソフォモア＞：BT-12（練習機）を参照。

＜ソフト・ヴァーティカル・ランチ＞：DERAとマトラBAeダイナミクス社が1994年から開発中のミサイル垂直発射システム、略称SVL。コールド・ランチ方式によりミサイルをVLSから低速射出した後、ミサイル下部のスラスター・パックを噴射させて方向転換し、安全な所でロケットに点火する。発射機が火焔に曝されないので構造が単純になる、ミサイル方向転換負荷が軽いためエネルギーを有効利用できる、といった利点がある。参考：月刊軍事研究3,’99

＜ソフトウェア（追加購入分ライセンス）＞：自衛隊の機器。富士ソフト製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ソフトウェア電波センサシステム＞：自衛隊の機器。穂高電子製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ソフトウェア無線機＞：SDR（Software Defined Radio）と略す。ソフトウェアの切り替えのみで様々な周波数、変調方式、通信規格、音声／データ通信に対応できる無線機のこと。規格別にいちいち無線機を用意せずに済む。参考：月刊JWings10,’14、月刊軍事研究1,’12、月刊世界の艦船3,’14

＜ソフトキル＞：目標を欺瞞するなどして無力化すること。ECM、チャフ、フレア、デコイなどがこれにあたる。参考：月刊世界の艦船5,’19

＜ソフト・キル・システム＞：アクティブ装甲を参照。

＜ソフトスキン＞：軽軍用車両のこと。概ね、装甲を持たない4-6輪軍用車両を指す。武装バギー、ジープ、非装甲 HMMWVクラスの車両がこれにあたる。６輪輸送トラックや、より大型の非装甲車両を含むこともある。参考：月刊PANZER6,’00

＜ソフトタッチ作戦＞：アメリカ空軍とCIAの合同U-2戦略偵察機部隊「分遣隊Ｂ」によるソ連領内偵察作戦。パキスタンのラホールにU-2戦略偵察機４機（うち２機はダーティ・バードと呼ばれるレーダー反射率低減型）とパイロット８名を展開し、セミパラチンスク核実験場とチューラタム弾道ミサイル射場を偵察するもので、1957年8月に９回行われた。うち２回は中国領内も偵察している。チューラタム弾道ミサイル射場は詳細な位置が掴めていなかったので、1957年8月5日の偵察飛行の際に付近の線路沿いに撮影を行い、斜め方向ながら写真に収める事に成功した。ちなみに名前も分かっておらず、第２次大戦時にドイツが使っていた軍用地図で付近にチューラタム駅があるのを発見、ソ連側と同じコード名を付けている。8月28日、ミッション2058でチューラタム弾道ミサイル射場を真上から撮影することに成功した。参考：月刊軍事研究2,’14

＜ソフト・ポイント弾＞：ダムダム弾の１つ。弾丸先端の被甲を故意にオープンにし、鉛の弾芯を剥き出しにしたものである。先端が鋭いスピッツァー、丸いラウンド・ノーズ、平たいフラットの３種があり、いずれもターゲットに命中すると先端が変形してマッシュルーム状になり、大きなダメージを与える。拳銃弾では変形しやすいように弾芯を柔らかめに作ってあり、ジャケッテッド・ソフト・ポイントと呼ばれる。国際法では禁止されており、戦争には使用されないが、貫通力が弱いので貫徹した弾丸が跳弾する危険が少ないこと、ストッピング・パワーが大きいことから、国内での治安維持部隊・対テロ特殊部隊などが使用している。参考：GUN用語事典

＜ソブラジテルヌイ＞：ブリヌイ（駆逐艦）を参照。

＜ソブリン＞：S-108（潜水艦）を参照。

＜ソブレメンヌイ＞：ソ連海軍ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦Sovremenny。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ソブレメンヌイ級＞：ソ連海軍ミサイル駆逐艦Sovremenny級、別名プロジェクト956サリーチ（Sarych）級。1960年代末から揚陸作戦部隊の火力支援を主任務として開発され、1971年に正式な設計要求が纏まり、第53中央設計局で設計が始まったが、アメリカ海軍スプルーアンス級駆逐艦に対抗できる対水上・対空戦闘用駆逐艦に変更された。基本設計はクレスタ級に似せており、船型は幅広の長船首楼型で、アクティブ・フィン・スタビライザーと相まって洋上の安定性に優れる。艦前部にはシーアを持ち、艦首砲塔両脇あたりから艦尾までの舷側にナックルが付く。艦橋直後から艦尾までの舷側には舷窓があるが、これは弱点になりうる。ソナーはMGK-335プラチナ（NATOコードはブル・ホーン）またはMGK-335MS。後部甲板中央左右には機雷投下軌条があり、機雷40個を搭載する。後部甲板中央には130mm多目的連装砲AK-130がある。上部構造物の最後方、後部甲板のすぐ前方には3K90ウーラガン用艦対空ミサイル単装発射機（15番艦のベスポコイヌイ以降は9K40イェズ艦対空ミサイル単装発射機）があり、その下に24発入りのドラム弾倉がある。その前方を１段高くしてヘリ甲板にしてあり、その前に伸縮式（入れ子式）のヘリコプター格納庫を持つ。内部に航空兵装や整備機材を搭載するには狭いので、非常時にのみヘリを搭載する。搭載航空燃料は５トン。格納庫の上にはごつい後部マストが立っており、格納庫前方には煙突がある。煙突前方が艦橋で、前方に3K90ウーラガン（14番艦まで）／9K40イェズ艦対空ミサイル（15番艦）用単装発射機があり、前甲板に130mm多目的連装砲AK-130を１基装備する。AK-130用MR-184射撃指揮レーダーは艦橋上に１基設置され、艦前後のAK-130を両方ともコントロールする。搭載弾数は２砲塔計2200発。前部メインマスト頂部には対空捜索用三次元フェイズド・アレイ・レーダーがあり、３番艦まではMR-750フレガット、４・５番艦はMR-750MフレガットＭ、以降はMR-760フレガットMAである。このレーダーで得た情報はMRO-550またはMRO-560目標データ処理システムに送られ、20目標を同時追尾できる。このデータは更に前部マスト基部両側、艦中央両舷、後部マスト基部両側に配置されたMR-90オレク追尾・誘導レーダー計６基に送られ、3K90ウーラガン艦対空ミサイルの最終誘導に使用される。空中にミサイル12発を置いて６目標に誘導できる（アーレイ・バーク級イージス艦並み）ことになるが、艦載戦闘システムがそれに追いついているかは不明。CIWSはAK630で、MR-123ヴィンペル射撃統制装置を艦橋構造物両側に１基ずつ、AO-18機関砲を艦橋直前両側とヘリ格納庫両側に１基ずつ（総搭載弾数16000発）装備する。艦対艦ミサイルは3M80モスキートで、４連装発射機KT-190を艦橋前方両舷に搭載している。15番艦ベスポコイヌイからは3M82モスキートＭを装備するようになり、発射機の形も変わった。艦対艦ミサイル誘導用データリンク装置はモノリットで、艦橋上にあり、ミサイルとのレーダー・ビデオ交信用データリンク・アンテナ（NATOコードはライト・バルブ）２基を煙突両側に装備する。対水上レーダーはMR-212/201ボルガを３基装備しているが、探知距離が40kmしか無く、ヘリコプター格納庫など運用施設はあるもののヘリも常時搭載しておらず、海洋監視衛星データリンク・アンテナも装備していないので、3M80モスキートの威力が十分に発揮できるかは疑問。また、データリンク・アンテナの位置からして、水上目標に対する多目標同時攻撃はできないようだ。対潜水艦用に533mm魚雷連装発射管が船体中央部両舷にあるが、支柱の裏なので、発射しにくい事この上無い。また、再装填弾は搭載されていないらしい。その他RBU1000対潜ロケット弾発射機２基（RGB-10対潜ロケット弾48発）を搭載しているが、あまり対潜能力は高くない。可変深度ソナーも装備していない（SSN-137VDSを装備？）。艦載戦闘システムはレソループ。電子戦装備はMP-401S・MP-401MS艦載統合型電波状況表示・妨害システムで、パッシブ用アンテナが艦橋後方の上部構造物両舷に、アクティブ用アンテナがその後上方に装備されている。デコイ発射機として、７番艦ストイキイまでは140mm囮ロケット弾発射機ZIF-121（搭載弾数100発）２基、それ以降はKT-216発射機８基を艦尾に搭載、前者はPK-2発射式システムで、後者はPK-10でコントロールされる。スペクトルＦレーザー警報装置、MG-7水中不審者探知ソナーも搭載する。艦橋前に大型の電子光学センサー・ターレット（NATOコードはスクイーズ・ボックス）を持つが、何に使われているかは不明。全長156.2m、全幅17.2m、吃水6.5m、基準排水量6500トン、満載排水量7940-8067トン、最大排水量8480トン。主機はGTZA-674蒸気タービン２基２軸99500馬力、巡航速力18ノット、最大速力32.7ノット。航続距離はロシア情報で最大4500海里、ジェーン年鑑で14000海里と資料により大差がある。発電機は1250kW２基と600kW２基。兵装は3K90ウーラガン艦対空ミサイルシステム用単装発射機3S90が２基、3M80モスキート艦対艦ミサイル４連装発射機KT-190が２基、130mm多目的連装砲AK130が２基、AK630CIWS４基、533mm魚雷連装発射管２基、RBU1000対潜ロケット弾発射機２基、機雷40個（22個？）。Ka-25ホーモンＢヘリまたはKa-27ヘリを１機搭載できる。乗員296名（344名？364名？）。ソブレメンヌイ、オチャヤンヌイ、オトリチュヌイ、オスモトリテルヌイ、ベズプレチュヌイ、ボエボイ、ストイキイ、オクリレンヌイ、ブルヌイ、グレムヤシチイ（旧ヴィエドゥズクズイ）、ビストルイ、ラストルプヌイ、ベズボヤズネンヌイ、ベズデルズヌイ、ベスポコイヌイ、ナストイチブイ（旧モスコウスキー・コムソモーレツ）、アドミラル・ウシャーコフ（旧ベスストラシヌイ）、ブリヌイ（旧ソブラジテルヌイ）の18隻が1980年から竣工し、17隻が就役した。ベスポコイヌイからは3K90艦対空ミサイルシステムと3M80艦対艦ミサイルの代わりに9K40艦対空ミサイルシステム（9M317/9M317M艦対空ミサイル）と3M82艦対艦ミサイルを装備してプロジェクト956Aと呼ばれ、ブリヌイはVLSを搭載してプロジェクト956Uと呼ばれている。2008年現在、ロシアで稼働状態にあるのは５隻。2014年でも５隻。2015年現在では３隻で、他に３隻が長期修理中。2016年現在では５隻。参考：月刊軍事研究11,’99、8,’07、月刊世界の艦船2,’17、6,’15、3,’92増刊、5,’86、11,’14、1,'15増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソブレメンヌイ級・海外シリーズ＞

　＜ソブレメンヌイⅠ級（中国海軍）＞：中国海軍ミサイル駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）。中国では直訳で現代級、ロシアではプロジェクト956Eと呼ばれる。国産長射程艦対空ミサイルシステム運用艦の実用化の目途が立たず、1996年の台湾海峡危機で中国海軍水上艦がアメリカ機動部隊に手も足も出なかったため、ロシア艦を導入することにしたもので、元はヴァズニイとアレクサンドル・ネフスキイ（エカテリンブルクとブドムチヌイ？）の名でロシア向けに建造されていたが、予算不足で建造が途中で止まっていたのを中国が買い取った。搭載レーダーはMR212/201パームフロント航海レーダー３基（前部マスト上部前面・両舷）、MR760MAフレガットMA三次元捜索レーダー１基（前部マスト頂部）、MR90フロントドーム艦対空ミサイル管制レーダー（OP3？）６基（前部マスト付け根前方両舷、艦中央両舷、ヘリ格納庫両舷）、MR184M砲管制レーダー１基（前部上構頂部）、3M82艦対艦ミサイル管制用MR-331バンド・スタンド（艦橋上面レドーム内）、30mmCIWS管制用MR123レーダー２基（艦中央両舷）。ソナー・システムはMGK-335TA統合ソナー・スーツ。戦闘システムはサプフィールUd。全長156m、水線長145m、全幅17.3m、吃水6.5m、基準排水量7940トン、満載排水量8067トン（8480トン？）。主機は蒸気タービン２基２軸99500馬力、速力32ノット、航続距離14000海里（14ノット）／6500海里（20ノット）／2400海里（32ノット）。兵装は3M82対艦ミサイル４連装発射筒２基、3K90用9M39M1/9M39M2艦対空ミサイル単装発射機２基、130mm連装速射砲AK130が２基、AK630CIWS４基（２基？）、533mm魚雷連装発射管DTA53が２基、RBU1000対潜ロケット発射機２基。機雷24個を搭載可能。Ka-28ヘリックスＡヘリまたはZ-9A/Cヘリ１機を運用できる。乗員296名（＋予備60名）。１番艦艦番号136杭州と２番艦艦番号137福州の２隻が1999年と2001年に就役し、東海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船3,’13、9,’01、9,’11、6,’15、4,'21、月刊軍事研究4,’05、4,’00、9,’10、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、JShips Vol.24、月刊丸1,’10別冊

　＜ソブレメンヌイⅠ級（大改装）＞：前甲板 130mm連装速射砲AK130直後の甲板室上面最前部にHHQ-10艦対空ミサイル18連装発射機１基を追加し、同甲板室上面中央の3K90用艦対空ミサイル単装発射機を撤去してHHQ-16艦対空ミサイル／Yu-8艦対潜ミサイル用16セルVLS２基を搭載、艦橋左右の艦対艦ミサイルをYJ-12A艦対艦ミサイル４連装（角型２×２）発射筒２基に換装し、RBU1000対潜ロケット発射機を撤去して726-4型18連装チャフ発射機を搭載した。後部マスト上のレーダーを364型対空・対水上レーダーに換装するなど、電測兵装や通信装置も改良している。満載排水量7940トン。速力32ノット。2015年から工事に入り、艦番号136杭州は2019年、艦番号137福州は2022年に完工した。参考：月刊世界の艦船5,'23、2,’20、4,’19、4,’21、4,’22、6,’22

　＜ソブレメンヌイⅡ級＞：中国海軍ミサイル駆逐艦（中国の艦種呼称は導弾駆逐艦）。ロシアが中国海軍向けに建造した。プロジェクト956EソブレメンヌイⅠ級の改良型で、プロジェクト956EMともいう。後部の130mm連装砲AK130を撤去してヘリ甲板と１甲板下の艦対空ミサイル甲板を後ろに延ばし、ヘリ格納庫を入れ子式から固定式に変更、艦上整備を可能とした。CIWSをコールティク近接防御システム２基に、艦対艦ミサイルを3M80MBEに換装している。満載排水量7940トン。兵装は3M80MBE艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、3K90用9M39M1/9M39M2艦対空ミサイル単装発射機２基（艦前後）、130mm連装砲AK130が１基、コールティクCIWS２基、533mm魚雷連装発射管DTA53が２基、RBU1000対潜ロケット発射機２基。１番艦艦番号138泰州と２番艦艦番号139寧波の２隻が2005-06年に就役し、東海艦隊に配備された。参考：月刊軍事研究4,’05、12,’03、8,’04、8,’07、3,’10、月刊世界の艦船5,’15、6,’14、3,’13、9,’11、3,’07、3,’17、2,’19

＜ソフン級＞：北朝鮮海軍ミサイル艇Sohung級。コマール級ミサイル艇のコピーである。兵装はP-15/SS-N-2艦対艦ミサイル単装発射筒２基。参考：月刊世界の艦船7,’13、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜楚辺通信所＞：沖縄の楚辺に1972年に建設されたAN/FLR-9、通称象の檻。直径200m・面積53ヘクタールの土地にアンテナ130本が立っており、アメリカ海軍ハンザ海軍保全群が運用していた。1998年6月、ハンザ海軍保全群は解隊され、アメリカ国防総省国防通信沖縄分遣隊（60名）が運用するようになった。2001年に返還予定だったが、代替施設オストリッチの建設が遅れたため2007年6月に返還されている。取り壊し費用240億円は日本が負担した。参考：月刊軍事研究2,’09、4,’09

＜ソホ級＞：北朝鮮海軍フリゲートSoho級。双胴船型を採用しているが、航洋性に欠けるらしい。船型は平甲板型で、中央に上部構造物を持ち、後甲板はヘリ甲板になっている。上部構造物頂部にラティス・マスト１本を持つ。全長73.8m、幅15.5m、吃水3.8m、満載排水量1640トン。主機はディーゼル２基２軸15000馬力、速力23ノット。兵装はCSS-N-2（P-15/SS-N-2a？）単装発射機４基（艦中央両舷に２基ずつ）、100mm単装砲１門（上構02甲板前部）、37mm連装機関砲２基、30mm連装機関砲２基、25mm連装機関砲２基、５連装対潜ロケット発射機RBU1200が２基（６基？前甲板）。乗員189名。艦番号823の１隻が1983年に竣工した。参考：月刊世界の艦船9,’01、7,’13、3,’92増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソボル＞：211（哨戒艇）を参照。

＜ソマリ＞：F33（駆逐艦）を参照。

＜ソマリア＞：アフリカ大陸中央東部（アフリカの角）に位置し、海に面してはいるが遊牧民が主体である。面積は日本の1.8倍、人口870万人。イスラム教スンニ派が95%で、国教にもなっている。19世紀後半に北半分がイギリス、南半分がイタリアの植民地となったが、1960年に両方とも独立し、統合してソマリア共和国が誕生した。1969年にクーデターが起きてソマリア民主共和国が誕生し、ソ連の援助を受けるようになった。1974年7月にソ連と友好条約を結んだが、9月にエチオピアが社会主義国になるとアメリカ側に付いている。1977年にエチオピアへ侵攻、オガデン戦争が勃発したが、逆襲を受けて１年で敗北した。1980年、社会主義による国政立て直しが図られたが、上手くいかず、1982年頃から反政府活動が活発化し、1991年に統一ソマリア会議がモガディシオを制圧して大統領を追放、全土が内戦状態となり、無政府状態に陥った。北部ではソマリランドが勝手に独立を宣言。1992年から国連平和維持軍が派遣されたが、現地勢力の反撃に遭って1995年に撤退。この頃から海賊がアデン湾を跋扈し始めた。1994年、反政府勢力のイスラム法廷連合が結成された。1998年、北東部でブントランド共和国が勝手に独立した。2000年8月に暫定議会が発足し、暫定大統領も選出されたが、2002年4月にソマリア和解再生評議会が南西ソマリアを樹立するなど混乱が続いた。2003年、和平合意案に関して大統領と首相が対立し、首相が更迭される事態となった。2004年、暫定連邦政府が発足。10月、ケニアのナイロビで大統領選挙が実施され、プントランド大統領が選出された。2005年6月、ソマリア暫定連邦政府の本国帰還を開始。2006年7月、イスラム法廷連合が首都モガディシオを制圧してイスラム法廷会議と改称した。12月、国連安保理がソマリアへのPKO派遣と武器禁輸の一部緩和を含む決議を採択。12月25日、イスラム法廷会議がエチオピア軍と交戦したことに対してエチオピアが軍事介入を表明、２個師団を投入して暫定政府軍と協力し首都を目指して進撃した。12月28日に暫定政府がモガディシオを制圧し、2007年1月1日にイスラム法廷会議の最後の拠点を制圧したが、エチオピアに対する国民の反感が強く、暫定政府は1月13日に戒厳令を敷いた。1月7日、アメリカ空軍特殊作戦コマンド AC-130攻撃機がエチオピアを離陸し、ソマリアのアルカイダ系テロリストを攻撃。1月9日、アメリカ軍機がソマリアの４都市を爆撃。1月22日、アメリカ空軍 AC-130攻撃機がイスラム法廷連合副司令官アーメド・マドベの殺害を図り攻撃を仕掛けたが失敗。2月20日、国連安保理はAU加盟国のPKOを認める決議を採択。アフリカ連合ソマリア・ミッションが開始され、武装解除も始まったものの、PKO部隊の展開が遅れ、治安が全く維持できない状態だった。7月19日、各氏族長老と暫定政府代表が国民和解会議を開催。10月11日、内閣不信任案が可決された。2008年5月1日、ソマリア沖からアメリカ海軍艦艇がトマホーク巡航ミサイルを発射し、テロリスト８名を殺害。8月6日、国連開発計画の現地代表が射殺された。8月23日、イスラム法廷会議が南部港湾都市を奪回したと発表。2009年1月25日、エチオピア軍がソマリアから撤退。南西ソマリア首都が反政府勢力に制圧され、南西ソマリアが消滅、暫定政府主要要員はジブチに避難した。3月、オサマ・ビンラディンがソマリア暫定政府大統領は裏切り者であるとして暫定政府打倒を呼びかけた。9月14日、アメリカ統合特殊作戦コマンドがセレッシャル・バランス（Celestial Balance）作戦を実施。ソマリア沖のアメリカ海軍艦艇から第160特殊作戦航空連隊 AH-6ヘリ２機が発艦し、別のヘリによりSEAL チーム６も出撃、テロリストの車列を攻撃し、テロ組織リーダーを殺害した。9月17日、AU平和維持部隊基地でトラック２台による自爆テロが発生。未だに治安は回復せず、難民は146万人、飢餓状態にある国民が260万人、食糧支援が必要な人数は350万人に達するとみられる。参考：月刊軍事研究1,’09、3,’10、4,’15、12,’15、軍事力バランス78年版

