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＜Ｔ＞：三重水素または伝馬船（海自）を参照。

＜Ｔ＞：Torpedoboot（水雷艇）の略。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ＞：対戦車（Tankovyi）または燃料増量（Toplivo）または標的曳航（Tseookazahtel）または輸送（Trahnsportnyy）のロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜−Ｔ＞：曳光弾を表す接尾記号。

＜（ｔ）＞：Tchechoslowakisch（チェコスロバキア製）を表すドイツ国防軍車両接尾記号。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｔ１＞：M3中戦車ファミリー（試作牽引車）またはM5（対戦車自走砲）またはM6シリーズ（重戦車）またはSS-52（Ｔ級潜水艦）またはSST-1（マッケレル級潜水艦）を参照。

＜Ｔ�T魚雷＞：ドイツ海軍の魚雷。第１次大戦で使用されたG7熱機関魚雷を改良したもので、開発当初はG7a魚雷と呼ばれ、第２次大戦で使用された。舵はプロペラ後方にある。推進はガス水蒸気式で、デカヒドロナフタレン（デカリン）と圧縮空気を混合して燃焼させ、４気筒星型エンジン（320馬力）を駆動させる。酸化剤に空気を使う関係上、雷跡が残るため、夜間攻撃に使われた。全長7.16m、直径0.5334m、炸薬重量300kg。信管は着発式のアウフシュラークツンダングまたは触発兼磁気信管。雷速40ノットで航走距離7500m、雷速30ノットで航走距離11000m。雷速44ノット・航走距離5000m（6000m？）のモードも用意されていたが、推進装置への負荷が大きいため、後に改良されるまでは使用できなかった。発射後に一回だけ95度までの変針を行うことができ、改良後は135度まで変針できるようになった。製造工程が複雑だったため、後に簡略化して銅使用量、生産時間、価格を全て半減させている。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜Ｔ１軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍の歩兵用軽戦車。1922年に陸軍省が兵器局に対して開発を要請したのが始まりで、５トンカーゴトラックに積んで輸送可能、37mm速射砲と7.62mm機銃装備、対7.62mm徹甲弾防御、路外速度32km、航続距離80km、乗員２名といった要求が出された。この時は兵器局が開発に熱心でなかったが、1926年に歩兵委員会が第１戦車群用歩兵用軽戦車（ルノーFT17の後継）として12.7mm・7.62mm機銃交換可能、戦闘重量６トン以内、最大速度32kmといった要求を出し、1927年の陸軍次官によるイギリス陸軍実験機械化部隊視察で軽戦車の必要性も認識されたため、1928年に72両を製作することになった。これに応じて陸軍省兵器局自動車部のラムベル少佐が1927年1月21日から設計し、3月末からジェームズ・カニンガム・モーター社で試作された。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１＞：社内名称G1T1。車体前部に機関室、車体後部に操縦室があり、車体後部上に１名用砲塔が載る。車体の砲塔搭載部は一段かさ上げされていて、その中央前部が前に張り出しており、操縦手の頭が収まるようになっている。張り出し部分の前面と両側面には視察用スリットを設けた。エンジンは車体中央、トランスミッションは車体後部に搭載されていて、操縦手はエンジンを足で挟み、車長はトランスミッション上の椅子に腰掛ける形になる。サスペンションは農耕トラクター用の硬式懸架方式で、転輪は片側８枚、起動輪は後方にある。履帯はヘビー・グローサー付き鉄製スケルトン型リング式で、全幅309mm、履帯ピッチ165mm、片側51枚。全長3.81m、全幅1.791m、全高2.772m、戦闘重量6.804トン。武装は37mm短戦車砲M1918が１門、同軸7.62mm機銃M1919が１丁。装甲厚は車体前部9.5mm（7.62mm機銃弾防御）、側面6.4mm、砲塔前面9.5mm、側面6.4mm。エンジンはカニンガム製V8水冷ガソリン（105馬力）、トランスミッションはコータ型摺動選択式（前進３段・後進１段）、操向装置はクラッチ・ブレーキ式、最大速度32.2km、燃料搭載量185リットル、航続距離105km。信地旋回可能。乗員２名。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１Ｅ１＞：T1のテスト結果を受けた改良型で、社内名称G1T2。1928年から製作された。車体前方を履帯よりも後ろに引っ込め、車内の燃料タンクを車体後部両側面に移すなどしている。エンジン出力も強化し、車内冷却空気の循環を改善した。全長3.874m、全幅1.791m、全高2.175m、戦闘重量6.804トン。武装は37mm短戦車砲M1918が１門（80発）、同軸7.62mm機銃M1919が１丁（3000発）。装甲厚は車体前部9.5mm、側面6.4mm、砲塔前面9.5mm、側面6.4mm。エンジンはカニンガム社製V8水冷ガソリン（110馬力）、トランスミッションは摺動選択式、最大速度29km、燃料搭載量189リットル、航続距離105km。乗員２名。1929年までに４両が製作され、一応M1軽戦車として制式化もされたが、量産はされなかった。騎兵部隊に配備するという話もあったが、こちらも消滅した。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１Ｅ２＞：装甲強化・エンジン出力増加型で、社内名称G1T3。履帯を鋼製に変更、サスペンションをリーフスプリング式（片側あたり２本のダブルボギーに下部転輪を４個ずつ装着。ちなみに上部転輪は片側３個）としている。全長3.915m、全幅1.899m、全高2.311m、戦闘重量8.074トン。武装は37mm短戦車砲M1918と同軸7.62mm機銃M1919（3000発）で、後に主砲を37mm戦車砲M5（104発）に換装した。装甲厚は車体前面15mm、側面10mm、砲塔前面15mm、側面6mm。エンジンはカニンガムV8水冷ガソリン（132馬力）、トランスミッションは摺動選択式、最大速度29.3km、燃料搭載量221リットル。乗員２名。1929年に１両のみ試作された。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１Ｅ３＞：T1E1のサスペンション改良型。T1E2のリーフスプリング式サスペンションがイマイチだったので、垂直コイルスプリング式サスペンションと油圧式ショックアブソーバーの組み合わせに変更したものである。全長3.874m、全幅1.791m、全高2.172m、戦闘重量7.71トン。1931年に製作された。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１Ｅ４＞：T1E3をテストした結果、エンジンの熱気と排気ガスにより操縦手の視野が妨害され、機関スペースも無駄に大きくなっているというクレームが歩兵部隊から出されたため、陸軍兵器局はヴィッカーズ・アームストロング社製ヴィッカーズ６トンＡ型軽戦車との比較試験を1931年夏に１ヶ月間行った。その結果、ヴィッカーズ６トンＡ型の方があらゆる面で優れていたため、T1E1の車体を前後逆にして機関室を後部に持って行き、サスペンションをヴィッカーズ６トンＡ型と同じリーフスプリング付きダブルロッカーアーム式に変更、履帯を幅337mm・履帯ピッチ101.6mmの新型に変更するなどの改良を加えたものである。全長4.699m、全幅2.203m、全高2m、戦闘重量7.802トン。武装は37mm戦車砲M1924が１門と同軸7.62mm機銃M1919A4が１丁。装甲厚は車体前面16mm。エンジンはカニンガムV8水冷ガソリン（140馬力）、トランスミッションは摺動選択式、最大速度32.2km、燃料搭載量189リットル、航続距離120km。乗員３名。全般的な耐久性に問題があり、制式化されなかった。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１Ｅ５＞：T1E1の操向装置を二重差動式に変更したもの。1932年に製作された。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１Ｅ６＞：T1E4に新型エンジンを搭載し、換気装置を変更するなどして冷却能力を強化したもの。全長4.699m、全幅2.032m、全高2.007m、戦闘重量9.03トン。武装は37mm戦車砲M1924が１門、同軸7.62mm機銃M1919A4が１丁。装甲厚は車体前面15.9mm、側面9.5mm。エンジンはアメリカン・ラ・フランス＆フォーミット・コーポレーション製ラ・フランス４サイクル液冷ガソリン（240馬力）、トランスミッションは摺動選択式（前進３速・後進１速）、操向装置はクラッチ・ブレーキ式、最大速度32.2km、燃料搭載量189リットル、航続距離120km。乗員３名。1933年に試作されたが、機関室の背が高くなりすぎているなどのクレームが付き、制式化されなかった。参考：月刊PANZER3,’12

＜Ｔ１軽戦車ファミリー＞

　＜Ｔ１Ｅ１カーゴ・キャリアー＞：貨物輸送型。T1E1から２両が改造された。参考：月刊PANZER3,’12

　＜Ｔ１Ｅ１自走迫撃砲＞：自走迫撃砲型。4.2インチ（107mm）迫撃砲を積んだもので、T1E1から１両が改造された。参考：月刊PANZER3,’12

＜Ｔ１コンバットカー・シリーズ＞：アメリカ陸軍のコンバットカー。クリスティーM1931中戦車がベースである。参考：月刊PANZER5,’83

　＜Ｔ１コンバットカー＞：車体は均質圧延鋼板のリベット止めで、前面のみ鋭い傾斜が付けられている。前部に操縦室があり、その後ろに円筒形の砲塔が載る。転輪はダブルタイプ片側４組で、サスペンションはコイルスプリング独立懸架式。起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、誘導輪はロッカー・アームで第１転輪と繋がっていて、履帯張度調整が可能。履帯は幅256.5mm、履帯ピッチ254mmで、片側46枚。操向装置はクリスティー型で、装輪装軌併用式である。銃塔は手動旋回式で、12.7mm機銃M2を１丁装備し、上面にキューポラが付く。全長5.715m、全幅2.235m、全高2.286m、戦闘重量10.5トン。装甲厚は車体前面12.7mm、側面15.0mm、後面15.9mm、銃塔全周15.9mm、上面3.18mm。エンジンはリバティー液冷12気筒Ｖ型ガソリン（総排気量27027cc、出力338馬力）、トランスミッションは摺動選択式（前進４段・後進１段）、クラッチは乾式多板型、最大速度43.9km（装軌）／75.3km（装輪）、燃料搭載量337リットル、航続距離241km（装軌）／400km（装輪）。乗員３名。７両が製作され、第１・第3-5号車の４両が1932年に第１騎兵師団第１騎兵連隊に配備された。参考：月刊PANZER5,’83

　＜Ｔ１Ｅ１コンバットカー＞：T1にクレトラック式コントロール・デファレンシャルを追加したもので、装輪走行は不能となった。1932年に陸軍車両実験場が製作した。参考：月刊PANZER5,’83

　＜Ｔ１Ｅ２コンバットカー＞：T1にカニンガム社製低燃費ディーゼルを搭載したもの。計画のみ。参考：月刊PANZER5,’83

　＜Ｔ１Ｅ３コンバットカー＞：T1のエンジンをアメリカン・ラ・フランス＆フォーミット・コーポレーション社製キャリズD12液冷４サイクル12気筒Ｖ型ガソリン（435馬力）に換装したもの。最大速度56.3km（装軌）／93.3km（装輪）。参考：月刊PANZER5,’83

＜Ｔ−１水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1939年12月竣工。1945年4月10日、キールでトールボーイによる爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１ハーフトラック＞：アメリカ陸軍試作ハーフトラック。1932年にニューヨーク・ロチェスターのカニンガムが開発した。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−１練習機シリーズ＞：航空自衛隊のジェット練習機、愛称は初鷹。T-6の後継となる中間ジェット練習機として1955年11月に開発が決まり、1956年に参考としてT-28B練習機とDH115T.55練習機を輸入、富士重工のT1F1案が採用されて1956年7月から開発され、1958年1月19日に原型機が初飛行し、3月25日に空自に引き渡された。戦後初の国産ジェット機であり、制限速度はT-33よりマッハ0.05速いマッハ0.85で、衝撃波対策として後退翼を採用している。当初は機首上面のダークグリーン防眩塗装を除いて無塗装だったが、芦屋基地が海に近く腐蝕が懸念されたため、後に全面塗装を施した。各型計64機が生産され、第13飛行教育団で2001年まで初等練習機として使用され、第５術科学校の教育支援機にもなり、2006年3月3日に第５術科学校でT-1B練習機４機によるラストフライトが行われ、全機退役した。T-1A初号機兼T-1B試作機がかかみがはら航空宇宙科学博物館に保存されている。参考：月刊JWings5,’03、5,’14、8,’19、11,'23、月刊丸5,’07、月刊航空ファン1,’15、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究3,’18

　＜Ｔ１Ｆ２＞：最初の試作型。エンジン開発が遅れたため、ブリストル製オーフューズMk805を積んでいる。増加試作初号機（通算３号機）は胴体尾部や尾翼にボルテックス・ジェネレーターを装着した。T-1Aとして採用された。参考：月刊JWings5,'22、8,’19

　＜Ｔ１Ｆ１＞：試作型その２。T1F2初号機のエンジンを国産の石川島重工製J3-IHI-3に換装したものである。1960年5月17日に初飛行し、T-1Bとして採用された。参考：月刊JWings5,’22

　＜Ｔ−１Ａ＞：量産型。主翼は後退角26度42分、上反角１度50分、捩り下げ3.5度。主翼上面に境界層板が１枚付いている。機首にエアインテイクを持つ。水平尾翼は後退角34度15分。キャノピー、射出座席、無線・航法装置はT-33Aの流用で、120ガロン（454リットル）増槽はF-86Fの流用。エンジン推力は大きいが、その分燃料消費量が多く、主翼下パイロンに常に増槽を装備する必要があった。技術研究本部で本機用低高度緊急脱出装置を開発し、全機に装備している。武装化が必要になった時に備え、機首左に12.7mm機銃１丁を積むスペースがあり、小改修でロケットランチャーなどを搭載できるよう設計された。全長12.12m、全幅10.49m、全高4.08m、自重2.858トン、最大離陸重量4.355トン。エンジンはブリストル製オーフューズMk805（Mk806？推力1.815トン）、最大速度860km、上昇限度16154m、航続距離850km。乗員２名（タンデム複座）。1961年6月から1962年6月に40機が生産された。最終号機は丸山森林浴公園わんぱくの森に展示されている。参考：月刊JWings7,’05、1,’00、5,’03、6,’02、5,’14、5,'22、自衛隊装備年鑑1996、月刊丸5,’07、自衛隊装備カタログ1981、月刊航空ファン1,’15

　＜Ｔ−１Ｂ＞：日本ジェットエンジンが開発したJ3-IHI-3エンジンを搭載したもの。燃費が良いので増槽を常時装備する必要が無くなった。エンジン換装に伴い、ノズル部分がＡ型とは違っている。全長12.1m、全幅10.5m、全高4.1m、自重2.9トン、全備重量4.4トン。エンジンはJ3-IHI-3（推力1.2トン）、最大速度831km、上昇限度13411m、航続距離1458km。乗員２名。1962年9月（6月？）から1963年6月に22機（20機？）が引き渡された。参考：月刊JWings7,’05、1,’00、5,’03、9,’19、5,'22、自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

　＜Ｔ−１Ｂ−１０＞：Ｂ型のエンジンを出力向上型のJ3-IHI-7（推力1.4トン。後にJ3-IHI -7B、推力同じ）に換装したもの。1965年から逐次この型に改良された。最終号機は埼玉スバルさきたまガーデンに展示されており、他にも木更津基地（1992年6月8日に離陸に失敗、クラッシュバリアに衝突し、修復されて2004年に退役した機体）、所沢航空発祥記念館に展示されている。参考：月刊JWings5,’03、7,’05、5,’14、月刊丸5,’07

＜Ｔ１ロケット＞：ソ連の大型液体燃料ロケット、別名V2A。第２次大戦後に初めて開発した。A4弾道ミサイルがベースで、射程600km。参考：歴史群像6,’04

＜Ｔ１−１６＞：オランダのアクト・セイフ・タクティカル社が開発した電動ウインチ。10m防水で、電池を内蔵しており、昇り毎分100m・下り毎分130mの能力を持つ。自重12kg、最大荷重180kg。山岳戦、市街戦、対海賊戦、臨検などへの使用を想定している。参考：月刊軍事研究12,’09

＜Ｔ−１Ａ＞：T-33シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔ−１Ａ練習機＞：アメリカ空軍給油／輸送訓練機、別名ジェイホーク（Jayhawk）。給油／輸送機訓練システム（TTTS）を構成する大型機乗員養成機で、ビーチジェット400Tが1990年2月21日に採用されて1993年から配備された。その後、上級パイロット訓練（SUPT）計画で追加発注されている。民間型であるビーチジェット400A（三菱重工MU300ダイヤモンド�U／ビーチジェット400の胴体延長型。後のホーカー400）に軍用アビオニクスと強化型風防を装備しており、コクピットにはCRT５基を搭載する。TTTS向けとして1997年までに180機、SUPT向けとして1996年までに41機が配備された。空軍大型機用アビオニクスのデジタル化に伴い、近代化改修を施すことになり、コリンズ・プロライン21アビオニクスシステムを搭載した改修初号機は2019年3月22日に初飛行した。2024年7月15日、最後の１機がサンアントニオ統合基地を離陸してデビスモンサン空軍基地に向かい、最後のフライトを終了、全機退役した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings7,’19、10,'24、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔ１Ｅ１＞：M2ハーフトラック・ファミリー（試作自走対空機関銃）またはM6重戦車シリーズ（試作重戦車）を参照。

＜Ｔ１Ｅ２＞：M2ハーフトラック・ファミリー（試作自走対空機関銃）またはM6重戦車シリーズ（試作重戦車）を参照。

＜Ｔ１Ｅ３＞：M2ハーフトラック・ファミリー（試作自走対空機関銃）またはM6重戦車シリーズ（試作重戦車）を参照。

＜Ｔ１Ｅ４＞：M6重戦車シリーズ（試作重戦車）を参照。

＜Ｔ�TＬｕＴ�T（Ｇ７ａ）＞：ドイツ海軍の魚雷。Ｔ�T（G7a）にLuT�T型誘導装置を付けたものである。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ１型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇で、魚雷艇第１号型ともいう。船体は木製、艇体はＶ型で、主機は九四式航空発動機の魚雷艇用改造型である。全長18.3m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量17トン。主機は九四式ガソリン機関２基２軸1800馬力、速力39ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、7.7mm機銃２丁。横浜ヨット工作所鶴見工場が建造し、第１号魚雷艇、第２号魚雷艇、第３号魚雷艇、第４号魚雷艇、第５号魚雷艇、第６号魚雷艇が昭和16年の太平洋戦争直前に竣工した。太平洋戦争開戦時には全てマーシャル諸島に配備されており、後に４隻が日進に搭載されてミッドウェイ海戦に参加している。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ−１級＞：マッケレル級（潜水艦）を参照。

＜Ｔ−１級＞：ドイツ海軍水雷艇。再軍備宣言を受けて建造された。船型は平甲板型で、艦首にシーアとナックルラインを付けて凌波性を向上させた。煙突は１本で、主兵装は煙突後方の艦後部に搭載している。全長87.1m（84.3m？）、幅8.62m、平均吃水2.33m、基準排水量844トン、満載排水量1088トン。主機はワグナー社製ギヤード・タービン２基２軸28000馬力（31000馬力？）、最大速力35.5ノット、燃料搭載量205トン、航続距離2400海里（19ノット。1070海里？）。兵装は10.5cm砲１門（後甲板）、20mm機関砲８門、３連装533mm魚雷発射管２基（煙突後方タンデム）、機雷30個。T-1、T-2、T-3、T-4、T-5、T-6、T-7、T-8、T-9、T-10、T-11、T-12の12隻が1939-40年に就役した。T-9以降は基準排水量839トン・満載排水量1082トンと少し減ったので、T-9級として別に分類することもある。第２次大戦中に艦首を3m延長してクリッパー型にし、後部３連装魚雷発射管を降ろしてボフォース40mm機関砲１門や20mm機関砲5-8門を増設した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション29

＜Ｔ２＞：M2シリーズ（軽戦車）またはM31シリーズ（戦車回収車）またはSS-60（Ｔ級潜水艦）またはSST-2（マッケレル級潜水艦）を参照。

＜Ｔ�U魚雷＞：ドイツ海軍の魚雷。当初はG7e魚雷と呼ばれ、第２次大戦時に使用された。E7電気魚雷の改良型で、直径を500mmから534.5mmに拡大している。舵はプロペラ前方にあり、Ｔ�Tよりも大きい。炸薬量300kg。主機はジーメンス式100馬力直巻型、電池は陽極13個からなる単電池（鉛電池）13個２群合計26個、航走距離は雷速30ノットで5000m（電池温度30度）／3000m未満（電熱器無し）。信管は触発または触発兼磁気。参考：ナチスＵボート

＜Ｔ２コンバットカー・シリーズ＞：アメリカ陸軍騎兵部隊用コンバットカー。カニンガム・モーター社が開発したT5アーマードカーにT1コンバットカーのクリスティー式走行装置（の改良型）とヴィッカーズ６トン戦車のリーフスプリング式ヴィッカーズ型サスペンションを装着したものである。参考：月刊PANZER5,’83、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２コンバットカー＞：ロックアイランド工廠で1931年に完成した。車体と銃塔はT5アーマードカーそのままで、車体前部右に7.62mm機銃M1919A4を１丁、背の低い銃塔に12.7mm重機関銃M2と7.62mm機銃M1919A4を１丁ずつ装備する。装弾数は12.7mm機銃弾1200発、7.62mm機銃弾3000発。下部転輪はダブルタイプ片側３組で、第１・第２転輪間がかなり離れている。第２・第３転輪の車軸は上下２枚重ねのリーフスプリングにより外側から緩衝され、リーフスプリング中央部を繋ぐトラニオン・ブラケットを介して車体と結合された。つまり第２・第３転輪の外側に剥き出しでリーフスプリングが積み重なっているという妙な外見をしている。装軌走行では後部の起動輪により履帯を動かし、装輪走行では履帯を外して第１転輪にドライブシャフトで動力を伝える。また、第２・第３転輪にだけ履帯を巻いて半装軌走行を行うことも可能。全長4.54m、全幅2.261m、全高2.083m、戦闘重量8.378トン。装甲厚25.4-9.5mm。エンジンはコンチネンタル社製空冷星型７気筒ガソリン（156馬力）、トランスミッションは選択摺動式（前進４段・後進１段）、クラッチは乾式多板、最大速度43.4km（装軌）／65.9km（装輪）、燃料搭載量190リットル、航続距離160km（装軌）／200km（装輪）。乗員３名。車体前部の誘導輪を外したタイプも製作された。参考：月刊PANZER5,’83

　＜Ｔ２Ｅ１コンバットカー＞：T2の誘導輪と装着基部を撤去し、従来の第１転輪を接地式誘導輪に変更、銃塔を前にずらして重心を調整したもので、エンジンも強化した。第２・第３転輪による半装軌走行能力は残っている。全長3.734m、全幅1.981m、全高2.083m、戦闘重量8.3トン。武装は車体前部右のボールマウント式7.62mm機銃M1919A4、銃塔の12.7mm重機関銃M2と7.62mm機銃M1919A4。エンジンはコンチネンタル社製W670空冷星型７気筒ガソリン（200馬力）、最大速度44km（装軌）／66km（装輪）。乗員３名。参考：月刊PANZER5,’83

＜Ｔ２試作重牽引車＞：アメリカ陸軍試作装軌式牽引車、Heavy Tractor T2。155mm/203mm砲を牽引する車両として1941年初めからM2A1中戦車をベースに開発された。砲塔を外して上構の背を高くし、上構前部に操縦室を設けている。操縦室前面は開放して広い視野を確保し、上開きの装甲板でカバーした。操縦室側面には後ろ開きのドアがある。エンジンはGM社製ディーゼル。能力が不十分で、1941年6月には改良型のT12が開発されたが、1942年6月に計画中止となった。T2の試作車はその後トランスミッションの試験に使用されている。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２試作中戦車＞：アメリカ陸軍試作中戦車。ジェームス・カニンガム社がG4T-1の試作名称でT1E1軽戦車をベースに開発し、イギリスのヴィッカーズMk.1中戦車も参考とした。車体と砲塔は圧延鋼板のリベット接合構造である。車体前部が機関室、中央から後ろが戦闘室で、戦闘室には上部構造物と砲塔が載る。上部構造物左に操縦室があり、右に固定武装として53口径37mm戦車砲M5と7.62mm機関銃M1919A4をM3E1連動砲架に同軸装備した。砲塔は手動全周旋回式で、主砲として50口径47mm半自動式戦車砲（弾量0.87kg、初速毎秒777m）、同軸機銃として12.7mm重機関銃M2をM4連動砲架に装着する。下部転輪は２枚１組でボギーに取り付けられ、垂直スプリングで緩衝されており、ボギーは片側あたり６本ある（よって下部転輪は片側12枚）。起動輪・誘導輪と下部転輪の間には履帯誘導用ローラーを１枚ずつ持つ。上部転輪は片側４枚。履帯は鋼製ダブルピン式で、幅381mm、ピッチ133.4mm、片側76枚。全長4.877m、全幅2.438m、全高2.769m、戦闘重量14.152トン。装甲厚は車体前面19mm、側面12.7mm、砲塔前側面19mm。エンジンはリバティー水冷12気筒ガソリン（317馬力）、トランスミッションはセレクティブ・コック式（前進４段・後進１段）、最大速度40.2km、燃料搭載量356km、航続距離145km。乗員４名。１両が試作され、1930年12月から1932年1月に技術試験と部隊実用試験が行われた。実用試験中に車体固定砲の操作に問題があることが判明し、1931年に改修を実施。M5戦車砲を撤去してM1919A4機銃はボールマウント銃架に装着、対空用としてM1919A4機銃を追加した。装弾数は47mm砲弾75発、12.7mm銃弾2000発、7.62mm銃弾4500発。テストの結果、車体前部にエンジンを搭載した関係で側面に開口した乗員用換気口から履帯の巻き上げた砂が大量に入り込むことや、サスペンションの構造上の問題で走行中の動揺が大きいといった問題が判明し、部隊での評判も芳しくなく、量産されなかった。参考：月刊PANZER5,’83

＜Ｔ−２水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1944年7月29日、ブレーメンでアメリカ軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−２装置＞：海上自衛隊の試作ソナー。Ｔ装置に次いで開発したもので、アルフェロ（鉄・アルミ合金）磁歪材製送受波器を使用した前方60度セクタースキャン方式ソナーである。これも性能が悪く、制式化には至らなかった。参考：月刊世界の艦船11,’13

＜Ｔ−２豆戦車＞：スコダ社の豆戦車。元はチェコスロバキア軍偵察戦車向けにS-I-Pという名称で1937年に開発したもので、15mm機関銃VKZB60とvz.37機銃を１丁ずつ装備する銃塔を設けていたが、売り込みが失敗したので1939年にアフガニスタン軍向けとして改称・改造したものである。銃塔を外し、固定式戦闘室に武装を移した。アフガニスタン軍からの発注は無く、スコダ社でテストベッドとして使用された。参考：月刊丸6,’01

＜Ｔ−２練習機シリーズ＞：航空自衛隊の超音速ジェット練習機。日本初の国産超音速機で、T-33の次にF-104DJにいきなり乗せて訓練するのが不安なため、新たに開発したものである。F-5BやT-38の導入でなく国産することになり、1967年9月5日に三菱重工、富士重工、川崎重工、日本飛行機、新明和工業が共同で先進超音速練習機技術チームASTET（Advanced Supersonic Trainer Engineering Team。発足時は三菱重工42人、富士重工15人、川崎重工６人、日本飛行機６人、新明和工業１人の計71人、ピーク時183人）を結成し、10月16日からXT-2の名称で開発し、1971年4月28日に初号機が三菱重工名古屋航空機製作所小牧南工場で完成、7月20日に社内初飛行した。10月17日、試作初号機の三菱重工社内飛行試験14回目で飛行中に右エンジンのタービンブレードが全て吹っ飛ぶ事故が発生。スロットルの急激な操作による燃料過流入でタービンが過熱したためと判明し、操作制限を加えた。11月19日、30回目の三菱重工社内飛行試験でマッハ1.03を記録、国産機として初めて音速を突破した。12月15日に試作初号機が技本に納入されて飛行開発実験団に配備された。技本では試作機２機を発注したが、飛行試験が間に合わない可能性があり、空自の予算で実用試験機という名称の試作機２機を購入、４機でテストを行っている。試作機用エンジンは12基用意したが、オーバーホール間隔が飛行時間150時間または総運転時間250時間だったので、常に足りない状態だった。1972年頃からアメリカが大蔵省経由でT-38を買えと言ってきたが、既に試験飛行に入って量産化に向かっている段階での無茶振りであり、国産継続で政治決着させている。1973年6月11日、試作初号機が試験中にピッチング方向のパイロット誘起振動を起こし、プラス10G・マイナス5G以上の荷重が機体に加わりエンジンが停止、危うく墜落しかけた。人工感覚装置の錘が軽すぎてパイロットが過度の操作を起こしやすかったのと、動圧計測用ピトー管の位置が悪かったのが原因で、すぐ改良を加えている。1974年3月に実用試験を完了、7月29日に部隊使用承認が得られた。2006年3月2日に用途廃止された。2012年11月7日、関東航空計器の敷地内で放射性物質を含む部品が見つかり、これがT-2の姿勢方位基準装置に使用されていたため、全国の残存T-2を調査した結果、展示機４機（三沢市大空ひろば、浜松広報館、松島基地、新田原基地）と浜松基地の教材に残されていることが判明。全て取り外して三沢基地、浜松基地、松島基地、新田原基地で保管することになった。放射線量は最大毎時0.23マイクロシーベルトで、被曝や外部への放射性物質による影響は無い。参考：月刊JWings5,’03、2,’04、5,’04、11,’00、5,’14、4,'24、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、月刊航空情報3,’10、2,’10、月刊航空ファン3,’13、1,’15、月刊軍事研究8,’17、11,’17、3,’18、朝雲

＜Ｔ−２練習機＞：量産初号機の引き渡しは1975年3月24日、最終号機の引き渡しは1988年3月7日で、開発費用は84億円、機体生産には主契約社三菱重工の他にも富士重工、新明和工業が加わった。エンジンはジャギュアと同じ燃費の良いロールスロイス・ターボメカ製アドーアRB172/T260を石川島播磨重工でライセンス生産したTF40-IHI-801Aを２基搭載する。ちなみに他の候補は標的機用のGE社製A1J1しか無かったらしい。エアインテイクは角形で、固定式衝撃波発生用ランプを持つ。周囲には補助空気取り入れ口６個があり、低速大出力時に自動的に開く。機体形状ジャギュアと似ている（ブレゲーからクレームが付いた）のは、コンセプトと開発時期が同じだったかららしい。胴体は抗力減を狙って細くし、エリアルールを適応してマッハ1.4で抗力が最小になるよう設計した。後部胴体下面はジェット排気に曝されて800℃にも達するため、ハステロイとチタン合金を使用した二重構造として間に冷却空気を流し、内部を100℃以下に保つようにしている。主翼は高翼配置のクリップドデルタ翼で、前縁後退角42.48度、下反角９度、アスペクト比３、前縁に空戦フラップ（前縁フラップ）とドッグツースを持ち、主翼内には燃料タンクを持たない。主翼が小型のため、離着陸時の安定性を確保すべく、主翼後縁にフルスパンに近い大型スロッテッドフラップを装備する。横操縦は主翼上面のスポイラー（フラップの前方に片側２枚ずつ装着されている）を用い、片方の主翼の揚力を殺して機体を傾ける。主翼は一体取り付け構造で、飛行教育には耐えられる強度だったが、飛行教導隊での空戦機動には耐えられなかったらしく、主翼脱落による墜落事故を起こした。垂直尾翼は１枚で、胴体下部にベントラルフィン２枚を持つ。高仰角で横滑りが発生し安いため、それを打ち消す方向に自動的にラダーが動くスポイル・ラダー・コントロール機構が組み込まれている。万が一ラダーが吹っ飛んでもスポイラーと左右エンジンの推力調整で基地に戻ってくるくらいの操縦は可能。水平尾翼は下反角15度の全遊動式で、主翼のダウンウォッシュの影響を受けない位置に装着しており、ロケット弾のブラストから防御するため前縁がチタン製になっている。風防はストレッチアクリル製で、ES-7J射出座席を搭載する。全長17.85m、胴体長17.31m、全幅7.88m、全高4.45m、運用自重6.197トン、最大離陸重量11.464トン。エンジンはTF40-IHI-801A（ミリタリー推力1.73トン、A/B時推力3.21トン）双発、最大速度マッハ1.6、実用上昇限度15240m、燃料搭載量3823リットル＋833リットル増槽３個、戦闘行動半径150海里（増槽無し要撃訓練）／300海里（増槽有り対地支援訓練）、航続距離2600km。固定武装はM61A1機関砲１門。ハードポイント７カ所（うち２カ所は翼端AAM用）。乗員２名。試作機４機と量産機92機（うち６機がブルーインパルス用、５機が飛行教導隊用）が生産された。参考：月刊JWings5,’03、2,’04、5,’04、11,’00、5,’14、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、月刊航空情報3,’10、2,’10、月刊航空ファン3,’13、1,’15、月刊軍事研究8,’17、11,’17、3,’18、朝雲

　＜Ｔ−２前期型＞：慣熟飛行を主目的とする機体で、射撃指揮レーダーと機関砲を搭載しておらず、機首と翼端をオレンジ色に塗った。5-24号機と47-56号機がこれにあたる。試作型初号機は三菱重工小牧南工場、量産初号機は三沢市大空ひろばに保存されている。参考：月刊JWings5,’03、6,’02、月刊丸5,’07

　＜Ｔ−２後期型＞：戦技訓練用の機体で、J/AWG-11射撃指揮レーダーとJM61機関砲を搭載しており、F-104DJには無い射撃指揮レーダーの運用経験を積むことが可能。光学照準器もあるが、CCIP/CCRPなどの精密爆撃用照準計算は出来ない。25-46号機と57号機以降がこれにあたる。試作型初号機は岐阜基地、量産型初号機は青森県立芦野公園に保存されている。参考：月刊JWings5,’03、2,’04、月刊丸5,’07、月刊航空情報3,’10

＜Ｔ−２ファミリー＞

　＜Ｆ−１＞：F-1（支援戦闘機）を参照。

　＜ＦＳ−Ｔ２改＞：F-1支援戦闘機開発用単座型試作機。生産６・７号機（量産２・３号機、シリアルナンバー59-5106と59-5107）が改造された。59-5107が2017年2月20日から岐阜基地航空機展示場で展示されている。参考：月刊航空ファン5,’17、月刊JWings5,’04

　＜Ｔ−２ＣＣＶ＞：CCV（操縦性優先形状機）研究機。機体設計時に最初からACTを考慮している訳では無いので、CCVではなく、あくまでもCCV研究機である。1978年に研究が始まり、国産で図面や技術データなどが全て揃えられるT-2練習機をベースに製作することになり、1981年度から改造された。試作３号機（シリアルナンバー29-5103）の機首下面に垂直カナード、エアインテイク後上方に水平カナードを追加し、操縦装置を三重デジタル式フライ・バイ・ワイヤに変更した。カナードはどちらも炭素繊維複合材製で、垂直カナードは左右に22度まで旋回して直接横力制御を行い、水平カナードは油圧で水平に固定されていて揚力中心を重心より前に移動させ静安定緩和を実現する。ベントラルフィンは垂直カナードと干渉するので外した。前縁フラップは構造を強化して高速機動時にも使えるようにしている。後縁フラップは上にも20度動かせるようにしてフラッペロンに変更し、直接揚力制御、機動荷重制御、ロール調整を可能とした。ラダーも構造を強化し、舵面数増加に合わせて油圧系統も増強している。前席左に直接揚力制御・直接横力制御の操縦レバーを装着、後席を撤去してセンサーやアビオニクスを追加し、冷却装置も強化した。操縦装置は三重デジタル式フライ・バイ・ワイヤ＋機械式操縦系統で、機関砲弾薬収容部に飛行制御コンピュータ（CCVコントローラ）、機関砲収容部に機体速度・加速度・フォース（操舵力）センサーを搭載し、飛行前にフライ・バイ・ワイヤをチェックするためのBIT（Built in Test）も備えている。雷が直撃してもフライ・バイ・ワイヤのシステムが損傷しないよう、電子機器に防護機能を追加し、配線シールドを強化しており、事前に耐雷試験を行って安全確認を行った。通常飛行モードと離着陸モードの切り替えは脚の上げ下げと連動して自動で行われる。フライ・バイ・ワイヤが全損してバックアップの機械式操縦系統に切り替わると、水平カナードの油圧が抜けて固定が解除され、揚力が無くなるので、揚力中心が重心より後ろに下がって静安定緩和を解かれる。制御増強では、操縦桿の重さと、操作による加速度をほぼ一定にコントロールし、ピッチ方向の制御増強として失速防止用迎え角制限と構造破壊防止用荷重制限の機能を持つ。静安定緩和では、最大マイナス5%までのピッチ方向の空力不安定を獲得し、全遊動式水平安定板の電子制御により安定的に飛行させる。機動荷重制御では、迎え角とマッハ数に応じてフラップを電子制御することにより、揚力係数を13%向上させるが、フラップが前後１枚ずつしか無いので、翼幅方向の揚力分布制御は行えない。直接揚力制御では、後縁フラップと全遊動式水平安定板により、迎え角一定での引き起こし、水平飛行中の上下首振り、水平姿勢での上昇下降（最大加速度1.7G）を実施できる。機動増強（Maneuver Enhancement）では、後縁フラップを全遊動式水平安定板と連動させて引き起こし中の垂直加速度応答性を改善し、機首の向きを迅速に変化させる。直接横力制御では、垂直カナードとラダーで横力を発生させると共にフラッペロンでローリングを打ち消し、機体を水平に保っての旋回、飛行方向を保持したままの左右首振り、飛行方向・機首向き一定での左右移動を可能とする。横力の最大加速度は0.7Gくらい。デカップルド・ヨー（Decoupled Yaw）では、ラダーとフラッペロンを使用し、機首の向きだけ旋回方向に変え、機体は左右に傾けず旋回する。ACTのうち突風応答低減とフラッター・モード制御はテスト対象外である。全長17.85m／17.31m（ピトー管抜き）、全幅7.88m、カナード翼幅4.5m、水平尾翼幅4.33m、全高4.39m。1983年4月8日にロールアウトし、8月9日（8月5日？）にカナード未装備で初飛行した。10月14日、水平・垂直カナードを装備し、フライ・バイ・ワイヤで初飛行（通算13回目の社内飛行）したが、離陸して脚上げを行った直後に機体が突風を受け左に傾斜、三菱重工のパイロットが修正しようと右に操舵したところ一瞬遅れて今度は右に大きく傾き、パイロットが左に修正を入れると次は大きく左にバンクし、を繰り返して離陸８秒後に高度200フィート（61m）・速度215ノットに達した時には最大75-80度も傾いてしまい、危うく墜落しかけた。パイロットが脚下げを行い飛行制御モードを通常飛行モードから離着陸モードに戻し、バックアップの機械式操縦装置に切り替えて事無きを得ている。原因は初飛行の緊張感からパイロット応答特性（パイロット・ゲイン）の変化が地上試験より過大になり、地上試験の結果を基にソフトを組んでいたフライ・バイ・ワイヤが追随できなかった事によるパイロット誘起振動PIOであると判明、フライ・バイ・ワイヤのソフトでパイロット・ゲイン（Kp=Fs/p=0.13、位相遅れ180度に設定されていた）のロール・コマンド・グラディエントを小さくし、時定数を大きくする修正を加えて解決している。1984年3月8日までに24回の社内飛行を行い、3月27日に空自が領収、5月17日から1986年3月20日までに航空実験団で138回飛行し、フラッター試験、フライ・バイ・ワイヤ正常作動試験、制御増強、機動荷重制御、静安定緩和、直接揚力・横力制御の順に試験を行ってフライトデータを収集、フライ・バイ・ワイヤ技術とソースコードを取得してF-2の開発に活かした。岐阜基地で保存され、2014年12月3日からかかみがはら航空宇宙科学博物館／岐阜かかみがはら航空宇宙博物館で公開されている。参考：日本の防衛戦力Part8、月刊JWings11,’00、10,'23、11,'23、5,’04、8,’19、7,'20、月刊軍事研究10,’17、月刊丸2,’08、月刊航空ファン2,’15、7,’16

　＜Ｔ−２ブルーインパルス＞：ブルーインパルス用アクロバット機。風防をストレッチアクリルからポリカーボネート製ワンピースに変更し、No7燃料タンクをスモーク用スピンドルオイルタンクにした。スピンドルオイル噴射口は右エンジンノズル直後にあり、排気で不完全燃焼させることによりスモークを発生させる。アフターバーナーを点火する時は噴射口を冷却するためにスピンドルオイルを噴射するが、オイルが完全燃焼して発火するため、離陸時にアフターバーナーを焚いて炎の尾を引かせ、トーチングという呼び物にした。ただ燃えている間はスモークが出ないので、スモークを出して演技している最中に右アフターバーナーを使うことは出来ない。エンジンの推力不足が難点で、編隊飛行ではリーダー機はアフターバーナーを使用せず、ウイングマンが追いつけるようにしなければならなかった。翼面荷重も高いため、アクロバット機動を行うために高い速度を必要とし、旋回性能も悪く、演技が間延びするという欠点もあった。このため、編成にソロ１機を追加（４機編隊＋ソロ２機）して補っている。1982年7月25日に初の公式展示飛行を松島基地で行い、1995年12月3日に最後の公式展示飛行を浜松基地で行い引退した。公式展示飛行回数は175回だった。浜松広報館には全公式展示飛行に参加した単独機が展示されており、他にJR鹿妻駅前に展示されている。参考：月刊航空情報3,’10、月刊丸5,’07、朝雲

＜Ｔ−２練習機シリーズ＞：アメリカ海軍ジェット練習機、別名バックアイ（Buckeye）、通称Attack Guppy、Trusty Tubbyjetなど。ロックウェル社が開発した。参考：月刊JWings5,’05、世界の軍用機1979

　＜Ｔ−２Ｊ１＞：最初の量産型。エンジンはウェスティングハウス社製J34-WE-36（推力1.54トン）単発で、整備を容易にするため胴体下部に装備している。主翼デザインはFJ-1を、コントロールシステムはT-28を流用した。コクピットはタンデム複座で、LS-1射出座席を装備する。1958年1月末に初飛行し、1959年7月から部隊配備された。1961年に生産を終了している。参考：月刊JWings5,’05、世界の軍用機1979

　＜Ｔ−２Ａ＞：T-2J1を1962年に改称したもの。参考：月刊JWings5,’05

　＜Ｔ−２Ｂ＞：エンジンをプラット＆ホイットニー社製J60-P-6（推力1.36トン）双発としたもの。プロトタイプは1962年8月30日、量産型は1965年5月21日に初飛行し、1965年末から部隊配備され、97機が生産された。参考：月刊JWings5,’05、世界の軍用機1979

　＜Ｔ−２Ｃ＞：エンジンをJ85-GE-4に換装したもので、原型機は1968年4月17日、量産型は同年12月10日に初飛行し、231機が生産された。全長11.67m、全幅11.62m、全高4.51m、自重3.68トン、最大離陸重量5.98トン。エンジンはGE社製J85-GE-4（推力1.34トン）双発、最大速度853km、実用上昇限度12870m、航続距離1456km。ガンポッド、爆弾、ロケット弾などを装備可能。乗員２名。参考：世界の軍用機1979、月刊JWings5,’05

＜Ｔ−２練習機・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−２Ｄ＞：ベネズエラ空軍練習機。Ｃ型の着艦フックを除き、電子装備を換えてある。24機が生産され、うち12機には翼下パイロン計６カ所（最大兵装搭載量1.59トン）を付けられるようにした。参考：世界の軍用機1979、月刊JWings5,’05

　＜Ｔ−２Ｅ＞：ギリシャ空軍練習機。T-2D武装型と同じで、40機が生産された。参考：世界の軍用機1979、月刊JWings5,’05

＜Ｔ２Ｖ−１＞：T-33シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔ２Ｙ＞：海上自衛隊第４航空群第３航空隊列線整備隊隊員３名が開発したチャフ・フレアディスペンサー簡易テスターで、名字の頭文字をとって命名された。正規の整備機材は数が少なく、故障するとやりくりできなくなる恐れがあるため、機能の一部を代替する小型機材として自作したものである。P-3Cの機内に持ち込めるため、乗員と整備員が協同で模擬発射訓練などに使用することも可能。2008年10月に海上自衛隊補給本部から部隊使用承認が下りて厚木航空基地で使用されており、開発した３名には平成21年度防衛技術奨励賞と平成22年度文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞が授与された。参考：朝雲

＜Ｔ−３＞：M1シリーズ（カービン）またはOQS-3（ソナー）またはSS-61（Ｔ級潜水艦）またはSu-9シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ�V魚雷＞：ドイツ軍の魚雷。Ｔ�Uの発火装置改良型で、Ｔ�TG7aと多くの部品を共用してコストも削減した。推進は電動モーターで、雷跡が出ないという利点があり、内蔵型バッテリー13T（鉛電池ボックス52個、総重量711kg）により毎時92アンペアの電流を供給し、96馬力の電動モーターを5-6分間駆動させる。航走距離は1280mと短いが、バッテリー格納部を30度に予熱すれば60%延伸できた。プロペラは二重反転式。発射後に１回だけ95度まで変針でき、後に135度まで変針が可能となった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜Ｔ−３水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1940年9月19日、ル・アーブルでイギリス軍の爆撃を受けて沈没、その後引き揚げられた。1945年3月14日、ダンチッヒ湾で触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ３ミサイル＞：DARPAが開発中の空対空／対レーダーミサイルで、Triple Target Terminatorの略。2010年11月にボーイング社及びレイセオン社と開発契約を結んだ。AIM-120とAGM-88の後継で、多重モードシーカーとデータリンクを持ち、発射後に目標を空地問わず切り替えることができる。F-15、F-16、F-22、F-35、F/A-18、爆撃機、無人機などに搭載可能。参考：朝雲

＜Ｔ−３練習機＞：航空自衛隊初等練習機。主任務は空中適正判定と基本飛行操作訓練で、T-34Aメンターの後継として富士重工が自主開発し、試作機KM-2Bは1974年9月26日に初飛行、1977年に空自が採用を決めてT-3になった。T-34AのエンジンをKM-2と同じものに換え、プロペラもハーツェル油圧定速式３翅に交換、両翼桁間に38リットルタンクを追加して燃料搭載量を増加し、各種装備を更新した。低速低空長時間飛行のテストでシリンダーヘッドが過熱するという問題が発生したため、機首エアインテイクを大型化して解決している。全長8.04m、全幅10m、全高3.02m、自重1136kg、全備重量1540kg。エンジンはライカミングIGSO-480-A1F6燃料直噴式空冷水平対向レシプロ（最大340馬力、連続320馬力）単発、巡航速度205ノット、最大速度228ノット、実用上昇限度8170m、燃料搭載量265リットル、航続距離822km。乗員２名（タンデム複座）。1978-82年に量産機50機が生産され、1978年1月17日に量産初号機が初飛行した。配備先は静浜基地第11飛行教育団と防府北基地第12飛行教育団で、1979年10月に防府北基地に初配備されている。2001年からT-7に交代し、2007年2月22日に静浜基地での飛行を終了、訓練任務を終えた。その後は２機が岐阜基地飛行開発実験団で２ヶ月程度運用され、4月23日に用途廃止となった。金沢工業大学に展示されている。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、月刊JWings6,’06、1,’00、5,’07、8,’12、5,’14、2,'22、自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊航空ファン1,’15、月刊軍事研究8,’17、朝雲

＜Ｔ−３Ａ＞：アメリカ空軍の強化型飛行適正選抜機。T-41の後継としてスリングスビー社製T-67M260ファイアフライを1992年4月に採用したものである。1994年1月から113機（53機？）を配備したが、1995-97年に３機が墜落事故を起こし、エンジン停止事故も多発したため、1997年7月から飛行停止処分とされ、2006年にスクラップとされることが決定した。参考：月刊JWings12,’06、月刊軍事研究3,’08、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔ�VａＦａＴ�U＞：ドイツ軍の魚雷。Ｔ�VFaT�U型の電池を陽極17個の単電池に換装し、航走距離を7500mに延ばしたものである。参考：ナチスＵボート

＜Ｔ−３Ｄ豆戦車＞：チェコスロバキアのスコダ社が開発した豆戦車。T-32豆戦車の主砲をスコダ製47mm対戦車砲A9jに換装し、戦闘室前面装甲厚を30mmに強化している。1938年に製作してユーゴスラビア軍に提案され、108両が発注される筈だったが、世界情勢緊迫でキャンセルされた。参考：月刊丸6,’01

＜Ｔ�VＦａＴ�U型（Ｇ７ｅ）＞：ドイツ軍の魚雷。Ｔ�V（G7e）にFaT�U型誘導装置を搭載したもので、1943年5月に採用された。航走距離が5000mと短く、あまり役に立たなかったため、Ｔ�VaFaT�Uを開発した。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ３Ｊ−１＞：T-39D（練習機）を参照。

＜Ｔ−３Ｊｒ＞：静浜基地の地上アクロバットチーム。T-3のハリボテを被せたバイク６両からなり、1996年8月に初展示走行を行った。バイクのベースは本田Dioで、全長2.5m、全幅1.8m、全高1.3m、全備重量160kg。エンジンは２サイクルガソリン（総排気量49cc）、法定速度30km、燃料搭載量５リットル。乗員１名。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｔ�VＬｕＴ�T（Ｇ７ｅ）＞：ドイツ軍の魚雷。Ｔ�V（G7e）にLuT�T型誘導装置を付けたものである。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ４＞：�W号戦車（ルーマニア）またはRDX（炸薬）を参照。

＜Ｔ�W＞：ドイツ軍の音響誘導式魚雷。Ｔ�U魚雷にパッシブ音響誘導装置ファルケ（Falke、鷹）を搭載したもので、1940年から実験を行い、1943年2月に完成し、7月から配備された。音響受信器は25kHz磁歪型受波器で、左右それぞれ25度に指向性を持つ。魚雷推進器のノイズが誘導装置に入ってしまうため、雷速を25ノット以上にできず、また目標艦が12ノット以下で推進しているとロックオンできないという欠点がある。炸薬重量274kg。雷速20ノットで航走距離7500m。100本ほど製造され、30本前後が発射された。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜Ｔ−４核地雷＞：アメリカ軍の核地雷ADM。1957年に製作された。参考：アメリカの核兵器

＜Ｔ−４緊急脱出装置用部品（カートリッジ作動装置用）＞：自衛隊の火工品。ダイセル製。参考：月刊軍事研究5,’15

＜Ｔ４コンバットカー・シリーズ＞：アメリカ陸軍試作コンバットカー。T1コンバットカーがベースで、ロックアイランド造兵廠が1933年に開発した。参考：月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ４コンバットカー＞：車体前面右に7.62mm機銃M1919A4を１丁装備する。足回りはT1コンバットカーと同じ装輪装軌併用式のクリスティー型走行装置である。下部転輪はダブルタイプ片側４組で、第１・第４転輪は円形肉抜き孔が多数開けられたタイプ、第２・第３転輪はスポークを持つタイプを使用。起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は無い。銃塔は多角形形状で、12.7mm機銃M2と7.62mm機銃M1919A4を１丁ずつ装備する。全長4.902m、全幅2.311m、全高2.007m、重量8.709トン。エンジンはコンチネンタル製W670星型空冷ガソリン（250馬力）、最大速度83.7km（装輪）／41.8km（装軌）。乗員４名。参考：月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ４Ｅ１コンバットカー＞：T4の改良型、別名T4/12t。操縦室左右のスポンソンに7.62mm機銃M1919A4をを１丁ずつ追加し、12.7mm機銃M2と7.62mm機銃M1919A4をを１丁ずつ並列装備した新型銃塔を搭載している。全長4.902m、全幅2.311m、全高2.007m、重量9.072トン。エンジンはコンチネンタル製星型空冷ガソリン（264馬力）、最大速度70.8km（装輪）／46.7km（装軌）。最大装甲厚12.7mm。乗員３名。参考：月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ４Ｅ２コンバットカー＞：T4E1の改良型。T4E1中戦車と同様のバーベット型上部構造物を装着した。参考：月刊PANZER9,’12

＜Ｔ−４水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1940年11月7日、ジュットランド島西方で触雷して沈没した。第２次大戦後、アメリカに引き渡され、更にデンマークに引き渡された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−４超音速迎撃機＞：スホーイ設計局試作大型超音速爆撃機、別名イズジェリェ100、米軍コードはラムＨ。1962年12月に超音速迎撃戦闘機の開発計画が出され、XB-70爆撃機の迎撃任務にあたる機体として開発された。その時既にXB-70は試作のみになると決定していたのだが。その後、開発途中で任務がミサイル空中発射母機と長距離偵察に変わったが、開発計画立案はXB-70初飛行より前なので、初めから爆撃機として開発されたという説もある。巡航速度マッハ３とするため、摩擦熱に耐えられるよう機体をVT-20・VT-22高張力チタン合金とVNS-2高張力ステンレス鋼で製作した。前方カナード付き無尾翼デルタ機で、デザインはXB-70に似ている。カナードは全遊動式で、前縁後退角55度、作動角プラス４度からマイナス13.45度。主翼前縁後退角は内翼が75.44度、外翼が60.17度で、外翼後縁には３分割のエレボン（作動角は上方25度から下方10度）が付く。胴体下にKh-45セミアクティブ・レーダー・ホーミング式空対艦ミサイル１発を吊り下げ、主翼下に増槽を１基ずつ搭載する。エンジンはコリェソフRD36-41を４発纏めて胴体下に搭載、使用燃料は大気圧の低い高々度でも気化しにくいRG-1ナフチル燃料（JP-7相当）で、潤滑油はKsh-1（オロナイト70相当）。パイロットはコクピットのK-36射出座席にタンデムに座る。地上や低速飛行時（時速700km以下）には機首が下に12度折れて風防が露出するが、高速飛行時には風防が機首に完全に隠れて前が見えなくなる。機首折れ機構が故障した時のため、時速600km以下で使用可能なパイロット用ペリスコープも用意された。操縦系統は四重フライ・バイ・ワイヤ（ソ連初）で、操縦桿はスティック式。全長44.5m、全幅22m、全高11.2m、自重55.6トン、最大総重量125トン。エンジンはRD36-41（A/B時推力16トン）４基、最大速度3200km／マッハ3.01、実用上昇限度24000m、航続距離6000km（7000km？）。Kh-45対艦ミサイル１発を搭載する。乗員２名。250機を生産する予定で、1972年8月22日に初飛行して試作機４機で10回（９回？）のテスト飛行を行ったが、単能で任務の柔軟性に欠ける、MiG-23と同時に量産すると予算が足りなくなるといった欠点があり、1974年1月に計画が中止された。参考：世界の傑作機No.113、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings9,’04

＜Ｔ４無反動砲＞：アメリカ陸軍砲兵局が1945年から開発した155mm無反動砲。グライダーに乗せられるよう全備重量を1.36トンとし、初速毎秒440m、最大射程10kmを目指した。参考：スピアヘッドNo.2、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ−４練習機＞：航空自衛隊ジェット中等練習機（基本訓練から高等訓練の一部までを担当）、通称ドルフィン。戦闘飛行隊などでは練習任務だけでなく連絡機として各基地間の連絡飛行も行っている。T-33Aの後継で、T-1とT-33の訓練課程を統合して操縦士養成にかかる訓練時間を短縮するのが開発の主目的であり、ついでに訓練課程で使う練習機を全て国産で統一、国内航空技術の養成・維持も図ることにし、MTXという名称で1981年4月15日に防衛庁から提案要求書RfPが出され、川崎重工（機体側面エアインテイクに中翼−肩翼後退翼の主翼が付く）、富士重工（低翼後退翼上方の機体側面にエアインテイクがある）、三菱重工（機体側面エアインテイクに低翼後退翼の主翼が付く）から5月29日に提案書を受領、8月26日の防衛庁参事官会議で川崎重工が主担当企業、三菱重工・富士重工が協力企業に指定され、9月4日に官民協力しての開発が決定し、10月27日に川崎重工岐阜工場に中等練習機設計チームMTET（Middle Trainer Engineering Team）が設置され、基本設計が始まった。川崎重工（主契約社）37.9%（機首、前部胴体、補助翼、方向舵、最終組み立てなど）、富士重工（協力会社）30.1%（主翼、後部胴体、垂直安定板、水平尾翼、キャノピー、前後縁フィレット、翼胴フェアリング、垂直安定板フェアリング）、三菱重工（協力会社）32%（中部胴体、エアインテイク）のハイブリッド生産である。主翼や機体形状に工夫をして広い速度範囲で良好な飛行特性を保つように設計した。舵面、フラップ、エアブレーキなどは全面複合材（炭素繊維複合材やアラミド繊維複合材など）製とし、構造重量の5%を複合材として軽量化を図っている。胴体にはエリアルールを適用し、水平最大速度は音速以下だが、ダイブ（緩降下？）では音速を突破できる（安全速度はクリーン状態でマッハ1.15まで）。前部胴体両側面にエアインテイクがあり、高迎え角時や横滑り時にも吸入効率が落ちない形状とした。主翼は肩翼配置のスーパークリティカル翼型で、25%翼弦後退角27.5度、下反角７度、アスペクト比4.7であり、ドッグツースと小型ストレーキが付く。フラップは固定ベーン型の二重隙間フラップ。スルー・キャノピー式緊急脱出装置（キャノピーに小型導爆線MDCが仕込んである）、ステンセルSIIIS-3ゼロゼロ射出座席、HUD（前席のみ）、機上酸素発生装置、カーボンブレーキ、J/ASK-1エアデータ・コンピュータ、デジタルデータバス、J/ASN-3リングレーザージャイロ式姿勢方位基準装置、TACANなどを装備し、空自で初めてHUDを主計器として搭載した。HUDの表示モードは離着陸（TOL）、航法（NAV）、整合（ALN）で、試作機に用意されていた空対空戦技（AAG）、空対地戦技（AGG）、爆弾（BOMB）、ロケット（RKT）は搭載されなかった。操縦桿にはトリガーが付いているが、兵装発射用では無く、HUDの録画開始スイッチである。計器板をグラスコクピット化する案もあったが、開発当時の第一線機であるF-4EJやF-15Jがアナログ計器なので、没になっている。緊急脱出はシングルとデュアルの２モードがあり、後者ではどちらが脱出レバーを引いてもまず後席が左に偏向して射出される。後席には急旋回時に掴まるハンドグリップが左に１本付いていて、第11飛行隊配備機（ブルーインパルス機も通常機も）のみ右にも１本ある。エンジンは技術研究本部で開発した小型ターボファンエンジンを採用、当初はオーバーホール間隔が150時間しかなかったので維持費が高くなったが、後に1150時間まで延ばして解決した。垂直尾翼は背が高く、大迎え角時などに威力を発揮する。垂直尾翼半ばにはILSアンテナが付く。全長13.02m（ピトー管含む）／11.96m（ピトー管除く）、全幅9.94m、全高4.60m、空虚重量3.79トン、クリーン重量5.9トン、最大離陸重量7.5トン。翼面積30.8平方メートル（21平方メートル？）。エンジンは石川島播磨重工製F3-IHI-30/-30Bターボファン（推力1.669トン）双発、巡航速度マッハ0.75、水平最大速度マッハ0.91／1040km（海面高度）、失速速度167km、実用上昇限度15240m、海面上昇率毎分3050m、燃料搭載量1.652トン・592ガロン（2241リットル）、航続距離700海里・1297km（機内燃料のみ）／1668km（450リットル増槽２本）。荷重制限マイナス3Gからプラス7.33G。ハードポイントは胴体下１カ所、主翼下片側２カ所ずつの計５カ所で、増槽、バンナー標的曳航装置、AN/ALE-41チャフ・ディスペンサー・ポッド、機関砲ポッドなどを装備可能。乗員２名。基本操縦前期・後期課程と戦闘機操縦基礎課程の訓練では、通常は前席に学生、後席に教官が乗る。試作機XT-4初号機は1985年4月19日にロールアウトして7月29日に岐阜基地で川崎重工パイロットにより初飛行し、12月12日に航空実験団に配備され、飛行試験機４機と地上試験機２機によりテストを実施、1988年7月28日に防衛庁長官の部隊使用承認が得られ、9月20日に量産初号機が川崎重工岐阜基地で空自に引き渡されて第１航空団に配備され、2003年3月6日までに飛行試験機４機含め201機（＋ブルーインパルス用11機）が生産された。これによりT-3・T-1・T-33・T-2という順番で395時間29.5ヵ月かかっていた操縦教育が、1998年のT-1退役後はT-4で第２初級操縦教育も行うようになったためT-3（70時間）・T-4（150時間）・T-2（80時間）の300時間に短縮された。T-2が退役した2007年8月からは戦闘機操縦基礎課程も受け持っており、T-7（初級操縦課程60時間）・T-4（基本操縦課程前期課程65時間＋基本操縦課程後期課程95時間）の計220時間でウイングマークを取得して戦闘機操縦基礎課程20時間もT-4で訓練する、という体系になっている。量産後、後部胴体に発生する渦による操縦不安定性がみられたため、89号機からは排気フェアリング形状を変更した。112号機以降は垂直安定板両側面にILSアンテナが増設されている。これらは以前の機体にも遡って実施された。また、エンジン素材強度を製造法改良により改善した。2000年頃から、ノーズコーン先端及び翼前縁に保護フィルムが貼られるようになった。センターパイロンに機上集塵器（２型）を吊り下げての大気収集任務にも投入されており、毎月１回飛行して文部科学省で分析を行う。北朝鮮核実験以降は暫く１日１回飛んでいた。2019年4月2日、三沢基地所属機が離陸後に右エンジンで異常が発生し、全機飛行停止処分となった。点検の結果、タービンのブレード１枚が折損してエンジン内部が損傷し排気ノズルの一部がずれており、IHIの調査でエンジン部品の交換が必要となったため、全機パーツ換装と安全確認を行い、終わった機から順に4月下旬以降飛行を再開している。2019年4月26日、T-4中等練習機の支援整備の部外委託における委托整備会社の役務内容について、日本飛行機の提案に決定した。参考：月刊JWings8,’04、5,’03、9,’17、8,’19、2,'22、4,'24、1,’00、6,’02、12,’06、6,’07、5,’08、5,’14、8,'15、4,’17、10,’17、7,'19、6,’19、6,’20、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空情報3,’10、世界の軍用機1982、月刊軍事研究10,’17、9,’17、9,’11、11,’17、月刊航空ファン5,’19、1,’15、7,’19、MAMOR vol.135

＜Ｔ−４練習機ファミリー＞

＜Ｔ−４ブルーインパルス＞：ブルーインパルス用アクロバット機。低高度での曲技飛行のため改造を施している。胴体内No.3燃料タンクをスモーク用オイルタンク（325リットル）に換装してあり、操縦桿のトリガーを引くと、スモークオイルが右エンジン排気口にある噴射口から通常姿勢用ポンプ及び背面姿勢用ポンプを介して排気に吹き付けられ、発煙する。バードストライクに備え、主翼前縁と風防は450ノットで２ポンド（907g）の鳥が衝突しても耐えられるレベルにし、風防フレームを強化すると共に風防の厚さを11mmから22.4mmに増やし、風防が変形してHUDにぶつかっても破損しないよう樹脂製のHUDを採用した。機動に耐えられるよう、方向舵作動角切り替えの不連続を無くし、作動角自体も240ノット以上で10度（操縦桿のスイッチを入れれば15度まで。通常機は５度）に拡大、低高度警報システムを追加するなどしている。風防フレームにバックミラーを３枚（通常機は１枚）付け、後席に取っ手を追加した。ドーサルフィン直前にスモーク発生装置用ベントスクープ（空気を取り入れてスモークオイルの流れを良くする）及びスモークオイル用給油口を、機体尾部下面の燃料排出口の左にスモークオイル排出口を設置している。垂直尾翼の衝突防止灯の光がパイロットを幻惑するのを防ぐため、衝突防止灯前下部にプレートを取り付けた。計器板の右上にスモーク作動灯、その下にスモークオイル計を設置しており、コクピット正面下部にスモークオイルポンプスイッチ、前席計器板左上に低高度警報装置、前席左のコンソールに低高度警報装置設定パネル、後席右側にハンドグリップを追加している。低高度警報装置は脚・フラップ収納状態で設定気圧高度以下になると警報灯の点滅と警報音で知らせてくれる。機体塗装は白と青の２色ベースで、公募デザインから齋藤章二氏のものを採用した。座席は赤色である。駐機時に主輪に噛ませる車輪止めは、訓練では青色、展示では白色を使う。コクピットへの乗降に使うラダーは幅が狭く高さも低い青白２色塗りの専用ラダーである。1994年6月22日に初飛行し、8月12日（11日？）から引き渡されてブルーインパルスに配備され、1996年4月5日に初の公式展示飛行を防衛大学校で行った。2000年7月4日に墜落した２機の損耗補充として2002年に２機が納入され、生産数は11機となった。東日本大震災の津波で１機（2002年新造機）が失われ、曲技飛行での酷使により2017年頃から残存機も寿命を迎えるため、小牧基地に2008年度からモスボール保管しておいたT-4練習機９機をブルーインパルス規格に改造することになり、2012年度に１機、2014年度に２機、2015年度に２機、2016年度に２機、2017年度に３機の追加改造（T-4戦技研究仕様機化改修）契約が締結された。2017年度は２機の予定がもう１機追加されたため、モスボール機では足らなくなり、部隊運用機を１機転用している。通算12機目の機体は2016年5月11日に初飛行し、6月22日に岐阜基地から松島基地へとフェリーされた。通算13機目は2016年9月15日に初飛行し、12月に松島基地にフェリーされた。通算14機目は2017年1月11日に初飛行し、1-2月に松島基地にフェリーされた。通算15機目は2017年10月に松島基地にフェリーされた。通算16機目は2018年2月22日に初飛行し、2018年3月に松島基地にフェリーされた。通算17機目は2018年10月に松島基地にフェリーされた。通算18機目は2019年2月に松島基地にフェリーされた。通算19機目は2019年12月16日に初飛行し、2020年1月に松島基地にフェリーされた。通算20機目は2020年1月21日に初飛行し、2月に松島基地にフェリーされた。川崎重工エントランスに１機（３号機）が展示されている。参考：JWings8,'24、9,’14、6,’18、5,’08、11,’13、6,’07、8,’04、4,’00、6,’09、8,’16、9,’16、12,’16、4,’17、5,’18、9,’18、12,’18、3,’20、4,’20、7,'20、月刊航空ファン1,’15、4,’17、9,’17、5,’18

＜Ｔ４−Ｅ＞：エアロジェットロケットダイン社の中距離弾道ミサイル模擬標的。参考：月刊世界の艦船10,’24

＜Ｔ−４／ＦＥＲ用データ処理装置＞：自衛隊の機器。関東航空計器製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜Ｔ−４航空機用落下増槽スニッフル・バルブ機能点検器材＞：航空自衛隊の点検器材。T-4練習機用落下増槽のスニッフル・バルブを点検する際、従来は増槽全体の加圧が必要で、そのためだけに80分を要していたが、この専用器材をスニッフル・バルブに装着すれば、バルブ単体で検査できるので、点検が２分で終わる。発明者の第１航空団空曹４名には平成30年度下期優良提案褒賞が授与された。参考：朝雲

＜Ｔ−４戦技研究仕様機による着色発煙の拡散と機体適合性に関する調査研究＞：自衛隊の調査研究。2015年7月3日に川崎重工と契約した。参考：月刊JWings8,’16、月刊軍事研究11,’16

＜Ｔ−４マン＞：浜松基地のマスコットキャラ。T-4練習機のトランスフォーマーみたいなキャラクターで、腹の所に機首が付いている。参考：月刊JWings10,’19

＜Ｔ−４用インテーク・スクリーン＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｔ−４用人体傘＞：自衛隊の機器。ダイセル製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜Ｔ−４用整備器材（スリング）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜Ｔ−４用フライトシミュレーターの機能向上＞：自衛隊の機器。三菱プレシジョン製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜Ｔ５＞：M32シリーズ（戦車回収車）またはSu-9シリーズ（試作機）を参照。

＜Ｔ−５機雷＞：中国の自走式機雷。潜水艦から敷設される。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜Ｔ−５魚雷＞：ソ連海軍の潜水艦用核魚雷。1950年代に配備された。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜Ｔ−５航空機用タイヤ（メイン）＞：自衛隊のタイヤ。ブリジストン製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜Ｔ５コンバットカー・シリーズ＞：アメリカ陸軍試作コンバットカー／騎兵戦車。経費節減のため、騎兵用コンバットカーと歩兵用軽戦車を共通化しようという意見があり、T2試作軽戦車をベースにロックアイランド造兵廠が1934年から試作した。参考：月刊PANZER9,’12、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ５コンバットカー＞：T2E1試作軽戦車がベースで、車体前部右にボールマウント式7.62mm機銃M1919A4を１丁搭載する。下部転輪は片側４枚で、２枚ずつボギーに装着されて垂直ボリュート・スプリング２基で懸架されている。起動輪は前方、誘導輪は後方（後方下部転輪ボギーから支柱が伸びている）にあり、上部転輪は片側２枚。履帯はゴムブッシュ付ダブルピン式鋼製で、幅295mm、ピッチ140mm、片側66枚。銃塔は円筒形で並列式、270度限定旋回で、左に7.62mm機銃M1919A4、右に12.7mm重機関銃M2を装備する。戦闘重量8.8トン。エンジンはコンチネンタル製W670-9星型７気筒空冷４サイクルガソリン（250馬力）、トランスミッションはコンスタント・メッシュ二重差動式（前進５段・後進１段）、最大速度48.3km、燃料容量204リットル、航続距離209km。乗員４名。参考：月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ５Ｅ１コンバットカー＞：改良型。全周に弾幕を張れる戦闘車両というのがコンセプトで、1935年に開発された。銃塔を外して上部構造物を上に延長した固定式戦闘室を設け、前部右に12.7mm重機関銃M2を１丁、前部左・両側面・後面に7.62mm機銃M1919A4を１丁ずつ搭載している。車体の7.62mm機銃M1919A4も残した。戦闘重量6.282トン。乗員４名。参考：月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ５Ｅ２コンバットカー＞：改良型。T5の銃塔を１つに統一したもので、左に12.7mm重機関銃M2、右に7.62mm機銃M1919A4を装備する。誘導輪のスイングアームを廃止して吊り下げ型とし、トランスミッションをシンクロメッシュ式に換装した。1936年に開発され、1940年にM1コンバットカーとして制式化された。参考：月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ５Ｅ３コンバットカー＞：エンジン換装型。T5のエンジンをギバーソンT1020-4星型９気筒空冷４サイクルガソリン（220馬力）としたもので、1936年に開発された。参考：月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ５Ｅ４コンバットカー＞：足回りの改良型。T5の誘導輪をスイングアーム付き接地型に変更し、後方下部転輪ボギーの懸架装置をトーション・スプリング付きに換装している。1938年に開発された。参考：月刊PANZER9,’12

＜Ｔ５自走榴弾砲＞：南アフリカのデネル社がインドのバラート・アース・ムーバー社と共同開発した装輪式155mm自走榴弾砲。参考：月刊軍事研究1,’03、12,’12

　＜Ｔ５−４５＞：45口径長仕様。G5-2000榴弾砲をタトラ製８×８輪トラックT815-7（をインドで生産したもの）の後部に搭載している。トラック後部と両側に大型油圧安定駐鋤計３基を持ち、両側の２基は幅が広く、砲座に出入りするためのステップとしても利用できる。操縦席のすぐ後ろが弾薬庫で、弾丸は装填補助用マガジン、装薬は自動装填装置を使って装填する。停止から射撃開始までの時間は１分以内、射撃終了から離脱までの時間は１分。通常の射界は左右80度だが、緊急時にはそれを越えた範囲での射撃も可能。直接照準射撃もできる。俯仰角マイナス３度からプラス72度で、仰角48度までなら全周射撃できるが、最大仰角での射界は60度に限定される。また、直接照準射撃や射距離3000m以内の間接照準射撃は射界180度に限られる。射程31.5km（通常弾）／41km（ベースブリード弾）／54km（V-RAP弾）。射距離15-30kmの目標に対する５発同時弾着射撃が可能。全備重量28トン。最大速度85km、航続距離600km。オプションで弾薬装填補助兼弾薬移送用（弾薬補給車から）クレーンが用意されている。南アフリカ陸軍が６両配備するかもしれない。参考：月刊軍事研究12,’16、12,’12

　＜Ｔ５−５２＞：52口径長仕様。射程31.9km（通常弾）／43.5km（ベースブリード弾）／53.9km（V-RAP弾）。発射速度毎分２発（通常）／毎分６発（最大）／15秒に３発（バースト）。指揮通信システムや兵站支援システムも付随する。参考：月刊軍事研究12,’12

＜Ｔ−５水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1945年3月14日、ダンチッヒ湾で触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ５中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作中戦車。1920-30年代、アメリカの中戦車は歩兵支援兵器という位置付けであり、開発はさっぱり進まず、1935-36年に製作されたT4試作中戦車／M1中戦車が唯一と言って良い中戦車であった。そこで1938年にロックアイランド工廠がM1中戦車改良型として開発に乗り出したのがT5試作中戦車で、コストと標準化を考慮して可能な限りM2軽戦車との共通化を図っている。T5/�Tが小改良を加えた上でM2中戦車として制式化された。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’04

　＜Ｔ５／�T＞：M1中戦車のエンジンとサスペンションと履帯をM2A1軽戦車と同じ航空機用空冷星形とVVSS式とダブルピン式ゴム製に換装したものである。車体前部中央（上部構造物前面）に操縦席があり、前面と前部左右に上開きの視察窓（閉じたらスリットで視界を得る）が用意されている。歩兵支援が主任務なので全周射界を確保することにし、車体上部構造物の四隅に7.7mm機銃を搭載、車体前部に操縦手用7.7mm機銃２丁を前方固定式で装備した。更に対空機銃２丁も搭載している。下部転輪は片側６枚で、２枚を１組として垂直渦巻きバネ式サスペンション２基を介してボギーに接続し、車体に固定している。エンジンは車体後部、トランスミッションは車体前部、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側３枚。砲塔の主砲は長砲身37mm高初速砲T3の予定だったが、実際には間に合わず、短砲身37mm連装砲M2A1を搭載した。他に7.7mm同軸機銃を装備する。重量15トン。装甲厚6-25mm。エンジンはコンチネンタル社製空冷星形９気筒ガソリン（268馬力）、トランスミッションは前進５段・後進１段、最大速度49.6km、燃料搭載量463リットル、航続距離200km。乗員５名。1937年11月16日（1938年2月？）から試験され、モックアップを実物に換装したり、車体後部左右に防弾板を付けたりしながら試験が続けられた。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER3,’04

　＜Ｔ５／�U＞：エンジン搭載位置を変更したもの。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER3,’04

　＜Ｔ５／�V＞：T5/�Tの改良型。エンジンがアンダーパワーだったため、ライト社製空冷星形（400馬力）に換装した。ただ実際には346馬力しか出なかったらしい。37mm戦車砲T3が漸く完成したため、主砲を換装した。操縦手席をトランスミッション左に移して前面装甲を非対称とし、サスペンションのデザインと上部転輪の位置を変更、履帯幅を295mmから400mmに広げている。全備重量21トン。エンジンはライト社製空冷星形（400馬力）、最大速度52.6km、燃料搭載量490リットル、航続距離165km。1938年11-12月に試験が行われた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER3,’04、ウォーマシン・レポートNo.17

　＜Ｔ５Ｅ１＞：T5/�Vにギバーソン社製空冷星形ディーゼルエンジンを搭載したもの。参考：月刊PANZER3,’04

　＜Ｔ５Ｅ２＞：T5/�Vの車体前面右に75mm榴弾砲M1A1を搭載したもの。砲塔には測遠機、7.7mm機銃１丁、1917年型直接照準器を装備している。1939年4月20日から1940年2月8日にテストされた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER3,’04

＜Ｔ５戦車砲シリーズ＞：アメリカ陸軍105mm戦車砲。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ５Ｅ１＞：T28試作戦車用。口径長65。T32徹甲弾だと砲口初速毎秒914m、装甲貫徹力135mm（射距離914m・撃角30度）／84mm（914m・60度）／119mm（1830m・30度）／69mm（1830m・60度）。T29E3HVAP-Tだと初速毎秒1128m。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ５Ｅ２＞：T29E2試作重戦車用。弾道コンピュータや油圧式旋回・俯仰装置の装備に合わせて改良した。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ．５戦闘爆撃機＞：オランダ陸軍長距離戦闘爆撃機。フォッカー社が開発し、1937年10月16日に初飛行した。機体は木金混合で、双発の双尾翼機である。全長16.15m、全幅21m、全備重量7250kg。エンジンはブリストル社製ペガサス16（925馬力）双発、最大速度410km、実用上昇限度7700m、航続距離1500km。固定武装は20mm機関砲１門、7.9mm機銃４丁。爆弾1000kgを搭載可能。乗員５名。32機が生産され、爆撃任務専用で使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｔ−５練習機（海上自衛隊）＞：海上自衛隊初等練習機。ターボプロップ機のP-3Cに対応した練習機が必要となったため、KM-2レシプロ練習機の後継として富士重工が自主開発し、KM-2にアリソン250を搭載した試作機KM-2Dは1984年6月28日に初飛行、1986年に海自がコクピット視界改良型KM-2改を採用し、T-5の制式名称を付けた。KM-2をターボプロップ化し、定格420軸馬力を350軸馬力に減格して未熟操作によるオーバートルクを予防、垂直尾翼を大型化して後退角を付け、ドーサルフィンを追加している。プロペラは後ろから見て右回転しており、エンジンを右に3.5度・下に1.5度傾け、プロペラ後流の影響などによる左ヨーイング傾向に対抗した。コクピットは海自機に多いサイド・バイ・サイドとし、操縦輪（∞の字）を採用、後席もサイド・バイ・サイドで２席設けた。訓練課程でスピン回復操作を重視していること、曲技飛行体験の必要性があることから、キャノピーを視界の良いものに換装してある。射出座席は無く、緊急脱出の際はキャノピーを開き、プロペラや尾翼に巻き込まれないよう主翼端付近まで歩いて行って斜め下方に飛び出し、パラシュートで降下する。主翼先端は僅かに上を向いており、横安定性が増した。航法装置としてTACANを追加、ついでに他のアビオニクスや装備品も近代化している。全長8.44m、全幅10.04m、全高2.96m、自重1.082トン、全備重量1.585トン（Ａ類・２名搭乗時）／1.805トン（Ｕ類）。翼面積16.5平方メートル。エンジンはアリソン製250-B17Dターボプロップ（350軸馬力）単発、プロペラはハーツェルHC-B3TF-7A/T10173-18（３翅）、巡航速度144ノット、最大巡航速度155ノット、最大速度193ノット・357km（380km？）、超過禁止速度223ノット、実用上昇限度7620m、上昇率毎分555m、機内燃料容量96ガロン（384ガロン？380リットル？）、航続距離510海里・945km（４名搭乗時）。乗員２名＋同乗隊員２名。初号機は1988年4月27日に初飛行して8月30日に引き渡され、1989年に部隊配備が始まり、1999年までに37機が生産されて小月航空基地の第201教育航空隊に配備された。初期生産機が老朽化してきたため、2007-13年度に30機の再調達契約を締結し、2008年3月6日に再生産初号機が納入された。航空機用救命無線機ELTとエアコンを追加しており、ドーサルフィン直前にELT用ホイップアンテナ、後部胴体側面にエアコン吸気口が付いた。また、自動航法装置ADFを超短波全方位無線標識VORに換装したため、垂直尾翼側面にVOR用取っ手状アンテナを装着している。2010年度の調達価格は４機で10億円（７億9000万円？）。2019年現在の総生産数は67機、配備数は30機。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings6,’06、9,’17、8,'23、1,’00、6,’02、3,’05、4,’05、6,’08、6,’10、2,'22、4,'24、世界軍用機年鑑1990-91、自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’11、2,’12、1,’19、月刊軍事研究12,’11、MAMOR vol.159

＜Ｔ−５練習機ファミリー＞

　＜ＫＭ−２Ｄ＞：試作機。その後KM-2Fの名称でT-7の試作機となり、試験終了後は富士重工／SUBARUの社有機になった。SUBARUが受注した防衛装備庁航空装備研究所の航空機搭載型小型赤外線センサシステムインテグレーションの研究試作で、飛行試験機に改造されることになり、コクピット後上面に小型センサーを装着、後方にフェアリングを付け、精密警戒監視に必要な飛行制御装置を装備し、2018年6月にKM-2D-1として国土交通省航空局に再登録され、10月17日に初飛行した。2019年3月28日に防衛装備庁に引き渡され、IR-OPVのプロジェクト名を尾翼に記入して航空装備研究所でテストしている。参考：月刊JWings1,’19、1,’20、月刊航空ファン6,’19

＜Ｔ−５練習機（台湾空軍）＞：台湾空軍高等練習機、別名勇鷹（ヨンイン、Brave Eagle）。中山科学研究院と漢翔航空工業AIDC がAT-3とF-5Fの後継として新高等練習機AJT(Advanced Jet Trainer)藍鵲の名称で開発した。経国戦闘機がベースで、見た目はF-CK-1B/D複座練習機だが、８割を再設計し、国産化率を5.5割以上に高めている。計器板はグラスコクピット。全長14.5m、翼スパン9.25m、全高4.4m、最大離陸重量7.5トン。エンジンはハネウェル／ITEC製F124-200TWターボファン（推力4.309トン）双発、最大速度1000km（超音速？）、航続距離1300km。乗員２名（タンデム複座）。漢翔航空工業で2018年6月1日に試作初号機の組み立てが始まり、2019年9月24日に試作初号機が初公開され、公募していたニックネームが勇鷹に決定、2020年6月10日に漢翔航空工業で社内初飛行が行われ、6月22日に公式に初飛行した。2017年6月に66機の調達契約を締結しており、2026年までに全機配備予定。軽戦闘機型AT-5の開発計画もあるらしい。参考：月刊JWings9,'20、12,’19、8,’18、月刊航空ファン12,’19、月刊丸9,'20、朝雲

＜Ｔ�X（Ｇ７ｅｓ）＞：ドイツ海軍の音響誘導式魚雷。Ｔ�X魚雷にパッシブ音響誘導装置ツァーンケーニッヒ（Zaunkonig、みそさざい）を搭載したもので、前方110度以内にある最も大きい音源を追尾する。1943年7月から配備された。全長7.175m、直径533mm、重量1505kg、炸薬重量274kg。雷速24ノット、航走距離5500m。信管はアクティブ磁気。参考：Ｕボート入門、月刊丸4,’07、ナチスＵボート

＜Ｔ�Xｂ（Ｇ７ｅｓ）＞：ドイツ海軍の音響誘導式魚雷。Ｔ�V（G7e）魚雷にパッシブ音響誘導装置ツァーンケーニッヒ（Zaunkonig、みそさざい）を搭載したもので、護送船団のうちノイズの大きい護衛艦に向かい、推進器付近に命中する。航走距離5750m。性能上は雷速30ノットが可能だが、誘導装置にノイズが入るため24.5ノット以上は出せず、目標艦船速度が10-18ノットでないと撃っても届かない。また、雷速が遅いので信管の安全装置が外れた時点での母艦との距離が250mしか無く、発射母艦（Ｕボート）は発射後すぐに回避行動を取る必要があり、着弾観測ができない。1943年9月に開発され、9月18日からの23日間で24発発射して護衛艦12隻を撃沈する戦果を挙げたが、連合軍がフォクサー曳航式デコイを装備するようになったため、有効性が急速に落ち、Ｔ�]�T（G7es）を新たに開発した。参考：Ｕボート入門、日本潜水艦物語、月刊丸4,’07、5,’07、ナチスＵボート

＜Ｔ６＞：Su-24シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−６＞：AT-6シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔ６試作軽戦車＞：アメリカ陸軍試作軽戦車。ロックアイランド陸軍造兵廠が1939年に試作した。軽戦車といっても砲塔は無く、固定式戦闘室の前面に機銃を搭載する。足回りはT3軽戦車がベースで、下部転輪は片側４枚、起動輪は前方、誘導輪は接地式で後方にある。下部転輪は２枚１組でボギーに取り付けられており、サスペンションはボリュート・スプリング付きダブルロッカーアーム式。全長3.797m、全幅2.413m、全高1.594m。エンジンはビュイック液冷直列ガソリン（140馬力）２基。装甲厚25.4-19mm。乗員３名。参考：月刊PANZER9,’12

＜Ｔ６試作コンバットカー＞：アメリカ陸軍試作コンバットカー。T4E2コンバットカーの後継となる高速戦闘車で、1935年からロックアイランド陸軍造兵廠が設計したが、実車製作前にキャンセルされた。参考：月刊PANZER10,’12

＜Ｔ６試作中戦車＞：アメリカ陸軍試作中戦車。1940年、中戦車として取り敢えずM3中戦車の生産が始まったが、兵器委員会はM3の主要部品を流用して生産ラインを共通化できるようにした本格的な中戦車を製作するよう勧告した。8月31日には機甲委員会が次期中戦車の要求性能を発表、これらに基づいてアバディーン陸軍車両実験場に設計チームが創設され、1941年2月1日に陸軍省兵器局長から正式な開発指令が出された。当初は主砲を上構に限定旋回で搭載するM3中戦車の方式を踏襲する予定だったが、機甲委員会から主砲の全周旋回砲塔への装備と対空防御能力向上などの意見が出されたため、4月18日に設計をやり直している。車体の武装は上構前部右、中央ボールマウント、固定銃架２組に１丁ずつ搭載する7.62mm機銃とされ、砲塔の武装は75mm戦車砲M2＋7.62mm同軸機銃、37mm戦車砲M6を２門＋7.62mm同軸機銃１丁、105mm榴弾砲M4＋7.62mm同軸機銃、３連装対空M2重機関銃架、イギリス製17ポンド砲＋7.62mm同軸機銃の５種類を検討することにした。更に砲塔左の車長用キューポラにM3中戦車と同様の対空用7.62mm機銃１丁を装備する。また、エンジン出力と生産性を強化する必要があり、当初の航空機型転用R975EC2（353馬力）からG200（800馬力）に変更した。陸軍機甲部隊司令部は最も量産化が早そうな75mm戦車砲M2搭載型に決定し、5月に兵器委員会からモックアップ製作の指示があり、7月にT6試作中戦車の名称が付き、8月（6月？）にモックアップ、9月2日に試作初号車が完成した。車体は前面にのみ被弾経始が考慮されており、両側面前寄りに後ろ開きの脱出用ドアがある。車体前面左に操縦手、右に副操縦手兼前方銃手が座り、前面右に7.62mm機銃M1919A4を１丁（防楯無し）、前面中央に連装7.62mm機銃M1919A4を１基装備する。操縦席上面にはハッチ、前面には視察バイザーがあるが、副操縦手席にはハッチが無く、前面の視察バイザーのみで、M4中戦車で採用された視察バイザー上のローター式照準器は付いていない。下部転輪は片側６枚で、２枚ずつがボギーに装着されてVVSSサスペンションで懸架される。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側３枚。砲塔リングは将来の武装強化を考慮して1.75mと大きくした。砲塔も前面のみ被弾経始を持ち、右上部にローター式主砲照準器を装備する。砲塔駆動は手動／油圧式で、全周旋回可能。主砲は75mm戦車砲M2、砲架はT48連動砲架（俯仰角マイナス12度からプラス25度）で、ピッチング方向の砲安定化装置を持つ。砲口部には円筒形の二重カウンターウェイトが付く。防楯は固定式で、主砲俯仰に合わせた楕円形の切り欠きがある。砲塔の副武装は主砲左の同軸7.62mm機銃M1919A4が１丁と、車長用銃塔の7.62mm機銃M1919A4が１丁。指揮車用無線機としてSCR506とSCR508（後にSCR248）、イギリス用にはNo.19無線機を装備する。全長5.64m、全幅2.72m、全高2.92m、戦闘重量27.242トン。装甲厚は車体前面50.8mm、側面38.1mm、砲塔前側面76.2mm。エンジンはR975EC2星型９気筒４サイクル空冷ガソリン（340馬力）、トランスミッションはシンクロメッシュ式（前進５段・後進１段）、クラッチは乾式多板型、ディファレンシャルは二重差動式、最大速度38.6km、燃料搭載量662リットル、航続距離193km。乗員５名。1941年10月に対空機銃を銃塔式ではなくピントルマウント式12.7mm重機関銃M2に変更することになり、11月11日の兵器委員会でM4中戦車として制式化された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER10,’12

＜Ｔ６自走砲塔＞：南アフリカ・デネル社の１部門であるLIWが開発した155mm自走砲塔。車体としてはT-72やセンチュリオンが使用できる。高硬度鋼板の全溶接構造で、7.62mm×51徹甲弾を全周防御可能であり、前面は14.5mm弾にも弾着角30度なら耐えられる。主砲はG6ライノ自走砲の主砲を長砲身化した52口径155mm砲で、最大射程40.23km（M2000アサガイ）／42km（M92長弾体ベースブリード弾ERFB-BB、チャージ６）。砲塔内には20発入り弾庫、自動装填装置、20発入り予備弾庫を備え、M82撃発式火管を即応用20個＋予備60個搭載している。砲塔への送弾時間は弾薬運搬車からで６分、地上積載からでも10分しかかからない。発射速度は持続毎分２発、バースト15秒間に３発、最大毎分６発とされるが、毎分10発で展示射撃を行ったこともある。自衛用SS77軽機関銃を左キューポラに備える。砲塔駆動は電動式で、俯仰角マイナス５度からプラス75度、全周旋回可能。内部に発電用APUがあり、車体のエンジンを切っても射撃できる。重量18.5トン。砲塔内乗員４名。インド陸軍に提案された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究7,’95

＜Ｔ６海外シリーズ＞

　＜ビームＴ６＞：インド陸軍向け自走砲塔。車体はアージュン戦車をそのまま使う。戦闘重量56トン。最大速度70km（路上）／45km（路外）。1990年代初めにインド陸軍が出した自走砲計画（600両生産予定）に応募したが、2010年になっても採用や契約が行われていない。参考：月刊軍事研究6,’02、9,’10

＜Ｔ−６水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1940年11月7日、ジュットランド島沖で沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ６浮航キット＞：アメリカ陸軍のM4中戦車用外付けフロート。プラスチック・フォームを充填した鉄製フロートで、戦車の前後に装備し、機関室に換気塔を付け、履帯で推進する。沖縄戦で使用されたが、フロートが珊瑚礁につっかえたりしたらしい。参考：異形戦車ものしり大百科

＜Ｔ−６練習機シリーズ＞：アメリカ空海軍練習機、別名テキサン�U（Texan�U）。アメリカ空海軍共用初級練習機システムJPATSに基づいてピラタス社製PC-9Mk.2を採用したものである。既存機の共用で経費節減を図る筈が、追加器材を詰め込んだのをエンジン強化で間に合わせようとして失敗、４億2000万円の予定価格が６億5000万円を超えてしまい、ナン・マッカーディ制度に引っかかってしまった。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊エアワールド9,’00、月刊航空ファン3,’20

＜Ｔ−６Ａ＞：コクピットは与圧式、座席はゼロゼロ射出座席タンデムで、原型のPC-9より後席を高くして視界を広げた。キャノピーは２分割式で、バードストライクに耐えられるよう強化してある。水平尾翼と垂直尾翼も再設計した。全長10.18m、全幅10.12m、自重1.8トン、最大離陸重量2.4トン（2.955トン？）。翼面積16.3平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-68ターボプロップ（1250軸馬力）単発、最大速度600km（高度6100m）、失速速度135km、実用上昇限度9000m、海面上昇率毎分1600m、航続距離1667km。乗員２名。2000年5月から空軍、2002年11月から海軍に納入されている。カナダ軍、ギリシャ軍、イスラエル軍なども採用した。2017年11月20日、第71戦闘訓練航空団でT-6Aの機上酸素発生装置OBOGSに関連して半月に４件の不具合が発生したことが判明し、T-6Aの飛行停止処分が取られた。原因は不明だが、整備手順などを見直して12月5日に飛行を再開している。2018年になってOBOGS不具合の原因が特定できたらしい。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊エアワールド9,’00、月刊軍事研究3,’08、月刊JWings10,’09、月刊航空ファン2,’18、11,’18

＜Ｔ−６Ｂ＞：T-6Aのアメリカ海軍向け改良型。コクピットを暗視ゴーグル対応とし、液晶ディスプレイ３基を搭載してグラスコクピット化、HUDを新型に換えている。主翼に３カ所ずつのハードポイントがあり、軽攻撃機としても使用できる。2007年からアメリカ海軍が配備しており、輸出市場にも出された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究10,’06、月刊JWings12,’14

　＜Ｔ−６　ＡＤＳ−Ｂ＞：T-6A/Bの改良型で、ADS-BはAutomatic Dependent Surveillance- Broadcast（自動従属捜索−発信）の略。アメリカ連邦航空局の航空交通管制用新型トランスポンダーであるADS-Bシステムに対応する機材を搭載し、高度計、速度計、エンジンデータ管理システム、無線管理システムなどを換装する。アメリカ空軍のT-6A練習機449機、アメリカ海軍のT-6A/B練習機207機が改良される予定。参考：月刊JWings6,’14

＜Ｔ−６Ｃ＞：T-6Bの主翼下にハードポイントを設け、装備追加でISR任務もこなせるようにしたもの。参考：月刊JWings12,’14

＜Ｔ−６Ｃ＋＞：T-6Cのハードポイントを増やしたもの。参考：月刊JWings11,’16

＜Ｔ−６練習機ファミリー＞

　＜ＡＴ−６Ｂ＞：COIN機型。アメリカ空軍軽武装攻撃偵察機LAAR、軽航空支援機LAS、次期軽攻撃機OA-Xに応募した。T-6Bをベースとしており、ハードポイントは主翼下３カ所ずつで、容量はそれぞれ680kgであり、ガンポッド、ロケット弾、Mk82汎用爆弾、GBU-12/B誘導爆弾、増槽、AIM-9X空対空ミサイルを含む多彩な兵装を搭載できる。また、胴体下にはセンサー専用のハードポイントがあり、ウエスカムMX-15Di電子光学赤外線センサーを装備する。機首上面にGPSアンテナがあり、射出座席を持つ。2009年9月10日に初飛行した試作初号機はPT6A-68（1250軸馬力）、2010年4月5日に初飛行した２号機はPT6A-68Dを搭載している。全長10.13m、全幅10.18m、全高3.26m、最大離陸重量3.129トン（2.948トン？）。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-68Dターボシャフト（1193kW、1250軸馬力）単発、最大速度574km、航続距離261km（増槽２本）。ペイロード1.415トン。乗員２名。2011年9月28日から10月5日に爆弾投下テストを行い、GBU-12とGBU-58を４発ずつ投下して全弾命中させた。LASにはA-29に負けて採用されなかったが、2-3機調達してネリス空軍基地に配備し、航空戦闘軍団の戦術開発と戦術ネットワーク標準化に使うことになった。参考：月刊軍事研究10,’10、7,’10、6,’12、月刊JWings3,’16、11,’14、7,’10、1,’12、5,’13、月刊航空ファン9,’11、10,’17、1,’20

＜Ｔ−６練習機・海外シリーズ＞

　＜ＣＴ−１５６＞：カナダNATO飛行訓練部隊練習機、別名ハーバード�U（Harvard�U）。T-6Aを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｔ−６Ａ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍初等練習機。CM-170ズキートの後継として20機を採用し、2009年7月7日に最初の６機が引き渡された。参考：月刊JWings10,’09

　＜Ｔ−６Ｃ（イギリス軍）＞：アセントコンソーシアム用練習機として2014年に採用を決めた。参考：月刊航空ファン2,’15

＜Ｔ−６Ｃ（ニュージーランド空軍）＞：ニュージーランド空軍練習機。2014年1月24日にT-6C練習機11機、シミュレータ２基、訓練／整備支援の契約を１億2700万ドルで締結し、2014年8月から2015年4月に全機引き渡された。第14飛行隊に配備して2016年2月から操縦訓練が始まっている。参考：月刊JWings4,’14、8,’16

＜Ｔ−６Ｃ（モロッコ空軍）＞：モロッコ空軍練習機。24機を導入し、初号機は2011年1月に納入された。参考：月刊JWings4,’11

＜Ｔ−６Ｃ＋（アルゼンチン空軍）＞：アルゼンチン空軍練習機。EMB-312の後継として採用を決定した。アメリカは2016年8月3日に24機のFMS購入許可を発表している。参考：月刊JWings11,’16

＜Ｔ−６Ｃ＋（メキシコ海軍）＞：メキシコ海軍練習機。2012年に17機を発注し、同年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｔ−６Ｃ＋（メキシコ空軍）＞：メキシコ空軍練習機。2012年に60機を発注し、同年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｔ−６ＴＨ＞：タイ空軍練習機。2020年10月、テキストロン社に12機を発注した。2022-23年に受領してタイ空軍飛行訓練学校に配備予定。参考：月刊JWings10,'24、2,’22

＜Ｔ−６練習機・海外ファミリー＞

　＜ＡＴ−６Ｂ（イラク空軍）＞：イラク空軍COIN機。2015年に24機の配備を決めた。参考：月刊JWings3,’16

　＜ＡＴ−６Ｃ（チュニジア軍）＞：チュニジア軍軽攻撃機、別名ウルヴァーリン。2020年2月25日、アメリカ国防安全保障協力局が４機（＋スペアエンジン２基、12.7mm機銃６丁、Mk81爆弾468発など）のFMS輸出を承認した。参考：月刊JWings5,’20

　＜ＡＴ−６ＴＨ＞：タイ空軍軽攻撃機。L-39ZA/ARTの後継として2021年11月13日に８機を発注した。2024年7月16日、機体を受領し、歓迎式典を行った。第41航空団第411飛行隊に配備する。参考：月刊JWings10,'24、2,’22

＜Ｔ６Ｅ１＞：M24軽戦車ファミリー（戦車回収車）を参照。

＜Ｔ７＞：M3（90mm戦車砲）を参照。

＜Ｔ７軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作軽戦車Light Tank T7。1940年の黄作戦の戦訓から、M2A4軽戦車・M3軽戦車の火力と装甲が不十分な事が判明したため、これらの後継となる軽戦車として1940年秋に計画され、1941年1月に37mm砲装備・装甲厚38mm・重量14ショートトン、シルエット低平といった要求が纏まり、ロックアイランド造兵廠で２両の試作に入った。しかし重量増（20トン超え）で中戦車になってしまい、中戦車としては能力不足ということで量産されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER10,’12、12,’03、M26/M46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ７＞：試作初号車。車体は溶接製で、低姿勢として被弾経始も考慮した。エンジンはレールの上に取り付けられており、交換が楽。サスペンションは改良型VVSSで、スプリング２個と転輪２個を組み合わせたボギーを片側２組配置している。起動輪は前方、誘導輪は接地式で後方にある。履帯幅384mm。砲塔は鋳造溶接製。戦闘重量12.7トン。主砲は53.8口径37mm戦車砲M6。副武装は7.62mm同軸機銃、7.62mm車体前方固定機銃、7.62mm対空機銃１丁ずつ。最大装甲厚38mm。エンジンはR975EC1またはR975EC2空冷ガソリン（350馬力）、トランスミッションはハイドロマティック式。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER10,’12、12,’03

　＜Ｔ７Ｅ１＞：試作２号車。車体と砲塔をリベット接合式とし、サスペンションを水平ボリュート・スプリング式に、トランスミッションをレバー操作のギア式に変更している。T7との比較試験を行う予定だったが、ギア式トランスミッション付きの車体が完成したところで製作が打ち切られ、トランスミッションとサスペンションのテストにのみ使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER10,’12、12,’03

　＜Ｔ７Ｅ２＞：試作３号車。T7の改良型である。車体は鋳造で、良好な被弾経始が付く。足回りはM3軽戦車類似で、下部転輪は片側４個、２個１組でボリュート・スプリング式サスペンション・ボギーに固定され、前部に起動輪、後部に大型の接地式誘導輪を持ち、上部転輪３個と短いスカートを装備する。砲塔は鋳造製で、高さを抑えた。砲塔上面右に車長用ハッチ、左に装填手用ハッチがあり、どちらも両開き式。砲塔両側面にガンポートが付く。試作車の中で最も採用される可能性が高いとみられたため、武装を強化してみることにし、イギリス製６ポンド砲をアメリカ版に改造した57mm戦車砲T2を積んだ。全長5.21m、全幅2.36m、全高2.74m、戦闘重量22.7トン。主砲は57mm戦車砲M3。副武装は主砲同軸、車体前部、砲塔上面の7.62mm機銃（M1919A4機銃３丁か、M1919A4機銃２丁＋M1919A5機銃１丁）。装甲厚は車体前面38mm、側面32mm、砲塔前面51mm、側面38mm。エンジンはライト／コンチネンタル製R975C1/R975EC2空冷ガソリン（350馬力）、トランスミッションはハイドロマティック（前進３段・後進１段）、最大速度48.3km、航続距離160km。乗員５名。1941年12月から開発され、1942年6月に完成、M7として制式化された。参考：月刊PANZER10,’12、12,’03、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ７Ｅ３＞：試作４号車。T7の改良型で、1941年12月に製作された。上構を溶接製に変更し、エンジンをハーキュリーズ液冷ディーゼル２基としてデトロイト・トランスミッション製オートマチック・トランスミッションを搭載している。参考：月刊PANZER10,’12、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ７Ｅ４＞：試作５号車。T7の改良型で、1941年12月に製作された。車体と砲塔を溶接製に変更している。機関系は星型空冷ガソリンとハイドロマティック・トランスミッションの組み合わせにする予定だったが、実際にはキャデラック42型シリーズ４サイクルＶ型８気筒液冷ガソリン（110馬力）２基と前進２段のトランスミッションを装備している。参考：月刊PANZER10,’12、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ７＞：T7E2の制式化版。T7E2の試作車が完成した頃、陸軍では主砲を38口径75mm砲M3に強化することと、装甲厚を63mmに増やすことを決定し、車重が増加したため、1942年8月に中戦車（Medium Tank M7）に種別変更された。砲塔は油圧旋回式で、全周旋回にかかる時間は15秒。ベンチレーターは砲塔に１基、車体に４基装備する。全長5.334m、全幅2.845m、全高2.743m、戦闘重量22.7トン。エンジンはコンチネンタル製R975C1/R975EC2空冷星形９気筒ガソリン（350馬力）、最大速度48.3km、燃料搭載量522リットル、航続距離160km。乗員５名。インターナル・ハーベスター社で3000両を生産する予定だったが、装甲厚が砲塔前面51mm・他32-38mmとM4中戦車に比べ薄く、M3軽戦車と同系統の履帯のため車重に比べ幅が狭く機動力に欠け、1943年2月までに７両が引き渡されただけで、年末には計画中止になった。参考：月刊PANZER4,’04、12,’03、10,’12、British and American tanks of World War Two

　＜Ｍ７Ｅ１＞：M7のエンジンを重量増に合わせてフォードV-8に強化したもの。1943年7月に開発が打ち切られた。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ７コンバットカー＞：アメリカ陸軍試作コンバットカー。T5E2コンバットカーがベースで、ロックアイランド造兵廠が1938年に試作した。足回りはクリスティー式で、下部転輪は空気タイヤ付き片側３枚、起動輪は前方、誘導輪は後方にある。全長5.08m、全幅2.63m、全高2.438m（装輪）／2.464m（装軌）、戦闘重量11トン。武装は銃塔左の12.7mnm機銃M2が１丁、右の同軸7.62mm機銃M1919A4が１丁、銃塔後部対空銃架の7.62mm機銃M1919A5が１丁。エンジンはコンチネンタル製W670-9A空冷ガソリン（250馬力）、トランスミッションはシンクロメッシュ式（前進５段・後進１段）、最大速度85.3km（装輪）／38.6km（装軌）。参考：月刊PANZER10,’12

＜Ｔ７試作戦車砲シリーズ＞：アメリカ陸軍試作155mm戦車砲。T30試作重戦車に搭載された。参考：月刊グランドパワー3,’05

　＜Ｔ７＞：使用弾は榴弾のみ。砲口初速毎秒717m。参考：月刊グランドパワー3,’05

　＜Ｔ７Ｅ１＞：半自動装填装置に合わせて設計を変更したもの。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ−７水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1944年11月7日、北海で触雷して沈没した。引き揚げられたが、1944年7月29日にブレーメンでアメリカ軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−７砲塔＞：GDLS社とデネル社が開発した105mm自走砲塔。58口径105mm榴弾砲LEO（Light Experimental Ordnance）を車載化したものである。射程30km（ベースブリード弾）／36km（VLAP弾）。APFSDS弾＋ゾーン５装薬の直接照準射撃では初速毎秒1700m。ストライカーに載せたものをクルセイダーの代替としてアメリカ陸軍に提案したが、NLOS-Cに負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究3,’11、2,’07

＜Ｔ７無人車両＞：ハリス社のUGV。装軌式の足回りにロボットアーム１本を載せたもので、遠隔操縦装置に触覚フィードバック機能を搭載して細かいロボットアーム操作を可能とした。アメリカ軍とイギリス陸軍が爆発物処理用に採用している。参考：朝雲

＜Ｔ−７落下傘＞：アメリカ軍のパラシュート。第２次大戦時に使用された。2003年のノルマンディー上陸作戦記念日にはこれを使用して降下デモが行われたが、現役第82空挺師団兵４名が慣れない操作で着地に失敗して重傷を負った。参考：月刊丸9,’03

＜Ｔ−７練習機＞：航空自衛隊初等練習機。旧式化が著しくなってきたT-3レシプロ練習機の後継で、1990年代から富士重工で開発したターボプロップ化T-3練習機のKM-2F練習機（T-3改）を制式化したものである。採用は総合評価落札方式による一般競争入札でPC-7Mk�Uと争い、1998年8月に採用されたがピラタス・丸紅から審査が不透明だとクレームが付き2000年に再審査となり、機体単価は３割ほど高かったものの維持管理費が安いとのことで2000年9月25日に再度採用され、2002年7月9日に量産初号機が初飛行、2003年3月27日に部隊使用承認が下り、4月3日（9月19日？）に引き渡しが開始され、同月に防府北基地、2005年に静浜基地に初配備された。エンジンをターボプロップ化して出力強化と騒音軽減を図っている。主翼端を延長して上反角を付け、垂直尾翼は後退角を持つ。コクピットはタンデム複座非与圧で、T-3より拡張した。座席は射出座席ではなく、シートも付いておらず、救命キットを座布団代わりにする。機首延長とエンジン小型化で空いたスペースにエアコンを付けたが、除湿くらいの性能しか無いらしい上、前席にしかスイッチが付いていないので、学生が操縦に夢中になると後席の教官が寒さに震えることもあるという。前脚が僅かに右にオフセットしているのは大元のT-34メンター譲り。全長8.59m、全幅10.04m、全高2.96m、空虚重量1.1トン、最大離陸重量1.585トン。翼面積16.5平方メートル。エンジンはロールスロイス／アリソン社製250-B17Fターボプロップ（離昇出力450軸馬力、連続出力380軸馬力。360軸馬力？）単発、プロペラは定速３翅（直径2.12m）、巡航速度300km、最大速度203ノット・376km、失速速度104km、実用上昇限度8000m、機内燃料搭載量99ガロン、航続距離950km（800km？）。乗員２名。2008年までに49機が第11飛行教育団、第12飛行教育団、飛行開発実験団（１機）に配備された。初級操縦（T-7）課程の６ヶ月間に本機を使用して60時間の飛行訓練を行う。採用の決め手になった維持管理費は入札時に除外していた計画外整備費用などがかさみ、予定の1.8倍くらいに膨れあがっている。2022年11月16日、静浜基地所属機で着陸訓練時にエンジン推力低下の不具合が発生したため、飛行停止処分にして原因調査に入った。12月28日以降、特別点検の終わった機体から順次飛行を再開している。2024年2月22日、航空幕僚監部が後継練習機のRFIを発出した。60機（＋フライト・トレーナー40基＋フライトシミュレータ６基など）を導入予定。参考：月刊JWings8,'24、9,’17、2,'22、6,’06、5,’14、4,’05、5,’08、3,’18、4,'20、2,'22、2,'23、3,'23、4,'24、5,'24、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン5,’13、月刊航空情報5,’18、MAMOR vol.131、朝雲

＜Ｔ−７Ａ練習機＞：アメリカ空軍高等練習機、別名レッドホーク（Red Hawk。初のアフリカ系アメリカ人戦闘機パイロット「タスキーギ・エアメン」が所属する第332戦闘航空群レッドテイルスから）。先代のT-38練習機が、2008年4-5月に連続事故で全機飛行停止処分を受けたこと、老朽化で可動率が６割にまで落ち込んだこと、複座機が無いF-22AやF-35Aの導入用（リードイン戦闘機訓練LIFT）として使うには旧式すぎてF-16Dを間に噛まさなければならなくなったことから、後継として高等パイロット練習機APTを選定することになり、2009年4月に航空教育軍団がRFIを発出して2017年までに後継機を導入することになった。2011年度にT-Xと呼ばれるようになり、2012年度にマイルストーンＡ（技術開発）を開始、2013年1月にマイルストーンＢ（機種選定）に備えて各メーカーから提案意見聴取を受けたが、3月に国防費強制削減が決まってマイルストーンＢが延期され、2015年3月に改めてRFIが発出され、2016年12月30日にはRFPを正式に発出、2023-24年にIOCを獲得して350機を配備する予定とした。ロッキード・マーチン／KAIのT-50A、レイセオン／レオナルド／ハネウェル／CAEのT-100、ボーイング／サーブのBTX-1、ノースロップグラマン／スケールド・コンポジット／BAEシステムズ／L3コミュニケーションズのモデル400、フリーダムトレーナー、スコーピオンが候補に挙がり、2017年2月1日にモデル400が辞退し、2月2日にジャベリンが加わり、3月16日にスコーピオンが辞退し、2018年9月27日にBTX-1が勝利して５年遅れでマイルストーンＢを達成、EMD機５機を作ることになり、10月に351機＋地上配備訓練シミュレーターGBTS46基の契約が結ばれ、2019年9月16日にT-7Aの制式名とレッドホークの公式ニックネームが発表された。ニックネームの由来にちなみ、垂直尾翼は赤く塗る予定。キャノピーは横開きで、コクピット内の整備は楽だが、飛行中の投棄が困難なためACES5射出座席はスルーキャノピーでの作動となる。計器板の大型ディスプレイ、燃料計、アップフロント・コントロール、HUDなどはエルビット・システムズ製。酸素供給系統はコバム社製で、SureSTREAM酸素濃縮機（自動濃度調整機能付）、呼吸用レギュレータ、予備酸素供給装置からなる。機体背部にフライングブーム式空中給油受油リセプタクルを持つ。垂直尾翼は双尾翼。全長14.15m（14.3m？）、全幅10m（9.32m？）、全高4m（4.1m？）、空虚重量3.25トン、最大離陸重量5.5トン。エンジンはGE製F404ターボファン（A/B時推力17700ポンド・8.029トン）単発、最大速度1300km、航続距離1840km。乗員２名（タンデム複座）。351機と地上シミュレーター46基を導入予定。１機あたりの価格は92億ドルで、アメリカ空軍予定費用197億ドルの半分以下と激安に纏めている。2021年2月23日、ボーイング社セントルイス工場で正式に生産が始まった。6月22日、初期飛行試験第２フェーズを開始。9月21日、ウイングロック問題が解決したと発表された。2022年第３四半期にマイルストーンＣを達成してLRIPに移り、2023年度にIOT&Eに移行、2024年度第２四半期からLRIP初期ロットが部隊配備される予定だったが、開発作業遅延、新型コロナウイルスの影響、2022年度予算削減で９ヶ月くらい遅れる見込み。2022年4月28日、ボーイング社セントルイス工場で量産初号機のロールアウト・セレモニーを実施。6月28日、量産型（EMD機）初号機が初飛行した。2022年度の空軍運用試験評価局年次報告書でACES5射出座席が安全基準に達していないという指摘が出ており、テストやり直しでIOCが2027年春までずれこむかもしれない。参考：月刊航空ファン1,'20、6,’11、5,’13、5,’17、8,’19、12,’19、月刊JWings2,’17、12,'22、4,’17、1,’19、12,’19、5,'21、9,'21、12,'21、7,'22、7,'23、9,'23、月刊軍事研究7,’17、5,’17、10,’16、月刊航空情報4,’18、朝雲

＜Ｔ�Z（Ｇ７ｕｔ）＞：ドイツ国防軍の魚雷、別名シュタインバルシェ（止まり木）。G7ur魚雷の実用型として開発された。主機はヴァルター機関で、油脂燃料（デカリン）、酸化剤（インゴリン）、冷却水、反応促進剤（ヘルマン）、加圧用圧縮空気タンクを搭載しており、魚雷が発射されると圧縮空気により燃料、酸化剤、促進剤が燃焼室に入って燃焼、反対側から冷却水を噴霧して反応熱を2300度以内にコントロールしつつ高圧蒸気を発生する。これにより毎分23000回転でタービンを回し、減速ギアで毎分1550回転に落として推進用二重反転プロペラに伝達する。雷速45ノット、航走距離8000m。タンクを多数用意する必要があり、安全対策も難しかった。1944年7月から生産に入り、数百本が生産され、U2511に搭載されたが、実戦では使用されなかった。冷却水を海水にしてタンクを１つ減らし、その分燃料を余計に積んで航走距離を18015mに延伸したシルトプト魚雷や、水蒸気でなく高圧空気でタービンを回す航走距離21030mのタイプも開発されたが、実用には至らなかった。参考：Ｕボート入門、月刊丸4,’07

＜Ｔ−７Ｊｒ．＞：航空自衛隊静浜基地の整備員と改造ミニバイクによる地上展示部隊で、別名リトルウイング。ミニバイクにはT-7練習機を模したハリボテが被せてあり、６台での編隊走行などを行う。1995年に同好会T-3Jr.として誕生（1995年発案、1996年創設？）し、スクーターにベニヤ板を張り付けてT-3を摸し、アクロバット走行を行った。その後ボディをFRPに変更して全天候性能を獲得している。1998年に正式な部となり、2007年（2005年？）にT-7Jrに機種改変し、名称も公募でリトルウイングに決定した。クラブ活動のため、練習は週２日前後で、展示が近づくと週３日＋昼休みに増える。メンバーは29名で、出演するのはパイロットと整備員６名ずつ。参考：月刊航空ファン8,’09、月刊航空情報8,’12、月刊JWings12,’14、6,’08、朝雲

＜Ｔ−７荷重頻度計測装置＞：自衛隊の機器。東京航空計器製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜Ｔ−７フライトシミュレータ＞：航空自衛隊のT-7練習機用フライトシミュレータ。初級操縦課程において、T-7練習機の実機で飛行する前に、内部点検、エンジン始動、離陸前点検、離着陸訓練、昼・夜間飛行、緊急事態対処などの模擬訓練を行える。参考：MAMOR vol.135

＜Ｔ−７用ＶＨＦ／ＵＨＦ送受信器＞：自衛隊の機器。海外アビオテックまたは海外物産が受注している。参考：月刊軍事研究2,’11、3,’15

＜Ｔ−７用タカン装置＞：自衛隊の機器。日本エアロスペース製。参考：月刊軍事研究4,’12

＜Ｔ８＞：Su-25シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ｔ８試作指揮偵察車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作指揮偵察車T8 Reconnaisance Vehicle。試作型は偵察車Ｂ（Reconnaisance Vehicle “B”）と呼ばれて1944年1月にテストされ、M8・M20と比較試験の結果、不整地走行性で勝ったため、T41に発展し、最終的にM39汎用装甲車として制式化された。参考：British and American Tanks of World War Two、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜Ｔ８＞：M5A1の砲塔を外し、車体上部右にM49Cリング・マウントを設け、12.7mm機銃を搭載したもの。1944-45年に限定制式化された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER6,’01、British and American Tanks of World War Two

　＜Ｔ８Ｅ１＞：T8の機銃マウントを背の低いキューポラに換え、履帯も幅広としたもの。車体側面に地雷搭載用ラックを装備している。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER6,’01、British and American Tanks of World War Two

＜Ｔ８試作対戦車砲＞：アメリカ軍試作対戦車砲。試作105mm対戦車砲T5を65口径に延ばし、105mmカノン砲と共用にしたものである。戦闘重量7.2トン。使用弾は分離装薬式、徹甲弾重量39ポンド（17.7kg）、初速毎秒940m、装甲貫徹力210mm（射距離900m）。1943年末から開発され、1946年に２門がテストされたが、量産されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ−８水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1939年10月竣工、第２水雷戦隊に配備された。1940年、イギリス海峡及び北海に機雷を敷設。1941年、バルト海侵攻作戦に参加。1945年5月3日、キールで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ８Ｗシリーズ＞：オランダ海軍の水上偵察雷撃機。フォッカー社が開発し、1937年に完成、計36機が生産された。第２次大戦でオランダが占領されると、一部がイギリスに亡命したりドイツ国防軍に使用されたりしている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｔ８Ｗ／Ｇ＞：全長13.05m、全幅18.08m、全備重量4990kg。エンジンはライト社製ホワールウインド（450馬力）双発、最大速度290km、実用上昇限度6800m、航続距離2100km。自衛武装は7.9mm機銃３丁。爆弾搭載量600kg。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｔ９空挺戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍の空挺戦車。1941年2月に空挺戦車の計画が出され、1941年5月に重量８ショート・トンで輸送機に積めるくらい小型化するといった要求が纏められた。Ｊ・ウォルター・クリスティー、GMC社、マーモンヘリントン社の案が検討され、マーモンヘリントン社が採用されて8月にモックアップが完成した。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER3,’10

　＜Ｔ９＞：試作型。車体は装甲鋼板の全溶接製で、前側面に避弾経始を考慮している。車体前面上部は段差が付いていて、右に7.62mm機銃２丁を装備する。砲塔は鋳造製で、こちらは前面のみ避弾経始が付く。主砲は37mm戦車砲M6で、同軸に7.62mm機銃１丁を備える。最大装甲厚25mm。サスペンションはVVSSで、後に補強ビームを追加した。1941年秋に試作車が完成してテストが行われ、車体前面形状変更、不要装備撤去、重量過大の改善といった要求が出されたため、T9E1に進んだ。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER3,’10

　＜Ｔ９Ｅ１＞：T9の改良型。車体前面上部を段差無しの一枚板（左上部の操縦席部分のみ上に突出）とし、固定機銃を撤去、砲塔の動力旋回機構を廃止して空輸の際に砲塔を簡単に取り外せるようにしている。1942年1月から２両が試作され、4月には試作車完成前に量産が決まり、M22として1900両が発注された。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER3,’10

　＜Ｍ２２＞：T9E1の限定制式化型Light Tank (Airborne) M22。車体は均質圧延鋼板、砲塔は鋳造で、装甲厚は車体前面25mm、側面9.4mm、後面12.7mm、砲塔全周25mm。車体には機内で吊り下げるためのブラケットが４カ所に設けられている。主砲は37mm戦車砲M6（50発。俯仰角マイナス10度からプラス30度）、副武装は7.62mm同軸機銃１丁（2500発）。車体機銃は無い。下部転輪は片側４枚で、２枚１組にしてボギーに取り付けられ、VVSSで緩衝される。起動輪は前方、誘導輪（接地式）は後方にあり、下部転輪ボギーと誘導輪ボギーは外側から棒状ビームで結合されている。上部転輪は下部転輪ボギー後上方に１枚ずつ（片側あたり計２枚）装着される。全長3.96m、全幅2.25m、全高1.84m、空車重量6.62トン、戦闘重量7.38トン。エンジンはライカミング社製0-435T水平対向６気筒空冷ガソリン（162馬力）、最大速度56.4km、燃料搭載量216リットル、航続距離180km。乗員３名（車長、操縦手、砲手）。アメリカ軍に空輸可能な輸送機やグライダーが無く（C54輸送機で運搬可能だが砲塔を外さねばならない）、実用的でなかったため、1900両が発注されたが、1943年4月から1944年2月に830両が製作された時点で生産中止となった。実戦には投入されていないが、イギリスにローカストとして260両が供与されている。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER3,’10

＜Ｔ９海外シリーズ＞

　＜ローカスト＞：イギリス軍の空挺戦車Locust。T9E1試作型２両目が1943年初めにイギリスに引き渡され、空挺部隊でのテストの結果、ハミルカー・グライダーでそのまま輸送できたため採用を決定、260両が供与されて配備された。砲塔側面に発煙弾発射機を追加しており、一部に車体の吊り下げ用ブラケットを撤去したり、砲口部にリトル・ジョン装置を付けたりしたものがある。初実戦使用は1945年3月24日のライン川渡河作戦（バーシティ作戦）で、イギリス第６空挺師団が使用した。大戦後にエジプトに渡ったものは第１次中東戦争に投入されている。参考：British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER3,’10

＜Ｔ−９水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1945年5月3日、キールで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ．９爆撃機＞：オランダ陸軍爆撃機。フォッカー社が開発し、1939年に初飛行した。トラブル解決に手間取るうちにドイツとの戦争になり、イギリス空軍の爆撃のとばっちりで粉微塵になってしまった。全長11.1m、全幅24.6m、全備重量11250kg。エンジンはブリストル社製ハーキュリーズ（1375馬力）双発、最大速度440km、実用上昇限度8000m。自衛武装は機銃３丁。爆弾２トンを搭載できる。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｔ９無反動砲＞：アメリカ陸軍105mm無反動砲。砲兵局が第２次大戦時に開発した。ドイツ軍10.5cm無反動砲LG40をコピーしたもので、アメリカ陸軍制式の105mm榴弾を使用できるように小改良を施してあり、ジープによる牽引や空挺投下も可能だった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、スピアヘッドNo.2

＜Ｔ９Ｅ１＞：T9シリーズ（空挺戦車）を参照。

＜Ｔ１０＞：M3中戦車ファミリーまたはM3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）またはSu-27シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−１０大型汎用爆弾＞：アメリカ空軍の大型汎用爆弾。全長252インチ（6.4m）、直径38インチ（0.97m）、重量12622ポンド（5.73トン）。B-36に搭載可能。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｔ−１０重戦車シリーズ＞：ソ連陸軍の重戦車。当初IS-8（オブイェークト730）という名で1951年前後からチェリャビンスクで生産され、1953年のスターリン死後はT-10に改称して量産を継続、1962年までに8000両が生産された。参考：月刊軍事研究6,’01、月刊グランドパワー10,’00

＜Ｔ−１０＞：IS-3の車体を延長し、転輪も７組に増加、エンジンを強化し、砲塔の旋回機構をIS-7と同様のものに換え、主砲をD-25改良型のD-25TA（30発）にしてBR-472被帽付き徹甲弾を使用可能とし、砲塔前面の避弾経始を更に良好とした。車体長7.25m、全幅3.38m、全高2.46m、重量50トン。副武装は12.7mm重機関銃DShKが２丁（1000発）。最大装甲厚は砲塔250mm、車体120mm。エンジンはV12-5（700馬力）、最大速度43.1km、航続距離180-200km。自衛用にBDSh-5ドラム式煙幕展張装置を装備する。無線機は10RT-26EまたはR-113。乗員４名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究6,’01、月刊グランドパワー10,’00

＜Ｔ−１０Ａ＞：オブイェークト267sp1。主砲のD-25TAに垂直方向の安定化装置PUOT-1ウラガンを装着し、砲口制退器の後に排煙器を装備、砲弾トレイとラマーを搭載して発射速度を向上させたもの。照準器を望遠鏡式TUPと潜望鏡式TPS1の併用とし、砲手用TVN1暗視装置を装備した。参考：月刊軍事研究6,’01、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00

＜Ｔ−１０Ｂ＞：オブイェークト267sp2。主砲に２軸安定化装置PIOT-2グロム（PUST-2？）を搭載し、照準器をT2S29としたもの。1950年代半ばから生産された。参考：月刊軍事研究6,’01、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00

＜Ｔ−１０Ｍ＞：改良型。主砲を55口径のM-62T2（2A17）とし、射距離1000mでの貫徹力が160mmから185mmに増加、BP460A成型炸薬弾（装甲貫徹力300mm）を発射できるようになった。同軸機銃も14.5mm機銃KPVTに変更し、測距銃兼用としている。リーヴェン（土砂降り）砲２軸安定化装置を装備し、停止した際の砲のぶれを早期に修正可能とした。照準器はスタジアメトリック式で、1500m以遠での命中精度に劣る。主砲の右にはルナ赤外線暗視システム用赤外線サーチライトを装備した。防楯左上方には直接照準器、その後ろに暗視装置付き砲手用照準器がある。エンジンも強化した。レニングラード・キーロフスキー工場生産型（オブイェークト272）はOPVT潜水渡渉装置を付けているが、チェリャビンスク生産型（オブイェークト734）は装備していない。車体長7.25m、全幅3.38m、全高2.345m、重量51.5トン。主砲は122mm戦車砲M-62T2（30発）、発射速度毎分3-4発。最大装甲厚は砲塔前面200mm、車体前面120mm。エンジンはV-12-6（オブイェークト734）またはV-12-6Bターボ・ディーゼル（750馬力。オブイェークト272）、最大速度51km（オブイェークト734）／53km（オブイェークト272）、航続距離280km。自衛用にBDSh-5ドラム式煙幕展張装置を装備する。無線機はR-113。乗員４名。1957年から生産された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究6,’01、月刊PANZER2,’99、月刊グランドパワー10,’00

＜Ｔ−１０Ｍ改＞：既存のT-10に改良を施したもの。転輪を新型化し、メイン・クラッチを新型にしている。1960年代初期から改良された。参考：月刊軍事研究6,’01

＜Ｔ−１０水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1944年12月18日、グディニアで爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１０水陸両用軽戦車＞：アメリカ陸軍試作水陸両用軽戦車Light Tank (Amphibian) T10。1940年4月にクオーターマスター社が提案した水陸両用装輪車両が大元で、1941年に37mm砲装備・最大装甲厚18mm・重量12.5ショート・トンという兵器局からの要求が出され、1942年5月にデザインが出来上がったが、既に必要性が無く、試作車製作前に計画中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−１０−２４＞：Su-27M（戦闘機）を参照。

＜Ｔ１０Ｅ１＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走対空機関砲）またはM4戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ１０Ｋ＞：Su-27シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−１０Ｍパラシュート＞：アメリカ軍のパラシュート。ラウンド形で、パネル32枚からなる。直径10.5m、重量15kg。参考：コンバット・バイブル２

＜Ｔ１０Ｓ＞：Su-27シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−１０Ｓ−７０＞：Su-27M（戦闘機）を参照。

＜Ｔ１０Ｕ＞：Su-27シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ１０Ｖ＞：Su-27IB（戦闘爆撃機）を参照。

＜Ｔ１０Ｖ−４＞：Su-32FN（戦闘爆撃機）を参照。

＜Ｔ１１＞：An-2輸送機（韓国空軍）を参照。

＜Ｔ１１＞：アメリカ陸軍のパラシュート。角形をしている。2007年から配備された。参考：月刊JWings4,’18

＜Ｔ１１＞：スコダ社の直列４気筒液冷ガソリンエンジン。総排気量8520cc、出力120馬力（回転数1800rpm）。35(t)式戦車に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｔ−１１＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。1940年5月竣工。戦後はイギリスに引き渡され、更にフランスに渡り、ビル・アケムとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション44

＜Ｔ�]�T（Ｇ７ａ）＞：ドイツ国防軍の音響誘導式魚雷、別名メーヴェ。Ｔ�]�T（G7es）の誘導装置を高速のG7a魚雷に搭載したものである。しかし高速航走時に自分の推進音を探知してしまう問題を解決できず、実戦配備前に終戦となった。参考：月刊丸4,’07

＜Ｔ�]�T（Ｇ７ｅｓ）＞：ドイツ国防軍の音響誘導式魚雷。Ｔ�X（G7es）の改良型で、パッシブ音響誘導装置ツァーンケーニッヒ�Uを搭載、推進器からの騒音を減弱して目標速度９ノットでも追跡可能とし、スクリュー音でなくエンジン音を探知するようにしてフォクサーを無効にした。17T型バッテリーを搭載して航走距離を延伸している。深度50mから発射可能。Ｕボート�]�]�T型に搭載され、実戦で１回使用されたところで終戦を迎えた（使用されなかったという説もある）。参考：Ｕボート入門、月刊丸5,’07、4,’07、ナチスＵボート

＜Ｔ．１２＞：C.212（輸送機）またはM3ハーフトラック・ファミリー（自走カノン砲）またはM-26戦車ファミリー（戦車回収車）またはT2（試作重牽引車）を参照。

＜Ｔ−１２大型汎用爆弾＞：アメリカ空軍の大型汎用爆弾、別名クラウドメーカー。全長384インチ（9.75m）、直径54インチ（1.37m）、重量44000ポンド（19.8トン）。B-36に２発搭載可能。参考：世界の傑作機No.125、月刊軍事研究2,’19

＜Ｔ−１２水雷艇＞：ドイツ海軍T-1級水雷艇。戦後はソ連に引き渡され、ポドウィスニーとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−１２対戦車砲シリーズ＞：ソ連陸軍100mm滑腔対戦車砲。D-54戦車砲をベースに1950年代後半から開発され、1961年7月19日に制式採用された。参考：月刊PANZER8,’01

＜Ｔ−１２対戦車砲＞：別名2A19。85mm対戦車砲D-48とほぼ同じ開脚式砲架を装備し、砲口には130mmカノン砲M46に似た多孔式マズルブレーキを持つ。口径長61、俯仰角マイナス７度からプラス20度、発射速度毎分14発（10発？）。全長9.65m、全幅2.3m、重量3.1トン。MT-LBまたはZIL-131またはZIL-157で牽引される。使用弾はUBM1/2APFSDS-T（射距離1000m・弾着角90度で装甲貫徹力225mm）、3BM-2APFSDS、BK3HEAT-FS（装甲貫徹力380mm）、OF15フィン安定式榴弾（最大射程8200m）で、砲側にAPFSDS弾10発、HEAT６発、HE４発を用意する。操作要員６名。１個中隊は砲６門、指揮車両、補給トラックで構成される。１個大隊はT-12対戦車砲２個中隊と9M14M搭載BRDM装甲車１個中隊、またはT-12対戦車砲中隊のみ３個で構成される。参考：月刊PANZER8,’01、月刊軍事研究8,’08

＜ＭＴ−１２対戦車砲＞：M60やレオパルト２に対抗するため、9M117カステット対戦車ミサイルを発射可能としたタイプで、別名2A29ラピーラ（レイピア、細身の長剣）。RLPK-1レーザー照準器とパッシブ式暗視照準装置を取り付けて射距離3000mまで全天候下で正確な射撃が可能である。砲身最大仰角も30度に増え、榴弾の最大射程が15000mに伸びた。マズルブレーキも直線的なものに変わり、防楯上部の形状もやや直線的になっている。ソ連では2A45Mに後を譲ったが、ハンガリーや旧ユーゴでは現役で、3BM-8HVAPDS-T（装甲貫徹力400mm）なども開発されている。イラク軍も湾岸戦争で使った。参考：月刊PANZER8,’01

＜Ｔ１２中戦車＞：ソ連陸軍中戦車。ソ連初の国産中戦車で、1930年に開発された。全長6.56m（尾ソリ含む）、全幅2.81m、全高2.95m、重量19.5トン。エンジンはイスパノM-6（200馬力）、最大速度26km。武装は45mm砲１門と7.62mm連装機銃３基。45mm砲の開発に手間取り、改良型のT24が本格採用となった。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ１２浮航キット＞：アメリカ軍の試作浮航キット。M4シャーマンを水陸両用化するもので、T6のフロートをポンツーン式の浮嚢に換えている。試作のみに終わった。参考：異形戦車ものしり大百科

＜Ｔ１３＞：M44シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｔ１３試作軽戦車＞：アメリカ陸軍試作軽戦車Light tank T13。1942年夏にアリス・カルマーが設計した。イスパノ・スイザ20mm機関砲を装備する3.5ショート・トンの２名用軽戦闘車両で、T16と同じくらいの大きさとレイアウトをしている。アメリカ陸軍ではこの種の車両を採用する気が無く、没になった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ１３試作重迫撃砲＞：アメリカ陸軍試作105mm重迫撃砲。砲身長1.88m、戦闘重量86.4kg。射界16度、仰角45-85度。使用弾重量16kg、最大射程3.66km。重量が軽いだけで4.2インチ化学戦迫撃砲と性能があまり変わらなかったので、量産されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ１３試作対戦車砲＞：アメリカ軍試作90mm対戦車砲。90mm高射砲の砲身を流用し、先端にダブルバッフル式マズルブレーキを装着、防楯上部左右に脚の付いたT9砲架に搭載したものである。牽引時には脚を前方に折り畳む。３インチ対戦車砲M5の設計が優先されたため、開発が間に合わず、生産されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ１３水雷艇＞：ドイツ海軍T13級水雷艇。1942年2月、ケルベロス作戦で損傷した。1945年4月10日、カテガットでイギリス軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１３級水雷艇＞：ドイツ海軍水雷艇。航続力強化のため、燃料搭載量を増やした。全長85.2m、幅8.87m、平均吃水2.51m、基準排水量853トン。機関出力29000馬力、速力35.5ノット、燃料搭載量216トン、航続距離3000海里（19ノット）。兵装は45口径10.5cm砲１門、20mm機関砲８丁、533mm魚雷発射管６門、機雷30個。1941-42年にT13、T14、T15、T16、T17、T18、T19、T20、T21の９隻が就役した。大戦中にレーダーを追加し、対空兵装を強化、後部魚雷発射管を撤去した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１４＞：M2（兵員輸送用ハーフトラック）を参照。

＜Ｔ−１４大型汎用爆弾＞：アメリカ空軍の大型汎用爆弾。全長305インチ（7.75m）、直径46インチ（1.17m）、重量23037ポンド（10.4トン）。B-36に搭載可能。参考：世界の傑作機No.125

＜Ｔ１４試作重戦車＞：アメリカ兵器局がイギリス向けに開発した歩兵戦車Assault tank T14。1941年9月にアメリカ兵器局のトップであるチャールズ・Ｍ・ウェッソン少将がイギリスを訪問し、第２次大戦緒戦での戦車戦の戦訓や、アメリカの装備品に対するイギリスの見解、将来必要なイギリス兵器などに関する会議を行った。この中で、北アフリカ戦の戦訓から、イギリスには大口径戦車砲と重装甲を備える戦車が必要であるとの意見が出された（当時チャーチル歩兵戦車初期型の性能がイマイチで、代替としてA33エクセルシオール突撃戦車を検討していたのも、こういった見解が出される要因となったとみられる）。イギリスはアメリカ兵器局に重戦車の必要性を告げ、これに基づいて1941年12月にアメリカ兵器局ではM4中戦車のコンポーネントを可能な限り流用してT1試作重戦車（後のM6重戦車）のエッセンスも加えた重戦車を作ることになった。主砲は75mm戦車砲M3またはイギリス制式６ポンド砲とし、最大装甲厚は75-100mm、エンジンはフォード社製の新型を積む予定で、名称もT14に決定している。車体は鋳造製で、M4中戦車類似の下部車体と、避弾経始に優れた上部車体を持ち、上部車体前面左に車体機銃１丁を装備する。下部転輪は片側６枚、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、スカートを持つ。砲塔は前面にのみ軽い避弾経始が付く。無線機はイギリス制式のNo.19を搭載した。全長20フィート４インチ（6.2m）、全幅10フィート３インチ（3.12m）、全高９フィート１インチ（2.77m）、戦闘重量84000ポンド（38.1トン）。主砲は75mm戦車砲M3（50発。76mm砲や105mm砲への換装が可能）、副武装はブローニング7.62mm機銃２丁（9000発）と対空用12.7mm機銃M2が１丁。最大装甲厚133mm、最小装甲厚19mm。エンジンはフォードGAZペトレル８気筒Ｖ型ガソリン（520馬力）、最大速度22マイル（35.4km）、航続距離100マイル（161km）。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手）。1942年3月、調達に関する問題を話し合うため、イギリス当局がアメリカを訪問し、8500両を量産することが決まった。1943年に標準型フォード戦車用エンジンとM4中戦車用トランスミッション（ファイナルドライブのギア比だけ落としてある）とM6重戦車用履帯・HVSSサスペンションを装着した試作車２両が完成し、テストされたが、履帯とサスペンションに改修が必要であると判明。1944年には１両がイギリスに送られて評価を受けたが、この頃にはイギリスが大口径戦車砲搭載巡航戦車の開発に主眼を移しており、重歩兵戦車はチャーチル歩兵戦車で十分だったため、1944年12月にアメリカ兵器局も開発中止を決めた。参考：British and American tanks of World War Two、M26/M46パーシング戦車1943-1953

＜Ｔ１４試作対戦車自走砲＞：アメリカ軍試作対戦車自走砲。バンタム社製BRCトラックの後部車体を外して37mm対戦車砲M3を搭載している。試作のみ。参考：月刊グランドパワー7,’98

