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＜（ｆ）＞：ドイツ軍車両の接尾記号で、frazosisch（フランス製）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｆ＞：前線／戦術（Frontovoy）のロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｆ００＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジャービス（Jervis）。1939年竣工。1941年3月28日、マタパン岬沖海戦に参加。12月18日、イタリア海軍潜水艦シーレから発進したSLCマイアーレの攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船6,’09、4,’18

＜Ｆ−１＞：FJシリーズ（戦闘機）またはSS-20（潜水艦）またはキャメル・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ０１駆逐艦＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦ケリー（Kelly）。1939年竣工。1941年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ−１護送艦＞：ドイツ海軍F-1級護送艦。1935年3月進水。1940年、艦首及び船首楼の延長工事を受けた。大戦後期にリベーレと改称され、母艦任務に就いた。更にヤークトと改称され、戦後はドイツ沿岸の掃海を行い、1947年にフランスに引き渡されて解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ−１支援戦闘機＞：航空自衛隊支援戦闘機。主任務は対艦攻撃及び対地支援、副任務は航空阻止及び制空戦闘で、多目的に使用するためFCSと全天候能力を重視した。配備当初から自衛隊独自の迷彩を施した初の機体である。T-2超音速練習機の転用で、1970年10月21日の第４次防衛力整備計画概要で計画が発表された。1972年10月6日に田中角栄首相が国防会議議員懇談会で安いアメリカ製兵器の輸入（貿易不均衡是正も兼ねる）を提案し、F-5Eを導入した方が安価で済むという意見も強かったが、超低空飛行で空対艦ミサイルを発射するという任務には向かず却下され、10月9日には首相自ら発言を否定している。1972年から開発に入り、1975年6月3日に試作機FS-T2改が初飛行、1976年11月に部隊使用承認が得られて11月12日にF-1の名称が決定し、1977年6月16日に量産初号機が初飛行、9月16日（6日？）に量産初号機が納入され、1987年3月9日までに77機が引き渡されて第３・第６・第８飛行隊に配備された。胴体はセミモノコック構造で、エリアルールを採用している。風防は低空飛行時のバードストライク対策としてポリカーボネートにし、金属枠を廃止、コクピットは単座として後席窓はアルミ板で塞いだが、後方視界が非常に悪くなってしまった。計器板のレーダー表示スコープはPPI方式となった。後席は電子装備スペース（乗員の私物も少量入れられる）に充てられており、J/ASN-1慣性航法装置、J/APN-44電波高度計、J/ASQ-1兵装投下コンピュータ、J/A24G-3エアデータ・コンピュータ、J/AWG-12レーダーFCS（処理装置）、J/AWA-1対艦ミサイル制御装置、J/APX-101C敵味方識別装置、J/APR-3レーダー警報（装置本体）、ストライクカメラなどを搭載した。射出座席はウェーバー社製ES-7Jのライセンス生産版。後席の後ろには機関砲弾倉があり、その後ろに７つのゴム袋式燃料タンク（計1028ガロン・3891リットル）があって、No.1-3が左エンジン、No.4-7が右エンジンに燃料を供給する。給油口は右主翼付け根下方にあたる胴体側面にある。主翼は高翼配置のクリップドデルタ翼で、前縁後退角42度、下反角９度、アスペクト比3.0、翼厚比4.8%。超音速時の旋回を重視して翼面積は小さく、前縁やや翼端寄りにドッグツースが付けられていて、上面にフェンスを持つ。主翼前縁にフラップ、後縁にスロッテッドフラップ（手動。０度、離陸用15度、着陸用30度の３段階）がある。エルロンは無く、片方２枚ずつのスポイラーでロール制御を行うため、大迎え角時や低速時の舵の効きは良いが、高速時には翼端渦が発生して旋回性が悪くなる。主翼端に空対空ミサイルランチャーを装着し、最大荷重は7.33Gから6.5Gに減少した。主翼内には燃料タンクが無い。エアインテイクは機体両側面にあり、斜板付きで、ショックコーンや可変ベーンは無い。エアインテイク側面にはスプリング式の補助インテイクを持つ。水平尾翼は全遊動式で、ジェット排気やロケット弾のブラストを受けても溶けないよう、チタンで製作されており、後退角43.32度、下反角15度。垂直尾翼のラダーはスポイラー・ラダー相互接続機能を有し、迎え角が9.5ユニットを超えると、スポイラーのアドバース・ヨーを打ち消すようにラダー角度が調整される。垂直尾翼先端にはJ/APR-3レーダー警戒装置アンテナを収めた細長いフェアリングを追加した。前脚は機関砲搭載の関係でやや右にオフセットされており、後方に引き込まれる。主脚は前方引き込み式。タイヤはF-104と同じものである。左右主脚の間にエアブレーキがあり、駐機中は常時開いている。固定武装は機首左の20mmバルカン砲JM61A1（750発）で、ベルトリンク給弾であり、胴体下面からリンクを排出、空薬莢のみ機内に回収する。ハードポイントは両主翼端に短距離空対空ミサイル（AAM-1/AAM-3またはAIM-9B/-9E/-9P/-9L）専用１ヵ所ずつ（Sta.1/7）、左右主翼下２ヵ所ずつ（外側Sta.2/6と内側Sta.3/5）、胴体下１ヵ所（Sta.4）の計７カ所。搭載可能兵装類は主翼外側Sta.2/6が短距離空対空ミサイル、CBU-87/B、JM117、Mk82用連装ラック、ロケットポッド（127mm４発のRL-4、70mm７発のRL-7、70mm19発のJ/LAU-3/A）、内側Sta.3/5がCBU-87/B、JM117、Mk82用連装ラック、ロケットポッド、ASM-1、220ガロン増槽、胴体下Sta.4がJM117、Mk82用４連装ラック、CBLS-200、220ガロン増槽。無線通信・航法機器はNLS-21/ALCインターホン、J/ARC-51C極超短波無線機、J/ARN-53Aタカン/VOR、AN/ARA-50UHF-DF。全長17.85m（ピトー管含む）、胴体長17.31m、全幅7.88m、全高4.47m、自重6.87トン（6.55トン？）、最大離陸重量13.67トン。翼面積21.2平方メートル。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製TF40-IHI-801Aターボファン（ミリタリー推力2.32トン、A/B時3.31トン）双発、最大速度マッハ1.6（高度10970m）、実用上昇限度15240m、燃料容量3823リットル＋833リットル増槽３本、フェリー航続距離2600km、戦闘行動半径550km（ASM-1対艦ミサイル２発＋増槽１本）。固定武装はM61A1機関砲（750発）１門。兵装搭載量2.72トン。乗員１名。価格は1975年度で22億4000万円、1982年度で25億9300万円、1984年で30億円。欠点は滑走距離の長さで、対地攻撃装備ではオーバーランするかと思うほど滑走が長くなるらしい。自重や全備重量が上昇したのにエンジンがT-2のままなので離陸にはアフターバーナーが必須であり、排気がアスファルトを溶かすので、三沢基地のエプロンを耐熱アスファルトに舗装し直す必要があった。スロットル操作がかなりデリケートで、エンジン推線が下向きなため整備に手間を要した。翼面積が小さいので格闘戦は不利で、余剰推力が不十分でありズーム上昇能力も低いが、対艦ミサイルで遠距離対艦攻撃をかけるのが主任務なので、あまり問題では無い。ただスタンドオフ対地攻撃能力や対地誘導兵器運用能力が無く、脅威電波は探知できてもECMはかけられず、対レーダーミサイルも無く、チャフはチャフ・コリドー展開用のAN/ALE-41だけで、自機防御用チャフはスピードブレーキに挟んでいくしかなく、近接航空支援任務では目標上空までほぼ無防備で突っ込んでいくしかなかった。後に超低空飛行時のバードストライクに備え風防を強化した。1985年から自動操縦装置を追加している。F-2の開発遅延で航空機構造保全プログラムが実施されて耐用時間が3500飛行時間から4050飛行時間に延ばされ、1996年から退役が始まり、2006年3月9日に第６飛行隊のF-1が７機でラストフライトを行い全機退役、3月18日に築城基地で退役記念式典が行われた。初号機は入間基地に保管されており、2010年に開設予定の航空資料館に展示されることになっている。他に三沢基地に展示されている。参考：月刊JWings5,’19、1,’04、12,’15、11,’00、7,’05、11,’06、9,’10、1,’13、月刊軍事研究9,’04、10,’04、8,’17、世界の軍用機1979、1982、自衛隊装備年鑑1996、月刊丸5,’07、12,’10、月刊航空情報2,’10、月刊航空ファン1,’15

＜Ｆ−１兵装＞

　＜支援戦闘・対艦攻撃＞：両翼端Sta.1/7にAIM-9Lを１発ずつ、両主翼下内舷Sta.3/5にASM-1を１発ずつ、胴体下Sta.4に220ガロン（833リットル）増槽を１基搭載する。飛行法はHi-Lo-Hi、戦闘行動半径は556kmで、三沢基地から出撃すると、知床岬から宗谷岬を結ぶラインあたりまでしか進出できない。参考：月刊JWings1,’04、11,’00、月刊航空情報2,’10

　＜支援戦闘・対地攻撃＞：両翼端Sta.1/7にAIM-9Lを１発ずつ、両主翼下外舷Sta.2/6にMk.82爆弾連装ラック（DER）を１基ずつ、両主翼下内舷Sta.3/5に220ガロン（833リットル）増槽を１基ずつ、胴体下Sta.4にMk.82爆弾４連装ラック（FER）を１基搭載する。爆弾搭載数が計８発なので、8BL（エイトBL）とも呼ばれる。飛行法はLo-Lo-Hi、戦闘行動半径は350kmで、北海道全域をカバーするためには千歳基地から出撃しなければならない。増槽の代わりにMk.82爆弾連装ラックを装着して爆弾搭載数を計12発に増やすこともできるが、戦闘行動半径がかなり短くなる。JM117を使用する場合、連装ラックが使えないので、増槽無しでも５発しか積めない。参考：月刊JWings1,’04、11,’00、月刊軍事研究9,’04、1,’05、月刊航空情報2,’10

　＜フェリー＞：両主翼下内舷Sta.3/5と胴体下Sta.4に220ガロン（833リットル）増槽１基ずつ計３基を搭載する。航続距離1400海里。参考：月刊航空情報2,’10、月刊JWings11,’00

　＜要撃戦闘＞：両翼端Sta.1/7と両主翼下外舷Sta.2/6にAIM-9LまたはAAM-1空対空ミサイル１発ずつ計４発、両主翼下内舷Sta.3/5に220ガロン（833リットル）増槽１基ずつ計２基を搭載する。ただし主翼外側パイロンとランチャーが干渉して機動性が低下するため、実戦部隊では翼端Sta.1/7のみにAIM-9Lを搭載していることが多い。増槽無しで空対空ミサイル２発装備だと戦闘行動半径150海里。参考：月刊JWings1,’04、2,’04、11,’00、月刊航空情報2,’10、自衛隊兵器カタログ1981

＜Ｆ−１手榴弾＞：ソ連軍の手榴弾。アメリカ軍M2手榴弾のほぼコピーで、外観からパイナップルと呼ばれる。重量600g、炸薬量60g。有効半径14m。参考：コンバット・バイブル２、手榴弾・迫撃砲

＜Ｆ１戦車＞：フランス陸軍要塞攻撃戦車（Char d’attaque de fortifications）。シャール2Cの後継となる多砲塔戦車で、1940年に12両がFCM社に発注されたが、完成前にフランスがドイツに負けてしまった。参考：歴史群像6,’10

＜Ｆ１飛行艇＞：アメリカのローグヒード航空機製作所が開発した複葉双発飛行艇で、設計はジョン・ノースロップである。全幅21.5m。乗員１名。客席数10。1916年当時世界最大の航空機で、アメリカ軍に提案されたが、採用されなかった。参考：月刊丸12,’90

＜Ｆ．１／４０＞：イギリスの試作観測機で、フェーン社が開発した。主翼のフルスパンに高揚力装置を装備して高いSTOL性を持つ。1941年に１機が試作されたが、採用されなかった。全長7.17m、全幅11.28m、全備重量980kg。エンジンはコンチネンタル社製A-80（80馬力）単発、プロペラは推進式。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆ１−５４＞：F1-30154（救命胴衣）を参照。

＜Ｆ１−５６＞：F1-30156（救命胴衣）を参照。

＜Ｆ１−３０１５４＞：ドイツ空軍の救命胴衣で、1939年頃から戦闘機パイロットに供給された。首から被り、ストラップを股下に通して固定する。裾にCO2シリンダーが取り付けられており、着水したら作動させて膨らませるが、作動しない場合は左胸に取り付けられているゴムホースから息を吹き込む。参考：グラフィックアクション36

＜Ｆ１−３０１５６＞：ドイツ空軍の救命胴衣。布とカポックを使用しており、24時間浮かぶことができる。かさばるため、第２次大戦中期以降は専ら爆撃機や輸送機の乗員が使用するようになった。参考：グラフィックアクション36

＜Ｆ−１Ａ＞：F11Fシリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−１Ｂトラウザーズ＞：アメリカ軍の極寒冷地用防寒ズボンで、N-3Bと共に使用する。飛行服として採用され、1980年代半ばに地上勤務員用に変更された。防寒能力が高い分、重いので、付属品としてサスペンダーが用意されている。参考：月刊丸5,’13

＜Ｆ−１Ｅ＞：FJ-4（艦上戦闘機）を参照。

＜Ｆ１Ｍシリーズ＞：零式水上観測機シリーズを参照。

＜Ｆ１型＞：呂１型（潜水艦）を参照。

＜Ｆ−１級＞：ドイツ海軍護送艦。ベルサイユ条約に適合する小型の艦だが、将来建造する予定だった駆逐艦用の高温高圧缶（ベンソン缶）を搭載した高速艦で、艦隊護衛を主任務とし、機雷敷設や掃海も行える。缶に不調が多く、航続力も短く、10隻の建造に止まった。全長75.94m、幅8.8m、平均吃水2.59m、基準排水量712トン。主機は蒸気タービン、出力14000馬力、速力28ノット。兵装は10.5cm高角砲２門、37mm連装機関砲２基、20mm４連装機関砲１基。1936-37年にF-1、F-2、F-3、F-4、F-5、F-6、F-7、F-8、F-9、F-10の10隻が建造された。後に艦首と船首楼を延長して航洋力を上げている。第２次大戦では艦隊護衛の機会は無く、主に掃海を行い、掃海母艦や艦隊母艦に改造されていった。参考：写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション29

＜Ｆ２＞：Sd.Kfz.9装甲車・先行量産型その２を参照。

＜Ｆ−２＞：F Mk2（カタパルト）またはSS-21（潜水艦）を参照。

＜Ｆ２機関砲シリーズ＞：フランスのGIAT社（後にネクスター社）が開発した20mm機関砲。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜Ｆ２タイプＡ＞：艦載型。マウント重量470kg、俯仰角はマイナス15度からプラス60度。給弾は250発入りボックスマガジンで、APとHEのデュアル・フィード方式である。発射速度毎分720発。初速毎秒1250m（AP）／1050m（HE）、射程6.8-10km。フランス海軍の他、オランダ海軍やモロッコ海軍などで採用された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜Ｍ６２１＞：M621を参照。

　＜Ｍ６９３＞：M693を参照。

＜Ｆ−２護送艦＞：ドイツ海軍F-1級護送艦。1935年4月2日進水。戦後にイギリスに引き渡されて解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ−２支援戦闘機シリーズ＞：航空自衛隊の支援戦闘機。F-1支援戦闘機とT-2練習機の後継として開発された。配備が2000年からなので平成の零戦と呼ばれることもあるが、開発元の技術研究本部や三菱重工は純国産ではなくおこがましいとして認めていない。当初は支援戦闘機飛行隊３個60機、飛行教育飛行隊１個21機、飛行教導隊８機、術科学校２機、予備39機、ブルーインパルス11機の計141機を導入する予定だったが、T-4ブルーが好評だったのですぐにブルーインパルス用が削られて130機になり、機体が高すぎる、性能改善の余裕に欠ける、ミサイル搭載数に限界があるという理由から2004年8月8日に防衛庁が94機（Ａ型62機、Ｂ型32機。プラスＡ型試作機XF-2AとＢ型試作機XF-2Bを２機ずつ）での調達打ち切りを決定、支援戦闘機飛行隊３個（第３・第６・第８飛行隊）と飛行教育飛行隊１個（第21飛行隊）、術科学校及び飛行開発実験団にのみ配備することとなり、飛行教導隊への導入は取り消された。開発費用は3270億円で、１機あたりの価格は1996年で118.8億円、2007年で132億円（F-22Aに次ぐ高額）であり、うち47億円がロッキード・マーチン社の取り分である。最終号機は2011年9月27日に引き渡された。2007年、F-2B戦闘機１機が三菱重工のIRAN開け試験飛行で配線ミスにより墜落して失われた。2009年6月23日、F-2B戦闘機１機が三沢基地に着陸した際に滑走路を逸脱し、前脚が収納状態になってしまい、センタータンクを接地させたまま誘導路を横断して停止した。2010年4月下旬、エンジンを始動した際に主脚が収納されてしまう事故が２件立て続けに起こり、5月上旬まで全機飛行停止にして点検を実施した。原因はそれぞれ脚ハンドルを脚上げ信号出力位置にした状態でエンジンを始動したためと、脚セレクターバルブを脚上げ油路形成状態にしたままエンジンを始動したためだった。8月24日にも松島基地の機体が着陸後に主脚と前脚が収納される事故を起こしたが、こちらは脚ハンドルを完全に下げていなかったことと、脚ハンドル系統の不具合が原因で、脚ハンドルに下げ位置確認用マーキングを施すなどして8月27日に飛行を再開した。2011年3月11日の東日本大震災で松島基地のF-2B戦闘機18機が海水に浸かってしまったが、13機は修復可能で、2018年2月28日に最終号機が引き渡された。2019年2月20日、第６飛行隊F-2B戦闘機１機が訓練中に山口県沖の日本海で墜落して失われた。2020年9月9日、何らかの不具合が発生したらしく、一部の機体が飛行停止となった模様。10月初めに週刊誌が主翼のクラックによるF-2A戦闘機飛行停止と報道したが、実際には飛んでいるF-2Aもあり、原因も空幕では主翼クラックでなくマイナートラブルとしている。10月26日からのキーン・ソード21の際には全国各地からF-2A/Bが那覇基地に展開して訓練に参加した。2030年代から退役する予定。参考：月刊軍事研究12,’00、2,’11、月刊JWings11,’06、12,’06、1,’07、4,’07、4,’10、7,’10、10,’10、11,’10、12,’11、9,’16、3,’19、5,’19、12,'20、1,'21、月刊航空ファン3,’11、6,’11、7,'15、MAMOR vol.91

　＜ＦＳ−Ｘ＞：日本独自開発版。56中業でF-1支援戦闘機後継機24機の調達を決めたが、F-1支援戦闘機の耐用寿命を調べたところ、設計3500時間に対して4050時間まで行けることが判明し、新規開発の時間が稼げるということで1982年7月の国防会議で開発着手が決定した。訓練も実戦も洋上メインということでエンジンは安全を考慮して双発にし、空対艦ミサイル４発を搭載して戦闘行動半径450海里、短距離／中距離空対空ミサイルをそれぞれ2-4発搭載できる支援戦闘機として検討を開始。F-1支援戦闘機が国産だったこと、要求に合致する外国機種が無かったことから、1985年1月に空幕から技術研究本部に国内開発の可否の問い合わせが出され、9月17日に技術研究本部長から空幕長へエンジン（輸入）以外は10年で開発できるという回答が来ている。また、三菱重工や川崎重工なども独自に設計を行い、技本に提案した。三菱重工の案はカナード翼付きの無尾翼デルタ翼双発機で、外側に傾けた双垂直尾翼を持つ。主翼はF-15に似たドックツース付きのもので、翼端に短距離空対空ミサイルを装備可能である。空対艦ミサイルは胴体に搭載する。川崎重工案はF/A-18に似た形状をしていた。12月の安全保障会議で機種選定作業に入ることが決定、61中期防で外国機導入、国内開発、現用機改良の中から選択することにし、外国機としてF-16、F/A-18、トーネードに情報要求を行ったが、対艦ミサイル４発を積めるものは無く、アメリカの２社は共同開発を提案してきた。空自パイロットは事故防止の観点から双発機の希望を出している。日本側は国内開発を進める予定で、アメリカ国防総省側から特に強い反対は無かったというが、アメリカ国務省が日本の航空技術力強化阻止や貿易不均衡（対日赤字500億ドル以上）などを理由に強硬な圧力をかけた。1986年12月26日、安全保障会議でFS-Xの選択肢の「国内開発」を単に「開発」と変更し、共同開発に含みを持たせた。1987年4月11-18日、アメリカ国防総省技術調査団が日本に派遣され、最初の会議では日本に戦闘機の開発技術は無いとし、１週間かけて防衛産業を視察した後には高性能戦闘機開発が極東の脅威になると主張して国内開発に反対した。4月20日にはFS-X民間合同研究会（三菱重工、川崎重工、富士重工、石川島播磨重工、三菱電機）が防衛庁と空幕に国内開発案を提案したが、エンジンはアメリカのものを使用するしかなく（IHIにはマッハ２超を出せるアフターバーナー付エンジンを作る技術が無かった）、国内開発を強行すればエンジン輸出を止められる可能性が高くなったため、1987年6月28日の防衛庁長官・アメリカ国防長官会談で日米共同開発が決定し、独自開発は断念された。7月にはトーネードが蹴られ、10月17日の空将会議、10月21日の参事官会議、10月23日の安全保障会議でF-16Cをベースとすることが決定し、1988年4月1日に航空幕僚監部技術部にFS-X室が設置され、6月3日の防衛庁長官・アメリカ国防長官会議でアメリカの分担比率を35-45%とすることを決定、11月29日に了解覚え書き（MOU）が結ばれ、開発費負担と計画管理は防衛庁が実施、主契約社は三菱重工、協力社はジェネラル・ダイナミクス社（1992年12月からは航空機部門売却先のロッキード社、1995年3月からはマーチン・マリエッタと合併してロッキード・マーチン社）、川崎重工、富士重工で、分担比率は日本を６、アメリカを４とすることなどが決まった。この頃には単発機に対する安全性の不安が解消されていたらしく、空自パイロットからの双発機の希望も無くなっていたという。1989年1月12日、三菱重工とジェネラル・ダイナミクス社が技術ライセンス契約で合意。2月2日、竹下首相とブッシュ大統領がFS-Xについて会談を行う予定だったが、上院議員12名がFS-X共同開発反対の書簡を送ったために流れ、2月14日には議員24名がFS-X共同開発不承認決議案を提出したため、アメリカは再検討会議を行い、フライ・バイ・ワイヤのソースコードを非開示とすると共に、4月28日の書簡で日本側技術をアメリカに全て提供させ、生産段階でのアメリカの仕事分担率を最大限に引き上げるという条件を押しつけた。5月16日のアメリカ上院本会議で共同開発に対する反対決議は賛成47・反対52で否決されFS-X自体が潰される事態は避けられたが、エンジンのライセンス生産が拒否されてしまい、大統領が拒否権を行使して何とかクリア、6月1日にFS-X共同開発計画が自然承認となってアメリカとの共同開発が決まり、独自開発は流れた。とはいえ開発費は全額日本負担で装備するのは日本だけ、技術は日本がアメリカに全て無償提供するのに対してアメリカは日本に有償で限定的に提供する、となっていて、共同開発まがいの不平等開発である。了解覚書に基づいて日米共同の技術運営委員会が設置されたが、アメリカ側委員は調達関係者だけで、技術的な議論は何もせず自国取り分の調整しかしなかったという。5月29日、技術研究本部にFS-X開発室が新設された。三菱重工との設計契約（次期支援戦闘機の研究開発設計その１）締結は1989年3月30日（共同開発でアメリカ議会が揉めていた最中）、エンジン決定は1990年12月21日、FSETが設立されて設計が始まったのは1990年3月30日、FS-Xの試作その１として正式に発注されたのは1991年3月29日、モックアップ審査は1992年5月13-15日、モックアップ公開は1992年6月19日だった。1993年6月1日に飛行開発実験団にFS-X準備室が設置され、1995年3月（1996年？）に飛行開発実験団にF-2開発飛行小隊（C-2フライト）が編成されている。参考：月刊航空情報11,’10、月刊丸12,’10、11,’09、月刊航空ファン3,’11、1,’15、7,’16、月刊軍事研究9,’15、11,’15、10,’17、11,’17、12,’17、3,’18、月刊JWings12,'23、12,’19、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＸＦ−２＞：試作型で、技術研究本部FS-X開発室（通称Ｆ室）が計画を担当し、三菱重工、川崎重工、富士重工、ジェネラル・ダイナミクス社などの技術者からなるFSET（Fighter Support Engineering Team）が実際の設計試作を行い、地上試験機２機（01号機が全機静強度試験用、02号機が全機疲労試験用）と飛行試験機４機（１・２号機が単座、３・４号機が複座）が製作された。当初はFS-X（Fighter Support-eXperimental）という名称で、1996年3月22日に飛行試験初号機が技術研究本部に引き渡された際にXF-2に改称されている。引き渡されるまでに三菱重工で４機計46回の社内飛行を行った。各種計測データをテレメーター及び飛行試験管制装置経由で岐阜基地の飛行試験センターにリアルタイムで送信するシステムを備えている。コクピット左のMFDに操縦桿とラダーペダルに掛けた力をポンド単位で表示させることができる。計器板や座席両側の操作盤には計測機器の操作スイッチ類やランプを増設、オレンジ枠で囲んで区別した。飛行試験初号機と３号機はレーダーが搭載されていない。F-16のデータがあったので、単座型では高仰角試験を省き、キャノピーを大型化した複座型（３号機）でのみ試験を行った。エンジントラブルで墜落する事態に備え、飛行開発実験団Ｃフライト隊長が機体を墜落させても地上に被害が出なさそうな場所を選んで飛行実験群司令の承認を得ている。テストパイロットに対しては、万が一の事態でも必ず生きて帰り経過を報告するように伝えた。当初は1999年3月末までに開発を終える予定だったが、1998年7月27日に1999年12月末まで、1999年8月に2000年3月末まで、1999年12月に2000年6月末まで延長され、1996年4月22日から2000年6月28日までに技本と飛行開発実験団による1170回の飛行を行って技術・実用試験を終え、2000年9月22日の部隊使用承認を受けて試作機の方も単座型がF-2A、複座型がF-2Bに改称された。量産型並の構造寿命を有しており、量産化後もアップグレードなどに伴う各種試験を実施中で、練成訓練やテストパイロットコースの教育にも使用されている。モックアップは初号機の塗装を施されて浜松広報館に展示されている。参考：月刊JWings12,’19

　＜ＸＦ−２（初号機）＞：単座型で、1995年1月12日に完成し、10月7日に初飛行、三菱重工で計13回の社内試験飛行を行い、1996年3月22日に技本に引き渡されてシリアルナンバーが63-0001から63-8501に変更され、3月26日に岐阜基地にフェリーされた。塗装は白が基調で、機体上下面中央、主尾翼端、ドーザルフィン外側面などを赤に塗り、コクピット周辺に防眩の黒を入れている。レーダーは積んでおらず、レドームは灰色で、砲口部は開口しているが機関砲も装備していない。機首に標準ピトー管を装着し（後に通常型に換装）、フラッター、飛行性能、飛行特性、推進系統のテストを行った。その後も先進統合センサ・システムなどの試験に使用されている。2021年7月16日、戦闘機用統合火器管制システム飛行実証機への改修を終え、垂直尾翼付け根フェアリング前部左右に灰色のパネルを装着し、三菱重工で改修後の飛行試験を行った。参考：月刊JWings12,’19、10,’21

　＜ＸＦ−２（２号機）＞：単座型で、1995年12月3日に初飛行し、1996年3月22日に引き渡されてシリアルナンバーが63-0002から63-8502に変更された。塗装は白が基調で、機体上下面中央やドーザルフィン外側面などを青、主尾翼端をオレンジに塗り、コクピット周辺に防眩の黒を入れている。J/APG-1レーダーを積んでおり、レドームは黒に塗った。機関砲は装備しておらず、機首のピトー管は通常型である。試作機４機の中で最も量産型に近い仕様であり、飛行特性、荷重、電子戦装置、任務適合性などのテストを行った。その後もターゲッティング・ポッドなどの試験に投入されている。参考：月刊JWings12,’19

　＜ＸＦ−２（３号機）＞：複座型で、1996年2月21日に初飛行し、1996年8月9日に引き渡されてシリアルナンバーが63-0003から63-8101に変更され、9月24日に岐阜基地にフェリーされた。試験の内容上、空中での機体姿勢を的確に把握する必要があり、基調色は機体上面を白、下面（機首除く）を赤、垂直尾翼右側面を白、左側面を赤に塗り分けた。主翼端上面と水平尾翼端上面に赤が入っているが、垂直尾翼端上面は基調色のままである。機体上面中央は青で、コクピット周辺に防眩の黒を入れており、機首にレーダーが無いので白を基調に上面だけ防眩色の黒とした。UHF/TACANアンテナの後ろにもブレードアンテナが１枚付いており、レドーム先端に通常型ピトー管、胴体尾部にスピンシュート装着マウントを装備する。スピンシュートを装着できる唯一の試作機で、スピンシュートを収容した円筒は支柱４本でドラッグシュート収容部後方に位置させるので、スピンシュート装着時は通常のドラッグシュートは装備しない。また、誤作動への配慮から、スピンシュート装着時は誘導路上でエンジンを始動する。フラッター、高仰角特性、耐候性などのテストを行った。量産開始後は標準ピトー管を付けて各種試験に投入されている。2008-10年頃、UHF/TACANアンテナ後方のブレードアンテナを撤去したが、2017年1月の三菱重工によるIRAN試験飛行時に復活していた。2020年12月7日、三菱重工でIRANに入った。2022年1月26日、IRANを終えて岐阜基地に戻った。参考：月刊JWings12,’19、1,’20、5,’22

　＜ＸＦ−２（４号機）＞：複座型で、1996年5月24日に初飛行し、1996年9月20日に引き渡されてシリアルナンバーが63-0004から63-8102に変更され、10月30日に岐阜基地にフェリーされた。後席には乗員の代わりに計測用機材が載っていて、３号機と異なり前席の１名しか乗れない。塗装は上面が量産型より暗いダークブルー、下面が機外兵装投下時のコントラストを考慮した白で、レドームは灰色。UHF/TACANアンテナの後ろにもブレードアンテナが１枚付いており、レドーム先端に通常型ピトー管、機体両側面前後（エアインテイク直上と垂直尾翼前縁付け根あたり）に兵装投下モニタリング用カメラを装備する。兵装分離、通信・航法・識別、電子戦装置、任務適合性などのテストを行った。2012年4月、UHF/TACANアンテナ後方のブレードアンテナを撤去した。参考：月刊JWings12,’19

＜Ｆ−２Ａ＞：単座型量産機。2000年9月22日に防衛庁長官による部隊使用承認を得て、この名称になった。初号機は1999年10月12日に初飛行して2000年9月25日に引き渡され、10月2日（3日？）に第３航空団臨時F-2飛行隊（2001年3月に第３飛行隊に改編）に配備されている。主任務は、ASM-1/-2空対艦ミサイルを４発搭載し、ソ連軍の上陸部隊に対艦ミサイル飽和攻撃をかけることである。F-16Cブロック40/42が原型だが、空対艦ミサイル４発搭載を可能とするため主翼を再設計し、アメリカから供与されなかったレーダーと飛行制御装置を新開発しており、殆ど新造に近い。機体構成材料重量比はアルミ合金61%、炭素繊維強化プラスチック18%、チタン合金8%、銅3%、その他10%。F-16そのままの主翼だとASM-1のパイロンが前縁フラップにぶつかってしまい、対艦ミサイル４発搭載も無理（ペンギンMk3なら可能だが、ASM-1/-2だとフィンがぶつかる）なため、大幅な改設計を施している。主翼前縁後退角33.2度、25%翼弦後退角25度で、主翼後縁には７度の前進角を付け（これで25%翼弦後退角は25度になった）、翼幅を広げて主翼面積を25%増大（34.84平方メートル）、翼厚比を4.3に増やした。翼スパンを拡大したため、アスペクト比は3.35となり、ステーションは片翼５カ所に増えた。主翼テーパー比0.225、上反角０度、取り付け角０度。前縁フラップと後縁フラッペロンの面積は増加しているが、作動角は前者が上げ３度・下げ30度、後者が上下30度ずつと変わりない。前縁フラップ以外には一体成型炭素繊維強化プラスチック（繊維弾性率１平方ミリメートルあたり30トン、繊維強度１平方ミリメートルあたり0.5トン）を採用しており、主桁（多桁構造）とリブと下面外板をCFRP一体成型で作り、CFRP製上面外板を接合して完成させる。パイロン取り付け金具、翼胴結合金具、翼根桁・翼根リブはチタン合金製、翼端リブはアルミ合金製である。アメリカ側の技術移転要求に応じて、左翼ウイングボックスはロッキード・マーチンが製造を分担している。また、軽量化のため中胴上面、前脚・主脚扉、水平尾翼、前縁と基部以外の垂直尾翼にもCFRPを使用した。胴体は0.49m延長し、レドーム、アビオニクス収容スペース、燃料タンクを拡大している。後部胴体が延びた分、地上での機首上げ姿勢に制限が加わり、F-16よりも離着陸性能が多少悪化した。主翼前縁などに電波吸収材を適用し、電子機器は航空自衛隊用に換装している。推力重量比は良好で、アフターバーナー無しでも空戦訓練が実施できるようになり、１回の離陸で5-6試合（F-15Jでは２試合程度）をこなすことができるという。F-16の飛行制御ソースコードはFSX協議中から非開示の恐れがあったため、結論を待たずT-2CCVのデジタル飛行制御技術を活かした国内開発に踏み切り、技本が見積もった開発期間２年間はF-4EJの運用制限による寿命延長で凌ぐこととした。操縦系統は三重デジタルフライバイワイヤで、バックアップはアナログ式、油圧システムは20.69MPaの２系統。フライバイワイヤは日本航空電子工業とハネウェルの共同開発で、F-16の制御増強（Control Augmentation）、静安定性緩和（Relaxed Static Stability）、機動荷重制御（Maneuver Load Control）に加えて非バンク旋回（Decoupled Yaw）、機動強化（Maneuver Enhancement）の２モードが追加されており、この２モードでカナード翼の機能を代用できたため、開発当初の完成予想図で付いていたエアインテイク下面両側のカナード翼は装備しなかった。フライバイワイヤの制御則は縦CCV、横・方向CCV、オートパイロット、ディグレーデッド、バックアップである。機首にはJ/APG-1フェイズド・アレイ・レーダーを搭載、ステルス性を考慮してアンテナは少し下向きに固定されているらしい。レドーム先端にピトー管、側面に迎え角プローブ、後方側下面にエアデータ・プローブ、レドーム後方の機体上面にヘイゼルダイン製AIFFアンテナ５枚が取り付けられている。アビオニクス関連は国産なので、ソフトウェアを随時改良できるのが利点。エアインテイクを大型化し（F-16Cブロック30以降のラージ・マウスとも形状が違い、F110エンジン専用の高流量インレットらしい）、機体重量増による着陸滑走距離延長を相殺するため垂直尾翼付け根にドラッグシュート（直径7m、収容部・油圧式展張装置含む総重量67kg。着陸時に毎回使う訳では無く、必要時のみ使用）を追加、収容部周囲には統合電子戦システムIEWSのアンテナを付けた。前脚はエアインテイク下面にあり、シングルタイヤ（18×5.7-8）を横倒しにして収容する。GPS航法装置は搭載しておらず、アクティブレーダーホーミング式AAMの搭載能力も無く、統合電子戦システムの機械的妨害はチャフのみで、このあたりF/A-18Eなどに後れをとっていた。電子機器の相互干渉を防ぐため、先進干渉防止装置AIBUを搭載する。コクピットには大型の広視野型HUD（視野20度×30度）を装備しており、計器板はMFD３基（中央に137mm四方１基、左右に108mm四方１基ずつ）によりグラスコクピット化した。各MFDには完全な表示互換性があり、どれかが故障した場合には他のMFDに同じ情報を表示することが可能。HUDとMFDが全て故障した場合には、左MFDの下にある高さ60mm・幅92mmのスタンバイ表示装置から基本飛行状態（機体姿勢、方位、対気速度、気圧高度、昇降速度、迎え角、マッハ数、最大荷重、旋回率、トリム量、気圧設定）を得る。スタンバイ表示装置画面の下方中央には針玉による横滑り計が付いていて、右MFDの左下に機械式スタンバイ姿勢儀を持つ。低高度高速飛行時に鳥と激突する事態を考慮し、パイロット前方にキャノピーフレームを追加して風防とキャノピーを分離、風防部分の耐衝撃性を高めた。キャノピーフレームを姿勢参照点とすることで空間識失調にも陥りにくいが、万が一空間識失調に陥ってしまった場合に備え、自動姿勢回復スイッチを操縦系統に追加した。キャノピーは後方ヒンジで、座席左脇に黄色いロック用パーツがあり、これをロックしないと物理的に邪魔なためスロットルをアフターバーナー位置まで進められない。座席はF-16と同じACES�Uで、F-16より５度浅い25度後方に傾けられており、頭と心臓の垂直方向距離を短縮することによりパイロットの耐Ｇ性を向上させている。緊急脱出の際はキャノピーが投棄されるが、外れなかった場合には座席ヘッドレスト両側の突起（キャノピーブレーカー）で突き破るスルーキャノピー方式の脱出になる。操縦桿もF-16と同様のサイドスティック方式（形状やボタン配置はテストパイロットの意見を取り入れF-16とは違うオリジナル）で、右コンソールに付いており、左コンソールにスロットルレバーがあり、両者ともボタンやノブを計８個ずつ装備していてHOTAS化されている。コクピット内は与圧されていて、機外気圧高度との差を最大8000フィート（2438m）に保つ。機上酸素発生装置を搭載しており、液体酸素ボンベは積んでいない。キャノピー後方の胴体上面にUHF/TACAN用ブレードアンテナ、ドーサルフィン前端にUHF/IFF用ブレードアンテナを持つ。胴体中央左右に引き込み式の主脚があり、主輪はシングルタイヤ（27.75×8.75R145）である。胴体後部はエンジンスペースで、エンジンは1990年6月20日にプラット＆ホイットニー社とジェネラル・エレクトリック社に提案要求を行ってF100-PW-229とF110-GE-129で比較を行い、単位時間当たり事故発生件数（５万時間で１件対37万時間で４件）、重量1.5ポンド（680g）の鳥を吸入した時の推力低下率（23%対7.8%）、エンジン習熟度（旧タイプとの共通部品34%対80%）に優れ、エンジントラブル時にF-15Jと同時に飛行停止処分とならないF110-GE-129を選択した。ライフサイクルコストはF110-GE-129の方が１割高かったが、安全重視としている。ジェット燃料スターターJFSを装備しており、自力でのエンジン始動が可能。エンジンノズル両脇の胴体最後部、水平安定板付け根部分に上下開きのスピードブレーキがあり、閉じた状態では外に向かって下に傾き、水平安定板と面一になっている。水平安定板は全遊動式で、F-16よりも翼スパンを延長すると共に後縁を後ろに下げて増積しており、前縁後退角は緩くなった。F-16で水平安定板端後縁に切り欠きを設けた理由はジェネラル・ダイナミクス社に問い合わせても不明で、開発チームが検討した結果、水平安定板が地面に接触しないためと判断し、F-2でもそれに十分な切り欠きを付けた。下反角８度、可動範囲は上下25度ずつ。水平安定板端にはAIM-7Fの誘導に必要なナル・フィラー／チューニング両アンテナを持つ。垂直安定板も増積された（F-16と同じ？）が、ラダー面積はF-16と同じ。垂直尾翼前縁にHF長距離通信機のアンテナがあり、送受信器は主脚収容部後方に収容する。機体後部下面にドーサルフィン２枚が並列に並んでおり、外側に15度傾けられている。降着装置は前輪式引き込み脚。前脚は引き込み・繰り出し共に油圧アクチュエーター式で、引き込み時は90度捻ってエアダクト下面に収容され、前脚ドアは右舷ヒンジ。主脚は胴体中央下面左右にあり、引き込みは油圧アクチュエーター式で前方やや内側に収容されるが、繰り出しは脚に掛かる重力と風圧のみで油圧は使わない。主脚ドアは外舷ヒンジ。前脚と主脚にWOW（Weight On Wheels）スイッチがあり、脚を降ろして荷重が掛かっていると飛行制御モードが地上モード、脚を降ろして荷重が掛かっていないと離着陸モード、脚を引き込んでいると飛行モードに自動で切り替わり、地上モードでは飛行制御コンピュータによる舵制御を外してパイロットの操作をダイレクトに伝える。兵装ステーションは翼端（Sta.1/11）、主翼下（外側からSta.2/10、Sta.3/9、Sta.4L/8R、Sta.4/8、Sta.5/7）、胴体中心線上（Sta.6）の13カ所。Sta.1/11とSta.2/10はAIM-9LまたはAAM-3専用である。Sta.4L/8RはMk82爆弾３連装ラックTER用で、Sta.4LはSta.3/4と、Sta.8RはSta.8/9と同時に使用できない。Sta.3/9とSta.4/8はBRU-47/Aボムラック内蔵パイロンを介するASM-1/-2空対艦ミサイル／Mk82汎用爆弾／CBU-87/Bクラスター弾／CBLS-200訓練爆弾投下装置搭載ステーションで、パイロンにランチャーを付ければAIM-7Fを積めるが、空対艦フル装備では全ステーションが空対艦ミサイルで塞がれるので、中射程空対空ミサイルは積めない。Sta.5-7は増槽搭載可能なウェットステーションで、Sta.6は増槽専用だが、Sta.5/7にはMk82爆弾３連装ラックTERも積める。Sta.6用の増槽は300ガロン（1136リットル）増槽（零燃料重量160kg、最大重量1040kg）または500ガロン（1893リットル）増槽。Sta.5/7用の増槽はGE社が輸出用オプションとしているF-16用600ガロン（2271リットル）増槽に小改造を加えたもので、サージャント・フレッチャーまたは新明和工業製。荷重制限9G、最大機速マッハ1.6または較正対気速度600ノットまで運用できるコンバットタンクである。地上クリアランスの問題からか増槽尾部をカット、下反角付き安定フィンを小型化して上反角付きにし、前方に移設している。内部には仕切りがあり、大迎え角時に重心が大きく移動して操縦不能に陥る危険性を廃し、370ガロン（1401リットル）／485ガロン（1836リットル）／600ガロン（2271リットル）の選択給油機能も持たせた。また、新明和工業製のものは前後２分割できるので、側面の点検ドアが減らされている。胴体後部下面両側（水平尾翼取り付け部前縁あたり）と垂直尾翼付け根にAN/ALE-47チャフ・フレアディスペンサー計４基を搭載する。緊急時に計器飛行条件でも民間飛行場に降りられるよう、VOR/ILSを装備した。1996年2月の破壊試験及び静強度試験で制限荷重の1.36倍の負荷を掛けたら主翼下面外板が破断したため、アクセス孔の形状変更や主翼下面へのラジアスブロック追加で対応したが、1999年5月の静強度試験でミサイル・増槽搭載形態でのRPO（Rolling Pull Out）を行った際に制限荷重の1.09倍で主翼力骨に亀裂・剥離が生じ、力骨を金具で補強した。1997年8月の遷音速・高動圧域飛行試験では横転時間が設計値を満たさず、翼端荷重と後胴トルクが過大になる不具合が見つかり、翼端ランチャーの取り付け角を変更している。1998年12月、垂直尾翼中舷トルクが過大と判明したため、構造強化を実施。1999年10月、垂直尾翼翼根トルクが過大だったため、舵角制限で対応した。これらを改善するために開発期間が１年３ヶ月伸びている。2002年3月にはJ/APG-1のレーダー探知距離が突然短くなったり、ロックオンが勝手に外れたりする不具合が起き、更に2-3Gの旋回にもかかわらず兵装ステーションに強度以上の力がかかる場合があることが判明、飛行プログラム改善とレーダー改修を行う必要が出たため、実戦配備は2002年夏以降にまでずれ込んだ。それでもなお早産気味で、配備後の不具合も多発していたというが、最初の量産型であるバージョンC1から順次改良が施されていて、2008年現在バージョンC9が生産されており（初期生産型もC6までバージョンアップを完了）、初期不良の問題は解決済みである。ソフトウェアの入れ替えで様々な改良が施せるということで、テストパイロットは「任天堂ジェット」と命名、海外を中心に好評を博したらしい。GBU-38JDAM運用能力追加（2009年度予算から47機分。Sta.3/4/8/9に搭載）とGPS受信機搭載（544号機以降。以前の機体にも後付け。機体上部UHF/TACANブレードアンテナ前方にボタン状GPSアンテナ追加）及び慣性基準装置とのハイブリッド化（2004年度発注分のバージョンC9から標準装備）、J/AAQ-2FLIR搭載改修（2005年度発注分のバージョンC10・547号機以降からエアインテイク右に装備）、AAM-4運用能力追加（定期修理時にJ/APG-1をJ/APG-2に換装、J/ASQ-2にも対応改修を施す。2010年度予算から79機を改修、2013年度から配備）なども行われるが、それに伴い調達価格が上昇し、冷戦終結でコンセプトが実情に合わなくなったこともあって2007年度調達のバージョンC12（計64機、うち試作機２機）で生産が打ち切られることとなった。ただ更なる改良計画は継続されており、三次元高精度方探システム、自衛隊デジタル通信システム（戦闘機搭載用）の研究が開始され、ASM-3も搭載可能となり、AAM-5、HMD、IRSTの装備も検討されるらしい。また、JDAM運用能力とGPS受信機は定期修理の際に2003年度発注分以前の機体にも追加されており、2015年度に全機の改修が完了した。AAM-4運用能力やJ/AAQ-2搭載能力も以前の機体に追加される（2009-10年度予算で47機を改修、以降も継続）。2008年度から導入したGBU-54/BレーザーJDAMも地上からのレーザー照射で運用できるが、本格的な運用を目指して2012年度からLJDAM投下時に地上誘導要員が巻き込まれないセーフティ・ゾーンをコクピットに表示するシステムやミッションコンピュータとストア・マネジメント・コンピュータの能力強化といった研究が行われており、2018年度に完了する。また、F-2自身もターゲッティングが行えるよう、AN/AAQ-33スナイパーXRを2014年度から導入する予定。リンク16は搭載スペースが無いので、JDCS(F)で済ませることにし、2015年度から改修が始まったが、スペースを見つけたらしく、2020年度予算でネットワーク機能の向上に伴う設計費用という名称でリンク16搭載改修経費が計上された。全長15.52m、全幅10.8m／11.13m（翼端ランチャー含む）、全高4.96m、空虚重量9.527トン、最小飛行重量9.9トン、基本飛行総重量12トン、クリーン離陸重量13.549トン、最大離陸重量22.1トン、最大着陸重量12.4トン（降下率毎秒10フィート・3m）／18.3トン（降下率毎秒６フィート・1.8m）。翼面積34.84平方メートル。エンジンはF110-IHI-129ターボファン（F110-GE-129のライセンス生産版。ミリタリー推力17000ポンド・7.7トン・75.6kN、A/B時推力29500ポンド・13.4トン・131.2kN）単発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ２／マッハ1.1（低高度）、実用上昇限度15240m、機内搭載燃料4637リットル（胴体・主翼に燃料タンク計７個）、機内使用可能燃料4589リットル、機外搭載燃料5870リットル（300ガロン増槽１個＋600ガロン増槽２個）、航続距離1500km／4000km（増槽３本フェリー）、戦闘行動半径450海里（空対艦ミサイル４発＋空対空ミサイル２発の対艦攻撃Hi-Lo-Hi）。築城基地から発進すると、韓国領空を突っ切れば平壌まで届く。荷重限界マイナス3Gからプラス9G（基本飛行総重量時）／マイナス1.6Gからプラス4.8G（最大離陸重量時）。固定武装はJM61A1バルカン砲１基。最大機外搭載重量8.025トン以上。乗員１名。2015年度予算で次期味方識別方式への適合化改修予算が１機分付いた。2016年10月19日、三菱重工と空中給油機能改善のための機体改修契約が締結された。12月20日、定期修理の際にコクピット後部のUHF/TACANアンテナを小型化し、エアインテイク下面にブレードアンテナ１枚を追加した機体が確認された。飛行開発実験団に配備されており、空中給油口を照らすフラッドライトとの兼ね合いをみるテストに使用されるようである。その後量産改修が決まり、空中給油機能改善として定期修理ついでの改修を実施中。参考：月刊軍事研究12,’00、1,’04、10,’09、5,’10、10,’13、11,’15、10,’17、12,’17、月刊JWings6,’02、2,’17、9,’17、5,’19、5,’02、11,’04、11,’06、6,’08、3,’09、1,’13、9,’13、6,’14、7,'15、3,’17、2,’20、3,’20、6,'20、7,'20、11,'20、10,'21、2,'22、4,'22、月刊航空ファン11,’92、7,’11、11,’10、6,’02、2,’11、7,’11、11,’11、2,’17、9,’17、月刊丸5,’07、11,’09、12,’10、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｆ−２Ｂ＞：複座型。後席を設けたことにより、コクピット後部の電子機器収納室のスペースが減ったため、IEWS関連機器が一部省略されており、エアインテイク右下とドラッグシュート上（以上低周波数用）、エアインテイク両側とドラッグシュート横（以上中高周波数用）のECMアンテナが無い。後席にはHUDが装備されておらず、前席では中央上部にある統合入力パネルが左下に移されていて、左右にあるMFDが中央に寄せられている。胴体内燃料タンク容量が減ったため、使用可能燃料重量は3.065トンになった。緊急脱出の際はどちらが射出座席を作動させても後席から射出され、１秒以内に前席が続く。複座にした関係でキャノピー後方の胴体上面にあるUHF/TACAN用ブレードアンテナの位置がF-2Aとは違っていて、後席直後の盛り上がった部分に付いているため、その前方にある夜間空中給油の際に給油口を照らすフラッドライトの光が妨げられるという説がある。全長15.52m、全幅11.13m（翼端ランチャー含む）、全高4.96m、空虚重量9.633トン、最大離陸重量22.1トン。翼面積34.84平方メートル。エンジンはF110-IHI-129ターボファン（ミリタリー推力17000ポンド・7.7トン・75.6kN、A/B時推力29500ポンド・13.4トン・131.2kN）単発、最大速度マッハ２、機内燃料容量1043ガロン、航続距離4000km（増槽３本フェリー）。固定武装はJM61A1バルカン砲１基。乗員２名。2000年3月14日に量産型初号機が初飛行し、試作機２機含め34機が配備された。133号機以降にはコクピット後部UHF/TACAN用ブレードアンテナ後方（F-2Aとは逆）にボタン状GPSアンテナを装着してJDAM運用能力を持たせており、以前の機体にも後付け中である。2016年8月3日、定期修理の際にコクピット後部へのGPSアンテナ装着に加え、エアインテイク下面にブレードアンテナ２枚を追加した機体が確認された。11月1日、定期修理の際にコクピット後部UHF/TACAN用ブレードアンテナを小型化し、エアインテイク下面にブレードアンテナ１枚を追加した機体が確認された。飛行開発実験団に配備されており、フラッドライトとの兼ね合いをみるテストに使用されるようである。その後量産改修が決まり、空中給油機能改善として定期修理ついでの改修を実施中。参考：月刊航空ファン7,’11、10,’16、11,’16、月刊JWings6,’01、5,’08、5,’14、7,'15、11,’16、1,’17、4,’17、9,’17、5,’19、2,'22、月刊航空情報11,’10

＜Ｆ−２スーパー改＞：ロッキード・マーチン社が国際航空宇宙展2004で発表したF-2改良型、F-2 Super Kai。航空自衛隊の参考意見を取り入れたプライベート・ベンチャーの改良案である。主翼付け根にF-16E/Fと同様のコンフォーマル・タンクを装備し、エアインテイク右にパンテーラ・ターゲッティング・ポッドを搭載、ドーサルスパインを追加してリンク16を収容する。コクピットはタンデム複座で、後席にミッション員を配置し、ヘルメット照準システムを装備してAIM-9X、AIM-120、JDAM、WCMD、AGM-154JSOW、LGB、レーザーJDAM、AGM-88HARMなどの運用能力を持たせる。1000ポンド級JDAM８発や2000ポンド級JDAM４発などの搭載が可能という。偵察ポッドも運用でき、RF-4Eの後継も兼ねる。エンジンはF110-GE-132に換装して推力を向上させ、レーダーも改良する。採用には至らなかった。参考：月刊JWings7,'22、2,’14、月刊軍事研究12,’04、1,’05

＜Ｆ−２兵装＞

＜空対空＞：両翼端Sta.1/11と両主翼下Sta.2/10に短距離空対空ミサイル（AAM-3/AIM-9L）計４発、両主翼下Sta.3/4/8/9に中距離空対空ミサイル（AIM-7E/-7M/AAM-4）計４発、胴体下Sta.6に300ガロン（1136リットル）増槽１個を搭載する。空対空クリーン（短・中距離空対空ミサイル４発ずつ、増槽無し）では、離陸重量15.711トン、機外搭載品重量2.162トン。2023年3月22日、Sta.1/2/10/11にAAM-5、Sta.3/4/8/9にAAM-4、Sta.5/7に600ガロン増槽をそれぞれ１基ずつ搭載するテストが行われた。参考：月刊JWings1,'23、1,’04、9,’16、6,'23、月刊航空ファン7,’11

＜空対艦＞：両翼端Sta.1/11に短距離空対空ミサイル（AAM-3/AIM-9L）計２発、両主翼下Sta.3/4/8/9にASM-1/-2空対艦ミサイル計４発、両主翼下Sta.5/7に600ガロン（2271リットル）増槽２基を搭載する。ASM-2空対艦ミサイル装備の場合、機外搭載品総重量は6.968トンで、最大搭載重量（8.085トン以上）に比べて余裕がある。離陸重量は20.517トン。戦闘行動半径は450海里で、離陸後に巡航高度で250海里進出し、超低空を510ノットで100海里飛行、マッハ0.9に加速し50海里飛行してミサイルを発射し、反転上昇して巡航高度を帰投する。参考：月刊JWings1,’04、1,'23、11,’04、9,’16、月刊軍事研究10,’05、月刊航空ファン7,’11

＜空対地＞：Mk82を最大18発装着でき、長距離ミッションではSta.4L/8Rに３連装エジェクターラックを介してMk82を計６発、Sta.1/11にAAM-3空対空ミサイルを計２発、Sta.5/7に600ガロン（2271リットル）増槽を計２本搭載する。この時の離陸重量は19.888トン。Mk82を12発と、300ガロン（1136リットル）増槽１基という選択も可能。GBU-38JDAMの場合はSta.4L/8Rに３連装エジェクターラックを装着して６発搭載し、Sta.5/7に600ガロン（2271リットル）増槽を２基、Sta.1/11にAAM-3/AIM-9L空対空ミサイルを２発積む。これで離陸重量19.888トン、機外搭載品総重量6.339トンである。GBU-38JDAMを主翼下Sta.3/4/8/9に単装ラックで計４発積むパターンもあり、主翼下Sta.5/7には増槽計２基、翼端Sta.1/11にはAAM-3/AIM-9L空対空ミサイル計２発を搭載する。BRU-57スマートラック（連装）を使えばGBU-38JDAMをSta.3/9に計４発搭載でき、空いたSta.4/8にはAAM-4空対空ミサイルを積む。エアインテイク右にAN/AAQ-33スナイパー目標指示ポッドを搭載すれば、飛行中に目標のGPS座標をアップデートできる。70mmFFARの場合はSta.4/8に19連装ランチャーJLAU-3を１基ずつ、Sta.1/11にAAM-3空対空ミサイルを１発ずつ、Sta.6に300ガロン増槽を１本積む。参考：月刊JWings11,’04、1,'23、7,’14、9,’16、月刊航空ファン7,’11

＜爆撃訓練＞：Sta.4/8にCBLS-200ディスペンサーを１基ずつ、Sta.6に300ガロン増槽を１本搭載する。参考：月刊JWings1,’23

＜Ｆ．２戦闘機シリーズ＞：イギリス空軍複葉複座戦闘機。ブリストルが当初偵察機として設計し、途中で戦闘機に変更した。5308機（うちF.2Bシリーズ3301機）が生産され、1917-32年に配備されている。アメリカ陸軍航空隊では2000機をライセンス生産する予定だったが、27機のみに終わった。参考：週刊エアクラフトNo.48、図解世界の戦闘機史、月刊JWings5,’23

　＜Ｒ．２Ａ＞：計画型で、ピアドモアエンジン（120馬力）を搭載した複座機として設計された。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｒ．２Ｂ＞：計画型第２号で、エンジンをロールスロイス社製ファルコン（190馬力）に変更している。1916年8月28日にイギリス空軍が原型機の採用を決定、戦闘機として50機が製作されることになった。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｆ．２Ａ＞：最初の量産型で、原型機は1916年9月9日に初飛行した。エンジンはロールスロイス社製ファルコン（190馬力）。武装は前方固定式ヴィッカーズ7.7mm機銃１丁と、後席の旋回式ルイス7.7mm機銃１丁。1917年2月から実戦配備され、4月5日から第１次大戦に投入された。当初は後席の旋回機銃をメインに戦闘を行ったため、戦果が挙がらなかったが、次第に前方固定機銃を主に使用するようになり、改善された。戦後は練習機や海外部隊用として使用されている。また、オーストラリア、カナダ、ベルギー、アイルランド、ギリシャ、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、スペインに輸出された。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｆ．２Ｂ＞：F.2Aの改良型で、主要量産型でもある。胴体上部縦通材を操縦席の後方から下に傾けることで視界を改善し、燃料タンクを増積、ヴィッカーズ7.7mm機銃用弾薬箱を大型化し、下翼フレームを翼型断面にして羽布を張った（F.2Aでは外皮が無かった）。エンジンは当初ロールスロイス社製ファルコン�T（190馬力）だったが、ファルコン�U（220馬力）に換装され、次いでファルコン�V液冷Ｖ型12気筒（275馬力）となった。量産が進むとエンジンが足りなくなり、イスパノスイザ製タイプ16（200馬力）、同タイプ17（300馬力）、サンビームアラブ製タイプ15（200馬力）、RAF4d（200馬力）、ウーズレー製バイパー（180馬力）、シドレー製ピューマ（230馬力）などを装備した。全長7.87m、全幅11.96m、全高2.97m、自重877kg（975kg？）、最大離陸重量1260kg（1474kg？）。最大速度181.8km（198km？）、実用上昇限度5485m、航続時間３時間。武装は前方固定プロペラ同調式ヴィッカーズ7.7mm機銃１丁、後方旋回式ルイス7.7mm単装機銃１丁または後方旋回式ルイス7.7mm連装機銃１基。主翼下に9kg爆弾12発を搭載できる。乗員２名。参考：月刊JWings5,'23、週刊エアクラフトNo.48、図解世界の戦闘機史

　＜Ｆ．２Ｂ　Ｍｋ�U＞：陸軍協同機型。熱帯用冷却装置など砂漠用装備を追加している。1919年12月に初飛行し、435機が生産または改造された。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｆ．２Ｂ　Ｍｋ�V＞：構造強化型で、1926年10月から12月に50機が生産された。また、1927年1-7月には非武装にして複操縦装置を追加した練習機型30機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｆ．２Ｂ　Ｍｋ�W＞：Mk�Vの改良型で、胴体構造と降着装置を強化して全備重量を増やした。また、垂直安定板を拡大し、方向舵を改良、自動隙間翼を装備している。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜Ｆ．２Ｃ＞：F.2Bのエンジン換装型で、サルムソン星型エンジン（200馬力）やABCドラゴンフライ星型エンジン（300馬力）、ベントレーBRエンジン（230馬力）を搭載している。試作のみ。参考：週刊エアクラフトNo.48

＜Ｆ２装甲車＞：クラウス・マッファイ・ヴェクマン社が開発中の装輪装甲車で、フェネックの後継と位置づけられている。キャビンや前後コンポーネントはモジュラー化されており、任務に応じて色々なコンポーネントを装着可能。装甲もモジュラー化されていて、底部は平坦だが、装甲厚を100mmと分厚くして対応した。キャビンには３名並列の座席が用意されていて、操縦手が中央に座る。その後ろは偵察器材やオペレーター用のスペースだが、３名並列の座席を取り付けることも可能。エンジンは車体前後に１基ずつ搭載されていて、片方だけでも走行できる。全長6.342m、全幅2.55m、全高2.1m、戦闘重量15トン。エンジンはディーゼル（200馬力）２基。積載量4.1トン。バリエーションが豊富で、戦闘重量10トンの軽量型、戦闘重量15トンのピックアップ型及び拡張型（天井が高い）、戦闘重量24トンの６輪ピックアップ型及び６輪拡張型などを計画中。参考：月刊軍事研究10,’10

＜Ｆ−２偵察機シリーズ＞：C-45輸送機ファミリーを参照。

＜Ｆ２Ａシリーズ＞：アメリカ海軍艦上戦闘機、別名バッファロー（Buffalo）。1935年のアメリカ海軍次期艦上戦闘機計画に基づいてブリュースター・エアロノーティカル社が1936年から開発した単葉機で、1937年12月2日に初飛行し、当時複葉機として開発されていたF4Fに勝って1939年2月に制式採用された。生産はブリュースター・エアロノーティカル社が考案した都会工場というアイディアに沿って行われ、７階建てのビルを工場に改造して組み立てたが、最初から最終組立治具の上で胴体などを分割せずに組み立てる方法を取ったため、工程ごとにいちいちエレベーターに治具ごと乗せて移動しなければならず、量産向きではなかった。F4F-3の誕生で海軍には160機しか配備されず、他は海兵隊やイギリス空軍極東部隊などに回され、輸出先のフィンランドでは活躍した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、ミリタリーエアクラフト1,’97、図解世界の軍用機史、月刊JWings1,’18、月刊世界の艦船3,’21

　＜Ｆ２Ａ−１＞：最初の量産型。55機が生産され、1939年夏から試験的に運用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings1,’18

　＜Ｆ２Ａ−２＞：エンジンを強化してプロペラを換装、方向舵なども改良したタイプ。全長7.8m、全幅10.7m、全高3.7m、自重2040kg、全備重量3120kg。エンジンはライトR1820-40空冷星型９気筒レシプロ（離昇出力1200馬力）単発、最大速度520km、実用上昇限度10400m、航続距離1630km。固定武装は12.7mm機銃４丁。爆弾90kgを搭載できる。乗員１名。43機が生産されて1940年から引き渡され、1941年に空母に配備された。太平洋戦争開戦に伴い全機海兵隊が使用することになり、1942年6月のミッドウェイ海戦では19機が出撃したが、零戦相手に壊滅してしまった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、ミッドウェー運命の３秒間、図解世界の軍用機史、月刊JWings1,’18

　＜Ｆ２Ａ−３＞：防弾装備を強化したタイプ。全長8.03m、全幅10.7m、全高3.68m、自重2150kg、全備重量3250kg。エンジンはライトR-1821-40（1200馬力）単発、巡航速度415km、最大速度517km、実用上昇限度10100m、航続距離1550km。固定武装は12.7mm機銃４丁。45kg爆弾２発を搭載可能。108機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings1,’18

＜Ｆ２Ａ海外シリーズ＞

　＜Ｆ２Ａ（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍戦闘機。ソ連空軍機相手に奮闘し、空の真珠（タイバーン・ヘルミ）というニックネームを付けられた。参考：図解世界の軍用機史、月刊JWings12,’14

　＜バッファロー＞：イギリス空軍戦闘機。Bf109より性能が悪く、中東や太平洋方面に回したが、零戦や隼相手に壊滅した。参考：月刊JWings1,’18

　＜フム＞：フィンランド空軍戦闘機で、旋風の意。継続戦争時に44機供与されたF2Aをコピー生産したものである。エンジンはソ連から鹵獲したI-16に搭載されていたシュベツォフM63（元々ライト・サイクロンのコピー）に変更し、主翼を木製にして資材を節約した。1942年10月に90機が発注され、初号機は1944年8月に初飛行したが、性能不足で初飛行前の1944年6月には開発中止が決まっていた。参考：月刊軍事研究11,’11

＜Ｆ−２Ａ用機外燃料タンク（６００ＧＡＬ）＞：自衛隊のF-2A用600ガロン（2271リットル）機外増槽。新明和工業製。参考：月刊軍事研究11,’08

＜Ｆ−２Ａ用フライト・シミュレータ機能向上＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｆ−２Ｃ＞：松島基地第21整備小隊所属のモーボバイク（屋根付き３輪スクーター）で、洋上迷彩が施してある。出力５馬力。上昇限度0m、航続距離は松島基地10周。2005年の松島基地航空祭で展示された。参考：月刊JWings11,’05

＜Ｆ２Ｆシリーズ＞：アメリカ海軍複葉艦上戦闘機。グラマン社が開発した。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜ＸＦ２Ｆ−１＞：試作機で、1932年11月2日に発注され、1933年10月18日に初飛行した。胴体は全金属製で、操縦室床下部分が水密区画になっており、不時着水しても浮かんでいることができる。手動ハンドルによる引き込み脚（尾輪や着艦フックも引き込まれる）を持つ。主翼は金属骨組み羽布張り、風防は密閉式。全長8.56m、全幅8.69m、重量1600kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製XR-1535-44ツインワスプジュニア複列星形14気筒ガソリン（625馬力）単発、最大速度369km。固定武装は機首の7.62mm機銃２丁。乗員１名。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜Ｆ２Ｆ−１＞：量産型で、1934年5月17日に発注され、1935年1月19日から55機（うち１機は墜落機の補充）が引き渡された。エンジンはR-1535-78ツインワスプ（離昇出力700馬力、高度2290mで650馬力）単発、最大速度372km、実用上昇限度8260m、燃料容量416リットル、航続距離1600km。乗員１名。CV-2レキシントンのVF-2Bと、CV-4レンジャーのVF-3B、VF-5Bに配備された。参考：週刊エアクラフトNo.97

＜Ｆ２Ｈシリーズ＞：アメリカ海軍双発ジェット艦上戦闘機、別名バンシー（Banshee、泣き女）。アメリカ海軍初の全天候艦上戦闘機で、アメリカで初めて射出座席を使用し、かつ初めてパイロットが生還した機体でもある。1945年からマクダネル社が開発し、1947年1月11日に初飛行した。F2H-2B/-3/-4はMk7/Mk8/Mk12核爆弾運用能力を持つ。1948年から配備され、1951年8月23日からCV-9エセックス搭載VF-172所属F2H-2が朝鮮戦争に参加したが、MiG-15には性能的に勝てず、夜間直衛任務や偵察任務に使用された。参考：月刊JWings6,’03、1,’19、3,'21、世界の傑作機No.39、アメリカの核兵器

　＜Ｆ２Ｈ−１＞：主翼は直線翼で、折り畳み機構を持つ。エンジンは主翼付け根のJ34-22（推力1.369トン）双発、翼端増槽（643.5リットル）を標準装備する。固定武装は機首の20mm機関砲４門。1947年5月から56機が生産された。参考：月刊JWings6,’03

　＜Ｆ２Ｈ−２＞：改良型で、1948年6月に発注された。エンジンをJ34-WE-34（推力1.475トン）に換装、胴体を0.35m延長して燃料搭載量を増やし、航続距離を伸ばしている。Ｐ型含め436機が生産され、1949年8月から配備された。参考：月刊JWings6,’03

　＜Ｆ２Ｈ−３＞：機首にレーダーを装備したもので、全長が2.2m延びた。全長14.48m、全幅12.7m、全高4.42m、自重5.055トン、最大離陸重量11.437トン。エンジンはJ34-WE-36（推力1.542トン）双発、最大速度933km、航続距離2761km。機関砲１門を取り外して空中給油用プローブを装備することもできる。1952年4月から350機が生産され、カナダ海軍も39機を配備した。参考：月刊JWings6,’03

＜Ｆ２Ｈファミリー＞

　＜Ｆ２Ｈ−２Ｐ＞：写真偵察機型。斜め撮影用カメラステーションには24インチ（610mm）レンズを装備できる。朝鮮戦争時には海兵隊所属機のうち10機が空軍隷下に入り、偵察任務に就いた。参考：月刊JWings6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｆ２Ｊ−１＞：ノースアメリカン社の試作艦上戦闘機。アメリカ海軍が1952年8月に要求した超音速昼間艦上戦闘機計画に応募したものである。主翼は高翼配置の後退翼で、最大11度の可変取り付け角機構を持ち、翼端を下に折り畳むことができる。エンジンはJ57単発。F-8に負けて採用されなかった。参考：月刊JWings2,’16

＜Ｆ２Ｍ２＞：スペインのナヴァンティア社がユーロネイヴァル2010で発表した、多任務将来フリゲート・コンセプト。船体は三胴船型で、ステルス形状をとっており、マストを廃止している。船体後部に広い飛行甲板を持ち、ヘリやUAVの搭載が可能で、ヘリ格納庫にはヘリ２機を収容できる。飛行甲板の下はミッション・ベイと呼ばれる区画で、UAV、特殊部隊、UUVなどを収める。全長140m、全幅30m、吃水5m。主機はCODLAG方式、推進はウォータージェット３基、最大速力30ノット以上。兵装は中口径艦砲、VLS、小口径機関砲、対艦ミサイル、魚雷発射管。最大収容人員数150名。参考：月刊軍事研究1,’11

＜Ｆ２Ｒ−２＞：XF2R-1（試作艦上戦闘機）を参照。

＜Ｆ２Ｔ−１＞：P-61シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ２Ｔ２ＥＡ＞：Find, Fix, Track, Target, Engage and Assess（目標探知・目標位置等特定・追尾・ターゲッティング・交戦・評価）の略で、キルチェーンともいう。参考：月刊軍事研究8,’18

＜Ｆ２Ｙ−２＞：YF2Yシリーズ（水上機）を参照。

＜Ｆ２型＞：呂３型（潜水艦）を参照。

＜Ｆ−２ジュニア＞：三沢基地隊員が製作したF-2戦闘機のデフォルメ模型で、ミニバイクに装着して走行できる。全長2m、全幅3m。参考：朝雲

＜Ｆ２タイプＡ＞：F2シリーズ（機関砲）を参照。

＜Ｆ−２航空機スピンシュート用火工品（輸入・その１）＞：自衛隊の火工品。グローバル・ゲイトが受注している。参考：月刊軍事研究6,'17

＜Ｆ−２用２０ｍｍ機関砲システム整備機材（シュート・デリンキング・ローダ）＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜Ｆ−２用２０ｍｍ機関砲用地上給弾装置＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜Ｆ−２用２０ｍｍ機関砲用リンク式地上給弾装置＞：自衛隊のF-2戦闘機用給弾装置。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究2,’09

＜Ｆ−２用画像データ出力装置＞：自衛隊のF-2戦闘機用出力装置。ナックイメージテクノロジー製。参考：月刊軍事研究2,’09

＜Ｆ−２用人体傘＞：自衛隊の機器。ダイセル製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜Ｆ−２用整備器材＞：自衛隊の機器。三菱重工またはGEアビエーション・ディストリビューション・ジャパンまたはサニー・トレーディングが受注している。参考：月刊軍事研究7,’13、12,’13、1,’14

＜Ｆ−２用搭載武器支援器材＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜Ｆ−２用搭載武器支援器材（その１）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｆ−２用搭載武器支援器材（その２）＞：自衛隊の機器。日本飛行機製。参考：月刊軍事研究4,’17

＜Ｆ３＞：Sd.Kfz.9装甲車（量産型）またはSS-22（潜水艦）を参照。

＜Ｆ０３＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦コサック（Cossack）。1938年6月7日竣工。1940年4月13日、ナルヴィク海戦に参加。1941年2月16-17日、ドイツ給油艦アルトマルクからイギリス商船船員を救出（アルトマルク事件）。10月、触雷して沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06、10,’17、11,’17

＜Ｆ０３＞：オーストラリア海軍クイーンボロ級フリゲート、キベロン（Quiberon）。元は1943年にイギリスから貸与されたＱ級駆逐艦G81キベロンで、1957年12月18日にオーストラリア海軍で就役した。1964年6月26日退役。1972年2月、スクラップとして日本の業者に売却された。参考：月刊世界の艦船6,’17

＜Ｆ−３＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年6月進水。1940-41年、艦首と船首楼の延長工事を受け、ハイと改称されて母艦任務に就いた。1945年5月、キール湾で爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ３Ａ−１＞：F4U-1（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−３Ｃ＞：F3H-2N（戦闘機）を参照。

＜Ｆ３Ｄシリーズ＞：アメリカ海軍・海兵隊夜間戦闘機、別名スカイナイト（Skynight）。第２次大戦前に提案されていた艦上ジェット夜間戦闘機開発計画がベースで、ダグラス社が1946年4月3日に原型機製作を開始、1948年3月23日に試作初号機が初飛行し、10月に運用試験を開始した。1949年10月から空母適合試験に入ったが、エンジンの位置が低くて整備が難しい、機体が格納庫に比べ大きすぎる、カタパルト発進準備が面倒、夜間の発着艦が困難（夜間戦闘機なのに）ということで、まずは海兵隊の陸上基地で運用されることになった。朝鮮戦争に参加してB-29の夜間間接護衛を行い、MiG-15戦闘機５機を撃墜している。各型計265機が生産された。1962年にF-10に改称された。ECM機は1969年まで就役しており、ベトナム戦争にも参加した。参考：月刊JWings5,’04、9,’12、9,'20、週刊エアクラフトNo.93、世界の傑作機No.39、月刊丸9,’03、月刊世界の艦艦船3,’21

　＜ＸＦ３Ｄ−１＞：試作型で、３機が発注され、初号機は1948年3月23日に初飛行した。エンジンはウェスティングハウス社製J34-WE-24ターボジェット（推力1.361トン）双発。参考：週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ３Ｄ−１＞：最初の量産型で、試作型のエンジンと電子装備を改良したものである。重く大きなウェスティングハウス製AN/APQ-35レーダーを機首に搭載するため、胴体は太い円形断面をしており、機内に長距離飛行用の大量の燃料を収容する。コクピットは与圧式並列複座で、射出座席を積めなかったので、緊急脱出の際はコクピット後部のトンネルを下方に滑って脱出する。主翼は中翼配置の直線翼で、油圧式の折り畳み機構を持ち、中央付近で上に折り畳める。大きなドーザルフィン付きの垂直尾翼を持ち、中程から水平尾翼が出ている。胴体後部左右にスピードブレーキが付く。機体尾部には追尾警戒装置を内蔵したプラスチックコーンを装備する。胴体下部左右にウエスティングハウス社製J34-WE-32ジェットエンジン（推力1.361トン）を２基搭載するが、出力不足のため、後にJ34-WE-34（推力1.474トン）に換装した。固定武装は機首下の20mm機関砲４門。乗員２名（操縦士、レーダー操作員）。初号機は1950年2月13日に初飛行し、28機が生産され、1951年前半から就役した。朝鮮戦争でアメリカ海軍が最初に戦線に投入したジェット戦闘機であり、1952年11月2日（3日？）にジェット機同士の空戦で初めて撃墜を記録した（相手はYak-15。MiG-15？）。1962年9月にF-10Aと改称された。参考：月刊JWings5,’04、5,'22、週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ３Ｄ−２＞：空母での運用を可能としたもの。発着艦時に尾部を擦らないよう、尾輪付きバンパーを付けた。主翼は折り畳み式で、エルロンとフラップの間で上方に折り畳まれる。自動操縦装置も追加した。エンジンはJ46-WE-3ターボジェット（推力2.087トン）を搭載する予定だったが、開発中止となったため、J34-WE-36を装備している。全長14.9m（13.97m？）、全幅15.24m、全高4.88m、自重8.45トン、総重量12.25トン。エンジンはウエスティングハウス製J34-WE-36ターボジェット（推力1.49トン）双発、巡航速度628km、最大速度855km（909km？）、実用上昇限度11645m、航続距離1931km。固定武装は20mm機関砲４門。1951年2月14日に初号機が初飛行し、237機が生産された。1962年9月にF-10Bと改称された。参考：月刊JWings5,’04、週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ３Ｄ−２Ｍ＞：AIM-7空対空ミサイルを運用できるようにしたもの。F3D-2から16機が改造された。1962年9月にMF-10Bと改称された。参考：週刊エアクラフトNo.93、月刊JWings5,’04

　＜Ｆ３Ｄ−３＞：主翼を後退翼に変更したもの。計画のみ。参考：週刊エアクラフトNo.93

＜Ｆ３Ｄファミリー＞

　＜Ｆ３Ｄ−１Ｍ＞：テストベッド機。AIM-7空対空ミサイルの運用試験機で、F3D-1から12機が改造された。1962年9月にMF-10Aと改称された。参考：週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ３Ｄ−２Ｂ＞：特殊武装実験機型。1952年にF3D-2から１機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ３Ｄ−２Ｑ＞：アメリカ海兵隊の電子偵察機型。機内にジャマー２台を装備し、主翼下にジャマー・ポッドまたはチャフ・ディスペンサーを搭載する。35機が改造された。1962年9月にEF-10Bに改称された。ベトナム戦争に投入され、1965年4月にダナン基地に派遣されている。1966年10月からEA-6Aと交替し、1969年に退役した。参考：月刊軍事研究7,’99、月刊JWings5,’04、11,’21、週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ３Ｄ−２Ｔ＞：練習機型。F3D-2から５機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ３Ｄ−２Ｔ２＞：レーダー操作練習機兼電子戦機型。AN/APG-51A/Bレーダーを搭載しており、コクピットがサイドバイサイドのためRIO（Radar Intercept Officer）の養成にも便利だった。F3D-2から55機が改造された。1962年9月にTF-10Bに改称された。参考：週刊エアクラフトNo.93、世界の傑作機No.1

＜Ｆ３ＥＡＤ＞：調査、決定、完了、活用、分析、配布の略。参考：月刊JWings12,’23

＜Ｆ３Ｆシリーズ＞：アメリカ海軍複葉艦上戦闘機。F2Fの改良型で、グラマン社が開発し、1936年から配備された。参考：週刊エアクラフトNo.97、月刊航空ファン4,’72

　＜ＸＦ３Ｆ−１＞：試作型で、1934年10月15日に発注された。胴体を延長して形状を洗練し、主翼を拡大している。1935年3月20日に初飛行したものの、3月22日に9Gのテストを行う筈が14Gの荷重をかけてしまい、機体は空中分解してパイロットは墜死した。２号機は5月9日に初飛行したが、その後の公開飛行でスピンから離脱できなくなり、墜落して大破した（パイロットはパラシュートで脱出）。大修理で復活した２号機は6月20日に引き渡されて引き続きテストを受け、8月24日に量産型が発注された。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜Ｆ３Ｆ−１＞：量産型。主翼は羽布張り、翼間支柱は金属製である。下翼にのみ２度の上反角が付く。全長7.06m、全幅9.75m、全高2.84m、自重1490kg、全備重量1890kg、最大離陸重量2180kg。エンジンはR1535-84ツインワスプジュニア空冷星型複列14気筒レシプロ（定格出力650馬力）単発、プロペラはハミルトン・スタンダード社製可変ピッチ２翅（直径2.44m）、巡航速度241km、最大速度372km、実用上昇限度8690m、航続距離1600km。固定武装は機首左舷の7.62mm機銃１丁（500発）と機首右舷の12.7mm機銃１丁（200発）。主翼下に52.6kg爆弾Mk�Wを１発ずつ搭載できる。照準器は倍率３倍の望遠照準器で、爆弾もこれで照準する。乗員１名。初号機は1936年1月29日に引き渡され、1936年中に計54機が生産されてCV-4レンジャーのVF-5B、CV-3サラトガのVF-6B、海兵隊のVF-4Mに配備された。参考：週刊エアクラフトNo.97、月刊航空ファン4,’72、図解世界の軍用機史

　＜ＸＦ３Ｆ−２＞：試作エンジン強化型。エンジンをライトXR-1820-22サイクロン（離昇出力950馬力）に換装し、プロペラを直径2.74mの３翅に変更、燃料も増やした。１機が改造され、テストでは最大速度410kmを出し、F3F-2として採用された。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜Ｆ３Ｆ−２＞：XF3F-2の生産型。全長7.06m、全幅9.75m、自重1480kg。エンジンはライトR-1820-22（離昇出力950馬力、高度4630mで750馬力）単発、最大速度418km、実用上昇限度9850m、航続距離1570-1820km。固定武装は機首左舷の7.62mm機銃１丁（500発）と機首右舷の12.7mm機銃１丁（200発）。主翼下に52.6kg爆弾Mk�Wを１発ずつ搭載できる。乗員１名。1937年7月17日から1938年5月までに81機が納入され、CV-6エンタープライズのVF-6、海兵隊のVMF-1とVMF-2に配備された。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜ＸＦ３Ｆ−３＞：試作空力性能改良型。F3F-2のカウリング、風防、前部胴体天井を改修して抗力を減少させ、プロペラを新型に換装した。１機が試作され、F3F-3として採用された。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜Ｆ３Ｆ−３＞：XF3F-3の生産型で、1938年6月21日に発注され、27機が製作された。機首にエンジンがあり、カウリングで覆われていて、機首下面には潤滑油用冷却空気取り入れ口と潤滑油冷却装置が付いている。エンジン隔壁の後ろにはメインタンク（容量314リットル）があり、左右下方には引き込み式の主脚が付く。主脚にはカバーが無いので、引き込まれても車輪外側は剥き出しのままである。メインタンクのすぐ後ろ、主翼付け根部分前方に補助燃料タンク（178リットル）を持つ。その後ろがコクピットで、前方左上方にブローニング7.62mm機銃１丁（500発）、右上方にブローニング12.7mm機銃１丁（200発）を装備する。照準器はMk�VModr望遠照準器。コクピット後部に救命筏が収容され、筏ケース前部はヘッドレストを兼ねる。また、ケースは方向探知器用ループアンテナをくぐって固定されている。座席の後ろには無線機を収容。機体尾部下面には引き込み式の尾輪と着艦フックが付く。主翼は複葉で、下面にMk�]LI爆弾架を介して53kg破砕爆弾Mk�Wを搭載できる。上翼中央にはMk�Z写真銃を装備する。方向舵後縁下部には釣り合いタブがある。水平安定板後縁と垂直安定板後縁は支柱で繋がっている。重量2060kg。エンジンはライトR-1820-22（離昇出力950馬力、高度4630mで750馬力）、プロペラはスタンダード・ハミルトン可変ピッチ３翅、最大速度425km、実用上昇限度10100m、航続距離1580-1850km。CV-5ヨークタウンのVF-5に18機が配備されて残りは予備として陸上に置かれ、1939年12月のVF-5の機種更新に伴い９機がCV-7ワスプのVF-7に転出した。空母に積まれなくなったのは1941年6月20日のことで、海兵隊でも10月10日には実戦部隊を退き、訓練用に回された。参考：週刊エアクラフトNo.97

＜Ｆ３Ｈシリーズ＞：アメリカ海軍ジェット艦上戦闘機、別名デモン（Demon）。1948年5月の要求に応じてマクダネル社が開発した。朝鮮戦争とベトナム戦争の狭間に配備（1956-64年）された機体で、実戦ではあまり活躍していない。エンジン故障と射出座席の不調にも悩まされ、生産された519機のうち133機が事故を起こした。参考：月刊JWings4,’05、2,’11、3,’23

　＜ＸＦ３Ｈ−１＞：機体の外板にはテーパー削り出しアルミ合金を使用しており、主翼後退角は45度。エンジンはウエスティングハウス製J40。固定武装は20mm機関砲４門。1951年8月7日に初飛行し、開発中に朝鮮戦争が起きたため、F3H-1として急遽そのまま生産された。また、戦訓を基に大幅に設計変更したXF3H-1Nが開発されることとなった。参考：月刊JWings4,’05

　＜Ｆ３Ｈ−１＞：XF3H-1の量産型。1951年3月に150機が発注され、後に528機に増やされた。エンジンのJ40が不調だったため、61号機からはJ71に変更されている。参考：月刊JWings4,’05

　＜ＸＦ３Ｈ−１Ｎ＞：全天候戦闘機・CAP機型の試作機。朝鮮戦争でMiG-15に海軍戦闘機が歯が立たなかったので、勝てるようにレーダーを積むなどしたものである。重量増加、エンジン不調、後退角のきつすぎる主翼のため試験飛行中に５機が墜落した。参考：月刊JWings4,’05、月刊航空情報8,’12

　＜Ｆ３Ｈ−２Ｎ＞：XF3H-1Nの量産型。主翼面積を増大させたもので、1955年4月23日に初飛行し、1956年3月から配備された。主翼は折り畳みが可能で、前縁にはフェンスが１つとバリアフックが３つ付いており、部隊配備後にはフラップ前方にスポイラーを追加した。機体後端は扁平のビーバーテイル型で、後に短縮されている。エアインテイクはコクピットのすぐ横にあり、境界層をそのまま吸い込む構造である。武装は機首の20mm機関砲４門だが、発射ガスを吸い込んでエンジンが止まってしまうため、後に外側の２門を外した。胴体下に増槽を並列装備可能だが、２つ付けると抗力で逆に航続距離が短くなるので、片方しか付けない。生産途中から右エアインテイク上に空中給油受油プローブを装備した。全長18m、全幅10.8m、全高4.4m、自重9.656トン、全備重量15.377トン。エンジンはアリソン製J71-A-2E（ミリタリー推力4.4トン、A/B時推力6.532トン）単発、最大速度1152km、実用上昇限度13000m、航続距離2537km。固定武装は20mm機関砲４門。AIM-9空対空ミサイル２発または爆弾6000ポンド（2722kg）を搭載できる。乗員１名。1962年にF-3Cに改称された。参考：月刊JWings4,’05、2,’11

　＜Ｆ３Ｈ−２Ｍ＞：F3H-2NのレーダーをAN/APG-51Aに換装し、AIM-7Aスパローを搭載可能としたもの。1962年にMF-3Bに改称された。参考：月刊JWings4,’05

　＜Ｆ３Ｈ−Ｇ＞：エンジンをライト製J65双発に換装したタイプで、最大速度マッハ1.52。1952年のアメリカ海軍超音速艦上戦闘機に応募したが、採用されなかった。参考：月刊航空情報8,’02

　＜Ｆ３Ｈ−Ｈ＞：エンジンをGE製J79双発に換装したタイプで、最大速度マッハ1.97。1952年のアメリカ海軍超音速艦上戦闘機に応募したが、採用されなかった。参考：月刊航空情報8,’02

＜Ｆ３−ＩＨＩ−３０シリーズ＞：航空自衛隊T-4練習機用ターボファンエンジン。防衛庁技術研究本部第３研究所と石川島播磨重工が開発し、1984年9月16日に飛行前定格試験エンジンと認定試験エンジンが技術研究本部に納入され、2002年までに559基が生産された。2019年4月2日、三沢基地所属機が離陸直後に右エンジン異常を起こしたため、調査したところ、エンジン内部が損傷しエンジン部品が折損していた。IHIの更なる調査で、パーツ交換が必要となり、交換が終わるまでT-4練習機の飛行停止処分が執られている。参考：月刊航空情報3,’10、月刊軍事研究9,’17、10,’17、月刊JWings7,’19

　＜ＸＦ３−１＞：試作型で、1974年から開発され、1975年に１基が製作された。圧縮機は軸流式で低圧１段・高圧５段、燃焼室はアニュラー式、タービンは高圧１段・低圧１段、タービン入口部温度940℃。試験用なのでタービン冷却装置は無い。重量0.4トン。地上静止推力1.2トン。参考：月刊航空情報3,’10

　＜ＸＦ−３−２０＞：1978年に製作された改良型。小型軽量化し、タービン入口部温度を1050℃に上げてタービン冷却装置を追加した。推力1.6トン。参考：月刊JWings8,’19、月刊航空情報3,’10

　＜ＸＦ−３−３０＞：1981年からテストされた改良型で、1982年10月29日にT-4のエンジンとして採用された。参考：月刊航空情報3,’10

　＜Ｆ３−ＩＨＩ−３０＞：量産型。ファン、ガスジェネレーター、低圧タービン、バイパスダクト、アクセサリーの５つのモジュールで構成されており、不具合を起こした場合にはモジュールごと交換すれば済む。低圧圧縮機は２段で、インレットガイドベーンは無く、ステーターはアルミ合金製、ブレードはチタン合金製。高圧圧縮機は５段で、ステーターはニッケル合金製、ブレードはチタン合金製。燃焼室はアニュラー式12個、燃焼温度1050℃。高圧タービンはニッケル合金精密鋳造製で、ノズルガイドベーン（ブレード52枚）と動翼１段（ブレード70枚）からなり、動翼にはブレード内にブリードエアを通す冷却機構を持っていて、高圧圧縮機を6020軸馬力で駆動する。低圧タービンはニッケル合金精密鋳造製で、２段式、低圧圧縮機を5050軸馬力で駆動する。全長52.9インチ（1.34m）、直径24.8インチ（0.63m）、重量0.34トン。バイパス比0.9、圧縮比11.3、海面高度静止推力16.37kN、高度30000フィート（9144m）・マッハ0.9で6.38kN。参考：月刊航空情報3,’10、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｆ３−ＩＨＩ−３０Ｂ＞：燃焼室に高耐熱材料を適応して燃焼ガスを高温化し、タービンも改良したもの。ファン２段、バイパス比0.9、圧縮機５段、全体圧力比11、タービン３段、最大推力3681ポンド・16kN。全長2.02m、直径0.56m、重量0.34トン。参考：月刊JWings4,’20、月刊航空情報3,’10

　＜ＸＦ３−ＩＨＩ−４００＞：アフターバーナー付き試作型。1985年に再燃エンジンの研究という名称で開発が始まり、ついでに燃焼室を改良してタービンに単結晶材を適用、FADECを追加した。ドライ推力2.1トン、A/B時推力3.4トン。XVN-10二次元推力偏向ノズルを装着しての地上テストも行っている。参考：月刊JWings8,’19、4,’20

＜Ｆ３Ｌ＞：D-188（VTOL）を参照。

＜Ｆ３エンジン用整備器材＞：自衛隊の機器。アイ・エヌ・シー・エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜Ｆ−４＞：P-38ファミリー（偵察機）またはSS-23（潜水艦）を参照。

＜Ｆ−４護送艦＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年7月2日進水。1940年頃、艦首延長工事を実施。戦後にイギリス海軍に引き渡されて解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ４水上機＞：DFWの子会社、トラベミュンデ社が開発した複葉水上機。エンジンはベンツBz�W（200馬力）単発。34機が生産された。参考：航空ファン9,’11

＜Ｆ−４戦闘機シリーズ＞：アメリカ軍戦闘機、別名ファントム�U（Phantom �U）、通称ライノ（Rhino、サイ）またはダブル・アグリー（Double Ugly、複座の不細工）、マスコットキャラはスプーク（SPOOK）。1952年にアメリカ海軍が募集した超音速艦上戦闘機にF3H-GとF3H-Hで応募したがF8Uクルセイダーに負けて採用されず、朝鮮戦争終結で軍からの仕事が無くなったマクダネル社が、1953年にF3Hデモンの改良型（兵器購買法に既存兵器の改良型を自主提案する場合には競争試作をしなくて良いという規定があった）としてアメリカ海軍に提案したのがそもそものきっかけである。全天候単座戦闘機だが、空対空ロケット弾パックによる迎撃、核爆弾運用、複座化、偵察機化も可能というふれ込みで、当時F8UとF11Fという２機種の戦闘機を同時開発していたアメリカ海軍は全天候攻撃機として採用を決定、1954年10月18日に試作機２機がAH-1複座艦上攻撃機（の試作型YAH-1）として発注された。その後、ミサイルを主兵装とする全天候複座戦闘機に要求が変更され、1955年にF4H-1複座全天候戦闘機に改称されている。最初は海軍用の機体としてミサイルのみを装備したが、ベトナム戦争において、同士討ちを防ぐためと政治的理由によりAIM-7スパローの使用を制限されたため、機関砲無しでのドッグファイトを強いられ、MiG-17/-21相手に苦戦、Ｅ型から機関砲を搭載することになった。海軍型は前席にのみ操縦桿があるが、空軍型は後席にも付いており、訓練に使用できる。生産数は偵察型も含めて5195機に達し、アメリカ最多生産ジェット戦闘機の座にあり、最盛期には空軍戦術戦闘飛行隊80個のうち55個をF-4が占めていた。アメリカ以外にも11ヵ国で採用されており、最終生産機は三菱重工小牧南工場で生産された機体である。ベトナム戦争では150機を撃墜し、588機を喪失した。1970年代に海軍海兵隊機はDCV-94A核兵器制御モニター装置を撤去した。1992年1月18日、アメリカ軍で実戦部隊から全機退役した。2016年12月21日、QF-4Eのラストフライトと退役式典が行われ、アメリカ空軍での運用を終了した。この時点で残っていた13機は地上標的になる。参考：F-4ファントム物語、アメリカ空軍の第一線機、ジェット戦闘機、F-16ファイティングファルコン、アメリカの核兵器、月刊航空情報8,’02、8,’12、月刊JWings1,’16、3,’17、6,’19

＜ＹＦ４Ｈ−１＞：試作機で、ブロック１相当。1954年9月に契約時は試作双発単座超音速（マッハ1.5級）艦上攻撃機AH-1という名称だったが、モスクワ軍事パレードなどで登場したソ連新型機に対抗できるよう、海軍の要求がモックアップ完成直後の1955年6月に全天候複座超音速（マッハ２級）艦上戦闘機型に変更されたため、この名称になった。主任務は空母から250海里進出して２時間の戦闘空中哨戒を実施することとされ、スパロー４発を胴体下面の半埋め込み式レールランチャーに搭載する。戦闘行動半径の関係で機内燃料を増やす必要があり、機体は大型化したが、フォレスタル級空母が就役を開始したため許容範囲とされた。機体形状は基本的にF3Hで、エンジンを重心近くに配置し、後方へとテイルブームを延ばして尾翼と重心との距離を取り、必要な安定性や操縦性能を確保する方式である。ただ風洞試験で安定性に問題が見つかり、主翼に上反角を付ける必要が出たが、着艦時の衝撃に耐えられるよう胴体中央セクションにチタン合金を使っていて、再設計が困難だったため、主翼全体に５度の上反角を付ける代わりに外翼のみに12度の上反角を付け、主翼前縁にドッグツースを追加した。全遊動式水平安定板も高迎え角時の効きが悪いという欠点が見つかったため、23.5度の下反角を持たせて解決したが、これらの改造で高迎え角時のアドバース・ヨーという悪癖に悩まされる羽目になってしまった。エアインテイクには可変ランプを装着している。ハードポイントは艦攻時代の11カ所から５カ所に減り、胴体中央と外翼下に増槽、内翼下にスパロー１発またはサイドワインダー２発を装備する。レーダーはAN/APG-72の予定だったが、開発が終わるまではAN/APG-50を積むことにした。エンジンは安価なJ65を採用する意見もあったが、アンダーパワーに泣かされたF3Hの経験を活かして出力第１とし、J79-GE-3A（ミリタリー推力4.355トン、A/B時推力6.715トン）双発としている。コクピットはタンデム複座。２機（５機？）が製作されて1958年5月27日に初飛行した。公式ニックネームとしてファントム�Uが付与されたが、その格好から、「醜いアヒルの子」という通称を付けられている。1959年12月6日、高度30040mの到達記録を作った。1960年9月5日には外周500kmの三角コースで平均速度1958.15kmの速度記録を作り、9月25日には100kmの12角形コースで平均速度2237.31kmの速度記録を達成した。1958年9月1日からのF8U-3とのフライオフ・コンペティションに勝って海軍に採用され、1962年9月には空軍にF-110Aスペクターという名称で10機が引き渡されてテストを受け、F-4Cとして採用された。参考：月刊航空情報8,’02、8,’12、F-4ファントム物語、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings1,’16、10,’19、12,’20

　＜Ｆ−４Ａ＞：ブロック2-5相当。当初はF4H-1だったが、F-4Bと区別するためF4H-1Fに変更され、1962年の名称統一でF-4Aになった。前量産機21機と初期量産機24機（計40機？）がこれにあたり、アメリカ海軍で主に訓練に使用されている。機首にはAN/APQ-72レーダーを搭載しており、初期にはアンテナ直径0.6mだったが、生産19号機から0.81mに大型化したので、レドームと風防を改設計した。胴体下面に半埋め込み式にAIM-7を４発装着できる。エンジン２基は胴体中央に並べられ、慣性モーメントを最小にすると共にロールカップリングを防ぐ。胴体後部は排熱に耐えられるよう、スチールとチタン合金で製作されている。低翼配置の主翼は45度の後退角（前縁後退角は52度）を持つクリップド・デルタ翼で、テーパー比は７分の１、アスペクト比2.79、翼厚比は付け根6.4%／翼端3%、翼幅8.39mの所にあるドッグトゥース部分で油圧により上に折り畳むことができ、ここから外側には12度の上反角が付けてある。主翼前縁に前縁フラップ（主脚付け根前方あたりからドッグトゥース内側に１枚、ドッグトゥース外側から翼端付近に１枚）、後縁内側に後縁フラップ、フラップの外側から主翼折り畳み部内側にかけての後縁にエルロン、後縁フラップ前方にインナースポイラー、エルロン前方にアウタースポイラーがある。主翼前後縁フラップの付け根にはBLC装置が付けられており、エンジンの17段目圧縮機から抽出された空気を吹き付けて揚力を強化する。これにより空母着艦時の対気速度232kmを達成することができた。アレスティングワイヤの負担を少しでも減らすため、着艦の際にはわざと甲板に叩き付けるようにして10ノット減速する。フラップの操作はアップ、ハーフ、ダウンの３つのみで、ハーフにすると前縁が60度・後縁が30度に下がって前縁のみBLCが作動、ダウンにすると後縁も60度まで下がってBLCも作動する。主翼下面にスピードブレーキを持つ。横操縦はスポイラーと下向きにのみ動くエルロンを使用する。垂直尾翼はミッドウェイ級空母の格納庫高さを考慮して低めに抑えている。水平尾翼は全遊動式水平安定板で、スチール及びチタン合金製、主翼よりも低い位置に付けられなかったため、23度の下反角を付けて大迎え角時の縦安定・方向安定を確保した。後部胴体下部と水平尾翼は、ジェット排気に耐えるために主要構造が超合金及びチタンで製作されている。エアインテイクは外部圧縮型二次元エアインテイクで、内側に油圧作動式可変ランプを取り付け、衝撃波を制御して超音速飛行時の十分な吸気を可能とした。可変ランプ表面には細かい孔が開けられており、境界層を吸入して胴体上下に逃がす。コクピットはタンデム複座で、前席にはパイロット、後席にはレーダー迎撃士官が座る。キャノピーは前後別々で、後方ヒンジ式。後席には操縦桿やスロットルは無く、計器板中央には巨大なレーダースコープがあり、状況をインターコムでパイロットに伝えるのがレーダー迎撃士官の役目である。目標をレーダーで捉えたら、その後の機体操作、兵装選択、射撃は全てレーダー迎撃士官がパイロットに指示してその通りに動いてもらう必要があり、乗員同士のチームワーク（クルー・コーディネーション）が重要。燃料タンクは胴体内６個と主翼内２個で、胴体下に600ガロン（2271リットル）増槽１個と主翼下に370ガロン（1401リットル）増槽１個ずつを搭載すれば3370ガロン（12757リットル）の燃料を収容できる。前部胴体右には空中給油受油装置を持つ。機体尾部には頑丈なアレスティング・フックがあり、フラップが降りない状態での緊急着艦に耐えられる。その後ろにはドラッグ・シュートを内蔵する。油圧は３系統で、エルロン、スポイラー、水平尾翼はそれぞれ２系統を組み合わせて使用し、ラダーはユテリティ系統のみ（人力も可能）で操作する。ハードポイントは胴体下１カ所（Sta.5）、主翼下２カ所ずつ（左がSta.1/2、右がSta.8/9）。Sta.3/4/6/7は胴体下面スパロー・レセスである。B28核爆弾はSta.1にMAU-12B/Aラックを介して１発とSta.5にエアロ27/Aラックを介して１発積める。B43核爆弾とB61核爆弾はSta.1/2/8にMAU-12B/Aを介して１発ずつとSta.5にエアロ27/Aラックを介して１発積める。B57核爆弾はSta.2/8にMAU-12B/Aを介して１発ずつとSta.5にエアロ27/Aラックを介して１発積める。降着装置は前輪式で、前輪がダブル、主輪がシングル。エンジンはJ79-GE-2（A/B時推力7.325トン）双発。フェリー航続距離4260km。1960年12月30日から運用された。1961年8月28日、全長3kmのコースを高度100mで飛行する記録部門に挑戦し、平均時速1452.8km（マッハ1.25）の記録を叩き出した。また、高度制限無しの25kmコース（高度差100m以内）では、平均速度2595km（マッハ2.6）を記録した。1961年12月5日、高度20250-20190mで25kmを飛行する高度維持記録を出し、1962年には上昇速度記録を次々と塗り替えている。参考：F-4ファントム物語、世界の軍用機1982、1979、ジェット戦闘機、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報8,’12、月刊軍事研究1,’15、世界の傑作機No.172、月刊JWings12,’20、4,’21、核兵器図鑑

　＜Ｆ−４Ｂ＞：海軍型で、ブロック6-28にあたり、当初はF4H-1という名称だった。最初の実用型で、1961年3月25日に初飛行し、10月から空母（CV-60サラトガが初）に配備され、1962年からは海兵隊航空部隊にも引き渡された。火器管制レーダーはAN/APQ-72、爆撃システムはAJB-3。全長17.77m、全幅11.71m、全高4.95m、自重12.701トン、全備重量20.23トン。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製J79-GE-8ターボジェット（A/B時推力7.711トン）双発、最大速度2390km、航続距離1890km、戦闘航続距離1285km。最大外部搭載量7.527トン。乗員２名。1962年の国防予算書で空軍との機種統一を図ることとなり、1月24日に空軍が２機を借り受けてハイスピード計画の名称でテストを開始、F-4Cとしての採用を決定した。1967年からAN/APR-30レーダー警戒装置を搭載し、垂直尾翼端後縁にアンテナフェアリングを装着。1969年頃から水平尾翼前縁にスラットを追加、着艦性能を向上させた。総生産数649機（650機以上？）。1973年から148機（228機？）がF-4Nに改造された。参考：F-4ファントム物語、月刊JWings12,'20、ジェット戦闘機、週刊エアクラフトNo.49、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報8,’12

　＜Ｆ−４Ｃ＞：空軍型。F-4Bを２機借りてテストしたところ、F-106Aよりもレーダー能力で25%上回り、整備の手間は70%で済み、ペイロードや航続距離も遙かに大きいという結果を出し、500ポンド爆弾22発を積んで爆撃も行えるということで1962年3月にF-110Aの名称で発注し、9月にF-4Cに改称した。レーダーはAN/APQ-100に換装しており、機内のPPIスコープを変更、爆撃システムはAJB-7とし、AN/ASN-48INSを搭載、エンジンは火薬カートリッジ始動装置内蔵のJ79-GE-15を装備する。AIR-2A空対空核ロケット（Sta.2/8に１発ずつ）やAGM-12空対地ミサイルの運用が可能。空中給油受油装置はフライング・ブーム式に変更し、タイヤはアンチスキッドブレーキ付30インチ×11.5インチ（762mm×292mm）幅広に換装してアスファルト滑走路でも着陸できるようにした。これに伴い、主翼正面と脚カバーに膨らみを付けている。カタパルト関連装置は外したが、拘束フックは残してあり、緊急着陸時に使用する。後席にも操縦装置を装備した。1963年5月27日に初飛行し、同年11月20日から1966年5月4日に583機が引き渡された。他にテスト用などとして30機が海軍から移管されている。後に36機がスペイン空軍に供与された。アメリカ空軍三沢基地に展示されている機体はベトナム戦争初のMiG撃墜機で、エアインテイクベーンにMiG-17が描かれている。参考：アメリカ空軍の第一線機、ジェット戦闘機、F-4ファントム物語、月刊丸5,’07、核兵器図鑑

　＜Ｆ−４Ｄ＞：空軍の対地能力強化型で、1964年3月に発注された。レーダーを対地攻撃能力に優れた測距機能付きのAN/APQ-109に換装しており、AN/ASQ-91爆撃コンピュータとAN/ASG-22リードコンピューティングジャイロ（バルカン砲ポッド照準用）を追加している。AIM-4ファルコンに替わりAIM-9サイドワインダーを装備するようになり、機首下部の赤外線ラインスキャナーは外した。また、レーザー・TV誘導爆弾の運用が可能となり、映像用ディスプレイをコクピットに追加した。INSはAN/ASN-63に、航法コンピュータはAN/ASN-46Aに換装しており、一部の機体はLORAN航法システム用受信アンテナを追加している。後席後部には電子装備室を追加し、冷却システムを搭載、発電機を30kVAに強化した。全長17.76m、全幅11.71m、全高5.01m、自重12.9トン、運用自重13.55トン、総重量19.1トン（クリーン）／20.95トン（AIM-7を４発とAIM-9を４発）、最大離陸重量25.4トン。エンジンはJ79-GE-15（ミリタリー推力4.91トン、A/B時推力7.48トン）双発、最大速度マッハ2.0-2.1、実用上昇限度17080m、機内燃料容量7150リットル、増槽は胴体下2380リットル１本＋主翼下1400リットル２本、航続距離2000-2200海里。B-28RE/-43/-57/-61核爆弾３発を搭載可能。乗員２名。1965年5月に原型が、12月8日に生産型が初飛行し、1966年3月10日から引き渡され、イラン空軍用の32機を含めて825機が生産された。また、後に36機が韓国空軍に引き渡された。参考：アメリカ空軍の第一線機、ジェット戦闘機、F-4ファントム物語、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ＹＦ−４Ｅ＞：通称F-4TSF。YRF-4C初号機を改造してバルカン砲を搭載したもので、1966年2月に初飛行した。後にテスト任務に就き、スラット、フライバイワイヤ、CCVなどの研究を行っている。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−４Ｅ＞：空軍向け。ベトナム戦争で対地掃射用に搭載したSUU-16/Aガンポッドの性能がイマイチで、センターパイロンSta.5が潰れるため600ガロン増槽も積めなくなるのと、空対空ミサイルの命中率が極度に悪かったため、M61A1バルカン砲（560発）を追加したもので、1963年10月に戦術航空コマンドがマクダネル・ダグラス社に開発要求を出した。当初はAIM-7ベイに1200発入りガンパックを装備する予定だったが、緊急用ラムエアタービンが出せなくなるため、レーダーを小型化して機首下部に搭載した。空対空戦闘はAN/APQ-80コンバットツリーでレーダー探知性能が高いF-4Dを主力としたため、バルカン砲は対地掃射を主任務に据えて軸線は僅かに下を向いている（迷彩塗装もグリーンとタンのベトナム迷彩だった）。これに伴い重心が前方に移り、尾翼下面の失速により引き起こしができなくなる恐れが生じたため、水平尾翼にスラットを装着した。重量増に対応してエンジンを強化すると共に主翼折り畳み機構の油圧を廃止して人力に変更、頭下げによる離陸困難を防ぐため主翼内側のスラットを固定式にしている。レーダーはAN/APQ-109を予定していたが信頼性の問題でAN/APQ-120に換装し、機関砲照準のためAN/ASG-26A光学照準器を搭載しており、自前のジャイロとコンピュータでレーダー故障時でも独立して使用可能である。胴体内には第７燃料タンクが追加された。AN/ASN-63慣性航法装置とAN/ASN-46A航法計算機を搭載、航法誤差は１時間で５海里以内である。空軍型の機体には左主翼前縁に円筒形の電子光学望遠鏡TISEOが装着されており、後席のレーダースコープもこれに対応した角形のものに変更された。ドッグファイト向けの改造を施したものの、レーダーを壊さないように3G以上の引き起こしを禁じられており、海軍は北ベトナム空軍MiG戦闘機の相手はF-8クルーセイダーに任せていた。兵装ステーションは内翼外側Sta.1/9、内翼内側Sta.2/8、後部スパロー・レセスSta.3/7、前部スパロー・レセスSta.4/6、胴体下面中心線Sta.5。当初は乗員２名双方がパイロットだったが、ベトナム戦争の戦訓で必要性が無いと判断されたのと、経費削減のため、後に後席が兵装システム士官WSOになった。全長18.6m／19.2m（ピトー管含む）、全幅11.71m、全高4.99m、自重13.75トン、運用自重14.48トン、総重量20.15トン（クリーン）／21.33トン（AIM-7を４発とAIM-9を４発）／25.73トン（AIM-7を４発とAIM-9を４発と増槽を３本）、最大離陸重量26.31トン（28.03トン？）。翼面積49.24平方メートル。エンジンはJ79-GE-17A（ミリタリー推力5.38トン、A/B時推力8.12トン）双発、巡航速度マッハ0.85-0.95、最大速度マッハ2.2-2.4（高度11000m）／マッハ1.13（海面高度）、実用上昇限度17650m（クリーン）／15850m（AIM-7を４発とAIM-9を４発）、海面上昇率毎分15100m、燃料容量は機内7540リットル＋胴体下2380リットル増槽１本＋主翼下1400リットル増槽２本、フェリー航続距離2200-2400海里、戦闘行動半径120海里（増槽無し迎撃）／170-300海里（増槽あり迎撃）／250-600海里（対地攻撃）／570海里（AIM-7AAM４発＋450kg爆弾４発＋増槽３本Hi-Lo-Hi）／400海里（同Lo-Lo-Hi）／370海里（450kg爆弾８発＋増槽１本Hi-Lo-Hi）／270海里（同Lo-Lo-Hi）。固定武装は20mmバルカン砲M61A1（638発）１基。AIM-7空対空ミサイル４発、AIM-9など赤外線受動誘導式空対空ミサイル４発、爆弾など6.4トン（7.26トン？）を搭載できる。B28RE/B43/B57/B61核爆弾なら３発を搭載可能。乗員２名。1967年6月30日に量産型初号機が初飛行し、同年10月から1976年12月10日にアメリカ空軍へ949機が引き渡された。他に韓国向け19機、イスラエル向け86機、ギリシャ向け56機、イラン向け177機、トルコ向け40機、空自向け13機、西ドイツ向け10機が生産されている。西ドイツ向けのF-4F生産後、主翼前縁自動スラットが低空でのストールスピンや高迎え角時のアドバース・ヨーに有効であると判明し、既存のF-4Eにもレトロフィットされた。参考：ジェット戦闘機、世界の軍用機1979、空軍、世界航空機年鑑2018-2019、F-15イーグル、アメリカジェット戦闘機、F-4ファントム物語、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings1,’16、10,’19、12,'20、ミリタリー・バランス1989-1990

＜Ｆ−４Ｇ＞：F-4Bに双方向データリンクを搭載したもので、12機が改造された。後にF-4B規格に戻されている。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−４Ｊ＞：アメリカ海軍・海兵隊のF-4B改良型。レーダーをAN/AWG-10パルス・ドップラー式（AN/APQ-59？）に換装し、世界初のルックダウン・シュートダウン能力を持つ戦闘機にしたものである。前縁フラップにもBLCを搭載、水平安定板前縁にスラットを追加して失速速度を引き下げ着艦能力を強化し、エンジンを換装、ECMを追加した。空対空ミサイルの命中率が悪いのはパイロットにも問題があるとしてアメリカ空軍F-4Eのように機関砲は追加せず、NFWSトップガンを創設して猛訓練で補っている。後期型では操縦桿頂部のトリム・ノブ左に兵装選択用トグル・スイッチが増設された。全長17.79m、全幅11.76m、全高4.99m、自重13.5トン、最大総重量26.3トン、最大着艦重量17.24トン。エンジンはJ79-GE-10（ミリタリー推力5.38トン、A/B時推力8.12トン）双発、最大速度マッハ2.2-2.4。1965年6月4日に試作初号機（F-4Bからの改造）が初飛行し、量産初号機は1966年5月27日に初飛行、1967年から522機が生産された。ちなみにF-4Hが無いのは、F-4の旧称であるF4Hシリーズと紛らわしいため。参考：世界の軍用機1979、F-4ファントム物語、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報8,’12、月刊軍事研究6,’15、月刊JWings11,’17、7,’19、12,'20、月刊航空ファン11,’19

　＜Ｆ−４Ｎ＞：アメリカ海軍のF-4B電子装備改良・機体寿命延長型。水平安定板をF-4Jと同じスラット装着型とし、AN/ALQ-126ECMを追加してエアインテイク側面にアンテナフェアリングを装備した。操縦桿はF-4J後期型と同じ兵装選択用トグル・スイッチ付きとなっている。試改修初号機は1972年6月4日に初飛行した。ベトナム戦争であまり酷使されなかった機体を選び、1973年にビー・ライン計画の名称で実施されたが、この改装を受けたのはF-4B629機中148機（228機？）のみである。参考：F-4ファントム物語、世界の軍用機1979、月刊軍事研究6,’15、月刊JWings12,'20、1,’16

　＜Ｆ−４Ｓ＞：アメリカ海軍のF-4J機体寿命延長型。エンジンを無煙型に変更し、主翼前縁スラットを採用、スピンに入りやすいという飛行特性上の欠点を無くす改良を施した。機体構造や降着装置を強化して寿命を延ばし、ついでにレーダーなどアビオニクスも改修、尾翼などに編隊灯を追加している。改修初号機は1977年7月22日に初飛行したが、前縁スラットの装着は1979年11月からにずれこみ、1978-84年に260機（265機？）が改造された。参考：F-4ファントム物語、月刊JWings1,’16、11,’17、12,’20

　＜Ｆ−４Ｔ＞：マクダネル・ダグラス社が独自提案した防空戦闘機型。F-4Eの対地装備を廃止して新型コンピュータを搭載している。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−４ＴＳＦ＞：YF-4Eを参照。

　＜Ｆ−４（改良型）＞：マクダネル社の改良案。エンジンをJ79-GE-17Hに換装し、胴体中央側面にコンフォーマルタンクを搭載、AN/APG-65レーダーとHUDを装備し、風防を一体整形にして視界を改善する。採用されず。参考：F-4ファントム物語

　＜スーパー・ファントム＞：ボーイング社の改良案。エンジンをPW1120に変更し、機体下面に容量4164リットルのコンフォーマルタンクを装着、これの前部に20mm機関砲、後部にチャフ・フレアディスペンサーを収容する。レーダーはAN/APG-66に換装し、F-16と同様のHUDを装備する。採用されず。参考：F-4ファントム物語

＜Ｆ−４ファミリー＞

　＜ＤＦ−４Ｊ＞：ドローン操縦機、別名フォックス。参考：F-4ファントム物語

＜ＥＦ−４Ｂ＞：海軍向けECM訓練機で、F-4Bから１機が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜ＥＦ−４Ｃ＞：F-4Cワイルドウィーズル�Wを参照。

　＜Ｆ−４Ｂ（６２−１２２００号機）＞：海軍向けとして1962会計年度に発注されたF-4Bで、途中で空軍の予算が付いてF-4Cとなり、結局RF-4Cの原型機（機首空力実験機）としてロールアウトした。テストを終えた後はF-4Eの原型機となり、カメラ搭載スペースに機関砲を積んで空力テストと射撃テストを実施。その後は方向舵の新素材実験機として改造を受けた。更に「アジャイル・イーグル計画」の名称で前縁スラットを装着、飛行テストを行い、その後フライ・バイ・ワイヤと前方カナード翼のテストを実施した。1979年1月に一連の任務を終了、オハイオ州ライトパターソンのアメリカ空軍博物館に展示されている。参考：F-4ファントム物語

　＜Ｆ−４Ｃワイルドウィーズル�W＞：SEAD専用機で、EF-4Cともいう。1966年から開発する予定だったが、1968年6月に遅れ、1969年10月からベトナム戦争で使用された。F-4CにAN/APR-35レーダーホーミング警報と発射警報受信機を搭載、ジャミングポッドも装備して生残性を高め、AGM-45シュライクやAGM-78スタンダードなどの対レーダーミサイルを運用して任務にあたった。F-105ワイルドウィーズルよりも使い勝手は悪かったが、低空性能に優れていた。後にレーダー警報をAN/ALR-53に換装した。参考：月刊軍事研究2,’03、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings12,'20

　＜Ｆ−４Ｄワイルドウィーズル＞：SEAD型。F-4Cのワイルドウィーズル化が予定よりも遅れたため、F-4DにAN/APS-107を搭載してAGM-78A/B対レーダーミサイルを運用できるようにしたもの。1967-69年に使用され、その後は普通のF-4Dに戻された。1969年7月からAN/APR-38を搭載する計画が始まり、1972年11月27日に試作初号機が初飛行、1975年12月には２号機も初飛行したが、F-4EをベースにしたF-4Gの方が優れていたため、開発中止になった。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−４Ｅ（サンダーバーズ仕様）＞：サンダーバーズ向けアクロバット仕様。F-4Eのバルカン砲、爆撃コンピュータ、FCSの一部を外してバラストを積み、シートベルトをマイナスＧ対応に変更、戦闘用計器を省いた。スモークオイルはスパローのダミーに充填されており、圧力を掛けて機体姿勢に関わらず放出できるようにしてある。操縦桿のトリガーはUHF/VHFラジオボタンに変更されていて、後席の操縦桿は撤去され、INS航法パネルは前席に移され、アフターバーナーは89%で点火するよう改造された。スロット機はリーダー機の排煙を受けるので、垂直尾翼のフィンキャップがファイバー製からスチール製に変更されている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−４Ｇワイルドウィーズル�X＞：アメリカ空軍のSEAD専用機、別名アドバンスド・ワイルドウィーズル。ベトナム戦後の1970年代初めにF-4EベースのAN/APR-38搭載機として開発され、バルカン砲スペースを転用できることや、スラットにより低空でのジンキング性能に優れていることからF-4Dの改造案に勝って採用され、1978-81年に116機が改造されて３個飛行隊に配備された。前縁スラット付きで機動性の高いF-4E後期型をベースに用い、AN/APR-38/-47ELSを搭載、機体に装着した受信アンテナ56個により敵レーダーを全周探知できる。バルカン砲を外してAN/ALQ-87FMバラッジ・ジャマーを積んでおり、AN/APR-36レーダー警戒受信機やAN/ALQ-140赤外線逆探知システムも装備する。ピトー管は76mmほど延長された。普段は低空を飛行し、時々ポップアップして高機動を繰り返しつつロックオンされないように敵のレーダー波をキャッチ、再び低空を飛行して分析する。データは後席の電子戦士官のディスプレイに危険度の大きい順に表示される。攻撃準備終了後、再びポップアップしてAGM-45シュライクやAGM-88HARMなどの対レーダーミサイルでレーダー波発信源を攻撃する。運用自重14.97トン、総重量26.2トン（機内燃料満載、増槽３本、AGM-65D空対地ミサイル６発）。固定武装は無い。AGM-45シュライクまたはAGM-78スタンダードなら４発、AGM-65D空対地ミサイルなら６発搭載できる。AGM-88HARM、AIM-7/-9空対空ミサイルも搭載可能。乗員２名。真価を発揮した湾岸戦争ではAGM-88HARMを２発または４発搭載し、胴体下にAN/ALQ-119/-131ジャミングポッドを装着して出撃した。1996年6月に退役した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究4,’03、2,’03、F-4ファントム物語、月刊JWings12,’20

　＜Ｆ−４ＰＡＣＴ＞：試験機型で、制御増強システムとアナログ式フライバイワイヤを搭載し、静安定性緩和技術を取り入れている。1974年に初飛行した。参考：日本の防衛戦力Part8

　＜Ｆ−４ＳＦＣＳ＞：試験機型で、制御増強システムとアナログ式フライバイワイヤを搭載している。1970年に初飛行した。参考：日本の防衛戦力Part8

　＜Ｆ−４ＴＳＦ＞：試験機型で、YRF-4Cの初号機が改造され、前縁スラット、フライバイワイヤ、CCVの研究に使用された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＱＦ−４シリーズ（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍のフルスケール空中標的。QF-4B、QF-4N、QF-4Sがある。2004年に最後の機体（QF-4S）が退役し、その後はアメリカ空軍のQF-4を海軍予算で発注している。参考：月刊航空ファン3,’17

　＜ＱＦ−４シリーズ（アメリカ空軍）＞：アメリカ空軍のフルスケール空中標的、通称リモーテッド・ライノ。主翼端、水平尾翼端、垂直尾翼をデイグロ（蛍光レッドオレンジ）で塗り潰して視認性を高くしており、レッドテイル・ライノという通称もある。一旦退役して第309空軍航空宇宙整備再生群に保管していた機体を改造したもので、AF-101から始まる番号が付与されていて、機首側面ラムエアインテイク部分に記載される。QF-100/QF-106の後継で、トレイコー・フライトシステムズ社が改造を担当し、1991年末から前量産型としてQF-4Eを５機、QF-4Gを２機、QF-4Cを３機製作、1994年からテストに入り、1995-2011年度予算で量産型256機が発注された。他に陸海軍の予算で50機分が発注されている。後継機の開発遅延が懸念されてRF-4Eからの追加改造も検討されたが、QF-16の開発を急ぐことになり、2016年12月21日に退役した。参考：月刊航空ファン3,’17

　＜ＱＦ−４Ｂ＞：アメリカ海軍のフルスケール空中標的型で、QF-106の後継。F-4Bがベースで、機体を赤く塗って機首にアンテナを２本装着、コクピット内にスイッチ多数を追加している。DF-4J誘導母機からの遠隔操縦、パイロットが乗り込んでの通常飛行の両者が可能である。遠隔操縦の際には406-550MHz帯域の20チャンネルの信号を使用し、エンジン・降着装置・フラップの操作から外部搭載物投棄・ドラッグシュート引き出し・記録カメラ作動まで様々な機能を行わせることができる。1998年から44機が改造された。参考：F-4ファントム物語

　＜ＱＦ−４Ｃ＞：アメリカ空軍のフルスケール空中標的型。RF-4Cから偵察装備を外して改造したもので、QRF-4Cとも呼ばれる。70機が改造された。最終号機は2013年11月19日に引き渡され、11月22日にティンダル空軍基地に配備された。参考：月刊航空ファン3,’17、月刊軍事研究6,’14、月刊JWings2,’14

　＜ＱＦ−４Ｅ＞：アメリカ空軍のフルスケール空中標的型。自動飛行制御装置AFCS（Automatic Flight Control System）、ベクトル／ドップラー配点装置VDSS（Vector Doppler Scoring System）、飛行終了システムFTS（Flight Termination System）を搭載しており、機体各所にアンテナやフェアリングが追加されている。無人飛行の際は、事前に自動飛行制御コンピュータAFCC（Automatic Flight Control Computer）に飛行データを入力しておく。地上に試験データなどを送信するコマンド・テレメトリー・システムCTS（Command Telemetry System）を備えており、飛行命令の変更もCTSを介して行う事ができる。飛行制御不能に陥ったら、FTSに指令を送って機体を空中で爆破処分する。地上にはパネルバン改造の標的管制システムTCS（Target Control System）を設置し、滑走路付近からQF-4Eの管制を行う。F-4Eから149機が改造された。2013年11月19日、最終号機が引き渡された。2016年8月17日、最後の無人飛行となるフルスケール空中標的ミッションを実施。F-35A戦闘機AIM-120空対空ミサイル２発の標的となり、撃墜された。8月31日、無人標的機としての最終ミッションを実施。F-35Aの飛行支援を行い、ホロマン空軍基地に帰還した。12月16日、陸自ホーク相手に有人飛行での最終ミッションを実施。12月21日にファイナルフライトが行われて退役した。参考：月刊航空ファン3,’17、12,’16、月刊JWings11,’16、3,’17

　＜ＱＦ−４Ｇ＞：アメリカ空軍のフルスケール空中標的型。F-4Gから97機が改造された。参考：月刊航空ファン3,’17

　＜ＱＦ−４Ｎ＞：アメリカ海軍のフルスケール空中標的型。参考：月刊航空ファン3,’17、月刊JWings7,’01

　＜ＱＦ−４Ｓ＞：アメリカ海軍のフルスケール空中標的型。参考：月刊航空ファン3,’17、月刊JWings7,’01

　＜ＱＲＦ−４Ｃ＞：QF-4Cを参照。

　＜ＲＦ−４Ｂ＞：アメリカ海兵隊偵察機。F-4Bがベースで、機首にAN/APQ-99前方監視レーダー（地形回避・グラウンドマッピング機能付）、前胴後下方にAN/APQ-102側方監視レーダーを搭載し、前部胴体下部のカメラベイにKS-87Bフレーミングカメラ、KA-56EまたはKS-87パノラミックカメラ、KA-91B高々度用パノラミックカメラを装備する。パノラミックカメラには自動現像処理カセットが付いており、着陸後すぐに分析が可能である。カメラは回転マウントに搭載されているため、パイロットが撮影方向を制御することが可能で、操縦席にはLA-313Aビューファインダーがあり、前方カメラの画像を確認することができる。後部胴体には夜間撮影用の照明弾収容スペースが設けられており、M11なら104発、M123なら40発を搭載可能。AN/ASN-56慣性航法装置とHF長距離無線機を装備する。F-4B仕様の初期型、主翼や尾翼などをF-4J仕様にした中期型（前縁スロット付き水平尾翼を持つ）、中期型のエンジンをF-4Sと同じJ79-GE-10Bに換装した後期型がある。全長19.19m、全幅11.7m、全高5m、自重13.29トン、最大離陸重量26.3トン。エンジンはGE製J79-GE-8Bターボジェット（推力7.711トン）またはJ79-GE-10B（推力8.12トン）双発、最大速度マッハ2.17／マッハ1.19（海面高度）、機内燃料最大航続距離3700km、戦闘行動半径1562km、基本任務行動半径846km。1964年11月に発注され、1965年3月12日に初飛行し、46機が配備された。1966年からベトナム戦争に参加している。一部はF-14TARPSを運用できないミッドウェイ級空母などに派遣されて艦上運用された。1990年に退役した。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91、スパイ機、アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究7,’11、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings4,’20

　＜ＲＦ−４Ｃ＞：アメリカ空軍偵察機。RF-101の後継として1962年3月にRF-110Aの名称で採用が決まり、後にRF-4Cに改称された。戦術偵察機として初めて全天候性能を備えている。F-4Cの機首迎撃レーダーを外して小型のAN/APQ-99前方監視レーダー（地形回避機能付）とカメラステーション３カ所を設置しており、機首が細長くなった。搭載カメラは低高度垂直撮影用KA56パノラミックカメラ、高々度パノラマ撮影用KA55またはKA91カメラ、全天候前方撮影用KS87カメラ（KA87？）、KS-72A前方フレーミング・カメラ、T-11マッピング・カメラで、任務に合わせて組み合わせを変える。コクピットにLA-313Aビューファインダーがあり、前方カメラの画像を見ることが可能。垂直尾翼前方両側面にフラッシュカートリッジの射出機が装備されており、M112低空用照明弾104発またはM123高空用照明弾40発を収容、上に向かって射出する。AN/AAS-10AまたはAN/AAS-18またはAN/AAD-18赤外線偵察装置、AN/APD-10またはAN/APQ-102側視機上レーダーの搭載も可能だが、AN/APQ-102搭載時には記録装置がカメラステーションを１つ塞いでしまう。慣性航法装置はAN/ASN-48とAN/ASN-46航法コンピュータである。垂直尾翼両側面には長距離通信用HF無線機の平滑アンテナを装備した。全長19.19m、全幅11.71m、全高5m、自重12.833トン、運用自重14.19トン、基本任務時離陸総重量19.364トン、最大離陸重量26.3トン。エンジンはGE製J79-GE-15（ミリタリー推力4.94トン、A/B時推力7.711トン）双発、最大速度マッハ2.17／マッハ1.19（海面高度）、実用上昇限度17700m、燃料搭載量6730リットル（機内）＋2271リットル（胴体下増槽）＋2801リットル２本（主翼下増槽）、最大航続距離3700km、戦闘行動半径1562km、基本任務行動半径846km。固定武装は無く、FCSやAAM発射装置も外されているが、胴体下面パイロンに核爆弾を装備することは可能で、AN/APQ-99で地形回避飛行を行って核攻撃を行うようだ。乗員２名。1963年8月9日に試作機YRF-4Cが、1964年5月18日に量産機が初飛行し、1964年9月24日から配備された。総生産数505機（503機？試作機１機＋量産機499機？）。少なくとも８機にAN/AVD-2レーザーラインスキャナ、少なくとも20機にAN/ARN-92ロランＤ航法装置が搭載されている。24機にはAN/ALQ-125戦術電子偵察装置が追加され、敵の防空レーダー情報を地上局にリアルタイムで送信できるようになった。また、12機はAN/UPD-8を搭載し、地上局への長距離伝達能力を得た。1965年10月31日にはベトナムに送られ、1967年10月には４個飛行隊が展開していた。1996年（1995年？）に退役した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings1,’03、空軍、軍事分析湾岸戦争、世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91、F-4ファントム物語

　＜ＲＦ−４Ｅ＞：偵察機型。F-4Eの機首にカメラを搭載したもので、改造内容はRF-4Cとほぼ同じだが、慣性航法装置をAN/ASN-63にしてある。全長18.6m／19.2m（ピトー管含む）、全幅11.7m、全高5m、運用自重13.789トン、総重量20.9トン、最大総重量27.670トン。翼面積49.24平方メートル。エンジンはGE製J79-GE-17ミリタリー推力5.38トン、A/B時推力8.12トン）双発、最大速度マッハ2.2-2.4、実用上昇限度17700m、機内燃料最大航続距離3700km、行動半径600海里（2120リットル増槽１本・1400リットル増槽２本のHi-Lo-Hi）。乗員２名。1970年9月15日に初飛行し、全て輸出に回され、イランに16機、西ドイツに88機、イスラエルに12機、トルコに８機、ギリシャに８機、航空自衛隊に14機が配備された。参考：世界の軍用機1979、1982、月刊JWing8,’03、スパイ機、空軍

　＜ＴＦ−４Ａ＞：練習機型。F-4Aの一部を訓練用に転換したものである。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＹＦ−４Ｊ＞：試験機型。F-4Bから３機が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＹＲＦ−４Ｃ＞：RF-4Cの試作型。1962年3月に発注された時にはRF-110Aという名称で、9月に改称された。２機が製作され、1963年8月8日に初飛行している。初号機は後にF-4TSFに改修された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−４海外シリーズ＞

　＜Ｃ．１２＞：F-4C（スペイン空軍）を参照。

　＜Ｆ−４（イラン空軍）＞：イラン空軍戦闘機。F-4D32機とF-4E177機を1967年から導入し、イラン・イラク戦争に投入した。イラン革命でパイロットが処刑・投獄されアメリカからの部品供給は途絶え、イラン・イラク戦争ではイスラエルから部品などの隠密支援を受けたが損耗も大きく、戦後の稼働機は殆ど無いとみられ、イラン・コントラ事件や中国からの部品供給により細々と運用している。参考：月刊JWings12,’20、月刊エアワールド8,’05、F-4ファントム物語

＜Ｆ−４（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機、通称ハヌレ・トッケビ（空の幽霊）。1969-88年にF-4D92機とF-4E103機（新造37機＋アメリカ空軍中古66機）を受領した。F-4Eのうち30機は、AN/AVQ-26ペイブ・タックを搭載しており、AGM-65マーヴェリックやAGM-142ポパイなどの空対地ミサイルを運用できる。F-4Dは2010年6月16日をもって全機退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings10,’10、月刊航空ファン3,’19

　＜Ｆ−４Ｃ（スペイン空軍）＞：スペイン空軍戦闘機、制式名C.12。F-4C戦闘機36機がベトナム戦争後（1971年？）に供与された。大部分はスペインのトレホン空軍基地に駐留していたものである。1978年、J79-GE-15Eエンジンに換装したタイプを４機導入した。後にAN/APQ-172レーダー、慣性基準装置、AN/ALR-44レーダー警戒受信機、ハブクイック無線機、空中給油受油プローブを搭載している。1990年から退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、 F-4ファントム物語、月刊JWings2,’14、4,’14、1,’16

　＜Ｆ−４Ｄ（イラン空軍）＞：イラン空軍戦闘機。1966年にF-4D戦闘機32機の導入を決め、最初の４機は1968年9月8日に到着した。イラン・イスラム革命でアメリカから予備部品の供給が途絶えたが、部品供給・整備工場を自力で作って間に合わせている。イラン・イラク戦争で15機を喪失。残存17機は全機第101戦闘飛行隊に配備してF-4E戦闘機パイロットの訓練に使用した。2019年3月現在で第101戦闘飛行隊に10機が配備されており、引き続き訓練に充てられているが、うち３機には空対地攻撃能力があり、対テロ戦に投入されている。参考：月刊JWings5,’19、7,’15

　＜Ｆ−４Ｄ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。AN/ALR-46ミサイル警報やAN/ALR-53レーダーホーミング警報を装備する。1969年に18機、1972年に18機が供与され、最終的に92機を配備した。参考：月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−４Ｅ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍戦闘機、別名オレフ（Oref、大ガラス）。第３次中東戦争後にフランスがイスラエルへのミラージュ５禁輸措置を発表、対してエジプトにはソ連のMiG-21が軍事顧問団ごと送り込まれ、アラブ連合には960機、シリアには430機のジェット機が輸出された。これにより軍事バランスがアラブ側に傾くことを恐れ、アメリカからのF-4E戦闘機輸入を決定、1969年9月5日から導入し、最終的に204機を配備した。機関砲を30mmDEFAに変更し、パイソンAAM、ガブリエルASM、Luz1テレビ誘導ミサイル、AGM-84Aハープーン空対艦ミサイル、Hobosテレビ誘導爆弾、AGM-45シュライク対レーダーミサイル、AGM-62ウォールアイ空対地ミサイル、AGM-65マーヴェリック空対地ミサイル、HIAC-1長距離斜めカメラ内蔵G-139カメラポッドの運用を可能としている。第４次中東戦争に投入され、MiG-21（一部はソ連空軍パイロットが操縦）を相手に30-40対１のキルレシオを叩き出して圧勝した。27機が撃墜されたが、大半はSAMによる損害である。一部は後にクルナス2000改修を受け、F-4E 2000となった。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings4,’20、12,’20

＜Ｆ−４Ｅ　２０００＞：イスラエル空軍戦闘機、別名クルナス（Kurnass、重槌）。IAI社によるアップグレードを行ったもので、エルタ社製EL/M-2032レーダー（AN/APG-76？）、多機能ディスプレイ、AN/ASX-1電子光学式目標評定システム、兵装投下／航法システム、電子戦機器、MIL-STD-1553Bデータバス、HOTAS、空中給油受油プローブなどを搭載し、ポパイ対地ミサイルの運用が可能である。エアインテイク側面に小型のストレーキを追加した。カナードの追加やエンジン換装も計画されていたが、こちらは中止されている。55機が改造された。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings7,’04、月刊航空ファン1,’98

　＜Ｆ−４Ｅ（イラン空軍）＞：イラン空軍戦闘機。F-4E戦闘機208機を発注し、1971年3月から引き渡されたが、イラン・イスラム革命により177機までで打ち切られた。イラン・イラク戦争ではAGM-65による対地・対艦攻撃も行っている。1990年代に入り、C-801K/C-802A空対艦ミサイルを導入したことに伴い、数機に運用改修を実施した。参考：月刊JWings7,’15

　＜Ｆ−４ドゥーラン計画（イラン空軍）＞：イラン空軍のF-4戦闘機改修計画で、ドゥーランはイラン・イラク戦争で活躍したパイロットの名前。フェーズ１で中国製MFD・アビオニクス・自機防御装置導入と無線機改良を行い、フェーズ２でJ-8戦闘機と同様の兵装システム搭載や国産SARH式空対空ミサイル／R-73E空対空ミサイル／C-801K/C-802A空対艦ミサイル運用改修を実施する。最初の１機は2013年3月に引き渡されており、2020年までにF-4D/E全てを改修する予定。参考：月刊JWings7,’15

　＜Ｆ−４Ｅ（エジプト空軍）＞：エジプト空軍戦闘機。1979年にF-4E戦闘機44機を供与され、1988年に７機が追加され、訓練中に失われた３機分も補充された。AIM-7F、AIM-9、AGM-65の運用能力を持つ。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜Ｆ−４Ｅ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍戦闘機。F-111C就役までの繋ぎとして1970年9月からF-4E戦闘機24機をリースし、1973年1月21日に返納した。ちなみに、うち21機が返納後にF-4Gワイルドウィーズル�X型に改修されている。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜Ｆ−４Ｅ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。制空戦闘機としてF-4E戦闘機を採用し、1977-89年に95機が引き渡され、全機がチェンジュ基地の第17戦術戦闘航空団に配備された。1980年代後半にAN/AVQ-26ペイブ・タックとAGM-142の運用能力が追加されている。参考：月刊軍事研究1,’01、月刊JWings2,’14、月刊航空ファン10,’19

　＜Ｆ−４Ｅ（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍戦闘機。ピース・イカロス�T計画の名称で1971年にF-4E戦闘機36機を発注し、1974年4月5日に初号機がギリシャのアンドラビダ航空基地に到着した。1978-79年にピース・イカロス�U計画で22機、1991年に南東地域条約に基づきインディアナ州航空隊から28機を追加導入し、計84機を装備している。参考：月刊航空ファン4,’17、月刊エアワールド8,’05、月刊JWings2,’14、1,’16

　＜Ｆ−４Ｅ　ＰＩ２０００＞：ギリシャ空軍のF-4E戦闘機改良型で、PIはピース・イカロスの略。F-4E AUP（Avionics Upgrade Program）とも呼ばれる。F-4F ICEと同様の近代化改修を行ったもので、試改修初号機はドイツで1997年8月から改修されて1999年4月28日に初飛行し、2002年11月から2005年10月にギリシャで量産改修が実施され、ピース・イカロス�Tから29機、ピース・イカロス�Uから10機の計39機が改良された。AN/APG-65GYレーダー搭載、AIM-120やライトニング�Uポッドの運用能力付与、エルビット社製ACE-3モジュラー式多任務コンピュータとCPU-143/Aセントラル・エアデータ・コンピュータとGPS統合レーザージャイロINSとHOTASとAN/APX-113AIFF（機首上面ブレードアンテナ４枚。AN/APX-133？）装備、HUD換装とエルビット社製カラーMFD２枚装着、DIAS電子防御装置追加（バルカン砲フェアリング下面、左右エアインテイク後方上面、垂直尾翼先端にアンテナ装備）を行っている。リンク16やIRIS-T運用能力は無い。また、数機がSEAD任務用に改修されており、AN/ASQ-213HTSとAGM-88を装備する。参考：月刊航空ファン4,’17、5,’19、月刊エアワールド8,’05、月刊JWings2,’14、1,’16

　＜Ｆ−４Ｅ（トルコ空軍）＞：トルコ空軍戦闘機。1973年にピース・ダイヤモンド�T計画の名称でF-4E戦闘機40機、1977年に32機を発注。更に1981年と1984年に15機ずつを受け取り、1987年に80機（131機という説もある）の供与を受け、湾岸戦争時に40機を受領した。1995年から近代化改修されている。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜Ｆ−４Ｅ　２０２０＞：トルコ空軍のF-4E戦闘機近代化改修型、別名ターミネーター。F-35導入までの繋ぎとして1994年にIAIが受注し、1995年（1990年代後半？）から改修した。レーダーをエルタ社製EL/M-2032に換装、HUDを新型にし、MIL-STD-1553Bデータバスを搭載、HOTAS採用やエアインテイク側面へのストレーキ追加などを行っている。エルタ社製EL/L-8222ECMポッドを装備可能。54機が改修された。参考：月刊エアワールド8,’05、10,’03、月刊JWings6,’10、11,’18、月刊航空ファン9,’19

　＜Ｆ−４Ｅシムセック＞：トルコ空軍のF-4E戦闘機改修型で、シムセックは稲妻の意。F-4E 2020改修を行わなかった16機が対象で、機体をリニューアルし、アビオニクス、航法装置、秘話通信システム、飛行制御ソフトウェア、ミッションプランニング支援システムを更新する。これにより、2016年まで運用できるようになる。参考：月刊JWings 6,’10

　＜Ｆ−４ＥＪ＞：航空自衛隊戦闘機。F-104Jの後継（F-86Fの後継？）としてF-111、F-5、ミラージュF1、サーブ37、ライトニング、ジャギュア、P-530（F/A-18の原型）、CL-1010-2に勝ってF-4E戦闘機が採用され、1969年から調達された。戦術核攻撃能力を有し、対地攻撃能力にも優れていたため、政治的配慮からDCU-9/A核兵器制御装置、AN/ASQ-91兵器投下管制装置、AN/AJB-7爆撃計算装置、AN/ARW-77ブルパップ制御装置などを取り外し、5010H姿勢方位基準コンピュータやAN/ARR-670バッジシステムデータリンク装置を搭載した。戦果記録カメラはGCIガンカメラに換装している。AN/APR-36/-37レーダー警戒装置はアメリカから輸出許可が下りず、J/APR-2（主翼前縁黒塗り部分に受信機収容）を装備した。空中給油受油装置は残したが、当面は空中給油機の導入予定が無かったので、1975年2月28日に地上給油口への改修指令書が出され、1975-76年度に地上給油用に改修した。アビオニクス冷却とコクピット空調与圧を兼ねる環境制御システムがエンジン出力と連動しているため、アイドリング状態の地上では効きが悪く、コクピット内部が日照で蒸し風呂状態になるため、タキシング中はキャノピーを開けておく（ちなみにF-15Jは効きが良いので閉めっぱなしで良い）。ドラッグシュートはナイロン製で直径4.8m、オレンジと白に塗り分けてある。ドラッグシュート収容部ドアを閉めたままでもシュートが収容されているかどうか確認できるよう、シュートの黄色いタグだけドアから外に出しておく。着陸滑走距離短縮のため、強い横風が吹いている時以外は常に開傘させる。滑走路に雪が積もっている際のタキシング速度は10ノット未満に制限されている。これ以上出すと、急ブレーキを踏んだ際に滑ってしまい、回転したり、誘導路の外に落ちたりするので注意。全長19.2m、全幅11.71m、全高4.98m、自重14.5トン、全備重量25.9トン。エンジンはJ79-GE-17またはJ79-IHI-17（A/B時推力8.120トン）双発、最大速度マッハ2.2、戦闘上昇限度17200m、行動半径100海里（短距離要撃）／450海里（長距離要撃）、航続距離1600海里。離着陸距離750-1000m。固定武装はM61A1機関砲１基。AIM-7とAIM-9を搭載可能。Sta.1に機上集塵器２型を搭載して放射性物質監視に就くこともある。乗員２名（どちらもパイロット）。最初の２機はマクダネル社セントルイス工場で製作され、初号機は1971年1月14日に初飛行し、7月16日に１・２号機を受領、7月25日に２機ともアメリカ空軍パイロットが小牧飛行場にフェリーし、8月から実験航空隊で実用試験に入った。次の11機（８機？）はノックダウン生産され、以降はライセンス生産（最終号機は1981年5月30日受領）された。1972年6月に実用試験を終え、7月31日に防衛庁長官の部隊使用承認を得ている。当初は130機を５個飛行隊に配備する予定だったが、予算の都合で108機４個飛行隊となり、沖縄返還で128機５個飛行隊に増やされ（本当はこの時点で６個にしたかったが複座で２倍必要な乗員の養成が間に合わないので諦めた）、後継機選定の遅れで12機が追加調達され、計140機を６個飛行隊（第301・第302・第303・第304・第305・第306飛行隊）に配備した。導入時の価格は１機あたり20億円、1976年の価格は１機あたり34億3870万円。低速旋回でアドバース・ヨーを起こす癖があり、着陸時の方向修正はラダーのみで行うなど操作が変則的で、慣れるのに苦労したらしい。また、座席がアメリカ人基準の身長180cm対応で作られているため、視界を確保する際には座席を上げたり、ラダーペダルで細かい操作ができるように座席を下げたりと細かい調整が要る。後席のレーダースコープは膝の間に位置しているため、操作中はどうしても前屈みになるが、その最中に高Ｇ機動をかけられるとキツい。当時脅威だったTu-22ブラインダー爆撃機に対抗するため導入されたものの、アラート任務を開始した翌年の1976年にMiG-25の侵入を許してしまった。これは搭載レーダーのルックダウン能力欠如による。140機中90機がF-4EJ改に改良された。導入初号機は実用試験に使われたため、機関砲を外して計測用カメラとデータレコーダーを追加し、機首にシグナルコンディショナー、中央胴体に重心位置加速計、主翼にエアブレーキ位置センサー、翼端に翼端加速センサー、垂直尾翼にラダー舵角センサーを装着しており、実用試験終了後も飛行開発実験団でF-4EJ/EJ改向け新規装備のテスト、他機飛行試験時のチェイサー、練成訓練、TPC教育などに使用された。ちなみに機関砲撤去後に追加した計測用カメラは結局使われず、バラストに換装している。2021年3月17日、飛行開発実験団で0858-0930に２機（初号機301号機、336号機）がF-4EJ改１機（初号機431号機）と共にラストフライトを行い、夕方に運用終了記念式典を実施、運用を終了した。岐阜基地に展示されている。参考：月刊JWings1,’04、11,’06、12,’15、10,’19、12,'20、1,’07、5,’08、9,’10、7,'15、8,’19、11,'20、12,'20、4,'21、6,'21、月刊軍事研究9,’03、11,’04、11,’14、1,’15、2,’15、月刊エアワールド8,’05、自衛隊装備年鑑1996、F-4ファントム物語、月刊丸12,’10、自衛隊兵器カタログ1981、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン3,’13、1,’15、MAMOR vol.91

　＜Ｆ−４ＥＪ改＞：航空自衛隊戦闘機。F-4EJに航空機構造保全プログラムASIPと能力強化改修を施したもので、高価なF-15J/DJを必要数揃えられるか不透明だったため補完戦力として1980年4-6月に調査を開始、1981年3月に運用要求と要求性能が決まり、1982年3月31日に試作を開始、試作初号機は1984年7月17日に初飛行して12月13日に引き渡され、1985年2月15日に航空実験団に配備されて8月まで実用試験、1986年3月まで運用試験が行われ、9月1日に部隊使用承認が下りた。ASIPは機体ごとに使われ方を調べて個別管理する方式のことであり、寿命を2000時間延長して3000時間から5000時間以上とし、運用期間を10年間延ばしている。搭載コンピュータをJ/AYK-1/-2（F-15と同じもの）、レーダーをAN/APG-66J（F-16に搭載されているものの改良型）に変更し、ルックダウン／シュートダウン能力を獲得、ASM-1/-2空対艦ミサイル、AIM-7M空対空ミサイル、AAM-3空対空ミサイル、GCS-1赤外線誘導爆弾の装備を可能とした。また、INSをデジタル式のAN/ARN-101に、航法装置をJ/ASN-4に、レーダー警戒装置をJ/APR-6に換装、AN/ALQ-131ECMポッドとAN/APX-76A味方識別装置を搭載し、カイザー社製ヘッドアップディスプレイを装備している。これに伴い、レドームに避雷索の筋が付き、主翼端と垂直尾翼端後縁にJ/APR-6レーダー警戒装置の半球状フェアリングを装着、主翼前縁の黒塗り部分（J/APR-2用受信機収容）が無くなったのがF-4EJとの識別点である。主翼は前縁後退角52度、アスペクト比2.79。高々度迎撃に必須な超音速ズーム上昇時の抗力が増えるため、主翼前縁スラットにアドバース・ヨー及びストールスピン対策の自動化は施しておらず、F-4EJと同様にラダー操作で器用に旋回していた。対地攻撃能力強化に関して国会で取り上げられたが、もっと強力なF-15Jを導入済みで、大きな問題とはされていない。全長19.2m、全幅11.77m、全高5.02m（5.63m？）、空虚重量13.757トン、最大離陸重量28.03トン。翼面積49.24平方メートル。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製J79-IHI-17Aターボジェット（A/B時推力8.12トン）双発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ2.4、実用上昇限度17650m（18975m？）、機内燃料容量1915ガロン（7249リットル）、航続距離2900km（増槽３基搭載時）／3181km（フェリー）、戦闘行動半径683海里（要撃時。870km？）。固定武装はM61A1（640発）１基。外部兵装類搭載量7.26トン。AIM-9/AAM-3は主翼内舷Sta.2/8のパイロン両側面に１発ずつ計４発、AIM-7は胴体下Sta.3/4/6/7に１発ずつ計４発積める。ASM-1/-2はSta.2/8に１発ずつ計２発搭載可能。Mk82汎用爆弾用３連装エジェクターラックTERまたは６連装エジェクターラックMERはSta.1/2/5/8/9に１基装着できる。CBU-87/Bクラスター弾はSta.2/8に２発ずつとSta.5に４発搭載可能。LAU-3ロケットポッドはSta.2/8に３基ずつ、RL-4ロケットポッドはSta.1/2/8/9に１基ずつ装備できる。AN/ALQ-131ECMポッドはSta.2/4に１基ずつ搭載可能（反対側Sta.に搭載した姿は確認されていない）。610ガロン（2309リットル）増槽は胴体下面中心線Sta.5に１基、370ガロン（1401リットル）増槽は主翼外側Sta.1/9に１基ずつ搭載可能。CBLS-200訓練用ディスペンサーはSta.2/8に１基ずつ積む。A/A-37U-15ダートターゲットはSta.1、A/A-47U-3ターゲットシステムはSta.5、JAQ-1新型水上標的はSta.5、J/AQM-1自律型標的はSta2/8に搭載できる。AGTS曳航標的装置はSta.9、機上集塵器２型はSta.1、ASM-2B用CFTポッドはSta.8に積んでいるのが確認されているが、反対側Staに積めるかは不明。トラベルポッドはSta.2/8に１基ずつ搭載可能。乗員２名（どちらもパイロット）。90機（89機？）が改修され、量産機は1989年11月27日から第301・第302・第306飛行隊に配備された。F-2の開発遅れに伴い、1990年12月の中期防でF-1の減耗補充にF-4EJ改を充てることになり、第８飛行隊が1997年からF-4EJ改飛行隊になった。対艦攻撃用に青色ベースの洋上迷彩を施され、ASIPによる寿命延長とASM-1/2搭載改修で遺憾なく威力を発揮、F-1退役からF-2配備完了までの隙間を埋めている。後にセンターパイロン用610ガロン（2309リットル）増槽をＧ制限の緩いF-15Jと同じタイプに換装した。2007年11月28日に退役が始まったが、2009年以降は配備部隊を百里基地に集めて整備体制を強化、後継機F-Xの選定遅れ（2011年末になって漸くF-35Aに決定）もカバーし、完全退役直前に発生したF-2戦闘機一部飛行停止にも対応してスクランブル任務に就いた。2020年12月10日、最後の実戦飛行隊である第301飛行隊がラストフライトを行った。2021年3月17日、飛行開発実験団で0858-0930に１機（初号機431号機）がF-4EJ２機（初号機301号機、336号機）と共にラストフライトを行い、夕方に運用終了記念式典を実施、運用を終了した。千歳基地、三沢航空科学館、茨城空港、百里基地、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館（431号機。2023年2月18日搬入）、小松基地、福岡県築上町物産館メタセの杜（2021年6月27日搬入）、新田原基地、那覇基地に展示されている。2021年から空自浜松広報館に最終号機（140機目）が展示予定。他に美保基地と築城基地にも展示予定である。参考：月刊JWings1,’04、5,’19、12,’15、6,’17、10,’19、12,'20、6,’02、2,’14、6,’06、11,’06、12,’06、3,’09、11,’09、7,'15、10,’17、2,’20、1,'21、2,'21、3,’21、4,'21、6,'21、10,'21、5,'23、月刊航空ファン9,’02、1,’15、10,’18、月刊エアワールド8,’05、世界軍用機年鑑1990-91、朝雲

　＜Ｆ−４Ｆ（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍戦闘機。制空任務型で、1971年にF-104Gの後継として採用した。F-4Eの簡易単座型で、NATO軍がドイツに科した制限に基づいてAIM-7搭載能力を省き、胴体内No7燃料タンクと空中給油受油装置を外して航続力を下げている。マッハ1.2・高度4000フィート／1200mでのハンドリング向上のため主翼に前縁スラットを装着し、対地攻撃用アビオニクスを撤去して電子戦装備を簡潔なものに変更、軽量化のため境界層制御システムとBLC装置を廃止し、エンジンをJ79-MTU-17Aに換装した。レドームが黒く塗られているのが特徴である。AN/APQ-120の能力に限界があり、迎撃管制官からの指示は音声のみでレーダースコープには表示されず、レーダー画面もF-104GのナサールF15Aの方がマシというレベルだったらしい。1976年4月から175機を輸入した。1980-83年、空中給油受油装置の再装備、AIM-9L・AGM-65搭載能力付加、AN/ALQ-131及びチャフ・フレアディスペンサー装備を行った。後にF-4F ICEに改修された。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings9,’00、4,'21、11,'22、世界の軍用機1979、F-4ファントム物語、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン11,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−４Ｆ　ＩＣＥ＞：ドイツ空軍戦闘機。F-4F近代化改修型で、ICEはImproved Combat Efficiency（空戦能力向上改修型）の略である。レドームは灰色に塗られている。1982年に第１段階の改修が開始され、ハニウェル社製H-423レーザージャイロINS、MIL-STD-1553Bデータバス、AN/ALR-68(V)2を装備し、エアデータ・コンピュータをGECアビオニクス社製CPU-143/Aデジタル式に換装した。第２段階として、レーダーをAN/APG-65GYに換装し、AIM-120（翼下パイロンや胴体下半埋め込み式エジェクターラックに装備）を使用可能としている。迎撃管制官からの目標情報をレーダースコープに反映させる事ができ、複数目標に対処できるようになった。1989年に初飛行し、110機が改修された。2013年6月29日に実戦部隊から全機退役した。クロアチア空軍が中古の20機の導入を検討中。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊軍事研究1,’98、月刊JWings9,’00、9,’12、12,’12、10,’13、2,’14、1,’16、月刊航空ファン6,’11、11,’16

　＜Ｆ−４Ｊ（ＵＫ）＞：イギリス海軍戦闘機。F-4Jを導入したもので、空母運用装備は外してある。参考：月刊JWings1,’16

　＜Ｆ−４Ｋ＞：ファントムFG.Mk1を参照。

　＜Ｆ−４Ｍ＞：ファントムFGR.Mk2を参照。

　＜ファントムＦＧ．Ｍｋ１＞：イギリス海軍艦上戦闘機、アメリカ名F-4K。国防費削減で国産開発できなくなったため、1964年7月に140機を発注した。F-4Jのエンジンをロールスロイス社製スペイ203(201?)ターボファンに換え、エアインテイクを設計し直し、胴体を0.21m短縮、フェランティ製AN/AWG-11レーダーを搭載してレドームを折り畳み式とし、アレスティングフックの強化などを行っている。また、前脚を1m（0.4m？）伸ばせるようにして発艦を容易にした。エンジンはロールスロイス社製RB168-25RスペイMk203双発、最大速度マッハ2.1。1966年4月に空母戦力大幅縮小が決まったため1968年4月から52機の納入に止まり、空母の退役に伴い空軍に移管された。参考：月刊JWings5,'21、月刊エアワールド8,’05、世界の軍用機1982、1979、F-4ファントム物語

　＜ファントムＦＧＲ．Ｍｋ２＞：イギリス空軍戦闘機、アメリカ名称F-4M。ライトニングの後継として1965年2月に導入を決定した。F-4Jのエンジンをロールスロイス社製RB168-25Rスペイ202/203ターボファン（推力5.556トン、A/B時推力9.305トン）に換え、レーダーをAN/AWG-12に変更、スカイフラッシュ空対空ミサイルを使用できるようにしている。増槽を改造したEMI社製偵察ポッド（カメラ５台、Ｑバンド側視レーダーP391、RS700赤外線ラインスキャナ搭載）を積めば偵察任務も可能。最大速度マッハ2.1、フェリー航続距離2170海里、戦闘行動半径480海里（450kg爆弾６発＋増槽２本のHi-Lo-Hi）／330海里（同Lo-Lo-Hi）。118機が納入された。参考：月刊エアワールド8,’05、F-4ファントム物語、世界の軍用機1982、空軍、月刊軍事研究7,’11、月刊JWings1,’14、5,’21

　＜ファントムＦ３＞：イギリス空軍戦闘機。トーネードF.Mk3就役までの繋ぎとして導入したF-4Jで、1984年に15機を配備した。1989年7月1日に退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、F-4ファントム物語

＜Ｆ−４海外ファミリー＞

　＜ＣＲ．１２＞：スペイン空軍偵察機。RF-4C偵察機を導入したもので、18機を1989年まで（1995年まで？）に供与された。最初の４機はピース・アルファ�U計画の名称で1978年に引き渡されている。1988年までに供与された12機のうち４機は退役したが、1989年に供与された６機はAIM-9Lの運用能力を持ち、AN/ALR-46やAN/ALE-40などを装備しており、残り８機にも同様の改修が行われた。1996年には保有する14機にAN/APQ-172航法レーダー搭載、リング・レーザー・ジャイロ型INS装備、胴体右上部空中給油受油プローブ追加などの改修を行った。2002年に退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings4,’20

　＜Ｆ−４Ｅ（Ｓ）＞：イスラエル空軍高々度スタンドオフ偵察機、別名ツァラム・シャブルル（カメラマンのカタツムリ）。F-4Eのレーダーと機関砲を外し、高々度偵察用長距離斜めカメラを搭載したものである。参考：月刊JWings4,'20、1,’16

　＜ＲＦ−４Ｃ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍偵察機。1970-71年にアメリカ空軍からRF-4C偵察機２機をリースして運用した。参考：月刊JWings4,’20

　＜ＲＦ−４Ｃ（韓国空軍）＞：韓国空軍偵察機。在韓米空軍第460戦術偵察航空群第15戦術偵察飛行隊がテグで運用していた機体をそのまま譲り受けたもので、1990年から23機（19機？18機？27機？約30機？）を供与された。AN/ALQ-131を搭載している。2014年2月に退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン2,’11、3,’19、月刊JWings4,’20

　＜ＲＦ−４Ｃ（スペイン空軍）＞：CR.12を参照。

　＜ＲＦ−４Ｅ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍偵察機、別名は戦闘機型と同じオレフ（Oref、大ガラス）。RF-4E偵察機を1969年に６機、1970年に６機、1973年に12機供与された。参考：月刊JWings4,’20、月刊エアワールド8,’05、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＲＦ−４Ｅ（イラン空軍）＞：イラン空軍偵察機。RF-4E偵察機32機を発注し、1971年から引き渡されたが、16機を受領したところでイラン・イスラム革命によりキャンセルになった。革命前はイラン国境沿いのソ連レーダー施設・航空基地捜索任務に使用され、相当数が撃墜されたらしいが、6-8機をアメリカが補充している。革命後の1980年には最大12機を保有していたとみられる。参考：月刊JWings7,’15、4,’20、F-4ファントム物語

　＜ＲＦ−４Ｅ（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍偵察機。ピース・イカロス�T計画の名称で1978-79年にブロック66後期型（前縁スラットあり）の新造RF-4E偵察機を８機導入、うち３機を喪失した。1991年のRF-84F退役を受け、1993年にドイツ空軍から中古のブロック46前期型（前縁スラット無し）27機を購入し、状態の良い20機（21機？）を選んで配備した。機首のステーション４ヵ所にKS-87B前方・下方偵察カメラ、KA-56E低高度パノラミックカメラ（LA-56E？）、KA-91B高々度パノラミックカメラ、KS-127A長距離偵察カメラ、AN/AAD-5赤外線偵察装置などを搭載できる。2003年から６機にASTAC電子情報偵察ポッド運用改修が行われた。2017年5月5日に退役式典が行われて全機退役した。後継はDB-110偵察ポッド搭載F-16戦闘機である。参考：月刊航空ファン8,’17、月刊エアワールド8,’05、月刊JWings7,’17、4,’11、12,’12、4,’19、4,’20

　＜ＲＦ−４Ｅシリーズ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊全天候戦術偵察機。1974年からRF-4E偵察機14機を導入した。1992年からRF-4EJ偵察機15機を配備。RF-4EJ偵察機配備完了時点でRF-4E偵察機12機とRF-4EJ偵察機15機を装備していた。2010年からRF-4E改の退役を開始。後継としてF-15J戦闘機にJ/USD-1偵察ポッドを装着した戦術偵察機を配備する予定だったが、J/USD-1が開発中止になってしまった。2020年3月9日、偵察航空隊第501飛行隊が最後の訓練飛行を行い、3月26日の閉隊で退役した。平成26年度以降に係る防衛計画の大綱では偵察飛行隊の廃止が決まっているが、後継部隊も後継機も不明で、F-35Aのセンサー情報を流用するか、RQ-4B無人戦略偵察機が戦術偵察任務も兼務するかもしれない。参考：月刊航空ファン6,’16、月刊JWings4,’19、5,’20

　＜ＲＦ−４Ｅ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊全天候戦術偵察機。1971年度にRF-86Fの後継として採用された。武装とAN/APQ-120を取り除き、機首にカメラ搭載ステーション３カ所を設けている。カメラ窓は機首下面にタンデムで４カ所、機首両側面に１カ所ずつの計６カ所で、機首下面の前から２カ所はステーション１用、前から３番目はステーション２用、前から４番目はステーション３用となっており、４番目のカメラ窓の横にLA-313Aビューファインダー用の小窓がある。ステーション１にはKS-87B/E前方偵察カメラ、ステーション２にはKA-56E低高度パノラミックカメラ、ステーション３にはKA-91B高々度パノラミックカメラを搭載可能。機首側面窓はKS-87B/E（レンズ焦点距離18インチ時）またはKS-127A長距離側方カメラ用だが、KS-127Aを積む場合は本体が大きいのでステーションを全て塞いでしまい、他のカメラと併用することはできない。他にKC-1B地図作製用カメラも搭載できるが、KS-127AやKC-1Bは専用の改修を受けた３機ずつしか積めない。前脚室両脇の機体側面にAN/APD-10側方偵察レーダーを収容しており、使用時にはカメラ搭載ステーション２または３にデータレコーダーを積む。前脚カバー後方の機体下面にAN/AAS-18A赤外線ラインスキャンを搭載しており、撮影時にドアが開いてスキャナーが顔を覗かせる。KS-87B前方偵察カメラとKA-56E低高度パノラミックカメラを組み合わせたものはローパン（LO-PAN）形態、KS-87B前方偵察カメラとKA-91B高々度パノラミックカメラを搭載したものはハイパン（HI-PAN）形態と呼ばれる。KS-87Bを左または右斜め位置に搭載するものはSOB形態と呼ばれる。前席にビューファインダーが搭載されており、パイロットが覗いて目標を確認、操縦桿のトリガーを引くと撮影される。機体後上部両側にフラッシュ・カートリッジ射出口があり、射出時に蓋が上下に開く。搭載アビオニクスはAN/ARC-105HF通信機、AN/ASN-55慣性航法装置、AN/APN-205電波高度計（白い平板アンテナを主翼付け根前縁付近の胴体下左右に送信用・受信用計２枚装着）、AN/APQ-99前方監視レーダー、A/A-24G-30エアデータ・コンピュータ、LA-311Bパラメータ制御装置、AN/ASQ-90データ表示装置、J/APR-2レーダー警戒受信機など。長時間の偵察を行うため、増槽を３本積んでいることが多い。前脚カバーの灯火は並列で、右が誘導灯、左が着陸灯である。空中給油リセプタクルは残したが、当面は空中給油機を導入する予定が無かったため、1975年2月28日に地上給油口への改修指令書が出され、1975-76年度に地上給油用に改修した。全長18.6m、全幅11.7m、全高4.99m、自重14.5トン、離陸重量26.31トン。エンジンはJ79-GE-17ターボジェット（ミリタリー推力5.38トン、A/B時推力8.12トン）双発、最大速度マッハ2.4、上昇限度17700m、航続距離2900km（増槽３本）／4074km（フェリー）、戦闘行動半径1111km。乗員２名（操縦士、偵察航法士）。北日本の２個哨戒域を24時間監視するため、24機を要求したが、予算の関係で１個哨戒域＋予備分の14機に減らされ、ライセンス生産はせず1973年度予算でマクダネル・ダグラス社から輸入し、1974-75年に第501飛行隊に配備、1975年1月21日に部隊使用承認が下りた。２機が失われている。1990年に近代化改修を受け、RF-4E改になった。百里基地に展示されている。参考：月刊JWings11,’19、9,’04、5,’08、2,’15、9,’17、12,'20、6,'21、月刊軍事研究9,’05、5,’11、12,’14、自衛隊兵器カタログ1981、月刊航空ファン2,’11、2,’12、12,’19、MAMOR vol.130

　＜ＲＦ−４Ｅ改＞：航空自衛隊全天候戦術偵察機。RF-4Eの改良型で、レーダーをデジタル処理能力のあるAN/APQ-172に、レーダー警戒装置をJ/APR-5に、無線機をUHF/VHFに変更した。レーダーアンテナがF-4EJより小さいので、機首のレドームが上下に扁平化している。赤外線偵察機材はAN/AAD-5に換装し、全天候性と解像度を改善した。主翼内側パイロン後部にAN/ALE-40を内蔵し、AN/ALQ-131(V)電子戦ポッドを吊り下げることが可能で、自機防御能力も強化している。側視レーダーの改修も計画されており、試作初号機は2003年3月末までに引き渡された。2015年8月中旬、ブルー系２色の洋上迷彩を施した機体が登場した。数機が同様の迷彩に変えられる予定。参考：月刊JWings9,’04、8,’03、11,’19、3,'21、6,'21、月刊軍事研究9,’05、月刊航空ファン2,’11、2,’12、11,’15

　＜ＲＦ−４ＥＪ＞：航空自衛隊全天候戦術偵察機。F-4EJからの改修で、任務に応じて戦術偵察用TACポッド、高々度パノラマ撮影用Hi-PANポッド、長距離斜め撮影用LOROPポッド、戦術電子偵察用TACERポッド（タレス社製ASTAC偵察ポッドの輸入型）を胴体中心線下Sta.5に装備する。SLAR2000側方偵察レーダーも搭載するという説もある。RF-4Eと違って前脚カバーの灯火が縦列（上が誘導灯、下が着陸灯）で、水平尾翼に前縁スラットが付く。バルカン砲はそのまま装備しており、前席の計器板上にはオプティカルサイトが用意されて、必要に応じてAIM-9サイドワインダーもSta.2/8のパイロン側面エアロ3Bレールランチャーに計４発搭載できる。スパローレセスは残されており、AIM-7の運用能力もあるが、運用を想定した訓練は行っていない。Sta.5が偵察装備で埋まるため増槽を搭載できず、Sta.1/9の370ガロン（1401リットル）増槽のみとなるので、ミッション時間はRF-4Eよりも短く、またレーダーもAN/APQ-120のままで地上偵察向きではないため、夜間や緊急待機ミッションはRF-4Eに任せている。TACERポッドを使用した電子偵察が行えるのがRF-4Eに対する利点。J/APR-6Aレーダー警戒装置、J/ASN-6デジタルINS、電波高度計（白い平面アンテナをバルカン砲収容部下面に送信用と受信用計２枚装着）、追加のHF/UHF/VHF無線機を搭載する。胴体下両側面前部Sta.4/6にMAU-12/Aエジェクターラックを介してAN/ALQ-131(V)ジャミングポッドを積むこともある。全長19.2m、全幅11.71m、全高5.03m、空虚重量13.757トン、最大離陸重量28.03トン。エンジンはJ79-IHI-17ターボジェット（ミリタリー推力5.38トン、A/B時推力8.12トン）双発、最大速度マッハ2.2、実用上昇限度17700m、機内燃料容量1915ガロン（7249リットル）、航続距離2400km（増槽２本搭載時）。固定武装は20mmバルカン砲M61A1が１基。乗員２名（操縦士、偵察航法士）。初号機はF-4EJからの改造で、1992年2月4日に初飛行して3月30日に引き渡され、4-11月に飛行開発実験団で実用試験を行った。17機を改修予定だったが、15機に減らされ、1992年12月1日から第501飛行隊に配備されている。うち７機（2-8号機）はLOROP専用の限定改修型、８機（１号機、9-15号機）は全てのポッドを装備可能な量産改修型で、後に2-8号機も全ポッド搭載できるようになった。茨城空港に展示されている。参考：月刊JWings9,’17、11,’19、9,’04、8,’03、5,’07、5,’14、2,’15、6,'21、月刊軍事研究12,’04、9,’05、5,’11、7,’11、月刊航空ファン6,’16、2,’12、1,’15、朝雲、MAMOR vol.130

　＜ＲＦ−４ＥＪ改＞：航空自衛隊偵察機。RF-4EJにJ/ASN-6及びJ/APR-6Aレーダー警戒装置搭載などの改修を行ったもの。参考：月刊JWings8,’03、月刊航空ファン2,’11

　＜ＲＦ−４Ｅ（トルコ空軍）＞：トルコ空軍偵察機。ピース・ダイヤモンド�V計画の名称で1977年にFMSにより８機を発注した。1992-94年にはドイツ空軍から32機が有償供与され、以降も15機の有償供与を受けている。1995年2月、墜落事故で３機を喪失した。2015年3月12日に全機退役した。参考：月刊JWings6,’15、4,’20、月刊エアワールド8,’05

　＜ＲＦ−４Ｅ（西ドイツ空軍）＞：西ドイツ空軍偵察機。RF-104Gの後継として1968年5月に88機を発注、1971年から配備した。核兵器運用能力は有したままで、センターラインパイロンに核爆弾を吊してAN/APQ-99レーダーの地形回避・追随能力を活かした超低空侵攻核攻撃が行える。1978年からMBB社が対地攻撃能力追加改修を行い、照準装置やパイロンを装備した。後にギリシャに27機、トルコに32機を売却した。1988年に対地攻撃任務から外れ、1993年に退役した。参考：F-4ファントム物語、月刊エアワールド8,’05、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings12,'20、4,’20

＜Ｆ−４兵装＞

　＜Ｆ−４空対空戦闘＞：AIM-7スパローとAIM-9サイドワインダー４発ずつを搭載する。バルカン砲を装備していない場合はSUU-16/AまたはSUU-23/Aを追加装備するが、抗力が増して速度が落ちる、軸線調整が難しく命中率が低いなどの欠点がある。増槽無しで超音速迎撃を行った場合、進出距離は100-120マイルで、更にズーム上昇を使用する場合は70-100マイル。胴体下に600ガロン（2271リットル）増槽１基、主翼下に370ガロン（1401リットル）増槽を搭載して長距離迎撃する場合には進出距離440-470マイル、CAP任務に就く場合には150マイル進出で100-130分の哨戒ができる。参考：アメリカジェット戦闘機

＜Ｆ−４ＥＪ改・兵装＞

　＜空対艦＞：主翼下Sta.2/8にASM-1/ASM-2空対艦ミサイル１発ずつ、主翼下Sta.1/9に370ガロン（1401リットル）増槽１基ずつ、胴体中心線下Sta.5に610ガロン（2309リットル）増槽１基を搭載する。GCS-1赤外線誘導爆弾での対艦攻撃も行える。参考：月刊JWings12,’15、7,’14、1,’16

　＜空対地＞：主翼下Sta.1/9にMk82汎用爆弾６発ずつ（３連装エジェクターラックを前後に付けたパイロンを１基ずつ）、主翼下Sta.2/8にAAM-3/AIM-9L空対空ミサイル１発ずつ、胴体中心線下Sta.5に610ガロン（2309リットル）増槽１基を搭載する。19連装ロケットポッドJ/LAU-3/Aの装備も可能。JM117やCBU-87/Bを運用した時期もあった。参考：月刊JWings12,’15、7,’14、1,’16

　＜戦闘空中哨戒＞：主翼下Sta.2/8にAAM-3/AIM-9L空対空ミサイル１発ずつ、主翼下Sta.1/9に370ガロン（1401リットル）増槽１基ずつ、胴体中心線下Sta.5に610ガロン（2309リットル）ハイＧタンク１基を搭載する。参考：月刊JWings1,’04

　＜対空フル装備＞：胴体下Sta.3/4/6/7にAIM-7M１発ずつ、主翼下Sta.2/8にAAM-3/AIM-9L空対空ミサイル連装ランチャー１基ずつ、胴体中心線下Sta.5に610ガロン（2309リットル）ハイＧタンク１基を搭載する。参考：月刊JWings1,’04

＜Ｆ−４機外脱出（空中）＞：両方のエンジンが止まって再始動不能の場合、火災を生じて消火不能な場合などは緊急脱出する必要がある。水平飛行状態で高度2000フィート（609.6m）、操縦不能状態で高度10000フィート（3048m）以上でないと安全が保証されない。また、F-4Eのブロックナンバー68-488以前の機体では、速度500ノット以上では後部キャノピーが吹き飛んだ時に前部キャノピー内に負の圧力が生じ、火や煙が吹き込んだり、射出できなくなったりするので、デュアル・シークエンス射出を行う必要がある。脱出の際は後部座席の乗員が機内通話装置と射出ライト点灯、ハンドサイン、フラッシュライトなどで前席に射出を連絡する。射出座席の作動はMk-H7射出座席を参照。参考：アメリカジェット戦闘機

＜Ｆ−４機外脱出（地上）＞：滑走中であれば速やかに停止し、整備員を呼ぶか、火災・爆発の危険がある場合は機外に脱出する。手動でキャノピーが開かない場合、コクピット内のキャノピー下方にあるキャノピー・ナイフを使ってキャノピーを切り開く。乗員による自力脱出が不可能な場合、機体外部のキャノピー下にある手動キャノピー開放ハンドルを回してロックを外し、手でキャノピーを開く。この時エンジンが動いたままだと救助者がエアインテイクに吸い込まれてトマトケチャップになる危険があるので、クラッシュ・トラックをエアインテイク前に横付けしてキャノピーを開き、トラックの上または主翼の上からキャノピー内の乗員を引っ張り出す。ハンドルが動かない場合、キャノピー下のアクセスドア７を開放し、キャノピー射出索を20インチ（508mm）ほど引き出して強く引くとキャノピーが吹き飛ぶので、後は乗員を救出すれば良い。参考：アメリカジェット戦闘機

＜Ｆ−４着陸＞：降下前に風防とキャノピーを予熱し、曇るのを防ぐ。着陸総重量を超えている場合はエンジンスラストを85%以上にセットして燃料投棄を行う。電波高度計を点検し、AFCSを解除、残存燃料を確認し、イナーシャ・リールを調整、通信アンテナ選択スイッチをUPRに、射撃照準器をSTBY/CAGEにし、RHAW/ECMスイッチを切る。滑走路上空をパスした後、180度旋回して減速を継続、250ノットまで下がったら脚を降ろし、210ノットになったらフラップを一杯に下げ、油圧・警報灯を点検する。180ノットまで減速したところで180度旋回し、ファイナル・アプローチに入る。着陸進入角2.5-3度、降下率毎分700フィート（213m）を維持しながら着陸するが、地上20-30フィート（6.1-9.1m）では地面効果により機首が下がるので注意。降下率も毎分500フィート（152m）に落ちる。接地したらエンジンをアイドリングにし、ドラッグシュートを開く。速度が70ノット以下に減速したら、方向舵でなく前輪でステアリングを行う。速度が20ノット以下になったらアンチスキッド・スイッチを切る。誘導路では片方のエンジンを止めても良い。キャノピーは60ノット以下で開放可能だが、気圧計で与圧が抜けていることをチェックすること。風上に向かって対向風速15ノット以上でドラッグシュートを切り離し、整備員に回収してもらう。翼内燃料放出スイッチをノーマルに戻し、フラップを引き込み、スタビレータ・トリムを２ユニット機首下げに合わせる。レーダー出力選択ノブ、TACANスイッチを切り、空中給油スイッチをEXTENDの位置にする。ここで再び燃料を補給しての出撃ができるが、出撃しないなら車輪止めを噛ませてもらい、射出座席を上昇位置にし、右スロットル、次いで左スロットルを切る。エンジンマスタースイッチを切り、APUリジェクトスイッチをノーマルにし、空中給油スイッチを戻す。全てのスイッチを制御機構が切れていること、個人携帯装備索が外れていること、ブラックアウト・カーテンがしまってあること、射出座席のフェース・カーテンと射出ガンの安全ピンが差し込まれていることを確認して機体から降りる。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊JWings1,’21

＜Ｆ−４発艦＞：発艦前の準備は地上からの離陸時とほぼ同じだが、飛行甲板要員の安全を守るため、タキシングはフラップを完全に引き込んで行い、スポイラーの作動もしない。チェックが終了したら誘導員が出すホールド・ブレーキの指示に従い、タイダウンとチョークを外してもらう。誘導員の指示に従い駐機スポットを離れてカタパルトに向かうが、強風などでステアリングが難しい場合には飛行甲板員を呼んでチラーバーでステアしてもらう。スロットルを80％に上げて前進しながらブレーキを急に踏み込むと機体前部が軽くジャンプするので、これでカタパルトのシャトルを乗り越える。それを見て誘導員が停止の合図をするのでそれに従い、カタパルト要員がホールドバック・ケーブルを結んで機の滑り出しを防止するのを待つ。接続されたら少し前進、ケーブルをピンと張る。次いでカタパルト要員はブライドルを機体に接続し、シャトルを少し前進させてブライドルをピンと張る。誘導員が準備完了を合図したらエンジン出力を80%にし、射出準備を完了する。カタパルト士官が２本の指を立てたらスロットルをミリタリー推力に入れ、計器を最終チェック。頭をヘッドレストに押しつけ、カタパルト士官に向かい敬礼を送り、操縦桿を引く。アフターバーナーを使用する場合は、ミリタリー推力に入れた後、カタパルト士官が５本の指を立ててくるので、スロットルをミニマム・アフターバーナーに入れる。カタパルト士官は左手を高く上げ、右手の親指で射出制御板の射出スイッチを押すと同時に左手を振り下ろし、「ファイア」をコールする。直後、カタパルトにより機体は76.3m走る間に時速256kmまで加速され、空中に射出されるので、ピッチ角10-12度を維持して上昇する。アフターバーナー使用時は、射出と同時にアフターバーナーをマキシマムに入れる。射出時には5-6Gの加速度がかかり、下手をすると首の骨を折るので、姿勢に注意。参考：アメリカジェット戦闘機

＜Ｆ−４離陸＞：編隊離陸の場合、排気の影響を考えて隣接機とはミリタリー推力で150フィート（45.7m）、A/B使用時で300フィート（91.4m）の間隔を保つ。ブレーキを踏み、前輪の方向を定め、エンジン推力を85%に上げる。ブレーキを外すと同時にスロットルをミリタリー推力位置またはアフターバーナー位置に上げ、回転数、排気温度、機首方向を点検。滑走が始まったら70ノットまでは前輪で、それ以降は方向舵が効き始めるのでそちらで滑走方向を維持する。操縦桿はやや手前に引いておき、機首が上がったら迎え角10-12度を維持して離陸する。離陸したら脚を引き込む。250ノットまでにロックを完了しておかないと風圧で脚が壊れるので注意。次いでフラップを引き込み、酸素希薄装置レバーをノーマル位置にセット。速度が350ノットを超えるまでは10-12度の機首上げを保ち、達したらピッチを変えながら巡航マッハ数（通常マッハ0.9）に達するまで加速、達したらこの速度を維持しつつ巡航高度まで上昇する。必要なら慣性航法装置を作動させ、外部燃料タンク携行時にタンクが空になったら外部燃料供給スイッチを切って内翼燃料供給スイッチをノーマルに入れる。参考：アメリカジェット戦闘機

＜Ｆ−４離陸前準備＞：まず正操縦士が機体外部を機首から時計回りに、後席搭乗員が機体上面と垂直尾翼を点検。ラダーまたは引き出し式ステップで機体左からコクピットに上り、キャノピーと射出座席を点検する。シートに座り、ラダーペダルの位置を調整、脚束縛索を脚に固定。ハーネスと個人携帯装備品を固定、射出座席の高さを調整し、フェース・カーテンと射出ガンの安全ピンを抜く。次いで操縦桿、与圧服用酸素供給レバー、同空気排出用ノブなどの点検や各種スイッチのオン・オフ、パネルのセッティングなど前席だけで55カ所のチェックを行う。そして右エンジンから始動させる。まずエンジン始動用の圧縮空気ホースを連結（外部バッテリーも可）。エンジン・マスター・スイッチを入れると、圧縮空気によりエンジンが回転し始めるので、回転数10%になったところでスロットルを押しつつ点火ボタンを押す。点火ライトが消えたらボタンを離し、スロットルをアイドリングの位置にセットする。回転数が10%上がるごとに正操縦士は指を１本ずつ立てて整備員も同様に返し、45%まで上昇したら圧縮空気の供給を止めてもらう。排気ガス温度と燃料流入量をチェックし、アイドリング回転数を65%に調節、ブーストポンプを30プラスマイナス5psiに保ち、オイルを最低12psiに調整、油圧が3000プラスマイナス250psiとなっていることを確認、発電機制御スイッチを入れる。左エンジンに圧縮空気ホースを繋ぎ直して同様の手順で始動させたら、圧縮空気供給装置と電源供給装置を撤去してもらい、発電機作動表示ライトをテスト、バス・タイ・ライトを切る。バッテリー始動ではここで機内スイッチやメーターをチェック。慣性航法装置をセット。計器が安定したら、通信航法装置、高度計などの計器チェック、スピードブレーキとフラップの開閉点検、操縦装置点検、翼端が折り畳まれていないことの確認などを行う。トリムを機首下げ２ユニットにし、射出座席の安全ピンを抜く。タイヤ止めを外してもらい、地上との通話コードを外し、前輪のステアリング及び車輪ブレーキのテストを行う。タキシング中はキャノピーを完全に開き、速度60ノット以下で走行する。ただし編隊タキシング時はキャノピーを閉じる。その間に機内計器類の再点検を実施。滑走路に進入したら、エルロンとスポイラーの作動を目で確認し、キャノピーを閉じてロック、可変空気吸入ランプの作動を点検し、フラップを半分下げるなどの点検・操作を行う。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊JWings1,’21

＜Ｆ．４戦闘機シリーズ＞：イタリア軍の戦闘機で、カプロニ・ビッツォラ社が1938年から自主開発した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｆ．４戦闘機＞：当初はイソッタ・フラスキニ・アッソ121RC40（800馬力）を搭載していたが、後にDB601A（1175馬力）に換装し、1940年に初飛行した。F.6の開発に移行し、量産はされなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｆ．５戦闘機＞：エンジンを空冷のフィアットA74RC38に換装したタイプで、1939年に初飛行した。全長7.9m、全幅11.27m、全備重量2350kg。エンジンはフィアットA74RC38（870馬力）単発、最大速度510km、実用上昇限度9500m、航続距離770km。固定武装は12.7mm機銃２丁。乗員１名。14機が生産され、ローマ防空戦に投入された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｆ．６戦闘機＞：F.5のエンジンをDB605Aに換えたもの。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｆ．６Ｍ戦闘機＞：F.6を全金属製にしたもの。エンジンはDB605Aのライセンス生産版であるフィアットRA1050RC58を搭載する予定だった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｆ．６ＭＺ戦闘機＞：F.6Mのエンジンをイソッタ・フラスキニ・ゼータ（1150馬力）に換えたもの。１機が試作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｆ．７戦闘機＞：F.6の胴体を軽量化し、空力学的に洗練したもの。計画のみ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆ４Ｂシリーズ＞：アメリカ海軍複葉艦上戦闘機。ボーイング社が陸軍向けP-12をベースにモデル89として自主開発し、各型計231機が生産された。太平洋戦争勃発時にも無人標的機型が34機残存していたが、1941年中に退役した。輸出型モデル100Dは中島飛行機が購入し、改良型NY改を経て九〇式艦上戦闘機となっている。参考：週刊エアクラフトNo.137、月刊JWings12,’22、図解世界の軍用機史

　＜ＸＦ４Ｂ−１＞：ボーイング社がプライベートベンチャーで開発した試作機２機を海軍で買い上げたもの。初号機（モデル83）は主輪軸が貫通式だったが、２号機（モデル89）は片持ち式になっており、胴体下面に230kg爆弾または増槽を装備することができた。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜Ｆ４Ｂ−１＞：量産型。車輪はモデル89のもの、アレスティングフックはモデル83のものを採用し、エルロンは上翼だけに設け、制作費を節約している。機体は金属骨組み羽布張り。垂直尾翼と水平尾翼は金属骨組み波板状ジュラルミン外皮の全金属製である。降着装置は尾輪式固定脚。胴体下にスリッパ型ドロップタンク（容量55ガロン・208.1リットル）を装着できる。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1340-8（500馬力）単発、最大速度280km。胴体下に230kg爆弾または増槽、翼下に10kg爆弾10発を搭載できる。1929年6月から初期生産型27機が引き渡され、CV-2レキシントン及びAV-3ラングレイに搭載された。後にエンジン周囲にタウネンド環を装着し、F4B-4と同じ大型垂直尾翼を装備した。参考：月刊JWings12,’22、週刊エアクラフトNo.137

　＜Ｆ４Ｂ−２＞：陸軍P-12戦闘機の設計をベースに改良を加えたもので、エンジン周囲にタウネンド環を標準装備し、主輪軸を貫通式に変更、尾橇を尾輪にした。胴体下への爆弾搭載はできなくなったが、流線型フェアリング状増槽は装備可能である。最大速度300km。47機が生産され、1931年初めから5月末までに海軍に納入された。後にF4B-4と同じ大型垂直尾翼を装備した。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜Ｆ４Ｂ−３＞：胴体を全金属セミモノコック（モノコック？）にしたもので、陸軍のP-12Eとほぼ同じ仕様である。主翼下面パイロンは50kg爆弾用２基となった。全長6.22m、全幅9.14m、全高2.97m、重量1324kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1340Rワスプ空冷星型９気筒レシプロ（500馬力）単発、最大速度301km。固定武装は7.7mm機銃２丁または7.7mm機銃１丁＋12.7mm機銃１丁。乗員１名。21機が発注され、1932年1月までに全機納入されてCV-3サラトガに配備された。参考：図解世界の軍用機史、週刊エアクラフトNo.137