＜ソマリア沖海賊事件＞：ソマリア北部に面するアデン湾（スエズ運河のある紅海とインド洋を繋いでいる）は、長さ1800kmあり、年間20000隻（うち10%が日本関係船）の艦船が航行し、世界の石油輸送量の30%以上が交通している。内戦が続き無政府状態にあるソマリアではろくな産業も無く、犯罪が裁かれる事も無いので、簡単な収入源として海賊に身をやつす漁民が続出、ソマリア北東部のエイルを根拠地とし、突撃銃や手榴弾、20mm機関砲に対戦車ロケットを装備して数隻グループで艦船を襲撃し始めた。2006年3月には海賊船とみられる船を臨検しようとしたアメリカ海軍ミサイル巡洋艦CG-71ケープ・セント・ジョージとミサイル駆逐艦DDG-66ゴンザレスが対戦車ロケット及び機関銃による攻撃を受けている。2006年5月にイスラム法廷会議がモガディシオを制圧し、厳格なイスラム法に基づいて公開処刑などを実施すると殆ど行われなくなったが、暫定政府とエチオピア軍によりイスラム法廷会議が退却すると再び多発、2005-12年の身代金被害額は３億3900万ドルに達し、国連世界食糧計画のチャーター船まで襲われる事態になったため、国連の要請でカナダが護衛を開始。また、インド洋に展開する多国籍任務部隊がアデン湾を中心にパトロールを行うこととなった。護衛部隊はEUのNAVFOR、NATO常設部隊のSNMG、アメリカ中心のCTF-151、各国それぞれの４種がある。護衛方式は海賊撲滅を主眼としたゾーン・ディフェンス方式と、船団護衛を主目的としたコンボイ方式の２種。2007年10月、日本が運航管理するパナマ船籍ケミカル・タンカーのゴールデン・ノリが海賊の襲撃を受けた。アメリカ海軍に救出されたのは12月12日のことである。2008年頃から民間警備会社が護衛活動に参画するようになっており、軍と違って護衛スケジュールを自由に決められるため、便利に使われているらしい。警備のため年間180億ドルの余計な経費がかかっているという。2008年4月、日本人計1600人を乗せた豪華客船２隻がソマリア沖を通過するため、インド洋で給油活動中の護衛艦に海上警備行動を発令する検討が行われたが、首相官邸の意向で見送られ、米英海軍に護衛を要請し、客船は無事に通過した。4月4日、豪華帆船ポナンが拿捕され、30人が人質に取られた。4月11日、ポナンの乗員は解放され、フランス特殊部隊が海賊６人を拘束した。4月21日、日本郵船大型タンカー高山が５隻の不審船に追跡されて被弾したが、ドイツ海軍フリゲートがジグザグ航行している高山を不審に思い現場に急行し、高山は逃げ切ることに成功した。6月2日、国連安保理が半年の期限付きで、暫定政府の了解があれば海賊行為と海上武装強盗を抑止するためソマリア領海内まで海賊を追跡し、あらゆる必要な手段を行使できる安保理決議1816号を全会一致で採択（日本が共同提案）。これに基づき、ドイツはジブチのアメリカ軍基地にP-3C哨戒機を派遣した。7月20日、日本企業所有のパナマ船籍貨物船ステラマリスが拿捕された。8月、アラビア海で不朽の自由作戦洋上阻止活動を展開している第150連合任務部隊が海賊対処を開始。8月21日、興洋海運のパナマ船籍ケミカルタンカーが拿捕され、後に身代金を支払って解放された。8月23日、貨物船AIZU（あいず）が海賊の銃撃を受けたが、逃げ切った。9月3日、大型ヨットが拿捕され、２人が人質に取られた。9月16日、フランスが特殊部隊30名、フリゲート１隻、対潜哨戒機を投入し、大型ヨットの人質２人を救出した。9月27日、身代金と引き替えにステラマリスが解放された。10月2日、EUがフランスで非公式会合を開き、軍艦の派遣を決定。10月7日、安保理決議1838（日本も共同提案）が全会一致で採択され、海賊に対する非難を行い、積極的な軍による取り締まりを求めた。10月19日、ソマリア暫定政府首相がNATO艦船７隻の到着と領海内での軍事行動容認を発表。10月23日、フランス特殊部隊がアデン湾で海賊９名を拘束し、ソマリア暫定政府に引き渡した。10月24日、韓国が駆逐艦975忠武公李舜臣、海軍特殊部隊、ヘリ、高速艇の派遣を検討していると発表。11月10日、EU外相・国防相合同理事会で、ソマリア周辺海域に12月から艦船７隻を派遣し、国連世界食糧計画の食料援助船を護衛することとした。ただ海賊に対して軍艦が武力を行使すると、特に死傷者が出た場合には激しい非難が予想されるので、積極的な制圧行動には出られない状況にある。12月、EUがそれまでのNATO海上部隊を引き継ぐ形でEU協同軍事部隊をアデン湾に展開し、アタランタ作戦を開始した。2009年初め、NATOが海賊対処アライド・プロテクター作戦を開始。5月、イランがヴォスパーMk5フリゲート 71アルヴァンドと補給艦ブシェールを派遣した。6月23日、オランダがワルラス級潜水艦１隻の派遣を検討していると発表。8月17日、NATOが海賊対処作戦オーシャン・シールドを承認。2009年中に海賊は217隻の船舶を襲撃し、47回成功、6000万ドルの身代金を得た。2010年1-10月、乗っ取り事件が37件発生した。10月10日、日之出郵船の貨物船イズミがモンバサへの到着直前に海賊に乗っ取られた。2011年1月21日、韓国の海賊対処部隊がアデン湾の黎明作戦で海賊に乗っ取られた船舶を急襲して制圧した。2月25日、日之出郵船の貨物船イズミが解放された。3月5日1700頃、商船三井のタンカーがオマーンの東400海里で海賊の襲撃を受け、海賊４人が乗り込んできたが、アメリカ海軍などが制圧して事無きを得た。海賊は海上保安庁に引き渡されている。7月6日、ギリシャ船籍のタンカーが海賊船によるロケット弾攻撃を受けて炎上したが、積載していたディーゼル燃料への延焼は無かった。2012年、14隻が海賊に乗っ取られ、250人が抑留・誘拐されて２人が殺害された。2015年、海賊事案がゼロになった。2021年6月10日、第151連合任務部隊CTF151が第151連合任務群CTG151に縮小された。参考：月刊軍事研究1,’09、5,’09、6,’10、9,’10、3,’14、月刊世界の艦船4,’09、9,’09、6,’09、4,’10、9,’10、4,’11、5,’11、6,’11、10,’11、8,'24、JShips vol.48、月刊JWings9,’16、朝雲、ベーシック条約集2018

＜ソマリア沖海賊対処（ＥＵ）＞：2008年12月からアタランタ（ギリシャ神話の女狩人）作戦の名称で開始した。一般商船や、国連世界食糧計画WFPの支援物資輸送船などを護衛している。2015年2月、スウェーデン海軍 90H型襲撃艇２隻が初めて派遣された。3月6日、海上部隊のドイツ海軍フリゲートF217バイエルンが、海自 DD-102はるさめとソマリア沖アデン湾で共同訓練（ヘリ発着艦、信号、戦術運動など）を実施。2016年9月5日、海上部隊のオランダ海軍フリゲートF803トロンプが海自 DD-117すずつきとアデン湾で共同訓練を実施。2017年3月14日、ソマリア沖で海賊行為とみられる事案が発生したため、対処にあたった。2020年10月15日、水上部隊が海自ソマリア沖海賊対処水上部隊と共にジブチに寄港し、海上パレードなどを行った。参考：月刊世界の艦船7,’13、5,’15、11,’16、朝雲

＜ソマリア沖海賊対処（韓国）＞：対処部隊は清海部隊と呼ばれ、CTF-151に参加しており、KDX-2級駆逐艦１隻、ヘリ１機、UDT/SEAL30名、海難救助隊を半年交替で送っている。2009年3月13日から9月14日、駆逐艦976ムンムデワンが任務に就いた。7月16日から2010年1月18日、駆逐艦977テー・ジョヨンが任務に就いた。2009年11月20日から2010年5月20日、駆逐艦975チュンムゴン・イースンシンが任務に就いた。2010年4月20日から10月4日、駆逐艦979ガン・ガンチャンが任務に就いた。8月9日から2011年1月20日、駆逐艦978ワン・ゲオンが任務に就いた。2010年12月8日から駆逐艦981チェ・ヨンが任務に就いている。2011年1月21日、アデン湾の黎明作戦で海賊に乗っ取られた船舶を制圧した。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11、月刊世界の艦船6,’11

＜ソマリア沖海賊対処（中国）＞：独自の派遣であり、CTF-151、EU-465、NATO-508など国際的な海賊対処の枠組みには参加していない。ヘリ搭載駆逐艦・フリゲートを４ヶ月交代で２隻、総合補給艦を８ヶ月交代で１隻送っている。部隊指揮官は少将で、政治工作主管の少将や海軍特殊部隊も同行する。2008年12月から2009年4月、駆逐艦171海口、駆逐艦169武漢、補給艦887微山湖を派遣。2009年1月15日、海賊対策で派遣されていた駆逐艦171海口、駆逐艦169武漢、補給艦887微山湖が、他国の潜水艦に追跡されていることをキャッチし、潜水艦を包囲して攻撃態勢を取った。戦闘は起きなかったが、この潜水艦はインド海軍キロ級とみられている。2009年4-8月、駆逐艦167深圳、フリゲート570黄山、補給艦887微山湖を派遣。7-12月、フリゲート529舟山、フリゲート530徐州、補給艦886千島湖を派遣。9月、ロシア海軍と共同護衛を実施。10月から2010年4月、フリゲート525馬鞍山、フリゲート526温州、補給艦886千島湖を派遣。2009年12月21日にはフリゲート568巣湖も合流した。12月、アデン湾でロシア海軍との合同演習である和平藍盾2009を実施。2010年3-9月、駆逐艦168広州、フリゲート568巣湖、補給艦887微山湖を派遣。2010年6月10日、第６次派遣部隊の揚陸艦998崑崙山と駆逐艦171海口が湛江を出港。6月から2011年1月、揚陸艦998崑崙山、駆逐艦171海口、補給艦887微山湖を派遣。2010年11月から2011年5月、フリゲート529舟山、フリゲート530徐州、補給艦886千島湖を派遣。2011年2月11日夕方、海賊に襲撃された韓国商船CS DAISYから救助要請が入ったため、徐州が艦載ヘリに特殊部隊３名を乗せて発艦させ、海賊が乗っているとみられるボートの周辺を旋回させて追い払った。2011年2月からフリゲート525馬鞍山、フリゲート526温州、補給艦886千島湖を派遣。往路ではパキスタンと合同演習を行っている。7月から駆逐艦169武漢、フリゲート569玉林、補給艦885青海湖を派遣。2014年、交代に向かう艦艇２隻に通常動力潜水艦１隻を同伴させ、潜水艦は8月中旬にマラッカ海峡を潜航したまま通峡、スリランカのコロンボ港に寄港した。インド洋に展開拠点を設ける布石とみられる。艦艇２隻はコロンボには寄らず、9月中旬にソマリア沖で任務を引き継いだ。2015年4月3日、ミサイル駆逐艦152済南、フリゲート548益陽、補給艦886千島湖が中国を出港してソマリアに向かった。9月に交代した後、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアを歴訪し、11月7日にはアメリカ海軍、2016年1月1日にはオーストラリア海軍と親善訓練を行っている。2015年9月から2016年1月、054A型フリゲート 573柳州、同574三亜、補給艦885青海湖を派遣。2017年、中国初の海外基地であるジブチ保障基地を開設した。参考：月刊世界の艦船3,’10、9,’10、9,’11、1,’15、1,’16、4,'16、3,’18、4,'22、航空ファン5,’11

＜ソマリア沖海賊対処（日本）＞：2008年10月10日、日本船主協会会長が国土交通相に海賊対策強化を要望。10月15日、海上保安庁長官がアデン湾への巡視船派遣は能力不足で困難であると発表。11月、日本財団と海洋政策研究財団が主催してソマリア海賊対策緊急会議が開かれ、海上自衛隊の派遣を検討するよう首相に要請した。選挙がらみと集団的自衛権・武力行使がらみで多少揉めたが、中国が一足先にアデン湾周辺で海賊対処を始めると、12月23日に政府は海賊対処法制定までの一時的措置として、海上警備行動を発令して護衛艦を派遣、防衛にあたることを決定し、12月26日に麻生首相が浜田防衛大臣に対して海賊対処の早急な検討を指示した。2009年1月5日、日本船主協会が麻生首相に海自部隊のアデン湾への即時派遣を要請（要望書も1月15日に提出）。1月7日に与党プロジェクトチームが発足し、1月27日に与党が現行法での部隊派遣と海賊対策新法の国会提出を決定、1月28日に浜田防衛大臣が準備命令を出した。2月8-20日、防衛省が統幕や海幕などの要員13名からなる現地調査団をアデン湾周辺国（イエメン、オマーン、ジブチ、バーレーン）に派遣。2月10-13日、DD-113さざなみ、DD-106さみだれ、SH-60K哨戒ヘリ、特別警備隊が豊後水道南方の訓練海域で海賊対処行動を想定した射撃訓練を実施。海面に当たった銃弾が跳弾しまくるため、警告射撃は海賊船前方50mの海面に向けて行うという武器使用基準ROEを定めた。その後、DD-113さざなみとDD-106さみだれは派遣に向けた改装工事に入った。2月20日、DD-110たかなみが特別機動船と第６管区警備救難部長ら海上保安官20人を乗せ、SH-60K哨戒ヘリ、海上保安庁巡視船きい、あさかぜ（海賊船役）と呉港沖で共同訓練を実施。3月2-3日、海自幹部学校で関係省庁を交えて図上演習を実施。3月9日、海上保安庁が海自護衛艦に同乗させる派遣捜査隊８人の任命式を実施。3月13日、政府はソマリア沖海賊対処のため海上警備行動の発令と、海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案を閣議決定。3月14日、海上警備行動に基づく船舶警護命令に従い、派遣海賊対処行動水上部隊DSPE（Deployment Surface force counter Piracy Enforcement）の第４護衛隊群第８護衛隊 DD-113さざなみ・DD-106さみだれ（艦橋チャフ甲板にLRAD、チャフ甲板とヘリ格納庫天井に防楯と12.7mm機銃、内火艇の代わりに複合型高速艇を搭載。SH-60K哨戒ヘリ２機を積んでおり、ヘリにも74式7.62mm機銃と小型のLRADを装備する）が特別警備隊や海上保安庁派遣捜査隊８人を乗せて呉基地を出港し、ソマリア沖に向かった。警護活動の保護対象は日本関係船（日本船籍の船、日本人が乗船する外国船、日本の運航事業者が運航する外国船、日本にとって重要な積み荷を輸送している外国船）であり、原則として事前に国土交通省海賊対策連絡調整室の登録を受ける。船舶は１海里間隔で１列（６隻以上なら２列）に並び、その前後を護衛艦で挟み、上空を艦載ヘリが警戒し、アデン湾西からインド洋に至る900kmを航行する。海賊に対しては、まず所属を相手に伝達し、相手の誰何を問い、相手に音声で警告し、至近海面（50m手前）に警告射撃を行う。これでも接近を継続する場合、正当防衛または緊急避難が認められる場合には船体射撃を実施する。自衛権ではなく警察権に基づく対処行動であり、海上自衛隊員には逮捕権が無いため、海上保安官が同乗して司法警察業務を行う。3月23日、関係国や関係機関と調整を行う統幕連絡官１名がバーレーンに到着。3月27日、防衛省職員給与法施行令の一部改正を閣議決定。特殊勤務手当の船舶検査等手当を海上警備等手当に改称し、海自派遣部隊に１日4000円までの支給を行えるようにした（海上警備行動下令日の3月13日に遡って施行）。3月28日、DD-113さざなみ・DD-106さみだれがアラビア海北部でAOE-422とわだから洋上給油を受けた。3月30日、DD-113さざなみ・DD-106さみだれがアデン湾に到着し、現地時間1645（日本時間1045）から日本関係船５隻に対する警護活動を開始した。4月3日、中曽根外務大臣と、来日中のジブチ共和国マハムッド・アリ・ユスフ外務国際協力大臣が、外務省でジブチの港湾等の自衛隊使用に関する地位協定に調印した。4月3日2040（日本時間4月4日0240）頃、日本関係船３隻を護衛中のDD-113さざなみ・DD-106さみだれが、４海里のところを航行中のシンガポール船籍タンカー・オーシャンアンバーが発した「海賊らしき小型船舶が接近してくる」という国際VHF 無線をキャッチ。DD-113さざなみが救援に向かい、レーダーで小型船４隻を探知、2050頃にLRADでソマリ語の警告を送ると共に探照灯を照射して追い払った。タンカーは日本関係船でないので護衛の対象にならない筈というクレームが一部から出たため、海賊対処法では日本と関係無い外国船舶でも保護できるようにしている。4月6日、DD-113さざなみが補給のためジブチ共和国ジブチ港に入港。派遣海賊対処水上部隊指揮官がジブチ大統領府でイスマイル・オマール・ゲレ大統領を表敬訪問した。4月11日0908（日本時間1508）頃、アデン湾西側で船団護衛待機中に、近くを航行するマルタ船籍商船パナマックス・アンナから国際VHFで海賊に追跡されているとの緊急無線が入ったため、人道的見地からDD-106さみだれを現場に派遣。発見した不審船に対してLRADでソマリア語による警告を行い、SH-60K哨戒ヘリ１機を発進させて停船させ、商船が安全な距離まで遠ざかったのを確認して引き上げた。4月17日、浜田防衛大臣がP-3C哨戒機による海賊対処部隊の派遣準備命令を関係部隊に発出。4月18日1404（日本時間0804）頃、アデン湾西側を航行していたカナダ船籍クルーザーボートのウェア・ドリームから国際VHFで海賊らしき小型船舶が急接近しているとの緊急電が入り、DD-113さざなみがSH-60K哨戒ヘリを派遣。ウェア・ドリームを追跡している不審船２隻を発見したため、周辺を飛行して監視に移ったところ、間も無く不審船は追跡を中止。２隻のはウェア・ドリームが安全な距離まで離れたのを確認して帰投した。5月6日、DD-113さざなみとDD-106さみだれがジブチ国際自治港に入港し、補給を行った。5月15日、浜田防衛大臣が海上警備行動に基づき、P-3C哨戒機２機による海賊対処航空隊編成・派遣命令を自衛艦隊司令官（自衛隊統合運用指揮官を務める）に出した。5月16日、中央即応連隊が宇都宮駐屯地で50名の警衛チームを編成し、ジブチ共和国でのP-3C哨戒機警備にあたることになった。装備は9mm拳銃、89式小銃、軽装甲機動車である。ジブチ派遣部隊は、統合作戦指揮官の自衛艦隊司令官隷下に派遣海賊対処行動航空隊（Deployment Air force counter Piracy Enforcement、派行空／DAPEと略す。DAPEはだっぺと読んだりする。海自 P-3C哨戒機部隊と警備の陸自部隊の統合運用。司令部は陸海自要員からなる）が置かれており、物資輸送を担当する航空自衛隊航空支援集団司令部隷下の第１輸送航空隊と共同運用されている。要員は飛行隊40名（海自のみ）、整備補給隊30名（海自のみ）、基地業務隊40名（陸海自）、警衛隊30名（陸自中央即応連隊。9mm拳銃、89式小銃、軽装甲機動車２両装備）で、部隊拠点はP-3C哨戒機が離着陸するジブチ国際空港に隣接するアメリカ陸軍キャンプである。ただここはジブチ政府からアメリカが借りた場所で、又貸し状態になっており、ジブチ政府からも早期に自前の拠点を完成させることが求められていた。監視地域はアデン湾を含むソマリア沖全体で、上空からのアデン湾監視任務の75%以上を自衛隊機が担任している。塩害を防ぐためにP-3C哨戒機は定期的に水洗する必要があるが、ジブチの水は塩分濃度が高いため、精密部分はミネラルウォーターで洗浄する。また、気温が高すぎて（日本から持ってきたヒマワリが枯れるくらい）機体にかけた水があっという間に蒸発し、水洗にならないため、朝早くに洗機する必要がある。5月18日、第１輸送航空隊 C-130H輸送機が通信機器、装備、航空自衛隊要員15名、陸上自衛隊要員４名を乗せて小牧基地を離陸、ジブチに向かった。成田空港からは海自要員20名と陸自要員18名からなる先遣隊がジブチに出発。1145（日本時間1745）、マルタ船籍タンカーのノールから小型船舶の攻撃・追跡が30分続いているとの連絡が入り、西南西50海里に位置していたDD-106さみだれがSH-60K哨戒ヘリを発艦させた。1217過ぎ、SH-60K哨戒ヘリが現場海域に到着したが、小型船舶の姿は無く、安全を確認して帰投した。5月19日、先遣隊がジブチに到着。P-3C哨戒機の運用などに関する連絡調整や、海賊関連の情報交換にあたる海自連絡官１名をバーレーンに派遣。5月20日、ロシア空軍からチャーターしたAn-225輸送機が、派遣隊の荷物を仙台空港からジブチに空輸した。5月21日、C-130H輸送機がジブチに到着。5月23日、ロシア空軍からチャーターしたAn-225輸送機が、派遣隊の荷物を仙台空港からジブチに空輸した。5月26日、ロシア空軍からチャーターしたAn-225輸送機が、派遣隊の荷物を仙台空港からジブチに空輸した。5月28日、厚木航空基地からP-3C哨戒機２機が医官など36名を乗せてジブチに向かった。中央即応連隊本隊34名と海自要員37名がJALチャーター機でジブチに向け羽田を出発。5月31日、P-3C哨戒機がジブチに到着。6月3日1653（日本時間2253）頃、DD-113さざなみの北西31kmを航行中のマルタ船籍タンカー・デイラムから国際VHF 無線で小型船舶に追われていると連絡が入り、SH-60K哨戒ヘリが発艦した。間も無くデイラムから本船は安全との連絡があり、SH-60K哨戒ヘリもデイラム近くのダウ船２隻と小型船舶１隻に武器や縄梯子などが積まれていない事を確認、1733に帰投している。6月11日、派遣海賊対処航空隊がP-3C哨戒機による哨戒任務を開始。6月19日、日本で海賊対処法（海賊行為の処罰および海賊行為への対処に関する法律）が成立し、海上警備行動では認められていない外国船舶護衛と船体威嚇射撃が認められた。海賊対処法でも自衛隊は自衛権ではなく警察権を行使する。これに基づき、防衛大臣は統幕長らに準備を指示し、自衛艦隊司令官らに法律施行後の海賊対処行動実施のための準備命令を発出した。6月22-26日、海上保安庁羽田航空基地のガルフⅤ型ジェット機をジブチに派遣し、海賊の身柄を日本に送る事態が生じた際の予行や意見交換を行った。7月1日、第１次ソマリア沖海賊対処水上部隊が33回目の護衛任務を終え、護衛船舶100隻を達成した。7月6日、第２次水上部隊のDD-102はるさめが横須賀を、DD-154あまぎりが舞鶴を出港した。両艦には海上保安官４名ずつが乗り込んだ。7月24日、海賊対処法が施行され、安全保障会議と閣議で海賊対処法に基づく自衛隊の対処要項と海賊対処行動を承認、防衛大臣が自衛艦隊司令官に対し、ソマリア沖アデン湾で航行中の船舶を海賊行為から防護する活動を命じると共に、海上警備行動の終結命令を発出した。7月29日、アデン湾で第２次水上部隊が１回目（通算42回目）の警護活動を開始。これが海賊対処法に基づく初の護衛で、対象は日本関係船３隻と外国船籍商船１隻である。任務の引き継ぎを終えた１次隊は帰路についた。現地時間7月31日1056頃（日本時間1656頃）、護衛船団の前方（DD-154あまぎり前方55km）に、船舶によじ登るための梯子を搭載した不審小型船舶がいるのをP-3C哨戒機が発見。1128、DD-154あまぎりはSH-60K哨戒ヘリを発艦させ、当該船舶を低空で監視追尾した。小型船はSH-60K哨戒ヘリによる30分以上の追跡を受けて1236頃に船団から離れていったため、SH-60K哨戒ヘリは周辺海域の安全を確認して1318にDD-154あまぎりに着艦。これが護衛船団自体に接近する不審船に対処した初の事例である（外国船舶から救助を要請されて不審船を追い払ったのは６回あった）。8月4日1823（日本時間5日0023）頃、DD-102はるさめが北北西6kmに不審小型船を視認し、国際VHFで呼びかけたが応答が無かったため、LRADでの呼びかけとSH-60K哨戒ヘリによる監視を開始。1838に不審小型船が20ノットで南東に逃走を開始したため、SH-60K哨戒ヘリがサーチライトを照射しつつ追尾し、DD-154あまぎりのSH-60K哨戒ヘリと交代して40分間追いかけ、船団から十分に遠ざかったところで監視を終了した。8月16日1430過ぎ、第１次水上部隊のDD-113さざなみとDD-106さみだれが呉基地Ｅ桟橋に帰港。両艦は3月30日から7月22日までに東航20回57隻・西航21回64隻の護衛任務を行い、総護衛距離は37000kmだった。8月19日、アデン湾を飛行中のP-3C哨戒機がタンカーに向かう不審船舶を発見したため、当該タンカーを含む周囲船舶などに緊急通報を行った。これを受信したEU部隊のドイツ艦が現場に向かい、不審船舶に立ち入り検査を実施、AK47突撃銃などを押収している。8月22日、アデン湾を飛行中のP-3C哨戒機が不審船を発見。通報で駆けつけたオランダ艦載ヘリが停船させてノルウェーの小型機動船が立ち入り検査を行い、対戦車ロケットランチャーや梯子などを押収した。8月25日、第１次水上部隊に総理大臣特別賞状が授与された。10月5日、第２次航空部隊主力の30名とP-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。現地時間2048（日本時間8月6日0248）頃、DD-102はるさめが付近を航行中の護衛対象外のパナマ船籍貨物船から小型不審船舶２隻が接近中との通報を受け、2059にはうち１隻から攻撃を受けていると緊急通報があり、DD-102はるさめはSH-60K哨戒ヘリを緊急発進させた。2128、SH-60K哨戒ヘリが目標を確認し、小型船を追尾して行動を抑止。2134、SH-60K哨戒ヘリがFLIRにより小型船乗員が海に何かを投棄しているのを確認した。2259頃、SH-60K哨戒ヘリは現場に到着した外国艦艇に対処を引き継いで帰投した。10月7日、第２次航空部隊要員70名が那覇航空基地からチャーター機で出発。10月12日、第１次航空部隊P-3C哨戒機２機が帰国し、厚木航空基地で派遣海賊対処行動航空隊第１次隊の帰国行事が実施された。第１次航空部隊は6月11日から10月3日に74回の任務飛行を行い、590時間飛行、5000隻の船舶を確認し、410回の情報提供を行っている。10月13日、第３次水上部隊のDD-110たかなみとDD-155はまぎりが横須賀から出港。11月2日、第２次水上部隊が任務を終了して帰路に就いた。第２次隊は34回の護衛任務を行い、248隻（外国船158隻、日本が運航する外国船88隻、日本船籍船２隻）を護衛している。11月7日、第３次水上部隊が護衛任務を開始。0908（日本時間1508）、P-3C哨戒機がセントクリストファーネービス船籍貨物船から海賊船らしき小型船舶の通報を受けたため、現場に急行し、0931に梯子を積んだ小型船を発見した。1048頃、オランダ海軍艦艇の哨戒ヘリに引き継いで確認作業を終了している。11月22日（23日？）、航空部隊が任務飛行100回を達成。11月23日、国際海事機関から海賊対処部隊に国際海事機関勇敢賞が贈られた。11月29日、第２次水上部隊のDD-102はるさめが横須賀基地、DD-154あまぎりが舞鶴基地に帰港。12月8日、航空部隊・水上部隊の陸海自要員がジブチ市内のフクザワ・カレッジ（福沢学校。1995年に日本のODAで建設）を親善訪問し、生徒との文化交流を実施、サッカーボール６個などを寄付した。12月11日1304（日本時間1904）頃、第２次航空隊P-3C哨戒機が梯子を積んだ不審小型船舶を確認し、付近を航行中の外国海軍艦艇に情報提供を行った。カナダ艦のヘリとポルトガル艦艇が現場に向かったため、1534に対応を引き継いでいる。