＜Ｔ１４水雷艇＞：ドイツ海軍T13級水雷艇。第２次大戦後はフランスに引き渡され、ドンペイルとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−１４戦車＞：ロシア陸軍がT-72/T-80/T-90の後継として開発中の主力戦車、オブイェークト148。車体はアルマータ重装軌式プラットフォームで、車体前部が乗員用装甲カプセル、車体中央が無人砲塔の載る戦闘室、車体後部が機関室となっている。乗員は右から車長、砲手、操縦手の順に横並びで装甲カプセル内に位置し、前面にはディスプレイが並ぶ。乗員を１ヵ所の装甲カプセル内に置くことで重量や空間を節約し、防御力や生残性を高め、被弾時の誘爆や火災に対する安全性も向上させた。乗員間に隔壁は無いので情報共有は容易だが、弾片が装甲カプセル内に飛び込んでくると全員死傷する可能性が高い。戦闘室直前の車体上面右にペリスコープと外開きハッチの付いた車長用キューポラ、左に前外側ヒンジの旋回開閉式操縦手用ハッチがあり、操縦手用ハッチは車長用キューポラより少し前に位置していて、ハッチ後方に視察用ペリスコープがある。キューポラとハッチの間にもペリスコープが１基用意されている。主要鋼材は従来装甲鋼板と同じ防御力なら重量が15%軽いとされる44S-sv-Sh鋼で、車体前面装甲はモジュラー式複合装甲とみられ、車体側面前部から中央にかけては分厚いスカート、側面後部はスラットアーマーが付き、それらの下には薄いゴム製スカートが装着されていて下部転輪の上部３分の１くらいまでカバーする。爆発反応装甲は装着しないとも、新型のマラヒートを装着しているともいわれる。車体前面装甲厚は均質圧延装甲換算で900-1000mm。機関室は中央にパワーパック（ロシア戦車として初めて本格搭載）、両脇に燃料タンクが配置されており、上面に吸気ルーバー、側面に排気口がある。機関室外左右には予備燃料タンクを積む。また、車体後面上部に200リットル入り燃料缶２基を左右並べて装着することができる。下部転輪はT-80シリーズと同じアルミニウム製ダブルタイプ（直径0.7m）片側７組で、第1-2転輪と第2-3転輪間が他より少し広くなっている。サスペンションはトーションバー式で、第１・第２・第７転輪にショック・アブソーバーが付く。誘導輪は前部、起動輪は後部にあり、上部転輪はシングルタイプ片側４枚で、第1-2転輪間、第2-3転輪間、第4-5転輪間、第6-7転輪間上方に付く。履帯には着脱式ゴムパッドが用意されている。無人砲塔は角張った形状で、長さは乗員用装甲カプセルの直上から機関室中央くらい、幅はフェンダー中央あたりまで、高さは従来のT-64系有人砲塔に上面装甲を追加した程度あり、乗員スペースが無い割には結構大きい（というか背が高い）。砲塔後部は長めのバスルとなっていて、予備弾を収容する。砲塔本体は箱型で、前後左右が砲塔リングに収まるくらい小型だが、これに、アフガニトAPS用てき弾発射筒とそれを覆う装甲カバー、後部バスル、荷物入れを外装して大柄になっているようである。砲塔前面はモジュラー式複合装甲を採用しているとみられ、砲塔前面装甲厚は均質圧延装甲換算で900-1000mm。装甲外皮部分に爆発反応装甲を適用しているとも、していないともいわれる。砲塔上面にはトップアタック防御用アップリケアーマー（これも爆発反応装甲説あり）が付く。前面中央に主砲、前面左に砲手用照準装置用の切り欠きと開閉式カバー、側面下部にアフガニトAPS用てき弾発射筒５基、その上にレーザー検知器を収容した切り欠き、更に上と側面後上部にアフガニトAPS用フェイズド・アレイ・レーダー・センサーの横長長方形アンテナ、側面上部に発煙弾発射筒（３段４列）ボックス、後面に雑具入れ、上面前部左に気象センサー、上面前部右にデータリンクアンテナ、上面後部左に無線アンテナ、上面後部右に12.7mm機銃6P49Kord（300発）または7.62mm機銃6P7K（1000発）と車長用独立センサーを組み合わせた遠隔操作式全周旋回銃塔、上面後部左に埋め込み式発煙弾発射筒（３段４列）ボックス２基を持つ。主砲は自動装填装置付き125mm滑腔砲2A82-1M（45発。自動装填装置用即応弾32発、砲塔後部予備弾13発）で、最終的には47口径152mm滑腔砲2A83（初速毎秒1980m、射程5100m、装甲貫徹力は射距離2000mで1024mm）を搭載するらしい。即応弾は砲塔バスケット周囲に弾頭を下にして縦置きされており、弾底部を軸にして下からアームで弾頭部を90度持ち上げ、砲尾に合わせてラマーが自動装填する。発射速度は毎分12発。焼尽薬莢を使用しており、燃え残った金属製弾底部が砲塔基部左の円形排莢ハッチから砲塔外に放り出される。同軸機銃は7.62mm連装機銃6P7K（PKTMを連装化したもの）。砲手用照準器は熱線映像式暗視照準装置（有効距離3500m）、バックアップ用パッシブ暗視照準装置（有効距離1000-2000m）、光学照準器（倍率４倍／12倍切替式）、腔内発射型ミサイル照準用レーザー照射器（有効距離7500m）を組み合わせている。砲塔上面でなく砲塔前面の主砲横に配置しており、精度を高め露出を避けるためと思われるが、視野を確保すべく砲塔前面に相当大きい開口部を設ける形となっていて、狙われやすい気もする。車長用独立センサーは砲手用照準器と同じ熱線映像式暗視照準装置とバックアップ用パッシブ暗視照準装置と高解像度光学センサー（戦車識別距離12000m）を組み合わせており、遠隔操作機銃の照準も行える。アフガニト用フェイズド・アレイ・レーダー・センサーは使用周波数26.5-40GHzで、全周をカバーし、空中目標（ヘリコプター含む）40個と地上目標（高さ0.3m以上）25個を追尾可能で、探知距離100km。飛翔速度が音速程度の対戦車ミサイルや対戦車ロケットならレーダーから目標情報を遠隔操作銃塔に送って撃墜できるらしい。レーダーやレーザー検知器は発煙弾発射機とも連動している。戦車情報指揮システムTIUSを装備し、ESU-TZ戦場情報ネットワークに対応する。全長10.8m、車体長8.7m、全幅3.5m、全高3.3m、重量48-50トン。エンジンはチェリャビンスク・トラクター工場製A-85-3Aターボチャージャー付きＸ型12気筒液冷４サイクルディーゼル（12H360ともいう。1200馬力、短時間なら1500馬力）、トランスミッションは電子制御式オートマチック（12段変速）、最大速度80-90km、航続距離500km。乗員３名（車長、操縦手、砲手）。Il-76で空輸可能。試作車の価格は１両あたり４億ルーブル（９億円。650万ドル・７億円？）で、量産化すれば2016年の予測で370万ドル・５億円（２億5000万ルーブル・４億4000万円？）まで下がる予定だが、それでもT-90A（2011年で１億1800万ルーブル）の倍くらいする。車体がそれまでのロシア戦車より1m以上長いので、タンク・トランスポーターも新規開発した。2015年5月9日の対独戦勝記念パレードで初公開され、完成していた試作車20両のうち７両が登場した。5月7日の最終リハーサルで１両が動けなくなり、戦車回収車（BREM-1らしい）で引っ張ろうとしたが、重すぎたのかトランスミッションが固まってしまったのかビクともせず、予行が終わるまで邪魔なオブジェと化していた。2016年末からウラルヴァゴンサヴォートで量産体制に入ったとされ、取り敢えず100両を発注した。2020年までに2300両以上を生産する予定で、早々に輸出市場に出すことも発表されている。ただ実際には2017年になっても量産が始まらず、9月7日にロシア国防省が装甲戦闘車両6000両の保管と4000両の解体、T-80シリーズのT-80BVMへのアップグレード及びT-90シリーズのT-90Mへのアップグレードを発表しており、T-14の発注数が減らされるとみられ、アルマータ計画ごとキャンセルされるかもしれないという説も出ている。2018年にはT-14の発注数が２個大隊分50両くらいに減らされ、量産は2020年以降に先延ばしされた。参考：月刊PANZER4・5,’17、10,'18、月刊軍事研究7,’15、10,'15、9,’17、2,’16、3,’17、11,’14、4,’17、3,’18、10,’18

＜Ｔ１４型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第538号型ともいう。T25型魚雷艇の後継で、T15型よりも凌波性が良く、量産された。燃料タンクを生ゴムのカバーと舷側鋼板で装甲化している。全長15m、幅3.65m、吃水0.7m、排水量15トン。主機は艦本式71号６型ガソリン機関１基１軸920馬力、公試時速力33.3ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基（魚雷２本）、爆雷２個、九三式13mm単装機銃１丁。昭和19-20年に第538−第555号魚雷艇、第838−第889号魚雷艇、第1101−第1108号魚雷艇が竣工し、第890−第894号魚雷艇が建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史、月刊軍事研究11,’02

＜Ｔ１５＞：M4中戦車ファミリー（耐地雷車両）またはM18シリーズ（無反動砲）を参照。

＜Ｔ１５魚雷＞：ソ連海軍計画水爆魚雷。627型潜水艦用に1952年から設計した。沿岸で炸裂すると津波が起きて周囲の都市も破壊できるという超大型魚雷だが、発射後は艦のバランスがとれずに沈没してしまう危険が高く、航走距離も短く実用性に欠け、1954年に開発中止となった。全長23.55m、直径1.55m、重量40トン、弾頭重量４トン。弾頭威力100メガトン。速力29-30ノット、航走距離40-50km（30km？）。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船11,'22、9,’10、6,'21、9,'21、月刊軍事研究2,’17

＜Ｔ−１５重歩兵戦闘車＞：ロシア陸軍がBMP-3の後継として開発中の歩兵戦闘車、オブイェークト149。車体はアルマータ重装軌式プラットフォームを使用する。車体前部が機関室、中央が乗員スペース（左に操縦手用ペリスコープ３基付ハッチ、右に車長用キューポラ、その後ろに砲手用ペリスコープ付ハッチがある）、後部が兵員室で、兵員室上面に砲塔が載り、車体後面にスラットアーマー付きの下開き乗降ランプ（右開き小型ドア付。ドア中央にガンポートあり）、その両脇に大きなスポンソンを持つ。機関室を操縦手席の隣に並べて車体長を短縮するという方策は取っていないので、T-14並みに車体が長く、前面と側面前部に楔形装甲、側面中央から後方にマラヒート爆発反応装甲付きの分厚いスカート、上面にアップリケ装甲を装着していて、防御力はかなり高そうである。兵員室内には壁面に折り畳み座席が作り付けられていて、耐地雷シートにはなっていない。砲塔はKBP社製エポーハ無人砲塔で、将来的に主砲を70口径57mm機関砲AU220M（射程12km）に換装する計画もあるらしい。アクティブ防護装置アフガニトを搭載しており、車体前部上面左右に２本ずつ、車体上部中央左右に３本ずつのてき弾発射筒を装備する。前のアフガニト発射筒の後方にはアフガニトのセンサーボックスらしきものが外側を向けて取り付けられている。後ろのアフガニト発射筒の後方には３段４列の発煙弾発射筒ボックスを持つ。戦闘重量48トン。エンジンはA85-3Aディーゼル（1500-2000馬力）、トランスミッションは８速オートマチック、路上最大速度75km、航続距離550km。乗員３名（車長、操縦手、砲手）＋乗車歩兵8-9名。2015年5月9日の対独戦勝記念パレードで初公開されたが、その後は姿を見せなくなった。2018年の兵器展示会アルミア2018で57mm機関砲（と同軸機銃と砲塔右9M120-1対戦車ミサイルキャニスター２本上下積み）搭載型が展示された。参考：月刊軍事研究7,’15、4,’17、11,’14、2,’19、月刊PANZER8,’18、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｔ１５手榴弾＞：アメリカ軍試作手榴弾。アメリカ人が慣れ親しんでいる野球ボールと同じサイズにしてある。内部にはシクロナイトとTNTの混合物を詰めており、イギリス軍No69手榴弾と同じ信管を装備したが、信管を弾体からはみ出さないように改造した結果、炸薬量が少なくなった。第２次大戦時に白燐手榴弾と共に開発されたが、両方ともM26手榴弾に負けて採用されなかった。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｔ−１５水雷艇＞：ドイツ海軍T-13級水雷艇。1943年12月13日、キールでアメリカ軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１５戦車砲シリーズ＞：アメリカ軍の対戦車砲・戦車砲。参考：月刊PANZER1,’03

　＜Ｔ１５Ｅ１＞：T15対戦車砲を戦車砲に換えたもの。口径90mm、口径長72.5。T30E16炭化タングステン弾芯HVAP-Tだと初速毎秒1147m、装甲貫徹力は射距離910mで220mm（撃角30度）あり、射距離2300mで�X号戦車パンターの正面装甲を撃ち抜ける。T33APCBCだと初速毎秒975m。参考：月刊PANZER1,’03、M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ１５Ｅ２＞：T15E1の使用砲弾が長く、薬室も大きくなって砲塔内が狭くなったので、砲弾を分離装薬とし、薬室に小改良を加えたもの。T43徹甲弾だと砲口初速975m、装甲貫徹力は射距離1830mで122mm（撃角30度）。参考：月刊PANZER1,’03、月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ１５偵察戦車＞：チェコのスコダ社製軽戦車。�U号戦車Ｌ型ルクスの対抗馬として開発された。砲塔には被弾経始を取り入れ、最大装甲厚は30mm。武装は37mm砲１門（60発）と7.92mm機銃１丁（2100発）。足回りは大型転輪４個を２個１組でリーフスプリングに取り付けており、起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は片側３個。エンジンはスコダ社製８気筒Ｖ型ガソリン（総排気量10800cc、出力245馬力）で、最大速度60kmの予定だった。テスト前の1942年3月には量産命令が出たが、�U号戦車Ｌ型との比較試験を行ったところ、駆動系にトラブルが多発した上、燃費も居住性も悪く、採用されなかった。参考：月刊PANZER9,’05、ジャーマンタンクス

＜Ｔ１５Ｅ３＞：M26重戦車ファミリー（耐地雷車両）を参照。

＜Ｔ１５型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第491号型ともいう。T25型の後継として開発され、一回り小さい船体に同等の兵装を積んでいる。魚雷艇の主任務が基地防衛となりつつあったため、艇首を短縮して小型化したが、低速時の凌波性が悪く、T14型に負けて２隻の生産に止まった。全長15.2m、幅3.8m、吃水0.6m、排水量15トン。主機は艦本式71号６型ガソリン機関１基１軸920馬力、計画速力35ノット、公試速力32.62ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九三式13mm単装機銃１丁。昭和19年に第491号魚雷艇と第492号魚雷艇が建造された。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ１６＞：CTLS-4TAC海外シリーズ（軽戦車）またはM3中戦車ファミリー（試作重牽引車）またはM5軽戦車ファミリー（試作自走砲）またはM44シリーズ（試作装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｔ１６試作ハーフトラック＞：アメリカ陸軍試作ハーフトラック、Half-track T16。M2/M3ハーフトラックの後継としてダイアモンドＴ社が1943年に開発した。装甲兵員輸送車、砲牽引車、自走砲などのファミリー化を考慮し、履帯部分を延長するなど多数の改良を行っている。ハーフトラックでなく全装軌車両を開発することになり、1944年初めに計画は放棄された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−１６水雷艇＞：ドイツ海軍T-13級水雷艇。1945年4月13日、フレデリクスハーフェンで爆撃を受けて大破した。戦後に解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１６戦車＞：ソ連陸軍試作戦車。KS戦車の実績を踏まえて開発した。履帯をハイマンガン鋳鉄製に変更し、サスペンションを転輪２個１組のコイル・スプリングに換えて泥や雪が詰まらないようにしている。武装は砲塔正面左に37mmプトー砲、右に7.62mm機銃DTを１丁搭載した。試験中に装甲防御力が弱いことが分かり、T18が開発されることとなった。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ１６戦車回収車＞：ロシア陸軍が開発している戦車回収車オブイェークト152、別名BREM-T。車体はアルマータ重装軌式プラットフォームで、上構を設けて内部容積を確保した。車体・上構前面左−中央や上構左側面前半部にタイル状の増加装甲（ERA？）、車体・上構前面右−右側面やスカート後半部にスラットアーマーを追加している。自衛用として上構上面に12.7mm機銃装備の遠隔操作兵装ステーションを装備する。参考：月刊PANZER8,’18、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊軍事研究10,’18

＜Ｔ１６無人攻撃機＞：ロシア軍が開発中の小型無人攻撃機。6kg爆弾を搭載できる。参考：月刊軍事研究10,’17

＜Ｔ１７＞：M6シリーズ（装輪装甲車）またはMFI-17海外シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔ．１７空中給油機＞：スペインの空中給油機。ボーイングB707にサージャント・フレッチャー34-000給油ポッドを搭載している。参考：月刊エアコマンド10,’94

＜Ｔ１７試作ハーフトラック＞：アメリカ陸軍試作ハーフトラック、Half-track T17。M2/M3ハーフトラックの後継としてオートカー社が1943年に開発した装甲兵員輸送車、砲牽引車、自走砲などのファミリー化を考慮し、履帯部分を延長するなど多数の改良を行っている。ハーフトラックでなく全装軌車両を開発することになり、1944年初めに計画は放棄された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−１７水雷艇＞：ドイツ海軍T-13級水雷艇。第２次大戦後、ソ連に引き渡されてボリウィスティになった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１７タンケトカ＞：ロシアの試作豆戦車、別名リリプート（小人）。カーデンロイド豆戦車に触発されて1928年に開発した。乗員は１名で、7.62mm機銃DT１丁またはフェデロフ7.62mm連装機銃の射撃をしつつ操縦をしなければならないので、改良型のT23が開発されることとなった。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ１７Ｅ１＞：アメリカ軍の砲架運搬車。M4中戦車の起動輪、最終減速機、懸架装置、M4高速トラクターの誘導輪を流用して製作された。240mm榴弾砲M1の砲架を２両で運搬する。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ１８＞：M3軽戦車ファミリー（試作自走砲）またはM75シリーズ（装甲兵員輸送車）またはファルコン900ファミリー（要人輸送機）を参照。

を参照。

＜Ｔ−１８水雷艇＞：ドイツ海軍T-13級水雷艇。1944年9月17日、フィンランド湾でソ連軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１８戦車シリーズ＞：ソ連陸軍の戦車、別名MS-1。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ１８戦車＞：T16戦車の耐弾性を向上させたもので、装甲厚は全周16mmとなった。全長4.5m（尾ソリ付き）、全幅1.8m、全高2.2m、重量5.9トン。1927-31年に960両が生産され、満州で日本軍とも戦っている。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ１８Ｍ戦車＞：エンジンをGAZ-M1（50馬力）とし、主砲を45mm戦車砲M32に換装したもの。1938年に500両が換装され、ミンスク西に配備されてドイツ軍と戦った。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ１８戦車ファミリー＞

　＜４５ｍｍ対戦車砲搭載型＞：試作対戦車自走砲型。車体上に密閉式戦闘室を設け、45mm対戦車砲M1932を搭載している。1930年頃から試作されたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER3,’01

　＜７６．２ｍｍ歩兵砲搭載型＞：試作自走歩兵砲型。車体上に密閉式戦闘室を設け、76.2mm歩兵砲M1927を搭載している。射界は左右８度ずつ。1930年から試作されたが、採用はされなかった。参考：月刊PANZER3,’01

＜Ｔ−１８Ｂ＞：B-18爆撃機ファミリーを参照。

＜Ｔ１９＞：M3ハーフトラック・ファミリー（自走榴弾砲）またはM21（自走迫撃砲）を参照。

＜Ｔ１９軽戦車＞：ソ連の試作軽戦車。T18軽戦車の機動力改善型で、エンジンを60馬力に強化し、履帯接地長を延長した。砲塔はT18後期生産型（後部にバルジ付き）と同じものを使用し、武装はホチキス37mm砲１門と7.62mm機銃DT２丁としている。45mm砲搭載予定のT12系に負けて採用されなかった。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ１９試作ハーフトラック＞：アメリカ陸軍試作ハーフトラックHalf-track T19。M2/M3ハーフトラックの後継としてマック社が1943年に開発した。装甲兵員輸送車、砲牽引車、自走砲などのファミリー化を考慮し、履帯部分を延長するなど多数の改良を行っている。ハーフトラックでなく全装軌車両を開発することになり、1944年初めに計画は放棄された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−１９水雷艇＞：ドイツ海軍T-13級水雷艇。第２次大戦終結後はデンマークに引き渡された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ２０＞：M5シリーズ（牽引車）またはコムソモーレツ牽引車を参照。

＜Ｔ２０軽戦車＞：ソ連の試作軽戦車。T19軽戦車の渡渉能力改善型で、車体前面機銃を廃止し、開口部を無くしている。採用されなかった。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ２０試作中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作中戦車Medium Tank T20。M4中戦車の後継となるM4Xとして計画され、1942年5月25日に試作車の設計要求（重量32ショート・トン、75mm自動砲搭載、前面装甲厚４インチ・102mm、最大速度25マイル・40.2km）が出され、フィッシャー社が開発した。1942年9月に試作車３両の製造が命じられ、1943年にT20とT20E3が１両ずつ完成してT22やT23と比較試験が行われたが、トランスミッションに不具合が多発したため採用されなかった。車体前面傾斜装甲や76mm砲はM4中戦車の改良に反映されている。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’04

　＜Ｔ２０＞：試作初号車。車体は避弾経始に優れた前面形状（装甲厚62mm47度）を持ち、軽量化のためサイズはM4シリーズよりも小さめにされている。車体前面右にボールマウント式車体機銃を装備する。エンジンはM4A3中戦車と同じで、流体トルクコンバータ付きトランスミッションを車体後部に持ってきてプロペラシャフトを省略、車高を下げることに成功した。下部転輪は片側６枚で、２枚１組にしてM4シリーズのE8改修用に開発されたHVSS変形型のサスペンションで懸架される。誘導輪は前部、起動輪は後部にあり、上部転輪は片側５個、短い装甲スカートも装着する。砲塔は鋳造溶接製で、避弾経始が無い。車体長18フィート10インチ（5.74m）、全幅９フィート10インチ（3m）、全高８フィート（2.44m）、戦闘重量65758ポンド（29.8トン）。主砲は76mm戦車砲M1（70発。俯仰角マイナス10度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃１丁と7.62mm機銃２丁（6000発）。エンジンはフォード社製GAN液冷Ｖ型８気筒ガソリン（470馬力）、路上最大速度25マイル（40km）、航続距離100マイル（161km）。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手）。1943年6月に完成した。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’04

　＜Ｔ２０Ｅ１＞：試作２号車。75mm自動砲搭載型だが、完成前にキャンセルされ、砲塔がT22E1に流用された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２０Ｅ２＞：試作３号車。主砲をM6重戦車と同じ50口径76.2mm戦車砲M7に換装し、サスペンションをトーションバー式に変更、下部転輪を大直径ダブル片側６組としている。上部転輪は片側５個。履帯幅は1.5インチ（38mm）広げられて18インチ（457mm）になった。T20E3として完成した。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’13

　＜Ｔ２０Ｅ３＞：T20E2の主砲を76mm戦車砲M1（70発）に換装したもの。戦闘重量67500ポンド（30.6トン）。路上最大速度35マイル（56km）。1943年7月にM27B1として制式化すべきとの意見が出たが、テストの結果トランスミッション不調が酷く、結局採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’04

＜Ｔ−２０水雷艇＞：ドイツ海軍T-13級水雷艇。第２次大戦終結後はフランスに引き渡されてバカラとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション44

＜Ｔ２０迫撃砲＞：アメリカ海兵隊の肩撃ち式迫撃砲。八九式重擲弾筒を参考にして第２次大戦中に開発した。長砲身60mm迫撃砲にリコイルシステムとグリップを取り付けて肩撃ちできるようにしてある。100門が製作され、実戦テストに投入された。参考：月刊コンバットマガジン3,’11

＜Ｔ２１＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走迫撃砲）またはM5シリーズ（牽引車）またはT-72戦車（T-21砲塔）を参照。

＜Ｔ２１試作軽戦車＞：アメリカ陸軍試作軽戦車Light Tank T21。1942年8月、陸軍と兵器局がM5軽戦車の後継となるT20E3中戦車ベースの軽戦車を開発することにし、1943年2月にT21の名称が付いた。形状はT20中戦車に似ており、サスペンションはT7シリーズと同様のボリュート・スプリングまたはトーションバー。戦闘重量21.773トン（24ショート・トン）。主砲は76mm戦車砲M1A1。最大装甲厚30mm。２両を試作する予定だったが、重量オーバーで開発中止になり、M24軽戦車が開発されることになった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’13、11,’86

＜Ｔ−２１試作対戦車自走砲＞：アメリカ陸軍試作対戦車自走砲。T14試作対戦車自走砲の改良型で、車体を延長して後輪を二軸にし、砲に大型防楯を取り付けている。試作のみに終わった。参考：月刊グランドパワー7,’98

＜Ｔ−２１水雷艇＞：ドイツ海軍T-13級水雷艇。1943年12月28日、ビスケー湾で交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ．２２＞：A310-300MRTT海外シリーズ（空中給油輸送機）を参照。

＜Ｔ２２試作貨物輸送車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作貨物輸送車Cargo Carrier T22 Series。4.5インチ（114.3mm）自走砲T16に随伴する弾薬輸送車として1943年3月から開発されたが、T16と同じく1944年1月に計画中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２２＞：T16と同じシャシー（M5E1軽戦車を延長したもの）を使用し、砲を外して貨物スペースに充てている。試作車のみ製作された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２２Ｅ１＞：T16E1ベースとしたもので、T16E1と同じくM24軽戦車のシャシーを使っている。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２２水雷艇＞：ドイツ海軍水雷艇。1942年2月竣工。1943年8月18日、フィンランド湾でソ連の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ２２中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作中戦車。T20及びT23との競合試作で、クライスラー・デトロイト戦車工廠が製作し、1943年春に試作車が完成してテストに入ったが、1944年12月に開発中止となった。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’13、1,’04、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２２＞：T20中戦車のトランスミッションを機械式シンクロメッシュに変更した改良型として1942年10月から開発され、1943年6月にこの名称が付いた。サスペンションは水平ボリュート・スプリング方式（見た目はVVSSである）で、第１・第３ボギーにショック・アブソーバーを持つ。履帯はT48またはT51ゴムブッシュ付ダブルピンで、片側79枚。砲塔駆動は油圧式で、旋回速度毎秒24度、主砲俯仰角マイナス10度からプラス25度。視察照準装置はT29直接照準眼鏡、M4ペリスコープ（照準眼鏡付）、M19方位角指示器、M1砲手用象限儀、M9高低照準具、M6視察用ペリスコープなど。全長7.44m、全幅3.12m、全高2.44m、自重28.142トン、戦闘重量33.513トン。主砲は52口径76mm戦車砲M1A1（68発。発射速度毎分20発）、副武装は同軸7.62mm機銃M1919A4が１丁、車体7.62mm機銃M1919A4が１丁（7.62mm弾計5000発）、対空用12.7mm機銃M2（300発）１丁。乗員自衛用にM1928トンプソン短機関銃（600発）と手榴弾12発を搭載する。装甲厚は車体前面63mm、側面51mm、砲塔前面89mm、側面64mm。エンジンはフォードGAN液冷Ｖ型８気筒ガソリン（450馬力）、トランスミッションはシンクロメッシュ式（前進５段・後進１段）、クラッチは乾式複板型、ディファレンシャルは二重差動式、最大速度40.2km、燃料搭載量757リットル、航続距離241km。乗員５名。２両を製作してテストしたが、トランスミッションと後輪駆動にトラブルが多発し、1944年12月にキャンセルされた。参考：月刊PANZER1,’13、M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２２Ｅ１＞：T22の車体に75mm砲搭載M4シャーマンの砲塔を載せ、T20E1用に開発されたユナイテッド・シュー・マシーナリー社製デュアル・フィード式（徹甲弾と榴弾の撃ち分けが可能）自動装填装置を組み込んだもの。装填手は廃止し、主砲左に車長、右に砲手が座り、それぞれの上にハッチがあって車長用ハッチには対空用12.7mm機銃M2を装備できる。自動装填装置は32発入りマガジン２個（片方に徹甲弾、もう一方に榴弾を入れる）、弾種選択機構、油圧動力機構、給弾機、装填機などで構成され、弾種は車長が選ぶ。発射速度毎分20発。1943年8月にT22から１両が改造された。11月には主砲を37.5口径75mm戦車砲M3とM34連動砲架に変更し、1943年4月には油圧式自動スプリング装填機を搭載してのテストが行われている。自動装填装置のマガジンと装填システムの信頼性が低く実用化に至らず、制式化されなかった。参考：月刊PANZER1,’13、1,’04、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２２Ｅ２＞：主砲をM6重戦車と同じ50口径76.2mm戦車砲M7に換装したもの。計画のみ。参考：月刊PANZER1,’13、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２２級水雷艇＞：ドイツ海軍水雷艇。砲戦能力強化型で、マストにレーダーを装備した。航洋性を増加させるため乾舷を増している。全長102.5m、幅10m、平均吃水2.6m、基準排水量1294トン。主機はヴァグナー社製ギヤード・タービン２基、主缶はヴァグナー缶４基、出力32000馬力、２軸推進、速力33.5ノット、燃料搭載量401トン、航続距離5000海里（19ノット）。兵装は10.5cm単装砲４門（前甲板１門、２番煙突前に１門、後甲板に２門）、37mm機関砲４門、20mm機関砲９門（T23は７門）、533mm３連装魚雷発射管２基（２番砲の前に１基、２番煙突と３番砲の間に１基）、機雷50個。1942-44年にT23、T24、T25、T26、T27、T28、T29、T30、T32、T33、T34、T35、T36など15隻が就役した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ２３＞：A400M輸送機（スペイン空軍）を参照。

＜Ｔ２３水雷艇＞：ドイツ海軍T22級水雷艇。第２次大戦後、フランスに引き渡されてラル・サシアンとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ２３タンケトカ＞：ソ連軍試作豆戦車。T17を２名乗りとしたものである。カーデンロイド豆戦車のフルコピーであるT27が採用されたため、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ２３中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作中戦車。GE社エリー工廠が製作を担当し、T20及びT22と競合試作された。T20中戦車の駆動系を電気式に変更したもので、M4の後継として1945年初めに前線への試験配備も検討されたが、駆動系の信頼性が無いのと、ティーガーやパンターに勝てないため、M26に後を譲った。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’04

＜Ｔ２３中戦車＞：外見はT22中戦車とほぼ同じ。T1E1重戦車と同様のGE社製電気駆動装置を搭載しており、ガソリンエンジンで発電機１基を駆動、トラクションモーター２基を作動させ、左右のファイナルドライブを経由して起動輪を回転させる。機械式トランスミッションなどに比べてパワーロスが少ないという触れ込みだったが、重量が1.9トンも重い、価格が高い、何より信頼性に欠けてあらゆる部分で故障が頻発する、といった欠点があった。下部転輪はソリッドゴム付きシングルタイプ片側６枚で、２枚を１組にして１つのボギーに取り付けられており、サスペンションはM4シャーマンと同じVVSS方式で、上部転輪は片側３枚。誘導輪は履帯張度調整装置付きで前方にあり、起動輪は後方にある。履帯はT48またはT51ゴムブッシュ付ダブルピン片側79枚で、履帯幅421mm、履帯ピッチ152mm。車体は圧延及び鋳造鋼板溶接製で、前面に避弾経始を持ち、前から操縦室（左）・前方機銃手席（右）、戦闘室、機関室という構成である。車体前面右に７.62mm機銃M1919A4用ボールマウントを装備する。車体前部上面には左に操縦手用ハッチ、真ん中にベンチレーター、右に副操縦手兼前方機銃手用ハッチがある。砲塔は鋳造鋼板全溶接製で、戦闘室上面に載る。主砲は52口径76mm戦車砲M1A1（66発。発射速度毎分20発）、同軸機銃は7.62mm機銃M1919A4が１丁（5000発）で、M62連動砲架に装着されている。砲塔駆動は流体式で、旋回速度毎秒15度、主砲俯仰角マイナス10度からプラス20度（25度？）。砲塔上面右に両開きの車長用ハッチ、左に両開きの装填手用ハッチ、右前方に照準眼鏡付M4ペリスコープ、左にM6視察用ペリスコープを持つ。車長用ハッチには対空用12.7mm重機関銃M2（300発）を装備する。視察照準装置はM17D直接照準眼鏡、M4A1照準潜望鏡、M19方位角指示器、M1砲手用象限儀、M9高低照準具など。地雷原突破時などに使用する遠隔操縦装置が搭載されている。砲塔に２インチ（50.4mm）発煙弾発射機（12発）を装備する。乗員自衛用にM3短機関銃４丁（600発）、M1カービン１丁、手榴弾12発を搭載している。全長7.57m、全幅3.11m、全高2.51m、戦闘重量34.2トン。装甲厚は車体前面上部76mm47度、下部63mm56度、側面上部51mm０度、下部38mm０度、後部38mm0-30度、上面19mm、底面前方26mm、後方13mm、主砲防楯89mm０度、砲塔前面76mm０度、側面63mm0-13度、後面63mm０度、上面26mm。駆動方式はフォードGAN液冷ガソリン（450馬力）＋発電機＋無段階変速電動モーター、最大速度56.3km、燃料搭載量677リットル、航続距離161km。乗員５名。初号車は1943年1月からデトロイト工廠で完成し、フォート・ノックスでテストに入った。２号車は砲架をM79に換装し、砲塔ピストルポート、２インチ（50.4mm）発煙弾発射機、車体後面上部ガントラベリングロックを廃止、携行弾数を主砲弾75発としており、1943年3月に完成した。フォート・ノックスでのテストの結果、1943年5月に限定制式化され、11月から1944年12月にデトロイト工廠で250両ほど生産されている。３号車は主砲を76mm砲に換装し、車長用ハッチをビジョンブロック付キューポラに変更、装填手用ハッチを銃架付旋回式にした。また、砲塔後部に12.7mm重機関銃M2用対空銃架を装着しており、このM2重機関銃は装填手用ハッチの銃架に移して使用することもできる。６号車からは砲塔ピストルポート、２インチ（50.4mm）発煙弾発射機、車体後面上部ガントラベリングロックが復活し、砲塔後部対空銃架が廃止された。11号車からは砲塔後部にピントル式銃架が装着された。M4中戦車が満足できる性能だったこと、T23の接地圧が大きすぎて不整地踏破能力に疑問があったこと、トランスミッションの長期テストを行っておらず信頼性に不安があったことから、T23E3やT23E4といった改良試作型を計画したものの、結局制式化には至らず、実戦部隊にも配備されず訓練にだけ使用された。参考：月刊PANZER1,’13、1,’04、M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２３Ｅ１中戦車＞：主砲を75mm自動砲に換装したもの。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２３Ｅ２中戦車＞：主砲を３インチ（76.2mm）砲に換装したもの。計画のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ２３Ｅ３中戦車＞：T23中戦車（後期型）のサスペンションをT25E1と同じトーションバーに変更したもの。砲塔バスケットを廃止して弾薬スペースを増やし（主砲弾数84発）、電動式トランスミッションを完全防水に変更している。全長19フィート2.125インチ（5.85m）、全幅10フィート４インチ（3.15m）、全高８フィート4.625インチ（2.56m）、自重75000ポンド（34トン）、戦闘重量79000ポンド（35.8トン）。エンジンはフォードGANガソリン（470馬力）、トランスミッションは電動式、最大速度路上35マイル（56.3km）／路外20マイル（32.2km）、航続距離100マイル（161km）。T20E3のテスト結果を受けて1943年7月には本車をM27として制式化すべきとの意見が出され、1944年8月に試作車が完成してテストされたが、電気駆動の信頼性の無さは相変わらずで、採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953

＜Ｔ２３型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第201号型ともいう。昭和18年4月の魚雷艇量産計画により建造された。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量25トン。主機は九一式ガソリン機関１基１軸600馬力、速力17ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九三式13mm単装機銃１丁。第201号魚雷艇、第202号魚雷艇、第203号魚雷艇、第204号魚雷艇、第205号魚雷艇、第213号魚雷艇、第214号魚雷艇、第215号魚雷艇、第216号魚雷艇、第217号魚雷艇、第218号魚雷艇、第401号魚雷艇、第402号魚雷艇、第403号魚雷艇、第404号魚雷艇、第405号魚雷艇、第406号魚雷艇、第407号魚雷艇、第408号魚雷艇、第409号魚雷艇、第410号魚雷艇、第451号魚雷艇、第452号魚雷艇、第453号魚雷艇、第454号魚雷艇が竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ−２４＞：M3中戦車ファミリー（試作自走砲）またはM24シリーズ（軽戦車）を参照。

＜Ｔ２４水雷艇＞：ドイツ海軍T22級水雷艇。1942年12月竣工。1944年8月24日、ル・ヴェルドンでイギリス空軍機のロケット弾を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ２４中戦車＞：ソ連陸軍の中戦車。T12の改良型で、エンジンを300馬力に強化し、車高を3.04mにして車内操作性を向上させたものである。24両が生産されたが、45mm砲の開発が遅れて機銃しか搭載されておらず、クリスティー戦車などが輸入されたために用無しとなった。車体は軍用兼農業トラクター「コミンテルン」として使用された。参考：月刊PANZER9,’97

＜Ｔ２４Ｅ１＞：M24シリーズ（軽戦車）を参照。

＜Ｔ２５試作重迫撃砲＞：アメリカ陸軍試作155mm重迫撃砲。戦闘重量260kg。使用弾重量29kg、最小射程180m、最大射程2300m。1944年に実戦テストされたが、射程が短すぎて採用されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ−２５試作戦車＞：チェコスロバキアのスコダ社製試作中戦車。第２次大戦時に開発した。半自動装填式75mm戦車砲A-18、傾斜装甲、450馬力の大出力エンジンを搭載する予定だったが、モックアップまでいったところで開発が中止された。後に車体を流用して105mm自走榴弾砲とする案も出たが、こちらもモックアップだけに終わった。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｔ２５試作中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作中戦車Medium Tank T25 series。T20系試作中戦車のデザインが出来上がった1942年9月、主砲を90mmにすべきという意見が出され、1943年3月にT23の１両を使って試作することにした。4月には試作数が50両に増やされたが、うち10両はティーガー戦車に対抗できる重装甲を備えたT26試作戦車にコンバートされている。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’04

＜Ｔ２５＞：T23の車体に90mm戦車砲T7を装備する大型砲塔を搭載したもので、車体上面を補強して砲塔重量に耐えられるようにした。サスペンションはHVSS、履帯幅23インチ（584mm）。装甲厚は最大75mm。計画重量36トン。1944年1月と4月に１両ずつ完成した。T23譲りの駆動系の信頼性が低く、重量も予定をオーバーしそう（実際の戦闘重量81000ポンド・36.7トン）でサスペンションを強化する必要があるとみられ、フォート・ノックスでテストが始まる頃にはT25E1の開発が決まっていた。参考：British and American tanks of World War Two、M26/46パーシング戦車1943-1953、月刊PANZER1,’04

＜Ｔ２５Ｅ１＞：重量軽減のため、電気駆動を止めてトランスミッションを流体トルクコンバータ付きトルクマティック・トランスミッションに、サスペンションをトーションバー式に換えたもの。下部転輪は大直径ダブルタイプ片側６組、上部転輪はダブルタイプ片側５組。履帯幅23インチ（584mm）。車体形状も変更され、前面のシャックルの位置や車体機銃周りが微妙に異なっている。全長22フィート11.25インチ（6.99m）、全幅10フィート４インチ（3.15m）、全高９フィート1.375インチ（2.78m）、戦闘重量77590ポンド（35.2トン）。主砲は90mm戦車砲T7/M3（48発）、副武装は12.7mm機銃M2が１丁（300発）、7.62mm機銃２丁（5000発）。装甲厚87-12mm。エンジンはフォードGAF（470馬力）、最大速度路上30マイル（48.3km）／路外20マイル（32.2km）、航続距離100マイル（161km）。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手）。発注されたT25のうち40両がこちらに切り替えられ、1944年2月（1月？）から5月に30両（40両？）が完成したが、M26に負けて採用されず、開発試験車両として使用された。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’04

＜Ｔ２５水雷艇＞：ドイツ海軍T22級水雷艇。1942年11月進水、1943年12月竣工。1943年12月28日、ビスケー湾でイギリス巡洋艦隊の攻撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ２５練習機＞：ブラジル空軍基本練習機、別名ウニバーサル（Universal）。1963年1月から開発され、原型初号機は1966年4月29日に初飛行した。胴体前半は鋼管溶接、後半はセミモノコック構造である。座席は並列複座で、その後ろにもう１席用意されている。主翼にはハードポイント１カ所ずつが設けられており、7.62mmガンポッドの携行が可能で、武装型としても配備された。全長8.6m、全幅11m、全高3m、自重1150kg、総重量1700kg。エンジンはライカミングIO-540-K1D5（300馬力）単発、最大巡航速度153ノット、最大速度162ノット、実用上昇限度6100m、燃料容量332リットル、航続距離809海里。乗員３名。1971年秋からブラジル空軍に132機、チリ空軍に10機が引き渡され、1978年からブラジル空軍に追加発注分20機が引き渡された。参考：世界の軍用機1982、1979

＜Ｔ２５練習機ファミリー＞

　＜Ｔ２５Ａ＞：武装型。偵察攻撃飛行隊に配備された。参考：世界の軍用機1982

　＜ＹＴ−２５Ｂ＞：近代化型。エンジンをIO-720（400馬力）に換装した。１機が改造されたが、どこからも発注されなかった。参考：世界の軍用機1982

＜Ｔ２５型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第469号型ともいう。T35型魚雷艇の主機を１基に減らし、船型もT1型魚雷艇と同様の寸法に変更したもので、速力低下を最小限とするためプロトタイプの第469号魚雷艇で十数種類のプロペラを試し、最適なものを採用した。全長18.3m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量21トン。主機は艦本式71号６型ガソリン機関１基１軸920馬力、速力25.9ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九六式25mm単装機銃１丁。昭和19年に第469号魚雷艇、第493−第500号魚雷艇、第529−第537号魚雷艇、第801−第837号魚雷艇の55隻が建造された。第469号魚雷艇、第807号魚雷艇、第825号魚雷艇、第830号魚雷艇は後に雷艇に艦種変更され、昭和20年に魚雷艇に戻って第1120−第1123号魚雷艇に改称された。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ２６＞：M26シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ−２６水雷艇＞：ドイツ海軍T-22級水雷艇。1943年10月26日、セット・イル沖海戦に参加。1943年12月28日、ビスケー湾でイギリス艦隊の攻撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船4,'23、写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−２６戦車シリーズ＞：ソ連陸軍の戦車。ヴィッカーズ６トンMk.E戦車をライセンス生産したもので、1931年2月に採用された。参考：月刊PANZER2,’12、8,’03

　＜Ｔ−２６初期型＞：1931年型、TMM-1ともいう。銃塔２基に7.62mm機銃DT（6000発。右に12.7mm機銃DSh、左に7.62mm機銃DT？）を装備する。全長4.62m、全幅2.41m、全高2.08m、全備重量8.6トン。装甲厚は車体13mm、銃塔13mm。エンジンはGAZ T-26（91馬力）、最大速度32km、航続距離160km。乗員３名。参考：月刊PANZER2,’12、8,’03

　＜Ｔ−２６小隊指揮官車＞：TMM-2ともいう。初期型の右砲塔に37mm対戦車砲SH18を装備したもの。1932年に少数が生産された。参考：月刊PANZER2,’12、8,’03

　＜Ｔ−２６単一砲塔型＞：1933年に登場したので1933年型ともいう。単一砲塔型で、初期生産型は45口径37mm戦車砲M1930（100発）を搭載していたが、すぐに46口径45mm戦車砲M1932（92発）に換装した。副武装は7.62mm機銃DT（3000発）。5000両以上が生産された。スペイン内戦で初実戦投入され、第２次大戦初期まで使用されている。参考：月刊PANZER2,’12、8,’03

　＜Ｔ−２６Ｂ２＞：B1の装甲強化型。装甲厚は車体前面13-16mm・砲塔前面10-15mmとなり、車体の一部を溶接構造にしている。戦闘重量9.6トン。主砲は46口径45mm戦車砲M1932で、同軸に7.62mm機銃DT１丁を備える。エンジンはGAZT26ガソリン（88馬力）、最大速度28km。乗員３名。1930年代後半に量産された。参考：月刊PANZER1,’04

　＜Ｔ−２６Ｂ２後期型＞：砲塔をT-26Cのものに改めたもの。参考：月刊PANZER1,’04

　＜Ｔ−２６Ｂ２Ｖ＞：B2の砲塔周囲に鉢巻型無線アンテナを取り付けたもの。参考：月刊PANZER1,’04

　＜Ｔ−２６Ｃ＞：車体を全溶接式とし、戦闘室と砲塔に避弾経始を取り入れたもの。装甲も強化し、戦闘重量が10.3トンに増加した。無線機を標準装備し、砲塔のピストルポートの位置をそれまでより下に変更している。参考：月刊PANZER1,’04

　＜Ｔ−２６Ｓ＞：1937年に採用されたので1937年型ともいう。砲塔形状を円錐台形にし、溶接を多用、装甲を強化したもの。砲塔後部にボールマウント式対空機銃架が追加されている。主砲装弾数は165発になった。参考：月刊PANZER2,’12、月刊グランドパワー1,’04

　＜Ｔ−２６（１９３９年型）＞：スペイン内戦やソ連・満州国境紛争などの戦訓を取り入れたもの。砲塔形状を改良して避弾経始の効果を増した。後期型では主砲安定化装置を装備している。全長4.62m、全幅2.44m、全高2.41m、全備重量10.3トン。主砲は46口径45mm戦車砲１門（165発）、7.62mm機銃２丁（3654発）。装甲厚は車体16mm、砲塔25mm。エンジンはGAZ T-26（95馬力）、最大速度30km、航続距離225km。乗員３名。参考：月刊PANZER2,’12

＜Ｔ−２６戦車ファミリー＞

　＜Ａ３９＞：歩兵直協型。主砲を76.2mm榴弾砲M1909に換装した。参考：月刊PANZER2,’12

　＜Ａ４３＞：AT-26を参照。

　＜ＡＴ−１＞：自走砲型。車体に76.2mm榴弾砲PS-3を搭載したもので、形状は�V号突撃砲に類似する。スペイン内戦を受けてレニングラード特殊車両工場で開発されたが、先進的で理解されず、ヴォロシーロフ工場で1936年までに10両が生産されたに止まった。参考：月刊PANZER2,’12、4,’93

　＜ＡＴ−２６＞：歩兵直協型で、当初はA43という名称だった。砲塔をBT-7Aと同じものに換装し、76.2mm榴弾砲M1909を搭載している。1934年までに少数が生産された。参考：月刊PANZER2,’12

　＜Ｍ　ＫｈＴ−２６＞：自走迫撃砲型。双砲塔型の左砲塔に107mm焼夷迫撃砲KhM31を搭載している。第６機械化旅団で６両が改造された。参考：月刊PANZER2,’12

　＜ＯＴ−２６＞：火炎放射戦車型で、最初はKhT-26という名称だった。T-26初期型の右砲塔に火炎放射器（射程35m）を搭載したもの。燃料タンクは車内にある。すぐに左の砲塔を外して車内燃料タンクを大型化したものが登場した。1932-35年に602両が生産された。参考：月刊PANZER2,’12、月刊グランドパワー1,’04、異形戦車ものしり大百科

　＜ＯＴ−１３０＞：T-26単一砲塔型の戦車砲を外して1933年型または1938年型火炎放射器KS25を搭載したもの。後者の場合、燃料タンク容量380リットルで、６秒の放射を40回行えた。射程45-50mで、加圧装置を用いると100mまで届く。砲塔は右にオフセットされている。1936-38年に403両が生産されて冬戦争に投入された他、独ソ戦初期にも使用され、1942年に退役した。参考：月刊グランドパワー1,’04、月刊PANZER2,’12、異形戦車ものしり大百科

　＜ＯＴ−１３３＞：T-26B2（T-26S？）にOT-130と同様の改修を施したもの。一部に車体・砲塔前面に装甲板を追加したものがある。1937-40年に182両が生産された。参考：月刊PANZER2,’12、月刊グランドパワー1,’04、異形戦車ものしり大百科

　＜ＳＴ−２６＞：架橋戦車型。長さ7.35mの戦車橋を搭載しており、３分で設営できる。1932年から65両が生産され、冬戦争に投入された。参考：月刊PANZER2,’12

＜ＳＵ−１＞：試作自走砲型。砲塔を外してケースメイト式密閉戦闘室を設け、76.2mm師団砲M1917を装備する。ボリシェビキ工場で製作されたが、AT-26に負けて採用されなかった。参考：月刊PANZER2,’12

＜ＳＵ−５−１＞：自走砲型。SU-1の密閉戦闘室を外し、76.2mm師団砲M1902/30を搭載して簡易防楯を付けた。1934年に15両が生産された。参考：月刊PANZER2,’12

＜ＳＵ−５−２＞：自走砲型。SU-5-1の主砲を122mm榴弾砲M1910/30に換装したものである。1937年に15両が生産された。参考：月刊PANZER2,’12

＜ＳＵ−５−３＞：自走砲型。SU-5-1の主砲を152mm榴弾砲M1931に換装したものである。1934年に15両が生産された。参考：月刊PANZER2,’12

＜ＳＵ−６＞：自走高射砲型。砲塔を外してオープントップの戦闘室を設け、76.2mm高射砲ZK1932を搭載している。反動が強烈なので足回りを強化した。参考：月刊PANZER2,’12

　＜Ｔ−２６指揮戦車＞：指揮戦車型。無線機を搭載し、フレームアンテナを装備する。T-26初期型と小隊指揮官車では車体側面上部にアンテナがあるが、単一砲塔型では砲塔側面上部にぐるりと渡されている。参考：月刊PANZER2,’12

　＜Ｔ−２６自走砲（キーロフスキー工場）＞：自走砲型。砲塔を外し、防楯付きの全周旋回可能なマウントに76.2mm榴弾砲M1927/30を搭載している。11両が生産され、包囲下のレニングラードで使用された。参考：月刊PANZER11,’00

　＜Ｔ−２６−ＴＳ＞：砲塔を外して燃料運搬車としたもの。量産化された。参考：月刊PANZER2,’12

　＜Ｔ−１３４＞：火炎放射戦車型。T-26Eの車体に火炎放射器を搭載したもので、主砲はそのまま載せてある。1941年に少数が改造されたらしい。参考：月刊グランドパワー1,’04

＜ＴＲ−４＞：兵員輸送車型。砲塔を外して戦闘室を箱型兵員室に改造している。採用されなかった。参考：月刊PANZER2,’12

＜ＴＲ４−１＞：TR-4の弾薬輸送車型。こちらは採用された。参考：月刊PANZER2,’12

　＜ＴＴ−２６＞：無線操縦式火炎放射戦車型、別名TU-26。1935-38年に35両が生産されて冬戦争に投入されたが、あまり使えなかったようで、本格生産には至らなかった。

　＜潜水戦車＞：潜水戦車型。砲塔上部に伸縮式キャンパスとシュノーケルを付け、車体各部に防水処理を施して水深3mまでの河川を1kmにわたり行動できるようにしている。5mまで潜れる改良型も製作された。参考：月刊PANZER2,’12

　＜無反動砲搭載型＞：主砲を76.2mm無反動砲Bpkに換装したもの。設計主任が処刑されて開発中止になった。参考：月刊PANZER2,’12

＜Ｔ−２６戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−２６Ｃ　７４０（ｒ）＞：ドイツ国防軍戦車。T-26Cを第２次大戦で鹵獲して使用したものである。参考：ジャーマンタンクス

　＜Ｔ−２６Ｅ＞：フィンランド陸軍戦車。1938-39年にはヴィッカーズ６トン戦車を39両購入して既に配備していたが、冬戦争でソ連から鹵獲したものと合わせてこの名称に変更し、1959年まで使用した。参考：月刊丸12,’92

　＜Ｔ−２６単一砲塔型（国民政府軍）＞：国民政府軍戦車。ソ連軍事顧問団を受け入れるのと同時に88両を輸入し、機械化師団の第200師団に配備した。参考：日本戦車隊戦史

＜Ｔ−２６戦車・海外ファミリー＞

　＜Ｔ−２６自走砲（ドイツ陸軍）＞：ドイツ陸軍試作自走砲、制式名称7.5cmPak97/98 auf Beute Panzer T-26。第２次大戦で鹵獲したT-26の砲塔を外してフランスの1897年式75mm野砲を防楯ごと載せたものである。1943年に試作された。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｔ−２７＞：EMB-312（練習機）またはM5軽戦車ファミリー（試作自走迫撃砲）を参照。

＜Ｔ２７試作中迫撃砲＞：アメリカ軍試作81mm迫撃砲。M4中迫撃砲の短砲身型で、第２次大戦後に少数生産された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ−２７水雷艇＞：ドイツ海軍T-22級水雷艇。1944年4月29日、イギリス海峡で交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−２７タンケトカ＞：ソ連陸軍豆戦車。1930年に26両輸入したカーデンロイド軽装甲車Mk.�Yを、改良してライセンス生産したものである。車体後部を延長して上部構造の幅も広げ、ボギーを１組追加して転輪を片側６枚に増やした。機銃は7.62mm機銃DT、エンジンはGAZ-AAガソリン（40馬力）に換装している。TB-1またはTB-3の爆弾倉に収容することができ、空挺作戦にも投入可能。1933年までに3328両が生産され、各種装備・補給品の牽引に用いられた他、中央アジアでは対テロ作戦に投入され、1930年代末に前線部隊から引き上げられて一部は実験車両として使用された。参考：月刊丸6,’01、月刊グランドパワー10,’00別冊

＜Ｔ−２７タンケトカ・ファミリー＞

　＜ＯＴ−２７＞：火炎放射戦車型。機銃の代わりに射程25mの火炎放射器を搭載したもの。燃料と圧縮空気ボンベは車内に収容する。146両が生産された。参考：月刊丸6,’01

　＜自走砲型＞：自走砲型。76.2mm砲を搭載した。参考：月刊丸6,’01

　＜自走無反動砲型＞：自走無反動砲型。車体前部に76.2mm無反動砲を搭載する。1933年に騎兵部隊支援用として試作されたが、肝心の無反動砲の開発が上手くいかず、量産はされなかった。参考：月刊丸6,’01

　＜突撃砲型＞：突撃砲型。37mm砲を前方固定式に搭載する。２種類が試作された。参考：月刊丸6,’01

＜Ｔ２７ロケットランチャー＞：アメリカ軍のM8ロケット弾用８連装ランチャー。地上設置の他、トラックなどに車載できる。1944-45年に912基が生産された。参考：月刊グランドパワー4,’98、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜Ｔ２７Ｅ１＞：M5軽戦車ファミリー（試作自走迫撃砲）を参照。

＜Ｔ２８＞：M15シリーズ（対空車両）を参照。

＜Ｔ２８試作戦車＞：アメリカ陸軍試作戦車、別名T28/95またはT95。ジークフリートライン（大西洋の壁）突破のために製作された突撃戦車である。1943年9月、兵器局が強力な要塞化拠点やあらゆる敵戦車を撃破できる戦車としてT28重戦車（Heavy Tank T28）の名称で提案したのが始まりで、T23中戦車のシャシーと機関系を流用し、最大８インチ（203mm）の装甲を持ち、105mm高初速砲T5E1を搭載する予定だった。1944年4月、陸軍がT95戦車の名称で開発を決定したが、T23の電気式トランスミッションが信頼性に欠けたため、これは変更することにし、パシフィック・カー・アンド・ファウンドリーで５両を試作することになった。試作中の1945年3月、主砲を砲塔でなく車体に固定式で積むことにし、T95自走砲（105mm Gun Motor Carriage T95）と名称変更されている。8月に太平洋戦争が終結したため、製作数が２両に減らされ、9月に初号車が完成した。２両目はテスト走行中に火災を起こして全損している。1946年6月にT28自走砲と名称変更されてテストが継続されていたが、鈍重で使い勝手が悪く、同じ主砲を積むT29試作重戦車の方が有用で必要性が無くなり、1947年10月に開発中止された。車体はT26試作戦車を流用した鋳造製のもので、亀の甲羅のような上部構造物（戦闘室）が載る。主砲は67口径105mm砲T5E1で、厚さ12インチ（305mm）のお椀型防楯を持ち、戦闘室左寄りに固定式に搭載する。射界左右10度ずつ、俯仰角マイナス50度からプラス19.5度（マイナス５度からプラス20度？）。弾薬は分離装薬式で、装弾数62発。戦闘室後部にジブ・クレーンがあり、戦闘室に弾薬を補給する際に使用する。砲手席の直上にM10E3照準ペリスコープ、主砲の右にT139直接照準器を装備する。副武装は車長用キューポラ上のリングマウントに装着した対空用12.7mm重機関銃M2（660発）。サスペンションはM4A3E8の流用（HVSS）で、履帯長を車体長の1.5倍にして接地圧を減らすようにしたが、それでも地面にめり込んで動けなくなったので、履帯を二重にした。転輪やサスペンション・ユニットも二重であり、下部転輪ボギーは片側あたり４基二重の計８基、下部転輪はダブルタイプでボギー１基あたり２組なので、左右計32組64枚もある。鉄道輸送時には外側の履帯、転輪、サスペンションを車体上部に小型クレーンを装着して取り外す。また、狭い所を通る時には外した履帯グループを纏めて自分で引っ張っていくこともできる。エンジンはM26と同じで、トランスミッションはM26のものをギヤ比を落として利用しており、起動輪は後部にある。全長36フィート６インチ（11.13m）、車体長24フィート７インチ（7.59m）、全幅14フィート５インチ（4.39m）／13フィート11インチ（4.24m。外側履帯グループ無し）、全高９フィート４インチ（2.84m）、戦闘重量190000ポンド（86.2トン）。装甲厚は戦闘室前面305mm、車体前面133mm、主砲防楯292mm、戦闘室側面64mm、車体側面51mm、スカート101mm、車体後部51mm、上面38mm、底面25mm。エンジンはフォードGAF液冷60度Ｖ型８気筒ガソリン（410馬力）、最大速度13km（計画）／11.2km（実測）、航続距離161km。乗員８名（車長、操縦手、副操縦手、砲要員５名。計４名？）。初号車はケンタッキー州のパットン・ミュージアムに展示されているが、重すぎて下のコンクリートが割れている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER7,’04、月刊JWings12,’01、異形戦車ものしり大百科

＜Ｔ−２８水雷艇＞：ドイツ海軍T-22級水雷艇。1944年6月6日夜と7日夜、第５水雷艇隊の一員として水雷艇メーヴェ、水雷艇ヤグアルと共にル・アーブルから出撃し、オーバーロード作戦中の連合軍艦艇を攻撃、ノルウェー駆逐艦スヴェンナーを共同撃沈した。戦後はフランスに引き渡され、ル・ローレインとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦、月刊世界の艦船9,’23

＜Ｔ−２８中戦車シリーズ＞：ソ連陸軍の中戦車。イギリスのインディペンデント多砲塔戦車をライセンス生産しようとしたが、叶わなかったため、1931年から独自に開発し、1932年5月に試作車が完成、同年から生産され、1933年から配備された。1939年のポーランド侵攻作戦とフィンランド戦役（冬戦争）に参加している。冬戦争では２両がフィンランド軍に鹵獲され、1941年からの継続戦争でソ連に対し攻撃を仕掛けた。参考：月刊グランドパワー7,’02、月刊PANZER8,’02

　＜Ｔ−２８中戦車＞：車体は均質圧延鋼板の全溶接構造。車体前部両側にボールマウント式7.62mm機銃DTを搭載した小型１名用銃塔を１基ずつ配置している。銃塔前面やや右寄りにボールマウント、両側面に防弾ガラス入り視察スリットとピストルポートがある。旋回角は左右計165度。車体前部中央上部（銃塔の間）に操縦手が入る装甲ボックスがあり、スリット付き開閉式バイザーが付く。車体中央が戦闘室で、砲塔が載る。車体の後ろ半分は機関室で、大型のエンジンとラジエーター、冷却ファン、操向装置、燃料タンクなどを収めている。転輪は小型ダブルタイプで、ゴム付きのものとスチールリムのみのものがあり、後者は機関室直下の２輪（後ろのボギーの最前部）に採用された。下部転輪は２個１組でコイル・スプリング内蔵の垂直配置緩衝シリンダーとバランサーに装着され、３組ずつバーで組み合わされてボギーを構成し、これを片側あたり２組ずつ装備する。ボギーは厚さ10mmの装甲カバーで覆われた。最終減速ギアを内蔵した起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は片側４個。履帯は片側119枚で、クロム・ニッケル鋼の精密鋳造式（寿命1000km）。フェンダー側面にはTDP-3煙幕展張装置を収める箱が配置された。車内通話用にTPU-6有線式通話装置を装備しており、乗員は喉頭部を挟んでマイクをあてる喉仏式マイクを装備したレシーバー付き戦車帽を被る。砲塔は全溶接製で、視察用スリットやピストルポートが各所に設けられており、16.5口径76.2mm戦車砲KT-28（69発）、その右にボールマウント式7.62mm機銃DT１丁、後部にボールマウント式7.62mm機銃DT１丁を装備する。搭載機銃弾数は銃砲塔計7938発（ドラム弾倉126個）。砲塔前部左右に円筒形マウント（先端に開閉式キャップが付く）があり、TOP(M1930)／PT-1（M1932）潜望鏡式視察・照準装置を搭載する。砲塔上面中央には五芒星がプレス成形してあるが、特に対空識別用とかでは無かったらしい。砲塔上面ハッチは前開きの大きな一枚板。砲塔駆動は手動ハンドル。砲塔内には主砲の右に車長、左に砲塔指揮官、砲尾の後ろに無線通信手兼装填手が位置する。全長7.36m、全幅2.87m、全高2.62m、重量25.2トン。装甲厚は車体前面30mm、側後面20mm、機関室上面10mm、後部ルーバー8mm、操縦席上面・車体下面15mm、車体下面前端18mm、主砲塔防楯・前側面20mm、機銃ボールマウント30mm、上面15mm、車体銃塔前面22mm、側面20mm、上面10mm。エンジンはM-17Lガソリン（500馬力）、最大速度42km、航続距離180km。乗員６名。1933年後期から、砲塔バスル後面に機銃マウントを装備、71-TK無線機を搭載。1934年から、機関室後部にルーバーが設けられた。1935年から、無線機を71-TK-2とし、砲塔周囲にフレームアンテナを装備。1936年から、砲塔ハッチが右の前開き縦長ハッチと左の7.62mm機銃DT用回転式対空マウントP-40付き円形ハッチの２つに分かれ、機関室後部の上面ルーバーが前後分割となり、後ろのボギーの真ん中の２輪もスチールリム製になった。無線機はノイズの入りにくい71-TK-3に変更している。1936年末からは、砲塔・車体が溶接とリベットの併用となり、表面硬化鋼が使用された。1937年から、履帯が寿命2000kmの打ち抜き製造式となり、後部ルーバーが左右開きになった。1937年半ば頃から、主砲を76.2mm砲L-10に変更した。これは再整備車両にも搭載されている。1939年からは、再び砲塔・車体が圧延鋼板の溶接のみとなり、主砲塔周囲の71-TK-3無線機用フレームアンテナがロッドアンテナに変更された（部隊指揮官車はそのまま）。1939年末からは主砲塔の視察・照準装置を厚めの回転式装甲マウント内に装備するようになった。1940年新規生産の13両は、主砲塔が傾斜装甲付きのT-35と同じものに変更された。参考：月刊グランドパワー7,’02、5,’02、月刊PANZER8,’02

　＜Ｔ−２８Ｅ中戦車＞：装甲強化型。フィンランド戦の戦訓を基に開発した。主砲塔周囲に30mm、銃塔前面に30mm、側面に20mm、後部に15mm、車体前面下部に20mm、操縦席前面に30mm、車体側面に20mm、機関室後部に15mmの増加装甲を追加している。1940年1月1日からキーロフ工場で改修され、90両以上がこのタイプとなった。重量が４トン強増加したが、機関系はそのままのため、機動力が更に低下している。参考：月刊グランドパワー7,’02、月刊PANZER8,’02

＜Ｔ−２８中戦車ファミリー＞

　＜ＩＴ−２８＞：戦車橋型。砲塔を外して車体上部を再設計、全長13m・通過能力50トンの戦車橋を搭載している。３分で架橋可能。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜Ｔ−２８練習機シリーズ＞：アメリカ空海軍レシプロ練習機、別名トロージャン（Trojan、トロイア人）。AT-6練習機の後継としてノースアメリカン社が開発し、1949-57年に1984機が生産された。参考：月刊JWings5,’19、5,’14、空軍

　＜ＸＴ−２８＞：試作機で、1949年9月24日に初飛行した。量産型よりキャノピーが大きく、スピードブレーキを持つ。参考：月刊JWings5,’19

　＜Ｔ−２８Ａ＞：空軍型。潤滑油冷却器は前脚を避けて機首左寄りに装着した。主翼は低翼配置の直線翼で、下面に左右１カ所ずつのハードポイントを持つ。降着装置は前輪式引き込み脚で、前脚は後方引き込み式、主脚は主翼下面に取り付けられており、内側に引き込んで主輪が胴体下面に収まる。試作機にあったスピードブレーキは撤去された。全長10.06m、翼スパン12.22m、自重2.318トン、通常離陸重量2.887トン、最大離陸重量3.066トン。翼面積24.9平方メートル。エンジンはライトR-1300-R-1サイクロン７空冷星型ガソリン（800馬力）単発、プロペラはエアプロダクツ製２翅、最大速度463km（高度1798m）。乗員２名（タンデム複座）。1950年6月から1194機が引き渡された。1952-58年に321機がT-28Dに改造されている。空軍使用機のジェット化に伴い、T-37に後を譲って1960年に退役した。参考：月刊JWings5,’19、空軍、月刊航空ファン5,’19

　＜Ｔ−２８Ｂ＞：海軍の陸上練習機型。エンジンをライトR-1820サイクロン９（出力1425馬力）に強化した。89機が生産され、1980年代初めまで使用された。参考：月刊JWings5,’19

　＜Ｔ−２８Ｃ＞：海軍の発着艦練習機型。降着装置を強化し、アレスティング・フックを追加、プロペラ直径を0.23m縮めて着艦時に飛行甲板に擦らないようにした。266機が生産され、1980年代初めまで使用された。参考：月刊JWings5,’19

　＜Ｔ−２８Ｄ＞：空軍の軽攻撃／COIN機、別名ノーマッド（遊牧民）。T-28Aからの改造で、パシフィック・エアモーティブ社が担当した。主翼下面ハードポイントを片側３カ所ずつに増やしており、容量は最内側Sta.3/4が500ポンド・227kg、中央Sta.2/5が250ポンド・113kg、外側Sta.1/6が150ポンド（68kg）で、127mmロケット弾、70mmロケット弾７連装ポッド、9kg破片爆弾６連装ポッド、1.8kg破片爆弾24連装ポッド、45kgナパーム弾、12.7mmガンポッド（100発。Sta.3/4のみ）などを搭載可能。1952-58年に311機が改造された。ベトナム戦争に投入されたが、対空砲火による損害が続出し、A-1スカイレイダー攻撃機などに後を譲った。他に72機が改造されてタイ、南ベトナム、ラオス、中南米に供与されている。参考：月刊JWings5,’19、空軍

　＜Ｔ−２８ＤノーマッドＭｋ�T＞：R-1820-56Sエンジン搭載型。全長9.75m、全幅12.37m、自重3088kg、総重量5488kg。翼面積24.9平方メートル。エンジンはR-1820-56S（1425馬力）単発で、巡航速度180ノット、最大速度288ノット、戦闘行動半径425海里（最大兵装）／50海里（最大兵装・３時間滞空）、航続距離1500海里。固定武装は主翼の12.7mm機銃（315発）２丁。兵装搭載量816kg（1587kg？）。乗員２名。参考：空軍、月刊JWings5,’19

　＜Ｔ−２８ＤノーマッドＭｋ�U＞：R-1820-76Sエンジン（1425馬力）搭載型。参考：月刊JWings5,’19

　＜Ｔ−２８ＤノーマッドＭｋ�V＞：R-1720-80エンジン（1535馬力）搭載型。参考：月刊JWings5,’19

　＜ＹＡＴ−２８Ｅ＞：試作COIN機。ノースアメリカン社が提案し、1962年9月にアメリカ空軍が試作発注を出した。エンジンをターボプロップに換装して機首左側面に排気管を設け、主翼下面ハードポイントを12カ所に増やして翼端にAIM-9空対空ミサイルも装備できるようにし、最内側ハードポイントの更に内側にガンポッドを１基取り付けた。自重3.211トン、最大離陸重量7.044トン。エンジンはライカミング社製YT55-L-9ターボプロップ（2445馬力）単発、プロペラは４翅、経済巡航速度333km、最大巡航速度444km、最大速度579km、海面上昇率毎分1564m、フェリー航続距離442km。初号機は1963年2月15日に初飛行したが、3月27日にフラットスピンを起こして墜落し、パイロットが死亡した。それでも増加試作機２機の製作が決まり、前席をLW-2射出座席として尾翼周辺の構造強度を250%増やし垂直尾翼を増積して1963年11月15日に増加試作初号機（通算２号機）が初飛行した。増加試作２号機（通算３号機）は後席もLW-2射出座席にして1964年6月30日に初飛行している。射出座席搭載でキャノピー形状を変更した結果、キャノピー後流で安定性が劣化することが判明し、垂直尾翼を更に増積することになったが、既にOV-10Aの開発が進められており、こちらは1964年8月に開発中止にされた。参考：月刊JWings5,’19

＜Ｔ−２８練習機・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−２８Ａ（韓国空軍）＞：韓国空軍練習機。T-6練習機の後継として1960年から27機を運用した。1982年からは近接航空支援任務にも就いている。1989年に退役した。参考：月刊航空ファン3,’19

＜Ｔ−２８Ｂ（航空自衛隊）＞：空自T-6練習機の後継として売り込むために三菱重工がT-28B練習機１機を輸入したが、国産練習機（T-1練習機シリーズ）を導入することになったため、空自が1956年に購入して実験航空隊で1957年度から研究データ取りや機上装備品テストベッドに使用した。1962年には第501飛行隊に移り、機体後部にカメラを積んで偵察訓練機（兼連絡機）としても運用されている。全長10.45m、全幅12.37m、全高3.84m、最大離陸重量3640kg。エンジンはライトR-1820空冷星型レシプロ（1424馬力）単発、最大速度554km、航続距離1695km。乗員２名。1963年7月3日にエンジントラブルによるハードランディングを起こし、1964年に退役した。熊谷基地で教材として使用され、浜松基地で展示機となり、現在は空自浜松広報館に展示されている。参考：月刊JWings5,’14、5,’19、4,’20、4,'24、月刊丸5,’07、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜Ｔ−２８Ｄ（南ベトナム空軍）＞：南ベトナム空軍COIN機。1961年11月に30機が引き渡された。北ベトナム軍の対空砲火が激しくなると練習機に回されている。参考：月刊JWings5,’19

＜啄木鳥式教練機＞：台湾空軍練習機。T-28Aを導入したものである。台湾航空教育展示館に展示されているが、解説板では名称が木馬式教練機になっている。参考：月刊航空ファン8,’09、6,’16

＜Ｔ−２８練習機・海外ファミリー＞

　＜Ｔ−２８Ｓ（フランス軍）＞：フェネックを参照。

　＜フェネック（アルゼンチン軍）＞：アルゼンチン軍COIN機。フランス軍の中古機65機を導入した。T-28Cからの改造機が含まれており、空母で運用している。参考：月刊JWings5,’19

　＜フェネック（フランス軍）＞：フランス軍COIN機、別名T-28S（Ｓはスーパーチャージャーの頭文字）。アルジェリア戦争向けで、当初アメリカ海軍から中古機を導入しようとしたが余裕が無いと断られ、アメリカ空軍の退役T-28A（一部T-28B/C）を入手し、1958年からシュド社で改造した。主翼下にハードポイント６カ所を設け、装甲を追加、エンジンをB-17から外したR-1820（出力1425馬力）に換装している。148機が配備された。アルジェリア戦争が終わるとアルゼンチンやモロッコなどに売却された。参考：月刊JWings5,’19

＜Ｔ２８／９５＞：T28（試作戦車）を参照。

＜Ｔ２８Ｅ１＞：M15シリーズ（対空車両）を参照。

＜Ｔ２９＞：M5軽戦車ファミリー（試作自走迫撃砲）を参照。

＜Ｔ２９重戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作重戦車Heavy Tank T29。1944年3月にM26E3パーシングを上回る火力と装甲を持ち、ティーガー�Uに対抗できる重戦車としてプレスド・スチール・カー社で開発が始まり、途中でクライスラー社が引き継いだ。1944年9月に試作車の製作を決定、1945年2月には対日戦でバンカーや洞窟陣地を破壊するのに重戦車が必要という意見が参謀本部から出され、4月に限定制式化されて4月12日に量産型1152両が発注された。4月末には４両の試作車が追加発注されたが、陸軍地上軍の方では大型で重すぎるとして配備に消極的であり、8月には太平洋戦争も終わってしまったので量産はキャンセルされ、試作車10両のみ作ることになり、8月20日に試作初号車が完成した。1947年には発注数が８両に減らされ、同年中に全て完成してテストにのみ使用されている。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER4,’04、5,’13、M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２９（試作１・２号車）＞：車体前部左に操縦手、右に副操縦手兼機銃手が乗り、両方に操縦装置がある。操縦手・副操縦手ともハッチにはM13ペリスコープが付く。車体前部右にボールマウント式7.62mm機銃（2420発）を装備する。車体中央が戦闘室で砲塔が載り、後部が機関室で動力系を収容する。エンジンは操向装置やブレーキと一体化されてパワーパックを構成していた。下部転輪はダブルタイプ片側８組、上部転輪は片側７枚、前部に誘導輪、後部に起動輪を持つ。サスペンションはトーションバー式。履帯はM26のT80E1にエンドコネクターを付けて幅711mm（ピッチは152mm）としたT80E3。丈の短いスカートを装着している。砲塔は鋳造製で大型で前後に長く、車長と砲手に加え装填手が２名乗る。主砲は65口径105mm試作戦車砲T5E1で、ダブルバッフル式マズルブレーキ付き。俯仰角マイナス10度からプラス15度。弾薬は分離装薬式で、63発を収容する。車長用キューポラにはM15ペリスコープを装着したハッチがあり、他に装填手用ハッチも設けられている。照準器は砲の右にあるT143E1直接照準器と、砲塔上面のM10E5照準ペリスコープ。主砲左には12.7mm同軸機銃２丁が上下に並んでおり、砲塔上部にも12.7mm対空機銃用マウントがある。12.7mm機銃弾数は計2500発。車体長25フィート（7.62m）、全幅12.5フィート（3.81m）、全高10フィート７インチ（3.23m）、車重58.968トン、戦闘重量62.597トン。装甲厚は車体前面上部102mm（54度）、前面下部70mm（58度）、側面前部76mm、側面後部51mm、後面上部51mm、後面下部19mm、上面25mm、主砲防楯203-279mm、砲塔前面178mm（90度）、側面127mm、後面102mm、上面38mm。エンジンはフォードGAC水冷４サイクル12気筒90度Ｖ型OHCガソリン（650馬力）、トランスミッションはEX-120クロスドライブ、最大速度18.5マイル（29.8km）。乗員６名。後にエンジンをアリソンGMC液冷V12ガソリン（750馬力）に、トランスミッションをCD-850-1クロスドライブ（前進２段・後進１段）に換装した。更に試験中にトランスミッションをCD-850-2に換えている。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER4,’04、5,’13、M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ２９試作３−７号車＞：主砲をT5E2に換装しており、試験中にトランスミッションをCD-850-2に換えた。参考：月刊グランドパワー3,’05

　＜Ｔ２９Ｅ１＞：T29試作初号車のエンジンをアリソン社製航空機用V-1710-E32液冷Ｖ型12気筒ガソリン（850馬力）に換装したもの。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER4,’04、5,’13

　＜Ｔ２９Ｅ２＞：T29試作２号車の砲塔を重戦車砲塔T5に換え、弾道コンピュータ付きMIT型動力式２軸安定化装置を導入し、主砲をT5E2に換装したもの。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER4,’04、5,’13

　＜Ｔ２９Ｅ３＞：試作８号車。T29試作１・２号車と同じ車体・砲塔にT31E1測距器とT93E2望遠照準器を装備する。しかし測距器を収める巨大な張り出しを砲塔両側面に装備したため、そこが弱点となってしまった。砲手用ペリスコープをT141とT144に、砲塔上面のペリスコープをT145パノラマ式望遠ペリスコープに換装した。主砲のマズルブレーキは、発射炎が測距器の機能を妨げるので廃止されている。戦闘重量64.8トン、最大維持速度35km。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER4,’04

＜Ｔ−２９水雷艇＞：ドイツ海軍T-22級水雷艇。1944年4月29日、イギリス海峡で交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ２９中戦車＞：ソ連陸軍試作中戦車。T-28中戦車の機動力を改善するため、クリスティー型サスペンションと装軌・装輪併用走行システムを搭載したもの。主砲は76.2mm砲で、機動力も高く、防御力不足で採用はされなかったものの、T-34に繋がる重要なステップとなった。参考：月刊PANZER1,’98

＜Ｔ３０＞：M3ハーフトラック・ファミリー（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｔ３０試作重戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作重戦車Heavy Tank T30。T29試作重戦車と同じ計画で同時期に開発された火力支援型である。1945年4月に限定制式化されたが、必要以上の重装甲なのに榴弾しか撃てないので使い勝手が悪く、試作のみに終わった。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER5,’13、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３０＞：車体はT29そのままに、エンジンをAV-1790-3としている。砲塔も基本的にT29と同じで、主砲をシングルバッフル式マズルブレーキ付き41口径155mm試作戦車砲T7に換装した。使用弾は分離装薬式榴弾のみで、砲塔内即応弾16発と車体底部予備弾18発を搭載、動力装填機と動力ホイストを装備する。発射ガスが砲塔内に籠もらないよう、強力なベンチレーターを搭載した。同軸機銃は１丁に減らしている。全長10.89m、全幅3.8m、全高3.22m、戦闘重量64.7トン。エンジンはコンチネンタル社製AV-1790-3空冷12気筒Ｖ型ガソリン（704馬力）、トランスミッションはアリソン製CD850H3クロスドライブ（前進２段・後進１段）、最大速度35km、航続距離160km。副武装は12.7mm機銃M2が２丁（同軸と対空。2500発）、7.62mm機銃M1919A4が１丁（車体前部。2200発）。装甲厚は車体前面70-102mm、側面51-76mm、砲塔前面178mm、側面127mm。乗員６名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手２名）。30両がプレスド・スチール・カー社に発注されたが、契約変更でクライスラー社が12両を製作した。参考：月刊PANZER5,’13、月刊グランドパワー3,’05、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３０Ｅ１＞：主砲を120mm戦車砲（初速毎秒945m、最大射程25832m）に換装したもの。主砲弾は分離装薬式で、重量45.4kgもあるため、油圧式動力装填装置を追加した。徹甲弾と榴弾の弾種指示装置も用意されている。発射速度毎分10発。砲塔後面下部に小円形のハッチを追加した。１両のみ製作された。参考：月刊PANZER5,’13、月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ３０水雷艇＞：ドイツ海軍T-22級水雷艇。1944年8月18日、フィンランド湾で触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ３０弾薬輸送車＞：アメリカ陸軍の弾薬輸送車Cargo Carrier, T30。155mm自走カノン砲M40または203mm自走榴弾砲M43の155mm/203mm弾薬と砲要員を運搬する輸送車で、M40と同じ車体（M43と同じ車体でもある）を使用する。1944年6月にM40と同数の304両が発注されたが、M40の生産が最優先とされたため12月にキャンセルされ、ごく少数しか完成しなかった。105mm/155mm/203mm/240mmの各種弾薬に対応するユニバーサル・ラックを搭載するタイプも考えられていたが、計画のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER4,’04

＜Ｔ３０浮航戦車シリーズ＞：ソ連陸軍試作偵察用軽戦車。T38浮航戦車の後継として1939年から開発された。参考：異形戦車ものしり大百科

　＜Ｔ３０＞：試作型。参考：異形戦車ものしり大百科

　＜Ｔ３０Ａ＞：試作水陸両用戦車型。車体は全溶接で、傾斜面で構成され、車体前面は波切りのため斜めに切り立っている。前部がトランスミッション、その後ろが操縦室、中央が戦闘室、後部が機関室で、戦闘室には左にオフセットして砲塔が搭載されている。武装は20mm機関砲１門、同軸機銃１丁。装甲厚15mm。T40として制式化された。参考：異形戦車ものしり大百科

　＜Ｔ３０Ｂ＞：浮航能力を省いたもの。T60として制式化された。参考：異形戦車ものしり大百科

＜Ｔ３０Ｅ１６＞：アメリカ軍90mm戦車砲T15E1用HVAP-T。初速毎秒1147m。射距離2300mでパンターの正面装甲を撃ち抜ける。参考：月刊PANZER1,’03

＜Ｔ３１＞：M5A2（ハーフトラック）またはM26戦車ファミリー（弾薬運搬車）を参照。

＜Ｔ３１機銃＞：アメリカ海軍４連装20mm機関砲。1944年に制式化された。砲身長70口径、砲口初速毎秒845m、最大射程4400m。発射速度は１門あたり毎分450発。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜Ｔ３１試作破壊戦車＞：アメリカ軍試作工兵用装甲車両Demolition Tank T31。1944年11月に工兵委員会と統合陸海軍試作試験委員会で工兵用装甲車両の試作が決定し、当初はT2工兵装甲車という名称だったが、その後の設計検討で1945年1月にこの名称でロケットランチャーメーカーのハインツ製造株式会社に４両が発注された。車体はHVSSサスペンション型M4A3（105mm砲）戦車を流用している。砲塔は背が高く、両側に半円筒形大型装甲バルジが付く。バルジからは180mmロケットランチャーT94が突き出しており、内部に予備ロケット弾５発を収容可能。砲塔前面はバルジよりも前に張り出していて、中央に105mm砲のダミー砲身、その下方左右にボールマウント式7.62mm機銃M1919A4を１丁ずつ装着する。つまり砲塔前面とバルジから計３本の太い筒と２本の細い機銃が飛び出す形状をしているので、見た目はかなり妙ちくりんである。砲塔後部には対空用12.7mm機銃M2も装備する。砲塔内に予備ロケット弾30発を収容できる。砲塔装甲厚63mm。後期型は砲塔後面アクセスドアにピストルポートを追加した。量産化はされなかった。参考：月刊PANZER5,’13、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ３１水雷艇＞：ドイツ海軍水雷艇。1944年6月15日（20日？）、フィンランド湾でソ連魚雷艇の攻撃を受けて（触雷して？）沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ３１Ｅ１＞：アメリカ軍試作ステレオ式測距器。基線長2.7m。T29E3試作重戦車に搭載された。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ３１型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第206号型ともいう。T23型魚雷艇に航空機用エンジンを搭載したタイプで、当初はT23型魚雷艇に分類されていたが、昭和18年12月4日に別形式となった。全長18m、全幅4.3m、吃水0.8m、排水量24トン。主機はイスパノスイザ式液冷ガソリン機関２基２軸900馬力、速力20ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九三式13mm機銃１丁。第206号魚雷艇、第207号魚雷艇、第208号魚雷艇、第209号魚雷艇、第210号魚雷艇、第211号魚雷艇、第212号魚雷艇、第219号魚雷艇、第230号魚雷艇、第231号魚雷艇、第232号魚雷艇、第233号魚雷艇、第234号魚雷艇の13隻が横須賀工廠で建造された。速力が低く実用性に劣ったため、昭和19年に雷艇と改称されて雑役船や内火艇（魚雷艇型）に編入されたが、３隻は昭和20年に第1109号魚雷艇、第1110号魚雷艇、第1111号魚雷艇として魚雷艇に復帰した。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ３２試作重戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作重装甲歩兵戦車、Heavy Tank T32 Series。M26戦車をM4A3E2みたいに重装甲化したものである。1945年2月8日に試作車４両がT32の名称でクライスラー社に発注されてT26E5から改造に入った。試作車の完成は第２次大戦終結後の1946年初めにずれこみ、制式化されなかった。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER5,’13、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３２＞：M26の車体を延長し、下部転輪を１組追加（上部転輪は片側６組）、車体前面に125mm厚・側面に75mm厚の鋳造装甲板を装着し、エンジンを強化した。主砲は70口径90mm戦車砲T15E2（54発）で、左に同軸7.62mm機銃M1919A4を備える。重量バランスを取るため、砲塔後面にカウンターウェイトを装着した。他の副武装は対空用12.7mm機銃M2（550発）が１丁と、車体7.62mm機銃M1919A4が１丁。7.62mm機銃弾搭載数5000発。全長10.83m、全幅3.77m、全高2.81m、戦闘重量54.4トン。装甲厚は車体前面95-127mm、側面76mm、主砲防楯298mm、砲塔前面298mm、側面152-197mm、後面152mm。エンジンはフォード製GAC液冷12気筒Ｖ型ガソリン（750馬力。650馬力？）、トランスミッションはEX-120クロスドライブ式、最大速度35.4km、航続距離120km。２両が製作された。参考：月刊PANZER5,’13、月刊グランドパワー3,’05、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３２Ｅ１＞：車体前面を圧延鋼板の溶接式に換え、車体のボールマウント式機銃を廃止し、旋回式ハッチを備えたもの。履帯はM26と同じものにエンドコネクターを付けて幅広にしたT80E3を使用している。２両が試作された。参考：月刊グランドパワー3,’05、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−３２水雷艇＞：ドイツ海軍T-22級水雷艇。1944年8月18日、フィンランド湾で触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−３２豆戦車＞：ユーゴスラビア軍豆戦車。チェコスロバキアのスコダ社が1935年に開発したS-I-dを輸入したものである。装軌式小型車体に固定式戦闘室を設け、前面中央にスコダ3.7cm対戦車砲A3とvz.30J機銃を装備する。エンジン出力60馬力、最大速度40km。戦闘室前面装甲厚20mm。1937年に８両を導入した。参考：月刊丸6,’01

＜Ｔ−３２輸送機＞：カーチス社の寝台輸送機、別名コンドル�U（Condor �U）。木金混合の複葉機で、降着装置は引き込み脚。乗客数12人。1933年1月30日に原型機が初飛行し、更に21機が生産されてイースタン・エアトランスポートやアメリカン航空に就航した。２機はYC-30としてアメリカ陸軍で就役し、アメリカ海軍とアメリカ海兵隊が１機ずつをR4C-1として購入、第２次大戦時にイギリスで就航していた４機はイギリス空軍が徴用した。参考：週刊エアクラフトNo.72

＜Ｔ−３２海外ファミリー＞

　＜ＢＴ−３２＞：爆撃機型。T-32のエンジンカウリングをタウネンド環からNACAカバーに換装し、可変ピッチプロペラを搭載したAT-32がベースである。全長15.09m、全幅24.99m、全高4.98m、自重5100kg、最大離陸重量7940kg。エンジンはライト社製SCR-1820-F3サイクロン星型（710馬力）双発、最大速度283km、実用上昇限度6705m、航続距離1352km。防御武装は機首、後部胴体上部、胴体両側面、腹部銃座の7.62mm旋回機銃計５丁。爆弾搭載量762kg。原型機含め８機が完成し、原型機は中国に、４機がペルーに、双フロート付きの水上爆撃機型３機がコロンビアに輸出された。参考：週刊エアクラフトNo.72

　＜ＣＴ−３２＞：胴体右側に貨物用ドアを付けたもの。３機がアルゼンチンに輸出された。参考：週刊エアクラフトNo.72

＜Ｔ３２型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第301号型ともいう。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量24トン。主機はイスパノスイザ式ガソリン機関２基２軸1000馬力、速力21.6ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九三式13mm機銃１丁。昭和18年に第301号魚雷艇、第302号魚雷艇、第303号魚雷艇、第304号魚雷艇、第305号魚雷艇、第306号魚雷艇、第307号魚雷艇、第308号魚雷艇、第309号魚雷艇、第310号魚雷艇、第311号魚雷艇、第312号魚雷艇、第313号魚雷艇、第314号魚雷艇、第315号魚雷艇が竣工した。速力が計画以下で、昭和19年3月に８隻が雑役船に編入されて雷艇になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ−３３＞：LVT-1水陸両用車シリーズ（水陸両用車）またはM4戦車ファミリー（火炎放射戦車）を参照。

＜Ｔ３３水雷艇＞：ドイツ海軍T22級水雷艇。1944年6月竣工。1946年にソ連に引き渡されてプリメルニイとなり、1960年頃に除籍された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−３３練習機シリーズ＞：アメリカ空海軍戦闘練習機、別名シューティングスター（Shooting star）、通称Ｔバード。P-80の練習機型としてロッキード社が自主開発し、TF-80Cの名称で1948年3月22日に初飛行した。1949年5月5日、128機を生産したところでT-33Aに改称されている。1959年8月までに5871機（5971機？）が生産され、他にRT-33Aが85機作られ、1058機が海外に供与された。ライセンス生産はカナデア社で656機、川崎重工で210機である。参考：アメリカ空軍の第一線機、ジェット戦闘機

　＜Ｔ−３３Ａ＞：P-80の機首を0.98m延長し、タンデム複座にした。固定武装を備えており、空中戦、射撃、急降下爆撃、地上援護などの訓練が行える。燃費が悪い、高々度で速度が出ないなどの欠点があった。全長11.48m、全幅11.85m、全高3.55m、自重3.667トン、標準総重量5.305トン、最大離陸重量6.551トン。エンジンはアリソン製J33-A-35（推力2.36トン）単発、最大速度520ノット、実用上昇限度14480m、燃料容量3085リットル、航続距離1100海里。固定武装は12.7mm機銃２丁。乗員２名。参考：アメリカ空軍の第一線機、ジェット戦闘機

　＜Ｔ−３３Ｂ＞：T2V-1を参照。

　＜Ｔ−１Ａ＞：T2V-1を参照。

　＜Ｔ２Ｖ−１＞：アメリカ海軍型、別名シースター。胴体を0.35m短縮し、主翼を0.91m延長、垂直尾翼を大型化し、着艦フックなどを装備して艦上機としている。離陸重量が2.1トン増加したが、エンジンをJ33-A-24（推力2.767トン）に換装し、最大速度はT-33Aを上回る（航続距離は下回る）。後にT-33Bと改称され、更に1962年10月にT-1Aと名称変更された。生産数27機。参考：月刊航空ファン6,’02、ジェット戦闘機

＜Ｔ−３３ファミリー＞

　＜ＮＴ−３３Ａ＞：フライ・バイ・ワイヤ試験機。機首をF-94Aのものに交換してアビオニクスを大量に収容できるようにしてある。参考：月刊JWings6,’14

　＜ＲＴ−３３Ａ＞：偵察機型。機首にカメラを搭載する。85機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｔ−３３練習機・海外シリーズ＞

　＜ＡＴ−３３Ａ（ビルマ空軍）＞：ビルマ空軍練習機兼COIN機。1963年から32機を導入し、武装勢力掃討にも投入した。1974年7月10日、編隊飛行中の５機が悪天候でラングーン近くの山に激突する事故を起こした。1988年に退役した。参考：月刊航空ファン12,’16

　＜ＣＴ−１３３＞：シルバースターMk.3を参照。

　＜Ｔ−３３Ａ（韓国空軍）＞：韓国空軍練習機。機銃口をパッチで塞いだものと、最初から機銃口が無いものがある。1955年から60機を導入した。T-59（ホークMk67）に後を譲って退役した。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜Ｔ−３３Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊高等練習機、ニックネームは若鷹。連絡機や標的曳航などの訓練支援機としても使用されている。MSAの規定により1955年1月20日の９機を皮切りに同年に計68機が供与され、1956年3月27日から川崎重工で210機がライセンス生産された（ライセンス初号機は1957年1月21日引き渡し）。キャノピーは10度開の位置で固定することができ、最大45度開く（原型は60度まで開く）。舵面操作の遊びが大きいため、横操縦の制御が遅れる傾向があってオーバーコントロールに陥りやすく、慣れないと離陸後に機がローリングしてしまう。全長11.5m、全幅11.9m、全高3.6m、自重4.3トン、全備重量6.54トン。エンジンはアリソン製J33-A-35ターボジェット（推力2.09トン）単発、最大速度850km（930km？）、上昇限度14478m、航続距離1980km。乗員２名。1990年から退役が始まったが、1999年11月22日に燃料漏れから火災を起こして入間川に墜落、２名が死亡する事故が発生。この事故を防止する改修に１機１億円かかることから、残存全８機の強制退役が2000年4月26日に決定され、6月29日に入間基地で退役式が行われた。導入初号機は奈良基地に展示されていたが、1992年の台風で倒木の下敷きになり、破壊されてしまった。国産最終号機は新田原基地に展示されている。他に喫茶飛行場にも展示されている。日本宇宙陸海空博物館にも胴体とコクピットが展示されていたが、閉館後はそのまま放置中。2021年9月末、芦屋基地の展示機が撤去された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊航空ファン7,’00、6,’02、4,’72、1,’15、月刊JWings5,’14、6,’16、8,'21、12,'21、月刊丸5,’07、自衛隊装備カタログ1981、月刊航空情報3,’10

　＜Ｔ−３３Ａ（ボリビア空軍）＞：ボリビア空軍練習機。2017年7月31日に退役した。参考：月刊JWings3,’18

　＜Ｔ−３３Ａ（メキシコ空軍）＞：メキシコ空軍練習機。簡易戦闘機としても使用されている。1962年から配備し、2007年に退役した。参考：月刊航空ファン3,’20

　＜シルバースターＭｋ．１＞：カナダ空軍練習機。T-33を輸入したもので、20機を配備した。参考：月刊航空ファン6,’02

　＜シルバースターＭｋ．２＞：カナダ空軍練習機。エンジンを推力で0.22トン上回るニーンMk.10に換装したもので、シルバースターMk.1の１機を改造して製作された。参考：月刊航空ファン6,’02

　＜シルバースターＭｋ．３＞：カナダ空軍練習機。カナデアでライセンス生産したもので、エンジンはニーンMk.10に換装している。656機が生産された。後にCT-133と改称された。退役機をボーイングが1976年と1980年に１機ずつ取得し、2020年12月5日までチェイス機／撮影機として使用している。参考：月刊航空ファン6,’02、月刊JWings3,’21

　＜シルバースターＭｋ．３（ボリビア空軍）＞：ボリビア空軍練習機。1973年に中古のシルバースターMk.3を13機カナダから輸入した。2000-01年に近代化改修を施し、コクピットにMFDとRGS-1LPヘッドアップディスプレイを搭載した。参考：月刊JWings1,’13

　＜梯鳥型教練機＞：台湾空軍練習機。T-33Aを導入したものである。台湾航空教育展示館に展示されている。参考：月刊航空ファン8,’09、6,’16

＜Ｔ−３３海外ファミリー＞

　＜ＡＴ−３３Ａ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍攻撃機。1973年にアメリカ空軍の中古機16機の供与を受け、ロケット弾ポッドなどを装備して1980年まで実戦配備した。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜ＥＴ−１３３＞：カナダ航空コマンド電子支援訓練機型の非公式名称。翼下パイロンを取り付けてジャミングポッドを装備できるようにし、操作装置を後席に設けている。第414飛行隊に配備された。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜ＲＴ−３３Ａ（カナダ軍）＞：カナダ軍偵察機。シルバースターMk.3から５機が改造された。機首に前方・垂直撮影用カメラを搭載し、後部座席に電子装備を積んである。参考：月刊航空ファン6,’02、ジェット戦闘機

　＜ＲＴ−３３Ａ（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍偵察機。1955年から21機を導入し、1957年まで使用した。参考：月刊航空ファン8,’17

＜Ｔ３３徹甲弾＞：アメリカ軍の90mm戦車砲M3用徹甲弾。重量19.7kg、弾体重量10.8kg。砲口初速毎秒840m、最大射程19.2km。装甲貫徹力は、30度傾斜装甲板に対し、射距離500ヤード（457m）で119mm、1000ヤード（914m）で117mm、1500ヤード（1372m）で114mm、2000ヤード（1829m）で109mm。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜Ｔ−３３浮航戦車＞：ソ連軍試作水陸両用戦車。ヴィッカーズ社製カーデンロイドVCL浮航戦車（A4水陸両用戦車？）の国産化型で、1932年に試作車が完成した。車体後面下部にスクリュー１基と舵１枚を持つ。全長3.75m、全幅1.84m、全高1.84m、重量３トン。武装は7.62mm機銃DT１丁。装甲厚9-10mm。エンジンはフォードAAまたはGAZ-AAガソリン（40馬力）、路上最大速度45km、水上最大速力5km。乗員２名。板バネ式サスペンションが貧弱で、川を渡っても川岸を走れず、採用されなかった。参考：月刊PANZER12,’97、異形戦車ものしり大百科、歴史群像8,’98

＜Ｔ３３型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第220号型ともいう。T23型のエンジンを倍に増やしたもので、当初はT23型と同じ分類だったが、後に独立艇種となった。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量24.5トン。主機は九一式ガソリン機関２基２軸1200馬力、速力21ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九三式13mm単装機銃１丁。昭和18-19年に第220号魚雷艇、第221号魚雷艇、第222号魚雷艇、第223号魚雷艇、第224号魚雷艇、第225号魚雷艇、第226号魚雷艇、第227号魚雷艇、第228号魚雷艇、第229号魚雷艇、第316号魚雷艇、第317号魚雷艇、第318号魚雷艇、第319号魚雷艇、第320号魚雷艇、第321号魚雷艇、第322号魚雷艇、第323号魚雷艇、第324号魚雷艇、第325号魚雷艇、第326号魚雷艇、第349号魚雷艇、第350号魚雷艇、第351号魚雷艇、第352号魚雷艇、第353号魚雷艇、第354号魚雷艇、第421号魚雷艇、第422号魚雷艇、第423号魚雷艇、第424号魚雷艇、第425号魚雷艇、第455号魚雷艇、第456号魚雷艇、第501号魚雷艇、第502号魚雷艇、第503号魚雷艇、第504号魚雷艇、第505号魚雷艇の39隻が竣工した。計画速力よりはかなり低く、殆どが後に雷艇に編入され、雑役船や内火艇（魚雷艇型）となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ３４カリオペ・シリーズ＞：アメリカ軍の多連装ロケットランチャーCalliope。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ３４＞：4.5インチ（114mm）ロケット弾M8の60連装ランチャー（上２段が18連、下２段が12連）で、ランチャーをM4中戦車の砲塔上方に、俯仰用ロッドを主砲に取り付ける。M4A1に装着した時以外は、必要に応じて下２段を投棄することが可能。1943年からハインジ社で開発されて限定制式化され、1944年8月のコブラ作戦で第２機甲師団が初実戦投入した。実戦使用回数はあまり多くないらしい。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー3,’02、月刊PANZER10,’02

　＜Ｔ３４Ｅ１＞：T34の下２段ランチャーを14連装に変更したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ３４Ｅ２＞：ロケット弾を口径7.2インチ（183mm）に変更したもの。緊急時には60連装ランチャーを丸ごと投棄できる。1945年に少数が実戦投入されたようである。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−３４空挺戦車＞：ソ連軍試作空挺戦車。第２次大戦中に開発を開始し、試作車は1947年に完成した。T-34中戦車とSU-76自走砲のコンポーネントを流用したが、小型化を重視しすぎて性能が悪く、採用されなかった。参考：異形戦車ものしり大百科

＜Ｔ−３４軽戦車＞：ソ連軍試作軽戦車。空挺作戦用に開発され、1934年に試作車が完成した。TB-3爆撃機の翼下に吊して輸送する。全長3.6m、全幅2m、全高1.85m、重量4.6トン。エンジンはAMO-3ガソリン（60馬力）、最大速度45km。武装は7.62mm機銃DTが１丁または20mm機関砲１門。乗員２名。T-37が空挺作戦にも使えたので、こちらは採用されなかった。参考：月刊PANZER12,’97

＜Ｔ３４試作重戦車＞：アメリカ陸軍試作重戦車Heavy Tank T34。120mm戦車砲T53を搭載した重戦車としてT29/T30試作重戦車をベースに開発され、1945年5月31日に試作車２両（T29ベースとT30ベース１両ずつ）が発注された。砲身が長いので、T30の砲塔後部に102mm厚の装甲板を貼り付けてカウンターウェイトとしている。分離装薬のため装填手２名が搭乗する。1949年初め頃（1947年？）に完成したが、数発射撃すると未燃焼の発射薬カスが砲身内に残って砲塔内に逆流し、酸素と混合されて有毒ガスを発生、乗員２名が病院送りになるという事故が発生した。これの解決のため、砲身先端に排煙器を取り付けている。制式化には至らなかったが、M103重戦車のベースになった。参考：月刊グランドパワー3,’05、M26/46パーシング戦車1943-1953、British and American tanks of World War Two

＜Ｔ３４水雷艇＞：ドイツ海軍T22級水雷艇。1944年11月20日、バルト海でソ連軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−３４ターボプロップエンジン＞：プラット＆ホイットニー社のターボプロップエンジン。アメリカ海軍の予算で1945年6月からPT-2の名称で出力3500馬力を目指し開発に入り、1947年9月に初の試運転を実施、出力7500馬力を達成して1953年から量産され、C-133輸送機に搭載された。参考：月刊JWings5,’18

＜Ｔ−３４練習機シリーズ＞：アメリカ空海軍初等練習機。大元はビーチクラフト社製ビーチ35ボナンザで、コクピットをタンデム２名乗り風防型に換え、胴体形状を変更、Ｖ型尾翼を通常型に変更し、エンジン出力を15%絞ったボナンザB45（1948年12月2日初飛行）を採用したものである。参考：月刊JWings2,'22、4,’05

　＜Ｔ−３４Ａ＞：アメリカ空軍向けで、1945年3月に採用された。全金属製低翼単葉機で、機首側面の気流による負圧を利用してエンジン周囲の空気を吸い出し、エンジンの空冷効率を上げる仕組みになっている。降着装置は前輪式引き込み脚。全長7.9m、全幅10.04m、自重984kg。エンジンはコンチネンタル社製O47-O-13A（225馬力）単発、最大速度300km。乗員２名。実戦機がジェット化したのに伴い退役した。参考：月刊丸3,’90、月刊JWings4,’05、2,'22、月刊軍事研究8,’17

　＜Ｔ−３４Ｂ＞：アメリカ海軍向けで、1954年に採用された。エンジンはコンチネンタル社製O-470-13水平対向６気筒。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−３４Ｃ＞：アメリカ海軍用、別名ターボメンター（Turbo menter）。ジェット機全盛の時代に入っても、海軍ではパイロット適性判断の１つとしてプロペラトルクの当て舵修正の上手下手を用いていたため、引き続きレシプロ機のT-34Bを使い続けていたが、さすがにレシプロエンジンのままでは兵站に問題があり、ターボプロップに換えたもので、1973年9月21日にT-34Bを改造した試作機YT-34Cが初飛行した。エンジンが軽量になったので、機首を延ばして装備位置を前にずらし重心の変化を抑え、胴体が伸びた分の方向安定性劣化は尾翼大型化とベントラルフィン及び水平尾翼前縁ストレーキ追加で相殺している。翼スパンも延長したので、機体重量は0.454トン増えた。操縦性と機体強度の問題で、エンジン出力は400軸馬力に減格している。全長8.75m、全幅10.17m、全高2.92m、自重1.194トン（1.342トン？）、総重量1.94トン、最大離陸重量1.95トン。翼面積16.71平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-25（715軸馬力を400軸馬力に減格）単発、最大巡航速度227ノット、最大速度280ノット／396km（高度5340m）、実用上昇限度9145m、海面上昇率390m、燃料容量537.5リットル（492リットル？）、行動半径100海里（2.6時間滞空）、航続距離547海里／1208km（高度6100m）。乗員２名。1977年11月から1984年に334機が引き渡された。21世紀に入り、後継としてT-6A/Bを採用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、月刊航空ファン2,’19

＜Ｔ−３４練習機・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−３４Ａ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍練習機。1959年に41機（うち１機は戦時賠償の富士重工製）を第101飛行隊に配備した。1974年、アメリカ空軍から中古機20機が供与された。1983年に退役した。参考：月刊航空ファン2,’19

　＜Ｔ−３４Ａ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊練習機／連絡機、別名メンター、愛称は、はつかぜ。警備隊時代の1954年3月にT-34Aを導入して富士重工がライセンス生産し、7月1日の海自創設に伴い１機だけ配備され、1955年8月からの初級操縦教育統合で空自に移管された。その後の教育量減少で1962-64年に空自から11機が再度海自に移管され、練習機及び連絡機として使用している。全長7.89m、全幅10m、全高2.92m、自重1006kg、総重量1352kg。エンジンはコンチネンタル社製O-470-13（225馬力）単発、巡航速度278km、最大速度304km、実用上昇限度6096m、航続距離1185km・640海里、航続時間4.8時間。乗員２名。1982年に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’02増刊、6,'22、日本の防衛戦力Part3、月刊JWings4,’24

　＜Ｔ−３４Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊練習機。愛称は、はつかぜ。1955年8月にT-34Aが海自から移管され、初等操縦教育用として２個操縦学校に配備した。捜索救難機として使われたこともある。全長7.88m、全幅10m、全高2.91m、全備重量1320kg。エンジンはコンチネンタル社製O-470-13空冷水平対向レシプロ（225馬力）単発、最大速度300km。乗員２名。1962-64年、11機が海自に移管された。1964年5月、９機が陸自に移管された。1982年に全機退役した。鹿児島県霧島市の上床公園に展示されている。参考：月刊JWings5,’14、8,'21、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜Ｔ−３４Ａ（自衛隊）＞：自衛隊練習機。1954年に保安庁警備隊と保安隊にT-34A練習機10機ずつが引き渡された。1953年9月に富士重工がビーチクラフト社とライセンス契約を結び、防衛庁向けに49機をノックダウン生産（初号機は1954年10月28日引き渡し）、75機をライセンス生産した。更に1958-59年に39機を生産し、36機がフィリピン政府に戦時賠償として引き渡され、１機がインドネシアに引き渡された。全長7.9m、全幅10m、全高2.9m、自重1300kg、全備重量1400kg。エンジンはコンチネンタル社製O-470-13レシプロ（225馬力）単発、最大速度280km、上昇限度6096m、航続時間864km。乗員２名。陸自初号機は東千歳駐屯地に、最終号機は八尾駐屯地に、空自最終号機（前部胴体のみ）は音楽館に、海自最終号機は入善町中央公園に展示保存されている。他にも空自から海自に移管された機体が長柄自然休養村に展示されている。参考：月刊JWings4,’05、月刊丸5,’07、自衛隊装備カタログ1981、月刊航空ファン1,’15

　＜Ｔ−３４Ａ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊練習機。1964年5月に空自から９機が移管され、航空学校岩沼分校で計器飛行訓練などに使用されて1978年に除籍された。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊JWings4,’24

　＜Ｔ−３４Ｃ−１＞：Ｃ型の輸出型。主翼下面に４カ所のハードポイントがあり、544kgまでの武装を搭載できる。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PT-6Aのままだが、制限出力を550軸馬力に強化しており、最大離陸重量は2495kgに増えた。アルゼンチン海軍が15機、インドネシア空軍が25機（16機？）、エクアドル空海軍が23機、ペルー海軍が６機、モロッコ空軍が12機を採用した。参考：世界の軍用機1982、1979

　＜Ｔ−３４Ｃ−１（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍練習機。1978年からT-34C-1練習機25機を第102飛行隊に配備した。参考：月刊航空ファン2,’19

＜Ｔ−３４海外ファミリー＞

　＜Ｔ−３４Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊捜索救難機。1959年6月10日に救難航空隊に配備され、1982年8月30日に退役した。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｔ−３４／５７＞：T-34/76シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ−３４／７６シリーズ＞：ソ連陸軍中戦車。スペイン内乱の戦訓に基づき、A-32試作中戦車の火力と装甲を強化したものである。BTシリーズの45mm砲では榴弾威力が足りなかったため、当時の主力野砲と同じ口径である76mm戦車砲を搭載し、スペイン内乱でBTシリーズが大損害を受けた75mm野砲シュナイダーM1895及び37mm対戦車砲PaK35/36に対抗できる厚さ60mm相当の装甲板を使用し、大出力軽量ディーゼルエンジン及び大直径転輪・幅広履帯を搭載してクリスティー戦車から受け継ぐ高機動力を持つ、走攻守の三拍子揃った戦車で、当時の他国戦車と比較しても段違いの強さだった。欠点は居住性に乏しく長時間の戦闘が困難なこと、砲塔に２名しか入れないために周囲状況把握が難しいこと。生産途中で省力化が進み、当初100時間以上かかっていた組み立て時間が最終的に30-40時間となった。第２次大戦中のソ連戦車・自走砲生産数102500両のうち35119両を占め、T-34/85やT-34ベースの自走砲も含めると７割近くがこのシリーズで構成されていた。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）、月刊軍事研究5,’08、11,’02、5,’01

＜年式バリエーション＞

　＜Ｔ−３４／７６（１９４０年型）＞：1940年夏頃から生産された。主砲基部の装甲カバーの形状が丸っこいのが特徴で、車体前方機銃右と操縦手用ハッチ左に大きめの前照灯を装備する。車体は全溶接製で、A-32と同じく避弾経始に優れ、車体前部左に操縦手、右に前方機銃手が位置し、車体中央前寄りが戦闘室で砲塔が載り、後部の機関室が車体の約半分を占めている。車体前面には視察装置付き操縦手用装甲ドアがあり、厚さは前面装甲と同じ。操縦手用視察装置はハッチ上部中央の単眼式ペリスコープとその両側の小型ペリスコープ。車体前面右に7.62mm機銃DT（ドラム弾倉46個2898発）が直接照準器付きボールマウントに搭載されているが、ここを狙い撃ちされてしばしば撃破されている。前方機銃手の左に71-TK-3無線送受信機を装備する予定だったが、実際に装備されたのは３割程度だった。車体側面の履帯上部に張り出した部分は燃料タンクになっている。車体後面は機関室整備のためボルト止めで取り外しできるが、防御上の弱点ともなった。機関室側面グリルは縦に走る。下部転輪はソリッドゴムタイヤ付き大直径ダブルタイプ片側５組、誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上部転輪とスカートは無い。履帯は制式名称M40、シングル・ドライピン式で、センターガイドのあるものと無いものを37枚ずつ組み合わせた片側74枚。履帯幅は550mmと接地面積が広く、走行抵抗の少ない下部転輪と相俟って、不整地踏破力が高い。連結ピンは内側から差し込まれているが、ワッシャーなどで固定はされておらず、起動輪基部にガイド板があって外れかかると叩き戻されるようになっている。履帯のセンターガイドに起動輪を噛み合わせて駆動させるので、起動輪に歯が無い。サスペンションはクリスティー式で、車内に長大な二重コイルスプリングが収容されているため車内容積が狭い。砲塔は45mm厚の均質圧延鋼板を曲げ加工して溶接したもので、避弾経始に優れるが、その分容積が狭い。主砲は30.5口径76.2mm戦車砲L-11。装弾数は77発だが、うち即応弾は９発しかなく、撃ち尽くすと金属ケースから弾薬を取り出さないといけないので、発射速度は毎分５発がやっとらしい。俯仰角マイナス５度からプラス25度。照準器はTOD-6直接照準器とPT-6ペリスコープ型照準器。主砲同軸に7.62mm機銃を装備する。砲塔内左に車長兼砲手、右に装填手が位置し、砲塔両側面に装甲カバー付きペリスコープ型視察装置があるが、弱点にもなった。砲塔上面に大きな一枚ハッチがあり、上面左に回転式視察用ペリスコープを装備するが、後者は使い勝手が悪かったようですぐに廃止されて塞がれてしまった。全長5.95m、全幅3m、全高2.4m、戦闘重量26.8トン。装甲厚は車体・砲塔共45mm。エンジンはV-2液冷ディーゼル（500馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速、最大速度55km、航続距離300km。乗員４名。車長が砲手を兼ねており、無線機が無かったので、運用の柔軟性に欠けるのが欠点。また、ハッチ閉鎖時に周囲を見渡すための視察装置が無く、かといって行軍・戦闘中にハッチから頭を覗かせることができる構造でもなく、戦車の共同運用は全く考えられていなかった。ベンチレーータも能力不足で、主砲を連射すると煙が籠もって息ができなくなる。1941年中期まで生産された。1941年2月以降の生産車の一部はF-34戦車砲（俯仰角マイナス５度30分からプラス26度48分）を搭載し、照準器もTOD-7直接照準器とPT-7ペリスコープ型視察装置に換えた。1941年3月から、基本装甲厚52mmの鋳造砲塔がマウリポーリ冶金工場で製作され、第183工場（KhPZ）向けに出荷された。参考：月刊グランドパワー11,’04、8,’00、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）、月刊軍事研究5,’01、月刊PANZER3,’98、月刊戦車マガジン6,’89

　＜Ｔ−３４／７６（１９４１年型）＞：製造工程を簡略化し、主砲を41.5口径76.2mm戦車砲F-34に換装したもの。主砲基部の装甲カバーがボルト止め装甲板を組み合わせた直線的なものとなり、車体前面のワイヤーフックが一体鋳造の簡単なものに換わり、機関室側面グリルが横筋になった。前照灯が省略されることもあった。1941年後半からは操縦手用視察装置を装甲カバー付ペリスコープ２基とし、小型ペリスコープを廃止した。この頃は装填手が車長を兼ねるように軍が考えており、砲塔上面の装填手側にPT-K視察装置を取り付けている。鋳造砲塔（基本装甲厚52mm）型もこの年式あたりから出現し、スチールリム転輪も使用されるようになった。履帯はM41で、幅が550mmから500mmになり、滑り止めパターンが複雑化し、片側72枚構成になっている。1941年7月から生産された。独ソ戦開始後の工場疎開により、工場ごとの細かいバリエーションが存在する。参考：月刊グランドパワー11,’04、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）、月刊PANZER3,’98、月刊アーマーモデリング7,’13

　＜Ｔ−３４／７６装甲強化型＞：1941年5月に前面装甲厚を60mmに強化する決定がされたものの棚上げされていたが、12月5日に改めて発令され、第183工場（車体前面に15mm厚の装甲を追加。前面装甲厚75mmの六角砲塔のため、砲塔には装甲を追加せず）、第112工場（車体前面に８分割の増加装甲と、初期型砲塔全周に増加装甲を追加）、スターリングラード・トラクター工場（車体前面に15mm厚の４分割追加装甲。砲塔は不明）で量産されている。1942年3月に取り消しが通達され、生産を終えた。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／７６（１９４２年型）＞：1941年型の砲塔を装甲強化型六角形砲塔に換装したもので、砲塔装甲厚は前面70mm・側面52mmに増大した。砲塔基部、砲塔側壁、砲塔上面の３パーツに分かれており、前二者が鋳造、後一者は圧延鋼板で、これを溶接して組み立て、最後に砲耳を取り付ける。この砲塔形状にも工場ごとのバリエーションがある。主砲弾数は100発に増加した。前照灯が左フェンダー上の１つだけになり、砲塔上の大きな１枚ハッチが不評だったので、小型円形ハッチ２枚に変更している。車長は砲手が兼ねるようになり、装填手側の視察装置は廃止された。車体機銃に追加防楯を装着したが、あまり効果は無かったらしい。履帯はM42で、幅は500mmのままだが、滑り止めパターンを変更した。戦闘重量28.5トン。航続距離465km。1942年初頭に開発され、3月には前線に出現した。生産性が非常に高く、初期型に比べて製造コストが半減しており、全自動電気溶接システムを採用して女性や未成年でも簡単に組み立てられるようになった。参考：月刊グランドパワー11,’04、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）、月刊PANZER8,’04、3,’98、月刊軍事研究5,’08、月刊アーマーモデリング7,’13

　＜Ｔ−３４／７６（１９４３年型）＞：1942年型に車長用キューポラを追加したもの。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜工場バリエーション＞

　＜Ｔ−３４／７６・ウラル貨車工場＞：六角砲塔の前面下部の張り出しが鋭く尖っているのが特徴。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

　＜Ｔ−３４／７６・ウラル重機械工場＞：主に第183工場やチェリャビンスク・トラクター工場へ部品を供給していたが、1942年末から1943年初頭までに少数が最終組み立てされている。六角砲塔下部の溶接部が丁寧に成型されていて、角張っていない。また、車体側面の跨乗兵用の手摺りがパイプ製の簡単なもので作られている。参考：月刊グランドパワー11,’04、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

　＜Ｔ−３４／７６・スターリングラード・トラクター工場＞：均質圧延鋼板を組み合わせた砲塔では、後面が台形の一枚板のボルト止め（後に溶接）となっているのが特徴。鋳造砲塔では後面まで一体成型している。転輪は1941年秋頃から全て鋼製となった。起動輪、誘導輪、履帯も独自仕様である。1942年には溶接ラインが咬み合わせ式になった。溶接砲塔は前面左右が削ぎ落とされたような形状であり、六角砲塔では無く独自設計である。主砲駐退機ハウジング前端も尖った形に変更した。車体機銃の小防楯は装着されておらず、車体後端部の曲げ加工も生産終了まで継続されている。1942年後半に生産を終了した。参考：月刊グランドパワー11,’04、月刊PANZER3,’98

　＜Ｔ−３４／７６・第１１２クラースノエ・ソルノヴォ工場＞：1941年7月1日から生産に参加した。V-2ディーゼルエンジンは入手困難だったので、航空機用M-17ガソリンエンジン（450馬力）を搭載して1941年中に173両を生産した。車体後面の装甲板は上のものが下に被さっていて、車体前面・側面上部の溶接ラインは咬み合わせ式である。砲塔は当初、他工場と同じ鋳造砲塔だったが、後に後面まで一体成型となった。砲塔リングが高い位置にあり、これを守るために跳弾避けの装甲カラーが付いている。車体前面と砲塔側面に戦車跨乗兵用の手すりを増設した。車体後面の機関室装甲板のヒンジは大型のもの２つで、車体後面中央には中央に穴の開いたシャックルが付いている。また、この工場では六角砲塔の生産開始が1943年夏頃までずれ込んだ。1942年後半から車体後部に角形の予備燃料タンク２個を装備しており、1943年後半から円筒形のものに交換した（左後部１個、右後部２個）。車体前面に増加装甲を取り付けたものや、転輪を肉抜き穴ありのタイプに換えたものなども生産している。参考：月刊グランドパワー11,’04、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

　＜Ｔ−３４／７６・第１７４工場＞：レニングラードからオムスクに疎開し、1942年から生産した。六角砲塔の下部が角張っておらず、溶接痕の仕上げが粗い。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）、月刊グランドパワー11,’04

　＜Ｔ−３４／７６・第１８３ハリコフ機関車工場（ＫｈＰＺ）＞：L-11搭載T-34は全てここで製作されている。独ソ戦開始後はウラル山脈東のニジニー・タギルに疎開し、ウラル戦車工場として生産を行った。1941年末から、車体コンポーネントがウラル重機械工場から供給されるようになり、車体後端部の装甲板が直線的なものとなり、トランスミッション点検ハッチが円形になった。また、車体上部後面のボルト止めパネル下端に小型ヒンジ３個が付いている。六角砲塔は全て鋳造製で、エッジの鋭いタイプである。転輪は最前部と最後部がウェブ転輪で中間３個が鋼製転輪、または最前部のみウェブで残りが鋼製転輪という組み合わせ。1942年後期からは跨乗兵用の手すりを多数設け、車体後部に細長い箱形の予備燃料タンクを搭載した。1943年夏から車体後面下部のヒンジが２個に減った。1943年後半から予備燃料タンクを円筒形にし、車体側面後方左に１個、右に２個搭載した。参考：月刊グランドパワー11,’04、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

　＜Ｔ−３４／７６・チェリャビンスク・トラクター工場＞：疎開してきたキーロフ工場と一緒にタンコグラードを形成してT-34、KVシリーズ、ISシリーズを生産している。最初から六角砲塔で生産しており、1942年前半には既に車体側面後部に円筒形の90リットル入り増加燃料タンクを左に１個、右に２個装備した。六角砲塔下部が後部で一段上がっており、前下端が尖っている。履帯は２分割式が多い。参考：月刊グランドパワー11,’04、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜その他のシリーズ＞

　＜Ｔ−３４／５７＞：装甲貫徹力に優れた70口径57mm砲ZIS-4またはその砲尾部簡易型ZIS-4Mを搭載したもので、タンク・イストリビーチェリ（駆逐戦車）とも呼ばれた。ZIS-4の製造が難しく、1941年に少数のみが作られてモスクワ防衛戦に投入された他、1943年に再び量産されてクルスク戦などに投入された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）、月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４Ｓ＞：試作操縦性能・総合戦闘力向上型。３名砲塔を採用し、変速ギアを改良するなどしている。1942年夏に試作されたが、採用はされなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜Ｔ−３４／７６ファミリー＞

　＜ＳＰＫ−５＞：自走クレーン型。砲塔を外して10トンクレーンを搭載している。後方での使用が前提のため、武装は搭載は無い。実際は戦車オーバーホール整備場で主に使用され、実動部隊には殆ど配備されなかった模様。車体長6.19m、全幅3m、重量28トン。最大装甲厚45mm。エンジンはV-2-34Krディーゼル（500馬力）、最大速度50km、航続距離400km。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＯＴ−３４／７６＞：火炎放射戦車型、別名TO-34。OT-130の後継として開発された。1942年型T-34/76の車体前面機銃を外してATO-41火炎放射器を搭載している。射程60-100m。燃料105リットルと点火用ガソリン２リットルを搭載し、10秒間に３回、合計10回の放射が可能。次いで1943年型T-34/76にATO-42火炎放射器を搭載したものが生産された。射程60-120m。燃料200リットルを搭載し、10秒間に5-6回の放射が可能。1943年夏以降、無線機を砲塔後部に移し、車体右側面のアンテナ基部を廃止した。1942-44年に1170両が生産された。参考：月刊グランドパワー1,’04、12,’04、異形戦車ものしり大百科

　＜Ｔ−３４Ｔ＞：戦車回収車型。T-34/76またはT-34/85の砲塔を外し、車体上部から機関室に牽引能力25トンの動力ウインチを配置、３トン折り畳みクレーンも装備したものである。自衛用として車体前面ボールマウントの7.62mm機銃DTMを残した。全長7.1m、全幅3m、全高2m、重量31トン。最大装甲厚45mm。エンジンはV-2-34ディーゼル（500馬力）、最大速度50-55km、航続距離80-150km。乗員２名。1958年から生産され、二線級師団で1970年代まで使用された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＴＯ−３４／７６＞：OT-34/76を参照。

＜Ｔ−３４／７６海外シリーズ＞

　＜Ｔ−３４　７４７（ｒ）＞：ドイツ国防軍戦車。第２次大戦時に鹵獲して使用した。1943年5月31日時点で50両を鹵獲していたが、稼働数は17両だった。1944年12月末には39両になっており、うち29両が第100スキー猟兵師団に配備されていた。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｔ−３４／８５シリーズ＞：ソ連陸軍中戦車。�X号戦車パンター・�Y号戦車ティーガーに対抗するため、T-34/76の戦車砲を口径85mmに強化したものである。1944年初頭から第２次大戦終戦までに29430両が生産され、戦後50年以上経ったユーゴスラビア内戦でも300両以上が使用された。参考：月刊PANZER3,’98、JGround VOL.4

　＜Ｔ−３４／８５（Ｄ−５Ｔ搭載型）＞：1943年型などと呼ばれることもある。ただしどちらにせよ正式名称でなく、T-34/85という名称が付く前に生産されていたともいわれる。IS-1がIS-2になって55口径85mm戦車砲D-5T-85が余ったため、T-34/76に載せたものである。主砲俯仰角マイナス４度からプラス23度。防楯には主砲基部を取り巻くようにマウントを設けた。砲塔は上下の分割部が平坦で、両側面にピストルポート付き視察スリット、両側面前後に吊り下げフック、上面後部にベンチレーターが付き、後部バスルに即用弾を収めてカウンターマスの代わりにした。砲塔内には即応弾16発を搭載する。砲塔装甲厚は前面90mm、側面75mm、後面52mm、上面20mm。主砲同軸にTSh-15直接望遠照準器、砲塔左の砲手席上方にPTK-5潜望鏡型照準器を装備する。砲塔右の装填手にはMk4ペリスコープが用意された。砲手席の後ろが車長席で、上面に全周視察式キューポラとMk4ペリスコープ付きハッチがある。無線機は車体前部右の機銃手席側面に収容した9R無線送受信機。第112クラースナエ・ソルモヴォ工場で1944年1-3月に250両が生産された。参考：月刊グランドパワー12,’04、月刊PANZER3,’98

　＜Ｔ−３４／８５（Ｓ−５３搭載型）＞：主砲を85mm戦車砲S-53に換装したもの。1944年3月に第183工場で生産に入り、4月から第112工場、6月から第174工場でも生産を開始した。主砲の駐退機がコンパクトになったため、砲身基部形状を単純化し、基部両側に膨らみを付け、主砲俯仰角をマイナス５度からプラス25度とした。無線機は車体から車長席左横に移し、砲塔の対応部分に無線機を収容する膨らみを作り、アンテナは車長用キューポラ左前に設置した。砲塔後部のベンチレーターを２基に増やし、砲手用潜望鏡式照準器は廃止してMk4ペリスコープに換えた。副武装は7.62mm機銃DTMに変更している。1944年春からは機関室後部パネル両側にドラム式煙幕展張システムMDShを搭載した。1944年後半には砲塔後面に装備品固定用の小フックを溶接している。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／８５（ＺＩＳ−Ｓ−５３搭載型）＞：主砲をZIS-S-53に換装したもの。1944年11月頃から生産された。砲身基部の防楯で覆われている部分が前に伸び、両側面の膨らみが無くなった。全長8.15m、車体長6.1m、全幅3m、全高2.7m、重量32トン。エンジンはV-2-34ディーゼル（500馬力）、最大速度55km、航続距離350km。乗員５名。参考：月刊グランドパワー12,’04、月刊PANZER3,’98、月刊丸7,’09別冊

　＜Ｔ−３４／８５戦後改修型（第１次）＞：1952年から改修された。新型のVTI-3エアクリーナーとG-731発電機を搭載したV-34-M11エンジンに換装し、操縦手用暗視装置として車体前部右にFG-100赤外線ライトを装備、操縦手用ペリスコープの１基をBVM赤外線暗視式ペリスコープに交換可能とした。車長用キューポラ上面にはTPK-1またはTPKU-2B望遠・測距用レティクル入り視察装置を装備し、車内の自衛用兵装をPPSh-41からAK-47Sに、無線機を10-RT-26Eに、車内通話装置をTPU-47に、煙幕展張装置をBDShにそれぞれ変更している。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／８５戦後改修型（第２次）＞：1960年代半ばから改修された。操縦手用暗視装置をTVN-2に、無線機をR-123に換え、機関室後面パネルに200リットル入りドラム缶２個を搭載、BDSh煙幕展張装置を車体後部左側面に移し、その前方に予備燃料移し替え用の動力ポンプを入れたプレス製ボックスを装着した。オーバーホール時にエンジンをV-54に交換し、1970年頃までに転輪をT-55やT-62と同じものに換えている。参考：月刊グランドパワー12,’04

＜Ｔ−３４／８５工場バリエーション＞

　＜Ｔ−３４／８５・第１１２クラースノエ・ソルノヴォ工場＞：1944年2月からD-5T-85搭載型を生産し、3月途中からZIS-S-53搭載型に切り替え、1946年まで生産した。車体後面は同工場製T-34/76と同じく下部装甲板に上部装甲板が被さっており、車体上面パネルの下端にあるヒンジが大きい。転輪はプレス製で平坦なハブ部分を持つディッシュ転輪を主に使用し、増加燃料タンクを止める固定ベルトはタンク上面でボルト止めするタイプである。D-5T-85搭載型は車長用キューポラとベンチレーターがかなり前寄りで、キューポラ直前にPT-4-7ペリスコープ式直接兼間接照準器があり、砲塔側面前後に逆Ｕ字の吊り上げ金具が溶接されている。車体右側面前部には可倒式アンテナマウントがある。主砲換装後は防楯だけでなく砲塔自体の形状も変更しており、側面の鋳型ラインが下辺すれすれになり、最前部だけが急に立ち上がるようになった。キューポラとベンチレーターは後ろに下げ、無線機を砲塔内に移して車体のアンテナマウントを廃止、照準用ペリスコープをMk.4に換装し、砲塔吊り上げ金具を変更した。1944年途中から車体前面下部に予備履帯を装着。増加燃料タンクホルダーも台形からＣ型に変わり、車体後面に煙幕展張装置を装備した。第２次大戦末期には砲塔側面鋳型ラインの途中に段差ができた。第２次大戦終期にはベンチレーターが２カ所に分かれ、車体前部のフェンダーが角張り、車体機銃の照準口が大きくなった。第２次大戦後、車長用キューポラが１枚ハッチに換えられた。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／８５・第１７４工場＞：最初はS-53搭載型を生産したが、すぐにZIS-S-53搭載型となり、1946年まで生産した。車体後面上部パネル下端のヒンジは大型のもの２個で、防楯上部カバーは厚板ボルト止め、転輪はプレス製のディッシュ転輪を主に使用している。初期の防楯は砲身スリーブ左右に膨らみがあるが、主砲換装後は無くなった。鋳型ラインは砲塔後面から側面まで直線的に伸びているが、一旦別のラインで区切られてから前面まで続いている。砲塔側面の最大幅部分は平らになっていない。車長用キューポラは上部にテーパーの付いた２枚ハッチだが、途中からテーパーが無くなった。前照灯直後の警笛ラッパが前を向いていることが多い。最後期生産車では、砲塔側面の鋳型ライン前部が角度を付けて直線的に切れ上がるアングルジョイント・タイプとなり、１枚ハッチの新型キューポラや前後に振り分けられた砲塔上面ベンチレーターを持つものもある。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／８５・第１８３ウラル戦車工場＞：量産開始時はS-53搭載型だったが、すぐにZIS-S-53搭載型となり、1946年まで生産した。車体上部後面パネル下端のヒンジが小型のもの２つになっている。砲塔側面中央部は平らに整形され、鋳型ラインは全周水平で、最前部は四角く囲んだような形になっている。転輪は多数の孔が開いた鋳造製ハブを持つウェブ転輪を主に使用した。S-53搭載型では砲身スリーブ左右が丸く膨らみ、防楯上部カバーに厚板を溶接し、砲塔側面ピストルポート周囲が盛り上がっている。ZIS-S-53搭載型では砲身スリーブの膨らみが無くなった。1944年夏頃から動力旋回装置を装備して砲塔左側面が薄く張り出し、防楯上部カバーがプレスラインを持つ薄型となり、ピストルポート周囲の盛り上がりが無くなった。車体前面下部に予備履帯を装着し、車体後面に煙幕展張装置を装備している。1945年前後に車体前部フェンダーが角張り、やや遅れて車長用キューポラのハッチが１枚になり、キューポラ自体も大型化した。転輪もハブの孔とフィンが多い新型となり、車体機銃の照準口が大型化している。参考：月刊グランドパワー12,’04

＜Ｔ−３４／８５ファミリー＞

　＜ＴＯ−３４／８５＞：火炎放射戦車型。T-34/85の車体機銃マウントにATO-42火炎放射器を搭載したもので、燃焼剤200リットルを収容する。1944年7月から1945年に331両を生産した。参考：月刊グランドパワー12,’04

＜Ｔ−３４／８５海外シリーズ＞

　＜５８式戦車＞：中国陸軍戦車。参考：月刊グランドパワー6,’04

＜Ｔ−３４／８５（北朝鮮）＞：北朝鮮陸軍戦車。第105戦車旅団、第42機甲連隊、第43機甲連隊に配備されて朝鮮戦争に参加した。緒戦ではろくな対戦車兵器を持たない韓国軍と、バズーカにM24軽戦車しかないアメリカ軍を圧倒したが、航空攻撃とM26/M46戦車による反撃で1950年11月までに壊滅してしまい、アメリカ軍からはキャビアの缶詰などという渾名が付けられた。参考：M26/46パーシング戦車1943-1953

　＜Ｔ−３４／８５（チェコスロバキア）＞：チェコスロバキア陸軍戦車。1949年にライセンス権が委譲され、1952-58年に3185両が生産された。東ドイツやエジプトに輸出されてもいる。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／８５（フィンランド）＞：フィンランド陸軍戦車。継続戦争で1944年夏に鹵獲し、1962年まで使用した。参考：月刊丸12,’92

　＜Ｔ−３４／８５（ポーランド）＞：ポーランド陸軍戦車。1951年にライセンス権が委譲され、同年から1955年までに1380両を生産、うち195両が輸出された。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／８５Ｍ１＞：ポーランド陸軍戦車。改良型その１で、OPVT潜水装置を装備可能とし、水密カバーも付けた。機関室後部パネルに200リットル入り燃料タンク２個を取り付け可能。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／８５Ｍ２＞：ポーランド陸軍戦車。改良型その２で、T-55と同様の操縦手用暗視装置を搭載し、車体機銃手を廃止するなどしている。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜テスキ・テンキ・ヴォジロＡ＞：ユーゴスラビア陸軍試作戦車で、重戦車Ａの意。ユーゴスラビアが開発した改良型で、砲先端に多孔式マズルブレーキを付け、機関室上部のグリル配置を変更、車体後部側面の予備燃料タンク断面がカマボコ型になった。1949年に７両が試作されたが、ソ連との関係が悪化して技術者が引き上げたため、量産には至らなかった。参考：月刊グランドパワー12,’04

＜Ｔ−３４／８５海外ファミリー＞

　＜６３式３７ｍｍ高射砲搭載自走対空機関砲＞：北ベトナム軍自走対空機関砲型。アメリカ軍がベトナム戦争で鹵獲したもので、制式名称は不明である。T-34/85の車体にオープントップ砲塔を載せ、中国製63式37mm高射機関砲を搭載している。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜ＣＷ−３４＞：チェコスロバキア陸軍戦車回収車。砲塔を外し、車体前部に戦闘室を作っている。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜ＭＴ−３４＞：チェコスロバキア陸軍戦車橋。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／１００＞：エジプト陸軍自走砲。砲塔を前後逆にして100mm野砲BS-3を搭載し、砲塔前後に装甲板を継ぎ足して砲塔を大型化した。車体後面にはガンロッキングアームを追加している。第４次中東戦争で使用した。参考：月刊グランドパワー12,’04

　＜Ｔ−３４／１２２＞：エジプト陸軍自走砲。主砲を122mm榴弾砲D-30とし、元の砲塔の一部を流用して装甲板を継ぎ足した大型砲塔に搭載したもの。射撃可能範囲は左右60度ずつで、弾薬は車内に80発、車外の弾薬庫に40発搭載する。1972年初頭に36両が配備された他、シリアにも輸出された。参考：月刊グランドパワー12,’04

＜Ｔ−３４／８５Ｍ＞：ソ連陸軍試作戦車。T-34/85の装甲強化型で、第183工場が製作した。車体前面装甲厚を75mm、操縦手用ハッチを100mm、機銃マウント基部を90mmとし、機関室後部を拡大して車内燃料タンクを増設している。２両が試作されたが、採用されなかった。参考：月刊グランドパワー12,’04

＜Ｔ−３４／１００（エジプト陸軍）＞：T-34/85海外ファミリー（自走砲）を参照。

＜Ｔ−３４／１００（ソ連陸軍）＞：ソ連陸軍試作戦車。T-34の車体に100mm対戦車砲D-10Tの戦車砲改造型であるLB-1を搭載した砲塔を載せたもの。戦車砲が大きすぎて搭載に無理があり、１両が試作されただけに終わった。参考：月刊グランドパワー12,’04、月刊軍事研究5,’01、月刊PANZER5,’98

＜Ｔ−３４／１２２＞：T-34/85海外ファミリー（自走砲）を参照。

＜Ｔ−３４Ｍ＞：ソ連陸軍計画中戦車。T-34/76の後継として1940年秋から開発された。足周りはKV戦車に似ており、トーションバーサスペンションを使用する。車体は前面のみT-34に似ているが、側後面はIS戦車シリーズのような感じである。砲塔は八角形をしている他は1942年型T-34/76と同様で、３名用を予定していた。砲塔上面後部中央にキューポラがある。重量32トン。主砲は76.2mm戦車砲F-32。装甲厚は車体前面75mm、砲塔最厚部90mm。エンジンはV-2Kディーゼル（600馬力）、最大速度49.6km。計画のみに終わった。参考：月刊PANZER5,’98、月刊グランドパワー10,’04

＜Ｔ−３４Ｓ＞：T-34/76シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ−３４Ｔ＞：T-34/76ファミリー（戦車回収車）を参照。

＜Ｔ３４型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第235号型ともいう。航空機用ロールス・ロイス式水冷ガソリンエンジン２基を搭載したものである。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量24.5トン。主機はロールス・ロイス式ガソリン機関２基２軸1600馬力、速力27.5ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、機銃。昭和18年に第235号魚雷艇、第236号魚雷艇、第237号魚雷艇、第238号魚雷艇、第239号魚雷艇、第240号魚雷艇の６隻が竣工した。速力が計画以下で、昭和19年3月に５隻が雑役船の雷艇に編入された。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ３５＞：M10シリーズ（駆逐戦車）またはM26ファミリー（試作火炎放射戦車）を参照。

＜Ｔ３５哨戒艇＞：インド海軍アジャイ級大型哨戒艇アバハイ（Abhay）。1961年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ３５水雷艇＞：ドイツ海軍T22級水雷艇。後にアメリカ駆逐艦DD-935となり、更にフランス海軍に引き渡された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ−３５戦車＞：ソ連陸軍多砲塔重戦車。インディペンデント重戦車の影響を受けて開発された。誘導輪と第１転輪の間には補助転輪があり、超堤能力を高めている。主砲塔に76.2mm砲を装備し、上部構造物左前方と右後方に45mm砲塔を、右前方と左後方に銃塔を１基ずつ配した。各砲銃塔の指揮は車長が執る建前だが、そんな器用なことはできず、実際には各砲銃塔の射手がバラバラに目の前の目標を射撃していた。全長9.72m、全幅3.2m、全高3.43m、戦闘重量50トン。武装は76.2mm砲１門、45mm砲２門、7.62mm機銃６丁。最大装甲厚35mm。エンジンは液冷12気筒ガソリン（500馬力）、最大速度28.9km。乗員11名。1933年に制式採用されて30両が生産されたが、スペイン内乱で装甲防御力強化が重要であると判明したため、1939年6月8日に生産中止が決まり、SMKとT-100を経てKVシリーズに取って代わられた。参考：歴史群像12,’09、月刊グランドパワー8,’00、月刊軍事研究2,’12、月刊アーマーモデリング1,’13

＜Ｔ３５迫撃砲＞：アメリカ軍試作240mm後装式ライフル迫撃砲。弾丸重量113kg、初速毎秒305m、射程8000m。1946年初期に開発中止となった。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｔ−３５練習機シリーズ＞：チリ空軍レシプロ練習機、別名ピラン（Pillan）。チリ空軍T-34メンター練習機の後継で、チリ国営のエナエル（ENAEL）社がアメリカのパイパー社の協力を得て開発した。パイパー社製PA-28シリーズのコンポーネントを流用してコストを抑え開発期間を短縮している。パイパー社製の原型機は1981年3月6日にアメリカで初飛行し、エナエル社がパイパー社のキットを組み立てて作った前生産型は1982年に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−３５Ａ＞：基本練習機型。胴体後部はPA-28チェロキー、主翼前縁はダコタ、後縁はPA-28サラトガ、垂直尾翼はダコタ、水平尾翼はナバホとシャイアン、前脚はPA-28サラトガとPA-28アロー、主脚はPA-28サラトガの流用である。1984年12月28日に初飛行し、1985年5月に初号機が納入された。全長8m、全幅8.84m、全高2.64m、自重930kg、総重量1338kg。翼面積13.699平方メートル。エンジンはライカミングIO-540-KIK5レシプロ（300軸馬力）単発、プロペラは定速３翅（直径1.93m）、巡航速度144ノット、最大巡航速度240km、最大速度241ノット、実用上昇限度5840m（5048m？）、燃料容量291.5リットル、航続距離735海里・1361km。制限荷重マイナス3Gからプラス6G。乗員２名（タンデム複座）。34機が量産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−３５Ｂ＞：計器飛行訓練型。航法装置を強化している。14機が生産された。2002年以降、エクアドル海軍に４機、エルサルバドル空軍に５機、グアテマラ空軍に５機が売却された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−３５Ｓ＞：単座型。２号機はT-35Tをベースにしている。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−３５Ｔ＞：エンジンをアリソン250-B17Dターボプロップ（420軸馬力）に換装したもので、別名ターボピラン、後にオーカン。アメリカのソロイ社が原型初号機を製作し、1986年2月12日に初飛行した。まだ顧客は無い。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔ−３５練習機・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−３５Ｂ（エクアドル海軍）＞：エクアドル海軍練習機。チリ空軍中古４機を導入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−３５Ｂ（エルサルバドル空軍）＞：エルサルバドル空軍練習機。チリ空軍中古５機を導入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−３５Ｂ（グアテマラ空軍）＞：グアテマラ空軍練習機。チリ空軍中古５機を導入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−３５Ｂ（ドミニカ空軍）＞：ドミニカ空軍練習機。12機を輸入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−３５Ｂ（パナマ空軍）＞：パナマ空軍計器飛行練習機。２機を輸入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−３５Ｃ（スペイン空軍）＞：スペイン空軍練習機。41機分のキットを輸入してCASAが組み立てた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−３５Ｄ（パナマ空軍）＞：パナマ空軍計器飛行練習機。10機を輸入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−３５Ｄ（パラグアイ空軍）＞：パラグアイ空軍計器飛行練習機。13機を輸入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔ−３５ＤＴ（改）＞：チリのENAER社が開発した麻薬取引・密貿易監視機。T-35Tターボピランの改造型で、左翼下にウルトラ7500センサーターレット（FLIR搭載）を吊り下げ、後部座席からこれを操作して、画像をリアルタイムで地上に送れる。エンジンはロールスロイス製250-B17Dターボプロップ、滞空時間５時間以上。参考：月刊JWings12,’03