　＜Ｆ４Ｂ−４＞：エンジンをR-1340-16に換装したもので、垂直安定板と方向舵を増積し、無線機を標準装備、機体後部にポールアンテナを立てた。全長6.12m、全幅9.15m、全高2.84m、自重1068kg、最大離陸重量1639kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1340-16空冷星型９気筒ガソリン（550馬力）単発、最大速度302km、実用上昇限度8200m、航続距離941km（595km？）。武装は7.62mm機銃２丁。爆弾227kgを搭載可能。乗員１名。92機が発注され、1933年2月までに全機納入された。後期45機にはコクピット後方に流線型フェアリングが加えられ、胴体内に救命用ゴムボートを収容している。CV-3サラトガ、AV-3ラングレイに搭載された他、21機が海兵隊に配備された。海兵隊は予備部品を大量に発注したため、22機分の組み立て部品が製造されている。参考：月刊JWings12,’22、週刊エアクラフトNo.137

＜Ｆ４Ｂファミリー＞

　＜Ｆ４Ｂ−４Ａ＞：遠隔無線操縦式無人標的機型。陸軍が1941年に海軍に譲り渡した退役後のP-12を改造したもので、ＡはArmyの頭文字である。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜Ｆ４Ｂ海外シリーズ＞

　＜Ｆ４Ｂ（ブラジル軍）＞：ブラジル軍戦闘機。F4B-4の陸上基地型14機と、F4B-3にP-12Eの主翼を取り付けた９機が輸出された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜Ｆ４Ｄシリーズ＞：アメリカ海軍ジェット艦上戦闘機、別名スカイレイ（Skyray）、通称フォード（フォード車のように実用的な機体またはエフフォーディーF-FOR Dから）。アメリカ海軍初の全天候戦闘機である。ドイツから押収したデルタ翼の資料を基にダグラス社が開発し、1951年に初飛行したが、配備は1956年4月からで、登場時には時代遅れになりかけていた。1962年のアメリカ陸海空軍名称統一により、F-6に改称された。参考：月刊JWings8,’04、週刊エアクラフトNo.84、No.93、月刊世界の艦船6,’12

　＜ＸＦ４Ｄ−１＞：原型機。ベースはアメリカ海軍の迎撃戦闘機要求により開発したD-571で、1947年6月中旬に護衛戦闘機型としての研究継続が決定、1948年夏に迎撃戦闘機に戻され、9月に設計案が纏まり、1948年12月16日に原型機２機と地上強度試験機１機の試作が命じられた。初号機はエンジン開発が間に合わなかったため、アリソン製J35-A-17（推力2.268トン）を搭載し、1951年1月23日に初飛行した。その後XJ40-WE-6（推力3.175トン）に変更し、更にアフターバーナー付きのXJ40-WE-8（推力5.262トン）に換装したが、エンジン不調に悩まされ、生産機ではプラット＆ホイットニー社製J57を搭載することになった。1953年10月3日、XJ40-WE-8装備の２号機が時速1211.746kmの世界速度記録を樹立した。参考：週刊エアクラフトNo.93

　＜Ｆ４Ｄ−１＞：無尾翼デルタ翼機で、機首にはAN/APQ-50レーダーを収容し、上面にピトー管を持つ。その後ろが単座のコクピットで、下には前方引き込み式のステアリング可能な前脚がある。座席は射出座席で、後方に防弾板が張られており、その後ろに無線機や電子機器を収容する。コクピット後方左右に三角形を横倒しにした形のエアインテイクが付いていて、内側に境界層分離板がある。胴体上面左右にスピードブレーキを持ち、胴体中央内はエンジンオイルタンク、翼胴フェアリング内は燃料タンクとなっている。胴体後部がエンジン収容部で、当初プラット＆ホイットニー社製J57-P-2（A/B時推力6.123トン）１基を搭載したが、後にJ57-P-8（A/B時推力7.257トン）１基に換装した。胴体中央下部にはパイロンを介してNAVPACポッド（AN/ARN-14E全方位無線標識受信機とAN/ARN-12位置発信無線標識受信機を収容）を搭載できる。降着装置は前輪式だが、デルタ翼機は離着陸時にかなり機首上げになるので、尾部にも引き込み式の車輪を持つ。尾部上方には排気炎カバーが付いている。主翼は折り畳み式で、前縁に自動スラット、後縁に２分割エレボンがある。ただしエルロンとして使用すると縦方向のコントロールが十分でなくなるので、尾部左右にピッチ・トリマー（アップにしか動かないエレベータ）を付けた。自動スラットのすぐ内側にあたる主翼中央部に20mm機関砲M12を左右２門ずつ装備する。水平尾翼は無く、垂直尾翼は１枚で、付け根前方からコクピットまでドーサルフィンが延びる。垂直尾翼上端はアンテナ収容部で、上方後縁には燃料投棄用のパイプが突き出ている。全長13.79m、全幅10.21m、全高3.96m、自重7.268トン、正規全備重量9.983トン、最大離陸重量12トン（11.34トン？）。巡航速度837km、最大速度1162km（海面上）／1118km（高度10975m）、実用上昇限度16770m、航続距離1130km（正規）／1931km（最大）。固定武装は20mm機関砲M12（70発）が４門。パイロンは７ヵ所（胴体下１ヵ所、主翼下３ヵ所ずつ）で、2.75インチ（70mm）空対空ロケット、AIM-9サイドワインダー2-4発、増槽を搭載して艦隊防空にあたる他、爆弾1.814トンを搭載できる。乗員１名。初号機は1954年6月5日に初飛行し、圧縮機失速を防止するなど改修が加えられ、1956年4月16日から第３艦隊混成飛行隊を皮切りに配備され、1958年12月22日までに419機が納入された。初期の100機はエアロ13F兵器制御システムが間に合わず、昼間戦闘機として完成、後日装備している。1958年5月22-23日に時間対高度記録を５つ樹立した。1962年9月にF-6Aと改称された。1964年2月28日に第一線を退き、1969年12月に退役した。参考：週刊エアクラフトNo.84、No.93、月刊JWings8,’04、10,’13

　＜Ｆ４Ｄ−２Ｎ＞：計画全天候型で、高性能ミサイルを装備する。計画のみに終わったが、後にF5D-1の原型に発展した。参考：週刊エアクラフトNo.84、No.93

＜Ｆ−４ＥＪ用固定式消音装置（機体用）＞：航空自衛隊のF-4EJ戦闘機用サイレンサー。500m離れた地点での騒音を70dB以下に抑制する。全長19m、全幅21m、全高12m。千歳基地、百里基地、小松基地、浜松基地、岐阜基地、築城基地、那覇基地に配備されている。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜Ｆ４Ｆシリーズ＞：アメリカ海軍艦上戦闘機、別名ワイルドキャット（Wildcat。1941年10月にアメリカ海軍公式ニックネームとして採用）。グラマン社が開発し、機体の頑丈さからグラマン・アイアンワークス・ファイター（グラマン鉄工所製戦闘機）とも呼ばれた。1935年3月にXF4F-1複葉艦戦の試作発注を受けたがXF2A-1に負け、単葉機に改造したXF4F-2もF2A-1に破れ、更に改良したXF4F-3を試作し、これが採用されて1940年12月から就役した。総生産数7587機（7825機？）。低速時の旋回性能が低いという欠点があったが、それまで複葉機に慣れていたパイロットは零戦に対してドッグファイトを挑み、悉く墜とされてしまった。そのため、1942年には零戦に対するドッグファイト禁止という命令まで出されている。その後はサッチ・ウィーブなどの編隊戦術や一撃離脱を徹底し、1942年8月のガダルカナル戦からは勝てるようになった。参考：月刊JWings11,’99、2,'21、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊コンバットマガジン7,’06、月刊丸1,'15増刊、月刊世界の艦船10,’22

　＜ＸＦ４Ｆ−１＞：最初の試作機で、複葉機として完成したが、F2A-1に負けて採用されなかった。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＸＦ４Ｆ−２＞：中翼配置の単葉機にしたもの。1937年9月2日に初飛行したが、こちらもF2A-1に性能で劣り、採用されなかった。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊丸1,'15増刊

　＜ＸＦ４Ｆ−３＞：XF4F-2のポテンシャルに気付いた海軍の改良要求に応えた試作機。主翼は中翼単葉で、翼端が角張っている。エンジンは２段２速過給機付きのプラット＆ホイットニー社製R-1830-76ツインワスプ（1200馬力）。1939年2月12日に初飛行し、最大速度537kmを記録、漸くF2A-1の性能を上回って8月に採用された。参考：月刊JWings11,’99、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊丸1,'15増刊

　＜Ｆ４Ｆ−３＞：最初の量産型。1939年8月8日に54機が発注され、1940年11月から配備された。生産当初からセルフシーリング式燃料タンクを採用している。生産後、風防前面に防弾ガラスを装着し、座席・燃料タンク後方・計器板などに防弾鋼板を追加、12.7mm弾に耐えられるようにした。固定武装は12.7mm機銃４丁。190機が生産された。フランスとギリシャにも輸出する予定だったが、ドイツに降伏してしまったので、マートレット�Tとしてイギリスが採用した。参考：月刊JWings11,’99、月刊コンバットマガジン7,’06、ラバウル航空戦

　＜Ｆ４Ｆ−３Ａ＞：エンジンを換装したタイプで、1940年11月に初飛行し、95機が生産された。参考：月刊JWings11,’99

　＜Ｆ４Ｆ−４＞：主翼を付け根から後方に90度捻って折り畳めるようにしたもので、空母への搭載機数を５割増にできる。試作では折り畳み機構が油圧式だったが、量産機では手動（折り畳み・展開共に２名で1-2分）に変更した。零戦に対して高速での一撃離脱戦法を採用することになり、「一撃」の火力を増大するため固定武装を12.7mm機銃６丁（各240発）に増やしている。コクピット前方の潤滑油タンク前後と座席後方に装甲板を備え、風防は防弾ガラスを填め込み、燃料タンクは特殊ゴム製セルフ・シーリング式で、12.7mm弾に耐えられる。全長8.76m、全幅11.58m／4.37m（主翼折り畳み時）、全高2.81m（3.58m？）、自重2612kg、全備重量3359kg。翼面積24.15平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R1830-36ツインワスプ空冷星型複列14気筒２段２速過給器付きガソリン（R1830-86？1200馬力）単発、巡航速度249km、最大速度512km、上昇限度10640m、燃料搭載量545リットル、航続距離1465km（1240km？）。固定武装は12.7mm機銃６丁（主翼内翼部２丁ずつ、主翼中央１丁ずつ）。主翼下面に45kg爆弾２発またはドロップタンク（220リットル）２本を搭載可能。乗員１名。1169機が生産され、真珠湾攻撃直前の1941年12月から配備された。参考：零式艦上戦闘機、月刊JWings11,’99、2,'21、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊コンバットマガジン7,’06、ラバウル航空戦、月刊丸1,'15増刊

　＜ＦＭ−１＞：護衛空母用の簡易型で、GM社が生産した。F4F-4の機銃を４丁（各430発）に減らすなどして機体を軽量化し、エンジン出力を向上させている。1060機が生産された他、312機がワイルドキャット�Xとしてイギリスに輸出された。参考：月刊JWings11,’99、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、ラバウル航空戦、月刊世界の艦船6,’17

　＜ＦＭ−２＞：FM-1の機体を小型化して小型空母でも運用できるようにし、エンジンをライトR-1820-56（1350馬力）に換え、垂直尾翼を大型化、ロケット弾６発を搭載可能としたもの。GM社で4777機が生産され、安定性を活かして護衛空母を中心に配備された他、370機がイギリスにワイルドキャット�Yとして輸出された。参考：月刊JWings11,’99、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、ラバウル航空戦

＜Ｆ４Ｆファミリー＞

　＜Ｆ４Ｆ−３Ｐ＞：写真偵察機型。F4F-3の胴体後部にカメラを搭載している。参考：ラバウル航空戦

　＜Ｆ４Ｆ−３Ｓ＞：試作水上戦闘機型。二式水上戦闘機に刺激されて開発したもので、F4F-3に双フロートを装着している。1943年に１機のみ試作されたが、その頃には必要性が無くなっており、採用されなかった。参考：月刊JWings11,’99、ラバウル航空戦

　＜Ｆ４Ｆ−７＞：長距離写真偵察機型。F4F-4の主翼折り畳み機構、機銃、装甲板を撤去して燃料タンクとカメラを搭載した。航続距離6000km。参考：ラバウル航空戦

＜Ｆ４Ｆ海外シリーズ＞

　＜Ｇ−３６Ａ＞：フランスが空母用に導入を予定したF4F-3。81機が生産されたが、引き渡し前にフランスが降伏してしまい、イギリス海軍に引き渡された。参考：護衛空母入門

　＜マートレット�T＞：イギリス海軍艦上戦闘機。イギリス向けF4F-3で、91機が輸出された。参考：月刊JWings11,’99、ラバウル航空戦

　＜マートレット�U＞：イギリス海軍艦上戦闘機。マートレット�Tに主翼折り畳み機構を追加したもので、100機が生産された。参考：月刊JWings11,’99

　＜マートレット�V＞：イギリス海軍艦上戦闘機。ギリシャに輸出される筈だった30機をイギリスで使用したもの。参考：ラバウル航空戦

　＜マートレット�W＞：イギリス海軍艦上戦闘機。イギリス向けF4F-4で、220機が輸出された。参考：月刊JWings11,’99、ラバウル航空戦

　＜ワイルドキャット�X＞：イギリス海軍艦上戦闘機。イギリス向けFM-1で、312機が輸出された。参考：月刊JWings11,’99、ラバウル航空戦

　＜ワイルドキャット�Y＞：イギリス海軍艦上戦闘機。イギリス向けFM-2で、370機が輸出された。参考：月刊JWings11,’99、ラバウル航空戦

＜Ｆ４Ｈ−１＞：F-4B（艦上戦闘機）を参照。

＜Ｆ４Ｈ−１Ｆ＞：F-4A（艦上戦闘機）を参照。

＜Ｆ４Ｕシリーズ＞：アメリカ海軍艦上戦闘機、別名コルセア（海賊）。1938年6月に発注したF2AはスピットファイアやBf109に比べて低性能だったため、F2A発注に先立つ1938年2月1日に開発指示を各メーカーに出し、ユナイテッド・エアクラフト社チャンス・ヴォート事業部の案が採用された。当初は空母搭載には不適と判断され、1942年9月から海兵隊に配備されて陸上基地で運用されており、1943年8月までに太平洋地域の全海兵隊戦闘機隊がコルセアに改編された。その後イギリス海軍が空母に搭載して1944年4月に実戦参加、次いでアメリカ海軍も1944年12月から空母に搭載しての運用を開始（海軍での陸上運用は1943年9月から）した。1941年から各型計12571機（12620機？）が生産され（うち2012機がイギリスに送られた）、最終号機のロールアウトは1953年1月31日という息の長い機体で、各国にも輸出されて第２次大戦、朝鮮戦争、インドシナ紛争、第２次中東戦争などに参加し、1969年にはサッカー戦争で両国が使用、コルセア同士の空中戦まで起きている。チャンス・ヴォート事業部は1939年にヴォート・シコルスキー事業部になり、1942年にヴォート事業部とシコルスキー事業部に分かれた後は両者で生産していたので、太平洋戦争時の日本ではシコルスキーと呼んでいた。参考：月刊JWings9,’01、10,’05、11,’17、7,’19、月刊丸10,’93、11,’72、6,’14、図解世界の軍用機史

　＜ＸＦ４Ｕ−１＞：試作機で、1939年6月11日に製作が命じられた。アメリカ初の航空機用2000馬力級エンジンであるR-2800を使い、直径4m超のプロペラを回して高性能を発揮させるというコンセプトで開発されている。胴体はエンジン直径すれすれのカウリングと同じ太さに絞り込まれ、潤滑油冷却器・気化器・インタークーラー用空気取り入れ口は主翼付け根前縁に纏めて設けられた。主翼は大直径プロペラを地面に擦らないよう、逆ガル翼にして主脚の長さを節約している。これで主翼が胴体から直角に出ることになり、干渉抵抗が減少した他、前下方視界が改善した。ただし迎え角をとると屈折部に乱流が発生して失速特性と安定性が不良になるという欠点があった。外板の固定はリベットの代わりに開発されたばかりのスポット溶接工法が取り入れられ、機体表面は滑らかに仕上がっている。1940年5月29日（9月29日？）に初飛行し、水平飛行で時速650kmを記録、上昇率や兵装搭載量も優秀だった。10月1日にはストラトフォード・ハートフォード間を平均時速404マイルで飛行し、アメリカ初の時速400マイル超戦闘機と呼ばれた。欠点は着陸時の前方視界不良、ロール性能不良など。第２次大戦勃発後にヨーロッパでの空戦の様子が伝えられ、武装・防弾強化、主翼内燃料タンクの胴体内への移設などが要求されたため、主翼に12.7mm機銃計６丁を搭載し、燃料タンク（897リットル）をエンジン後方の胴体内に設置、コクピットを0.915m後方に下げて重心を調整した。当初は主翼内に5.2ポンド爆弾20発収容セルを左右１基ずつ搭載し、対爆撃機用に使う予定だったが、途中で外された。参考：月刊JWings9,’01、12,’14、月刊丸11,’72

　＜Ｆ４Ｕ−１＞：最初の量産型。1941年6月30日に発注され、1942年6月25日に初飛行した。ファストバック式のキャノピーはデザインが少し変更され、後方に側面窓を設けて後方視界を改善している。テイルコーンがやや長くなった。尾脚は半引き込み式。試作型より重量が1500kg増えたが、最大速度600km超を誇った。全長10.18m、全幅12.47m、全備重量5760kg。エンジンはR-2800-8（B）レシプロ（出力2000馬力）、プロペラはハミルトン・スタンダード製定速可変ピッチ式３翅、最大速度639km、上昇限度11340m、航続距離3575km。1942年9月25日に空母運用試験を行ったが、試作段階での武装強化に伴うコクピット後方移動のため前方視界が不良で、着艦のため迎え角を取った際の失速特性も悪く、カウルフラップからオイルが大量に漏れて更に前が見えなくなるとして空母運用は無理だと判定されてしまった。よって、1943年2月12日からガダルカナル島ヘンダーソン飛行場で海兵隊により陸上運用されている。グッドイヤー生産型はFG-1、ブリュースター生産型はF3A-1と呼ばれる。参考：月刊JWings9,’01、12,’14、月刊丸12,’90

　＜Ｆ４Ｕ−１Ａ＞：改良型で、Ａ記号は当初海軍制式名称でなく、チャンスボートが便宜上付けたものだった。カウルフラップからのオイル漏れを防ぐために作動方式を機械式に変え、上３枚を閉じたままとした。また、右翼前縁に小型のストールストリップを付けて左翼の失速を防ぎ、視界不良改善のために操縦席を178mm高くし、キャノピーを枠無しのセミバブル型とした。更に尾脚支柱を延長したり、主脚オレオの緩衝力を上げたりして1944年12月から空母で運用できるようになった。後期型ではエンジンを水噴射装置付きR-2800-8W（2230馬力）とし、いざという時に最大速度668km出せるようにした。全長10.16m、全幅12.49m（15.5m？）、全高4.9m、自重4074kg、全備重量5476kg（6350kg？）。実用上昇限度11250m、航続距離1633km（3539km？）。固定武装は12.7mm機銃６丁。胴体下面に1000ポンド爆弾１発または643リットル増槽１個を装備できる。生産数はF4U-1と合わせて2814機。グッドイヤー生産型はFG-1Aと呼ばれ、こちらはFG-1と合わせて1704機が生産された。参考：月刊JWings9,’01、4,’11、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｆ４Ｕ−１Ｃ＞：固定武装を20mm機関砲４門に換えたもの。200機が生産され、1943年8月から引き渡された。参考：月刊JWings9,’01、9,’17、月刊丸11,’72

　＜Ｆ４Ｕ−１Ｄ＞：戦闘爆撃機型。胴体下面センターラインパイロン１基の代わりに内翼部パイロン（1000ポンド爆弾または増槽１個を搭載）２基を付け、外翼下面にロケットランチャー計８基を搭載した。主脚を改良して発着艦性能を改善させており、プロペラ径を3.99mとしている。全長9.8m、全幅12.4m、全高3.4m、重量5750kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-8空冷星型複列18気筒レシプロ（2000馬力）単発、最大速度635km、航続距離3560km。固定武装は12.7mm機銃６丁。爆弾900kgを搭載可能。乗員１名。1685機が量産され、グッドイヤーでもFG-1Dの名称で2302機が生産されている。参考：月刊JWings9,’01、9,’17、図解世界の軍用機史、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊世界の艦船6,’12

　＜Ｆ４Ｕ−２＞：夜間戦闘機型で、F4U-2Nかも。右翼前縁にAIAレーダーを搭載し、オートパイロットを追加した。1944年1月までに31機（36機？）がF4U-1から改造された。9月下旬にVF(N)-75がニュージョージア諸島ムンダへと展開し、10月31日−11月1日の夜に一式陸攻１機を撃墜して海軍夜間戦闘機初戦果を記録している。参考：月刊JWings9,’01、月刊航空ファン1,’15

　＜ＸＦ４Ｕ−３＞：試作型。F4U-1Aのエンジンをターボ過給機付きXR-2800-16(C)レシプロ（2000馬力）に換え、直径4.01mの定速４翅プロペラを搭載した。試作のみに終わった。参考：月刊JWings9,’01

　＜ＸＦ４Ｕ−３Ａ＞：

　＜ＸＦ４Ｕ−３Ｂ＞：試作型。エンジンをターボ過給機付きR-2800-14W（2800馬力）に換えた。グッドイヤーでFG-3として少数生産された。参考：月刊JWings9,’01

　＜Ｆ４Ｕ−４＞：F4U-1に次ぐ量産型で、原型機は1944年4月19日、量産機は1944年9月30日に初飛行した。気化器空気取り入れ口を主翼付け根からカウリング下部に移し、カウリングも大型化して全長が４インチ（102mm）伸びた。プロペラにも改良を加えている。前期型ではアンテナ支柱がコクピット前方に付いているが、後期型では後方に移した。全長10.26m、全幅12.5m、自重4238kg、総重量6592-6654kg、翼面積29.17平方メートル。エンジンはR-2800-18W（C）水噴射装置付（2450馬力）、プロペラは４翅、最大速度728km。固定武装は12.7mm機銃６丁。1947年8月までに2000機が生産された。参考：月刊JWings9,’01、10,’22

　＜Ｆ４Ｕ−４Ｂ＞：F4U-4の翼内機銃を20mm機関砲計４門に換えたタイプ。296機が生産された。朝鮮戦争時の1952年9月10日、VMF-312所属機がMiG-15戦闘機を撃墜した。参考：月刊JWings9,’01、月刊航空ファン10,’19

　＜Ｆ４Ｕ−４Ｅ＞：APS-4レーダーを搭載したタイプ。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｆ４Ｕ−４Ｎ＞：夜間戦闘機型。APS-6レーダーを装備する。１機だけ製造された。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings9,’01

　＜Ｆ２Ｇシリーズ＞：F4U-1DのエンジンをR-4360ワスプメジャー（3000馬力）に換え、キャノピーを水滴型に改めたもの。特攻機に対抗する低空侵入機として開発されたが、戦争が終わったので、シリーズ全体で10機しか生産されなかった。参考：月刊JWings9,’01

　＜Ｆ４Ｕ−５＞：F4U-4のエンジンをR-2800-32W（C）レシプロ（水メタノール噴射装置付き、2760馬力）に換えたタイプ。気化器空気取り入れ口が左右２個に分離し、尾輪が完全引き込み式になった。全長も251mm伸びている。最大速度750km以上。太平洋戦争後に226機が生産された。参考：月刊JWings9,’01

　＜Ｆ４Ｕ−５Ｎ＞：夜間戦闘機型で、右主翼にAN/APS-19/-19Aレーダーを搭載する。全長10.52m、全幅12.49m、全高4.5m、自重4074kg、全備重量5852kg。最大速度756km、上昇限度12619m、航続距離1802km。固定武装はT-20消炎機付き20mm機関砲４門。1000ポンド爆弾２発、ロケット弾８発を搭載可能。315機が生産された。朝鮮戦争ではベッドチェック・チャーリーの迎撃任務に使用されることもあった。参考：月刊JWings9,’01、週刊エアクラフトNo.41

　＜Ｆ４Ｕ−５ＮＬ＞：耐寒仕様夜間戦闘機型。プロペラに除氷器を付け、主翼・尾翼前面に除氷用のラバーブーツを装着した。111機が生産された。参考：月刊JWings9,’01

　＜Ｆ４Ｕ−６＞：攻撃機型で、後にAU-1と改称された。エンジンはR-2800-83W（A）レシプロ（水メタノール噴射装置付き、2800馬力）。内翼下面に1000ポンド爆弾２発、外翼下面に250ポンド爆弾10発を搭載できる。1952年から111機が生産された。参考：月刊JWings9,’01

　＜Ｆ４Ｕ−７＞：フランス海軍向け。全長10.3m、全幅12.5m、全高4.5m。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-18W（2100馬力）単発、巡航速度365km、最大速度756km、実用上昇限度12618m、航続距離1803km。固定武装は12.7mm機銃６丁。1000ポンド爆弾を搭載できる。1952年7月2日に初飛行し、12月までに94機が生産されてMAP供与され、インドシナ方面に配備された他、アルジェリア戦争やスエズ危機に参加、1966年に退役した。参考：月刊JWings12,’10、9,’01

＜Ｆ４Ｕファミリー＞

　＜Ｆ４Ｕ−１Ｐ＞：写真偵察機型。F4U-1ベースで、数機が改造された。参考：月刊JWings9,’01

　＜Ｆ４Ｕ−４Ｋ＞：無人標的機型。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｆ４Ｕ−４Ｐ＞：写真偵察機型。F4U-4ベースで、９機が生産された。参考：月刊JWings9,’01

　＜Ｆ４Ｕ−５Ｐ＞：写真偵察機型。F4U-5ベースで、30機が生産された。参考：月刊JWings9,’01

＜Ｆ４Ｕ海外シリーズ＞

　＜コルセア�T＞：イギリス海軍艦上戦闘機で、F4U-1を導入したものである。自国空母の格納庫天井が低いため、主翼を折り畳んだ際ぶつからないよう、イギリス到着後に両翼端を203mm短くした。主脚オレオを延長している。レンドリースで95機を導入し、アメリカよりも早く1944年4月3日には空母で実戦参加（ティルピッツ攻撃）している。参考：月刊JWings9,’01、月刊丸11,’72、月刊世界の艦船6,’17

　＜コルセア�U＞：イギリス海軍艦上戦闘機で、F4U-1A/-1Dを導入したものである。510機を配備した。参考：月刊JWings9,’01

　＜コルセア�V＞：イギリス海軍艦上戦闘機で、F3A-1を導入したものである。430機を配備した。参考：月刊JWings9,’01

　＜コルセア�W＞：イギリス海軍艦上戦闘機で、FG-1/-1A/-1Dを導入したものである。857機を配備した。参考：月刊JWings9,’01

＜Ｆ−４用サーマル・バッテリ＞：自衛隊の機器。ダイセル製。参考：月刊軍事研究11,’14

＜Ｆ．５＞：F.4シリーズ（イタリア戦闘機）を参照。

＜Ｆ−５護送艦＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年8月14日進水。1939-40年に改造を受け、対空兵器を追加するなどしたが、艦首や船首楼の延長工事は受けていないようである。1945年1月、バルト海中部で触雷沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ−５哨戒飛行艇・海外ファミリー＞

　＜Ｆ−５（日本海軍）＞：日本海軍飛行艇。大正10年に供給された部品を基に製作され、昭和4年までに60機を生産。昭和5年まで使用された。参考：月刊JWings5,’05

＜Ｆ−５戦闘機シリーズ＞：アメリカ空軍軽攻撃戦闘機／発展途上国向け海外軍事援助（MAP）用戦術戦闘機。大元はノースロップ社が1955年から開発していた小型双発ジェット戦闘機N-156で、練習機版N-156TがT-38としてアメリカ空軍に採用されており、戦闘機版N-156Fも1958年2月から自主開発を続けていて、これをアメリカ空軍が同年にMAP用戦闘機として３機発注した。一旦はF-104に蹴られ、試作数も２機に減らされたが、政権交代による核戦略転換で、通常戦・COIN対応の中小同盟国向け戦術戦闘機が必要になり、1962年4月に採用されている。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings12,’05、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＹＦ−５Ａ＞：試作型。一旦発注が取り消されたN-156F試作３号機を復活させたものである。エンジンはJ85-GE-5（推力1.745トン）双発で、後にJ85-GE-13（推力1.85トン）に換装した。1959年7月30日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’20、3,'23、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−５Ａ＞：別名フリーダムファイター（Freedom Fighter）。原型機からは機関砲２門・ハードポイント追加、主脚強化、低圧タイヤ採用といった改良を受けている。総重量は６トンクラスで、F-86やT-33Aよりも軽い。細く絞られた機首にはレーダーが搭載されておらず、コストを削減して整備性を向上させている。機体は設計当初からエリアルールを採用しており、翼端増槽にまで適用された。コクピット後縁下方にあたる機体両側面に固定式外部圧縮型エアインテイクがあり、境界層吸い込み防止のため機体から少し離して設置されている。低速高出力ではエアインテイク面積が不足するので、後部胴体側面に補助エアインテイクがあって、210ノット以下で開き、225ノット以上で閉じる。大きなドーサルスパインには燃料を収容。主翼はテーパー比が大きく、後退角が小さく（25%翼弦で25度）、前縁と後縁に電動フラップを装備し、スポイラーは無い。主翼付け根前縁には前縁フラップ作動部カバーが延びており、これが引き起こし時に渦を発生させて空力特性を向上させる効果があると判明、ストレーキの研究に繋がった。垂直尾翼先端にVHFアンテナを装備。水平尾翼は主翼よりも低い位置に下反角４度で取り付けられており、差動機構は無い。降着装置は未整地滑走路でも着陸できるよう、強化されている。油圧は２系統で、ピッチとヨーに安定増強装置がセットされているが、自動操縦装置は無い。FCSはジャイロコンピュータ付きの光学照準器。N156F時代にはB28RI/B43核爆弾を含む兵装ディスプレイが行われたこともあったが、核運用能力は無い。通信航法装置はAN/ARC-150VHF無線機、AN/ARA-50VHF-DF、AN/AIC-18ICS、AN/ARN-65TACAN、AN/APX-72SIF、SST-181Xトランスポンダー。全長13.56m／14.38m（ピトー管含む）、全幅7.7m／7.87m（増槽あり）、全高4.01m、自重3.667トン、最大離陸重量9.333トン。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製J85-GE-13（ミリタリー推力1.234トン、A/B時推力1.85トン）双発、巡航速度1030km、最大速度マッハ1.4、最大上昇限度16240m、航続距離2250km、戦闘行動半径530海里。固定武装は機首の20mm機関砲M39が２門（280発）。ハードポイントは７箇所（両翼端、主翼下２カ所ずつ、胴体中央下）で、最大2.8トンの兵装類を搭載できる。乗員１名。1963年5月に試作機、10月に量産機が初飛行し、1964年1月から引き渡され、アメリカ空軍向けに635機（621機？）が生産された他、韓国、モロッコ、フィリピンなど各国に輸出された。総生産数は外国ライセンス生産機を含め818機である。12機が実戦評価を兼ねて1965年末から1966年3月までベトナム戦争に投入された。参考：月刊JWings12,’05、12,’06、3,’09、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報4,’18

　＜Ｆ−５Ｂ＞：別名はフリーダム・ファイター（Freedom Fighter）のまま。F-5Aの複座型で、T-38の前部胴体をF-5Aにくっつけたものである。固定武装は無いが、戦時には支援戦闘機として使用可能。全長13.47m／14.13m（ピトー管含む）。アメリカ空軍向けに200機が生産された他、各国に輸出された。参考：世界の軍用機1979、月刊JWings12,’05

　＜Ｆ−５Ｃ＞：戦闘爆撃機型で、1965年7月から開発された。F-5Aに装甲と空中給油受油装置を追加するなどしたもので、改造計画はアメリカ空軍により「スコシ・タイガー」と名付けられていたが、これはlittle tigerのlittleを日本語に直して計画名を付ける時に訳し間違えたのが原因である。正しく訳されていれば「チイサナ・タイガー」「チビ・タイガー」あたりになっていたかもしれない。12機が改造されてベトナム戦争に投入されたが、量産はされなかった。参考：月刊JWings12,’05、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−５Ｄ＞：Ｃ型の複座型。採用されなかった。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−５Ｅ＞：別名タイガー�U（Tiger�U）。F-5A/Bの性能を上回るMiG-21改に対抗するためアメリカ空軍が1969年末に提示した国際的戦闘機計画IFA（International Fighter Aircraft）に応募したもので、LTV社製V-1000、マクダネル社製F-4改、ロッキード社製CL2000を破って1970年11月に採用された。F-5AのエンジンをJ85-GE-21に換装し、これに合わせて胴体を再設計、燃料搭載量も増やしている。主翼の幅も大きくし、可変キャンバー翼を採用、フラップを空戦フラップにしたり、前縁フィレットを改良したりして旋回率や大迎え角での戦闘能力を向上させた。スロットルレバー側面にある空戦フラップ用スイッチをマニューバーの位置にすると、中央エアデータコンピュータの指令により、下げ（前縁下げ24度・後縁下げ20度）、空戦�T（前縁下げ18度・後縁下げ16度）、空戦�U（前縁下げ12度、後縁下げ８度）を自動的に選択する。巡航中のフラップ位置は前縁０度・後縁下げ８度、離着陸時のフラップ位置は下げである。機首は四角断面をしており、大迎え角での垂直尾翼の効きを保つ働きをする。FCSとしてAN/APQ-153（AN/APG-159？）を搭載し、機首にレーダーアンテナを装備、制限全天候能力を付与して空中戦能力を強化した。全長14.68m（14.45m？）、全幅8.13m（翼端AAMの中心まで）／8.53m（翼端AAM全体含む）、全高4.06m（4.46m？4.08m？）、自重4.278トン（4.43トン？）、空虚重量4.392トン、総重量6.99-9.92トン、最大離陸重量11.193トン。翼面積17.3平方メートル（16.8平方メートル？）。エンジンはGE社製J85-GE-21B（ミリタリー推力1.588トン、A/B時推力2.268トン）双発、経済巡航速度マッハ0.8、巡航速度マッハ0.98、最大速度マッハ1.6／マッハ1.49（翼端AAM装備時）、戦闘上昇限度16200m、実用上昇限度16400m、燃料容量2495リットル、戦闘行動半径540海里（航空阻止）／400海里（Hi-Hi-Hi制空、空戦５分、AAM２発＋275ガロン・1041リットル増槽１本）／750海里（増槽３本）／100海里（Hi-Lo-Hi攻撃、制圧時間50分、275ガロン・1041リットル増槽１本＋Mk82爆弾４発＋AAM２発）／120海里（Lo-Lo-Lo攻撃）、フェリー航続距離1270海里。固定武装は20mm機関砲M39（280発。M39A2？）２門。ハードポイント５箇所に爆弾や短射程AAMなど3.175トンを搭載できる。乗員１名。1972年8月11日に初飛行し、アメリカ空軍に1973年4月11日から引き渡された。1973年にはアメリカの輸出許可が下り、20カ国以上が採用している。ノースロップ・グラマン社ではレーダーをAN/APG-66に換装してデジタルFCSコンピュータとリング・レーザー・ジャイロ式慣性航法装置を積み、MIL-STD-1553Bデータバスで繋いだ改良型を開発し、輸出向け近代化改修として提案した。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、空軍、月刊JWings12,’06、3,’09、4,’13、2,’20、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−５Ｆ＞：Ｅ型の複座型、別名タイガー�U（Tiger�U）。F-5Eの前部胴体を1m延長して本来のコクピットの前方にもう１席を追加し、機関砲を１門（140発）に減らした。レーダーはそのまま搭載している。全長15.7m、総重量7.155トン。最大速度マッハ1.54。乗員２名。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1982、1979、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｆ−５Ｆ＋＞：アメリカ海軍・海兵隊仮想敵機。F-5Fに耐用年数延長改修を施し、デジタル・コクピットを搭載したものである。参考：月刊JWings7,’22

　＜Ｆ−５Ｇ＞：F-5Eの改良型、別名タイガーシャーク（Tigershark）。第三世界諸国や自由圏開発途上国向け戦闘機開発計画（Intermediate International Fighter）で1980年1月にアメリカ政府が認可し、ノースロップ社が自主開発した。エンジンをF/A-18と同じF404ターボファン単発に換装し、それに合わせて胴体設計を変更している。胴体が細身になったのに燃料タンク容量が同じなので、ちょっと無理をしているらしい。空力性能改善のため、機首を扁平型（シャーク型）とし、主翼前縁ストレーキを拡大、後部胴体下部に棚状チャインを追加した。大迎え角飛行時には機首から強力な渦が発生し、垂直安定板の効きを確保する。エンジン出力向上に合わせて垂直安定板も改良した。全長14.78m、全幅8.13m、全高4.52m、自重5.09トン、総重量7.761-11.857トン。エンジンはGE社製F404-GE-F1G1（ミリタリー推力4.81トン、A/B時推力7.26トン）単発、最大速度マッハ２、燃料容量2495リットル。固定武装は20mm機関砲M39（280発）２門。兵装搭載量4.31トン。AIM-9なら６発、Mk82なら７発、AGM-65マーベリックなら４発積める。乗員１名。初飛行後にF-20に名称変更された。参考：世界の軍用機1982、アメリカ空軍の第一線機、ザ・マーチ17号、月刊JWings2,’14

＜Ｆ−５Ｈ＞：F-20（試作戦闘機）を参照。

　＜Ｆ−５シャークノーズ＞：F-5E/Fの機首をF-5Gと同じ扁平シャーク型に換装したもの。アメリカ海軍などで採用された。参考：月刊JWings2,’14

　＜Ｆ−５Ｎ＞：アメリカ海軍・海兵隊戦闘機、別名タイガー�U（Tiger �U）。スイス空軍からF-5E戦闘機40機を購入し、近代化改修を行ったもので、アグレッサーとして使用された。参考：月刊航空ファン11,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｆ−５Ｎ＋＞：アメリカ海軍・海兵隊仮想敵機。F-5Nに耐用年数延長改修を施し、デジタル・コクピットを搭載したものである。参考：月刊JWings7,’22

　＜Ｆ−５Ｘ＞：ノースロップ社の独自改良型、別名スーパー・タイガー。1975年頃からF-5Eをベースに検討していたらしく、1977年にカーター大統領が就任して新兵器輸出禁止の方針を打ち出したのに伴いF-18L戦闘機の輸出が困難になったため、既存戦闘機を改良した輸出用戦闘機として1977年10月から本格的に開発した。搭載エンジンを検討した結果、単発化することになり、F-5Gに進んだ。参考：月刊JWings4,’21

＜Ｆ−５戦闘機ファミリー＞

　＜ＲＦ−５Ａ＞：偵察機型。F-5Aの機首にKS-92Aカメラ４基を積んでおり、機関砲は残したが、外したものもある。外部兵装搭載能力はそのまま。1968年5月に初飛行し、1972年6月までに89機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＲＦ−５Ｅ＞：偵察機型、別名タイガーアイ（Tigereye）。F-5Eがベースで、機首のAN/APQ-159レーダーと右側機関砲を外して機首形状を変更（長さは0.254m延びた）し、KS-87D1フレームカメラ（前下方撮影用）と偵察パレットを収容したものである。偵察パレットのカメラ収容室は長さ1.5mで、下方にＶ型平面ガラス窓を持ち、左右190度のパノラマ撮影が行える。また、その後ろには赤外線ラインスキャン用引き込み窓を持つ。パレット１はKA-95B中高度パノラマカメラとKA-56E低高度パノラマカメラとRS-710E赤外線ラインスキャン、パレット２はKA-56E低高度パノラマカメラとKA-93B6パノラマカメラ（スキャン角145度、使用高度3000-15000m）、パレット３はLOROPカメラKS-174A（焦点距離1.68m）である。右機関砲撤去跡にズームレンズ付きシリコン・ビジコンTVカメラを搭載することもでき、近赤外線の感度が高いためもやを透過しての撮影が可能で、映像はコクピットのCRTにも投影される。LN33慣性誘導装置とAN/APN-22電波高度計を持ち、これらを使用して画面の角速度から撮影諸元を設定する半自動撮影システムが用意されていて、侵入コースや侵入高度を目視で修正するためのテレビディスプレイを装備する。全長14.88m、全幅7.7m、全高4.46m、総重量7-9.92トン。エンジンはGE社製J85-GE-21Bターボジェット（ミリタリー推力1.59トン、A/B時推力2.268トン）双発、最大速度マッハ1.63、実用上昇限度15500m、作戦行動半径759km（増槽１個、Hi-Lo-Hi）／1037km（増槽３個）。固定武装はM39A2機関砲１門。F-5Eと同じ外部兵装搭載能力を持つが、通常は増槽３個を携行し、自衛用に翼端AIM-9を装備することもある。乗員１名。試作機は1979年1月29日、量産型初号機は1982年12月15日に初飛行し、12機が生産されてマレーシアやサウジアラビアが採用した。参考：世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91、スパイ機、アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−５戦闘機・海外シリーズ＞

　＜ＣＦ−１１６Ａ＞：カナダ国防軍戦闘機。アメリカ名称CF-5A。1965年7月に採用され、カナデア社がライセンス生産した。F-5A戦闘機ベースで、エンジンをオレンダ社製J85-CAN-15（推力1.95トン）に強化しており、後部胴体両側にルーバー型の補助エアインテイクを新設、前脚を２ポジション式に換装している。89機が生産され、1968年から就役した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン3,’99、軍事力バランス78年版

　＜ＣＦ−１１６Ｄ＞：カナダ国防軍戦闘機。アメリカ名称で、CF-5B（CF-5D？）。複座型で、カナデア社が生産し、26機を配備した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン3,’99

　＜Ｆ−５（イラン空軍）＞：イラン空軍戦闘機。1965年からF-5A/B戦闘機を導入。1974年からF-5E/F戦闘機を導入。イラン・イスラム革命でアメリカからの部品供給が途絶えると、他の国からパーツを集め、自国での改良型（アザラフシュ、シームルグ、サエゲ）開発も行っている。参考：月刊JWings5,’15、月刊航空ファン9,’19

＜Ｆ−５（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。1965-71年にF-5A戦闘機88機（87機？）とF-5B戦闘機35機導入した。参考：月刊JWings12,’05、月刊航空ファン3,’19

　＜Ｆ−５（シンガポール空軍）＞：シンガポール空軍戦闘機。2015年9月頃から飛行していないらしく、2016年5月21-22日のシンガポール空軍オープンハウスにも姿は現さず、完全退役説が流れている。参考：月刊航空ファン8,’16

　＜Ｆ−５（スペイン空軍）＞：スペイン空軍戦闘機。1966年にノースロップと契約し、CASA社でSF-5A/SF-5B/SRF-5Aを計70機ライセンス生産して1970年から配備した。2000年にIAIとSF-5BをSF-5Mに改修する契約を締結した。参考：月刊航空ファン5,’16

　＜Ｆ−５（台湾空軍）＞：台湾空軍戦闘機。1973年からF-5E/F戦闘機308機を導入し、F-4E調達断念で28機を追加、計336機を1986年までに配備した。配備後に改良が行われており、Ｋ構型、Ba構型、Ｃ構型（ストレーキ大型化、AN/APQ-159(V)5レーダー装備、AN/AVQ-27・GBU-12・AGM-65運用可能）といった改良型がある。2024年に完全退役予定。参考：月刊JWings3,’22

　＜Ｆ−５（チリ空軍）＞：チリ空軍戦闘機。1960年代にF-5A戦闘機18機とF-5B戦闘機３機の輸入をアメリカに申請したが、チリ政府の政策がアメリカと合わなかったため却下され、1970年代初めにF-5E戦闘機18機とF-5B戦闘機３機の導入を図ったがこれも1970年に社会主義国となっていたため拒否され、1974年のCIA煽動によるクーデターにより漸く輸出許可が下り、ピースラマ�T計画の名称でF-5E戦闘機15機とF-5F戦闘機３機を導入した。その後の人権弾圧でアメリカとの関係が悪化するとスペアパーツが入らなくなり、クフィール導入案やブラジル空軍との統合運用案などが検討され、結局IAIによるタイガー�Vへのアップグレードを行う事になった。1992年からF-5E戦闘機13機とF-5F戦闘機３機にタイガー�Vへのアップグレードを実施。その頃には1990年の民主政権誕生でアメリカとの関係改善も進んでおり、1997年に空中給油受油キットが供給され、1998年までに全機への搭載改修を終えている。後継機としてF-16をオランダから中古で購入したが、南極に近いチャブンコ空軍基地ではFODに強いこちらを運用し続けている。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｆ−５（ブラジル空軍）＞：ブラジル空軍戦闘機。1975年からF-5B練習機６機、F-5E戦闘機66機、F-5F戦闘機７機を導入した。うち46機は2001年にエンブラエルで改良を受け、F-5EM/FMになった。参考：月刊JWings1,’12

　＜Ｆ−５（ベトナム空軍）＞：ベトナム空軍戦闘機。ベトナム戦争で南ベトナム空軍F-5A/B戦闘機60機とF-5E戦闘機27機を鹵獲し、第935連隊に配備した。1980年代前半からMiG-21MFに後を譲って退役し、イランとエチオピアに売却された。他に研究用としてF-5A戦闘機を中国、F-5E戦闘機をソ連、ポーランド、チェコスロバキアに譲渡している。参考：月刊航空ファン9,’18

　＜Ｆ−５（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍戦闘機。CA27セイバーの後継として1975年にF-5E戦闘機14機とF-5B戦闘機２機を配備した。1982年、F-5E戦闘機２機とF-5F戦闘機４機を購入し、F-5B戦闘機２機をタイ空軍に売却した。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｆ−５（南ベトナム空軍）＞：南ベトナム空軍戦闘機。1967年4月にF-5A戦闘機17機とF-5B戦闘機２機がアメリカ空軍から移管されたのが始まりで、F-5A戦闘機160機、F-5B戦闘機10機、RF-5A偵察機10機の計180機が供与された。1973年3月からF-5E戦闘機の引き渡しが始まったが、54機を配備したところでベトナム戦争に負けて南ベトナムが無くなり、F-5E戦闘機22機、F-5A戦闘機３機、F-5B戦闘機１機、RF-5A偵察機１機がタイに脱出した。F-5E戦闘機20機はアメリカ空海軍で仮想敵機になり、F-5B戦闘機１機はタイ空軍、RF-5A偵察機１機は韓国空軍に編入されている。参考：月刊航空ファン9,’18

　＜Ｆ−５（メキシコ空軍）＞：メキシコ空軍戦闘機。1970年代半ばにアメリカとF-5E戦闘機30機とF-5F戦闘機６機を導入する交渉に入ったが拒否され、代わりにクフィールC2戦闘機24機を導入しようとしたがエンジン輸出をアメリカから拒否され、フランスからミラージュ50を購入する案も出されたが、最終的にアメリカからピース・アズテック計画の名称でF-5E戦闘機10機とF-5F戦闘機２機をFMS輸入することに落ち着いた。乗員訓練、AIM-9B空対空ミサイル、LAU-3/Aロケットポッド、Mk82爆弾、Mk83爆弾などもセットになっており、1982年から配備された。後にAIM-9P空対空ミサイルやLAU-32/Aロケットポッドも導入している。タイガー�W仕様に改良してBVRAAMを運用可能とする予定だったが、予算の関係でAN/APQ-159(V)5レーダー搭載改修のみを2005年から施した。参考：月刊航空ファン3,’20

　＜Ｆ−５（ヨルダン空軍）＞：ヨルダン空軍戦闘機。1975年からF-5E戦闘機61機とF-5F戦闘機12機をアメリカから導入した。参考：月刊航空ファン5,’16

　＜Ｆ−５Ａ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。1965年から88機を配備した。1972年、36機を南ベトナム空軍に供与。1975年、ベトナム戦争終結で９機が帰還し、イラン空軍供与機８機、台湾空軍供与機３機、アメリカ空軍供与機２機が編入された。1996年と1998年、８機をフィリピンに売却した。2005年に退役した。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜Ｆ−５Ｂ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。36機を運用した。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜Ｆ−５Ｂ（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍戦闘機。1975年に２機を配備した。1982年、F-5Fの導入に伴い、タイ空軍に売却した。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｆ−５Ｅ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍戦闘機。1980年に12機を購入した。1990年後半にベルギーのSABCAでアップグレードを行っている。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜Ｆ−５Ｅ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。2021年1月11日、１機が墜落し、パイロット１名が死亡した。参考：月刊JWings4,’22

　＜Ｆ−５Ｅ（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍戦闘機。LN-33慣性航法装置を追加した。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−５Ｅ（シンガポール空軍）＞：シンガポール空軍戦闘機。MIL-STD-1553Bデジタルデータバスを搭載し、レーダーをFIARグリフォ７マルチモード・ルックアップ／ルックダウン・パルスドップラーレーダーに換装している。アンテナが直径380mmと大型のため、機首のバルクヘッドを後退させた。リットン社製LN-93リング・レーザー・ジャイロ慣性航法システム、HOTAS、エルビット社製ミッション・コンピュータ、HUD、カラー・モノクロ２連多機能ディスプレイなども搭載する。参考：月刊Aircommand10,’94

　＜Ｆ−５Ｅ（スイス空軍）＞：スイス空軍戦闘機。1979年（1978年？）からピースアルプス計画及びピースアルプス�U計画の名称で1985年までに110機を導入した。うち11機が事故で失われ、40機がアメリカ海軍に売却されてF-5Nになり、12機がオーストラリア空軍に貸与され、残る57機は2010年から退役する。参考：月刊軍事研究10,’06、11,’08、月刊航空ファン7,’17、11,’19

　＜Ｆ−５Ｅ（タイ空軍）＞：タイ空軍戦闘機。エルビット社による改修を12機に施して2025年まで運用する予定。参考：月刊航空ファン6,’17、月刊JWings8,’23

　＜Ｆ−５Ｅ（台湾空軍）＞：台湾空軍戦闘機で、ライセンス生産した。機首をKS-121A偵察カメラ装備の偵察用機首に交換可能。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−５Ｅ（チリ空軍）＞：チリ空軍戦闘機。ピースラマ�Tの計画名で15機を導入したが、直後にアメリカから禁輸措置を受けて大半のスペアパーツを入手できなくなり、1987年には可動機が４機に低下。IAIによるアップグレードで凌ぐことになり、残存13機をタイガー�Vに改造した。参考：月刊航空ファン11,’18

＜Ｆ−５Ｅタイガー�V（チリ空軍）＞：チリ空軍戦闘機。アメリカの禁輸措置で可動機が減少したため、IAIで改修を加えて再運用できるようにし、ついでにアップグレードも行ったものである。レーダーをエルビット社製EL/M2032Bに換装し、El-Opヘッドアップディスプレイ、INS/GPS航法装置、新型航法通信装置、チリのDTSが開発したEWPS-100レーダー警報を搭載、DASYH�Vヘルメットによりラファエル社製パイソン�W赤外線誘導式AAMを運用可能とした。1990年に１機がイスラエルに送られて改造を受け、1992年7月8日に初飛行した。残る12機はチリで改造されている。1997年、タイガーセンチュリーから空中給油受油プローブと改造キットを購入して翌年までに13機全機に取り付けた。プローブは固定式で、コクピット右の機体側面から斜め上に突き出している。2001年、ラファエル社製ダービーBVRAAMを運用可能とした。参考：月刊航空ファン11,’18、7,’18、月刊軍事研究5,’09

　＜Ｆ−５Ｅ（バーレーン空軍）＞：バーレーン空軍戦闘機。1985年の価格は１機1533万ドル。参考：月刊JWings9,’10

　＜Ｆ−５Ｅ（ブラジル空軍）＞：ブラジル空軍戦闘機。ドーザルフィンを大型化してADFアンテナを内蔵した。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−５Ｅ（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍戦闘機。1975年に14機を配備した。1982年、損耗補充として２機を追加導入した。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｆ−５Ｅ（メキシコ空軍）＞：メキシコ空軍戦闘機。1982年から10機を配備した。1983年に１機、1995年に１機が事故で失われている。参考：月刊航空ファン3,’20

　＜Ｆ−５ＥＭ＞：ブラジル空軍戦闘機。F-5Eの改良型で、レーダーをセレックス・ガリレオ社製グリフォＦに換装し、コクピットをNVG対応としてMFDとHOTASを搭載、HMDやライトニング�Vターゲッティングポッド運用能力を追加し、AIM-120BVRAAM、レーザー誘導爆弾、スカイシールドECMポッドを装備可能としている。R-99AEWや地上迎撃管制システムと通信するための秘話無線通信装置や、空中給油受油装置を追加し、レーダー警戒受信機を換装した。機体寿命も15年間延長している。2001年からエンブラエル社で改修された。参考：月刊JWings2,’14、1,’12

　＜Ｆ−５Ｆ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍戦闘機。1980年に４機を購入した。1990年後半にベルギーのSABCAでアップグレードを行っている。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜Ｆ−５Ｆ（スイス空軍）＞：スイス空軍戦闘機。３機がアメリカ海軍に引き渡された。参考：月刊航空ファン11,’19

　＜Ｆ−５Ｆ（チリ空軍）＞：チリ空軍戦闘機。ピースラマ�Tの計画名でF-5F戦闘機３機を導入したが、直後にアメリカから禁輸措置を受けて大半のスペアパーツを入手できなくなったため、F-5Eと同様にIAIによるアップグレードで凌ぐことになり、３機全機をタイガー�Vに改造した。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｆ−５Ｆタイガー�V（チリ空軍）＞：チリ空軍戦闘機。F-5F戦闘機にF-5Eタイガー�Vと同様の改造を施したもので、１機がイスラエル、２機がチリで改造された。1997-98年、空中給油受油プローブ追加改修を実施。2001年、ラファエル社製ダービーBVRAAMを運用可能とした。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｆ−５Ｆ（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍戦闘機。1982年にF-5F戦闘機４機を導入した。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜Ｆ−５Ｆ（メキシコ空軍）＞：メキシコ空軍戦闘機。1982年から２機を導入した。参考：月刊航空ファン3,’20

　＜Ｆ−５ＦＭ＞：ブラジル空軍戦闘機。F-5F戦闘機にF-5EMと同様の改良を施したものである。参考：月刊JWings1,’12

　＜Ｆ−５ＦＴＨ＞：タイ空軍戦闘機。F-5F戦闘機の改良型で、エルビット社が改修した。エルタ製EL/M-2032レーダーを搭載し、コクピットに新型HUD、カラーMFD２基、UFCパネルを装着、エルビット製リザード誘導爆弾やラファエル製パイソン�X・ダービーミサイルを運用可能としている。２機を配備予定。参考：月刊JWings8,’23

　＜ＫＦ−５Ｅ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機、別名チェゴン（制空）。参考：月刊航空ファン10,’19

　＜ＫＦ−５Ｆ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機、別名チェゴン（制空）。大韓航空が生産したF-5Fで、初号機は2008年に完成した。参考：月刊航空ファン10,’19

　＜ＮＦ−５Ａ＞：オランダ空軍戦闘機。F-5Aを採用したもので、カナデア社が生産した。基本的にはCF-5Aで、フラップを空戦フラップ方式に変更し、ドップラー航法装置を搭載している。75機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＮＦ−５Ｂ＞：オランダ空軍戦闘機。F-5Bを採用したもので、カナデア社が30機を生産した。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＳＦ−５Ａ＞：スペイン空軍戦闘機。スペインのCASA社がライセンス生産したF-5Aで、19機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＳＦ−５Ｂ＞：スペイン空軍戦闘機。スペインのCASA社がライセンス生産したF-5Bで、34機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜自由闘士式戦闘機＞：台湾空軍戦闘機。F-5A/Bの供与を受けたものである。台湾航空科学館にF-5Aが展示されている。参考：月刊航空ファン8,’09

　＜アザラフシュ＞：アザラフシュ戦闘機シリーズ（F-5ベース）を参照。

　＜シームルグ＞：シームルグ・シリーズを参照。

　＜サエケ＞：サエケ・シリーズを参照。

　＜タイガー２０００＞：タイガー2000を参照。

＜Ｆ−５戦闘機・海外ファミリー＞

　＜Ｆ−５Ｆ（スイス空軍）＞：スイス空軍練習機。1979年に６機、その後更に６機を導入した。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜ＲＦ−５Ａ（韓国空軍）＞：韓国空軍偵察機。８機を導入した。他に1975年のベトナム戦争サイゴン陥落直前にタイに脱出した南ベトナム空軍機１機も使用している。参考：月刊航空ファン3,’19、月刊JWings12,’05

　＜ＲＦ−５Ｅ（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍偵察機。1983年に２機を導入した。参考：月刊航空ファン11,’18

　＜ＳＦ−５Ｍ＞：スペイン空軍練習機／機種転換訓練機。SF-5Bの近代化改修型で、2000年にIAIと契約を結んだ。戦闘機教育訓練用で、C.15/CE.15（F/A-18）やC.16/CE.16（EF2000）への機種転換が行えるよう、MFDによるグラスコクピット化、HOTASとHUD装備、INS/GPS追加、模擬レーダーシステム搭載、ビデオレコーダー装備などを実施する。2000年から第１次改修、2009年から射出座席をEF2000と同じマーチンベイカー社製Mk16Lに換装するなどの第２次改修が行われており、19機を改修して第23航空団に配備した。2028年まで運用予定。参考：月刊航空ファン5,’16、月刊JWings9,’21

　＜ＳＲＦ−５Ａ＞：スペイン空軍偵察機。CASA社がライセンス生産したRF-5Aで、17機を配備した。参考：月刊航空ファン5,’16

　＜虎目式偵察機＞：台湾空軍偵察機。RF-5Eを導入したものである。参考：月刊航空ファン11,’16

＜Ｆ−５偵察機＞：P-38戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｆ５フリゲート＞：イギリスのBMTディフェンスサービス社とNGA社が2003年に発表した５胴船（ペンタマラン）フリゲート。船体は鋼製で、上部構造物やマスト共々ステルス性を考慮している。全長181.5m、全幅32.1m、満載排水量6339トン。主機はCOGLAG方式、ガスタービン３基・電動機２基、推進はウォータージェット2-3基、最大速力45ノット。兵装は中口径砲１門（レールガンも可）、32セルVLS２基（船体前後に１基ずつ）。CH-47クラスのヘリを２機運用できる。イギリス海軍将来戦闘艦FSCに提案したが、採用されなかった。参考：月刊軍事研究3,’11

＜Ｆ５／３４＞：グロスター社がグラディエーターの後継として開発した戦闘機。主翼は低翼単葉、降着装置は半引き込み式。採用はされなかった。全長9.69m、全幅11.6m、全備重量1200kg。エンジンはブリストル製マーキュリー９（825馬力）単発、最大速度490km、実用上昇限度9800m。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆ５Ｄ−１＞：ダグラス社の試作戦闘機、別名スカイランサー。F4D-2Nがベースで、1956年4月に初飛行した。アメリカ海軍には採用されず、４機のみの生産に終わった。参考：週刊エアクラフトNo.84

＜Ｆ．６＞：F.4戦闘機シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−６＞：F4Dシリーズ（艦上戦闘機）または殲撃６型シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−６＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年10月進水。1940年頃に改装を受け、艦首と船首楼を延長、ケーニギン・ルイゼと改称された。1945年3月、ウィルヘルムスハーフェンで爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ−６Ａ＞：F4D-1（戦闘機）を参照。

＜Ｆ６Ｄ−１＞：アメリカ海軍計画並列複座双発ジェット戦闘機、別名ミサイリア（Missileer）。AAM-N-10イーグル空対空核ミサイルを運用するのが主任務で、ダグラス社が開発した。F3Dがベースで、ドーサルフィンを外してエンジン位置を機体左右中央に移動、スピードブレーキをエンジン後部左右に移している。垂直尾翼のラダーは水平尾翼より下にも設けられた。参考：月刊JWings5,’04

＜Ｆ６Ｆシリーズ＞：アメリカ海軍艦上戦闘機、別名ヘルキャット（Hellcat。あばずれ、性悪女の意）。F4Uの開発が失敗した時に備えて1940年6月30日にグラマン社へ開発指示が出され、1941年1月にモックアップ審査を受け、6月に試作機が発注され、試作機完成前の1942年1月7日に量産指示が出された。1943年8月31日の南鳥島（マーカス島）攻撃が初出撃である。頑丈さには定評があり、7.7mm機銃200発以上の弾痕を受けながら空母に帰ってきたこともあった。1945年11月21日までの37ヶ月間に12275機が生産された。零戦だけでなく陸軍一式・二式・三式戦闘機にも優勢な性能を示し、太平洋戦争では日本軍機5156機を撃墜して被撃墜は270機だった。参考：月刊JWings4,’13、4,’00、5,’08、11,’18、月刊丸10,’93、6,’14

　＜ＸＦ６Ｆ−１＞：試作機。F4U共々開発が失敗すると目も当てられないので、F4Fをベースに戦闘能力を強化する堅実な設計とし、エンジンもF4Uより出力が２割低いライトXR-2600-10サイクロンエンジン（1600馬力）を搭載した。初飛行は1942年6月26日。エンジン出力が不足しており、性能的には不十分で、更に出力の大きいエンジンを搭載することになった。参考：月刊JWings4,’00、4,’13、5,’08、月刊丸1,'15増刊

　＜ＸＦ６Ｆ−２＞：試作２号機（予定）で、エンジンをターボチャージャー付きR-2600に換える予定だった。しかしF4Uの開発難航でR-2800エンジンを使えることになり、XF6F-3が代わりに製作されたので、本機は作られなかった。後にターボチャージャー付きXR-2800-16エンジンを搭載した機体にこの名が付いている。参考：月刊JWings4,’00

　＜ＸＦ６Ｆ−３＞：試作２号機。F4Uの発着艦性能が悪く空母に載せられなかったため、F6Fの出番となり、XF6F-1と同仕様の機体にF4Uと同じR-2800-10（2000馬力）を積んだものである。1942年7月30日に初飛行したが、8月17日に墜落したので、XF6F-1試作初号機がエンジンを積み替えて試験に投入された。テスト中、急降下速度が845kmを超えるとフラッターが起こったので、解決が図られている。ちなみに、当時の日本軍機ではとっくに空中分解しているスピードである。零戦に対抗して20mm機関砲を積むことも検討されたが、一撃離脱戦法の際には直進性の高く命中率の良い12.7mm機銃の方が有利と判断され、12.7mm機銃６丁を搭載した。参考：月刊JWings4,’00、太平洋戦争情報戦、月刊丸1,'15増刊

　＜Ｆ６Ｆ−３＞：XF6F-3の量産型。1942年10月3日に初飛行し、最初の何機かは実用化テストに使用された。主翼は低翼配置の単葉直線テーパー翼で、外翼部を90度後方に折り畳むことができ、専有面積が減るので搭載機数を増やすことができた。主脚は90度旋回して後ろに引き込まれる。胴体後部背面にIFFアンテナ、下部にVHFアンテナを持つ。実用化テストでもあまり改修点がなかったので、すぐさま量産が拡大され、1943年1月16日に初の実戦部隊が編成され、8月31日に南鳥島を襲撃して実戦デビューした。設計は極めて平凡で、エンジン出力からすると十分な能力を引き出しているとは言えないが、旋回性能、航続距離、低空での上昇力を除けば零戦よりも性能が上で、数も上、AN/ARC-5無線機によりチームワークも良く、更に一撃離脱戦法により零戦対策を徹底し、1943年末以降は圧倒した。沖縄戦からは低−中高度で制空や地上攻撃にあたる編隊を2000m上空のやや離れた位置で上空直掩編隊がカバーする戦法をとり、下方の編隊に食い付いた日本軍戦闘機を後上方の死角から撃ち落としている。全長10.24m、全幅13.06m／4.93m（主翼折り畳み時）、全高3.99m、自重4105kg、全備重量5643kg。翼面積31.03平方メートル。エンジンはR-2800-10空冷星型複列18気筒２段２速過給器付ガソリン（2000馬力）単発、プロペラはハミルトン・スタンダード社製油圧式３翅（直径4m。スピナー無し）、巡航速度270km、最大速度605km、上昇限度11438m、燃料搭載量946リットル＋増槽568リットル、航続距離1745km（2558km？）。固定武装は主翼の12.7mm機銃（400発）６丁。450kg爆弾１発を搭載可能。乗員１名。キャノピー後部のアンテナ支柱は当初前傾していたが、後に垂直に立つようになった。また、初期型には排気口部分に膨らみがあり、カウリング下部にカウルフラップがある。生産中に、胴体中心線下に150ガロン（567.8リットル）増槽または1000ポンド爆弾１発、内翼パイロンに1000ポンド爆弾１発ずつを搭載できるようになった。1943年10月からドロップタンクを標準装備している。1944年1月から生産機の６割が水噴射装置付きR-2800-10Wエンジン（2200馬力）を搭載した。4402機が生産された。参考：月刊JWings4,’00、4,’14、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊丸1,'15増刊、ラバウル航空戦、月刊航空ファン11,’15

　＜Ｆ６Ｆ−３Ｅ＞：夜間戦闘機型。F6F-3の右外翼下面にウエスティングハウス製AN/APS-4レーダーをポッド式に搭載し、電波高度計とIFFを装備、風防を防弾ガラス１枚に変更し、計器板の照明を赤にした。18機が製作された。参考：月刊JWings4,’00

　＜Ｆ６Ｆ−３Ｎ＞：夜間戦闘機型。F6F-3Eのレーダーをスペリー製AN/APS-6に換え、右外翼前縁に装備した。1943年6月にテストを受け、229機が生産された。参考：月刊JWings4,’00

　＜ＸＦ６Ｆ−４＞：エンジン強化試作機。プラット＆ホイットニー社製R-2800-27（１段２速過給機付。2000馬力）を搭載したもので、最大速度570kmを誇ったが、試作のみに終わり、後に武装を20mm機関砲４門に換装してテストされた。参考：月刊JWings4,’00、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｆ６Ｆ−４＞：護衛空母向け試作型。主翼を拡大して武装を12.7mm機銃４丁にした。不採用。参考：月刊JWings4,’00

　＜Ｆ６Ｆ−５＞：F6F-3の改良型で、1944年4月5日に初飛行した。110kgの防弾装備を追加し、風防を防弾ガラス１枚に変更、外翼に５インチ（127mm）高速空中発射ロケット弾HVAR用ランチャー計６基（左右３基ずつ）を搭載し、エルロンにスプリングタブを追加、カウリングを少し絞り、尾部を強化している。後期型では内側の機銃を20mm機関砲（100発）にしたり、キャノピー後部の窓を廃止したりした。全長10.31m、全幅13.05m、全高4.39m（3.99m？）、自重4190kg、全備重量5914kg（5779kg？）。翼面積31平方メートル。エンジンはR-2800-10W空冷複列星型18気筒ガソリン（2000馬力。2200馬力？）単発、最大速度612km、上昇限度11370m、航続距離1750km（2180km？）。固定武装は12.7mm機銃６丁（2400発）。爆弾なら最大３発計2000ポンド（907.2kg）まで、ロケット弾なら最大６発を搭載できる。乗員１名。7868機が生産された。参考：月刊JWings4,’00、5,’08、4,’14、11,'18、10,'22、零式艦上戦闘機、ラバウル航空戦、図解世界の軍用機史

　＜Ｆ６Ｆ−５Ｅ＞：夜間戦闘機型。F6F-5にF6F-3Eと同じ改造を施している。参考：月刊JWings4,’00

　＜Ｆ６Ｆ−５Ｎ＞：夜間戦闘機型。F6F-5にF6F-3Nと同じ改造を施している。大部分は内側の機銃を20mm機関砲に換装した。1529機が生産された。参考：ラバウル航空戦、月刊JWings4,’00

　＜ＸＦ６Ｆ−６＞：試作エンジン強化型。水噴射装置付きR-2800-18W（2100馬力）を搭載し、プロペラを４翅にした。1944年7月6日に初飛行し、２機が製作されて最大速度671kmを記録したが、このエンジンはF4U-4用でもあり数に余裕が無かったので、本機は不採用になった。参考：月刊JWings4,’00、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、ラバウル航空戦

＜Ｆ６Ｆファミリー＞

　＜Ｆ６Ｆ−３Ｐ＞：高々度写真偵察機型。F6F-3の後部胴体左側に長焦点カメラを搭載したもので、武装はそのままである。参考：月刊JWings4,’00、ラバウル航空戦

　＜Ｆ６Ｆ−５Ｐ＞：高々度写真偵察機型。F6F-5にF6F-3Pと同じ改造を施したもので、太平洋戦争後に改造された。参考：ラバウル航空戦、月刊JWings4,’00

　＜Ｆ６Ｆ−３Ｋ＞：遠隔操縦無人機型。太平洋戦争後に改造され、核実験後の大気サンプリングに使用された。参考：月刊JWings4,’00

　＜Ｆ６Ｆ−５Ｋ＞：遠隔操縦無人機型。太平洋戦争後に改造された。朝鮮戦争では無人飛行爆弾として使用されている。参考：月刊JWings4,’00、10,'20

＜Ｆ６Ｆ海外シリーズ＞

　＜ヘルキャットＦ．１＞：イギリス海軍艦上戦闘機。F6F-3を輸入したもので、252機を配備した。参考：ラバウル航空戦

　＜ヘルキャットＮＦ．２＞：イギリス海軍艦上戦闘機。F6F-5Nを輸入したもので、76機を配備した。参考：ラバウル航空戦

＜Ｆ．６Ｍ＞：F.4シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ．６ＭＺ＞：F.4シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ６Ｕ−１＞：アメリカ海軍ジェット艦上戦闘機、別名パイレート（Pirate）。アメリカ海軍初のアフターバーナー装備機で、チャンス・ボート社が開発した。全長10.9m、全幅10m、重量5.71トン。エンジンはウエスティングハウス製J34-WE-30（ミリタリー推力1.48トン、A/B時推力1.92トン）単発、最大速度966km。固定武装は機首下面左右の20mm機関砲４門。乗員１名。1946年10月2日に初飛行し、少数のみ生産された。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊JWings3,’23、月刊航空ファン7,’18、月刊世界の艦艦船3,’21

＜Ｆ．７＞：F.4シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−７シリーズ＞：殲撃７型シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ０７＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦アフリディ（Afridi）。1938年5月3日竣工。1940年5月3日、ノルウェー沖でドイツ軍機の急降下爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ−７＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年5月進水。1940年に改装を受けたが、艦首や船首楼に変化は無い。終戦後、ソ連に引き渡された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ７−１０エンジン・コアモジュール＞：自衛隊の機器。IHI製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜Ｆ７−１０エンジン整備用器材＞：自衛隊の機器。アイ・エヌ・シー・エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜Ｆ７Ｆシリーズ＞：アメリカ海兵隊双発戦闘機、別名タイガーキャット（Tigercat）。グラマン社がXF5F-1のデータを元に1941年から開発し、1943年12月に試作機が初飛行した。当初は陸海軍双方に提案したが、後に海軍のみに絞って採用されている。ミッドウェイ級空母での運用を考えていたが、機体が大型で整備などにも無理があり、実際には海兵隊に配備されて陸上運用された。これに伴い量産初号機は1944年4月の引き渡しになり、1945年8月14日に沖縄に到着したが当然ながら出撃の機会は無く、朝鮮戦争に投入されている。退役後は森林消火機として使用された。参考：月刊JWings7,’11、第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｆ７Ｆ−１＞：XF5F-1とは全く異なる機体で、胴体は細長く、主翼は中翼配置で低アスペクト比、垂直尾翼は１枚である。1944年4月から34機が海兵隊に就役した。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｆ７Ｆ−２Ｎ＞：夜間戦闘機型で、65機が生産されたところで太平洋戦争が終わり、量産打ち切りになった。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｆ７Ｆ−３＞：エンジンを強化し、垂直尾翼を大型化、装甲を強化して燃料搭載量を増加させたもの。全長13.83m、全幅15.7m、全高5.05m、自重7380kg、全備重量11670kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-34Wダブルワスプ（2100馬力）、巡航速度357km、最大速度700km、上昇限度12405m、航続距離1931km。固定武装は12.7mm機銃４丁（＋20mm機関砲４門？）。454kg（908kg？）までの爆弾や航空魚雷１発などを搭載できる。189機が生産された。参考：第２次大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings7,’11

＜Ｆ７シリーズ＞：海上自衛隊P-1哨戒機のターボファンエンジン。技術研究本部第３研究所と石川島播磨重工が開発した。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ＸＦ７−１０＞：P-X試作哨戒機に搭載されたもの。XF5-1エンジンに直径1.4mの新型ファンを取り付け、低圧圧縮機と低圧タービンも換装したもので、2001年度から技術研究本部第３研究所が石川島播磨重工を主契約企業として開発を行った。ファン１段、バイパス比８、低圧圧縮機２段、圧縮機８段、燃焼器はアニュラー型、高圧タービン２段、低圧タービン４段。全長2.7m、直径1.4m、重量1.2トン、推力6.1トン（5.4トン？）。高バイパス比とFADECにより同推力の従来エンジンよりも10%燃費が良く、巡航出力で10デシベル、離陸出力で５デシベルほど騒音が低いという。地上試験用10基、飛行試験用12基により2007年にテストを終了し、F7-IHI-10として実用化された。海自第３術科学校でカットモデル、整備訓練、分解・組み立て訓練に１基ずつ使用されている。参考：月刊軍事研究2,’08、11,’08、月刊航空ファン5,’16、MAMOR Vol.46、月刊JWings1,’24

＜Ｆ７−ＩＨＩ−１０＞：P-1哨戒機に搭載されたもの。XF7-10の実用化型であり、IHIが生産した。XF5-1エンジンに大型ファンを追加した２軸ターボファンエンジンで、騒音低減に力を入れており、４発機P-1の騒音レベル（EPNLdB）は双発機B787-200よりも低い。全長2.7m、エンジン入口部直径1.4m、重量1.24トン。バイパス比8.2、推力60kN（6.12トン）。2010年12月16日に初出荷した。2013年5月、P-1哨戒機が高度10000mから8000mに急降下してエンジン出力を急減しつつ飛行姿勢を立て直したところ、エンジン４基が全て停止する事態が発生。原因がXF7-10を量産化する際に燃料噴射弁を肉厚にしたためと判明し、FADECのプログラムを改良して燃料流量を増加させ、解決した。2016年12月24日、防衛装備庁が宇宙航空研究開発機構JAXAに売却するための民間転用契約を締結した。JAXAでは基礎研究を実機に反映させるための実証用エンジンとして使用する予定。参考：月刊軍事研究9,’10、2,’11、月刊JWings6,’13、月刊航空ファン5,’16、3,’17

＜Ｆ７Ｕシリーズ＞：アメリカ海軍初の後退翼戦闘機、別名カットラス（Cutlass）。初のアフターバーナー装備実用艦上戦闘機でもある。第二次大戦後にアメリカ海軍が出したジェット艦上戦闘機要求に基づいて1946年4月までに６社が応募、ユナイテッド・エアクラフト社ヴォート事業部の無尾翼型が採用された。着艦進入時に機首上げ20度という無理な姿勢を取る必要があり、総生産機数は320機に止まり、実用後３年で退役に追い込まれた。参考：月刊航空ファン6,’11、アメリカジェット戦闘機、世界の傑作機No.1、月刊世界の艦船6,’12、月刊JWings6,’16

　＜ＸＦ７Ｕ−１＞：原型機で、1946年6月に３機が発注された。エンジンはウエスティングハウス社製J34-WE-32ターボジェット（A/B時推力3000ポンド・1.36トン）双発。初号機は1948年9月29日に初飛行した。1949年3月から1950年7月に３機全てが事故で失われている。参考：月刊航空ファン6,’11、月刊世界の艦船3,’21

　＜Ｆ７Ｕ−１＞：最初の量産型で、1948年秋に発注された。胴体後部にエンジン２基を搭載している。主翼前縁後退角35度。内翼端に垂直尾翼が付いており、水平尾翼は無い。1950年3月に初号機が初飛行し、14機が生産されてテストと訓練に使用された。1952-53年にはブルーエンジェルスに２機が使用されている。参考：月刊航空ファン6,’11

　＜Ｆ７Ｕ−２＞：エンジンをJ34-WE-42に換装したもの。エンジン開発遅延で1949年末に計画中止となった。参考：月刊航空ファン6,’11

　＜Ｆ７Ｕ−３＞：エンジン強化型だが、開発が遅れ、初号機はアリソン製J35-A-29を搭載して1951年12月に初飛行した。本来のJ46エンジンを搭載したのは17号機からである。エンジンが大型化したため胴体後部も拡張し、視界改善を図ってコクピット床を増高、キャノピーが大きく膨らんだ形状となった。Mk7/Mk8/Mk12核爆弾運用能力も追加されている。全長13.49m、全幅12.07m、重量12.779トン。エンジンはウエスティングハウス製J46-WE-8A（A/B時推力4600ポンド・2.1トン）双発、最大速度1120km。固定武装は20mm機関砲４門。乗員１名。180機が生産され、1954年から配備された。参考：アメリカジェット戦闘機、アメリカの核兵器、月刊JWings6,’16

　＜Ｆ７Ｕ−３Ｍ＞：AIM-7スパロー４発を搭載できるようにしたもの。1954年夏から開発され、98機が生産された。参考：月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ７Ｕファミリー＞

　＜Ａ２Ｕ−１＞：地上攻撃機型。固定武装を20mm機関砲２門とし、2.75インチ（70mm）ロケット弾19連装ランチャー７基を搭載できる。1953年に146機の量産契約が結ばれたが、F7U-3Mを生産することになり、開発中止となった。参考：月刊航空ファン6,’11

　＜Ｆ７Ｕ−３Ｐ＞：写真偵察機型。F7U-3ベースで、12機が生産された。参考：月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ−８＞：日本海軍の手持式航空写真機。斜め撮影に使用する。参考：月刊航空ファン1,’19

＜Ｆ−８＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年7月進水。1940年に改装を受けたが、艦首や船首楼は延長されていない。終戦後は戦利艦としてアメリカに引き渡され、1950年にオランダで解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ−８シリーズ＞：アメリカ海軍初の実用超音速艦上戦闘機、別名クルーセイダー（Crusader、十字軍騎士）。通称は「最後のガンファイター（The last Gunfighter）」で、パイロットはトップガンを自称していた。1952年9月にアメリカ海軍航空局が超音速昼間艦上戦闘機要求OS（概要仕様）-130を発出し、最大速度マッハ１以上（戦闘重量・高度10668m）、上昇限度15850m（戦闘重量）、戦闘行動距離300海里を要求、チャンスボートV-383、グラマン、ノースアメリカンF2J-1が提案され、1953年6月29日にチャンスボート案が採用され（ちなみにグラマンとノースアメリカンの案も後にそれぞれF11FとFJ4として量産化に至ったが実用性は本機が遙かに上）、6月29日に正式契約を結び、8月26日にモックアップが完成、1955年3月25日に試作初号機XF-8Aが初飛行し、この時に音速を突破した。1957年3月25日に初の実戦部隊が編成されている。当初はF8Uという名称だったが、1962年の三軍統合名称でF-8に改称された。派生型含め1261機が生産され、少数はフランス海軍やフィリピン海軍でも使用された。ベトナム戦争ではF-4Eに換わって制空戦闘任務に就いたが、搭載機関砲が3G以上で故障するという欠点があった。主翼を折り畳んだまま離陸してしまう事故が７件あり、1966年8月には爆弾1000ポンド（454kg）とズーニー・ロケット弾６発を積んだ状態で飛んでいったが、操縦翼面が全て内翼に付いていたためＵターンして緊急着陸に成功（ただし脚を出し忘れたので胴体着陸した）している。ちなみにA-7ではエルロンが外翼に付いているので、主翼を畳んだまま離陸すると戻れなくなる。F-4艦上戦闘機を運用できないエセックス級空母では最後まで主力艦戦を務め、1975年まで艦上運用された。参考：世界の傑作機No.1、月刊JWings7,’04、2,’16、7,’19、8,'23、F-15イーグル、月刊航空ファン11,’19

　＜ＸＦ−８Ａ＞：試作機で、当初はXF8U-1という名称だった。機首下部にエアインテイクがある。射出座席はOSCARと呼ばれる機首分離式を計画したが、結局チャンスボート社製射出座席を採用した。主翼はF7Uで着艦大迎え角時の安定性不良と視界不良に悩まされたため、取り付け角可変機構を付けたのに伴い、高翼配置になった。形状は薄翼直線翼、後退翼、無尾翼デルタ翼を検討した結果、後退翼を採用している。水平尾翼は全遊動式。エンジンはJ57-P-11、目標最大速度マッハ1.3、目標戦闘上昇限度16764m、目標戦闘行動半径400海里。予定荷重制限7G。初号機は固定武装無しで完成したが、２号機は20mm機関砲Mk12（144発）４門と、胴体下面の2.75インチ（70mm）FFAR32連装パックを装備している。1955年3月25日に初飛行し、２機が製作された。参考：世界の傑作機No.1、月刊JWings2,’15

　＜Ｆ−８Ａ＞：最初の量産型で、当初はF8U-1という名称だった。胴体はエリア・ルールを適用しており、超音速を達成するため極限まで絞り込んでいる。軽量化のため胴体や主翼構造重量の25%にマグネシウム合金を使用、排気口周辺と主翼中央セクションには650ポンド（0.295トン）以上のチタン合金を使った。機首にAN/APG-30射撃照準レーダーを搭載し、機首下面にエアインテイクがある。機首左右にMk12Mod0機関砲が２門ずつ搭載されており、通常取り付け角はマイナス１度だが、地上掃射用にマイナス２度30分を取らせることができる。胴体左側面のコクピット後方に折り畳み式空中給油受油プローブを格納したフェアリングを持つ。胴体左右パイロンにAIM-9または５インチ（127mm）ズーニーロケット弾用単装ランチャーを搭載可能。胴体中央部は燃料タンク収容部で、エアインテイクダクトをＵ字に囲む形で３個の燃料セルがあり、胴体下面に2.75インチ（70mm）FFAR32連装パックを搭載する。主脚前方の胴体下面にスピードブレーキが１枚装着されていて、最大59度まで開く。後部胴体はエンジンが収容されていて、整備に便利なよう尾翼ごと後部胴体を後方に引き抜くことが可能。主脚収容部後方には左右２個ずつの燃料セルが搭載されている。主翼は肩翼配置のクリップド・デルタ翼で、後退角42度、下反角マイナス５度。ツーポジション・ウイングと呼ばれる可変取り付け角方式を採用しており、発着艦時には油圧シリンダー（作動油圧3000psi。故障時は375立方インチ・6.415リットルのエアボトルに入った3000psiの高圧空気を使う）で主翼前端を７度持ち上げる。シリンダーはかなり細身だが、プラスＧ機動では前縁に圧縮力、後縁に引っ張り力が働くので、あまり頑丈にしなくても良いらしい。主翼スパン70%位置の前縁にドッグツースがあり、この部分で主翼を上に折り畳むことが可能。操縦翼面は全て内翼にあり、前縁にフルスパンの前縁フラップ、後縁内側に幅の狭いフラップ、外側にフラッペロンを持つ。前縁フラップの下げ角は内側25度・外側27度で、主翼上げ操作と連動する。後縁フラップ／フラッペロンの作動角はプラスマイナス15度で、発着艦時はフラッペロンが最大45度下がる。水平尾翼は全遊動式。降着装置は前輪式で、前脚にステアリング機構を持ち、ユティリティ系統油圧で作動するが、トラブルが多かった。カタパルト発艦用フックとホールドバック・ピンは胴体中心線キール上に、カタパルト・シャトル連結フックはスピードブレーキ前方に、ホールドバック・ワイヤ接続ピンは胴体後部下面にある。アレスティング・フックは油圧作動式。油圧システムは操舵用パワーコントロール１（PC1）及びPC2とユティリティの３系統で、PC1に限り非常用パワーパッケージのラムエアタービン（胴体中央右、容量2.5kVA。緊急時に1100立方インチ・18リットルの高圧空気で機外に展張する）に接続されている。アビオニクスはAN/ASQ-17総合電子装備、AN/APX-6B味方識別質問器、AN/APA-89IFFコーダグループ、AN/ARA-25ADF、AN/ARN-21TACAN、AN/APN-22電波高度計、MA-1コンパス・システム、AN/ARC-27A極超短波無線機。電気系統はエンジン駆動の20kVA交流発電機（115/200V、400Hz）と直流用150A変圧整流器。全長16.53m、全幅10.87m／6.86m（主翼折り畳み時）、全高4.75m、自重16500ポンド（7.48トン）、最大着艦重量24000ポンド（10.89トン）。エンジンはJ57-P-4A（ミリタリー推力10000ポンド・4.34トン、A/B時推力12000ポンド・5.44トン）またはJ57-P-12単発、着艦速度113ノット。機体強度プラス6.4Gからマイナス2.4G。固定武装は20mm機関砲Mk12Mod0（144発）４門。胴体下面に2.75インチ（70mm）FFAR32連装パックを装備しており、胴体側面にAIM-9Bサイドワインダーを１発ずつ搭載できる。1955年9月30日に初飛行し、318機が生産され、1956年12月28日に試験飛行隊、1958年3月25日に実戦部隊に配備された。後にASC253改造を受け、射出座席を自社製からマーチンベイカーMk-F5/F5Aに換装した。１機がF-8Bプロトタイプに、２機がF-8Cプロトタイプに、１機がF-8Eプロトタイプに、20機がDF-8Aに、40機がDF-8Fに、少数がQF-8Aに改造された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｂ＞：F-8Aの改良型で、当初はF8U-1Eという名称だった。FCSとしてAN/APG-67レーダーなどから構成されるAN/AWG-3を搭載し、制限全天候戦闘機としたものである。機首がレーダーで埋まったため、AN/ARN-21用アンテナとガンカメラの位置を変更した。AIM-9サイドワインダーのシーカーヘッド冷却用液体窒素供給回路を追加しており、AIM-9Dの運用が可能となった。全長16.53m、全幅10.87m／6.86m（主翼折り畳み時）、全高4.75m、最大着艦重量24000ポンド（10.89トン）。エンジンはJ57-P-12単発。1958年8月3日にF-8Aを改造した原型機が初飛行し、130機が生産され、1958-68年に実戦配備された。Bu.No.145540以降の機体からは迎え角表示システム（前脚ドアのアプローチ・ライトと組み合わせ、進入姿勢の可否を計器とインデクサーと呼ばれる３色表示灯でパイロットに知らせる）を搭載した。1968年12月から61機がF-8Lに改修された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｃ＞：F-8Bのエンジン強化型で、当初はF8U-2という名称だった。高々度での安定性確保のため後部胴体下面にベントラルフィンを２枚装着している。排気ノズル取り付け部上方左右にアフターバーナー冷却用スクープを１個ずつ追加した。AIM-9用Ｙ字型二連ランチャーを使用可能となり、AIM-9B/-9Dなら最大４発を搭載できる。５インチ（127mm）ズーニーロケット弾ならＹ字型二連ランチャーに連装発射筒を装着して最大８発積むことができ、0.1秒間隔で斉射可能。AIM-9B用ランチャーはエアロ7AまたはLAU-7シリーズ、AIM-9D用ランチャーはLAU-7シリーズ、ズーニー用ランチャーはエアロ7AまたはLAU-7シリーズまたはLAU-33A/Aだが、デュアルパイロン左下のみは空中給油受油プローブとの干渉の関係でLAU-35A/Aを使用する。射出座席は143号機までが自社製、144号機以降がマーチンベイカーMk-F5射出座席で、143号機までもASC253改修でMk-F5に積み替えた。機首にレドームがあり、内部に捜索追尾機能を持つAN/APS-67レーダーを収容する。機首下面にエアインテイク、機首後方上面にコクピット、コクピット後方の胴体左に折り畳み式空中給油受油プローブを収容したフェアリングがあり、その部分の胴体下面あたりに前脚を収容する。前脚収容部の後方がFFAR32連装パック収容部で、エアブレーキも付いている。胴体中央上面に可変取り付け角機構を持つ主翼があり、下方左右に主脚収容部を持つ。主翼には内翼部分に前縁フラップと後縁フラッペロン、外翼に前縁フラップがあり、内外翼境界部前縁がドッグツースになっていて、この部分での主翼折り畳みが可能。胴体後部下面にアレスティングフックがある。垂直尾翼前縁はドーザル・スパインとなっていて、垂直尾翼後縁にラダーを持つ。水平尾翼は全遊動式。全長16.53m、全幅10.87m／6.86m（主翼折り畳み時）、全高4.75m、最大着艦重量24000ポンド（10.89トン）。エンジンはJ57-P-16（ミリタリー推力10500ポンド・4.76トン、A/B時推力12000ポンド・5.44トン）単発。1957年12月に原型機（J57-P-16搭載F-8A）が初飛行し、ベントラルフィンも追加した２号機は1958年1月、量産型は1958年8月20日に初飛行、1960年9月20日までに187機が生産された。後に主翼下パイロンを追加した。実戦配備は1959年4月から1967年で、ベトナム戦争ではMiG-17を５機、MiG-21を１機撃墜している。1968年から87機がF-8Kに改修された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｄ＞：全天候戦闘機型で、当初はF8U-2Nという名称だった。F-8CのFCSをAN/AWG-4に換装したもので、AN/APQ-83FCSレーダー、AN/AAS-15赤外線シーカー（風防前面）、Mk11Mod12光学照準器、EX-16コンピュータ・グループなどを搭載、AIM-9Cセミアクティブ・レーダー誘導式空対空ミサイルによる全方位・全天候攻撃能力を得ている。2.75インチ（70mm）FFAR32連装パックは廃止しており、空いたスペースにAIM-9Cを収容するという案もあったが、全長を３インチ（76.2mm）短縮して折り畳みフィンを装備する必要があり、燃料タンクにされた。エンジンはJ57-P-20で、エンジン出力制御コンピュータを搭載し、着艦時の出力を自動調整できるようになった。射出座席はマーチンベイカー社製Mk-F5。全長16.53m、全幅10.87m／6.86m（主翼折り畳み時）、全高4.75m、自重16600ポンド（7.53トン）、最大着艦重量24000ポンド（10.89トン）。エンジンはJ57-P-20（ミリタリー推力10700ポンド・4.85トン、A/B時推力18000ポンド・8.16トン）単発。燃料搭載量1348ガロン（5103リットル）。固定武装は20mm機関砲４門。AIM-9A/B/C/D空対空ミサイル４発を搭載可能で、AIM-9C空対空ミサイル１発＋AIM-9A/B/D空対空ミサイル３発が標準装備である。初号機は1960年2月16日に初飛行し、1960年2月から1962年1月に152機が引き渡され、1961-68年に実戦配備された。後にエンジンをJ57-P-20Aに換装し、主翼下パイロンを追加している。１機がF-8E(FN)の原型となり、1967年から89機がF-8Hに改修された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｅ＞：F-8DのFCS改良型で、全天候能力を向上させた。当初は名称がF8U-2Nのままだったが、1959年6月25日にF8U-2NEに変更され、更にF-8Eになっている。レーダーはAN/APQ-94で、探知追尾距離が延伸し、AIM-9Eの運用が可能となった。全長16.6m、全幅10.87m／6.86m（主翼折り畳み時）、全高4.75m、最大着艦重量24000ポンド（10.89トン）。エンジンはJ57-P-20単発。着艦速度113ノット、燃料搭載量1348ガロン（5103リットル）。原型機は1961年6月30日、量産初号機は1961年9月に初飛行し、286機が生産されて1962年2月8日から1968年まで実戦配備された。95号機以降は主翼と降着装置を強化、左右内翼下にハードポイント（胴体中心線から67.87インチ・1.72m）を設けてあり、エアロ7A（サスペンション・ラグ14インチ・356mm）またはエアロ7A-1ラック（サスペンション・ラグ30インチ・762mm）を内蔵したパイロンを介して片側2000ポンド（0.91トン）までの兵装（５インチロケットランチャーLAU-10/A、2.75インチFFARランチャーLAU-3A、多連装爆弾エジェクターラックA/A37B-6、３連装爆弾エジェクターラックA/A37B-5）を搭載できるようになった。300ガロン増槽エアロ1Dを搭載する際には、燃料配管付きの専用パイロンに付け替える。また、胴体背面にハンプを設けてAN/ARW-77誘導装置を収容、AGM-12ブルパップ（翼下パイロンに１発ずつ）の運用能力を得た。94号機までにもASC356改修（ASC400改修？）で後付けされている。150号機以降はTACANをAN/ARN-52(V)に換装しており、149号機までもASC356改修で換装された。後にエンジンをJ57-P-20Aに換装した。AFC497改修で内翼下面にパイロンを１基追加し、300ガロン増槽エアロ1Dを搭載可能としたが、実際には装備しなかった。ベトナム戦争ではMiG-17を10機、MiG-21を１機撃墜している。後に原型機がTF-8Aに、1968年1月から136機がF-8Jに改修された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｈ＞：対地攻撃能力追加型。F-8DにF-8E ASC400と同等の改修を行ったものである。全長16.53m、全幅10.87m／6.86m（主翼折り畳み時）、全高4.75m、自重19800ポンド（8.98トン）、最大離陸重量34280ポンド（15.55トン）。燃料搭載量1354ガロン（5125リットル）。1967年から89機が改修され、1968-71年に実戦配備され、以降はCVWR-20隷下部隊に回された。AFC512改修でAN/ALQ-100ECMを搭載。AFC567改修で油圧故障時の空中給油受油装置展張バックアップとして50立方インチ（0.82リットル）の高圧空気システムを追加した。AFC568改修でエンジンをJ57-P-420（ミリタリー推力12400ポンド・5.62トン、A/B時推力19500ポンド・8.85トン）に換装し、後にエンジン排気温度を測定記録するTTRIも追加した。AFC571改修でレーダーをAN/APQ-149に換装し、AN/AWG-4にサイドワインダー射撃範囲拡大モードを組み込んでAIM-9G/Hによるオフボアサイト能力を追加した。AFC631改修でAN/ALE-29Aチャフディスペンサーを胴体下に２基タンデムで装備。また、ベトナム戦争の戦訓から、エンジン室右にCI-2燃焼促進剤用１ガロン（3.79リットル）タンクを搭載し、排気を無煙化した。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｊ＞：F-8EにF-8E(FN)と同等の改修を行った発着艦性能改善型。着艦進入速度が90ノットに低下したが、失速速度に近くなって安全範囲も狭くなったため、着艦進入時の迎え角が最適値を３ユニット下回ると右ラダーペダルを振動させる警告機能が追加された。全長16.6m、全幅10.87m／6.86m（主翼折り畳み時）、全高4.75m、自重20857ポンド（9.46トン）／装甲板装備時21300ポンド（9.66トン）、総重量31600ポンド（14.33トン。燃料満載、機関砲弾200発、AIM-9D空対空ミサイル４発搭載）、最大発艦重量35000ポンド（15.88トン。BLC作動、カタパルト使用時）、最大着艦重量25000ポンド（11.34トン。BLC作動時）。燃料搭載量1354ガロン（5125リットル）。1967年から136機が改修され、1968年から実戦配備され、1970年以降はCVWR-30隷下部隊にも回された。AFC512改修でAN/ALQ-100ECMを搭載。AFC567改修で油圧故障時の空中給油受油装置展張バックアップとして50立方インチ（0.82リットル）の高圧空気システムを追加した。AFC568改修でエンジンをJ57-P-420（ミリタリー推力12400ポンド・5.62トン、A/B時推力19500ポンド・8.85トン）に換装し、AFC571改修でレーダーをAN/APQ-124に改修、AN/AWG-4にサイドワインダー射撃範囲拡大モードを組み込んでAIM-9G/Hによるオフボアサイト能力を追加した。AFC631改修でAN/ALE-29Aチャフディスペンサーを胴体下に２基タンデムで装備。後にエンジン排気温度を測定記録するTTRIも追加した。また、ベトナム戦争の戦訓から、エンジン室右にCI-2燃焼促進剤用１ガロン（3.79リットル）タンクを装備し、排気を無煙化した。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｋ＞：対地攻撃能力追加型。F-8CにF-8E ASC400と同等の改修を行ったもので、AN/ARW-77は搭載しておらず、AGM-12ブルパップは運用できない。1967年から87機が改修され、1968年からMAW-4隷下部隊に配備され、艦隊混成飛行隊VCで標的曳航機としても使用された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｌ＞：対地攻撃能力追加型。F-8BにF-8E ASC400と同等の改修を施し、F-8Kに準ずる性能を与えたものである。ベントラルフィン装着基部としてグラスファイバー製フェアリングを設けたが、ベントラルフィン自体の装備は見送られた。原型機含め1967年から63機が改修された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８Ｍ＞：F-8AにF-8Kと同じ改修を行ったもの。1967年に６機が改修される予定だったが、実際には行われていない。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ８Ｕ−３＞：F3H-2の後継機となる、AIM-7Cスパロー�Vを主武装とするマッハ２級のアメリカ海軍全天候艦隊防空戦闘機計画に応募したもので、別名クルーセイダー�V。機首のレドームを大型化し、エアインテイクも大型化してシャーク・ノーズと称する受け口型に変更、エンジンをJ75-P-4に換装したのに伴い胴体断面も縦長にしてある。可変取り付け角機構とドッグツースはそのままに、主翼面積を30%拡大し、二段前縁フラップ、境界層制御装置BLC、吹き出しフラップを追加した。尾翼は増積し、機体尾部下面に左右１枚ずつの折り畳み式ベントラルフィン（脚下げで水平位置、脚上げで垂直位置になる）を装備する。胴体下面左寄りと両側面にAIM-7スパロー計３発を半埋め込み式に搭載するが、エジェクトランチャーではなく、レールランチャーを下に引き出してから射出する。前部胴体側面にＹ字のランチャーを介してAIM-9サイドワインダー４発を搭載可能。前脚はAIM-7スパロー搭載の関係で右に寄せた。アビオニクスは完全に新型で、AN/AWG-7火器管制装置、AN/APQ-74レーダー、自動操縦装置、速度・高度維持装置、ヘッディング・セレクト・インディケーターなどを搭載し、全天候戦闘能力を持つ。加速用にAR-1推力可変ロケット（推力3500-8000ポンド・1.59-3.63トン。後にLR46と改称）も装備する予定だった。F8U-1/-2との変更点が膨大になり、F9U-1に制式名称を変更すべきという意見も出されたという。全長17.8m、全幅12.7m、全高5.08m、機体重量39000ポンド（17.69トン）。エンジンはJ75-P-4（A/B時推力25000ポンド・11.34トン）単発、最大速度マッハ2.6、燃料搭載量13844ポンド（6.28トン）、戦闘行動半径1000マイル。乗員１名。1957年5月3日に原型機２機、1958年1月に前量産型16機が発注され、1958年6月2日に初飛行（その前の高速タキシー試験で浮いている）し、6月11日に音速を突破した。５機が完成し、３機が飛行試験に供されたが、単発単座では当時のレーダー性能などから運用に限界があり、F-4ファントムに敗れて採用されなかった。飛行済みの３機はNASAに移って研究に使用されている。参考：月刊航空情報8,’02、世界の傑作機No.1、F-4ファントム物語

＜Ｆ−８　ＡＦＣ４９９改修＞：ベトナム戦争の戦訓からコクピット、エンジン、PC油圧配管、アクチュエータなどを防御する装甲板（総重量500ポンド・227kg）を追加した。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ−８　ＡＦＣ５２１改修＞：ラダーの油圧供給源をPC1とPC2からPC1とユティリティの組み合わせに変更した。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ−８　ＡＦＣ５３０改修＞：アビオニクス換装改修で、AN/ARA-50ADF、AN/APX-72IFF、KIT-1A/STEC、AN/ARN-52(V)タカン、AN/ARC-51A極超短波無線機などを搭載した。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ−８　ＡＦＣ５３９改修＞：非常用パワーパッケージのラムエアタービン発電容量を4.2kVAに強化した。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ−８　ＡＦＣ５７２改修＞：AN/APA-63精密進入システムを追加する改修で、空母が装備しているAN/SPN-42着艦誘導装置による精測進入が行えるようになった。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ−８　ＡＳＣ２０２改修＞：迎え角表示システムを装備していないF-8A/Bにそれを追加搭載した。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｖ−１０００＞：計画戦闘機型。アメリカ空軍国際戦闘機IFA構想に提案したもので、F8U-2をベースにJ79-GE-17エンジンを積んでいる。F-5Eに負けて採用されなかった。参考：月刊JWings7,’19

＜Ｆ−８ファミリー＞

　＜ＤＦ−８Ａ＞：レギュラス巡航ミサイル誘導管制機。FJ-3Dの後継で、当初はF8U-1Dと呼ばれた。AN/ARW-55レギュラス用コマンドガイダンス装置を追加しており、1961年にF-8Aから20機が改造されて1961-64年に配備され、レギュラス�Uのテストなどに使用された。レギュラス退役後はBQM-6C/MQM-15A無人標的機用誘導管制機になっている。参考：世界の傑作機No.1

　＜ＤＦ−８Ｆ＞：無人標的機誘導管制機で、BQM-34やQF-9Jなどの母機として使用される。無線誘導装置や標的曳航装置を追加しており、胴体上下に誘導用アンテナを装備した。標的と区別が付くよう、塗装は派手である。1964年以降、F-8Aから40機が改造され、艦隊支援用の混成飛行隊に配備された。参考：世界の傑作機No.1

　＜Ｆ−８ＤＦＢＷ＞：試験機型。デジタル式フライ・バイ・ワイヤの試験用で、制御増強システムと機動荷重制御能力を持つ。1976年に初飛行した。参考：日本の防衛戦力Part8

　＜ＬＳＷＴ＞：計画標的機型で、Large Scale Winged Target（大型飛行標的）の略。アメリカ陸軍地対空ミサイル部隊の訓練向けとして1980年代末に提案されたもので、モスボール保管されていたF-8を引っ張り出して胴体前半を撤去し、機首側面にエアインテイクがあるMiG-23類似のものに入れ替え、胴体後部下面両側のストレーキを撤去して垂直尾翼スパンを短縮し、尾部下面両側に大型の安定翼を取り付ける。採用されなかった。参考：月刊JWings7,’19

　＜ＮＴＦ−８Ａ＞：TF-8Aを参照。

　＜ＱＦ−８Ａ＞：高速無人標的機用誘導管制機型で、当初はF8U-1KDと呼ばれた。標的機誘導用コマンド・ガイダンス装置を搭載している。1961年にF-8Aから少数が改造され、チャイナレイク海軍兵器実験基地で標的機開発に使用された。参考：世界の傑作機No.1

　＜ＲＦ−８Ａ＞：超音速艦上偵察機型。F9F-8Pの後継で、当初はF8U-1Pという名称だった。F-8Aの兵装を全て撤去し、コクピット後方の胴体下面に斜め前方カメラ１基、斜め側方カメラ２基、斜め側方／下方両用カメラ２基を搭載しており、ノーズコーン下面にファインダーを持つ。20mm機関砲弾倉があった部分にはフラッシュ照明弾発射機（左右20発ずつ）を装備した。アプローチライトは前脚扉から主脚柱に移している。空中給油受油プローブは胴体内に収容され、フェアリングは無い。エンジンはJ57-P-12。1957年12月17日に初飛行し、原型機１機を含め144機が生産され、1958-1966年に実戦部隊に配備された。1963年に５機が主翼を補強して胴体下面にベントラルフィンを追加した。この５機を含む73機が後にRF-8Gに改修された。参考：世界の傑作機No.1

　＜ＲＦ−８Ｇ＞：超音速艦上偵察機型。RF-8Aの改良型で、エンジンをJ57-P-22に強化し、ベントラルフィンを追加、主翼を強化してアビオニクスを換装した。機首先端上部に短いピトー管、機首先端下面にファインダー窓、前脚収容部前方に斜め前方カメラ用フェアリングがある。カメラステーションは４カ所。1965-67年に53機、1968-70年に20機が改造され、1965年からRF-8Aに替わってVFPに配備され、当初はRA-5Cを運用できないエセックス級と飛行甲板の狭いミッドウェイ級に搭載されたが、RA-5C退役後はフォレスタル級にも配備された。アメリカ海軍ではRF-4B偵察機に後を譲ったが、アメリカ海兵隊は使い続け、1979年まで空母に積んでいる。参考：世界の傑作機No.1、月刊JWings8,’23

　＜ＴＦ−８Ａ＞：試作練習機型で、当初はF8U-1Tという名称だった。F9F-8Tの後継を狙ったもので、F-8E原型機（大元はF-8A）１機が改造され、1962年2月6日に初飛行した。操縦席後方に教官席を設けてマーチンベイカー社製Mk-F5射出座席を搭載、ベントラルフィンを追加し、空中給油受油装置を撤去している。陸上基地での運用を考慮して排気ノズル上部にドラッグシュートを追加し、低圧タイヤを装備した。FCSはAN/APQ-94とAN/AAS-15など。固定武装は20mm機関砲Mk12が２門。AIM-9空対空ミサイル４発を装備可能。量産化はされず、改造された１機は海軍飛行試験センターNATCでテストに使用され、その後NTF-8Aと改称されてテストパイロットスクールで訓練に使われた。更にフィリピン空軍パイロットの養成にも使用されたが、1978年7月28日の訓練中にエンジントラブルでテキサス州フォートワース南に墜落、全損した。パイロットは２名とも脱出して無事だった。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ−８海外シリーズ＞

　＜Ｆ−８Ｅ（ＦＮ）＞：フランス海軍艦上戦闘機。当時配備していたエタンダール�WＭが戦闘機というより攻撃機だったため、クレマンソー級空母に搭載できる全天候防空戦闘機としてDH110シービクセンに勝って採用された。既にF-4Bファントムも完成していたが、こちらはエセックス級SCB27C/125改装艦と同程度の大きさしかないクレマンソー級で運用できないので、候補になっていない。発着艦性能の改善を図っており、前縁フラップは二重化され、内側は前方35度・後方8.9度の計43.9度、外側は前方35度・後方20度の計55度まで下げられるようになった。後縁フラッペロンも49度まで下げることができ、BLC装置（エンジンから抽気する）も追加されている。BLC使用時の機首下げを代償するために水平尾翼幅を34インチ（863.6mm）拡大して増積した。これにより着艦速度は90ノット以下、沈下速度は毎秒3.3mとなったため、主翼取り付け角の可変範囲を５度までに減らしている。胴体側面パイロンにR530空対空ミサイルを装備可能としたが、大重量なのでパイロンを後ろにずらしてあり、発射炎も強力で水平尾翼前縁を焼くため、水平尾翼前縁付け根６インチ（152mm）の範囲をチタン合金にした。エンジンはJ57-P-20A（ミリタリー推力10700ポンド・4.85トン、A/B時推力18000ポンド・8.16トン）。固定武装は20mm機関砲Mk12が４門。F-8E後期型と同じ兵装の他、R530空対空ミサイル２発を搭載できる。1964年2月27日に原型機が初飛行したがテスト途中の4月11日に墜落した。以降のテストは4月26日に初飛行した量産初号機に引き継がれている。単座型40機と複座型６機が発注され、アメリカ海軍が複座のTF-8Aをキャンセルしたので単座型のみ42機が生産され、1964年6月から1965年1月に引き渡されて第12飛行隊と第14飛行隊に配備された。ラファールに後を譲って1999年末に退役した。参考：世界の傑作機No.1、月刊航空ファン3,’20

　＜Ｆ−８Ｈ（フィリピン空軍）＞：フィリピン空軍戦闘機で、名称はF-8Pという説もある。F-86Fの後継で、クラーク基地及びスービックベイ基地の使用と引き替えに供与を受けた。アメリカ海軍海兵隊で使用後、MASDCで保管されていた機体の内、状態の良い25機が1978-79年に引き渡されている。他に10機が部品取り用として送られた。価格は１機92万ドルで、部品や訓練費も含めた契約総額は3660万ドル。第５戦闘航空団第７戦術戦闘飛行隊に配備され、戦術支援機として対地支援に使用された（防空戦闘は同航空団第６戦術戦闘飛行隊のF-5A/Bが行う）。参考：世界の傑作機No.1

＜Ｆ−８�UＭ＞：殲撃８型・海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ８Ｆシリーズ＞：アメリカ海軍レシプロ艦上戦闘機、別名ベアキャット（Bearcat）。イギリスで鹵獲Fw190戦闘機に搭乗したグラマン社テストパイロットからの報告を元に、グラマン社では強力なエンジンに小型軽量な機体を組み合わせた艦上戦闘機を1943年7月からG-58の社内名称で自主設計し、アメリカ海軍航空局に提案した。これを受け、小型護衛空母にも配備可能な小型軽量艦上戦闘機として1943年11月27日にアメリカ海軍がグラマン原型機を発注し、1944年8月21日（31日？）に原型機が初飛行、良好な速度・上昇性能を発揮して採用された。2000機が発注され、1945年2月から量産されてVF-19に配備されたが、太平洋戦争には間に合わず、1949年5月までに計1246機（1265機？）が生産されたものの朝鮮戦争前に退役している。1969年8月16日、F8F-2改造民間レーサー機が時速776.449kmのレシプロ機世界最高速度記録を出した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings8,’22、月刊エアワールド8,’05、月刊世界の艦船6,’12、図解世界の軍用機史

　＜Ｆ８Ｆ−１＞：エンジンはF6Fシリーズと同一だが、機体を小型化して空力学的に洗練させ、速度性能を向上させている。バブルキャノピーを採用して視界は良好、与圧コクピットにより高々度戦闘も可能。主翼は中翼配置（胴体下４分の１くらいに付く）で、付け根前縁に過給器・潤滑油冷却器用エアインテイクを持つ。許容量以上のＧがかかると爆発ボルトが作動して主翼端0.9mが脱落し、重量バランスが崩れないようにした。主脚が長いため、付け根近くに屈折部を設け、付け根を外側、屈折部より先を内側に折り畳むようにしている。主輪サイズは660×152mm。全長8.61m、全幅10.8m／7.25m（主翼折り畳み時）、全高4.21m、全備重量5873kg。翼面積23平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-34R空冷星型複列18気筒レシプロ（2100馬力）単発、プロペラはエアプロダクツ製油圧式恒速４翅（直径3.84m）、最大速度677km、航続距離3160km（増槽あり）。固定武装はブローニング12.7mm機銃（300発）４丁（両主翼に２丁ずつ）。1000ポンド爆弾２発、ロケット弾４発を搭載可能。乗員１名。770機（674機？）が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊エアワールド8,’05、月刊JWings3,’15、4,’13、8,'22、図解世界の軍用機史

　＜Ｆ８Ｆ−１Ｂ＞：主翼の機銃を20mm機関砲に強化したもの。全長8.61m、全幅10.9m、全高4.22m、自重3210kg、全備重量5870kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-34Wダブルワスプ空冷星型複列18気筒レシプロ（2100馬力）単発、巡航速度262km、最大速度678km、実用上昇限度11800m、航続距離1780km。固定武装は20mm機関砲（200発）４門。1000ポンド爆弾２発または５インチ（127mm）HVARロケット弾４発を搭載可能。乗員１名。126機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊エアワールド8,’05、月刊JWings3,’15

　＜Ｆ８Ｆ−２＞：垂直尾翼の背を高くして安定性を向上させ、カウリングを再設計したもの。全長8.61m（8.43m？）、全幅10.82m、全高4.52m（4.17m？）、自重3488kg、全備重量4729kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-34W空冷星型複列18気筒レシプロ（2250馬力）単発、最大速度719km、航続距離2310km（1390km？）。固定武装は20mm機関砲４門。爆弾900kg（450kg？）を搭載可能。乗員１名。293機が生産された。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings3,’15、8,'22、図解世界の軍用機史

＜Ｆ８Ｆ海外シリーズ＞

　＜Ｆ８Ｆ（タイ空軍）＞：タイ空軍戦闘機。200機以上を導入した。参考：月刊JWings10,’12

＜Ｆ−９＞：B-17爆撃機ファミリーまたは強撃５型シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ｆ−９＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年5月進水。1939年12月14日、イギリス東岸への機雷敷設作戦に参加した駆逐艦隊の援護中に、軽巡ニュルンベルグに向けて発射されたイギリス潜水艦N59ウルスラの魚雷に体当たりして沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ９／３７＞：イギリスのグロスター社が開発した戦闘機。当初は複座で開発されたが、後に単座に変更され、1939年4月3日に初飛行した。グロスター社がジェット機開発に専念したため、開発中止となった。全長11.31m、全幅15.25m、全備重量5230kg。エンジンはブリストル製トーラスTE/1（1050馬力）双発、最大速度576km、実用上昇限度9150m。固定武装は20mm機関砲２門、7.7mm機銃４丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆ９Ｃシリーズ＞：アメリカ海軍飛行船護衛用寄生戦闘機、別名スパローホーク。アメリカ海軍が1930年代初めに建造した大型飛行船アクロンとメーコンの内部に備え付けられたトラピーズ（ぶらんこ）式収容装置に上翼上面のフックで固定され、敵機が来たら外に放出されて戦闘を行い、またフックを引っかけて収容される。収容装置は各飛行船に５基（４基？）ずつ用意されている。カーチス社が開発し、原型機は1931年2月に初飛行したが、肝心の飛行船の方が事故で失われ、本機も計画中止になった。参考：図解世界の軍用機史、月刊航空ファン8,’18

　＜Ｆ９Ｃ−２＞：主翼は複葉、降着装置は固定脚。全長6.12m、全幅7.77m、全高2.16m、重量1310kg。エンジンはライト製R-975-22空冷星型９気筒ガソリン（420馬力）単発、最大速度284km。固定武装は7.7mm機銃２丁。乗員１名。10機（９機？）が製作された。参考：図解世界の軍用機史、月刊航空ファン8,’18

＜Ｆ９Ｆシリーズ＞：アメリカ海軍ジェット艦上戦闘機、別名パンサー（F9F-5まで）／クーガー（Cougar。F9F-6以降）。1946年からグラマン社が試作し、1947年11月21日（24日？）に初飛行した。総生産数1388機。朝鮮戦争に投入されたが、性能面でMiG-15に劣り、頑丈さを活かして主に低空対地攻撃に使用された。それでも1950年11月18日にVF-111所属F9F-2BがMiG-15を撃墜してアメリカ軍ジェット戦闘機初の撃墜を記録したのを初め、MiG-15を６機撃墜しており、朝鮮戦争における海軍艦上機のMiG-15スコアは全て本機が記録したものである。F9F-6以降は主翼下ペイロードが増加したため、戦闘飛行隊VFのみならず攻撃飛行隊VAにも配備された。参考：月刊JWings4,’03、11,’06、朝鮮戦争（下）、世界の傑作機No.39、月刊丸9,’03、月刊世界の艦船6,’12、3,’21、2,’22

　＜Ｆ９Ｆ−２＞：エンジンはロールス・ロイス社製ニーンをプラット＆ホイットニーでライセンス生産したJ42を採用し、胴体後部に積んだ。主翼は中翼配置の直線翼で、主翼付け根にエアインテイクがある。1948年11月から621機が生産された。参考：月刊JWings4,’03

　＜Ｆ９Ｆ−５＞：エンジンをロールス・ロイス社製テイ（推力2.84トン）のライセンス生産型であるJ48-P-2に換装したもので、1949年12月21日に初飛行した。翼端増槽を固定装備しており、主翼折り畳み位置前方にフェンスを追加、胴体を0.6m延長し、垂直尾翼も0.3m高くした。機首に測距レーダーを搭載する。全長11.85m、全幅11.58m、全高3.44m、自重4.22トン、最大離陸重量7.47トン。最大速度957km、航続距離1900km。固定武装は機首下部の20mm機関砲４門。127mmロケット弾６発または225kg爆弾２発を搭載できる。乗員１名。655機が生産された。参考：月刊JWings4,’03

　＜ＸＦ９Ｆ−６＞：グラマンでは1947年頃にXF9F-2の後退翼型モデルG-83を独自開発したが、この時は海軍に蹴られた。その後F9F-5の後退翼型モデルG-93を独自開発、朝鮮戦争でのMiG-15ショックにより、海軍が急遽正式開発としたのがこれである。1951年3月に３機が発注され、F9F-5から３機が改造されて1951年9月20日に初飛行、F9F-6として制式化された。参考：月刊丸3,’13

　＜Ｆ９Ｆ−６＞：XF9F-6の制式化型で、F9F-5の主翼と水平尾翼に35度の後退角を持たせたもの。後退翼化で低速性能が悪化したため、エルロンを廃止して主翼後縁のフラップをフルスパンにし、主翼前縁に自動スラットと境界層板を付けた。後退翼化によるロールレートの悪化は、主翼上面にスポイラーを装着して解決している。翼端増槽は外し、代わりに主翼内燃料タンクを新設、胴体内燃料タンクも増設した。主翼は付け根部分で90度上に折り畳み可能。水平尾翼はトリム調整式に変更、下部方向舵を大型化した。エンジンはJ48-P-8（推力3.29トン）。固定武装は機首の20mm機関砲４門。主翼下パイロンにサイドワインダー計４発と増槽計２基を積める。1952年2月から量産され、主に海兵隊向けに706機が生産された。1952年11月から配備されたが、朝鮮戦争終結に近く、あまり活躍はしていない。参考：月刊航空情報5,’18、月刊JWings4,’03、月刊丸3,’13、朝鮮戦争（下）

　＜Ｆ９Ｆ−７＞：F9F-6のエンジンをアリソン製J33-A-16A（推力2.88トン）に換装したもの。168機が発注されたが、エンジンの性能不足で量産が打ち切られ、残りの発注分はJ48を搭載しF9F-6として完成した。J33を搭載して完成した機体もほぼ全てJ48に換装されている。１機は機体下面に厚さ80mmのソリを装着し、イギリスで考案されたゴムマット飛行甲板への着艦実験に使用されており、1955年2月18日に成功したが、実用化には至らなかった。参考：月刊JWings4,’03、月刊丸3,’13

　＜Ｆ９Ｆ−８＞：胴体を0.432m延長して燃料容量を増やし、エンジンをJ48-P-8Aに換装したもの。機首に空中給油受油プローブを付け、機首下部フェアリング内にIFFアンテナを収容した。主翼後縁フィレットを胴体尾部まで延長して翼面積と翼内燃料容量を拡大している。主翼前縁スラットは廃止し、前縁を前に延ばして捩り下げを付けた。主翼折り畳み角は80度。全長12.69m、全幅10.52m、全高3.75m／4.83m（主翼折り畳み時）、自重5.38トン、最大離陸重量8.85トン。エンジンはJ48-P-8A（推力3.29トン）、最大速度1138km（1040km？降下中なら音速突破可能）、航続距離2100km。固定武装は機首下の20mm機関砲４門。127mmロケット弾６発または900kg爆弾１発を搭載できる。1953年12月18日に初飛行し、1954年4月から601機が引き渡された。1962年9月18日、F-9Jに名称変更された。参考：月刊航空情報5,’18、月刊JWings4,’03、月刊丸3,’13

　＜Ｆ９Ｆ−８Ｂ＞：核爆弾を運用できるようにしたタイプ。パイロン容量を拡大し、LABSを追加してMk12小型核爆弾のトスボミングを可能とした。AIM-9B空対空ミサイル運用能力もあり、４発搭載できる。1962年9月18日、AF-9Jに名称変更された。参考：アメリカの核兵器、月刊JWings4,’03、月刊丸3,’13

＜Ｆ９Ｆファミリー＞

　＜Ｆ９Ｆ−５ＫＤ＞：無人標的機管制型。主翼下面に無人標的機制御用ブレードアンテナが付いている。参考：月刊JWings10,’20

　＜Ｆ９Ｆ−６Ｐ＞：写真偵察機型。F9F-6の機関砲を外して偵察用カメラを搭載したもので、機首下面と側面にカメラ窓がある。性能は不十分だったらしい。参考：月刊丸3,’13

　＜Ｆ９Ｆ−８Ｐ＞：写真偵察機型。F9F-8の機首を延長して機関砲を外し、CA-13B前方斜めカメラ１基、CA-17Aカメラ２基（ロータリー架台２基に装備）などを搭載したもの。ロータリー架台の代わりにトライメトロゴン２組を装着してカメラ３基ずつを装着することもできる。機首には空中給油プローブを持つ。1956年から配備された。参考：月刊丸3,’13

　＜Ｆ９Ｆ−８Ｔ＞：練習機型。コクピットをタンデム複座に変更し、機関砲を２門に減らした。AIM-9サイドワインダーや爆弾の運用能力は残されており、ベトナム戦争で実戦投入されている。399機が生産された。1962年9月18日、TF-9Jに名称変更された。参考：月刊JWings4,’03、月刊丸3,’13

　＜ＴＡＦ−９Ｊ＞：練習機型。実戦部隊から退いて海軍高等訓練飛行隊に練習機として配備されたAF-9Jで、単座のまま使用された。参考：月刊航空ファン10,’19

＜Ｆ９Ｆ−９＞：F11Fシリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜Ｆ−９Ｊ＞：F9F-8（艦上戦闘機）を参照。

＜Ｆ−１０＞：B-25爆撃機ファミリーまたはF3Dシリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜Ｆ１０＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ１フリゲート、オーロラ（Aurora）。1964年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ−１０＞：ドイツ海軍F-1型護送艦。1935年5月進水。1940年に改装工事を実施したが、艦首や船首楼は延長されていない。終戦後、戦利艦としてアメリカに引き渡され、1950年にオランダで解体された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ｆ−１０Ｇ＞：アメリカのフリート・ウイング社が開発した複葉機。参照：月刊エアワールド8,’05

＜Ｆ−１０Ｇ海外シリーズ＞

　＜Ｆ−１０Ｇ（ルーマニア空軍）＞：ルーマニア空軍多用途複葉機。IARがライセンス生産したもので、エンジンはルーマニア国産のGI（130馬力）である。1936年から330機以上が配備され、連絡機や訓練機として使用された他、独ソ戦の際にはソ連軍を攻撃した。参照：月刊エアワールド8,’05

＜Ｆ１１＞：インド海軍ストレジ級測量艦ジャムナ（Jamuna）。1941年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ１１＞：ミャンマー海軍アウン・ゼーヤ級フリゲート、アウン・ゼーヤ（Aung Zeya）。2011年（2010年？）就役。2016年2月6日、インド海軍国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船5,’16、月刊軍事研究5,’16

＜Ｆ１１Ｆシリーズ＞：アメリカ海軍ジェット艦上戦闘機、別名タイガー。朝鮮戦争でMiG-15に歯が立たなかったF9Fの後継としてグラマン社が開発したもので、開発資金をF9F-8の調達費から流用したためと、海軍審査の手間を省くため、当初はF9F-9という名称であり、1955年4月に改称された。世界初のエリアルール採用機である。1953年4月に試作機が発注され、1954年7月30日（19日？）に試作初号機が初飛行し、1955年1月に試作２号機がマッハ1.12を記録した。初期型11号機は1956年9月2日の射撃テストで高度13000フィート（3962m）から降下中に機関砲を射撃、そのまま降下していたら11秒後に発射した砲弾に追いついてしまい、自機を撃墜するという訳の分からないことをやらかした。1956年に採用が決定したが、同時に採用されたF-8クルセイダーの方が性能が上だったため、1959年までに201機が生産されたのみで1959年末には実戦部隊からの撤収が始まり、1968年まで高等練習機として使用された。1962年にF-1Aと改称されている。参考：月刊丸4,’13、5,’13、月刊JWing11,’03、5,’08、月刊世界の艦船2,’22

　＜Ｆ１１Ｆ−１初期生産型＞：機首が短いのでショート・ノーズ型と呼ばれる。AN/APG-30A測距レーダーを搭載するが、全天候能力は無い。また、海軍から航続距離延長の要求が出て、エアインテイクと機体の間の隙間や垂直尾翼に燃料を詰め込んだ結果、速度性能と上昇力が落ちた。機首先端に空中給油受油装置が付いている。主翼は中翼配置で、25%翼弦後退角35度、エレベーター搭載時は翼端を下方に畳む。全長14.08m、全幅9.64m／8.33m（翼端折り畳み時）、全高4.03m、自重6.536トン、全備重量11.154トン。エンジンはライト製J65-W-7（A/B時推力4.5トン）単発、最大速度マッハ1.3、航続距離2122km。固定武装は左右エアインテイク下部の20mm機関砲４門。主翼下にAIM-9サイドワインダー空対空ミサイル２発を搭載できる。1957年3月8日から９機が納入された。参考：月刊JWing11,’03、5,’08、月刊丸4,’13

　＜Ｆ１１Ｆ−１第２次生産型＞：機首を0.86m延長したタイプで、ロング・ノーズ型と呼ばれる。本当はレーダーも換装する筈だったが、F-8の本格採用が決定したので中止された。エンジンをJ65-W-18（ミリタリー推力3.38トン、A/B時推力4.76トン）に換装、空中給油受油プローブは機首右側に移し、引き込み式にしている。主翼付け根前縁に張り出しを設け、前縁スラット外側部をアウターパネルまでに短縮し、主翼下パイロンを片側２つずつとした。157機が生産された。参考：月刊丸5,’13、月刊JWing11,’03

　＜Ｆ１１Ｆ−１Ｆ＞：別名スーパータイガー。グラマンの独自改良型で、F11F-1初期生産型から２機が改造され、1956年5月25日（9月？）に初飛行した。エンジンをJ79-GE-3A（A/B時推力6.71トン）に換装し、機首と尾部を延長、エアインテイクを拡大し、尾翼も大型化している。機関砲は外し、機体上部にドーザルスパインを付け、そこにAIM-9サイドワインダー空対空ミサイル２発を搭載できるようにした。発射時はミサイルを６インチ（152mm）持ち上げて点火する。他に外翼に１ヵ所ずつのパイロンを持つ。全長14.85m、全幅9.65m、自重6.277トン、総重量9.561トン。２号機はエアインテイク直前にダイバーターレス・スーパーインレットの先取りのような境界層バンプを設け、胴体との摩擦で遅くなった気流がエンジンに入らないようにした。航空自衛隊や西ドイツ空軍に提案されたが、余剰推力の大きいF-104CとF-104Gに上昇性能や機動性で劣り、採用されなかった。参考：月刊JWings6,’08、11,’03、10,'23、月刊丸5,’13

　＜Ｇ−９８Ｊ−１１＞：F11F-1F改良型の社内名称。F11F-1Fスーパータイガー２号機のエンジンをJ79-GE-7に換装している。1958年11月10日に完成して輸出市場に出されたが、どこも採用しなかった。参考：月刊丸5,’13

＜Ｆ１２＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦カシミール（Kashmir）。1939年竣工。1941年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ１２＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、アキリーズ（Achilles）。1970年就役。1990年にチリ海軍に引き渡され、ミニストロ・ツェンターノとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、5,’83

＜Ｆ１２＞：ミャンマー海軍チャンシッター級フリゲート１番艦チャンシッター（Kyan Sit Thar）。2012年就役。2017年5月12日、シンガポール海軍国際観艦式参加艦と親善訓練に参加。5月15日、シンガポール海軍国際観艦式に参加。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船8,’17、2,’18

＜Ｆ−１３＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜Ｆ−１３Ａ＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜Ｆ−１４シリーズ＞：アメリカ海軍の艦隊防空（FAD）艦上戦闘機、別名トムキャット（Tomcat）。メーカー公式マスコットは灰色縞柄の猫又ガンマン（尻尾が２本あり、腰にリボルバー用ホルスターを６発入り弾薬ベルトで吊っている）。空軍と協同でF-111を製作したが失敗（正式キャンセルは1968年12月）したので、F-111B用に開発していたAIM-54フェニックス空対空ミサイル、AN/AWG-9レーダー、プラット＆ホイットニー社製TF30エンジンを搭載する艦上戦闘機として、1967年10月から開発された。想定される敵はMiG-25、Tu-22及びそれに搭載される対艦巡航ミサイルで、格闘戦を仕掛けてくる戦闘機にも勝てる能力が要求されている。グラマン、マクダネル・ダグラス、リング・テムコ・ボート（LTV）、ジェネラル・ダイナミクス、ノースアメリカンが応募し、1969年1月15日にグラマンのモデル303Eが採用され、2月3日にF-14として契約された。ベトナム戦争の最中だったのでクック・クレイギー方式で量産型初期ロットをテスト用に回すことにして生産を急ぎ、試作機YF-14Aの初号機は1970年12月21日に初飛行、1972年10月8日から転換訓練部隊VF-124に配備され、10月14日には初の実戦部隊VF-1/-2が新編され、1974年9月から就役した。生産数はイラン空軍向けも含めて710機（712機？）。1986年（1991年9月？）には海軍の全戦闘飛行隊VFがF-14に統一されている。実戦初参加はベトナム戦争でのフリークエント・ウインド作戦。シドラ湾演習でSu-22を２機撃墜、1989年1月4日にリビア空軍のミグ戦闘機を２機撃墜、湾岸戦争でMi-8ヘリを１機撃墜している。初の爆撃作戦は1995年のボスニア紛争デリバレイト・フォース作戦で、不朽の自由作戦では足の長さを活かしてJDAMやレーザー誘導爆弾を投下した。被撃墜は湾岸戦争時に地対空ミサイルで撃墜されたF-14B１機のみ。2006年9月22日、オシアナ航空基地で退役セレモニーが実施され、VF-31のF-14Dがラストフライトを実施、アメリカ軍での運用を終了し、9月26日に正式退役した。参考：月刊JWings3,’00、3,’03、12,’06、1,’18、6,’19、F-14トムキャット、月刊航空情報8,’12、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船10,’22

　＜Ｆ−１４（開発試験機）＞：原型機６機と前量産型６機。初号機は1970年12月21日に初飛行したが、12月31日の２回目のフライトで墜落したため、本格的なテストは２号機（1971年5月24日初飛行）以降で行われた。初号機のテストを引き継ぐため、製造ライン上の12号機を急遽1971年6月に完成させている。1972年6月30日、10号機が事故で失われた。1973年6月20日、６号機から試射されたスパロー（炸薬の無い訓練弾）が、エジェクターの威力不足により後部フィンが引っかかった状態でロケットモーターに点火してしまい、発射直後に急上昇、発射母機の尾部を直撃して撃墜してしまう（乗員は脱出して無事）という事故が起こり、射出用火薬カートリッジを強力なものに換えた。１974年5月13日、２号機が事故で失われた。9月19日、８号機が事故で失われた。参考：月刊軍事研究8,’12

　＜Ｆ−１４Ａ＞：主翼は可変後退翼で、速度、高度、迎え角、荷重などのデータに基づき、MSP（Mach Sweep Progammer）と呼ばれる専用コンピュータが自動的に後退角を調整する。緊急時には手動での調節も可能で、スロットルレバー脇に緊急ハンドルが用意されている。前縁後退角は20度から68度の間で変化し、マッハ１を超えると自動的に68度になる。後退角20度では翼面積52.49平方メートル、アスペクト比7.27、翼厚比9%で、翼型は速度600km以下で最適な断面をしており、比較的低速の格闘戦でも有利である。後退角68度ではアスペクト比2.59、翼厚比5%で、翼面積も減少し、高速飛行や急加速で有効な形状となる。空母収容時には75度まで後退でき、折り畳み機構は無い。主翼後退翼部には前縁にスラット、後縁に隙間フラップ（最大下げ35度）、フラップ前方の上面にスポイラーがあり、ブロック90（1975会計年度発注分）からは前縁スラットと後縁フラップをマニューバに使用できる自動空戦フラップ機構（後縁フラップ最大下げ10度）を追加している。可変後退機構の無い内翼部分はグラブ構造と呼ばれ、後退角68度で、分厚くして内部に丈夫な翼胴結合部を設け、主脚もここに収容するようにした。また、高速飛行時にはグラブベーンと呼ばれる小翼が主翼付け根前方から15度展開する。後退翼を機体に固定するピボットを支えるキャリースルー構造はチタン合金製で、真空溶接により十分な強度を有しており、ピボットを支える上下の部分はどちらが破損しても主翼が外れることは無い。主翼ウイングボックス、インテイクダクト、排気ダクトの一部にもチタン合金が使用され、機体重量の24.4%がチタン合金（他はアルミ合金39.4%、高張力鋼17.4%、BFRP0.6%）である。初号機が事故で墜落した際、キャリースルーが地面に6mめりこんだが、無傷だった。後退翼の外板もチタン合金製で、内部には450リットル入り燃料タンクが片側４個収容されている。横操縦はスポイラーと水平尾翼で行うが、後退角55度を超えると水平尾翼のみでの横操縦となる。水平尾翼はチタン合金の上にボロン・エポキシ複合材の外板を張って製作している。エンジンは機体重量に比べるとややアンダーパワーだったが、後期型ではエンジンを強化し、後に完全自動デジタルエンジン制御FADECも追加、コンプレッサー・ストールはほぼ起こらないようである。片方が停止してもアフターバーナー無しで上昇できる。AN/AWG-9レーダーとAIM-54空対空ミサイルによる複数同時攻撃が可能で、試験では160-210kmの距離にいる６目標を探知し、距離60-90kmで37秒間にAIM-54を６発発射、４発を命中させた（標的１機が故障で自爆、ミサイル１発が故障で外れた）。また、海面上高度15mの目標や、高度14600mをマッハ1.5で飛行する標的も撃墜している。双方向データリンクを搭載しており、F-14同士で目標データを共有することが可能。また赤外線探知器も搭載しており、アフターバーナー作動中の戦闘機を185km以遠で探知できるという。これは後にノースロップ社製テレビ式照準装置TVSUに換装された。TVSUはAN/AWG-9レーダーと連動してロックオンした目標画像を後席のスクリーンに映し出すもので、戦闘機級の目標を16-24kmの距離で識別でき、後に32km以上遠方でも識別できる改良型AN/AXX-1（機首下面のAN/ALQ-126B電子戦用受信センサーフェアリングと一体化して装備、映像は前席の垂直情報ディスプレイに映る）に換装された。機首右に引き込み式空中給油受油プローブを装備する。前席にはHUDと空中戦機動パネル（兵装関係スイッチが並ぶ）、水平状況ディスプレイ、垂直ディスプレイ指示機（ピッチとロールなどを示す）などが用意されている。後席の正面には詳細データ・ディスプレイがあり、レーダーでキャッチした目標の距離・方位情報が表示され、攻撃目標選択などが可能である。その下に戦術情報ディスプレイがあり、地図上に目標シンボルや後方シンボルなどが表示される。後席乗員は海軍飛行士官、レーダー迎撃士官、兵器士官などと呼ばれ、航法・FCS操作専門であり、後席に操縦装置は付いていない。座席はマーチン・ベイカー社製GRU7A射出座席。兵装ステーションは、可変後退翼付け根のSta.1A/8A（LAU-92/AまたはLAU-93/A）、その内側のSta.1B/8B（LAU-92/AまたはLAU-93/A）、主翼付け根のSta.2/7、機体下部前方のSta.3/4、後方のSta.5/6、機体中央下部前方の前部スパロー・レセス、後方の後部スパロー・レセス。全長19.1m、全幅19.54m（後退角20度）／11.65m（68度）／10.15m（75度）、全高4.88m、自重18.108トン、空虚重量18.191トン、離陸総重量26.567トン（クリーン）／27.086トン（スパロー４発搭載）／32.023トン（フェニックス６発搭載）、過荷最大離陸重量33.724トン。エンジンはP&W社製 TF32（A/B時推力9.48トン）またはTF30-P-412A/414A（ミリタリー推力5.6トン、A/B時推力9.48トン）双発、巡航速度740-930km、最大速度マッハ2.34、着艦速度213km、実用上昇限度17070m以上、最小離陸距離396m、最小着陸距離823m、最大航続距離3220km、戦闘行動半径450-500海里（制空戦）／100-200海里（増槽付き２時間CAP）。固定武装は機体前方左下部のM61A1バルカン砲１基（675発）。乗員２名。機体価格は35億6744万円で、エンジン、アビオニクス、レーダーなどを入れると1.5倍以上になるとみられる。1985年の調達価格は4040万ドルだった。本来なら生産66号機からF-14B、次いで完成型のF-14Cの生産に移る予定だったが、エンジン開発に手間取ったのと生産コスト上昇により、本型がメイン生産型になった。ブロック65からTF30-P-412Aエンジンを搭載。ブロック90からセントラルコンピュータを換装して自動空戦フラップ機構を追加し、機首にピトー管を装着。ブロック95からエンジンをTF30-P-414Aに換装。1980年代後半からエンジンの間にあるAIM-54フェニックス用パレットにADU-703アダプターを介してBRU-32/Aエジェクターラックを搭載できるようにするボムキャット改修（搭載可能兵器はMk82なら14発、Mk83なら８発、Mk84なら４発。他にクラスター爆弾やGBU-12/Bレーザー誘導爆弾４発の搭載も可能だが、レーザー照射は自力ではできない）を受けた。1992年から、兵装搭載のため機体を強化し、MIL-STD-1553Bデジタルデータバス（２系統）搭載、ミッション・コンピュータ装備、AWG-15空対地攻撃用FCS搭載、戦術情報ディスプレイ改修、AN/ALR-67レーダー警報受信機・BOLチャフ・ディスペンサー付きミサイルランチャー搭載などを行い、1995年からはFLIR、レーザー目標指示機、GPS、NVG対応ディスプレイなどを搭載した。更にLANTIRNポッド（AN/AAQ-14）搭載改修（Sta.8Bに装着）も加えられている。超低空地形追随飛行はできないので、AN/AAQ-13は搭載しないが、AN/AAQ-14にGPSと慣性計測装置を組み込んで精密航法を可能とした。これらの改修は同時並行で行われ、機体によって改修の程度がまちまちだった。参考：F-14トムキャット、月刊JWings3,’00、3,’03、3,’09、9,’10、3,’11、月刊航空ファン1,’98、月刊軍事研究8,’12、図解現代の航空戦、世界の軍用機1982、1979、月刊航空情報9,'17、11,’09、戦闘機のしくみ

　＜Ｆ−１４Ａ＋＞：F-14Bを参照。

　＜Ｆ−１４Ｂ＞：エンジン改良型。本当はF401-PW-400エンジン（F-15用F100に防塩対策などを施したもの）を搭載して1970年代から量産に入る予定で、1973年9月12日には開発試験用７号機の改造機が初飛行したが、エンジン開発が上手くいかずに一旦お蔵入りとなった。その後F110-GE-400に換装することになり1981年に初飛行、F-15/F-16量産に伴いエンジン価格が低下した1986年から調達され、当初F-14A+と呼ばれて1988年4月11日から配備された。アフターバーナー無しでのカタパルト射出が可能となったが、エンジン推力上昇に合わせて空母のアレスティング・ワイヤーを強化する必要があった。燃費が改善し、哨戒時間が37%、戦闘行動半径が65%向上している。パッシブ探知装置は光学TVのAN/AXX-1である。冷戦終結で調達数が削減され、新造38機、改造32機（新造36機、改造48機？）しか製作されていない。1980年代後半からエンジンの間にあるAIM-54フェニックス用パレットにADU-703アダプターを介してBRU-32/Aエジェクターラックを搭載できるようにするボムキャット改修を受けた。1992年から、兵装搭載のため機体を強化し、MIL-STD-1553Bデジタルデータバス（２系統）装備、ミッションコンピュータ及びAWG-15空対地攻撃用FCS搭載、戦術情報ディスプレイ改修、AN/ALR-67レーダー警報受信機・BOLチャフディスペンサー付きミサイルランチャー搭載などを行い、1995年からはFLIR、レーザー目標指示機、GPS、NVG対応ディスプレイなどを搭載した。更にLANTIRNポッド（AN/AAQ-14）搭載改修も加えられている。超低空地形追随飛行はできないので、AN/AAQ-13は搭載しないが、AN/AAQ-14にGPSと慣性計測装置を組み込んで精密航法を可能としている。これらの改修は同時並行で行われており、機体ごとに改修の程度が違っていた。2004年からカリフォルニア州エストレーラ大戦機博物館に貸し出されて展示されている。参考：月刊航空ファン1,’98、月刊JWings3,’00、3,’03、4,'23、F-14トムキャット、月刊軍事研究8,’12、月刊航空情報11,’09、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｆ−１４Ｃ＞：F-14Bのアビオニクス強化型で、F-14の完成型・メイン生産型となる予定だった。F-14Bが一旦お蔵入りになった際に本機も開発中止になってしまった。参考：F-14トムキャット

　＜Ｆ−１４Ｄ＞：艦隊防空をイージス艦に取られたため、マルチロール化したもの。F-14Bがベースで、AN/APG-71レーダー、AN/AAS-42IRST（レドーム下のAN/AXX-1の左に装着）、AN/AWG-15F火器管制セット（AN/AYQ-15兵装管理システム？）、AN/AYK-14デジタルコンピュータを搭載した。INSはレーザージャイロ式のAN/ASN-139、IFFはAN/APX-100、タカンはAN/ARN-118に変更し、MIL-STD-1553Bデータバスを装備した。コクピットには前席に多機能ディスプレイ２基と広視野HUD、後席にデジタルディスプレイとプログラム可能戦術情報ディスプレイを採用し、射出座席はSJU-17に換装している。1990年に実用段階に達したが、湾岸戦争には間に合わなかった。当初は通常爆弾とクラスター爆弾を使用していたが、1996年からLANTIRNポッド（AN/AAQ-14）を装備してレーザー誘導爆弾ペイヴウェイを運用できるようになった。超低空地形追随飛行はできないので、AN/AAQ-13は搭載しないが、AN/AAQ-14にGPSと慣性計測装置を組み込んで精密航法を可能としている。電子戦機材はAN/ALR-67レーダー警報受信機、AN/ALQ-165発達型自衛用妨害装置、AN/ALE-47チャフ・フレアディスペンサー。全長19.1m（18.86m）、全幅19.54m（後退角20度）／11.65m（68度）／10.15m（75度）、全高4.88m、自重19.051トン、空虚重量19.838トン、離陸重量29.072トン（戦闘護衛任務）／33.157トン（艦隊護衛任務）、地上滑走時最大離陸重量32.659トン、カタパルト使用時最大発艦重量34.473トン、最大着陸重量27.216トン、最大着艦重量24.494トン。エンジンはGE社製F110-GE-400（ドライ推力62.27kN・6.34トン、A/B時推力102.75kN・10.47トン）２基、最大巡航速度マッハ1.08、最大水平速度1078ノット・マッハ2.34（高度12190m）／1470km（海面上）、実用上昇限度16154m、機内燃料容量9027リットル／7289kg、航続距離3800km、戦闘行動半径600-1075海里（CAP任務）。固定武装はM61A1バルカン砲１基。外部兵装搭載量6.577トン。乗員２名。調達数は新造37機＋F-14Aからの改造18機で、改造機はF-14D(R)とも呼ばれる。価格は1990年で6312万ドル。2002年、AFC880改修を受けてAN/AVX-3戦術画像セットを搭載できるようになった。2005年、改良型遠隔操作ビデオレコーダー・フルモーションビデオ（ROVER/FMV）用データリンクを追加し、撮影した画像をほぼリアルタイムで送信可能となった。参考：月刊軍事研究8,’12、1,’01、11,’02、4,’10、月刊航空ファン1,’98、8,’96、月刊JWings3,’00、3,’03、11,’05、12,’06、9,’10、8,'21、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｆ−１４ＭＣＡＰ＞：F-14A/B/DのLANTIRN搭載改修型をこう呼ぶこともある。参考：月刊航空ファン1,’98

　＜Ｆ−１４ＴＡＲＰＳ＞：偵察機型、通称ピーピング・トム。F-14に戦術航空偵察用ポッドシステムTARPSを搭載したものである。ポッドは全長5.27m、重量794kgで、胴体右後方ミサイル搭載ステーション（Sta.5）に外装され、必要に応じ数時間で着脱できる。ポッド内部にはセンサーステーションが３カ所あり、銀鉛フィルム記録型光学カメラ２基（最前部のステーション１にKS-87B連続フレームカメラ、その後ろのステーション２にKA-99A/KA-93低高度パノラミックカメラまたはKS-135A高々度フレームカメラ）とAN/AAD-5赤外線画像偵察装置（ポッド中央やや後方のステーション３）１基を収納、その後ろにC-10491/A電源分配ユニットやAN/ASQ-172データディスプレイセットを内蔵している。昼夜を問わず偵察ミッションを遂行でき、空対空ミサイルも搭載可能。1980年から空母航空団CVWに３機ずつ配備され、1981年のシドラ湾演習で初実戦運用された。1997年からKS-87Bの換わりにPULNIXデジタルカメラを搭載しした改良型TAPRS DI（Digital Imagery）を搭載している。21世紀に入ってTARPSが完全デジタル化版TARPS CD（Completely Digital）となり、撮影した画像をUHFデータリンクで空母やE-2Cに伝送できるようになった。F-14Dは全機運用能力があるが、F-14A/Bは改修機のみ運用できる。引退後はAN/ASD-12SHARP装備のF/A-18が偵察任務を実施中。参考：月刊軍事研究7,’11、1,’01、JWings3,’03、8,’05、1,’14

＜Ｆ−１４海外シリーズ＞

　＜Ｆ−１４Ａ（イラン空軍）＞：イラン空軍戦闘機。MiG-25の領空侵犯に対抗するため、1974-75年に80機を契約し、1976年1月にイラン向け初号機が引き渡され、1978年までに80機全機（うち１機はテスト用としてアメリカに残置）とAIM-54ミサイル714発が引き渡された。1979年のイスラム革命でパイロット、整備員、将校が追放・処刑され、アメリカ人技術者も全員引き上げてしまい、メンテナンスがほぼ不可能になってしまった。1980年8月（イラン・イラク戦争開戦１ヶ月前）の稼働機は７機で、イラン・イラク戦争開戦に伴い更に3-5機を稼動状態としたが（保有機数は77機）、主に後方で早期警戒管制機代わりに使ったとされる。それでも1982年末にMiG-25Rをサイドワインダーで撃墜したらしい。イラン側発表では、AIM-54を71発発射し、16-20機を撃墜したとしている。ロシアの調査では、戦争中に12-16機（うち空対空戦闘３機、地対空ミサイル４機）を喪失したという。1981年に独自の整備を開始し、1985年には完全稼働機18機と部分稼働機16機を３個飛行隊に配備した。爆装できるような改造も行われたが、Su-24の導入に伴い、４機だけに止まっている。2007年2月、アメリカ国防総省国防兵站局国防再利用販売サービス禁輸品目管理システムの不備を突いて部品1400点以上を輸入し、稼働機を北西部エスファハーン空軍基地の第81・第82戦術戦闘飛行隊に配備した。AIM-54は補充が効かないので、ホーク地対空ミサイルを改造したスカイホーク空対空ミサイルを開発して中央胴体下に２発装備し運用中。2009年からロシアの技術を得てF-14AMへの改良を実施している。参考：F-14トムキャット、月刊JWings11,’07、月刊航空情報11,’09、9,'17、月刊軍事研究8,’11、1,’12、8,’12

　＜Ｆ−１４ＡＭ（イラン空軍）＞：イラン空軍戦闘機。ただしこの名称はイラン空軍公式名として発表された訳では無い。F-14Aの延命・改良型で、2008年に計画が発表され、2009年から改修作業に入った。レーダー、レーダー警戒装置、ECMを改良し、INSを換装、主翼付け根Sta.1/8を強化してスカイホークやR-27空対空ミサイルを運用可能とし、胴体下Sta.3-6にはボムラックを装着できるようにしており、無線機や配線も一新した。R-73E空対空ミサイルも装備可能。セジル長距離空対空ミサイルも開発中である。イスファハーンのF-14修理センターやメヘラバードのイラン航空機製造社で残存機全て（推定62機）を改良する予定で、2013年以降順次就役している。2018年現在、第８戦術戦闘基地に24機くらいが配備され、可動16機以上が24時間アラートに就いているらしい。2019年5月16日、訓練飛行中の１機に緊急事態が発生し、イスファハーン基地に着陸しようとしたが、滑走路に叩き付けられて機体が全損した。乗員２名は脱出して無事だった。2030年まで運用される予定。参考：月刊JWings6,’15、4,’20、月刊航空ファン2,’17、3,’19、8,’19、9,’19

＜Ｆ−１４発艦＞：飛行前に機体外部を右回りで点検し、コクピットに入る。バックルや空調ホースなどを結合し、内蔵テストシステムで点検を行う。コンピュータが異常を発見すると、コクピットのモニター及び空母のメインコンピュータに警告が送られる。点検が終了したら、誘導員の指示に従ってカタパルトまで機体を前進させる。カタパルト上で誘導員が両腕を肘で90度上に曲げて手の平をこちらに向け、ストップの合図を出したら停止。前脚柱を360mm縮め、カタパルト結合用のランチバーを降ろす。この時、機体後方ではジェット・ブラスト・デフレクターが立ち上がる。カタパルト士官が指２本を上げたら、エンジンをミリタリー推力まで上昇させる。指５本を立てたら、アフターバーナーを５段階全開にし、左手で軽く敬礼を送る。カタパルト士官が「ファイア」をコールし、手を振り下ろしたら射出。機体は2.5秒で時速209kmまで加速され、飛行甲板から空中へと射出される。アフターバーナーを全開にしたまま、高度3050mまで上昇、目的地へと向かう。参考：F-14トムキャット

＜Ｆ−１４兵装＞

　＜甲板発進迎撃（ＤＬＩ）＞：Sta.1A/8AにLAU-7/Aランチャーを介してAIM-9を１発ずつ、Sta.1B/8B・後部スパロー・レセスにLAU-92/Aランチャーを介してAIM-7を１発ずつ、Sta.3/4に専用パレット型ランチャーLAU-53/A を介してAIM-54を１発ずつ、Sta.2/7に270ガロン（1022リットル）増槽１基ずつを搭載する。参考：月刊JWings3,’00、月刊航空情報11,’09

　＜最長滞空＞：Sta.1A/8AにLAU-7/Aランチャーを介してAIM-9を１発ずつ、Sta.1B/3/4/8B・前後部スパロー・レセスにLAU-92/Aランチャーを介してAIM-7を計６発、Sta.2/7に270ガロン（1022リットル）増槽１基ずつを搭載する。参考：月刊JWings3,’00

　＜多目標対応＞：Sta.1A/8AにLAU-7/Aランチャーを介してAIM-9を１発ずつ、Sta.1B/8BにLAU-92/Aランチャーを介してAIM-7を１発ずつ、Sta.3-6の専用パレット型ランチャーLAU-53/AにAIM-54を計４発、Sta.2/7に270ガロン（1022リットル）増槽１基ずつを搭載する。参考：月刊JWings3,’00、月刊航空情報11,’09

　＜長距離迎撃＞：AIM-54をSta.1B/8BグラブパイロンにLAU-93/AまたはLAU-132/Aランチャーを介して１発ずつ、胴体下Sta.3-6の専用パレット型ランチャーLAU-53/Aに４発の計６発搭載する。また、Sta.1A/8AにLAU-7/Aランチャーを介してAIM-9を１発ずつ、Sta.2/7に270ガロン（1022リットル）増槽１基ずつを装着する。ただし、Ａ型では着艦制限重量をオーバーするので、着艦前にAIM-54ミサイル２発を投棄または発射する必要がある。Ｂ型以降では６発装備での着艦も可能だが、運用柔軟性が乏しくなるため、多目標対応バージョンで出撃していた。参考：月刊JWings3,’00、3,’03、月刊航空情報11,’09

　＜通常爆撃＞：Sta.1A/8AにLAU-7/Aランチャーを介してAIM-9を１発ずつ、Sta.1B/8BにLAU-92/Aランチャーを介してAIM-7を１発ずつ、Sta.3-7にMk83爆弾１発ずつ、Sta.2/7に270ガロン（1022リットル）増槽１基ずつを搭載する。参考：月刊JWings3,’00、月刊航空情報11,’09

　＜偵察＞：Sta.1A/8AにLAU-7/Aランチャーを介してAIM-9を１発ずつ、Sta.1B/8BにLAU-92/Aランチャーを介してAIM-7を１発ずつ、Sta.4にAN/ALQ-167ブルウインクルECMポッド、Sta.6にTARPSポッド、Sta.2/7に270ガロン（1022リットル）増槽１基ずつを搭載する。参考：月刊JWings3,’00、月刊航空情報11,’09

　＜精密爆撃＞：Sta.1A/8AにLAU-7/Aランチャーを介してAIM-9を１発ずつ、後部スパロー・レセスにLAU-92/Aランチャーを介してAIM-7を１発、Sta.8BにLANTIRNポッド、Sta.1BにLAU-93/AまたはLAU-132/Aランチャーを介してAIM-54を１発、Sta.3/4にGBU-24/Bペイブウェイ�Vを１発ずつ、Sta.2/7に270ガロン（1022リットル）増槽１基ずつを搭載する。参考：月刊JWings3,’00、月刊航空情報11,’09

＜Ｆ−１４対Ｆ−１５＞：1977年、イギリスの航空週刊誌フライト・インターナショナルが、同年10月のレッドフラッグ演習でF-14がF-15に圧勝したという記事を載せ、朝日新聞もそれに基づいた記事を掲載した。国防省によるとF-15A戦闘機２機に対しF-14A戦闘機２機とA-4攻撃機1-2機がDACTを行ったとのことで、F-14とF-15の優劣を決めるためのものではないという。また、1980年頃に非公式のドッグファイトが行われたらしい。使用武器は機関砲のみで、高度２万フィート（6096m）ですれ違ってから戦闘を開始。左180度旋回をうったF-14を、F-15がハーフロールから急降下で追尾するもロックオンできず、そのままローリング・シザーズに入った。ここでF-14がF-15をオーバーシュートさせ、射撃位置を占位したという。しかしそれ以前にF-14が規定高度を切っていたともいわれ、勝負の行方は誰も知らない。参考：月刊JWings9,’00、F-14トムキャット

＜Ｆ−１５＞：CMPトラック会社別を参照。

＜Ｆ１５＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦ロイヤル（Loyal）。1941年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ１５＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ１フリゲート、ユーライアラス（Euryalus）。1964年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ１５＞：バングラデシュ海軍レオパルド級フリゲート、アブバカル（Abu Bakr）。元はイギリス海軍レオパルド級フリゲートのリンクスで、1982年に取得した。2009年3月4-14日、アマン09演習に参加。参考：月刊軍事研究9,’09、月刊世界の艦船6,’09

＜Ｆ−１５シリーズ＞：アメリカ空軍主力戦闘機、別名イーグル（Eagle）。F-4Eの後継となる空対空戦闘機（地上攻撃任務は後のA-10に任せる）として1964-65年にアメリカ空軍参謀本部が研究を開始、1965年4月29日にF-X計画の名称が付き、空軍システム軍団がコンセプトを検討して1965年10月6日に質的運用要求65-14F（可変後退翼を持つ27トン級のマッハ２戦闘機）が纏められ、1966年3月にノースアメリカン・ロックウェル、ロッキード、ボーイングとの研究契約が結ばれたが、ベトナム戦争でドッグファイト能力の重要性が判明し、更に1967年7月のモスクワ航空ショーでMiG-23、MiG-25、Su-15などが登場したため、マクダネル・ダグラス社とジェネラル・ダイナミクス社に研究契約を締結し直して1968年5月まで研究を行った。これに基づき、1968年9月に提案要求（通常主翼の18トン級制空戦闘機）がLTV、グラマン、ジェネラル・ダイナミクス、ノースアメリカン・ロックウェル、フェアチャイルド・ヒラー、ボーイング、マクダネル・ダグラスに出され、12月にマクダネル・ダグラス社、ノースアメリカン・ロックウェル社、フェアチャイルド・ヒラー社の案が採用されて1969年6月（9月？）に各社の詳細設計案が提出され、1969年12月23日にマクダネル・ダグラス社と開発計画が結ばれた。当初から将来の発展を見込んで余裕を持たせていて、機内燃料を30%増加させるスペースを予め確保し、電子機器室も半分空だった。いかなる敵機と交戦しても勝利できる航空優勢（Air Superiority）戦闘機というのがコンセプトであり、開発中にGAU-7/A機関砲、AIM-82、AIM-7Fを装備したと仮定して機関砲とAIM-7F装備のMiG-21との仮想ドッグファイトを行わせたところ、キルレシオ955対１で優位に立つという結果が出た。初号機は1972年7月27日に初飛行し、1974年11月から戦術航空コマンドに引き渡された。アメリカ空軍にＡ型365機、Ｂ型59機、Ｃ型409機、Ｄ型61機、Ｅ型236機が納入され、航空自衛隊がＪ型165機とDJ型48機、イスラエル空軍がＡ型48機、Ｂ型７機、Ｃ型18機、Ｄ型13機、Ｉ型25機、サウジアラビア空軍がＣ型55機、Ｄ型19機、Ｓ型72機、SA型84機、韓国空軍がＫ型60機、シンガポール空軍がSG型12機を配備した。カタール空軍もQA型72機を導入予定。1977年度の単価は1278万ドル、1978年度の単価は1609万ドルで、F-16とハイ・ロー・ミックスを構成する。2007年11月2日、アメリカで訓練中のミズーリ州空軍所属F-15Cが胴体折損により墜落し、縦通材エアフレームに発見されたクラックが原因と考えられたため、飛行停止処分にして検査を行ったところ、F-15A/B/C/D型450機のうち９機からクラックが発見され、182機は更なる精密検査が必要と判断された。F-15Eはフレームの構造が異なるため、飛行停止にはなっていない。F-15J/DJも緊急検査を行い、異常が無いことを確認したが、点検中は飛行停止となり、同時期にF-2も配線ミス点検のため飛行停止に陥っていて、老兵のF-4EJ改が単独で日本の領空を守っていた。2017年現在、実戦での空対空キルレシオは115（アメリカ43機、イスラエル60機、サウジアラビア２機）対０で、損失は地上からの攻撃によるF-15E３機（湾岸戦争で２機、イラク戦争で１機）のみである。2019年現在の空対空キルレシオは118.5対０で、MiG-21戦闘機42.5機、MiG-23戦闘機30機、MiG-25戦闘機５機、MiG-29戦闘機13機、Su-7戦闘機１機、Su-22戦闘機５機、Su-25攻撃機２機、ミラージュF1戦闘機８機、F-4戦闘機２機、PC-9練習機１機、Il-76輸送機１機、Mi-8ヘリ１機、MD500ヘリ２機、SA342ヘリ１機、機種不明ヘリ１機、MQ-9無人機１機（任務中に制御不能になった友軍機を撃墜）、シャヘド129無人機２機を叩き落として１機も失っていない。参考：F-15イーグル、月刊軍事研究8.’18、5,’03、12,’08、世界の軍用機1979、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings10,’19、11,’12、5,’07、4,’17、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１５Ａ前生産型＞：主翼には強いキャンバーが与えられ、前縁スラットは付いていない。翼面荷重は低く設定され、格闘戦性能に優れる。片方のエンジンが被弾炎上しても墜落しないよう、２基のエンジンの間にはチタン製キールを設け、エンジン周囲もチタンで囲み、自動消火装置を積んだ。エンジン上下には燃料タンクを設けず、火災の危険性を低減している。固定武装は25mmガトリング砲GAU-7/Aの予定だったが、開発に失敗したので20mmバルカン砲M61を搭載した。初号機は1972年6月26日に完成披露されて7月27日に初飛行、各種試験に投入された。結果、操縦桿の操舵力を低くしたり、エアインテイク形状を改良したり、CASプログラムを変更したりと小改良を施した。また、高速度域で水平安定板にフラッターが発生する、高々度高亜音速高Ｇ領域で主翼にバフェッティングが起こるという欠点も判明したため、４号機から水平安定板の前面にノッチを入れて圧力中心をずらし、主翼端を斜めに切ってバフェッティングを抑制、エアブレーキ面積を58%拡大して開度制限を加えている。18機が生産され、４機はイスラエル空軍に引き渡された。参考：F-15イーグル、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報8,’12、月刊軍事研究8,’18

　＜Ｆ−１５Ａ＞：本格量産型で、21号機以降（20号機まではF-15A前生産型とTF-15）。胴体は３つの部分に分けて製作し、整備を容易にした。機体構造の26.7%（主翼主桁、主翼下面、胴体キャリースルー、円框、エンジン周囲外板など）がチタン合金、35.5%がアルミニウム合金、37.8%が複合材含むその他の材料で構成される。胴体前部はパイロットとアビオニクスの収容部で、全アビオニクスの90%、配線の85%が集中している。最前方にはAN/APG-63レーダーを収容したレドームが設けられており、すぐ後ろにレーダー関連機器を収容する。風防は表面に薄いアクリル板を圧着したポリカーボネート製で、キャノピーはポリカーボネート単板製、隔壁があるのはキャノピーと風防との接合部のみで、ほぼ360度の視界を確保できる。コクピット正面には計器板があり、上にアメリカ空軍戦闘機初のHUDであるAN/AVQ-20を装備する。レーダースコープが計器板左上にあるので、見る時には視線を正面から外して少し下げなければならないが、基本的に視程外戦闘で使用するので問題無い。右コンソールにはエンジン制御用スイッチとAPUのスイッチ、INS制御パネル、TEWS操作パネルが並び、左コンソールにはスロットルレバーと航法・通信用スイッチが配置されている。スロットルレバーと操縦桿はHOTASで、操縦桿頂部の親指で操作できる位置にトリム調整及びミサイル発射ボタン、操縦桿前面の他の指で操作できる位置に機関砲トリガー、ミサイル用アンロック・スイッチ、レーダー操作スイッチなどが並ぶ。スロットルレバーは２本横並びで、左手で両方一気に掴める。右スロットルレバー右側面（親指の掛かる面）に無線スイッチ、スピード・ブレーキ操作スイッチ、兵装関連スイッチ、兵装モード切替スイッチ、右スロットルレバー前面の人差し指の掛かる位置にIFF関連スイッチ、中指の掛かる位置にレーダー及びレーダースコープ操作ボタン、左スロットルレバー前面の薬指の掛かる位置にスイッチ１つ、小指の掛かる左端にアンテナ上下首振りスイッチとチャフ／フレア・ディスペンサー撒布スイッチがあり、高Ｇ機動を行いながら指10本全部使って空戦をこなす。非公式装備だが、HUDの左右どちらかにはイーグル・アイと呼ばれる６倍のライフル・スコープが装着されており、アンノウンの識別に役立っている。コクピットは与圧式で、キャノピーを閉めると同時に作動、高度7000mまでは気圧を高度2400m相当に、それ以上では気圧差を１平方センチメートルあたり0.35kgに保つ。座席はACES�U射出座席。座席後方は電子機器収容スペースで、下方に前脚があり、前輪は通常左右15度までステアリングできるが、必要に応じ45度までステア可能である。キャノピー後方の胴体背部にはカーボン複合材製の大型エアブレーキを持つ。胴体中部には燃料タンク４個とAIM-7スパロー空対空ミサイル用FCSを収めていて、キャノピー後半部付近の胴体両側にエアインテイクが付く。エアインテイクは外部圧縮型可変面積式で、下端を支点にして回転し、エアインテイク面積が最適になるよう調節される。また、エアインテイク内部のランプもそれに合わせて角度が変化する。これにより超音速飛行時も安定した空気流入量を確保できるが、亜音速・遷音速領域での性能低下の原因となっているとされる。M61A1バルカン砲（940発）は右エアインテイク側面に収容されており、砲口は右主翼付け根に開口する。胴体中央は主翼の取り付け部分でもあり、主翼トルク・ボックスは３本桁構造で、主翼荷重はエアインテイク周囲で受けるようになっている。主翼は前縁後退角45度のコニカル・キャンバー翼で、形状はクリップドデルタ、配置は肩翼式であり、翼端に軽い捩り下げを持つ。翼面積が56.5平方メートルと大きく、翼面荷重は１平方メートルあたり230kg。アスペクト比は３、翼厚比は付け根が6%、翼端が3%である。マッハ0.9で最適になるよう設計されており、遷音速領域では抵抗が大きくなる。主翼内には燃料タンクを収容していて、内翼後縁にはフラップが用意されており、外翼エルロンは上下20度まで可動する。前縁にはスラットもフラップも付いていない。燃料システムは動力無しの給油が可能で、内部には綱状のフォームが充填されており、火災や爆発の危険性が少ない。燃料タンクはセルフ・シーリング式で、.50口径までなら自動的に塞がる。油圧は三重（操縦はそのうち２系統を使う）で、急速リリーズ式油圧ポンプ４基を装備している。胴体後部は570kgのチタンを66kgにまで削り出して製作され、エンジン２基を収容、主脚もチタンの竜骨に装着されている。エンジン間には隔壁があり、一方が火災を起こしてももう一方には被害が及びにくい。エンジンは互換性を持っていて、30分以内でのエンジン交換が可能。APUは機体に取り付けられており、両方のエンジンとAPUには消火システムが用意されている。尾翼構造はチタン製桁、アルミニウム製ハニカム構造、ボロンとグラファイト・エポキシ複合材製外皮を組み合わせた。水平尾翼はドッグツース付き全遊動式水平安定板で、左右互換性があり、作動角はマイナス（前縁下げ）28度からプラス（前縁上げ）15度、ピッチ制御の時は左右連動し、ロール制御の時には左右逆に動く。垂直尾翼は双垂直尾翼で、方向舵は左右互換性を持ち、作動角は左右30度ずつ。両垂直尾翼上方後端には後方警戒レーダーアンテナと尾部後方灯が並び、左垂直尾翼上端にはECMアンテナが付く。操縦系統の中枢は自動飛行制御システムで、制御増強システムCASとオートパイロットを統合している。油圧飛行制御システムは主系統の電子系とバックアップの機械系からなり、機械系のみでも完全な機体制御が可能である。搭載されている兵器システムの中心は１秒間に34万回の演算が可能な重量22kgのコンピュータで、レーダーと火器管制機能を統合し、目標捜索・レーダーモード及び兵装選択・射撃をコントロールする。胴体下面両脇に半埋め込み式のAIM-7スパロー・レセスが２カ所ずつ（Sta.3/4と5/6）用意されており、LAU-106/Aランチャーを装着する。AIM-9サイドワインダーは主翼内側パイロン（Sta.2/8。SUU-59/A）の両脇にADU-40/Aアダプターを介してLAU-114/Aランチャーを装着することにより計４発を装備する。胴体中心線下パイロン（Sta.5。SUU-60/A）は容量2040kg、主翼内側パイロンは容量2315kgで、MAU-12/A爆弾架やMER-200爆弾架を介して500ポンド爆弾６発ずつの搭載が可能であり、600ガロン（2271リットル）増槽１本ずつ計３本を積むこともできる。主翼外側（外翼と内翼の繋ぎ目付近）には搭載能力1300ポンド（590kg）のハードポイント（Sta.1/9）があり、AN/ALQ-119(V)12電子戦ポッド専用で、SUU-61/Aパイロンを取り付ける。最大速度はマッハ2.5だが、この速度を出すと100km超を飛んだところで燃料が切れる。また、対空フル装備ではマッハ1.78までしか出せない。コクピットにはVmaxスイッチが用意されており、押すと通常のA/B時最大推力を超えてエンジンを作動させることができるが、負荷が非常に大きいので、本当に緊急時しか使えない。対地攻撃装備で爆弾を搭載していてもマイナス3Gからプラス7.33Gまでの機動が行える。操縦桿の空中給油結合解除スイッチは、レーダーが作動していない時のみ結合解除に働くが、レーダー作動時はレーダーモードの切り替えを行える。点検ドアの４割はドライバーでラッチを半回転させれば開けることができ、ライン交換ユニットを用いて部品をモジュール化することにより整備を簡略化、１飛行時間あたりの整備マン・アワーは11.3時間と、F-4E（24時間）の半分以下を予定していたが、実際に配備してみると30時間以上かかった。空対空装備での再出撃にかかる時間は12分。操縦桿に付いているトリガーは２段式で、１段引くとガンカメラ（後にビデオになった）が作動、２段目まで引くと機関砲が発射される。兵器選択スイッチをSRM（短射程ミサイル、要するにAIM-9サイドワインダー）に入れるとレーダー捜索距離が自動的に32kmにセットされ、目標が自動または手動でロックオンされる。AIM-7スパローは、レーダーが作動すると２分以内に自動的に追尾周波数が調整される。右スロットルレバーに付いている目標指示コントロール・ボタンでレーダースコープ上の捕捉ゲートを動かし、目標に重ね、アイソメトリック・スイッチを１回押して離すとロックオンできる。兵装選択スイッチをMRM（中射程ミサイル）に入れ、安全装置を解除し、発射ボタンを押すとミサイルが１発発射され、HUDに目標への到達にかかる時間が表示されるので、それまで目標をロックオンし続ける。爆撃システムはA-7コルセア�U攻撃機と同種のデジタル降下爆撃システムで、自動・連続表示命中モード、CDIPモード、誘導兵器モード、直接モード、手動モードが用意されている。将来の発展を見越して設計には余裕があり、アビオニクス室の1.6立方メートルが空室で、電気容量の40%、冷却能力の14%、コンピュータ能力の55%が余剰となっている。電子戦装置は戦術電子戦システムTEWSで、AN/ALR-56レーダー警報、AN/ALQ-128電子戦警戒セット、AN/ALQ-135内蔵対抗手段セット、AN/ALE-45対抗手段散布システムからなる。AN/ALE-45のマガジンは胴体前寄り下面（センターパイロン前端の両脇にあたるエンジンダクト下面）に片側４個ずつ装着でき、チャフだけなら最大240発、フレアだけなら最大120発を収容する。設計寿命は4000時間の予定が1973年の試験で16000時間行けるとされたものの、実運用に基づいて8000時間に修正された。全長19.43m、全幅13.05m、全高5.63m、自重12.315トン、運用自重12.55トン、ミサイル８発搭載時総重量19.13トン、最大離陸重量25.4トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-100（ミリタリー推力7.35トン、A/B時推力10.615トン）双発、最大速度マッハ2.5（高度12200m）／マッハ1.2（海面高度）、実用上昇限度20400m、燃料容量6660リットル（＋2310リットル増槽３本）、戦闘行動半径1850km、航続距離5500km、設計荷重マイナス3Gからプラス9G。各種爆弾6.8トンを搭載可能。乗員１名。368機（366機？）が生産され、1976年1月9日から第１戦術戦闘航空団を皮切りに実戦配備された。他にイスラエル空軍向けとして21機（19機？）が生産されている。参考：F-15イーグル、世界の軍用機1979、1982、月刊JWings5,’07、11,’12、12,’15、10,’19、9,'22、4,'23、9,'23、ワイルドウエポン、アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究4,’12、11,’16、世界航空機年鑑2018-2019、航空用語事典増補改訂版

　＜Ｆ−１５Ｂ＞：転換訓練機型で、当初はTF-15Aと呼ばれた。F-15Aを複座化したもので、後席には独立した操縦システムが用意されているが、計器板は飛行に必要なもののみで、HUDや兵装操作パネルなどは付けられていない。1973年7月7日に初飛行し、前生産型（TF-15A）２機と量産型57機が生産され、1974年11月14日から第58戦術訓練航空団に配備された。他にイスラエル空軍向けとして２機が生産されている。参考：F-15イーグル、世界の軍用機1979、月刊JWings5,’07、9,'22、アメリカ空軍の第一線機、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１５Ｃ＞：Ａ型にPEP-2000（量産イーグル・パッケージ2000）計画と呼ばれる改良を施したタイプで、1979年5月生産の第426号機以降がこれにあたる。機体を強化して全飛行領域での9G機動を可能とし、機内燃料容量を２割（0.91トン・1135リットル）ほど拡大、降着装置強化などにより最大離陸重量を引き上げた。エンジンもデジタル制御のF100-PW-220/-229に換装し、圧縮機失速などの問題を解決している。コンピュータ容量を４倍に増やし、AIM-7MとAIM-9Lの運用能力を得た。胴体側面にダッシュ１コンフォーマルタンク（開発名称FASTパック。容量850ガロン・3218リットル）を装着可能としたが、スパローレセスが塞がれるため、代わりにコンフォーマルタンク下面にAAMパイロンを用意した。ただこの点が不評だったらしくアメリカ空軍は採用せず、後にスパローレセスを塞がないダッシュ３コンフォーマルタンク（燃料容量5540リットル。ハードポイント無し）が開発され、イスラエル空軍とサウジアラビア空軍はこちらを採用した（が、サウジアラビア空軍には結局引き渡されていない）。主翼前縁後退角45度、アスペクト比3.01。設計寿命は1988-1994年の疲労試験の結果に基づき12000飛行時間に修正されている。全長19.44m、全幅13.05m、全高5.62m、自重12.3トン、運用自重12.55トン、最大離陸重量30.844トン。翼面積56.5平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-220/-229（A/B時推力23450ポンド・10.64トン）双発、最大速度マッハ2.5以上／マッハ2.3（高度11000m）、実用上昇限度20400m、燃料搭載量7836リットル＋2309リットル増槽３個（＋2839リットルコンフォーマルタンク２個）、フェリー航続距離3450海里、戦闘行動半径1967km／300海里（2.75時間CAP、増槽あり）。固定武装はM61A1バルカン砲１基。外部兵装搭載量10.71トン。乗員１名。RCSは数平方メートルから10平方メートルだが、正面では機首のアンテナ面が鏡の作用をして艦船並みにまで増大してしまう。1979年2月26日に初飛行し、409機が生産され、1979年から嘉手納基地の第67戦術戦闘飛行隊を皮切りに配備された。価格は１機あたり3430万ドル。イスラエル空軍向けに18機、サウジアラビア空軍向けに55機が生産されている。参考：F-15イーグル、月刊JWings9,’01、11,’12、10,’17、10,’19、9,'22、軍事分析湾岸戦争、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究4,’07、6,’15、11,’15、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１５Ｃ（レーダー改修型）＞：AN/APG-63にプログラマブル・シグナル・プロセッサを組み込んでTWS機能を持たせたものを搭載した。これにより目標を捜索しつつ複数の空中目標を追尾し、AIM-7スパローを発射できるようになった。更に、密集隊形で飛行する編隊を１機ずつ表示するレイドアセスメント（高分解目標探知）機能も追加された。これらはF/A-18に搭載されているAN/APG-65レーダーからのフィードバック技術である。1980年調達分から適応され、以前の型にも遡って改修された。参考：月刊軍事研究5,’03

　＜Ｆ−１５（ＭＳＩＰ改修型）＞：MSIPはMulti-Stage Improvement Program（多段階向上計画）の略。F-15A/B/C/Dに段階的に改修を行うもので、エンジンやレーダーを換装し、MIDS-FDLを搭載するなどの改良を全機に行った。更にJHMCSを装備し、GPSを導入、レーダーをAN/APG-63(V)3に換装し、モード５パルスコード対応のIFF、暗視画像システム、運用飛行プログラム、アビオニクスを改良、デジタル・ビデオレコーダーを搭載する改修が順次行われており、全て終わるのは2013年以降になる予定。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜Ｆ−１５Ａ／Ｂ（ＭＳＩＰ�T改修型）＞：F-15A/Bに対する近代化改修。レーダーをプログラマブル・シグナル・プロセッサ組み込みのAN/APG-63(V)1とし、エンジンをF100-PW-220Eに換装した（F100-PW-100のまま？）。1980年代に改修されたとみられる。参考：月刊JWings10,'21、4,’21

　＜Ｆ−１５Ｃ／Ｄ（ＭＳＩＰ�U改修型）＞：F-15C/Dに対する近代化改修で、1983年2月から行われた。CPU近代化（記憶容量４倍、処理能力３倍）、AN/APG-70レーダーへの換装、武器制御パネルのカラー多機能ディスプレイ化、MIL-STD-1553Bデータバス搭載などを行い、胴体下スパローレセスと主翼下パイロン両側のミサイルランチャーをAIM-120AMRAAM対応にしてある。CPU近代化に合わせてAN/AWG-20プログラム変更方式武装制御システムPACSを採用し、ミサイルなどが更新されても、データ入力用モジュールにデータをカセットで入力するだけで良くなった。また、３軍統合型戦術情報伝達装置JTIDS用プロヴィジョニングを導入し、AN/ALQ-135B機上電波妨害装置（機体尾部右にアンテナがある）、AN/ALE-45チャフ・フレアディスペンサー、AN/ALR-56Cレーダー警戒装置を搭載した。ごく一部の機体はAN/AAQ-33運用能力を持つ。全長19.43m、全幅13.05m、全高5.63m、空虚重量12.79トン、最大離陸重量31.057トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-220（ドライ推力64.9kN、A/B時推力105.7kN）双発、最大速度マッハ2.5、実用上昇限度18900m以上、燃料容量7836リットル、フェリー航続距離3100海里（コンフォーマルタンク＋増槽フル）。固定武装はM61A1バルカン砲１門（940発）。乗員１名。1985年1月に初号機が納入されて6月20日に初飛行し、以前の機体にも遡って改修が施された。参考：月刊軍事研究5,’03、月刊JWings5,’07、10,’19、10,’21、9,'22

　＜Ｆ−１５Ｃ／Ｄ（ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）２搭載型）＞：F-15C/D（MSIP�U改修型）にAN/APG-63(V)2レーダーを搭載したもの。1999年から18機が納入され、アラスカの第３航空団第12戦闘飛行隊に全機配備された。同飛行隊がF-22Aに機種転換した後は嘉手納の第18航空団などに分散配備されている。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜Ｆ−１５Ｃ／Ｄ（ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）３搭載型）＞：F-15C/D（MSIP�U改修型）にAN/APG-63(V)3レーダー、IRST、ADCP�U-C（Advanced Display Core Processor �U−Ｃ、F-15C用第２世代先進ディスプレイ・コアプロセッサ）を搭載するもので、通称ゴールデンイーグル、略称RIP（Radar Improvement Program）。IRSTはAN/AAS-42を改良し、ポッドに収容する予定である。ADCP�U-Cはセンサーで得た大量の情報を高速処理してディスプレイに表示するマルチコア型高速プロセッサ搭載ミッションコンピュータであり、2018年度から量産される予定。レーダー改修を158機、IRST搭載改修を176機に行うことになった。参考：月刊軍事研究11,’10、6,’15、月刊JWings10,’16

　＜Ｆ−１５Ｃ／Ｄ（ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）４搭載型）＞：AN/APG-63(V)4レーダーに換装し、JHMCSを搭載、GPSと戦闘機間データリンクを装備するもの。2006-08年に24機の改修が発注された。初号機は2006年6月に引き渡されてテストに使用され、２号機は2010年4月12日に実戦部隊に引き渡された。2011年までに全機引き渡される予定で、うち２号機を含む16機は第125航空団第159戦闘飛行隊に配備される。参考：月刊JWings7,’10

　＜Ｆ−１５Ｃマルチレール・ミサイルランチャー・デモンストレーション機＞：BVRAAMを積めるだけ積み、F-35Aなどからデータリンクで目標諸元を受け取って発射するマルチレール・ミサイルランチャー構想（F-15 2040C計画の一環）のデモンストレーション機で、ルイジアナ州空軍第150戦闘航空団第122戦闘飛行隊F-15C戦闘機１機が改造された。胴体側面にコンフォーマルタンク（F-15E用ダッシュ４の流用）を取り付け、タンク下部インボード・パイロンSta.3C/4C/6C/7CにBRU-61/Aを装着、更にLAU-116/Aを付けてAIM-120を計８発積む。主翼下パイロンにはLAU-128/Aレールランチャーをパイロン中央左右と下部左右の計４基取り付け、AIM-120またはAIM-9Xを左右主翼で計８発搭載する。デモンストレーション機ではCATM-120Cを14発とCATM-9Xを２発積んだ。フライ・バイ・ワイヤで空力補正が行えれば、外翼ハードポイントに２発ずつ、左右主翼で計４発の増載も可能である。参考：月刊航空ファン9,’16、月刊軍事研究8,’16

　＜Ｆ−１５　２０４０Ｃ＞：F-15C戦闘機を2040年まで使えるようにする改良計画。AN/APG-63(V)3搭載型がベースで、レーダーをAN/APG-82(V)1に換装し、赤外線センサーを追加、エンジンをF100-PW-229またはF110-GE-129に換装し、機体下面に３ヵ所のハードポイントが縦に並ぶ新型コンフォーマルタンクを装備する。コンフォーマルタンク下面前後のハードポイントにBRU-61/Aボムラック＋LAU-116/Aエジェクトランチャー２基、主翼下Sta.2/8にクアッドパック＋LAU-128/Aレールランチャー４基を装着すると、AIM-120を16発積める。LAU-128/AにはAIM-9も搭載できるので、組み合わせの変更が可能。Sta.1/9へのミサイル搭載はフライ・バイ・ワイヤによる制御が必要なので諦めた。敵防空圏内にいる対空目標をF-22Aに探知してもらい、データを受け取って後方からAIM-120で撃墜する戦術も考えられており、F-22A専用の編隊内データリンクIFDLと交信できるデータリンクシステムを積む予定。リンク16も装備するので、F-22Aとリンク16装備機（従来型F-15、F-16、E-3など）とのデータ中継を行うこともできる。電子戦装置はAN/ALQ-250に換装する。計画中止になった。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊JWings4,’21

　＜Ｆ−１５Ｄ＞：F-15Cの複座型。SEAD任務への適合も考えられていた。1979年6月19日に初飛行し、アメリカ空軍向けに61機が生産され、うち13機はイスラエル空軍に引き渡された。他にサウジアラビア空軍向けとして19機が生産されている。参考：F-15イーグル、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings11,’12、9,'22

　＜Ｆ−１５Ｄレーダー改修型＞：F-15DにF-15Cレーダー改修型と同じ改良を施したもの。参考：月刊軍事研究5,’03

　＜Ｆ−１５Ｄ・ＭＳＩＰ�U改修型＞：F-15DにF-15C・MSIP�Uと同じ改良を施したもの。参考：月刊軍事研究5,’03

＜Ｆ−１５ファミリー＞

　＜ＥＦ−１５Ｅ＞：F-15Gを参照。

　＜Ｆ−１５ＡＣＴＩＶＥ＞：機種包括的先進操縦技術試験機（Advanced Controls Technology for Integrated Vehicles project）。X-31をベースとした高機動実験機で、F-15S/MTDのエンジンをF100-PW-229に換装し、三次元推力偏向ノズルPYBBN（ピッチ・ヨー・バランスビーム・ノズルの略。偏向角度は全方向20度ずつ。縦軸15度ずつ・横軸10度ずつ？）を装着したものである。1996年2月から１年ほどテストが行われた。参考：月刊軍事研究4,’14、月刊航空ファン8,’96、月刊JWings11,’12、12,’04、月刊丸2,’08