2010年1月3日までに航空部隊は127回の任務飛行を行った。1月6日までに水上部隊は94回の護衛任務で522隻を護衛した。1月24日、水上部隊が通算100回目の護衛を実施。これを受け、日本船主協会が会長名で感謝のメッセージを防衛省に送った。1月29日、第４次水上部隊のDD-111おおなみが横須賀基地を出港。1月30日、第４次水上部隊のDD-157さわぎりが佐世保基地を出港。2月3日、第３次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。2月5日、第２次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。2月7日、第３次航空部隊（海自は100名で第２航空群主力、陸自は50名で中央即応連隊主力）が任務を開始。3月18日、第３次水上部隊のDD-110たかなみとDD-155はまぎりが横須賀に帰国。3月24日、P-3C哨戒機が商船を攻撃した小型船舶３隻の捜索を実施。5月4日1146頃（現地時間）、DD-111おおなみ搭載SH-60哨戒ヘリが護衛対象船舶の北18kmに梯子のようなものを積んだ小型船舶を発見したため、DD-111おおなみがLRADで呼びかけを行い、探照灯で照射したところ、小型船舶は南に離れていった。5月8日、第５次水上部隊のDD-153ゆうぎりが大湊を出港。5月10日、第５次水上部隊のDD-101むらさめが横須賀を出港。5月24日、海賊対処航空隊の輸送支援のため、第１輸送航空隊第401飛行隊 C-130H輸送機が小牧基地を出発し、ジブチに向かった。5月31日、第４次水上部隊が任務を終了し、日本に向かった。6月2日、第４次航空部隊の第１航空群所属P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地を離陸。6月4日から第３次航空部隊が順次日本への帰投を開始。6月5日、第５次水上部隊が任務を開始。6月6日、第４次航空部隊が任務を開始。この日までに航空部隊は236回の哨戒飛行を行った。6月9日、DD-153ゆうぎり艦内のトイレで三等海曹が倒れているのが発見され、艦載ヘリでフランス軍病院に搬送されたが、死亡が確認された。6月10日、第３次航空部隊の第２航空隊所属P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。7月1-2日、第４次水上部隊のDD-157さわぎりが佐世保基地に、DD-111おおなみが横須賀基地に帰投。7月16日、安全保障会議と閣議で派遣期間を7月24日から１年間延長することが決定した。7月17日、ジブチ政府から借りた土地に建てる海賊対処航空隊用施設の起工式を実施。8月4日、日本船主協会会長ら10人が海賊対処航空隊と水上部隊を訪問し、謝辞を伝えた他、ジブチ市内で感謝の集いを開いて感謝状と記念品を贈呈した。8月16日0819頃、DD-101むらさめ搭載ヘリが梯子を積んだ不審船を発見し、付近の艦艇にVHF国際通信で情報提供を行い、0859頃にオランダ海軍艦載ヘリに引き継いだ。8月23日、第６次水上部隊のDD-156せとぎりが大湊を出港。8月26日、第６次水上部隊のDD-112まきなみが佐世保を出港。9月5日1533（現地時間0933）頃、P-3C哨戒機が多数のドラム缶を積んだ不審なダウ船を発見し、近くの外国海軍艦艇に通報した。10月、水上部隊の護衛航路を東方に200km延伸して1100kmとした。10月6日、第５次航空部隊P-3C哨戒機２機が厚木航空基地を離陸。10月8日、第４次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地に帰国。10月15日、第５次水上部隊DD-101むらさめが横須賀に帰投。10月17日、第５次水上部隊DD-153ゆうぎりが大湊に帰投。10月19日、ジブチの国立青少年保護センターで海賊対処航空部隊の隊員がセンターの学生とサッカーの親善試合を実施。12月1日、第７次水上部隊のDD-103ゆうだちとDD-104きりさめが日本を出発。12月12日1305（現地時間）頃、航空部隊５次隊のP-3C哨戒機が梯子らしきものと燃料タンク11個を積んだ不審小型船を発見、付近の外国軍艦に通報した。これを受けてアメリカ艦艇の艦載ヘリが警告射撃により停船させ、アメリカ艦艇が立ち入り検査を行ってナイフなどを押収している。12月17日、第６次水上部隊が通算200回目の船団護衛任務を実施。12月31日までに航空部隊は延べ381回2930時間の飛行を行い、27700隻の商船を確認、3430回の情報提供を行った。

2011年1月18日、第６次水上部隊DD-112まきなみが佐世保に帰投。1月21日、第６次水上部隊DD-156せとぎりが大湊に帰投。第６次水上部隊は28回の船団護衛を行い、259隻を護衛し、総護衛距離は28400kmだった。1月29日、第５次航空部隊が通算400回目の任務飛行を実施。1月31日、第６次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を離陸。2月9日、第５次航空部隊P-3C哨戒機２機が厚木航空基地に帰投。2月22日、第７次派遣水上部隊が通算222回目の護衛任務を完了した。3月5日、日本関係船舶のオイルタンカーがソマリア人海賊４人に襲撃されたが、アメリカ軍に全員が拘束され、ソマリア派遣水上部隊の海上保安官に引き渡されて日本に護送された。3月13日、ソマリア人海賊４人が海賊対処法違反で東京地方検察庁に送致された。これが海賊対処法初の逮捕者である。3月15日、第８次水上部隊DD-105いなづまとDD-113さざなみが海上保安官８人を同乗させて呉から出港。4月4日0730（現地時間）、P-3C哨戒機が多数のポリタンクと梯子らしきものを搭載した不審小型船２隻を発見したため、付近を航行中の外国軍艦に通報。トルコ艦載ヘリが急行して警告射撃を行い、停船させて調査したところ、対戦車ロケットやGPSなどが発見された。4月7日、第８次水上部隊がジブチに到着し、７次隊から任務を引き継いだ。4月12日、不審船舶を監視していたドイツ海軍 P-3C哨戒機がエンジントラブルを起こしたため、海自 P-3C哨戒機が引き継ぎ、DD-113さざなみの艦載ヘリも確認を行った。船舶は梯子を海に捨てて商船から離れた。4月22日、航空部隊が通算450回目の任務飛行を行った。5月9日、第７次水上部隊のDD-103ゆうだちとDD-104きりさめが佐世保に、第22航空隊 SH-60K哨戒ヘリ２機と第23航空隊 SH-60K哨戒ヘリ１機が大村航空基地に帰投した。5月31日、水上部隊指揮官（第８護衛隊司令）が体育訓練中に左足を負傷し、全治６週間と診断された。6月1日、ジブチ国際空港北側に建設した拠点施設の運用を開始し、航空部隊はアメリカ陸軍キャンプからこちらに移った。P-3C哨戒機１機を収容できる格納庫、体育館、コンテナユニット式の司令部棟、幹部宿舎、曹士隊員宿舎、医務棟などから構成され、インフラ（電力や水道など）は全て自前でなくジブチのものを使っているため、自衛隊初の海外拠点と呼ばれる。特製の風呂は「富士見の湯」という名称で、モザイクタイルにより富士山とその傍を飛行するP-3C哨戒機が描かれている。食材は現地調達だが、ジブチでは農業があまり行えないためほぼ輸入品で、コストは高め。しかし民間の日本人調理員によりカラフルな食材が調理されており、それに見合った味とボリュームが保たれている。6月3日、陸自基地警備第７次要員先発隊19名が成田空港を出発してジブチに向かった。6月7日、陸自基地警備第７次要員主力部隊25名が青森空港を出発してジブチに向かった。5月31日に負傷した第８護衛隊司令が、自衛艦隊司令部指揮通信主任幕僚と交代した。6月20日、第９次水上部隊DD-106さみだれとDD-158うみぎりが呉を出港した。7月7日、ジブチ国際空港内の新拠点施設の開所式を実施。7月8日、活動の１年間延長（2012年7月23日まで）を閣議決定した。7月21日、航空部隊が500回目の任務飛行を行った。8月11日、第８次水上部隊DD-105いなづまとDD-113さざなみが呉に帰投。８次隊は28回の船団護衛任務で延べ233隻を28000kmにわたり護衛した。10月5日、第８次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋を出発。10月11日、第10次水上部隊DD-110たかなみとDD-111おおなみが海上保安官８名を同乗させて横須賀を出港。10月14日、第７次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸に帰投。11月14日（13日？）、水上部隊が船団護衛通算300回を達成。12月3日、第９次水上部隊DD-106さみだれとDD-158うみぎりが呉に帰投。12月31日までに航空部隊は通算599回の任務飛行を行い、4640時間飛行、45770隻の商船を確認し、5460回の情報提供を行った。

2012年1月1日、第８次航空部隊が通算600回目の任務飛行を行った。1月21日、第11次水上部隊DD-101むらさめとDD-102はるさめが横須賀を出港。1月30日、第９次航空部隊P-3C哨戒機２機が厚木航空基地を出発。要員100名（初の女性隊員２名を含む）も日本を出発した。2月1日、第８次航空部隊の隊員170名が鹿児島空港に帰国。2月8日、第８次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地に帰投。2月25日、海上部隊が通算333回目の船団護衛を達成。3月12日、第10次水上部隊（護衛回数32回、護衛隻数216隻、総護衛距離39290km）のDD-110たかなみとDD-111おおなみが横須賀に帰投した。4月21日、航空部隊P-3C哨戒機が梯子２本やポリタンク多数を載せた不審なスキフを発見。周辺の船舶とバーレーンの有志連合海上部隊CMF司令部に通報した。CMF司令部は近くの韓国艦載ヘリに対応を要請、P-3C哨戒機は警戒任務に復帰している。5月11日、第12次水上部隊DD-107いかづちが横須賀を出港。5月12日、第12次水上部隊DD-157さわぎりが佐世保を出港。6月4日、第10次航空部隊の海自隊員と拠点警備の陸自中央即応連隊隊員計70名が那覇空港を出発。6月5日、第10次航空部隊P-3C哨戒機が那覇航空基地を出発。第10次航空部隊隊員がジブチ国際空港に到着。6月6日、第９次航空部隊隊員が羽田空港に帰国。6月7日、第10次航空部隊P-3C哨戒機がジブチに到着。6月9日、航空部隊は第９次隊から第10次隊へ指揮を移転。第９次隊は2月6日から6月7日までに75回の警戒監視飛行を行い、6500隻の商船を確認し、590回の情報提供を行った。6月13日、第９次航空部隊P-3C哨戒機が厚木航空基地に帰投。6月16日、水上部隊第11次隊DD-101むらさめ、DD-102はるさめと、インド海軍哨戒艦シャラダ、高速戦闘艇カルペニが、インド西方海域で共同訓練を実施。6月18日、航空部隊が700回目の任務飛行を達成した。同日、民間商船が海賊の攻撃を受けているという通報があり、P-3C哨戒機が現場に急行。梯子や多数のポリタンクを積んだスキフを発見し、近くのロシア艦艇に情報を伝えた。7月5日、第11次水上部隊DD-101むらさめとDD-102はるさめが横須賀に帰投し、総理大臣から特別賞状が授与された。また、指揮官には防衛大臣からの一級賞詞が伝達された。7月13日、防衛省が派遣期間の１年延長（2012年7月24日から１年間）を決定した。ジブチの拠点では現地従業員が増加し、警備の人手が足りなくなったため、10名増員して190名体制にすることにした。8月31日、第13次水上部隊DD-112まきなみとDD-153ゆうぎりが大湊基地を出港。10月5日、第11次航空部隊整備補給隊、基地業務隊、警衛隊などの要員が青森空港を出発。10月7日、第11次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地から出発。10月13日、第11次航空部隊が第10次隊と任務を交代した。10月15日、DD-153ゆうぎり乗員の海士長が海水浴中に死亡した。10月17日、第10次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。10月24日、第12次水上部隊DD-157さわぎりが佐世保に帰港した。10月25日、第12次水上部隊DD-107いかづちが横須賀に帰港した。10月27日、航空部隊が777回目の任務飛行を実施。12月5日、航空部隊が警戒監視飛行通算800回を達成。12月18日、第14次水上部隊DD-114すずなみが大湊を出港。12月20日、第14次水上部隊DD-104きりさめが佐世保を出港。

2013年1月23日、第13次水上部隊DD-112まきなみとDD-153ゆうぎりがモルディブのマレ東方海域でモルディブ沿岸警備隊と親善訓練を実施。1月31日までに航空部隊は通算834回の任務飛行を行い、6500時間飛行、65000隻の商船を確認し、7400回の情報提供を行った。2月8日、第11次航空部隊が八戸航空基地に帰投。2月11日、第13次水上部隊DD-112まきなみとDD-153ゆうぎりが大湊基地に帰港。2月20日、第13次水上部隊指揮官に防衛大臣から１級賞詞が授与された。2月22日、第14次水上部隊が船団護衛通算3000隻を達成。4月7日、第15次水上部隊DD-155はまぎりが大湊を出港。4月9日、第15次水上部隊DD-108あけぼのが佐世保を出港。5月8日、DD-114すずなみが日本に向けインド洋を航行していたところ、オマーンのマドラカ岬東180kmを航行していたギリシャ船籍タンカーから、乗員のフィリピン国籍男性が落下物で頭部を負傷し治療が必要であるとの無線が入った。日本時間1919頃、DD-114すずなみから医官、衛生長、航海長の３名を乗せたSH-60J哨戒ヘリがタンカーに向かい、診察と応急措置を行った。5月22日、航空部隊が任務飛行通算900回を達成。第12次航空部隊がジブチ駐留フランス軍と初の文化交流を実施。DD-114すずなみとDD-104きりさめがスリランカ東方海域でスリランカ海軍ミサイル艇ナンディミスラと親善訓練を実施。6月5日、第13次航空部隊P-3C哨戒機２機が厚木を出発。6月7日、第14次水上部隊DD-104きりさめが佐世保に帰港。6月10日、第14次水上部隊DD-114すずなみが大湊に帰港。6月15日、第12次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋に帰投。6月25日、第14次水上部隊に総理からの特別賞状と防衛大臣からの１級賞詞、第12次航空部隊に防衛大臣からの１級賞詞が授与された。7月9日、派遣期間を7月24日から１年間延長することを閣議と安全保障会議で決定。２隻のうち１隻をCTF151に派遣してゾーンディフェンス方式での護衛に就かせることとなった。7月26日、第16次水上部隊DD-156せとぎりが大湊を出港。7月29日、第16次水上部隊DD-109ありあけが佐世保を出港。9月24日、第15次水上部隊DD-108あけぼのが佐世保に帰港。9月27日、第15次水上部隊DD-155はまぎりが大湊に帰港。9月30日、水上部隊が通算護衛回数500回を達成した。10月2日、空自第１輸送航空隊第404飛行隊 KC-767空中給油輸送機がジブチに到着し、航空部隊用物資を降ろした。10月3日、KC-767空中給油輸送機が日本向けの荷物を積んでジブチを出発。10月9日、第14次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。10月11日、第13次航空部隊要員が羽田空港に帰国。10月16日、第15次水上部隊指揮官に防衛大臣から１級賞詞が授与された。10月18日、第13次航空部隊P-3C哨戒機２機が厚木航空基地に帰投。厚木航空基地で第13次航空隊帰国行事が行われ、隊司令に防衛大臣からの１級賞状、隊員５名に隊司令からの３級賞詞が授与された。11月13日、第17次水上部隊DD-106さみだれとDD-113さざなみが呉を出港。12月上旬、第151連合任務部隊司令部に初の海自連絡官として二等海佐を派遣（2014年2月下旬まで）。12月10日、第17次水上部隊がCTF151のゾーンディフェンスを開始した。１隻が割り当てられた特定海域を警戒するゾーンディフェンス、もう１隻が従来通りの直接船舶護衛エスコート方式で護衛にあたる。12月21-22日、第16次水上部隊がチェンナイ沖でインド軍艦３隻と共同訓練を実施。

2014年1月1日までに航空部隊は累計1032回の任務飛行を行い、7980時間飛行、83200隻の商船を確認し、8860回の情報提供を行った。水上部隊は海賊対処法に基づいて通算484回の護衛（海上警備行動に基づく護衛を入れると525回）を行い、3189隻を護衛した。ゾーンディフェンスは18日間で810隻の商船を確認している。1月15日、第16次水上部隊DD-109ありあけが佐世保に帰投。1月17日、第16次水上部隊DD-156せとぎりが大湊に帰投。1月18日（日本時間。現地時間では1月17日）、DD-106さみだれにCTF151から民間商船が木造帆船の攻撃を受けているとの情報が入り、SH-60を発艦させて現場に向かわせたところ、商船の安全は確認されたが、近くに小型ボートを曳航した不審な木造帆船を発見したため、CTF151司令部に情報を提供した。P-3C哨戒機も現場で木造帆船を確認しCTF151司令部に動静を報告、フランス海軍ドック型揚陸艦L-9012シロッコに引き継いだ。その後シロッコから発艦したヘリと舟艇が立ち入り調査を行ったところ、木造帆船（インド船籍）の乗員11人が人質になっており、ソマリア人海賊５人を拘束して乗員を解放した。これがCTF151に参加して初の海賊対処実績である。1月22日、第16次水上部隊指揮官に防衛大臣から１級賞詞が授与された。2月5日、第15次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。2月10日、航空部隊がCTF151への参加を開始。2月14日、第14次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。3月2日、DD-113さざなみ搭載ヘリがダウ船上で白い布が振られているのを発見。DD-106さみだれが現場に向かって確認したところ、ソマリアからイエメンに向け航行中にエンジンが故障し10日間ほど彷徨っていたことが判明し、食料や飲料水を提供した。イエメン沿岸警備隊と調整した結果、アデン港沖合で会合することになり、ダウ船を曳航して3月3日午後に引き渡した。3月17日、第18次水上部隊DD-105いなづまとDD-158うみぎりが呉を出港。4月23日、アデン湾でCTF151の一員としてゾーンディフェンスを行っていたDD-105いなづまがジブチ東方650kmのアデン湾を漂流中のスキフ（ソマリアからイエメンに向かう途中でエンジンが故障）を発見し、乗っていた75人を救助、4月24日夕方までにイエメンのムッカラ港沖でイエメン海軍に引き渡した。5月9日、小野寺防衛大臣がジブチを訪問し、航空部隊と水上部隊を激励した。5月17日、第17次水上部隊が呉に帰港。防衛政務官から１級賞状を伝達された。6月9日、第16次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋を離陸。6月13日、第17次水上部隊指揮官に防衛大臣から１級賞詞が授与された。6月19日、第15次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸に帰投。7月12日、水上部隊が通算護衛隻数3500隻を達成。7月15日、第19次水上部隊DD-110たかなみとDD-111おおなみが横須賀基地を出港。7月18日、国家安全保障会議と閣議で、CTF151司令部の要請と海賊対処法の規定に基づき、CTF151司令部に自衛官を派遣できるようにすることを決定。海賊対処法に基づく決定なので、やはり自衛権ではなく警察権に依るものである。7月24日、在ジブチ部隊が改編され、航空機運用総務経理広報、航空機・装備品などの警備、関係当局との調整を行う派遣海賊対処行動支援隊DGPE（Deployment support Group for counter Piracy Enforcement。要員110名）が新編された。8月19日、陸幕長がジブチの航空部隊拠点を訪問し、陸自隊員らを激励した。8月28日、CTF151司令部に自衛隊初の司令部要員として海幕運用支援課の三等海佐を派遣した。9月20日、DD-105いなづまとDD-158うみぎりが呉に帰港した。第18次水上部隊には内閣総理大臣からの特別賞状が防衛副大臣より伝達されている。9月25日、DD-110たかなみとP-3C哨戒機がNATO軍デンマーク海軍戦闘支援艦L-17エスバーン・スネイルと共同訓練を実施。これが初の海自・NATO軍共同訓練である。9月28日、水上部隊が通算護衛600回を達成。10月1日、第17次航空部隊P-3C哨戒機２機が厚木航空基地を離陸。10月7日、防衛副大臣より第18次水上部隊指揮官に防衛大臣からの１級賞詞が伝達された。10月10日、支援隊２次隊の隊員110名が日本を出発。10月12日、派遣海賊対処行動支援隊警衛隊としてジブチに派遣されていた中央即応連隊60名が帰国し、JR宇都宮駅で出迎え行事が行われた。10月16日、DD-110たかなみが海賊対処EU海上部隊のイタリア海軍 D553アンドレア・ドリアとアデン湾で共同訓練を実施。10月17日、第16次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋に帰投。10月24-30日、第２次派遣海賊対処行動支援隊が在ジブチ仏軍主催の非戦闘員退避訓練を視察。11月15日、第20次水上部隊DD-102はるさめとDD-154あまぎりが佐世保を出港。11月22日、DD-110たかなみが海賊対処EU海上部隊オランダ海軍 F828ヴァン・スペイクと共同訓練（通信、ヘリ発着艦、近接運動など）を実施。12月5日、DD-110たかなみがEUアトランタ作戦（CTF465）所属ドイツ海軍 F214リュベックと共同訓練を実施。12月8日、第17次航空部隊が通算1234回目の任務飛行を実施。DD-110たかなみがCTF151に参加中のトルコ海軍フリゲートF492ゲムリクと共同訓練を実施。12月10日、第20次水上部隊が第19次水上部隊から任務を引き継いだ。12月31日までに航空部隊は通算1248回の任務飛行を行い、9640時間飛行、102200隻の商船を確認し、10300回の情報提供を行った。水上部隊は海賊対処法に基づく通算578回の護衛（海上警備行動に基づく護衛も入れると619回）を行い、3493隻を護衛した。ゾーンディフェンスは累計280日実施し、7980隻の商船を確認した。