＜Ｔ−３５Ｃ＞：SMK（重戦車）を参照。

＜Ｔ３５型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第468号型ともいう。魚雷艇用に開発した新型主機を搭載するタイプとして昭和18年12月1日に第468号魚雷艇の建造が下命され、テスト結果が良好だったので９隻が追加されたが、主機の生産能力が低く、２基積む本型は本格量産には至らなかった。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量24トン。主機は艦本式七一号六型ガソリン機関２基２軸1840馬力、速力38ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九三式13mm単装機銃１丁。昭和19年に第468号魚雷艇、第482号魚雷艇、第483号魚雷艇、第484号魚雷艇、第485号魚雷艇、第486号魚雷艇、第487号魚雷艇、第488号魚雷艇、第489号魚雷艇、第490号魚雷艇が建造された。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ３６＞：C-101海外シリーズ（練習機）またはM3中戦車ファミリー（自走対空機関砲）を参照。

＜Ｔ３６水雷艇＞：ドイツ海軍T22級水雷艇。1945年5月4日、バルト海で自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ３６迫撃砲＞：アメリカ軍155mm滑腔迫撃砲。砲身と二脚架の間に緩衝装置を持つ。弾薬には姿勢安定翼が付く。重量27kg。射程2000m。1944年末に少数が生産され、南西太平洋戦線で使用されたが、射程が短いのと陣地への設置が困難なことから戦後すぐ退役した。参考：手榴弾・迫撃砲

＜Ｔ３６型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第411号型ともいう。主機が出力不足で、熱と騒音が激しすぎて機関室天蓋を開けっぱなしにしておく必要があり、実用性が低かった。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量24トン。主機は寿三型ガソリン機関２基２軸860馬力、速力21.5ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九六式25mm単装機銃１丁。昭和18-19年に第411号魚雷艇、第412号魚雷艇、第413号魚雷艇、第414号魚雷艇、第415号魚雷艇、第416号魚雷艇、第417号魚雷艇、第418号魚雷艇、第419号魚雷艇、第420号魚雷艇、第426号魚雷艇、第427号魚雷艇、第428号魚雷艇、第429号魚雷艇、第430号魚雷艇、第431号魚雷艇、第432号魚雷艇、第433号魚雷艇、第434号魚雷艇、第435号魚雷艇、第436号魚雷艇、第437号魚雷艇、第438号魚雷艇、第439号魚雷艇、第440号魚雷艇、第441号魚雷艇、第442号魚雷艇、第443号魚雷艇、第444号魚雷艇、第445号魚雷艇、第446号魚雷艇、第447号魚雷艇、第448号魚雷艇、第449号魚雷艇、第450号魚雷艇、第470号魚雷艇、第471号魚雷艇、第472号魚雷艇、第473号魚雷艇の39隻が建造された。うち９隻は昭和19年3月に雑役船に艦種変更されている。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ３７＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走対空機関砲）を参照。

＜Ｔ３７試作軽戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作軽戦車。M24の後継として1946年7月から開発され、1949年から試作車が製作された。参考：月刊PANZER7,’02、6,’13

　＜Ｔ３７フェイズ�T＞：陸軍兵器局戦闘車両開発部とGMCキャデラック製造部が設計し、1949年に原型が完成した。車体と砲塔は溶接製で、前面には避弾経始が考慮されている。主砲は70.6口径76mm戦車砲T94、副武装は同軸7.62mm機銃M1919A4（同軸12.7mm機銃M2？）、対空12.7mm機銃M2、砲塔後部バスル部両側面のリモコン式30口径7.62mm機銃。FCSは弾道計算機、弾道補正機、ステレオ式測遠機（防楯後方の砲塔上部に測距器収容部の張り出しがある）、ポラロイド式照準装置で、射距離1000-2000mでの命中率向上を目指している。下部転輪はダブルタイプ片側５組、サスペンションはトーションバー・スプリングの独立懸架で、上部転輪はダブルタイプ片側３組、誘導輪は前方、起動輪は後方にある。履帯はゴムパッド付シングルピン鋼製、寿命は6436km。戦闘重量21.428トン。エンジンはコンチネンタル社製ボクサーAOS-895-3空冷４サイクル水平対向６気筒ガソリン（493馬力）、トランスミッションはアリソン製CD-500-3クロスドライブ（前進２段、後進１段）で、両者を一体化してパワーパックとすることにより車高を抑えた。引き続きT37フェイズ�U戦車が開発された。参考：スピアヘッドNo.5、月刊PANZER6,’13、7,’02

　＜Ｔ３７フェイズ�U＞：砲塔を鋳造と溶接の組み合わせとし、主砲を60.2口径76mm砲T91として二軸安定化、防楯形状を変更した。FCSにT37合致式測遠機を採用するなどの改良を施し、砲塔内スペースを拡大している。戦闘重量22.767トン。これが採用されてT41に進み、M41として採用された。参考：月刊PANZER7,’02、6,’13、スピアヘッドNo.5

　＜Ｔ３７フェイズ�V＞：T37フェイズ�U戦車にIBM社製砲二軸安定化装置とウォーターブリート陸軍造兵廠製自動装填装置を搭載したもの。参考：月刊PANZER7,’02、6,’13、スピアヘッドNo.5

＜Ｔ−３７試作戦闘機＞：スホーイ設計局の試作戦闘機。1958年から製作した。Su-11類似の尾翼が付いたデルタ翼機で、エンジンをツマンスキーR-15-300に換装し、機首のエアインテイクは前縁部が前後に動くタイプ（ショックコーンは固定式）を採用した。ノズル部分にエジェクターを装備しており、高速飛行時にはここから空気を取り入れて噴射することにより推力を増加させる。後部胴体にはチタン材を多用し、胴体内にはインテグラルタンク２基を持つ。ミコヤン設計局のYe-150に破れ、試作機完成前の1960年2月に計画中止となった。参考：世界の傑作機No.120

＜Ｔ−３７水陸両用戦車シリーズ＞：ソ連陸軍水陸両用戦車。T-33試作水陸両用戦車にルノーAMR33の足周りを流用して製作し、1933年に採用が決定した。参考：月刊PANZER12,’97

　＜Ｔ−３７Ａ＞：量産型。車体はリベット止めで、浸水を防ぐ設計にかなり苦労したらしい。左右のフェンダーにはバルサ材を封入して浮力を維持する予定だったが、無くても浮いたので廃止された。前部にトランスミッション、中央に戦闘室、後部に機関室がある。戦闘室の左に操縦手が位置し、右にオフセットする形で１名用銃塔を搭載する。サスペンションはホルストマン式。水上航行には車体後部のスクリューと舵を使用する。全長3.73m、全幅1.94m、全高1.84m、重量3.2トン。武装は7.62mm機銃DT１丁。車体装甲厚3-9mm。エンジンはGAZ-AAガソリン（40馬力）、路上最大速度40km、水上最大速力6km。乗員２名。1933-36年に1909両（1200両？2607両？）が生産された。中国にも輸出され、日本軍との戦闘に投入されている。陸上での行動力に難があり、改良型のT38が製作された。参考：月刊PANZER12,’97、異形戦車ものしり大百科、月刊丸3,’13

＜Ｔ−３７水陸両用戦車ファミリー＞

　＜ＳＵ−３７＞：対戦車自走砲型。銃塔を外し、車体に45mm対戦車砲を搭載した。参考：月刊PANZER12,’97

　＜Ｔ−３７ＴＵ＞：指揮戦車型。無線機を装備し、フレームアンテナを装着する。643両が生産された。参考：月刊PANZER12,’97、異形戦車ものしり大百科

　＜自爆戦車＞：爆薬搭載無線操縦車両。マンネルハイム要塞線の突破に用いられた。参考：月刊PANZER12,’97

＜Ｔ−３７練習機シリーズ＞：アメリカ空軍基本ジェット練習機、別名トゥイート（Tweet）。レシプロのT-34初等練習機とT-28A基本練習機を置き換えるジェット初等練習機として1952年4月に要求されたもので、セスナ社の案が７社に勝って採用された。1957年から配備され、1961年4月から初等兼基本練習機となったが、1964年に初等練習機がレシプロのT-41となっている。T-6Aに後を譲って2009年夏に退役した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究3,’08、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＸＴ−３７＞：試作機。エンジンはYJ69-T-9（推力0.417トン）双発。３機が製作されて1954年10月に初飛行した。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−３７＞：評価試験用。11機が製作され、後にT-37Aと改称された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｔ−３７Ａ＞：量産型。胴体は平べったく、XT-37よりも延長されている。コクピットはサイドバイサイドで、与圧は無い。主翼は直線翼で、アスペクト比は6.2。エンジンは低出力を補うため双発となっており、主翼付け根にエンジンが埋め込まれている。排気口直後にスラスト・アッテネーターが配置された。自重1.755トン、最大離陸重量2.093トン。エンジンはチュルボメカ製マルボレ２をライセンス生産したJ69-T-6（推力0.417トン）双発。1955年9月27日に初飛行し、549機が生産されて1956年6月から引き渡された。後にT-37B規格に改修され、39機はA-37Aに改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｔ−３７Ｂ＞：エンジン強化型。1959年11月6日から引き渡され、既存のT-37Aもこれに改修された。全長8.92m、全幅10.3m、全高2.8m、自重1.755トン、最大離陸重量2.993トン。エンジンはコンチネンタル製J69-T-25（推力0.465トン）双発、巡航速度330ノット、最大速度579km・370ノット、実用上昇限度11590m、燃料容量1170リットル、航続距離755海里（576海里？）。乗員２名。552機が生産され、うち47機は西ドイツに引き渡された。1970年までに管制レーダーに対するトランスポンダーを追加した。1973年12月までにDMEを装備した。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界軍用機年鑑1990-91、月刊軍事研究3,’08

　＜Ｔ−３７Ｃ＞：輸出用武装訓練型。Ｂ型の両翼下にハードポイント１カ所ずつを設けて12.7mm機銃、70mmロケット弾、113kg爆弾などを搭載可能とし、K-14C照準器などのFCSを装備、翼端に増槽を付けられるようにした。最大離陸重量3.632トン。252機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings4,’02

＜Ｔ−３７ファミリー＞

　＜Ａ−３７Ａ＞：A-37シリーズを参照。

　＜Ａ−３７Ｂ＞：A-37シリーズを参照。

＜Ｔ−３７海外シリーズ＞

　＜Ｔ−３７（コロンビア空軍）＞：コロンビア空軍練習機／軽攻撃機。訓練だけでなく、主翼下パイロンに兵装を搭載して対ゲリラ任務にも投入されている。1968年からT-37Cを12機、1977年にT-37Cを３機、1990年代にT-37Bを12機導入した。2006年に墜落事故を起こしてT-37Cの退役が決定、2008年からT-37Bの飛行を再開し、その後T-37Bを16機導入している。参考：月刊航空ファン9,’18

　＜Ｔ−３７（パキスタン空軍）＞：パキスタン空軍練習機、別名トゥウィーティ・バード。T-37B/C合わせて35機を導入した。1990年代初めに設計寿命に達したが、構造寿命延長計画SLEPにより、更に7000時間延ばしている。参考：月刊JWings4,’02

　＜Ｔ−３７（バングラデシュ空軍）＞：バングラデシュ空軍練習機。アメリカ空軍の中古T-37Bを1996年に12機導入した。参考：月刊航空ファン10,’15

　＜Ｔ−３７Ｃ（韓国空軍）＞：韓国空軍練習機。T-37C練習機をアメリカから1973年以降25機導入し、1981年にブラジル空軍の中古39機を追加購入した。2004年に退役し、パーツをパキスタンに輸出している。参考：月刊航空ファン10,’19、3,’19

＜Ｔ３７Ｅ１＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走対空機関砲）を参照。

＜Ｔ３７型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第327号型ともいう。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量24トン。主機は明星二型ガソリン機関２基２軸1200馬力、速力25ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九六式25mm単装機銃１丁。昭和18-19年に第327号魚雷艇、第328号魚雷艇、第329号魚雷艇、第330号魚雷艇、第331号魚雷艇、第332号魚雷艇、第333号魚雷艇、第334号魚雷艇、第335号魚雷艇、第336号魚雷艇、第337号魚雷艇、第338号魚雷艇、第339号魚雷艇、第340号魚雷艇、第341号魚雷艇、第342号魚雷艇、第343号魚雷艇、第344号魚雷艇、第345号魚雷艇、第346号魚雷艇、第347号魚雷艇、第348号魚雷艇、第355号魚雷艇、第356号魚雷艇、第357号魚雷艇が竣工した。実用性が低く、昭和19年3月に14隻が雑役船に艦種変更され、雷艇第53-66号になっている。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ−３７級水雷艇＞：ドイツ海軍計画水雷艇。全長106m、幅10.7m、平均吃水2.94m、基準排水量1493トン。機関出力40000馬力、速力34ノット。兵装は10.5cm砲４門、37mm機関砲６門、20mm機関砲８門、533mm魚雷発射管６門、機雷50個。15隻が計画されたが、未完成に終わった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ３８＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走砲）またはM24軽戦車ファミリー（自走迫撃砲）を参照。

＜Ｔ−３８高等練習機シリーズ＞：アメリカ空軍高等練習機、別名タロン（Talon）。世界初の超音速高等練習機でもある。超音速戦闘機の訓練に使用できる新型練習機を求めていたアメリカ空軍が、ノースロップの自主製作小型複座軽量戦闘機N-156に注目、1956年1月に要求を出し、1959年4月10日（3月10日？）に原型機N-156Tが初飛行、1961年3月17日に就役し、1972年までに1187機が生産された。整備性や維持費に優れており、サンダーバーズの使用機としても採用され、NASAの宇宙飛行士訓練にも使用された。2011年に運用50周年を迎え、総飛行時間は1300万時間に達し、アメリカ空軍パイロット70000名以上を育て上げている。T-38Cが2008年4月23日と5月1日に連続墜落事故を起こして全機飛行停止処分を受けたこと、老朽化で可動率が６割にまで落ち込んでいること、複座機が無いF-22AやF-35Aの導入用（リードイン戦闘機訓練LIFT）として使うには旧式すぎてF-16Dを間に噛まさなければならなくなったことから、後継としてT-7Aレッドホークを採用した。戦闘・爆撃飛行隊の慣熟訓練用T-38A練習機（2018年現在50機強）の後継はまだ決まっていない。参考：世界の軍用機1982、1979、世界航空機年鑑2018-2019、月刊丸10,’97、月刊航空ファン6,’11、5,’13、5,’17、7,’19、月刊軍事研究7,’17、5,’17、10,’16、月刊JWings2,’17、4,’17、1,’19、月刊航空情報4,’18

　＜ＹＴ−３８＞：試作機。初号機のエンジンはYJ-85-GE-1（推力0.862トン）双発で、後にYT-38Aと改称された。更に４機がアフターバーナー付きのYJ85-GE-5（推力1.63トン）を搭載して完成し、後にT-38Aと改称された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＹＴ−３８Ａ＞：YT-38を参照。

＜Ｔ−３８Ａ＞：量産型で、1960年5月に初飛行した。風防の抵抗を減らすために前部胴体中心線がＳ字になっている。胴体両側面にエアインテイクを持つ。主翼は左右一体の多桁構造で、外板は１枚板の削り出しであり、低翼配置、25%翼弦後退角25度、アスペクト比3.75、テーパー比0.27、翼厚比4.8%。前縁フラップや翼内燃料タンクは無い。ドラッグシュートは付いていない。操縦系統は二重油圧式。増槽は搭載できない。UHF、TACAN、SIF、ILS、ICSを装備する。全長13.47m（ピトー管含まず）、全幅7.7m、全高3.92m、自重3.244トン、総重量5.465トン。翼面積15.8平方メートル。エンジンはGE製J85-GE-5A（ミリタリー推力1.215トン、A/B時推力1.74トン）双発、巡航速度940km・マッハ0.88（高度11000m）、最大速度1340km・マッハ1.23（高度11000m）、制限速度EAS698ノット、実用上昇限度16335m、海面上昇率毎分9900m、燃料容量2270リットル（2206リットル？）、航続距離1000海里（20分ロイター）。乗員２名。1972年1月までに1139機が生産され、うち46機は西ドイツ空軍が購入してアメリカのシェパード空軍基地にあるアメリカ空軍第80飛行訓練航空団に配備し、ヨーロッパNATO統合ジェットパイロット訓練に使用した。アメリカ海軍に移籍した機体もある。中古の機体は台湾、コロンビア、ポルトガル、トルコに供与された。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1979、月刊JWings11,’16

＜Ｔ−３８Ｂ＞：対地攻撃訓練型。胴体下に外部兵装を搭載できるようにし、照準器も積んでいる。1970年代後半にT-38Aの一部が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究1,’01

　＜Ｔ−３８Ｃ＞： T-38Aにアビオニクス近代化計画を施したもの。F-22A戦闘機などデジタル・コクピット機への転換訓練移行に極力支障を来さないよう、アビオニクスをデジタル化し、HUD、MFD、HOTASを採用、コクピットを一新し、INS/GPS、衝突警報回避装置TCAS、電波高度計を搭載する。また、ミッション用に非投下式爆撃判定装置やデータ送信・ミッション計画システムなども装備する。1998年7月8日に試作初号機が初飛行し、2002年（2007年8月末？）から453機が配備された。参考：月刊軍事研究1,’19、月刊航空ファン10,’98、JWings11,’07、10,’15

　＜Ｔ−３８ペイサー・クラシック＞：AT-38Bの主翼破壊事故や、老朽化に伴って行われた改修。1984-92年に実施されたが、主翼改修などは1979年に開始されている。主翼外皮を厚くして強度を増し、機体背部のロンジロンを鋼鉄製に変更、車輪を新型に交換し、射出座席を交換した。参考：月刊丸10,’97

　＜Ｔ−３８ペイサー・クラシック�U＞：1993年からの改修。主翼構造を更に強化し、エンジンの圧縮機ブレードを改良、ビーコンをAN/ARN-147に交換し、コクピット背後のバルクヘッドを強化、操縦系統の部品をアルミニウム合金製に変更する。風防も強化し、射出座席も新型に換える。参考：月刊丸10,’97

　＜Ｔ−３８ペイサー・クラシック�V＞：後継機の開発が遅れたために行われる構造強化・延命改修。T-38Cを2029年まで運用可能とするもので、構造強化に加え、F-22やF-35に対応できるグラスコクピットを採用する。ビデオデータ転送システムVDTSやスピードブレーキ表示スイッチSBISなども装備する。まず150機を改修する予定で、初号機は2015年7月31日に完成した。最終的には456機を改修する。参考：月刊JWings10,’15、3,’16、4,’17、月刊航空ファン12,’16

＜Ｔ−３８ファミリー＞

　＜ＡＴ−３８Ａ＞：T-38Aを改造した攻撃訓練機。１機が改造されて評価に使用された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＡＴ−３８Ｂ＞：戦技訓練用。1978年に２機が主翼の疲労破壊を起こしたため、全機にペイサー・クラシック改修を行うこととなった。T-38Cに兵装搭載能力が無いので、2018年になっても６機（３機に減っている説あり）をAETCで運用している。参考：月刊軍事研究1,’19、月刊丸10,’97

　＜ＤＴ−３８Ａ＞：アメリカ海軍のドローン誘導機型。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｎ−２０５＞：計画宇宙飛行士訓練機。エンジンを外して胴体内にAR-4ロケット（推力45.359トン）３基を搭載し、機体尾部にノズルを開口、エアインテイクをフェアリングで塞ぎ、機内にJP-5・過酸化水素タンクを詰め込み、機首と翼端に姿勢制御用スラスターを装備、キャノピーを密閉して側面に楕円形の小窓を開け（風防はそのまま）、胴体後部下面に大型のベントラルフィンを付けた。発射台に仰角80度でセットされ、自力で射出すると90秒間ロケットを噴射、速度マッハ3.2・高度90000フィート（27432m）に達し、そのまま勢いで高度200000フィート（60960m）まで駆け上がり、あとは滑空して前輪式降着装置で着陸する。ノースロップ社がアメリカ空軍に提案したが、採用されなかった。参考：月刊JWings9,’20

　＜Ｎ２０５Ｂ＞：計画宇宙飛行士訓練機。N-205を通常離陸で運用できるようにしたもの。最大到達高度285000フィート（86868m）。こちらも採用されなかった。参考：月刊JWings9,’20

　＜Ｔ−３８Ａ（サンダーバーズ仕様）＞：サンダーバーズ装備機。背部にシャークフィンVHFアンテナを装備し、機体疲労記録計を搭載、後席の操縦桿を外した。スロット機はリーダー機の排気を受けるため、垂直尾翼先端をスチールに変更し、VOR/ILSアンテナを胴体に移した。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｔ−３８海外シリーズ＞

　＜Ｔ−３８Ａ（トルコ空軍）＞

　＜Ｔ−３８Ｍ（トルコ空軍）＞：トルコ空軍練習機。T-38Aの近代化改修型で、2007年からアリ計画の名称で設計した。CPU改良、MFDによるグラスコクピット化、HOTAS装備、航法通信システム更新が施される。2014年までに55機（うち２機は試改修機）を改造する予定である。参考：月刊JWings7,’12

　＜利爪式教練機＞：台湾空軍練習機。1960年代に28機、1995年に40機、2000年4月にAT-38Bが１機配備された。参考：月刊航空ファン6,’16

＜Ｔ−３８浮航戦車シリーズ＞：ソ連陸軍の水陸両用戦車。T-37Aの後継として1936年に開発された。参考：月刊PANZER12,’97、月刊丸3,’13

＜Ｔ−３８＞：T-37Aの車幅を広げて車高を抑え、重心を低くして安定性を増している。操縦席を右に、7.62mm機銃DTを左に入れ替えた。トランスミッション換装により水陸での走行性能がかなり改善されたという。全長3.78m、全幅2.234m、全高1.63m、重量3.3トン。装甲厚9mm。エンジンはGAZ-AAガソリン（40馬力）、路上最大速度40km、水上最大速力7km。乗員２名。1937-39年に1375両が生産され、ノモンハン事件で初陣を飾り、独ソ戦まで使用された。参考：月刊PANZER12,’97、異形戦車ものしり大百科

＜Ｔ−３８Ｍ１＞：プラネタリー・トランスミッションを搭載した実験車両。参考：月刊PANZER12,’97

＜Ｔ−３８Ｍ２＞：エンジンをGAZ-M1（50馬力）に強化したもの。参考：月刊PANZER12,’97

＜Ｔ−３８現地改造型＞：航空機用20mm機関砲ShVaKを搭載したものがある。参考：月刊PANZER12,’97

＜Ｔ３８型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型の最多生産型で、魚雷艇241号型ともいう。航空機用金星四一型ガソリンエンジンを搭載したもので、甲板上に扇形の大型排気口を持つ。エンジン直径が大きいのでプロペラシャフトの傾斜がきつく、高速航行時に艇首が持ち上がると潤滑が上手くいかなくなるといった欠点があった。全長18m、最大幅4.3m、吃水0.7m、排水量24.8トン。主機は金星四一型ガソリン機関（700馬力）２基２軸1400馬力、速力27.5ノット。兵装は二式四五サンチ魚雷落射機２基、九三式13mm単装機銃１丁。昭和18-19年に第241−第286号魚雷艇、第457−第467号魚雷艇、第506−第528号魚雷艇の80隻が建造された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜Ｔ−３９＞：M46ファミリー（戦闘工兵車）を参照。

＜Ｔ−３９練習機シリーズ＞：アメリカ空軍・海軍・海兵隊のジェット練習機、別名セイバーライナー（Sabreliner。主尾翼がF-86セイバーに似ていたから）。1956年8月にアメリカ空軍がUT-Xの名称で開発費用自己負担という条件（乗員２名＋搭乗人員４名でビジネスジェットとしても使える大きさのため）付きの要求を20社以上に発出し、ノースアメリカン社NA-265が採用された。試作機はジェネラル・エレクトリック社製YJ85ターボジェットエンジン（推力1.135トン）を搭載し、1958年9月16日に初飛行している。1500機以上を採用するともいわれたが、軍用型は各型計204機、民間型は計400-800機くらい（諸説あり）の生産になった。参考：月刊JWings1,'23、アメリカ空軍の第一線機、アメリカジェット戦闘機、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｔ−３９Ａ＞：アメリカ空軍型。小型のリアエンジン双発機で、主翼25%翼弦後退角は28度33分、前縁にフルスパンのスラットを持つ。胴体は与圧化されており、コクピットは並列複座で、その後ろのキャビンには座席４席または貨物1.135トンを搭載できる。全長13.33m、全幅13.53m、全高4.88m、自重4.2トン、最大離陸重量8.055トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J60-P-3（推力1.36トン）双発、長距離巡航速度413ノット、最大巡航速度436ノット、実用上昇限度15000m、片発時上昇限度6550m、燃料容量3180リットル、航続距離1695海里。乗員２名。初号機は1960年6月30日に初飛行し、1961年6月4日から1963年秋に143機が納入された。実際に練習機として使用されたのは少数で、大多数は連絡輸送機として使用されている。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｔ−３９Ｂ＞：F-105Dのレーダー操作員訓練機。F-105DのNASARRレーダーとドップラー航法装置を搭載している。乗員は教官２名と訓練生３名。1959年11月に発注され、必要性が高かったために生産ラインに並んでいたT-39Aを引っこ抜いて改造し、1960年11月に初飛行、T-39Aよりも早い1961年1月から６機が引き渡された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings9,’11

　＜Ｔ−３９Ｃ＞：F-101Bのレーダー訓練機。開発中止となった。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｔ−３９Ｄ＞：アメリカ海軍のレーダー訓練型で、当初はT3J-1と呼ばれ、1962年の名称統一でT-39Dになった。機体はT-39Aとほぼ同じで、レーダーをAN/APQ-94T1に、電子装備を海軍仕様に変更している。キャビン内にRIO（Radar Intercept Officer）訓練生席がサイドバイサイドで設けられており、その後ろに教官席、前方左に離着陸用教官席がある。アビオニクスはAN/AIC-14インターコム、AN/ARC-52UHF通信機、AN/ARR-40UHF受信機、AN/ARN-52Vタカン、AN/ARN-18ILS受信機、AN/ARN-32マーカー受信機、AN/APX-46V敵味方識別装置、AN/ARA-25A極超短波自動方向探知機、AN/APN-141電波高度計。全長13.41m、全幅13.56m、全高4.88m、自重10341ポンド（4.691トン）、最大離陸重量17760ポンド（8.056トン）。エンジンはJ60-P-3A双発、最大速度350ノット、実用上昇限度45000フィート（13716m）、燃料搭載量6864ポンド（3.113トン）、航続距離1800海里。許容荷重マイナス1Gからプラス3.5G。初号機は1963年8月に引き渡され、42機が生産されてVT-10とVT-86に引き渡された。前者ではNFO（Naval Flight Officer）の中級課程、後者ではNFO高級課程の戦術ジェット航法、RIO全天候迎撃、OJN（Overwater Jet Navigation）洋上航法の訓練に使用している。レーダーはF-8E艦戦に搭載されているものの訓練版だが、F-8Eの乗員はF-3Bなど他の全天候単座戦闘機に搭乗していたパイロットが大部分で、訓練の必要が無かったため、F-8E乗員の養成訓練には直接関わっていない。AFC39改修で最大離陸重量を18650ポンド（8.459トン）に引き上げた。A-7E艦攻の配備に伴い、AN/APQ-116レーダーの訓練を行う必要が出たため、1973年に２機がAFC78改修を受けてAN/APQ-126(V)T1を装備し、VA-122とVA-174で1975年まで訓練に使用され、TA-7Cに引き継いだ。１機はF/A-18用レーダーの開発に使用されている。T-47Aに後を譲って退役した。参考：世界の傑作機No.1、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings9,’11

　＜Ｔ−３９Ｆ＞：F-105Gワイルドウィーズルの乗員訓練機。T-39Aを改造して1968年から３機が製作された。F-105Gと同じ電波捕捉・距離方位測定電子装置を搭載しており、キャビンには教官、パイロット訓練生、電子戦士官訓練生が座る。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｔ−３９Ｇ＞：B-1爆撃機の航法攻撃システム用訓練機。参考：月刊JWings9,’11

　＜Ｔ−３９Ｎ＞：F-15E戦闘爆撃機の航法攻撃システム用訓練機。参考：月刊JWings9,’11

＜Ｔ−３９ファミリー＞

　＜ＣＴ−３９Ａ＞：連絡輸送機型。キャビンに座席７席を設置している。T-39Aから少数が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＣＴ−３９Ｅ＞：海軍の連絡輸送機型。民間仕様のものを採用した。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＣＴ−３９Ｇ＞：海軍の連絡輸送機型。民間仕様セイバーライナー60を採用し、13機を配備した。参考：月刊JWings1,'23、アメリカ空軍の第一線機

＜Ｔ３９ロケットランチャー＞：アメリカ軍のM4中戦車用試作外装ロケットランチャー。7.2インチ（183mm）ロケット弾20連装ランチャーで、ランチャー全体は箱形をしており、ドアも付いている。試作のみ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ３９型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第474号型ともいう。T23型の主機を震天二一型２基に換装したものである。速力に劣り、実用性が低かったらしく、魚雷艇隊には配備されなかった。全長18m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量25トン。主機は震天二一型ガソリン機関２基２軸1440馬力、速力27ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九六式25mm単装機銃１丁。昭和19年に第474号魚雷艇、第475号魚雷艇、第476号魚雷艇、第477号魚雷艇、第478号魚雷艇、第479号魚雷艇、第480号魚雷艇、第481号魚雷艇の８隻が建造された。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ４０＞：C-140ファミリー（計画練習機）またはG40（トラクター）またはM3中戦車ファミリー（試作自走砲）またはM46シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ−４０浮航戦車シリーズ＞：ソ連陸軍浮航戦車。T-30Aを1940年に制式採用したもので、1942年まで生産された。参考：異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER12,’97、10,’05

　＜Ｔ−４０＞：装甲厚は10-13mmあり、避弾経始も取り入れてそれまでのT-37/T-38といった浮航戦車よりも防御力を強化した。サスペンションはトーションバー式独立懸架で、水中障害物が絡まりにくい。水上では車体後部の４翅スクリューを用いる。全長4.14m、全幅2.33m、全高1.905m、重量5.9トン。武装は12.7mm重機関銃DShKが１丁、7.62mm機銃DTが１丁。装甲厚6-13mm。エンジンはGAZ-11ガソリン（85馬力）、路上最大速度45km、水上最大速力6km。乗員２名。生産コストが高く、武装も貧弱で、1941年夏には生産が中止された。生産数668両（485両？）。参考：月刊PANZER12,’97、10,’05、月刊丸3,’13

　＜Ｔ−４０Ｓ＞：Ｓはスィチョプトゥヌイ（乾燥地）の略。12.7mm重機関銃DShKの代わりに20mm機関砲TNShを搭載し、装甲も強化したもので、浮航能力は失われた。生産数181両。参考：月刊PANZER10,’05、12,’97

＜Ｔ−４０浮航戦車ファミリー＞

　＜試作自走砲＞：試作自走砲型。76.2mm砲ZIS-5を搭載している。車体が小型すぎ、採用されなかった。参考：月刊PANZER2,’00

＜Ｔ４０ロケットランチャー・シリーズ＞：アメリカ軍のM4中戦車用外装ロケットランチャー。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ４０ロケットランチャー＞：別名Whiz-bang。7.2インチ（183mm）ロケット弾20連装箱形ランチャーで、砲塔上方にセットされ、75mm砲の油圧俯仰機構により俯仰する。ランチャー前面には上下開きのドアが付く。ロケット弾は単射も斉射も可能。必要に応じてランチャーは投棄できる。限定制式化され、1944-45年に少数が使用された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ４０ロケットランチャー（ショート・バージョン）＞：箱形ランチャーを前後に短縮し、主砲を撤去したM4A2中戦車の砲塔上方に載せたもの。車体側面に乗員用ドアを追加している。試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ４０ＡＡ＞：タレス社とネクスター社が共同開発している艦載40mm機関砲塔システム、別名ラピッドファイア（RapidFire）。40mm機関砲40CTASと電子光学センサー（砲塔左上面）を無人砲塔に搭載し、対空用射撃指揮装置と組み合わせたもので、対水上射撃も行える。最大射程4000m。2022年に実運用可能とする予定。参考：月刊世界の艦船12,’20、月刊軍事研究2,’19

＜Ｔ４１＞：M5軽戦車ファミリー（自走砲）またはM39シリーズ（汎用装甲車）またはM41シリーズ（軽戦車）を参照。

＜Ｔ−４１浮航戦車＞：ソ連陸軍試作浮航戦車。カーデンロイド浮航戦車の国産型であるT-33の車体を改良したものである。1932年に試作車が完成した。車内容積を広げて浮力を改善したが、やはり貧弱なサスペンションがネックとなり、採用されなかった。全長3.67m、全幅1.9m、全高1.97m、重量3.2トン。エンジンはGAZ-AAガソリン（40馬力）、路上最大速度40km、水上最大速力4.5km。武装は7.62mm機銃DTが１丁。乗員２名。参考：月刊PANZER12,’97

＜Ｔ−４１練習機シリーズ＞：アメリカ空陸軍初等練習機、別名メスカレロ（Mescalero）。アメリカ空軍では1960年初めから練習機を全てジェット機にして合理化を図ったが、初等練習機としてプロペラ機を扱った方が経済的で、事故を起こさないうちに不適格者を発見できる点でも良いということで、セスナ172軽飛行機を1964年7月31日に採用したものである。本機の導入で訓練期間は２週間短縮されて53週間に、飛行時間は262時間から240時間に減った。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｔ−４１Ａ＞：アメリカ空軍型。セスナ172F型のスパッツを外し、通信装置を変更した。ごく基本的な訓練に使用される他、連絡観測任務にも使える。経費節減と効率化のため、訓練は民間委託で実施する。全長8.2m、全幅11.02m、全高2.68m、自重569kg、最大離陸重量1040kg。エンジンはコンチネンタルO-300D（145馬力）単発、プロペラは固定ピッチ、経済巡航速度113ノット、最大速度220km、実用上昇限度4000m、航続距離626海里。座席数４。1964年に170機、1967年7月に34機、1969年に７機が発注された。本機で30時間の操縦訓練を行った後、T-37での訓練に移る。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊丸3,’90、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｔ−４１Ｂ＞：アメリカ陸軍型。セスナTO-1Dの後継として1966年8月に255機を発注し、1967年3月までに全機引き渡された。ベースはセスナR172Eで、固定翼機パイロットの基礎操縦訓練を行えるよう、T-41Aよりも航法・通信装備を強化している。訓練は軍が行う。全長8.2m、全幅10.92m、全高2.68m、自重637kg、最大離陸重量1156kg。エンジンはコンチネンタルIO-360-D燃料直噴式（210馬力）単発、プロペラは定速式、経済巡航速度91ノット、最大巡航速度126ノット、最大速度133ノット、燃料搭載量197リットル、航続距離877海里。座席数４。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｔ−４１Ｃ＞：アメリカ空軍士官学校の士官候補生訓練用。ベースはセスナR172Eで、プロペラを固定ピッチに変更した。エンジンはコンチネンタルIO-360-D（210馬力）。1968年に45機、1969年に７機が発注された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｔ−４１Ｄ＞：海外軍事援助用。T-41Bの装備を簡略化したものである。エクアドル、ギリシャ、コロンビア、トルコ、ペルー、ホンジュラスなどに輸出された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｔ−４１練習機・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−４１Ｂ（韓国空軍）＞：韓国空軍練習機。T-41Bを導入し、1972年から28機を運用した。16万飛行時間無事故で2006年に退役し、2008年に15機がフィリピン空軍に無償譲渡されている。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜Ｔ−４１Ｂ（ラオス空軍）＞：ラオス空軍練習機。1972年にT-41B練習機４機が供与された。うち２機は韓国空軍にMAP供与したものを転用している。参考：月刊航空ファン2,’16

　＜Ｔ−４１Ｄ（ラオス空軍）＞：ラオス空軍練習機。タイ陸軍にMAP供与したT-41D練習機を転用して1971年に６機が供与された。参考：月刊航空ファン2,’16

＜Ｔ４２＞：M47シリーズ（中戦車）を参照。

＜Ｔ４２試作自走砲＞：アメリカ陸軍試作自走砲Gun Motor Carriage T42、別名ビッグレイ自走砲（Bigley Gun Motor Carriage）。クリスティーM1937戦車のシャシーにジュラルミン製亀甲形上部構造物を載せ、37mm砲と機銃を装着したものである。後部に機銃を追加したり、連装機銃に換装したりといった武装変更も可能。民間人のビッグレイ氏が提案して1941-42年にテストされた（37mm砲はモックアップを載せた）が、性能が不十分でキャンセルされた。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−４２Ａ＞：アメリカ陸軍の計器飛行練習機、別名コチーズ（Cochise）。1961-62年に双発機のC-7やOV-1を導入したため、双発練習機が必要となり、1964年から審査を行い、1965年2月にビーチクラフト社製モデル95-B55バロンを採用したものである。軍用とするにあたり、計器を二重装備し、自動操縦装置を追加、航法装置を強化した。全長8.31m、全幅11.53m、全高2.92m、自重1395kg、最大離陸重量2313kg。エンジンはコンチネンタル社製IO-470-L（260馬力）双発、経済巡航速度169ノット、最大巡航速度195ノット、最大速度250ノット、失速速度67ノット、実用上昇限度6150m、燃料搭載量424リットル、航続距離1065海里（余裕45分）。乗員2-4名。65機が配備され、1966年2月から使用された。1971年に５機が追加調達されてトルコ陸軍に供与されている。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｔ４３＞：M103重戦車シリーズ（重戦車）またはSu-9シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−４３試作戦車シリーズ＞：ソ連軍試作戦車。1942年初めから装甲強化型T-34として開発された。パーツの75%をT-34から流用し、砲塔を３名用として砲塔リングを拡大、車長用キューポラを装備して全周視察を可能とした。射距離1000mからの88mm徹甲弾射撃に対抗するため砲塔前面は装甲厚90mmとし、車体前面も75mm55度としている。車幅を縮めて重量を34.1トンに抑え、機動性も確保した。1943年2月に試作車が完成して運用試験を開始したが、ティーガー戦車の装甲には主砲が歯が立たないと分かり、1943年に一旦採用が決まったものの試験のみに供された。参考：月刊グランドパワー3,’03

　＜Ｔ−４３−１＞：車体長5.925m、車幅3m、全高2.583m、重量34.1トン。武装は76mm戦車砲F-34（98発）、同軸7.62mm機銃DT（2770発）。照準器はTMFD-7直接照準器とPT-4-7潜望鏡式照準器。エンジンはV-2-34ディーゼル（500馬力）、最大速度48km、燃料搭載量545+270リットル、航続距離318km。無線機は9RS。乗員４名。参考：月刊グランドパワー3,’03

　＜Ｔ−４３−２＞：砲塔の前後長を延長し、85mm砲の搭載を考慮したもの。操縦手用ハッチが小さすぎたため、T-34と同じ大きさに戻した。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜Ｔ−４３浮航戦車＞：ソ連軍試作浮航戦車。T-37の後継として1934年から開発された。フェンダー上まで車体を張り出させて浮力を確保している。クリスティー型サスペンションによる装輪装軌併用式である。全長3.71m、全幅2.15m、全高1.615m、重量4.4トン。武装は7.62mm機銃DTが１丁。エンジンはGAZ-AAガソリン（45-48馬力）、路上最大速度40km（装輪）／35km（装軌）、水上最大速力4.5km。乗員２名。コストが高く、採用されなかった。参考：月刊PANZER12,’97

＜Ｔ−４３Ａ練習機＞：アメリカ空軍の航法訓練機、別名メスカレロ。T-29の後継で、地上訓練用シミュレータと合わせてUNTS（Undergraduate Navigator Training System）と呼ばれる。ボーイングB737-200のドアを前部左舷と後部右舷のみとし、窓を左右９個ずつのみ残して撤去、胴体上面に天測窓を５個設け、AN/APQ-122レーダー（C-130F/HやKC-135Aが装備）、ドップラーレーダー、AVN-1天体コンパス、LTN-51慣性航法装置、中央デジタルコンピュータ、C-5Aと同じ航法コンピュータ、TACAN４台、VOR14台、ロランＣ６台などを搭載した。後部床下貨物室には3028リットル入り燃料タンクを設置し、必要に応じて前部床下貨物室にも2500リットル入り燃料タンクを増設できる。全長30.48m、全幅28.35m、全高11.28m、ミッション零燃料重量31.05トン、設計ミッション総重量48.157トン、最大離陸重量52.39トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT8D-9（推力6.58トン）双発、運用限界速度501ノット、燃料容量22530リットル（＋2500リットル）、航続距離2803海里。乗員２名と教官３名が乗り込み、航法訓練生12名、上級航法学生４名の訓練が可能。1967年4月に試作初号機が初飛行し、DC-9の改造型に勝って1971年5月27日に19機が発注され、1973年4月10日に量産初号機が初飛行、1974年3月からカリフォルニア州メーザー基地の航空訓練軍団第323飛行訓練航空団に配備された。10機のオプション契約も行われたが、こちらは結局発注されずに終わっている。T-1Aジェイホークに後を譲って2010年9月17日までに全機退役した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン4,’72、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊丸3,’90、月刊JWings10,’10

＜Ｔ−４３型掃海艇＞：ソ連海軍掃海艇。ソナーと掃海具を搭載する。兵装は37mm連装機関砲２基、25mm連装機関砲２基、12.7mm連装機銃２基で、哨戒艇の任務を兼ねる。中国も1950-80年代に40隻前後建造した。参考：月刊軍事研究4,’05

＜Ｔ−４４試作対戦車自走砲＞：アメリカ陸軍試作対戦車自走砲。ジープの車体を大幅に改造し、後部車体に57mm対戦車砲を防楯ごと搭載している。試作のみに終わった。参考：月刊グランドパワー7,’98

＜Ｔ−４４戦車シリーズ＞：ソ連陸軍戦車、オブイェークト136。T-43試作戦車の85mm戦車砲搭載型がベースで、車体の小型化と構造単純化で車高を下げ、装甲を強化している。1944年2月から開発され、7月に制式採用が決まり、1944年11月から1947年に1823両が生産された。ベルリン攻防戦開始時には70両が実戦投入可能な状態にあり、戦後は極東に配備された。1980年以降、一部はトーチカにも使われている。参考：月刊グランドパワー3,’03

　＜Ｔ−４４＞：車体は単純な箱形構造で、エンジンを横置きにしてスペースを切り詰めている。車体前面装甲板の左には前方視察用バイザー付きスリットが設けられ、操縦手席上部にはペリスコープ付き乗降ハッチがある。下部転輪は片側５組、懸架装置はトーションバー式である。車体長6.07m、全幅3.1m、全高2.4m、重量32トン。主砲は85mm戦車砲ZIS-S-53（58発）、副武装は7.62mm機銃DTM（2750発）２丁。照準器はTSh-16直接照準器。装甲厚は車体前面上部120mm60度、前面下部90mm45度、側面75mm90度、後面45mm90度、下面20mm、上面15mm、砲塔前面90mm、側面90mm20度、後面75mm12度、上面15mm。エンジンはV-44ディーゼル（520馬力）、最大速度51km、燃料搭載量500+150リットル、航続距離300km。無線機は9RS。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。変速機が不調で、1960年代にT-54/55とパーツ共用化を図った近代化改修が行われて漸く改善した。レンドリースで供与されたM26中戦車にはかなわない（特に装甲貫徹が困難）ことが判明し、T-54を開発した。参考：月刊グランドパワー3,’03、月刊丸8,’87

　＜Ｔ−４４−１００＞：武装強化型、別名T-44V。車体幅を超える砲塔リング径を持つ新砲塔に100mmライフル砲D-10またはLB-1を搭載したもので、最終的にはD-10搭載型（防楯中央部から砲塔上面が盛り上がっている）が採用された。装填手用ハッチに12.7mm重機関銃DShKを装備し、厚さ6mmの装甲スカートを装着している。後にオブイェークト137/T-54になった。参考：月刊グランドパワー3,’03

　＜Ｔ−４４Ｖ＞：T-44-100を参照。

＜Ｔ−４４練習機シリーズ＞：アメリカ海軍マリタイム・コース用練習機、別名ペガサス（Pegasus）。ビーチクラフト社製スーパーキングエア200（キングエア90？）を転用したものである。参考：月刊丸3,’90、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊JWings7,’24

　＜Ｔ−４４Ａ＞：

　＜Ｔ−４４Ｃ＞：

＜Ｔ−４４ロケットランチャー＞：アメリカ軍のM8ロケット弾108連装ランチャー。DUKWの後部に搭載する。250基が生産され、揚陸作戦で使用された。参考：月刊グランドパワー4,’98

＜Ｔ−４５多連装ロケット＞：アメリカ軍のトラック搭載多連装ロケットランチャー。１トン４輪駆動トラックの荷台に、LCI砲艇と同じ4.5インチロケットランチャーMk7を36基または28基搭載している。ロケット弾重量13.8kg、射程4140m。再装填は僅か５分で可能。参考：月刊軍事研究7,’02

＜Ｔ−４５練習機シリーズ＞：アメリカ海軍練習機、別名ゴスホーク（Goshawk）。BAe社製ホーク練習機の艦上機型で、マクダネル・ダグラス社が改造案を出して1981年11月18日に採用が決定し、1984年から開発されて1988年4月（3月？）16日に試作初号機が初飛行、T-2とTA-4を１機種で代替した。2017年4月、機上酸素発生装置の不具合で乗員が生理的変調を訴える事象が発生し、教官が搭乗をボイコットする事態に発展、飛行停止に追い込まれた。4月17日に高度10000フィート（3048m）までの機上酸素発生装置を使わない飛行が再開されている。汚染物質混入が疑われたが検出されず、供給圧力とコクピット与圧の複合要因によるものとし、CRU-99/-123酸素監視装置や乗員の呼気から水分を分離する装置を追加搭載して2017年後半に訓練飛行を全面再開した。その後も稀に低酸素症が起きるため、2018年7月23日にボーイングに対してバックアップの機上酸素発生装置の開発、2019年にコバム・ミッションシステムズ社に対してGGU-25酸素供給コンセントレータのフェイズ�Uアップグレードが発注されている。2020年5月14日、後継機のRFIが発出された。地上模擬着艦と艦上タッチアンドゴー訓練が可能で（カタパルト発艦・拘束着艦はしない模様）、高沈下率での着陸や短距離タッチダウン性能を重視し、最大速度600ノット・1110km、実用上昇限度41000フィート・12500m、耐久総飛行時間14400時間、耐久総着陸回数43200回。訓練は年間あたり飛行時間400時間、地上模擬着艦1200回、タッチアンドゴー45回を想定している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊航空ファン11,’02、10,’19、月刊軍事研究12,’08、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings7,’17、1,’18、10,’18、8,’20

　＜Ｔ−４５Ａ＞：空母で運用できるよう、降着装置を強化、前輪をダブルタイヤにし、カタパルト射出用ランチバーと尾部着艦フックを装着した。ベントラルフィンは１枚に減らし、降下率を上げるため後部胴体側面にスピードブレーキ２枚を装備、着艦時の安定性確保のため主翼前縁にスラットを装着し、尾翼付け根にピッチ安定用フィンを追加している。全長11.97m（機首プローブ含む）、全幅9.39m、全高4.26m（4.09m？）、自重4.46トン（4.263トン？）、最大離陸重量6.387トン（5.787トン？）。翼面積17.66平方メートル。エンジンはロールスロイス・チュルボメカF405-RR-400L（推力2.474トン）またはF405-RR-401（推力2.651トン）単発、最大水平速度538ノット／1006km（高度2440m）／マッハ0.84（高度9150m）、最大急降下速度マッハ1.2、実用上昇限度12200m（12875m？）、燃料容量1635リットル（1700リットル？）＋591リットル増槽２基、航続距離1000海里／1532km（フェリー、機内燃料のみ）。乗員２名。1989年10月から量産機の組み立てに入り、1991年12月16日に初飛行、1992年1月に第21訓練飛行隊VT-21に配備され、1994年から運用された。後にT-45C仕様に改修された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊丸6,’01

　＜Ｔ−４５Ｂ＞：陸上運用型。計画中止になった。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ−４５Ｃ＞：操縦系統を改良し、最新のデジタル・ディスプレイを採用したもので、グラス・コクピットは「コクピット21」と呼ばれる。1994年に初飛行し、1997年から生産された。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン1,’98、11,’02

＜Ｔ４６＞：M76シリーズ（水陸両用輸送車）を参照。

＜Ｔ４６シリーズ＞：ソ連軍試作戦車。T-26の後継として製作された。参考：月刊PANZER2,’12、1,’98

　＜Ｔ４６＞：T-26にBTシリーズと同様のクリスティー型装輪装軌併用走行装置を取り付けている。主砲はT-26（1933年型）と同じ46口径45mm戦車砲M1932。重量15トン。エンジンはMT-5ガソリン（300馬力）、最大速度60km（装軌）／80km（装輪）。採用されず。参考：月刊PANZER1,’98

　＜Ｔ４６−１＞：T46をベースに武装を強化したもので、7.62mm機銃DTを３丁に増やし、45mm戦車砲に加えて主砲防楯右に火炎放射器を搭載した。20m先までの目標に対し、12回程度の火炎放射を行える。71-TK無線機も搭載した。採用されず。参考：月刊PANZER1,’98

＜Ｔ４６−５＞：耐砲弾実験戦車、正式名称は重装甲小型戦車オブイェークト111。車体装甲厚は全周60mmで、45mm対戦車砲を200m先から撃ち込んでも貫通されなかった。武装は45mm砲M1934。２両のみ試作され、1937-38年に研究が行われている。参考：月刊PANZER1,’98

＜Ｔ−４６Ａ＞：アメリカ空軍試作練習機、別名イーグレット（鷲の雛）。T-37の後継として1981年に次世代練習機という名称で要求が出され、セスナ社、ヴォート社、ロックウェル・インターナショナル社、ジェネラル・ダイナミクス社、フェアチャイルド社が応募し、フェアチャイルド社の案が1982年7月2日に採用された。当初はA-10をそのまま小型化したような外見をしていたが、後にエンジンを主翼付け根に移し、主翼を肩翼配置に変更、降着装置を全て胴体に引き込むようにしている。尾翼は双垂直尾翼。全長8.99m、全幅11.77m、全高3.04m、自重2.54トン、最大離陸重量3.314トン。エンジンはギャレットF109-GA-100ターボファン（推力0.603トン）双発、最大巡航速度372ノット、最大速度391ノット。乗員２名（並列複座）。初号機は1985年2月11日に完成し、10月15日に初飛行した。しかし1986年3月28日にアメリカ空軍は開発予算打ち切りを表明、1986年7月16日に２号機が初飛行したものの、そのままお蔵入りになってしまった。ちなみにT-37の後継はT-6テキサン�Uに決定し、2001年から配備された。参考：月刊JWings12,’11

＜Ｔ４７＞：M8（自走榴弾砲）またはSu-11シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−４７練習機＞：アメリカ海軍レーダーシステム訓練機。セスナ社製サイテーション�U双発ビジネスジェットを採用したものである。参考：月刊JWings10,’14

＜Ｔ４７型＞：シュルクーフ級（艦隊護衛艦）を参照。

＜Ｔ４７改型＞：デュプティ・トアール級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜Ｔ４８＞：M3ハーフトラック・ファミリー（対戦車自走砲）またはM48シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ４９＞：M18（駆逐戦車）を参照。

＜Ｔ−４９試作機＞：ソ連の試作戦闘機。ショックコーン内蔵レーダーでは性能が限られるため、エアインテイクとレーダーの配置を工夫して高性能化する目的でスホーイ設計局が開発した。ベースは開発中止になったT-39試作機で、尾翼付きデルタ翼機である。機首レドーム直後左右にエアインテイクがあり、開口部は扇形の形状をしている。推力上昇のため、アフターバーナーに水噴射装置を追加した。1960年1月に初飛行したが、採用されなかった。参考：世界の傑作機No.120

＜Ｔ４９試作軽戦車＞：アメリカ陸軍試作軽戦車。M41軽戦車にM48中戦車と同口径の50口径90mm低圧滑腔砲M41を搭載したものである。1958年（1951年？）に１両が試作されたが、M551空挺戦車に蹴られた。参考：スピアヘッドNo.5、月刊PANZER8,’13

＜Ｔ−５０＞：Su-57シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−５０軽戦車シリーズ＞：ソ連軍軽戦車。T-126SP軽歩兵支援戦車を基に開発された。参考：月刊PANZER1,’98

＜Ｔ−５０＞：装甲厚を37mmに減らし、最大速度を50kmに増加させた。サスペンションはトーションバー式。砲塔に主砲の45mm対戦車砲M1938と車長用キューポラを装備する。全長5.2m、全幅2.45m、全高2.165m、重量14.5トン。エンジンはV-4ディーゼル（300馬力）、最大速度50km、航続距離344km。乗員４名。T-40やT-60に負けて採用されない筈だったが、独ソ戦が始まり、オムスク市に疎開した第174工場で生産できる戦車がこれしか無かったので、1941年冬から1942年春に63両が生産されてフィンランド国境に送られた。１両がフィンランド軍に鹵獲されて終戦まで使用されている。参考：月刊PANZER1,’98

＜Ｔ−５０バリアント２＞：別名オブイェークト211。エンジン出力を350馬力に増大し、最大速度を64kmに増加させたもので、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER1,’98

＜Ｔ−５０練習機シリーズ＞：韓国空軍の超音速ジェット練習機、別名ゴールデン・イーグル（Golden Eagle、イヌワシ）。1992年に三星航空宇宙産業がロッキード・マーチン社（アメリカ空軍T-38練習機の後継を狙った）の協力で立ち上げた超音速練習機計画KTX-2が大元で、1995年に基本要求が出され、韓国独立50周年にちなんで制式名称もT-50に決まったが、財政難で開発が一時ストップした。1997年7月3日になって韓国政府70%・三星17%・ロッキード・マーチン13%の出資比率が決まり開発が本格化、1999年10月1日に三星航空宇宙産業がKAIに統合されたので開発がそちらに移った。韓国国産初の超音速機ということで気合いが入りすぎたのかプレッシャーが凄かったのか、開発中に技術者２名が過労死している。飛行試験機４機と地上試験機２機が製作され、飛行試験初号機は2002年8月20日に初飛行し、2003年2月に音速を突破、12月19日に25機の生産契約が結ばれた。2005年2月22日から韓国空軍に就役し、2010年5月13日に戦力化完了記念式典が実施されている。UAE、シンガポール、イスラエル、ポーランドに提案していたが、いずれもM-346に負けて採用されなかった。インドネシア空軍が採用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究4,’04、4,’08、月刊航空ファン8’10、月刊JWings5,’16、6,’14、10,’10、7,’11、5,’12

　＜Ｔ−５０Ａ＞：高等練習機仕様。上から見るとF-16そっくりだが、エアインテイクは両主翼付け根ストレーキ下面に設けられており、ベントラルフィンは無い。機首は太短く、下方への垂れ下がりも無い素直な形状だが、背面飛行時に迎え角を維持するのが難しいようである。サムソン・タレス社製カラーMFDによるグラスコクピットを採用し、HUDも積んでおり、操縦装置は三重フライ・バイ・ワイヤ、操縦桿はサイドスティックのフォース・センサー付き固定式。全長13.14m（12.98m？）、全幅9.45m（9.17m？）、全高4.94m（4.78m？）、自重6.35トン、最大離陸重量13.471トン（11.985トン？）。エンジンはF404-GE-102ターボファン（のサムソン・テックウィン社ライセンス生産型。FADEC付き。ドライ最大推力53.1kN、A/B時推力78.7kN）単発、最大速度マッハ1.5、実用上昇限度14780m、航続距離2592km。制限荷重マイナス3Gからプラス8G。乗員２名（タンデム複座）。49機が配備された。参考：月刊JWings5,’16、12,'22、6,’14、3,’16、月刊軍事研究7,’05、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−５０Ｂ＞：戦闘機転換訓練用練習機（LIFT）仕様。AN/APG-67レーダーや機関砲を搭載している。44機を生産予定で、うち22機はT/A-50に改造される予定。参考：月刊軍事研究7,’05

　＜Ｔ−５０Ｂ（アクロバット飛行用）＞：ブラックイーグルス向けで、９機（10機？）を導入して2009年から使用した。正面サイズが小さいので、翼端にサイドワインダーを模したライトを取り付けている。当初はスモークワインダーを装着して発煙していたが、容量が少ないという欠点があり、胴体内にスモークタンク２個（容量30ガロン・114リットルと40ガロン・151リットル。ホワイトとカラースモークを入れる）を設けて排気ノズル上面から噴射するようにした。機体下面に１台、コクピットに４台のテレビカメラが作り付けられており、安全管理やプロモーション映像に使用する。2018年2月6日、シンガポール航空ショーで１機が離陸時に転覆炎上した。参考：月刊JWings6,’14、5,’16、月刊航空ファン8’10、月刊航空情報5,’18

　＜Ｔ／Ａ−５０＞：教導戦闘練習機型。レーダーをエルタ製EL/M-2032（EL/M-2023？）に、機関砲を３砲身20mmガトリング砲に換装し、AIM-9やAGM-65の運用能力を持つ。全長13.14m、全幅9.45m、全高4.94m、最大離陸重量13.471トン。最大速度マッハ1.5。乗員２名。22機（32機？）が発注され、2011年から配備された。参考：月刊JWings3,’16、11,’14、4,’11、月刊軍事研究4,’04、7,’05、月刊航空ファン8’10

　＜Ｆ／Ａ−５０＞：F-5E/F後継の戦闘攻撃機型、別名ファイティング・イーグル（Fighting Eagle）。T/A-50がベースで、レーダーをセレックス・ビクセン社製500Eアクティブ電子スキャンアレイレーダーに換装する予定だったが、輸出市場でF-16と競合するため、アメリカからレーダーの輸出許可が降りず、開発が滞ってしまった。結局エルタ社製EL/M-2032のまま（AN/APG-67？）としている。垂直尾翼先端の形状をF-16類似に変更した。ハードポイントは７ヵ所で、WVRAAM、JDAM、WCMD、セミアクティブ・レーザー誘導式ロケット弾の運用も可能。自衛用にECM、レーダー警戒受信器、チャフ・フレアディスペンサーを装備する。全長13.14m、全幅9.45m、全高4.82m、自重14228ポンド（6.45トン）、最大離陸重量12.3トン。翼面積23.7平方メートル。エンジンはGE製F404-GE-102ターボファン（ドライ最大推力53.1kN、A/B時推力78.7kN）単発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ1.5、実用上昇限度14630m、フェリー航続距離1403海里。荷重制限プラス8Gからマイナス3G。兵装ペイロード4.5トン。乗員２名。３個部隊に60機を配備予定であり、最初の20機は６億ドルで発注された。2011年5月31日にT/A-50から改造した試作初号機が初飛行し、量産初号機は2013年8月21日に韓国空軍に引き渡されて第８戦闘飛行団第103戦闘飛行大隊に配備され、2014年10月に同大隊への配備を完了している。2023年5月15日、レイセオン社がファントム・ストライクAESAレーダーのDCS輸出許可が出たと発表した。2025年から搭載予定。参考：月刊JWings5,’16、3,’16、4,’11、4,’12、9,'23、月刊軍事研究4,’08、月刊航空ファン2,’15、4,’18

＜Ｔ−５０練習機ファミリー＞

　＜ＥＡ−５０＞：開発中の電子攻撃機型。アクティブジャミングポッド及びAGM-88を搭載して電子戦に投入される。参考：月刊JWings6,’07

　＜ＲＡ−５０＞：開発中の偵察機型。電子光学・赤外線センサーポッドまたは長距離斜めカメラポッドを搭載する。参考：月刊JWings6,’07

＜Ｔ−５０練習機・海外シリーズ＞

　＜Ｆ／Ａ−５０（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍戦闘攻撃機。2022年7月26日、48機の導入を発表し、9月19日に契約を結んだ。最初の12機は標準仕様F/A-50GFで配備を急ぎ2023年から導入、残る36機は改良型F/A-50PLで2025-28年に配備する。参考：月刊JWings10,’23

　＜Ｆ／Ａ−５０ＧＦ＞：ポーランド空軍戦闘攻撃機で、GFはギャップ・フィラー（穴埋め）の略。配備を急ぐためF/A-50をそのまま導入するもので、2022年9月に12機を契約し、2023年7月9日には早くも２機がポーランドに到着した。テスト飛行の後、8月中にポーランド空軍に引き渡され、8月26-27日のラドム航空ショーでフライトしている。12月29日、全12機の納入を終えた。後にF/A-50PL仕様に改修される予定。参考：月刊JWings10,’23、11,’23、3,’24

　＜Ｆ／Ａ−５０ＰＨ＞：フィリピン空軍戦闘攻撃機。F/A-50を導入したもので、2015年6月19日に初飛行し、11月28日に最初の２機、2017年5月31日に最終12号機が引き渡された。2017年1月25日からアブ・サヤフ・グループ爆撃作戦、1月26日からミンダナオ島マラウィ市でイスラム国掃討作戦に投入されたが、敵味方識別の失敗で味方兵士２名が死亡したり、目標を外れた250ポンド爆弾が味方兵士の確保する建物を直撃して11名が負傷したりといった事態が発生、2017年7月中旬に前線から引き揚げられた。原因を調査した結果、アビオニクス改修が必要になったらしい。その後は信頼を取り戻したようで、2018年6月7日にフィリピン国防相が10-12機の追加導入を検討していると述べている。2023年2月24日、ホーク100の後継として18機の輸入契約を結んだ。5月23日、MiG-29Nの後継として18機を追加した。参考：月刊航空ファン2,’16、8,’17、月刊JWings5,’16、10,’17、3,’18、8,’18、5,'23、8,'23、月刊軍事研究4,’18

　＜Ｆ／Ａ−５０ＰＬ（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍戦闘攻撃機。レーダーをレイセオン社製ファントムストライクAESAレーダーに換装、AN/AAQ-33スナイパー目標指示ポッドを搭載して運用可能な空対空・空対地兵装を増やし、空中給油受油装置を追加する。2025-28年に36機が引き渡される予定。参考：月刊JWings12,'22、10,’22、8,’23、10,’23

　＜Ｆ／Ａ−５０（ＩＴＰＳカナダ）＞：ITPSカナダ社戦闘攻撃機。戦闘機パイロット養成用L-39C練習機の後継として導入を決定し、2020年11月2日にKAIと覚え書きを交わした。参考：月刊JWings1,’21

　＜Ｔ−５０Ａ（アメリカ空軍）＞：アメリカ空軍次期高等練習機（T-38後継機）向けとしてロッキード・マーチンと開発したもの。F/A-50がベースで、ドーサルスパイン（大型ハンプバック）を装着してアビオニクスや燃料を積み、ハンプバック前端に空中給油受油装置を装着、コクピットを第５世代戦闘機（F-22A/F-35A）及びアメリカ人体格対応に変更する。全長13.14m、全幅9.45m、全高4.94m、空虚重量6.47トン、最大離陸重量12.3トン。翼面積23.69平方メートル。エンジンはF404（A/B時推力17700ポンド・8.073トン）単発、最大速度マッハ1.2・1640km、航続距離1851km。2016年6月2日に初号機が韓国で初飛行した。２号機は7月26日に韓国で初飛行し、2017年2月20日には初めてアメリカで飛行している。ベースが実戦機なのでオーバースペック気味（運用コストも高い）であり、T-7Aに負けて採用されなかった。参考：月刊航空ファン12,’16、5,’17、1,’20、月刊JWings8,’16、2,’17、12,’18、月刊軍事研究5,’17、10,’17、10,’16、1,’19

　＜Ｔ−５０Ｉ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍練習機。ホークMk.53の後継として16機を４億ドルで導入することになり、2011年5月25日に政府間の正式契約が締結された。2012年から引き渡される予定。2015年12月20日、アクロバットチームのブルーイーグル所属機１機が墜落し、パイロット２名が死亡した。2018年11月、レーダーと機関砲の搭載改修を行う契約をKAIと締結した。2021年7月20日、６機の追加契約を締結した。参考：月刊JWings7,’11、9,’11、3,’16、5,’16、8,’19、10,’21

　＜Ｔ−５０ＩＱ（イラク空軍）＞：イラク空軍練習機。F-16パイロット養成用LIFTとして2013年12月12日に24機の導入を決定した。F/A-50がベースになる予定で、2016-17年に引き渡される筈だったが、納期に問題があるらしく正式契約が遅れ、初号機は2017年3月16日に完成した。2017年3月に第１バッチ、2018年初めに第２バッチ、10月に第３バッチ、2019年11月に第４バッチが納入され、24機全機の配備を終えている。参考：月刊JWings3,’14、7,’14、3,’18、月刊航空ファン2,’20

　＜Ｔ−５０ＴＨ（タイ空軍）＞：タイ空軍練習機。戦闘機パイロット養成用LIFTで、戦闘機能も有する。2015年9月17日、L-39の後継として４機の購入契約を結び、最初の２機は2018年1月25日、次の２機は4月4日にタイに到着した。2017年7月30日（29日？）に８機を追加発注しており、あと16機導入する予定。2019年5月24日、レーダー、レーダー警報、チャフ・フレア・ディスペンサーの搭載改修を行う契約をKAIと締結した。2021年10月までに完了する予定。2021年7月30日、２機の納入契約を締結した。参考：月刊JWings12,’15、8,’19、10,'21、月刊航空ファン10,’17、4,’18、6,’18、月刊軍事研究4,’18、9,’18

　＜Ｔ／Ａ−５０（フィリピン空軍）＞：フィリピン空軍練習／軽攻撃機。2012年8月1日に12機を発注したと発表したが、正式な契約は2013年になっても未了である。固定武装は20mm機関砲M197で、FCSはEL/M2032。AIM-9やAGM-65を搭載可能。参考：月刊軍事研究1,’13、月刊JWings11,’12、3,’14

＜Ｔ５１＞：M7海外シリーズ（自走砲）を参照。

＜Ｔ５１駆潜艇＞：インド海軍T51級駆潜艇。1978年就役。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ５１級駆潜艇＞：インド海軍駆潜艇。満載排水量203トン。主機はディーゼル、速力29ノット。兵装は40mm単装機関砲１門、爆雷28発。1978-79年にT51、T52、T53が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ５１ａ型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇甲型。ドイツのＳボートを参考にしており、イタリアのMASが搭載するイソッタ・フラスキーニ型主機を国産化して搭載した。ただ機関重量が重すぎて速力が予定を下回り、凌波性能も悪く、フルカン式流体継手の振動も激しく、第10号魚雷艇しか製作されなかった。全長32.4m、幅4.7m、吃水1.17m、計画排水量80トン、実際の排水量は90トン超。主機は艦本式七一式六型ガソリン機関４基２軸3600馬力、計画速力30ノット（実際にはそれ未満）。兵装は45cm魚雷落射機４基、九六式25mm連装機銃１基。魚雷の代わりに爆雷12個を積むこともできる。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ５１ｂ型魚雷艇＞：日本海軍魚雷艇甲型。T51a型の改良型で、フルカン継手を廃止して４軸推進にし、魚雷落射機を半分にして軽量化、速力増大を狙った。全長32.4m、幅4.7m、吃水1.11m、排水量75トン。主機は艦本式七一式六型ガソリン機関４基４軸3600馬力、速力29ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、九六式25mm単装機銃３丁。魚雷の代わりに爆雷12個を積むこともできる。第11号魚雷艇、第12号魚雷艇、第13号魚雷艇、第14号魚雷艇、第15号魚雷艇、第16号魚雷艇、第17号魚雷艇、第18号魚雷艇、第19号魚雷艇、第20号魚雷艇の10隻を建造する予定だったが、速力が計画通りに出ない（24ノットしか出なかった艇もある）、ローリングが激しいといった欠点が見つかり、第18号魚雷艇、第19号魚雷艇、第20号魚雷艇は建造中止になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ５２＞：M4中戦車ファミリー（試作対空戦車）を参照。

＜Ｔ５２駆潜艇＞：インド海軍T51級駆潜艇。1979年就役。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−５２級水雷艇＞：ドイツ海軍水雷艇。全長103m、幅10.1m、平均吃水2.91m、基準排水量1418トン。機関出力52000馬力、速力37.2ノット。兵装は10.5cm砲４門、37mm機関砲10門、533mm魚雷発射管８門、機雷30個。９隻が計画されたが、未完成に終わった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ５３＞：M4中戦車ファミリー（試作対空戦車）を参照。

＜Ｔ５３エンジン・シリーズ＞：アブコ・ライカミングのターボシャフト／ターボプロップエンジン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５３−Ｌ−１３＞：ターボシャフトエンジンで、UH-1C、UH-1D、AH-1Gに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は低圧が軸流式５段、高圧が遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.209m、直径0.584m、重量249kg。離昇出力1400馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５３−Ｌ−７０１＞：ターボプロップエンジンで、OV-1D、T-CH-1に搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は低圧が軸流式５段、高圧が遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.483m、直径0.584m、重量312kg。離昇出力1400馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５３−Ｌ−７０３＞：ターボシャフトエンジンで、AH-1Q、AH-1Sに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は低圧が軸流式７段、高圧が遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.209m、直径0.584m、重量247kg。離昇出力1485馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５３駆潜艇＞：インド海軍T51級駆潜艇。1979年就役。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ５３戦車砲＞：アメリカ軍120mm戦車砲。高射砲をベースに1945年初めから開発した。分離装薬式で、使用弾はHVAP（弾丸重量23kg、初速毎秒1230m）など。T34試作重戦車に搭載してテストした結果、未燃焼ガスが砲塔内に逆流する事故が起こったため、砲身先端に砲口排煙器を装備した。その後も改良が続けられ、最終的にM103重戦車の主砲となっている。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ−５３Ａ＞：アメリカ空軍飛行適性検査機。シーラス製SR22がベースである。参考：月刊航空ファン1,’20

＜Ｔ５３型駆逐艦シリーズ＞：フランス海軍駆逐艦、別名デュプレ（Duperé）級。1957年から1960年代に５隻（６隻？）が建造された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,’21

　＜Ｔ５３型駆逐艦＞：排水量3800トン。主機はラトー式蒸気タービン２基、主缶はACB／アンドレ缶（蒸気圧１平方センチあたり35kg、温度385℃）４基、出力63000馬力。兵装は127mm連装高角砲３基、57mm連装砲２基、ボフォース対潜ロケット発射機、対潜魚雷発射管など。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,’21

　＜Ｔ５３型対潜指揮艦＞：艦橋を大型化して艦隊旗艦施設を設け、ヘリ格納庫やヘリ甲板などのヘリコプター運用施設を追加したもの。全長132.8m、幅12.7m、吃水6.1m、基準排水量2800トン、満載排水量3900トン。主機は蒸気タービン２基２軸63000馬力、速力32ノット。兵装はエグゾセMM38単装発射筒４基、100mm単装砲１門、20mm単装機関砲２丁、533mm固定式対潜魚雷発射管２門。リンクスMk2/4を１機搭載できる。乗員272名。D633デュプレが改装を受けた。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｔ５４＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）を参照。

＜Ｔ５４試作中戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作中戦車。M48中戦車の武装強化型で、T54E1はアメリカ初の揺動砲塔搭載戦車となった。参考：月刊PANZER8,’13

　＜Ｔ５４試作中戦車＞：M48中戦車の試作型であるT48試作中戦車の車体に、105mm戦車砲T140（48発）装備の新型砲塔を搭載している。砲塔重量はT48よりも3.5トン増しになった。２両が製作された。参考：月刊PANZER8,’13

　＜Ｔ５４Ｅ１試作中戦車＞：砲塔を揺動式に変更したもので、自動装填装置付き105mm戦車砲T140E1を搭載する。1954年に製作されたが、砲塔重量が20.8トンと重すぎる、揺動砲塔がNBC防護能力に欠けるといった欠点があり、採用されなかった。参考：月刊PANZER8,’13

　＜Ｔ５４Ｅ２試作中戦車＞：T54試作中戦車の砲塔前部を絞り込んで防御力を強化したもの。1956年に４両が試作された。うち２両は120mm戦車砲T77装備揺動砲塔のテストベッドになったが、砲塔や車体の容積が足りない、戦闘重量50.8トンは重すぎるといった欠点があり、110mm戦車砲への換装プランも立ち消えとなり、全て開発中止になった。参考：月刊PANZER8,’13

＜Ｔ−５４中戦車シリーズ＞：ソ連陸軍中戦車。第２次大戦末期に開発したT-44中戦車がベースで、100mmライフル砲D-10Tを搭載したオブイェークト137砲塔（B-40ともいう）を車体に載せたプロトタイプが1946年に完成、1946年冬に試験生産が行われ、T-54と命名された。1956年10月のハンガリー動乱で西側が認識した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊丸8,’87

　＜Ｔ−５４モデル１９４６＞：初期型、別名T-54-1。車体は一体構造で、生産性が高い。T-34のような車体前面の操縦手用ハッチ・機関銃マウントは無く、防御力は良好。小型化を徹底して車重を36トンに抑えたが、内部には全く余裕が無い。車体前部左に操縦手席、右に主燃料タンクと20発入り100mm弾薬ラックがある。操縦手席の床には脱出ハッチが設けられている。操縦手席は非常に狭く、大柄な操縦手が防寒具を着ると中に入れない。かといって小柄だと重すぎる変速ギアのシフトチェンジに苦労する。車体中央部が戦闘室で、底面はターンテーブルになっており、左右側壁のラックに即用弾12発が固定されている。車体後部が機関室で、戦闘室とは防火隔壁で分けられている。車体左右にはフェンダーがあり、前部左右に遠隔操作の固定式7.62mm機銃SGMT（250発）各１丁を搭載する。フェンダー後端にはMDSh電気発火式白煙発生装置を装備可能。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は無い。サスペンションはトーションバー式で、下部転輪の最前部と最後部に油気圧式ダンパーを備える。履帯はハイマンガン鋼の鋳造シングル・ドライピンで、幅500mm、片側90枚、寿命3000km。エンジンはT-44と同じで、横置きにして車体を小型化した。トランスミッションはT-44用の改良型らしい。砲塔は逆お椀型で、T-44よりも平低だが、下部がショットトラップになっているのが弱点。主砲は100mm戦車砲D-10Tで、俯仰角はプラス18度からマイナス５度。防楯左側にTSh-20直接照準器を装備し、主砲の有効射程（高さ2mの目標に対する確実命中域）は1000m（徹甲弾）／1100m（HEAT）。榴弾の間接照準射撃なら最大射程14600m。砲塔内の装填手脇の側壁に主砲弾２発を搭載でき、主砲弾数計36発、発射速度毎分4-5発程度。同軸機銃は7.62mm機銃SGMT（4000発）。砲塔上面に対空用12.7mm機銃DShKを装備し、俯仰角はプラス82度からマイナス4.5度、砲塔内と戦闘室後部に50発入りベルトリンク弾薬箱を４個搭載する。車外視察装置として、装填手と砲手にMk4ペリスコープ各１基ずつ、車長用キューポラ（M4A2後期型を参考にした）にプリズム式ビジョンブロック５基とTPK-1測距器が用意されている。装甲厚は車体前面上部97mm58度、前面下部79mm、側面上部97mm、側面下部20mm、後面46mm、上面33mm、下面20mm、砲塔最大200mm。エンジンはV54ディーゼル（４サイクル12気筒60度Ｖ型、総排気量38880cc、出力520馬力）、トランスミッションは機械式、最大速度48km。無線機は10-RT-26、車内通話装置はTPU-47。参考：月刊グランドパワー3,’03、月刊グランドパワー3,’05、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−５４モデル１９４９＞：1949年以降生産型、別名T-54-2。事実上最初の量産型である。砲塔前半部のショットトラップを改善し、小型の「豚の鼻（西側呼称）」型主砲防楯を搭載した。右フェンダーに各型車外燃料タンク２個を配置し、機関室後部に200リットル入りドラム缶２個を装着できるラックを設け、フェンダー前部左右の機銃を廃止し、代わりに操縦手席右横にリモコン式7.62mm機銃SGMT（操縦手が操作）を固定装備している。同軸機銃弾搭載数は3500発に減った。履帯幅は580mmに広がっている。参考：月刊グランドパワー3,’03、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−５４モデル１９５１＞：1952-54年生産型、別名T-54-3。主砲直接照準器を倍率3.5-7倍に変更可能なTSh-2-20に換え、フェンダー後端にBDSh-5煙幕発生装置を搭載した。参考：月刊グランドパワー3,’03、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−５４モデル１９５３＞：砲塔後部のショットトラップを改善したもので、これも別名T-54-3。参考：月刊グランドパワー3,’03、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−５４Ａ＞：1955年以降生産型。主砲をSTP-1ゴリゾント砲安定化装置（垂直方向のみ）付き100mm戦車砲D-10TGに換装し、主砲先端に砲口排煙器が付いた。ただ砲安定化装置のせいで走行中に狭い砲塔内で砲尾が上下に激しく揺れるため、乗員を直撃して死人が出ている。操縦手用TVN-1アクティブ赤外線暗視装置を追加し、機関室後部に200リットルの燃料用ドラム缶２個を取り付けるラックを標準装備、無線機や車内通信装置も改良した。車体長6.04m、全幅3.27m、全高2.4m、重量36トン。弾数は主砲34発、12.7mm弾200発、7.62mm弾3500発。エンジンはV-54ディーゼル（520馬力）、最大速度50km、航続距離440km。1960年代のオーバーホールでT-54B仕様に順次改造された。参考：月刊グランドパワー4,’03、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−５４Ｂ＞：1957年以降生産型。主砲をSTP-2ツィクロン二軸安定化装置付き100mm戦車砲D-10T2Sに換装し、TPN-1アクティブ赤外線暗視装置とL-2（ルナ-2）赤外線照射ライト（有効距離800m、交戦可能距離はせいぜい400m）を標準装備する。車長用TKN-1赤外線暗視測距器とOU-3赤外線照射ライト（照射距離400m）を追加し、操縦手用暗視装置もTVN-2に改良した。戦闘室底部には砲塔旋回に追随して作動するターンテーブルが付き、潜水装置OPVTを標準装備、フェンダー上に増加燃料タンク３個を追加した。重量36.5トン。航続距離360-400km。参考：月刊グランドパワー4,’03、世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究8,’01

　＜Ｔ−５４Ｍ＞：T-54A/Bに新型履帯、改良型サスペンション、追加装甲を取り付け、エンジンをV-55Uに換装し、無線機をR-173にしたもの。1977年から少数が改修され、1994年にロシア軍の装備から外された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー4,’03

＜Ｔ−５４中戦車ファミリー＞

　＜ＢＴＳ−２＞：戦車回収車型。1955年から生産され、1980年代まで使用された。T-54戦車の砲塔を外し、牽引力25トンの動力ウインチと折り畳み式４トンクレーンを配置している。自衛用に12.7mm重機関銃DShK-M（406発）とBDSh-5ドラム式煙幕展開システムを装備する。車内にAK-47突撃銃３丁（1350発）を搭載する。全長7.12m、全高2.055m、重量32トン。最大装甲厚100mm。エンジンはV-54ディーゼル（520馬力）、最大速度50-51.5km、航続距離290km。無線機は10-RT-26。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＭＴＵ−１２＞：戦車橋型。T-54戦車の車体に長さ12.3mの橋体を搭載しており、架橋時にはカタパルトで発射する。通過可能重量50トン。1955年に開発され、1960年代一杯まで運用された。全長6.04m、全幅3.28m、重量34トン。最大装甲厚100mm。エンジンはV-54ディーゼル（520馬力）、最大速度48km、航続距離400km。無線機はR-113。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＯＴ−５４＞：火炎放射戦車型。T-54-3戦車の同軸機銃の代わりにATO-1火炎放射器を装着したもので、1954年に採用された。車体前部のタンクに燃料460リットルを搭載し、160mまでの目標に20回の火炎放射ができる。弾数は主砲19発、12.7mm弾200発、7.62mm弾1500発に減った。全長6.04m、全幅3.27m、全高2.4m、重量36.5トン。最大装甲厚100mm（車体）／200mm（砲塔）。エンジンはV-54ディーゼル（520馬力）、最大速度50km、航続距離400km。乗員４名。1993年まで運用された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー4,’03

　＜ＳＰＫ−１２Ｇ＞：自走クレーン型。1966年に制式採用された。砲塔を外し、全周旋回式の伸縮式クレーンと操縦キャビンを搭載している。車体は戦車そのままだが、キャビンは非装甲で、単にベースの重量を確保したいだけらしい。クレーンはアーム最大長6.5m、吊り上げ能力12トン。全長6.04m、全幅3.27m、重量36.2トン。エンジンはV-54Bディーゼル（520馬力）、最大速度50km、航続距離500km。無線機はR-113。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜Ｔ−５４中戦車・海外シリーズ＞

　＜チラン１＞：チラン・シリーズを参照。

＜Ｔ−５４中戦車・海外ファミリー＞

　＜自走迫撃砲（イラク）＞：イラク陸軍自走迫撃砲。砲塔を外してアル・ジャリール迫撃砲（160mm）を搭載している。参考：軍事分析湾岸戦争

＜Ｔ５４Ｅ１＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）を参照。

＜Ｔ−５４Ａ練習機＞：アメリカ海軍練習機。T-44Cの後継で、キングエア260をベースとし、多座機乗員の訓練に使用する。64機を第４訓練航空団TW-4第31訓練飛行隊VT-31・第35訓練飛行隊VT-35に配備予定で、初号機は2024年4月17日に配備された。参考：月刊JWings7,’24

＜Ｔ５５試作兵員輸送車＞：アメリカ陸軍の歩兵部隊向け高機動兵員輸送車。1951年9月に行われたデトロイト兵器廠とアリス・チャルマース社トラクター部門との会議で開発が決定した。T165試作自走無反動砲やT166試作自走無反動砲と下部車体は共通で、兵員６名を搭載できる。２両が試作されてテストされたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｔ−５５戦車シリーズ＞：ソ連陸軍戦車。T-54に新型砲塔とPAZ放射能防御システムを搭載したもので、砲塔上面前部のマッシュルーム型ベンチレーターが無くなっている。1958年から生産された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー4,’03、月刊丸8,’87

　＜Ｔ−５５＞：操縦手用にTVN-2暗視装置を装備する。下部転輪はプレス製星型ダブルタイプ片側５組、サスペンションはトーションバー式で、スカートは無い。主砲は100mmライフル砲D-10T2S（43発）で、砲口近くに排煙器を持ち、俯仰角マイナス５度からプラス18度。主砲弾として、新型成形炸薬弾BK5M（装甲貫徹力390mm、弾着角90度）も撃てるようになった。BR-412徹甲弾での命中率は50%（射距離1000m）／33%（1500m）／8%前後（2000m）。同軸に7.62mm機銃SGMT（3500発）を装備する。ルナ−２赤外線照射灯とTPN-1暗視照準器に加え、砲手用に固定式視察ペリスコープを設けた。ツィクリン砲二軸安定化装置、スタジアメトリック式測遠機、車長用OU-3赤外線照射灯及びTKN-1暗視サイトを搭載する。NBC防護装置付き。車体長6.2m、全幅3.27m、全高2.35m、戦闘重量36トン。装甲厚は車体前上部97mm58度（110mm60度？）、前下方79mm（100mm55度？）、側面上部97mm（80mm90度？）、側面下部20mm、後面上部46mm（60mm27度？）、後面下部30mm60度、上面33mm（18-20mm？）、下面20mm、砲塔前面203mm、側面150mm（120-130mm曲面？）、後面64mm（60mm曲面？）、上面39mm（30mm？）。エンジンはV-55ディーゼル（Ｖ型12気筒、出力520馬力）、変速機はマニュアル式（前進５速・後進１速）、クラッチは多板式、最大速度50km、燃料搭載量960リットル、航続距離510km。渡渉水深1.4m。潜水用キットを使うと5mまで渡渉可能で、砲塔上面にペリスコープ兼用吸排気シュノーケル（先端に対物レンズが付く）を装着する。当初、対空戦闘は随伴の自走対空機関砲に任せることにしたため、対空機銃は装備していなかったが、1970年から12.7mm対空機銃を追加した。増加分の燃料・弾薬を前面装甲背後のスペースに入れたため、中東戦争で被害が続出している。1974年からはKTD-1レーザー測遠機を主砲防楯基部に装備した。参考：月刊グランドパワー4,’03、月刊PANZER7,’03、5,’79、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究4,’07、10,’10

　＜Ｔ−５５Ａ＞：1961年以降生産型。対Ｘ線・ガンマ線用放射線シールドを追加し、7.62mm同軸機銃をSGMTからPKTに換装した。車体固定7.62mm機銃を撤去し、代わりに主砲弾６発を収容する。エンジン排気を使用した煙幕展張装置を追加し、ショックアブソーバーと火災探知・消火システムを改良した。当初対空機銃は装備していなかったが、1970年から12.7mm対空機銃を追加している。1974年からKTD-1レーザー測遠機を主砲防楯基部に取り付けた。参考：月刊グランドパワー4,’03、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−５５ＡＤ＞：T-55AMと同様の改修に加え、ドローズドAPSを装備したもの。1983年に採用された。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−５５ＡＤ−１＞：T-55AM-1にドローズドAPSを装備したもの。参考：月刊PANZER7,’03

　＜Ｔ−５５ＡＫ＞：指揮戦車型。連隊と師団以上の上級司令部との連絡通信用に長距離無線機を搭載している。主砲弾37発、同軸機銃弾2000発に減った。参考：月刊グランドパワー4,’03

　＜Ｔ−５５ＡＭ＞：T-55Aの近代化改修型。1983年に制式採用された。重層金属板と樹脂から成る簡易複合装甲を砲塔前半部（この部分の形状がレーニンの眉に似ているので、ミドルネームを取って西側ではイリイチの眉と呼ばれる）と車体前面上部に取り付け、操縦席下面の車体底を二重装甲とし、車体側面にワイヤーメッシュ入りゴム製補助装甲とサイドスカートを追加して防御力を強化した。車体前面上部の増加装甲は厚さ150mmで、厚さ30mmの鋼製ケースの中が厚さ5mmの鋼板６枚で斜めに仕切られており、隙間にはポリウレタンが詰まっている。砲塔前半部の増加装甲は厚さ60mmの鋼製ケースでできており、内部構造は車体前面上部のものと同様である（仕切り鋼板の枚数は不明）。車体前面装甲は410mm（徹甲弾）・380mm（HEAT）、砲塔前面装甲は380mm（徹甲弾）・450mm（HEAT）となった。また、KTD-2レーザーレンジファインダーを標準装備し、腔内発射型レーザー誘導ミサイル9M116バスチオンを導入、レーザー誘導装置1K13と照準装置TShSM-32PV、砲安定化装置ツィクリンM1も併せて導入している。これにより重量が41.5トンに増加したため、エンジンをV-55Uスーパーチャージャー付きディーゼル（620馬力）に換装した。左フェンダー上の車外燃料タンクが廃止され、航続距離は短縮している。主砲にはサーマルジャケットが追加され、902Bトゥーチャ発煙てき弾発射筒８基も追加装備された。チェコスロバキアでも同様の改修がなされている。参考：月刊グランドパワー5’03、7,’03、月刊PANZER7,’99、月刊軍事研究10,’10

　＜Ｔ−５５ＡＭ−１＞：T-55AMのエンジンをT-72と同じV-46-5M（690馬力）に換装し、増加装甲を追加したもの。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−５５ＡＭ−２＞：T-55AM-1のミサイル運用能力を省いたもの。ポーランドとチェコスロバキアで使用された。参考：月刊PANZER7,’03

　＜Ｔ−５５ＡＭ−２Ｂ＞：T-55AM-2にミサイル発射能力を付与し、FCSをローカルメイドに換えたもの。参考：月刊PANZER7,’03

　＜Ｔ−５５ＡＭ−２発展型＞：T-55AM-2の車体前部、砲塔前・側面、スカート前半にEDZを搭載、砲塔上の機銃をNSVTとし、エアデータ・センサーを搭載した車両。9M117M1バスチオン対戦車ミサイルの運用能力を持つ。参考：月刊PANZER4,’04

　＜Ｔ−５５ＡＭＶ＞：T-55AMの簡易複合装甲をEDZに交換し、FCSをヴォルナ統合システムとしたもの。1985年から姿を見せている。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−５５ＡＭＶ−１＞：T-55AMVのエンジンをV-46-5Mに換装したもの。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−５５Ｍ＞：T-55にT-55AMと同様の改修に加え、BV-55弾道計算機を搭載したもの。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−５５Ｍ−１＞：T-55MのエンジンをV-46-5Mに換装し、増加装甲を追加したもの。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−５５ＭＶ＞：T-55MにT-55AMVと同様の改修を加えたもの。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−５５改（１２５ｍｍ滑腔砲装備）＞：T-72と同系の125mm滑腔砲を搭載したもの。2003年のオムスク陸上兵器展に展示された。砲塔を大型化したため、車体を延長して転輪を１組増やし、EDZプレート付きサイドスカートを装備している。車体や砲塔にもEDZを装着可能。エンジンは680-730馬力に強化し、レーザー測距器や砲二軸安定化装置なども搭載している。自動装填装置を採用しているが、車内スペースが狭くなったため、搭載弾数が22発しかない。腔内発射ミサイル3-4発、徹甲弾7-8発、多目的榴弾10-12発となるだろうが、継戦能力に不安が残る。参考：月刊PANZER11,’03

＜Ｔ−５５ファミリー＞

　＜ＢＡＴ−Ｍ＞：工兵車両。足回りを流用してトラックのようなキャビンを取り付け、大型のドーザーと作業クレーンを搭載したもので、地雷除去後の整地作業などに使用する。参考：月刊PANZER9,’06

　＜ＩＭＲ＞：工兵戦車。1960年代後半に登場した。砲塔を撤去して動力式ドーザー、塹壕掘削機、装甲キャビンなどを搭載している。車体は戦車そのままで、装甲厚も100mmあり、TDAも積んだままである。全長6.2m、全幅3.27m、全高2.3m、重量37.5トン。エンジンはV-55ディーゼル（580馬力）、最大速度50km、航続距離600km。無線機はR-123。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＭＴＵ−２０＞：T-55ベースの戦車橋型。1964年に制式採用され、1967年から量産された。長さ20m・重量７トンのアルミ製３つ折り戦車橋を車体上に搭載する。通過能力50トン。架橋に５分、撤収に７分かかる。車体は戦車そのままで、装甲厚も100mmあり、TDAも搭載している。OPVTは橋体搭載の関係で使用できない。全長11.64m、車体長6.04m、全幅3.306m、重量37トン。エンジンはV-55ディーゼル（580馬力）、最大速度54km、航続距離485-500km。無線機はR-123M。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＭＴＵ−５５＞：戦車橋型。1962年に採用された。重さ6.5トン・長さ16mのシザーズ型戦車橋を搭載しており、架橋にかかる時間は３分。車体はT-55のままで、TDAを搭載し、OPVTによる潜水渡河も可能。全長10.5m、車体長6.04m、全幅3.5m、重量36トン。エンジンはV-55ディーゼル（580馬力）、最大速度54km、航続距離500km。無線機はR-123。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー4,’03

　＜ＴＯ−５５＞：火炎放射戦車型。OT-54に搭載されたATO-1の改良型であるATO-200火炎放射器を同軸機銃に換えて装備した。主砲弾数は25発に減っている。1954-62年に量産され、1993年まで運用された。参考：月刊グランドパワー4,’03、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜Ｔ−５５海外シリーズ＞

　＜Ｍ−５５＞：スロベニア陸軍戦車。T-55を導入したものである。参考：月刊PANZER1,’00

　＜Ｍ−５５Ｓ１＞：スロベニア陸軍戦車。T-55をスロベニアで改修したもので、M-55をベースとしている。主砲をL7系105mm砲に換装し、三分割式サーマルスリーブを装備、砲塔後部にバスルを増設し、FCSを一新、レーザー測距器と風向・風速計測用環境センサーを追加し、SGS-55二軸安定化装置を装備して行進間射撃が可能となった。砲手用サイトは二軸安定ミラー付き昼夜間ペリスコープサイトEFCS3-55（倍率10倍）で、夜間はスターライトスコープを用いる。オプションでサーマルサイトも装備可能。車長用サイトはTPN-10のままだが、COMTOS-55オーバーライド装置を追加して砲手用サイトの映像を見られる小型モニターを搭載し、オーバーライド機能を持たせた。防御力向上のためイスラエル製スーパーブレイザー爆発反応装甲を車体前面・車体側面上部と砲塔前側面の広範囲に主装甲と距離を開けてボルト止めし、T-72と同じゴム製スカートを装備、イスラエル製LIRD熱線警報装置（砲塔上面にポールのように立っている）を搭載した。IS-6発煙弾発射機（６連装）を砲塔両側面に１基ずつ装備し、CL3030発煙弾を40m前方に投射する。LIRDとの連動も可能。重量増に合わせてエンジンを国産高出力ディーゼルに換装しており、ドイツMAN製850馬力パワーパックも使用できる。操向装置を改良し、上部転輪片側４個を追加、下部転輪と履帯はT-72と同じものに換装し、起動輪の形状も変更した。重量40トン。エンジン出力600馬力、最大速度55km。参考：月刊PANZER9,’99、7,’03、1,’00

　＜Ｔ−５４／５５モデルＳ＞：チラン・シリーズ（戦車）を参照。

　＜Ｔ−５５ＡＧＭ＞：ウクライナのハリコフ・モロゾフ社が開発した改良型。砲塔前半分にNozh爆発反応装甲を装備し、新型消火システムと電子光学妨害システムを搭載、セミアクティブ・レーザー誘導式対戦車ミサイル妨害用エアロゾル空中展開システムも装備しており、砲塔前面両側に81mm発煙弾発射機を６基ずつ搭載する。塗装は赤外線輻射抑制効果を持つという。砲手用視察照準器は1K14昼夜兼用サイトとPTT-M熱映像カメラ（目標探知距離8000m）で、弾道コンピュータ、レーザー測距器、ミサイル誘導装置も組み込んである。車長にはPNK-4S視察・照準装置とTKN-4S昼夜兼用サイトが用意され、砲手用熱線暗視装置の映像も見られる。PZU-7対空サイトと1Ets29M対空機銃制御システムも備えている。主砲は125mm滑腔砲BKM1または120mm滑腔砲KBM2で、自動装填装置（発射速度毎分８発）付き、即応弾18発と予備弾12発を搭載する。同軸機銃は7.62mm機銃PKTまたはKTで、車長用として12.7mm機銃KTまたはNSVTを砲塔上に装備する。戦闘重量46トン。エンジンは5TDFMディーゼル（850馬力）または5TDFMAディーゼル（1000馬力）、トランスミッションは前進６段・後進３段、最大速度69.3km。乗員３名。システムはT-54、59式戦車、T-62にも搭載できるという。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−５５Ｍ−２＞：チェコのキャリバー・プラハ社が開発したT-55用アップグレードパッケージを適用したもの。主砲にサーマルスリーブを追加し、FCSをレーザー測距器装備の新型に換装、砲塔後部左右に発煙弾発射機を装備する。車体前面に箱形の、砲塔前側面に砲塔曲面に合わせた馬蹄型の増加装甲を追加しており、主にHEAT対策（装甲板と樹脂のサンドイッチ）と思われる。ゴム製スカートを装備し、車体袖部にも薄いフラップを装着、車体下部の操縦席部分に対地雷用増加装甲を搭載した。エンジンを610馬力の新型に換装し、サスペンションを強化、履帯をゴムブッシュ付きに換えている。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔｉ−６７＞：チラン４を参照。

　＜ＴＲ−７７＞：ルーマニアで生産されたT-55。参考：月刊PANZER7,’03

　＜ＴＲ−７７改修型＞：ルーマニア陸軍戦車。TR-77の車体前面と砲塔前側面に増加装甲を取り付け、ゴム製スカートを装着し、国産FCS（レーザー測距器装備）、国産APDS、国産無線機を搭載したもの。エンジン、トランスミッション、履帯も改良し、砲塔側面右に発煙弾発射機８基を装備する。参考：月刊PANZER7,’03

　＜ＴＲ−５８０＞：ルーマニア陸軍戦車。T-55を基に国産開発した。車体（機関室）を延長、転輪を小型化して片側６組に増やし、ゴム製スカートを装備、車体前面に増加装甲を追加し、フェンダー前面の形状を直線２段とした。恐らく増加装甲で重量が増えた分エンジンを強化し、搭載スペース確保のため車体を延長したと思われる。重量38.2トン。後に主砲基部にレーザー測距器を追加した。参考：月刊PANZER7,’03、12,’11

　＜ＴＲ−８５＞：ルーマニア陸軍戦車。T-55を基に国産開発した。車体はほぼTR-580で、スカートは鋼製、転輪は片側６組だがTR-580とは形状が違う。砲塔もほぼTR-580と同じだが、砲身にサーマルスリーブを巻いた。重量43.3トン。エンジンはドイツ製ディーゼル（600馬力）。参考：月刊PANZER7,’03

　＜ＴＲ−８５Ｎ＞：ルーマニア陸軍戦車。TR-85の改良型その１だが、詳細は不明。参考：月刊PANZER7,’03

　＜ＴＲ−８５Ｍ１＞：ルーマニア陸軍戦車。TR-85の改良型その２で、砲塔を大型化して後部にバスルを追加、FCSと砲安定化装置を新型にし、レーザー測距器と横風センサーを追加、主砲排煙器を砲身中央に移動し、砲塔左右に発煙弾発射機を搭載、新型EDZを砲塔前側面とスカートに取り付けた。下部転輪はダブルタイプ片側６組で、上部転輪片側２個を追加している。重量増に対応するため、機関室を増高してエンジンを強化した。重量50トン。エンジンはドイツ製8VS-A2T2ディーゼル（８気筒、830馬力）のライセンス生産版、最大速度60km、航続距離310km。1996年から就役しているが、2011年になっても55両くらいしか完成していないらしく、2018年現在の装備数も55両である。参考：月刊PANZER7,’03、12,’11、11,’18

　＜ＴＭ−８００＞：TR-580またはTR-85の発展型。1994年にルーマニアが発表した。T-55に比べ機関室を延長してエンジンを強化し、エンジン排気口を車体後部に移設、スカートを鋼製の新型（TR-85とも違う）にした。足周りはTR-85と同じらしい。FCSを換えて4000mまでの正確な射撃を可能とし、複合装甲も採用しているらしい。重量45トン。エンジンはディーゼル（830馬力）、最大速度64km、航続距離500km。まだどこにも採用されていない。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜サフィール７４＞：イラン陸軍戦車Safir74。T-54/55をイランで改修したもので、詳細は明らかになっていないが、主砲は100mmライフル砲またはL7系105mm砲で、FCSを一新し、装甲を強化してEDZを車体前側面・砲塔前側上面に張り付けており、エンジンやトランスミッションも改良されているという。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜タイプ７２Ｚ＞：イラン陸軍戦車。T-54/55/59式戦車/69式戦車をイランで改良したもので、主砲を105mmライフルM68に換装、FCSをスロベニアのフォトナ社製EFCS-3としている。パッシブ式暗視装置も搭載したらしい。1996年には改修が終了したとされる。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究3,’03

　＜チラン２＞：チラン・シリーズを参照。

　＜ラムセス�U＞：エジプト陸軍試作戦車Ramses�U。T-54/55の改良型で、外殻に変更を加えずにM60A3レベルにまで向上させる目的で開発された。アメリカの協力を得て中身をM60A3にそっくり取り替えたような形式だったが、砲塔が狭すぎて砲の俯仰角も十分にとれず、エジプトでの採用も見送られ、輸出も失敗した。参考：月刊PANZER7,’03、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜１２５ｍｍ砲搭載型（イラク）＞：イラク陸軍戦車。T-54/55の改良型で、T-72の125mm滑腔砲を自動装填装置も含めてシステムごと移設しており、砲塔上部をかさ上げした。スカート、パッシブ暗視装置、砲塔左右４基の発煙弾発射機を装着している。1989年に国際防衛展示会で発表されたが、実際に生産されたかは不明。参考：月刊PANZER7,’03

　＜増加装甲装備型（イラク）＞：イラク陸軍戦車。T-54/55の改良型で、車体前面・側面前部（スカート状に取り付けられている）と砲塔前面・側面前部に外付けのエニグマ増加装甲（鋼板とラバーを層状に重ねた複合装甲）を取り付け、砲塔後部にはアームを介してかなり離れた位置に増加装甲（兼カウンターウェイト）を取り付けている。パッシブ式暗視装置を追加し、砲塔左右に発煙弾発射機各４基を装備した。湾岸戦争で撃破された車両が存在する。参考：月刊PANZER7,’03、月刊グランドパワー3,’95、月刊軍事研究10,’09

＜Ｔ−５５海外ファミリー＞

　＜装甲回収車（ウクライナ海兵隊）＞：ウクライナ海兵隊装甲回収車。T-55の砲塔を外して四角い戦闘室を増設し、起倒式のカニングタワー（外側にラッタル付き）を追加、車体後部に作業時のスリップを防止するドーザーを装備した。参考：月刊PANZER3,’04

　＜地雷処理車＞：スロバキア軍地雷処理車。国産開発で、車体前面にマインプラウを装備し、100mm砲を撤去している。イラク戦争後のイラクに派遣された。参考：月刊PANZER7,’04

　＜ムンヤ＞：セルビアが開発した戦闘工兵車／重装甲兵員輸送車。砲塔を外して車体中央に5-8名用キャビンを増設、上面左右にハッチを１つずつ設置した。車体前面にドーザー、車体上部にスラット装甲、側面に硬質ゴム製スカートを装備しており、増加装甲を搭載することもできる。武装は30mmてき弾発射機と7.62mm機銃で、20mm機関砲、12.7mm機銃、遠隔操作兵装ステーションへの換装も可能。エンジンはMPP-780パワーパック（580馬力）。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ｔ−５５試作ロケット戦車＞：ソ連軍試作ミサイル戦車。T-55ベースで、主砲をミサイルランチャーに換え、同軸に73mm低圧砲2A28グロムと12.7mm機銃NSVTを搭載している。使用ミサイルはタイフーン有線誘導式、装弾数10発。全長6.04m、全幅3.27m、全高2.218m、重量36トン、最大装甲厚100mm（車体）／160mm（砲塔）。エンジンはV-55ディーゼル（580馬力）、最大速度48km、航続距離450km。乗員４名。1961-63年に製作されたが、ミサイルの性能が悪く、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜Ｔ５５−ＧＡ−７１４Ａ＞：ライカミング社のターボシャフトエンジン。CH-47Fに搭載された。全長1.2m、直径0.62m、重量377kg。出力4867馬力。参考：月刊軍事研究1,’17

＜Ｔ５５−Ｋ−７１２＞：自衛隊CH-47J/JA用ターボシャフトエンジン。T55-L-712を川崎重工がライセンス生産したもので、出力を4336軸馬力に強化した。参考：月刊軍事研究5,’09

＜Ｔ５５−Ｋ−７１２Ａ＞：陸上自衛隊CH-47JA・航空自衛隊CH-47JA用ターボシャフトエンジン。T55-K-712にFADECを追加したもので、ノズル側面にリブが付いた。川崎重工製。参考：月刊JWings11,’14、8,’17、月刊軍事研究7,’12

＜Ｔ５５−Ｌ−１１＞：アブコ・ライカミングのターボシャフトエンジン、別名LTC4B-11B。CH-47Cに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は低圧が軸流式７段、高圧が遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧２段。直径0.616m。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５５−Ｌ−７１２＞：アブコ・ライカミングのターボシャフトエンジン。CH-47Dに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は低圧が軸流式７段、高圧が遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧２段。全長1.194m、直径0.616m、重量331kg。定格出力3750軸馬力、離昇出力4500馬力、片発停止時緊急出力4500軸馬力（30分間のみ）。参考：世界の軍用機1979、月刊軍事研究5,’09

＜Ｔ５５エンジン用整備器材＞：自衛隊の機器。丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究7,’14

＜Ｔ５５用整備器材＞：自衛隊の機器。丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究11,’15

＜Ｔ５６＞：M3軽戦車ファミリー（試作自走砲）を参照。

＜Ｔ５６試作兵員輸送車＞：アメリカ陸軍の歩兵部隊向け試作高機動兵員輸送車。1951年9月に行われたデトロイト兵器廠とアリス・チャルマース社トラクター部門との会議で開発が決定した。兵員10名を搭載できる。２両が試作されたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｔ５６ターボプロップエンジン・シリーズ＞：アリソン社のターボプロップエンジン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５６−Ａ−１４＞：P-3B、P-3Cに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はカニュラー式で燃焼室６個、タービン段数４段。全長3.708m、高さ1.118m、重量855kg。通常巡航出力（正規出力）4061軸馬力／4365等価軸馬力、離昇出力4591軸馬力／4910等価軸馬力。参考：世界の軍用機1979、日本の防衛戦力Part7

＜Ｔ５６−Ａ−１５＞：C-130H、G222に搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はカニュラー式で燃焼室６個、タービン段数４段。全長3.708m、高さ0.991m、重量828kg。通常巡航出力4061馬力、離昇出力4591馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５６−Ａ−４２２＞：E-2C、C-2Aに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、圧縮比9.6、燃焼器はカニュラー式で燃焼室６個、タービン段数４段。全長3.708m、高さ0.991m、重量859kg。通常巡航出力4061馬力、離昇出力4591馬力。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｔ５６−Ａ−４２３＞：アメリカ海軍向けC-130に搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はカニュラー式で燃焼室６個、タービン段数４段。全長3.708m、高さ0.991m、重量836kg。通常巡航出力4061馬力、離昇出力4591馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５６−Ａ−４２７Ａ＞：圧縮機14段、全体圧力比11.5、タービン４段、最大出力5100軸馬力。全長3.71m、直径0.685m、重量880kg。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｔ５６ヘルメット＞：アメリカ陸軍の戦車兵用ヘルメット。バリスティックナイロン製で、弾片防護能力を持つ。ヘルメットにマイク、無線、車内通話の切替スイッチが付く。1956年に採用された。参考：歴史群像6,’16

＜Ｔ５６エンジン技術援助役務＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｔ５７＞：M3軽戦車ファミリー（試作自走砲）を参照。

＜Ｔ５７試作重戦車＞：アメリカ陸軍計画重戦車。揺動式砲塔と自動装填装置付き120mm砲を装備する計画で、1951年10月12日に開発が決定された。車体はT43E1試作重戦車（T32試作重戦車？）の流用で、砲塔下部に回転式円筒形自動装填装置を収容する。即応用弾薬は８発入り回転弾倉に収容されており、砲手または車長が弾薬（３種類用意されている）を選択すると、砲尾の可動式装填器がそれを取り出して油圧ラマーで薬室に押し込む。発射後は空薬莢が装填装置に戻り、次発装填時に自動的に薬莢排出ドアから放り出される。FCSは砲手用M20A1ペリスコープ式照準器、T55測距器と連動したT32E2砲手用測距ドライブ及びT33E2車長用測距ドライブからなる。車長用キューポラにはT36ペリスコープ６基と旋回式12.7mm機銃架を装備する。試作車完成前に開発が中止された。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER8,’13

＜Ｔ−５８＞：M16（対空車両）またはSu-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ５８試作重戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍計画重戦車。1952年4月10日に開発が決定し、T57試作重戦車と並行して設計されたが、1957年1月17日に開発が中止された。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER8,’13

＜Ｔ５８試作重戦車＞：T43試作重戦車の車体を流用し、揺動式砲塔を装備する。主砲はT30試作重戦車に搭載されたT7の閉鎖機を垂直鎖栓式とし、排煙器とブラスト・デフレクターを装備、薬室を24.5mm延長した41口径155mm戦車砲T180を採用した。半自動装填式で、弾丸６発を収める回転弾倉が砲塔後部に収容されている。装填手は弾倉に薬莢を押し込んだ後、装填トレイを回して弾庫の前からずらし、動力式ホイストを使って重量42.7kgの弾丸を吊り上げて薬莢の前に押し込み、装填トレイを元に位置に戻し、ラマーで薬室に弾丸・薬莢を押し込むというめんどくさい手順が必要だった。弾種はHEATと粘着榴弾。全長10.82m、全幅3.63m、全高3.18m、戦闘重量59.9トン。副武装は12.7mm機銃１丁、7.62mm機銃１丁。装甲厚は車体前面127-114mm、側面51-44mm、砲塔前面127mm、側面83-70mm。エンジンはコンチネンタル社製AV-1790-5C空冷12気筒ガソリン（650馬力）、トランスミッションはアリソン社製CD-850-6クロスドライブ、最大速度35km、航続距離130km。乗員４名。参考：月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER8,’13

＜Ｔ５８Ｅ１試作重戦車＞：砲塔を通常の一体型に変更したもの。参考：月刊PANZER8,’13

＜Ｔ５８ターボシャフトエンジン・シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボシャフトエンジン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５８−ＧＥ−３＞：UH-1Fに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧１段。全長1.499m、幅0.526m、重量140kg。通常巡航出力1070馬力、ミリタリー出力1325馬力、離昇出力1325馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５８−ＧＥ−５＞：CH-3E、HH-3Eなどに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧１段。全長1.499m、幅0.526m、重量152kg。通常巡航出力1250馬力、ミリタリー出力1400馬力、離昇出力1400馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５８−ＧＥ−８ＥＦ＞：CH-46A、SH-2などに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧１段。全長1.499m、幅0.526m、重量138kg。通常巡航出力1150馬力、ミリタリー出力1350馬力、離昇出力1350馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５８−ＧＥ−１０＞：SH-3D、CH-46Dなどに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧１段。全長1.499m、幅0.526m、重量159kg。通常巡航出力1250馬力、ミリタリー出力1400馬力、離昇出力1400馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５８−ＧＥ−１６＞：CH-46Eに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧２段。全長1.626m、幅0.607m、重量201kg。通常巡航出力1770馬力、ミリタリー出力1870馬力、離昇出力1870馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ５８−ＧＥ−１００＞：UH-1Fに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧１段。全長1.499m、幅0.526m、重量152kg。通常巡航出力1360馬力、ミリタリー出力1500馬力、離昇出力1500馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ−５８Ｄ＞：Su-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔ−５８Ｌ＞：Su-15戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｔ−５８ＶＤ＞：Su-15戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｔ５８型掃海艇＞：ソ連海軍掃海艇。兵装は57mm連装砲AK-725など。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜Ｔ５９＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）またはM59シリーズ（装甲車）またはホーク海外シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔ−５９訓練弾＞：アメリカ軍のMk6核爆弾用訓練模擬弾。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｔ５９Ｅ１＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）またはM59シリーズ（装甲車）を参照。

＜Ｔ６０＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）を参照。

＜Ｔ−６０計画爆撃機＞：スホーイ設計局が1980年代に設計した超音速爆撃機。幅広い胴体にエンジン２基を搭載しており、エアインテイクは機体上面に開口する。主翼は可変後退翼。最大離陸重量85トン。巡航速度マッハ２、航続距離6000km。兵装ペイロード20トン。参考：月刊軍事研究3,’08

＜Ｔ−６０軽戦車シリーズ＞：ソ連陸軍の偵察戦車。T-40の改良型として開発された。参考：月刊PANZER10,’05

　＜Ｔ−６０軽戦車＞：T-40の水陸両用機能を無くし、武装を37mm砲に強化する筈だったが、生産が間に合わず20mm機関砲SchVAKを搭載したため、劣化版になってしまった。下部転輪は初期にはスポーク式で、中期生産車ではディスク式になり、後期にはゴム節約のためリム式鋼製になった。偵察戦車なのに同行するT-34/76中戦車より機動性が無いのが欠点。最大装甲厚20mm。戦闘重量６トン。エンジンは液冷（出力70馬力）、路上最大速度44km。1941年11月から1942年に6924両が生産され、1944年まで実戦投入された。参考：月刊PANZER10,’05、月刊戦車マガジン6,’89

＜Ｔ−６０軽戦車ファミリー＞

　＜Ａ４０Ｔ＞：A40T（グライダー戦車）を参照。

　＜ＯＳＵ−７６＞：試作自走砲。砲塔を外し、車体を前後逆にして39口径76.2mm野砲Zis-3を搭載している。主砲の発射反動に耐えられず、採用されなかった。参考：月刊PANZER11,’00

　＜Ｔ−６０試作自走砲＞：試作自走砲。固定戦闘室に76.2mm砲ZIS-5を搭載している。1942年4月に製作されたが、車体の性能が不十分で採用されなかった。参考：月刊PANZER2,’00

＜試作軽自走砲（４５ｍｍ砲搭載）＞：試作自走砲。T-60軽戦車の車体をベースにオープントップの操縦室兼戦闘室を設け、69口径45mm対戦車砲1942年型を搭載する。軽量で使い勝手は良さそうだったが、採用されなかった。車体長3.9m、全幅2.15m、全高1.3-1.4m、重量3.8-4.0トン。装甲厚は全周6mm。エンジンはガソリン（出力40-50馬力）、最大速度40km、航続距離150km-200km。参考：月刊PANZER2,’01

＜Ｔ−６０軽戦車・海外ファミリー＞

　＜ＴＡＣＡＭ　Ｔ−６０＞：ルーマニア陸軍自走砲で、TACAMは自走砲（Tun Anticarcu Afet Mobil）の略。1941-42年に大量に鹵獲したT-60軽戦車の車体に、BT-7から切り取った装甲板で戦闘室を作りつけ、76.2mm野砲M1936（F-22師団砲）を搭載したものである。1942年11月から原型を製作し、1943年6月に量産型が完成、34両が生産された。参考：世界の軍用車両(1) 、月刊PANZER5,’10

＜Ｔ６０／７０Ａ＞：OTOブレダ社の軽装甲車／歩兵戦闘車用砲塔。装甲鋼板の全溶接構造で、14.5mm弾や弾片に抗堪できる。オプションで35mm弾に耐えられる増加装甲も装着可能。主砲は60mmライフル砲で、弾種はAPFSDS弾（砲口初速毎秒1680m、装甲貫徹力は射距離2000m・衝角60度で120mm）とHE弾（重量7.4kg、砲口初速毎秒1000m）。車長用照準器は昼夜間兼用二軸安定式パノラマ照準器（2.5倍または10倍）、砲手をオーバーライドすることも可能。レーザー測距器と連動したガリレオ社製安定化赤外線照準器も備えており、自動装填装置、デジタル式FCS、全電気駆動式砲管制システムを持つ。砲塔重量５トン。乗員２名。BMP-1やピラーニャなど10トン級車両に搭載できる。参考：月刊PANZER4,’98

＜Ｔ６０Ｅ１＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）を参照。

＜Ｔ６１＞：M2ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）を参照。

＜Ｔ−６１級水雷艇＞：ドイツ海軍計画水雷艇。全長114.5m、幅11.3m、平均吃水3.24m、基準排水量1931トン。機関出力49500馬力、速力35ノット。兵装は12.7cm砲４門、37mm機関砲４門、20mm機関砲８門、533mm魚雷発射管８門、機雷50個。12隻が計画されたが、未完成に終わった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ６２訓練核爆弾＞：アメリカ軍Mk5核爆弾の訓練用模擬弾。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｔ−６２戦車シリーズ＞：ソ連陸軍の戦車。105mm戦車砲装備の西側戦車に対抗するため開発したオブイェークト166の量産型である。1961年7月に制式採用され、1962年7月からウラル戦車工場で量産され、1975年までに20000両以上が生産された。また、チェコスロバキアのZTS（国営戦車工場）でも1973-78年に1500両が生産され、ソ連に逆輸入されたり、中東諸国に輸出されたりした。参考：月刊グランドパワー5’03

＜Ｔ−６２＞：T-55を基本とし、115mm戦車砲を搭載した新砲塔を載せ、砲塔リングを2.245mに拡大した分、車体を0.6m延長した。車体前部左に操縦手席があり、操縦手用ハッチの前にペリスコープ２基を備える。左側のものはTVN-2赤外線暗視ペリスコープ（視野30度、夜間視認距離60m）と交換でき、夜間は車体前面右側の赤外線照射灯を使ってTVN-2で視界を得る。下部転輪はT-55から導入したプレス製造式星型ダブルタイプ片側５組で、前方に誘導輪、後方に起動輪があり、上部転輪は無い。サスペンションはトーションバー式で、第１・第５転輪に油圧式ショックアブソーバーが付く。履帯はT-54-2以降から導入した幅580mmのシングル・ドライピン式だったが、1960年代後期からはウェットピン式RMSh履帯を装備するようになった。半球形の砲塔に115mm滑腔砲U-5TSを搭載しており、発射後に主砲は仰角プラス3.5度をとり、ブリーチ後方のトレイが薬莢を受け止めて自動的に砲塔後上部のハッチから放り出す（初期には時々失敗して搭乗員を直撃した）。そして弾薬装填後、調整された射角に復元される。この複雑なシステムのため、発射速度は毎分４発が限度となってしまった。砲尾上面は天井と接近しており、俯角はマイナス４度しかとれない。115mm弾薬は砲塔後部下の機関室隔壁に22発、砲塔内壁の装填手部分に２発、戦闘室下部側壁左右両側に１発ずつ、操縦手右横の車体前面装甲板裏側のラックに16発の計40発が搭載される。弾種はAPFSDS12発、HEAT６発、HE22発。主砲左に同軸7.62mm機銃PKT（2500発）、右にTSh2B-41u砲手用照準望遠鏡を装備する。砲塔内部右側に装填手、左前に砲手、左後に車長が位置し、砲手・装填手用にTNP-165ペリスコープ（倍率１倍）を搭載。戦闘室床面はT-54B以来のターンテーブル式で、砲塔バスケットは無い。射撃統制装置はスタジアメトリック式で、1000mまでなら問題無い（命中率79%）が、1500mでは停止目標でも命中率50%、2000mでは27%と当時の西側戦車に比べかなり劣る。実際、1974年の第４次中東戦争で、イスラエル軍戦車隊により大きな損害を出した。この点の改良は、1975年以降一部車両にレーザー測距器が装備されるのみに止まっている。暗視装置としてルナ−２赤外線探照灯を主砲右脇に装備しており、砲手用TPN-1-41-11赤外線ペリスコープ（倍率5.5倍・視野６度）で800mまでの夜間交戦が可能。砲塔上部左の車長用キューポラにOU-3赤外線探照灯とTKN-2（TKN-3？）昼夜兼用測距器があり、昼間は倍率５倍・視野10度、夜間は倍率4.2倍・視野８度・暗視距離400mで視察できる。砲塔外後部やや右に潜水渡渉装置OPVTのシュノーケル収容筒が付く。煙幕展張装置はエンジン排気に燃料を吹き付けるTDAで、毎分10リットルの燃料を吹き付けて車体左の排気口から煙幕を展張し、４分で250-400mの煙幕を張れる。NBC防護装置としてPAZシステムを砲塔内後部に装備する。OPVT潜水装置を取り付け、グリスによる水密シールドを８時間かけて施せば水深5.5mまで潜ることができ、潜水中の航法装置としてGPK-59ジャイロコンパスも搭載しているが、グリスを取らないと砲塔が回らないので、あまり実戦向きではない。。車体長6.63m、全幅3.33m、全高2.395m、重量37-37.5トン。装甲厚は車体前面上部102mm60度、前面下部102mm55度、側面上部79mm０度、側面下部15mm、後面上部45mm０度、後面下部20mm60度、上面16mm/31mm、下面20mm、砲塔前面242mm、側面120mm（153mm？）、後面60mm（97mm？）、上面30-34mm（40mm？）。エンジンはV-55V水冷12気筒Ｖ型ディーゼル（580馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、操向装置は２段式遊星歯車式、路上最大速度50km、燃料搭載量は車内675リットル＋車外285リットル、路上航続距離450km、路外航続距離280km。更に車体後端に200リットル入りドラム缶２個を搭載すると、路上航続距離650km・路外航続距離400kmになる。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。1967年以降生産型は、ラジエター付きグリルと砲塔の間に潜水時の可動式グリルカバーを追加した。1972年以降生産型は、砲塔上部右の装填手用ハッチに12.7mm重機関銃DShKM（300発）用全周旋回マウントを装備している（それ以前の生産型に追加されてはいない）。1975年から主砲基部に箱状のKTD-1レーザー測距器を追加した。初実戦投入は1968年8月20-21日のチェコスロバキア侵攻ダニューブ作戦である。2003年現在、ロシア、ベラルーシ、ウズベキスタンの旧ソ連と、アフガニスタン、アルジェリア、アンゴラ、イエメン、イスラエル、イラク、イラン、エジプト、エチオピア、北朝鮮、キューバ、シリア、ベトナム、モンゴル、リビアで計8200両前後が使用されている。参考：月刊PANZER9,’04、月刊グランドパワー5’03、世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究10,’10、9,’13

＜Ｔ−６２Ａ（米軍識別名称）＞：1972年以降生産型（12.7mm重機関銃DShKM搭載型）を指す。砲塔形状も変わり、砲安定化装置を追加するなどしている。ソ連のT-62A（オブイェークト165を指す）とは違うので注意。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２Ｄ＞：T-62MにドローズドAPSを追加したもの。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−６２Ｄ−１＞：T-62M-1にドローズドAPSを追加したもの。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−６２Ｋ＞：指揮戦車型。R-122通信機、長さ4mのアタッチメント式アンテナ、TNA-2/-3地上航法システムなどを搭載する。代わりに搭載弾薬が減らされた。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２Ｍ＞：T-62の改良型。アフガニスタン侵攻の戦訓に基づき1983年から改修された。BV-62弾道計算機、9K116-1（AT-12）腔内発射型ミサイルシステム、9M117シェクスナ腔内発射型ミサイル、1K13-1ミサイル誘導システム、TShSM-41U砲手用サイト、メテオールM1砲安定化装置、KTD-2レーザーレンジファインダー、ルナL-4赤外線照射ライト、12.7mm機銃DShK、902Bトゥーチャ発煙てき弾発射筒８基を装備し、主砲にサーマルスリーブを巻いている。砲塔前半部と車体前面上部に樹脂と重層金属板からなるBDD簡易複合装甲を取り付け、対地雷用に操縦席下面の車体底を二重装甲とし、車体側面にワイヤーメッシュ入りのゴム製補助装甲とサイドスカートを追加した。エンジンはV-55Uスーパーチャージャー付きディーゼル（620馬力）に換装、履帯はRMShゴムブッシュ付きシングルピンとし、起動輪をT-72と同じものに変更している。無線機はR-173。これらの改修のため重量が42トンに増加し、第２転輪に油圧式サスペンション２基を追加した。参考：月刊グランドパワー5’03、月刊PANZER9,’04、2,’99

　＜Ｔ−６２Ｍ１＞：T-62Mのミサイル抜き。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２Ｍ−１＞：T-62MのエンジンをT-72と同じV46-5-Mディーゼル（690馬力）に換えたもの。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−６２Ｍ１−１＞：T-62M1のエンジンをT-72と同じV46-5-Mディーゼル（690馬力）に換えたもの。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２Ｍ１−２＞：T-62M1のBDD簡易複合装甲を外したもの。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２Ｍ１−２−１＞：T-62M1-2のエンジンをT-72と同じV46-5-Mディーゼル（690馬力）に換えたもの。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２ＭＫ＞：T-62Mベースの指揮戦車。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２ＭＶ＞：T-62MにコンタクトEDZを導入したもの。照準システム、弾道コンピュータ、主砲スタビライズ機能などを統合するヴォルナ連動火力統制システムも追加している。参考：月刊PANZER2,’99、月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−６２ＭＶ−１＞：T-62M-1に爆発反応装甲ブロックを導入したもの。照準システム、弾道コンピュータ、主砲スタビライズ機能などを統合するヴォルナ連動火力統制システムも追加している。参考：月刊PANZER2,’99、月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−６２改（１２０ｍｍ滑腔砲搭載型）＞：2003年のオムスク陸上兵器展に展示された改良型。主砲を西側標準の120mm滑腔砲に換え、FCSも改修してレーザー測遠機とパッシブ式熱線暗視装置を搭載している。装填は手動と思われる。エンジン出力は690馬力に上がった。車体と砲塔にはコンタクト５EDZを装備する。参考：月刊PANZER11,’03

＜Ｔ−６２戦車ファミリー＞

　＜Ｔ−６２戦車回収車＞：戦車回収車型。実用化されなかったIT-1ミサイル戦車を改造した。参考：月刊PANZER9,’04

　＜Ｔ−６２Ｔ戦車回収車＞：戦車回収車型。T-62ベースの試作駆逐戦車型（不採用）を改造した。参考：月刊PANZER9,’04

　＜ＴＯ−６２＞：火炎放射戦車型。主砲同軸（右側）に有効射程100mの火炎放射器を装備する。参考：月刊PANZER9,’04、異形戦車ものしり大百科

＜Ｔ−６２海外シリーズ＞

　＜Ｔ−６２（イスラエル陸軍）＞：イスラエル陸軍戦車。第４次中東戦争などで鹵獲したT-62を改修したもので、主砲防楯上に12.7mm重機関銃M2を、装填手用ハッチと車長用キューポラの中間にブローニング.30機銃を装備し、砲塔周囲に雑具箱を取り付けている。無線機もイスラエル仕様にした。参考：月刊グランドパワー5’03

　＜Ｔ−６２（イラク陸軍）＞：イラク陸軍戦車。全長9.2m、車体長6.63m、全幅3.2m、全高2.4m、戦闘重量40トン。エンジンはV-55液冷ディーゼル（580馬力）、最大速度50km、燃料搭載量675リットル、航続距離450km。主砲は115mm滑腔砲U-5TS（40発）、副武装は同軸7.62mm機銃（2500発）と対空12.7mm重機関銃（300発）。装甲厚は車体前面102mm、砲塔前面242mm。乗員４名。湾岸戦争時には700両が配備されていた。参考：月刊軍事研究11,’09

　＜天馬号＞：天馬虎ともいうが、どちらも読みはチョンマホ（Chonma-ho）。北朝鮮軍のT-62及びそのバリエーション車両の総称である。1-5号までのバリエーションがあるが、区別の便宜を図るためで、北朝鮮軍の制式名称ではない。参考：月刊軍事研究9,’13

　＜天馬１号＞：北朝鮮陸軍戦車で、天馬号�T型ともいう。T-62（1972年型）で、対空機銃を14.5mm重機関銃KPVTに換装した。参考：月刊軍事研究9,’13、月刊PANZER9,’12

　＜天馬２号＞：北朝鮮陸軍戦車で、天馬号�U型ともいう。天馬１号の改良型で、主砲基部上方にレーザー測距器を追加しており、弾道計算機も更新したらしい。参考：月刊軍事研究9,’13、月刊PANZER9,’12

　＜天馬３号＞：北朝鮮陸軍戦車で、天馬号�V型ともいう。天馬２号の改良型で、砲塔側面後部に小型ボックス装甲を多数貼り付け、スカートを追加した。砲塔前面左右に横並び、砲塔両側面に縦並びで、発煙弾発射機を４基ずつ計16基搭載している。参考：月刊軍事研究9,’13、月刊PANZER9,’12

　＜天馬４号＞：北朝鮮陸軍戦車で、天馬号�W型ともいう。天馬３号の改良型で、1990年代初めに実用化したとみられる。車体と砲塔に増加装甲や爆発性反応装甲を装着した。参考：月刊軍事研究12,’10、月刊PANZER9,’12

　＜天馬５号＞：北朝鮮陸軍戦車で、天馬号�X型ともいう。砲塔前面装甲を追加したようで、角張った外見になっている。更に砲塔前面下部に車体との間のショットトラップを塞ぐ増加装甲を装着しているが、左内側は操縦手用ハッチと緩衝するため追加していない。砲塔側面の発煙弾発射機は縦一列の配置になった。車体前面と側面にスカートを持ち、車体前面上部には予備履帯が装着されている。2010年1月10日の軍事パレードに登場した。参考：月刊軍事研究9,’13

　＜暴風号＞：暴風号を参照。

＜Ｔ−６２試作ロケット戦車＞：ソ連軍の試作ミサイル戦車。T-55試作ロケット戦車と同じ武装を新設計の砲塔に搭載した。車体長6.63m、全幅3.3m、重量37トン。最大装甲厚102mm（車体）／242mm（砲塔）。エンジンはV-55Vディーゼル（580馬力）、最大速度50km、航続距離450km。乗員４名。1961年に試作されたが、やはりミサイル能力不足で採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜Ｔ−６２Ａ＞：オブイェークト165（試作戦車）を参照。

＜Ｔ−６２Ｔ−４０−７＞：自衛隊のエアクッション艇用補助電源ユニット。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究10,’10

＜Ｔ６３＞：TB-63（訓練弾）を参照。

＜Ｔ６４＞：M5軽戦車ファミリー（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｔ−６４戦車シリーズ＞：ソ連陸軍戦車。第２次大戦型戦車から脱却し、西側の105mmライフル砲搭載戦車に勝利することを目的に製作された。要求性能は、T-54/55の重量・車体サイズはそのままにD-54系100mm戦車砲を装備、搭載弾数を増やし、防御力を強化、航続距離を増大させるというものである。1952年にハリコフ工場とウラル貨車工場で基本プランが組み立てられ、前者のオブイェークト430が1958年に、後者のオブイェークト140が1957年に完成、前者が採用されて改修を受けオブイェークト432となり、1963年にT-64の制式名称が付いた。参考：月刊PANZER2,’02、月刊グランドパワー6,’03

　＜Ｔ−６４＞：初期型。車体前面装甲は80mm鋼板＋105mmグラスファイバー＋20mm鋼板の複合装甲である。操縦手用にTNPO-168ペリスコープと赤外線アクティブ式TVN-2BM赤外線アクティブ式暗視装置を装備する。操縦室内左右、戦闘室後面、左フェンダー上に燃料タンクがあり、左フェンダー上の燃料タンクに被弾した場合、操縦手がコックを閉じて車内タンクとの連結を絶つことができる。200リットル入りドラム缶２個を車体後部に搭載可能。下部転輪はスチールリム式ダブルタイプ片側６組、サスペンションはトーションバー式、履帯はダブルウェットピン式。砲塔前面装甲は90mm鋼板＋150mmアルミ＋90mm鋼板。主砲は115mm滑腔砲D-68T（2A21）、俯仰角マイナス６度からプラス14度。使用弾は分離装薬式で、弾種は3BM5APFSDSと3BK8HEAT、装弾数40発。コルジナ自動装填装置（発射速度毎分８発、装弾数30発）により装填手は不要となった。弾丸と装薬は砲塔バスケット底部に円周上に並べられており、砲塔に被弾した際の被害を局限する筈だったが、実際には車内を飛び回った貫通弾片で誘爆してしまい、上に乗っている車長と砲手が砲塔ごと吹っ飛ばされる事態に陥っている。NBC防護上、砲塔を密閉する必要性から打殻薬莢を車外に打ち出せなくなり、自動装填装置の元の位置に打殻薬莢を収納するようにした。副武装は同軸7.62mm機銃PKT（2000発）。FCSは2E18メーテル砲二軸安定化装置、TPD-43B基線長式測距照準器、TPN-1-432夜間用赤外線アクティブ暗視装置、ルナL-2AGサーチライト（主砲左側に装備）、TKN-3車長用照準器。R-123無線機とR-124インターコムを装備する。車体長6.428m、全幅3.415ｍ、全高2.145m、重量36.7トン。エンジンは5TDF液冷ディーゼル（700馬力）、トランスミッションはシンクロメッシュ式（前進７段、後進１段）、最大速度65km、燃料搭載量815リットル（車内）＋330リットル（補助タンク）、航続距離400km（補助タンク無し）／550-650km（あり）。乗員３名。実用試験向けとして1963年に10両が生産され、1964年に入って年末までに前生産型44両を製作、1965年12月末までに218両が完成して部隊試験が始まり、1966年12月に実用型として承認され、1969年までに600両が生産された。初期不良が解決しておらず、相変わらず機関系、足周り、装填装置に欠点を抱えており、吸気フィルターが詰まったり、旋回時にオーバーステアリングで出力が急低下したり、装填時に乗員が手足を挟まれたりした。参考：月刊軍事研究8,’01、10,'15、月刊グランドパワー6,’03、世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｔ−６４Ａ＞：125mm滑腔砲D-81T（2A26M2）装備型。オブイェークト434の名称で開発され、1969年に採用されて同年から量産されたが、初期故障に悩まされたらしく、本格生産は1974年になってからとされる。主砲俯仰角マイナス６度からプラス14度。砲安定化装置は2E23（2E36？）に換装し、自動装填装置も改修、即用弾数が28発に、搭載弾数が37発に減った。発射速度毎分８発。使用弾は3VBM3APFSDS弾、3VBM7APFSDS弾、3VBM13APFSDS弾、3BK12成型炸薬弾。中東戦争の戦訓から、対空用に遠隔操作式12.7mm重機関銃DShKMを搭載した。砲手用測距照準器は当初TPD-43Bのままだったが、後に基線長の延びたTPD-2-49に換装し、暗視装置は有効交戦距離800mのTPN-1-49-23に変更している。砲塔装甲を鋼板150mm＋アルミ150mm＋鋼板40mm強化しており、防御力は均質圧延鋼板換算で250mm（対APFSDS）／450mm（HEAT）相当である。当初はエラ型装甲を車体側面に装備していたが、1970年代末までにスチールメッシュ入りゴムスカートに換装した。PPOエンジン火災検知・消火装置も搭載している。第４転輪上にバンプストッパを追加した。KMT6型地雷除去装置の接続架を装備し、潜水渡河能力を高めるブロッド密閉システムを搭載している。車体前面下部にドーザーブレードを装備した車両もある。これにより重量が２トン増加し、最大速度がやや低下（60km）、補助タンク搭載時の最大行動距離も330kmとなった。初期型では砲塔後部に雑具箱が無く、右側の履帯カバー前部にZIP工具箱を装備していたが、後期型では工具箱を砲塔後部に移し、空いた部分は燃料タンクに変更、主砲砲身に膨熱カバーを装備している。生産数4600両。参考：月刊軍事研究8,’01、月刊PANZER2,’02、月刊グランドパワー6,’03

＜Ｔ−６４Ａ改修型＞：1974年から単眼式照準潜望鏡（視野50度）を搭載し、DShKM機銃の換わりに遠隔操作式12.7mm重機関銃NSVT（300発）を地上掃射可能なPZU5型マウントに装備した。1975年生産型から砲二軸安定化装置を目標追随速度の高い2E28Mに変更し、それに合わせて主砲もD-81TMに換装、車体前面上部に16mm（30mm？）装甲板を追加した。この頃から砲身にサーマルスリーブを装着し、KMT-6ローラー式地雷処理装置を装備可能としている。1979年以降、フェンダー上部に対HEAT用補助装甲を装備した。1983年以降、砲塔前面主砲基部両側に902Bトゥーチャ発煙弾発射機４基ずつを搭載した。これらはそれまでの生産車にも施されている。参考：月刊グランドパワー6,’03、月刊PANZER2,’02、月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４ＡＫ＞：指揮戦車型。大隊指揮官以上向けで、1973年から780両が生産された。R-123M車両間交信用無線機に加え、R-130長距離交信用無線機とTNA-3衛星航法装置を装備する。高さ11mの伸縮式ポールアンテナを使用する必要があり、固定の関係上使用中は動けない。これらを収容するため、搭載弾数を28発（自動装填装置のみに搭載）に減らした。対空機銃と砲塔前部両側の手すりを撤去し、左履帯カバー前方の雑具箱を燃料タンクに換えている。参考：月刊グランドパワー6,’03、月刊PANZER2,’02、月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４ＡＫＭ＞：T-64AKのエンジンを6TDディーゼル（1000馬力）に換装したもの。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜Ｔ−６４ＡＭ＞：T-64Aのエンジンを6TDディーゼル（1000馬力）に換装したもの。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜Ｔ−６４Ｂ＞：腔内発射ミサイル運用型、愛称はベシカ。1973年から開発したオブイェークト447を採用したものである。主砲を9M112-1コーブラ（AT-8ソングスター）が発射可能なD-81TM（2A46M）に換装し、主砲換装に合わせて砲安定化装置を2E42（2E36M？）に、基線長式測距照準器を二軸安定化1G42レーザー測距器（視野3.9倍・９倍。砲手用照準器に組み込み）に変更、弾道計算機1V517と組み合わせた新型射撃指揮装置1A33を導入した。車長用TKN3V昼夜間兼用型双眼鏡式潜望照準鏡（昼間５倍、夜間4.2倍）を搭載し、夜間用にTPN1-49-23照準装置とルナL4A赤外線サーチライト（装備位置がＡ型とは少し違う）を積んでおり、有効照準距離4000m（昼間）／800m（夜間）。主砲発射速度は毎分６発または８発を選択できる。ミサイルシステム名称は9K112-1コーブラシステムで、ミサイル誘導用アンテナボックスは車長用キューポラ前にある。これらを車内に装備するため主砲弾数を36発（＋9M112-1コーブラ６発）に、同軸機銃弾数を1250発に落としている。12.7mm機銃NSVT（300発）と902Bトゥーチャ発煙弾発射機を標準装備する。鋼線入り強化ゴム製サイドスカートを装着しており、一部は車体前面上部に16mm厚の増加装甲が付く。第４次中東戦争の戦訓から、ナパーム弾に対する防御システムも搭載しているというが、詳細は不明。重量増に対応してトーションバーのトラベル長を増大し、機動性を改善した。GPK-59衛星航法装置を搭載する。重量40.3トン。航続距離500km（補助タンクあり）。無線機はR-123M。1976年に制式採用され、1979-87年に4200両が生産された。初期生産型に902Bを搭載しないタイプがあり、M1980/2のNATOコードが付いている。これに902Bを追加したものはM1981/1のNATOコードが付いた。前部の砲手用照準器を持たないものも存在する。参考：月刊グランドパワー6,’03、月刊PANZER2,’02、月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４Ｂ１＞：ミサイル発射機構を取り除いた廉価版。生産数1200両。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜Ｔ−６４Ｂ１Ｋ＞：T-64B1の指揮戦車型。T-64AKと同じ装備を搭載している。月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４Ｂ１Ｍ＞：T-64B1のエンジンを6TDディーゼル（1000馬力）に換装したもの。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜Ｔ−６４ＢＫ＞：指揮戦車型。長距離交信用R-130無線機とTNA-4衛星航法装置を装備している。PAB-2A砲兵用着弾観測装置や発電用AB-1 P/30ガソリンエンジンも搭載した。主砲弾数は28発に減り、ミサイル発射能力は無い。運用方法はT-64AKと同様である。生産数57両。参考：月刊PANZER2,’02、月刊グランドパワー6,’03、月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４ＢＭ＞：T-64Bのエンジンを6TDディーゼル（1000馬力）に換装したもの。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜Ｔ−６４ＢＶ＞：T-64BまたはT-64B1にコンタクトEDZを装備したもの。1983年から導入され、車体・砲塔の主要部に179個（計1.5トン）を装着する。1985年からはコンタクト５を装備した。重量42トン。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜Ｔ−６４ＢＶ１＞：T-64B1のEDZ搭載型。参考：月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４ＢＶ１Ｋ＞：T-64BV1の指揮戦車型。参考：月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４Ｒ＞：1980年代にT-64にT-64A（T-64B？）と同様の改修を行ったもの。主砲は115mmのままである。参考：月刊グランドパワー6,’03、月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４ファミリー＞