　＜Ｆ−１５Ｅ＞：複座戦闘爆撃機型、通称ストライク・イーグル（Strike Eagle。アメリカ空軍制式ニックネームはイーグルのままだが、公式サイトでもストライク・イーグルとなっていたりする）。元々アメリカ空軍ではF-15のマルチロール化には反対していたが、マクダネル・ダグラス社で自主研究を開始。1978年にアメリカ空軍が方針を変更してF-111を追加するかF-15のマルチロール型を新規採用するか検討するTAWRS（Tactical All-Weather Requifement Study）を始めたのをきっかけに1979年からマクダネル・ダグラス社とヒューズ社で共同開発に入り、1980年9月にはファーンボロ航空ショーでマクダネル・ダグラス社独自改造型を展示、1981年にアメリカ空軍が開始したF-111F後継機開発計画の強化型戦術戦闘機ETF（Enhanced Tactical Fighter。後にDRF/Dual Role Fighter計画と改称）に応募し、1984年2月にF-16XLに勝利して採用され、1986年12月11日に量産型機が初飛行、1988年4月から236機が配備された。ベースはF-15Dで、機体構造の60%を改造し、低空高速飛行に耐えられるようチタン合金を多用（重量比でチタン合金25.8%、アルミニウム合金37.5%、CRP/BRPなど複合材1.2%）するなどして各部を強化、主翼付け根の下部に容量728ガロン・2756リットル（750ガロン・2839リットル？）のダッシュ４コンフォーマルタンクを装着している。これにより戦闘行動半径がF-15よりも制空戦闘で79%、阻止攻撃で93%増大した。設計寿命も16000時間とされている。操縦席はタンデム複座で、前席にパイロット、後席にWSO（武器システム操作士官）が搭乗する。前席コクピットの計器板上部にカイザー・エアロスペース＆エレクトロニクス社製IR-2394/A広視野型ラスタースキャンHUD（表示ウインドウ21カ所）、計器板中央にアップ・フロント操作装置、その左右（単色、６×６インチ・152×152mm）と下（カラー、５×５インチ・127×127mm）に多機能表示装置があり、グラスコクピット化されている。左単色MFDの下にはバックアップとして従来型計器が設置してある。後席コクピットにはCRTディスプレイ４基が小・大・大・小（大が単色６×６インチ、小がカラー５×５インチ）と横一列に並んでおり、LANTIRNポッドからの画像、状況表示画面、水平状況指示画面、姿勢指示画面などが映し出される。後席コクピットに操縦装置は無く、左右コンソールにスティック型ハンドコントローラーがあって兵装選択は行えるが、発射はできない。兵装ステーションは両主翼下に１ヵ所ずつ、両側エアインテイク下部に１ヵ所ずつ、胴体中心線下に２ヵ所、コンフォーマルタンクに６ヵ所ずつの計18ヵ所。主翼下パイロンは下面の空対地兵装・増槽ステーション（Sta.2/8）に加え、両舷に空対空ミサイル用ステーション（左主翼下パイロンは左舷側・外側がSta.2A、右舷側・内側がSta.2B。右主翼下パイロンは左舷側・内側がSta.8A、右舷側・外側がSta.8B）が付く。エアインテイク下部ステーションはLANTIRNポッド用で、右エアインテイク下部にADU-576/Aパイロンを介してAN/AAQ-13、左エアインテイク下部にADU-577/Aパイロンを介してAN/AAQ-14（後にAN/AAQ-33スナイパーXR）を装着し、FLIRの画像をHUDやMFDに表示する。胴体中央線下パイロンはSUU-73/Aで、爆弾架はPGMにデータを送れるBRU-47/Aを使用する。コンフォーマルタンクのステーションはパイロンが直付けされているタイプで、内側には下向きに大型インボードパイロン１基（ステーションが縦列で３基並ぶ）、外側には斜め下向きに小型アウトボートパイロン３基（ステーション１基ずつを持つ）が装着されていて、ステーションナンバーはインボードパイロン後方から前方に向かって1-3、アウトボードパイロン後方から前方に向かって4-6であり、これに左右コンフォーマルタンクの略号を加えてLCT/RCT1-6と呼ばれる。インボードパイロンにはBRU-47/A爆弾架、アウトボードパイロンにはBRU-46/A爆弾架を装着するが、ステーションは互いに近接しており、1000ポンド（454kg）以上の爆弾を搭載すると、他のステーションが塞がれて使えなくなる。コンフォーマルタンクでスパローレセスが塞がれるため、インボードパイロンにLAU-106/Aランチャーを前後１基ずつ装着してAIM-120を計４発搭載（この時のステーションナンバーはSta.3C/4C/6C/7Cに変更される）できるようにしてあるが、本来任務である対地攻撃用兵装が積めなくなる、レーダーの空対空能力不足でAIM-120の最大射程を活かせない、主翼下パイロン両舷に積めば済む、ということで、インボードパイロンの方にAIM-120を積むことはまず無い。搭載レーダーはAN/APG-70E合成開口レーダーで、自動地形追随装置、リング・レーザー・ジャイロ式慣性航法装置、GPSを備える。FCSのコンピュータはF-15Cで別々に搭載していたセントラルコンピュータと多用途ディスプレイプロセッサを統合したADCP（Advanced Display Core Processor）である。エンジンは当初F100-PW-220だったが、135号機からF100-PW-229に換装された。排気口のチタン製アイリスカバーは整備性に難があるのと、脱落が多かったため、外されている。自衛用にTEWSを搭載しており、AN/ALQ-135(V)内蔵型ECM（尾部左右先端にアンテナがある）、AN/ALQ-128電子戦警報システム、AN/ALR-56Cレーダー警戒受信機、AN/ALE-45チャフ・フレアディスペンサーを装備する。GBU-10/B（Sta.2/5/8/LCT-2/RCT-2に１発ずつ）、GBU-12/B（Sta.2/5/8/LCT-1/-2/-4/-6/RCT-1/-2/-4/-6に１発ずつ）、GBU-24/B（Sta.2/5/8に１発ずつ）、GBU-28/B（Sta.2/8に１発ずつ）、GBU-53/B（Sta.2/5/8/LCT-1/-3/RCT-1/-3に４連装ラックを介して計28発）、Mk82通常爆弾（LCT1-6/RCT1-6に１発ずつ）、Mk84通常爆弾（Sta.2/5/8/LCT-2/RCT-2に１発ずつ計５発か、Sta.2/5/8/LCT-1/-3/RCT-1/-3に１発ずつ計７発）、CBU-52/-58/-71/-87/-89/Mk.20クラスター爆弾（LCT1-6/RCT1-6に１発ずつ）、AGM-65（Sta.2/8に１発ずつまたはLAU-88/A三連装ランチャーを介して３発ずつ）、GBU-31JDAM（Sta.2/5/8/LCT-2/RCT-2に１発ずつ）、GBU-38JDAM（LCT1-6/RCT1-6に１発ずつ）、AGM-154JSOW、AGM-88HARM、B57/B61核爆弾を運用可能で、兵装にGPS座標を入力するためのMIL-STD-1760データバスを内蔵したスマート・ステーションを後日装備している。空対空兵装として、AIM-9（Sta.2A/2B/8A/8Cに１発ずつ）、AIM-7（LCT-1/-3/RCT-1/-3に１発ずつ）、AIM-120（Sta.2A/2B/8A/8C/LCT-1/-3/RCT-1/-3に１発ずつ）も搭載できる。他に610ガロン（2309リットル）増槽（Sta.2/5/8に１基ずつ）やMXU-648/Aトラベルポッド（Sta.2/5/8/LCT-2/RCT-2に１基ずつ）も積める。油圧系統は三重。全長19.43m、全幅13.05m、全高5.63m、自重14.38トン、運用自重14.515トン、最大離陸重量36.741トン（30.845トン？）。翼面積56.5平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-229（ミリタリー推力6.705トン、A/B時推力10.855トン）双発、最大速度マッハ2.5、実用上昇限度18288m、航続距離4444km（4827km？）、戦闘行動半径685海里・1270km。固定武装はM61A1バルカン砲１基（450発）。機外兵装搭載量11.113トン（10.66トン？）。乗員２名。236機が生産された。価格は2000会計年度で5770万ドル。湾岸戦争中の1991年2月14日、ホバリング中のイラク軍MD500ヘリをレーザー誘導爆弾により撃墜した。湾岸戦争ではイラク軍の対空火器で２機が撃墜され、イラク戦争でも地上からの攻撃で１機が撃墜されている。アメリカ空軍では2030年まで運用する予定。参考：月刊JWings12,’01、12,’06、9,’10、11,’12、2,’18、3,’18、10,’19、月刊軍事研究4,’03、11,’05、6,’07、6,’08、10,'15、8,’16、F-15イーグル、軍事分析湾岸戦争、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１５Ｅ改＞：GPS受信機を装備し、FCSを変更したもの。1999年6月から22機が納入された。参考：月刊軍事研究2,’02

　＜Ｆ−１５Ｅ（ＴＥＷＳ装備）＞：電子戦機型で、TEWSはTactics Electronic Warfare System（戦術電子戦システム）の略。後席に電子戦士官（EWO）が乗り、集積化されたECM、ジャマー、レーダー警戒受信機、チャフ・フレアディスペンサーを装備している。AGM-88とAGM-65によりSEADミッションをこなす。2000年初めから運用された。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜Ｆ−１５Ｅ−２２７＞：アメリカ空軍向け227号機以降の10機を指す。コクピット表示装置がCRTディスプレイからカラー液晶に変更されるなどの改良が施された。参考：月刊JWings5,’01

　＜Ｆ−１５Ｅ　ＲＭＰ＞：RMPはレーダー近代化計画の略。レーダーをAN/APG-82(V)1に換装し、AN/AAQ-33を運用可能とする。2008年から改修された。参考：月刊JWings10,’21

　＜Ｆ−１５Ｅ　ＭＳＩＰ＞：2035年頃まで使用するための改良計画で、223機に対して実施される。製造ソース削減、MIDS-FDL、AN/ARC-210VHF無線機搭載改修が既に完了した他、プログラム可能兵装制御改修、エアデータ・プロセッサ搭載、OFP改良、DVRS（デジタルビデオ録画セット）及びFDR（飛行データレコーダ）改修、新型無線周波数可変同調フィルター及び強化型環境制御システム搭載、モード５対応IFF採用、レーダー近代化（AN/APG-82(V)1またはAN/APG-77減格型）、NVIS搭載、戦術電子戦システム中間支援システムTISS（AN/ALR-56改、AN/ALQ-135改、AN/ALE-58赤外線対抗ディスペンサーなどからなる）装備、アンテナテストステーション装着を順次行っていく。また、レーダー改修やAN/AAQ-33スナイパーXR搭載などで情報処理能力を向上させる必要があるため、コンピュータ・プロセッサーをADCPから新型のADCP�U（Advanced Display Core Processor �U）に近代化する。168機には前席パイロット用にJHMCS運用能力を付与する。2012年7月にはAGM-158JASSMの運用テストを完了した。AN/APG-82(V)1レーダー搭載型は2014年7月17日に実戦部隊での飛行を開始している。2016年7月8日、ADCP�U搭載F-15Eが初飛行した。2018年2月6日、OFP（Operational Flight Progam）スイート８を導入してUAIに対応し、AGM-158B JASSM-ERの完全運用能力を達成したとロッキード・マーチン社が発表した。参考：月刊軍事研究11,’07、11,’10、8,’16、月刊JWings10,’12、10,’14、10,’16、月刊航空ファン5,’18

　＜Ｆ−１５ＥＸ＞：F-15E戦闘爆撃機の発展型、別名イーグル�U（Eagle �U。2021年4月7日のアメリカ空軍F-15EX受領セレモニーで発表）。アメリカ国防総省2020年度予算要求でアメリカ空軍が８機分11億ドルを計上した。F-22Aの調達数が予定より少なく、F-35Aの配備が遅れているうちにF-15C/Dの退役が始まり、国防戦略2018で予定している62個実動戦闘飛行隊1488機＋訓練・予備等744機を揃える見込みが立たないため、手っ取り早く数を増やせるF-15再調達を計画したものである。ベースはカタール空軍向けF-15QA戦闘機で、レーダーをAN/APG-82(V)1に換装、ミッションコンピュータを演算能力毎秒870億回の新型にし、デジタル式フライ・バイ・ワイヤと新型ディスプレイ（前後席とも縦11インチ・280mm×横19インチ・480mmのタッチパネル式）を採用、Sta.1/9を復活させてハードポイントを空対空12カ所・空対地15カ所に増やし、HUDをBAEシステムズ社製LiteHUDに換装、AN/ALQ-250EPAWSS電子戦装置を搭載する。電子戦装置変更に伴い、コクピット両側にAN/AAR-54ミサイル警報装置用センサーを装備、垂直尾翼端のフェアリング形状を変更し、主翼付け根前縁内にAN/ALQ-250用電波周波数RF送信アンテナを追加、胴体尾部アウトリガー後端にも上にAN/ALQ-250用電波周波数RF送信アンテナと下にAN/AAR-54ミサイル警報装置用センサーを装着し、アウトリガー下面にチャフ／フレアディスペンサーを左右２基ずつ搭載した。F-35Aと比較すると兵装搭載量は３割増しの13.4トン、戦闘行動半径は７割増しの1770kmで、空対空ミサイルを実用最大16発（コンフォーマルタンクのSta.3C/4C/6C/7CにLAU-106/Aを介して１発ずつ計４発、主翼下Sta.2/8のSUU-59C/Aパイロン側面にADU-552/AとLAU-128/Aを装着して１発ずつ計４発、SUU-59C/Aパイロン下面BRU-47/Aに逆台形アダプターとLAU-128/A２基を装着して２発ずつ計４発、Sta.1/9のSUU-61/Aパイロンに逆台形アダプターとLAU-128/A２基を装着して２発ずつ計４発）・理論上最大22発（コンフォーマルタンクのSta.eC/4C/6C/7CにBRU-61/Aを付けてLAU-106/Aを左右並列に内蔵し２発ずつ計８発、胴体下Sta.5のSUU-73/Aに逆台形アダプターとLAU-128/A２基を装着して２発、主翼下は同じく計12発）積める。Sta.5にはレギオン偵察ポッド（IRST21とデータリンク内蔵）を搭載可能。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製F110-GE-129（A/B時推力13.15トン）で、プラット＆ホイットニー社が会計監査局に提訴して９号機以降は競争入札で決めることになったが、やはりジェネラル・エレクトリック製に決定している。量産機のユニットコストは8000万ドル、運用コストは27000ドルでF-35Aと同じくらいだが、耐用飛行時間が20000時間と2.5倍あり、F-15C/D/Eと70%の共通性を持つので整備訓練費用が安い。国防総省では2020年度の８機に加えて2021-24年度に18機ずつ計80機調達する計画を立て、アメリカ空軍では144機に増やす予定だが、ステルス性が皆無などの理由で高脅威度防空システムに対抗できないという欠点があり、2019年6月に下院軍事委員会が２機だけ調達して様子を見る決議を行った。2020年7月13日、2020会計年度分初期ロット８機の調達契約を12億ドルで締結した。2021年第２四半期に２機、2023年に６機が納入される予定。初号機は2021年2月2日にミズーリ州のセントルイス・ランバート国際空港で初飛行し、3月10日にアメリカ空軍に引き渡された。２号機は4月1日に初飛行した。2022年1月25日、初号機がAIM-120D空対空ミサイル実弾初試射を行い、BQM-167無人標的機を撃墜した。2020-24会計年度で総調達機数76機・総経費上限230億ドルを予定している。最初の配備部隊はオレゴン州空軍第173戦闘航空団第114戦闘飛行隊で、転換訓練に使う。参考：月刊JWings8,’19、10,’19、10,'20、11,'20、4,'21、6,'21、10,’21、1,'22、4,'22、月刊航空ファン7,’19

　＜Ｆ−１５Ｇ＞：アメリカ空軍計画電子戦機、ボーイング社内名称EF-15E。F-15E戦闘爆撃機にEA-18Gの電子戦装置を搭載したものである。60機を調達予定らしいが、まだ本決定ではない。参考：月刊航空ファン7,’15

　＜Ｆ−１５ＳＥ＞：別名サイレント・イーグル。ボーイング社が2008年9月に研究を開始し、2009年3月17日に開発を公表した能力向上型である。ベースはF-15Eで、ステルス性と電子戦能力を強化することにより、生残性を高めている。F-15C/D用のダッシュ３コンフォーマルタンク内に兵装収容ベイを設けた新型のコンフォーマルタンクを装備し、要所にRAMを適用、キャノピー素材を変更し、垂直尾翼を外側に15度（10度？）傾けていて（主に巡航飛行時の抵抗減少と機動性向上策で、ステルス性は副次的）、アメリカ政府の設けている輸出可能ステルスレベルをクリアしており、正面に限ればF-35など他の輸出ステルス機と同等のステルス性を持つとされる。ただしエアインテイクやエンジンのファンに対するステルス対策は取られていない（カスタマーの要求で検討するかも）。コンフォーマルタンクの兵装収容ベイは側面と下面に１カ所ずつ用意されており、側面にはAIM-9またはAIM-120を１発、下面にはAIM-7なら１発、AIM-120なら１発、GBU-32/Bなら１発、GBU-35/Bなら１発、GBU-38/Bなら２発、GBU-39/Bなら４発を収容する。ステルス性の要らないミッションではF-15E用ダッシュ４コンフォーマルタンクに２時間で交換でき、目標指示ポッドとしてLANTIRN、AN/AAQ-33スナイパーXR、タイガー・アイを装備してF-15Eと同様の多種多様な兵装を搭載しての任務を行える。電子戦装備はBAEシステムズ社が開発する予定の完全デジタル化電子戦システムDEWS（Digital Electronic Warfare System）で、前部胴体に低周波数帯用アンテナ、両主翼付け根に前方用無線周波送信アンテナ、両主翼端に前方受信アンテナ、垂直安定板先端に後方用受信アンテナ、テイルブーム先端に後方用無線周波送信アンテナという配置は従来と換わらないが、第５世代戦闘機と同等の能力を持たせる。ディスペンサーはエアインテイクトランク下に左右４つずつとテイルブームに左右２つずつの計12個を装備する。レーダーはAN/APG-63(V)3の輸出用ダウングレード版、操縦系統は３重デジタルフライバイワイヤ、データリンクはリンク16。計器類やディスプレイはF-15Eとあまり変わらず、JHMCSを装備する。エンジンはP&W社製F100-PW-229またはGE社製F110-GE-229双発。コンフォーマルタンク内に兵装収容ベイがあるので燃料が減るが、電子装備小型化による機内収容スペース節減により多少カバーでき、戦闘行動半径は720海里（空対空）／800海里（空対地）とF-15Eの２割減となる。固定武装はM61A1バルカン砲（502発）。F-15Eにコンフォーマル・ウェポンベイを装着したデモンストレーターF-15E1は2010年7月8日に初飛行した。7月14日にはコンフォーマル・ウェポンベイからのAIM-120発射に成功している。飛行テストでＶ字の双垂直尾翼が振動を生じる事が判明、実用機には取り入れないことになった。空自とサウジ空軍に提案されたが、F-35AとF-15SAに負けて不採用となっている。韓国空軍が導入を計画し、初飛行と同日に輸出許可が出され、F-X�V計画にも応募したが、F-35Aに負けた。クウェートが情報要求を送付しており、F-35の開発が遅延すればイスラエル空軍が導入する可能性もあったが、結局採用されなかった。参考：月刊JWings6,’09、9,’10、10,’10、11,’10、9,’12、11,’12、7,'22、月刊軍事研究10,’10、11,’10、11,’15、8,’16

　＜Ｆ−１５Ｓ／ＭＴＤ＞：短距離離着陸・機動性研究機で、1984年10月に製作が決定した。マクダネル・ダグラス社の社有機（TF-15A初号機）の改造で、主翼前方にカナード翼を装着し、エンジンに５モードIFPCを搭載、二次元推力偏向ノズル（作動範囲は上下に20度ずつ）と逆噴射装置を取り付けたものである。カナード翼によりサイドフォースが得られるため、横風30ノットでも着陸可能。大型HUD、プログラム可能型CRT、AN/APG-70、LANTIRNなども搭載している。長さ450m・幅15mの滑走路で運用可能。1988年9月7日に推力偏向ノズル無し、1989年5月10日に推力偏向ノズル装備で初飛行し、1990年3月23日に飛行中の推力偏向ノズル作動を初めて行い、4月2日に逆噴射装置を飛行中に初めて作動させ、1991年8月15日にテストを終え、F-15ACTIVEに改造された。推力偏向ノズルによる効果は確認されたが、既存の機体に追加装備した場合、重量増によりかえって性能が落ちると判断されている。参考：世界軍用機年鑑1990-91、F-15イーグル、月刊軍事研究4,’14

　＜ＴＦ−１５＞：F-15A前生産型の複座型。２機が製作された。参考：F-15イーグル

＜クワイエット・スパイク＞：クワイエット・スパイクを参照。

　＜ストリークイーグル＞：高度上昇時間記録更新用の機体で、前生産型19号機のレーダー、機関砲、拘束フック、作動筒、発電機、汎用油圧システム、塗装などを除去して極力軽量化している。1975年1月16日から2月1日までの間に高度3000-30000mまでの８つの記録を更新した。参考：F-15イーグル

＜Ｆ−１５海外シリーズ＞

＜Ｆ−１５Ａ／Ｂ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍戦闘機、別名バズ（ファルコンの意）。1976年11月からＡ型44機とＢ型８機が引き渡された。1979年6月27日、シリア空軍MiG-21を待ち伏せ攻撃し、４機（６機？）を撃墜して初スコアを記録した。1982年にもシリア空軍機と交戦し、40機を撃墜したと発表している。1995-2001年、MSIP�T／�Uに準ずる改良を行い、エルビット・システムズ社製MFDを追加、HMDやパイソン４空対空ミサイルを運用可能とした。F-35導入で引退予定だったが、開発遅延のため、2011年から寿命延長、アビオニクス改良、PGM運用能力付加といった改修を行うことになった。参考：F-15イーグル、月刊JWings4,’11、11,’12、4,’21

＜Ｆ−１５Ｃ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍戦闘機。ダッシュ３コンフォーマルタンク（ダッシュ１？）と共に18機を導入した。1995-2001年、MSIP�T／�Uに準ずる改良を行い、エルビット・システムズ社製MFDを追加、HMDやパイソン４空対空ミサイルを運用可能とした。参考：月刊JWings11,’12、4,'21、月刊軍事研究11,’15

　＜Ｆ−１５Ｃ（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍戦闘機。ダッシュ３コンフォーマルタンク（ダッシュ１？）を装備する予定だったが、イスラエルが行動半径に入ってしまうとしてアメリカ議会が反対し、コンフォーマルタンクは引き渡されていない。ちなみにコンフォーマルタンク無しでもイスラエルは行動半径内にある。1981年8月11日に初号機が引き渡され、75機を導入した。1984年6月5日、領空に侵入したイラン空軍F-4E戦闘機1-2機を撃墜した。参考：月刊JWings11,’12、9,'22、月刊軍事研究11,’15、月刊航空ファン10,’17

＜Ｆ−１５Ｄ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍戦闘機。ダッシュ３コンフォーマルタンク（ダッシュ１？）と共に13機を導入した。1995-2001年、MSIP�T／�Uに準ずる改良を行い、エルビット・システムズ社製MFDを追加、HMDやパイソン４空対空ミサイルを運用可能とした。参考：月刊JWings11,’12、4,’21

　＜Ｆ−１５Ｄ（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍戦闘機で、24機を導入した。参考：月刊JWings11,’12

　＜Ｆ−１５Ｉ＞：イスラエル空軍戦闘機、別名ラーム（Ra’am、雷）。1993年に長距離阻止攻撃機として要求したもので、F-16C/DとF/A-18C/Dに勝って1994年1月27日に採用された。F-15Eがベースで、イスラエル独自の装備として、エイスラSPS-2110統合電子戦システム、戦術ビデオデータリンク、秘話装置、IFF、暗視装置対応コクピット、ダッシュHMDなどを追加している。コクピット後方のブレードアンテナ手前にフェアリングがあり、垂直尾翼端は左右ともマスバランスである。ライトニング�TIRSTポッドやAIM-120の運用能力も持つ。レーダーはAN/APG-70Iで、AN/APG-70のダウングレード型である。AN/ALQ-128/-135は外され、LANTIRNの輸出も許可されず、当初はAN/AAQ-19目標指示ポッドを搭載していたが、後にLANTIRNの輸出許可が下りて導入している。機体上面塗装は３色砂漠迷彩にした（下面はグレー系単色）。ピース・フォックス�Wプログラムという名称で1998年1月から1999年9月に25機が輸出され、1998年1月から第69飛行隊に配備された。価格は１機あたり9524万ドル。参考：月刊JWings11,’10、9,’16、5,’01、9,’10、11,’12、10,'21、9,'22、月刊軍事研究11,’06

　＜Ｆ−１５Ｉプラス＞：F-15Iの改良案で、レーダーをAESAに換装、内装ウェポンベイを追加し、尾翼に傾斜を付け、コクピットのディスプレイ23基をシングル多機能ディスプレイに統合、アビオニクスを更新する。F-35の開発が遅れれば、場合によっては本格的に開発することになるかもしれない。参考：月刊軍事研究11,’10

　＜Ｆ−１５ＩＤＮ＞：インドネシア空軍戦闘機。F-15EXを導入するものである。2022年2月10日、F-15ID戦闘機36機、F110-GE-129またはF100-PW-229エンジン87基（うち予備15基）、AN/APG-82(V)1レーダー45基（うち予備９基）、AN/ALQ-250電子戦装置45基（うち予備９基）、ADCP�Uコンピュータ48基（うち予備12基）、JHMCS80基（うち予備８基）、AN/AAQ-13航法ポッド40基（うち予備４基）、AN/AAQ-33ターゲッティングポッド40基（うち予備４基）、M61バルカン砲40基（うち予備４基）、訓練装置、要員訓練、施設設備管理など139億ドルのFMSをアメリカ国防安全保障協力局が承認した。2023年8月21日、24機の導入でインドネシア国防省がボーイング社と合意した。参考：月刊JWings5,’22、11,’23

　＜Ｆ−１５Ｊ＞：航空自衛隊要撃戦闘機。F-104Jの後継となる要撃戦闘機として1975年頃から選定が始まり、F-14、YF-16、YF-17、ミラージュF1E、サーブ37ビゲン、トーネードに勝って1977年12月28日の国防会議で採用が決定、1978-96年度に213機（Ｊ型165機、DJ型48機）を調達した。このうちＪ型９機とDJ型３機が事故で失われている。主契約社は三菱重工で、前部・中部胴体・レドームを製作して最終組み立てを実施、川崎重工が後部胴体・主翼・尾翼・エルロン・フラップ、富士重工がチタニウム加工と脚ドアなど、住友精密工業が脚とアレスティングフック、日本飛行機がパイロンとミサイルランチャー、新明和工業が増槽、IHIがエンジン、日特金属工業が機関砲、三菱電機がレーダーなどを担当しており、細かく見ていくと1200社が生産に関与しているとされる。ベースはF-15Cで、空中給油受油装置と爆撃照準機能は、F-4EJよりも爆撃能力が小さく問題無いとして、そのまま搭載された。というか爆撃照準機能はソフトウェアに組み込まれているので外すのは無理だが。TEWSの輸出をアメリカが拒んだため、自己防衛用電子装置は国産のJ/APR-4レーダー警戒装置だけだったが、1983年度調達C4ロットの69号機からはAN/ALE-45Jチャフ・フレアディスペンサーを搭載、1986年度調達C7ロットの109号機からJ/ALQ-8機上電波妨害装置を装備し、C14ロットの158号機からJ/APQ-1後方警戒装置も追加した。これらは以前の機体にも遡って搭載されている。TEWSが無いので、左垂直尾翼上のアンテナが外されて右と同じ単なるマスバランスになっているのがアメリカ空軍F-15との違い。BADGEシステムとのリンク用に、J/ASW-10データリンクが追加された。機首のレドームには避雷針代わりのライトニング・ストリップ（避雷索。ライトニング・アレスターともいう）が刻まれている。機首下面前方の台形アンテナはAN/ARC-182VHF/UHFアンテナ、そのやや後ろの機首両側面下方に突き出ているのがピトー管、その後上方に迎え角計測プローブがあり、その後ろに夜間飛行用の編隊灯が装備されていて、その位置の機首下面にはAN/ARC-164UHF無線機用アンテナが付いている。AN/ARC-182用アンテナとAN/ARC-164用アンテナの間にある大小２本の棒状アンテナはJ/ALQ-8ECM装置用アンテナで、AN/ARC-164用アンテナの後方にある小さなアンテナはAN/ARN-118TACAN用アンテナ。主翼端前縁にはJ/APR-4レーダー警戒装置の黒いフェアリングがある。垂直尾翼端後縁にはJ/APR-4レーダー警戒装置のフェアリングがあり、その下に航法灯（左）または衝突防止灯（右）が付く。全長19.43m、全幅13.05m、全高5.63m、空虚重量12.973トン、全備重量20.244トン（機関砲弾940発＋AIM-7空対空ミサイル４発、機内燃料満載）、最大全備重量25トン、最大離陸重量30.845トン。翼面積56.5平方メートル。エンジンはF100-IHI-100ターボファン（ミリタリー推力86kN、A/B時推力106kN）双発、最大速度2480km・マッハ2.5（クリーン状態）、実用上昇限度19812m（18300m？）、機内燃料容量2070ガロン（7836リットル）、航続距離2800km（機内燃料のみ）／4600km（増槽３本フェリー）、戦闘行動半径1900km。固定武装はM61A1機関砲（940発）１基。外部兵装等搭載量10.71トン。AIM-9Lサイドワインダー空対空ミサイルをSta.2/8用パイロン両脇に１発ずつ計４発、AIM-7Mスパロー空対空ミサイルをSta.3/4/6/7に１発ずつ計４発搭載する。610ガロン（2309リットル）増槽は胴体中心線下Sta.5とSta.2/8に１基ずつ計３基搭載可能。マルチエジェクターラックを介してMk82通常爆弾を搭載（Sta.2/8用パイロン１基あたり３連装で前後２基の計６発ずつ）できる。乗員１名。最初の２機はマグダネル・ダグラス社で生産（初号機初飛行1980年6月4日、２機とも1980年7月15日受領、1981年3月27日岐阜基地到着）され、次の８機（４機？）はノックダウン生産し、徐々に国産化率を上昇させてライセンス生産に移行、1998年11月4日に最終号機（165号機）がロールアウトした。価格は1992年度調達で103億8800万円。1981年12月4日に部隊使用承認が出され、12月17日に新田原で臨時飛行隊が編成され、1982年12月21日に最初の正式飛行隊である第202飛行隊が発足した。配備先は、第201・第202・第203・第204・第303・第304・第305・第306飛行隊、飛行教導隊／飛行教導群、第23飛行隊、飛行開発実験団、第１術科学校。参考：月刊軍事研究5,’03、11,’04、月刊JWings6,’04、5,'19、1,'23、9,'23、11,’06、9,’17、12,’15、4,’17、5,’07、9,’10、10,’10、10,’17、F-15イーグル、自衛隊装備年鑑1996、MAMOR vol.91、月刊航空ファン1,’15

＜Ｆ−１５Ｊ改修型＞：1983年度調達分ロットC-4・79号機・ラジオコールナンバー879から左右エアインテイク下面前部にAN/ALE-45チャフ・フレアディスペンサーを装備。98号機・ラジオコールナンバー898以降はMIL-STD-1553Bデジタルデータバスを搭載。1985年度調達分ロットC-6・99号機・ラジオコールナンバー899からJ-MSIP機の生産に移行。32号機・ラジオコールナンバー832もJ-MSIP機に改修されている。1986年度調達分ロットC-7・109号機・ラジオコールナンバー909からJ/ALQ-8機上電波妨害装置（アンテナは機首下面に２本とエアインテイク下面に左右１本ずつ）を採用し、AN/ARC-164UHF無線機をAN/ARC-182UHF/VHF無線機に換装して機首下部最前部ブレードアンテナが長くなった。J/ALQ-8は全J-MSIP機と一部のPre-MSIP機も搭載している。ロットC-8・117号機・ラジオコールナンバー917からエンジン整備間隔を倍以上に延長できる耐久性向上型コアモジュールを採用し、レーダー警戒装置をJ/APR-4Aに換装。ロットC-11のうち142号機・ラジオコールナンバー942からAAM-3空対空ミサイルを装備可能とした。1991年度ロットC-12・145号機・ラジオコールナンバー945からエンジンをデジタル式エンジン制御装置（DEEC）搭載のF100-IHI-220Eに換装し、後に以前の全機も換装した。1993年度ロットC-14・158号機・ラジオコールナンバー958からJ/APQ-1後方警戒装置を搭載して右水平安定板付け根尾部に黒い半球形フェアリングが付き、レーダー警報装置をJ/APQ-1対応のJ/APR-4Bに換装した。J/APQ-1＋J/APR-4B搭載改修は85号機・ラジオコールナンバー885で試改修が行われており、後に111号機・ラジオコールナンバー911、123号機・ラジオコールナンバー923、140号機・ラジオコールナンバー940、142号機・ラジオコールナンバー942がレトロフィットを受けている。他にもIBM社製CP-1075/AYKセントラル・コンピュータを国産品にしたり、レドームをグラスファイバー製から複合材製にしたり（先端部と後方の色が同じになった）している。エアブレーキも裏面の構造が違う２種が存在する。参考：月刊JWings9,'23、5,’08、7,’15、12,’15、5,’16、4,’21、月刊軍事研究5,’03、11,’07、4,’10、5,’10、10,’17

＜Ｆ−１５Ｊ（Ｐｒｅ−ＭＳＩＰ）＞：F-15Jのうち、J-MSIPを受けなかった機体で、部隊通称F-15SJ（Standard J）。前項のうちの共通改修は施してある。近代化改修第１・第２段階に進む予定は無く、簡易型データリンクのJDCS(F)を搭載するか、偵察機などに改造する予定だったが、両方没になった。F-15Cのモンキーモデルくらいの能力しか無いため21世紀に入って旧式化が目立つようになり、26中期防でF-15J/DJ Pre-MSIP機99機を能力の高い戦闘機に代替するための検討と必要な措置を講じるとされ、2019年度以降に係る中期防でF-35戦闘機105機（F-35A戦闘機63機、F-35B戦闘機42機）の導入が決定している。2015年度予算でPre-MSIPに対する次期味方識別方式への適合化改修予算が１機分付いた。長期使用で尾翼前後縁やスピードブレーキなどアルミ製ハニカム構造が腐蝕してきたため、2020年頃からグリッドロックという新構造のものに換装中。参考：月刊JWings3,’18、3,’19、8,'20、9,'23、10,'23、月刊航空ファン12,’18、9,’19

＜Ｆ−１５Ｊ（Ｊ−ＭＳＩＰ）＞：F-15C(MSIP�U)相当の改良を施行したもので、1985年度調達分（納入は1988年度途中から）ロットC-6以降67機＋32号機・ラジオコールナンバー832の計68機がこれにあたる。セントラル・コンピュータをIBM社製AP-1からAP-1Rに改修し、MIL-STD-1553Bデジタルデータバスとデータ・トランスファー・モジュールを搭載、AN/AWG-20プログラム可能兵装制御装置追加によりコクピット左下の兵装操作パネルをアナログスイッチから多目的カラーディスプレイ（MPCD）に変更し、VTRスプリット画像制御装置（VTR SIC）を搭載した。配線が纏まったため、軽量化と整備性向上が図られている。操縦桿とスロットルレバーの兵装選択スイッチも改良した。外見はPre-MSIP機と変わらないので、ラジオコールナンバーで区別するしかない。F-15DJ(J-MSIP）と合わせて94機（４個飛行隊分）に近代化改修第１・第２段階を施す予定。参考：月刊JWings10,’13、12,’15、9,'23、月刊航空情報5,’18

＜Ｆ−１５Ｊ近代化第１段階（形態１型）＞：F-15Jを将来にわたり使用するため、火器管制レーダーのAN/APG-63(V)1への更新、AAM-4の搭載改修（J/ARG-1を追加し、胴体下ミサイルランチャーをLAU-106A/Aに更新）、CPUの換装（IBM製AP1Rをロッキード・マーチン製CP-1073(P)/AYK VHSICへ）、電源系統（50kVAから75kVAへ）と空調の更新・強化を行う。空調更新に伴い、機体右側のキャノピー後端にあった円形排気口を廃止した。主翼下パイロンのミサイルランチャーはそのままなので、こちらにAAM-4を積むことはできない。更に緊急脱出装置の改修（ACES�U改採用とスルー・キャノピー方式追加）、飛行諸元記録装置搭載、通信装置への電波妨害対処機能付加など、個別に実施してきた改良も纏めて施行する。試作初号機は2003年10月21日に飛行開発実験団に配備されてテストが行われ、年度末までに試験を終了。2004年度頃からF-15J/DJ-MSIP機計102機（F-15J68機、F-15DJ34機）のうち24機が順次改修に入る筈だったが、F-2一括取得で予算が付かず予定がずれこんだため、試作機含め８機のみ改修されることになり、１号機（ラジオコールナンバー928）は2007年9月12日に第６航空団に配備された。2008年度からはAAM-5運用能力追加、JHMCS搭載、リンク16（戦闘機用データリンク端末装置FDL）装備も行われ、2009年2月末までに全８機の納入を終えた。後に全機が形態２型に改修された。参考：月刊軍事研究5,’03、11,’07、2,’09、4,’10、月刊JWings9,'23、10,’13、1,’04、7,’05、10,’19、月刊航空ファン8,’09

＜Ｆ−１５Ｊ近代化第２段階（形態２型）＞：部隊通称F-15MJ（Modernized J）。第１段階に加え、MIDS-LVT(3)データリンク、ASS-2緊急射出装置、HPWS新型空調装置、AAM-4B/AAM-5/JHMCS/NVG運用能力を追加し、チャフ／フレアディスペンサーをAN/ALE-45(J)からAN/ALE-47に変更したもので、計器板左の兵装制御パネルをカラーMFDに換装した。水平安定板前方の編隊灯はアクセスパネル追加の関係で３分割になった。試作初号機（ラジオコールナンバー942）は2007年3月8日に飛行開発実験団に配備され、２号機は2006年12月4日に初飛行した。この２機はコクピット直前に赤外線探知追尾装置IRSTを装着してテストを行ったが、今のところ量産機では採用されていない。また、当初は統合電子戦システムIEWSをこのバージョンで追加する予定だったため、エアインテイク側面にIEWS用の涙滴状アンテナフェアリングを装備、エアインテイク下のJ/ALQ-8用Ｌ字アンテナを撤去し、左垂直尾翼付け根後端に半球形の黒いアンテナフェアリングを装着していた。F-15J/DJ-MSIP機計102機（F-15J68機、F-15DJ34機）のうち70機が改修を受ける予定だったが、F-2一括取得の関係で形態１型への改修機数が減少したため、その分が最初から形態２型に改修されることになり、F-15J/DJ-MSIP機計86機が2010年度から直接F-15MJに改修されており、形態１型も最終的にはF-15MJ仕様に改修されるため、計94機（F-15J68機、F-15DJ26機）を取得して４個飛行隊に配備する。機体定期修理（IRAN）のついでに改修を行うため、J-MSIP機のIRANが無い2016年度は改修機がゼロだった。2018年度までに計92機が改修を受けた。AN/APG-63(V)3レーダーを追加すれば、AAM-4Bとの組み合わせによる対巡航ミサイル能力、PAC-3改造型空中発射迎撃ミサイル（ALHTK）による対弾道ミサイル能力も得ることになるが、この改修が念頭に入っているかは不明である。参考：月刊JWings9,'23、3,’18、10,’13、12,’15、6,’07、1,’04、10,’19、月刊軍事研究5,’03、4,’13、6,’15、11,’07、11,’15、月刊航空ファン8,’09

＜Ｆ−１５Ｊ近代化改修機＞：F-15J近代化第２段階（形態２型）の新名称、部隊通称F-15MJ（Modernized J）。形態１型を全機形態２型に改修したたため、名称統一したものである。一部は統合電子戦装置IEWSを搭載してF-15MJ�U型になった。参考：月刊JWings8,’20、9,’23

＜Ｆ−１５Ｊ統合電子戦装置搭載改修機＞：部隊通称F-15MJ�U型、予算上の改修名称は自己防御能力の向上。F-15J近代化改修第２段階（形態２型）に統合電子戦システムIEWSを追加したもの。当初は第２段階で搭載する予定だったが、後付けになった。電子戦システム情報を表示するため、計器板右上の旧電子戦装置用円形ディスプレイを撤去して四角いカラーMFDを新設している。エアインテイク側面にIEWS用の涙滴状アンテナフェアリングが付き、エアインテイク下のJ/ALQ-8用Ｌ字アンテナを撤去、左垂直尾翼付け根後端に半球形の黒いアンテナフェアリングを装着したのが外見上の違い。主翼内側前縁にもIEWSのアンテナが仕込まれているらしく、微妙に色が違う。右垂直尾翼付け根後端の方は、単に尖っているものが多いが、一部に後方警戒装置用の黒いアンテナフェアリングを残したものがある。チャフ／フレアディスペンサーはAN/ALE-47に換装した。2010-16年度に形態２型のうち７機が改修され、2020年現在（2023年現在も）では８機（ラジオコールナンバー906、907、912、918、940、942、958、961）が改修済みで、ほぼ第306飛行隊に配備されている。IEWS関連器材はコクピット後方に積んでいるため、F-15DJには搭載スペースが無く、F-15DJ近代化第２段階機にIEWS搭載型は無い。参考：月刊JWings9,'23、3,’18、10,’19、8,’20、9,’21、10,’21

＜Ｆ−１５Ｊ近代化改修機の能力向上＞：2019年度予算で改修を始める予定だった能力向上（マルチロール化。単座版F-15EX相当）で、アメリカ名称はF-15JSI（Japanese Super Interseptor）。J-MSIP機を対象とし、F-35Aに後を譲る予定のPre-MSIP機には実施しない。レーダーをレイセオン製AN/APG-82(V)1に換装（国産開発の時間は無かった）し、セントラルコンピュータをボーイング／ハネウェル製先進型ディスプレイ・コア・プロセッサ�U（Advanced Display Core Processor �U、ADCP�U）ミッションシステム・コンピュータに強化、F-15EXと同様のグラスコクピットを採用し、電子戦システムをBAEシステムズ社製AN/ALQ-239に換装、統合ミッション計画システムJMPS（Joint Mission Plannning System）を搭載し、AGM-158BやLRASMの運用改修を行う。空対空ミサイルとしてAAM-5に加えてAIM-120を積めるようにし、最大搭載数も12-16発に増やす。AAM-4BやJNAAMも積めるようにするかもしれない。AN/ARC-21無線機やSAASM(Selective Availability Anti-Spoofing Module)GPSモジュールも搭載する。主契約社は三菱重工で、システム・インテグレーションはボーイングが行う。2019年10月29日にアメリカ国務省国防安全保障協力局が近代化パッケージ98機分（＋予備パーツ＋各種支援整備訓練）45億ドルのFMS売却許可を出した。プレスリリースだと、FMSの主契約社はボーイング社という記載に加え、DCS部分の主契約社は三菱重工で、副契約社のボーイングがFMS部分とDCS部分の統合を支援する、と記されている。2020年3月4日の参議院予算委員会では改修対象は単座型約70機との答弁があり、現存F-15J(J-MSIP)機68機に対して改修を行う見込み。7月28日、ボーイング社が三菱重工と改修作業支援契約を締結したと発表した。ただ初期費用が想定を大幅に上回って総額の目途が立たなくなり、2021年度防衛費では予算が付かなかった。2021年8月5日、全改修費用が予想の3240億円から5520億円に高騰したのを理由に、1540億円削減を目指して改修内容を変更することになった。防空能力向上を主とし、LRASMは搭載せず（これだけで600億円節約）、JASSMの運用能力も付与するが副次任務に止める。空対空ミサイルはAAM-4/-5とAIM-120を運用可能とし、主翼ミサイルランチャーをWVR/BVRAAM兼用にし、BVRAAM最大搭載数を４発から８発に増やすが、総数は増えない（WVRAAM４発＋BVRAAM４発の計８発またはBVRAAMのみ８発）。電子戦装置はAN/ALQ-239が既に部品枯渇が懸念される状況にあることから、F-15EXと同じAN/ALQ-250にする。改修機数は68機。2021年12月30日、アメリカ国防総省がボーイング社とF-15JSI改修契約を結んだ。防衛省のFMS発注に基づくもので、統合航空機システム設計開発とウエポンシステムトレーナー４種の開発・試験・納入からなり、2028年12月31日に完了予定。参考：月刊軍事研究12,’18、月刊JWings8,'20、10,'20、10,’19、3,’19、1,’19、1,'20、3,'21、10,'21、3,'22、月刊航空ファン1,’20

＜Ｆ−１５ＤＪ＞：F-15Jのタンデム複座型。アビオニクス室を後部座席に作り替えているため、J/ALQ-8などが搭載されておらず、AN/ALQ-131電子戦ポッドなどで補う。1982年まで（最初の12機）はマクダネル・ダグラス社で生産（初号機は1981年4月6日受領）され、次の８機はノックダウン生産で、残る28機がライセンス生産され、1999年10月25日に最終号機（48機目）がロールアウトした。参考：月刊軍事研究5,’03、F-15イーグル、月刊丸12,’10、月刊航空ファン1,’15

＜Ｆ−１５ＤＪ改修型＞：1983年度調達分ロットC-4からAN/ALE-45チャフ・フレアディスペンサーを装備。1985年度調達分ロットC-6・ラジオコールナンバー063からJ-MSIP改修機に移行。1986年度調達分ロットC-7・ラジオコールナンバー067からAN/ARC-164UHF無線機をAN/ARC-182UHF/VHF無線機に換装して機首下部最前部ブレードアンテナが長くなった。ロットC-8・ラジオコールナンバー071からエンジン整備間隔を倍以上に延長できる耐久性向上型コアモジュールを採用し、レーダー警戒装置をJ/APR-4Aに換装。1991年度からエンジンをデジタル式エンジン制御装置（DEEC）搭載のF100-IHI-220Eに換装し、ラジオコールナンバー081からAAM-3を装備可能とした。1993年度からJ/APQ-1後方警戒装置を搭載。参考：月刊JWings9,'23、月刊軍事研究5,’03

＜Ｆ−１５ＤＪ（Ｐｒｅ−ＭＳＩＰ）＞：F-15DJのうち、J-MSIPを受けなかったもの。機体ナンバー051-062の12機がこれにあたる。共通の改修は受けているが、近代化改修第１・第２段階に進む予定は無い。参考：月刊JWings3,’18、9,’23

＜Ｆ−１５ＤＪ（Ｊ−ＭＳＩＰ）＞：1985年度調達分（納入は1988年度途中から）ロットC-6・ラジオコールナンバー071以降の36機で、F-15J(J-MSIP)と同じ改良を施している。後に１機が事故で墜落した。残る35機のうち34機をF-15MDJに改修する予定だったが、26機に減り、９機はJ-MSIPのまま残されている。参考：月刊JWings9,'23、10,’13、12,’15、月刊航空情報5,’18

＜Ｆ−１５ＤＪ近代化第１段階（形態１型）＞：F-15DJにF-15J近代化第１段階（形態１型）と同様の改修を施したもの。複座でスペースを圧迫されるので、電子戦装備に違いがある。2013年2月26日に初のテスト飛行を行った。参考：月刊JWings5,’13

＜Ｆ−１５ＤＪ近代化第２段階（形態２型）＞：F-15DJにF-15J近代化第２段階（形態２型）と同様の改修を施したもの。参考：月刊JWings3,’18

＜Ｆ−１５ＤＪ近代化改修型＞：F-15DJ近代化第２段階（形態２型）の新名称で、部隊通称F-15MDJ。形態１型を全機形態２型に改修したたため、名称統一したものである。26機が配備された。ちなみに後席があるためIEWS関連器材の搭載スペースが無く、F-15DJ近代化第２段階機にIEWS搭載型（F-15MDJ�U）は無い。2022年1月31日、飛行教導群所属の１機が墜落した。参考：月刊JWings8,’20、4,’22、9,’23

＜Ｆ−１５ＦＸ＞：F-4EJ改の後継としてボーイングが提案した機体で、F-15Eをベースにしている。レーダーをAN/APG-63(V)3に換装、JHMCSを搭載し、第３世代赤外線目標指示システムやIRST（左エアインテイク下にポッド式に装備）、戦闘機間データリンクを装備、兵装搭載ステーション19箇所（Sta.1/9も空対空ミサイル用として復活）を持ち、JDAM、SLAM-ER、ハープーン・ブロック�U、AGM-154JSOWなどの運用を可能とする。AAM-4、AAM-5、ASM-2なども小規模改修で搭載可能であるとされる。コクピットには６×６インチ（152×152mm）の大型MFDを装着しており、前席には３基、後席には４基が用意される。エンジンはP&W社製F100-PW-229またはGE社製F110-GE-129（推力はどちらも128.9kN）だが、高出力のF110-GE-132（推力142.2kN）への交換もできるとされる。先進表示・コア処理装置、リンク16、AN/APX-133IFF、GPS/INS（二重）、TACAN、VHF/UHF/HF無線機、４チャンネルデジタルビデオ録画装置、データ捕捉システム飛行記録装置を装備する。AN/ALR-56C(V)1レーダー警戒装置、AN/ALQ-135M内蔵型対抗手段装置、AN/ALE-47(V)チャフ・フレア・ディスペンサー、AN/ALE-50曳航デコイなどの自己防衛装置を搭載する。AIM-9及びAIM-120を４発ずつ搭載し、480km先に12分で到達する超音速迎撃任務、同じ装備で1600km進出して20分間または800km進出して２時間半滞空するCAP任務、AIM-9及びAIM-120を２発ずつとAGM-84を２発搭載して1300kmの戦闘行動半径を持つ対艦攻撃任務、AIM-9及びAIM-120を２発ずつとGBU-31/Bを４発搭載して1600kmの戦闘行動半径を持つ戦場阻止・近接航空支援任務など、多種多様な任務を行える。F-35Aに負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究6,’08、10,’08、月刊JWings5,’07、11,’12

＜Ｆ−１５ＳＩ＞：ボーイング社が提案を検討しているF-15J/DJの近代化計画で、SIはスーパーインターセプターの略。レーダーをAN/APG-63(V)3またはAN/APG-82(V)1に換装、各種プロセッサをハニウェル製ADCP�U先進ディスプレイコアプロセッサに纏め、EPAWSSデジタル電子戦システムを装備する。F-15SEと同様のコンフォーマル・ウェポンベイを運用可能としたり、コクピットに11×19インチ（279×483mm）大型ディスプレイLADを搭載したりする案もあったが、空自の運用や費用の面から省かれた。参考：月刊軍事研究10,’14

＜Ｆ−１５Ｋ＞：韓国空軍戦闘機、別名スラムイーグル（Slam Eagle）。F-15E-227がベースで、2002年4月19日にF-X�T計画として40機の導入を発表、2005-08年10月に引き渡された。更に2008年4月25日にF-X�U計画として21機を追加発注、2012年4月2日までに受領した。配備先は大邱基地の第11戦闘航空団第102・第122・第151戦闘飛行隊である。エンジンはGE社製でサムソン・テックウィン社がライセンス生産するF110-STW-129A（エンジン故障による飛行停止処置に備えて追加発注分はF100-PW-229を採用）に換装し、レーダーは対地攻撃モード付加AN/APG-63(V)1を装備、IRSTも搭載している。ECMはAN/ALR-56C(V)1レーダー警戒受信機やAN/ALQ-135M内蔵型対抗手段装置で、目標指示・航法ポッドとしてタイガー・アイとAN/AAQ-20パスファインダーを装備、AIM-9X空対空ミサイル運用のため統合型ヘルメット装着照準システムJHMCSを使用する。AGM-84空対艦ミサイルの搭載能力があり、対艦任務も行えるようになった。JDAM、GBU-28/B、AGM-84E/H運用能力も持つ。コンフォーマルタンクの兵装ステーションはスマート・ステーションと呼ばれるものに換えられ、重量級の兵器でも搭載可能。FCSコンピュータは先進表示コア処理装置ADCPで、コクピットには６インチ（152mm）液晶ディスプレイを装備する。電子戦装置はサムスン・タレス製TEWSで、AN/ALQ-135M電子妨害装置、AN/ALR-56C(V)1レーダー警報、AN/ALE-47チャフ・フレアディスペンサーを組み合わせている。AN/ARC-232UHF/VHF無線機、統合型IFFトランスポンダー、GPS/INS、リンク16、新型TACANなども搭載する。価格は2002年発注で１機あたり１億500万ドル。初号機は2004年10月にロールアウトし、2005年3月3日に初飛行した。2006年6月7日、訓練中の１機が日本海上空でG-LOCにより墜落、パイロット２名が死亡した。10月4日には訓練中に投下したGBU-24/Bが目標を外れて民家に落下、2007年2月9日には閉め忘れたマンホールの穴に右主脚が嵌まり、右主翼を破損する事故を起こした。2010年4月19日、二次発注分の初号機が初飛行した。2011年、タイガー・アイ＋AN/AAQ-20パスファインダーの代わりにスナイパーXR目標指示ポッドの搭載を開始。2018年4月5日1438、チルゴク郡加山ノーブルリージェカントリークラブ付近の山に１機が衝突し、乗員２名が死亡した。参考：月刊JWings5,’01、9,’16、5,’05、12,’05、8,’06、11,’06、4,’07、5,’07、7,’10、9,’10、11,’10、6,’12、11,’12、月刊軍事研究2,’14、月刊航空ファン6,’18

＜Ｆ−１５ＱＡ＞：カタール空軍戦闘機で、QAはカタール・アドバンスドの略。別名アバビル（Ababil）。F-15SAがベースで、主翼の製造技術を新式にして強度と耐久性を上げ、Sta.1/9を使用可能とし、AN/APG-82(V)1AESAレーダーとフライ・バイ・ワイヤを搭載、計器板を10×19インチ大型ディスプレイでグラスコクピット化し、AN/ALQ-239電子戦装置を採用、コクピット両側面にBAE社製ミサイル警報を装着する。エンジンはF110-GE-129双発。2016年11月17日に72機を211億ドルでFMS輸出する許可がアメリカ国務省から下りた。2017年6月15日の契約では額が120億ドルになっており、導入機数が半分に減ったとみられていたが、12月26日にはボーイング社が36機を62億ドルで受注しており、半額に値切ったか、装備を追加で買い足すらしい。2020年4月14日に初飛行した。2021年8月25日、ボーイング社でロールアウト式典と命名式典を実施。参考：月刊JWings7,'20、5,’18、10,’19、3,’18、10,'21、11,'21、月刊航空ファン2,’17、9,’17、月刊軍事研究4,’18、6,’18

＜Ｆ−１５Ｓ＞：サウジアラビア空軍戦闘機。F-15Eがベースで、ミラージュ4000に勝って1993年5月10日に導入を決定、ピース・サン�\プログラムの名称で1995年9月12日から2000年7月に72機が引き渡され、３個飛行隊（第６・第55・第92飛行隊）に配備された。レーダーはダウングレード版のAN/APG-70Sで、AN/ASW-51は自動地形追随飛行能力がカットされ、GPS機器は民間用に換装されている。LANTIRNも輸出許可が下りず、AN/AAQ-19/-20の組み合わせに変更した。2007年にリンク16を搭載することが決定した。2007年10月、F110-GE-129Cを65基導入し、29機のエンジンを換装した。2008年9月、F110-GE-129Cを追加発注した。2009年3月、AN/AAQ-33スナイパーXRの導入を決定し、2010年1月から第６・第55・第92飛行隊に配備中。2002年と2004年に１機ずつ損耗しており、残る70機は主翼を交換してF-15SAに改修する予定である。参考：月刊JWings11,’10、5,’01、9,’16、3,’12、11,’12、月刊軍事研究2,’08、11,’10

＜Ｆ−１５ＳＡ＞：サウジアラビア空軍戦闘機で、SAはサウジアラビア・アドバンスドの略らしい。レーダーはAN/APG-63(V)3で、AN/ALQ-239デジタル電子戦システムとデジタル式フライ・バイ・ワイヤを搭載、Sta.1/9を空対空ミサイルステーションとして使えるようにした（搭載時の空力変化をフライ・バイ・ワイヤで自動補正する）。左垂直尾翼端は電子戦用アンテナフェアリングのままである。AN/AAQ-13航法ポッド、輸出許可が下りたAN/AAQ-28/-33ターゲッティングポッド、DB-110偵察ポッドを導入し、AIM-9X、AIM-120C7、GBU-24/B、GBU-31/B、WCMD、AGM-84、AGM-88Bも同時に購入する予定。前後席乗員共にJHMCSを使える。84機をFMSで購入し、既存のF-15S70機も主翼を交換してSA規格に改修する予定で、かかる費用は294億ドルである。2016年12月13日に第一陣が到着した。2017年1月15日、リヤド基地で配備式典が行われた。参考：月刊JWings4,’12、3,’12、9,’16、3,’17、10,’19、4,'21、10,'21、9,'22、月刊軍事研究11,’10、4,’18、月刊航空ファン7,’16、9,’16

＜Ｆ−１５ＳＧ＞：シンガポール空軍戦闘機。F-15Eを導入したもので、当初はF-15T（サウジアラビア空軍向けF-15Sの次）として提案されていたが、制式採用に伴いSGになった。レーダーはAN/APG-63(V)3（のダウングレード版）、ミッションコンピュータはADCP�Uで、LANTIRNの代わりにAN/AAQ-33スナイパーXR及びタイガーアイ航法・IRSTポッド、IRSTポッドが使用できる。エンジンはF110-GE-129C。AIM-120C5/C7、AIM-9X、AGM-154A-1/C、GBU-38/Bなどの運用が可能。電子戦装置はノースロップ・グラマン製AN/ALQ-135M電子妨害装置、BAEシステムズ製ADDS、AN/ALR-56C(V)1レーダー警報で、後席付近の胴体両側にミサイル警戒装置用センサー基台がある。2008年11月3日に初号機がロールアウトしており、2009-12年に24機が引き渡される予定で、2009年9月からアイダホ州マウンテンホーム空軍基地に配備されて訓練に使用され、2010年4月5日からシンガポールに到着した。16機を第149飛行隊、８機を機種転換訓練用としてアメリカ空軍第428戦闘飛行隊に配備している。2014年、いつの間にか保有機数が40機に増えていた模様。機密保持のためシリアルナンバーを不連続にし、機数も公表していないので詳細は不明だが、40機を超えているかもしれない。2016-17年に更に８機を調達した模様。FMSではなくDCSでの導入だったらしく、アメリカでは民間機ナンバーで連邦航空局に機体を仮登録していた。参考：月刊JWings8,’06、7,’10、11,’10、11,’12、11,’14、4,'21、10,'21、月刊軍事研究6,’05、1,’09、月刊航空ファン6,’17、10,’17

＜Ｆ−１５Ｔ＞：F-15SGを参照。

＜Ｆ−１５海外ファミリー＞

　＜ＲＦ−１５Ｊ＞：航空自衛隊試作偵察機。RF-4Eの後継として2007年度から試作した。単座のF-15Jがベースで、機体の改造は最小限に止め、J/USD-1偵察ポッドを搭載し、データリンクによりリアルタイムで地上処理装置に画像を転送する。無人機研究システムの実用化型である中距離型無人偵察機も搭載可能。10-12機を改造予定で、機体の方は順調に試作を終えたが、肝心の偵察システムの方が2010年10月に低性能から契約解除されてしまい、開発が頓挫した。参考：月刊軍事研究5,’11、月刊JWings12,’06、月刊航空ファン2,’11、6,’16

＜Ｆ−１５Ｅ兵装＞

　＜タンク・プリンキング＞：湾岸戦争やイラク戦争で実施された、戦車駆逐任務用兵装。中距離空対空ミサイル２発、AIM-9空対空ミサイル２発、610ガロン（2309リットル）増槽２本、GBU-12/Bレーザー誘導爆弾８発、LANTIRNを搭載して出撃した。湾岸戦争ではF-15E戦闘爆撃機２機がGBU-12/Bレーザー誘導爆弾を全弾命中させ、１度の出撃で戦車16両を破壊する戦果を挙げた。参考：月刊軍事研究6,’07

　＜スカッド・バスター＞：湾岸戦争でのスカッド狩り用兵装。AIM-7空対空ミサイル２発、AIM-9空対空ミサイル２発、610ガロン（2309リットル）増槽２本、GBU-10/Bレーザー誘導爆弾５発、LANTIRNを搭載する。参考：月刊軍事研究6,’07

　＜遠隔攻撃＞：AIM-9空対空ミサイル４発、AIM-120空対空ミサイル２発、610ガロン（2309リットル）増槽２本、AGM-130空対地ミサイル２発、AN/AXQ-14データリンクポッド、LANTIRNを搭載する。コソボ紛争でTELや司令部の破壊任務に投入された時は、基地からの距離が短かったため、増槽を搭載しなかった。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｆ−１５Ｊ兵装＞

＜空対空フル装備＞：Sta.2/8にAAM-3またはAIM-9Lを２発ずつ、Sta.3/4/6/7にAIM-7Mを１発ずつ、Sta.5に610ガロン（2309リットル）ハイＧタンク１基を装備する。近代化改修機ではAAM-3の代わりにAAM-5、AIM-7Mの代わりにAAM-4を搭載可能。第９航空団では那覇空港が混雑して滞空時間が長くなるため、主翼下Sta.2/8に610ガロン増槽を１本ずつ搭載する。更なる長距離任務では増槽３本フル搭載も可能。参考：月刊JWings1,'23、7,’14、1,’04、4,’18、2,’22

＜標的訓練＞：曳航標的母機任務時は、Sta.5にRMK-35/A37U-36曳航標的装置AGTS、Sta.2/8に610ガロン増槽１本ずつを搭載する。参考：月刊JWings1,'23

　＜フェリー＞：Sta.2/5/8に610ガロン（2309リットル）ハイＧタンク１基ずつを装備する。参考：月刊JWings1,’04

＜Ｆ−１５Ａ＞：P-61夜間戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｆ−１５ＦＤＬ（フライト・データ・リンク）地上再生装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’12

＜Ｆ−１５Ｊ誤撃墜＞：1987年3月13日、訓練中のF-15Jが僚機をAIM-9で誤撃墜した。撃墜された機体は回収されて調査された後、スクラップとして払い下げられ、千葉県で解体を待っている。1995年11月22日、訓練中のF-15Jが僚機をAIM-9で誤撃墜した。参考：月刊丸5,’07、月刊JWings6,’19

＜Ｆ−１５Ｊ用固定式消音装置（機体用）＞：航空自衛隊F-15J戦闘機用消音装置。エンジン用と機体用のサイレンサーからなり、500m離れた地点で70dB以下にまで騒音を軽減する。全長37.5m、全幅24.5m、全高17m。千歳基地、百里基地、小松基地、浜松基地、岐阜基地、築城基地、新田原基地に配備された。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜Ｆ−１５Ｊ用偵察システム＞：J/USD-1を参照。

＜Ｆ−１５Ｊ用フライト・シミュレーターの機能向上＞：自衛隊の機器。三菱プレシジョン製。参考：月刊軍事研究6,’16

＜Ｆ−１５近代化改修機用ＦＤＬトレーナ＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜Ｆ−１５近代化機ＨＭＤヘルメット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜Ｆ−１５近代化機ＨＭＤ用ヘルメット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｆ−１５近代化機用飛行モニタ接続ケーブル＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜Ｆ−１５近代化機用飛行モニタ装置接続ケーブル＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−１５航空機主翼外板ダブラー切削用治具＞：航空自衛隊F-15J/DJ戦闘機の訓練飛行後の点検で主翼表面に亀裂が発見された場合、ダブラーという補強材を取り付けて修理を行う。ダブラーは30×15×0.5cmのアルミ板をフライス盤で削り出して製作するが、ケガキ線に沿って削れているかどうか顔を近づけて作業するため危険であり、またアルミ板を固定する３個の留め具が刃の妨げとなって自動切削機能が使えず、アルミ板の位置を７回も変更しつつ手動で切削せねばならず、完成には作業員２名で20時間もかかっていた。これをフライス盤の自動切削機能で行えるようにしたのがこの治具で、留め具の代わりに真空ポンプによる吸着固定方式を採用してアルミ板の位置変更を不要としている。自動切削時に台座が一緒に削れてしまうため、削れる部分を天板、吸着固定装置収容部分を底板に分け、天板だけ交換すれば済むようにした。自動切削機能のプログラミングも自力開発している。これにより監視員が要らなくなり、１名が６時間の作業でダブラーを削り出せるようになった。プログラムを変更すれば他のアルミ加工にも応用できる。開発した第２航空団整備補給群修理隊の滝沢一等空曹、沢田二等空曹、福田三等空曹には平成21年度創意工夫功労賞（文部科学大臣賞）が授与された。参考：朝雲

＜Ｆ−１５戦技課程＞：航空自衛隊のF-15J戦闘機パイロット訓練課程。1984年に第202飛行隊が開始したもので、全国のF-15J部隊から数名を選抜し、高度な訓練を実施する。第202飛行隊が改編されたため、2000年に一旦中止された。2005年度から小松基地で試行的に再開され、2007年度から第306飛行隊で正規課程として本格的に再開された。毎年４名前後のパイロットと２名前後の要撃管制幹部が選抜され、19週間にわたり座学と50時間のフライト（要撃管制幹部はF-15DJ戦闘機の後席に乗る）を行う。参考：月刊JWings5,’10

＜Ｆ−１５戦術データ交換システム端末（ＭＩＤＳ−ＦＤＬ）＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究2,’15

＜Ｆ−１５の維持経費の低減等に係る米国支援役務（調査検討）＞：防衛省がアメリカ空軍に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜Ｆ−１５用２０ｍｍ機関砲用弾薬給弾装置（ＬＡＬＳ）＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究2,’09、12,’13

＜Ｆ−１５用ＦＤＬ（フライト・データ・リンク）地上再生装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜Ｆ−１５用ＨＵＤ／ＶＳＤ地上再生装置＞：自衛隊の機器。ジュピターコーポレーションが受注している。参考：月刊軍事研究2,’11

＜Ｆ−１５用人体傘＞：自衛隊の機器。ダイセル製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜Ｆ−１５用整備器材＞：自衛隊の機器。エアロパートナーズまたは三菱重工が受注している。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｆ−１５用整備器材（その１）＞：自衛隊の機器。大誠エンジニアリングが受注している。参考：月刊軍事研究11,’15

＜Ｆ−１５用整備器材（その２）＞：自衛隊の機器。ドイチェ・ジャパンが受注している。参考：月刊軍事研究12,’15

＜Ｆ−１５用整備器材（その３）＞：自衛隊の機器。アイ・エヌ・シー・エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜Ｆ−１５用整備器材（その４）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜Ｆ−１５用偵察システム用整備機材（支援整備用）＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜Ｆ−１５用搭載通電機器（国産）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｆ−１５用搭載通電機器（国産）（ＣＴＶＳ）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜Ｆ−１５用搭載武器支援器材（国産）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究3,’16

＜Ｆ−１５用搭載武器支援器材（輸入）＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究5,’13、9,’14

＜Ｆ１６＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、ダイオミード（Diomede）。1971年就役。1988年にパキスタン海軍に引き渡され、シャムシールとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、5,’83

＜Ｆ−１６シリーズ＞：アメリカ空軍戦闘機、別名ファイティング・ファルコン（Fighting Falcon）。ファルコン双発ビジネス機を売っているダッソー社と、その代理店のファルコン・ジェット社に訴えられないために「ファイティング」を付けた。通称ヴァイパー（Viper）。アメリカ空軍に配備されていた2000機以上のF-4シリーズをF-15（当時はまだF-Xとして開発中）のみで更新するのは予算的に苦しく、必要最小限の性能を持つ安い戦闘機を多数配備した方が少数の高性能機よりも戦力が充実するという意見も出てきたため、1971年1月16日にアメリカ空軍がボーイング、ジェネラル・ダイナミックス、LTV、ロッキード、ノースロップに対して提案要求書RFPを出した（グラマンとマクダネル・ダグラスはF-14とF-15で手一杯だった）。12月には軽量戦闘機LWF（Light Weight Fighter）という名称が付けられ、1972年4月13日にジェネラル・ダイナミックスのモデル401とノースロップのP-600が選ばれ（ボーイングのモデル908-909、ロッキードのCL-1200、LTVのV-1100が落選）、それぞれYF-16とYF-17として試作機が製作された。当初は小型安価な戦闘機でどれだけの能力を発揮できるか試すだけのものだったが、開発中のF-15の価格が高騰してしまったため、こちらも実用化してハイ・ロー・ミックスにすることになり、1974年4月に軽量空戦戦闘機ACF（Air Combat Fighter）と名称変更してフライオフを行った結果、制空ミッション時の戦闘行動半径、加速性、旋回性能、荷重性能、フェリー航続距離などの面で優れているとして1975年1月13日にYF-16が採用された。1978年から調達され、2005年3月18日までに2231機（最終号機はF-16CJ、シリアルナンバー01-70539）がアメリカ空軍に納入された。戦闘機といいつつ対地攻撃任務に就くことが多く、2007年以降は順次制空・防空任務からは外される予定。湾岸戦争では13087ソーティをこなし、11698回の攻撃を実施、損失は３機だった。1975年6月にオランダ空軍、デンマーク空軍、ノルウェー空軍、ベルギー空軍が早々と採用を決め、2009年初めの段階では28カ国に2253機が輸出されている。価格は1980年度で893万ドル、2009年基準価格で4000万ドル。1993年、ジェネラル・ダイナミックスが製造工場をロッキードに売却した。参考：月刊航空情報8,’12、F-16ファイティングファルコン、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings 6,’05、3,’09、9,’10、6,’19、9,'20、月刊軍事研究4,’07、7,’07、アメリカ空軍の第一線機

　＜ＹＦ−１６＞：試作機で、２機が製作され、1974年2月2日に初号機が初飛行（非公式には1月20日の滑走テスト中に車輪が離れた）し、8月21日に２号機が初飛行した。戦闘機マフィアが理想とする有視界ドッグファイト専用昼間戦闘機として製作されており、アビオニクスはSRS-1測距レーダー、HUD、カルーセルＶ慣性航法装置くらいしか積んでいない。エンジンはF100-PW-100（推力7.4トン、A/B時10.8-11.34トン）単発。固定武装はM61A1バルカン砲１門で、他に積めるのはAIM-9サイドワインダー２発だけである。量産型のF-16Aでは機首延長、主翼・水平尾翼面積拡大、エンジン強化、荷重性能強化（6.5Gから9Gへ）、主翼ハードポイント追加、アレスティングフック装備、アビオニクス追加といった改修が行われ、目視のみも無理があるとして空対空捜索レーダーを積んだ。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空情報8,’12、月刊軍事研究8,’18

　＜Ｆ−１６Ａ＞：全規模開発試験FSD機は1976年12月8日に初飛行して６機作られ、量産型初号機は1978年8月7日に初飛行した。エンジンはF-15と同系統にして開発コストを削減し、機体サイズは燃料を戦闘時・復路・予備分の燃料タンク（ハロン1301消火剤からなる防火システム付き）を収容できるスペースを確保するだけとした。往路の燃料は外部増槽に搭載する。パーツは既製品流用、モジュラー化、共通化によりコスト削減を図った。エンジン始動は自前のスターターによりボタン１つで可能。ACTのうち静安定緩和と制御増強を採用して旋回率、加速性能、燃費を改善し、飛行制御はコンピュータと４重フライ・バイ・ワイヤ（安定増強装置内蔵）で行う。機体は2024アルミニウム39%、7050/2124アルミニウムなどの新型アルミ合金33%、高張力鋼9%、炭素繊維複合材4%、チタン合金2%、アルミ・ハニカム2%、FRP1%で構成されている。ただしソ連が1970年代後半にチタン輸出量を大幅に減らしたため、チタン部分をアルミニウム合金のハニカム構造に変更し、エポキシ樹脂表面に接着して代用した。左右共用の部品やモジュラー構造を多用しており、改修交換が容易。機首最前部にはピトー管があり、その後ろのレドームはAN/APG-66レーダー搭載のために少し下に膨らんでいて、左右に仰角プローブと仰角トランスミッターが突き出している。レドーム後方はレーダー機器室で、左右にはレーダー警戒アンテナがあり、その後ろがコクピットである。水滴型キャノピーは風防との一体型で厚さ12.7mmのポリカーボネート製、若干の抗力増はあるもののパイロットに非常に良好な視界を提供する。コクピットの高さを抑えて機体断面積を減らし抗力低減を図るため、ACES�U射出座席は30度後方に傾いており、耐Ｇスーツを着用したパイロットなら連続9Gの高機動に耐えられるという副次効果が生まれた。ただパイロットの頭や肩から計器板までの距離が遠く、MFDの画面が相対的に小さく見える、MFDの操作ボタンに指が届かないといった欠点を持つ。操縦席右にあるHOTAS方式の操縦桿は前後左右2.5mmしか動かず、方向舵ペダルも11mmしか動かないが、フォース・トランスデューサーによりかかった力はコンピュータに伝達され、電気信号となって舵面を動かす。自己点検機能により、9G以上の負荷や25.3度以上の高迎え角が発生しないように自動調整される。脚を下げると、主翼キャンバーが固定位置に切り替わり、ロールの感度が50%下げられ、速度が安定化される。左右13.5度・上下９度の視野を持つHUDには見越し計算光学照準器モードやスナップ・シュート・モードがあり、機関砲発射時の弾道が表示される。操縦席左のスロットルにはドッグファイト・スイッチがあり、押すとレーダーがドッグファイト・モードに切り替わり、HUDにはスナップ・シュート・モードの照準線とミサイル射撃可能範囲が表示される。エアインテイクはノーマル・ショック・インレット（NSI）と呼ばれ、高迎え角や横滑りでも確実に空気を取り込める機体下面配置とし、コクピット下方に固定式で設置、その後方に前脚を置いてタイヤが跳ね上げる異物の混入を防いだ。最大空気流量は毎秒254ポンド（115kg）である。前脚収容部直前にはIFF/UHFアンテナが付く。胴体と主翼は滑らかに結合されたブレンデッド・ウイング・ボディと呼ばれる構造で、機首まで長く延びるストレーキを持つ。主翼は前縁後退角50度（40度？）、25%翼弦後退角33度、後縁後退角０度で、切り落としデルタ翼形状をしている。アスペクト比3.58（３？）、翼厚比4%、テーパー比0.23。全幅にわたる前縁フラップと全幅の80%に及ぶ後縁フラッペロンを持ち、ドッグトゥースなどは無いが、可変キャンバー翼を採用してエアデータ・コンピュータと連動させ、各飛行条件に適合させて高い機動性を得ている。前縁フラップの作動範囲は上方２度から下方25度、後縁フラッペロンは上方２度から下方20度で、超音速飛行時には両方とも上方２度を取ることでキャンバー効果を打ち消し加速性能を強化、最大運動状態では前縁フラップのみ下げ25度をとる。離陸時には前縁フラップが上げ２度・後縁フラッペロンが下げ20度となり、上昇時や着陸時には前縁フラップ下げ15度・後縁フラッペロン下げ20度をとり、車輪が接地すると前縁フラップが上げ２度の逆キャンバー位置となって頭下げの力を発生させる。機体後部はエンジン収容スペースで、後下部にはアルミニウム製ハニカム構造のベントラルフィン２枚が付いており、方向安定性を維持する。ベントラルフィンの間にはテイル・フックがあり、非常用脚下げ動力源のエア・ボトルにより作動する。水平尾翼はクリップド・デルタ形状で、波形アルミニウムの内部構造の上にカーボン・エポキシ積層複合材製の外皮を結合させており、軽度の下反角を持つ。水平尾翼付け根には上下開きのスピードブレーキがある。垂直尾翼は１枚で、先端と付け根後縁にレーダー警戒装置用アンテナが付く。AKN-2400慣性航法装置、AN/ARC-186AM/FM超短波無線機、AN/ARC-164UHF無線機、KY-58秘話装置、AN/AIC-18機内通話装置、AN/APX-101敵味方識別装置、AN/ARN-108ISL、AN/ARN-118TACANなどを装備する。レーダー警戒装置はAN/ALR-46Aで、機首左右、エアインテイク下面、胴体尾部、垂直尾翼上端後縁に受信アンテナを持つ。胴体後部左右にAN/ALE-40チャフ・フレアディスペンサーを収容。空中給油受油口は機体中央上部にあり、開口すると操縦系統の感度が自動的に低下して誤操作やふらつきを防止する。燃料タンクは左右主翼内１基ずつと胴体内５基（コクピットすぐ後ろの前胴部１基、中胴部３基、後胴部１基）の計７基3986リットルで、前胴部のみバグ・タンク、他はインテグラル・タンクである。要求があれば主翼内に2271リットル燃料タンクを増設可能。燃料タンク内にはハロンガスを注入して気化燃料への引火誘爆を防いでいる。ハードポイントは空対空ミサイル専用の翼端１ヵ所ずつ（Sta.1/9。16S210またはLAU-7/Aランチャー装着。容量113kg）、主翼下に３箇所ずつ（Sta.2/3/4と6/7/8。2/8は空対空ミサイル専用で容量113kg、3/7は容量1135kg、4/6は容量1590kg）、機体下に１箇所（Sta.5。容量887kg）で、要求があれば主脚扉にAIM-7を取り付けられる。Sta.5用増槽は300ガロン（1135リットル）増槽で、零燃料重量160kg、最大重量1040kg。Sta.4/6用増槽は370ガロン（1401リットル）増槽（空虚重量110kg、最大重量1200kg）またはフェリー用600ガロン（2271リットル）増槽（全長6m、直径0.83m、空虚自重170kg、最大重量1940kg）。固定武装のM61A1機関砲は左ストレーキ前部に搭載されており、コクピットよりも0.61m後方にあるため、夜間射撃時に発射炎が視界に入りにくい。ECMは外部搭載（胴体下面に装着）のAN/ALQ-119ポッドを使用する。AN/AAS-35ペイブ・ペニー目標追跡ポッド、AN/ASQ-153(V)2ペイブ・スパイク目標指示ポッド、AN/ALQ-153警戒ポッドなども搭載可能。全長14.52m／15.11m（ピトー管含む）、全幅9.45m／10.01m（翼端ミサイル含む）、全高5.01m、運用自重6.607トン、最大離陸重量14.97トン、最大外部搭載時重量16.057トン。翼面積27.87平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-200単発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ2.05、実用上昇限度15000m以上、燃料容量4010リットル＋565リットル（胴体下に1135リットル増槽１個、主翼下に1400リットル増槽またはフェリー用2310リットル増槽１個ずつを追加可能）、フェリー航続距離2170海里、戦闘行動半径（Hi-Lo-Hi、500ポンド爆弾６発）925km以上。固定武装は20mmバルカン砲M61A1（515発）１基。基本機外兵装はAIM-9空対空ミサイルと汎用爆弾のみである。乗員１名。ブロック１／５／10の３種がある。アメリカ空軍では全て退役した。三沢基地に展示されている。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、図解現代の航空戦、ジェット戦闘機、世界の軍用機1979、世界航空機年鑑2018-2019、月刊丸5,’07、ワイルドウエポン、月刊軍事研究1,’09、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン11,’92、月刊JWings10,’17、9,'20、7,’21、8,’22

　＜Ｆ−１６Ｂ＞：F-16Aのタンデム複座型で、全規模開発試験機は1977年8月8日に初飛行して２機製作された。後席のスペースを確保するために機内燃料が17%（539kg）減少している。全長14.52m／15.11m（ピトー管含む）、全幅9.45m／10.01m（翼端ミサイル含む）、全高5.01m、運用自重6.44トン、最大離陸重量14.97トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-200単発、最大速度マッハ1.95、燃料容量3320リットル＋565リットル（胴体下に1135リットル増槽１個、主翼下に1400リットル増槽１個ずつを追加可能）、戦闘行動半径（Hi-Lo-Hi、500ポンド爆弾６発）805km以上。固定武装は20mmバルカン砲M61A1が１基。乗員２名。アメリカ空軍では既に全て退役した。参考：F-16ファイティングファルコン、ワイルドウエポン、月刊軍事研究1,’09、アメリカ空軍の第一線機、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂブロック１＞：レドームが黒いので一目で分かる。F-16A型21機、F-16B型22機が生産された。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂブロック５＞：目立つ黒レドームを灰色に変更し、胴体前部と尾翼に水抜き穴を開けて雨水が溜まらないようにした。F-16A型46機、F-16B型22機が生産された。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂブロック１０＞：チタン節約のためアルミニウム製ハニカム接着とした部分を波形アルミニウム板ボルト止めに変更したもの。F-16A型188機、F-16B型25機が生産された。うちニューヨーク州空軍向け24機はGPU-5/Aガンポッド搭載改修を施し、湾岸戦争に投入したが、使い物にならなかったため元に戻している。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂペーサーロフト計画＞：1980年代前半に行われた改良で、レーダー能力向上、静電気対処能力向上、音声警報システム導入、データ記録機材導入などを２段階に分けて実施したもの。１段階目ペーサーロフト�Tはブロック１／５に、２段階目ペーサーロフト�Uはブロック５／10に行われ、仕様が共通化された。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂプロジェクト・アップデート４＞：操縦用発電機に油圧アキュレータを新設し、エンジンにストラップを設けるなどしたもの。当初F-16A101機に実施されたが、後に残存機全てに施行された。参考：月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂプラス＞：多段階改良計画第１段階MSIP�T改修型。ブロック15相当で、1981年10月に完成したF-16A/B型330号機以降であり、ブロック10後期型の一部も改修された。機外兵装搭載時のピッチング機動性向上のため、水平尾翼を後ろに延ばして翼面積を３割ほど拡大しており、水平尾翼端後縁が斜めに切り取られた形状になっている。アビオニクスを改良、AN/APG-66レーダーにトラック・ワイル・スキャン機能を追加し、AIM-120AMRAAMの搭載準備を行い、空気取り入れ口両脇にFLIRなどを取り付け可能なハードポイント（Sta.5L/5R）を用意し、ハブクイック�T秘話UHF無線機を搭載、エアインテイク下面のIFF/UHFアンテナを撤去し、垂直尾翼上部前縁に空中給油プローブを照らす照明を取り付けた。オプションで垂直尾翼付け根にドラッグシュートを追加可能。F-16A型409機、F-16B型48機が生産された。アメリカ空軍配備機のうち214機は後にブロック15OCU相当への改修を受けている。参考：F-16ファイティングファルコン、月刊JWings1,'24、9,'20、月刊エアワールド7,’04、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６ブロック１５ＯＣＵ＞：目視外距離戦闘能力強化・マルチロール型で、OCUは作戦能力向上計画の略。海外向けとして1988年に提案された。レーダー能力向上とコンピュータ・ソフトウェアの改良を行い、HUDを広視野角に変更、AIM-120空対空ミサイル（LAU-129ランチャー使用）、AGM-65空対地ミサイル（LAU-118ランチャー＋MAU-12ボムラック使用）、AGM-119ペンギンMk3空対艦ミサイル、AN/ALQ-131ECMポッドを運用可能とし、AN/ALE-40チャフ・フレアディスペンサー、AN/APX-101IFF、リングレーザーINS、電波高度計を装備し、エンジンをF100-PW-220に換装している。離陸重量は16.875トン（17.01トン？）に増加した。オランダ空軍向けやベルギー空軍向けなどがこの仕様で、アメリカ空軍のブロック15仕様214機も本仕様への改良を受けている。核実験で禁輸になったパキスタン空軍向けF-16Aブロック15OCU戦闘機８機（10機？）とF-16Bブロック15OCU戦闘機６機（４機？）は2003年にアメリカ海軍打撃航空戦センターNSAWCに配備されて仮想敵機になった。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊航空ファン11,’19、12,’19、月刊JWings1,'24、9,'20

＜Ｆ−１６Ａ／Ｂ　ＭＬＵ＞：F-16A/Bの寿命中期近代化MLU（Mid-Life Update）型、別名F-16AM/BM。NATO諸国が保有するF-16A/Bブロック15の装備品などをブロック50/52と共通化するプログラムである。設計運用寿命を3500時間から5000時間以上に延ばし、エンジンのF100-PW-220Eへの換装、インテイク側面へのハードポイント追加、カラー多目的ディスプレイと広角HUDの採用、MMC(5000)モジュラー・ミッション・コンピュータ（ミッション・コンピュータとストア・マネジメント・コンピュータを一体化したもの）導入、AN/APG-66(V)2レーダー・HMD装備、デジタル地形表示システム・GPS・AN/APX-113AIFF追加、データモデム・データリンクの改良、電子戦管理システムの改修が行われた。AIFF導入により、コクピット直前に小さいブレードアンテナを４枚装着している。JDAMや偵察ポッドを運用可能。オランダ空軍、デンマーク空軍、ノルウェー空軍、ベルギー空軍、ポルトガル空軍（20機）に計364機が配備された。アメリカ空軍でもF-16A/B戦闘機223機をこの仕様にする予定だったが、冷戦終結などでキャンセルされている。参考：月刊エアワールド10,’03、7,’04、月刊JWings1,'24、9,'20、月刊軍事研究10,’13、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｆ−１６Ａ／Ｂ　Ｍ３＞：オランダ空軍、デンマーク空軍、ノルウェー空軍、ベルギー空軍、ポルトガル空軍の保有するF-16A/B MLUに対する改修で、ミッションソフトウェアをM3バージョンに改良することにより、リンク16とHMDの使用が可能となり、JDAMも運用できるようになる。参考：月刊JWings8,’05

　＜Ｆ−１６ＡＤＦ＞：Air Defense Fighter（防空戦闘機）型。アメリカ州空軍向けで、F-106デルタダートの後継として1986年10月末に採用された。F-16Aブロック15の改良型で、AN/APG-66レーダーを連続波照射能力を追加したAN/APG-66(V)1に、IFFをAIFFに換装、レーダー捜索距離を延伸すると共にAIFF（捜索距離がレーダーの2.5倍ある）の探知データを目標諸元として活かせるようにし、AIM-7F/M/Pの運用能力を獲得した。AIM-7F/Mの誘導に必要な連続波イルミネーターは送信機本体をキャノピー後方に収容し、レドーム内にナル・フィラー／チューニング両アンテナを設置している。AIM-7はSta.3/7に１発ずつ搭載可能。ちなみにAIM-9はSta.1/2/8/9に１発ずつである。AIFF導入に伴い、コクピット直前にクリップド・デルタ形状のブレードアンテナを４枚装備した。レドーム付け根左側面に夜間不明機照射用サーチライトを装着、垂直尾翼付け根にドラッグシュートを追加し、垂直尾翼前縁にベンディックス／キング製AN/ARC-200長距離短波通信機のアンテナを設け、通信機本体はその直下に収容している。単座型246機と複座型25機（計279機？）がF-16A/Bから改造されて州空軍に配備された。後にデータリンクを追加してAIM-120Aを運用できるようにした。AIM-120AはSta.2/3/7/8に１発ずつ搭載できる。冷戦終結後はF-16Aブロック15に戻されるか保管状態とされ、一部はイタリア空軍に2012年までリースされている。2018年現在は大部分が退役した。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊JWings9,'20、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂブロック２０＞：台湾空軍向け。F-16MLUにF-15C/Dブロック30の主翼、F-16C/Dブロック50/52の後部胴体、F-16C/Dブロック25の装備を導入したものである。レーダーはAN/APG-66(V)3で、ミッションコンピュータをMMC-3000からMMC-3051に換装し、E-2Tホークアイとのデータ共有を可能とした。HUDも広視野型に換えたが、AIM-120は運用できない。電子戦装置はAN/ALQ-184(V)電子戦ポッド（AN/ALQ-183？）で、80基を購入した。1990年代前半に150機を導入した。後にAIM-120A運用能力追加改修を実施している。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,'24、3,’22

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂブロック２０Ｖ＞：台湾空軍のF-16A/Bブロック20改良型。F-16Vに準じる仕様に改修したもので、AN/APG-83レーダー、JHMCS、オートGCAS、リンク16を搭載し、表面にハブグラス�URAMを塗り、スナイパー照準ポッド、AIM-9X、JDAM、GBU-12、AGM-154、AGM-84L、AGM-88H、AN/ALQ-184、MS-110偵察モジュールなどを運用可能とした。保有141機全機を2023年までに改修する予定で、初号機は2018年10月19日に嘉義空軍基地に到着、2021年11月18日にFOC獲得記念式典が行われた（この時点での配備機数は64機）。参考：月刊JWings2,’22、3,’22、1,’24

　＜Ｆ−１６Ａ／Ｂファルコンアップ計画＞：F-16A/Bの飛行寿命を8000時間に延ばす改修計画。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６／７９＞：輸出型。F-5シリーズの後継で、1977年に就任したカーター大統領が最新兵器禁輸の方針を打ち出したため、大幅な性能劣化版として1980年1月に開発が承認された。性能と価格を抑えるためエンジンをJ79ターボジェットに換装しており、それに合わせて後部胴体を0.45m延長、機首に0.16トンのバラストを積み、エアインテイクと機体下部形状を変更した。エンジン換装で機内燃料満載時の兵装搭載量は４トンに減るが、その分周辺国に与える脅威も減るという算段である。全長15.09m、全幅9.45m／10.01m（翼端AAM含む）、全高5.01m、運航自重7.73トン、総重量11.633-17.010トン。エンジンはGE社製J79-GE-119（ミリタリー推力5.4トン、A/B時推力8.165トン）単発、巡航速度マッハ0.85-0.9、最大速度マッハ２、戦闘上昇限度15240m以上、燃料容量4010リットル＋胴体下増槽563リットル＋主翼下増槽1400リットル２本、戦闘行動半径480海里（制空）、255海里（Mk82爆弾６発）、フェリー航続距離2000海里。固定武装はM61A1バルカン砲１門（515発）。乗員１名。F-16B試作機を改造したデモンストレーターは1980年10月29日に初飛行したが、レーガン大統領が就任して最新兵器が輸出できるようになり、非劣化版F-16シリーズの方が大量に輸出された。参考：世界の軍用機1982、月刊JWings4,’21

　＜Ｆ−１６Ｃ＞：Ａ型のMSIP第２段階（MSIP Stage�U）改修型以降で、ブロック25以降にあたり、1984年7月に引き渡された生産785号機以降をこう呼ぶ。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、図解現代の航空戦、月刊軍事研究1,’09、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６Ｃブロック２５＞：多段階改良計画第２段階MSIP�U改修型。機体構造を強化し、最大離陸重量を17.01トンに増加、二重配線の大容量・高速処理FCSを装備し、グラスコクピット化（MFDを２基に増やした）やAN/APG-68レーダーへの換装などを行った。HUDは視野左右30度・上下18度の広視野型に換装しており、強い太陽光の下でも使用でき、暗視装置の映像を投射可能なので夜間でもHUDの映像のみで地上60mを低空飛行できる。AIM-7空対空ミサイルとAGM-65D空対地ミサイルの運用能力も得た。自衛用電子戦装置を搭載できるよう垂直尾翼基部を拡大し、垂直尾翼付け根前縁のUHF無線機用ブレードアンテナをドーサルフィン上に移設している。砲口カバーはスリットの少ないものに換えられ、レーダー警戒装置はAN/ALR-69に、チャフ・フレアディスペンサーはAN/ALE-40に換装された。データ転送カートリッジDTC（Data Transfer Cartilage）を使えるようになり、ミッション計画システムで立案したミッションデータをDTCに入力してコクピットのスロットに差し込むだけで、ミッション・コンピュータにミッション内容を入力できる。エンジンは当初F100-PW-200のままだったが、後にデジタル電気式エンジン調節装置を搭載したF100-PW-220Eに換装し、エンジンストールの問題はほぼ皆無となった。全てアメリカ空軍向けで、209機が生産された。21世紀に入り退役が進められている。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、図解現代の航空戦、月刊軍事研究1,’09、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings9,'20

　＜Ｆ−１６Ｃブロック３０＞：ブロック25の改良型。エンジン搭載部分をコモン・エンジン・ベイに改修してエンジンをF110-GE-100（A/B時推力13.043トン）に換え、空気流量増加に合わせてエアインテイクをMCID（Modular Common Inlet Duct。ラージ・マウスまたはワイド・マウスともいう）と呼ばれる上部両端が300mmほど広がったもの（口角を広げた感じ）に変更、最大空気流量を毎秒270ポンド（122kg）に向上させた。ただし最初の202機ではエンジンストールの問題があってエアインテイクは従来のNSI（Normal Shock Inlet。スモール・インレットともいう）のままとされている。コンピュータメモリー容量を増やし、AGM-45対レーダーミサイル、AGM-65D空対地ミサイルの運用能力を付与した。途中からAN/ALE-47チャフ・フレアディスペンサーを左右各２基ずつ搭載し、ストレーキ下面にAN/ALR-69レーダー警戒装置のフェアリングを新設した。AN/ASD-11偵察ポッドを搭載して偵察任務も行う。各型計359機が生産され、1987年7月から配備された。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,'24、8,’06、9,'20、月刊航空ファン11,’92、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６Ｃブロック３０Ｂ＞：ブロック30にMSIP第３段階（MSIP Stage�V）を適用し、AIM-120空対空ミサイルとAGM-88対レーダーミサイルの運用能力を追加したもの。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ｃブロック３０Ｄ＞：MCIDエアインテイクを持つタイプ。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ｃブロック３０ＣＡＳ＞：近接戦闘支援任務を行えるよう改修したもので、GPU-5/Aペイブ・クロウ機関砲ポッドを運用できる。146機が改修された。参考：月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６Ｃブロック３２＞：ブロック30のコモン・エンジン・ベイにF100-PW-220を積んだもの。エアインテイクは従来型NSIのままである。各型計57機が生産された。参考：月刊エアワールド7,’04、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings9,'20

　＜Ｆ−１６Ｃブロック３２Ｂ＞：ブロック32にMSIP第３段階（MSIP Stage�V）を適用し、AIM-120空対空ミサイルとAGM-88対レーダーミサイルの運用能力を追加したもの。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ｃブロック４０＞：当初はF-16Gにする予定だったが、サブタイプが増えて面倒なので、F-16CGという別名にした。MSIP�V第２段階で、エアインテイク左右にSta.5L/5Rを追加してLANTIRNポッド（5LにAN/AAQ-13、5RにAN/AAQ-14）を搭載可能としており、夜間作戦能力が高いためナイトファルコンとも呼ばれる。HUDは小型で左右が彎曲したホログラフ式に変更、LANTIRNからの情報も表示できるようにした。操縦装置をデジタル式にし、GPSを搭載、レーダーをAN/APG-68（V）5（AN/APG-68(V)1？）としてAGM-88HARM対レーダーミサイルの運用を可能とした。計器板は中央にアナログ式計器、その上に統合制御パネル、左右にMFD１基ずつという配置で、NVGに対応する。MFDは幅5.6インチ（142mm）×高さ5.6インチ（142mm）×奥行き12インチ（305mm）、有効表示面積４インチ（102mm）四方で、緑のモノクロCRT、表示は525本の走査線が水平に60Hzで移動するラスター方式。シンボルマークが大きく、近接するとごちゃごちゃになる（シンボル・クラッター）という欠点があった。エンジンはF110-GE-100、エアインテイクはラージ・マウス。機体各部の構造も強化し、重量増に対応すると共に、最大12.825トンで9G機動が行えるようになった。降着装置も強化しており、主脚柱を延長すると共に車輪の直径も増やし、LANTIRNが地面に擦らないようにしている。着陸灯とタキシー灯は主脚柱から前脚扉に移動した。1988年12月から引き渡され、1995年まで232機が生産された。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊軍事研究8,’01、月刊JWings8,’05、6,’14、9,'20、月刊航空ファン11,’92、10,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６Ｃブロック４２＞：ブロック40のエンジンをF100-PW-220としたタイプで、こちらもF-16CGと呼ばれる。全長15.03m、全幅10m（翼端ミサイル含む）、全高5.09m、空虚重量8.627トン、最大離陸重量12.331トン、機外装備最大時離陸重量19.187トン。最大速度マッハ２以上、実用上昇限度15240m以上。固定武装はM61A1バルカン砲１基（511発）。乗員１名。152機が生産された。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings3,’09、月刊軍事研究8,’01、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６Ｃシュア・ストライク＞：F-16Cブロック40/42のコクピットを暗視ゴーグル対応とし、改良型データモデムIDMを搭載したもの。1995年に改修が行われた。参考：月刊JWings8,’05

　＜Ｆ−１６Ｃゴールド・ストライク＞：F-16Cシュア・ストライクのシステムソフトウェアを改良し、LANTIRNの画像をディスプレイに表示できるようにしたタイプ。参考：月刊JWings8,’05

　＜Ｆ−１６Ｃブロック５０＞：エンジンをGE製F110-GE-129に換装したもので、1991年から改修された。F-16Bを改造した原型機は1990年4月2日に初飛行し、高度30000フィート（9144m）を上昇中にマッハ1.15のスーパークルーズを記録した。レーダーをAN/APG-68(V)5に換装、AIM-120AMRAAM、AGM-65マーヴェリック、ハープーンなどのミサイルを運用するマルチロール能力を持つ。ハニウェル社製H-423リング・レーザー・ジャイロ式INS、GPS受信機、データ転送カートリッジ、改良型データモデム、AN/ALR-56Mレーダー警戒装置、AN/ALE-47、暗視システム対応コクピット、AIFF、MIL-STD-1760データバスも装備した。AIFFの改良型を装備し、捜索距離拡大に合わせてMFDも５インチ（127mm）角に大型化・カラー化、レーダー警戒装置の情報も同時に表示させる計画だったが、これは没になり、AN/ALR-56Mの目標を表示する別個の表示装置を追加するのみとなっている。LANTIRNポッドを搭載準備のみで、HUDはブロック30/32と同じである。後期生産型ではレーダーがAN/APG-68(V)7/（V）8に改良された。Ｄ型と異なり、背部への電子戦機器追加は行えないが、これは単座では操作しきれないためである。全長15.02m（15.06m？）、全幅9.99m（9.96m？）、全高5.09m（4.88m？）、自重8.58トン、空虚重量9.017トン、総重量12.29-19.19トン、最大離陸重量21.772トン。翼面積27.9平方メートル。エンジンはGE製F110-GE-129（A/B時推力131.61kN・13.42トン）単発、最大速度マッハ２以上（高度12200m、クリーン状態）、実用上昇限度15240m以上、燃料搭載量3.104トン、戦闘行動半径735-950海里／1250km（AIM-9空対空ミサイル２発、爆弾0.9トン、増槽３本、Hi-Lo-Hi）、フェリー航続距離4473km。固定武装はM61A1バルカン砲１基。最大兵装搭載量７トン（5.443トン？）。乗員１名。量産初号機は1991年10月31日に完成して1992年4月に配備され、各型計188機が生産された。参考：月刊エアワールド7,’04、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,'24、1,’14、1,’16、8,’05、7,’02、11,’02、1,'22、月刊軍事研究1,’09、月刊航空ファン11,’92、10,’16

　＜Ｆ−１６Ｃブロック５０Ｄ＞：非公式名称F-16CJ。ブロック50にAN/ASQ-213HTSとHARMの運用能力を追加したもの。参考：月刊JWings1,'24

　＜Ｆ−１６Ｃブロック５２＞：ブロック50のエンジンをプラット&ホイットニー製F100-PW-229に換装したもの。HARM運用能力があるタイプはF-16CJという非公式名を持つ。全長14.8m、全幅9.8m、全高4.8m、自重19700ポンド（8.936トン）、最大離陸重量37500ポンド（17.01トン）。エンジンはプラット&ホイットニー製F100-PW-229（推力29000ポンド・13.15トン）単発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ２、実用上昇限度15000m、航続距離3222km。固定武装はM61A1バルカン砲１基。乗員１名。各型計41機が生産された。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings2,'20、11,’02

　＜Ｆ−１６Ｃブロック５２Ｄ＞：非公式名称F-16CJ。ブロック52にAN/ASQ-213HTSとHARMの運用能力を追加したもの。参考：月刊JWings1,'24

　＜Ｆ−１６Ｃ／Ｄブロック５０プラス＞：輸出型で、F-16CM/DM相当の改良を施してある。AN/APG-68(V)9レーダー、AN/ARC-238無線機、AN/APX-113IFF、AN/ALQ-211電子戦装置、AN/ALR-93レーダー警報を装備する。主翼付け根上面にコンフォーマルタンクを装着可能。エンジンはF110-GE-129。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊JWings9,'20

　＜Ｆ−１６Ｃ／Ｄブロック５２プラス＞：輸出型で、ブロック50プラスのエンジンをF100-PW-229に換装したもの。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜アドバンスドＦ−１６Ｃブロック５０／５２＞：ブロック50/52の改良型で、最大離陸重量を21.773トンに増加、Sta.4/6への600ガロン（2271リットル）増槽搭載を可能とし、主翼付け根上面にコンフォーマルタンクを装備できるよう改修、GPS/INS/DTSを搭載している。これにより長距離ミッションが可能となった他、コンフォーマルタンクを装備すれば今までと同等の作戦行動半径ミッションではSta.4/6（主に増槽を搭載）を兵装用に転用できるようになった。また、AN/APX-113AIFF、リンク16、ASPIS先進内蔵型電子戦機器、ヘルメット装着式キューイング・システム、機上酸素発生装置OBOGSも追加し、レーダーをAN/APG-68(V)9に換え、第３世代FLIRを装備、カラー液晶ディスプレイを搭載した。ギリシャ空軍、シンガポール空軍、チリ空軍、トルコ空軍、ポーランド空軍が採用した。参考：月刊JWings1,'24、8,’05、3,’04、月刊軍事研究1,’09、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｆ−１６ＣＧ＞：F-16Cブロック40/42を参照。

　＜Ｆ−１６ＣＪ＞：当初はF-16Jにする予定だったが、サブタイプが増えると面倒なので、F-16CJにした。SEAD任務機バージョンで、F-4Gの後継である。F-16Cブロック50D/52Dの空気取り入れ口右脇Sta.5RにAN/ASQ-213HTS１基、主翼下にAGM-88HARMを最大４発搭載する。単座機のため、パイロットがHARMへのモード設定を行う必要があるが、電子戦装備を高度に自動化し、単座でも任務をこなせるようにした。HTSのカバー範囲は前方180度だけだが、AN/ALR-56Mレーダー警報受信機を搭載して探知能力を強化しており、改良型データモデムIDMにより僚機やRC-135V/Wリベットジョイントなどから目標データをほぼリアルタイムで受信できる。実際の出撃時にはAN/ALQ-119ECMポッドや、AN/ALQ-184ジャミングポッドも胴体下に搭載していくことが多い。ブロック50仕様（F-16CJブロック50、F-16Cブロック50Dともいう）が188機、ブロック52仕様（F-16CJブロック52、F-16Cブロック52Dともいう）が41機生産された。参考：月刊軍事研究2,’03、4,’03、1,’09、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｆ−１６ＣＭ＞：F-16Cに共通仕様実施計画CCIP（Common Configuration Implementation Program）改修を施したもの。F-16Cブロック40/42/50/52（F-16CG/CJのみ？）に対して行われるアップデートで、F-16CGとF-16CJの仕様を共通化し、DEAD任務に投入できるようにしたものである。改修ベースラインは５点で、MN（改造ナンバー）602150 MMS共通仕様実施計画（モジュラー・ミッション・コンピュータMMC（7000）搭載改修。F-16A/B MLUに搭載されているMMC(5000)の小型省電力型）、MN610250カラー多機能ディスプレイ共通仕様実施計画、MN612150空対空質問器共通仕様実施計画、MN650050統合ヘルメット装着キューイングシステム（JHMCS）共通仕様実施計画、MN661650リンク16多機能情報分配システム（MIDS）共通仕様実施計画であり、第１段階でMMC及びカラーMFD搭載、第２段階でAN/APX-113(V)AIFF（キャノピー前方にブレードアンテナ４枚が並ぶ）装備とAN/AAQ-33スナイパーXR新型ターゲッティングポッド運用能力付与、第３段階でリンク16搭載及びJHMCS運用能力付与が実施される。スナイパーXRは機関砲のマズルフラッシュを避けるためSta.5Rに搭載し、AN/ASQ-213HTSはSta.5Lに装着するようになった。600ガロン（2271リットル）増槽または450ガロン（1703リットル）コンフォーマル・タンクを装備可能とし、民生用プログラマブル・ディスプレイ・ジェネレータCPDG、電子式水平姿勢ディスプレイEHSD、マックスローダブル・データエントリー表示セットを搭載している。レーダーはAN/APG-68(V)9で、後にAN/APG-80またはAN/APG-83(V)に換装する予定。これに合わせてソフトウェアも段階的に改良する。これらにより機能を代替できるジェネラル・アビオニクス・コンピュータ、拡張型中央インターフェースユニット、拡張データ入力電子ユニット、HUD電子ユニット、TACANなどは外す。F-16CJへの改修が最優先で実施され、AN/ASQ-213とAN/AAQ-14（AN/AAQ-33までの繋ぎ）をエアインテイク左右に搭載できるようにした（AN/AAQ-13は装備しないので、夜間地形追随飛行はできない）。AN/AAQ-14の代わりにAN/AAQ-28ライトニング�Uポッドを装備した機体もある。空軍532機、州兵航空隊91機が対象で、1998年6月に開始され、2010年頃に改修を終えた。他に一部の改修のみを行う機体も存在する。参考：月刊JWings1,'24、12,’04、6,’14、月刊軍事研究10,’04、1,’09、10,’13

　＜Ｆ−１６ＣＭブロック４０＞：F-16CG（F-16Cブロック40）にCCIP改修を施したもの。AN/ASQ-213HTSポッド運用能力は無い。196機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24、6,’14

　＜Ｆ−１６ＣＭブロック４２＞：F-16CG（F-16Cブロック42）にCCIP改修を施したもの。AN/ASQ-213HTSポッド運用能力は無い。134機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24

　＜Ｆ−１６ＣＭブロック５０＞：F-16CJブロック50にCCIP改修を施したもの。LANTIRN運用能力は無い。174機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24、6,’14

　＜Ｆ−１６ＣＭブロック５２＞：F-16CJブロック52にCCIP改修を施したもの。LANTIRN運用能力は無い。42機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24

　＜Ｆ−１６Ｃ改修ＭＮ６０２１４９＞：MNは改造ナンバーの略。F-16CMと同じモジュラー・ミッション・コンピュータを搭載し、IFFモードＳ、AIM-120D、GBU-39/Bなどの運用を可能とし、メモリを増やす改修。空軍488機と州兵航空隊101機が改良される予定。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｃ改修ＭＮ６０４０５０＞：MN602149改修機が更に受ける予定の改修で、リングレーザージャイロ慣性・GPS航法システムを組み込み式慣性・GPS航法システムに変更する。合わせてソフトウェアもアップデートする。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｃ改修ＭＮ６１８２１０＞：AN/ARC-186VHF無線機をAN/ARC-210SINCGARSに換装し、地上部隊との通信を妨害傍受されないようにする改修で、米中央軍USCENTCOMの要求に基づいて空軍128機と州兵航空隊36機に実施される。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｃ改修ＭＮ６２４０５０＞：2009年度から予定されている改修で、GBU-39/Bを運用するためのユニバーサル兵装インターフェイスを装備する。ソフトウェアは2012年に実用化予定の運用飛行プログラムM6+に更新される。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｃ改修ＭＮ６６００５０＞：STINGポッド（新型HTSポッド）が搭載できるよう、パイロンを増設する改修で、空軍267機と州兵航空隊28機に対して実施中。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｃ　ＳＬＥＰ＞：F-35A実戦化までの繋ぎとして、機体構造強化による運用寿命増加と戦闘アビオニクス計画的強化装備CAPES（Combat Avionics Programmed Extended Suite）を施すもの。F-16Cブロック40/42/50/52が対象で、飛行寿命を8000時間から12000時間に延長して2048年以降までの運用を可能とし、ノースロップ・グラマン社製AN/APG-83AESAレーダー、統合型放送システム（情報融合表示装置）、NVG組み込み型HMD、センターディスプレイユニットCDU（ペデスタルにF-16Vブロック70と同じ幅152mm×高さ203mmの多機能ディスプレイを装着）、AN/ALQ-213電子戦管理システム、デジタル式レーダー警報を搭載する。Ｄ型と合わせて336機が改修を受ける予定。2015会計年度要求で予算が出ず、アビオニクスアップグレードは放棄して延命改修のみに止めるという話も出たが、2017年に搭載レーダーが決まってアップグレードも行うことが決定した。参考：月刊JWings11,’12、11,’14、月刊軍事研究10,’18、7,’14、8,’14、9,’14、月刊航空ファン4,’16、7,’17

　＜Ｆ−１６Ｄ＞：F-16Cのタンデム複座型。2014年8月、アメリカ空軍が配備機175機全機に特別検査を行ったところ、82機に胴体左キャノピー横ロンジロンのクラックが発見され、修理が進められている。参考：月刊JWings11,’14、3,’15

　＜Ｆ−１６Ｄブロック２５＞：F-16Cブロック25の複座型。35機が生産された。参考：月刊JWings1,’24、月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６Ｄブロック３０＞：F-16Cブロック30の複座型。各型計48機が生産された。参考：月刊JWings1,’24、月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６Ｄブロック３０Ｂ＞：F-16Cブロック30Bの複座型。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ｄブロック３０Ｄ＞：F-16Cブロック30Dの複座型。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ｄブロック３２＞：F-16Cブロック32の複座型。各型計５機が生産された。参考：月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６Ｄブロック３２Ｂ＞：F-16Cブロック32Bの複座型。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６Ｄブロック４０＞：F-16Cブロック40の複座型。当初はF-16Hにする予定だったが、サブタイプが増えると面倒なので、F-16DGという別名にした。34機が生産された。参考：月刊軍事研究1,’09、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｆ−１６Ｄブロック４２＞：F-16Cブロック42の複座型で、こちらも別名F-16DG。44機が生産された。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｄブロック５０＞：F-16Cブロック50の複座型。胴体背部を拡張して電子戦機器を収容することも可能で、この場合は後席に電子戦士官が乗る。各型計28機が生産された。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｄブロック５０Ｄ＞：非公式名称F-16DJ。F-16Dブロック50にAN/ASQ-213HTSとHARMの運用能力を追加したもの。参考：月刊JWings1,'24

　＜Ｆ−１６Ｄブロック５２＞：F-16Cブロック52の複座型。胴体背部を拡張して電子戦機器を収容することも可能である。各型計12機が生産された。参考：月刊JWings1,'24、11,’02、月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｄブロック５２Ｄ＞：非公式名称F-16DJ。F-16Dブロック50にAN/ASQ-213HTSとHARMの運用能力を追加したもの。参考：月刊JWings1,'24

　＜アドバンスドＦ−１６Ｄブロック５０／５２＞：F-16Dブロック50/52にアドバンスドF-16Cブロック50/52と同様の改修を加えたもの。後席は専任のシステム士官となり、コクピットも改造してある。ドーザルスパインをキャノピー後縁まで延長し、アビオニクス、電子戦機器、AN/ALE-47を追加した。参考：月刊JWings1,'24、3,’04、月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６ＤＧ＞：F-16Dブロック40/42を参照。

　＜Ｆ−１６ＤＪ＞：当初はF-16Kにする予定だったが、サブタイプが増えると面倒なので、F-16DJにした。F-16Dブロック50/52に、F-16CJと同じ改造を施したもの。後席に電子戦担当士官が乗る。ブロック50仕様（F-16DJブロック50、F-16Dブロック50Dともいう）が28機、ブロック52仕様（F-16DJブロック52、F-16Dブロック52Dともいう）が12機生産された。参考：月刊軍事研究4,’03、1,’09、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｆ−１６ＤＭ＞：F-16Dブロック40/42/50/52（F-16DGとF-16DJ？）にF-16CMと同じCCIP改修を施したもの。参考：月刊JWings12,’04、6,’14、月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６ＤＭブロック４０＞：F-16DG（F-16Dブロック40）にCCIP改修を施したもの。AN/ASQ-213HTSポッド運用能力は無い。26機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24、6,’14

　＜Ｆ−１６ＤＭブロック４２＞：F-16DG（F-16Dブロック42）にCCIP改修を施したもの。AN/ASQ-213HTSポッド運用能力は無い。40機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24

　＜Ｆ−１６ＤＭブロック５０＞：F-16DJブロック50にCCIP改修を施したもの。LANTIRN運用能力は無い。26機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24、6,’14

　＜Ｆ−１６ＤＭブロック５２＞：F-16DJブロック52にCCIP改修を施したもの。LANTIRN運用能力は無い。12機が改修された。参考：月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24

　＜Ｆ−１６ファルコンＳＴＡＲ計画＞：STARは構造増強ロードマップの略。F-16A/B/C/Dの飛行寿命を8000時間に延伸する改修計画である。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｄ　ＳＬＥＰ＞：F-16Dブロック40/42/50/52にF-16C SLEPと同じ改修を施すもの。参考：月刊JWings11,’12

　＜Ｆ−１６Ｅブロック６０＞：エンジンをF110-GE-132に換え、最大離陸重量を増加させたもの。AN/APG-80アクティブ電子走査アレイレーダー、AN/AAQ-32内蔵式夜間目標捕捉・航法装置、AN/ASQ-28目標指示システムIFTS（機首左上下にターレット新設）を搭載している。アンテナ形状が円形になったので機首を再設計し、ピトー管を撤去しており、風防前方にAIFFアンテナが付く。コクピットはオールデジタルで、フルカラーの大型ディスプレイ３基を搭載する。主翼付け根上部にコンフォーマル・タンク（833リットル）を装着しており、Sta.4/6には600ガロン（2271リットル）増槽を積める。WCMD、ペイブウェイ�V、JDAMを運用可能。全長15.03m、全幅10m（翼端ミサイル含む）、全高5.09m、最大離陸重量50000ポンド・22.68トン。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製F110-GE-132（推力16.2トン）、最大速度マッハ２以上。乗員１名。価格は2009年で１機あたり5000-5500万ドル。UAE空軍が採用したが、レーダーが高価なのとアンテナ形状が特殊で既存機の機首に入らないため、それ以上は売れず、低価格のAN/APG-83(V)SABRを積んだF-16Vを開発して売り込みを図っている。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings8,’05、5,’15、3,’04、2,’04、2,’00、12,’06、9,’10、9,'20、月刊航空ファン10,’16、2,’20

＜Ｆ−１６Ｅブロック６２＞：ブロック60のエンジンをF100-PW-229A（A/B時推力16.155トン）にしたもの。参考：月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６ブロック７０＞：ロッキード・マーチンが開発したF-16Cブロック50の改良型で、別名F-16V（ＶはF-16シリーズの通称であるヴァイパーから）。レーダーをAN/APG-83セイバーに換装し、7000Hモジュラー式ミッションコンピュータと改良型プログラム可能表示ジェネレータiPDGを搭載、リンク16、イーサネット・データバス、新型グラスコクピットを導入し、スナイパーXRやAN/AAQ-32内蔵型FLIRターゲッティングシステムを運用可能とした。コクピットのペデスタル部分に中央ペデスタル表示装置CPDと呼ばれる幅152mm×高さ203mmの多機能ディスプレイを備えており、画面の一部の拡大縮小表示が自由に行え、NVGにも対応している。複座型の後席はミッショナイズド・アフターコクピットと呼ばれ、前席と同じ計器板と操縦装置に加え、後席インターフェースユニットを介して前席HUDと同じ画像を投影できるHUDモニターを計器板上面に配置することができ、副操縦士席としても兵装システム士官WSO席としても使える。LN-260EGI（組み込み式24チャンネルGPS援用INS、AN/APX-126発展型敵味方識別装置、第２世代JHMCS�U、自動地上衝突回避装置も装備し、MIDS-JTRS、デジタル飛行制御コンピュータDFLCC、データ転送装置、コンフォーマル燃料タンク（容量450ガロン・1700リットル左右１基ずつ）なども追加できる。電子戦装置はAN/ALQ-211A(V)4/(V)9、AN/ALQ-213、AN/ALE-47などブロック50プラスと同等で、必要ならAN/ALQ-184電子戦ポッドを吊す。無線機はAN/ARC-238ソフトウェア無線機２基。機体構造を強化して運用寿命を12000飛行時間にしている。エンジンはF110-GE-129。兵装ステーションは翼端２ヵ所、主翼下６ヵ所、エアインテイク２ヵ所、胴体下１ヵ所の計11ヵ所、兵装搭載量５トン。2012年2月のシンガポール・エアショーで名称が発表され、2015年10月16日に初飛行し、2016年2月2日に飛行試験を開始した。バーレーン空軍、スロバキア空軍、ブルガリア空軍が採用し、台湾空軍がF-16A/Bからの改修と新造機購入、ギリシャ空軍が既存機からの改修を決めた。モロッコ空軍に対するF-16C/Dからの改修と新造機購入のFMS許可が下りているが、実際に導入するかは未定。インド空軍向けにF-21として提案中で、採用の暁にはインドのタタ・グループがロッキード・マーチンと共同生産する。量産初号機はバーレーン空軍向けで、2023年3月10日に引き渡し式典が行われた。参考：月刊航空ファン2,’20、9,’17、4,’16、3,'19、2,’20、月刊JWings1,’24、1,'16、10,'16、9,’17、9,'20、月刊軍事研究10,’18、9,’17

　＜Ｆ−１６ブロック７２＞：F-16Cブロック52にF-16ブロック70と同様の改良を行ったもので、こちらも別名F-16V。エンジンはF100-PW-229。参考：月刊航空ファン9,’17、月刊軍事研究10,’18

　＜Ｆ−１６Ｆ＞：F-16Eの複座型。垂直尾翼付け根の膨らみをコクピット後部まで延長して電子戦機器収容部とし、後席に電子戦士官を乗せられるようにした。2003年12月6日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’04、9,'20、月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６Ｎ＞：アメリカ海軍アグレッサーで、仮想MiG-29戦闘機役を務める。基本はノーマル・ショック・インレットのF-16Cブロック30で、レーダーはＡ型と同じAN/APG-66のままであり、機関砲とレーダー警戒装置は撤去した。1987-88年に22機が製造され、VF-126を皮切りに1988年5月までにVF-45、VF-43、NFWSトップガンに配備されたが、アグレッサーとして激しい機動を繰り返したため４年足らずで主翼にクラックが入る機体が続出し、1991年に一時飛行停止となり、その後飛行を再開したものの、1994年に退役が決まり、1995年に全機退役した。その後はパキスタンに輸出する筈だったF-16Aをアグレッサーとして使っている。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊航空ファン11,’19、月刊JWings9,'20

　＜ＴＦ−１６Ｎ＞：F-16Nの複座型。４機が製造されてF-16Nと同様に使用され、同様に退役した。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊航空ファン11,’19、月刊JWings9,'20

　＜Ｆ−１６Ｖ＞：F-16ブロック70/72を参照。

　＜Ｆ−１６ロングタームバイパー＞：既存のF-16に対する延命改修（SLEP）。飛行時間8000時間以上の機体が対象で、耐用時間を10000-12000時間に延長してF-35に後を譲るまで任務に就けるようにする。ついでにCCIP（共通仕様実施計画）、ファルコンスター（ファルコン構造強化計画）、コクピット改良、アビオニクス近代化などを実施予定。参考：月刊軍事研究12,’10、月刊JWings8,’11、月刊航空ファン1,’15

＜Ｆ−１６ファミリー＞

　＜Ａ−１６＞：試作対地支援型。A-10Aの後継として開発され、GPU-5/Aガンポッドを搭載して試験が行われたが、採用されなかった。参考：月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６ＥＳ＞：試作戦闘爆撃機で、1990年代初めにイスラエル空軍が要求したF-4Eファントム2000後継機に応募した。胴体上面にコンフォーマルタンクを装備し、地形追随能力を持つレーダーを搭載、夜間目標捕捉・航法装置を追加した。F-15Eに負けて採用されなかったが、F-16ブロック60/62に繋がる機体となった。参考：月刊エアワールド7,’04

　＜Ｆ−１６ＸＬ＞：アメリカ空軍強化型戦術戦闘機（F-111後継）向けデュアルロール・ファイター（制空・阻止攻撃）型、別名F-16E。水平尾翼を外して主翼弦長をストレーキの前縁から水平尾翼の後端まで延長し、内翼後退角70度・外翼後退角50度の折れ曲がり前縁矢形翼（Cranked Arrow Wing）に形状変更している。この主翼は翼面積がF-16の２倍以上あるが、超音速時の抵抗は17%少ない。構造重量は0.613トン増加するが、外皮を炭素繊維複合材にして全体では0.26トンほど重量を減らす。主翼前縁に固定フラップ、前縁翼端に空戦兼スピン防止フラップ、後縁内翼部にエレボン、後縁翼端にエルロンを持つ。翼端レールランチャー以外にハードポイントは17箇所（29箇所？）もあり、空中戦仕様時の離陸滑走距離は660mで足りる。胴体はコクピット後部で30インチ（0.762m）、中央・後部胴体で26インチ（0.66m）延長されていて、燃料搭載量は82%増加、電子機器搭載スペースも40立方フィート（1.133立方メートル）増えた。エンジンはそのままだが、マッハ2.2での超音速巡航が可能。全長16.51m、全幅10.34m、全高5.36m、運用自重（ミサイル４発）8.895トン、最大離陸重量21.772トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-200（A/B時推力11.34トン）単発、最大巡航速度マッハ2.2、最大速度マッハ2.5、機内燃料搭載量7300リットル、戦闘行動半径430-725海里。固定武装はM61A1バルカン砲１基。乗員1-2名。1982年に単座と複座が１機ずつ製作されたが、炭素繊維複合材が高価すぎたのと空戦能力・生残性に劣ったのとでF-15Eに負け、採用されなかった。1988年からNASAの研究機になり、2009年まで使用されている。参考：世界の軍用機1982、F-16ファイティングファルコン、月刊JWings7,'22、11,’15、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−１６アジャイル・ファルコン＞：MSIP�Wに位置づけられるタイプで、主翼面積を25%増大してエンジンを強化し、MiG-29やSu-27に匹敵する機動性を持たせている。アメリカ空軍やNATOに売り込んだが、採用されなかった。参考：月刊エアワールド7,’04

＜Ｆ−１６（サンダーバーズ用）＞：アメリカ空軍アクロバットチームのサンダーバーズ用。トリムをフルノーズダウン（機首下げ一杯）に設定してあり、真っ直ぐ飛び続けるには操縦桿を引き続けないといけない。その代わり、操縦桿が中間位置にあっても腕にある程度の力が入った状態になるので、アクロバット飛行時の細かい操作が可能となる。参考：月刊JWings10,’14

＜ＭＱ−１６＞：アメリカ空軍調査研究所とロッキード・マーチン社スカンク・ワークスがロイヤル・ウイングマン計画に基づいて開発している無人機バージョン。QF-16にACLレベル７の自律飛行能力を持たせたもので、F-22AやF-35Aと有人無人チームMUM-Tを組む。2017年4月10日に試作機が試験飛行を行い、予期しない敵機に対して自律的に反応・対応しつつ、空対地攻撃任務をこなすことに成功した。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜ＮＦ−１６Ｄ＞：推力偏向ノズル試験機で、当初はF-16VISTA（Variable In-flight Simulation Test Aircraft、可変安定性飛行シミュレータ試験機）と呼ばれた。F-16Dブロック30（イスラエル空軍仕様）に多軸推力偏向型F110-GE-100を搭載したもので、スピン回復用パラシュートを垂直尾翼付け根後端に装備し、機関砲、レーダー警戒装置、チャフ・フレアディスペンサーを撤去、重心調節のためSta.5L/5Rのパイロンにバラストを装着している。1993年7月2日に初飛行し、テスト・パイロット・スクールで試験飛行に供された。2021年6月14日、X-62Aに改称された。参考：月刊エアワールド7,’04、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’21、5,’23

　＜ＱＦ−１６シリーズ＞：フルスケール空中標的型。QF-4の後継で、アメリカ空軍とアメリカ海軍が使用する。ボーイング社が改造を担当し、2009-11年度に開発・改修作業を行い、2011年度から６機でテストを実施、2012年5月4日に初号機（QF-16C-30）が初飛行した。2012年度にEMDに移行し、2013年9月19日に４号機（QF-16A-15）が初の無人飛行を行い、2014年にLRIPに入り、9月5日に２号機（QF-16C-25）が初被撃墜され、2016年9月23日（29日？）にIOCを獲得した。参考：月刊航空ファン3,’17、月刊JWings9,'20

　＜ＱＦ−１６Ａ＞：フルスケール空中標的。F-16A（ブロック15）ベースで、無人飛行を行うための自動飛行制御装置AFCS（Automatic Flight Control System）、緊急時に自爆させる飛行終了システムFTS（Flight Termination System）、至近命中判定を出すベクトル判定装置VSS（Vector Scoring System）、視覚増強システムVAS（Visual Augmentation System）、ペイロード制御システムPCS（Payload Control System）、指揮遠隔計測装置CTSなどのドローン用特別装備品DPE（Drone Peculiar Equipment）を搭載しており、超音速飛行や9G高機動が可能である。ただし自律飛行は不能で、飛行コース事前設定式またはガルフレンジドローン制御システムFRDCSデータリンクによる遠隔操縦式であり、ACLはレベル１（完全人力遠隔操作）である。機関砲やレーダーなどは外した。2012年11月19日に第53兵器評価群と第82空中標的飛行隊に初配備され、2013年9月19日には初めて遠隔操作による無人飛行を行った。2014年11月6日0915頃、ティンダル空軍基地第82空中標的飛行隊所属の機体がメキシコ湾に墜落し、パイロットが死亡した。2016年9月23日、航空戦闘コマンドがIOCを達成したと認定した。参考：月刊JWings12,’13、6,'10、2,’13、12,’14、12,’16、9,'20、月刊航空ファン2,’15、月刊軍事研究10,’18

　＜ＱＦ−１６Ｃ＞：フルスケール空中標的。F-16C（ブロック25/30）を改造したもので、2012年5月4日に初飛行した。2014年9月5日に初号機がF-15の空対空ミサイルで撃墜され、技術製造開発EMD作業を終了した。2016年12月19日に最初の１機が第82航空標的飛行隊第１分遣隊に配備された。参考：月刊航空ファン3,’17

　＜ＲＦ−１６＞：偵察機型。F-16Dブロック25を改造したもので、FLIRや電子光学式ビデオ機材などを収めるATARS（先進型戦術航空偵察システム）ポッドを胴体下面に装備し、LANTIRNポッドも搭載する。1988年に採用が決まったものの、発注されていない。参考：月刊エアワールド7,’04

　＜ＹＦ−１６／ＣＣＶ＞：CCV研究機。YF-16初号機を改造したもので、エアインテイクに0.7平方メートルの三角形カナード２枚を斜め下向きに付けている。これと方向舵により高度な機動が可能で、当初から備えていた制御増強と静安定性緩和に加え、直接揚力制御、直接横力制御、機動荷重制御が行えるようになった。1974年から設計が始まり、1976年3月から1977年7月まで飛行実験を繰り返した。1976年6月にはエンジン停止でクラッシュしたが、修理して飛行を再開している。参考：F-16ファイティングファルコン、月刊エアワールド7,’04、月刊丸2,’08、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１６ＡＦＴＩ＞：次世代戦闘機技術研究（Advanced Fighter Technology Integration）実験機。YF-16/CCVの飛行結果を元に1978年から開発された。CCV技術を取り入れた機体にデジタルフライトシステムや新型FCSやアビオニクスを統合するもので、F-15改造案に勝って1979年1月に採用された。F-16AのFSD初号機を改造し、デジタルコンピュータと斜めカナード翼（エアインテイク両側）、デジタルフライバイワイヤ、ヘルメットサイト、音声操縦装置を搭載、ACTのうち制御増強と静安定性緩和に加えて直接揚力制御、直接横力制御、機動荷重制御を行えるようにしてあり、６方向独立運動が可能で、その運動を行いながらAMAS（Automated Manoeuver and Attack System）により機体の正面以外の敵をロックオンするなどして正確な射爆撃を実施する。1982年7月10日に初飛行し、飛行領域拡大、AMASテスト、双方向データリンク、地形追随飛行といった試験飛行を1990年代まで繰り返した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、月刊エアワールド7,’04、アメリカ空軍の第一線機、日本の防衛戦力Part8

＜Ｆ−１６海外シリーズ＞

　＜Ｆ−１６ブロック６０（ＵＡＥ空軍）＞：UAE空軍戦闘機、別名F-16Uデザート・ファルコン。F-16E/Fブロック60に該当する機体で、Ｅ型55機とＦ型25機の計80機を導入した。エンジンをF110-GE-132に換装して後部胴体を変更しており、機首上面とエアインテイク左にAN/AAQ-32内蔵式赤外線前方監視ターゲッティングシステムを装備しているのが特徴で、レーダーは前期型がAN/APG-68(V)9、後期型がAN/APG-80である。１号機ロット０は2003年末にロールアウトした。2004年末に量産型のロット１が配備され、2007年に完全運用能力を持つ予定。ファルコンエッジ電子戦システムを装備したロット２は2006年から、ヘルメット装着ディスプレイやデジタル地形回避航法システムを装備したロット３は2007年から配備される予定。2014年1月23日、F-16E/Fの追加導入と、購入済み79機のブロック61へのアップグレードをFMSでアメリカ政府に要請した。ブロック61の改修内容は、GPS/INS近代化、IFFや統合ミッションプランニングシステムの改良などである。参考：月刊航空ファン11,’02、10,’16、月刊軍事研究1,’09、4,’03、JWings1,’24、11,’02、11,’07、5,’14

　＜Ｆ−１６（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍戦闘機。1977年に発注し、当初は1982年に納入される予定だったが、イランで購入する筈だった機体が、石油収入の減少により同国で採用取り消しになったため、前倒しで1980年1月以降ピース・マーブル（Peace Marble）�T計画の名称でイスラエルに渡った。1981年6月のバビロン作戦後一旦禁輸措置が執られたが、すぐ解除され、1981年10月までにF-16A戦闘機67機（103機？）とF-16B戦闘機８機（22機？）を配備している。ニックネームはネッツ（鷹）。ブロック５・10仕様で、後に15仕様に改修された他、一部の機体はレーダーをエルタ2021Bに換装した。ピース・マーブル�U計画でF-16C戦闘機51機とF-16D戦闘機24機を発注したが、レバノン侵攻時で禁輸措置が執られ、11ヶ月後に解除されて1987年に計75機全機の引き渡しを終えた。ニックネームはバラク（雷）。ブロック30で、Ｄ型には胴体背部に追加電子装備を収容した大きなドーサルスパインを追加、コンドル２偵察ポッドを搭載可能である。1991-93年、ラヴィ戦闘機開発中止でピース・マーブル�V計画によりF-16Cブロック40とF-16Dブロック40を30機ずつを導入した。ピース・マーブル�X計画でF-16Iを102機配備した。1981年4月28日にレバノン戦線でシリア空軍Mi-8ヘリをAIM-9で撃墜して初戦果を挙げた。1982年のレバノン侵攻でシリア軍機44機を撃墜したとされる。2006年8月から2013年8月にシリア空軍UAV４機を空対空ミサイルで撃墜した。2016年12月26日、F-16A/Bが退役した。2020年（2021年？）、退役済F-16A/Bのうち29機をカナダのパイロット訓練支援企業トップエイセス社に売却した。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,'24、2,’04、1,’14、3,'22、F-16ファイティングファルコン、月刊航空ファン10,’16、10,’17、月刊丸4,’17

　＜Ｆ−１６Ｉ＞：イスラエル空軍戦闘機、別名スエファ（Sufa、嵐）。F-16Dブロック52の改良型で、主翼付け根左右上部にコンフォーマル・タンク（容量は計2271リットル）が付き、電子戦機器を一新、ドーサルスパイン内部にミッション・アビオニクスやチャフ・フレアディスペンサーを装備する。レーダーはノースロップ・グラマン社製AN/APG-68(V)9（合成開口モード付）、エンジンはプラット＆ホイットニー社製F100-PW-229（推力23.582トン）。SDB、JDAM、ペイブウェイ、スパイス誘導爆弾、デリラ巡航ミサイル、ポパイ２中距離空対地ミサイル、AGM-65空対地ミサイル、AGM-84空対艦ミサイル、AGM-88対レーダーミサイル、AIM-120空対空ミサイル、パイソン３／４／５空対空ミサイル、ダービー空対空ミサイル、ライトニング照準ポッド、偵察ポッドなどを搭載可能。戦闘行動半径は2000km以上あり、イランを攻撃範囲内に収める。Peace Marble�Xの計画名で2008年までに102機を導入し、ハツェリム基地の第107飛行中隊とラモン基地の第25航空団３個飛行中隊に配備した。2018年2月10日、シリア上空で１機が被弾し、イスラエル領内に墜落、乗員２名は脱出したが、１名が重症を負った。参考：月刊JWings1,'24、2,’04、3,’19、月刊軍事研究12,’99、11,’06、月刊航空ファン10,’16

　＜Ｆ−１６（イタリア空軍）＞：イタリア空軍戦闘機。F-2000Aユーロファイターの導入が遅れたため、穴埋めとして2004年からF-16Aブロック10を４機、F-16A（ADF仕様）を30機、F-16Bブロック10を３機、F-16B（ADF仕様）を１機リースした。中身は最新機材に一新されていたらしい。５年間の予定が少し延びて2012年5月に運用を終えている。参考：月刊JWings1,'24、8,’03

＜Ｆ−１６（イラク空軍）＞：イラク空軍戦闘機F-16IQ。2008年にアメリカに対して価格の照会を行い、2011年9月にFMSによりF-16Cブロック52戦闘機12機とF-16Dブロック52戦闘機６機を2340億円（訓練支援費など含む）で導入することが決定し、2013年4月30日には第２バッチとして更にF-16Cブロック52戦闘機16機とF-16Dブロック52戦闘機２機を導入することになった。統合ヘルメット装着式照準システムJHMCS120基、コンフォーマルタンク20セット、エンジン24基、AIM-9L/Mサイドワインダー100発、AIM-7M-F1/Hスパロー150発、AGM-65D/G/H/Kマーベリック50発、GBU-10/Bペイブウェイ�Uレーザー誘導爆弾50発、GBU-12/Bペイブウェイ�Uレーザー誘導爆弾200発、GBU-24/Bペイブウェイ�Vレーザー誘導爆弾50発、AN/AAQ-28ライトニングまたはAN/AAQ-33スナイパーXR目標指示ポッド20基なども合わせて購入する。2014年5月7日、第１バッチ初号機（F-16Dブロック52）が初飛行し、6月6日に引き渡された。9月には配備される予定だったが、治安の関係などでパイロットや整備要員の訓練が十分に行えず、アリゾナ州空軍第162戦闘航空団で養成することになった関係で遅れ、2015年7月13日に最初の４機がイラクのバラド空軍基地に配備された。2018年4月19日、シリアのハジンにあるイスラム国拠点を爆撃し、初実戦参加した。2019年5月3日に最終号機が引き渡され、F-16Cブロック52戦闘機24機とF-16Dブロック52戦闘機12機（F-16Cブロック52プラス28機とF-16Dブロック52プラス８機？）の引き渡しを終了した。この時点で既に訓練中の事故により２機を損耗している。参考：月刊航空ファン10,’16、10,’14、7,’18、8,’19、月刊軍事研究3,’09、1,’14、月刊JWings1,'24、12,’11、11,’12、7,’14、8,’14、10,’15

　＜Ｆ−１６（インド空軍）＞：インド空軍が126機の導入を予定しているMMRCA候補にF-16INスーパー・バイパーとして応募した。レーダーはAN/APG-80を搭載し、コクピットをデジタル化、コンフォーマルタンクを装備しており、兵装1.5トン搭載での無給油戦闘行動半径は1700km以上に及ぶ。また、コンフォーマルタンクによる燃料搭載量増加で、Sta.4/6は中長距離ミッションでも増槽でなく兵装を搭載できるようになった。エンジンを強化する計画もある。結局採用されなかったが、その後再浮上した単発戦闘機導入計画にF-21をアピールするため、2017年6月19日にロッキード・マーチン社がF-16ブロック70をインドのタタ・アドバンスド・システムズ社で製造する協定に合意した。参考：月刊軍事研究1,’09、6,’11、9,’17、月刊JWings1,’12

　＜Ｆ−１６（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍戦闘機。1989-90年、F-16Aブロック15OCU８機とF-16Bブロック15OCU４機を導入した。ドラッグシュートを標準装備し、AGM-65運用能力も持つ。追加発注も行われたが、1996年7月の暴動に対するインドネシア政府の人権無視の対応に関してアメリカ議会が輸出反対の方針を示して沙汰止みになった。2011年、アメリカ空軍中古F-16C/Dブロック25を改修してFMSで24機（F-16C19機、F-16D５機）導入することになり、アメリカ議会に対する承認要請がアメリカ国防総省から11月16日に出された。エンジンをF100-PW-200/-220に換装、レーダー警報や無線機を新型にし、ターゲッティングポッド携行能力を追加してブロック50/52相当にしている。2017年に全機納入された。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings7,’02、2,’18、月刊航空ファン2,’12、4,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｆ−１６（ウクライナ空軍）＞：ウクライナ空軍戦闘機。ウクライナ戦争勃発でウクライナが供与を求め、2024年1月からデンマーク空軍F-16AM/BM戦闘機計19機、2024年前半からオランダ空軍F-16AM戦闘機24機・F-16BM戦闘機18機、2025年からベルギー空軍F-16AM/BM戦闘機が引き渡される事になった。ノルウェー空軍もF-16AM/BM戦闘機数機の供与を決めている。パイロット訓練はアメリカ、イギリス、オランダ、ギリシャ、デンマーク、ノルウェー、フランス、ベルギー、ルーマニア、ルクセンブルクが協力し、2023年8月からデンマーク、10月からアメリカなどで始まった。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６（エジプト空軍）＞：エジプト空軍戦闘機。イスラエルと平和条約を交わした後、ピース・ベクター計画の名称で1980年にA/Bプラス（Ａ型34機、Ｂ型８機）を、1986年にCブロック32を34機とDブロック32を６機、1991年にC/Dブロック40を受領した。更に1994年にはトルコからC/Dブロック42を導入し、1996年と1999年にはC/Dブロック40をアメリカから購入し、総発注数はA/Bプラスが42機、C/Dブロック32が40機、C/Dブロック40及びC/Dブロック42が138機（Ｃ型102機、Ｄ型36機）となった。2009年12月24日、ピース・ベクター（Peace Vector）�Z計画でF-16Cブロック52を16機とF-16Dブロック52を４機発注した。その後の革命で棚上げになっていたが、2013年2月3日に最初の４機、その後更に４機が納入された。エジプトのモルシ政権はアメリカやイスラエルと距離を置いているため、計画を凍結すべきという声があり、更に軍のクーデターで武器禁輸措置が発動されたが、2015年3月に解除され、7月31日に８機、10月29日に４機が納入され、配備を完了した。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊航空ファン4,’10、6,’13、10,’16、月刊JWings11,’15、2,’16

　＜Ｆ−１６（オマーン空軍）＞：オマーン空軍戦闘機。2005年にPeace A’sama A’safiyakei�T計画の名称でC/Dブロック50プラスを12機（Ｃ型８機、Ｄ型４機）導入した。BAEシステムズ社製F-9120AARS空中偵察システムも導入しており、航空偵察任務も可能。2011年、Peace A’sama A’safiyakei�U計画の名称でC/Dブロック50プラスを12機（Ｃ型10機、Ｄ型２機）６億ドルで追加購入する契約を締結し、2014年に納入された。レーダーはAN/APG-68(V)9で、コンフォーマルタンクを装備する。AN/AAQ-33スナイパーXRターゲッティングポッドとDB-110偵察ポッドも発注した。参考：JWings1,'24、11,’02、8,’06、11,’10、3,’12、月刊軍事研究1,’09、月刊航空ファン3,’13、10,’14、10,’16

　＜Ｆ−１６（オランダ空軍）＞：オランダ空軍戦闘機。F-16A/Bブロック１／５／10を導入し、後にブロック15相当に改修すると共にブロック15仕様機も輸入、更に1987年から全機をOCU改修した。1979-90年にF-16Aブロック１を12機、F-16Aブロック５を14機、F-16Aブロック10を20機、F-16Aブロック15を84機、F-16Aブロック15OCUを47機、F-16Bブロック１を６機、F-16Bブロック５を２機、F-16Bブロック10を５機、F-16Bブロック15を18機、F-16Bブロック15OCUを５機の計213機が引き渡されている。1990年代にブロック10/15がMLU改修を受けてF-16AM/BMとなり、更にエンジンをF100-PW-220Eに換装した。ペイブウェイ用にLANTIRNポッドの輸出型であるAN/AAQ-19シャープシューターとGECマルコーニ製アトランティックFLIRポッドを搭載する。F-16(R)偵察機も運用している。F-35Aに後を譲って退役したら12機（＋オプション28機）をドラケン・インターナショナル社に売却する予定。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊航空ファン6,’02、月刊JWings1,'24、9,’21

　＜Ｆ−１６（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。1980年代からF-16Cブロック32を30機とF-16Dブロック32を10機配備した。1994年からサムソン（三星）でF-16C/Dブロック52相当の機体をKF-16C/Dとしてライセンス生産しており、前者を95機（Peace Bridge�U計画で80機、Peace Bridge�V計画で15機）、後者を45機（Peace Bridge�U計画で40機、Peace Bridge�V計画で５機）導入した。2011年から改修を行っており、GBU-31JDAM、AN/ALE-50デコイ、AN/ALQ-165ジャマーなどを装備できるようになった。2013年12月、FMSでBAEシステムズ社によるアップグレードを行う契約を結び、レイセオン社製RACR（レイセオン発展型戦闘レーダー）またはノースロップ・グラマン社製AESAレーダー、リンク16、AN/ALR-69A電子戦システム、HMDを搭載するなどのアビオニクス改良を134機に施すことになり、2014年5月8日にKF-16C/D１機ずつに試改修を行った。ただ総費用12億ドルで済む筈がリスク保証名目で2.8-4.7億ドル（6.8億ドル？）も追加請求されたため、11月5日にキャンセルした。2016年11月21日、134機に対してF-16Vをベースとする改修を行う契約をロッキード・マーチンと締結した。参考：月刊軍事研究1,’01、1,’09、1,’13、4,’15、月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊JWings11,’12、2,’15、2,’17、月刊航空ファン10,’16、1,’15

　＜Ｆ−１６（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍戦闘機。1988年からF-16Cブロック30を34機とDブロック30を６機導入。1993年、Peace Xenia（ピース・ハニア）�U計画の名称でF-16Cブロック50を32機とF-16Dブロック50を８機輸入。2000年6月からのPeace Xenia�VでF-16CGブロック52戦闘機44機とF-16DGブロック52戦闘機16機を導入。2010年1月からのPeace Xenia�WでF-16CGブロック52戦闘機20機（16機？）とF-16DGブロック52戦闘機10機（14機？）を導入した。全機ドラッグシュートを搭載している。2017年、120機をF-16Vにアップグレードすることにし、アメリカから改修器材（AN/APG-83、AN/APX-126、MIDS JTRS、モジュラー・ミッション・コンピュータなど）123機分のFMS輸出許可が下りたが、総額24億ドル以上と高額になったため13億ドル以下に抑えることになり、2018年に改修機数は84機（F-16C/Dブロック52から54機、C/Dブロック52プラスから30機）に減らされた。参考：月刊航空ファン10,’16、1,’18、3,’19、2,’20、月刊エアワールド7,’04、月刊軍事研究1,’09、月刊JWings1,'24、9,’20

　＜Ｆ−１６ＣＧ／ＤＧブロック５２＞：ギリシャ空軍戦闘機、別名F-16C/Dブロック52プラス。2000年6月からのPeace Xenia（ピース・ハニア）�V計画でＣ型44機とＤ型16機、2010年1月からのPeace Xenia�W計画でＣ型20機（16機？）とＤ型10機（14機？）を導入した。ブロック52の胴体上面（主翼付け根部両側）にコンフォーマル燃料タンク（総容量450ガロン・1703リットル。600ガロン・2271リットル？）を搭載し、その中間上面に先進型自機防御統合装置（ASPIS）のフェアリングを装備した。レーダーはAN/APG-68(V)9で、JHMCS運用能力を持つ。複座型は機内スペースが足りなかったため、キャノピー後部から垂直尾翼付け根まで続くドーサルスパイン（ハンプバック）が追加されており、内部にアビオニクスを収容する。空中給油機が無いので、コンフォーマル・タンクに加えて600ガロン（2271リットル）大型増槽を主翼内舷パイロンに１基ずつ吊って航続距離を稼ぐ。Peace Xenia�W導入期はデジタル・ビデオ・レコーダーとリンク16も積んでいる。Peace Xenia�Wでは運用兵装としてAGM-154Cを40発、GBU-31/B改造キット100基、ペイブウェイ�U（BLU-109/BとMk84使用）236発を購入している。参考：月刊航空ファン3,’18、月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,’03、1,'24、F-16ファイティングファルコン、月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６（クロアチア空軍）＞：クロアチア空軍戦闘機。MiG-21後継機として新造F-16、中古F-16C（アメリカ空軍）、中古F-16D（イスラエル空軍）、中古F-16C（ギリシャ空軍）、JAS39が候補に挙がり、2018年3月27日にイスラエル空軍中古F-16C戦闘機（バラク2020仕様）10機＋中古F-16D戦闘機（バラク2020仕様）２機を選定、2020-22年に配備することにした。しかし輸出許可にあたりイスラエル製アビオニクスの撤去を求めたアメリカ側と、それを拒否したイスラエルとの間で交渉が決裂し、アメリカ政府の輸出許可が下りず、2019年1月10日にクロアチア国防相が導入断念を発表、1月11日にクロアチア政府がキャンセルを正式決定している。参考：月刊JWings12,’17、6,’18、4,’19、4,’20、月刊航空ファン6,’18、7,’18、4,’19

　＜Ｆ−１６（シンガポール空軍）＞：シンガポール空軍戦闘機。F-16/79を輸入する予定だったが、F-16A/Bブロック15OCU（Ａ型４機、Ｂ型４機）に切り替えた。機体フレームのみブロック30と同じ強化型を使用している。1998年にはF-16Cブロック42/52とF-16Dブロック42/52（ブロック52プラス？）を導入し、追加発注も行った。ブロック52は広視野型HUD、AN/APG-68(V)5レーダー、AIFFを装備し、Ｄ型はドーサルスパインを大型化して追加の電子機器を収容する。調達数はF-16C-52が22機（Peace Carvin�Uで８機、Peace Carvin�Vで10機など）、F-16D-52が40機（Peace Carvin�Uで10機、Peace Carvin�Vで10機）、F-16D-52プラスが20機（Peace Carvin�W）。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊軍事研究1,’09、月刊航空ファン10,’16、月刊JWings1,'24、9,'20

＜Ｆ−１６（スロバキア空軍）＞：スロバキア空軍戦闘機。MiG-29後継機に提案し、JAS39との競争に勝って2018年にF-16V（F-16ブロック70/72）が採用され、7月に14機の調達を決定した。アメリカ国防安全保障協力局のFMS輸出（F-16V戦闘機14機、エンジン、アビオニクス、AIM-120C-7、AIM-9X、GBU-12/B、GBU-38/B、GBU-49/B、スナイパーなど）承認は2018年4月4日に出されている。参考：月刊航空ファン6,’18、10,’18、月刊JWings9,’20

　＜Ｆ−１６（タイ空軍）＞：タイ空軍戦闘機。1988年と1995年にF-16Aブロック10OCUを１機、F-16Aブロック15OCUを29機、F-16Bブロック15OCUを14機導入した。2000年（2002年？）にはアメリカ州兵航空隊の中古F-16ADF（新型IFF付き。Ａ型15機、Ｂ型１機）を購入している。Ａ型はB.Kh.19、Ｂ型はB.Kh.19Kという名称（Ｂが固定翼Bohの略、Khが戦闘Khohの略）が付けられた。2010年、18機に対して機体寿命延長改修を実施し、2018年まで就役できるようにすることが決定した。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊航空ファン11,’02、月刊JWings1,'24、4,’07、月刊軍事研究9,’10

　＜Ｆ−１６（台湾空軍）＞：台湾空軍戦闘機、制式名は鳳凰。中国との関係で永らくF-16の導入を望みながらも行えないでいたが、フランスからミラージュ2000-5の導入を決めるとアメリカもF-16A/Bブロック20の輸出を1992年に決め、1997年からＡ型120機とＢ型30機が引き渡された。うち12機はAN/ASD-10ATARSポッドの携行が可能である。2006年にはF-16C/D（ブロック52？）66機の導入計画を立てたが、台湾議会の予算が下りないのと、中国を刺激しないため、最終的にオバマ政権下のアメリカが停止している。2011年9月、アメリカが保有145機に対してアップグレードのFMSを承認。最終的に保有全機（2019年現在F-16A戦闘機115機とF-16B戦闘機28機）に対してF-16V仕様への改良（F-16A/Bブロック20V）を行うことになり、AN/APG-83セイバーAESAレーダーやGPSを搭載し、アビオニクスや電子戦装置を換装、ドラッグシュートを追加する改修を2016年後半に開始、2022年までに終わらせる予定である。AN/ALQ-184(V)をAN/ALQ-131A電子戦ポッド42基で更新する予定だが、価格が予想より高かったため、2017年9月現在で12基しか買えていない。2018年10月19日、F-16A/Bブロック20V仕様改修初号機が引き渡された。2019年8月15日（20日？）、トランプ政権下のアメリカがオバマ政権下で停止していたF-16戦闘機の輸出を再考し、国務省がF-16Vブロック70戦闘機66機の輸出を承認した。輸出案件名はピース・フェニックス・ライジング（Peace Phoenix Rising）で、価格はパーツや関連機器を合わせて総額80億ドルになる。2020年11月16日、F-16A戦闘機１機が夜間訓練のため離陸直後に花蓮北沖８マイルで消息不明になった。F-16全機を飛行停止にして点検したが、機体の問題である可能性は低いとして12月2日から段階的に飛行を再開している。2022年1月11日、F-16V戦闘機１機が訓練飛行中に嘉義県沖の台湾海峡に墜落した。F-16全機を飛行停止にして点検を行い、終了した機体から飛行を再開している。2023年3月4日、AIM-120C-8空対空ミサイル、AGM-88B対レーダーミサイル、訓練弾などの輸出をアメリカ政府が承認し、議会に通知した。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings10,’02、7,’02、7,’05、1,’13、6,’14、11,’14、11,’17、11,’19、9,'20、2,'21、4,'22、5,'23、月刊軍事研究5,’07、1,’09、10,’12、7,’14、月刊航空ファン2,’20、2,’15、11,’92、1,’19

　＜Ｆ−１６（チリ空軍）＞：チリ空軍戦闘機。Peace Pumaの名称で、2006年からF-16Cブロック50戦闘機６機とF-16Dブロック50戦闘機４機が引き渡された。レーダーはAN/APG-68(V)XM、エンジンはGE製F110-GE-129で、コンフォーマルタンクを装備できる。イスラエルの手でパイソン４ミサイルの搭載改修も行われており、オフ・ボアサイト能力も持つ。AN/AAQ-28ライトニング目標指示ポッド、AN/ALQ-131、AN/ALQ-184も同時に購入した。また、F-5Eの後継としてオランダから中古F-16AM戦闘機29機とF-16BM戦闘機７機を導入することにし、2006年9月8日に最初の６機が到着した。ただ南極に近いチャブンコ空軍基地に展開させたところ、気象条件が厳しく強風が吹き荒れる関係で機首下面のエアインテイクからFODを吸い込みまくってしまい、こちらにはF-5Eの配備を続けている。参考：月刊JWings8,’05、8,’03、12,’06、月刊軍事研究1,’09、5,’09、月刊航空ファン10,’16、7,’18

　＜Ｆ−１６（デンマーク空軍）＞：デンマーク空軍戦闘機。1980年1月からF-16Aブロック１を３機とBブロック１を２機受領し、1981年8月から配備、後にブロック10仕様に改良した。更にF-16Aブロック５を12機、F-16Aブロック10を15機、F-16Aブロック15を30機、F-16Bブロック５を３機、F-16Bブロック10を４機、F-16Bブロック15を８機追加発注している。導入機数は1980年代前半がF-16A戦闘機46機＋F-16B戦闘機12機、1980年代末から1990年代前半がF-16A戦闘機８機とF-16B戦闘機４機、1990年代後半がF-16A戦闘機６機とF-16B戦闘機１機である。これらは1996年にMLU改修を受けて全機F-16AM/BMと改称された。F-16Aのうち２機にはAN/ASD-11MRP偵察ポッド搭載改修が施されている。後継はF-35になる予定だが、就役までの繋ぎとしてF/A-18E/Fブロック�Uを導入予定。2024年に退役予定だったが、F-35用掩体の建設遅延に伴い2025年前半に延期された。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings8,’06、10,’18、月刊軍事研究2,’09

　＜Ｆ−１６（トルコ空軍）＞：トルコ空軍戦闘機。1996-99年にピース・オニキス（Peace Onyx）�T／�U／�V計画の名称でF-16Cブロック30を34機、Cブロック40を102機、F-16Dブロック30を９機、Dブロック40を15機の計160機、F-16Cブロック50を60機（�Uで34機、�Vで26機）、F-16Dブロック50を20機（�Uで６機、�Vで14機）導入した。全機ドラッグシュートを搭載している。2005年にF-16Cブロック30の29機、F-16Cブロック40の88機、ブロック50の54機、F-16Dブロック30の９機、F-16Dブロック40の14機、ブロック50の19機をブロック50プラス（F-16CM/DM）規格に改修することとなり、AN/APG-68(V)9レーダー搭載、JHMCS装備、リンク16採用、AIFF装備、新型レーダー警報装置搭載など実施、2015年4月10日に完了した。2007年にはピース・オニクス�WでF-16Cブロック50プラス14機とF-16Dブロック50プラス16機を追加発注しており、2011-12年に納入された。後継はF-35Aを計画していたが、ロシアからのS-400地対空ミサイル調達で中止になってしまったため、取り敢えずF-16C/Dブロック30の設計寿命を8000時間から12000時間に延長して繋ぐ。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,'24、8,’05、11,’02、7,’05、8,’11、7,’15、4,'21、月刊軍事研究1,’09、月刊航空ファン10,’16

＜Ｆ−１６（ノルウェー空軍）＞：ノルウェー空軍戦闘機。1980年からF-16Aブロック１を３機、Aブロック５を10機、Aブロック10を15機、Bブロック１を２機、Bブロック５を２機、Bブロック10を３機導入し、後にブロック1/5をブロック10相当に、ブロック10をブロック15相当に改修している。更にAブロック15を32機、Bブロック15を５機、Bブロック15OCU２を２機導入した。冬季に滑走路が凍結するため、垂直尾翼基部に直径6.9mのアービン社製ドラッグシュートを装備した。Sta.3/4/6/7にペンギンMk3対艦ミサイルを搭載可能。半分強の機体がMLU改修を受け、F-16AM/BMとなった。2021年12月3日、ドラケン・インターナショナル社に最大12機を売却する契約を結んだ。2022年1月、F-16戦闘機の運用を終了した。11月4日、退役F-16AM戦闘機32機をルーマニア空軍に売却することになった。ウクライナ戦争勃発を受け、F-16AM/BM戦闘機数機をウクライナに供与する予定。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊航空ファン11,’92、月刊JWings3,’22、1,’23、1,’24

　＜Ｆ−１６（バーレーン空軍）＞：バーレーン空軍戦闘機。F-16Cブロック40を18機とF-16Dブロック40を４機導入した。2017年9月、F-16C/Dブロック40戦闘機20機をF-16V仕様に改修するFMS契約が明らかとなったが、結局改修は行わず、新造F-16V戦闘機19機（16機？）をFMSで導入することが2018年6月22日に判明した。2019年5月3日にはF-16V用としてAIM-120C-7空対空ミサイル32発、AIM-9空対空ミサイル32発、AGM-84L空対艦ミサイル20発、AGM-154空対地ミサイル40発、GBU-38/B誘導爆弾100発、ペイブウェイ誘導爆弾キットなどのFMS輸出許可が下りている。他にAN/AAQ-33スナイパーXR25基やDB-110偵察ポッド６基なども導入する。2023年1月24日、F-16V戦闘機初号機が初飛行した。3月10日、F-16V戦闘機初号機が引き渡された。参考：月刊エアワールド7,’04、JWings1,’24、11,’02、9,'20、4,'23、6,'23、月刊航空ファン9,’18、7,’19、2,’20

　＜Ｆ−１６（パキスタン空軍）＞：パキスタン空軍戦闘機。1982-87年にF-16A/Bブロック15/ブロック15OCU計40機を導入した。アフガニスタン侵攻で領空を侵犯したソ連軍機８機を撃墜している。1988-89年の追加発注分28機は核開発疑惑で1990年10月に輸出が取り消され、ニュージーランドに引き渡される予定だったが1999年に同国の財政難でこれも取り消され、結局アメリカ海軍でアグレッサーとして使用された。2005年3月26日、不朽の自由作戦での協力を背景にF-16C/Dブロック52を24機（Ｃ型12機＋Ｄ型６機？）導入し、保有F-16A/Bブロック15全機にOCU改修を行うこととした。5月12日にはF-16C/Dブロック52の導入機数が55機に増えた。2010年6月26日にF-16C/Dブロック52の最初の３機を受領している。ヨルダン空軍からF-16Aを12機とF-16Bを１機購入しており、2014年4月27日に最初の５機を受領した。機体のアップグレード加減は不詳。全機配備後のF-16の運用数は76機となる。2015年10月、アメリカがブロック52を８機輸出する許可を出した。2016年2月12日、アメリカ政府がF-16Cブロック52を２機、F-16Dブロック52を６機、JHMCSを14基、AN/APG-68(V)9を８基、AN/ALQ-211(V)9を８基、FMSで輸出する許可を出した。もう10機の追加輸入を検討しているらしい。参考：月刊JWings6,’05、8,’05、9,’10、8,’14、5,'16、月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊軍事研究5,’15、8,’16、月刊航空ファン4,’16、10,’17

　＜Ｆ−１６（フィリピン空軍）＞：新型戦闘機12機の導入計画向けに提案しており、2021年6月24日にアメリカ国務省がF-16V単座型10機＋F-16V複座型２機（とエンジン15基、AN/APG-83、AIM-120など）のFMS許可を出した。総額24億3000万ドルで、フィリピンではライバルのJAS39C/Dより高すぎると批判されているらしい。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−１６（ブラジル空軍）＞：F-16BRとしてブロック50プラス相当の機体を提案していたが、F/A-18E/Fスーパーホーネット、JAS39NGグリペンNG、ラファールに負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究1,’09

　＜Ｆ−１６（ブルガリア空軍）＞：ブルガリア空軍戦闘機。2002年に導入を計画したが、手持ちのMiG-29を改修して済ませた。その後老朽化したMiG-21の後継として再度導入が計画されており、ポルトガル空軍の中古F-16AM５機とF-16BM３機を入手すべく価格交渉中だったが、2018年12月にF-16Vに切り換え、2019年6月3日にアメリカからF-16V戦闘機８機、エンジン10基、AIM-9Xなど兵装、シミュレータ、訓練・支援のFMS許可が下りた。ただし価格が16億7000万ドルと予算オーバーで、４億ドル値切りして12億5600万ドルにし、大統領が発動した拒否権を議会で退けて8月に導入を決定している。2020年4月3日、F-16V戦闘機８機（単座型６機＋複座型２機）の製造契約を５億1200万ドルでロッキード・マーチンと締結した。最初の４機は2023年に引き渡される予定。2022年のウクライナ戦争勃発でMiG-29戦闘機の補用部品が入手できなくなったため、F-16V戦闘機８機を追加発注することになり、2022年11月4日に国会で承認された。参考：月刊JWings5,’12、8,’19、6,’20、9,'20、1,'23、月刊航空ファン10,’19

　＜Ｆ−１６（ベネズエラ空軍）＞：ベネズエラ空軍戦闘機。F-16A/Bブロック15OCU（Ａ型18機、Ｂ型６機）で、垂直尾翼基部にドラッグシュートを追加している。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−１６（ベルギー空軍）＞：ベルギー空軍戦闘機。F-16Aブロック１を17機、F-16Aブロック５を８機、F-16Aブロック10を30機、F-16Aブロック15を41機、F-16Aブロック15OCUを40機、Bブロック１を６機、Bブロック５を４機、Bブロック10を２機、Bブロック15を８機、Bブロック15OCUを４機導入した。1983年にローラル社製ラポート�V内蔵ECMを搭載する予定だったが、キャンセルされ、搭載する筈だった尾翼下部の延長部（ドラッグシュート収容部を流用）には電子機材を収容しており、ドラッグシュートは無い。F-16Aブロック1/5/10以外はMLU改修を受けてF-16AM/BMに改称され、風防前方にAIFFアンテナが付いている。また８機がモジュラー偵察ポッド携行を可能としており、F-16A（R）と呼ばれる。2018年、F-16AM/BM用にAN/ALQ-213電子戦管制装置、AN/AAR-60(V)3ミサイル警報、PIDS+チャフ／フレアディスペンサーの導入を決定した。Sta.3/7のパイロン前後端に装着したAN/AAR-60(V)3用センサーで全周の脅威を探知し、AN/ALQ-213で判定、PIDS+からチャフやフレアを射出する。2019年9月19日、F-16BM戦闘機１機がフランスのロリアン近郊で墜落した。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン、月刊航空ファン11,’92、4,’18、月刊JWings1,'24、12,’19

　＜Ｆ−１６（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍戦闘機。Peace sky計画の名称でF-16C/Dブロック52プラスを導入することを2002年に決定した。JHMCSやコンフォーマルタンクを装備しており、DB-110LOROPポッドを搭載して偵察任務もこなす。2006年11月9日に最初の４機が到着し、48機（Ｃ型36機、Ｄ型12機）を導入した。価格は１機7290万ドル。後にAGM-158JASSM、AGM-88E AARGM、SDBの運用能力を得た。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,'24、8,’06、1,’07、9,’10、10,’16、月刊軍事研究1,’09、月刊航空ファン10,’18

　＜Ｆ−１６（ポルトガル空軍）＞：ポルトガル空軍戦闘機。1994年からF-16Aブロック15を21機、F-15Aブロック15OCUを17機、F-15Bブロック15を５機、F-16Bブロック15OCUを３機受領した。ADFと同じHF無線機と識別用スポットライトを装備しており、AIFFは付いていない。21世紀に入り、全機がMLU改修を受けた。F-16AM９機とF-16BM３機をルーマニアに輸出する予定で、2016年9月28日に最初の６機を引き渡した。2019年5月と7月にF-16AM戦闘機１機ずつ、年末にF-16BM戦闘機１機をEDA導入（無償供与のアメリカ軍中古F-16A/Bにポルトガル負担でMLU改修を実施）で追加し、配備数はF-16AM戦闘機26機とF-16BM戦闘機４機になった。参考：月刊JWings1,'24ｍ月刊エアワールド7,’04、月刊軍事研究4,’17、月刊航空ファン8,’19

　＜Ｆ−１６（モロッコ空軍）＞：モロッコ空軍戦闘機。2007年にF-16Cブロック52（ブロック52プラス？）を16機とF-16Dブロック52（ブロック52プラス？）を８機発注した。胴体上面左右にコンフォーマルタンクを装備する。初飛行は前者が2010年10月11日、後者が11月10日である。2011年8月4日に最初の４機が配備されており、2012年までに全機引き渡された。2019年3月25日、既存のF-16C/Dブロック52計23機に対するF-16V仕様改修のFMS許可が下りた。AN/AAQ-33やDB-110偵察ポッドを運用する。新造機25機のFMS輸出許可も下りたが、実際に輸出されるかどうかは不明。参考：月刊航空ファン2,’11、10,’16、6,’19、2,’20、月刊JWings10,’11

　＜Ｆ−１６（ヨルダン空軍）＞：ヨルダン空軍戦闘機。1994年にイスラエルと平和条約を結び、MiG-29導入の動きを見せるとアメリカがピース・ファルコン計画の名称でF-16の供給を決めた。1997年から５年リースでF-16ADF12機とF-16B４機を受領（ピース・ファルコン�T）しており、リース期間は延長されている。対地任務も追加されているらしい。2003年から17機が新たに引き渡された（ピース・ファルコン�U）が、うち12機（Ａ型11機、Ｂ型１機）はそのままトルコに送られてF-16AM/BMに準ずる改修を受けており、機体構造のアップグレードも加えられる予定である。残りの５機はヨルダン空軍がブロック20MLU仕様へのアップグレードを行っている。2006年4月、ベルギー空軍から単座型12機と複座型４機の導入を決定（ピース・ファルコン�V）。また、オランダ空軍から複座型６機の導入を決定（ピース・ファルコン�W）した。ベルギー空軍からは更に９機を導入する（ピース・ファルコン�X）予定である。総導入機数はF-16ADF単座型28機、F-16AM戦闘機31機、F-16ADF複座型５機、F-16BM戦闘機15機で、F-16ADF単座型のうち16機とF-16ADF複座型のうち１機はF-16AM/BMに改修し、旧式化したＡ型12機とＢ型１機は2014年にパキスタンに輸出した。2022年2月3日、アメリカ国防安全保障協力局がF-16Vブロック70戦闘機（単座）12機とF-16Vブロック72戦闘機（複座）４機（と関連機器とJDAM改造キット）のFMS輸出を承認した。6月16日、ロッキード・マーチン社が、ヨルダン政府とアメリカ国防総省がF-16ブロック70戦闘機８機の購入契約を結んだと発表した。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊JWings1,'24、5,’10、7,’02、8,’05、8,’14、4,'22、9,'22、月刊軍事研究8,’09

　＜Ｆ−１６（ルーマニア空軍）＞：ルーマニア空軍戦闘機。MiG-21ランサーの後継兼F-35までの穴埋めとしてＣ型20機とＤ型４機を導入する予定。アビオニクスと電子飛行制御システムはルーマニアのエアロスターとイスラエルのエルビットが開発したものを搭載する。2013年6月12日、MiG-21ランサーの後継として、ピース・カーパシアン計画の名称でポルトガル空軍MLU5.2R改修F-16A/B12機（F-16AM９機、F-16BM３機）を２億5000万ドルで導入すると発表した。同時にAIM-120C7を30発、同キャプティブ訓練弾を５発、AIM-9Mを60発、同キャプティブ訓練弾を４発、LAU-129/Aレールランチャー48基、GBU-12/Bユニット10基、AGM-65H/KBマーベリック18発、同キャプティブ訓練弾４発を４億5700万ドルで購入する。JHMCS、パンテーラ目標指示ポッド、AIM-9X、JDAM、レーザーJDAMも運用可能。2016年9月28日に最初の６機が到着しており、2017年までに12機全機配備する予定で、2019年3月14日に12機を運用する第53戦闘飛行隊がIOCを達成した。３個飛行隊に計48機配備する計画があり、ポーランドやアメリカに中古機売却を打診している。2022年11月4日、ノルウェー空軍退役F-16AM戦闘機32機を購入することになった。参考：月刊JWings7,’10、9,’13、12,’16、7,’19、1,'23、月刊軍事研究3,’14、5,’14、月刊航空ファン6,’19、2,’20

　＜Ｆ−１６ＩＱ＞：F-16（イラク）を参照。

　＜Ｆ−１６Ｕ＞：F-16（UAE）を参照。

　＜Ｆ−２１＞：ロッキード・マーチン社がインド空軍MMRCA向けに提案したF-16Vブロック70改良型。ハンプバック（垂直尾翼付け根の膨らみをコクピット後面まで延長）を設けてアビオニクスを更新し、右コンフォーマルタンク内に引き込み式空中給油受油プローブを追加、計器板は大型タッチパネル式MFD１枚でグラスコクピット化した。AN/ALE-50曳航式デコイを運用できる。MMRCAには採用されなかったが、インドでの国内生産を提案するなど引き続きアピール中。参考：月刊航空ファン2,’20、月刊JWings5,’19、9,'20

　＜ＫＦ−１６＞：F-16（韓国）を参照。

＜Ｆ−１６海外ファミリー＞

　＜Ｆ−１６Ａ（Ｒ）＞：ベルギー空軍偵察機。AN/ASD-11MRPを搭載する。８機が改造された。参考：月刊JWings8,’06

　＜Ｆ−１６（Ｒ）＞：オランダ空軍偵察機。オルフェウス偵察ポッドまたはAN/ASD-10ATARSと同等の偵察システムを搭載している。参考：月刊JWings8,’06

　＜Ｆ−１６（ブラック・ナイツ用）＞：シンガポール空軍アクロバットチームのブラック・ナイツ用。当初はサンダーバーズ用と同じくトリムをフルノーズダウンに設定したが、欧米人とアジア人の体格・筋肉量の違いから操縦桿に力をかけ続けることができず、トリムは通常通りにした。操縦桿中間位置での細かい操作は器用さでカバーする。参考：月刊JWings10,’14

＜Ｆ−１６兵装＞

　＜ＳＥＡＤ＞：Sta.1/9にAIM-120、Sta.2/8にAIM-9、Sta.3/7にAGM-88HARM、Sta.4/6に370ガロン（1401リットル）増槽、Sta.5RにAN/ASQ-213HTSポッド、Sta.5にAN/ALQ-184ECMポッドを搭載する。この機体２機に加え、HTSポッド／HARMの代わりにスナイパーXR／JDAMを積んだ２機が同行し、HARMでレーダーを破壊した後に残存するミサイル車両などを壊滅させる。参考：月刊軍事研究7,’14、月刊JWings3,’11

　＜空対空＞：Sta.1/2/8/9にAIM-120、Sta.3/7にAIM-9、Sta.5に300ガロン（1136リットル）増槽を搭載する。参考：月刊JWings3,’11

　＜空対地＞：Sta.1/9にAIM-120、Sta.2/8にAIM-9、Sta.3にGBU-24ペイブウェイ�V、Sta.7にCBU-103WCMD２発、Sta.4/6に370ガロン（1401リットル）増槽、Sta.5LにAN/AAQ-13、Sta.5RにAN/AAQ-14、Sta.5にAN/ALQ-184ECMポッドを搭載する。参考：月刊JWings3,’11

＜Ｆ１６＞：バングラデシュ海軍江衛�U型フリゲート、ウマル・ファロク（Umer FarroqまたはUmar Farooq）。元は中国海軍江衛�U型フリゲート521嘉興で、2019年12月18日に上海で引き渡し式典が行われた。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜Ｆ１６Ｕ＞：中国軍が1999年に公開したステルス・フリゲート。船体はステルス性が考慮され、RAMも張り付けられている。全長103m、幅10.8m、排水量1600トン。最大速力30ノット。兵装は４連装SSM発射機２基、32セルVLS１基、37mm近距離用対空機関砲２基、730型CIWS１基、OTOメララ製76mm速射砲１基、チャフ発射装置２基。FCSはJY83D類似の対空捜索レーダー１基、ボール型対水上捜索レーダー１基、347G射撃統制レーダー１基。Z9対潜ヘリコプター１機を搭載できる。船体を延長してSSM16基を追加搭載し、対水上艦攻撃艦とすることもできる。主に輸出用とされる。参考：月刊軍事研究4,’00

＜Ｆ１７シリーズ＞：フランス海軍の長魚雷。対水上艦・対潜水艦両用である。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

　＜Ｆ１７＞：水上艦・潜水艦両方から発射可能。全長6m、直径0.55m、重量1410kg、炸薬重量250kg。一酸化銀亜鉛電池による電動モーター推進、雷速35ノット、航走距離18km。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。1973年に就役した。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

　＜Ｆ１７　Ｍｏｄ１＞：潜水艦から発射可能。全長5.9m、直径0.55m、重量1410kg、炸薬重量250kg。一酸化銀亜鉛電池による電動モーター推進、雷速35ノット、航走距離20km。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

　＜Ｆ１７　Ｍｏｄ２＞：水上艦・潜水艦両方から発射可能。全長5.38m、直径0.533m、重量1397kg、炸薬重量250kg。一酸化銀亜鉛電池による電動モーター推進、雷速40ノット、航走距離20km。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。1988年に就役した。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜Ｆ１７Ｐシリーズ＞：フランス海軍の長魚雷。対水上艦・対潜水艦両用である。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜Ｆ１７Ｐ＞：1985年に制式化された。水上艦・潜水艦両方から発射可能。全長5.91m（5.62m？）、直径0.55m、重量1428kg（1300kg？）、弾頭重量250kg。推進は一酸化銀亜鉛電池による電動モーター、雷速35ノット、航走距離18km（30km？）。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜Ｆ１７Ｐ　Ｍｏｄ２＞：潜水艦搭載用の改良型。全長5.62m、直径0.55m、重量1320kg。一酸化銀亜鉛電池による電動モーター推進、雷速35ノット、航走距離30km。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜Ｆ１８＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦ズールー（Zulu）。1938年9月7日竣工。1942年9月、爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ１８＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ１フリゲート、ガラテア（Garatea）。1964年竣工。1980年9月12日、第１戦隊の一員として、旗艦D18アントリムなど駆逐艦２隻、F174アラクテリティなどフリゲート２隻、給油艦２隻、給糧艦１隻と共に、アメリカ海軍横須賀基地に入港。9月13-15日、日英共同演習フジ80に参加。参考：月刊世界の艦船5,’83、朝雲

＜Ｆ−１８Ａ＞：F/A-18A（戦闘攻撃機）を参照。

＜Ｆ−１８Ｂ＞：F/A-18B（戦闘攻撃機）を参照。

＜Ｆ２０＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦ガーカ（Gurkha）。1939年10月21日竣工。1940年4月、爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ−２０＞：インド海軍ゴダヴァリ級フリゲート、ゴダヴァリ（Godavari）。1980年5月進水、1983年12月就役。後に前甲板の57mm連装砲を76mm単装砲に換装した。2015年12月23日に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’11、5,’16

＜Ｆ−２０＞：ノースロップ社の試作軽量戦闘機、別名タイガーシャーク（Tigershark）。F-5Eタイガー�Uの改良型で、F-5Gとして台湾に売り込みを図っていたが、政権がカーターからレーガンに移った時に台湾への禁輸措置が出てしまったのと、他の国には最新兵器を輸出できるようになりF-16シリーズに対抗しなければならなくなっため、更に性能を向上させてアメリカ本土防空・NATO諸国用に売り込みを図り、F-5のイメージを一新すべく初飛行後の1982年11月にF-5GからF-20に名称変更した。基本設計はF-5Eそのままで、エンジンをF404-GE-100に変更、エアインテイクにスプリッター・プレートを付け、主翼付け根のストレーキを拡大し、垂直尾翼付け根にフェアリングを設け、水平尾翼を30%増積した。レーダーはAN/APG-67として機首を太くし、キャノピーも視界の良いものに変更、HUDを搭載してグラスコクピット化し、INSも新型にしている。INSの作動に22秒、エンジンスタートに30秒しかかからないので、当時は世界最速スクランブルが可能だった。全長14.2m、全幅8.13m、全高4.22m、自重5.09トン、最大離陸重量12.474トン。エンジンはF404-GE-100（推力8.165トン）単発、最大速度マッハ２以上、戦闘上昇限度16670m、燃料2563リットル、フェリー航続距離3700km。固定武装は機首上面両側の20mm機関砲１門ずつ。AIM-9サイドワインダー２発を翼端に装備でき、AIM-7や爆弾など最大3.765トンを搭載可能。乗員１名。初飛行は1982年8月30日で、いきなり超音速を記録した。10月13日にはチャック・イェーガーが搭乗している。キャノピーの透明窓を後方に拡大し、頂部も高くして更に視界を改善した２号機は1983年8月26日、２号機と同仕様の３号機は1984年5月に初飛行した。単座型はF-20Aの名称を予定し、複座型F-5H/F-20Bや複座偵察機型RF-20Bも計画していたが、高Ｇ機動によるパイロットのG-LOCで1984年10月10日に水原基地でデモンストレーション中の初号機、1985年5月14日にカナダのグース・ベイ基地でファーンボロ航空ショーに向けたデモンストレーション訓練中の２号機が墜落し、F-16Cより安いだけが取り柄では買う国も無く、1986年11月17日に開発は中止された。３号機はカリフォルニア科学センターに展示されている。参考：月刊航空ファン2,’02、月刊JWings4,'21、3,’16

＜Ｆ−２１＞：F-16海外シリーズ（戦闘機）またはクフィール海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ２１魚雷＞：フランス海軍の潜水艦用長魚雷。F17Mod2の後継で、DCNS社がイタリアのWASS社の協力を得て2008年から開発したが、WASS社が抜けたためアトラス・エレクトロニク社とタレス社に切り替え、ブラックシャーク魚雷をベースに設計した。前方から音響誘導装置、弾頭、エネルギーモジュール、誘導制御部、光ファイバー収容部、電動モーター、尾翼、プロペラと並んでいる。中間誘導は光ファイバー有線式、終末誘導の基本はパッシブ音響で、相手が静粛ならアクティブ音響にし、デコイなどで対抗されたら航跡追尾を使う。浅海目標に発射した際に海底にぶつからないよう、深度計を備える。全長6m、直径0.533m、重量1320kg、弾頭重量250kg（B2211D爆薬）。MU90短魚雷の酸化銀アルミ電池をベースとしたエネルギーモジュールPB50を使用し、電動モーターによる二重反転プロペラ推進、最大雷速50ノット、最大航走距離50km。最大深度500m。誘導は有線（魚雷側50km、艦側10km）＋アクティブ・パッシブ音響誘導＋航跡追尾。2015年に就役し、2016-17年に品質確認発射試験を実施、2019年11月に最初の実運用型が納入された。PB50は高価なため、訓練用魚雷はリチウムイオン電池を使用する。参考：月刊軍事研究9,’10、1,’09、月刊世界の艦船6,'21、1,'15増刊、4,'20、5,’20、11,’17、9,’12増刊、11,’16

＜Ｆ２１＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦パンジャービ（Punjabi）。1939年3月29日竣工。1940年4月13日、ナルヴィク海戦に参加。1942年5月、衝突して沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06、11,’17

＜Ｆ−２１＞：インド海軍ゴダヴァリ級フリゲート、ゴマティ（Gomati）。1988年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ２１＞：ミャンマー海軍053H級江滬型フリゲート、マハー・バンドーラ（Mahar Bandola）。2012年に中国から引き渡された。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜Ｆ２２＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジャッカル（Jackal）。1939年竣工。1942年5月11日に東地中海でドイツ軍機の爆撃を受けて航行不能となり、同日に僚艦のF00ジャービスにより沈められた。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ−２２＞：インド海軍ゴダヴァリ級フリゲート３番艦ガンガ（Ganga）。1985年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’16

＜Ｆ−２２師団砲シリーズ＞：ソ連陸軍多目的牽引砲。1930年にＭ・トハチェフスキー将軍が提唱した万能砲（水平弾道と曲射弾道両方に使用できる）を具体化したものである。1934年から設計され、1935年に試作砲が完成、1936年5月11日に制式化された。初実戦使用は1938年の張鼓峰事件である。生産ペースが遅く、コストも高かったので、ZIS-3に換えられた。独ソ戦開始直前の1941年6月1日には2844門が現役にあり、殆どが前線部隊に配備されていてドイツ国防軍を迎え撃ったが、徹甲弾不足とドイツ国防軍の急進撃の前に力を発揮できず、大部分が破壊されたり放棄されたりしてしまった。参考：月刊PANZER5,’10、11,’02

　＜Ｆ−２２（１９３６年型）＞：51.2口径76.2mm砲で、半自動垂直鎖栓式閉鎖機と駐退復座装置（油圧緩衝器＋油気圧式復座器）を持つ。試作型ではマズルブレーキが付いていたが、発射位置を暴露するという理由で量産型には付けられていない。仰角が75度までとれる上に、初速も速く装甲貫徹力も優秀で、野砲の他に高射砲や対戦車砲としても使用できた。ただし、対空照準具が無いので精度が悪く、仰角60度以上では半自動閉鎖機構が作動不良を起こすので発射速度が遅くなった。また、砲の左に照準具と旋回用ハンドルが、右に俯仰用ハンドルがあるので、砲手が２名必要となり、対戦車戦向きではなかった。車輪はスポークホイールとソリッドタイヤの組み合わせと、サスペンション付きディスクホイールと空気タイヤの組み合わせがある。重量1.62トン。旋回角60度、俯仰角はマイナス５度からプラス75度。使用弾重量6.3kg、初速毎秒690m、最大射程14km。発射速度毎分15発。BR-350A徹甲弾を使用すると装甲貫徹力75mm（射距離500m・弾着角０度）。1940年までに2956門（2932門？）が生産されたが、長砲身の製作精度に問題があり、1939年型に切り替えられた。参考：月刊PANZER5,’10、11,’02

　＜Ｆ−２２（１９３９年型）＞：生産性向上型で、別名F-22USV。口径長を42.1に落とし、砲身上に駐退復座器を追加、Zis-5と同じホイールに換装した。重量1.47トン。旋回角60度、俯仰角はマイナス６度からプラス45度。使用弾重量6.3kg、初速毎秒662m、最大射程13.3km。発射速度毎分15発。1937年から開発され、1939-40年に1150門が生産されたが、大口径師団砲に軸足が移されたため、一旦生産中止となった。独ソ戦勃発で砲が足りなくなると生産が再開され、1942年までに8662門が作られ、ZIS-3の生産に移行した。参考：月刊PANZER5,’10、11,’02

＜Ｆ−２２師団砲・海外シリーズ＞

　＜７６Ｋ３６＞：フィンランド軍のF-22（1936年型）。冬戦争・継続戦争で29門を鹵獲、ドイツからFK296(r)を47門購入して1960年代まで配備した。1990年代まで保管状態に置かれている。参考：月刊PANZER5,’10