2015年1月18日、中谷防衛大臣がジブチで第20次水上部隊、第17次航空部隊、第２次支援隊を激励した。1月23日、第16次航空部隊に防衛大臣からの１級賞状が授与された。1月24日、第19次水上部隊DD-110たかなみとDD-111おおなみが横須賀基地に帰投。2月2日、第18次航空部隊の第５航空群 P-3C哨戒機２機が那覇航空基地から出発。2月22日、第17次航空部隊P-3C哨戒機２機が厚木航空基地に帰投。3月6日、DD-102はるさめがEU海上部隊ドイツ海軍 F217バイエルンとソマリア沖アデン湾で共同訓練（ヘリ発着艦、信号、戦術運動など）を実施。3月18日、第21次水上部隊DD-101むらさめとDD-107いかづちが隊員380名と海上保安官８人を乗せ横須賀を出港。3月22日、航空部隊が累計飛行時間１万時間を達成。DD-102はるさめとパキスタン海軍フリゲート181タリクが共同訓練（通信、戦術運動）を実施。午前、監視飛行中のP-3C哨戒機がソマリアのポサッソとイエメンのムッカラの間のアデン湾を国籍不明のダウ船が漂流しているのを発見。連絡を受けたDD-102はるさめが現場に急行したところ、ダウ船はイエメンに向かう途中でエンジンが故障し３日間漂流していたとのことで、乗船者から救助要請を受けたため、CTF151を通してイエメン海軍と引き渡しの調整を行うと共に、乗船者へ食料と飲料水を提供した。その後イエメン海軍への引き渡しが決まり、DD-102はるさめはダウ船をイエメン沖のアデン湾中部まで曳航し、3月23日午後にイエメン海軍へと引き渡している。4月10-11日、統合幕僚長がジブチを訪問し、部隊を激励した。4月14日、第20次水上部隊が第21次水上部隊と任務を交代した。東京都海運クラブで日本船主協会がソマリア海賊対処活動関係者を招いて海賊対処活動に対する感謝の集いを開催。4月22日、第19次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、同隊長に１級賞詞、第17次航空部隊と第２次支援隊に１級賞状が伝達・授与された。4月28日、第19次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。5月13-14日、第18次航空部隊P-3C哨戒機２機がベトナムのダナンを親善訪問した。5月14日、第18次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。5月15日、第21次水上部隊DD-101むらさめが通算650回目の民間船舶護衛活動を実施。5月20日、第20次水上部隊DD-102はるさめとDD-154あまぎりが佐世保に帰港。5月31日、第４護衛隊群司令がCTF151司令官（海上自衛官初の多国籍任務部隊指揮官）に就任した。6月25日、第18次航空部隊に１級賞状が授与された。7月5日、第22次水上部隊DD-115あきづきとDD-157さわぎりが隊員430名（うち司令部要員30名。DD-115あきづきに女性自衛官10名を水上部隊要員として初派遣）と海上保安官８人を乗せ佐世保基地を出港。7月7日、国家安全保障会議と閣議で7月23日に期限を迎える派遣期間を１年間延長すると決定した。7月23日、第４次海賊対処行動支援隊先発隊36名が民航機で成田空港から出発。7月27日、第20次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地を出発。7月28日、第20次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、隊長に防衛大臣の１級賞詞が伝達された。7月30日、第21次水上部隊が第22水上部隊と任務を交代し、帰路に就いた。8月5日、第４次海賊対処行動支援隊本隊70名が成田空港を出発。8月6日、ジブチの活動拠点で第４次海賊対処行動支援隊が活動を開始。8月7日、第19次航空部隊の隊員が青森空港に帰国。8月11日、第19次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。8月30日、第21次水上部隊DD-101むらさめとDD-107いかづちが横須賀基地に帰港。9月3日、CTF151司令官と第21次水上部隊指揮官に防衛大臣から１級賞詞が授与され、第21次水上部隊に内閣総理大臣から特別賞状が伝達され、第19次航空部隊と第３次支援隊に１級賞状が授与された。9月7日、航空部隊が警戒監視飛行1400回を達成した。10月23日、第23次水上部隊DD-114すずなみとDD-112まきなみが大湊を出港。10月28日、第21次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。11月7日、第21次航空部隊要員が成田空港から民航機で出発。11月11日、第20次航空部隊要員が民航機で成田空港に帰国。11月13日、第20次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地に帰投。12月18日、DD-114すずなみとトルコ海軍 F492ゲムリクがアデン湾で海賊対処共同訓練（戦術運動、物品移送など）を実施。第22次水上部隊のDD-115あきづきとDD-157さわぎりが佐世保基地に帰港。12月22日、第22次水上部隊指揮官の第５護衛隊司令に防衛大臣から１級賞詞が授与された。12月23日、ゾーンディフェンス中のDD-114すずなみがCTF151から連絡を受け、エンジン故障により漂流しているイエメン船籍ダウ船の救助を実施。1800過ぎに曳航を開始し、12月24日にジブチ郊外でジブチ沿岸警備隊に引き渡した。12月26日、エチオピア船籍タンカーで急患（主訴は胸痛と呼吸困難）が発生したため、DD-114すずなみの医務長と衛生員ら３名がボートでタンカーに向かい、DD-112まきなみの内科長もSH-60K哨戒ヘリでタンカーに到着、超音波診断装置で胸部の診察を行い、SH-60K哨戒ヘリでジブチ国際空港に患者を搬送、病院に引き渡した。12月31日までに航空部隊は通算1475回の任務飛行を行い、11360時間飛行、122500隻の商船を確認し、11580回の情報提供を行った。水上部隊は海賊対処法に基づく通算656回の護衛（海上警備行動に基づく護衛も入れると697回）を行い、3640隻を護衛した。ゾーンディフェンスは累計588日実施し、12690隻を確認した。

2016年1月13日、水上部隊が通算700回目の直接護衛を実施。1月28日、DD-114すずなみがEU海賊対処アトランタ作戦所属スペイン海軍フリゲートF82ビクトリアとアデン湾で共同訓練（近接運動、戦術運動、ヘリ発着艦、小火器射撃など）を実施。2月1日、第22次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。2月2日、第５次支援隊110名が羽田空港を出発。2月6日、航空部隊の累計飛行回数が1500回に達し、P-3C哨戒機を前に千五百の人文字を作って記念撮影した。2月12日、第22次航空部隊と第５次支援隊の要員が民間チャーター機で羽田空港を出発。2月14日、第21次航空部隊60名と第４次支援隊110名が民間チャーター機で羽田空港に帰国。2月18日、第21次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。3月2日、第21次航空部隊と第４次支援隊に防衛大臣から１級賞状が伝達された。3月6日、第24次水上部隊の隊員計350名、司令部要員30名、海上保安官８人を乗せ、DD-153ゆうぎりが横須賀基地、DD-103ゆうだちが大湊基地を出港。3月30日、DD-114すずなみがアデン湾でフランス海軍強襲揚陸艦L-9014トンネール、フリゲートF714ゲプラットと共同訓練（ヘリ発着艦、通信、写真撮影）を実施。4月21日、第５次派遣海賊対処行動支援隊がジブチの自衛隊活動拠点周辺地区でジブチ市との合同清掃を実施。支援隊から49名、航空隊から24名が参加し、ジブチ憲兵隊が道路を警備する中、ジブチ市清掃員20人と合同で大規模清掃作業を行った。4月27日、第23次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地を出発。5月7日、第23次航空部隊要員が成田空港から出国。5月8日、第23次水上部隊DD-114すずなみとDD-112まきなみが大湊に帰港。5月11日、第22次航空部隊要員が民間機で帰国。5月13日、第22次航空部隊のP-3C哨戒機２機が八戸に帰投。5月19日、第23次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、第23次水上部隊指揮官に１級賞詞、第22次航空部隊に１級賞状が授与された。5月22日、DD-103ゆうだちとDD-153ゆうぎりがアデン湾でEU海上部隊スペイン海軍 F81サンタ・マリアと共同訓練（近接運動、ヘリ発着艦）を実施。派遣海賊対処行動支援隊と航空隊の隊員30名がダメルジョグ地区の小中学校を訪問し、テーブルチェアやサッカーボールなどを寄贈した。6月1日、DD-103ゆうだちとDD-153ゆうぎりがアデン湾でCTF151 トルコ海軍フリゲートF490ガジアンテプと共同訓練（近接運動、ヘリ発着艦）を実施。6月16日（17日？）、国家安全保障会議と閣議で2016年7月24日から2017年7月23日まで１年間の延長を決定。6月28日、DD-103ゆうだちとDD-153ゆうぎりがアデン湾でEU海上部隊イタリア海軍 F575エウロと共同訓練（近接運動、ヘリ発着艦）を実施。7月3日、第24次水上部隊が艦内投票所を設けて参議院選挙不在者投票を実施。7月5日、航空部隊P-3C哨戒機２機がアデン湾でEU海上部隊スペイン空軍P-3M哨戒機１機と共同訓練（目標探知識別、写真撮影）を実施。7月10日、第25次水上部隊DD-105いなづまが呉を、DD-117すずつきが佐世保を出港。派遣海賊対処第５次行動支援隊と第23次航空部隊がアメリカ軍キャンプ・レモニエで日本文化紹介行事を実施。7月20日、航空部隊がジブチ空港で任務飛行累計1600回達成の記念撮影を実施。P-3C哨戒機２機、軽装甲機動車２両、1600の人文字に加え、南スーダン情勢悪化でジブチ空港に展開していた第１輸送航空隊 C-130H輸送機が写真上方中央に収まっている。7月27日、第24次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。8月6日、第24次航空部隊要員がチャーター機で日本を出発。8月8日、第23次航空部隊要員がチャーター機で鹿児島空港に、第５次支援隊要員がチャーター機で羽田空港に帰国。8月12日、第23次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地に帰投。8月15日、稲田防衛大臣がジブチを訪問して隊員を激励し、P-3C哨戒機に搭乗して水上部隊を視察、無線でメッセージを送った。9月2日0547（現地時間。日本時間9月1日2347）、CTF151にシンガポール船籍貨物船セベンから急病人発生により医療支援が要請されたため、DD-105いなづまにCTF151から連絡が入り、SH-60K哨戒ヘリで外科長ら３名を派遣して0730にセベンへと移乗させた。診察の結果、急性虫垂炎により手術が必要と診断し、DD-105いなづまからCTF151に連絡してオマーン空軍に患者を引き継いでいる。9月5日、DD-117すずつきがEU海上部隊オランダ海軍 F803トロンプと共同訓練を実施。9月7日、第６次支援隊司令、衛生幕僚、渉外・広報幕僚がジブチ市内でジブチ国連機関ミーティングに参加。第24次海上部隊DD-153ゆうぎりが横須賀基地に帰港。9月8日、第24次海上部隊DD-103ゆうだちが大湊基地に帰港。9月16日、第24次水上部隊に安倍首相から特別賞状、第23次航空部隊と第５次支援隊に稲田防衛大臣から１級賞状、第24次水上部隊指揮官に稲田防衛大臣から１級賞詞が授与された。9月21日、ジブチの日本隊が各国軍を招いて多国間上級下士官ミーティングを開催し、自衛隊准曹級30名、アメリカ軍11名、イタリア軍６名、ドイツ軍４名が参加した。10月9日、支援隊と航空隊の隊員が第３回コンバットブーツラン・ワールドを開催し、日本隊４個チームとアメリカ・イタリア・スペイン・ドイツ・フランスの計８個チームがリレー走で交流を深めた。10月26日、第25次航空隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。11月1日、海賊事件発生件数減少により、第26次水上部隊から護衛艦を１隻のみとすることを閣議決定した。乗艦する海上保安官は８名のままで、航空部隊のP-3C哨戒機も２機態勢のままとする。11月11日、第24次航空隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。11月18日、第24次航空隊に防衛大臣から１級賞状、派遣隊員に防衛功労賞が授与された。11月20日、第26次水上部隊DD-104きりさめが佐世保基地を出港した。11月21日、第６次支援隊司令と第25次航空隊司令がジブチ軍統合士官学校を訪問し、関係者と交流した。12月9日、隊員19名がジブチ・フランス高校で国際親善サッカー大会に参加。12月15日、陸海自隊員20名がジブチ駐留フランス軍主催グランバラ砂漠マラソン大会に参加。各国要員、ジブチ政府関係者、ジブチ在住フランス人など1000人以上が参加し、情報・警衛幕僚がベテランの部で１位、中央即応連隊の通信２班員が多国軍の部で２位となった。12月17日、航空部隊が任務飛行通算1700回を達成。12月19日、隊員15名がジブチ市内のフクザワ中学校を訪問し、青年海外協力隊主催の日本語教室を支援した。12月31日までに航空部隊は累計1708回の任務飛行を行い、13110時間飛行、142100隻の商船を確認し、12470回の情報提供を行った。水上部隊は海賊対処法に基づく累計728回の護衛（海上警備行動に基づく護衛を入れると769回）を行い、3754隻を護衛した。ゾーンディフェンスは累計891日で、商船13600隻を確認した。

2017年1月1日、第６次支援隊と第25次航空隊の隊員計170名がジブチの活動拠点で年始行事を実施。在ジブチ米軍司令官など駐留各国軍やジブチ関係者らを招いて福笑いや書道などを行い、親交を深めた。1月12日、第25次水上部隊DD-117すずつきが佐世保基地、DD-105いなづまが呉基地に帰港。呉基地で帰国行事が行われ、防衛政務官から内閣総理大臣特別賞状が伝達された。1月17日、第25次海上部隊P-3C哨戒機２機が海賊対処EU海上部隊スペイン空軍P-3M哨戒機１機と共同訓練（目標探知識別、写真撮影）を実施。1月19日、第25次水上部隊指揮官に防衛大臣から１級賞詞と防衛功労賞が授与された。1月22日、第７次支援隊先発隊が鹿児島空港から出発。1月23日、第７次支援隊の第８師団第43普通科連隊基幹110名（うち海自30名）が成田空港から出発。1月24日、第26次航空隊第１航空群 P-3C哨戒機２機と隊員60名が鹿屋航空基地を出発。1月25日1030頃（現地時間）、DD-104きりさめが国際VHFで救難信号を受信したため、SH-60ヘリで捜索を開始。1120頃、漂流しているダウ船を発見し、1200頃にDD-104きりさめが現場に到着、ゴムボートで近接支援隊員をダウ船に派遣して調査したところ、燃料タンクが破損して燃料漏れを起こしていると判明、別のタンクに燃料700リットルを移して救助活動を終了し、1500過ぎに現場を離れた。1月26日、DD-104きりさめがパキスタン海軍フリゲート181タリクと共同訓練を実施。1月27日、第26次航空隊P-3C哨戒機２機が任務を開始。2月8日、第７次支援隊後発隊が出発。2月9日、第25次航空隊が第26次航空隊に、第６次支援隊が第７次支援隊に任務を引き継いだ。2月15日、第６次支援隊に防衛大臣から１級賞状が伝達された。2月19日、第25次航空隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。帰国行事が行われ、防衛政務官から第25次航空隊に防衛大臣の１級賞状が伝達された。3月9日、第４護衛隊群司令福田達也海将補が第151連合任務部隊CTF-151指揮官となった。3月11日、第27次水上部隊DD-116てるづきが司令部要員20名と海上保安官８名を乗せ横須賀を出港。3月14日、ソマリア沖で海賊行為とみられる事案が発生したため、CTF-151とEU部隊が対応し、DD-104きりさめとP-3C哨戒機１機も現場に急行した。4月5日、第７次支援隊司令がジブチ大学で自衛隊の国際平和協力活動と海賊対処行動に関する講話を実施。4月8日深夜、アデン湾国際推奨航路でツバル船籍貨物船が海賊に乗っ取られたため、CTF-151司令部（司令官は福田海将補）と調整の上でジブチからP-3C哨戒機を派遣。P-3C哨戒機は無線で貨物船と連絡を取り、海賊に乗っ取られているが乗員19人は避難区画に全員避難している事を確認し、対処艦艇が現場に到着するまで監視を行った。中国海軍艦艇要員が貨物船に突入して解放している。4月18日、第26次海上派遣部隊DD-104きりさめが第27次海上派遣部隊DD-116てるづきに任務を引き継ぎ、ジブチを出港して日本に向かった。4月20日、DD-116てるづきとP-3C哨戒機１機がアメリカ海軍 LSD-50カーター・ホール、イギリス海軍 F235モンマス、韓国海軍 981チェ・ヨンとアデン湾で共同訓練（通信、立ち入り検査、近接運動）を実施。4月27日、ペルシャ湾アブダビ周辺海域でDD-104きりさめがUAE海軍哨戒艦ムバラーズと親善訓練を実施。4月28日、第27次航空部隊P-3C哨戒機２機が要員35名を乗せ那覇航空基地を離陸。4月29日、ペルシャ湾ダンマーム周辺海域でDD-104きりさめがサウジアラビア海軍哨戒艦アル・シーディクと親善訓練を実施。5月4-5日、防衛政務官が第26次航空部隊と第７次支援隊を視察し、P-3C哨戒機で第27次海上部隊を上空から視察した。5月6日、防衛政務官がバーレーンのCTF151司令部を訪問し、司令官の福田海将補から海賊事案の現状とCTF151の活動状況の報告を受けると共に、各国司令部要員を激励した。5月9日、第27次航空部隊要員25名が成田空港から民間機で出発。5月11日、第27次航空部隊が第26次航空部隊から任務を引き継いだ。5月13日、第26次航空部隊要員が民間機で羽田空港に帰国。5月14日、第26次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地に帰国。任務実績は飛行回数63回、飛行時間500時間、確認船舶数4987隻だった。5月22日、第27次航空隊と第７次支援隊がジブチの自衛隊活動拠点でジャパン・フェスティバル2017を実施。各国大使、ジブチ政府関係者、統合任務部隊アフリカの角司令官、在ジブチ邦人など80人が参加し、縁日、日本食、餅つき、書道などを体験、武道や伝統芸能を見学した。5月28日、DD-104きりさめが佐世保基地に帰港。防衛政務官から第26次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状が伝達された。6月8日、第26次水上部隊指揮官に稲田防衛大臣から１級賞詞が授与された。6月13日、第８次行動支援隊20名が現地入りした。6月19日、DD-116てるづきがゾーンディフェンス延べ1000日（2013年12月以来）を達成し、ヘリ甲板に1000の人文字を書いて記念撮影を行った。6月21日午前（現地時間）、DD-116てるづきがアデン湾西部ソマリア沖で漂流しているスキフを発見。特別機動船で乗船隊が接近して確認したところ、乗船者５人の証言からエンジン故障により７日間漂流していたことが判明し、乗船者に飲食物を提供して曳航、午後にソマリア北部ベルベラ港付近の海上でソマリア沿岸警備隊に引き渡した。6月27日、ジブチ独立40周年記念式典に第27次航空部隊と第７次行動支援隊の計30名が参加。7月4日、第151連合任務部隊司令官を務めた第４航空群司令福田海将補に稲田防衛大臣から１級賞詞が授与された。7月13日、第27次航空隊と第７次支援隊の30名がジブチ共和国アルタ地区の日本人慰霊碑で追悼行事を実施。7月21日、第８次行動支援隊50名が民航機で成田空港から出国。7月25日、第28次航空部隊の第２航空群 P-3C哨戒機２機が隊員35名を乗せ八戸航空基地を離陸。7月30日、DD-116てるづきがアデン湾でインド海軍フリゲートF44タバーと共同訓練（ヘリ発着艦、戦術運動、通信など）を実施。8月4日、第28次航空部隊が活動を開始。第28次航空部隊25名がチャーター機で青森空港から出国。第８次行動支援隊40名がチャーター機で成田空港から出国。8月5日、第28次航空部隊が第27次航空部隊から、第８次支援隊が第７次支援隊から任務を引き継いだ。8月6日、第28次水上部隊DD-154あまぎりが司令部要員20名と海上保安官８人を乗せ佐世保基地を出港。第27次航空部隊要員が那覇航空基地に帰国。第７次行動支援隊が福岡空港に帰国。8月9日、第27次航空部隊P-3C哨戒機１機が那覇航空基地に帰国。8月26-28日、DD-116てるづきが2009年3月の海上警備行動に基づく護衛開始以来通算800回目の直接護衛を達成し、ヘリ甲板に800の人文字を書いて記念撮影を行った。8月31日、第27次水上部隊から第28次水上部隊に活動を引き継いだ。9月1日、DD-116てるづきが帰国のためジブチ港を出港し、アデン湾でDDG-100キッドと親善訓練（戦術運動、ヘリ発着艦など）を実施。9月13日、山本防衛副大臣がジブチの活動拠点を訪問し、P-3C哨戒機でアデン湾航路帯を視察した。10月1日、第27次水上部隊DD-116てるづきが横須賀基地に帰港。10月5日、第27次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、同指揮官に１級賞詞と防衛功労賞が伝達された。10月18日、第29次航空部隊の第１航空群 P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地を離陸。10月29日、航空部隊が第28次隊から第29次隊に交代した。第28次隊は8月5日から10月28日に56回407時間飛行し、4795隻の船舶を確認している。10月31日、第28次航空部隊隊員60名が民間機で羽田空港に帰国。11月2日、海賊対処行動の11月20日から2018年11月19日までの延長と、2018年3-6月の第151連合任務部隊司令官への海将補派遣が閣議決定された。第28次航空部隊P-3C哨戒機１機が八戸航空基地に帰国。11月10日1100頃（現地時間）、DD-154あまぎりがパキスタン船籍のダウ船からの救難信号を受信。艦載SH-60J哨戒ヘリと上空の第29次航空部隊P-3C哨戒機が発信源を確認し、DD-154あまぎりの乗船隊が作業艇を横付けして３日分の水と食料を提供した。11月12日、整備のため現地に残っていた第28次航空部隊P-3C哨戒機１機が八戸航空基地に帰国。11月15日、第28次航空部隊に小野寺防衛大臣から第１級賞状が授与された。11月20日、ジブチ共和国の活動拠点東側隣接地３ヘクタールを新たに追加で借りた。11月30日までに航空部隊は累計1931回の任務飛行を行い、14780時間飛行、160400隻の商船を確認し、13100回の情報提供を行った。12月1日、第29次航空部隊P-3C哨戒機２機がEU海賊対処部隊のドイツ海軍 P-3C哨戒機１機とアデン湾西部で共同訓練（海賊対処に係る目標移管、戦術飛行、写真撮影など）を実施。12月3日、第29次水上部隊DD-156せとぎりが隊員210名と海上保安官８人を乗せ大湊基地を出港。12月5日、第29次航空部隊P-3C哨戒機１機がアメリカ海軍 P-3C哨戒機１機とアデン湾で共同訓練（通信訓練、戦術訓練など）を実施。12月11日、第９次支援隊20名が成田空港から出国。12月13日、第28次水上部隊の有志70名がジブチ市で市民や沿岸警備隊隊員など300人と海岸清掃を実施。