　＜ＢＲＥＭ６４＞：戦車回収車型。生産数不明。月刊軍事研究8,’01

＜Ｔ−６４海外シリーズ＞

　＜ブラート・バージョン２＞：ウクライナの国営兵器輸出会社であるUSE社が開発したT-64Bの近代化型で、バージョン１もある。FCSを改修して最大交戦距離を昼間2500m・夜間600-1500mとし、追加装甲とERAを装着、スカートに硬質ゴムを張り付けてHEATに対する防御力を２倍、徹甲弾に対する防御力を1.5倍に強化した。エンジン出力は1000馬力に、作戦可能温度は55度になっている。戦闘重量45.5トン。参考：月刊軍事研究3,’11

＜Ｔ６４ターボシャフトエンジン・シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボシャフトエンジン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４−ＧＥ−７＞：CH-53に搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。離昇出力3925馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４−ＧＥ−７Ａ＞：S-65に搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.006m、高さ0.825m、重量327kg。離昇出力3936馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４−ＧＥ−４１３Ａ＞：CH-53Dに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.006m、直径0.825m、重量325kg。離昇出力3936馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４−ＧＥ−４１５＞：CH-53Eに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.006m、直径0.825m、重量327kg。離昇出力4380馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４−ＧＥ−４１６＞：CH-53Eに搭載された。圧縮機14段、圧縮比14.8、燃焼器はアニュラー式、タービン段数２＋２段。全長79インチ（2.01m）、直径20.1インチ（0.51m）、重量720ポンド（326.6kg）。離昇出力4380軸馬力。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｔ６４ターボプロップエンジン・シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボプロップエンジン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４−ＧＥ−８２０−４＞：DHC-5Dに搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.87m、直径1.026m、重量520kg。離昇出力3133馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４−Ｐ４Ｄ＞：G222に搭載された。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.793m、直径1.168m、重量538kg。離昇出力3400馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ６４ターボプロップエンジン海外シリーズ＞

　＜Ｔ６４−ＩＨＩ−１０＞：石川島播磨重工がライセンス生産し、PS-1とP-2Jに搭載した。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式14段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.793m、全高1.168m、重量529kg。離昇出力2970馬力。参考：世界の軍用機1979

　＜Ｔ６４−ＩＨＩ−１０Ｅ＞：石川島播磨重工がライセンス生産し、PS-1とP-2Jに搭載した。参考：月刊JWings10,'20

　＜Ｔ６４−ＩＨＩ−１０Ｊ＞：T64-IHI-10Eの出力強化型。石川島播磨重工がライセンス生産し、US-1A救難飛行艇、YS-11EA電子戦訓練機、YS-11EB電子情報収集機に搭載した。参考：月刊JWings10,'20

＜Ｔ６４Ｅ１＞：M41（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｔ６４エンジン技術援助役務＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｔ６５＞：M5軽戦車ファミリー（自走高射機関砲）またはM39汎用装甲車ファミリー（火炎放射車両）を参照。

＜Ｔ−６５訓練弾＞：アメリカ軍のMk11核爆弾用訓練模擬弾。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｔ６６＞：M47中戦車ファミリー（機械化火炎放射器）を参照。

＜Ｔ−６６訓練弾＞：アメリカ軍のMk12核爆弾用訓練模擬弾。参考：世界の傑作機No.118

＜Ｔ６７＞：M18（駆逐戦車）またはM67（火炎放射戦車）を参照。

＜Ｔ６７シリーズ＞：イギリスのスリングズビー社製軽飛行機、別名ファイアフライ（Firefly）。元はフランスのアビオン・フルニエ社製RF6B（1974年3月12日原型機初飛行）で、1981年にスリングズビーが製造権を取得して改称した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ６７Ａ＞：RF6Bを改称したもの。機体は木製。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ６７Ｂ＞：機体を複合材製にしたもの。1982年に開発し、1984年9月に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ６７Ｍ＞：軍用型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ６７Ｍ　Ｍｋ�U＞：エンジン出力160馬力。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ６７Ｍ２００＞：曲技飛行・一般操縦訓練用。エンジン出力200馬力、プロペラは３翅。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ６７Ｍ２６０＞：T67M200の改良型で、エンジンを260馬力に強化した。機体はGFRP製で、防火壁にステンレス鋼を使用しており、主翼は低翼単葉、降着装置は前輪式固定脚。全長7.57m、全幅10.59m、全高2.36m、自重794kg、総重量1157kg。翼面積12.63平方メートル。エンジンはライカミング製AEIO-540-D4A5（出力260馬力）単発、巡航速度259km（出力75%）、最大速度281km、海面上昇率毎分480m、燃料搭載量159リットル、航続距離753km。乗員２名。アメリカ空軍がT-3Aとして採用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ６７Ｃ＞：民間用操縦訓練仕様で、1987年12月に形式証明を取得した。エンジン出力160馬力、プロペラは２翅。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔ６８＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走高射機関砲）またはM4中戦車ファミリー（試作火炎放射戦車）を参照。

＜Ｔ６８Ｅ１履帯＞：アメリカ陸軍M2/M3ハーフトラック用履帯。履板とセンターガイドプレートをリベット止めし、鋼製ケーブルで連接、ゴムを被せてある。センターガイドを起動輪に噛み込ませて駆動する。不整地・降雪地ではチェーンを巻く。幅337mm、ピッチ102mm。B.F.グッドリッジ社製。参考：月刊PANZER10,’05

＜Ｔ６９＞：M8装甲偵察車ファミリー（試作自走対空機銃）を参照。

＜Ｔ−６９自走榴弾砲＞：台湾陸軍155mm自走榴弾砲。M109を参考に開発した。車体後部に弾薬搭載・乗員昇降用ランプがあり、車体後下部に油圧駆動の起倒式駐鋤を持つ。下部転輪は片側７個、誘導輪は後方、起動輪は前方にあり、上部転輪とスカートは無い。155mm榴弾砲M114の改良型（ダブルバッフル式マズルブレーキ付き）をオープントップで搭載している。車体後部右に自衛用12.7mm機銃を装備する。45両が生産されたらしい。主砲を45口径にした射程延伸型も開発されており、こちらは射程30km（通常弾）／35km（ベースブリード）。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｔ７０＞：M18（駆逐戦車）またはUH-60海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜Ｔ−７０シリーズ＞：ソ連軍の軽戦車。1941年末から開発され、1943年10月までに8226両が生産された。独ソ戦緒戦で戦車が足らなかったため、主力戦車代わりに�V号・�W号戦車の相手をさせられて大損害を出した。1943年まで、ソ連戦車旅団の30%前後を本車が占めていたが、レンドリースで譲り受けた米英の戦車に後を譲り、SU-76シリーズの車体として使用された。参考：月刊PANZER5,’98、10,’05

　＜Ｔ−７０＞：T-60軽戦車の武装が貧弱だったので、45mm戦車砲M1938を搭載し、前面装甲も45mm厚の傾斜装甲として37mm対戦車砲に耐えられるようにしたものである。下部転輪は片側５枚、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側３枚。砲塔は左にオフセットされており、防楯は60mm厚。戦闘重量10トン。エンジンはトラック用GAZ-202（70馬力）２基、路上最大速度50km。乗員２名。エンジン２基で左右それぞれの履帯を駆動させる方式が不調に終わり、T-70Mが開発された。参考：月刊PANZER5,’98、月刊戦車マガジン6,’89、月刊丸3,’14

　＜Ｔ−７０Ｍ＞：改良型。GAZ-203エンジン２基を串形に連結し、トランスミッション１基を介して左右の履帯を駆動する。また、砲塔を平板装甲の溶接組み立て式１名用に換えて生産性を上げた。全長4.28m、全幅2.42m、全高2.04m、重量9.8トン。エンジンはGAZ-203（85馬力）２基、最大速度45km、航続距離350km。乗員２名。1942年3月に登場し、9月からはT-60から生産が完全に切り替えられ、1943年10月まで量産された。参考：月刊PANZER5,’98

＜Ｔ−７０ファミリー＞

　＜ＳＵ−１２＞：SU-12（自走砲）を参照。

　＜ＳＵ−７６シリーズ＞：SU-76シリーズ（自走砲）を参照。

　＜ＺＳＵ−３７＞：ZSU-37（自走高射機関砲）を参照。

＜Ｔ７１駆逐戦車＞：M36シリーズ（駆逐戦車）を参照。

＜Ｔ７２試作駆逐戦車＞：M10駆逐戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ−７２戦車シリーズ＞：ソ連陸軍主力戦車。T-64のエンジンを水平対向からＶ型に換えて信頼性を高める目的で開発された試作戦車オブイェークト172が基である。1973年に制式採用され、1977年11月7日の革命記念日パレードで公開された。ソ連を始めカザフスタン、ウクライナなど旧ソ連諸国、ポーランド、チェコなど旧東ヨーロッパ諸国、その他アンゴラ、イラク、イラン、インド、リビアなど各国で18000両以上が使用されている。T-64との違いは、ルナのサーチライトが右にある、シュノーケルが砲塔左にある、転輪径がやや大きい。参考：月刊グランドパワー7,’03、月刊丸8,’87

　＜Ｔ−７２ウラル＞：初期型。1974-75年からウラル戦車工場で生産された。車体前面装甲は80mm鋼板＋100mmポリウレタン成形板＋20mm鋼板で、68.3度の傾斜が付いており、対徹甲弾410mm、対成型炸薬弾450mmの防御力を持つ。他の車体装甲厚は側面80mm、後面40mm、上・下面20−30mmである。車体前面上部にはＶ型の波切り板と横方向滑り止めリブが溶接される。車体前部中央に操縦手席があり、上面の操縦手用ハッチ手前にはTVNE4E昼間用潜望鏡を装備しており、夜間は車体前面左右のFG125ヘッドランプまたは砲塔上のL2AGM赤外線サーチライト・PNV57双眼鏡型赤外線スコープを使用する。ハッチと主砲のクリアランスが小さいので、操縦手が頭を出す際には主砲に仰角を掛けて砲塔を左右どちらかに少し旋回させてやる必要がある。操向・変速装置はT-62の改良型である。下部転輪はアルミ製中型ダブルタイプ片側６組（初期はスポーク８本、後に６本）、誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上部転輪は片側３個。懸架装置はトーションバー式で、第１・第２・第６転輪にはアームに油気圧式ダンパーが連結されている。履帯はシングルピン・ゴムブッシュ付きウェット・ライブピン式RMShで、寿命7000km。フェンダー前部には片側４枚のエラ型装甲（薄い鋼板の上下にゴム板を付けたもの。前方45度に展開してHEAT弾を防御する）が取り付けられていたが、壊れやすいので1970年代後半にはゴム製スカートに替わった。車体前部下面にはドーザーブレードが標準装備されており、KMT5/6/6M2型地雷除去装置を装備することもできる。操縦手席両側、車体右側フェンダー上、戦闘室後部隔壁部分に燃料タンクがある。車体後部には200リットル入りドラム缶を２つ追加可能。砲塔前面装甲は防弾鋳鋼＋アルミナ系セラミック＋防弾鋳鋼で、装甲鋼板換算だと対徹甲弾410mm・対成型炸薬弾500mmの防御力を持つ。砲塔後半部は80-100mm程度。砲塔後面に雑具箱が付く。砲塔内乗員は２名で、右側に車長、左側に砲手が搭乗する。主砲は初期には125mm滑腔砲2A26M2だったが、駐退機の冷却装置の不具合と長砲身の熱膨張による歪みの問題があり、サーマルスリーブ付き125mm滑腔砲D-81TM（2A46）に換装した。砲口初速毎秒1800mで、2100m先まで弾道が低伸するとされる。装弾数39発、うち22発がカセトカ自動装填装置のトレイに搭載される。これは戦闘室床下の回転式弾倉（回転速度毎秒70度）から弾丸と薬莢を取り出し、リフトで持ち上げて薬室に装填するもので、初期にはT-64と同様砲手の手足を装填したりしたようだが、後に改善された。発射速度は理論上毎分８発、手動装填では毎分２発。俯仰角マイナス５度からプラス15度。二軸式砲安定化装置2E28Mを装備しているが、行進時の砲耳の傾きを検出できず、5-6発ごとにキャリブレーションを行う必要があり、あまり役に立たない。照準器はTPD-2-49基線長式測遠照準器で、APFSDS・HEATでは100-4000m、HEでは5000mまでの測距が可能（ただし15-30秒かかる）。また、砲手席の四分儀で9400mまでの間接照準射撃が可能。このデータは弾道計算機に手入力しなければならないため、自動装填装置を使用しても実際の発射速度は毎分４発程度に抑えられてしまう。中にはレーザー測距照準器組み込み砲手用サイトTPD-K1を装備してTPD-2-49の開口部を溶接して塞いでいる車両もある。暗視装置は赤外線アクティブ式で、ルナAG赤外線照射器（主砲右側）とTPN-1-49-23潜望鏡式赤外線暗視装置（砲手用ハッチ前）からなり、夜間交戦距離は600-800m。昼間の視察にはハッチカバーのTNPA65型昼間用ビジョンブロックとハッチ前方のTNP160昼間用潜望鏡を使用する。車長用視察装置はTKN3昼夜間兼用照準装置（ペリスコープ前部）、TNP160昼間用潜望鏡（TKN3の左右）、後方監視用TNPA昼間型ビジョンブロック（ペリスコープのハッチカバーに装着）で、TKN3はOU3赤外線サーチライトを併用して夜間視察を行う。TKN3にはオーバーライド機能も付いているが、砲手はこの画像を見られないので、いきなり目標が変わってしまうことになる。副武装は同軸7.62mm機銃SGMT（2000発）、車長用キューポラに後ろ向きに取り付けられた12.7mm機銃NSVTウチョース（300発）。OPVT潜水渡渉システムのシュノーケルは砲塔後面のチューブに収容する。全長9.53m、車体長6.86m、全幅3.46m、全高2.19m、地上高0.47m、重量41トン。エンジンはV-46-6スーパーチャージャー付きディーゼル（780馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進７速・後進１速）、最大速度60km、燃料容量1000リットル、航続距離500km。無線機はR-123M型。乗員３名。参考：月刊グランドパワー7,’03、月刊軍事研究9,’01、11,’09、5,’10、世界AFV年鑑2002-2003、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER9,’12

　＜Ｔ−７２ウラル１＞：T-72の砲塔部装甲強化型。暗視装置もTPN-3-49夜間照準装置とルナ−４赤外線照射装置（主砲右に搭載）に換装し、アクティブ戦闘距離1300m・パッシブ可視距離500mとなった。操縦手用暗視装置もTVNE-4B赤外線／パッシブ両用に変更している。1980年以降、902Aトゥーチャ発煙弾発射機を砲塔左右に６基ずつ装備し、GPK-59ジャイロ式航法装置を採用した。参考：月刊グランドパワー8,’03

　＜Ｔ−７２Ａ＞：T-72のFCS改良・装甲強化型。TPD-2-49ステレオ式測遠照準器を外し、レーザー測距照準器組み込み砲手用サイトTPD-K1を装備する。3BM22徹甲弾だと命中率は射距離1000mで94%、1500mで70%、2000mで50%とされる。主砲弾数は44発に増えた。砲塔前面にTip-K型複合装甲を採用し、耐弾力を対徹甲弾500mm・対成型炸薬弾560mmに強化した。これにより砲塔が膨らんだため、西側ではドリー・パートン（Dolly Parton。アメリカのカントリー・シンガーで、後にホイットニー・ヒューストンがカバーしたオールウェイズ・ラヴ・ユーを歌った人。豊胸手術を受けている）というニックネームを付けている。車体前上面にも厚さ16mmの追加装甲を装着した。902Aトゥーチャ発煙弾発射機を装備し、無線機をR173に変更している。全長9.53m、全幅3.46m、全高2.23m、戦闘重量46.5トン。エンジンはV-46-6ディーゼル（780馬力）、最大速度60km、航続距離480km。1978年に制式採用され、1979-85年に生産された。参考：月刊グランドパワー8,’03、7,’03、月刊軍事研究9,’01、4,’08、月刊PANZER5,’05

　＜Ｔ−７２ＡＶ＞：T-72Aにコンタクトまたはコンタクト５EDZを装着したもので、227個も張り付けている。1985年から生産された。参考：月刊グランドパワー8,’03、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−７２Ｂ＞：アメリカ陸軍M1戦車に対抗するため、腔内発射型ミサイルを搭載し、装甲を強化したもの。主砲は9M119レフレクスまたは9M120スヴィリを発射可能とした125mm滑腔砲2A46Mで、ミサイル誘導レーザー照射兼測距装置1K13を搭載し、射撃統制装置を1A40-1に、砲安定化装置を2E42-2に換装した。主砲弾数は45発（うちミサイル4-6発）に増えている。車体前半部の圧延鋼板を20mm増やし、砲塔前半部に複合装甲を埋め込んだスーパー・ドリー・パートン（Super Dolly Parton）砲塔を採用、コンタクトEDZを車体前面・砲塔前面・砲塔頂部中心に227個程度装着した。砲塔複合装甲は、ゴムを鋼板でサンドイッチした厚さ30mmの装甲薄板を24mm間隔で20枚前後重ねて斜め45度内側に傾けて設置したもので、装甲厚はRHA換算で対徹甲弾530mm・対成型炸薬弾520mmといわれる。発煙弾発射機はEDZの邪魔にならないよう、砲塔左後部に８発纏めて装着するようにした。これらによる重量増に対応するため、エンジンをV-84-1ディーゼルに強化している。全長9.53m、車体長6.95m、全幅3.59m、全高2.226m、重量44.5トン。エンジンはV-84-1水冷Ｖ型12気筒ディーゼル（840馬力）、トランスミッションはマニュアル式、最大速度60km、航続距離500km。乗員３名。1985年に採用された。後期型では対放射線防護用積層板を砲塔上面に装着する。1988年からコンタクト５を装着するようになった。チェチェン紛争以後の1990年代半ばから、RPGに対抗すべくEDZをサイドスカートにまでびっしりと付けるようになった。参考：月刊グランドパワー8,’03、月刊軍事研究5,’10、月刊PANZER8,’18

　＜Ｔ−７２Ｂ１＞：T-72Bのミサイル発射機構を省略した型。参考：月刊グランドパワー8,’03

　＜Ｔ−７２Ｂ３＞：T-72BにT-90の技術を導入した改良型。T-90A生産打ち切りに伴い、既存のT-72Bを強化してT-14完成までの繋ぎとしたものである。主砲をT-90Aと同じ125mm滑腔砲2A46M-5として9K119M1レフレクスＭ腔内発射ミサイルシステムを運用可能とし、FCSを1A40-4に換装、砲手用照準器を大型にし、砲塔後部に環境センサーを追加した。爆発反応装甲もコンタクト５に強化し、大きめのタイルを車体前面、砲塔前面（楔形）、砲塔上面に装着している。エンジンはV-92S3F（1130馬力）。乗員３名。安さを最優先したため性能が悪く、2013年には西部軍管区司令官が国防省に苦情を送り、デジタル通信システムやGLONASS受信機が無い、T-90A用ソスナＵ照準システムのような目標自動追尾ができずFCSも1A40-1のまま、エンジンも換装されておらずV-84-1（840馬力）をオーバーホールしただけ、コンタクト５への強化のみでは防御力が足りない、ということでT-90Aの配備を要求したらしい。参考：月刊PANZER4・5,’17、8,’18、月刊軍事研究10,’18

　＜Ｔ−７２Ｂ３Ｍ＞：T-72B3が能力不足のため、新たに開発されたもの。T-72B3本来の改修に加え、FCSを1A40-4に、照準システムをソスナＵに換装し、コンタクト５に加えて砲塔側面後部に大型爆発反応装甲を装着、車体後部と砲塔後部にスラット装甲を追加した。スカートは上３分の２が鋼製、下３分の１が波形ゴムで、下部転輪を半分くらい覆い隠す上下幅になった。鋼製部分には布バッグ状の爆発反応装甲を布ベルトで固定できる。スカート最後部はスラット装甲である。エンジンはV-92S3F（1130馬力）。2016年から改修され、2017年5月の対独戦勝パレードに登場、2018年から部隊試験中である。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊PANZER8,’18

　＜Ｔ−７２Ｂ４＞：T-72B3の改良型。砲塔上面中央に車長用全周旋回サイトを追加し、動力装置をT-90と同じものに換装している。2014年に登場した。参考：月刊PANZER8,’18、4・5,’17

　＜Ｔ−７２ＢＭ＞：T-72Bに第２世代EDZコンタクト５を装着したもので、別名オブイェークト187。全長9.53m、車体長6.86m、全幅3.46m、全高2.226m、重量46トン。主砲は125mm滑腔砲2A46M（45発）、砲安定化装置は2E42-2、FCSは1A40-1、レーザー測距機は1K13-49、ミサイルシステムは9K120スヴィリ。副武装は同軸7.62mm機銃PKT（2000発）１丁、砲塔上面の対空用12.7mm機銃NSVT（300発）１丁。砲塔に902B発煙弾８発を装備し、TDA発煙装置も搭載している。エンジンはV-84-1水冷ディーゼル（840馬力）、最大速度60km、燃料搭載量1600リットル（車内1200リットル＋車体後部200リットル缶２本）、航続距離500km。無線機はR173。乗員３名。T-90の原型となった。参考：世界AFV年鑑2002-2003、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER9,’06

　＜Ｔ−７２ＢＡ＞：T-72の近代化型。FCSを強化し、コンタクト５を装着、乗員に耐地雷防護対策を施した。T-90と同等の能力を持つとされ、2010年度には198両が改修を受けてトータルで360両前後が配備されているとみられるが、T-90Aの配備を優先する方針のようで、今後は改修ペースを落とすらしい。参考：月刊軍事研究2,’11

　＜Ｔ−７２Ｋ＞：T-72の指揮戦車型。静止状態で砲塔上部に10mのアンテナマストを立てる。中隊指揮官用はR123MまたはR173無線機を２基、大隊・連隊指揮官用はR123MまたはR173を１基と、R130Mを１基搭載する。参考：月刊軍事研究9,’01

　＜Ｔ−７２輸出型＞：輸出用劣化版で、Model’1975またはモンキー・バージョンともいう。T-72ウラルの複合装甲を外し、砲塔は鋳造、車体は圧延鋼板とした。インド、シリア、リビアなどに輸出された。参考：月刊グランドパワー8,’03

　＜Ｔ−７２Ｍ＞：T-72輸出型の測距儀をTPD-K1レーザー測距器に換えたもの。装甲厚は車体215mm、砲塔450mm。参考：月刊グランドパワー8,’03

　＜Ｔ−７２Ｍ１＞：T-72Aの輸出型。複合装甲を廃し、FCSも一段性能を落としている。最大装甲厚16+215mm（車体）／530mm（砲塔）。ポーランド、チェコスロバキアなどでライセンス生産された他、イラクなどに輸出された。参考：月刊グランドパワー7,’03

　＜Ｔ−７２Ｍ１Ｍ＞：T-72Sを参照。

　＜Ｔ−７２Ｓ＞：T-72Bの輸出型で、T-72M1Mと呼ばれていたことがある。複合装甲とEDZはそのまま装備（EDZの数は155個に減っている）するが、ミサイル発射装置が無く、FCSが１ランク落ちる。イランでライセンス生産された。参考：月刊グランドパワー8,’03、世界AFV年鑑2002-2003

　＜Ｔ−７２Ｓ１＞：T-72Sのミサイル発射装置を除いたもの。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｔ−７２改修型（ロシア陸軍）＞：T-72M1の改修型で、2001年7月に「ロシアの防衛展示会2001」で展示された。主砲を9M119が発射可能な2A46Mに換え、FCSはフランスのタレス社製熱線暗視装置（最大探知距離5000m、識別距離3000-3500m、二軸安定化）と、PNK-4M車長用昼夜間兼用照準機（昼間識別距離4000m、夜間探知距離1200m、自動目標追尾装置付、垂直面安定化）を装備する。防御ではコンタクト５に加え、TShU-1シトーラAPSを備える。重量が45トンに増加するのに対応し、エンジンはV-92S2ディーゼル（1000馬力）またはV-84MSディーゼル（840馬力）に換装し、前者では最大速度65km（路上）／40-45km（不整地）、後者では60km（路上）／35-45km（不整地）となる。参考：月刊軍事研究1,’01

＜Ｔ−７２Ｍ１改修型（ロシア陸軍）＞：2003年3月のIDEXで展示されたT-72M1改修型。主砲を9M119が発射可能な2A46Mに換え、FCSも最新型を搭載し、ジャイロ赤外線自動追尾装置、サーマルイメージャー、GPSを統合している。砲塔上の12.7mm機銃は車内からの遠隔操作式となった。砲塔前部にEDZを追加し、発煙弾発射機はレーザー検出装置と連動する。磁気投射装置により車体前方の磁気感応式地雷を誘爆させることが可能。NBC防護装置も最新型となり、エンジンはB92C2ディーゼル（12気筒、1000馬力）に換装した。参考：月刊軍事研究8,’03

＜Ｔ−７２改修型（ロシア・フランス共同）＞：T-72の生産を行っているUKBMニジニー・タギル工場と、ペレング・ベロモ社、フランスSAT社の共同計画で、SANONET2改良型射撃統制システム（IFCS）を搭載してT-72のFCSを近代化する。SAT社製熱線映像装置は砲塔に改造を加えずにTPN-1砲手用照準装置と交換でき、二軸安定化（垂直はマイナス８度からプラス20度、水平は左右15度）され、倍率5.5倍（視野４×2.7度）と11倍（視野２×1.35度）の二段切り替えである。車長にもこの熱線映像装置の画像が表示される。FCS作動モードは車長の昼夜間観測、車長主導の行進間射撃、砲手主導の行進間射撃の３種で、行進間射撃時の主砲安定精度は垂直方向20%・水平方向200%向上するという触れ込みである。参考：月刊軍事研究1,’01

＜シュツルム＞：ロシア国防省が開発中の無人戦車。ウラン９無人戦闘車両がシリア内戦で使い物にならないと判明したため、代わりに計画した市街戦向け無人戦車で、T-72B3を無人化したものである。自律機能は真っ直ぐ走る程度のもので、戦闘も含めて基本的に遠隔操作が必要であり、通信距離も短いので、操作員が有人型T-72B3戦車に乗り込んで付いていく。参考：朝雲

＜Ｔ−７２ファミリー＞

　＜ＢＭＲ−３Ｍ＞：BRM-3Mかも。装甲工兵車型で、砲塔を外して固定式戦闘室を車体中央に増設、KTローラー式地雷原処理システムを装備する。チェチェン紛争の戦訓から、車体と戦闘室前側面にはEDZを所狭しと張り付けた。武装は12.7mm機銃１丁。参考：月刊PANZER9,’02、10,’01

　＜ＢＲＥＭ−１＞：戦車回収車型。砲塔を外し、前面に可動式ドーザー、上面左に10トンクレーン、牽引用に25トンウインチを持つ。自衛用に12.7mm機銃NSVT（720-840発）を装備する。車体は複合装甲のままで、TDA煙幕展開装置も付いている。OPVT潜水装置で深さ5mまで渡渉できる。全長7.98m、全幅3.46m、全高2.425m、重量41トン。エンジンはV-84ディーゼル（840馬力）またはV-46ディーゼル（780馬力）、最大速度60km、航続距離500-760km。無線機はR-123M。乗員３名。1975年から量産され、1991年の保守派クーデターで姿を見せた。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＩＭＲ−２＞：装甲工兵車型。1980年に制式採用され、1982年から量産された。砲塔を外し、動力式ドーザー、塹壕掘削機、動力機器操縦キャビンを搭載している。車体は複合装甲を持つ戦車型そのままである。全長9.55m、全幅3.735m、全高3.68m、重量44.5トン。エンジンはV-84-1ディーゼル、最大速度59km、航続距離500km。R-173無線機を搭載する。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

　＜ＭＴＵ−７２＞：戦車橋型。1974年に開発された。MTU-20と同様に長さ20mの３つ折りアルミ製架設橋（6.4トン）を車体上に搭載する。架橋に３分、撤収に８分かかる。車体前面装甲は200mmの単一鋼板とされ、自衛用に分隊支援用7.62mm軽機関銃RPKS（1000発）を１丁搭載している。全長6.86m／11.64m（橋体含む）、全幅3.381m、全高3.381m、重量40トン。エンジンはV-84-1ディーゼル（840馬力）、最大速度60km、航続距離500km。乗員２名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜Ｔ−７２海外シリーズ＞

　＜１４０ｍｍ滑腔砲搭載型＞：ウクライナのハリコフ・モロゾフ機械製造設計局が開発した140mm滑腔砲バジラを搭載するもの。砲身長は7mに達し、APFSDSだと砲口初速毎秒870m（1870mの間違いのような気がする）、装甲貫徹力450mm（撃角60度、射距離不明）。開発がどの程度進んでいるかは不明である。参考：月刊軍事研究4,’02

　＜Ｍ−８４シリーズ＞：M-84シリーズ（戦車）を参照。

　＜ＰＴ−１６＞：PT-91の近代化型。Bumar Labedy社とOBRUM社が開発し、2016年9月6-9日に開発されたポーランド国際兵器博覧会に展示した。車体と砲塔を角張った形状に変更しており、T-72の面影は砲口排煙器の位置くらいしか無い。その主砲も砲安定化装置付きのNATO標準120mm戦車砲に換装しており、弾薬は分離装薬式、弾薬庫と乗員スペースの間に隔壁を設けて被害軽減を図った。追加装甲、ERAWA1/2爆発性反応装甲、ネット状装甲、下部転輪の下半までカバーするスカート（上部は鋼製、下部はゴム製）、車体前面下部ゴム製スカート５枚を装備する。エンジンとサスペンションを強化しており、戦場マネジメントシステム、OBRA�Vレーザー警報、APU、空調を積む。全長10.03m、車体長6.86m、重量47.5トン。エンジン出力850馬力。参考：月刊軍事研究4,’17、10,’17

　＜ＰＴ−１７＞：PT-91の改良型。2017年9月のMSPO2017兵器展示会でポーランドのブーマー・ラベディ社が発表した。車体前面下部にゴム製スカート５枚、車体側面に下部転輪の下半までカバーするスカートを装備しており、車体と砲塔にモジュラー式爆発反応装甲を追加できる。砲塔はホタテ貝形状の全電動式に変更し、120mm滑腔砲KMB2を搭載してNATO標準弾を使えるようにした。FCSもデジタル式に更新、ハンター・キラー機能を持つ車長用照準器と新型砲手用照準器を備える。砲塔上面には遠隔操作銃塔を装備。自衛用にOBRA-3レーザー警報を搭載しており、レーザーを検知すると発煙弾を発射する。エンジン出力は標準1000馬力で、1200馬力に強化できる。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜ＰＴ−７２Ｕ＞：ポーランドのブーマー社が開発した輸出用戦車。PT-91の改良型で、対空機銃を車長用全周パノラマサイト兼用の12.7mm遠隔操作銃塔に換装し、26倍ズーム付きFLIRと55度ずつをカバーする昼夜間状況把握用カメラ８基を搭載、FCSを一新している。車体前面・スカート前部・砲塔前面に爆発反応装甲、スカート後部にスラット装甲、車体前面下部にゴム製スカート、車体側面に増加装甲、砲塔後面にスラット装甲兼用の大型雑具箱を装備する。車体下面に耐地雷用モジュラー装甲を取り付けることもできる。車体後部右に出力8kWのAPU、左にエアコンが付く。参考：月刊軍事研究7,’11

　＜ＰＴ−９１＞：ポーランド陸軍主力戦車、別名トワルディ（Twardy）。T-72M1の改良型で、ポーランドZMBL社が開発して1992年に試作車が完成し、1998年までに60両、最終的に233両が引き渡された。ERAWA1/2爆発性反応装甲、車体前面下部をカバーするゴム製スカート、微光暗視装置、改良型FCS、対地雷防御システムを導入し、発煙弾発射機を増設（砲塔両側に計24基）している。主砲を125mm滑腔砲D-81Tに、エンジンをS-12Uスーパーチャージャー付き多燃料ディーゼル（850馬力）に換装した。参考：月刊グランドパワー7,’03、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER6,’14

　＜ＰＴ−９１改＞：PT-91を改良した輸出用戦車。ポーランド製ダイナERAを装着し、発煙弾発射機と連動するレーザー警報装置を搭載、電子機器も一新している。FCSはフランスのサジェム社製SAVAN15で、車長用ペリスコープはサジェム社製VIGY15である。エンジンはポーランド国産のWOLAS1000水冷ターボチャージドディーゼル（1000馬力）で、履帯はディール社製840Iに換装した。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜ＰＴ−９１フェーズＣ＞：PT-91の改良型。フランスのGiat社製120mm滑腔砲を搭載した。2002年現在、開発中。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜ＰＴ−９１Ｍ＞：ポーランドが開発中のPT-91改良型で、マレーシアがテストしている。砲塔をEPS-72電動式に換装しており、主砲は125mm滑腔砲2A46MS、副武装は7.62mm機銃など、FCSはSAGEM社製。エンジンはPZLディーゼル（1000馬力）、トランスミッションはレンク350。参考：月刊軍事研究6,’08

　＜ＰＴ−９１Ｍ２＞：PT-91改良型で、2017年9月のMSPO2017兵器展示会でポーランドのブーマー・ラベディ社が発表した。主砲を125mm滑腔砲2A46MSに、FCSをSAVAN-15に換装し、車長用全周旋回暗視照準器を装備する。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜Ｔ−７２（フィンランド陸軍）＞：フィンランド陸軍主力戦車。ソ連との政治的背景で導入した。2007年にレオパルト2A4に後を譲って退役し、チェコに輸出された。参考：月刊PANZER4・5,’17

　＜Ｔ−７２−１２０＞：ウクライナのハリコフ・モロゾフ機械製造設計局が開発した48口径120mm滑腔砲ヴィチアズを搭載するタイプ。APFSDSで初速毎秒620mとされるが、1620mの間違いではなかろうか。装甲貫徹力380mm（弾着角60度、射距離不明）。砲塔後部に長いバスルを設け、西側と同規格の120mm砲弾を22発収容する。装填モードは完全自動、半自動、手動から選択でき、発射速度毎分7-9発。バスルと砲塔の間には装甲シャッターがあり、バスル上面はブロウ・オフ・パネル構造で、誘爆の際に爆圧を逃がす。砲塔リングの下には主砲弾20発を収納し、計42発を積み直すのに25分かかる。弾道コンピュータは120mm用に改造しており、DM23の撒布角は0.2ミル。FCSは砲手用1G46/TPN-4E-1昼夜間照準器と車長用TKN-4S-1昼夜間照準器で、SFIM社製VS580を追加できる。1999年中期までに原型５両が完成したが、まだ採用した国は無い。参考：月刊軍事研究4,’02、月刊グランドパワー8,’03

＜Ｔ−７２ＡＣＳ＞：ATE社とIST社が2004年に発表した改良型で、ACSはAdvanced Combat Systemの略。主砲右に、上下に可動する砲手・車長用全周旋回式赤外線サイトを搭載しており、デジタル・スタビライザー、ビデオ、自動目標追尾装置などを統合し、同時に複数の移動目標を捕捉できる。参考：月刊軍事研究1,’05

　＜Ｔ−７２ＡＧ＞：ウクライナのT-72改良型。T-72をベースにT-84のコンポーネントを流用し、エンジンを6TD-2（1200馬力。6TD-1・1000馬力？）に換装、FCSをフランス製SAONET熱線映像視察装置（有効距離3000m。砲手用だが車長にも映像が送られる）とウクライナ製1V528弾道計算機の組み合わせとし、新型主砲弾を採用して有効射程3000mに延伸、射距離2000mでの走行間射撃で命中率85%を誇る。夜間戦闘用パッシブ暗視サイトは交戦距離1200mのTPN-4で、車長用視察装置も昼夜間兼用のTKN-4S（目標識別距離は昼間5000m・夜間700m）に換えてある。PNK-4S昼間／光増式照準装置（昼間倍率８倍、夜間倍率5.4倍。垂直面のみ安定化。対空機銃の照準にも使える）を搭載し、主砲もミサイル発射可能な2A46M-1に換装した。砲手用昼間専用照準装置は二軸安定化式の1G46（倍率2.7-12倍）に交換している。コンタクト５EDZを導入し、砲塔前面と車体前下面にHEAT対策のゴム板を装備、砲塔後部にはブロウオフ式の大型雑具入れを装着した。シトーラも搭載可能。参考：月刊軍事研究4,’02、月刊グランドパワー8,’03、世界AFV年鑑2002-2003

＜Ｔ−７２ＢＡＮＡＮ＞：ウクライナのT-72改良型。エンジンを6TD-2（1200馬力）に換装し、EDZ（コンタクト？）を装備する。参考：月刊グランドパワー8,’03

＜Ｔ−７２Ｂ改＞：ウクライナのUKRSPECEXPORT社が開発した改良型。車体前側面にEDZをびっしりと貼り付け、砲塔にモジュラー装甲を適応してソロバン玉型にしている。主砲は125mm滑腔砲2A46Mで、FCSを改良し、航法装置を追加した。戦闘重量42.7トン。エンジンは5TDFMA-1多燃料ディーゼル（1050馬力）。参考：月刊軍事研究6,’11

＜Ｔ−７２ＣＺ　Ｍ３＞：チェコ陸軍試作戦車。T-72改修計画の競争試作に出されたアップグレード型で、FCSをフランスSAGEM社製SAVAN15T砲手用照準器（ルクレールと同じ）を中核とした新型に換装し、昼間交戦距離3000m・夜間識別距離2000mに増大している。砲口照合装置を追加しており、シンセシア社製の新型APFSDSにより有効射程は2100mに延びた。VOP025が開発した新型ERAであるDYNA72とSDIOレーザー感知・警戒装置（ポーランド製POC SSC-1？）を装備する。U2500赤外線吸収性エナメル塗料を塗装に使用している。全長9.55m、車体長6.95m、全幅3.76m、全高2.19m、戦闘重量46トン。主砲は125mm滑腔砲2A46M（37発）、同軸機銃は7.62mm機銃PKT（2000発）、対空機銃は12.7mm機銃NSVT（720発）。エンジンはV-46TCターボチャージド・ディーゼル（858馬力）、トランスミッションはチェコ製遊星歯車式（前進７段・後進１段）、最大速度60km、燃料搭載量1400リットル、航続距離500km。乗員３名。T-72CZ M4に負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究4,’02、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER10,’02

　＜Ｔ−７２ＣＺ　Ｍ４＞：チェコ陸軍戦車。T-72Mの改良型で、新型APFSDS及びHEATを採用し、FCSをイタリアのオフィシネ・ガリレオTURMS-T総合システムに換装、砲口照合装置を追加し、砲身軸線修正用マズル・リファレンス装置を装着した。昼間目標捕捉距離は5000m、夜間でも4000mあり、行進間射撃での有効射程は2000mに達する。複合装甲とDYNA72爆発性反応装甲を組み合わせた新型モジュラー装甲を採用し、操縦席を天井から吊す形にして地雷に対する防御を高めた。TRALL電磁システムを装備し、特殊な迷彩塗料を施してマイクロ波反射や赤外線放射を抑制する。SSC-1レーザー感知・警戒装置を搭載し、レーザー照射方向を示すと共に、必要ならDGO-1発煙弾発射機を作動させる。動力系はパワーパック化し、パワーパックの状態はDITA-97診断システムで常時監視しており、異常時はライト・警報・音声で知らせる。機関室後面にAPUを装備可能。航法装置はNBV-97型INS/GPS航法装置で、地形走行モードと方向転換点航法モードを選択できる。通信装置はDICOM社製RF1350超短波通信機で、RF13受信機とZV13増幅器からなる。車体前面下部にNBZ-90ドーザーブレードを装着可能。全長9.88m、車体長6.95m、全幅3.76m、全高2.18m、戦闘重量48トン。主砲は125mm滑腔砲2A46M（37発）、同軸機銃は7.62mm機銃PKT（2000発）、対空機銃は12.7mm機銃NSVT（720発）。エンジンはイギリス製CV-12液冷12気筒ターボチャージド・ディーゼル（1000馬力）、トランスミッションはアメリカ製XTG-411-6オートマチック、最大速度61km、燃料搭載量1400リットル、航続距離500km。当初初弾命中率90%を要求していたが、チェコにT-72の電磁干渉特性の資料が無く（スロバキアに持って行かれた）、TURMS-Tに狂いが生じ、75%にしか達しなかった。このため更に改修を要し、1999年12月になってテストを完了している。250両程度を改修する予定。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー7,’03、月刊軍事研究4,’02

　＜Ｔ−７２Ｍ１モデルナ＞：スロバキア陸軍戦車。T-72M1の改良型で、ベルギーのSABCA社製FCSを装備し、スロバキア独自開発のERAを車体前面、砲塔前側面、スカート内部に装着した。対地・対空用として砲塔後部にエリコン製20mm機関砲KAA-001を２門装備しており、俯仰角マイナス４度からプラス35度。FCSはリラ電子・電子光学パッケージで、VEGA射撃統制システム、車長用パノラマ照準器、ジャイロ式砲安定化装置、砲塔制御用コンピュータ、秘話機能付き通信装置からなる。主砲の安定化用ジャイロはSFIM製804IV型で、砲安定化装置自体も改良されているとみられる。車長用パノラマ照準器はSFIM社製VS580で、機関砲の照準もこれで行うようだ。無線機はBAMSネット型通信機で、音声交信及びデータ交換が可能である。参考：月刊軍事研究2,’02、月刊グランドパワー8,’03

　＜Ｔ−７２Ｍ１−Ａ＞：スロバキア陸軍戦車。T-72M1モデルナにスロバキア独自開発のEFCS3-72A射撃統制システムを搭載したものである。ILWSレーザー警報装置も装備しており、脅威の種類・方向を探知して警報を発したり煙幕を張ったりできる。オプションでレーザー誘導ミサイルの探知機能も追加できる。操縦手用暗視装置としてPNK-72暗視装置を装備し、操縦手席を天井から吊る形にして地雷の被害を抑えられるようにした。空調はシュトラク型に改良し、履帯をゴムパッド付きに変更、エンジンをV-46-6の出力強化型であるS-12U（850馬力）として不整地走行能力を10%向上させ、エンジン制御用にDSM-16コンピュータを採用し、DERUGAハロン自動消火装置を搭載した。ERAはタンデム弾頭に対応できるタイプに換えたらしい。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜Ｔ−７２Ｍ２モデルナ＞：スロバキア陸軍戦車。T-72M1モデルナの改良型で、1994年から開発され、1996年に完成した。砲塔の機関砲をBMP-2と同じ30mm機関砲2A42が１門（砲塔後部右側）に換装し、ERAをチェコ製ダイナ72型としている。主砲も2A46MS型（2A46M2の改良型）に変更したが、具体的な変更点は不明。車長用照準器はレーザー測遠機搭載のSFIM製MVS580熱線映像型昼夜間パノラマ式に、砲手用照準器はフォンタナ製TIGS昼間／夜間熱線映像型となった。レーザー警報装置はLIRD-1で、照準器と統合している。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜Ｔ−７２Ｍ１Ｚ＞：ポーランド陸軍戦車。T-72M1の改良型で、ERAWAと呼ばれるERAを砲塔前面に100個、車体前面に120個、サイドスカート前部に80個装備している。1991年以降、南アフリカのデネル社が開発したタイガーFCSを搭載しており、初弾命中率が向上した。1994年にイランから受注したが、アメリカの圧力で導入は少数のみに終わっている。参考：月刊PANZER10,’02、月刊軍事研究2,’02

　＜Ｔ−７２／Ｍ−８４＞：デグマンを参照。

　＜Ｔ−７２ＭＰ＞：ウクライナ陸軍戦車。T-72AGの改良型で、チェコのPSPボヘミアAS社及びフランスのSAGEM社と共同開発した。弾道計算機をSAGEM社製SAVAN15MPデジタル射撃統制システム（静止目標への初弾命中率90%、移動目標では80%）に変更している。車長用照準器はフランスSFIM社製VS/MVS580二軸安定化型パノラマ式昼間用（3.2倍と10.5倍の２段切り替え）で、熱線映像機能やレーザー測遠機をオプション搭載できる。砲手用照準器はSAGEM社製SAVAN-15昼夜間兼用熱線暗視回路付き２軸安定化型で、レーザー測遠機が組み込まれており、昼間チャンネルは2.5倍と10倍の切り替え式、熱線チャンネルは6.5倍と16倍の切り替え式で、車長用モニターにも映像が映る。目標探知距離は昼間5km・夜間3km。EDZを装備する他、シトーラAPSも搭載できる。主砲はフランス製APFSDS-T弾125GIを発射でき、レーザー誘導ミサイルも運用可能。砲身の軸線を修正するマズル・リファレンス・システムと、航法機能を持つTACTIS指揮統制システムを標準装備する。全長9.8m、車体長7m、全幅3.62m、全高2.64m、砲塔上面高2.19m、戦闘重量47.5トン。エンジンは6TD-1ディーゼル（1000馬力）が標準で6TD-2（1200馬力）に換装でき、トランスミッションは遊星歯車式（前進７段・後進１段）、最大速度65km、燃料搭載量1600リットル、航続距離700km。参考：月刊軍事研究4,’02、世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー8,’03

　＜Ｔ−７２Ｓ＞：イラン陸軍戦車。ライセンス生産版で、主砲も2A46Mのライセンス生産版HM50となっている。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜Ｔ−７２（Ｔ−２１砲塔）＞：フランスのGIATインダストリーズが2000年半ばにスロバキアに対して提案した、GIAT製120mm滑腔砲搭載型。主砲弾18発収容の自動装填装置を砲塔後部に搭載する。FCSもルクレールのシステムを改造したものとした。砲塔が元々小さいので、第３世代戦車に匹敵する防御力を持たせることが出来ていないのが欠点。105mm砲搭載戦車の車体にも搭載できるとされるが、今のところオファーは無いようだ。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜ＴＲ−１２５＞：ルーマニアの独自改良型。エンジンをフランス製ディーゼルに換え、機関室を延長、下部転輪を片側７組としている。FCSも改良したようだが、詳細不明。プロトタイプのみ製作され、生産はされなかったらしい。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜アサード・バビロン＞：イラク陸軍戦車で、「バビロンの獅子」の意。T-72M1をベースにバグダッド北部のタジにあるアル・アーメン戦車工場で製造され、1989年に初号車が完成した。フランス製自動消火装置を搭載し、砲塔正面には30mm厚の増加装甲を中空式に追加している。一部にベルギー製の熱線暗視装置を装備した車両もある。全長9.52m、車体長6.9m、全幅3.6m、全高2.2m、戦闘重量41.5トン。主砲は2A46Mで、APFSDS弾12発、HEAT６発、HE22発を搭載する。エンジンはV-46水冷ディーゼル（780馬力）、最大速度68km、航続距離450km。乗員３名。1990-91年、輸入型T-72も含め、砲手用ハッチ前方に強力なキセノンランプ（ダズラー）を搭載し、TOWやHOTなどの光学誘導式ミサイルの誘導を妨害できるようにした。参考：月刊軍事研究4,’08、2,’02

　＜アジーヤ＞：アジャンタかも。インド陸軍戦車。基本的にT-72M1のライセンス生産版で、1987年にノックダウン生産版が完成し、以降は国産化率を引き上げながら1988年から配備され、1950両が生産されたとみられる。ライセンス生産の際、砲身の焼き戻し温度が足りずに砲身強度が不足し、11両が腔内爆発を起こした（後に10億円かけて交換）。改良計画もあったが、予算が付かず、結局T-90Sを導入する羽目になった。参考：月刊軍事研究7,’02、9,’10

　＜アジーヤ（改良型）＞：インド陸軍戦車。アジーヤの改良型で、新型通信装置、光ファイバージャイロ式航法システム、レーザー警報装置、砲安定化装置、新型NBC防護装置、爆発反応装甲、火災警報・自動消火装置を装備し、新型FCSを搭載している。FCSは950セットがイスラエルのEI-Op社、パンユーロピアン・タレス社、ベラルーシのベルテク社、ポーランドのPCO-Cenzin社のいずれかから導入される予定で、一旦はPCO-Cenzin社が250セットの契約を得たものの、不適とされて取り消された。また、第３世代熱線映像装置300セットを2002年にEI-Op社から導入したが、追加される筈の418セットはまだ発注されておらず、改修完了の目処は立っていない。参考：月刊軍事研究4,’07

　＜デグマン＞：クロアチア陸軍戦車、別名T-72/M-84。M-84A4がベースで、砲塔を溶接式の新型にして自動装填装置を砲塔内に収めている。主砲は125mm滑腔砲D-81、FCSはスロベニアのフォトナ社が開発したオメガ・システム。パワーパックを一新し、車体と砲塔の前面に爆発反応装甲を装着、NBC防護装置やイギリス製無線装置を搭載した。参考：月刊PANZER10,’99、3,’01

＜Ｔ−７２海外ファミリー＞

　＜ＡＲＶ３＞：インド陸軍装甲回収車。WZT3を採用したもので、エンジンをインド国産のV46-6ディーゼル（780馬力）にした。2002年から引き渡されているが、オーバーヒートとシステムの古さが問題となっている。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜ＭＤ＞：ポーランド陸軍工兵車両で、名称はMIDという資料もある。車体はT-72M1がベース。参考：月刊軍事研究10,’02、2,’02

　＜ＰＭＣ９０＞：ポーランド陸軍戦車橋。車体はT-72M1ベースで、全長20mのシザーズ型橋体を搭載する。参考：月刊軍事研究10,’02、2,’02

　＜ＳＪ１０９＞：ポーランド陸軍戦車教育用車両。車体はT-72M1ベース。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜ＶＴ−７２Ｂ＞：インド陸軍装甲回収車。スロバキアのZTSティーズ・ディフェンス・マルチン社が開発した。クレーン容量19トン。210両が採用されたが、ARV3と併用する理由は不明。参考：月刊軍事研究7,’02

　＜ＷＺＴ３＞：ポーランド陸軍装甲回収車。T-72M1の砲塔を撤去して固定戦闘室を増設し、車体前面下部にドーザーブレード、戦闘室前面に発煙弾発射機を装着。戦闘室上面にクレーン１基を備える。インド陸軍もARV3として採用した。参考：月刊軍事研究10,’02

＜Ｔ７２ロケットランチャー＞：アメリカ軍試作M4中戦車用外装ロケットランチャー。T34カリオペのランチャーチューブを前後に短縮したような感じである。試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ７３＞：M3ハーフトラック・ファミリー（試作自走砲）を参照。

＜Ｔ７３＞：イギリス海軍24級スループ、ヘラルド（Herald）。1918年進水。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｔ７３ロケットランチャー＞：アメリカ軍試作M4中戦車用外装ロケットランチャー。T40を10連装に減らしたもので、M4A1中戦車に載せてテストされたが、試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ７４ターボプロップエンジン・シリーズ＞：プラット＆ホイットニー・カナダ社のターボプロップエンジン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ７４−ＣＰ−７００＞：C-21Aに搭載された。圧縮機は軸流式３段＋遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧１段＋低圧１段。全長1.575m、直径0.483m、重量136kg。最大巡航出力620馬力、最大連続出力680馬力、離昇出力680馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ７４−ＣＰ−７０１＞：C-21に搭載された。圧縮機は軸流式３段＋遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧１段＋低圧１段。定格出力778馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ７５＞：台湾陸軍・海軍・海軍陸戦隊20mm機関砲。アメリカの20mm機関砲M39A3をベースに国産した。砲重量85kg。砲口初速毎秒1020m、有効射程2000m。単発、３点バースト、連射（発射速度毎分400発／800発／1200発）が可能。APDS弾だと装甲貫徹力45mm（射距離200m）。1986年から配備された。参考：月刊PANZER8,’13

＜Ｔ７６＞：M37（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｔ７６ターボプロップエンジン・シリーズ＞：ギャレット・エアリサーチのターボプロップエンジン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ７６−Ｇ−４１０＞：OV-10に搭載された。圧縮機は鍛造チタン製遠心式２段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数３段。全長1.118m、高さ0.686m、重量155kg。通常巡航出力650馬力、ミリタリー出力715馬力。回転方向は右回転。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ７６−Ｇ−４１１＞：T76-G-410の回転方向を左回転に変えたもの。OV-10に搭載された。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ７６−Ｇ−４２０＞：OV-10Dに搭載された。圧縮機２段、圧縮比8.5、燃焼器はアニュラー式、タービン段数３段。全長43インチ（1.09m）、直径26インチ（0.66m）、重量360ポンド（163.3kg）。通常巡航出力813軸馬力、ミリタリー出力1040軸馬力。使用燃料はJP-4、JP-5、MIL-G-5572グレード115/145。使用オイルはMIL-L-7808（マイナス54℃からプラス79℃）またはMIL-L-23699（マイナス40℃からプラス110℃）。参考：ザ・マーチ23号、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｔ７６ロケットランチャー・シリーズ＞：アメリカ軍のM4中戦車改造試作ロケットランチャー。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ７６＞：M4A1中戦車用。75mm砲の代わりに7.5インチ（190.5mm）ロケットランチャーを取り付けたもので、ロケット弾の発射ガスを逃がすため、砲塔前面が開放されている。ロケット弾は砲塔内から装填する。1944年にテストされたが、実用化には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ７６Ｅ１＞：M4A3E8中戦車用。中身はT76と同じで、こちらも実用化されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ７７自走対空機関砲＞：M24軽戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ７８自走対空機関砲＞：M24軽戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ−８０軽戦車＞：ソ連陸軍軽戦車。T-70Mに２名用改良型砲塔を搭載し、サスペンションを強化したタイプで、武装は同じである。1943年に開発され、120両が生産された。参考：月刊PANZER5,’98

＜Ｔ−８０主力戦車シリーズ＞：ロシア陸軍主力戦車。1948年から30年かけて漸く完成した車載用ガスタービンエンジンを搭載した戦車で、1976年から量産された世界初の「ジェット戦車」である（M-1は1980年から量産）。各型計4000両強が生産された。シリアが鹵獲したイスラエル軍M48A5戦車で、M111APFSDSによる射撃試験を実施したところ、砲塔正面装甲が貫通されてしまったらしい。参考：月刊グランドパワー9,’03、5,’04

　＜Ｔ−８０＞：T-64にGTD-1000Tガスタービンエンジンを搭載し、燃料タンクを増設、転輪とサスペンションを改良したオブイェークト219SP2試作戦車の量産型で、1976年7月6日に制式採用された。ただしエンジンが未完成で整備に手間がかかりすぎ、燃費も最悪で運用コストが高く、増加試作型の域を出ていない。車体は基本的にT-64で、圧延鋼板の溶接構造に前面のみグラスファイバー使用の複合装甲を装備する。車体前面下部には折り畳み式ドーザーを装着。車体前部中央に操縦席があり、ペリスコープ３基を持つ。中央のものはアクティブ赤外線暗視用に交換可能で、車体右側のライトにフィルターを付けて赤外線を照射し、60m程度の視界を得る。操縦装置は操向レバー２本を用いた機械式で、ブレーキとレバーの操作は油圧シフト機構を導入している。操縦席両側は燃料タンクで、右側は６発分の主砲弾薬収納ケースも兼ねる。燃料タンクは車内計６カ所と左右フェンダー上にあり、計1840リットル搭載する。また、予備燃料として左右フェンダー後端と機関室上部に200リットル入りドラム缶１個ずつ計３個を装備できる。しかし燃費は1kmあたり5.49リットル（リッター182m）で、T-64/T-72より倍以上悪い。車体後部の機関室にはGTD-1000T、メインクラッチ、トランスミッションが詰め込まれ、上面にフィルター付き吸気グリル、後部に燃料噴射式煙幕展張装置TDA付き排気グリルがある。下部転輪はソリッドゴムタイヤ付きアルミ鋳造製ダブルタイプ片側６組、起動輪は星形で前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は片側５個で履帯センターガイドの内側に付く。サスペンションはトーションバー式で、第１・第２・第６転輪には油気圧式緩衝ダンパーも装備する。スカートはゴム製。砲塔もT-64と基本的に同じで、前面のみセラミックラミネートの鋳造製である。主砲は125mm滑腔砲2A46-1（40発）で、同軸に7.62mm機銃PKT（2000発）、砲塔右側の車長用キューポラに遠隔操作式12.7mm機銃NSVTウチョース（50発ベルト入り弾薬箱６個・計300発）を装備する。砲塔内部右に車長、左に砲手が座り、その下に主砲弾薬（28発）とカルセール（回転木馬）自動装填装置があり、発射速度は毎分7-8発。FCSは当初T-64Aと同じTPD-2-49基線長式測距照準装置、ルナ２アクティブ赤外線暗視装置（主砲基部左に装備）と組み合わせるTPN-1-49-23アクティブ暗視装置（有効距離1300m）だったが、後にTPD-2-49をTPD-K1レーザー測距照準装置に換装した。主砲有効射程2100m（APFSDS。目標高さ2m）／4000m（高性能炸薬弾）。砲安定化装置は電気油圧駆動二軸式2E28M2。砲塔側面に雑具箱、砲塔後部には径の太いOPVT潜水渡渉装置用シュノーケルを装着する。全長6.78m、全幅3.525m、全高2.195m、重量42トン。エンジンはGTD-1000Tガスタービン、路上最大速度70km、航続距離335km（車内燃料のみ）／450km（予備燃料あり）。エンジンの信頼性が低く、数百両のみの生産に留まった。参考：月刊グランドパワー9,’03、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER2,’12

　＜Ｔ−８０Ａ＞：改良試作型。T-80のエンジンをGTD-1000M（1200馬力）に換装し、9M119レフレクスを発射可能とした。1982年に完成し、運用試験に付された。参考：月刊グランドパワー9,’03

　＜Ｔ−８０Ｂ＞：オブイェークト219R。9K112コーブラ腔内発射ミサイルを使用できる125mm滑腔砲2A46M-1を搭載したもので、1978年に制式採用され、1985年まで量産された。これに伴いFCSも一新し、レーザー測距照準装置を1G42に、アクティブ赤外線暗視装置をTPN-3-49に変更、ルナ４を主砲基部右側に搭載している。1A33統合射撃統制装置に1V517弾道計算機を追加したため、7.62mm機銃弾搭載数を1250発に減らしてスペースを確保した。車長用キューポラの前にミサイル誘導用アンテナボックスを、砲塔前面左右に902Bトゥーチャ発煙弾発射機を４基ずつ装備し、装甲もコンポジットＫセラミックアーマーを追加している。1980年以降はエンジンをGTD-1000TFに換装した。参考：月刊グランドパワー9,’03、月刊PANZER10,’99、8,’18

　＜Ｔ−８０ＢＶ＞：既存のT-80Bの砲塔前側面・車体前面上部にコンタクトEDZを追加したもので、1985年に制式化されて改造が始まった。ゴム製スカートの前半には裏側に鋼板を取り付けている。主砲は125mm滑腔砲2A46M-1（38発、うち４発程度が9M112。2A46-2？）。全長9.9m、車体長7.4m（6.98m？）、全幅3.4m（3.58m？）、全高2.202m、重量42.5トン（43.7トン？）。エンジンはGTD-1000TFガスタービン（1100馬力）、トランスミッションはマニュアル式、最大速度70km、航続距離550km。乗員３名。参考：月刊グランドパワー9,’03、月刊PANZER8,’18

　＜Ｔ−８０ＢＶＭ＞：T-80BVの改良型で、シリア内戦での戦訓を取り入れた。照準システムはソスナＵで、レーザー測距器、熱線暗視装置、自動目標追尾装置を統合している。2E58砲安定化装置、レリークト爆発性反応装甲、スラット装甲を追加した。主砲も2A46M-4に換装し9M119M1レフレクスＭを運用可能としたという説がある。重量46トン。エンジンはGTD-1250TFガスタービン（1250馬力）。2017年に31両の改修契約が結ばれ、2018年からロシア陸軍で部隊試験に入った。参考：月刊軍事研究10,’18、2,’18、月刊PANZER8,’18

　＜Ｔ−８０Ｕ＞：T-80Aとオブイェークト219Vがベースの改良型、別名オブイェークト219AS、西側コードはM1989。1985年に制式化された。主砲は125mm滑腔砲2A46M-1で、レーザー誘導ミサイル9M119レフレクス、1A42新型FCS、車長用独立昼夜間サイト、レーザー測距照準装置兼ミサイル誘導装置1G46を導入し、エンジンはGTD-1000TFを搭載、砲塔・車体前面装甲を強化した。車体前面下部と砲塔前面下部にはゴム製スカートを装着してHEATに対する防御を考慮し、前部サイドスカートには鋼製スカートを追加している。後に劣化ウラン弾（射距離2000mで装甲貫徹力600mm）の導入、ボックス型OPVT（潜水渡渉装置）ブロードＭ採用、エンジンのGTD-1250への換装などが行われ、1980年代後半からはコンタクト５を装着した。全長9.654m、車体長7.012m、全幅3.603m、全高2.202m、重量46トン。エンジンはGTD-1250ガスタービン（1250馬力）、最大速度70km、航続距離440km。乗員３名。輸出価格は１両300万ドル。参考：月刊グランドパワー9,’03、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER10,’99、月刊軍事研究2,’08、月刊丸8,’95

　＜Ｔ−８０ＵＤ＞：オブイェークト478D、当初のNATOコードはSMT-M1989。T-80Uのエンジンを6TDディーゼルに換装したもの。路上最大速度は落ちたが、燃料搭載量を減らしても航続距離は延伸、整備の手間も減って運用部隊には歓迎され、T-80Uよりも多く生産された。OPVTのシュノーケル径が小さくなっており、後にボックス型OPVTに換装している。予備燃料タンクの装備位置はフェンダー後端から機関室上面に移された。全長7.085m、全幅3.755m、全高2.285m、重量46トン。エンジンは6TDディーゼル（1000馬力）、路上最大速度60km、燃料搭載量1300リットル、航続距離560km。参考：月刊グランドパワー9,’03、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER10,’99

　＜Ｔ−８０ＵＫ＞：指揮戦車型。無線アンテナを２本に増やし、シトーラ−１とアガヴァ熱線映像装置を追加、HEATに対する防御を狙い砲塔両側面に12.7mm機銃弾薬箱を砲塔とかなり距離を開けて装着している。1995年のIDEX’95に出品された。参考：月刊グランドパワー9,’03

　＜Ｔ−８０ＵＫ＞：T-80Uの改良型。HFR-163-50K通信セット、TNA-4-3航法装置、IKW補助発電機、TShU-1シトーラ電子光学ジャマーを搭載し、FCSを改善している。2003年のオムスク兵器展に展示された。参考：月刊PANZER11,’03

　＜Ｔ−８０Ｕ（Ｍ）＞：T-80UにブーランPA熱線映像暗視装置を搭載したもの。車体長7.01m、全幅3.6m、全高2.2m、重量46トン。主砲は125mm滑腔砲2A46M-1（45発。うち４発程度が9M119）、砲安定化装置は二軸式2E42。副武装は12.7mm機銃NSVT（450発）、同軸7.62mm機銃PKT（1250発）。装甲厚は均質圧延鋼板換算で砲塔前面560mm（対APFSDS）／900mm（対HEAT）。砲塔前面850mm（対APFSDS）／1450mm（対HEAT）、車体前面780mm（対APFSDS）／1080mm（対HEAT）という説もある。燃料搭載量1840リットル、航続距離400km。砲塔前面左右に902Bトゥーチャ発煙弾発射機４基ずつを装備する。参考：月刊グランドパワー9,’03、月刊PANZER10,’99、月刊軍事研究8,’07

　＜Ｔ−８０ＵＭ−１＞：T-80UにアレナAPSを搭載したもので、別名バルス（BALS、ユキヒョウ）。参考：月刊グランドパワー9,’03、5,’04

　＜Ｔ−８０ＵＭ−２＞：T-80UにドローズドAPSを搭載したもの。ウクライナ戦争中の2022年3月20日、ウクライナ東部スムイ近郊で破壊された戦車がドローズドを装備しており、本車両である説が出ている。参考：月刊グランドパワー9,’03、月刊JWings6,’22

　＜Ｔ−８０ＵＭ２＞：チョールヌイ・オリョール・シリーズ（試作戦車）を参照。

＜Ｔ−８０ファミリー＞

　＜ＭＴＵ−９０＞：戦車橋型。砲塔を外して３段階折り畳み式橋体を搭載している。参考：月刊PANZER4,’04

　＜Ｔ−８０戦車回収車＞：戦車回収車型。砲塔を外し、車体前部にドーザーを装備する。車体左上面にはクレーンが付いているようだ。車体中央上面にはキューポラ２基が並列に設けられており、その後方に交換用パワーパックを載せられる。参考：月刊PANZER7,’10

＜Ｔ−８０海外シリーズ＞

　＜Ｔ−８０Ｕ（韓国陸軍）＞：韓国陸軍戦車。旧ソ連の借款の現物返済として1996年にロシアから貰った。無線機はPRC-77Kに換えている。１個大隊分33両を導入して機甲学校評価支援部隊と仮想敵部隊に配備し、2005年からは第３機甲旅団に実戦配備している。K1A1よりも高性能で、300両ほど追加導入する案も出されたが、さすがに没になった。参考：JGround VOL.4、月刊PANZER8,’13

　＜Ｔ−８４＞：ウクライナ陸軍戦車、別名Oplot。T-80UDをベースにウクライナが開発した。砲塔を溶接式の新型とし、主砲を自動装填装置付125mm滑腔砲KBA-3（ウクライナ製）に換装している。装弾数43発（うち即用弾28発）。射程5kmのレーザー誘導弾を使用可能。車体・砲塔にはEDZボックスやゴム板を張り付けて防御力を強化した。電子光学・熱線映像昼夜間サイトとレーザー測距器を持ち、夜間視察距離は最大3000m。全長7m、全幅3.5m、戦闘重量46トン。エンジンは6TD-2（1200馬力）、最大速度50km（路上）、航続距離540km（路上）／350-400km（路外）。乗員３名。パキスタンにも320両が輸出された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究7,’97、8,’95

　＜Ｔ−８４（タイ陸軍）＞：タイ陸軍戦車。2011年にウクライナにT-84戦車54両を発注し、2013年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｔ−８４−１２０＞：ウクライナが開発した戦車、別名OPLOT。T-84戦車の主砲をNATO規格の120mm滑腔砲とし、砲塔後部の自動装填装置内に即用弾22発、車内に予備弾18発を収容する。副武装は同軸7.62mm機銃１丁、砲塔上部の12.7mm機銃１丁。参考：月刊軍事研究2,’01、6,’02

　＜Ｔ−８４Ｕ＞：ウクライナが開発した戦車。T-84戦車の細部改良型である。参考：月刊軍事研究6,’02

　＜オプロト＞：ウクライナ陸軍戦車。T-84戦車の改良型で、ウクライナのUKRSPECEXPORT社が開発した。主砲は125mm滑腔砲（40発）で、車長用昼夜間パノラマサイトを装備し、ハンターキラー能力を持つ。車体側面と砲塔にモジュラー装甲を装着しており、タンデム弾頭RPGに抗堪できる。サイドスカートは下部転輪をほぼ覆い尽くすタイプ。戦闘重量51トン。エンジンは6TD-2ディーゼル（1200馬力）。タイ陸軍も採用した。参考：月刊軍事研究6,’11、3,’12、7,’14

＜Ｔ−８０海外ファミリー＞：

　＜ＢＲＥＭ８４＞：T-84ベースの戦車回収車。参考：月刊軍事研究6,’02

　＜ＢＴＭＰ８４＞：BTMP84（重歩兵戦闘車）を参照。

＜Ｔ８０履帯シリーズ＞：アメリカ軍の戦車用履帯。M4シャーマンHVSSサスペンション型やM26などに使用されている。参考：月刊グランドパワー3,’05、British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８０＞：M4用。当初はグローサーが無かったが、後に開発され、履帯外側に装着して接地圧を減らすことが可能となった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜Ｔ８０Ｅ１＞：M26用。幅584mm。参考：月刊グランドパワー3,’05

　＜Ｔ８０Ｅ３＞：T29及びT32E1用。T80E1に幅127mmのエンドコネクターを付けて幅711mmにしたものである。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜Ｔ８１＞：M24軽戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ８２＞：M5軽戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ８３＞：M40（自走砲）を参照。

＜Ｔ−８４＞：M-26戦車ファミリーまたはT-80海外シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ−８４−１２０＞：T-80海外シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ−８４Ｕ＞：T-80海外シリーズ（戦車）を参照。

＜Ｔ８５てき弾発射機＞：台湾軍40mm小銃てき弾発射機。T65小銃またはT86小銃に装着できる。尾筒、砲身、照準具からなり、照準具は昼夜間両方で使用可能とされる。使用弾は両用高性能炸薬弾、標的演習用弾、標的演習用曳光弾など。初速毎秒75m、最大有効射程150m（点目標）／350m（面目標）。参考：月刊軍事研究9,’00

＜Ｔ８６＞：M18駆逐戦車ファミリー（試作水陸両用戦車）を参照。

＜Ｔ８６突撃銃＞：台湾軍の突撃銃。M16を基に国産したT65小銃の後継である。モジュラー設計で、銃床は伸縮式、二脚架を装備可能。全長880mm（銃床伸長時）／800mm（銃床短縮時）、重量3.17kg（弾倉無し）。口径5.56mm、初速毎秒840m、有効射程600m。作動はガス圧式、給弾は30発入り弾倉。オプションとして光学照準眼鏡、ビームライト式夜間照準器、レーザードット指示機、T85てき弾発射機などが用意されている。参考：月刊軍事研究9,’00、月刊PANZER7,’00

＜Ｔ８７試作水陸両用戦車＞：M18駆逐戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ８８試作自走砲＞：M18駆逐戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ８９試作自走砲＞：M43（自走榴弾砲）を参照。

＜Ｔ９０試作自走迫撃砲＞：M4中戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ−９０戦車シリーズ＞：ロシア陸軍主力戦車、オブイェークト188。主力戦車と書いてはみたがT-80シリーズと共に主力の座に着けるかどうかは未だに不明で、ロシア陸軍に配備されているのは2005年で19両、2007年現在でも200両未満であり、今後の調達ペースも年に15-20両にすぎず、シベリアの第21自動車化狙撃師団と第５親衛戦車師団に配備されている他は輸出を優先しているらしい。改良型も開発されてはいるが、無人砲塔戦車T-14にさっさと切り換えるともいわれる。参考：月刊軍事研究9,’10、6,’12

＜Ｔ−９０＞：T-72Bの改良型で、T-72BMをベースにシトーラ１を追加、長距離移動が可能な高性能サスペンションを搭載し、気温50度での運用を可能とする改造を施している。1989年にテストが行われ、1991年に採用されたが、ソ連崩壊で生産が遅れ、1993年に存在が公表され、1994年から生産され、1996年から配備された。車体はT-72BMそのままで、コンタクト５を前面及びスカート前半部に装着してある。車体前面下部に戦車用ドーザーブレードTBS-86を装着しており、履帯前方にKMT-6M2/KMT-8プラウ式地雷処理装置またはKMT-7ローラー・プラウ併用式地雷処理装置を装着することができる。車体前部に操縦手席があり、TNPO-168ペリスコープと夜間視察用TVN-5パッシブ式暗視ペリスコープ（有効視程180m。夜間可視距離1800m？）が用意されている。下部転輪はダブルタイプ片側６組で、起動輪は後方、誘導輪は前方にある。サスペンションはトーションバー式で、第１・第２・第６転輪に油圧ダンパー式ショックアブソーバーが付く。履帯はRMShシングルウェットピン式で、片側81枚、幅580mm。機関室にはPPO自動消火装置を備える。砲塔は鋳造製で、T-72よりも成形されており、前面及び側面に複合装甲が適応されているとみられ、前面から側面にかけてＶ字状のコンタクト５が左右４個ずつ、上面に小型箱状の爆発反応装甲が装着されている。ちなみにコンタクト５を装着するのに３時間半かかる。上面右に対空機銃付き車長用キューポラ、左に砲手用ハッチを持つ。FCSは1A45Tイルトゥイーシで、腔内発射ミサイルシステムを9K119リフレクス／9K119Mリフレクスに、腔内発射ミサイルをT-80Uと同じ9M119レフレクス／9M119Mレフレクスにした。レーザー測距照準器は1G46（有効距離400-5000m）を採用し、砲安定化装置も2E42-4ジャスミンに変更、砲塔後部にDVYe-BS風向センサーを装着し、弾道計算機は1V528-1に換装、これらのデータを1A45Tで統合する。砲手用夜間視察・照準装置はアクティブ赤外線／微光暗視装置TPN-4-49ブラーンPAを使用したTO1-KO1で、目標識別距離1500m（アクティブ赤外線）／1200m（微光暗視装置）。パッシブ赤外線式TO1-PO2Tアガヴァ−２をオプションで付けることもでき、目標識別距離は2500m以上に達するとされる。車長用視察装置は昼夜兼用（アクティブ／パッシブ）のTKN-4SアガートＳで、12.7mm重機関銃NSVT（改良型の12.7mm機銃6P49コルドともいわれる）の照準装置も兼ねる。夜間目標識別距離1000m（アクティブ）／700m（パッシブ）。主砲は125mm滑腔砲2A46M（T-72BMと同じ）、2A46M-1（T-80Uと同じ）、2A46M-2（2A46A1ラピラ３）、2A46M-4などで、順次改良されていったようである。主砲搭載弾数は42発（＋薬室内１発）で、標準はAPFSDS12発、HEAT-FS６発、榴弾18発、9M119ミサイル６発。俯仰角マイナス６度からプラス14度。砲口初速毎秒1715m（3BM42APFSDS）／905m（3BK29M成形炸薬弾。3BK18M？）／850m（3OF26榴弾）、有効射程4000m（対装甲弾、最大）／2120m（対装甲弾、目標高2m）／10000m（榴弾）。発射速度毎分８発（自動装填）／２発（手動）。同軸に7.62mm機銃PKT/PKTM（250発リンク８箱で2000発）、対空用に12.7mm重機関銃NSVTまたは12.7mm機銃6P49コルド（150発リンク２箱で300発）を装備する。対空機銃の照準は、地上目標がTKN-4S車長用視察装置、対空目標がPZU-7.216.644で、電気式遠隔操作装置またはIETs29車長用対空射撃コントローラと連動させて車内からのリモコン射撃が可能である。また、車内にはAKS-74自動小銃３丁（450発）、26mm信号拳銃１丁（12発）、F-1またはRGO手榴弾10個、3D17または3D6M発煙弾12発が収容されている。装甲は複合装甲とコンタクト５で、砲塔前面装甲は対徹甲弾で800mm（複合装甲530mm＋コンタクト５で250-280mm）、対HEATで1200mm（複合装甲520mm＋コンタクト５で500-700mm）の防御力を有する。更にアクティブ赤外線式ミサイル妨害装置TShU-1-7シトーラを装備し、砲塔両側にOTShU-1-7赤外線照射用プロジェクター（砲手用アクティブ暗視装置としても使用）を持つ。砲塔左右に902Bスモークディスチャージャーを６基ずつ装備し、TDA燃料噴射式発煙装置も付いている。砲塔後部にはOPVTシュノーケル式潜水装置の入った筒を装着する。NBC防護装置は、空調システムに付随するNBCフィルターシステムZETs13-1、放射線・化学剤検知システムGO-27、車体内壁の放射線シールド材から構成される。全長9.53m、車体長6.86m、全幅3.78m、全高2.226m、戦闘重量46.5トン。エンジンはV-84MS水冷12気筒ディーゼル（840馬力）、トランスミッションはメカニカル方式遊星歯車式、最大速度路上60km／路外40-45km、燃料搭載量1600リットル（車内1200リットル、車体後部に200リットル缶２個）、航続距離500-650km（550km？）。無線機はR-163-50U及び超短波無線受信装置R-163UPで、長さ2mのホイップアンテナを砲塔上面後部に装備、20km以上の距離で交信できる。航法装置はTNA-4-3、インターコムはR-174。乗員３名。2000年頃からエンジンをV-92S2ディーゼル（1000馬力）に換装し、履帯をダブルウェットピン式とした。輸出価格は新規生産で150万ドル、T-72からの改修で90万ドル。参考：月刊グランドパワー8,’03、世界AFV年鑑2002-2003、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER9,’06、12,’04、月刊軍事研究2,’08、2,’09

＜Ｔ−９０Ａ＞：T-90の改良型で、エンジンをV-92S2に換装し、ウラジーミルと呼ばれる新型砲塔を搭載したもの。砲塔は溶接製に変更され、複合装甲を取り入れた角張った形状になっている。コンタークト５爆発反応装甲は砲塔上面にも装着した。シトーラも装備している。主砲は125mm滑腔砲2A46M-5で、9K119M1レフレクスＭ腔内発射ミサイルを運用可能となり、FCSを1A42（1A4GT？）、照準装置をソスナＵに改良した。全長9.63m、車体長6.86m、全幅3.78m、全高2.226m、重量46.5トン。エンジンはV-92S2水冷Ｖ型12気筒ディーゼル（1000馬力）、最大速度60km、航続距離550km。乗員３名。2004年から量産されたが、陸軍総司令官にT-72の17番目の改良型呼ばわりされるなど性能的に不十分らしく、2012年（2010年？）に基本設計が古すぎるとして調達が打ち切られた。代わりにT-72BをT-72B3に改修してT-14完成までの繋ぎとしている。参考：月刊PANZER4・5,’17、8,’18、月刊軍事研究2,’11、6,’12

＜Ｔ−９０Ｍ＞：T-90にT-14の技術を導入した改良型で、プロルィフ（突破）計画の名称でウラル車両工場が開発し、2017年1月21日にロシア国営メディアが報道した。主砲をT-14と同じ2A82-1Mに換装し、FCSもそれに合わせてカリーナに交換、ソスナＵ照準システムを装備し、レリークト（マラヒート？）爆発性反応装甲とアフガニトAPSを搭載、スカートを上３分の２が鋼製・下３分の１がゴム製・後ろ４分の１がプレート（鋼製？）＋スラット装甲の上下幅の広いタイプに換装し、ソロバン玉状の砲塔下部を防御するため下部全周にスラット装甲を追加した。ESU-TZ戦場情報システムとGPS/GLONASS受信機も積んでおり、ソスナＵと合わせてレリークト情報化火器管制装置を構成する。有人砲塔なので、主砲には砲口排煙機を追加した。車長用独立サイトの上に遠隔操作式12.7mm機銃T05BV-1が載る。5000m先から戦車の探知識別が可能らしい。重量46.5トン。エンジンはV-92S2Fディーゼル（1100馬力）。2018年に新造10両とT-90Aからの改修20両を調達する予定。参考：月刊PANZER4・5,’17、8,’18、月刊軍事研究10,’18、2,’18

＜Ｔ−９０ＭＳ＞：T-90Mの改良型。砲塔下部全周をカバーするスラット装甲をネット状に変更し、砲塔前面装甲の形状も改良した。下部転輪はリム付近まで凹部が拡大し、起動輪は爪が立った形状となっている。参考：月刊PANZER8,’18

＜Ｔ−９０Ｓ＞：T-90の輸出型。エンジンをV-92S2ディーゼル（1000馬力）に強化して最大速度を65kmに向上させ、エアコンを標準装備、タレス社製熱線暗視装置の画像を映すモニター（ESSA視察照準装置）を車長と砲手両方に備えている。参考：月刊軍事研究9,’10

＜Ｔ−９０ＳＭ＞：市街戦型。2011年に初公開された。砲塔側面の雑具箱や発煙弾発射機を平面状の薄い装甲カバーで覆い、砲塔後部と車体後部側面にスラット装甲を追加した。スカートは上３分の１が鋼製、下３分の１がゴム製、後ろ４分の１がプレート（鋼製？）＋スラット装甲で、下部転輪中央あたりまで覆い隠す上下幅になっている。砲塔後部バスルを延長して自動装填装置用の弾薬10発を収容できるようにしてあるが、自動装填装置自体と弾薬22発は相変わらず床下に置かれている（その他に予備弾を車内ラックに収容する）ので、防御力の向上に役立っているかは不明である。RELIKT爆発性反応装甲（コンタクト５？）は砲塔上面までカバーするようになった。砲塔全周に光学センサーが付いており、それぞれ135度の範囲を監視してミサイルやロケットを探知すると発煙弾を自動発射する。主砲は125mm滑腔砲2A46M-5（2A82？）に換装され、9M120腔内発射ミサイルを運用できる。同軸機銃は12.7mm機銃。砲塔上には遠隔操作式7.62mm機銃T-05BV-1（俯仰角マイナス10度からプラス45度）を装備する。車長用ハッチは少し上に上げた状態で固定できるようになった。FCSはタレス社製カリーナ照準システムで、車長用独立赤外線暗視パノラマサイトが追加されており、目標捜索距離5000m（昼間）、目標識別距離2000m（昼間）／1000m（薄暮）、レーザー測距器有効距離7500m。戦術レベル統一指揮システムESU-TZや戦車大隊自動指揮システムASUtbとのリンクが可能。全長10m、車体長6.8m、全幅3.5m、全高2.3m、重量48.1トン。エンジンはV-92S2Fターボチャージャー付４サイクル12気筒ディーゼル（1130馬力）、最大速度72km（路上）／60km（路外）、航続距離550km。乗員３名（車長、操縦手、砲手）。採用されなかったが、技術はT-90Mに流用された。参考：朝雲、月刊PANZER12,’11、月刊軍事研究10,’12

＜Ｔ−９０戦車ファミリー＞

　＜ＢＭＲ−３Ｍ＞：地雷除去車型。砲塔を撤去して固定戦闘室を設け、戦闘室前側面・車体側面及びスカートに小ボックス型のコンタクト５を多数貼り付け、KMT-7ローラー・プラウ式地雷除去装置を装着したものである。対空機銃はそのまま搭載している。参考：月刊PANZER9,’06

　＜ＩＭＲ−３Ｍ＞：装甲工兵車型。車体を流用し、ドーザー、マインプラウ、作業用アームを追加している。参考：月刊PANZER9,’06

　＜ＭＴＵ−９０＞：戦車橋型。車体に25m３分割戦車橋を搭載したものである。参考：月刊PANZER9,’06

　＜Ｔ−９０ＳＫ＞：指揮戦車型。R-163-50K指揮官用無線機、TNA-4-3戦車用航法装置（後にTNA-Mガンマ１またはガンマ２）、PAB-2M砲兵用コンパス、AB-1-P/28.5-V-U補助電気ユニット、カプーストニク戦車隊自動射撃統制システムなどを搭載する。参考：月刊PANZER9,’06

＜Ｔ−９０戦車・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−９０（ベトナム陸軍）＞：ベトナム陸軍戦車。T-90S/SK戦車計64両を配備する予定で、2017年末から引き渡された。参考：月刊軍事研究4,’18

　＜Ｔ−９０Ｍ（インド陸軍）＞：インド陸軍戦車、別名ビーシュマ。インド陸軍重車両工廠のライセンス生産バージョンで、2006年に330両、2007年に347両が発注された。砲塔を新型に変更し、側面が平面になっている。タレス社製キャセリンFC熱線撮像装置を搭載する。インドの気候に合う空調を搭載していないので、輸入したT-90S用も兼ねて開発する予定。参考：月刊軍事研究9,’10、8,’14

　＜Ｔ−９０Ｓ（アゼルバイジャン陸軍）＞：アゼルバイジャン陸軍戦車。2011年にT-90S戦車100両を10億ドルで購入した。更にオプション100両分も購入するらしい。参考：月刊軍事研究11,’14

　＜Ｔ−９０Ｓ（アルジェリア陸軍）＞：アルジェリア陸軍戦車。2014年にT-90S戦車200両を発注した。アルジェリアでライセンス生産する予定。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｔ−９０Ｓ（イラク陸軍）＞：イラク陸軍戦車。M-1A1SA戦車が親イラン民兵に鹵獲される事態が生じたのを受け、アメリカが後方支援を保留して稼動できなくなってしまったため、代替主力戦車としてロシアに対しT-90SとT-90SK指揮戦車を2017年に計73両発注した。2018年2月に35-36両、4月に30両以上が引き渡され、6月6日には第９機甲師団第35旅団に39両が配備された。参考：月刊軍事研究12,’18、月刊PANZER8,’18

　＜Ｔ−９０Ｓ（インド陸軍）＞：インド陸軍戦車、別名ビーシュマ（Bhishma）。2001年にT-90S戦車255両（186両？）を戦車回収車型50両と合わせて輸入し（総計310両、戦車のみで310両という説も）、2002年から供給された。しかし熱線映像装置がインドの暑さによってダウンしてしまい（戦車内が70℃になるという）、80-90両分のFCSが使い物にならなくなったらしい。また、シミュレータが５台しかないので、実車訓練に頼らざるを得ず、輸入したAMK-338及びAMK-339砲弾は４年で全て使ってしまい、車両も大幅なオーバーホールが必要な状態とされる。2006年8月に新型冷却装置をロシアと共同開発したが失敗、2007年に347両を追加調達したので2010年に再度冷却装置を国内開発しようとしたがこれまた失敗した。HVF社で1000両をライセンス生産しているT-90Mにも空調が無いので、2014年内に冷却装置の開発を計画している。参考：月刊軍事研究8,’14、4,’07、2,’08

　＜Ｔ−９０ＳＡ＞：アルジェリア陸軍戦車。2006年3月に輸入契約を締結した。180両を導入予定で、価格は１両223万ドル。参考：月刊軍事研究2,’08、月刊PANZER12,’10

＜Ｔ９２＞：M26ファミリー（自走カノン砲）を参照。

＜Ｔ９３＞：M26ファミリー（自走カノン砲）を参照。

＜Ｔ９４＞：アメリカ陸軍試作自走迫撃砲、250mm (10in) Mortar Motor Carriage T94。1944年末から1945年初めにヨーロッパ戦線に投入したM12自走砲が砲撃任務に活躍したため、包囲戦に使える自走砲を作ってみることになり、M40自走砲の車体に250mm迫撃砲T5E2を搭載したものである。車体後面の駐鋤を強化し、戦闘室上面に砲弾運搬・装填補助用ガントリーを設置した。旋回角左右15度ずつ、俯仰角45-80度。試作車は1946年に完成してテストされたが、開発計画はその前の1945年8月に取り消され、量産されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ９５＞：T28（試作戦車）を参照。

＜Ｔ−９５＞：ロシア陸軍計画戦後第４世代戦車、別名オブイェークト195。チョールヌイ・オリョールの予備で、ウラル車輌製造ポトキン設計チームが担当し、1995年に開発が公表された。T-80U（T-72？）の車体に全自動小型砲塔を搭載、135-140mm滑腔砲（152mm滑腔砲という説もある）とアレナAPSまたはドローズドAPSを装備する。パッシブ装甲はモジュラー装甲とERAを組み合わせるとみられ、シトーラも付くかもしれない。使用弾はAPFSDS、HE-FRAG、誘導砲弾（有効射程6-7km）で、間接照準射撃も可能。砲塔は無人なので自動装填装置を搭載するが、砲塔が小型なので砲弾は車体中央下部にある回転弾倉に収容せざるを得ず、誘爆すると戦車が全損する。ただし乗員３名は全員が車体前部の乗員用区画にある個室型特殊装甲カプセル内に位置し、戦闘室との間には装甲隔壁もあるため、何とか助かるかもしれない。重量は50トン級。エンジンは取り敢えずT-80と同じ1250馬力ガスタービンか、新開発のチェリャビンスク・トラクター・プラント製1200馬力ディーゼルを積むが、将来的にはハイブリッドディーゼルを搭載するらしい。索敵装置には赤外線映像装置とレーダーが加えられ、情報ネットワークシステムも持つ。開発費用が捻出できておらず、2006年からサウジアラビアに300両の輸出を打診していた。配備される場合にはニジニー・タギールにあるウラルワゴンザボード主力戦車生産施設で量産されるとみられたが、2010年4月8日に開発中止が発表された。参考：月刊軍事研究2,’10、2,’09、7,’15、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER7,’10

＜Ｔ−９５試作戦車シリーズ＞：アメリカ陸軍試作戦車。1950年代に開発し、革新的技術をいろいろと盛り込んだが、1960年に開発は打ち切られた。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ−９５＞：エンジンはコンチネンタルAOI-1195-5空冷８気筒で、下部転輪は片側５枚、サスペンションはフラット・トラック式で、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は無い。砲塔は避弾経始を重視した鋳造装甲で、上面左に装填手用ハッチ、右に12.7mm重機関銃M2装備T6キューポラを搭載した。主砲は90mm滑腔砲T208で、FCSはT53オプター測遠機、T183オフセット・テレスコープ、T37弾道計算機、T50砲手用ペリスコープ。T53は砲塔右側面に半球上に突き出ており、未使用時には装甲蓋を被せる。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ１＞：主砲を90mm戦車砲T208E9に、砲架をT192コンセントリック・リコイル式砲架に換装したもの。FCSも簡易型に換えられている。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ２＞：T95の車体にM48A2の砲塔を搭載したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ３＞：T95の車体にT54E2試作戦車の砲塔を搭載したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ４＞：T95の車体にT96試作戦車の砲塔を載せ、105mm滑腔砲T210を搭載したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ５＞：T95の車体にM48A2の砲塔を載せ、105mm戦車砲T254を搭載したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ６＞：T95の車体にT96試作戦車の砲塔を載せ、120mm戦車砲T123E6を搭載したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ７＞：T95の車体にT95E1の砲塔を載せ、105mm戦車砲T254を搭載したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ８＞：T95のエンジンを12V71T液冷ディーゼルに換装し、M48A2の砲塔を搭載したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ９＞：T95E6のエンジンを12V71T液冷ディーゼルに換装したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ１０＞：T95のエンジンをAVDS1100空冷ディーゼルまたはLVDS1100液冷ディーゼルに換装したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ１１＞：T95E6のエンジンをAVDS1100空冷ディーゼルまたはLVDS1100液冷ディーゼルに換装したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５Ｅ１２＞：T95E6の砲塔に基線長2mの測遠機を搭載し、エンジンをAVDS1100またはLVDS1100に換装したもの。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５ガスタービン実験車＞：ガスタービンエンジンのテスト車両。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５ガンランチャー搭載車＞：T95の開発中止が決まった後、XM81ガンランチャーのテストに使用された車両。T95の砲塔に装備してM48やT95E8の車体に搭載した。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５デルタ砲搭載車＞：T95の開発中止が決まった後、120mm滑腔砲デルタの試験に使用された車両。T95E8から改造された。参考：月刊PANZER5,’04

　＜Ｔ９５油気圧サスペンション実験車＞：油気圧式サスペンションのテスト車体。XM81ガンランチャー搭載車が改造されたりしている。参考：月刊PANZER5,’04

＜Ｔ９６自走迫撃砲＞：M24軽戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ９９＞：アメリカ軍の外装式多連装ロケットランチャー。M4中戦車（76mm砲型）またはM26重戦車の砲塔両側に4.5インチ（114mm）ロケット弾22連装箱形ランチャーを１基ずつ搭載する。1945年に少数が生産された。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ−１００重戦車シリーズ＞：ソ連陸軍試作重戦車。SMKと同じコンセプトでボリシェビーク工場が開発した。参考：月刊グランドパワー8,’00、月刊アーマーモデリング1,’13

＜Ｔ−１００＞：別名オブイェークト100またはイズジェリェ100。45mm砲Km（300発）搭載砲塔と、76.2mm戦車砲L-10搭載砲塔を背負い式に装備している。76.2mm砲は後にL-11（150発）に換装した。副武装は7.62mm機銃DT（3528発）計３丁。下部転輪は片側８枚、起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は片側５枚。サスペンションはリーフスプリング式。全長9m、全幅3.4m、重量58トン。主要部装甲厚60mm。エンジンはGAM-34-8T航空機用ガソリン（850馬力）、最大速度38km、航続距離200km。無線機は71-TK-3。乗員７名。1939年7月に２両が製作されて1939年9月からテストされ、冬戦争で実戦にも投入された。KV-1に負けて採用されず、１両は130mm海軍砲B-13搭載自走砲SU-130（T-100-Y？）に改良され、もう１両は1950年代半ばまでチェリャビンスク戦車学校に置かれた後はどうなったか不明。参考：月刊グランドパワー8,’00、月刊アーマーモデリング1,’13

　＜Ｔ−１００−Ｚ＞：T-100の主砲を152mm榴弾砲M10に換装したもの。試作砲塔が1940年3月半ばに完成したとされるが、車体とは組み合わされず開発中止になった。参考：月刊アーマーモデリング1,’13

＜Ｔ−１００練習機＞：レオナルド（フィンメカニカから改称）がアメリカ空軍T-38高等練習機後継に提案した練習機。M-346高等練習機の改良型で、空中給油受油装置を追加し、計器板のMFDを大型ディスプレイ１枚に換装する。全長11.49m、全幅9.72m、全高4.91m、空虚重量4.625トン、最大離陸重量10トン。翼面積23.52平方メートル。エンジンはハネウェルF124-GA-200ターボファン（推力5.7トン）双発。当初はジェネラル・ダイナミクスが主契約社、アレニア・アエルマッキが副契約社だったが、アメリカ空軍式のフライングブーム式空中給油受油装置（リセプタクル）を胴体背部に設けるにはスピードブレーキを移設せねばならず、コクピットのデジタル化も必須で、コストと開発期間が要求を満たさない可能性が高く、2015年3月に主契約社がレイセオン社に変更され、エンジンメーカーのハネウェルとシミュレーターメーカーのCAEUSAともチームを組んだ。M-346を改造した試験機２機でテストに入ったが、予想通り開発に時間とコストを要し、エンジンも推力不足で飛行性能を満たせず、T-100版の試作機を作れないまま、2017年1月25日にレイセオン社が計画からの離脱を表明し、レオナルドDRS（レオナルドのアメリカ子会社）の単独提案になっている。結局BTX-1に負けて採用されなかった。参考：月刊航空ファン12,’16、5,’16、4,’17、12,’18、月刊軍事研究10,’16、7,’17、10,’17、1,'19、月刊JWings2,’17

＜Ｔ１００Ｃ＞：フランスのクルーゾ・ロワール社が開発した55口径100mm単装砲。射程9km（対空。6km？）／17km（対水上）。発射速度毎分90発。中国海軍も1980年代初期に２基を導入して江滬�U型フリゲート544四平でテストし、これをベースとした210型を052C型に搭載した。参考：月刊世界の艦船3,’13、6,’14

＜Ｔ−１０１＞：OQS-101（ソナー）を参照。

＜Ｔ−１０１シリーズ＞：ロシアのアエロプログレスが開発した軽飛行機、別名グラーチ（Grach）。An-2の後継となる汎用機として1991年9月から開発され、原型初号機は1994年12月7日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ１０１＞：機体は全金属製、胴体はセミモノコック構造で、後部左舷側に幅1.6m・高さ1.8mの上開き貨物ドアがある。主翼は高翼配置の単葉直線翼で、二本桁構造、支柱付き。前縁にフルスパンの自動スラット、後縁に大面積の隙間フラップを持ち、STOL性能が高い。右主翼下面に気象レーダー収容ポッドがある。降着装置は前輪式固定脚。VFR/IFR用航法装置、長距離無線航法装置、衛星航法装置を装備する。全長15.06m、全幅18.2m、全高4.86m、運用自重3.33トン、最大離陸重量5.25トン。翼面積43.63平方メートル。エンジンはマルス（オムクス）TVD-10Bターボプロップ（947軸馬力）単発、プロペラは３翅可変ピッチ、最大巡航速度300km（高度3000m）、実用上昇限度4000m、燃料搭載量0.95トン、航続距離700km（ペイロード最大）／1270km（燃料最大）。最大ペイロード1.4トン。乗員1-2名。客席数９。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−１０１Ｌ＞：スキー型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−１０１Ｐ＞：水上専用消防機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−１０１Ｓ＞：軍用軽武装型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−１０１Ｓｋｈ＞：農業機型。主翼を低翼配置に変更した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ−１０１Ｖ＞：水陸両用機型。双フロートを装着している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔ１０３＞：IL-103海外シリーズ（練習機）または魚雷艇１号型を参照。

＜Ｔ１０３−１＞：魚雷艇３号型を参照。

＜Ｔ１０３−２＞：魚雷艇５号型を参照。

＜Ｔ１０５＞：アメリカ陸軍試作ロケットランチャー。M4A1中戦車の75mm砲の代わりに箱形ランチャーを装着したものである。T76の改良型として1945年8月に開発されたが、テストのみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ｔ１０６−１＞：魚雷艇７号型を参照。

＜Ｔ１０９＞：魚雷艇10号型を参照。

＜Ｔ１１３＞：M113シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｔ１１３Ｅ１＞：M113シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｔ１１３Ｅ２＞：M113シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｔ１１４＞：M114シリーズ（指揮偵察車）を参照。

＜Ｔ１１７＞：M113シリーズ（装甲兵員輸送車）を参照。

＜Ｔ１１８＞：魚雷艇11号型を参照。

＜Ｔ１１９＞：M36（戦車砲）を参照。

＜Ｔ−１２３＞：ドイツ海軍潜水母艦コメット。元は第１次大戦前に竣工した水雷艇（駆逐艦）S-23で、1932年にT-32となって練習艦兼艦隊付属艦として使用され、1939年にこの名称になった。標的艦ヘッセンを操縦するのが主任務である。第２次大戦後にソ連に引き渡された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１２９＞：A129海外シリーズ（攻撃ヘリ）を参照。

＜Ｔ−１３４＞：T-26戦車ファミリーを参照。

＜Ｔ１４４ＧＢ＞：スカニア社が開発した６×４輪ボンネット型トラクター。エンジン出力530馬力。ベルギー陸軍やスウェーデン陸軍がタンク・トランスポーターとして採用した。参考：月刊PANZER1,’01

＜Ｔ１５１型＞：日本海軍魚雷艇乙型で、魚雷艇第151号型ともいう。昭和18年4月に魚雷艇量産を決定したが、その際に外地工作部で現地木材を使用して船体を作る艇（主機と兵装は日本から送る）として、T1型（魚雷艇第１号型）をベースに開発された。全長18.3m、幅4.3m、吃水0.7m、排水量17トン。主機は九四式ガソリン機関２基２軸1800馬力、速力39ノット。兵装は45cm魚雷落射機２基、7.7mm単装機銃２丁。昭和19年に第151号魚雷艇、第152号、第153号、第154号、第155号、第156号、第157号、第158号、第159号、第160号、第161号、第162号、第163号、第164号、第165号が香港の第２工作部（６隻）とスラバヤの第102工作部（９隻）で建造された。参考：日本海軍特務艦船史

＜Ｔ−１５５＞：トルコ陸軍155mm自走榴弾砲、別名フィアティナ（Firtina）。三星テクウィン社が韓国陸軍K9自走榴弾砲をベースに開発し、砲塔のデザインをPzH2000類似に変更した。主砲は52口径155mm榴弾砲で、最大射程40km以上。全長12m、重量47トン。まずK9自走榴弾砲20両分のノックダウン生産部品を輸入し、2011年までに300両分のパーツを10億ドルで購入して国産化、最終的に350両を配備する予定。参考：月刊PANZER2,’11、月刊軍事研究8,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｔ−１５５ファミリー＞

　＜ＦＡＡＲＶ＞：砲側弾薬車型で、Firtina Artillery Ammunition Resupply Vehicleの略。弾丸と装薬を96発分収容し、48発を20分でT-155に受け渡せる。重量47トン。乗員３名。参考：月刊軍事研究8,’11

＜Ｔ−１５６＞：ドイツ海軍潜水母艦。元は1908年に竣工した水雷艇S-156で、第１次大戦後は艦隊付属艦や潜水戦隊付属艦として使用された。第２次大戦終戦時、キールで沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ１５６＞：アメリカ軍M-1戦車用履帯。通常走行で寿命が1200kmしかないので、T158に後を譲った。参考：戦車マガジン10,’93別冊

＜Ｔ１５８＞：アメリカ軍M-1A1戦車用履帯。FMCが開発した。クローム・モリブデン鋼製で、着脱式センターガイドを持つダブルピン・ダブルブロック式、交換可能なＨ型偏踏面ラバー・トラックパッドが付く。幅635mm、ピッチ176.2mm、寿命3300km。参考：月刊PANZER5,’02、戦車マガジン10,’93別冊

＜Ｔ１６４計画自走無反動砲＞：アメリカ陸軍の歩兵部隊向け高機動自走無反動砲。1951年9月に行われたデトロイト兵器廠とアリス・チャルマース社トラクター部門との会議で開発が決定した。無反動砲４門と機銃数丁を装備する。計画のみに終わった。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｔ１６５試作自走無反動砲＞：M50シリーズ（自走無反動砲）を参照。

＜Ｔ１６６試作自走無反動砲＞：アメリカ陸軍の歩兵部隊向け高機動自走無反動砲。1951年9月に行われたデトロイト兵器廠とアリス・チャルマース社トラクター部門との会議で開発が決定した。下部車体はT55試作兵員輸送車やT165試作自走無反動砲と共通で、上部車体上面右に無反動砲１門を搭載、砲架の左にハッチがある。１両が試作されてテストされたが、採用されず、T165E1の３号車に流用された。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｔ１６７計画自走無反動砲＞：アメリカ陸軍の歩兵部隊向け高機動自走無反動砲。1951年9月に行われたデトロイト兵器廠とアリス・チャルマース社トラクター部門との会議で開発が決定した。無反動砲８門を搭載する。計画のみに終わった。参考：月刊PANZER4,’11

＜Ｔ−２００ＦＫＷ３９＞：ドイツ海軍Ｕボート用無線送信器。Ｕボートから陸上基地への通信に使う。使用周波数3-24MHz（短波）、出力200W。テレフンケン製。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ２０２シリーズ＞：アメリカ軍４×４輪1/2トントラック。クライスラー社ファーゴ・デソート・ダッジ・トラック部門が開発し、1939年に採用された。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０２ＶＣ１＞：戦闘偵察車型。民間向け汎用ピックアップ・トラックにトランスファーを組み込んで４輪駆動にしてあり、ヘッドライト・ガードやバンパーも強化した。タイヤは7.50-16。全長4.724m、全幅1.88m、全高2.108m、ホイールベース2.946m、自重2.097トン。エンジンは６気筒SV（総排気量3301cc、出力79馬力／3000rpm）、トランスミッションは前進４速・後進１速。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０２ＶＣ２＞：T202VC1に無線機を搭載したもの。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０２ＶＣ３＞：人員輸送車型。後部荷台をクローズド・キャビンに変更し、座席を装着した。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０２ＶＣ４＞：ピックアップ型。T202VC3の後部座席を外したものである。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０２ＶＣ５＞：ウェポン・キャリア型。後部のオープン・キャビン式荷台に重機関銃、迫撃砲、無反動砲、弾薬類を載せ、前線から後方まで必要な場所に運搬する。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０２ＶＣ６＞：キャリオール型。司令部幕僚などが前線で乗車する。参考：THE JEEP

＜Ｔ２０６Ｈ＞：セスナ206シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜Ｔ２０７シリーズ＞：アメリカ軍４×４輪1/2トントラック。クライスラー社ファーゴ・デソート・ダッジ・トラック部門が開発した。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０７ＷＣ１＞：全長4.597m、全幅1.93m、全高2.235m、車重2.016トン。エンジンは６気筒ガソリン（85馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速×１速トランスファー。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０７ＷＣ２＞：

　＜Ｔ２０７ＷＣ３＞：ウェポン・キャリア型。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０７ＷＣ４＞：

　＜Ｔ２０７ＷＣ５＞：

　＜Ｔ２０７ＷＣ６＞：

　＜Ｔ２０７ＷＣ７＞：

　＜Ｔ２０７ＷＣ８＞：野戦指揮偵察車コマンドポスト型。全長4.47m、全幅1.93m、全高2.121m、ホイールベース2.946m、車重2.285トン。エンジンは６気筒ガソリン（85馬力）。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２０７ＷＣ９＞：

　＜Ｔ２０７ＷＣ１０＞：

　＜Ｔ２０７ＷＣ１１＞：

＜Ｔ２１２＞：イギリス軍の8cwtトラック。カナダで生産されたダッジT207（1941年型）で、車体やホイールをイギリス軍標準に変更、右ハンドルにしてある。参考：月刊グランドパワー3,’02

＜Ｔ２１４シリーズ＞：アメリカ軍４×４輪3/4トン・ウェポン・キャリア、通称BEEPまたはスリー・クォーターまたはダッジ・ウェポン・キャリア。T207/T215トラックの搭載量を増やし、第２次大戦欧州戦線で最も必要とされたウェポン・キャリアとしたもので、1941年春にアメリカ陸軍補給部が開発を決定、クライスラー社ファーゴ・デソート・ダッジ・トラック部門、フォード社、ジェネラル・モーターズ社が原型車両を製作し、クライスラー社ファーゴ・デソート・ダッジ・トラック部門案が採用され、他２社の利点も取り入れて1942年から同部門で量産され、同年中に各型計８万両、第２次大戦終戦までに各型計30万両が生産された。M37に後を譲って退役した。参考：THE JEEP、月刊コンバットマガジン7,’06

　＜ＧＣＡ＞：フォード社製原型４×４ 3/4t Weapon Carrier Pilot Model Ford GCA。全長4.216m、全幅2.083m、全高2.134m、ホイールベース2.616m、自重2.27トン。エンジンは６気筒ガソリン（90馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速×１速トランスファー。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２１４ＷＣ５１＞：タイヤは9.00-16-8PR。全長4.242m、全幅2.102m、全高2.159m、ホイールベース2.489m、最低地上高0.25m、自重2.575トン。エンジンは水冷６気筒Ｌ頭型SV（総排気量3775cc、出力95馬力／3200rpm）、トランスミッションは前進４速・後進１速＋４輪駆動用トランスファー、最大速度91km、登坂能力31度、回転半径7m、燃費0.26リットル／km、燃料容量114リットル（オクタン価70）。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２１４ＷＣ５２＞：T214WC51のフロント・グリルとフロント・バンパーの間にウインチを付けたもの。全長が4.47mに延びた。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ファミリー＞

　＜Ｔ２１４ＷＣ５３＞：キャリオール型。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ５４＞：野戦救急車型。担架４床または負傷者10名を収容できる。第２次大戦時に使用された。参考：THE JEEP、月刊コンバットマガジン7,’06

＜Ｔ２１４ＷＣ５５＞：37mm対戦車砲輸送型ガン・キャリア。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ５６＞：指揮偵察車コマンド・ポスト型。全長4.242m、全幅2.004m、全高2.07m、ホイールベース2.489m、車重2.44トン。エンジンは水冷６気筒Ｌ頭型SV（総排気量3775cc、出力95馬力／3200rpm）、トランスミッションは前進４速・後進１速＋４輪駆動用トランスファー、燃料容量114リットル（オクタン価70）。乗員4-5名。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ５７＞：T214WC56にウインチを追加したもの。全長4.445m、全幅2.004m、全高2.07m、ホイールベース2.489m、車重2.567トン。エンジンは水冷６気筒Ｌ頭型SV（総排気量3775cc、出力95馬力／3200rpm）、トランスミッションは前進４速・後進１速＋４輪駆動用トランスファー、燃料容量114リットル（オクタン価70）。乗員4-5名。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ５８＞：T214WC56に高性能無線機を搭載したもの。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ５９＞：軽施設整備車型。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ６０＞：応急修理車型。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ６１＞：電話通信施設整備車型。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ６４＞：簡易野戦救急車型。T214WC51の荷台に箱型の傷病者収容室を載せている。参考：THE JEEP

＜Ｔ２１４ＷＣ６４ＤＫ＞：T214-WC54のノックダウン型で、空輸を考慮してカーゴを取り外し式としている。1944年に採用された。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜Ｔ２１５シリーズ＞：アメリカ軍４×４輪1/2トントラック。T207の細部改良型で、クライスラー社ファーゴ・デソート・ダッジ・トラック部門が開発した。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２１５ＷＣ２２＞：ウェポン・キャリア型。参考：THE JEEP

＜Ｔ２２３シリーズ＞：アメリカ軍６×６輪1.5トン貨物・人員輸送車、通称P･C。T214を６輪駆動にしたものである。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２２３ＷＣ６２＞：全長5.461m、ホイールベース3.175m、車重3.263トン。トランスファーは高低２段。参考：THE JEEP

　＜Ｔ２２３ＷＣ６３＞：T223WC62にウインチを付けたもの。全長5.709m、ホイールベース3.175m、車重3.398トン。トランスファーは高低２段。参考：THE JEEP

＜Ｔ２３６シリーズ＞：イギリス軍４×４輪15cwtトラック。クライスラー社カナダ工場で生産された。参考：THE JEEP

＜Ｔ２４５シリーズ＞：M37シリーズ（トラック）を参照。

＜Ｔ−３０１級＞：ソ連海軍内海掃海艇。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｔ−３０１級・海外シリーズ＞

　＜Ｔ−３０１級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍内海掃海艇、別名エル・ファヨゥム級。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｔ−３４５Ａ＞：M345シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔ−３４６Ａ＞：M346シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔ−４００＞：航空自衛隊の練習機。輸送機や救難機など多発機の操縦教育機TC-Xとして1991年7月5日に採用された。元は三菱重工製MU-300ビジネスジェットで、レイセオン・エアクラフトが生産権を取得してビーチジェット400Aとして生産（アメリカ空軍でT-1Aジェイホークとして使用）しているものを輸入したものである。ちなみにビーチジェット400Aは後にホーカー400Aになった。コクピットは空自練習機として初の並列複座で、輸送機や救難機の訓練に適する。胴体内に燃料タンクを追加して航続距離を延ばした。全長14.75m、全幅13.26m、全高4.24m、自重10239ポンド（4.644トン）、空虚重量4.785トン、全備重量15984ポンド（7.25トン）、最大離陸重量7.393トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製JT15D-5Fターボファン（推力1.315トン。逆噴射装置付）双発、最大速度マッハ0.78・867km（840km？）、航続距離1618km（最大ペイロード）／2778km（同乗４名）／3124km（フェリー）。乗員２名＋同乗隊員４名。1994年2月16日から2004年に13機が引き渡され、全機が第３輸送航空隊第41教育飛行隊に配備（初号機はテストのため引き渡しから半年ほど飛行開発実験団に配備）された。ちなみに整備は美保基地整備補給群検査隊第２小隊の担当である。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings9,’17、5,’14、2,'22、6,’02、6,’06、5,'22、月刊航空情報5,’18、月刊航空ファン1,’15、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.149

＜Ｔ４００−ＣＰ−４００＞：プラット＆ホイットニー・カナダ社のターボシャフトエンジン。圧縮機は軸流式３段＋遠心式１段、圧縮比7.4、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧１段＋低圧１段。全長1.701m、幅1.118m、重量324kg。ミリタリー出力1530馬力、離昇出力1800馬力。UH-1NとAH-1Jに搭載された。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｔ−４００／Ｅ−７６７／Ｕ−１２５航空機エンジン消火用部品（輸入）＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究8,’15

＜Ｔ４００−ＷＶ−４０２＞：プラット＆ホイットニー・カナダ社のターボシャフトエンジン。圧縮機は軸流式３段＋遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧１段＋低圧１段。全長1.701m、幅1.118m、重量338kg。ミリタリー出力1673馬力、離昇出力1970馬力。イラン向けAH-1に搭載された。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ−４００航空機用タイヤ（メイン）＞：自衛隊のタイヤ。加登ゴム製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜Ｔ４０６−ＡＤ−４００＞：アリソン社のターボプロップエンジン、社内名称AE1107Cリバティ。圧縮機14段、圧縮比14.1、燃焼器はアニュラー式、タービン段数４段。離昇出力6150ehp。全長77.1インチ（1.96m）、直径34.2インチ（0.87m）、重量971ポンド（440kg）。1980年代半ばに開発し、V-22に搭載予定だった。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings10,'20

＜Ｔ４０８−ＧＥ−４００＞：アメリカ海兵隊CH-53K用ターボシャフトエンジン、GE社内名称GE38-1B。大元はP-7A哨戒機用に提案していたT407ターボプロップ（GLC38）で、V-22用にターボシャフト化したGE27を更に改良したものである。ドイツのMTUエアロエンジンズがワークシェア18%で開発生産に参加している。参考：月刊軍事研究1,’17、月刊航空ファン5,’18

＜Ｔ０５１８＞：Y8輸送機ファミリーを参照。

＜Ｔ７００シリーズ＞：GE社のターボシャフトエンジン。UH-60ヘリ用にGE12の名称で開発され、1973年にベンチテストを開始、1978年から量産された。参考：月刊JWings8,’18、月刊軍事研究8,’10

　＜Ｔ７００−ＧＥ−４００＞：AH-1W、AH-1Zに搭載された。2.5分間緊急出力1723軸馬力、30分連続出力1690軸馬力、連続最大出力1437軸馬力。参考：月刊軍事研究8,’10

　＜Ｔ７００−ＧＥ−４００Ｃ＞：UH-1Yに搭載された。2.5分間緊急出力1828軸馬力、30分間連続出力1695軸馬力、連続最大出力1546軸馬力。参考：月刊軍事研究8,’10

　＜Ｔ７００−ＧＥ−４０１＞：SH-60Bに搭載された。圧縮機５＋１段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数２＋２段、離昇出力1698軸馬力。全長46インチ（1.17m）、直径25インチ（0.64m）、重量434ポンド（197kg）。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｔ７００−ＧＥ−４０１Ｃ＞：圧縮機６段、全体圧力比17、タービン４段、最大出力1940軸馬力。全長1.17m、直径0.396m、重量208kg。参考：月刊JWings4,’20

　＜Ｔ７００−ＧＥ−７００＞：UH-60用。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式５段・遠心式１段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.181m、幅0.635m、重量188kg。最大連続出力1251馬力、離昇出力1543馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ｔ７００−ＧＥ−７０１＞：AH-64A用。海軍SH-60B用T700-GE-401を基に開発された。コールドセクション（圧縮機）、ホットセクション（燃焼器とガスジェネレーター・タービン前段）、パワータービン（ガスジェネレーター・タービン後段、パワータービン２段、ドライブシャフト）、コントロール・アクセサリーセクションの４部分から構成される。圧縮機が軸流式と遠心式の２種を組み合わせているため、それを回すガスジェネレーター・タービンも２段になっている。圧縮機６段（軸流式５段＋遠心式１段）、燃焼器はアニュラー式、タービン段数４段（ガスジェネレーター・タービン２段＋パワータービン２段）、離昇出力1698軸馬力（30分以上持続可能）、連続出力1510馬力。全長46インチ（1.17m）、直径25インチ（0.64m）、重量437ポンド（198kg）。参考：世界の傑作機No34、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings2,’19

＜Ｔ７００−ＧＥ−７０１Ｃ＞：出力強化型。出力1890軸馬力。AH-64AプラスとAH-64Dに搭載された。参考：月刊JWings8,’18

＜Ｔ７００−ＧＥ−７０１Ｄ＞：AH-64EとUH-60Mに搭載されており、共通エンジンとも呼ばれる。重量207kg。出力1716-2000馬力。参考：月刊軍事研究5,’16、4,’18

＜Ｔ７００ファミリー＞

　＜ＣＴ７＞：民間向け。ベル214ST、ベル525、AW101、S-92、CH-148、NH90などに搭載された。参考：月刊JWings8,’18

　＜ＣＴ７−２Ｆ１＞：ベル525用。特性をベル525に適合させ、タービンに新素材を使用した。出力1800軸馬力。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔ７００海外シリーズ＞

　＜Ｔ７００−ＩＨＩ−４０１Ｃ＞：陸上自衛隊UH-60JA用。全長1.2m、重量200kg。参考：朝雲

＜Ｔ７００−ＩＨＩ−４０１Ｃ２＞：海上自衛隊SH-60K用エンジン。T700-IHI-401Cの圧縮機とタービンをT700-T6A1と同じものに換え、出力を20%弱上昇させ、耐久性を向上させた。石川島播磨重工製。参考：月刊軍事研究7,’04、4,’11

＜Ｔ７００−ＩＨＩ−７０１Ｃ＞：陸上自衛隊AH-64D用。IHI製。参考：月刊軍事研究9,’13

＜Ｔ７００−ＩＨＩ−７０１Ｄ＞：自衛隊のUH-60J（近代化）／UH-60JA用エンジン。IHI製。参考：月刊軍事研究11,’13、月刊軍事研究1,’16

＜Ｔ７００エンジン技術援助役務＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｔ８００−ＬＨＴ−８００＞：アリソン社のターボシャフトエンジン。RAH-66に搭載予定だった。圧縮機２段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数４段。離昇出力1382軸馬力。全長31.5インチ（800mm）、直径29.7インチ（754mm）、重量300ポンド（136kg）。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｔ８１５−７＞：タトラ社が開発しているトラック。NBC対応・装甲化可能なキャビンを持つ。乗員2-4名の２ドア型と、８名の４ドア型があり、いずれもC-130での空輸が可能。参考：月刊軍事研究9,’06

＜Ｔ８１５−７ＺＯＲ９Ｔ＞：タトラ社の８輪装甲回収トラック、別名HMHD（High Mobility Duty Recovery Vehicleの略）。キャビンはNATOレベル２の装甲を持つ。回収用装備として大型クレーンやドーザーなどを装備する。参考：月刊軍事研究12,’11

＜Ｔ９０１−ＧＥ−９００＞：ジェネラル・エレクトリック社が開発しているターボシャフトエンジン。UH-60とAH-64が搭載しているT700ターボシャフトエンジンの後継としてアメリカ陸軍が2006年12月にRFPを発出した改良型タービンエンジン計画ITEPに応募したもので、先進型タービンエンジン社ATEC（Advanced Turbine Engine Co.。ハネウェルとプラット＆ホイットニー社のジョイントベンチャー企業）が提案したT900に勝って2019年2月1日にEMD契約が結ばれた。ATECが異議を申し立てたが、会計検査院の選定検証で却下されている。将来型攻撃偵察機FARAのエンジンとしても使用される。T700より燃料消費を75%に抑え、耐久性は２割増しにし、アフガニスタンを想定した高度1800m・気温35℃の環境でも出力低下を最小限に抑制する。出力3000軸馬力。2024年から低率初期生産に入り、2025年以降から換装する予定。参考：月刊JWings4,’19、5,’19、月刊航空ファン9,’19

＜Ｔ２０００＞：Tp62（魚雷）を参照。

＜Ｔ２０００＞：フィンランド海軍のホバークラフト。アメリカ製である。全長27.4m、全幅15.4m、排水量87トン。機関出力6000kW、最大速力50ノット。15mの伸縮式マストを備え、二次元レーダーを装備する。乗員10名。輸送だけでなく戦闘用にも使えるようにされており、ミサイル、機雷、対潜魚雷などを装備できる。参考：月刊軍事研究8,’03

＜Ｔ２００６Ａ＞：イタリア空軍練習機。P2006T双発プロペラ機にFDRなどを追加したもので、2016年に採用が決定した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＡ＞：地形回避の略。

＜ＴＡ００１＞：中国のテンゴエン社が2017年9月の中国ASEANエキスポで公開したUAV。主翼下にパイロン２基を持ち、電子光学センサーを装備する。最大離陸重量1200kg。エンジンは単発、航続時間24時間。参考：月刊軍事研究3,’18

＜ＴＡ�T＞：ドイツ軍の魚雷用深度維持装置で、TAはティーフェン・アパラート（深度機器）の略。第２次大戦前に開発されたもので、深度維持が魚雷の性能にあまり深く関与しないとされ、信頼性が低かった。また、FaT及びLuT誘導システムが操舵装置を動かすと魚雷の深度まで変わってしまい、場合によっては水面に飛び出したりした。参考：Ｕボート入門

＜ＴＡ−１水雷艇＞：ドイツ海軍TA-1級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇ル・フィエールである。1944年8月11日、ナントで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ�U＞：ドイツ軍の魚雷用深度維持装置。TA�Tの改良型で、1943年に開発された。深度40m以上で発射しても水面に飛び出さないように調整してあり、信頼性も向上している。参考：Ｕボート入門

＜ＴＡ−２水雷艇＞：ドイツ海軍TA-1級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇ラギレである。1944年8月11日、ナントで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔａ−３＞ソ連のタイロフが開発した双発機。エンジンはM-88R双発。1941年12月にタイロフが事故死したため、開発が中止された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＴＡ−３水雷艇＞：ドイツ海軍TA-1級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇ラルザシアンである。1944年8月11日、ナントで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３Ｂ＞：A-3攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４＞：ドイツ海軍TA-1級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇レントブレナントである。1943年9月16日、ナントでアメリカ軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４Ａ＞：A-4攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４Ｅ＞：A-4攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４Ｆ＞：A-4攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４Ｇ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４Ｈ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４Ｊ＞：A-4攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４Ｋ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４ＫＵ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４ＰＴＭ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４Ｓ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡ−４ＳＵ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡ−５＞：ドイツ海軍TA-1級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇ル・フアロウシェである。1944年8月11日、ナントで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−６＞：ドイツ海軍TA-1級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇ル・コルシェである。1944年8月11日、ナントで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−７＞：ドイツ海軍TA-7級水雷艇。元はノルウェー海軍水雷艇である。後に駆逐艦ZN-4に艦種・艦名変更された。戦後にノルウェー駆逐艦エールズントとなった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−７Ｃ＞：A-7攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−７Ｄ＞：A-7K（攻撃機）を参照。

＜ＴＡ−７Ｈ＞：A-7攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−７Ｐ＞：A-7攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＡ−８＞：ドイツ海軍TA-7級水雷艇。元はノルウェー海軍水雷艇である。後にZN-5に艦種記号・艦番号が変更された。未完成のまま終戦を迎え、解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−９＞：ドイツ海軍TA-9級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇ボンバルドである。1944年8月23日、ツーロンでアメリカ軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１０＞：ドイツ海軍TA-9級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇ラ・ポモンである。1944年1月17日、ロードス島沖で水上艦と交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１１＞：ドイツ海軍TA-9級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇リフィゲニーである。1943年9月10日、ピオンビノでイタリア軍戦車の攻撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１２＞：ドイツ海軍TA-9級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇バリステである。1943年9月22日、ロードス島沖で爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１３＞：ドイツ海軍TA-9級水雷艇。元はフランス海軍水雷艇バヨンナイズである。1944年8月25日、ツーロンで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１４＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍駆逐艦テュルビーネで、1943年9月のイタリア降伏時に接収した。排水量1092トン。公称速力36ノット。1944年9月15日、サラミスでアメリカ軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１５＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇フランチェスコ・クリスピである。1944年3月8日、クレタ島でイギリス軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１６＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍クルタトーネ級駆逐艦カステルフィダルトである。基準排水量863トン。兵装は10.2cm単装砲４門、7.6cm砲２門、45cm３連装魚雷発射管２基。最終兵装は10.2cm砲２門、20mm機関砲６丁、533cm魚雷発射管２門、機雷10個だった。1944年6月2日、クレタ島沖で爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１７＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇サン・マルチノである。1944年9月18日、ピラエアス沖で爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１８＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇ソルフェリノである。1944年10月19日、エーゲ海で交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−１９＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍クルタトーネ級駆逐艦カラタフイミで、1943年9月に接収したものである。1944年8月9日、エーゲ海のサモス沖でギリシャ潜水艦ピピノスの攻撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２０＞：ドイツ海軍水雷艇。大元は日本海軍駆逐艦江風としてイギリスに発注されていた駆逐艦で、建造中に第１次大戦が始まったためイタリア海軍に譲渡され、1917年1月にオーダチェとして竣工したものである。1929年に水雷艇となり、1938年頃から標的艦サン・マルコの無線操縦艦となり、1943年9月にドイツ軍が接収した。行動不能状態だったため、修理を加えて使用し、1944年11月1日にザラ沖で交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２１＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇インシイドソである。1944年11月5日、ヒューメでイギリス軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２２＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍ジュゼッペ・ミッソリである。1944年6月25日、トリエステ沖で爆撃を受けて大破し、自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２３＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍パヒトである。1944年4月25日、イストルア半島で触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２４＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍駆逐艦アルトゥロである。1945年3月18日（8日？）、コルシカ島北西でイギリス駆逐艦の攻撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２５＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇イントレピドである。1944年6月14日、スペチア沖でイギリス魚雷艇の攻撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２６＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇アルデイトである。1944年6月15日、沿岸砲の射撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２７＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇アウリガである。1944年6月9日、エルバ島沖でアメリカ軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２８＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇リゲルである。1944年9月4日、ゼノアでアメリカ軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−２９＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍アリエテ級駆逐艦エリダーノで、1943年7月に進水したのを、9月のイタリア降伏でドイツ軍が接収した。排水量797トン。兵装は10cm砲２門、37mm機関砲４門、20mm機関砲12門、45cm３連装魚雷発射管２基。1944年3月竣工。1945年3月18日、コルシカ島北西のゼノア沖でイギリス駆逐艦隊と交戦し、3月19日に自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３０＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍アリエテ級駆逐艦ドラゴーネで、1943年9月のイタリア降伏時にドイツ軍が接収した。兵装は47口径10cm砲２門、45cm３連装魚雷発射管２基、機雷30個。1944年4月竣工。6月15日、スペチア沖でイギリス魚雷艇と交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３１＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍駆逐艦ダルドである。1945年4月25日、ゼノアで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３２＞：ドイツ海軍水雷艇。大元はイギリスのヤーロー社が建造して1932年に竣工したユーゴスラビア海軍駆逐艦デュブロフニクで、1941年4月にイタリア海軍が鹵獲してプレミューダとなり、1943年9月のイタリア降伏でドイツ軍が接収した。艦首はクリッパー型で、２本煙突である。排水量1880トン。速力37ノット。兵装は13.4cm砲４門、8.4cm高角砲２門、37mm機関砲６門、20mm機関砲12門、533mm３連装魚雷発射管２基。1945年4月24日、ゼノアで爆破処分された。戦後に引き揚げられている。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３３＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍駆逐艦コルサロである。1944年9月3日、ゼノアで爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３４＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍駆逐艦カーリスタである。1945年5月に解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３５＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇ジュゼッペ・デッサである。1944年8月20日、ポーラ沖で触雷して沈没した。一旦引き揚げられたが、1945年5月2日にトリエステ沖で自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３６＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇ステラ・ポラレである。1944年3月18日、コルシカ島で触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３７＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇グラディオである。1944年2月28日、フランス大型駆逐艦の攻撃を受けて機関室に被弾、曳航されて後退した。10月7日、エーゲ海で交戦して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３８＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇スバダである。1944年10月13日、ボロス沖で爆撃を受けて自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−３９＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇ダガである。1944年10月16日、サロカニ沖で触雷して沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４０＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇フグナレである。1945年2月10日、トリエステで爆撃を受けて大破した。5月1日に自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４１＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇ランシアである。1945年2月10日、トリエステで爆撃を受けて大破した。5月1日に自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４２＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇アラバルダである。1945年3月21日、ベニスでイギリス軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４３＞：ドイツ海軍水雷艇。大元は1939年にフランスで建造されたユーゴスラビア海軍駆逐艦ベオグラードで、イタリア海軍が鹵獲してセベニコと名付けたのを1943年9月のイタリア降伏時にドイツ国防軍がベニスで接収し、1944年に就役させたものである。排水量1210トン。速力37ノット。兵装は12cm砲４門、533mm魚雷発射管３門、機雷30個。1945年5月1日、トリエステで自沈した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４４＞：ドイツ海軍水雷艇。元は1931年竣工のイタリア海軍駆逐艦アントニオ・ピガフェッタで、1943年9月のイタリア降伏時にフューメで自沈したものをドイツ軍が引き揚げて1944年に就役させたものである。排水量1944トン。兵装は12cm連装砲３基、533mm連装魚雷発射管２基、機雷52個。1945年2月17日、トリエステで爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４５＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇スピカである。1945年4月13日、ヒューメ湾でイギリス魚雷艇の攻撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４６＞：ドイツ海軍水雷艇。大元はイタリア海軍水雷艇フイオンダで、ユーゴスラビアが接収してヴェレビトとなったのをドイツ国防軍が鹵獲して使用したものである。1945年2月10日、ヒューメ湾で爆撃を受けて大破した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４７＞：ドイツ海軍水雷艇。大元はイタリア海軍水雷艇バレストラで、ユーゴスラビアが接収してウッカとなったのをドイツ国防軍が鹵獲して使用したものである。1945年2月10日、ヒューメ湾で爆撃を受けて大破した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４８＞：ドイツ海軍水雷艇。大元は1914年に竣工したオーストリア＝ハンガリー海軍駆逐艦で、第１次大戦後にユーゴスラビアに引き渡されてT3となり、1941年にイタリアが鹵獲してT3という名称のまま使用、1943年9月のイタリア降伏でドイツ国防軍が接収したものである。排水量240トン。兵装は66mm砲２門、45cm魚雷発射管４門。1945年2月20日、トリエステで爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ＴＡ−４９＞：ドイツ海軍水雷艇。元はイタリア海軍水雷艇リラである。1944年11月4日、スペチアで爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｔ／Ａ−５０＞：T-50シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔａ１５２シリーズ＞：ドイツ空軍特別高々度戦闘機。1942年初めにB-29開発情報を入手したため、それに対抗すべく設計した。まずはFw190Aをベースに改造を進めたが、行き詰まったため、Fw190D-9（を更に高々度専用機として洗練したFw190H案）とTa153護衛戦闘機をベースに、２段３速過給機・GM-1パワーブースト付ユモ213E-1（離昇出力1750馬力、高度10000mでも1740馬力）に換装して与圧コクピットも装備したものである。Fw190の成功により、設計したタンク技師の頭文字を付けることが許可され、この名称となった。第152実験隊と第301戦闘飛行隊（1945年1月から）に配備され、Me262の上空直掩に就いたが、部品不足で稼働率が保てなかった。スミソニアン博物館にH-0型１機が保管されている。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’01

　＜Ｔａ１５２Ａ−１＞：ドイツ空軍に最初に提案されたモデル。エンジンはユモ213Aで、集合排気管を持つ。20mm機関砲MG151/20を機首上面に２門と内翼に２門、30mm機関砲MK108を外翼に２門、30mm機関砲MK103をプロペラ軸内に１門装備する。Fw190D-9が完成間近で、生産も容易とみられたため、1944年7月5日（5月？）に開発中止となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、歴史群像2,’08付録

　＜Ｔａ１５２Ａ−２＞：A-1の外翼武装を20mm機関砲MG151/20に変更したもの。A-1共々没になった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｒａ−１＞：Ａ型が開発中止になった頃に設計した通常戦闘機案で、Ta152Cのベースとなった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｒａ−２＞：Ra-1と同時期に設計した高々度戦闘機案で、空軍省が関心を示したため、ヘーエンイェーガー２からFw190V29/U1など試作型５機が作られ、Ta152Hのベースとなった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｒａ−３＞：Ra-1と同時期に設計した対地攻撃戦闘機型で、Ta152Bの名称が与えられた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ１８／Ｕ２＞：Fw190V18/U1のエンジンと主翼を交換した試作型。1944年春に製作され、11月に初飛行した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ２９／Ｕ１＞：Fw190V29のエンジンをユモ213に交換し、延長翼を装備したもの。1944年9月23日に完成し、9月中に初飛行した。到達高度13654mの記録を持つ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ３０／Ｕ１＞：Fw190V30のエンジンをユモ213に交換し、延長翼を装備したもの。1944年8月6日に初飛行したが、8月23日の高々度飛行試験でエンジンが火災を起こして喪失した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ３２／Ｕ２＞：Ta153試作機であるFw190V32/U1のエンジンをユモ213に換装し、延長翼を装備したもの。1944年11月に完成し、12月に初飛行した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ３３／Ｕ１＞：Fw190V33のエンジンをユモ213に換装し、翼スパン14.4mの延長翼を装備したもの。GM-1ブースト装置と武装は搭載されていない。1944年7月12日に初飛行し、テスト飛行では高度12500mで時速759kmを出したが、7月13日の試験飛行で墜落して喪失した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’01、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｔａ１５２Ｖ−１＞：H-0初号機で、1944年11月21日に初飛行し、構造試験に使用された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−２＞：H-0で、1944年11月29日に初飛行し、構造試験に利用された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−３＞：鉄製の主翼を装備したH-0で、1944年12月に初飛行した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−４＞：H-1/R11仕様の原型機で、1944年12月に初飛行した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−５＞：H-1の原型機。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−２７＞：H-1原型機となる予定だったが、未完成に終わった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−２８＞：H-1原型機となる予定だったが、未完成に終わった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｈ−０＞：高々度戦闘機型の先行量産型。Fw190V-18/U2など試作機の飛行前に量産発注が出され、初号機のTa152V-1は1944年11月21日に初飛行した。胴体はFw190と比べてコクピット前方部分が延長されており、エンジン取り付け隔壁を追加、機首上面カバーが大型化した。胴体縦通材が強化されたことに伴い、Fw190Dの機首外板外側に付いていた補強板が無くなった。後部胴体にはFw190Dと同様の空力バランス用延長部分があって、金属製と、垂直尾翼を一体制作とした木製のものが試作され、量産機では後者を使用する予定だった。コクピットは与圧式で、ガラスは乾燥剤カプセル入りの二重ガラスとなり、風防前面防弾ガラスは厚さ70mmとなった。胴体重心の移動に伴い、主翼取り付け位置も前にずれている。主翼の主桁は主脚基部までしかなく、その先はエルロン支持用の後桁があるだけで、ほぼモノコック構造である。内翼部分には2.5-3度の捻り下げが付けられており、大迎角での失速特性を改善し、旋回時のエルロン作用を高めている。主脚引き込み機構とフラップは油圧式で、主脚引き込みの際には車輪が完全にカバーされる。機体重量増加に合わせて主脚柱を強化、主車輪間隔も3.954mに拡大されていて、経験の浅いパイロットでも離着陸は容易である。垂直安定板はFw190D-12/D-15と同様の四角いもので、水平安定板もFw190Dと同様の形状であり、木製版も用意された。全長10.71m、全幅14.44m、全高3.36m、自重3920kg、全備重量4727kg。エンジンはユモ213E-0（1770馬力、ブースト時1870馬力）、最大速度759km（高度12500m）／680km（高度10500m）、実用上昇限度15250m、航続距離1100km。武装は30mm機関砲MK108が１門、20mm機関砲MG151が２門。乗員１名。設計者のタンク博士がテスト飛行中にP-51戦闘機２機から追尾されたが、スロットルを開いてあっという間に引き離してしまった。20機が生産され、第152実験隊に引き渡されてレハリン試験場でテストに使用された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’01、歴史群像2,’08付録

　＜Ｔａ１５２Ｈ−１＞：生産型。これも試作機飛行前に量産発注が出されている。20mm機関砲装備位置外側の内翼に燃料タンクを追加しており、内側から順に70リットル、80リットル、77リットルのタンクを配置した。ただし左翼内側タンクはMW50用水メタノールタンクになっている。コクピット後部にはGM-1用亜酸化窒素タンク（85リットル入り）がある。主翼は高々度性能を持たせるためアスペクト比を大きくした。資源節約のため、尾翼は木製にしている。1945年1月にフォッケウルフ社で、3月にエルラ社とゴータ社で生産が始まり、160機（1944年末から43機？）が生産され、Me262の離着陸時の護衛などを行った。翼スパンが長いため、初期の旋回率ではP-51に劣るが、大迎角を取れる主翼と強力なエンジンのおかげで維持旋回率はP-51に勝るとも劣らず、格闘戦性能にも優れていた。ただ試験不十分で量産に入ったため、エンジン故障が多く、主脚ロック機構不調や与圧空気漏れも多発、1945年2月には生産ラインを停止して改修を施す事態にまで発展し、所定の性能はなかなか発揮できなかったようである。また、あまり急激に旋回すると旋回面外側主翼端が失速して旋回方向と逆にロールするという癖があり、またパイロットがＧに耐えきれずブラックアウトを起こすこともあった。全長10.82m、全幅14.44m、全高3.4m、自重3920kg、空虚重量4031kg、全備重量4625kg、離陸重量5220kg。翼面積23.3平方メートル。エンジンはユモ213E（1880馬力、GM-1使用時2250馬力）単発、プロペラはVS9木製３翅定速（直径3.6m）、最大速度759km／752km（高度12400m）／563km（海面高度）／マッハ0.96（急降下時）、実用上昇限度13500m、燃料重量368kg、水メタノール重量64kg、亜酸化窒素重量104kg、航続距離1200km。固定武装は30mm機関砲MK108が１門、20mm機関砲MG151が２門。胴体下に300リットル増槽を搭載可能。戦後のイギリス軍による調査では、スピットファイアMk.�]�\PRと比べて上昇率に勝り、高度10670m以上では運動性でも上をいくという評価が出ている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’01、12,’15、月刊丸8,’87、歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｈ−１／Ｒ１１＞：全天候戦闘機型。風防に電熱式防曇装置を装備し、PKS自動操縦装置とFuG215無線機を搭載した。H-1の大部分がこのバージョンで完成している。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｈ−２＞：無線機をFuG16ZYからFuG15改に変更したもの。原型機１機が製作されたが、1944年12月15日にキャンセルされた。他にH-3からH-9まで計画されているが、内容は不明で、製作されていない。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｈ−１０＞：試作偵察機型。H-0ベースで、胴体内の水メタノールタンクを外してRb75/30カメラを装備し、コクピットに下向きの望遠鏡を取り付けている。原型機のV-26は1945年3月に初飛行したが、そのまま終戦になった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｈ−１１＞：H-1ベースの偵察機型。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｈ−１２＞：H-2ベースの偵察機型。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｈ（ユモ２２２搭載型）＞：エンジンをユモ222液冷24気筒（2500-3000馬力）に換装し、層流翼を装備、与圧装置を積んだもの。重量増に対応するため、主翼や降着装置を強化する予定だった。離陸重量5815kg。固定武装は30mm機関砲MK103が２門、20mm機関砲MG151/20が２門または４門。長翼や短翼も検討されたが、エンジンも機体も完成しないまま終戦を迎えた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ２０／Ｕ１＞：Ｃ型の原型機。Fw190V20にDB603エンジンを搭載したものである。1944年8月5日に空襲を受けて完成前に破壊された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ２１／Ｕ１＞：Ｃ型の原型機。Fw190V21にDB603Eエンジンを搭載したものである。エンジン換装により、過給器用エアインテイクが機首左に移った。1944年11月10日に初飛行し、試験が行われた後、エンジンをDB603LAに換装してFw190V21/U2となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−１３＞：C-1原型機。構造試験用だったようである。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−１５＞：C-1原型機。構造試験用だったようである。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−１６＞：C-2原型機として制作される予定だったが、1944年12月にキャンセルされた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−１７＞：C-2原型機として制作される予定だったが、1944年12月にキャンセルされた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−１８＞：C-2原型機として制作される予定だったが、完成しなかったようである。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−２２＞：C-4原型機として制作される予定だったが、完成しなかったようだ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−２３＞：C-4原型機として制作される予定だったが、完成しなかったようだ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−２４＞：C-4原型機として制作される予定だったが、完成しなかったようだ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｔａ１５２Ｃ＞：Ｈ型に次いで開発された中高度護衛戦闘機型。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−０＞：Ｃ型原型機で、個機名称はTa152V-6/V-7/V-8。高々度性能を要求されなかったため、主翼はスパン11mとＨ型よりは短め（基本構造はＨ型と変わらない）で、与圧装備も付いていない。V-6はDB603Lエンジンと20mm機関砲MG151/20を機首上面に２門と主翼付け根に１門ずつを搭載して1944年12月17日に初飛行し、後にエンジンをDB603Eに換装した。V-7はDB603EMエンジンを搭載し、R11仕様で完成。V-8はDB603Lエンジンを積み、C-1に搭載予定のEZ42ジャイロ式照準器を装備して1945年2月に初飛行した。V-6とV-8と比較テストの結果、87オクタンの燃料を使える高々度用DB603LAを量産機に採用することになった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−０／Ｒ１１＞：悪天候型装備を施したもの。V-7がこの仕様で完成し、1945年1月5日に初飛行した。エンジン換装で過給器用エアインテイクが機首左に移っている。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−１＞：Ｃ型量産型。エンジンを２段２速過給器・MW50水メタノール噴射装置付きDB603LAに換え、主翼はFw190のものを少し拡大したものとした。機首にオイルクーラーがあり、その後方にエンジンを搭載、左に過給器用エアインテイクがある。その後ろが機関砲搭載スペースになっていて、30mm機関砲MK108（MK103、80発？）を軸内に、20mm機関砲MG151/20を機首上部に２門装備、打殻薬莢は胴体下面から排出する。機関砲搭載スペースの下面付近にはETC503A-1ラックを介してSC500爆弾や増槽を搭載可能。胴体中央上部がコクピット、下部が燃料タンク（前方233リットル、後方362リットル）で、コクピットに与圧装備は無く、計器板上部にRevi16B光像式射撃照準器またはEZ42ジャイロ式射撃照準器を装備する。キャノピー上から垂直尾翼上端にはアンテナ線が張られる。座席の後ろにはFuG16ZYと、FuG25aまたはFuG125無線機を収容。その後ろにMW50用水メタノールタンク（140リットル入り）があって、胴体後部下面にはFuG16ZY用ループアンテナとFuG25a/FuG125用ロッドアンテナが出ている。尾翼直前の胴体内には上部に酸素ボンベ、下部にMK108用圧搾空気ボンベを搭載。H-1と同様に主翼には片側あたり３個の燃料タンクがある。全長10.82m、全幅11m、空虚重量4010kg、全備重量4160kg、離陸重量5322kg。エンジンはDB603LA（1900馬力・高度8000m）単発、プロペラはVDM-VP木製可変ピッチ３翅（直径3.74m。VDM-VP金属製、直径3.6m？）、最大速度730km（高度10400m）／560km（海面高度）、実用上昇限度12200m、燃料重量368kg、水メタノール重量127kg。固定武装は30mm機関砲MK108が１門、20mm機関砲MG151/20が４門（機首２門、主翼内２門）。C-0に続く増加試作機15機を製造した後、量産に移行する予定だったが、エンジン生産が不十分で機体の不具合も多く、本格的な生産に移行する前に終戦を迎え、数機が完成したのみに終わった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’01