　＜７６Ｋ３９＞：フィンランド軍のF-22（1939年型）。９門を鹵獲したが、実戦には使われなかった。参考：月刊PANZER5,’10

　＜ＦＫ２９６（ｒ）＞：FK296(r)を参照。

＜Ｆ−２２戦闘機シリーズ＞：アメリカ空軍ステルス戦闘機、別名ラプター（Raptor、猛禽）。ロッキード・マーチン社製で、キャッチフレーズはエア・ドミナンス・ファイターであり、ステルス性、高い運動性能、超音速巡航能力、統合センサーを特徴とする。1981年に発達型戦術戦闘機ATFという名称でF-15の後継となるステルス制空戦闘機として要求が出され、1986年にYF-23との比較飛行審査が決定、1990年9月29日にYF-22初号機が初飛行し、1991年にYF-23を破り採用が決定した。しかし冷戦終結で予算が減らされたため開発は遅れ、1997年4月9日に原型機がロールアウトしてラプターと命名され、9月7日に初飛行、技術製造開発（EMD）機９機と地上供試機２機が製作されてテストが行われた。当初は対空任務のみを行う予定だったが、1993年に対地任務も要求され、2002年9月17日にF/A-22という名称が決定したものの、海軍式の名称を嫌い、2005年12月13日に再びF-22に戻されている。1999年に低率初期生産を開始。2003年9月、転換訓練部隊の第325戦闘航空団第43戦闘飛行隊が新編された。2004年、フロリダ州ティンダル空軍基地でF-15CとのDACTを実施、104対０で圧勝した。また同じ頃、AWACSに指揮されたF-16C戦闘機４機とF-15E戦闘機２機に対してF-22戦闘機２機で阻止に向かい、相手に何もさせないまま５分で全機撃墜判定を見舞っている。2005年12月15日に第１戦闘航空団第27戦闘飛行隊で初期作戦能力を獲得し、ヴァージニア州ラングレー空軍基地に配備された。2006年5月23日、６機がヴァージニア州からアラスカに展開し、25日までに更に６機が配備された。2006年6月、評価試験を兼ねて参加したノーザン・エッジ演習で、144機を撃墜して被撃墜ゼロという記録を残し、高度65000フィート（19812m）からの対空・対地目標捜索及び攻撃を成功させた。2007年2月17-21日、沖縄の嘉手納基地に12機が配備され、在日米軍、空自、韓国空軍との合同演習を実施した。2007年2月のレッドフラッグ07-2演習ピリオド２では120対１（推定）のスコアで、囮として動き回るアグレッサー部隊に対してAIM-120AMRAAMを撃ち尽くしたF-22が、超低空に潜んでいた別のアグレッサー部隊に奇襲され、AIM-9サイドワインダーによる格闘戦で撃墜判定を受けている。同年のEA-18Gとの目視内戦闘訓練でもAIM-120で撃墜判定を受けた。高々度を超音速巡航するため、周辺大気と機体表面との温度差が大きいようで、EF2000のPIRATE赤外線パッシブ探知装置で遠距離から発見されたこともあるらしい。フライアウェイ・ユニット・コストは2000年が１機あたり３億1740万ドルで、2006年には１機あたり１億3000万ドル、2009年には１機あたり１億4103万ドルとなった。2007年度発注のロット７は１億3770万ドルで、2008年度発注のロット８は改良を全て生産段階で詰め込むために１億4833万ドルとなっていて、最終号機は１億4300万ドルだった。ちなみに開発費などを加算すると、2004年度発注の機体で３億6131億ドル。当初はF-15と同じ数を揃えるとして750機配備するとされたが、価格高騰と冷戦終結後の軍縮で半分の381機に減り、1997年のQDRでは339機になり、開発遅延による費用高騰も加わって1999年に333機、2001年に295機、2003年に276機と年を追うごとに減少、2005年にラムズフェルド国防長官の方針で180機で生産を終えることになり、2006年2月に空軍の要求で４機増やされ、2008年11月にも４機が追加され、2004年12月に事故で墜落した量産準備試験機１機を除いて187機が調達されることになった。このため戦闘飛行隊定数がそれまでの24機から18機（予備機含まず。予備機を入れると20機前後）に減らされた。ちなみに総生産数は技術製造開発試作機のうち準量産型ではない８機を入れて195機となる。空軍は技術製造開発試作機の準量産型３機、量産準備試験機６機などを機数に含めておらず、調達機数は179機としている。当初は2008年までに生産を終了する予定だったが、空軍が調達ペースを落として生産ライン延命に乗り出したため、2011年までに生産を終え、５個航空団８個飛行隊（航空教育訓練軍団第325戦闘航空団第43戦闘飛行隊、航空戦闘軍団第１戦闘航空団第27・第94戦闘飛行隊、太平洋航空軍第３戦闘航空団第90・第525戦闘飛行隊、航空戦闘軍団第49戦闘航空団第７・第８戦闘飛行隊、ハワイ州空軍第154航空団第199戦闘飛行隊）に１個戦闘飛行隊当たり20機ずつ配備されることとなった（他に第411飛行試験飛行隊にも配備）。生産終了後も一応生産ライン再開は可能らしいが、１億5000万ドルの経費と数年間の時間がかかるという。配備開始後に不具合が見つかり、機体番号4010-4083は垂直尾翼強度不足、4017-4107は機体前部のチタン熱処理ミスによる早期金属疲労が指摘され、改修を行う予定だが、前者の修理だけでも１機あたり130万ドルかかる。2010年12月16日にはアルミニウム外皮の腐蝕に関する報告書が出され、継ぎ目や孔を塞いだ機体にRAMを塗っているため機内に湿気が籠もって腐蝕が多発しており、2016年までに２億2800万ドルの補修・改良経費がかかると見積もっている。ソフトウェア開発に時間がかかり、2004年12月20日にデジタル操縦システムが異常を起こして14号機が墜落。2007年2月には嘉手納基地暫定配備にあたり日付変更線を越えたところ、コンピュータに不具合が発生したため、改修が加えられた。機密事項が多く、飛行特性などはデータの75%が機密扱いであり、機体フレームに全システムが統合されているため、輸出するには機密部分の改造が必要になる。更に、技術が陳腐化するのを恐れたアメリカ議会が低率初期生産承認の際に海外に輸出しないという条件を付けており、2006年に下院が禁輸措置撤廃を可決したものの上院で否決され、2009年6月25日に調達継続や輸出を検討する2010会計年度国防権限法案が可決されたが、2011年には生産ラインが閉じられることが決定、F-Xとして採用を検討していた航空自衛隊の導入は不可能となった。2009年3月25日、兵器テスト中にパイロットがG-LOCを起こし、墜落直前に意識を取り戻して緊急脱出したものの、ACES�Uの限界を超えるマッハ1.3での射出となり、パイロットが即死した。2009年11月、UAEのATLC演習で実施された目視内戦闘訓練で、ラファールにより撃墜判定を受けた。2010年11月16日1943頃、通常訓練中にアラスカ州アンカレッジの北100マイル付近で１機が墜落し、脱出できないままマッハ1.1で地上に叩き付けられたパイロットが死亡した。原因はエンジン排気抽出システムがリークを起こして機上酸素発生装置が作動しなくなり、非常用酸素供給装置への手動切り替えが遅れたためとされたが、他機でエンジン排気抽出システムが正常なのに機上酸素発生装置の異常からくるとみられるパイロットの低酸素症が生じていたことが判明、フィルターや抽出システムを精査したものの原因が分からず、高度25000フィート（7620m）以上での飛行が制限された。2010年の任務遂行率は61%で、アメリカ空軍機中最低であり、ステルス性を維持するための整備にコストや時間を取られすぎているらしい。2011年3月18日、合成バイオ燃料で超音速巡航に成功した。5月3日、前年11月の墜落事故の原因とされた機上酸素発生装置の故障が致命的問題点（それまでにパイロットの低酸素症が12件判明した）であるとされ、全機飛行停止措置が執られた。これにより新造機の社内飛行試験も行えなくなってしまい、その後に実施されるステルス塗料の塗布ができず、新造機の空軍への納入が滞っていたが、9月19日（23日？）に漸く飛行停止解除となった。ただ根本的な解決策が取られていないため、緊急着陸に備えて飛行場から一定以上離れないよう制限が課せられており、海外展開が出来なくなってしまった。2011年12月13日に最終号機がロールアウトした。2012年、緊急用酸素供給システムの新型操作ハンドルをコクピット内に設置する改修が施された。レッドフラッグ演習の目視内戦闘訓練で、ドイツ空軍第74戦闘飛行隊ユーロファイターから撃墜判定を受けた。7月24日、パイロットの低酸素症の原因が高々度飛行用コンバットエッジのバルブ不良で生じた胸部の締め付け過ぎによる呼吸困難にあると判明（戦闘機動の際に咳が出るラプター・カフ現象もこれが原因だった）、30分以内に着陸可能な範囲内での飛行制限が解除された。このコンバットエッジはF-15やF-16のパイロットも着用していたが、こちらでは問題は起きておらず、高々度を超音速巡航して高機動飛行を行うF-22で顕在化したとみられる。2012年11月15日1530、フロリダ州ティンダル空軍基地の第325戦闘航空団第43戦闘飛行隊所属機１機（F-22Aブロック10）が基地内に墜落、パイロットは脱出して無事だった。事故原因はコンバットエッジとは関係無いようである。2013年4月4日、コンバットエッジに対する改修が完了。自動バックアップ酸素システム搭載改修も終えた機体に限り、飛行制限が全解除された。2014年9月23日、シリア領内のイスラム国拠点に対する爆撃で初実戦参加した。2017年度国防政策法に追加調達経費を見積もる条項があるが、優先事項が山ほどあるので再生産を始めることはほぼ無く、選挙対策らしい。2017年6月9日にアメリカ空軍が下院軍事委員会に提出した報告書には、194機を再生産するとなると１機あたり２億600-1600万ドルかかると記載され、次世代機を開発した方が早いという結論になった。2018年4月13日、ネバダ州ファロン海軍航空基地で第３航空団所属機が離陸した直後に１番エンジンが止まり、滑走路上に胴体着陸して滑走停止した。パイロットは無事だった。10月10日、ハリケーンでティンダル空軍基地の格納庫が潰れ、17機程度が損傷した模様。10月11日1300頃、通常訓練から帰投した第３航空団所属機が左主脚にトラブルを起こし、エルメンドルフ−リチャードソン統合基地に片脚で緊急着陸した。パイロットは無事だが機体が損傷している。2020年5月15日、エグリン空軍基地で１機が墜落した。2023年、F-22A転換訓練部隊が第325戦闘航空団第43戦闘飛行隊から第１戦闘航空団第71戦闘飛行隊に変更された。参考：月刊JWings4,’07、3,’05、8,’06、6,’09、10,’09、10,’11、12,’11、3,’12、8,’12、10,’12、12,’12、1,’13、6,’13、12,’14、11,’17、8,'20、9,'23、月刊軍事研究4,’07、10,’06、12,’06、5,’07、11,’07、9,’09、7,’11、4,’12、8,’12、5,’14、月刊丸5,’07、月刊航空ファン8,’09、2,’11、3,’11、6,’11、7,’11、9,’11、11,’11、5,’13、7,'16、7,’18、1,’19、月刊航空情報8,’12、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＹＦ−２２＞：試作機。F-15をステルス化して超音速巡航できる推力偏向エンジンを積み、アビオニクスも最新にするというコンセプトで、ステルス化を最優先して全くの新型としたため開発リスクと空中機動性不安を抱えたYF-23に勝利を収めた。実用化にあたっては機体の大型化や細部形状変更など様々な改良を加えている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−２２Ａ＞：機体各部（水平・垂直面前後縁）の角度はそれぞれ全て統一され、レーダーの反射波を斜め４方向に限ることでステルス性を発揮する。突起や孔は塞がれ、外板の継ぎ目は特殊なシリコンカーバイド繊維で覆われていて、2005年11月のアメリカ空軍報告書では、レーダー反射面積は正面で0.0001-0.0002平方メートル（-40dBsm。10mm四方の鉄板1-2枚程度で、昆虫やビー玉並み）しかない。飛行訓練時などステルス性能が要らない場合には航空交通管制の安全性確保も兼ねて胴体ウェポンベイ後方やや左側に円筒形のレーダーリフレクター（RCSエンハンサー）をボルト固定で取り付ける。このレーダーリフレクターは主輪ハブの直径と同じくらいの太さで、長さは太さの２倍くらいであり、F-22AのRCSはそれよりずっと小さい筈だから、これだけでもステルス性能の凄さが分かる。機体の素材はアルミ合金と複合材を主に使用した他、チタン部品も多用した。機体表面にはRAMが塗布されているが、スーパークルーズやマッハ２超の最大速度での飛行に耐え、塗り直しの必要が無い新素材といわれる。ただ塗布できるのはロッキード・マーチン社マリエッタ工場とオグデン航空兵站センターだけなので、部隊で勝手にスペシャルマーキングを入れたりすることはできない。データリンクアンテナ、GPSアンテナ、UHFアンテナなどの収容部位には塗装が施されておらず、その部分だけ光沢が無い。主翼は下反角３度15分、捩り下げ3.1度、前縁後退角48度、後縁前進角17度（内翼）／42度（外翼）、主翼後縁外側にエルロン（作動角は上下25度ずつ）、内側にフラッペロン（作動角は上げ25度・下げ35度）が装備され、前縁にはスラット（通常時は上げ０度・下げ35度のどちらかのみ、オーバートラベル時は上げ２度・下げ37度）が用意されている。水平尾翼は全遊動式で、前縁後退角48度、後縁前進角17度、作動角は上げ35度・下げ25度。垂直尾翼は双垂直尾翼で、外側に28度傾けてあり、前縁後退角と後縁前進角はどちらも22.9度である。垂直安定板後縁の方向舵は、作動角左右30度ずつで、左右を外側に傾けるとスピードブレーキになる。レーダーはAN/APG-77アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、RCS１平方メートルの目標を距離200km以上で探知できるという。もちろん自らレーダー波を発すればステルスの意味が無いので、主翼と胴体にAN/ALR-94パッシブレシーバーシステムのアンテナを30個以上埋め込んで全周をカバー、250海里以内から発せられる敵レーダー波をパッシブ探知して目標捜索に使用する。強力なF119-PW-100エンジン２基により超音速巡航を可能にしており、上昇率を抑えれば離陸上昇中に超音速に達することもできるとされる。また、高々度での機動性確保のため二次元式推力偏向ノズルを搭載しており、上下20度の範囲でジェット噴射方向を偏向でき、大迎え角（風洞実験では迎え角85度で飛行した）時のピッチコントロールや左右逆に動かしてのロールコントロールにも使用できる。ノズルの作動は迎え角に応じてコンピュータ制御で自動的に行われ、パイロットが作動させることはできない。排気ノズルはコンバージェンス・ダイバージェンス機能付きで、排気熱抑制機構も装備し、赤外線輻射を抑制する。排気ノズルやダクトの内部処理が機密となっており、一般公開の際に後方45度以内のアングルからの撮影が制限される。エアインテイクは菱形の固定式、ダクトは内側上方に曲げられており、ファンによる電波反射を防ぐ。両エンジン排気口の間にはアレスティングフックがあり、使用しない時はカバーで覆ってステルス性を損ねないようにしている。計器板はカラー液晶多機能表示装置４基とカラー液晶補助表示装置２基でグラスコクピット化されており、水平方向30度・垂直方向25度の広視野HUDも搭載されていて、全て暗視ゴーグルNVG対応照明である。基本的に機関砲やAIM-9Xによる近接戦闘は行わないため、JHMCSは当初装備しなかった。HUDの下に統合型操作パネル、その両側にアップ・フロント表示装置（３×４インチ・76.2mm×101.6mm液晶モニター。警報、航法、通信、燃料などを表示）があり、普通は左に警報データ、右に飛行計器・燃料データを表示しておく。操作パネルの下が一次多機能表示装置（８×８インチ・203.2mm×203.2mm液晶モニター。飛行航法データ、状況データを表示）、その両側と下が二次多機能表示装置（6.25×6.25インチ・158.8×158.8mm液晶モニター。戦術情報やエンジン状況などを表示）である。右コンソールにはF-16と同様のサイドスティック式操縦桿、左コンソールにスロットルレバーが付いており、20の操作装置により63の機能を操作するHOTASシステムとなっている。座席はACES�U改。パイロットはTLSSフライトスーツを装備する。キャノピーは厚さ9.5mmの電波吸収透明シートをポリカーボネートの上に積層させたフレームレス型で、金色のコーティングも施されており、電波（赤外線含む）がコクピット内部に出入りするのを防ぐ。ただ効果を優先してコーティングが外面に施されているため、超音速巡航による痛みが激しく、整備費用がかさむのが難点である。固定武装はM61A2バルカン砲（480発）で、発射口は機体右上面にあり、トリガーを引くと自動的にドアが開いて発射される。電子戦／自己防御システムとして、AN/ALR-94電子戦サブシステムやAN/ALE-52フレア・ディスペンサー４基（主翼付け根下面に左右２基ずつ）などを搭載する。通信・航法・識別システムとして、飛行間編隊内データリンク（IFDL）、統合戦術情報分配システム（JTIDS）、Mk12IFF、GPS、TACAN、LN-100F慣性航法装置などを装備しており、ブロック3.1アビオニクス・ソフトウェアで統合する。これにより、自ら目標を探知せずとも別のF-22やAWACSなどから目標データを受け取って攻撃することが可能となり、搭載レーダーの電波を逆探知される恐れが少なくなる。飛行制御は３重デジタル・フライ・バイ・ワイヤで、荷重制限はプラス9Gからマイナス3G、自動構造荷重制限機能によりオーバーＧ機動を自動的に防ぐ。機体の各サブシステムは２台の共通統合プロセッサー（CIP）と光ファイバーで連結される。兵装は基本的にウェポンベイに収容して運用するため、ウェポンベイの扉はマッハ２以上で開いても差し支えのない構造となっている。AIM-9M/AIM-9Xを胴体両側面のサイドベイに１発ずつ搭載（LAU-141/Aランチャーを使用）するが、発射の際はまずミサイル先端を外に突き出し、目標をロックオンさせてから15度下方外側に発射する。AIM-120Cは胴体中央のウェポンベイ（LAU-142/Aランチャーを使用）に６発搭載され、機外に毎秒7.6m以上の速度で射出されてからロケットモーターに点火する。AIM-120A/Bでは、装弾数は４発となる。AIM-120Cの他にも1000ポンド級のGBU-32JDAMや、SDBなどを搭載可能（JDAM２発＋AIM-120C２発またはSDB８発＋AIM-120C２発）で、GPS座標入力のためMIL-STD-1760データバスを積んでいる。テストではマッハ1.4で飛行しつつJDAMを投下し、目標に命中させた。SDBならマッハ1.6以上での投下も可能であり、実用上昇限度一杯から高速で投下すれば凄まじい長射程を発揮できる。空対空ミサイルも同様で、高度60000フィート（18288m）以上から超音速で撃ち下ろすことにより、敵が同じミサイルを装備していたとしてもアウトレンジすることが可能。主翼下には最大容量5000ポンド（2.267トン）のハードポイントが片側２カ所ずつあり、ステルス性を犠牲にすればこちらも利用できる。ここにはフェリー用の600ガロン（2271リットル）増槽用パイロン（とBRU-47/Aラック）の装着が可能で、このパイロンには左右にミサイルラックが付いており、AIM-120を最大８発運ぶことが可能である（後部フィンを外す必要があるので、発射はできない）。パイロンのラックをBRU-46/AにすればJDAMの外装も可能。外装投棄はステルス性を考慮してパイロンごと行うこともでき、機体にぶつからないよう後端ピボットにより下向きに垂れ下がる形にしてから切り離す。また、パイロンを切り離した後の主翼下面開口部はアクチュエイテッド・Ｊシール・パネルで塞がれる。チャフ／フレア・ディスペンサーはAN/ALE-52で、サイドベイ後方あたりに収容部があり、射出する時だけドアが開く。空中給油口は胴体中央上面にある。全長18.92m、全幅13.56m、全高5.08m、空虚重量14.366トン、最大総重量27.2トン、最大離陸重量30.164トン／36.3トン（機外兵装搭載時）。翼面積78平方メートル。エンジンはP&W社製F119-PW-100（ミリタリー推力12トン、A/B時推力18トン）双発、巡航速度マッハ1.58、最大速度マッハ1.82（ミリタリー推力）／マッハ2.25（A/B時）、実用上昇限度19812m、機内燃料搭載量9.979トン、航続距離1730海里／3704km（増槽２本）、無給油戦闘行動半径722.3km（1200km？）。固定武装はM61A2バルカン砲１基（480発）。乗員１名。1997年9月7日に初号機が初飛行した。参考：月刊JWings4,’07、3,’05、9,’05、12,’03、7,'15、3,’02、9,’01、12,’06、1,’07、9,’10、4,’11、12,’12、1,’14、10,’17、12,'23、月刊エアワールド7,’04、月刊軍事研究4,’07、2,’04、6,’01、10,’06、5,’07、月刊丸5,’07、月刊航空ファン8,’09、6,’10、5,’11、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ−２２Ａブロック１＞：EMD試験機１・２号機。空軍資材軍団第412試験航空団第411飛行試験隊に配備された。２号機は1998年6月29日に初飛行し、2006年にGF-22A地上整備教材に変更されている。参考：月刊JWings9,’05、3,’05、12,’12、4,’23

　＜Ｆ−２２Ａブロック５＞：ブロック２かも。EMD試験機３号機。空軍資材軍団第412試験航空団第411飛行試験隊に配備された。超音速飛行中のAIM-120A発射に成功している。2004年9月29日、テスト中に随伴するF-16の後流に巻き込まれて操縦不能に陥り、回復には成功したものの、飛行操縦コンピュータのソフトウェアに問題があったため、機体に11.7Gの荷重がかかった。エドワーズ空軍基地に無事着陸したが、機体への影響が大きいと判断され、以降は飛行せず、アメリカ空軍博物館送りになった。参考：月刊JWings9,’05、3,’05、12,’12、月刊軍事研究3,’17

　＜Ｆ−２２Ａブロック１０＞：EMD試験機4-9号機、量産準備試験機、低率初期生産型で、2001-02年度に発注されたロット１及びロット２を含む37機であり、初号機は2000年11月15日に初飛行した。主翼前縁及び水平尾翼前縁後退角が42度になった。空対空戦闘に加え、防空網制圧任務にも使用できるように改良している。GBU-32/B、AGM-88HARM、新型スタンドオフ兵器を搭載でき、無人戦闘航空機UCAVの指揮能力も持つ予定。ただし実戦用の運用飛行プログラムは積んでおらず、訓練用である。生産機は第43戦闘飛行隊（空軍資材軍団第412試験航空団第411飛行試験隊？）に配備され、転換訓練用に用いられた。後にほぼ全機がブロック20仕様に改修されている。2017年、エドワーズ空軍基地で2012年から地上保管されていた６号機をブロック20仕様に改修して配備することが決定し、2018年7月17日に改修後の初飛行を行い、8月27日にエドワーズ空軍基地で再就役式典が挙行された。引き続きエドワーズ空軍基地でF-22合同試験隊の飛行研究機として使用される。参考：月刊軍事研究6,’01、3,’17、5,’07、月刊JWings3,’05、12,’12、11,’17、11,’18、月刊航空ファン12,’18

　＜Ｆ−２２Ａブロック２０＞：第３期低率初期生産型以降の機体で、2003-04年度に発注されたロット３及びロット４の41-83号機にあたり、初号機は2005年5月31日に初飛行した。汎地球攻撃任務部隊基本能力（GSTFベーシック）を付与しており、レーダーをAN/APG-77(V)1に換装してAIM-9M、AIM-120、GBU-32/Bの運用能力を持ち、運用飛行プログラムはインクリメント2.0を導入、マルチロール戦闘機としての任務が実施可能である。2007年からインクリメント3.0/3.1によるGBU-39/B運用能力付与、AN/APG-77(V)1への合成開口レーダーモード追加、音声／データ多機能情報分配システム（２モードMIDS）運用能力付与が順次行われた。大半が第１戦闘航空団に配備され、その後33機が第325戦闘航空団第43戦闘飛行隊に移されて訓練に使用されている。2025年度予算以降でブロック30/35に改修する予定だが、８年間と18億ドルを要するので、さっさと退役させるかもしれない。参考：月刊軍事研究5,’07、3,’17、月刊JWings3,’05、1,’18、6,’22

　＜Ｆ−２２Ａブロック３０＞：2005-07年度に発注されたロット5-7の84-150号機にあたる。GSTFエンハンスド能力を付与したもので、レーダーを情報収集監視偵察機能強化型AN/APG-77(V)1とするなどの改良が施されている。側方監視レーダーアレイと逆合成開口機能を追加しており、SEAD能力が向上した。SATCOMターミナルによるデータリンク機能を持ち、敵地奥深くでも情報共有能力が失われない。2006年11月22日に初号機が初飛行し、2007年8月8日にエレメンドルフ基地に最初の６機が到着、大半が第３戦闘航空団に配備された。参考：月刊軍事研究3,’17、5,’07、月刊航空ファン8,’09、6,’10

　＜Ｆ−２２Ａブロック３５＞：151-191号機で、初号機は2009年8月26日に初飛行した。AIM-120DとAIM-9Xを運用できる。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｆ−２２Ａブロック４０＞：192-195号機で、初号機は2012年3月15日に初飛行し、最終号機は2012年4月24日に引き渡された。GSTFフル／ISRエンハンスド能力を付与したもので、JHMCS運用能力や電子攻撃能力などを追加する。センサーネットワークやデータリンク能力も強化される。ただしインクリメント計画が間に合っておらず、この規格が完成するかは未定である。参考：月刊軍事研究3,’17、5,’07、月刊航空ファン6,’10

　＜Ｆ−２２インクリメント計画＞：F-22運用飛行プログラムの近代化改修計画で、生産段階で間に合わなかった改良を既存機に対して行っていくものである。当初はスパイラル計画と呼ばれていた。フェイズＡ（計画）、Ｂ（設計）、Ｃ（開発）、Ｄ（統合）、Ｅ（評価改修）、Ｆ（実際の改修）の６段階からなる。参考：月刊航空ファン8,’09、月刊軍事研究5,’07

　＜Ｆ−２２インクリメント２＞：ブロック20で導入された改修で、GBU-32/Bを２発搭載し、別々の目標に投下することが可能となった。参考：月刊軍事研究3,’17、5,’07

　＜Ｆ−２２インクリメント３．０＞：GBU-39/Bの運用を可能とする改修。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｆ−２２インクリメント３．１＞：別名EGS（汎地球増強）改修。AN/APG-77(V)1レーダーに向上型中央統合プロセッサーカードやマップ・インターフェースを導入し、電子攻撃能力を追加、GPS/INSや戦術データ移送システムなどを改良したもので、JDAMの再照準が可能となり、統合ミッション計画システムで事前設定された２つの固定目標を攻撃できるようになった。また、AN/APG-77(V)1レーダーの空対地機能をGBU-39/Bの運用に使えるようになり、ウェポンベイにBRU-61/Aスマートランチャー２個を収容、GBU-39を８発搭載して２つの移動目標に対し４発を同時投下することが可能となった。合成開口レーダーモードと戦術データ移送システムによる爆撃損害評価を行うこともできる。2010年度から140機（117機？）に対して改修を予定しており、2011年から配備予定。参考：月刊航空ファン8,’09、11,’15、月刊軍事研究5,’07、月刊JWings7,’12、11,’12、12,’12

　＜Ｆ−２２インクリメント３．２＞：2009年から開発され、2010年から最終設計審査に入る予定のF-22近代化改修計画で、Ａ、Ｂ、Ｃの３段階に分かれる。AIM-120D、AIM-9X、SDBの運用能力を附与し、AN/APG-77(V)1レーダーに電子攻撃能力を追加、自動地上衝突回避装置を装備するものである。任務中の攻撃目標再設定も可能となる。F-35と同じ多機能先進データリンクMADLを搭載してF-35とのデータ共有を図る予定だったが、予算不足で中止になり、代わりにRQ-4Bグローバルホーク無人機搭載フリーダム550通信機などでF-22AのIFDLとF-35のMADLのデータを相互の方式に変換しつつ中継してもらうことになった。新造及び既存の機体に改修が実施され、2014年から配備される予定。参考：月刊軍事研究5,’07、月刊JWings11,’10、12,’12、7,’15、11,’17、月刊航空ファン6,’11

　＜Ｆ−２２インクリメント３．２Ａ＞：2014年に開始されたソフトウェア・アップグレード。AIM-9Xの運用を可能とし、電子戦環境下での生残性と識別能力向上を図るもので、機体センサーとリンク16の統合を進める。位置情報取得能力も強化し、誘導爆弾の命中精度を改善した。HMDは使えないので、AIM-9Xのオフボアサイト運用は制限される。2012年5月17日にAIM-9Xの初試射、7月30日に超音速飛翔中の試射が行われており、無人標的機への発射テストは2015年2月26日と4月29日に行われ、どちらも成功した。参考：月刊JWings1,’14、月刊航空ファン11,’15、月刊軍事研究3,’17

　＜Ｆ−２２インクリメント３．２Ｂ＞：AIM-120Dの運用能力を付与し、編隊内データリンクとECCM能力の強化も行う。2017年春に初期運用評価試験IOT&Eを開始しており、BQM-167Aに対するAIM-9及びAIM-120の発射試験などを行っている。2018年春に終了する予定だが、ソフトウェアに欠陥が発見されており、F-35の開発予算を捻出する必要もあって、更に遅れるかもしれない。参考：月刊JWings6,’13、1,’14、月刊航空ファン10,’14、4,’16、7,’17、月刊軍事研究7,’17

　＜Ｆ−２２インクリメント３．２Ｃ＞：SDB８発で８目標を攻撃できるようにする。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｆ−２２インクリメント４．０＞：ビジョニック社製ヘルメット装着キューイングシステムJHMCSを運用可能とし、AIM-9Xによるオフボアサイト攻撃を行えるようにする。HMDとしてJHMCSではなくF-35用Gen�Vベースの新型を採用するかもしれず、開発はHMDの採用方針が固まってからになる。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜Ｆ−２２Ｂ＞：複座型だが、コスト抑制のために1996年7月10日に開発中止となった。参考：月刊軍事研究6,’01

＜Ｆ−２２ファミリー＞

　＜ＧＦ−２２Ａ＞：地上整備教材。2006年にEMD２号機（F-22Aブロック１）が改造された。2022年初めに退役し、12月9日にティンダル空軍基地からC-5M輸送機でヒル空軍基地に運ばれ、ヒル航空宇宙博物館で展示されている。参考：月刊JWings4,’23

＜Ｆ−２２兵装＞

　＜空対空＞：ウェポンベイにAIM-120C６発またはAIM-120A４発、サイドベイにAIM-9計２発を搭載する。参考：月刊JWings3,’99、月刊エアワールド7,’04

　＜空対地＞：ウェポンベイにJDAM２発とAIM-120C２発を搭載する。JDAMの換わりにSDB８発も可。サイドベイにはAIM-9計２発を収容する。参考：月刊エアワールド7,’04、JWings7,’14、3,’05

　＜フェリー＞：外装式パイロン４箇所に増槽４本と、そのパイロンサイドに空対空ミサイル２発ずつ計８発を搭載する。内側パイロンに増槽１本ずつ、外側パイロンにミサイル２発ずつという搭載も可能。ウェポンベイにもミサイルを積める。参考：月刊エアワールド7,’04、月刊軍事研究4,’07

＜Ｆ２２＞：ベネズエラ海軍ルポ級フリゲート２番艦アルミランテ・ブリオン（Almirante Brion）。2002年に改装を受けた。2020年2月15-16日、ベネズエラ海軍のボリバリアノ・シールド2020演習に参加し、オトマート艦対艦ミサイルを73km先の標的艦に撃ち込んだ。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’20

＜Ｆ−２２Ｐ型＞：江衛�U型フリゲート（パキスタン海軍）を参照。

＜Ｆ２４＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦マオリ（Maori）。1939年1月2日竣工。1942年2月、爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ２６＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦マタビリ（Matabele）。1939年1月25日竣工。1942年1月、触雷して沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ２７哨戒機＞：オランダのフォッカー社が開発した哨戒機（捜索救難機としても使用可能）、別名マリタイム（Maritime）。1976年3月25日に初飛行してテストが開始され、アンゴラ（１機）、ペルー海軍（２機）、スペイン海軍（３機）、フィリピン（３機）、オランダ（２機）、ナイジェリア（４機）、タイ（３機）に採用され、1977年7月末から引き渡された。機体はF27Mk4000輸送機（大元はF27フレンドシップ旅客機）で、内部に捜索／哨戒用装備を搭載し、胴体下にAN/APS-503FまたはAN/APS-504(V)捜索レーダーを装備、ペンデックスRDR-1300気象レーダー、リットンLTN-72慣性航法装置なども搭載した。胴体前部が並列複座のコクピット、その右後ろが無線ラックとワードロープで、更に後ろが休憩用スペース（テーブルと椅子４脚がセットしてある）である。その後ろがカーテンで仕切られた航法士席とTACCO席で、右を向いてコンソールに相対する。更に後方の両舷に監視員席が１つずつ用意されており、バブル窓から目視での監視を行う。席の後方中央にシュートがあり、マーカーなどを投下できる。主翼下にVIPA-1カメラポッドの装備が可能。全長23.56m、全幅29m、全高8.7m、運用自重12.43トン、最大離陸重量20.41トン。エンジンはロールスロイス社製ダートMk532ターボプロップ（2380馬力。2280軸馬力？）双発、標準捜索速度145ノット、巡航速度230ノット、実用上昇限度7070m、燃料搭載量5.87トン＋翼下増槽1.525トン（計9310リットル）、航続距離2400海里（燃料余裕5%＋30分）。乗員６名（操縦士、副操縦士、航法士、レーダー手、観測員２名）。参考：世界の軍用機1982、1979、ザ・マーチ18号、月刊丸3,’90

＜Ｆ２７ファミリー＞

　＜Ｆ２７キングバード＞：早期警戒機型。計画のみ。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｆ２７センチネル＞：スタンドオフ偵察機型。計画のみ。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｆ２７マリタイム・エンフォーサー＞：F27マリタイムの武装型。計画のみ。全長23.56m、全幅29m、全高8.7m、自重13.725トン、運用自重14.568トン、標準離陸重量20.41トン、緊急過荷時離陸重量22.68トン。エンジンはロールスロイス社製ダート552ターボプロップ（2210軸馬力）双発、哨戒速度145-175ノット、超過禁止速度256ノット、実用上昇限度7620m、燃料容量93260リットル、最大航続距離2698海里。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ２７海外シリーズ＞

　＜Ｆ２７−２００ＭＡＲ（タイ海軍）＞：タイ海軍洋上哨戒機。1983-85年に４機を導入した。参考：月刊航空ファン4,’18

＜Ｆ２７海外ファミリー＞

　＜Ｆ２７−４００Ｍ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍中型輸送機、別名Troopship。1971年から第２飛行隊で８機を運用した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊航空ファン2,’19

　＜Ｆ２７−４００Ｍ（タイ海軍）＞：タイ海軍輸送機、別名Troopship。1983-85年に２機を導入した。参考：月刊航空ファン4,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＦＨ−２２７Ｅ（ビルマ空軍）＞：ビルマ空軍輸送機。フェアチャイルド・ヒラーがライセンス生産し、ピードモント航空で使用していたものを、1978年にアメリカから供与されて４機配備した。参考：月刊航空ファン12,’16

＜Ｆ２８＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦カンダハル（Kandahar）。1939年竣工。1941年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ２８＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ2TAフリゲート、クレオパトラ（Cleopatra）。1966年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−２８＞：バングラデシュ海軍ソムドラ・ジョイ級フリゲート１番艦ソムドラ・ジョイ（Somudra Joy）。元は1971年に就役したアメリカ沿岸警備隊ハミルトン級カッターWHEC-725ジャーヴィスで、2013年5月23日に引き渡されて再就役した。2016年2月6日、インド海軍国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船10,’13、5,’16

＜Ｆ．２９／２７＞：イギリス空軍が出した戦闘機仕様。37mmC.O.W砲を55度上向きに装備しており、ヴィッカーズ社とウエストランド社が１機ずつ実機を製作した。参考：月刊丸6,’01

＜Ｆ３１＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦モホーク（Mohawk）。1939年9月7日竣工。1941年4月、イタリア海軍駆逐艦ルカ・タリゴの雷撃で大破し、味方駆逐艦に砲撃処分された。ただ浅海に沈んだため、イタリア海軍に機密文書を奪われている。参考：月刊世界の艦船6,’09、10,’06

＜Ｆ３１＞：インド海軍ブラマプトラ級（初代）フリゲート、ブラマプトラ（Brahmaputra）。1958年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ３１＞：インド海軍ブラマプトラ級（２代目）フリゲート、ブラマプトラ（Brahmaputra）。2000年就役。2012年6月26日、ムンバイ沖で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。2016年8月13日、ムンバイ西方海域でデリー級駆逐艦D60マイソールと共にDD-103ゆうだち、DD-153ゆうぎりと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船10,’12、11,’16、月刊軍事研究1,’11

＜Ｆ３１＞：スペイン海軍デスクビエルタ級コルベット、デスクビエルタ（Descubierta）。1978年竣工。参考：世界の艦船2,’87

＜Ｆ３２＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦ルックアウト（Lookout）。1940年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ３２＞：インド海軍ニルギリ級フリゲート、ヒムギリ（Himgiri）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ３２＞：スペイン海軍デスクビエルタ級コルベットDiana。1979年竣工。参考：世界の艦船2,’87

＜Ｆ−３２＞：ソ連陸軍30.5口径76.2mm戦車砲。L-11の砲身下部に駐退機を設け、初速を向上させたもので、代わりに俯角が取りにくくなった。KV-1などに搭載された。参考：月刊PANZER5,’05

＜Ｆ−３３＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦ソマリ（Somali）。1938年12月12日竣工。1942年9月20日、ソ連への輸送を終えた船団を護衛中にドイツ潜水艦の雷撃を受け、F51アシャンティに曳航されてイギリスに向かったが、9月24日に荒天で被雷部分から船体が真っ二つに折れて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ３３＞：インド海軍ニルギリ級フリゲート、ニルギリ（Nilgiri）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83、月刊軍事研究4,’11

＜Ｆ３３＞：インド海軍シヴァリク�U級フリゲート１番艦ニルギリ（Nilgiri）。2019年9月進水。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜Ｆ３３＞：スペイン海軍デスクビエルタ級コルベット、インファンタ・エレナ（Infanta Elena）。1980年竣工。参考：世界の艦船2,’87、8,’82増刊

＜Ｆ３４＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジャギュア（Jaguar）。1938年竣工。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ３４＞：インド海軍シヴァリク�U級フリゲート２番艦ヒムギリ（Himgiri）。2018年11月10日起工、2020年12月14日進水。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜Ｆ３４＞：スペイン海軍デスクビエルタ級コルベットInfanta Cristina。1980年竣工。参考：世界の艦船2,’87

＜Ｆ−３４＞：ソ連陸軍41.5口径76.2mm戦車砲で、T-34/76（1941年生産型）などに搭載された。装甲貫徹力はBR350A徹甲弾（重量6.3kg。砲口初速毎秒662m）なら88mm（射距離100m）／69mm（500m）／61mm（1000m）／48mm（2000m）。BR350P高速徹甲弾（HVAP、重量3kg。砲口初速毎秒965m。BR354P？）なら92mm（射距離500m）／61mm（1000m）。BR-353A成型炸薬弾（6.94kg）なら全射距離で装甲貫徹力75mm。1941年時点で貫徹困難なのはマチルダ�UとKV-1/2くらいだった。参考：月刊PANZER8,’04、3,’98、月刊グランドパワー11,’04、月刊軍事研究3,’17

＜Ｆ−３５＞：サーブ35/J35海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ３５＞：インド海軍シヴァリク�U級フリゲート３番艦ウダイギリ（Udaygiri）。2020年9月10日起工式実施、2022年5月17日進水。参考：月刊世界の艦船11,’21、8,’22

＜Ｆ３５＞：インド海軍リアンダー級フリゲート３番艦ウーダイギリ（Udaygiri）。1977年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ３５＞：スペイン海軍デスクビエルタ級コルベットCazadora。1981年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｆ−３５シリーズ＞：アメリカ軍のステルス多用途戦闘機、別名ライトニング�U（Lightning�U）。空軍・海軍・海兵隊の使用する機体（F-16、A-10、F/A-18、AV-8B）を１つの基本形を元に纏める統合攻撃戦闘機JSF（Joint Strike Fighter）プログラムに基づき、ロッキード・マーチン社が開発した。絶対的航空優勢を確保するまでは機内兵装のみでVLO機として使用され、確保後は機外兵装を搭載して多種多様な任務をこなす。アメリカの他、SDD作業パートナーとしてイギリス（レベル１。出資金20億ドル）、イタリア（レベル２。出資金10億ドル）、オランダ（レベル２。出資金８億ドル）、オーストラリア（レベル３。出資金1.5億ドル）、カナダ（レベル３。出資金1.5億ドル）、デンマーク（レベル３。出資金1.25億ドル）、トルコ（レベル３。出資金1.75億ドル）、ノルウェー（レベル３。出資金1.25億ドル）、イスラエル（保全協力参加国SCP/Security Cooperation Partner。出資金1.5億ドル）、シンガポール（保全協力参加国SCP。出資金0.5億ドル）が開発資金を提供しており、レベル（提供資金）に応じて開発要求への発言権（レベル１・２）や開発資料アクセス権（レベル３）、FMS優先権（SCP）を持ち、量産時にはレベルに応じた部品発注が受けられる。レベル1-3パートナー向け支援施設はアメリカ空軍第53航空団第53電子戦群に置かれており、F-35用ミッションデータファイル（脅威情報などを纏めたもの）の作成にあたっている。後方支援も世界単位で、機体や整備拠点を世界各地に設け、自律兵站情報システムALIS（Autonomic Logistics Information System）により各パーツ生産国の情報を把握し、自律兵站地球規模支援システムALGS（Autonomic Logistics Global Support）により必要な後方支援を受けることにより、維持経費を節減する。ヨーロッパ向け部品保管・配送拠点はオランダ、アジア向けはオーストラリアに置かれる。アジア太平洋地域の機体整備は三菱重工、エンジン整備はIHI、アビオニクス整備は三菱電機が行う。現場での整備を補助するため、F-35に予兆・状態管理（PHM）システムを備えており、機体を自動的にチェックして問題箇所を洗い出してくれるため、帰投後にPHMのチェックで何事も無ければ、整備員が機体点検を行わずにそのまま再出撃できる。複座型は無く、フル・ミッション・シミュレータで訓練を行った後、単独飛行へと直接移行する。ただ実機でのG-LOC訓練だけは単座機で行う訳にいかないので、F-16Dで教官と共に行う。各国軍初のF-35基幹パイロット達に対するF-35の実機を使用した転換訓練は、アメリカ軍やNATO諸国軍に対してはアメリカ空軍航空教育訓練軍団第56戦闘航空団で行い、相互に機体を交換しての訓練も可能だが、空自を初めとするFMS導入国に対しては防諜上の理由などから空軍予備役軍団第944戦闘航空団で実施し、その国が配備する機体のみを使う。F-35Aの試作型X-35Aは2000年10月24日初飛行、F-35Bの試作型X-35B（2000年11月22日に最後の飛行を終えたX-35Aを改造）は2001年6月23日に初飛行（初垂直離陸）、F-35Cの試作型X-35Cは2000年12月16日に初飛行し、2001年10月26日にX-32を破って採用された。2004年に重量超過が判明し、開発期間が２年延びた。2008年から量産型の小規模生産を行う予定だが、パーツ不足や組み立て手順の混乱などから１年程度の遅れが懸念されている。更に、重量軽減のための機体デザイン変更がエンジンのオーバーヒート問題を引き起こしており、解決には2007年半ば以降までかかる予定。また、アメリカ空軍での年間生産数が最大110機の予定から48機に引き下げられたため、単価の上昇が危惧されており、機体価格5000万ドルの予定がＡ型8000万ドル、B/C型9500万ドルになるともいわれていた。実際の機体単価（エンジン除く）はLRIP5のＡ型１億600万ドル、Ｂ型１億1300万ドル、Ｃ型１億2600万ドル、LRIP6のＡ型１億300万ドル、Ｂ型１億900万ドル、Ｃ型１億2000万ドル、LRIP7のＡ型9800万ドル、Ｂ型１億400万ドル、Ｃ型１億1600万ドル、LRIP8のＡ型9570万ドル、Ｂ型１億180万ドル、Ｃ型１億1560万ドル、LRIP10のＡ型9430万ドル。フライアウェイ・ユニットコストはLRIP10のＡ型が１億988万ドル、LRIP11のＡ型が１億109万ドル。2009年、168回のテスト飛行を行う筈が16回しか実施できなかった。2010年2月18日、アメリカ空軍長官は、F-35Aのこれ以上の計画の遅れと予算超過を防ぐため、開発期間を２年延長して生産計画をスローダウンすると述べた。6月1日に公表されたアメリカ国防総省の試算によると、総開発コストは3820億ドルとなっている。2011年1月6日、アメリカ国防長官がF-35Bの生産配備を２年遅らせて2014年からにすると述べた。2011年末までに59585試験ポイントのうち12728ポイントを終了。2012年9月19日、BAEシステムズ社がF-35A運用寿命8000時間相当の構造耐久試験を終了。2013年1月30日、アメリカ国防総省が要求性能を低下させると発表。維持旋回荷重（F-35Aが5.3Gから4.6G、F-35Bが5.0Gから4.3G、F-35Cが5.1Gから5.0G）とマッハ0.8から1.2への加速時間（F-35Aが８秒延長、F-35Bが16秒延長、F-35Cが43秒延長）の要求が引き下げられた。これにより対空ミサイル回避能力の低下（第３世代戦闘機並み）と超音速加速時の燃料消費増大による悪影響が懸念されたが、旋回荷重制限に関してはソフトウェア改修で解決でき、ブロック3FでF-35A戦闘機9G/F-35B戦闘機7G/F-35C戦闘機7.5Gとなる。2月21日、F-35AF-2のF135エンジン第３段タービンブレードに長さ15mmの亀裂が見つかったため、2月22日から全51機を飛行停止にして点検を実施。テスト時のみ想定される超高温環境での長時間運転が原因であり改修は不要として3月1日から飛行を再開した。2013年9月、コンピュータ・モデリングで主翼付け根リブの強度不足が判明したため、対象22機の換装作業を行った（全機終了は2017年3月になった）。2014年6月23日、エグリン空軍基地で離陸直前のF-35AF-27機体後部から火災が発生。エンジンが火を噴いたもので、パイロットは無事だが、機体はかなり損傷した模様である。現場指揮官が同基地のF-35Aに安全上の飛行停止措置を発令し、F-35B/Cにも波及したが、6月25日からF-35A、6月27日からF-35Bの飛行が再開された。しかし7月3日に空海軍耐空性審査部門が飛行停止と追加検査を発令したため、また飛べなくなっている。7月14日、ロッキード・マーチンが原因はエンジンの圧縮機にある一体型ブレード・ローターが破損してエンジンのホットセクションに飛び込んだためと発表。7月15-17日に全機種の飛行が限定解除（マッハ0.9以下、迎え角18度以下、荷重マイナス1Gからプラス3G）された。7月下旬にはマッハ1.6、荷重プラス3.2Gへと緩和されている。10月14日、エンジン発火の原因が、ステーター部の摩擦で圧縮機３段目のチタン製ローターが過熱、設計時想定温度を900度上回る1900度に達し、クラックが発生して破損したことであると発表された。当然ながら対策を施す予定。2016年9月16日、燃料タンク内を通るアビオニクス冷却用パイプに絶縁不良が発覚した。絶縁材の素材と製法が規定と違っており、絶縁材を製作する複数メーカーのうちの１社による製造ミスらしく、F-35Aの完成済み15機（ノルウェー向け２機含む）と製造中42機（イスラエル、イタリア、空自、ノルウェー向け含む）に修理を行う。9月23日1220（アメリカ東部標準時夏時間）、第56戦闘航空団第61戦闘飛行隊F-35A戦闘機（F-35AF-63）がマウンテンホーム空軍基地を離陸滑走中にテールパイプに燃料が流れ込んで出火した。乗員は緊急脱出し、無傷で救出されている。飛行停止処分は取られず、アメリカ空軍で原因を調査した結果、統合動力パッケージ（のAPU）を使用してエンジンを始動した際、機体後方から強い追い風が吹いていたため統合動力パッケージの排気とエンジン排気が統合動力パッケージ用エアインテイクに逆流し、異常を感知した統合動力パッケージが作動を停止、エンジン圧縮機の回転が低下したが、燃料ポンプには自動停止機構が付いておらず燃料がそのまま流れ込んだため、燃え切らない燃料がテールパイプに流れ出し引火したためと判明した。空軍ではエンジン自体の欠陥ではなく、パイロットへの追い風始動時の注意喚起不足としている。10月7日、燃料タンク内冷却用パイプ不具合の修理を開始。完成済み15機は2016年中に修理を終え、製造中42機は2017年夏に修理を完了して年末までに完成させる予定である。2016年11月、同年7月にオーストラリア国内の防衛関連企業がチャイナ・チョッパーによるサイバー攻撃を受け、30GBのデータを盗まれたことが判明した。機密データは含まれていなかったらしい。12月19日、HMDとMFDの表示輝度が高すぎ、夜間着艦時などにパイロットの目が眩むという欠点が判明した。2018年初め、ブロック3Fソフトウェア初期型による限定的な初期運用試験・評価IOT&Eを開始。2月、アラスカ州アイルソン空軍基地で気温がマイナス30℃になるとバッテリーが機能不全に陥るという報告があり、原因は前脚収納室の扉を開けると冷気が入ってバッテリー用ヒーターの能力を超えてしまうためと判明、ソフトウエア修正とバッテリー用ヒーター改良で解決した。4月11日、システム開発実証SDDフェーズ最終試験が完了した。9月27日、VMFA-211所属F-35Bがアフガニスタンのカンダハルで反政府勢力に対する航空攻撃を行い、アメリカ軍F-35初の実戦参加を記録した。9月28日、ビューフォート基地北西のサウスカロライナ州リトルバーンウェル島付近でVMFAT-501所属F-35Bが訓練飛行中に墜落し、F-35初の事故損失となった。パイロットは脱出して無事で、地上にも被害は無かった。原因としてF135エンジンの燃料管不具合が疑われたため、10月中旬から下旬にかけて全世界で緊急検査を行い、同じメーカーの燃料管を使用しているF-35では交換を実施している（ちなみに空自機は交換機無しで済んだ）。11月、F-35B/Cで高度50000フィート（15240m）を飛行中にアフターバーナーを点火して連続超音速飛行を行うと、水平安定板のステルスコーティングが発泡する、機体構造に熱による悪影響が出る、といった問題が見つかり、LRIPロット８から改良型ステルスコーティングを採用して影響を減らした。ただ完全解決とはいかず、アフターバーナーの使用時間制限（F-35Bはマッハ1.2で80秒、マッハ1.3で40秒。F-35Cはマッハ1.3で50秒。どちらもアフターバーナー使用後３分間はミリタリー推力以下を維持）を設けている。12月6日、アメリカ空軍第31試験評価飛行隊がブロック3F R02ソフトウェア搭載機（アメリカ空軍F-35A戦闘機６機、オランダ空軍F-35A戦闘機２機、アメリカ海兵隊F-35B戦闘機６機、イギリス空軍F-35B戦闘機３機、アメリカ海軍F-35C戦闘機６機）による本格的な初期運用試験・評価IOT&Eを開始。2019年、F-35B/Cで迎え角20度超において制御困難になる場合があるという不具合を、ソフトウェア改良により、カテゴリー１からカテゴリー２に格下げ（F-35Bは7月8日、F-35Cは5月28日）した。完全解決を目指して引き続き改良中。4月21日、UAEのアル・ダフラ基地に海外展開していた第388戦闘航空団第４戦闘飛行隊F-35A戦闘機が初のイラク上空武装パトロール飛行を実施。4月30日、UAEのアル・ダフラ基地に海外展開していたF-35A戦闘機２機がイラクのワディ・アシャイにあるイスラム国トンネル施設などをJDAMで爆撃し、アメリカ空軍F-35A戦闘機による初交戦を記録した。2019年12月から全規模量産FRPに移行する予定だったが、環境シミュレーション試験JSE（Joint Simulation Environment）で問題が発生したため、2020年12月から2021年1月頃に遅れる。2020年3月、新型コロナウイルス感染症の拡大で、イタリアのFACOにロッキード・マーチン社とプラット＆ホイットニー社の現地社員が出勤できず（テレワークは可）、テストパイロットも派遣不能となり、小牧のFACOも１週間の操業停止に追い込まれた。納入遅延などの影響は無い模様。5月19日、第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊所属F-35AF-64戦闘機がエグリン空軍基地への着陸進入時に墜落した。原因はパイロット誘起振動の模様。2021年9月27日、累計納入数700機を達成。12月15日、USAFE-AFAFRICA初のF-35A部隊であるレイクンヒース基地第495戦闘飛行隊に最初の４機が配備された。2022年9月7日、統合型パワーパッケージ（F135ターボファンエンジン）のターボマシン・ポンプ用合金マグネットが中国産のサマリウムとコバルトで作られていたため、一時的にF-35戦闘機納入停止の措置が執られた。12月15日、フォートワース海軍航空基地でアメリカ空軍パイロットによる品質審査飛行を行っていた納入前のF-35BF-148が垂直着陸に入った際、着陸寸前に降下速度が増し滑走路でバウンドしてしまい、次いで前傾姿勢のまま着地したため前脚が折れ、機首と右主翼端を接地させて地上を回転しながらスライドし、パイロットは緊急脱出（怪我無し）、機体は滑走路から逸脱して止まった。これにより領収前試験飛行が中止されてF-35の納入が止まり、原因がエンジントラブルということで12月27日にはF135エンジンも納入停止措置が執られている。原因がエンジンの高周波共鳴による異常振動と判明したため、2023年3月1日にF-35統合計画局がF-35全機のエンジン点検改修を指示（新たな飛行停止措置は執らない）し、3月7日からフォートワースでの飛行試験も再開された。2023年2月7日、BAEシステムズ社が1000セット目の後部胴体をロッキード・マーチン社に納入した。9月17日、VMFAT-501所属F-35B戦闘機１機が墜落した。9月21日、アメリカ空軍運用試験・評価センターが統合シミュレーション環境試験の結果を承認し、F-35戦闘機の初期運用評価試験IOT&Eを完了した。参考：月刊軍事研究11,’03、1,’07、4,’07、2,’08、4,’09、8,’09、9,’09、7,’10、10,’11、9,’14、10,’14、11,’15、6,’18、月刊航空ファン2,’02、5,’13、12,’16、1,’17、12,’17、7,’18、12,’18、7,’19、9,’19、月刊ミリタリーエアクラフト4,’02、月刊JWings7,’15、1,’07、3,’09、5,’10、9,’10、10,’10、11,’10、12,’10、4,’12、4,’13、5,’13、12,’13、4,’14、9,’14、11,’14、1,’15、2,’15、12,’16、1,’17、4,’17、10,’17、11,’17、1,’18、12,’18、1,’19、3,’19、5,’19、6,’19、7,’19、1,’20、5,'20、7,'20、8,'20、1,'21、12,'21、3,'22、12,'22、5,'23、12,'23、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報8,’12

　＜Ｆ−３５Ａ＞：基本型の空軍向け通常離着陸（CTOL）型。外観は小型のF-22といった感じで、主翼と水平尾翼の前縁後退角（33度）と後縁前進角（14度）をそれぞれ同一とし、垂直尾翼は双垂直尾翼で前縁後退角42度、外舷に25度（19度？）傾いている。機体外板はアウターモールド・ライン・コントロールと呼ばれる技法を使用して結合部の段差を最小化（ミクロン単位）すると共に装着を簡易化しており、RAMをコーティングして継ぎ目を埋めてある。RAMは外側からレーダー波反射低減・防水・抗酸化層、レーダー波吸収層、赤外線吸収層の３層構造といわれ、塗り直しは不要。パネルラインにはRAMシールを貼っていたが、2017年末頃からZ13オーバーコートという新型RAMコーティング技術を採用し、シールを省いた。キャノピーの縁や兵器倉ドアの継ぎ目は鋸歯状になっており、エンジン正面は空気取り入れ口ダクトから直接見えないように、ダクト外側が前方に張り出している。ドアの接点部分は鋸歯状でなく単純な直線で、エッジ部分に電線が通っていて妨害電波を出せるらしい。レーダー反射面積は正面で0.0013-0.0015平方メートル（-30dBsm。ゴルフボール並）といわれ、追尾レーダー／射撃指揮レーダーで良く使用されるＸバンド−Ｓバンド帯において大きなステルス性を発揮するように作られている。ただし排気ノズル部分は従来通り円筒型で、アイリス板や機体尾部後縁にセレーション処理を行ってはいるが、真後ろのRCSは結構大きいかもしれない。短い機首に前端寄りのコクピットを配置しているが、これは艦上戦闘機型F-35Cに合わせた設計である。機首側面にエアデータ・センサー用の小穴が開いており、地上では機械式ロック装置付ゴムシールで保護するが、壊れやすく、値段も650ドルと高かったので、2023年に50ドルの磁石付樹脂製カバー（樹脂部分は3Dプリンターで作れる）を製作した。空気取り入れ口はダイバーターレス・スーパーインレットという胴体一体化・非可動の楔形状をしたタイプで、胴体両側面に付けられており、ステルス性と整備性に優れた簡単な機構でマッハ1.6-1.8を出せる。エンジン冷却用空気などを取り入れるエアスクープは主翼付け根下面に開口する。排気ノズルは可変面積式コンバージェント／ダイバージェント・ノズルである。ウェポンベイに空対空兵装を搭載した状態でも同じ速度を出せるので、クリーン状態でないと最大速度マッハ２超を出せない在来型戦闘機に十分対抗できるという。最大旋回荷重は初期ブロックではマッハ0.9で4.6Gと、AMRAAM２発＋JDAM２発外装時のF-16と同じレベルだったが、強力なエンジンと良好な高迎え角特性により、演習では第４世代戦闘機に全く引けを取らない近接戦闘能力を発揮した。ブロック3Fでは作戦状態でも9G機動が可能で、ヨー・レートは毎秒28度、迎え角制限は100度以上あり、コブラ機動が行える。機首にはノースロップ・グラマン社製AN/APG-81アクティブ・フェイズド・アレイレーダー（多機能統合型RFシステム／多機能機首アレイIRFS/MFA）を装備し、電子戦任務も行えるとされる。また、高解像度の画像を乗員に提供し、悪天候でもピンポイント攻撃任務を行えるという。機首左右・上面左、胴体下面中央前後、胴体背部（空中給油受油口前方）にはAN/AAQ-37EO-DAS（電子光学防御支援サブシステム。分配開口赤外線センサーDAIRSとも呼ばれる）のセンサーを配置、全周の監視を行うことで高度の自己防御能力を有する。更に機首下面にはAN/AAQ-40EOTS（電子光学目標捕捉システム）を搭載しており、パッシブ赤外線で目標を捕捉・照準して長距離空対空・空対地目標認識探知、レーザー目標指示／測距を行える。両主翼前縁フラップ３ヵ所ずつと両水平尾翼後縁２ヵ所ずつ（両主翼前縁フラップ３カ所ずつ、両主翼端後縁１カ所ずつ、両水平尾翼内側後縁１カ所ずつ？）にはAN/ASQ-239電子戦／対抗手段装置のエミッター・ロケーティング・センサー（レーダー警戒受信機）が埋め込まれており、レーダー波などを全周監視して相手の位置を特定でき、対レーダーミサイルにデータを送ってロックオンさせることも可能。これらのセンサーから得られた大量の情報が別々に提示されるとパイロットが混乱するため、センサーフュージョン技術で統合してパイロットに分かり易く表示される。ステルス性を損なわないよう、通信アンテナも平面化して機体上下に貼り付けており、音声、データ、インテルサットビジネスサービスなどの見通し線内通信や衛星通信が行える。コクピットは与圧されているが、加圧しすぎて目や副鼻腔に不快感を覚える（負傷するほどでは無い）ことがあるらしく、ロッキード・マーチン社で修正中。主計器板は１つの大型液晶パネル（高さ８インチ・203mm、幅20インチ・508mm）で構成されており、タッチセンサーを採用している。液晶パネルは真ん中で左右に区切られていて、戦術状況表示の際には８×10インチ（203×254mm）の２画面表示で使用するが、更に上段を２つ（５インチ・127mm四方）、下段を４つ（２×2.5インチ・51×64mm）ずつに分けて計12画面構成とすることができ、上段に戦術状況を、下段にシステム情報・飛行諸元・兵装状況などを表示できる。その上には高さ１インチ（25mm）・幅20インチ（508mm）の細長い副計器板があり、各基本システムの情報をモニターする。従来型計器として電子式姿勢指示器のみが残されており、ディスプレイが破損して使えなくなった場合にはバックアップとして使用する。計器板右端には自動回復（Auto Pitch RecoveryまたはAuto Recovery）スイッチが付いていて、赤いカバーを跳ね上げてスイッチを操作すると、自動で水平直進飛行状態に戻してくれる。ただしパイロットが自分で異常に気付いて操作しなければならないため、自動地上衝突回避装置を前倒しで積むことにした。スロットル・レバーは左サイドに、操縦桿は右サイドに付いており、操縦桿はフォース・スティック方式だが、F-16やF-22と違って実際に1.5インチ（38mm）ほど動く。スロットル・レバーは前後９インチ（229mm）動き、アフターバーナー位置など節目にクリックは設けられておらず、サブシステム・モニタリング表示の左にあるエンジン出力計（推力表示用アナログ式円形計器とパーセント推力表示用デジタル数値の組み合わせ。アフターバーナーが作動すると周囲に黄色と黒の斜め線が出る）を見て判断する。HOTASを採用しており、操縦桿とスロットル・レバーにはそれぞれ20個のスイッチが取り付けられている。HUDは無く、RCEVS社製Gen�Vヘルメット装着式表示装置（HMD）を装備する。キャノピーは風防と一体化したタイプ（枠が１本ある）で、前方ヒンジにより風防・キャノピー全体が前に開き、射出座席の交換やコクピット内装の整備が楽である。キャノピーには特殊素材（F-22と違い金は使っていない）によるコーティングが施されており、コクピットでのレーダー波乱反射を防ぐ。座席はマーチン・ベイカー社製US16E射出座席で、射出の際にはキャノピー内部に仕込まれている小型爆砕コードTRS（Transparency Removal System）がキャノピーを砕く。TRSが作動しない場合は射出座席がキャノピーを突き破る。コクピット床下に機上酸素発生装置が収容されており、エンジン圧縮機からの抽気をPTMS（Power Thermal Management System）を通して取り入れ、濃縮した酸素をBRAG（Breathing Regulator and Anti-G）バルブ経由でパイロットに供給（最大供給能力毎分60リットル）する。機上酸素発生装置が停止した場合、射出座席背面の予備酸素供給装置BOS（Backup Oxygen System。要するに酸素ボンベで、容量2408リットル）に切り換えてBRAGバルブ経由で酸素を吸う。主翼は翼面積42.74平方メートル、アスペクト比2.66で、前縁にフラップ、後縁にフラッペロンを持つ。翼スパンはF-35Bの制限に合わせた。飛行システムはパワー・バイ・ワイヤで、主翼前縁フラップは電気アクチュエーター、方向舵は１系統電気油圧アクチュエーター、フラッペロンと水平安定板は二重（デュアル・タンデム）電気油圧アクチュエーターで作動する。方向舵は左右同時に内側に動かすことでスピードブレーキにもなる。水平安定板は全遊動式で、胴体後端がヒンジになっている。ピッチ軸は不安定、ヨー軸は安定で調整されており、ピッチ軸は放っておくと0.25秒ごとに迎え角が倍増していく設計のため、水平安定板のコンピュータ制御により0.125秒間隔で迎え角をコントロールしている。つまり人間がピッチ軸を安定化するのは不可能なので、マニュアル・バックアップは無い。油圧系統は圧力27.58MPaで、降着装置、ウェポンベイ扉、機関砲駆動に使用される。降着装置は前輪式で、前脚は前方に引き込まれる。主脚は主翼付け根にあり、90度捩ってタイヤを上に向け前方に引き込まれる。胴体後部（ウェポンベイ後方）左にAPUや緊急動力装置などを統合した統合動力パッケージIPP（Integrated Power Package）を内蔵しており、胴体左下面のエアインテイク（必要時に蓋が開く）から空気を取り込んで燃料を燃焼させ作動するバーン・モードと、F135エンジンから圧縮空気を抽出して作動するブリード・モードを有する。当然ながらF135エンジンが動いていないとブリード・モードは使えないので、エンジン始動はバーン・モードで行い、IPPの電力でエンジン始動機兼発電機ES/G（Engine Starter / Generator）を始動させて回転をエンジンのタービンに伝え、圧縮機を回して始動させる。IPP用排気口は後部胴体下面左にあり、IPP用エアインテイクの3.5フィート（1.06m）後方に開口していて、エンジン排気口もIPP用エアインテイクから10フィート（3.05m）しか離れていないので、追い風などでIPP用エアインテイクに高温排気が逆流してきたら、センサーが温度上昇を感知して自動的にIPPを停止させる。が、エンジンとは連動していないので、IPPが作動停止してエンジンを始動できない状態にあるにも関わらず、燃料ポンプがエンジン内に燃料を送り続けてしまいF-35AF-63が炎上する事故が起きた。胴体後部下面バルジに緊急用アレスティング・フックが収容されている。固定武装はボーイング／マウザー製27mm機関砲BK27を１門装備する予定だったが、軽量コンパクトの25mm機関砲GAU-22/A（180発）に変更された。装備位置は左主翼付け根上部で、発射時のみ砲口部カバーが内側上方に開く。その際の抗力による機体への影響を自動的に補正する飛行制御プログラムが組まれているが、機体がヨー方向に微妙に動いてしまい、命中率が低下するという欠点が2016年8月に報告されており、改修中。そもそも機関砲軸線がずれているため命中精度が悪いことも判明していて、修正する予定である。更に発射時の振動でバッテリーが不具合を起こしたため、バッテリーを再設計して解決した。ただ機関砲関連不具合解決のための設計変更が影響したのか、LRIPロット９以降で外部モールドラインのコーティングや砲口に近い縦通材にクラックが入るという新たな問題が発生している。HMDの照準シンボルが安定しないという問題もあったが、2018年7月にF-35AF-31/-80でテストして解決を確認した。兵装はステルス重視のミッション（ロッキード・マーチン名称ステルスモード）では胴体内ウェポンベイ（Sta.4/5/7/8）に収納されるが、ステルス性を重視しないミッション（ロッキード・マーチン名称ビーストモード）では主翼下に３カ所（外舷・中舷・内舷にSta.1/2/3/9/10/11）と胴体に１カ所（Sta.6）にパイロンを追加できる。ウェポンベイ用標準兵装は計画時は1000ポンド級誘導爆弾２発＋WVRAAM２発だったが、開発中に2000ポンド級誘導爆弾２発＋BVRAAM２発に強化された。ちなみにGBU-39SDBなら８発＋BVRAAM２発である。Sta.1/11は300ポンド（0.136トン）、2/10は1500ポンド（0.68トン。当初は2500ポンド／1.134トンの予定だったが、重量軽減のため減らされた）、3/9は5000ポンド（2.268トン）、4/8は2500ポンド（1.134トン）、5/7は350ポンド（0.159トン）、６は1000ポンド（0.454トン）の兵装を搭載可能。Sta.5/7はAIM-120専用で、LAU-147/Aレールランチャーが取り付けられており、発射炎で機体を焦がさないよう、ミサイルを機外に出してから発射する。Sta.4/8にはLAU-147/Aレールランチャーの他、空対地パイロンAGPを介してBRU-68/AボムラックやBRU-61/Aエジェクターラック（GBU-39SDB用）を装着できる。Sta.1/11は空対空ミサイル専用で、新型空対空パイロンAAAPを介してLAU-151/Aレールランチャーを取り付けAIM-9Xを積む。Sta.2/3/9/10には空対地パイロンAGPを介してBRU-68/Aボムラックを装着でき、ステルス性を高めたい場合にはパイロンごと投棄が可能。搭載可能兵装は外装のみがAIM-9X、LAU-10/A、LAU-61/A、LAU-68/A、GBU-10/B、GBU-16/B、GBU-24/B、GBU-31/B、CBU-99/B、CBU-100/B、AGM-158、AGM-88、AGM-84ブロックD1ハープーン、AGM-84H、AGM-65、ストームシャドー、425ガロン（1609リットル）増槽、480ガロン（1817リットル）増槽、600ガロン（2271リットル）増槽、MXU-648/Aバゲージポッド、CNU-88バゲージポッドで、内蔵と外装の両方が可能なのがAIM-120、ASRAAM、Mk62クイックストライク、Mk63クイックストライク、Mk82、Mk83、Mk84、GBU-12/B、GBU-32/B、GBU-38/B、GBU-39/B、CBU-87/B、CBU-88/B、CBU-89/B、CBU-103/B、CBU-104/B、CBU-105/B、AGM-114、AGM-154（2019年11月末にウェポンベイからの運用を認可）、JCM、JAGM、ブリムストーン。他にSUU-20/A訓練爆弾、SUU-5003/A訓練ロケット弾ディスペンサー、BDU-57/-59/-60レーザー誘導訓練弾などを装備可能。ステルス性を維持するため空冷用開口部を局限した結果、ウェポンベイに熱が籠もるという欠点があり、離着陸時外気温32.2℃以上、高度5000フィート（1524m）以下・速度500ノット以上、高度5000-15000フィート（1524-4572m）・速度550ノット以上、高度15000-25000フィート（4572-7620m）・速度600ノット以上の場合には10分ごとにドアを開けなければならず、地上での飛行前チェックの際もエンジンを始動したらドアを開けっ放しにしておく必要があり、当座は戦闘時に高度25000フィート（7620m）以上を保つよう戦術を工夫するが、根本解決には液冷装置の強化といった改修を要する。データリンクはリンク16、可変メッセージフォーマット（VMF）、戦術ターゲッティングネットワーク技術／広帯域ネットワーキングウェーブフォーム（TTNT/WNW）、多機能先進データリンクMADL（機首上面右の白色六角形アンテナ）などで、MADLは拡張位置評定（Enhanced Geo Location）という探知目標の位置を把握する機能を備えており、地対空ミサイルの早期対処などにも使用できる。機内燃料は18750ポンド（8.5トン）と、代替するF-16Cの7162ポンド（3.25トン）よりも２倍以上多く、航続距離も長い。機上不活性ガス発生装置OBIGGSを備えており、燃料タンクに窒素を送り込んで燃料の気化による引火を防ぐ。ステルスミッションではAIM-120をウェポンベイにしか積めず、ブロック２までは２発、ブロック３でも４発しか搭載できないので、F-22Aがあるアメリカは別として輸出先で制空戦闘に使うのには心許なく、Sta.4/8にLAU-120/Aランチャーやロッキード・マーチン社ミサイルズ＆ファイア・コントロール部門製サイドキック連装ランチャーを装着して空対空ミサイルを最大６発搭載できるようにする研究が行われており、ブロック５（可能ならブロック４に前倒し）でAIM-120を６発積めるようになる予定。ステルス性を無視すれば、主翼下にAIM-120を８発（Sta.2/3/9/10に二股アダプターを介してLAU-148/Aを２基ずつ装着）とAIM-9Xを２発（Sta.1/11に１発ずつ）追加できる。ただランチャーやパイロンの投棄機構が無く、発射後にこれらがRCS増大を招くため、LAU-151/A及びLAU-152/Aステルスランチャーを開発中。電子戦装置はAN/ASQ-239だが、就役前に旧式化してしまう可能性が出てきたため、LRIP7から強化改良型を採用するらしい。チャフ／フレアディスペンサーも内蔵装備する。空中給油受油装置は胴体背面のAN/AAQ-37EO/DASセンサー後方にあり、フライング・ブーム式で、Ｂ／Ｃ型のプローブ＆ドローグ式に統一して開発費を節約するという案もあったが、給油に時間がかかる、ドローグが機体にぶつかってRAMが剥がれるといった問題から空軍に蹴られた。整備の際に見にくい場所の腐食チェックを行うため、BAEシステムズ社で小型の監視センサーを開発している。胴体下面後部左右と両垂直尾翼前方に角の取れた台形断面の小さいレーダーリフレクターの取り付け部（引き込み式レーダーリフレクター？）があり、ステルスを必要としない訓練やフェリーの際に使用する。F-35Bに搭載される垂直離着陸用リフトファンの収容スペースはＡ型では燃料タンクなどになっていて、ここに発電機を搭載してF135のリフトファン駆動軸に繋げば、レーザー砲を発射したり、大出力ジャマーを運用して電子戦任務に投入したりと応用が利くが、開発費用がかさむので、実際開発に向かうかは不明。レーザー砲は出力300kWのものを積んで対空戦闘・対地攻撃に使う案が出ているが、実用化に数十年掛かる見込みである。設計寿命8000飛行時間だが、テストでは24000飛行時間の想定に耐えた。全長15.67m、全幅10.67m、全高4.39m、空虚重量29300ポンド・13.290トン、最大離陸重量70000ポンド・31.752トン。翼面積42.74平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製F135-PW-100（ドライ推力111.2kN、A/B時推力178kN）単発、最大速度マッハ1.8（クリーン状態）／マッハ1.6（ウェポンベイ内AIM-120空対空ミサイル２発＋2000ポンド爆弾２発）、使用燃料JetA-1、機内燃料搭載量18250ポンド・8.278トン、最大高度15240m、戦闘行動半径590海里・1093km（機内燃料。元の要求は690海里だったがグレードダウンした）、航続距離1200海里／2222km（機内燃料）。荷重制限9G。固定武装は４砲身25mmガトリング砲GAU-22/A（180発）１基。機内兵装搭載量5700ポンド（2.586トン）、最大兵装搭載量18000ポンド・8.165トン。乗員１名。アメリカ空軍が1763機を導入予定。テストでは燃料システムへの延焼を防ぐためのスペースが足りず急降下に制約がある、統合型電源パックが交換寿命2000時間以上という目標に遥かに及ばないといった問題が指摘され、解決中である。2012年2月28日に軍用飛行許可（Military Flight Release）が出され、飛行訓練が開始された。ただ3月に行われた第33戦闘航空団の最初の訓練では、燃料漏れを起こして飛行15分後にエグリン空軍基地に引き返している。2013年にアメリカ空軍に実用配備される予定だったが遅れており、初の実戦飛行隊である第34戦闘飛行隊は2015年7月17日に創設された。アメリカ空軍パイロットの訓練はアリゾナ州ルーク空軍基地の３個飛行隊で行われる。2015年9月14日から11月14日、エドワーズ空軍基地の無響室で電磁波環境試験（電磁波によるアビオニクスへの影響が無いか調査）を実施。2016年2月8-9日、第53航空団F-35Aブロック2A戦闘機６機がマウンテンホーム空軍基地に展開し、F-15E部隊と運用試験評価を行う予定だったが、ソフトウェアに不具合が発生して１機しか飛べなかった。6月3-17日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊F-35Aブロック3i戦闘機７機がマウンテンホーム空軍基地に展開し、第366戦闘航空団F-15E戦闘機と訓練を行い、８対０で勝利したらしい。予定された88ソーティ全てをこなし、GBU-12/Bを16発投下して15発命中させた。8月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊（ブロック3iを12機、パイロット21名、整備員222名）でIOCを獲得した。8月後半のノーザン・ライトニング演習に第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊F-35A戦闘機14機が参加し、138ソーティで仮想敵機110機を撃墜、GBU-12/Bを24発投下した。ある訓練ではブロック1B/2Aの４機編隊がウィスコンシン州兵航空隊第115戦闘航空団第176戦闘飛行隊F-16戦闘機相手に27対０で完勝（本当はそんなにミサイルを積めないが）、その間レーダーや目視などでの存在確認すらさせなかったという。2017年1月20日からのレッドフラッグ17-1演習でキルレシオ20対１を記録した。また、F-35A戦闘機４機が全く敵に捕捉されないまま15分間に地対空脅威５基を破壊した。5月2日から6月8日に第56戦闘航空団所属F-35Aで高度25000フィート（7620m）以上においてパイロットが低酸素症を起こす事態が５件発生したため、6月9日に第56戦闘航空団F-35Aの飛行停止措置が取られた。共通する原因があるかは不明だが、個別対処が可能として6月21日に第56戦闘航空団のみ25000フィート（7620m）の高度制限を掛け飛行を再開している。結局原因不明のままだが、取り敢えず機上酸素発生装置OBOGSの酸素濃度検知センサーなどを改良し、高度変化に応じた適切な酸素供給量を保てるようにすることになり、8月30日に高度制限を解除した。その後も10月下旬までに低酸素症とみられる症状を訴えた事案が５件発生しているが、うちルーク基地で発生した３件は以前の症状より軽症とされている。2018年8月22日、第33戦闘航空団第58戦闘航空隊所属機が飛行中に緊急事態を宣言してエグリン空軍基地に緊急着陸したが、タキシング中に前脚が引き込まれてしまい、機首を誘導路に接触させて動けなくなった。2019年1-2月、レッドフラッグ19-1演習に第388戦闘航空団第４戦闘飛行隊12機が参加し、ミッション・ケイパブル・レート90%以上を達成した。7月、胴体Sta.425隔壁を強化して新兵装（AGM-88Eブロック２ AARGM-ERらしい）を搭載できるようにする技術変更提案ECP（Engineering Change Proposal）を、ロッキード・マーチン社と締結した。7月24日、自動地上衝突回避装置のインテグレーション作業を開始。2020年5月19日、第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊所属機がエグリン空軍基地への着陸進入時に墜落した。6月8日、第388戦闘航空団所属機がヒル空軍基地への着陸時に降着装置が引き込まれる事故が発生した。パイロットは無傷。11月23日、高度10500フィート・3200mを超音速飛行中にウェポンベイからB61Mod12核爆弾の模擬弾を投下する試験に成功したと、サンディア国立研究所が発表した。2021年9月21日、ネバダ州トノパ試験場でB61-12核爆弾投下試験を実施。10月、ヨーロッパ初のF-35A部隊である第48戦闘航空団第495戦闘飛行隊がイギリスのレイクンヒース空軍基地で新編された。2022年4月、ヒル空軍基地で通常整備していた機体で、射出座席用カートリッジの火薬量不足が判明した。緊急で時間遵守技術指令TCTDを発出して点検を進めたが、製造過程が判然とせず、7月29日に未点検のF-35A戦闘機と、同じ射出座席を使用しているT-38C高等練習機（配備機のうち半分くらい）及びT-6A練習機（配備機のうち６分の１くらい）に対する飛行停止処分が出された。ちなみにF-35C戦闘機も同ロットの射出座席を使用する機体があったが、既にＸ線検査済みで影響は出ていない。10月19日、第388戦闘航空団所属機１機がヒル空軍基地北方で墜落した。パイロットは脱出して医療施設に送られている。第388・第419戦闘航空団には10月24日まで飛行停止措置が執られた。参考：月刊軍事研究11,’03、10,’11、5,’14、3,’18、6,’07、7,’10、10,’10、6,’13、6,’15、9,'15、4,’16、月刊JWings12,’15、11,’16、8,’17、10,’17、1,’07、1,’05、9,’05、12,’06、3,’09、9,’10、3,’11、4,’11、7,’12、10,’12、9,’13、2,’14、5,’14、7,’15、2,’16、9,’16、10,’16、11,’16、3,’17、4,'17、5,’17、9,’17、10,’17、11,’17、2,’18、5,’19、7,’19、10,’19、2,’20、8,'20、9,'20、2,'21、12,'21、10,'22、7,'23、月刊航空ファン6,’10、10,’15、9,’16、10,’16、11,’16、9,’17、11,’18、12,’18、1,’19、3,’19、7,'19、月刊世界の艦船8,’17

　＜Ｆ−３５Ｂ＞：海兵隊向け短距離離陸垂直着陸機（STOVL）型で、STOVLシステムとしてロールスロイス社が開発したLiftSystem（登録商標）を搭載している。F/A-18A/CとAV-8Bの後継で、AV-8Bの主任務である強襲揚陸艦・ヘリパッド・応急滑走路から飛び立っての要請15分以内の近接航空支援を引き継ぐのはCTOL方式では不可能なので、開発リスク、価格上昇、性能低下を忍んでSTOVL能力を付与した。LHA、LHD、イギリス海軍CVSで運用でき、LHDのアイランド後方に発着艦を妨げず６機駐機できるというサイズ設定で、翼スパンなどが決定された。ちなみに実際にはLHAとCVSのエレベーターには載らないが、F-35B就役から５年以内に退役するということで良しとされている。VTOL時には排気口を90度下向きにして推力を発生させる他、コクピット直後にエンジン低圧タービン段からシャフトで動力を取り出す２段式リフトファン（直径50インチ・1.27m、駆動力29000馬力）を装備しており、ここからも揚力を得る。更に両主翼付け根下面（主脚収容部の脇辺り）にエンジン抽出空気の吹き出し口（ロールポスト）が付けられていて、機体姿勢制御に使用する。これによりホバリング時のエンジン使用推力を小さくでき（最大推力の60%くらい）、リフトファンからの低温度排気はエンジンに再吸気されてもエンジン効率を低下させず、エンジンからの高温排気をエアインテイク側に流さない働きもある。更に垂直離陸時に内側兵器倉扉も開いて、下向きの空気の流れを横に拡散させないようにできる。よって、VTOL時には背部のリフトファンカバー（後方ヒンジ）、その後ろの補助空気取り入れ口（左右開き）、機体下面のリフトファン排気口（左右開き）、排気ノズル下部（左右開き）、その前の整流板兼用ウェポンベイ内側扉（内開き）、前脚・主脚収納扉、ロールポスト扉（外開き）が一斉に開くことになる。また、フラップは下げ、水平安定板は前上がりの状態（滑走離陸とは逆位置）をとる。エンジン排気管は3BSD（３-Bearing Swivel Module、３ベアリング式回転ダクト）と呼ばれるもので、横から見ると約25度の角度で３分割されており、中央とその他の部分を逆に回転させることにより、ノズルが横を向くことなく2.5秒で真下（最大95度なので、正確には微妙に前方）を向く。これにはヤコブレフ設計局によるYak-141の技術が使用されている。垂直離着陸時に必要な揚力は173.5kNで、実際に発生できる揚力はエンジン80kN/8.172トン（A/Bは使用不可）、リフトファン84kN/9.08トン、ロールポスト16.4kN/1.77トンの合計180.5kNに達する。STOVL時の最大速度は250kmで、この近辺になるとリフトファン上部ドアが激しいバフェッティングを起こし始め、コクピット内に騒音が響き渡るので注意。ちなみに時速30ノットで空中をバックすることが可能である。操縦モードは６種類あり、モード１が通常飛行、モード４（リフトファン作動・排気口下向き）がSTOVLで、他はこれらの中間状態で使用され、各モードはMFD左側パネル上端のモードボタンを押して変更する。モード４では操縦桿により前後左右の機体移動、スロットルレバーにより機体上下（押すと上昇、引くと降下）をコントロールし、ピッチ制御は排気口とリフトファン吸気口のサイズ変更、ヨー制御はノズル推力偏向、ロール制御はロールポスト、前後進はノズル推力偏向とリフトファン吹き出し口角度変更で行う。排気口の角度変更やリフトファンの操作はスロットルレバー操作に合わせて自動的に行われ、VTOL時の各ドア開閉やフラップ・水平安定板の位置取りも全て自動である。モード４での短距離離陸の際はスロットルレバーを押すだけで自動的にリフトファンが作動して排気口の角度も決まり、滑走でスピードが付いたら操縦桿を引けば空中に浮き上がる。母艦が20ノットで前進していれば、スキージャンプ台が無くても132-183mの滑走で発艦できる。スキージャンプ台がある場合、発艦時にピッチ方向の角速度が生じるので、これを探知して飛行制御コンピュータが自動的にスキージャンプ台に合わせた発艦モードに切り替えてくれる。垂直着艦の際は、スロットルレバーを引くと高度データとの比較でホバリングに入るタイミングが自動決定される。ホバリングに入っても通常飛行時と操作は同じで、操縦桿を前に倒すと機体下降、引くと上昇、左に動かすと左移動、右だと右移動、スロットルレバーを押せば前進速度増、絞れば減速となる。前後左右の位置を決めてラダーペダルで機首方位を定め、強襲揚陸艦に着艦するなら艦の左後方から進入して着艦スポットの真横から右に機体をスライドさせ着艦スポット上空に到達、着艦する。接地面は速度マッハ１・温度927℃以上の高温高速排気に晒されるので、甲板には高熱対策が必要であり、近くに再出撃兵装を置いておくと誘爆しかねないので注意。強襲揚陸艦の耐熱処理は飛行甲板後部にのみ施されているが、これは費用節減のためと、パイロットが右前にアイランドを見ながら着艦した方が何も無い空中やセンサー越しの飛行甲板を見ているより安心感を得られるためである。スロットルをアイドリング位置にすると、ホバリングモードの飛行制御則では機体が後退する設定になっているため、着艦後にモード変更を忘れてスロットルをアイドリングに戻し機体が勝手にバックする事態が生じないよう、降着装置に仕込まれたマイクロスイッチが作動してモードを自動変更するようにしてある。気温が華氏90℉・摂氏32℃を上回る環境で垂直着陸を行おうとした際、推力不足で着陸に支障を来した事例が１例あり（尾鰭が付きまくってF-35シリーズは気温32℃以上では飛べないというデタラメ話にまで発展した）、エンジン推力制御用ソフトウェア修正で2020年3月に解決した。アレスティングフックは無い。リフトファン関連機構を収納する関係で胴体背部が盛り上がっており、キャノピー形状が変更されて後方視界が悪くなったが、AN/AAQ-37があるので問題無い。固定武装は無く、必要に応じて25mmガトリング砲GAU-22/A収容ガンパックA/A49E-21MGS（装弾数220発）をSta.6に搭載する。STOVL機構のため重量が増大し、その分燃料搭載量を13400ポンド（6.1トン）に減らしているが、それでもF/A-18Cの10800ポンド（4.9トン）、AV-8Bの7915ポンド（3.6トン）よりも多い。機上不活性ガス発生装置OBIGGSはF-35A用から設計を変更している。リフトファン装備のためウェポンベイの容積が減り、Sta.4/8の搭載容量が1500ポンド（0.68トン。1000ポンド？）に減った。ラックも14インチ（355.6mm）ラグ専用のBRU-67/Aボムラックに変更されたため、30インチ（762mm）ラグが必要な2000ポンド級のMk84とAGM-154がウェポンベイに収容できなくなっている。AIM-120用サイドキック連装ランチャーも使用できない。ただ主任務は水陸両用作戦時の近接航空支援なので、ステルス・モードはあまり重要視していないとみられ、副次被害防止用小型精密誘導爆弾を機外に大量搭載するビースト・モードで海岸堡に群がる敵を叩きまくることになる。設計当初はGBU-53/Bも収容できない予定だったが、ラック改修などでA/C型と同数積めるようにした。2019年7月に、Ａ型とＣ型に対して胴体Sta.425隔壁を強化して新兵装（AGM-88Eブロック２ AARGM-ERらしい）を搭載できるようにする技術変更提案ECP（Engineering Change Proposal）がロッキードマーチン社と締結されているが、Ｂ型は対象となっていない。ブリングバック・ペイロードは5000ポンド（2.27トン）。空中給油受油プローブを機首右に引き込み式で装備する。プローブに付いている照明が明るすぎてKC-135の空中給油オペレーターの目が眩むという欠点があり、後に光量を落とす改修が加えられた。空力調整の関係で、垂直尾翼端を0.2m切り詰め、水平尾翼幅を左右計0.201m縮めた。設計寿命8000飛行時間だが、テストでは16000飛行時間の想定に耐えた。全長15.61m、全幅10.67m、全高4.36m、空虚重量32300ポンド・14.651トン、最大離陸重量60000ポンド・27.216トン（31.752トン？）。翼面積42.7平方メートル。エンジンはF135-PW-600（ドライ推力111.2kN・11.34トン、A/B時推力178kN/18.144トン）単発、巡航速度マッハ0.94、最大速度マッハ1.6、最大高度15240m、使用燃料JP-5、機内燃料搭載量13500ポンド・6.124トン、戦闘行動半径450海里・833km（機内燃料）、航続距離900海里・1667km（機内燃料）。荷重制限7G。最大兵装搭載重量15000ポンド・6.804トン。乗員１名。１個MEU/VMM(Rein)に6-8機が配備される。強襲揚陸艦１隻に20機以上搭載して空母代わりにする運用法も研究中。F/A-18、AV-8B、EA-6Bの後継として420機を導入し、強襲揚陸艦７隻に７個海兵戦闘攻撃飛行隊（定数16機）、陸上基地に14個飛行隊（定数10機）、３個訓練飛行隊、３個予備役飛行隊が誕生する筈だったが、311機に減らされ、その後340機を経て353機になった。在日米軍では岩国基地に2017年からVMFA-121が配備されており、これがF-35B初の海外展開となる。強襲揚陸艦には2018年から搭載された（LHD-1ワスプとVMFA-121）。イギリス海軍も採用し、開発難航のためF-35Cに切り替えそうになったが、最終的にF-35Bにした。イタリア空軍はF-35Aに変更しているが、イタリア海軍は今のところ導入予定を変えていない。空自も採用を決めた。2011年10月、LHD-1ワスプで開発試験第１フェーズ（DT-�T）を実施。2013年8月、LHD-1ワスプで開発試験第２フェーズ（DT-�U）を実施。2012年11月20日にアメリカ海兵隊実動飛行隊のVMFA-121に配備された。2013年1月16日、エグリン空軍基地で飛行テストを行っていたイギリスF-35Bが通常滑走離陸の際に燃料圧系統に不具合が発生して離陸を中止した。調査の結果、推力偏向ノズルの作動に使用する燃料圧システム（作動油の代わりに燃料を使って油圧系の代わりにする）配管部に問題が見つかったため、1月18日から全F-35Bを飛行停止にして調査したところ、燃料供給制御ラインの取り付けに不適切な部分のある機体が６機見つかり、修正して2月12日（13日？）から飛行を再開した。2015年5月18日から２週間、LHD-1ワスプで運用試験第１フェーズ（OT-�T）を実施。7月31日、実戦飛行隊VMFA-121がブロック2Bで初度作戦能力を達成した。当初は2016年の予定だったので、前倒しでの達成となる。2016年9月13日、VMX-1所属機でNIFC-CAのテストを実施。目標データをホワイトサンズ射場イージスシステム陸上試験施設LLS-1デザート・シップのイージスシステム・ベースライン9C1に送り、スタンダードSM-6で撃墜した。10月27日、VMFAT-501所属機がビューフォート航空基地を離陸し訓練飛行を行っていたところ、ウェポンベイから火災が発生した。基地に着陸して乗員は無事だったが、事故規模はクラスＡミシャプに分類されている。12月19日、事故原因は電気配線固定用ブラケットが緩んで被覆が剥がれ電気火花が飛んだ事であると発表された。10月28日からLHA-6アメリカで開発試験第３フェーズ（DT-�V）と運用試験第２フェーズ（OT-�U）を実施。2018年6月、ロールスロイス社元社員で西安航空大学客員教授のブリン・ジョーンズ容疑者がF-35B関連機微情報を盗んで中国に渡そうとした容疑で逮捕された。9月27日、VMFA-211所属F-35BがLHD-2エセックスから発艦してアフガニスタンのカンダハルで反政府勢力に対する航空攻撃を行い、アメリカ軍F-35初の実戦参加を記録した。9月28日、ビューフォート基地北西のサウスカロライナ州リトルバーンウェル島付近でVMFAT-501所属F-35Bが訓練飛行中に墜落し、F-35初の事故損失となった。パイロットは脱出して無事で、地上にも被害は無かった。燃料管の不具合が疑われ、他の機体も検査して不良が疑われた燃料管を交換している。10月30日、リンク16DAC（Digital Air Control）を使用して大型水上艦用戦闘システムSSDSと連接する実証試験を行い、探知目標、任務割り当て、交戦状況、機体状況（残弾数や残燃料）などを共有した。11月、高度50000フィート（15240m）でアフターバーナーを連続使用して超音速飛行すると、水平安定板のステルスコーティングや機体構造に悪影響が出るという問題が見つかったため、LRIPロット８から改良型ステルスコーティングを適用すると共に、アフターバーナー使用時間を80秒間（マッハ1.2）／40秒間（マッハ1.3）に制限、使用後はアフターバーナーを３分間以上切ることになった。2019年1月末、初期量産型の機体寿命が2100飛行時間未満であることが判明し、適宜改修を加えて延命することになった。7月8日、迎え角20度超で制御困難になる場合があるという不具合が、ソフトウェア改良により、カテゴリー１からカテゴリー２に格下げされた。2020年6月26日、訓練部隊のVMFAT-502が新編された。9月29日、ユマ海兵航空基地を離陸してカリフォルニア州上空で空中給油訓練中のVMFA-121所属F-35B戦闘機１機とVMGR-352所属KC-130J空中給油機が接触し、F-35B戦闘機がエルセントロ基地近くに墜落、KC-130JはNo.3及びNo.4エンジンが損傷しプロペラや右増槽も吹き飛んでジャクリーン・コクラン・リージョナル空港近傍の畑に胴体着陸した。乗員は全員無事。2021年2-12月、構造寿命に問題がある機体に対し、レーザー・ショック・ピーニング処理により構造強化を図る改修を、ノースカロライナ州チェリーポイント機体整備施設FRCE（Fleet Readiness Center East）で行った。2022年12月15日、フォートワース海軍航空基地でアメリカ空軍パイロットによる品質審査飛行を行っていた納入前のF-35BF-148が垂直着陸に入った際、着陸寸前に降下速度が増し滑走路でバウンドしてしまい、次いで前傾姿勢のまま着地したため前脚が折れ、機首と右主翼端を接地させて地上を回転しながらスライドし、パイロットは緊急脱出（怪我無し）、機体は滑走路から逸脱して止まった。これにより領収前試験飛行が中止され、12月27日にはF135エンジンも納入停止措置が執られている。エンジン高周波共鳴による燃料配管破損が原因と判明し、飛行を再開した。2023年5月16日、岩国基地のF-35B戦闘機が飛行中に機首左舷側の乗降用ラダー収容部パネルを脱落させる事故を起こした。パネルはそのままエンジンに吸い込まれてしまい、機体は岩国基地に着陸して乗員も無事だったが、被害額が大きくクラスＡミシャップに分類されている。9月17日、VMFAT-501所属F-35B戦闘機１機が墜落した。パイロットは緊急脱出して無事。参考：月刊軍事研究11,’03、8,’17、10,’11、4,’17、6,’07、7,’10、7’11、6,’13、9,’13、9,’14、6,’15、9,’17、月刊航空ファン2,’02、11,’11、3,’13、7,’15、10,’17、1,'19、6,’19、月刊JWings3,'17、7,’17、1,’07、9,’05、3,’09、1,’13、3,’13、4,’13、9,’13、5,’14、11,’16、12,’16、1,’17、3,’17、9,’18、3,’19、5,’19、9,’19、10,’19、7,'20、9,'20、12,'20、7,’21、3,'22、3,'23、8,'23、12,’23、月刊世界の艦船1,’10、8,’17、6,’18、2,’19

　＜Ｆ−３５Ｃ＞：海軍向け艦上機（CV）型。ニミッツ級空母での運用を想定して設計されており、着艦時のタッチダウンポイントから１海里手前・高度600フィート（183m）で艦尾吃水線を含む４度のグライドスロープを視認でき、以降は迎え角4.8度以上での下方視界を確保するという条件を満たしつつ、ステルス性を損なわない形状を取った結果、短小機首の直後に大型キャノピーという配置になった。F-35Aよりも大きな主翼（翼弦長と翼スパンを拡大して翼面積は30%増しの62.1平方メートル）、水平尾翼（翼弦長と翼スパンを拡大して翼面積10%増し）、垂直尾翼（翼端を延長して翼面積10%増し）を装備して着艦時の低速安定性とピッチ制御能力を確保し、主翼外翼部後縁にドループエルロン（１系統電気油圧アクチュエーター駆動）を追加、主翼前縁フラップの内翼部側弦長を伸している。これによりMk7Mod3アレスティングワイヤの着艦速度制限145ノットを下回る130-135ノットでの空母着艦進入が可能となった。主翼は一体化式にして構造簡略化を図る計画もあったが、最終的に外翼部を90度上に畳む折り畳み機構を設けており、全幅をF/A-18Cと同じくらいに短縮できる。機体構造と降着装置も頑丈なものに変更、前輪はダブルタイヤとし、前脚にカタパルト・ランチバーを装着、機体尾部にフェアリングを設けて着艦フックを追加した。着陸・着艦モードとしてA/B型と同じアプローチ・パワー・コンペンセーションAPC（スロットルと迎え角を自動制御、グライドスロープ制御のため操縦桿の反応を増強）とマニュアル（手動スロットル操作）に加え、着艦補助モードとしてロッキード・マーチン製デルタフライトパスDFP（ピッチ軸制御則をピッチレート基準からグライドスロープ基準に変更）を搭載しており、着艦直前18秒間に行う操作を従来の200-300から10前後まで減らしている。洋上運用ということで取り敢えずステルスコーティングの厚さをA/B型の倍にしてあるが、洋上コーティング整備も含めてこれで良いのかは長期実運用次第である。燃料搭載量は19145ポンド（8.68トン）で、F/A-18Cの10800ポンド（4.9トン）、F/A-18E/Fの14700ポンド（6.67トン）より多い。機上不活性ガス発生装置OBIGGSはF-35Aと同じ設計である。固定武装は持たず、必要に応じてMGSガンポッドをセンターラインパイロンに搭載する。兵装ステーションは、左主翼下にSta.1-3、左ウェポンベイにSta.4、左ウェポンベイ扉内側にSta.5、胴体下にSta.6、右ウェポンベイ扉内側にSta.7、右ウェポンベイにSta.8、右主翼下にSta.9-11。搭載能力は、Sta.1/11が300ポンド（0.136トン）、Sta.2/10が1500ポンド（0.68トン）、Sta.3/9が5000ポンド（2.27トン）、Sta.4/8が2500ポンド（1.13トン）、Sta.5/7が350ポンド（0.159トン）、Sta.6が1000ポンド（0.454トン）とF-35Aと変わらず、使用兵装もF-35Aと同じ。Sta.2-4/8-10にはBRU-68/Aボムラックまたは同ボムラック内蔵パイロンを使う。ステルス・ミッションではウェポンベイのみを使用し、Sta.4/8に2000ポンド級爆弾、Sta.5/7にAMRAAM１発ずつを搭載する。非ステルス・ミッション（ビースト・モード）では、兵装ステーションをフルに利用して18000ポンド以上（8.16トン。17000ポンド・7.71トン？）の搭載量一杯まで兵装を積める。ブリングバック・ペイロードは10000ポンド（4.54トン）。空戦訓練などもステルス形態で行えるよう、キュービック社がP5空戦機動計測ポッドの内蔵着脱型を制作中。空中給油受油装置はF-35Bと同じプローブ＆ドローグ式で、プローブは機首右に引き込み式に装備する。こちらもプローブのライトが眩しすぎるという欠点があり、F-35Bと同様の改修を行った。エンジンが強力なため、空母のジェットブラストデフレクターや整備施設を強化せねばならず、エンジンの運搬もCH-53かCMV-22を使う必要がある。設計寿命8000飛行時間だが、テストでは16000飛行時間の想定に耐えた。全長15.7m、全幅13.11m／9.47m（主翼折り畳み時）、全高4.48m、空虚重量15.785トン、通常離陸重量25.89トン、最大離陸重量31.752トン。翼面積62.1平方メートル。エンジンはF135-PW-400（ドライ推力111kN、A/B時推力178kN）単発、最大速度マッハ1.6、使用燃料JP-5、機内燃料搭載量8.959トン、戦闘行動半径600海里、航続距離2222km。荷重制限7.5G（最大）／3G（パワードアプローチ）／2G（空中給油）。最大兵装搭載重量8.165トン。乗員１名。当初のアメリカ海軍への実戦配備予定は2015年で、F/A-18A/Cの後継として260機を導入（F/A-18E/Fはそのまま配備し続ける）し、CVW１個あたり飛行隊（定数10機）1-2個を配置、他にFRS（定数30機）２個を編成する。また、アメリカ海兵隊も67機（当初80機の予定だったが13機をF-35Bに回した）を導入し、TACAIR統合飛行隊４個に配備してCVWに派遣するが、海軍向けの後になるので、配備時期はかなり遅くなる。2020年7月末現在の予定配備機数は海軍・海兵隊計340機。主翼を大型化したせいか、遷音速飛行時にウイングドロッピングが発生することがあり、対応が必要になっている。また、主翼端パイロンにAIM-9Xを積んで高仰え角飛行や着艦進入を行うと外翼部への構造負荷が過大になるという問題もあり、強化改修を行う予定。舵面の面積も大きくなったせいか、電気油圧アクチュエーターが機動飛行中に過熱する問題も発生し、解決中である。2011年4月、パタクセントリバー海軍航空基地で空母運用関連試験を行った際、カタパルト・ランチバーが下がりきらずシャトルに取り付けられないという事態が発生し、改設計が加えられた。主脚とアレスティングフックの距離が2.2mと短く、形状や緩衝も不適切で跳ね返り易く、アレスティングワイヤーを掴みにくいという欠点があり、アレスティングフックの初テストで８回中１回もワイヤーを捉えられないという事態が生じており、改良した上で2014年1月に地上施設でのテストを実施、成功裡に終了した。2013年6月22日、VFA-101に最初の機体（F-35CF-6）が配備された。2014年11月、CVN-68ニミッツで艦上開発試験フェーズ�Tを実施。2015年10月、疲労試験13700時間（実飛行時間6850時間・配備20年相当）で強度試験機の翼桁にクラックが発見された。対応を行うという説と、十分な運用期間が取れるので想定の範囲内という説に分かれている。同月、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーで艦上開発試験フェーズ�Uを実施。2016年8月、CVN-73ジョージ・ワシントンで艦上開発試験フェーズ�Vを実施。2017年、C-13Mod1/2カタパルト射出時に前脚ストラットの固定不全でピッチングを起こす事象が判明。機体重量がごく軽い場合にのみ発生するらしく、計器が読めないほど激しく揺れることもあるが、取り敢えず射出した後は問題無いので、解決は先送りされている。また、主翼折り畳み機構の強度不足が判明したため、32機に対して強化改修を行う。3月29日、GBU-12/Bで移動目標（ピックアップトラック）を爆撃するテストを行った。2018年4月17日、AGM-154C搭載のための開発試験完了をレイセオン社が発表した。9月24日、リムーア基地を離陸して通常訓練中のVFA-125所属機でエンジン系統の異常警告が表示されたため、フレズノ−ヨセミテ国際空港に予防着陸した。11月、高度50000フィート（15240m）でアフターバーナーを連続使用して超音速飛行すると、水平安定板のステルスコーティングや機体構造に悪影響が出るという問題が見つかったため、LRIPロット８から改良型ステルスコーティングを適用すると共に、アフターバーナー使用時間を50秒間（マッハ1.3）に制限、使用後はアフターバーナーを３分間以上切ることになった。2019年2月28日、VFA-147が初度運用能力IOCを達成した。初の実戦配備先はVFA-97とされる。5月28日、迎え角20度超で制御困難になる場合があるという不具合が、ソフトウェア改良により、カテゴリー１からカテゴリー２に格下げされた。7月、胴体Sta.425隔壁を強化して新兵装（AGM-88Eブロック２ AARGM-ERらしい）を搭載できるようにする技術変更提案ECP（Engineering Change Proposal）を、ロッキード・マーチン社と締結した。2021年6月、VMFA-314がFOCを達成した。8月、CVN-70カール・ヴィンソンがF-35C実戦飛行隊VFA-147を初搭載して海外展開を開始した。2022年1月3日にサンディエゴを出港したCVN-72エイブラハム・リンカーンに搭載されたCVW-9の隷下にVMFA-314が入り、海兵隊F-35C部隊として初の海外展開に参加した。1月24日、CVN-72エイブラハム・リンカーン搭載VFA-147所属F-35C戦闘機１機が着艦事故で墜落した。開発が遅れたため、F/A-18A/Cから直接の機種改変が間に合わず、F/A-18E/Fを挟む飛行隊が出た。参考：月刊軍事研究9,'15、11,’03、10,’11、7,’10、6,’13、11,’13、4,’14、9,’14、月刊JWings1,’07、4,’03、3,’12、1,’13、9,’13、4,’14、7,’15、2,’16、4,’17、5,’17、7,’17、8,’17、11,’17、7,’18、5,’19、9,’19、10,'19、11,’19、7,'20、9,'20、9,'21、3,'22、月刊世界の艦船1,’10、9,’13、10,'21、月刊航空ファン6,’11、11,’11、8,’15、9,’16、11,’16、12,’18、3,’19

　＜Ｆ−３５ブロック０＞：F-35AA-1に搭載されているミッションソフトウェア。参考：月刊JWings5,’13

　＜Ｆ−３５ブロック０．１＞：初期飛行試験用ソフトウェアで、機体管理機能のみを持つ。参考：月刊JWings5,’13

　＜Ｆ−３５ブロック０．５＞：初期飛行試験用ソフトウェアで、機体管理に加えて限定的なレーダー運用能力を有し、訓練・試験支援機能を持つ。F-35BF-4が搭載した。参考：月刊JWings5,’13、7,’16、月刊軍事研究6,’18

　＜Ｆ−３５ブロック１＞：システム開発実証機第１段階で、ブロック1Aとブロック1Bがある。参考：月刊JWings5,’13、12,’03、5,’07、月刊軍事研究4,’11、5,’14、月刊航空ファン3,’13

　＜Ｆ−３５ブロック１Ａ＞：システムソースコード（C++言語、800万行以上）の76%をカバーした訓練機仕様で、別名Ready for training。兵装搭載能力や機関砲運用能力を持たず、飛行訓練のみが可能だが、最大速度は450ノットまで、飛行高度は40000フィート（12192m）まで、荷重は4.5Gまで、最大迎え角は18度までという制限がある。EO-DASは３基のみ作動可能。F-35AN-1、LRIP1/2がこのバージョンである。後にブロック1B仕様に改良された。参考：月刊JWings5,’13、12,’03、5,’07、月刊軍事研究4,’11、5,’14、6,’14、3,’18、月刊航空ファン3,’13

　＜Ｆ−３５ブロック１Ｂ＞：ブロック1Aに初期レベル保全性を加えたもので、別名Initial Training Capability。飛行制限が最大速度500ノット、荷重5.5Gに緩和されており、空対空・空対地戦闘のシミュレーション訓練を行える。AN/AAQ-40EOTSを使えるが、センサーの向きを変えることはできない。LRIP3がこのバージョンである。参考：月刊軍事研究3,’18、6,’14、月刊JWings10,’15、7,’16

　＜Ｆ−３５ブロック２＞：システム開発実証機第２段階の訓練機仕様で、LRIPロット４以降がこれにあたる。ブロック1BにAMRAAM（ウェポンベイ内Sta.5/7に１発ずつ）とJDAMの携行能力を加え、阻止攻撃能力、限定的空対空戦闘能力、近接航空支援、SEAD能力を持つ。リンク16も搭載する。飛行制限はブロック1Bと同じ。F-35AF-14から搭載された。参考：月刊JWings5,’13、12,’03、月刊軍事研究6,’11

　＜Ｆ−３５ブロック２Ａ＞：ブロック２の改良型で、高等訓練用であり、別名Enhanced Training。システムソースコードの86%をカバーしており、リンク16、自律兵站情報システム（整備データリンク）、多機能発達型データリンク、ミッション・デブリーフィング・システムに対応する。AN/APG-81の気象レーダー・モードが使用可能となり、AN/AAQ-37EO-DAS用カメラ６基全てを可動できるが、HMDには投影できない。AN/AAQ-40EOTSは向きを変えられる。飛行性能は変化無し。LRIP4/5がこのバージョンで、2012年からF-35BF-5で飛行試験を実施し、初号機のF-35AF-25は2013年5月6日に第33戦闘航空団に配備された。参考：月刊航空ファン3,’13、月刊JWings5,’13、8,’13、10,'15、7,’16、9,'22、月刊軍事研究6,’14、3,’18

　＜Ｆ−３５ブロック２Ｂ＞：初期作戦能力機型、別名Initial Warfighting。Ａ型ならマッハ1.6まで、Ｂ・Ｃ型ならマッハ1.2までの超音速飛行が可能で、Ｂ型なら5.5G、Ａ型・Ｃ型なら7.5Gまでの荷重がかけられる。最大迎え角は50度まで。システムソースコードの88%以上をカバーし、ウェポンベイにAIM-120C-5/C-7を２発とGBU-31/BまたはGBU-12/Bを２発搭載でき、限定的な戦闘能力を備える。データリンクにより、複数機間でのデータフュージョンが可能。AN/APG-81の合成開口モードは運用できない。また、ミッション・コンピュータがJDAMに入力する目標座標情報をパイロット側で確認することはできない。統合コア・プロセッサはLRIPロット５まではTR1、ロット６以降はTR2。2012年末から飛行試験を行う予定が2013年2月からに遅れたものの、予定通り2015年7月31日に海兵隊で初度作戦能力（IOC）を獲得した。コンピュータの換装とソフトウェア更新でブロック3Fに改修可能。参考：月刊航空ファン3,’13、10,’15、月刊JWings5,’13、7,’12、5,’14、10,'15、7,’16、6,’18、月刊軍事研究7,’10、3,’18、6,’14、9,’15

　＜Ｆ−３５ブロック２Ｂ改＞：ブロック2Bにブロック3i最終版のソフトウェア修正内容を反映させたもの。LRIP2/3/4/5の93機に搭載される。参考：月刊JWings7,’16

　＜Ｆ−３５ブロック３＞：システム開発実証機第３段階で、SDD最終仕様であり、ブロック3iと3Fに分かれる。統合コアプロセッサはロッキード・マーチン社製TR2（Technology Refresh 2）で、全ての戦闘能力を備える。ウェポンベイにAIM-120を４発搭載できるようにし、主翼下最外側パイロンにもAIM-120を装着可能とする。ブロック1/2として完成した機体も、最終的にはこれに改修される。2014年に飛行試験を開始する予定。参考：月刊JWings12,’03、1,’07、7,’17、月刊軍事研究4,’11、9,’11、月刊航空ファン3,’13

　＜Ｆ−３５ブロック３ｉ＞：ブロック３のinitial/interim Warfighting型で、LRIPロット７／８／９（LRIPロット６／７／８の114機？）向け。ブロック2Bにアップデート型ハードウェア運用能力を追加したものである。作戦能力はブロック2Bとほぼ同じで、AIM-9の運用能力は無い。最大速度700ノット／マッハ1.6、迎え角制限50度、最大荷重制限7.5G、最大飛行高度40000フィート（12192m）。空軍ではこのブロックで2016年に初度作戦能力を獲得する予定で、2014年5月27日にこの仕様のF-35Aが初飛行した。ただAN/APG-81を起動して3-4時間すると作動が不安定性になり、再起動を要するという問題点が発覚、ロッキード・マーチン社で改修を加えて2016年5月9日に完成している。6月3-17日にマウンテンホーム空軍基地で実施されたブロック3iビルド6.21のテストでは、作動不安定の問題は解消しており、出撃率100%、可動率92.3%（システム不具合による出撃中止は皆無）で、投下した兵装16発のうち15発を命中させた。後にソフトウェアを更新してブロック3F仕様に改良される。参考：月刊軍事研究9,'15、6,’14、8,'16、6,’18、月刊JWings4,’13、8,’14、10,'15、7,’16、9,’16、月刊航空ファン11,’15

　＜Ｆ−３５ブロック３Ｆ＞：ブロック３のFull/Final Warfightingで、LRIPロット10以降。AN/APG-81の合成開口モードが使用可能で、AIM-120C、GBU-12/B、GBU-31/Bに加え、GAU-22機関砲／MGSポッド、GBU-32/B、GBU-39/Bを運用でき、主翼下パイロンが使用可能となり、AIM-9L/M/Xブロック�T、EGBU-24/B、GBU-31/B、GBU-32/B、GBU-48/B、GBU-49/B、GBU-50/B、GBU-10/B、Mk80シリーズ、CBU-99/B、CBU-100/B、CBU-105/B、AGM-154C（AGM-158？）を外装できる。AIM-9Xブロック�Uも運用できるが、双方向データリンク機能は無い。ミッションコンピュータがJDAMに入力する目標座標をパイロットが事前に確認できるが、JDAMにちゃんと入力されたどうかを確認することはできない。イギリス機はペイブウェイ�W、ASRAAM（ブロック４から？）、ブリムストーンも運用できるが、AIM-9は使えない。最大飛行高度は50000フィート（15240m）、荷重制限は9Gに緩和された。これにより各地で迫力ある飛行展示を行うようになり、鈍重という評価を完全に覆している。2017年8月から2018年2月に完成予定で、全形式において完全作戦能力FOC仕様となる予定だったが、ソフトウェアの細かい改良が間に合わず、ブロック3F/3FR6でプレIOT&Eインクリメント１（2018年1-2月実施）、ブロック3F/30R00で同インクリメント２（2018年3月から実施）をクリアしたところでブロック４に移行した。2018年3月に実戦部隊の第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊への配備が始まった。次いでルーク空軍基地の訓練部隊にも配備が開始される予定。地上移動目標を攻撃するにはパイロットが目標を指示する必要があるので、GBU-49/Bの運用能力を追加するらしい。参考：月刊JWings7,’12、4,’13、10,'15、12,’16、6,’17、11,’17、3,’18、12,’18、1,'21、5,'21、4,'22、月刊軍事研究10,’14、3,’18、6,’18、月刊航空ファン5,’16、12,’17

　＜Ｆ−３５ブロック４＞：これまでの運用結果や導入国の意見を取り入れた次世代近代化型C2D2（連続的能力開発・納入）版。ブロック3FにAIM-9Xブロック�U（双方向データリンク機能含む）、AIM-120D、ミーティア、AGM-154C-1、AGM-158A/B、AGM-158C LRASM、GBU-38/B、GBU-53/B、GBU-54/B、JSM、SPEAR3、対艦ミサイル運用能力などを追加するもので、IOC機仕様であり、ブロック4.1からブロック4.4に分かれる予定。統合コアプロセッサはL3ハリス・テクノロジーズ社製TR3（Technology Refresh 3）で、ブロック３用TR2と比べてコンピューテング・パワーは25倍に増え、オープン・アーキテクチャーを取り入れ、自己診断機能を追加して安定性や信頼性も高く、コストは４分の１になる。AN/ASQ-239電子戦装置にも改良を加える。対艦ミサイルとしてはハープーンは大きすぎてウェポンベイに収容できないので、空軍ではJSMを搭載する。海軍では長射程で母機にステルス性が要らないAGM-154C-1を主翼下に積む。AIM-9X/ASRAAM２発とAIM-120AMRAAM／ミーティア12発（ウェポンベイ収容数は４発）を搭載する空対空ミッションも可能とし、AN/AAQ-37EO-DASをレイセオン・テクノロジーズ製先進分散開口システムADAS（Advanced Distributed Aperture System）に、AN/AAQ-40EOTSを改良型のアドバンスドEOTSに換装する。海軍ではF/A-18やE-2Dとのデータ交換用にCMN-4を積む。2014年末から開発に着手する予定。2017年度からはB61Mod12核爆弾を運用できるようにするが、ブロック４で搭載可能とするか、ブロック５以降となるかは不明。運用改修の費用が高いので、搭載されないかもしれない。2026年から自動地上衝突回避装置を搭載する予定だったが、2019年に前倒しして搭載中。TR-3仕様機は2023年4月に納入される予定だったが、ブロック４ソフトウェアとの統合が上手くいかず2024年4月に遅れる見込みで、完成したものの納入できない機体が蓄積している。FOC達成は2028年の予定。参考：月刊軍事研究3,’18、7,’10、4,’11、6,’13、9,’18、月刊JWings4,’13、5,’14、12,’15、4,’16、1,’17、5,’18、12,’18、11,’19、4,'22、4,'23、6,'23、10,'23、12,'23、月刊世界の艦船12,’17、月刊航空ファン7,’19

　＜Ｆ−３５ブロック４　３０シリーズ＞：試験用ソフトウェアで、統合コアプロセッサはTR-2のままである。2018年12月から2019年9月に行われたIOT&Eではサブバージョン30R02.04、2020年7月に行われたIOT&E電子攻撃試験では30R04/52を使用した。兵装関連試験では30R06.0X、運用評価試験後の実戦配備試験では30R06+を使う。参考：月刊JWings5,’21

　＜Ｆ−３５ブロック４　４０シリーズ＞：TR-3統合コアプロセッサを運用できるソフトウェア。最初のサブバージョンは40R0Xで、30シリーズの試験で仕上げたソフトウェアがTR-3でも動作するか確認する。参考：月刊JWings5,’21

　＜Ｆ−３５ブロック４．１＞：ブロック3FにAIM-9Xブロック�U（双方向データリンク機能含む）、ミーティア、GBU-38/B、GBU-53/B、GBU-54/B、JSMの運用能力・機外搭載能力を追加する。F-35CにはJSMの代わりにAGM-154C-1の基礎運用能力を持たせる。ソフトウェアのみの改良で済む。2018年4月2日に引き渡された。2019年7月までに実装を終える予定。参考：月刊軍事研究3,’18、9,’18

　＜Ｆ−３５ブロック４．２＞：AN/AAQ-40EOTS／アドバンスドEOTSによる移動目標自動追尾・兵装誘導能力と、GBU-58/BやASRAAM（ウェポンベイ内装可）などの運用能力を追加する。F-35CにはAGM-154C-1のフル運用能力を持たせる。ハード・ソフト両方の改良が必要である。参考：月刊JWings6,’17、月刊軍事研究3,’18、9,’18

　＜Ｆ−３５ブロック４．３＞：ミーティアをウェポンベイ内から発射できるようにする。F-35CはAGM-154C-1を主翼下に搭載できるようにする。ソフトウェアのみの改良で済む。参考：月刊軍事研究3,’18、9,’18

　＜Ｆ−３５ブロック４．４＞：AIM-120をウェポンベイ内に６発、AIM-9Xブロック�Vを主翼外舷パイロンに１発ずつ搭載できるようにする。ハード・ソフト両方の改良が必要である。参考：月刊軍事研究3,’18、9,’18

　＜Ｆ−３５ブロック５＞：AN/APG-81の海洋レーダー／逆合成開口モードの運用能力を追加し、電子戦システムを改良する。ウェポンベイにAIM-120D計６発を収容できるようにするが、AIM-9Xを２発とAIM-120Dを４発という組み合わせも可能とするかもしれない。2017年に実用化予定。参考：月刊JWings5,’13、月刊軍事研究5,’14

　＜Ｆ−３５ブロック６＞：電子攻撃能力、全方位パッシブ脅威探知能力、友軍追跡能力、推進システム管理能力などを強化したタイプ。2019年に実用化予定。参考：月刊軍事研究9,'15、月刊JWings5,’13

　＜Ｆ−３５ブロック７＞：CBRN状況下での運用能力を強化したタイプ。2021年に実用化予定。参考：月刊JWings5,’13

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１＞：低率初期生産ロット１で、ブロック1A。AF-6/-7の計２機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究3,’18

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット２＞：低率初期生産ロット２で、ブロック1A。AF-8からAF-13、BF-6からBF-11の計12機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究3,’18

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット３＞：低率初期生産ロット３で、ブロック1B。AF-14からAF-20、BF-12からBF-18、AN-1、BK-1/-2の計14機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究3,’18

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット４＞：低率初期生産ロット４で、ブロック２／2A。AF-21からAF-30、BF-19からBF-34、CF-6からCF-9、AN-2、BK-3の計32機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット５＞：低率初期生産ロット５で、ブロック2B（TR1統合コア・プロセッサ搭載。ブロック2A？）。AF-31からAF-52、BF-35からBF-37、CF-10からCF-16の計32機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究3,’18

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット６＞：低率初期生産ロット６で、ブロック2B（TR2統合コア・プロセッサ搭載）。AF-53からAF-70、BF-38からBF-43、CF-17からCF-23、AU-1/-2、AL-1からAL-3の計36機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット７＞：低率初期生産ロット７で、ブロック3i。AF-71からAF-89、BF-44からBF-49、CF-24からCF-27、AL-4からAL-6、AM-1/-2、BK-4の計35機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット８＞：低率初期生産ロット８で、ブロック3i。AF-90からAF-108、BF-50からBF-55、CF-28からCF-31、AL-7/-8、AM-3/-4、BK-5からBK-8、AX-1からAX-4、AS-1/-2の計43機がこれにあたる。F-35B/Cで高度50000フィート（15240m）での超音速飛行時に水平安定板のステルスコーティングが溶けかけるという問題が見つかったため、改良型コーティングにして溶けにくくした。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings9,’19

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット９＞：低率初期生産ロット９で、ブロック3i。F-35B初期ロットで問題となった主翼キャリースルーの強度を増した。AF-109からAF-134、BF-56からBF-61、CF-32/-33、AL-9、BL-1、AM-5からAM-10、BK-9からBK-14、AX-5/-6、AS-3からAS-9の計57機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings5,’19、5,’20

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１０＞：低率初期生産ロット10で、ブロック3F。AF-135からAF-178、BF-62からBF-70、BK-15からBK-17、AX-7からAX-10、AT-1/-2など計90機がこれにあたる。価格はF-35Aが9430万ドル、F-35Bが１億2240万ドル、F-35Cが１億2120万ドルの予定。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊航空情報3,’18

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１１＞：低率初期生産ロット11で、ブロック3F。AF-179以降48機、BF-71以降18機、AL-10、AN-3からAN-10、BK-18、AT-3からAT-6、FMS向け22機など計141機（アメリカ軍向け91機、海外パートナー向け28機、FMS用22機）がこれにあたる。参考：月刊航空ファン12,’18、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１２＞：低率初期生産ロット12で、2019会計年度発注のアメリカ空軍向けF-35A戦闘機64機、アメリカ海兵隊向けF-35B戦闘機26機、アメリカ海軍向けF-35C戦闘機16機など海外向け含め149機。ロット12/13/14は多年度調達で、478機（F-35A351機、F-35B86機、F-35C41機）を340億ドルで購入する。機体単価はF-35Aが8240万ドル、F-35Bが１億800万ドル、F-35Cが１億310万ドル。参考：月刊JWings2,’19、1,’20、月刊航空ファン9,’19、1,’20

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１３＞：低率初期生産ロット13で、アメリカ空軍向けF-35A戦闘機48機、アメリカ海兵隊向けF-35B戦闘機20機、アメリカ海軍向けF-35C戦闘機９機、ノルウェー空軍向けF-35A戦闘機12機、オーストラリア空軍向けF-35A戦闘機15機、イタリア空軍向けF-35A戦闘機８機、同F-35B戦闘機２機など計160機。アメリカ向け機体単価はF-35Aが7920万ドル、F-35Bが１億480万ドル、F-35Cが9810万ドル。参考：月刊JWings1,’20、月刊航空ファン1,’20

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１４＞：低率初期生産ロット14、海外向け含め計169機。トルコ向けの８機はアメリカ空軍に移管する。アメリカ向け機体単価はF-35Aが7790万ドル、F-35Bが１億130万ドル、F-35Cが9440万ドル。参考：月刊JWings1,’20、10,'20、月刊航空ファン1,’20

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１５＞：低率初期生産ロット15。初のブロック４及びテクニカル・リフレッシュ３／TR3仕様で、運用情報統合ネットワークODINに対応する。アメリカ空軍F-35A戦闘機49機、アメリカ海兵隊F-35B戦闘機３機、アメリカ海兵隊F-35C戦闘機10機、アメリカ海軍F-35C戦闘機15機、海外パートナー諸国F-35A戦闘機32機、海外パートナー諸国F-35B戦闘機４機、FMS用F-35A戦闘機16機の計129機（145機？）で、2023年に引き渡し予定。参考：月刊JWings10,’20、11,’22、3,’23

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１６＞：低率初期生産ロット16。各型計133機（127機？）を生産予定。参考：月刊JWings3,’21、3,’23

　＜Ｆ−３５ＬＲＩＰロット１７＞：低率初期生産ロット17。ブロック４の初量産ロットで、AN/ASQ-242にAN/ASQ-239電子戦システムを統合活用する機能を追加し、AN/ASQ-239も改良型を装備、戦闘性能と生残性を強化する。F-35A戦闘機81機（アメリカ空軍43機、フィンランド空軍８機、イタリア空軍７機、オランダ空軍６機、ポーランド空軍６機、航空自衛隊４機、ベルギー空軍４機、デンマーク空軍３機）、F-35B戦闘機26機（アメリカ海兵隊15機、イギリス空軍７機、イタリア空軍２機、航空自衛隊２機）、F-35C戦闘機19機（アメリカ海軍13機、アメリカ海兵隊６機）の計126機を77億9553万ドルで2023年にロッキード・マーチン社に発注した。参考：月刊JWings4,’21、2,’22、7,’23

　＜Ｆ−３５ＡＡ−１＞：システム開発実証飛行試験用初号機で、AAはAircraft Articleの略。F-35Aに類似の機体だが、量産コスト減少のためＡ／Ｂ／Ｃ型の共通部分のテストに使用する目的で製作されており、システム開発実証にも使用される。ただ構造重量が過大で、２号機からは重量軽減を図ることとなった。HMDは搭載されておらず、ソフトウェアは飛行試験用のブロック0.1（ソースコード250万行）。2006年12月15日に初飛行した。2007年5月3日の19回目の飛行で電気回路がショートして右水平安定板がロックされる事故を起こし、飛行停止と調査改修を経て12月7日から飛行試験を再開、2008年11月13日に初の超音速飛行を行った。2009年12月17日、91回目の飛行テストを以て任務を終了。チャイナ・レイク海軍航空基地に移され、更にロッキード・マーチン社フォートワース工場に送られて保管された。後に標的機となる予定。参考：月刊JWings3,’09、5,’07、4,’12、月刊軍事研究6,’07、7,’10、6,’13、2,’17

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１＞：システム開発実証飛行試験用４号機で、F-35A規格の飛行可能初号機にあたる。2008年12月19日にロールアウトし、2009年11月14日（13日？）に初飛行した。２回目の飛行後は暫く地上テストを実施していたが、再塗装を終えて2010年4月20日から飛行試験を再開している。5月17日、エドワーズ空軍基地に到着。2011年3月9日、オイル漏れと発電機の不具合を起こして飛行停止処分になったが、発電機を交換して飛行試験を再開した。5月12日、マッハ1.53での飛行に成功。10月25日、初めて最大設計速度マッハ1.6での飛行を行った。しかしエンジン耐熱部と水平安定板に損傷が見つかり、解決されるまでマッハ１の制限速度が設けられている。2012年2月16日、エドワーズ空軍基地で初の機外兵装試験飛行を実施。Sta.1/11にAEAレールランチャーとAIM-9Xのキャプティブ弾、Sta.2/10とSta.3/9にBRU-68/A爆弾ラックを装着していた。6月中旬、地上での兵器投下試験を開始。7月5日、GBU-31/BとAIM-120（どちらも計測用不活性弾）を使用しての地上での兵器投下試験の様子が公開された。10月16日、胴体内左ウェポンベイからGBU-31/Bの空中投下試験を実施。10月19日、胴体内左ウェポンベイからAIM-120の空中投下試験を実施。2012年12月1日、飛行時間500時間を達成。2013年2月11日、主翼フラッター試験を完了。6月5日、ポイント・マグー射場上空でAIM-120C5の航空計測弾を胴体内左ウェポンベイから発射し、F-35全体で初のミサイル実射に成功した。2014年8月13日、400回目のフライトを実施。2016年1月12日、AIM-9Xの発射テストを開始。2018年3月24-25日、カリフォルニア州ジェネラル・ウィリアム・Ｊ・フォックス空港でLAカウンティ・エアショーに参加。2021年2月、ノルウェー軍装備部門に協力し、エドワーズ空軍基地でJSMの兵装分離試験を実施。参考：月刊JWings3,’09、7,’10、3,’11、1,’13、4,’13、5,’13、9,’13、12,’14、6,'21、月刊航空ファン9,’11、4,'16、6,’18、月刊軍事研究9,’11、4,’12、7,’12、10,’11

　＜Ｆ−３５ＡＦ−２＞：システム開発実証飛行試験機７号機、F-35A規格としては２機目で、2010年4月20日に初飛行した。初の25mmガトリング砲GAU-22/A装備機でもあり、兵装試験に使用される。5月17日、エドワーズ空軍基地に到着。6月26日、飛行時間500時間を達成。2013年2月21日、エドワーズ空軍基地でF135エンジンを点検したところ、低圧タービンブレードの１枚に15mmの亀裂が発見された。2月22日から全機を飛行停止にして点検したが、他機には異常無く、本機が高温環境での長時間試験に投入されたのが原因として3月1日から飛行を再開している。2014年4月2日、F-16戦闘機と空戦機動試験を実施。2015年1月14-17日、空戦機動試験を行い、F-16Dブロック40との機体負荷の比較を行った。高度10000-30000フィート（3048-9144m）で攻守交代しつつ基本戦闘機動を行うというもので、初日には機首上げ率の不足や迎え角20-25度での飛行特性の問題を指摘され、後にF-16Dブロック40に模擬格闘戦で撃墜されたと嘘報道を流されたが、最終日には迎え角110度での飛行に成功した。6月9日、PGU-23/U訓練弾を使用して機関砲実射試験第１段階を実施。11月2日、飛行中に機関砲を射撃する試験を初めて実施。2017年4月からエドワーズ空軍基地でノルウェー空軍向けドラッグシュートのテストを開始。胴体後部上面に前後に長く背の高いフェアリングを設けてドラッグシュートを収容している。6月2日、ドラッグシュート・パッケージからのドラッグシュート初展開に成功した。10月12日、アラスカ州アイルソン基地に展開し、寒冷地試験を開始。ドラッグシュートのテストも引き続き行っている。参考：月刊JWings7,’10、3,’11、10,’12、4,’13、6,’15、9,'15、10,'15、1,’16、7,’17、2,’18、月刊軍事研究10,’11、月刊航空ファン5,’13、11,’16、月刊航空情報9,’17

　＜Ｆ−３５ＡＦ−３＞：システム開発実証飛行試験用８号機、F-35A規格としては３機目で、2010年7月6日に初飛行した。F-35ブロック１ソフトウェアを搭載しており、ミッション電子機器の試験に使用される。12月11日、エドワーズ空軍基地に到着。2012年1月17日、AN/AAQ-37EO-DASによる初の低空アプローチを実施。2013年1月、AIM-9X搭載試験を実施。参考：月刊JWings3,’11、月刊軍事研究7,’12、9,’11、10,’11、6,’14

　＜Ｆ−３５ＡＦ−４＞：システム開発実証飛行試験用10号機、F-35A規格としては４機目で、F-35ブロック１ソフトウェアを搭載しており、2010年12月30日に初飛行し、2011年1月22日にエドワーズ空軍基地に到着、テストに入った。2012年1月9日、高々度飛行試験を行い、高度13106mに達した。3月22日、KC-135Rから初の夜間給油を実施。4月21日、兵装類を搭載（機外にAIM-9XとBRU-68/A爆弾ラック、ウェポンベイにJDAMとAIM-120）しての初の空中給油を実施。2014年8月11日、累計飛行時間500時間を達成。2015年8月6日、カリフォルニア上空でイタリア空軍KC-767Aとの空中給油試験を実施。給油ブームに25回接続し、計16000ポンド（7.26トン）の燃料を受け取った。2019年1月、エドワーズ空軍基地1600番格納庫で第412整備隊による事故機回収手順作業CDDARの試行に参加。参考：月刊JWings3,’11、4,’11、5,’12、7,’12、12,’14、11,’15、4,’19、月刊軍事研究7,’12、9,’11

　＜Ｆ−３５ＡＦ−５＞：F-35Aのシステム開発実証飛行試験用５号機として製作される予定だったが、キャンセルされたので欠番になっている。参考：月刊軍事研究10,’11

　＜Ｆ−３５ＡＦ−６＞：F-35Aの量産型（LRIPロット１初号機）で、シリアルナンバー07-0744。F-35ブロック１ソフトウェアを搭載しており、2011年2月25日に初飛行した。5月12日、アメリカ空軍に引き渡された。5月13日、エドワーズ空軍基地に配備された。2012年1月18日、F-35として初の夜間飛行を実施。1705にエドワーズ空軍基地を離陸し、1822に帰投した。2013年10月30日、AIM-120C-7の初実弾射撃を実施。データリンクにより目標を追尾させ、テストに成功した。11月、AIM-120で無人標的機を撃墜した。2014年2月25日、ホワイトサンズ実験場でAIM-120発射試験を実施。参考：月刊JWings5,’11、7,’11、4,’12、1,’14、月刊航空ファン9,’11、月刊軍事研究9,’11、5,’14

　＜Ｆ−３５ＡＦ−７＞：F-35AのLRIPロット１の２号機で、シリアルナンバー07-0745。F-35ブロック１ソフトウェアを搭載しており、2011年3月4日に初飛行した。5月5日、アメリカ空軍に引き渡されて量産型納入初号機となった。5月6日、エドワーズ空軍基地に移動。2023年1月6日、ブロック４ソフトウェアと組み合わせるTR3統合コアプロセッサを搭載して初飛行した。参考：月刊航空ファン5,’11、月刊JWings8,’11、4,'23、月刊軍事研究9,’11

　＜Ｆ−３５ＡＦ−８＞：F-35AのLRIPロット２で、シリアルナンバー08-0746。F-35ブロック１ソフトウェアを搭載しており、2011年5月（6月？）6日に初飛行した。7月20日、エグリン空軍基地の第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊に配備された。操縦士や整備員の訓練に使用される予定。参考：月刊航空ファン7,’11、月刊JWings8,’11、10,’11、月刊軍事研究9,’11

　＜Ｆ−３５ＡＦ−９＞：F-35AのLRIPロット２で、シリアルナンバー08-0747。F-35ブロック１ソフトウェアを搭載しており、2011年5月13日に初飛行した。5月16日、二度目の飛行を実施。7月14日、エグリン空軍基地の第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊航空ファン9,’11、月刊JWings10,’11、月刊軍事研究9,’11

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１０＞：F-35AのLRIPロット２で、シリアルナンバー08-0748。2011年6月27日（29日？）に初飛行した。8月31日、エグリン空軍基地の第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊に配備された。2012年4月11日、量産型F-35Aとして初の空中給油を行い、KC-135Rから空中給油を受けた。参考：月刊軍事研究10,’11、月刊JWings12,’11、7,’12

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１１＞：F-35AのLRIPロット２で、シリアルナンバー08-0749。2011年7月1日に初飛行した。8月31日、エグリン空軍基地の第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊軍事研究10,’11月刊JWings12,’11

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１２＞：F-35AのLRIPロット２で、シリアルナンバー08-0750。2011年7月8日（19日？）に初飛行した。10月19日、エグリン空軍基地のに配備された。2012年3月6日、第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊エリック・スミス中佐がF-35訓練部隊で初となる訓練ソーティを実施。90分間の運用チェック飛行を行う予定だったが、燃料漏れが見つかったため、15分で着陸した。参考：月刊軍事研究10,’11、月刊JWings3,’12、6,’12

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１３＞：F-35AのLRIPロット２で、シリアルナンバー08-0751。2011年7月14日に初飛行した。10月26日、エグリン空軍基地に配備された。2012年3月14日、アメリカ海兵隊ジョセフ・バックマン少佐がF-35訓練部隊で２番目となる訓練ソーティを実施。アメリカ中部夏時間1430-1603に93分間の訓練飛行を行った。参考：月刊軍事研究10,’11、月刊JWings3,’12、6,’12

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１４＞：F-35AのLRIPロット３で、シリアルナンバー09-5001。ブロック２ミッションソフトウェアの初搭載機である。2012年3月2日に初飛行した。6月29日、第33戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings7,’12、10,’12、月刊軍事研究6,’13

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１５＞：F-35AのLRIPロット３で、シリアルナンバー09-5002。2012年3月3日に初飛行した。6月29日、第33戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings7,’12、10,’12

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１６＞：F-35AのLRIPロット３で、シリアルナンバー09-5003。2012年5月3日に初飛行した。6月29日、第33戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings7,’12、10,’12

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１７＞：F-35AのLRIPロット３で、シリアルナンバー09-5004。2012年5月17日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’12

　＜Ｆ−３５ＡＦ−１８＞：F-35AのLRIPロット３で、シリアルナンバー09-5005。2012年5月17日に初飛行した。2013年3月5日、エドワーズ空軍基地の第31試験評価飛行隊に配備された。参考：月刊JWings8,’12、6,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９＞：F-35AのLRIPロット３で、シリアルナンバー09-5006。2012年6月9日に初飛行した。2013年3月5日、エドワーズ空軍基地の第31試験評価飛行隊に配備された。参考：月刊JWings9,’12

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０＞：F-35AのLRIPロット３で、シリアルナンバー09-5007。2012年8月6日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’12

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１＞：F-35AのLRIPロット４、ブロック２仕様で、シリアルナンバー10-5009。2012年10月20日に初飛行した。2013年9月31日、ネリス空軍基地からユタ州ヒル空軍基地に移動。9月21日、ヒル空軍基地のアメリカ空軍兵站軍団オグデン航空兵站センターに配備された。参考：月刊JWings1,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5010。2012年10月14日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5011。2012年11月7日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5012。2012年11月6日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5013。ブロック2Aソフトウェア初号機である。2012年11月18日に初飛行した。2013年5月6日、第33戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings2,’13、8,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5014。2013年3月27日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’13、9,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5015。2013年4月22日に初飛行した。2014年6月23日、エグリン空軍基地で離陸時に機体後部から出火し、大破した。パイロットは無事だった。推定損害額5000万ドルで、修理されず登録抹消となっている。３週間前の飛行試験時にかかった負荷によりエンジンのケーシングが変形し、圧縮機３段目のブレード一体型ローターディスクのブレードがケーシング内側の摩耗シュラウドと接触するようになってしまい、気付かず飛行し続けたため摩擦と過熱でブレードに微少なクラックが多数発生、疲労破壊に至り、飛び散った破片がエンジンのケーシング上面を突き破って燃料配管と油圧配管を損傷、外板パネルに10インチ×７インチの大穴を開け、漏れた燃料と潤滑油に引火したのが原因だった。参考：月刊航空ファン7,’19、月刊JWings5,’13、7,’13、月刊軍事研究12,’14

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5016。2013年6月19日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’13、9,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5017。2013年4月29日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’13、7,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０＞：F-35AのLRIPロット４で、シリアルナンバー10-5018。2013年7月27日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’13

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5020。2013年9月3日に初飛行した。2018年7月、AF-80と共にHMDの機関砲照準環表示不安定に関する修正テストに参加し、試射で改善を確認した。2022年6月9日、第65仮想敵飛行隊に配備され、同飛行隊再編成式典でF-35AF-32と編隊飛行を行った。参考：月刊JWings12,’13、4,’19、9,'22、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5021。2013年7月6日に初飛行した。2022年6月9日、第65仮想敵飛行隊に配備され、同飛行隊再編成式典でF-35AF-31と編隊飛行を行った。参考：月刊JWings1,’14、9,'22、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5022。2013年7月27日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’13、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5023。2013年10月1日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5024。2013年10月7日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5025。2013年11月14日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5026。2013年9月23日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’13、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5027。2013年9月29日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’13、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−３９＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5028。2013年10月19日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４０＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5029。2013年12月16日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４１＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5030。2013年12月13日に完成し、F-35通算100機目の機体となった。12月15日に初飛行した。2014年3月10日、ルーク空軍基地に到着し、第56戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings3,’14、月刊丸6,’14、月刊軍事研究6,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４２＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5031。2014年2月8日に初飛行した。5月5日、ルーク空軍基地で初の訓練飛行を実施。参考：月刊JWings4,’14、8,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４３＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5032。2014年2月13日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４４＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5033。2014年3月6日に初飛行した。2018年1月8日、エグリン空軍基地で第33航空機整備中隊による清掃作業を受けた。参考：月刊JWings6,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４５＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5034。2014年2月21日に初飛行した。5月28日、第58戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings5,’14、9,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４６＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5035。2014年2月26日に初飛行した。3月10日、ルーク空軍基地に到着。参考：月刊JWings5,’14、6,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４７＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5036。2014年2月28日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４８＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5037。2014年3月17日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−４９＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5038。2014年4月29日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５０＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5039。2014年5月21日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５１＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5040。2014年6月24日に初飛行した。2018年4月25-29日、ベルリン航空ショーに参加。参考：月刊JWings9,’14、月刊航空ファン12,'17、7,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−５２＞：F-35AのLRIPロット５で、シリアルナンバー11-5041。2014年7月26日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’14、月刊航空ファン12,'17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５３＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5042。2014年8月8日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’14、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５４＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5043。2014年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’14、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５５＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5044。2014年10月8日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５６＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5045。2014年10月16日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５７＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5046。2014年10月16日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５８＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5047。2014年11月7日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−５９＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5048。2014年11月8日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６０＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5049。2014年11月9日に初飛行した。2015年1月15日、ネリス空軍基地に到着し、ウエポンスクールUSAFWSに配備された。参考：月刊JWings2,’15、4,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６１＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5050。2014年11月8日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６２＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5051。2014年11月26日に初飛行した。ウエポンスクールUSAFWSに配備される。参考：月刊JWings2,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６３＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5052。2015年2月2日に初飛行した。2016年9月23日、マウンテンホーム空軍基地で訓練飛行に向かうためエンジンを始動させようと統合パワーパックIPPをバーン・モードで作動させた際、たまたま強い追い風状態だったため、IPP用エアインテイクに高温の排気ガスが逆流してしまい、異常な吸気温度上昇を探知したIPPが自動停止した。これによりエンジン始動機兼発電機ES/Gも止まり、エンジン回転数が上がらなくなったが、エンジン制御系統がこれをカバーして回転数を上げようと燃料を供給し続けたため、過度な燃焼が起きて機体が炎上した。パイロットは無事だったが、機体後半３分の２が損傷、ウェポンベイ扉を開いていたためウェポンベイ内部が焼損している。ヒル空軍基地に送られ、修理に1700万ドル掛かるとされていたが、完全修復は無理と判断されたようで、訓練機材に転用された。2022年10月、ヒル空軍基地で行われたF-35実機による事故対処訓練に使用された。参考：月刊JWings5,’15、10,’17、1,'23、月刊航空ファン7,’19、12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６４＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5053。2015年1月20日に初飛行した。2020年5月19日、第33戦闘航空団第58戦闘飛行隊所属で夜間迎撃訓練から帰還し、エグリン空軍基地に着陸しようとした際に墜落した。アメリカ空軍の事故調査報告書によると、着陸進入時にHMDのアラインメントが狂っていることに気付き（離陸時や訓練中には確認できなかった）、修正して正しい着陸経路に乗っているか確認しているうちに速度超過・引き起こし不足状態で三点接地してしまい、機体がバウンドした。これを修正しようと操縦桿を前後に動かしたが、パイロット誘起振動に陥ってしまい、更に激しい操縦桿と機体の動きで飛行制御コンピュータの処理が飽和。飛行プログラムの制御則では、コンピュータが処理飽和を起こした際には機首下げ操作を行うことになっていたため、自動で水平安定板が機首下げ方向に動き、パイロットが機首を上げて着陸復行しようと操縦桿をいくら引いても反応せず、操縦不能と判断したパイロットは緊急脱出、機体はそのまま墜落したものである。フライ・バイ・ワイヤの挙動が実機とシミュレータで完全には一致しておらず、飛行制御コンピュータ処理飽和時の機体側の動きをパイロットが把握していなかったとの指摘もある。機体は廃棄処分になる予定だったが、一部が使用可能状態であると判明、ヒル空軍基地で戦闘被害修復訓練教材になった。参考：月刊JWings4,’15、1,'21、12,'21、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６５＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5054。2015年3月25日に初飛行した。2018年4月25-29日、ベルリン航空ショーに参加。参考：月刊JWings6,’15、月刊航空ファン12,’17、7,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−６６＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5055。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６７＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5056。2015年3月31日に初飛行した。4月28日、フォートワース工場からルーク空軍基地にフェリーされ、第56戦闘航空団第61戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings6,’15、月刊航空ファン7,’15、12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６８＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5057。2015年4月10日に初飛行した。4月29日、ルーク空軍基地にフェリーされ、第56戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings7,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−６９＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5058。2015年5月31日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７０＞：F-35AのLRIPロット６で、シリアルナンバー12-5059。2015年4月30日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７１＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5065。2015年7月17日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７２＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5066。2015年7月18日に初飛行した。2020年2月9日（第56戦闘航空団第308戦闘飛行隊所属）、フィンランド空軍のF/A-18C/D後継機評価試験のため、F-35AF-164と共に、フィンランド空軍ピッカラ基地にフェリーされた。参考：月刊JWings10,’15、5,’20、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７３＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5067。オーストラリア製（BAEシステムズ・オーストラリア製）垂直尾翼を使用した初のF-35で、2015年4月29日に完成し、7月17日に初飛行した。参考：月刊航空ファン8,’15、12,’17、月刊JWings10,’15

＜Ｆ−３５ＡＦ−７４＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5068。ブロック3i仕様で、2015年7月17日に初飛行した。第56戦闘航空団第62戦闘飛行隊に配備されている。2016年3月15日、バリー・Ｍ・ゴールドウォーター・レンジでGBU-12/Bペイブウェイ�Uの投下試験を実施。参考：月刊JWings10,’15、月刊航空ファン6,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７５＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5069。2015年7月16日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７６＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5070。2015年7月22日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７７＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5071。ブロック3iソフトウェアを搭載する。2015年8月5日に初飛行したが、主脚が収容できず、すぐ着陸した。9月2日、ヒル空軍基地の第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に配備され、第34戦闘飛行隊長指定機となった。2016年2月25日、ユタ試験訓練レンジでGBU-12/B投下試験を実施。参考：月刊JWings11,’15、月刊航空ファン11,’15、5,’16、12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−７８＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5072。ブロック3i仕様で、2015年7月23日に初飛行した。9月2日、ヒル空軍基地の第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に配備され、第388戦闘航空団司令指定機となった。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。参考：月刊航空ファン11,’15、12,’17、1,’18、月刊JWings10,’15

＜Ｆ−３５ＡＦ−７９＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5073。2015年8月12日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−８０＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5074。2015年8月21日に初飛行した。2018年7月、AF-31と共にHMDの機関砲照準環表示不安定に関する修正テストに参加し、試射で改善を確認した。参考：月刊JWings11,’15、4,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−８１＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5075。2015年9月8日に初飛行した。9月25日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings12,’15、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−８２＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5076。2015年9月17日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−８３＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5077。2015年10月29日に初飛行した。12月3日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に配備された。2019年6月1日、スイス空軍F-5E/F戦闘機後継機計画の評価試験に参加するため、F-35AF-85など３機と共にスイスに到着した。参考：月刊JWings1,’16、8,’19、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−８４＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5078。2015年11月8日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−８５＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5079。2015年11月12日に初飛行した。2017年5月22日、実動部隊F-35Aによる3000回目のフライトを達成（第419戦闘航空団所属）。2019年6月1日、スイス空軍F-5E/F戦闘機後継機計画の評価試験に参加するため、F-35AF-83など３機と共にスイスに到着した。参考：月刊JWings2,’16、8,’17、8,’19、月刊航空情報9,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−８６＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5080。2015年11月12日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−８７＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5081。2015年12月7日に初飛行した。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。参考：月刊JWings3,’16、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−８８＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5082。2016年1月15日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−８９＞：F-35AのLRIPロット７で、シリアルナンバー13-5083。2016年1月7日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−９０＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5089。2016年2月2日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−９１＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5090。2016年2月24日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−９２＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5091。2016年2月11日に初飛行した。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。参考：月刊JWings5,’16、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−９３＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5092。2016年2月12日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−９４＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5093。2016年3月1日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−９５＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5094。2016年3月22日に初飛行した。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。参考：月刊JWings6,’16、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−９６＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5095。2016年4月6日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−９７＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5096。2016年4月4日に初飛行した。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。参考：月刊JWings7,’16、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−９８＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5097。2016年4月27日に初飛行した。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。参考：月刊JWings7,’16、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−９９＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5098。2016年5月4日に初飛行した。その後第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に配備されている。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。参考：月刊JWings8,’16、月刊航空ファン12,’17、11,’16、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１００＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5099。2016年7月14日に初飛行した。8月26日、ルーク空軍基地に到着し、第56戦闘航空団第62戦闘航空隊に配備された。参考：月刊JWings10,’16、11,’16、月刊航空ファン12,’17、11,’16

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０１＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5100。2016年6月16日に初飛行した。その後第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に配備されている。2017年11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。参考：月刊JWings9,’16、月刊航空ファン12,’17、11,’16、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０２＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5101。2016年8月1日に初飛行した。その後第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に配備されている。11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。2018年2月5日、横田基地に飛来し、マイク・ペンス副大統領のスピーチ会場で展示された。2月9日午後、嘉手納基地に戻った。参考：月刊JWings11,’16、月刊航空ファン12,’17、10,’16、4,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０３＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5102。2016年7月27日に初飛行した。2017年4月、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属でイギリス空軍レイクンヒース基地に展開。11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。12月4日、航空自衛隊との共同訓練に参加。参考：月刊JWings10,’16、2,’18、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０４＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5103。2016年9月7日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０５＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5104。2016年12月21日に初飛行した。2017年11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。12月4日、航空自衛隊との共同訓練に参加。参考：月刊JWings3,’17、月刊航空ファン12,’17、1,’18、2,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０６＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5105。2017年1月20日に初飛行した。2017年11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。11月30日、嘉手納基地を離陸して通常訓練中に右エアインテイク後方側面の跳ね上げ式アクセスドア（地上給油口や通信機器コネクターを覆う）を紛失した。2018年2月13日、飛行を再開した。参考：月刊JWings4,’17、月刊航空ファン12,’17、1,’18、5,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０７＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5106。2017年1月8日に初飛行した。10月17-22日、ソウルで開催されたADEX展示会で地上展示された。10月30日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。参考：月刊JWings4,’17、1,’18、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０８＞：F-35AのLRIPロット８で、シリアルナンバー14-5107。2017年1月31日に初飛行した。2018年4月3-8日、チリで開催されたFIDAE2018で展示された（第56戦闘航空団第62戦闘飛行隊所属）。参考：月刊JWings4,’17、7,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１０９＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5118。2016年12月20日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１０＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5119。2017年2月21日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１１＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5120。2017年2月7日に初飛行した。2018年3月17-18日、ルーク空軍基地で第63戦闘飛行隊隊長機としてルーク・デイズ2018に参加。参考：月刊JWings5,’17、月刊航空ファン12,’17、6,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１２＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5121。2017年1月30日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１３＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5122。2017年3月2日に初飛行した。2017年11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。参考：月刊JWings6,’17、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１４＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5123。2017年3月17日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１５＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5124。2017年3月27日に初飛行した。11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。参考：月刊JWings6,’17、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１６＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5125。2017年4月25日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１７＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5126。2017年5月4日に初飛行した。11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。2月26日、岩国基地に飛来し、2月27日午後にVMFA-121のF-35B戦闘機と２回のローカルフライトを行い、2月28日に嘉手納基地に戻った。参考：月刊JWings 8,’17、月刊航空ファン12,’17、1,’18、5,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１８＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5127。2017年5月25日に初飛行した。参考：月刊JWings 8,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１１９＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5128。2017年5月22日に初飛行した。11月2日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。2018年2月5日、横田基地に飛来し、マイク・ペンス副大統領のスピーチ会場で展示された。2月9日午後、嘉手納基地に戻った。2月26日、岩国基地に飛来し、2月27日午後にVMFA-121のF-35B戦闘機と２回のローカルフライトを行い、2月28日に嘉手納基地に戻った。参考：月刊JWings 8,’17、月刊航空ファン12,’17、1,’18、4,’18、5,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２０＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5129。2017年7月10日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２１＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5130。2017年6月8日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２２＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5131。2017年7月5日に初飛行した。10月17-22日、ソウルで開催されたADEX展示会で地上展示された。10月30日、第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、暫定展開を開始。参考：月刊JWings10,’17、1,’18、月刊航空ファン12,’17、1,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２３＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5132。2017年7月13日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２４＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5133。2017年8月16日に初飛行した。9月27日、第388戦闘航空団第４戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings11,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２５＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5134。2017年7月26日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２６＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5135。2017年9月7日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２７＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5136。2017年10月4日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２８＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5137。2017年10月2日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１２９＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5138。2017年10月6日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３０＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5139。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３１＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5140。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３２＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5141。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３３＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5142。2017年11月14日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３４＞：F-35AのLRIPロット９で、シリアルナンバー15-5143。2017年11月1日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３５＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5160。2017年11月18日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３６＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5161。2017年11月18日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３７＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5162。2017年11月29日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３８＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5163。2017年12月8日に初飛行した。2023年7月1-2日、F-35デモチームに所属してティンカー空軍基地でティンカー・エアショーに参加。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings3,’18、10,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−１３９＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5164。2018年12月11日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings3,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４０＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5165。2018年1月4日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４１＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5166。2018年2月8日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４２＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5167。2018年1月24日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４３＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5168。2018年2月1日に初飛行した。2023年2月、アメリカ海軍航空システム軍団NAVAIRが、本機でTR3ハードウェア＋ブロック４ミッション・ソフトウェアによる兵装関連試験を行うための改修契約を、ロッキード・マーチン社に発注した。参考：月刊JWings5,’18、6,'23、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４４＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5169。2018年3月2日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４５＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5170。2018年3月7日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４６＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5171。2018年3月21日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４７＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5172。2018年3月30日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４８＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5173。2018年4月4日に初飛行した。2019年6月3-6日、第388戦闘航空団第421戦闘飛行隊所属でアストラルナイト2019多国籍演習に参加。参考：月刊JWings7,’18、月刊航空ファン12,’17、9,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１４９＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5174。2018年4月26日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５０＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5175。2018年5月8日に初飛行した。6月11日、アメリカ空軍に納入された。これがアメリカ軍向けF-35シリーズ通算300機目である。参考：月刊航空ファン12,’17、9,’18、月刊JWings8,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５１＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5176。2018年5月9日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings8,’18

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５２＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5177。2018年6月6日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５３＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5178。2018年6月5日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５４＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5179。2018年6月13日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５５＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5180。2018年6月21日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５６＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5181。2018年7月5日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５７＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5182。2018年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５８＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5183。2018年8月3日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１５９＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5184。2018年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６０＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5185。2018年8月23日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６１＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5186。2018年8月31日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６２＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5187。2018年9月17日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６３＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5188。2018年8月27日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６４＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5189。2018年9月17日に初飛行した。2020年2月9日（第56戦闘航空団第308戦闘飛行隊所属）、フィンランド空軍のF/A-18C/D後継機評価試験のため、F-35AF-72と共に、フィンランド空軍ピッカラ基地にフェリーされた。参考：月刊JWings12,’18、5,’20、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６５＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5190。2018年9月27日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６６＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5191。2018年10月3日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６７＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5192。2018年10月11日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６８＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5193。2018年10月23日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１６９＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5194。2018年10月23日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７０＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5195。2018年10月27日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７１＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5196。2018年11月5日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７２＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5197。2018年12月5日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７３＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5198。2018年11月1日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７４＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5199。2018年11月20日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７５＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5200。2018年11月10日に初飛行した。2019年6月3-6日、第388戦闘航空団第421戦闘飛行隊所属でアストラルナイト2019多国籍演習に参加。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17、9,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７６＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5201。2018年11月14日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７７＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5202。2018年11月24日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７８＞：F-35AのLRIPロット10で、シリアルナンバー15-5203。2018年11月28日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１７９＞：F-35AのLRIPロット11で、シリアルナンバー17-5237。2018年12月3日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８０＞：シリアルナンバー17-5238。2018年12月10日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８１＞：シリアルナンバー17-5239。2019年1月7日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８２＞：シリアルナンバー17-5240。2018年12月21日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８３＞：シリアルナンバー17-5241。2019年1月9日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８４＞：シリアルナンバー17-5242。2019年1月9日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８５＞：シリアルナンバー17-5243。2019年1月21日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８６＞：シリアルナンバー17-5244。2019年1月28日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８７＞：シリアルナンバー17-5245。2019年2月24日に初飛行した。2022年7月22日、第388戦闘航空団第４戦闘飛行隊所属で横田基地に飛来。参考：月刊JWings5,’19、10,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８８＞：シリアルナンバー17-5246。2019年3月5日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１８９＞：シリアルナンバー17-5247。2019年3月5日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９０＞：シリアルナンバー17-5248。2019年3月15日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９１＞：シリアルナンバー17-5249。2019年4月1日に初飛行した。参考：月刊JWings7,'19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９２＞：シリアルナンバー17-5250。2019年3月26日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９３＞：シリアルナンバー17-5251。2019年3月25日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９４＞：シリアルナンバー17-5252。2019年4月9日に初飛行した。参考：月刊JWings7,'19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９５＞：シリアルナンバー17-5253。2019年4月25日に初飛行した。参考：月刊JWings7,'19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９６＞：シリアルナンバー17-5254。2019年5月4日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９７＞：シリアルナンバー17-5255。2019年5月6日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９８＞：シリアルナンバー17-5256。F-35シリーズ納入400機目で、2019年5月13日に初飛行した。6月6日、F-35AF-200の初飛行でチェイサーを務めた。第388戦闘航空団に配備される予定。参考：月刊JWings8,’19、9,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−１９９＞：シリアルナンバー17-5257。2019年5月13日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２００＞：シリアルナンバー17-5258。2019年6月6日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０１＞：シリアルナンバー17-5259。2019年6月3日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０２＞：シリアルナンバー17-5260。2019年5月30日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０３＞：シリアルナンバー17-5261。2019年6月13日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０４＞：シリアルナンバー17-5262。2019年7月1日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０５＞：シリアルナンバー17-5263。2019年7月3日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０６＞：シリアルナンバー17-5264。2019年7月19日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０７＞：シリアルナンバー17-5265。2019年7月31日に初飛行した。初の州兵航空隊向けで、9月にバーモント州航空隊第158戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings10,’19、月刊航空ファン10,’19、3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０８＞：シリアルナンバー17-5266。2019年8月22日に初飛行した。9月、バーモント州航空隊第158戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings11,’19、月刊航空ファン3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２０９＞：シリアルナンバー17-5267。2019年8月5日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１０＞：シリアルナンバー17-5268。2019年9月23日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１２＞：シリアルナンバー17-5270。2019年9月13日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１３＞：シリアルナンバー17-5271。2019年9月16日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１４＞：シリアルナンバー17-5272。2019年9月21日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１５＞：シリアルナンバー17-5273。2019年10月3日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１６＞：シリアルナンバー17-5274。2019年10月8日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１７＞：シリアルナンバー17-5275。2019年10月19日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１８＞：シリアルナンバー17-5276。2019年10月18日に初飛行した。2020年9月4日、F-35デモチームの一員として、ワシントン州ケネウィックでトライシティ・ウォーターフォリーズ・エアショーに参加。参考：月刊JWings1,’20、11,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２１９＞：シリアルナンバー17-5277。2019年10月31日に初飛行した。12月5日、ヴァーリントン州兵航空基地に到着し、ヴァーモント州兵航空隊第158戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings1,’20、3,'20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２０＞：シリアルナンバー17-5278。2019年11月1日に初飛行した。12月5日、ヴァーリントン州兵航空基地に到着し、ヴァーモント州兵航空隊第158戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings2,’20、3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２１＞：シリアルナンバー17-5279。2019年11月3日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２２＞：シリアルナンバー17-5280。2019年11月8日に初飛行した。12月5日、ヴァーリントン州兵航空基地に到着し、ヴァーモント州兵航空隊第158戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings2,’20、3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２３＞：シリアルナンバー17-5281。2019年11月12日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２４＞：シリアルナンバー17-5282。2019年11月13日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２５＞：2019年11月27日、シリアルナンバーなどが入っていない状態で初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２６＞：シリアルナンバー17-5284。2019年12月2日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２７＞：シリアルナンバー18-5336。2019年12月3日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２８＞：シリアルナンバー18-5337。2019年12月2日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２２９＞：シリアルナンバー18-5338。2019年12月12日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３０＞：シリアルナンバー18-5339。2019年12月23日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３１＞：シリアルナンバー18-5340。2020年1月7日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３２＞：シリアルナンバー18-5341。2020年1月24日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３３＞：シリアルナンバー18-5342。2020年2月20日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３４＞：シリアルナンバー18-5343。2020年2月17日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３５＞：シリアルナンバー18-5344。2020年2月24日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３６＞：シリアルナンバー18-5345。第354戦闘航空団に配備される初のF-35Aで、2020年3月10日に初飛行した。3月11日、フォートワースを離陸し、アラスカ州アイルソン空軍基地に向かった。その後は消息不明だったが、4月21日にアイルソン空軍基地に到着した。参考：月刊JWings6,’20、7,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３７＞：シリアルナンバー18-5346。第354戦闘航空団に配備される２機目のF-35Aで、2020年3月24日に初飛行した。4月21日、アイルソン空軍基地に到着した。参考：月刊JWings6,’20、7,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３８＞：シリアルナンバー18-5347。2020年3月25日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２３９＞：シリアルナンバー18-5348。2020年4月27日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４０＞：シリアルナンバー18-5349。2020年4月29日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４１＞：シリアルナンバー18-5350。2020年5月5日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４２＞：シリアルナンバー18-5351。2020年5月11日に初飛行した。6月25日、第354戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings8,’20、9,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４３＞：シリアルナンバー18-5352。2020年5月29日に初飛行した。6月25日、第354戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings8,’20、9,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４４＞：シリアルナンバー18-5353。2020年5月18日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４５＞：シリアルナンバー18-5354。2020年6月16日に初飛行した。7月30日、第354戦闘航空団団司令機として第354戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings9,’20、10,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４６＞：シリアルナンバー18-5355。2020年6月19日に初飛行した。7月30日、第354戦闘航空団第355戦闘飛行隊隊長機として第354戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings9,’20、10,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４７＞：シリアルナンバー18-5356。2020年6月29日に初飛行した。7月30日、第354戦闘航空団第356戦闘飛行隊隊長機として第354戦闘航空団に配備された。2022年6月6日、第354戦闘航空団第356戦闘飛行隊隊長指定機として岩国基地に展開。参考：月刊JWings9,’20、10,’20、9,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４８＞：シリアルナンバー18-5357。2020年7月8日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２４９＞：シリアルナンバー18-5358。2020年7月22日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５０＞：シリアルナンバー18-5359。2020年8月19日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５１＞：シリアルナンバー18-5360。2020年8月7日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５２＞：シリアルナンバー18-5361。2020年9月14日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５３＞：シリアルナンバー18-5362。2020年9月14日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５４＞：シリアルナンバー18-5363。2020年9月24日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５５＞：シリアルナンバー18-5364。2020年9月15日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５６＞：シリアルナンバー18-5365。2020年9月15日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５７＞：シリアルナンバー18-5366。2020年9月28日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５８＞：シリアルナンバー18-5367。2020年9月28日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

＜Ｆ−３５ＡＦ−２５９＞：シリアルナンバー18-5368。2020年10月20日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６０＞：シリアルナンバー18-5369。2020年10月30日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６１＞：シリアルナンバー18-5370。2020年10月29日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６２＞：シリアルナンバー18-5371。2020年10月30日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６３＞：シリアルナンバー18-5372。2020年11月13日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６４＞：シリアルナンバー18-5373。2020年10月29日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６５＞：シリアルナンバー18-5374。2020年11月17日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６６＞：シリアルナンバー18-5375。2020年11月25日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６７＞：シリアルナンバー18-5376。2020年11月30日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６８＞：シリアルナンバー18-5377。2020年11月16日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２６９＞：シリアルナンバー18-5378。2020年12月9日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７０＞：シリアルナンバー18-5379。2021年1月25日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７１＞：シリアルナンバー18-5380。2021年1月26日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７２＞：シリアルナンバー18-5381。2021年1月26日に初飛行した。2022年12月3日、アメリカ海軍海兵隊及び空自との連携訓練を行うため、第354戦闘航空団の一員として岩国基地に飛来。参考：月刊JWings4,’21、2,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７３＞：シリアルナンバー18-5445。2021年2月1日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７４＞：シリアルナンバー18-5446。2021年2月21日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７５＞：シリアルナンバー18-5447。2021年2月24日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７６＞：シリアルナンバー18-5448。2021年3月15日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７７＞：シリアルナンバー18-5449。2021年4月7日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７８＞：シリアルナンバー18-5450。2021年5月17日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２７９＞：シリアルナンバー18-5451。2021年4月19日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８０＞：シリアルナンバー18-5452。2021年5月26日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８１＞：シリアルナンバー18-5453。2021年5月19日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８２＞：シリアルナンバー18-5454。2021年6月2日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８３＞：シリアルナンバー18-5455。2021年6月22日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８４＞：シリアルナンバー18-5456。2021年7月1日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８５＞：シリアルナンバー18-5457。2021年7月8日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８６＞：シリアルナンバー18-5458。2021年8月19日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８７＞：シリアルナンバー18-5459。2021年8月27日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８８＞：シリアルナンバー18-5460。2021年8月20日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２８９＞：シリアルナンバー19-5461。2021年9月2日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９０＞：シリアルナンバー19-5462。2021年9月9日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９１＞：シリアルナンバー19-5463。2021年9月15日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９２＞：シリアルナンバー19-5464。2021年9月15日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９３＞：シリアルナンバー19-5465。2021年10月4日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９４＞：シリアルナンバー19-5466。2021年9月27日に初飛行した。2022年2月21日、第354戦闘航空団第354戦闘飛行隊所属で嘉手納基地に到着し、2月28日から嘉手納基地を拠点に訓練を開始した。参考：月刊JWings12,’21、5,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９５＞：シリアルナンバー19-5467。2021年10月11日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９６＞：シリアルナンバー19-5468。2021年10月8日に初飛行した。12月10日、第354戦闘航空団第355戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings1,’22、3,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９７＞：シリアルナンバー19-5469。2021年10月4日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９８＞：シリアルナンバー19-5470。2021年10月6日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−２９９＞：シリアルナンバー19-5471。2021年10月21日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３００＞：シリアルナンバー19-5472。2021年10月17日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０１＞：シリアルナンバー19-5473。2021年10月29日に初飛行した。2021年12月15日、イギリスのレイクンヒース基地に到着し、USAFE-AFAFRICA第48戦闘航空団第495戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings1,’22、3,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０２＞：シリアルナンバー19-5474。2021年10月25日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０３＞：シリアルナンバー19-5475。2021年11月18日に初飛行した。2021年12月15日、イギリスのレイクンヒース基地に到着し、USAFE-AFAFRICA第48戦闘航空団第495戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings2,’22、3,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０４＞：シリアルナンバー19-5476。2021年11月19日に初飛行した。2021年12月15日、イギリスのレイクンヒース基地に到着し、USAFE-AFAFRICA第48戦闘航空団第495戦闘飛行隊に配備された。参考：月刊JWings2,’22、3,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０５＞：シリアルナンバー19-5477。2021年11月20日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０６＞：シリアルナンバー19-5478。2021年11月12日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０７＞：シリアルナンバー19-5479。2021年12月6日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０８＞：シリアルナンバー19-5480。2021年12月12日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３０９＞：シリアルナンバー19-5481。2021年11月23日に初飛行した。2023年7月7-14日、第354戦闘航空団第355戦闘飛行隊に所属して嘉手納基地から百里基地に展開し、ノーザン・エッジ23に参加。参考：月刊JWings2,’22、10,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１０＞：シリアルナンバー19-5482。2021年12月14日に初飛行した。2023年5月20-21日、第354戦闘航空団第355戦闘飛行隊に所属してアメリカ空軍横田基地でフレンドシップフェスティバル2023に参加し、地上展示された。参考：月刊JWings3,’22、8,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１１＞：シリアルナンバー19-5483。2021年12月9日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１２＞：シリアルナンバー19-5484。2022年1月4日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１３＞：シリアルナンバー19-5485。2022年1月13日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１４＞：シリアルナンバー19-5486。2022年1月13日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１５＞：シリアルナンバー19-5487。2022年1月11日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１６＞：シリアルナンバー19-5488。2022年1月13日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１７＞：シリアルナンバー19-5489。2022年1月25日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１８＞：シリアルナンバー19-5490。2022年2月11日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３１９＞：シリアルナンバー19-5491。2022年2月18日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２０＞：シリアルナンバー19-5492。2022年2月28日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２１＞：シリアルナンバー19-5493。2022年3月2日に初飛行した。4月19日、第493戦闘飛行隊隊長機としてレイクンヒース基地に配備された。参考：月刊JWings6,’22、7,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２２＞：シリアルナンバー19-5494。2022年3月9日に初飛行した。2023年5月20-21日、第354戦闘航空団第355戦闘飛行隊に所属してアメリカ空軍横田基地でフレンドシップフェスティバル2023に参加し、地上展示された。参考：月刊JWings6,’22、8,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２３＞：シリアルナンバー19-5495。2022年3月9日に初飛行した。4月19日、第495戦闘飛行隊隊長機としてレイクンヒース基地に配備された。参考：月刊JWings6,’22、7,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２４＞：シリアルナンバー19-5496。2022年3月18日に初飛行した。2023年4月22-23日、第354戦闘航空団第355戦闘飛行隊所属で嘉手納基地アメリカフェスト2023に参加し、地上展示された。参考：月刊JWings6,’22、7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２５＞：シリアルナンバー19-5497。2022年3月17日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２６＞：シリアルナンバー20-5566。2022年3月23日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２７＞：シリアルナンバー20-5567。2022年3月28日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２８＞：シリアルナンバー20-5568。2022年4月5日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３２９＞：シリアルナンバー20-5569。2022年4月8日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３０＞：シリアルナンバー20-5570。2022年5月9日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３１＞：シリアルナンバー20-5571。2022年5月13日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３２＞：シリアルナンバー20-5572。2022年5月17日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３３＞：シリアルナンバー20-5573。2022年5月18日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３４＞：シリアルナンバー20-5574。2022年5月25日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３５＞：シリアルナンバー20-5575。2022年6月7日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３６＞：シリアルナンバー20-5576。2022年6月22日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３７＞：シリアルナンバー20-5577。2022年7月25日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３８＞：シリアルナンバー20-5578。2022年7月18日に初飛行した。8月1日、第461試験飛行隊に配備された。TR3ハードウェア／ブロック４ミッション・ソフトウェアの試験に使用される。参考：月刊JWings10,’22、11,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３３９＞：シリアルナンバー20-5579。2022年7月26日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４０＞：シリアルナンバー20-5580。2022年7月26日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４１＞：シリアルナンバー20-5581。2022年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４２＞：シリアルナンバー20-5582。2022年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４３＞：シリアルナンバー20-5583。2022年8月26日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４４＞：シリアルナンバー20-5584。2022年9月16日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４５＞：シリアルナンバー20-5585。2022年9月6日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４６＞：シリアルナンバー20-5586。2022年9月6日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４７＞：シリアルナンバー20-5587。2022年9月7日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４８＞：シリアルナンバー20-5588。2022年9月27日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＡＦ−３４９＞：シリアルナンバー20-5589。2022年10月6日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５０＞：シリアルナンバー20-5590。2022年10月3日に初飛行した。第48戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings1,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５１＞：シリアルナンバー20-5591。2022年10月26日に初飛行した。アメリカ空軍武器学校／第57航空団第６武器隊に配備された。参考：月刊JWings1,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５２＞：シリアルナンバー20-5592。2022年10月27日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５３＞：シリアルナンバー20-5593。2022年11月9日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５４＞：シリアルナンバー20-5594。2022年11月28日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５５＞：シリアルナンバー20-5595。2022年11月9日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５６＞：シリアルナンバー20-5596。2022年11月18日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５７＞：シリアルナンバー20-5597。2022年11月30日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５８＞：シリアルナンバー20-5598。2022年11月28日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３５９＞：シリアルナンバー20-5599。2022年12月14日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６０＞：シリアルナンバー20-5600。2022年12月14日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６１＞：シリアルナンバー20-5601。2022年12月5日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６２＞：シリアルナンバー20-5602。2023年3月14日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６３＞：シリアルナンバー20-5603。2023年3月25日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６５＞：シリアルナンバー200-5605。2023年3月29日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６６＞：シリアルナンバー20-5606。2023年3月17日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６７＞：シリアルナンバー20-5607。2023年3月25日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６８＞：シリアルナンバー20-5608。2023年4月10日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３６９＞：シリアルナンバー20-5609。2023年4月5日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７０＞：シリアルナンバー20-5610。2023年4月11日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７１＞：シリアルナンバー20-5611。2023年4月15日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７２＞：シリアルナンバー20-5612。2023年4月15日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７３＞：シリアルナンバー20-5613。2023年4月13日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７４＞：シリアルナンバー20-5614。2023年5月18日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７５＞：シリアルナンバー20-5615。2023年4月20日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７６＞：シリアルナンバー20-5616。2023年4月28日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７７＞：シリアルナンバー20-5617。2023年4月21日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７８＞：シリアルナンバー20-5618。2023年4月24日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３７９＞：シリアルナンバー20-5619。2023年4月30日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８０＞：シリアルナンバー20-5620。2023年4月30日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８１＞：シリアルナンバー20-5621。2023年5月2日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８２＞：シリアルナンバー22-5682。2023年5月17日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８３＞：シリアルナンバー22-5683。2023年5月23日初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８４＞：シリアルナンバー22-5684。2023年5月31日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８５＞：シリアルナンバー22-5685。2023年6月26日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８６＞：シリアルナンバー22-5686。2023年5月24日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８７＞：シリアルナンバー22-5687。2023年6月15日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８８＞：シリアルナンバー22-5692。2023年6月6日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３８９＞：シリアルナンバー22-5693。2023年7月31日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３９０＞：シリアルナンバー22-5694。2023年7月5日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’23

＜Ｆ−３５ＡＦ−３９１＞：シリアルナンバー22-5695。2023年7月18日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’23

＜Ｆ−３５ＡＧ−１＞：F-35A規格の地上試験機。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＪ−１＞：F-35A規格の地上試験機。2017年、BAEシステムズ社の第３次構造寿命試験（24000飛行時間相当）に使用された。2019年7月、耐久試験を完了した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18、5,’20

　＜Ｆ−３５ＢＦ−１＞：システム開発実証飛行試験用２号機で、F-35B規格の飛行可能初号機にあたる。元はF-35BB-1という名称になる予定だったが、重量軽減を図るついでに改称された。2008年6月11日に通常離着陸で初飛行した。2009年11月15日、パタクセントリバー海軍航空基地に到着。2010年3月18日、初のSTOVL試験に成功。2011年3月7日、100回目の試験飛行を実施。4月、タイダウン試験を実施。5月12日、F-35B全体で100回目の垂直着陸を実施。7月26日、BF-1として100回目の垂直着陸を実施。2012年12月7日、F-35B計1000回目の開発飛行試験を実施。2013年5月10日、初の垂直離陸に成功。5月28日、イギリス空軍パイロットが外国軍パイロットとして初めて垂直着陸を実施。6月4日、300回目の試験飛行を実施。9月11日、F-35通算10000時間飛行を達成。2014年2月11日、モード４（STOVL飛行モード）でF-35BF-5と編隊飛行を行った。8月9日、モード４でF-35BF-4と編隊飛行を実施。2016年10月28日からLHA-6アメリカでのDT-�V開発試験に参加。2017年2月21日、MGSガンポッドの初実射試験を実施。2018年3月5日、パタクセントリバー海軍航空基地で横風STOVL試験を実施。これでF-35Bのシステム開発実証飛行試験を全て終了した。参考：月刊JWings3,’09、8,’11、3,’13、8,’13、9,’13、1,’14、5,’14、12,’14、1,’17、5,’17、6,’18、月刊航空ファン6,’10、9,’11、月刊軍事研究7,’10、10,’11

　＜Ｆ−３５ＢＦ−２＞：システム開発実証飛行試験用３号機で、F-35B規格の２号機である。2009年2月（9月？）25日に初飛行した。12月29日、パタクセントリバー海軍航空基地に到着。2010年1月7日、STOVLのテスト（リフトファン作動確認テスト）を開始。1月27日、イギリス空軍士官の操縦で飛行した。6月14日、F-35Bとして初めて超音速飛行を行った。2011年10月3日1512（アメリカ東部標準時）、LHD-1ワスプで初の垂直着艦に成功した。10月4日、LHD-1ワスプから初の短距離発艦に成功。その後垂直着艦した。10月21日、LHD-1ワスプでの艦上試験を終了。2012年2月22日、機外装備品を搭載しての初めての飛行を実施。Sta.1/11にAEAレールランチャーとAIM-9Xのキャプティブ弾、Sta.2/10とSta.3/9にBRU-68/A爆弾ラック、Sta.6にパイロンとMGSポッド形状モデルを装着していた。6月14日、初の非対称兵装搭載（胴体右ウェポンベイにGBU-32/BとAIM-120Cを１発ずつ、Sta.1にAIM-9用レールランチャー、Sta.6に25mm機関砲ポッドMGS、Sta.11にAIM-9X）での飛行を実施。7月23日、エドワーズ空軍基地に移動。8月6-15日、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地上空でエンジン空中再始動試験を27回実施し、成功裡に終了した。2013年6月19日、パタクセントリバー海軍航空基地東側海上上空でKC-10Aからの空中給油に成功（F-35Bとして初）。7月24日、KC-135Rからの空中給油に成功。2017年8月、BAEシステムズ社のテストパイロットが搭乗し、ASRAAM２発とペイブウェイ�W４発を外装してのスキージャンプ台発艦試験を実施。参考：月刊軍事研究7,’10、9,’10、4,’12、10,’11、3,’13、月刊JWings3,’11、12,’11、5,’12、9,’12、12,’12、9,’13、11,’17

　＜Ｆ−３５ＢＦ−３＞：システム開発実証飛行試験用５号機で、F-35B規格の３号機である。2010年2月2日に初飛行した。2月17日、パタクセントリバー海軍航空基地に到着。2011年4月21日、100フライトを記録。2012年3月29日、パタクセントリバー海軍航空基地の地上試験ピットで実施していた兵装関連試験を終了。8月8日、F-35全タイプで初となる飛行中の兵器切り離し試験を実施。GBU-32/Bの計測用模擬弾を左ウェポンベイから洋上に投下した。9月19日、Sta.1/11にAIM-9Xを１発ずつ搭載して飛行した。12月3日、飛行中の兵器切り離し試験を実施。高度5000フィート（1524m）からGBU-12/Bをマッハ0.8で飛行中に投下した。2013年3月26日、F-35Bとして初のAIM-120空中分離試験に成功。2014年8月14-15日、大西洋試験場上空でAIM-120計測弾の空中分離試験に２回成功した。2015年6月12日、イギリス空軍テストパイロットが搭乗して大西洋試験場でペイブウェイ�W（Mk82爆弾ベース）の投下試験を実施。2018年2月1日、パタクセントリバー海軍航空基地で、主翼下外側にAIM-9X、中央にGBU-32/B、内側にGBU-31/Bを左右１発ずつ搭載した状態でのバフェット試験を実施。参考：月刊軍事研究7,’10、10,’11、月刊航空ファン7,’11、月刊JWings10,’12、7,’12、12,’12、3,’13、6,’13、12,’14、9,’15、月刊航空情報5,’18

　＜Ｆ−３５ＢＦ−４＞：システム開発実証飛行試験用６号機で、F-35B規格の４号機である。システム開発実証試験機としては初めてミッション機器（AN/APG-81、電子戦システム、HMD、統合型コアプロセッサ、統合型通信航法識別装置、INS、GPS）を搭載しており、ソフトウェアはブロック0.5にバージョンアップされたが、まだ飛行試験用ソフトの域を出ていない。2010年4月7日に初飛行した。6月7日、パタクセントリバー海軍航空基地に到着。11月6日、ソフトウェアをミッション機器対応のブロック１に更新して初飛行した。2011年4月20日、STOVL飛行を実施。6月21日、パタクセントリバー海軍航空基地の海軍電磁波輻射施設で艦上での電磁波の影響を調査するテストを行った。10月6日、LHD-1ワスプに垂直着艦し、10月21日まで艦上試験を行った。2012年3月28日、AIM-120模擬ミサイル２発を搭載しての初飛行を行った。4月2日、初の夜間STOVL試験を実施。2013年10月15日、スピン回復シュートを装着して初の飛行試験を実施。2014年7月30日、ウェット環境試験と横風環境試験を完了。8月9日、モード４（STOVL飛行モード）でF-35BF-1と編隊飛行を実施。2015年6月19日、パタクセントリバー海軍航空基地で地上試験用スキージャンプ台からの発艦試験を実施。2017年8月、BAEシステムズ社のテストパイロットが搭乗してASRAAM２発とペイブウェイ�W４発を外装してのスキージャンプ台発艦試験を実施。2018年9月25日、イギリス空軍パイロットの操縦で、イギリス海軍パイロット操縦F-35BF-5と共に、R-08クイーン・エリザベスに初着艦した。11月1-18日、F-35BF-5と共に、R-08クイーン・エリザベスで第２次運用評価試験DT-2に参加。参考：月刊軍事研究7,’10、7,’12、10,’11、月刊航空ファン2,’11、9,’11、12,’18、月刊JWings3,’12、8,’11、1,’14、11,’14、12,’14、9,’15、11,’17、2,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５＞：F-35B規格のシステム開発実証飛行試験用５号機で、ブロック１ソフトウェアを搭載しており、2011年1月27日に初飛行した。5月12日、STOVL飛行試験を実施。F-35BのSDD機全機で通算100回目の垂直着陸に成功した。7月16日、パタクセントリバー海軍航空基地に配備された。2012年6月26日、改修を終えてパタクセントリバー海軍航空基地に到着。2014年2月11日、モード４（STOVL飛行モード）でF-35BF-1と編隊飛行を行った。4月11日、エドワーズ空軍基地にフェリーされた。5月15日、エドワーズ空軍基地で横風試験とウェット試験（濡れた滑走路での運用試験）を実施。2016年10月28日からLHA-6アメリカでのDT-�V開発試験に参加。2018年9月25日、イギリス海軍パイロットの操縦で、イギリス空軍パイロット操縦F-35BF-4と共に、R-08クイーン・エリザベスに初着艦した。11月1-18日、F-35BF-4と共に、R-08クイーン・エリザベスで第２次運用評価試験DT-2に参加。参考：月刊JWings4,’11、7,’11、8,’11、10,’11、10,’12、5,’14、8,’14、1,’17、2,’19、月刊軍事研究4,’11、10,’11、月刊航空ファン12,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−６＞：F-35BのLRIPロット２で、ビューロナンバー168057。2011年10月25日に初飛行した。2012年1月11日、エグリン空軍基地にフェリーされ、VMFAT-501に配備された。5月22日、F-35Bとして初の飛行ミッション（CTOL方式）を実施。参考：月刊JWings4,’12、3,’12、8,’12

＜Ｆ−３５ＢＦ−７＞：F-35BのLRIPロット２で、ビューロナンバー168058。2011年12月21日に初飛行した。2012年1月19日、エグリン空軍基地にフェリーされ、VMFAT-501に配備された。。参考：月刊JWings4,’12

＜Ｆ−３５ＢＦ−８＞：F-35BのLRIPロット２で、ビューロナンバー168059。2011年11月29日に初飛行した。2012年1月11日、エグリン空軍基地にフェリーされ、VMFAT-501に配備された。参考：月刊航空ファン2,’12、月刊JWings4,’12

＜Ｆ−３５ＢＦ−９＞：F-35BのLRIPロット２で、ビューロナンバー168060。2012年3月6日に初飛行した。5月10日、フォートワース統合予備役基地からエグリン空軍基地にフェリーされ、VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings7,’12、8,’12

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０＞：F-35BのLRIPロット２で、ビューロナンバー168061。2012年3月15日に初飛行した。5月10日、フォートワース統合予備役基地からエグリン空軍基地にフェリーされ、VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings7,’12、8,’12

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１＞：F-35BのLRIPロット２で、ビューロナンバー168062。2012年3月21日に初飛行した。5月15日、フォートワース統合予備役基地からエグリン空軍基地にフェリーされ、VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings7,’12、8,’12

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２＞：F-35BのLRIPロット３で、ビューロナンバー168308。2012年3月30日に初飛行した。VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings7,’12、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３＞：F-35BのLRIPロット３で、ビューロナンバー168309。2012年3月13日に初飛行した。VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings7,’12、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４＞：F-35BのLRIPロット３で、ビューロナンバー168310。2012年4月24日に初飛行した。VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings7,’12、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５＞：F-35BのLRIPロット３で、ビューロナンバー168311。2012年7月13日に初飛行した。9月27日1039（アメリカ中部標準時）、フォートワース統合予備役基地を離陸し、90分後にエグリン空軍基地に着陸してVMFAT-501に配備された。2018年3月17日、VMX-1所属でユマ基地オープンハウスにおいて展示飛行を行った。参考：月刊JWings10,’12、12,’12、6,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−１６＞：F-35BのLRIPロット３で、ビューロナンバー168312。2012年7月26日に初飛行した。10月19日、エグリン空軍基地に到着し、VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings10,’12、1,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−１７＞：F-35BのLRIPロット３で、ビューロナンバー168313。2012年7月24日に初飛行した。10月4日、パタクセントリバー海軍航空基地に配備された。2013年3月5日、エドワーズ空軍基地に到着し、統合試験軍の運用機となった。10月29日、胴体右ウェポンベイからGBU-12/B誘導爆弾１発を投下し、AN/AAQ-40EOTSによる目標指示誘導でエドワーズ空軍基地精密兵器射爆場内の固定目標に命中させた。2014年2月25日、ホワイトサンズ実験場でAIM-120の発射試験を実施。4月4日、イギリス空軍タイフーン戦闘機２機と相互運用性確認試験を実施。参考：月刊JWings10,’12、1,’13、6,’13、1,’14、8,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−１８＞：F-35BのLRIPロット３、ブロック2B仕様で、ビューロナンバー168314。2012年8月8日に初飛行した。VMFAT-501に配備された。2013年12月6日、エドワーズ空軍基地でGBU-32/Bの投下試験を行い、高度25000フィート（7620m）から地上のISOコンテナに直撃させた。2023年10月29日、VX-23に所属してイギリス海軍空母R09プリンス・オブ・ウェールズでの夜間SRVL試験に参加。参考：月刊JWings11,’12、3,’14、1,'24、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−１９＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168717。2012年10月15日に初飛行した。11月20日、ユマ海兵隊航空基地のVMFA-121に配備された。2013年3月21日、作戦部隊配備機として初めて垂直着陸を実施。その後VMX-22Det.に配備され、エドワーズ空軍基地に移動した。参考：月刊JWings1,’13、2,’13、6,’13、月刊航空ファン1,’15

＜Ｆ−３５ＢＦ−２０＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168718。2012年10月14日に初飛行した。11月20日、ユマ海兵隊航空基地のVMFA-121に配備された。参考：月刊JWings1,’13、2,’13

＜Ｆ−３５ＢＦ−２１＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168719。2012年10月24日に初飛行した。11月20日、ユマ海兵隊航空基地のVMFA-121に配備された。参考：月刊JWings1,’13、2,’13

＜Ｆ−３５ＢＦ−２２＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168720。2012年12月2日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings3,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−２３＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168721。2013年1月13日に初飛行し、VMFA-121に配備された。7月30日、ミラマー海兵隊基地に着陸した。参考：月刊JWings4,’13、10,’13

＜Ｆ−３５ＢＦ−２４＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168722。2013年3月7日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、6,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−２５＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168723。2013年3月6日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings6,’13、5,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−２６＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168724。2013年3月6日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、6,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−２７＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168725。2013年3月19日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、7,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−２８＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168726。2013年6月8日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、9,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−２９＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168727。2013年6月29日に初飛行した。VMFA-121に配備された。2017年11月15日、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。参考：月刊JWings5,’13、10,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−３０＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168728。2013年9月18日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、12,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−３１＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168729。2013年7月3日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、10,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−３２＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168730。2013年6月21日に初飛行した。VMFA-121に配備された。2017年11月9日、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。参考：月刊JWings5,’13、9,’13、月刊軍事研究9,’14、月刊航空ファン2,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−３３＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168731。2013年9月3日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、12,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−３４＞：F-35BのLRIPロット４で、ビューロナンバー168732。2013年9月21日に初飛行した。VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings5,’13、12,’13、月刊軍事研究9,’14

＜Ｆ−３５ＢＦ−３５＞：F-35BのLRIPロット５で、ビューロナンバー168838。2013年11月12日に初飛行した。VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings2,’14、月刊軍事研究9,’14、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−３６＞：F-35BのLRIPロット５で、ビューロナンバー168839。2013年10月25日に初飛行した。VMFAT-501に配備された。参考：月刊JWings1,’14、月刊軍事研究9,’14、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−３７＞：F-35BのLRIPロット５で、ビューロナンバー168840。2014年2月27日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’14、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−３８＞：F-35BのLRIPロット６で、ビューロナンバー169023。2014年10月7日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−３９＞：F-35BのLRIPロット６で、ビューロナンバー169024。2014年11月6日に初飛行した。VMFAT-501を経てVMFA-211に配備された。参考：月刊JWings2,’15、月刊航空ファン9,’16、12’,17

＜Ｆ−３５ＢＦ−４０＞：F-35BのLRIPロット６で、ビューロナンバー169025。2014年12月13日に初飛行した。VMFAT-501を経てVMFA-211に配備された。参考：月刊JWings3,’15、月刊航空ファン9,’16、12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−４１＞：F-35BのLRIPロット６で、ビューロナンバー169026。2015年2月17日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−４２＞：F-35BのLRIPロット６で、ビューロナンバー169027。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−４３＞：F-35BのLRIPロット６で、ビューロナンバー169028。2015年5月27日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−４４＞：F-35BのLRIPロット７初号機で、ビューロナンバー169164。2015年8月13日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2019年1月16日、ホワイトビーチに停泊中のLHD-1ワスプに駐機していた。5月24-29日、横須賀基地に停泊中のLHD-1ワスプに搭載されていた。5月28日、トランプ大統領がLHD-1の格納庫でスピーチした際、格納庫内に展示されていた。参考：月刊JWings11,’15、月刊航空ファン12,’17、2,’18、4,’19、8,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−４５＞：F-35BのLRIPロット７で、ビューロナンバー169165。2015年9月10日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’15、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−４６＞：F-35BのLRIPロット７で、ビューロナンバー169166。2015年10月8日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年3月16日、ホワイトビーチでLHD-1ワスプに搭載されていた。4月24日1102頃、通常訓練中にトラブルが発生し、築城基地に緊急着陸した。4月26日午後に岩国基地に帰投している。参考：月刊JWings1,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、6,’18、7,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−４７＞：F-35BのLRIPロット７で、ビューロナンバー169167。2015年10月2日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年12月3日、嘉手納基地から普天間基地に展開。12月4日から伊江島補助飛行場デッキ着陸帯で陸上発着艦訓練を開始。参考：月刊JWings1,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、2,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−４８＞：F-35BのLRIPロット７で、ビューロナンバー169168。2015年12月2日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2019年1月16日、ホワイトビーチに停泊中のLHD-1ワスプに駐機していた。参考：月刊JWings3,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、4,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−４９＞：F-35BのLRIPロット７で、ビューロナンバー169169。2016年1月28日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年3月16日、ホワイトビーチでLHD-1ワスプに搭載されていた。8月22日、機体トラブルのため僚機５機から遅れてLHD-1ワスプから嘉手納基地に移動した。参考：月刊JWings4,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、6,’18、11,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−５０＞：F-35BのLRIPロット８で、ビューロナンバー169292。2016年4月5日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2019年1月16日、ホワイトビーチに停泊中のLHD-1ワスプに駐機していた。参考：月刊JWings7,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、4,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５１＞：F-35BのLRIPロット８で、ビューロナンバー169293。2016年6月6日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年3月16日、ホワイトビーチでLHD-1ワスプに搭載されていた。参考：月刊JWings9,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、6,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−５２＞：F-35BのLRIPロット８で、ビューロナンバー169294。2016年9月19日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年12月3日、嘉手納基地から普天間基地に展開。12月4日から伊江島補助飛行場デッキ着陸帯で陸上発着艦訓練を開始。2019年1月16日、ホワイトビーチに停泊中のLHD-1ワスプに駐機していた。参考：月刊JWings12,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、2,’19、4,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５３＞：F-35BのLRIPロット８で、ビューロナンバー169295。2016年8月29日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年3月16日、ホワイトビーチでLHD-1ワスプに搭載されていた。12月3日、嘉手納基地から普天間基地に展開。12月4日から伊江島補助飛行場デッキ着陸帯で陸上発着艦訓練を開始。参考：月刊JWings11,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、6,’18、2,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５４＞：F-35BのLRIPロット８で、ビューロナンバー169296。2016年9月28日に初飛行した。2017年1月、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年3月16日、ホワイトビーチでLHD-1ワスプに搭載されていた。2019年1月16日、ホワイトビーチに停泊中のLHD-1ワスプに駐機していた。5月24-29日、横須賀基地に停泊中のLHD-1ワスプに搭載されていた。参考：月刊JWings12,’16、月刊航空ファン12,’17、2,’18、6,’18、3,’19、8,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５５＞：F-35BのLRIPロット８で、ビューロナンバー169297。2016年12月2日に初飛行した。2017年11月9日、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年3月16日、ホワイトビーチでLHD-1ワスプに搭載されていた。12月3日、嘉手納基地から普天間基地に展開。12月4日から伊江島補助飛行場デッキ着陸帯で陸上発着艦訓練を開始。参考：月刊JWings3,’17、月刊航空ファン12,’17、2,’18、6,’18、2,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５６＞：F-35BのLRIPロット９で、ビューロナンバー169411。2017年4月4日に初飛行した。2017年11月15日、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年12月3日、嘉手納基地から普天間基地に展開。12月4日から伊江島補助飛行場デッキ着陸帯で陸上発着艦訓練を開始。参考：月刊JWings7,’17、月刊航空ファン12,’17、2,’18、2,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５７＞：F-35BのLRIPロット９で、ビューロナンバー169412。2017年5月30日に初飛行した。2017年11月9日、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。参考：月刊JWings 8,’17、月刊航空ファン12,’17、2,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−５８＞：F-35BのLRIPロット９で、ビューロナンバー169413。2017年7月12日に初飛行した。2017年11月15日、VMFA-121所属で岩国基地に到着した。2018年12月3日、嘉手納基地から普天間基地に展開。12月4日から伊江島補助飛行場デッキ着陸帯で陸上発着艦訓練を開始。参考：月刊JWings10,’17、月刊航空ファン12,’17、2,’18、2,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−５９＞：F-35BのLRIPロット９で、ビューロナンバー169414。2017年9月19日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６０＞：F-35BのLRIPロット９で、ビューロナンバー169415。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６１＞：F-35BのLRIPロット９で、ビューロナンバー169416。2017年11月17日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18