2018年1月7日、水上部隊がジブチで第28次隊から第29次隊に活動を引き継ぎ、第28次隊DD-154あまぎりは日本に向かった。1月15-17日、第28次水上部隊DD-154あまぎりがインドのムンバイ港に寄港。1月17日、第28次水上部隊DD-154あまぎりがインド海軍フリゲートF45テグ、209型潜水艦１隻とムンバイ港周辺海域で共同訓練を実施。1月22日、第30次航空部隊P-3C哨戒機２機と第５航空群第51飛行隊長以下隊員30名が那覇航空基地を離陸。1月25-27日、第28次水上部隊DD-154あまぎりがマレーシアのポートクラン港に寄港。1月27日、第28次水上部隊DD-154あまぎりがマレーシア海軍フリゲート30レキウとポートクラン周辺海域で親善訓練を実施。1月30日、第30次航空部隊隊員30名がチャーター機で那覇空港を出発。2月1-3日、第29次航空部隊P-3C哨戒機２機がブルネイを親善訪問した。2月1日、第29次航空部隊要員がチャーター機で鹿児島空港に帰国。2月2-4日、第28次水上部隊DD-154あまぎりがフィリピンのマニラに寄港。2月4日、第28次水上部隊DD-154あまぎりがフィリピン海軍フリゲートPF-11ラジャー・フマボンとマニラ周辺海域で親善訓練を実施。第29次航空部隊P-3C哨戒機２機が鹿屋航空基地に帰投。2月11日、28次水上部隊DD-154あまぎりが佐世保基地に帰港。2月13日、第151連合任務部隊司令官に就任予定の第３護衛隊群司令が防衛省で河野統幕長に出国を報告し、2月16日にバーレーンに向かった。2月19日、小野寺防衛大臣から第28次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、同部隊指揮官に１級賞詞と防衛功労賞、第29航空部隊と第８次支援隊に１級賞状が伝達された。3月上旬から6月下旬まで、第151連合任務部隊司令官として第３護衛隊群司令を派遣した。3月17日、第30次航空部隊が累計任務飛行2000回を達成。3月21日、第30次航空部隊と第９次支援隊の隊員23名がジブチのフクザワ中学校で日本語教育を行った。3月25日、第30次水上部隊DD-108あけぼのが隊員190名と海上保安官８人を乗せ佐世保基地を出港。4月19日、八戸航空基地で出国行事が行われ、第31次航空部隊の第２航空群第22飛行隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。4月27日、水上部隊が第29次隊から第30次隊に任務を引き継ぎ、第29次水上部隊DD-156せとぎりがジブチを出港して日本に向かった。第29次隊の活動実績は直接護衛８回12隻、ゾーンディフェンス確認商船2300隻だった。4月28日、第31次航空部隊要員60名が成田空港から民間機で出発。4月30日、航空部隊が第30次隊から第31次隊に交代した。5月2日、第30次航空部隊要員が民間機で羽田空港に帰国。5月3日（4日？）、第30次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。5月11-13日、第29次水上部隊DD-156せとぎりがインドにヴィシャカパトナムに寄港。5月13-14日、第29次水上部隊DD-156せとぎりがヴィシャカパトナム沖でインド海軍 D-53ランジト、キロ級潜水艦１隻、航空機数機と共同訓練（対潜戦、対空戦、戦術運動）を実施。5月31日と6月1日、航空集団司令官が活動拠点を視察した。6月2日、海幕長が第151連合任務部隊司令部を視察した。6月3日、第29次水上部隊DD-156せとぎりが大湊基地に帰港。6月6日、ジブチで発生したサイクロンの洪水被災者に日本政府の緊急援助物資を配給し、ジブチのブルハン内務大臣から感謝の言葉を贈られた。6月18日、第10次支援隊第１波20名が成田空港を出発。7月4日、6月27日まで第151連合任務部隊司令官を務めた海将補に小野寺防衛相から１級賞詞が授与された。第29次派遣海賊対処行動水上部隊に内閣総理大臣特別賞状が伝達され、隊長に１級賞詞と１級防衛功労賞が授与された。7月8日、アメリカ軍キャンプ・レモニエで開催された5kmラン＆3kmウォークに隊員50名が参加し、ジブチ駐留各国軍（アメリカ、スペイン、中国、ドイツ、フランス）1000人との競争を行い、5kmランの部で行動支援隊の森３等陸曹が優勝、佐々木陸士長が３位に入賞した。7月11日、DD-108あけぼのが海賊対処EU海上部隊所属イタリア海軍 F-592カルロ・マルゴッティーニとアデン湾で共同訓練を実施。7月18日夜、第９次支援隊と第31次航空隊がジブチ軍40名を活動拠点に招待して文化交流を実施。7月26日、第32次航空部隊第５航空群第52飛行隊P-3C哨戒機２機が要員30名を乗せ那覇航空基地を出発。7月27日、第９次・第10次支援隊司令がアメリカ軍キャンプ・レモニエで基地司令官とアフリカの角統合任務部隊司令官を表敬した。7月28日、第９次支援隊がジブチで拠点開設記念行事を実施。8月3日、第32次航空部隊要員30名と第10次支援隊要員110名がチャーター機で羽田・那覇空港を出発。8月4日、第32次航空部隊と第10次支援隊が第31次隊航空部隊と第９次支援隊から任務を引き継いだ。8月5日、第31次派遣海賊対処行動水上部隊DD-107いかづちが乗員190名、第１護衛隊司令部20名、SH-60哨戒ヘリ２機、海上保安官８人を乗せ横須賀基地を出港。女性自衛官が初めて部隊指揮官（艦長）を務めている。第31次航空部隊要員がチャーター機で青森空港に帰国。8月8日、DD-108あけぼのがアデン湾で直接護衛を行っていたシンガポール船籍タンカーBOW SUNから、無線で転落負傷者の医療支援要請があったため、SH-60K哨戒ヘリでホイストにより乗員を収容、艦で応急処置を行い、SH-60K哨戒ヘリでジブチの自衛隊拠点に空輸して支援隊の救急車でフランス軍病院に搬送した。第31次航空隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。8月29日、DD-108あけぼのが海賊対処EU海上部隊所属スペイン海軍揚陸艦L-21カスティーヤとアデン湾で共同訓練（各種戦術訓練）を実施。8月31日、第31次航空隊と第９次支援隊にに小野寺防衛大臣から１級賞状が授与された。9月5日、第30次水上部隊が第31次水上部隊に任務を引き継いだ。9月27日、DD-107いかづちがインド海軍フリゲートF45テグとアデン湾で共同訓練（人員輸送、戦術運動など）を実施。10月7日、DD-108あけぼのが佐世保基地に帰投。10月12日、第33次航空部隊第２航空群 P-3C哨戒機２機と隊員30名が八戸航空基地を出発。10月20日、第33次航空部隊要員が成田空港から民航機で出国。10月24日、第32次航空部隊要員が民航機で成田空港に帰国。10月25日、第32次航空部隊第５航空群 P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。11月9日、閣議と国家安全保障会議で海賊対処行動の2019年11月19日までの延長を閣議決定した。第30次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、第32次航空隊に１級賞状が伝達された。11月10日、DD-107いかづちがアデン湾でロシア海軍ミサイル駆逐艦セヴェロモルスクと海賊対処訓練（通信、戦術運動、クロスデッキなど）を実施。11月17日、DD-107いかづちがインド海軍 P57スナイナとアデン湾で海賊対処訓練（通信、戦術運動、クロスデッキなど）を実施。12月2日、第32次水上部隊DD-106さみだれが乗員190名と海上保安官８人を乗せ呉基地を出港。12月10日、第11次支援隊（第４師団第16普通科連隊、航空集団など陸海自隊員110名）第１波20名が成田空港から出国。12月12日、ジブチの拠点をスペイン軍派遣部隊新旧司令官が訪問し、P-3C哨戒機の前での記念撮影などを行った。12月27日、第31次水上部隊、第10次支援隊13名、第34次航空部隊10名が、ジブチ港のDD-107いかづち艦上で餅つきを実施。

2019年1月6日、第31次水上部隊DD-107いかづちが第32次水上部隊DD-106さみだれに任務を引き継いだ。1月8日、第11次支援隊第２波50名が成田空港から出国。1月10日、DD-107いかづちがパキスタン海軍フリゲート181タリクと共同訓練を実施。1月15日、第34次航空部隊第５航空群 P-3C哨戒機２機が要員30名を乗せ那覇航空基地を離陸。1月23日、第11次支援隊第３波40名と第34次航空部隊30名が那覇空港などからチャーター機で出国。1月24日、第34次航空部隊と第11次支援隊が第33次航空部隊と第10次支援隊から任務を引き継いだ。1月25日、第33次航空部隊P-3C哨戒機２機がパキスタンのカラチ沖でパキスタン海軍 P-3C哨戒機１機及び沿岸警備艇３隻と共同訓練Pre-AMANを実施。第33次航空部隊要員と第10次支援隊要員計120名がチャーター機で羽田に帰国。1月27日、DD-107いかづちがフィリピン海軍 C-90哨戒機、沿岸警備艇ネストー・レイノソと、共同訓練（捜索救難、戦術運動）を実施。第33次航空部隊P-3C哨戒機２機がスリランカのハンバントタ沖でスリランカ海空軍航空機・艦艇と共同訓練（捜索救難、通信）を実施。1月30日、第33次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。1月31日、DD-107いかづちがフィリピン海軍コルベットPS-35エミリオ・ハシントと共同訓練（戦術運動、通信）を実施。1月31日までに航空部隊は2208回の任務飛行を行い、16700時間飛行、183200隻の商船を確認し、13850回の情報提供を行った。2月2日、DD-106さみだれが海賊対処EU海上部隊CTF465所属スペイン海軍哨戒艦P43レランパゴと海賊対処共同訓練（立入検査、クロスデッキ、写真撮影）を実施。2月9日、DD-107いかづちが横須賀基地に帰投し、帰国行事が行われた。2月18日、第10次支援隊に第１級賞状が授与された。2月22日、航空部隊が任務飛行通算2222回を達成。2月23日、DD-106さみだれがアデン湾でインド海軍フリゲートF51トリカンドと海賊対処共同訓練（立入検査訓練、クロスデッキ）を実施。3月7日、ジブチ大学・在ジブチ大使館共催の日本ジブチ友好デーに支援隊が参加し、日本文化を披露した。3月12日（22日？）、DD-106さみだれが直接護衛通算4000隻を達成した。3月16日、第33次水上部隊DD-151あさぎりが舞鶴を出港。3月24日、DD-106さみだれがEU海上部隊所属スペイン海軍フリゲートのナバラとの海賊対処共同訓練に参加。3月27日、DD-151あさぎりがマレーシア海軍国際観艦式に参加。3月31日、DD-151あさぎりが、ランカウィと周辺海空域でのマレーシア海軍主催多国間海上演習と、アンダマン海でのインド海軍コルベットP-29カドマットとの共同訓練に参加。4月12日、第35次航空部隊の第２航空群 P-3C哨戒機２機が八戸航空基地から出発。4月19日、第32次水上部隊DD-106さみだれが第33次水上部隊DD-151あさぎりに任務を交代した。4月21日、第35次航空部隊要員が成田空港から民航機で出発。4月23日、第34次航空部隊が第35次航空部隊に任務を引き継いだ。4月24日、第34次隊P-3C哨戒機２機がインドのゴア・ダボリム海軍航空基地に寄航し、インド海軍 P-8I哨戒機１機及び潜水艦１隻と共同訓練（対潜、通信）を実施。4月24-25日、第32次水上部隊DD-106さみだれがモルディブの首都マレに寄港。4月25日、第32次水上部隊DD-106さみだれがモルディブのマレ沖でモルディブ沿岸警備隊哨戒艇フラヴィと親善訓練（通信、戦術運動）を実施。第34次航空部隊要員が民航機で羽田空港に帰国。4月27日、第34次航空部隊 P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。活動実績は任務飛行58回、飛行時間390時間、確認船舶4800隻だった。4月28日、第32次水上部隊DD-106さみだれがインドのヴィシャカパトナム沖でインド海軍ミサイル駆逐艦D-51ラジプットと共同訓練（通信、戦術運動）を実施。5月2日、第33次水上部隊 DD-151あさぎりがアデン湾でオマーン海軍哨戒艦アル・マブルカーと共同訓練（通信、戦術運動）を実施。5月10日、第32次水上部隊DD-106さみだれがジャカルタ沖でインドネシア海軍哨戒艦357ブン・トモと親善訓練（通信、海賊対処、戦術運動）を実施。5月15日、第32次水上部隊DD-106さみだれがパラワン島東方海域でフィリピン海軍哨戒艇フェデリコ・マルティル及びアイランダー312と親善訓練（捜索救難訓練など）を実施。5月17-19日、第32次水上部隊DD-106さみだれがフィリピンのスービックを親善訪問した。5月20日、フランス海軍がジブチ海軍基地で開催したビーチバレー大会に支援隊が参加。5月25日、第32次水上部隊DD-106さみだれが呉に帰投。護衛実績は直接護衛９回15隻、ゾーンディフェンス81日間230隻だった。6月4日、第12次支援隊第１波20名が成田空港を出国。6月10日、第32次水上部隊に岩屋防衛相からの内閣総理大臣特別賞状、第34次航空隊に岩屋防衛相からの第１級賞状が伝達された。6月20日深夜、DD-151あさぎりが沈没しかけたインド船籍貨物船からの遭難信号を受信したため、SH-60哨戒ヘリを派遣し、ホイストで乗員２人を救助、6月22日昼にジブチ沿岸警備隊に引き渡した。7月5日、第12次支援隊第２波50名が成田空港から民間機で出発。7月12日、第36次航空部隊の第５航空群 P-3C哨戒機２機が要員30名を乗せて那覇航空基地を出発。7月12日と14日、第35次航空隊と第11次支援隊が参院選不在者投票を行った。7月13日、第33次水上部隊が艦内投票所で参院選不在者投票を行った。7月20日、第36次航空部隊要員30名がチャーター機で那覇空港を出発。第12次支援隊第３波40名が羽田・長崎空港からチャーター機で出国。7月21日、第35次航空隊が第36次航空隊に任務を引き継ぎ、P-3C哨戒機２機でジブチを出発。7月22日、海上保安庁第34次ソマリア周辺海域派遣捜査隊８名の任命式を海上保安庁長官室で実施。第35次航空隊P-3C哨戒機１機がモルディブ沿岸警備隊哨戒艇シャヒード・アリとモルディブ東方のインド洋で親善訓練（捜索救難、通信）を実施。第35次航空部隊要員がチャーター機で羽田に帰国。第11次支援隊要員がチャーター機で長崎空港などに帰国。7月25日、第35次航空部隊の第２航空群 P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。7月28日、第34次水上部隊DD-113さざなみが海保第34次ソマリア周辺海域派遣捜査隊８名を乗せて呉を出港。8月13-14日、インドのコチに寄港し、日印親善行事に参加。艦長がインド海軍南部コマンド司令官チャウラ海軍大将を表敬し、乗員はインド海軍対潜戦学校を研修した。8月30日、第35次航空隊と第11次支援隊に岩屋防衛相から第１級賞状が授与された。9月1日、第33次水上部隊DD-151あさぎりがオマーンのマスカット港及び周辺海域でオマーン海軍アル・シーブ級哨戒艦 Z20アル・シーブと親善訓練（通信、戦術運動）を実施。9月18-20日、第33次水上部隊DD-151あさぎりがマレーシアのクアンタンを親善訪問し、マレーシア海軍ミサイル艇ハンダラン、ミサイル艇ガンヤン、ペルダナ級ミサイル艇ペルダナと親善訓練を行った。9月24-26日、第33次水上部隊DD-151あさぎりがフィリピンのスービックを親善訪問し、フィリピン海軍コルベットPS-35エミリオ・ハシントと親善訓練を行った。10月2日、第37次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を離陸。10月4日、第33次水上部隊DD-151あさぎりが舞鶴に帰港。任務実績は直接護衛12回・12隻、ゾーンディフェンス120隻だった。10月10日、第37次航空隊要員30名が成田空港から民航機でジブチに出発。10月14日、第36次航空隊要員が民航機で羽田空港に帰国。10月19日、第36次航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰国。任務実績は任務飛行52回、飛行時間370時間、確認船舶数5200隻だった。11月7日、河野防衛相から第33次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、第36次航空隊に第１級賞状が伝達された。11月12日、閣議と国家安全保障会議で期限の１年間延長を決定し、2021年11月19日までとした。規模は隊員400名・護衛艦１隻・P-3C哨戒機２機を維持する。11月24日、第35次水上部隊DD-102はるさめが海上保安官８名と南相馬市からジブチへの寄贈物資（筆記用具5600本、ノート1800冊、バレーボール77個、バスケットボール60個、空気入れ12本）を乗せ佐世保を出港。11月26日から12月2日、派遣隊員の一部230名がジブチ共和国豪雨・洪水被害の国際緊急援助活動に参加。11月27日、日本船主協会が海賊対処活動に対する感謝の集いを実施。12月10日、第13次支援隊110名（第２師団第25普通科連隊主力）の第１波20名が成田空港を出発。12月18日、偕行社が旭川駐屯地で第13次支援隊向け激励品を贈呈した。12月20日、第12次支援隊第１波20名が民航機で羽田空港に帰国。12月23日、第34次水上部隊 DD-113さざなみがインド海軍タルワルⅡ型フリゲート F46タルカシュとムンバイ周辺海空域で共同訓練（対潜、戦術運動）を実施。12月27日、第34次水上部隊DD-113さざなみがオマーン海軍アル・シャミク級コルベット Q40アル・シャミクとオマーンのドゥクム港周辺海空域で親善訓練（通信、戦術運動）を実施。12月28日、河野防衛相がジブチを訪問し、自衛隊員を激励、アブドゥルカデル首相やブルハン国防相らと会談した。

2020年1月4-6日、第34次水上部隊DD-113さざなみがプーケットに寄港。1月6日、第34次水上部隊DD-113さざなみがタイ海軍哨戒艇ソンクラー及びS-76ヘリとプーケット周辺海空域で親善訓練（通信、戦術運動）を実施。海賊対処行動支援隊第13次隊員80名（第２師団第25普通科連隊基幹）の出国行事を旭川駐屯地で実施。1月7日、支援隊第13次隊第２波が出国。1月8日、第13次支援隊が任務を開始。1月11日、第38次航空部隊（初の中東地域情報収集航空部隊を兼ねる）の第５航空群第５航空隊 P-3C哨戒機２機と隊員第１波60名が那覇航空基地を出発。1月18日、第35次水上部隊DD-102はるさめが、アデン湾東方海域で、スペイン海軍フリゲート F-82ヴィクトリアとの海賊対処共同訓練（戦術運動、写真撮影）に参加。1月19日、第38次航空隊第２波がチャーター機で那覇空港を出発。1月20日、中東地域情報収集活動にも従事する第38次航空隊が活動を開始。1月20-21日、第35次水上部隊DD-102はるさめが、アデン湾で、ロシア海軍フリゲートのヤロスラブ・ムドゥリィ、補給艦エリニヤ、航洋曳船ヴィクトール・コネツイーとの海賊対処共同訓練（戦術運動、通信、立入検査、小火器射撃、クロスデッキ）に参加。1月21日、第37次航空部隊第２航空隊 P-3C哨戒機２機が、スリランカ西方海域で、スリランカ海軍ミサイル艇スラニミラ、高速警備艇FAC21と、捜索救難訓練を実施。第37次航空部隊がチャーター機で羽田に帰国。中央即応連隊が羽田空港と宇都宮駐屯地で、ソマリア沖海賊対処行動支援隊第12次隊帰国行事を実施。1月24日、第37次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。1月25日、第34次水上部隊DD-113さざなみが呉基地に帰港。第34次隊の活動実績は直接護衛９回11隻、ゾーンディフェンス115日間470隻だった。1月27日、第35次水上部隊DD-102はるさめが、フランス空軍 SA330ピューマと海賊対処共同訓練（急患輸送）を実施。1月31日までに航空部隊は累計2248回の任務飛行を行い、18300時間飛行、203200隻の商船を確認し、14480回の情報提供を行った。2月2日、初の中東地域情報収集艦艇を兼ねる第35次水上部隊DD-110たかなみが第22航空群 SH-60K哨戒ヘリ２機を載せて横須賀基地を出港。2月17日、水上部隊第34次隊に河野防衛大臣から内閣総理大臣特別賞状、支援隊第12次隊に河野防衛大臣から第１級賞状が授与された。2月21日、DD-102はるさめがアデン湾でフランス海軍駆逐艦D620フォルバンと海賊対処共同訓練（戦術運動、写真撮影、小火器射撃、クロスデッキ）を実施。2月26日、DD-110たかなみが活動を開始。3月1日、DD-110たかなみがオマーン湾で商船から不審小型船接近の国際VHF 通信を受け取ったが、その後何も起きなかったため、対処はしなかった。3月19日、DD-102はるさめがアデン湾でフランス海軍 L-9013ミストラルと海賊対処共同訓練（戦術運動、写真撮影、小火器射撃など）を実施。4月22日、第38次航空隊が通算2500回目の任務飛行を実施し、ジブチの航空拠点で記念撮影を行った。4月24日、第39次航空隊第２航空群 P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。ジブチが新型コロナウイルス感染症拡大防止で入国制限を行っているため、交替要員は乗せられず、機体のみを入れ替えることにした。4月26日、第36次水上部隊DD-111おおなみが乗員190名と海上保安官８人を乗せ横須賀基地を出港。4月27日、第38次隊と第39次隊の機体を入れ替え、第38次隊P-3C哨戒機２機は第２航空群要員により帰国の途に就いた。4月29日、第38次航空部隊第５航空群 P-3C哨戒機１機が第２航空群要員により那覇航空基地に帰投。4月30日、帰国途中の第38次航空部隊第５航空群 P-3C哨戒機のうち１機が、ベトナムのタンソンニャット国際空港で離陸滑走中にエンジン不具合警報が作動したため、離陸を中止した。5月下旬、第35次水上部隊が第37次水上部隊に交代した。6月1日、エンジン不具合によりタンソンニャット国際空港に止まっている第５航空群 P-3C哨戒機の修理要員を乗せ、第３輸送航空隊 C-2輸送機が八戸航空基地からタンソンニャット国際空港に運航した。修理要員は新型コロナウイルス陰性確認で２週間の現地待機が必要なため、エンジン修理器材は２週間後に別便で運ぶ予定となっており、C-2輸送機は一旦日本に戻っている。6月12日、第36次水上部隊DD-111おおなみがソマリア海賊対処EU海上部隊スペイン海軍 F83ヌマンシアと共同訓練（戦術運動、近接運動、通信、小火器射撃、クロスデッキ）を実施。新型コロナウイルス感染防止対策として、クロスデッキ後の人的交流は行わず、ヘリ発着艦のみに止めた。6月15日、帰国途中の第35次水上部隊DD-102はるさめが遠洋練習航海部隊と洋上で会合し、互いにエールを送った。6月16日、エンジン不具合によりタンソンニャット国際空港に止まっている第５航空群 P-3C哨戒機の修理器材を乗せ、C-2輸送機が八戸航空基地からタンソンニャット国際空港に運航した。6月18日、日本国内での２週間隔離を終え、新型コロナウイルス非感染を確認した第39次航空隊要員第２航空群67名と第14次支援隊第１波20名が、チャーター機でジブチに向かった。6月19日、支援隊14次隊３名が湯浅陸幕長に出国報告を実施。第35次水上部隊DD-102はるさめが佐世保に帰港。予定では20日帰港だったが、急性胆嚢炎の疑いがある乗員が出たため、１日早めた。佐世保基地で帰国行事が行われ、総理大臣特別賞状と防衛大臣からの第１級賞詞が伝達されている。6月21日、第36次水上部隊DD-111おおなみがソマリア海賊対処EU海上部隊スペイン海軍 F81サンタ・マリアと共同訓練（近接運動、通信など）を実施。6月30日、DD-110たかなみが横須賀に帰港。7月7日、第14次支援隊第２波の中央即応連隊80名がジブチに向け出国。7月8日、ジブチの自衛隊拠点施設で２週間隔離を終えた第39次航空隊要員が任務を開始。7月9日、第38次航空隊要員がチャーター機で成田空港に帰国。PCR検査で全員の新型コロナウイルス陰性が確認され、7月10日にC-130R輸送機で那覇航空基地に帰投した。第38次航空隊の活動実績は、任務飛行80回、飛行時間530時間、確認船舶数10800隻だった。7月16-17日、第36次水上部隊DD-111おおなみがアデン湾西部海域でソマリア海賊対処EU海上部隊スペイン海軍 F81サンタ・マリア及び韓国海軍駆逐艦977テー・ジョヨンと共同訓練（近接運動、対水上射撃、小型船近接対応、通信など）を実施。7月28日、第13次支援隊が任務を終了し、第14次隊に引き継いだ。8月26日、第13次支援隊に河野防衛大臣から第１級賞状が授与された。8月29日、第36次水上部隊DD-111おおなみがアラビア湾北部西方海域でイギリス海軍フリゲートF231アーガイルと海賊対処共同訓練（戦術運動、小火器射撃など）を実施。9月6日、第40次派遣海賊対処航空部隊要員の第５航空群60名が成田空港から出国。9月7日、第40次派遣海賊対処航空部隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。9月13日、第37次派遣海賊対処水上部隊DD-109ありあけが海上保安官８名を乗せ佐世保を出港。9月20日、第39次航空部隊が任務を第40次航空部隊に引き継いだ。39次隊の活動実績は任務飛行40回、飛行時間250時間、確認船舶数3900隻、情報提供100回だった。9月23日、第39次航空部隊要員が民航機で羽田空港に帰国。10月3日、第36次水上部隊DD-111おおなみがパキスタン海軍フリゲート251ズルフィクアールと共同訓練（戦術運動、クロスデッキなど）を実施。10月9日、第39次派遣海賊対処航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。10月15日、水上部隊が海賊対処EU部隊と共にジブチに寄港し、前年11月に洪水被害を受けたジブチ市内の小中学生に文房具・スポーツ用品・衛生用品といった支援物資を寄贈、海上パレード（海自 DD-111おおなみ、イタリア海軍フリゲートF-594アルピーノ、スペイン海軍フリゲートF81サンタ・マリア、同F-84レイナ・ソフィア、スペイン空軍P-3M哨戒機、ドイツ海軍 P-3C哨戒機が参加）を行った。第39次航空部隊に岸防衛大臣から第１級賞状が授与された。10月16日、岸防衛大臣とボレルEU外務・安全保障政策上級代表が、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた更なる防衛協力強化などを謳った共同発表を発出した。11月10日、海賊対処活動の期限を11月20日から2021年11月19日まで１年間延長すると、国家安全保障会議と閣議で決定した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で民航機の運航が不安定なため空輸隊を90名から130名に、ジブチの活動拠点改修などのため支援隊を110名から120名に増強する。11月11日、在ジブチ日本大使（元海自幹部学校長・自衛艦隊幕僚長・海幕指揮通信情報部長、前防衛省情報本部長）がジブチの自衛隊拠点を初訪問し、隊員を激励した。11月19日、第41次航空隊要員30名が民航機で成田空港を出発。11月24日、第36次水上部隊DD-111おおなみが横須賀に帰港。11月25日、第36次水上部隊に同乗していた海保派遣捜査隊が海上保安庁本庁で帰朝報告を行った。第41次航空隊の第２航空群 P-3C哨戒機２機が八戸航空基地から出発。11月26日、第15次支援隊（第14旅団第50普通科連隊基幹）第一波20名が成田を出国。12月7日、第40次航空隊要員が民航機で成田に帰国。12月8日、第36次水上部隊に内閣総理大臣特別賞状、指揮官に岸防衛大臣からの１級賞詞と防衛功労賞が伝達された。12月9日、第40次航空隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。12月21日、第14次支援隊第一波20名が民航機で成田に帰国。12月31日までに航空部隊は累計2653回の任務飛行を行い、19610時間飛行、222592隻の商船を確認し、15155回の情報提供を行った。水上部隊は累計3922隻を護衛し、ゾーンディフェンスを累計2000日実施、商船19602隻を確認した。