　＜Ｔａ１５２Ｃ−１／Ｒ１４＞：雷撃機型。胴体下面にETC504ラックを取り付け、航空魚雷１本を搭載できるようにしたものである。元々大型化した機体に魚雷まで積むと主脚が耐えられなくなる可能性があり、Fw190ベースの雷撃機を開発することにしたため、計画中止となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−１／Ｒ３１＞：C-1の標準型。GM-1ブースト装置を搭載したもので、GM-1用タンクは胴体後部に収容し、MW50用水メタノールを左内翼内舷・中舷タンクに収めることにした。これにより、左内翼燃料タンクは外舷のみとなっている。1945年4月30日にJG301本部小隊に２機が配備されていたという記録があるが、C-1の生産は進んでいなかったため、Ta152C-0（をC-1仕様にしたもの？）かもしれない。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−１／Ｕ１＞：複座練習機型原型機。Ta152S-1という名称で量産される予定だった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−２＞：C-1の無線機をFuG16ZYからFuG15改に変更したもの。Ta152V-16/V-17/V-18の３機を製作する予定だったが、1944年12月15日に計画がキャンセルされたため、３機はC-3仕様で組み立てられることになった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−３＞：C-1のモーターカノンをMK108（90発。MK103？）に変更したもの。原型としてTa152V-19/V-20/V-21の３機を製作する予定だったが、C-2の開発中止でV-16/V-17/V-18をこちらに回すことになり、V-19/V-20/V-21はTa152B-5/R11原型機となった。結局完成していない。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−４＞：C-3の無線機をFuG16ZYからFuG15改に変更したもの。Ta152V-22/V-23/V-24の３機を製作する予定だった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−５＞：武装をMG151/20機関砲５門としたもの。無線機はFuG16ZYらしいが、詳細は不明である。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−６＞：C-5の無線機をFuG15改に変更したもの。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−７＞：エンジン換装型。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−８＞：エンジン換装型。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｔａ１５２Ｃ−９＞：エンジン換装型。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−１０＞：計画偵察機型。C-0ベースで、胴体内水メタノールタンクを外してRb75/30カメラを搭載、コクピットに下向き偵察用ペリスコープを装備する。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｃ−１１＞：計画偵察機型。C-1ベースで、改造内容はC-10と同じ。計画のみ。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ＞：戦闘爆撃機型。Ｃ型の主翼とＨ型のエンジンを組み合わせている。1944年3月までにB-1/B-2/B-3/B-4の４タイプとR1/R2/R3の前線改修キットが計画されたが、1944年中頃に開発延期となり、1945年1月に重戦闘機B-5型に要求変更され、3月に原型機が完成する予定だったが、完成しなかったようで、そのまま終戦を迎えた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’01

　＜Ｔａ１５２Ｂ−１＞：ユモ213EBエンジン搭載型。全長10.82m、全幅11m、空虚重量4010kg、全備重量4154kg、離陸重量5320kg。エンジンはユモ213EB単発、プロペラはVS9木製（直径3.6m）、最大速度712km（高度4400m）／635km（海面高度）、実用上昇限度11200m、燃料重量368kg、水メタノール重量127kg。武装は20mm機関砲MG151/20が４門（機首上部２門、左右内翼１門ずつ）、30mm機関砲MK108が１門（プロペラ軸内）。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ−２＞：B-1のモーターカノンを外したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ−３＞：B-1のエンジンをユモ213Eに換装したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ−４＞：B-2のエンジンをユモ213Eに換装したもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ−５＞：計画重戦闘機型。B-3がベースである。エンジンはユモ213E-2にMW50を追加したもので、固定武装は主翼付け根とプロペラ軸内のMK103機関砲計３門。悪天候装備を追加したB-5/R11を中心に生産する予定で、Ta152V-19/V-20/V-21の試作機３機を製作し、V-19とV-20は1945年3月、V-21は4月に完成させる予定だった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ−７＞：ユモ213Jエンジン（2240馬力）とVS19プロペラ（４翅）を搭載したもの。エンジンが完成しないまま終戦となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ（Ｒ１改修）＞：左右外翼に20mm機関砲MG151/20を装備するもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ（Ｒ２改修）＞：左右外翼に30mm機関砲MK108を装備するもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｂ（Ｒ３改修）＞：左右外翼に30mm機関砲MK103を装備するもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−９＞：E-1の試作機。1945年1月14日に初飛行した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−１４＞：E-1の試作機。1945年1月25日に初飛行した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｖ−２６＞：E-2の試作機として製作されたが、途中でH-10の原型とされ、1945年3月に初飛行した（未完成？）。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｅ＞：計画写真偵察機型。1944年4月に偵察用テレスコープをコクピットに装備したモックアップが完成したが、1945年2月にTa152H及びTa152Cのバリエーションとして分類されることになり、この名称は消滅した。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、月刊JWings1,’01

　＜Ｔａ１５２Ｅ−０＞：計画写真偵察機型。Ta152Cベースで、胴体後部にRb75/30カメラを装備する予定だった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｅ−１＞：計画写真偵察機型。Ta152Cベースで、胴体後部にRb75/30カメラを装備する。原型機２機（Ta152V-9/V-14）が製作されたが、この名称は使われないことになった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｅ−２＞：計画写真偵察機型。Ta152Hベースで、胴体後部にRb75/30カメラを装備する。原型機Ta152V-26を製作予定だったが、この名称は使われないことになった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｔａ１５２Ｓ−１＞：複座練習機型。1945年4月からブロム・ウント・フォス社で、8月からルフトハンザ社プラハ支所で生産に入る予定だったが、実現しないまま終戦となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｔａ１５３＞：ドイツ空軍試作護衛戦闘機。1942年初期の要求に基づき、Fw190R-4案をベースに提案された。Fw190の胴体を延長し、ユモ213AまたはDB603Aエンジンを搭載、主翼を再設計して油圧式降着装置を装備している。Me209と比較審査に入ったが、戦局の推移で1943年5月末に開発が棚上げされ、その後再開してFw190V32にDB603Gを搭載した試験機Fw190V32/U1を製作したが、1944年1月までに開発中止となった。設計はTa152のベースとなった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｔａ１５４シリーズ＞：ドイツ空軍夜間戦闘機、別名モスキート（Moskito）。戦略資源節約及びイギリス空軍モスキート爆撃機の影響から全木製で設計された。総生産数は27機に止まっている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、グラフィックアクション29、図解世界の軍用機史

　＜Ｔａ１５４Ｖ１＞：試作初号機。主翼は高翼配置で、半ばにユモ211N（1500馬力）を装備する。1943年7月7日に初飛行し、時速700km以上の高速を出して量産が決定した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｔａ１５４Ｖ３＞：試作３号機。エンジンをユモ213E（海面上1750馬力、高度10000mで1580馬力）に換装し、FuG212リヒテンシュタインC-1レーダーを搭載して1943年11月に完成した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｔａ１５４Ａ−０／Ｕ１＞：先行量産型で、８機が生産された。全長12.6m、全幅16m、全高3.6m、自重6405kg、全備重量8950kg。エンジンはユンカース製ユモ211R（1500馬力）双発、最大速度620km、航続距離1600km。武装は30mm機関砲２門、20mm機関砲２門、20mm斜め銃２門。乗員２名。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ｔａ１５４Ａ−１＞：量産型。1944年6月に２機が完成したが、組み立てに多大な時間を要した上、両機とも接着剤の不良が原因で空中分解してしまい、その時までに完成していた７機を除いて全てキャンセルされてしまった。全長12.6m、全幅16.3m、全高3.6m、自重7850kg、全備重量8930kg。エンジンはユモ213E（1750馬力）双発、最大速度650km、実用上昇限度10900m、航続距離1360km。固定武装は20mm機関砲MG151/20が２門、30mm機関砲MK108が２門。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｔａ１５４Ｃ＞：昼間戦闘機型。開発中止になった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｔａ２５４＞：高々度戦闘機型。翼面積を増大している。開発中止になった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｔａ１８３＞：ドイツ空軍計画ジェット戦闘機、別名フッケバイン（ゲルマン神話のカラス）。1942年末以降から開発され、1944年1月に５号計画案フッケバインとして設計されたが、フラッターなどの問題があって放棄された。1944年末にドイツ空軍がフッケバインをベースにした高速戦闘機案を要求したために復活、後退角40度の第１案と後退角32度で通常位置の水平尾翼を持つ第２案を提出、第１案の主翼を後退角45度の高翼配置にしたタイプが試作されることになった。エンジンの上にコクピット、横に主翼、尾部に尾翼をくっつけたような形をしている。胴体は上部（与圧式コクピット含む）、下部（エアダクト、前脚収容部、30mm機関砲含む）、機首、後部の４ブロックに分けて合板と鋼板で製作されており、組み立てが容易である。キャノピーは前後に防弾鋼板を使用した水滴型で、良好な視界を提供する。主翼は後退角40度、閉鎖トルクボックス桁を採用しており、捩れＧに強い。主桁と付け根の隔壁だけが鋼板で、他の隔壁や外板は合板であり、エレボンは左右共通。主翼と胴体はボルト４本で結合する。尾翼はＴ字で、垂直尾翼は後退角60度、垂直尾翼端の水平尾翼は後退角40度。試作段階ではHWK109/509Aロケット（推力１トン）をエンジンの下に搭載し、ロケット燃料タンクを両翼下に増槽として懸吊する予定だったが、量産型ではジェットのみにすることにした。全長9.2m、全幅10m、全高3.86m、自重2.705トン、全備重量4.3トン。エンジンはHeS011ターボジェット（推力1.3トン）単発、最大速度962km、実用上昇限度14000m、航続距離1740km。武装は30mm機関砲４門。乗員１名。試作機は16機を製作する予定で、地上試験用の15/16号機を除く14号機までにTa183A-0の名称が付けられ、1-3号機の製作に入ったが、HeS011エンジンの調整に難航。4-14号機はユモ004を搭載することにし、試作を進めたが、完成前に終戦となった。資料は戦後ジェット機開発の礎となった他、アルゼンチンに渡った設計者のタンク技師はIAE.33（AME33？）という発展型を設計した。参考：月刊丸12,’92、歴史群像2,’08付録、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｔａ１８３Ｐ．�[＞：ドイツ空軍計画ジェット戦闘機。ハインケル・ヒルトHeS011ターボジェットエンジン双発のツインテールブーム機である。実用化には至らなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｔａ２５４＞：Ta154シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＴＡ−２００＞：トーネード・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＴＡ−２００Ａ＞：トーネード・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｔａ２８３＞：ドイツ空軍計画戦闘機。フォッケウルフ社が開発した。主翼と尾翼には45度の後退角が付けられており、水平尾翼端にラムジェットエンジン、胴体後部にロケットを搭載する。実用化されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＴＡ６００＞：蛟龍600（飛行艇）を参照。

＜ＴＡＡＣＯＭ＞：アメリカ陸軍の兵站部隊で、戦域陸軍地域支援部隊の略。

＜ＴＡＢ−７１＞：BTR-60海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＴＡＢ−７１Ｍ＞：BTR-60海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＴＡＢ−７７＞：BTR-70海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＴＡＢ−７９Ａ＞：TABC-79装甲車ファミリーを参照。

＜ＴＡＢ−７９ＡＲ＞：TABC-79装甲車ファミリーを参照。

＜ＴＡＢＣ−７９＞：ルーマニア軍水陸両用装輪装甲車。BRDM装甲車をベースに開発したとも、BTR-70を小型化して４輪にしたものともいわれ、1979年に制式化された。車体は装甲鋼板の全溶接で、前部に操縦室、中央に戦闘室・兵員室、後部に機関室がある。前部左に操縦手、右に車長が位置し、それぞれ装甲フラップ付きの大型視察窓が設けられている。上面にも１枚ずつ、前開きのハッチが付く。前側面には視察用ペリスコープを持ち、車長用に赤外線サーチライトもある。車体中央上部やや前寄りに１名用機関銃塔が載り、左に視察サイトの膨らみがある。武装は14.5mm機銃KPVT（500発）と7.62mm機銃PKT（2000発）１丁ずつ。俯仰・旋回は手動である。兵員室には兵員・偵察員４名が搭乗でき、上面には外部視察用ペリスコープがある。また、兵員室左右と車体後部右のドアにはピストルポートを持つ。前後タイヤの間には両側に小型ドアが用意され、車体上部右にもハッチがある。機関室は左に寄っている。全長5.64m、全幅2.805m、全高2.335m、戦闘重量9.275トン。エンジンはサブエム798.05N2直列６気筒ターボチャージド・ディーゼル（154馬力）、最大速度85km、航続距離700km。ウォータージェットにより、時速15kmで水上航行が可能。陸軍に394両、海軍に36両が配備された。参考：月刊PANZER9,’01、12,’99

＜ＴＡＢＣ−７９ファミリー＞

　＜ＴＡＢ−７９Ａ＞：砲兵観測車。機関銃塔を外し、観測用キューポラを設けている。武装は車体上部のピントル・マウント式7.62mm機銃。参考：月刊PANZER9,’01

　＜ＴＡＢ−７９ＡＲ＞：82mm自走迫撃砲。機関銃塔を外して戦闘室にルーマニア国産82mm迫撃砲ラティル（66発。射程4600m）を搭載し、車体上面に左右２枚開きのハッチを新設した。車体後部左にはベースプレートを搭載し、車外に降ろしての射撃も可能。車体上面後部に7.62mm機銃を装備できる。参考：月刊PANZER9,’01

　＜ＴＡＢ　ＲＣＨ−８４＞：NBC防護車。車内に防護服、放射能・化学剤検出器などを備えるが、内部容積が狭い。車体後部にはマーキング用の小旗が搭載されている。乗員４名。銃塔を装備したタイプと、銃塔無しで車体上面前部に7.62mm機銃を搭載したタイプがある。参考：月刊PANZER9,’01、12,’99、8,’04

　＜ＴＣＧ−８０＞：工兵偵察車らしい。銃塔を外して7.62mm機銃１丁のみ搭載する。参考：月刊PANZER9,’01

　＜自走地対空ミサイル＞：自走地対空ミサイル型。機関銃塔を外し、１名用地対空ミサイルターレットを搭載したもの。ターレット左右に各２発のルーマニア国産A95赤外線誘導短距離ミサイルを装備する。参考：月刊PANZER9,’01

＜ＴＡＢ　ＲＣＨ−８４＞：TABC-79装甲車ファミリーを参照。

＜ＴＡＣ＞：アメリカ海兵隊用語で、Tactical Air Cordinatorの略。ミスティFACの海兵隊版で、味方支配地域を越えて活動する航空統制員のことである。参考：月刊航空ファン2,’02

＜ＴＡＣ−１００＞：航空自衛隊の手持ち式ダイブ・ナビゲーション・ボード。洋上救難で潜水する際に使用するもので、コンパス、深度計、時計が一体化されている。参考：月刊JWings11,’06

＜ＴＡＣ（Ａ）＞：Airborne Tactical Air Coordinator（空中戦術航空調整官）の略。地上の前線管制官と、CAS機の通信を中継する。EC-130E ABCCCなどが行うこともある。参考：月刊航空ファン2,’02

＜ＴＡＣＡＭＯ＞：TAke Charge And Move Out（弾道ミサイル搭載潜水艦・地上指揮所間通信中継機）の略。機内から長い曳航アンテナを繰り出し、国家指揮権限（大統領など）と潜航中の戦略原潜とのVLF通信を中継するのを主任務とする航空機である。EC-121（TACAMO）またはEC-130QまたはE-6シリーズまたはTu-142MRを参照。参考：月刊軍事研究11,’11、月刊世界の艦船9,’12増刊、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＡＣＡＭＯ２＞：E-6シリーズを参照。

＜ＴＡＣＡＭ　Ｒ−２＞：35(t)戦車・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡＣＡＭ　Ｔ−６０＞：T-60戦車・海外ファミリーを参照。

＜ＴＡＣＡＮ＞：TACtical Air Navigation（戦術航法装置）の略。軍用機のために開発された航法装置で、航空機は符号化された複数パルスの質問電波を発し、TACANからの応答電波（極超短波、960-1025MHz及び1150-1215MHz、1MHz間隔126チャンネル。質問電波と同一符号を使用する）を受け取ってタイムラグからTACANとの距離を割り出す。また、TACANからは方位測定用に毎秒2700個のランダムパルスが発信されており、このパルスは振幅が15Hzと135Hzの正弦波になっていて、15Hzの最大信号が北を向いた時に粗基準信号を発信、135Hzの最大信号が東を向いた時に精基準信号を発信するので、基準信号から最大信号までの位相差からTACANからの方位を算出する。TACANからの距離と方位はコクピットの計器に表示される。TACANアンテナは同心円上に放射器１個、反射器１個、導波器９個が並んでおり、毎分15回転して変調を行う。質問電波のみに応答するので秘匿性が高く、精度もVORに勝る。VORと併設（VORTACと呼ぶ）することでVOR/DMEと同様の使い方ができ、DMEと併設（DMETと呼ぶ）こともある。移動式TACANや艦載TACAN（マストトップに置かれる）もある。民間機は使用できない。参考：丸スペシャルNo.78、月刊JWings5,’04、10,’09別冊付録、3,’16、航空管制のはなし、月刊世界の艦船4,’12、航空用語事典増補改訂版

＜ＴＡＣＡＮ用補給処整備器材＞：自衛隊の機器。日本エアロスペース製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜ＴＡＣＡＮ用ラインテスタ＞：自衛隊の機器。菊水電子工業製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜ＴＡＣＣＯ＞：海上自衛隊の職種で、TACtical Coordinatorの略であり、タコと読む。海上自衛隊の対潜哨戒機に搭乗する戦術航空士のことで、目標捜索探知追尾攻撃などの戦術指揮を行う。機長資格を保有するので、機長を務めることもある。小月教育航空隊で航空学生課程を受講し、第201教育航空隊で操縦士基礎（共通）課程を修了、第203教育航空隊で航空士戦術（基礎）課程を、続いて航空士戦術（実用機）課程を終えてウイングマークを取得し、各部隊に配属される。参考：日本の防衛戦力Part3、MAMOR vol.130、vol.162、月刊JWings12,’19

＜ＴＡＣＥＲポッド＞：航空自衛隊RF-4EJ偵察機用電子偵察ポッドで、Tactical Electric Reconnaissance Pod（戦術電子偵察ポッド）の略。タレス社製ASTAC（戦術レーダー信号傍受分析）ELINT-ESMポッドシステムを導入したものである。脅威レーダー信号をパッシブ探知して諸元を記録でき、レーダー源の種類や位置の特定も可能。情報はリアルタイムで送信可能であり、データ処理用の車載シェルターも用意されている。ポッドは超音速飛行に耐えられるカヌー型で、前面を三角形にカットしてある。パイロンは通常のセンターパイロンではなく、前面下部に吸気口を持つ専用のタイプを使う。全長4.10m、全幅0.46m、全高0.92m、重量400kg。参考：月刊JWings9,’04、11,’19、8,’05、2,’15、月刊航空ファン2,’11、月刊軍事研究5,’11

＜ＴＡＣＩＮＴ＞：戦術情報収集の略。参考：月刊JWings8,’21

＜ＴＡＣＭＥＴ−Ｒ＞：携帯気象観測装置を参照。

＜ＴＡＣＯＳ＞：EKA-3B（電子戦／空中給油機）を参照。

＜ＴＡＣＰＭｏｄシステム＞：アメリカ空軍の目標捕捉・データ伝達装置。戦闘統制員や特別戦術部隊向けで、ハリス社製AN/PRC-117F(C)マルチバンド型通信機、ノースロップ・グラマン社製Mk�Zレーザー測距器、イスラエル・タディラン社製タクター31Aコンピュータ（500MHzのペンティアム�Vプロセッサと256MBのRAMを搭載、５チャンネルGPS受信機内蔵）からなる。ソフトウェアはウインドウズNT4.0、統合ムービング・マップ戦術情報表示システム、状況把握ソフトウェアである。アメリカ海兵隊も採用した。参考：月刊PANZER4,’03

＜ＴＡＣＰＯＤ＞：ウルトラ・エレクトロニクス社の通信結節ポッドで、Tactical Airborne Command, control and intelligence PODの略。リンク16、JTRS、ANW2、TTNT、CDL、TDL、AISに対応している。重量54kg。参考：月刊軍事研究7,’13

＜Ｔ−ＡＣＳ−６＞：アメリカ海軍ゴーファー・ステート級貨物揚搭能力強化型輸送艦３番艦コーンハスカー・ステート（Cornhusker State）。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜ＴａｃＳａｔ＞：ORS（打ち上げロケット）を参照。

＜ＴＡＣＳ−Ｍ＞：スイスのベクトロニクス社が開発した個人用熱線暗視装置。ヘルメット装着型単眼式低光量TVに重ねて装着するもので、両者の画像を重ね合わせて表示する。重量400g。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＴＡＣＴＡＳＳ＞：戦術曳航ソナー（TACtical Towed Array Sonar System）の略。

＜Ｔａｃｔｉｃａｌ／Ｍｏｂｉｌｅ＞：アメリカ海軍GCCS-Mを構成する戦術・機動サイト。海軍指揮管制システムの陸上ノードで、戦術支援センター（TSC）、機動作戦管制センター（MOCC）、機動陸上支援ターミナル（MAST）、機動統合指揮機関（MICFAC）で構成される。各指揮官に責任地域内の統合、海軍遠征軍などの戦術作戦計画・指揮・管制能力を与える。戦術作戦は、捜索、水上戦闘、水平線外目標指定、対麻薬作戦、戦力投射、対潜水艦作戦、機雷敷設、捜索救助、特殊作戦を含む。参考：月刊軍事研究6,’04

＜ＴＡＣＴＩＣＯＳ＞：タレス・ネーデルランド社の艦載戦闘管制システムTACTical Information and COmmand System。元はSTACOS Mod4という名称で、ドイツ海軍F124型ザクセン級フリゲート、MKS180型フリゲート、イギリス海軍31型フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜ＴＡＣＴＯＭ＞：RGM-109E（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＡＣＴＳ＞：AN/SPX-95（空戦記録ポッド）を参照。

＜ＴＡＣ　Ｖ−１＞：イーグル社のタクティカルベスト。携行品を最小限に絞り、軽量化に努めている。参考：歴史群像6,’08

＜ＴＡＣネーム＞：Tactical Air Combat Nameの略。主に戦闘機部隊のパイロットが航空機同士の交信で使用する非公式ニックネームのこと。管制塔やAWACSとの交信では使わない。参考：月刊JWings8,’13、MAMOR vol.100

＜ＴＡＣポッド＞：航空自衛隊RF-4EJ偵察機用偵察ポッドで、戦術（Tactical）偵察ポッドの略。前から順にKS-153A（KS-135A？）低高度偵察カメラ、KA-95B高々度偵察カメラ、D-500UR中高度夜間用赤外線偵察カメラを収容している。ポッド前下部の段差にあるカメラ窓２つがKS-153A用、ポッド後部の横長窓がKA-95B用、その後ろの小さい横長窓がD-500UR用である。KS-153Aは垂直下向きまたは前方斜め下に切り替えられ、オートフォーカスと自動露出制御機能を持ち、同時３フレーム撮影が可能で、フィルムは長さ250フィート（76.2m）・幅９インチ（0.229m）。KA-95Bのフィルムは長さ1000フィート（304.8m）、幅５インチ（0.127m）。全長5.92m、全幅0.67m、全高1.5m、重量489kg。参考：月刊JWings9,’04、11,’19、月刊軍事研究5,’11、9,’05、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＡＤＩＬ＞：戦術デジタル情報リンク（TActical Digital Information Link）の略。

＜ＴＡＤＩＬ−Ａ＞：リンク11A（データリンク）を参照。

＜ＴＡＤＩＬ−Ｂ＞：リンク11B（データリンク）を参照。

＜ＴＡＤＩＬ−Ｃ＞：リンク４（データリンク）を参照。

＜ＴＡＤＩＬ−Ｊ＞：リンク16を参照。

＜ＴＡＤＭ＞：アメリカ軍のADM（核地雷）で、Tactical Atomic Demolition Munitｉｏｎ（戦術ADM）の略であり、制式名称XM111。1959年に実用化された。弾頭はW30、威力５キロトン（0.5キロトン？）。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究10,’10

＜ＴＡＤＳ＞：アメリカ陸軍AH-64A攻撃ヘリ用射撃指揮装置で、Target Acquisition and Designation Sight（目標捕捉照準システム）の略であり、制式名称AN/ASQ-170。ロッキード・マーチン・ミサイルズ・アンド・ファイア・コントロールが開発した。機首下部に搭載され、センサー用俯仰ターレット２基を横に並べて旋回機構下面に取り付けた構造をしており、ガンナーとパイロットが共用する。左側ターレットの直接視野光学機材DVO、左上部のモノクロTV（昼間カメラ）、レーザー照射測遠装置、レーザー目標追尾装置、右側ターレットのFLIRからなる。可動範囲は左右各120度・上方30度・下方60度、可動速度は毎秒60度。IHADSSと連動して作動（この際は左右と下方はフル可動するが上方には動かない）する他、マニュアル操作も可能で、機関砲を追随させることもできる。右側ターレットにFLIRしか搭載されていないのは、開発当時の技術限界で小型化できなかったためで、赤外線検知素子も一次元配置のため二次元画像取得にはスキャニングが必要であり、離陸前にはギャレット社製GTP36-55(c)APUを使用してFLIRをマイナス180℃以下に冷却する手間が要る。TADSを後方に向けると、TVとレーザー照射測遠装置の軸線が自動的に一致し、続いてFLIRとTVの軸線照合を実施、最後にIHADSSとTADSの軸線を一致させて出撃準備が完了する。DVOは昼間用目標捜索捕捉追尾システムで、倍率14倍、視野は３段階変換方式で、広視野（10度）で目標捜索・捕捉を行い、狭視野（3.5度）に切り替えて目標識別・追尾を行う。夜間はFLIRを使用し、視野は目標捜索用の50度／10度／３度と識別用狭視野の４段階があり、熱いところほど明るい「ホワイト・ホット」モードと、逆の「ブラック・ホット」モードが使用可能。昼間でも煙や霧で視界が不良な場合、DVOまたはFLIRで目標を捜索した後、近赤外線を感知するTVを使用する。これはTVの視界が３度／0.9度／0.45度と非常に狭いためである。目標の位置が最初から判明している場合、ドップラー航法装置に座標を入力しておくと目標に近づくだけで自動的にTADSがそちらを向く。TADSの照準視野内に目標を捉えたら操作グリップ上のコントローラを親指で操作し、十字線を目標の映像に重ねる。光学追尾装置を作動させれば自動追尾してくれる。続いてグリップのレーザー発射ボタンを押し、距離を測定する。レーザー装置は毎秒10または20パルスを発振する。測定した距離はガンナー及びパイロットのCRTに表示され、FCSコンピュータに記憶される。また、パイロット席のEADIとIHDSには機体を目標に指向させる指示が出される。次いでミサイルのレーザーコードを選定し、飛行コースを低高度と高々度のどちらか選択する。発射後ロックオン（LOAL）方式では、ミサイルは発射後12度上方に向かって飛行し、途中でレーザー反射光を捉えてロックオンする。ミサイル発射後、TADS視野内に目標命中までの時間が表示され、それが過ぎれば、次の目標にレーザーを指向できる。目標捕捉からミサイル発射までは３秒以内である。参考：月刊JWings5,’19、攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界の傑作機No34

＜Ｔ−ＡＥ−２６＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦１番艦キラウエア（Kilauea）。1968年8月就役。2008年に退役した。2012年7月22日、リムパック2012で標的艦となり、オーストラリア海軍潜水艦SSG-74ファンコムの雷撃により船体を真っ二つにされて沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、10,’12

＜Ｔ−ＡＥ−２７＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦２番艦バット（Butte）。1968年12月就役。2002年に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜Ｔ−ＡＥ−２８＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦３番艦サンタ・バーバラ（Santa Barbara）。1970年7月就役。2005年に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＥ−３２＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦５番艦フリント（Flint）。1971年11月就役。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＥ−３３＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦６番艦シャスタ（Shasta）。1972年2月就役。2011年4月に退役した。参考：月刊世界の艦船2,’13、1,’10、4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＥ−３４＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦７番艦マウント・ベイカー（Mount Baker）。1972年7月、AE-34として就役。2010年8月に退役した。参考：月刊世界の艦船2,’13、1,’10、4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＥ−３５＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦８番艦キスカ（Kiska）。1972年12月就役。2011年に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、2,’13

＜ＴＡＦ＞：戦術航空コマンドを参照。

＜ＴＡＦ−９Ｊ＞：F9Fファミリー（練習機）を参照。

＜Ｔ−ＡＦＳ−１＞：アメリカ海軍マーズ級戦闘給糧艦１番艦マーズ（Mars）。1963年12月就役。1998年2月に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜Ｔ−ＡＦＳ−３＞：アメリカ海軍マーズ級戦闘給糧艦３番艦ナイアガラ・フォールズ（Niagara Falls）。1967年4月就役。2008年9月に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＦＳ−５＞：アメリカ海軍マーズ級戦闘給糧艦５番艦コンコード（Concord）。1968年11月就役。2009年8月に退役した。2012年7月17日、リムパック2012でカナダ海軍潜水艦876ヴィクトリアのMk48魚雷１本を被雷し、18分後に沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、1,’13

＜Ｔ−ＡＦＳ−６＞：アメリカ海軍マーズ級戦闘給糧艦６番艦サンディエゴ（San Diego）。1969年5月就役。1997年12月に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜Ｔ−ＡＦＳ−７＞：アメリカ海軍マーズ級戦闘給糧艦７番艦サンノゼ（San Jose）。1970年10月就役。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＦＳ−８＞：アメリカ海軍シリウス級戦闘給糧艦１番艦シリウス（Sirius）。1966年12月にイギリスで就役、1981年1月にアメリカで再就役。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＦＳ−９＞：アメリカ海軍シリウス級戦闘給糧艦２番艦スピカ（Spica）。1967年3月にイギリスで就役、1981年11月にアメリカで再就役。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＦＳ−１０＞：アメリカ海軍シリウス級戦闘給糧艦３番艦サターン（Saturn）。1967年8月にイギリスで就役、1983年にアメリカ海軍が購入し、1984年9月にアメリカ海軍で再就役した。2009年4月退役。2010年10月26-27日、大西洋上で標的艦として使用され、ハープーン、スタンダード、127mm砲、20mmCIWS、25mm機関砲、7.62mm機銃などを被弾して沈没した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、1,’11

＜Ｔ−ＡＦＳＢ−１＞：T-MLP-3（機動揚陸支援艦）を参照。

＜ＴＡＧ＞：ドイツ海軍Ｕボート�]�]�T型の魚雷警報装置で、魚雷警戒指示装置の略。バルコン装置の受信器をソナー室と艦橋にある拡声器回路に繋げてあり、魚雷航走音や船舶航行音を探知すると拡声器から警報が鳴る。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ−ＡＧ−５００１＞：アメリカ海軍沖合燃料分配システムK.R.ホイーラー中将（VADM K. R. Wheeler）。全長349フィート（106.4m）、幅70フィート（21.3m）、排水量6291.5トン。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＧＦＦ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、軍事海上輸送部隊実験フリゲートFrigate Research Ship (Military Sealift Command)を示す。参考：アメリカ護衛艦史

＜Ｔ−ＡＧＦＦ−１＞：AGDE-1（実験護衛艦）を参照。

＜Ｔ−ＡＧＭ−２３＞：アメリカ海軍ミサイル追跡艦オブザベーション・アイランド（Observation Island）。1953年に竣工したマリナーC4-S-A1型貨物船エンパイア・ステート・マリナーを改造して1958年12月に実験用補助艦EAGとして就役した時はSLBMの水中発射実験支援艦だったが、予備役に入った後に改装を施して1977年に再就役、1979年からMSCに所属し、1981年から弾道ミサイル発射実験監視任務に就いた。後甲板には1983年に搭載したAN/SPQ-11コブラ・ジュディ弾道ミサイル追跡レーダー（弾道ミサイル早期警戒システム用AN/FPS-108コブラ・デインの縮小版）の直径7mのＳバンド・パッシブ・フェイズド・アレイ・アンテナがある。その前方中央には1985年に直径10m級のパラボラアンテナ（使用周波数9GHzのＸバンド・モノパルスレーダー）が追加されており、コブラ・ジュディで捉えにくい小目標を探知する。更に前方の艦橋上には球形レドームに入った追跡アンテナ２基があり、これで標的ミサイルから地上に送信されるテレメトリーデータ信号（飛翔データなどの無線報告信号）を傍受・解析し、ミサイル各部のデータや実験の成否までも分析できる。ミッション時にはスペシャリストが乗艦する。全長171.6m、満載排水量17015トン（17288トン？16076トン？）。主機は蒸気タービン１基１軸19250馬力、速力20ノット。乗員は民間人66人＋科学者59人（アメリカ空軍技術者35名＋海軍要員20名？乗員60人＋科学者25人？）。母港は指定されていない。1998年、テポドン１号発射でミサイルの追跡を行った。2003年、コブラ・ジュディなどの改修を行った。3月20日、イラク戦争でペルシャ湾に派遣され、イラクから発射されたアバビル100短距離弾道ミサイルを探知した。その後PAC-3に迎撃命令が出され、撃墜に成功している。2006年12月、艦橋上面前方両舷に１基ずつの白い球形アンテナフェアリングを追加しており、衛星通信用またはミサイル追跡用とみられる。2012年1月3日、横浜ノースドックに入港。1月8日、横浜ノースドックを出港。1月19日、佐世保に入港。1月27日、佐世保を出港。3月1日、シンガポールに入港し、定期点検に入った。11月5日、佐世保を出港。キーン・ソード2013に参加したようだ。11月12日、横浜ノースドックに寄港。2014年3月、老朽化に伴い、T-AGM-25に後を譲って退役した。参考：月刊軍事研究11,’98、11,’18、12,’06、6,’09、10,’12、1,’13、11,’13、月刊世界の艦船4,’04増刊、3,’07、1,’10、5,’14、4,’15、日米イージス艦とミサイル防衛

＜Ｔ−ＡＧＭ−２４＞：アメリカ海軍ミサイル追跡艦インヴィンシブル（Invincible）。元は1987年に就役したストルワート級音響測定艦T-AGOS-10で、1995年の退役後にミサイル追跡艦に改造したものである。コブラ・ジェミニ・ミサイル監視用早期警戒レーダーを搭載しており、船体中央やや後方の後甲板に丸い大きなレドームを乗せている。煙突は船体中央両側に１基ずつ持つ。T-AGM-23オブザベーション・アイランドと連携行動をとっており、DSP衛星などのミサイル発射情報を基にレーダー照射を開始する。レーダーとミサイル追跡は空軍の管轄。全長68.3m、満載排水量2285トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル４基・電動モーター２基２軸1600馬力、最大速力11ノット。乗員は民間船員18人＋空軍技術者11名（計37名？）。2000年（1999年？）就役。2012年、レーダーをグレイ・スターに換装した。2017年3月2日と4日、イラン艦艇から妨害を受けた。同時期にイラン革命防衛隊が実施したホルムズ２対艦ミサイルの発射試験に絡むものとみられる。2021年12月15日、ケープ・カナベラル宇宙軍基地で解役式典を実施。レーダーはアメリカ空軍研究所でレーダー関連技術の試験評価に使う。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’15、5,’14、1,’10、2,’13、4,'22、月刊軍事研究11,’18、4,’04、6,’09、7,’17、日米イージス艦とミサイル防衛

＜Ｔ−ＡＧＭ−２５＞：アメリカ海軍ミサイル追跡艦ハワード・Ｏ・ローレンツェン（Haward O. Lorenzen）。T-AGM-23の後継である。レーダーはコブラ・キング（開発名称コブラ・ジュディ代替システム）で、上構後部上面と後甲板にカマボコ型の全周旋回式ミサイル追跡レーダー用アクティブ・フェイズド・アレイ・アンテナを背負い式に搭載する。全長162.8m、幅27m、吃水6.4m、軽荷排水量9696トン、基準排水量12777トン（12642トン？）、満載排水量12845トン（12575トン？12642トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、キャタピラーMS社製MaK12M32Cディーゼル発電機４基・電動モーター２基２軸29500馬力（20115馬力？）、速力20ノット、航続距離22000km（20ノット）。乗員は軍人１名＋MSCと契約した民間船員30人＋空軍と契約した科学者46人（25人？）で、予備ベッドが12床用意されている。価格は17億４千万ドル。運航はMSC、レーダー運用はアメリカ空軍技術アプリケーションセンターが担当する。2008年8月起工、10月命名式挙行、2010年6月進水、2011年公試開始。ただ電源、錨、操舵系、ダメコンに不具合が見つかり、改修に長時間を要した。2012年1月10日竣工、アメリカ海軍に引き渡されたが、性能確認試験が続けられている。2013年12月、公試を完了。2014年3月にIOCを獲得して実動状態となった。2014年9月6日、横浜ノースドックに寄港。2016年2月3-5日、佐世保に入港。2017年6月末、佐世保を出港。12月5日、横浜ノースドックに寄港。2020年10月30日、艦上で負傷者が発生したため、キーン・ソード21に参加中のカナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ搭載CH-148ヘリでキャンプ座間まで運んでもらった。2023年3月1日、舞鶴港に入港し、ジャパン・マリンユナイテッド舞鶴事業所の岸壁に着岸した。日本の民間港には初の寄港で、秘匿性の高い任務に就く艦（当時は北朝鮮軍弾道ミサイル監視中だったらしい）なのに他国民間造船所に直行するのは余程の事態だが、詳細は不明である。参考：月刊世界の艦船2,’13、5,’14、4,’15、5,'23、月刊軍事研究6,’15、3,’15、6,’09、9,’17、3,’18、月刊JWings12,’14、12,'21、月刊航空ファン6,’16、朝雲

＜Ｔ−ＡＧＯＲ−１４＞：AGOR-14（海洋観測艦）を参照。

＜Ｔ−ＡＧＯＳ−１９＞：アメリカ海軍ヴィクトリアス級音響測定艦ヴィクトリアス（Victorious）。1991年9月就役。2009年3月4日、黄海で活動中に、中国の沿岸警備隊からサーチライトを浴びるなどの妨害活動を受けた。3月7日、横浜ノースドックに寄港。3月23日、横浜ノースドックを出港。5月、中国の排他的経済水域内で行動中に中国漁船２隻による妨害を受けた。参考：月刊世界の艦船4,’10、月刊軍事研究6,’09

＜Ｔ−ＡＧＯＳ−２０＞：アメリカ海軍ヴィクトリアス級音響測定艦エイブル（Able）。1992年就役。参考：月刊世界の艦船4,’15、8,’19

＜Ｔ−ＡＧＯＳ−２１＞：アメリカ海軍ヴィクトリアス級音響測定艦エフェクティブ（Effective）。1993年就役。参考：月刊世界の艦船8,’16、1,’10

＜Ｔ−ＡＧＯＳ−２２＞：アメリカ海軍ヴィクトリアス級音響測定艦ローヤル（Loyal）。参考：月刊軍事研究2,’16、7,'15

＜Ｔ−ＡＧＯＳ−２３＞：アメリカ海軍インペカブル級音響測定艦インペカブル（Impeccable）。1992年5月（1993年？）起工。途中で造船所が倒産し、別会社に引き継がれ、1998年3月竣工、2001年（2000年10月？）就役。2009年3月5-7日、南シナ海を行動中に中国海軍フリゲートや低空飛行のY-12哨戒機が接近し、警告を行った。3月8日、海南島沖75海里の南シナ海で行動中に中国国務院漁政船団５隻による航行妨害を受けた。中国船は15mまで接近してTACTASSを外そうとしたという。参考：月刊世界の艦船2,’13、4,’04増刊、8,’10、12,’13、軍事研究3,’04、10,’07、4,’09、6,’09、4,’10

＜Ｔ−ＡＧＯＳ−２４＞：アメリカ海軍インペカブル級音響測定艦インテグリティ（Integriti）。建造中止となった。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜Ｔ−ＡＧＯＳ−２５＞：アメリカ海軍音響測定艦。全長109.5m、幅31.8m、吃水9.18m、排水量9099トン。主機は電気推進方式、ディーゼル発電機３基＋GE社製ガスタービン発電機１基、電動モーター（出力8.9MW）２基＋電動モーター（出力5.3MW）２基、最大速力22ノット、航続距離3000海里（10ノット）。AN/UQQ-2曳航ソナーを搭載する。参考：月刊世界の艦船8,’24

＜ＴＡＧＯＳ艦＞：音響測定艦のこと。船尾から多数の水中マイクを付けたパッシブ式ソナーを曳航し、敵潜水艦を探索したり、音紋を採集したりする。参考：軍事研究3,’04

　＜ＴＡＧＯＳ艦（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍の艦種。SURTASSを３ノットで90日間引っ張り、海中の低周波音響信号を収集、海軍海洋信号処理施設NOPFに送る。強力な低周波アクティブソナーLFAも装備する。1984年から引き渡され、冷戦たけなわの頃には世界中で19隻が活動していたが、冷戦終結とソ連崩壊で数を減らし、1994年には８隻、2018年には４隻になった。参考：月刊世界の艦船6,’18

＜ＴＡＧＳ＞：アメリカ軍が開発中の無人NBC除洗車両。装軌式無人車両の上面にケルヒャー除染装置と化学生物剤センサーを搭載、前部に伸縮式のアームを付け、先端に除洗スプレーノズルと試料採取装置を装着している。参考：月刊軍事研究6,’11

＜Ｔ−ＡＧＳ−３９＞：アメリカ海軍海洋観測艦モーリー（Maury）。1989年就役。1996年、カリフォルニア海事大学に移管され、練習船ゴールデン・ベア（Golden Bear）となった。参考：月刊世界の艦船1,’19

＜Ｔ−ＡＧＳ−４５＞：アメリカ海軍ウォーターズ級測量艦ウォーターズ（Waters。アメリカ海軍の海洋学者、オデイル・Ｄ・ウォーターズ少将）。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜Ｔ−ＡＧＳ−６０＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦パスファインダー（Pathfinder）。2023年2月6日からサウスカロライナ州ミルトルビーチ沖で撃墜した中国気球残骸の捜索に参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、月刊JWings4,’23

＜Ｔ−ＡＧＳ−６１＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦サムナー（Sumner）。1995年就役。2014年9月30日に退役する予定。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜Ｔ−ＡＧＳ−６２＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦ボウディッチ（Bowditch）。2016年12月15日、フィリピンのスービック湾北西50海里の公海上で、観測用水中無人機LBSグライダーシステム２基を回収しようとした際、うち１基を中国海軍大浪（Dalang）型潜水艦救難艦が450m先で略奪した。12月19日に返還されている。参考：月刊軍事研究2,’16、月刊世界の艦船3,’17

＜Ｔ−ＡＧＳ−６３＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦ヘンスン（Henson）。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。参考：月刊世界の艦船2,’13、4,’10

＜Ｔ−ＡＧＳ−６４＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦ブルース・Ｃ・ヒーゼン（Bruce C.Heezen）。参考：月刊世界の艦船2,’13

＜Ｔ−ＡＧＳ−６５＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦マリー・シアーズ（Mary Sears）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＧＳ−６６＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦７番艦モーリー（Maury。現代海洋学の父、マシュー・フォンテーン・モーリーから）。2013年3月27日進水、2016年2月16日にアメリカ海軍に引き渡された。2018年5月23-29日、ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。2023年3月8日、南部連合問題の関係で、艦名をマリー・サープ（Marie Tharp。大西洋地図作製者）に変更することになった。参考：月刊世界の艦船6,’13、5,’16、8,’18、6,’23

＜Ｔ−ＡＧＳ−６７＞：アメリカ海軍パスファインダー級海洋観測艦ロバート・バラード（Robert Ballard。沈没したタイタニックの所在を発見した元海軍中佐）。2022年10月4日起工。参考：月刊世界の艦船1,’23、3,’23

＜Ｔ−ＡＧＳＥ−１＞：アメリカ海軍支援艦ブラック・パウダー（Black Powder）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＧＳＥ−２＞：アメリカ海軍支援艦ウエストウインド（Westwind）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＧＳＥ−３＞：アメリカ海軍支援艦イーグルビュー（Eagleview）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＧＳＥ−４＞：アメリカ海軍支援艦アローヘッド（Arrowhead）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ＴＡＨ−１Ｆ＞：AH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜Ｔ−ＡＨ−１９＞：アメリカ海軍マーシー級病院船１番艦マーシー（Mercy）。1986年就役。2005年、インド洋大津波救援に参加。2012年5月3日、パシフィック・パートナーシップ2012に参加するためサンディエゴを出港。2014年6月26日から8月1日、リムパック2014に参加。2016年5月27日早朝、パシフィック・パートナーシップ2016に参加するため中部太平洋を航行していたところ、韓国海軍潜水艦071リーオッギから緊急医療を要する乗員がいるとの情報が入ったため、MH-60Sで緊急医療チームを派遣して収容した。6月13日から8月24日、パシフィック・パートナーシップ2016に参加。7月14日、南シナ海で海自LST-4002しもきたと共同巡航を実施。2018年2月23日、サンディエゴを出港。6月10日、横須賀に入港（初来日）。6月14日、横須賀港で日米共同衛生訓練に参加。6月15日、横須賀を出港して東京の大井水産物埠頭に移動。6月17日、大井水産物埠頭で日米医療搬送訓練に参加し、第21航空隊SH-60K/UH-60Jが着艦した。6月21日、東京を出港。6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2020年3月27日、ロサンゼルスに到着し、新型コロナウイルス感染症対応で手が回らなくなった他の疾患患者の受け入れを開始した。ただ受け入れ数が予想外に少なかったため、新型コロナウイルス感染者の受け入れに切り換えたところ、逆に乗員７名が感染してしまっている。2022年5月3日、サンディエゴを出港。7月、パシフィック・パートナーシップ2022に参加。7月19日、パラオで医療支援を実施。参考：月刊世界の艦船2,’13、4,’10、10,’14、9,’16、10,’16、9,’18、6,'20、7,’20、10,'22、月刊航空ファン9,’18、月刊JWings9,’18、朝雲

＜Ｔ−ＡＨ−２０＞：アメリカ海軍マーシー級病院船２番艦コンフォート（Comfort）。1987年就役。2010年1月20日、ハイチ大地震救援のためハイチ沖に到着した。2017年9月、メキシコ湾・カリブ海周辺ハリケーン被害救援のためプエルト・リコに派遣された。2020年3月30日、ニューヨークに到着し、新型コロナウイルス感染症対応で手が回らなくなった他の疾患患者の受け入れを開始した。ただ受け入れ数が予想外に少なく（4月21日までに179人）、新型コロナウイルス感染者の受け、入れに切り換えたところ、逆に乗員１名が感染してしまっている。2022年10月19日、南米に於ける人間と家畜の健康管理支援作戦Continuing Promiseのためノーフォークを出港。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’10、12,’17、6,'20、7,’20、1,’23

＜ＴＡＩ＞：Total Active Inventory（実動総数）の略。参考：月刊航空ファン7,’18

＜ＴＡＩ＞：Tactical Air Integration（戦術航空機統合）の略。アメリカ海軍と海兵隊が互いの戦術航空機部隊を融通し合うことである。参考：月刊軍事研究8,’14

＜ＴＡＩ＞：Turkish Aerospace Industries（トルコ航空宇宙工業）の略。元は1973年6月に創設されたトルコ航空機産業TUSASで、F-16のライセンス生産を行うにあたりジェネラル・ダイナミクス社と合弁でTurkish Aerospace Industriesという企業を立ち上げたが、2005年にこれらを合併再編して誕生した。株式の過半数をトルコ軍基金が保有しており、主にトルコ軍や輸出向けの軍用機・軍用機関連技術を製造開発している。参考：月刊JWings11,’14、9,’14

＜ＴＡＩＨＵＮ＞：タイフーン（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＡＫ７６＞：ボフォース社の50口径３インチ（76mm）単装砲で、TAKは自動砲の略。1960年代に開発した。砲塔は半球形である。マウント重量6.5トン。全周旋回可能、旋回速度毎秒25度、俯仰角マイナス10度からプラス30度、俯仰速度毎秒25度。砲弾重量5.9kg、初速毎秒823m、射程12.6km（仰角30度）。発射速度毎分30発。ノルウェー海軍ストルム級高速哨戒艇に採用された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＴＡＫ１２０＞：ボフォース社の46口径4.7インチ（120mm）単装砲で、TAKはTorn Automatisk Kanon（自動砲）の略。砲身は水冷式で、高い発射速度に伴う過熱を防止している。マウント重量28トン。全周旋回可能、旋回速度毎秒40度、俯仰角マイナス10度からプラス80度、俯仰速度毎秒32度。砲弾重量21kg、初速毎秒800m、射程18.5km。発射速度毎分80発。インドネシア海軍ファタヒラー級コルベットなどに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’20

＜Ｔ−ＡＫ−３００５＞：アメリカ海軍サージャント・マティ・コカック級事前配備船１番艦サージャント・マティ・コカック（SGT Matej Kocak）。2015年1月22日、沖縄近海で座礁した。その後離礁に成功し、2月3日にホワイトビーチに入港した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊JWings5,’15

＜Ｔ−ＡＫ−３００６＞：アメリカ海軍輸送船ユージーン・Ａ・オブレゴン上等兵（PFC Eugene A. Obregon）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−３００７＞：アメリカ海軍輸送船ステファン・Ｗ・プレス少佐（MAJ Stephen W. Pless）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−３００８＞：アメリカ海軍ジョン・Ｐ・ボボ級コンテナ車両輸送艦ジョン・Ｐ・ボボ少尉（2nd. Lt. John P. Bobo）。2018年9月16-23日、ヴァリアント・シールド2018に参加。参考：月刊軍事研究2,’16、月刊世界の艦船12,’18

＜Ｔ−ＡＫ−３００９＞：アメリカ海軍輸送船ドウェイン・Ｔ・ウィリアムス上等兵（PFC Dewayne T. Williams）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−３０１０＞：アメリカ海軍ジョン・Ｐ・ボボ級コンテナ車両輸送艦バルドメロ・ロペス中尉（1st. Lt. Baldomero Lopez）。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜Ｔ−ＡＫ−３０１１＞：アメリカ海軍車両貨物輸送船ジャック・ラマス中尉（1st. Lt. Jack Lummus）。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。参考：月刊世界の艦船4,’10

＜Ｔ−ＡＫ−３０１２＞：アメリカ海軍ジョン・Ｐ・ボボ級コンテナ車両輸送艦ウィリアム・Ｒ・ボタン三等軍曹（SGT William R. Button）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−３０１５＞：アメリカ海軍コンテナ・RO/RO輸送艦ハリー・Ｌ・マーティン中尉（1st LT Harry L. Martin）。全長226m、幅31.7m、満載排水量51531トン。速力17ノット、乗員24名。2007年10月13-15日、パシフィック・シールド07に参加。参考：月刊軍事研究5,’03、12,’07、2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−３０１６＞：アメリカ海軍輸送船ロイ・Ｍ・ウィート上等兵（LCPL Roy M. Wheat）。全長864フィート（263.3m）、幅98フィート（29.9m）、排水量50570トン。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−３０１７＞：アメリカ海軍事前配備船フレッド・Ｗ・ストッカム海兵一等軍曹（GySgt. Fred W. Stockham）。2004年、AFSB実験艦に改造され、ヘリ甲板と燃料設備を追加してMH-60ヘリ２機を運用できるようにした。2006年、ヘリ２機分の格納庫と航空要員居住区を追加する改装を受け、スキャンイーグル無人機の運用を開始した。2016年3月7日から4月30日、フォール・イーグル2016に参加。参考：月刊世界の艦船12,’12、6,’16

＜Ｔ−ＡＫ−４３９６＞：アメリカ海軍軍事海上輸送コマンド（MSC）空軍コンテナ艦バーナード・Ｆ・フィッシャー少佐（MAJ Bernard F. Fisher）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−４５４３＞：アメリカ海軍輸送船ジョン・Ｕ・Ｄ・ページ中佐（LTC John U. D. Page）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−４５４４＞：アメリカ海軍輸送船エドワード・Ａ・カーター・ジュニア二等軍曹（SSG Edward A. Carter Jr.）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−５１５８＞：アメリカ海軍貨物艦モヒガン（Mohegan）。全長397フィート（121m）、幅66フィート（20.1m）、排水量11245トン。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫ−５３６２＞：アメリカ海軍軍事海上輸送コマンド（MSC）空軍コンテナ艦デビッド・Ｉ・リオン大佐（CAPT David I. Lyon）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＥ−１＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦１番艦ルイス・アンド・クラーク（Lewis and Clark。西部開拓時代に活躍した探検家のメリウェザー・クラークとウィリアム・クラーク）。2004年3月起工、2005年5月21日進水、2006年6月20日就役。2012年、事前配備部隊に編入された。参考：月刊丸4,’07、月刊世界の艦船4,’04増刊、8,’19

＜Ｔ−ＡＫＥ−２＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦２番艦サカガウェア（Sacagawea。ルイスとクラークの道案内をした先住民族の少女の名）。2007年2月就役。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加した各艦への補給任務に就いた。2013年、事前配備部隊に編入された。2021年

6月25-30日、DDG-115ラファエル・ペラルタと、オーストラリア北方海空域で日米共同訓練に参加。DD-112まきなみ及びSH-60Kヘリ１機と、各種戦術訓練を行った。参考：月刊丸4,’07、月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、4,’10、8,’19、9,’21

＜Ｔ−ＡＫＥ−３＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦３番艦アラン・シェパード（Alan Shepard。アメリカ初の宇宙飛行士の１人で、アポロ14号で月に降りた海軍少将）。2007年6月就役。2009年3月28日、横須賀港に入港。3月30日、テポドン２号追跡艦への支援のため、横須賀港を出港した。4月3日、秋田沖に停泊していた。2021年6月25日から8月7日、タリスマン・セイバー2021に参加。参考：月刊丸4,’07、月刊世界の艦船1,’10、6,’09、10,’21

＜Ｔ−ＡＫＥ−４＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦４番艦リチャード・Ｅ・バード（Richard E. Byrd。北極と南極を探検した飛行家）。2008年1月就役。2011年2月7-18日、コブラ・ゴールド11に参加。2017年5月1-3日、DDH-183いずもによる武器等防護に基づく米艦防護任務の対象となった。5月3日にはDD-113さざなみも加わっている。2021年3月6日、太平洋上で、H225ヘリ２機がF-35戦闘機用F-135エンジンの実物大・同重量モックアップをCVN-70カール・ヴィンソンにスリング輸送で搬入する試験を行った。2022年2月28日から3月4日、関東南方からグアム北方の海空域で日米共同訓練に参加し、DDG-52バリー、DDG-69ミリウス、DDG-76ヒギンズ、DDG-105デューイと共に、DDH-181ひゅうが、DD-120しらぬい、水陸機動団、アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊と、対地射撃や対水上戦などの訓練を行った。4月8-17日、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-111スプルーアンス、T-AO-199ティペカノーと共に、東シナ海と日本海を含む日本周辺で海上自衛隊との共同訓練に参加し、DDG-173こんごう及びDD-105いなづまと、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、洋上補給、PHOTOEXなど）を行った。8月1日、日米共同訓練ILEX22-5に参加。太平洋でTV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと洋上補給などの訓練を行った。2024年8月23日から9月2日、パシフィック・ヴァンガード24に参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、5,’11、7,’17、5,'22、7,'22、10,'22、12,'24、月刊丸4,’07、月刊JWings6,’21

＜Ｔ−ＡＫＥ−５＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦５番艦ロバート・ピアリー（Robaert Peary。北極探検家）。2008年6月就役。2016年7月18日、大西洋上で海自練習艦隊に洋上補給を実施。参考：月刊世界の艦船1,’10、11,’16、月刊丸4,’07

＜Ｔ−ＡＫＥ−６＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦６番艦アメリア・イアハート（Amelia Earhart）。2008年10月就役。2022年5月12日、横須賀を出港。8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22（Pacific Vanguard 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、陸自水陸機動団、アメリカ海軍潜水艦、P-8A哨戒機、EA-18G電子戦機、第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、フリゲートFFH-157パース、韓国海軍ミサイル駆逐艦991セジョン・デワン、976ムーンム・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練（対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜戦など）を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、月刊世界の艦船8,’22

＜Ｔ−ＡＫＥ−７＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦７番艦カール・Ｍ・ブラシア（Carl M. Brashear）。2009年3月就役。2011年3月11日に発生した東日本大震災を受け、トモダチ作戦に参加。12月3-10日、キーン・ソード2011に参加。2022年7月23-24日、日米共同訓練に参加。太平洋で、LCS-6ジャクソンと共に、DD-104きりさめと、各種戦術訓練（戦術運動、洋上補給など）を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、10,'22、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、月刊軍事研究2,’11

＜Ｔ−ＡＫＥ−８＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦８番艦ウォリー・シラー（Wally Schirra。アメリカ海軍宇宙飛行士ウォルター”ウォリー”シラー大佐から）。2009年9月就役。2012年11月1日、伊豆諸島神津島で実施された南海トラフ巨大地震防災訓練に参加。2016年4月、佐世保に寄港。参考：月刊世界の艦船2,’13、1,’10、1,’13、月刊航空ファン8,’16

＜Ｔ−ＡＫＥ−９＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦９番艦マシュー・ペリー（Matthew Perry。黒船で日本に来たペリー提督）。2010年2月就役。2011年3月11日に発生した東日本大震災を受け、トモダチ作戦に参加。3月15日、LHD-2エセックスに救援物資入りパレット45個を洋上で提供した。3月17日、LSD-42ジャーマンタウンに燃料や水の入った箱８個を洋上で提供した。2018年11月6-9日、横須賀沖に停泊。参考：月刊世界の艦船2,’13、1,’10、2,’19、月刊軍事研究6,’11

＜Ｔ−ＡＫＥ−１０＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦10番艦チャールズ・ドリュー（Charles Drew）。2010年7月就役。2013年11月、ダマヤン作戦に参加。2020年9月14-25日、ヴァリアント・シールド2020に参加。2021年2月13日、沖縄周辺海域で日米共同訓練ILEX21-1に参加し、AOE-422とわだと洋上補給訓練を行った。2023年11月26-30日、東シナ海から沖縄南方で日米共同訓練に参加。CVN-70カール・ヴィンソン、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、T-AO-202ユーコンと共に、DD-104きりさめと、LINKEX、クロスデッキ、洋上補給の各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船2,’13、1,’10、2,’14、12,’20、5,’21、朝雲

＜Ｔ−ＡＫＥ−１１＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦11番艦ワシントン・チャンバーズ（Washington Chambers。アメリカ海軍の航空推進者だった大佐）。2010年9月11日進水、2011年2月23日就役。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2023年1月15-23日、関東南方から四国南方を経て沖縄周辺に至る海空域で、日米共同訓練に参加。CG-54アンティータム、CG-62チャンセラーズビル、CG-67シャイロー、DDG-115ラファエル・ペラルタ、T-AO-194ジョン・エリクソンと共に、DDG-178あしがらと、各種戦術訓練（対空戦、対水上戦、対潜戦）、洋上補給などの訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、12,’10、5,’11、4,'23、JShips VOL.70

＜Ｔ−ＡＫＥ−１２＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦12番艦ウイリアム・マクレアン（William McLean）。2011年4月16日進水、9月就役。2018年4月21日から5月4日、ジョイント・ウォーリア2018演習に参加。2019年12月31日、LHD-5バターンに洋上補給を行った。参考：月刊世界の艦船2,’13、1,’10、7,’11、7,’18、3,’20

＜Ｔ−ＡＫＥ−１３＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦13番艦メドガー・エヴァース（Medgar Evars）。2012年4月就役。参考：月刊世界の艦船2,’13

＜Ｔ−ＡＫＥ−１４＞：アメリカ海軍ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦14番艦セサール・チャベス（Cesar Chavez。労働運動指導者のメキシコ系アメリカ人）。2012年10月24日就役。2014年9月15-23日、ヴァリアント・シールド2014演習に参加。2018年8月、佐世保に入港。9月16-23日、ヴァリアント・シールド2018に参加。2022年7月30日、ミクロネシア周辺で日米共同訓練ILEX22-4に参加し、DD-104きりさめと洋上補給訓練を行った。2023年7月1-10日、パシフィック・ヴァンガード23に参加。参考：月刊世界の艦船5,’13、12,’18、10,’22、9,'23、月刊軍事研究12,’14

＜Ｔ−ＡＫＲ−１１３＞：アメリカ海軍大型車両輸送船ケープ・テキサス。参考：月刊軍事研究5,’03

＜Ｔ−ＡＫＲ−２８７＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦１番艦アルゴール（Algol）。元は１973年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船エクスチェンジ（Exchange）である。1990年8月、デザート・シールド作戦に参加。第24歩兵師団（機械化）のサウジアラビアへの輸送に従事し、8月17日にジョージア州サバンナ港を出港してダーラン港に向かった。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−ＡＫＲ−２８８＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦２番艦ベラトリクス（Bellatrix）。元は1973年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船シー・ランド・トレード（Sea-Land Trade）である。1990年8月、デザート・シールド作戦に参加。第24歩兵師団（機械化）のサウジアラビアへの輸送に従事した。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊世界の艦船6,’83、5,’91

＜Ｔ−ＡＫＲ−２８９＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦３番艦デネボラ（Denebola）。元は1973年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船リソース（Resouce）である。1990年8月、デザート・シールド作戦に参加。第24歩兵師団（機械化）のサウジアラビアへの輸送に従事した。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９０＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦４番艦ポラックス（Pollux）。元は1973年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船マーケット（Market）である。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９１＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦５番艦アルタイル（Altair）。元は1973年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船ファイナンス（Finance）である。1990年8月、デザート・シールド作戦に参加。第24歩兵師団（機械化）のサウジアラビアへの輸送に従事した。途中、スペインのロタ港で故障したT-AKR-294アンタレスの荷物を搭載している。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９２＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦６番艦レギュラス（Regukus）。元は1973年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船コマース（Commerce）である。1990年8月、デザート・シールド作戦に参加。第24歩兵師団（機械化）のサウジアラビアへの輸送に従事した。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９３＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦７番艦カペラ（Capella）。元は1972年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船マクリーン（McLean）である。1990年8月、デザート・シールド作戦に参加。8月10日にジョージア州サバンナ港に到着し、第24歩兵師団（機械化）第２旅団の積み込みに入った。8月13日、M-1エイブラムス88両、M-2/M-3ブラッドレイ38両、MLRS９両、OH-58観測ヘリ４機、AH-1S攻撃ヘリ６機などを搭載し、露天甲板にはM-163自走高射機関砲３両を自衛武装代わりに配置してサウジアラビアに向け出港。8月27日、16000kmの航海を終えてサウジアラビアのダンマン港に到着。8月31日、荷下ろしを終了した。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９４＞：アメリカ海軍アルゴール級高速海上輸送艦８番艦アンタレス（Antares）。元は1972年に竣工したシーランド社製SL-7型高速コンテナ船ギャロウェイ（Galloway）である。1990年8月、デザート・シールド作戦に参加。第24歩兵師団（機械化）のサウジアラビアへの輸送に従事したが、途中で故障したため、スペインのロタ港でT-AKR-291アルタイルに荷物を積み替えた。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊世界の艦船6,’83

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９５＞：アメリカ海軍シュガート級大型中速車両輸送艦１番艦シュガート（Shughart。モガディシオの戦闘で戦死し名誉勲章を受章したランドール・シュガート一等軍曹から）。参考：月刊軍事研究12,’13、2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９６＞：アメリカ海軍ゴードン級大型中速車両輸送艦１番艦ゴードン（Gordon。モガディシオの戦闘で戦死し名誉勲章を受章したゲアリー・ゴードン曹長から）。参考：月刊軍事研究12,’13、2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９７＞：アメリカ海軍シュガート級大型中速車両輸送艦ヤノ（Yano）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−２９８＞：アメリカ海軍ゴードン級大型中速車両輸送艦２番艦ギリランド（Gilliland）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３００＞：アメリカ海軍ボブ・ホープ級大型中速車両輸送艦１番艦ボブ・ホープ（Bob Hope。前線将兵を慰問し続けたコメディアン）。参考：月刊丸9,’03

＜Ｔ−ＡＫＲ−３０１＞：アメリカ海軍ボブ・ホープ級大型中速車両輸送艦２番艦フィッシャー（Fisher）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３０２＞：アメリカ海軍ボブ・ホープ級大型中速車両輸送艦３番艦シエイ（Seay）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３０３＞：アメリカ海軍ボブ・ホープ級大型中速車両輸送艦４番艦メンドンカ（Mendonca）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３０４＞：アメリカ海軍ボブ・ホープ級大型中速車両輸送艦５番艦ピリラウ（Pililaau）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３０５＞：アメリカ海軍ボブ・ホープ級大型中速車両輸送艦６番艦ブリッティン（Brittin）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３０６＞：アメリカ海軍ボブ・ホープ級大型中速車両輸送艦７番艦ビナヴィデツ（Benavidez）。2020年2月、ヨーロッパでディフェンダー20演習に参加する陸軍物資・貨物を乗せて大西洋を横断。その際、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワー空母打撃群の護衛・航路確保訓練に協力している。参考：月刊世界の艦船4,’15

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１０＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦１番艦ワトソン（Watson）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１１＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦２番艦シスラー（Sisler）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１２＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦３番艦ダール（Dahl）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１３＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦４番艦レッド・クラウド（Red Cloud）。2015年8月12日1346、対テロ訓練のため沖縄県うるま市伊計島の南東14kmを航行中、上空から兵員をファストロープ降下させようとしたアメリカ陸軍第160特殊作戦航空連隊MH-60Mヘリ３機のうち２機目がクレーンに接触し、甲板上にクラッシュ・ランディングして大破した。乗っていた17名のうち７名（グリーンベレー隊員５名、中央即応集団所属自衛隊員２名）が重軽傷を負い、嘉手納基地を緊急発進したHH-60Gヘリ２機によりキャンプ・フォスターの海軍病院に搬送されている。残るMH-60Mヘリ２機は一旦1417（1517？）頃に嘉手納基地に戻り、1525頃に再離陸、本艦から無事だった兵員（と１機目がファストロープ降下させた兵員）を回収して1557に嘉手納基地に帰投した。参考：月刊航空ファン11,’15、月刊JWings11,’15、10,’15、月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１４＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦５番艦チャールトン（Charlton）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１５＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦６番艦ワトキンス（Watkins）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１６＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦７番艦ポメロイ（Pomeroy）。2001年3月10日進水。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜Ｔ−ＡＫＲ−３１７＞：アメリカ海軍ワトソン級大型中速輸送艦８番艦ソーダーマン（Soderman）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−５０６３＞：アメリカ海軍艀運搬艦ケープ・メイ。甲板上にLCAC５隻または艀24隻を搭載し、艦尾のエレベーターで海面に降ろして発進させる。参考：月刊軍事研究3,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−５０６５＞：アメリカ海軍艀運搬艦ケープ・モヒカン。甲板上にLCACやINLS艀を搭載し、艦尾のエレベーターで海面に降ろして発進させる。全長266m、幅32m、満載排水量57000トン。主機は蒸気タービン２基、速力16.2ノット。参考：月刊軍事研究3,’16

＜Ｔ−ＡＫＲ−９６６６＞：アメリカ海軍大型車両輸送船ケープ・ヴィンセント。参考：月刊軍事研究5,’03

＜Ｔ−ＡＫＲ−９６７９＞：アメリカ海軍輸送艦ケープ・レイ（Cape Ray）。16397平方メートルの車両甲板を持つ。全長197.6m、満載排水量35248トン。主機はディーゼル２基２軸17350馬力、速力17.6ノット。乗員29名。1977年、民間船として竣工。1994年、アメリカ政府が取得し、即応予備部隊輸送艦として配備した。2014年7月2日、イタリアのジョイアタウロ港でデンマーク籍RO-RO貨物船アルク・フューチュラからシリアの化学兵器を受け取った。その後出港して公海上で処理作業にあたっている。9月、作業を終えてポーツマスに帰港。参考：月刊世界の艦船4,’15、9,’14

＜ＴＡＬ＞：シィエナ（短魚雷）を参照。

＜ＴＡＬシリーズ＞：イスラエル軍の子爆弾ディスペンサー。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＴＡＬ１＞：内部に270発の破砕弾頭子爆弾を収容する。全長2.34m、直径0.406m、翼スパン0.56m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＴＡＬ２＞：子爆弾収容数を315発に増やしたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ｔａｌａｅｉｙｅｈ＞：Tala’iyyahかも。イランの４×４輪装甲車。2012年9月に公開され、2013年1月の演習にも登場した。完全国産と称しているが、BRDM-2と同じ14.5mm機銃KPVT・同軸7.62mm機銃PKT搭載１名用銃塔と、ロシア車両類似のタイヤを持つ。車体は被弾経始を持つ箱型で、車軸の間の車体上部側面にビジョンブロック付きガンポートを片側４組ずつ装備している。浮航能力を持つという触れ込みだが、トリムベーンが無く、空気取り入れ口や排気口が低い位置にあるので、実際には陸上専用らしい。参考：月刊軍事研究5,’13

＜ＴＡＬＤ＞：ADM-141（デコイ）を参照。

＜ＴＡＬＩＯＳ＞：タレス社がラファール戦闘機向けに開発中の多機能目標指示ポッドTargeting Long-range Identification Optronic System（目標指示・長距離識別用光学システム）、別名PDL-NG。レーザーデジグネータ／マーカー／測距／スポット・トラッカー、可視光テレビカメラ、赤外線カメラを統合しており、レーザー誘導爆弾の目標指示や中距離までの空対空目標追尾などを行える。2018年11月19日にIOC型がフランス国防調達局の認証を取得した。2019-22年にフランス軍に46基を納入してラファールF3R仕様で運用する予定。2022年5月6日、フランス装備総局が21基を追加発注した。改良型で、ラファールF4用戦術航空偵察モード、ビジョン・パーマネント・モード（三次元マップにリアルタイム映像を重ねる）、カラー高解像度センサーを追加し、空対空識別モードを更新している。参考：月刊航空ファン1,’17、2,’19、月刊JWings2,’19、8,’22

＜ＴＡＬＯＮＳ＞：DARPAが開発中の艦載センサーシステムで、Towed Airborne Lift of Naval Systemsの略。パラグライダーにセンサーを積んで高度500-1500フィート（152-457m）を飛行させ、目標の捜索追尾識別を行う。2017年8月にPC-8ゼファーで実証実験が実施された。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜ＴＡＬＷＳ＞：戦術空中レーザー兵器システムを参照。

＜ＴＡＭ＞：アルゼンチン陸軍の中戦車で、Tanque Argentino Mediano（アルゼンチン中戦車）の略。1974年から西ドイツのティッセン・ヘンシェル社が開発した。マルダー１の車体を流用しており、車体前部にエンジンを持ち、排気口を車体右側面に移し、後面の兵員乗降用ランプを廃止して車体後部形状を改めている。車体後部の兵員室が戦闘室に改造されていて、上部に砲塔が載る。砲塔駆動は電気油圧式または手動で、内部に砲手（右前）、車長（右後）、装填手（左）が位置する。車長用にペリスコープ８基付ハッチとTRP-2A非安定式パノラマサイト（６倍／20倍）、装填手・砲手用に旋回式ペリスコープそれぞれ１基が用意されている。照準装置は砲手用TZF照準器（８倍）と車長用光学測距儀及び車長用照準器。主砲はラインメタル製105mmライフル砲Rh-105-30またはアルゼンチン製105mm砲で、俯仰角プラス18度からマイナス７度。主砲弾数50発（APDS、APFSDS、HEAT、HE-Tなど）で、うち20発を砲塔に収納する。副武装は同軸機銃及び車長用ハッチのベルギーFN社製7.62mm機銃。砲塔後部に左右４基ずつのスモークディスチャージャーを備える。戦闘重量31トン。エンジンはMB833Ka-500（720馬力）、トランスミッションはHSWLまたは改良型のHSWL-204遊星歯車式。1977-86年に170両を生産した。バリエーションとしてVCTP歩兵戦闘車が製作され、生産数はこれも含めて400両強。155mm自走砲、VCLC自走多連装ロケットも試作されたが、採用されていない。参考：世界AFV年鑑2002-2003、AFV’94

＜ＴＡＭ−ＭＲ＞：トルコのロケットサン社が開発した対戦車ミサイルで、Turkish Antitank Missile-Medium Rangeの略。誘導はパッシブ赤外線、弾頭はタンデムHEAT。射程200-4000m。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＴＡＭＳ＞：イギリスのGECマルコーニ・ディフェンス・システムズ社が1987年に発表したアクティブ防御システムで、Tank Anti-Missile Systemの略。全周旋回式小型砲塔にミリ波捜索レーダー（波長3.19mm）、追尾レーダー、FCS、7.62mm機銃２丁を装備しており、ゲパルトの砲塔を小型化したような形状である。戦車砲塔後部上面に搭載し、電力のみ戦車から供給してもらえば後は独立して作動する。戦車砲塔内に突き出す部分が無いので、取り付けも容易。総重量100kg。機銃は発射速度毎分600発（２丁で1200発）、装弾数400発。有効射程600-900m。20発発射すればミサイルを無力化できるという。今のところ採用した国は無い。参考：月刊丸3,’90

＜Ｔ−ＡＯ−１０６＞：アメリカ海軍給油艦ナヴァソタ（Navasota）。1983年11月、太平洋でCV-41ミッドウェイに洋上給油を行った。参考：月刊世界の艦船6,’24

＜Ｔ−ＡＯ−１０７＞：アメリカ海軍ミスピリオン級給油艦パサンプシック（Passumpsic）。1990年、湾岸戦争に参加。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜Ｔ−ＡＯ−１０８＞：アメリカ海軍給油艦ポウカタック（Pawcatuck）。参考：月刊世界の艦船2,’16

＜Ｔ−ＡＯ−１４７＞：アメリカ海軍給油艦トラッキー（Truchee）。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜Ｔ−ＡＯ−１８７＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦１番艦ヘンリー・Ｊ・カイザー（Henry J. Kaiser）。1986年12月就役。2012年6月29日から8月7日、リムパック2012に参加。2014年6月2日、海自遠洋航海部隊に洋上補給を実施。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2017年6月13日、サンディエゴ沖で海自遠洋航海部隊に洋上補給を実施。2022年6月25日、太平洋で日米共同訓練ILEX22-2に参加。DDH-183いずも及びDD-110たかなみと洋上補給訓練を行った。6月29日からリムパック2022に参加。2023年1月20日、太平洋上でCVN-70カール・ヴィンソンに洋上給油を行った。9月19日、サンディエゴ沖で日米共同訓練ILEX23-5に参加。TV-3508かしま及びTV-3520はたかぜと洋上補給訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、10,’12、9,’14、10,’17、9,'22、10,'22、8,'23、12,'23、JShips VOL.70

＜Ｔ−ＡＯ−１８８＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦２番艦ジョシュア・ハンフレイズ（Joshua Humphreys）。1987年4月就役。2006年10月に退役した。その後再就役している。2020年3月24日、大西洋上でHSC-9所属MH-60SによりCVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードにVERTREPを行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、6,’20

＜Ｔ−ＡＯ−１８９＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦３番艦ジョン・レントール（John Lenthall）。1987年6月就役。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＯ−１９０＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦４番艦アンドリュー・Ｊ・ヒギンズ（Andrew J. Higgins）。1987年10月就役。1996年4月に退役した。2009年、チリに譲渡され、アルミランテ・モントになった。参考：月刊世界の艦船2,’13、1,’10、3,’19

＜Ｔ−ＡＯ−１９１＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦ベンジャミン・イシャーウッド（Benjyamin Isherwood）。1993年に造船所が倒産して完成しなかった。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜Ｔ−ＡＯ−１９２＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦ヘンリー・エクフォード（Henry Eckford）。1993年に造船所が倒産して完成しなかった。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜Ｔ−ＡＯ−１９３＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦５番艦ウォルター・Ｓ・ディール（Walter S. Diehl）。1988年9月就役。2013年11月16-28日、ANNUALEX13演習に参加。2016年9月12-23日、ヴァリアント・シールド2016に参加。3月11-23日、CVN-70カール・ヴィンソン、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤーなどと共に、南シナ海北部から沖縄周辺の空海域でDDH-182いせと日米共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。DDH-182いせに洋上給油を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、2,’14、12,’16、6,’18

＜Ｔ−ＡＯ−１９４＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦６番艦ジョン・エリクソン（John Ericsson）。1991年3月就役。2011年4月13日から7月15日、パシフィック・パートナーシップ2011に参加。2016年7月26日、ペルシャ湾でCVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーに艦上機用燃料の洋上給油を行った。2017年10月7-16日、CVN-76ロナルド・レーガンなどと共に、DDG-172しまかぜと、沖縄周辺からバシー海峡周辺に至る海域で日米共同巡航訓練（各種戦術訓練）を実施。2020年4月10-11日、LHA-6アメリカと共に、東シナ海でDD-108あけぼのとの日米共同訓練（通信、戦術運動、洋上補給など）に参加。8月15-18日、CVN-76ロナルド・レーガンなどと共に、沖縄南方海域でDD-107いかづちとの共同訓練に参加。9月10-13日、パシフィック・ヴァンガード20に参加。9月14-25日、ヴァリアント・シールド2020に参加。2021年1月22日、CVN-71セオドア・ルーズヴェルトに洋上補給を実施。2022年8月30日から9月7日、グアム周辺から南シナ海で日米加共同訓練ノーブル・レイブン22に参加。DDG-76ヒギンズ、T-AO-204ラパハノックと共に、DDH-183いずも、DD-110たかなみ、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練を行った。12月2-8日、関東南方から四国南方に至る海空域で、日米共同訓練に参加。CVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイローと共に、DD-107いかづちと、各種戦術訓練（対水上戦、洋上補給など）を行った。2023年1月15-23日、関東南方から四国南方を経て沖縄周辺に至る海空域で、日米共同訓練に参加。CG-54アンティータム、CG-62チャンセラーズビル、CG-67シャイロー、DDG-115ラファエル・ペラルタ、T-AKE-11ワシントン・チャンバースと共に、DDG-178あしがらと、各種戦術訓練（対空戦、対水上戦、対潜戦）、洋上補給などの訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、7,’11、4,’04増刊、11,’16、11,'20、12,'20、12,'22、3,'23、4,'23、朝雲

＜Ｔ−ＡＯ−１９５＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦７番艦ルロイ・グラマン（Leroy Grumman）。1989年8月就役。2000年9月25日、地中海西部で洋上補給中にスペイン海軍フリゲートF83ヌマンシアと衝突し、軽微な損傷を負った。2011年5月20日、大西洋でNATO共同訓練に参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、6,’01、4,’04増刊、8,’11

＜Ｔ−ＡＯ−１９６＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦８番艦カナワ（Kanawha）。1991年12月就役。2020年4月15日、大西洋上でCGN-75ハリー・Ｓ・トルーマン空母打撃群に洋上給油を実施。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、7,’20

＜Ｔ−ＡＯ−１９７＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦９番艦ペコス（Pecos）。1990年7月就役。1995年5月4日から5月24日、コブラ・ゴールド95に参加。1996年5月24日、遠洋練習航海中のDD-125さわゆきなどにジャワ海上で洋上給油を実施した。2013年3月1日から4月30日、フォール・イーグル2013に参加。2015年6-8月、カラット2015に参加。2018年10月25日、DDH-184かが、DD-105いなづまと共同訓練を実施。2019年3月2日、フィリピン海でLSD-48アシュランドとLPD-20グリーン・ベイに洋上補給を行った。2021年5月26-29日、沖縄東方海域で、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイローと共に、DDH-182いせとの共同訓練（各種戦術訓練）に参加。2022年8月7日、ハワイ周辺で日米共同訓練ILEX22-6に参加。DDH-183いずも及びDD-110たかなみと洋上補給訓練を行った。8月10日、太平洋で日米共同訓練ILEX22-7に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと洋上補給訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、9,’96、6,’13、11,’15、8,’19、8,'21、11,'22、7,'24、月刊軍事研究8,’95

＜Ｔ−ＡＯ−１９８＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦10番艦ビッグ・ホーン（Big Horn）。1992年7月就役。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。2021年8月23日から9月10日、マラバール2021（フェーズ１前段）に参加。10月28日から11月4日、南シナ海、東シナ海、日本海で、日米共同訓練に参加し、DDG-76ヒギンズと共に、DD-120しらぬいと、各種戦術訓練を行った。2022年9月23日から10月1日、南シナ海で日米加共同訓練ノーブル・レイヴン22-2に参加。DDG-76ヒギンズと共に、DDH-183いずも、DD-110たかなみ、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、各種戦術訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、4,’10、11,’21、1,'22、1,’23

＜Ｔ−ＡＯ−１９９＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦11番艦ティペカノー（Tippecanoe）。1993年3月就役。2011年12月3-10日、キーン・ソード2011に参加。2015年11月16-25日、海上自衛隊演習に参加。2016年6月10-17日、マラバール16演習に参加。2020年10月12日、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーンと共に、南シナ海で海自令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊DDH-184かが及びDD-107いかづちとの共同訓練に参加。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。2022年4月8-17日、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-111スプルーアンス、T-AKE-4リチャード・Ｅ・バードと共に、東シナ海と日本海を含む日本周辺で海上自衛隊との共同訓練に参加し、DDG-173こんごう及びDD-105いなづまと、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、洋上補給、PHOTOEXなど）を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、2,’16、9,’16、1,'21、7,'22、月刊軍事研究2,’11

＜Ｔ−ＡＯ−２００＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦12番艦グアダルーペ（Guadalupe）。1992年12月就役。1995年5月4日から5月24日、コブラ・ゴールド95に参加。2011年10月6-12日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、月刊軍事研究8,’95、JShips Vol.46

＜Ｔ−ＡＯ−２０１＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦13番艦パタクスント（Patuxent）。1995年6月就役。2012年2月13日、アラビア海でCVN-72エイブラハム・リンカーンに洋上補給を行った。9月17-23日、ユニタス2012演習に参加。2022年6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、5,’12、12,’12、9,’22

＜Ｔ−ＡＯ−２０２＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦14番艦ユーコン（Yukon）。1993年12月就役。2000年7月13日、LPD-9デンバーと洋上補給中に衝突した。2011年6月26日、海自遠洋航海部隊との親善訓練を実施。2014年6月13日、サンディエゴ沖で海自遠洋航海部隊と親善訓練を実施。2015年6月17日、海自遠洋航海部隊と親善訓練（洋上給油）を実施。2019年8月中旬から下旬、DDG-101グリッドリー、CG-58フィリピン・シーなどと共に、大西洋でNATO第１常設水上部隊（旗艦ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲートF314トール・ヘイエルダール、ベルギー海軍カレル・ドールマン級フリゲートF930レオポルド�T世、ポルトガル海軍カレル・ドールマン級フリゲートF334Ｄ・フランシスコ・デ・アルメイダなど）との共同演習に参加。8月16日、大西洋上でベルギー海軍カレル・ドールマン級フリゲートF930レオポルド�T世、ポルトガル海軍カレル・ドールマン級フリゲートF334Ｄ・フランシスコ・デ・アルメイダに洋上給油を行った。2021年2月10日、CVN-71セオドア・ルーズベルトに洋上補給を行った。8月23日から9月10日、マラバール2021に参加。9月29日、インド洋東方海空域でDDH-184かが、DD-101むらさめと各種戦術訓練を実施。10月11-14日、ベンガル湾でマラバール2021フェーズ２に参加。10月15-18日、ベンガル湾で日米英豪共同訓練Maritime Partnership Exerciseに参加。CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-106ストックデイル、DDG-68ザ・サリヴァンズ、P-8A哨戒機と共に、海自DDH-184かが、DD-101むらさめ、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF-239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア）、オーストラリア海軍フリゲートFFH-155バララトと、対抗戦、防空戦、対水上射撃、洋上補給などの訓練を行った。2022年10月1-10日、日本海を含む日本周辺海空域で日米共同訓練に参加。CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-65ベンフォールドと共に、DD-119あさひと、各種戦術訓練（対水上戦訓練、洋上補給、PHOTOEXなど）を行った。2023年7月1-10日、パシフィック・ヴァンガード23に参加。11月26-30日、東シナ海から沖縄南方で日米共同訓練に参加。CVN-70カール・ヴィンソン、DDG-100キッド、DDG-104スタレット、T-AKE-10チャールズ・ドリューと共に、DD-104きりさめと、LINKEX、クロスデッキ、洋上補給の各訓練を行った。2024年3月18日から4月6日、横須賀から沖縄東方に至る海空域で日米共同訓練SWATT24に参加。LHA-6アメリカ、DDG-76ヒギンズ、DDG-83ハワード、DDG-105デューイ、DDG-114ラルフ・ジョンソン、潜水艦と共に、DDG-173こんごうと、3月17-21日の停泊フェーズで各種戦戦術研究会など、3月22日から4月6日の洋上フェーズで各種戦術訓練（対空戦、対潜戦、対水上戦、電子戦、対空ミサイル射撃）と洋上補給の各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、6,’01、11,’11、9,’14、11,’15、11,’19、8,’21、11,’21、12,’21、1,’22、1,’23、9,’23、6,’24、朝雲

＜Ｔ−ＡＯ−２０３＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦15番艦ララミー（Laramie）。1996年4月就役。2023年10月11日、東地中海でCVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードに洋上給油を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、1,’24

＜Ｔ−ＡＯ−２０４＞：アメリカ海軍ヘンリー・Ｊ・カイザー級給油艦16番艦ラパハノック（Rappahannock）。1995年11月就役。2011年3月11日の東日本大震災を受けてトモダチ作戦に参加。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。9月12-23日、ヴァリアント・シールド2016に参加。2021年6月25日から8月7日、タリスマン・セイバー2021に参加。9月18日から10月1日、沖縄南方で日米共同訓練に参加。CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィーと共に、DDG-176ちょうかい、DD-107いかづち、DDG-174きりしま、DD-152やまぎりと、防空戦、対空戦、洋上補給、通信などの各訓練を行った。2022年6月17-19日、DDG-102サンプソンと共に、太平洋で日米共同訓練に参加。DDH-183いずも及びDD-110たかなみと、各種戦術訓練（防空戦、洋上補給など）を行った。8月30日から9月7日、グアム周辺から南シナ海で日米加共同訓練ノーブル・レイブン22に参加。DDG-76ヒギンズ、T-AO-194ジョン・エリクソンと共に、DDH-183いずも、DD-110たかなみ、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練を行った。9月12-22日、東シナ海を含む日本周辺で日米共同訓練に参加。CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-52バリー、DDG-65ベンフォールドと共に、DD-154あまぎりと、各種戦術訓練（対水上戦、対潜戦、PHOTOEXなど）を行った。11月10-19日、キーン・ソード23に参加。2023年6月10-14日、沖縄南方から南シナ海でアメリカ主催大規模広域訓練LGSE23の一環として日米加仏共同訓練ノーブル・タイフーンに参加。CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-93チャンフーン、DDG-115ラファエル・ペラルタと共に、DDH-183いずも、DD-106さみだれ、カナダ海軍フリゲート・モントリオール、フランス海軍D-657ロレーヌと、各種戦術訓練（対水上戦、対空戦、対潜戦、LINKEXなど）及び洋上補給訓練を行った。8月11-21日、マラバール2023に参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、12,’16、10,'21、12,'21、9,'22、12,'22、8,'23、10,'23、月刊PANZER5,’11、JShips VOL.70、月刊JWings2,’23

＜Ｔ−ＡＯ−２０５＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦１番艦ジョン・ルイス（John Lewis）。2018年9月20日、ジェネラル・ダイナミクス社ナショナル・スチール＆シップビルディング部門でファースト・スチール・カットを実施。2019年5月13日、起工式を実施。2021年1月12日進水。7月17日、命名式を実施。2022年2月1-4日、造船所公試を実施。4月25日、領収試験を実施。参考：月刊軍事研究11,’16、月刊世界の艦船12,’18、8,’19、4,’21、10,’21、5,’22、8,’22

＜Ｔ−ＡＯ−２０６＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦２番艦ハーヴェイ・ミルク（Harvey Milk。公民権活動家）。2019年12月13日、ジェネラル・ダイナミクス社ナショナル・スチール＆シップビルディング部門でファースト・スチール・カットを実施。2020年9月3日起工。2021年11月6日、命名式を実施。2023年5月、領収試験を終えた。7月11日、アメリカ海軍に引き渡された。2024年9月20日、大西洋で日米共同訓練ILEX24-5に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜとと洋上補給訓練を行った。参考：月刊世界の艦船3,’20、12,’20、2,’22、9,’23、10,’23、12,’24

＜Ｔ−ＡＯ−２０７＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦３番艦アール・ウォーレン（Earl Warren）。2020年12月17日、ジェネラル・ダイナミクス社ナショナル・スチール＆シップビルディング部門でファースト・スチール・カットを実施。2022年4月30日、ジェネラル・ダイナミクス社ナショナル・スチール＆シップビルディング部門で起工式を実施。2023年1月21日、ジェネラル・ダイナミクス社ナショナル・スチール＆シップビルディング部門で進水式を実施。2024年5月7日、アメリカ海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’21、8,’22、4,’23、8,’24

＜Ｔ−ＡＯ−２０８＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦４番艦ロバート・Ｆ・ケネディ（Robert F. Kennedy。海軍予備役、司法長官、上院議員を歴任。ケネディ大統領の弟）。2021年5月21日、ジェネラル・ダイナミクス社ナショナル・スチール＆シップビルディング部門でファースト・スチール・カットを実施。2022年12月5日、起工式を実施。2023年10月28日進水。参考：月刊世界の艦船12,’16、8,’21、3,’23、1,’24

＜Ｔ−ＡＯ−２０９＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦５番艦ルーシー・ストーン（Lucy Stone）。2022年10月21日、ファースト・スチール・カットを実施。2023年8月8日、起工式を実施。参考：月刊世界の艦船8,’22、1,’23、11,’23

＜Ｔ−ＡＯ−２１０＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦６番艦ソジャーナ・トゥルース（Sojourner Truth。奴隷解放活動家）。2023年3月27日、ファースト・スチール・カットを実施。2024年6月21日、起工式を実施。参考：月刊世界の艦船8,’22、6,’23、9,’24

＜Ｔ−ＡＯ−２１１＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦７番艦サーグッド・マーシャル（Thurgood Marshall。黒人初の最高裁判事）。2024年3月28日、ファースト・スチール・カットを実施。参考：月刊世界の艦船5,’22、6,’24

＜Ｔ−ＡＯ−２１２＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦８番艦ルース・ベイダー・ギンスバーグ（Ruth Bader Ginsburg）。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜Ｔ−ＡＯ−２１３＞：アメリカ海軍ジョン・ルイス級給油艦９番艦ハリエット・タブマン（Harriet Tubman。奴隷制度廃止活動家）。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜Ｔ−ＡＯＥ−６＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦１番艦サプライ（Supply）。元は1994年2月に就役したAOE-6で、2001年にMSCに移籍して艦種記号が変更された。2018年3月、大西洋上でCVN-72エイブラハム・リンカーンに洋上補給を実施。3月27日、大西洋上でCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュに洋上補給を実施。2020年5月上旬、DDG-78ポーター、DDG-80ルーズヴェルトと共に、バレンツ海でイギリス海軍F78ケントとの演習に参加。6月7-16日、バルトップス2020に参加。2021年5月15日から6月3日、フォーミダブル・シールド2021に参加。5月20-30日、ステッドファスト・ディフェンダー21に参加。2022年5月20日、イオニア海でCVN-75ハリー・Ｓ・トルーマンにVERTREPと洋上補給を行った。2023年9月19日、大西洋でR09プリンス・オブ・ウェールズに洋上補給を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、6,’18、10,’18、7,’20、9,’20、8,’21、8,’22、２，‘２4

＜Ｔ−ＡＯＥ−７＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦２番艦レイニア（Rainier）。元は1995年1月に就役したAOE-7で、MSC移籍に伴い艦種記号が変更された。2006年6月26日から7月28日、リムパック2006に参加。2016年2月22日、フィリピン海でCVN-74ジョン・Ｃ・ステニス空母打撃群DDG-106ストックデイルと海自DD-106さみだれに洋上給油を実施。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。参考：月刊世界の艦船10,’06、5,’14、5,’16、JShips VOL.70

＜Ｔ−ＡＯＥ−８＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦３番艦アークティク（Arctic）。元は1995年9月に就役したAOE-8で、2002年にMSCに移籍して艦種記号が変更された。2022年6月28日、大西洋上でCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュに洋上補給を行った。7月7日、大西洋で日米共同訓練ILEX22-3に参加。TV-3508かしまとTV-3521しまかぜと共に洋上補給訓練などを行った。2022年9月、アドリア海でCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュに洋上補給を行った。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊、9,’22、10,’22、9,’23

＜Ｔ−ＡＯＥ−１０＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦４番艦ブリッジ（Bridge）。元は1998年8月に就役したAOE-10で、MSC移籍に伴い艦種記号が変更された。2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けてトモダチ作戦に参加。2014年9月30日退役、作戦予備状態（平時は10名以下の乗員で保守、有事に45日間で現役復帰）に置かれた。参考：月刊世界の艦船1,’10、12,’14、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録

＜Ｔ−ＡＯＴ−１１２５＞：アメリカ海軍チャンピオン級油槽艦５番艦ローレンス・Ｈ・ジャイアネラ（Lawrence H. Gianella）。1986年、20年リースで導入して就役。2003年、購入に切り替えた。参考：月刊世界の艦船4,’15、1,’10

＜Ｔ−ＡＯＴ−５１９３＞：アメリカ海軍油槽船エンパイア・ステート（Empire State）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＯＴ−５２０５＞：アメリカ海軍油槽船エバーグリーン・ステート（Evergreen State）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＯＴ−５２４６＞：アメリカ海軍油槽船マースク・パーリー（Mearsk Peary）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＯＴ−５３５６＞：アメリカ海軍油槽船SLNCパックス（SLNC Pax）。参考：月刊軍事研究2,’16

＜Ｔ−ＡＯＴ−５４１９＞：アメリカ海軍油槽船SLNCグッドウィル（SLNC Goodwill）。重量トン数50326トン。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜ＴＡＰＳ＞：アメリカ海軍研究局ONRが開発している魚雷用推進装置で、Torpeto Advanced Propulsion Systemの略。2018年にエアロジェット・ロケットダイン社とフェーズ１契約を締結し、装置単体の製作が始まった。フェーズ２でMk48魚雷に組み込んでテストする予定。参考：月刊世界の艦船9,’18

＜ＴＡＰＶ＞：コマンドー装甲車（カナダ陸軍）を参照。

＜ＴＡＲ＞：地形回避レーダーを参照。

＜ＴＡＲ２１シリーズ＞：IMI社製5.56mmブルパップ式突撃銃、別名タボール21（TAVOR21）。1991年からイスラエル国防軍とIMI社が共同開発した。参考：月刊軍事研究10,’02、3,’00、4,’01、7,’99

＜ＴＡＲ２１＞：基本型。大部分はポリマー素材で、軽量化されている。ターンボルトを用いるガス圧作動式で、カラシニコフ・スタイルの２つのラグボルトにストナー・スタイルのミニラグを組み合わせており信頼性が高い。ボルトハンドルは工具を使用せずに数秒で左利き対応に変換できる。レッド・ドット統合反射照準器をレッド・ドット・レーザー目標指示器と共に標準装備し、夜間用小型照準器も装備可能。全長736.6mm、銃身長460mm、重量3.6kg（30発入り弾倉込み）。銃口初速毎秒890m。作動はガス圧式、発射速度毎分750-900発。20発入り弾倉、M203擲弾筒、挟み込み式軽二脚架などをオプション装備できる。参考：月刊軍事研究10,’02、3,’00、4,’01、7,’99

＜ＣＴＡＲ２１＞：特殊部隊・空挺部隊・戦車乗員用のコマンドー・タボール突撃銃。銃身長380mm、重量3.5kg。銃口初速毎秒860m。サイレンサーを装着可能。参考：月刊軍事研究10,’02、3,’00、4,’01、7,’99

＜ＭＴＡＲ２１＞：治安部隊・空挺部隊用のマイクロ・タボール突撃銃。銃身長250mm、重量3.2kg。初速毎秒770m。参考：月刊軍事研究10,’02、3,’00、4,’01

＜ＳＴＡＲ２１＞：分隊火器の狙撃用タボール分隊機銃。銃身を延長し、二脚架、光学／夜間照準器用取り付けレール、床尾パッドを装備する。参考：月刊軍事研究10,’02、3,’00、4,’01

＜ＴＡＲ２１海外シリーズ＞

　＜ＴＡＲ２１（インド軍）＞：インド軍突撃銃。特殊部隊用として、銃床を変更し、新型スコープを装着、トルコ製M203擲弾筒を取り付けたものを3070丁配備する予定。本来は2002年後半から配備する筈だったが、技術的な問題などから５年遅れた。その間の2005年にはTAR21突撃銃350-400丁をてき弾発射機無しで輸入し、特殊部隊に配備したが、折り畳み銃床に欠陥があるとして改良を要求した。2006年のIMI社及びIWI社によるテストでは問題無しとされている。このTAR21用のM203擲弾筒も輸入する予定。参考：月刊軍事研究2,’08

＜ＴＡＲ８７＞：XA-180装甲車ファミリーを参照。

＜Ｔ−ＡＲＣ−７＞：アメリカ海軍電纜敷設艦ゼウス（Zeus）。軍事海上輸送コマンドMSCに所属しており、SOSUS（海底配置潜水艦探知装置）用ケーブルを敷設したり、修理したりする。艦首と艦尾にシープ、艦尾にＡフレーム・クレーンがあり、艦内５カ所のケーブルタンクに1000海里（1600km？）分のケーブルを収容し、水深2700mまでの敷設が可能。また、ROVや精密測深機材なども搭載しており、敷設に必要な海洋観測・海底探査も行える。主機は艦橋から遠隔操作できる。艦中央部を通路が走っているため、煙突は両舷に分けた。可変ピッチプロペラと艦前後に２基ずつ装備するスラスターにより精密操艦が可能。２番艦も建造する予定だったが、キャンセルされた。全長156.4m、満載排水量15174トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機５基・電動モーター２基２軸10200馬力、速力15.8ノット。乗員は民間人51人、海軍要員６名、科学者10人（民間人55人、科学者10人？）。1981年6月起工、1982年7月進水、1984年3月就役。参考：月刊世界の艦船2,’13、5,’14、4,’15、5,’83、4,’04増刊、1,’10

＜ＴＡＲＣＡＰ＞：戦闘空中哨戒を参照。

＜ＴＡＲＧＥＴ＞：HORIZONシステムを構成するMTIドップラー・レーダー。トムソンCSF社製。10秒間に２万平方キロメートルを捜索し、ヘリ、車両、艦艇の種類、位置、速度に関するデータをリアルタイムで探知する。観測距離200km（晴天時）／150km（雨天・曇天時）。AS532ULの機体下面に装備する。参考：月刊軍事研究12,’00

＜ＴＡＲＰＳ＞：F-14TARPS（偵察機）を参照。

＜ＴＡＲＳ＞：AN/ASD-11（偵察装置）またはAN/SQR-20（曳航ソナー）を参照。を参照。

＜Ｔ−ＡＲＳ−５０＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦セイフガード（Safeguard）。元はARS-50で、2006-07年のMSC移籍に伴い、艦種記号が変更された。2011年3月11日に発生した東日本大震災に対するトモダチ作戦に参加。3月25日、八戸港の航路啓開作業を開始。3月28日、宮古港の航路啓開作業を開始。3月29日、被災地周辺の捜索救難を実施。4月4-6日、気仙沼湾の海底残骸撤去作業を実施。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、月刊軍事研究8,’09、6,’11、月刊航空ファン6,’11、写真で見るトモダチ作戦、JShips VOL.70

＜Ｔ−ＡＲＳ−５１＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦グラスプ（Grasp）。元はARS-51で、2006-07年のMSC移籍に伴い、艦種記号が変更された。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。参考：月刊世界の艦船4,’10、6,’01

＜Ｔ−ＡＲＳ−５２＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦サルヴァー（Salvor）。元はARS-52で、2006-07年のMSC移籍に伴い、艦種記号が変更された。2018年、クェゼリン環礁に沈む重巡プリンツ・オイゲンから燃料油226000ガロン・858800リットルを抜き取った。2023年11-12月、パシフィック・パートナーシップ2024に参加。参考：月刊世界の艦船2,’87、2,’19、2,’24

＜Ｔ−ＡＲＳ−５３＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦グラップル（Grapple）。元はARS-53で、2006-07年のMSC移籍に伴い、艦種記号が変更された。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜ＴＡＲＳＵＳ＞：トルコ陸軍の砲兵用戦術観測システムで、Tactical ARtillery SUrvey Systemの略。トルコのアセルサン社が開発した。C3Iシステム、航法システム、コントロールディスプレイ、光学照準システム（最大測定距離5km）、GPSアンテナなどをコンテナに収容しており、ランドローバーに載せて運用する。三脚に載せてコンテナから離れた所で運用することもできる。砲兵大隊に配備された。参考：月刊軍事研究8,’09

＜Ｔ−ＡＲＶＨ−１＞：アメリカ海軍ヘリコプター修理母艦コーパス・クリスティ・ベイ（Corpus Christi Bay）。元は除籍されていた水上機母艦AV-5アルベマールで、ベトナム戦争勃発に伴い、改造の上で再就役させたものである。1965年3月就役。ベトナム周辺で行動し、1973年に予備艦に編入され、1974年12月31日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,’00、月刊丸11,’09

＜ＴＡＳ＞：真対気速度またはタイフーン・アベイラビリティ・サービスを参照。

＜ＴＡＳ＞：アメリカ海軍の艦載ポイントディフェンスシステムで、Target Acquisition Systemの略。1980年代に開発した。パルス・ドップラー式二次元レーダー、コンピュータ、戦闘指揮管制プログラム、IFF、NSSMSを統合している。レーダー覆域は100海里と22海里の２種で、シークラッターやESMにも強い。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜ＴＡＳＭ＞：BGM-109B（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＡＳＳ＞：戦術自動センサーシステムを参照。

＜ＴＡＳＳ＞：曳航アレイ・ソナー・システム（Towed Array Sonar System）の略。曳航索の先にハイドロフォンをずらりと一直線に並べたもので、艦尾から繰り出して曳航、長大な低周波パッシブソナーとして使用する。CZの発見により低周波領域の探知が重要視されたのに伴い開発されたもので、曳航索で十分な距離を取る事により、自艦雑音によるマスクも受けにくいので便利。構造上、曳航艦の首尾線方向が探知できない。深いところを曳航させることができるが、浅海では海底に擦ったり定置網に絡まったりするので使用しにくい。曳航時に水流で受波器が振動すると、発生した微弱電流で電気信号にノイズが混ざるため、これを抑制する必要があり、急な加減速や機動ができない。また、下手に機動を行うとプロペラに絡まる。ケーブルは細い方が容積を喰わずリールへの巻き取りも容易だが、太い方が流体雑音が少なく探知能力に優れるので、アメリカ海軍では細いのと太いのを１本ずつ装備していたりする。当初はTASS単独で完全パッシブ探知を行っていたが、潜水艦の静粛化でパッシブ探知が難しくなったため、アクティブ音源のVDSと組み合わせて使用されるようになった。TASSに音源機能を組み込んだものもあるが、サイズの関係で出力に限界がある。ハイドロフォンを１列に並べただけの単局型TASSでは構造上どちらの方位から音が来ているのか分からないので、艦を変針させて受信方位を変化させ、左右どちらから音が来ているのか判別する必要がある（方位アンビギュイティ）。数本のハイドロフォンを纏めた多局型TASSで解決が図られているが、ハイドロフォンの列同士が細いTASSケーブルの中で近接している状態になるので、検知できる位相のズレがごく微少であり、感度が極めて悪いという欠点がある。参考：月刊世界の艦船1,’17、3,’07、5,’12、3,’92増刊、12,’14、11,’17、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、ザ・マーチ39号

＜Ｔ−ＡＴＦ−１６８＞：アメリカ海軍ポーハタン級艦隊航洋曳船カトーバ（Catawba）。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜Ｔ−ＡＴＦ−１６９＞：アメリカ海軍ポーハタン級艦隊航洋曳船ナバホ（Navajo）。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。参考：月刊世界の艦船1,’10、JShips VOL.70

＜Ｔ−ＡＴＦ−１７１＞：アメリカ海軍ポーハタン級艦隊航洋曳船スー（Sioux）。2021年9月30日に退役した。FMSで海外に売却される予定。参考：月刊軍事研究2,’16、月刊世界の艦船5,’21

＜Ｔ−ＡＴＦ−１７２＞：アメリカ海軍ポーハタン級艦隊航洋曳船アパッチ（Apache）。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜ＴＡＴＭ−１＞：64式対戦車誘導弾シリーズを参照。

＜ＴＡＴＭ−２＞：64式対戦車誘導弾シリーズを参照。

＜ＴＡＴＭ−３＞：64式対戦車誘導弾シリーズを参照。

＜Ｔ−ＡＴＳ−６＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船ナバホ（Navajo）。2022年7月11日、ファースト・スチール・カットを実施。2023年5月24日進水。8月26日、命名式を実施。参考：月刊世界の艦船9,'23、10,’22、11,’23

＜Ｔ−ＡＴＳ−７＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船チェロキー・ネイション（Cherokee Nation）。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜Ｔ−ＡＴＳ−８＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船サギノー・オジブワ・アニシナベ（Saginaw Ojibwe Anishinabek）。2022年10月3日、起工式を実施。参考：月刊世界の艦船1,’23

＜Ｔ−ＡＴＳ−９＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船レニ・レナペ（Lenni Lenape）。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜Ｔ−ＡＴＳ−１０＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船５番艦マスコーギー・クリーク・ネイション（Muscogee Creek Nation）。2024年3月20日、ボリンジャー造船所で起工式を実施。参考：月刊世界の艦船9,’23、6,’24

＜Ｔ−ＡＴＳ−１１＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船６番艦ビリー・フランク・ジュニア（Billy Frank Jr.朝鮮戦争に参加した海兵隊員）。2023年11月14日、オースタルUSA社で起工式を実施。参考：月刊世界の艦船10,’23、2,’24

＜Ｔ−ＡＴＳ−１２＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船７番艦ソロモン・アトキンソン（Solomon Atkinson。アラスカ出身SEAL員）。2023年1月30日、ファースト・スチール・カットを実施。2024年6月8日、命名式を実施。参考：月刊世界の艦船4,’23、11,’23、9,’24

＜Ｔ−ＡＴＳ−１３＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船８番艦ジェームズ・Ｄ・フェアバンクス（James D. Fairbanks。先住民族オジブワ族で、シービーズ第13代マスター・チーフ）。2024年6月4日、ファースト・スチール・カットを実施。参考：月刊世界の艦船5,’24、9,’24

＜Ｔ−ＡＴＳ−１４＞：アメリカ海軍ナバホ級航洋救難曳船９番艦ナラガンセット（Narragansett）。参考：月刊世界の艦船9,’24

＜ＴＡＵＲＵＳ＞：KEPD350（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＡＶシリーズ＞：カナダのイカロス・エアロスペースが開発している汎用双発機Tactical Air Vehicle。2020年8月10日にツイッターで発表した。ツイン・テールブーム機で、高翼配置の主翼にターボプロップエンジンを刺し、エンジンナセルを後ろに延ばしてテイルブームとし、尾端に垂直尾翼を配置して上端を水平尾翼で繋いでいる。参考：月刊JWings11,’20

　＜ブランタ＞：有人・無人機型。翼スパンを延長しており、無人運用なら30時間以上滞空できる。参考：月刊JWings11,’20

　＜ワスプ＞：近接航空支援／前線航空統制／戦闘捜索救難型。機首右に空中給油受油プローブを備える。固定武装は３砲身ガトリング砲で、機体固定装備もターレット装備も可能。ハードポイントは11カ所、最大兵装ペイロード8000ポンド。オプションでレオナルド社製オスプレイ・レーダーやAPUを追加できる。乗員２名（タンデム複座）。参考：月刊JWings11,’20

＜ＴＡＶ−８Ａ＞：ハリアーVTOL海外ファミリーを参照。

＜ＴＡＶ−８Ｂ＞：ハリアーVTOL海外ファミリーを参照。

＜ＴＡＶ−８Ｓ＞：ハリアーVTOL海外ファミリーを参照。

＜Ｔ−ＡＶＢ−３＞：アメリカ海軍ライト級航空修理支援艦ライト（Wright）。参考：月刊世界の艦船2,’13

＜Ｔ−ＡＶＢ−４＞：アメリカ海軍カーティス級航空修理支援艦カーティス（Curtiss）。2015年8月18日から9月9日、ドーン・ブリッツ2015に参加。2018年9月16-23日、ヴァリアント・シールド2018に参加。参考：月刊航空ファン11,’15、月刊軍事研究2,’16、月刊世界の艦船12,’18

＜ＴＡＶＩＴＡＣ　２０００＞：SENIT7（艦載戦闘管制システム）を参照。

＜ＴＡＶＯＲ２１＞：TAR21（突撃銃）を参照。

＜ＴＡＷＳ＞：アメリカ空軍の戦域空中警戒システム。DSP衛星とMIRAの誤差を補正するために1990年代末に開発され、RC-135Sコブラ・ボールやMIRA装備RC-135Wリベット・ジョイントなどに搭載された。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＴＢ＞：チェジェールィ・ボンバルジロフシチク（ロシア語の重爆撃機）の略。参考：月刊軍事研究10,’02

＜ＴＢ００１＞：中国空軍UAV、別名ツインテールスコーピオン。中国航天科技集団公司が開発し、2017年9月の中国ASEANエキスポで中国のテンゴエン社が展示した。ツインテールブーム機で、主翼内側下面からテイルブームが延びており、前端にプル・プロペラが付く。機首に電子光学センサー、主翼下に２基ずつのパイロンを持つ。全長10m、全幅20m、最大離陸重量2800kg。エンジンはレシプロ双発、最大速度151ノット、航続距離6000km、航続時間35時間。兵装ペイロード100kgで、誘導爆弾、空対地ミサイル、空対空ミサイルなどを搭載できる。2022年7月、宮古海峡を抜けて太平洋に進出したのを航空自衛隊が確認した。参考：月刊軍事研究3,’18、月刊世界の艦船5,’24

＜ＴＢ−１シリーズ＞：ソ連空軍の単葉爆撃機。1924年7月から開発されて1926-33年に計216機が生産され、1940年のフィンランド戦争まで使用された。その後は偵察・連絡・輸送機として独ソ戦に投入されている。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜ＴＢ−１＞：機体・翼共にドイツから技術導入した波板ジュラルミンで製作されている。全長17.3m、翼スパン28.7m、全備重量6810kg。エンジンはM17（450馬力）双発、最大速度196km、航続距離1900km。武装は7.62mm機銃３丁。爆弾500kgを搭載できる。参考：月刊軍事研究10,’02、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＴＢ−１Ｐ＞：水上機型。主翼下にフロートを付けており、魚雷を搭載可能。66機が生産された。参考：月刊軍事研究10,’02、参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＴＢ２Ｆ＞：アメリカ海軍試作艦上攻撃機。TBFの後継としてグラマン社が開発した。太い胴体にサイドバイサイド式のコクピットを持つ。主翼は高翼配置、エンジンは双発。モックアップが製作されたが、開発は1945年1月に中止された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＴＢ−３シリーズ＞：ソ連空軍４発大型爆撃機。1925年からANT-6としてツポレフ設計局で開発され、1930年12月22日に初飛行、1932年から量産され、1938年までに819機が生産された。1937年に中国に供与された機体が初実戦参加し、ソ連でもノモンハン事件、フィンランド戦、独ソ戦で使用されたが、低速と貧弱な武装のため、目立った活躍はしていない。独ソ戦では主に輸送機に転用されており、空挺部隊の輸送や、軽戦車を機体下部に括り付けての空挺輸送にも使用されている。ソ連の沿海州から北九州まで行動範囲に入るため、日本軍は九二式重爆を導入して対抗した。1944年に退役した。参考：月刊軍事研究10,’02、異形戦車ものしり大百科、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＴＢ−３＞：機体は全金属製で、波板外板を使用している。主翼は単葉テーパー翼。降着装置は尾輪式固定脚。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＴＢ−３（１９３３年型）＞：全長24.4m、全幅39.5m、全高8.5m、重量17200kg。エンジンはM-17F（715馬力）４発、最大速度197km、航続距離1350km。爆弾搭載量2000kg。乗員6-8名。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＴＢ−３　４Ｍ３４ＲＮ＞：最終量産型。全長25.18m、全幅41.82m、全備重量21000kg。エンジンはM34RN（840馬力）４発、最大速度267km、航続距離2470km。防御武装は連装7.62mm機銃３基、単装7.62mm機銃１丁。爆弾6115kgを搭載可能。参考：月刊軍事研究10,’02

　＜アヴィアマトカ＞：空飛ぶ母の意で、別名ズヴェノー６。両主翼下にI-16SPB戦闘爆撃機２機ずつを吊り下げて攻撃地点まで運んでいく親子飛行機で、少数が実用化されて1941年に実戦参加した。8月と10月にドナウ川にかかるチェルノヴォドスキー鉄橋の爆撃に成功している。切り離されたI-16は、近くの飛行場に自力で帰投する。参考：月刊軍事研究10,’02

＜ＴＢ−３ファミリー＞

　＜Ｇ−２＞：輸送機型。TB-7就役後に改造された。胴体上面にハッチがあり、空挺隊はそこから這い出して主翼上面を後ろに滑って降下する。エンジンをM-17Fに換装し機体構造を強化するなどの改造を施したものが50機、武装を外しただけのグライダー曳航機型が80機製作され、空挺部隊向けは独ソ戦初期まで使用された。全長24.2m、全幅40.5m、全備重量22000kg。エンジンはM-17F（730馬力）４発、最大速度280km、航続距離1350km。乗員６名。空挺隊40名、貨物コンテナ2500kg、T-27装甲車１両などを搭載できる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集、月刊丸1,’77

＜ＴＢ−３Ｊ＞：TB-7シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＴＢ−７シリーズ＞：ソ連空軍４発重爆撃機で、初期にはTB-3Jと呼ばれていた。ペトリャコフ技師が開発して1936年12月27日に初飛行したが、スターリンの粛正によって設計陣が1937年10月に投獄されてしまい、1938年に試験飛行を再開したもののエンジントラブルなどで量産は捗らず、1944年までに93機のみが生産された。1941年8月9日（7日夜？）にベルリンを18機で爆撃し、1942年にはワシントンへの親善飛行を行っている。1942年1月のペトリャコフ死去に伴い、1943年にPe-8と名称変更された。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究10,’02、第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＴＢ−７＞：機体はD-16ジュラルミンを用いた全金属製で、流線型をしている。降着装置は完全引き込み脚。全長23.4m、全幅39.1m、全高6.2m、全備重量23860kg（27200kg？）。エンジンはAM34FRN（900馬力）またはAsh-82（1250馬力）またはAM-35A液冷Ｖ型12気筒（1350馬力）４基、最大速度430km、実用上昇限度9500m、航続距離3600km／5460km（改良型）。自衛武装は機体上面と後端の20mm機関砲、両翼エンジンナセルの12.7mm機銃１丁ずつ、機体前部の7.62mm連装機銃１基。爆弾搭載量4000-5000kg。乗員9-11名。参考：月刊軍事研究10,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、ウォーマシン・レポートNo.67

＜ＴＢ−９シリーズ＞：フランスのソカタが開発した軽飛行機、別名タンピコ・クラブ（Tampico Club）。TB-10の普及型で、1979年から販売された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢ−９ＣＳ＞：定速プロペラ装備型。エンジンはライカミング製O-320（160馬力）単発。1988年に生産を終了した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢ−９ＦＰ＞：固定ピッチプロペラ装備型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢ−９海外シリーズ＞

＜ＴＢ−９＞：インドネシア空軍軽輸送機、別名タンピコ（Tampico）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＴＢ−１０シリーズ＞：フランスのソカタが開発した軽飛行機、別名トバゴ（Tobago）。1977年2月23日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢ−１０＞：主翼は低翼配置の直線翼で、アエロスパシアル社の研究施設で開発したRA163CW3翼型を使用した。降着装置は前輪式引込脚。エンジン出力180馬力。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢ−１０ＧＴ＞：改良型。床板を軽量化し、窓枠を平滑化、主翼端に上反角を付けるなどしている。1999年に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢ−１０海外シリーズ＞

＜ＴＢ−１０＞：インドネシア空軍軽輸送機、別名トバゴ（Tobago）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＴＢ−１６＞：アメリカ海軍のパッシブ式曳航ソナー・アレイ。全長792m。オハイオ級、ロサンゼルス級、シーウルフ級、ヴァージニア級に搭載された。参考：月刊世界の艦船6,’13、1,'15増刊

＜ＴＢ−２０シリーズ＞：フランスのソカタが開発した軽飛行機。TB-10の改良型で、1980年11月14日に原型機が初飛行し、1981年12月18日にフランス、1984年1月にFAAの形式証明を取得した。2008年に生産を終了した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＴＢ−２０＞：別名トリニダード（Trinidad）。TB-10のエンジンを強化し、燃料容量を増加、降着装置を引き込み脚にした。全長7.75m、全幅9.97m、全高2.85m、自重800kg、総重量1400kg。翼面積11.9平方メートル。エンジンはライカミングIO-540-C4D5D（250馬力）単発、巡航速度302km（75%出力、高度2440m）、最大速度310km、失速速度99km（着陸形態）、運用高度限界6100m、海面上昇率毎分384m、燃料搭載量336リットル、航続距離1790km（65%出力、高度3800m、余裕燃料45分）。乗員１名、客席数4-5。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＴＢ−２１＞：別名トリニダードTC（Trinidad TC）。エンジンにターボチャージャーを付け、乗員用酸素供給装置を搭載したもので、1984年8月24日に初飛行し、1985年5月にフランスの形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢ−２０海外シリーズ＞

＜ＴＢ−２０＞：トルコ海軍軽輸送機、別名Trinidad。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＴＢ−２３＞：アメリカ海軍のパッシブ式曳航ソナー・アレイ。全長457m（488m？）の本体に聴音機98個を装着しており、793mのケーブルで引っ張る。ロサンゼルス級、シーウルフ級、オハイオ級に搭載された。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＴＢ−２４Ｈ＞：B-24爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−２５Ｊ＞：B-25爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−２６Ａ＞：B-26爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−２６Ｂ＞：B-26爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−２６Ｇ＞：B-26爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−２９＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−２９シリーズ＞：アメリカ海軍のパッシブ式曳航ソナー・アレイ。シーウルフ級とヴァージニア級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＴＢ−２９＞：アレイ部全長823m、曳航ケーブル長300m以上。参考：月刊世界の艦船6,’13、1,’22

＜ＴＢ−２９Ａ＞：アレイ部全長825m。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜ＴＢ３０＞：フランス空軍初等練習機、別名エプシロン（Epsilon）。ジェット戦闘機パイロット養成用レシプロ初等練習機（CAP10初等練習機とCM170マジステール中間練習機の後継）計画に基づいてアエロスパシアル社が1978年9月から開発し、1979年12月22日に試作機が初飛行、1982年1月6日に量産契約が結ばれ、子会社のソカタ社が生産し、1983年から引き渡された。TB10トバゴ軽飛行機がベースで、軍用とするため大幅な改造を施している。胴体はセミモノコック構造で、外板を厚くしてストリンガーやリブを減らした。主翼は単桁構造の低翼配置で、上反角５度、取り付け角２度、アスペクト比6.97。ジェット戦闘機のハンドリングを再現するため、翼面荷重を大きくしたが、開発時には大きくしすぎて問題が発生、翼端を楕円形にして翼スパンを0.19m拡大している。他にも垂直尾翼を大型化したり、胴体後部下面にベントラルフィンを追加したりと、量産化に向けた改修を施す必要があった。コクピットはタンデム複座の非与圧式、キャノピーは２分割後方スライド式で、射出座席ではないため、乗員はパラシュートを装着して搭乗する。全長7.59m、全幅7.92m、全高2.66m、自重932kg、最大総重量1250kg。翼面積９平方メートル。エンジンはテキストロン・ライカミングAEIO-540L1B5D空冷レシプロ（224kW）単発、最大巡航速度193ノット、最大水平速度204ノット、超過禁止速度281ノット、失速速度62ノット、実用上昇限度7010m、燃料容量210リットル、最大航続時間３時間45分。輸出型は主翼下に２基ずつのハードポイントがあり、最大兵装搭載量300kgで、7.62mmガンポッド、ロケット弾ポッド、125kg爆弾などを搭載できる。乗員２名。フランス空軍が145機、ポルトガルが16機、ユーゴが３機を導入した。参考：月刊JWings1,’15、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、月刊エアワールド10,’03

＜ＴＢ３１＞：ソカタ社の試作練習機、別名オメガ（Omega）。アメリカ陸海軍JPATS向けに開発した。TB30のエンジンをTP319アリウス・ターボプロップに換装し、射出座席を装備している。全長7.81m、全幅7.92m、全高2.68m、自重0.965トン、最大離陸重量1.5トン。翼面積9.35平方メートル。エンジンはチュルボメカ社製アリウス2Dターボプロップ（360馬力）単発、経済巡航速度354km（75%出力）、最大速度485km（高度7620m）、失速速度126km（フラップ下げ）、実用上昇限度9150m、海面上昇率毎分640m、航続距離1310km（＋余裕燃料）。乗員２名。TB30試作初号機を改造して1989年4月30日に初飛行したが、T-6に負けて採用されず、フランス空軍に提案したが、EMB-312ツカノに負けた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’15

＜ＴＢ−３２＞：B-32爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−３３＞：アメリカ海軍のパッシブ式曳航ソナー・アレイ。TB-29の後継となる長距離捜索TASSである。ヴァージニア級攻撃原潜ブロック�Xに搭載予定。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’22

＜ＴＢ−３４＞：アメリカ海軍のパッシブ式曳航ソナー・アレイ。TB-16の後継となる戦術TASSである。ヴァージニア級攻撃原潜ブロック�Xに搭載予定。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’22

＜ＴＢ−３７＞：アメリカ海軍のパッシブ式曳航ソナー・アレイ、別名MFTA（多機能曳航アレイ）。AN/SQQ-89(V)15ソナーとの間でバイスタティック・ソナーとして運用できるらしい。タイコンデロガ級とアーレイ・バーク級の近代化改修で搭載される。参考：月刊世界の艦船2,’16

＜ＴＢ−３７海外シリーズ＞

　＜ＭＦＴＡ（自衛隊）＞：自衛隊の曳航式パッシブソーナー。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＴＢ−３７Ｕ＞：AN/SQR-20（曳航ソナー・アレイ）を参照。

＜ＴＢ−５０Ａ＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−５０Ｄ＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−５０Ｈ＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−５７Ｅ＞：B-57爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−５８Ａ＞：B-58爆撃機ファミリーを参照。

＜ＴＢ−６３＞：アメリカ軍のMk7核爆弾用模擬訓練弾、別名T63。弾体先端部にレドームが無く、後部フィンの間にエアブレーキ３枚が付いている。参考：アメリカの核兵器、月刊丸5,’07

＜ＴＢ−２００＞：フランスのソカタが開発した軽飛行機、別名トバゴXL（Tobago XL）。1991年3月27日に初飛行し、10月にフランスの形式証明を取得した。TB-10トバゴの改良型で、エンジン出力と計器飛行能力を強化し、降着装置を固定脚にしている。全長7.72m、全幅10.01m、全高3.2m、自重745kg、総重量1150kg。翼面積11.9平方メートル。エンジンはライカミング製IO-360-A1B6（180馬力。200馬力？）単発、最大巡航速度240km（75%出力）、最大速度259km（海面上）、失速速度98km（フラップ下げ）、実用上昇限度4875m、海面上昇率毎分305m、燃料搭載量210リットル、航続距離1179km（＋余裕燃料）。乗員１名。客席数4-5。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢＤシリーズ＞：アメリカ海軍艦上攻撃機、別名デバステーター（Devastator）。ダグラス社製で、世界初の全金属製低翼単葉機である。1935年4月15日に試作機が初飛行し、1936年1月に制式採用され、129機が生産された。太平洋戦争時には既に旧式化しており、Mk13魚雷の低性能と相まって活躍できす、ミッドウェイ海戦で大損害を受け、南太平洋海戦終了後に第一線配備を外され、訓練機として使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、図解世界の軍用機史

　＜ＴＢＤ−１＞：主脚は後方引き込み式で、引き込み時でも半分露出しており、胴体着陸時のダメージを軽減する。主翼は油圧による上方折り畳み式。水平爆撃用にノルデン式爆撃照準装置を装備し、雷爆撃士兼航法士が使用する。魚雷は後部のみ埋め込み式で、前に10度傾けて搭載する。全長15.25m、全幅10.67m、全高4.61m、自重2804kg、全備重量4473kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1830-64（900馬力）、巡航速度206km、最大速度332km、上昇限度6000m、航続距離1150km。武装は7.7mm固定機銃（機首右側）１丁と7.7mm旋回機銃（キャノピー後部）１丁。1000ポンド（454kg）爆弾１発またはMk13魚雷１本を搭載できる。乗員２名（雷撃時）／３名（爆撃時）。1936年2月から生産された。参考：月刊JWings10,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＴＢＤ−１Ａ＞：水上機型。双フロートを装備し、7.7mm機銃は固定・旋回式どちらも撤去した。魚雷は水平に搭載する。各種装備試験に使用された。参考：月刊JWings10,’02

＜ＴＢＦ＞：Turmblickfernrohr（砲塔用立体式望遠照準眼鏡）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＢＦシリーズ＞：アメリカ海軍艦上攻撃機、別名アヴェンジャー（復讐者）。1939年3月に海軍が要求したTBDデバステーター艦攻の後継機にグラマン社がG40の名称で応募したもので、1940年4月に原型機XTBF-1が２機発注され、1941年8月7日に原型初号機が初飛行、その前の1940年12月に早くもTBF-1として286機が発注された。F4Fを基に大型化し、エンジンも既存のものを使う堅実な設計がなされている。ミッドウェイ海戦で初陣を飾ったが、出撃した６機のうち５機被撃墜、１機大破修理不能というさんざんな出来で、ターキー（七面鳥）などというニックネームを付けられた。その後は名誉を挽回し、大和と武蔵を雷撃で沈めている。9839機（グラマンが2293機、GMが7546機）が生産され、402機がイギリスに供与されるなど1954年まで各国で使用された。参考：月刊JWings11,’19、8,’03、1,’05、8,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊世界の艦船11,’15

　＜ＴＢＦ−１＞：最初の量産型。爆弾倉内に爆弾や魚雷を収容するため、胴体は太く、卵形断面をしている。主翼は中翼配置で、前縁を下にして付け根から90度後方に捻る折り畳み機構を持ち、占有スペースを半分にして狭い飛行甲板や格納庫をフル活用できる。カウルフラップは１枚。射撃照準器は反射光像式Mk.8とノルデン照準器。降着装置は尾輪式引き込み脚で、主脚は付け根から主輪接地面まで2.2mもあり、油圧で外側に引き込まれる。全長12.2m、全幅16.51m／5.795m（主翼折り畳み時）、全高4.7m、自重4790kg、全備重量7880kg（6199kg？）。翼面積45.5平方メートル。エンジンはライトR2600-8空冷星形複列14気筒ガソリン（1700馬力）単発、プロペラはハミルトン・スタンダード製３翅（直径4m）、巡航速度233km、最大速度436km、上昇限度6830m、航続距離1780km（1810km？）。自衛武装はキャノピー後部の12.7mm機銃１丁装備旋回銃座と機体後部下面の7.62mm旋回機銃１丁。胴体内爆弾倉に907kg爆弾なら１発、454kg爆弾なら２発、227kg爆弾なら４発、45kg爆弾なら12発、Mk13魚雷なら１本を搭載できる。乗員３名（コクピット前部の操縦士、コクピット後部の爆撃手、回転銃座の偵察員兼航法士兼銃手）。後期生産型はABS対艦捜索レーダーを装備し、機体後部側面の下方窓が楕円形となった。286機が生産された。参考：月刊JWings8,’16、11,’19、8,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　　＜ＴＢＦ−１Ｂ＞：イギリスに供与されたTBF/TBM-1のアメリカ海軍名称。イギリスでは1944年1月までターポンと呼称され、以降はアヴェンジャーと呼ばれた。402機が供与されている。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＦ−１Ｃ＞：機首右側の7.62mm機銃を廃止し、両主翼付け根に12.7mm機銃を搭載したもの。主翼下面にMk.51爆弾架（増槽も搭載できる）と3.5インチ（88.9mm）ロケット弾レールランチャーを装備し、航続距離も増加している。ただ鈍足低空飛行でのロケット弾攻撃は危険性が高く、サイパン上陸作戦で1944年6月13日にVT-16所属機がアスリート飛行場にロケット弾攻撃を仕掛けた際には隊長機と後続機が対空砲火で撃墜され、ロケット弾攻撃任務に不適と判断された。参考：月刊JWings8,’03、月刊航空ファン8,’19、9,’19

　＜ＴＢＦ−１Ｄ＞：夜間攻撃型。右主翼前縁レドームに索敵距離74kmのASD1レーダーを装備し、AN/ANP電波高度計と排気管防炎装置を装着した。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＦ−１Ｅ＞：電子機器強化型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＴＢＦ−１Ｊ＞：悪天候用。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＴＢＦ−１Ｌ＞：夜間対潜型。爆弾倉に引き込み式サーチライトを装備する。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＭシリーズ＞：ジェネラル・モーターズ社イースタン航空機部門で生産したもの。グラマン社がF6Fの生産に忙殺されたため、1944年（1943年？）以降は本シリーズのみ生産された。参考：月刊JWings11,’19、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＴＢＭ−１＞：ジェネラル・モーターズ社イースタン航空機部門で生産されたTBF-1。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＭ−１Ｃ＞：ジェネラル・モーターズ社イースタン航空機部門で生産されたTBF-1C。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＭ−１Ｄ＞：ジェネラル・モーターズ社イースタン航空機部門で生産されたTBF-1D。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＭ−１Ｌ＞：ジェネラル・モーターズ社イースタン航空機部門で生産されたTBF-1L。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＭ−３＞：最多量産型。Mk.5零距離発射装置と５インチ航空用高速ロケット弾８基を装備する。ノルデン照準器を廃止して自動操縦装置を搭載し、エンジンをR-2600-20に換装、カウルフラップを４枚にした。全長12.2m、全幅16.5m、全高4.7m、自重4918kg、全備重量7603kg。エンジンはライトR-2600-20空冷星型複列14気筒レシプロ（1900馬力）単発、最大速度430km（高度4572m）、上昇限度8940m、航続距離1819km（4075km？）。防御兵装は12.7mm機銃３丁。爆弾・魚雷搭載量2000ポンド（907kg）。乗員３名。ジェネラル・モーターズ社で4657機が生産された。参考：月刊JWings8,’03、図解世界の軍用機史

　＜ＴＢＭ−３Ｄ＞：搭載レーダーをAN/APSレーダーに変更し、防炎排気管を装備したもの。左主翼下面にサーチライトを装備した機が多数存在する。銃座を撤去した機もある。参考：月刊JWings8,’03

　＜ＴＢＭ−３Ｅ＞：右主翼下面にAN/APS-4レーダーを装備し、後下方7.62mm機銃を廃止したもの。参考：月刊JWings8,’03

＜ＴＢＦファミリー＞

　　＜ＴＢＦ−１ＣＰ＞：写真偵察機型。TBF-1Cの爆弾倉にカメラを搭載したものである。参考：月刊JWings8,’03

＜ＴＢＭ−１ＣＰ＞：写真偵察機型。TBM-1Cの爆弾倉にカメラを搭載したものである。参考：月刊JWings8,’03

＜ＴＢＭ−３Ｐ＞：写真偵察機型。参考：月刊世界の艦船11,’15

　＜ＴＢＭ−３Ｒ＞：軽貨物・人員輸送機型。初のCOD任務機で、第２次大戦後に改造された。爆弾倉を貨物室に変更し、無線機と後部機銃を外して２名用座席２つを設置、下部銃手兼無線手席を向かい合わせの座席に変更している。航続距離1000海里・1852km。ペイロード3000ポンド・1361kg。乗員７名。参考：月刊JWings7,'21、3,'21、7,’13

　＜ＴＢＭ−３Ｓ＞：対潜攻撃機型。右主翼下面に小型レーダーを搭載して対潜兵装を積み、TBM-3Wとハンター・キラー・チームを組んでキラー役を務める。海上自衛隊も1954年から10機受領した。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊軍事研究9,’03

　＜ＴＢＭ−３Ｗ＞：早期警戒機／対潜捜索機型。低空攻撃をかける日本軍機に対抗すべく開発され、1944年8月に初飛行し、1945年3月から就役したが、実戦配備は1946年になった。胴体下面に大型のレドームを持ち、内部にAN/APS-20捜索レーダーを収容、胴体内にレーダー操作員席を設置している。低空飛行目標の探知距離は180kmで、目標を発見したら情報を水上艦に送り、水上艦が上空の戦闘機に対して迎撃管制を行い、撃墜してもらう。浮上潜水艦も探知できるので、TBM-3Sとハンター・キラー・チームを組んでハンター役を務める。海上自衛隊も1954年から10機受領した。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船1,’79増刊、6,’16、月刊軍事研究9,’03

＜ＴＢＦ海外シリーズ＞

　＜ターポン＞：イギリス海軍艦上攻撃機。アメリカから供与を受け、1943年春から主力艦攻になった。全長12.42m、全幅16.51m、全備重量7444kg（雷装時）。エンジンはライト社製R-2600-8（1700馬力）単発、最大速度414km、航続距離1778km（爆装、機内燃料のみ）。自衛武装は12.7mm固定機銃２丁、12.7mm旋回機銃１丁。533mm魚雷なら１本、454kg爆弾なら１発、227kg爆弾なら４発を搭載可能。乗員2-3名。1944年にアヴェンジャーに改称された。参考：イギリス航空母艦史

＜ＴＢＦ海外ファミリー＞

　＜ＴＢＭ−３Ｒ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊対潜哨戒機。TBM-3S2/-3W2の部品取り用として数機が供与された。参考：月刊JWings7,’13

　＜ＴＢＭ−３Ｓ２（海上自衛隊）＞：海上自衛隊対潜哨戒機。日米相互防衛援助MSA協定に基づき10機が供与され、初号機は1955年11月1日に追浜に到着、最終号機は1956年2月に受領し、鹿屋基地に配備された。海上自衛隊初の作戦機で、ハンター・キラーのキラー役だが、既に旧式化しており、鹿屋航空隊訓練第１飛行隊で主に訓練に使用され、老朽化により1957年頃から使われなくなり、1961年8月1日（1960年？）に除籍された。全長12.5m、全幅16.51m（12.2m？）、全高5.03m。エンジンはライトR-2600（1900馬力）単発、最大速度430km、航続距離1360km。乗員３名。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’02増刊、8,'24、月刊丸1,’10別冊、世界の傑作機No.50、月刊JWings7,’13、4,’24

　＜ＴＢＭ−３Ｗ２（海上自衛隊）＞：海上自衛隊対潜哨戒機。日米相互防衛援助MSA協定に基づき10機が供与され、初号機は1954年12月22日に追浜に到着、最終号機は1956年2月に受領し、鹿屋基地に配備された。ハンター・キラーのハンター役だが、レーダーと目視以外に探知方法が無いので潜られるとほぼ役に立たず、鹿屋航空隊訓練第１飛行隊で操縦訓練に使用され、1961年8月1日（1960年？）に除籍された。全長12.48m、全幅16.5m、全高4.89m、総重量8.165トン。翼面積45.52平方メートル。エンジンはライトR-2600-20（1900馬力）単発、巡航速度296km、最大速度333km、実用上昇限度6300m、航続距離1295km。乗員３名。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船1,’79増刊、8,'24、世界の傑作機No.50、月刊JWings7,’13、4,’24

＜ＴＢＦ−１＞：ドイツ国防軍双眼式観測用潜望鏡。倍率３倍、視野20倍。�V号指揮戦車D1/E/H/J/K型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＢＧ−７＞：RPG-7用燃料気化弾頭。弾頭直径105mm、重量4.5kg。加害半径2m。射程200m（直接照準射撃）／700m（間接照準射撃）。参考：月刊PANZER1,’04

＜ＴＢＧ７Ｖ＞：RPG-7V1用熱圧弾頭てき弾。命中部分では厚さ10mm程度の装甲板を撃ち抜ける。最大加害半径10m。有効射程250m、最大射程500m。参考：月刊軍事研究3,’02、11,’07