＜Ｆ−３５ＢＦ−６２＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169587。2018年1月19日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６３＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169588。2018年3月29日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６４＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169589。2018年4月23日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６５＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169590。2018年6月28日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６６＞：F-35BのLRIPロット10。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６７＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169512。2018年10月5日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６８＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169593。2018年10月26日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−６９＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169594。2018年11月24日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−７０＞：F-35BのLRIPロット10で、ビューロナンバー169595。2018年11月27日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−７１＞：F-35BのLRIPロット11で、ビューロナンバー169607。2019年3月21日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＦ−７２＞：ビューロナンバー169608。2019年3月22日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−７３＞：ビューロナンバー169609。2019年5月4日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−７４＞：ビューロナンバー169610。2019年4月26日に初飛行した。参考：月刊JWings7,'19

＜Ｆ−３５ＢＦ−７５＞：ビューロナンバー169611。2019年5月6日に初飛行した。2023年3月22日、VMFA-122隊長指定機としてLHD-8マキン・アイランドから岩国基地に飛来し、3月25-26日にローカルフライトを行った。参考：月刊JWings8,’19、6,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−７６＞：ビューロナンバー169612。2019年5月24日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−７７＞：ビューロナンバー169613。2019年6月6日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−７８＞：ビューロナンバー169614。2019年7月11日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−７９＞：ビューロナンバー169615。2019年7月11日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−８０＞：ビューロナンバー169616。2019年7月15日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−８１＞：ビューロナンバー169617。2019年7月30日に初飛行した。2020年3月31日、岩国基地に飛来し、VMFA-121に配備された。2022年12月1日1400過ぎ、電気系統トラブルで嘉手納基地に緊急着陸した（VMFA-121所属）。Ｅ誘導路でエンジンを停止して牽引車で牽引されていったが、前脚の牽引バーが外れて前脚がへたり込み、前のめりの状態で誘導路に擱座している。機首や前脚ドアはギリギリ地面に付かず、クレーンで持ち上げて機首をベッドマットに挟み、トレーラーに載せて再び牽引されていった。参考：月刊JWings10,’19、7,’20、2,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−８２＞：ビューロナンバー169618。2019年8月6日に初飛行した。2023年4月15日、VMFA-242所属で岩国基地フレンドシップデーに参加し、地上展示された。参考：月刊JWings11,’19、7,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−８３＞：ビューロナンバー169619。2019年8月19日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−８４＞：ビューロナンバー169620。2019年8月23日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’19

＜Ｆ−３５ＢＦ−８５＞：ビューロナンバー169621。2019年10月15日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−８６＞：ビューロナンバー169622。2019年11月1日に初飛行した。2022年1月24日、VMFA-121所属で嘉手納基地から訓練飛行を実施。１回目はウェポンベイにGBU-32/Bの訓練弾、主翼下パイロンにGBU-49/Bの訓練弾１発ずつを搭載し、２回目は主翼下にGBU-49/Bの実弾を搭載して鳥島射爆場に向かった。参考：月刊JWings2,’20、4,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−８７＞：ビューロナンバー169623。2019年10月26日に初飛行した。2020年3月31日、岩国基地に飛来し、VMFA-121に配備された。2021年10月3日、DDH-183いずもで発着艦試験を実施。参考：月刊JWings1,’20、7,’20、12,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−８８＞：ビューロナンバー169624。2019年11月24日に初飛行した。2020年3月31日、岩国基地に飛来し、VMFA-121に配備された。9月24日、VMFA-242と機体に記入した姿が確認された。2021年10月3日、DDH-183いずもで発着艦試験を実施。参考：月刊JWings2,’20、7,’20、12,’20、12,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−８９＞：ビューロナンバー169625。2019年11月23日に初飛行した。2020年3月31日、岩国基地に飛来し、VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings2,’20、7,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９０＞：ビューロナンバー169626。2019年12月3日に初飛行した。2020年3月31日、岩国基地に飛来し、VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings3,’20、7,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９１＞：ビューロナンバー169627。2019年12月8日に初飛行した。2023年2月20-23日、VMFA-242所属でLHA-6アメリカに搭載され大阪港に寄港。参考：月刊JWings3,’20、5,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−９２＞：ビューロナンバー169628。2019年12月12日に初飛行した。2020年3月31日、岩国基地に飛来し、VMFA-121に配備された。参考：月刊JWings3,’20、7,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９３＞：ビューロナンバー169678。2020年2月14日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９４＞：ビューロナンバー169679。2020年2月6日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９５＞：ビューロナンバー169680。2020年2月28日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９６＞：ビューロナンバー169681。2020年3月24日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９７＞：ビューロナンバー169682。2020年4月24日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−９８＞：ビューロナンバー169683。2020年4月23日に初飛行した。2021年8月、VMFA-121に所属して三沢基地で移動訓練に参加。参考：月刊JWings7,’20、11,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−９９＞：ビューロナンバー169684。2020年5月4日に初飛行した。2023年1月12日、VMFA-121に所属して岩国基地で25mm機関砲ポッドを装着しての飛行訓練を実施。参考：月刊JWings8,’20、4,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１００＞：ビューロナンバー169685。2020年5月14日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０１＞：ビューロナンバー169686。2020年6月8日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０２＞：ビューロナンバー169687。2020年6月15日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０３＞：ビューロナンバー169688。2020年7月30日に初飛行した。2023年4月15日、VMFA-121所属で岩国基地フレンドシップデーに参加し、地上展示された。参考：月刊JWings10,’20、7,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０４＞：ビューロナンバー169689。2020年9月8日に初飛行した。2022年3月15日午後、VMFA-121所属で厚木基地に着陸。3月16日、厚木基地を離陸して岩国基地に戻った。参考：月刊JWings12,’20、6,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０５＞：ビューロナンバー169690。2020年8月18日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’20

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０６＞：ビューロナンバー169691。2020年10月6日に初飛行した。2021年7月12日、VMFA-242所属で嘉手納基地に飛来し、移動訓練を開始。参考：月刊JWings1,’21、10,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０７＞：ビューロナンバー169692。2020年11月4日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０８＞：ビューロナンバー169693。2020年11月25日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１０９＞：ビューロナンバー169694。2020年11月30日に初飛行した。2022年3月8日午前、VMFA-121所属で厚木基地に飛来し、午後に岩国基地に戻った。参考：月刊JWings2,’21、6,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１０＞：ビューロナンバー169695。2021年1月11日に初飛行した。7月12日、VMFA-242所属で嘉手納基地に飛来し、移動訓練を開始。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１１＞：ビューロナンバー169696。2021年2月2日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１２＞：ビューロナンバー169785。2021年3月18日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１３＞：ビューロナンバー169786。2021年3月5日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１４＞：ビューロナンバー169787。2021年3月31日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１５＞：ビューロナンバー169794。2021年4月8日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１６＞：ビューロナンバー169795。2021年5月7日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１７＞：ビューロナンバー169796。2021年5月21日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１８＞：ビューロナンバー169797。2021年6月7日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１１９＞：ビューロナンバー169912。2021年6月30日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２０＞：ビューロナンバー169913。2021年7月12日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２１＞：ビューロナンバー169914。2021年7月30日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２２＞：ビューロナンバー169915。2021年10月4日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２３＞：ビューロナンバー169916。2021年12月6日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２４＞：ビューロナンバー169917。2021年12月9日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２５＞：ビューロナンバー169918。2022年2月21日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２６＞：ビューロナンバー169919。2022年1月14日に初飛行した。参考：月刊JWings4,'22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２７＞：ビューロナンバー169920。2022年2月1日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２８＞：ビューロナンバー169921。2022年2月25日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１２９＞：ビューロナンバー169922。2022年3月16日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３０＞：ビューロナンバー169923。2022年3月23日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３１＞：ビューロナンバー169924。2022年4月5日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３２＞：ビューロナンバー169925。2022年4月5日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３３＞：ビューロナンバー169926。2022年5月9日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３４＞：ビューロナンバー169927。2022年5月16日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３５＞：ビューロナンバー170048。2022年5月25日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３６＞：ビューロナンバー170049。2022年6月6日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３７＞：ビューロナンバー170050。2022年6月14日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３８＞：ビューロナンバー170051。2022年7月11日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１３９＞：ビューロナンバー170052。2022年8月3日に初飛行した。2023年2月、アメリカ海軍航空システム軍団NAVAIRが、本機でTR3ハードウェア＋ブロック４ミッション・ソフトウェアによる兵装関連試験を行うための改修契約を、ロッキード・マーチン社に発注した。参考：月刊JWings11,’22、6,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４０＞：ビューロナンバー170053。2022年9月14日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４１＞：ビューロナンバー170054。2022年9月16日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４２＞：ビューロナンバー170055。2022年9月28日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４３＞：ビューロナンバー170056。2022年9月30日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４４＞：ビューロナンバー170057。2022年11月18日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４５＞：ビューロナンバー170058。2022年11月9日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４６＞：ビューロナンバー170059。2022年11月20日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４７＞：ビューロナンバー170060。2022年11月16日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４８＞：ビューロナンバー170061。2022年12月5日に初飛行した。12月15日、フォートワース海軍航空基地でアメリカ空軍パイロットによる品質審査飛行を行っていた納入前のF-35BF-148が垂直着陸に入った際、着陸寸前に降下速度が増し滑走路でバウンドしてしまい、次いで前傾姿勢のまま着地したため前脚が折れ、機首と右主翼端を接地させて地上を回転しながらスライドし、パイロットは緊急脱出（怪我無し）、機体は滑走路から逸脱して止まった。これにより領収前試験飛行が中止され、12月27日にはF135エンジンも納入停止措置が執られている。参考：月刊JWings3,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１４９＞：ビューロナンバー170062。2023年3月に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５０＞：ビューロナンバー170063。2023年5月2日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５１＞：ビューロナンバー170064。2023年4月21日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５２＞：ビューロナンバー170065。2023年5月17日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５３＞：ビューロナンバー170066。2023年5月8日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５４＞：ビューロナンバー170067。2023年8月18日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５５＞：ビューロナンバー170068。2023年7月19日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５６＞：ビューロナンバー170069。2023年6月15日に初飛行した。参考：月刊JWings9,'23

＜Ｆ−３５ＢＦ−１５７＞：ビューロナンバー170070。2023年8月10日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’23

＜Ｆ−３５ＢＧ−１＞：F-35B規格の地上試験機。試験中にアルミニウム隔壁に亀裂が発見され、開発遅延の元になっている。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究6,’11

＜Ｆ−３５ＢＨ−１＞：F-35B規格の地上試験機。試験中に構造材の補修や改修を繰り返したため、実機にデータを反映できなくなってしまい、2019年1月末のアメリカ国防総省試験評価部門年次報告書で本機による構造試験の打ち切りが記載された。代わりに主翼キャリースルーの強度を増したLRIPロット９以降の機体を地上試験機BH-2として使用する。参考：月刊JWings5,’19

＜Ｆ−３５ＢＨ−２＞：F-35B規格の地上試験機。LRIPロット９以降の強化型主翼キャリースルーに対応した地上試験を行うための機体である。参考：月刊JWings5,’20

＜Ｆ−３５ＢＪ−１＞：F-35B規格の地上試験機。参考：月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１＞：システム開発実証飛行試験用９号機、F-35C規格の飛行可能初号機で、2009年7月28日にロールアウトしたが、遷音速での急旋回時に片翼が急激に下がる可能性があるとのことで、外翼部分にスポイラーを追加することになった。初飛行は2010年6月7日（6日？）である。11月6日、パタクセントリバー海軍航空基地に到着。2011年2月11日、海軍現役パイロットが初めて飛行テストを行った。3月22日、カタパルト装着テストを行ったが、前脚のランチ・バーが下がりきらないという問題があり、改良されることになった。2012年6月11日、F-35Cとしては初めて兵装を搭載（胴体左ウェポンベイにGBU-32/BとAIM-120Cを１発ずつ）して飛行した。6月27日、F-35Cとしては初めて兵装を機外搭載（Sta.1/11にAIM-9X、Sta.2/10とSta.3/9にBRU-68/Aボムラック）して飛行した。9月5日、CF-2と編隊飛行時の操縦特性データ収集試験飛行を実施。11月、地上でAGM-158の搭載適合確認試験を実施。2013年1月4日、F-35Cとして初めて飛行中にウェポンベイ扉を開いた（Sta.5/7にAIM-120Cのダミーを搭載）。1月9日、Sta.4/8にGBU-31/Bを搭載して飛行中にウェポンベイ扉を開いた。1月18日、CF-2と同時にKC-130Rから空中給油を受けた。8月20日、KC-135から空中給油を受けた。参考：月刊JWings10,’09、11,’09、5,’11、8,’11、9,’12、12,’12、4,’13、11,’13、月刊航空ファン8,’10、7,’11、月刊軍事研究10,’11

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２＞：F-35C規格のシステム開発実証飛行試験用２号機で、2011年4月29日に初飛行した。5月16日、パタクセントリバー海軍航空基地にフェリーされた。5月21-22日、海軍ワシントン航空施設のジョイント・サービス・オープンハウス・アンド・エアショーでF-35シリーズ初となる一般公開飛行を実施。6月25日、マクガイア・ディックス・レイクハースト統合基地に派遣され、8月13日までジェット・ブラスト・デフレクターのテストを実施。2012年2月21日、イギリス空軍テストパイロットがパタクセントリバー海軍航空基地で外国軍テストパイロットとして初めてF-35Cで飛行した。6月13日、F-35Cとして初めて夜間飛行を実施。9月5日、CF-1と編隊飛行時の操縦特性データ収集試験飛行を実施。11月28日、地上ピットでウェポンベイからの兵器投下試験を実施。AIM-120C-7、GBU-12/B、GBU-31/Bを投下した。2013年1月18日、CF-1と同時にKC-130Rから空中給油を受けた。5月31日、200回目の試験飛行を実施。10月21日、F-35Cとして初となる飛行中の兵装分離試験を実施。GBU-12/Bのイナート１発を胴体内左ウェポンベイから水平飛行中に投下した。11月、AIM-120の兵装分離試験を実施。2014年8月14日、累計飛行時間300時間を達成。2015年9月23日、F-35Cとして初となる外部兵装ステーションからの兵装投下試験を実施。GBU-12/Bの模擬弾４発を投下し、予定通りの軌道で着弾させることに成功した。2017年6月、ネガティブＧ下でのAIM-9X試射を行った。2018年4月11日、F-35のSDDフェーズとして最後となる開発飛行試験を実施。AIM-9XとJDAMを外装して負荷を計測した。参考：月刊航空ファン7,’11、9,’11、7,’18、月刊JWings8,’11、12,’11、5,’12、9,’12、12,’12、3,’13、4,’13、9,’13、1,’14、12,’14、12,’15、9,’17、月刊軍事研究6,’14

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３＞：F-35C規格のシステム開発実証飛行試験用３号機。空母適合試験用で、F-35ブロック１ソフトウェアを搭載しており、2011年5月21日に初飛行した。6月2日（3日？）、パタクセントリバー海軍航空基地にフェリーされた。7月19日、カタパルト発進位置試験を実施。7月27日、レイクハーストで初のカタパルト射出を行った。10月、カタパルト適合初期試験を終了。11月18日、EMALSによる離陸に初成功した。2013年5月20日、100回目の試験飛行を実施。6月6日、主翼下片側２カ所のパイロンにGBU-31/B模擬弾を１発ずつ搭載する地上試験を行った。2014年1月9-16日、フック取り付け部構造強化やフック形状変更などを施した新型アレスティングフックの試験をレイクハースト海軍航空技術基地で行い、36回成功した。11月3日、CVN-68ニミッツでF-35C初の発着艦訓練を実施。11月13日、初の夜間発着艦訓練を実施。11月14日、CVN-68ニミッツを離れて基地に戻った。2015年10月2日、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーに着艦。10月3日、第２次艦上開発試験を開始。参考：月刊JWings7,’11、8,’11、10,’11、9,’13、4,’14、12,’15、月刊航空ファン2,’12、1,’15、2,’15、月刊軍事研究9,’11

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４＞：欠番。参考：月刊JWings3,’13

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５＞：F-35Cのシステム開発実証機で、F-35最後のシステム開発実証機である。主にアビオニクス開発実証に使用される予定。2012年11月30日に初飛行した。12月11日、パタクセントリバー海軍航空基地に配備された。2013年1月23日、初の夜間飛行を実施。8月14日、後部胴体上面に錐揉み回復用シュートを装着しての初飛行を行った。その後デパーチャー試験やスピン試験に使用される予定。2014年11月3日、CVN-68ニミッツで発着艦訓練を実施。2015年10月2日、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーに着艦。10月3日、第２次艦上開発試験を開始。2016年3月23日、F-35Cとして初となるAGM-154の試射を実施参考：月刊JWings2,’13、3,’13、11,’13、12,’15、月刊軍事研究9,'15、月刊航空ファン1,’15、6,’16

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６＞：F-35CのLRIPロット４（量産型初号機）で、F-35Cとして初めてビューロナンバー（168733）を付与された機体である。2013年2月14日に初飛行した。6月22日、VFA-101に配備された。参考：月刊航空ファン5,’13、月刊JWings9,’13、月刊軍事研究9,’18

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７＞：F-35CのLRIPロット４で、ビューロナンバー168734。2013年3月14日に初飛行した。VFA-101に配備される。参考：月刊JWings4,’13、6,’13

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８＞：F-35CのLRIPロット４で、ビューロナンバー168735。2013年6月20日に初飛行した。9月13日、フォートワース空軍基地からエドワーズ空軍基地にフェリーされ、統合試験部隊に配備された。参考：月刊JWings4,’13、9,’13、12,’13

　＜Ｆ−３５ＣＦ−９＞：F-35CのLRIPロット４で、ビューロナンバー168736。2013年7月13日に初飛行した。VFA-101に配備される。参考：月刊JWings4,’13、10,’13

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１０＞：F-35CのLRIPロット５で、ビューロナンバー168841。2013年9月26日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’13、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１１＞：F-35CのLRIPロット５で、ビューロナンバー168842。2013年12月23日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’14、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１２＞：F-35CのLRIPロット５で、ビューロナンバー168843。2013年12月11日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’14、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１３＞：F-35CのLRIPロット５で、ビューロナンバー168844。2014年3月20日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’14、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１４＞：F-35CのLRIPロット５で、ビューロナンバー168845。2014年6月6日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’14、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１５＞：F-35CのLRIPロット５で、ビューロナンバー168846。2014年3月17日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’14、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１６＞：F-35CのLRIPロット５で、ビューロナンバー168847。2014年7月23日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’14、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１７＞：F-35CのLRIPロット６で、ビューロナンバー169029。2014年11月20日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’15、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１８＞：F-35CのLRIPロット６で、ビューロナンバー169030。2014年10月22日に初飛行した。2017年1月25日、VFA-125に配備された。参考：月刊JWings1,’15、6,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１９＞：F-35CのLRIPロット６で、ビューロナンバー169031。2014年12月6日に初飛行した。2015年1月13日、F-35Cとして初めて海兵隊に供給された。配備先はVFA-101で、海兵隊パイロット訓練に使用される。2017年1月25日、VFA-125に配備された。参考：月刊JWings3,’15、4,’15、6,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２０＞：F-35CのLRIPロット６で、ビューロナンバー169032。2015年1月21日に初飛行した。2017年1月25日、VFA-125に配備された。参考：月刊JWings4,’15、6,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２１＞：F-35CのLRIPロット６で、ビューロナンバー169033。VFA-101向けで、2015年2月9日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’15、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２２＞：F-35CのLRIPロット６で、ビューロナンバー169034。初の海兵隊向けF-35C（配備先は海兵隊VMFAT-501ではなく海軍VFA-101である）で、2015年3月26日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’15、月刊軍事研究9,'15、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２３＞：F-35CのLRIPロット６で、ビューロナンバー169035。2015年4月3日に初飛行した。2017年1月25日、VFA-125に配備された。参考：月刊JWings7,’15、6,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２４＞：F-35CのLRIPロット７初号機で、ビューロナンバー169160。４機目の海兵隊向けF-35Cでもあり、2015年8月24日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’15、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２５＞：F-35CのLRIPロット７で、ビューロナンバー169161。2015年9月29日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’15、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２６＞：F-35CのLRIPロット７で、ビューロナンバー169162。2015年10月16日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’16、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２７＞：F-35CのLRIPロット７で、ビューロナンバー169163。2016年1月29日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’16、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２８＞：F-35CのLRIPロット８で、ビューロナンバー169302。2016年5月3日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’16、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−２９＞：F-35CのLRIPロット８で、ビューロナンバー169303。2016年6月8日に初飛行した。その後VFA-101に配備されている。参考：月刊JWings9,’16、月刊航空ファン12,’17、11,’16

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３０＞：F-35CのLRIPロット８で、ビューロナンバー169304。2016年7月26日に初飛行した。2022年1月24日、VFA-147に配備されてCVN-70カール・ヴィンソンに着艦しようとした際、飛行甲板後端に降着装置をぶつけてしまい、飛行甲板を滑り抜けて海没した。3月2日に機体の回収に成功している。参考：月刊JWings10,’16、5,'23、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３１＞：F-35CのLRIPロット８で、ビューロナンバー169305。2016年10月12日に初飛行した。2018年10月、VFA-147に配備された。参考：月刊JWings1,’17、12,’18、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３２＞：F-35CのLRIPロット９で、ビューロナンバー169424。2017年1月30日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３３＞：F-35CのLRIPロット９で、ビューロナンバー169425。2017年5月1日に初飛行した。参考：月刊JWings 8,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３４＞：ビューロナンバー169600。2018年10月21日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３５＞：初の海兵隊部隊向け（海兵隊の転換訓練用の機体は海軍部隊に配備開始済み）で、ビューロナンバー169601。2019年2月13日に初飛行した。5月中旬、VMFA-314への配備が公表された。6月1-2日、VMFA-314に所属してティンカー空軍基地オープンハウスで展示された。参考：月刊JWings5,’19、8,’19、9,’19、月刊航空ファン8,’19

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３６＞：ビューロナンバー169631。2019年6月25日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’19

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３７＞：ビューロナンバー169632。2019年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’19

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３８＞：ビューロナンバー169633。2019年9月16日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19

　＜Ｆ−３５ＣＦ−３９＞：ビューロナンバー169634。2019年10月23日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４０＞：ビューロナンバー169635。2019年11月18日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４１＞：ビューロナンバー169636。2019年12月15日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４２＞：ビューロナンバー169637。2020年2月3日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４３＞：ビューロナンバー169638。2020年2月7日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４４＞：ビューロナンバー169639。2020年4月15日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４５＞：ビューロナンバー169640。2020年3月26日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４６＞：ビューロナンバー169704。2020年5月15日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４７＞：ビューロナンバー169703。2020年6月30日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４８＞：ビューロナンバー169704。2020年7月27日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−４９＞：ビューロナンバー169705。2020年10月15日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５０＞：ビューロナンバー169788。2020年12月1日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’21

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５１＞：ビューロナンバー169789。2021年2月24日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５２＞：ビューロナンバー169790。2021年5月17日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５３＞：ビューロナンバー169791。2021年6月9日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５４＞：ビューロナンバー169798。2021年6月28日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５５＞：ビューロナンバー169799。ロッキード・マーチン社マリエッタ工場で製作された500セット目の中央翼を持つ。2021年8月16日に初飛行した。参考：月刊JWings11,'21、8,’20

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５６＞：ビューロナンバー169800。2021年11月1日に初飛行した。参考：月刊JWiings2,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５７＞：ビューロナンバー169801。2021年10月25日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５８＞：ビューロナンバー169802。2021年11月1日に初飛行した。参考：月刊JWiings2,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−５９＞：ビューロナンバー169803。2021年11月1日に初飛行した。参考：月刊JWiings2,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６０＞：ビューロナンバー169939。2022年1月25日に初飛行した。参考：月刊JWings4,'22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６１＞：ビューロナンバー169940。2022年3月3日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６２＞：ビューロナンバー169941。2022年3月24日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６３＞：ビューロナンバー170083。2022年4月19日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６５＞：ビューロナンバー170085。2022年6月22日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６６＞：ビューロナンバー170086。2022年6月13日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６７＞：ビューロナンバー170087。2022年7月18日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６８＞：ビューロナンバー170088。2022年8月26日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−６９＞：ビューロナンバー170089。2022年9月20日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７０＞：ビューロナンバー170090。2022年10月12日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７１＞：ビューロナンバー170091。2022年11月18日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７２＞：ビューロナンバー170092。2022年11月15日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７３＞：ビューロナンバー170093。2022年12月14日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７４＞：ビューロナンバー170094。2022年11月20日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７５＞：ビューロナンバー170095。2023年3月13日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７６＞：ビューロナンバー170096。2023年3月28日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７７＞：ビューロナンバー170097。2023年5月3日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−７８＞：ビューロナンバー170098。2023年4月10日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８０＞：ビューロナンバー170100。2023年5月22日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８１＞：ビューロナンバー170101。2023年6月1日に初飛行した。参考：月刊JWings9,'23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８２＞：ビューロナンバー170102。2023年6月28日に初飛行した。参考：月刊JWings9,'23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８３＞：ビューロナンバー170103。2023年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８５＞：ビューロナンバー170105。2023年7月6日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８６＞：ビューロナンバー170106。2023年8月11日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８７＞：ビューロナンバー170107。2023年10月30日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８８＞：ビューロナンバー170108。2023年9月26日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−８９＞：ビューロナンバー170109。2023年10月10日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−３５ＣＦ−９０＞：ビューロナンバー170110。2023年2月、アメリカ海軍航空システム軍団NAVAIRが、本機でTR3ハードウェア＋ブロック４ミッション・ソフトウェアによる兵装関連試験を行うための改修契約を、ロッキード・マーチン社に発注した。10月18日に初飛行した。参考：月刊JWings1,'24、6,’23

　＜Ｆ−３５ＣＦ−１１０＞：2023年2月、アメリカ海軍航空システム軍団NAVAIRが、本機でTR3ハードウェア＋ブロック４ミッション・ソフトウェアによる兵装関連試験を行うための改修契約を、ロッキード・マーチン社に発注した。参考：月刊JWings6,’23

　＜Ｆ−３５ＣＧ−１＞：F-35Cの地上試験機。2011年6月、高さ3.35mの地点から地上に落下させて着艦時の衝撃（沈下率毎秒3.35mを予定）を測定するテストを行った。参考：月刊軍事研究9,'15

　＜Ｆ−３５ＣＪ−１＞：F-35Cの地上試験機。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５海外シリーズ＞

　＜Ｆ−３５（ＵＡＥ空軍）＞：UAE空軍戦闘機。イスラエルやアメリカ上院の一部が反対したが、2020年10月10日に50機を104億ドルで売却することが決まり、10月23日にイスラエルもUAE空軍への輸出に反対しないことを表明、11月10日にアメリカ国防安全保障協力局がF-35A戦闘機50機104億ドルのFMS輸出許可を出した。運用システムは最初からODINを予定している。2021年12月14日、イスラエルへの配慮で施す予定だった運用制限にUAE側が反発し、導入交渉が中断した。参考：月刊JWings1,’21、2,’21、3,’22

　＜Ｆ−３５（イギリス軍）＞：イギリス軍戦闘機。F-35Bを導入する予定だったが、開発遅延のため2010年の戦略防衛安全保障見直しでF-35Cに切り替え、低率初期生産で発注したF-35B３機のうち１機もF-35Cにした。着艦速度は240kmで、艦尾から飛行甲板に突っ込んでくる様子はハリアーの垂直着艦に慣れた兵士から「生死を分けるワンコインゲーム」とまで呼ばれているらしく、BAEシステムズ社がフライトシミュレータを提供することになった。ただ電磁カタパルトとアレスティング・ワイヤの開発装備費が予定の18億ポンドを超過してR09プリンス・オブ・ウェールズで20億ポンド、R08クイーン・エリザベスでは30億ポンドにも達し、これらの完成を待っていると空母の就役が2023年までずれこむことになり、F-35Bの開発も遅れを取り戻してきたため、F-35Bに戻すことになった。導入機数は138機の予定だが、洋上運用に最小限必要な48機に減らし、代わりにF-35Aを導入してタイフーンやトーネードGR4の後継に充てる計画も検討中。最大着艦重量（とブリングバック・ペイロード）を増やすため、垂直着艦でなく超短距離滑走着艦（SRVL）を使うかもしれない。ASRAAM、ミーティア、ペイブウェイ�W、ブリムストーン、SPEAR CAP3を運用する。ストームシャドーはF-35Bでは運用しないことになった。また、AIM-9Xの運用能力は除かれている（政治的理由らしい）。ASRAAMはウェポンベイ扉内側に搭載できるので、ステルス・モードでもWVRAAMとBVRAAMを２発ずつ積める。イギリス空軍第617飛行隊ダム・バスターズ（2016年末にF-35B11機で再編予定だったが2018年になった）が最初に装備し、イギリス海軍第809飛行隊（2021年編成・2023年運用開始予定）が続く。また、転換訓練飛行隊として空軍第207飛行隊を新編する。これらの飛行隊は空海軍共同運用で、機材や要員は共有であり（よって機体にROYAL NAVYやROYAL AIR FORCEの文字は無い）、空軍所属機や要員が空母に乗ったり、海軍所属機や要員が空軍基地に展開したりすることもある。他に、アメリカ本土での運用試験を行う第17飛行隊もF-35Bを配備し、平時には運用試験機、戦時には予備機として使用する。初号機のF-35BK-1は2012年7月19日に引き渡された。2015年6月、第１次スキージャンプ発艦試験を開始。2017年3月15日、ASRAAMを翼端パイロンに装着し、初試射を行った。2017年6月、パタクセントリバー海軍航空基地で第２次スキージャンプ発艦試験を開始。2017年12月19日、計画に透明性が欠けているとして、イギリス議会国防委員会が進捗状況とコストを報告するよう要請した。2018年4月18日、イギリス空軍第617飛行隊が再編された。6月6日、ビューフォート海兵航空基地からマーラム基地に４機がフェリーされた。7月25日、耐熱パッド敷設改修工事中のマーラム基地に初めて垂直着陸した。8月3日、ビューフォート海兵航空基地からマーラム基地に５機がフェリーされた。10月16日、R08クイーン・エリザベスでの運用評価試験第１フェーズDT-1を完了。ボイジャー空中給油輸送機からの初空中給油を受けた。11月18日、R08クイーン・エリザベスでの運用評価試験第２フェーズDT-2を完了。2019年1月10日、第617中隊が陸上基地運用でのIOCを達成したと、イギリス国防相が発表した。3月18日、ミーティア空対空ミサイル及びSPEAR CAP3空対地ミサイルの統合作業と、ASRAAM空対空ミサイル及びペイブウェイ�W誘導爆弾の運用能力拡張作業を2025年完了の予定で開始。5月21日、第617中隊所属機６機がマーラム航空基地を出撃し、5月22日にキプロスのアクロチリ基地に展開、海外展開演習ライトニング・ドーンを開始した。6月16日、ライトニング・ドーン参加中の第617飛行隊所属機２機がアクロチリ基地を出撃して対イスラム国シェーダー作戦に参加し、初の実任務（AIM-120Cとペイブウェイ�Wを搭載してのシリア・イラク上空哨戒）をこなした。哨戒中に攻撃目標は出現しなかったため、実弾は使用していない。6月25日、ライトニング・ドーン参加中の第617飛行隊所属機が地中海東部で多国間共同訓練トライ・ライトニングに参加。アメリカ空軍F-35A及びイスラエル空軍F-35Iと訓練を行った。7月2日、ライトニング・ドーンを終えて帰投する途中の２機がイタリアのアメンドラ基地に展開し、アメリカ空軍F-35A及びイタリア空軍F-35Aと共同訓練を実施。7月16日、転換訓練担当の第207飛行隊所属F-35B戦闘機６機がアメリカのビューフォート海兵航空基地からイギリスのマーラム基地に移動し、アメリカでの機種転換訓練を終了、7月30日からイギリス国内での機種転換訓練が始まった。8月1日、F-35B機種転換訓練部隊のイギリス空軍第207飛行隊が正式発足した。8月27日から9月19日にフェアフォード基地に展開したアメリカ第509爆撃航空団B-2A爆撃機３機と、F-35B戦闘機との共同運用訓練を実施。10月13日、第617飛行隊所属F-35BがR08クイーン・エリザベスにイギリスF-35Bとして初めて着艦した。2020年1月27日から2月14日、第617飛行隊F-35B戦闘機５機がレッドフラッグ20-1に参加。7月、第617飛行隊F-35B戦闘機が、北海上空で、ボイジャー空中給油機と共に、アメリカ空軍F-15戦闘機、オランダ空軍第332飛行隊F-35A戦闘機、ベルギー空軍F-16戦闘機と共同訓練を実施。9月、第617飛行隊F-35B戦闘機８機が、アメリカ海兵隊VMFA-211所属F-35B戦闘機６機と共に、R08クイーン・エリザベスで空母打撃群編成に備えた訓練を実施。12月、艦上運用部隊がIOCを獲得。2021年5月、第617飛行隊所属F-35Bがアメリカ海兵隊VMFA-211所属F-35Bと共にR08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21に搭載されて初海外展開を実施。2021年6月9日、第207飛行隊所属F-35BがR09プリンス・オブ・ウェールズにF-35Bとして初着艦した。6月18日、第617飛行隊所属F-35B戦闘機２機がイスラム国に対するISR任務を行い、初実戦参加を記録した。10月2-3日、R08クイーン・エリザベス搭載イギリス空軍第617飛行隊F-35B戦闘機が沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加し、アメリカ海軍F/A-18E戦闘機から初の空中給油を受けた。10月11日、累計飛行時間10000時間を達成。2022年3月3日、３機が配備され、配備総数が27機になった。2023年に空海軍合わせて実戦配備24機が揃い、これをR08クイーン・エリザベスに積んで統合運用する。FOC達成は2025年になる見込み。機体・エンジン整備改修（MRO&U）拠点が設置される予定で、2019年から稼動する。参考：月刊JWings3,’11、4,’11、10,’12、6,’13、2,’14、3,’15、4,’16、6,’17、10,’17、10,’18、1,’19、4,’19、6,’19、9,'19、10,’19、1,’20、5,’20、12,'20、8,'21、9,'21、1,'22、5,'22、12,'22、月刊軍事研究1,’12、7,’12、11,’12、1,’13、4,’14、4,’18、6,’18、12,’18、月刊世界の艦船6,’12、8,’17、12,’17、10,’18、2,’19、8,'20、月刊航空ファン2,’15、5,’18、7,’18、4,’19、9,’19、11,’19、12,’19

＜Ｆ−３５ＢＫ−１＞：イギリス向けF-35B初号機（LRIPロット３）で、輸出型初号機でもあり、作戦運用試験評価（OT&E）に使用される。2011年11月20日に完成し、2012年4月13日にテキサス州フォートワースで初飛行、7月19日に引き渡された。7月23日、エグリン空軍基地に到着。イギリス空軍第17（予備役）飛行隊で試験評価を行っている。参考：月刊航空ファン2,’12、月刊軍事研究6,’12、7,’12、12,’12、2,’16、月刊JWings9,’12、10,’12、5,’15、6,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−２＞：LRIPロット３で、作戦運用試験評価（OT&E）用。2012年7月11日に初飛行した。10月19日、エグリン空軍基地に到着。参考：月刊軍事研究6,’12、2,’16、月刊JWings10,’12

＜Ｆ−３５ＢＫ−３＞：LRIPロット４で、訓練用。2013年4月1日に初飛行した。6月25日、エグリン空軍基地に到着。2015年2月3日、ビューフォート海兵航空基地に到着。VMFAT-501に配備されてイギリス空軍パイロットの転換訓練に使用され、最終的には2018年に編成されるF-35B初実戦部隊の第617飛行隊に配備される予定。参考：月刊軍事研究6,’12、2,’16、月刊JWings6,’13、5,’13、9,’13、5,’15

＜Ｆ−３５ＢＫ−４＞：LRIPロット７で、作戦運用試験評価（OT&E）用。2015年12月7日に初飛行した。2016年4月、イギリス空軍に引き渡され、第17（予備役）飛行隊に配備された。参考：月刊軍事研究9,’16、月刊JWings3,’16、7,’16

＜Ｆ−３５ＢＫ−５＞：LRIPロット８。2016年5月1日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−６＞：LRIPロット８。2016年8月23日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−７＞：LRIPロット８。2016年9月22日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’16、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−８＞：LRIPロット８。2016年10月28日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−９＞：LRIPロット９。2017年3月3日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１０＞：LRIPロット９。2017年5月4日に初飛行した。参考：月刊JWings 8,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１１＞：LRIPロット９。2017年6月6日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１２＞：LRIPロット９。2017年8月15日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１３＞：LRIPロット９。2017年10月10日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１４＞：LRIPロット９。2017年11月17日に初飛行した。12月18日、アメリカ海兵隊ビューフォート基地でイギリスに納入された。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’18、3,’18、月刊航空情報3,’18

＜Ｆ−３５ＢＫ−１５＞：LRIPロット10。2018年1月31日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１６＞：LRIPロット10。2018年8月2日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１７＞：LRIPロット10。2018年10月23日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１８＞：LRIPロット11。2019年6月12日に初飛行した。7月16日、第207飛行隊に所属して他のF-35B戦闘機５機と共にアメリカのビューフォート海兵航空基地からイギリスのマーハム基地に移動。2021年11月17日、第617飛行隊に所属して地中海でR08クイーン・エリザベスから発艦しようとした直後に海に落ちた。発艦滑走時の加速が足りなかったとみられ、パイロットは無事だが、機体は海没し、12月8日にサルベージ船で回収されている。参考：月刊JWings9,’19、10,’19、2,'22、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＢＫ−１９＞：2020年8月6日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’20

＜Ｆ−３５ＢＫ−２０＞：2020年10月16日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

＜Ｆ−３５ＢＫ−２１＞：2020年10月14日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

＜Ｆ−３５ＢＫ−２２＞：2021年6月28日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｆ−３５ＢＫ−２３＞：2021年8月3日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

＜Ｆ−３５ＢＫ−２４＞：2021年9月2日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＢＫ−２５＞：2021年9月23日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＢＫ−２６＞：2021年11月15日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＢＫ−２７＞：2021年12月4日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

＜Ｆ−３５ＢＫ−２８＞：2022年7月21日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

＜Ｆ−３５ＢＫ−２９＞：2022年8月7日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＢＫ−３０＞：2022年9月13日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＢＫ−３１＞：2022年12月15日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’23

＜Ｆ−３５ＢＫ−３２＞：2023年4月3日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＢＫ−３３＞：2023年4月11日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

＜Ｆ−３５ＢＫ−３４＞：2023年9月8日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’23

＜Ｆ−３５ＢＫ−３５＞：2023年10月10日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’24

　＜Ｆ−３５（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍F-35A戦闘機、制式名称F-35I、別名アディル（Adir、ヘブライ語で強者の意）。F-16A/Bネッツの後継として2008年にF-35A25機＋F-35AまたはF-35B50機を152億ドルで購入することが決まった。サイバー攻撃に備えて独自のサイバー防衛システムを積む。最初の25機には国産電子戦システムやエルビット社製C4Iシステムを搭載し、ラファエル社製SPICE1000誘導爆弾やパイソン５の運用能力を持たせ、ステルス性を損なわないサイクロン社（エルビット社傘下）製600ガロン（2271リットル）コンフォーマル燃料タンクを装備する改修を行う予定だったが、１億3000万ドルほど経費が要るので価格高騰に拍車がかかる恐れがあり、改修されないかもしれない。１機あたり２億ドル以上と高額すぎたため、再度F-22やF-15SEとの比較検討を行い、2010年（2011年？）8月15日にやはりF-35AをFMSで75機導入することになった。取り敢えず19機（LRIPロット８を２機、ロット９を７機、ロット10を10機）を27億ドルで発注しており、2019年に最初の飛行隊を編成する予定。パイソン�W空対空ミサイルの運用能力を追加したが、代わりにAIM-9Xの運用能力が除かれた（政治的理由らしい）。アビオニクスの一部をイスラエル製にしてあるが、コンフォーマルタンクは装備していない。2014年11月に２個目の飛行隊分として25機の追加を決めたらしいが、反対している閣僚もおり、14機に減らして発注された。他に17機をオプション契約に設定している。2016年6月22日、初号機F-35AS-1がロールアウトした。11月27日、17機の追加発注を決定（アメリカと契約合意したのは2017年8月下旬）し、合計発注機数は50機になった。残り25機は滑走路を破壊されても使用できるF-35Bになるかもしれない。12月13日、最初の２機がネバティム空軍基地に到着して第140飛行隊に配備され、16時間後に早速初ソーティを行った。2017年8月8日、ガザ地区からのロケット弾攻撃に対する報復としてイスラエル空軍が航空攻撃をかけたが、これにF-35Iが参加したという記事がエルサレム・ポスト誌に掲載された。公式な発表は無い。10月16日、ネバティム基地を離陸したF-35Aがバードストライクで引き返し、同基地に緊急着陸した。乗員は無事。12月6日、IOCを獲得した。2018年5月22日、イスラエル空軍司令官が、シリアの基地攻撃を行って世界初の実戦投入を実施したと発表した。5月23日、レバノンのベイルート上空で戦闘活動を２回行った。2019年4月8日、２個目の飛行隊となる第116飛行隊の新編式典を行った。11月3-14日、ブルー・フラッグ2019に参加し、多国間演習にデビューした。2020年1月16日、第116飛行隊が正式に新編された。3月29日、アメリカ空軍F-35A戦闘機と共同演習エンデュアリング・ライトニングを実施。8月2日、第140飛行隊F-35I戦闘機がアメリカ空軍第421遠征戦闘飛行隊F-35A戦闘機と共同演習エンデュアリング・ライトニング�Uを実施。8月6日、第116飛行隊が実動可能となった。10月12日、第116飛行隊F-35I戦闘機がアメリカ空軍第421遠征戦闘飛行隊F-35A戦闘機（UAEに展開中）と共同演習エンデュアリング・ライトニング�Vを実施。11月17-19日、キプロスのニコシアで行われたイスラエル・キプロス合同演習オンシロス・ギデオン（Onshilos-Gedeon）にF-35I戦闘機が参加し、防空システム能力評価を行った。2021年6月7日、F-35I戦闘機６機をイタリアに派遣し、R08クイーン・エリザベス搭載イギリス空軍第617飛行隊所属F-35B、同搭載VMFA-211所属F-35B、イタリア空軍との合同演習ファルコン・ストライク2021に参加した。同月にはイスラエル南部でR08クイーン・エリザベス搭載イギリス空軍第617飛行隊所属F-35B、同搭載VMFA-211所属F-35B、イギリス空軍ボイジャー空中給油輸送機とのトライ・ライトニング演習に参加している。7月1日、３番目のF-35I飛行隊である第117飛行隊（転換訓練部隊）がネバティム基地で新編された。2022年12月15日に発生したF-35BF-148の擱座事故を受け、11機に飛行停止措置を執った。2023年7月1日、F-35A戦闘機25機をFMSで追加発注すると発表した。合計配備機数は75機になる。参考：月刊JWings11,’10、2,’15、3,’15、4,’15、5,’15、9,’16、11,’17、2,’18、10,’18、7,’19、9,’19、4,’20、6,’20、10,'20、11,’20、1,'21、2,'21、9,'21、3,'23、月刊軍事研究4,’10、8,’16、4,’18、月刊航空ファン3,'16、3,’13、9,’16、2,’17、3,’17、11,’17、8,’18

　＜Ｆ−３５ＡＳ−１＞：イスラエル空軍向け初号機（LRIPロット８）で、2016年6月22日にロールアウトし、7月25日に初飛行した。ただバッテリーの不具合ですぐ着陸している。断熱材品質不良の発覚と修理で６週間ほど飛行停止となっていたが、10月28日に飛行を再開した。12月12日（13日？）、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊航空ファン9,’16、3,’17、7,’17、月刊JWings9,’16、10,’16、1,’17、3,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−２＞：LRIPロット８で、2016年8月8日に初飛行した。断熱材品質不良の発覚と修理で６週間ほど飛行停止となっていたが、10月28日に飛行を再開した。12月12日（13日？）、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings11,’16、3,’17、月刊航空ファン3,’17、7,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−３＞：LRIPロット９で、2017年1月11日に初飛行した。4月23日、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings4,’17、月刊航空ファン7,’17、12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−４＞：LRIPロット９で、2017年2月1日に初飛行した。4月23日、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings5,’17、月刊航空ファン7,’17、12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−５＞：LRIPロット９で、2017年2月24日に初飛行した。4月23日、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings5,’17、月刊航空ファン7,’17、12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−６＞：LRIPロット９で、2017年6月20日に初飛行した。9月14日、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings9,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−７＞：LRIPロット９で、2017年7月17日に初飛行した。9月14日、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings10,’17、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−８＞：LRIPロット９で、2017年7月20日に初飛行した。11月8日、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings10,’17、2,’18、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−９＞：LRIPロット９で、2017年8月19日に初飛行した。11月8日、ネバティム空軍基地に到着した。参考：月刊JWings11,’17、2,'18、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−１０＞：LRIPロット10で、2018年3月14日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’18、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＳ−１１＞：LRIPロット10で、2018年3月30日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＳ−１２＞：LRIPロット10で、2018年5月16日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings8,’18

＜Ｆ−３５ＡＳ−１３＞：LRIPロット10で、2018年9月16日に初飛行した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings12,’18

＜Ｆ−３５ＡＳ−１４＞：LRIPロット10で、2018年10月11日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＳ−１５＞：LRIPロット10で、イスラエル製兵装システムの試験機であり、2020年3月5日に初飛行した。8月4日、イスラエルに到着。11月11日、テル＝ノフ基地に配備された。参考：月刊JWings6,'20、11,’20、2,'21、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＳ−１６＞：LRIPロット10で、2019年4月25日に初飛行した。参考：月刊JWings7,'19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＳ−１７＞：LRIPロット10で、2019年5月24日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＳ−１８＞：LRIPロット10で、2019年7月19日に初飛行した。9月15日、ネバティム基地にフェリーされた。参考：月刊JWings10,’19、12,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＳ−１９＞：LRIPロット10で、2019年7月24日に初飛行した。9月15日、ネバティム基地にフェリーされた。参考：月刊JWings10,’19、12,’19、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＳ−２０＞：2019年8月20日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’19

＜Ｆ−３５ＡＳ−２１＞：2019年10月1日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｆ−３５ＡＳ−２２＞：2020年5月27日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＡＳ−２３＞：2020年6月10日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’20

＜Ｆ−３５ＡＳ−２４＞：2020年6月8日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’20

＜Ｆ−３５ＡＳ−２５＞：2020年12月10日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’21

＜Ｆ−３５ＡＳ−２６＞：2021年2月22日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

＜Ｆ−３５ＡＳ−２７＞：2021年1月27日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’21

＜Ｆ−３５ＡＳ−２８＞：2021年7月20日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＡＳ−２９＞：2021年7月20日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＡＳ−３０＞：2021年8月6日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

＜Ｆ−３５ＡＳ−３１＞：2022年2月7日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＡＳ−３２＞：2022年2月8日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＡＳ−３３＞：2022年2月10日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ−３５ＡＳ−３４＞：2022年8月7日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＡＳ−３５＞：2022年8月19日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＡＳ−３６＞：2022年8月25日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＡＳ−３７＞：2023年6月22日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’23

＜Ｆ−３５ＡＳ−３８＞：2023年5月19日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５ＡＳ−３９＞：2023年5月31日に初飛行した。参考：月刊JWings8,'23

＜Ｆ−３５（イタリア海軍）＞：イタリア海軍戦闘機。F-35Bを22機導入する予定で、その後30機に増えた。2018年7月6日に国防相が財政難で調達打ち切りを表明して混乱が生じたが、F-35B戦闘機の総導入数は30機のままで、空軍と海軍に15機ずつ配備することになった。タラント軍港に近いグロッターリエ基地に全機配備する。2023年5月現在、F-35B戦闘機４機をグロッターリエ海軍航空基地の海軍艦上機支援群GRUPAER（Gruppo Supporto Aerei Imbarcati della Marina Militare）に配備しており、2023年中に２機、2024年に２機追加する予定。参考：月刊JWings3,’11、9,’18、12,'22、8,'23、月刊航空情報9,’17

　＜Ｆ−３５ＢＬ−１＞：イタリア海軍向けF-35B初号機で、LRIPロット９。2017年5月5日にイタリアのカメリにある最終組立検査施設FACOからロールアウトした。10月25日、CTOLモードで初飛行した。10月31日、STOVLモードでの初飛行を行った。2018年1月25日、カメリ工場でイタリア海軍に引き渡された。1月31日、メリーランド州パタクセントリバー海軍航空基地に到着し、電磁波干渉試験に入った。参考：月刊航空ファン7,’17、12,’17、1,’18、4,’18、月刊航空情報4,’18

　＜Ｆ−３５ＢＬ−２＞：2019年6月、ビューフォート海兵航空基地に向かった。参考：月刊JWings10,’19

　＜Ｆ−３５ＢＬ−３＞：2021年7月30日、空母C550カブールにイタリア海軍F-35Bとして初発着艦した。参考：月刊JWings10,’21

　＜Ｆ−３５（イタリア空軍）＞：イタリア空軍戦闘機。トーネードにSTOL能力が無く運用飛行場が限られ、湾岸戦争で長距離の往復を余儀無くされたことから、F-35Aに加えてF-35Bも導入することにし、F-35Aを69機とF-35Bを61機配備する予定だったが、後者は開発遅延で一旦F-35Cに切り替えて再びF-35Bに戻し、機数も空軍がF-35A30機＋F-35B60機、海軍がF-35B22機に変更、2014年3月16日には予算不足で調達機数を空海軍で計45機にするかもしれないと発表し、その後空軍はF-35Aのみ60機導入することになった。最終組み立てと完成検査はイタリアのカメリにある最終組立検査施設FACO（アレニア・アエルマッキとロッキード・マーチンが運営。2013年7月から稼働）で行う。ここではオランダ向けF-35Aも組み立てられる。機体・エンジン整備改修（MRO&U）拠点も設置される予定で、機体はイタリアで整備するが、エンジンはオランダで整備してもらう。自律兵站情報システムALISは技術的問題の共有や予備部品情報の共有など、一部機能のみの利用に止める。2018年3月1日、第32航空団第13飛行隊配備機が防空（空域監視及びアラート）任務を開始。7月6日、国防相が財政難のため調達を打ち切ると発表して混乱が生じたが、F-35A戦闘機調達総数は60機で、全て空軍が運用し、F-35B戦闘機調達総数は30機で、空海軍が15機ずつ運用することになった。F-35A/B戦闘機全機をアメンドーラ基地に配備する。11月30日、第32航空団がIOCを獲得した。2019年6月3-6日、第32航空団第13飛行隊所属機がアストラルナイト2019多国籍演習に参加。9月26日、F-35A戦闘機６機がIAPのためアイスランドのキエブラヴィーク基地に展開し、10月から初の実任務となるスクランブル任務に就いた。2020年7月30日、第32航空団F-35B戦闘機が遠征能力デモンストレーション演習に参加。2021年4月30日、第32航空団第15飛行隊F-35A戦闘機４機がBAPのためエストニアのアマーリ航空基地に展開を開始。2022年4-6月、F-35A戦闘機４機と人員130名がIAPのためアイスランドのキエブラヴィーク基地に展開した。6月、カメリの整備改修施設が完全運用能力を達成し、ヨーロッパ配備F-35戦闘機の整備改修を行えるようになり、7月4日にノルウェー空軍所属機が運び込まれた。参考：月刊世界の艦船9,’13、月刊JWings3,’11、5,’12、3,’15、7,’15、6,’18、9,’18、12,’18、12,’19、10,'20、11,'20、7,'21、4,'22、7,'22、9,'22、10,'22、12,'22、月刊軍事研究6,’14、6,’15、月刊航空情報9,’17、月刊航空ファン2,’19、9,’19、12,’19

＜Ｆ−３５ＡＬ−１＞：イタリア向け初号機で、LRIPロット６。2015年3月12日にイタリア・カメリの最終組立検査施設でロールアウトし、9月7日にイタリア空軍カメリ基地で初飛行した。12月3日、イタリア空軍に納入された。2016年2月5日、イタリアのカメリ空軍基地を離陸して大西洋を横断し、７回の空中給油を受けつつ７時間かけてパタクセントリバー海軍航空基地に到着した。参考：月刊JWings6,’15、11,’15、4,’16、月刊航空ファン11,’15、2,’16、8,’16

＜Ｆ−３５ＡＬ−２＞：LRIPロット６。2016年5月19日、イタリアのカメリを離陸してアリゾナ州ルーク空軍基地に向かった。参考：月刊航空ファン8,’16

＜Ｆ−３５ＡＬ−３＞：LRIPロット６。2016年5月19日、イタリアのカメリを離陸してアリゾナ州ルーク空軍基地に向かった。参考：月刊JWings8,’16

＜Ｆ−３５ＡＬ−４＞：LRIPロット７。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＬ−５＞：LRIPロット７。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＬ−６＞：LRIPロット７。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＬ−７＞：LRIPロット８。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＬ−８＞：LRIPロット８。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＬ−９＞：LRIPロット９。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＬ−１０＞：LRIPロット11。参考：月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍戦闘機。開発レベル３パートナー国で、2002年10月に１億5000万ドルの拠出を決めており、プロジェクト・エア6000の名称でF-35Aを100機導入する予定で、2014年4月23日に訓練用14機＋実戦部隊用58機の調達を決定した。まず2014年に訓練仕様の２機（LRIPロット６）を受領してアメリカでテストと訓練を行う。更に2017年までに訓練仕様の12機（LRIPロット10で８機、LRIPロット11で４機）を配備し、これらで2020年までに初期作戦能力を達成する予定だったが、配備完了が2018年に遅れたのでIOCも2021年になる。FOCは2023年の予定。転換訓練部隊はウィリアムタウン基地所在の第２転換訓練飛行隊、初の実動部隊はウィリアムタウン基地所在の第３飛行隊で、2020年に第75飛行隊、2021年に第77飛行隊がF/A-18A/BからF-35Aに機種転換する。2014年にはキャンベラ級向けにF-35B戦闘機18-24機を導入する話が出ていたが、2015年7月8日に機体とキャンベラ級改装の費用が莫大になるとして国防大臣が断念を発表した。2014年12月、アメリカ空軍ルーク基地でアメリカ空軍第56戦闘航空団第61戦闘飛行隊による訓練を開始。2017年3月、アヴァロン2017に参加したオーストラリア空軍向けF-35AがASRAAMの試射を行った。2018年初期までにBAEシステムズ・オーストラリアが機体・エンジン整備改修（MRO&U）拠点となる予定。2019年11月22日、アメリカ空軍ルーク基地での最後の訓練飛行を実施。12月11日、F-35A戦闘機７機がウイリアムタウン空軍基地に到着し、オーストラリア配備機は13機となった。他に５機がアリゾナ州ルーク空軍基地に残っている。12月28日、オーストラリア国防省がIOC達成を発表した。2020年12月6-12日、オーストラリア東岸沖でホバート級全艦揃い踏みの初演習を支援した。2021年5月12日から6月15日に行われたアルンヘム・サンダー演習で、F-35A戦闘機２機が外部兵装搭載・投下（GBU-12/Bのイナート弾）を初めて行った。7月20日、F135エンジン整備・補修・オーバーホール・アップグレード改修担当のTAEエアロスペースが初期デポ能力を達成した。11月20日、F-35A戦闘機３機がウィリアムタウン基地に到着し、受領機数が44機になった。12月8日、F-35A戦闘機４機がティンダル基地に到着し、第75飛行隊に配備された。2022年2月、コープ・ノース・グアム22に第77飛行隊所属の２機が参加。5月、F-35A戦闘機２機がウィリアムタウン基地に到着し、受領機数が50機になった。7月18日、TAEエアロスペース社がF135エンジン整備の初期デポ能力を達成したと発表し、オーストラリア国内でのエンジン整備・補修・改修が可能となった。2023年8月11-21日、マラバール2023に参加。8月24日、マニラ周辺海空域で日米豪比共同訓練に参加。L02キャンベラとFFH-150アンザックと共に、DDH-183いずも、DD-106さみだれ、アメリカ海軍LCS-26モービル、フィリピン海軍602ダバオ・デル・スルと、洋上補給訓練やPHOTOEXを行った。参考：月刊JWings5,’12、3,’13、4,’12、8,’13、7,’14、3,’15、5,’15、7,’15、7,’17、12,’17、3,’19、2,’20、4,’20、3,'21、9,'21、10,'21、2,'22、3,'22、5,'22、9,'22、10,'22、月刊航空ファン5,’13、12,’19、3,’20、月刊軍事研究9,’13、11,’14、2,’15、月刊世界の艦船6,’18、3,’21、10,’23、11,’23

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１＞：オーストラリア向け初号機で、LRIPロット６／ブロック3i。2013年10月8日に組み立てが始まった。2014年7月24日、テキサス州フォートワースにあるロッキード・マーチン社の工場でロールアウト・セレモニーが行われた。9月29日に初飛行した。2015年5月14日、オーストラリア空軍パイロットが初めて訓練ソーティを実施した。参考：月刊JWings1,’14、10,’14、12,’14、8,'15、月刊航空ファン10,’14

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２＞：LRIPロット６／ブロック3i。2014年7月24日、テキサス州フォートワースにあるロッキード・マーチン社の工場でロールアウト・セレモニーが行われた。10月1日に初飛行した。参考：月刊航空ファン10,’14、月刊JWings10,’14、12,’14

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３＞：LRIPロット10（LRIPロット９？）／ブロック3F。2017年11月24日にロールアウトし、12月1日に初飛行した。2018年4月9日、オーストラリア空軍に引き渡された。参考：月刊航空ファン2,’18、12,’17、7,’18、12,’19、月刊JWings3,’18

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４＞：LRIPロット10（LRIPロット９？）／ブロック3F。2017年12月12日に初飛行した。2018年4月9日、オーストラリア空軍に引き渡された。参考：月刊JWings3,’18、月刊航空ファン7,’18、12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５＞：LRIPロット10（LRIPロット９？）／ブロック3F。2018年1月23日に初飛行した。2018年4月9日、オーストラリア空軍に引き渡された。参考：月刊JWings4,’18、月刊航空ファン7,’18、12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−６＞：LRIPロット10。2018年2月14日に初飛行した。9月、GBU-31(V)3の投下試験を行い、イナート弾２発を投下して目標に命中させた。参考：月刊JWings5,’18、12,’18、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−７＞：LRIPロット10。2018年7月2日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’18、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−８＞：LRIPロット10。2018年7月16日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’18、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−９＞：LRIPロット10。2018年8月15日に初飛行した。12月10日（オーストラリア時間）、F-35AU-10と共にオーストラリアのウィリアムタウン空軍基地に到着し、第３飛行隊に初配備された。アリゾナ州ルーク空軍基地を出発してハワイを経由し、オーストラリア空軍KC-30Aから空中給油を受け、ウィリアムタウン基地近くではオーストラリア空軍F/A-18A/B戦闘機３機と編隊飛行を行っている。2019年2月26日から3月1日、F-35AU-10と共にアヴァロン空港でアヴァロン2019トレードショーに参加。3月1-3日、F-35AU-10と共にアヴァロン空港でオーストラリアン・インターナショナル・エアショー2019に参加。参考：月刊JWings11,’18、12,’18、2,’19、3,’19、5,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１０＞：LRIPロット10。2018年8月16日に初飛行した。10月22日、オーストラリア空軍に引き渡され、アリゾナ州ルーク空軍基地に配備された。12月10日（オーストラリア時間）、F-35AU-9と共にオーストラリアのウィリアムタウン空軍基地に到着し、第３飛行隊に初配備された。アリゾナ州ルーク空軍基地を出発してハワイを経由し、オーストラリア空軍KC-30Aから空中給油を受け、ウィリアムタウン基地近くではオーストラリア空軍F/A-18A/B戦闘機３機と編隊飛行を行っている。2019年2月26日から3月1日、F-35AU-9と共にアヴァロン空港でアヴァロン2019トレードショーに参加。3月1-3日、F-35AU-9と共にアヴァロン空港でオーストラリアン・インターナショナル・エアショー2019に参加。参考：月刊JWings11,’18、12,’18、1,’19、2,’19、3,’19、5,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１１＞：LRIPロット11。2019年1月25日に初飛行した。2019年4月8日、F-35AU-12と共にウィリアムタウン空軍基地に到着し、第３飛行隊に配備された。参考：月刊JWings4,’19、月刊航空ファン7,’19、12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１２＞：LRIPロット11。2019年1月25日に初飛行した。2019年4月8日、F-35AU-11と共にウィリアムタウン空軍基地に到着し、第３飛行隊に配備された。参考：月刊JWings4,’19、月刊航空ファン7,’19、12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１３＞：LRIPロット11。2019年3月13日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１４＞：LRIPロット11。2019年3月15日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１５＞：LRIPロット11。2019年6月15日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１６＞：LRIPロット11。2019年6月25日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１７＞：LRIPロット11。2019年9月24日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１８＞：LRIPロット11。2019年10月1日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20、月刊航空ファン12,’19

　＜Ｆ−３５ＡＵ−１９＞：2019年12月8日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２０＞：2019年12月12日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２１＞：2020年1月7日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２２＞：2020年1月8日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２３＞：2020年3月5日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２４＞：2020年3月10日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２５＞：2020年4月8日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２６＞：2020年4月23日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２７＞：2020年7月13日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２８＞：2020年7月1日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−２９＞：2020年7月30日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３０＞：2020年7月23日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３１＞：2020年11月9日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３２＞：2020年11月10日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３３＞：2020年11月16日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３４＞：2021年2月22日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３５＞：2021年3月8日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３６＞：2021年3月15日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３７＞：2021年3月20日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３８＞：2021年4月26日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−３９＞：2021年5月3日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４１＞：2021年6月14日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４２＞：2021年9月21日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４３＞：2021年11月9日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４４＞：2021年9月3日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４５＞：2021年10月11日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４６＞：2021年12月11日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４７＞：2021年12月21日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４８＞：2022年1月7日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−４９＞：2022年4月11日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５０＞：2022年4月14日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５１＞：2022年4月26日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５２＞：2022年5月13日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５３＞：2022年6月14日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５４＞：2022年6月21日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５５＞：2022年7月5日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５６＞：2022年7月19日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’22

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５７＞：2022年10月7日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’23

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５８＞：2022年10月18日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’23

　＜Ｆ−３５ＡＵ−５９＞：2022年10月31日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’23

　＜Ｆ−３５ＡＵ−６０＞：2022年11月29日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

　＜Ｆ−３５ＡＵ−６１＞：2023年4月24日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｆ−３５ＡＵ−６２＞：2023年4月1日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｆ−３５ＡＵ−６３＞：2023年4月1日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’23

　＜Ｆ−３５（オランダ空軍）＞：オランダ空軍戦闘機。F-35Aを導入する。凍結滑走路での運用を考慮してドラッグシュート装備を検討していたが、装備しないことになった。当初は114機を導入予定だったが、予算が足りず85機を45億ユーロで購入することにした。その後55億ユーロ以上に値上がりしてしまったため、2014年からの配備予定を2019年以降に遅らせ、調達機数も２個飛行隊分37機に減らしている。ただ2018年に予算上限を撤廃しており、1-2個飛行隊分15-30機を上積みするとも言われていたが、2019年10月8日に９機の追加配備が決まり、合計機数は46機になった。最初の８機はロッキード・マーチン社フォートワース工場、残りはイタリアのカメリにあるFACOで組み立て、５機はアメリカで訓練とテストに使用し、32機を本土に配備する。エンジン整備はオランダで実施するが、機体の整備はイタリアで行う。まずSDD試験機兼機種転換訓練機として２機が発注され、初号機F-35AN-1は2012年4月1日にロールアウトした。2013年4月2日、国防省がF-16後継機としてF-35A以外の候補をJAS-39NG、F/A-18E/F、ラファール、EF2000タイフーンなどから選ぶと表明し、これが決まるまでF-35Aの初期運用試験評価を停止するとした。2013年12月18日、オランダ空軍パイロットが初めてF-35A実機での飛行を行った。2014年11月4日、アメリカのエグリン航空基地でオランダ空軍初のF-35A飛行隊である第323飛行隊が新編され、AN-1とAN-2の２機が配備された。その後エドワーズ空軍基地に移って統合運用試験チームの隷下に入り、初期運用評価試験IOT&Eを実施している。2015年3月25日、８機を発注した。2016年3月31日、エドワーズ空軍基地に派遣したオランダ空軍第334飛行隊KDC-10空中給油輸送機と空中給油試験を実施。日中、薄暮、夜間に計13.62トンの給油を受けた。5月23日、２機がオランダ北部のレーワールデン基地に移動し、国内試験を実施。試験終了後はアメリカに戻った。2019年10月31日、F-35AN-9がレーワールデン基地に到着した。2020年3月18日、北海上空でアメリカ空軍B-2A爆撃機と共同訓練を実施。7月、北海上空で、第322飛行隊（第332飛行隊？）F-35A戦闘機が、アメリカ空軍F-15戦闘機、イギリス空軍第617飛行隊F-35B戦闘機、ボイジャー空中給油機、ベルギー空軍F-16戦闘機と共同訓練を実施。7月15日、11号機と12号機を受領し、レーワールデン基地に配備した。9月、北海上空でアメリカ空軍B-52爆撃機、F-16戦闘機、アメリカ海兵隊VMFA-211所属F-35B戦闘機と、ポイント・ブランク演習に参加。10-11月、デンマーク空軍トロージャン・フェニックス2020演習にF-35A戦闘機で参加。2021年8月、F135エンジン整備・補修・オーバーホール・アップグレード改修担当のスタンダードエアロが初期デポ能力を達成した。12月、IOCを達成した。2022年1月、第322飛行隊に24機の配備を完了し、第313飛行隊への配備を開始。2月24日、ウクライナ戦争勃発を受け、２機をポーランドに派遣した。また、連日オランダから空中給油支援を受けてポーランドまで飛行し、NATO東部国境エリアの防空任務に就いている。4月から5月末、ブルガリアに派遣した。2023年1-4月、ガーディアン・ライトニング�U作戦を実施。F-35A戦闘機８機をポーランドのマルボルク空軍基地に派遣し、スクランブルや共同訓練を行った。2月13日、ポーランドのマルボルグ基地に展開していたF-35A戦闘機２機がスクランブル発進し、ロシア空軍Il-20電子偵察機１機とSu-27戦闘機２機に対する監視飛行を行った。参考：月刊JWings7,’12、11,’12、4,’14、2,’15、3,’15、6,’15、7,’16、12,’18、3,’19、1,’20、6,'20、10,'20、12,'20、2,'21、10,'21、3,'22、4,'22、5,'22、6,'22、8,'22、5,'23、7,'23、月刊軍事研究11,’13、月刊航空ファン7,’16、8,’16、9,’18、月刊航空情報5,’18

　＜Ｆ−３５ＡＮ−１＞：オランダ向けF-35A初号機で、LRIPロット３のブロック1Aソフトウェア搭載機であり、システム開発実証（SDD）用試験機である。2012年4月1日に完成し、8月6日に初飛行した。2013年7月15日、オランダ政府に引き渡された。2015年1月16日、エグリン空軍基地からエドワーズ空軍基地に移動した。2016年5月21日、エドワーズ空軍基地を離陸。パタクセントリバー海軍航空基地を経由し、オランダ空軍KDC-10空中給油輸送機の支援を受けて5月23日夜にオランダ北部レーワルデン基地に到着した。6月10-11日、オランダ空軍オープンデーに参加。2019年6月12日、F-35AN-08と共にカリフォルニア州エドワーズ空軍基地を離陸。空中給油を受けつつ9000km先のオランダのフリーラント射爆場まで飛行し、統合終末攻撃調整官JTACの指示を受けてGBU-49/Bのイナート弾とGBU-12/Bのイナート弾を投下、オランダのフォルケル航空基地に着陸した。6月14-15日、フォルケル航空基地でオランダ空軍オープンデイズに参加。参考：月刊軍事研究7,’12、月刊JWings11,’12、10,’13、4,’15、8,’16、9,’19、月刊航空ファン2,’16、8,’16

　＜Ｆ−３５ＡＮ−２＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット４のシステム開発実証（SDD）用試験機である。2013年3月7日（2日？）に完成し、6月27日に初飛行した。2015年1月16日、エグリン空軍基地からエドワーズ空軍基地に移動した。2016年5月21日、エドワーズ空軍基地を離陸。パタクセントリバー海軍航空基地を経由し、オランダ空軍KDC-10空中給油輸送機の支援を受けて5月23日夜にオランダ北部レーワルデン基地に到着した。6月10-11日、オランダ空軍オープンデーに参加。参考：月刊JWings6,’13、10,’13、4,’15、8,’16、月刊航空ファン5,’13、2,’16、8,’16

　＜Ｆ−３５ＡＮ−３＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。2018年12月15日に初飛行した。2019年1月30日、ロッキード・マーチン社フォートワース工場でオランダ初の実動用機ロールアウト式典に参加。参考：月刊JWings3,’19、4,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＮ−４＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。2019年1月8日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＮ−５＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。2019年1月23日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＮ−６＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。2019年1月28日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＮ−０７＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。2019年2月20日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＮ−０８＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。2019年4月15日に初飛行した。6月12日、F-35AN-1と共にカリフォルニア州エドワーズ空軍基地を離陸。空中給油を受けつつ9000km先のオランダのフリーラント射爆場まで飛行し、統合終末攻撃調整官JTACの指示を受けてGBU-49/Bのイナート弾とGBU-12/Bのイナート弾を投下、オランダのフォルケル航空基地に着陸した。6月14-15日、フォルケル航空基地でオランダ空軍オープンデイズに参加。参考：月刊JWings7,'19、9,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＮ−０９＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。この機以降はイタリアのFACO施設で組み立てる。2019年9月9日にカメリで初飛行した。9月12日、カメリのFACO施設でロールアウト式典が行われた。10月31日、オランダのレーワールデン基地に到着した。E-ONE消防車２両によるウォーターアーチで出迎えられる筈が、直前にF-16戦闘機が緊急着陸した際に発泡消火剤に積み替えたのを忘れたため発泡消火剤アーチになってしまい、機体点検を行う羽目になっている。11月27日、レーワールデン基地を離陸して初訓練飛行を行った。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings4,’19、12,’19、1,’20、2,’20

　＜Ｆ−３５ＡＮ−１０＞：オランダ向けF-35Aで、LRIPロット11。2019年12月16日、レーワールデン基地に到着した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings3,’20

　＜Ｆ−３５ＡＮ−１７＞：2021年3月25日、レーワールデン基地に到着した。第322飛行隊に配備される。参考：月刊JWings6,’21

　＜Ｆ−３５（カナダ空軍）＞：カナダ空軍戦闘機。1997年に開発作業への加入を表明してレベル２パートナーになったが、CF-188の後継として制式採用を発表したのは2010年7月16日（2008年？）で、F-35Aを65機導入し、2016年からの引き渡しを予定した。凍結滑走路での運用に備えてドラッグシュートを装備するかもしれない。ただSATCOMの装備が2020年までずれ込む、アレスティングフックを装備していないので基地滑走路の延長が必要、空中給油装置がプローブ＆ドローグ方式に対応していないといった問題がある。また、国防省は調達価格を89億ドルと見積もっているが、議会は114億ドルになるとして価格も槍玉に挙がっている。結果、2012年12月に採用が白紙に戻されてしまい、改めてJAS39NG、F/A-18E/F、ラファール、EF2000タイフーンと採用を争うことになった。2015年10月の選挙で政権交代が起き、11月に就任した新首相はF-35A導入中止を公約にしていて、F-35AでなくF/A-18E/Fを導入するらしい。ラファールやJAS39グリペンも売り込まれている。2016年11月、暫定的にF/A-18E/F戦闘機18機の調達を決めた。2020年7月末、CF-188戦闘機後継に改めて提案した。2022年3月28日、88機の導入を決定した。2026-31年に全機配備し、2032-34年に完全運用能力FOCを達成する予定。参考：月刊軍事研究5,’12、6,’14、月刊JWings6,’16、3,’11、6,’13、2,’15、2,’17、10,'20、6,'22、9,'22、3,'23、月刊航空ファン8,’16

　＜Ｆ−３５（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。F-X�Vに提案書を提出した。ただ開発スケジュールが満杯なので韓国国防調達計画局要員による実機テストは無理であり、シミュレータで評価を行う。2013年4月4日にアメリカ国防総省がF-35A戦闘機60機の販売承認をアメリカ議会に通告した。その後選定が白紙に戻されたが、11月22日に第５世代ステルス戦闘機と微妙にボカして40機（＋オプション20機）の採用が決まり、2014年3月24日にF-35Aであると正式に公表された。FMSによる導入で、価格は70億ドル、オプション分も調達すると108億ドルになる。2018年7月20日、ルーク空軍基地で韓国空軍パイロットが初めて単独飛行した。2019年3月29日、最初の２機（F-35AW-5/-6）が清州基地に到着した。12月17日、清州基地でIOC達成記念式典を実施。2020年からF-35B搭載強襲揚陸艦／軽空母の先行研究を始める予定で、オプション20機をF-35Bに振り替えるかもしれない。2021年1月4日、訓練飛行中のF-35A戦闘機１機で電子機器などのトラブルが発生し、瑞山基地に緊急着陸したが、降着装置が降りず胴体着陸になった。乗員は無事だが、韓国空軍ではF-35Aを飛行停止処分にして原因を究明し、エンジンへのバードストライクと判明している。2021年中に40機の配備を終える予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れ、2022年1月最終週に最後の４機が配備された。3月30日、韓国空軍が完全実働態勢に入ったと発表した。7月、F-35A戦闘機20機の追加調達を決定した。政権交代で軽空母計画が棚上げになっているため、F-35Bへの振り替えは行わず、2023-28年に配備予定。9月13日、アメリカ国防安全保障協力局がF-35A戦闘機25機のFMS輸出を発表した。参考：月刊JWings9,’12、6,’13、2,’14、6,’14、10,’18、11,’19、3,’20、3,'22、4,'22、5,'22、6,'22、10,'22、月刊軍事研究3,’15、月刊航空ファン6,’19

　＜Ｆ−３５ＡＷ−１＞：韓国向け初号機で、2018年3月19日に初飛行した。3月21日、２回目の社内飛行を実施。3月28日、ロッキード・マーチン社フォートワース工場でロールアウト式典が行われた。参考：月刊JWings6,’18

　＜Ｆ−３５ＡＷ−２＞：2018年4月24日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’18

　＜Ｆ−３５ＡＷ−３＞：2018年5月17日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’18

＜Ｆ−３５ＡＷ−４＞：2018年9月17日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’18

＜Ｆ−３５ＡＷ−０５＞：2018年10月26日に初飛行した。2019年3月22日、F-35AW-06と共にルーク空軍基地を離陸し、韓国に向かった。3月29日、F-35AW-06と共に清州基地にフェリーされた。参考：月刊JWings1,’19、6,’19

＜Ｆ−３５ＡＷ−０６＞：2018年11月1日に初飛行した。2019年3月22日、F-35AW-05と共にルーク空軍基地を離陸し、韓国に向かった。3月29日、F-35AW-05と共に清州基地にフェリーされた。参考：月刊JWings2,’19、6,’19

＜Ｆ−３５ＡＷ−０７＞：2019年5月4日に初飛行した。7月15日、清州基地に到着した。参考：月刊JWings8,’19、10,’19

＜Ｆ−３５ＡＷ−０８＞：2019年5月15日に初飛行した。7月15日、清州基地に到着した。参考：月刊JWings8,’19、10,’19

＜Ｆ−３５ＡＷ−９＞：2019年8月19日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’19

＜Ｆ−３５ＡＷ−１０＞：2019年9月3日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19

＜Ｆ−３５ＡＷ−１１＞：2019年9月6日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19

＜Ｆ−３５ＡＷ−１２＞：2019年10月31日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−１３＞：2019年10月31日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−１４＞：2019年11月19日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−１５＞：2019年11月23日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−１６＞：2019年11月19日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−１７＞：2020年1月24日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−１８＞：2020年3月5日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−１９＞：2020年3月10日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−２０＞：2020年3月24日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−２１＞：2020年5月4日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−２２＞：2020年5月19日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−２３＞：2020年5月22日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−２４＞：2020年5月21日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−３５ＡＷ−２５＞：2020年12月21日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−２６＞：2021年1月11日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−２７＞：2020年12月22日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−２８＞：2021年2月4日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−２９＞：2021年4月26日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３０＞：2021年5月3日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３１＞：2021年5月13日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３２＞：2021年5月14日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３３＞：2021年7月13日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３４＞：2021年7月12日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３５＞：2021年9月18日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３６＞：2021年8月30日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

＜Ｆ−３５ＡＷ−３７＞：2021年11月11日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＡＷ−３８＞：2021年11月9日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＡＷ−３９＞：2021年11月17日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＡＷ−４０＞：2021年6月2日（11月17日？）に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21、2,’22

＜Ｆ−３５（ギリシャ空軍）＞：2022年6月30日、F-35A戦闘機20機のFMS輸出をアメリカに申請した。2023年2月、アメリカ上院外交委員会がFMS輸出を承認した。アメリカ国防安全保障協力局でも認められれば2027-28年に配備する予定。参考：月刊JWings9,’22、5,’23

＜Ｆ−３５（航空自衛隊）＞：航空自衛隊戦闘機。F-4EJの後継としてF-35A戦闘機42機の採用を2011年12月20日に決定した。最終組み立てと完成検査（FACO）も日本で実施する。その他の組み立てなども交渉次第で行うことが可能で、BAEシステムズ社と後部胴体の一部を作るという合意も得たとされるが、工場建設費などの初期投資が高額なので、確定していない。アジア太平洋地域の機体・エンジン整備補修オーバーホール及び改修（MRO&U）拠点も日本に設置することになり、機体は三菱重工小牧南工場で2018年から、エンジンはIHI瑞穂工場で2021-23年から重整備を行えるようになる予定である。2018年12月18日、F-15J/DJプレMSIP機計99機の後継もF-35とし、105機を追加導入（６機多いのは機種転換訓練用）して計147機を配備することを安全保障会議で決定、閣議でも了承した。うち42機はF-35Bとなる。また、取得価格抑制のため、三菱重工小牧南工場FACO施設での組み立てを中止して2019年度調達分から（35号機以降）は機体を完全輸入とし、同施設では整備改修のみを行うこととなった。2019年2月13日にはアジア太平洋地域のアビオニクス整備を三菱電機で行うことが決まり、2025年以降に整備拠点を開設することになった。2019年8月16日、平成31年度／令和元年度以降に係る中期防で導入するF-15J/DJプレMSIP機後継機のうち42機分の「STOVL能力を有する戦闘機」の機種がF-35Bに決定したと、防衛省が発表した。全て完成機輸入、配備先は航空自衛隊で、常時艦載する訳では無く、必要に応じ艦上搭載する。2019年12月20日、防衛省や三菱重工で取得価格抑制に努めた結果、１機あたり輸入単価94.2億円を下回る93.7億円で調達できる見込みが立ったとして、2019-20年度調達分はFACOでの組み立てを継続すると、河野防衛大臣が発表した。2022年7月1日、三菱重工小牧南工場F-35整備拠点の運用を開始したと発表された。7月25日、アメリカ国防安全保障協力局がAIM-120C-7/C-8空対空ミサイル実弾150発などのFMS輸出を発表した。6月29日、IHI瑞穂工場でF-35用エンジン整備拠点の運用を開始したと発表された。参考：月刊JWings5,’13、12,'15、9,'23、9,’12、11,’12、4,’13、4,’14、9,’14、11,’14、12,’15、7,’16、11,’16、8,’17、11,’17、3,’19、4,’19、5,’19、6,’19、2,’20、3,’20、10,'22、月刊軍事研究2,’17、3,’12、12,’13、10,’14、2,’15、4,’18、月刊航空ファン1,’15、10,’14、2,’18、8,’18、2,’19、月刊航空情報5,’18、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船4,’18、MAMOR vol.134、朝雲

　＜Ｆ−３５Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊戦闘機。F-4EJの後継として2011年12月20日にF-35Aの採用を決定した。2018年2月24日に三沢基地で行われた配備記念式典では航空総隊司令官が「航空作戦の様相を変えるゲームチェンジャー」とスピーチしている。2016年度から42機をFMSで取得予定で、三菱重工小牧南工場での整備といった後方支援もメーカーとの契約による定期修理IRANではなくアメリカとのFMS契約による委託で行う。完全輸入機の価格は初度部品含め１機あたり102億円だが、国内最終組み立てを行う機体の予算は2013年度で１機あたり154億円を確保した（為替変動要因などもあり、最終価格はまだ不明）。他に2013年度予算では教育器材など関連経費211億円、国内企業参画に伴う初度費830億円を計上している。2013年9月2日（アメリカ政府とのFMS引合受諾書）と9月30日（製造参画国内企業との契約）に締結された契約では、機体単価140億円（エンジンを除く機体２機分230億円、スペアエンジン１台を含むF135エンジン３台分44億円）、関連経費総額1332億円（機体２機とエンジン３台に加え、教育用機材16億円、ALGS整備費用76億円、三菱重工小牧南工場での機体最終組み立て検査639億円、IHI生産エンジン部品182億円、三菱電機生産レーダー部品56億円など）となった。AAM-4、AAM-5、ASM-2の運用能力とJADGEデータリンク装置を追加する予定らしいが、独自改造は費用がかさむ、全部ウェポンベイに入らない、AAM-4ではソフトウェア書き換えだけでなくJ/ARG-1を積む必要がある、多国間で融通している支援態勢の関係で運用に支障が出かねない、といった問題点があり、BVRAAMはAAM-4ではなくミーティア（＋AAM-4シーカー技術）にするかもしれないが、取り敢えずはAIM-120C-7を発注した。WVRAAMはAIM-9Xで、SUU-96/AパイロンとLAU-151/Aレールランチャーを使う。対地兵装は、2022年の三沢基地航空祭でGBU-12/Bレーザー誘導爆弾、GBU-31/B統合GPS誘導爆弾、GBU-39/B小直径爆弾が展示されている。空対艦ミサイルは2017年12月8日に小野寺防衛大臣が記者会見でJSMの導入を発表しており、配備はF-35Aによる練度の高い運用ができる頃とされる。F-35AX-11以降は塗装をZ13オーバーコートにした。日本人初のF-35Aパイロットである第302飛行隊初代飛行隊長中野義人二等空佐によれば、それまで搭乗してきたF-4EJ/F-2に比べ、最も優れているのは操縦性で、高度な自動化により操縦桿・スロットル・フットペダルによる操縦操作に気を遣う必要がほぼ無いため、思考を戦術的考察に全力投入できるという。三菱重工小牧南工場での委托整備にかかる期間は、他の戦闘機の定期整備IRANと同じ半年弱くらい。全長15.6m、全幅10.7m、全高4.38m、空虚重量13.29トン、最大離陸重量29.9トン。翼面積42.74平方メートル。エンジンはF135-IHI-100ターボファン（推力11.34トン、A/B時18.144トン）単発、最大速度1958km／マッハ1.6、実用上昇限度15000m、機内燃料容量18498ポンド・2800ガロン、航続距離2200km（機内燃料のみ）。乗員１名。2016年度に引き渡される最初の４機は2014年度発注のLRIPロット８で、ロッキード・マーチン社フォートワース工場で生産され、ブロック3iソフトウェアを搭載し、ルーク空軍基地に１年間配備されて訓練に使用され、日本にフェリーされる前にブロック3Fに換装、岐阜基地の飛行開発実験団で実用試験を行い、防衛大臣の部隊使用承認を経て三沢基地の臨時F-35飛行隊（2017年12月1日編成完結）に配備され、F-4EJ改装備の第302飛行隊を置き換える形で2018年度末までにF-35A装備の新生第302飛行隊が誕生する。以降38機は国内生産となり、2013年度予算で最初の２機（LRIP9）を機体価格299億円（１機あたり144.5億円）で発注した。2014年度は４機（LRIP10）を630億円、2015年度は６機（LRIP11）を1032億円、2016年度は６機（LRIP12）を1084億円、2017年度は６機（LRIP13）を880億円、2018年は６機（LRIP14）を785億円で発注している。残る８機は平成31年度以降に係る中期防で発注する予定。最初の国産機であるAX-5はロッキード・マーチン社での試験があるため完成後にアメリカに送られるので、臨時F-35飛行隊に最初に配備されるのはAX-6になり、2014年発注のAX-7からAX-10が加わりつつアメリカから５機が戻ってきて2018年度末に10機が揃う。臨時F-35飛行隊には20機くらいを配備予定で、26中期防のうちに全機引き渡されるが、実戦態勢が整うのは概ね2020年以降となる。機種転換訓練にはフル・ミッション・シミュレータを使用し、2016年度には三沢基地にF-35Aシミュレータ施設が竣工する予定で、2014年9月26日には北部航空方面隊司令官と第３航空団司令が三沢基地でF-35デモンストレーターを体験した。2016年4月、アメリカ空軍予備役軍団第944戦闘航空団第944作戦群第２分遣隊Ninjas（ニンジャズ）で整備員の委託教育を開始。12月、アメリカ空軍予備役軍団第944戦闘航空団第944作戦群第２分遣隊Ninjas（ニンジャズ）でパイロットの委託教育を開始。2017年2月7日、空自パイロット（中野義人最先任操縦士。後の臨時F-35A・第302飛行隊長）がF-35AX-1で初飛行。シミュレータから初めて実機に乗り換えた訓練で、エンジンスタートからして初体験であり、単座機のため教官も同乗しておらず、飛び上がったは良いものの眼下に広がる広大なアリゾナ砂漠に独りで降りられるかどうか冷や汗ものだったらしい。5月20日、アメリカで委託教育を受けていた空自パイロット（教官要員）２名が予定より２週間早く訓練課程を修了した。12月1日、三沢基地で臨時F-35A飛行隊の編成完結式を実施。2018年1月26日、三沢基地の臨時F-35A飛行隊に１機目が配備された。5月28日、アメリカでパイロット訓練に使用されていた空自所属F-35A戦闘機５機が全て三沢基地に到着した。以降のパイロット訓練は三沢基地で実施する模様。2018年12月18日、F-15J/DJプレMSIP機計99機の後継もF-35とし、105機を追加導入（６機多いのは機種転換訓練用）して計147機を配備することを安全保障会議で決定、閣議でも了承した。追加導入分のうちF-35A戦闘機は63機で、残り42機はF-35Bであり、総導入機数はF-35A戦闘機105機とF-35B戦闘機42機の計147機となる。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編され、最初の正式なF-35A飛行隊が誕生した。2019年度はLRIP15の６機（31-36号機）を機体価格681億円で発注する予定。4月9日、第302飛行隊所属F-35A戦闘機（F-35AX-5）が訓練中に墜落し、飛行停止処分が執られた。飛行停止は空自機のみで、他国機は全て飛行停止措置を執っていない。8月1日、昼間に限り飛行訓練を再開した。12月20日、2019-20年度の取得方法を、完成機輸入でなく国内最終組立・完成検査にすると発表した。2019年末、既存機へのオートGCASの搭載（ソフトウェア更新で導入）を開始。新造機はオートGCAS搭載済みの状態で受領する。2020年7月1日、三菱重工小牧南工場F-35用整備拠点MRO&Uが稼働を開始した。7月2日にF-35AX-4が最初の整備に入っている。7月9日、アメリカ国防安全保障協力局がF-35A戦闘機63機とF-35B戦闘機42機のFMS輸出許可を出した。価格は関連機器や業務などを含め総額231億1000万ドルである。31中期防で２番目の飛行隊を編成することになり、2020年12月15日に第301飛行隊がF-4EJ改から機種改変を完了した。2021年3月24日、F-35AX-12が三沢基地を離陸して訓練飛行中にエンジン系統不具合の警報灯が点灯したため、僚機と共に1420頃に青森空港に緊急着陸した。新千歳空港行き日航機に遅れが出ている。F-35Aを飛行停止にして調査したところ、原因はエンジン制御部品の不具合で、3月25日午後に飛行停止は解かれ、F-35AX-12も三沢基地の整備員10名による整備の後、夕方に三沢基地に戻った。2022年6月13日、三沢統合訓練センターのトレーニング・オペレーション・マネージャー（三沢基地F-35A教育訓練施設の教育責任者）を勤めたロッキード・マーチン社バンクラフト氏に、F-35A戦闘機部隊整備の功績で航空幕僚長から感謝状が授与され、三沢基地第３航空団応接室で伝達式が行われた。2023年4月3日、初めて主翼下パイロンとランチャーを装着しての飛行訓練を実施。第301・第302飛行隊計６機が両主翼下に装着して参加し、第301飛行隊F-35AX-1と第302飛行隊F-35AX-4は左主翼下パイロンにAIM-9Xキャプティブ弾を装備した。6月26日、小松基地に展開した第301・第302飛行隊機が主翼下パイロンにAIM-9X実弾を搭載して実射訓練を実施。6月30日、IHI瑞穂工場F135エンジン整備拠点リージョナル・デポが稼働を開始した。7月4日、F-35B戦闘機の運用に関してイタリア海軍と協力すると、海上幕僚長が発表した。参考：月刊JWings5,’13、12,'15、9,’12、11,’12、4,’13、4,’14、9,’14、11,’14、12,’15、7,’16、11,’16、8,’17、11,’17、3,’19、4,’19、5,’19、6,’19、10,’19、8,'20、9,'20、10,'20、3,’21、6,'21、6,'22、12,'22、6,'23、9,'23、月刊軍事研究2,’17、3,’12、12,’13、10,’14、2,’15、4,’18、月刊航空ファン1,’15、10,’14、2,’18、8,’18、2,’19、月刊航空情報5,’18、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船4,’18、MAMOR vol.134、朝雲

＜Ｆ−３５ＡＸ−１＞：空自向けF-35A初号機、LRIPロット８、シリアルナンバー69-8701。2016年8月24日（現地も日本も）、ロッキード・マーチン社フォートワース工場で初飛行した。9月23日（現地も日本も）、ロッキード・マーチン社フォートワース工場でロールアウト式典が行われた。10月引き渡し予定だったが、主翼内燃料配管に改修が必要となり、11月17日（アメリカ中部時間）に引き渡された。11月28日、燃料配管の改修を終え、フォートワースを離陸してアリゾナ州ルーク空軍基地に到着し、第944戦闘航空団第944作戦群第２分遣隊に配備された。2017年2月7日（アメリカ現地時間）、空自パイロットが初の単独飛行を行った。2018年3月17-18日、ルーク空軍基地のLuke Days 2018で地上展示された。アメリカ本土のエアショーに空自戦闘機が地上展示されるのはこれが初めてである。5月28日1700過ぎ、三沢基地に到着し、臨時F-35A飛行隊に配備された。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。2020年12月15日に新編された第301飛行隊に移籍した。2022年2月2日、三菱重工小牧南工場で定期修理IRANに入った。9月2日、IRANを終えて名古屋空港を離陸し、三沢基地に向かった。IRAN明けのテストフライトは三沢基地で空自パイロットが行う模様。9月11日、第301飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加。2023年4月3日、第301飛行隊所属で両主翼下パイロンを装着し、左主翼下パイロンにAIM-9Xキャプティブ弾を搭載して飛行訓練を実施。4月15日、第301飛行隊所属で岩国基地フレンドシップデーに参加し、地上展示された。参考：月刊軍事研究9,’15、6,’18、月刊航空ファン10,’16、11,’16、12,’16、2,’17、5,’17、8,’17、12,’17、6,’18、8,’18、月刊JWings12,’16、2,’17、6,’19、3,’21、11,’22、12,’22、6,’23、7,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−２＞：LRIPロット８、シリアルナンバー69-8702。F-35通算200号機である。2016年11月30日に初飛行した。2017年1月11日、フォートワースを離陸してルーク空軍基地に到着。3月7日、第944作戦群第２分遣隊100ソーティ目のフライトを実施。2018年5月28日1700過ぎ、三沢基地に到着し、臨時F-35A飛行隊に配備された。10月14日、F-35AX-9と共に中央観閲式でフライバイした。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。参考：月刊JWings2,’17、3,’17、1,’19、6,’19、月刊航空ファン12,’17、6,’17、8,’18

＜Ｆ−３５ＡＸ−３＞：LRIPロット８、シリアルナンバーは初飛行時69-8703だったが、空自領収が翌年になったので79-8703に書き換えられた。2016年12月12日に初飛行した。2017年1月26日、ルーク空軍基地にフェリーされた。2018年5月28日1700過ぎ、三沢基地に到着し、臨時F-35A飛行隊に配備された。2018年10月25日、航空総隊総合訓練に参加中、F-4EJ改、F-15J戦闘機、F-2A戦闘機と異機種編隊飛行を行った。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。2020年3月12日、F-35AX-4/-8/-16と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーション予行訓練に参加。2022年5月13日、第301飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。参考：月刊JWings3,’17、6,’19、6,’20、8,’22、月刊航空ファン12,’17、5,’17、8,’18、2,’19

＜Ｆ−３５ＡＸ−４＞：LRIPロット８、シリアルナンバー79-8704。2017年1月10日に初飛行した。2月16日、フォートワースを離陸してルーク空軍基地に到着した。2018年5月28日1700過ぎ、三沢基地に到着し、臨時F-35A飛行隊に配備された。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。2020年3月12日、F-35AX-3/-8/-16と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーション予行訓練に参加。7月2日、名古屋空港に着陸し、三菱重工小牧南工場で整備に入った。12月22日、整備を終えて三沢基地に戻った。2022年9月11日、第302飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加。2023年4月3日、第302飛行隊所属で両主翼下パイロンを装着し、左主翼下パイロンにAIM-9Xキャプティブ弾を搭載して飛行訓練を実施。参考：月刊JWings4,’17、5,’17、6,’19、6,’20、9,'20、3,'21、12,’22、6,'23、月刊航空ファン12,’17、8,’18

＜Ｆ−３５ＡＸ−５＞：LRIPロット９、シリアルナンバー79-8705。国内組み立て初号機である。2015年10月4日、中央部胴体が完成した。12月15日、名古屋のFACOで組み立て作業を開始。2017年6月5日、三菱重工小牧南工場内FACO施設でF-35A戦闘機（国内生産初号機）御披露目式に参加。6月13日、県営名古屋空港でロッキード・マーチン社のパイロットが操縦して0930頃に離陸、初飛行した。飛行開発実験団F-2B戦闘機がチェイス機を務めている。Ｋ訓練空域を飛行した後、帰路に岐阜基地でタッチアンドゴー（連続離着陸）試験を行い、1121に県営名古屋空港に着陸した。6月20日、２回目のフライトを実施したが、コクピットで冷却系統の警告灯が点灯したため、名古屋空港に緊急着陸した。6月27日、３回目のフライトを実施。7月11日、４回目のフライトを実施し、社内飛行試験を終えた。7月31日、５回目のフライト（アメリカ政府国防契約管理機関パイロットによる受領確認試験飛行）を実施。8月1日、６回目のフライトを実施。10月26日、県営名古屋空港を単機で離陸して岩国基地に向かい、ローアプローチして着陸はせず、そのまま県営名古屋空港に戻った。航法チェックを行ったらしい。11月2日、県営名古屋空港を離陸し、製造品質確認のため三沢基地経由でアメリカにフェリーされた。この際、国籍マークを日の丸からアメリカ空軍マークに変更している。製造品質確認後はルーク航空基地に移動した。2018年5月28日1700過ぎ、三沢基地に到着し、臨時F-35A飛行隊に配備された。6月5日、AX-7と共に松島基地へと飛行した。8月8日、千歳基地に飛来した。訓練飛行中に航法関連計器の不具合があり、視程が良好だった千歳基地に緊急着陸したらしい。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。4月9日1927頃、三沢基地東135kmの太平洋上で墜落した。参考：月刊JWings12,’15、3,’16、9,’17、10,’17、1,’18、10,’18、6,’19、月刊航空ファン8,’17、10,’17、12,’17、1,’18、8,’18、6,’19、朝雲

＜Ｆ−３５ＡＸ−６＞：LRIPロット９、シリアルナンバーは初飛行時79-8706だったが、航空自衛隊の受領は2018年になったので89-8706に書き換えられた。国内組み立て２号機で、2017年9月25日に初飛行した。飛行開発実験団F-15DJ戦闘機がチェイス機を務めている。帰路に岐阜基地でタッチアンドゴーを行った。9月26日、２回目のテストフライトを実施し、社内飛行試験を完了した。10月4日、アメリカ国防契約管理機関パイロットによる受領確認試験飛行を実施。10月5日、アメリカ国防契約管理機関パイロットによる受領確認試験飛行を実施。10月11日、アメリカ国防契約管理機関パイロットによる受領確認試験飛行を実施。2018年1月26日0946、小牧基地を離陸。1101に三沢基地に着陸し、臨時F-35A飛行隊に配備された。2月7日、三沢基地からの初飛行を実施。1136に離陸してタッチアンドゴーを３回行い、1336に着陸している。2月8日、三沢基地でタッチアンドゴーを実施。5月9-24日、米軍再編に係る岩国飛行場から三沢基地への訓練移転（共同訓練）に参加。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。4月1日、飛行訓練を実施。参考：月刊航空ファン8,’17、12,’17、4,’18、7,’18、6,’19、月刊JWings4,’18、5,’18、6,’19、月刊軍事研究4,’18

＜Ｆ−３５ＡＸ−７＞：LRIPロット10、シリアルナンバー89-8707。2018年3月12日1000に初飛行した。3月13日、午前と午後に１回ずつフライトを行った。3月15日午後、フライトを行った。5月15日、三沢基地に到着し、臨時F-35A飛行隊に配備された。6月5日、F-35AX-5と共に松島基地へと飛行した。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。4月1日、飛行訓練を実施。8月1日1444、F-35AX-12と共に三沢基地を離陸し、F-35AX-5墜落事故による飛行停止解除後の初飛行訓練を実施。2022年5月13日、第301飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊航空ファン12,’17、5,’18、6,’18、8,’18、6,’19、月刊JWings6,’19、10,’19、8,'22、1,'23、朝雲

＜Ｆ−３５ＡＸ−８＞：LRIPロット10、シリアルナンバー89-8708。国内組み立て４号機で、2018年4月12日に初飛行した。ただマイナートラブルに見舞われて短時間で着陸している。4月13日、２回目の飛行試験を実施。4月16日、３回目の飛行試験を実施。4月19日、受領試験を実施。6月8日、三沢基地に到着し、臨時F-35A飛行隊に配備された。12月11日、F-35AX-10と共に三沢基地を離陸し、千歳基地で模擬タッチアンドゴーを行った後、訓練空域で訓練を行った。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。4月1日、飛行訓練を実施。2020年3月12日、F-35AX-3/-4/-16と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーション予行訓練に参加。3月19日、F-35AX-11/-15/-18と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーションに参加。参考：月刊航空ファン12,’17、6,’18、7,’18、8,’18、6,’19、月刊JWings7,’18、2,’19、6,’19、6,’20

＜Ｆ−３５ＡＸ−９＞：LRIPロット10、シリアルナンバー89-8709。2018年7月11日に初飛行した。7月13日、２回目の飛行を実施。8月3日、午前と午後に飛行を実施。8月27日、三沢基地に到着した。10月14日、F-35AX-2と共に中央観閲式でフライバイした。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。2020年9月、小松基地に展開し、ミサイル戦技集合訓練に参加。2021年9月8日、第301飛行隊所属で百里基地に飛来。9月9日、第301飛行隊所属で日英米蘭加共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。午後、三沢基地に戻った。2022年7月31日、千歳基地航空祭で飛行展示を行った。2023年1月5日、三沢基地で初飛行訓練に参加。参考：月刊航空ファン10,’18、12,’17、月刊JWings10,’18、11,’18、1,’19、6,’19、12,’20、12,’21、10,’22、3,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−１０＞：LRIPロット10、シリアルナンバー89-8710。2018年9月13日に県営名古屋空港で初飛行した。9月14日、社内飛行試験を実施。9月18日、受領飛行試験を実施。11月26日、三沢基地に到着し、引き渡された。12月11日、F-35AX-8と共に三沢基地を離陸し、千歳基地で模擬タッチアンドゴーを行った後、訓練空域で訓練を行った。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。4月1日、飛行訓練を実施。9月8日、三沢基地航空祭で地上展示された。参考：月刊航空ファン12,’17、12,’18、6,’19、11,’19、月刊JWings12,’18、2,’19、6,’19、11,’19

＜Ｆ−３５ＡＸ−１１＞：シリアルナンバー89-8711。この機以降はパネルシールの代わりにZ13オーバーコートを塗装している。2018年11月1日に初飛行した。11月2日、２回目の飛行試験と１回目の受領飛行（通算３回目の飛行試験）を実施。12月20日、名古屋空港を離陸して三沢基地に到着し、空自に引き渡された。2019年度納入分だが、前倒しで完成したのでそのまま配備したらしい。2019年3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。9月8日、三沢基地航空祭でオープニングフライトに参加する予定だったが、シーフォッグに見舞われてタキシングのみ行っている。2020年3月19日、F-35AX-8/-15/-18と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーションに参加。12月15日に新編された第301飛行隊に移籍した。2023年1月5日、三沢基地で初飛行訓練に参加。参考：月刊JWings1,’19、3,’19、5,’19、6,’19、6,’20、3,'21、3,'23、月刊航空ファン1,’19、4,’19、11,’19

＜Ｆ−３５ＡＸ−１２＞：シリアルナンバー99-8712。2019年2月5日に初飛行し、岐阜基地でタッチ＆ゴーを行って県営名古屋空港に戻った。2月17日、２回目のフライトを実施。2月18日、３・４回目のフライトを実施。3月5日、県営名古屋空港を離陸し、三沢基地に着陸、臨時F-35A飛行隊に配備された。2019年度納入分だが、前倒しで完成したのでそのまま配備したらしい。3月26日、臨時F-35A飛行隊が第302飛行隊に改編されたため、そちらの所属機となった。4月1日、飛行訓練を実施。8月1日1444、F-35AX-7と共に三沢基地を離陸し、AX-5墜落事故による飛行停止解除後の初飛行訓練を実施。2021年3月24日、訓練飛行中にエンジン系統不具合の警報灯が点灯したため、僚機と共に1420頃に青森空港に緊急着陸した。新千歳空港行き日航機に遅れが出ている。F-35Aを飛行停止にして調査したところ、原因はエンジン制御部品の不具合で、3月25日午後に飛行停止は解かれ、本機も三沢基地の整備員10名による整備の後、夕方に三沢基地に戻った。2022年5月13日、第302飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊JWings5,’19、6,’19、6,'21、8,'22、1,'23、月刊航空ファン4,’19、5,’19、6,’19、朝雲

＜Ｆ−３５ＡＸ−１３＞：シリアルナンバー99-8713。2019年2月7日、県営名古屋空港で初飛行した。2月17日、２回目のフライトを実施。2月18日、３・４回目のフライトを実施。4月、第302飛行隊に配備された。9月8日、三沢基地航空祭で地上展示された。2020年6月10日、F-35AX-14と共に、小松基地に飛来した。6月12日、F-35AX-14と共に、三沢基地に戻った。8月31日、三沢基地を離陸して飛行訓練中にトラブルが発生したらしく、千歳基地に着陸した。12月15日に新編された第301飛行隊に移籍した。2022年9月11日、第301飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊JWings5,’19、6,’19、11,’19、9,'20、11,’20、12,'22、1,'23、月刊航空ファン5,’19

＜Ｆ−３５ＡＸ−１４＞：シリアルナンバー99-8714。2019年4月4日（4月8日？）、県営名古屋空港で初飛行した。F-35AX-5墜落事故による飛行停止で航空自衛隊への引き渡しは11月6日になり、名古屋空港を離陸して三沢基地に配備された。2020年6月10日、F-35AX-13と共に、小松基地に飛来した。6月12日、F-35AX-13と共に、三沢基地に戻った。2021年9月8日、第302飛行隊所属で百里基地に飛来。9月9日、第302飛行隊所属で日英米蘭加共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。午後、三沢基地に戻った。11月8-26日、小松基地に展開し、移動訓練に参加。参考：月刊JWings6,’19、1,’20、9,'20、12,’20、12,'21、2,'22、月刊航空ファン11,’19

＜Ｆ−３５ＡＸ−１５＞：シリアルナンバー99-8715。2019年9月2日に初飛行した。9月30日、２回目の飛行を実施（４週間空いた理由は不明）。計器着陸装置ILS点検中の県営名古屋空港に代わり、小牧基地でILSの試験を行った。10月2日、３回目の飛行を実施。11月6日、航空自衛隊に引き渡され、名古屋空港を離陸して三沢基地に配備された。2020年3月19日、F-35AX-8/-11/-18と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーションに参加。2022年5月13日、第301飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。参考：月刊JWings12,’19、1,’20、6,’20、8,'22、月刊航空ファン12,’19

＜Ｆ−３５ＡＸ−１６＞：シリアルナンバー99-8716。2019年9月3日に初飛行した。9月6日、計器着陸装置ILS点検中の県営名古屋空港に代わり、小牧基地でILSの試験を行い、滑走路上を低空低速で飛行した。10月10日、アメリカ政府の領収試験を行った。11月6日、航空自衛隊に引き渡され、名古屋空港を離陸して三沢基地に配備された。2020年3月12日、F-35AX-3/-4/-8と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーション予行訓練に参加。2022年9月26日、第302飛行隊所属で小松基地に飛来し、10月初めまで移動訓練を行った。2023年1月5日、三沢基地で初飛行訓練に参加。9月10日、第302飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加し、機動飛行を行った。参考：月刊JWings12,’19、11,’19、1,’20、6,’20、12,'22、3,'23、11,'23、月刊航空ファン11,’19、1,’20

＜Ｆ−３５ＡＸ−１７＞：シリアルナンバー09-8717。2019年12月5日に初飛行した。2020年1月30日、航空自衛隊に引き渡され、F-35AX-18と共に県営名古屋空港を離陸し、三沢基地に着陸した。12月15日に新編された第301飛行隊に移籍した。2023年9月10日、第301飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加し、地上展示された。参考：月刊JWings2,’20、3,’20、4,’20、4,’21、11,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−１８＞：シリアルナンバー09-8718。2019年12月10日に初飛行した。12月11日、試験飛行を実施。2020年1月30日、航空自衛隊に引き渡され、F-35AX-17と共に県営名古屋空港を離陸し、三沢基地に着陸した。3月19日、F-35AX-8/-11/-15と共に、三沢基地でミッシングマン・フォーメーションに参加。2021年6月14日、第302飛行隊所属で築城基地に飛来し、移動訓練（対戦闘機戦闘訓練など）に参加。11月8-26日、小松基地に展開し、移動訓練に参加。2022年5月13日、第302飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。2023年9月10日、第302飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加し、地上展示された。10月7日、第302飛行隊所属で小松基地航空祭に参加し、地上展示された。参考：月刊JWings2,’20、4,’20、6,’20、9,'21、2,’22、8,'22、11,'23、12,'23、月刊航空ファン3,’20

＜Ｆ−３５ＡＸ−１９＞：シリアルナンバー09-8719。2020年10月12日に初飛行した。12月15日に新編された第301飛行隊に移籍した。2021年6月14日、第301飛行隊所属で築城基地に飛来し、移動訓練（対戦闘機戦闘訓練など）に参加。9月8日、第301飛行隊所属で百里基地に飛来。9月9日、第301飛行隊所属で日英米蘭加共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。午後、三沢基地に戻った。11月8-26日、小松基地に展開し、移動訓練に参加。参考：月刊JWings1,’21、4,’21、9,’21、12,’21、2,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−２０＞：シリアルナンバー09-8720。2020年10月14日に初飛行した。10月20日、飛行試験を実施。2021年6月14日、第302飛行隊所属で築城基地に飛来し、移動訓練（対戦闘機戦闘訓練など）に参加。9月8日、第302飛行隊所属で百里基地に展開。9月9日、第302飛行隊所属で日英米蘭加共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。午後、三沢基地に戻った。11月8-26日、小松基地に展開し、移動訓練に参加。2022年5月13日、第302飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。参考：月刊JWings1,’21、9,’21、10,’21、12,’21、2,’22、8,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−２１＞：シリアルナンバー09-8721。2020年10月21日に初飛行した。10月29日、受領飛行試験を実施。12月15日、三沢基地で行われた第301飛行隊新編行事で展示され、第301飛行隊に移籍した。2021年6月14日、第301飛行隊所属で築城基地に飛来し、移動訓練（対戦闘機戦闘訓練など）に参加。7月26日から8月5日、第301飛行隊所属で築城基地に展開し、飛行教導群などとの移動訓練に参加。11月8-26日、小松基地に展開し、移動訓練に参加。2022年2月28日、第301飛行隊所属で新田原基地を経由して那覇基地に移動した。5月13日、第301飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。参考：月刊JWings1,’21、3,’21、4,’21、9,’21、11,’21、2,’22、5,’22、8,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−２２＞：シリアルナンバー09-8722。2020年10月13日に初飛行した。2021年6月14日、第302飛行隊所属で築城基地に飛来し、移動訓練（対戦闘機戦闘訓練など）に参加。11月8-26日、第302飛行隊所属で小松基地に展開し、移動訓練に参加。参考：月刊JWings1,’21、9,’21

＜Ｆ−３５ＡＸ−２３＞：シリアルナンバー19-8723。2021年2月22日に初飛行した。5月24日、空自に引き渡された。11月8-26日、第302飛行隊所属で小松基地に展開し、移動訓練に参加。2022年5月13日、第302飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。参考：月刊JWings5,’21、9,’21、1,’22、2,’22、8,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−２４＞：シリアルナンバー19-8724。2021年2月19日に初飛行した。2月22日、ロッキード・マーチン社のテストパイロットが搭乗して２回目のフライトを実施。5月24日、空自に引き渡された。6月14日、第302飛行隊所属で築城基地に飛来し、移動訓練（対戦闘機戦闘訓練など）に参加。11月8-26日、小松基地に展開し、移動訓練に参加。2022年2月28日、第302飛行隊所属で新田原基地を経由して那覇基地に移動した。参考：月刊JWings5,’21、9,’21、2,’22、5,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−２５＞：シリアルナンバー19-8725。2021年5月24日に初飛行した。8月23日、空自に引き渡され、三沢基地に配備された。2022年5月13日、第301飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。2023年6月22日、第301飛行隊所属で小松基地に展開し、6月26日から機外搭載AIM-9X空対空ミサイルによる実射訓練を行った。参考：月刊JWings8,’21、12,’21、8,’22、9,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−２６＞：シリアルナンバー19-8726。2021年5月20日に初飛行した。8月23日、空自に引き渡され、三沢基地に配備された。2022年5月13日、第302飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。9月11日、第302飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加。参考：月刊JWings9,’21、12,’21、8,’22、11,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−２７＞：シリアルナンバー19-8727。2021年9月15日に初飛行した。2023年1月5日、三沢基地で初飛行訓練に参加。2023年6月22日、第302飛行隊所属で小松基地に展開し、6月26日から機外搭載AIM-9X空対空ミサイルによる実射訓練を行った。参考：月刊JWings12,’21、3,’23、9,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−２８＞：シリアルナンバー19-8728。2021年9月24日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’21

＜Ｆ−３５ＡＸ−２９＞：シリアルナンバー29-8729。2022年2月4日（5日？）に初飛行した。4月29日、三沢基地に配備された。5月13日、第301飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。5月21-22日、第301飛行隊所属で横田基地日米友好祭に参加し、地上展示された。9月11日、第301飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加し、飛行展示を行った。2023年1月5日、三沢基地で初飛行訓練に参加。参考：月刊JWings4,’22、5,’22、8,’22、9,’22、12,’22、3,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−３０＞：シリアルナンバー29-8730。2022年2月7日に初飛行した。2022年4月29日、三沢基地に配備された。5月13日、第302飛行隊所属で三沢基地日米共同エレファント・ウォークに参加。5月21-22日、第302飛行隊所属で横田基地日米友好祭に参加し、地上展示された。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。2023年1月5日、三沢基地で初飛行訓練に参加。4月15日、第302飛行隊所属で岩国基地フレンドシップデーに参加し、地上展示された。参考：月刊JWings4,’22、8,’22、9,’22、1,’23、3,’23、7,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−３１＞：シリアルナンバー29-8731。2022年4月6日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−３２＞：シリアルナンバー29-8732。2022年6月13日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−３３＞：シリアルナンバー29-8733。2022年10月11日に初飛行した。2023年6月22日、第301飛行隊所属で小松基地に展開し、6月26日から機外搭載AIM-9X空対空ミサイルによる実射訓練を行った。参考：月刊JWings1,’23、9,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−３４＞：シリアルナンバー29-8734。2022年9月29日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

＜Ｆ−３５ＡＸ−３５＞：シリアルあナンバー39-8735。2023年4月14日に初飛行した。7月26日に三沢基地にフェリーされる予定だったが、不具合があったらしく、7月28日になった。参考：月刊JWings7,’23、10,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−３６＞：シリアルナンバー39-8736。2023年4月に初飛行した。7月26日、三沢基地にフェリーされた。参考：月刊JWings10,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−３７＞：シリアルナンバー39-8737。2023年6月5日に初飛行した。7月26日、三沢基地にフェリーされた。9月10日、第301飛行隊所属で三沢基地航空祭に参加し、地上展示された。参考：月刊JWings8,’23、10,’23、11,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−３８＞：シリアルナンバー39-8738。2023年8月2日に初飛行した。8月8日、２回目の飛行を実施。8月28日、３回目の飛行を実施。参考：月刊JWings11,’23

＜Ｆ−３５ＡＸ−３９＞：シリアルナンバー39-8739。2023年10月12日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’24

＜Ｆ−３５Ｂ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊STOVL戦闘機。海上自衛隊がいずも型で発着艦が可能かなど運用関連の基礎的な情報収集を行っており（ひゅうが型は対象外）、2018年4月27日に公表された「DDHの航空機運用能力向上に係る調査研究」では、アメリカ軍の後方支援を想定し、F-35B戦闘機１機のSTOVL、飛行甲板右舷繋止、格納庫移送、最小限の補給を検討、これらに関しては高い潜在能力を有するとしている。ただちょっと載せるだけなら飛行甲板を耐熱化すれば済むが、本格的に運用するとなると、航空管制関連装備や整備施設器材（自律兵站情報システムALIS関連含む）を追加し、使用弾薬の搭載スペースを確保、エンジンランナップ用に艦尾をくり抜き、人員を増やして部隊を創設し、交換用エンジンを艦に運ぶためのMCH-101またはV-22部隊も作り、プローブ＆ドローグ方式空中給油装置を導入して受油訓練を行い、早期警戒ヘリとトンボ釣り用救難ヘリも配備して空母航空団を、とキリが無いので、オーストラリア海軍キャンベラ級強襲揚陸艦の改装費用を負担して人員ごと援軍に来てもらい、アメリカ海兵隊VMFAを載せた方が早いと思う。また、ウェポンベイにJSMを積めないので、ステルス対艦攻撃には使えない。平成31年度／令和元年度以降に係る防衛計画の大綱で、F-35Bをいずも型で運用できるよう必要な措置を執ることとなった。2019年8月16日、平成31年度／令和元年度以降に係る中期防で導入するF-15J/DJプレMSIP機後継機のうち42機分の「STOVL能力を有する戦闘機」の機種がF-35Bに決定したと、防衛省が発表した。全て完成機輸入、2024年度から航空自衛隊に配備する予定で、常時艦載する訳では無く、必要に応じ艦上搭載する。早速2020年度概算要求で６機分846億円の予算を計上した。部隊は2024年度末に新田原基地で新編し、６機110名を配備する。DDH-183いずもは2019年度末からの定期整備で搭載改修に入る。陸上での発着艦訓練施設は馬毛島に作る。参考：月刊JWings5,’18、3,’18、3,’19、9,’19、11,’19、3,’20、11,'23、月刊航空ファン4,’18、月刊世界の艦船7,’18、2,’19、月刊軍事研究7,’18、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｆ−３５（シンガポール空軍）＞：シンガポール空軍戦闘機。F-16戦闘機の後継として2019年1月18日に導入を発表し、2020年1月9日にF-35Bであることが明らかとなった。まず４機をFMSで導入して評価試験を行い、オプションで８機をFMSにより追加導入する。参考：月刊JWings5,’19、4,’19、3,’20

＜Ｆ−３５（スイス空軍）＞：スイス空軍戦闘機。2020年9月27日の国民投票でF-5及びF/A-18の後継となる新戦闘機の導入計画が決まったため、9月30日にアメリカ国防安全保障協力局がF-35A戦闘機40機のFMS輸出を65億8000万ドルで承認した。機種選定はまだなので、競争相手のF/A-18E/FのFMS輸出承認も出している。2021年6月に採用が決定し、11月26日に発注契約を締結した。反対派が国民投票を求めて揉めたが、連邦議会と国民議会が国民投票無しでの契約締結を可決し、2022年9月19日にF-35A戦闘機36機のFMS調達を契約している。機体組み立ては最初の８機がロッキード・マーチン社フォートワース工場、24機がイタリア・カメリのFACOで、残る４機はオフセット契約でスイスのRUAG社が製作するか、そうでなければカメリのFACOで作る。参考：月刊JWings12,’20、9,’21、2,’22、6,’22、12,’22

＜Ｆ−３５（タイ空軍）＞：F-5戦闘機とF-16戦闘機の後継として８機の導入を打診したが、時間的制約、技術的要件、整備互換性を理由に断られた。参考：月刊JWinigs8,’23

＜Ｆ−３５（チェコ空軍）＞：チェコ空軍戦闘機。2022年7月、2027年にリース契約が切れるJAS39C/Dの後継として、F-35戦闘機24機を調達する方針を決めた。10月3日、アメリカ政府に24機のFMS調達を申請した。2023年6月29日、アメリカ国防安全保障協力局がF-35A戦闘機24機、AIM-120C-8空対空ミサイル、AIM-9Xブロック�U／�Uプラス空対空ミサイル、GBU-53/B誘導爆弾、GBU-31/B誘導爆弾のFMS輸出許可を出した。参考：月刊JWings10,’22、1,’23、9,’23

＜Ｆ−３５（デンマーク空軍）＞：デンマーク空軍戦闘機。F-35Aを30-48機導入予定だっだが、正式決定（次期戦闘機選定）は2016年に先送りされ、2016年5月12日にF-16AM/BMの後継としてEF2000とF/A-18Fを破り27機の調達が決まった。他にシミュレータ４基、支援器材、スペアパーツなどを導入し、運用施設も新たに建設、総額は2900億円と見積もっている。2021-26年に導入し、６機をルーク空軍基地で訓練に使用、21機を2023年からデンマークに配備して2024年から運用する予定。2021年4月、初号機が納入された。5月5日、ルーク空軍基地で訓練飛行を開始した。2023年9月14日、デンマーク配備の最初の４機（F-35AP-07、AP-10など）がスクリュズストルプ基地にフェリーされた。参考：月刊航空ファン3,’13、月刊JWings8,'16、3,’16、9,’16、2,’18、9,’19、6,’21、8,’21、12,’23

＜Ｆ−３５ＡＰ−１＞：デンマーク空軍向けF-35A戦闘機初号機。2020年1月16日、ロッキード・マーチン社フォートワース工場で組み立てが始まった。2021年3月8日に初飛行した。4月7日、ロールアウト式典を実施。4月13日、ルーク空軍基地に到着した。第56戦闘航空団第308戦闘飛行隊での訓練に使用される。4月21日、ロッキード・マーチン社がデンマーク空軍に納入済みと発表した。参考：月刊JWings4,’20、4,’21、6,’21、7,’21

＜Ｆ−３５ＡＰ−２＞：2021年3月18日に初飛行した。4月13日、ルーク空軍基地に到着した。第56戦闘航空団第308戦闘飛行隊での訓練に使用される。4月21日、ロッキード・マーチン社がデンマーク空軍に納入済みと発表した。参考：月刊JWings6,’21、7,’21

＜Ｆ−３５ＡＰ−０３＞：2021年4月25日に初飛行した。5月13日、ルーク空軍基地に到着した。参考：月刊JWings7,’21、8,’21

＜Ｆ−３５ＡＰ−０４＞：2021年4月13日に初飛行した。5月13日、ルーク空軍基地に到着した。参考：月刊JWings7,’21、8,’21

＜Ｆ−３５ＡＰ−０５＞：2022年5月31日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

＜Ｆ−３５ＡＰ−０６＞：2022年6月2日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５ＡＰ−０７＞：2023年3月18日に初飛行した。9月14日、スクリュズストルプ基地にフェリーされた。参考：月刊JWings6,’23、12,’23

＜Ｆ−３５ＡＰ−０８＞：2023年6月26日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’23

＜Ｆ−３５ＡＰ−０９＞：2023年7月10日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’23

＜Ｆ−３５ＡＰ−１０＞：2023年7月11日に初飛行した。9月14日、スクリュズストルプ基地にフェリーされた。参考：月刊JWings10,’23

＜Ｆ−３５（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍戦闘機。2022年3月14日、トーネードIDSの後継としてF-35A戦闘機35機を導入すると発表した。アメリカ軍との核共有任務も担当する。7月28日にアメリカ国防安全保障協力局のFMS許可が下り、12月14日にドイツ政府が引合受諾書に署名した。AIM-120C-8、AIM-9Xブロック�U、AGM-158B/B-2、GBU-53/B、GBU-31/B、GBU-54/Bを運用する。2023年2月17日、F-35戦闘機採用のオフセット契約で、F-35A中央部胴体400機分をラインメタル社が製作する趣意書を取り交わしたと、ロッキード・マーチン及びノースロップ・グラマンが発表した。初度運用能力IOCは2028年に達成予定。参考：月刊JWings6,’22、10,’22、3,’23、5,’23、9,’23

　＜Ｆ−３５（トルコ空軍）＞：トルコ空軍戦闘機。F-4とF-16の後継として採用した。国際共同開発プログラムのレベル３パートナーで、TAIなど10社が複合材製品や400機分の中央胴体の一部を製造し、トルコ空軍向け機の最終組み立てと完成検査を行う。F-35Aを116機導入する予定だったが、100機を160億ドルで導入することになり、2015年に最初の２機を配備することにした。2012年1月にF-35Cを１機発注しており、航続距離の関係でこちらも採用するかもしれない。2013年1月12日、2012年1月に決定した２機の購入計画を１年ほどかけて再検討することにした。2014年5月、F-35Aの最初の２機を正式に調達することにした。ブロック3F/LRIPロット10で、2018年に完成する予定。2016年10月28日、F-35A第２陣となる24機を発注した。2018年6月18日、アメリカ議会上院が、トルコへのF-35A引き渡しはロシアからのS-400地対空ミサイル購入計画破棄を条件とする、という議案を可決した。トルコに派遣されるであろうロシア軍のS-400運用教育要員がF-35Aに対する能力を詳細に把握してしまう懸念があるためである。8月13日にトランプ大統領が署名した国防歳出法では、国防総省がトルコのS-400調達による影響などを90日以内に議会に報告し、それまで引き渡しはストップすることになった。しかし完成済みで引き渡されていないのは１機（２号機）だけ、発注済みで引き渡されていないのも１機（３号機）だけなので、報告書の内容に基づいて引き渡し再開となれば、差し当たりの影響は無さそうである。8月28日、トルコ空軍パイロットがF-35Aで初めて飛行した。2019年4月1日、アメリカ政府がトルコに対するF-35戦闘機運用関連資機材の納入を差し止めると発表した。7月12日にS-400がトルコに運び込まれ、配備が始まったため、7月17日にアメリカが2017年制定の制裁を通じた敵対勢力への対抗に関する法律CAATSAに基づき、F-35引き渡し差し止めを正式発表した。教育訓練中のパイロットと整備士には国外退去命令が出されている。トルコ企業10社が生産を担当しているF-35戦闘機パーツ900点も2020年3月末までに生産打ち切り（トルコ企業との契約は2022年まで締結済みで、違約金などの問題から契約打ち切りにはしない）となるため、アメリカ国防省が5-6億ドルかけて代替供給元を手配した。パーツ自体はトルコ向けだったり、生産数が限定的だったりするため、F-35戦闘機全体の量産には大して影響は無い。建造中のアナドー級強襲揚陸艦にF-35Bを乗せてSTOVL空母としても運用する計画は目途が立たなくなった。F-35の穴は取り敢えずF-16の延命改修で埋め、F-35開発に投入した14億ドルはアメリカに賠償を求める。2020年1月に初飛行したAT-7以降はアメリカ空軍のシリアルナンバーを付けていた。参考：月刊軍事研究6,’12、3,’13、7,’13、4,’18、月刊JWings5,’11、8,’14、9,’14、11,’14、1,’17、11,’18、6,’19、10,’19、4,’20、5,'20、9,'20、4,'21、12,’21、月刊世界の艦船6,’18、月刊航空ファン9,’18、11,’18

　＜Ｆ−３５ＡＴ−０１＞：トルコ空軍向けF-35A初号機、LRIPロット10。2018年5月10日に初飛行した。6月21日、ロッキード・マーチン社フォートワース工場でロールアウト式典が行われ、その後トルコに引き渡された。6月26日にアリゾナ州ルーク空軍基地にフェリーされる予定だったが、S-400導入の件で延期された。参考：月刊航空ファン12,’17、9,’18、月刊JWings8,’18、9,’18、10,’18

　＜Ｆ−３５ＡＴ−０２＞：F-35AのLRIPロット10。2018年6月8日に初飛行した。6月26日にアリゾナ州ルーク空軍基地にフェリーされる予定だったが、S-400導入の件で延期されており、引き渡しも先延ばしされている。参考：月刊JWings9,’18、月刊航空ファン12,’17、9,’18、10,’18

　＜Ｆ−３５ＡＴ−０３＞：F-35AのLRIPロット11。2019年2月24日に初飛行した。S-400導入の件で引き渡しが停止され、フォートワース工場に置かれたままとなっている。参考：月刊JWings5,’19、10,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＴ−０４＞：F-35AのLRIPロット11。2019年2月25日に初飛行した。S-400導入の件で引き渡しが停止され、フォートワース工場に置かれたままとなっている。参考：月刊JWings5,’19、10,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＴ−５＞：F-35AのLRIPロット11。2019年9月30日に初飛行した。参考：月刊JWings12,’19、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＴ−６＞：F-35AのLRIPロット11。2019年10月2日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’20、月刊航空ファン12,’17

　＜Ｆ−３５ＡＴ−７＞：2020年1月24日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5413で初飛行した。参考：月刊JWings4,’20

　＜Ｆ−３５ＡＴ−８＞：2020年1月31日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5414で初飛行した。参考：月刊JWings4,’20

　＜Ｆ−３５ＡＴ−９＞：2020年2月6日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5415で初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１０＞：2020年2月6日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5416で初飛行した。参考：月刊JWings5,’20

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１１＞：2020年9月29日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5417で初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１２＞：2020年9月30日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5418で初飛行した。参考：月刊JWings12,’20

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１３＞：2020年9月29日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5419で初飛行した。アメリカ空軍に引き渡され、ティンダル空軍基地第325戦闘航空団に配備される予定。参考：月刊JWings12,’20、10,’23、11,’23

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１４＞：2020年10月6日、アメリカ空軍シリアルナンバー18-5420で初飛行した。参考：月刊JWings1,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１５＞：2021年3月25日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5534で初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１６＞：2021年3月23日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5535で初飛行した。参考：月刊JWings6,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１７＞：2021年4月12日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5536で初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１８＞：2021年4月19日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5537で初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−１９＞：2021年8月3日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5538で初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２０＞：2021年8月5日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5539で初飛行した。2022年2月16日、アメリカ空軍第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊に所属してドイツのスパンダーレム基地に展開した。参考：月刊JWings11,’21、5,’22

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２１＞：2021年8月20日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5540で初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２２＞：2021年8月27日、アメリカ空軍シリアルナンバー19-5541で初飛行した。参考：月刊JWings11,’21

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２３＞：2022年6月6日、アメリカ空軍シリアルナンバー20-5622で初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２４＞：2022年5月25日、アメリカ空軍シリアルナンバー20-5623で初飛行した。参考：月刊JWings8,’22

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２５＞：2022年6月27日、アメリカ空軍シリアルナンバー20-5624で初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２６＞：2022年6月26日、アメリカ空軍シリアルナンバー20-5625で初飛行した。参考：月刊JWings9,’22

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２７＞：2022年9月15日、アメリカ空軍シリアルナンバー20-5626で初飛行した。2023年8月1日、ティンダル空軍基地第325戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings12,’22、11,’23

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２８＞：2022年9月6日、アメリカ空軍シリアルナンバー20-5627で初飛行した。2023年8月1日、ティンダル空軍基地第325戦闘航空団に配備された。参考：月刊JWings12,’22、11,’23

　＜Ｆ−３５ＡＴ−２９＞：2022年10月12日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’23

　＜Ｆ−３５ＡＴ−３０＞：2022円9月30日、アメリカ空軍シリアルナンバー20-5629で初飛行した。参考：月刊JWings12,’22

　＜Ｆ−３５（ノルウェー空軍）＞：ノルウェー空軍戦闘機。F-35Aを56機導入する予定だったが、52機に減らされた。2011年4月7日に最初の４機を８億8700万ドルで発注しており、2016年に引き渡されて訓練に使用される予定である。これにより初度作戦能力を2019年に獲得し、2018年以降に導入される残りの48機をF-16の代わりに実戦配備する。当初価格が１機あたり50億円（48機で25.9億ドル）とアメリカ軍単価（90億円）の約半分、イスラエル軍向け単価（186億円）の３分の１以下と極端に安かったため、計算違いを指摘されていた。総経費は結局100億ドルになる。JSMを搭載する予定だが、ブロック４ソフトウェアが必要なので、2015年に納入される初号機には搭載能力が無い。凍結滑走路での着陸滑走距離短縮のため、後部胴体上面にポッド式ドラッグシュートを装備する予定で、オランダのフォッカー・テクノロジー社がポッドを開発、2017年からF-35AF-2でテストしている。ステルス性維持のため、ポッドというよりフェアリングのような形状をしており、上に開いて内部のドラッグシュートが引き出される。F135エンジンの整備補修・改修拠点（コングスベルグ・アビエーション・メンテナンス・サービス社が担当）をリュッゲに設置し、2021年に初期段階機能を立ち上げる予定。2015年12月14日、アメリカのルーク空軍基地でノルウェー空軍パイロットが初めてF-35で飛行した。2017年10月26日、アメリカ空軍第53航空団第53電子戦群からブロック3F対応のミッション・データ・ファイルを受領した。11月3日、最初の３機がノルウェーのオーランド基地に到着し、11月10日に正式に引き渡された。2018年2月16日、ノルウェー空軍として初のドラッグシュート試験をオルランド基地で実施。2019年3月、初のAIM-120C空対空ミサイル実射試験を実施。11月6日、IOCを獲得した。2020年2月20日、第332飛行隊所属の４機がアイスランド領空警備IAPのためキエブラヴィーク基地に展開。展開期間中にアメリカ空軍B-2A爆撃機と共同訓練を行っている。3月7日、初のスクランブル発進を実施。北からノルウェーに接近したロシア軍Tu-142哨戒機に対し、オーランド基地から離陸して監視を行った。8月22日、イギリスのフェアフォード基地に展開したアメリカ空軍第５爆撃航空団B-52H爆撃機６機と共同訓練を実施。2021年2月22日から3月末、第332飛行隊所属の４機がアイスランド領空警備IAPのためキエブラヴィーク基地に展開。3月15日、転換訓練用として、ルーク基地に３機を増派した。9月8日、F-35A戦闘機２機が北海上空でアメリカ空軍B-2A爆撃機と共同訓練（護衛、データ共有など）を実施。2022年1月6日、アラート待機を全てF-35Aが担任するようになった。3月17日、コングスベルク・アビエーション・メンテナンス・サービスがF135エンジンの初期デポ能力を達成した。7月、F-35A用にGBU-53/B誘導爆弾を採用した。FOC達成は2025年を予定している。2023年1月20日、アイスランド領空警備IAPのためキエブラヴィーク基地への展開を開始。10月11日、ノルディック・クロスボーダー訓練の一環として、スウェーデンのヴィゼルにある前進飛行場で再発進訓練を行った。参考：月刊軍事研究4,’11、12,’11、4,’18、月刊JWings7,’11、9,’12、3,’13、2,’15、3,’16、1,’18、2,’18、6,’19、12,’19、2,’20、5,’20、6,’20、11,'20、2,'21、5,'21、6,'21、12,'21、4,'22、6,'22、10,'22、4,'23、1,'24、月刊航空ファン3,’13、10,’14、月刊航空情報9,’17、5,’18

＜Ｆ−３５ＡＭ−１＞：ノルウェー空軍向け初号機で、LRIPロット７。2015年8月19日にロールアウトし、9月22日にロールアウト式典が行われて10月7日に初飛行した。11月10日、アリゾナ州ルーク空軍基地にフェリーされた。訓練に使用されている。参考：月刊航空ファン11,’15、2,'16、12,’17、月刊JWings3,’15、5,’15、12,’15、6,’21

＜Ｆ−３５ＡＭ−２＞：LRIPロット７。2015年10月6日に初飛行した。2015年11月10日、アリゾナ州ルーク空軍基地にフェリーされた。訓練に使用されている。参考：月刊航空ファン2,’16、12,’17、月刊JWings12,’15、6,’21

＜Ｆ−３５ＡＭ−３＞：LRIPロット８。2016年7月6日に初飛行した。アリゾナ州ルーク空軍基地で訓練に使用されている。参考：月刊JWings10,’16、6,'21、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−４＞：LRIPロット８。2016年6月9日に初飛行した。アリゾナ州ルーク空軍基地で訓練に使用されている。参考：月刊JWings9,’16、6,'21、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−５＞：LRIPロット９。2017年4月23日に初飛行した。アリゾナ州ルーク空軍基地で訓練に使用されている。参考：月刊JWings7,’17、6,'21、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−６＞：LRIPロット９。2017年5月5日に初飛行した。アリゾナ州ルーク空軍基地で訓練に使用されている。参考：月刊JWings 8,’17、6,'21、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−７＞：LRIPロット９。2017年5月26日に初飛行した。アリゾナ州ルーク空軍基地で訓練に使用されている。参考：月刊JWings 8,’17、6,'21、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−８＞LRIPロット９。2017年8月21日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’17、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−９＞：LRIPロット９。2017年9月5日に初飛行した。2018年9月21日、オーランド基地に到着した。参考：月刊JWings12,’17、12,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−１０＞：LRIPロット９。2017年9月11日に初飛行した。2018年9月21日、オーランド基地に到着した。参考：月刊JWings12,’17、12,’18、月刊航空ファン12,’17

＜Ｆ−３５ＡＭ−１１＞：2018年1月12日に初飛行した。参考：月刊JWings4,’18

＜Ｆ−３５ＡＭ−１２＞：2018年2月19日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’18

＜Ｆ−３５ＡＭ−１３＞：2018年4月19日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’18

＜Ｆ−３５ＡＭ−１４＞：2018年5月29日に初飛行した。参考：月刊JWings8,’18

＜Ｆ−３５ＡＭ−１５＞：2018年7月10日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’18

＜Ｆ−３５ＡＭ−１６＞：2018年8月17日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’18

＜Ｆ−３５ＡＭ−１７＞：2019年2月8日に初飛行した。参考：月刊JWings5,’19

＜Ｆ−３５ＡＭ−１８＞：2019年2月12日に初飛行した。2021年8月13日、ノルウェーに配備された。参考：月刊JWings5,’19、11,’21

＜Ｆ−３５ＡＭ−１９＞：2019年3月6日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’19

＜Ｆ−３５ＡＭ−２０＞：2019年6月18日に初飛行した。9月12日、フォートワース空軍基地からノルウェーのオーランド基地に移動した。参考：月刊JWings9,’19、12,’19

＜Ｆ−３５ＡＭ−２１＞：2019年7月25日に初飛行した。9月12日、フォートワース空軍基地からノルウェーのオーランド基地に移動した。参考：月刊JWings10,’19、12,’19

＜Ｆ−３５ＡＭ−２２＞：2019年7月26日に初飛行した。9月12日、フォートワース空軍基地からノルウェーのオーランド基地に移動した。参考：月刊JWings10,’19、12,’19

＜Ｆ−３５ＡＭ−２３＞：2020年3月26日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’20

＜Ｆ−３５ＡＭ−２４＞：2020年4月7日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

＜Ｆ−３５ＡＭ−２５＞：2020年4月8日に初飛行した。参考：月刊JWings7,’20

＜Ｆ−３５ＡＭ−２６＞：2020年8月26日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’20

＜Ｆ−３５ＡＭ−２７＞：2020年8月10日に初飛行した。2021年8月13日、ノルウェーに配備された。参考：月刊JWings11,’20、11,’21

＜Ｆ−３５ＡＭ−２８＞：2020年8月27日に初飛行した。参考：月刊JWings11,’20

＜Ｆ−３５ＡＭ−２９＞：2021年6月14日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｆ−３５ＡＭ−３０＞：2021年6月14日に初飛行した。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｆ−３５ＡＭ−３１＞：2021年6月24日に初飛行した。2021年8月13日、ノルウェーに配備された。参考：月刊JWings9,’21、11,’21

＜Ｆ−３５ＡＭ−３２＞：2021年11月1日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＡＭ−３３＞：2021年10月17日に初飛行した。参考：月刊JWings1,’22

＜Ｆ−３５ＡＭ−３４＞：2021年11月5日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｆ−３５ＡＭ−３５＞：2022年7月11日に初飛行した。8月24日、ノルウェー空軍に引き渡された。参考：月刊JWings10,’22

＜Ｆ−３５ＡＭ−３６＞：2022年7月22日に初飛行した。8月24日、ノルウェー空軍に引き渡された。参考：月刊JWings10,’22

＜Ｆ−３５ＡＭ−３７＞：2022年8月1日に初飛行した。8月24日、ノルウェー空軍に引き渡された。参考：月刊JWings11,’22

＜Ｆ−３５ＡＭ−３８＞：2022年11月16日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’23

＜Ｆ−３５ＡＭ−３９＞：2022年12月13日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’23

＜Ｆ−３５ＡＭ−４０＞：2022年12月14日に初飛行した。参考：月刊JWings3,’23

＜Ｆ−３５（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍戦闘機。F/A-18C/D後継計画HXの候補に挙がり、2020年10月9日にアメリカ国防安全保障協力局が同じく候補のF/A-18E/Fと共にFMS輸出許可を出した。F-35A戦闘機（TR3ハードウェア＋ブロック４ミッション・ソフトウェア）64機に加え、AIM-9Xブロック�Uプラス、GBU-53/B、AGM-154C-1、AGM-158B-2、JDAMといった兵装も含んでいるが、JSMはインテグレーション作業のみでJSM自体は含まない。2021年12月10日、F/A-18E/F、JAS39E/F、EF2000、ラファールに勝って採用が決定した。ブロック４仕様64機を2026年から導入予定。オフセット契約で前部胴体400セットの組み立てをパトリア社が担任する。参考：月刊JWings1,’21、2,’22、7,’23、9,’23

＜Ｆ−３５（ベルギー空軍）＞：ベルギー空軍戦闘機。2018年10月25日、F-16戦闘機の後継としてF-35Aの採用を発表した。2023年からLRIPロット15-17／ハードウェアTR3／ソフトウェア・ブロック４の34機を受領し、最初の８機はアリゾナ州ルーク空軍基地で訓練に使い、ベルギーのフロレンヌ基地第２航空団には2025年から配備、次いでクライネブローゲル基地の第10航空団に配備し、2027年半ばにIOCを、2030年にFOCを達成する予定。運用要員はルーク空軍基地で2023-30年に訓練を受ける。参考：月刊航空ファン1,’19、月刊JWings1,’19、7,’19、1,’20、2,’23、6,'23、9,’23、11,’23

＜Ｆ−３５ＡＹ−１＞：ベルギー空軍向け初号機。2022年11月14日（2023年6月7日？）、ロッキード・マーチン社フォートワース工場で組み立てが開始された。参考：月刊JWings2,'23、9,’23

＜Ｆ−３５（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍戦闘機。MiG-29戦闘機とSu-22戦闘機の後継で、2019年5月27日にアメリカに対してF-35A戦闘機32機のFMS調達を申し入れ、9月11日にアメリカ国防安全保障協力局の承認が下り、2020年1月31日に契約した。仕様はTR3ハードウェア＋ブロック４ミッション・ソフトウェア、価格は46億ドルで、2024-30年に引き渡される予定。2023年4月12日、初号機（F-35AZ-1）の製造が始まった。参考：月刊JWings8,’19、12,’19、4,’20、7,'23、8,'23、月刊航空ファン8,’19

＜Ｆ−３５（ルーマニア空軍）＞：ルーマニア空軍戦闘機。2023年4月11日、最高国防会議が導入計画を承認した。フェーズ１で32機、フェーズ２で16機の計48機を65億ドルで調達予定。参考：月刊JWings7,’23、11,’23、12,’23

＜Ｆ−３５Ａ　ＡＬＧＳの態勢整備＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｆ−３５ＡＸ−５墜落事故＞：2019年4月9日1859頃、夜間対戦闘機戦闘訓練のため、航空自衛隊第302飛行隊F-35A戦闘機４機が三沢基地を離陸。1920頃、訓練空域で２対２の対戦闘機訓練を開始。1925頃、編隊長機F-35AX-5戦闘機が対抗部隊機の模擬撃墜を報告し、高度27000フィート・8200mで右から迫ってきた３番機（対抗機）をやりすごした後、高度34000フィート・10400mから緩降下を開始した。この頃、アメリカ軍機（空域開放対象機）が高度36000フィート・11000mから37000フィート・11300mに上昇中だったため、19時25分58秒、地上管制組織が編隊長機とアメリカ軍機との離隔距離を取らせようと、編隊長機に「32000ディセンド（高度32000フィート・10000mへの降下）」を指示。編隊長は「はい、了解」と応答して高度32500フィート・9900mから背面姿勢に近い135度バンクで左に90度の急旋回をかけて降下角60度の急降下に入り、降下率が時速900km以上に達して高度20000フィート・6000m付近で速度警報が作動したものの、そのまま急降下を継続した。19時26分14秒頃、高度17500フィート・5300mにあった編隊長機に対し、地上管制機関は引き続き離隔距離を取らせるため、「ハード・レフト（左急旋回）」を指示。編隊長は「はい、Knock It Off（訓練中止）, Knock It Off」と応答し、ロールをうったが、降下角60度の急降下姿勢のままで降下率は時速1100km以上に達しており、その後の15秒間で更に14500フィート・4400m降下。高度10000フィート・3000mから6000フィート・1800mへと降下する間には衝突回避指示装置が作動、編隊長機は左に90度旋回したが降下角は60度のまま変化は無く、19時26分30秒頃に高度1000フィート・300mを切ってレーダーから機影が消失、降下角50-60度で海面に激突したとみられ、交信も途絶えた。現場は三沢基地東135kmの太平洋上で、緊急脱出時に機体から自動送信される救難信号は発信されず、パイロットは脱出しなかったとみられ、行方不明となっている。1947から空自航空機11機、1950から海自艦艇４隻と航空機３機が捜索を行い、海保やアメリカ軍（P-8AやDDG-63ステザム）も航空機と艦船で捜索したところ、2145頃に洋上で浮遊物が発見され、2210頃に秋田救難隊UH-60J、2248頃にDE-233ちくまが浮遊物（垂直尾翼の残骸）を回収した。防衛省はF-35A戦闘機を飛行停止とし、航空幕僚監部は2230頃に航空事故調査委員会を設置している。ちなみに他のF-35運用国は飛行停止にはしていない。他国がF-35の残骸を回収しに来ないよう、アンダーセン基地からB-52Hが離陸して現場海域の哨戒を行った。4月9-17日、アメリカ海軍P-8A哨戒機が周辺海域延べ17200平方キロメートル以上の捜索を実施。4月10日、自衛隊航空機６機、海自艦艇６隻（DD-155はまぎり、DE-233ちくま、PG-825わかたかなど）、海保巡視船しもきた、まべち、きたかみが捜索を実施。4月24日、アメリカ軍がチャーターした潜水作業支援船ファン・ゴッホ（シンガポールのウルトラディープソリューソンズ社所有）がアメリカ海軍CURV-21遠隔操作式無人潜水機とTPL-25音響式位置評定機材を積んで那覇港を出港し、墜落現場に向かった。4月25日、国立研究開発法人海洋研究開発機構の海底広域研究船かいめいが現場海域に到着。4月29日、海底広域研究船かいめいと潜水作業支援船ファン・ゴッホともう１隻が捜索を開始。5月7日、かいめいが三沢基地東15km・水深1500mの海底で発見したフライト・データ・レコーダーの一部（データ記憶装置は含まれず）やキャノピーの一部などが、ファン・ゴッホにより引き揚げられた。5月8日、アメリカ海軍チーム（ファン・ゴッホなど）とかいめいが捜索を終了。5月17日、降着装置のホイールと水平安定板の部品を回収。5月28日、エンジンや主翼の部品を回収。5月31日、エンジン、アレスティングフック、空中給油受油口の一部を回収。6月3日、機体の捜索活動を終了。6月4日、防衛省がパイロット捜索のため水中カメラによる捜索対称海域の拡大を発表。また、機体の捜索に関しては、高速で海面に突っ込んだため機体が粉々になっており、事故原因の究明に繋がる部品の回収は不可能であるとした。代わりに多機能先進データリンクMADLで僚機が把握した事故機の航跡や状況を分析している。6月7日、丸茂空幕長が、パイロットの身体の一部を回収したことなどを総合的に勘案してパイロットは死亡したと判断するに至った、とのコメントを発表した。6月10日、航空幕僚監部が、墜落要因を空間識失調により急降下状態であることを把握できず（よって機体を水平直進飛行に戻す自動回復スイッチも押されなかった。空自機に自動回復スイッチが装備されていなかったというのは誤報）、そのまま海面に突っ込んだことによる可能性が高く、G-LOCや機体不具合の可能性は低いとする中間報告を発表し、再発防止策として教育訓練やF-35Aに対する特別点検を行うとした。7月7日、殉職した二等空佐（4月9日付で１階級特別昇任）の葬送式を三沢基地で執行。8月1日、F-35Aによる昼間飛行訓練を再開した。8月9日、航空幕僚監部がF-35AX-5墜落事故の最終報告書を公表。空間識失調により過度な急降下姿勢に陥っていることを自覚できず、回復操作を行えなかったか、墜落直前の降下角が60度から50-60度へと少し緩くなっているため衝突警告装置作動による衝突回避指示で多少の回復操作を試みた可能性はあるが間に合わなかったのが原因とした。再発防止策として、空間識失調に関する教育訓練、夜間飛行における適時適切な飛行諸元確認、各種警報装置に関する教育訓練を挙げている。また、岩屋防衛相が自動衝突回避システムの早期導入を図るよう指示した。参考：月刊JWings4,’19、5,’19、6,’19、7,'19、8,’19、9,’19、10,’19、月刊航空ファン8,’19、朝雲

＜Ｆ−３５Ａ教育用器材の取得＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｆ３５Ａ三沢基地カレー＞：三沢市観光協会の200g入りレトルトカレー。三沢基地のカレーレシピがベースで、青森県産豚もも肉などをふんだんに使用して味を再現した。香辛料は味覚に対するステルス性を有し、口に入れてから存在感を発揮する。パッケージ写真は第302飛行隊所属F-35A戦闘機。2020年に商品化され、道の駅みさわ、三沢空港、三沢航空科学館、三沢市観光協会公式ウェブサイトなどで販売された。参考：朝雲

＜Ｆ−３５Ａデモチーム＞：アメリカ空軍のF-35Aデモフライトチームで、正式名称はF-35A Lightning�U Demonstration Team。F-35Aヘリテッジ・フライト・チームとしてルーク空軍基地で新編され、2019年にヒル空軍基地に移動して本名称に改称した。2022年7月3日、ミシガン州バトルクリーク・エグゼクティブ空港で行われたバトルクリーク・フライト・エアショーでF-35Cデモチームと共に出場した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５Ａの整備拠点整備（その２）＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究2,’19

＜Ｆ−３５Ａ用救命装備品の取得＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｆ−３５Ｃデモチーム＞：アメリカ海軍のF-35Cデモフライトチーム。2022年7月3日、ミシガン州バトルクリーク・エグゼクティブ空港で行われたバトルクリーク・フライト・エアショーでF-35Aデモチームと共に出場した。参考：月刊JWings9,’22

＜Ｆ−３５用ＥＣＭ装置＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究2,’19

＜Ｆ−３５用展開式キャビン＞：F-35戦闘機を保全設備の無い派遣先で運用維持管理するための可搬式施設。展開先の施設には何を仕掛けられているか分からないので、これを持って行き、この中で各種作業を実施することで保全を完璧にする。2018年11月22日、オーストラリア国防相が第１陣を受領したと発表した。参考：月刊JWings2,’19

＜Ｆ−３５用任務訓練分散環境＞：アメリカ軍のF-35戦闘機用シミュレーション訓練システム。従来のF-35戦闘機用訓練シミュレータはF-35戦闘機のみ４機までの訓練しか出来なかったため、F-22戦闘機、F-16戦闘機、E-3早期警戒管制機のシミュレータとネットワークで接続し、より実戦的なシミュレーション訓練を行えるようにしたものである。2020年にネリス空軍基地で領収試験が行われた。同年中にリムーア海軍航空基地にも配備し、以降は他の基地にも広げていく予定。参考：月刊JWings9,’20

＜Ｆ３６＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦ヌビアン（Nubian）。1938年12月6日竣工。1941年3月28日、マタパン岬沖海戦に参加。1949年に売却され、解体された。参考：月刊世界の艦船10,’06、4,’18

＜Ｆ３６＞：インド海軍シヴァリク�U級フリゲート４番艦ドゥナギリ（Dunagiri）。2022年7月15日進水。参考：月刊世界の艦船10,'22、11,’21

＜Ｆ３６＞：インド海軍リアンダー級フリゲート、ドゥナギリ（Dunagiri）。1976年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83、月刊軍事研究1,’11

＜Ｆ３６＞：スペイン海軍デスクビエルタ級コルベットVencedora。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｆ３６＞：バングラデシュ海軍キャッスル級哨戒艦２番艦ダルシュワリ（Dhaleshwari）。元は1981年にイギリス海軍で就役したキャッスル級哨戒艦２番艦で、2010年にバングラデシュ海軍に就役した。2011年12月6-10日、LIMA2011に参加。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。参考：月刊世界の艦船4,’12、7,’13

＜Ｆ３７＞：樅型駆逐艦を参照。

＜Ｆ３７＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦ケルビン（Kelvin）。1939年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ３７＞：インド海軍ブラマプトラ級（初代）フリゲート、ベアス（Beas）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ３７＞：インド海軍ブラマプトラ級（２代目）フリゲート、ベアス（Beas）。参考：月刊軍事研究1,’11

＜Ｆ３７Ａ＞：樅型駆逐艦を参照。

＜Ｆ３７Ｂ＞：樅型駆逐艦を参照。

＜Ｆ３７Ｃ＞：若竹型駆逐艦を参照。

＜Ｆ３８＞：F42（フリゲート）を参照。

＜Ｆ３８＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ１フリゲート、アリシューザ（Arethusa）。1965年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ３９＞：インド海軍ブラマプトラ級（初代）フリゲート、ベトワ（Betwa）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ３９＞：インド海軍ブラマプトラ級（２代目）フリゲート２番艦ベトワ（Betwa）。2004年7月就役。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。2016年12月、修理を終えてドックから引き出される際、キールを支えていたブロックに欠陥があったらしく、左舷側を下にして転覆した。２名が死亡、15名が負傷し、上構が大破している。参考：月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船6,’12、3,’17、JShips vol.48

＜Ｆ４０＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦ライブリー（Lively）。1941年竣工。1942年5月、東地中海でドイツ軍機の攻撃を受け戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ４０＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ2TAフリゲート、シリアス（Sirius）。1966年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ４０＞：イギリス海軍ロバーツ級砲艦ロバーツ（Roberts）。1941年10月竣工。1942年11月、北アフリカ上陸作戦に参加するなど、第２次大戦中はヨーロッパ戦線で上陸支援砲撃任務に就いた。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ４０＞：インド海軍タルワル級フリゲート１番艦タルワル（Talwar）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ４０＞：インド海軍タルワル�T型フリゲート１番艦タルワル（Talwar、剣）。2000年5月12日進水、2003年就役。2020年11月17-20日、マラバール2020（後段）に参加。参考：月刊軍事研究1,’11、月刊JWings2,’21

＜Ｆ４０＞：ブラジル海軍ニテロイ級フリゲート、ニテロイ（Niterói）。1976年11月20日就役。2019年6月28日に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’19

＜Ｆ４１＞：インド海軍シヴァリク�U級フリゲート５番艦タラギリ（Taragiri）。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜Ｆ４１＞：インド海軍リアンダー級フリゲート５番艦タラギリ（Taragiri）。1979年竣工。参考：月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船6,’83、9,’96

＜Ｆ４１＞：ブラジル海軍ニテロイ級フリゲート、デフェンソーラ（Defensora）。1977年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ４１＞：ブルガリア海軍フリゲートDrazki。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。参考：月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ４２＞：夕張型軽巡洋艦を参照。

＜Ｆ４２＞：イギリス海軍リアンダー級フリゲート、フィービ（Phoebe）。後にバッチ�U改装を受けた。その後曳航ソナー搭載改修も施されており、その際に前部シーキャット発射機と後部マスト上の対空レーダーを撤去、エグゾセ搭載位置を低くしている。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ４２＞：インド海軍シヴァリク�U級フリゲート６番艦ヴィンデャギリ（Vinehyagiri）。2023年8月17日進水。参考：月刊世界の艦船11,’21、11,’23

＜Ｆ４２＞：インド海軍リアンダー級フリゲート６番艦ヴィンドゥヤギリ（Vindhyagiri）。艦番号はF38かも。1981年7月就役。2011年1月、ムンバイでの展示訓練の直前に商船に衝突され、ムンバイに曳航された。その後ムンバイで火災を起こして沈没してしまい、引き揚げるか退役させるか検討中。参考：月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船9,’96、5,’11、6,’83

＜Ｆ４２＞：ブラジル海軍ニテロイ級フリゲート、コンスティトゥイサオン（Constituição）。1978年竣工。2015年11月17日、共同演習UNITASに参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’16

＜Ｆ４３＞：吹雪型駆逐艦を参照。

＜Ｆ４３＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦ターター（Tartar）。1939年3月10日竣工。1948年に処分された。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ４３＞：イギリス海軍ホイットビー級フリゲート、トーキー（Torquay）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ４３＞：インド海軍タルワル級フリゲート２番艦トリシュル（Trishul）。1960年就役。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ４３＞：インド海軍タルワル�T型フリゲート２番艦トリシュル（Trishul、三叉鉾）。2000年11月24日進水、2003年就役。2016年12月22日、インド洋ゴア西方沖でDD-105いなづま、DD-117すずつきと親善訓練（対潜戦、戦術訓練、通信など）を実施。2018年5月5日、海自P-1哨戒機２機とインド洋ゴア西方海域で共同訓練（対潜戦）を実施。参考：月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船3,’17、月刊航空ファン7,’18

＜Ｆ４３＞：ブラジル海軍ニテロイ級フリゲート４番艦リベラウ（Liberal）。1978年竣工・就役。2019年8月、ユニタスLX演習に参加。2022年9月10日、リオ・デ・ジャネイロ沖でブラジル独立・海軍創設200周年記念国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,’19、12,’22

＜Ｆ４４＞：インド海軍タルワル�T型フリゲート３番艦タバー（Tabar。長柄のバトルアクス）。2001年5月25日進水、2004年4月就役。2017年7月30日、アデン湾でDD-116てるづきと共同訓練（ヘリ発着艦、戦術運動、通信など）を実施。参考：月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船9,’01、10,’17

＜Ｆ４４＞：ブラジル海軍ニテロイ級フリゲート、インデペンデンシア（Independência）。1979年竣工。2019年3月20日、MANSUP艦対艦ミサイルの試射を実施。7月10日、MANSUPの試射を実施。2023年8月10日、リオデジャネイロ沖で日ブラジル親善訓練に参加。F45ウニアン、AH-11Bヘリ、UH-12ヘリと共に、海自遠洋練習航海部隊TV-3508かしま及びTV-3520はたかぜと、戦術運動訓練を行った。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’19、10,’19、10,’23

＜Ｆ４５＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦カルツーム（Khartoum）。1939年竣工。1940年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ４５＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ２フリゲート、ミナーヴァ（Minerva）。1966年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ４５＞：インド海軍タルワル�U型フリゲート１番艦テグ（Teg）。2007年7月27日起工、2012年4月27日就役、カリーニングラードのヤンター造船所で引き渡された。5月11-13日、ハンブルク港祭りに参加。2018年1月18日、ムンバイ港周辺海域でDD-154あまぎりと共同訓練（対潜、戦術運動）を実施。9月27日、アデン湾でDD-107いかづちと共同訓練（人員輸送、戦術運動など）を実施。2021年10月6-8日、ミサイル駆逐艦D-64コチ、MiG-29K、P-8Iなどと共に、インド西方海空域で、DDH-184かが、DD-101むらさめとの日印共同訓練JIMEX（防空戦、対空訓練射撃、対水上訓練射撃、洋上補給など）に参加。2023年1月16-20日、ヴァルナ2023演習に参加。参考：月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船8,’12、4,’18、12,’18、12,'21、4,'23、朝雲

＜Ｆ４５＞：ブラジル海軍ニテロイ級フリゲート、ウニオン（União）。1980年竣工。2023年8月10日、リオデジャネイロ沖で日ブラジル親善訓練に参加。F44インデペンデンシア、AH-11Bヘリ、UH-12ヘリと共に、海自遠洋練習航海部隊TV-3508かしま及びTV-3520はたかぜと、戦術運動訓練を行った。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’23

＜Ｆ４６＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジューノー（Juno）。1939年竣工。1941年に除籍された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ４６＞：インド海軍キスナ級フリゲート、キスナ（Kistna）。1943年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ４６＞：インド海軍タルワル�U型フリゲート２番艦タルカシュ（Tarkash。艦番号F50？）。2007年11月起工、2010年6月23日進水、2012年11月9日就役。11月22日、ポーツマスに寄港。2018年3月25日、インド洋でCVN-71セオドア・ルーズヴェルト空母打撃群と共同演習を実施。2019年5月1-10日、フランス海軍との合同演習ヴァルナ19に参加。7月28日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日海上パレードに参加。12月23日、ムンバイ周辺海空域でDD-113さざなみとの共同訓練（対潜、戦術運動）に参加。2020年9月26-28日、ミサイル駆逐艦D-65チェンナイ、補給艦L50ディーパク、シーキング対潜ヘリ、アルエート�Vヘリと共に、海自令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊（DDH-184かが、DD-107いかづち、搭載機３機）との共同訓練に参加。参考：月刊世界の艦船2,’13、9,’10、6,’18、9,’19、10,’19、3,’20、12,'20、月刊軍事研究1,’11

＜Ｆ４６＞：ブラジル海軍フリゲート、グリーンハウ（Greenhalgh）。2012年9月17-28日、ユニタス2012演習に参加。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜Ｆ４７＞：イギリス海軍リアンダー級フリゲート、ダナエ（Danae）。1967年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ−４７＞：インド海軍シヴァリク級フリゲート１番艦シヴァリク（Shivalik）。2010年4月29日就役。2012年5月7日、ヴィシャカパトナム基地を出港。6月5-9日、D-52ラナ、P-64カルムク、A57シャクティと共に海自横須賀基地を親善訪問した。6月9日、D-52ラナ、P-64カルムク、A57シャクティと共に、DD-111おおなみ、DDG-171はたかぜ、US-2飛行艇１機、SH-60Kヘリ１機との日印共同訓練を行った。2014年7月23-26日、A57シャクティ、D-55ランヴィジャイと共に佐世保基地を親善訪問した。7月24-30日、マラバール14に参加。2015年10月、マラバール15に参加。2017年7月10-17日、マラバール17に参加。2020年7月19-23日、ミサイル駆逐艦D-52ラナ、フリゲートF-49サヒャドリ、コルベット１隻と共に、CVN-68ニミッツ、CG-59プリンストン、DDG-104スタレット、DDG-114ラルフ・ジョンソンと、インド洋で共同演習に参加。2021年3月28-29日、インド海軍哨戒機、インド空軍Su-30戦闘機などと共に、インド洋でアメリカ海軍CVN-71セオドア・ルーズベルト及びCG-52バンカー・ヒルとの共同演習に参加。8月23日から9月10日、マラバール2021に参加。2022年1月13日、コルベットP-29カドマットと共にベンガル湾で日印共同訓練に参加し、MST-463うらが及びMSO-305ひらどと、各種戦術訓練を行った。10月29-30日、沖縄東方で日印共同訓練に参加。P28カモルタとと共に、AOE-424はまなと、洋上補給訓練を行った。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。11月8-15日、マラバール2022に参加。参考：月刊世界の艦船8,’10、5,’11、8,’12、10,’14、10,’17、10,'20、6,'21、11,'21、4,'22、1,’23、2,'23、月刊軍事研究1,’11、10,’12、月刊航空ファン10,’14、朝雲

＜Ｆ−４８＞：インド海軍シヴァリク級フリゲート２番艦サップラ（Satpura）。2011年8月20日就役。2013年12月21-22日、D55ランビジェイ、P46クタールと共に、DD-109ありあけ、DD-156せとぎりと、チェンナイ沖で日印共同訓練（対潜戦、対水上射撃、戦術運動、不審船立入検査）を実施。2016年6月10-17日、マラバール16に参加。6月30日から8月2日、リムパック2016に参加。2017年10月12-15日、P-29カドマットと共に海自佐世保基地に寄港。10月14日、P-29カドマットと共に一般公開された。10月15日、P-29カドマットと共に九州西方海域でDD-104きりさめとの日印共同訓練（各種戦術訓練）に参加。11月3-6日、P-29カドマットと共に、日本海でDD-105いなづま、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、DDG-90チャフィーとの日米印共同訓練に参加。11月20日、タイのパタヤで挙行されたASEAN創設50周年記念観艦式に参加。2020年11月3-6日、マラバール2020（前段）に参加。2021年4月5-7日、ベンガル湾で、日仏米豪印共同訓練ラ・ペルーズ21に参加。コルベットP30キルタン、P-8I哨戒機と共に、海自DD-108あけぼの、フランス海軍強襲揚陸艦L9014トンネール、フリゲートF711シュルクーフ、アメリカ海軍LPD-25サマセット、オーストラリア海軍FFH-150アンザック、補給艦O226シリウスと、対空戦、対水上戦、洋上補給などの各訓練を行った。7月21日、ミサイル駆逐艦D-54ランヴィル、補給艦A58ジョティと共に、インド洋でイギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群との共同訓練に参加。10月11-14日、ベンガル湾でマラバール2021フェーズ２に参加。参考：月刊軍事研究1,’11、2,’18、月刊世界の艦船11,’11、8,’16、10,’16、12,’17、1,’18、6,'21、10,'21、1,'22、月刊JWings2,'21、朝雲

＜Ｆ４９＞：陽炎型（駆逐艦）を参照。

＜Ｆ−４９＞：インド海軍シヴァリク級フリゲート３番艦サヒャドリ（Sahyadri）。2003年3月起工、2005年5月進水、2012年6月25日にインド海軍に引き渡され、7月21日に就役式典が行われた。2013年10月4日、シドニーに入港。10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。2014年6月6日から8月1日、リムパック2014に参加。2015年10月14日、海自横須賀基地に入港。10月17日、一般公開された。10月18日、海自観艦式に参加。2016年6月10-17日、マラバール2016に参加。2017年7月10-17日、マラバール2017に参加。2018年6月8-16日、マラバール2018に参加。6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2018年8月30日から9月15日、カカドゥ2018に参加。10月7-15日、ヴィシャカパトナム港とインド洋ベンガル湾海空域で海自平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊と共同訓練を実施。P-62キルチ、P-29カドマット、A57シャクティ、キロ級潜水艦１隻、P-8I哨戒機１機と共に、DDH-184かが、DD-105いなづまと、対空戦、対水上戦、対潜戦、射撃、立入検査隊の各訓練を行った。2019年5月23-24日、スマトラ島北方のアンダマン海で、海上自衛隊平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずも、DD-101むらさめと共同訓練を実施。9月25日、P30キルタンと共に海自佐世保基地に入港。9月26日から10月4日、マラバール2019に参加。2020年7月19-23日、ミサイル駆逐艦D-52ラナ、フリゲートF-47シヴァリク、コルベット１隻と共に、CVN-68ニミッツ、CG-59プリンストン、DDG-104スタレット、DDG-114ラルフ・ジョンソンと、インド洋で共同演習に参加。2022年9月11-17日、アンダマン海からベンガル湾で日印共同訓練JIMEX2022に参加。駆逐艦D-55ランヴィジェイ、コルベットP-29カドマット、P-31カヴァラッティ、哨戒艦スカーニャ、補給艦A58ジョティ、潜水艦、P-8I哨戒機、MiG-29K戦闘機、ドルニエ228哨戒機などと共に、DDH-183いずも及びDD-110たかなみと、各種戦術訓練（対空射撃、対水上射撃、対潜戦、防空戦、洋上補給など）を行った。2023年3月13-14日、日仏米豪印英加新共同訓練ラ・ペルーズ23に参加。DD-117すずつき、フランス海軍L-9015ディズミュド、F710ラファイエット、アメリカ海軍LCS-18チャールストン、オーストラリア海軍FFH157パース、インド海軍A58ジョティ、イギリス海軍P233テイマー、カナダ海軍司令部など、ニュージーランド海軍司令部などと、スリランカ東方で、各種戦術訓練（対水上射撃、防空戦、戦術運動、クロスデッキ）などを行った。8月11-21日、マラバール2023に参加。参考：月刊世界の艦船10,’12、12,’13、9,’14、8,’16、8,’18、10,’18、12,’18、1,’19、8,’19、12,’19、10,'20、12,'22、10,'23、月刊軍事研究1,’11、月刊JWings12,’19、朝雲

＜Ｆ５０＞：夕雲型（駆逐艦）を参照。

＜Ｆ５０＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦キンバリー（Kimberley）。1939年竣工。1940年4月13日、ナルヴィク海戦に参加。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船11,’17

＜Ｆ五〇型飛行機＞：丁式一型爆撃機を参照。

＜Ｆ５１＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦アシャンティ（Ashanti）。1939年12月21日竣工。第２次大戦後はダメージコントロールの実験艦として使用され、1949年に解体された。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ５１＞：インド海軍タルワル�U型フリゲート３番艦トリカンド（Trikand）。2008年起工、2013年6月29日就役、ロシアのカリーニングラードで就役式典を実施。7月12日、ポーツマスに寄港。2015年9月15-18日、DSEi2015で一般公開された。2019年2月23日、アデン湾でDD-106さみだれと海賊対処共同訓練（立入検査訓練、クロスデッキ）を実施。2020年2月9-13日、ムンバイの西部海軍コマンド司令部を訪問した山村海幕長が艦を視察した。参考：月刊世界の艦船10,’13、5,’19、月刊軍事研究1,’11、12,’15、朝雲

＜Ｆ５１＞：ペルー海軍メリトン・カルヴァハル級フリゲート、メリトン・カルヴァハル（Meliton Carvajal）。1979年就役。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜Ｆ５２＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ２フリゲート、ジュノー（Juno）。1967年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ５２＞：ペルー海軍メリトン・カルヴァハル級フリゲート、マヌエル・ヴィラヴィセンシオ（Manuel Villavicencio）。1979年就役。参考：月刊世界の艦船5,’86、5,’83

＜Ｆ５３＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジェイナス（Janus）。1939年竣工。1944年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ５３＞：ペルー海軍メリトン・カルヴァハル級フリゲート、モンテロ（Montero）。1982年10月8日進水、1984年竣工・就役。2017年9月26日、アルミランテ・グラウに改称され、ペルー海軍旗艦となった。参考：月刊世界の艦船5,’86、5,’83、12,’17

＜Ｆ５４＞：ペルー海軍メリトン・カルヴァハル級フリゲートMariategui。1985年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜Ｆ５５＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦ライトニング（Lightning）。1940年竣工。1943年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ５５＞：ドイツ国防軍地対空ミサイル、別名フォイエルリリー。無線誘導式、最大射高500m。実戦配備前に第２次大戦が終わった。参考：月刊丸1,’98

＜Ｆ５５＞：ニュージーランド海軍リアンダー級フリゲート、ワイカト（Waikato）。1966年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ５６＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ2TAフリゲート、アーゴノート（Argonaut）。1967年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ５７＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、アンドロメダ。1968年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船5,’83、月刊丸12,’92

＜Ｆ５８＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、ハーマイオニー（Hermione）。1969年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ５９＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦マシオーナ（Mashona）。1939年3月28日竣工。1940年5月、爆撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ６０＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、ジュピター（Jupiter）。1969年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ６０Ｌ＞：CMP（トラック）を参照。

＜Ｆ６０Ｓ＞：CMP（トラック）を参照。

＜Ｆ六〇型飛行機＞：丁式二型爆撃機を参照。

＜Ｆ−６１＞：P-61シリーズ（夜間戦闘機）を参照。

＜Ｆ−６１＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジャベリン（Javelin）。1939年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ６３＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦グルカ（Gurkha）。1940年竣工。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ６４＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦キングストン（Kingston）。1939年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ６７＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦ベドウィン（Bedouin）。1939年3月15日竣工。1940年4月13日、ナルヴィク海戦に参加。1942年6月、雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06、11,’17

＜Ｆ−６９＞：ニュージーランド海軍リアンダー級フリゲート、ウェリントン（Wellington）。元はイギリス海軍リアンダー級フリゲートのバキャンテで、1982年に購入した。1984年に近代化改装を実施。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊

＜Ｆ７０＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、アポロ（Apollo）。1972年竣工・就役。1988年にパキスタン海軍に引き渡され、ズルフィクアールとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、5,’83

＜Ｆ７１＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート５番艦シラ（Scylla）。1968年12月就役（1970年竣工？）。後にバッチ3A改装を受けた。1993年12月に退役した。参考：月刊世界の艦船8,'20、5,’83

＜Ｆ７１＞：スペイン海軍バレアレス級フリゲート、バレアレス（Baleares）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87

＜Ｆ７２＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジャージー（Jersey）。1939年竣工。1944年に除籍された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ７２＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、アリアドニ（Ariadne）。1973年竣工・就役。1992年にチリ海軍に引き渡され、ヘネラル・バクェダーノとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、5,’83

＜Ｆ７２＞：スペイン海軍バレアレス級フリゲート、アンダルシア（Andalucia）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87

＜Ｆ７３＞：スペイン海軍バレアレス級フリゲート、カタルナ（Cataluna）。1975年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87

＜Ｆ−０７３＞：赤道ギニア海軍ウェレンザス級フリゲート、ウェレンザス（Wele-Nzas）。2014年6月就役。参考：月刊世界の艦船3,’16

＜Ｆ７４＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦リージョン（Legion）。1939年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ７４＞：スペイン海軍バレアレス級フリゲート、アストゥリアス（Asturias）。1975年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87

＜Ｆ７５＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦エスキモー（Eskimo）。1938年12月30日竣工。1940年4月13日、ナルヴィク海戦に参加。1949年に売却され、解体された。参考：月刊世界の艦船10,’06、11,’17

＜Ｆ７５＞：イギリス海軍リアンダー級幅広型フリゲート、カリブディス（Charybdis）。1969年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ７５＞：スペイン海軍バレアレス級フリゲート、エクストレマデュラ（Extremadura）。1976年11月竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87

＜Ｆ−７６＞：NATO規格の艦船用燃料軽油で、アメリカ軍規格だとMIL-F-16884L。硫黄の含有量が質量比0.5%以下と少なく、引火点60℃以上で安全性に優れる。最小セタン価42。参考：月刊軍事研究12,’16、12,’07

＜Ｆ７７＞：ニュージーランド海軍テ・カハ級フリゲート１番艦テ・カハ（Te Kaha）。1997年7月就役。2002年10月13日、海上自衛隊50周年記念国際観艦式に参加。2006年8月4-8日、東京を親善訪問した。8月8日、給油艦エンデバーと共に、DD-102はるさめと親善訓練を実施。2010年6月12日、カナダ海軍創設100周年記念観艦式に参加。2014年10月27-30日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。10月31日から11月2日、オーストラリアのアルバニーでアルバニー船団記念式典に参加。11月3-7日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。2015年4月24日、ガリポリ沖でガリポリ作戦100周年記念会場パレードに参加。7月4-19日、タリスマン・セイバー2015に参加。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2017年2月27日から3月10日、オーシャン・エクスプローラー2017演習に参加。6月15-18日、DD-105いなづま、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH338ウィニペグ、FFH341オタワと四国南方海域で共同訓練（対潜戦、対水上射撃訓練など）を実施。6月19-23日、ニュージーランド空軍第６飛行隊SH-2G(I)ヘリを載せて東京港晴海埠頭に寄港。出港後は事故で修理中のDDG-62フィッツジェラルドに代わってCVN-68ニミッツ空母打撃群に加わった。2021年10月2-3日、沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加。DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-152やまぎりが、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセン）、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-67シャイロー、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグと、対抗戦、防空戦、対潜戦、戦術運動、通信などの各訓練を行った。10月4-9日、南シナ海で日米英蘭加新共同訓練に参加。海自DD-120しらぬい、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセン）、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグと、各種戦術訓練及び洋上補給訓練を行った。参考：月刊軍事研究12,’02、月刊世界の艦船10,’06、9,’10、1,’15、7,’15、10,’15、10,’16、7,’17、9,’17、12,'21、JShips VOL.70、月刊航空ファン9,’17

＜Ｆ７８＞：イギリス海軍23型フリゲート14番艦ケント（Kent）。2014年10月、ポーツマスを出港し、中東に向かった。2015年2月4日、アデン湾でオーストラリア海軍補給艦サクセスから洋上補給を受けた。2月5日、R-91シャルル・ドゴール機動部隊と紅海で会合し、対潜直衛艦としての行動を開始した。2016年5月31日、スカパフローでジュットランド海戦100周年記念式典に参加。2020年5月上旬、アメリカ海軍DDG-78ポーター、DDG-80ルーズヴェルト、T-AOE-6サプライと共に、バレンツ海での演習に参加。2020年6月7-16日、バルトップス2020に参加。6月29日から7月10日、ダイナミック・マングース2020に参加。2021年5月7-18日、空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、アメリカ海軍LHD-7イオー・ジマなどとのNATO海軍共同演習ストライク・ウォーリア21に参加。5月下旬、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、空母R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21の一員として、艦載第815航空隊ワイルドキャットHMA2ヘリ１機と共に、インド太平洋方面に向かった。6月1-3日、CSG21の一員として、地中海西部でフランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴールと共同演習ゴーリック・ストライクを実施。6月6日、メッシナ海峡を通過。7月6日、スエズ運河を通って紅海に入った。7月11-12日、CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、フリゲートF239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、ソマリア沖で海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-156せとぎり及び同航空隊P-3C哨戒機との共同訓練（写真撮影、洋上補給）に参加。8月2-27日、フィリピン海で大規模広域演習LSGE21に参加。8月6日、グアムのアプラ基地に寄港。8月14日、アプラ基地を出港し、114mm砲射撃訓練を行った。8月24日、フィリピン海で日米英共同訓練に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、フリゲートF805エフェルトセン、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、DDH-182いせ（陸自CH-47搭載）、DD-119あさひ、アメリカ海軍強襲揚陸艦LHA-6アメリカ、輸送揚陸艦LPD-18ニュー・オーリンズと各種訓練を行った。8月25-26日、沖縄南方海空域で、日英米蘭共同訓練パシフィック・クラウン21-1（Pacific Crown 21-1）に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、DDH-182いせ、DD-119あさひ、SH-60Kヘリと通信訓練を行った。8月27日、単独でアメリカ海軍佐世保基地に寄港。10月2-3日、沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、海自DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-152やまぎり、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-67シャイロー、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、対抗戦、防空戦、対潜戦、戦術運動、通信などの各訓練を行った。10月4-9日、南シナ海で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、海自DD-120しらぬい、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、各種戦術訓練及び洋上補給訓練を行った。12月10日、ポーツマスに帰港。参考：月刊世界の艦船4,’15、7,’15、8,’16、7,’20、9,’20、10,’20、7,’21、8,’21、9,’21、10,'21、11,’21、月刊JWings11,’21

＜Ｆ７９＞：イギリス海軍23型フリゲート15番艦ポートランド（Portland）。2001年就役。2月26日、ポーツマスを出港。2009年3月4-14日、アマン09演習に参加。2010年9月20日、チリ独立200周年国際観艦式に参加。2014年4月、南アフリカ沖で南アフリカ海軍209/1400M型潜水艦と共同訓練を実施。2015年5月4日から北海でNATO対潜演習ダイナミック・マングース2015に参加。2020年4月、S2050TR改修を完了。参考：月刊軍事研究9,’09、7,’09、月刊世界の艦船6,’01、12,’10、7,’15、4,’20、7,’20

＜Ｆ−８０シリーズ＞：P-80シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−８０型＞：サンタ・マリア級（ミサイル・フリゲート）を参照。

＜Ｆ８１＞：イギリス海軍23型フリゲート13番艦サザランド（Sutherland）。1997年7月就役。2013年9月10-13日、イギリスでDSEi2013に参加。2018年4月11日、アメリカ海軍横須賀基地に入港。4月26日、横須賀基地を出港。4月27-28日、関東南方海域でDD-114すずなみ、AOE-423ときわ、P-3C哨戒機、潜水艦との共同訓練（対潜戦、模擬洋上給油、航空機相互発着艦、戦術運動など）に参加。4月末から5月上旬、北朝鮮による違法洋上取引の監視任務を実施。2019年7月16日、ウェールズ西沖でLMM小型多用途ミサイルの試射を実施。30mm機関砲DS30M Mk2の砲架右側に５連装キャニスター（上段２発、下段３発）を取り付け、後方爆風検証弾１発とテレメトリー弾３発を発射した。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船7,’18、6,’18、月刊JWings7,’18

＜Ｆ８１＞：スペイン海軍サンタ・マリア級フリゲート、サンタ・マリア（Santa Maria）。1986年竣工。2016年2月22日からダイナミック・マンタ2016に参加。5月22日、アデン湾で海賊対処行動水上部隊DD-103ゆうだち・DD-153ゆうぎりと共同訓練を実施。2020年6月21日、ソマリア海賊対処EU海上部隊の一員として、第36次水上部隊DD-111おおなみと共同訓練（近接運動、通信など）を実施。7月16-17日、ソマリア海賊対処EU海上部隊の一員として、アデン湾西部海域でソマリア海賊対処第36次水上部隊DD-111おおなみ及び韓国海軍駆逐艦977テー・ジョヨンと共同訓練（近接運動、対水上射撃、小型船近接対応、通信など）を実施。10月15日、海賊対処EU部隊としてジブチに入港し、イタリア海軍フリゲートF-594アルピーノ、スペイン海軍フリゲートF-84レイナ・ソフィア、スペイン空軍P-3M哨戒機、ドイツ海軍P-3C哨戒機、海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-111おおなみとジブチ沖で海上パレードを行った。参考：月刊世界の艦船2,’87、5,’16、8,’16、10,’20、MAMOR vol.164

＜Ｆ−８２シリーズ＞：P-82シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ８２＞：イギリス海軍トライバル級駆逐艦シーク（Sikh）。1938年10月12日竣工。1942年9月、沿岸砲の砲撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜Ｆ８２＞：スペイン海軍サンタ・マリア級フリゲート、ヴィクトリア（Victoria）。1987年竣工。2016年1月28日、アデン湾でDD-114すずなみとの共同訓練に参加。1月18日、アデン湾東方海域で、ソマリア沖海賊対処第35次水上部隊DD-102はるさめとの海賊対処共同訓練（戦術運動、写真撮影）に参加。2021年10月16日、ソマリア沖海賊対処EU海上部隊の一員として、海自ソマリア沖海賊対処第39次水部隊DD-153ゆうぎりと、アデン湾で共同訓練（クロスデッキ、小火器射撃、乗船訓練）を実施。2022年6月16日、F-100級イージス・フリゲートF-102アルミランテ・ファン・デ・ブルボンと共に、大西洋ジブラルタル海峡西で日スペイン共同訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと戦術運動訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87、4,’16、4,’20、1,’22、9,’22

＜Ｆ８３＞：イギリス海軍23型フリゲート16番艦セント・アルバンス（St. Albans）。2002年就役。2012年5月11-13日、ハンブルク港まつりに参加。2018年2月9日、空母R08クイーン・エリザベスと共にジブラルタルに入港。参考：月刊世界の艦船8,’12、5,’18

＜Ｆ８３＞：スペイン海軍サンタ・マリア級フリゲート、ヌマンシア（Numancia）。1988年11月竣工。2000年9月25日、地中海西部で洋上補給中にT-AO-195ルロイ・グラマンと衝突して軽微な損傷を負った。2019年4月29日から5月10日、マーレ・アペルト2019演習に参加。2020年6月12日、ソマリア海賊対処EU海上部隊の一員として、ソマリア沖海賊対処第36次水上部隊DD-111おおなみと共同訓練（戦術運動、近接運動、通信、小火器射撃、クロスデッキ）を実施。新型コロナウイルス感染防止対策として、クロスデッキ後の人的交流は行わず、ヘリ発着艦のみに止めた。2022年10月25日と28日、アデン湾で第151連合任務群計画海賊対処共同訓練に参加。DD-102はるさめ及びトルコ海軍フリゲートF-513ブルガズアダと、立入検査、戦術運動、写真撮影の各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87、6,’01、8,’19、1,’23、MAMOR vol.164、朝雲

＜Ｆ８４＞：スペイン海軍サンタ・マリア級フリゲート、レイナ・ソフィア（Reina Sofia）。1990年竣工。2020年10月15日、海賊対処EU部隊としてジブチに入港し、イタリア海軍フリゲートF-594アルピーノ、スペイン海軍フリゲートF81サンタ・マリア、スペイン空軍P-3M哨戒機、ドイツ海軍P-3C哨戒機、海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-111おおなみとジブチ沖で海上パレードを行った。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’87、朝雲

＜Ｆ−８４シリーズ＞：アメリカ空軍ジェット戦闘機、別名サンダージェット。離陸時の操作が困難で、空中機動性も悪かった（高空で急旋回すると操縦不能になる）ため、兵士からはグラウンドホッグ（土豚）というニックネームを付けられた。1944年9月にアメリカ陸軍航空軍から高々度制空戦闘機として開発要求が出され、1947年6月から量産されている。朝鮮戦争ではMiG-15を８機撃墜したが、18機の被撃墜を喰らい、特に高度6000m以上ではMiG-15に勝てず、高空での爆撃機援護はF-86に譲った。代わりに大きな兵装搭載量を活かして戦闘爆撃機として活躍している。朝鮮戦争中に延べ86408機が出撃し、爆弾50000トン、焼夷弾5500トン、ロケット弾22154発を投下、B-26を第一線から退かせ、ジェット戦闘爆撃機の地位を確立した。損失は空対空18機、地上砲火122機、その他195機の計335機だった。世界初の戦術核兵器運用可能機でもあり、LABSなどの開発にも貢献した。参考：朝鮮戦争（下）、月刊JWings8,’03、ジェット戦闘機、世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８４Ｂ＞：機首にエアインテイクを持ち、胴体後部にエンジンを収容、排気ノズルの下にドラッグシュートがある。主翼は上反角付き直線翼で、翼端に燃料タンクを搭載できる。左主翼付け根に空中給油口がある。照準器はK-14ジャイロ照準器。エンジンはJ35-GE-15Cジェット（推力1.814トン）単発。固定武装は12.7mm機銃６丁（機首４丁、両主翼付け根１丁ずつ）。226機が生産された。整備性などに問題があり、1952年に全機退役した。参考：月刊JWings8,’03、月刊軍事研究8,’12

　＜Ｆ−８４Ｃ＞：エンジンをJ35-A-13Cに換装して整備性を向上させたもの。191機が生産された。参考：月刊JWings8,’03

　＜Ｆ−８４Ｄ＞：推力2.268トンのエンジンに換装したもの。154機が生産された。参考：月刊JWings8,’03

　＜Ｆ−８４Ｅ＞：1949年5月から843機が生産された。朝鮮戦争に投入されている。参考：月刊JWings8,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−８４Ｆ＞：後退翼型、別名サンダーストリーク（Thunderstreak）。1949年末に提案されたもので、F-84Eの最終生産機に後退角40度の主翼を取り付けて1950年6月3日に初飛行した。この時はYF-96Aという名称だったが、8月にYF-84Fと改称されている。朝鮮戦争勃発でエンジンもJ65-W-7ジェットエンジンに換装することになり、エンジンを交換した試作２号機と、更にエアインテイクを両主翼付け根に移した３号機を製作し、採用された。翼端増槽は搭載不能となったが、胴体内の燃料タンク容量を増加させて補っている。垂直・水平尾翼にも後退角が付けられた。全長13.2m、全幅10.2m、全高4.57m、自重6.19トン、全備重量12.25トン。エンジンはJ65-W-7（推力3.54トン）、最大速度1100km、上昇限度11400m、戦闘行動半径1380km。爆弾搭載量2.7トン。Mk7核爆弾も積める。長距離戦闘爆撃機として2348機が生産されたが、運用開始は1954年で朝鮮戦争には間に合わず、852機がNATO諸国に供与された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings8,’03、3,’23

　＜Ｆ−８４Ｇ＞：対地攻撃機型。エンジンをJ35-A-29に換装、Mk7核爆弾を搭載できるようになり、世界初の核搭載戦闘爆撃機となった。また、LABSにより低空核攻撃を行える世界初の機体でもある。機首にエアインテイクが開口しており、前縁にスペリー射撃照準器用レーダーを装備、エアインテイク内部にピトー管がある。機首上半分は12.7mm機銃及び弾倉の収容スペースで、その後ろがコクピットである。コクピット後半部からコクピット後方にかけての胴体上半分が燃料タンク収容部、下半分がエンジン収容部で、主翼もこの付近から突き出している。主翼付け根下方にあたる胴体下面には孔空きのエアブレーキを持つ。主翼は直線翼で、後縁にファウラーフラップとエルロンを装備し、230ガロン（871リットル）翼端増槽が付いており、下面にパイロンがある。外翼部分には翼内燃料タンク３個がある。核爆弾はクリアランスの問題で胴体下には積めないので、左翼パイロンに装備、重量バランスを取るため右翼に増槽を搭載した。排気ノズルは機体尾部に開口する。全長11.6m、全幅11.1m、全高3.83m、自重5.043トン、全備重量10.67トン。エンジンはアリソン製J35-A-29（推力2.54トン）、最大速度1000km、上昇限度12340m 航続距離3220km。兵装搭載量２トン。1951年7月から引き渡され、1951年末に核運用能力を獲得、1953年7月までに3025機が生産され、アメリカ空軍は789機を使用、残り2236機はベルギー、デンマーク、フランス、ギリシャ、イタリアなどに送られた。1952年5月には本機を装備する第49航空師団第20戦闘爆撃航空団がイギリスに配備され、同年夏には朝鮮戦争に参加している。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings8,’03、ジェット戦闘機、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−８４Ｊ＞：試作航続距離延伸型。機首に巡航用プロペラを追加し、エアインテイクを主翼付け根に移した。試作のみに終わっている。参考：アメリカジェット戦闘機