2021年1月18日、第14旅団第50普通科連隊基幹の第15次支援隊第２波90名が成田空港から民間チャーター機で出発。1月19日、第15次行動支援隊がジブチに到着。1月31日、第38次水上部隊DD-156せとぎりが乗員220名と海上保安官８人を乗せ舞鶴を出港。日本近海で14日間の訓練を行い、新型コロナウイルス感染者がいないことを確認後、アデン湾に向かっている。2月2日、第14次支援隊110名が民航機で羽田に帰国。それに先立ち、日本船主協会から感謝状と楯を贈呈された。2月5日、第42次航空隊30名が民航機で成田から出国。2月11日、第42次航空隊第５航空群 P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。2月17日、第14次支援隊首席幕僚が湯浅陸幕長に帰国を報告した。2月18日、宇都宮駐屯地で第14次支援隊警衛隊70名（中央即応連隊所属）の帰国行事を実施。2月19日、第37次水上部隊DD-109ありあけが、ソマリア沖海賊対処EU海上部隊スペイン海軍揚陸艦L-52カスティーリャと、アラビア海北部の西方海域で、共同訓練（近接運動、戦術運動、クロスデッキ）等を実施。2月23日、第41次航空隊要員が民航機で羽田に帰国。2月26日と3月1日、第37次水上部隊DD-109ありあけが、パキスタン海軍フリゲート260アラムジルと、アラビア海北部西方海域及びアデン湾で、海賊対処共同訓練（戦術運動、写真撮影、近接運動、小型船近接対処、クロスデッキ）を実施。3月1日、第41次航空隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。3月17-18日、第37次水上部隊DD-109ありあけが、日仏ベルギー共同訓練に参加。アデン湾で、フランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴール、駆逐艦D652プロヴァンス、補給艦A608ヴァール、ベルギー海軍フリゲートF930レオポルドⅠ世と、各種戦術訓練を行った。3月19-20日、第37次水上部隊DD-109ありあけが、日米仏ベルギー共同訓練に参加。アラビア海で、アメリカ海軍 CG-73ポート・ロイヤル、LHD-8マキン・アイランド、フランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴール、駆逐艦D652プロヴァンス、駆逐艦D621シュヴァリエ・ポール、ベルギー海軍フリゲートF930レオポルドⅠ世、各種戦術訓練を行った。4月2-3日、ソマリア沖海賊対処部隊のジブチ拠点で隊員４名の新型コロナウイルス感染が確認されたため、4月6日に残る全隊員を検査したところ、4月7日に17名の陽性が確認され、隔離措置が執られた。4月13日、第37次水上部隊DD-109ありあけが佐世保基地に帰投し、帰国行事が行われた。4月24日、第43次航空部隊要員30名が成田空港からジブチに向け出国。4月28日、第43次航空部隊の第２航空群 P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を離陸。5月1日、アデン湾で日米仏海賊対処共同訓練を実施。第38次水上部隊DD-156せとぎりが、アメリカ海軍 DDG-72マハン、フランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴール、駆逐艦D621シュヴァリエ・ポールと、クロスデッキ訓練などを行った。5月10日、アデン湾で、日・EU・ジブチ共同訓練を実施。第38次水上部隊DD-156せとぎりが、ソマリア沖海賊対処EU部隊（アタランタ作戦）旗艦イタリア海軍フリゲートF-593カラビニエーレ、スペイン空軍P-3M哨戒機、ジブチ海軍・沿岸警備隊巡視艇Damerjogと、戦術運動、近接運動、クロスデッキ、写真撮影、小型船等近接対応、船舶護衛の各訓練を行った。5月12日、第42次航空部隊要員20名が羽田空港に帰国。5月14日、第42次航空部隊第５航空群 P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投した。5月21日、6月10日に第151連合任務部隊が第151連合任務群に縮小され、連合海上部隊の司令部任務が拡充されることに合わせ、第151連合任務群への派遣人員を従来の20名以内から15名以内に減らし、連合海上部隊に２名を派遣すると、閣議で決定した。現行対処要領は6月9日に廃止し、6月10日から新しい対処要領に移行、まずは11月19日まで実施する。5月27日、第15次支援隊がフクザワ中学校で行われた南相馬市からの寄贈物資引渡式に参列した。5月31日、第16次支援隊第１波20名が成田空港から民航機で出国。6月5日、第39次派遣海賊対処行動水上部隊DD-153ゆうぎりが横須賀で出国行事を実施。新型コロナウイルス対策で１週間待機の後、6月12日に横須賀を出港した。6月25日、第15次支援隊第１波20名が羽田に民航機で帰国。6月29日、支援隊16次隊要員３名が吉田陸幕長に出国報告を実施。7月6日、中央即応連隊の第16次支援隊第３波70名が宇都宮駐屯地で出国行事を実施。7月8日、第44次航空隊の第５航空群 P-3C哨戒機２機と隊員30名が那覇航空基地を出発した。7月10日、第44次航空隊要員30名が成田空港からチャーター機で出国。第39次水上部隊DD-153ゆうぎりが、搭載SH-60J哨戒ヘリと共に、カラチ沖でパキスタン海軍フリゲート260アラムジル及び搭載Z-9ECヘリと親善訓練（発着艦訓練など）を実施。7月11-12日、DD-156せとぎりとP-3C哨戒機がソマリア沖でR08クイーン・エリザベス空母打撃群（イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、アメリカ海軍 DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセン）と共同訓練（写真撮影、洋上補給）を実施。7月20日、海賊対処行動支援16次隊第３波70名が成田空港から出国。7月21日、第43次航空隊要員30名が民航機で成田空港に向かった。8月3日、第43次航空部隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投した。8月16日、第38次水上部隊DD-156せとぎりが舞鶴に帰港。8月29日、第39次水上部隊DD-153ゆうぎりがアデン湾でドイツ海軍フリゲートF217バイエルンと日独共同訓練（クロスデッキ、戦術運動など）を実施。8月31日、第15次支援隊司令が吉田陸幕長に帰国報告を行った。9月14日、第39次水上部隊 DD-153ゆうぎりがアデン湾でイタリア海軍フリゲートF596フェデリコ・マルティネンゴと共同訓練（クロスデッキ、戦術訓練）を実施。9月18日、第39次水上部隊DD-153ゆうぎりが通算護衛回数900回を達成。9月27日、第45次航空隊の第２航空群 P-3C哨戒機２機が隊員30名を乗せ八戸航空基地を離陸。10月1日、第45次航空隊要員30名が成田空港からチャーター機で出国。10月7日、第44次航空隊要員30名が民航機で羽田に向かった。10月9日、第44次航空隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。10月10日、第40次水上部隊DD-103ゆうだちが海上保安官８名を乗せ大湊を出港。10月16日、DD-153ゆうぎりがアデン湾でソマリア沖海賊対処EU海上部隊スペイン海軍フリゲートF-82ヴィクトリアと共同訓練（クロスデッキ、小火器射撃、乗船訓練）を実施。10月24-25日、海賊対処部隊510名がジブチの日本隊施設やDD-153ゆうぎり艦内で衆議院選挙の不在者投票を実施。10月28日、DD-103ゆうだちがLCS-6ジャクソンと南シナ海で共同訓練（各種戦術訓練）を実施。11月11日、第39次水上部隊 DD-153ゆうぎりがアデン湾でイギリス海軍 R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、ミサイル駆逐艦D36ディフェンダー、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、補給艦A136タイドスプリングと共同訓練（戦術運動、PHOTOEX）を実施。11月16日、閣議と国家安全保障会議で、派遣期間の１年延長（2022年11月19日まで）を決定した。新型コロナウイルス感染拡大で調整業務が増えたため、支援隊を230名から240名に増やす。12月7日、第46次海賊対処航空部隊第５航空群 P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。12月10日、第46次航空隊30名と第17次支援隊第11旅団第10即応機動連隊第１波30名がチャーター機で成田空港を出国。12月13日、第39次水上部隊DD-153ゆうぎりが沖縄南方海空域でドイツ海軍フリゲートF217バイエルンとの日独共同訓練（各種戦術訓練）に参加。第45次航空隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰投。12月16日、第45次航空隊要員が民航機で羽田に帰国。12月19日、第39次水上部隊DD-153ゆうぎりが横須賀に帰港。12月23日、第16次支援隊第１波が帰国。12月26日（24日？）、護衛艦の運用に余裕が無い事と、ソマリア沖海賊事案がほぼ無くなっていることから、ソマリア沖海賊対処行動水上部隊が中東地域情報収集任務を兼ねることを閣議と安全保障会議で決定した。

2022年1月9日、第41次水上部隊兼中東地域情報収集活動水上部隊DD-106さみだれが呉を出港。1月11日、DD-106さみだれで乗員１名の新型コロナウイルス感染が判明したため、1月12日に呉に戻った。1月25日、第17次支援隊第２波90名がチャーター機で出国。1月29日、第41次水上部隊DD-106さみだれがアデン湾でドイツ海軍フリゲートF217バイエルンと日独共同訓練（クロスデッキ、戦術運動、近接運動）を実施。2月6日、第16次支援隊第２波が帰国。2月7日、第16次支援隊60名が宇都宮駐屯地に帰投。2月21日、宇都宮駐屯地で第16次支援隊の帰国行事を実施。2月25日、第16次支援隊警衛隊長と先任上級曹長が吉田陸幕長に帰国報告を実施。2月27日（28日？）、第47次航空隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を出発。3月1日、第47次航空隊要員が羽田空港からチャーター機で出国。3月5日、第41次水上部隊DD-106さみだれがベンガル湾でオーストラリア海軍フリゲートFFH151アランタと共同訓練（各種戦術訓練）を実施。3月6-8日、第46次航空隊要員60名が那覇航空基地と成田空港に帰国。3月6日、第41次水上部隊DD-106さみだれがベンガル湾でシンガポール海軍フリゲート71テネイシャスと親善訓練（戦術運動、通信など）を実施。第46次航空隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投。4月11日、第40次水上部隊DD-103ゆうだちが大湊に帰港。5月1日、第41次水上部隊DD-106さみだれがフランス海軍フリゲートF711シュルクーフとアデン湾で共同訓練を実施。5月22日、第42次水上部隊兼第７次中東地域情報収集活動水上部隊DD-102はるさめが佐世保を出港。日本近海で14日間の訓練を行い、アデン湾に向かった。5月24日、第48次航空隊P-3C哨戒機２機が那覇航空基地を出発。5月31日、第47次航空隊が八戸航空基地に帰投。6月24日、第18次海賊対処行動支援隊３名が防衛省で吉田陸幕長に出国報告を実施。7月23日、インド洋で日印共同訓練を実施。DD-106さみだれがインド海軍哨戒艦スカーニャと戦術運動・PHOTEXなどを行った。7月26日、第18次海賊対処行動支援隊120名が出国。8月10日、第41次水上部隊DD-106さみだれが呉に帰港。8月15日、第49次航空隊P-3C哨戒機２機と要員第１波30名が八戸航空基地を出発し、16日に那覇航空基地を経由して出国した。8月16日、第49次航空隊要員第２波30名が民間チャーター機で羽田を出発。8月22日、第48次派遣航空隊P-3C哨戒機２機と要員第１波30名が那覇航空基地に帰投。8月24日、第48次航空隊要員第２波30名が民間機で成田空港に帰国。9月18日（17日？）、第43次水上部隊DD-117すずつきが佐世保基地を出港。日本近海などで14日間の訓練などを行い、アデン湾に向かった。10月25日と28日、アデン湾で第151連合任務群計画海賊対処共同訓練に参加。第42次水上部隊DD-102はるさめが、スペイン海軍フリゲートF-83ヌマンシア及びトルコ海軍フリゲートF-513ブルガズアダと、立入検査、戦術運動、写真撮影の各訓練を行った。11月1日、派遣期間を１年間延長して2023年11月19日までにすることを閣議決定した。11月4日、アデン湾でEU海上部隊との共同訓練を実施。P-3C哨戒機１機がスペイン空軍P-3M哨戒機１機と目標探知識別・写真撮影訓練を行った。11月8日、第50次航空隊第５航空群P-3C哨戒機２機と隊員30名が那覇航空基地を出発。第６師団第20普通科連隊基幹の第19次支援隊第１波30名が日本を出国。11月9日、第50次航空隊30名が那覇空港から出国。11月15日、第49次航空隊P-3C哨戒機２機が八戸航空基地に帰国。11月16日、第49次航空隊30名が羽田空港に帰国。11月25-26日、第42次水上部隊DD-102はるさめが、フィリピンのスービック港に寄港。11月26日、第42次水上部隊DD-102はるさめが、スービック周辺で日フィリピン親善訓練に参加。フィリピン海軍哨戒艦PS-39コンラド・ヤプと戦術運動などを行った。2009年の活動開始から12月31日までに航空部隊は延べ3041回21870時間飛行し、商船261546隻を確認、情報提供を15873回行った。水上部隊は延べ3947隻を護衛し、ゾーンディフェンスを2476日行い、商船28115隻を確認している。

2023年1月9-14日、DD-117すずつきが、アデン湾西部とアラビア海北部で、フランス海軍機動部隊 R-91シャルル・ド・ゴール、D620フォルバン、D652プロヴァンス、A630マルヌ、DDG-103トラクストンと、防空戦、クロスデッキ、洋上補給、PHOTEXの各訓練を行った。1月12日、第19次支援隊の警衛隊長と先任上級曹長が防衛省で吉田陸幕長に出国報告を実施。1月22日、第44次派遣海賊対処行動水上部隊DD-112まきなみが大湊基地を出港。1月28日から2月1日、DD-117すずつきが、アデン湾西部とアラビア海北部で、フランス海軍機動部隊 R-91シャルル・ド・ゴール、D620フォルバン、D652プロヴァンス、A630マルヌと、防空戦、クロスデッキ、洋上補給の各訓練を行った。3月28-30日、DD-117すずつきが、カンボジアのシアヌークビル港とリアム海軍基地で、親善行事（表敬、艦艇公開など）と、カンボジア海軍リアム海軍基地所属隊員との親善訓練（航海演習、エンジン整備実演展示）を行った。4月5日、第43次水上部隊DD-117すずつきが佐世保に帰港。4月20-23日、スーダン情勢悪化を受け、在外邦人等輸送に備えて第51次航空部隊P-3C哨戒機がジブチに待機した。4月23-28日、スーダン情勢悪化による在外邦人等輸送に備え、DD-112まきなみがジブチに待機した。4月25日、第52次航空部隊の第５航空群 P-3C哨戒機が那覇航空基地を離陸。5月2日、第51次航空部隊P-3C哨戒機が八戸航空基地に帰投。6月29日午前（現地時間）、任務中の第52次航空隊P-3C哨戒機がアデン湾で機関故障した小型船舶から国際VHFで救難通信を聴知したため、現場に急行して当該船舶を発見した。その後周辺船舶等に国際VHFで情報を提供して救援要請を依頼し、対応可能な民間船舶に対応を引き継いでいる。6月3日、第45次水上部隊DD-107いかづちが横須賀を出港。7月18日、第20次支援隊第２波120名が出国。7月22日、第45次水上部隊DD-107いかづちがソマリア沖海賊対処EU海上部隊との海賊対処共同訓練に参加。スペイン海軍フリゲート・ナバラと戦術運動・通信・写真撮影の各訓練を行った。9月8日、第45次水上部隊DD-107いかづちが日EU海賊対処共同訓練に係る取決に基づいて行われたソマリア沖海賊対処EU海上部隊との海賊対処共同訓練に参加。イタリア海軍哨戒艦P431フランチェスコ・モロシーニと近接運動・クロスデッキ・写真撮影の各訓練を行った。9月27日、第46次水上部隊兼中東地域情報収集活動部隊のDD-108あけぼのが機上保安官８人を乗せて佐世保を出港。10月6日、第45次水上部隊DD-107いかづちがソマリア沖海賊対処EU海上部隊との海賊対処共同訓練に参加。アデン湾西部でスペイン海軍フリゲート・ナバラと戦術運動・クロスデッキ・写真撮影の各訓練を行った。10月7日、第53次航空部隊の第２航空群要員が派遣された。第21次支援隊要員第１波が出国。11月7日、新たな海賊対処要項を作成し、国家安全保障会議と閣議で承認した。派遣期間を2024年11月19日までに延長し、P-3C哨戒機の派遣機数を２機から１機に減らしている。11月12日、DD-107いかづちがジブチ周辺で日ジブチ親善訓練に参加。ジブチ海軍哨戒艇P22アジュダン・アリ・Ｍ・フムドと巡航訓練を行った。11月21日、第45次水上部隊DD-107いかづちが第46次水上部隊DD-108あけぼのに任務を引き継ぎ、日本に向かった。11月26日、アデン湾でイギリス船籍タンカーが乗っ取られたとの通報があり、DD-108あけぼのがアメリカ軍と協力して情報収集を行い、第151連合任務部隊への情報提供を行っていたところ、イエメンから弾道ミサイルが発射され、18km以上離れた地点に着弾した。12月16日、ブルガリア企業が運行する貨物線が海賊に襲撃されたため、DD-108あけぼのが情報収集と監視を行い、第151連合任務群に情報提供した。第45次水上部隊DD-107いかづちが横須賀に帰港。