＜ＴＢＩＰ＞：トマホーク巡航ミサイル・ベースライン改良計画を参照。

＜ＴＢＭ＞：戦域弾道ミサイルを参照。

＜ＴＢＭシリーズ＞：TBFシリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜ＴＢＭ７００シリーズ＞：フランスのSOCATA社とアメリカのムーニー社が共同開発した単発輸送機。ただしムーニー社は1989年に開発から離脱している。参考：月刊JWings7,’01

＜ＴＢＭ７００＞：通常定員6-7人のところを４人乗りとして広いスペースを確保した。エンジンは機首のプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-64ターボプロップ（700馬力）単発、推進は４翅定速プロペラ、飛行速度555km（高度8000m）、航続距離1300km（乗客４人）／2130km（フェリー）。参考：月刊JWings7,’01

＜ＴＢＭ７００Ｂ＞：貨物輸送オペレーター用のオプションとして用意されていた大型ドアを、機体左側面に標準装備したもの。キャビン左側面の窓が３つに減少している。参考：月刊JWings7,’01

＜ＴＢＭ８５０＞：フランスのダヘル社が開発した軽飛行機。TBM700シリーズの改良型で、エンジンをプラット＆ホイットニー社製PT6A-66D（850馬力）に換装した。2006年に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢＭ９００シリーズ＞：フランスのダヘル社が開発した軽飛行機。TBM850の空力性能改良型である。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＴＢＭ９００＞：吸気口やウイングレットを改修し、プロペラをハーツェル社製５翅にしている。2014年に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＴＢＭ９１０＞：ガーミン製G1000NXiアビオニクスを搭載したもの。2017年4月から販売された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＴＢＭ９３０＞：ガーミン製G3000アビオニクスを搭載し、計器板を12インチ（304.8mm）MFD３基（うちタッチパネル２基）でグラスコクピット化、ガーミン製FS510電子コパイロット・システムによりパイロット１名運用時の負荷を軽減した。スロットルレバー、プロペラピッチ制御レバー、混合気調節レバーを１本に纏めている。全長10.73m、全幅12.83m、全高4.36m、最大離陸重量3.354トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PT6A-66D単発、巡航速度467km、上昇限度9449m、航続距離3204km。乗員２名。客席数４。後部座席を外せば貨物0.23トンを載せられる。2016年4月から販売された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＢＭＣＳ＞：アメリカ空軍戦術インターネットを構成するシステムの１つで、Theater Battle Management Control System（戦域戦闘管理統制システム）の略。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＴＢＭＤ＞：アメリカ軍の計画弾道ミサイル防衛システムで、Theater Ballistic Missile Defense（戦域弾道ミサイル防衛）の略。各種弾道ミサイル攻撃から拠点を防衛するためのシステムで、短・中距離弾道ミサイルを大気圏内低層域で撃墜する区域防衛（Area TBMD）と、戦域の広範囲に降り注ぐ各種弾道ミサイルを大気圏外高層域で撃墜する戦域広域防衛（Theater Wide TBMD）からなる。開発に時間が掛かりすぎるのとコストがかさむのとで2001年末に区域防衛がキャンセルされ、2002年には戦域広域防衛もBMDに統合された。参考：月刊軍事研究5,’12、1,’05、6,’16

＜ＴＢＯ＞：オーバーホール間隔を参照。

＜ＴＢＲ−１＞：ソ連軍の戦術偵察システム。La-17R亜音速標的機などから構成される。1965年に実用化され、1973年まで使用された。参考：月刊軍事研究1,’00

＜ＴｂｔｓＫ　Ｃ／３６＞：ドイツのクルップ社が開発した魚雷艇用15cm艦砲。手動式で運用に問題があったため、1940年から陸上に上げられ、沿岸要塞に配備された。射程19.525km。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ＴＢＵ１５ＣＬＤ＞：フランス陸軍６×６輪レッカー車。後部荷台にクレーンを搭載しており、パワーパック交換作業などが可能である。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜ＴＢＹ−２＞：アメリカ海軍艦上攻撃機、別名シーウルフ（Seawolf）。TBFに負けて採用されなかったボート社製XTBU-1艦上攻撃機をコンソリデーテッド社で生産したものである。全長11.94m、全幅17.35m、全備重量7400kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-20（2000馬力）、最大速度508km。1944年末から180機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＴＢ器＞：日本陸軍湿地用偵察車。FB器を一回り小さくして舵を付けた２名乗り車両のようだが、詳細不明。参考：歴史群像6,’01

＜ＴＢ模型＞：甲標的を参照。

＜ＴＣ＞：試製装軌自動貨車を参照。

＜ＴＣ−１＞：天剣１（空対空ミサイル）を参照。

＜ＴＣ−２＞：天剣２（空対空ミサイル）を参照。

＜ＴＣ−２Ｎ＞：天剣2N（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＴＣ−６＞：イタリアの対戦車地雷。主要部分はプラスチック製で、金属部品が少なく、金属探知器で発見しにくい。直径270mm、重量9.6kg、炸薬重量6kg。タリバンが数個を繋げてIEDとしてアフガンで使用している。参考：月刊軍事研究5,’09

＜ＴＣ−１２Ｂ＞：C-12輸送機ファミリーを参照。

＜ＴＣ−１８Ｅ＞：C-18輸送機ファミリーを参照。

＜ＴＣ−１８Ｆ＞：C-18輸送機ファミリーを参照。

＜ＴＣ２５＞：HITFIST砲塔を参照。

＜ＴＣ３０＞：HITFIST砲塔を参照。

＜ＴＣ−４７Ｂ＞：C-47シリーズ（輸送機）を参照。

＜ＴＣ−９０＞：C-90シリーズ（計器飛行練習機）を参照。

＜ＴＣ−９０／ＵＳ−１Ａ用カートリッジ＞：自衛隊の機器。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜ＴＣ−９０／ＵＳ−１Ａ用カートリッジ（エンジン消火用）＞：自衛隊の火工品。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜ＴＣ−１３０Ｈ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＴＣ−１３５Ｂ＞：KC-135ファミリー（気象観測練習機）を参照。

＜ＴＣ−１３５Ｓ＞：KC-135ファミリー（機上作業練習機）を参照。

＜ＴＣ−１３５Ｗ＞：KC-135ファミリー（機上作業練習機）を参照。

＜ＴＣＡＳ＞：衝突回避警報システムを参照。

＜ＴＣＡＳ＞：自衛隊の機器。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＴＣ−ＡＳＩＳＴ＞：カナダのインダル・テクノロジーズ社が開発したヘリコプター着艦装置で、ツインクロウ航空機艦艇統合式拘束移送の略。RASTの改良型で、ヘリ甲板に軌条が２条付いており、２ヵ所に爪の付いたバーがそれを跨ぐように設置されている。ヘリは主車輪の車軸をバーの爪の幅に合わせておけば良く、着艦時に車輪が爪で固定され、そのまま格納庫内に収容される。参考：月刊丸3,’01

＜ＴＣＡＳ用ラインテスタ＞：自衛隊の機器。菊水電子工業製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＴＣＡＴＳ＞：MQM-74C無人標的機の管制システム。

＜ＴＣＣＳ＞：スウェーデン陸軍のデータバス・システムで、戦車指揮統制システムの略。航法システムや通信システムとリンクしており、自車・敵の位置、会合点、進撃方向などの情報が、車長席前面のディスプレイに表示されたデジタルマップに映し出される。単体での戦闘能力向上の他、部隊単位の戦術指揮が可能となる。レーザー測距器の情報と組み合わせて支援砲兵への目標指示もできる。参考：月刊PANZER8,’02

＜ＴＣＤＬ＞：戦術共通データリンクを参照。

＜ＴＣＦ５０ＢＯ＞：ATC-81システム（戦車輸送車）を参照。

＜ＴＣＧ−８０＞：TABC-79装甲車ファミリーを参照

＜Ｔ−ＣＨ−１＞：台湾空軍中間練習機、別名中興號教練機。T-28啄木鳥式の後継で、航空工業開発センターAIDCが1970年から設計し、1973年11月23日に原型初号機XT-CH-1Aが初飛行した。T-28啄木鳥式をベースにエンジンをターボプロップ化したもので、機首形状を改良してある。胴体は軽合金製セミモノコック構造、降着装置は前輪式。全長10.26m、全幅12.19m、全高3.66m、自重2.608トン、最大離陸重量5.057トン。エンジンはライカミングT53-L-701（1450軸馬力）単発、経済巡航速度170ノット、最大巡航速度220ノット、最大速度320ノット、実用上昇限度9755m、燃料搭載量963リットル、航続距離1085海里。乗員２名（タンデム複座）。攻撃練習機型や、海洋哨戒機型もある。台湾航空科学館に展示されている。参考：世界の軍用機1982、1979、月刊航空ファン8,’09

＜ＴＣＬ＞：UAEのジョバリア・ディフェンス・システムズ社が開発した自走多連装地対地ミサイルシステム。MCRL自走多連装ロケットのファミリーで、ロケット弾の代わりに４連装地対地ミサイルランチャーを８基搭載する。使用する地対地ミサイルはA300（射程290km）またはTRB-300（射程120km）。全長21m。参考：月刊軍事研究5,’17

＜ＴＣＬファミリー＞

　＜ＴＣＬ−ＳＶ＞：ミサイル補給車型。再装填用クレーンを装備する。乗員５名。参考：月刊軍事研究5,’17

＜ＴＣＭ＞：魚雷防御装置または潜水艦魚雷防御システムを参照。

＜ＴＣＭ−２０＞：M3ハーフトラック・ファミリーを参照。

＜ＴＣ−Ｘ＞：T-400（練習機）を参照。

＜ＴＣＯ＞：アメリカ海兵隊の戦術インターネットを構成するシステムの１つで、Tactical Combat Operation System（戦術戦闘作戦システム）の略。参考：月刊軍事研究4,’03

＜Ｔ／ＣＯＭ＞：対空無線施設を参照。

＜ＴＣ型自載式牽引車＞：いすゞ自動車の試作装軌式兵員輸送車。1933年9月に開発した。機関部と操縦席は装甲化し、足回りは九二式重装甲車を流用している。エンジンはいすゞXC。搭載量1.5トン。陸軍が軽量化を重視しすぎたため耐久性に劣り、採用されなかった。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＴＣポッド＞：BLU-2/B（核爆弾収容ポッド）を参照。

＜ＴＤＡ＞：ソ連軍の車載煙幕展張装置。エンジン排気に毎分10リットルの燃料を吹き付けて車体左の排気口から煙幕を展張し、４分で250-400mの煙幕を張れる。

＜ＴＤＡＴＳ＞：目標探知・捕捉・追跡システムの略。

＜ＴＤＢ＞：Tele-operated Dune Buggy（遠隔操縦デューン・バギー）の略。偵察・斥候用UGVで、デューン・バギーの運転席にハンターUGVと同じロボットを搭載し、コマンド・バンから遠隔操縦する。運転台のルーフ兼ロールバー上にM60機関銃や対戦車ロケットを搭載し、ボアサイト・テレビカメラで照準、遠隔操作で射撃する。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ＴＤＣシリーズ＞：アメリカ海軍の魚雷用射撃指揮装置で、Torpedo Data Computer（魚雷発射諸元計算盤）の略。参考：アメリカ潜水艦史

＜ＴＤＣ　Ｍｋ１＞：電気機械式アナログ計算機を使用している。1938年に完成し、ドルフィン級潜水艦SS-169ドルフィンに搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜ＴＤＣ　Ｍｋ３＞：1940年に完成した。参考：アメリカ潜水艦史

＜ＴＤＣ　Ｍｋ４＞：1943年に完成した。参考：アメリカ潜水艦史

＜ＴＤＤＬ＞：時間分割データリンク（Time Division Data Link）の略。

＜ＴＤＥＳ＞：南アフリカ陸軍オリファントMk.�U戦車用射撃指揮装置で、night Targey Detection and Engagement Systemの略。南アフリカのISTが開発した。デジタル火器管制装置、弾道コンピュータ、砲安定化装置、車長用全周パノラマ赤外線暗視サイトから構成され、複数目標自動追尾能力、ハンターキラーモードを持ち、航法機能や戦闘管理機能を有する。参考：月刊軍事研究1,’07

＜ＴＤＦ＞：東京ディフェンス・フォーラムを参照。

＜ＴＤＫ−３９／Ｂ＞：メギット・ディフェンス社製空中射撃曳航標的。A/A37U-36空中射撃標的システムを構成する。後部にビジュアル・オーグメンター・スリーブと呼ばれる赤い吹き流しが仕込まれていて、これに向かって機関砲を射撃する。すると標的本体に内蔵されたRADOPSと呼ばれるドップラーレーダー式スコアリングシステムが近くを通過した弾丸も探知して命中判定を出し、曳航機のディスプレイに表示する。参考：月刊JWings5,’17、7,’13、月刊軍事研究11,’15

＜ＴＤＬ＞：戦術データリンクを参照。

＜ＴＤＭ＞：マレーシア陸軍の略。

＜ＴＤＭＡ＞：Time Division Multiple Access（時分割多元接続）の略。通信ネットワークの時間と容量をタイム・スロットに分割し、タイミング制御で伝送する方式である。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜ＴＤＰＳ＞：OYQ-3（戦術情報処理装置）を参照。

＜ＴＤＲ−１＞：アメリカ軍の無線操縦式無人攻撃機。降着装置は前輪式。エンジンは双発。爆弾搭載量905kg。第１特別機動部隊に配備され、1944年7月にソロモン諸島北部で日本の輸送船に体当たりして撃沈した他、9-10月にはガダルカナル付近のバニカ島から46機を出撃させ、50%の命中率を得たという。有人攻撃機により日本軍を圧倒できたため、以降は出番が無くなった。参考：月刊ミリタリーエアクラフト4,’02

＜ＴＤＳ＞：AN/ALE-50（曳航デコイ）またはOYQ-5（目標指示装置）を参照。

＜ＴＤＳ＞：Target Designation System（目標指示装置）の略。参考：月刊軍事研究7,’18

＜ＴＤＳ−１＞：海上自衛隊の戦闘管制システムTarget Designation System-1。国産アナログ式で、捜索レーダーが探知した目標が指示器に表示されるので、操作員がジョイスティック３本を手動操作してマーカーを目標に重ねることにより追尾し、追尾データを射撃指揮装置に送る。たかつき型護衛艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜ＴＤＳ−２シリーズ＞：海上自衛隊の戦闘管制システムTarget Designation System-2。UYK-20コンピュータを中核とする。参考：月刊世界の艦船6,’22

　＜ＴＤＳ−２−１＞：DDHひえいに就役時から搭載され、DDHはるなに後日搭載された。参考：月刊世界の艦船6,’22

　＜ＴＤＳ−２−２＞：しらね型ヘリコプター護衛艦用。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜ＴＤＳＳ＞：AN/USQ-132（意志決定支援システム）を参照。

＜ＴＤＳターミナル模擬装置＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省が受注している。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ＴＤＴ＞：目標指示発信器を参照。

＜ＴＤＴＡ＞：ATDS（魚雷防御装置）を参照。

＜ＴＤＵ＞：アメリカ海軍の原潜用ゴミ缶放出孔Trash Disposal Unit。内側にメッシュ布を張った亜鉛メッキ鋼板製の円筒缶（長さ28.5インチ・724mm、直径９インチ・229mm）にゴミと錘を入れ、ここから海中に捨てる。参考：月刊世界の艦船10,’23

＜ＴＤＵ−１／Ｂ＞：アメリカ軍のバンナー空中曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−４／Ｂ＞：アメリカ軍のレーダー反射空中曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−６／Ｂ＞：アメリカ軍の空中曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−９／Ｂ＞：アメリカ軍のミサイル・ロケット空中曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−１０／Ｂ＞：アメリカ軍の射撃用空中曳航標的（ダート・ターゲット）。RMU-10/Aリールランチャーに装着するとA/A37U-15標的曳航システムになる。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−１１／Ｂ＞：アメリカ軍の標的グループ・アッセンブリ。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−１２／Ｂ＞：アメリカ軍の空中発射ロケット推進式赤外線ミサイル標的（スカイダート・ターゲット）。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−１４／Ｂ＞：アメリカ軍の標的グループ・アッセンブリ。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−１５／Ｂ＞：アメリカ軍のレーダー反射／赤外線空中曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−１７／Ｂ＞：アメリカ軍の赤外線空中曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−２１／Ｂ＞：アメリカ軍の曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−２２／Ｂ＞：アメリカ軍の高速空中曳航標的。レーダー誘導ミサイルの標的として使用するため、レーダー・リフレクターを装着している。参考：月刊JWings7,’13、月刊軍事研究11,’15

＜ＴＤＵ−２４／Ｂ＞：アメリカ軍の曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−２５／Ｂ＞：アメリカ軍の赤外線空中曳航標的。尾部のフレアが赤外線発生源となる。航空自衛隊もRMK-19/A4U-3曳航装置で曳航して使用している。参考：月刊JWings7,’13、月刊軍事研究11,’15

＜ＴＤＵ−３０／Ｂ＞：アメリカ軍の高速空中曳航標的。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−３２／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の繊維製空中曳航標的（テクスタイル・バンナー・ターゲット）。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−３２／Ｂ＞：標的部分は横長の長方形（12.2m×2.3m）で、中央にオレンジ色の円（Bull’s Eye。直径1.2m）が描かれている。一端はナイロン製のブライドル（長さ18.6m）に繋がれていて、金属製ワイヤー（最大長550m）により曳航機と結合される。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−３２Ａ／Ｂ＞：レーダー波反射加工を施したもの。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−３２Ｂ／Ｂ＞：レーザー反射加工を施したもの。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−３４／Ｂ＞：アメリカ軍のミサイル／射撃空中曳航標的（トウ・ターゲット）。尾部に斜め４方向の安定翼が付いたミサイル型をしており、前後にレーダー・リフレクターが付いている。全長112インチ（2.845m）、直径12インチ（0.305m）、翼スパン36インチ（0.914m）。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＵ−３７／Ｂ＞：アメリカ軍のレーダー誘導式ミサイル用高速標的。センターパイロンに標的付きのポッドを搭載し、空中発射して使用する。航空自衛隊も配備した。参考：月刊JWings10,’04

＜ＴＤＵ−３８／Ｂ＞：アメリカ軍のTDU-34/B用視認増強器材。参考：月刊JWings7,’13

＜ＴＤＹ＞：アメリカ海軍のECM/ESM装置。第２次大戦末期に開発し、1945年にアイオワ型戦艦やエセックス級空母に搭載した。レーダー波や無線電波を傍受して方位を分析し、ビデオ信号に変換してCRT上に表示する。ECMは枢軸国の使用する主要波長を幅広くカバー（放射周波数175-400MHzの平面折り曲げアンテナを使用。後に背面に放射周波数350-770MHzのダイポールアンテナを追加）しており、効果をESM装置により分析することが可能。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船6,’12

＜ＴＤＺ＞：接地帯を参照。

＜ＴＥ＞：試製兵員輸送車を参照。

＜ＴＥ−２シリーズ＞：ロシアの多目的長魚雷。水上艦や潜水艦から発射可能で、水上艦や潜水艦を攻撃できる。輸出市場にも出されている。参考：月刊軍事研究9,’10、月刊世界の艦船6,’21

＜ＴＥ−２−０１＞：発射データを機械的に入力するタイプ。全長8.3m（有線誘導ケーブルあり）／7.9m（無し）、直径534.4mm、重量2.45トン（有線誘導ケーブルあり）／2.4トン（無し）、弾頭重量0.4トン。信管は磁気近接と着発。機関は海水電池による電動モーター、推進は二重反転プロペラ、雷速45ノットで航走距離15km、32ノットで25km。誘導はアクティブ・パッシブ音響と航跡追尾で、潜水艦発射なら有線誘導が可能。潜水艦発射可能深度20-350m。参考：月刊軍事研究9,’10、11,’09、月刊世界の艦船6,'21、9,’10

＜ＴＥ−２−０２＞：発射データを電気的に入力するタイプ。直径533mm、弾頭重量250kg。雷速45ノットで航走距離15km、32ノットで25km。誘導はアクティブ・パッシブ音響と航跡追尾で、潜水艦発射なら有線誘導が可能。潜水艦発射可能深度20-450m。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ＴＥ−２−０３＞：発射データをコンソールから電気的に入力するタイプ。全長6.9m、直径534.4mm、重量1.65トン、弾頭重量0.25トン。信管は磁気近接と着発。機関は海水電池による電動モーター、推進は二重反転プロペラ、雷速39ノットで航走距離15km、雷速30ノットで航走距離20km。誘導はアクティブ・パッシブ音響と航跡追尾で、潜水艦発射なら有線誘導が可能。潜水艦発射可能深度20-350m（20-600m？）。参考：月刊軍事研究9,’10、1,’18

＜ＴＥ−２Ａ＞：E-2ファミリー（練習機）を参照。

＜ＴＥ−２Ｃ＞：E-2ファミリー（練習機）を参照。

＜ＴＥ−８Ａ＞：E-8ファミリー（練習機）を参照。

＜ＴＥＣＳＡＲ＞：イスラエルの偵察衛星。マルチモードＸバンド合成開口レーダーと金属傘型Elita Systemsアンテナを搭載する。重量260kg。IAI社製。2008年1月21日にインド宇宙開発センターからポーラー打ち上げロケットで打ち上げた。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＴＥＤＢＦ＞：インドのHAL社がテジャス艦載型LCA-Nの代替として開発している艦上戦闘機Twin Engine Deck Based Fighter。ラファールのコクピットから先をF-35に取り替えたような形状である。全長17m、最大離陸重量26トン。最大飛行高度55000フィート。ハードポイント12箇所、外部兵装搭載量7.5トン。2026年初飛行・2031年配備開始の予定。参考：月刊JWings5,’23

＜ＴＥＤＳ＞：使い捨て戦術無人機（Tactical Expendable Drone System）の略。参考：軍事力バランス78年版

＜ＴＥＬ＞：Transporter Elector Launcher（起立発射機輸送車）の略。巡航ミサイル・弾道ミサイル発射機を積んだ車両で、普段は隠蔽陣地に潜んでおり、発射時に発射場所まで移動してミサイルを装着した発射機を立ち上げ、ミサイルを発射、また移動して予備弾を再装填し、次の出番に備える。アメリカ陸軍攻撃ヘリ部隊運用マニュアルFM1-112の1994年版では、ミサイル発射後1.5-10分で移動を開始し、30分後には9km離れた所に脱出できるとされていて、固定式のミサイルサイロよりも遙かに生残性が高い。世界初の弾道ミサイルであるA-4が既にトレーラー式TELを使用していた。参考：月刊軍事研究2,’18、3,’18

＜ＴＥＬ（スカッド用）＞：ソ連軍スカッド地対地ミサイル用起立発射機輸送車。MAZ-543重機動８×８輪トラックに起立発射機を搭載している。500馬力級ディーゼルエンジンを搭載し、機動力は高い。発射後数分で移動でき、10分後には8km、15分後には15km離れたところに行ける。イラク軍はアル・フセインも搭載した。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ＴｅＬＥＯＳ−１＞：シンガポールが打ち上げた光学偵察衛星。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＴｅＬＥＯＳ−２＞：シンガポール国防科学技術局とSTエレクトロニクス社が開発しているレーダー偵察衛星。解像度1mの合成開口レーダー、容量500GBのメモリー、毎秒800Mbのデータ送信装置を装備する。重量750kg。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＴＥＬＩＮＴ＞：遠隔測定情報収集。機械の運転情報やミサイルの射撃情報などを遠隔地に伝達するために発信される電波を傍受して解析すること。有線通信は傍受できない。参考：月刊軍事研究4,’04、4,’09

＜Ｔｅｍｅ�V＞：ノルウェーの爆雷。信管は近接・時限・着発の３種類。全長1.97m、直径0.2m、重量120kg、炸薬70kg。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＴＥＭＰ２０＞：ソ連の対ヘリコプター地雷。音響及び赤外線センサーで接近を探知し、EFP弾を発射する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＴＥＭ掃海＞：掃海を参照。

＜Ｔ−ＥＰＦ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、Expenditionary Fast Transport（遠征用高速輸送艦）を示す。2015年9月3日、JHSVから変更されて創設された。参考：月刊世界の艦船4,'16

＜Ｔ−ＥＰＦ−１＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦１番艦スピアヘッド（Spearhead）。元はJHSV-1で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。2016年9月18-28日、ユニタス2016演習に参加。参考：月刊世界の艦船4,'16、12,’16

＜Ｔ−ＥＰＦ−２＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦２番艦チョクトー・カウンティ（Choctaw County）。元はJHSV-2で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。参考：月刊世界の艦船4,'16

＜Ｔ−ＥＰＦ−３＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦３番艦ミリノケット（Millinocket。メイン州の都市名）。元はJHSV-3で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。2019年10月下旬、カラット2019演習に参加。参考：月刊世界の艦船4,'16、1,’20

＜Ｔ−ＥＰＦ−４＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦４番艦フォール・リバー（Fall River）。元はJHSV-4で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。2017年3月7日からスリランカでパシフィック・パートナーシップ2017に参加。参考：月刊世界の艦船4,'16、5,’17

＜Ｔ−ＥＰＦ−５＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦５番艦トレントン（Torenton、４代目。ニュージャージー州の州都）。元はJHSV-5で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。2016年夏頃から出力32MJのレールガンを後甲板に載せてテストを行う予定だったが、海軍の計画変更で陸上テストに切り替えられ、積まないことになった。参考：月刊世界の艦船4,'16、7,’15、月刊軍事研究2,’18

＜Ｔ−ＥＰＦ−６＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦６番艦ブランズウィック（Brunswick、４代目。ジョージア州の港湾都市）。元はJHSV-6で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。2016年1月14日、アメリカ海軍に引き渡された。2018年3-6月、パシフィック・パートナーシップ2018に参加。5月27日、LST-4001おおすみ乗員とサッカーなどのスポーツ交流を実施。参考：月刊世界の艦船2,’16、4,’16、朝雲

＜Ｔ−ＥＰＦ−７＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦７番艦カーソン・シティ（Carson City）。元はJHSV-7で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。参考：月刊世界の艦船4,'16、月刊軍事研究3,’16

＜Ｔ−ＥＰＦ−８＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦８番艦ユマ（Yuma）。元はJHSV-8で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。2017年4月21日、アメリカ海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船4,'16、7,’17、月刊軍事研究3,’16

＜Ｔ−ＥＰＦ−９＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦９番艦ビスマーク（Bismarck。ノースダコタ州の州都）。元はJHSV-9で、2015年9月3日に艦種記号が変更された。参考：月刊世界の艦船4,'16、月刊軍事研究3,’16

＜Ｔ−ＥＰＦ−１０＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦10番艦バーリントン（Burlington）。2017年夏に起工予定。2018年3月1日進水。11月15日、アメリカ海軍に引き渡された。2020年9月26日、LCSの整備チームを乗せてリトル・クリークを出港。アメリカ南方軍USSOUTHCOM担任海域で整備チーム前方展開拠点となり、LCSの定期整備を行う概念実証を実施する。参考：月刊世界の艦船7,’17、5,’18、2,’19、12,’20

＜Ｔ−ＥＰＦ−１１＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦11番艦プエルト・リコ（Puerto Rico）。2019年12月10日、アメリカ海軍シー・システムズ・コマンドNAVSEAに引き渡された。参考：月刊世界の艦船2,’19、3,’20

＜Ｔ−ＥＰＦ−１２＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦12番艦ニューポート（Newport）。2020年2月20日進水、9月就役。2023年5月24-30日、ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船5,’18、5,’20、8,’23

＜Ｔ−ＥＰＦ−１３＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦13番艦アパラチコラ（Apalachicola）。2021年1月21日、オースタルUSA社で起工式を実施。11月13日、命名式を実施。2023年2月16日、アメリカ海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船4,’21、2,’22、5,’23

＜Ｔ−ＥＰＦ−１４＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦14番艦（フライト�U１番艦）コディ（Cody。ワイオミング州の町名）。2022年1月27日、オースタルUSA社で起工式を実施。2023年2月25日、命名式を実施。3月29日、EPF-14として進水。2024年1月12日、アメリカ海軍に納入された。参考：月刊世界の艦船12,’19、4,’22、5,’23、6,’23、4,’24

＜ＴＥＲ＞：トリプルエジェクターラックを参照。

＜ＴＥＲ−９／Ａ＞：アメリカ軍の３連装エジェクターラック。A-10とF-16に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜ＴＥＲＣＯＭ＞：TERrain COntour Matching（地形等高線照合システム）の略。1958年に特許が取得され、1970年代に実用化された。電波高度計により得られた高度情報を、予め誘導コンピュータに記憶されたデジタル地形図と比較し、設定された経路の地形に沿って飛行するシステムである。デジタル地形図は人工衛星により作成され、精度は30-100m程度。平坦地では高度情報の比較が上手くいかないため、MAGCOMを使うか、遠回りして高低差のある地形を通らせる必要がある。参考：月刊軍事研究7,’99、軍事分析湾岸戦争、月刊世界の艦船8,’82増刊

＜ＴＥＲＦ＞：NOE飛行を参照。

＜ＴＥＲＮＡＶ＞：航空機からの指令誘導または地形参照航法の略。

＜ＴＥＲＰＲＯＭ＞：EF2000ユーロファイターの航法用地形プロファイル・マッチング・サブシステムで、TERrain PROfile Matchingの略。参考：月刊JWings11,’04

＜ＴＥＳＡＲ＞：アメリカ軍RQ-1Aプレデター無人機用偵察・観測システムで、戦術滞空合成開口レーダーの略。機体に積むレーダー装置と、地上コントロールセンターからなる。レーダー装置は重量76kg、出力1150W、解像度0.3m。基本探知モードは多重解像能スポットモード、多重解像能ストリップモード、移動目標探知モードの３種類。多重解像能可変ストリップモードでは、目標上空2000-7600mを通過しつつ、地上を幅0.8km・長さ10.8kmにわたり走査し、画像地図を作製する。参考：月刊軍事研究3,’00、2,’02

＜Ｔ−ＥＳＢ−３＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦１番艦ルイス・Ｂ・プラー（最多勲章受章の海兵中将）。元はモントフォード・ポイント級MLP３番艦T-MLP-3で、建造中の2015年9月3日に艦種変更された。2017年7月、第５艦隊に配備された。母港はバーレーンで、中東・インド洋方面の海兵隊艦隊対テロ対策チームFAST、海軍特殊部隊SEAL、フランス水陸両用部隊の作戦支援や、負傷者後送・医療支援任務にあたっている。8月、軍事海上輸送部隊MSC所属アメリカ軍艦船USNSからアメリカ軍艦籍USSに転籍し、ESB-3になった。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船8,’19、5,’20

＜Ｔ−ＥＳＢ−４＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦２番艦ハーシェル・ウイリアムス（Hershel Williams。硫黄島戦で名誉勲章を受章した海兵隊員）。2016年1月14日、命名式実施。2018年就役。2019年9月（7月？）、就役訓練中にチェサピーク湾で対機雷戦試験に参加。LCS用対機雷戦ミッション・パッケージを積んで運用試験を行った。2020年3月7日、軍事海上輸送部隊MSC所属アメリカ軍艦船USNSからアメリカ軍艦籍USSに転籍し、ESB-4になった。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船7,'22、8,’19、12,’19、5,’20

＜Ｔ−ＥＳＢ−５＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦３番艦ミゲル・キース（Miguel Keith。ベトナム戦争で名誉勲章を受章した海兵隊員）。2019年11月15日、アメリカ海軍に引き渡された。2021年5月8日、軍事海上輸送部隊MSC所属アメリカ軍艦船USNSからアメリカ軍艦USSに転籍してESB-5になった。参考：月刊世界の艦船1,’18、2,'20、8,’21

＜Ｔ−ＥＳＤ−１＞：アメリカ海軍モントフォード・ポイント級遠征積替ドック１番艦モントフォード・ポイント。2015年9月3日、T-MLP-1から艦種変更された。10月10-18日、横須賀沖に来航。2016年3月7日から4月30日、フォール・イーグル2016に参加。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船6,’16

＜Ｔ−ＥＳＤ−２＞：アメリカ海軍モントフォード・ポイント級遠征積替ドック２番艦ジョン・グレン。2015年9月3日、T-MLP-2から艦種変更された。参考：月刊軍事研究3,’16

＜ＴＥＳＴ−３＞：ソ連軍の有線誘導式魚雷で、1977年に就役した。全長7.9m、直径533mm、重量1.85トン、炸薬重量0.2トン。信管は音響式で、作動半径5m。雷速40ノットで航走距離15km、雷速25ノットで航走距離20km。魚雷側の索敵能力は1000m。作戦可能深度20-400m。ケーブル長は母艦側5km、魚雷側20km。母艦にはKTU-77水上艦用総合装置（1.2トン）を搭載する。1124級グリシャ型に搭載された。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ＴＥＳＴ−７１シリーズ＞：ソ連軍の対潜／対艦魚雷。アルジェリア、イラン、インド、中国、ポーランド、ルーマニアに輸出された。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ＴＥＳＴ−７１＞：デルフィン２計画の名称でSET-65をベースに開発され、1971年に就役した。全長7.9m、直径533mm、重量1.75トン、炸薬重量0.205トン。酸化銀亜鉛電池による電動モーター推進、雷速40ノットで航走距離15km、雷速35ノットで航走距離25km。作戦可能深度400m。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響。KTU-71管制装置により誘導される。ケーブル長は母艦側5km、魚雷側15km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、9,’10

＜ＴＥＳＴ−７１Ｍ＞：TEST-71をKTU-81管制装置対応にした潜対潜専用型。全長7.863m、直径533mm、重量1.803トン、炸薬重量0.205トン。主機は酸化銀亜鉛電池による電動モーター、推進は二重反転プロペラ、捜索時雷速24ノット、攻撃時雷速40ノット、最大航走距離15-20km。誘導は発射直後が有線で、目標から1kmになるとパッシブ・アクティブ音響に切り替える。作戦可能深度2-400m。参考：月刊軍事研究9,’10、月刊世界の艦船9,’10、6,’21

＜ＴＥＳＴ−７１ＭＥ＞：TEST-71Mの輸出型。潜対潜専用である。参考：月刊軍事研究9,’10、11,’11

＜ＴＥＳＴ−７１ＭＥ−ＮＫ＞：TEST-71M-NKの輸出型。水上艦と潜水艦で運用でき、対艦・対潜両方に使える。全長7.93m、直径533mm、重量1.82トン、炸薬重量0.205トン。推進は酸化銀亜鉛電池による電動モーター、雷速40ノットで航走距離12km、雷速24ノットで航走距離20km。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響（ロックオン距離1.5km）。参考：月刊世界の艦船9,’10、月刊軍事研究11,’11、9,’10

＜ＴＥＳＴ−７１ＭＫ＞：TEST-96を参照。

＜ＴＥＳＴ−７１ＭＫＥ＞：潜対潜型。KTU-71管制装置で制御する。全長7.863m、直径533mm、重量1.82トン、炸薬重量0.205トン。酸化銀亜鉛電池駆動の電動モーター推進で、雷速40ノットなら航走距離15km、雷速24ノットなら20km（35ノットで25km？）。運用可能深度2m-400m。誘導は有線（ケーブル長は母艦側15km＋魚雷側5km）及びパッシブ・アクティブ音響式、アクティブシーカー捜索半径400m。輸出にも回され、アルジェリア、中国、インドなどで採用された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船9,’10

＜ＴＥＳＴ−７１Ｍ−ＮＫ＞：TEST-71Mに航跡追尾を追加したもの。有線誘導用ケーブルによる双方向通信が可能となり、魚雷のセンサーが得た情報を母艦で判断して目標を変更したりできるようになった。魚雷自身による誘導に切り替える距離（アクティブシーカー捜索半径）を目標から1.5kmに延伸し、艦内操作員数や発射準備時間も減っている。全長7.93m、重量1.82トン。信管は着発または音響近接。参考：月刊軍事研究9,’10、1,’18、月刊世界の艦船11,’17、6,’21

＜ＴＥＳＴ−７３＞：ロシア海軍の魚雷。1981年に就役した。全長7.93m、直径533mm、重量1.82トン、炸薬重量0.2トン。雷速40ノットで航走距離15km、雷速35ノットで航走距離25km。作戦可能深度400m。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ＴＥＳＴ−９６＞：ロシア海軍の対潜水艦・対水上艦両用魚雷、別名TEST-71MK。潜水艦から発射できる。全長7.86m、直径533mm、重量1.82トン、炸薬重量0.205トン（0.25トン？）。酸化銀亜鉛電池による電動モーター推進、雷速24-40ノット、航走距離20km。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響（有線＋パッシブ音響＋航跡追尾？）。1993年に就役した。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＴＥＶ型＞：ラッデロウ級護衛駆逐艦を参照。

＜ＴＥＷＭ＞：AN/SLQ-59（電子戦装置）を参照。

＜ＴＥＷＭ　ＳＴＦ＞：AN/SLQ-62（電子戦装置）を参照。

＜ＴＥＷＳ＞：アメリカ空軍の内蔵ECMシステムで、Tactics Electronic Warfare System（戦術電子戦システム）の略。AN/ALR-56レーダー警戒受信機（尾部警戒セット）、AN/ALQ-135内蔵電子戦セット、AN/ALQ-128電子戦警戒装置（周波数干渉プランカー）、AN/ALE-40/-45チャフ・フレアディスペンサーからなる。敵の脅威を探知すると自動的に対抗手段を表示してくれるので、パイロットが手段を選んで妨害や欺瞞を行う。F-15戦闘機などに搭載された。参考：月刊軍事研究11,’16、2,’13、8,’16、F-15イーグル

＜ＴＥＸ２５０ＨＪ＞：フランスのTEX社が開発した機動パン焼き器。ディーゼルエンジンで駆動するため、牽引する４×４輪車両と共通の燃料を使える。準備に掛かる時間は10分で、悪天候の際には備え付けのカバーを使う。200gのパンなら毎時112個・１日16時間駆動で1792個・４日間で4480個、80gなら毎時336個・１日16時間駆動で5376個・４日間で13440個焼ける。ユーロサトリ2018で展示された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＴＥＸ１００００＞：フランスのTEX社が開発した機動パン焼き器。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＴＥ型護衛駆逐艦＞：バックレイ級護衛駆逐艦を参照。

＜ＴＥ型自載式牽引車＞：日本陸軍の牽引車。TC型の改良型で、エンジンを九二式重装甲車と同じC6空冷ガソリンに変更している。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＴＥ型被曳航油槽船＞：日本海軍艦政本部が太平洋戦争時に設計した石油輸送用艀。厚さ6-8mmの鋼板を電気溶接で船型に組み上げ、内部の左右に分かれたタンクに石油を収容、南方から日本に向かう大型船に曳航してもらう。全長60m、全幅6m、深さ6m、総トン数650トン、載貨重量1400トン。昭和17年11月から昭和18年6月に鉄工所、自動車メーカー、橋梁メーカーで計50隻が建造された。昭和18年2月から石油輸送に投入されたが、舵も安定板も付いていないので潮や風に流されて曳航船が振り回される事態に陥ることがあり、入出港時にはほぼコントロール不能で、敵の襲撃を受けた際に回避行動を取るため一旦切り離すとそのまま行方不明になりかねず、完全に企画倒れで、一部が石油貯蔵タンクに回されたものの、大部分は放置状態にされてしまった。参考：戦時標準船入門

＜ＴＦ＞：タスクフォースの略。

＜ＴＦ−１＞：C-1A（輸送機）を参照。

＜ＴＦ４−４ＦＥ　４ＤＷ＞：燃料給油車（4000ガロン、航空自衛隊）を参照。

＜ＴＦ−４Ａ＞：F-4ファミリー（練習機）を参照。

＜ＴＦ−５＞：燃料給油車（5000ガロン、航空自衛隊）を参照。

＜ＴＦ−８Ａ＞：F-8ファミリー（練習機）を参照。

＜ＴＦ−９Ｊ＞：F9F-8T（練習機）を参照。

＜ＴＦ−１０Ｂ＞：F3D-2T2（練習機）を参照。

＜ＴＦ−１５＞：F-15戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＦ−１８Ａ＞：F/A-18B（戦闘攻撃機）を参照。

＜ＴＦ３０シリーズ＞：プラット＆ホイットニー社のターボファンエンジン。基本設計がなされたのは1950年代末である。F-111とF-14に搭載された。参考：F-14トムキャット

　＜ＴＦ３０−Ｐ−１＞：２軸式ターボファンエンジンで、完全調節式アフターバーナーを持ち、推力セッティング範囲が広い。ファン３段、圧縮機は軸流式で低圧６段・高圧７段、燃焼室８個、タービンは高圧１段・低圧３段、排気口は収縮式フラップ型で、可変面積型である。参考：F-14トムキャット

　＜ＴＦ３０−Ｐ−３＞：改良型。低空性能及び超音速性能を改善した。参考：F-14トムキャット

　＜ＴＦ３０−Ｐ−９＞：F-111D用。高圧出口（12段目）からの抽気で防氷、与圧、空調を行っており、抽気バルブはマッハ数、迎え角、出力によって開閉を調節する。全長4.528m、直径1.246m、乾燥重量1.846トン。ファン圧縮比2.14、圧縮機は軸流式で低圧９段・高圧７段、総圧縮比15.8、燃焼室はカニュラー式８個、タービンは高圧１段・低圧３段。ミリタリー推力5.22トン、A/B時推力8.89トン。推力重量比4.8。燃費率0.62kg/kgp/hr（ミリタリー推力時）／2.61kg/kgp/hr（A/B時）。エンジン始動は地上高圧空気源または火薬カートリッジ。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＴＦ３０−Ｐ−１２＞：直線型アフターバーナーと固定シュラウドを装備したもの。参考：F-14トムキャット

　＜ＴＦ３０−Ｐ−１００＞：F-111F用、別名JTF10A-32C。バイパス比0.9、インレット・ガイドベーン１段、ファン３段、圧縮機は軸流式で低圧６段・高圧７段、燃焼室はカニュラー式８個、タービンは高圧１段・低圧３段、アフターバーナー付き。全長6.139m、直径1.242m、重量1.807トン。離昇推力11.385トン。参考：世界の軍用機1979

＜ＴＦ３０−Ｐ−４１２＞：F-14用試作型、別名JTF10A-27L。1969年に完成した。インレット・ガイドベーン１段、ファン３段、圧縮機は軸流式で低圧６段・高圧７段、燃焼室はカニュラー式８個、タービンは高圧１段・低圧３段、アフターバーナー５段。全長5.987m、直径1.293m、重量1.8トン。推力9.48トン。テスト中に第１段ファンが壊れ、エンジン外殻を突き破って燃料配管を損傷する事故が発生し、改良型のTF30-P-414に進んだ。参考：世界の軍用機1979、F-14トムキャット

＜ＴＦ３０−Ｐ−４１４Ａ＞：F-14用量産型。TF30-P-412の第１段ファンを設計変更し、周囲に防護用外皮を装着したもので、1977年から引き渡された。信頼性が低く、作動も不安定で、空戦中などスロットルレバーを急激に動かすと停止する恐れがあり、高空を低速で飛行する際も出力が不安定になることがある。圧縮機３＋６＋７段、圧縮比19.8、燃焼室はカニュラー式８個、タービン数１＋３段。全長236インチ（5.99m）、直径51インチ（1.295m）、重量4251ポンド（1.928トン）。離昇推力20900ポンド（9.48トン）。参考：F-14トムキャット、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＦ３３−Ｐ−７＞：プラット＆ホイットニー社のターボファンエンジン、別名JT3D-8A。インレット・ガイドベーン１段、ファン３段、圧縮機は軸流式で低圧６段・高圧７段、圧縮比15.6、燃焼室はカニュラー式８個、タービンは高圧２段・低圧２段、アフターバーナーは無い。全長3.607m、直径1.373m、乾燥重量2.109トン。離昇推力9.525トン。C-141Aに搭載された。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＦ３３−ＰＷ−１００Ａ＞：プラット＆ホイットニー社のターボファンエンジン、別名JT3D-8B。インレット・ガイドベーン１段、ファン３段、圧縮機は軸流式で低圧６段・高圧７段、燃焼室はカニュラー式８個、タービンは高圧２段・低圧２段、アフターバーナーは無い。全長3.607m、直径1.373m、乾燥重量2.173トン。離昇推力9.525トン。E-3Aに搭載された。参考：世界の軍用機1979

＜ＴＦ３４シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボファンエンジン。S-3用に開発され、滞空能力の高さを活かしてA-10Aにも搭載された。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＴＦ３４−ＧＥ−１００＞：A-10A攻撃機用。S-3A用TF34-GE-400AからJP-5燃料用ヒーターを外し、チタン合金使用部の一部をスチールに換え、直径をやや小さくしている。バイパス比が大きいので加速が鈍く、海面高度でスロットルをアイドルから最大に入れても、実際に最大推力に達するには8-11秒かかってしまう。バイパス比6.2、ファン段数１段、圧縮機は軸流式14段、全圧縮比21、燃焼器はアニュラー型、タービンは高圧２段・低圧４段、アフターバーナーは無い。全長2.54m、ファン入り口直径1.12m、最大直径1.259m、乾燥重量0.647トン。離昇推力4.112トン。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊、世界の軍用機1979

＜ＴＦ３４−ＧＥ−４００Ａ＞：S-3A用。バイパス比6.2、ファン段数１段、圧縮機は軸流式14段、圧縮比21、燃焼器はアニュラー型、タービンは高圧２段・低圧４段、アフターバーナーは無い。全長2.54m、直径1.326m、乾燥重量0.661トン。離昇推力4.207トン。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＦ−３５＞：サーブ35/J35海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＴＦ３９−ＧＥ−１＞：アメリカ空軍C-5Aギャラクシー用ターボファンエンジン。ファン部分にのみスラスト・リバーサーを持っており、温度及び圧力が一次排気ガスよりも低いため再吸入によるコンプレッサー・ストールの危険性が少なく、ファンのナセルに沿って正面に吹き付けることで推力の57%を逆噴射に使用できる。バイパス比８、圧縮機２＋16段、圧縮比22、燃焼器はアニュラー型、タービン２＋６段。全長8.23m、インテイク直径2.6m、重量3.24トン。定格推力18.64トン、推力重量比5.6。参考：月刊航空ファン4,’72、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＦ４０−ＩＨＩ−８０１Ａ＞：航空自衛隊F-1支援戦闘機・T-2練習機用ターボファンエンジン。元はRRTM社（ロールスロイス・チュルボメカ・リミテッド）が開発したアドーアMk102（RB172／アドーアT260Mk801A？）で、石川島播磨重工がライセンス生産した。圧縮機は低圧２段（ファン。バイパス比１）＋高圧５段（圧縮比11）、燃焼器はアニュラー型で燃料ノズル18個（燃焼温度1130度）、タービンは高圧１段（一方向製凝固を用いた単結晶チタニウム合金ブレード、冷却空気孔付き）、低圧１段の２軸式。アフターバーナー付きで、停止後の再使用には３秒かかる。パーシャル・スロットル・アフターバーナー機能を持ち、ミリタリー推力未満から一気にアフターバーナー点火状態まで持って行ける。ノズルは可変断面積式で、タービン回転数が低い時にはノズルが開き、排気圧力が高くなる（タービン回転数が高くなる）とノズルが絞られ、アフターバーナー作動時には最大限開く。推力線は５度下向きである。エンジン全体は低圧圧縮機、低圧ステーター、中間ケーシング、高圧圧縮機、高圧ノズルガイドベーン、高圧タービン、低圧ノズルガイドベーン、低圧タービン、排気ミキサー、外部ギアボックス、オイルタンク及びフィルター、燃焼室、アフターバーナー及び排気ノズルという13個のモジュールで構成されていて、耐用時間を超えたモジュールだけ交換することが可能。ミリタリー推力2.136トン、A/B時推力3.31トン。参考：月刊航空情報2,’10、3,’10、月刊JWings6,’05、12,’15、世界の軍用機1979

＜ＴＦ４１シリーズ＞：アメリカ軍A-7攻撃機用ターボファンエンジン。アリソンとロールスロイスが共同開発した。参考：世界の軍用機1979

　＜ＴＦ４１−Ａ１＞：A-7D用、別名スペイRB168-62。バイパス比0.76、ファン３段、圧縮機は軸流式で低圧２段・高圧11段、燃焼器はカニュラー型で燃焼室10個、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.61m、高さ1.026m、空気取り入れ口直径0.953m、乾燥重量1.353トン。離昇推力6.577トン。参考：世界の軍用機1979

　＜ＴＦ４１−Ａ２＞：A-7E用、別名スペイRB168-66。空気流量が増し、バイパス比は0.74になり、離昇推力が6.804トンに増えた。乾燥重量1.37トン。参考：世界の軍用機1979

＜ＴＦ−５１Ｄ＞：P-51戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＦ−８０Ｃ＞：P-80戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＦ−８６Ｆ−３０ＮＡ＞：F-86戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＦ−１００型＞：ミルゲム�U級（コルベット）を参照。

＜ＴＦ−１０１Ｂ＞：F-101戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＦ−１０１Ｃ＞：F-101戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＦ−１０２Ａ＞：F-102戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＦ−２０００型＞：トルコ海軍計画ミサイル・フリゲート。CAFRADアクティブ・フェイズド・アレイ式多目的レーダーを装備する。全長166m、満載排水量8500トン。主機はCODOG方式、速力28ノット以上。兵装は54口径127mm単装砲１門、35mmCIWS２基、トルコ製VLS64セル（G-40艦対空ミサイル、トルコ製巡航ミサイル）、トルコ製艦対艦ミサイル発射筒16基、短魚雷３連装発射管２基。S-70Bヘリ、UAVを搭載可能。多任務対応区画に3.7m型RHIB10隻やUSV/UUVを収容できる。2027年から就役予定。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜ＴＦ／ＡＣ４＞：イギリスの４×４輪３トントラック、別名ヌービアン。ソーニクロフト社で1940年6月から量産され、1945年までに5000両が生産された。更にエンジンを換えて戦後も生産されている。全長6.172m、全幅2.286m、全高3.124m、重量4826kg。エンジンは４気筒（総排気量3865cc、出力85馬力）、トランスミッションは４速ギアボックス＋２速トランスファー。サスペンションはリーフ・スプリング式。後輪駆動も可能である。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＴＦ／ＡＣ４ファミリー＞

　＜消防車＞：イギリス空軍消防車。後部荷台に消防システムを搭載している。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＴＦＣＣ＞：戦術旗艦指揮センターを参照。

＜ＴＦＣ計画＞：NFR90プログラムが立ち消えになった後、ドイツ・オランダ・スペインが締結した三国間フリゲート協同（Trilateral Frigate Cooperation）計画。NAAWSを装備する対空フリゲートとして1994年1月に協定が締結され、開発が始まった。しかし1995年6月にコスト増と開発リスクからスペインが抜け（イージスシステムを採用）、２国で開発を続行、オランダがデ・ゼーベン・プロビンシェン級を、ドイツがF124ザクセン級を完成させた。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ＴＦＥ７３１−５＞：ギャレットのターボファンエンジン。圧縮機1+4+1段、圧縮比14.6、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋３段、離昇推力4300ポンド（1.95トン）。全長54.7インチ（1.39m）、直径40.5インチ（1.03m）、重量850ポンド（385.6kg）。C-101に搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＦＫ２５０＞：NATO軍の牽引式フィールド・キッチン。ドイツのアルフレッド・ケルヒャー社が開発した。フランス料理のフルコースなら１時間に350人分、軍用レーションなら１時間に1000人分を用意できる。熱源として軽油やプロパンから薪まで使用可能。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＴＦＬＩＲポッド＞：AN/AAS-46（前方監視赤外線ポッド）を参照。

＜ＴＦＲ＞：地形追随レーダーを参照。

＜ＴＦＳ＞：戦術戦闘飛行隊（Tactical Fighter Squadron）の略。

＜Ｔ−ＦＴＧＥ２４＞：救急車（航空自衛隊）を参照。

＜ＴＦＷ＞：戦術戦闘航空団（Tactical Fighter Wing）の略。

＜ＴＦＸ計画＞：アメリカ空軍次期戦術戦闘機開発計画で、F-105の後継として計画された。1961年2月、マクナマラ国防長官の意向で海軍の次期艦隊防空戦闘機開発計画と統合（空軍が主体、海軍が協力）されることとなったが、空軍はマッハ1.2で低空侵攻できる核搭載大型戦術戦闘機、海軍は長射程空対空ミサイル装備の艦上戦闘機を計画したため、要求性能が全く違うものになっていた。両方に合致する戦闘機を１機種で間に合わせるため、海軍がエセックス級への搭載を諦めて機体を大型化するなど要求の擦り合わせを行い、1961年10月にRFPを発出。ボーイング社、ジェネラル・ダイナミクス社／グラマン社、ロッキード社、マクダネル社／ダグラス社、ノースアメリカン社、リパブリック社／チャンスボート社が競争設計した結果、1962年1月19日にボーイング社とジェネラル・ダイナミクス社／グラマン社が選ばれ、1962年11月8日に審査委員会がボーイング社に決定したが、マクナマラ国防長官は技術リスクやコスト見積もり不備を理由として11月24日にジェネラル・ダイナミクス社／グラマン社の案を採用、F-111に進んだ。参考：月刊JWings2,’14

＜ＴＦＸ計画＞：トルコ空軍次期主力戦闘機、別名MMU（Milli Muharip Uçak。国産戦闘機）またはカーン（KAAN。支配者、王の中の王）。F-16の後継となる第５世代戦闘機で、TAIがBAEシステムズ社の協力を得て開発している。2010年12月に概念設計を開始し、当初は韓国との開発を検討していたが、2013年3月にスウェーデンのサーブ社を設計支援企業に選定し、2015年12月にはBAEシステムズ社と共同開発することになり、2017年5月10日にイギリス政府とトルコ政府が開発協力で合意した。2019年6月のパリ航空ショーで、TF（Turkish Fighter）という名称の実物大モックアップが展示されている。F-35Aの空対空戦闘能力を補完すべく運動性能と速度性能を重視し、F-35Aより一回り小さいながらウェポンベイはしっかり備え、スーパークルーズも可能とする。最大速度マッハ２を狙っているので、エアインテイクはダイバーターレス・スーパーインレットではなく、機体との間に隙間を空けた境界層分離機構付である（よって外見はF-22に似る）。エンジン排気口は通常の円形で、左右排気口の間にテイルコーンを持つ。風防とキャノピーの間に枠が１本入っている。主翼はクリップド・デルタ翼で、前縁後退角と後縁前進角を水平安定板やエアインテイク前縁と合わせた。垂直尾翼は外側に傾けた双垂直尾翼。搭載レーダーはアセルサン社製窒化ガリウム素子AESAレーダーで、ネットワーク戦を可能とし、アンカUAVの統制能力も持たせるらしい。全長21m、翼スパン14m、全高6m、最大離陸重量27.24トン。翼面積60平方メートル。エンジンは一旦2015年1月にEJ200ターボファン（推力9.072トン）双発に決定したが、2018年にF110-GE-129/-132になった。最終的には国産ターボファンエンジン（推力25000ポンド級）を積む予定。最大速度マッハ２、上昇限度16764m、戦闘行動半径1111km。ウェポンベイ内兵装はWVRAAM２発＋BVRAAM４発。乗員１名。2025年に初飛行させ、2029-40年に150-250機を配備する予定だったが、2019年にF-35戦闘機が導入できなくなったので、開発を前倒ししている。2023年3月、試験初号機がタキシング試験を実施。2024年2月21日、初号機が初飛行した。参考：月刊軍事研究2,’17、2,’16、4,’18、朝雲、月刊丸4,’17、月刊JWings9,'24、3,’18、9,’19、7,’23、4,'24、5,'24、月刊航空ファン3,’18、1,’19、9,’19

＜ＴＧ＞：試製兵員輸送車を参照。

＜ＴＧ＞：TransportGeschwader（輸送航空団）の略。参考：グラフィックアクション36

＜ＴＧ−５＞：L-3ファミリー（練習機）を参照。

＜ＴＧ−６＞：L-2ファミリー（練習機）を参照。

＜ＴＧ−６＞：自衛隊の魚雷調定管制試験器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’08、11,’15

＜ＴＧ−８＞：アメリカ陸軍の練習グライダー。TG-5と同じ経緯でパイパー社が開発した。J-3カブのエンジンを抜いたもので、主翼は高翼配置で支柱付き、スポイラーを追加している。降着装置は尾輪式固定脚。250機を生産した。参考：月刊航空ファン12,’19、1,’20、2,’20

＜ＴＧ１７＞：航空機けん引車（空自）を参照。

＜ＴＧ−３２＞：LNE-1シリーズ（グライダー）を参照。

＜ＴＧ−３５Ａ＞：航空機けん引車（空自）を参照。

＜ＴＧ３００＞：航空機けん引車（空自）を参照。

＜ＴＧ０２００１−Ｄ２７１＞：自衛隊の電子管。富士通製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＴＧ０４００１−Ｄ２７１（戦術表示装置用）＞：自衛隊の電子管。富士通製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＴＧ０２００１−Ｄ２７２＞：自衛隊の電子管。富士通製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜Ｔｇｂｍ／４２＞：スウェーデン軍の装輪装甲車。第２次大戦中に生産された。戦後はPKO任務に参加しており、1990年代にはラトビアやリトアニアに供与された。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ＴＧＭ−６５Ｄ＞：AGM-65ファミリー（訓練ミサイル）を参照。

＜ＴＧＭ−６５Ｇ＞：AGM-65ファミリー（訓練ミサイル）を参照。

＜ＴＧＳ＞：アメリカ軍V-22輸送機向けに提案されているGAU-19/Aガトリングガンシステム。機首に銃塔（装弾数750発）とFLIRセンサーターレットを搭載する。RGSに比べて命中精度は高いが、射界が制限されるのと、システムを機首部に収容するため改造が大がかりになるのが欠点。参考：月刊軍事研究2,’08

＜ＴＧ型装軌自動貨車＞：日本陸軍の装軌式トラック。TE型の改良型である。エンジンはC6またはDAA6。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＴＧ機＞：超壕機を参照。

＜ＴＨ−１Ａ＞：UH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１Ｅ＞：UH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１Ｆ＞：UH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１Ｇ＞：AH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１Ｈ＞：UH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１Ｌ＞：UH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１Ｓ（Ｍｏｄ）＞：AH-1ファミリー（練習ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１４＞：アメリカ軍の焼夷手榴弾。重量900g。参考：日本戦車隊戦史

＜ＴＨ−２８＞：エンストロム480シリーズを参照。

＜ＴＨ−５５シリーズ＞：アメリカ陸軍初等練習ヘリコプター、別名オーセージ（Osage）。元はヒューズ・エアクラフト社が開発したモデル269小型ヘリで、陸軍がYHO-2観測ヘリとしてテストしていたのを、1964年にTH-13の後継となる練習ヘリとして採用したものである。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜ＴＨ−５５Ａ＞：メインフレームは鋼管トラス構造で、キャビン、エンジン、トランスミッション、燃料タンクが取り付けられている。キャビンは並列複座で、鋼管溶接フレームに大面積のプレキシグラスとアルミニウム合金パネルを固定してある。エンジンはＶベルトでトランスミッションと連結されており、クラッチ機構は無い。メインローターは３翅で、アルミニウム抽出材に外皮を被せてある。テイルブームは円筒形で、先端に三角形のフィンと長方形の安定板、２翅テイルローター（Ｖベルトからの直接駆動）が付く。降着装置はショックアブソーバー付きのスキッド式。全長8.8m、胴体長6.8m、メインローター直径7.71m、全高2.5m、自重457kg、最大離陸重量757kg、制限付き最大離陸重量839kg。エンジンはライカミング社製HIO-360-B1A（180馬力）単発、経済巡航速度57ノット、最大巡航速度65ノット、最大速度75ノット、実用上昇限度3625m、ホバリング高度限界1675m（757kg、地面効果内）／1145m（757kg、地面効果外）、燃料容量103.5リットル、航続距離177海里、滞空時間２時間35分。乗員２名。795機が生産され、８週間55時間の基本操縦訓練に使用された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜ＴＨ−５５ファミリー＞

　＜Ｓ−３００Ｃ＞：民間型。当初はシュワイザー・モデル300Cという名称で、2009年にシュワイザーがシコルスキー・グローバル・ヘリコプターズに統合されて改称された。日本での登録名はヒューズ269である。機体前部コクピット／キャビンは３席並列で、機体中央下部にエンジンとトランスミッションがあり、メインローターマストが上に延びている。メインローターは全関節型３翅。アルミ合金製のパイプ状テイルブームが後ろに伸びており、内部にテイルローター駆動シャフト、後部下面に垂直安定板、尾部右舷側に上反角付き水平安定板、左舷側に２翅テイルローターがある。降着装置はスキッド式。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｓ−３００ＣＢ＞：S-300Cの改良型で、1995年春に形式証明を取得した。操縦訓練学校向け訓練ヘリとして開発したもので、コクピットを並列複座にして総重量を減らし、エンジンを低出力だが燃費の良いHO-360に換装、耐用年数の長いパーツを装備して運用費用も低減した。操縦安定性、ホバリング性能、オートローテーション特性は強化している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｓ−３００ＣＢＩ＞：全長9.4m、メインローター直径8.18m、全高2.65m、自重500kg、総重量794kg。エンジンはライカミングHIO360G1A（出力180馬力）単発、巡航速度148km、最大速度174km、ホバリング高度限界2134m（地面効果内）／1463m（外）、航続距離417km（標準燃料タンク）。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＨ−５５海外シリーズ＞

　＜Ｈｋｐ５Ｂ＞：スウェーデン陸軍の練習ヘリ兼観測ヘリ。1980年から導入し、2002年に退役した。参考：月刊JWings11,’16

＜ＴＨ−５５Ｊ＞：陸上自衛隊初級練習ヘリ。ヒューズ300Cの軍用型で、H-13の後継として採用した。全長9.4m、胴体長6.77m（7.63m？）、メインローター直径8.18m、全高2.66m、自重592kg、最大全備重量860kg。エンジンはライカミングHIO-360-D1A（190馬力）単発、巡航速度158km、実用上昇限度3658m。ペイロード270kg。1971年6月（1972年？）から38機が導入され、航空学校、霞ヶ浦分校、北宇都宮分校などに配備された。1995年4月に除籍された。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊JWings5,’18、4,’24

＜ＴＨ−５７シリーズ＞：アメリカ海軍の練習ヘリコプター、別名シー・レンジャー（Sea Ranger）。後継はTH-73Aである。参考：月刊航空ファン8,’16、月刊JWings7,’19、11,’19

＜ＴＨ−５７Ａ＞：ベル206Aジェットレンジャーを1968年1月31日に採用したものである。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜ＴＨ−５７Ｂ＞：

＜ＴＨ−５７Ｃ＞：

＜ＴＨ−６７シリーズ＞：アメリカ陸海軍の練習ヘリコプター、別名クリーク（Creek）。アメリカ海軍のTH-1H後継新型練習ヘリコプターNTHに提案し、エンストロム480に勝って1993年に採用され、182機が生産された。３分の２は有視界飛行訓練、３分の１はアビオニクスを強化して計器飛行訓練に使用されている。アメリカ陸軍は1997年2月までに137機を配備した。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊JWings4,’16、THE MILITARY BALANCE 2016、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＴＨ−６７Ａ＞：前期型。ベル206B-�Vを導入したものである。参考：月刊軍事研究5,’14

　＜ＴＨ−６７Ａ＋＞：NVG対応コクピットを持つタイプ。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＴＨ−６７海外シリーズ＞

　＜ＴＨ−６７（コロンビア空軍）＞：コロンビア空軍の練習ヘリコプター。アメリカ軍の退役機を導入したもので、自国だけでなく他国ヘリ要員の訓練も行う。2016年3月に10機、同年中に20機、2017-18年に30機の計60機を配備した。参考：月刊航空ファン11,’19

＜ＴＨ−７３Ａ＞：アメリカ海軍・海兵隊の練習ヘリ。TH-57の後継で、次期ヘリ訓練システムAHTS計画としてRFPが2019年1月28日に発出され、4月2日の締め切りまでにベル社がベル407GXi、エアバス・ヘリコプターズがH-135、レオナルドがTH-119（AW119ベース）で応じ、レオナルドが採用された。エアバス・ヘリコプターズは会計監査局に異議を申し立てたが、2020年5月12日に却下されている。130機を６億4810万ドルで購入する予定で、2020年1月13日に初回分32機を１億7650万ドルで発注しており、初号機は2021年6月10日にアメリカ海軍航空訓練軍団に引き渡された。参考：月刊JWings4,’20、11,’19、8,’20、9,’21

＜ＴＨ−１３５＞：EC135T2+海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＴＨ−１３５型航空機用一般工具＞：自衛隊の機器。スナップオン・ツールズ製。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ＴＨ−１３５操縦訓練装置（３号機）＞：自衛隊の機器。三菱プレシジョン製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜ＴＨ１８０＞：エンストロムのシングルローター・ヘリコプターで、THはTraining Helicopterの略。エンストロム280FXの小型化版で、座席を１席減らし、エンジンを燃費の良いものに換装した。2015年2月6日に初飛行したが、2016年2月15日に試験飛行中に不時着して損傷、6月に試験を再開している。最大離陸重量1021kg。エンジンはライカミング製HIO-390（210馬力）単発、燃料消費量毎時12ガロン（45.4リットル）、直接運航費毎時175ドル。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＴＨ−４８０Ｂ＞：陸上自衛隊の練習ヘリコプター。OH-6Dの後継としてエンストロム480B、シュワイザー333M、MD500Eが争い、2010年2月10日にエンストロム480Bが採用（シュワイザー333Mは小型過ぎ、MD500Eは高価過ぎ）されてこの名称になった。アメリカのエンストロム社が2001年2月8日に民間形式証明を取得したヘリで、ベースは1985年に開発したエンストロム280FXである。胴体はグラスファイバー製、キャビン周囲は軽合金製、テイルブームは鋼管フレーム・アルミ合金外板。テイルローター直前に水平安定板があり、水平安定板端に垂直安定板が付く。メインローターは軽合金製の全関節式３翅で、コントロールロッドなどはローターマスト内を通っているため、１本だけローターマストが立つシンプルな構造である。テイルローターは金属製２翅で、テイルローター下半分に安全ガードが付いている。降着装置はスキッド式で、オレオ緩衝装置が付いており、20Gの衝撃に耐えられる。計器板はアナログ式。全長9.09m、胴体長9.09m、ローター直径9.75m（8.6m？）、胴体幅1.8m、スキッド幅2.50m、全高3.00m、自重0.826トン、最大離陸重量1.361トン。エンジンはロールスロイス社製250C-20Wターボシャフト（離陸時最大出力227kW、連続最大出力206kW）単発、巡航速度212km、最大速度231km、実用上昇限度13000フィート（3962m）、ホバリング高度限界4755m（地面効果内）／4267m（外）、燃料搭載量341リットル、航続距離685km。有効搭載重量535kg。乗員２名（左が操縦士、右が副操縦士）＋同乗者３名。機体色はメタリックブルー単色で、視認性の高さと航空科の職種色を加味して採用した。ユーロコプタージャパンが受注しており、１機あたりの価格は２億882万3793円（税抜き）。初号機は2011年2月25日に納入され、2月27日に明野駐屯地に到着した。3月1日から飛行実験隊で飛行試験に入り、2012年3月に部隊使用承認を受けている。30機が発注され、2015年までに全機配備された。参考：月刊軍事研究4,’10、6,’10、11,’10、3,’12、スピアヘッドNo.3、No.7、月刊JWings6,’10、5,’18、9,’17、5,’10、5,’11、1,’13、3,’15、6,’17、月刊航空ファン5,’11

＜ＴＨ−４８０Ｂ（エンジン）整備用工具（輸入）＞：自衛隊の機器。エアロファシリティーが受注している。参考：月刊軍事研究9,’14

＜ＴＨ−４８０Ｂ（機体）整備用工具（輸入）＞：自衛隊の機器。エアロファシリティーまたは海外物産が受注している。参考：月刊軍事研究7,’14、9,’14

＜ＴＨ−４８０Ｂ整備用部品（輸入・その１）＞：自衛隊の機器。エアロファシリティーが受注している。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＴＨ−４８０Ｂ整備用部品（輸入・その２）＞：自衛隊の機器。日本エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究9,’15

＜ＴＨ−４８０Ｂ整備用部品（輸入・その３）＞：自衛隊の機器。エアロファシリティーが受注している。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＴＨ−４８０Ｂ整備用部品（輸入・その５）＞：自衛隊の機器。エアロファシリティーが受注している。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＴＨ−４８０Ｂ操縦シミュレータ＞：自衛隊の機器。三菱プレシジョンが受注している。一式２億1735万円。参考：月刊航空ファン5,’11

＜ＴＨ−４８０Ｂ用コックピット・ボイス・レコーダ（輸入）＞：自衛隊の機器。日本エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ＴＨ４９５＞：R495（装甲車）を参照。

＜ＴＨＡＡＤシステム＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃システム。Theater High Altitude Area Defense（戦域高々度地域防衛）システムの略で、後にTerminal High Altitude Area Defence（ターミナル段階高々度地域防衛）の略になった。元はG-PALSで計画された弾道ミサイル防衛システムで、TMD構想に引き継がれて開発が進められた。THAADミサイル、同発射機（M1120重機動トラックに８連装ランチャーを搭載）、AN/TPY-2レーダー、THAAD射撃統制通信装置（TFCC）、BM/C2（弾道ミサイル指揮・統制）コンピュータ、支援整備車両から構成され、ターミナル・フェーズ成層圏以高の迎撃を担当する。全てトラックに車載されており、機動力が高い。1995年から発射実験を行っているが、標的ロケットの迎撃に初成功したのは1999年6月10日の８回目の迎撃実験である。技術的な問題があるとして8月2日の実験で一旦開発計画の見直しが行われ、2001年から大規模な設計変更を実施して2005年からテストを再開、2006年7月12日の発射試験FTT-03で目標を直撃し、以降2009年3月17日までの７回のテストで６回迎撃に成功した（残る１回は標的不具合のためテスト中止）。この実績により配備が決定、2008年5月にはテキサス州フォート・ブリスに最初の部隊（第４防空高射連隊第11防空高射大隊）が新編され、2009年から運用テストや操作要員訓練が開始されているが、肝心のTHAADミサイルの生産が遅れており、2012年3月7日にミサイル24発の配備が完了した。２番目の部隊は2009年に新編され、2014年までに７個高射大隊が編成されている。2016年6月22日の北朝鮮によるBM25弾道ミサイルのロフテッド弾道での発射成功を受け、ノドンをロフテッド弾道で撃たれた場合に韓国のパトリオットPAC3では迎撃が難しいことから、7月8日に米韓がアメリカ軍THAAD部隊の在韓米陸軍配備を決定し、2017年3月6日に第一陣を搬入した。7月11日、初のIRBM迎撃試験となるFTT-18試験でIRBM模擬標的を撃墜した。7月30日、FET-01試験でIRBM迎撃試験を行った。2019年8月30日、FTT-23試験で遠隔発射によりIRBMを撃墜した。参考：月刊軍事研究12,’13、6,’17、11,’02、12,’99、11,’07、3,’09、6,’09、1,’11、3,’11、7,’12、2,’13、月刊丸11,’09、月刊航空ファン9,’16、10,’17、2,’18、11,’19、月刊JWings5,’16、月刊世界の艦船9,’16、1,’18

＜ＴＨＡＡＤシステム海外シリーズ＞

　＜ＴＨＡＡＤシステム（ＵＡＥ軍）＞：UAE軍の弾道ミサイル迎撃システム。イランの弾道ミサイルに対抗するため、システム３基（管制ステーション６基、レーダー４基、ランチャー９両、ミサイル147発）のFMSでの導入（予定価格70億ドル）を検討し、2011年に２個中隊分・発射機12両を発注、2015年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＴＨＡＡＤシステム（サウジアラビア軍）＞：2017年10月6日にアメリカ国防安全保障協力局がFMSでの輸出許可を出した。射撃管制・通信用移動戦術ステーション16基、AN/TPY-2レーダー７基、ランチャー44基、ミサイル360発、移動用トラック43両、発電機、電源ユニット、通信機材、整備機材などで、価格は150億ドル。ただしサウジアラビアとの契約はまだ締結されていない。参考：月刊航空ファン1,’18

＜ＴＨＡＡＤ中隊＞：兵力95名。AN/TPY-2レーダーシステム１基、ランチャー６基・ミサイル48発（最大９基72発まで可能）、再装填用ミサイル、THAAD射撃指揮管制戦術ステーショングループ２基、整備支援車両からなる。参考：月刊航空情報11,’10、月刊軍事研究6,’17、1,’17、12,’13

＜ＴＨＡＡＤミサイル＞：THAADシステム用の対弾道弾ミサイル。TMD構想に基づき1992年から開発された。全長6.17m（6.3m？）、直径0.37m（0.34m？）、重量900kgの固体ロケットモーター付きペンシル型推進部と、全長1.945m、最大直径0.37mの迎撃体KKV（Kinetic Kill Vehicle）からなる。AN/TPY-2レーダーによる指令誘導で目標に向かい、大気圏外に達すると推進部を切り離し、金属製バルーンを膨らませてKKV先端のシュラウドを弾き飛ばし、中赤外線センサーで弾道ミサイルをロックオン、小型の液体燃料ロケットスラスターDACS（Divert and Attitude Control System、コース変更・姿勢制御システム）でコース修正を行いつつターミナル・フェーズにおいて直撃して破壊する。最大速度マッハ8.2（毎秒2.8km）、水平射程200-300km、最大迎撃高度は大気圏外の150-200kmに達するが、最低迎撃高度が20kmもあり、通常航空機の迎撃には不向きである。誤発射防止用安全装置に問題があり、2010年8月に追加試験を行っていて、ミサイルの実戦配備は2012年となった。参考：日米イージス艦と弾道ミサイル防衛、月刊軍事研究11,’98、12,’13、9,’10、1,’11、3,’11、月刊JWings5,’16

　＜ＴＨＡＡＤブロック１０＞：2015年までに完成させる予定の改良型。ミサイル直径を0.5-0.6mに拡大し、ロケットを３段にして最大射程を1000kmに、最大迎撃高度を500kmにする。参考：月刊軍事研究3,’14、月刊航空情報11,’10

　＜ＴＨＡＡＤ−ＥＲ＞：ロッキード・マーチン社が提案している極超音速兵器対応の改良型。ロケットを１段増やして極超音速兵器を撃墜できる速度を獲得すると共に、最大射程を600km以上に延伸する。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＴＨＥＬ＞：アメリカ陸軍のレーザー実験装置で、Tactical High Energy Laser（戦術高エネルギー・レーザー）の略。ノーチラス・システム２ともいう。MIRACLEの小型版で、アメリカ陸軍がイスラエル国防省と共同で資金を出し、ノースロップ・グラマン社が開発した。使用レーザーは重水素／フッ素化学レーザーまたは酸素／ヨウ素化学レーザーで、波長２ミクロン、出力200kW、有効射程5km。１回の発射にかかる価格は3000ドルで、再装填無しに60回発射できる。1998年3月に試作機が完成し、2000年6月に長さ3m・直径122mmのカチューシャ・ロケットを出力100kWのレーザーで撃墜した。2001年までにロケット弾28発と砲弾５発の迎撃に成功したが、大型トレーラーで配置場所まで運搬する必要があるなど大がかりなため、MTHELの開発に移行した。参考：月刊軍事研究2,’08、6,’01、7,’08、5,’12、10,’13

＜ＴｈｅＭＩＳ＞：エストニアのミルレム社が開発した装軌式武装偵察UGV。車載カメラによる視程外遠隔操作に加え自律走行することができ、将来的には複数車両が集団行動するスウォームを可能とする予定である。全長2.4m、全幅2.15m、全高1.11m、重量1450kg。エンジンはハイブリッド・ディーゼル（ディーゼル・エレクトリック方式？）、最大速度14km（22km？）、稼動時間8-10時間（ハイブリッド）／0.5-1.5時間（バッテリーのみ）。ペイロード750kg。武装はdeFNderなどの重機関銃塔。輸送型や負傷者後送型などバリエーションも展開する予定。参考：月刊PANZER4-5,’17、月刊軍事研究11,’18、12,’18

　＜オプティオＸ２０＞：ネクスター社が開発した重武装型。ネクスター社製ARX-20遠隔操作式20mm機関砲塔を搭載する。戦闘重量1700kg。参考：月刊軍事研究11,’18

　＜インパクト＞：MBDA社が開発した対戦車型IMPACT（Integrated MMP Precision Attack Combat Turret）。MMP対戦車ミサイル連装発射機（上下重ね）と7.62mm機銃を装備するターレットを載せている。ISTAR任務にも使用可能。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＴＨＫ−５＞：トルコ航空協会航空機製作所の軽連絡輸送機。主翼は低翼配置、垂直尾翼は双尾翼。エンジンはデハビラント製ジプシー・メジャー（130馬力）双発。10機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＴｈＫ（Ｅ）＞：セオドア（列車砲）を参照。

＜ＴＨＯＲ＞：アメリカ空軍研究所が開発している無人機群迎撃兵器Tactical High-power Operational Responder（戦術高出力作戦即応兵器）の略。大型パラボラアンテナから高出力マイクロ波を照射し、無人機の群れを電磁パルス効果で迎撃するもので、レーザーと違い広範囲にマイクロ波を照射できるので、群れを纏めて撃墜できる。長さ6mのコンテナにシステム一式を収容でき、２名が３時間で組み立てられる。2022年2月にレイドス社にデモンストレーターのミョルニルを発注した。参考：朝雲、月刊JWings9,’22

＜ＴＨＲＵＳＨ＞：スラッシュ（アクティブ防御装置）を参照。

＜Ｔ−ＨＳＴ−１＞：アメリカ海軍グアム級高速輸送艦グアム（Guam）。元はHST-1グアムで、後に艦種記号が変更された。2022年8月28日から9月3日、オリエント・シールド2022に参加。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜ＴＨＴＰ＞：トマホーク巡航ミサイル・ベースライン改良計画を参照。

＜ＴＨ翼＞：立川飛行機の長谷川技師が昭和18年に開発した翼型。層流翼の一種で、翼後方にも一定の厚みがあり、後縁に円弧を付けている。キ−94�Uに使用された。参考：月刊JWings12,’05

＜Ｔｉ−６７＞：チラン４（戦車）を参照。

＜ＴＩＡＬＤポッド＞：イギリス空軍のレーザー・デジグネーター・ポッドで、Thermal Imaging Airborne Laser Designatorの略。参考：月刊JWings12,’14

＜Ｔ−ＩＤＧ＞：川崎重工とシンフォニアテクノロジー社が開発した航空機用一定周波数発電装置で、Traction drive Integrated Drive Generatorの略。周波数400Hz・容量90kVAのものがP-1哨戒機に搭載された。大型航空機用として初めて高速トラクションドライブ無段変速機を使用した一定周波数発電装置であり、エンジン回転数に関わらず一定の周波数を持つ電力を供給できる。油圧式無段変速機構を持つ従来型よりも効率や耐久性が高く、高度な発電制御が可能という。150kVAまでの容量拡大も行える。参考：月刊航空ファン2,’11、月刊軍事研究2,’11

＜ＴＩＧ溶接＞：溶接を参照。

＜ＴＩＨＡ＞：トルコ陸軍の要求に基づいてトルコのTAI社が開発中の中高度長距離UAV。EO/IRセンサー、レーザー測距器、レーザーデジグネーター、合成開口レーダーなどを搭載できる。全長10m、全幅17m、最大離陸重量1500kg。巡航速度75ノット、巡航高度30000フィート（9144m）、滞空時間24時間。ペイロード200kg。本機３機と地上指揮車、発電機、自動離着陸装置などでシステムを構成する。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ＴＩＮＳ＞：AN/AAR-50（FLIRポッド）を参照。

＜ＴＩＯＳ−Ｅ＞：ヴィッカーズ社の潜水艦用FCSで、TIOSはTactical Information Organization Systemの略。TIOSの改良型で、FM1600Eコンピュータを使用しており、戦術データ入力量を増やして正確に目標情報を取得する。搭載潜水艦の規模に応じ、操作員を1-3名の間で変更可能。参考：ザ・マーチ39号

＜Ｔｉｐ−３＞：トルコのケマシリア社が開発した装軌式UGV。全長2.01m、全幅2.17m、全高0.97m、重量3.2トン。エンジンはハイブリッド方式、最大速度17km、駆動時間18時間（ハイブリッド）／５時間（バッテリーのみ）。ペイロード２トン。ユーロサトリ2018で展示された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＴＩＰＳ＞：サジェム社の熱線暗視装置で、Thermal Imager Pocket Scorpの略。ビデオ端子に接続してディスプレイやモニターに映像を映すこともできる。重量500g。最大探知距離700m（人間）／1100m（車両）、識別距離110m（人間）／200m（車両）。単三電池またはCR123リチウム電池で最大６時間駆動する。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＴＩＰＳ＞：ラインメタル社の戦車砲弾用装薬。二重表面コーティング技術により、マイナス46度からプラス63度まで安定した燃焼威力を発揮する。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＴＩＰ−ＴＯＷ計画＞：ETB-29A（寄生戦闘機母機）またはEF-84D（寄生戦闘機）を参照。

＜ＴＩＲＬＤ＞：イギリス空軍のFLIR／レーザー・デジグネーター・ポッドで、熱画像空中レーザー照射の略。トーネードやバッカニアに搭載される。湾岸戦争で使用された。参考：月刊JWings8,’13

＜ＴＩＲＭＡ＞：イタリア海軍計画練習船TIRocinio di MAnovra。アラゴスタ級練習艦の後継で、2024年3月にバリエット・グループとシマン・ヨットに発注した。全長33m、幅8.4m、深さ3.8m、吃水2.7m、排水量170トン。航続距離1000海里（11ノット）。リヴォルノ海軍兵学校に配備する予定。参考：月刊世界の艦船6,’24

＜ＴＩＳ＞：パッシブ赤外線暗視装置の略。赤外線暗視装置を参照。

＜ＴＩＳ＞：ポリカルポフの試作戦闘機。爆撃機を長駆護衛するのが主任務で、1938年から開発し、初号機は1941年9月に初飛行したが、２号機の完成が1944年にずれこみ、設計者も7月30日に胃がんで死去したため、そのまま開発中止となった。全長11.7m、全幅15.5m、全高4.35m、全備重量7840kg。エンジンはミクリンAM-37液冷Ｖ型12気筒ガソリン（1400馬力）双発、最大速度555km、航続距離1070km。固定武装は20mm機関砲２門＋7.62mm機銃５丁（37mm固定機関砲２門、12.7mm固定機銃、7.62mm旋回機銃１丁？）。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、ウォーマシン・レポートNo.67

＜ＴＩＳＬ＞：AN/AAS-35（レーザー・スポット・シーカー）を参照。

＜ＴＪ−１＞：J-1攻撃機ファミリーを参照。

＜ＴＪＮＯ＞：在外邦人等輸送を参照。

＜ＴＪＳ＞：AN/ALQ-99シリーズ（ECMポッド）を参照。

＜ＴＫ＞：Tyazely Podbodny Kreiser（重巡洋潜水艦）の略。参考：現代の潜水艦

＜ＴＫ−１＞：ポーランド軍試作豆戦車。1929年に輸入したカーデンロイドMk�Wを改良したものである。戦闘室はオープントップで、車体前面右に7.92mm機関銃wz25を１丁搭載しており、これを外して車体右後部の対空マウントに装着することもできる。上部転輪片側４個を設け、誘導輪を起動輪と同じ高さにし、下部転輪上方にリーフスプリング１組を追加、最後部の下部転輪を後ろにずらした。試作のみでTK-2に進んだ。参考：月刊PANZER8,’05、月刊丸6,’01

＜ＴＫ−２＞：ポーランド軍試作豆戦車。TK-1の改良型で、エンジンをフォードＡ型（40馬力）に強化して車体後部に搭載、誘導輪を後部に移し、車体前面機銃の下にラジエーター・シャッターを装備した。試作のみでTK-3に進んだ。参考：月刊PANZER8,’05、月刊丸6,’01

＜ＴＫ−３シリーズ＞：ポーランド陸軍の豆戦車。カーデンロイドMk�Y装軌車両の国産改良版で、1931-33年にPZI研究所が300両を生産した。参考：月刊丸6,’01、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＴＫ−３＞：Mk�Ybの改良型で、上部構造を高くしてクローズドトップとし、足周りには前後のボギー繋ぐ大型のリーフスプリングを追加した。武装はオチキス7.92mm機銃２丁。装甲厚4-8mm。エンジンはフォードＡ型（40馬力）、最大速度46km。参考：月刊丸6,’01、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＴＫ−Ｆ＞：TK-3後期生産型（1933年生産型）。エンジンをフィアット社製エンジンのライセンス生産型であるPolski Fiat（42馬力）に換装している。18両が生産された他、エストニアにも売却された。参考：月刊丸6,’01、月刊PANZER8,’05

　＜ＴＫ−Ｍｏｄｉｆｉｅｄ＞：対戦車型。武装を20mm機関砲FKに換装している。1939年から少数が既存の車体から改造され、ポーランド戦に投入された。参考：月刊丸6,’01、月刊PANZER8,’05

　＜ＴＫＳ−３＞：兵員室の装甲形状を改めたもの。武装は8.5mmオチキス重機関銃または20mmゾロータン機関砲１門で、対空機銃架を車体右側面に溶接したものもある。装甲が貧弱で、重機関銃や小銃用徹甲弾で300m先から貫徹されることがあった。しかし20mm機関砲は強力で、ポーランドに侵攻したドイツ戦車を射距離300-400mで撃ち抜いている。全長2.58m、全幅1.78m、全高1.32m、重量2.4トン。装甲厚3-8mm（最大10mm？）。エンジンは空冷ガソリン（40馬力）、最大速度43km、航続距離100km。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊丸6,’01

＜ＴＫ−３ファミリー＞

　＜Ｃ２Ｐ＞：C2P（牽引車）を参照。

　＜ＴＫ−Ｄ＞：試作武装強化型。TKSの武装をプトー37mm砲または47mm砲wz.25に換装している。４両が試作された。参考：月刊丸6,’01

＜ＴＫＳ−Ｄ＞：試作対戦車自走砲型。TKSの戦闘室をオープントップに変更し、ボフォース社製37mm対戦車砲wz37を搭載したものである。1936年に製作されたが、砲をほぼそのまま搭載したため車高が高くなり、射界も十分でなく、量産はされなかった。参考：月刊PANZER8,’05、月刊丸6,’01

　＜ＴＫ−Ｗ＞：試作偵察戦車型。車体上部を削って銃塔と操縦手用キューポラを搭載した。武装は7.62mm水冷機銃wz30。車体が小さすぎて実用に耐えず、量産されなかった。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＴＫ−３運搬用トレーラー＞：ポーランド陸軍のTK-3豆戦車運搬用４輪トレーラー。TK-3は自力でトレーラー上に上がり、履帯を外し、起動輪とトレーラーの駆動軸をチェーンで結ぶと、トレーラーが自走できるようになる。ステアリングが難しいのが欠点。また、TK-3が３トントラックでも運べるため、実際にはあまり使用されなかった。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＴＫ１２＞：ソ連海軍タイフーン級戦略原潜。1980年4月19日起工、1983年12月17日進水、1984年12月26日竣工、1985年1月15日就役。1986年、イギリス海軍スイフトシュア級原子力潜水艦S106スプレンディドと衝突した。予算不足のため1996年に予備役となり、2009年に解体された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船3,’10

＜ＴＫ１３＞：ソ連海軍タイフーン級戦略原潜。1982年2月23日起工、1985年4月30日進水、1985年12月26日竣工、1986年2月15日就役。1986年、ゴルバチョフ書記長の訪問を受けた。1997年に予備役に編入された。アメリカの資金援助で解体中である。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船3,’10

＜ＴＫ１７＞：ソ連海軍タイフーン級戦略原潜５番艦アルハンゲリスク（Alkhangelsk）。1983年8月9日起工、1986年12月12日進水、1987年12月15日竣工、1988年2月19日就役。予備役にあった2005年、プーチン大統領が演習見学時に乗艦した。2015年、解体が開始された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究2,’09、月刊世界の艦船10,’16

＜ＴＫ２０＞：ソ連海軍タイフーン級戦略原潜セヴェルスタル（Severstal）。1985年8月27日起工、1989年4月11日進水、1989年12月19日竣工、1990年2月28日就役。TK208と同様の実験艦改装が行われているという説もあるが、詳細不明。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究2,’09

＜ＴＫ−２５＞：ロシア海軍艦載ECM/ESM装置。上端がやや窄まった多角柱状で、各面の上段に丸っこいフェアリング、下段に四角いフェアリングが付いている。ECMはX-Kuバンド、ESMはL-Kuバンド（2-18GHz）の周波数帯をカバーする。方位角全周・仰角0-40度に対応可能。アドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲート、プロジェクト20380ステレグシュチイ級コルベット、プロジェクト20385グレミャーシチィ級コルベットなどに搭載された。参考：月刊世界の艦船5,'22、月刊軍事研究11,’15、2,’09

＜ＴＫ−２８＞：ロシア海軍艦載ECM/ESM装置。TK-25の大型艦用である。プロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜ＴＫ２０２＞：ソ連海軍タイフーン級戦略原潜。1978年4月22日起工、1982年9月23日進水、1983年12月28日竣工、1984年1月18日就役。1995年3月28日に除籍され、2005年に解体された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船3,’10

＜ＴＫ２０８＞：ソ連海軍タイフーン級戦略原潜１番艦ドミトリー・ドンスコイ（Dmitry Donskoy、中世の聖人の名前）。1976年6月30日起工、1980年9月27日進水、1981年12月29日竣工、1982年2月9日就役。1985年、蒸気発生器で漏洩事故を起こした。1986年、原子炉清浄機構で漏洩事故を起こした。1987年、原子炉清浄機構で漏洩事故を起こした。1992年にR-39M弾道ミサイル実験艦への改装が開始されたが、このミサイルの開発に失敗したため、R-30弾道ミサイルの実験艦として2002年に再進水、2004年に再就役した。しかしこのミサイルも未完成で、戦略原潜としての役割を果たせない状況にある。2004年9月23日、R-30の中型模型の水中発射実験に成功。12月11日にも水中発射に成功した。2005年9月27日、R-30の水上発射に成功、5500km先に着弾した。12月21日、白海からカムチャツカ半島へR-30を水中発射し、成功した。2006年9月7日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射したが、４分後に墜落した。10月25日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射したが、５分後に空中分解した。12月24日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射したが、第３段ロケットが故障して空中分解した。2007年6月28日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射し、飛翔には成功したが、MIRVの弾頭分離装置が故障した。11月、R-30発射実験を行う予定だったが、ミサイルの不具合でキャンセルされた。2008年9月18日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射、飛翔には成功したが、MIRV弾頭分離装置が故障した。11月28日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射し、成功した。12月23日、R-30を白海からカムチャツカ半島に水中発射したが、空中分解して爆発した。2009年7月15日、11回目となるR-30の発射試験を行ったが、20秒後に１段目の舵が故障、空中分解して爆発した。10月27日、発射実験を行う予定だったが、制御装置の不具合で発射不能になった。11月24日、発射実験を行う予定だったが、7月15日の失敗により延期された。12月9日、12回目となる白海からカムチャツカ半島へのR-30水中発射試験を行ったが、３段目ロケットが故障して墜落し、ノルウェーでUFO騒ぎになった。2010年10月7日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射し、成功した。10月29日、白海からカムチャツカ半島にR-30を水中発射し、成功した。2017年7月30日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日の式典に参加。2022年7月20日に退役した説が出たが、実際には2023年2月6日に退役した。参考：月刊世界の艦船12,’11、10,’02、6,’15、11,’17、11,'22、5,'23、10,’23、3,’24、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究1,’09、2,’09、4,’10

＜ＴＫ６００＞：アメリカ空軍の600ガロン（2271リットル）落下増槽。参考：月刊JWings11,’14

＜ＴＫＢ−０２３９＞：A91突撃銃にGP-25てき弾発射機を組み合わせたもの。参考：月刊軍事研究2,’08

＜ＴＫＢ−７２２Ｋ＞：AGS-30（自動てき弾発射機）を参照。

＜ＴＫ−Ｄ＞：TK-3豆戦車ファミリーを参照。

＜ＴＫ−Ｆ＞：TK-3シリーズ（豆戦車）を参照。

＜ＴＫ−Ｍｏｄｉｆｉｅｄ＞：TK-3シリーズ（豆戦車）を参照。

＜ＴＫＮ−４Ｓ＞：ロシア陸軍T-90S戦車の車長用ペリスコープ式昼夜間視察装置。安定化装置付で、倍率7.5倍以上（昼間）／5.1倍以上（夜間）。夜間視界700以上（パッシブ）／1000m以上（シトーラの赤外線投光器使用）。参考：月刊PANZER9,’06

＜ＴＫＲＣＴ＞：戦車連隊戦闘団を参照。

＜ＴＫＳ−Ｄ＞：TK-3豆戦車ファミリーを参照。

＜ＴＫ−Ｘ＞：10式戦車シリーズまたは90式戦車シリーズを参照。

＜ＴＫ−Ｗ＞：TK-3豆戦車ファミリーを参照。

＜ＴＫ車＞：九四式軽装甲車シリーズを参照。

＜ＴＬシリーズ＞：日本の戦時標準油槽船規格で、タンカー・ラージの略。太平洋戦争開戦時に南方で採れた石油を内地に還送できる民間タンカーが３万総トンしか無かったため、これを強化するために建造した１万総トン級の大型タンカーである。建造担当造船所は川南工業香焼島造船所（６隻竣工）、三菱重工長崎造船所（24隻竣工）、川崎重工神戸造船所（６隻竣工）で、各型計55隻建造したが、喪失量をカバーできなかった。昭和19年9月以降は4TLの建造を優先し、護衛空母への改造を施すことが決定され、また1TL及び2TLから２隻ずつが特1TL型（しまね丸型）・特2TL型として護衛空母に改造された。昭和19年11月の計画では、3TLを建造していた三菱重工長崎造船所で4TLを年間12-18隻、1TLを建造していた川崎造船所で4TLを年間８隻建造する予定だった。また、この時点で川崎造船所において建造中だった1TLのうち、半分を特1TL型空母に改造することも計画された。2TLの製作にあたっていた三菱横浜造船所及び播磨造船所は生産を打ち切って他の船舶を建造する予定にしている。参考：戦時標準船入門、月刊軍事研究12,’07、月刊丸2,’08

　＜１ＴＬ型＞：第１次戦時標準船で、当初は単にTL型だったが、後に2TLが作られたため、前に１が付いた。ベースは油槽船黒潮丸で、艦隊随伴特設給油艦としても使える高速性能を持つ。設計は黒潮丸を製作した播磨造船所である。全長160.5m（148m？）、垂線間長153m、幅20m、深さ11.5m、総トン数10560トン（10000トン？）、満載排水量20800トン、積載トン数15600トン、平時満載貨物13949トン。主機は蒸気タービン、主缶は21号水管缶２基、経済出力6500馬力、最大出力8600馬力（9500馬力？）、航海速力15ノット、最大速力18.2ノット（19.4ノット？）、航続距離10000海里。あまつ丸、みりい丸、日邦丸など19隻190000総トン（18隻183158総トン？）が竣工し、16隻171134総トンを喪失した。参考：月刊丸2,’08、戦時標準船入門、輸送船入門

　＜２ＴＬ型＞：第２次戦時標準船。電気溶接で組み立てを容易にしたが、技術レベルが伴わなかったため水密性に問題があり、しかも一重底だったので潜水艦の雷撃により一撃で沈められてしまった。船首楼と船尾楼を持ち、船橋は船体中央前寄りにある。全長157.43m、垂線間長148m、幅20.4m、深さ12m、総トン数10200トン、満載排水量20970トン、ペイロード16600トン、平時満載貨物15517トン。主機は甲50タービン、主缶は改21号水管缶２基、経済出力4000馬力、最大出力5000馬力、巡航速力13ノット、最大速力14.6ノット、航続距離9000海里。あかね丸、せりあ丸、海邦丸、瑞雲丸、光島丸など28隻280000総トン（25隻253739総トン？）が竣工し、18隻183036総トンを喪失した。太平洋戦争を生き延びた船は昭和24年から国際船AB級資格（American Bureau ob Shipping）やBV資格（Breau Veritas。対象12隻12万総トン）を取得するための改造を受け、中東などからの石油輸入に使用された。参考：月刊丸2,’08、戦時標準船入門

　＜３ＴＬ型＞：第３次戦時標準船。全長157.3m、垂線間長150m、幅20.4m、深さ12m、総トン数10200トン、満載排水量17700トン、ペイロード15067トン、平時満載貨物13000トン。主機は乙100タービン、主缶は21号水管缶２基、経済出力8000馬力、最大出力10000馬力、巡航速力16.0ノット、最大速力19.0ノット、航続距離8000海里。３隻29904総トンが竣工した。参考：月刊丸2,’08、戦時標準船入門

　＜４ＴＬ型＞：全長158.3m、垂線間長150m、幅20.8m、深さ12m、総トン数9600トン、ペイロード13800トン。主機は丙200タービン、経済出力16000馬力、最大出力20000馬力、巡航速力19ノット、最大速力23ノット、航続距離8000海里。参考：月刊丸2,’08、戦時標準船入門

＜ＴＬ−１＞：KM-2シリーズ（練習機）または天鏈１号（衛星）を参照。

＜ＴＬ−１＞：ベトナム国防省空軍技術研究所が試作した連絡機。ソカタ・ラリ220GTを参考にした４座機で、1980年に初飛行した。参考：月刊航空ファン5,’18

＜ＴＬ−２＞：中国の無人機用空対地ミサイル。2014年に開発した。重量16kg。射程5km。参考：月刊航空ファン10,’16

＜ＴＬ−６Ｂ＞：中国が開発中の空対艦ミサイルで、輸出専用とされる。誘導はKuバンド・アクティブレーダー。射程30km台。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＴＬ−６Ｂ海外シリーズ＞

　＜ナスール１＞：イランが開発中の地対艦・空対艦ミサイル。TL-6B（C-704？）と同じものである。全長3.28m、直径0.28m、発射重量350kg、弾頭重量130kg。誘導はTVまたはARH、射程27km（地対艦）／35km（空対艦）。2006年に発射テストが開始された。赤外線画像誘導型も開発中らしい。参考：月刊軍事研究11,’11、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ナスール２＞：イランが開発中の艦対艦ミサイル。ナスール１の艦対艦型である。射程30km。2008年末に発射テストが開始された。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ＴＬ−１０シリーズ＞：中国の洪都航空工業集団が開発した短射程対艦ミサイル。2004年11月に珠海エアショーで公開された。主に輸出向けで、中国軍には配備されていないとみられる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究9,’08、月刊航空ファン10,’18

　＜ＴＬ−１０Ａ＞：艦対艦型。弾体中央に固定フィン４枚、後部に全遊動式フィン４枚を持つ。誘導はTV式。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＴＬ−１０Ｂ＞：空対艦型。誘導をARHに換えてある。ヘリコプターにも搭載可能。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン10,’18

＜ＴＬ−１０海外シリーズ＞

　＜コサール＞：イラン海軍・革命防衛隊海軍の艦対艦ミサイルKosar。誘導はTV式またはARH。全長2.5m（TV誘導型）／2.69m（ARH型）、直径0.18m、翼スパン0.586m、重量105kg（TV誘導型）／117kg（ARH型）、弾頭重量29kg。推進は固体燃料ロケット、射程4-18km。2005年からペイカーブ�U級ミサイル艇やパルビン級ミサイル艇に搭載された。参考：月刊軍事研究11,’11、軍用機ウェポン・ハンドブック、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＴＬ２２３＞：航空自衛隊20トンセミトレーラー。全長8.6m、全幅2.8m、全高1.5m、重量6.5トン。最大積載量20トン。東急車輌製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＴＬ４０２４＞：ドイツ国防軍の火焔焼き入れ鋼板規格で、1939年10月30日に制定された。炭素含有量0.4%、ブリネル硬度600（表面）／300（内部）。�V号戦車、�W号戦車Ｄ型以降、�V号突撃砲などに使用された。参考：月刊丸4,’07

＜ＴＬ４０３０＞：ドイツ国防軍の火焔焼き入れ鋼板規格で、1942年１月17日に制定された。厚さ35-50mmの装甲板に関する規格である。�W号戦車Ｆ型の前面装甲などに使用された。参考：月刊丸4,’07

＜ＴＬ４０３４＞：ドイツ国防軍の火焔焼き入れ鋼板規格で、1942年11月25日に制定された。厚さ55-80mmの装甲板に関する規格である。�W号戦車Ｈ型やパンターＤの前面装甲などに使用されたが、80mm規格は1943年末には廃止され、�W号戦車Ｊ型の正面装甲は表面硬化処理が行われていない。参考：月刊丸4,’07

＜ＴＬＡＭ＞：BGM-109シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＬＡＭ−Ｃ＞：BGM-109C（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＬＡＭ−Ｄ＞：BGM-109D（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＬＡＭ−Ｎ＞：BGM-109A（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＬＣ＞：LCT（戦車揚陸艇）を参照。

＜ＴＬＤＨＳ＞：目標位置捕捉特定及びハンドオフ・システムの略。ノースロップ・グラマン社製軽量型レーザー照射測距装置LLDR、レイセオン社製AN/PRC-113V/UHFマンパック型通信装置（後にAN/PRC-148(V)(C)マルチバンド型インター・イントラ・チーム通信機）などから構成される。参考：月刊PANZER4,’03

＜ＴＬＤＭ＞：マレーシア海軍を参照。

＜Ｔ−ＬＯＲＡＭＩＤＳ＞：トルコ軍が導入予定の長射程防空ミサイルで、トルコ長射程防空ミサイル防御システム（Turkish Ling Range Air and Missile Defence System）の略。2010年1月15日に提案を締め切る筈だったが、3月1日に延期された。アメリカは2009年12月にロッキード・マーチン／レイセオンがPAC-2/PAC-3を提案。ロシアはトルコからS-400を要求されたが、S-300の改良型で済ますことにした。中国はHQ-9を提案している。2010年末に決定する予定で、HQ-9が採用されかかったが、NATOとの共同運用に問題があるとしてクレームが付き、ユーロサムシステムに切り替えたものの2015年6月30日の折衝期限を迎えても価格面で折り合わず、契約には至っていない。最終的にS-400を導入した。参考：月刊軍事研究9,’10、12,’14、12,’15

＜ＴＬＰ＞：タクティカル・リーダーシップ・プログラムを参照。

＜ＴＬＰ＞：アメリカ陸軍野外マニュアルFM5-0で規定されている中小部隊指揮官の作戦計画立案法で、Troop Leading Proceduresの略。任務受領、準備命令下達、暫定行動計画策定、移動、偵察、行動計画完成、命令下達、実行監督・修正の８段階からなる。行動計画策定にはMETT-TCの６要素を考慮する。参考：月刊軍事研究12,’13

＜ＴＬＲ−１Ａ＞：中国陸軍69式戦車�U型用レーザー測距器。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜ＴＬＳ＞：イギリス陸軍チーフテン戦車用レーザー測距器で、タンク・レーザー・サイトの略。バー・アンド・ストラウド社が開発し、1973年に実用化された。倍率10倍の光学照準器とレーザー測距器がセットになっていて、砲手と車長が操作でき、データは両者に表示される。測距可能範囲500-10000m、誤差プラスマイナス20m（テストでは90%がプラスマイナス10m以内だった）、発振可能回数毎分10回。No.1Mk.1、No.2Mk.1、No.3Mk.1、No.4Mk.1といったバリエーションがある。参考：ウォーマシン・レポート11

＜ＴＬＳ＞：フランスの125kg/250kg爆弾。炸薬はPBXN-109。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＴＬＳ＞：BAEシステムズ社とボーイング社が開発中のレーザー砲で、Tactical Laser System（戦術レーザーシステム）の略。水上艦に対小型艦用として搭載されている25mm機関砲Mk38の砲座左に同軸装備する。目標捕捉追尾はMk38の砲座右の電子光学センサーで行う。グリーン・レーザーと高出力半導体レーザー（ファイバー固体レーザーFiber Solid State Laser。出力10kW）の２種類を放射でき、グリーン・レーザーは目標識別用センサーとして使用する他、不審船乗員への幻惑用にも使える。直径370mmの照射器から照射される高出力レーザーは、RHIBのゴム浮嚢に穴を開けたり、不審船の電子機器や船外機を破壊したり、兵装弾薬を着火させたりすることが可能。CIWSとして使用できる出力増大型も検討中である。2011年4月、アメリカ海軍がプロトタイプ開発契約を締結した。2017年4月、レーザー出力を60kWに向上させたタイプを発表した。参考：月刊軍事研究8,’11、2,’12、6,’12、8,’13、月刊世界の艦船3,’16、5,’21

＜ＴＬＳＳフライトスーツ＞：アメリカ軍のパイロット用耐Ｇスーツで、TLSSは戦術保命装具システムの略。上半身も耐Ｇ仕様になっており、耐Ｇ性が向上している。また、高Ｇでの呼吸を確保するため、陽圧呼吸装置も装備した。参考：月刊JWings9,’05

＜ＴＬＷＳ＞：戦術レーザー武器モジュールを参照。

＜ＴＬＸ−３９＞：ガピー型（蓄電池）を参照。

＜ＴＭ機雷シリーズ＞：ドイツ海軍Ｕボート用機雷で、トルペード・ミーネ（魚雷発射型機雷）の略。直径は魚雷発射管に合わせて0.533mにした。参考：Ｕボート入門

　＜ＴＭＡ＞：係維機雷型。1930年代に開発された。魚雷発射管１門あたり２発を装填できる。全長3.38m、直径0.533m、炸薬重量215kg。設置可能深度270m。信管は磁気式のM1またはM3。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

　＜ＴＭＢ＞：海底設置型。魚雷発射管１門あたり３発を装填できる。全長2.3m、直径0.533m、全備重量740kg、炸薬重量580kg（420-560kg？）。設置可能深度27m。信管は磁気式のM1またはM3、音響式のA1-A4、複合音響式のAT2またはAT3、磁気音響複合式のMA1、AM2、AM3。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

　＜ＴＭＣ＞：TMBの威力強化型。1939年11月に開発された。全長を3.39mに延長して炸薬量を1000kg（860-930kg？）に増加させ、深度37mまで敷設可能としたもので、魚雷発射管１門あたりの装填数は２発に減っている。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＴＭ機雷・海外シリーズ＞

　＜ＴＭＣ（日本海軍）＞：日本海軍の機雷。昭和17年末以降にドイツから少数が譲渡された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜ＴＭ戦車＞：ソ連軍の試作水陸両用戦車。T-37の改良型として1936年から開発された。エンジンをGAZ-M1とし、車体長を延長して下部転輪を片側６個に増やしている。全長4.4m、全幅1.75m、全高2.2m、重量4.5トン。武装は7.62mm機銃DTが１丁。エンジンはGAZ-M1（50馬力）、路上最大速度49km、水上最大速力3km。乗員２名。タンク・モロトヴァというニックネームまで付いたが、T-38の方が採用され、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER12,’97

＜ＴＭ戦時標準油槽船シリーズ＞：日本の戦時標準油槽船規格で、タンカー・ミディアムの略。建造担当造船所は三菱重工長崎造船所、同横浜造船所で、太平洋戦争中に63隻が竣工した。参考：戦時標準船入門、月刊軍事研究12,’07

　＜１ＴＭ＞：一次標準船。当初は単にTM型で、2TMの登場により前に１が付いた。TLシリーズと同様、南方で採れた石油を日本に還送する目的で建造された中型タンカーだが、1TL型と異なり、艦隊随伴能力は無い。全長126.8m（120m？）、全幅16.3m、総トン数5200トン、載貨重量7000トン、積載トン数7800トン。主機は蒸気タービン、出力3600馬力、航海速力11.5ノット、最大速力15.5ノット。ぱれんばん丸、誠心丸など26隻135200総トン（34隻175607総トン？）が竣工し、全て喪失した。参考：戦時標準船入門、輸送船入門、月刊軍事研究12,’07

　＜２ＴＭ＞：二次標準船。主任務がスマトラ島パレンバンの石油精製基地からシンガポールのブクム島石油積み出し基地までの輸送に変更され、平均水深6mのムシ河を航行してパレンバンに接岸できるよう、小型化・浅吃水化し、航海速力も低速にした。実ただ際にはタンカー不足で日本への還送にも使用されたため、5000kmの航路をノロノロ進む間に航空機と潜水艦の襲撃を受けて為す術無く壊滅している。船型は船首尾楼型で、船尾楼前端に船橋、少し離れて後方に煙突１本がある。全長97m、垂線間長93.0m、幅13.8m、総トン数2854トン、重量トン数4587トン、積載トン数4720トン。主機は蒸気タービン１基、出力1100馬力、航海速力9.5ノット、最大速力11.3ノット。三洋丸、彦島丸、明昭丸、明宝丸など34隻96966総トンが竣工し、23隻65661総トンを喪失した。参考：戦時標準船入門、月刊世界の艦船4,’12、月刊軍事研究12,’07

＜ＴＭ−１−１４＞：ソ連軍14インチ（355.6mm）列車砲。アメリカのM1920の設計を取り入れ、戦艦の主砲を取り外して搭載している。弾量750kg（榴弾）、初速毎秒730m、射程31000m。極東方面の海岸に配備された。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜ＴＭ−１−１５２＞：ソ連軍152mm列車砲。57口径152mm海軍砲M1938を搭載する。弾量50-55kg、初速毎秒900m、射程29000m参考：月刊グランドパワー3,’03

＜ＴＭ−１−１８０＞：ソ連軍57口径180mm列車砲。弾量97.3kg（榴弾）、初速毎秒920m、射程37800m。1935年頃に製作され、第２次大戦で使用された。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜ＴＭ２＞：イタリアのカプロニ社が開発した試作輸送グライダー。胴体側面に大型ドア４枚を持つ。1943年春に初飛行したが、その後事故で大破し開発中止となった。全長13m、全幅22.8m、全備重量4000kg。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＴＭ−２−１２＞：ソ連軍12インチ（304.8mm）列車砲。1930年代に開発された。砲身長40口径。弾量470kg（榴弾）、初速毎秒823m、射程26500m。第２次大戦で使用された。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜ＴＭ−３−１２＞：ソ連軍の列車砲。1930年代に開発された。TM-2-12と同じ車台に52口径12インチ（304.8mm）砲を搭載している。弾量470kg、初速毎秒760m、射程29300m。第２次大戦で使用され、戦後も暫くは配備されていた模様。サンクト・ペテルブルクのオクチャーブリスカヤ駅鉄道博物館に展示されているらしい。参考：月刊グランドパワー3,’03、月刊軍事研究2,’17

＜ＴＭ３Ｂ＞：オリンパスTM3B（ガスタービンエンジン）を参照。

＜ＴＭ４−４＞：イギリス陸軍４×４輪トラック。ベドフォード社製。全長6.6m、総重量17トン。エンジン出力206馬力、最大速度93km、航続距離500km。ペイロード８トン。湾岸戦争にも投入された。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＴＭ−５７＞：ソ連軍の対戦車地雷。圧力及び傾斜作動式信管を備える。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＴＭ−６１Ａ＞：アメリカ軍の戦術巡航ミサイル、別名マタドール（闘牛士）、研究計画名MX-771。マーチンが1945年8月から開発し、当初の制式名称は無人爆撃機B-61だった。主翼とＴ型尾翼を持つ無人航空機型で、トレーラーに装着した発射台から射出される。全長12.1m、胴体直径1.37m、翼スパン8.78m、発射重量5.445トン（8.2トン？）、弾頭はW5核弾頭（40-50キロトン）またはW40核弾頭または通常弾頭で、弾頭ペイロード0.67トン。推進はJ33ジェットエンジン＋固体ロケットブースター、巡航速度は亜音速、最大射程890km。1949年に実用段階となり、1000発以上が生産されて1951年からヨーロッパと台湾に実戦配備された（1957年就役？）。後にMGM-1と改称されている。1963年にMGM-13メースに後を譲って退役し、1972年に除籍された。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings4,’12、4,’19、月刊軍事研究3,’19

＜ＴＭ−６１Ｂ＞：MGM-13シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＭ−６２＞：ソ連軍の対戦車地雷。圧力及び磁気感応式信管を備える。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＴＭ−７２＞：ソ連軍の対戦車地雷。磁気感応式信管を備える。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＴＭ−７６Ａ＞：MGM-13シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＭ−８３＞：ソ連軍のオフルート地雷。音響及び振動感知式信管を持つ。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＴＭ１７０＞：ドイツ製４輪装甲車、別名ヘルマーリン。国境・重要施設の警備車両で、マケドニア反政府勢力のコソボ解放軍がユーゴ内戦で使用した。参考：ウォーマシン・レポートNo.26、月刊PANZER4,’02

＜ＴＭ１８５＞：ソ連軍スカッド地対地ミサイルの推進剤。ケロシン80%とガソリン20%を混合している。酸化剤はAK27Iを使う。参考：月刊軍事研究6,’09

＜ＴＭ１９７＞：OTOメララ社のヘリコプター用武装ターレット。M134ミニガンと大型マガジンを組み合わせたもので、NH-90やAB-205に搭載できる。口径12.7mm版も開発中。参考：月刊軍事研究10,’05

＜ＴＭ３１９−１Ｍ＞：チュルボメカのターボシャフトエンジン。圧縮機１段、圧縮比9.8、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋１段、離昇出力547軸馬力。全長31.5インチ（800.1mm）、直径22.5インチ（571.5mm）、重量207ポンド（93.9kg）。AS555Mに搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＭ−８００＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＭＡ＞：TMシリーズ（機雷）を参照。

＜ＴＭＡ＞：Target Motion Analysis（目標運動解析）の略。潜望鏡やソナーなどのセンサーで得た目標の位置・速力といったデータを分析し、目標の針路や未来位置を推定すること。パッシブ・センサーでは距離情報が得られないので、これの推定も必要になる。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、1,’20、現代の潜水艦

＜ＴＭＡ−０＞：64式対戦車誘導弾シリーズを参照。

＜ＴＭＢ＞：TMシリーズ（機雷）を参照。

＜ＴＭＣ＞：TMシリーズ（機雷）を参照。

＜ＴＭＣ＞：軍の輸送機運航管理統制業務のことで、Transport Movement Controlの略。輸送機の運航と、運びたい貨物や人員を適切に配分する。参考：空軍

＜ＴＭＤ＞：SUU-64/B（ディスペンサー）またはSUU-65/B（ディスペンサー）を参照。

＜ＴＭＤ＞：アメリカ軍の弾道ミサイル防衛構想で、Theater ballistic Misille Defense（戦域弾道ミサイル防衛）の略。1993年5月にクリントン政権が発表した、射程2000km台までの戦域弾道ミサイルに対する早期警戒・追跡・撃破能力の実現を目的とする構想で、海外展開するアメリカ軍と同盟国を守るのが主目的である。高度100km以下の大気圏内で迎撃を行う下層防衛と、100km以上で行う上層防衛に分かれ、下層防衛では射程1500kmまでの弾道・巡航ミサイル、上層防衛では射程3500kmまでの弾道ミサイルを迎撃する。新型早期警戒衛星、ブースト段階迎撃用空中発射化学レーザー（ABL）、ブースト段階迎撃用空中発射ミサイル（ABI）、海軍戦域防衛用ミサイル（NTWD）、海軍地域防衛用ミサイル（NAD）、陸上用戦域高々度防衛用ミサイル（THAAD）、パトリオットPAC3ミサイル（ERINT）、戦闘管理・指揮・統制・通信・情報システム（BM3CI）により構成される。既存の防空ミサイルの改良と野戦情報処理装置を開発・導入する第一段階、海軍地域防衛用ミサイルと陸上配備用の新型迎撃ミサイルシステムを開発する第二段階、海軍戦域防衛用ミサイルを開発する第三段階と分けて開発されるが、新型早期警戒衛星、ABL、ABI、BM3CI、拡大型陸上配備レーダーはそれと別枠で開発される。アメリカ軍では対弾道ミサイル用にTBMDの開発を開始し、陸上兵器ではホークミサイル改修型、誘導機能拡大型ミサイル（GEM）、タロン・シールド、パトリオットPAC3、THAADを、海上兵器ではNADとしてスタンダード２ブロック�WＡ、NTWDとしてスタンダードミサイル３を、航空兵器としてABL実験機とABIを開発しており、早期警戒衛星ブリリアント・アイズも開発中である。予算が莫大になるため、日本やNATO加盟国に参加を呼びかけ、1995年にドイツ、フランス、イタリアが研究に加わった。2001年に誕生したブッシュ政権の政策変更で2002年にBMDに統合された。参考：月刊軍事研究11,’98、3,’03、月刊世界の艦船2,’18

＜ＴＭＤ３＞：フランス陸軍組み立て式・手投げ発進型ミニUAV。SAGEM社が開発し、2003年から配備された。尾翼はＶ字型。機体重量6kg。電動モーターによるプッシャープロペラ推進、航続距離10km、滞空時間１時間（連続動力飛行）。搭載センサーは二軸安定化された低照度CCDカメラと赤外線イメージセンサー。参考：月刊軍事研究1,’04

＜Ｔ／ＭＤＶ＞：南アフリカのRSD社が開発した地雷爆破トレーラー牽引車。トレーラーは２両を縦に連結してあり、爆破装置を搭載している。MDV地雷探知車と組み合わせて使用する。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＴＭＥＯ　Ｍｋ２＞：エリコン・コントラベス社の電子光学方位盤。マレーシア海軍ゴーウインド級コルベットに搭載された。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜ＴＭＩ＞：カナダ陸軍の低高度防空システム（LLADS）向け戦術軍用インターネット。1997年にカナダのLLADS改良計画に基づきスイスのエリコン・コントラバス社が開発し、第４防空連隊に配備された。参考：月刊軍事研究4,’01

＜ＴＭｉ２９＞：ドイツ国防軍の対戦車地雷。1931年に制式化された。皿形の亜鉛パッケージにTNTを詰め込んであり、上面に用意された３ヵ所の圧力信管に45-125kgの圧力がかかると炸裂する。補助信管が３ヵ所に取り付け可能で、ブービートラップなどにも使用できた。直径454mm、炸薬重量4.5kg。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＴＭｉ３５＞：ドイツ国防軍の対戦車地雷。本体は皿形で、上面が圧力板になっていて、80-180kgの圧力が掛かると炸裂する。直径320mm、炸薬はTNT5.2kg。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＴＭｉ３５（ｓｔａｈｌ）＞：ドイツ国防軍の対戦車地雷。上面の圧力板に放射状の溝が刻まれているのが特徴で、225-295kgの圧力がかかると炸裂する。直径320mm。炸薬はTNT6.3kg。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＴＭｉ４２＞：ドイツ国防軍の対戦車地雷。TMi35の生産性向上型で、圧力板を小型化して発火装置を単純化し、炸薬をアマトール5.2kgに変更した。直径324mm。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＴＭｉ４３＞：ドイツ国防軍の対戦車地雷。TMi42の省力型で、主信管を単純化し、上面のキャップが潰れると炸裂するようにした。外から信管が見えないので、ピンを刺すなどして取り敢えず無力化することができない。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＴＭｉ４５３１＞：ドイツ国防軍プラスチック製対戦車地雷。150kgの圧力がかかると内蔵されたガラス容器が割れ、化学反応によりアマトールを炸裂させる。直径317mm、炸薬重量5kg。1944年秋から生産した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｔ−Ｍｋ６＞：アメリカ海軍の魚雷防御装置、別名ファンフェア（Fanfare、ファンファーレ）。1950年代に開発された。参考：月刊世界の艦船8,’21、10,’22

＜Ｔ−ＭＬＰ−１＞：アメリカ海軍モントフォード・ポイント級機動揚陸支援艦１番艦モントフォード・ポイント（Montford Point。1942-49年に黒人兵の訓練を行った海兵隊訓練基地の名前）。2012年1月19日起工、11月13日進水、2013年3月2日命名式実施、5月に引き渡され、9月に最終公試を終えた。2014年6月26日から8月1日、リムパック2014に参加。2015年9月3日、T-ESD-1に艦種変更された。参考：月刊世界の艦船2,’13、5,’13、10,’14、1,’16、月刊軍事研究4,’12、7,’14、3,’16、月刊丸5,’13

＜Ｔ−ＭＬＰ−２＞：アメリカ海軍モントフォード・ポイント級機動揚陸支援艦２番艦ジョン・グレン（John Glenn。元海兵隊大佐の宇宙飛行士で、初めて地球を周回した）。2014年1月13日、造船所公試を終了。2月1日、サンディエゴで命名式を実施。3月12日、MSCに引き渡された。2015年9月3日、T-ESD-2に艦種変更された。参考：月刊軍事研究4,’12、3,’16、月刊世界の艦船4,’14、6,’14

＜Ｔ−ＭＬＰ−３＞：アメリカ海軍モントフォード・ポイント級機動揚陸支援艦３番艦ルイス・Ｂ・プラー（Lewis B. Puller。最多叙勲海兵隊員、最終階級は中将）。事前洋上設置船（AFSB）１番艦でもあり、T-AFSB-1という艦種記号−艦番号も有している。2013年11月起工。2015年6月12日竣工、MSCに配備された。2015年9月3日、T-ESB-3に艦種変更された。参考：月刊軍事研究4,’12、3,’16、月刊丸5,’13、月刊世界の艦船4,’15、9,’15

＜ＴＭＭ−１＞：T-26戦車（初期型）を参照。

＜ＴＭＭ−２＞：T-26戦車（小隊指揮官型）を参照。

＜ＴＭＰ−５＞：ベルギーの機銃ポッドで、TMPはツインMAGポッドの略。内部にMAG58P機銃２丁と弾薬1000発を収容する。全長1.92m、重量108kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＴＭＰＣ＞：トマホーク武器システムを参照。

＜ＴＭＰＲ−６＞：ユーゴスラビア軍の対戦車地雷。自己鍛造弾頭を装備しており、装甲貫徹力75-80mmを誇る。圧力及び傾斜作動式信管を備える。参考：月刊PANZER6,’03、火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究3,’97

＜ＴＭＲ＞：フライング・ベッドステッド（リフトエンジン推力計測リグ）を参照。

＜ＴＭＲ＞：スウェーデンの無人地雷処理車。装軌式の車体にフレイル式地雷処理装置を積んでいる。参考：月刊軍事研究8,’08、11,’10

＜ＴＭＲＲ＞：Technology Maturation Risk Reduction（技術成熟リスク低減）の略。参考：月刊航空ファン5,’18

＜ＴＭＳ＞：熱管理システムの略。M-1A2SEPを参照。

＜ＴＭＳ２６３３＞：ＭRS2000（ソナー）を参照。

＜ＴＭＭＭ＞：トマホーク・ベースライン改良計画（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＭＵ−２８／Ｂ＞：アメリカ軍の薬品散布タンク。航空機のパイロンに取り付けて使用する。爆弾型で、尾部上面に空力フィン２枚、下面に太い放出口を持つ。参考：ワイルドウエポン

＜ＴＭＸ＞：フランス軍125kg/250kg爆弾。本体にはFM-26高温防護コーティング剤が5mmの厚さで塗られている。炸薬はPBXN-109。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＴＭＸ／ＥＯシリーズ＞：エリコン・コントラベス社の艦砲管制用方位盤。参考：月刊世界の艦船4,’22

　＜ＴＭＸ／ＥＯ＞：電子光学センサーとＸバンド追尾レーダーを組み合わせたもので、俯仰角マイナス30度からプラス120度・動揺修正能力最大45度の安定化架台に装着されている。マレーシア海軍MEKO A100型ケダー級外洋哨戒艦とタイ海軍パッターニー級コルベットに搭載された。参考：月刊世界の艦船4,’22

　＜ＴＭＸ／ＥＯ　Ｍｋ２＞：改良型。インド海軍カモルタ級コルベットとマレーシア海軍ゴーウインド級コルベットに搭載された。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜ＴＮ２−１＞：フランス軍の双眼式暗視ゴーグル。参考：コンバット・バイブル２

＜ＴＮ５４＞：イギリス陸軍チャレンジャー２戦車のトランスミッション。第７機甲師団のチャレンジャー１戦車やチャレンジャー装甲修理回収車に先行搭載され、湾岸戦争で好成績を収めており、チャレンジャー２戦車でエンジン出力を向上させる必要が無くなった要因といわれる。トルクコンバーター式オートマチックで、前進６速・後進２速。参考：ウォーマシン・レポート11、月刊PANZER3,’03

＜ＴＮ−６０＞：フランス軍の水爆弾頭。弾頭威力１メガトン。1977年からM20SLBMに搭載された。参考：核兵器事典

＜ＴＮ−６１＞：フランス軍の水爆弾頭。TN-60の軽量型で、軽量化により囮弾頭を一緒に搭載することが可能となった。弾頭重量275-375kg。弾頭威力１メガトン。M20SLBMとS-3D地上発射型IRBMに搭載された。参考：核兵器事典

＜ＴＮ−７０＞：フランス軍の核弾頭。重量200kg以下。弾頭威力150キロトン。1983年から配備され、M4A/M4B潜水艦発射弾道ミサイルに搭載された。参考：核兵器事典

＜ＴＮ−７１＞：フランス軍の核弾頭。TN-70の軽量化型である。重量175kg以下。弾頭威力150キロトン。1985年から生産され、M4A/M4B潜水艦発射弾道ミサイルに搭載された。参考：核兵器事典

＜ＴＮ−７５＞：フランス軍のMIRV弾頭。形状を工夫してステルス性を持つとされる。弾頭威力107キロトン。M-45SLBMとM-51.1SLBMに搭載された。1996年にムルロア環礁で核実験を行い、世界中から非難されている。参考：核兵器事典、月刊軍事研究5,’17

＜ＴＮ−８０＞：フランス軍のASMP核ミサイル用水爆弾頭。重量200kg。威力300キロトン。1985年から配備された。参考：核兵器事典

＜ＴＮ−８１＞：フランス軍の水爆弾頭。TN-80の改良型で、重量・威力は同じ。参考：核兵器事典

＜ＴＮ−９０＞：フランス軍の核弾頭。当初は中性子弾頭になる予定だったが、可変威力式核弾頭として完成した。アデス地対地戦場弾道ミサイルに搭載する予定だったが、冷戦終結により前線配備が取り消されたため30発生産したところで倉庫に入れられ、1996年から解体された。参考：核兵器事典

＜ＴＮＡ＞：フランスのUNAC社が開発した軽量装甲ブルドーザー。レベル２の装甲を持ち、空中投下できる。重量6.5トン。エンジンはキャタピラー社製ディーゼル（100馬力）。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＴＮＣＳ＞：作戦用通信回線統制システム（Tactical Network Control System）の略。

＜ＴＮＦ＞：戦域核戦力の略。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＴＮＴ＞：トリニトロトルエン。炸薬の１種で、濃硫酸と濃硝酸の混合物（混酸）をトルエンに反応させて作る。白色の結晶体で、爆速毎秒7000mに達する。融点81度、分解開始温度250度。爆発エネルギーは１トンあたり4.184ギガジュール。感度が低く、吸湿性が無く、金属との反応性も低い。衝撃・摩擦にも鈍感で、少量ならば火を付けても黒煙を発しながら燃焼するだけで爆轟はしない。冷却硬化時に体積が10-11%ほど縮むが、この時にクラックを生じると、燃焼中にそれをホットスポットとして爆轟に移行する危険がある。1863年に染料として合成され、1890年代に炸薬としてドイツで量産化された。日本陸軍は大正3年（1914年）に茶褐薬として採用し、海軍は明治42年（1909年）に一旦不採用とした後、昭和9年（1934年）に九二式爆薬として採用した。参考：火薬のはなし、火器弾薬技術ハンドブック、月刊世界の艦船10,’17、11,'22、月刊軍事研究7,’10

＜ＴＮＴ／ＨＮＤ／ＡＩ＞：HNDに25%のアルミニウム粉末を混合してTNTに加えた炸薬。ドイツ国防軍の魚雷などに使用された。参考：Ｕボート入門

＜ＴＮＴ爆薬＞：TNTを含有する爆破薬の総称。TNTの融点は80.7度であり、熱湯で温めれば弾丸内に注入できる。主成分として硝酸アンモニウムを50-80%混合し、更にRDXやHMXを加え、火砲用榴弾や地雷用炸薬として用いられる。TNT40%+RDX60%としたものはコンポジションＢと呼ばれ、比重1.68、爆速毎秒7800mを誇る。感度が低いので、爆発力の高い起爆薬を使用する必要がある。参考：火薬のはなし

＜ＴＯ−１＞：P-80シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＴＯ１−ＫＯ１＞：ロシア陸軍T-90S戦車用1A45T射撃指揮装置を構成する夜間目標捜索・照準システム。TPN-4-49-23ブラーンPA照準器と連動し、1500mまでの主砲照準、800mまでの機銃照準を行える。参考：月刊PANZER9,’06

＜ＴＯ１−ＰＯ２Ｔ＞：ロシア陸軍T-90S戦車（後期型）用1A45T射撃指揮装置を構成する夜間目標捜索・照準システムで、別名アガヴァ２。パッシブ赤外線暗視装置を内蔵する。参考：月刊PANZER9,’06

＜ＴＯ−３４／７６＞：T-34/76戦車ファミリーを参照。

＜ＴＯ−３４／８５＞：T-34/85戦車ファミリーを参照。

＜ＴＯ−５５＞：T-55戦車ファミリーを参照。

＜ＴＯ−６２＞：T-62戦車ファミリーを参照。

＜ＴＯＦ式レーザー測距器＞：レーザー測距器を参照。

＜ＴＯＧ重戦車シリーズ＞：イギリス陸軍の重戦車で、TOGはThe Old Gangの略。第２次大戦開戦の２ヶ月前に、イギリス軍需省が、第１次大戦時に戦車供給局のトップだったアルバート・スターン卿と、将来ヨーロッパで起こるかもしれない紛争時に必要な戦車について会議を行った。1939年9月5日、アルバート卿は、具体的な要求や設計の問題を議論する専門委員会を立ち上げるよう提案。これに基づいて第１次大戦時に戦車の開発生産に関わったメンバーを集めた委員会が立ち上げられ、1916-18年にイギリス戦車の生産に関わった人物や、陸軍参謀本部メンバーも加えて重戦車の研究を開始した。フランスの最新戦車シャールＢを見学するなど検討を重ね、1939年10月に軍需省特別車両開発委員会（Special Vehicle Development Committee of the Ministry of Supply）と正式に命名された委員会は、砲撃ででこぼこになった地面を踏破できる全周履帯と、37mm/47mm対戦車砲及び105mm榴弾の射距離100ヤード（91.4m）での射撃に耐える装甲を持つ戦車を開発するべきと勧告した。ちなみにTOGと命名したのもこの委員会である。武装は車体前面の陣地突破用野砲、スポンソンの２ポンド砲、全周をカバーする複数のベサ機銃で、エンジンはディーゼル、速度５マイル（8km）、航続距離50マイル（80.5km）以上、乗員８名で、鉄道でも輸送できるよう設計すべし、とした。1939年12月に設計が出来上がり、モックアップ審査に入ったが、使えそうなエンジンが無く、パックスマン・リカルド12気筒Ｖ型ディーゼルを出力450馬力から600馬力に強化して積むことにしている。また、車重の関係で推進はディーゼル・エレクトリック方式を採用することにし、こちらはイングリッシュ・エレクトリックで開発を開始した。参考：British and American tanks of World War Two

＜ＴＯＧ１＞：最初の試作型で、1940年2月から組み立てに入り、10月に完成した。武装やスポンソン抜きの車体だけで重量が50トンもあり、途中で設計変更を加えて２ポンド砲付きスポンソンは外し、A12マチルダ重戦車と同じ砲塔を積むことにした。車体前面にはフランス製75mm榴弾砲をシャールＢと同様の砲架に搭載する。推進はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル１基により発電機２基を回し、モーター２基で左右それぞれの起動輪に動力を伝える。操向は、可変抵抗器により一方の発電機の電圧を上げ、モーターと起動輪の回転速度を上げることで行う。履帯など足回りはほぼ菱形戦車である。全長33フィート３インチ（10.13m）、全幅10フィート３インチ（3.12m）、全高10フィート（3.05m）、戦闘重量142320ポンド（64.6トン）。装甲厚は最大75mm（基本50mm＋増加装甲25mm）、最小25mm。エンジンはパックスマン−リカルド12気筒Ｖ型ディーゼル（600馬力）、最大速度路上8.5マイル（13.7km）／路外４マイル（6.4km）、航続距離50マイル（80.5km）。乗員８名（車長、操縦手、砲手、装填手、スポンソン砲手４名）。テストの結果、ディーゼル・エレクトリック方式の推進装置が複雑で、負荷がかかりすぎてモーターが焼き付く事態も発生したため、TOG1Aに改造することになった。参考：British and American tanks of World War Two、連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊PANZER2,’02

＜ＴＯＧ１Ａ＞：TOG1の機関系を通常のディーゼルエンジン＋油圧式トランスミッションの組み合わせに変更したもの。TOG1の試作車を改造してテストを行ったが、こちらも能力不足で、履帯接地長が長く幅の狭い車体も災いして操向装置にも不具合を来たし、TOG2を開発することにした。参考：British and American tanks of World War Two

＜ＴＯＧ２＞：TOG1の改良型。車体を軽量化するため、足回りを菱形戦車タイプから通常戦車タイプに変更している。車体側面前部にはスポンソンを付ける予定で、四角い開口部が設けられていたが、最後までスポンソンは装着されず、試作車は孔が開いたままになっていた。砲塔は箱形で、６ポンド砲を装備するが、試作車にはモックアップ砲塔とダミー６ポンド砲を搭載し、その後TOG2R用として開発された新型砲塔と77mm砲の実物に積み替えた。全長33フィート３インチ（10.13m）、全幅10フィート３インチ（3.12m）、全高10フィート（3.05m）、戦闘重量179200ポンド（81.3トン）。装甲厚は最大75mm（基本50mm＋増加装甲25mm）、最小25mm。エンジンはパックスマン−リカルド12気筒Ｖ型ディーゼル（600馬力）、最大速度路上8.5マイル（13.7km）／路外４マイル（6.4km）、航続距離50マイル（80.5km）。乗員６名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手２名）。1941年3月に試作車が完成し、テストに入った。1942年初めにはA30チャレンジャー巡航戦車用としてStothert＆Pittが設計した17ポンド砲塔に換装し、TOG2*と改称された。1943年まで試験が行われたが、チャーチルに負けて採用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊PANZER2,’02

＜ＴＯＧ２Ｒ＞：TOG2の改良型。車体を６フィート（1.83m）短縮してスポンソンを廃止し、サスペンションをトーションバー式としている。計画のみに終わり、砲塔だけTOG2試作車に流用された。参考：British and American tanks of World War Two

＜ＴＯＧＡ＞：イスラエル軍のM113用増加装甲。径8mmの小孔を無数に開けた10mm厚の鋼板で、車体から250mm（100mm？）離して取り付ける。小口径徹甲弾の弾道を狂わせたり、HEATのスタンドオフを狂わせたりする効果があり、14.5mm徹甲弾や、30度以上の角度でRPG-7が命中した場合にこれを防御できる。総重量800kg。ピューマ戦闘工兵車にも搭載された。参考：イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004、月刊戦車マガジン1,’88

＜ＴＯＧＳ２＞：イギリス陸軍チャレンジャー２戦車用熱線暗視装置。参考：月刊PANZER3,’03

＜ＴＯＫＯドーム＞：東光鉄工株式会社が開発したドーム型シェルター。折鋼板構造材を曲げてドーム状に成型しており、軽量ながら３メートルの積雪、８メートル上から落とした鋼球、噴石の直撃に耐える強度を持つ。組み立てはボルト式で、分解してヘリで空輸することも可能。最大幅35m・最大高17.5mまで各種サイズが用意されており、奥行きは0.5m刻みで無限に伸ばせる。日本国内のみならず南極の昭和基地でも使用されており、自衛隊にも提案中。参考：朝雲

＜ＴＯＭ−ＴＯＭ計画＞：JRB-36F（戦闘機運搬機）を参照。

＜ＴＯＰＡＳシリーズ＞：OT-62海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＴＯＰＳＴＡＲ１００−１＞：フランスのセクスタン・アビオニック社が開発したGPS受信機。ヘリコプター搭載用で、三次元位置、速度、時間に関する情報をGPSにより得る。重量2kg。参考：月刊軍事研究12,’00

＜ＴＯＲＥＲＯ＞：トレロ（レーダー・デコイ）を参照。

＜ＴＯＲＫ＞：トーク（対魚雷用魚雷）を参照。

＜ＴＯＲＯＳシリーズ＞：トルコ軍の多連装ロケットシステム。MLRSフェーズ１とATACMSの間を埋めるものとして開発された。ランチャー、６×６輪不整地トラックをベースとした補給車、整備車、４×４輪車をベースとする指揮・操作車、ロケット弾で構成される。参考：月刊PANZER5,’02

　＜ＴＯＲＯＳ−２３０＞：直径230mmのロケット弾を６連装で搭載するもの。最大射程65km。参考：月刊PANZER5,’02

　＜ＴＯＲＯＳ−２６０＞：直径260mmのロケット弾を４連装で搭載するもの。射程は最小15km、最大100km。参考：月刊PANZER5,’02

＜ＴＯＳ１シリーズ＞：ロシア軍のロケットシステム。1990年代末にGUP設計局で開発された。チェチェン紛争に投入されて高い威力を発揮している。参考：月刊軍事研究5,’03、7,’10

＜ＴＯＳ１＞：別名ブラチノ。T-72の車体に220mmロケット弾30連装ポッドを搭載した２名乗り砲塔を載せたもの。ロケット弾自体は無誘導だが、本体に光学照準器、レーザー測距器を装備しており精度10mで目標を狙える。ロケットポッドには最上段に６発、下３段に８発ずつのロケット弾を搭載する。推進は固体燃料ロケット、最小射程400m、最大射程3500m。全斉射には7.5秒しかかからない。HEAT弾、FAE弾頭なども使用できる。重量41.5トン。路上最大速度60km、航続距離550km。NBC防護装置付き。1990年代に24システムが生産された。参考：月刊軍事研究5,’03、12,’99、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＴＯＳ１Ａ＞：ロケットポッドを８列３段24連装としたもの。使用ロケット弾（口径220mm）はMO-1-01-04M焼夷ロケット（重量217kg）またはMO-1-01-04M-OP焼夷ロケット（重量204kg）で、最小射程400-600m、最大射程6000-6700m。重量45.3トン。化学生物兵器を貯蔵所ごと焼き払うのも主任務で、NBC防護部隊に2012年から配備された。シリア内戦介入で実戦参加している。カザフスタン陸軍も70両を配備予定。参考：月刊軍事研究3,'19、5,’03、6,’13、月刊PANZER10,’12

＜ＴＯＴＩＭ＞：AMPPM（電子光学マスト）を参照。

＜ＴＯＴ射撃＞：Time On Target（同時弾着）射撃。砲仰角を変えて数発の砲弾を発射し、目標に同時弾着させること。トーチカなどの硬目標に対して用いられる。参考：月刊軍事研究4,’00