＜Ｆ−８４ファミリー＞

　＜ＥＦ−８４Ｄ＞：翼端結合式寄生戦闘機計画TIP-TOWの試験機。翼端に連結器を装着し、ETB-29Aと翼端同士で空中ドッキング、必要時に切り離して護衛戦闘機になる。1953年4月24日、連結飛行中に母機もろとも墜落して乗員全員が死亡した。参考：世界の傑作機No.125

　＜Ｆ−８４Ｆ（サンダーバーズ仕様）＞：サンダーバーズ用アクロバット機。赤白青３色のドラッグシュートとオイルによる発煙装置を搭載している。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−８４Ｇ（サンダーバーズ仕様）＞：サンダーバーズ用アクロバット機。機銃を降ろしてバラストを搭載している。翼下パイロンは付いたままで、発煙装置は積んでいない。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＦ−８４Ｆ＞：偵察機型、別名サンダーフラッシュ。XF-84Fの３号機がベースで、空気取り入れ口を主翼付け根に移動し、機首の機銃を外してカメラを搭載している。主翼付け根の機銃は空気取り入れ口の下に移設した。Mk7核爆弾の運用能力も残されており、ソ連との全面戦争の際には核攻撃に使用する予定だった。参考：月刊JWings8,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカの核兵器

　＜ＲＦ−８４Ｋ＞：寄生偵察機型。主任務は強硬戦術偵察及び核攻撃で、JRB-36F/GRB-36Dの爆弾倉部分にトラピーズで固定され、目的地近くで射出される。固定武装は12.7mm機銃４丁。左主翼内側パイロンにMk7核爆弾を搭載できる。30機がRF-84Fから改造され、1955-57年に実戦配備された。参考：世界の傑作機No.125、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＸＦ−８４Ｈ＞：試作型で、機首にXT-40ターボプロップエンジンを搭載する。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＹＦ−８４Ｆ＞：寄生戦闘機実験機。母機はJRB-36Fで、爆弾倉に固定する時にぶつからないよう、水平尾翼に下反角を付けた。テストしてみると爆弾倉扉との気流干渉で尾部に強烈なフラッターが発生したため、改良を加えて試験を継続、良好な結果を得てRF-84Kとして実用化された。参考：世界の傑作機No.125

　＜ＹＦ−８４Ｊ＞：試作型。エンジンをJ73に換装した。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｆ−８４海外シリーズ＞

　＜Ｆ−８４Ｅ（ベルギー空軍）＞：ベルギー空軍戦闘機。1951年から配備された。参考：月刊航空ファン5,’18

　＜Ｆ−８４Ｆ（ベルギー空軍）＞：ベルギー空軍戦闘機。1955年から配備された。参考：月刊航空ファン5,’18

　＜雷霆式戦闘機＞：台湾空軍戦闘機。F-84Gを導入したものである。参考：月刊航空ファン6,’16

＜Ｆ−８４海外ファミリー＞

　＜Ｆ−８４Ｇ（Ｒ）＞：ギリシャ空軍偵察機。F-84G戦闘機を偵察機に改造したもので、1953年に９機を配備した。参考：月刊航空ファン8,’17

　＜ＲＦ−８４Ｆ（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍偵察機。1956年からRF-84F偵察機40機を導入し、1991年まで使用した。参考：月刊航空ファン8,’17

＜Ｆ８５＞：イギリス海軍Ｊ級駆逐艦ジュピター（Jupiter）。1939年竣工。1942年1月17日、スンダ海峡で伊60を撃沈した。2月27日、スラバヤ沖海戦で戦没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ８５＞：イギリス海軍22型バッチ３フリゲート２番艦、カンバーランド（Cumberland）。1989年6月就役。後に114mm砲をMk8Mod1に換装した。2011年3月、エラミー作戦に参加。参考：月刊世界の艦船10,’02、1,’04、3,’92増刊、月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ８５＞：スペイン海軍サンタ・マリア級フリゲート。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜Ｆ８５型＞：フリチョフ・ナンセン級（イージス・フリゲート）を参照。

＜Ｆ８６＞：イギリス海軍22型バッチ３フリゲート、キャンベルタウン（Campbeltown）。1989年5月竣工。2011年3月30日、フランスのサン・ナゼールを出港。4月に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、7,’11

＜Ｆ−８６シリーズ＞：アメリカ空軍のジェット制空戦闘機、別名セイバー。当初はP-86という名称だった。ノースアメリカン社の開発で、当初はアメリカ海軍向けFJ-1戦闘機を改良した平凡なデザイン（主翼と尾翼はP-51の流用）を採用して1945年5月から試作に入ったが、第２次大戦終戦でドイツから入手した後退翼の資料を参考に設計を変更、高性能を得た。アメリカ空軍では第１・第４・第33・第51・第56・第88戦闘迎撃航空団、第８・第18・第21・第36・第48・第50・第58・第332・第366・第388・第406・第450・第474戦闘爆撃航空団などに配備されている。朝鮮戦争には1950年12月にＡ型、1951年6月にＥ型、1952年6月にＦ型が参加した。最初に派遣されたのは第４戦闘迎撃航空団だったが、配備元のワシントンから東海岸まで飛行した後にCVE-88ケープ・エスペランスとタンカーに乗せ、日本まで運んでジョンソン基地で塩害の除去などの整備を受けなければならず、1950年11月8日に派遣命令を受けたものの韓国に展開したのは12月に入ってからだった。朝鮮戦争中87177ソーティをこなし、MiG-15を792機撃墜（MiG-15以外は18機）したのに対し、損害は78機（キルレシオ10:1）で圧勝したとされる。ちなみにソ連空軍の公称MiG-15損失は319機、中国空軍の公称MiG-15損失は224機で、北朝鮮軍は損失を公表していない。朝鮮戦争における総損失は空中戦78機、対空砲火19機、その他19機、事故など114機。1950年代末にはAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルの装備が可能となり、金門・馬祖島上空の空中戦でMiG-15/-17を29機撃墜、被撃墜ゼロのスコアを残した。総生産数は3604機（8600機以上？）で、アメリカの他26ヵ国が採用しており、イタリア、オーストラリア、カナダ、日本がライセンス生産した。各国のアクロバットチームも採用し、ブルーインパルス（空自）、ブラックイーグルス（韓国）、雷虎小組（台湾）、イラン、フィリピン、トルコ、パキスタンなどで使用された。参考：月刊JWings1,’03、3,’16、ジェット戦闘機、日本の戦力、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空情報3,’10、8,’12、世界の傑作機No.39、月刊丸9,’03

　＜ＸＰ−８６＞：試作機。XFJ-1と同じ設計で、1945年5月28日に開発認可が下りた。当初は直線翼だったが、風洞試験では要求された時速965kmに到底達しないことが判明、ドイツ国防軍から押収した資料を参考に後退翼を導入することにし、低速大迎角での翼端失速による空力中心の移動は主翼前縁にスラットを付けて解決した。設計段階で徹底した風洞試験を行い、主翼アスペクト比を６から4.79に変更、翼型を付け根NACA0012-64・翼端NACA0011-64として主翼端後縁での空気剥離を減少させるなどの成果を得ている。主翼後退角は35度で、外板は削り出しテーパーとし、更に前後桁間を波板サンドイッチ式二重構造にして、後退翼特有の捩りモーメントに対抗しつつ翼内タンク収容スペースを確保した。全長11.45m、全幅11.32m、全高4.5m、自重4.415トン、標準総重量6.255トン、最大離陸重量7.456トン。翼面積25.9平方メートル。エンジンはJ35-C-3（推力1.814トン）単発、最大速度600マイル、実用上昇限度41300フィート（12588m）、燃料搭載量1647リットル（機内）＋1563リットル（機外）。乗員１名。３機が製作された。1947年10月1日に初飛行したが、着陸時に前脚が出なくなり、主脚のみで強行着陸したところ、接地のショックで前脚が出て事無きを得た。10月19日には西側実用機として初めて急降下中に音速を突破（X-1水平超音速飛行の５日後）している。初号機は1952年9月に墜落して失われた。高亜音速域で縦安定性が不足するという欠点が判明したが、通常の運用では問題無くそのままにされ、Ｅ型になって水平尾翼をオールフライングテールに変更し、解決している。1952年4月までに退役した。参考：世界の傑作機No.39、月刊航空情報8,’12、月刊JWings3,’21

　＜Ｆ−８６Ａ＞：量産型で、1948年5月20日に初飛行した。XP-86のエンジンをJ47-GE-1に換装したもので、胴体下部にエンジンを搭載し、極力胴体を絞り込んでいる。主翼は75Sアルミ合金製で、低翼配置、25%翼弦後退角35度の後退翼であり、低速飛行時の翼端失速を防ぐため、自動前縁スラットをフルスパンにわたり装着した。前縁スラットは速度が115ノット以下になると自重で自動的に下がり、180ノット以上になると風圧で自動的に閉まる。水平尾翼にも35度の後退角を付けた。胴体後部両側にエアブレーキを装備しており、急降下からの引き起こし時の使用を考慮し、作動時には機首上げの力が働く。発射後の重心変化を防ぐため、機銃の空薬莢は元の弾倉に戻される。照準器は初期にはK-14ジャイロ式照準器だったが、F-86A-5の後期24機ではA-1CMに換えられ、FCSがMA-2となった。ピトー管は前期型では機首、後期型では右翼端にある。機銃パネルと排気ノズル周辺には腐食に強いチタン合金を使用した。全長11.44m、全幅11.3m、全高4.49m、自重5.05トン、最大離陸重量9.23トン。エンジンはJ47-GE-1（後にJ47-GE-3/7/13）単発、最大速度1054km（高度6100m）、戦闘行動半径730km。固定武装は機首エアインテイク両脇の12.7mm機銃AN-M3が３丁ずつ。乗員１名。F-86A-1とF-86A-5のサブタイプがある。1948年9月15日にJ47-GE-1搭載型が絶対速度670.981マイル（1080km）を記録し、その後J47-GE-7系搭載型が679マイル（1093km）を達成した。1950年までに554機が生産された。参考：月刊JWings1,’03、ジェット戦闘機、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６Ａ−１＞：Ａ型の初期型で、33機が生産された。1948年9月8日にオハイオ州クリーブランドで開催されたナショナル・エアレースに完全武装で出場し、平均速度記録を狙ったが、一緒に飛んだFJ-1が計測カメラの前に出るなどして６回中３回計測不能になり、平均時速1072kmを記録したものの公認されなかった。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６Ａ−５＞：A-1の改良型で、タイヤを８プライから14プライに強化、ブレーキをロータリーセグメント式多板ディスクブレーキに変更して荒れ地でも着陸できるようになった。緊急脱出装置は射出座席に変更したが、キャノピーは風圧で吹き飛ばす方式である。風防防弾ガラスは凸面にした。抗力減少を図り機銃口をプラスチックカバーで覆っていたが、無くても性能に変化が無いため、後に廃止した。照準器は前期型がMk18、後期型が測距レーダーで、前期型も後に測距レーダーに換装している。全長11.45m、全幅11.32m、全高4.5m、自重4.578トン、標準総重量6.399トン、燃料半減重量6.256トン。エンジンはJ47-GE-13（推力2.359トン）単発、最大速度679マイル、実用上昇限度48000フィート（14630m）、燃料搭載量1647リットル（機内）＋912リットル（機外）、航続距離914海里。固定武装は12.7mm機銃AN-M3（267発）６丁。乗員１名。参考：世界の傑作機No.39、月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ａ−７＞：1955年5月21日、第115戦闘迎撃飛行隊所属機が大陸往復横断記録樹立ブーメラン作戦を行い、カリフォルニア州ヴァン・ナイズ空港とニューヨーク州フロイド・ベネット空港を11時間26分33分・平均時速711kmで往復（往路２カ所、復路３カ所で給油）して記録樹立に成功した。参考：月刊JWings2,’19

　＜Ｆ−８６Ｂ＞：F-86Aのタイヤサイズを拡大したもの。190機が発注されたが、F-86Aの改良型で済むため生産されず、発注分のうち188機はF-86Aに、２機はF-86C/YF-93に振り替えられた。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６Ｃ＞：YF-93を参照。

　＜Ｆ−８６Ｄ＞：迎撃戦闘機型、通称セイバードッグ（Sabre Dog）。大型爆撃機の迎撃用としてYF-95Aという名称で開発され、1949年12月22日に初飛行し、後に名称がF-86Dに変更された。ヒューズ社製E-4火器管制レーダー（捜索距離30海里、小型目標では10海里以下）を搭載し、胴体下面引き込み式パッケージのマイティーマウス2.75インチ空対空ロケット24発で爆撃機を撃墜する。敵機の防御砲火を受けにくい側面から攻撃できる（リード・コリジョン攻撃）のが最大の特徴で、レーダースコープ中央に目標の輝点が来るように操縦すればコンピュータが最適攻撃位置を自動的に計算し、そこで×印が出るので、トリガーを引いてロケット弾を発射（６連射・12連射・斉射の３モード）する。目標から260ヤード（238m）まで接近すると、衝突を警告する８の字がレーダースコープに表示されるので、回避行動を取ればよい。機体は胴体直径を増して主翼を再設計、機首に大型のレドームを設け、エアインテイクを下に移した。レドーム上面右寄りに着脱式フェアリングを装着し、ガンカメラ（ガンは無いのでロケット弾カメラ？）を搭載できる。水平尾翼は全遊動式に、風防は上開きに換えられた。全長12.27m、全幅11.31m、総重量9.06トン。エンジンはIEC付きのJ47-GE-17（A/B時推力3.47トン）単発、最大速度985km。1955年9月までに2504機が生産され、航空自衛隊も導入した。AIR-2Aジニーの搭載も検討されたが、戦闘行動半径が短くなりすぎるので中止された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊軍事研究9,’03、6,’02、月刊JWings4,’05、12,’19、ジェット戦闘機、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−８６Ｅ＞：F-86Aの亜音速域での操縦性を改善するため、水平尾翼を全遊動式に変更し、油圧非可逆式動力操縦装置（ラダー除く）と人工感覚装置を追加したタイプ。エンジンをJ47-GE-27に強化する予定でエアインテイクを拡大したものの、生産が間に合わなかったためJ47-GE-13（推力2.36トン）を装備した。F-86E-1、E-5、E-10、E-15のサブタイプがある。1951年2月9日から引き渡され、1953年12月までに396機が生産されたが、推力不足気味で、朝鮮戦争ではMiG-15bisに苦戦した。また、初期には部品不足などで稼働率が６割程度しか無かった。参考：世界の傑作機No.39、ジェット戦闘機、月刊丸9,’03

　＜Ｆ−８６Ｅ−１＞：Ｅ型の初期型。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６Ｅ−５＞：A-1CM測距レーダーを装備する。全長11.45m、全幅11.32m、全高4.5m、自重4.788トン、燃料半減重量6.466トン、標準総重量6.613トン、最大離陸重量8.775トン。エンジンはJ47-GE-13（推力2.359トン）単発、最大速度679マイル、実用上昇限度47200フィート（14386m）、燃料搭載量1647リットル（機内）＋912リットル（機外）、航続距離888海里。固定武装は12.7mm機銃６丁。乗員１名。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６Ｅ−６＞：カナデア社製CL-13Mk.2（F-86E-1のライセンス生産型）を60機購入して朝鮮戦争に投入したもの。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ｅ−１０＞：風防を凸型から平面型に変更したもの。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ｆ＞：エンジンを油圧式IEC付きJ47-GE-27に換装したタイプで、F-86F-1、F-5、F-10、F-15、F-20、F-25、F-30、F-35、F-40のサブタイプがある。1954年1-6月に納入された264機はMk7核爆弾運用能力を持つ。参考：世界の傑作機No.39、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−８６Ｆ−１＞：エンジン換装に合わせてエアインテイクを拡大し、機体を軽量化、UHF無線機を増設し、全高度対応の自動調節機能付き酸素供給装置と緊急時前脚下げ用蓄圧機を追加した。胴体後部両側にエアブレーキ、左主翼端にピトー管、垂直尾翼上方前縁にコマンドアンテナを持つ。風防は平面型、照準器はA-1CM測距レーダー。最大速度598ノット（海面上）／525ノット（高度10700m）、行動半径463マイル。翼下パイロンは２カ所で、爆弾を装備すると120ガロンドロップタンクが付けられず、行動半径が80-100kmしか無くなる。1952年3月19日に初飛行し、9月から朝鮮戦争に参加した。参考：ジェット戦闘機、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、世界の傑作機No.39、月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ｆ−５＞：主翼下ハードポイントを強化してパイロンに200ガロン（757リットル）増槽を搭載可能としたもの。参考：月刊JWings9,’21、ジェット戦闘機

　＜Ｆ−８６Ｆ−１０＞：A-1CMに故障が多発したので、FCSをMA-3に換えたもの。参考：月刊JWings9,’21、ジェット戦闘機

　＜Ｆ−８６Ｆ−１５＞：防弾強化型。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ｆ−２０＞：F-86F-15をノースアメリカン社コロンバス工場で生産したもので、工場コードを付けてF-86F-20NHとも呼ばれる（F-86F-15まではイングルウッド工場生産でNAが付く）。中身はF-86F-15と同じで、1951年から量産された。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ｆ−２５＞：翼下パイロンを４カ所に増やしたもので、コロンバス工場で生産されたのでF-86F-25NHとも呼ばれる。内側パイロンに120ガロン（454リットル）増槽、外側パイロンに200ガロン（757リットル）増槽を装備可能で、内側パイロンに何も搭載しなければ外側パイロンに1000ポンド爆弾を搭載できる。171号機から6-3翼を採用した。参考：ジェット戦闘機、世界の傑作機No.39、月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ｆ−３０＞：F-86F-25のイングルウッド工場生産型で、F-86F-30NAとも呼ばれる。主翼後退角35度41分、アスペクト比4.56。全長11.45m、全幅11.32m、全高4.5m、自重4.925トン、燃料半減重量6.795トン、標準総重量8.114トン、最大離陸重量9.219トン。翼面積28.2平方メートル。エンジンはJ47-GE-27（推力2.681トン）単発、最大速度688マイル、実用上昇限度48000フィート（14630m）、燃料搭載量1647リットル（機内）＋1520リットル（機外）、航続距離1403海里。固定武装は12.7mm機銃６丁（1602発）。爆弾搭載量2000ポンド（0.907トン）。乗員１名。200号機から6-3翼を採用し、最大速度が1108kmから1119kmに向上した。参考：世界の傑作機No.39、月刊JWings9,’21

　＜Ｆ−８６Ｆ−３５＞：緊急脱出時の座席射出機の作動を迅速にした。参考：ジェット戦闘機

　＜Ｆ−８６Ｆ−４０＞：Ｆ型の最終量産型。対外供与（空自、韓国、台湾、パキスタンが採用）専用として開発されたが、アメリカ空軍機も後にこの規格に改造された。6-3翼の翼弦を拡大し、前縁スラットを装備して境界層板を除去、スパンを0.305m延長した新型主翼（後退角35度41分、アスペクト比4.883）を搭載したもので、低速域での性能改善と失速速度の低下を達成した。ドロップタンクも電磁石の電流をカットして落下させるタイプから火薬で投下する方式に変更され、フィレットが無くなっている。キャノピーガラス上部内側にはAN/ARN-6ラジオコンパス用センスアンテナ３条、座席後方には同ラジオコンパス用ループアンテナがある。機首エアインテイク上部にAN/APG-30A測距レーダーを搭載しており、照準器はA-4、FCSはMA-3である。全長11.45m、全幅11.92m、全高4.5m、自重5.05トン、標準総重量8.23トン、最大離陸重量9.1トン。エンジンはJ47-GE-27（推力2.681トン）単発、最大速度678マイル、実用上昇限度47000フィート（14326m）、燃料搭載量1647リットル（機内）＋1520リットル（機外）、航続距離1325海里。固定武装は12.7mm機銃６丁（1602発）。爆弾搭載量2000ポンド（0.907トン）。乗員１名。参考：世界の傑作機No.39、月刊軍事研究6,’02、8,’12、月刊航空ファン4,’72、ジェット戦闘機

　＜Ｆ−８６Ｈ＞：朝鮮戦争でのMiG-15との戦訓を取り入れたタイプ。胴体を一回り太くしてエンジンをJ73-GE-3（推力4.05トン）に変更、エアインテイクやコクピットにも改良を加え、固定武装を20mm機関砲４門に換装した。Mk7核爆弾の搭載も可能で、F-84と同様に左翼下に積み、右翼下には増槽を装備する。473機が生産され、州航空隊などに配備された。参考：月刊JWings10,’10、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−８６Ｋ＞：F-86Dの2.75インチ（70mm）ロケット弾パッケージを廃止し、固定武装を20mm機関砲４門に、FCSをMG-4に換装したもの。NATO向けで、西ドイツ、イタリア、ノルウェーなどが配備した。参考：月刊JWings11,’01、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−８６Ｌ＞：F-86Dの主翼をF-86F-40と同じにし、電子装備を改良したもの。全機F-86Dから改修された。参考：月刊JWings11,’01、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｆ−８６ファミリー＞

　＜ＲＦ−８６Ａ＞：偵察機型。朝鮮戦争時に極東航空軍が現地改造したもので、改造法はアシュトレイと命名された。機首の機銃４丁を外し、コクピットの下にK-24カメラ２基、機首にK-22カメラ１基を配置、レンズの前に45度傾けた鏡を付けて真下を撮影できるようにしてある。一旦鏡で反射させるため解像度が悪いこと、戦闘機型F-86の護衛が必要なことが欠点。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、世界の傑作機No.39、月刊丸9,’03

　＜ＴＦ−８６Ｆ−３０ＮＡ＞：試作複座練習機型。胴体を延長して機銃を外し、タンデム配置の座席に上方開きクラムシェル型キャノピーを装着した。主翼は6-3翼ではなく前縁スラット付のもので、低速での安全性を確保している。生産ライン上のF-86F-30を改造し、1953年12月14日に初号機が初飛行したが、９回目のフライトで墜落してしまったため、２号機が作られて試験を引き継いだものの、墜落によるテストの遅延とF-100練習機型計画で開発中止となった。参考：世界の傑作機No.39

＜Ｆ−８６海外シリーズ＞

　＜Ｆ−８６（アルゼンチン）＞：アルゼンチン空軍戦闘機。F-86F-30を28機供与された。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（イラク）＞：イラク空軍戦闘機。５機が供与されたが、使用されなかったようだ。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（インドネシア）＞：インドネシア空軍戦闘機。オーストラリア空軍からCA-27エイボンセイバーMk.32を1973年に18機購入し、1976年に損耗補充・予備機としてマレーシア空軍から５機を追加した。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜Ｆ−８６（エチオピア）＞：エチオピア空軍戦闘機。F-86F-30を12機供与された。これで１個飛行隊を編成している。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（韓国）＞：韓国空軍戦闘機。F-86F-25を30機、-30を48機、-40を34機（計180機？）、F-86Dブロック35/45/50を計50機（45機？）供与された。-25と-30は後に-40規格に改修されている。参考：世界の傑作機No.39、月刊航空ファン5,’19

　＜Ｆ−８６（コロンビア）＞：機数は不明だが、供与されたらしい。ただ使用されなかったようである。何だそりゃ。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（サウジアラビア）＞：サウジアラビア空軍戦闘機。F-86F-30を16機供与された。これで１個飛行隊を編成し、戦闘爆撃機として使用している。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（スペイン）＞：スペイン空軍戦闘機。F-86F-20を38機、-25を30機、-30を14機、-40を162機供与された。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（タイ）＞：タイ空軍戦闘機。F-86F-30（を-40規格に改修したもの？）を47機供与された。また、F-86F-25を-40規格に改修したものも供与されている。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（台湾）＞：台湾空軍戦闘機。F-86F-1から-40までの各型320機（RF-86Fを含む）を供与された。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（チュニジア）＞：チュニジア空軍戦闘機。F-86Fを12機供与された。これで１個飛行隊を編成している。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（チリ）＞：F-86Fを25機供与されたが、使用しなかったらしい。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（ノルウェー）＞：ノルウェー空軍戦闘機。F-86Fを90機供与され、第332・第336・第338飛行隊に配備した。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（パキスタン）＞：パキスタン空軍戦闘機。F-86F-40を120機供与され、第14-19飛行隊を編成した。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（バングラデシュ）＞：バングラデシュ空軍戦闘機。1971年のバングラデシュ独立戦争に負けたパキスタンが置いていった損傷機11機のうち５機を復旧して使用した。その後、西ドイツ空軍で余った機体（カナデア製）をイランに供与し、整備を委託するという形でバングラデシュに持ち込み、そのままバングラデシュに配備するという武器禁輸措置逃れで90機配備している。参考：月刊航空ファン10,’15

　＜Ｆ−８６（ビルマ）＞：ビルマ空軍戦闘機。F-86Fを12機供与された。これで１個飛行隊を編成している。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（フィリピン）＞：フィリピン空軍戦闘機。1973年現在、F-86F-30を25機（１個飛行隊分）配備していた。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（ベネズエラ）＞：ベネズエラ空軍戦闘機。F-86F-30を６機、-35を16機供与された。これで２個戦闘飛行隊を編成したらしい。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（ペルー）＞：ペルー空軍戦闘機。F-86F-25を15機供与された。これで１個飛行隊を編成している。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（ベルギー）＞：ベルギー空軍戦闘機。F-86F-25を25機供与されたが、使用しなかったらしい。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（ポルトガル）＞：ポルトガル空軍戦闘機。F-86Fを50機供与され、２個飛行隊に配備した。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６（南アフリカ）＞：南アフリカ空軍戦闘機。F-86Fを世界で初めて供与された国で、1953年3月末に朝鮮戦線でF-86F-30を受領、第２飛行隊に配備した。後に6-3ウイングに改修されている。参考：世界の傑作機No.39

　＜Ｆ−８６Ｄ（韓国空軍）＞：韓国空軍戦闘機。韓国空軍初の全天候戦闘機で、北朝鮮空軍Il-28爆撃機対策として1960年（1961年12月？）からブロック35/45/50計50機（45機？）を配備した。1971年退役した。参考：月刊航空ファン3,’19、5,’19

　＜Ｆ−８６Ｄ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊戦闘機、ニックネームは月光。航空自衛隊で初めて24時間アラート任務に就いた機体である。空自初の捜索レーダー搭載機でもあるが、レーダーの操作が困難で、手が３本あっても足りないといわれた。また、レーダーの性能も悪く、肉眼で索敵してからレーダースコープを見た方が確実であったこともしばしばだったらしい。整備も難しく、野外に駐機しておくと故障が頻発した上、アメリカ空軍では退役が始まっていてパーツが手に入らず、カニバリズム整備を余儀無くされた。全長12.28m、全幅11.31m、全高4.57m、自重6.13トン、最大離陸重量9.07トン。翼面積26.75平方メートル。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製J47-GE-17Bターボジェット（ドライ最大推力2.46トン、A/B時推力3.4トン）単発、最大速度1074km（1133km？）、実用上昇限度15000m、戦闘行動半径450km、航続距離1280km（1600km？）。武装は2.75インチ空対空ロケット弾マイティマウス24連装発射機１基（胴体下面引き込み式）。乗員１名。1958年1月16日から1961年（1962年？）に122機が供与された。マイティマウス用ガンカメラも引き渡され、両主翼下面に装着している。小牧の第101・第102・第105飛行隊と千歳の第103飛行隊の計４個飛行隊（うち転換訓練飛行隊１個）に配備され、1959年8月からアラートを開始、1968年10月1日に退役した。最終号機は陸上自衛隊大津駐屯地に保存されている。他にも小牧基地、名古屋市立博物館に展示されている。参考：月刊軍事研究6,’02、月刊JWings5,’19、12,’15、11,’06、1,’13、12,’19、1,'21、月刊丸5,’07、12,’10、月刊航空ファン1,’15、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊航空情報5,’18

　＜Ｆ−８６Ｄ（台湾空軍）＞：台湾空軍戦闘機。1960年から供与された。一部はアメリカ本土から海路で運ばれており、途中で木更津港に陸揚げし、三菱重工小牧工場で塗装を施して内翼パイロンにサイドワインダー用エアロ3Bランチャーを装着している。パイロットの教育は那覇基地で行った。参考：月刊JWings12,’19

　＜Ｆ−８６Ｆ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊初のジェット戦闘機で、ニックネームは旭光。1955年10月12日から1957年に180機が無償供与され、1955年6月に日米政府で纏まった第１次ジェット機生産協定（コストの46%をアメリカが負担）に基づいて70機をノックダウン生産、230機をライセンス生産した。供与を受けたうち訓練用として最初に引き渡された28機はF-86F-25/-30で、残り152機は最終生産型のF-86F-40である。ノックダウン生産初号機は1956年8月9日に初飛行し、9月20日に納入され、1961年2月20日にライセンス生産全機の生産を完了している。ノックダウン生産とライセンス生産は新三菱重工で行われたが、価格をいくらにするか全く基準が無く、取り敢えず何機か生産してみた結果を基に金額を確定した。また、購入資金には日本が輸入小麦代として支払ってアメリカがプールしていた日本円のうち36億円が充てられた（ついでにT-33A練習機210機分もこれで賄った）。特に非開示技術などは無かったが、当時の技術力の限界から、ライセンス生産機の国産化率は５割程度となっている。ライセンス生産最終120機の価格は計145億３千万円。射出座席は高度ゼロでの射出が可能だが、速度は120ノット以上ないとパラシュートが開かない。許容荷重は主翼がクリアなら7G、空増槽付きなら5.5G前後。全長11.44m、全幅11.91m、全高4.47m、自重5.06トン、最大離陸重量9.1トン。翼面積29.1平方メートル。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製J47-GE-27ターボジェット（推力2.708トン）単発、最大速度1111km、実用上昇限度15200m（上昇限度14326m？）、航続距離1400km（2454km？）、戦闘行動半径740km。固定武装はAN-M3機銃６丁。ハードポイントは主翼下３カ所（中央部、内舷部、最内舷部）ずつ。主翼内舷部のパイロンに1000ポンド（454kg）までの爆弾１発またはロケットランチャー１基または120ガロン増槽１本、主翼中央部のパイロンに200ガロン増槽１本を積める。乗員１名。T-33Aよりも離着陸や操縦が楽だったらしく、訓練用の複座機は作らなかったため、学生はコクピットを模して作ったコクピット・トレーナー（操作するとランプが付くだけ）で教官に竹刀で頭を小突かれながら操作を覚え、実機に乗る際には教官をコクピットの横にへばり付かせたままタキシングを行い、教官機が隣にくっついて無線交信しながら一緒に離着陸及び飛行訓練を行っていた。対空戦闘訓練では左右とも一番上の機銃に50発ずつ弾薬を搭載し、他の機銃にはバラストを積んだ。主翼内舷パイロンに750ポンド爆弾JM117や2.75インチ（70mm）FFARを搭載して支援戦闘機としても使用されたが、照準がA4光学照準器とMA-3FCSだったので、命中率が悪く、F-1支援戦闘機に換えられた。対地攻撃訓練時は2.75インチ（70mm）FFARを片翼に２発ずつか、３ポンド（1.36kg）／25ポンド（11.34kg）訓練爆弾を内舷パイロンに積んでいった。1955年12月1日に７機で浜松航空団が編成され、その後第１・第２・第４・第５・第６・第７・第８航空団の第１・第２・第３・第４・第５・第６・第７・第８・第９・第10飛行隊（うち転換訓練飛行隊２個）に配備され、1958年2月17日から対領空侵犯措置任務を開始した。しかしパイロットの育成が追いつかず、供与された内45機（全てF-86F-40）は使用されずに木更津の第１補給処にしまい込まれていたが、国会で問題となって1959年にアメリカ空軍に返還されている。1961年2月に実験航空隊所属機がAIM-9B空対空ミサイルの模擬弾を搭載してテストフライトしているのが確認され、量産機の一部も主翼最内舷部のパイロンにエアロ3B誘導ミサイルランチャー（エアロ38？）を装着、AIM-9空対空ミサイルを１発ずつ左右計２発搭載可能とする改修が施された。1963年からF-104が配備され、支援戦闘機への転用を開始。1973年3月末現在で281機が現役にあり、62機が事故などで失われた。1977年、F-1支援戦闘機の配備が始まって退役が進み、実戦部隊から退いたのは1981年2月27日（第６飛行隊が機種転換終了）、全機退役したのは1982年3月15日（航空総隊司令部飛行隊から退役）だった。総飛行時間は1026902時間。三沢基地、築城基地、高畑山分屯基地、春日基地（ブルーインパルス塗装だが、ブルー使用機ではない）、八面山自然公園などに展示されている。参考：月刊軍事研究6,’02、9,’03、1,’05、7,’14、自衛隊装備カタログ1981、月刊JWings5,’19、11,’06、12,’15、6,’08、1,’13、ジェット戦闘機、日本の戦力、月刊丸5,’07、12,’10、9,’03、世界の傑作機No.39、月刊航空ファン1,’15、7,’16、12,’16、月刊航空情報5,’18

　＜軍刀式戦闘機＞：台湾空軍戦闘機。F-86Fを採用したものである。1958年9月24日、浙江省上空で第11大隊所属の18機が中国空軍MiG-17戦闘機32機と交戦し、撃墜確実９機・不確実３機のスコアを上げた。うち４機が第44中隊所属４機に搭載していたAIM-9によるもので、世界初の空対空ミサイルによる撃墜を記録している。台湾航空科学館に展示されている。参考：月刊航空ファン6,’16、8,’09

　＜セイバーＭｋ．５＞：カナダ空軍戦闘機。F-86Eを導入したものである。参考：月刊JWings5,’13

＜Ｆ−８６海外ファミリー＞

　＜Ｆ−８６Ｆブルーインパルス＞：航空自衛隊ブルーインパルスのアクロバット機型。カラースモークは航空自衛隊独自開発で、スピンドル油に油性特殊染料を溶かし、後部燃料ベントから噴射、ジェット排煙で蒸発させて着色煙を発生させる。航続時間の関係で主翼下に200ガロン（757リットル）増槽２本を装備する必要があり、5.5Gの制限荷重が設けられた。ただ現在よりもかなり低い高度での展示を行っており、迫力は相当なものであったという。1960-81年に545回の公式展示飛行を行った。航空自衛隊浜松広報館に展示されている。参考：月刊航空情報3,’10、月刊丸5,’07

　＜ＲＦ−８６Ｆ＞：偵察機型。ヘイメーカー計画の名称で立川基地の極東兵站軍に勤務していた日本人技術者チームが設計した（ノースアメリカン独自設計という説もある）。機首のAN/APG-30レーダーと機銃を外し、機首側面に涙滴型フェアリング、下面にカメラ窓用小型フェアリング３個を設置、K-22カメラを左右１台ずつ（５度外側に傾く）とK-17（一部はKA-60C）を下向きに１台搭載する。K-22は互いに25%ずつ重なった画像を写す。ファインダーが無いので、撮影はパイロットの勘で行うしかない。機銃を撤去した後には銃口の絵を描き、主翼はF-86F-40と同じものに変更した。全長11.4m、全幅11.9m、全高4.5m。最大速度1105km、航続距離1320km。乗員１名。航空自衛隊初め世界各国で使用された。参考：ジェット戦闘機、世界の傑作機No.39、月刊JWings5,’14、月刊丸12,’10、月刊航空ファン2,’12、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜ＲＦ−８６Ｆ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊偵察機。初期に供与されたF-86F-25/-30のうち18機をRF-86Fに改造したものである。1961年11月11日に初号機が引き渡されて偵察航空隊第501飛行隊に配備された。一部はK-17カメラの代わりにKA-60パノラミックカメラ、K-22カメラの代わりにK-47カメラを搭載可能としている。RF-4Eに後を譲り、1979年に全機退役した。参考：ジェット戦闘機、世界の傑作機No.39、月刊JWings5,’14、4,’20、9,'23、月刊丸12,’10、月刊航空ファン2,’12、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜ＲＦ−８６Ｆ（韓国空軍）＞：韓国空軍偵察機。三菱重工でRF-86Fに改造して在日米空軍で使っていたものを1956年頃に10機導入した。参考：世界の傑作機No.39、月刊JWings1,’21

＜Ｆ−８６（６−３翼）着陸＞：スピードブレーキを開いて滑走路上空を通過、左180度旋回を行う。脚とフラップを下げ、計器や油圧を確認し、170ノットまで減速。再び左180度旋回を行い、145ノットまで減速してファイナル・アプローチに入る。着陸が確実になった時点でスロットルをアイドルに入れ、120ノットで接地。ブレーキを使用して前輪を接地させ、減速・停止する。着陸をやり直す場合は、スロットルを全開にし、スピードブレーキを閉じ、脚を引き込んで150ノットまで加速、フラップを上げて再上昇する。参考：ジェット戦闘機

＜Ｆ−８６（６−３翼）離陸＞：滑走路端でスロットルを全開にし、ブレーキを外す。VRは105ノット、V2は120ノット。離陸後は脚を引き込み、フラップを上げ、最適上昇速度まで加速する。参考：ジェット戦闘機

＜Ｆ−８６Ｄ・ＤＣ−３衝突事故＞：1960年3月、名古屋空港の滑走路上でF-86D戦闘機とDC-3旅客機が衝突し、大破炎上、３名が死亡し、９名が重軽傷を負った。原因は着陸してきたDC-3がまだ滑走路上にいるにも関わらず管制官がF-86Dに同じ滑走路での離陸を許可したためで、管制を行っていたのはベテラン管制官の監督を受けていた不慣れな管制官だった。判決ではベテラン管制官の監督不行届やF-86Dパイロットの前方不注意も指摘されたが、実際に指示を出した管制官に直接の原因があるとし、禁錮１年・執行猶予３年の判決が下された。参考：航空管制のはなし

＜Ｆ８７＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦ランス（Lance）。1940年竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ８７＞：イギリス海軍22型バッチ３フリゲート、チャタム（Chatham）。1990年5月竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８８＞：AUG海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜Ｆ８８＞：イギリス海軍22型バッチ１フリゲート、ブロードソード（Broadsword）。1979年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ８９＞：イギリス海軍22型バッチ１フリゲート、バトルアクス（Battleaxe）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−８９シリーズ＞：アメリカ空軍長距離ジェット全天候戦闘機、別名スコーピオン（Scorpion）。ノースロップ社がP-61夜間戦闘機の後継として1946年から開発し、1948年8月16日（18日？）に試作機XF-89が初飛行、XF-87に勝って1948年12月に発注された。各型計1050機が生産され、1950-69年にアメリカ本土とアラスカの防空任務に就いた。参考：月刊JWings12,’03、1,'22、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−８９Ａ＞：機首にAN/APG-33索敵レーダーを装備し、胴体両側やや下面寄りにエアインテイク、胴体後部両側やや下面に排気ノズルがある。主翼は中翼配置の直線翼で、翼端に固定式増槽が付く。エンジンはJ35-A-21C（推力3.08トン）双発、最大速度1030km。固定武装は20mm機関砲６門。主翼下に1000ポンド爆弾２発またはロケット弾24発を搭載できる。1950年7月から48機が引き渡される予定だったが、40機が途中でＢ型に変更されたため、８機のみが完成した。参考：月刊JWings12,’03

　＜Ｆ−８９Ｂ＞：自動操縦装置、航法装置、無線機などを改修したタイプ。40機が生産された。参考：月刊JWings12,’03

　＜Ｆ−８９Ｃ＞：主翼付け根の強化などを行ったタイプ。164機が生産された。参考：月刊JWings12,’03

　＜Ｆ−８９Ｄ＞：レーダーをAN/APG-40に、コンピュータをAN/APA-84に改良し、20mm機関砲を全て撤去、翼端増槽の前半にマイティーマウス空対空ロケット弾52発（左右計104発）を搭載したタイプ。ロケット弾のブラストは側面から抜けるようになっていたが、少々危なっかしい。レーダー後方にも燃料タンクを追加し、電子装備も改良した。全長16.44m、全幅18.24m、全高5.37m、自重11.42トン、総重量19.2トン。エンジンはJ35-A-35（推力2.37トン、A/B時推力3.27トン）双発、最大速度1023km、上昇限度15000m。乗員２名。1951年10月23日に初飛行し、682機が生産された。参考：月刊JWings12,’03、7,’10

　＜Ｆ−８９Ｈ＞：FCSをE-9に換装し、GAR-1（後にAIM-4と改称）ファルコン空対空ミサイルを運用可能としたタイプ。翼端増槽前半のロケット弾ポッドを21連装に減らし、AIM-4をポッド外側に３発ずつと翼下に６発の計12発積めるようにした。156機が生産された。後にAIR-2Aを２発搭載出来るようになった。参考：月刊JWings12,’03、月刊軍事研究8,’01、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−８９Ｊ＞：FCSをヒューズ製MG-12に換えたもので、F-89Dのうち350機が改良された。主翼下に２カ所ずつのハードポイントがあり、AIR-2Aなら２発（主翼外側パイロンに１発ずつ）、GAR-2A/AIM-4CファルコンAAMなら４発積める。翼端には燃料タンクまたはロケット弾ポッドを搭載可能。参考：月刊JWings12,’03、7,’10、アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜Ｆ−８９ファミリー＞

　＜ＤＦ−８９Ｊ＞：アメリカ陸軍無人標的機管制機。F-89Jからの改造で、アメリカ陸軍が空軍から機体を借りてノースロップ社とレディオプレーン社で改造し、陸軍所属のMIM-3ナイキ・アジャックスやMIM-14ナイキ・ハーキュリーズの訓練に使う無人標的機を主翼下に搭載して管制した。参考：月刊JWings5,’22

＜Ｆ８９＞：ナイジェリア海軍アラドゥ級フリゲート１番艦アラドゥ（Aradu）。1978年12月起工、1980年1月進水、リパブリックと命名された。1980年12月、アラドゥに改称され、1982年2月就役。しかし整備力と資金力の関係から運用できず、稼働状態になったのは1997年に入ってからである。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊

＜Ｆ９０＞：イギリス海軍22型バッチ１フリゲート、ブリリアント（Brilliant）。1981年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ９０＞：ナイジェリア海軍サンダー級フリゲート１番艦サンダー（Thunder）。元はアメリカ沿岸警備隊ハミルトン級カッターWHEC-718チェイス（Chase）で、2011年（2012年？）にナイジェリア海軍で就役した。2013年10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船1,’14、月刊軍事研究9,’15

＜Ｆ−９１＞：ムンガ（汎用軽車両）を参照。

＜Ｆ９１＞：イギリス海軍Ｋ級駆逐艦キプリング（Kipling）。1939年竣工。1942年5月11日、東地中海でドイツ軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ９１＞：イギリス海軍22型バッチ１フリゲート、ブレイズン（Brazen）。1982年竣工。1996年8月、ブラジル海軍に引き渡され、ボシシオとなった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊世界の艦船9,’96

＜Ｆ９２＞：イギリス海軍22型バッチ２フリゲート、ボクサー（Boxer）。1984年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ９３＞：イギリス海軍22型バッチ２フリゲート、ビーバー（Beaver）。1984年竣工。1999年退役、ポーツマスに繋留されてレーダーや兵装などが撤去された。2001年2月21日、曳船に曳航されて解体地に向かった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’01

＜Ｆ９４＞：イギリス海軍22型バッチ２フリゲート、ブレイブ（Brave）。1986年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−９４シリーズ＞：アメリカ空軍ジェット戦闘機、別名スターファイア（Starfire）。TF-80Cの機首にレーダーを搭載して全天候化したものである。ベルリン封鎖などで国際情勢が緊迫化したため急遽開発され、1948年12月にＡ型が発注され、1949年4月16日に初飛行した。1950年6月に初の飛行隊が編成され、1959年までアメリカ本土防空任務に就いている。参考：月刊JWings3,’04、3,'23、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−９４Ａ＞：TF-80Cの胴体を1.8m延長して複座化し、機首に迎撃用レーダーを搭載、アフターバーナーを追加したもので、主翼・尾翼・降着装置・翼端増槽などは全てTF-80Cのままである。無線機はAN/ARC-3、ラジオコンパスはAN/ARN-6。全長12.22m、全幅11.87m、総重量5.865-6.959トン。エンジンはアリソン製J33-A-33（A/B時推力2.72トン）単発、最大速度879km。固定武装は機首レドーム下の12.7mm機銃４丁。乗員２名（前席パイロット、後席レーダー手）。110機が生産された。参考：月刊JWings3,’04、月刊軍事研究8,’01、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−９４Ｂ＞：Ａ型の改良型で、1951年春から就役した。全長12.22m、全幅11.81m、重量6.954トン。エンジンはアリソン製J33-A-33単発、最大速度975km。固定武装は12.7mm機銃４丁。357機が生産され、北米防空にあたった他、朝鮮戦争でも夜間戦闘に活躍した。参考：月刊JWings3,’04、アメリカジェット戦闘機、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−９４Ｃ＞：別名F-97。機体を戦闘機として洗練されたものにし、機首の機銃を撤去、レドーム後方にマイティーマウス空対空ロケット６連装ランチャー４基を搭載した。機体重量増加に合わせてエンジンを強化し、主翼を再設計、翼端タンクを820リットル入りの大型のものに変更し、水平尾翼に後退角を付け、ドーサルフィンをキャノピー後部まで延長している。後に主翼中央前縁にもマイティーマウス空対空ロケット12連装ポッドを左右１基ずつ装備した。レーダーで捕捉した目標に自動操縦で自機を誘導し、最適の位置からロケット弾を自動発射して自動的に退避することができる。全長13.57m、全幅12.98m、全高4.53m、空虚重量5.77トン、全備重量10.977トン。エンジンはP&W社製J48-P-5（推力2.88トン、A/B時推力3.97トン）単発、最大速度1030km、実用上昇限度15670m、航続距離1900km。乗員２名。1952年半ばから1954年2月に387機が生産された。参考：月刊JWings3,’04、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−９４Ｄ＞：Ｃ型の改良型。朝鮮戦争が終わったため、生産されなかった。参考：月刊JWings3,’04

＜Ｆ９５＞：イギリス海軍22型バッチ２フリゲート、ロンドン（London）。1987年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ９５＞：インド海軍ストレジ級測量艦ストレジ（Sutlej）。1941年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ｆ９６＞：イギリス海軍22型バッチ２フリゲート、シェフィールド（Sheffield）。1988年7月竣工。後にチリ海軍に引き渡されてアルミランテ・ウイリアムスとなった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’16

＜Ｆ−９７＞：F-94C（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−９８＞：AIM-4（空対空ミサイル）を参照。

＜Ｆ９８＞：イギリス海軍22型バッチ２フリゲート、コベントリー（Coventry）。1988年竣工・就役。後にルーマニア海軍に引き渡され、2004年にF221レジール・フェルディナンドとして就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、7,’17

＜Ｆ−９９＞：ボマーク（地対空ミサイル）を参照。

＜Ｆ９９＞：イギリス海軍Ｌ級駆逐艦レイフォリー（Laforey）。1941年竣工。1944年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ９９＞：イギリス海軍22型バッチ３フリゲート、コーンウォール（Cornwall）。1988年4月竣工。2000年9月12-18日、東京を親善訪問した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、11,’00

＜Ｆ−１００戦闘機シリーズ＞：アメリカ空軍初の実用超音速戦闘機、別名スーパーセイバー（Super Saber）。F-86セイバーの後退角45度型で、1949年2月からノースアメリカン社でセイバー45として自主開発され、1951年にアメリカ空軍が開発契約を結び、1953年5月25日の原型機初飛行で音速を突破（マッハ1.38）、1954年9月からF-86Fの後継として配備された。参考：月刊JWings12,’04、5,’04、月刊丸1,’07、戦闘機のしくみ

　＜Ｆ−１００Ａ＞：最初の量産型。要求が昼間戦闘機だったので、機首にエアインテイクを配置して測距レーダーのみ搭載し、索敵レーダーは積まなかった。エアインテイク下方に長いピトー管があるため、地上では上に折り曲げておく。コクピットの真下にあたる胴体下面にエアブレーキ２枚を持つ。燃料タンクは胴体のみにあり、主翼内タンクは無い。主翼は低翼配置で、後退角45度。エルロン・リバーサルを防ぐため、エルロンを胴体寄りに取り付けた関係上、後縁フラップを装備できず、高揚力装置は前縁スラットのみである。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J57-P-1（167号機以降はJ57-P-39）単発、最大速度1371km、戦闘上昇限度15550m。固定武装は機首下部のポンティアックM39回転式20mm機関砲４門。内翼に1000ポンド（454kg）までの通常爆弾、AGM-12対地ミサイル、増槽を装備可能。1953年10月から操縦不能や空中分解といった重大事故６件が相次いだため、一時飛行停止になったが、超音速急降下からの引き起こし時に方向安定不足でロールカップリングを起こしていたのが原因だったため、主翼を延ばし垂直尾翼を増積して解決、1954年10月から運用された。203機が生産され、80機がＤ型規格に改造されて台湾に輸出された。参考：月刊JWings12,’04、世界の軍用機1979、月刊丸1,’07、世界の傑作機No.104、No.172

　＜Ｆ−１００Ｂ＞：試作戦闘爆撃機型。マッハ２を出せる核搭載機として計画されたが、F-105の開発にメドが立ったため、試作機２機のみで中止された。参考：月刊JWings12,’04

　＜Ｆ−１００Ｃ＞：戦闘爆撃機型。主翼内にインテグラル・タンクを組み込み、翼下に６ヵ所（８カ所？）のハードポイントを設け、空中給油受油プローブを増設、LA-2低高度爆撃システムを装備し、Mk7戦術核爆弾を運用できるようにした。ただし胴体下には搭載できず、左翼にMk7、右翼に増槽を装備する必要があり、Mk7を投下するまで増槽を捨てられないという欠点があった。1954年10月に初号機が完成し、1956年7月までに476機が生産された。トルコに260機が輸出されている。参考：月刊JWings12,’04、世界の軍用機1979、月刊丸1,’07、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−１００Ｄ＞：戦闘爆撃機型。重量増に合わせてエルロンを外側にずらしてフラップを搭載、垂直尾翼も増積し、自動操縦装置を装備した。バディ装置を装着すれば友軍機への空中給油も可能。184号機以降はAIM-9Bを装備できるようになり、胴体下に核搭載専用パイロンを追加、主翼下増槽を使い切った後にダッシュ核攻撃を行うことが可能となった。148機はZELLを使用でき、65機はAGM-12を装備できる。全長16.54m、全幅11.89m、全高4.94m、自重9.525トン、総重量13.5-15.8トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J57-P-21A（ミリタリー推力4.63トン、A/B時推力7.264トン）単発、最大速度1464km（高度10670m）、実用上昇限度15500m、最大航続距離2400km。固定武装は20mm機関砲（200発）４門。Mk7核爆弾、B28核爆弾、B43核爆弾、B57核爆弾、B61核爆弾、通常爆弾など3.402トンを搭載でき、近距離作戦では750ポンド爆弾８発を装備する。乗員１名。1956年1月24日に初飛行し、1274機が生産され、100機がフランスに、75機がデンマークに輸出された。台湾にもＡ型からの改造機が輸出されている。サンダーバーズのアクロ機としても使用された。参考：月刊JWings12,’04、5,’04、世界の軍用機1979、月刊丸1,’07、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−１００Ｆ＞：練習機兼戦闘爆撃機型。F-100Cの胴体を0.89m延ばして複座にし、20mm機関砲を２門に減らした。主尾翼はF-100Dのものを使用している。339機が生産され、台湾に輸出もされた。参考：月刊JWings12,’04、月刊丸1,’07

＜Ｆ−１００ファミリー＞

　＜Ｆ−１００Ｃ／Ｄ／Ｆサンダーバーズ仕様＞：サンダーバーズのアクロバット機仕様で、発煙装置を搭載している。また、スロット機はリーダー機の排気から機体を守るために垂直尾翼前縁アンテナを機首下面に移し、機首レドームと垂直尾翼前縁をスチールでカバーした。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−１００Ｆワイルドウィーズル�T＞：SEAD専用機。F-100F-20にベクター�Wレーダーホーミング警報システム、WR-300発射警報受信機、IR-133パノラミック受信機を搭載したものである。ハンター・キラー作戦のハンター役であり、F-105Dをキラー役に引き連れていた。ベトナム戦争中の1965年に６機が改造され、アイアンハンド作戦でSAM陣地９箇所を制圧、３機を失った。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’03

　＜ＱＦ−１００＞：フルスケール空中標的型で、1979年10月にスペリー・フライト・システムズ社と改造契約が締結された。飛行制御コンピュータはデジタル式である。地上管制施設やミサイルテスト装置はPQM-102と同じものを使用する。QF-100DとQF-100Fが試作機含め計218機改造され、1992年まで運用された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン3,’17

　＜ＲＦ−１００Ａ＞：偵察機型。F-100Aから６機が改造され、後に４機が台湾空軍に引き渡された。参考：月刊丸1,’07

＜Ｆ−１００海外シリーズ＞

　＜超級軍刀式戦闘機＞：台湾空軍戦闘機。Ａ型をＤ型規格に改修したもので、垂直尾翼もＤ型仕様に変更している。主翼平面形はＡ型のままなので、後縁は一直線である。118機が供与された。参考：月刊航空ファン8,’09

＜Ｆ１００ターボファンエンジン・シリーズ＞：プラット＆ホイットニー社製ターボファンエンジンで、F-15とF-16に搭載されている。参考：F-15イーグル

　＜Ｆ１００−ＰＷ−１００＞：JTF22A-25Aともいう。軸流式の２軸エンジンで、３段のファン、10段の圧縮機、アニュラー型燃焼室、電子式点火装置、２段の高圧タービンと２段の低圧タービン、共通流５段階アフターバーナー、軽量バランスビーム型可変面積ノズルから構成される。主軸ベアリングは５カ所で、低速軸を３つ、高速軸を２つで支える。燃料室には燃料噴射口16箇所が開口する。タービン温度は1400度だが、コア・タービン１段目の羽根は中空で、内部に冷却空気を通しているので表面温度は1000度に抑えられている。エンジン電子制御により最適な燃料・空気混合比を得る。排気ノズルは運転状態によって排気断面積を変える収縮・拡散式で、亜音速・超音速両方での効率を良好にしている。排気ノズルのペタルは直線的。５つの主要モジュールから構成されており、整備が楽。全長4.851m、直径1.18m、エアインテイク径0.884m、乾燥重量1.371トン（うちチタン30%）。バイパス比0.72、総圧縮比23対１。ドライ最大推力6.520トン、離昇推力10.8トン。当初はスタグネーションが多発し、高迎え角時・アフターバーナー点火時・急激なスロットル操作時に失速を起こしやすいという欠点があった。アフターバーナーを一度入れたら切らないことで解決を図ったが、戦闘中にビンゴ・フュエルに陥る羽目になったため、アフターバーナーのセッティングを変え、圧力変動も最小化して解決している。F-16向けにはファン出口と圧縮機入り口の間を狭める改修実施した。急激なスロットル操作による失速はF-15で顕著だったが、何故かF-16では殆ど出現していない。排気の無煙化を目指していたが、これら失速・スタグネーション解決の過程で出来なくなってしまった。エンジン出力が過大で、ドッグファイト中にしばしば出力を絞る必要があり、エンジン温度変化が激しくなって寿命を縮める原因となった。参考：F-15イーグル、世界の軍用機1979、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ１００−ＰＷ−２００＞：F-16FSD機、F-16A/B、F-16C/Dブロック25に搭載された。参考：月刊JWings5,’18、1,’24

　＜Ｆ１００−ＰＷ−２２０＞：耐久性・信頼性向上型で、デジタル電子エンジン制御システムFADECを装備した。圧縮機３＋10段、圧縮比24.8、燃焼器はアニュラー式、タービン段数２＋２段、離昇推力23830ポンド（10.8トン）。全長191.2インチ（4.86m）、直径46.5インチ（1.18m）、重量3200ポンド（1.45トン）。F-15C/D、F-15E（134号機まで）、F-16Cブロック32/42、F-16Dブロック32/42に搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings11,’12

　＜Ｆ１００−ＰＷ−２２９＞：最大海面高度静止推力を29000ポンド（13.2トン）級に強化する性能向上型エンジン（IPE）計画で開発された。空気流量毎秒248ポンド（112kg）、バイパス比0.33、圧縮機３＋10段、圧縮比33.6、燃焼器はアニュラー式、タービン段数２＋２段、離昇推力29100ポンド（13.2トン）。全長191.2インチ（4.86m。208インチ／5.28m？）、直径46.5インチ（1.18m）、ファン直径32.8インチ（0.834m）、重量3740ポンド（1.7トン）。推力重量比7.8。F-15E（135号機以降）、F-16Cブロック52/52プラス、F-16Dブロック52/52プラスに搭載された。参考：月刊航空ファン11,’92、10,’16、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings11,’12

＜Ｆ１００エンジン海外シリーズ＞

　＜Ｆ１００−ＩＨＩ−１００＞：F-15J用エンジンで、石川島播磨重工が国産化したF100-PW-100である。2013年5月10日、200万飛行時間を達成し、7月31日にIHI航空宇宙事業本部長が空幕を訪問して記念品を贈呈した。参考：F-15イーグル、朝雲

　＜Ｆ１００−ＩＨＩ−２００Ｅ＞：F100-IHI-100の改良型。デジタル式エンジン制御装置DEECを搭載しており、高空でのエンジンストールの危険性が減少し、燃費が向上した。スロットル操作で可変ノズルが作動する際に独特の高い音がする。エンジン先端にピトー管が付いており、エアインテイクを覗き込むと見えることもある。参考：月刊JWings6,’05

＜Ｆ−１００級イージス・フリゲート＞：スペイン海軍イージス・フリゲート、アルヴァロ・デ・バサン（Álvaro De Bazán）級。NFR90計画が失敗した後、1994年からドイツ、オランダ、スペインでTFCプログラムを結成、対空フリゲートを共同開発していたが、調整がうまくいかなかったため、1995年6月にイージス・システムの導入を決めた。５隻が第31護衛隊に配備された。NH-90の運用能力は2016年現在備わっていない。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究12,’06、5,’01、JShips Vol.20、月刊世界の艦船9,’16、12,’19、4,’10、10,’11、11,’14

＜Ｆ−１００級フライト�T＞：1996年10月に建造が決定した４隻。構造はモジュール式で、船体19個、上部構造物６個、煙突２個、上部マストアッセンブリ、艦首ソナードームから構成される。船型は中央船楼型で、船体と上部構造物の幅を同一とし、舷側に傾斜を付け、艦首に波避け兼用のブルワークを設けてステルス性に配慮した。また、高熱を出す機関室などは遮蔽され、冷却装置も備えている。主機や補機は二重の防震架台に取り付け、パイプにはフレキシブル・コネクターを使用、騒音を極力低減した。補給ステーションはドライカーゴ用と液体用がそれぞれ４ヵ所ずつある。艦内は４区画に分かれており、それぞれ独立したNBC防護装置を持つ。統合プラットフォーム管理システムIPMSを装備しており、主機、発電機、ダメコンなどを一括管理する。対空戦闘システムはイージスシステム・ベースライン５フェイズ�V相当のイージスシステム・ベースラインS1で、前部上構中央を上に延長して斜め四方にAN/SPY-1D用アンテナを配置している。船体規模が小振りなので、AN/SPY-1D用の電子機器は甲板２層に分けて搭載した。射撃指揮レーダー（スタンダード艦対空ミサイルと127mm砲用）はAN/SPG-62目標照射レーダー２基（アンテナ塔頂部、後部上構上）、対水上レーダー（マスト中段前部）はDRS製AN/SPS-67(V)4、対空捜索レーダーはアレニア社製RAN12L、航海レーダーはレイセオン社製AN/SPS-73(V)、赤外線追尾装置はシグナール社製シリウス（艦橋頂部）、ソナーはレイセオン社製DE1160LF低周波バウソナーのライセンス生産版。主砲管制用にドルナRE-O方位盤を持つ。電子戦装置はインドラ社製SLQ-380アルデバランESM/ECM装置（1-4番艦）とMk9000エルナト電波妨害装置（レギュラスMk9500？）。データリンク装置はリンク11、リンク16、AN/SRQ-4ヘリコプター用データリンク。煙突は２本で、前部煙突はAN/SPY-1Dレーダー塔後面と一体化した。航海艦橋は上構前端02甲板にあり、艦橋前面に折り畳み式洋上補給装置を持つ。全長146.7m・481フィート、全幅18.6m・61フィート、吃水7.2m（4.8m？）、基準排水量4555トン、満載排水量5838-6250トン。主機はCODAG（CODOG？）方式、GE社製LM2500ガスタービン（23664馬力・17.4MW）２基＋バサン・キャタピラー社製3600シリーズ・ディーゼル（6120馬力・4.5MW）２基、５翅可変ピッチプロペラ２軸推進、巡航速力18ノット、最大速力28.5ノット、航続距離5000海里（18ノット）。発電機はバサンMTU社製12V396TE54ディーゼル発電機（1.1MW）４基（うち予備１基）。兵装は48セルMk41VLS１基（上構と主砲の間。SM-2MRブロック�VＡ／�VＢ32発、発展型シースパロー64発）、127mm砲Mk45Mod2（タラワ級強襲揚陸艦に装備されていたMod1を購入して改良したもの）１門（前甲板）、25mm単装機関砲Mk38Mod2が２門（F104のみ。ヘリ格納庫上面両舷）、90口径20mm機関砲２門、ハープーン・ブロック1D／ブロック�U艦対艦ミサイル用４連装発射筒Mk141（前後煙突間）２基、324mm短魚雷用固定式連装発射管Mk32Mod9（Mk46Mod5短魚雷）２基、ABCASS/SSTDS対潜迫撃砲２門。後部上構がヘリ格納庫、後甲板がヘリ甲板で、SH-60Bヘリ１機を搭載できる。Mk36Mod2SRBOC用６連装発射機Mk137を４基装備しており、Mk214チャフ及びMk186フレアの射出が可能である。魚雷防御用にAN/SLQ-25Aニキシーを装備する。乗員201名（士官35名＋兵員215名？）。2002-06年にF101アルヴァロ・デ・バザン、F102アルミランテ・ファン・デ・ブルボン、F103ブラ・デ・レソ、F104メンデス・ヌネスが就役した。2007-10年、イージスシステムをベースラインS1からベースラインS2（ベースライン６相当）に換装し、SM-2ブロック�VＢの運用能力を追加、CECを付与した。トマホーク運用能力とBMD能力も追加する予定だったが、予算不足で行われていない。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究12,’06、5,’01、JShips Vol.20、月刊世界の艦船9,’16、12,’19、4,’10、10,’11、11,’14、9,’20

＜Ｆ−１００級フライト�U＞：５番艦で、2006年7月に追加建造が承認された。イージスシステム・ベースライン7.1相当のイージスシステム・ベースラインS3を搭載しており、レーダーをAN/SPY-1D (V)、対水上レーダー（マスト中段前部）をインドラ製アリーズ�U、ソナーをロッキード・マーチン社・インドラ社共同開発のLW-HP53アクティブ・パッシブソナーに換装し、電子戦装置のうちインドラ社製SLQ-380アルデバランESM/ECM装置をインドラ社製リゲルESM/ECM装置に更新した。５番艦F105クリストーバル・コロンが2012年に就役した。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究12,’06、5,’01、JShips Vol.20、月刊世界の艦船9,’16、12,’19、4,’10、10,’11、11,’14、9,’20

＜Ｆ１００用整備器材＞：自衛隊の機器。三菱商事またはアイ・エヌ・シー・エンジニアリングが受注している。参考：月刊軍事研究7,’14、8,’14

＜Ｆ１０１＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、ヤーマス（Yarmouth）。1960年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船5,’83、月刊丸12,’92

＜Ｆ１０１＞：カタール海軍ドーハ級コルベット１番艦アル・ズバラ（Al Zubarah）。2018年7月起工、2020年11月18日公試開始。2021年10月、カタール海軍に納入された。参考：月刊世界の艦船2,’21、5,’21、11,’21、1,’22

＜Ｆ１０１＞：スペイン海軍F100アルヴァロ・デ・バサン級イージスフリゲート１番艦アルヴァロ・デ・バサン（Álvaro De Bazán）。1999年7月14日起工、2002年9月就役。2003年7月、戦闘システム艦艇装備認定試験を実施。SM-2ブロック�VＡの発射試験を実施、高度30mの亜音速目標を距離26kmで撃墜するなど高性能を発揮した。また、アメリカ海軍のDDG-87メイスンとの連携試験も成功裏に終えた。2012年3月24日、大西洋上でCVN-65エンタープライズ空母打撃群、ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲートF209ラインラント・プファルツ、オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビンシェン級ミサイル・フリゲートF804デ・ロイテル、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH339シャーロットタウンなどとNATO合同訓練を行った。2016年1月28日、NATO第１常設水上部隊の一員としてイギリス海軍23型フリゲートF234アイアン・デューク、スペイン海軍カンタブリア級補給艦A15カンタブリアと共にロンドンのテムズ川下流ウォーター・フロント再開発地区に寄港。3月3日からコールド・レスポンス2016演習に参加。2017年9月24日から10月18日、イギリス西方ヘブリデスで多国間演習フォーミダブル・シールドに参加。10月15日、ESSMで対艦ミサイル１発を撃墜した。2018年6月1-15日、バルトップス2018に参加。6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。6月25日から7月6日、ダイナミック・マングース2018に参加。2020年9月28日から10月8日、ダイナミック・マリナー2020に参加。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊軍事研究12,’06、月刊世界の艦船6,’12、4,’16、6,’16、1,’18、9,’18、10,’18、1,’21

＜Ｆ−１０１シリーズ＞：アメリカ空軍戦術核兵器搭載侵攻戦闘機、別名ブードゥー（Voodoo）、通称One-O-Wander（101から）。1946年からペネトレーション・ファイター計画で開発された爆撃機編隊護衛戦闘機XF-88/XF-90/YF-93が失敗に終わり、朝鮮戦争でB-29がMiG-15の迎撃を喰らって大損害を受けたため、ジェット爆撃機を援護する長距離爆撃機援護戦闘機の必要性が痛感され、戦略航空軍団からマクダネル社にXF-88Aベースのエンジン強化型として開発命令が出された。1951年11月にF-101ブードゥーの名称が付き、1952年7月にモックアップ審査に合格、1953年5月28日にウェポンシステムWS-105Aとして先行量産型31機が発注（後に２機がRF-101/WS-105Lに変更）された。この際、遙かモスクワまで向かうような戦略爆撃機の長距離護衛はさすがに無理ということでSACが方針を転換し、主任務を長距離核攻撃に変更、爆撃機の護衛を副次任務としている。1954年9月29日に初号機が初飛行し、マッハ1.07を出した。ちなみに初飛行で音速を突破したのは世界初である。1957年5月2日から量産機がSACに引き渡されたが、主に予算の関係でSAC隷下の戦闘機部隊を戦術航空軍団に移管することになり、7月1日に配備部隊が戦術航空軍団に移った。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings2,’05、月刊丸2,’07、戦闘機のしくみ

　＜Ｆ−１０１Ａ＞：XF-88Aを全面改設計し、エンジンをアリソン社製J71双発に変更して胴体を20.54mに延長、エアインテイクを大型化し、垂直尾翼を拡大、水平尾翼を垂直尾翼上方に移した。主翼は翼型が付け根NACA65A007・翼端NACA65A006、後退角35度、取り付け角１度、アスペクト比4.3で、主翼内翼部後縁を延長して翼面積を広げ、兵装搭載能力を向上している。FCSは小型戦術核兵器に対応するMA-7、レーダーはAN/APS-54、射撃照準器はAAM対応のK-19、核爆弾用爆撃照準器はMA-2LABS（低高度爆撃システム）／LADDとM-1TBS（トス爆撃システム）。機首上面に引き込み式空中給油受油プローブ、胴体上面にフライング・ブーム式空中給油受油口を持つ。水平尾翼は全遊動式で、後退角35度、上反角10度。全長20.55m、全幅12.09m、全高5.49m、自重16.783トン、最大離陸重量23.134トン。翼面積34.2平方メートル。エンジンはP&W社製J57-P-13（A/B時推力6.804トン）双発、最大速度1720km・マッハ1.51、実用上昇限度13960m、航続距離3960km。荷重制限6.33G。固定武装は機首下部左右の20mm機関砲M39計４門。胴体下面の引き込み式６連装パック２基に70mmFFAR計12発を搭載し、AIM-4A空対空ミサイル３発を胴体下に半埋め込み式に装備する。ハードポイントは中央翼下面に計３カ所で、両側に450ガロン（1703リットル）増槽１基ずつ、中央にMk7/B28などの核爆弾を積む。乗員１名。77機が生産され、うち初期型29機は実用試験用とされ、ブロック20以降の48機が実戦配備された。テストの結果、エンジンのコンプレッサー・ストール、ピッチアップ、イナーシャ・カップリングといった問題点が判明。エンジンの方は解決したが、水平尾翼の位置に起因するピッチアップ（一定迎え角で主翼洗流が水平尾翼にぶつかり大きな下向きの力を発生させる）と機体形状に起因するイナーシャ・カップリングはどうにもならず、迎え角が一定を超えると警報が鳴った上で自動的にピッチダウンさせる装置を付けたり、高速時の360度ロールを禁止したりといった解決策を取ったため、ドッグファイトがほぼ不可能になってしまった。1956年から配備される予定だったが、テストで判明した問題の解決に時間がかかったのと、朝鮮戦争休戦による開発ペースダウンにより遅れが発生、1957年5月2日からSACに配備され、7月1日にTACに移管された。1958年にはF-105Bの配備が始まったため、部隊はUSAFEに移されてイギリスに展開、全天候核戦闘爆撃機（Mk7、B28、B43搭載）として使用された。AIM-4A発射時にロケット排気を吸い込んだエンジンが停止する事態が発生したため、生産後に半埋め込み式ランチャーの両脇にフェンスを追加している。1966年に退役し、後に29機（28機？）がRF-101Gに改修されて州兵航空隊に配備された。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings2,’05、アメリカ空軍の第一線機、月刊丸2,’07、アメリカの核兵器

　＜Ｆ−１０１Ｂ＞：複座全天候迎撃戦闘機型。F-102/F-106の開発が難航したため、速度・航続性能に魅力を感じた防空軍団の要求により、F-106AのバックアップとなるウェポンシステムWS-217として1955年2月から開発された。SAGEとリンクしつつ、２名乗りの利点を活かして自律迎撃任務に就き、高速性とズーム上昇で敵戦略爆撃機に急速接近し、ミサイルや核ロケットで叩き落として帰ってくるのが主任務である。マクダネル社と空軍研究開発コマンドはF-109という制式名称を要求（公式ではないようだ）したが、却下された。武装はミサイルのみとされ、機関砲を撤去したスペースを流用してレーダー要撃士官（WSO）席とウェポンベイを設置、ロータリーランチャーにミサイルを搭載する。Ｔ字尾翼特有のピッチアップとFCSのマッチング及び能力不足に悩まされ、配備が18ヶ月も遅れた。機首にはピトー管が突き出ており、レドームにはMG-13火器管制レーダーを搭載、レドーム上部には空中給油受油プローブを持つ。このMG-13はF-89DのE-6がベースだったため、速度も航続距離も倍のF-101には適応困難で、F-106用MA-1への交換も許可されず、中央大気諸元コンピュータを改良して何とか間に合わせている。また、SAGEの地上管制によりFCSの能力不足を補うと共に、WSOによるマニュアル・インターセプトや、後日搭載した赤外線照準装置により、ECCM能力を獲得した。内翼フラップは下げ角50度で、外翼には作動角上下21度ずつのエルロンがある。エンジン排気口上方にスピードブレーキを持つ。胴体にミサイル搭載用ウェポンベイがあるが、ドロップタンクを付けると扉が開閉できなくなる。また、スペース確保のため、燃料搭載量が965リットルほど減った。重量増に対応してエンジンと降着装置を強化しており、エンジン冷却用ラムエアインテイクを胴体後部下面に増設、主輪も大型化したので主脚カバーに小さいバルジを追加している。機体尾部にはドラッグシュートを収容した。水平尾翼は垂直尾翼上方に付く。AN/AJN-3ジャイロコンパス、AN/ARC-34UHF送受信機、AN/ARN-21UHF送受信機、AN/ARN-14受信器、AN/APZ-25トランスポンダーを装備する。全長21.67m（ピトー管含む）、全幅12.09m、全高5.49m、運用自重14.61トン、最大離陸重量23.565トン。翼面積34.18平方メートル。エンジンはP&W社製J57-P-55（ミリタリー推力4.85トン、A/B時推力7.666トン。初期にはJ57-P-53、A/B時推力7.257トン）双発、巡航速度887km、最大速度マッハ1.85（クリーン状態）、燃料容量7961リットル（＋増槽3407リットル１個）、実用上昇限度16700m（15450m？）、戦闘行動半径250-400海里（増槽２基）、航続距離1400海里（フェリー）。兵装はAIM-4ファルコン４発またはAIM-4ファルコン２発＋AIR-2ジニー空対空核ロケット２発（1961年7月から）。乗員２名。能力は不足気味だったが、F-106の３分の１という価格は魅力で、1957年3月27日に初飛行し、1959年1月5日からアメリカ空軍防空軍団第60戦闘迎撃飛行隊に配備されて北米防衛用のSAGEに組み込まれ、1961年3月13日までに479機が配備された。そのうち72機は複操縦装置（エンジンスタート・エンジンオフ、A/B点火、脚操作などは不能）を取り付けており、1961年2月3日にF-101Fに改称された。また、56機が1961年からカナダ防空軍に引き渡されてCF-101Bとして使用されている。残りは1963-66年に近代化され、空中給油受油プローブを撤去して赤外線センサーを追加し、FCSを改良するなどしてECCM能力と低空目標探知能力を強化した。1968年には23機がTF-101Bに改造され、それ以外は1968年4月からMB-5自動操縦システムのピッチ制御機能を改良している。ただ1968年から防空軍団の任務に対戦闘機戦が加わり、本機はその任務には不向きであると判断されたため、1971年（1969年？）までに防空軍団を退役して州兵航空隊に回され、25機はRF-101Bに改修された。1983年に州兵航空隊からも退役した。参考：月刊航空ファン11,’92、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機、空軍、月刊JWings2,’05、10,’09、5,’14、月刊丸2,’07

　＜Ｆ−１０１Ｃ＞：Ａ型の機体強度を強化し、制限荷重を6.33Gから7.33Gにして低空侵攻核攻撃能力を高めたタイプ。垂直尾翼前縁上部にエアスクープが追加されており、アフターバーナー使用時にエンジン尾部を冷却して使用時間を延長する。1956年に発注され、1957年8月に初号機が初飛行し、47機が生産されて1957年9月からTACに配備された。1966年に退役し、31機がRF-101Hに改造された。参考：月刊航空ファン11,’92、6,’16、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊丸2,’07

　＜Ｆ−１０１Ｆ＞：F-101Bに複操縦装置を追加したもので、新規生産14機に加え、F-101Bという名称のまま複操縦装置を取り付けていた72機とTF-101Bのうち複操縦装置を装備する４機が1961年2月3日にF-101Fと名称統一された。TF-101Bだった機体以外はF-101Bと同等の迎撃能力を持つ。10機がカナダ防空軍に供与された。参考：月刊航空ファン11,’92、アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−１０１ファミリー＞

　＜ＹＲＦ−１０１Ａ＞：試作偵察機型。1953年10月11日に戦略航空軍団がF-101A先行量産型のうち２機を偵察機型原型に変更するようマクダネル社に下命し、初号機は1955年6月30日に初飛行した。参考：月刊航空ファン11,’92

　＜ＲＦ−１０１Ａ＞：高速偵察機型で、新規生産されたもの。機首を延長して角張った形状に変更し、機関砲を撤去、前方からフェアチャイルド製KA-2前方斜めカメラ（12インチ・305mmレンズ）１基、トライメトロゴンKA-2カメラ（６インチ・152mmレンズ）３基、KA-1垂直スプリットカメラ（36インチ・914mmレンズ）２基（M39機関砲の弾倉スペースに搭載）を積んでいる。AN/APN-22航法レーダー、VF-31ビューファインダー、ユニバーサル・カメラ・コントロールシステムを備え、前方斜めカメラ以外は動像補正機能の追加が可能で、超低空高速偵察に対応できる。夜間偵察時にはKA-46カメラとフレア投射機を使う。B28/B47/B57核爆弾の運用能力が残されている。全長21.1m。35機が生産され、戦術航空軍団に配備されてRB-57偵察機の後継として使用された。1964年からカメラシステムの近代化改修が行われ、前方斜めカメラをKA-72Aに、トライメトロゴンをKA-56パノラミック・カメラ１基に換装している。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings2,’05、月刊丸2,’07

　＜ＲＦ−１０１Ｂ＞：高速偵察機型で、カナダから返還されたCF-101Bを改造したもの。RF-101G/H退役後も偵察機不足に悩まされたために開発されたもので、FCSと機関砲を外し、機首下面にバルジを設けてカメラベイを拡大、RF-101G/Hと同様のカメラ器材を搭載し、AN/AXQ-2テレビカメラを機首部に収容している。1971年に１機がテストされ、量産型として22機が改造されてネバダ州空軍に配備され、３年でRF-4Cに交代した。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings2,’05

　＜ＲＦ−１０１Ｃ＞：新規生産の偵察機型。F-101Cベースで、RF-101Aの荷重制限を7.33Gにアップしたものともいう。全長21.11m、全幅12.09m、全高5.49m、自重11.919トン、総重量18.3-21.773トン。翼面積34.2平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J57-P-13（ドライ最大推力4.627トン、A/B時推力6.75トン）双発、巡航速度887km、最大速度マッハ1.7、上昇限度15850m、航続距離2750-4100km。乗員１名。166機が新規生産され、1958年7月のレバノン紛争、1962年10月のキューバ危機で強行偵察を実施した。ベトナム戦争にも参加、44機が失われている。1964年からカメラシステムの近代化改修が行われ、前方斜めカメラをKA-72Aに、トライメトロゴンをKA-56パノラミックカメラ１基に換装した。1976年までに全機退役。参考：月刊航空ファン11,’92、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings2,’05、月刊丸2,’07、空軍

　＜ＲＦ−１０１Ｇ＞：偵察機型。ベトナム戦争でRF-101Cの損耗が激しく、RF-84Fの後継機として数を揃えられなくなったため、第81戦術戦闘航空団から退役したF-101Aを改造することになり、27機が改造を受けた。FCSと機関砲を外してKS-87前方斜めカメラ１基、KA-56パノラミックカメラ１基、KS-87垂直スプリットカメラ２基を装備したが、ビューファインダーは無い。後にAN/AXQ-2テレビカメラによるモニター装置を機関砲弾倉部だった所に追加した。1971年に退役。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊丸2,’07

　＜ＲＦ−１０１Ｈ＞：偵察機型。RF-101Gと同様の経緯でF-101Cから改造され（改造内容もRF-101Gと同様）、32機が配備された。1971年に退役した。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊丸2,’07

　＜ＴＦ−１０１Ｂ＞：練習機型。F-101BのFCSを外してバラストを積んでいる。1959年から23機が引き渡された。４機には複操縦装置が搭載されており、後にF-101Fと改称された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＴＦ−１０１Ｃ＞：練習機型。カナダから返還されたCF-101Fである。参考：月刊丸2,’07

＜Ｆ−１０１海外シリーズ＞

　＜ＣＦ−１０１Ｂ＞：カナダ防空軍戦闘機。F-101Bを導入したもので、パインツリー共同運用の見返りとして1961年6月12日に供与が決まり、CF-100の後継として56機を受領した。1970年11月に残存機はアメリカに返還され、改めて近代化レストア機56機が供与されて1985年まで使用されている。返還機のうち22機はRF-101B偵察機に改造された。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings2,’05、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｆ−１０１海外ファミリー＞

　＜ＣＦ−１０１Ｆ＞：カナダ防空軍複座練習機。F-101Fを配備したもので、1961年6月12日に10機の供与が決まった。1970年11月に残存機をアメリカに返却、近代化レストア機10機が再度引き渡され、1986年までに退役し、アメリカに返還されてTF-101Cとなった。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊丸2,’07、月刊JWings2,’05、アメリカ空軍の第一線機

　＜ＥＦ−１０１Ｂ（カナダ）＞：カナダ空軍電子目標機。ソ連爆撃機を模したもので、１機を導入し、1987年まで使用した。参考：月刊JWings2,’05

　＜巫毒式偵査機＞：台湾空軍偵察機。RF-101Aを導入したもので、1959-60年に８機が供与された。運用期間は1959-73年で、中国本土沿岸部の強行偵察を191回実施し、１機が高射砲に、２機が殲撃６型に撃墜された。その後、３機がアメリカに返還され、１機が空軍軍史館に展示され、１機が台湾航空科学館に展示され、１機が花蓮基地のゲートガードになっている。とすると総計は９機になる筈だが、Ａ型またはＣ型といわれる９機目が存在したのか、アメリカに返還される筈の機体が台湾に残ることになったのかは不明である。参考：月刊航空ファン8,’09、11,’92、月刊JWings2,’05

＜Ｆ１０１ターボファンエンジン・シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボファン・エンジン。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ１０１−ＧＥ−１００＞：B-1A爆撃機に搭載された。バイパス比２、インレット・ガイドベーン１段、ファン２段、圧縮機は軸流式９段、燃焼器はアニュラー型、タービンは高圧１段・低圧２段、アフターバーナー付き。離昇推力13.608トン以上。全長4.596m、エアインテイク径1.397m、乾燥重量1.814トン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｆ１０１−ＧＥ−１０２＞：B-1B爆撃機に搭載された。圧縮機２＋９段、燃焼器はアニュラー型、タービン段数１＋２段、離昇推力30000ポンド（13.6トン）。全長181インチ（4.6m）、直径55インチ（1.4m）、重量4400ポンド（２トン）。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ１０２＞：カタール海軍ドーハ級コルベット２番艦ダムサ（Damsah）。2021年2月13日進水、6月14日公試開始。2022年4月28日竣工、フィンカンティエーリ社ラ・スペチア造船所でカタール海軍に引き渡され、イタリアで訓練に入った。7月28日、イタリアのラ・スペチアを出港し、訓練のためタラントに向かった。参考：月刊世界の艦船5,’21、9,’21、7,’22、10,’22

＜Ｆ１０２＞：スペイン海軍F100型アルヴァロ・デ・バサン級イージスフリゲート２番艦アルミランテ・ドン・ファン・デ・ブルボン（Almirante Don Juan de Borbón）。2000年10月27日起工、2002年2月進水、2003年12月就役。2011年5月20日、NATO共同訓練に参加。2014年9月8-10日、黒海でシー・ブリーズ2014演習に参加。2017年2月1-11日、黒海でシー・シールド2017演習に参加。2019年6月9-21日、バルトップス2019に参加。2022年6月16日、サンタ・マリア級フリゲートF-82ヴィクトリアと共に、大西洋ジブラルタル海峡西で日スペイン共同訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと戦術運動訓練などを行った。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船8,’11、12,’14、7,’17、9,’19、9,’22

＜Ｆ−１０２シリーズ＞：アメリカ空軍全天候迎撃戦闘機、別名デルタ・タガー（Delta Dagger）。ソ連の高速長距離爆撃機に対抗するため、実用上昇限度15000m以上、最大速度マッハ１以上の要求が1950年10月に出され、コンベア社の案が採用され、FCS・ミサイル・機体を最初からシステムとして設計した。AIR-2Aジニーの搭載が検討されたが、開発遅延をきたすので中止されている。在日米空軍にも配備され、三沢、横田（1961年から）、板付でスクランブル任務に就いた。返還前の沖縄にも配備されている。参考：月刊JWings6,’05、10,’04、6,’18、3,’20、月刊軍事研究8,’01、アメリカの核兵器、月刊航空情報5,’18

　＜ＸＦ−１０２＞：計画案。クック・クレイギー計画で試作されることになったため、実機は製作されていない。機体やエンジンはFCSや各種アビオニクスと共にWS201A防空システムとして設計されている。XF-92がベースで、機体サイズを２割拡大し、機首にレーダーを搭載するためエアインテイクを機首両側面に移した。無尾翼デルタ翼機で、ミサイルは胴体内に収容する。目標速度性能は高度18900mでマッハ1.93。参考：月刊JWings6,’05、10,’10、月刊航空ファン2,’18

　＜ＹＦ−１０２＞：試作機。ライト社製J67エンジンを搭載する予定だったが、開発が遅れ、代替のウエスティングハウス社製J40も開発できず、プラット＆ホイットニー社製J57を載せることとした。電子管制システムも完成せず、ヒューズ社製MG3に変更している。1954年に実用化させる筈だったが、1951年秋には遅延が明確となったため、取り敢えず完成したものをWS201Aに纏めてF-102Aを作り、完全版はWS201BとしてF-102Bを開発することにした。初号機は1953年10月24日に初飛行し、以降テスト飛行を繰り返したが、７回目のテストで墜落。1954年1月11日に２号機が初飛行してテストを引き継いだものの、ウェポンベイを設けた太い円筒形の胴体にデルタ翼と垂直尾翼を付けただけの機体では機体断面積変化が急激すぎて抗力も大き過ぎ、水平飛行では音速をどうしても突破できず、30度降下でマッハ1.29を出すのがやっとだった。参考：月刊JWings10,’10、6,’05、月刊航空ファン2,’18、月刊航空情報5,’18

　＜ＹＦ−１０２Ａ＞：改良試作型で、エリアルールを採用し、全長を2.13m延長、主翼形状や取り付け位置を変更し、風防形状を改良するなどした。エリアルールに適合させるため、垂直尾翼前縁付近で最細となるよう胴体を絞り込み、主翼より後ろの機体断面積激減を補うためエンジンのタービン位置を示す赤線より後方の胴体後部両側にバルジを設け、エンジンもJ57-P-23A（A/B時推力7.264トン）に強化している。量産型よりも風防の枠が多い。1954年12月19日に初飛行し、翌20日に音速を突破、量産が決定した。ただYF-102用の治具32000点40442000ドルのうち24000点19362000ドルが量産型には使えなくなった。参考：月刊JWings10,’10、6,’05、月刊航空情報5,’18

＜Ｆ−１０２Ａ＞：量産型で、1955年6月24日に初飛行、1956年4月に部隊配備された。機首にはレーダーやアビオニクスが詰め込まれ、先端にはピトー管がある。キャノピー断面は三角形（初期型はYF-102と同じずんぐりとしたタイプ）で、前方に赤外線センサーを持つ。主翼は単純デルタ翼で、主翼前縁にはピッチアップ防止のコニカル・キャンバーが付けられ、２カ所にフェンスが装備されている。主翼後縁にはエレボンがある。胴体はエリアルールが適用されており、エンジンのタービン位置を示す赤線より後方の胴体後部左右には胴体断面積変化が滑らかとなるようにフェアリングが付けられた。垂直尾翼は直角三角形で、付け根後部には左右に開くスピードブレーキとドラッグシュート格納部があり、上部左右にはVHFアンテナがある。搭載FCSはMG-10。降着装置は前輪式で、前脚は前方引き込み、主脚は付け根が主翼下面にあって内側引き込みであり、主輪は胴体内に収まる。デルタ翼機なので離着陸速度が速く、仰え角も大きめに取らねばならず、風防の真ん中に枠が走っているので前が見づらい。全長20.82m、全幅11.62m、全高6.45m、総重量12.565-14.290トン。翼面積61.5平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J57-P-23A（ミリタリー推力5.9トン、A/B時推力7.26トン）単発、最大速度1328km・マッハ1.25、戦闘高度51800フィート（15789m）、戦闘行動半径1050km（増槽２本）、最大航続距離2173km。固定武装は無い。兵装はAIM-4C３発、AIM-26A１発含むファルコン空対空ミサイル６発、2.75インチ（70mm）空対空ロケット弾12発など。乗員１名。1958年4月までに873機（875機？）が生産され、26個飛行隊に配備された。ベトナム戦争にも投入されたが、SAGEに組み込まれて迎撃を行う機体をシステム外に放り出して活躍できる筈も無く、敵機を１機も墜とせないまま11機が撃墜されている。1973年に空軍から退役し、1975年には州航空隊でも退役した。参考：月刊JWings6,’05、10,’04、1,'24、空軍、月刊航空情報5,’18、月刊軍事研究8,’01、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン2,’18

　＜Ｆ−１０２Ｂ＞：アビオニクスを改良し、エンジンをライト社製J67に換えたタイプで、1955年に発注された。エンジン開発が遅れ、F-102Aからのシステム変更部分も多く、F-106Aと改称されて開発が続行された。参考：月刊JWings6,’05、8,’06、月刊航空ファン2,’18

＜Ｆ−１０２ファミリー＞

　＜ＰＱＭ−１０２Ａ＞：アメリカ空軍のフルスケール空中標的で、PQMはソフトパッド運用式標的用ミサイルのこと。F-15戦闘機の試験評価に使用する超音速標的機が必要になったため、ペイブ・デュース計画という名称で1970年代初めから開発され、スペリー・フライト・システムズ社と1973年3月に契約が締結され、QF-102試験機５機が製作されて採用され、58機が量産された。乗員用装備を全て外し、遠隔操縦システムや記録装置などを搭載、地上からのデータリンクで操縦される。予めプログラムした空戦機動を行うことも可能。自動操縦装置や指令受信システム、データ送信装置などは二重化されていて、模擬弾頭付きミサイルが直撃してある程度損傷しても帰投できるようになっている。1974年8月13日に初飛行し、1975年6月25日から標的として使用され、1977年初めまでに100回飛行し、各種対空ミサイル125発が発射され、31発に直撃された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン3,’17

　＜ＰＱＭ−１０２Ｂ＞：アメリカ空軍のフルスケール空中標的。1977年に発注された66機で、低空飛行モードを省略するなどシステムを簡素化し、記録システムや操作性を改善している。1985年まで運用された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン3,’17

　＜ＱＦ−１０２＞：試験機型。PQM-102A標的機のテスト用で、開発用に３機、実用型として２機が製作された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＴＦ−１０２Ａ＞：練習機型で、サイドバイサイド複座機である。1955年に初飛行し、111機が生産された。参考：月刊JWings10,’04、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｆ１０３＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、ロースタフト（Lowstofe）。1961年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ１０３＞：カタール海軍ドーハ級コルベット３番艦アル・ホール（Al Khor）。2022年12月22日、カタール海軍に納入されて就役した。参考：月刊世界の艦船3,’23、4,’23

＜Ｆ１０３＞：スペイン海軍F100型アルヴァロ・デ・バサン級イージスフリゲート３番艦ブラ・デ・レソ（Blas de lezo。ブラス・デ・レッソ？）。2002年2月28日起工、2003年5月進水、2004年12月31日就役。2017年9月29日から10月13日、ブリリアント・マリナー2017演習に参加。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船1,’18

＜Ｆ１０３Ｄ＞：ミラージュ�VDBR（戦闘機）を参照。

＜Ｆ１０３Ｅ＞：ミラージュ�VEBR（戦闘機）を参照。

＜Ｆ１０３−ＧＥ−１００＞：CF6-50E（ジェットエンジン）を参照。

＜Ｆ−１０４シリーズ＞：アメリカ空軍迎撃戦闘機。報道陣公開時のニックネームはThe ultimate manned fighter（最後の有人戦闘機、究極の有人戦闘機）だったというが、該当する文献が無いという説もある。正式なニックネームはスターファイターで、俗には人間の乗ったミサイルなどとも呼ばれた。朝鮮戦争でF-86が上昇性能、ダッシュ性能、高々度性能といった面でMiG-15に劣っていることが分かり、アメリカ軍パイロットも小型簡素で速度性能や運動性に優れる機体を望んでいたため、ロッキード社のスカンクワークスが設計し、速度・上昇性能重視の機体として完成した。アメリカでは各型計722機が発注されたが、あまりに速度・上昇性能に絞りすぎていたため、SAGE連動システム、BVRAAMを運用できる高性能レーダー、対地攻撃用アビオニクス、大量の通常兵器を搭載する余裕が無く、核戦争で航空基地が破壊された時に必要なSTOL性も持ち合わせておらず、試作機含め296機が作られて残りはキャンセルとなり、早期退役に追い込まれた。しかし西側諸国では好評で、15ヵ国に採用され、アメリカ向け含む総生産数は2578機に上る。戦闘法としては、まず8500mまで上昇し、水平飛行に移ってマッハ1.8以上に加速、そこからズーム上昇をかけて一気に爆撃機に襲いかかる方法をとる。参考：月刊航空情報8,’12、月刊JWings9,’05、5,’08、ジェット戦闘機、日本の戦力、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、世界の傑作機No.104

　＜Ｌ−２２４＞：最初の設計案の会社名称で、1952年に空軍に提案されたが、採用されなかった。重量26000-40000ポンド（11.8-18.1トン）。参考：月刊JWings5,’08

　＜Ｌ−２２７−０−１＞：単純デルタ翼型。参考：世界の傑作機No.104

　＜Ｌ−２２７−０−６＞：1952年3月に設計されたもので、機首にエアインテイクがあり、後退翼またはクリップドデルタ翼と翼端増槽を持つ。参考：月刊JWings5,’08

　＜Ｌ−２２７−０−１１＞：0-6と同じ時期に設計されたもので、エアインテイクは機体両脇にあり、コクピットが胴体に埋め込まれている。主翼はクリップドデルタ翼（前縁後退角55度）で、後縁フラップを付けて翼面積を極力減らし、摩擦抗力が低くなるよう工夫した。水平尾翼は垂直尾翼の中程から出ている。参考：世界の傑作機No.104、月刊JWings5,’08

　＜Ｌ−２２７−８−１＞：コクピットを通常型に変更したタイプ。主翼はクリップドデルタ翼で、ハードポイントを設けて増槽を搭載できるようにした。垂直尾翼は上に延ばされ、水平尾翼後縁に軽い後退角が付けられている。参考：世界の傑作機No.104

　＜Ｌ−２２７−１２−１＞：1952年6月に設計されたもので、X-3/X-7実験機のデータを踏まえ、大迎え角時の安定性（ダッチロール傾向）、構造重量、フラップの効きの面からデルタ翼でなく直線翼を採用した。アスペクト比を小さくしたため、主翼後縁のほぼ全長をフラップが占めており、ロール制御はスポイラーで行うようにしてある。参考：月刊JWings5,’08

　＜Ｌ−２２７−１４−１＞：1952年6月に設計されたもので、ツインテールブームになっている。中央胴体にはコクピットとエンジンが装備されており、両側のテイルブームと主翼で繋がれていて、ブーム後方に垂直尾翼と水平尾翼が付いているが、主翼はブームの外側には出ておらず、水平尾翼はブームの内側には出ていないという妙な形をしている。参考：月刊JWings5,’08

　＜Ｌ−２２７−１６−１＞：1952年7月に設計されたもので、L-227-12-1と同様の形状だが、主翼が低翼配置になり、エアインテイクが機首下面に移った。参考：月刊JWings5,’08

　＜Ｌ−２２７−１９−１＞：1952年11月に設計されたもので、エアインテイクが胴体側面両側に移っている。参考：月刊JWings5,’08

　＜Ｌ−２４６−１−１＞：1952年12月に設計されたもので、主翼に下反角が無く、水平尾翼が垂直尾翼の半ばから出ている他はF-104とほぼ同じ設計である。参考：月刊JWings5,’08

　＜ＸＦ−１０４Ａ＞：試作１・２号機で、L-246-1-1をベースに開発された。音速付近の抗力増加を抑制し、超音速では機首のマッハコーン内に主翼を全て収めて抗力を低くするため、胴体は極限まで絞り込んでエリアルールを採用、主翼は小型薄翼（翼厚比3.36%）の直線翼とし、翼端増槽を搭載、Ｔ字尾翼を採用した。Ｔ字尾翼は、水平尾翼が主翼後流の影響を受けにくくするためのものだが、垂直尾翼がローリングの原因になるという副作用が出たため、主翼に10度の下反角を付けて解決した。主翼前縁は抗力を減らすために厚さ0.25-0.13mmしかなく（前縁半径0.4mm）、駐機中は安全のためカバーを付けた。エンジンは大出力のものを採用しており、超音速でも余剰推力が発生するので音速を超えてからも加速が鈍らない。離着陸時の揚力アップのため、フラップ上面にBLC装置が付いている。機首後方の機体両側にエアインテイクが設けられており、そこが丁度エリアルールに適合する膨らみになった。エアインテイクには世界初のショックコーンが装備されており、これは当時は最高機密で、YF-104A公開時にもカバーが掛けられていた。緊急脱出装置は機首ごと外れるタイプを試作したが、装置を機体に組み込むスペースが無く、下方脱出式の射出座席となっている。自重4.87トン、総重量8.43トン。翼面積18.2平方メートル。エンジンはライト社製XJ65（推力5.45トン）、最大速度マッハ1.82。1954年3月5日（3月4日？2月28日？）に初飛行した。その後エンジンをアフターバーナー付きのJ65-W-7に換装して1955年3月25日にマッハ1.79を出している。初号機はＴ字尾翼にフラッターを起こして墜落したため、垂直尾翼の桁間外板を厚さ6.4mmのステンレス製として剛性を高めた。参考：月刊航空情報8,’12、月刊丸4,’07、月刊JWings9,’05、5,’08、2,’15

　＜ＹＦ−１０４Ａ＞：増加試作機で、1954年7月に17機が発注された。エンジンをXJ79-GE-3（A/B時推力6.71トン）に強化したことに伴い、全長を1.57m延長して燃料搭載量を増加させている。1956年2月16日に報道陣に公開され、翌日に初飛行した。2月18日にはマッハ２を記録している。機体改修に伴い、迎え角を取った時に主翼の翼端渦が水平尾翼を直撃するようになり、テスト中に迎え角15度を取ったところ翼端渦により水平尾翼が強烈に押し下げられて一気に迎え角60度になってしまい、更に横滑りから横転して操縦不能に陥り、１分間に3600-4500mも降下する事態が発生した。Ｔ型尾翼を採用している限り空力的に解決できないため、操縦桿の操作に制限を加えて対処している。また、M61バルカン砲とナサールF15A火器管制装置の適合にも手間取り、完成が遅れた。途中でベントラルフィンを装着するなどの改修を行っている。参考：月刊JWings9,’05、5,’08、月刊丸4,’07

　＜Ｆ−１０４Ａ＞：最初の量産型。1955年10月14日に発注されたが、テストが長引いたため、部隊任務に就いたのは1959年1月からである。一〇〇式重爆より重い標準重量10.84トンの機体に九七式戦闘機よりも小さい翼面積18.2平方メートルの主翼を装着してあり、上昇力と速度にいかに重点を置いてあるかが分かる。エンジンはショックコーンとアフターバーナーによりマッハ２でも大きい余剰推力を発揮するよう設計され、音速を超えても加速や機動性が鈍らず、ズーム上昇で高度30000mを突破できる。ショックコーンは頂角50度の固定式で、超音速飛行時にコーン先端からエアインテイクまでの距離とエアインテイク付近のダクト面積が最適になるよう設計されていて、衝撃波による総圧損失率を減少させる効果を持つ。主翼は中翼配置の完全片持ちテーパー翼で、翼型は凸レンズ型、前縁後退角27.5度、25%翼弦後退角18.3度、アスペクト比2.45、テーパー比2.7、翼厚比3.36%。主翼前縁の板厚は50ミクロンだが、更に砥石で削って仕上げている。主翼付け根でも厚さが100mm未満なので、前後の主桁と13本の補助桁に7075アルミニウムの削り出し外板を貼り付け、曲げ・捩り荷重を全て主部構造外板が負担するようにした。遷音速で風圧中心が移動しても不安定にならないよう、重心を主翼前縁付近（通常の機体より遙か前方）に置いてあるが、離陸時の機首上げに必要な水平尾翼の下向き揚力が大きくなっている。フラップやエルロンのヒンジラインは翼弦の71.7%の位置に設け、機軸に直交させるようにして効きを確保した。後縁フラップにはBLC装置が付いていて、エンジンから抽出した高圧空気を55カ所の隙間から超音速で噴射する。ヒンジ金具、作動筒、BLCダクト、増槽配管などは全て主翼内に組み込み、抗力を局限した。長い胴体に小さい主翼を付けたため、機体を引き起こしながらロールに入ると、横滑りと大迎え角に発散して最悪操縦不能や空中分解を起こすというロール・カップリングやイナーシャ・カップリングを生じる恐れがあり、垂直尾翼を大型化し、ベントラルフィン（Ａ型ブロック20以降）とヨーダンパーを取り付けて解決している。大型垂直尾翼の上反角効果を打ち消すため、主翼には10度の下反角を付けた。翼下パイロンは主翼に垂直になるよう取り付けるので、正面から見ると内側に10度傾いた格好になる。翼端増槽は主翼と水平に取り付ける。水平尾翼は垂直尾翼頂部に取り付けたＴ字配置で、主翼と同様の薄翼を採用しているため、引き起こし速度（VR）に達する前に引き起こし操作を行うと下面失速を起こすので注意が要る。ピッチングが起こりやすいという欠点があり、自動操縦装置と別に自動ピッチ制御装置を装備する必要があった。迎え角が一定以上になるとシェイカーが操縦桿が震わせてパイロットに警告し、戻さない状態が続くとキッカーが作動して操縦桿を自動的に前に倒すと共に、キャノピー付近の胴体側面にある小翼（センターベーン）が動いて機首上げを防ぐ。ただ急降下からの引き起こし時に作動してしまい、地面に突っ込みかけることがあるので注意。AIR-2Aジニー空対空核ロケットの搭載が検討されたが、発射テストのみで実際には装備されていない。キャノピーは左開きで、アメリカ戦闘機としては珍しく右から乗るが、バルカン砲を左に付けた関係らしい。防空戦闘用の機体だったが、後に完成したSAGE防空システム用データリンク機材を積み込むスペースを確保できず、153機が生産されたのみに止まった。生産途中で射出座席を下方脱出から上方脱出に変更した。参考：世界の傑作機No.104、ジェット戦闘機、月刊JWings9,’05、月刊丸4,’07、日本の戦力、アメリカの核兵器、航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン7,’19

　＜Ｆ−１０４Ｃ＞：戦術航空コマンド向け。胴体下部に方向安定フィンを装備し、エンジンをJ79-GE-7Aに換え、コクピット左下部に空中給油受油装置を追加した。胴体下・主翼下にハードポイントを増設し、B28核爆弾（後にB43/B57/B61も）及び通常爆弾、ロケット弾、ミサイルの搭載を可能としている。ただサイドワインダーの発生する揚力が意外と大きく、片方だけ発射すると機体が傾くという現象が発生したため、ヨーダンパーのゲイン設定を調整して解決した。全長16.7m、全幅6.99m、全高4.11m、自重5.68トン、最大離陸重量12.49トン。エンジンはJ79-GE-7A（ミリタリー推力4.54トン、A/B時推力7.17トン）単発、最大速度2338km、実用上昇限度17990m、最大航続距離3040km。固定武装は機体左下部のM61バルカン砲１門。乗員１名。77機が生産され、ベトナム戦争にも参加した。参考：月刊JWings9,’05、月刊丸4,’07、世界の傑作機No.104

　＜Ｆ−１０４Ｇ＞：NATO諸国向け多用途戦闘機（迎撃／制空戦闘／対地攻撃）型。アスペクト比が小さく翼面荷重の高い主翼が低空での乱流に強いことを利用し、低空侵攻による戦術核攻撃も行える。Ｃ型の構造を強化し、垂直尾翼と方向舵を大型化、電子機器を改良した。水平尾翼も増積して方向安定性を向上させると共に、取り付け位置を後方にずらして干渉抵抗を減少させ、上昇性能と加速性能を強化、燃料消費量を改善している。ナサールF-15AM-11射撃統制装置を搭載しており、全天候空対空迎撃／空対地攻撃が可能。全長16.69m、全幅6.68m、総重量10.84-12.97トン。エンジンはJ79-GE-11A（A/B時推力7.17トン）単発、最大速度マッハ２、戦闘行動半径320海里（AIM-9AAM２発＋450kg爆弾２発＋翼端増槽２本Hi-Lo-Hi）／260海里（同Lo-Lo-Hi）／600海里（340kg爆弾２発＋増槽４本Hi-Lo-Hi）。固定武装はM61バルカン砲１門（750発）。兵装搭載量1.95トン。ハードポイントは胴体下面１カ所と主翼下面１カ所ずつで、空対空ミサイル2-4発を搭載可能。いざという時にはB28/B43/B57/B61核爆弾１発を搭載して戦術核攻撃任務に就く。1958年11月に西ドイツが採用し、イタリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スペイン、デンマーク、トルコ、ノルウェー、ベルギーなども配備した。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空情報8,’12、月刊丸4,’07、アメリカの核兵器、世界の傑作機No.104

＜Ｆ−１０４ファミリー＞

　＜Ｆ−１０４Ｂ＞：複座練習機型。F-104Aベースで、36機（26機？）が生産された。参考：月刊JWings9,’05、月刊航空情報8,’12

　＜Ｆ−１０４Ｄ＞：複座練習機型。F-104Cベースで、21機が生産された。参考：月刊JWings9,’05

　＜ＪＦ−１０４Ａ＞：反動制御システム実験機。空気が薄く舵の効かない高々度で過酸化水素スラスターにより機体を制御する実験に使用された機体で、主翼端ポッドと機首にスラスターがある。1959年にYF-104から１機が改造され、テスト結果はX-15に活かされた。参考：月刊JWings6,’15

　＜ＮＦ−１０４Ａ＞：特別試験機で、アメリカ空軍航空宇宙研究パイロット学校の宇宙飛行士訓練用に開発された。F-104Aの垂直尾翼付け根後部にLR-121-NA-1/AR2-3ロケット（推力1.497-2.994トンの可変式）を搭載し、強烈なズーム上昇により高度30000m以上に到達できるようにしたものである。ロケットの推力線が機体重心を通るよう、AR2-3は９度前下がりに装着されている。燃料はJ79ターボジェットエンジンと同じJP-4、酸化剤は90%過酸化水素を使う。垂直尾翼はTF-104Gの大型垂直尾翼に換装したが、高々度では舵が効かなくなるため、機首と翼端ポッドに過酸化水素スラスター（触媒で分解して高温水蒸気を噴出する）を仕込んでおり、計器板に新設したＵ字ハンドルで機体姿勢を制御する。レーダーやアビオニクスはほぼ全て撤去し、スラスター用過酸化水素タンク（ロケット用とは別）や加圧用機体窒素タンクを積んだ。ショックコーンはマッハ2.2で最適化されるよう、鋭い形状となっている。初号機は1963年7月9日に初飛行し、３機が引き渡された。10月10日にチャック・イェーガーがソ連のYe-166による高度記録34713mを破るべく３号機で飛行したが、上昇中に機体が制御不能となりフラットスピンを起こし、ドラッグシュートで回復を試みたが機体に絡まって開かなかったたため、射出座席により脱出、挑戦は失敗した。イェーガーは射出座席と分離した後で射出用ロケットの噴射炎を浴びてしまい、大火傷を負っている。その後は１・２号機にドラッグシュートや度々爆発事故を起こしていた過酸化水素タンク・配管の改良を施し、1968年5月からテストに復帰した。1971年6月15日、初号機が飛行中にロケットを点火した際、過酸化水素漏れで爆発する事故を起こした。エドワーズ基地には戻ってきたが、既にアポロ計画も軍用宇宙ステーション計画も継続される見込みは無く、２号機共々退役した。２号機はテストパイロットスクールに展示されている。参考：月刊JWings6,’15、月刊丸4,’07、世界の傑作機No.104

＜Ｆ−１０４海外シリーズ＞

　＜ＣＦ−１０４＞：カナダ空軍戦術核攻撃機。1959年にカナデア社製セイバーの後継として採用され、カナデア社でのライセンス生産も決定、1961年に初号機が初飛行した。ベースはF-104G、主任務は小型核爆弾１発を搭載しての戦術核攻撃で、1970年代初めには高度100フィート（30.5m）を600ノットで駆け抜けながらの通常兵器による地上攻撃任務が追加されている。複座のCF-104Dと合わせて238機を量産し、カナダには訓練部隊のみ配置、実戦飛行隊は全て西ドイツ（NATO脱退まではフランスにも）置いていた。1986年に退役した。参考：月刊航空ファン10,’17

　＜Ｆ−１０４Ｇ（ドイツ連邦空軍）＞：ドイツ空軍戦術戦闘機。戦術核攻撃任務をこなすため、NATOによる戦術評価試験を毎年２回受けており、それに向けた訓練も過酷で、墜落事故が頻発した。参考：月刊航空ファン11,’16

＜Ｆ−１０４Ｊ＞：航空自衛隊要撃戦闘機。栄光という愛称が付けられたが、誰もそう呼ばない。F-104Gをベースにした独自の要撃戦闘機型で、F-86後継として1964年から配備した。FCSをナサールF15Aから爆撃計算機構（M-2爆撃コンピュータ含む）を外したナサールF15Jに換装し、BADGEシステム用データリンクを搭載する。収容スペースはコクピット後方の電子機器室で、ガス缶（ジープの補助燃料タンクに形が似ている）と通称される円筒ケースの中に詰め込まれ、左右４個ずつセットされる。レドームは９層のガラス繊維強化エポキシ樹脂で出来ており、胴体に固定する後部のみ金属製である。風防直前に赤外線探知装置の装着基部があり、悪天候時の目標探知（排気熱を捉えて照準器に×印を表示）に使用する予定だったが、３機に試搭載されたのみで採用されず、残りの機体には基部だけ付けられた。射出座席は下向き射出（一番事故の多い離着陸時に使うと逆に死人が増える）でなく上向き射出に換装すべきという提案に基づき、ロッキード社製C-2射出座席（高度ゼロ、速度120ノットで緊急脱出可能）を川崎重工などでライセンス生産して装備した。離着陸に2400m級滑走路が必要だったため、どの自衛隊飛行場にも緊急着陸できるようベントラルフィン部分にアレスティングフックを追加（初期の機体は後日装備）した。また、離陸が2400mで済むのは熟練パイロットの話で、新人パイロットでは2700mあった方が安全だと分かり、F-104J運用基地は必要に応じて滑走路を2700m級に延長した。１次契約分の180機は固定武装が無く、後日搭載用の換装キットが用意されていて、胴体内の弾倉収容部には代わりに増設タンクと呼ばれる増加燃料タンクを搭載した。２次契約分の30機はM61A1バルカン砲を固定武装として搭載し、増設タンクの方を換装キットとして用意している。一次契約分の機体のうち130機程度がバルカン砲を後日装備したが、換装キットが取り付け部に合わないという不具合があったらしい。また、機内に溜まった発射ガスがエンジンに吸い込まれてフレームアウトを起こすという事態が発生したため、発射ガス強制排出装置を取り付けている。バルカン砲の電動モーターを駆動するため、エンジン回転数を96%以上にしておく必要があり、それを下回っている時にトリガーを引くとブレーカーが作動して撃てなくなるので注意。給弾はベルトリンクで、空薬莢は弾倉室に戻してリンクだけ機体下面のシュート（通称デリンカー）から機外に放出するが、訓練時にはシュートを付けずにリンクも回収する。当初はマイティーマウス空対空ロケット弾用19連装ポッドJ/LAU-3Aを翼下パイロンに１基ずつ装備したが、後にAIM-9サイドワインダーを装備するようになった。KB3Aガンカメラを搭載する。主翼は25%翼弦後退角18.3度、下反角10度、取り付け角０度、翼厚比3.36%、外板は１枚板で厚さは上下とも6.35mm、前縁にスラット、後縁に吹き出しフラップとエルロンを持つ。主翼前縁はヒゲが剃れる、下手な日本刀より切れると言われるほど研ぎ澄まされており、素手で触ると簡単に皮膚が切れ、整備員は帽子の着用が義務づけられていたものの額を切る事故が多発し、後に厚く加工し直したらしい。鉛筆を削ったとかリンゴの皮を剥いたという逸話もあるが、真偽は不明である。翼下パイロンは地面に対して垂直になるよう取り付け、翼端増槽・ミサイルは主翼と水平になるよう装着する。翼端増槽装備時の最大速度はマッハ1.5くらいで、到達にかなりの時間を要するため、アフターバーナーの使用限界と残燃料を気にしつつ訓練する必要があった。ソ連軍偵察機が時代を経ると高々度侵入してくるようになり、ズーム上昇による高々度迎撃が必要になったが、60000フィート（18288m）以上の高々度飛行の際には、与圧が故障すると血液が沸騰して死ぬので、与圧服を着込む。ただ与圧服を着てラダーペダルに足をかけた状態でC-2射出座席を作動させると下肢が計器板に挟まれて切断されてしまうので、座席側に足を引き寄せるワイヤーを取り付けた。また、機体空調システムの冷却能力を強化するため、胴体の右エアインテイク前方にある補給口から蒸留水を注入する（気化熱で冷却効果上昇）。キャノピーは左開きで、昇降用梯子を右側にかけて乗降する。降着装置の上げ下げには４秒かかり、緊急時には自重と風圧により下げ位置でロックする機構が設けられている。主脚ショック・アブソーバーからのシリコンオイル漏れが多く（特に冬場）、整備員は交換調整作業に追われる羽目になった。この際、機体をジャッキアップして作業を行うが、そのまま機体を降ろすとジャッキアップ中に荷重が減って0.2mほど内側に引き込まれた主輪に過度の負荷がかかりホイールから脱落してしまうので、予めスリップ板と呼ばれる0.5m四方のアルミ板２枚の間にグリスを挟んだものを主輪の下に敷いておく。着陸速度が速いので主輪は着陸16回くらいで交換するが、横風が加わると摩耗が一気に進み、着陸１回で交換する羽目になったりする。ドラッグシュートは機体尾部下面に収容されており、コクピットのレバーを１段引くと収容部が下に開いてシュートが外に出され、直径1.02mの小型パラシュートに引っ張られて直径4.88mのメインパラシュートが展開する。レバーをもう１段引くとドラッグシュートが脱落する。A/A-37Uリールポッドを介してダート・ターゲットを曳航することもあるが、この際にフラップを着陸位置まで引き出してしまうとリールポッドに当たって壊れるので、フラップ操作レバーにストッパー・アダプターを取り付けて着陸位置にできないようにし、ベテランパイロットが搭乗、フラップを離陸位置まで引き出した状態に止めて着陸していた。ちなみにフラップが故障してノーフラップ・ランディングという事態になると、3000m以上の滑走路長が無ければオーバーランする恐れが高い。全長16.68m／17.75m（ピトー管含む）、全幅6.69m（翼端増槽無し）、全高4.11m、自重6.3トン、総重量9.48-12.41トン、最大離陸重量11.93トン。翼面積18.2平方メートル。エンジンは初期J79-GE-7／後期J79-GE-11Aターボジェット（ミリタリー推力4.55トン、A/B時推力7.167トン）単発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ２（マッハ2.2？）、巡航高度12190m、実用上昇限度18300m（17680m？）、使用燃料JP-4、機内燃料搭載量1080ガロン・4088リットル（機関砲装備機は754ガロン・2854リットル）、航続距離1700海里、戦闘行動半径400-620海里。固定武装は20mmバルカン砲M61A1（750発。725発？）１門。ハードポイントは胴体下面１カ所、主翼下面１カ所ずつ、主翼端１カ所ずつで、容量は胴体下面2000ポンド（0.907トン）、主翼下面1000ポンド（0.454トン。1500ポンド？）。AIM-9B/Eなら胴体下に２発（エアインテイク部分の胴体下面に馬蹄形の金具を装着し、ランチャー２基を並列に取り付ける）、主翼下に１発ずつ、主翼端に１発ずつ装備可能。ミサイルランチャーは全て共通なので、翼端でなくても後部に翼端灯が付いている。主翼下パイロンには340kg爆弾８発、70mmロケット弾ポッド（19連装のJ/LAU-3A、７連装のLAU-59/AまたはLAU-68/A）１基ずつ、RL-7ロケット弾ポッド１基ずつ、195ガロン（738リットル）増槽１基ずつ、J/ALQ-4電子妨害ポッドを搭載できる。翼端増槽は容量170ガロン（644リットル）で、主翼下増槽とは互換性が無い。胴体下パイロンにはSUU-21/A訓練用ディスペンサーも搭載可能。乗員１名。1961年6月30日に初飛行し、1961年から３機が輸入され（初号機受領は1962年4月1日）、17機がノックダウン生産され、1965年3月までに160機がライセンス生産（主契約社は新三菱重工、副契約社は川崎航空機。国産化率43%、予備部品含め１機あたり４億8384万円。うち28%をアメリカがMAPで負担。エンジンはIHI）され、1967年1-12月に損耗補充分30機（国産化率64%、１機あたり４億9600万円）が追加生産されて第201・第202・第203・第204・第205・第206・第207飛行隊に配備された。機関砲が全く当たらないという不具合があり、デリケートなので工場出荷後は設定変更が禁じられていたレーダーの初期設定が間違っていたことが判明、修正を加えている。機関砲発射後の弾薬リンクが排出シュート（デリンカー）内に残ってしまい、着陸時の衝撃で滑走路上にばらまかれるという不具合が発生したため、1960年頃からリンクを機外に放出しないようにする改修を行った。1970年以降、J/APR-1後方警戒装置を搭載し、垂直尾翼下面後方にアンテナフェアリングを追加した。1970年代後半からレドームの水漏れによるレーダー損傷が問題となったため、1980年代のIRAN時に機首レドームを耐水・防氷性に優れた炭素系素材の新型に交換しており、レドームの色が全面黒になった。1960年代後半から各部隊でドッグファイトの研究が始まり、1970年代に本格化した。元々ドッグファイトのできる機体では無かったが、350ノットの速度制限があるフラップを、離陸時に使用する下げ状態（テイクオフ・フラップ位置）で固定しておけば550ノットまで出しておけるという裏技を使ってスプリットＳを行い、8000-10000フィート（2438-3048m）の高度を失いながら攻撃位置につく訓練を行っていた。また、翼端増槽を外すと飛行性能がかなり上がるので、これも利用した。猛訓練と見つかりにくい小さな機体を活かし、アメリカ空軍F-15戦闘機との２対２異機種空中戦闘訓練で１機を撃墜したこともある（エアロック・エアロバティックチーム代表の故・岩崎貴弘氏。僚機とも被撃墜はされず）。また、爆弾搭載能力は残されていたので、対地攻撃や急降下爆撃、スキップボミングに対艦攻撃の訓練も行われたが、爆撃計算機が外された上に高度計が信頼性に欠けており、目視照準による熟練の技で命中させていた。1986年3月に実任務を終え、残った機体はUF-104Jに改造された。単座型最終号機は岐阜県の中日本航空専門学校に保存されている。他にも北海道中富良野町、北海道秩父別町、北海道中頓別町、根室分屯基地、当別分屯基地、千歳基地、青森県車力村、青森県三沢市大空ひろば、大湊分屯基地、松島基地、入間基地、熊谷基地、埼玉県川本町、百里基地、日本文理大学、立川基地、東京都瑞穂町IHI、防衛大学校、府中基地、木更津基地、喫茶飛行場、長野県麻績村、山梨県中富町、浜松広報館、静岡県浜松市、静岡県裾野市、愛知県三菱重工、かかみがはら航空宇宙博物館、岐阜基地、新潟県金井町、石川県立航空プラザ、小松基地、輪島分屯基地、福井県福井市金井学園、奈良基地、美保基地、岡山県岡山市、防府北基地、防府南基地、芦屋基地、春日基地、築城基地、新田原基地、那覇基地に展示されていた。2021年9月、芦屋基地のF-104Jが撤去された。一部がアメリカの資金援助で生産されており、これに相当する分はアメリカに返却しているが、F-104J23機とF-104DJ５機が台湾空軍に引き渡されて1990年代後半まで使用された。そのうち１機が高雄市の国立科学工芸博物館に展示されている。参考：世界の傑作機No.104、ジェット戦闘機、月刊軍事研究6,’02、9,’03、月刊JWings5,’19、7,’02、11,’06、1,’13、5,’20、1,’24、世界の軍用機1982、1979、月刊丸1,’77、5,’07、日本の戦力、月刊PANZER12,’11

＜Ｆ−１０４Ｓ＞：イタリア空軍全天候迎撃戦闘機。当時のAIM-9サイドワインダーは雲などで乱反射した赤外線に惑わされてしまい、全天候能力に欠けたので、AIM-7スパロー４発を運用できるようにしている。165機が配備された。2004年7月27日に退役した。参考：空軍、月刊丸4,’07、JWings5,’17、6,’19

＜星式戦闘機＞：台湾空軍戦闘機。F-104Aを阿里山一号計画の名称で22機を導入したが、事故で６機が失われ、残りはヨルダンとパキスタンに供与された。その後阿里山六号計画で再度22機を導入したが、12機が失われた。1960年代にMAPでF-104Gを導入している。空自からアメリカに返却されたF-104J23機とF-104DJ５機も引き渡された。参考：月刊航空ファン8,’09

＜Ｆ−１０４海外ファミリー＞

　＜Ｆ−１０４ＤＪ＞：航空自衛隊の練習機。F-104Jの複座練習機型で、1962年6月から1963年5月に20機を完成機で輸入した。ナサールF15Jは外し、エアデータ・コンピュータやオートパイロットも装備せず、風防直前の赤外線探知装置搭載基部や水平尾翼下面の後方警戒装置も無い。射出座席はロッキード社からの完全輸入で、スルーキャノピー脱出用のキャノピー破砕具がヘッドレスト上部に追加されている。前脚は後ろに引き込むようになった。ショックコーンには黒い塗装が無く、イギリスのネイピア社製スプレーマット防氷装置が仕込まれており、マット状の発熱体がガラス樹脂強化プラスチックに挟み込まれていて、設定通りの熱量を出して氷が付かないようにする。バルカン砲は積む予定が無く、後日装備スペースも用意されなかったため、増設タンクは設けられていない。サイドワインダー含め外部兵装は搭載可能なままだが、実際に装着したことは無いようだ。全長16.7m、全幅6.7m、全高4.1m、自重6.3トン、クリーン状態離陸重量8.632トン、全備重量9.8トン、最大離陸重量11.263トン。エンジンはJ79-IHI-11Aターボジェット（推力7.17トン）単発、最大速度マッハ1.8、上昇限度18000m、機内燃料搭載量730ガロン（2763リットル）、航続距離1782km／2593km（フェリー）。乗員２名。導入初号機はOLD CAR CENTER KUDANに展示されており、他にも岐阜基地、小牧基地、神奈川県横浜市、山梨県鳴沢村河口湖自動車博物館、航空喫茶アビオン（前部胴体）、愛媛県城川町に展示されていた。2021年現在、OLD CAR CENTER KUDANに２機（１機は分解状態）、山梨県鳴沢村河口湖自動車博物館に１機、愛媛県西予市城川町総合運動公園に１機が展示されている。参考：世界の傑作機No.104、月刊JWings11,’06、12,'21、月刊丸5,’07、12,’10、自衛隊装備カタログ1981

　＜Ｆ−１０４Ｇ　ＣＣＶ＞：ドイツ空軍のCCV研究機。F-104Gを改造して１機製作した。エアインテイク後方上部にバルジを設け、コクピット後方に背の低い垂直安定板を追加、その上部に水平翼面を設置し、デジタル式フライ・バイ・ワイヤを追加した。制御増強と静安定性緩和を取り入れている。参考：世界の軍用機1982、日本の防衛戦力Part8

　＜ＲＦ−１０４Ｇ（台湾空軍）＞：台湾空軍偵察機。阿里山３号計画でRF-104Gを８機導入した。うち６機が1980年までに事故で失われたため、残る２機をF-104Gに戻し、阿里山８号計画で入手したF-104Gのうち12機をRF-104Gに改修した。うち６機には始安計画という名称でPC-201長距離斜めカメラシステムを搭載した。これを装備する機体はノーズコーンが延長されているのが特徴だが、PC-201は２基しか導入しなかったので、ノーズコーン共々６機の機体に代わる代わる搭載していたらしい。参考：月刊航空ファン8,’09

　＜ＵＦ−１０４Ｊ＞：航空自衛隊の試作無人標的機。F-104Jベースで、有人操縦もできる。実任務終了時に残っていたF-104J稼働機39機のうち、航空実験団の４機を除いた35機を岐阜基地でモスボール状態にしていたが、これを無人標的機に改造することが決定、1987-88年度予算で研究試作を行うことになり、三菱重工で1988年3月から２機がQF-104J（の試作型XQF-104J）の名称で改造された。機関砲、射撃関連装備、FCS、データリンクなどを撤去し、無線操縦システム、標的飛行制御複合機器ユニット、無人機制御コンピュータDFCC（0.8MIPS、クロック周波数80Hz）、15kg鉛板バラスト９枚、前方撮影用テレビカメラ（コクピット前方のパイロット視線位置）、コクピット内撮影用テレビカメラ、カメラ映像伝送用ブレードアンテナ（レドーム下面と電子機器室上面）、無線操縦データリンク用円錐アンテナ（電子機器室上面）を装着している。コクピットのレーダースコープは撤去し、代わりに無人操縦システムのコントロールパネルや電波高度計を追加した。無人遠隔操縦はコクピット内撮影用テレビカメラから送られた映像を、パイロットが基地のモニターで見て行う。データリンクはＣバンド、最大到達距離200海里で、地上に設置した高さ25mのアンテナ塔に取り付けた直径８フィート（2.44m）のカセグレン型パラボラアンテナ２基から操縦信号を送信する。操縦信号が切れた場合には自律飛行モードに切り替わるようになっていて、安全性が高い。1989年12月18日に初飛行し、飛行開発実験団が1990年春から硫黄島でテストした結果、1992年3月に部隊使用承認が得られ、3月19日に臨時無人機運用隊に引き渡された。また、1992年度予算で量産型の製作も決定し、この時に名称がQF-104JからUF-104Jに変更され、量産機はUF-104JAと呼ばれることになった。参考：世界の傑作機No.104、月刊JWings5,’14、月刊航空ファン1,’15

＜ＵＦ−１０４ＪＡ＞：航空自衛隊の無人標的機。UF-104Jの量産型で、無人遠隔操縦のみ可能としている。射出座席も外し、バラストを追加した。三菱重工で12機が改造され、無人機運用隊に引き渡された。空対空ミサイルの標的に使用され、UF-104Jも含め1997年3月（2月21日？）までに全機撃墜された。浜松広報館に外見だけUF-104JA風にした機体が展示されている。参考：世界の傑作機No.104、月刊軍事研究6,’02、4,’97、月刊JWings6,’19

＜Ｆ−１０４Ｊ着陸＞：滑走路に正対し、対地高度1500フィート（457.2m）・速度300ノットで進入、接地予定地点上空で60度バンクの旋回に入り、180度ターンしてダウン・ウインドレグに進入する。速度260ノット以下になったら脚を下げ、130ノット以下になったらフラップをランド・フラップとし、滑走路端の延長上6000フィート（1828.8m）のところでファイナルターンを行う。ベースレグに進入して再び滑走路に正対し、滑走路端から1800mで高度600フィート（182.9m）・速度170ノットとする。オーバーランの上空に来たらスピードブレーキを開き、接地したらスロットルをアイドルに入れ、前脚のステアリングボタンを押し、スピードブレーキを引っ込めてフラップをテイクオフ位置に変更、ドラッグシュートを開く。ドラッグシュートはF-4EJよりも大型でブレーキングが良すぎるため、出すのが早すぎると滑走路の真ん中で立ち往生するので注意。冬の千歳基地など滑走路が凍結していると、向かい風に押されて機体がバックし始めることもある。誘導路に入ったらピンボーイに翼端増槽の安全ピンを差し込んでもらい、整備員の指示に従い機体尾部を外側に振ってドラッグシュートを切り離し、キャノピーを全開にしてエプロンに向かう。スポットインしたら射出座席の安全ピンを挿入し、ポスト・タクシーチェックを実施、エンジンを切る。参考：世界の傑作機No.104

＜Ｆ−１０４Ｊ要撃＞：防空指揮所の要撃管制官からの指示に従い目標機に接近し、目標との距離20マイルで目標の針路に直交する位置につく。レーダースコープ下部の調整ノブでゲインを調整して目標の輝点をしっかり表示し、左コンソールパネルのアンテナSWを操作してアンテナ中心線と目標を重ね、ロックオンする。ゲイン調整ノブは右手、アンテナSWは左手で操作するが、その間は操縦桿とスロットルから手を放さないといけないので、事前に自動操縦装置をオンにしておくのを忘れずに。ロックオンすればレーダーが自動追尾してくれるのでアンテナ操作の必要は無くなり、照準環中心にドット（照準輝点）が来るように機動しながら地上管制官の指示で目標機へと更に接近する。FCSが計算した発射点に近づくと照準環が小さくなっていくので、トリガーを引きっぱなしにしておく。発射点に到達するとJ/LAU-3Aロケット弾ポッドから70mmロケット弾マイティーマウス計38発が斉射され、目標を撃墜する。訓練では曳航標的（スーパーデルマーターゲット、JMC-3サブデルマーターゲットなど）に向け６発を発射し、スコープフィルムの映像に仮想敵機のスケールを合わせて判定した。参考：世界の傑作機No.104、月刊JWings1,’24

＜Ｆ−１０４Ｊ離陸＞：右前部胴体から時計回りに飛行前外部点検を行い、機首レドームで点検を終えてコクピット右の梯子から搭乗、内部点検を行う。整備員と手・指信号でコンタクトを取りながら（インターコムは無い）エンジンを始動し、アイドリング（回転数67%）に入れてプレタクシーチェックを開始。スピードブレーキ、油圧、基本三舵とトリム、安定増強装置、フラップとBLC、エンジンノズル緊急絞り込み装置の順に作動をチェックする。座席の安全ピンを抜いて整備員に見せ、管制塔からタクシークリアランスを受けたらタキシングを開始。ブレーキやステアリングをチェックしながらラスト・チャンスに入り、機体の最終点検を行い、翼端タンクの安全ピンを抜いてもらう。離陸前No.1ポジションまではキャノピーを開けたままにし、管制塔の許可により滑走路に進入。ミリタリーチェックでエンジン回転数を100%に上げ、次いでゆっくり80%に下げてストール点検、再度100%にした後急激にアイドル位置に落としてコンプレッサーストールの有無をチェックし、今度は１秒以内に100%に上げて６秒間様子を見る。その間に機体は滑走路センターラインに正対して停止、管制塔から離陸許可も下りている頃なので、エンジン計器を確認してスロットルレバーを外側に倒しつつ前に進め、アフターバーナーに点火。更なるエンジン音の変化と機体振動により１次点火を確認し、スロットルレバーを一杯に進めて２次点火させ、エンジン計器を確認してブレーキを離す。150ノットに達したら13度の機首上げ姿勢をとるが、あっという間に170ノットを超えて離陸するので、風圧により降着装置が引き込めなくなる前に素早く脚上げ操作を行う。また、機内燃料計をチェックして翼端タンクからの燃料供給に異常がないか確認、左右の指示誤差が150ポンド（68kg）以内であることも確かめる。警報灯により脚上げを確認し終わる数秒間で300ノットに達しており、テイクオフ・フラップを引っ込めて更に加速、高度500フィート（152.4m）くらいで400ノットに達し、機首上げ35度で一気に高度を上げる。参考：世界の傑作機No.104

＜Ｆ１０４＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ１フリゲート、ダイドー（Dido）。1963年就役。1982年にニュージーランドに売却され、F104サウスランドとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、5,’83

＜Ｆ１０４＞：スペイン海軍F100型アルヴァロ・デ・バサン級イージスフリゲート４番艦メンデス・ヌニェス（Méndez Núñez。メルデス・ヌネス、Merdez Nuñez？）。2003年6月30日起工、2004年11月進水、2006年3月就役。2007年6月22日、FTM-12試験に参加。2011年3月、リビア作戦に参加。2016年6月3-20日、バルトップス2016に参加。6月18-26日、キール・ウィーク2016に参加。5月20-30日、第２常設水上部隊SNMG2旗艦として、ステッドファスト・ディフェンダー21に参加。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊軍事研究11,’07、月刊JWings7,’11、月刊世界の艦船9,’16、12,’19、8,’21

＜Ｆ１０４＞：ニュージーランド海軍リアンダー級フリゲート、サウスランド（Southland）。元はイギリス海軍リアンダー級バッチ１フリゲートF104ダイドーである。1982年就役。1995年に除籍された。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊

＜Ｆ１０４−ＧＡ−１００＞：ギャレットが開発したターボファンエンジンで、HU-25Aに搭載されている。圧縮機１＋５＋１段、圧縮比22.8、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋３＋２段、離昇推力5440ポンド（2.47トン）。全長103.2インチ（2.62m）、直径33.9インチ（0.86m）、重量1118ポンド（0.51トン）。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ−１０５シリーズ＞：アメリカ空軍戦闘爆撃機、別名サンダーチーフ（Thunderchief）、愛称サッド（Thud、重量物が落下する時の擬音）。戦術核による航空阻止が主任務で、実質的には中距離爆撃機である。1952年3月にリパブリック社が自主設計案モデルAP63を国防省に提出、1952年9月にウェポンシステムWS-306Aとして開発契約が結ばれ、1953年に制式名称が付いた。833機が生産され、ベトナム戦争で地上支援任務を行い、爆弾40万トンを投下したが、戦術核攻撃任務を主とする機体では荷が重く、385機が作戦中に、51機が運用上のトラブルで失われた。1983年に退役した。参考：世界の軍用機1979、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06、3,'23、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空ファン11,’92、月刊PANZER8,’18

　＜ＹＦ−１０５Ａ＞：先行量産型で、エリアルールやスウェプト・フォワード・エアインテイクなどの特徴的な構造は無い。エンジンはJ57-P-25（推力6.8トン）。初号機は1955年10月22日に初飛行し、音速を突破した。２機が製作された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06、月刊丸5,’07

　＜ＹＦ−１０５Ｂ＞：F-105Bの原型機で、マッハ２級のテストを行うため製作された。エンジンをYJ75-P-3（推力7.47トン）に換装し、エリアルールとスウェプト・フォワード・エアインテイクを採用し、ベントラルフィンを追加している。４機が生産され、1956年5月26日に初飛行した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊丸5,’07

　＜Ｆ−１０５Ｂ＞：量産型で、昼間戦闘核爆撃任務に就く。胴体にはエリアルールを採用し、中央部を細く絞り込んだ。エアインテイクは内側に切れ込んだ形状をしており、スウェプト・フォワード・エアインテイクと呼ばれる。エンジンは15号機までがJ75-P-3（推力7.48トン）、33号機まではJ75-P-5（推力7.82トン）、34号機以降がJ75-P-19（推力10.66トン）で、後に33号機までもJ75-P-19に換装された。主翼は中翼配置で、後退角は45度、前縁スラットを持ち、厚みが無いので主翼内タンクは無い。横操縦は、低速時には補助翼、高速時にはエルロンリバーサルを防ぐためスポイラーで行う。ジェットノズルは４分割されており、エアブレーキを兼ねる。油圧は二重になっているが、配管が近接しており、１発被弾すると両方とも損傷することが多かった。戦闘機ではあるが、空対空戦闘は迎撃戦闘機に対応する程度で、胴体中央にB43核爆弾または増槽搭載用の爆弾倉（長さ4.5m。通常爆弾は搭載不可）を持ち、主任務は核爆撃の方だった。ハードポイントは胴体下１ヵ所と翼下４ヵ所で、兵装搭載量10トン。FCSはMA-8で、E-34空対空測距レーダー、E-50見越し角算定光学サイト、トス爆撃コンピュータなどからなる。AIM-9B空対空ミサイルを装備可能。1957年5月27日に初号機が初飛行し、1958年5月27日から引き渡され、1959年12月までに75機が生産された。1957年、単機で敵地深くに侵攻できるよう、戦闘機として初めて自律航法機材（AN/APN-105ドップラーレーダーなどからなるAN/ASG-19）を搭載した。1958年、AN/ARW-73誘導システムが追加され、AGM-12A/B運用能力を得た。1961年、通常兵器運用能力が付与された。参考：世界の軍用機1979、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、7,’81臨時増刊、月刊丸5,’07

＜Ｆ−１０５Ｄ＞：全天候戦闘核爆撃型。AN/ASG-19FCSと航法用ドップラーレーダーを搭載したもので、1959年6月9日に初飛行した。機首内部を再設計してナサールR-14A多目的モノパルス・レーダー・システムを収容、20mmバルカン砲も移設して弾数が52発減っている。統合縦型計器を採用してパイロットの負担を減らし、エンジンはJ75-P-19Wに換装した。胴体後端上部にはドラッグシュートを搭載し、ハードポイントは主翼下に２カ所ずつ用意されている。二重の油圧系統が近接していたため、１発の弾丸で両方共やられてしまい、ベトナム戦争では損失が多発した。油圧ロス時も水平尾翼がロックしないようにしたり、装甲を強化したりしたが、改良にも限界があった。これに懲りたリパブリック社は、次のA-10攻撃機開発にあたって装甲を大幅に強化している。全長19.58m、全幅10.64m、全高5.99m、運用自重12.35トン、最大離陸重量23.967トン。翼面積35.8平方メートル。エンジンはP&W製J75-P-19W（水噴射装置付き。ミリタリー推力7.3トン、A/B時推力12.02トン）単発、最大速度2237km／マッハ2.03、上昇限度15850m、燃料容量4391リットル、航続距離2960km（フェリータンク４基時）、戦闘行動半径800海里（AGM-12ブルパップ２発）／600海里（Hi-Lo-Hi）／600海里（340kg爆弾５発Lo-Lo-Hi）／200海里（340kg爆弾16発15分ロイター）。固定武装は機首左の20mmバルカン砲（1028発。1029発？）１門。爆弾など6.35トンを搭載可能。AIM-9空対空ミサイルなら４発装備できる。胴体内爆弾倉には390ガロン（1476リットル）増槽も積める。乗員１名。1960年9月28日（5月？）から引き渡され、1964年2月までに501機（610機？611機？）が生産された。1961年から通常兵器運用能力が付与された。ベトナム戦争の戦訓により、ECMアンテナやアフターバーナー冷却用エアインテイクを追加装備している。1966年、コンバット・スカイ・スポット全天候爆撃システムを追加した。参考：月刊軍事研究5,’04、アメリカ空軍の第一線機、空軍、月刊JWings5,’06、4,’01、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊丸5,’07

＜Ｆ−１０５Ｄコマンド・ネイル＞：F-105Gワイルド・ウィーズルの後席を爆撃航法士用とし、後席に爆弾投下能力を追加、ナサールR-14Aの解像度を強化したもの。1967年に横田基地で６機改造され、F-111登場まで全天候爆撃任務に就いた。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−１０５Ｄサンダースティック�U＞：爆撃・航法システム改良型。ドーサルスパインを拡大してAN/ARN-92ロランＤ受信機（当初はAN/ARN-85だったが、高価な割に信頼性が低かったので換装した）を搭載し、レーダーをナサールR-14Kに、ドップラー・レーダーを垂直ジャイロ無しのAN/APN-196に更新、A-7D用の慣性計測ユニットを装備している。爆撃精度はこれまでの７倍増しとなり、自動盲目爆撃ができるようになった。キャノピーにロラン・アンテナが付いているのが特徴。1968年から1971年7月までに30機が改造されたが、結局ベトナム戦争には投入されなかった。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06、世界の軍用機1979

＜Ｆ−１０５ファミリー＞

　＜ＥＦ−１０５Ｆ＞：F-105Gを参照。

　＜Ｆ−１０５Ｂ（サンダーバーズ仕様）＞：サンダーバーズ用アクロバット仕様。F-105Bのバルカン砲とドップラー航法装置を降ろしてバラストを積み、主脚をF-105D規格に改造、フラップをマニューバーフラップとして使用できるようにし、燃料系統も連続背面飛行用に改修、50ガロン（189リットル）スモークオイルタンクとスモークプローブ２本（赤・青用）を取り付けた。1964年から使用されたが、墜落事故を起こしたため、６回しか飛行展示を行っていない。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊丸5,’07

　＜Ｆ−１０５Ｃ＞：計画複座練習機型。F-105Bをベースに1956年6月から開発されたが、モックアップのみで1957年に中止された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06

＜Ｆ−１０５Ｅ＞：計画複座練習機型。F-105Dをベースに1958年から開発されたが、1959年3月に中止された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06

＜Ｆ−１０５Ｆ＞：複座練習攻撃機型で、1963年6月11日に初号機が初飛行した。F-105Dの胴体を0.77m延長して２分割風防を装着し、垂直尾翼を0.23m高くしている。自重が0.907トン増加し、荷重制限が8.67Gから7.67Gに減少した。1963年12月7日から引き渡され、1964年12月までに250機（143機？）が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ｆ−１０５Ｆワイルド・ウィーズル�U＞：SEAD型で、1965年に１機がF-105Fから改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−１０５Ｆワイルド・ウィーズル�V＞：SEAD型。F-105Fにレーダーホーミング警報とAGM-45/-78対レーダーミサイルを搭載し、DFアンテナ25本で捉えたレーダー波を後席の電子戦士官が監視し、脅威の優先順位を判断、対レーダーミサイル射撃のため占位を行う。1966年1月から1968年3月に86機が改造された。ハード・ワイヤ方式だったので脅威が変わる度にシステム機材を載せ替える必要があり、ER-145、AN/APR-35、AN/APR-35Aと換装を繰り返した。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−１０５Ｆコマンドー・ネイル＞：SEAD型、Commando Nail。ワイルド・ウィーズル�Vの全天候攻撃力強化型で、1967年に６機が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−１０５Ｆコンバット・マーチン＞：電子戦機型、Combat Martin。F-105Fの後席を撤去してAN/ALQ-59VHFジャマーを搭載し、胴体背部に矩形アンテナを装備、GCIの音声やデータリンクを妨害した。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１０５Ｇ＞：SEAD専用機、別名EF-105F。F-105Fワイルド・ウィーズル�Vにデジタル型のAN/ALR-53を搭載し、プログラム変更のみで新脅威に対応できるようにしたもので、レーダーホーミング警報、発射警報受信機、AN/ALQ-105ジャミングポッド（胴体側面フェアリングに収容）を搭載し、AGM-45シュライクやAGM-78スタンダードARMなどの対レーダーミサイルを装備してベトナム戦争時に任務にあたった。飛翔速度600ノット以上でミサイルを射出でき、スタンドオフ能力が高くなるとして好評を得た。1969年9月から1973年に55機（87機？）が改造され、ベトナム戦争で46機が失われた。1983年5月25日に退役した。参考：月刊軍事研究2,’03、世界の軍用機1979、月刊JWings5,’06、月刊航空情報3,’10、アメリカ空軍の第一線機

　＜ＪＦ−１０５Ｂ＞：恒久試験機。RF-105Bの空力試験機として製作されていたが、途中で機首カメラ窓を閉鎖して試験機となった。３機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＲＦ−１０５Ｂ＞：試作偵察機型で、核攻撃能力もある。1956年3月から開発されたが、RF-101の採用で1956年7月20日に開発中止となり、制作中の機体はJF-105Bに改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings5,’06

　＜ＲＦ−１０５Ｄ＞：試作偵察機型。Ｄ型の爆弾倉内に赤外線センサーやカメラを搭載し、側視レーダー・ポッドを装備する。1960年12月7日から開発されたが、1961年12月23日に中止となり、RF-4Cを開発することになった。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ１０５＞：スペイン海軍F100型アルヴァロ・デ・バサン級フリゲート５番艦（フライト２の１番艦）クリストーバル・コロン（Cristóbal Colón）。2009年2月起工、2012年10月就役。2014年3月25-27日、DIMDEX2014に参加。2017年2月27日から3月10日、オーシャン・エクスプローラー2017演習に参加。3月24日、オーストラリア海軍シドニー基地に寄港。8月8日、フロリダ州メイポートに寄港中にスペイン海軍に引き渡されるSH-60F対潜ヘリ初号機が着艦し、引き渡し式が行われた。2018年3月5-16日、ダイナミックマンタ2018演習に参加。2020年11月17日、第２常設水上部隊SNMG2所属イギリス海軍揚陸艦L-14アルビオン及びスペイン海軍補給艦A14パティーニョと共に、地中海で洋上給油を実施。2021年1月末、NATO第２常設水上部隊SNMG2の旗艦として、トルコ海軍フリゲートF490ガジアンテプと共に、地中海でギリシャ海軍フリゲートF-454プサラと共同演習に参加。2月22日から3月5日、シチリア島近海でダイナミック・マンタ2021演習に参加。5月15日から6月3日、フォーミダブル・シールド2021に参加。参考：月刊世界の艦船4,’10、7,’14、9,’16、6,’17、7,’17、6,’18、4,'21、6,'21、8,'21、月刊航空ファン11,’17

＜Ｆ−１０６シリーズ＞：アメリカ空軍戦闘機、別名デルタダート（Delta Dart）。F-102Bとしてコンベア社が開発し、1955年11月に17機が発注されたが、1956年6月17日の要求変更で改称された。核弾頭空対空ロケットまたは核弾頭空対空ミサイルを搭載する戦闘行動半径692kmの戦闘機で、半自動地上迎撃管制システムSAGEの指令を受けて高度21335mまでの敵機を全天候下で迎撃するのが主任務である。アメリカ全土をカバーするSAGEと連接し、核弾頭空対空ミサイルによるほぼ完全な自動迎撃が可能とされたMA-1火器管制装置（後に自動兵装管制装置AWCSと改称）を搭載しており、SAGEの指令により自動操縦装置が目標まで誘導してくれて発射タイミングもコンピュータが自動的に示してくれるので、離着陸時以外パイロットが操縦桿を握る必要が無いといわれた。1959年から防空軍団ADCに配備された。総生産数342機。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1979、月刊軍事研究8,’01、ジェット戦闘機、週刊エアクラフトNo.68、月刊JWings3,’23

　＜ＹＦ−１０６＞：試作型で、開発名称はウェポンシステムWS-201B。Ｙナンバーではなく量産機と同じF-106Aという名称が付けられたともいわれる。２機が生産され、1956年12月26日に初飛行した。しかし最大速度が要求より15%低く、加速も遅く、FCSも上手く作動せず、開発が難航したため、1000機を量産する予定が350機に削減されてしまった。エアインテイク形状、エンジン、FCSに改良を施してF-106A/Bとして採用された。参考：週刊エアクラフトNo.68、月刊航空ファン11,’92

　＜Ｆ−１０６Ａ＞：単座型。機体はセミモノコック構造で、素材は2024系アルミニウム合金であり、エンジン周囲にチタン合金が使用されている。胴体断面型はオニギリ型で、エリア・ルールを取り入れた。主翼は低翼配置の無尾翼デルタ翼で、前縁にはコニカル・キャンバーが付けられ、長短１対の境界層板を持つ。前縁後退角は60度６分13秒で、後縁には軽く前進角が付いている。アスペクト比2.2、翼厚比4%（NACA65-0004Mod）、上反角０度。主翼後縁には内外２つのエレボンがあり、両者が一緒に作動する。翼下には1300リットル増槽用パイロンがあり、増槽を付けたまま超音速飛行ができる。エアインテイクは機体両側面の主翼付け根上に開口しており、衝撃波制御用の斜板があって超音速飛行時の効率改善を狙っている。垂直尾翼は台形のものが１枚で、付け根にドラッグシュート収容スペースがあり、その両側がエアブレーキで、左右に開く。操縦は油圧による機力方式で、油圧源は２系統あり、非常用ラムエアタービンもある。FCSはヒューズ社製MA-1で、SAGEと一体となって迎撃任務を遂行する。FCSは自身が得た目標データを地上に送ると共に、地上管制から送られたデータを受信・解析して戦闘条件を決定、機体及びミサイルを制御して目標を攻撃する。レーダー、航法用電子機材、TACAN、ILSを搭載し、全天候で正確な航法・離着陸が行える。慣性基準装置は機体・兵器自動管制システム内に組み込まれている。計器板の中央上部にはレーダースコープ、その下に操縦情報指示装置と方位指示器、更に下に円形の戦術状況表示スコープがあり、戦術状況表示スコープには各種情報が図形と文字で表示される。射出座席はコンベア社が開発した超音速回転Ｂ座席（略称Ｂシート、通称ボブスレー）と呼ばれる特殊なタイプで、超音速での脱出時にパイロットが直接風圧に晒されないよう、一旦座席を90度回転させ、座席底部を前に向けた状態で射出されるようになっていた。ただ複雑すぎたらしく作動不良による死亡事故が続発し、1965年に通常型のウェバー社製ゼロゼロ射出座席（最大脱出可能速度600ノット）に換装されている。全長21.56m（ピトー管含む）、全幅11.67m、全高6.18m、運用自重11.8トン、総重量15.9-17.35トン、最大離陸重量18.875トン／17.554トン（迎撃任務時）。翼面積64.8平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J75-P-17（ミリタリー推力7.8トン、A/B時推力11.15トン）単発、巡航速度マッハ0.92、実用戦闘速度マッハ1.9、最大速度マッハ2.31、実用上昇限度17400m、ズーム上昇限度21300m以上、燃料容量5450リットル（主翼インテグラルタンクと胴体内タンク）＋1300リットル増槽２本、航続距離1260海里／2350海里（増槽あり）、戦闘行動半径350-500海里（増槽あり）。乗員１名。兵装はAIR-2A/-2B空対空核ロケット１発とAIM-4F/-4G空対空ミサイル４発で、胴体内のウェポンベイに収容する。1959年6月（5月？）から277機が生産されて４個飛行隊に配備された。後にコクピット後方の胴体上面に空中給油受油装置を追加し、引き込み式赤外線追尾センサーを装着するなどの改良を施している。1973年以降、一部の機体は胴体下部にフェアリングを設けてM61A1バルカン砲を搭載し、ミサイル格納倉内部に弾倉を置いた。1988年までアメリカ本土防空にあたり、その後はドローンに改造されている。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1982、1979、空軍、月刊JWings7,’04、8,’06、2,’15、アメリカジェット戦闘機、ジェット戦闘機、週刊エアクラフトNo.68、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空ファン2,’18

　＜Ｆ−１０６Ｂ＞：複座練習機型で、F-109という名称を付けて欲しかったらしい。Ａ型の燃料容量を減らして座席を１つ増やし、FCSをAN/ASQ-25に換装したもので、迎撃任務も行える。1958年4月9日に初飛行し、63機が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機、ジェット戦闘機、世界の軍用機1979、月刊JWings7,’04、8,’06、10,’09

　＜Ｆ−１０６Ｃ＞：プラット＆ホイットニー社製JT4B-22エンジンを搭載し、レドームを1.5m延長してアンテナ直径1.02mの新型レーダーを装備、タンデム複座化したタイプ。1957年半ばに350機以上を配備する計画が出されたが、1958年9月に中止された。ただ２機の試作型YF-106Cが1958年12月にアメリカ空軍に引き渡されたといわれる。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings10,’10

　＜Ｆ−１０６Ｄ＞：F-106Cの複座型。計画のみ。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１０６Ｅ＞：F-106Cの改良型。計画のみ。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１０６Ｆ＞：F-106Dの改良型。計画のみ。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１０６Ｘ＞：カナード翼を装着し、エンジンとレーダーを換装したもの。1960年代末に提案されたが、計画のみに終わった。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１０６−３０＞：コンベア社の独自改良型で、コクピットをタンデム複座に変更し、エンジンをプラット＆ホイットニー社製J58ターボジェットに換装している。GE社製J93ターボジェットを主翼下に１基ずつ吊り下げて双発化する計画もあった。1950年代末に提案されたが、計画倒れになった。参考：月刊JWings10,’10

＜Ｆ−１０６ファミリー＞

　＜ＱＦ−１０６＞：フルスケール空中標的型。QF-106AとQF-106Bが計200機以上改造され、1990年から1998年1月まで運用され、全機撃墜された。参考：月刊航空ファン3,’17、月刊JWings8,’06

　＜ＱＦ−１０６Ａ＞：F-106Aをフルスケール空中標的に改造したもの。参考：月刊JWings8,’06

　＜ＱＦ−１０６Ｂ＞：F-106Bをフルスケール空中標的に改造したもの。参考：月刊JWings8,’06

＜Ｆ１０６＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、ブライトン（Brighton）。1961年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ１０７＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、ロスシー（Rothesay）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ−１０７Ａ＞：アメリカ空軍試作超音速戦闘爆撃機。ノースアメリカン社が設計名称NAA（North American Aviation）モデル212として設計し、1953年10月にアメリカ空軍研究開発コマンドに提案した。F-100Bがベースで、F-100Aの胴体を1.2m延長し、エリアルールを適応している。エアインテイクは機首下面にあり、上方が大きく突き出していて、上面内側に可変斜板（ランプ）を付けて可変面積インレット・ダクトVAID（Variable Area Inlet Duct）と称した。その後機首にレドームを設けてエアインテイクを下に移し、エアインテイク中央に仕切りを設け、斜板を仕切りの両側に移している。1954年12月にアメリカ空軍と試作契約を結び、F-107Aの制式名が付けられている。主武装の１つである核爆弾は胴体下に半埋め込み式で装備することにしたが、エアインテイクが胴体下面にあると発生した衝撃波が投下した核爆弾と干渉する恐れがあったため、コクピット直後の胴体上面に移した。ただ当時の技術ではVAIDのランプを自動制御するのが難しく、1-2号機は固定ランプで完成し、３号機で可変ランプにしたものの予定した性能は発揮できていない。主翼平面形はF-100と同じで、フラップを追加、翼厚比を5%に減らした。横操縦はスポイラーのみで行い、A-5艦攻と同じく主翼下面のデフレクターと連動して主翼下面の気流を上面に導き揚力を減少させるシステム（スポイラー・スロッテッド・デフレクター）を組み込まんでいる。垂直尾翼は全遊動式である。キャノピーは全体が上にスライドして開く方式で、射出座席を装備しており、脱出時にキャノピーを投棄するとエアインテイクで跳ね返って射出されたパイロットを直撃するので、常時スルーキャノピーで脱出する。初号機は1956年9月10日に初飛行し、音速も突破したが、着陸時にドラッグシュートが開かずオーバーランで前脚を損傷した。11月28日に２号機、12月10日に３号機が初飛行し、テストが続けられたが、兵装搭載量が少なかったためF-105に負けて採用されず、1957年2月に試作機３機をNACAの高速飛行試験機として使用することが決まった。全長18.85m（18.54m？）、全幅11.15m、自重10.295トン、総重量18.033トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J75-P-5（A/B時推力11.11トン）、最大速度マッハ２。３号機は1959年9月に着陸事故で損傷した後、消火訓練に使われて全損した。初号機はアリゾナ州ピマ航空宇宙博物館、２号機はオハイオ州空軍博物館に展示されている。参考：月刊JWings2,’16、10,'23、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊丸1,’07

＜Ｆ１０７−ＷＲ−１００＞：ウィリアムズ社が開発したターボファンエンジン、別名WR19-A7。ファン段数２段、圧縮機は低圧が軸流式２段・高圧が遠心式１段、燃焼器はアニュラー型、タービンは高圧１段・低圧２段、アフターバーナーは無い。全長816mm、直径305mm、重量58.1kg。離昇推力272kg。AGM-86ALCMに搭載されている。参考：世界の軍用機1979

＜Ｆ１０７−ＷＲ−４００＞：ウィリアムズ社が開発したターボファンエンジン、別名WR19-A7-10。ファン段数２段、圧縮機は低圧が軸流式２段・高圧が遠心式１段、燃焼器はアニュラー型、タービンは高圧１段・低圧２段、アフターバーナーは無い。全長940mm、直径305mm、重量59kg。離昇推力272kg。トマホークに搭載されている。参考：世界の軍用機1979

＜Ｆ−１０８＞：アメリカ空軍計画超音速長距離迎撃戦闘機、別名レイピア（Rapier）。元は1955年10月にアメリカ空軍が提示した長距離迎撃戦闘機で、要求が固まらなかったので1956年5月に一旦中止されたが、1957年初めに戦闘行動半径1000海里・最大速度マッハ３で、射程15-25海里の空対空ミサイルを搭載するタンデム複座迎撃戦闘機という要求が纏まり、ノースアメリカン社の案が1957年4月に採用された。当初はXB-70のエアインテイクを機体両脇に移して機体尾部中央に垂直尾翼を追加したような案が出され、その後カナード翼が消え、垂直尾翼が１枚になり、胴体下と主翼にベントラルフィン３枚が付き、エアインテイクが二次元式に変更され、主翼がダブルデルタに変わり、1959年1月にモックアップ審査が行われて試作されることになった。その後、ストレーキを付ける案も出されている。FCSはヒューズ社製AN/ASG-18で、左右主翼付け根にIRSTを１基ずつ装備する。武装はW42核弾頭付AIM-47空対空ミサイル３発で、ウェポンベイに内蔵する。XB-70の先行試作型という意味もあったが、こちらが中止の見込みとなり、当時の国防予算からいって本機を480機量産する余裕も無く、1959年9月23日に開発中止となった。全長25.88m、全幅16.12m、最大総重量46.3トン。エンジンはGE製J93-GE-3（A/B時推力13.62トン。逆噴射装置付）双発、最大速度マッハ３、航続距離1850km（マッハ３）。乗員２名。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings4,’10

＜Ｆ１０８＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、ロンドンデリー（Londonderry）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ１０８−ＣＦ−１００＞：CFMインターナショナル社のターボファンエンジン。圧縮機１＋３＋９段、圧縮比23.7、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋４段、離昇推力22000ポンド（9.98トン）。全長95.7インチ（2.43m）、直径72インチ（1.83m）、重量4617ポンド（2.09トン）。KC-135Rに搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ１０９＞：イギリス海軍リアンダー級フリゲート・バッチ１、Leander。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ１０９＞：イギリス海軍ロバーツ級砲艦アバクランビ（Abercrombie）。1943年5月就役。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ１０９＞：スペイン海軍ミサイル・フリゲート、ブラス・デ・レッソ（Blas de Lezo）。2019年2月25日から3月8日、ダイナミック・マンタ2019に参加。2022年2月6日、NATO第２常設水上部隊として、地中海で、アメリカ海軍CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン空母打撃群、イタリア海軍C550カブール機動部隊、フランス海軍R91シャルル・ド・ゴール機動部隊との共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’19、5,’22

＜Ｆ１０９−ＧＡ−１００＞：ギャレット社のターボファンエンジン。圧縮機１＋２段、圧縮比22.1、燃焼器はアニュラー式、タービン段数２＋２段、離昇推力1330ポンド（0.603トン）。全長43インチ（1.092m）、直径23インチ（0.584m）、重量400ポンド（0.181トン）。F1300ジェットスコールに搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ１１０シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボファンエンジン。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ１１０−ＧＥ−１００＞：排気ノズルのペタルが捩れた感じの形状をしている。圧縮機３＋９段、圧縮比30.4、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋２段、離昇推力28000ポンド（12.7トン）。全長182.3インチ（4.63m）、直径46.5インチ（1.18m）、重量3911ポンド（1.77トン）。F-16Cブロック30/40、F-16Dブロック30/40、F-16Nに搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings1,’24

＜Ｆ１１０−ＧＥ−１２９＞：F110-GE-100の最大海面高度静止推力を29000ポンド（13.2トン）級に強化する性能向上型エンジン（IPE）計画に基づき開発された。空気流量毎秒265ポンド（120kg）、ファン段数３段、バイパス比0.76、圧縮機９段、全体圧力比30.7、燃焼器はアニュラー式、タービン段数高圧１段（冷却式）＋低圧２段（非冷却式）、アフターバーナー３段、ドライ最大推力75.7kN、A/B時最大推力131.2kN。全長182.3インチ（4.63m）、直径46.5インチ（1.18m）、ファン直径35.8インチ（0.909m）、乾燥重量3334ポンド、重量3980ポンド（1.81トン）。推力重量比7.4。F-16Cブロック50/50プラス、F-16Dブロック50/50プラスに搭載された。参考：月刊航空ファン11,’92、10,’16、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings4,’20

＜Ｆ１１０−ＧＥ−１２９Ａ＞：F110-GE-129の燃費向上型。B737NG向けCFM56-7ターボファンの技術を高圧タービンなどに応用している。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ１１０−ＧＥ−１２９Ｃ＞：F110-GE-129の運用寿命延長型。燃焼器を改良し、タービンを高圧にしてある。F-15SやF-15SGに搭載された。参考：月刊JWings11,’10

＜Ｆ１１０−ＧＥ−１３２＞：バイパス比0.68。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｆ１１０−ＧＥ−４００＞：圧縮機３＋９段、圧縮比30.4、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋２段、離昇推力19000ポンド（8.6トン）。全長100.5インチ（2.55m）、直径46.5インチ（1.18m）。F-14Dに搭載されている。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ１１０海外シリーズ＞

　＜Ｆ１１０−ＩＨＩ−１２９＞：航空自衛隊F-2戦闘機用ターボファンエンジン。F110-GE-129Aを石川島播磨重工でライセンス生産したものである。参考：月刊JWings8,’20

　＜Ｆ１１０−ＳＴＷ−１２９＞：韓国空軍F-15K戦闘機用ターボファンエンジン。F110-GE-129Aをサムスン・テックウィンでライセンス生産したものである。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−１１０Ａ＞：XF4H-1（試作機）を参照。

＜Ｆ−１１０級＞：スペイン海軍ミサイル・フリゲート、別名ラモン・デ・ボニファス（Ramón de Bonifaz）級またはボニファス（Bonifaz）級。サンタ・マリア級ミサイル・フリゲートの後継となる広域防空艦として1990年代後半から検討され、スペインのナバンティア社がF100型アルヴァロ・デ・バサン級イージス艦をベースに開発し、性能別（価格別？）に高・中・低の３種類を用意、スペイン海軍としては中を選択したいらしいという話が出ていたが、冷戦終結後の予算縮小で一旦先送りされ、2011年に統合型センサーマストを持つ多任務対応フリゲートとしてインドラ社とナバンティア社に試案作成を要請、2015年に３案が提出され、詳細設計を経て2018年秋に仕様がほぼ固まった。船体設計はアルヴァロ・デ・バサン級をベースにフリチョフ・ナンセン級のスパイスを加えたもので、外見はアルヴァロ・デ・バサン級のマストを統合型タワーマストに変更したような感じである。戦闘システムはナバンティア社製SCOMBA指揮管制装置、射撃指揮装置は簡易版イージス・システムのIAFCL（International Aegis Fire Control Loop）、メイン・レーダーはＳバンドAESAレーダーLMSSR（Lockeed Martin Solid State Radar）をベースにロッキード・マーチン社とインドラ社で共同開発するAN/SPY-7(V)2で、航海艦橋後上面の太い八角柱タワーマストの斜め４方向にアンテナを置く。スタンダードSM-2艦対空ミサイル終末誘導用AN/SPG-62イルミネーター・レーダーを八角柱タワーマスト上面とヘリ格納庫上に１基ずつ搭載する。インドラ社製プリズマ25Xアクティブ・フェイズド・アレイ式Ｘバンド航海・対水上・ヘリ発着管制レーダーやECM/ESMのプラナー・アレイ・アンテナも４面に装着する。タワーマスト頂部に一回り細いマストがあり、TACAN、インドラ製統合型IFF、インドラ製電子戦装置の各アンテナを搭載する。インドラ製リゲルi110赤外線センサーも積む。SCOMBAにはIAFCLからの情報とIAFCL外の各センサーからの情報が送られ、SCOMBAでこれらを統合して共通作戦状況図COP（Common Operational Picture）を生成する。上構は前後に分けず長大なものとし、上構中央と後部の側面にシャッターを設けてRHIBを搭載する他、20フィート・コンテナ大のモジュールを積んで多任務に対応できる。後部にヘリ甲板とヘリ格納庫を持ち、ヘリ1-2機またはUAV数機を搭載する。ソナーシステムはタレス社製UMS4110ブルーマスター船体ソナー、UMS4249CAPTAS4曳航ソナー、ブルースキャン音響情報処理装置、ESMはリゲルi110レーダー逆探装置とレグルスi110通信傍受装置。TUUM-6水中通信システムを装備する。2018年6月26日にアメリカ国防安全保障協力局がイージスシステム・ベースラインS5（S4？）、Mk41VLSベースライン�Z、Mk99ミサイル誘導装置など５隻分のスペインへのFMS輸出を承認しており、これらを積んで新型レーダーと組み合わせるとみられる。艦対空ミサイルとしてCAMMが候補になっていたが、採用されなかった。アルヴァロ・デ・バサン級の補完という役割なのか、VLSのセル数が少ない。全長146m、幅18.6m、吃水5.5m、満載排水量6170トン。主機はCODLAG方式、巡航用ディーゼル発電機（出力3MW）４基＋電動モーター（出力3.4MW）２基・高速用LM2500ガスタービン１基、２軸推進、速力26ノット、航続距離4100海里（15ノット）。兵装はオットー・メララ社製64口径127mm単装砲LWが１門、Mk41垂直発射機16セル（スタンダードSM-2艦対空ミサイル４発＋ESSMブロック�U艦対空ミサイル48発）、RGM-84Lハープーン・ブロック�U艦対艦ミサイル（NSM？）４連装発射筒２基、324mm短魚雷Mk54用連装発射管Mk32Mod9が２基、CIWS、遠隔操作式30mm機関砲２門、遠隔操作式12.7mm機銃2-4丁。自衛装備はAN/SLQ-25E対魚雷デコイなど。SH-60／NH-90ヘリ１機を搭載可能。乗員150名＋予備居住区37名分。2018年に１番艦艦番号F-111ラモン・デ・ボニファス（アルミランテ・ボニファス？）を起工し、２番艦F-112ルジェ・ダ・ラウリーア、３番艦F-113メネンデス・デ・アビレス、４番艦F-114ルイス・デ・コルドバ、５番艦F-115バルセロの５隻が2023年から就役する予定だったが、建造承認が2019年に遅れ、就役は2025-29年、引き渡しは2026-31年の予定になった。参考：月刊世界の艦船11,'21、2,'21、12,’19、3,’20、6,’19、9,'23、1,’15、2,’16、2,’18、9,’18、12,’18、6,’19、7,’19、7,’21、12,’22、8,’23

＜Ｆ１１０用整備器材＞：自衛隊の機器。アイ・エヌ・シー・エンジニアリング製。

＜Ｆ−１１１＞：スペイン海軍F-110級フリゲート１番艦ラモン・デ・ボニファス（Ramón de Bonifaz。アルミランテ・ボニファスAlmirante Bonifaz？）。2022年4月6日、ファースト・スチール・カット実施。2023年8月9日、起工式を実施。参考：月刊世界の艦船11,’21、7,’22、11,’23

＜Ｆ１１１＞：ニュージーランド海軍テ・カハ級フリゲート２番艦テ・マナ（Te Mana）。1999年12月就役。2005年5月、名古屋を親善訪問した。2013年5月23-27日、横須賀基地を親善訪問した。10月4日、シドニーに入港。10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。8月24-31日、グアムからダーウィンに至る海空域でオーストラリア海軍アデレード級ミサイル・フリゲート05メルボルン、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH-335カルガリー、補給艦アステリクス、DD-113さざなみと日豪加新共同巡航訓練を実施。2019年3月、近代化改修FSUのためシースパン造船所に入った。2022年5月末、近代化改修FSUを終えてニュージーランドに帰国。2023年10月23日、南シナ海で日米豪加新共同訓練ノーブル・カリブーに参加。DD-108あけぼの、DDG-115ラファエル・ペラルタ、オーストラリア海軍41ブリスベーン、カナダ海軍FFH-341オタワと、各種戦術訓練（通信、戦術運動など）、PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船10,’06、11,’00、7,’13、12,’13、9,’18、11,’18、5,’20、8,’22、1,’24

＜Ｆ１１１＞：バングラデシュ海軍056級コルベット、シャディノータ（Shadhinota。シャディーンノータ？）。2016年3月就役。2017年5月12日、シンガポール海軍国際観艦式参加艦と親善訓練に参加。5月15日、シンガポール海軍国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船8,’17、6,’19

＜Ｆ１１１＞：ルーマニア海軍マラセスティ級駆逐艦マラセスティ（Marasesti）。1985年竣工。2017年2月1-11日、黒海でシー・シールド2017演習に参加。2021年11月12日、黒海で、アメリカ海軍LCC-20マウント・ホイットニー、DDG-78ポーター、ウクライナ海軍哨戒艇P190スロヴィアンスク、揚陸艦L401ユーリ・オレフィレンコ、トルコ海軍フリゲートF240ヤウズなどとの共同演習に参加。ロシア海軍フリゲートのアドミラル・エッセンが傍で監視していた。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、7,’17、2,’22

＜Ｆ−１１１シリーズ＞：アメリカ空軍超音速戦闘攻撃機、別名アードバーグ（ツチブタ。アリクイの一種）。AGM-69SRAMまたは核爆弾２発を搭載し、超低空を超音速で飛行してソ連の濃密な防空網を突破、核を投下する。1960年に迎撃、制空、航空阻止、戦術核攻撃、偵察などの任務を１機種でこなせる万能戦闘機TFX（次期戦術戦闘機）計画として空軍から要求が出され、1961年2月にマクナマラ国防長官が海軍のF-4後継戦闘機（艦隊防空戦闘機ミサイリア計画の代替）と統合するように勧告、1962年11月24日にマクナマラ国防長官の鶴の一声でジェネラル・ダイナミックス社とグラマン社の共同チームによる設計が採用された。当初は空海軍合わせて1700機以上を生産する予定だったが、海軍型は重すぎて採用されず、各型計550機に留まった。参考：月刊JWings2,’14、世界の軍用機1979、月刊軍事研究7,’05、F-14トムキャット、アメリカジェット戦闘機、月刊軍事研究9,’08

　＜Ｆ−１１１Ａ＞：空軍向け戦術戦闘機型で、発進から目標攻撃、帰投までを完全自動化している。低空侵攻による航空阻止が主任務だが、全天候防空能力及び対戦闘機戦闘能力も重視されており、短距離離着陸能力を備え、報復核攻撃の一翼を担った。主翼は可変後退翼を採用しており、別系統で作動する２本の油圧スクリュージャッキにより16度（上反角１度、アスペクト比8.91）から72.5度（アスペクト比1.34）まで変化するが、重心許容範囲が狭くなるので通常は26度よりも前進させない。また、前縁後退角が54度を超えると内側パイロンが胴体と緩衝するので、投棄しなければならない。主翼付け根に大型のグローブを付け、直径8.5インチ（216mm）のピボットをD6AC高張力鋼でカバーしている。主翼はアルミニウム合金製の５本桁厚板構造で、桁間はインテグラルタンクになっていて、前縁にスラット、後縁にダブルスロッテッド・フラップ（15度、25度、37.5度・後に34度。前縁後退角26度まで作動）を持ち、前縁後退角45度以下での横操縦及び直接揚力制御のためのスポイラー（最大舵角54度）も装備する。前縁後退角が45度を超えると、水平尾翼での横操縦に切り替えるが、スポイラーが使えなくなるのでロール能力が低下する。離陸時には前縁後退角16度または25度・フラップ下げ角25度、着陸時には前縁後退角26度・フラップ下げ角37.5度（後に34度）とする。マッハ0.8以下の巡航では前縁後退角26度、マッハ1.1までは前縁後退角42.5-72.5度とするが、高度20000フィート（6096m）以上では45度にする。マッハ1.8以上を出す時は内側パイロンを投棄して前縁後退角を最大にする。兵装ステーションは計８カ所で、内側の４カ所はピボット式になっており、主翼後退角が変化してもリンクによりパイロンが気流方向に向くようになっている。外側パイロンは主翼後退角26度に合わせた固定式。内側パイロンは750ポンド爆弾３発ずつの専用で、外側パイロンには750ポンド爆弾３発ずつ、核爆弾１発、ナパーム弾、クラスター弾、ロケットポッドを搭載可能。エアインテイクは４分円型で、迎え角が変化しても安定した気流が得られるよう中央翼下面及び胴体側壁に密着して設置したが、胴体と主翼双方の影響を受けて境界層が分厚くなってしまったため、境界層分離用斜板を取り付けると共に、可動式ショックコーンの前方にも境界層分離板を設置、ショックコーン背部にボルテックスジェネレーターを配置した。エアインテイク喉部直後にはサックイン・ドアがあり、低速時に開いて空気流入量を増す。エアインテイクの地上高が低いため、異物を吸入しないよう、エアインテイク下端から高圧空気を噴射して地上渦流を打ち消す装置が設けられた。操縦系統は油圧２系統と高圧空気系３系統からなる。油圧源は独立２系統で、エンジン２基により油圧ポンプ（5800回転、42.5gpm、3100psi）計４基を駆動する。高圧空気系は各油圧リザーバーの緊急加圧、非常脚下げ、ショックコーン緊急作動に使用する。機首には攻撃用レーダーと地形追随レーダーを持つ。コクピットは並列複座で、緊急脱出の際は乗員室モジュールごと射出されるので、超音速でも脱出可能である。乗員室モジュールはコクピット周辺とコクピット後方の胴体上部を一体化したもので、前部に安定用フラップ、底部に浮き袋とロケットモーターとチャフディスペンサー、後部に安定用エアバッグとピッチ制御フラップとパラシュートを収容する。コクピット内には食料や飲料水、救助キットが用意されている。射出されるとロケットモーターが１秒程度で燃焼を終えてパラシュートが引き出され、射出３秒後にチャフが散布され、射出６秒後に射出地点から300フィート（91.4m）上空に達してパラシュートが展開、地上に降下する。操縦桿と方向舵ペダルは３舵サーボ作動筒とメカニカルリンクで結ばれており、ｑフィールなどの人工感覚装置と、ピッチ・ヨー・ロールそれぞれ独立したダンパー系統を持つ。ダンパー系統はコンピュータの指示で安定強化の操舵を行い、オートパイロットAFCSコンピュータの指示でパイロットの操縦を補完し、パイロットに対する操縦フィーリングを一定に保つ。コクピット後方背部に空中給油受油口がある。前脚はダブルタイヤで機首下面に、主脚はシングルタイヤで爆弾倉後方にあり、主脚扉がエアブレーキを兼ねる。タイヤは低圧の47×18インチ（1.19m×0.46m）で、前脚ステアリング角度は左右40度ずつ。ブレーキはアンチスキッド方式で、２系統の油圧で作動する。翼下には左右４カ所ずつのパイロンがあり、内側の２カ所ずつは後退角に合わせて角度が変化する。後部胴体主要構造はＴ型で、チタン合金が多用されていて、中央に防火隔壁２枚があり、その間に各種システム配線が通っている。排気ノズルはコンバージェント・ダイバージェント方式で、ノズルリングは胴体と分離しており、リング前方と排気ノズルの間隔を調節することで、速度やエンジン出力に応じた適切なノズル形状となる。胴体尾部中央フェアリングに燃料放出口を持つ。水平尾翼は全遊動式（舵角は前縁上方30度、下方15度。ロール操作のため左右で最大８度差動する）、前縁後退角57.5度で、後退した主翼と一体化して無尾翼デルタの特性を示す。垂直尾翼は高さ2.7m、方向舵の舵角は左右30度ずつで、桁間はベントタンクになっている。尾部には引き込み式テイルバンパーを装着しており、アレスティングフックもあるが、ドラッグシュートは無い。地上滑走距離短縮のためグラウンドスポイラーを持つ。オートパイロットは完全電子式で、姿勢制御、速度・高度・機首方位・航跡保持、Mk1爆撃航法システムからの信号を利用した自動航法、地形回避レーダーの信号を利用した自動回避飛行が可能。電源は115V・400Hz・３相と28V直流で、交流発電機は各エンジンに１基ずつ取り付けられたCSD付き60kVA交流発電機と、非常用油圧駆動10kVA交流発電機で、直流電源は28ボルト変圧整流器と24ボルトNiCd蓄電池１個である。全長22.4m、全幅10.34-22.34m、全高5.22m、運用自重21.565トン、離陸重量45トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製TF30-P-7（ミリタリー推力5.67トン、A/B時推力9.23トン）双発、最大速度マッハ2.5／マッハ1.2（海面高度）／計器速度650ノット（外部兵装搭載時）／マッハ0.8（翼下パイロンフル使用）、実用上昇限度18000m／13110m（最大重量時）、燃料容量21465リットル（翼内2875リットル＋胴体内18590リットル）、航続距離2200海里、戦闘行動半径1200海里（Hi-Lo-Hi、機内燃料のみ、A/B使用５分間）。固定武装は無く、爆弾倉右舷に20mm機関砲M61A1パック（2050発、リンクレス方式）を装着可能。核爆弾６発（爆弾倉に２発、パイロンに４発）、750ポンド爆弾50発またはAGM-69A空対地ミサイル６発、2285リットル増槽４本を搭載できる。乗員２名。1964年12月21日に初飛行し、試験機18機と量産機141機が生産され、1967年10月16日から配備された。試験機最終機はFB-111Aとして完成しており、量産11号機はRF-111Aに改造され、量産13号機は後にNASAと共同でのスーパークリティカル翼の試験に使用された。1969年8月に生産を終了し、1971年に121機がF-111E規格に改造されている。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1979、アメリカジェット戦闘機、ワイルドウエポン、空軍

　＜Ｆ−１１１Ｂ＞：試作海軍型。AN/AWG-9レーダーとAIM-54空対空ミサイルを搭載する全天候迎撃戦闘機で、グラマン社が設計した。電子機器をコクピット後方に移して機首を2m短縮している。翼幅21.34m（前縁後退角16度）、自重21トン、全備重量35.4トン。初号機は1965年5月11日に完成し、5月18日に初飛行した。初号機と同じ諸元の機体がもう２機作られたが、重量が空母運用目標よりも10トン重かったため、SWIP（Super Weight Improvement Program）という軽量化計画を適応した機体２機を製作、更に機首を0.67m延長するなど変更を加えた前生産型を２機作った。しかし軽量化に失敗し、CWIP（Colossal Weight Improvement Program）と称する再軽量化計画も没になり、後退翼に装着されたパイロン設計も上手くいかず、試作機７機のうち３機が墜落。F-111Aとの共通部分も30%を切り、1968年7月に一応空母適合性試験には合格したが、1968年12月14日に開発を断念し、F-14が開発されることとなった。参考：月刊JWings2,’14、11,’06、8,’06、F-14トムキャット、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｆ−１１１Ｄ＞：エンジンをTF30-P-9に換装し、アビオニクスを強化したタイプで、1966年1月に開発が決定し、1970年5月15日に初飛行した。胴体とエアインテイクの間隔を102mm広げ、エアインテイク面積を90.3平方センチほど拡大し、ダイバーターを廃したトリプルプラウ�Uエアインテイクを採用。内側パイロンに750ポンド爆弾６発ずつを搭載できるようになり、外側パイロンの750ポンド爆弾搭載能力は廃した。爆撃航法装置はMk2で、N-16H慣性航法装置、YAK-6デジタルコンピュータ、両席のコントロールディスプレイから構成されている。地形追随レーダーはAN/APQ-128（探知距離15海里）、攻撃レーダーはAN/APQ-130で、連続波照射機能も持っていてAIM-7スパローの誘導が可能。通信装置はAN/ARC-109UHF無線機、AN/ARC-113HF無線機、AN/ARA-50UHF-DF。インターホンはAN/AIC-26。航法装置はAN/ARN-52タカン（最大到達範囲300海里）、AN/ARN-58ILS受信機、AN/APN-57電波高度計。IFF装置はAN/APX-64と空対空用AN/APX-76。B43/B57/B61核爆弾３発を搭載可能。1971年11月1日に就役し、1973年2月28日までに全機引き渡された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings11,’06、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜Ｆ−１１１Ｅ＞：F-111Aが予定性能に達しなかったために1968年2月から開発された改良型。エアインテイクをＤ型と同じトリプルプラウ�Uに変更し、戦果確認用のカメラを搭載した。爆撃航法システムはＡ型と同じMk1。全長22.4m（23.36m？）／23.03m（ピトー管含む。含まず？）、全幅9.74-19.20m、全高5.22m、運用自重21.565トン（M61A1ガンパック・弾薬2050発含む）、クリーン総重量36.515トン、最大離陸重量41.504トン、最大着陸重量36.290トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製TF30-P-3（ミリタリー推力5.52トン、A/B時推力8.89トン）双発、最大速度マッハ2.5／マッハ1.2（海面高度）、実用上昇限度16800m、燃料容量19100リットル（機内）＋2270リットル増槽６本、フェリー航続距離3480海里、戦闘行動半径1240海里（Hi-Lo-Hi、増槽無し）。核爆弾、通常爆弾など10トン以上を搭載できる。B43/B57/B61核爆弾なら３発積める。乗員２名。1969年8月20日に量産型が初飛行し、9月30日から配備され、1971年5月28日までに94機が引き渡された。1971年にF-111Aから121機が改造されている。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1982、1979、空軍、月刊JWings11,’06、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｆ−１１１Ｆ＞：レーザー誘導爆弾による爆撃を完全自動で行えるタイプ。F-111DにFB-111Aの航法装置とデジタルコンピュータを搭載しており、攻撃レーダーはFB-111Aと同じAN/APQ-144で、爆撃航法装置はF-111D用Mk2の簡易版であるMk2F。エンジンは前期型49機がTF30-P-9、後期型がTF30-P-100で、前期型も後に換装された。全長22.4m、全幅9.74m（後退角16度）／19.2m（後退角72.5度）、全高5.22m、自重21.537トン、運用自重23.525トン、総重量33.566-41.504トン、最大離陸重量45.37トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製TF30-P-100（A/B時推力11.4トン）双発、最大速度マッハ2.5、実用上昇限度18290m、戦闘行動半径1359海里（兵装7.26トン、Hi-Lo-Hi）、航続距離4707km。武装は20mmバルカン砲M61A1パック（2050発）１基。兵装搭載量12.7トン。B43/B57/B61核爆弾なら３発積める。乗員２名。106機が生産されて1976年11月までに引き渡された。湾岸戦争ではGBU-12/Bによる夜間戦車攻撃任務に就き、920両を破壊した。参考：月刊軍事研究9,’08、月刊JWings11,’06、12,’06、3,’09、世界軍用機年鑑1990-91、空軍、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜Ｆ−１１１Ｇ＞：計画複合任務型。FB-111AがSACからTACに移管されるのに伴い計画されたもので、FB-111Aに通常兵器運用能力を追加し、アビオニクスを改良する。計画のみに終わった。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ−１１１ファミリー＞

　＜ＥＦ−１１１Ａ＞：アメリカ空軍電子戦機、別名レイブン（Raven）またはエレクトリック・フォックス。EB-66の後継で、1968-70年にはEA-6Bの導入も検討されたが、海軍機ということで嫌気され、F-111を改造することに落ち着いた。EA-6Bと同様に乗員２名を追加すると空力学的損失が大きく、航続距離が大幅に減少するため、１名で運用できるAN/ALQ-99Eを開発して解決している。主任務は、空軍戦術機が携行するポッド搭載ジャマーでは対応できない電子戦環境において、電子戦士官が適切な対応により電子戦を行い、エスコートをすることである。スタンドオフ（バリア方式ともいう。対空兵器射程外から実施）、侵入（対空兵器射程内で攻撃隊と一緒に行動するのでエスコートともいう）、近接航空支援（対空兵器射程内で攻撃隊と分かれて実施）の３形態の電子戦支援を行う。F-111Aの爆弾倉下面に全長5mのカヌー型レドームを装備し、内部にAN/ALQ-99E送信用アンテナを収容した。また、AN/ALE-28チャフ・ディスペンサー、AN/ALQ-137デセプション・ジャマー、AN/ALR-46レーダー警報装置なども装備している。垂直尾翼の構造を強化し、垂直尾翼頂部にフェアリング（重量432kg）を追加、内部にはAN/ALQ-99E用RCVアンテナ、同RFディバイダー、同アンテナ・カプラー、同RF/IFコンバイナー、AN/ALR-62受信アンテナ、AN/TRU-79XMTRS、AN/ALQ-62RCVアンテナ、AN/ALR-23赤外線スキャナーを収容しており、AN/ALQ-99Eで電子情報を、AN/ALR-23で赤外線脅威を探知してIBM社製AN/AYA-6コンピュータにより処理する。AN/ALQ-99Eの受信データと航法データを照合するシステムがあるが、航法装置がINSのため、電波発信源の位置を特定するには精度が劣る。垂直尾翼側面にも左右２カ所ずつ小型フェアリングが付く。超音速飛行能力を維持するため、ポッド式でないAN/ALQ-99Eを採用しているが、ラムエアタービンを付けることが出来ないので、電子戦装置に十分な電力を供給するため発電機を60kVAから90kVAに強化した。冷却も不十分になるので、冷却空気は4.4℃に冷やしてから供給する。垂直尾翼フェアリング後端上方にはAN/ALR-23の半球型センサー窓が付く。コクピット右の電子戦将校EWO席には大型デジタルディスプレイとジャミングコントロール装置が並んでいる。AN/APQ-110地形追随レーダーは搭載したままなので、低空侵攻する攻撃機部隊の護衛任務も行える。他にAN/APQ-160攻撃用レーダー、AN/APX-64敵味方識別器、AN/ARC-109UHF指令無線機、AN/ARC-112HF無線機、AN/ARA-50UHF方向探知機、AN/AIC-25機内交話器、AN/AJQ-20A慣性航法装置、AN/APN-167電波高度計、AN/ARN-58計器着陸装置、AN/ARN-52タカンといったアビオニクスを搭載する。全長23.47m、全幅9.72-19.2m、全高6.1m、自重24.313トン、作戦離陸重量28トン、最大離陸重量39.825トン。エンジンはTF30-P-3（ミリタリー推力5.52トン、A/B時推力8.89トン）双発、巡航速度マッハ0.57、最大速度マッハ2.2、実用上昇限度15250m、航続距離2157海里、戦闘行動半径200海里（スタンドオフ・ジャミング）／250海里（ペネトレーション・エスコート・ジャミング）／897海里（近接支援）。乗員２名（機長、電子戦士官EWO）。武装が無いので、敵地での作戦行動時には護衛が要る。初号機は垂直尾翼上端フェアリングを付けずに1975年12月15日に初飛行し、空力試験に投入された（上端フェアリングを付けて飛んだのは1977年3月10日）。電子戦器材を搭載した２号機は1977年5月17日に初飛行し、1979年7月25日に超音速テストを行っている。F-111Aから42機が改造された。1986年4月15日のリビア爆撃では発射された地対空ミサイルを１発も喰らわず任務を遂行した。1998年に退役したが、後継機が無く、海軍のEA-6Bを協同運用している。参考：世界軍用機年鑑1990-91、アメリカ空軍の第一線機、軍事分析湾岸戦争、図解現代の航空戦、世界の軍用機1979、スパイ機、月刊軍事研究7,’14