2024年1月11日（日本時間）、第46次水上部隊DD-108あけぼのがアデン湾で区域防護中にジブチ東100kmでソマリア人４人が乗船した漁船を発見し、エンジンが故障していたため第151連合任務群と連携しつつ救助にあたり、漁船を曳航して1月12日にジブチ東50kmでジブチ沿岸警備隊に引き渡した。1月15日、アデン湾でアメリカ民間運航船舶が対艦弾道ミサイル攻撃を受けたとの情報が入ったため、DD-108あけぼの搭載ヘリが船舶と通信し、第151連合任務群に報告した。1月16-19日、DD-108あけぼのと第53次航空隊P-3C哨戒機が、アメリカ海軍からの依頼により、ソコトラ南西海域でアメリカ海軍２名の捜索救難対応を行った。1月17日、第46次水上部隊DD-108あけぼのが日仏共同訓練に参加。フランス海軍補給艦A725ジャック・シュヴァリエとアデン湾東部で洋上補給やクロスデッキなどの訓練を行った。2月1日、第47次海賊対処水上部隊兼中東地域における情報収集活動部隊DD-113さざなみが海上保安官８人を乗せ呉を出港。2月7日、イラン船籍漁船AL AMEENがソマリア沖で海賊の攻撃を受けているという情報が入ったため、DD-108あけぼのが現場に向かい、艦載ヘリと共に警戒監視・情報収集を行い、安全を確認して第151連合任務群に情報提供した。3月5日、第５航空群基幹の第54次航空隊要員が那覇空港を民間チャーター機で出国。3月12日、第２航空群基幹の第53次航空隊要員が民間機で青森空港に帰国。4月2-5日、DD-108あけぼのがマレーシアのコタキナバル港に寄港。4月2-5日、DD-108あけぼのがコタキナバル港と南シナ海で日マレーシア共同訓練に参加。マレーシア海軍哨戒艦111ケリス及びスランゴールと、4月2-5日の停泊フェーズに立入検査訓練等訓練展示・艦艇相互見学を、4月5日の洋上フェーズに各種戦術訓練（戦術運動、通信）とPHOTOEXを行った。4月6-7日、DD-108あけぼのが南シナ海で日米豪比共同訓練に参加。アメリカ海軍 LCS-26モービル、P-8A哨戒機、オーストラリア海軍 FFH-152ワラムンガ、オーストラリア空軍 P-8A哨戒機、フィリピン海軍フリゲートのアントニオ・ルナ、哨戒艦ヴァレンティン・ディアズと共に、各種戦術訓練（対潜戦、戦術運動、LINKEX）及びPHOTOEXを行った。4月13日、第46次水上部隊DD-108あけぼのが佐世保基地に帰港。6月3日、第48次派遣海賊対処水上部隊兼中東地域における情報収集活動部隊のDD-106さみだれが海上保安官８人を同乗させ呉を出港。7月2日、第48次水上部隊DD-106さみだれがバーレーン沖でバーレーン王国海軍哨戒艇アル・ムハラックと日バーレーン親善訓練（近接運動、PHOTOEXなど）を実施。7月13日、ビクトリア周辺で日セーシェル親善訓練を実施。DD-113さざなみがセーシェル空軍ドルニエと通信訓練及びPHOTOEXを行った。7月22日、第22次行動支援隊要員第２波が民間チャーター機で成田空港を出国。7月29日、第55次派遣海賊対処行動航空隊の第２航空群P-3C哨戒機２機が八戸航空基地を離陸。7月30日、第55次航空隊要員が民間チャーター機で青森空港を出発。7月31日、DD-113さざなみがムアラ沖周辺で日ブルネイ親善訓練に参加。哨戒艦07ダルレサンと通信訓練及び戦術運動訓練を行った。8月2日、南シナ海で日フィリピン共同訓練を実施。DD-113さざなみが、FF-150ホセ・リサールと、通信訓練、戦術運動、PHOTOEXを行った。8月3日、第21次行動支援隊要員第２波が民間定期便で成田空港に帰国。8月9日、第54次航空隊の第５航空群P-3C哨戒機２機が那覇航空基地に帰投し、要員が民間定期便で那覇空港に帰国した。第47次水上部隊DD-113さざなみが呉に帰港。9月15日、アデン湾東部でソマリア沖海賊対処EU海上部隊と海賊対処共同訓練を実施。DD-106さみだれが、スペイン海軍フリゲートF83ヌマンシアと、人員移送、近接運動、戦術運動の各訓練を行った。10月5日、第49次水上部隊兼中東地域情報収集活動部隊DD-101むらさめが横須賀を出港。

参考：月刊軍事研究1,’09、5,’09、8,’09、2,’09、3,’10、3,’14、10,’16、8,’17、統合幕僚監部ホームページ、月刊世界の艦船4,’09、9,’09、6,’09、1,’10、2,’10、3,’10、4,’10、6,’10、8,’10、9,’10、12,’10、1,’11、5,’11、6,’11、8,’11、9,’11、10,’11、11,’11、12,’11、2,’12、5,’12、8,’12、9,’12、12,’12、1,’13、2,’13、3,’13、4,’13、5,’13、6,’13、8,’13、12,’13、1,’14、4,’14、5,’14、8,’14、9,’14、10,’14、11,’14、12,’14、1,’15、4,’15、5,’15、7,’15、8,’15、9,’15、10,’15、11,’15、1,'16、2,'16、3,'16、4,'16、5,'16、7,'16、8,’16、9,’16、10,’16、11,’16、1,’17、2,’17、4,’17、5,’17、6,’17、7,’17、8,’17、9,’17、10,’17、11,’17、12,’17、1,’18、2,’18、3,’18、4,’18、6,’18、8,’18、9,’18、10,’18、12,’18、1,’19、2,’19、3,’19、4,’19、5,’19、6,’19、7,’19、8,’19、9,’19、10,’19、11,’19、12,’19、3,'20、4,'20、5,'20、8,'20、10,'20、11,'20、2,'21、4,'21、5,'21、6,'21、7,'21、8,'21、9,'21、10,'21、11,'21、12,'21、1,'22、2,'22、3,'22、4,'22、5,'22、6,'22、8,'22、10,'22、11,'22、1,'23、3,'23、4,'23、6,'23、7,'23、12,'23、1,'24、2,'24、4,'24、5,'24、6,'24、8,'24、9,'24、10,'24、12,'24、月刊航空ファン8,’09、9,’16、10,’16、月刊JWings10,’09、7,’10、10,’10、11,’10、12,’10、2,’11、3,’11、4,’11、5,’11、6,’11、7,’11、8,’11、12,’11、1,’12、3,’12、4,’12、5,’12、8,’12、9,’12、10,’12、11,’12、12,’12、1,’13、2,’13、4,’13、5,’13、6,’13、7,’13、8,’13、9,’13、10,’13、11,’13、12,’13、1,’14、2,’14、3,’14、4,’14、5,’14、8,’14、9,’14、11,’14、1,’15、2,’15、3,’15、4,’15、6,’15、9,’15、2,'16、4,'16、5,'16、6,'16、7,’16、8,’16、9,’16、10,’16、11,’16、1,’17、2,’17、4,’17、5,’17、6,’17、7,’17、8,’17、1,’18、2,’18、5,’18、9,’18、10,’18、11,’18、12,’18、1,’19、4,’19、7,’19、9,’19、10,’19、3,’20、4,’20、5,’20、6,’20、7,'20、8,'20、9,’20、10,'20、11,'20、12,'20、1,'21、2,'21、3,'21、4,'21、5,'21、6,'21、8,'21、11,'21、1,'23、4,'23、7,'23、9,'23、12,'23、2,'24、6,'24、月刊PANZER7,’10、MAMOR vol.43、vol.85、vol.106、vol.111、vol.115、vol.117、vol.124、vol.129、vol.133、vol.136、vol.150、vol.157、vol.163、vol.164、ストライク・アンド・タクティカルマガジン1,’11、3,’12、朝雲、海上自衛新聞

＜ソマリア海軍＞：

＜ソマリア海軍（１９７７年）＞：兵力500名。オーサ級ミサイル艇３隻、ポルチャト級哨戒艇６隻、P6級魚雷艇４隻、T4級中型上陸用舟艇４隻を保有するが、部品不足のため稼働率は不明。参考：軍事力バランス78年版

＜ソマリア海軍（１９８９年）＞：兵力1200名。ベルベラ、モガディシオ、キスマユに基地がある。オサⅡ級ミサイル艇２隻、モル級魚雷艇４隻、スイフトシップ32m級哨戒艇１隻、ポルチャト級哨戒艇５隻、ポルノクヌイ級中型揚陸艦１隻、機械化揚陸艇４隻を保有する。ただし殆ど稼動状態に無いとみられる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ソマリア救済作戦＞：リストア・ホープ作戦を参照。

＜ソマリア空軍＞：

＜ソマリア空軍（１９７７年）＞：兵力1000名。Il-28軽爆撃機３機、MiG-17/-15UTI戦闘機40機、MiG-21MF戦闘機12機、An-2輸送機３機、An-24/-26輸送機、C-47輸送機３機、C-45輸送機１機、P-148航空機６機、Yak-11練習機15機、Do28航空機２機、Mi-4ヘリ５機、Mi-8ヘリ５機、AB204ヘリ１機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜ソマリア空軍（１９８９年）＞：兵力2500名。MiG-17戦闘機12機、ハンターFGA.76攻撃機５機、ハンターT.77攻撃機１機、MiG-21MF戦闘機８機、J-6戦闘機30機、SF-260W対ゲリラ戦機５機、ハンターFR.76偵察機２機、An-2輸送機３機、An-24輸送機３機、An-26輸送機１機、BN-2輸送機４機、CN-212輸送機４機、CN-212要人輸送機２機、G-222輸送機２機、Mi-4ヘリ６機、Mi-8ヘリ２機、ベル204ヘリ１機、ベル212ヘリ２機、ベル212要人輸送ヘリ２機、MiG-15UTI練習機２機、SF-260W練習機３機、セスナ150練習機２機、Yak-11練習機10機を保有する。ただし大半が稼動していないとみられる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ソマリア軍＞：

　＜ソマリア軍（２０１５年）＞：現役総兵力17000名（＋民兵）。第21師団司令部、コマンドー・ユニット数個、歩兵旅団７個からなる。AT-105サクソン装甲兵員輸送車25両以上、フィアット6614装甲兵員輸送車、キャスパー装甲車、MAV-5装甲車、マンバMk5装甲車９両以上、RG-31装甲車を保有する。ブルンジ軍AMISOM要員5450名、歩兵大隊６個、ジブチ軍AMISOM要員1850名、歩兵大隊２個、エチオピア軍AMISOM要員4400名、歩兵大隊４個、ケニア軍AMISOM要員3650名、歩兵大隊３個、ウガンダ軍AMISOM要員6200名、歩兵大隊７個が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソマリア内戦＞：冷戦終結により、ソマリア周辺で勢力争いをしていたアメリカ・ロシアの支援が打ち切られたため、国民生活が困窮状態となり、1991年に部族対立から内戦が勃発、反政府組織の統一ソマリア会議がモガディシオを制圧し、1992年に大統領が国外逃亡、正式な政府が消滅した。北部の旧イギリス領はソマリランド共和国として勝手に独立を宣言する事態に陥り、内戦による混乱に干魃の被害が加わって深刻な飢饉が発生。1992年、国連安保理決議に基づいてUNOSOMが発足し、1993年には多国籍軍UNOSOMⅡが派遣されたが、アイディード派など現地武装勢力との戦闘になり1995年3月に撤退した。1994年、イスラム法廷連合が結成され、イスラム法に基づく自治を掲げて内戦に加わり、以降も部族同士の戦闘が続いた。1996年8月、アイディード将軍が死亡したため、ケニアが停戦仲介に乗り出したが失敗。1997年12月、武装勢力28団体がカイロで和平協定に調印したが、第２回会議は結局開かれず、無効になってしまった。1998年7月、北東部の部族がプントランド共和国の自治を宣言した。2000年5月、隣国のジブチに暫定政府が樹立されたが、政府支配地域はバイドア周辺だけで、8月に暫定議会と暫定大統領を選出したものの影響力が殆ど無く、内戦終結には至らなかった。2002年、武装勢力の代表が暫定政権に加わったが、対立部族がソマリア和解再生評議会を結成して4月に南西ソマリアを樹立した。2004年、隣国のケニアで暫定政府が発足、ソマリア南西部のバイドアに本拠地を置き、イスラム法廷連合との戦闘に入った。2006年6月、各部族のイスラム教聖職者が作るイスラム法廷連合が首都モガディシオを制圧、周辺の治安は回復した。イスラム法廷連合はイスラム法廷会議に名称を変更し、イスラム教国エリトリアの支援の下、アルカイダとの関係が疑われているアウェイス師を指導者に据えてコーランに基づく国造りを開始、暫定政府の拠点であるバイドアを攻撃した。これに対し、キリスト教徒が多数を占める隣国エチオピア（エリトリアと国境紛争中）が暫定政府を支援、国連安保理のソマリアへの武器禁輸決議を破り、2006年7月には100名の部隊を越境させている。アフリカ連合は撤退を要求したが、イスラム法廷会議の背後にアルカイダの陰を疑うアメリカが駐留を支持、撤退は進まなかった。イスラム法廷会議はエチオピア軍に対してジハードを宣言したため、国連安保理は12月6日に再び平和維持軍の派遣を決定。しかし派遣直前の12月20日にイスラム法廷会議が暫定政府拠点のバイドアに進出してエチオピア軍と戦闘になり、12月24日にエチオピア空軍がモガディシオを爆撃し、更に自衛のための対テロ戦争を宣言して地上軍２個師団も侵攻、12月28日に暫定政府軍がモガディシオを占領した。イスラム法廷会議は南部のキスマユに退却したが、そこでアルカイダ幹部の殺害を謀るアメリカ軍 AC-130攻撃機の攻撃を喰らい、2007年1月1日にエチオピア軍と暫定政府軍がキスマユを占領、暫定政府が北部のソマリランドを除くほぼ全土を制圧した。その後アフリカ連合は平和維持部隊8000名を半年間派遣することにし、国連安保理も2月20日にそれをPKO部隊として承認。しかし暫定政府の統治範囲及び統治能力は限定されており、予算不足もあってPKOの効力も限定され、無政府状態に等しい状況が継続している。3月29日から4月1日にはモガディシオで死者1000人以上を出す戦闘になった。7月19日、国民和解会議が開催された。イスラム法廷会議側はエリトリア、サウジアラビア、パキスタンなどの支援を受けていると見られ、徐々に勢力を回復している模様。また、住民生活は困窮状態のままで、駐留エチオピア軍や暫定政府に対する不満も大きく、未だに反政府勢力、暫定政府軍、アフリカ連合軍との間で激しい戦闘が続いている。警察が存在しないため、外国人拉致や暗殺も多発しており、護衛を５人付けても外を歩くのが危険といわれる。2008年8月6日には国連開発計画の現地代表が射殺された。8月23日、イスラム法廷会議がキスマユを奪還したと発表した。ソマリア沖合では海賊が多発していて、国際社会が対処部隊を派遣中。参考：月刊軍事研究1,’08、5,’08、1,’09

＜ソマリア陸軍＞：

＜ソマリア陸軍（１９７７年）＞：兵力30000名。戦車大隊７個、機械化歩兵大隊８個、自動車化歩兵大隊14個、奇襲攻撃大隊２個、野砲大隊13個、高射砲大隊10個からなる。T-34/85戦車200両、T-54/-55戦車100両、BTR-40/-50装甲兵員輸送車100両、BTR-152装甲兵員輸送車250両、76mm/85mm砲100門、122mm榴弾砲80門、100mm対戦車砲、14.5mm/37mm/57mm/100mm高射砲150門、S-75/S-125地対空ミサイルを保有するが、部品不足のため稼働率は低い。参考：軍事力バランス78年版

＜ソマリア陸軍（１９８９年）＞：兵力61300名（うち徴兵30000名）。軍団司令部４個、師団司令部12個、戦車旅団４個、機械化歩兵／歩兵旅団45個、コマンドー旅団４個、地対空ミサイル旅団１個、野砲兵旅団３個、野砲兵大隊30個、高射砲大隊１個からなる。ただし定数割れが激しく、軍団や師団は名目だけの編成で、旅団は大隊規模でしかない。センチュリオン戦車30両、M47戦車123両、T-34/85戦車30両、T-54/-55戦車110両、M41軽戦車10両、BRDM-2偵察車30両、AML-90偵察車15両、BTR-40/-50/-60装甲兵員輸送車64両、BTR-152装甲兵員輸送車100両、フィアット6614/6616装甲兵員輸送車310両、BMR-600装甲兵員輸送車、100mm砲M-1944を８門、105mm砲M-56を100門、122mm砲M-1938を84門、155mm榴弾砲M-198を18門、82mm迫撃砲M-41を100門、120mm迫撃砲M-1943を50門、ミラン対戦車ミサイル100基、自走TOW対戦車ミサイル22両、89mmロケットランチャーLRACを300基、106mm無反動砲M-40を60門、20mm高射機関砲、ZU-23-2高射機関砲50基、ZSU-23-4自走高射機関砲４両、37mm高射機関砲M-1939／63型を180門、40mm高射機関砲、57mm高射機関砲S-60を20門、100mm高射砲KS-19を24門、S-75地対空ミサイル40基、S-125地対空ミサイル10基、9M32地対空ミサイル20基を保有する。ただし殆ど稼動していないとみられる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ソマリランド＞：K594（フリゲート）を参照。

＜ソマリランド軍＞：

　＜ソマリランド軍（２０１５年）＞：現役兵力12500名、沿岸警備隊600名。機甲旅団２個、機械化歩兵旅団１個、歩兵旅団14個、砲兵旅団２個、支援大隊１個からなる。T-54/-55戦車、フィアット6616偵察車、フィアット6614装甲兵員輸送車、122mm多連装ロケットBM-21、23mm高射機関砲ZU-23を保有するが、大部分は整備が不十分か非稼動状態である。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソマレズ＞：G12（駆逐艦）を参照。

＜ソマン＞：神経剤の１つで、GDと略す。無色無臭の液体で、生成時の不純物が混入すると茶褐色になり、僅かな果実臭または樟脳臭がする。融点マイナス80度、沸点167度、比重1.01。半数致死量は40-70mg・min／立方メートルで、最低中毒濃度は0.1μg・min／立方メートル。気温25度での揮発性は１立方メートルあたり3900mg。毒性は晴天なら５日、気温が低ければ６週間持続する。1944年にドイツで開発されたが、原料不足のため量産されなかった。参考：化学・生物兵器概論、戦争がやってくる、月刊軍事研究1,’08

＜ソミュア社＞：フランスの軍需企業で、Societe d’Outillage Mecanique et d’Usinage d’Artillerie（機械工具火砲加工会社）の略。シュナイダー社の子会社である。参考：歴史群像6,’10

＜ソミュア・シャール１９３５－Ｓ＞：S35（戦車）を参照。

＜ソミュール＞：AMX-30B2（戦車）を参照。

＜ソム＞：A631（補給艦）を参照。

＜ソム級＞：641B型（潜水艦）を参照。

＜ソムドラ・ジョイ＞：F-28（フリゲート）を参照。

＜ソムドラ・ジョイ級＞：バングラデシュ海軍フリゲートSomudra Joy級。元はアメリカ沿岸警備隊ハミルトン級カッターである。満載排水量3353トン。兵装は76mm砲１門。ヘリ１機を搭載可能。F-28ソムドラ・ジョイが2013年に就役した。2015年現在、２隻が就役している。参考：月刊世界の艦船10,’13、5,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ソヤカⅢ／ＭＬ＞：チェコ空軍研究所が開発したUAV。航続距離5000km。軽量小型で、４×４輪バギーからも発進できるため、チェコ特殊部隊が食指を伸ばしている。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ソヤン＞：51（補給艦）を参照。

＜素養教育＞：海上自衛隊の教育。階級や立場に応じた素養を養い、基礎知識・技能を習得させる。海士は横須賀・呉・佐世保・舞鶴教育隊で練習員課程を受講する。海曹候補生は各教育隊の一般海曹候補生課程または小月教育航空群の航空学生課程を受講する。海曹は各教育隊で公募海曹課程と初任海曹課程を受講する。幹部候補生は幹部候補生学校の一般幹部候補生課程、飛行幹部候補生課程、医科歯科幹部候補生課程、幹部予定者課程を受講する。幹部候補生は幹部になったら部隊実習（遠洋練習航海など）を行う。幹部は幹部候補生学校の公募幹部課程、幹部学校の指揮幕僚課程、幹部特別課程、幹部高級課程を受講する。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜そよかぜ＞：L-19E偵察機（陸自）を参照。

＜ゾラートニーク＞：ロシア国防省が開発中の歩兵支援用無人戦闘車両。シリア内戦でウラン９無人戦闘車が役に立たなかったため、代わりに計画したもので、カラシニコフ社が担当する。重量7.7トン。武装は30mm連装機関砲。参考：朝雲

＜徂来山＞：915（戦車揚陸艦）を参照。

＜ソラク部隊＞：韓国軍の特殊部隊。名前の由来は訓練場（東海岸の襄陽付近）近くにあった山である。北朝鮮に潜伏しての諜報・攪乱を主任務とする。朝鮮戦争末期に新編され、休戦以降も活動したが、北朝鮮の防諜態勢が整うと未帰還が増え、最終的に７割が帰ってこなかったという。参考：月刊軍事研究1,’05

＜そらしかくん＞：奈良地方協力本部のマスコットキャラ、空自版。2014年春に公募で誕生した。2019年6月1日、奈良基地祭で広報活動を実施。参考：朝雲、MAMOR vol.132

＜ソラつく＞：日本海軍用語で、雑談やヘル談をすること。これが得意な者は休憩時間の人気者となるが、不真面目と思われるせいか、罰直で殴られる回数が他の兵より多くなった。参考：続海軍よもやま物語

＜空飛ぶＩＣＵ＞：航空機動衛生隊を参照。

＜空飛ぶＬＳＴ＞：R3Y-2（飛行艇）を参照。

＜空跳ぶＷｉ－Ｆｉ＞：BACN（通信中継装置）を参照。

＜空飛ぶゴミ箱＞：ピタード臼砲を参照。

＜空飛ぶ写真現像所＞：XF-12（試作偵察機）を参照。

＜空飛ぶ戦車＞：戦闘ヘリコプターを参照。

＜空飛ぶバスケット＞：九八式臼砲を参照。

＜空飛ぶ砲兵＞：戦闘ヘリコプターを参照。

＜空飛ぶヤマアラシ＞：サンダーランド・シリーズ（飛行艇）を参照。

＜空飛ぶレーダーシステム＞：ヴィットゲンシュタイン（ドイツ空軍エース）を参照。

＜空の象＞：阻塞気球（イギリス）を参照。

＜空の宮本武蔵＞：武藤金義（日本海軍エース）を参照。

＜反り＞：キャンバーを参照。

＜ソリッド・フレーム＞：回転式拳銃を参照。

＜ソリティア＞：MU-2シリーズ（ビジネス機）を参照。

＜ソリディティ＞：回転翼の円板面積をローターブレード面積で割ったもの。小さいほど速度性能が高まる。参考：月刊JWings10,’19

＜反町分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は宮城県宮城郡松島町初原字樋の沢16。参考：JGround Vol.23

　＜反町分屯地（２０１５年）＞：東北補給処反町弾薬支処が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ソリマン・エザット＞：682（ミサイル艇）を参照。

＜ソルガエ型＞：LSFⅡ級（LCAC）を参照。

＜ゾルゲ事件＞：ドイツのフランクフルター・ツァイトゥング紙の特派員であるリヒャルト・ゾルゲら35人がスパイ行為を行っていた事件。昭和8年からゾルゲと満州鉄道東京支社調査室高級嘱託・評論家の尾崎秀美らが中心となり、政府や軍の最高機密をコードブック（ドイツ統計年鑑を使用）による書籍暗号でソ連赤軍参謀本部第４部に送っていた。情報の中には日本の東南アジア進出を決定した御前会議の内容や、ベルリンから送られたドイツによるソ連侵攻作戦計画まで含まれていた。検挙のきっかけは元日本共産党幹部が昭和15年8月に別件で逮捕されていた際にメンバーの名前を出したことであるという説が有力だったが、戦後中国に渡っていた元幹部が帰国した後の再調査で、別の元日本共産党幹部が摘発に協力したという説が出ている。昭和16年9月から昭和17年8月にかけて、ゾルゲら外国人４人、尾崎秀美ら日本人35人が治安維持法、軍機保護法、国家保安法などに違反した容疑で逮捕された。昭和17年5月に事件の概要が発表され、非公開裁判でゾルゲと尾崎が死刑、マックス・クラウゼンとブランコ・ド・ブーケリッチに終身刑、11人に懲役2-15年が言い渡された。参考：太平洋戦争情報戦、MAMOR vol.102