＜ＴＯＶ＞：アメリカが開発中の地上無人攻撃兵器で、Tele-Operated Vehicleの略であり、別名COUGAR（クーガー。Co-Operated Unmanned Ground Attack Robotsの略）。M966にハンターUGV・キラーUGVの有線／無線遠隔操縦指令送受信機（15km程度まで遠隔操作可能）と遠隔運転席を搭載した有人コントロール・バン１両、オープントップ型M966に半人間型ロボットと偵察マスト及び自衛用武装を搭載したハンターUGV１両、トラック型HMMWVを改造してミサイルまたは迫撃砲を搭載した無線操縦式キラーUGV１両で構成される。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ＴＯＷ＞：BGM-71シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＴＯＷ２＞：BGM-71C（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＴＯＷ２Ａ＞：BGM-71D（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＴＯＷ２Ｂ＞：BGM-71E（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＴＯＷミサイル・システム＞：TOWミサイル用ランチャー・チューブは長さ1.07m、重量5.9kg。旋回ユニット左側に重量14.5kgの光学照準器を持ち、小さいレンズがミサイル尾部の赤外線追尾用、大きいレンズが倍率13倍の光学照準用。重量24.5kgの旋回ユニット右下部にボタン式トリガーがある。旋回ユニットは三脚（9.5kg）に取り付け、箱形のミサイル誘導装置（24kg）とケーブルで接続する。これらは計５名で運搬可能。ミサイル・コンテナは重量25.4kgで、１名で持てる。コンテナはグラスファイバー製で、前部カバーを外してランチャー・チューブに押し込めば装填完了。発射の際は、半径75m・後方90度がバックブラスト注意範囲となる。参考：コンバット・バイブル２、月刊グランドパワー9,’03

＜ＴＯ閲覧用整備器材（Ｆ１００用）＞：自衛隊の機器。MECネッツエスアイ製。参考：月刊軍事研究4,’17

＜ＴＰ＞：Turn Point（旋回点）または演習弾または多目的演習弾の略。参考：月刊軍事研究2,’08、自衛隊装備カタログ1981

＜（ＴＰ）＞：Tropen（熱帯地用）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＰ−２Ｆ＞：P-2対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＴＰ−３９Ｑ＞：P-39戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＰ−４０＞：P-40戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｔｐ４２／４３＞：スウェーデン海軍の短魚雷。ヘリコプター、水上艦、潜水艦で運用可能。有線誘導なので、固定翼機からは運用できない。Tp45に後を譲った。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜Ｔｐ４５＞：スウェーデン海軍の短魚雷。中間誘導は有線誘導式なので、固定翼機からは運用できず、ヘリコプター、水上艦、潜水艦から発射される。終末誘導はアクティブ、パッシブ、パッシブ／アクティブ音響誘導のいずれかを選択でき、同時複数目標追尾能力も持つ。全長2.64m（2.85m？）、直径0.4m、重量350kg（320kg？）。主機は直流電動モーター、推進はプロペラ、航走距離30km。1995年に就役し、パキスタン海軍とフィンランド海軍も採用した。参考：月刊軍事研究12,’07、月刊世界の艦船7,'21、5,’12

＜Ｔｐ４６＞：トルペドー90（魚雷）を参照。

＜Ｔｐ４７＞：スウェーデン海軍短魚雷。Tp45の後継で、サーブ・ダイナミクス社が開発した。ヘリ、水上艦、潜水艦から発射でき、潜水艦だけでなく水上艦にも対応できる。全長2.85m、直径0.4m、重量340kg。誘導は銅線による有線式。動力源はリン酸鉄リチウム電池、推進は直流電動機によるポンプジェット、雷速35ノット、航走距離20km以上。2022年にスウェーデン海軍に納入された。フィンランド海軍ハミナ級コルベットにも搭載されており、ポーヤンマー級コルベットにも積む予定。参考：月刊世界の艦船3,'23、7,’21、1,’23、1,’24

＜ＴＰ−５１Ｄ＞：P-51戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｔｐ５２＞：キャンベラ爆撃機・海外ファミリーを参照。

＜Ｔｐ６２＞：スウェーデン海軍の長魚雷、輸出名称T2000。Tp613魚雷の後継として1988年からサーブ社が開発し、2001年から配備された。水上艦や潜水艦から発射可能。全長5.99m、直径0.533m、重量1400kg、弾頭重量200kg。主機は７気筒レシプロ、推進はポンプジェット、燃料はケロシンと高濃度過酸化水素HTP（High Test Perooxide）、最大雷速50ノット（40ノット？）、最大航走距離50km（40km？）。誘導は有線（双方向データリンク可能）＋パッシブ／アクティブ音響。信管は着発と音響近接で、前者は対潜水艦用、後者は対水上艦用である。2012年から改良型を開発中。参考：月刊軍事研究9,’10、月刊世界の艦船6,'21、11,’16

＜ＴＰ−６３Ａ＞：P-63戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＰ−６３Ｃ＞：P-63戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｔｐ８４＞：C-130輸送機・海外ファミリーを参照。

＜Ｔｐ８８＞：スウェーデン空軍要人輸送機。フェアチャイルド社製メトロ�V双発ターボプロップ人員輸送機を導入したもので、１機を配備した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｔｐ１００＞：スウェーデン空軍のサーブ340輸送機。参考：月刊JWings7,’01

＜Ｔｐ１０１＞：スウェーデン空軍のキングエア200輸送機。参考：月刊JWings7,’01

＜Ｔｐ１０２Ａ＞：スウェーデン空軍のガルフストリーム�W-SP輸送機。初号機は全面グレー塗装、２号機は全面ホワイト。参考：月刊JWings7,’01

＜Ｔｐ１０２Ｄ＞：スウェーデン空軍のガルフストリーム550要人輸送機。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＴＰ４００−Ｄ６＞：A400M輸送機に搭載されている３軸ターボプロップエンジン。MTU、ロールスロイス、スネクマなどの共同出資企業であるユーロプロップ・インターナショナルが開発した。FADECを備えており、燃費が良い。圧縮機は低圧５段・高圧６段、燃焼室はアニュラー式、タービンは高圧１段・低圧１段、プロペラ回転用３段。出力11000軸馬力（海面高度）。2016年4月1日、エンジンギアボックスの一部が高温に耐えきれず亀裂を生じるという技術的問題が報告された。取り敢えず点検回数増で対応して飛行停止にはせず、新型パーツのテストを行っていて、順調なら8月頃には解決される予定。参考：月刊航空情報3,’10、月刊JWings7,'16、9,’16、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン2,’19

＜ＴＰＡ−１００Ａ＞：自衛隊の衝突防止装置（TCAS）。P-1に搭載された。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究9,’11

＜ＴＰＣ＞：幹部専修科飛行試験課程または試験飛行操縦士課程を参照。

＜ＴＰＥ３３１−１２Ｂ＞：ギャレット社のターボプロップエンジン。圧縮機２段、圧縮比10.8、燃焼室はアニュラー式、タービン段数３段。離昇出力1100馬力。全長46インチ（1.168m）、直径26インチ（0.66m）、重量420ポンド（190.5kg）。ショート・ツカノに搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＰＦＤＤ＞：在韓米軍の施策で、タイム・フェイズド戦力展開データの略。FMPでも戦争を避け難い場合に採るもので、例えば空軍増派の場合、フェーズ１で地上要員、２で基地防空部隊、３で各飛行隊を集中させ、戦時体制に突入する。これにより集中する部隊はイン・プレイス（在韓米軍）、プレ・プランド（予め緊急時増派が決定されている部隊）、オン・コール（米韓連合司令部が必要に応じて呼び出す部隊）、オフ・ペニンスラ（必要に応じて呼び出される太平洋軍総司令部の管轄外の部隊）の４つに分かれている。参考：月刊軍事研究11,’03

＜ＴＰＬ−２５＞：アメリカ海軍の曳航式音波探知機Towed Pinger Locator -25。太いケーブル状の音波探知機に安定翼を取り付けたもので、ワイヤーで水中を牽引し、墜落して海に沈んだ航空機が発する音響信号を探知、発信位置を特定する。参考：月刊航空ファン7,’19

＜ＴＰＮ４−４９−２３＞：ロシア陸軍T-90S戦車用夜間視察装置、別名ブラーンPA。TO1-KO1の一部を構成する。単眼ペリスコープ式で、視野5.25度、倍率6.8倍、俯仰角マイナス７度からプラス20度。0.005ルクスで1200m先を見通す微光暗視装置と、シトーラの赤外線投光器を使用して1500m先まで見えるアクティブ赤外線暗視装置を持つ。参考：月刊PANZER9,’06

＜ＴＰＳ＞：テストパイロットスクールを参照。

＜ＴＰＳ８３０ＫＥ＞：韓国のトラック搭載低高度監視レーダー。対空システムや沿岸監視に用いる。探知距離40km。参考：月刊軍事研究7,’03

＜ＴＰＳ−Ｐ１４ＭＥ＞：JTPS-P14海外シリーズ（レーダー）を参照。

＜ＴＰＳ−Ｘ＞：ハワイのカウアイ島に設置されている試験用レーダー。FBXRTレーダーの小型版である。2006年6月22日、FTM-10試験に参加した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｔｐｚ．１＞：フクス・シリーズ（偵察車）を参照。

＜ＴＰｚ１Ａ２ＡＣＣＣ＞：フクス偵察車ファミリーを参照。

＜ＴＲ＞：モデル1953シリーズ（艦砲）を参照。

＜Ｔ／Ｒ＞：追尾レーダーを参照。

＜ＴＲ＞：訓練弾の略。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＴＲ＞：Training Readiness（訓練可能態勢）の略。部隊での訓練が行えるようになった要員のことで、実任務には就けない。部隊での訓練を終えてOR資格を得ると、実任務に就けるようになる。参考：月刊JWings6,’09、6,’05、月刊航空ファン1,’17、MAMOR vol.164

＜ＴＲ＞：フランス陸軍155mm牽引砲。弾種は榴弾、RAP榴弾、発煙弾、照明弾。最大射程32.5km。持続発射速度毎分６発。18秒間に３発のバースト射撃も可能。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＴＲ−１＞：U-2シリーズ（偵察機）を参照。

＜ＴＲ−１＞：ソ連軍の短距離弾道ミサイル、米軍コードSS-12、NATOコードはスケールボード（Scaleboard）。弾頭は500キロトン単弾頭。射程800-900km。1969-89年に配備された。参考：核兵器事典

　＜ＳＳ−１２＞：西側推定諸元は以下の通り。弾頭威力はメガトン級。射程500マイル。1969年から配備された。参考：軍事力バランス78年版

＜ＴＲ−４＞：T-26戦車ファミリーを参照。

＜ＴＲ４−１＞：T-26戦車ファミリーを参照。

＜ＴＲ１０＞：日本海軍の試作ジェットエンジンで、TRはタービン・ロケットの略。栄エンジンに圧縮機を付けたり、研究用としてブラウン・ボベリ社から昭和12年末に海軍航空廠が２基輸入したターボスーパーチャージャーを改造したりしてテストを行い、昭和18年6月に原型のTRジェットエンジンを３基完成させた。しかし振動と過熱が酷く、希少金属不足で耐熱素材が作れずにタービンブレードが破損する、ベアリングが高回転に耐えられない、燃料系統や電気系統が頻繁に故障するなどのトラブルが続発、遠心式圧縮機を装備したTR10が開発されることになった。当初は空技廠、三菱、中島＋日立、石川島で協力して試作にあたったが、ドイツからBMW003Aジェットエンジンの資料がもたらされたため、民間企業にはネ130、ネ230、ネ330を開発させることにし、空技廠単独で試作に入った。ただジェットエンジンの写真はピンボケであまり参考にならなかったらしい。昭和19年8月から漸く海軍はジェットエンジン開発に本腰を入れ、本エンジンを搭載した試作機は昭和19年9月に完成した。この頃陸海軍ジェットエンジン開発計画を統合することになり、それに伴ってネ一〇（ネは燃焼のネ）に改称されている。しかし問題が続出して上手くいかず、ネ一〇改、ネ一二と改良が進められた。参考：歴史群像8,’08、丸エキストラ版No.114、月刊航空情報11,’10

＜ＴＲ一〇＞：トヨタが昭和18年3月から開発した、飛行場建設用４トントラクター。５両を試作して昭和20年2月に性能テストが行われ、そのまま終戦になった。戦後に農業用トラクターとして使用されている。参考：工兵入門

＜ＴＲ４７Ｃ＞：349型（追尾レーダー）を参照。

＜ＴＲ６０＞：韓国航空宇宙研究院が開発したティルトローター式UAV。全長3m、全幅5m（メインローター含む）、翼スパン3m、最大離陸重量210kg。エンジンは出力55馬力のものを２基積み、最大速度250km、上昇限度4500m、最大飛行距離200km。ペイロード30kg。2017年7月11日、10ノットで航行中の沿岸警備艇での自動発着艦試験に成功した。参考：月刊軍事研究12,’17

＜ＴＲ７５＞：OSTR（ティルトローター機）を参照。

＜ＴＲ−７７＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＲ−７７改修型＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＲ−８５＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＲ−８５Ｍ１＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＲ−８５Ｎ＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＲ−１２５＞：T-72海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＲ−３００級＞：ドイツのティッセン・ノルトゼーヴェルケ社とHDW社が共同開発した小型潜水艇。船体前部にソナー、前部上構に外装式魚雷発射管、船体やや後方の耐圧潜殻外両舷に機雷を装備し、水深10mの水域でも作戦行動可能である。全長30m、幅5.7m、耐圧潜殻径4m、高さ6.2m、排水量300トン、予備浮力30トン。主機はクローズド・サイクル・ディーゼル（水上航行時はオープン・サイクルも可）、水中速力13ノット、水中航続距離45海里（バッテリー）／200海里（CCD）。行動日数14日。兵装は魚雷発射管４門（魚雷４本）、機雷12個。乗員８名＋特殊部隊。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜ＴＲ−３４３＞：アメリカ海軍AN/SQS-53バウソナー・シリーズ用送受波器素子（トランスデューサー）。外側からヘッドマス（音波放射面）、セラミック・スタック（電気信号・振動変換）、テイルマス（音波周波数バランス制御）、トランス（電気的インピーダンス整合）と並んでいて、トランスからソナー本体にケーブルが繋がっている。セラミック・スタックはチタン酸バリウム製リングで、通電すると圧電効果により振動し、音波を受け取って振動すると電気信号を発する。セラミック・スタックは絶縁リングを介してヘッドマスとテイルマスによりボルト固定され、自身の振動で壊れないようになっている。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜ＴＲ−３４３海外シリーズ＞

　＜ＴＲ−３４３Ｊ＞：海上自衛隊まや型護衛艦AN/SQS-53Cバウソナー用送受波器素子（トランスデューサー）。基本構造、サイズ、重量、外見の情報開示を受けてNECが開発し、アメリカ海軍のテストに合格して認証された。肝となるセラミック・スタックは情報開示されなかったのでNECが独自開発し、それに合わせてテイルマスも適正サイズに変更、電気的特性が変化しないようトランスも設計を変えている。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜ＴＲ−５８０＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ＴＲ９１１Ｘ＞：イーグルアイ・シリーズ（無人機）を参照。

＜ＴＲ９１８＞：イーグルアイ・シリーズ（無人機）を参照。

＜ＴＲ１３５５シリーズ＞：イギリスのGEE装置用受信機。ノルウェーからビスケー湾までをカバーし、爆撃航法のみならず英仏海峡での掃海作業時にも使用された。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

　＜ＴＲ１３５５＞：最初の実用化型。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

　＜ＴＲ１３５５Ｍｋ２＞：ドイツが対抗措置を実施してきた場合を考え、受信波長域を拡大したもの。妨害を受けると、すぐに波長を切り替えて対抗する。また、ラッチＫと呼ばれる手動切り替え装置も付いていて、目標に接近すると適宜切り替えて電波妨害に対抗した。後にドイツ側が入手してFuG122としてコピーしたため、更に改良し、盲目爆撃装置へと発展させている。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＴＲ−１７００級＞：アルゼンチン海軍潜水艦、別名サンタ・クルス（Santa Cruz）級。1977年にドイツのTNW社に発注し、２隻をドイツで、４隻をアルゼンチンで建造する予定だったが、アルゼンチンの造船所が建造中に倒産してしまい、ドイツの２隻しか完成しなかった。潜舵はセイル・プレーンである。全長65.5m、全幅7.3m、平均吃水6.5m、水上排水量2116トン、水中排水量2264-2300トン、予備浮力9%。主機はディーゼル・エレクトリック方式、MTU社製ディーゼル発電機（1100kW）４基・電動モーター（6600kW）１基１軸8980馬力、水上速力15ノット、シュノーケル速力12ノット、水中速力26ノット、燃料搭載量319トン、シュノーケル時航続距離12000海里、水中航続距離50海里（20ノット）／110海里（15ノット）／250海里（10ノット）／450海里（６ノット）、水中航続時間45分（25ノット）。潜航深度270m。兵装は533mm魚雷発射管６門（SST-4長魚雷またはMk48長魚雷22本または機雷）で、自動装填装置があり、50秒で次発を装填できる。乗員29名（士官８名、下士官・兵21名）。S41サンタ・クルスとS42サン・ファンが1984-85年に就役した。2017年、S42サン・ファンが事故で沈没した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船5,’83、11,’16、4,'20、2,'23、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＴＲＡＣ＞：アメリカ空軍U-2RのASARAS合成開口レーダー用画像処理装置で、地上に設置される。空輸可能で、展開が早い。参考：月刊軍事研究5,’05

＜ＴＲＡＤＯＣ＞：訓練教義コマンドを参照。

＜ＴＲＡＦＳ＞：アメリカ海軍の魚雷探知装置で、Torpedo Recognition and Alertment Function Segmentの略。AN/SLX-1マルチセンサー魚雷認識警戒プロセッサの発展型で、AN/SQQ-89、TASS、ハルソナー、レーダー、潜水艦対抗装置をシステム化したものである。タイコンデロガ級、アーレイ・バーク級、スプルーアンス級に追加装備された。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜ＴＲＡＪＡＮ＞：ネクスター社の牽引式榴弾砲。カエザール自走榴弾砲の52口径155mm榴弾砲を牽引式にしたものである。APUにより時速10kmで走行可能。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＴＲＡＬＬ電磁システム＞：チェコのメトラ・ブランスコ社がイスラエルのIAIラムタ社と共同で開発した地雷爆破装置。強い磁場を発生させて磁気地雷を戦車の前方0.8-2.5m・側方0.4m以上で自爆させる。参考：月刊軍事研究4,’02

＜ＴＲＡＮＳＣＯＭ＞：USTRANSCOM（統合軍）を参照。

＜ＴＲＡＰ＞：CSARのアメリカ海兵隊名称で、Tactical Recovery of Aircraft and Personnel（航空機と人員の戦術的回収）の略。専用の救出部隊は存在しないので、偵察部隊や歩兵部隊を20名強集めて編成する。水陸両用作戦では一度に出る損害を抑制するためCH-46Eで部隊を小分けにして送り込むが、TRAPでは短時間での救出離脱が優先されるため、救出人員も纏めて乗せられるCH-53にハリアーと攻撃ヘリの護衛を付けて現場に急派する（MV-22配備後も回収だけは搭載兵員数の多いCH-53で行う）。衛生兵３名が配属され、うち２名は特殊作戦部隊で上級外傷治療コースを修了した者である。緊急脱出したパイロットは背骨を痛めていることが多いため、長短２つの脊柱矯正板、竿無しの担架４基、外傷治療キット２個を携行する。参考：月刊軍事研究7,’03、月刊JWings11,’06、12,’10、8,’12

＜ＴＲＡＰＳシリーズ＞：カナダのジオスペクトラム・テクノロジーズ社（エルビット・システムズ社の子会社）が開発したVDSで、Towed Reelable Active Passive Sonarの略。参考：月刊世界の艦船7,’20

　＜ＴＲＡＰＳ＞：使用周波数2kHz。カナダ海軍キングストン級哨戒艇に搭載された。参考：月刊世界の艦船7,’20

　＜ＴＲＡＰＳ−ＵＳＶ＞：USVに搭載して遠隔操作により運用できるよう、ウインチを小型化した。使用周波数2kHz。2020年、エルビット・システムズ社がシーガルUSVに搭載してテストした。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜ＴＲＡＳＣ＞：アメリカ空軍の衛星通信装置Tactical Removable Airborne Satellite Communications。C-130輸送機の胴体上面脱出ハッチMPHSにアンテナドームを装着して使用する。参考：月刊JWings8,’24

＜ＴＲＤ＞：EF2000ユーロファイター戦闘機の曳航式レーダーデコイ。右主翼端ポッドに２個収容され、光ファイバーケーブルを内蔵したケブラー製曳航索により、100m後方に繰り出す。使用後は投棄することも、再収容することも可能。参考：月刊JWings11,’04

＜Ｔ−ＲｅＣＳ＞：基幹連隊指揮統制システムを参照。

＜ＴＲＧ＞：フィンランドのSAKOが開発した狙撃銃。ボルトアクション式で、銃口にはマズルブレーキが装着されており、ストック前部に折り畳み式の二脚を持つ。全長1200mm、銃身長660mm、重量5.3kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾。装弾数５発または10発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＴＲＩＧＡＴシリーズ＞：イギリス、フランス、ドイツが共同開発した対戦車ミサイル。ミランの後継で、地上発射及びティーガー攻撃ヘリコプター用に開発され、A-129やAH-64にも搭載できる。ユーロミサイル社が生産した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＭＲ−ＴＲＩＧＡＴ＞：Medium Range Tri-national, Third Generation Anti-Tank（中射程・三国共同・第三世代対戦車）の略。全長950mm、直径152mm。タンデム弾頭を持ち、装甲貫徹力は1500mm、厚さ3mの強化コンクリートを貫徹できる。ミサイル中央の安定フィン及び後部の全遊動式操縦フィンはどちらも折り畳み式で、発射後に展張する。発射されると命中直前で高度を上げ、トップアタックを行う。射距離1500mなら時速150kmで移動するヘリを撃墜できるとされる。誘導方式は波長10ミクロンのレーザー・ビーム・ライディングで、撃ちっ放しが出来ないという欠点があり、アメリカのジャベリンやイスラエルのGillに劣る。参考：月刊軍事研究4,’01、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＬＲ−ＴＲＩＧＡＴ＞：ドイツ連邦軍名称PARS3LR。MR-TRIGATの射程延伸型で、ヘリコプター専用である。誘導方式を赤外線画像センサーに変更しており、撃ちっ放し式になった。飛翔速度毎秒300m、射程4000m。フランスもAC3G（AntiChar de 3e Generation、第３世代対戦車の略）として採用予定だったが、ティグールHACの採用中止でお流れになった。参考：月刊軍事研究4,’01、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究11,’09、7,’95

＜ＴＲＩＴＡＮ＞：イタリア海軍の艦載戦闘システムで、TRatamiento Informatico de TActica Navalの略。アメリカ海軍NTDS（第２世代）がベースで、各種レーダー、電子戦機器、ソナーから得た情報を統合してディスプレイに表示し、対空・対水上・対潜戦などを指揮管制する。バレアレス級フリゲートの近代化改装時に搭載された他、改良型がプリンシペ・デ・アストゥリアス級に装備された。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜ＴＲＬ＞：アメリカ国防総省用語で、技術準備レベルの略。９段階あり、レベル６は原型が適切な環境で実証できる段階、レベル７は原型が作戦環境で実証できる段階を指す。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＴＲＭ７００−１００＞：フランス陸軍のタンクトランスポーター。６×６輪トラックで、SR-PB60セミトレーラーを牽引する。キャビンはTRM10000砲兵牽引車の流用で、４ドア・５座席。エンジンはMack（700馬力）。ルノーRVT社製。参考：月刊PANZER1,’01

＜ＴＲＭＳ＞：アメリカ空軍が開発しているレーザー反射鏡システムで、Tactical Relay Mirror Systemの略。15-25kW級レーザーを地上用コンテナから発射し、上空のプレデターＢまたは飛行船に装着した鏡で反射させて不審車両やIEDに照射、無力化する。2005年に高度10000フィート（3048m）を飛行するプレデターＢを使用して10kWのレーザーを反射させ、目標に命中させた。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＴＲＮ−５０１＞：航空自衛隊の移動式TACAN装置。TACANシェルターと円筒形アンテナからなり、アンテナは使用時にシェルター上に持ち上げる。集中監視機能にプラズマ・ディスプレイを使用しており、また点検に計測器を殆ど必要としない。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＴＲＳ＞：戦術偵察飛行隊（Tactical Reconnaissance Squadron）の略。

＜ＴＲＳ−３Ｄ＞：EADS社の三次元対空・対水上捜索レーダー。アンテナは横長矩形フェイズド・アレイ式で、機械的な安定化機構を持ち、毎分10回転する。使用周波数Ｃバンド、最大探知距離100km（180km？200km？）。目標処理能力400以上。ドイツ海軍F122型フリゲートとブラウンシュヴァイク級コルベットに搭載された。またアメリカ海軍LCSにもAN/SPS-75として搭載されている。参考：月刊軍事研究12,’11、12,’15、3,’17、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＴＲＳ−３Ｄ／１６シリーズ＞：EADS社の三次元捜索レーダー。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜ＴＲＳ−３Ｄ／１６ＥＳ＞：アンテナ１面回転型で、位相放射素子を46列16段配置している。動揺修正は電子的に行う。使用周波数Ｃバンド。アンテナ回転数毎分10回（捜索モード）／60回（個艦防御モード）。最大探知距離200km、最大探知目標数750以上。参考：月刊世界の艦船11,’21

　＜ＴＲＳ−３Ｄ／１６ＭＳ＞：動揺修正を機械式に変更したもの。ブラウンシュヴァイク級コルベットに搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜ＴＲＳ−３Ｄ−２４＞：EADS社の三次元捜索レーダー。TRS-3D/16の後継である。46×24個の素子をアンテナ面に配置し、機械旋回で全周を、ペンシルビーム俯仰走査で仰角70度超をカバーする。使用周波数Ｃバンド、目標最大探知距離200km、同時探知追尾可能目標数300。レーダーモードは遠距離捜索、標準、個艦防御／ミサイル、シースキマーの４種類。996型レーダーの後継としてイギリスに提示している。参考：月刊軍事研究1,’08

＜ＴＲＳ−３Ｄ／３２＞：EADS社の三次元捜索レーダー。TRS-3D/16のアンテナを大型化し、素子を32段に倍増、探知距離を延伸した。F122型フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜ＴＲＳ−４Ｄ＞：カシディアン社／アトラス・エレクトロニク社が開発した艦載多機能レーダー。アクティブ・フェイズド・アレイ方式で、窒化ガリウム半導体送受信素子を使用し、デジタル・ビーム・フォーミング技術により沿岸域の各種クラッターにも対応できる。使用周波数Ｃバンド（Ｇバンド？）。最大探知距離250km、最大追尾距離110km以上（対空）／14km以上（対水上）、最大目標同時追尾数1500。アンテナ１面回転型と横長矩形アンテナ４面固定型があり、前者がAN/SPS-80としてアメリカ海軍フリーダム級沿海戦闘艦９番艦以降に、後者がドイツ海軍F125型バーデン・ヴュルテンベルク級に搭載された。ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級コルベット・バッチ２に１面回転型、F126型フリゲートに４面固定型が搭載予定。参考：月刊軍事研究10,’14、1,’12、月刊世界の艦船11,'21、1,'15増刊、6,’19、8,’19、11,’19、7,’22

＜ＴＲＳ１８−１＞：ミクロチュルボ社のターボジェットエンジン。圧縮機１段、圧縮比4.7、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１段、離昇推力326ポンド（147.9kg）。全長22.2インチ（564mm）、直径13.7インチ（348mm）、重量85ポンド（38.6kg）。ミクロジェット200に搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＲＳ−１９０＞：ソ連軍の航空機搭載用190mmロケット弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＴＲＳ８００Ｍ＞：イタリアのテスメック社とアメリカのMLS社が開発した塹壕掘削機。４×４輪トラックに掘削機を搭載したもので、深さ2m・幅0.7-0.9mの塹壕を掘ることができる。土砂は掘削機に取り付けられたベルトコンベアで排出する。エンジンはキャタピラー社製C9ディーゼル（300馬力）。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ＴＲＳ３０５０＞：フランスの対空・対水上捜索レーダー。アンテナは長方形。使用周波数Ｇバンド、ピーク出力8kW、走査回数毎分40回、探知距離19km（対空）。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＴＲＳＳ＞：CS3701（電波探知機）を参照。

＜ＴＲＴ−２５＞：BAEシステムズ・ランドシステムズ・サウスアフリカ社の遠隔操作砲塔で、TRTはTactical Remote Turretの略。25mm機関砲M242（260発）／30mm機関砲Mk44／30mm機関砲M230などの機関砲と、7.62mm同軸機銃（1000発）、76mm発煙弾発射機４基を装備する。俯仰角マイナス10度からプラス65度。昼夜間照準器、レーザー測距器、自動追尾装置を持つ。システム重量850kg。参考：月刊軍事研究9,’10、3,’11、4,’13

＜ＴＲＴ−Ｒ３０＞：BAEシステムズ・ランドシステムズ・サウスアフリカ社の遠隔操作砲塔。TRT-25の武装を30mm機関砲2A42と同軸7.62mm機銃PKTの組み合わせに変更したものである。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ＴＲＵＥＸ＞：アメリカ海兵隊が実施している市街戦訓練のことで、Training in an Urban Envioronmentの略。参考：月刊軍事研究1,’11

＜ＴＲＷ＞：戦術偵察航空団（Tactical Reconnaissance Wing）の略。

＜ＴＲＷＵ＞：陸上自衛隊普通科教導連隊の女性自衛官レスキュー展示チームで、Takigahara Rescue WAC/Women’s Unitの略であり、トゥルーと読む。女性自衛官のみの６名チームで、イベントなどにおいて災害救助実演を行う。普通科教導連隊では災害派遣の経験から所属全隊員が男女問わずリペリング降下技術を駐屯地レンジャー訓練塔からの降下訓練により取得しており、レスキュー展示でも建物からのリペリングを行う他、2017年の静岡県指揮官会議防災訓練ではUH-1Jからのリペリング降下と要救助者誘導を実演した。参考：MAMOR vol.125、vol.133、朝雲

＜ＴＲ−Ｘ＞：ロッキード・マーチン社スカンクワークスがU-2の後継としてアメリカ空軍に提案中の高々度ステルス有人／無人偵察機。戦略偵察機の後継なのにTR（戦術偵察機）なのは、敵領域内に直接侵入しないかららしい。主翼は前縁に浅い後退角（後縁は直線）と長大な翼スパンを持つ。エンジンはGE社製F118改などが候補で、単発機であり、エアインテイクは胴体上面にある。尾翼は内翼部分がＶ字、外翼部分が水平。巡航速度764km、巡航高度70000フィート・21336m（エンジンによっては90000フィート・27432m）、滞空時間40時間以上。有事には無人運用で侵攻偵察に使える。センサーペイロード2.2トン。参考：月刊JWings12,’15、月刊軍事研究8,’16

＜ＴＳ＞：ターゲット・ストレングス（ソナー反響音量）または練習艦隊（海上自衛隊）を参照。

＜ＴＳ＞：訓練飛行隊（Training Squadron）の略。

＜ＴＳ＞：日本の戦時標準油槽船規格で、タンカー・スモールの略。スマトラ島パレンバン製油所−シンガポール・ブクム島石油基地、ボルネオ島バリクパパン製油所−ボルネオ島タラカン石油基地、内地沿岸間といった局地石油輸送を主任務とする。全長65.1m、全幅9.8m、総トン数1010トン、積載トン数1250トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関、出力1050馬力、航海速力10ノット、最大速力12ノット。建造担当造船所は浪速造船所で、第十共栄丸など５隻5162総トンが竣工し、３隻3101総トンを喪失した。参考：戦時標準船入門、輸送船入門、月刊軍事研究12,’07

＜Ｔｓ−１シリーズ＞：ソ連の遷音速研究機、別名LL（Letayuschaya Laboratoriya、空飛ぶ研究室）。グライダーに固体燃料ロケットを積んだもので、1945年9月に飛行研究所LIIからの依頼でツィービン設計局OKB-256が設計した。参考：月刊JWings12,’15

　＜ＬＬ−１＞：初号機。機体は木製で、胴体は紡錘形、主翼は中翼配置の直線テーパー翼で、翼厚比5%、気流計測用のタフト（毛糸）が張られている。水平尾翼は垂直尾翼の半ばから出ている。１軸２輪のソリに載せてTu-2で引っ張って離陸し、高度5000-7000mで牽引ケーブルが切り離され、降下角45-60度で急降下、ロケットに点火して時速1000-1050kmに達し、各種データを収集する。着陸は重心調整用水バラスト（１トン）を投棄した後に胴体下面のスキッドで滑り込む。全長8.98m、全幅7.1m、自重１トン、総重量2.039トン。翼面積10平方メートル。推進はPRD-1500固体燃料ロケット（推力1.5トン、燃焼時間8-10秒）１基。参考：月刊JWings12,’15

　＜ＬＬ−２＞：２号機。前進翼試験機。前縁前進角30度・上反角12度の金属製主翼を付けている。水平尾翼には40度の前縁後退角が付いた。前進翼機を作る予定が無かったことと、先に飛行試験を開始したLL-3に疲労破壊の傾向が認められてテスト継続が危険とみられたことから、結局飛行せずに終わっている。参考：月刊JWings12,’15

　＜ＬＬ−３＞：３号機。後退翼試験機。前縁後退角30度・下反角４度の金属製主翼を装備する。水平尾翼は40度の前縁後退角付き。時速1150-1200kmを出して100回弱のテストを行った。参考：月刊JWings12,’15

＜ＴＳ１−Ｍ−１０Ａ＞：陸上自衛隊のOH-1観測ヘリ用ターボシャフトエンジンで、試作名称XTS1-M-10。圧縮機１段、タービン２段。三菱重工製。2015年2月と12月に高圧タービンブレード損傷を原因とする墜落事故及び予防着陸事態が発生したため、川崎重工やJAXAなどの協力も得て３年ががりで原因を調査したところ、運転中の高圧タービンブレードに過大な応力が発生したためと判明、ブレード形状変更及び高圧タービンノズルを１枚減らして15枚にする改修を行い、2018年3月1日から飛行試験に入り、2019年3月1日に飛行を再開した。参考：月刊軍事研究1,’18、7,’12、月刊JWings5,’19、朝雲

＜ＴＳ−７砲塔＞：ドイツ陸軍ルクス偵察車の小型砲塔。ラインメタル社製。ほぼ円筒形で、スペースド・アーマーを採用した。主砲はラインメタル社製85口径20mm機関砲Rh202が１門で、俯仰角マイナス15度からプラス69度。砲安定化装置は付いていない。給弾は自動装填式のデュアル・フィードで、DM30徹甲弾とDM51A1榴弾を撃ち分けられる。打殻薬莢とベルトリンクは砲塔右の円形ハウジング中央から排出する。砲塔内左に車長、右に砲手が位置し、それぞれにPERIZ-1A-1照準ペリスコープ（倍率は対地６倍・対空２倍）とハッチが用意され、車長用ハッチにはMG34A1機銃を搭載可能。視察用ペリスコープは車長用が７個、砲手用が５個で、うち２個ずつは赤外線暗視型に変更できる。砲塔左側面に白色光・赤外線サーチライト（有効距離は白色光1000m・赤外線800m）を装備する。砲塔左右下部に76mm発煙弾発射機４基ずつがあり、40-50m先に煙幕を展開可能。全備重量2.2トン（弾薬含む）。参考：月刊PANZER8,’01、12,’10

＜ＴＳ−８砲塔＞：ラインメタル社の機関砲塔。TS-7をやや小型にし、装甲を厚くしたものである。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＴＳ−８練習機＞：ポーランドのPZLが開発した練習機で、別名ビィーズ。エンジンはWN-3レシプロ単発。参考：月刊航空ファン7,’17、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＴＳ−８練習機・海外シリーズ＞

　＜ＴＳ−８Ｂ�U（インドネシア空軍）＞：AT-16の後継候補として２機を輸入しテストしたが、T-34に敗れて採用されなかった。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＴＳ−１０砲塔＞：装甲兵員輸送車用試作遠隔操作砲塔。20mm機関砲Rh202（200発）を装備する。M113A1でテストされたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＴＳ−１１シリーズ＞：ポーランド空軍の練習機、別名イスクラ（Iskra）。ポーランドが初めて開発したジェット機で、1960年2月5日に初飛行し、1962年にワルシャワ条約加盟国共同基本練習機として提案されたがL-29に敗れ、ポーランド空軍のみが採用した。2020年2月、ポーランド空軍教育飛行隊で最後の訓練飛行を実施。2021年にビアロ・チェルヴォーネ・イスクリー飛行展示チーム所属機が最後のフライトを行い、全機退役した。後継練習機はM-346である。参考：世界の軍用機1979、月刊JWings7,’22

　＜ＴＳ−１１＞：軸流式ジェットエンジンを搭載して胴体を細く絞り、翼面積を小さくして高速性能を重視した。エアインテイクは主翼付け根に開口する。機首右側面に23mm機関砲１門を搭載でき、翼下には２カ所のパイロンがあって対地攻撃機に転用可能。全長11.17m、全幅10.06m、全高3.5m、自重2.56トン、総重量3.8トン、最大離陸重量3.84トン。エンジンはSO-3ターボジェット（推力１トン）単発、巡航速度324ノット、最大速度388ノット、制限マッハ数0.8、実用上昇限度11000m、航続距離673海里。乗員２名。1963年3月から引き渡された。参考：世界の軍用機1982、1979

　＜イスクラｂｉｓＡ＞：基本の練習機型。参考：世界の軍用機1982

　＜イスクラｂｉｓＢ＞：翼下パイロンを４カ所にしたもの。参考：世界の軍用機1982

　＜イスクラｂｉｓＣ＞：偵察機型。機首左にカメラを搭載した。参考：世界の軍用機1982

　＜イスクラｂｉｓＤ＞：イスクラbisBの改良型。全長11.15m、全幅10.06m、全高3.5m、自重2.56トン、最大離陸重量3.84トン。エンジンはIL SO-3（推力１トン）単発、巡航速度324ノット、最大速度388ノット、制限マッハ数0.8、実用上昇限度11000m、燃料容量1200リットル、航続距離673海里。乗員２名。参考：世界の軍用機1982

　＜イスクラｂｉｓＤＦ＞：攻撃偵察機型。機首左にカメラを搭載し、武装も積める。参考：世界の軍用機1982

　＜イスクラ１００＞：軽攻撃機型。後席を撤去して200リットル入り燃料タンクを搭載し、機首に機関砲を固定装備した。1972年6月に初飛行し、1975-76年にインドに50機が輸出された。参考：世界の軍用機1982、1979

　＜イスクラ２００＞：TS-11の細部改修型。1975年に初飛行した。参考：世界の軍用機1979

＜ＴＳ１９＞：イギリス軍４×２輪３トントラック。ティリング−スティーブンス社製。防空探照灯部隊向けで、キャビンに発電機（24-45kW）を備える。サスペンションはリーフ・スプリング式。全長6.35m、全幅2.337m、全高3.302m、ホイールベース4.267m、重量4.082kg。エンジンはサイドバルブ社製４気筒（総排気量5115cc、出力70馬力）、トランスミッションは２速電動式。1935-38年に437両を生産した。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＴＳ２０＞：イギリスの４×２輪３トントラック。ティリング−スティーブンス社製。後部キャビンに24kWの発電機を搭載しており、サーチライト搭載型もある。サスペンションはリーフ・スプリング式。全長6.477m、全幅2.286m、全高3.505m、ホイールベース3.657m、重量7.772トン。エンジンはサイドバルブ社製４気筒（総排気量4576cc、出力70馬力）、トランスミッションは前進４速。第２次大戦中、イギリス陸軍で600両以上が使用された。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜Ｔｓ−２５シリーズ＞：ソ連軍の侵攻用グライダー。ツィービン試作設計局OKB-256が開発し、1945年に少数が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings12,’15

　＜Ｔｓ−２５＞：機体は全木製の合板張りで、機首のみ羽布張りである。機首部分は右にヒンジがあり、人力で開くことが可能。主翼は高翼配置。全長16.15m、全幅24.38m、全備重量4200kg。最大曳航速度230km。第２次大戦終結後にはミストというNATOコードが付けられた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings12,’15

　＜Ｔｓ−２５Ｍ＞：Ts-25にM11FR-1（165馬力）を搭載した動力化モデルで、１機が試作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＴＳ８４Ａ式歩／機槍夜視鏡＞：台湾国産の暗視スコープ。四〇二廠軍備局生産製造中心が生産した。小銃と機関銃に装備可能。参考：ストライクアンドタクティクスマガジン5,’12

＜ＴＳＡ＞：アメリカ海軍計画高等練習機で、戦術代行航空機の略。空母から運用可能なLIFT機で、2021年に採用計画を発表した。参考：月刊JWings2,’22

＜ＴｓＡＧＩ＞：ツアギ（航空研究所）を参照。

＜Ｔ−ＳＡＳ＞：DUBM-44（ソナー）を参照。

＜ＴＳＡＴ＞：アメリカ空軍の計画通信衛星で、トランスフォーメーショナル通信衛星（Transformational Communication Satellite）の略。AEHF衛星などを補完・統合する。高速データ通信用のEHFトランスポンダー（最大データ送信率45Mbps）、Ka/Kuバンドトランスポンダー（最大データ送信率311Mbps）、レーザー通信データリンク（最大データ送信率2400Mbps）などを搭載し、送受信能力は合計28.5Gbpsにもなる。受信側は長さ300mmのアンテナを装着するだけで良く、移動中の車両でも1.5Mbpsの通信速度でデータを受信できる。重量10.55トン。2014年から５基を静止軌道に打ち上げる予定だったが、開発中止になった。参考：月刊軍事研究4,’07、1,’07、7,’09

＜ＴＳＣＥ＞：アメリカ海軍ズムウォルト級駆逐艦の艦載戦闘システムで、Total Ship Computer Environment（全艦コンピュータ環境）の略。対空戦、対潜戦、対地戦、対水上戦など全ての戦闘システムに加え、通信システム（データリンク、衛星通信、無線通信）、運航システム（航法）、操作システム（主機・補機制御）、ダメコンシステム（自動損害制御ADC）、シグネチャー管理など全艦システムをネットワークで統合する次世代標準型艦載戦闘システムである。BMD対応イージスシステムを完全オープン・アーキテクチャーにして戦闘システム以外の全艦システムも統合したもので、開発費を抑え、アップグレードを容易とするため、COTSも全面的に取り入れている。コンピュータ本体と電子機器キャビネットは電子モジュールパッケージEME（Electronic Modular Enclosures）と呼ばれる長さ10.7m・幅3.7m・高さ2.4mのコンテナパッケージ16基に収容され、振動や電子妨害から守られている。EMEは内部に電子機器キャビネット235個を収めており、整備などはキャビネットの交換で済む。各コンピュータはTCPやUDPといったインターネット・プロトコルでリンクされており、艦内通信もサウンド・パワー以外は全てインターネット・プロトコルによる音声通信である。自艦のセンサーで得た情報や、他艦からデータリンクで得た情報を統合してネットワーク上に流し、乗員が必要な情報をいつでも得ることができ、乗員がそれらの情報を共有することが可能。高度な自動化とネットワーク化により、電信室や砲管制室といった個別の管制区画を廃止してSMC（Ship Mission Center。従来のCIC）に統一し、SMCのどのワークステーションCDS（Common Display System）からでも全艦制御を可能とすることで、省力化も果たしている。欲張りすぎたせいか開発が難航しまくっているらしく、１番艦に搭載されるのは就役後になる予定。参考：月刊軍事研究12,’15、2,’14、月刊世界の艦船8,’16、12,’18

＜ＴＳＤ−１＞：パキスタン軍のクラスター爆弾。内部に対戦車子爆弾247発を収容している。全長2.34m、直径0.335m、翼スパン0.86m、重量222kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＴＳＤ　４０Ｂ＞：航空自衛隊の４×４輪人員輸送車。全長7.3m、全幅2.4m、全高3.1m、車両重量5.5トン、車両総重量8.5トン。エンジンはDA120（総排気量6126cc、出力125馬力）、最大速度69km。乗員37名。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜Ｔｓｈ−２Ｂ−４１＞：ソ連陸軍T-62戦車用FCS。測距にスタジアメトリック式測距器を採用した。照準レティクルには高さ2.7mの目標に対応した目盛りがふってあり、これで大まかな照準が行えるが、射距離1000mを超えると誤差が大きくなる。このため、前方を時速20kmで斜め30度に移動する目標に対しては、射距離1000mで命中率60%、1500mで30%、2000mで15%である。参考：月刊PANZER6,’98

＜ＴＳｈＵ-１-７＞：シトーラ（撹乱装置）を参照。

＜ＴＳｈＵ-１-１１＞：シトーラ（撹乱装置）を参照。

＜ＴｓＩＡＭ＞：ソ連航空エンジン中央研究所の略。

＜ＴｓＫＢ−３＞：I-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＴｓＫＢ−４＞：ポリカルポフ設計局が開発した地上支援機。自衛武装は機銃９丁（うち１丁は後上方旋回機銃）。爆弾搭載量500kg。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＴｓＫＢ−７＞：I-5シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＴｓＫＢ−１２＞：I-16シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＴｓＫＢ−１９＞：I-16戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴｓＫＢ−２６＞：ソ連の試作爆撃機。1936年にイリューシン技師が設計した。機体は全金属製で、主翼は低翼単葉。エンジンはM-85（800馬力）双発。防御兵装は7.62mm機銃２丁。爆弾2500kgを搭載できる。無武装・500kgペイロードで高度12700mまで上昇し、当時の世界高度記録を立てた。制式採用はされなかったが、改良型のTsKB-30がDB-3として生産された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＴｓＫＢ−３０＞：DB-3シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＴｓＫＢ−３３＞：I-16戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴｓＫＢ−４４＞：VIT-1（攻撃機）を参照。

＜ＴｓＫＢ−５５＞：イリューシン設計局試作単発複座攻撃機、別名BSh-2。1935年のソ連空軍要求に基づいて開発した。エンジン、燃料タンク、コクピット周りを装甲板で覆った頑強な攻撃機だが、胴体後半は木製だった。主翼はアルミ合金製。２機が製作されて試験を行ったが、エンジン出力不足と安定性欠如が指摘され、改良型のTsKB-57が製作された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＴｓＫＢ−５７＞：イリューシン設計局試作単発複座攻撃機。TsKB-55の改良型で、４ヶ月で完成させた。エンジンをAM-38（1600馬力）に換え、後席を撤去して燃料タンクを新設すると共に操縦席後部の装甲を強化、飛行安定性を高めるため尾翼を大型化している。武装は20mm機関砲２門。主翼下にRS-82ロケット弾８発または爆弾600kgを搭載可能。1940年10月12日に初飛行し、Il-2として量産された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＴｓＫＢＭ−３＞：KOR-1（艦載機）を参照。

＜ＴＳＭ２０２２Ｍｋ�V＞：タレス社の機雷探知用ハルソナー。使用時にアームでソナー本体を船体から離すことにより、搭載艦の安全を確保する。捜索範囲90度、ビーム幅３／６／12度で、幅広ビームにより捜索を行い、狭小ビームで識別する。トリパルタイト級掃海艇に搭載された。参考：月刊軍事研究2,’14、月刊世界の艦船1,’15増刊

＜ＴＳＭ２０２３＞： ノルウェー海軍オクソイ級掃討艇の機雷探知ソナー。ハルソナーと曳航ソナーからなる高周波アクティブ／パッシブ式ソナーである。フランス製。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜ＴＳＭ−２２３３＞：オーストラリア海軍コリンズ級潜水艦、カナダ海軍アップホルダー級潜水艦、中国海軍039型潜水艦に搭載されているソナーシステム、別名ELEDONE（エレドン）。DMUX20の輸出型である。上部構造の上甲板両側面に前部・中央・後部と計６枚の中周波（500-5000Hz）聴音測距アレイを装備し、三角測量の要領で方位と距離を正確に割り出す。敵魚雷の雷跡を正確に表示して魚雷をかわしたりできる。また、艦首には直径3.5mの円筒状中周波パッシブソナー（62素子、500-5000Hz）や直径1mの円筒状スキャニング探信儀トランスデューサーを搭載し、艦首上甲板にインターセプト・アレイ（逆探用パッシブソナー）が角のように突き出ている。自艦雑音監視ハイドロフォンを船体数カ所に配置しており、自らが発するノイズも監視できる。友軍や救難艦との交信用に、水中通話装置もある。参考：月刊軍事研究2,’98、月刊世界の艦船10,’13

＜ＴＳＭ−２２５３＞：オーストラリア海軍コリンズ級潜水艦のプラナー・フランク・アレイ・ソナー。艦両側面に長さ30mにわたり搭載されている。素子１枚の大きさは1.5m四方で、艦首艦尾プラスマイナス５度を除く方向からの500-1000Hz低周波音をパッシブ聴音できる。艦尾の曳航ソナーと組み合わせて目標の測距を行うことも可能。参考：月刊軍事研究2,’98

＜ＴＳＭ−２２５５＞：中国海軍039型潜水艦の低周波パッシブソナー。フランス製DUUX-5と同じものである。探知距離30km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＴＳＭ−２２７２＞：オランダ海軍ワルラス級潜水艦の艦首パッシブ／アクティブソナー、別名エレドン・オクトパス。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＴＳＭ２６３０＞：クロタルNG地対空ミサイル用捜索レーダー。捜索距離18-20km／8km（低空目標）、捜索高度0-5km。トムソンCSF社製。参考：月刊軍事研究3,’97

＜ＴＳＭ２６３３＞：フランスの水上艦用パッシブ／アクティブソナー、別名スフェリオンＢ。球形バウソナー（ハルソナー？）とVDSからなるシステムである。使用周波数6-8kHz（バウソナー）／10-13kHz（VDS）。探知距離24km（11km？）。インド海軍デリー級、オーストラリア海軍アンザック級、ノルウェー海軍オスロ級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＴＳＭ３５１０＞：フランス海軍の沈底機雷、別名MCC23。トムソン・シントラ社が開発した。円筒形で、1000トン以上の船舶の磁気または音響に感応して炸裂する。対潜・対水上艦用で、潜水艦から敷設される。全長2.53m（2.37m？）、直径0.53m、重量850kg、炸薬重量530kg。最大敷設深度150m。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＴＳＭ３５３０＞：フランスのトムソン・シントラ社が開発した沈底機雷、別名MCC15。対潜・対水上艦用で、半球形をしており、航空機からパラシュート投下して敷設する。全長1.1m、直径1.2m、重量1.5トン、炸薬重量１トン。最大敷設深度100m。磁気・音響信管を持つ。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＴＳＯＣ＞：戦域特殊作戦コマンドを参照。

＜ＴＳＰ＞：Mk331（魚雷調定パネル）または戦域安全保障部隊を参照。

＜ＴＳＱ−７０１＞：航空自衛隊の移動式管制塔。管制シェルター、通信シェルター、整備シェルター、45kW発電機で構成される。それぞれ大型トラックで移動可能。また、空輸もできる。管制塔の高さは8mで、高さの調節も可能である。UHF/VHF無線機、ライトガンを装備しており、光ケーブルまたは多重無線を介した直通電話回線も用意されている。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings11,’00

＜ＴＳＲ−１＞：ドイツ陸軍の単眼式観測用潜望鏡。全高1.4m、倍率６倍、視野６度。�W号指揮観測戦車、�X号指揮戦車、�Y号指揮戦車に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＳＲ．２＞：イギリス空軍試作複座攻撃偵察機で、マッハ２級戦術突撃偵察（Tactical Strike Reconnaissance mach2）の略。キャンベラの後継で、1957年3月に超低空（高度305m以下）を高速（マッハ0.95）で侵入し、核攻撃（核爆弾４発搭載）及び偵察任務を行える機体というコンセプトの設計要求が出され、イングリッシュ・エレクトリック社とヴィッカーズ・アームストロング社（後にBACに統合）の提出した案が採用され、1959年1月1日から開発された。胴体の素材は、エンジン付近がチタン合金、降着装置周囲は高張力鋼、高温部分はアルミニウム・リチウム合金、低温部分はアルミニウム銅合金である。コクピットはタンデム複座で、前席にパイロット、後席に航法士が位置する。HUDを装備する予定だった。座席はマーチン・ベイカー社製射出座席。主翼と尾翼の間の胴体両側にはスピードブレーキが付く。主翼は高翼配置のデルタ翼で、前縁後退角58.32度、後縁後退角2.5度、アスペクト比1.06、翼厚比3.6-5%。水平尾翼幅より外側の翼端に30度の下反角が付いていて、横安定性を保つ補助になる。主翼内部はインテグラルタンクである。後縁には吹き出しフラップ（最大下げ50度）のみで、エルロン、境界層フェンス、スラット、スロットは付いていないが、離陸性能は良好だった。エアインテイクは主翼付け根前方の胴体両側面にあり、半円形断面で、ショックコーンが付く。低速時にはインテイク前部を前にスライドさせ、隙間からも空気を取り入れる。水平尾翼は中翼配置で、基本的には全遊動式だが、水平尾翼後縁に可動翼（フラップ）が付いていて、この部分だけ主翼フラップが下がると逆に上げ位置を取るようになっている。垂直尾翼は背の高いものが１枚取り付けられており、全遊動式で、左右に15度ずつ動く。アビオニクスはVERDAN（Versatile Digital Analyzer）D9機上コンピュータ、慣性航法装置、前方・側方監視レーダー、自動操縦装置などで、高精度の地形追随能力を持ち、低空飛行中にシステムが故障した場合には自動的に安全高度まで機体を上昇させる。４機が製作（他に数機が組み立て中）され、初号機は1964年9月27日に初飛行したが、降着装置が引き込めない、エンジン低圧圧縮機のトラブルで振動が発生する、機上コンピュータの性能が足りないといった欠点があり、何よりも開発費高騰が批判され、1965年4月6日に初号機が計13時間９分飛行したところで開発中止命令が出され、２号機と４号機が博物館入りになった他はスクラップにされた。全長27.13m（ピトー管含む）、全幅11.28m、全高7.32m、標準離陸重量33.287トン、最大離陸重量43.545トン。エンジンはブリストル・シドレー製オリンパス22R・Mk320ターボジェット（ドライ推力7.615トン、A/B時推力13.89トン）双発、巡航速度マッハ1.1、最大速度マッハ2.25、作戦上昇限度16460m、戦闘行動半径1851km（Hi-Hi-Hi）／1287km（Lo-Lo-Lo）、フェリー航続距離6840km。爆弾倉に2.722トンまでの爆弾（1000ポンド爆弾６発）、核兵器（WE177Aを２発またはWE177Bを１発またはレッド・ベアード）、偵察パック（垂直カメラ３台、側視レーダー、可視光ラインスキャン装備）、増槽、内翼下パイロンに1000ポンド爆弾４発、ロケットポッド１基、2045リットルドロップタンク１基、マーテル空対地ミサイル１発、外翼下パイロンに1000ポンド爆弾１発、ロケットポッド１基、チャフ／フレア・ディスペンサー１基を搭載できる。参考：月刊JWings12,’12、1,’13、2,’13、週刊エアクラフトNo.21

＜ＴＳＳ＞：AN/AAQ-30（目標捜索照準装置）を参照。

＜ＴＳＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、練習潜水艦（Training Submarine）を表す。ATSSに代わって2000年3月9日に定められ、3601以降の艦番号が付けられた。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、9,’12増刊、8,’11増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＴＳＳ−３６０１＞：海上自衛隊あさしお型練習潜水艦あさしお。元ははるしお型潜水艦７番艦SS-589で、2000年3月9日に艦種変更され、第３潜水隊から第１練習潜水隊に移った。2000年11月から2001年11月にV4-275R Mk�Uスターリング発電機（V4-375R？）４基を搭載する特別改装を受け、船体を9m延長。2001年11月1日から公試に入り、その後テストに使用されている。2006年11月21日、訓練中にタンカーと衝突。2010年8月6-8日、酒田北港古湊埠頭で特別公開を実施。2016年7月16日、舞鶴地方隊サマーフェスタで一般公開された。2017年2月27日、呉基地で自衛艦旗返納行事が行われて除籍された。総航程25万海里だった。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’04、1,’02、10,’16、5,’17、海上自衛隊全艦艇史、月刊軍事研究4,’07、月刊JWings10,’16、朝雲

＜ＴＳＳ−３６０２＞：海上自衛隊練習潜水艦せとしお。元はSS-575せとしおで、2000年3月9日に艦種変更され、第１潜水隊群から第１練習潜水隊に移った。2001年3月30日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＳＳ−３６０３＞：海上自衛隊練習潜水艦おきしお。元はSS-576おきしおで、2001年3月29日に艦種変更され、第１潜水隊から第１練習潜水隊に転入した。2003年3月4日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＳＳ−３６０４＞：海上自衛隊練習潜水艦はましお。元はSS-578はましおで、2003年3月4日に艦種変更され、第１潜水隊から第１練習潜水隊に転入した。2006年3月9日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,'24、2,’87、6,’01、10,’12

＜ＴＳＳ−３６０５＞：海上自衛隊練習潜水艦ゆきしお。元はSS-581ゆきしおで、2006年3月9日に艦種変更され、第４潜水隊から第１練習潜水隊に転入した。2008年3月7日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、8,'24、9,'15、10,’12

＜ＴＳＳ−３６０６＞：海上自衛隊練習潜水艦はやしお。元はSS-585はやしおで、2008年3月7日に艦種変更され、第３潜水隊から第１練習潜水隊に配備された。2011年3月15日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、6,’09、5,’11

＜ＴＳＳ−３６０７＞：海上自衛隊練習潜水艦ふゆしお。元はSS-588ふゆしおで、2011年3月15日に艦種変更され、第３潜水隊から第１練習潜水隊に転出した。この際、魚雷を陸揚げし、魚雷発射管室に実習員講堂を配置するなどの改装を行っている。2013年9月20-28日、パシフィック・リーチ2013に参加。2014年4月6日、佐伯港女島岸壁で一般公開された。8月8日、阪神基地サマーフェスタで一般公開された。10月、函館に寄港。2015年3月6日、呉基地Ｓバースで自衛艦旗返納式が行われ、除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’11、7,’11、12,’13、5,’15、6,’15、朝雲

＜ＴＳＳ−３６０８＞：海上自衛隊おやしお型練習潜水艦おやしお。元はSS-590おやしおで、2015年3月8日（6日？）に艦種変更され、第２潜水隊から第１練習潜水隊に移った。2016年3月19日、DD-109ありあけ、DD-156せとぎりと共に、平成27年度外洋練習航海部隊（飛行）として第68期飛行幹部候補生課程修了者55名を分乗させ江田内を出港。4月2日、フィリピンのスービックに寄港。フィリピンへの海自潜水艦の寄港は15年ぶりである。その後ありあけ・せとぎりとは別行動をとり、ベトナムのカムラン湾には入らず4月27日に帰国した。5月25日から6月3日、パシフィック・リーチ2016に参加。2018年3月31日、大分県佐伯市女島岸壁で上甲板が一般公開された。2019年現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2020年現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2021年5月25日現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2022年3月10日0533頃、神戸和田岬防波堤灯台南南東1100mの洋上で漂泊していたところ、漁船住吉丸（4.8トン、乗員１人）と接触した。互いに人員の死傷や船体の顕著な損傷は無かった。4月25日現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。7月16日、若狭湾で舞鶴地方隊創設70周年記念展示訓練に参加。2023年3月17日に除籍された。最終配備先は第１練習潜水隊、定係港は呉だった。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’15、6,’16、8,’16、7,’19、6,'20、7,'21、6,'22、10,'22、5,'23、朝雲

＜ＴＳＳ−３６０９＞：海上自衛隊おやしお型練習潜水艦みちしお。2017年2月27日、SS-591から艦種変更され、第１潜水隊から第１練習潜水隊に配備された。3月18日から5月1日、DD-118ふゆづきと共に、第69期飛行幹部候補生課程修了者40名を乗せ外洋練習航海を実施。4月4日からマレーシアのコタキナバルに寄港した。7月15日、阪神基地隊サマーフェスタ2017で上甲板を一般公開した。7月17日、募集対象者や学校教員ら23人に特別公開を実施。2018年3月17日、平成29年度外洋練習航海部隊としてDD-115あきづきと共に第70期飛行幹部候補生課程修了者36名を乗せ江田内を出港。マレーシアのコタキナバルなどに寄航して4月27日に帰国した。2019年現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2020年現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2021年5月25日現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2022年4月25日現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2023年4月25日現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。2024年3月8日、第１練習潜水隊が解隊されたため、第11潜水隊に移った。定係港は呉のままである。4月25日現在、第11潜水隊に配備されており、定係港は呉。参考：月刊世界の艦船5,’17、6,’17、6,’18、7,’19、6,’20、7,'21、6,'22、6,'23、5,’24、6,'24、月刊JWings10,’17、月刊軍事研究11,’17、朝雲

＜ＴＳＳ−３６１０＞：海上自衛隊おやしお型練習潜水艦まきしお。2023年3月17日、SS-593から艦種変更され、第１潜水隊から第１練習潜水隊に配備された。4月25日現在、第１練習潜水隊に配備されており、定係港は呉。12月3日、阪神基地隊で一般公開された。2024年3月8日、第１練習潜水隊が解隊されたため、第11潜水隊に移った。定係港は呉のままである。4月25日現在、第11潜水隊に配備されており、定係港は呉。参考：月刊世界の艦船6,’23、2,’24、5,’24、6,’24

＜ＴＳＳＡＭ＞：ノースロップ社の試作ステルス対地ミサイルで、Tri-Service Standoff Attack Missile（三軍共用スタンドオフ攻撃ミサイル）の略。ステルス実験機タシットブルーの技術を応用しており、重量2000ポンド級で、アメリカ空海軍向けの空対地型AGM-137Aと陸軍向けTEL発射型MGM-137Bがある。テスト中にトラブルが多発して陸軍がATACMSを採用したためMGM-137Bが没になり、1994年にAGM-137Aも開発中止になった。参考：月刊航空ファン3,’18

＜ＴＳＴ＞：即時要攻撃目標を参照。

＜ＴＳＵ＞：TOW照準装置の略。AH-1S攻撃ヘリとA-129攻撃ヘリが機首先端に搭載しており、前者はM65、後者はFLIRを組み込んだ発展型でFACTS（FLIR強化型コブラ用照準装置）と称する。有効測遠距離10kmのレーザー測遠機を内蔵し、AN/AAS-32レーザートラッカーで照射された目標を自動的に捜索・捕捉・追尾する。一度目標にロックオンすればAN/AAS-32は自動的にTSUを指向させることができる。まずガンナーは低倍率（２倍）でTSU照準視野内に目標を捉え、視野に投影されている二重円の内側円の中に目標を入れてから13倍に拡大し、左のハンドルグリップ上にあるアクションレバーを倒すと、アタック（ATTK）フラッグが照準レティクル上に現れ、パイロット用の飛行指針が点灯する（発射時にはTOWの軸線と目標を正対させる必要がある）。これに従ってパイロットは飛行し、ガンナーは引き続き目標を照準視野の中心に捉え続ける。機体がTOW発射可能範囲内に達すると、発射可能を示すRDYフラッグが現れるので、後は発射ボタンを押し、命中まで照準視野の中心に目標を捉え続けていれば良い。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界の傑作機No34

＜ＴＳＶ＞：イギリス陸軍が開発中の戦術支援車両。補給部隊に配備される装甲車で、軽、中、重の３種類を開発予定である。参考：月刊軍事研究4,’09

　＜ＴＳＶ（軽）＞：ジャッカル４×４輪装甲車への補給を主任務とするもの。参考：月刊軍事研究4,’09

　＜ＴＳＶ（中）＞：ブッシュマスター歩兵機動車などへの補給を主任務とするもの。参考：月刊軍事研究4,’09

＜ＴＳＶ−１Ｘ＞：アメリカ陸軍戦域支援実験艦（Theater Support Vessel）スピアヘッド。元はオーストラリアのインキャット社製98m級060型双胴船で、ストライカー旅団などの高速海上輸送用として2002年12月から2005年まで３年間の予定で借り上げた。船体はアルミニウム製。全長114m（96m？）、全幅23.4m（27m？）、吃水3.7m、満載排水量1875トン。主機はディーゼル４基、出力30000馬力、推進はウォータージェット４基、最大速力48ノット、燃料搭載量25万ガロン（946353リットル）、航続距離8400km（40ノット）。貨物搭載量820トン、ストライカーなら34両。兵員用シート299名分を用意している。乗員31名（陸軍所属）。戦車自動車武装コマンド所属の実験艦ながら、イラクの自由作戦に参加した。参考：月刊軍事研究2,’04、世界の艦船6,’05、7,’11

＜ＴＳＷ＞：戦術支援航空団を参照。

＜ＴＴ−１＞：ソ連軍の魚雷。輸出市場にも出されている。全長7.2mまたは5.895m、直径0.533m、重量２トンまたは1.7トン、炸薬重量0.425トン。推進は斜盤機関。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響＋航跡追尾。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、9,’10

＜ＴＴ−３＞：ソ連軍の魚雷。輸出市場にも出されている。全長7.5mまたは6.3m、直径0.533m、重量２トンまたは1.8トン、炸薬重量0.425トン。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ＴＴ−５Ｍｏｄ１＞：ソ連軍の魚雷。輸出市場にも出されている。全長11.3m、直径0.65m、重量4.75トン、炸薬重量0.765トン。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ＴＴ−２６＞：T-26戦車ファミリーを参照。

＜ＴＴ４０＞：航空自衛隊のB-747政府専用機用トーイングトラクター。参考：月刊JWings10,’18

＜ＴＴ−３００＞：ウェストランド社製シリーズ300ヘリコプターの軍用型。エンジンを強化して最大離陸重量をアップし、メインローターをBERPブレードと呼ばれる先端の広がった効率上昇型の５翅に変更した。コクピットはNVG対応で、電子飛行計器システムのオプション装備も可能。全長15.91m、メインローター直径13.31m、全高4.74m、総重量7.527トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製RTM322（2100軸馬力）またはGE製CT7双発。原型機は1986年2月5日に初飛行した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＴＴ−４００ＴＰ級＞：ベトナム海軍哨戒艇。兵装は76mm単装砲１門、AK630近接防御兵器２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＴＴ−１９３０モデル・ピストル＞：ソ連軍の拳銃で、TTはTokarev Tulaの略。フィヨルドル・バジレビッチ・トカレフ技師の開発で、トカレフ自動拳銃とも呼ばれる。銃身とその下のコイルスプリングはスライド内部に格納される。専用の安全装置は無く、ハーフコックにすることで引き金をロックする。これは拳銃使用直前に装填するというソ連軍の思想による。使用弾はモーゼル7.62mm×25弾のコピーで、名称はトカレフ拳銃弾または7.62mm×25タイプＰ。銃身長116mm、ライフリングは４条右回り、重量815g。初速毎秒420m。装弾数８発。構造が堅牢で、口径が一回り大きい9mm×19弾や9mm×23SR弾なども銃身を換えるだけで使用できる。量産後にマイナーチェンジを受けており、西側では改修後のものをTT-1933と呼んでいるが、ソ連名称はどちらもTT-1930である。参考：月刊PANZER10,’03

＜ＴＴ−１９３０海外シリーズ＞

　＜Ｐ６１５（ｒ）＞：ドイツ国防軍の拳銃。第２次大戦時に接収して使用したものである。全長195mm、銃身長117mm、重量850g。口径7.62mm、装弾数８発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

　＜５６式手槍＞：中国軍の拳銃。トカレフ自動拳銃のコピーである。参考：月刊軍事研究5,’09

＜ＴＴ−１９３３＞：TT-1930モデル・ピストルを参照。

＜ＴＴＢ＞：アメリカ陸軍の計画戦車で、Tank Test Bedの略。M-1戦車の後継で、1980年代前半に研究していた。主砲は120mm滑腔砲M256で、無人砲塔を採用してシルエットを小型化し、乗員３名は全て車体前部装甲カプセルに収容、視界は光ファイバーケーブルで送信されたテレビカメラの画像で得る。乗員それぞれにペリスコープ付きハッチも用意されている。弾薬は砲塔リング周囲に収容しており、自動装填装置を装備。トップアタック対策として上面装甲を強化する。M-1戦車の車体を使用した実験車両が製作されたが、採用されなかった。参考：戦車の戦う技術、ザ・マーチ23号、月刊軍事研究10,’15

＜ＴＴＢＷ＞：ボーイング社とNASAが亜音速・超環境性能機SUGAR（Subsonic Ultra Green Aircraft Research）計画の名称で2010年頃から研究している新型主翼で、Transonic Truss-Braced Wingの略。当初はマッハ0.7-0.75の亜音速域での高効率を目指していたが、その後マッハ0.8の遷音速領域で最大効率を発揮する計画に変更された。高翼配置の主翼を下から支柱代わりの別の翼で支えてトラス構造にしたもので、主翼強度を下げられる分だけ薄くして抗力を減らす。参考：月刊航空ファン4,’19

＜ＴＴＤ＞：アームスコー傘下のロイメックOMCがオリファントMk1Bの後継として開発した試作戦車で、Tank Technology Demonstrator（戦車技術実証車）の略。主砲はLIW社製105mmライフルだが、120mm滑腔砲や140mm滑腔砲の搭載も考慮している。複合装甲、耐地雷構造、消火装置を採用し、爆発性反応装甲の追加も可能で、FCSにはローイカットのものをベースとした完全統合デジタル火器管制システムを組み込んだ。熱帯地での運用を考慮し、エンジン温度が48度を超えると回転数を自動的に落とす。全長9.8m、全幅3.62m、戦闘重量58.3トン。エンジンはV-8水冷ターボディーゼル（1230馬力）、トランスミッションはオートマチック前進４段・後進２段、最大速度71km、航続距離400km。乗員４名。参考：月刊軍事研究3,’97

＜ＴＴＨ−９０＞：NH90シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＴＴＩＣ＞：テロリスト脅威統合センターの略。アメリカ同時多発テロ直後に設立された組織で、各情報機関のテロ警戒情報を集約する。後に国家テロ対策センター（NCTC）に吸収された。参考：月刊軍事研究8,’05

＜ＴＴＮＴ＞：戦術ターゲッティング・ネットワーク技術を参照。

＜ＴＴＰ＞：Tactics, Techniques and Proceduresの略。参考：月刊軍事研究6,’15

＜ＴＴＰＶ＞：RGM-109H（巡航ミサイル）またはUGM-109H（巡航ミサイル）を参照。

＜ＴＴＷＣＳ＞：AN/SWG-5（トマホーク発射管制システム）を参照。

＜ＴＴＹ信号変換器＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＴＵ１＞：フランス陸軍のハーフトラック。ユニック社が生産した。全長4.2m、全幅1.6m、全高1.31m。エンジン出力49馬力、最大速度46km。ペイロード0.475トン。第２次大戦前に1570両が発注されたが、黄作戦時に完成していたのは236両で、その後は生産されなかった。参考：月刊グランドパワー3,’11

＜ＴＵ１海外シリーズ＞

　＜Ｕ３０５（ｆ）＞：ドイツ国防軍のハーフトラック。第２次大戦時に接収して使用したものである。参考：月刊グランドパワー3,’11

＜Ｔｕ−１＞：ソ連空軍夜間戦闘機。Tu-2の夜間戦闘機型である。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｔｕ−２シリーズ＞：ソ連空軍の爆撃機。Ju88に対抗して製作したもので、爆弾２トンを搭載して急降下爆撃と水平爆撃が可能な機体として、当時スターリンの粛正で投獄されていたツポレフ技師が刑務所内で設計した。各型計2527機が生産された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＡＮＴ−５８＞：原型初号機。急降下爆撃に対応するため、ダイブブレーキを装備した。エンジンはミクーリンAM-3液冷12気筒エンジン（1500馬力）双発。固定武装は主翼付け根の20mmShVAK機関砲１門ずつ、胴体後上方・下方の7.62mm機銃１丁ずつ。乗員３名。1941年1月8日に完成し、1月29日に初飛行、5月まで飛行試験を行った。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＡＮＴ−５９＞：原型２号機。胴体を0.6m延長し、乗員を４名に増やした。全備重量11380kg。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＡＮＴ−６０＞：ANT-59のエンジンをシュベツォフM-82空冷星型（1330馬力）に換装したもの。1941年11月に原型機が完成し、12月に初飛行した。先行量産型３機が生産された後、Tu-2として採用された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｔｕ−２＞：ANT-60の生産型。武装は20mm固定機関砲２門、コクピット後方と胴体後部上下の12.7mm旋回機銃。爆弾搭載量400kg。1942年11月から配備された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｔｕ−２Ｓ＞：生産の手間を省くため、構造を簡略化し、油圧系統を単純にしたもの。ついでにエンジンも強化した。全長13.8m、全幅18.86m、全高4.13m、全備重量11360kg（10380kg？）。エンジンはM-82FN（1850馬力）双発、最大速度547km、実用上昇限度9500m、航続距離2100km。自衛武装は20mm機関砲２門、12.7mm機銃３丁。爆弾搭載量3000kg。乗員４名。1943年12月から生産され、大戦中に1100機が生産された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｔｕ−２Ｄ＞：長距離爆撃機型。燃料搭載量を増した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｔｕ−２Ｓｈ＞：地上攻撃機型。機首に37mm砲２門または45mm砲１門を装備する。うち１機はエンジンテストに使用された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｔｕ−２Ｔ＞：海軍向け雷撃機型。主翼下に魚雷を搭載できる。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、月刊JWings11,’12

＜Ｔｕ−２ファミリー＞

　＜ＡＮＴ−６３＞：複座型。エンジンをAM-39液冷（1870馬力）に換装している。1944年春に完成した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＡＮＴ−６４＞：長距離戦闘機型のエンジンをAM-42液冷（2000馬力）に換装したもの。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＡＮＴ−６５＞：高々度試験機形。エンジンをAM-44TKターボチャージャー付き（2200馬力）に換装した。1946-47年に飛行試験が行われた。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＡＮＴ−６７＞：試験機形。Ach-30BFディーゼル（1800馬力）を搭載している。1946-47年にテストに賦された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｔｕ−２Ｒ＞：偵察機型。胴体内にカメラを搭載した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜長距離戦闘機型＞：長距離戦闘機型。ANT-63に次いで製作されたもので、AM-39Fエンジン（2000馬力）を搭載している。うち１機は後にM-43Vエンジンに換装された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＴＵ−２Ｓ＞：U-2偵察機ファミリーを参照。

＜Ｔｕ−４＞：ソ連空軍爆撃機、開発名称B-4またはイズジェリェＲ、NATOコードはブル。1944年7-11月にソ連領内に緊急着陸・不時着したB-29爆撃機４機（うち１機は大破）を完全コピーしたもので、スターリンがツポレフ設計局に下命、1945年6月にモスクワに運び込み全力でリバース・エンジニアリングし、1947年5月19日に初飛行、同年から量産に移って1949年に就役させた。エンジンは自国製に（大元はライト・サイクロンだが）、機銃は20mm/23mm機関砲に換装している。遠隔機銃操作システムは何とかコピーしたが、爆撃照準器はコピーできず、ドイツ製LOTFE7に変更した。インテグラルタンクもコピーできず、航続距離が1000kmくらい短くなった関係でアメリカ北部を片道爆撃するのがやっとになっている。全長30.18m、翼スパン43.05m、全高8.46m、全備重量47600kg。エンジンはASh-73TK（離昇出力2400馬力。2600馬力？）４発、最大速度558km、実用上昇限度11200m、航続距離5100km（6200km？）。自衛武装は動力砲塔の20mm連装機関砲B-20（後に23mm機関砲NR-23）５基。爆弾搭載量10000kg。乗員11名。1952年までに1200-1300機弱（ロシア資料）／847機（西側資料）が生産され、中国にも10機が供与された。空中給油機型や、MiG-15を両翼下に吊り下げる空中母機型も製作されている。1954年に爆撃任務を退き、輸送機に転用された。参考：月刊軍事研究10,’02、9,’10、2,’18、月刊JWings7,'23、5,’05、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊丸1,’77、月刊航空情報11,’09

＜Ｔｕ−４ファミリー＞

　＜Ｔｕ−４Ａ＞：核実験用で、Ａは原爆の略。核爆弾を搭載できる。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｔｕ−４Ｄ＞：輸送機型。ＤはDesantniy（空挺強襲）の略で、空挺降下が可能である。300機くらいが改修された。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｔｕ−４Ｋ＞：対艦攻撃型。KS-1空対艦ミサイルを搭載できる。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｔｕ−４ＬＬ＞：テストベッド型で、LLは飛行試験機の略。TV-2ターボプロップエンジンや2TV-2Fターボプロップエンジンのテストなどに使用された。参考：月刊JWings9,’23

　＜Ｔｕ−４Ｒ＞：偵察機型。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｔｕ−４ＲＥＰ＞：電子戦機型。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｔｕ−４Ｔ＞：輸送機型で、ＴはTransportniy（輸送）の略。１機のみ改造された。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｔｕ−４ＵＳｈＳ＞：航法士訓練機型。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｔｕ−４海外シリーズ＞

　＜Ｔｕ−４（中国空軍）＞：中国空軍爆撃機。ソ連から10機を供与されたもので、核爆弾運用能力は無い。参考：月刊軍事研究2,’18

＜Ｔｕ−４海外ファミリー＞

　＜空警１＞：中国の試作早期警戒機、別名KJ-1。西安航空機公司が開発した。エンジンをターボプロップに変更し、ロートドームを装着して1971年6月10日に初飛行（1960-70年にテストを受けた？）が、文化大革命で実用化までは至らなかった。参考：月刊軍事研究4,’09、月刊航空ファン12,’18

＜Ｔｕ−１０＞：ソ連空軍計画爆撃機。ツポレフが64の名称で1943年9月に設計を終えた。胴体は円筒形で、主翼は中翼配置の直線テーパー翼、尾翼は単尾翼または双尾翼。全長30m、全幅42m、総重量36トン。翼面積152平方メートル。エンジンはミクーリンAM-46TK-3PB液冷12気筒ガソリン（2300馬力）４発。Tu-10の制式名が内定し、1944年9月にモックアップが完成したが、不時着したB-29を入手できたのでコピー（後にTu-4）することになり、こちらは没になった。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｔｕ−１２＞：ソ連軍試作爆撃機。ソ連初のジェット爆撃機で、1947年6月27日にTu-77という開発名称で初飛行した。Tu-2爆撃機をジェット化したもので、３機が製作されてテスト飛行に投入された。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−１４＞：ソ連海軍洋上偵察・雷撃機、試作名称Tu-89。Tu-81双発爆撃機が空軍ではIl-28に負けて採用されなかったため、改良を加えて海軍航空隊用哨戒雷撃機にしたもので、ツポレフ設計局が開発し、1949年10月13日に初飛行した。降着装置は前輪式で、主脚はエンジンナセルに引き込まれる。全長21.95m、全幅21.67m、全高5.69m、重量20.93トン。エンジンはVK-1ジェット（推力2.7トン）双発、最大速度845km、航続距離2930km。自衛武装は23mm機関砲４門（機首２門、尾部２門）。爆弾搭載量３トン。乗員５名。87機（200機？）が生産された。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊航空ファン11,’16、世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−１６シリーズ＞：ソ連空軍中距離爆撃機、NATOコードはバジャー（Badger、穴熊）。Tu-4の後退翼版（Tu-85のジェット機版でもある）で、大元を辿ればB-29に辿り着き、B-47のソ連版とも言える。ツポレフ設計局が開発して1952年4月27日に原型機Tu-88が初飛行、1952年末に採用が決定し、1954年から実戦配備され、5月1日のメーデーにフライパスして存在が明らかとなり、1959年までに各型計2000機（1509機？）が生産された。1980年6月27日、佐渡島沖60マイルの地点に偵察機型が墜落した。参考：世界の軍用機1979、世界の傑作機No.113、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊丸4,’07、週刊エアクラフトNo.68、月刊航空ファン8,’16、月刊軍事研究11,’16、4,’18

　＜バジャーＡ＞：最初の量産型（爆撃機型）のNATOコード。胴体には新開発の合金を使用し、ジェット化に合わせてTu-85よりも外板を厚くしている。機首及び尾部の乗員室は与圧されており、機首には操縦士、副操縦士、無線士兼砲手、航法士兼爆撃手が、尾部には射手及び観測員が位置し、全員に射出座席が用意されていて、尾部乗員は下に射出される。双方の乗員室に連絡通路は無く、それぞれ腹部から梯子で乗り込む。機首前部はガラス張りで、その後上方がコクピットである。機首下面には航法・爆撃レーダーのフェアリングがあり、その後ろに前脚、カメラ、RV-2電波高度計などが格納されている。エンジンは主翼付け根の胴体両側面に半埋め込み式に装備し、エアインテイクは円形で、排気口が外側やや下を向く。片発でも最大重量を支えて飛行を継続することが可能。主翼は後退角35度（付け根のみ42度。37-41度の三日月翼？）で、境界層フェンス片側２枚、隙間フラップ、補助翼を持つ。主降着装置は当初自転車式を採用する予定だったが、問題点が多かったため、主翼後縁にフェアリングを設けて収容することにした。主輪はソ連初の４車輪台で、未舗装滑走路でも着陸できる。爆弾倉は左右エンジンの間の胴体内にある。尾部には23mm連装機関砲があり、尾部銃手はその上のガラス張りの席に座る。その上にアルゴン照準レーダーと尾部警報レーダーが付いている。通信装置はHF無線機（コクピットから主翼取り付け部分に至る胴体右上または両側面にタオルバーアンテナを装備）、VHF無線機（コクピット上部にホイップアンテナを装備）、RSIU-3M（胴体後部上面から垂直尾翼にアンテナ線を展張）で、VOR、ILS、IFF（風防前方にアンテナを装備）も搭載する。全長34.8m、全幅33m、全高10.4m、自重37.2トン、総重量72-79トン。エンジンはRD3M（推力9.5トン）双発、巡航速度900km、最大速度1050km、実用上昇限度12800m、正規燃料搭載量44900リットル、戦闘行動半径3150km、航続距離5800km（爆弾3.8トン搭載）。自衛武装は23mm機関砲７門（前部胴体上面、胴体下面中央やや後ろ、尾部にNR-23連装機関砲１基ずつ計３基、機首右に操縦士用固定機関砲１門）。爆弾搭載量９トン。乗員６名。参考：週刊エアクラフトNo.68、歴史群像8,’98、世界の軍用機1979、1982、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜バジャーＢ＞：海軍用対艦攻撃型のNATOコード。主翼下面にKS1空対艦ミサイル１発ずつを搭載でき、中部胴体下面に引き込み式誘導レーダーを装備する。爆弾倉内に９トンまでの通常爆弾を搭載可能。参考：週刊エアクラフトNo.68、世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91

　＜バジャーＣ＞：K10S空対地ミサイル運用型のNATOコードで、西側は1961年に存在を確認した。爆弾倉ドアの形状を変更しており、K10S空対地ミサイルを半埋め込み式に搭載する。機首をソリッドノーズにして誘導用レーダー（NATOコードはパフボール）を搭載、機首右の固定式機関砲を外し、パフボールの後方下面に航法爆撃レーダー（NATOコードはアルゴン）を収容する丸いフェアリングを追加した。コクピット後方上部にはプレキシガラス製の観測ドームがあり、背面銃塔を目視照準で射撃する際に使用する。尾部両側面には無線手兼観測員用が後方監視に使うプレキシガラス製フェアリングがある。尾部端には23mm連装機関砲NR-23を装備し、その上に尾部銃手席が設けられていて、周囲はガラス張りになっている。その上に後方レーダー兼機関砲射撃指揮レーダー（NATOコードはビハインド）を装備する。後に改修を受け、主翼下にAS-6キングフィッシュ空対地ミサイル１発ずつを装備できるようになった。参考：週刊エアクラフトNo.68、世界の軍用機1979、1982

　＜バジャーＧ＞：海軍用対艦攻撃型のNATOコード。AS-5ケルト空対艦ミサイルを主翼下に１発ずつ搭載でき、爆弾倉内に通常爆弾も積める。全長34.8m、全幅32.93m、全高10.8m（14m？）、自重37.2トン、最大総重量67トン、正規離陸重量75トン、最大離陸重量75.8トン。エンジンはミクーリンAM-3Mターボジェット（推力8.75トン。9.5トン？）双発、巡航速度420ノット、最大速度マッハ0.9、実用上昇限度13000m、戦闘行動半径1000-1500海里、航続距離2600海里（最大搭載）／3450海里（爆弾３トン搭載）。防御武装は23mm連装機関砲NR-23が３基、固定式23mm単装機関砲１門。乗員5-7名。後に改修を受けて主翼下にAS-6キングフィッシュ空対地ミサイルに搭載できるようになった。この改修型は機首下面のレーダーを目標捕捉・ミサイル誘導用のものに換えており、機首先端には逆Ｔ字の機体姿勢表示装置らしきものが付いている。参考：世界の軍用機1979、1982、週刊エアクラフトNo.68

＜Ｔｕ−１６ファミリー＞

　＜バジャーＡ（空中給油機型）＞：空中給油機型のNATOコード。爆弾倉に燃料タンクを搭載し、右翼端に給油ホースを取り付けたものである。受油するTu-16は左翼端に受油口がある。給油ホースをドローグに変更し、M-4、Tu-22、Tu-22M、Tu-95、Tu-126、Tu-142のプローブに給油可能とした改良型も存在する。参考：週刊エアクラフトNo.68

　＜バジャーＤ＞：電子偵察・洋上哨戒型のNATOコード。バジャーＣと同様の機首フェアリングを持ち、機首下部フェアリングは大型化されていて、胴体中央下面に受動受信レーダー（ELINT）用フェアリング（１つは引き込み式）３基が追加されている。バジャーＣが発射したミサイルの中間誘導にも使用されるらしい。参考：週刊エアクラフトNo.68、世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91、スパイ機

　＜バジャーＥ＞：写真偵察機型のNATOコード。バジャーＡの爆弾倉にカメラを搭載したもので、爆弾倉扉にカメラ窓を追加した。機首は透明で、胴体下面に受動受信アンテナ用フェアリング２基を持つ。参考：週刊エアクラフトNo.68、世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91

　＜バジャーＦ＞：電子偵察機型のNATOコード。バジャーＥと類似の機体の主翼下面に長さ5mの電子戦ポッドを搭載したものである。長距離対艦巡航ミサイル誘導用データリンクポッドという説もある。参考：週刊エアクラフトNo.68、世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91

　＜バジャーＨ＞：チャフ搭載ECM兼ELINT機のNATOコード。バジャーＡの爆弾倉前後にレドームを設けて広帯域ECM装置を装備しており、爆弾倉内部にチャフ・ディスペンサーを装着し、敵の照射したレーダー波長を解析して最適な長さにチャフを切断して散布する。チャフ搭載量は９トンもあり、単機で長さ90kmにわたりチャフ・コリドーを展開したことがある。爆弾倉後方には板状アンテナ２枚が付く。参考：週刊エアクラフトNo.68、月刊エアワールド9,’00、世界軍用機年鑑1990-91

　＜バジャーＪ＞：ELINT兼大出力ECM搭載型のNATOコード。翼端に受動受信用大型平面アンテナ及びスパイラルアンテナ収容ポッドを持つ。爆弾倉内には冷却システム付きの大型ECM装置を搭載しており、機体中央下部中心線上に設けられたカヌー型フェアリング内部のアンテナによりECMを行う。全長36.3m、全幅35m、全高14m、自重40トン、総重量75トン。エンジンはミクリンAM-3M（推力9.5トン）双発、最大速度マッハ0.9、実用上昇限度12300m、燃料容量45450リットル、航続距離3100海里。自衛武装は23mm機関砲２門。参考：世界軍用機年鑑1990-91、週刊エアクラフトNo.68

　＜バジャーＫ＞：電子情報収集機型のNATOコード。爆弾倉前方及び内側に流線型フェアリングを装着したもので、後者の前方には中心線に沿って支柱付き小ポッド４個が付く。参考：週刊エアクラフトNo.68

　＜バジャーＬ＞：ソ連海軍型のNATOコード。1986年に西側が認識した。ガラス張り機首の前端に小さなレドームを付け、機首下部のレドームを平皿型に変更、アンテナを回転平板式に換えている。一部にはコクピット上にVHF通信用と思われるブレードアンテナを装備する。参考：週刊エアクラフトNo.68

＜Ｔｕ−１６ファミリー＞

　＜Ｔｕ−１０４＞：輸送機・高速旅客機型、NATOコードはキャメル。胴体を延長し、エンジンを強化した。航続距離2600km。200機が生産され、うち37機が事故で失われた。参考：月刊丸9,'20、1,’77、軍事力バランス78年版、月刊航空ファン8,’16

＜Ｔｕ−１６海外シリーズ＞

　＜Ｔｕ−１６（イラク空軍）＞：イラク空軍爆撃機。バジャーＧ初期型を８機導入した。イラン・イラク戦争でAS-5空対艦ミサイルを発射したとみられる。参考：週刊エアクラフトNo.68

　＜Ｔｕ−１６（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍爆撃機。バジャーＢ爆撃機２個飛行隊分41機をKS-1空対艦ミサイルと共に導入した。参考：月刊航空ファン7,’17、週刊エアクラフトNo.68

　＜Ｔｕ−１６（エジプト空軍）＞：エジプト空軍爆撃機。バジャーＧを25機と、AS-5空対地ミサイルを輸入した。中東戦争でAS-5を使用している。参考：週刊エアクラフトNo.68

　＜轟炸６型＞：轟炸６型シリーズを参照。

＜Ｔｕ−１６領空侵犯＞：1987年12月9日1030頃、沖縄南西の東シナ海からアンノウン４機（Tu-16P電子偵察機２機とTu-16またはTu-95爆撃機２機。計３機？）が日本の防空識別圏を越えて接近してくるのを宮古島分屯基地の防空監視所が探知し、1045に第83航空隊第302飛行隊のF-4EJ戦闘機２機が那覇基地からスクランブル発進、更に増援の２機も続いた。外側防空識別圏を越えた時点で宮古島の防空監視所とF-4EJ戦闘機が英語とロシア語で警告を行い、アンノウンのうち３機は1120頃に変針して沖縄本島と宮古島の間を抜け北に向かったが、もう１機が沖縄本島に直進したため、F-4EJ戦闘機２機が追尾し、Tu-16P電子偵察機と視認。F-4EJ編隊長機は無線で警告し、視認できる位置で翼を振って進路変更を要求、僚機はTu-16P後方に付いたが、Tu-16Pはそのまま沖縄本島の領空を侵犯すると、那覇基地をかすめて嘉手納基地上空を通過した。このため編隊長機は南西航空混成団司令に警告射撃許可を要求し、南西航空混成団司令はF-4EJに対して警告射撃の実施を命令。編隊長機がTu-16Pの横に移動し、Tu-16Pのコクピットから視認できる方向に1125頃から空自初の警告射撃と強制着陸指示を行った。しかしTu-16Pはそのまま沖縄を横断して1131に公海上に出た後、徳之島と沖永良部島の間で再び領空を侵犯したため、編隊長機が２回目の警告射撃を実施。Tu-16Pはそれも無視すると1150に領空を出て北上、ソ連に帰っていった。那覇基地では強制着陸に備えて隊員を武装させるなどの措置を執った。在日米空軍も万が一に備えてF-15C戦闘機を上空で待機させ、無線を傍受して事の成り行きを見守っている。外務省はソ連に抗議し、ソ連も事実を認めて航法装置の故障による迷走と釈明、遺憾の意を表明した。アメリカ空軍は撃墜しなかった事を含めて空自機の行動を妥当で賞賛すべきとしている。航空幕僚監部では、警告射撃を実施したものの強制着陸させることができず、そのまま逃げられたことは大問題だとして、領空侵犯機を最悪撃墜するという明確な国家意思を示すべきとの意見が出され、空幕副長と防衛局長が話し合ったものの、防衛庁側は慎重で、現行法規の明確化や武器使用に関する事項の明示のみに止まった。参考：月刊JWings4,’19、10,’12、月刊軍事研究11,’15

＜Ｔｕ−２０＞：Tu-95（爆撃機）を参照。

＜Ｔｕ−２２シリーズ＞：ソ連空軍中距離高速双発爆撃機で、乗員が付けたニックネームはシーロ（錐）、NATOコードはブラインダー（Blinder、目隠し）。原型機のTu-105シリーズは1958-59年に初飛行、1961年のツシノ航空ショーで初公開され、1965年頃から就役し、1960年代末には極東にも姿を見せ始めた。各型計311機が生産され、ロシアでは2005年頃まで運用していたとみられる。イラクに12機、リビアに24機が供与された。参考：世界の傑作機No.113、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979、月刊軍事研究9,’10、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｔｕ−２２Ａ＞：爆撃機型実用試験機で、1960年7月7日に初飛行した。リアジェット方式を採用しており、高速性能を発揮するためのエリアルールの適用は容易となったが、重心が後ろになり、整備も面倒になった。機首にR-1Aルービン爆撃航法レーダー、航法・爆撃手席にOPB-15光学式爆撃照準装置を搭載する。15機が製作されて試験を繰り返したが、アスペクト比の大きい主翼が捩れてエルロン・リバーサルを起こしたり、エンジンが思ったような出力を出せなかったりとトラブルも多く、４機が墜落して失われた。結局ミサイル搭載型を採用することとなり、純粋な爆撃機型は量産に移されなかった。参考：世界の傑作機No.113、月刊軍事研究9,’10

　＜Ｔｕ−２２Ｂ＞：実用型、NATOコードはブラインダーＡ。15機が生産されたが、実戦部隊には配備されなかった。参考：月刊軍事研究9,’10

　＜Ｔｕ−２２Ｒ＞：偵察爆撃機型、NATOコードはブラインダーＡ／Ｃ。1960年からテスト機が生産され、すぐ量産に入った。Tu-22Aの機首と爆弾倉にカメラを搭載したものである。装備するのはAFA-41/20またはAFA-42/100またはAFA-42/40昼間用カメラ、NAFA-NK-75夜間用カメラなどで、ELINT用のSRS-6ロームプ4Aも搭載した。爆撃航法レーダーと照準器はそのまま搭載しており、爆弾ラックを装備すれば爆撃機になる。主翼は前縁後退角55度、25%翼弦後退角52.14度、下反角1.5度で、中央後部に主脚収容部を兼ねたスピードカプセル（後部にチャフ・フレアディスペンサーを装備）を持つ。胴体を貫通している中央翼にはインテグラルタンク、内翼部と外翼部にはブラダー式タンクを内蔵する。主翼後縁には内翼部に隙間フラップ、外翼部にエルロンと隙間フラップがあり、バッチ23からは内翼部フラップを二重隙間フラップに換装した。バッチ35からは、エルロン・リバーサルに対処するため、高速時（マッハ0.9以上）にエルロンをロックし、外翼部フラップで横操縦を行うようにしている。油圧は二重で、どちらも故障した時は人力でバックアップする。機首最前部に航法偵察員が位置し、コクピット左寄りにパイロットが座り、その後ろに通信手兼銃手が座る。座席はKT-1射出座席で、乗降時には機体下部から出てきて梯子を使わずに乗り降りができ、非常脱出時には下に射出する。胴体にはエリアルールが適応され、垂直尾翼付け根にエンジンを並列装備する。機体尾部にはドラッグシュート、DK-20遠隔操作砲塔、引き込み式テイルスキッドが取り付けられている。砲塔には23mm機関砲R-23（発射速度毎分2500発）を搭載し、砲塔上方にPRS-3アルゴン射撃照準レーダーとTP-1A光学照準器がある。後に砲塔はレーダーをPRS-4クリプトンに換えたDK-21になった。水平尾翼は全遊動式で、前縁後退角58度、上反角５度。垂直尾翼は前縁後退角56度。航続距離が短いため、空中給油機とペアで運用せざるを得ず、生産数は少ない。全長41.04m、全幅23.64m、全高9.7m、自重46トン、最大離陸重量92トン。エンジンはVD-7M（ミリタリー推力10.5トン、A/B時推力16トン）双発、巡航速度950-1000km、最大速度1600km／マッハ1.52、実用上昇限度12500m、戦闘行動半径500-750海里、航続距離5000km（ペイロード３トン、巡航速度）／1800km（超音速）。自衛武装は23mm機関砲１門。爆弾3-9トンを搭載可能。乗員３名。エンジンは後にRD-7M-2に換装され、ノズルが少し後ろに伸びた。1965年からELINT器材をSRS-7ロームプ4Bに換えている。参考：世界の傑作機No.113、世界の軍用機1979、軍事研究湾岸戦争、月刊丸6,’03、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｔｕ−２２ＲＤ＞：Ｒ型の機首に空中給油受油プローブを付けたもの。一部は後に尾部砲塔を撤去し、ECMを搭載した。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＲＤＫ＞：RD型にクープSIGINT装置を搭載したもの。機首側面に大型の細長いフェアリングが付いた。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＲＫ＞：Ｒ型にSRS-11SIGINT装置を搭載したもので、1975年から少数が引き渡された。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＲＫＤ＞：RK型に空中給油受油プローブを付けたもの。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＲＭ＞：Ｒ型の近代化型。胴体下面と機首右側面に長いフェアリングを追加し、カメラも新型に換えた。1981年から改造された。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＲＤＭ＞：RD型にRM型と同様の近代化を施したもの。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２Ｋ＞：Kh-22ミサイル（AS-4キッチン）搭載型、NATOコードはブラインダーＢ。機首の偵察窓が無く、PNレーダーを搭載したためレドームの幅が広くなった。試作機は1960年から製作されたが、K-22ミサイル運用システムの開発に手間取り、本格量産に入ったのは1964年から、戦力化したのは1971年である。全長41.6m、全幅23.6m、全高10m、最大離陸重量94トン。エンジンはRD-7M2（推力16.5トン）双発、最大速度1510km、実用上昇限度13300m、航続距離4900km。最大ペイロード９トン。乗員３名（タンデム式コクピットにパイロットと無線手兼銃手、レドーム後方下部に航法士）。参考：世界の傑作機No.113、世界の軍用機1979、月刊軍事研究9,’10

　＜Ｔｕ−２２ＫＤ＞：Tu-22Kに空中給油受油プローブを付けたもの。一部は尾部砲塔を撤去し、ECMを搭載した。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＫＰ＞：Tu-22Kのワイルドウィーズル型。コールスＮレーダー探知装置を装備し、Kh-22対レーダーミサイルを運用可能とした。イラン・イラク戦争中にイラクに引き渡され、ホーク地対空ミサイルの攻撃任務に就いたが、破壊効率が悪すぎ（ミサイルを12発発射して命中は１発、損害を与えられたのはミサイルサイト２箇所のみ）、戦略爆撃任務に就くこととなった。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＫＰＤ＞：Tu-22KPに空中給油受油プローブを装着したもの。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２Ｐ＞：電子戦機型、NATOコードはブラインダーＥ。1961年に原型機が完成して試験が行われ、1964年に採用された。デセプション・ジャマー（SPS-44/-55/-77/-22-70/-33-70/-44-70/-55-70など）、ノイズ・ジャマー（SPS-4M/-5M/-6など）、チャフ散布システム（APP-22など）を組み合わせて搭載しており、Tu22P1からP7までのサブタイプがある。後期型では尾部砲塔を撤去してフェアリングを設け、内部にSPS-151/-152/-153自己防御用ジャマーを搭載した。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＰＤ＞：Ｐ型に空中給油受油プローブを装着したもの。アフガニスタン侵攻でTu-16の護衛任務に就いた。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２Ｕ＞：練習機型、NATOコードはブラインダーＤ。操縦席後方を一段高くして教官席とし、尾部砲塔を撤去した。1963年から引き渡された。参考：世界の傑作機No.113、世界の軍用機1979

　＜Ｔｕ−２２ＵＤ＞：Ｕ型に空中給油受油プローブを装着したもの。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２ＬＬ＞：試験機型。Tu-22Rから１機が改造されて1971年に空軍飛行研究所に引き渡された。機首下部右に筒状のものを取り付けてあるが、用途は不明。参考：世界の傑作機No.113

＜ブラインダーＡ＞：マルチセンサー偵察・爆撃機型（Tu-22R、Tu-22RD）のNATOコード。機首レドーム後方に偵察窓を持つ。推定諸元は以下の通りだった。全長40.53m、全幅27.7m、全高10.67m、自重40トン、最大離陸重量84トン。エンジンはソロビヨフD-15（ミリタリー推力8.7トン、A/B時推力12.25トン）双発、巡航速度マッハ0.8、最大速度マッハ1.4（高々度）／890km（海面高度）、実用上昇限度18300m、機内燃料搭載量36トン、戦闘行動半径3100km（Hi-Hi-Hi。500-600海里？）、フェリー航続距離6500km（1250海里？）。固定武装はレーダー管制式23mm機関砲１門。爆弾搭載量８トン以上（５トン？）。参考：世界の軍用機1982、1979、スパイ機

　＜ブラインダーＢ＞：Kh-22空対艦ミサイル搭載型（Tu-22K、Tu-22KD）のNATOコード。参考：世界の軍用機1982、1979、スパイ機

　＜ブラインダーＣ＞：海軍洋上偵察型のNATOコード。爆弾倉前方にカメラ窓６個が付き、ECMを装備した。側視レーダーを装備したタイプが少なくとも１機確認されている。機体外部にはアンテナ20-25個が付いていて、ElINT任務も行ったようである。参考：世界の軍用機1982、1979、スパイ機

　＜ブラインダーＤ＞：教官席を持つ練習機型（Tu-22U、Tu-22UD）のNATOコード。参考：世界の軍用機1982、1979

　＜ブラインダーＥ＞：電子戦機型（Tu-22P、Tu-22PD）のNATOコードだが、尾部砲塔の有無で識別していたため、ブラインダーＡに分類された電子戦機型もあったものと思われる。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−２２海外シリーズ＞

　＜Ｔｕ−２２Ｂ＞：Tu-22Rを改造した輸出専用爆撃機型。第４次中東戦争直後にイラクとリビアが14機ずつ輸入した。1974年にはイラクが本機でクルド人自治区を爆撃している。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−２２Ｍシリーズ＞：ソ連空軍爆撃機、NATOコードはバックファイア（Backfire）。Tu-22の後継で、1969年（1970年？）に西側に存在が明らかとなった。西側ではTu-24バックフィン（Tu-98）の次ということで、当初Tu-26と推定していて、SALTで制式名称が明らかになった後も暫くはTu-26と併記されていた。新規開発なのにTu-22Mなのは、予算枠獲得の関係でTu-22の改良型を装ったためである。SALT�U条約で空中給油能力の廃止と本機作戦支援用の空中給油機の配備禁止が規定され、戦略爆撃機でなく中距離超音速爆撃機として配備されている。チェチェン紛争、南オセチア紛争、シリア内戦介入で実戦参加した。参考：世界の傑作機No.113、月刊軍事研究8,’07、9,’10、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979、月刊丸6,’03

　＜Ｔｕ−２２Ｍ０＞：試作型で、開発認可前はTu-145と呼ばれていた。NATOコードはバックファイアＡ。1967年11月から10機（９機？）が生産され、1969年8月30日に初飛行した。主翼は可変後退翼で、外翼部分の後退角を20度（離着陸用）／30度（巡航用）／50度（低空高速飛行時）／60度（高空超音速飛行時）の４段階に調節できる。フラップは外翼がダブルスロッテッド、内翼がシングルスロッテッドで、エルロンは無く、スポイラーを装備し、外翼に前縁スラット、内翼前縁に境界層板１枚がある。主翼には大型のフェアリングが付いているが、何のために付いているのかは不明。主翼及び垂直尾翼はインテグラルタンクとなっている。主脚は胴体内に収容される。エンジンはNK-144-22（A/B時推力22トン）双発で、胴体後部に搭載されており、エアインテイクは胴体側面にあって内側にエアデータコンピュータ制御式可変斜板を備え、超音速時のエアインテイク効率を向上させている。垂直尾翼付け根には大型のドーザルフィンを持つ。コクピットは４名乗り（パイロット２名、航法／爆撃士、電子戦システムオペレータ）で、並列複座のタンデム配置、緊急脱出装置は上方射出になった。機体尾部にはECMを収容するフェアリングが付いていたが、最終生産機では23mm連装機関砲GSh-23を２基装備するUKU-9K-502砲塔を搭載した。参考：世界の傑作機No.113、世界の軍用機1979、月刊軍事研究9,’10、3,’16

　＜Ｔｕ−２２Ｍ１＞：前生産型、NATOコードはバックファイアＡ（バックファイアＢ？）。主翼のフェアリングを外し、エンジンを燃費の良いNK-22（A/B時推力22トン）双発に換えた。主翼強度不足が判明したため、主翼構造を強化して翼端を延長、最大離陸重量を95トンから122トンに上げた。1971年7月28日に初飛行し、10機（９機？）が生産された。参考：世界の傑作機No.113、月刊軍事研究9,’10、3,’16

　＜Ｔｕ−２２Ｍ２＞：量産型、NATOコードはバックファイアＢ。1973年5月7日に初飛行し、1975-76年から運用され、1983年までに211機が生産された。内翼部下面に抗力低減用半埋め込み式アダプターとパイロンを装着し、Kh-22ミサイル計３発を搭載できるようにしたものである。内翼にはBD-45K、爆弾倉にはBD-45Fラックを介してKh-22を積む。ただし３発搭載すると機動・速度性能が低下するため、攻撃任務では内翼下の２発だけとし、輸送時のみ３発目を爆弾倉に収容する。また、爆弾倉と内翼下面の他にエンジンナセル下面にもMBD3-U9-68マルチプルラック（爆弾９発搭載）を装備可能となった。エンジンダクト側面には補助インテイクが片側９個ある。降着装置は前脚がダブルタイヤ、主脚が６輪ボギー式。航法装置はRSBN-2S短距離航法システム、長距離用慣性航法装置、爆撃航法用レーダー（NATOコードはダウンビート）、障害物回避レーダーなどで構成される。尾部には自衛用に23mm連装機関砲GSh-23を１基装備したUKU-9A-502遠隔操作砲塔を搭載し、PRS-4射撃管制レーダー（NATOコードはファンテイル。ビーハインド？ボックス・テイル？）とOPB-15Tテレビ式光学照準器を装備する。全長40.5m、全幅27.5-34.5m、全高8.9m、自重50トン、全備重量120トン。エンジンはクズネツォフNK-144改（ミリタリー推力13トン、A/B時推力20.4トン）双発、巡航速度マッハ0.82、最大速度マッハ２、実用上昇限度16800m。戦闘行動半径1080海里（Lo-Lo-Lo）／3240海里（Hi-Lo-Hi）／4700海里（Hi-Lo-Hi・空中給油１回）。Kh-22ミサイル３発または500kg爆弾15発を搭載可能。乗員３名。Kh-22空対艦ミサイル３発を搭載した3-4機で１個編隊を組み、３個編隊でアメリカ機動部隊に波状飽和攻撃を仕掛けるのが主任務である。生産途中で主翼と水平尾翼前縁が丸みを帯びた形状に変更された。SALT�U締結後は戦略爆撃機に含まれないよう空中給油受油プローブを外した。参考：世界の傑作機No.113、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979、月刊軍事研究6,’15、3,’16、月刊JWings11,’18、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船5,’21

　＜Ｔｕ−２２Ｍ３＞：改良型、NATOコードはバックファイアＣ（Backfire C）。1977年6月20日に初飛行し、翌年から生産されたが、本格量産に入ったのは1982年からで、1993年までに268機が生産された。エアインテイク上部を前方に突き出して上面に可変ランプを設け、エンジンをNK-25に変更、レドームを上向きにし、外翼最大後退角を65度に増やし、境界層板を外側にずらした。機体設計変更、防御機銃減少などで自重を２トン以上減少させている。射撃レーダーはレニネツPN-AD、光学式爆撃照準装置はOPB-15、航法／攻撃システムはNK-45。全長42.46m、全幅23.3-34.28m（主翼後退角65-20度）、全高11.05m、自重54トン、最大離陸重量124トン、最大着陸重量88トン。翼面積183.58平方メートル（主翼後退角20度）。エンジンはNK-25ターボファン（ミリタリー推力14.5トン、A/B時推力25トン）双発、巡航速度900km、最大速度マッハ2.3・2000km（2300km？）／マッハ0.85-1.01（海面高度）、実用上昇限度13300m（14000m？）、燃料搭載量40トン、戦闘行動半径1500-1670km（兵装12トン、Lo-Lo-Lo亜音速巡航）／1500-1850km（兵装12トン、Hi-Hi-Hi超音速巡航）／2200km（兵装24トン、亜音速巡航）／2400km（兵装12トン、Hi-Lo-Hi亜音速巡航）、航続距離6000km（6800km？）。兵装搭載量通常12トン／最大24トン。自衛武装は23mm機関砲GSh-23Mが１基（ドーサルフィン尾部）。Kh-22短距離巡航ミサイル1-3発、Kh-32艦対空ミサイル1-3発、TN-42核爆弾、通常爆弾（100kg/250kg爆弾なら爆弾倉33発＋翼下36発の計69発、500kg爆弾なら42発、1500kg爆弾なら８発、3000kg爆弾なら２発。もちろん混載も可）、誘導爆弾（KAB-500なら30発、UPAB-1500/KAB-1500なら８発）を搭載可能。生産途中からKh-15用６連装ロータリーランチャーを爆弾倉に装着できるようになった（主翼下連装ランチャーにも積めるので計10発搭載）。また、Kh-101巡航ミサイルを爆弾倉内と主翼下に計４発搭載可能としている。Kh-31/-35対艦ミサイルの運用能力も追加されたとされるが、実際に使用されているかは不明。乗員４名（操縦士、副操縦士、爆撃手、航法士）。SALT�U締結後は戦略爆撃機に含まれないよう空中給油受油プローブを外した。2019年1月22日、ムルマンスク近傍オレニヤ基地で着陸に失敗した１機が炎上し、乗員３名が死亡した。SV24コンピュータとSRNS24航法装置を組み合わせたSVP24-22爆撃航法装置や、GLONASS航法装置などを搭載する近代化改修を行う予定。参考：世界の傑作機No.113、月刊軍事研究3,’16、6,’15、8,’07、ウォーマシン・レポートNo.67、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン4,’19

　＜Ｔｕ−２２Ｍ３Ｍ＞：Tu-22M3にPGM運用能力強化やアビオニクス改良を実施するもので、Kh-32長射程空対艦ミサイル（計３発）やKh-47M2極超音速ミサイルを運用できるようになる。SVP-24-22火器管制装置、NV-45爆撃レーダーを積み、コクピットをデジタル改修し、Tu-160とデータ通信システムを共通化、完成次第エンジンをTu-160M2と同じNK-32-02ターボファン（A/B時推力245kN）に換装する。尾部機関砲塔は撤去してフェアリング（レーダー警戒装置用？）に変更している。ロシア軍が制式化したのは2016年だが、2012年から改修されていて、初号機は2018年8月16日にロールアウトし、12月28日に初飛行した。2020年頃までに30機くらいが改良され、2030年代まで使われる予定。参考：月刊軍事研究6,’18、6,’15、3,’16、月刊JWings11,’18、5,'23、月刊航空ファン3,’19

　＜Ｔｕ−２２Ｍ４＞：ソ連時代末期に計画された改良型らしいが、詳細不明で、ソ連崩壊により没になった。参考：月刊軍事研究6,’18、9,’10

　＜Ｔｕ−２２Ｍ５＞：ツポレフ設計局が独自開発した近代化型。自動地形回避機能を追加した新型レーダーを装備し、GPS/INS航法装置を搭載、Kh-101巡航ミサイル運用能力を持たせている。南オセチア紛争でTu-22Mが撃墜されたため、ロシア空軍も興味を持ち始め、コクピットや電子戦システムの改良、GPS誘導兵器搭載能力追加なども加えられる可能性がある。更に、アメリカとの戦略核兵器制限・削減に関する交渉次第では、空中給油受油装置を取り付けるかもしれない。参考：月刊軍事研究6,’15

＜Ｔｕ−２２Ｍファミリー＞

　＜Ｔｕ−２２Ｍ３ＬＬ＞：超音速飛行用層流翼研究機。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−２２Ｍ３Ｒ＞：Tu-22M3を改造した偵察機型。1985年12月6日に初飛行した。胴体下面、エンジンダクト側面、ドーサルフィン前方などにフェアリングを装備する。胴体下面にカヌー型レドームを装備して側視レーダーを搭載したもの（2009年現在12機が存在する）、SIGINT型、赤外線・光学カメラ搭載型も存在する。テスト中に初号機が墜落、冷戦が終結し、ロシアが財政難になり、少数（10機くらい？）しか就役していない。参考：世界の傑作機No.113、月刊軍事研究3,’09、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２２Ｍ３（エンジンテストベッド）＞：NK-32エンジンを搭載したテストベッド機。エンジンダクトの補助エアインテイクが11個に増えている。１機が製作された。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−２２Ｍ３対艦攻撃＞：MKRTsで目標位置を把握し、１個連隊24-30機がKh-22ミサイル２発ずつを搭載して発進する。艦隊に接近すると３つに分かれ、多方向の様々な高度からミサイル48-60発を発射し、飽和攻撃をかける。効果不十分の場合、第２波を派遣する。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−２２Ｍ３爆装（アフガン侵攻時）＞：３トン爆弾２発または1.5トン爆弾６発を搭載し、８機編隊で爆撃する。脅威となるスティンガーなどの肩撃ち式地対空ミサイルから逃れるため、高度7800m（山岳地帯では9000-9600m）を時速900kmで飛行した。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−２４＞：Tu-98シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＴＵ−２６＞：T-26戦車ファミリーを参照。

＜Ｔｕ−２６＞：Tu-22Mシリーズ（爆撃機）を参照。

＜Ｔｕ−２８Ｐ＞：ソ連空軍超大型全天候迎撃戦闘機、ツポレフ設計局名称Tu-128、NATOコードはフィードラー（Fiddler。バイオリン奏者・詐欺師）。地上支援施設の乏しいシベリアで長時間の空中哨戒と迎撃を行う戦闘機として1957年頃から開発され、1961年3月18日に初飛行した。1961年7月のツシノ航空ショーで初公開（フライパス１回のみ）された時には西側はTu-98バックフィンに似ていたのでブラインダーというNATOコードを付けたが、翼下に空対空ミサイルを取り付けていたので戦闘機だということになり、数週間後にフィードラーに付け替えた。Tu-98を遠距離迎撃機として作り直したもので、搭載するスメルチ・レーダーが大型だったため機体も大きくなったらしい。翼厚の薄い主翼を持ち、胴体にエリアルールを適用、エアインテイクにショックコーンを付けており、最大速度はマッハ２前後と推定されていた。主翼は低翼配置、後退角56度で、主翼下に片側２ヵ所ずつのハードポイントを持つ。コクピットはタンデム複座で、後席はレーダーだけ見ていれば良いので、一応窓はあるが視界は無きに等しい。降着装置は再設計され、主翼後縁のポッド内に収容されるようになった。ヴォズドゥーハ１防空指揮管制システムによる地上迎撃管制を受ける。全長30.06m（27.2m？）、全幅17.53m（18.1m？）、全高7.15m、自重54.013トン、最大離陸重量88.185トン。エンジンはAL-7F2（推力10.1トン）双発、最大速度マッハ1.8、実用上昇限度18000m、戦闘行動半径800-1000海里、航続距離2565km（2150海里？）。固定武装は無い。R-4（AA-5アッシュ）長距離空対空ミサイル４発（試作機は２発だった）を搭載可能。乗員２名（パイロット、レーダー手）。1965年4月から配備され、Tu-28UTを含め188機が生産された。参考：月刊JWings3,’11、12,’14、世界の傑作機No.113、No.172、月刊軍事研究8,’01、12,’17、月刊航空情報11,’09、空軍

＜Ｔｕ−２８Ｐファミリー＞

　＜Ｔｕ−２８ＵＴ＞：複座練習機型、設計局名称Tu-128UT。レーダーを外して教官席を作ってある。参考：月刊JWings3,’11

＜Ｔｕ−３１＞：ソ連軍の爆撃機。Tu-4爆撃機のエンジンをM300（3200馬力）に換装したものである。参考：月刊丸1,’77

＜Ｔｕ−７０＞：ソ連の試作旅客機。Tu-4爆撃機を旅客機にしたもので、胴体を与圧化し、主翼を低翼配置に変更、座席40-70席を設けた。試作初号機が1946年11月27日に初飛行し、20機が発注されたが、当時はこのクラスの需要が不明瞭だったのと、Tu-4の生産に忙しかったため、没になった。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｔｕ−７３＞：ソ連軍試作ジェット爆撃機。Tu-12を大型にし、両翼下に１基ずつ、胴体尾部に１基のエンジンを搭載している。1947年12月29日に初飛行した。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−７５＞：ソ連軍試作輸送機。Tu-70試作旅客機を軍用輸送機にしたもので、後部胴体下面（後部与圧隔壁から前方）をランプに変更し、機首後方上面、ランプ前方の胴体下面、尾部に銃座を設けた。兵員120名または空挺隊90名を乗せられる。試作初号機が1950年1月21日に初飛行したが、量産には至らず、１機でのテスト飛行のみに終わった。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｔｕ−７７＞：Tu-12（爆撃機）を参照。

＜Ｔｕ−７８＞：ソ連軍試作ジェット爆撃機。Tu-73の改良型である。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−８０＞：ソ連軍試作爆撃機。Tu-4爆撃機の胴体を延長し、翼面積を拡大、燃料タンクを増設して航続距離を延ばし、エンジンを強化した。全長34.37m。翼面積173.1平方メートル。エンジンはAsh-73TKFN（離昇出力2650馬力）４発、航続距離7000km。１機が製作されて1949年12月1日に初飛行したが、量産はされなかった。参考：月刊JWings7,’23、月刊軍事研究10,’02

＜Ｔｕ−８１＞：ソ連軍試作ジェット爆撃機。Tu-78を双発にしたものである。Il-28に負けて空軍では採用されず、海軍向けにTu-14として採用された。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−８２＞：ソ連の試作双発爆撃機。主翼後退角35度。1949年3月24日に初飛行したが、制式採用はされなかった。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−８５＞：ソ連軍試作爆撃機、NATOコードはバージ。Tu-4の拡大型で、ペイロード18トンを目指して1949年から開発され、1951年1月に初飛行した。全長39.306m、翼スパン55.96m、アスペクト比11.4、通常離陸重量76トン。エンジンはドブルィニンWD-4K液冷24気筒ターボ・コンパウンド（総排気量59430cc、出力4300馬力）４発、最大速度638km、航続距離12000km。爆弾搭載量20トン。試作機２機のみ製作され、Tu-95に進んだ。参考：月刊JWings7,’23、月刊軍事研究10,’02、9,’10

＜Ｔｕ−８８＞：ツポレフ試作設計局試作爆撃機。1950年代初期にエンジン設計局ミクーリンが開発したRD-3ターボジェットエンジン２基を搭載する爆撃機として設計され、機体はTu-85をベースとし、後退翼を採用した。開発計画は極秘とされたため、機体名称は途中でタイプＮに変更されている。1952年4月27日に初飛行し、Il-46に勝って採用され、Tu-16として実用化された。参考：週刊エアクラフトNo.68、月刊軍事研究11,’16

＜Ｔｕ−８９＞：Tu-14（洋上偵察雷撃機）を参照。

＜Ｔｕ−９１＞：ソ連軍試作艦上／陸上攻撃機、NATOコードはブート（Boot）。1953年4月末にソ連閣僚会議政令で基本仕様が決まり、ツポレフ設計局が開発した。ターボプロップ単発機で、エンジンは主翼キャリースルーの上に置かれていて、機首下面に吸気口、主翼付け根すぐ上の機体両側面に排気口がある。プロペラシャフトはコクピットの座席間を通ってコクピット直前のギアボックスに繋がっており、機首の二重反転プロペラを回す。コクピットは並列複座で、左に操縦士、右に航法士が座る。機首下面左右に窓があり、コクピットからの前下方視界を確保する。胴体下面に魚雷または500kg/1500kg爆弾１発を搭載可能。胴体尾部に自衛用23mm機関砲１門（300発）があり、コクピット上面のペリスコープで目標を視認して遠隔操作で射撃する。主翼は低翼配置で、外翼のみ軽い上反角が付く。両主翼付け根に23mm機関砲（200発）１門ずつを装備し、外翼下面に100kg/250kg/500kg爆弾やロケット弾を搭載可能。胴体内（排気口のあたり）と中央翼内に燃料タンクがある。降着装置は前輪式引き込み脚で、前脚は後方、主脚は中央翼端に付いていて内側に引き込まれる。プロペラが地面に擦らないよう前脚柱を長くしており、後部胴体下面にバンパーを付けて離着陸時に尾部がぶつからないようにした。全長17.7m、翼スパン16.4m、通常離陸重量12.85-13.25トン。エンジンはクズネツォフTV-2Mターボプロップ（6250ehp）単発、プロペラは二重反転式（３翅×２）、最大速度715km（45-36MAN魚雷搭載時）／760km（クリーン）、上昇限度12000m（離陸重量12.25トン）、機内燃料搭載量3.41トン、航続距離2190km（爆弾１トン搭載時）。武装は23mm機関砲３門。兵装搭載量1-1.6トン。FAB-100爆弾12発、FAB-250爆弾６発、FAB-500爆弾３発、FAB-1500爆弾１発、TRS-85ロケット弾120発、TRS-132ロケット弾36発、45-36MAN航空魚雷１発を搭載可能。乗員２名（操縦士、航法士）。試作初号機は1954年11月2日に初飛行したが、核兵器優先のフルシチョフ首相が空母計画を潰したため艦上機になれる見込みが無く、陸上攻撃機としてテストを続けたが視察したフルシチョフ首相に能力不足を指摘され、1956年に開発中止となった。参考：月刊JWings9,’23

＜Ｔｕ−９５シリーズ＞：ソ連空軍４発ターボプロップ爆撃機、NATOコードはベア（Bear、熊）。西側は当初間違ってTu-20だと思っていた。ツポレフ設計局が開発して1952年11月12日に原型機が初飛行し、1955年のツシノ航空ショーで西側に公開された。この時飛行したのは試作２号機だったが、量産機を装っている。1953年に試験中の機体が墜落したが、その事実はひた隠しにされた。巡航ミサイル実射訓練は1984年に１回実施されたが、費用がかかりすぎたため、以降は行われていない。1994年までに戦略爆撃機型（Tu-95）46機、巡航ミサイル搭載型（Tu-95K）73機、偵察機型52機など計380機が生産された。通常爆弾、対地ミサイル、巡航ミサイルを搭載でき、航続距離も長く、Tu-95MSは21世紀に入っても使用され続けている。アフガン侵攻には参加しなかった（Tu-16とTu-22が参加）が、シリア内戦介入で初実戦投入された。参考：月刊軍事研究10,’02、5,’09、月刊丸6,’03、月刊航空ファン1,’98、月刊航空情報11,’10、月刊JWings7,’12

　＜Ｔｕ−９５＞：Tu-85の主翼を後退翼（後退角35度）にし、12000馬力のターボプロップエンジンを搭載したもの。不整地への着陸を考慮し、脚柱を長くしてエンジンの地上クリアランスを保ち、タイヤ空気圧は低圧に設定している。大元の機体がB-29なので胴体は細い（B-29と同じ直径2.9m）が、主脚が長いので、爆弾倉（全長6m）からはみ出る形で武装を搭載できる。プロペラは二重反転式で、回転数を毎分750-800回転程度に抑えることにより、遷音速飛行時にもプロペラ効率が落ちないようにしている。全長47.3m、翼スパン50m、全備重量155トン。エンジンはNK12ターボプロップ（12000馬力）４基、推進は４翅二重反転プロペラ（直径5.6m）、巡航速度710km、最大速度925km、実用上昇限度11300m、航続距離13460km（爆弾５トン搭載時）。自衛武装は23mm機関砲６門で、後に23mm連装機関砲に換装した。爆弾搭載量12トン。参考：月刊軍事研究10,’02、月刊丸1,’77、歴史群像8,’98、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｔｕ−９５Ｍ＞：最初の量産型、NATOコードはベアＡ。全長46.17m、全幅50.04m、全高13.3m、自重76.5トン（79.6トン？）、最大離陸重量165トン（182トン？）。エンジンはクズネツォフNK-12Mターボプロップ（15000軸馬力）４発、プロペラは二重反転式４翅×２のAV-60（直径5.6m）、巡航速度720km、最大速度905km、実用上昇限度11900m、航続距離13200km。自衛武装は23mm機関砲AM-23が６門。爆弾搭載量12トン。乗員９名。参考：月刊航空ファン1,’98、歴史群像8,’98

　＜Ｔｕ−９５Ｋ＞：Kh-20（AS-3カンガルー）対艦ミサイル搭載型、NATOコードはベアＢ。機首にＩバンド誘導レーダーを装備する。参考：月刊航空ファン1,’98

　＜Ｔｕ−９５Ｋ−２２＞：NATOコードはベアＧ。Kh-22空対地ミサイル３発を搭載できる。63機が生産された。参考：月刊軍事研究3,’16

　＜Ｔｕ−９５ＫＤ＞：NATOコードはベアＢ。Tu-95Kに空中給油受油プローブを付けたものである。参考：月刊航空ファン1,’98

　＜Ｔｕ−９５ＫＭ＞：Tu-95KDの電子偵察機（ELINT）型、NATOコードはベアＣ。 1960年代に配備された。参考：月刊航空ファン1,’98、月刊軍事研究9,’10、12,’16

　＜Ｔｕ−９５ＭＲ＞：海軍型、NATOコードはベアＥ。参考：月刊軍事研究9,’10

＜Ｔｕ−９５ＭＳ＞：巡航ミサイル搭載長距離爆撃機型、NATOコードはベアＨ。Tu-142MKがベースで、1979年9月に初飛行、1984年（1981年？）から88機が就役した。機首下部には目標捕捉・航法レーダーを収めたフェアリングを持つ。爆弾倉にMKU5-6ロータリーランチャー１基を装着してKh-55巡航ミサイルまたはKh-555巡航ミサイル６発を搭載するMS-6（ベアH-6）、主翼ラックに６発ずつ搭載可能としたMS-12、主翼内舷エンジンナセル内側パイロンに並列で２発とエンジンナセル外側パイロンに３発の左右主翼下計10発に加えて爆弾倉ロータリーランチャーに６発搭載するMS-16（ベアH-16）がある。ただしMS-16はパイロン１基に５発も吊り下げなければならないため実用的でなく、抗力が増して航続距離も減少することから、基本的には爆弾倉のみに搭載するようだ。ロシア軍最大の９トン通常爆弾の搭載も可能である。全長49.13m（46.13m？46.2m？47.09m？）、全幅50.04m、全高13.3m（12.12m？）、自重94.4トン、空虚重量120トン、最大離陸重量187トン。翼面積310（288.9？）平方メートル。エンジンはKKBMクズネツォフNK-12MA（11033kW、15000ehp。NK-12MV？）４基、巡航速度384ノット、最大速度マッハ0.83／925km（高度25000フィート・7620m）、実用上昇限度13710m（10500m？）、戦闘行動半径3455海里、航続距離15000km。自衛武装は23mm機関砲GSh-23が２門。最大兵装搭載量20.8トン、自由落下型爆弾最大搭載量12トン。乗員７名（８名？）。ソ連崩壊時、ウクライナに25機があったが、脅威削減協力（CTR）協定に基づいてアメリカが解体した。2006年現在、ロシア空軍第22親衛重爆航空師団第184重爆撃機連隊、第326重爆航空師団第79・第182重爆航空連隊に64機（63機という説もある）が配備されている。2015年現在では第6950親衛航空基地第184重爆撃機航空連隊（エンゲルス基地）と第6952航空基地第182重爆撃機航空連隊（極東のウクラインカ基地）の計55機らしい。2020年まで寿命を延ばす改修を2008年から実施中で、2007年9月にはエンジン生産再開契約が結ばれており、プロペラをAV-60Tに換装し、SVVI-021-16ハードウェア・インターフェースを搭載した。2015年6月8日、離陸時に出火して墜落し、乗員１名が死亡。7月14日、１機がハバロフスク市街地から50kmの地点に墜落して乗員２名が死亡した。一時飛行停止処分にして総点検を行っている。11月17日、シリア内戦介入でKh-555巡航ミサイルを発射した。2016年5月9日の戦勝記念日で飛行している。参考：月刊航空ファン1,’98、3,’99、10,’15、2,’16、5,’16、月刊軍事研究3,’16、8,’07、7,’08、2,’09、5,’11、月刊JWings10,'05、7,'16、世界航空機年鑑2018-2019、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｔｕ−９５ＭＳＭ＞：Tu-95MSにKh-101/Kh-102巡航ミサイル搭載改修を施したもの。ミサイル管制システムのシグマやGLONASS航法装置を装備しており、爆弾倉に６発と、両主翼下パイロン計４ヵ所に２発ずつ計８発の、合わせて14発を搭載できる。コクピットも近代化し、エンジンをNK-12MP（出力11100馬力）に換装、機体の延命改修も行った。1999年頃から改造テストが始まり、初号機はタンボフと命名され、2015年に納入された。第２段改修として、ノヴェーラNV1.021レーダー、SOI-21情報表示装置、メテオールNM2自己防衛システムなどを搭載する予定で（この第２段改修以降をTu-95MSMと呼ぶ説もある）、2017年から始まったらしい。2020年からは不要の通信機器を外して航法装置の一部を更新した。更にエンジンをNK-12MPM（出力13600馬力）に、プロペラをAV-60T二重反転プロペラに換装して航続距離とペイロードを増やし、騒音を低減する予定。参考：月刊軍事研究3,’16、6,’18、4,’12、月刊航空ファン2,’16、8,’19、月刊JWings6,’20

＜Ｔｕ−９５Ｎ＞：戦略偵察母機型。1955年から計画された構想から生まれたもので、爆弾倉にラムジェット双発の超音速偵察機RSを搭載し、爆弾倉には偵察機パイロット乗降用ハッチも設けた。航続距離13500km。結局偵察機が完成せず、空中給油をすればいいということになり、飛行テストすらされずに博物館行きとなった。参考：月刊航空ファン1,’98

＜Ｔｕ−９５ファミリー＞

　＜Ｔｕ−９５ＬＡＬ＞：原子力ターボプロップエンジン搭載機テストベッドで、LALはLetayushchaya Atomnaya Laboratoriya（原子力飛行試験機）の略。主翼付け根後部の胴体内に原子炉を収容した放射線遮蔽実験機で、1955年から開発され、1961年に初飛行、1969年までテストされた。実機はTu-119だが、計画のみに終わっている。参考：月刊JWings11,’13

　＜Ｔｕ−９５ＲＴ＞：長距離偵察・対艦ミサイル誘導機型、NATOコードはベアＤ。ミサイル艦とデータリンクし、発射されたミサイルを目標まで誘導するのが主任務である。爆弾倉にI/Jバンド捜索レーダー（有効探知距離300km以上。NATOコードはビッグ・バルジ）を収容して大きなフェアリングで覆い、機首下面に対艦ミサイル誘導中継用Ｊバンド・レドーム（NATOコードはショート・ホーン）を持つ。後部胴体側面にはELINT用フェアリング、その下には偵察用カメラ窓がある。1963-69年に53機が生産された。参考：月刊航空ファン1,’98、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979

　＜ベアＥ＞：偵察機型のNATOコード。爆弾倉にカメラ窓6-7カ所があり、機首はガラス張りで、後部胴体にブリスターを持つ。全長47.5m、全幅48.5m、全高12.2m、自重95トン、総重量154.22トン。エンジンはクズネツォフNK-12M（14795馬力）４基、巡航速度400ノット、最大速度435ノット、実用上昇限度12200m、戦闘行動半径3000海里、航続距離6775海里（11.35トン搭載）。自衛武装は23mm機関砲６門。兵装ペイロード11.35トン。乗員5-11名。参考：世界の軍用機1979、スパイ機

　＜Ｔｕ−９５Ｕ＞：転換訓練型、NATOコードはベアＴまたはベアＧ。参考：月刊JWings10,’05

＜Ｔｕ−１１６＞：Tu-95の人員貨物輸送型。参考：月刊軍事研究10,’02

＜Ｔｕ−９７＞：ツポレフの試作爆撃機。Tu-16のエンジンを強化して後退角45度の主翼を装備したものである。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−９８シリーズ＞：ツポレフ設計局試作超音速爆撃機、NATOコードはバックフィン。制式化すればTu-24となる予定だった。Il-28の後継として1952年から開発され、1954年11月に原型機製作指示が出され、1956年9月7日に初飛行し、1957年のツシノ航空ショーで一般に初公開された。参考：月刊JWings3,’11、世界の傑作機No.113、月刊軍事研究9,’10

　＜Ｙａｋ−４２＞：当初西側が推定した制式名称で、1956年6月にソ連に招待されたアメリカ空軍参謀総長らに公開された（というか車の中から見た）機体を基に考えたものだが、特に根拠は無いらしい。西側諸国の中ではマッハ２以上で西ヨーロッパを爆撃できる量産機という認識だったが、結局間違っていた。参考：月刊JWings3,’11

＜Ｔｕ−９８＞：エンジンを後部胴体内に収容して抗力を減らしている。エアインテイクは、コクピットなどから生じる乱流でインレット・ディストーションが発生するのを避けるため、コクピットのすぐ後方にあたる主翼前上方の機体両側に付いていて、長いダクトによりエンジンまで空気を導いているが、抗力が大きく総圧損失が大きい、ダクトのスペースが無駄といった欠点があった。主翼は中翼配置、後退角55度。主翼付け根部分の胴体にはくびれが付いているが、開発時期からしてエリアルールではなく単純な整流のためといわれる。機体下部にロケットを取り付けて傾斜レールから射出するゼロ距離発進も考案されていた。エンジンはリューリカAL-7F（推力9.5トン）双発、最大速度1238km、航続距離2440km。エンジンと油圧操縦システムにトラブルが多発したため爆撃機としては採用されず、Tu-28Pフィードラー長距離戦闘機として開発し直すことになり、原型機はそちらのテストベッドになった。参考：世界の傑作機No.113、月刊JWings3,’11、月刊軍事研究9,’10

＜Ｔｕ−９８Ａ＞：降着装置の設計を変更し、主翼後縁にポッドを付けて主脚をそこに引き込むようにしたもの。胴体下に空対地ミサイルを搭載可能。案だけに終わった。参考：月刊JWings3,’11

＜Ｔｕ−１０３＞：ツポレフ設計局試作爆撃機。Tu-16の後継で、主翼付け根にエンジン２基を上下に重ねて装備する４発機である。あまり性能が上がらなかったため、Tu-105が開発されることとなった。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−１０４＞：Tu-16ファミリー（輸送機・旅客機）を参照。

＜Ｔｕ−１０５シリーズ＞：ツポレフ設計局試作爆撃機。Tu-22のプロトタイプで、1955年8月から開発された。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−１０５＞：初号機。垂直尾翼下部両側にエンジンを配置しており、胴体は主翼部分にくびれの無い直線型である。主脚は主翼内に引き込まれる。1958年に初飛行したが、試験飛行中に事故を起こして放棄された。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−１０５Ａ＞：1955年5月にNASAのウィットカムが発表したエリアルールの論文に基づいて設計を変えたもの。主脚は主翼ポッドに引き込むようにし、尾部砲塔照準用レーダーを尾部砲塔と同じ位置に下げ、垂直尾翼頂部のTV式光学照準器をレーダーのあった位置に移した。また、機首のガラス窓の形状が変更された。1959年9月7日に初飛行した。1959年12月21日、飛行中にバフェッティングから錐揉みを起こして墜落、パイロット２名が死亡した。その後のテストはTu-22Aに引き継がれた。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−１０６シリーズ＞：ツポレフ設計局がTu-22を基に設計した研究機。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−１０６＞：NK-6エンジン（推力20トン以上）を搭載し、エアインテイク形状を改良、主翼を薄くするなどして超音速飛行に適するよう改善してある。参考：世界の傑作機No.113

　＜Ｔｕ−１０６Ａ＞：エンジンを主翼に移し、尾翼をＴ字に換えたもの。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−１１４＞：ソ連の４発旅客機、NATOコードはクリート。1955年にジュネーブで開催された首脳会談にフルシチョフ首相が出席した際、他国の要人輸送機・政府専用機が軒並み新型旅客機だったため、同様の大型旅客機を２年以内に開発するようツポレフ設計局に下命。開発期間が短すぎて１から完成させるのは不可能だったため、Tu-95爆撃機をベースに設計して1957年に初飛行した。胴体を太くして乗降口や丸窓を追加、武装を撤去し、主翼を低翼配置に変更、二重反転プロペラの地上クリアランスを確保するため脚を長くし、水平尾翼を拡大した。エンジンはターボプロップ（12000馬力）４基、プロペラは二重反転式（４翅×２）、最大速度850km。各型計32機が生産された。エンジンの騒音と振動が激しい、乗降口が地上から15mの高さにあるため専用タラップが要る、といった欠点があった。参考：月刊丸9,'20、軍事力バランス78年版、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｔｕ−１１４ファミリー＞

　＜Ｔｕ−１１４Ｄ＞：政府専用機で、Ｄはディプラマート（外交）またはディナーヤ・ディスタンシ（長距離）の略。試作初号機含む十数機が生産された。1967年からは日ソ共同運航便として使用されている。参考：月刊丸9,’20

＜Ｔｕ−１１６＞：Tu-95爆撃機ファミリーを参照。

＜Ｔｕ−１１９＞：ソ連が計画した原子力ターボプロップ爆撃機。Tu-95の第２・第３エンジンをクズネツォフNK-14A間接サイクル式原子力ターボプロップに換装したものである。放射線遮蔽実験機としてTu-95LALを製作したが、それ以上進まずに計画中止となった。参考：月刊JWings11,’13

＜Ｔｕ−１２３＞：ソ連軍の超音速無人偵察機。全金属製モノコック構造の大型機で、主翼は後退角57度の中翼配置、胴体後部に関係位置120度で動翼３枚を持つ。その垂直位置の動翼の基部にはドラッグシュート収容部のようなレドームのような装置が付いているが、中身は不明（非回収式のためドラッグシュートでないことは確かだし、金属製のためレドームとしても変である）。エンジンは後部胴体にあり、ラムジェットに近い性質で、発射時は主翼下にロケットブースター２本を付ける。エアインテイクは主翼後縁近くの胴体下面にある。偵察システムは機首にあり、発射地点で機体に取り付ける。垂直撮影用AFA-54カメラ３台とパノラミックカメラ１台またはカメラの換わりにELINT用SRS-6電波偵察システムを搭載できるようだ。全長26.7m、全幅7.94m、全高4.62m、空虚重量14トン、離陸総重量38.5トン。エンジンはツマンスキーRK-15ターボジェット（アフターバーナー付き）、巡航速度マッハ2.55、燃料搭載量16.6トン、航続距離3600km。誘導は慣性誘導とオートパイロットで、操縦ステーションからの指令でコース変更ができる。データは機首部を切り離してパラシュート回収するが、機体は墜落して失われるため、無駄が多い。参考：月刊軍事研究1,’00、2,’04