　＜ＥＦ−１１１Ａ近代化フェイズ１＞：Ｋバンド（10-20GHz）電子妨害能力を追加し、エンジンをTF30-P-109に換装した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＦＢ−１１１Ａ＞：戦略爆撃機型。B-70の開発中止とB-58の早期退役で、B-1完成までの間に戦略爆撃機が不足するとみられたために開発されたもので、開発期間を短縮するため原型機はF-111Aの18号機を流用し、1967年7月13日に初飛行、量産機は1968年7月13日に初飛行した。当初はF-111Aに最小限の改造を行う予定だったが、能力不足だったので大幅な修正を施している。F-111Eの胴体にF-111Bの主翼を組み合わせ、エンジンをTF30-P-7に換装し、機体構造と降着装置を強化、胴体内爆弾倉に改良を加えた。エアインテイクはＦ型と同じトリプル・プラウ�U型だが、エンジンが間に合わなかった量産１・２号機（TF30-P-12搭載）はF-111Eと同じものである。主翼下パイロンは左右計８カ所で、内翼４カ所は後退角に合わせて旋回するタイプであり、後退角が26度までは８カ所全て利用でき、26-54度までは内側６カ所のみとなり、それ以上ではパイロン許容荷重は750ポンド爆弾左右３発ずつに制限される。核爆弾やAGM-69Aは内側４カ所のパイロンに１発ずつと爆弾倉に２発を積める。外側から２番目のパイロンは増槽専用で、爆弾倉内に右側1134リットル・左側1077リットルの増槽を積むことも可能である。最外側のパイロンは通常使用せず、20mmバルカン砲やサイドワインダーは装備できない。爆撃航法装置はF-111D用Mk�UをベースにしたMk�UＢで、N-16H-1慣性航法装置、AN/AYK-6デジタルコンピュータ、AN/APN-185ドップラー・レーダー、AN/APN-176電波高度計、AN/APN-134地形追随レーダー、AN/ASQ-119自動天測装置（アストロコンパス）を組み合わせてあり精度が高い。AN/APQ-114航法・攻撃レーダーの他にAN/APQ-128地形回避レーダーを持ち、自動操縦装置と連動して高度200-1000フィート（61-305m）を６段階で超音速飛行（高度200フィート・61mにセットすると、地表の起伏に沿って高度170-300フィート・52-91mを保つ）できる。全長22.4m、全幅10.34-21.34m、全高5.22m、運用自重21.565トン、離陸重量45トン、最大離陸重量51.845トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製TF30-P-7（ミリタリー推力5.67トン、A/B時推力9.23トン）双発、最大速度マッハ2.5／マッハ1.1（海面高度）、実用上昇限度18000m、燃料容量19125リットル（機内）＋2270リットル増槽４本、行動半径1890km、航続距離5669海里（高空核攻撃）／1236海里（低空核攻撃）。兵装搭載量13.15トン。750ポンド爆弾最大50発（爆弾倉に２発、パイロンに６発ずつ）を搭載できるという触れ込みだが、実際には主翼外側２カ所ずつのパイロンと爆弾倉には爆弾を搭載しないので、事実上24発が最大である。核アラートでは増槽2-4本を装備するのが標準らしく、AGM-69AとB43/B61/B83核爆弾を計4-6発搭載するようだ。乗員２名。当初は263機を生産して実戦飛行隊14個に15機ずつ配備（残りは訓練・テスト用）し、B-52C/D/E/F型345機を代替する予定だったが、高価な上に戦略爆撃機としては航続距離や兵装搭載量が少なく、1968年11月に126機に減らされ、更にB-1の開発の目処が立ったため、1969年3月には76機になり、1968-71年に75機が生産されて（もう１機生産されたが、引き渡し後に墜落して失われた）、アメリカ空軍に1969年9月25日から引き渡され、２個航空団に配備されて1971年1月から核アラートに就いた。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、空軍、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ＦＢ−１１１Ｂ＞：FB-111Aの改良型。採用されず。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＦＢ−１１１Ｃ＞：計画戦略爆撃機。F-111Dベースの案だが、採用されなかった。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＦＢ−１１１Ｈ＞：FB-111Aの後部胴体を2.64m延長し、エンジンをB-1Aと同じF101に換装して低空ダッシュ航続距離を２倍にしたもの。採用されなかった。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＲＦ−１１１Ａ＞：試作偵察機型。F-111Aの11号機を改造したもので、ウェポンベイにカメラやセンサーを収容したパレットを搭載している。1967年12月17日に初飛行し、1968年10月まで試験を実施、その後F-111Aに戻された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＲＦ−１１１Ｂ＞：計画偵察機型。F-111Bベースで、1963年に海軍が要求を出したが、1965年に開発中止となった。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＲＦ−１１１Ｄ＞：計画偵察機型。F-111Dベースで、60機の生産を予定していたが、RF-111Aの方が安かったため、1969年9月に取り消された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−１１１海外シリーズ＞

　＜Ｆ−１１１（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍戦闘爆撃機。1973年からF-111Cを24機配備し、1977年から予備としてF-111A(C)を４機導入、1993年（1994年？）からF-111Gを15機配備した。他に地上訓練用のGF-111Aを１機、防衛科学技術機構向けにF-111Aを１機、部品取りとしてF-111Aを４機、EF-111Aを４機、F-111Fを２機、F-111Gを３機購入している。F/A-18Fブロック�Uに後を譲り、2010年12月3日までに全機退役した。参考：月刊航空ファン2,’11、月刊軍事研究5,’13

　＜Ｆ−１１１Ａ（Ｃ）＞：オーストラリア空軍戦闘爆撃機。アメリカで退役したF-111AをF-111C仕様に変更したものである。1982年に４機を導入した。1990年代に改良を受け、AN/AVQ-26ペイブ・タック、GBU-15/Bレーザー誘導爆弾、AGM-84空対艦ミサイル、AGM-88対レーダーミサイルを搭載できるようになった。ただしGBU-15/B用データリンクは装備していないため、GBU-15/Bは視程内でしか使用できない。参考：月刊軍事研究8,’10

　＜Ｆ−１１１Ｃ＞：オーストラリア空軍戦闘爆撃機。F-111Eの胴体にFB-111Aの主翼と降着装置を取り付けたものである。1968年7月に初飛行し、24機が発注されて1968-69年に引き渡されたが、問題が多く一旦戻され、1973年6月から再度引き渡されて就役した。うち４機はRF-111Cに改造されている。全幅10.34m-21.34m。1990年代に改良を受け、AN/AVQ-26ペイブ・タック、GBU-15/Bレーザー誘導爆弾、AGM-84空対艦ミサイル、AGM-88対レーダーミサイルを搭載できるようになった。ただしGBU-15/B用データリンクは装備していないため、GBU-15/Bは視程内でしか使用できない。2010年12月3日までに全機退役した。参考：世界の軍用機1979、アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究8,’10、月刊JWings2,’11

　＜Ｆ−１１１Ｇ＞：オーストラリア空軍戦闘爆撃機。アメリカで退役したFB-111Aの核兵器運用能力を外すなどしたものである。1994年に15機が引き渡され、1998年には部品取りの10機（３機？）を購入した。1990年代に改良を受け、AN/AVQ-26ペイブ・タック、GBU-15/Bレーザー誘導爆弾、AGM-84空対艦ミサイル、AGM-88対レーダーミサイルを搭載できるようになった。ただしGBU-15/B用データリンクは装備していないため、GBU-15/Bは視程内でしか使用できない。2007年9月3日までに全機退役した。参考：月刊軍事研究8,’10、月刊航空ファン2,’11

　＜Ｆ−１１１Ｋ＞：イギリス空軍のTSR-2攻撃偵察機が開発中止になったのを受けてイギリスに提案したもの。ミラージュ�Wに勝って採用されたが、1968年1月にキャンセルされて結局生産されず、ほぼ完成していた２機はYF-111Aとしてアメリカ空軍のテスト機になった。参考：週刊エアクラフトNo.84、アメリカ空軍の第一線機

＜Ｆ−１１１海外ファミリー＞

　＜ＲＦ−１１１Ｃ＞：オーストラリア空軍偵察機。中央胴体前方下面にカメラベイを設け、KA-56E低高度パノラミックカメラ、KS-87Cスプリットヴァーティカルカメラ、KA-93A4高々度パノラミックカメラ、AN/AAD-5赤外線ラインスキャナ、低光度テレビカメラなどを搭載する。４機がF-111Cから改造され、1979年から引き渡された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究8,’10、月刊航空ファン2,’11

＜Ｆ−１１２＞：スペイン海軍F-110級フリゲート２番艦ルジェ・ダ・ラウリーア（Roger de Lauria）。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜Ｆ１１３＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、ファルマス（Falmouth）。1961年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ−１１３＞：スペイン海軍F-110級フリゲート３番艦メネンデス・デ・アビレス（Menéndez de Avilés）。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜Ｆ１１４＞：イギリス海軍リアンダー級バッチ１フリゲート、アジャックス（Ajax）。1963年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ−１１４＞：スペイン海軍F-110級フリゲート４番艦ルイス・デ・コルドバ（Luis de Córdova）。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜Ｆ１１５＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、バーウィック（Berwick）。1961年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ−１１５＞：スペイン海軍F-110級フリゲート５番艦バルセロ（Barceló）。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜Ｆ−１１７シリーズ＞：アメリカ空軍ステルス爆撃機、別名ナイトホーク（Nighthawk）。主任務は夜間の敵防空網破壊による全天候阻止攻撃機（F-15E/F-16/F-111）のコリドー確保である。Ｆナンバーなら開発時期からしてF-19になる筈が何故F-117かというと、ネバダのグルームレイクで秘密裏に飛ばしていたソ連軍機にF-112から始まる架空の名称を与えており、その続きでF-117になったらしい。ちなみにF-19の名称は、F-5GがF-20に改称された（F-19では最新型のイメージがしない、と敬遠された）ため、お蔵入りになっている。ハヴ・ブルーとシニア・トレンド計画を経て1978年から開発され、1981年6月18日に試作初号機が初飛行、1982年4月20日に量産型初号機が初飛行しようとしたがフライバイワイヤの配線間違いで離陸と同時に墜落し、7月15日に量産型２号機が初飛行、1982年8月23日にアメリカ空軍に量産機が引き渡され、1988年11月10日に存在が公表され、1990年までに59機（＋試作機５機＋地上試験機３機。量産初号機は飛行前に墜落したので生産機リストに入っていない）がロッキード・マーチン社で生産された。配備部隊は第4450戦術群で、1989年10月5日に第37戦術戦闘航空団、1991年10月に第37戦闘航空団、1992年7月に第49戦闘航空団に改称されている。湾岸戦争では航空部隊全ソーティ数の2%を行うのみで主要目標の40%を破壊し、サウジアラビア軍からシャバ（幽霊）というニックネームを付けられた。事故で７機が失われており、1986年11月7日に空間識失調で生産８号機が墜落した。この時はF-105の墜落と発表したが、一帯を封鎖して破片全てを拾い集めたため、かえってステルス機が墜落したのではと憶測を呼ぶ結果となった。1987年10月14日、生産31号機が空間識失調で墜落。1992年8月4日2130頃、機体の整備不良で第49戦闘航空団第416戦闘航空隊シリアルナンバー85-801がホロマン空軍基地を離陸直後に８マイル先の砂丘に墜落。パイロットは脱出し、軽傷を負った。1995年5月10日、空間識失調でシリアルナンバー85-822が墜落。1997年9月14日、エレボンの固定用ファスナーの取り付け忘れから、エアショーで低空を航過中にエレボンが振動を起こし、左主翼が破壊されて空中分解した。民家が火災になり、パイロット１名と民間人４人が軽傷を負っている。アライド・フォース作戦で１機が撃墜された。2008年4月22日に退役した。その後もネバダ州トノパ・テストレンジ（別名グルームレイク、通称エリア51）に飛行可能状態（タイプ1000ストレージ）で保管され、機載レーダーの対ステルス性能試験などに使われているらしく、2019年2月26-27日にはカリフォルニア州パナミントバレーをF-16戦闘機２機と共に飛行している姿が撮影されている。2021年1月現在、48機を保有しており、年に４機ずつ廃棄処分にする予定。2021年9月13日から１週間、カリフォルニア州フレズノ州空軍基地で２機が第144戦闘航空団F-15戦闘機と異機種戦闘訓練を行った。中露のステルス機や巡航ミサイルを模したらしい。参考：ロッキードF117ナイトホーク、月刊JWings8,’03、1,’15、10,’18、12,'21、7,'23、月刊軍事研究4,’00、11,’99、7,’07、11,’09、5,’11、世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン11,’92、5,’19

＜Ｆ−１１７Ａ＞：無尾翼機（というか全翼機の尾部にＶ字尾翼をくっつけた感じ）で、機体を平面構成の組み合わせ（ファセット構造）とし、レーダー反射波を照射方向とは別の方向に逸らすと共に、６種類のRAMを使用して機体平面に沿って流れる電波を吸収し、対レーダー・ステルスを発揮する。RCSは0.025平方メートルで、平時には管制レーダーにちゃんと映るよう、四角錐の頂点を削ったような形をしたレーダーリフレクターを機体に取り付ける。あまりに不格好なので、空飛ぶボルテックスジェネレーターとか、巨大なダースベイダーとか、A-10ウォートホッグよりも不細工とか酷評され、一見飛ぶことも難しそうだが、フライ・バイ・ワイヤで飛べるようにしている。機体は一面黒に塗られ、夜間のみ行動するのが基本である。機首にはFRP製エアデータセンサー４本が突き出ており、四重フライ・バイ・ワイヤにデータを供給する。夜間作戦を行うため、コクピット前方に前方監視赤外線装置FLIR、機体前方下部右に下方監視赤外線装置DLIRを装備するが、逆探知を避けるためレーダーは無く、悪天候に弱い。キャノピーは５枚の平面ガラスで構成されており、縁は鋸歯状になっていて前方から来た電波を上下方向に反らす他、透明部分には金を蒸着させて電波がコクピット内で反射するのを防いでいる。コクピット内部の主計器板はF/A-18などから流用して開発期間を短縮した。開発中はアナログ計器が並んでいたが、量産時にはMFDを積んでいる。左のコンソールは油圧・電気操作パネルとスロットルレバー、右のコンソールは航法・通信操作パネルとなっている。座席はACES�U射出座席。機体背面に引き込み式空中給油口があり、キャノピー頂部には空中給油用照明ライト（APEXライト）が付いていて、夜間給油時に空中給油口を照らす。それでも闇夜で給油しないといけないので、なかなか骨が折れる。機体背面にはAN/ARC-164(V)UHF通信アンテナ、AN/APX-101IFFアンテナ、衝突防止灯もあり、全て引き込み式。エアインテイクには15mm×25mmメッシュのRAM・防氷機能付き錫製グリッドを装着し、エンジンファンからの電波反射を抑制した。グリッドの下には氷結を防止するためのワイパーが付く。主翼は前縁後退角66.5度（72.3度？）で、後縁に２分割のエレボンを持つ。開発時にドッグトゥースの装着が検討されたが、採用されなかった。エンジンは静粛性と赤外線抑制を優先しており、アフターバーナーは無く、高々度巡航時は真上を通過するまで音が聞こえないらしい。排気ノズルはチタン製で、プラティパス（カモノハシ）のニックネームを持ち、スリット（二次元平面）状で上方を向いていて、巡航飛行時の排気を66℃に冷却して放出、赤外線受動誘導式地対空ミサイルが捕捉できないようにしている。ノズル外側にはキャデラック・フィンと呼ばれる小型の整流フィンが付く。Ｖ字尾翼は全遊動式ラダーベーター（ラダー＋エレベーター）で、ヨー制御に使用され、ピッチ制御は行わない。レーザー目標指示器を装備しており、胴体下面のウェポンベイ（２×５メートル）にレーザー誘導爆弾を２発搭載するのが標準武装である。一応自衛用としてAIM-9空対空ミサイルも搭載できるが、任務上まず積むことは無い。ウェポンベイには、せり出し式爆弾架（ボムベイ・トラピーズ）が用意されており、当初は爆弾投下用に使う予定だったが、RCSが極端に高くなってしまうため、地上での爆弾搭載時にのみ使用した。降着装置の収納ドアは山型・鋸歯状カットとなっており、ステルス性に気を配っている。航法装置は夜の女王エルビラの異名を持ち、基地のミッションプランニングコンピュータからダビングしたEDTMカセットを入力するだけで、離陸−爆撃−帰還を自動的に行える。初期には両主翼下面に引き込み式パッシブレーダー位置探知装置が付いていたが、後に外した。全長20.08m、全幅13.2m、全高3.78m、自重13.381トン、最大離陸重量23.814トン。エンジンはジェネラル・ダイナミックス社製F404-GE-F1D2ターボファン（推力10800ポンド・4.899トン・47.1kN）双発、巡航速度マッハ0.55-0.82、最大速度マッハ0.9、最大燃料搭載重量8.254トン、最大航続距離665海里、戦闘行動半径465海里。兵装搭載量5000ポンド（2.268トン）。搭載可能な兵器は、Mk84爆弾、GBU-10/Bレーザー誘導爆弾、GBU-12/Bレーザー誘導爆弾、GBU-16/Bレーザー誘導爆弾、GBU-27/Bレーザー誘導爆弾、CBU-72/Bクラスター弾、CBU-87/Bクラスター弾、AGM-65空対地ミサイル、AGM-88対レーダーミサイル、AGM-154空対地ミサイル、AGM-158空対地ミサイル、JDAM、WCMD、B61核爆弾など。核爆弾運用のため、DCU-201/Aを装備する。乗員１名。１機の値段は1990年で4260万ドル。湾岸戦争では1299ソーティで1664目標を破壊した。コソボ紛争中の1999年3月27日、セルビア上空で１機が撃墜された。イラク戦争には12機が参加した。参考：ロッキードF117ナイトホーク、月刊JWings8,’03、5,’05、9,’10、10,’18、月刊軍事研究4,’00、4,’16、11,’99、7,’07、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ−１１７Ａ　ＯＣＩＰ＞：OCIPは攻撃能力向上計画の略。ミッション・コンピュータとINSを改良し、液晶ディスプレイを搭載するなどした。フェイズ�V改修後は主計器板の中央にモノクロ式赤外線捕捉探知システムディスプレイ、その両側に飛行情報用カラー多機能ディスプレイを備えている。また、ムービングマップ機能も追加した。参考：ロッキードF117ナイトホーク、月刊JWings5,’05

＜Ｆ−１１７Ａ　ＲＮＩＰ＞：リング・レーザー・ジャイロ航法装置の改良を行ったもの。参考：月刊JWings5,’05

＜Ｆ−１１７Ａ　ＩＡＤＳ＞：統合捕捉指示システム搭載改修で、FLIR/DLIRを新型に換えた。参考：月刊JWings5,’05

＜Ｆ−１１７Ａ　ＣＵ−７＞：CUはConfiguration Update（形状最新化）の略。1990年代末に開始されたSCF（単一形状フリート）計画改修機で、RAMをシート貼付式からスプレー塗装式に変更し、整備が楽になった。2005年までに45機が改修された。参考：月刊JWings5,’05

＜Ｆ−１１７Ａ量産後改修＞：2005年から拡張型データ転送システムEDTSを搭載し、外舷エレボン作動用アクチュエータ支持構造（ブルックリン・ブリッジ）を改修。2006年からミッションプランニング・システムを改修。2007年、APU排気口改良。2008年、共通データレコーダ搭載。参考：月刊JWings5,’05

＜Ｆ−１１７ファミリー＞

　＜Ｆ−１１７Ｎ＞：海軍に提案されたタイプ。採用されず。参考：ロッキードF-117ナイトホーク

　＜グレイドラゴン＞：昼間任務の運用試験機で、グレイ系の塗装が施されたためこの名がある。昼間任務用なので「デイホーク」とも呼ばれる。第53航空団第53試験評価航空軍第１分遣隊所属の51号機が改修され、試験飛行を繰り返した。参考：月刊JWings5,’05

＜Ｆ−１１７撃墜＞：アライド・フォース作戦で、ユーゴスラビア北部の目標を攻撃するF-117は、イタリアのアビアノ基地を離陸して東に飛び、スロベニア経由でハンガリーに向かい、ハンガリー上空でKC-135から空中給油を受け、セルビアに向かっていた。1999年3月27日、以前にF-117が攻撃に失敗した目標を再度攻撃するため、イタリアのアビアノ基地からデイル・ゼルコゥ大尉の操縦するF-117（コールサインはヴェガ31）が離陸し、セルビアのベオグラード近くにある目標に向かった。この日は天候的な理由でアビアノ基地から出撃したのは８機のF-117のみで、目標に向かうため４日連続で同じコースを飛行していた。NATO軍は手持ちの電子戦機が少なく、F-117の出撃地域にはECMもかけられていなかった。セルビア側はNATO軍のSEADを避けるため、地対空ミサイルのFCSを改修したり、部隊を頻繁に移動させたり、移動後に必要なレーダー調整を行わなかったり、NATO軍機出撃基地の近くに諜報員を配置して攻撃機や空中給油機の動静を報告させたりしていた。また、ステルス機を探知できるよう、目標捕捉レーダーの波長をメートル波級にまで長くして形状によるステルス効果を打ち消していたようである。この日は満月であり、目視や可視光・赤外線カメラによるミサイル誘導も不可能ではなかった。F-117は目標を爆撃して破壊し、帰路についたが、直後（現地時間2038頃）にセルビア空軍・防空軍第250防空ミサイル旅団第３中隊S-125M地対空ミサイル（中隊には４連装発射機４基が配備されていた）の攻撃を受けた。F-117が爆弾倉を開くとRCSが急増するので、これにより位置がばれたかもしれない。ミサイル２発が発射されてF-117に向かい、１発目は上方を通り過ぎていったが、２発目が至近で炸裂し、F-117は左主翼を吹き飛ばされて左に横転、操縦不能に陥った。コクピット内にはかなりのマイナスＧがかかったが、射出座席を何とか作動させて脱出に成功した。パラシュート降下中に作動させたサバイバル無線機でKC-135との連絡も取れ、撃墜された座標を伝えると市街から数キロメートル離れた平原に降下、パラシュートなどを埋め、迷彩代わりに湿った土を皮膚に塗り、近くの溝に身を隠した。セルビアは軍、警察、付近の住民を総動員させてパイロットを捜索していた。撃墜から３時間後、CSAR指揮官と連絡が取れたが、指揮官は何度も本人確認の質問を繰り返した。暫くしてCSAR部隊のMH-53ヘリ２機とMH-60ヘリ１機が付近に到着。ゼルコゥ大尉はストロボライトを点灯させるよう求められたが、上手く作動しなかったため、ヘリの音を頼りにCSAR部隊に南下するよう伝えた。CSAR部隊はゼルコゥ大尉にフレア点火を指示、これにより大尉を発見できたため、すぐにフレアを消すよう伝え、直後にMH-60ヘリが着陸、パラジャンパーがゼルコゥ大尉を救出した。この間、サバイバル無線機がセルビア側に奪われて囮の人物がCSAR部隊を罠に掛けている事態に備え、パラジャンパーがゼルコゥ大尉を本人と確認するまで、ヘリに搭載された機関銃がゼルコゥ大尉に向けられていた。ゼルコゥ大尉は８時間後にCSAR部隊の拠点に到着している。翌日に公表された残骸写真にはHOのテイルコードと82-0806のシリアルナンバーが記されており、ニューメキシコ州ホロマン空軍基地第49戦闘航空団所属の生産22号機（1982会計年度発注。全規模開発用機５機を含めると生産27号機）と判明した。残骸のキャノピー枠にはケン・ドゥウェル大尉の名が記されていたが、この人物は除隊を控えてアメリカ本土におり、実際にはゼルコゥ大尉の操縦だったことが2007年に明らかとなった。撃墜された機体はセルビア各地の博物館に運ばれ（一部はロシアに運ばれたともいわれる）、RAMの外皮が記念品として売られていたこともあった。また、個人所有になっている残骸もある。撃墜された後もアメリカ軍はF-117を増派して投入しており、運用の工夫やECM/SEADの徹底で更なる被害は防げると考えていたようで、実際その後は損害を受けていない。参考：月刊航空ファン8,’09、7,’99、月刊軍事研究11,’09

＜Ｆ−１１７飛行＞：まずバッテリーのスイッチを入れる。FCSのテストを行い、APUを始動。次いで赤外線捕捉・探知装置のスイッチがOFFになっていることを確認する。右エンジン、次いで左エンジンを始動。それぞれ回転数が10%になったところでスロットルをアイドルに入れておく。クルーに外部電源と圧搾空気源を外してもらう。ラダーペダル、ハーネス、ヘッドホンマイクを調整し、EDTMカセットを差し込んでミッションデータを読み込ませる。計器板のスイッチを入れ、現在位置の表示を確認。空調をコクピット・オフに入れ、キャノピーを閉じる。空調をノーマルに戻し、爆弾倉扉を閉める。レーザーを切り、FLIR・DLIRをスタンバイにし、FCSのテストを行う。ピトー管の余熱を開始し、エンジン防氷装置のスイッチを入れ、カラー多用途ディスプレイを兵装管理ディスプレイに切り替え、状況を確認する。気圧高度計をセットし、トリムをピッチ１度、ヨー０度、ロール０度と入力。INSのアラインメント完了と赤外線捕捉・探知装置のテスト完了を確かめ、戦果確認用ビデオのタイトルを入力し、ブレーキの作動を確認する。クルーチーフが安全ピンを抜き終わったことを確認。衝突警戒灯のスイッチを入れ、タキシング準備完了を管制塔に伝える。タキシングの許可が出たらブレーキを踏み、クルーチーフにチョークを外してもらう。外したのを確認したらブレーキを弛め、タキシング開始。ブレーキペダルの効き、ステアリングの効き、計器の状態を確認する。滑走路端で停止。キャノピーのロック、ハーネス、酸素マスク、ヘッドホンなどを確認。射出座席のレバーをアームドにセットし、安全ピンを抜く。衝突防止灯の点灯を確認。爆弾倉が閉じていることを確認。トリムをチェック。警告灯が点灯していないことを確認。翼内燃料タンクのバランスをチェック。IFFコードを設定。管制塔の離陸許可を待つ。許可が出たらブレーキを踏んだままスロットルをMaxに入れ、エンジン計器を確認、ブレーキを外す。140ノットまで加速したら機首を上げ、迎え角8-9度で離陸。降着装置を収容する。防氷装置をオートに入れる。較正対気速度125ノット以下では迎え角の超過で操縦不能になる可能性があるので、迎え角リミッターが作動する。よって、着陸時でも140ノット以上、通常飛行時は250ノット以上を維持することが求められる。戦術機動時は300ノット以上を維持した方がいい。脚下げでは迎え角14度、脚上げでは12度まで取ることができるが、それを超えると失速する。また、迎え角がマイナス８度を下回っても回復不可能なピッチダウンに陥るため、注意がいる。敵地に侵入する前にIFFアンテナ、UHFアンテナ、TACANを収容し、GPS/INSで目標に向かう。レーダー誘導ミサイルで迎撃される可能性は殆ど無いが、迎撃機に後上方につかれるとエンジン排気を赤外線誘導ミサイルで狙われる可能性がある。この場合、機首を下げて主翼後縁で排気を隠すと共に敵機の下に潜り込み、旋回して闇に紛れて逃げる。任務終了後は基地へと帰投。まず兵装の安全装置を確認する。味方の空域に入ったら着陸灯を付け、衝突を防止する。UHFアンテナとIFFアンテナを立て、レーダーでも見やすくしておく。TACANで位置を確認。空中給油選択スイッチがクローズドになっていることを確認。マスターアームスイッチがセーフになっていることを確認。赤外線捕捉／探知装置をスタンバイにセット。レーザーのスイッチは切る。気圧高度計を基地からの情報に基づいて設定し直す。電波高度計のスイッチを入れる。自機の位置を管制塔に伝え、ウェイポイントに向かう。スピードブレーキが無いのでブレイクを繰り返してスピードを落とし、較正対気速度が300ノットを切ったら車輪を降ろす。スロットルを調節して190ノット、迎え角７度以上にする。更に150ノット、迎え角9.5度にして着陸。前輪が滑走路に付いたらドラッグシュートを開き、ある程度減速したらブレーキを踏み込んで減速、誘導路に入る。機首を風上に向けてドラッグシュートを切り離し、機体の停止位置に向かう。参考：ロッキードF117ナイトホーク

＜Ｆ１１７−ＰＷ−１００＞：プラット＆ホイットニー社のターボファンエンジン。1971年からYC-15試作輸送機及びB767旅客機（の計画名称B7X7）向けとしてJT10Dの名称で開発し、1981年末に最初の試運転を行った。B757旅客機用PW2000に油圧駆動式スラストリバーサーを追加したもので、FADECを装備する。圧縮機１＋４＋12段、圧縮比28.2、燃焼器はアニュラー式、タービン段数２＋５段、離昇推力41700ポンド（18.9トン）。全長146.8インチ（3.73m）、直径84.5インチ（2.15m）、重量7100ポンド（3.22トン）。C-17輸送機に搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊軍事研究3,’09、月刊JWings3,’19

＜Ｆ１１８シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社が開発したターボファンエンジン。F101エンジン（F110？）のアフターバーナー抜きである。参考：月刊軍事研究11,’18

＜Ｆ１１８−ＧＥ−１００＞：B-2爆撃機に搭載された。圧縮機３＋９段、圧縮比30.4、燃焼器はアニュラー式、タービン段数１＋２段、離昇推力19000ポンド／8.62トン／84.5kN。全長100.5インチ（2.55m）、直径46.5インチ（1.18m）。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings12,’17

＜Ｆ１１８−ＧＥ−１０１＞：U-2S偵察機に搭載された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜Ｆ１１９−ＰＷ−１００＞：F-22A戦闘機に搭載されているターボファンエンジンで、プラット＆ホイットニー社製。各部位にチタンを多用し、燃焼室にはコバルト合金を使用して耐久性を向上させている。また、排煙を抑えて被発見率を低下させた。デジタル電子エンジン制御を採用し、エンジン１基につきコンピュータ２基とユニット２基でコントロールしており、信頼性が高い。排気口は四角断面で、上下に推力偏向パドルを装着しており、飛行コンピュータのアルゴリズムに従って作動する。ファン３段、バイパス比0.3、圧縮機６段、タービン２段、A/B時最大推力156kN・35000ポンド。全長5.16m、直径1.2m、重量1.8トン。参考：月刊JWings4,’07、4,’20

＜Ｆ１２２型＞：ドイツ海軍フリゲート、ブレーメン（Bremen）級。オランダ海軍コルテノール級フリゲートをドイツ海軍仕様に改装したもので、船型を長船首楼型（船首楼甲板が艦尾まで続くのでほぼ遮浪甲板型だが）に、主機をCODOG方式にした。機関室はパラレル配置で変わらない。煙突前方には背の高いラティスマストを設け、頂部にミサイル警報装置を搭載している。戦闘システムはSATIR�U。レーダーはTRS-3D/32。ソナーはDSQS-21/DSQS-21B/DSQS-23。全長130m、全幅14.5m、吃水6m（4.3m？）、満載排水量3800トン（3600トン？3500トン？）。主機をCODOG方式、LM2500ガスタービン（25500軸馬力）２基・MTU20V956ディーゼル（5520軸馬力）２基、出力55000馬力（51600馬力？）、２軸推進、速力30.2ノット、航続距離4000海里（18ノット）。兵装はハープーンRGM-84A/C艦対艦ミサイル用４連装発射筒Mk141が２基、シースパローRIM-7M/P艦対空ミサイル用８連装発射機Mk29が１基（射撃指揮装置はWM-25とSTIR）、RAM艦対空ミサイル用Mk49発射機２基（1990年代に装備）、76mm単装砲１基（射撃指揮装置はWM25）、20mm機関砲１門、324mm短魚雷３連装発射管２基（Mk46短魚雷）。リンクスMk38／シーリンクスMk88Aヘリコプター２機を搭載できる。乗員207名。12隻の建造を予定していたが、予算の関係で1982-90年にF207ブレーメン、F208ニーダーザクセン、F209ラインラント・プファルツ、F210エムデン、F211ケルン、F212カールスルーエ、F213アウグスブルク、F214リューベックの８隻が就役した。2022年12月15日にF214リューベックが退役し、全艦退役した。参考：月刊世界の艦船3,’07、3,'22、9,’02、3,’92増刊、9,’10、1,'15増刊、6,'22、3,'23、JShips Vol.24、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｆ１２３型＞：ドイツ海軍フリゲート、ブランデンブルク（Brandenburg）級。101型ハンブルク級フリゲートの代替として建造を予定していたNFR90プロジェクトの進行が遅れたため、MEKO型と同系列のモジュールにF122型ブレーメン級と同じ装備を搭載した経済的な艦を建造することにし、1987年から開発した。エグゾセ艦対艦ミサイルは退役した101型ハンブルク級からの転用である。戦闘システムはSATIR�V。ソナーはDSQS-23バウソナーで、３番艦はLFTAS曳航ソナーを装備する。対空捜索レーダーはLW08、76mm砲・シースパロー射撃指揮装置はSTIR1.8。全長138.9m、全幅16.6m、吃水6m、基準排水量3600トン、満載排水量4875トン。主機をCODOG方式、出力65000馬力、速力32ノット。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル連装発射筒２基、シースパローRIM-7M/P艦対空ミサイル用Mk41VLS16セル１基、RAM艦対空ミサイル用Mk49発射機が２基、62口径76mm単装砲１基、324mm短魚雷連装発射管２基（Mk46短魚雷）。シーリンクスMk88/Mk88Aヘリコプター２機を搭載可能。乗員197名、航空要員22名。F215ブランデンブルク、F216シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、F217バイエルン、F218メークレンブルク・フォアポンメルンの４隻が1994-96年に竣工した。2019年からエグゾセMM38をハープーンに換装する改装を実施中。2021年7月、サーブ社が9LV指揮管制装置、シージラフ4A対空捜索レーダー（SMART-Sを換装）、シージラフ1X対水上レーダー（LW08を換装）、セロス200射撃指揮装置、IFFなどを搭載する能力強化改修を受注した。2023年10月、ハープーンをRBS15Mk3に換装することになった。参考：月刊世界の艦船3,’07、9,’02、9,’96、3,’92増刊、1,'15増刊、12,’18、3,’20、10,'21、11,'21、4,'22、6,'22、1,'24、月刊軍事研究11,’06、5,’01、月刊丸2,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｆ１２４＞：イギリス海軍トライバル級フリゲート、ズールー（Zulu）。1964年竣工・就役。後にインドネシア海軍に引き渡され、マルタ・クリスティナ・ティアハフとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、5,’83

＜Ｆ１２４型＞：ドイツ海軍対空フリゲート、ザクセン（Sachsen）級。103型リュッチェンス級対空駆逐艦の代替として開発していたNFR90プログラムがご破算になったため、急遽設計された。船体はF123型を元にした４層甲板構造で、長軸方向に３本のボックスガーダーを組み合わせた頑丈な構造をしており、船体・上部構造物・マストにD63高張力鋼を使用していて、150kgの弾頭の炸裂に耐えられるという。艦内は12区画に分かれており、各区画にNBC防護装置、空調、応急指揮所を持つ。６箇所の隔壁は防御力が強化されていて対艦ミサイルの爆発から重要配線などを守る。内部構造は58のモジュールに分かれており、建造コストを低下させると共に改良を容易にする。戦闘システムはSEWACO-FD及びNAAWSで、センサーはダイムラー・クライスラー・エアロスペース社製APAR目標探知・追跡・照射レーダー（前部タワーマスト４面にアンテナを装着）、オランダのシグナールアパラーテン社製SMART-L長距離対空レーダー（後部タワーマスト頂部）、シリウス赤外線捜索追尾装置、MSP500電子光学センサー（前部タワーマスト頂部）、DSQS-24Bバウソナー。艦尾にはVDSの装備場所が用意されている。機関・給発電・ダメコンは統合監視制御システムIMCSにより一括管理する。敵味方識別装置は西側標準のMk.�]�U、対水上レーダーはトライトンＧ１基、航海レーダーは9600M２基（艦橋上とヘリ格納庫上にアンテナを持つ）。航海レーダーの情報は電子海図情報表示装置ECDISに入力され、ジャイロコンパスやGPSなどの情報と組み合わされてディスプレイに表示される。通信システムはHF、VHF、SATCOM、リンク11、リンク16。全長143m、幅17.4m、吃水5m、基準排水量5100トン、満載排水量5600-5690トン。主機はCODAG方式、MTU社製20V1163TB93ディーゼル（10050馬力）２基・GE社製LM2500ガスタービン（31500馬力）１基、出力51600馬力、２軸推進、巡航速力18ノット、最大速力29ノット、航続距離4000海里（18ノット）。発電機はMTU社製12V396TE54ディーゼル４基（計4MW）。兵装は76mmスーパーラピッド砲１門（前甲板）、27mm機関砲MLG27が２門、Mk41垂直発射機32セル１基（前甲板のRAMの後ろに装備。SM-2MRブロック�VＡ24発とRIM-162B発展型シースパロー32発を収容）、RAM発射機Mk49が２基（76mm砲の後ろとヘリ甲板上）、RGM-84Fハープーン・ブロック1D用４連装発射筒Mk141が２基（船体中央両舷に１基ずつ）、324mm短魚雷３連装発射管Mk32Mod7が２基（MU90短魚雷）。ESM/ECMはFL1800S-�U。自己防御用にMk36SRBOC６連装発射機Mk137を上部構造物上面後部両舷に３基ずつ搭載し、AN/SLQ-25Aニキシーも装備している。ヘリ甲板とヘリ格納庫を持ち、シーリンクスMk.88AまたはNH-90ヘリコプター２機を運用できる。乗員255名。１番艦F219ザクセンは2003年12月（艦対空ミサイル試験を終了して実戦運用可能となったのは2004年11月）、２番艦F220ハンブルグは2004年12月、３番艦F221ヘッセンは2005年12月に就役した。今後、艦対艦ミサイルをRBS15Mk3に換装するという話もある。また、スタンダードSM-3を搭載してBMD能力を獲得する案も検討中。MBDAドイッチュラントとラインメタルが開発したレーザー兵器デモンストレーターの試験を2022年に行う予定。2025年からSMART-Lをヘンゾルト社製TRS-4D/LR ROTに換装する予定。参考：月刊軍事研究11,’06、5,’01、2,’05、12,’00、2,’07、10,’12、JShips Vol.20、Vol.24、月刊世界の艦船10,’11、6,’16、4,’21、11,’21

＜Ｆ１２５型＞：ドイツ海軍フリゲート、別名バーデン・ヴュルテンベルク（Baden-Württemberg）級。F122型ブレーメン級の後継である。F124を一回り小さくしたような構成で、主任務は紛争防止や危機緩和である。主な機能は長期間の臨検や海上封鎖任務、非対称脅威に対する防衛、対地攻撃、特殊部隊輸送、部隊撤収支援で、集中使用で有用性を高めることができ、４ヶ月交替２クルー制の採用により乗員を削減した。船体はボックスガーダー３本からなり、艦首から艦尾にかけての横隔壁５箇所が二重隔壁となっていて、水密区画６区画に分けられている。各区画は電力供給や吸排気・空調が独立しており、それぞれに消火設備、火災センサー、監視カメラが設置されていて、生残性が高い。艦首水線下はシリンドリカル・バウで、艦首下部には電動式バウスラスター（出力1MW）１基を持つ。ステルス性を考慮しており、船体後部まで続くナックルラインより上の舷側を逆傾斜にし、係船装置は船体に内蔵した。船型は長船楼型で、上部構造物上の前後に２つのアイランド（というか極太のタワー型マックというか）を備え、CIC、機関制御室、応急指揮所、通信室、レーダーアンテナなどを前後に分散配置している。前部アイランドにはディーゼル２基の排気を担当する煙突、後部アイランドにはガスタービン１基とディーゼル２基の排気を担当する煙突を内蔵する。上構側面には折り畳み式カバーで覆われた左右２ヵ所ずつのレセスがあり、内部に11メートルRHIBを１隻ずつ搭載可能。艦内には特殊部隊50名を収容でき、特殊作戦室もある。主機は整備間隔が長い中速ディーゼルを巡航用に採用、コンピュータ制御で適切な使用配分がなされるので、年間運用時間は5000時間、オーバーホール間隔は30000時間に達し、作戦海域に２年間も留まることが可能である。最大速力は低めだが、より強力なガスタービンエンジンへの換装も容易な構造になっている。前甲板にはPzH2000自走榴弾砲の砲塔と、MLRSのロケット発射機をそのまま搭載、長距離砲弾で80km、ATACMSなら300km先の敵を攻撃する計画があり、F220ハンブルクでテストも行われたが、結局はOTOメララ社製64口径127mm砲とヴルカーノ砲弾に落ち着いた。搭載する多機能レーダーはTRS-4Dアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、アンテナは前後のアイランドに斜め方向２面ずつ分散して配置される。他に平面固定型IFFアンテナ、Ｘバンド航海レーダー２基、主砲管制用MSP600電子光学方位盤２基、赤外線センサーとしてシモーネ10基以上（全周・仰角0-60度をカバー）を装備する。砲の後ろには８セルVLS（中長射程艦対空ミサイル用）６基分の搭載スペースが設けられていて、長距離対空捜索レーダーと一緒に追加装備すれば中長距離対空戦闘も可能。ESM/ECMはEADS社製FL1800S。アトラス社製ケルベロス水中工作員探知ソナーを搭載するが、対潜戦装備は艦載ヘリのみで、本格的な戦争に投入するのは苦しい。戦闘管制装置はFUWESで、CICには水平配列ディスプレイを持つ多機能コンソールや大型横長ディスプレイなどを装備する。データリンクはリンク11/16/22。全長149.5m、最大幅18.8m、吃水5m、満載排水量7200トン（7316トン？）。主機はCODLAG方式、巡航用MTU社製MTU20V-4000-M53B中速ディーゼル発電機（出力3MW）４基＋電動モーター（出力4.7MW・6050馬力）２基・高速用GE社製LM2500ガスタービン（出力20MW・26820馬力）１基、出力38920馬力、５翅可変ピッチプロペラ２軸推進、巡航速力20ノット、最大速力26ノット、航続距離4000海里（18ノット）。兵装は64口径127mm単装砲（ステルス砲塔）１門、MLG27機関砲２門、ヒットロールNT５丁、12.7mm機銃２丁、RAM艦対空ミサイル用21連装発射機Mk144が２基（艦橋前方とヘリ格納庫上）、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（後部マスト直前両舷）、高圧放水銃。自衛用にMASSデコイ発射システム、COLDSレーザー警戒装置、潜水員探知ソナー、機雷掃討用USVなどを装備する。後部ヘリ格納庫にリンクスまたはNH-90ヘリ２機を搭載可能で、船体中央両舷２カ所ずつのレセス内に11mRHIBを計４隻収容する。乗員120名（100名？）、航空要員20名、特殊部隊50名。2007年6月にバッチ１の４隻が契約され、１番艦F222バーデン・ヴュルテンベルクは2017年に就役予定だったが、予定重量より重すぎる、素で船体が左舷側に1.3度傾いているなど、公試中に不具合が多数発覚してドイツ海軍が領収を拒否、一旦引き渡された艦をブロム・ウント・フォス社に送り返すという前代未聞の事態に発展した。2019年になっても造船所で改修テストを行っており、4月30日に漸くドイツ連邦軍調達部門BAAINBwに引き渡され、6月16日に就役したが、まだテストは続く。２番艦F223ノルトライン・ヴェストファーレンは2020年、３番艦F224ザクセン・アンハルトは2021年、４番艦F225ラインラント・プファルツは2022年に就役した。ウクライナ紛争・ウクライナ戦争などヨーロッパ情勢の変化で、本格的な戦争に投入できない本クラスの存在意義が薄れ、2035年までに１隻が退役する予定。参考：月刊軍事研究5,’09、12,’10、11,’06、2,’07、1,’09、2,’09、月刊世界の艦船3,’16、7,’16、10,’17、4,’19、6,’19、3,'23、9,'23、8,’13、3,’14、6,’14、4,’10、4,’12、4,’11、8,’11、2,’15、7,’15、4,'16、3,’18、7,’19、8,'21、4,'22、10,'22、朝雲

＜Ｆ１２６＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート９番艦プリマス（Plymouth）。1961年竣工・就役。1982年4月、機動部隊の一員としてフォークランド紛争に参加し、陸上への砲撃や対空警戒に就いたが、爆撃で損害を受けた。紛争終結後の1982年6月21日にイギリスに向かい、7月14日にロサイス港に帰港した。1984年、ドイツ海軍のフリゲートと衝突事故を起こした。1986年、機関室で火災が発生し、乗員２名が死亡した。1988年退役、プリマス市で１年間一般公開された後、永久展示館として引き取られた。参考：月刊軍事研究9,’05、月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ１２６型＞：ドイツ海軍計画汎用フリゲートFregatte Klasse 126。元はMKS180という計画名で、2020年12月にF126型という正式名称が決まった。タレス社製AWWS射撃クラスタを搭載し、TACTICOS指揮管制装置、APARブロック２多機能レーダー、TRS-4D対空捜索レーダー（４面固定アンテナ型）を統合する。対潜戦装備はアトラス・エレクトロニク製対潜戦ミッション・モジュールで、捜索用VDSとTASSを関連器材ごとISOコンテナ４個に収容している。ただし対潜兵装は無い。ESMはロード＆シュワルツ社製KORAシステム。OSIマリタイム・システムズ社製統合艦橋システム、ロールスロイス社製主機系自動化システム（統合プラットフォーム管理システムと機器作動状況モニタリング・システムからなり、火災警報、人員位置表示、閉回路TVなどを含む）を積む。全長155-163m、満載排水量9000-10400トン。主機はCODLAD方式、減速装置と電動モーターはレンク社製、速力26ノット、航続距離4000海里（18ノット）。兵装はNSM艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、ESSMブロック２用Mk41垂直発射機８セル・モジュール２基計16セル、オットー・メララ社製64口径127mm単装砲LW（ヴルカーノGLR/BER誘導砲弾対応）１門、RAM21連装発射機２基、MLG27-4.0機関砲。NH-90ヘリ1-2機を搭載できる。第１バッチで４隻、第２バッチで２隻を建造予定。就役は2028年頃からになる。参考：月刊世界の艦船9,'23、2,’21、5,’22、6,’22、7,’22、9,’22、2,’23

＜Ｆ１２７＞：イギリス海軍リアンダー級フリゲート、ペネロープ（Penelope）。1963年就役。1982年4月、フォークランド紛争に参加。1991年、エクアドル海軍に売却され、プレシデンテ・エロイ・アルファーロとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、5,’83、月刊丸12,’92

＜Ｆ１２７型＞：ドイツ海軍計画ミサイル・フリゲート。MEKO A300型がベースで、イージス・システムを搭載する。全長220m、排水量12000トン。2031年までに５隻を建造する予定。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜Ｆ１２９＞：イギリス海軍ロスシー級フリゲート、リール（Rhyl）。1960年10月31日竣工。1973年に退役し、1985年9月に実艦的となって沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’11

＜Ｆ１３０＞：アメリカ空軍B-52J爆撃機用ターボファンエンジン。BR725ターボファンエンジンの軍用型で、ロールスロイス社が開発した。推力75.2kN・7.71トン。参考：月刊JWings8,’23

＜Ｆ１３３＞：イギリス海軍トライバル級フリゲート、ターター（Tartar）。1962年竣工・就役。後にインドネシア海軍に引き渡されてハサヌッディンとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96、4,’12、5,’83

＜Ｆ１３５シリーズ＞：F-35戦闘機用ターボファンエンジン。プラット＆ホイットニー社がF-22用F-119エンジンをベースに開発した。当初はJSF用ということでJSF119という名称が付いており、X-35の採用と共にF135と改称されている。耐久テスト中にエンジン前部が損傷する事故を起こした。2013年、３段目タービンブレードに長さ0.6インチ・15mmのクラックが発見され、F-35全機が飛行停止になった。テストにおける過度の負荷によるもので、実戦では問題無いとして3月に飛行を再開している。2014年5月20日、被弾損傷試験をクリアした。6月23日、ファンモジュール第３ステージのローターが破損してエンジンファンケース、エンジンベイ、燃料タンク、油圧パイプ、燃料パイプを貫通し、燃料タンクから出火、F-35Aの後部３分の２を焼損する事故を起こし、原因が設計上の問題にあると判明、第２固定具と第３ローターの間の隙間を増やす改修を加えることになった。供給済みのエンジン156基も該当部分を交換する。また、試験中にチタン素材の不良疑惑が持ち上がったため、8月30日から新規納入を一時停止した。プラット＆ホイットニー社はチタン素材納入元のA&Pアロイ社に訴訟を起こしている。トルコ軍のS-400配備問題でトルコが生産していたF135エンジン用部品188点をアメリカのサプライヤーに切り換える必要があり、コストが3%ほど余計にかかるらしい。ちなみにロット15生産分からトルコ抜きのエンジンになる。2016年、アメリカ空軍が代替エンジン開発計画の適応型エンジン移行プログラムATEPを立ち上げた。2021年2月、タービンブレード表面の耐熱コーティングの耐久性が低く、整備サイクルを早める必要が出ていると報じられた。その影響でエンジンを実戦部隊に回すためか、F-35Aデモチームの展示飛行回数が３分の１に減らされている。2021年7月8日現在、アメリカ空軍F-35A戦闘機283機のうち41機がタービンブレード耐熱コーティング関連の整備待ちで任務に就けない状態にある。可変サイクル機構を取り入れた改良型を開発しており、推力15%増し・航続距離35%増しを目標としているが、機内スペースやSTOVL機構の関係でF-35Bには積めない。2022年12月15日、フォートワース基地でのF-35Bの擱座事故を受け、12月27日から納入が停止され、F-35シリーズの納入前飛行もできなくなってしまい、12月以降の製造機に飛行停止処分が執られた。原因はエンジンの高周波共鳴による異常振動で燃料配管が損傷したためで、プラット＆ホイットニー社で改修を施して2023年2月24日から納入を再開している。2023年3月1日、F-35統合計画局がF-35全機のエンジン点検及び改修指示を出した。2022年11月までの既存機は異常振動を起こす可能性が低いため、飛行停止措置は執らずに点検改修を行う。3月7日、F-35が飛行試験を再開した。3月10日、アメリカ空軍長官が、適応型エンジン移行プログラムATEPの予算を2024年度は計上しないと発表した。参考：月刊JWings9,’05、1,’07、8,’14、12,’14、5,'21、7,'21、10,'21、3,'23、5,'23、6,'23、8,'23、月刊軍事研究5,’11、3,’10、7,’10、2,’15、11,’15、月刊航空ファン6,’19、7,’19

＜Ｆ１３５−ＰＷ−１００＞：F-35A用。F119-PW-100の派生型で、部品点数を減らすなどして整備性と信頼性を向上させた。ファン・低圧圧縮機の１段目はディスクにブレードを組み付ける方式、ファン・低圧圧縮機２段目以降と高圧圧縮機はブレードとディスクを一体化したブレード一体型ローター・ディスクIBR（Integrally Bladed Rotor）と呼ばれるディスク・ブレード一体型で、当初は中空式ブレードを使用していたが、耐久性に問題があると判断され（実際地上運転試験2200時間目で１段目に亀裂が生じた）、６ポンド（2.72kg）の重量増を忍んで中実構造へと改設計している（製造の手間とコストは省けた）。ファン・低圧圧縮機2-3段目と高圧圧縮機1-2段目はチタン製、高圧圧縮機3-6段目はニッケル合金製。燃焼室はフロートウォールと呼ばれる。低圧タービンはF135-PW-600でリフトファン用の２段目を設ける必要があり、本タイプ（とF135-PW-400）をわざわざ１段にすると面倒なので、２段にした。ミリタリー推力で111.2kNあり、F-35の超音速巡航に貢献している。A/B時推力は178kN（191kN・43000ポンド？）に達する。圧縮機はファン・低圧３段＋高圧６段、燃焼室はアニュラー型、タービンは高圧１段＋低圧２段。全長5.59m、最大径1.3m、重量1.7トン。2010年2月に初期運用認定を受けた。参考：月刊JWings9,’05、1,’07、6,’14、4,'20、月刊軍事研究7,’18、5,’11、3,’10、7,’10、月刊航空ファン7,’19

＜Ｆ１３５−ＰＷ−４００＞：F-35C用。F135-PW-100とだいたい同じで、艦上運用に備えた耐蝕処理を施してある。使用燃料はJP-5。2010年2月に初期運用認定を受けた。参考：月刊軍事研究7,’18、5,’11、7,’10

＜Ｆ１３５−ＰＷ−６００＞：F-35B用。排気口に回転式の推力偏向ノズル（３ベアリング回転モジュール、3BSM）を装着し、フロントファン用とは別のエンジンシャフトの回転により駆動する軸駆動リフトファンSDLF（二段式）を２段目低圧タービンにクラッチ機構を介して取り付けている。また、コアエンジン部の左右にロール制御用ダクトが取り付けられており、主翼外翼部下面からエンジン抽出空気を噴出する。3BSMによりアフターバーナーの装備が可能となったが、推力偏向ノズル作動時はアフターバーナーに点火することはできない。STOVL時のドライ最大推力は80kNに制限されるが、リフトファンが84kN、ロール制御ダクトが16.5kNの推力を発生させる。排気口の推力偏向操作はスロットルレバー脇の専用レバーで行う。STOVLで運用する関係上、少しでも機体重量を抑える必要があり、ケーシングをチタン合金からセラミック・マトリックス複合材（CMC）に変更していて、耐久性は同等だが値段は高い。艦上運用に備え、耐蝕処理を施してある。使用燃料はJP-5。2010年12月に初期運用認定を受けた。飛行テストの結果、リフトファン用シャフト自体の移動量が想定以上であることが判明し、再設計を余儀無くされているらしい。参考：月刊JWings9,’05、1,’07、月刊軍事研究7,’18、5,’11、4,’14、3,’10、7,’10

＜Ｆ−１３５グロース・オプション１．０＞：プラット＆ホイットニー社が開発した改良型で、2017年5月30日にロールアウトした。圧縮機、タービン、冷却系を改良し、推力が6-10%上昇、燃料消費量が6%低下している。2020年代初めから量産化が可能。参考：月刊JWings8,’17

＜Ｆ１３５海外シリーズ＞

　＜Ｆ１３５−ＩＨＩ−１００＞：航空自衛隊のF-35A戦闘機用ターボファンエンジン。IHIが整備や組み立てを担当するが、主要部分はブラックボックスになっており、アメリカに送る必要がある。2013年11月5日、IHIが空自F-35A用エンジン部品のうち19品目（17品目？）を相馬工場と呉工場で生産してプラット＆ホイットニー社に納入することとなった。取り敢えず空自用38機分を生産するが、武器輸出三原則の例外であり、海外向けに追加発注されるかもしれない。2017年3月、IHI瑞穂工場の組立工場（年産６基）が稼働した。参考：月刊JWings1,’14、6,’17、月刊軍事研究2,’17

＜Ｆ１３６＞：F-35戦闘機用計画ターボファンエンジン。ユーザーがF135と選択できるエンジンとして、ジェネラル・エレクトリック社とロールスロイス社が開発した。F-22戦闘機の試作時に開発したYF120可変サイクルエンジンを可変サイクル抜きにしたものである。タービンは高圧１段＋低圧３段。ドライ推力111kN、A/B時推力178kN。テスト中にタービンブレードの損傷事故を起こし、F-35全体の開発遅延もあって2010年に開発要求から除外されてしまった。議会の一部が存続を求めて揉めていたが、下院で開発中止が決定された。一部議会勢力は次世代爆撃機用エンジンとしての存続を求めていたが、2011年4月に開発中止が正式決定された。GE社とロールスロイス社は自社資金のみでも開発するとしていたが、GE社も2011年12月2日に開発中止を発表している。参考：月刊JWings9,’05、1,’07、5,’11、7,’11、月刊軍事研究3,’10、7,’10、9,’12、月刊航空ファン4,’10、7,’11

＜Ｆ１４５＞：南アフリカ海軍MEKO A200型フリゲート１番艦アマトラ（Amatola）。2003年9月25日進水、ハンブルクで引き渡された。10月3日、兵装搭載工事のため南アフリカに向け出港。2006年3月（2月？）就役。参考：月刊軍事研究1,’04、12,’06、12,’08、月刊世界の艦船8,’13、1,’04、3,’07

＜Ｆ１４６＞：南アフリカ海軍MEKO A200型フリゲート２番艦イサンドルワナ（Isandlwana）。2007年6月28日（27日？2006年7月？）就役。参考：月刊軍事研究12,’08、12,’06、月刊世界の艦船8,’13、3,’07、月刊丸2,’07

＜Ｆ１４７＞：南アフリカ海軍MEKO A200型フリゲート３番艦スピオエンコプ（Spioenkop）。2007年2月就役。2016年2月6日、インド海軍国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船8,’13、5,’16、月刊軍事研究12,’08

＜Ｆ１４８＞：南アフリカ海軍MEKO A200型フリゲート４番艦メンディ（Mendi）。2007年3月就役。参考：月刊世界の艦船8,’13、月刊軍事研究12,’08

＜Ｆ−１５９＞：パキスタン海軍ブルク級フリゲート、ターブーク（Tabuk）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−１６１＞：パキスタン海軍ブルク級フリゲート、バダル（Badr）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−１６３＞：パキスタン海軍ブルク級フリゲート、ハルバー（Harbah）。元はアメリカ海軍ブルク級フリゲートFFG-1ブルクで、1989年2月に供与された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−１６９＞：パキスタン海軍ブルク級フリゲート、ホーナーン（Hunain）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ１６９＞：イギリス海軍21型フリゲート、アマゾン（Amazon）。1969年5月起工、1974年竣工。後にパキスタン海軍に引き渡されて艦番号182ババルになった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’14、JShips vol.48

＜Ｆ１７１＞：イギリス海軍21型フリゲート、アクティブ（Active）。1977年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ１７２＞：イギリス海軍21型フリゲート、アンバスケイド（Ambuscade）。1975年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ１７３＞：イギリス海軍21型フリゲート、アロー（Arrow）。1976年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ１７４＞：イギリス海軍21型フリゲート、アラクリティ（Alacrity）。1977年竣工。1980年9月12日、第１戦隊の一員として、旗艦D18アントリムなど駆逐艦２隻、F18ガラティアなどフリゲート２隻、給油艦２隻、給糧艦１隻と共に、アメリカ海軍横須賀基地に入港。9月13-15日、日英共同演習フジ80に参加。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92、朝雲

＜Ｆ１８５＞：イギリス海軍21型フリゲート、アヴェンジャー（Avenger）。1978年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊丸12,’92

＜Ｆ−２００＞：トーネード・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ２０７＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート、ブレーメン（Bremen）。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ２０８＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート、ニーダーザクセン（Niedersachsen）。1982年竣工。2014年7月31日、NATO第２常設水上部隊の一員としてカナダのハリファックスに寄港。8月5日、ハリファックスを出港し、大西洋で洋上訓練に入った。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、11,’14

＜Ｆ２０９＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート、ラインラント・プファルツ（Rheinland-Pfalz）。1983年竣工。2012年3月24日、大西洋上でCVN-65エンタープライズ空母打撃群、スペイン海軍F100アルヴァロ・デ・バサン級イージスフリゲートF101アルバロ・デ・バサン、オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビンシェン級ミサイル・フリゲートF804デ・ロイテル、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH339シャーロットタウンなどとNATO合同訓練を実施。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’12

＜Ｆ２１０＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート、エムデン（Emden）。1983年10月就役。2012年2月27日、ヴィルヘルムスハーフェンを出港し、ハンブルクに向かった。3月2-3日、ハンブルクで一般公開された。3月5日、F124型ザクセン級フリゲートF221ヘッセン、タイプ702ベルリン級戦闘支援艦A1412フランクフルト・アム・マインと共にハンブルクを出港し、遠洋航海に向かった。10カ国を訪問して7月20日に帰国した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’12、9,’12、JShips vol.48

＜Ｆ２１１＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート、ケルン（Koln）。1984年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ２１２＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート、カールスルーエ（Karlsruhe）。1984年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ２１３＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート７番艦アウグスブルク（Augsburg）。1989年竣工。2015年11月20日、対テロ派遣部隊としてドイツを出撃し、中東方面に向かった。12月上旬、フランス海軍R-91シャルル・ド・ゴール空母打撃群の一員として作戦行動を開始。2019年12月18日に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’16、3,’20

＜Ｆ２１４＞：ドイツ海軍F122型ブレーメン級フリゲート８番艦リューベック（Lübeck）。1990年竣工。2011年2月4-17日、プラウド・マンタ2011演習に参加。2014年11月5日、アデン湾で海賊対処任務中のDD-110たかなみと共同訓練を実施。12月17日、インド洋でDD-110たかなみ・DD-111おおなみと親善訓練を実施。2015年2月4日、アデン湾でオーストラリア海軍補給艦サクセスから洋上補給を受けた。2018年4月21日から5月4日、ジョイント・ウォーリア2018演習に参加。6月21日、ノルウェー沖で演習中に僚艦F219ザクセンが事故を起こしたため、6月22日にF219ザクセンと共にノルウェーのハルスターに入港した。2022年12月15日退役。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’15、7,’15、7,’18、9,’18、3,'23、JShips Vol.24、Vol.40、朝雲

＜Ｆ２１５＞：ドイツ海軍F123型ブランデンブルク級フリゲート、ブランデンブルク（Brandenburg）。1994年10月就役。2016年5月5-8日、ハンブルク開港祭に参加し、ホストシップを務めた。2021年5月20-30日、ステッドファスト・ディフェンダー21に参加。参考：月刊世界の艦船8,’16、8,’21

＜Ｆ２１６＞：ドイツ海軍F123型ブランデンブルク級フリゲート、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン（Schleswig Holstein）。1995年就役。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。2016年5月31日、スカパフローでジュットランド海戦100周年記念式典に参加。2019年10月、エグゾセをハープーンに換装した姿が確認された。2022年4月2-14日、ノーザン・ヴァイキング2022演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’07、9,’11、8,’16、3,’20、7,’22

＜Ｆ２１７＞：ドイツ海軍F123型ブランデンブルク級フリゲート３番艦バイエルン（Bayern）。1996年6月就役。2015年3月6日、DD-102はるさめとアデン湾で共同訓練を実施。2021年8月2日、ヴィルヘルムスハーフェンを出港。8月29日、ソマリア沖海賊対処第39次水上部隊DD-153ゆうぎりとアデン湾で日独共同訓練（クロスデッキ、戦術運動など）を実施。9月24日、インド洋東方海空域でDDH-184かが及びDD-101むらさめと各種戦術訓練を実施。10月18日、グアムに寄港。搭載シーリンクスMk.88Aヘリを大型輸送機で空輸した同型機と交代した。11月4-5日、関東南方海空域で日独共同訓練に参加し、DD-106さみだれと各種戦術訓練を行った。11月5-10日、シーリンクスMk.88Aヘリ２機を搭載して東京国際クルーズターミナルに寄港。11月5日、岸防衛大臣、ドイツ連邦軍総監ツォルン陸軍大将、ドイツ海軍総監シェーンバッハ中将が艦を視察した。11月11-13日、海自横須賀基地に寄港。11月21-30日、令和3年度海上自衛隊演習（実動演習＜日米共同演習および日米豪加独共同訓練＞）に参加。12月13日、沖縄南方海空域でソマリア沖海賊対処第39次水上部隊DD-153ゆうぎりとの日独共同訓練（各種戦術訓練）に参加。12月16日、シンガポールに向け南シナ海を南下していた。2022年1月29日、アデン湾でソマリア沖海賊対処第41次水上部隊DD-106さみだれとの日独共同訓練（クロスデッキ、戦術運動、近接運動）に参加。2023年6月17-25日、キール・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船5,’15、11,’21、12,’21、1,’22、2,'22、3,'22、4,'22、9,'23、月刊JWings1,’22

＜Ｆ２１８＞：ドイツ海軍F123型ブランデンブルク級フリゲート４番艦メークレンブルク・フォアポンメルン（Mecklenburg Vorpommern）。1996年竣工・就役。2012年5月11-13日、ハンブルク港まつりに参加。2014年6月6-21日、バルトップス2014演習に参加。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。6月17-25日、キール・ウイーク2017に参加。参考：月刊世界の艦船9,’02、3,’07、8,’12、9,’14、9,’17

＜Ｆ２１９＞：ドイツ海軍F124型ザクセン級フリゲート１番艦ザクセン（Sachsen）。1999年12月1日進水、2003年12月（2004年11月？）就役、第１フリゲート隊に配備された。2004年8月からカリフォルニア沖でNAAWSのテストに入った。一連の武装システム試験を終了して実戦運用可能となったのは2004年11月である。2013年5月9-13日、ハンブルク港まつりに参加。10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。2018年6月21日、ノルウェー沖で演習中にMk41VLSからスタンダードSM-2を発射しようとしたところ、ブースターに点火したもののキャニスターから射出されず、VLSセル内部で燃焼を続けたため、乗員２名が軽傷を負い、VLS、前甲板、艦橋が火炎と高熱による損傷を受けた。直前に別のスタンダードSM-2を正常に発射しており、当該ミサイルも事前点検では異常が無く、6月22日にノルウェーのハルスターに入港して損傷状況と原因の調査に入っている。2022年4月2-14日、ノーザン・ヴァイキング2022演習に参加。6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。8月30日、バルト海で、MBDAドイッチュラントとラインメタル・ヴァッフェ・ミュニッションが共同開発したレーザー砲（出力2kWのファイバー・レーザー12本を束ねたもの）により、無人機の撃破試験に成功した。参考：JShips Vol.20、月刊軍事研究11,’06、月刊世界の艦船3,’00、8,’13、1,’16、9,’18、7,’22、9,’22、1,’23

＜Ｆ２２０＞：ドイツ海軍F124型ザクセン級フリゲート２番艦ハンブルク（Hamburg）。2002年12月、前甲板にPzH2000の砲塔をフレキシブル・マウンティングという特殊な方法で搭載し、F125級への装備に備えて洋上試験を行った。その後砲塔を撤去し、62口径76mm単装砲に換装して就役を迎えている。2004年12月就役、第１フリゲート隊に配備された。2011年6月29日から7月3日、IMDS2011に参加。2014年6月6-21日、バルトップス2014演習に参加。その後キール・ウィークにも参加した。2015年9月11-23日、イタリア近海でダイナミック・マンタ2015に参加。2021年5月15日から6月3日、フォーミダブル・シールド2021に参加。9月4-12日、ドイツのキール基地でキール・ウイーク2021に参加。2021年9月13-23日、ノーザン・コースト2021演習に参加。参考：JShips Vol.20、月刊軍事研究5,’09、9,’11、月刊世界の艦船9,’14、12,’15、8,’21、12,’21

＜Ｆ２２１＞：ドイツ海軍F124型ザクセン級フリゲート３番艦ヘッセン（Hessen）。2005年12月就役。2012年2月27日、ヴィルヘルムスハーフェンを出港し、ハンブルクに向かった。3月2-3日、ハンブルクで一般公開された。3月5日、F122型ブレーメン級フリゲートF210エムデン、タイプ702ベルリン級戦闘支援艦A1412フランクフルト・アム・マインと共にハンブルクを出港し、遠洋航海に向かった。10カ国を訪問して7月20日に帰国した。参考：月刊軍事研究11,’06、JShips Vol.20、Vol.48、月刊世界の艦船6,’12

＜Ｆ２２１＞：ルーマニア海軍22型バッチ２フリゲート、レジール・フェルディナンド（Regele Ferdinand）。元はイギリス海軍22型バッチ２フリゲートF98コベントリーである。2004年就役。2011年3月、リビア作戦に参加。2014年9月18日、黒海でNATO水上部隊演習に参加。2017年2月1-11日、黒海でシー・シールド2017演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’18、12,’14、7,’17、月刊JWings7,’11、月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ２２２＞：ドイツ海軍F125型フリゲート１番艦バーデン・ヴュルテンベルク（Baden-Wurttemberg）。2011年5月9日、ファースト・スチール・カット施行。11月2日起工。2013年12月12日、命名式を実施。2016年竣工、国防購入庁に引き渡され、4月6日に公試が始まった。2017年に就役予定だったが、公試中にハード・ソフト共に不具合が多発しまくり、ドイツ連邦軍調達部門から領収を拒否され、2017年12月にブロム・ウント・フォス社に戻されてしまった。造船所で解決に奔走している。2019年4月30日、ドイツ連邦軍調達部門BAAINBwに引き渡されたが、引き続きテスト中である。6月16日（17日？）就役。6月17日、ヴィルヘルムスハーフェンで就役式典を実施。2020年2月7日、熱帯試験（高温環境下での艦内機器作動確認）のためヴィルヘルムスハーフェンを出港し、ブラジル方面に向かった。4月16日、総航程13500海里の熱帯試験を終えてヴィルヘルムスハーフェンに帰港。2021年1月28日、大西洋上でNATO第１常設水上部隊SNMG1（カナダ海軍フリゲートFFH-330ハリファックス、ドイツ海軍給油艦A1442シュペサルト）との共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船4,’19、8,’11、1,’12、3,’14、6,’14、10,’16、3,’18、7,’19、9,’19、3,’20、7,’20、4,’21

＜Ｆ２２３＞：ドイツ海軍F125型フリゲート２番艦ノルトライン・ヴェストファーレン（Nordrhein-Westfalen）。2012年10月起工。2015年4月16日、命名式を実施。2017年1月27日、公試開始。2020年3月3日、ドイツ海軍に引き渡され、ヴィルヘルムハーフェンで引き渡し式典が挙行された。6月10日就役。2021年9月4-12日、ドイツのキール基地でキール・ウイーク2021に参加。参考：月刊世界の艦船4,’17、7,’15、5,’20、9,’20、12,’21

＜Ｆ２２４＞：ドイツ海軍F125型フリゲート３番艦ザクセン・アンハルト（Sachsen-Anhalt）。2016年3月4日、命名式を実施。2021年3月30日、ドイツ海軍に納入された。5月17日就役。参考：月刊世界の艦船4,'16、6,’16、10,’16、6,’21、8,’21

＜Ｆ２２５＞：ドイツ海軍F125型フリゲート４番艦ラインラント・プファルツ（Rheinland-Pfalz）。2015年1月起工。2017年5月17日、命名式を実施。2022年1月28日、ドイツ国防購入庁に引き渡された。7月13日、ヘッペンザー・グローデン基地で就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船4,'16、8,’17、4,’22、10,’22

＜Ｆ２２９＞：イギリス海軍23型フリゲート、ランカスター（Lancaster）。1991年（1992年？）5月竣工。2001年10月15-16日、シー・デイズ2001に参加。2023年7月5日夜、ホルムズ海峡で革命防衛隊とみられる武装高速艇３隻に襲撃された民間船からの緊急救難信号を受け、アメリカ海軍P-8A哨戒機、DDG-74マクファウルと共に、現場に急行した。武装高速艇は逃走している。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’02、月刊JWings10,’23

＜Ｆ２３０＞：イギリス海軍23型フリゲート１番艦ノーフォーク（Norfolk）。1990年竣工・就役。後にチリに売却されて艦番号05アルミランテ・コクレーンになった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’16

＜Ｆ２３１＞：イギリス海軍23型フリゲート、アーガイル（Argyll）。1991年5月竣工・就役。2001年10月15-16日、シー・デイズ2001に参加。2014年6月20日、プリマスを出港。カリブ海で麻薬密輸取り締まり任務に就いた。10月、バミューダ諸島でハリケーン被害救援活動を実施。12月18日、プリマスに帰港。2017年7月、シーセプター艦対空ミサイルの発射試験を実施。9月4日、シーセプター艦対空ミサイルの試射を実施。9月12-15日、DSEI2017で一般公開された。12月、シーセプター艦対空ミサイルの試射を実施。単一目標への単射、単一目標への２発連射、２目標に対する１発ずつの射撃を行っている。2018年6月18日、ポーツマスを出港し、極東方面に向かった。9月26日、DDH-184かが、DD-105いなづまとの共同訓練（戦術運動、通信）に参加。12月22日、本州南方海空域で、DDH-183いずも、P-1哨戒機、アメリカ海軍ヴァージニア級原潜１隻、P-8A哨戒機１機との日米英共同訓練に参加。12月23日、アメリカ海軍横須賀基地に寄港。2020年8月29日、ソマリア沖海賊対処第36次水上部隊DD-111おおなみとアラビア湾北部西方海域で海賊対処共同訓練（戦術運動、小火器射撃など）を実施。2021年5月15日から6月3日、フォーミダブル・シールド2021に参加し、CAMMで極超音速対艦ミサイル迎撃訓練を行った。10月、APAC24USVの遠隔操作試験を実施。戦闘システムに管制システムを組み込み、ヘリ格納庫に管制施設を設け、APAC24に積んだカメラからの映像を受信した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’02、3,’15、11,’17、3,’18、9,’18、11,'20、8,'21、1,'22、月刊軍事研究12,’15、3,’18、月刊JWings12,’18、3,’19

＜Ｆ２３３＞：イギリス海軍23型フリゲート４番艦マールボロー（Marlborough）。1991年就役。2001年5月23-29日、ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。後に114mm単装砲をステルス・シールドのMk8Mod1に換装した。参考：月刊世界の艦船1,’04、3,’92増刊、9,’01

＜Ｆ２３４＞：イギリス海軍23型フリゲート３番艦アイアン・デューク（Iron Duke）。1993年5月竣工。2015年9月15-18日、DSEi2015で一般公開された。2016年1月28日、NATO第１常設水上部隊の一員としてスペイン海軍F100アルヴァロ・デ・バサン級イージスフリゲートF101アルヴァロ・デ・バサン、スペイン海軍カンタブリア級補給艦A15カンタブリアと共にロンドンのテムズ川下流ウォーター・フロント再開発地区に寄港。3月3日からコールド・レスポンス2016演習に参加。6月3-20日、バルトップス2016に参加。6月18-26日、キール・ウィーク2016に参加。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。6月17-25日、キール・ウイーク2017に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’16、6,’16、9,’16、9,’17、月刊軍事研究12,’15

＜Ｆ２３５＞：イギリス海軍23型フリゲート、モンマス（Monmouth）。1993年9月就役。2007年10月13-15日、パシフィック・シールド07に参加。2014年初め、改装工事に入った。2015年9月18日、改装工事完工後の検査を終了。2016年9月9-26日、カットラス・フューリー2016に参加。2017年4月20日、アデン湾でDD-116てるづき、アメリカ海軍ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦LSD-50カーター・ホール、韓国海軍KDX2級駆逐艦981チェ・ヨンとの共同訓練（通信、立ち入り検査など）に参加。2018年6月1-15日、バルトップス2018に参加。6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。参考：月刊軍事研究12,’07、月刊世界の艦船3,’92増刊、12,’15、12,’16、9,’18

＜Ｆ２３６＞：イギリス海軍23型フリゲート７番艦モントローズ（Montrose）。1994年6月就役。2012年10月1日、R06イラストリアス機動部隊クーガー12の一員としてイギリスを出港。10月18-19日、地中海でフランス海軍と共同演習を実施。2014年6月6-21日、バルトップス2014に参加。その後キール・ウィークにも参加した。2018年4月21日から5月4日、ジョイント・ウォーリア2018演習に参加。12月2日、チリ海軍創設200周年国際観艦式に参加。2019年3月8日、第815海軍飛行隊ワイルドキャットHMA.2対潜ヘリを載せて東京港晴海埠頭に入港。3月9-10日、一般公開された。3月14日、東京港晴海埠頭を出港。3月14-15日、DD-101むらさめ、潜水艦、P-1哨戒機、アメリカ海軍P-8A対潜哨戒機と、本州南方海空域で日米英共同訓練（対潜戦、通信、ヘリ相互発着艦）に参加。その後は北朝鮮船舶による密輸行動の監視に就いた。7月25日、ホルムズ海峡で自国タンカーの直接護衛を開始。2022年2月6-17日、カットラス・エキスプレス2022演習に参加。2023年4月、ポーツマスで解役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船9,’14、3,’92増刊、12,’12、2,’13、7,’18、3,’19、6,’19、10,’19、5,'22、7,'23、朝雲

＜Ｆ２３７＞：イギリス海軍23型フリゲート、ウエストミンスター（Westminster）。2011年3月、エラミー作戦に参加。5月20日、大西洋上でNATO共同訓練に参加。2020年6月29日から7月10日、ダイナミック・マングース2020に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、8,’11、10,'20、月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ２３８＞：イギリス海軍23型フリゲート６番艦ノーザンバーランド（Northumberland）。1994年5月就役。2012年10月1日、R06イラストリアス機動部隊の一員としてイギリスを出港。2019年8月末、R08クイーン・エリザベス空母打撃部隊WESTLANT19の一員として行動を開始。2022年3月14-31日、ノルウェー近海でコールド・レスポンス2022に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,’12、12,’19、6,’22

＜Ｆ２３９＞：イギリス海軍23型フリゲート10番艦リッチモンド（Richmond）。1997年5月6日から5月9日、シンガポールのIMDEXアジア’97に参加。2001年10月15-16日、シー・デイズ2001に参加。2014年6月5日、ポーツマス沖でＤデイ70周年記念行事に参加。2021年5月7-18日、空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、アメリカ海軍LHD-7イオー・ジマなどとのNATO海軍共同演習ストライク・ウォーリア21に参加。5月下旬、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、空母R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21の一員として、艦載第815航空隊ワイルドキャットHMA2ヘリ１機と共に、インド太平洋方面に向かった。5月31日、CSG21を一時的に外れてNATO第２常設海上部隊SNMG2に加わった。6月5日、モンテネグロのバール港を親善訪問した。6月6日、メッシナ海峡を通過。7月6日、スエズ運河を通って紅海に入った。7月11-12日、CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、ソマリア沖で海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-156せとぎり及び同航空隊P-3C哨戒機との共同訓練（写真撮影、洋上補給）に参加。7月23日、インド洋でタイ軍と共同訓練を実施。8月7日、佐世保基地に寄港。9月中旬から北朝鮮の瀬取り監視に就いた。10月15-18日、ベンガル湾で日米英豪共同訓練Maritime Partnership Exerciseに参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリアと共に、アメリカ海軍CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-106ストックデイル、DDG-68ザ・サリヴァンズ、T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、海自DDH-184かが、DD-101むらさめ、オーストラリア海軍フリゲートFFH-155バララトと、対抗戦、防空戦、対水上射撃、洋上補給などの訓練を行った。12月9日、プリマスに帰港。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’02、9,’14、7,'21、8,'21、9,'21、10,'21、11,'21、1,'22、3,'22、月刊軍事研究7,’97、月刊JWings10,'21、11,’21、朝雲

＜Ｆ２４０＞：トルコ海軍ヤウズ級フリゲート、ヤウズ（Yavuz）。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。2015年4月24日、ガリポリ沖でガリポリ作戦100周年記念会場パレードに参加。2021年11月12日、黒海で、アメリカ海軍LCC-20マウント・ホイットニー、DDG-78ポーター、ウクライナ海軍哨戒艇P190スロヴィアンスク、揚陸艦L401ユーリ・オレフィレンコ、ルーマニア海軍フリゲートF111マラセスティなどとの共同演習に参加。ロシア海軍フリゲートのアドミラル・エッセンが傍で監視していた。参考：月刊航空ファン6,’11、月刊世界の艦船7,’15、2,’22

＜Ｆ２４１＞：トルコ海軍フリゲート、トゥルグットレイス（Turgutreis）。2015年4月24日、ガリポリ沖でガリポリ作戦100周年記念会場パレードに参加。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜Ｆ２４３＞：トルコ海軍ヤウズ級フリゲート、ユルドゥルム（Yildirim）。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。参考：月刊航空ファン6,’11、JShips vol.48

＜Ｆ２４４＞：トルコ海軍フリゲート、バルバロス（Barbaros）。9月29日から10月13日、ブリリアント・マリナー2017演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’18

＜Ｆ２４５＞：トルコ海軍バルバロス級フリゲート２番艦オルチレイス（Oruçreis）。2011年9月9-23日、ノーザン・コースト2011演習に参加。2016年11月19-28日、東地中海でマーヴィ・バリナ2016演習に参加。参考：JShips Vol.46、Vol.48、月刊世界の艦船3,’17

＜Ｆ２４６＞：トルコ海軍バルバロス級フリゲート、サーリヒレイス（Salihreis）。2020年6月22日、SNMG2の一員として同イタリア海軍フリゲートF-591ヴィルジニオ・ファザンと共にチュニジア海軍哨戒艦P611シュファリクス、ミサイル艇505ハミルカルと地中海で共同演習を実施。2022年6月6日、NATO第２常設海上部隊の一員として、イタリア海軍FREMM級フリゲートF-592カルロ・マルゴッティーニと共に、地中海で日NATO共同訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと戦術運動訓練などを行った。参考：JShips vol.48、月刊世界の艦船9,’20、9,’22

＜Ｆ２４７＞：トルコ海軍バルバロス級フリゲート後期型ケマルレイス（Kemalreis）。1998年7月進水。2014年7月31日、NATO第２常設水上部隊の一員としてカナダのハリファックスに寄港。8月5日、ハリファックスを出港し、大西洋で洋上訓練に入った。2021年2月22日から3月5日、シチリア島近海でダイナミック・マンタ2021演習に参加。参考：月刊世界の艦船11,’14、6,'21、月刊軍事研究4,’99

＜Ｆ２５０＞：トルコ海軍ノックス級フリゲート、ムアヴェネト（Muavenet）。元はアメリカ海軍ノックス級フリゲートFF-1093カポダノである。1993年就役。参考：月刊世界の艦船9,’96、JShips vol.48

＜Ｆ２５３＞：トルコ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ザフィエル。参考：JShips vol.48

＜Ｆ２６０＞：ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級コルベット１番艦ブラウンシュヴァイク（Braunschweig）。2006年12月11日公試開始、2008年4月就役。2011年9月13-16日、DSEi2011に参加。2022年6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。参考：月刊軍事研究3,’10、12,’11、月刊世界の艦船3,’07、9,’22

＜Ｆ２６１＞：ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級コルベット２番艦マグデブルグ（Magdeburg）。2008年就役。2011年9月9-23日、ノーザン・コースト2011演習に参加。2013年9月10-13日、イギリスでDSEi2013に参加。2015年5月、RBS-15Mk3をスウェーデン沖から発射し、陸上目標に命中させるテストに成功した。参考：JShips Vol.46、月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船9,’16

＜Ｆ２６２＞：ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級コルベット３番艦エアフルト（Erfurt）。参考：月刊軍事研究12,’11

＜Ｆ２６３＞：ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級コルベット４番艦オルデンブルク（Oldenburg）。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。参考：月刊軍事研究12,’11、月刊世界の艦船12,’19

＜Ｆ２６４＞：ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級コルベット５番艦ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン（Ludwigshafen am Rhein）。2007年9月進水、2013年3月就役。2015年9月15-18日、DSEi2015で一般公開された。参考：月刊世界の艦船3,’07、月刊軍事研究12,’15

＜Ｆ−２６４＞：パキスタン海軍ガーシア級フリゲート、セイフ（Saif）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ２６５＞：ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級バッチ２コルベット１番艦ケルン（Köln）。2019年2月7日、ファースト・スチール・カットを実施。4月25日、起工式を実施。2022年4月21日、命名式を実施。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜Ｆ−２６５＞：パキスタン海軍ガーシア級フリゲート、アスラット（Aslat）。元はアメリカ海軍ガーシア級フリゲートFF-1051オカラハンで、1989年2月にパキスタンに貸与された。2014年10月27日から11月13日、IMCMEX14に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’15

＜Ｆ２６６＞：ドイツ海軍ブラウンシュヴァイク級バッチ２コルベット２番艦エムデン（Emden）。2020年1月（2月？）起工。2023年5月5日、ハンブルクのブローム・ウント・フォス造船所で就役式典を実施。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜Ｆ−２６６＞：パキスタン海軍ガーシア級フリゲート、ハイバル（Khaibar）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−２６７＞：パキスタン海軍ガーシア級フリゲート、スウィクカット（Siqqat）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−２７１＞：パキスタン海軍ヤルムーク級コルベット１番艦ヤルムーク（Yarmook）。2020年2月13日、ルーマニアのコンスタンツァ港で就役式典を実施。7月13日、カラチで配備式典を実施。参考：月刊世界の艦船5,’20、10,’20

＜Ｆ−２７２＞：パキスタン海軍ヤルムーク級コルベット２番艦タブーク（Tabuk）。2020年11月12日、ルーマニアのコンスタンツァで就役式典が行われ、パキスタンに向かった。2021年2月11-16日、アマン21に参加。11月、オマーン湾でアメリカ海軍と共同訓練を実施。参考：月刊世界の艦船2,’21、5,’21、2,’22

＜Ｆ３００＞：ノルウェー海軍オスロ級フリゲート、オスロ（Oslo）。1994年に事故を起こし、曳航中に沈没した。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｆ３０２＞：ノルウェー海軍オスロ級フリゲート３番艦トロンハイム（Trondheim）。1966年6月就役。2006年3月、座礁してその後廃棄された。2013年6月、NSMの標的艦となり、上構にNSMの直撃を喰らった。参考：月刊世界の艦船8,’20、月刊軍事研究4,’18

＜Ｆ３０４＞：ノルウェー海軍オスロ級フリゲート、ナルヴィク（Narvik）。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｆ３１０＞：ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲート１番艦フリチョフ・ナンセン（Fridtjof Nansen。北極海に陸地が無いことを証明したノルウェーの探検家）。2004年6月3日進水、2006年4月5日就役。2014年6月26日から8月1日、リムパック2014に参加し、NSMをドック型揚陸艦LPD-5オグデンと戦車揚陸艇１隻に命中させた。2021年5月15日から6月3日、フォーミダブル・シールド2021に参加し、ESSMを発射した。12月1日にノーフォークを出港したアメリカ海軍CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマンに随伴し、アメリカ海軍CG-56サン・ジャシントと共に、地中海に向かった。12月20日、CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン、CG-56サン・ジャシントと共に、地中海でチュニジア海軍哨戒艇ハノン、ミサイル艇チュニスと共同演習を実施。2022年2月2日、アドリア海で、アメリカ海軍CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン、CG-56サン・ジャシント、DDG-107グレイブリー、DDG-109ジェイソン・ダンハム、LCC-20マウント・ホイットニー、イタリア海軍空母C550カブール、ミサイル駆逐艦D553アンドレア・ドリア、フリゲートF-592カルロ・マルゴッティーニ、イタリア空軍P-72A哨戒機、トルコ海軍フリゲートF497ギョクスとの共同演習に参加。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船3,’05、8,'21、3,'22、5,'22、月刊軍事研究4,’18

＜Ｆ３１０型＞：フリチョフ・ナンセン級（フリゲート）を参照。

＜Ｆ３１１＞：ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲート２番艦ロアール・アムンゼン（Roald Amundsen）。2007年5月就役。2022年3月14-31日、ノルウェー近海でコールド・レスポンス2022に参加。9月4日、バルト海で、LHD-3遠征打撃群LHD-3キアサージ、LPD-24アーリントン、DDG-117ポール・イグナティウス、オランダ海軍補給支援艦A833カレル・ドールマン、ポルトガル海軍フリゲートF332コルテ・レアルとの共同演習に参加。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船8,’13、6,’22、11,’22

＜Ｆ３１２＞：ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲート３番艦オットー・スヴェルドルップ（Otto Sverdrup）。2008年4月就役。2017年9月29日から10月13日、ブリリアント・マリナー2017演習に参加。2020年6月29日から7月10日、ダイナミック・マングース2020に参加。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船8,’13、1,’18、10,’20

＜Ｆ３１３＞：ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲート４番艦ヘルゲ・イングスタ（Helge Ingstad。ヘルゲ・イングスタッド？）。2009年9月29日就役。2018年10月25日から11月7日、トライデント・ジャンクチュア2018演習に参加。11月8日、ベルゲン北西ヘルテフィヨルドでギリシャの船籍タンカーのソラTSと衝突し、海岸に擱座しようとしたが、数日後にほぼ横転沈没した。引き揚げたものの損傷が酷く、修復を断念して廃艦となることが決まり、2019年6月に除籍された。2021年1月11日、ノルスクラップ・ウエストに解体契約を6000万クローネ・700万ドルで発注した。2月8日、ハノイタンゲンの解体地に到着した。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船3,’10、1,’19、2,’19、9,’19、12,’19、4,’21、5,’21

＜Ｆ３１４＞：ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲート５番艦トール・ヘイエルダール（Thor Heyerdahl）。2009年2月進水、2011年1月就役。2018年10月25日から11月7日、トライデント・ジャンクチュア2018演習に参加。2019年8月中旬から下旬、NATO第１常設水上部隊の旗艦として、ベルギー海軍カレル・ドールマン級フリゲートF930レオポルド�T世、ポルトガル海軍カレル・ドールマン級フリゲートF334Ｄ・フランシスコ・デ・アルメイダなどと共に、大西洋でDDG-101グリッドリー、CG-58フィリピン・シー、T-AO-201パタクセントなどとの共同演習に参加。10月8-18日、ダイナミック・マリナー2019演習に参加。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船8,’13、4,’10、2,’19、11,’19

＜Ｆ３３０＞：ポルトガル海軍ヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲート１番艦ヴァスコ・ダ・ガマ（Vasco da gama）。1991年1月就役。2015年10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。参考：JShips Vol.24、月刊JWings2,’16

＜Ｆ３３１＞：ポルトガル海軍ヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲート２番艦アルヴァレス・カブラル（Alvares Cabral）。1991年5月竣工。2021年5月20-30日、ステッドファスト・ディフェンダー21に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、8,’21

＜Ｆ３３２＞：ポルトガル海軍ヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲート３番艦コルテ・レアル（Corte Real）。1991年竣工。2015-17年、大規模オーバーホールを実施。2018年10月25日から11月7日、トライデント・ジャンクチュア2018演習に参加。2019年3月5日、R-91シャルル・ド・ゴール機動部隊の一員としてツーロンを出港。2022年9月4日、バルト海で、LHD-3遠征打撃群LHD-3キアサージ、LPD-24アーリントン、DDG-117ポール・イグナティウス、オランダ海軍補給支援艦A833カレル・ドールマン、ノルウェー海軍フリゲートF311ロアール・アムンゼンとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’19、6,’19、11,’22

＜Ｆ３３３＞：ポルトガル海軍カレル・ドールマン級フリゲート１番艦、バーソロミュー・ディアス（Bartholomeu Dias）。元はオランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲートF833ヴァン・ネスで、2009年1月16日に再就役した。2018年5月、オランダで近代化改装・延命工事を開始。2021年10月25日、近代化改装・延命工事を終えてリスボンに到着。参考：月刊世界の艦船4,’09、4,’10、1,’22

＜Ｆ３３４＞：ポルトガル海軍カレル・ドールマン級フリゲート、ドム・フランシスコ・デ・アルメイダ（Dom Francisco de Almeida）。元はオランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲートF834ヴァン・ガレンで、2010年1月に引き渡された。2019年8月中旬から下旬、NATO第１常設水上部隊の一員として、ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲートF314トール・ヘイエルダール、ベルギー海軍カレル・ドールマン級フリゲートF930レオポルド�T世などと共に、大西洋でDDG-101グリッドリー、CG-58フィリピン・シー、T-AO-201パタクセントなどとの共同演習に参加。8月16日、T-AO-201パタクセントから洋上給油を受けた。2020年7月、近代化改装・延命工事に入った。参考：月刊世界の艦船4,’09、4,’11、11,’19、1,’22

＜Ｆ３４１＞：デンマーク海軍アプサロン級フリゲート１番艦アプサロン（Absalon）。元は多目的支援艦L-16アプサロンで、2020年10月にフリゲートに艦種変更された。2021年5月20-30日、ステッドファスト・ディフェンダー21に参加。6月6-18日、バルトップス50に参加。参考：月刊世界の艦船8,’21、9,’21

＜Ｆ−３５７＞：デンマーク海軍セティス級フリゲート、セティス（Thetis）。1990年6月、兵装未搭載でデンマーク海軍に引き渡された。1991年竣工。2014年6月6-21日、バルトップス2014演習に参加。2019年からNATO第１常設掃海部隊SNMCMG1の旗艦を務めることになったため、システマティック社製SitaWare HQ指揮統制ソフトウェアを積んだ。2019年6月9-21日、バルトップス2019に参加。11月4-14日、バルト海でHod OPS演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’91、9,’14、3,’19、9,’19、3,’20

＜Ｆ−３５８＞：デンマーク海軍セティス級フリゲート、トリオン（Trion。トリトン、Triton？）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−３５９＞：デンマーク海軍セティス級フリゲート、ヴァエデレン（Vaedderen）。2018年4月21日から5月4日、ジョイント・ウォーリア2018演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、7,’18

＜Ｆ−３６０＞：デンマーク海軍セティス級フリゲート、ヴィビューネン（Hvibdjornen）。2001年6月1-18日、バルトップス2001演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,'01

＜Ｆ−３６１＞：デンマーク海軍イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート１番艦イーヴァル・ヒュイトフェルト（Iver Huitfeldt）。2011年1月21日に引き渡され、2012年2月に就役した。2018年6月1-15日、バルトップス2018に参加。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。参考：月刊世界の艦船3,’16、8,’13、9,’18、12,’19、11,'21、JShips VOL.44

＜Ｆ−３６２＞：デンマーク海軍イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート２番艦ピータ・ヴィレモース（Peter Willemoes）。2009年3月起工、2013年1月就役。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。6月17-25日、キール・ウィークに参加。参考：JShips VOL.44、月刊世界の艦船3,’16、8,’13、11,’21、1,’23、9,’23

＜Ｆ−３６３＞：デンマーク海軍イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート３番艦ニールス・ユール（Niels Juel）。2009年12月起工、2014年6月（8月？）就役。2016年3月3日からコールド・レスポンス2016演習に参加。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。2018年6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。6月25日から7月6日、ダイナミック・マングース2018に参加。2019年3月5日、R-91シャルル・ド・ゴール機動部隊の一員としてツーロンを出港。4月15日、フランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴール、ホライゾン型駆逐艦D620フォルバンと共に、CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、CG-53モービルベイ、DDG-74マクファウルと、紅海で共同訓練を実施。参考：JShips VOL.44、月刊世界の艦船3,’16、8,’13、6,’16、9,’17、9,’18、10,’18、6,’19、7,’19、11,’21

＜Ｆ４０１−ＰＷ−４００＞：プラット＆ホイットニー社のターボファンエンジン、別名JTF22A-24A。F-14BとXFV-12A用に開発した。インレット・ガイドベーン１段、ファン３段、圧縮機はブースト段１段＋高圧10段、燃焼器はアニュラー型、タービンは高圧１段・低圧２段、アフターバーナー付き。全長5.08m、直径1.283m、エアインテイク径1.079m、乾燥重量1.655トン。ドライ最大推力7.439トン、離昇推力12.741トン。参考：世界の軍用機1979

＜Ｆ４０２シリーズ＞：ロールスロイス社のターボファンエンジン。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ４０２−ＲＲ−４０６＞：AV-8BとハリアーGR5に搭載されている。圧縮機３＋８段、圧縮比15.2、燃焼器はアニュラー型、タービン段数２＋２段、離昇推力22000ポンド（9.98トン）。全長99インチ（2.51m）、直径48インチ（1.22m）、重量3235ポンド（1.47トン）。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ４０２−ＲＲ−４０８＞：AV-8Bに搭載されている。推力偏向ノズル付き排気口が前後に左右１カ所ずつ計４つ用意されており、前部の２カ所から低圧圧縮機の抽出空気、後部の２カ所からジェット排気を噴出する。推力10.6トン。全長3.4m、直径1.2m、重量1.79トン。参考：月刊軍事研究8,’12

＜Ｆ４０４シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボファンエンジン。参考：世界の軍用機1979

　＜Ｆ４０４−ＧＥ−１０２Ｄ＞：F404-GE-102からアフターバーナーを抜いたもの。推力17200ポンド（7.8トン）。参考：月刊航空ファン12,’16

＜Ｆ４０４−ＧＥ−４００＞：F/A-18に搭載されている。排気ノズルのペタルはスチール製で12枚あり、最大出力時に最大径に開く。バイパス比0.34、インレット・ガイドベーン１段、ファン３段、圧縮機は軸流式７段、圧縮比25、燃焼器はアニュラー型、タービンは高圧１段・低圧１段、アフターバーナー付き。全長4.03m、直径0.88m、重量0.908トン。離昇推力7.257トン、A/B時最大推力70.2kN。燃料消費率82.6kg/kN/hr（ミリタリー推力）／177.5kg/kN/hr（A/B時）。参考：世界の軍用機1979、F/A-18ホーネット、月刊軍事研究5,’11、4,’12、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ４０４−ＧＥ−４０２＞：F404-GE-400エンジンのEPE（性能強化エンジン）改修型。A/B時最大推力を78.3kNに強化した。F/A-18C/Dブロック36以降に搭載された。参考：月刊軍事研究5,’11

＜Ｆ４０４−ＧＥ−Ｆ１Ｄ２＞：F-117に搭載されている。全長2.2m、最大直径0.89m、重量825kg。バイパス比0.34:1。使用燃料はJP-8で、JP-5を代替燃料として使用できる。燃料消費量毎時2650リットル。推力47.1kN（10600ポンド・4.81トン）。参考：ロッキードF117ナイトホーク

＜Ｆ４０４−ＧＥ−Ｆ１Ｇ１＞：F-5Gに搭載されているもの。F404-GE-400を単発機用にしてあり、燃料供給装置を改修し、アクセサリーを追加している。推力16000ポンド（7.26トン）。参考：ザ・マーチ17号

＜Ｆ４０４海外シリーズ＞

　＜ＲＭ１２シリーズ＞：RM12シリーズを参照。

＜Ｆ４０５−ＲＲ−４００＞：ロールスロイス社とチュルボメカ社が開発したターボファンエンジン。圧縮機２＋５段、圧縮比10.6、燃焼器はアニュラー型、タービン段数１＋１段、離昇推力5450ポンド（2.47トン）。全長77インチ（1.96m）、直径30インチ（0.76m）、重量1282ポンド（0.58トン）。T-45に搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ４０６＞：フランス陸軍航空隊双発輸送機、別名キャラバン�U（Caravan�U）。民間機の転用で、セスナ機のライセンス生産を行ってきたフランスのランス社がセスナ社と共同で開発し、フランス政府も補助金を出して1983年9月（1982年9月？）に原型機が初飛行、1984年12月にフランス航空局の形式証明を取得し、1985年4月に量産初号機が初飛行した。セスナ208キャラバン�T単発輸送機の双発化型で、開発期間・費用節減のためセスナ400シリーズから各部を流用しており、タイタンの非与圧胴体にコンクエスト�Uの主翼を低翼配置で組み合わせ、主翼やや内側寄りにターボプロップエンジンを１基ずつ搭載する。最大14名分のシートを配置でき、座席を外してオプションの大型貨物ドアを装備すれば小型貨物輸送機としても使える。全長11.89m、全幅15.08m、全高4.01m、自重2.46トン、最大離陸重量4.502トン。翼面積23.48平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PT6A-112（500軸馬力）双発、最大巡航速度455km、失速速度150km、実用上昇限度9145m、海面上昇率毎分564m（双発）／121m（片発）、燃料搭載量1823リットル、航続距離2140km／1860km（貨物無し、飛行速度400km）／740km（貨物搭載、飛行速度400km）。乗員２名。客席数12。12.7mm/20mm高射機関砲用標的の曳航任務にも就いている。フランス税関も胴体下面に捜索レーダーを積んで運用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings7,’01

＜Ｆ４０６海外シリーズ＞

　＜Ｆ４０６（韓国海軍）＞：韓国海軍輸送機。５機を配備した。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜Ｆ４１４−ＧＥ−４００シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社のターボファンエンジン。参考：月刊軍事研究5,’11

＜Ｆ４１４−ＧＥ−４００＞ F/A-18E/FとEA-18Gに搭載されている。ドライ推力5.9トン、A/B時推力97.9kN・9.977トン。F/A-18E/Fが小改良を繰り返す度に発電機管制ユニットGCUへの負担が増し、第３世代まで改良を加えたものの故障しまくってライノ・シリーズ全体の稼働率低下（2008-18年平均51.29%）に繋がっていたため、第４世代で本格的に改修し、平均故障間隔を1220フライトアワーに延ばして2019年に稼働率80%を達成した。参考：月刊軍事研究5,’11、月刊JWings11,’20

＜Ｆ４１４（ＥＰＥ）＞：EPEは性能強化エンジンの略。F414-GE-400のA/B時最大推力を２割増しにする計画である。参考：月刊軍事研究5,’11

＜Ｆ４１４−ＧＥ−４００海外シリーズ＞

＜Ｆ４１４Ｇ＞：グリペンNGに搭載されたもので、単発運用向けの改修を施してある。推力10トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｆ４１４−ＧＥ−３９Ｅ＞：F414Gの改良型で、JAS-39E/Fに搭載された。A/B時推力97.9kN。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ４１４−ＧＥ−４００Ｋ＞：韓国空軍KFX向け。飛行試験用に15基を製作予定で、2020年5月に初納入した。参考：月刊JWings8,’20

＜Ｆ−４１５Ｆ＞：アメリカ軍の昼間偵察用航空カメラ。レンズは６インチ（152mm）F3.8、シャッター速度1/500-1/5000、写角40度×150-180度、ネガ寸法５インチ×16-19インチ（127×406-483mm）、フィルム寸法５インチ×500フィート（0.127×152.4m。ネガ300-360枚分）。参考：空軍

＜Ｆ−４２０＞：フランスの双発戦闘機。機首のガラス張り銃座含め３つの銃座を持つ。全長14.5m、全幅22m、全備重量6900kg。エンジンはノームローン14Krsd（800馬力）双発、最大速度350km、実用上昇限度7600m。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆ４２１＞：ニュージーランド海軍リアンダー級フリゲート、カンタベリー（Canterbury）。1971年10月竣工。1988-90年に近代化改装を受け、FCSと艦対空ミサイルを換装し、ヘリ甲板を延長した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−４５０＞：ギリシャ海軍エリ級フリゲート１番艦エリ（Elli）。1981年竣工。2018年3月5-16日、ダイナミック・マンタ2018演習に参加。2019年2月25日から3月8日、ダイナミック・マンタ2019に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’18、5,’19

＜Ｆ−４５１＞：ギリシャ海軍エリ級フリゲート２番艦リムノス（Limnos）。1982年竣工・就役。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。2017年9月29日から10月13日、ブリリアント・マリナー2017演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’18、月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ−４５２＞：ギリシャ海軍イドラ級フリゲート、イドラ（Ydra）。1992年11月12日就役。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、JShips Vol.24

＜Ｆ−４５３＞：ギリシャ海軍イドラ級フリゲート、スペトサイ（Spetsai）。2021年11月26日、イギリス海軍哨戒艦P224トレント、ブルガリア海軍フリゲートのスメーリと共に、NATO第２常設水上部隊SNMG2として地中海で訓練を実施。12月、SNMGへの派遣を解かれ、原隊に復帰した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’21

＜Ｆ−４５４＞：ギリシャ海軍イドラ級フリゲート、プサラ（Psara）。2014年3月25-27日、DIMDEX2014に参加。2021年1月末、地中海でNATO第２常設水上部隊SNMG2（旗艦スペイン海軍フリゲートF105クリストーバル・コロン、トルコ海軍フリゲートF490ガジアンテプ）との共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、7,’14、4,’21

＜Ｆ−４５５＞：ギリシャ海軍イドラ級フリゲート、サラミス（Salamis）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ−４６０＞：ソ連軍D-25T戦車砲用榴弾。重量22.6kg。参考：月刊丸10,’97

＜Ｆ４６２＞：ギリシャ海軍フリゲート、コウントウリオティス（Kountouriotis）。2021年2月22日から3月5日、シチリア島近海でダイナミック・マンタ2021演習に参加。参考：月刊世界の艦船6,’21

＜Ｆ４８９＞：ポルトガル海軍バプティスタ・デ・アンドラテ級コルベット、オリヴェイラ・エ・カルモ（Oliveira e Carmo）。1975年竣工。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜Ｆ４９０＞：トルコ海軍ガブヤ級フリゲート、ガジアンテプ（Gaziantep）。1998年7月就役。2016年6月1日、アデン湾でソマリア沖海賊対処行動水上部隊DD-103ゆうだち・DD-153ゆうぎりと共同訓練を実施。2018年3月5-16日、ダイナミック・マンタ2018演習に参加。2021年1月末、NATO第２常設水上部隊SNMG2の一員として、同旗艦スペイン海軍フリゲートF105クリストーバル・コロンと共に、地中海でギリシャ海軍フリゲートF-454プサラとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’16、5,’18、6,’18、4,’21

＜Ｆ４９１＞：トルコ海軍ガブヤ級フリゲート、ギレスン（Giresun）。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-20アントリムで、1998年7月にトルコ海軍で就役した。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。7月29日、トルコのマルマリス沖で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。参考：JShips vol.48、月刊航空ファン6,’11、月刊世界の艦船6,’12、12,’12

＜Ｆ４９２＞：トルコ海軍ガブヤ級フリゲート、ゲムリク（Gemlik）。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-21フラットレイで、1998年にトルコに引き渡された。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。8月7日、串本町に入港。8月8日、串本町沖でエルトゥールル号の追悼式典を実施。8月9日、東京港晴海埠頭に入港。8月12日、晴海埠頭を出港し、海自との親善訓練に参加。2014年11月8日、ソマリア沖海賊対処中のDD-110たかなみとアデン湾で共同訓練を実施。2015年12月18日、DD-114すずなみとアデン湾で海賊対処共同訓練（戦術運動、物品移送など）を実施。2016年11月19-28日、東地中海でマーヴィ・バリナ2016演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’04、10,’11、3,'16、3,’17、朝雲、月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ４９３＞：トルコ海軍ガブヤ級フリゲート、ゲリボル（Gelibolu）。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-30レイドである。2016年9月、海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。2019年2月25日から3月8日、ダイナミック・マンタ2019に参加。参考：月刊世界の艦船12,’16、5,’19、JShips Vol.48

＜Ｆ４９５＞：トルコ海軍ガブヤ級フリゲート、ゲディズ（Gediz）。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-19ジョン・Ａ・ムーアで、2000年に購入した。2015年5月30日から6月9日、エルトゥールル号遭難事故125周年で下関（5月30日）、串本（6月1日）、東京（6月5-9日）を歴訪した。これを機に、司令公室を金剛、士官室を比叡（両艦でエルトゥールル号遭難事故の生存者をトルコに送り届けた）と命名している。10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。2018年6月1-15日、バルトップス2018に参加。6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。6月25日から7月6日、ダイナミック・マングース2018に参加。参考：月刊世界の艦船8,’15、1,’16、9,’18、10,’18、月刊軍事研究8,’15，9,'15、JShips vol.48

＜Ｆ４９７＞：トルコ海軍ガブヤ級フリゲート、ギョクス（Göksu）。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-15エストシンである。2015年5月4日から北海でNATO対潜演習ダイナミック・マングース2015に参加。2016年11月19-28日、東地中海でマーヴィ・バリナ2016演習に参加。2022年2月2日、アドリア海で、アメリカ海軍CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン、CG-56サン・ジャシント、DDG-107グレイブリー、DDG-109ジェイソン・ダンハム、LCC-20マウント・ホイットニー、イタリア海軍空母C550カブール、ミサイル駆逐艦D553アンドレア・ドリア、フリゲートF-592カルロ・マルゴッティーニ、イタリア空軍P-72A哨戒機、ノルウェー海軍フリゲートF310フリチョフ・ナンセンとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船7,’15、3,’17、5,’22

＜Ｆ５０３＞：トルコ海軍ブラク級コルベット、ベイコズ。元はフランス海軍デティエンヌ・ドーヴ級通報艦F781デティエンヌ・ドーヴである。参考：JShips Vol.48

＜Ｆ−５１１＞：トルコ海軍ミルゲン級コルベット１番艦ヘイベリアダ（Haybeliada）。2007年1月22日起工、2008年9月27日進水、2010年11月2日公試開始、2011年9月27日竣工。参考：月刊世界の艦船3,’12、3,’13、3,’16、月刊軍事研究8,’09、JShips Vol.48

＜Ｆ−５１２＞：トルコ海軍ミルゲン級コルベット２番艦ブユックアダ（Büyükada）。2013年9月就役。参考：月刊世界の艦船3,’16

＜Ｆ−５１３＞：トルコ海軍ミルゲン級コルベット３番艦ブルガズアダ（Burgazada）。2022年10月25日と28日、アデン湾で第151連合任務群計画海賊対処共同訓練に参加。DD-102はるさめ及びスペイン海軍フリゲートF-83ヌマンシアと、立入検査、戦術運動、写真撮影の各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船3,’16、1,’23

＜Ｆ−５１４＞：トルコ海軍ミルゲン級コルベット４番艦キナリアダ（Kinaliada）。2019年11月3日、アトマカ艦対艦ミサイルの試射を実施。参考：月刊世界の艦船3,’16、2,’20

＜Ｆ−５１５＞：トルコ海軍ミルゲム�U級フリゲート１番艦イスタンブール（İstanbul）。2017年7月、ファースト・スチール・カットを実施。2021年1月23日、イスタンブール海軍工廠で進水。参考：月刊世界の艦船10,’17、4,’21

＜Ｆ５６４＞：イタリア海軍ルポ級ミサイル・フリゲート、ルポ（Lupo）。1979年10月13日、神戸港を出港。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜Ｆ５６５＞：イタリア海軍ルポ級ミサイル・フリゲート２番艦サジッタリオ（Sagittario）。1978年就役。2006年、ペルー海軍でクイニョネスとして就役した。参考：月刊世界の艦船2,’15、12,’16

＜Ｆ５７０＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート、マエストラーレ（Maestrale）。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ５７１＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート、グレカーレ（Grecale）。1983年竣工。2015年9月11-23日、イタリア近海でダイナミック・マンタ2015に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、12,’15

＜Ｆ５７２＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート３番艦リベシオ（Libeccio）。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’18

＜Ｆ５７３＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート、シロッコ（Scirocco）。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ５７４＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート、アリセオ（Aliseo）。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ５７５＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート、エウロ（Euro）。1984年竣工。2011年2月4-17日、プラウド・マンタ2011演習に参加。3月、リビア爆撃作戦に参加。2016年6月28日、アデン湾で海自海賊対処行動水上部隊のDD-103ゆうだち、DD-153ゆうぎりと共同訓練（近接運動、ヘリ発着艦）を実施。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊航空ファン6,’11、JShips Vol.46、月刊JWings9,’16

＜Ｆ５７６＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート、エスペロ（Espero）。1984年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ５７７＞：フランス海軍マエストラーレ級フリゲート、ゼフィーロ（Zeffiro）。1985年竣工。2019年4月29日から5月10日、マーレ・アペルト2019演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、8,’19

＜Ｆ５８１＞：イタリア海軍アルピーノ級フリゲート２番艦カラビニーレ（Carabiniere）。1968年就役。1993年、試験艦として運用されるようになったが、艦種記号・艦番号はそのままである。ガスタービン主機や兵装の大半を撤去し、アスター15（８セルVLSを装備）、ミラス艦対潜ミサイル、EMPARレーダー（ヘリ甲板直前に新設した巨大ラティスマスト頂部に搭載）などのテストを行った。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜Ｆ−５８９＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート10番艦（汎用型６番艦）エミリオ・ビアンキ（Emilio Bianchi）。2020年1月25日進水、フィンカンティエーリ社で進水式が行われた。9月10日、公試開始。竣工直前にエジプト海軍に売却され、艦番号1003ベルニースになった。参考：月刊世界の艦船4,’20、12,’20、3,’21、7,’21

＜Ｆ−５９０＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート１番艦（汎用型１番艦）カルロ・ベルガミーニ（Carlo Bergamini）。2008年2月、ファースト・スチール・カット施行。2013年5月就役。2016年9月5日、イタリア沖で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。2019年、フォーミダブル・シールド演習で弾道ミサイル・超音速機同時探知追尾試験を行い、取得データをSadoc 3指揮管制装置からデータリンクで他ユニットと共有した。参考：月刊軍事研究3,’08、3,’10、月刊世界の艦船8,’13、3,’16、12,’16、12,’19

＜Ｆ−５９１＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート２番艦（対潜型１番艦）ヴィルジニオ・ファザン（Virginio Fasan）。2009年5月起工、2013年12月就役。2020年6月22日、SNMG2の一員として同トルコ海軍フリゲートF246サーリヒレイスと共にチュニジア海軍哨戒艦P611シュファリクス、ミサイル艇505ハミルカルと地中海で共同演習を実施。2021年2月22日から3月5日、シチリア島近海でダイナミック・マンタ2021演習に参加。2023年3月3-17日、CVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュ空母打撃群に加わった。5月24-30日、ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船3,’16、8,’13、9,'20、6,’21、8,’23

＜Ｆ−５９２＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート３番艦（対潜型２番艦）カルロ・マルゴッティーニ（Carlo Margottini。第２次大戦で戦没した駆逐艦アルティリエーレの艦長）。2010年4月起工、2013年6月29日進水、2014年2月27日就役。2018年2月20日、イタリアのラ・スペチアを出港。4月からソマリア沖海賊対処アタランタ作戦に旗艦として参加予定。7月11日、ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-108あけぼのとアデン湾で共同訓練を実施。2022年2月2日、空母C550カブール、ミサイル駆逐艦D553アンドレア・ドリア、イタリア空軍P-72A哨戒機と共に、アメリカ海軍CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマン、CG-56サン・ジャシント、DDG-107グレイブリー、DDG-109ジェイソン・ダンハム、LCC-20マウント・ホイットニー、ノルウェー海軍フリゲートF310フリチョフ・ナンセン、トルコ海軍フリゲートF497ギョクスと、アドリア海での共同演習に参加。6月6日、NATO第２常設海上部隊の一員として、トルコ海軍バルバロス級フリゲートF246サーリヒレスと共に、地中海で日NATO共同訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3521しまかぜと戦術運動訓練などを行った。参考：月刊軍事研究3,’08、3,’10、月刊世界の艦船8,’13、9,’13、5,’14、3,’16、5,’18、10,’18、5,’22、9,’22

＜Ｆ−５９３＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート４番艦（対潜型３番艦）カラビニエーレ（Carabiniere）。2015年2月（4月29日？）就役。2016年1月17日、ソマリア沖で中国海軍054A級フリゲート576大慶と会同した。1月25日から2月24日、オーストラリア海軍SEA5000プロジェクトへの売り込みを兼ねてオーストラリアのフリーマントル、アデレード、シドニー、メルボルンに寄港。8月25日、地中海で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。2017年2月27日から3月10日、オーシャン・エクスプローラー2017演習に参加。2018年3月5-16日、ダイナミック・マンタ2018演習に参加。2019年4月29日から5月10日、マーレ・アペルト2019演習に参加。2020年2月24日から3月6日、ダイナミック・マンタ2020に参加。参考：月刊世界の艦船8,’13、7,’15、3,’16、4,’16、11,’16、4,’17、7,’17、6,’18、8,’19、6,’20

＜Ｆ−５９４＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート５番艦（対潜型４番艦）アルピーノ（Alpino）。2020年10月15日、海賊対処EU部隊としてジブチに入港し、イタリア海軍スペイン海軍フリゲートF81サンタ・マリア、同F-84レイナ・ソフィア、スペイン空軍P-3M哨戒機、ドイツ海軍P-3C哨戒機、海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-111おおなみとジブチ沖で海上パレードを行った。参考：月刊世界の艦船3,’16、朝雲

＜Ｆ−５９５＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート６番艦（汎用型２番艦）ルイージ・リッツォ（Luigi Rizzo）。2017年4月就役。参考：月刊世界の艦船3,’19、3,’16

＜Ｆ−５９６＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート７番艦（汎用型３番艦）フェデリコ・マルティネンゴ（Federico Martinengo）。2018年4月24日に引き渡されて就役した。2021年9月14日、アデン湾でソマリア沖海賊対処第39次水上部隊DD-153ゆうぎりと共同訓練（クロスデッキ、戦術訓練）を実施。参考：月刊世界の艦船7,’18、3,’16、12,’21

＜Ｆ５９６＞：イタリア海軍カルロ・ベルガミーニ級対潜フリゲート、ルイージ・リッツォ（Luigi Rizzo）。参考：月刊世界の艦船4,’12

＜Ｆ−５９７＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート８番艦（汎用型４番艦）アントニオ・マルチェリア（Antonio Marceglia）。2018年2月3日進水。2019年4月6日、イタリア海軍に引き渡されて就役した。参考：月刊世界の艦船3,’16、4,’18、7,’19、11,’21

＜Ｆ−５９８＞：イタリア海軍FREMM級フリゲート９番艦（汎用型５番艦）スパルタコ・スケルガト（Spartaco Schergat）。2019年1月26日進水。2020年12月23日、竣工直前にエジプト海軍に引き渡され、艦番号1002アル・ガララになった。参考：月刊世界の艦船4,’19、3,’21

＜Ｆ６１０＞：フランス海軍トゥールヴィル級駆逐艦トゥールヴィル（Tourville）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ６１１＞：フランス海軍トゥールヴィル級駆逐艦デュゲイ・トルーアン（Duguay-Trouin）。1975年竣工。1999年2月1日、ジャンヌ・ダルク級ヘリ巡洋艦R97ジャンヌ・ダルク、フロレアル級フリゲートF731プレリアルと共に東京に寄港した。当初は晴海埠頭に停泊する予定だったが、R97ジャンヌ・ダルクがレインボーブリッジの下をくぐれないため、若洲の15号木材埠頭に停泊した。2月6日、若洲埠頭を出港し、DD-122はつゆき、DD-123しらゆきと共に大島東方海域から新島沖で親善訓練を行った。参考：月刊世界の艦船3,’00、3,’92増刊、月刊丸4,’99

＜Ｆ６１２＞：フランス海軍トゥールヴィル級駆逐艦ド・グラース（De Grasse）。1977年10月竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ７０２＞：サウジアラビア海軍F2000S型フリゲート、マデナ（Madina）。1983年4月進水。2009年7月5日、サウジアラビアのジッダ沖で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練（戦術運動など）を実施。参考：ザ・マーチ42号、朝雲

＜Ｆ７０４＞：サウジアラビア海軍F2000S型フリゲート、ホッフー（Hofouf。フフーフ？）。1983年6月進水。参考：ザ・マーチ42号

＜Ｆ７０６＞：サウジアラビア海軍F2000S型フリゲート、アバ（Abba）。1983年12月進水。参考：ザ・マーチ42号

＜Ｆ７０８＞：サウジアラビア海軍F2000S型フリゲート、タイフ（Taif）。1984年5月進水。参考：ザ・マーチ42号

＜Ｆ７１０＞：フランス海軍ラファイエット級フリゲート１番艦ラファイエット（La Rayette）。1997年5月6-9日、シンガポールのIMDEX97に参加。2001年5月31日から6月1日、ペルシャ湾内で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。2021年10月4日、近代化改装工事に入った。2022年11月24日、近代化改装を終えて実働状態に復帰した。2023年3月13-14日、日仏米豪印英加新共同訓練ラ・ペルーズ23に参加。DD-117すずつき、フランス海軍L-9015ディズミュド、アメリカ海軍LCS-18チャールストン、オーストラリア海軍FFH157パース、インド海軍F49サヒャドリ、A58ジョティ、イギリス海軍P233テイマー、カナダ海軍司令部など、ニュージーランド海軍司令部などと、スリランカ東方で、各種戦術訓練（対水上射撃、防空戦、戦術運動、クロスデッキ）などを行った。参考：月刊軍事研究7,’97、月刊世界の艦船9,’01、1,’22、2,’23

＜Ｆ７１１＞：フランス海軍ラファイエット級フリゲート、シュルクーフ（Surcouf）。1997年2月就役。2017年、ソナーをブルーウォッチャーに換装した。2021年2月18日、ジャンヌ・ダルク2021任務部隊の一員として、強襲揚陸艦L9014トンネールと共にツーロンを出港。4月5-7日、ベンガル湾で、日仏米豪印共同訓練ラ・ペルーズ21に参加。強襲揚陸艦L9014トンネールと共に、海自DD-108あけぼの、アメリカ海軍LPD-25サマセット、オーストラリア海軍FFH-150アンザック、補給艦O226シリウス、インド海軍フリゲートF48サップラ、コルベットP30キルタン、P-8I哨戒機と、対空戦、対水上戦、洋上補給などの各訓練を行った。その後は強襲揚陸艦L9014トンネールと共に南シナ海でオーストラリア海軍と共同訓練を行っている。5月、強襲揚陸艦L9014トンネールと共に、東シナ海を含む海域で北朝鮮の瀬取り監視に参加。5月4日、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化を目的としたフランス海軍との共同訓練に参加し、AOE-425ましゅうと洋上補給訓練を行った。5月9日、強襲揚陸艦L9014トンネールと共に海自佐世保基地に寄港した。5月11-17日、日米豪仏共同訓練ARC21に参加。2022年5月1日、DD-106さみだれとアデン湾で共同訓練を実施。参考：月刊世界の艦船4,’12、6,’21、7,’21、8,’21、1,’22、8,’22

＜Ｆ７１３＞：フランス海軍ラファイエット級フリゲート４番艦アコニト（Aconit）。1999年6月就役。2000年8月31日から9月4日、舞鶴基地を親善訪問した。9月12-18日、晴海埠頭に寄港。2011年3月、アルマッタン作戦に参加。2014年8月15日、コート・ダジュール沖でドラグーン作戦70周年記念国際観艦式に参加。2015年3月5日、L9015ディズミュードと共にツーロンを出港。5月16-17日、九州西方海域でLST-4001おおすみ、SH-60ヘリ、陸自CH-47ヘリ、UH-60JAヘリ、アメリカ海軍艦艇と日米仏共同訓練を実施。その後釜山に入港した。参考：月刊世界の艦船11,’00、11,’14、8,'15、月刊航空ファン6,’11

＜Ｆ７１４＞：フランス海軍ラファイエット級フリゲート５番艦ゲプラット（Guépratte）。2001年10月就役。2014年8月15日、コート・ダジュール沖でドラグーン作戦70周年記念国際観艦式に参加。2015年2月4日、アデン湾でオーストラリア海軍補給艦サクセスから洋上補給を受けた。2016年3月30日、L-9014トンネールと共に、アデン湾でDD-114すずなみと共同訓練（ヘリ発着艦、通信、写真撮影）を実施。2022年9月11日、ソマリア海賊対処行動EU海上部隊の一員として、アラビア海北部でDD-102はるさめと海賊対処共同訓練（近接運動、クロスデッキ、写真撮影）を実施。参考：月刊世界の艦船1,’02、11,’14、7,’15、12,'22、4,'23、月刊JWings6,’16

＜Ｆ７２８＞：フランス海軍コマンダン・リヴィエレ級フリゲート６番艦ドゥダール・ド・ラグレ（Doudart de Lagre’e）。1963年3月就役。1983年2月7日、R97ジャンヌ・ダルクと共に東京港晴海埠頭に接岸し、2月12日まで寄港した。2月12日、TV-3501かとりと親善訓練を実施。参考：ザ・マーチ23号、月刊世界の艦船5,’83

＜Ｆ７３０＞：フランス海軍フロレアル級フリゲート、フロレアル（Floreal）。1991年10月7日進水。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜Ｆ７３１＞：フランス海軍フロレアル級フリゲート２番艦プレリアル（Prairial）。1992年就役。1999年2月1日、ジャンヌ・ダルク級ヘリ巡洋艦R97ジャンヌ・ダルク、トゥールヴィル級駆逐艦F611デュゲイ・トルーアンと共に東京に寄港した。当初は晴海埠頭に停泊する予定だったが、R97ジャンヌ・ダルクがレインボーブリッジの下をくぐれないため、若洲の15号木材埠頭に停泊した。2月6日、若洲埠頭を出港し、DD-122はつゆき、DD-123しらゆきと共に大島東方海域から新島沖で親善訓練を行った。2001年10月16-20日、東京港晴海埠頭に入港。この時はパンサー汎用ヘリを搭載していた。10月20日、DD-125さわゆきと親善訓練（通信、戦術運動）を実施。2006年4月26日から約１ヶ月間、日本を親善訪問した。この際、ヘリ格納庫にはSA319Bアルエート�Vヘリを搭載していた。2010年6月19日、カナダ海軍創設100周年記念観艦式に参加。6月24日、リムパック2010に参加するため真珠湾に入港。2014年6月3-6日、大湊を親善訪問した。6月9-13日、東京を親善訪問した。6月13日、DD-129やまゆきと親善訓練を実施。2016年6月28日、パール・ハーバーに入港。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2021年2月上旬から3月上旬、東シナ海を含む日本近海で北朝鮮の瀬取り監視を実施。2月19日、九州西方海域で日米仏共同訓練に参加し、AOE-424はまな、DDG-54カーティス・ウィルバーと洋上補給訓練を行った。2022年6月27日、ハワイ周辺海空域で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー22-4に参加。DDH-183いずも及びDD-110たかなみと各種戦術訓練（戦術運動、LINK-EXなど）を行った。2023年4月20-21日、関東南方で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー23に参加。FFM-2くまのと各種戦術訓練（戦術運動、LINKEXなど）を行った。4月21日、横須賀に寄港。4月27日、横須賀を出港し、北朝鮮の瀬取り監視任務に就いた。参考：月刊世界の艦船1,’02、3,’00、9,’10、8,’14、9,’18、5,'21、9,'22、6,'23、7,'23、月刊軍事研究12,’02、月刊丸4,’99、月刊JWings5,’21

＜Ｆ７３３＞：フランス海軍フロレアル級フリゲート、ヴァントーズ（Ventose）。2011年6月20日、アメリカのノーフォーク港に入港。6月27-29日、FRUKUS2011演習に参加。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜Ｆ７３４＞：フランス海軍フロレアル級フリゲート、ヴァンデミエール（Vandémiaire）。1993年10月就役。2001年6月18-22日、横須賀を親善訪問した。6月22日、DDG-171はたかぜと関東南方海域で親善訓練を実施。2009年3月30日から4月3日、長崎を親善訪問した。4月3日、DE-234とねと親善訓練（共同通信など）を実施。2010年7月8-12日、東京港晴海埠頭を親善訪問した。2012年2月22-27日、海自佐世保基地を親善訪問した。2月27日、DD-154あまぎり、MCM-2ディフェンダーと日米仏親善訓練を行った。2013年5月13-18日、呉を親善訪問した。10月4日、シドニーに入港。10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。2015年10月14日、海自横須賀港に入港。10月17日、一般公開された。10月18日、海自観艦式に参加。10月23日、沖縄北方海域でDE-229あぶくまと親善訓練（近接運動、戦術運動、写真撮影など）を実施。2018年2月8-12日、SA319Bアルエート�Vヘリを搭載して東京港晴海埠頭に寄港。2月10日、一般公開された。2月12-13日、関東南方海域でDD-153ゆうぎりと共同訓練VINEX18（対水上戦、対空戦、戦術運動など）を実施。2019年4月10-14日、海自佐世保基地に寄港。4月14日、九州西方海空域でDD-104きりさめと共同訓練（対空戦、機銃射撃、航空機発着艦など）を実施。その後、北朝鮮の瀬取り監視を行った。2022年3月下旬から東シナ海を含む日本周辺海域で北朝鮮の瀬取り監視を実施。3月17日、東シナ海で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニーに参加し、DD-104きりさめと各種戦術訓練を行った。8月30日から9月1日、ニューカレドニア周辺で日仏豪共同訓練ラ・ペルーズ22に参加。DD-104きりさめ、オーストラリア海軍フリゲートFFH-152ワラムンガと、各種戦術訓練（戦術運動、対空戦など）を行った。9月12-16日、ダーウィン周辺海域でカカドゥ22に参加。参考：月刊世界の艦船6,’09、9,’01、1,’02、9,’10、5,’12、7,’13、8,’13、12,’13、1,'16、4,’18、5,’18、7,’19、6,'22、11,'22、12,'22、月刊JWings5,’18、朝雲

＜Ｆ７５２＞：イタリア海軍フリゲート、リベッキオ。2011年3月、リビア作戦に参加。参考：月刊JWings7,’11

＜Ｆ７８１＞：フランス海軍デティエンヌ・ドルブ級通報艦デティエンヌ・ドーヴ。後にトルコ海軍ブラク級コルベットF503ベイコズになった。参考：JShips Vol.48

＜Ｆ７８６＞：フランス海軍デティエンヌ・ドルブ級通報艦６番艦カルティエ・メートル・アンクティル（Quartier Maitre Anquetil）。1978年就役。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜Ｆ７９１＞：フランス海軍デティエンヌ・ドルブ級通報艦コマンダン・レルミニエ（Commandant L’Herminier）。1985年就役。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜Ｆ７９２＞：フランス海軍デティエンヌ・ドルブ級通報艦プルミエ・メートル・レール（Pemier Maitre l’Her）。2013年8月20日、海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜Ｆ７９３＞：フランス海軍フリゲート、コマンダン・ブレゾン（Commandant Blaison）。2021年6月6-18日、バルトップス50に参加。参考：月刊世界の艦船9,’21

＜Ｆ７９６＞：フランス海軍デティエンヌ・ドルブ級通報艦コマンダン・ビロ（Commandant Birot）。1991年2月27日から3月4日、カサール級ミサイル駆逐艦D615ジャン・バールと共に、東京港を親善訪問した。2014年8月15日、コート・ダジュール沖でドラグーン作戦70周年記念国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船5,’91、11,’14

＜Ｆ８０１＞：オランダ海軍トロンプ級ミサイル・フリゲート、トロンプ（Tromp）。1975年竣工・就役。1999年に退役した。参考：月刊世界の艦船6,'22、3,’92増刊

＜Ｆ８０２＞：オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビンシェン級ミサイル・フリゲート１番艦デ・ゼーベン・プロビンシェン（De Zeven Provincien）。2002年4月就役。2016-20年、整備と近代化改修を受け、SMART-L MM/Nレーダーを搭載した。2021年5月15日から6月3日、フォーミダブル・シールド2021に参加。SMART-L MM/Nレーダーで弾道ミサイル模擬標的を捕捉追尾し、データをDDG-117ポール・イグナティウスに送ってランチ・オン・リモートでスタンダードSM-3により撃墜させることに成功した。参考：月刊軍事研究12,’00、月刊世界の艦船9,’20、8,’21

＜Ｆ８０３＞：オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビンシェン級ミサイル・フリゲート２番艦トロンプ（Tromp）。2003年3月就役。2006年12月、ハワイ沖での弾道ミサイル迎撃実験に参加し、DDG-70ホッパーが探知した弾道ミサイルの情報をガルフストリーム機経由で受信、SM-2ミサイルを発射して撃墜した。2015年5月4日から北海でNATO対潜演習ダイナミック・マングース2015に参加。2016年9月5日、アデン湾でソマリア海賊対処海上部隊DD-117すずつきと共同訓練を実施。11月21日、DD-117すずつきと海上訓練（戦術運動、人員移送など）を実施。2017年9月24日から10月18日、イギリス西方ヘブリデスで多国間演習フォーミダブル・シールドに参加。10月15日、ESSMで対艦ミサイル２発を撃墜した。2022年11月22日から12月2日、バルト海北部でフリージング・ウインズ2022演習に参加。参考：JShips Vol.20、月刊軍事研究12,’07、月刊世界の艦船7,’15、11,’16、2,’17、1,’18、8,’21、2,’23

＜Ｆ８０４＞：オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビンシェン級ミサイル・フリゲート３番艦デ・ロイテル（De Ruyter）。2004年3月就役。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。2012年3月24日、大西洋上でCVN-65エンタープライズ空母打撃群、F101アルバロ・デ・バサン、F209ラインラント・プファルツ、FFH339シャーロットタウンなどとNATO合同訓練を実施。2013年1月20日、EUによるソマリア沖海賊対処作戦「アトランタ」に参加するため、NFH-90哨戒ヘリ１機を搭載してデン・ヘルダー港を出港。2018年10月25日から11月7日、トライデント・ジャンクチュア2018演習に参加。参考：JShips Vol.20、月刊世界の艦船9,’11、6,’12、4,’13、2,’19

＜Ｆ８０５＞：オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビンシェン級ミサイル・フリゲート４番艦エイヴェルツェン（Evertsen。エヴェルトセン？エフェルトセン？）。2005年3月就役。2013年7月3-7日、サンクトペテルブルクでIMDS2013に参加。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。2018年4月21日から5月4日、ジョイント・ウォーリア2018演習に参加。2019年2月25日から3月8日、ダイナミック・マンタ2019に参加。2021年5月7-18日、空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、アメリカ海軍LHD-7イオー・ジマなどとのNATO海軍共同演習ストライク・ウォーリア21に参加。5月下旬、イギリス海軍ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21の一員として、インド太平洋方面に向かった。6月1-3日、CSG21の一員として、地中海西部でフランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴールと共同演習ゴーリック・ストライクを実施。6月6日、メッシナ海峡を通過。6月24日、オランダ政府が、F805エフェルトセンにロシア軍機による威嚇行為があったと発表した。7月6日、スエズ運河を通って紅海に入った。7月11-12日、CSG21所属イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、ソマリア沖で海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-156せとぎり及び同航空隊P-3C哨戒機との共同訓練（写真撮影、洋上補給）に参加。7月29日、南シナ海で補給艦A136タイドスプリングから洋上補給を受けた。8月2-27日、フィリピン海で大規模広域演習LSGE21に参加。8月6日、グアムのアプラ基地に寄港。8月14日、アプラ基地を出港。8月24日、フィリピン海で日米英共同訓練に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、DDH-182いせ（陸自CH-47搭載）、DD-119あさひ、アメリカ海軍強襲揚陸艦LHA-6アメリカ、輸送揚陸艦LPD-18ニュー・オーリンズと各種訓練を行った。8月25-26日、沖縄南方海空域で、日英米蘭共同訓練パシフィック・クラウン21-1（Pacific Crown 21-1）に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、DDH-182いせ、DD-119あさひ、SH-60Kヘリと通信訓練を行った。8月27-28日、沖縄東方から東シナ海に至る海空域で、日英米蘭共同訓練パシフィック・クラウン21-2（Pacific Crown 21-2）に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、DDH-182いせ、DD-116てるづき、SH-60Kヘリと、各種戦術訓練を行った。9月2-7日、東シナ海から四国南方を経て関東南方に至る海空域で、日英米蘭加共同訓練パシフィック・クラウン21-3（Pacific Crown 21-3）に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、同アメリカF-35B戦闘機、D36ディフェンダー、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-102はるさめ、DD-110たかなみ、DD-111おおなみ、DD-119あさひ、潜水艦１隻、P-1哨戒機、SH-60Jヘリ、SH-60Kヘリ、空自F-15戦闘機、F-2戦闘機、E-767早期警戒管制機、アメリカ海軍P-8A哨戒機、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、対抗戦、防空戦、対潜戦などの各訓練を行った。9月5日、横須賀基地に入港。9月6日、岸防衛大臣が視察した。9月8-9日、関東東方海空域で日英米蘭加共同訓練共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、アメリカF-35B戦闘機、CSG21所属駆逐艦D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリアと共に、海自DDH-182いせ、DDH-183いずも、SH-60J/K哨戒ヘリ、MCH-101掃海輸送ヘリ、空自F-35A戦闘機、E-767早期警戒管制機、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグと、戦術運動・通信・発着艦・写真撮影の各訓練を行った。10月2-3日、沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、海自DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-152やまぎり、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-67シャイロー、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、対抗戦、防空戦、対潜戦、戦術運動、通信などの各訓練を行った。10月4-9日、南シナ海で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズと共に、海自DD-120しらぬい、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、各種戦術訓練及び洋上補給訓練を行った。参12月2日、CSG21を離れ、オランダに向かった。考：JShips Vol.20、月刊軍事研究10,’13、月刊世界の艦船9,’17、7,'18、5,’19、7,’21、8,’21、9,'21、10,’21、11,’21、12,'21、3,'22、月刊JWings11,’21

＜Ｆ８０６＞：オランダ海軍トロンプ級ミサイル・フリゲート、デ・ロイテル（De Ruyter）。1976年竣工・就役。2000年4月26日、伊豆大島沖でDDG-168たちかぜ、DDH-143しらねと親善訓練を実施。2001年10月3日退役。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,'22、1,’02、5,’17

＜Ｆ８０７＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、コルテノール（Kortenaer）。1978年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８０８＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、カレンブルグ（Callenburgh）。1979年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８０９＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、ヴァン・キンスベルゲン（Van Kinsbergen）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８１０＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、バンケルト（Banckert）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８１１＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、ピエト・ヘイン（Piet Heyn）。1981年3月竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８１２＞：オランダ海軍ヤコブ・ヴァン・ヘームスケルク級ミサイルフリゲート、ヤコブ・ヴァン・ヘームスケルク（Jacob van Heemskerk）。1986年9月竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８１３＞：オランダ海軍ヤコブ・ヴァン・ヘームスケルク級ミサイルフリゲート、ウィッテ・デ・ウィス（Witte de With）。1986年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８１５−７＞：チェコのタトラ社が開発した戦術トラック。４×４輪と８×８輪がある。キャビンは7.62mm×51弾または距離100mでの榴弾炸裂に耐える装甲を持ち、増加装甲を付ければSTANG4569でレベル３の耐弾力に達する。参考：月刊軍事研究11,’08

　＜ＢＯＲ８９３８　２７０＞：８×８輪型。最大ペイロード24.5トン、牽引重量20トン。最大速度105km、航続距離900km。参考：月刊軍事研究11,’08

　＜ＭＯＲ８９３８　３０６＞：８×８輪型。最大ペイロード24.3トン、牽引重量58トン。最大速度102km、航続距離900km。参考：月刊軍事研究11,’08

＜Ｆ８１６＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、アブラハム・クリンセン（Abraham Crijnssen）。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８２３＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、フィリプス・ヴァン・アルモンデ（Philips van Almonde）。1981年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８２４＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、ブロイス・ヴァン・トレスロング（Bloys van Treslong）。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８２５＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、ヤン・ヴァン・ブラケル（Jan van Brakel）。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８２６＞：オランダ海軍コルテノール級フリゲート、ピーテル・フロリス（Pieter Florisz）。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８２７＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート１番艦カレル・ドールマン（Karel Doorman）。1985年2月起工、1991年6月竣工。後にベルギー海軍に引き渡され、F930レオポルド�T世になった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、11,’19

＜Ｆ８２８＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート８番艦ヴァン・スペイク（Van Speijk）。2014年11月22日、DD-110たかなみとアデン湾で共同訓練（通信、ヘリ発着艦、近接運動など）を実施。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’15

＜Ｆ８２９＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート２番艦ウイレム・ヴァン・デル・ザーン（Willem van der Zaan）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８３０＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート３番艦テルク・ヒデス（Tjerk Hiddes）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８３１＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート４番艦ヴァン・アムステル（Van Amstel）。1993年5月就役。2011年6月29日から7月3日、IMDS2011に参加。2018年6月25日から7月6日、ダイナミック・マングース2018に参加。2023年6月17-25日、キール・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’18、9,'23、月刊軍事研究9,‘11

＜Ｆ８３２＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート５番艦アブラハム・ヴァン・デル・フルスト（Abraham van der Hulst）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｆ８３３＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート６番艦ヴァン・ネス（Van Nes）。2009年1月16日、ポルトガル海軍に引き渡され、F333バーソロミュー・ディアス（F334ドム・フランシスコ・デ・アルメイーダ？）となった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’09、11,’19

＜Ｆ８３４＞：オランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲート７番艦ヴァン・ガレン（Van Galen）。1994年竣工。1997年5月6-9日、シンガポールでIMDEX97に参加。2009年11月から2010年1月の間にポルトガル海軍に引き渡され、F334ドム・フランシスコ・デ・アルメイーダ（F333バーソロミュー・ディアス？）になった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’09、11,’19、月刊軍事研究7,’97

＜Ｆ９１１＞：ベルギー海軍ウイリンゲン級フリゲート２番艦ウエストディープ（Westdiep）。1974年9月（1978年？）就役。参考：JShips Vol.24、月刊軍事研究11,’98

＜Ｆ９３０＞：ベルギー海軍カレル・ドールマン級フリゲート、レオポルド�T世（Leopold �T）。元は1991年に竣工したオランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲートF827カレル・ドールマンで、2007年にベルギーで就役した。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。2019年8月中旬から下旬、NATO第１常設水上部隊の一員として、ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲートF314トール・ヘイエルダール、ポルトガル海軍カレル・ドールマン級フリゲートF334Ｄ・フランシスコ・デ・アルメイダなどと共に、大西洋でDDG-101グリッドリー、CG-58フィリピン・シー、T-AO-201パタクセントなどとの共同演習に参加。8月16日、T-AO-201パタクセントから洋上給油を受けた。2020年3月27日、R-91シャルル・ド・ゴール空母戦闘群への随伴任務を完了し、ゼーブリュッヘに帰港。その後乗員に新型コロナウイルス感染者が確認された。2021年3月17-18日、アデン湾で、日仏ベルギー共同訓練に参加。フランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴール、駆逐艦D652プロヴァンス、補給艦A608ヴァールと共に、海自ソマリア沖海賊対処第37次水上部隊DD-109ありあけと、各種戦術訓練を行った。3月19-20日、アラビア海で、日米仏ベルギー共同訓練に参加。フランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴール、駆逐艦D652プロヴァンス、駆逐艦D621シュヴァリエ・ポールと共に、海自ソマリア沖海賊対処第37次水上部隊DD-109ありあけ、アメリカ海軍CG-73ポート・ロイヤル、LHD-8マキン・アイランドと、各種戦術訓練を行った。参考：月刊世界の艦船9,’11、11,’19、7,’20、6,’21

＜Ｆ９３１＞：ベルギー海軍カレル・ドールマン級フリゲート、ルイーズ＝マリー（Louise Marie）。元はオランダ海軍カレル・ドールマン級フリゲートで、2008年4月にベルギーで就役した。2012年12月15日、ソマリア沖海賊対処で不審船の臨検を実施。RHIBに乗り込んだ隊員が不審船を制圧した。2013年5月25-27日、イギリスで大西洋の戦い70周年記念行事に参加。2018年3月5-16日、ダイナミック・マンタ2018演習に参加。参考：月刊世界の艦船7,’13、8,’13、6,’18

＜Ｆ１３００＞：ベルギーのプロマビアが開発した初等ジェット練習機、別名ジェットスコール（Jed Squalas）。胴体外板は複合材を使用しており、主翼は低翼配置の直線翼で、翼型はスーパークリティカル翼。コクピットは並列複座である。全長9.36m、全幅9.04m、自重1.3トン、最大離陸重量2.4トン。エンジンはギャレットTFE109-1（推力0.603トン）単発、通常運用速度260ノット、最大水平速度280ノット、超過禁止速度マッハ0.7、実用上昇限度10670m、燃料容量720リットル、フェリー航続距離1000海里。乗員２名。エンジン推力を0.736トンに増したり、FH44エンジン（推力0.816トン）に換装したりする計画もある。また、練習機だけでなく航空監視システムとしての使用も可能で、洋上監視、偵察、射爆撃訓練／国境監視、標的曳航の４種類のバリエーションも展開した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ−２０００＞：FN社が1990年代後半から開発しているブルパップ型小銃。P90を大型化したような外見をしており、機関部や銃身のカバーは一体成型複合材製として軽量化した。重量3.6kg（空弾倉込み）／4.6kg（単発40mmてき弾発射機込み）。使用弾は5.56mmNATO標準弾、銃口初速毎秒900m、作動はガス圧式、発射速度毎分850発。光学照準器など各種照準装置を装着可能。参考：月刊軍事研究9,’01

＜Ｆ−２０００Ａ＞：EF2000戦闘機（イタリア空軍）を参照。

＜Ｆ２０００Ｓ＞：サウジアラビア海軍フリゲート、別名マデナ（Madina）級。フランスで建造された。全長115m、幅12.5m、吃水4.9m、満載排水量2870トン。主機はSEMT−ピールスティック16PA6-BTCディーゼル４基２軸31350馬力、速力30ノット。兵装はオトマートMk2艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、クロタル８連装発射機１基、100mmコンパクト単装砲１門（艦橋直前）、40mm連装機関砲２基、533mm単装魚雷発射管４門（F17P短魚雷４本、Mk46短魚雷２本）。SA365F/Nヘリ１機を搭載可能。乗員179名。1985年からF702マデナ、F704ホッフー、F706アバ、F708タイフの４隻が就役した。参考：ザ・マーチ42号、月刊世界の艦船3,’92増刊、11,’14、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｆ２０２０＞：タレス社がDSEi2007で発表した、イギリス海軍将来水上戦闘艦（FSC）計画向け多目的戦闘艦。満載排水量6000トンで、23型よりも排水量が50%増え、余裕スペースは４倍にも達しており、ヘリ格納庫、RHIB格納庫、UAV/USV/UUV格納庫、貨物収容スペースなどを設けることが可能。兵装は中口径砲、VLS、CIWS、魚雷発射管など。艦橋上部には四角錐状のマストが取り付けられており、各種センサーや通信アンテナを装備する。26型に負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究1,’08

＜Ｆ−３０００Ｓ＞：サワリ�U型（フリゲート）を参照。

＜Ｆ−９１２０＞：BAEシステムズ社が開発したISRシステム。航空機に搭載するAARS（アドバンスド・エアボーン・リコネッサンス・システム）２基と地上ステーション１基で構成され、空中画像取得、移動目標識別、情報撹乱などを行うシステムである。オマーン空軍がF-16に搭載した。参考：月刊JWings5,’04

＜ＦＡ＞：Mk1（水上射撃レーダー）を参照。

＜Ｆ／Ａ−１８シリーズ＞：アメリカ海軍・海兵隊の艦上戦闘攻撃機、別名ホーネット（Hornet）。F/A-18E/Fスーパーホーネット（Super Hornet）が登場してからは、A-D型をレガシーホーネットと通称することもある。アメリカ海軍がF-4及びA-7の後継として海軍空戦戦闘機NCAF（Navy Air Combat Fighter）計画の名称で開発したマルチロールファイターで、マクダネル・ダグラス＋ノースロップのP630/モデル267（ノースロップ製YF-17ベース）がGD＋LTV社のF-16発展型（空軍との共用化によるコスト安で議会や政府が押したが、単発でホイールトラックが狭く艦上運用に向かないと海軍に蹴られた）に勝って1975年5月2日に採用され、試作機は1978年11月18日に初飛行した。ベース機体はノースロップ社製だが、主契約社は艦上機の設計に長けたマクダネル・ダグラス社で、ノースロップ社が40%の生産を分担している。当初は戦闘機型のF-18と、それに攻撃用航法ポッドと対地・対艦攻撃兵器運用能力を追加したA-18を別個に作る予定で、量産初号機はF-18Aの名称で1980年4月12日に初飛行し、複座型にはTF-18A/F-18Bという名称が付いていたが、戦闘攻撃機に統一することになり、1980年代半ばにF/A-18の制式名が付いた。1983年3月、艦隊に初配備され、VFA-113が初の艦隊飛行隊となった。湾岸戦争では、爆撃に出撃したF/A-18C１個編隊４機が途中で殲撃７型戦闘機２機と遭遇、２機がFCSをすぐに対空モードに切り替えて撃墜した後で編隊に戻り、爆撃モードに切り替えて対地攻撃も成功させている。2018年、レガシーホーネット残存136機のうち、運用寿命を過ぎた66機を2020年までに退役させて部品取りに使い、残る機体の可動率を高めることになった。2019年2月1日、VFA-34のF/A-18Cが退役し、アメリカ海軍実戦部隊からレガシーホーネットが全て退役した。10月2日、VFA-106のF/A-18Cがラストフライトを行い、アメリカ海軍現役部隊からレガシーホーネットが全て退役した。海兵隊では引き続き使用する。参考：月刊JWings7,’18、2,’04、3,’11、5,’19、12,’19、軍事分析湾岸戦争、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、月刊航空情報8,’12、月刊航空ファン6,’18、4,’19、月刊世界の艦船10,’22

　＜Ｆ／Ａ−１８Ａ＞：YF-17の実用性を増すと共に艦上運用装備を加え、機体が一回り大きくなった分はエンジンを双発化してカバーした。高性能レーダーによる全天候空戦能力、AIM-7による視程外交戦能力、高機動性による格闘戦能力、大きな兵装搭載量を生かした対地攻撃能力を持つ。機体素材はチタン合金が8%、グラファイト複合材が10%、スチールが14%、アルミ合金が55%。機首のレドームは右ヒンジで180度開く。レドーム内部にはAN/APG-65レーダーのアンテナがある。レドームのすぐ後ろの機体両側面には低電圧編隊灯があり、その下にAN/ALR-67レーダー警戒受信システム用受信アンテナの膨らみがある。機首下面にはAN/ALR-67用受信アンテナの小さな突起が５つ固まっており、その後方にUHF/IFF用ブレードアンテナが付く。その後ろが前脚収容部になっており、前脚支柱は太く、着艦時の衝撃に耐えられるようになっていて、前面上部にランディングライトとアプローチ信号灯、中央にカタパルト・ランチバー、後面にホールドバック・バー・レセプタクルが付き、前方に引き込まれる。前輪はミシュラン製22×6.6-10ダブルタイヤ。ステアリング角は左右75度ずつで小回りが効くが、高速タキシング時は16度ずつに制限され、ランチバーを発艦位置まで下げるとステアリングが固定されてふらつきを防止する。右の前脚扉にはAN/ALR-67用受信アンテナが、左にはUHFアンテナがあるが、付いていない機体もある。前脚収容部の前方両側面には電子機器・機関砲冷却用ルーバー状通気口があり、その前には銀色のピトー管が突き出ている。ピトー管の上方には緊急時に外部からキャノピーを吹き飛ばすためのハンドルを収容したパネルがあるが、これは後に廃止された。前脚収容部の後方寄り左方には気温検知器のプローブがある。機首上面右には引き込み式の空中給油受油プローブを持つ。機首上面中央に固定武装のM61A1バルカン砲（ドラム弾倉など、システム全体でGAU-11と呼ばれる。装弾数570発）が収容されており、砲口とその左右の通気口、計３つの孔が開いている。機体を傷つけたり、エアインテイクから吸い込まれたりしないよう、発射後の空薬莢は全て回収される。射出座席はマーチン・ベイカー社製SJU-5A。計器板は戦闘機初の完全グラスコクピットで、大型デジタルMFD３基を持ち、左上は電子戦、警報、電子光学／赤外線センサー、自己診断、インプット表示用のマスターモニターディスプレイMMD、中央下は航法用画像、レーダーマップ、電子戦データインプット、航法情報表示用のHSD、右上はレーダー情報表示、MMDバックアップ用である。ディスプレイ周囲にはそれぞれ20個のタッチボタンが並んでおり、ディスプレイの表示内容によって様々な機能を付与される。HUDは１枚ガラス。操縦桿とスロットル・レバーはHOTASになっている。キャノピー前縁下方からLEX（ストレーキ）が延びており、主翼取り付け部後縁まで続いていて、上面中央に整流フェンス、左LEX下面に引き込み式の昇降用ラダーが付いている。LEX面積は5.2平方メートル。キャノピー後方の機体上面中央には小さなTACANアンテナがあり、その後ろにUHF/IFF用ブレードアンテナがある。エアインテイクはLEXの下にあり、楕円形の内側を潰したような形状をしていて、境界層分離板（ダイバーター）により機体から200mm離して取り付けられている。ダイバーターのエアインテイク直前の位置には細かい孔が開けられており、ダイバーター自体によって生じる境界層を吸い込む。境界層の空気はLEX上面内側の長方形の孔から機体上面に逃がされ、機体の空力抵抗減少と整流の役目を果たす。エアインテイク下面の主脚収容部直前にAN/ALE-39チャフ・フレアディスペンサー１基ずつを装備する。その内側にはAN/ALR-67またはAN/ALR-126Bの前方警戒アンテナフェアリングがある。主翼後退角は前縁20度・25%翼弦26.5度で、強い捩り下げを持ち、３度の下反角を付けて機体に取り付けられている。アスペクト比3.5、翼厚比5%。前縁フラップの最大作動角は離着陸時30度（35度？）下げ・飛行時25度下げ、後縁シングル・スロッテッド・フラップは離陸時30度下げ・着陸時45度下げ・飛行時８度上げから20度下げ。後縁フラップの外側にはフラッペロンがあるが、後縁フラップもエルロンとしての役目があるので、外側・内側フラッペロンと言った方が良いかもしれない。可動部は主翼面積の46%にも達する。主翼には折り畳み機構があり、内側に100度曲げることで全幅を3.05m縮めることが可能。翼端にはサイドワインダー用LAU-7/A-6ランチャーが装備されている。翼下パイロンはSUU-63/Aで、通常はBRU-32/Aラックと組み合わせる。胴体下面左右にはAIM-7F/-7M用LAU-116/Aエジェクターランチャーが用意されているが、エジェクター表面にパネルを当てて成型し、AN/AAS-38FLIR、AN/ASQ-173レーザー探知装置・カメラといったポッド類を搭載することも可能である。エジェクター周囲は抵抗を減らすためフェアリング状になっている。胴体下面中央のセンターラインパイロンはSUU-62/Aで、330ガロン（1249リットル）増槽を積むことが多い。主脚支柱は着艦時の衝撃を受け止めるために太くて頑丈なものが使用されており、太い衝撃緩衝装置も付いている。主脚は90度捻りながら後方に引き込まれる。主輪はミシュラン製32×11.50-15シングルタイヤで、YF-17より主脚柱を強化した関係で位置が後ろにずれて機体重心から離れてしまったため、離陸時に水平安定板だけでは機首上げの力が足らなくなり、垂直尾翼にも手伝ってもらうことになった。左右主脚収容部の間にはAPUが収容されており、自力でエンジンをかけられる。垂直尾翼は外側に20度（25度？）傾斜しており、ストレーキからの渦をまともに受けることで安定性を増す。ただまともに受けすぎて垂直尾翼付け根の強度不足が発覚したため、ストレーキ上面中央に整流フェンスを付け、生産途中から垂直尾翼付け根内側にＬ字ブラケットを装着する強化改修を行った（以前の機体にも後付け）。垂直尾翼後縁にはラダーベーター（方向舵＋昇降舵）が取り付けられており、離着陸時には内側に25度傾けて機首上げを手伝う。また、スピードブレーキの代わりにもなる。垂直尾翼後縁上部には上から順に尾灯、AN/ALR-67用後方警戒アンテナ、燃料投棄口（長方形）が付いており、後方警戒アンテナの前方に衝突防止用赤色ストロボライト、燃料投棄口の前方に投棄用空気取り入れ口がある。垂直尾翼の間の機体上面にはスピードブレーキを装備。水平安定板は全遊動式で前縁後退角45度、主翼よりも低めの位置に下反角２度で取り付けられている。機体後方下面中央にはアレスティングフック、その前方にAPUの排気口がある。エンジンを収容する機体後部はスチール製。操縦系統は四重フライ・バイ・ワイヤ。全長17.07m、全幅11.43m／12.31m（翼端ミサイル含む）、全高4.66m、運用自重9.35トン、総重量15.2-20.58トン。エンジンはGE社製F404-GE-400（ミリタリー推力4.81トン、A/B時推力7.26トン）双発、最大速度マッハ1.8、戦闘上昇限度15250m以上、フェリー航続距離2000海里以上、戦闘行動半径550海里以上（対地作戦）。兵装搭載量8.618トン。乗員１名。380機が配備され、1983年1月7日に海兵隊VMFA-314、1984年3月に海軍VFA-25で実動態勢に入った。参考：F/A-18ホーネット、図解現代の航空戦、世界の軍用機1979、1982、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings7,’18、7,'22、12,'22、月刊航空情報8,’12

　＜Ｆ／Ａ−１８Ａ＋＞：F/A-18AをＣ規格に改良したもの。AN/AAQ-28やAN/ASQ-228を搭載可能とし、EGI統合航法システムを装備した。このため、背部にGPSアンテナが追加されている。海兵隊機ではレーダーをAN/APG-73に変更（AIM-120運用可能）し、AN/APQ-111IFFを搭載したため、機首にIFF用平板アンテナ５枚が付いた。参考：月刊JWings4,’10、月刊航空ファン6,’10

　＜Ｆ／Ａ−１８Ａ＋＋＞：海兵隊F/A-18A+の改良型。SLEPにより2020年まで運用できるようにし、エンジンをF404-GE-402に換装、AN/ALE-47とリンク16を装備し、JHMCSとAIM-9Xを運用可能とした。2009年に46機が改修された。参考：月刊JWings4,’10、7,’18、月刊航空ファン6,’10

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｂ＞：F/A-18Aの複座型。開発名称はTF-18Aで、後にF-18Bに改称され、更にF/A-18Bになった。後席を追加して複操縦装置を設けており、前席と後席のキャノピーの境目は、支柱のところで少しくびれている。射出座席はSJU-6A。後席を追加した分、胴体内燃料搭載量が6%減った。421機が配備され、ほぼ機種転換訓練に使用された。参考：F/A-18ホーネット、月刊JWings7,’18、月刊航空ファン4,’19

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｃ＞：F/A-18Aのアビオニクス改良型。AN/ALQ-165空中自衛妨害システムを搭載し、前方警戒用アンテナを機首前方の低電圧編隊灯上方と前脚収容部上方に、ハイバンド用アンテナを機首下面のAN/ALR-67受信アンテナ前方に、ローバンド発信アンテナをキャノピー後方の機体上面左右に、後方警戒用アンテナをLAU-116/Aエジェクターラック周囲のフェアリング後端に装備した。エアインテイク下面前部のAN/ALR-67/-126B用フェアリングは外している。左垂直尾翼後縁のアンテナ類は、上からAN/ALQ-165用ハイバンド受信アンテナ、AN/ALR-67用後方警戒アンテナ、AN/ALQ-165用ローバンド受信アンテナ、燃料放出口となり、右は尾灯、AN/ALR-67用後方警戒アンテナ、AN/ALR-165用ローバンド発信アンテナ、燃料放出口となった。垂直尾翼付け根は最初から補強されるようになり、ブラケットは無い。計器板の左下部にあるエンジン・燃料系の表示装置がアナログ式からデジタルCRTに変更された。後期型ではレーダーをAN/APG-73に換装してミッションコンピュータを更新、AIM-120、ハープーン、マーベリックを運用可能とし、射出座席をSJU-17Aに換装、機体背部のUHF/IFFアンテナの後方にGPS用の小さな球形バルジを付けた。1988年3月以降の生産機にはLEX上面（境界層の空気を逃がす孔の外側）にフェンスが追加されており、その時点で配備されている機体にも追加された。ロット14以降、機体背部のUHF/IFFアンテナに後退角が付いた。1991年（1992年？）以降、エンジンをF404-GE-402とし、以前の生産機も換装した。全長17.07m、全幅12.31m／11.43m（翼端ミサイル抜き）／8.38m（主翼折り畳み時）、全高4.66m、空虚重量10.81トン、最大離陸重量25.401トン。翼面積37.16平方メートル。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製F404-GE-402（A/B時推力8.164トン）双発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ1.8、実用上昇限度15240m、機内燃料搭載量4.9トン、航続距離2003km、フェリー航続距離2844km、戦闘行動半径610-683km／290海里（Hi-Lo-Hi）／369海里（Mk83爆弾４発Hi-Lo-Hi）。固定武装はM61A1バルカン砲１基（570発）。機外最大搭載量7.031トン、ブリングバック・ペイロード2.495トン。乗員１名。1987年から海軍向け137機と海兵隊向け330機が量産され、VFA-25が初の実戦飛行隊となった。価格は1990年で１機あたり2890万ドル。参考：F/A-18ホーネット、月刊JWings12,’01、2,’04、11,’05、12,’06、9,’10、7,’17、月刊軍事研究10,’15、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｃ（Ｎ）＞：F/A-18CにF/A-18Dナイトアタックホーネットと同様の改修を施して夜間攻撃能力を持たせたタイプの通称で、制式名はF/A-18Cのままである。参考：月刊JWings7,’18、5,’10

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｃ＋＞：アメリカ海兵隊のF/A-18C寿命延長・改修型で、F-35Bの配備が遅れたために開発された。機体の分解整備で飛行時間を2000時間延長して8000時間にし、レーダーやアビオニクスを更新、リンク16やJHMCS運用能力を追加する。ボーイング社が担当し、第309航空宇宙整備再生群で保管している30機を改修する予定で、2015年10月に初号機が納入された。参考：月刊JWings9,’16、11,’16

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｄ＞：F/A-18Cの複座型。当初は練習機になる予定だったが、MSIPによりレーダーをAN/APG-73に換装してAIM-120やマーベリックの運用能力を付与されており、大部分が後席にWSO（兵器・センサー操作員）を乗せて複座攻撃機型として任務に就いている。海軍型は後席にも操縦装置が用意されているが、海兵隊型には無い。後席左右にハンドコントローラーが用意されていて、左は空対地ミサイル・誘導爆弾のロックオンや誘導、右は目標ロックオンに用いられる。1987年から量産され、後期型では射出座席がSJU-17Aに換わった。海軍が31機、海兵隊が130機を導入した。参考：F/A-18ホーネット、月刊軍事研究9,’14、月刊JWings7,’18

＜Ｆ／Ａ−１８Ｄナイトアタックホーネット＞：F/A-18Dの1989年10月以降生産型で、AN/AAR-50映像航法ポッドとAN/AAS-38ナイトホーク目標捜索照準ポッドを搭載して全天候対地攻撃能力を持つため、ナイトアタックのニックネームが付いている（制式名はF/A-18Dのまま）。機首下面両側の通気口がルーバーから網目状に変わった。キャノピーが着色され、微妙に色が違う。計器はNVG対応で、モノクロ表示ディスプレイも夜間用カラーMFDに換装された。ラスター型HUDを装備している。参考：F/A-18ホーネット、月刊軍事研究2,’13、8,’01、月刊JWings12,’01、4,’10、7,’18、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｆ／Ａ−１８Ｄ＋＞：F/A-18DにF/A-18C+と同様の改良を行ったもの。参考：月刊JWings7,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｅ＞：F/A-18Cの拡大改修型、別名ライノ（Rhino。コクピット前方のAN/APX-111(V)IFFアンテナフェアリングをサイの角に見立てて）またはスーパー・ホーネット（Super Hornet）。代替した筈のA-7艦攻よりも戦闘行動半径や機外兵装搭載量の点で及ばないのを改良したもので、A-12とNATFの開発中止を受けて1992年に開発が承認され、1995年11月29日に技術開発・実証初号機が初飛行、1999年11月17日から配備され、2001年9月にVFA-115でIOCを獲得した。1987年にマクダネル・ダグラス社が輸出向けに独自設計したホーネット2000がベースで、胴体を0.86m延長して燃料タンクを増設（胴体内４カ所＋主翼内１カ所ずつになった）、垂直尾翼内にも燃料タンクを設けて機内燃料容量を38%増やし、480ガロン（1817リットル）増槽も装備可能としたため機外燃料搭載量も45%増加、航続距離や戦闘哨戒時間が延長している。重量増は機体構造に複合材を多用することで最小限に抑えつつ、エンジンを推力４割増しの完全自動デジタルエンジン制御F414-GE-400に換装してカバーした。エンジン換装によりエアインテイクを拡大する必要があったため、ついでにRCS低減策も施すことにし、エアインテイク形状を角張らせて外下方に傾け空気流入量を17%増やすと共に、エアインテイクにRAMを塗り、エンジンのインレット・ガイドベーンによる電波反射を抑えるためダクトを内部で内側に曲げると共にエアインテイクから見える部分にはレーダー・ブロッカーを装着している。重量増に対応する揚力・機動力向上策として、主翼を付け根で0.65m延長して翼面積を25%増大（46.45平方メートル。アスペクト比4.03、25%翼弦後退角29.4度）し、外翼部にドッグトゥースを追加、主翼前縁ストレーキLEXの形状を幅広にして（長さはキャノピーフレームまでに短縮）面積を35%増大（7.01平方メートル）し、垂直安定板面積を15%、方向舵面積を54%、作動範囲を10度拡大（左右40度ずつ）、水平安定板面積を36%増大している。これにより40度の大迎え角飛行でも戦闘機動が可能となり、運動性が向上した。主翼前縁フラップは最大下げ角34度、内翼部後縁シングルスロッテッドフラップは最大下げ角40度、外翼部後縁エルロンは最大上げ角25度・最大下げ角45度。フラップ後縁内側のAAMフィンとの干渉防止用切り欠きは廃止されている。水平安定板作動角は上げ24度・下げ20度。ストレーキ後端上面にはスポイラー（開度13度と60度）が新設され、超音速時にはスポイラー、亜音速時にはフラップ下げとラダー内側曲げを併用することでエアブレーキの代わりができるようになり、胴体上面のエアブレーキは廃止された。ストレーキ上面の小フェンスも廃止されている。ステルス性を考慮して、キャノピーに金色のコーティングを施し、レーダー室隔壁にRAMを塗り、アクセスドアを鋸状の縁取りやダイヤモンド型とし、大部分のアンテナを埋め込み式にしたりフェアリングで覆ったりしている。これにより前方象限限定のROを得た。要求されていたRCSレベルを達成したため、主翼や胴体にはRAMを適応せず、整備の手間を省いている。キャノピーのコーティングは当初外面に施していたが、痛みが激しく、艦上での整備に限界があったため、効果低下を忍んで内側に施すようにした。垂直尾翼の追突防止灯が３回点滅して１回休むリズム（Ｄ型までは連続点滅）になった。レーダーはAN/APG-73RUG�Uで、搭載電子機器はAN/ASQ-173レーザー探知追跡装置／ストライクカメラ（LDT/SCAM）、AN/AAR-50感熱画像航法セット（TINS）、AN/AAS-38Bナイトホーク目標指示FLIR、AN/ASQ-228ATFLIR、GPSユニット付きAN/ASN-139リング・レーザー・ジャイロ慣性航法装置、AN/ARN-118TACANなど。完成すればAN/ASG-34IRSTポッドも積む。防御用電子装置は、AN/ALQ-165空中自己防御妨害装置（ASPJ）、AN/ALR-67(V)3レーダー警戒受信機、AN/AAR-57共通ミサイル警報装置（CMWS）、AN/ALE-47対抗手段撒布装置（４基に増えた）、AN/ALE-50曳航式デコイ（アレスティングフック取り付け部前方フェアリングに収容）、AN/ALQ-214統合型防御電子対抗手段（IDECM）。機首後部（風防前端の下あたり）に戦術乗員戦闘訓練システムが収容されており、訓練時に機上測定サブシステム（AIS）ポッドを携行する必要が無くなった。翼スパンが増えたので外翼部にハードポイントを追加して計11箇所とし、機外兵装搭載量も8.051トンに拡大した。Sta.1/11（翼端）にはAIM-9を１発ずつ、Sta.2/10（主翼外舷）にはSUU-80/Aパイロンを介してAAM及び対地兵装、Sta.3/4/8/9（主翼中舷・内舷）にはSUU-79/Aパイロンを介してAAM・対地兵装・480ガロン増槽FPU-12/A、Sta.5/7（胴体下側面）にはBVRAAM１発ずつ、Sta.7にはAN/ASQ-228目標指示ポッド、Sta.6（胴体下面中央）にはSUU-78/Aパイロンを介して対地兵装・480ガロン増槽FPU-12/A・AN/ASD-12SHARP偵察ポッド・A/A-42R-1空中給油ポッド・AN/ALE-50/-55曳航デコイを搭載できる。主翼下パイロンは前に向かって外側に3.5度ほど開く形で取り付けられており（トゥ・アウト配置）、搭載兵装が分離しやすくなっているが、抗力も大きくなっていて、FPU-11/Aのドラッグインデックスは胴体下面中央パイロンだと19だが、主翼中舷パイロンだと21、内舷パイロンだと30になる。JHMCSの使用が可能。将来の搭載機器拡張に備え、機関砲弾数を減らして機首にスペースを確保してある。ストレーキ拡大により高迎え角時の操縦性と低速時の安定性は改善したが、機体の大型化で高機動後のリカバリーに時間がかかるようになった。また、最大速度と上昇力もやや低下しており、加速力も不足気味で、飛行性能は他の同世代戦闘機に比べて劣る。全長18.38m（18.31m？）、全幅13.62m（13.68m？13.86m？翼端ミサイル含む）／9.94m（主翼折り畳み時）、全高4.88m、自重13.387トン、空虚重量14.009トン、運用自重14.552トン、最大離陸重量29.937トン。翼面積46.45平方メートル。エンジンはGE社製F414-GE-400（ドライ推力5.9トン、A/B時推力97.9kN・9.977トン）双発、巡航速度マッハ0.9、最大速度マッハ1.8（1.6？）、実用上昇限度15240m、機内燃料搭載量8062リットル・6.78トン（JP-8）、戦闘行動半径490海里（航空阻止、主兵装Mk83爆弾４発、1820リットル増槽２本）／512海里（Mk83爆弾４発、Hi-Lo-Hi）／795海里（戦闘護衛）／945海里（阻止攻撃）／1100海里（精密攻撃）、航続距離2346km／3054km（フェリー）。固定武装はM61A1バルカン砲１基（412発）。機外最大搭載量8.051トン、ブリングバック・ペイロード4.082トン。乗員１名。価格は2005会計年度で１機5700万ドル。主な任務は近接航空支援、洋上攻撃、防空網制圧、全天候精密攻撃、航空支配、電子攻撃、攻勢／防勢対空戦、巡航ミサイル防衛、非従来型情報監視偵察、戦術偵察、護衛戦闘、空中給油で、F-14A/D、F/A-18C、S-3Bが実施してきた任務を全て行える。ただしAN/ASD-12SHARPポッドの運用は専らＦ型が実施しているらしい。空中給油ミッションではA/A-42R-1ARSポッド１基と480ガロン（1817リットル）増槽４基を搭載し、29000ポンド（13.15トン）の燃料を給油できる。2013年度までにＦ型を含め563機が調達されてアメリカ海軍に配備された。その後F-35C開発遅延でＦ型と併せて111機が追加されている。参考：月刊JWings12,’03、2,’04、7,’18、11,’05、3,’09、10,’11、1,'16、月刊軍事研究10,'15、11,’05、2,’08、6,’08、9,’10、12,’10、10,’17、月刊航空ファン6,’10、7,’99、4,’16、5,’17、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船9,’13

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｅブロック�Tアップグレード＞：2002会計年度調達機以降で、ミッションコンピュータと電子装置を先進のものに換え、JHMCSを運用可能とするなどしている。20機にはAN/APG-79が搭載された。参考：月刊JWings1,’05、月刊軍事研究1,’08

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｅブロック�Uアップグレード＞：レーダーをAN/APG-79に換装したタイプで、2003年度発注のロット27の最終型以降にあたる。但しＦ型と合わせて50機（2004年度発注のロット28のうち30機、2005年度発注のロット29のうち20機）はAN/APG-73を搭載している。レーダー換装でアンテナ面角度が変わったため、それに併せてレドーム素材を変更し、機首部分の機体構造を軽量化した。外から見ても殆ど分からないが、前部胴体が再設計されており、複合材を多用してパーツ数を40%減らし、軽量化にも成功した。コクピット内部は先進乗員ステーションACSに変更されており、中央に４×５インチ（102×127mm）タッチ操作式ディスプレイ、その両脇に５×５インチ（127×127mm）多機能ディスプレイ、中央下部に６×６インチ（152×152mm）多機能ディスプレイを持ち、空対空及び空対地モードを同時に表示することが可能である。AN/USQ-140(V)多機能情報分配システム、AN/ASQ-228発達型目標指示前方赤外線ポッド、AN/ASD-12SHARP、AIM-9X空対空ミサイルを運用できるが、AN/ASD-12SHARPによる偵察や前線航空統制FAC任務は乗員が２名いるF/A-18Fが担当する。データリンクを介して目標情報を獲得し、攻撃を行うことも可能。ブロック�Tとの外見上の違いは、機首レドーム先端部分が塗り分けられていないこと、レドームの材質が違うこと、レドームが一体型になっていること。前脚扉の内側に周波数レーティング用AS-4583/Aセンサーアンテナが追加されているが、これはブロック�Tにも後付けされている。2006年10月からVFA-213を皮切りに就役した。2002年度発注のロット26と、ロット27-29のAN/APG-73搭載機は、AN/APG-79に換装する計画があり、2010年代後半までに運用安全性向上計画（OSIP）002-10に基づく技術変更提案（ECP）6038改修を受けて機首付近の機体構造を軽量化、更にECP6279改修によりAN/APG-79を搭載する。参考：月刊軍事研究1,’08、6,’08、12,’10、月刊JWings4,’04、7,’05、月刊航空ファン4,’10、6,’10、3,’11、月刊世界の艦船2,’16

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｅブロック�Uプラス＞：各種センサーからの情報を統合するため、新型のミッションコンピュータと光ファイバーネットワークを追加したタイプで、2006年度発注のロット30以降がこれに該当する。2008会計年度からは480ガロン増槽FPU-13/Aの先端にF-14用AN/AAS-42IRSTの改良型であるAN/ASG-34(V)1を装着したIRSTポッドを運用できるタイプを調達する予定。参考：月刊軍事研究1,’08、月刊JWings4,’15

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｅブロック�V＞：新規生産と既存機からのアップグレードを行う改良計画で、2019会計年度に15機、2020会計年度に30機を改修する予定。運用寿命を10000時間に延長し、レーダーをAN/APG-63(V)3アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーに換装、長距離パッシブセンサーとしてIRSTブロック�Uポッドを搭載可能とし、コンフォーマルタンク（長さ24フィート・7.32m、最大幅4.3フィート・1.31m、最大高1.8フィート・0.55m）を追加して燃料を3500ポンド（1588リットル）増やし、改良型F414エンジンや強化型電子戦装置を搭載、戦術ターゲッティング・ネットワーク技術と分配型照準処理式ネットワークDTP-Nコンピュータ（処理速度が従来のミッションコンピュータの17倍）を積んでNIFC-CA完全対応とし、RAMとステルスコーティングを採用してステルス性を１割ほど改善する。AN/ASG-34(V)1による複数機の探知データを組み合わせて測距や位置特定も行える。エルビット・システムズ・オブ・アメリカ社製先進コクピットシステムACS（Advanced Cockpit System）を導入し、計器板に10×19インチ（254×483mm）大型ディスプレイを搭載する。2020年6月17日、最初の１機をアメリカ海軍に引き渡したと、ボーイング社が発表した。NAWC-ADで１年間のテストを行う予定。既存機は不朽の自由作戦アフガン、イラク戦争、シリア内戦など休む暇無く実戦投入されて6000飛行時間の運用寿命を過ぎているものも出始めたため、アップグレードに先立って飛行時間を6000時間から7500時間（9000時間？）に延長するSLEPを施す予定で、SLEP初号機は2018年4月5日にセントルイス工場に到着した。SLEPにかかる期間は18ヶ月で、後に12ヶ月に短縮する。参考：月刊JWings3,’18、5,’18、2,’19、4,'20、5,’20、9,'20、月刊航空ファン6,’18、5,’18、7,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｆ＞：Ｅ型の複座型。後席に兵器システム士官WSOがいるため、空対空／空対地戦闘やバディ・ポッドによる空中給油に加え、AN/ASD-12SHARPによる偵察や前線航空統制FAC任務も担当する。後席を設けたので燃料搭載量はF/A-18Eより138ガロン・522リットル・8%減り、2024ガロンになった。生産ロット25までは後席にも操縦装置があり操縦訓練にも使えるが、ロット26以降は後席操縦装置が廃止されている。化石燃料依存率を減らすため、JP-5燃料とバイオ燃料を半々で混ぜた混合燃料での飛行テストを行っており、試験機はグリーン・ホーネットと呼ばれる。2022年9月7日、ライトニング先進照準ポッドを搭載しての初飛行試験に成功したと、ノースロップ・グラマン社が発表した。参考：月刊航空ファン6,’17、月刊JWings12,’03、7,’18、7,'22、11,'22、月刊軍事研究7,’10、12,’10

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｆブロック�Tアップグレード＞：F/A-18Eブロック�Tアップグレードの複座型。参考：月刊JWings1,’05

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｆブロック�Uアップグレード＞：F/A-18Eブロック�Uアップグレードの複座型。後席にも先進乗員ステーションACSを採用していて、後席計器板中央には８×10インチ（203×254mm）大型ディスプレイがあり、その両脇に５×５インチ（127×127mm）先進多目的ディスプレイ、中央上部（前席でHUDが付いている位置）にタッチ式LCDを持ち、WSOが前席とは別の目標を追跡して攻撃することができる。また、WSOもJHMCSを使用できるため、前後席で別の目標にAIM-9Xを振り向けることが可能。前席射出座席よりも後席計器板が高くなっているのがブロック�Tとの識別点である。参考：月刊JWings4,’04、月刊軍事研究1,’08、12,’10、月刊航空ファン4,’10

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｆブロック�Vアップグレード＞：F/A-18Eブロック�Vアップグレードの複座型。初号機は2020年5月8日に完成した。6月17日、初号機をアメリカ海軍に引き渡したと、ボーイング社が発表した。NAWC-ADで１年間のテストを行う予定。参考：月刊JWings7,’20、9,’20

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｌ＞：F-18Lかも。輸出型で、主契約社はノースロップ社であり、マクダネル・ダグラス社が生産を分担する。主翼折り畳み機構やアレスティングフックを取り除き、胴体内燃料搭載量を増やして主翼燃料タンクをオプションとし、降着装置を簡略化して軽量化、主翼下パイロンを３カ所ずつに増やして搭載能力を９トンに上げた。主翼後縁操縦翼はフラッペロンになっており、プラスマイナス５度のライドコントロール機能が追加された。FCSレーダーはAN/APG-65で、翼端にもAIM-7を装備できる。全長17.07m、全幅11.43m／12.31m（翼端AAMあり）、全高4.57m、運用自重8.97トン、総重量12.47-20.41トン。エンジンはGE社製F404-GE-400（ミリタリー推力4.81トン、A/B時推力7.26トン）双発、最大速度マッハ２、実用上昇限度15240m以上、燃料搭載量5615リットル＋1135リットル増槽３本、フェリー航続距離2000海里、戦闘行動半径400-800海里。固定武装はM61A1バルカン砲１基（570発）。ハードポイント11カ所、最大機外兵装搭載量９トン以上。乗員１名。どこの国も採用しなかった。参考：世界の軍用機1982、1979、月刊JWings7,’18

　＜スーパーホーネット・インターナショナル＞：輸出型で、ボーイング社が2010年7月のファーンボロ航空ショーで発表した。F/A-18Eブロック�Uの改良型で、ステルス性とエアドミナンスの獲得に主眼を置いており、機首下に内蔵式IRST、ストレーキ上にコンフォーマル燃料タンク（容量3000ポンド・1.361トン）、胴体背部と機首IRSTの左右・胴体尾部左右に全方位ミサイル／レーザー警報装置、胴体下にエンクローズド・ウェポン・ポッド（容量2500ポンド・1.134トン。AMRAAMなら４発、500ポンド級爆弾なら２発、Mk83/Mk84通常爆弾なら１発、SDBなら4-6発収容）を装着する。ただエンクローズド・ウェポン・ポッドはパイロンに装着する型式で、かなり大型のため、実際ステルス性がどれだけ向上するかは不明。兵装投下の際にはポッド下部の観音開きドアが開く。コクピットには大きな液晶タッチパネル１枚（19×11インチ・482.6×279.4mm）とバックアップ用ディスプレイがあり、HUDも残されている。エンジンはF414EPEを搭載して出力を２割ほど向上させ、コンフォーマルタンクによる重心調整などで最大速度をマッハ1.85に上昇させるが、超音速巡航能力は無い。2011年2月9-13日のエアロ・インディア2011で機体が一般公開されたが、F/A-18Fに仮のコンフォーマルタンク（風洞実験もまだ実施していない）とエンクローズド・ウェポン・ポッドなどを取り付けただけだった。6月28-30日（アメリカ東部時間）のボーイング社メディアツアーでモックアップが初公開された。参考：月刊軍事研究12,’10、10,’11、11,’15、月刊航空ファン5,’11、9,’11、月刊JWings7,’22

　＜アドバンスド・スーパーホーネット＞：スーパーホーネット・インターナショナルの実機版Advanced Super Hornet。ボーイング社内ではF/A-18XTやF/A-18ブロック３とも呼ばれているらしい。ストレーキ上にコンフォーマル燃料タンク（合計容量3500ポンド・1.588トン）を装着し、胴体下と主翼内舷パイロンにはエンクローズド・ウェポン・ポッドを１基ずつ搭載できる。増槽を積まずに済むので、その分を兵装に回したり、抗力が大きい主翼下パイロンを外したりすることも可能。RAMの適応とエアインテイクの改良でステルス性を５割増しとした。機首左右、胴体背部、胴体尾部左右に全方位ミサイル／レーザー警報装置を装備する。データフュージョン用にDTP（分散ターゲッティング・プロセッサ）とMSU（マス・ストレージ・ユニット）を組み合わせたDTPN（分散ターゲッティング・プロセッサ・ネットワーク）と呼ばれる高性能コンピュータシステムを積む。オプションとしてエンジン換装、次世代コクピット採用、機首下面内蔵式IRST追加などがある。2013年8月5日に初飛行した。2017年現在、エンクローズド・ウェポン・ポッドやIRSTの開発は後回しにされている模様で、代わりにレーダーを強化するかもしれない。24回の飛行テストの結果、エンクローズド・ウェポン・ポッドのRCSが思ったより高く、IRSTや全方位ミサイル／レーザー警報装置ともども開発中止とされ、コンフォーマル燃料タンクのみF/A-18E/Fブロック�Vに活かされた。参考：月刊JWings7,'22、11,’13、7,’14、月刊航空ファン5,’17、月刊軍事研究9,’17

＜Ｆ／Ａ−１８ファミリー＞

　＜ＥＡ−１８Ｇ＞：電子戦機、別名グロウラー（Growler）またはライノ。EA-6Bプラウラーの後継で、計画名はF/A-18C2Wだった。F/A-18Fブロック�UをベースにAN/ALQ-99TJSまたはその改良型（重量軽減型）を胴体中心線下（Sta.6、低周波数用）と左右主翼下（Sta.3/9、高周波数用）に計３基搭載し、主翼端（Sta.1/11）にEA-6B　ICAP-�Vにも装備されているAN/ALQ-218(V)2広周波数帯受信機を収納したポッドを搭載、AGM-88HARMをSta.2/10に１発ずつ、Sta.4/8に480ガロン（1817リットル）増槽を装備する。後席には操縦装置は無く、機上電子戦士官EWOが搭乗してA/A24A-56JHMCSを装備、電子戦任務にあたる。３機チームでAN/ALQ-218(V)2が探知した電波の到達時間を比較し、発信位置を数十マイル先から精密に測定することも可能で、陸海空電波発信源の位置を完全パッシブで特定できる。AN/USQ-113通信対抗手段セットを小型化したものも搭載し、受信アンテナをキャノピー直後に装着する。AN/APG-79の射撃指揮レーダーとしての能力はそのまま有しており、探知した脅威の位置を合成開口レーダーモードで捜索し、データリンクで味方に送信できる他、戦闘攻撃機型と同任務にも使用可能。M61A1機関砲は撤去して将来の電子戦機器拡張スペースとしており、電子攻撃ユニットEAUを搭載すればAN/APG-79レーダーにECM能力を持たせると共に、高出力マイクロ波を放出することにより100マイル先のミサイルシーカーを破壊できるという。電波妨害中でも無線交信を可能とするため、CN-1717/A電波干渉キャンセレーションシステムINCANS（Interference Cancellation System）を搭載しており、胴体下面のUHFアンテナで自身のAN/ALQ-99のローバンド妨害信号を受信してそれを処理、胴体上部のUHFアンテナでE-2Dなどと通常通りに無線交信できる。自衛用の電子戦機器としてAN/ALR-67(V)3、AN/ALQ-214(V)、AN/ALE-55（AN/ALQ-214(V)で受信した周波数の電波を放出する）、AN/ALE-47から構成されるIDECM（統合防御電子対抗）システム・ブロック３を搭載する他、AN/ALQ-227(V)1通信カウンターメジャーセット（受信用ブレードアンテナが胴体上部UHF通信用ブレードアンテナ前方にある）、多任務新型戦術ターミナルMATTブロック３（衛星通信用アンテナが胴体上部UHF通信用ブレードアンテナ後方のフェアリング内にある）、MIDS-LVTも装備する。全長18.36m、全幅13.69m、全高4.88m、自重15.011トン、最大離陸重量29.964トン。翼面積46.5平方メートル。エンジンはF414-GE-400（ミリタリー推力5.672トン、A/B時推力9.985トン）双発、最大速度マッハ1.8、実用上昇限度15240m、燃料容量6.354トン、作戦航続距離1574km以上、最大航続距離1800海里。固定武装は無いが、ジャミングポッド３基、増槽２本、AGM-88HARM２発を積んだ上でSta.5/7に自衛用AIM-120AMRAAMを１発ずつ搭載できる。乗員２名（パイロット、機上電子戦士官EWO）。2006年8月16日に初飛行し、2008年からアメリカ海軍訓練飛行隊VAQ-129に配備され、2009年度から転換訓練を開始、2009年8月29日に空母運用承認を得て9月に実戦飛行隊のVAQ-132で初度作戦能力を獲得し、11月23日に全規模量産体制に移行した。ちなみにE/A-18Gを運用する全てのVAQは太平洋電子攻撃航空団CVWP（ワシントン州ホイッドビーアイランド海軍航空基地）の隷下にある。２番目の実戦飛行隊であるVAQ-141は2011年1月19日から2月21日にCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュでの訓練に参加して初の洋上配備を完了、実戦態勢を整えた。３番目の実戦飛行隊はVAQ-138である。2011年3月19日、VAQ-132がオデッセイ・ドーン作戦で実戦に初参加した。NSAWCトップガンにも２機が配備され、空中電子攻撃兵器学校AEAWSを編成する予定。2013年現在、他にVAQ-129、VAQ-130、VAQ-135、VAQ-136、VAQ-139が機種転換済みで、VAQ-133が機種転換中、VAQ-131、VAQ-134、VAQ-137、VAQ-140、VAQ-142が機種転換待ちである。2000年代初めには90機を生産する予定だったが、2008年に80機に減らされ、B-52電子戦機型の開発に失敗した空軍がEA-6Bの後継として採用することになったため海軍遠征飛行隊（空軍への出張部隊）用が増やされて2010年に114機となり、2014年度予算で21機、2015年度予算で15機、2016年度予算で10機が追加されて総生産数は160機に増加、2016会計年度までに129機が予算化された。CVW隷下の10個飛行隊、５個遠征飛行隊、１個予備役飛行隊に配備する予定で、１個飛行隊の定数を増やす計画があるため、計200機くらい作る可能性もある。2007年2月、F-22Aと模擬空戦を実施し、CATM-120で撃墜判定を得た。2011年6月28日にアメリカ空軍初のEA-18G電子戦士官が誕生した。ちなみに海兵隊では採用する予定は無く、電子戦機型F-35を開発する予定である。AN/ALQ-99が旧式で性能に限界があり、レーダーとのマッチングも悪く、空気抵抗も大きくエスコート・ジャミングに必要な高速飛行が困難なため、AN/ALQ-249次世代ジャマーNGJを開発中だが、時間が掛かっている。データリンク能力を向上させるため、MIDS-LVTをMIDS-JTRS、更にCMN-4と更新しており、2022年からは戦術ターゲッティング・ネットワーク技術TTNTを装備する予定。参考：月刊JWings1,’05、12,’03、11,’14、7,’17、6,’05、11,’06、11,’09、5,’11、9,’11、5,’14、8,’14、7,’15、1,'16、1,’19、月刊軍事研究8,’13、10,'15、9,’17、6,’01、7,’14、2,’08、2,’10、12,’10、2,’11、9,’11、10,’11、10,’17、月刊航空ファン8,’09、2,’11、6,’11、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＡ−１８Ｇブロック�U＞：ボーイング社が開発中の改良型、別名グロウラー・ブロック�Uまたはアドバンスド・グロウラー。F/A-18E/Fブロック�V仕様のコンフォーマルタンクと先進型コクピットシステムや、AN/APG-79改・AN/ALQ-249次世代ジャマーNGJ・AN/AAQ-227通信妨害装置・ブロック�UIRSTなど最新のECM・センサーシステムを搭載し、戦術ターゲッティング・ネットワーク技術TTNTや衛星通信装置など通信・データリンク装置も完備し、ノースロップ・グラマン社で開発中のダッシュＸなどのUAV管制能力を追加する。参考：月刊JWings7,’19、8,’19