＜ソルジャー＞：兵士という意味の英語Soldier。語源は金貨（Solid）で、元々は高給を支払わねばならない傭兵のことをいった。参考：月刊軍事研究2,’98

＜ソルダト・フトゥロ＞：イタリア国防省がMSCを主契約社として開発中の将来歩兵戦闘システムで、2007年に配備予定である。背中にコンピュータとバッテリーを背負い、モニターを手首に、通信機を胸に、GPS アンテナを肩に装備する。ヘルメットには対レーザー・ゴーグル、防弾バイザー、マイク、イヤホンを装着する。防弾ベストは9mm拳銃弾及び榴弾弾片から防御でき、プレートを追加すれば7.62mm通常弾から防護できる。使用する小銃も新規開発中で、40mmグレネード・ランチャー、赤外線カメラ、光学スコープ、レーザー測距器と統合される。参考・月刊軍事研究6,’05

＜ソルティ・ドッグス＞：VX-23（試験評価飛行隊）を参照。

＜ソルトレイクシティー＞：CA-25（重巡洋艦）またはSSN-716（潜水艦）を参照。

＜ゾルファカール＞：イラン革命防衛隊海軍魚雷艇Zolfaqar。水中も航行できるらしいが、主機用シュノーケルが無いので、実際には半潜水艇とみられる。全長17m、排水量22トン。水上速力40ノット。参考：月刊世界の艦船1,’16、月刊軍事研究4,’16

＜ゾルファガール＞：イラン陸軍国産主力戦車。1994年に存在が公表され、1997年から生産されているが、ゾルファガール２、ゾルファガール３などいくつかの仕様が次々と公開されており、設計が固まりきっていないらしい。新開発の車体・砲塔（いずれも溶接装甲）にT-72戦車の主砲・自動装填装置とM-60戦車系の足回りを組み合わせている。2013年2月4日に公開されたバージョンでは砲塔バスルが延長され、下部転輪がダブルタイプ片側７組とそれまでより１組増やされた。参考：月刊軍事研究8,’13

＜ゾルファガール＞：イラン革命防衛隊の弾道ミサイルZolfaghar。ファタハ110がベースらしく、切り離し式の複数弾頭を搭載するとされる。全長10.3m、直径0.6m、弾頭重量500kg（HEまたは子爆弾）。推進は固体燃料ロケット１段式、最大射程700km。2016年9月に初公開された。2017年6月19日、イラン西部ケルマンシャーからイスラム国拠点のシリア東部アル・マヤディンに６発を発射した。参考：月刊軍事研究4,’17、6,’18、1,’19、月刊世界の艦船11,’21

　＜ゾルファガール－ｅＢａｓｉｒ＞：対艦弾道ミサイル型。終末誘導用光学センサーを追加した。最大射程700km。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜ゾルファガール級＞：ペイカープⅢ級（ミサイル艇）を参照。

＜ソルム型＞：ロシア海軍745型航洋曳船Sorum型。消防装置や潜水支援機器も装備している。全長58m、満載排水量1687トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、速力14ノット。兵装は30mm連装機関砲2-4基（実際に装備している艦は少数）。MB-25、MB-37、MB-61など41隻が1973-89年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、12,’11、6,’09、5,’83、JShips Vol.46

＜それゆけバッグ＞：陸上自衛隊第１輸送ヘリコプター団第１輸送ヘリコプター群の災害派遣待機隊員が準備しておく持ち出し袋の通称。衣のう３型に３日分の着替えと非常食を入れたもので、他の災害派遣用資機材と一緒に格納庫入り口付近のパレットに積んでおき、災害派遣要請を受けたらすぐにCH-47J/JAヘリに積み込んで派遣先に向かう。参考：月刊JWings3,’19

＜ソ連宇宙手段総局＞：ソ連軍の組織、略称GUKOS。ソ連戦略ロケット軍隷下に新編され、軍事衛星や弾道ミサイル早期警戒を担当した。1981年、戦略ロケット軍から独立して参謀本部直轄となった。1986年、宇宙手段司令官局に改編され、ソ連国防省の隷下に移った。参考：月刊航空ファン11,’15

＜ソ連海軍＞：ロシア海軍を参照。

＜ソ連空軍＞：ロシア空軍を参照。

＜ソ連軍＞：ロシア軍を参照。

＜ソ連軍需産業委員会＞：ソ連兵器生産統括組織、略称VPK。KGB対外諜報総局Ｔ局（科学技術担当）に対して西側科学技術の諜報を命じていた。1960年代にはコンピュータ技術を主にIBMフランス社から入手していたという。1980年にはＴ局に対して情報3617件を要求し、1085件を入手（アメリカ62%、西ドイツ11%、フランス8%、イギリス7%、日本3%）、これに基づいて技術研究開発3396件を進めた。参考：月刊軍事研究5,’12

＜ソ連参戦（太平洋戦争）＞：ソ連軍が昭和7年頃から満州との国境付近に陣地を構築したため、関東軍も同じ頃から対抗して陣地構築を開始。昭和13年春までに第１期構築を完了し、虎頭、ハイラル、黒河など８地区に第１－第８国境守備隊を配置した。更に第２期構築で第９－第13国境守備隊を、昭和15年以降の第３期構築で第14国境守備隊を配置している。最重要地点は第４国境守備隊の担当する虎頭陣地である。昭和18年以降は関東軍兵力が南方に転用され、国境防衛すら困難となったため、国境警備を薄くして後退配備をとり、持久戦に持ち込む計画だった。昭和18年10月30日、イギリス外相との会談のためモスクワに滞在していたアメリカのハル国務長官に対し、スターリンが、ドイツ降伏後に対日参戦すると述べた。昭和20年2月、ヤルタ会談でソ連が対日参戦の条件を提示。4月、チタの満州国総領事館でＴ作業を開始。ソ連の参戦時期を正確に読んだが、大本営と関東軍はこの情報を活かすことができなかった。4月5日（6日？）、ソ連が日本に日ソ中立条約不延長を通告した（通告から１年後に破棄となる）。5月11日、首相、外務大臣、陸軍大臣、海軍大臣、参謀総長、軍令部総長がソ連の態度についての会議を開催。海軍は長門、利根、鳳翔、駆逐艦５隻（雪風など）を譲り渡す換わりに飛行機とガソリンを譲り受ける交渉をソ連と秘密裏に行っており、海軍大臣はソ連の参戦防止のみならずソ連からの軍需物資購入を考えていると発言、あまりの非現実性に外務大臣は唖然としたという。首相はソ連に連合国との講和を仲介してもらう交渉を行うことにすると述べ、陸軍も本土決戦を成立させるため、大陸権益を手放してでもソ連に中立を保ってもらうことを要望したが、外務大臣はソ連が徹頭徹尾現実的であり甘い幻想を抱くべきでないと釘を刺している。大本営と関東軍はソ連の対日侵攻を秋頃と想定し、満鮮方面対ソ作戦計画要領を発令。満州は４分の３を放棄して朝鮮に近い大連－新京－図們の線まで後退し、持久戦を行うこととした。6-7月頃、第２航空軍ではソ連の対日参戦を最も早くて秋頃、恐らく来春と推定した。6月24日、赤の広場で行われた赤軍凱旋パレードに際し、スターリンが次の撃滅目標は日本陸軍であると述べた。7月上旬、満州の25万名を召集し、軍司令部１個、師団８個、混成旅団７個、戦車旅団１個、砲兵連隊５個を新編、戦車第３師団を蒙疆に移し、華中・華北の第39・第59・第63・第117師団を関東軍の隷下に入れた。これで7月までに満州在住の日本人を根こそぎ動員して新規編成した戦力は、兵力70万名、師団24個、旅団１個、独立混成旅団９個、独立戦車第１・第９旅団などとなったが、兵器が全く足らず、師団ごとの戦闘力は良くて80%、根こそぎ動員部隊は15%しか無かった。また、戦車旅団（九七式中戦車60-72両と九五式軽戦車24-28両装備）は後方で温存することになり、結局戦闘には参加しなかった。7月7日、天皇がソ連に対して和平仲介を頼むよう提案。8月9日0000、ソ連は日ソ不可侵条約を無視して日本に対し宣戦を布告、ソ連軍が満州に侵攻を開始した。この時のソ連側兵力は、第１極東方面軍、第２極東方面軍、ザバイカル方面軍の狙撃師団70個、狙撃旅団４個、機械化狙撃師団２個、戦車師団２個、騎兵師団６個、戦車機械化旅団40個、航空軍３個で、兵力1577725名、火砲26137門、戦車・自走砲5556両、飛行機3446機。主攻は西正面のザバイカル方面軍（戦車師団２個及び機械化狙撃師団２個主力）で、山岳の多い北・東正面からは歩兵主体の第１極東方面軍（独立戦車旅団及び機械化旅団に支援された狙撃軍団主力）が進撃し、第２極東方面軍は他の２個方面軍の支援に当たった。また、空挺部隊が新京と奉天の飛行場を奇襲占領している。東満州の磨刀石付近には第１極東方面軍の機甲軍団１個及び軍団４個が戦車・自走砲720両、カチューシャ432両、野砲3509門で侵攻を開始。これに対して日本軍は塹壕を掘るスコップすら無い状態で、航空戦力は第２航空軍飛行第104戦隊（四式戦闘機、一式戦闘機）と同独立飛行第25中隊（二式複座戦闘機）の可動機40-50機に訓練部隊の一式戦闘機・爆撃機少数と満州国軍の一式戦闘機少数だけ、前線部隊にある歩兵砲や大隊砲では戦車に傷１つ付けられず、磨刀石では丸腰の石頭予備士官学校士官候補生が工業用爆薬を体に巻き付けて出撃する有様で、肉弾攻撃で擱座させた戦車を使用して数両の敵戦車を撃破したものの、ソ連軍の猛攻を止めるには無理があり、１週間弱で120km以上突破された。ソ連海軍太平洋艦隊は潜水艦28隻で作戦行動を開始、日本の艦船を13回発見して６回攻撃し、魚雷で輸送船２隻、砲撃で小型船１隻を撃沈、魚雷で輸送船１隻を損傷させた。新京にある関東軍司令部には8月9日0100頃にソ連侵攻の連絡があり、0130にはソ連機が新京に来襲。国境付近の部隊を予定の防衛ラインまで後退させる暇は無いと判断した関東軍司令部は、現在位置で戦闘するよう命令し、国境近くの航空士官学校満州派遣隊だけ一旦後退した後に特攻を行わせる方針を決定、指揮権を航空総監部から第２航空軍司令部に移した。0200、東部国境付近の温春と東京城に展開していた航空士官学校満州派遣隊第23中隊にソ連侵攻の報が入ったが、当日に第２航空軍司令官が巡視を行う予定だったため、それに関連した演習と判断した。0300、東部国境付近の杏樹に展開していた航空士官学校満州派遣隊第22中隊に非常呼集がかけられた。生徒は非常呼集訓練と考えて四式練習機と九九式高等練習機を待避壕へと運び込んでいる。0500、ラジオニュースでソ連侵攻の報が入り、第23中隊は非常呼集を行い、訓練を中止して地上戦用の塹壕掘りに入り、一式双発練習機と九九式高等練習機はコンクリート掩体、四式練習機は格納庫に移した。0530頃、杏樹にソ連軍機３機が来襲して機銃掃射を加えたため、第22中隊は演習でなく実戦であると漸く気付き、滑走路に囮用のグライダーを並べる作業に入った。大本営はタス通信の傍受でソ連侵攻を知ったため、偽情報ではないかと疑い、関東軍と第５方面軍に対して積極的戦闘禁止命令を出してしまい、翌日の8月10日には解除されたものの、現場に混乱をもたらした。8月9日1800（昼頃説あり）、第２航空軍司令部が航空士官学校満州派遣隊に対し、飛行場の移動と特攻隊40隊の編成を下命。400-550kmも離れた朝鮮国境に近い南満州や満州国境付近の朝鮮に後退することになり、第21中隊は鎮東・鎮西から山城鎮、第22中隊は杏樹から朝陽鎮（予備・泉溝）、第23中隊は温春・東京城から水豊、第24中隊は平安鎮から深井子、第25中隊、第28中隊、派遣隊本部、材料廠は海浪・海林から通化へと移動が命じられた。これを受け、派遣隊本部が各中隊に8月10日以降の空輸メインでの移動を命じ、一式双発練習機と九九式高等練習機は可動全機、四式練習機はできるだけ多数を後退させ、残りはトラックや自動車を含むあらゆる輸送手段を使用、必須の書類や物資以外は処分し、食料10日分を携行することとした。8月11日、航空士官学校満州派遣隊が後退を開始。定員以上の人員と荷物を練習機に詰め込んでピストン輸送を行った。ソ連軍が南樺太への侵攻を開始。日本軍は国際有線電信の傍受態勢を整えていたため、南樺太に配備されていた第88師団は何とか戦闘配備を取ることができた。8月13日、航空士官学校満州派遣隊第23中隊が東京城の施設を爆破・放火。8月15日に終戦を迎えたが、これを伝える連絡網があるわけでもなく、ソ連も日本軍が停戦命令を出していないという口実で攻撃をやめず、東満州では8月17日頃まで戦闘を継続、組織的戦闘が不可能になると将兵は山に籠もった。哈爾浜第１陸軍病院では病院長嘉悦三毅夫軍医中将の独断で職員・入院患者7000人を列車４梯団と自動車36両に乗せて退避させ、博多への帰国に成功している。8月16日、第２航空軍から航空士官学校満州派遣隊に対し、あらゆる手段を尽くして内地に帰還せよとの命令が出された。練習機で後退していた将兵は釜山から内地へと脱出できたが、鉄道や自動車の部隊は間に合わず、第23中隊の67名、派遣隊本隊・材料廠・第25・第28中隊の109名、第22中隊鉄道利用後発隊などがソ連軍に捕らえられ、シベリアで４年間の強制労働を強いられた。8月18日、ソ連軍が占守島に上陸。8月18日夜、スターリンが極東ソ連軍総司令官を通じて第２極東方面軍に対し、25日までの樺太南部・千島列島北部占領を命じた。8月19日早朝、スターリンが第１極東方面軍と太平洋艦隊に対し、9月1日までの北海道北半分（釧路と留萌を結ぶライン）と千島列島南部占領を命令。また、第１極東方面軍には第87狙撃軍団隷下の２個師団を北海道、１個師団を千島列島南部に上陸させるよう命じた。8月22日、ソ連潜水艦L12及びL19が、邦人婦女子を乗せて樺太から日本に引き揚げる途中の白旗を掲げていた引揚船３隻を撃沈。ソ連はこの潜水艦２隻にウラジオストクから北海道までの海路を哨戒させた後、後続の船団により留萌に上陸して北海道の北半分を占領する予定だったが、上陸の起点となる南樺太大泊の占領の目処が立たず、トルーマン大統領の介入もあって中止となり、準備された兵力は北方４島の占領に向けられた。その後、潜水艦L12及びL19は千島列島偵察のため北上したが、宗谷海峡で九三式係留機雷に引っかかり、L19が沈没した。8月23日、スターリンが捕らえた日本人をシベリア及びモンゴルに強制移送・抑留する命令を発出。8月25日、ソ連軍が南樺太の大泊（コルサコフ）を占領した。参考：月刊PANZER1,’90、月刊丸4,’07、8,'15別冊、11,’72、10,’10、9,’03、小艦艇入門、太平洋戦争情報戦、月刊軍事研究8,’95、月刊世界の艦船6,’09、歴史群像4,’11、太平洋海戦史、月刊航空ファン7,’99、日本戦車隊戦史、軍医サンよもやま物語、朝雲

＜ソレント＞：P262（潜水艦）を参照。

＜ソ連陸軍＞：ロシア陸軍を参照。

＜ソロウ＞：P324（潜水艦）を参照。

＜ソロベン級魚雷艇＞：デンマーク海軍魚雷艇。兵装は533mm魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ソロモン・アトキンソン＞：T-ATS-12（航洋救難曳船）を参照。

＜ソロモンズ＞：CVE-67（護衛空母）を参照。

＜ソンインボン＞：685（戦車揚陸艦）を参照。

＜ソン・ウォンイル＞：072（潜水艦）を参照。

＜ソン・ウォンイル級＞：214/1700型潜水艦（韓国海軍）を参照。

＜ソン級＞：039型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜ソングスター＞：9M112-1（対戦車ミサイル）を参照。

＜ソンクラー＞：タイ海軍哨戒艇Songkhla。2020年1月6日、S-76ヘリと共に、第34次ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-113さざなみと、プーケット周辺海空域で親善訓練（通信、戦術運動）を実施。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜孫元一＞：072（潜水艦）を参照。

＜孫元一級＞：214/1700型潜水艦（韓国海軍）を参照。

＜ソンゴルメ＞：RQ-101（無人偵察機）を参照。

＜ゾンダーツーゲ＞：SSyms（貨車）を参照。

＜ソンタイ捕虜収容所奇襲作戦＞：アメリカ軍がベトナム戦争中の1970年11月21日に実施した、ソンタイの北西1kmにある捕虜収容所の奇襲作戦。ここにはアメリカ兵70名が収容されているとみられ、HH-3E救難ヘリに搭乗した奇襲部隊が襲撃してHH-53救難ヘリ５機で救出する予定だった。近接攻撃はA-1攻撃機５機が行い、敵戦闘機はF-4D戦闘機５機が担当、地対空ミサイルはF-105Gワイルドウィーズル５機が陽動がてら制圧する。奇襲には成功したが、捕虜は25km離れた収容所に後送されていて救出には失敗し、F-105Gには地対空ミサイル16発が発射されて１機が撃墜され、乗員２名が救出部隊のHH-53救難ヘリに救助される羽目になった。参考：月刊航空情報2,’10

＜村長靴＞：日本海軍用語で、士官礼服の靴の通称。参考：帝国陸海軍事典

＜ゾンデルコマンド＞：特別行動隊を参照。

＜ソンナム＞：773（コルベット）を参照。

＜ゾンネンブルーメ作戦＞：ひまわり作戦。ロンメル率いるドイツ国防軍アフリカ軍団の緒戦で、第２次大戦北アフリカ戦において1941年3-4月に行われたキレナイカ侵攻作戦のことである。1941年2月半ば、アフリカ軍団の基幹戦力がトリポリに到着し始めた。2月24日、威力偵察中にアフリカ軍団とイギリス軍との間で最初の小戦闘が行われた。イギリス軍はこの頃、ギリシャ方面に戦力を割かれており、リビア領内に500kmほど侵攻した所で進撃を停止していた。その間にアフリカ軍団は増強を続け、3月24日早朝、防御が薄くなっていたキレナイカに向かい出撃。キューベルヴァーゲンを利用したニセ戦車を利用して大軍勢に見せかけ、キレナイカ守備隊を50km後退させることに成功した。イギリス軍は、それ以上の反撃は無いものと見たが、3月31日にはアフリカ軍団が更に前進している。イタリア軍司令部はドイツ国防軍に5月下旬以降まで進撃するなという命令を下達していたが、ロンメルは無視して進撃を継続し、4月初めにはキレナイカ司令部を陥落させ、内陸のメキリを包囲。その間、イギリス軍は必死に退却してトブルクに防御ラインを構築した。アフリカ軍団はそのままトブルクになだれ込んだが撃退され、4月中旬にトブルク東の町を占領して再度行った攻勢でもトブルクは落ちず、イギリス軍のバトルアクス作戦を迎えることとなる。この作戦で、ロンメルはトレードマークのデザート・ゴーグルとAECドチェスター装輪式装甲指揮車を手に入れた。参考：月刊PANZER6,’02、9,’02

＜ソンミ虐殺事件＞：アメリカ名称はミライ虐殺事件。1968年3月16日、アメリカ陸軍１個中隊が南ベトナムのソンミ村を襲撃して無抵抗の住民504人を虐殺し、虚偽の報告をして隠蔽したものである。1969年12月にニューヨーカー誌のスクープで表沙汰になり、1970年に軍事法廷が開かれて兵士14名が殺人罪で起訴されたが、中隊長に終身刑が言い渡されたのみで13名は無罪となり、中隊長も10年に減刑されて1973年3月には仮釈放された。参考：月刊軍事研究3,’07

＜ソンム＞：フランス海軍デュランス級補給艦４番艦Somme。1990年3月就役。2014年6月5日、ポーツマス沖でＤデイ70周年記念行事に参加。参考：月刊世界の艦船10,’02、9,’14

＜ソンムの戦い＞：世界で初めて戦車が使用された戦い。第１次世界大戦中の1915年12月にフランス北部シャンティイで行われた連合軍の会議で、1916年中にイギリス、フランス、ロシア、イタリアでドイツに同時攻勢をかけることが決まり、これに基づいて実施された。1916年7月、イギリス軍を主力とする英仏連合軍が西部戦線ソンム戦場で攻勢を開始。機会を伺い機関銃軍団重部門（戦車部隊の秘匿名称）Mk.Ⅰ菱形戦車49両を投入する事にした。本当はもう少し戦車戦力が整ってからの予定だったが、少数の逐次投入になっている。9月15日、故障などで脱落した車両を除くMk.Ⅰ菱形戦車32両が進撃を開始。しかしすぐに９両がエンジン故障で動けなくなり、５両が操縦ミスで砲弾クレーターに填り込みスタック、９両はトランスミッションの不調で歩兵よりも進撃速度が遅くなり、まともに動けたのは９両だけだった。それでも機関銃弾を弾き返し、鉄条網と塹壕を乗り越えて進撃する姿に驚いたドイツ軍将兵がパニックに陥って後退したため、ドイツ陣地を幅8km・縦深2kmほど突破し、捕虜1000名を得ている。ただ陣地帯は10km以上に亘り構築されていたので、完全突破には至らなかった。ヘイグ総司令官はドイツ軍をパニックに陥れた威力を買い、戦車1000両の生産を要求したが、機関銃軍団重部門指揮官のスウィントン大佐はソンム攻勢失敗の責任などで解任されている。参考：歴史群像12,’03、月刊PANZER12,’03、月刊軍事研究11,’15、5,’16

＜村落露営（日本陸軍）＞：宿営の１つ。戦術上若干部隊の迅速な戦闘準備が必要な場合や、住民地不足のため全隊が舎営できない場合に行う。家屋不足で村落露営に入る場合は、各部隊を隣接する数村落に分配し、各部隊は配当された地区内の家屋を利用する。やむを得ない場合は、庭、付近の空き地、村落外を利用するが、交通を妨害しないよう注意する。露営とほぼ同じ戦闘準備を行った場合でも、軍隊休養上は露営より優れる。村落内に舎営する部隊は舎営に準じ、村落外に露営する部隊は露営に準じて宿営する。露営司令官以下勤務員は露営区に準ずる。敵に近接し、戦術上の考慮から村落露営を行う場合は、高級指揮官か露営司令官が露営すべき部隊数（時に部隊号）を指定する。参考：作戦要務令

＜存立危機事態＞：日本と密接な関係にある他国が武力攻撃を受け、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態のこと。2015年9月19日に成立した平和安全法制整備法により自衛隊法第76条に追加された文言で、集団的自衛権の一部容認とされる。2022年7月29日から8月3日、初めて本事態を想定した訓練（リムパック2022の一環）が行われた。参考：月刊世界の艦船12,’15、朝雲

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