＜Ｔｕ−１２４＞：ソ連のターボファン旅客機、NATOコードはコックポット。Tu-104がベースである。参考：月刊航空ファン8,’16、月刊軍事研究10,'75

＜Ｔｕ−１２４Ａ＞：Tu-134シリーズ（旅客機）を参照。

＜Ｔｕ−１２５＞：ツポレフ設計局の研究機。Tu-135と同時期に設計されたもので、機体形状はTu-135と同じカナード付きデルタ翼機だが、一回り小型である。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−１２６＞：ソ連空軍の早期警戒機、NATOコードはモス（Moss）。Tu-114旅客機がベースで、1962-63年に初飛行し、1971年から配備された。西側が存在を確認したのは1968年である。早期警戒だけでなくMiG-25への要撃指揮も行っており、限定的なAWACS任務も行えるとされる。後部胴体上に直径12m（11m？）のロートドームを前後に幅広いパイロン１枚で支持しており、内部にNATOコードでフラット・ジャックと呼ばれるレーダーを収容する。後部胴体下面にはロートドーム装備による方向安定性低下を抑えるため、大きなベントラルフィンが付いた。リアーナ電子戦システムを装備し、機体21箇所にアンテナフェアリングを装着、尾部コーンにも電子機器を搭載している。機首には太い空中給油受油プローブを持ち、胴体に窓は無い。全長55.2m（57.3m？）、全幅51.2m、全高16.5m（15.5m？）、自重95トン、全備重量165.5トン。エンジンはクズネツォフNK-12MVターボプロップ（14795ehp）４基、哨戒速度280-351ノット、高速巡航速度400ノット、最大速度459ノット、実用上昇限度11000m、燃料容量95000リットル、最大航続距離6755海里（7000km？）、哨戒時間９時間（540海里進出）／６時間（1080海里進出）。運航要員４名＋システム操作員10名以上（両者計12名？）で、同数の交代要員も搭乗する。15機が生産された。生産後に改修も受け、1971年の第３次印パ戦争を偵察したりしているが、プロペラが邪魔でルックダウン能力に欠ける、グラウンド・クラッターを上手く排除できず陸地上空の低空目標を探知できない、移動目標表示能力が低いなどの欠点があったらしく、A-50メインステイに後を譲って1984年に退役した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings7,’04、スパイ機

＜Ｔｕ−１２８＞：Tu-28P（全天候戦闘機）を参照。

＜Ｔｕ−１３４シリーズ＞：ソ連の双発リアジェット旅客機、NATOコードはクラスティ（Crusty）。Tu-124の改良型として計画され、原型機はTu-124Aの名称で1963年7月29日に初飛行し、量産初号機はTu-134に改称されて1965年8月14日に初飛行した。ソ連軍も導入して各種任務に使用し、輸出もされている。1984年までに各型計852機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、軍事力バランス78年版

　＜Ｔｕ−１３４＞：胴体下面に大型エアブレーキを持つ。エンジンは胴体下方両側面から胴体後方両側面に移した。主翼は低翼配置で、後退角35度。降着装置は前輪式、主脚は４輪ボギー式で、主翼コーン内に引き込まれる。グラザー気象レーダーやABSU-134自動飛行制御装置を搭載。エンジンはソロビヨフD-30ターボファン双発。客席数64-72。1967年9月から就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−１３４Ａ＞：Tu-134の改良型。前部胴体を2.8m延長して客席数を80に増やし、機首ガラス張り航法士席を廃止してソリッドノーズに変更、逆噴射装置やAPUを搭載した。1970年から就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−１３４Ａ−３＞：リモートセンシング実験機。左主翼下面に合成開口レーダーポッドを搭載した。参考：月刊航空ファン11,’92

　＜Ｔｕ−１３４Ｂ＞：Tu-134Aの改良型。航空機関士席を前向きに変更し、アビオニクスを更新した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−１３４Ｂ−１＞：トイレとギャレーを小型化して客席数を84に増やしたタイプで、ギャレーを外すと90席になる。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−１３４Ｂ−３＞：最終生産型。エンジンを燃費改善型に換装し、客席数を最大96に増やした。全長37.1m、全幅29m、全高9.02m、運航自重29.75トン、最大離陸重量47.6トン。翼面積127.3平方メートル。エンジンはアヴィアドガヴィテルD-30-�V（推力6.93トン）双発、経済巡航速度750km、最大巡航速度882km（高度10100m）、運用限界マッハ数0.82、燃料搭載量14.4トン、航続距離1970km（最大ペイロード）。最大ペイロード8.2トン。乗員３名。客席数80-96。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−１３４ＢＳｈ＞：ソ連軍の爆撃手訓練機。機首をTu-22Mと同じものに換装し、内部に爆撃レーダーを搭載、客室に訓練用コンソール12基を装備する。参考：月刊JWings10,’05

　＜Ｔｕ−１３４ＵＢＬ＞：ソ連軍の爆撃機操縦士訓練機。Tu-22MやTu-160などと同じ電子装備を搭載し、操縦特性もそれに合わせている。機首にPNA爆撃航法レーダー用の尖ったレドームを持つ。当初は演習爆弾用翼下パイロンを装着していたが、INF条約で撤去した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、11,’12

＜Ｔｕ−１３５＞：ツポレフ設計局の試作超音速長距離爆撃偵察機。1960年から設計した。機体はアルミ合金製で、カナード付きデルタ翼を採用している。最大速度2500km。空対地ミサイル4-6発を搭載する。スホーイのT-4に破れて採用されなかった。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｔｕ−１３９＞：ソ連軍の無人偵察機、別名ヤストレブ２（Yastreb-2）。Tu-123の後継機である。既に退役した。参考：月刊軍事研究2,’04

＜Ｔｕ−１４１＞：ソ連軍の無人偵察機、別名ストリズ。Tu-139の後継で、VR-2システムの一部である。前部胴体内部に偵察システム（フィルム式カメラ）を収容する。主翼はデルタ翼で、胴体先端部に小翼を持つ。エアインテイクは垂直尾翼付け根前方、エンジンは胴体後部にある。垂直尾翼と主翼は折り畳み式。全長14m、全幅4m、発進重量７トン。エンジンはツマンスキーR-9A-300（KR-17A）ターボジェット単発、飛翔速度950-1100km、飛行高度50-10000m、航続距離1000km。発進はロケットブースター１基、回収はパラシュートとスキッドと減速ロケット。1978-90年に152機が生産された。ウクライナ戦争でウクライナ軍が自爆無人機として使用しているとみられ、爆弾と航法装置を積んでロシア領内の航空基地攻撃を行っている。参考：月刊軍事研究1,’00、2,’04、月刊JWings3,’23

＜Ｔｕ−１４２シリーズ＞：ソ連海軍対潜哨戒機、NATOコードはベア（Bear、熊）Ｆ。Tu-95RTベースの長距離対潜哨戒型で、1963年から開発され、1968年7月18日に試作機が初飛行した。参考：週刊ワールドウェポン17、月刊航空ファン1,’98

＜Ｔｕ−１４２＞：NATOコードはベアＦ（Bear F）。Tu-95RTの前胴部を延長し、主翼を改設計してインテグラルタンクを採用、フラップを２分割にし、昇降舵を大型にして長距離性能を改善している。降着装置も改良し、主脚収容ナセルを大型化、未整備滑走路に離着陸できるようにした。胴体上下のターレットを外して大型誘電体レドームの代わりに赤外線装置用小型フェアリングを搭載、水平安定板先端フェアリング内のアルファ・システムは撤去して新型アンテナを装備している。ベルクート795捜索レーダーの他、クワドラット２やクブ３といった電子偵察システムも搭載する。機首には空中給油受油プローブ、胴体尾部にラドガMADブームを持つ。全長49.5m、全幅51.1m、全高12.12m、全備重量188トン。エンジンはクズネツォフNK-12MVターボプロップ（14795ehp）４基、巡航速度400ノット、最大速度870km、航続距離12690km。自衛武装は23mm連装機関砲３基。空対艦ミサイル１発または11.35トンまでの爆弾を搭載できる。乗員11名（12-15名？）。1968-72年に19機が生産され、後に全機がTu-142Mに改修された。参考：月刊航空ファン1,’98、世界軍用機年鑑1990-91、月刊世界の艦船8,’82増刊、3,'23、月刊軍事研究9,’10、週刊ワールドウェポン17

＜Ｔｕ−１４２（改）＞：ソ連名はTu-142のままだが、NATOコードはベアF Mod1に変わっている。Tu-142の不整地離着陸能力があまり役に立たなかったため、降着装置を簡単なものに交換して重量を3.63トンほど軽くしたものである。長時間哨戒に備えて乗員用休憩区画を設置した。参考：週刊ワールドウェポン17

　＜Ｔｕ−１４２Ｍ＞：Tu-142の近代化改修型で、Tu-142Mの名称はタガンログ工場の付けた名称であり、海軍名称はTu-142のままである。西側は1980年頃に初確認し、ベアF Mod2のNATOコードを付けた。前部胴体に長さ９インチ・0.23mのプラグを挿入、コクピット天井高をかさ上げし、コクピット直後の胴体上面に衛星通信用アンテナフェアリングを追加、降着装置を新型に変更している。全長49.6m、全幅50.04m、自重76.5トン、最大離陸重量165トン。エンジンはクズネツォフNK-12MVターボプロップ（15000馬力）４基、プロペラはAV-90二重反転式４翅（直径5.6m）、巡航速度735km、最大速度905km、実用上昇限度11900m、航続距離12300km。自衛武装は23mm機関砲AM-23が２門。爆雷、魚雷、爆弾を搭載可能。乗員11名。参考：週刊ワールドウェポン17、月刊世界の艦船3,'23、月刊航空ファン1,’98、月刊軍事研究9,’10

　＜Ｔｕ−１４２ＭＫ＞：この名称は工場が付けたもので、海軍名称Tu-142M。NATOコードはベアF Mod3。潜水艦の静粛化に伴い、トリガー装置付きソノブイの効力が薄れてきたため、爆発音源を使用したソノブイとコルシュン目標捕捉装置を搭載したもの。ソノブイ扉は長さを延ばして幅を狭くし、胴体尾部のラドガMADブームを撤去して垂直尾翼端にMADブームを設け、航法装置や電子戦機器も更新した。1975年11月4日に初飛行したが、新型機器の不具合が多発したため、就役は1980年11月からになった。西側が初確認したのは1982-83年である。参考：月刊軍事研究9,’10、月刊世界の艦船3,’23

　＜Ｔｕ−１４２ＭＺ＞：Tu-142MKの改良型で、NATOコードはベアF Mod4。エンジンをNK-12MPとし、改良型ソノブイや電子戦機器を搭載して対潜能力を強化している。機首透明風防先端にGeranアクティブジャマー用送信アンテナ、胴体下面にKorshun N捜索・攻撃レーダー用大型フェアリング、垂直尾翼端後縁にMMS-106MADブームを持つ。1987年に試験が始まり、1993年から32機が実戦配備された（1985年から就役？）。参考：月刊航空ファン7,’17、1,'98、週刊ワールドウェポン17、月刊世界の艦船3,’23

＜Ｔｕ−１４２ファミリー＞

　＜Ｔｕ−１４２ＭＲ＞：TACAMO型、NATOコードはベアＪ（Bear J）。ベアＦにR-826PLフレガートVLF通信装置を搭載したもので、胴体下面のレーダー用フェアリングをVLFアンテナ（全長7km以上）用ウインチ・リール収容フェアリングに換装し、垂直尾翼端に前方に伸びる細い衛星通信用短波アンテナ・ポッドを追加した。アンテイ地上設置型VLF通信システムの覆域範囲外をカバーし、戦略原潜との通信を行う。13機が配備され、西側は1986年に存在を確認した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン7,’17、月刊軍事研究7,’18

＜Ｔｕ−１４２海外シリーズ＞

　＜Ｔｕ−１４２Ｍシリーズ（インド海軍）＞：インド海軍哨戒機。Tu-142MK-AやTu-142MSDが1988年から配備された。2017年3月29日に退役式典が行われて完全退役した。後継はP-8Iである。参考：月刊航空ファン6,’17、月刊軍事研究9,’17

　＜Ｔｕ−１４２ＭＫ−Ａ＞：インド海軍哨戒機。Tu-142MKの輸出版で、ソ連海軍型よりも性能が低い。８機が配備された。参考：週刊ワールドウェポン17

　＜Ｔｕ−１４２ＭＳＤ＞：インド海軍哨戒機。2012年12月5日に初号機が引き渡された。参考：月刊JWings3,’12

＜Ｔｕ−１４３＞：ソ連陸軍VR-3戦術偵察システム用UAV。Tu-141を小型化した感じで、機体はアルミニウムと複合材で出来ており、前部胴体に偵察システムを収める。発進は８輪装甲車BAZ-135に搭載したSPU-143射出機からロケットブースター２基を装着して行う。回収はTu-141と同じで、フィルムを現像するまで45分かかる。機体は10回使用できる。誘導はプログラム式で、飛行中に最大270度まで２回の旋回ができ、高度は４回の変更が可能で、予め目標のいそうな場所を選定しておいて強行偵察させるのに使う。航続時間が短いので、捜索や監視には向かない。全長8.29m、全幅2.25m、全高1.58m、発進重量1.4トン。エンジンはTV3-117ターボジェット（推力5.9トン）、最大速度850-940km、飛行高度100-5000m、燃料搭載量190リットル、航続時間13分、行動半径90km、航法誤差225m。偵察装備はPA-Iカメラ、TVカメラ、放射能汚染探知センサーなど。950機が生産された。参考：月刊軍事研究1,’00、10,’17

＜Ｔｕ−１４４＞：ソ連の超音速旅客機。1963年7月にソ連航空機生産省がツポレフ設計局に開発を命じ、コンコルドの１年前の1968年12月に初飛行した。外見はコンコルドそっくりで、離着陸時に12度下を向く機首の折れ曲がり機構まで一致しており、コンコルドスキーと揶揄された挙げ句、産業スパイ説まで出る始末だった。クリップドデルタ翼でない純粋デルタ翼を採用したソ連初の機体であるため、わざわざMiG-21I試験機を製作している。エンジンは機体下部に付く。全長59.45m、機体重量84トン。翼面積470平方メートル。エンジンはNK-144が４発。1971年7月に機体を一回り大型化して機首上部後方に二重隙間フラップ付き引き込み式前翼を装備した先行量産機（全長67.05m、機体重量92.7トン、翼面積503平方メートル）が初飛行し、量産型13機（地上試験用含む）とエンジンをRD36-51Aに換装したTu-144D６機が生産された。1977年10月31日に営業運航許可が下り、11月1日からアエロフロートのモスクワ−カザフスタン首都アルマータ便（客席数100、距離3260km）に週２往復で就航した。1978年5月23日、Tu-144Dがモスクワ周辺で研究飛行をしていた際に燃料系統の故障で墜落、全機飛行停止となった。5月30日から飛行再開予定だったが、当日朝にツポレフ設計局責任者がアエロフロートに運航停止命令を出し、そのまま営業運航されることは無かった。1980年から退役が始まり、ソ連崩壊後にTu-144LL超音速飛行テストベッドとして使用された機もあったが、1994年に全機退役した。参考：月刊航空ファン8,’16、飛行機のしくみ、月刊軍事研究11,’11、月刊航空情報8,’02

＜Ｔｕ−１４５＞：Tu-22M0（爆撃機）を参照。

＜Ｔｕ−１５４シリーズ＞：ソ連の３発旅客機、NATOコードはケアレス（Careless）。Tu-104やIl-18の後継となる国内線・中距離国際線向けとして1963年から開発され、1966年に計画が発表され、原型機は1968年10月4日に初飛行し、各型計1000機以上が生産された。ソ連空軍も32機を配備している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報2,’10

　＜Ｔｕ−１５４＞：機体は全金属製で、エレベーターとラダーはハニカム・サンドイッチ構造である。エンジンは胴体後部左右と後部胴体内に配置されており、胴体内のエンジンには垂直尾翼付け根前縁のエアインテイクからＳ字ダクトを通じて空気が供給される。左右エンジンには逆噴射装置が付く。主翼には下反角が付いており、尾翼はＴ字型。降着装置は前輪式油圧引込脚、主脚は６輪ボギー式で、翼胴フェアリングに引き込まれる。ABSU-154自動飛行制御装置を装備する。全長47.92m、翼スパン37.55m、全高11.4m、運航自重55.3トン、最大離陸重量100トン。翼面積201.5平方メートル。エンジンはクズネツォフNK-8-2／アビアドヴィガーティリD-30KU-154-�Uターボファン（推力93.4kN・10.605トン）３発、標準巡航速度935km、運用限界マッハ数0.9、燃料搭載量39.75トン、航続距離3700km（最大ペイロード）／6600km（最大燃料、ペイロード5.45トン）。最大ペイロード18トン。乗員３名。客席数166-180。1971年初めにアエロフロートに引き渡され、5月から貨物・郵便輸送に就航、1972年2月9日に定期旅客輸送を開始した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報2,’10、月刊JWings3,’17

　＜Ｔｕ−１５４Ａ＞：エンジン強化型。1973年に初飛行した。エンジンをNK-8-2U（推力102.9kN）に換装、座席数や機内燃料を増やし、離着陸性能向上のために主翼後縁フラップ、前縁スラット、水平安定板を連動させ、ABSU自動着陸装置を装備するなどアビオニクスも改善している。参考：月刊航空情報2,’10、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−１５４Ｂ＞：Tu-154Aの近代化型。1977年に初飛行した。自動着陸装置をABSU-154に変更、最大離陸重量を引き上げて最大客席数を169席とし、非常脱出口を増やしている。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｔｕ−１５４Ｂ−２＞：Tu-154Bにフランス製（アメリカ製？）の自動操縦装置と航法機器を導入したもの。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｔｕ−１５４Ｃ＞：貨物輸送型。開発中止となった。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｔｕ−１５４Ｍ＞：Tu-154B-2のエンジンを燃費の良いソロビエフD-30KU-154-�Uに換装し、航続距離を延ばしたもの。クラムシェル型の逆噴射装置を採用、APU取り付け位置を中央エンジン排気口上部から胴体に移し、前縁スラットを小型化、フラップを三重隙間から二重隙間に変更して下げ位置を１つ増やし、慣性航法装置を３基搭載した。全長48m、全幅37.55m、全高11.4m、運航自重55.3トン、最大離陸重量104トン。エンジンはソロビエフD-30KU-154-�U（推力104.6kN）３発、最大巡航速度486ノット、最大航続距離2160海里。客席数180席。Tu-154B-2を改造した初号機が1982年からテストされ、1984年12月27日にアエロフロートに引き渡された。2000年に生産を終了している。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｔｕ−１５４Ｍ−２＞：Tu-154Mの双発化型。ベルム／ソロビエフPS-90エンジンを搭載する。開発中止となった。参考：月刊航空情報2,’10

　＜Ｔｕ−１５４Ｍ−１００＞：Tu-154Mの改良型。GPSや衝突回避レーダーを搭載し、内装を一新した。1997-98年に12機が製造された。参考：月刊航空情報2,’10

＜Ｔｕ−１５４ファミリー＞

　＜Ｔｕ−１５４Ｍ−ＬＫ−１＞：ロシア空軍オープンスカイズ用空中査察機。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｔｕ−１５４Ｍ／ＯＳ＞：東ドイツに配備された。最大離陸重量102トン。エンジンはジェット３発、最大速度850km、航続距離3880km。貨物積載量18トン。搭乗人員95名。ドイツ統一後も２機が運用中。うち１機は航空監視機に改造されており、シリーズLMK2000シングル画像カメラ、シリーズVOS60ビデオカメラを３基ずつ搭載する。また、１機がオープンスカイズ用航空査察監視任務機に改造される予定で、広域監視用パノラマカメラ、夜間監視用赤外線スキャナー、合成開口レーダーを搭載する筈である。参考：月刊軍事研究1,’98

＜Ｔｕ−１５４海外ファミリー＞

　＜Ｔｕ−１５４Ｍ電子偵察機（中国空軍）＞：中国空軍ELINT/SIGINT機。BM/KZ800電子情報システムを搭載し、機体下面にカヌー型フェアリングを持つ。1995年に２機を改造してテストしたらしい。参考：月刊航空ファン7,’15、月刊軍事研究12,’16

　＜Ｔｕ−１５４ＭＤ電子偵察機（中国空軍）＞：中国空軍ELINT/SIGINT機。BM/KZ800電子情報システムを搭載し、機体下面にカヌー型フェアリングを持つ。参考：月刊航空ファン7,’15

　＜Ｔｕ−１５４Ｍ／Ｄタイプ�U（中国空軍）＞：中国空軍電子偵察機。胴体中央下面にカヌー型フェアリングがあり、合成開口レーダーを収容する。第34運輸機師団第102航空連隊に配備された。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｔｕ−１５５＞：ソ連の水素エンジン実験機。Tu-154がベースで、右翼のターボファンエンジンを水素エンジンに改造し、客室内に液体水素タンクを搭載した。1988年4月15日に初飛行し、1992年まで実験を繰り返した。その後はメタン（天然ガス）燃料エンジン実験機に改造され、試験飛行を行っている。参考：月刊軍事研究3,’08

＜Ｔｕ−１５６Ｓ＞：ソ連の液化天然ガス・ケロシン併用エンジン試験機。Tu-154がベースで、1994年から開発されたが、その後の消息は不明である。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−１６０シリーズ＞：ソ連空軍戦略爆撃機、通称ベーリイ・レービチ（白鳥）。NATOコードはブラックジャック（Blackjack）で、アメリカは当初Bomber-Xと呼んでいた。1967年11月にソ連政府が戦略的大陸間航空機の提案要求（高々度飛行、巡航速度3200-3500km、航続距離18000km）を出したのが大元で、スホーイ設計局やミヤシシェフ設計局などが20種類弱の案を出したが、全て採用されなかった。1970年になってツポレフ設計局がツアギの協力で設計を開始し、敵地奥深くに侵攻して戦略核攻撃を行う爆撃機としてイズジェリェ70の名称で1972年から本格開発に移った。当初は後退角78度のストレーキに後退角50度のデルタ翼を組み合わせた４発機だったが、後に後退角65度のストレーキ（ブレンデッド・ウイング・ボディ）と可変後退翼の組み合わせに変更され、1977年から原型機３機（初号機70-1と３号機70-3が飛行試験機、２号機70-2が地上試験機）が製作されている。西側は1981年11月25日に偵察衛星によって存在を認識（1979年からラメンスコイエ飛行センターでテストされているのを確認？）してラムＰ（Ram-P）のコードを付け、1986年末にアメリカのアビエーション・ウィーク誌が不鮮明な写真を掲載、1988年8月2日にアメリカ国防長官がクビンカ基地を訪れた際に公開された。原型初号機初飛行は1981年12月18日（9日？）、量産初号機（通算４号機）初飛行は1984年10月10日で、カザン航空機製造共同体KAPOが量産を担当し、1987年4月から配備され、100機くらい作る予定だったがソ連崩壊で減らされ、1994年までに量産機33機（32機？うち１機は地上試験機）が生産されたらしい。この時点で未完成の機体４機（３機？）が残っていて、1999年（2000年3月？）と2007年（2008年3月？）に１機ずつ完成したとみられ、合計機数は地上試験機１機含め35機（34機？）となる。その後Tu-95MSを代替するため生産を再開した。ソ連崩壊後、ウクライナのプリルキ基地に置かれていた第184重爆撃機航空連隊２個爆撃飛行隊19機はウクライナ空軍に編入され、ロシアは買い戻そうとしたがウクライナとの価格交渉が上手く行かないうちにアメリカに先手を打たれて1998-99年に10機が解体され、残りのうち８機が1999-2000年にロシアに売却され、１機がウクライナ東部ポルタバ博物館で展示されている。2003年9月18日、１機が墜落事故で失われた。2005年12月30日に完全作戦能力を達成した。2007年現在（2015年現在も）、エンゲルス２空軍基地の第22親衛重爆航空師団第121親衛重爆撃機航空連隊に16機が配備されていて、これらには１機ずつロシアの偉人のニックネームが付けられている。参考：月刊JWings10,’05、月刊軍事研究3,’16、6,’15、8,’07、9,’10、2,’18、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、月刊航空ファン11,’17、1,’18、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｔｕ−１６０＞：巡航ミサイルによる高々度スタンドオフ攻撃、短射程空対地ミサイルによる防空部隊制圧、通常爆弾による低空進入攻撃を任務とするため、亜音速巡航・低高度遷音速・高々度超音速（マッハ２）飛行を可能とする設計にした。B-1Bを大型にしたような機体で、主翼は低翼配置の手動操作式可変後退翼を採用、20度・35度・65度の３段階に調節可能。翼胴接合部はブレンデッド・ウイング・ボディである。エンジンは主翼下に左右２基ずつ装備する。機首先端にオブソールＫ地形追随機能付きマルチモード航法・爆撃レーダー（NATOコードはクラムパイプ）、機首下面にOPB-15目標照準用前方テレビカメラを搭載する。コクピットにはCRTが計器板中央上部左右に１基ずつ用意されているが、基本的にアナログで、HUDは無い。操縦席は並列複座で、左の操縦士席後方に電子戦システム操作員、右の副操縦士席後方に航法・爆撃手が座る。スロットルレバー４本と脚操作レバーはペデスタルの右にオフセットされていて、当初は右に操縦士が座る設計だったという説もある。コクピットには前脚後方のハッチから乗り込む。コクピット後方にはギャレー、テーブル、簡易トイレが用意されている。水平尾翼は垂直尾翼の中程にあり、全遊動式。操縦システムはフライバイワイヤ式、操縦装置は操縦桿方式。爆弾倉は中央胴体に前後２分割で用意されており、長さ11.28m、幅1.92m、ペイロード40トンで、Kh-55（AS-15ケント）またはKV-500B（AS-15BケントＢ）またはKh-101/-102/-555巡航ミサイルなら６発、Kh-15P（AS-16キックバック）短射程ミサイルなら12発を搭載できるMKU-6-5Uロータリーランチャー（9A829K2ともいう）や、RKV-15核ミサイル４発を搭載できるMKU-6-1Uロータリーランチャー（9A826K2ともいう）を１基ずつ装備する。通常爆弾やRN-42核爆弾の搭載も可能。降着装置は前輪式引き込み脚、前脚が後方引き込みダブルタイヤ、主脚が３連タイヤのボギー式片側６輪で、90度捻って後方に引き込まれる。自衛武装は無い。全長54.1m、全幅35.6/50.7/55.7m、全高13.2m、空虚重量118トン、通常運用離陸重量267.6トン、最大離陸重量275トン。翼面積232平方メートル。エンジンはクズネツォフNK-32ターボファン（ミリタリー推力14トン、A/B時推力25トン。サマラ／ツルドNK-312、A/B時推力226.5kN？245kN？NK-321？MK-32-1？）４基、巡航速度マッハ0.9（高度13716m）、最大速度マッハ2.05（高度12200m）、実用上昇限度15600m、燃料搭載量140.6トン（通常運用離陸重量時）、戦闘行動半径1080海里（マッハ1.05）、航続距離7250km（最大兵装搭載）／14000-14600km（通常運用離陸重量、主翼後退角35度、経済巡航速度マッハ0.77）。兵装搭載量22.5トン（標準）／40トン（最大）。乗員４名（操縦士、副操縦士、航法士兼攻撃兵器操作員、航法通信士／電子戦システム操作員。操縦士、副操縦士、航法士、爆撃手兼防衛システム操作員？）。ソ連崩壊時、ロシアは６機のみ保有しており、19機がウクライナにあったため、ロシアは返還を要求していたが、条件が合わず、脅威削減協力（CTR）協定に基づいてアメリカに譲り渡して処分した。2009年現在、年間１機のペースで新規生産を行っており、既存の機体には1-2年に３機の割合で改修を実施していて、2011年には13機が実戦配備に就いている。NK-32の異常振動問題を解決し、SVVI-70ハードウェア・インターフェースとA737DP航法システム（GLONASSやSINS-SP-1慣性航法装置などを利用する）などを搭載、機体寿命を2030年まで延長する予定。参考：月刊航空ファン3,’99、11,’15、11,’17、月刊軍事研究3,’16、6,’15、2,’09、5,’11、月刊JWings10,’05、1,’16、月刊丸6,’03、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｔｕ−１６０Ｍ＞：近代化改修型。Kh-101とKh-102を運用可能とし（爆弾倉内の9A-829K3ロータリーランチャー２基に６発ずつ計12発搭載）、ノヴェラNV170レーダーを搭載、アビオニクスや電子戦システムを改良し、計器板をグラスコクピット化している。2006年に改修テスト１番機、2011年に２番機が完成した。量産型の改修は2010年に始まり、2014年11月16日に初飛行している。2015年11月17日、シリア内戦介入でKh-555やKh-101を発射した。2016年からはエンジン強化も行い、2019年までに10機を配備する予定。2015年にロシア国防相が14機を新造すると発表したが、空軍司令官は50機以上としている。参考：月刊航空ファン2,’15、7,’15、8,’15、6,’16、2,’16、月刊軍事研究4,’12、月刊JWings4,’15、9,’15、7,’16

＜Ｔｕ−１６０Ｍ１＞：Tu-160の近代化改修第１段階。既存機にTu-160M2に準じるアビオニクスを積む改修らしく、天測航法装置をK-042K-1に、自動操縦装置をABSU-200-1に換装、衛星航法受信装置を積み、航法コンピュータなども更新している。通常兵器運用能力も強化したらしい。2016年5月9日の戦勝記念日でフライトを行った。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings7,'16、月刊軍事研究6,’18

＜Ｔｕ−１６０Ｍ２＞：Tu-160の新規生産型。ついでにエンジンとアビオニクスを改良した。エンジンはNK-32-02（NK32.2？）で、出力を強化し、燃費を向上させて航続距離を1000km延ばし、FADECにより信頼性も高める。アビオニクスはノヴェーラNV1-70レーダー、K-042K-1航法装置、ABSU-200-1自動操縦装置を積み、電子戦装置も新型に換装、機首下部フェアリングを撤去し、テイルコーンを短縮した。2017年11月17日（16日？）に初号機が完成し、2018年1月25日に初飛行した。PAK DAの開発が相当遅れそうなので、間に合わせも兼ねて2023年から50機前後（最大100機）を量産するらしい。量産初号機は2022年1月12日に初飛行した。参考：月刊航空ファン11,’15、11,’16、5,’19、月刊軍事研究6,’18、3,’16、4,’18、月刊JWings3,’18、4,'22、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−１６０ＳＫ＞：衛星発射母機型。ウクライナが独立時に保有していたTu-160のセンターラインにブルラク・ディアナ２段ロケットを搭載したもので、高度13500mから長さ21m・重さ1100kgのペイロードをマッハ1.7で打ち出すことができる。アメリカのプラットフォーム・インターナショナル社に売却された。参考：月刊軍事研究8,’99

＜Ｔｕ−２０２＞：ツポレフ設計局が1980年代にTu-95及びTu-142の後継として設計した全翼機。複合材製で、推力偏向エンジンを持ち、フライバイワイヤで飛行制御を行う。最大速度は亜音速。参考：月刊軍事研究7,’95

＜Ｔｕ−２０４シリーズ＞：ツポレフ設計局の中距離用旅客機。Tu-154とIl-62の後継となる離着陸性能・経済性・静粛性に優れた機体として1983年に開発を公表し、原型機（ペルムPS-90ATエンジン装備）は1989年1月2日に初飛行、試作機３機でテストを行い、エンジンをロールスロイス社製RB211-535-E4に換装した機体も1992年8月14日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４＞：基本型。機体はアルミニウム・リチウム合金やチタン合金に加え、グラスファイバーやカーボンファイバーなど複合材も使用し、機体構造の耐用年数は45000飛行時間・30000フライトサイクルに達する。胴体は幅3.8m・高さ4.1mの楕円断面である。主翼は低翼配置、翼型はスーパークリティカル翼で、翼端にウイングレットが付き、前縁にスラット、後縁にダブルスロッテッド・フラップがある。垂直尾翼トーションボックス内にトリム調整用燃料タンクが用意されており、重心位置を後方にずらして巡航中のトリム抗力を減少させ、燃料消費率を向上させた。操縦系統は三重フライ・バイ・ワイヤで、操縦桿は従来通りのＹ字型だが、サイドスティックに換装する計画があるらしい。計器板はCRT６基でグラスコクピット化し、アナログ計器は補助用のみとしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−１００＞：航続距離延長型。燃料搭載量を増やしたもので、2001年8月9日に初飛行した。全長46.14m、全幅41.81m、全高13.9m、運航自重62.4トン、最大離陸重量105トン。翼面積182.4平方メートル。エンジンはアヴィアドビガーティリPS-90A2（推力16トン）双発、巡航速度810-850km、巡航高度12100m、燃料搭載量35.71トン、航続距離3598km（ペイロード最大）。最大ペイロード21トン。乗員２名。客席数184-212。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−１００ＳＭ＞：Tu-204-100の軽量化型。複合材の適用範囲を広げて機体重量を6.8トン減らし、ペイロードと航続距離を増やした。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４Ｃ＞：Tu-204-100の貨物輸送型。英語表記だとTu-204Sだが、輸出用表記でもキリルのTu-204Cを使っている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４Ｓ＞：Tu-204Cを参照。

　＜Ｔｕ−２０４−１２０＞：Tu-204-100のエンジンをロールスロイス社製RB211-535-E4に換装したもの。量産型は1997年3月に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−１２０Ｃ＞：Tu-204-120の貨物輸送型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−２００＞：ウリヤノフスク航空機工場で生産された。参考：月刊JWings8,’19

　＜Ｔｕ−２０４−２２０＞：Tu-204-120の短胴型、別名Tu-224。幹線ルート用で、客席数は160に減っている。1994年に計画が発表されたが、開発には着手されていない。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−２２０Ｃ＞：Tu-204-220の貨物輸送型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−３００＞：Tu-204-100の短胴型、別名Tu-234。航続距離はTu-204-100より延伸した。全長41.19m、全幅41.8m、全高13.9m、最大離陸重量107トン。エンジンはPS90A（推力16.14トン）双発、巡航速度850km、上昇限度12100m、航続距離9300km（乗客156名）。乗員２名。客席数156。ウラジオストク航空で就航し、北朝鮮コリョ航空でも使用されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−３００Ａ＞：Tu-204-300の要人輸送型。座席数を18に減らし、会議室や寝室を設け、随行員・報道陣席も設置、燃料搭載量を増やした。最大離陸重量105トン。航続距離10500km。ロシア大統領府が６機を発注（2012年に２機納入、その後６機追加発注？）した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２０４−５００＞：計画中の胴体延長型。エンジンはPS-90A2双発。座席数240。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２０４ファミリー＞

＜Ｔｕ−２０４−３００（ロシア政府専用機）＞：ロシアの政府専用機。内装をVIP用にグレードアップし、通信システムを強化した。２機が発注され、初号機は2012年1月9日に引き渡された。参考：月刊JWings4,’12

＜Ｔｕ−２０４Ｋ＞：LNG複合燃料の実験機で、Tu-206ともいう。開発費用がかさんで計画が中断している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２０４−ＯＮ＞：ロシアのオープン・スカイズ条約用査察機。An-32の後継である。機体下部にM402合成開口レーダー、A-84ON写真器材、AK-111写真器材、AK-112写真器材２基、テレビカメラ、赤外線カメラなどを収容しており、右舷にセンサー窓を持つ。参考：月刊軍事研究11,’11

＜Ｔｕ−２０４ＳＲ＞：通信中継機。Il-96-300大統領専用機との通信を中継する。胴体背面にカヌー型フェアリング、胴体上下面や垂直尾翼端などにブレードアンテナを追加した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｔｕ−２１６＞：LNG複合燃料実験機。開発費用がかさんで計画が中断している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２０４海外シリーズ＞

　＜Ｔｕ−２０４−１２０ＣＥ＞：中国企業が４機購入した。うち１機は中国空軍試験飛行センターに配備されており、空中給油機への改造試験を行っているらしい。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜Ｔｕ−２０６＞：Tu-204K（実験機）を参照。

＜Ｔｕ−２１０ＯＮ＞：ロシアが開発中のオープン・スカイズ用査察機。An-3OBとTu-154M Lk-1の後継で、新型光学センサーを積む。参考：月刊航空ファン8,’18

＜Ｔｕ−２１４シリーズ＞：ロシアの旅客機。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２１４＞：Tu-204の貨客混載型であるTu-204-200に相当する機体を、カザン航空機生産社で生産したものである。1996年3月に初飛行した。ロシア軍もコマンドポスト兼VIP輸送機として４機を導入する予定で、Il-62MとTu-154Mを更新する。全長46.14m、全幅41.8m、全高13.88m、重量110.75トン。エンジンはPS90-A2（推力16トン）双発、最大速度850km、航続距離6700km。乗員２名。参考：月刊航空ファン3,’13、月刊JWings5,’07、ウォーマシン・レポートNo.67、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２１４Ｃ＞：Tu-214Fを参照。

＜Ｔｕ−２１４Ｃ３＞：コンテナ・旅客混載型。1995年に計画が公表された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２１４Ｄ＞：航続距離延伸型。航続距離9200km。計画のみで、開発には至っていない。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２１４Ｆ＞：貨物輸送型、別名Tu-214CまたはTu-204-200C。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２１４ファミリー＞

　＜Ｔｕ−２１４−ＯＮ＞：オープン・スカイズ（ロシア語ではオトクルィトエ・ニェボ）条約用空中査察機。M402N合成開口レーダー、赤外線センサー、カメラなどを搭載する。２機を導入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン3,’13

　＜Ｔｕ−２１４ＰＵ＞：空中コマンドポスト型。Il-96PUの後継としてロシア空軍が２機を発注し、2010年5月12日に初飛行した。胴体背部中央にカヌー型アンテナフェアリング、垂直尾翼前方に衛星通信用アンテナフェアリング、胴体上下や垂直尾翼端にブレードアンテナを追加している。2019年現在、５機が確認されている。参考：月刊航空ファン8’10、月刊JWings8,’19

　＜Ｔｕ−２１４ＰＵ−ＳＢＵＳ＞：空中コマンドポスト型。Tu-214PUの通信システムをSBUS-214に換装したものである。2018年から運用された。2019年5月29日、日露２＋２に参加するショイグ国防相の特別機として羽田に飛来した。参考：月刊航空ファン8,’19

　＜Ｔｕ−２１４Ｒ＞：電子偵察・情報収集機型。フランクチャー電子光学画像システム、MRK-411合成開口側視レーダーシステム、ELINT/COMINT/SIGINT用マルチセンサーを搭載し、250km先の合成開口レーダー画像取得や400km先の通信傍受を行える。機首後方側面下部、機首後方下面（フランクチャー電子光学画像システム搭載）、主翼付け根から後方にかけての胴体側面下部、胴体後部下面に灰色のフェアリングがあり、胴体中央上面には白いフェアリングが４つ（小半球、小半球、背が高く前後に長い、背が低く前後に長い）並んでいる。胴体尾部側面には十字のタオルバーアンテナを持つ。試作初号機は2009年12月24日にVIP輸送機の試作型として初飛行したものを改造してあり、2012年5月に初飛行して試験に入った。2012年12月17-18日、試験飛行ついでに日本のADIZ内に初めて侵入、空自がスクランブルした。ただ飛行テストで安定性不良と航続距離不足が明らかとなり、２号機は改良を終えるまで納入されないらしい。納入遅れに関してロシア国防省から訴えられ、開発元のカザン航空機生産社が５億円の賠償金（後に7000万円くらいに減額されたらしい）を支払う羽目になった。2016年から試作初号機がシリアで試験運用されている。2016年6月に３機目が発注された。参考：月刊世界の艦船2,’13、月刊JWings3,’13、4,’13、月刊航空ファン3,’13、10,’16、月刊軍事研究12,’16、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｔｕ−２１４ＳＲ＞：通信中継機型。ロシア大統領管財部が６機（５機？）を発注した。参考：月刊航空ファン8’10、3,’13

　＜Ｔｕ−２１４ＳＵＳ＞：空中通信センター型。ロシア大統領管財部が２機を発注した。参考：月刊航空ファン8’10

＜Ｔｕ−２１４ＶＰＵ＞：空中通信センター型。ロシア政府が２機を発注した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔｕ−２１４ＶＳＳＮ＞：ロシア大統領府所属の特殊任務機。2002年6月22日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−２１６＞：Tu-204ファミリー（実験機）を参照。

＜Ｔｕ−２２４＞：Tu-204-220（旅客機）を参照。

＜Ｔｕ−２３４＞：Tu-204-300（旅客機）を参照。

＜Ｔｕ−２４３＞：ロシア軍無人偵察機、別名レイズ（Reys。レイス？空路の意）Ｄ。Tu-143の後継で、VR-3Dシステムを構成する。偵察装備はAP-402MカメラとジマＭ赤外線偵察装置の組み合わせまたはAP-402MカメラとアイストＭテレビシステムの組み合わせである。全長8.3m、全幅2.24m、全高1.54m、発進重量1.6トン。エンジンはTR3-117A（推力0.68トン）、飛行速度850-940km、飛行高度50-2000m、最大上昇限度5000m、燃料搭載量0.21トン、行動半径150km、航続距離はTu-143の倍。ペイロード0.13トン。チェチェン紛争をきっかけに1999年末までに20機が引き渡されることになったが、性能不足だったらしく、南オセチア紛争やウクライナ紛争で使用された形跡は無い。参考：月刊軍事研究1,’00、2,’04、2,’00、10,’17

＜Ｔｕ−３００＞：ロシア陸軍無人攻撃機、別名Korshun。Tu-243に爆弾倉を設けたものである。参考：月刊軍事研究10,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｔｕ−３０４＞：ロシアの計画旅客機。Tu-204の客席数を400に増やすものである。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−３０４ファミリー＞

　＜Ｔｕ−３０６＞：LNG複合燃料の実験機にする計画。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｔｕ−３３０＞：ツポレフの計画輸送機。An-12の後継として1993年に設計した。主翼は高翼配置。エンジンはターボファン双発。航続距離1620海里（ペイロード30トン）／3779海里（10トン）。最大ペイロード35トン。An-70の開発が進行したために一旦お蔵入りとなり、ロシアがAn-70から撤退したことから再浮上したが、結局採用されず計画倒れになった。参考：月刊軍事研究3,’08、月刊航空ファン6,’17

＜ＴＵＡ＞：アメリカ陸軍M901自走対戦車ミサイル用TOW連装ランチャーで、TOW Under Armorの略。エマーソン・エレクトリック社が開発した。並列連装ランチャー中央に照準具一式を収めており、遠隔操作で伸縮する。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜ＴＵＡＳ＞：戦術無人機システムの略。参考：月刊軍事研究1,’17

＜ＴＵＡＶ＞：戦術無人機の略。

＜ＴＵＤＭ＞：マレーシア空軍の略。

＜ＴｕＦ機関銃＞：ドイツ軍の機関銃で、TuFはTank und Flieger（戦車と航空機）の略。M1918対戦車ライフルと共通の弾薬を使用する大口径機関銃で、第１次大戦時に開発されたが、量産前に終戦となった。参考：歴史群像6,’08

＜ＴＵＨＰ１４９＞：AW149海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＴＵＲ２＞：ポーランドのAMZ社が開発した４×４輪装甲車。中空装甲を標準装備しており、内側には距離を開けてスポールライナーを装着していて、NATOレベル２の装甲を持つ。更に増加装甲を搭載すればレベル３にアップする。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ＴＵＺＡシリーズ＞：ドイツ海軍のＵボート用水上魚雷戦照準器で、TUZAはＵボート魚雷照準装置の略。参考：Ｕボート入門

＜ＴＵＺＡ１＞：防水加工がされていなかったので、いちいち艦内にしまう必要があった。Ｕボート�T型・�U型に搭載された。参考：Ｕボート入門

＜ＴＵＺＡ２＞：TUZA1の改良型。防水加工を施したが、耐圧式ではないので、やはり潜航時は艦内に持ち込む必要があった。参考：Ｕボート入門

＜ＴＵＺＡ３＞：TUZA2の改良型。深度90mまで耐えられるようにしたもので、UZO照準器の予備として使用された。参考：Ｕボート入門

＜ＴＶ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、練習艦（Training Vessel）を表す。1968年3月16日に定められた。3501以降の艦番号も付けられている。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊

＜ＴＶ−１＞：P-80戦闘機ファミリーを参照。

＜ＴＶ−２シリーズ＞：ソ連軍ターボプロップ・エンジン。OKB-276クズネツォフ設計局が開発した。参考：月刊JWings9,’23

　＜ＴＶ−２Ｆ＞：Tu-91試作攻撃機に搭載された。出力6250等価軸馬力。参考：月刊JWings9,’23

　＜ＴＶ−２Ｍ＞：TV-2Fの改良型。出力7000軸馬力以上。参考：月刊JWings9,’23

＜ＴＶ２−１１７Ａ＞：ソ連軍Mi-8用ターボシャフトエンジン。イソトフが開発した。インレット・ガイドベーン１段、コンプレッサーは軸流式10段、燃焼室はアニュラー式、タービンは高圧２段・低圧２段。全長2.835m、高さ0.745m、重量330kg。通常巡航出力1000馬力、離昇出力1500馬力。参考：世界の軍用機1979

＜ＴＶ−２ＢＭ＞：D-25V（ターボシャフトエンジン）を参照。

＜ＴＶ３−１１７＞：ウクライナのモトール・シーチ工場が生産するヘリコプター用エンジン。2015年6月、ウクライナがロシアに対する軍需品全面禁輸措置を発動したため、ロシアでは統合エンジン製造会社クリモフ社で代替生産に入っている。参考：月刊航空ファン11,'15

＜ＴＶ−３５０１＞：海上自衛隊かとり型練習艦かとり。1967年12月28日起工、1968年11月19日進水、1969年9月10日竣工・就役。1970年6月30日から11月18日、海自初の世界一周遠洋航海に参加。1971年6月28日から11月5日、遠洋航海に参加。1972年6月22日から11月7日、遠洋航海に参加。1973年6月20日から11月2日、遠洋航海に参加。1974年6月17日から11月19日、遠洋航海に参加。1975年6月20日から11月12日、遠洋航海に参加。1976年5月21日から10月22日、遠洋航海に参加。7月4日にはニューヨークでアメリカ独立200周年記念観艦式に参加した。1977年6月25日から11月11日、遠洋航海に参加。1978年7月7日から11月15日、遠洋航海に参加。1979年6月15日から11月9日、遠洋航海に参加。1980年5月26日から10月22日、遠洋航海に参加。1981年6月24日から11月6日、遠洋航海に参加。1982年6月7日から11月5日、遠洋航海に参加。1983年2月7-12日、東京を訪問したフランス海軍R97ジャンヌ・ダルクとF728ドゥダール・ド・ラグレのホストシップを務めた。7月12日、海自潜水艦１隻、HSS-2対潜ヘリ２機と共に、R97ジャンヌ・ダルクとF728ドゥダール・ド・ラグレと、伊豆大島沖で親善訓練（通信、戦術運動、対潜。海自とフランスとの共同訓練はこれが初）を実施。3月20日、DD-117なつぐも、DD-165きくづきと共に、第33期一般幹部候補生出身の新任三尉計150名を乗せて前期海上実習（内地巡航）のため江田内を出港。勝連、大阪、呉、舞鶴、小樽、稚内、大湊に寄港して4月26日に横須賀に入港した。6月15日から11月16日、遠洋航海に参加。1984年6月4日から11月10日、遠洋航海に参加。1985年6月3日から11月8日、遠洋航海に参加。1986年5月21日から10月17日、遠洋航海に参加。1987年6月12日から11月11日、遠洋航海に参加。1988年6月27日から11月15日、遠洋航海に参加。1989年6月14日から11月14日、遠洋航海に参加。1990年5月8日から10月12日、遠洋航海に参加。1991年6月13日から11月20日、遠洋航海に参加。1992年6月3日から11月5日、遠洋航海に参加。1993年6月16日から11月12日、遠洋航海に参加。1994度からは遠航任務を退き、内地での訓練を行った。1998年1月17-22日、近海練習航海艦隊旗艦として江田内での停泊実習に参加。3月20日に除籍された。総航程988935海里。遠洋練習航海では209カ国307港を訪問し、総航程718722海里、乗艦実習初任幹部3357名だった。2018年、最後の遠洋練習航海から25年を経過したことを記念し、東京都内でかとり遠洋練習航海25周年記念の会が開催された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’95、11,’17増刊、4,’98、5,’02増刊、1,’79増刊、5,’83、6,’83、8,’10、海上自衛隊全艦艇史、朝雲

＜ＴＶ−３５０２＞：海上自衛隊練習艦いそなみ。元はDD-104で、1983年3月30日に艦種変更された。1987年7月1日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＶ−３５０３＞：海上自衛隊練習艦しきなみ。元はDD-106で、1983年3月30日に艦種変更された。1987年7月1日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＶ−３５０４＞：海上自衛隊練習艦てるづき。元はDD-162で、1987年7月1日に艦種変更された。これに際し、長魚雷発射管、次発装填装置、VDSを撤去して司令部区画を実習員関連区画に変更、カッターとダビットを撤去して救命筏を増やした。1991年6月20日、特務艦ASU-7012に艦種変更され、第１潜水隊群に配備された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＶ−３５０５＞：海上自衛隊練習艦もがみ。元はDE-212で、1987年7月1日に艦種変更された。1991年6月20日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＶ−３５０６＞：海上自衛隊やまぐも型練習艦やまぐも。元はDD-113で、1991年6月20日に艦種変更された。1995年8月1日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＶ−３５０７＞：海上自衛隊やまぐも型練習艦まきぐも。元はDD-114で、1991年6月20日に艦種変更された。1995年8月1日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＶ−３５０８＞：海上自衛隊かしま型練習艦かしま。平成4年度計画艦で、1993年4月20日起工、1994年2月23日進水、1995年1月26日竣工・就役。主に近海・遠洋練習航海に従事している。1995年5月22日から10月26日、DD-131せとゆきと遠洋練習航海に参加。1996年4月19日、DD-131せとゆきと遠洋練習航海に出発。5月9日、DD-131せとゆきと共に遠洋練習航海で停泊していたバンコクを出港。5月14日、シンガポールに入港。5月18日、シンガポールを出港。5月21日、ジャカルタに入港。5月24日、ジャカルタを出港。ジャワ海でT-AO-197ペコスから洋上給油を受けた。5月25日、ジャワ海でインドネシア海軍アフマッド・ヤーニー及びマラハヤティと親善訓練を実施。6月4日、ポート・モレスビーに入港。6月5日、実習幹部がポマナ戦没者慰霊碑に献花した。6月7日、ポート・モレスビーを出港。9月10日、遠洋練習航海を終えた。1998年1月17日から2月26日、近海練習航海に参加。3月21日から4月20日、近海練習航海に参加。4月20日から9月11日、DD-157さわぎりと遠洋練習航海に参加。1999年4月26日から9月14日、DD-155はまぎりと遠洋練習航海に参加。2000年4月13日から9月8日、DD-153ゆうぎりと遠洋練習航海に参加。2001年3月20日から4月10日、DD-152やまぎりと共に第51期一般幹部候補生課程修了初任幹部計150名を乗せて近海練習航海（江田内、神戸、鳥羽、大湊、横須賀）を実施。4月20日から9月10日、DD-152やまぎりと遠洋練習航海に参加。2002年4月22日から9月9日、DD-130まつゆき、TV-3513しまゆきと遠洋練習航海に参加。2003年4月24日から9月9日、DD-126はまゆき、DD-157さわぎりと遠洋練習航海に参加。2004年4月20日から9月17日、DD-155はまぎり、DD-158うみぎりと遠洋練習航海に参加。2005年4月19日、遠洋練習航海のためDD-101むらさめ、DD-153ゆうぎりと共に晴海埠頭を出港。6月28日、イギリスでトラファルガー海戦200周年記念観艦式に参加。9月20日帰国。2006年4月19日から9月5日、TV-3515やまぎり、DD-154あまぎりと遠洋練習航海に参加。2007年4月20日から9月21日、TV-3513しまゆき、DD-157さわぎりと共に、遠洋練習航海に参加。2008年4月15日、平成20年度遠洋練習航海のため、TV-3516あさぎり、DD-158うみぎりと共に東京港を出港。9月18日に帰国した。2009年1月22日から2月23日、TV-3513しまゆき、TV-3516あさぎり、TV-3515やまぎり、DD-153ゆうぎりと共に、近海練習航海（その１）に参加。3月20日から4月6日、TV-3513しまゆき、DD-153ゆうぎりと共に近海練習航海（その２）に参加。4月16日（21日？）、遠洋練習航海のため、TV-3513しまゆき、DD-153ゆうぎりと共に、実習幹部計170名を乗せて晴海埠頭を出港。9月4日に帰国した。2010年3月20日から5月19日、近海練習航海のため、第60期一般幹部候補生課程を卒業した初級幹部190名を乗せ、TV-3516あさぎり、TV-3515やまぎり、TV-3513しまゆき、DDH-142ひえい、DD-125さわゆきと共に日本を一周した。5月26日、遠洋練習航海のため、TV-3515やまぎり、DD-125さわゆきと共に晴海埠頭を出港した。10月28日、遠洋練習航海を終えて東京港晴海埠頭に帰投した。2011年3月19日、近海練習航海のため、TV-3516あさぎり、DD-124みねゆきと共に江田内を出港。4月16日、舞鶴に寄港。4月18日、舞鶴を出港。5月15日、平成23年度練習艦隊体験航海を実施し、高校生や大学生らを乗せて横須賀から晴海埠頭まで体験航海を行った。5月24日、遠洋練習航海のため、TV-3516あさぎり、DD-124みねゆきと共に東京港晴海埠頭を出港。10月27日、東京に帰港した。2012年3月20日、TV-3513しまゆき、DD-130まつゆきと共に、近海練習航海部隊として江田内を出港。4月15日、陸奥湾で墜落した第25航空隊所属SH-60Jの捜索に参加。5月22日、遠洋練習航海のためTV-3513しまゆき、DD-130まつゆきと共に晴海埠頭を出港。10月22日、遠洋練習航海を終えて東京に帰投した。2013年3月20日、近海練習航海部隊として第63期一般幹部候補生課程修了者を乗せて江田内を出港。5月13日、東京に入港。5月22日、平成25年度遠洋練習航海のため東京港晴海埠頭を出港。7月、海自艦艇として初めてフィンランド（ヘルシンキ）に寄港。10月30日、東京に帰港。2014年3月21日、近海練習航海のため、TV-3517しらゆき、TV-3518せとゆき、DD-151あさぎりと共に、第64期一般幹部候補生課程修了者計173名（タイ留学生１名含む）を乗せ江田内を出港。4月10日、鳥羽港沖で特別公開を実施。海自幹部候補生学校などを目指す18人が艦を見学した。5月22日、平成26年度遠洋練習航海のためTV-3518せとゆき、DD-151あさぎりと共に東京港晴海埠頭を出港。10月24日、遠洋練習航海を終えて東京に帰国。2015年4月17日、舞鶴で近海練習航海部隊と合流。5月10日、近海練習航海を終えて東京港晴海埠頭に入港。5月21日、平成27年度遠洋練習航海のためTV-3513しまゆき、DD-152やまぎりと共に東京港を出港。10月27日、遠洋練習航海を終え東京港に帰国。2016年3月19日、TV-3518せとゆき、DD-151あさぎりと共に、近海練習航海部隊として第66期一般幹部候補生課程修了者193名（うち女性19名、タイ留学生１名、東ティモール留学生１名）を乗せ江田内を出港。3月21日、大阪港桜島岸壁で一般公開された。5月20日、TV-3518せとゆき、DD-151あさぎりと共に、遠洋練習航海部隊として横須賀を出港。世界一周（総航程31000海里、13カ国16寄港地）して11月4日に横須賀に帰投した。2017年3月18日から5月22日、TV-3519やまゆき、DD-102はるさめと共に、第67期一般幹部候補生課程修了者190名（うちタイ留学生１名）を乗せ近海練習航海を実施。5月22日、DD-102はるさめと共に、遠洋練習航海のため横須賀を出港。11月1日、DD-102はるさめと共に、遠洋練習航海を終え横須賀に帰港。2018年3月17日、TV-3513しまゆき、DD-112まきなみと共に、第68期一般幹部候補生課程修了者200名（うちタイ留学生１名）含む720名を乗せ近海練習航海のため江田内を出港。大阪港天保山埠頭（3月19-21日）、鳥羽、宿毛、石垣、沖縄、佐世保、舞鶴、大湊、三机、呉、晴海を歴訪して5月12日に横須賀に入港した。5月21日、DD-112まきなみと共に、遠洋練習航海のため横須賀を出港。10月30日、横須賀に帰港。2019年現在、練習艦隊直轄艦で、定係港は呉。2019年3月16日、TV-3519やまゆき、DD-105いなづまと共に、第69期一般幹部候補生課程修了者190名（うちタイ留学生１名）含む700名を乗せ近海練習航海のため江田内を出港。柱島沖（3月16-17日）、神戸（3月18-21日）、中城（3月26-28日）、佐世保（3月30日−4月1日）、大湊（4月4-6日）、舞鶴（4月8-10日）、呉（4月12日から5月3日）、三机（5月4日）、横須賀（5月7-20日）を歴訪した。5月21日、DD-105いなづまと共に、遠洋練習航海のため横須賀を出港。10月24日、横須賀に帰港。

2020年現在、練習艦隊直轄艦で、定係港は呉。2020年4月20日、TV-3513しまゆきと共に、令和2年近海練習航海部隊として、第70期一般幹部候補生課程修了者計155名（うちタイとシンガポールからの留学生１名ずつ）を乗艦させた。ちなみに3月は修理を行っており、令和2年度近海練習航海部隊は3月14日から4月19日までDDH-182いせ、DD-119あさひ、MST-463うらがが務めている。5月8日、呉を出港。5月11-22日、横須賀に寄港。5月22日、令和2年近海練習航海部隊としての任務を終えた。6月9日、TV-3513しまゆきと共に、令和2年度遠洋練習航海（前期）のため第70期一般幹部候補生課程修了者計155名を乗せ呉を出港。7月22日、横須賀に帰港。8月28日、令和2年度後期遠洋練習航海のため第70期一般幹部候補生課程修了者110名を含む310名を乗せ呉を出港。10月21日、遠洋練習航海を終えて呉に帰港。2021年3月13日、令和3年度近海練習航海部隊として、MST-463うらが、ATS-4203てんりゅうと共に、第71期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ江田内を出港。3月18-21日、呉に寄港。3月26-29日、沖縄に寄港。4月2-5日、佐世保に寄港。4月8-10日、大湊に寄港。4月12-14日、舞鶴に寄港。4月18日、横須賀に入港。4月21日、MST-463うらがを残し横須賀を出港。4月24日、呉に帰港し、近海練習航海第１期を終えた。5月25日現在、練習艦隊直轄艦で、定係港は呉。5月26日、令和3年度遠洋練習航海部隊（前期）としてTV-3518せとゆきと共に第71期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ呉を出港。5月28-29日、TV-3518せとゆきと共に勝連に寄港。6月6-8日、TV-3518せとゆきと共にブルネイのムアラに寄港。6月8日、TV-3518せとゆきと共にブルネイ海軍哨戒艦09ダルタクワとの共同訓練に参加。6月13日、TV-3518せとゆきと共にインド海軍コルベットP63クリシュとの共同訓練（戦術運動・通信）に参加。6月18-20日、TV-3518せとゆきと共にスリランカのコロンボに寄港。6月20日、TV-3518せとゆきと共にスリランカ海軍哨戒艦P622サガラとの共同訓練に参加。6月21日、TV-3518せとゆきと共にCVN-76ロナルド・レーガン空母打撃群（CVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイロー、DDG-97ハルゼー）との共同訓練（戦術運動・通信）に参加。6月28-30日、TV-3518せとゆきと共にインドネシアのスラバヤに寄港。7月3-5日、TV-3518せとゆきと共に東ティモールのディリに寄港。7月7日、フィリピンのダバオに向け東ティモールのディリ沖を航行していた際、インドネシアのモルッカ諸島西で、信号員がライフジャケットを着て漂流するインドネシア人３人（7月3日に悪天候で沈没した輸送船の乗員）を発見したため、作業艇で救助して艦内に収容し、7月8日にインドネシア海軍に引き渡した。7月9-11日、TV-3518せとゆきと共にフィリピンのダバオに寄港。7月21日、TV-3518せとゆきと共に呉に帰港。8月25日、令和3年度遠洋練習航海部隊（後期）として呉を出港。10月27日、遠洋練習航海を終えて呉に帰港。ハワイのパールハーバー、ミクロネシアのタラワ、マジュロ、ウエノ島の計４カ国６寄港地を巡り、総航程24000kmだった。2022年3月12日、TV-3521しまかぜ、ATS-4202くろべと共に、令和4年近海練習航海部隊（その１）として第72期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ江田内を出港。2022年4月24日、TV-3521しまかぜと共に、遠洋練習航海のため横須賀を出港。4月25日現在、練習艦隊直轄艦で、定係港は呉。5月9日、TV-3521しまかぜと共に南シナ海で日米共同訓練に参加。DDG-101グリッドレイと戦術運動訓練などを行った。5月21日、TV-3521しまかぜと共に、コロンボ沖で日スリランカ親善訓練に参加。スリランカ海軍哨戒艦１隻と戦術運動訓練などを行った。5月23日、TV-3521しまかぜと共に、アラビア海で日印共同訓練に参加。インド海軍補給艦１隻と戦術運動訓練や洋上補給訓練などを行った。5月25日、TV-3521しまかぜと共に、アラビア海で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-2に参加。フランス海軍多用途支援艦１隻と戦術運動訓練などを行った。5月31日、TV-3521しまかぜと共に、アデン湾で日ジブチ親善訓練に参加。ジブチ海軍ダーメンFCS5009型哨戒艇P22アジュダン・アリ・Ｍ・フムド、哨戒艇キャプテン・エルミ・ロブレと戦術運動訓練などを行った。6月6日、TV-3521しまかぜと共に、地中海で日NATO共同訓練に参加。NATO第２常設海上部隊イタリア海軍FREMM級フリゲートF-592カルロ・マルゴッティーニ及びトルコ海軍バルバロス級フリゲートF246サーリヒレイスと戦術運動訓練などを行った。6月14日、TV-3521しまかぜと共に、地中海ツーロン沖で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-3に参加。フランス海軍アキテーヌ級駆逐艦D654オーヴェルニュと戦術運動訓練などを行った。6月16日、TV-3521しまかぜと共に、大西洋ジブラルタル海峡西で日スペイン共同訓練を実施。スペイン海軍F-100級イージス・フリゲートF-102アルミランテ・ファン・デ・ブルボン、サンタ・マリア級フリゲートF-82ヴィクトリアと戦術運動訓練などを行った。6月20日、TV-3521しまかぜと共に、大西洋イギリス海峡で日英共同訓練に参加。イギリス海軍クイーン・エリザベス級空母R-09プリンス・オブ・ウェールズと写真撮影、リバー級外洋哨戒艦P283マージー及びエコー級海洋観測艦H88エンタープライズと戦術運動訓練などを行った。6月26日、TV-3521しまかぜと共に、大西洋イギリス海峡で日英共同訓練に参加。イギリス海軍哨戒艦セヴァーンと戦術運動訓練などを行った。7月7日、大西洋で日米共同訓練ILEX22-3に参加。TV-3521しまかぜと共に、AOE-8アークティクと洋上補給訓練などを行った。7月17日、TV-3521しまかぜとカリブ海で日コロンビア親善訓練に参加。海自初のコロンビア海軍との訓練であり、アルミランテ・パディラ級フリゲート２番艦カルダス及び３番艦アンティオキアと戦術運動訓練などを行った。8月1日、日米共同訓練ILEX22-5に参加。太平洋でTV-3521しまかぜと共にT-AKE-4リチャード・Ｅ・バードと洋上補給などの訓練を行った。8月10日、太平洋で日米共同訓練ILEX22-7に参加。TV-3521しまかぜと共にT-AO-197ペコスと洋上補給訓練を行った。8月22日、遠洋練習航海を終えTV-3521しまかぜと共に横須賀に帰港。9月5日から10月12日、TV-3521しまかぜと共に令和4年度近海練習航海（その２）に参加。9月5-13日、呉で停泊実習を実施。9月14日、呉を出港。9月23-26日、佐世保に寄港。9月30日から10月2日、函館に寄港。10月10日、呉に寄港。10月11-12日、呉で停泊実習を実施。2023年3月11日、TV-3520はたかぜと共に、第73期一般幹部候補生課程修了者170名を乗せ、近海練習航海部隊として江田内を出港。3月14-17日に大阪、3月18-19日に屋久島、3月21-23日に佐世保、3月29-31日に宮古島と石垣島、4月1-4日に那覇、4月6-8日に鹿児島港北埠頭（6-7日に一般公開を実施）、4月12-14日に大湊基地（12日に特別公開を実施）、4月15-17日に小樽市築港勝納埠頭（16日に特別公開を実施）、4月19-21日に舞鶴、4月23日から5月8日に呉、5月8日に三机に寄港し、5月10日に横須賀に入港して近海練習航海を終えた。4月25日現在、練習艦隊直轄艦で、定係港は呉。5月25日から10月20日、TV-3520はたかぜと共に、令和5年度遠洋練習航海に参加。5月25日、TV-3520はたかぜと共に横須賀基地を出港。6月4日、ダッチハーバー周辺で日米共同訓練に参加。TV-3520はたかぜと共に、アメリカ沿岸警備隊巡視船WMSL-750バーソロフと、戦術運動・PHOTOEXなどを行った。6月13-14日、ビクトリア周辺で日加共同訓練KAEDEX23に参加。TV-3520はたかぜと共に、カナダ海軍FFH338ウィニペグと、各種戦術訓練（戦術運動、PHOTOEX、LINKEXなど）を行った。7月14-15日、カヤオ沖で日ペルー親善訓練に参加。TV-3520はたかぜと共に、ペルー海軍フリゲート・パラシオス、コルベット・フェッレ、潜水艦と、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。7月23日、バルパライソ沖で日チリ親善訓練に参加。TV-3520はたかぜと共に、チリ海軍フリゲート・コクレーン及びコンデルと、戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。8月3日、ブエノスアイレス沖で日アルゼンチン親善訓練に参加。TV-3520はたかぜと共に、アルゼンチン海軍哨戒艇P54コントラールミラント・コルデロ、H-3ヘリ、B-200海洋監視機と、戦術運動、クロスデッキ、PHOTOEXの各訓練を行った。8月10日、リオデジャネイロ沖で日ブラジル親善訓練に参加。TV-3520はたかぜと共に、ブラジル海軍F44インデペンデンシア、F45ウニアン、AH-11Bヘリ、UH-12ヘリと、戦術運動訓練を行った。8月24日、ブラジルのレシフェ沖で日ブラジル親善訓練に参加。TV-3520はたかぜと共に、ブラジル海軍哨戒艦マカウと、戦術運動訓練、PHOTOEX、通信訓練を行った。9月8日、カルタヘナ周辺海域で日米コロンビア親善訓練に参加。TV-3520はたかぜと共に、LCS-7デトロイト、コロンビア海軍哨戒艦ビクトリア、AS365ヘリと、戦術運動、PHOTOEX、クロスデッキの各訓練を行った。9月19日、サンディエゴ沖で日米共同訓練ILEX23-5に参加。TV-3520はたかぜと共にT-AO-187ヘンリー・Ｊ・カイザーと洋上補給訓練を行った。10月20日、TV-3520はたかぜと共に東京港晴海埠頭に帰港し、帰国行事が行われた。2024年3月16日から5月20日、令和6年近海練習航海に参加。DD-157さわぎり、MST-463うらがと共に第74期一般幹部候補生課程卒業生を乗せ江田島を出港し、柱島沖（3月16-17日）、神戸（3月18-21日）、那覇（3月29-31日）、佐世保（4月2-4日）、大湊（4月7-9日）、舞鶴（4月11-13日）、三机（4月14日）、呉（4月15日から5月4日）、串本（5月6日）、横須賀（5月7-8日）、晴海（5月8-20日）に寄港した。4月25日現在、練習艦隊直轄艦で、定係港は呉。5月10日、TV-3521しまかぜと共に、晴海埠頭で艦上レセプションを実施。5月15日、晴海埠頭で報道公開を実施。5月20日、TV-3521しまかぜと共に、遠洋練習航海のため晴海埠頭を出港。6月3日、ムアラ沖周辺で日ブルネイ親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、ブルネイ海軍哨戒艦07ダルレサンと、通信訓練、戦術運動、PHOTOEXを行った。6月8日、インド洋で日印共同訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、インド海軍補給艦A57シャクティと、洋上補給訓練を行った。6月20日、日セーシェル親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、セーシェル沿岸警備隊巡視船トパーズと、通信訓練及びPHOTOEXを行った。7月2日（洋上フェーズ）及び7月4日（停泊フェーズ）、ケープタウン沖周辺とケープタウン港で日南アフリカ親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、南アフリカ海軍フリゲートF-145アマトラ、沿岸哨戒艇P1572キングシャカズールと、洋上フェーズでPHOTOEX、停泊フェーズで衛生訓練を行った。7月17日、ダカール周辺で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー24-4に参加。TV-3521しまかぜと共にフランス海軍F-50哨戒機と対空戦訓練、捜索救難訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。7月23日、ダカール周辺で日セネガル親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共にセネガル海軍沿岸哨戒艇ニアニと戦術運動訓練、捜索救難訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。7月30日、アルジェリア周辺で日アルジェリア親善訓練に参加。TV-3521しまかぜがアルジェリア海軍フリゲート921エル・ファテーと戦術運動訓練及びPHOTOEXを行った。8月8日、マルマラ海で日トルコ親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、トルコ海軍F244バルバロス、P346グルベット、SH-60Bヘリと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。8月13日、エーゲ海で日イタリア親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共にイタリア海軍F-592マルゴッティーニと戦術運動訓練及びPHOTOEXを行った。8月14日、地中海で日NATO共同訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、カナダ海軍FFH339シャーロットタウン、トルコ海軍F490ガジアンテプ、ルーマニア海軍掃海艇274コンスタンティン・バレスクと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。8月16日、チュニジア周辺で日チュニジア親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、チュニジア海軍沿岸警備艇スファックス及びチュニジア空軍UH-60M汎用ヘリと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXなどを行った。8月23日、地中海で日スペイン親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、スペイン海軍哨戒艦アタラヤと、対水上戦、通信、戦術運動、PHOTOEXの各訓練を行った。8月24日、大西洋で日スペイン親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、スペイン海軍F105クリストーバル・コロンと、対水上戦、通信、戦術運動、PHOTOEXの各訓練を行った。8月29日から9月2日、TV-3521しまかぜと共に、ドイツ連邦共和国ハンブルク港に寄港。9月2日、エルベ川河口からドイツ湾に至る空海域で日ドイツ親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、ドイツ海軍NH90NTHシーライオン哨戒ヘリ、P-3C哨戒機、ドイツ空軍ユーロファイター戦闘機と、通信訓練やPHOTOEXなどを行った。9月5日、テムズ川河口からロンドンに至る海域で、日英親善訓練に参加。イギリス海軍P293レンジャーと通信訓練やPHOTOEXなどを行った。9月5-9日、ロンドンに寄港。9月10日、イギリス海峡で日英共同訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、イギリス海軍P281タインと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。9月20日、大西洋で日米共同訓練ILEX24-5に参加。TV-3521しまかぜと共にT-AO-206ハーヴェイ・ミルクと洋上補給訓練を行った。9月21日、大西洋で日米共同訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、CVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。10月4日、太平洋で日米共同訓練に参加。TV-3521しまかぜと共にLCS-19セントルイスと戦術運動訓練及びPHOTOEXを行った。10月11-14日、メキシコのプエルトバジャルタ港に寄港。10月14日、太平洋で日メキシコ親善訓練に参加。TV-3521しまかぜと共にメキシコ海軍哨戒艦P167ハリスコと戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXなどを行った。10月23-28日、真珠湾に寄港。10月28日、太平洋で日米共同訓練に参加。TV-3521しまかぜと共に、DDG-108ウェイン・Ｅ・メイヤー、MH-60Rヘリと、戦術運動訓練、PHOTOEXを行った。

参考：月刊JWings1,’99、7,’05、6,’16、6,’18、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究10,’05、海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船9,’96、4,’98、6,’01、5,’02増刊、6,’09、8,’10、1,’11、6,’11、7,’11、8,’11、1,’12、6,’12、8,’12、1,’13、6,’13、7,’13、1,’14、5,’14、8,’14、1,’15、7,’15、6,'16、7,'16、8,’16、1,’17、4,’17、7,’17、1,’18、5,’18、6,’18、7,’18、1,’19、6,’19、7,’19、8,’19、1,’20、6,'20、7,'20、8,'20、10,'20、11,'20、12,'20、6,'21、7,'21、8,'21、9,'21、11,'21、1,'22、6,'22、7,'22、8,'22、9,'22、10,'22、11,'22、6,'23、8,'23、10,'23、11,'23、1,'24、6,'24、8,'24、9,'24、10,'24、11,’24、12,'24、1,'25、海上自衛新聞、朝雲

＜ＴＶ−３５０９＞：海上自衛隊みねぐも型練習艦１番艦みねぐも。元はDD-116で、1995年8月1日に艦種変更された。1998年1月17日から2月26日、近海練習航海に参加。1999年3月18日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船4,’98

＜ＴＶ−３５１０＞：海上自衛隊みねぐも型練習艦２番艦なつぐも。元はDD-117で、1995年8月1日に艦種変更された。1998年1月17日から2月26日、近海練習航海に参加。1999年3月18日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船4,’98

＜ＴＶ−３５１１＞：海上自衛隊みねぐも型練習艦３番艦むらくも。元はDD-118で、1998年3月20日に艦種変更された。2000年6月13日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊JWings1,’99

＜ＴＶ−３５１２＞：海上自衛隊やまぐも型練習艦あおくも。元はDD-119で、1999年3月18日に艦種変更された。2003年6月13日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備年鑑1996

＜ＴＶ−３５１３＞：海上自衛隊しまゆき型練習艦しまゆき。1999年3月18日、DD-133から艦種変更された。2002年4月22日から9月9日、遠洋練習航海に参加。2005年1月20日から2月22日、DD-101むらさめ、DD-153ゆうぎり、DDH-142ひえい、TV-3515やまぎりと共に近海練習航海に参加。2007年4月20日から9月21日、遠洋練習航海に参加。2009年1月22日から2月23日、TV-3508かしま、TV-3516あさぎり、TV-3515やまぎり、DD-153ゆうぎりと共に、近海練習航海（その１）に参加。3月20日から4月6日、TV-3508かしま、DD-153ゆうぎりと共に近海練習航海（その２）に参加。4月16日（21日？）、遠洋練習航海のため、TV-3508かしま、DD-153ゆうぎりと共に晴海埠頭を出港。9月4日に帰国した。2010年3月20日から5月19日、近海練習航海のため、TV-3508かしま、TV-3516あさぎり、TV-3515やまぎり、DDH-142ひえい、DD-125さわゆきと共に日本を一周した。2012年3月20日、TV-3508かしま、DD-130まつゆきと共に、近海練習航海部隊として江田内を出港。4月15日、陸奥湾で墜落した第25航空隊所属SH-60Jの捜索に参加。5月22日、遠洋練習航海のため、TV-3508かしま、DD-130まつゆきと共に晴海埠頭を出港。10月22日、遠洋練習航海を終えて東京に帰投した。2013年6月11日2050頃、山口県下関市六連島東方沖の関門海峡航路を北北東に向けて航行中、対向南進するパナマ船籍自動車運搬船AUTO BANNERとニアミス（距離250m）する安全阻害事象が発生。違反行為は無かったが、右側航行する航路の中央寄りを航行していたとして海上保安庁から航行指導を受けた。運輸安全委員会の報告書によれば、2048頃に航路中央付近を航行していたしまゆき航海長（関門海峡通峡と夜間操艦は今回初めて）が予定変針点より手前で舵を左に切るよう命じた。その後艦長が変針が早いことに気付いて右舵を取ったが、航路右を航行していたAUTO BANNERの前方に進出する形になって港則法の定めと異なる航行を行い、AUTO BANNERは衝突を避けるため左に舵を切って航路左を航行（短音２回の汽笛信号を繰り返し、緊急機関停止も命じた）。AUTO BANNERの操船を視認したしまゆき艦長は右舷対右舷での通過を企図していると判断、左舵30度を命じて短音２回の汽笛を鳴らし、2050頃に距離250mまで近づいて右舷対右舷ですれ違った。2047頃に関門マーチスからしまゆきに対し、中央航行になっており、大型反航船が来るため右側航行するようVHF無線で警告が行われているが、航海長は気付かず、応答は無かった。原因は、航海長が航路の中央付近を航行していると認識しなかったため針路修正を行わなかったこと、乗員から変針という報告を聞いたのと変針点付近にある関門航路第５号・第３号灯浮標を結ぶラインを実際よりも近くに感じて変針点に到達したと思い込んだこととされる。海上自衛隊は航行マニュアルを改訂して2013年12月17日付けで艦艇に通知した。7月20日、阪神基地隊サマーフェスタに参加。2014年2月7日、DD-129やまゆき、DDG-172しまかぜと共に、第47期一般幹部候補生課程（部内）修了者計107名を乗せ、外洋練習航海部隊として江田内を出港。カンボジアのシアヌークビルとシンガポールのチャンギを訪問して3月14日に呉に帰投した。7月21日、姫路港ふれあいフェスティバルで一般公開された。9月7日、鹿児島港本港区北埠頭で一般公開された。2015年3月21日、DDH-144くらま、DD-152やまぎりと共に、近海練習航海のため第65期一般幹部候補生課程修了者計171名を乗せ江田内を出港。5月10日、近海練習航海を終えて東京港晴海埠頭に入港。5月21日、平成27年度遠洋練習航海のためTV-3508かしま、DD-152やまぎりと共に東京港を出港。10月27日、遠洋練習航海を終え東京港に帰国。2017年2月2日、DD-112まきなみ、DD-132あさゆきと共に、第50期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業者計111名を乗せ、外洋練習航海のため江田島を出港。カンボジアのシアヌークビル、インドネシアのジャカルタを経て3月15日に呉に帰港した。4月1-2日、大分県佐伯港で一般公開された。4月13-14日、愛媛県三津浜港で一般公開された。4月15日、三津浜港を出港。5月16日、高松港で募集対象者らが艦内を見学した。2018年3月17日、TV-3508かしま、DD-112まきなみと共に、第68期一般幹部候補生課程修了者200名（うちタイ留学生１名）含む720名を乗せ近海練習航海のため江田内を出港。大阪港天保山埠頭（3月19-21日）、鳥羽、宿毛、石垣、沖縄、佐世保、舞鶴、大湊、三机、呉、晴海を歴訪して5月12日に横須賀に入港した。2019年2月7日、TV-3518せとゆきと共に、第52期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業者109名を含む両艦計420名を乗せ、外洋練習航海部隊として江田内を出港。カンボジアのシアヌークヴィルとベトナムのダナンに寄港して3月19日に帰国予定である。7月20-21日、松山外港第２埠頭で一般公開された。2020年現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。2020年2月4日、TV-3518せとゆきと共に、外洋練習航海部隊（第53期一般幹部候補生課程（部内）88名を含む420名）として江田内を出港。マーシャル諸島マジュロ・クェゼリン、ミクロネシアのパリキール、グアムに寄港する予定だったが新型コロナウイルスの影響でグアムのみに2月13-17日に寄港、3月16日に呉に帰港した。4月20日、TV-3508かしまと共に、令和2年近海練習航海部隊として、第70期一般幹部候補生課程修了者計155名（うちタイとシンガポールからの留学生１名ずつ）を乗艦させた。5月8日、呉を出港。5月11-22日、横須賀に寄港。5月22日、令和2年近海練習航海部隊としての任務を終えた。6月9日、TV-3508かしまと共に、令和2年度遠洋練習航海（前期）のため第70期一般幹部候補生課程修了者計155名を乗せ呉を出港。7月22日、横須賀に帰港。10月31日と11月1日、山口県下関港で、TV-3520はたかぜと共に、隊員募集対象者と家族を対象とした特別公開に参加。2021年3月19日、呉基地で自衛艦旗返納式が行われて除籍された。最終配備先は第１練習隊、最終定係港は呉。総航海時間71000時間、総航程81万海里だった。2023年12月1日、解体業者に引き渡され、曳船に曳かれて解体場所に向かった。参考：月刊世界の艦船1,’04、6,’09、3,’05、6,’12、8,’12、1,’13、9,’13、4,’14、5,’14、6,’15、7,’15、4,’17、5,’17、5,’18、6,’18、5,’19、4,'20、5,'20、6,'20、8,'20、10,'20、5,'21、6,'21、2,’24、月刊JWings10,’13、10,’14、12,’14、7,’17、6,’18、10,’19、1,'21、朝雲

＜ＴＶ−３５１４＞：海上自衛隊やまぐも型練習艦あきぐも。元はDD-120で、2000年6月13日に艦種変更された。2005年2月16日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＴＶ−３５１５＞：海上自衛隊やまぎり型練習艦やまぎり。元はDD-152で、2004年3月18日に艦種変更された。2005年1月20日から2月22日、DD-101むらさめ、DD-153ゆうぎり、TV-3513しまゆき、DDH-142ひえいと共に近海練習航海を実施。2006年4月19日から9月5日、遠洋練習航海に参加。2009年1月22日から2月23日、TV-3508かしま、TV-3513しまゆき、TV-3516あさぎり、DD-153ゆうぎりと共に、近海練習航海（その１）を実施。11月5-9日、日本を訪問した中国海軍練習艦81鄭和のホストシップとなった。2010年3月20日から5月19日、近海練習航海のため、TV-3508かしま、TV-3513しまゆき、TV-3516あさぎり、DDH-142ひえい、DD-125さわゆきと共に日本を一周した。5月26日、遠洋練習航海のため、TV-3508かしま、DD-125さわゆきと共に晴海埠頭を出港。10月28日、遠洋練習航海を終えて東京港晴海埠頭に帰投した。2011年3月16日、護衛艦DD-152に艦種変更され、第１練習隊から第11護衛隊に転出した。参考：月刊世界の艦船1,’10、3,’05、8,’10、1,’11、5,’11、朝雲

＜ＴＶ−３５１６＞：海上自衛隊やまぎり型練習艦あさぎり。元はDD-151あさぎりで、2005年2月に艦種変更された。2008年4月15日、遠洋練習航海のため、TV-3508かしま、DD-158うみぎりと共に、東京港を出港。9月18日に帰国した。2009年1月22日から2月23日、TV-3508かしま、TV-3513しまゆき、TV-3515やまぎり、DD-153ゆうぎりと共に、近海練習航海（その１）を実施。2011年3月11-12日、鳥取地本が開催した企業主研修に協力。呉で鳥取県雇用協議会会員企業、予備自衛官等雇用企業11社の研修を行った。3月20日から5月19日、近海練習航海のため、TV-3508かしま、TV-3513しまゆき、TV-3515やまぎり、DDH-142ひえい、DD-125さわゆきと共に日本を一周した。5月24日、遠洋練習航海のため、TV-3508かしま、DD-124みねゆきと共に東京港晴海埠頭を出港。10月27日、東京港に帰港した。12月20-21日、横須賀を訪問した韓国海軍979ガン・ガンチャンとAOE-57チョンジーのホストシップを務めた。2012年3月14日、護衛艦DD-151に艦種変更され、第１練習隊から第14護衛隊に転出した。参考：月刊世界の艦船1,’11、6,’11、7,’11、8,’11、1,’12、3,’12、5,’12、11,'17増刊、海上自衛新聞、朝雲

＜ＴＶ−３５１７＞：海上自衛隊しまゆき型練習艦しらゆき。2011年3月16日にDD-123から艦種変更され、第11護衛隊から第１練習隊に転入した。10月20日、ヘリ格納庫内に実習員講堂を設置するなど、練習艦への改装工事を完了した。2012年8月5日、名古屋港ガーデン埠頭で一般公開され、3000人が見学した。2013年3月20日、近海練習航海部隊として第63期一般幹部候補生課程修了者を乗せ江田内を出港。5月13日、東京に入港。5月22日、平成25年度遠洋練習航海のため東京港晴海埠頭を出港。10月30日、東京に帰港。2014年3月21日、近海練習航海のため、TV-3508かしま、TV-3518せとゆき、DD-151あさぎりと共に、第64期一般幹部候補生課程修了者計173名（タイ留学生１名含む）を乗せ江田内を出港。2015年2月6日、外洋練習航海のため、DD-130まつゆき、DD-153ゆうぎりと共に、第48期一般幹部候補生課程（部内）修了者計112名を乗せて江田内を出港。ブルネイのムアラとタイのバンコクを歴訪し、3月15日に呉に帰港した。5月10日、近海練習航海を終えて東京港晴海埠頭に入港。2016年4月27日に除籍された。参考：月刊世界の艦船5,’11、7,’11、1,’12、6,’13、7,’13、1,’14、5,’14、4,’15、5,’15、7,’15、1,’16、7,'16、11,'17増刊、朝雲

＜ＴＶ−３５１８＞：海上自衛隊しまゆき型練習艦せとゆき。2012年3月14日にDD-131から艦種変更され、第12護衛隊から第１練習隊に転入した。2013年7月20日、阪神基地隊サマーフェスタに参加し、一般公開された。2014年3月21日、近海練習航海のため、TV-3508かしま、TV-3517しらゆき、DD-151あさぎりと共に、第64期一般幹部候補生課程修了者計173名（タイ留学生１名含む）を乗せ江田内を出港。5月22日、平成26年度遠洋航海のためTV-3508かしま、DD-151あさぎりと共に東京港晴海埠頭を出港。10月24日、遠洋航海を終えて東京に帰国。2016年3月19日、TV-3508かしま、DD-151あさぎりと共に、近海練習航海部隊として第66期一般幹部候補生課程修了者193名（うち女性19名、タイ留学生１名、東ティモール留学生１名）を乗せ江田内を出港。5月20日、TV-3508かしま、DD-151あさぎりと共に、遠洋練習航海部隊として横須賀を出港。11月4日、横須賀に帰投した。2017年9月22-25日、下関市あるかぽーとに寄港。2018年12月6日に発生したF/A-18DとKC-130Jの墜落事故の捜索救助に関する災害派遣に参加。2019年2月7日、TV-3513しまゆきと共に、第52期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業者109名を含む両艦計420名を乗せ、外洋練習航海部隊として江田内を出港。カンボジアのシアヌークヴィルとベトナムのダナンに寄港して3月19日に帰国予定である。2020年現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。2020年2月4日、TV-3513しまゆきと共に、外洋練習航海部隊（第53期一般幹部候補生課程（部内）88名を含む420名）として江田内を出港。マーシャル諸島マジュロ・クェゼリン、ミクロネシアのパリキール、グアムに寄港する予定だったが新型コロナウイルスの影響でグアムのみに2月13-17日に寄港、3月16日に呉に帰港した。2021年2月9日から3月16日、TV-3520はたかぜ、DD-153ゆうぎりと共に、第54期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業者108名を乗せ外洋練習航海を実施。補給のためグアムとサイパンに寄港した。2月28日、TV-3520はたかぜ、DD-153ゆうぎりと共に、グアム周辺海空域で、CVN-71セオドア・ルーズベルト、CG-52バンカーヒルと共同訓練（通信、戦術運動）を実施。5月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。5月26日、令和3年度遠洋練習航海部隊（前期）としてTV-3508かしまと共に第71期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ呉を出港。5月28-29日、TV-3508かしまと共に勝連に寄港。6月6-8日、TV-3508かしまと共にブルネイのムアラに寄港。6月8日、TV-3508かしまと共にブルネイ海軍哨戒艦09ダルタクワとの共同訓練に参加。6月13日、TV-3508かしまと共にインド海軍コルベットP63クリシュとの共同訓練（戦術運動・通信）に参加。6月18-20日、TV-3508かしまと共にスリランカのコロンボに寄港。6月20日、TV-3508かしまと共にスリランカ海軍哨戒艦P622サガラとの共同訓練に参加。6月21日、TV-3508かしまと共にCVN-76ロナルド・レーガン空母打撃群（CVN-76ロナルド・レーガン、CG-67シャイロー、DDG-97ハルゼー）との共同訓練（戦術運動・通信）に参加。6月28-30日、TV-3508かしまと共にインドネシアのスラバヤに寄港。7月3-5日、TV-3508かしまと共に東ティモールのディリに寄港。7月9-11日、TV-3508かしまと共にフィリピンのダバオに寄港。7月21日、TV-3508かしまと共に呉に帰港。12月24日、呉基地で自衛艦旗返納式が行われて除籍された。総航程902641海里、総航海時間74132時間、艦長総数28名。参考：月刊世界の艦船5,’12、5,’14、8,’14、1,’15、7,'16、1,’17、11,'17増刊、5,’19、4,'20、5,'20、6,'20、4,'21、5,'21、7,'21、8,'21、9,'21、3,'22、月刊JWings10,’13、月刊航空ファン2,’19、朝雲

＜ＴＶ−３５１９＞：海上自衛隊しまゆき型練習艦やまゆき。2016年4月27日、DD-129から艦種変更され、第11護衛隊から第１練習隊に転入した。7月7-20日、防衛大学校２年次学生80名の海上実習を支援。7月9-10日、島根県浜田港長浜埠頭で一般公開された。7月19日、石川県金沢港で一般公開され、延べ乗艦者数3519人を達成した。9月11日、前日の広島カープのリーグ優勝を記念してマストに鯉のぼりを掲揚した。2017年3月18日から5月5日、TV-3508かしま、DD-102はるさめと共に、第67期一般幹部候補生課程修了者190名（うちタイ留学生１名）を乗せ近海練習航海を実施。6月4日、阪神基地隊マリンフェスタで一般公開された。7月15日、和歌山港で一般公開された。9月22-25日、下関市あるかぽーとに寄港。2018年2月2日、DD-152やまぎり、DD-157さわぎりと共に、第51期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業者106名を乗せ、外洋練習航海部隊として江田内を出港。2月11-14日、ブルネイのムアラ港に寄港。2月14日、ムアラ港を出港し、ムアラ沖でブルネイ海軍哨戒艇06ダルッサラムと親善訓練を実施。2月20-23日、タイのバンコク港に寄港。2月23日、タイ海軍コルベットのスコータイと親善訓練を実施。3月14日、江田内に帰港。12月6日に発生したF/A-18DとKC-130Jの墜落事故の捜索救助に関する災害派遣に参加。2019年3月16日、TV-3508かしま、DD-105いなづまと共に、第69期一般幹部候補生課程修了者190名（うちタイ留学生１名）含む700名を乗せ近海練習航海のため江田内を出港。柱島沖（3月16-17日）、神戸（3月18-21日）、中城（3月26-28日）、佐世保（3月30日−4月1日）、大湊（4月4-6日）、舞鶴（4月8-10日）、呉（4月12日から5月3日）、三机（5月4日）、横須賀（5月7-20日）を歴訪した。7月13日、大阪港中央突堤で一般公開された。11月6-9日、呉を親善訪問したカナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH341オタワのホストシップを務めた。2020年3月19日、呉基地で自衛艦旗返納式が行われて除籍された。最終配属先は第１練習隊、定係港は呉、総航海時間71203時間、総航程801550.3海里だった。参考：月刊世界の艦船7,’16、4,’17、4,’18、5,’18、2,’19、6,’19、1,’20、5,'20、6,'20、月刊JWings10,’16、9,’17、10,’17、11,'17増刊、朝雲

＜ＴＶ−３５２０＞：海上自衛隊はたかぜ型練習艦はたかぜ。2020年3月19日、DDG-171から艦種変更され、第１練習隊に配備された。定係港は呉。5月29日、艦種変更後に初めて呉に入港し、入港歓迎行事が行われた。10月31日と11月1日、山口県下関港で、TV-3513しまゆきと共に、隊員募集対象者と家族を対象とした特別公開に参加。12月20日、香川地本が入隊予定者10人につなぎ広報の艦艇見学を実施。2021年2月9日から3月16日、TV-3518せとゆき、DD-153ゆうぎりと共に、第54期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業者108名を乗せ外洋練習航海を実施。補給のためグアムとサイパンに寄港した。2月28日、TV-3518せとゆき、DD-153ゆうぎりと共に、グアム周辺海空域で、CVN-71セオドア・ルーズベルト、CG-52バンカーヒルと共同訓練（通信、戦術運動）を実施。5月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。2022年2月9日、外洋練習航海部隊としてDD-105いなづまと共に第55期一般幹部候補生課程（部内課程）実習員ら計440名を乗せ江田内を出港。2月16-17日、DD-105いなづまと共に沖縄東方海空域で日米共同訓練に参加し、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-111スプルーアンスと各種戦術訓練を行った。2月24-26日、DD-105いなづまと共にベトナムのダナンに寄港。2月26日、DD-105いなづまと共にダナン沖海空域で日越親善訓練に参加し、ベトナム海軍砲艦HQ-277と戦術運動・通信訓練を行った。3月6日、DD-105いなづまと共に、パラオ周辺で日パラオ親善訓練に参加し、パラオ共和国海上保安局巡視船ケダムと、戦術運動・通信訓練を行った。4月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。7月2-3日（午前・午後１回ずつ計４回）、乗員家族や広島地本が招待した募集対象者など200人に呉港周辺から宇品港沖を巡る体験航海を行った。12月17日、艦長以下39名が呉海曹会による旧呉海軍基地清掃活動に参加。2023年3月11日、TV-3508かしまと共に、第73期一般幹部候補生課程修了者170名を乗せ、近海練習航海部隊として江田内を出港。3月14-17日に大阪、3月18-19日に屋久島、3月21-23日に佐世保、3月29-31日に宮古島と石垣島、4月1-4日に那覇、4月6-8日に鹿児島港北埠頭（6-7日に一般公開を実施）、4月12-14日に大湊基地（12日に特別公開を実施）、4月15-17日に小樽市築港勝納埠頭（16日に特別公開を実施）、4月19-21日に舞鶴、4月23日から5月8日に呉、5月8日に三机に寄港し、5月10日に横須賀に入港して近海練習航海を終えた。4月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。5月25日から10月20日、TV-3508かしまと共に、令和5年度遠洋練習航海に参加。5月25日、TV-3508かしまと共に横須賀基地を出港。6月4日、ダッチハーバー周辺で日米共同訓練に参加。TV-3508かしまと共に、アメリカ沿岸警備隊巡視船WMSL-750バーソロフと、戦術運動・PHOTOEXなどを行った。6月13-14日、ビクトリア周辺で日加共同訓練KAEDEX23に参加。TV-3508かしまと共に、カナダ海軍FFH338ウィニペグと、各種戦術訓練（戦術運動、PHOTOEX、LINKEXなど）を行った。7月14-15日、カヤオ沖で日ペルー親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、ペルー海軍フリゲート・パラシオス、コルベット・フェッレ、潜水艦と、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。7月23日、バルパライソ沖で日チリ親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、チリ海軍フリゲート・コクレーン及びコンデルと、戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。8月3日、ブエノスアイレス沖で日アルゼンチン親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、アルゼンチン海軍哨戒艇P54コントラールミラント・コルデロ、H-3ヘリ、B-200海洋監視機と、戦術運動、クロスデッキ、PHOTOEXの各訓練を行った。8月10日、リオデジャネイロ沖で日ブラジル親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、ブラジル海軍F44インデペンデンシア、F45ウニアン、AH-11Bヘリ、UH-12ヘリと、戦術運動訓練を行った。8月24日、ブラジルのレシフェ沖で日ブラジル親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、ブラジル海軍哨戒艦マカウと、戦術運動訓練、PHOTOEX、通信訓練を行った。9月8日、カルタヘナ周辺海域で日米コロンビア親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、LCS-7デトロイト、コロンビア海軍哨戒艦ビクトリア、AS365ヘリと、戦術運動、PHOTOEX、クロスデッキの各訓練を行った。9月19日、サンディエゴ沖で日米共同訓練ILEX23-5に参加。TV-3508かしまと共にT-AO-187ヘンリー・Ｊ・カイザーと洋上補給訓練を行った。10月20日、TV-3508かしまと共に東京港晴海埠頭に帰港し、帰国行事が行われた。2024年4月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。参考：月刊世界の艦船8,'20、5,’20、1,'21、4,'21、5,'21、7,'21、5,'22、6,'22、6,'23、7,'23、8,'23、10,'23、11,'23、12,'23、1,'24、6,'24、月刊JWings1,’21

＜ＴＶ−３５２１＞：海上自衛隊はたかぜ型練習艦しまかぜ。2021年3月19日、DDG-172から艦種変更され、第１練習隊に配備された。定係港は呉。4月21日、呉に初入港し、入港歓迎行事が行われた。7月11日、DD-116てるづき（第１ヘリコプター団UH-60JA搭載）、ATS-4203てんりゅうと共に、仙台港で特別公開を実施。7月17-19日、防大生研修の一環として、ATS-4203てんりゅうと共に函館に寄港した。停泊中に特別公開を行っている。2022年3月12日、TV-3508かしま、ATS-4202くろべと共に、令和4年近海練習航海部隊（その１）として第72期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ江田内を出港。2022年4月24日、TV-3508かしまと共に、遠洋練習航海のため横須賀を出港。4月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。5月9日、TV-3508かしまと共に南シナ海で日米共同訓練に参加。DDG-101グリッドレイと戦術運動訓練などを行った。5月21日、TV-3508かしまと共に、コロンボ沖で日スリランカ親善訓練に参加。スリランカ海軍哨戒艦１隻と戦術運動訓練などを行った。5月23日、TV-3508かしまと共に、アラビア海で日印共同訓練に参加。インド海軍補給艦１隻と戦術運動訓練や洋上補給訓練などを行った。5月25日、TV-3508かしまと共に、アラビア海で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-2に参加。フランス海軍多用途支援艦１隻と戦術運動訓練などを行った。5月31日、TV-3508かしまと共に、アデン湾で日ジブチ親善訓練に参加。ジブチ海軍ダーメンFCS5009型哨戒艇P22アジュダン・アリ・Ｍ・フムド、哨戒艇キャプテン・エルミ・ロブレと戦術運動訓練などを行った。6月6日、TV-3508かしまと共に、地中海で日NATO共同訓練に参加。NATO第２常設海上部隊イタリア海軍FREMM級フリゲートF-592カルロ・マルゴッティーニ及びトルコ海軍バルバロス級フリゲートF246サーリヒレスと戦術運動訓練などを行った。6月14日、TV-3508かしまと共に、地中海ツーロン沖で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-3に参加。フランス海軍アキテーヌ級駆逐艦D654オーヴェルニュと戦術運動訓練などを行った。6月16日、TV-3508かしまと共に、大西洋ジブラルタル海峡西で日スペイン共同訓練を実施。スペイン海軍F-100級イージス・フリゲートF-102アルミランテ・ファン・デ・ブルボン、サンタ・マリア級フリゲートF-82ヴィクトリアと戦術運動訓練などを行った。6月20日、TV-3508かしまと共に、大西洋イギリス海峡で日英共同訓練に参加。イギリス海軍クイーン・エリザベス級空母R-09プリンス・オブ・ウェールズと写真撮影、リバー級外洋哨戒艦P283マージー及びエコー級海洋観測艦H88エンタープライズと戦術運動訓練などを行った。6月22日、艦長以下５名と在英防衛駐在官がポートランドにある巡洋艦出雲乗員原田二等兵曹の墓を訪れ、献花を行った。6月26日、TV-3508かしまと共に、大西洋イギリス海峡で日英共同訓練に参加。イギリス海軍哨戒艦セヴァーンと戦術運動訓練などを行った。7月7日、大西洋で日米共同訓練ILEX22-3に参加。TV-3508かしまと共に、AOE-8アークティクと洋上補給訓練などを行った。7月17日、TV-3508かしまとカリブ海で日コロンビア親善訓練に参加。コロンビア海軍フリゲートのアンティオキア及びカルダスと戦術運動訓練などを行った。8月1日、日米共同訓練ILEX22-5に参加。太平洋でTV-3508かしまと共にT-AKE-4リチャード・Ｅ・バードと洋上補給などの訓練を行った。8月10日、太平洋で日米共同訓練ILEX22-7に参加。TV-3508かしまと共にT-AO-197ペコスと洋上補給訓練を行った。8月22日、遠洋練習航海を終えTV-3508かしまと共に横須賀に帰港。9月5日から10月12日、TV-3508かしまと共に令和4年度近海練習航海（その２）に参加。9月5-13日、呉で停泊実習を実施。9月14日、呉を出港。9月23-26日、佐世保に寄港。9月30日から10月2日、函館に寄港。10月10日、呉に寄港。10月11-12日、呉で停泊実習を実施。2023年2月8日、DD-151あさぎりと共に、第56期一般幹部候補生課程（部内課程）修了者100名を乗せ、外洋練習航海部隊として江田内を出港。2月22日、DD-151あさぎりと共に、グアム周辺で日米共同訓練に参加し、CVN-68ニミッツ、DDG-73ディケイター、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤーと、戦術運動訓練などを行った。2月26日、日インドネシア親善訓練に参加。DD-151あさぎりと共に、インドネシアのビトゥン周辺で、インドネシア海軍フリゲート・ファタヒラーと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。外洋練習航海中にはグアム（2月17-20日）、インドネシアのビトゥン（2月27-28日）、フィリピンのダバオに寄港して3月17日に帰投した。4月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。2024年2月7日から3月14日、令和5年度外洋練習航海（部内）に参加。DD-114すずなみと共に、第57期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業生を乗せ、ブルネイのムアラ、カンボジアのシアヌークビル、ベトナムのハイフォンに寄港した。2月14-15日、南シナ海で日米共同訓練に参加。DD-114すずなみと共にDDG-113ジョン・フィンと各種戦術訓練（LINKEX、通信訓練）とPHOTOEXを行った。2月17-19日、DD-114すずなみと共にブルネイのムアラ港に寄港。2月19日、ムアラ沖周辺で日ブルネイ親善訓練に参加。DD-114すずなみと共にブルネイ海軍哨戒艦06ダルッサラムと通信訓練及びPHOTOEXを行った。2月22-24日、カンボジアのシアヌークビル港に寄港。2月24日、シアヌークビル周辺で日カンボジア親善訓練に参加。DD-114すずなみと共に、カンボジア海軍哨戒艇コ・スパーイ及びコ・クローサーと、戦術運動・通信訓練・PHOTOEXを行った。2024年2月7日、DD-114すずなみと共に、第57期一般幹部候補生課程（部内課程）卒業生を乗せ、令和5年度外洋練習航海部隊として江田内を出港。ブルネイのムアラ、カンボジアのシアヌークビル、ベトナムのハイフォンに寄港し、3月14日に帰国した。4月25日現在、第１練習隊に配備されており、定係港は呉。5月10日、TV-3508かしまと共に、晴海埠頭で艦上レセプションを実施。5月15日、晴海埠頭で報道公開を実施。5月20日、TV-3508かしまと共に、遠洋練習航海のため晴海埠頭を出港。6月3日、ムアラ沖周辺で日ブルネイ親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、ブルネイ海軍哨戒艦07ダルレサンと、通信訓練、戦術運動、PHOTOEXを行った。6月8日、インド洋で日印共同訓練に参加。TV-3508かしまと共に、インド海軍補給艦A57シャクティと、洋上補給訓練を行った。6月20日、日セーシェル親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、セーシェル沿岸警備隊巡視船トパーズと、通信訓練及びPHOTOEXを行った。7月2日（洋上フェーズ）及び7月4日（停泊フェーズ）、ケープタウン沖周辺とケープタウン港で日南アフリカ親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、南アフリカ海軍フリゲートF-145アマトラ、沿岸哨戒艇P1572キングシャカズールと、洋上フェーズでPHOTOEX、停泊フェーズで衛生訓練を行った。7月17日、ダカール周辺で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー24-4に参加。TV-3508かしまと共にフランス海軍F-50哨戒機と対空戦訓練、捜索救難訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。7月23日、ダカール周辺で日セネガル親善訓練に参加。TV-3508かしまと共にセネガル海軍沿岸哨戒艇ニアニと戦術運動訓練、捜索救難訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。7月30日、アルジェリア周辺で日アルジェリア親善訓練を参加。TV-3508かしまと共にアルジェリア海軍フリゲート921エル・ファテーと戦術運動訓練及びPHOTOEXを行った。8月8日、マルマラ海で日トルコ親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、トルコ海軍F244バルバロス、P346グルベット、SH-60Bヘリと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。8月13日、エーゲ海で日イタリア親善訓練に参加。TV-3508かしまと共にイタリア海軍F-592マルゴッティーニと戦術運動訓練及びPHOTOEXを行った。8月14日、地中海で日NATO共同訓練に参加。TV-3508かしまと共に、カナダ海軍FFH339シャーロットタウン、トルコ海軍F490ガジアンテプ、ルーマニア海軍掃海艇274コンスタンティン・バレスクと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。8月16日、チュニジア周辺で日チュニジア親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、チュニジア海軍沿岸警備艇スファックス及びチュニジア空軍UH-60M汎用ヘリと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXなどを行った。8月23日、地中海で日スペイン親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、スペイン海軍哨戒艦アタラヤと、対水上戦、通信、戦術運動、PHOTOEXの各訓練を行った。8月24日、大西洋で日スペイン親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、スペイン海軍F105クリストーバル・コロンと、対水上戦、通信、戦術運動、PHOTOEXの各訓練を行った。8月29日から9月2日、TV-3508かしまと共に、ドイツ連邦共和国ハンブルク港に寄港。9月2日、エルベ川河口からドイツ湾に至る空海域で日ドイツ親善訓練に参加。TV-3508かしまと共に、ドイツ海軍NH90NTHシーライオン哨戒ヘリ、P-3C哨戒機、ドイツ空軍ユーロファイター戦闘機と、通信訓練やPHOTOEXなどを行った。9月5-9日、サウサンプトンに寄港。9月10日、イギリス海峡で日英共同訓練に参加。TV-3508かしまと共に、イギリス海軍P281タインと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。9月20日、大西洋で日米共同訓練ILEX24-5に参加。TV-3508かしまと共にT-AO-206ハーヴェイ・ミルクと洋上補給訓練を行った。9月21日、大西洋で日米共同訓練に参加。TV-3508かしまと共に、CVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードと、戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。10月4日、太平洋で日米共同訓練に参加。TV-3508かしまと共にLCS-19セントルイスと戦術運動訓練及びPHOTOEXを行った。10月11-14日、メキシコのプエルトバジャルタ港に寄港。10月14日、太平洋で日メキシコ親善訓練に参加。TV-3508かしまと共にメキシコ海軍哨戒艦P167ハリスコと戦術運動訓練、通信訓練、PHOTOEXなどを行った。10月23-28日、真珠湾に寄港。10月28日、太平洋で日米共同訓練に参加。TV-3508かしまと共に、DDG-108ウェイン・Ｅ・メイヤー、MH-60Rヘリと、戦術運動訓練、PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船5,’21、7,’21、10,’21、6,’22、7,’22、8,’22、9,’22、10,’22、11,’22、4,’23、5,’23、6,’23、4,’24、5,’24、6,'24、8,’24、9,’24、10,’24、11,’24、12,’24、1,’25

＜ＴＶＣ＞： Thrust Vector Control（推力偏向制御）の略。

＜Ｔ．Ｖｈ．Ｒｅ．Ｓ．１＞：ドイツ海軍のＵボート用ジャイロスコープ発射角計算機。雷速、射程、角度、自艦動角などから発射角を計算し、魚雷室に送る。このデータを元に手動で発射管のジャイロ角を調節した。1938年に開発され、Ｕボート�Z型と�\型に搭載された。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ．Ｖｈ．Ｒｅ．Ｓ．２＞：ドイツ海軍のＵボート用ジャイロスコープ発射角計算機。1939年に開発された。T.Vh.Re.S.1の改良型で、魚雷集束と照準角の計算を同時に行えるようにしている。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ．Ｖｈ．Ｒｅ．Ｓ．３＞：ドイツ海軍のＵボート用ジャイロスコープ発射角計算機。T.Vh.Re.S.2の改良型で、発射管ジャイロ角の調節を司令塔内から遠隔操作で行えるようにしている。FaT及びLuT誘導装置用に計算機も更新した。参考：Ｕボート入門

＜Ｔ．Ｖｈ．ＲＧＭ．３Ｄ＞：ドイツ海軍Ｕボート�]�]�V型の魚雷用機械式照準装置。参考：Ｕボート入門

＜ＴＶＭ＞：ミサイル誘導方式の１つで、Track Via Missile（ミサイルを介する追尾）の略。ミサイルシステムのレーダーで目標を照射し、目標から跳ね返ってくるレーダー波をミサイルのシーカーで受信、そのデータをそのままコマンドポスト経由でミサイルシステムの射撃指揮装置に送り返し、複雑な誘導計算を行ってミサイルに正確な誘導指令を送信する。射撃指揮装置に大型高性能コンピュータを備えておけば、ミサイルに収まるサイズのものより遙かに精密な計算を行うことができ、ECM排除能力も高い。パトリオットやS-300が採用した。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、11,’98、1,’14、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’17

＜ＴＷ＞：Test Wing（試験航空団）の略。

＜ＴＷ４＞：航空自衛隊のセミトレーラ大型給水車。大型航空機の救難用で、６トントラクタFV411HRで牽引され、胴体着陸時に滑走路に衝撃緩衝用の泡を撒く他、救難消防車への水・消火剤補給を行う。全長10.43m、全幅2.49m、全高3.15m、車重10.5トン。ポンプ用に日産ディーゼル製ND604直列４気筒ディーゼル（総排気量6842cc、出力113馬力）を搭載しており、吐出量毎分5000リットル、吐出圧５気圧。エアフォーム原液補給用にロビンEY-23-Bエンジン（４気筒、６馬力）または富士重工製EY18B（１気筒、５馬力）も搭載している。最大積載量16.5トン、水タンク容量15600リットル、薬液タンク容量750リットル。東急車輌製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜ＴＷ−９＞：自衛隊の特殊降下傘システム。ダイセル製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ＴＷ４４２＞：航空自衛隊2.5トン６×６輪1000ガロン給水車。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＴＷ６４４＞：航空自衛隊2.5トン６×６輪4500リットル給水車。全長6.61m、全幅2.45m、全高3.00m、重量6.8トン。エンジンはGD150液冷６気筒（総排気量5654cc）、トランスミッションはシンクロメッシュ摺動式前進５段・後進１段、最大速度85km、燃費１リットルあたり2.5km。最大積載量4500リットル。乗員３名。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＴＷＣＳ＞：トマホーク武器システムを参照。

＜ＴＷＤ−２０＞：航空自衛隊2.5トン６×６輪4500リットル散水車。全長6.7m、全幅2.4m、全高2.6m、重量5.52トン。エンジンはいすゞ自動車製DA120液冷６気筒（総排気量6126cc）、トランスミッションはシンクロメッシュ式前進４段・後進１段、最大速度65km、燃費１リットルあたり4km。ポンプは２段タービンポンプ、吐出能力毎分500リットル。最大積載量4500リットル。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＴＷＦ＞：AN/ALQ-161（ミサイル警報）を参照。

＜ＴｗＩｎｖｉｓ＞：ドイツ空軍試作パッシブレーダー。ヘンゾルト社が開発した。250km以内の航空機200機を監視できる。2018年末からテストに入る予定。参考：月刊航空ファン1,’19

＜ＴＷＭＰ＞：イスラエルのラムタ社が開発した地雷処理装置で、履帯幅除雷鋤の略。装甲車両全面に装着して左右履帯前方に展開する鋤で、地面を深さ300mmほど鋤き返して履帯前方の地雷を脇に避ける。左右の鋤は独立して動かすことができ、内側のスキッドで掘り下げる深さを調節する。中央にはチェーンで金属パイプがぶら下げられており、対人地雷やチルト・ロッド撃発式地雷を誘爆除去する。人員４名と吊り上げ装置により、１時間以内に装着できる。湾岸戦争でアメリカ軍がM1A1やM60に装着して使用した。時速9.5kmで地雷除去でき、戦車の行動を邪魔しないため好評だったが、履帯前面しかカバーしておらず、鋤の間を通り抜けた対戦車地雷が車体下面で炸裂してしまうという欠点があった。参考：月刊軍事研究12,’98、戦車マガジン10,’93別冊

＜ＴＷＭＲ＞：イスラエルのウルダン社が製作した地雷処理装置で、地雷幅除雷ローラーの略。元はソ連のKMT-5である。装甲車両の左右履帯前面に、それぞれプッシャー・アーム２本で支えられた大きなローラー５枚を装着したもので、圧力により地雷を誘爆させる。左右独立して上方に150mm・下方に250mm可動でき、左右各30度まで傾けられる。緊急時には操縦手の操作で切り離し可能。車体に装着用アタッチメントを装着していれば、人員２名と５トンクレーンにより、15分でローラー・アッセンブリを装着可能。重いので運搬には専用トレーラーが要る。湾岸戦争でアメリカ軍が使用したが、砂地では圧力が分散してしまい、あまり役に立たなかった。参考：戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究12,’98

＜ＴＷＰＳ＞：戦術浄水システムを参照。

＜ＴＷＳ＞：トラック・ワイル・スキャニングの略。

＜ＴＷＳレーダー＞：トラック・ワイル・スキャン・レーダーを参照。

＜ＴＷＴ＞：進行波管増幅器を参照。

＜ＴＷ．ＺＦ．１＞：ドイツ陸軍超重戦車マウスの主砲用照準器。参考：月刊グランドパワー8,’03

＜ＴＸ−１６＞：アメリカ軍試作水素爆弾。液体核燃料を使用するが、小型の極低温燃料冷却システムの開発に手間取ったこと、固体核燃料を使用する水素爆弾の実験が順調だったことから、開発は中止された。参考：核兵器事典

＜ＴＸ−２０＞：アメリカ軍試作核爆弾。Mk13核爆弾の威力向上型だが、Mk15が採用されたため、開発中止となった。参考：核兵器事典

＜ＴＸ−２２＞：アメリカ軍試作水素爆弾。カリフォルニア大学放射研究所とサンディア研究所が共同開発し、1954年4月に実験されたが、設計通りの威力が出ず、開発中止となった。参考：核兵器事典

＜ＴＸ−４６＞：アメリカ軍試作核爆弾。B21核爆弾の改良型で、1954年から開発されたが、B53核爆弾に負けて採用されなかった。参考：核兵器事典

＜ＴＹ９０＞：天燕90（空対空ミサイル）を参照。

＜Ｔｙｐ３．６−３６Ｓ＞：オペル・ブリッツ社の３トントラック。前輪はシングル、後輪はダブルタイヤで、後輪駆動である。シャシーが同じ４×４輪トラック6700Aよりも荷台が高い。1937-44年に７万両以上が生産された。ドイツ国防軍が第２次大戦時に自動車化歩兵の輸送に使用している。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜Ｔｙｐ５１−２＞：SPz11-2装甲車ファミリーを参照。

＜Ｔｙｐ５２−３＞：SPz12-3装甲車ファミリーを参照。

＜Ｔｙｐ９１−２＞：SPz11-2装甲車ファミリーを参照。

＜Ｔｙｐ８３０Ｒ＞：ホルヒ社製４×２輪自動車で、キューベルヴァーゲンの１つ。エンジン出力62-70馬力。1934-37年に4536両が生産された。東部戦線で消耗して1941年頃には姿を見なくなった。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜Ｔｙｐｅ　１２８＞：VW128（水陸両用車）を参照。

＜Ｔｙｐｅ　１６６＞：VW166（装甲車）を参照。

＜Ｔｙｐ　Ｇ３１＞：ビュッシングNAG社の1.5トントラック。エンジン出力65馬力。1935年までに2300両が生産された。第２次大戦時にドイツ国防軍が使用したが、1941年頃には既に使われなくなっている。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜ＴＹＲ＞：タレス社のレーザー目標指示照準器。重量5kg。有効距離10km。スウェーデン軍とノルウェー軍が採用した。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＴＹＷ−１＞：BZK-005無人偵察機ファミリーを参照。

＜ＴＺ＞：計器飛行訓練（Toplivozaprahvshchik）のロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜ＴＺ５＞：ドイツ海軍が第２次大戦時に使用した、Ｔ�X魚雷用アクティブ磁気信管。参考：Ｕボート入門

＜ＴＺＦ＞：Turmzielfernrohr（砲塔用照準眼鏡）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．１＞：ドイツ陸軍の7.5cm戦車砲KwK44/1用安定装置付ペリスコープ式照準器。�X号戦車Ｆ型に搭載予定で、1944年にテスト用10基がライツ社に発注され、9-10月に５基が完成し、�X号戦車Ｆ型に搭載してテストした結果、TZF.13に勝って採用され、1945年1月に1000基が量産発注されたが、量産前に戦争が終わった。参考：月刊グランドパワー12,’14別冊

＜ＴＺＦ．２＞：ドイツ陸軍の7.92mm機銃MG13用単眼式照準器。視野28度、倍率2.5倍、有効範囲800m。�T号戦車に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．３ａ＞：ドイツ陸軍の2cm機関砲KwK38用単眼式照準器。視野17度、倍率2.5倍、有効範囲1200m。Sd.Kfz.222、Sd.Kfz.234/1、Sd.Kfz.250/9、Sd.Kfz.251/23、38(t)式偵察用戦車に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．４シリーズ＞：ドイツ陸軍の単眼式照準器。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．４＞：2cm機関砲KwK30及び同軸機銃用。倍率2.5倍、視野25度。有効距離1200m。�U号戦車a/b/c型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．４／３６＞：2cm機関砲KwK30及び同軸機銃用。倍率2.5倍、視野25度。有効距離800m。�U号戦車A/B型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．４／３８＞：2cm機関砲KwK30及び同軸機銃用。倍率2.5倍、視野25度。有効距離1200m。�U号戦車C/F型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．４ｂ＞：5cm戦車砲KwK39/1用。倍率2.5倍。Sd.Kfz.234/2に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５シリーズ＞：ドイツ陸軍の単眼式照準器。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．５ａ＞：3.7cm戦車砲KwK L/46.5及び同軸機銃用。倍率2.4倍、視野25度。有効距離2000m（戦車砲）／800m（同軸機銃）。�V号戦車A-G型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．５ａ　ｖｅｒ�T＞：5cm戦車砲KwK38L/42及び同軸機銃用。倍率2.4倍、視野25度。有効距離2000m（戦車砲）／1500m（同軸機銃）。�V号戦車E/F/G型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５ｂ＞： 7.5cm戦車砲KwK37L/24及び同軸機銃用。視野25度、倍率2.4倍。有効距離2000m（戦車砲）／800m（同軸機銃）／6500m（間接照準）。�W号戦車A-F型の防楯左に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５ｂ　ｖｅｒ　ｇｒ＞：7.5cm戦車砲KwK37L/24及び同軸機銃用。視野25度、倍率2.4倍。有効距離2000m（戦車砲）／1200m（同軸機銃）／6500m（間接照準）。�V号戦車Ｎ型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５ｄ＞：5cm戦車砲KwK38L/42及び同軸機銃用。倍率2.4倍、視野25度。有効距離3000m（戦車砲）／1500m（同軸機銃）。�V号戦車F-J型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５ｅ＞：5cm戦車砲KwK39及び同軸機銃用。倍率2.4倍、視野25度。有効距離300m（徹甲弾・榴弾）／1500m（Pzgr.40高速徹甲弾）／1200m（同軸機銃）。�V号戦車J-M型と�V号指揮戦車Ｋ型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５ｆ＞：7.5cm戦車砲KwK40 L/43及び同軸機銃用。倍率2.4倍、視野25度。有効距離1500m（徹甲弾）／1500m（Pzgr.40高速徹甲弾）／3300m（榴弾）／1200m（同軸機銃）。�W号戦車Ｇ型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５ｆ／１＞：7.5cm戦車砲KwK40 L/48及び同軸機銃用。視野25度、倍率2.4倍。有効距離2500m（徹甲弾）／1500m（Pzgr.40高速徹甲弾）／4000m（榴弾）／1200m（同軸機銃）。�W号戦車G/H型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．５ｆ／２＞：7.5cm戦車砲KwK40 L/48及び同軸機銃用。視野25度、倍率2.4倍。有効距離2500m（徹甲弾）／1500m（Pzgr.40高速徹甲弾）／4000m（榴弾）／1200m（同軸機銃）。�W号戦車Ｊ型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．６シリーズ＞：ドイツ陸軍の照準器。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．６＞：2cm機関砲KwK30及び同軸機銃用。倍率2.4倍、視野22度。有効距離1200m。Sd.Kfz.231/232に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．６／３８＞：2cm機関砲KwK38及び同軸機銃用。倍率2.5倍、視野25度。有効距離1200m。�U号戦車Ｌ型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．８＞：ドイツ陸軍のMG34機銃用双眼式照準器。VK1801に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．９シリーズ＞：ドイツ陸軍の照準器。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＴＺＦ．９＞：VK3001/VK3601用双眼式照準器。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．９ｂ＞：ティーガー�Tの主砲・同軸機銃用双眼式照準器。倍率2.5倍、視野23度（26度？）。有効距離4000m（徹甲弾及び榴弾）／8000m（間接照準）／1200m（同軸機銃）。参考：月刊PANZER3,’98、ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．９ｂ／１＞：ティーガーＢ型（ポルシェ砲塔）の主砲・同軸機銃用双眼式照準器。倍率2.5倍、視野26度。有効距離4000m（徹甲弾及び榴弾）／1200m（同軸機銃）。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．９ｃ＞：ティーガー�Tの主砲用単眼式照準器。倍率は2.5倍（視野25度）と５倍の２種類がある。有効距離4000m（徹甲弾及び榴弾）／8000m（間接照準）／1200m（同軸機銃）。参考：月刊PANZER3,’98、ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．９ｄ＞：ティーガーＢ型（ヘンシェル砲塔）の主砲・同軸機銃用単眼式照準器。倍率2.5倍、視野25度。有効距離3000m（徹甲弾）／5000m（榴弾）／1200m（同軸機銃）。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．１０＞：ドイツ陸軍の20mm機関砲EW141用照準器。VK601とVK901に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．１２シリーズ＞：ドイツ陸軍�X号戦車の主砲・同軸機銃用照準器。参考：ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．１２＞：双眼式で、接眼レンズを覗くと、右に同軸機銃／榴弾の照準レンジが、左に徹甲弾の照準レンジが円弧状に刻まれている。真ん中には７つの小さな三角形が横に並んでおり、中央のものは一回り大きい。三角形のサイズは小さい方が縦横２シュトルヒ、大きい方が４シュトルヒ、三角形の上の頂点同士の間隔は４シュトルヒ。三角形の大きさと目標を比較して距離を推定し、照準レンジを回転させて推定距離を中央上部のレンジ指針に合わせる。倍率は2.5倍の固定式、視野28度。有効距離3000m（徹甲弾）／2000m（Pzgr.40高速徹甲弾）／4000m（榴弾）／4000m（同軸機銃）。参考：月刊PANZER10,’99、ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．１２ａ＞：単眼式で、倍率が2.5倍（視野19度）と５倍（視野14度）の切り替え式となった。参考：月刊PANZER10,’99、ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．１３＞：ドイツ陸軍の7.5cm戦車砲K2K44/1用単眼式直接照準器。倍率2.5倍・視野28度と倍率６倍・視野12度の選択式。ライツ社製。パンターＦ型に搭載予定だった。4802基が発注されたが、1944年10月に１基、1945年1月にもう１基完成して試作砲塔でテストした結果、並行開発していたTZF.1ペリスコープ式照準器の方が高性能だったらしく、量産発注は取り消された。参考：月刊グランドパワー12,’14別冊、ジャーマンタンクス

＜ＴＺＦ．３８（ｔ）＞：ドイツ陸軍の35(t)式／38(t)式戦車用単眼式照準器。倍率2.6倍、視野25度。有効距離2000m（徹甲弾及び榴弾）／400m（Pzgr.40高速徹甲弾）。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｔ液＞：ドイツのヴァルターロケットの酸化剤。過酸化水素80%と安定剤オキシキノリン20%で構成される。参考：月刊JWings7,’02

＜Ｔ型配列＞：航空機に共通の計器板配列で、中央上部に姿勢指示器、その下に水平位置指示器、右上部に高度計、左上部に速度計が並ぶ。1957年のFAA勧告に基づいて採用されるようになった。参考：月刊JWings5,’08、11,’09

＜Ｔ型尾翼＞：T-tail。垂直尾翼端に水平尾翼を取り付けたもので、後ろから見ると尾翼がＴ字になるため、こう呼ばれる。利点は、水平飛行時に主翼吹き下ろしやジェットエンジン排気が水平尾翼に直接当たらず空力干渉が小さく空力効率が高いこと、垂直尾翼の翼端板を兼ねるため垂直尾翼の空力特性も高まること、輸送機では水平尾翼が貨物ドアの邪魔をしないこと、後退角付垂直尾翼の場合は水平尾翼のアームレングスが長くなり水平尾翼面積を小さくできること。欠点は、垂直尾翼の構造強度を高くする必要があり重量増に繋がること、迎え角を大きく取った際にディープ・ストール現象に陥ること、一定の速度と迎え角を取った際に主翼の洗流により水平尾翼に大きな下向きの力が発生して機首上げが止まらなくなる場合があること、水平尾翼の位置が高いので整備性が悪いこと。参考：航空機設計法、飛行機のしくみ、月刊航空ファン8,’10、11,’92、月刊JWings8,’16

＜Ｔ級＞：トラファルガー級（潜水艦）を参照。

＜Ｔ級駆逐艦＞：イギリス海軍駆逐艦。1940年度の第６次戦時緊急計画で建造された。諸元はＳ級駆逐艦と同じである。全長110.7m、幅10.9m、吃水3m、基準排水量1730トン。主機は蒸気タービン、出力40000馬力、速力36.8ノット。兵装は12cm単装砲４門、40mm連装砲１基、533mm４連装魚雷発射管２基。1943-44年にR00トラブリッジ、R23テーザー、R45テネイシャス、R89ターマガント、R33タープシカリ、R11チューモルト、R56タスカン、R67チリアンの８隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｔ級潜水艦（初代）＞：アメリカ海軍潜水艦で、１番艦の艦名変更に合わせてシュリー級またはAA級とも呼ばれる。アメリカ海軍初の艦隊型潜水艦で、1913年に計画されたが、予算不足で起工が1916-17年に遅れ、完成したら第１次大戦が終わっていた。主機は推進軸１軸に電動モーターとディーゼル２基をタンデムに配置してクラッチで繋いだが、軸系が長すぎて激しい振動が生じるという欠点があり、後に各軸の前主機（ディーゼル）１基を撤去する羽目になっている。全長81.9m、最大幅6.9m、吃水4.3m、水上排水量1106トン、水中排水量1487トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用NLSECO式6-EB-19型６気筒４サイクルディーゼル（1000馬力・375rpm）４基・水中用エレクトロ・ダイナミック式電動モーター２基、水上出力4000馬力、水中出力1500馬力、２軸推進、水上速力20ノット（１番艦公試時20.92ノット。ただし就役後は主機不調でせいぜい18ノット、前主機撤去後は15ノット）、水中速力10.5ノット、重油搭載量89-91トン、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、水上航続距離3000海里（20ノット）、水中航続時間20時間（５ノット）。安全潜航深度46m。兵装は１番艦が45cm魚雷発射管８門（艦首４門、上構内セイル前後に旋回式水上発射管２門ずつ。魚雷16本）と23口径7.6cm甲板砲２門（上構前後１門ずつ）、2-3番艦が45cm魚雷発射管４門（艦首。魚雷12本）と50口径10.2cm甲板砲１門。乗員54名。SS-52、SS-60、SS-61の３隻が1920-22年に竣工した。1922年、１番艦の水上発射管４門を有効性に欠けるとして撤去した。当時のアメリカ海軍には大型潜水艦の設計能力が乏しく、第１次大戦中の潜水艦の急速な発展にも取り残され、打撃力・速力・航洋性能不足や潜航秒時過大といった問題点があって使い物にならず、ロンドン条約のついでに除籍が決まり、1930年に３隻とも除籍された。参考：アメリカ潜水艦史

＜Ｔ級潜水艦（２代目）＞：アメリカ海軍潜水艦。新Ｓ型の攻撃力強化型で、艦首発射管を２門増やした。潜航秒時短縮のためネガティブタンクを追加し、司令塔と発令所を拡大して魚雷発射諸元計算盤を搭載している。全長93.6m、最大幅8.3m、吃水4.5m、水上排水量1475トン、水中排水量2370トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM式16-248型16気筒２サイクルディーゼル（1600馬力、720rpm。SS201-203とSS209-211はFM式38D1/3型９気筒対向ディーゼル、1600馬力、720rpm）４基＋GE式主発電機４基＋GE式電動モーター４基、水上出力5400馬力、水中出力2740馬力、２軸推進、水上速力20ノット、水中速力8.75ノット、重油搭載量374トン（SS206-211は385トン）、エレクトリック・ストレージ・バッテリー社製VLA47B蓄電池126セル２群計252セル、水上航続距離11000海里（10ノット）、水中航続時間48時間（２ノット）。安全潜航深度76m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門・艦尾４門。魚雷24本）、127mm単装甲板砲１門（50口径76.2mm砲を装備したものも多く、後に102mm砲などに換装したものもある）、40mm単装機関砲１門、12.7mm単装機銃２丁、7.6mm単装機銃２丁。乗員60名。SS-198タンバー、SS-199トートグ、SS-200スレッシャー、SS-201トライトン、SS-202トラウト、SS-203チューナ、SS-206ガー、SS-207グランパス、SS-208グレイバック、SS-209グレイリング、SS-210グレナディア、SS-211ガジョンが1940-41年に竣工した。圧壊深度を137mから150mに高めるなどしたSS-206以降は一時Ｇ型と呼ばれている。1959年9月までに全艦除籍された。参考：アメリカ潜水艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船6,’09、9,’12増刊

＜Ｔ級潜水艦シリーズ＞：イギリス海軍潜水艦。Ｌ級を代替する航洋型哨戒潜水艦である。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

　＜Ｔ級潜水艦第１グループ＞：1942年までに完成したもの。船体はＲ級より一回り小さい。全長83.9m、幅8.1m、吃水4.5m、基準排水量1095トン（N86は1090トン）、水中排水量1575-1585トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力2500馬力、水上速力15.8ノット、水中速力９ノット。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦首上構内２門、中央上構内２門。N86は計11門）、10.2cm単装砲１門。1938-42年にN11ソーン、N15トリトン、N17ターポン、N18トライアンフ、N24シッスル、N25サンダーボルト、N37スラッシャー、N38タク、N45トラスティ、N48トラベラー、N52トライデント、N53トライアド、N63ティグリス、N68トルーアント、N76トリビューン、N77テトラーク、N78タリスマン、N79トーベイ、N86テンペスト、N91トルーパー、N94トゥーナ、N98タービュラントの22隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船6,’09

　＜Ｔ級潜水艦第２グループ＞：第１グループの艦尾上構に魚雷発射管を追加し、前部上構の形状を変更、艦橋後部に20mm単装機関砲搭載スペースを設けたもの。後期型では船体を全溶接にして潜航深度を増し、メインタンクの一部を燃料タンクに変更して航続距離を延ばした。全長83.9m、幅8.1m、吃水4.5m、水上排水量1090トン、水中排水量1571トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基・電動モーター２基、水上出力2500馬力、水中出力1450馬力、２軸推進、水上速力15.25ノット、水中速力8.75ノット。兵装は533mm魚雷発射管11門（前部８門、中部２門、後部１門）、10.2cm単装砲１門、20mm単装機関砲１門。1942-46年にP311、P312トレスパッサー、P314タクティシャン、P315トルカレント、P316テンプラー、P317タリー・ホー、P318タンタルス、P319タンティヴィ、P321テレマカス、P322タレント、P323テラピン、P324ソロー、P325スール、P326トゥーダー、P327タイアレス、P329トレードウインド、P331トレンチャント、P332ティプトー、P333トランプ、P334タシッターン、P335テイピア、P336ターン、P337タスマン、P338テレド、P339トーラス、P352トーテム、P353トランチョン、P354ターピンなど31隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船9,’21

＜Ｔ級潜水艦・海外ファミリー＞

　＜リヴァイアサン級＞：イスラエル海軍潜水艦。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜Ｔクラフト＞：アメリカ海軍水上戦センター、テキストロン社、アリオン社などが2004年から開発している大型SES／エアクッション揚陸艇T-CRAFT（Transformable CRAFT）。輸送艦のランプウェイを艇後部に連結して車両を自走させて積み込み、燃費の良いSES方式で洋上を航行し、揚陸地点が接近すると高速を出せるエアクッション方式に推進を変更（Transform）、海岸に乗り上げて艦首ランプから車両を下ろす。全長80m、幅20m、排水量1400トン。推進は船体上部のダクテッド・ファン４基、航続距離4500km（SES方式20ノット）／900km（エアクッション方式40ノット）。ペイロード300トン。参考：朝雲、月刊世界の艦船12,’12

＜Ｔ攻撃部隊＞：大本営が太平洋戦争捷号作戦のために編成した航空部隊。ＴはTyphoonの略であり、台風が襲ってきても出撃して奇襲攻撃が可能な精鋭ということで命名された。雷撃中心に攻撃をかける予定だったのでTorpedoのＴともいわれる。海軍から選抜された精鋭である第762航空隊、銀河部隊の横須賀航空隊攻撃第501飛行隊と、陸軍重爆撃機部隊の飛行第７・第98戦隊から編成されていた。具体的には、偵察部隊として彩雲・一〇〇式司偵計10機、彗星10機、銀河10機、二式飛行艇10機、一式陸攻５機が、攻撃隊として紫電24機、天山18機、銀河24機、一式陸攻48機、瑞雲18機、四式重爆18機が配備された。これによりアメリカ正規空母10隻を撃沈破し、アメリカ軍の進攻を１年遅らせるのが目標である。陸軍は洋上推測航法の経験が浅かったため、海軍の偵察員（航法も担当していた）を教官として借り受け、訓練を積んだ。参考：激闘太平洋戦記、太平洋戦争情報戦、月刊軍事研究7,’95、海軍よもやま物語、月刊丸4,’13

＜Ｔ作業＞：天井裏作業の略。ソ連のチタ市に設置された満州国総領事館の天井裏で行われた、シベリア鉄道監視作戦である。チタの満州国総領事館は昭和7年に設置されたものだが、周辺に満州の居留民など存在せず、ソ連がハルビンに総領事館を置く代わりとして建設された対ソ情報収集拠点であり、要員十数名のうち三分の一は関東軍情報将校で、昭和15年2月から中野学校を卒業した諜報員が配属されるようになった。もちろんソ連側もそれは見抜いており、20mも離れていない地点に国家政治保安部（GPU）の監視本部を設置し、総領事館員が３分以上市民と会話すると妨害を入れていた。昭和20年4月、ソ連が中立条約を延長しないと通告し、ヨーロッパ戦線の勝敗もほぼ決したため、ヨーロッパの戦力をシベリア鉄道で満州方面に送り込む状況を監視して対日参戦の時期を探る必要が生じ、中野学校出身の諜報員３名がＴ作業を開始した。トイレの天井板を外して屋根裏に登り、屋根の羽目板をずらして倍率12倍の双眼鏡によりシベリア鉄道の300mの区間を監視し、列車に乗せられた兵器の数と種類を計測する。更にチタ市内の兵営の状況や物価・物資の動向なども把握し、ソ連の参戦時期は昭和20年7月初旬では早すぎ、8月下旬では遅すぎる、即ち7月中旬から8月中旬にかけての時期であると判断して大本営と関東軍に報告した。実際の侵攻は8月8日で、正確に読んでいたのだが、大本営と関東軍は無視してしまったため、奇襲を許した。参考：陸海軍学校と教育

＜Ｔ作戦＞：日本海軍が太平洋戦争時に行った、北部スマトラ攻略作戦。シンガポールを占領し、マラッカ海峡を制圧した後に発動することが予定されており、昭和17年2月21日の陸海軍協定でこの名称が付けられた。2月下旬にクワンタンの美幌空九六式艦戦が北部スマトラを偵察したが、敵の姿は認められなかった。3月8日、第１船団（サバン島・クタラジャ進攻部隊。陸軍近衛師団小林支隊の乗船する輸送船８隻と海軍サバン島基地部隊・設営隊の乗船する輸送船１隻）と第１護衛隊（旗艦の南遣艦隊練習巡洋艦香椎、軽巡由良、駆逐艦６隻、掃海艇４隻、駆潜艇２隻）が昭南を出港。3月9日、馬来部隊主隊（第７戦隊の鳥海・最上など重巡４隻、駆逐艦６隻、駆潜艇３隻）が昭南を出港。美幌空がペナンへの進出を完了、陸攻によりサバン島の爆撃を開始。第40航空隊が昭南に到着。3月10日、第２船団（ラブハンルク・イジ方面進攻部隊。近衛師団主力と吉田支隊の乗船する輸送船８隻）と第２護衛隊（敷設艦初鷹、海防艦１隻、駆潜艇１隻、特設砲艦兼敷設艦１隻、特設掃海母艦１隻、特設掃海艇４隻）が昭南を出港。特設水上機母艦相良丸の搭載機はペナン水上基地から第１護衛隊及び第１船団に対する護衛を開始。第40航空隊はマラッカ海峡南部の哨戒を開始。3月12日、第１船団の近衛師団小林支隊がサバン島及びクタラジャに、第２船団の近衛師団主力と吉田支隊がラブハンルク及びイジに上陸を開始。3月13日、イジへの上陸部隊はクワラシンパンとパンカランプランタンを占領、ラブハンルク上陸部隊と連絡を付けた。3月14日、第１・第２護衛隊はそれぞれペナン及び昭南に向け出港、Ｄ作戦の準備に入った。3月16日、クタラジャ上陸部隊がジグリとビルエンを攻略。3月17日、近衛師団主力はパダンを占領。3月21日、北部スマトラ全域をほぼ制圧。3月27日、ラブハンルク上陸部隊はブランゲジュランで敵主力を降伏させた。参考：月刊丸4,’07

＜Ｔ事件＞：キャッチボール作戦を参照。

＜Ｔ装置＞：海上自衛隊が開発したソナー。ニッケル磁歪材製送受波器を使用した手動サーチライト方式だが、性能が低く、制式化には至らなかった。参考：月刊世界の艦船11,’13

＜Ｔバード＞：T-33シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｔバード＞：ブルガリアのLASAエンジニアリング社が開発した軽武装監視機T-BIRD。トラッシュ社製510G農業機がベースで、オーストリアのエアボーンテクノロジーズ社製自己完結型航空偵察SCARポッド（MX-10/-15電子光学センサー内蔵）を胴体下面に搭載し、主翼下面ハードポイント６箇所に兵装を積む。Mi-24攻撃ヘリと同じ兵装を搭載できる。2017年のパリ航空ショーで展示された。参考：月刊航空ファン9,’17

＜Ｔパターン＞：アメリカ海兵隊の試作市街地迷彩。灰色ベースの配色だが、発展途上国の都市には適合せず、採用されなかった。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜Ｔフォイル＞：双胴船の中央船首下に装着されている縦揺れ抑制装置。Ｔ字状の翼で、普段は折り畳まれており、波が荒くなった時に展開し、翼の揚力により縦揺れを抑制する。参考：図解船の科学

＜Ｔ−ホーク＞：RQ-16A（無人機）を参照。

＜Ｔボーン・スコップ＞：M1910（スコップ）を参照。

＜Ｔマイン＞：ドイツ国防軍の対戦車地雷のことで、テラー・マインの略。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｔレーション＞：アメリカ軍の戦闘糧食。トレイパックと呼ばれるアルミ缶の中に12-24名分の食料が納められており、保温ホルダーに収容されて支給される。キッチントレーラー内で温め直され、各兵士に支給される。参考：コンバット・バイブル

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