　＜Ｆ−１８　ＨＡＲＶ＞：NASAの実験機で、HARVはHigh Alpha Research Vehicle（大迎え角研究機）の略。参考：月刊JWings7,’18

　＜Ｆ−１８　ＳＲＡ＞：NASAの実験機で、SRAはSystems Research Aircraftの略。参考：月刊JWings7,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８（Ｒ）＞：試作偵察機型。F/A-18A/Cの機首部分をカメラや各種センサーを搭載したものに交換してある。1982年にＡ型初号機の機首下面にカメラ窓２つ付きのバルジを装着した空力試験機が初飛行し、1984年8月15日にはＡ型11号機が同型のバルジ、KA-99パノラミックカメラ、AN/AAD-5A赤外線ラインスキャナを搭載して初飛行した。後者は胴体中心線用150リットル増槽を改造したAN/UPD-9収容偵察ポッドを装備できる。F-14TARPSに負けて採用されなかった。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｆ／Ａ−１８Ａ　ＡＡＷ試験機＞：AAWはActive Aeroelastic Wing（アクティブ空力弾性翼）の略。主翼を軽量で弾性の高いものに変更している。2001年7月からNASAで改造され、2003年から試験飛行を行った。参考：月刊航空ファン2,’02、月刊JWings7,’18

＜Ｆ／Ａ−１８Ｃ２Ｗ＞：EA-18Gを参照。

　　＜Ｆ／Ａ−１８Ｄ（ＲＣ）＞：海兵隊の攻撃調整用武装偵察SCAR（Strike Coordinating Armed Reconnaissance）用で、AN/ASD-10ATARSを装備する。当初は偵察ポッドを携行する予定だったが、発着艦時のクリアランスの問題で機首装備になった。M61A1バルカン砲を撤去して低高度電子光学（LAEO）センサー、中高度電子光学（MAEO）センサー、赤外線ラインスキャンを搭載しており、機首下面にセンサー窓を持つ。スコードロンレベルで目標識別・選定を行い、１時間以内にその情報を攻撃部隊に伝達できる。また、AN/ASD-10ATARSで偵察しながらJDAMで攻撃を仕掛けることも可能である。レーダーはそのままなので、空対空ミサイルによる自衛戦闘能力を持つ。F/A-18Dから12機が改造され、各飛行隊に１機くらいが配備されている。参考：月刊軍事研究7,’11、6,’03、月刊JWings4,’10、3,’15、7,’18、世界の軍用機1982

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｆ（ＴＡＣＲＥＣＣＥ）＞：偵察機型F/A-18F。AN/ASD-12SHARPポッドをF/A-18C/E/Fに搭載すれば済むため、没になった。参考：月刊軍事研究7,’11

　＜Ｆ／Ａ−１８（ブルーエンジェルス）＞：アメリカ海軍アクロバットチームのブルーエンジェルス用。操縦桿にはスプリングが仕込まれており、中間位置に持って行くには後ろに18kgの力で引っ張らなければならない。真っ直ぐ飛ぶのにも相当な腕力が必要だが、中間位置近辺での微妙な操作を可能とし、タイトなアクロバット・フォーメーションを維持するのには必須の仕掛けである。参考：月刊JWings10,’14

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｅ／Ｆ（ブルーエンジェルス）＞：アメリカ海軍アクロバットチームのブルーエンジェルス用で、機体改修は技術的変更提案ECP（Engineering Change Proposal）6480と称する。機関砲やミサイル発射システムを撤去して軽量化し、スモーク発生装置を追加、一定時間の背面飛行を行えるよう燃料システムを改造し、密集編隊や背面飛行の操縦を容易にするため操縦桿にスプリングを仕込む。撮影用カメラを積み、民間飛行場に展開できるよう航法通信機器を追加、機体重心を調整する。必要なら72時間以内に戦闘任務仕様へと戻せる。2016年7月25日に改修契約が締結され、初号機は2020年6月3日にボーイングから引き渡されてテストに入った。2021年12月までにF/A-18Eから９機、F/A-18Fから２機を改造し、2022年からアクロバット飛行を行う予定。参考：月刊JWings11,’18、8,'20、月刊航空ファン11,’16、11,’18

＜グリーン・ホーネット＞：代替燃料使用研究機。JP-5とバイオ燃料を半分ずつ混合した燃料を使用するもので、将来的にはバイオ燃料のみで飛行する予定。エンジンも燃費向上型F414に換装した。2015年には全飛行隊にバイオ燃料型の配備を予定している。参考：月刊航空ファン6,’10

＜Ｆ／Ａ−１８海外シリーズ＞

　＜ＡＦ−１８＞：フィンランド空軍戦闘機。2000年からF/A-18C戦闘機57機（ノックダウン生産）、F/A-18D戦闘機７機（アメリカから輸入）を配備した。機首左舷に目標照射用スポットライトを持つ。パリ講和条約の制限で爆撃任務には使えず、制空戦闘にのみ使用するため、空対空ミサイルだけ装備し、対地・対艦攻撃は海軍と沿岸砲兵に任せていた。その後MLU1で対空能力を強化。更にパリ講和条約失効で対地攻撃能力追加改修MLU2を行うことになり、2007年にAGM-158JASSMの輸入を決めたが、アメリカ側の不具合で輸出差し止め処分が出されていたため、FMSの許可は2011年にずれ込んだ。AN/AAQ-28ライトニングFLIRポッド、JDAM、AGM-154JSOWの運用能力とリンク16も追加し、2016年に保有64機全機への改修を終えている。HXの名称で後継機を選定しており、2020年10月9日にアメリカ国防安全保障協力局が早々とF-35A戦闘機64機及びF/A-18E戦闘機50機＋F/A-18F戦闘機８機＋EA-18G電子戦機14機のFMS輸出許可を出し、JAS39E/F、EF2000、ラファールと争った結果、2021年12月10日にF-35Aの採用が決まった。参考：月刊軍事研究10,'15、9,’06、11,'03、月刊JWings7,’18、1,’21、2,'22、月刊丸2,’12

　＜Ｃ．１５＞：スペイン空軍戦闘機。F-5AとF-4Eの後継としてF/A-18Aを採用したもので、60機を配備し、その後アメリカ海軍中古機24機を追加した。2017年10月17日、第12航空団所属機がトレホン基地を離陸直後に墜落し、パイロットは脱出したものの死亡した。参考：月刊JWings4,’14、月刊航空ファン1,’18

　＜ＣＥ．１５＞：スペイン空軍戦闘機。F/A-18Bを採用したもので、12機を配備した。参考：月刊JWings7,’18

　＜ＣＦ−１８８Ａ＞：カナダ国防軍戦闘機。F-102とF-104の後継として導入したF/A-18Aで、呼称が長いためか、普通は軍内部でもCF-18Aと呼んでいる。機首左に夜間目標識別用スポットライトを追加した。98機を配備した。2002年から近代化改修を施し、通信・航法装置を改良、AN/APG-73火器管制装置を搭載し、AIM-120とGPS誘導爆弾の運用能力を付与する予定。参考：月刊JWings7,’18、9,’00、月刊航空ファン7,’15

　＜ＣＦ−１８８Ａフェーズ�U＞：カナダ国防軍戦闘機。CF-188Aの改良型で、データリンクやチャフ・フレアディスペンサーを新型にし、カラーディスプレイとヘルメット照準装置を追加するなどの改修を実施する。2010年までに79機を改修する予定。参考：月刊JWings11,’07

　＜ＣＦ−１８８Ｂ＞：カナダ国防軍戦闘機。F/A-18Bを導入したもので、呼称が長いためか、普通は軍内部でもCF-18Bと呼んでいる。機首左に夜間目標識別用スポットライトを追加した。40機を配備した。参考：月刊JWings7,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８（クウェート空軍）＞：クウェート空軍戦闘機。1987年に導入を決定したが、湾岸戦争で引き渡しが遅れ、1991年10月1日からＣ型32機とＤ型８機を配備した。機首左に目標照射用スポットライトを装備しており、エンジンは全てF404-GE-402である。2016年11月17日、F/A-18E24機とF/A-18F８機のFMS輸出がアメリカ国務省で許可された。スナイパーXR目標指示ポッド33基、AN/AAQ-228ポッド14基、JHMCS48セット、コンフォーマルタンク（アドバンスド・スーパーホーネット用に開発したもの）８セットと共に輸入する。2017年末にクウェート政府が導入を正式決定した。配備予定数はF/A-18E戦闘機32機とF/A-18F戦闘機８機である。搭載機器のFMS通告ではAN/AAQ-228が消えてスナイパーXRのみになっていた。参考：F/A-18ホーネット、月刊航空ファン2,’17、4,’18、月刊JWings7,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８（スイス空軍）＞：スイス空軍戦闘機。ミラージュ�VＳの後継として1988年1月にＣ型26機とＤ型（Ｂ型？）８機の導入を決定した。最初の２機はマクダネル・ダグラスからの完全輸入、残りはノックダウン生産で、初号機は1996年10月（1991年？）に引き渡されている。2019年10月9日、F/A-18Cのフラップにクラックが見つかり、高度1000フィート（304.8m）以下での飛行とM61バルカン砲の射撃を禁止すると共に、全機の点検に入った。後継としてJAS-39を導入する予定だったが、国民投票で没になったため、F/A-18C/D戦闘機59機（？）に対し、2030年まで運用できるようにする構造強化改修SRP（Structural Reinforcement Project）を実施する予定。2020年9月27日の国民投票で新戦闘機導入Air2030計画が承認されたため、9月30日にアメリカ国防安全保障局がF/A-18E/F戦闘機40機を74億5200万ドルでFMS輸出する許可を出した。機種選定はまだなので、競争相手のF-35AのFMS輸出許可も出している。結局F-35Aに決まったので、こちらは没になった。参考：F/A-18ホーネット、月刊JWings7,’18、1,’20、12,'20、9,'21、月刊軍事研究10,’06、月刊航空ファン1,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８（デンマーク空軍）＞：F-16退役とF-35就役にタイムラグがあるため、繋ぎとしてF/A-18E/Fブロック�U48機の導入を検討している。参考：月刊軍事研究2,’09

　＜Ｆ／Ａ−１８（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍戦闘機。2000年にAF-18の名称でC/D型を導入した。後継のHX計画にはF/A-18E/Fを提案したが、F-35Aに負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究10,'15、9,’06、月刊丸2,’12、月刊JWings2,’22

　＜Ｆ／Ａ−１８Ａ／Ｂ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍戦闘機。ミラージュ�VＯの後継として1981年10月に導入を決定、1984年8月13日にF/A-18B初号機が初飛行し、1985年5月（2月？1984年？）から1990年5月までにＡ型57機とＢ型18機が引き渡された。うち２機はアメリカで、73機はオーストラリアで最終組み立て（ノックダウン生産）が行われている。2000年からF/A-18A/Bプラスへの改修を実施中。F-35Aに後を譲って退役が始まり、残存機のうち25機（実動18機、部品取り７機）はカナダ空軍に9500万豪ドルで輸出することになり、最初の２機は2019年2月18日にカナダのコールドレイク空軍基地に到着した。配備は所要の改修が終わってからになる。残る46機はエアUSA社に売却する予定。2021年11月29日に退役式典が行われ、12月2日に７機、12月4日に最後の１機が退役した。参考：月刊航空ファン8,’10、5,’19、月刊軍事研究5,’13、月刊JWings7,’18、11,’19、2,’20、5,’20、2,’22

　＜Ｆ／Ａ−１８Ａ／Ｂ（カナダ空軍・追加購入分）＞：カナダ空軍戦闘機。2017年12月12日、F/A-18E/Fの導入を破棄する代わりにオーストラリアから中古でF/A-18A/B戦闘機25機（実動18機、部品取り７機）を買うことにした。アメリカによる輸出許可は2018年9月21日に下りており、最初の２機は2019年2月18日にカナダのコールドレイク空軍基地に到着、所要の改修が終わり次第配備する。参考：月刊航空ファン5,’19、月刊JWings2,’18、3,’18、12,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８Ａ／Ｂプラス（オーストラリア空軍）＞：2000年に改良が決定したホーネット・アップグレード（HUG）改修型で、計画名はプロジェクトAIR5376。C/D型と同等の能力を持たせるのが目的で、Ａ型55機とＢ型16機に対して実施中である。2001年にHUGフェイズ1.0を行い、AN/ARC-210無線機を搭載し、XN-8+ミッションコンピュータを積むなどアビオニクスを新型にして統合化を実施、コクピットをデジタル化し、2002年に完了した。2002年3月から2003年末までHUGフェイズ2.1を行い、レーダーをAN/APG-65からAN/APG-73に換装、AIM-120AMRAAMを搭載可能とし、IFFを新型に変更、秘話通信装置を導入した。2003年後半から2009年初めまでHUGフェイズ3.1と3.2を行い、機体構造強化と寿命延長を実施、2015-18年頃までの運用が可能となった。2006年中頃から2008年末までHUGフェイズ2.2を行い、計器板にカラーMFDを搭載し、JHMCS運用能力とリンク16を追加、チャフ／フレアディスペンサーを新型に換えている。2008年後半からはフェイズ2.3アップグレードを実施しており、電子戦能力強化の一環としてレーダー警戒受信機をAN/ALR-67(V)3に換装し、エルタ社製EL/L8222電子妨害ポッド携行能力やASRAAM・AIM-9X運用能力を追加、サーブ社製BOL-518ディスペンサー装備（Sta.2/8）などを行っている（2012年8月までに終了予定）。2008年後半から2010年初めまでHUGフェイズ2.4を実施、AN/AAS-38A及びAN/AAQ-28(V)ポッドの携行能力を追加した。参考：月刊航空ファン8,’10、12,’19、月刊軍事研究6,’03、4,’10、8,’10

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｄ（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍戦闘機。A-4/F-5Eの後継としてMiG-29Sと共にF/A-18D戦闘機８機を購入した（アメリカの圧力で購入させられた）。参考：月刊JWings7,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｅ／Ｆ（カナダ空軍）＞：カナダ空軍戦闘機。CF-188の後継としてF-35を導入予定だったが、2012年に白紙に戻されたため、再選定までの繋ぎとしてF/A-18E戦闘機10機とF/A-18F戦闘機８機を配備することにし、アメリカの輸出承認も得られた。しかしアメリカ国際貿易委員会にボーイング社がボンバルディア製旅客機の不当値引きを提訴して相殺関税が認められた事の報復として2017年12月5日に導入を破棄。代わりにオーストラリアから中古でF/A-18A/B戦闘機25機（実動18機、部品取り７機）を買うと12月12日に発表した。参考：月刊JWings2,’18、3,’18、12,’18

　＜Ｆ／Ａ−１８Ｆブロック�U（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍戦闘機。F-35開発計画が遅れている（就役は2013年以降）ため、F/A-18Fブロック�U戦闘機24機をAIM-9Xと共に2007-08年度予算50億ドルで購入（１機あたり12億オーストラリアドル）し、2010年に退役するF-111C/Gの代わりに実戦配備する。Ｆ型にしたのは、F-111C/Gも複座だったから。あくまでもF-35導入までの繋ぎであり、後に売却を予定しているという話もある。搭載兵器はAIM-9X、AIM-120C-5、JDAM、ハープーン、AGM-88Aで、将来的にはAGM-154を導入する。後期12機にはEA-18Gと同じAN/ALQ-99戦術妨害システムポッド用配線を施してあり、F-35導入が進んだらEA-18Gへと改修することにした。しかしF-35の完成が遅れているため、24機は全てF/A-18Fブロック�Uとして使用、他に12機のEA-18Gを導入する方針に変更している。初号機は2009年7月20日に初飛行、2010年3月26日にオーストラリアに最初の５機が到着し、2011年10月21日までに24機全機が納入された。2019年、AN/ASG-34IRSTポッドを積むことにした。F-35の開発が更に遅れそうなので、もう24機（うち12機はEA-18G配線型）導入する案も出ている。参考：月刊JWings6,’07、10,’09、9,’10、1,’12、月刊軍事研究8,’13、11,’07、4,’08、1,’10、6,’10、8,’10、12,’10、3,’11、6,’12、5,’13、月刊航空ファン6,’10、8,’10、1,’20

＜Ｆ／Ａ−１８海外ファミリー＞

　＜ＥＡ−１８Ｇ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍電子戦機。当初はF/A-18Fブロック�Uのうち12機にEA-18G用の配線だけ施し、後で改造する予定だったが、最初から電子戦機型12機を導入することになった。CN-1717/A干渉波除外システムを装備したフルバージョンであり、アメリカでEF-111Aと一緒に退役して保管されていたAN/ALQ-99EジャミングポッドをAN/ALQ-99F仕様に改良して搭載する。将来的にはAN/ALQ-249次世代ジャマーを積む予定。初号機は2015年7月13日に初飛行、7月29日にロールアウトした。その後アメリカ海軍が１年テストし、2017年3月1日に最初の２機がオーストラリアにフェリーされて第６飛行隊に配備された。最終12号機は2017年7月7日にオーストラリアに到着した。要員はワシントン州ホイッドビーアイランド海軍航空基地のVAQ-129で2014年から訓練を行っており、2016年には６組12名の乗員がインストラクター資格を得る筈である。2017年、AGM-88Bを70発とAGM-88Eを40発、FMSでアメリカに発注した。2018年1月27日、第６飛行隊所属機がネバダ州ネリス空軍基地でエンジン故障により離陸に失敗して炎上した。乗員は脱出して無事。2019年4月30日、第６飛行隊がIOCを獲得した。参考：月刊軍事研究8,’13、月刊JWings10,’14、3,’19、月刊航空ファン10,’15、5,’17、7,’17、10,’17、7,’19

　＜ＥＡ−１８Ｇ（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍F/A-18C/D後継機計画HXにF/A-18E/Fとパッケージで提案すべく、2019年2月18日にアメリカ国防総省が輸出許可を出した。採用されるかは2021年に決まる。参考：月刊JWings5,’19

＜Ｆ／Ａ−１８兵装＞：

　＜ＳＥＡＤ＞：胴体下Sta.6に330ガロン（1249リットル）増槽、主翼下４箇所にAGM-88HARM２発とADM-141TALD２発以上（３連エジェクターラックで１箇所あたり３発積める）、残る主翼下２箇所にAIM-120AMRAAM２発、翼端Sta.1/11にAIM-9Mサイドワインダーを２発搭載する。AN/ASQ-213HARM照準システム（HTS）のようなシステムは持たず、レーダー警報受信機のデータを解析し、ミサイルにデータを送るCP-1001B/AWG指揮発射コンピュータを搭載している。参考：月刊軍事研究2,’03

＜Ｆ／Ａ−１８Ｅ／Ｆ兵装＞

　＜空対空＞：AIM-9Mを翼端（Sta.1/11）に１発ずつ、AIM-120AMRAAMを主翼下に５発ずつ（Sta.2/10に１発とSta.3/4/8/9に２発ずつ）と胴体左右（Sta.5/7）に１発ずつ、機体下中央（Sta.6）に480ガロン（1817リットル）増槽１本を装備する。参考：月刊JWings3,’02

　＜ＣＡＰ＞：翼端（Sta.1/11）にAIM-9Mを１発ずつ、主翼下にAIM-120AMRAAMを４発、主翼下と胴体下に480ガロン（1817リットル）増槽を３本搭載する。空母から380海里進出しての２時間哨戒が可能。参考：月刊軍事研究1,’08

　＜戦闘機護衛＞：AIM-9を２発、AIM-120AMRAAMを４発、増槽３本を搭載し、戦闘行動半径1490kmの護衛に就く。240km進出なら2.9時間滞空が可能。参考：月刊軍事研究6,’08

　＜空対地＞：翼端（Sta.1/11）にAIM-9Mを１発ずつ、主翼下最外側（Sta.2/10）にAGM-88HARMを１発ずつ、その内側（Sta.3/9）にAGM-65Eを１発ずつ、最内側（Sta.4/8）にAGM-154JSOWを１発ずつ、胴体左右（Sta.5/7）にAIM-120AMRAAMを１発ずつ、胴体中央（Sta.6）に480ガロン（1817リットル）増槽を１本搭載する。参考：月刊JWings3,’02

　＜阻止攻撃・近接航空支援＞：AIM-9を２発、AIM-120AMRAAMを２発、GBU-10/-12/-16/-24を２発、GBU-31/-32/-35/-38を２発搭載し、戦闘行動半径740kmの任務に就く。278km進出なら１時間の滞空が可能。参考：月刊軍事研究6,’08

　＜海洋攻撃・空中警戒＞：AIM-9を２発、AIM-120AMRAAMを２発、ハープーンを２発、増槽を３本搭載し、戦闘行動半径1500kmの任務に就く。240km進出なら2.9時間滞空が可能。参考：月刊軍事研究6,’08

　＜空中給油母機＞：胴体中心線下にD704空中給油ポッドまたはA/A42R-1空中給油システムポッドを装着し、480ガロン（1817リットル）増槽を４本、AIM-9を２発、AIM-120AMRAAMを２発搭載する。参考：月刊JWings1,’05、月刊航空ファン2,’17

　＜フェリー＞：長距離移送で増槽を５本積む際には5WETと呼ばれる。参考：月刊JWings7,’22

＜ＦＡ−２６Ｃ＞：A-26攻撃機ファミリーを参照。

＜Ｆ／Ａ−５０＞：T-50練習機シリーズを参照。

＜Ｆ／Ａ−５０ＰＨ＞：T-50練習機・海外シリーズを参照。

＜Ｆａ２２３＞：ドイツ空軍ヘリコプター、別名ドラヒェ（Drache、龍）。1944年に初飛行したルフトハンザ航空向け６人乗りヘリコプターFa226の軍用型である。Fw61をスケールアップした並列ローターの機体で、輸送から爆撃まで使用される予定だったが、10機が完成したところで終戦となった。全長12.3m、ローター直径12m、全幅24.5m、全高4.3m、自重3180kg、全備重量4310kg。エンジンはBMW301R（1000馬力）単発、最大速度175km、実用上昇限度2010m、航続距離700km（増槽あり）。ペイロード800kg。乗員２名＋搭乗兵員４名。第２次大戦後はフランスでSE3000として生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊軍事研究9,’07、グラフィックアクション29

＜Ｆａ２２５＞：ドイツ空軍試作ジャイログライダー。DFS230グライダーの主翼を外してローターを取り付けたもので、垂直着陸ができるかどうかのテストに使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆ／Ａ−２５９＞：L-159練習機ファミリーを参照。

＜Ｆａ２６９＞：ドイツのフォッケ・アハゲリス社が開発したティルトローター機。胴体中央にエンジンを搭載し、延長軸で両主翼（中翼配置）のプッシャー・プロペラを回す方式で、離着陸時にはプロペラ軸を下に80度（85度？）回し（尾輪式なので、これでプロペラ軸が地面と垂直になる）、VTOLを可能とする。全幅10m。エンジンはBMW801（1600馬力）単発、最大速度570km。乗員１名。30mm機関砲２門を搭載し、艦上戦闘機に発展させる予定だった。1942年にモックアップが完成し、試作機の製作に入ったが、連合軍の爆撃で工場ごと破壊され、そのまま放棄された。参考：月刊丸6,’01、3,’14

＜Ｆａ３３０＞：ドイツ海軍の潜水艦用偵察観測機、別名バッハシュテルツェ（Bachstelze、セキレイ）。組み立て式オートジャイロで、鋼管胴体に３翅ローターを持つが、エンジンは無く、風とＵボートの曳航速力で飛翔する。大部分のＵボート�\Ｄ型と一部の�\Ｃ型の上部構造物内格納筒に搭載されており、７分で組み立てることができる。合成風速毎時36kmで発艦が可能となり、電話線を内蔵した長さ300mのロープで曳航されて高度100-150mから周囲を偵察する。緊急潜航の際にはケーブルを切断して着水し、後で回収することになっていた。ローターを切り離してパラシュートで着水することも可能。開発時には船団偵察を目的としていたが、完成時には制空権が連合軍に奪われており、レーダーによる被発見率も高く、その任務では使用不能だった。全長4.4m、重量175kg。最大速度80km、上昇限度220m。乗員１名。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、グラフィックアクション29

＜ＦＡ２１００＞：自衛隊のU-125A用音声記録装置。丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＦＡＡ＞：アメリカ連邦航空局またはオーストラリア海軍航空戦力の略。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン12,’19

＜ＦＡＡＤＣ２Ｉ＞：アメリカ陸軍戦術インターネットを構成するシステムの１つで、Forward Area Air Defense Command, Control and Intelligence（前方地域防空指揮統制・情報システム）の略。防空部隊に対して主に低空目標の情報を提供する。防空部隊や大隊以上の指揮所に配備されている。防空砲兵大隊は航空・ミサイル防衛端末AMCWS（Air/Missile Defense Workstation）を合わせて装備する。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＦＡＡＤＳ計画＞：アメリカ陸軍前線地域防空システム計画で、M247サージャント・ヨークが開発中止となった後に立案された。LOS-F-H（見通し内、前線、重。M6ラインバッカーがこれにあたる）、LOS-R（見通し内、後方。アヴェンジャーがこれにあたる）、NLOS（見通し外。開発されていない）の３タイプの防空システムを開発し、それぞれ前線部隊、指揮所直接防空などにあたらせるものである。ソ連の重層防空と似ているが、中身は違う。また、新型C2Iの開発、車両やヘリへの対空能力付加も計画された。参考：月刊軍事研究11,’02

＜ＦＡＡＲＶ＞：T-155自走榴弾砲ファミリーを参照。

＜ＦＡＢ＞：ブラジル空軍を参照。

＜ＦＡＢ＞：ロシア語で航空爆弾（Fugahsnaya AviaBomba）の略。ソ連軍の通常爆弾で、第２次世界大戦時から使用されている。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings5,’12

＜ＦＡＢ−５０＞：ソ連軍50kg通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−１００シリーズ＞：ソ連軍100kg通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック。

　＜ＦＡＢ−１００Ｍ−４３＞：1943年に開発された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−１００Ｍ−６２＞：1962年に開発された。パッケージを一新している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−１００Ｍ−８０＞：1980年に開発された。炸薬を改良している。全長1.49m、直径0.23m、翼スパン0.23m、重量117kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−２５０シリーズ＞：ソ連軍250kg爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−２５０−２３０＞：重量230kg。参考：世界の傑作機No.162

　＜ＦＡＢ−２５０Ｍ−４３＞：1943年に開発された250kg通常爆弾。全長2.16m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−２５０Ｍ−４６＞：1946年に開発された250kg通常爆弾。全長1.5m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−２５０Ｍ−５４＞：1954年に開発された250kg通常爆弾。信管と炸薬に改良を施している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−２５０Ｍ−６２＞：1962年に開発された250kg通常爆弾。パッケージを一新した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−２５０Ｍ−７２＞：高性能破砕弾頭を搭載した250kg爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−２５０Ｍ−７９＞：1979年に開発された250kg通常爆弾。炸薬を改良した。全長2.01m、直径0.325m、翼スパン0.38m、重量240kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−２５０ＳｈＮ＞：250kg通常爆弾に制動パラシュートを付けた低高度投下型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−５００シリーズ＞：ソ連の500kg爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−５００Ｍ−４６＞：1946年に開発された500kg通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−５００Ｍ−５４＞：1954年に開発された500kg通常爆弾。信管と炸薬に改良を施している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−５００Ｍ−６２＞：1962年に開発された500kg通常爆弾。パッケージを一新した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＡＢ−５００Ｍ−６２Ｔ＞：MiG-25（爆撃機型）に搭載する耐熱型。参考：世界の傑作機No.172

　＜ＦＡＢ−５００ＳｈＮ＞：500kg通常爆弾に制動パラシュートを付けた低高度投下型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−１０００Ｍ−６２＞：ソ連の１トン通常爆弾。1962年に開発された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−１５００シリーズ＞：ソ連の1.5トン爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−１５００−２６００ＴＳ＞：1.5トン徹甲爆弾。弾体のスチール厚を18mmから100mmに増やし、最長６日間の時限信管を搭載したものである。炸薬量は675kgから469kgに減少した。アフガニスタン侵攻でゲリラの進撃・補給路を破壊するために使用された。参考：世界の傑作機No.113

＜ＦＡＢ−１５００Ｍ−４６＞：1946年に開発された1.5トン通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−１５００Ｍ−５４＞：1954年に開発された1.5トン通常爆弾。信管と炸薬に改良を施している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−３０００Ｍ−４６＞：1946年に開発された３トン通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＢ−Ｔ＞：アメリカ空軍の指揮統制ターミナルFamily if Advanced Beyond line-of sight Terminals。当初はボーイング社と契約したが、コストと納期が超過しそうになったため、契約を凍結してレイセオン社との競合試作に変更、2014年6月2日にレイセオン社の方を採用して契約を結び直した。84基を調達予定。参考：月刊軍事研究11,’14

＜ＦＡＣ＞：前線航空統制官を参照。

＜ＦＡＣ−７５＞：スリランカ海軍高速警備艇。2016年5月10日、哨戒艇ウラダと共に、スリランカ西方海域で海自P-3C哨戒機１機と捜索救難訓練を実施。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜ＦＡＣ（Ａ）＞：空中前線統制管制官を参照。

＜ＦＡＣ（Ｇ）＞：陸上前線統制管制官を参照。

＜ＦＡＣＧ＞：台湾海軍の艦種記号で、誘導弾搭載高速艇の略。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６１＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年8月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６２＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年8月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６３＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年9月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６４＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年9月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６５＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年10月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６６＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年10月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６８＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年12月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−６９＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2009年12月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−７０＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2010年3月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−７１＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2010年3月に引き渡された。参考：朝雲

＜ＦＡＣＧ−７７＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2012年1月18日、台湾北東沖で洋上訓練を実施。参考：月刊世界の艦船4,’12

＜ＦＡＣＧ−８４＞：台湾海軍光華�Y号級ミサイル艇。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜ＦＡＣＯ＞：Final Assembly and Check-Out（最終組立・完成検査）の略。

＜ＦＡＣＴＳ＞：TSU（照準器）を参照。

＜ＦＡＣキット＞：イギリスのキネティック社が開発した近接航空支援用キット。イギリス陸軍LH40Cレーザー測距器、ロックウェル社製GPS受信機、MBMテクノロジー社製L450ターマイト・コンピュータを組み合わせている。指向精度プラスマイナス１度、CEP10m。参考：月刊PANZER4,’03

＜ＦＡＤ＞：艦隊防空を参照。

＜ＦＡＤＡＣ＞：射撃指揮算定装置。砲兵隊指揮所に置かれ、前線観測班（FO）や定点観測所（OP）から送られた攻撃目標の位置情報が入力され、指揮所からの攻撃目標の位置を算定する。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ＦＡｄｅＡ＞：アルゼンチンの国営航空機会社で、Fabrica Argentina de Aviones-“Brig. San Martin”の略。ロッキード・マーチン社の子会社だったLMAASAが2010年にアルゼンチン政府に売却されることになり、アルゼンチン国営企業となったものである。参考：月刊JWings8,’14

＜ＦＡＤＥＣ＞：Full Authority Digital Engine Control（完全自動デジタルエンジン制御）の略で、デジタル電子エンジン制御DEEC（Digital Electronic Engine Control）ともいう。スロットルレバーの操作をポテンショメーターで電気信号に置き換えてコンピュータに伝え、コンピュータで温度・高度・速度といった各種飛行・エンジンデータを加味して燃料管制装置を制御し、エンジン出力を調整する方式で、フライ・バイ・ワイヤのエンジン版である。複座機での操作優先権も電子的に制御可能となり、機長と副機長にそれぞれスロットルレバーを用意できるようになった。参考：戦闘機のしくみ、月刊軍事研究11,’12

＜ＦＡＤＥＰＣ＞：Full Authority Digital Engine and Propeller Controlの略。参考：月刊航空ファン12,’19

＜Ｆａｄｊｒ３＞：ファジル３（地対地ロケット）を参照。

＜Ｆａｄｊｒ５＞：ファジル５（地対地ロケット）を参照。

＜ＦＡＤＰ＞：飛行管理情報処理システムを参照。

＜ＦＡＤＳ＞：野戦特科情報処理システムを参照。

＜ＦＡＥ＞：燃料気化爆弾を参照。

＜ＦＡＧｒ．＞：FernAufklarungsGruppe（長距離偵察飛行隊）の略。参考：グラフィックアクション36

＜ＦＡＩシリーズ＞：ソ連陸軍の軽装甲自動車で、Ford A Izhorskiyの略。D-12装甲車がベースで、武装を使いやすくするため銃塔を搭載したものである。参考：月刊グランドパワー2,’05、世界の軍用車両(4)

＜ＦＡＩ＞：車体はD-12とほぼ同じで、操縦手席と助手席の天井部に半球形のヘッドレストが設けてある。車体後部に厚さ6mmの圧延鋼板で出来た銃塔が搭載されており、7.62mm機銃DT１丁（1934発）を装備する。全長3.75m、全幅1.68m、全高2.24m、重量２トン。エンジンはフォード−Ａガソリン（40馬力）、最大速度80km、航続距離200km。乗員２名（操縦手と車長兼銃手）。他に通信手（助手席に座る）、上級指揮官、車外偵察員などを乗せることもある。1933年から量産され、途中でシャシーのベースがフォード−ＡからGAZ-Aに換えられて計676両が生産された。1936年にはスペイン内乱に投入され、1939年にはノモンハン事件に参加し、その後もポーランド侵攻、冬戦争、独ソ戦に投入された。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ＦＡＩ−ＺｈＤ＞：軌道走行もできる改良型。1933年にイジョルスキー製鋼所で試作された他、1934年にも第１モスクワ鉄道工場でも試作されたが、量産されなかった。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ＦＡＩ−Ｍ＞：シャシーをGAZ-M1乗用車に変更したもので、1939年に採用された。ホイールベースが広がり強度が上昇したため、車体後部を延長して燃料タンクを追加した。エンジンも強化して、走行性能が上昇している。FAIの一部もオーバーホール時に同様の改修を受けた。全長4.31m、全幅1.75m、全高2.24m、重量2.28トン。エンジンはGAZ-M1ガソリン（50馬力）、最大速度83km、航続距離250-315km。武装は7.62mm機銃DT１丁（1323発）。乗員２名。67両が生産されて独ソ戦などに投入された他、冬戦争で鹵獲したフィンランド軍が1950年まで使用している。参考：月刊グランドパワー2,’05、世界の軍用車両(4)

＜ＧＡＺ−ＴＫ＞：FAIが走行性能にやや劣ったので、後輪を２軸４輪に増やしてみたタイプ。71-TK-1無線機を標準装備し、車体上部全周にフレームアンテナを搭載、通信手が常に助手席に乗るようになった。これらの改造で重量が増えたが、エンジンがそのままなのでかえって性能が悪くなり、採用されなかった。全長4.6m、全幅1.73m、全高2.21m、重量2.62トン。エンジンはGAZ-Aガソリン（40馬力）、最大速度63km、航続距離188-230km。武装は7.62mm機銃DT１丁（1764発）。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ＦＡＩＣ−Ｍ＞：シャルダグMk�X級（哨戒艇）を参照。

＜ＦＡＩワールドグランプリ・オブ・エアロバティックス＞：ツインリンク茂木で開催されている曲技飛行競技会。自動車レース用のサーキットを使用して開催されるのはこの大会のみである。参考：月刊航空ファン11,’02

＜ＦＡＪ＞：投射型静止式ジャマーを参照。

＜ＦＡＬシリーズ＞：ベルギーのFN社が開発したアサルトライフル、通称イデオット・スティック（マヌケの杖）。FALは軽量自動式小銃のフランス語略である。ベルギー軍など90ヵ国以上で使用されている。参考：兵器最先端５、世界の軍用銃

＜ＦＡＬ５０−００＞：標準型。作動はガス圧利用式で、ガス・シリンダーは銃身上方に付いている。ボルトの閉鎖は揺動式（ティルト・ボルト・メカニズム）で、信頼性が高い。レシーバーはスチール・ブロックからの削り出し加工で、コストは高いが工作精度に優れる。全長1060mm、銃身長538mm、重量4.25kg。20発入り箱形弾倉を使用し、使用弾は7.62mm×51NATO標準弾、初速毎秒840m、発射速度毎分650-700発。当初は7.62mm×33弾を使用するように設計されていたこと、発射速度が速いことから、フルオートでの集弾性が悪いという欠点がある。イギリスなどではセミオートのみのバージョンを生産した。参考：最新軍用ライフル図鑑、兵器最先端５

＜ＦＡＬ５０−４１＞：50-00の銃身を強化型に変更し、バイポッドを装着したもの。参考：兵器最先端５

＜ＦＡＬ５０−６３アサルトカービン＞：カービン型で、空挺部隊・特殊部隊・機械化部隊向け。銃身を436mmに短縮し、折り畳み式（右側に畳む）の金属製スケルトンストックを装備する。全長1020mm、重量3.75kg。参考：最新軍用ライフル図鑑、兵器最先端５

＜ＦＡＬ５０−６４＞：FAL50-63の銃身を50-00と同じものに変更したタイプ。参考：兵器最先端５

＜ＦＡＬ海外シリーズ＞

　＜ＦＡＬ（アルゼンチン）＞：アルゼンチン軍アサルトライフル。当初はFN社から輸入し、1960-81年にアルゼンチンのファブリカ・ミリタール・デ・アルマス・ポルタティレス社でライセンス生産した。総生産数129700丁。その後も民間用にセミオート版が製造されている。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＦＡＬ（イスラエル）＞：イスラエル軍アサルトライフル。IMI社でライセンス生産された。高温地域での使用に対応してフォアストックに冷却用の穴を開けてある。全長1010mm、銃身長533mm、重量4.5kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＦＡＬ（オランダ）＞：オランダ軍アサルトライフル。1961年に制式化し、FN社から輸入した。フォアストックをプレス加工とし、折り畳み式バイポッドを装備する。全長1095mm、銃身長574mm、重量4.9kg。ライフリングは４条右回り。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＦＡＬ（ブラジル）＞：ブラジル軍アサルトライフル。IMBEL社でライセンス生産したため、IMBEL FALと称する。15万丁を生産し、４万丁を輸出した。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｌ１Ａ１＞：L1A1を参照。

　＜Ｓｔｇ５７（オーストリア）＞：オーストリア軍アサルトライフル。1957年に制式採用し、当初はFN社から輸入、後にステアー社がライセンス生産し、20000丁を製造した。フルオートも残してある。全長1.09m、銃身長0.533m、重量4.74kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51弾、装弾数20発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＦＡＬＣＯＮ＞：ファルコン（無人機）を参照。

＜ＦＡＭ＞：ファルコン・エア・ミートまたはメキシコ空軍を参照。

＜ＦＡＭＡＥシリーズ＞：チリの通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８１＞：重量120kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８２＞：全長2.35m、直径0.273m、翼スパン0.36m、重量240kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８３＞：重量452kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ｍｋ８４＞：重量908kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＭＡＳシリーズ＞：フランス軍のブルパップ式突撃銃で、フュジー・オートマチック・マニュファクチュール・ダルム・サン・テティエンヌ（Fusil d’Assault de la Manufacture d’Armes de Saint-Etienne、サン・テティエンヌ造兵廠オートマチック・ライフル）の略。Mle1949/56ライフルの後継として開発され、1977年に制式化された。UAEやセネガルなどでも採用されている。サン・テティエンヌ造兵廠が2002年に閉鎖され、2004年に製造を終了した。フランス軍は後継としてHK416Fを採用した。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊PANZER3,’10、月刊軍事研究4,’17

＜ＦＡＭＡＳ　Ｆ１＞：外観から、フランス軍内ではトランペットの異名を持つ。コンパクトなので車両やヘリコプター内でも取り回しが効く。ブルパップ特有の照準の不正確さを改善するため、バイポッドが作りつけになっている。作動はディレイド・ブローバック式で、フルオート、３点バースト、セミオートを選択でき、セレクターはストック下部後方に付いている。薬室に薬莢がへばりつかないようフルンテッド・チャンバーを採用したが、遅延機構を作動させる際に薬莢にかかる圧力が高すぎ、排莢不良によるジャミングが多いらしい。銃本体上部には大型のキャリング・ハンドルがあり、上部に照星照門式照準器があるが、この照準器は銃の方に繋がっていて、キャリング・ハンドルを外してもそのまま残る。照準距離は300mの固定式で、照門や照星はキャリング・ハンドルを外さないと調整できない。光学スコープや暗視スコープを装着可能。安全装置は引き金の前方にあり、レバーを横に回すと解除される。手袋を付けても引き金を引けるよう、トリガーガードは前方に半回転できる。銃身先端にはNATO標準22mmグレネードの発射機能があり、こちらの照準器はキャリング・ハンドル下方に付く。全長757mm 、銃身長488mm、重量3.7kg。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数25発。初速毎秒960m、有効射程300m、発射速度毎分900-1000発。マガジン内に25発装弾して４週間そのままにしても、スプリングがへばらないらしい。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊PANZER3,’10、月刊軍事研究12,’03、兵器最先端５

＜ＦＡＭＡＳ　Ｆ１カービン＞：F1のカービン型。銃身を405mmに短縮して更にコンパクトにしてある。グレネードの発射機能は無く、標準装備されている二脚も軽量化のため外してあることが多い。全長680mm、重量3.65kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数25発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＦＡＭＡＳ　Ｇ１＞：F1の輸出型。グリップ下端まである大型のトリガー・ガードが付く。使用弾はM193またはSS109で、ライフリングの彫り込みが異なる。全長760mm、銃身長488mm、重量3.8kg。ライフリングは６条右回り。装弾数30発。G2に後を譲り、生産終了した。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＦＡＭＡＳ　Ｇ２＞：G1の改良型で、1994年に登場した。M16A1小銃のマガジンを使用可能としている。ライフリングはM193/SS109兼用の１回転228mm、M193専用の１回転305mm、SS109専用の１回転178mmと３種類が用意されている。全長757mm／965mm（銃剣装着時）、銃身長488mm、重量3.8kg（弾倉無し）。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数30発、初速毎秒925m、有効射程450m、発射速度毎分1000-1100発。参考：最新軍用ライフル図鑑、朝雲

＜ＦＡＭＡＳ　０５＞：2005年に登場する改良型。キャリング・ハンドルを撤去してレールマウントを搭載、二脚の形状を改良し、30連マガジンを使用する。参考：月刊軍事研究6,’05

＜ＦＡＭＡＳフェラン＞：フェラン戦闘システム用に開発中のもの。統合照準器を搭載し、操作用ボタンを搭載したフォアグリップを装備する。参考：月刊軍事研究6,’05

＜ＦＡＭＥＴ＞：スペイン陸軍航空隊の略。参考：月刊航空ファン4,’19

＜ＦＡＭＯ＞：Fahrzeug und MotorenbauGmbHの略。ポーランドのブレスラウとワルシャワにある工場で、以前はアルザス社と呼ばれていた。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＡＮＧチャレンジ＞：DARPAの水陸両用歩兵戦闘車開発計画で、FANGはFast, Adaptable, Next-Generation Ground Vehicle（迅速適応可能次世代陸上車両）の略。駆動系開発（最高賞金100万ドル）のチャレンジ１、生残性の高い装甲化車体開発（最高賞金100万ドル）のチャレンジ２、全システム開発（最高賞金200万ドル）のチャレンジ３の３段階からなり、アメリカ国民・企業・行政機関から参加者を募って2013年1月14日からチャレンジ１を開始している。出来が良ければアメリカ海兵隊のACVプログラムに採用されるかも。参考：月刊軍事研究2,’14

＜ＦＡＰ＞：フランジブル徹甲弾またはポルトガル空軍を参照。

＜ＦＡＰＣ＞：コンゴ民主共和国の反政府ゲリラ組織で、コンゴ愛国戦線の略。参考：月刊軍事研究7,’05

＜ＦＡＰＤＳ弾＞：Frangible Armor Piercing Discarding Sabotの略。榴弾の特性を持つ徹甲弾で、装甲・非装甲目標に対し、共に高い効果がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＡＰＳＩ＞：ロシア連邦政府情報通信局を参照。

＜ＦＡＲ＞：緊急展開軍（フランス陸軍）を参照。

＜ＦＡＲＡ＞：アメリカ陸軍がFVL CS1でOH-58の後継として計画している偵察／軽攻撃ヘリで、Future Attack Reconnaissance Aircraft（将来型攻撃偵察機）の略。2018年6月にRFPが発出され、10月3日に競争試作機FARACPの開発要求を出した。応募した８社のうち2019年4月23日に５社と開発契約を結んでおり、AVXエアクラフト社＋L3コミュニケーションズが有翼複合ヘリCCH（コンバウンド・コアキシャル・ヘリコプター）、ベル社がベル360インビクタス（ベル525ベース）、ボーイングがステルス複合ヘリ（メインローター６翅・テイルローター４翅＋プッシャー・プロペラ４翅）、カレム・エアクラフト＋ノースロップ・グラマン＋レイセオンがAR40有翼複合ヘリ、シコルスキーがS-97改を開発する。この中から２社を選んで2020年に原型機を発注し、2023年の原型機初飛行、2024会計年度のメーカー選定、2028年のIOC達成を目指している。エンジンはT901-GE-900の予定。500機以上を量産する予定。ただ完成する頃には生残性に問題が出る可能性があり、ALE無人機との協同運用を計画中。参考：月刊JWings9,’18、12,’18、4,’19、7,’19、1,’20、5,’20、7,’20、1,’21

＜ＦＡＲＡ８３＞：アルゼンチン陸軍突撃銃。ファブリカ・ミリタール・デ・アルマス・ポルタティレス社が開発し、FALの後継として1988年に制式採用された。作動はガス圧利用式で、セミオートとフルオートの切り替え式。閉鎖はターンボルト方式である。全長1.005m／0.765m（ストック折り畳み時）、銃身長0.491m、重量4.85kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数は30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＦＡＲＡＣＰ＞：アメリカ陸軍のFARA用競作試作機で、CPはCompetitive Prototypes（競作原型）の略。2018年10月3日にアメリカ陸軍が開発要求を出したもので、シコルスキー社製S-97レイダー、エアバス・ヘリコプターズ社製X-3、レオナルド社製AW609、ベル／ロッキード・マーチン社製V-247（V-280のスケールダウン型）が候補に挙がっている。参考：月刊JWings12,’18

＜ＦＡＲＣ＞：コロンビア革命軍を参照。

＜ＦＡＲＰ＞：Forward Air Refueling Point（前線給油基地）の略。

＜ＦＡＲＰ＞：Forward Arming and Refueling Point（前線燃料弾薬再補給点）の略。航空機の燃料・弾薬補給のために設けられる前線基地である。ヘリコプターの場合、ATPから50km前後の位置に設けられる。参考：月刊JWings2,’03、11,'20

＜ＦＡＲＳ２５０＞：アルゼンチン軍の高抵抗爆弾。BRPS250の信管を遅延型に換装したものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＡＳＧＷシリーズ＞：Future Anti-Surface Guided Weapon（将来型対地対艦誘導兵器）の略。イギリスとフランスが共同開発する空対艦ミサイルで、シースキュアを搭載できる機体なら運用可能。ブラジル海軍にも提案されている。参考：月刊軍事研究9,’14、11,’13

＜ＦＡＳＧＷ（Ｈ）／ＡＮＬ＞：Future Anti-Surface Guided Weapon（Heavy） / Anti-Navire Legerの略。コルベットを相手に出来るバージョンで、誘導は赤外線パッシブ。2012年1月に開発契約を締結して2018年1月から配備する予定だったが、フランスの資金難で契約締結が2014年1月に遅れた。参考：月刊軍事研究9,’14、11,’13

＜ＦＡＳＧＷ（Ｌ）＞：対小艦艇用のLight版。レーザー誘導のタレス社製LMMがベースで、タレス社と2013年に製造契約を結ぶ予定だったが、遅れている。その後イギリス海軍でマートレットとしてLMMの採用が決定、AW159ワイルドキャットHMA.2ヘリで運用することになった。艦載テストも行っている。参考：月刊軍事研究9,’14、月刊世界の艦船10,’19

＜Ｆ−ＡＳＭ＞：FREMMフリゲート（フランス海軍対潜型）を参照。

＜FASＴ＞：Fleet Air Superiority Training（艦隊航空優勢訓練）の略。参考：月刊航空ファン11,’19

＜ＦＡＳＴ＞：Fleet Anti-terrorism Security Team（艦隊付き対テロ保安チーム）の略。艦艇や基地で発生するテロに対処するのが主任務である。参考：月刊軍事研究6,’10

＜ＦＡＳＴＣＯＭ＞：AAI社とヴィアサット社が開発した通信結節ポッドで、Forward Airborne Secure Transmission and COMmunicationの略。RQ-7シャドー200に搭載され、主に陸軍の通信ネットワーク中継を行う。WIN-Tとの互換性を持つ。2011年のエンパイア・チャレンジ演習でテストされた。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＦＡＳＴ−Ｆｏｒｃｅ＞：ファストフォースを参照。

＜ＦＡＳＴパック＞：F-15C戦闘機用ダッシュ１コンフォーマルタンクの開発名称。FASTはFuel And Sensor Tacticalの略で、当初はセンサーも内蔵する筈だったが、センサーの方はポッド装備に変更されたので、只の増槽になった。参考：月刊軍事研究11,’15

＜ＦａＴ装置シリーズ＞：ドイツ海軍の魚雷用誘導装置で、Federapparat Torpedo（バネ装置魚雷）の略。参考：Ｕボート入門

　＜ＦａＴ�T型＞：魚雷が発射されると、100m刻みで500mまで設定された距離を直進し、１度刻みに130度までの角度で変針する。この時、魚雷の針路が目標針路と交差するよう設定しておく。すると、その後速力30ノットで最大800-1600m直進し、速度を5-7ノットに落として半径300mで180度旋回、再び800-1400m直進し、半径300mで180度ターンを繰り返すので、そのうち目標の舷側に命中する。1942年末に完成し、Ｔ�T魚雷に装着されてG7aFaT�T魚雷として使用された。参考：Ｕボート入門

　＜ＦａＴ�U型＞：対船団護衛駆逐艦用の誘導システムで、専ら艦尾発射管から発射される。発射後に一度変針した後、直径340mで左回りに旋回し続けるように設定されていた。1943年5月に採用され、Ｔ�V魚雷に装着されてＴ�VFaT�U／Ｔ�VaFaT�Uとして使用された。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦＡＶ＞：アメリカ軍の軍用バギーで、Fast Attack Vehicleの略。シュノウス・レーシング・プロダクツ社のオフロードバギーを採用したものである。車体は鋼管スペース・フレームで、エンジンをミッドシップ式に搭載している。後２輪駆動。全長4.14m、全幅2.1m、全高1.52m、車体重量950kg。エンジンは空冷ガソリン（120馬力）、最大速度135km、航続距離515km。乗員３名。武装はMk19自動擲弾発射機、M2重機関銃、TOW対戦車ミサイルなどで、ルーフのフレームに装着されたピントルマウントに装備する。陸軍特殊部隊、海軍、海兵隊に配備され、湾岸戦争でスカッド狩りに使用された。ギリシャ、メキシコ、オマーンなどでも採用されている。参考：月刊PANZER6,’00、兵器メカニズム図鑑

＜ＦＡＷ．２０＞：DH110シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｆ／Ａ−ＸＸ＞：アメリカ海軍がF/A-18E/FとEA-18Gの後継として2030年代に配備予定の第６世代戦闘機。ボーイング社の想像図では推力偏向エンジン双発の全翼型ステルス機になっている。2012年4月にRFIが発出され、F/A-18E/FとEA-18Gの任務に加えて戦術識別監視目標捕捉任務も行う事になった。2016年から研究に入り、2030年代にIOCを獲得する予定。参考：月刊軍事研究2,’17、月刊航空ファン2,’15、月刊世界の艦船9,’11

＜ＦＢ５＞：ヴィッカーズ社が開発した複葉戦闘機。胴体最前部に7.7mmルイス機関銃１丁を操作する機銃手、その後ろにパイロットが位置する。プロペラはプッシャー式で胴体後部にあり、自分の機銃で撃ち抜く恐れが無い。1914年7月17日に初飛行した。参考：月刊軍事研究6,’12

＜ＦＢ−１２＞：YF-12A戦闘機ファミリーを参照。

＜ＦＢ−２２＞：ロッキード・マーチン社の計画戦闘爆撃機。F-22戦闘機の戦闘爆撃機型で、ハード・ソフトでF-22と85%の共通性を持つ。2000ポンド級のGBU-31を２発またはGBU-28C/Bを１発搭載するため、胴体を3m延長してウェポンベイを拡大する。機体形状は無尾翼機とし、主翼には耐用重量5000ポンド（2.268トン）のウェポンベイ（2000ポンド級爆弾２発と自衛用AAM２発を積める）とAGM-158巡航ミサイル用パイロンが付く。コクピットはタンデム複座に換え、エンジンは推力偏向ノズル無しのF-135またはF-136に換装する。最大速度マッハ1.92。ペイロードはステルス任務で6.8トン、非ステルスで13.6トン。燃料搭載量は18トンで、経済巡航での作戦行動半径は3370kmに達し、超音速巡航で185km飛んでも2740kmになる。アメリカ空軍が2004年にRFIを発出した暫定爆撃機（B-52/B-1爆撃機暫定後継機）に提案し、2015年にIOCを獲得して50-150機を装備する予定だったが、ペイロードや航続性能がB-52/B-1爆撃機の後継を担うには少なすぎるとして取り消された。参考：月刊JWings7,'22、月刊軍事研究6,’07、6,’05、2,’05、6,’12、月刊丸5,’07

＜ＦＢ−１１１＞：F-111戦闘爆撃機ファミリーを参照。

＜ＦＢＡＸ＞：イギリス軍の６×４輪３トントラック。サスペンションはリーフスプリング式。全長6.426m、全幅2.286m、全高3.149m、重量5.486トン。エンジン出力76馬力。ガイ社製。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＦＢＣ−１シリーズ＞：中国のAVIC�Tが開発した全天候戦闘爆撃機。殲轟７（JH-7）の輸出型である。参考：月刊JWings5,’04

　＜ＦＢＣ−１＞：殲轟７の輸出型、フライング・レオパルド。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＦＢＣ−１Ｍ＞：殲轟7Aの輸出型で、別名フライング・レオパルド�U。北京のアビエーション・エクスポ・チャイナ2003に出展された。計器板に多機能ディスプレイを追加するなどコクピット・システムを改良し、機外ストア・パイロンを２基追加して９基としており、更に11基まで増やす予定。ペイロードは９トンに増加し、YJシリーズ空対艦ミサイル、KAB500レーザー誘導爆弾、Kh31P対レーダーミサイルなどを搭載できる。エンジンは国産のWS9ターボファン。参考：月刊軍事研究1,’04、11,’05、月刊JWings12,’03、9,’12

＜ＦＢＣＢ−２シリーズ＞：アメリカ陸軍戦術インターネットを構成するシステムの１つで、Force �]�]�T Battle Command Brigade and Below（旅団・配下部隊用フォース21戦闘指揮システム）の略。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＦＢＣＢ２＞：中隊以下に配備されるM-1A2SEP、M-1A1D、M-2A3、指揮車両、LRAS3偵察車、ストライカーなどに搭載された戦場インターネット端末で、戦闘時の部隊間交信、補給品配送請求、補給品在庫・輸送位置確認などに用いられ、旅団司令部から各兵士・兵器レベルにまで戦術情報を提供する。コンピュータはTRW社製で、車両用のV3と人員携帯用のV4が開発されている。FBCB2と戦術インターネットとの接続・データ交換には単チャンネル空地両用無線システムSINCGARS（Single Channel Ground Airborne Radio System）、能力向上型方向・位置報告システムEPLRS（Enhanced Position Location Reporting System）、車両間情報交換システムIVIS（Inter-Vehicular Information System）などを用いる。また、機動統制システムMCSに接続して戦場情報を入手し、戦場の共通戦術画像を指揮官に提供することができる。自車位置はDAGR（防衛用高性能GPS受信機）で測定してネットワークに流す。EPLRSにはFM無線機を使用しているため、送信範囲が25-30km程度に限られる。コンピュータの処理能力も遅く、大部隊が移動中にリアルタイム表示機能を使用すると、フリーズしてしまうこともあるらしい。参考：月刊軍事研究4,’03、8,’03、10,’04、9,’05、8,’16

＜ＦＢＣＢ２−ＢＦＴ＞：BFTはBlue Force Tracking（友軍追跡）の略。EPLRSの送信に衛星無線機を使用するもので、距離に制限が無い。５分間隔または800m移動ごとに自己位置が報告される。ただ無線機が送受信を同時に行うことができず（半二重双方向通信）、位置情報もアメリカ本土のコンピュータにいちいち送って処理する必要があるため、位置の更新に分単位の時間を要するという欠点がある。参考：月刊軍事研究10,’04、8,’11、10,’11

＜ＦＢＣＢ２−ＢＦＴ２＞：BFTの無線機を全二重双方向通信として送受信を同時に行うようにし、位置情報の処理を現場で行えるようにするタイプ。参考：月刊軍事研究8,’11、10,’11

＜ＦＢＣリギング・データ入力器材＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＦＢＩ＞：アメリカ司法省の捜査機関。1936年8月、国家転覆などを画策する者に対する情報収集を大統領から要求されたため、議会などへの報告無しに情報を収集できるセクションを設立した。1940年頃には活動範囲をラテンアメリカを含むアメリカ大陸全体に広げている。2008年6月末現在、職員は30847人で、そのうち特別捜査官は12737人、テロ対策部門要員は5000人以上とされる。アメリカ国内に支部56ヵ所と連絡事務所400ヵ所、海外に支局60カ所を持つ。参考：月刊軍事研究11,’08、10,’09

＜ＦＢＬ＞：フライ・バイ・ライトを参照。

＜ＦＢＭ＞：Fleet Ballistic Missile submarine（艦隊型弾道ミサイル潜水艦）の略。参考：現代の潜水艦

＜ＦＢＳ＞：前進基地システム（Forward Base System）の略。

＜ＦＢＷ＞：戦闘爆撃航空団（Fighter Bombardment Wing）の略。

＜ＦＢＷ＞：フライ・バイ・ワイヤを参照。

＜ＦＢＷ−５ｎ＞：自衛隊の屋外IP無線システム。災害時の臨時回線構築のために用いられる器材で、小型軽量であり、被災地にヘリなどで簡単に運び込んで無線回線を構築し、被災地域で活動する部隊と基地や駐屯地との通信を確保する。普段の訓練や演習で映像やデータを送ったりする際にも使用可能。無線機本体は大きさ260mm×240mm×105mm、重量3.3kg。周波数コンバーターは大きさ360mm×240mm×120mm、重量7kg。アンテナは大きさ155mm×155mm×28mm、重量0.25kg。富士通ネットワークソリューションズが2014年から納入した。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ＦＢＸＲＴ＞：AN/TPY-2（レーダー）を参照。

＜ＦＢＸ−Ｔ＞：AN/TPY-2（レーダー）を参照。

＜ＦＢ器＞：日本陸軍の湿地車第２号車。湿地車第１号車SB器の反省を活かして車体重量を軽くし、履帯を鉄製からゴム浮のう式に換装して湿地に沈み込まないようにした。水上航行時には車体後部のプロペラを降ろし、車体前面に波切り板、側後面に波避け板を付ける。車体には貨物を搭載せず、兵員を搭載したソリを2-5両か、スキー状の牽引台に野砲２門を載せて牽引できる。全長6.9m、全幅2.8m、全高2.2m、自重4.5トン。エンジンはガソリン、出力100馬力（30-40馬力？）、最大速度24-30km（陸上）／5-15km（湿地）／8.5km（水上）。雪上でも有効で、最大速度18.4kmを出せる。値段は昭和17年度で81500円。三菱重工業東京機器製作所が開発し、昭和19年まで（昭和18-20年？）に三菱重工業で146両が生産されたが、履帯状浮のうに耐久力や耐弾性が無いという欠点があり、実戦投入はされていない。参考：月刊PANZER8,’01、機甲入門、歴史群像6,’01、工兵入門、日本戦車隊戦史

＜ＦＣ＞：Mk3シリーズ（射撃指揮レーダー）を参照。

＜ＦＣ１＞：JF-17シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＦＣ−２＞：自衛隊の信管。リコーエレメックス製。参考：月刊軍事研究7,’12

＜ＦＣ２０シリーズ＞：イタリア軍の試作偵察爆撃機で、CANSA社（途中でフィアット社に吸収）が開発した。いくつかのバリエーションがあるが、いずれも採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＦＣ２０＞：1941年に完成した偵察爆撃機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＦＣ２０ｂｉｓ＞：武装を強化した対地攻撃機型。全長12.18m、全幅16m、全備重量6750kg。エンジンはフィアットA74RC38（840馬力）双発、最大速度470km、実用上昇限度7900m、航続距離1300km。武装は37mm機関砲１門、12.7mm機銃４丁。爆弾350kgを搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＦＣ２０ｔｅｒ＞：エンジン改良型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＦＣ２０ｑｕａｔｅｒ＞：DB601エンジンと37mm砲を搭載したタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＣ−３１＞：殲撃31（戦闘機）を参照。

＜ＦＣ１０１＞：ランドローバー野外機動車両ファミリーを参照。

＜ＦＣＡＡＭ＞：ドイツのディール・ディフェンス社が開発している空対空ミサイルで、Future Combat Air-to-Air Missileの略。弾体はステルス性を有し、推進装置に推力偏向機構を備える。シーカーはマルチスペクトル・モード式で、母機へのアップリンク機能や人工知能アルゴリズムを有する。ユーロサトリ2022にコンセプトモデルを出展した。参考：月刊JWings9,’22

＜ＦＣＡＳ＞：テンペスト（戦闘機システム）を参照。

＜ＦＣＡＳ＞：フランスとイギリスがラファール／タイフーンの後継として開発を予定している航空機で、将来戦闘航空システムの略。2014年11月5日にBAEシステムズ社、セレックス社、ロールスロイス社、ダッソー社、タレス社、サフラン社に対して調査契約を結んだ。まず任務コンセプトの策定から開始し、2016年にデモンストレーターを作り、2030年から実戦配備する予定。2020年2月20日にパリで開催されたフランス・ドイツ・スペイン防衛閣僚会合で、技術実証機製造の覚書が交わされた。技術実証機の初飛行は2026年、実戦配備は2040年までに行うとしている。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊JWings9,’19、5,’20

＜ＦＣＡＳ＞：フランス、ドイツ、スペインがラファール／タイフーンの後継として共同開発予定の戦闘機システムで、Future Combat Air System（将来戦闘航空システム）の略。フランス語略ではSCAF（Système de Combat Aérien Futur）である。有人戦闘機NGFに加え、共同作戦を行うリモートキャリアUAVや、その制御に必要なデータリンクや、コンバットクラウド戦闘システムなども開発するので、システムが付いている。2017年7月13日にフランスとドイツが共同開発で合意し、2019年2月6日に両国とダッソー社・エアバス社が研究契約を締結、2月20日から２年間の研究に入った。メイン設計担当はエアバス社である。同日（2月6日）にはNGFのエンジンをサフラン（全体設計担当）とMTU（サービス業務及び圧縮機担当）で共同開発することが決まった。エンジン制御システムはAES（Aerospace Enbedded Solutions。サフランとMTUが対等出資）が開発する。2月14日、NATO国防相会議でスペイン国防相が計画参加覚書に署名し、6月にスペインが開発に正式参加した。6月のパリ航空ショーで有人戦闘機NGFとリモートキャリアUAVのコンセプトモデルが展示された。データリンクはエアボーン・コンパクト・ネットワーキング・データリンクやリンク16を使って実証実験を行っている。A400Mから空中発進し、A330MRTTで通信中継する運用法も検討中。参考：月刊JWings11,'20、4,’19、5,’19、9,’19、2,’20、10,'20、月刊航空ファン5,’19、9,’19

＜ＦＣＡＳ　ＤＰ＞：イギリスとフランスが研究しているUCAVで、Future Combat Air System Demonstration Program（将来戦闘航空システム実証計画）の略。2014年に両国が共同研究の覚え書きを交わしており、BAEシステムズ社、ロールスロイス社、ダッソー社、スネクマ社、タレス社、フィンメカニカ社が参加している。2025年に作戦実証機を完成させる予定。参考：月刊軍事研究5,’15、7,’16

＜ＦＣ／ＡＳＷ＞：イギリス軍がSPEARの後継として計画している長射程空対艦ミサイルFuture Cruise / Anti-Ship Weapon（将来巡航対艦兵器）。2022年2月8日、イギリスとフランスが計画推進で合意し、MBDA社と開発推進契約を締結した。フランス名称はFMAN/FMC（Futur Missile Antinavire / Futur Missile de Croisière）で、SCALPとエグゾセの後継である。イギリスでは計画中止が決まったI-SSGW（ハープーン・ブロック�TＣ後継）の代替となる艦対艦ミサイルとしても配備予定だが、完成は2028年になるので、2023年予定のハープーン退役後に何を使うのかは不明。2023年6月、イタリアが計画に加わった。参考：月刊世界の艦船12,’17、5,’22、9,’23

＜ＦＣＢＩＳＡ＞：イギリス陸軍の火力調整システムで、火力統制戦場情報システムアプリケーションの略。参考：月刊軍事研究2,’19

　＜ＦＣＢＩＳＡバージョン４．０＞：連絡将校による他兵科部隊との火力調整を自動化する。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＦＣＣ＞：艦隊指揮センターを参照。

＜ＦＣＣＶＰ＞：アメリカ陸軍の戦闘車両コンセプトで、将来近接戦闘車両計画の略。21世紀の戦闘車両として1980年代前半に考案したものである。車体、シャシー、転輪、機関室（車体前部）、重装甲乗員区画（機関室後方）は全て共通で、機能ポッドと呼ばれる部分だけを付け替えて戦闘戦車、駆逐戦車、歩兵戦闘車、指揮車、自走対空車などとして使用する。参考：ザ・マーチ23号

＜Ｆ−ＣＫ−１＞：経国（戦闘機）を参照。

＜ＦＣＬＡＳ＞：アメリカ陸軍が開発中の車両用アクティブ防御システムで、Full Spectrum Active Protection Close-in Layered Shieldの略。車両の側面から迎撃弾を発射し、破片により対戦車ロケットなどを叩き落とす。重量408kg。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＦＣＬＰ＞：アメリカ海軍の訓練で、Field Carrier Landing Practice（陸上空母発着艦訓練）の略。タッチアンドゴーを繰り返すので、バウンス（Bounce）と通称される。空母着艦資格（CQ）取得訓練を受けるための完熟訓練として陸上基地で行う空母発着艦訓練である。時間帯は昼から明け方近くまでで、特に困難な夜間着艦に重点が置かれる。艦上機パイロットはFCLPを終了してから10日以内にCQを取得し、空母に乗り込んで出撃していく。アメリカ海兵隊AV-8B・F-35Bパイロットが強襲揚陸艦での着艦資格（CQ）を取得する際も、この訓練が必要である。機体故障時に引き返すことなどを考え、ホームベースから185km以内の飛行場で実施することが規定されているが、日本に前方配備されている空母航空団は騒音問題で厚木基地が使いにくくなった（滑走路周回高度460m以上、時間帯2200まで、同時周回機数２機までという制限があり実践的で無い）ため、三沢、横田、岩国でのFCLPも引っくるめて1991年から硫黄島基地（厚木基地から1200km）に場所を移し例外的にFCLPを行っている。また、FCLPの期間もアメリカ本土では各飛行隊10日間くらいだが、日本では３日間くらいである。悪天候などでCQが行えずにいるうちに最初にFCLPを実施したグループが10日以上経過してしまうことがあり、この場合は厚木基地で再度FCLPを行う必要が出るため、E-2CやC-2といった騒音が小さめの機種が最初に硫黄島基地でのFCLPに入る。参考：月刊JWings8,’14、6,’08、月刊航空ファン7,’99、8,’15、3,’20

　＜ＦＣＬＰ（Ｆ／Ａ−１８）＞：空母飛行甲板に見立てたコア・エリア（Core Area）と呼ばれる部分を陸上滑走路とその周辺に設定する。まず訓練機は高度800フィート（244m）を風下から風上に向かい滑走路の右500フィート（152m）以内を飛ぶ。ある程度滑走路に沿って飛んだら左旋回し、降着装置とフラップをフルダウンにして速度を250ノットに落とす。180度旋回を終了したら対地高度183mを維持して滑走路から１海里くらい離れたところ（ダウンウインド・レグ）を滑走路と平行に飛び、チェックリスト確認などを行う。コア・エリア風下端付近の真横に来たら管制塔またはLSOに「アビーム（真横）」とコールし、バンク角27-30度、降下率毎分200-300フィート（61-91m）で左旋回に入る（旋回に入る地点を180度ポジションと称する）。45度旋回して135度ポジションになったら高度525フィート（160m）、90度ポジションでは高度440フィート（134m）、45度ポジションでは高度325-375フィート（99-114m）になるよう調整。最後のアプローチターン（着陸進入旋回）で滑走路とFLOLSに正対し、灯火を視認したら「機体のニックネーム＋ボール（F/A-18E/Fの場合は機体のニックネームを省いてライノボール）」とコールする。滑走路端から0.75海里のところで訓練機は高度300フィート（91m）をとり、FLOLSを見ながら降下すれば、滑走路のLighted Carrier Landing Box（投下照明空母着艦ボックス。空母のアレスティングワイヤが設置されている位置に相当する場所）に着陸できる。実際にはアレスティングワイヤが無いので、訓練機はそのままタッチアンドゴーで離陸、高度600フィート（183m）まで上昇し、30度バンクでダウンウインド・レグに戻る。これを10回くらい繰り返すのが１ピリオドで、１回のFCLPでは個人のスキルに合わせて昼間2-4ピリオド、夜間2-4ピリオドの訓練が行われる。参考：航空ファン9,’11、8,’15

＜ＦＣＭ３６＞：フランス陸軍の歩兵支援用軽戦車で、制式名称はChar leger Modele 1936 Forges et Chantiers de la Mediterranee。1934年6月の陸軍総司令部要求に基づいてFCM社が開発した。砲塔には37mm砲１門と機銃１丁を装備する。最大装甲厚40mm。エンジンはディーゼル。値段が高く、100両のみの生産となった。1940年5月、２個大隊に配備されてセダン近郊に配置された。参考：歴史群像6,’10、ジャーマンタンクス

＜ＦＣＭ３６戦車海外ファミリー＞

　＜７．５ｃｍ　ＰａＫ４０搭載ＦＣＭ（ｆ）自走砲＞：ドイツ陸軍の対戦車自走砲。鹵獲したFCM戦車を改造したもので、車体上に大きな戦闘室を設け、7.5cmPaK40対戦車砲を搭載している。全長4.77m、全幅2.1m、全高2.23m、重量12.8トン。照準器はZF3×8。装甲厚は車体前面下部40mm20度、上部20mm10度、側面下部40mm０度または20度、後面下部40mm、上部20mm65度、底面12mm90度、上面20mm90度、戦闘室前面20mm10度、側面20mm25度、後面10mm、上面オープン、防楯20mm10度。エンジンはMDPディーゼル（83馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速、最大速度24km、航続距離225km。無線機はFuG Spr d。乗員４名。基のFCM戦車自体100両しか生産されていないが、1943年に48両（エンジンがディーゼルなので改造が難しく、10両のみという説もある）が改造され、フランスの部隊に配備された。参考：ジャーマンタンクス、異形戦車ものしり大百科

　＜１０．５ｃｍ　ｌｅＦＨ１６搭載ＦＣＭ自走榴弾砲＞：ドイツ陸軍の自走榴弾砲。1942年にアルフレッド・ベッカーに対して12両の改造命令が出た。砲塔を外して旧式の10.5cm榴弾砲leFH16を搭載し、厚さ20mmの装甲板で覆っている。照準器はRblf36に換装された。それ以外の諸元はほぼ7.5cmPaK搭載型と同じ。フランス駐留部隊に配備された。参考：世界の軍用車両（１）、月刊グランドパワー7,’03

＜ＦＣＭ社＞：フランスの造船会社で、Forges et Chantiers de la Mediterranee（メディテラネ鉄工造船所）の略。参考：歴史群像6,’10

＜ＦＣＳ＞：射撃統制装置を参照。

＜ＦＣＳ＞：アメリカ陸軍急速展開旅団戦闘団が配備する予定だった装甲戦闘車両ファミリーで、Future Combat System（将来戦闘システム）の略。エリック・シンセキ陸軍参謀総長の命により1999年にコンセプトの検討が始まり、2003年から本格的に開発された。完全装備の１個旅団を96時間以内、１個師団を120時間以内、５個師団を30日以内に地球の何処にでも輸送できるというのがコンセプトである。装軌式有人車両MGVとして120mm砲搭載軽量戦車MCS（XM1202）、155mm自走榴弾砲NLOS-C（XM1203）、自走迫撃砲NLOS-M（XM1204）、長距離ミサイルNLOS-LS（XM501）、偵察車XM1201、野戦回収整備車両XM1205、歩兵戦闘車XM1206、救急車両XM1207/1208、指揮車両XM1209を共通化車体から製作し、C-130で１両、C-17で２両を運搬できるようにする。また、無人機（XM156、MQ-8B）や無人車両（SUGV、MULE）、知能化弾薬システム、AN/GSR-9/-10散布型陸上センサー（U-UGS、Tactical and Urban Unattended Ground Sensors）も開発し、兵士と共にNCWに投入する。最初の旅団戦闘団は2015年に発足予定で、開発にかなりの時間を要するため、間は暫定型旅団戦闘団（後のストライカー旅団）で繋ぎ、2020年には48個旅団戦闘団中22個をFCS装備急速展開旅団戦闘団（残りは重旅団戦闘団９個、歩兵旅団戦闘団９個、ストライカー旅団戦闘団８個）にする予定だった。総経費が１兆4000億ドル以上と巨額になることから2009年4月に計画中止となり、MGVの代わりにGCVが開発されることとなった。参考：月刊丸10,’10、月刊PANZER9,’10、月刊軍事研究10,’10、2,’11、6,’16、8,’16

＜ＦＣＳ０型＞：68式射撃指揮装置を参照。

＜ＦＣＳ１型Ａ＞：72式射撃指揮装置１型Ａを参照。

＜ＦＣＳ１型Ｂ＞：72式射撃指揮装置１型Ｂを参照。

＜ＦＣＳ２型シリーズ＞：海上自衛隊の艦船用射撃指揮装置で、別名81式射撃指揮装置２型。エイラート撃沈が開発のきっかけで、小型高速目標からの個艦防御と砲・ミサイルの指揮管制制御を主任務として1970年から設計された。開発名称は小型射撃指揮装置で、トラック・ワイル・スキャン能力を持つ警戒レーダーにより対艦ミサイルなどの低高度飛翔小型高速目標を探知捕捉、脅威度の高いものを追尾レーダーで追尾し、艦対空ミサイル、艦砲、機関砲を全て管制でき、飽和攻撃に対抗する同時多目標射撃能力を持つというのが目標であり、射撃指揮装置をデジタル化し、レーダー方位盤は無人化した。ミサイル艇クラスの小型艦にも搭載できるくらいの規模にする予定だったが、結局護衛艦専用となっている。1973年度末に試作型が完成したが、重量オーバーでレーダーアンテナ俯仰旋回機構の負荷が大きく追尾精度に問題があり、また予算も厳しかったため、陸上試験を１年延長して２年間実施し、1975年10月にDD-118むらくもに搭載して海上試験に入った。1975年度にはミサイル制御機能を付加する研究も行われ、こちらの機能確認試験は不要で量産化できると判断されている。海上試験の結果、レーダー送信部電子管絶縁不良と増幅管動作不良が判明し、解決に半年かかった上、シークラッター除去という未経験の課題に１から取り組む必要性も生じ、ECCM機能の追加や軽量化なども要求され、これらの対応に加えて試験実績から要求性能自体を変更するという大胆な対策を施して1978年度にDD-118むらくもでのテストを再開している。ただ射撃精度と弾着観測精度が悪いというFCSの根幹に関わる問題の解決に手間取り、実用実験隊司令をトップとする技本／海自グループとメーカーの専門家グループが共同で必死の改修を行ったが、しらね型への装備は断念せざるを得なくなった。1978年8月から対空射撃テストに入り、１日で護衛艦１年分の76mm砲弾を射撃するなど徹底した試験を行い、10月に成功の評価を獲得、1979年3月3日にFCS2型／81式射撃指揮装置として制式化された。参考：月刊世界の艦船10,’14、丸スペシャルNo.75、艦船メカニズム図鑑

　＜ＦＣＳ２型１２シリーズ＞：別名81式射撃指揮装置２型12。RIM-7Fシースパロー艦対空ミサイルと艦砲の両方を管制できるもの。レーダー方位盤はロール・ピッチの二軸で安定化した架台の下に追尾レーダー、上に警戒レーダーを重ねたもので、使用周波数Ｘバンド、毎分60回転して全周を捜索する。レーダー方位盤は短い円筒の上に半球が乗ったような形の白いFRP製レドームで覆い、防水・防塩・耐風能力を持たせた。警戒レーダーはトラック・ワイル・スキャン能力を持ち、探知した目標をコンピュータに送って脅威度を判定、直ちに追尾レーダーで追尾することができ、高速目標への対応能力が高い。シークラッターを除去するため、一定速度以上の目標から跳ね返ってくるレーダー波のみを処理する移動目標指示MTI（Moving Target Indicator）回路を持つ。レーダー方位盤故障時のバックアップとして１名操作の光学照準器をレドーム外に備える。コンピュータはデジタル式で、時分割処理方式を採用しており、弾道の違う複数の兵装を１基で管制できる。コンソールは１基で射撃管制盤、測的盤、計算機の機能を兼ね備える。技術力の限界から、WM-25に比べ大型大重量になってしまい、完全国産とはいかず一部に外国製品を使用した。誘導武器教育訓練隊向け１基含め各型計25基が生産された。参考：月刊世界の艦船10,’14、1,’95、1,'15増刊、3,'22、丸スペシャルNo.75、艦船メカニズム図鑑、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＦＣＳ２型１２＞：はつゆき型DD-122とDD-123に搭載された。参考：月刊世界の艦船10,’14、1,’95、1,'15増刊、3,'22、丸スペシャルNo.75、艦船メカニズム図鑑、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＦＣＳ２型１２Ａ＞：はつゆき型DD124-130に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ＦＣＳ２型１２Ｂ＞：

＜ＦＣＳ２型１２Ｃ＞：はつゆき型DD131-133に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ＦＣＳ２型１２Ｄ＞：

＜ＦＣＳ２型１２Ｅ＞：あさぎり型DD151-154に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ＦＣＳ２型１２Ｆ＞：

＜ＦＣＳ２型１２Ｇ＞：あさぎり型DD155-158に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ＦＣＳ２型２１シリーズ＞：81式射撃指揮装置２型21ともいう。艦砲管制用で、FCS２型12からレドームと警戒レーダーを抜いたものであり、左に光学照準装置が付いたＸバンド追尾レーダー用ディッシュ型アンテナを剥き出しで搭載している。レーダービームは電子的に安定化する。あさぎり型護衛艦の後期型から装備された。はつゆき型では、光学照準装置を下に離して設置している。第１術科学校向け１基含め各型計43基が生産された。参考：丸スペシャルNo.75、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船1,’95、3,'22、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＦＣＳ２型２１Ａ＞：81式射撃指揮装置２型21A。76mm艦砲管制用で、追尾レーダーはツイスト・カセグレン型アンテナを使用する。参考：丸スペシャルNo.75、月刊世界の艦船3,’22

＜ＦＣＳ２型２１Ｂ＞：81式射撃指揮装置２型21B。127mm艦砲管制用で、追尾レーダーは電子走査型アンテナを使用する。参考：丸スペシャルNo.75、月刊世界の艦船3,’22

＜ＦＣＳ２型２１Ｃ＞：

＜ＦＣＳ２型２１Ｄ＞：

＜ＦＣＳ２型２１Ｅ＞：

＜ＦＣＳ２型２１Ｇ＞

＜ＦＣＳ２型２１Ｈ＞

＜ＦＣＳ２型２２＞：81式射撃指揮装置２型22。５インチ（127mm）砲用で、はたかぜ型に搭載されている。使用周波数Ｘバンド。参考：月刊丸1,’10別冊

＜ＦＣＳ２型２２Ａ＞：あさぎり型DD151-157に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ＦＣＳ２型２２Ｂ＞：

＜ＦＣＳ２型２２Ｃ＞：

＜ＦＣＳ２型２２Ｄ＞：

＜ＦＣＳ２型２２Ｅ＞：

＜ＦＣＳ２型２２Ｅ＞：

＜ＦＣＳ２型２２Ｆ＞：

＜ＦＣＳ２型２２Ｇ＞：

＜ＦＣＳ２型２３＞：127mm/76mm艦砲管制用で、ディッシュ型アンテナを使用する。使用周波数Ｘバンド。あさぎり型DD-158に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’95、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＦＣＳ２型３１＞：127mm/76mm艦砲、RIM-7Mシースパローを管制できる。アンテナは円形ディッシュ型、使用周波数Ｘバンド。各型計34基が生産され、たかなみ型護衛艦、むらさめ型護衛艦、はやぶさ型ミサイル艇に搭載された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船3,’10、1,'15増刊、3,'22、月刊丸1,’10別冊

＜ＦＣＳ２型３１−１＞：

＜ＦＣＳ２型３１Ａ−１＞：

＜ＦＣＳ２型３１Ｂ＞：

＜ＦＣＳ２型３１Ｃ＞：はやぶさ型ミサイル艇向け。参考：月刊世界の艦船3,’22

＜ＦＣＳ２型３１Ｄ＞：

＜ＦＣＳ２型３１Ｅ＞：はやぶさ型ミサイル艇向け。参考：月刊世界の艦船3,’22

＜ＦＣＳ２型３１Ｆ＞：

＜ＦＣＳ−３シリーズ＞：海上自衛隊の艦載射撃指揮装置。アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー方式で、性能を柔軟に変更可能であり、あきづき型では僚艦防空、ひゅうが型やあさひ型では個艦防空、いずも型では対空捜索・航空管制と、各種任務に対応している。参考：月刊軍事研究12,’03、月刊世界の艦船12,’18

＜ＦＣＳ−３＞：アンテナ素子の研究は1969年に始まり、1986年からシステムの研究試作を行った。短距離艦対空ミサイルを使用したポイント・ディフェンスにはリアクションタイムの短縮が欠かせないため、捜索・追尾を統合した多機能レーダーを中心として開発が進められている。当初は丁度この頃に就役したタイコンデロガ級イージス艦用AN/SPY-1Aと同様のパッシブ・フェイズド・アレイ・レーダーを使用する予定だったが、大電力送信用導波管を大量に輸入せねばならないので、機能などの面でも優れたアクティブ式を開発することにした。使用周波数は中距離までカバーできるＣバンド（4-8GHz）を選択している。まずアンテナ300個を使用した試作型が出来上がり、世界初の実用アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーが完成、1988年度に御前崎の陸上で実験したところ、近くの海上を飛行する複数目標の同時探知追尾に成功した。1990年からは艦載用に改良が始まり、直径1.5mのアンテナ・ブロックに1600個のアンテナ及び送受信モジュールを埋め込んで1994年からASE-6102あすかに搭載して試験が行われた。1998年までの試験で、超低空を高速で飛行する標的を探知追尾したり、マッハ２で飛翔する127mm砲弾クラスの目標（TRAP試験標的）を電子妨害環境下で発射から弾着まで完全探知したりするなど、予想を上回る優れた性能を示した。長期航海も考慮し、全体の10%のアンテナ素子が故障してもシステムに影響が出ないようになっており、４年間の試験中の故障率は想定よりも一桁低く、運用には全く影響が無かったという。2000年に00式射撃指揮装置として制式化された。しかしペアを組む筈のAHRIMが開発中止になってしまい、護衛艦への装備はひゅうが型が初となり、実用艦載アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー・システムとしてはAPARよりもかなり遅れてしまった。参考：月刊軍事研究12,’03、8,’06、9,’14、月刊世界の艦船3,’10、8,’12

＜ＦＣＳ−３（あさひ型）＞：OPY-1を参照。

＜ＦＣＳ−３（いずも型）＞：OPS-50シリーズを参照。

＜ＦＣＳ−３（ひゅうが型）＞：ひゅうが型に搭載されたもので、制式名称は短SAMシステム３型。FCS-3に艦対空ミサイル管制機能、航空管制能力、遠距離目標対処能力などを加えた実用型で、AHRIMが開発中止になったためイルミネーター・レーダーを追加してESSMを管制できるようにしてあり、比較的遠距離での防空戦闘が可能である。砒化ガリウム半導体構成のアクティブ方式で、信号処理コンピュータはFCS-3より処理速度が２桁も速く、300目標を探知・追尾できるという。４面固定型アンテナ２組で全周をカバーしており、大きい方の１組（アンテナ直径1.5m）はＣバンド目標捜索探知追尾／ヘリコプター管制用で、小さい方の１組は誘導周波数ＸバンドのESSM用間欠連続波照射イルミネーターである。ちなみに前者のアンテナのうち３枚はASE-6102あすかからの流用で、砒化ガリウム半導体アンテナ素子の３分の１を新調して経費を節減しつつ性能を向上させた。後者はタレス・ネーデルランド社製ICWI（APARの一部）で、多目標同時対処が可能である。参考：月刊軍事研究12,’03、8,’06、9,’14、月刊世界の艦船6,’09、3,’10、5,’17、9,'21、月刊丸1,’10別冊、JShips Vol.48

＜ＦＣＳ−３（もがみ型）＞：OPY-2を参照。

＜ＦＣＳ−３Ａ＞：あきづき型に搭載されたもので、短SAMシステム３型Ａともいう。ひゅうが型用の改良型で、窒化ガリウム半導体を使用して出力を３倍以上に向上させ、ペンシル・ビーム走査方式や信号処理にも改良を加え、目標探知追尾能力（ひゅうが型用FCS-3の1.7倍）やクラッター除去能力を強化、比較的射程の長いESSMによる僚艦防空に対応している。大型アンテナが対空・対水上捜索用Ｃバンドレーダー、小型アンテナが火器管制用Ｘバンドレーダーである。ESSMに加えてMk45Mod4単装砲の管制も可能で、主砲専用のレーダー方位盤が要らなくなった。サブシステムを形成しており、CDSが使用不能になっても、独立してESSMや艦砲を運用できる。三菱電機製。参考：JShips Vol.48、月刊世界の艦船9,'21、3,’10、1,’14、1,’11、8,’12、月刊軍事研究5,’11

＜ＦＣＳ１２＞：エイムポイント社が開発した火器管制照準器で、FCSはFire Control Systemの略。倍率１倍の光学照準器、レーザー測距器、弾道コンピュータを組み合わせており、50種類の弾道を記録することが可能で、てき弾発射機から携行対戦車ロケットに携行無反動砲まで各種兵器に適合する。夜間暗視装置を追加することも可能。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ＦＣネットワーク＞：防衛装備庁が平成31年度概算要求で研究費を計上したネットワーク・システムで、FCはFire Controlの略であり、通称J-CEC（国産共同交戦能力）。新艦対空誘導弾（03式中SAM改ベース）による水平線以遠迎撃を可能とするためのシステムで、航空機や艦船を大容量高速データリンクで結び、発射艦以外のセンサーで探知追尾した目標を撃墜する（エンゲージ・オン・リモート）という、CECやNIFC-CAの海自版である。2024年度にテストを終える予定。参考：月刊世界の艦船1,’20、11,’18、1,’21

＜ＦＤ−１＞： アメリカ海軍ジェット艦上戦闘機、別名ファントム。アメリカ海軍初のジェット戦闘機で、1943年に要求が出され、マクダネル社（1939年に設立されたばかりで太平洋戦争中も量産機が無く暇だった）が開発した。主翼は直線翼で、折り畳み機構を持ち、付け根にエンジンが付く。降着装置は前輪式で、着艦時の視界が良い。全長11.81m、全幅12.42m、全高4.32m、自重3.03トン、全備重量5.46トン。エンジンはJ30-WE-20軸流式ターボジェット（推力0.725トン）双発、最大速度716km、航続距離1120km。武装は機首の12.7mm機銃４丁。1945年1月26日に初飛行したが、この時はエンジンが間に合わず、取り敢えず１基だけ積んで片発状態で飛んでいる。量産機100機が発注されたが、エンジン推力低値とエンジントラブルに苛まれ、初の発着艦試験は戦後の1946年7月21日にずれこみ（２号機がCVB-42フランクリン・Ｄ・ルーズベルトで実施）、実戦機30機と訓練・実験機30機で生産が打ち切られた。1947年8月にFH-1と改称されている。1949年に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’21、10,'22、月刊JWings6,’03、3,'21、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＦＤ−２＞：十八試空六号無線電信機を参照。

＜ＦＤ−５０−１＞：フォークリフト５トンを参照。

＜ＦＤ−６０＞：PL-11（空対空ミサイル）を参照。

＜ＦＤ２０００＞：中国が開発した地対空ミサイル。S-300シリーズがベースで、外観はS-300PMUに似ているが、ミサイル本体は小型軽量化されているらしい。参考：月刊軍事研究4,’00

＜ＦＤＢ−１＞：カナダの複葉軍用機で、カナディアン・カー＆ファウンダリー社が開発した。同社がライセンス権を持っていたグラマン製FF-1を空力学的に洗練したものである。全長6.64m、全幅8.48m、全備重量1845kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製ツインワスプジュニア（750馬力）単発、最大速度440km、実用上昇限度9000m。固定武装は12.7mm機銃１丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＤＣ＞：火力指揮所（Fire Direction Center）の略。

＜ＦＤＣ＞：アメリカ海軍用語で、Flight Deck Certificationの略。空母が艦上での航空機運用に問題が無いことを確認する試験である。精密着艦進入誘導装置PALSに関しては、モード�T／�Uで１日目に50回、２日目昼に70回、夜に40回の発着艦を行う。参考：月刊世界の艦船8,’21

＜ＦＤＩ　ＨＮ＞：アミラル・ロナルク級フリゲート海外シリーズを参照。

＜ＦＤＩ型＞：アミラル・ロナルク級（フリゲート）を参照。

＜ＦＤＮＦ＞：Forward Deployment Naval Forces（前方展開海軍部隊）の略。参考：月刊航空ファン8,’17、月刊軍事研究12,’15

＜ＦＤＯ＞：Flight Duty Officer（飛行当直士官）の略。参考：月刊JWings10,'23、8,’23

＜ＦＤＯ＞：柔軟抑止オプション。在韓米軍の戦域における戦力増強の１つで、軍事、政治、経済、外交的手段による戦争抑止政策のこと。偵察・監視能力強化などにより北朝鮮に圧力を加え、緊張を抑止する政策である。参考：月刊軍事研究11,’03

＜ＦＤＲ＞：フライト・データ・レコーダーを参照。

＜ＦＤＲベンチ・テスタ＞：自衛隊の機器。関東航空計器製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜ＦＤＳ＞：南アフリカ陸軍迫撃砲小隊用情報通信システムで、Fire-Direction System（火力探知システム）の略。デジタルコンパス付き測距器、通信インターフェース、GPS内蔵PDAから構成される。M6迫撃砲小隊１個あたりに１基ずつが配備された。参考：月刊軍事研究1,’07

＜ＦＤＳ−３＞：イギリスのエアボーンシステムズ社が開発した艦船用コーナー・リフレクター型デコイ・システム。甲板上に設置した円筒形のIDS300発射機からケーブルで繋がれた状態で海面上に射出され、内部でガスを発生して数秒間で正二十面体形状に膨らみ、RCS50万平方メートル以上の巨大なレーダー反射物となる。イギリス海軍が23型フリゲートと45型駆逐艦に搭載した。アメリカ海軍もMk59としてアーレイ・バーク級イージス駆逐艦に積んでいる。カナダ海軍ハリファックス級フリゲート、ニュージーランド海軍アンザック級フリゲートも搭載した。参考：月刊世界の艦船12,’17、8,’18、朝雲

＜ＦＤＳ３＞：フランスDCN社が開発中の半没水式無人潜水艇システムで、Forward Deployed Semi-Submersible SystemまたはForward Deployed Side Scan Sonarの略。カナダのISE社が開発した半没水型潜水艇ドルフィンを改良したドラドにより、マルチビーム側方走査ソナー（最大観測距離150m）とGPS/IMUを装備した曳航体オーロラを引っ張り、深度6-200mの機雷を捜索する。収集データは無線で10km先まで飛ばして母艦のコンソールに表示する。全長8.3m、重量6.7トン。エンジンはディーゼル、速力12ノット、航続距離740km、最大航続時間74時間／14時間（オーロラ曳航時）。1999年から試験中。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＦＤＴＤ電磁界解析用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。PTTが受注している。参考：月刊軍事研究12,’12

＜ＦｄＵ＞：Ｕボート艦隊司令官の略。1936年、カール・デーニッツが就任した。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＦＥ＞：航空機関士の略。

＜ＦＥ＞：機上整備員を参照。

＜ＦＥ２ｂ＞：イギリス空軍複葉戦闘機。王立航空機工廠が開発し、夜間爆撃機としても使用された。プロペラはプッシャー式。乗員２名（操縦士、偵察員兼銃手）。参考：月刊航空ファン12,’18

＜ＦＥＢＡ＞：主戦闘地域前縁の略。

＜ＦＥＣ＞：陸曹航空操縦課程を参照。

＜ＦＥＣＯＭ＞：アメリカ統合軍の１つで、極東軍（Far East Command）の略。1947年1月に創設された。日本、琉球、小笠原諸島、韓国、フィリピン、マリアナ諸島の占領行政が主任務である。1950年2月、韓国が担当地域から外された。6月25日、朝鮮戦争勃発を受けて韓国が担当地域に入った。1951年4月、マリアナ諸島、小笠原諸島、硫黄島が太平洋軍（PACOM）の担当地域に移った。1957年7月に廃止された。参考：月刊軍事研究7,’12

＜ＦＥＦＡ計画＞：EF2000シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＦＥＧ＞：初級陸曹特技課程（給養）を参照。

＜ＦＥＬ＞：自由電子レーザーを参照。

＜ＦＥＬＩＮ＞：フェラン（将来歩兵システム）を参照。

＜ＦＥＰ８０＞：フランスのBL EU3爆弾用弾頭着発信管。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＥＲ＞：４連装エジェクターラックの略。

＜ＦＥＲＯ−Ｚ１８＞：レオパルト２戦車に搭載されている砲手用直接照準器。倍率８倍・視野10度の固定式で、主砲とは連動していない。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ＦＥＳ＞：ドイツ軍が第２次大戦時に使用した鉄導環。隙間の多い焼結鋼を使用しており、焼き付きにくいが、腐食を防ぐためにグリスを塗っておく必要があった。参考：月刊丸7,’09別冊

＜ＦＥＴ−０１＞：アメリカのミサイル防衛局が2017年7月30日に実施した、THAADによる弾道ミサイル迎撃実験Flight Experiment THAAD-1。参考：月刊航空ファン10,’17

＜ＦＥＵ８０＞：フランスの25FI爆弾用弾頭着発信管。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＦ＞：フリゲート（Frigate）を示す艦種記号。参考：アメリカ護衛艦史

　＜ＦＦ（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍の艦種記号で、フリゲートを示す。1975年6月30日に護衛艦（DE）から変更された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１＞：アメリカ海軍の複座複葉艦上戦闘機。アメリカ海軍（アメリカ軍全体でも）初の引き込み脚・密閉風防戦闘機である。グラマン社が開発し、試作機XFF-1（出力459kWのR-1820-E搭載）は1931年12月21日（29日？）に初飛行した。主脚は脚柱を折り畳んで主輪を胴体側面に収容する。重量2100kg。エンジンはR-1820-Fサイクロン星形９気筒ガソリン（560kW）、最大速度180ノット・333km。乗員２名。27機が生産され、1933年から引き渡された。参考：週刊エアクラフトNo.97、月刊世界の艦船3,’21、10,’22

＜Ｆ．Ｆ．９＞：ノルウェー軍の国産複葉練習機。1921-25年に19機が製作され、偵察機や試験機としても使用された。1930年代初めに退役した。参考：月刊丸4,’07

＜ＦＦ３３水上機シリーズ＞：ドイツのフリードリヒスハーフェン社が開発した複葉複座双フロート水上機。エンジン出力150馬力、最大速度125-140km。1916年から各型合わせて500機以上が生産された。参考：月刊丸5,’13

　＜ＦＦ３３Ｅ＞：偵察機型。参考：月刊丸5,’13

　＜ＦＦ３３Ｆ＞：偵察機型。参考：月刊丸5,’13

＜ＦＦ４９Ｃ＞：ドイツ陸軍複葉双フロート水上機。フリードリヒスハーフェン社が開発した。全長11.5m、全幅17m。エンジンはベンツBz�W（200馬力）単発。1917年9月からに235機が納入された。参考：月刊航空ファン9,’11

＜ＦＦ−１５０＞：フィリピン海軍HDF-3000型フリゲート１番艦ホセ・リサール（José Rizal）。2018年10月起工、2019年5月23日進水。11月23-27日、第１回公試を実施。2020年5月18日、韓国から寄贈された医療関連物資を積んで現代重工を出港し、フィリピンに向かった。5月23日、スービック湾に到着。7月10日、就役式典を実施。2021年11月14日、南シナ海で海上自衛隊との親善訓練に参加し、DDH-184かが、DD-101むらさめと、戦術運動・通信訓練を行った。2022年4月9日、スービック沖で日比親善訓練に参加し、DD-117すずつきと戦術運動・通信訓練を行った。10月11-18日、スールー海で米豪比主催共同訓練Exercise SAMASAMA/LUMBAS 2022に参加。C-90哨戒機などと共に、DD-104きりさめ、US-2救難飛行艇、アメリカ海軍DDG-69ミリウス、P-8A哨戒機、オーストラリア海軍駆逐艦39ホバート、補給艦A304ストルワート、フランス領ポリネシア駐留フランス軍ファルコン200哨戒機、イギリス海軍哨戒艦P234スペイと、捜索救難・洋上補給などの訓練を行った。参考：月刊世界の艦船8,’19、8,’20、10,’20、2,’22、7,’22、1,’23

＜ＦＦ−１５１＞：フィリピン海軍HDF-3000型フリゲート２番艦アントニオ・ルナ（Antonio Luna）。2019年11月8日進水。2021年1月、フィリピン海軍に納入された。2月5日、蔚山を出港。2月10日、スービックに到着した。2021年3月19日、就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船2,’20、4,’21、6,’21

＜ＦＦ９３２＞：台湾海軍ノックス級フリゲート１番艦済陽（ジーヤン）。元はFF-1073ロバート・Ｅ・ペアリーである。1993年10月就役。2015年5月1日に退役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’15

＜ＦＦ９３３＞：台湾海軍ノックス級フリゲート２番艦鳳陽（フォンヤン）。元はFF-1086ブリュトンである。1993年10月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＦＦ９３４＞：台湾海軍ノックス級フリゲート３番艦汾陽（フェンヤン）。元はFF-1087キルクである。1993年10月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＦＦ９３５＞：台湾海軍ノックス級フリゲート４番艦蘭陽（ランヤン、Lanyang）。元はFF-1078ジョセフ・ヒューズである。1995年8月就役。2014年9月17日、漢光30号演習に参加。2016年11月12日、左営基地で一般公開された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船12,’14、2,’17

＜ＦＦ９３６＞：台湾海軍ノックス級フリゲート５番艦海陽（ハイヤン）。元はFF-1083クックである。1995年8月就役。2015年5月1日に退役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’15

＜ＦＦ９３７＞：台湾海軍ノックス級フリゲート６番艦淮陽（ホアイヤン）。元はFF-1088バーベイである。1995年8月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＦＦ９３８＞：台湾海軍ノックス級フリゲート７番艦宜陽（Yiyang、イーヤン）。元はFF-1096ヴァルデスである。1999年10月就役。2012年1月18日、台湾北東沖で洋上訓練を実施。2015年1月1日、台湾南東沖で年頭洋上訓練に参加。2019年5月、漢光35号演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’12、4,’15、11,’19

＜ＦＦ９３９＞：台湾海軍ノックス級フリゲート８番艦寧陽（ニンヤン）。元はFF-1094ファリスである。1999年10月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＦＦ−１０３７＞：DE-1037（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０３８＞：DE-1038（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４０＞：DE-1040（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４１＞：DE-1041（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４３＞：DE-1043（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４４＞：DE-1044（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４５＞：DE-1045（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４７＞：DE-1047（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４８＞：DE-1048（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０４９＞：DE-1049（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０５０＞：DE-1050（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０５１＞：DE-1051（護衛艦）を参照。

＜ＦＦ−１０５２＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ノックス（Knox）。1969年4月12日、護衛艦DE-1052として竣工した。1975年、フリゲートFF-1052に艦種変更された。1986年10月27-31、日米共同統合演習に参加。11月1-3日、函館港に入港。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船2,’87

＜ＦＦ−１０５３＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ロアーク（Roark）。1969年11月22日、護衛艦DE-1053として竣工した。1975年、フリゲートFF-1053に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０５４＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、グレイ（Gray）。1970年4月4日、護衛艦DE-1054として竣工した。1975年、フリゲートFF-1054に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０５５＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ヘプバーン（Hepburn）。1969年7月3日、護衛艦DE-1055として竣工した。1975年、フリゲートFF-1055に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０５６＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、コノール（Connole）。1969年8月30日、護衛艦DE-1056として竣工した。1975年、フリゲートFF-1056に艦種変更された。1992年、ギリシャに貸与され、エピルスとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船9,’96

＜ＦＦ−１０５７＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ラスバーン（Rathburne）。1970年5月16日、護衛艦DE-1057として竣工した。1975年、フリゲートFF-1057に艦種変更された。1995年に除籍され、リムパック2002で標的艦となり、ハワイ沖に沈んだ。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船10,’02

＜ＦＦ−１０５８＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、メイヤコード（Meyerkord）。1969年11月28日、護衛艦DE-1058として竣工した。1975年、フリゲートFF-1058に艦種変更された。1995年に除籍され、1996年に台湾に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０５９＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、Ｗ・Ｓ・シムス（W. S. Sims）。1970年1月3日、護衛艦DE-1059として竣工した。1975年、フリゲートFF-1059に艦種変更された。1995年に除籍され、1998年にトルコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６０＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ラング（Lang）。1970年1月3日、護衛艦DE-1060として竣工した。1975年、フリゲートFF-1060に艦種変更された。1995年に除籍され、1996年に台湾に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６１＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、パターソン（Patterspn）。1970年3月14日、護衛艦DE-1061として竣工した。1975年、フリゲートFF-1061に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６２＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ホイップル（Whipple）。1970年8月22日、護衛艦DE-1062として竣工した。1975年、フリゲートFF-1062に艦種変更された。1995年に除籍され、2001年にメキシコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６３＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、リーズナー（Reasoner）。1971年7月31日、護衛艦DE-1063として竣工した。1975年、フリゲートFF-1063に艦種変更された。1993年、トルコに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６４＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ロックウッド（Lockwood）。1970年12月5日、護衛艦DE-1064として竣工した。1975年、フリゲートFF-1064に艦種変更された。1993年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６５＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、スタイン（Stein）。1972年1月8日、護衛艦DE-1065として竣工した。1975年、フリゲートFF-1065に艦種変更された。1995年に除籍され、1998年にメキシコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６６＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、マーヴィン・シールズ（Marvin Shields）。1971年4月10日、護衛艦DE-1066として竣工した。1975年、フリゲートFF-1066に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６７＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、フランシス・ハモンド（Francis Hammond）。1970年7月25日、護衛艦DE-1067として竣工した。1975年、フリゲートFF-1067に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６８＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ブリーランド（Vreeland）。1970年6月13日、護衛艦DE-1068として竣工した。1975年、フリゲートFF-1068に艦種変更された。1992年、ギリシャに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０６９＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、バグレイ（Bagley）。1972年5月6日、護衛艦DE-1069として竣工した。1975年、フリゲートFF-1069に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７０＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ダウンズ（Downes）。1971年8月28日、護衛艦DE-1070として竣工した。1975年、フリゲートFF-1070に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７１＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、バジャー（Badger）。1970年12月1日、護衛艦DE-1071として竣工した。1975年、フリゲートFF-1071に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７２＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ブレイクリー（Blakely）。1970年7月18日、護衛艦DE-1072として竣工した。1975年、フリゲートFF-1072に艦種変更された。1995年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７３＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ロバート・Ｅ・ピアリー（Robert E. Peary）。1972年9月23日、護衛艦DE-1073として竣工した。1975年、フリゲートFF-1073に艦種変更された。1992年、台湾に貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７４＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ハロルド・Ｅ・ホルト（Harold E. Holt）。1971年3月26日、護衛艦DE-1074として竣工した。1975年、フリゲートFF-1074に艦種変更された。1995年に除籍され、リムパック2002で標的艦となり、ハワイ沖に沈んだ。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船10,’02

＜ＦＦ−１０７５＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、トリップ（Trippe）。1970年9月19日、護衛艦DE-1075として竣工した。1975年、フリゲートFF-1075に艦種変更された。1992年、ギリシャに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７６＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ファニング（Fanning）。1971年7月23日、護衛艦DE-1076として竣工した。1975年、フリゲートFF-1076に艦種変更された。1993年、トルコに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７７＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ウーレット（Ouellet）。1970年12月12日、護衛艦DE-1077として竣工した。1975年、フリゲートFF-1077に艦種変更された。1984年2月下旬、DE-1050アルバート・デービッドと共に、第４護衛隊群との日米対潜訓練ASWEXに参加。1995年に除籍され、1996年にタイに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊軍事研究10,’18

＜ＦＦ−１０７８＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ジョセフ・ヒューズ（Joseph Hewes）。1971年4月24日、護衛艦DE-1078として竣工した。1975年、フリゲートFF-1078に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1078に艦種変更された。1994年、台湾に貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０７９＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、バウエン（Bowen）。1971年5月22日、護衛艦DE-1079として竣工した。1975年、フリゲートFF-1079に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1079に艦種変更された。1994年、トルコに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８０＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ポール（Paul）。1971年8月14日、護衛艦DE-1080として竣工した。1975年、フリゲートFF-1080に艦種変更された。1995年に除籍され、1998年にトルコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８１＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、アイルウィン（Aylwin）。1971年9月18日、護衛艦DE-1081として竣工した。1975年、フリゲートFF-1081に艦種変更された。1995年に除籍され、1999年に台湾に貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８２＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、エルマー・モンゴメリー（Elmer Montgomery）。1971年9月30日、護衛艦DE-1082として竣工した。1975年、フリゲートFF-1082に艦種変更された。1993年除籍され、同年トルコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８３＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、クック（Cook）。1971年12月18日、護衛艦DE-1083として竣工した。1975年、フリゲートFF-1083に艦種変更された。1994年、台湾に貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８４＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、マッカンドレス（McCandless）。1972年3月18日、護衛艦DE-1084として竣工した。1975年、フリゲートFF-1084に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1083に艦種変更された。1994年、トルコに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８５＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ドナルド・Ｂ・ビアリー（Donald B. Beary）。1972年7月22日、護衛艦DE-1085として竣工した。1975年、フリゲートFF-1085に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1084に艦種変更された。1994年、トルコに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８６＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ブリュートン（Brewton）。1972年7月8日、護衛艦DE-1086として竣工した。1975年、フリゲートFF-1086に艦種変更された。1992年、台湾に貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８７＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、カーク（Kirk）。1972年9月9日、護衛艦DE-1087として竣工した。1975年、フリゲートFF-1087に艦種変更された。1993年、台湾に貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８８＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、バービー（Barbey）。1972年11月11日、護衛艦DE-1088として竣工した。1975年、フリゲートFF-1088に艦種変更された。1994年、台湾に貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０８９＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ジェス・Ｌ・ブラウン（Jesse L. Brown）。1973年2月17日、護衛艦DE-1089として竣工した。1975年、フリゲートFF-1089に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1089に艦種変更された。1994年、エジプトに貸与され、ダムヤットとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船9,’96

＜ＦＦ−１０９０＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、エインズワース（Ainsworth）。1973年3月31日、護衛艦DE-1090として竣工した。1975年、フリゲートFF-1090に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1090に艦種変更された。1994年、トルコに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０９１＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ミラー（Miller。アフリカ系アメリカ人初の海軍十字章受賞者であるドリス・ミラー一等水兵から。真珠湾攻撃時にBB-48ウエストヴァージニアの糧食班員・三等水兵ながら12.7mm機銃座で日本軍機に反撃した）。1973年6月30日、護衛艦DE-1091として竣工した。1975年、フリゲートFF-1091に艦種変更された。1995年に除籍され、1998年にトルコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船8,’21

＜ＦＦ−１０９２＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、トーマス・Ｃ・ハート（Thomas C. Hart）。1973年7月28日、護衛艦DE-1092として竣工した。1975年、フリゲートFF-1092に艦種変更された。1993年、トルコに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０９３＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、カポダノ（Capodanno）。1973年11月17日、護衛艦DE-1093として竣工した。1975年、フリゲートFF-1093に艦種変更された。1993年、トルコに貸与され、F250ムアヴェネトとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船9,’96

＜ＦＦ−１０９４＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ファリス（Pharris）。1974年1月26日、護衛艦DE-1094として竣工した。1975年、フリゲートFF-1094に艦種変更された。1995年に除籍され、2000年にメキシコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０９５＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、トルーエト（Truett）。1974年６月１日、護衛艦DE-1095として竣工した。1975年、フリゲートFF-1095に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1095に艦種変更された。1994年、タイに貸与され、プットゥ・ヤトファ・チュラロクとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船9,’96

＜ＦＦ−１０９６＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、ヴァルデズ（Valdez）。1974年７月27日、護衛艦DE-1096として竣工した。1975年、フリゲートFF-1096に艦種変更された。1995年に除籍され、1998年に台湾に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０９７＞：アメリカ海軍ノックス級フリゲート、モインスター（Moinester）。1974年11月2日、護衛艦DE-1097として竣工した。1975年、フリゲートFF-1097に艦種変更された。1991年、練習フリゲートFFT-1091に艦種変更された。1992年に除籍され、1994年にエジプトに貸与された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦ−１０９８＞：AGDE-1（実験護衛艦）を参照。

＜ＦＦ１２０２＞：台湾海軍康定級フリゲート１番艦康定（カンディン）。1996年5月就役。2010年1月27日、台湾南西部を領海侵犯したCG-70レイク・エリーを追跡した。2016年11月12日、左営基地で一般公開された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’10、月刊世界の艦船2,’17

＜ＦＦ１２０３＞：台湾海軍康定級フリゲート２番艦西寧（シーニン）。1996年9月就役。2010年4月30日、遠洋練習航海に先立つ内地巡航のため高雄を出港。2016年1月27日、高雄沖の南シナ海で公開訓練に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’00、6,’16

＜ＦＦ１２０５＞：台湾海軍康定級フリゲート３番艦昆明（クンミン）。1997年2月就役。2015年11月21日、高雄市沖合で海岸巡防署との合同演習に参加。2019年5月、漢光35号演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’16、11,’19

＜ＦＦ１２０６＞：台湾海軍康定級フリゲート４番艦迪化（ディファ）。1997年8月就役。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習に参加。2022年7月25-29日、漢光38号演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’14、11,’22

＜ＦＦ１２０７＞：台湾海軍康定級フリゲート５番艦武昌（ウーチャン、Wuchang）。1995年7月起工、1997年10月31日竣工。DCNロリアン工廠から台湾の左営基地に回航され、兵装を搭載して1997年12月16日に就役した。2015年1月1日、台湾南東沖で年頭洋上訓練に参加。参考：月刊世界の艦船4,’98、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’15

＜ＦＦ１２０８＞：台湾海軍康定級フリゲート６番艦承徳（チェンテー、Chente）。1998年1月就役。2015年1月1日、台湾南東沖で年頭洋上訓練に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’15

＜ＦＦＡＲ＞：アメリカ軍のロケット弾で、Folding Fin Aircraft Rocket（小翼折り畳み式空中発射ロケット弾）の略。口径2.75インチ（70mm）で、尾部安定フィンが折り畳み式となっており、空気抵抗の少ないポッド内に収容できる。当初は空対空ロケット弾のマイティーマウスがこう呼ばれたが、ベトナム戦争でヘリ用空対地ロケット弾に転用されてからはハイドラ70ロケット弾シリーズがこう呼ばれる。参考：月刊軍事研究6,’03、月刊JWings6,’13、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊航空情報2,’10

＜ＦＦＧ＞：ミサイル・フリゲート（Guided Missile Frigate）を示す艦種記号。参考：アメリカ護衛艦史

　＜ＦＦＧ（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍の艦種記号で、ミサイル・フリゲートを示す。1975年6月30日、ミサイル護衛艦DEG及びパトロール・フリゲートPFから変更された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＧ−１＞：アメリカ海軍ブルク級ミサイル護衛艦ブルク（Brooke）。1966年3月12日、ミサイル護衛艦DEG-1として竣工した。1975年、ミサイル・フリゲートFFG-1に艦種変更された。1988年2月に除籍され、1989年2月から1994年、パキスタンに貸与され、F-163ハルバーとなった。1994年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ＦＦＧ−２＞：アメリカ海軍ブルク級ミサイル護衛艦ラムゼイ（Ramsey）。1967年6月3日、ミサイル護衛艦DEG-2として竣工した。1975年、ミサイル・フリゲートFFG-2に艦種変更された。1993年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＧ−３＞：アメリカ海軍ブルク級ミサイル護衛艦スコフィールド（Schofield）。1968年4月20日、ミサイル護衛艦DEG-3として竣工した。1975年、ミサイル・フリゲートFFG-3に艦種変更された。1993年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＧ−４＞：アメリカ海軍ブルク級ミサイル護衛艦タルボット（Talbot）。1967年4月22日、ミサイル護衛艦DEG-4として竣工した。1975年、ミサイル・フリゲートFFG-4に艦種変更された。1988-93年、パキスタンに貸与された。1993年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＧ−５＞：アメリカ海軍ブルク級ミサイル護衛艦リチャード・Ｌ・ペイジ（Richard L. Page）。1967年8月5日、ミサイル護衛艦DEG-5として竣工した。1975年、ミサイル・フリゲートFFG-5に艦種変更された。1988-94年、パキスタンに貸与された。1994年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＧ−６＞：アメリカ海軍ブルク級ミサイル護衛艦ジュリアス・Ａ・ファーラー（Julius A. Furer）。1967年11月11日、ミサイル護衛艦DEG-6として竣工した。1975年、ミサイル・フリゲートFFG-6に艦種変更された。1989-93年、パキスタンに貸与された。1994年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＧ−７＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、オリヴァー・ハザード・ペリー（Oliver Hazard Perry）。1977年12月17日竣工。1997年2月に退役し、1999年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−８＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、マッキナニー（Mclnerney）。1979年12月15日（11月？）竣工。SH-60BとRASTの搭載運用テストを実施しており、その際に艦尾をオーバーハングさせた。2010年8月に退役し、同年パキスタンに売却され、260アラムジルになった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船2,’13、4,’04増刊、5,'21、月刊丸8,’87

＜ＦＦＧ−９＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ワッズワース（Wadsworth）。1980年2月28日竣工。2002年6月に退役・除籍となり、同年ポーランドに貸与（後に売却）されて艦番号273ジェネラル・タデューツ・コシチェンコとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10、2,’13、8,’13

＜ＦＦＧ−１０＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ダンカン（Duncan）。1980年5月24日竣工。1994年12月退役。1998年に除籍され、同年（1999年？）トルコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10、5,’14

＜ＦＦＧ−１１＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート５番艦クラーク（Clark）。1980年5月9日竣工。2000年3月に退役してポーランドに供与され、ジェネラル・カシミエルツ・プラスキになった。参考：月刊世界の艦船9,’02、1,’10、アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＧ−１２＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ジョージ・フィリップ（George Phillip）。1980年11月15日竣工（10月就役？）。1982年8月19日、舞鶴に停泊した。2003年3月退役。2005年、ポーランドに売却された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊丸8,’87、月刊世界の艦船5.’14、1,’10

＜ＦＦＧ−１３＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、サミュエル・エリオット・モリソン（Samuel Eliot Morison）。1980年10月11日竣工。2002年4月に退役・除籍となり、同年トルコに売却された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−１４＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート８番艦、ジョン・Ｈ・サイズ（John H. Sides）。1981年5月30日竣工。1983年10月1日、CVN-70カール・ヴィンソンを護衛して佐世保に寄港した。2003年2月に退役し、2005年にポルトガルに売却された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊丸8,’87、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−１５＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、エストシン（Estocin）。1981年1月10日竣工。2003年4月に退役・除籍され、同年トルコに売却されてF497ギョクスとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10、7,’15

＜ＦＦＧ−１６＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、クリフトン・スプレイグ（Clifton Sprague）。1981年3月21日竣工。1995年6月退役。1997年に除籍され、同年トルコに売却された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−１９＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ジョン・Ａ・ムーア（John A. Moore）。1981年11月14日竣工。2000年9月に退役・除籍され、同年トルコに売却されてF495ゲディズとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船5,’14、1,’10、2,’13、月刊軍事研究8,’15

＜ＦＦＧ−２０＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、アントリム（Antrim）。1981年9月26日竣工。1983年、自ら撃墜した標的機が自艦に墜落してきてしまい、損傷した。1996年5月に退役し、1997年に除籍され、同年トルコに売却されてF491ギレスンとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10、2,’14、JShips vol.48

＜ＦＦＧ−２１＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、フラットレイ（Flatley）。1981年6月20日竣工、7月就役。1996年5月退役。1997年、トルコに売却され、F492ゲムリクとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’04、1,’10

＜ＦＦＧ−２２＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート14番艦、ファーリオン（Fahrion）。1982年1月16日竣工。1998年3月に退役・除籍され、同年エジプトに売却された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−２３＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ルイス・Ｂ・プラー（Lewis B. Puller）。1982年4月17日竣工。1998年9月に退役・除籍され、同年エジプトに売却された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−２４＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ジャック・ウィリアムス（Jack Williams）。1981年9月19日竣工。1996年9月に退役・除籍され、同年バーレーンに売却され、サブハとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船9,’09、1,’10

＜ＦＦＧ−２５＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、コープランド（Copeland）。1982年8月7日竣工。1996年9月に退役・除籍され、同年エジプトに売却されてムバラクになった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10、10,'21

＜ＦＦＧ−２６＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ギャラリー（Gallery）。1981年12月5日竣工。1996年6月に退役・除籍され、同年エジプトに売却された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−２７＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、マーロン・Ｓ・ティスデル（Mahlon S. Tisdale）。1982年11月13日竣工。1996年9月に退役し、1998年に除籍された。1999年、トルコに売却されてギョクチェアダとなった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10、1,’04

＜ＦＦＧ−２８＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ブーン（Boone）。1982年5月15日就役。2012年2月23日に退役した。外国に売却される予定。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、10,’11、5,’12

＜ＦＦＧ−２９＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、スティーブン・Ｗ・グローブス（Stephen W. Groves）。1982年5月15日（4月？）就役。2010年6月19-27日、ドイツでキール・ウィーク2010に参加。2011年2月10日、南アフリカ沖で南アフリカ海軍209/1400M型潜水艦S102シャーロット・マクセクと共同演習を行った。その後、南アフリカのサイモンズ・タウンに寄港している。2012年2月24日に退役した。外国に売却される予定。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船5,’14、4,’04増刊、9,’10、5,’11、10,’11、5,’12

＜ＦＦＧ−３０＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、レイド（Reid）。1983年2月19日竣工。1998年9月に退役して除籍され、1999年にトルコに売却されてF493ゲリボルになった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10、12,’16

＜ＦＦＧ−３１＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、スターク（Stark）。1982年10月23日竣工。1987年5月17日2000過ぎ、ペルシャ湾上を航行中にイラク空軍から誤って攻撃され、発生した火災により乗員37名が死亡したが、沈没は免れた。1999年5月に退役して除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊軍事研究5,’04、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−３２＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ジョン・Ｌ・ホール（John L. Hall）。1982年6月26日竣工。2012年3月9日退役。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、10,’11、2,’13

＜ＦＦＧ−３３＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ジャレット（Jarrett）。1983年7月2日竣工。2010年9月20日、チリ独立200周年国際観艦式に参加。2011年4月退役。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、12,’10、2,’13

＜ＦＦＧ−３４＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、オーブレイ・フィッチ（Aubrey Fitch）。1982年10月9日竣工。1997年12月に退役し、1999年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船1,’10

＜ＦＦＧ−３６＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、アンダーウッド（Underwood）。1983年1月29日竣工。1999年10月29日、エジプトのアレクサンドリア沖で座礁した。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。2012年9月17-23日、ユニタス2012演習に参加。2013年3月8日に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、6,’01、4,’10、6,’12、12,’12、6,’13

＜ＦＦＧ−３７＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、クロメリン（Crommelin）。1983年6月18日竣工。2009年8月3日、ブルネイのムアラ港に入港した。2012年10月31日に退役した。2016年7月19日、リムパック2016で標的艦となり、ハワイ州カウアイ島北55海里でLCS-4コロナドが発射したハープーンを喰らい沈没した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、1,’10、6,’12、2,’13、10,’16

＜ＦＦＧ−３８＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、カーツ（Curts）。1983年10月8日竣工。1995年4月12日、横須賀港を出港。5月4-24日、コブラ・ゴールド95に参加。1996年11月5-15日、キーン・ソード97に参加。11月9日、沖縄東方でAOE-424はまなから洋上給油を受けた。11月11日、東海沖でAOE-424はまなから洋上給油を受けた。2013年2月25日に退役し、サンディエゴで退役式典が実施された。2月27日、予備艦籍に編入された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、6,’12、4,’13、月刊軍事研究3,’97、8,’95

＜ＦＦＧ−３９＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ドイル（Doyle）。1983年5月21日竣工。2011年7月29日退役。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、10,’11

＜ＦＦＧ−４０＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ハリバートン（Halyburton）。1984年1月7日竣工。2014年1月15日、メイポートを出港し、最後の海外展開となる中南米方面に向かった。カリブ海で国際麻薬密輸撲滅マルティージョ（Martillo。ハンマーのこと）作戦に参加し、コカイン1.9トンを押収している。2月6日、パナマの麻薬取締ヘリが墜落したため、乗員の救助にあたった。6月4日、メイポートに帰港。9月に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’14、9,’14、4,’15

＜ＦＦＧ−４１＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、マクラスキー（McClusky）。1983年12月10日竣工。1991年2月、横須賀に前方展開し、第15駆逐隊に編入された。1994年、コブラ・ゴールド94演習に参加。1996年10月、横須賀前方展開を終えてアメリカに帰国。2015年1月に退役した。2018年7月、標的として処分された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船11,’18、4,’04増刊、4,’15、月刊軍事研究8,’95

＜ＦＦＧ−４２＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、クラクリング（Klakring）。1983年8月20日竣工。2012年6月29日、MQ-8Bファイアスカウト４機を搭載してメイポートを出港し、ソマリア沖に向かった。9月下旬、ファイアスカウト４機を交互に使用して24時間以上の連続哨戒を行った。12月1日、メイポートに帰港。2013年3月22日に退役し、メイポートで退役式典が実施された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、6,’12、10,’12、3,’13、6,’13

＜ＦＦＧ−４３＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート34番艦、サッチ（Thach）。1984年3月17日竣工。1992年4月15日、CV-62インディペンデンス戦闘群の一員として横須賀を出港。6-9月、サザンウォッチ作戦に参加。9月14日、ペルシャ湾を出て横須賀に向かった。2013年11月に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、5,’14、月刊丸12,’92

＜ＦＦＧ−４５＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ド・ワート（De Wert）。1983年11月19日竣工。2014年4月に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’15

＜ＦＦＧ−４６＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、レンツ（Rentz）。1984年6月30日就役。2014年5月9日に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、9,’14

＜ＦＦＧ−４７＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ニコラス（Nicholas）。1984年3月10日竣工。2015年3月に退役する予定。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’15

＜ＦＦＧ−４８＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ヴァンデグリフト（Vandegrift）。1984年11月24日竣工。2001年6月22-26日、横須賀から呉に至る海域で、海上自衛隊との日米候補生交歓訓練・共同対潜特別訓練に参加。6月29日、呉を出港。2003年1月29日、横須賀を出港。ペルシャ湾周辺で海上阻止行動を実施した。7月26日、横須賀に帰港。2010年5月、カラット2010に参加。2012年5月29日から6月8日、カラット2012に参加。2014年3月に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、9,’01、8,’12、4,’15、月刊丸12,’10、月刊軍事研究2,’14

＜ＦＦＧ−４９＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ロバート・Ｇ・ブラッドレイ（Robert G. Bradley）。1984年8月11日竣工。2012年9月17-23日、ユニタス2012に参加。2019年10月23日、FMSでバーレーンに輸出する許可が下りた。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、12,’12、1,’20

＜ＦＦＧ−５０＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、テイラー（Taylor）。1984年12月1日竣工・就役。2009年1月14日、クレタ島に入港した。2011年7月31日、大西洋上で海上自衛隊遠洋練習航海部隊との親善訓練を実施。2015年5月8日に退役した。2017年5月13日、台湾海軍に引き渡され、FFG-1112銘傳となった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、1,’10、10,’11、9,’16、8,’17

＜ＦＦＧ−５１＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ゲァリー（Gary）。1984年11月17日竣工。2001年10月1日、CV-63キティホーク戦闘群として横須賀を出港。10月13日、北アラビア海に到着。12月24日、横須賀に帰港。2003年1月29日、横須賀を出港。ペルシャ湾周辺で海上阻止行動を実施した。7月26日、横須賀に帰港。2011年12月12日、CVN-70カールヴィンソン、CG-52バンカーヒル、DDG-101グリッドレイとアメリカ本土沖で洋上訓練を実施。2017年5月13日、台湾海軍に引き渡され、FFG1115逢甲となった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’11、8,’17、月刊軍事研究2,’14

＜ＦＦＧ−５２＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、カー（Carr）。1985年7月27日竣工。2011年6月4日、ボストン港沖でミッドウェイ海戦69周年記念洋上祝賀祭に参加。6月29日から7月3日、IMDS2011に参加。2013年3月13日に退役した。パキスタンに売却される予定。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、6,’12、8,’11、6,’13、月刊軍事研究9,‘11

＜ＦＦＧ−５３＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ハウズ（Hawes）。1985年2月9日竣工。2010年12月に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、2,’13

＜ＦＦＧ−５４＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、フォード（Ford）。1985年6月29日竣工。2009年6月中旬、PASSEX09に参加。2011年5月9日、エヴァレットを出港。その後、タイのサタヒップを訪問した。7月2日、ウラジオストクを訪問した。その後舞鶴に入港。9月、バングラデシュを訪問。10月、インドのコチンを訪問した。2013年10月に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船5,’14、4,’04増刊、9,’09、9,’11、JShips VOL.46

＜ＦＦＧ−５５＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、エルロッド（Elrod）。1985年7月6日竣工（5月就役？）。2015年1月30日に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、2,’13、4,’15

＜ＦＦＧ−５６＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、シンプソン（Simpson）。1985年11月9日竣工（8月就役？）。2012年4月6日、インド洋上で着艦しようとしたMQ-8Bファイアスカウトが海に落下した。後に回収されている。2015年9月26日に退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、3,’13、12,’15

＜ＦＦＧ−５７＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ルーベン・ジェームス（Reuben James）。1986年3月22日竣工。2013年8月30日に退役した。2016年1月18日、ハワイ近海のミサイル射爆場でDDG-53ジョン・ポール・ジョーンズからSM-6ミサイルを撃ち込まれて沈没した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船5,’14、4,’04増刊、6,’12、6,’16

＜ＦＦＧ−５８＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、サミュエル・Ｂ・ロバーツ（Samuel B. Roberts）。1986年4月12日竣工。イラン・イラク戦争中の1988年4月14日、ペルシャ湾を行動中にバーレーンの東65海里で機雷を発見。これを避けようとしたところ、別の機雷（TNT385ポンド・175kg内蔵。イラン敷設）に触雷した。機雷はキールの左、機械室付近の270-275番フレームで炸裂し、船底には9m×7mの大穴が開き、キールが4.6mにわたり破壊され、減速歯車が架台から外れて推進軸が0.46m後ろにずれ、機械室が炎上、航行不能に陥った。煙突からは高さ45m以上の火柱が吹き上がったといわれる。第２甲板下250-292フレームの範囲が水没したが、沈没は免れ、補助推進装置を使って自力でバーレーンに入港。応急修理の後にアメリカに回航され、1989年11月に修理を終えて艦隊に復帰した。1990年、CV-67ジョン・Ｆ・ケネディ戦闘群の一員として湾岸戦争に参加。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、5,’91、2,’13、月刊丸12,’92

＜ＦＦＧ−５９＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、カウフマン（Kauffman）。1987年2月21日竣工。2001年5月23-29日、ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。2011年5月25日から6月1日、ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。この時はスタンダード発射機を外し、そこに遠隔操作式25mm単装機関砲を搭載していた。2015年1月、ノーフォークを出港し、第４艦隊担当海域のカリブ海−中米方面に向かった。カリブ海と東太平洋で密輸取り締まり作戦マルチージョに参加し、麻薬14トンを押収、7月12日にノーフォークに帰港した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、9,’01、8,’11、4,’15、10,’15

＜ＦＦＧ−６０＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、ロドニー・Ｍ・デービス（Rodney M. Davis）。1987年5月9日竣工。1996年11月5日から11月15日、キーン・ソード97に参加。11月10日、九州南西でAOE-422とわだから洋上給油を受けた。2015年1月に退役した。2022年6月29日に開始されたリムパック2022で標的艦となり沈没した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’15、10,'22、月刊軍事研究3,’97

＜ＦＦＧ−６１＞：アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート、イングラハム（Ingraham）。1989年8月5日竣工。2000年5月8日、ワシントン州エヴァレット付近で座礁した。2012年6月7日、アメリカのポートランドに寄港。2014年10月30日、ワシントン州エヴァレットに帰港。11月12日に退役した。2021年8月15日、LSE21（Large Scale Exercise 21）演習の実艦標的演習SINKEXで標的艦を務め、アメリカ海兵隊車載発射機からRGM-184NSM艦対艦ミサイル、SSN-721シカゴからUGM-84ハープーン潜対艦ミサイルとMk48長魚雷を撃ち込まれた。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、6,’01、2,’13、1,’15、11,’21

＜ＦＦＧ−６２＞：アメリカ海軍コンステレーション級ミサイル・フリゲート１番艦コンステレーション（Constellation）。2022年8月31日、フィンカンティエーリ・マリネット・マリーン造船所でファースト・スチール・カットを実施。参考：月刊世界の艦船12,’20、11,’22

＜ＦＦＧ−６３＞：アメリカ海軍コンステレーション級ミサイル・フリゲート２番艦コングレス（Congress）。参考：月刊世界の艦船3,’21

＜ＦＦＧ−６４＞：アメリカ海軍コンステレーション級ミサイル・フリゲート３番艦チェサピーク（Chesapeake）。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜ＦＦＧ−６５＞：アメリカ海軍コンステレーション級ミサイル・フリゲート４番艦ラファイエット（Lafayette。アメリカ独立の志士ラファイエット侯爵から）。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜ＦＦＧ−２６１＞：パキスタン海軍054A型フリゲート１番艦トゥグリル（Tughril）。2020年8月進水。2021年5月、上海で公試に入った。11月、上海で就役式典を実施。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜ＦＦＧ−８２８＞：韓国海軍チュンナム級フリゲート１番艦チュンナム（Chungnam）。2022年4月25日、現代重工蔚山造船所で起工。2023年4月10日進水。参考：月刊世界の艦船7,'23、7,’22

＜ＦＦＧ１１０１＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート１番艦成功（チェンクン）。1993年5月就役。2010年4月30日、遠洋練習航海に先立つ内地巡航のため高雄を出港。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習に参加。9月17日、漢光30号演習に参加。2015年1月1日、台湾南東沖で年頭洋上訓練に参加。2016年11月12日、左営基地で一般公開された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’00、5,’14、12,’14、4,’15、2,’17

＜ＦＦＧ１１０３＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート２番艦鄭和（チェンホ、Chengho）。1994年3月就役。2018年4月13日、蘇澳基地沖で着上陸阻止演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船8,’18

＜ＦＦＧ１１０５＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート３番艦継光（チークアン）。1995年3月就役。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習に参加。2022年7月25-29日、漢光38号演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’14、11,’22

＜ＦＦＧ１１０６＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート４番艦岳飛（ユェーフェイ）。1996年2月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＦＦＧ１１０７＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート５番艦子儀（ツーイ）。1997年1月就役。2022年7月25-29日、漢光38号演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’22

＜ＦＦＧ１１０８＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート６番艦班超（パンチャオ）。1995年1月起工、1997年12月16日就役。2016年8月6日、台湾海岸巡防署との合同訓練に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’98、12,’16

＜ＦＦＧ１１０９＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート７番艦張騫（チャンチェン）。1998年12月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＦＦＧ１１１０＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート８番艦田単（ティエンタン）。当初はイージスシステムを搭載する予定だったが、アメリカが中国に配慮して搭載されなかった。2004年就役。2015年11月21日、高雄市沖合で海岸巡防署との合同訓練に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究2,’03、2,’02、月刊世界の艦船2,’16

＜ＦＦＧ−１１１２＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート９番艦、銘傳（Mingchuan）。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲートFFG-50テイラーで、2017年5月13日に左営海軍基地に到着した。2018年11月8日就役、左営基地で就役式典が行われ、第142戦隊に配備された。2019年5月、漢光35号演習に参加。参考：月刊世界の艦船2,’19、8,’17、11,’19

＜ＦＦＧ−１１１５＞：台湾海軍成功級ミサイル・フリゲート10番艦、逢甲（Fengchia）。元はアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲートFFG-51ゲアリーで、2017年5月13日に左営海軍基地に到着した。2018年11月8日就役、左営基地で就役式典が行われ、第142戦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船2,’19、8,’17

＜ＦＦＧ（Ｘ）＞：アメリカ海軍次世代フリゲート。32隻打ち切りとなったLCSの代替・後継で、2016年12月に20隻の建造方針が出され、2017年11月7日にRfPが発出された。既に実艦を建造し洋上フルスケール実証も終わっているシンプル設計のフリゲートという要求事項が入っており、作戦域は外洋と沿海の両方で、対空戦（区域防空レベル）と電子戦（Electromagnetic Warfare）を主任務とし、対水上戦、対潜戦、人道支援・災害救援なども行える多用途水上戦闘艦を目指している。抗堪性向上のため、主機はシフト配置にするか、予備推進装置を積む。推進軸が複数になるのはアメリカ海軍戦後フリゲートとしては初になる。CANES統合コンピュータ環境、ロッキード・マーチン社製COMBATSS-21（COMponent Based Total Ship System 21st Century）指揮管制システム、MD-4Aミッション管制システム、CEC、AN/SPY-6(V)3EASRバリアント２対空捜索レーダー、NGSSR対水上レーダー、Mk160砲射撃指揮装置、L-3社製Mk20全周監視用EO/IRセンサー、AN/SQQ-89(V)15水中戦闘指揮装置、AN/SLQ-25E/-61曳航デコイ、低周波ハルソナーまたはAN/SQS-62可変深度ソナー、TB-37多機能曳航ソナー、57mm単装砲Mk110、ESSMブロック２／SM-2ブロック�VＣ／VLA／新型艦対潜ミサイル用Mk41VLS32セル、水平線以遠艦対艦ミサイル（NSMまたはLRASM）４連装発射筒２基、AGM-114Lロングボウ・ヘルファイア用垂直発射機SSMM（Surface to Surface Missile Module）、Mk15Mod31シーラム発射機、Mk53Mod9ヌルカ囮弾発射機、AN/SLQ-32(V)6ブロック�U／(V)7電子戦装置、AN/UPX-29敵味方識別装置、リンク11/16/22、NTCDL端末、HF/UHF/EHF通信機、SATCOM衛星通信装置、戦術暗号化システム、MH-60Rヘリ２機またはMH-60R/Sヘリ１機＋MQ-8C無人ヘリ１機、７メートルRHIB２隻を搭載する。後に対空戦能力強化のためCECを追加し、対水上戦能力強化のため艦対艦ミサイル４連装発射筒を４基に増やすことになった。戦闘システムもイージス・システムになるかもしれない。連続最大速力28ノット、航続距離3000海里（16ノット）。指向性エネルギー兵器用に600kWの電力を確保する。艦内予備スペースは5%を確保する予定だが、指向性エネルギー兵器に加えて電子戦装置や発電機・冷却装置の増載などを考慮し、もっと大きく取るかもしれない。乗員最大200名。20隻を建造予定。１隻の価格は2017年に４億9500万ドルと設定されたが、さすがに安すぎたようで、１番艦は12億8120万ドル（設計等諸費用・初度費込み）、平均で８億から９億5000万ドルを予定している。アトラス・ノース・アメリカ、ティッセンクルップ・マリン・システムズ、VTハルター・マリーン、コロンビア・グループなどがMEKO A200の派生型、オースタルUSAがインディペンデンス級沿海戦闘艦の派生型、ナバンティア社とバス鉄工所がF-100型フライト�U（アルヴァロ・デ・バサン級５番艦）の派生型（排水量6000トン）、フィンカンティエーリ、ギブス＆コックス、トライデント・マリーン・システムズがFREMM型フリゲート（イタリア汎用型）の派生型（排水量6500トン）、ロッキード・マーチン、マリネット・マーリン、ギブス＆コックスがフリーダム級沿海戦闘艦の派生型、ハンチントン・インガルス造船所がアメリカ沿岸警備隊バーソルフ級カッター（ステルス船型でアーレイ・バーク級類似のマストにAN/SPQ-9Bレーダーを装備する）の派生型を提案し、アメリカ海軍は2018年2月18日にオースタルUSA（インディペンデンス級沿海戦闘艦ベース）、ハンチントン・インガルス工業（バーソルフ級カッターベース）、ロッキード・マーチン（フリーダム級沿海戦闘艦ベース）、マリネット・マリーン（フィンカンティエーリ子会社。FREMM型フリゲートベース）、バス鉄工所（F-100型フライト�Uベース）に概念設計契約を発注した。2018年7月30日、アメリカ海軍がハンチントン・インガルス造船所、マリネット・マーリン、バス鉄工所に概念設計オプション契約分を発注した。2019年5月23日、ロッキード・マーチン社が搭載システムに専念するとして提案中止を発表した。6月20日、アメリカ海軍海洋システムズ・コマンドNAVSEAが正式版のRfPを発出した。7月、ロッキード・マーチン社ロータリー＆ミッション・システムズ部門が戦闘システムのインテグレーションとテストをアメリカ海軍海洋システムズ・コマンドから受注した。2020年4月30日、主契約社としてフィンカンティエーリ社を選定し、１番艦（と竣工後整備・訓練機材・乗員訓練など）を７億9512万ドルで発注した。フィンカンティエーリ社以外の装備品を含めると１番艦の総額は12億8000万ドルになる。オプションで９隻の建造と関連業務なども発注した。戦闘システムはイージスシステム・ベースライン10、レーダーはAN/SPY-6(V)3EASRバリアント２対空捜索レーダー、艦対艦ミサイルはRGM-184A NSM４連装発射筒４基を予定している。2025年度に更に10隻を発注する予定。2020年10月7日、１番艦がFFG-62コンステレーションに決まり、コンステレーション級になった。参考：月刊軍事研究6,’18、月刊世界の艦船2,'21、8,’19、2,’18、4,’18、5,’18、10,’18、6,’19、9,’19、10,’19、7,’20、12,’20

＜ＦＦＨ１５０＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート１番艦アンザック（Anzac）。1993年11月起工、1994年9月進水、1996年5月就役。2008年6月29日から7月31日、リムパック08に参加。2012年7月14日、ソマリア沖海賊対処のためオーストラリアを出港。2014年、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修を完工。10月27-30日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。10月31日から11月2日、オーストラリアのアルバニーでアルバニー船団記念式典に参加。11月3-7日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。2015年、近代化改装を実施。RCS低減、艦内配置変更、MH-60R運用能力追加などを行った。11月、オーストラリア海軍Fleet Concentration Period演習に参加。2016年4月12-16日、コモド2016演習に参加。2020年、AMCAP改装を終えて艦隊に復帰。2021年3月29-31日、南シナ海で日豪共同訓練に参加し、DD-108あけぼのと各種戦術訓練を行った。4月5-7日、ベンガル湾で、日仏米豪印共同訓練ラ・ペルーズ21に参加。補給艦O226シリウスと共に、海自DD-108あけぼの、フランス海軍強襲揚陸艦L9014トンネール、フリゲートF711シュルクーフ、アメリカ海軍LPD-25サマセット、インド海軍フリゲートF48サップラ、コルベットP30キルタン、P-8I哨戒機と、対空戦、対水上戦、洋上補給などの各訓練を行った。4月8日、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化を目的とした日豪加共同訓練に参加し、スマトラ島西方海空域で、DD-108あけぼの及びカナダ海軍フリゲートFFH-335カルガリーと、各種戦術訓練を行った。2023年6月3-5日、アメリカ主催大規模広域訓練LSGE23の一環として、日米豪加共同訓練ノーブル・ウルフに参加。DD-120しらぬい、P-1哨戒機、DDG-93チャンフーン、カナダ海軍フリゲート・モントリオール、補給艦アステリクスと、各種戦術訓練（対水上戦、LINKEXなど）及びPHOTOEXを行った。6月10-15日、呉に寄港。6月24-25日、南シナ海で日豪共同訓練トライデント23に参加。DDH-183いずも、DD-106さみだれ、オーストラリア空軍P-8A哨戒機と、各種戦術訓練（対水上戦、対空戦、LINKEXなど）及びPHOTOEXを行った。8月24日、マニラ周辺海空域で日米豪比共同訓練に参加。L02キャンベラと共に、DDH-183いずも、DD-106さみだれ、アメリカ海軍LCS-26モービル、オーストラリア空軍F-35A戦闘機、フィリピン海軍602ダバオ・デル・スルと、洋上補給訓練やPHOTOEXを行った。参考：月刊軍事研究11,’08、6,’18、月刊世界の艦船11,’00、3,’13、1,’15、2,’16、7,’16、9,’20、6,’21、7,'21、8,’23、9,’23、11,’23

＜ＦＦＨ１５１＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート２番艦アランタ（Arunta）。1998年12月就役。2004年3月16日、CEA-FARレーダーの海上テストを終了。2014年6月、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修後の公試を開始。10月、カカドゥ2014演習に参加。10月27-30日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。10月31日から11月2日、オーストラリアのアルバニーでアルバニー船団記念式典に参加。11月3-7日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。2015年7月4-19日、タリスマン・セイバー2015に参加。2019年6月、AMCAP改装を終えて艦隊に復帰。2020年2月17日から3月6日、Certification Exercise 2020演習に参加。6月中旬から下旬、オーストラリア東部沖で部隊統合訓練に参加。7月19-23日、フィリピン海で海自・アメリカ海軍との共同演習に参加。オーストラリア国防軍統合任務群L02キャンベラ、39ホバート、FFH-153スチュアート、O226シリウスと共に、海自DD-116てるづき、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVW-5、CG-54アンティータム、DDG-89マスティンなどと演習を行った。8月17-31日、リムパック2020に参加。太平洋ミサイル射場PMRFでRIM-162ESSMを標的機に実射した。9月10-13日、パシフィック・ヴァンガード20に参加。10月19-20日、南シナ海でDD-104きりさめ及びアメリカ海軍DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーンとの共同訓練に参加。10月下旬から日本周辺海域で北朝鮮の瀬取り監視を実施。11月10日、佐世保基地に入港。11月12日、九州西方海域でDDG-172しまかぜとの共同訓練に参加。2022年3月5日、ベンガル湾でソマリア沖海賊対処第41次水上部隊DD-103ゆうだちとの共同訓練（各種戦術訓練）に参加。3月14-16日、オーストラリア空軍AP-3C哨戒機と共に、南シナ海で日米豪共同訓練に参加し、DD-103ゆうだち、アメリカ海軍P-8A哨戒機、DDG-92マンセンと、各種戦術訓練を行った。10月4-8日、南シナ海で日米豪加共同訓練ノーブル・ミスト22に参加。駆逐艦39ホバート、補給艦A304ストルワートと共に、DD-104きりさめ、DDG-69ミリウス、DDG-76ヒギンズ、アメリカ沿岸警備隊巡視船ミジェット、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、各種戦術訓練（対潜戦など）を行った。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。11月8-15日、マラバール2022に参加。12月13日、シドニーに帰港。参考：月刊軍事研究10,’14、6,’18、月刊世界の艦船11,’00、1,’15、9,’19、9,'20、11,'20、12,'20、1,'21、2,'21、5,'22、6,'22、1,'23、2,'23、3,'23、月刊JWings10,’20

＜ＦＦＨ１５２＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート３番艦ワラムンガ（Warramunga）。2009年3月4-14日、アマン09演習に参加。2014年2月から2015年4月、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修を実施。2016年6月30日から8月2日、リムパック2016に参加。9月12-24日、カカドゥ2016演習に参加。2021年8月23日から9月10日、マラバール2021に参加。11月6-10日、呉に寄港。11月10-12日、四国南方海空域で日豪共同訓練トライデントに参加し、海自DD-105いなづまと各種戦術訓練を行った。11月21-30日、令和3年度海上自衛隊演習（実動演習＜日米共同演習および日米豪加独共同訓練＞）に参加。2022年6月19-24日、強襲揚陸艦L02キャンベラ、補給艦A195サプライと共に、太平洋で日米豪共同訓練ノーブル・パートナー22（Noble Partner 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、アメリカ海軍CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-101グリッドレイ、DDG-102サンプソン、DDG-111スプルーアンスと、各種戦術訓練（防空戦など）を行った。6月28日、パール・ハーバーに入港。6月29日からリムパック2022に参加。8月30日から9月1日、ニューカレドニア周辺で日仏豪共同訓練ラ・ペルーズ22に参加。DD-104きりさめ、フランス領ニューカレドニア駐留フランス軍フリゲートF734ヴァンデミエールと、各種戦術訓練（戦術運動、対空戦など）を行った。12月14日、シドニーに帰港。参考：月刊軍事研究7,’09、9,’09、6,’18、月刊世界の艦船10,’16、12,’16、11,'21、2,'22、9,'22、11,'22、3,'23、JShips VOL.70

＜ＦＦＨ１５３＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート４番艦スチュアート（Stuart）。2002年就役。2006年6月26日から7月28日、リムパック2006に参加。2014年8月25日から9月12日、カカドゥ2014演習に参加。10月27-30日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。10月31日から11月2日、オーストラリアのアルバニーでアルバニー船団記念式典に参加。11月3-7日、多国間共同訓練ディスタント・ショアーズに参加。2015年10月10日、海自横須賀基地に入港。10月17日、一般公開された。10月18日、海自観艦式に参加。10月19-22日、関東南方から四国南方の海域で日豪トライデント共同訓練に参加。11月、オーストラリア海軍Fleet Concentration Period演習に参加。2016年5月から2017年3月、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修を実施。2019年11月16日、ホワイトビーチに入港。2020年2月17日から3月6日、Certification Exercise 2020演習に参加。6月中旬から下旬、オーストラリア東部沖で部隊統合訓練に参加。7月19-23日、フィリピン海で海自・アメリカ海軍との共同演習に参加。オーストラリア国防軍統合任務群L02キャンベラ、39ホバート、FFH-151アランタ、O226シリウスと共に、海自DD-116てるづき、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVW-5、CG-54アンティータム、DDG-89マスティンなどと演習を行った。8月17-31日、リムパック2020に参加。参考：月刊世界の艦船6,’05、10,’06、11,’14、1,’15、1,'16、2,’16、9,'20、11,'20、月刊軍事研究6,’18、月刊JWings2,’20、10,'20、朝雲

＜ＦＦＨ１５４＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート５番艦パラマタ（Parramatta）。2003年10月就役。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。2015年から2016年4月、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修を実施。11月18日から12月5日、ニュー・サウス・ウェールズ沖でオーシャン・レイダー2016演習に参加。2017年9月4日、L01アデレード、04ダーウィン、05メルボルン、FFH156ツゥーウムバ、給油艦シリウスと共にシドニーを出港。11月下旬まで日本、インド、韓国など12カ国を巡って共同訓練等を行うインド・パシフィック・エンデヴァー2017を実施する。9月16日、ミクロネシア共和国ヤップ島を訪問した。10月8日、05メルボルンと共に佐世保基地に入港。10月13-18日、05メルボルンと共に横須賀基地に在泊。10月13-21日、日豪トライデント共同訓練に参加。2019年4月、インドとの共同演習AUSINDEXに参加。5月23-28日、パシフィック・ヴァンガード19-1に参加。11月5-9日、ホバート級イージス駆逐艦39ホバートと共に、海自佐世保基地を親善訪問した。11月4-21日、海上自衛隊演習に参加。2020年4月18日、アメリカ海軍LHA-6アメリカ、CG-52バンカーヒルなどとの共同訓練に参加。2021年5月11日、佐世保に入港。5月11-17日、日米豪仏共同訓練ARC21に参加。6月25日から8月7日、タリスマン・セイバー2021に参加。7月14-17日、イージス駆逐艦41ブリスベーンと共にオーストラリア東方沖で日豪韓共同訓練に参加。DD-112まきなみ、SH-60Kヘリ、韓国海軍駆逐艦978ワン・ゲオンと、電子戦・戦術運動・通信の各訓練を行った。2022年7月4-6日、東シナ海から沖縄東方に至る海空域で日米豪共同訓練に参加。DD-119あさひ及びDDG-105デューイと各種戦術訓練（対水上戦、PHOTEXなど）を行った。参考：月刊世界の艦船6,’05、7,’13、3,’17、11,’17、12,’17、3,’18、8,’19、9,’19、1,’20、2,’20、7,'20、8,'21、10,'21、9,'22、月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究6,’18

＜ＦＦＨ１５５＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート６番艦バララト（Ballarat）。2004年6月就役。2009年9月13-17日、東京港に寄港。9月17-20日、日豪共同訓練に参加。9月21-24日、呉に寄港。9月24-26日、日米豪共同訓練に参加。2012年5月31日から6月4日、呉基地を親善訪問した。6月4-5日、海上自衛隊と九州南東沖で親善訓練を実施。6月6-8日、日米豪共同訓練に参加。2015年から2016年2月、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修を実施。4月22日、L01アデレード、補給艦サクセスなどと共に、シドニー沖でDD-132あさゆき、DD-158うみぎり、SS-503はくりゅう、SH-60Jヘリ２機との共同訓練に参加。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2017年4月3日、スターリング基地を出港。4月13日、湛江基地に入港。4月17日、湛江基地を出港し、南シナ海で中国海軍054A級フリゲート570黄山と親善訓練を行った。5月12日、シンガポール海軍国際観艦式参加艦と親善訓練に参加。5月15日、シンガポール海軍国際観艦式に参加。6月9-10日、南シナ海でDDG-104ステレット、DD-113さざなみ、DDH-183いずも、カナダ海軍ハリファックス級フリゲートFFH-338ウィニペグと共同巡航訓練を実施。2018年11月1日、オーストラリアを出撃し、中東に向かった。2019年1月8-9日、アラビア海で麻薬密輸を摘発し、麻薬3.1トンを押収した。1月中旬、アメリカ海軍CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス空母打撃群、フランス海軍カサール級ミサイル駆逐艦D614カサールと共に、ペルシャ湾で共同演習を実施。2020年6月中旬から下旬、オーストラリア東部沖で部隊統合訓練に参加。11月3-6日、マラバール2020（前段）に参加。11月6-7日、ベンガル湾でDD-111おおなみ及びDDG-56ジョン・Ｓ・マッケーンとの日米豪共同訓練（各種戦術訓練）に参加。11月17-20日、マラバール2020（後段）に参加。2021年4月21日に行方不明になったインドネシア海軍潜水艦402ナンガラの捜索に参加。5月中旬から日本周辺海域で北朝鮮の瀬取り監視任務に就いた。5月29日から6月2日、第816飛行隊MH-60Rヘリを載せて横須賀基地に寄港。新型コロナウイルス対策で乗員は艦内に止まった。6月2日、関東南方海空域で日豪共同訓練に参加し、DD-101むらさめと各種戦術訓練を行った。6月25日から8月7日、タリスマン・セイバー2021に参加。8月2-8日、LSGE2021に参加。10月11-14日、ベンガル湾でマラバール2021フェーズ２に参加。10月15-18日、ベンガル湾で日米英豪共同訓練Maritime Partnership Exerciseに参加。CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-106ストックデイル、DDG-68ザ・サリヴァンズ、T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、海自DDH-184かが、DD-101むらさめ、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF-239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア）と、対抗戦、防空戦、対水上射撃、洋上補給などの訓練を行った。10月16日にはCVN-70カール・ヴィンソンから洋上補給を受けている。参考：月刊世界の艦船10,’02、8,’12、7,’16、7,’17、9,’17、4,’19、9,'20、1,'21、7,'21、8,'21、10,'21、1,’22、2,'22、月刊JWings2,’21、8,’21、朝雲

＜ＦＦＨ１５６＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート、ツゥーウムバ（Toowoomba）。2016年9月、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修を完工。2017年9月4日、L01アデレード、04ダーウィン、05メルボルン、FFH154パラマタ、給油艦O226シリウスと共にシドニーを出港。11月下旬まで日本、インド、韓国など12カ国を巡って共同訓練等を行うインド・パシフィック・エンデヴァー2017を実施する。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2019年5月19-22日、スマトラ島西方のインド洋で日仏豪米共同訓練ラ・ペルーズ（La Pérouse）に参加。コリンズ級潜水艦SSG-73コリンズと共に、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、フランス海軍空母R91シャルル・ド・ゴール、ホライズン級ミサイル駆逐艦D620フォルバン、FREMM級フリゲートD652プロヴァンス、ジョルジュ・レイグ級駆逐艦D646ラトゥーシュ・トレヴィル、デュランス級補給艦A630マルヌ、アメリカ海軍アーレイ・バーク級イージス駆逐艦DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンスと、共同訓練を行った。2023年5月3-5日、シンガポールのチャンギ・エキシビション・センターでIMDEX ASIA 2023に参加。11月22日、東シナ海で日豪共同訓練トライデント23-3に参加。P-3C哨戒機と各種戦術訓練（LINKEX）を行った。参考：月刊世界の艦船11,’17、12,’17、9,’18、8,’19、8,'23、2,'24、月刊軍事研究6,’18

＜ＦＦＨ１５７＞：オーストラリア海軍アンザック級フリゲート８番艦パース（Perth）。2004年3月20日進水、2006年8月就役。2010年1月からプロジェクトSEA1448フェーズ2B改修を実施。2011年2月、改修を終えて海上公試に入った。5月27日、ESSMでフェニックス無人標的を撃墜した。2012年6月27日から8月7日、リムパック2012に参加。2013年8月、ハワイの太平洋ミサイル試験場でESSM発射試験を実施。GQM-163A超音速標的機を撃墜するなど所定の性能を発揮し、プロジェクトSEA1448フェーズ2B改修の最終領収試験を終えた。2015年、近代化改装を実施。RCS低減、艦内配置変更、MH-60R運用能力追加などを行った。7月4-19日、タリスマン・セイバー2015に参加。2022年8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22（Pacific Vanguard 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、陸自水陸機動団、アメリカ海軍潜水艦、T-AKE-6アメリア・イアハート、P-8A哨戒機、EA-18G電子戦機、第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、韓国海軍ミサイル駆逐艦991セジョン・デワン、976ムーンム・デワン、カナダ海軍フリゲートFFH-331バンクーバーと、各種戦術訓練（対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜戦など）を行った。2023年3月13-14日、日仏米豪印英加新共同訓練ラ・ペルーズ23に参加。DD-117すずつき、フランス海軍L-9015ディズミュド、F710ラファイエット、アメリカ海軍LCS-18チャールストン、インド海軍F49サヒャドリ、A58ジョティ、イギリス海軍P233テイマー、カナダ海軍司令部など、ニュージーランド海軍司令部などと、スリランカ東方で、各種戦術訓練（対水上射撃、防空戦、戦術運動、クロスデッキ）などを行った。参考：月刊世界の艦船3,’05、6,’11、7,’11、8,’11、9,’12、10,'15、11,'22、月刊軍事研究10,’14、6,’18

＜ＦＦＨ３３０＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート、ハリファックス（Halifax）。1990年12月15日竣工。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。2016年1月27日、ノバスコシア沖でCH-148ヘリの初着艦試験を実施。2021年1月28日、第１常設水上部隊SNMG1旗艦として、ドイツ海軍給油艦A1442シュペサルトと共に、大西洋上でドイツ海軍フリゲートF222バーデン・ヴュルテンベルクとの共同演習に参加。5月20-30日、第１常設水上部隊SNMG1旗艦として、ステッドファスト・ディフェンダー21に参加。6月6-18日、バルトップス50に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’91、4,’10、4,'21、8,'21、9,'21、月刊軍事研究4,’18

＜ＦＦＨ３３１＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート２番艦バンクーバー（Vabcouver）。1991年竣工、1993年8月就役。2001年4月17-18日、DDG-171はたかぜ、DD-158うみぎりと親善訓練を実施。4月18-22日、名古屋を親善訪問した。2016年4月下旬から5月上旬、カリフォルニア沖で演習に参加し、AGM-84Lハープーン・ブロック�Uによる対地攻撃モードでの発射に成功した。9月12-24日、カカドゥ2016演習に参加。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。11月19日にニュージーランド海軍創設75周年記念国際観艦式に参列予定だったが、取り止めて11月13日に発生したニュージーランド地震の援助活動を行った。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。10月1-8日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。2022年6月29日からリムパック2022に参加。8月8-14日、ハワイ周辺で日米豪韓加ミサイル警戒演習パシフィック・ドラゴン2022（Pacific Dragon 2022）に参加。DDG-180はぐろ、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、F/A-18F戦闘機、オーストラリア海軍駆逐艦42シドニー、韓国海軍駆逐艦991セジョン・デワンと、弾道ミサイル模擬標的等の追尾に係る情報共有などの訓練を行った。8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22（Pacific Vanguard 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、陸自水陸機動団、アメリカ海軍潜水艦、T-AKE-6アメリア・イアハート、P-8A哨戒機、EA-18G電子戦機、第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、フリゲートFFH-157パース、韓国海軍ミサイル駆逐艦991セジョン・デワン、976ムーンム・デワンと、各種戦術訓練（対水上射撃、対地射撃、対水上戦、対潜戦など）を行った。8月30日から9月7日、グアム周辺から南シナ海で日米加共同訓練ノーブル・レイブン22を実施。DDH-183いずも、DD-110たかなみが、アメリカ海軍DDG-76ヒギンズ、T-AO-194ジョン・エリクソン、T-AO-204ラパハノックと、各種戦術訓練を行った。10月21-24日、FFH-338ウィニペグと共に、呉基地に寄港。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。11月10-19日、キーン・ソード23に参加。2023年8月21-28日、千島列島東方から関東南方で日米加共同訓練ノーブル・チヌークに参加。FFH-341オタワ、補給艦アステリクスと共に、DDH-181ひゅうが、DDG-65ベンフォールドと、各種戦術訓練（対水上戦、クロスデッキなど）、PHOTOEXを行った。8月28日、FFH-341オタワ、補給艦アステリクスと共に、海自横須賀基地に寄港。9月1日、横須賀基地を出港し、北朝鮮の瀬取り監視任務に就いた。10月2-13日、SAMASAMA2023訓練に参加。11月10-20日、令和5年度海上自衛隊演習（実動演習（共同演習））に参加。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’01、11,’16、12,’16、2,’17、9,’18、1,’19、10,'22、11,'22、12,'22、1,'23、2,'23、11,'23、12,'23、1,'24、JShips VOL.70

＜ＦＦＨ３３２＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート、ヴィル・ド・ケベック（Ville de Quebec）。2011年8月14日、ハリファックス沖で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。2018年8月1-2日、バルセロナ沖で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。2020年10月4-15日、ジョイント・ウォーリア2020に参加。参考：月刊世界の艦船11,’11、11,’18、1,’21

＜ＦＦＨ３３４＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート５番艦レジャイナ（Regina）。1994年9月就役。1996年5月22日から6月22日、リムパック96に参加。2004年9月9日、日本を訪問した。2006年8月11日から8月14日、アメリカ海軍佐世保基地を業務訪問した。その後は上海、青島、鎮海（韓国）に寄港し、8月31日から9月3日に東京、9月6日まで横須賀基地、9月6日に女川を訪問した。2014年9月3-7日、東京港晴海埠頭に寄港した。2019年6月上旬から東シナ海を含む日本周辺海域で、カナダ空軍CH-148ヘリを搭載し、アステリクス級暫定給油艦アステリクスと共に、北朝鮮の瀬取りなどの違法海上活動警戒監視を実施。6月13-15日、アステリクス級暫定給油艦アステリクスと共に、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのと、南シナ海で日加共同訓練（対潜、模擬洋上給油、戦術運動）を実施。6月27日、ホワイトビーチに寄港。参考：月刊世界の艦船10,’06、9,’96、3,’05、11,’14、9,’19、月刊JWings8,’19、月刊航空ファン9,’19

＜ＦＦＨ３３５＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート６番艦カルガリー（Calgary）。1995年5月就役。2010年6月、リムパック2010に参加。2011年、艦齢延長・改装工事を受けた。2014年6月26日から8月1日、リムパック2014に参加。10月9-13日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。10月20-31日、コア・カイ・イーストに参加。2016年6月29日、パール・ハーバーに入港。6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2016年10月2-9日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。2018年8月24-31日、補給艦アステリクスと共に、グアムからダーウィンに至る海空域でオーストラリア海軍アデレード級ミサイル・フリゲート05メルボルン、DD-113さざなみ、ニュージーランド海軍テ・カハ級フリゲートF111テ・マナと日豪加新共同巡航訓練を実施。10月29日から11月8日、アステリクス級暫定給油艦アステリクスと共に、キーン・ソード19に参加。11月6-22日、アステリクス級暫定給油艦アステリクスと共にアメリカ海軍横須賀基地を業務訪問した。11月24-27日、アステリクス級暫定給油艦アステリクスと共に海自佐世保基地を親善訪問した。11月24-29日、KAEDEX2018に参加。2021年4月8日、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化を目的とした日豪加共同訓練に参加し、スマトラ島西方海空域で、オーストラリア海軍フリゲートFFH-150アンザック及びDD-108あけぼのと、各種戦術訓練を行った。6月25日から8月7日、タリスマン・セイバー2021に参加。参考：月刊世界の艦船9,’14、9,’10、1,’15、9,’16、10,’16、1,’17、11,’18、2,’19、7,'21、10,'21、朝雲

＜ＦＦＨ３３６＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲートMontreal。2016年3月、５年間に亘るX-Ship計画の担当艦となった。乗員の人数やローテーション、艦の運用、維持管理などに関する種々の新コンセプトを試行している。2017年9月24日から10月18日、イギリス西方ヘブリデスで多国間演習フォーミダブル・シールドに参加。10月7日、ESSMの実射訓練を行った。2023年6月3-5日、アメリカ主催大規模広域訓練LSGE23の一環として、日米豪加共同訓練ノーブル・ウルフに参加。補給艦アステリクスと共に、DD-120しらぬい、P-1哨戒機、DDG-93チャンフーン、オーストラリア海軍FFH-150アンザックと、各種戦術訓練（対水上戦、LINKEXなど）及びPHOTOEXを行った。6月10-14日、沖縄南方から南シナ海でアメリカ主催大規模広域訓練LGSE23の一環として日米加仏共同訓練ノーブル・タイフーンに参加。DDH-183いずも、DD-106さみだれ、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-93チャンフーン、DDG-115ラファエル・ペラルタ、T-AO-204ラパハノック、フランス海軍D-657ロレーヌと、各種戦術訓練（対水上戦、対空戦、対潜戦、LINKEXなど）及び洋上補給訓練を行った。6月14-19日、南シナ海でアメリカ主催大規模広域訓練LSGE23の一環として日米加共同訓練ノーブル・レイブン23に参加。DDH-183いずも、DDG-115ラファエル・ペラルタと、各種戦術訓練（対水上戦、対潜戦、LINKEXなど）及び洋上補給訓練を行った。7月20日から8月4日、タリスマン・セイバー23に参加。参考：月刊世界の艦船1,’18、8,'23、9,'23、10,'23、月刊軍事研究4,’18

＜ＦＦＨ３３７＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート８番艦フレデリクトン（Fredericton）。1994年9月就役。2016年9月9-26日、カットラス・フューリー2016に参加。2020年6月7-16日、バルトップス2020に参加。6月29日から7月10日、ダイナミック・マングース2020に参加。参考：月刊世界の艦船12,’16、9,’20、10,’20、2,’21

＜ＦＦＨ３３８＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート９番艦ウィニペグ（Winnipeg）。1995年6月就役。1996年5月22日から6月22日、リムパック96に参加。2010年6月12日、カナダ海軍創設100周年記念国際観艦式に参加。2015年9月15-18日、DSEi2015で一般公開された。2016年1月28-30日、DD-153ゆうぎり、AOE-423ときわと太平洋上で親善訓練を実施。AOE-423ときわから洋上給油を受けた。1月31日から2月3日、東京港晴海埠頭を訪問した。2017年6月9-10日、南シナ海でDDG-104ステレット、DD-113さざなみ、DDH-183いずも、オーストラリア海軍FFH-155バララトと共同巡航訓練を実施。6月15-18日、FFH341オタワ、DD-105いなづま、ニュージーランド海軍テ・カハ級フリゲートF77テ・カハと共に、四国南方海域で共同訓練（対潜戦、対水上射撃訓練）を実施。7月2-15日、DD-158うみぎり、DE-229あぶくま、AOE-423ときわ、FFH341オタワと共に、九州周辺から関東南方で共同訓練KAEDEX（対空戦、戦術運動、模擬洋上給油）を実施。7月5-8日、FFH341オタワと共に呉に寄港。7月11-15日、FFH341オタワと共に東京港晴海埠頭に寄港。2017年10月1-9日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。2020年10月上旬、東シナ海を含む日本周辺海域で北朝鮮の瀬取り監視を開始。10月26日から11月5日、CH-148ヘリを搭載してキーン・ソード21に参加。10月30日、搭載CH-148ヘリがアメリカ海軍ミサイル追跡艦T-AGM-25ハワード・Ｏ・ローレンツェンの負傷者を乗せてキャンプ座間まで輸送した。11月17日、九州西方海空域で海上自衛隊との日加共同訓練KAEDEX20に参加。DDG-172しまかぜと各種戦術訓練を行った。2021年8月12日、エスカイモルトを出港。9月2-7日、東シナ海から四国南方を経て関東南方に至る海空域で、日英米蘭加共同訓練パシフィック・クラウン21-3（Pacific Crown 21-3）に参加。イギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21所属R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、同アメリカF-35B戦闘機、D36ディフェンダー、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-102はるさめ、DD-110たかなみ、DD-111おおなみ、DD-119あさひ、潜水艦１隻、P-1哨戒機、SH-60Jヘリ、SH-60Kヘリ、空自F-15戦闘機、F-2戦闘機、E-767早期警戒管制機、アメリカ海軍P-8A哨戒機と、対抗戦、防空戦、対潜戦などの各訓練を行った。9月8-9日、関東東方海空域で日英米蘭加共同訓練共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。DDH-182いせ、DDH-183いずも、SH-60J/K哨戒ヘリ、MCH-101掃海輸送ヘリ、空自F-35A戦闘機、E-767早期警戒管制機、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、アメリカF-35B戦闘機、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF805エフェルトセン、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア）と、戦術運動・通信・発着艦・写真撮影の各訓練を行った。9月10日、CH-148ヘリを搭載して横須賀に入港。9月13日、横須賀を出港。10月2-3日、沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加。海自DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-152やまぎり、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセン）、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-67シャイロー、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、対抗戦、防空戦、対潜戦、戦術運動、通信などの各訓練を行った。10月4-9日、南シナ海で日米英蘭加新共同訓練に参加。海自DD-120しらぬい、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス空母打撃群CSG21（空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセン）、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、各種戦術訓練及び洋上補給訓練を行った。11月9日、東シナ海で海上自衛隊との共同訓練KAEDEX21に参加し、DE-230じんつうと、各種戦術訓練（戦術運動など）を行った。11月21-30日、令和3年度海上自衛隊演習（実動演習＜日米共同演習および日米豪加独共同訓練＞）に参加。2022年6月29日からリムパック2022に参加。8月9日、太平洋で日加新共同訓練に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、ニュージーランド海軍補給艦A11アオテアロアと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。9月21-23日、マレーシア沖からシンガポール沖で日加共同訓練KAEDEX22に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみと、各種戦術訓練を行った。9月23日から10月1日、南シナ海で日米加共同訓練ノーブル・レイヴン22-2に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、DDG-76ヒギンズ、T-AO-198ビッグ・ホーンと、各種戦術訓練を行った。10月4-8日、南シナ海で日米豪加共同訓練ノーブル・ミスト22に参加。DD-104きりさめ、DDG-69ミリウス、DDG-76ヒギンズ、アメリカ沿岸警備隊巡視船ミジェット、オーストラリア海軍駆逐艦39ホバート、フリゲートFFH-151アルンタ、補給艦A304ストルワートと、各種戦術訓練（対潜戦など）を行った。10月21-24日、FFH-331バンクーバーと共に、呉基地に寄港。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。11月7日、関東南方海空域で多国間共同訓練に参加。11月10-19日、キーン・ソード23に参加。2023年6月13-14日、ビクトリア周辺で日加共同訓練KAEDEX23に参加。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜと、各種戦術訓練（戦術運動、PHOTOEX、LINKEXなど）を行った。参考：月刊世界の艦船9,’96、9,’10、4,’16、9,’17、1,’18、2,'21、11,'21、12,'21、2,'22、10,'22、11,'22、12,'22、1,'23、2,'23、9,'23、月刊軍事研究12,’15、月刊JWings1,’23、朝雲

＜ＦＦＨ３３９＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート、シャーロットタウン（Charlottetown）。2011年3月、リビア作戦に参加。2012年3月24日、大西洋上でCVN-65エンタープライズ空母打撃群、F100級イージスフリゲートF101アルバロ・デ・バサン、デ・ゼーベン・プロビンシェン級ミサイル・フリゲートF804デ・ロイテル、F122型ブレーメン級フリゲートF209ラインラント・プファルツとNATO合同訓練を実施。2016年8月25日、地中海で海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。11月19-28日、東地中海でマーヴィ・バリナ2016演習に参加。参考：月刊世界の艦船6,’12、11,’16、3,’17、月刊JWings7,’11

＜ＦＦＨ３４０＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート11番艦セント・ジョンズ（St.John’s）。2010年5月28日、ハリファックス基地に入港した。2017年2月1-11日、黒海でシー・シールド2017演習に参加。2018年4月21日から5月4日、ジョイント・ウォーリア2018演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’10、7,’17、7,’18

＜ＦＦＨ３４１＞：カナダ海軍ハリファックス級フリゲート12番艦オタワ（Ottawa）。1996年9月就役。2011年8月25-30日、東京港を親善訪問した。8月30日、DD-104きりさめと親善訓練を実施。10月6-12日、サンフランシスコ・フリート・ウィークに参加。2017年6月15-18日、FFH338ウィニペグ、DD-105いなづま、ニュージーランド海軍テ・カハ級フリゲートF77テ・カハと共に、四国南方海域で共同訓練（対潜戦、対水上射撃訓練）を実施。7月2-15日、FFH338ウィニペグ、DD-158うみぎり、DE-229あぶくま、AOE-423ときわと共に、九州周辺から関東南方で共同訓練KAEDEX（対空戦、戦術運動、模擬洋上給油）を実施。7月5-8日、FFH338ウィニペグと共に呉に寄港。7月11-15日、FFH338ウィニペグと共に東京港晴海埠頭に寄港。9月16日、海自遠洋航海部隊の実習幹部が艦を研修した。2018年6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2019年8月6日、北朝鮮瀬取り監視などを行うため、カナダのエスカイモルト港を出港。8月23-27日、舞鶴基地に寄港。その後、日本周辺海域で北朝鮮の瀬取り監視に入った。10月15-16日、DDG-172しまかぜ、DDG-176ちょうかいと関東南方海空域で日加共同訓練KAEDEX19-2に参加。11月6-9日、呉基地を親善訪問した。11月4-21日、海上自衛隊演習に参加。2023年8月21-28日、千島列島東方から関東南方で日米加共同訓練ノーブル・チヌークに参加。FFH-331バンクーバー、補給艦アステリクスと共に、DDH-181ひゅうが、DDG-65ベンフォールドと、各種戦術訓練（対水上戦、クロスデッキなど）、PHOTOEXを行った。FFH-331バンクーバー、補給艦アステリクスと共に、海自横須賀基地に寄港。9月1日、横須賀基地を出港。9月5-6日、沖縄南方で日米加共同訓練ノーブル・スティングレイに参加。DDH-183いずも、DD-106さみだれ、潜水艦、DDG-114ラルフ・ジョンソンと、各種戦術訓練（対潜戦など）やPHOTOEXを行った。10月23日、南シナ海で日米豪加新共同訓練ノーブル・カリブーに参加。DD-108あけぼの、DDG-115ラファエル・ペラルタ、オーストラリア海軍41ブリスベーン、ニュージーランド海軍F111テ・マナと、各種戦術訓練（通信、戦術運動など）、PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船11,’11、9,’17、10,’18、10,’19、11,’19、1,’20、2,’20、11,'23、1,'24、JShips Vol.46、朝雲

＜ＦＦ−ＬＭＭ＞：タレス社が開発した多目的ミサイルで、Free Fall-Lightweight Multirole Missileの略。参考：月刊軍事研究10,’14

＜ＦＦＭ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、対機雷戦兼用フリゲート（FF＋Mine）または多機能フリゲート（FF＋Multi-purpose）の意。3900トン型護衛艦（仮称30DX）／もがみ型の正式な艦種記号として2018年4月3日に制定された。参考：月刊世界の艦船6,’18、1,’24

＜ＦＦＭ−１＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦１番艦もがみ（最上川から）。平成30年度計画艦で、2019年10月29日起工。2021年3月3日、三菱重工長崎造船所で命名・進水式が行われて進水した。10月7日、海上公試開始。10月25日、艤装員56名が長崎市営陸上競技場の清掃活動を実施。2022年4月28日、三菱重工長崎造船所で引渡式と自衛艦旗授与式が行われて就役し、掃海隊群に配備された。定係港は横須賀。夕方、補給のため佐世保基地に入港。5月3日、定係港の横須賀基地に初入港した。5月9日、横須賀基地吉倉桟橋で入港歓迎行事が行われ、艦長が横須賀地方総監に到着を報告した。5月11日、掃海隊群司令の初度巡視を受けた。8月6日、山形県酒田北港に初入港した。9月5日、横須賀基地で浜田防衛大臣が初視察した。10月29-30日、木更津で一般公開された。11月11日、横須賀基地から東京国際クルーズターミナルまで体験航海を実施。11月12-13日、東京国際クルーズターミナルで一般公開された。11月25日現在、掃海隊群直轄で、定係港は横須賀。2023年4月25日現在、掃海隊群直轄で、定係港は横須賀。7月16-28日、陸奥湾で令和5年度機雷戦訓練（陸奥湾）及び掃海特別訓練（日米印伊共同）を実施。参考：月刊世界の艦船5,’21、7,’21、1,’22、7,'22、8,'22、9,'22、11,'22、12,'22、1,'23、2,'23、6,'23、10,'23、朝雲

＜ＦＦＭ−２＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦２番艦くまの（熊野川から）。平成30年度計画艦で、2019年10月30日起工。2020年11月19日、三井E&S造船玉野艦船工場で命名・進水式が行われて進水した。2021年8月24日、洋上公試開始。11月8日、最大出力公試でMT30ガスタービンが出力40MW（53600馬力）を超えたと、ロールスロイス社が発表した。2022年3月22日、三菱重工マリタイムシステムズで引渡式と自衛艦旗授与式が行われて就役し、掃海隊群に配備された。定係港は横須賀。3月26日、横須賀に初入港した。3月28日、報道特別公開を実施。8月25日、熊野川のほとりにある和歌山県新宮港に入港。乗員は熊野本宮大社を参拝し、就航を報告、安全祈願を行った。8月26-27日、新宮港で一般公開された。10月29-30日、木更津で一般公開された。11月5日、横浜大桟橋で一般公開された。11月11日、横須賀基地から東京国際クルーズターミナルまで体験航海を実施。11月12-13日、東京国際クルーズターミナルで一般公開された。11月25日現在、掃海隊群直轄で、定係港は横須賀。2023年4月20日から9月17日、令和5年度インド太平洋方面派遣IPD23に第３水上部隊として参加。4月20日、横須賀を出港。4月20-21日、関東南方で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー23に参加。F731プレリアルと各種戦術訓練（戦術運動、LINKEXなど）を行った。4月25日現在、掃海隊群直轄で、定係港は横須賀。5月3-5日、シンガポールのチャンギ・エキシビション・センターでIMDEX ASIA 2023に参加。5月9-11日、インドネシアのジャカルタ港に寄港。5月11日、ジャワ海で日インドネシア親善訓練に参加。インドネシア海軍コルベット・パチムラと戦術運動訓練やPHOTOEXを行った。6月7日、四国南方海空域で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー23-3に参加。潜水艦と共に、空自第８航空団F-2戦闘機４機、西部航空警戒管制団、フランス海軍D-657ロレーヌと、各種戦術訓練（対潜戦、対空戦、対水上戦、LINKEXなど）を行った。9月27日、関東南方で日米共同訓練に参加。LCS-24オークランド、レンジャーUSV、マリナーUSVと、戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。10月21日、横須賀基地で横須賀地方総監部オータムフェスタに参加して一般公開され、２時間待ちの行列ができた。参考：月刊世界の艦船2,’21、7,'21、11,'21、1,'22、5,’22、6,'22、12,'22、1,'23、2,'23、6,'23、7,'23、8,'23、12,'23、1,'24、月刊JWings11,'22、7,'23、朝雲

＜ＦＦＭ−３＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦３番艦のしろ（能代川から）。令和元年度計画艦で、2020年7月15日起工、三菱重工長崎造船所で起工式を実施。2021年6月22日、命名・進水式が行われて進水した。2022年5月24日、海上公試を開始。12月15日、三菱重工長崎造船所で引渡式と自衛艦旗授与式が行われて就役し、第13護衛隊に配備された。夕方、定係港の佐世保基地に入港。12月17-18日、佐世保港新みなと岸壁で一般公開された。2023年4月25日現在、第13護衛隊に配備されており、定係港は佐世保。7月13日、第51航空隊MCH-101掃海・輸送ヘリの発着艦試験を実施。9月11日0800頃、大正島北東230kmを南に航行する052C級ミサイル駆逐艦151鄭州、052D級ミサイル駆逐艦154厦門、ソブレメンヌイ�T級ミサイル駆逐艦137福州を確認し、0800-0900頃には宮古島北東140kmを南東に航行する052D級ミサイル駆逐艦133包頭、同134紹興、054A級フリゲート523、同537、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦139寧波を確認した。その後これら８隻は沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。9月30日から10月7日、関東南方から東シナ海で日米共同訓練に参加。DD-103ゆうだちと共に、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-86シャウプと、各種戦術訓練（LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。10月16-18日、東シナ海で日米共同訓練に参加。CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-86シャウプと、各種戦術訓練（LINKEXなど）を行った。11月29日、屋久島沖で墜落した第21特殊戦飛行隊CV-22B特殊戦機の捜索活動に参加。1715、佐世保を出港。11月30日0135、墜落現場付近に到着し、捜索を開始した。12月4日、捜索を終えて現場海域を離脱。12月12-13日、搭載SH-60K哨戒ヘリと共にCV-22B特殊作戦輸送機の捜索活動を実施。参考：月刊世界の艦船3,’21、9,’21、8,’22、2,’23、3,’23、6,’23、10,'23、11,’23、12,’23

＜ＦＦＭ−４＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦４番艦みくま（三隈川から）。令和元年度計画艦で、2020年7月15日、三菱重工長崎造船所で起工式を実施。12月10日、命名・進水式が行われて進水した。2022年9月15日、初公試のため三菱重工長崎造船所を出港。2023年3月7日、三菱重工長崎造船所で引渡式と自衛艦旗授与式が行われて就役し、第13護衛隊に配備された。定係港は佐世保。9月15日1900頃、屋久島南東の接続水域を西に航行する636A/B型測量艦海洋二十六号を確認した。これは2208頃に口之島北東の領海に入域し、2343頃に口之島北で領海を出て西に向かっている。9月25日から10月3日、九州西方から四国沖を経て駿河湾に至る海空域と沼津海浜訓練場で日米共同訓練（輸送特別訓練）に参加。LST-4002しもきた、LCAC、MSC-602やくしま、MSC-603たかしま、MCH-101掃海・輸送ヘリと共に、アメリカ海軍LCACと、クロスデッキ（LCAC）、ビーチング、捜索救難、LCAC整備、PHOTOEXの各訓練を行った。11月29日、屋久島沖で墜落した第21特殊戦飛行隊CV-22B特殊戦機の捜索活動に参加。1719、佐世保を出港。11月30日0109、墜落現場付近に到着し、捜索活動を開始した。12月2日、捜索を終えて現場海域を離脱。参考：月刊世界の艦船3,’21、2,’22、12,’22、5,’23、9,’23、12,’23

＜ＦＦＭ−５＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦５番艦やはぎ（矢作川から）。令和2年度計画艦で、2021年6月24日、三菱重工長崎造船所で起工式を実施。2022年6月23日、命名・進水式が行われて進水した。2023年7月11日、公試を開始。参考：月刊世界の艦船1,’22、9,’22、10,'23

＜ＦＦＭ−６＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦６番艦あがの（阿賀野川から）。令和2年度計画艦で、2021年6月24日、三菱重工長崎造船所で起工式を実施。2022年12月21日、命名・進水式が行われて進水した。参考：月刊世界の艦船1,’22、2,’23、3,’23

＜ＦＦＭ−７＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦７番艦によど（仁淀川から）。令和3年度計画艦で、2022年6月30日起工。2023年9月26日、三菱重工長崎造船所で命名・進水式が行われて進水した。参考：月刊世界の艦船7,’22、12,’23

＜ＦＦＭ−８＞：海上自衛隊もがみ型護衛艦８番艦ゆうべつ。令和3年度計画艦。2023年11月14日、三菱重工マリタイムシステムズで命名・進水式が行われて進水した。参考：月刊世界の艦船7,’22、1,’24

＜ＦＦＭマット＞：FODカバーマットを参照。

＜ＦＦＭ用航海術科訓練装置＞：海上自衛隊のシミュレータ、略称F-NAT（FFM-NAvigation Trainer）。もがみ型FFMの艦橋を模したシミュレータで、航海術科関連の訓練を行える。横須賀基地に配備された。参考：月刊世界の艦船12,’22

＜ＦＦＯＳ＞：陸上自衛隊の無人観測ヘリシステムFlying Forward Observation System（遠隔操縦観測システム）。1988年度から技術研究本部と富士重工で開発し、1996年度から実用試験に入り、2001年から導入した。富士重工の民間用ヘリRPH-2型を基に開発された無人ヘリ（無人機と呼ばれる）４機と、追随装置、簡易追随装置、統制装置、発進装置、クレーン付き機体運搬車両、データ送受信システム、機体点検装置、作業車など７両の移動車両から成り、野戦特科部隊に装備されて昼夜間の射撃目標評定や弾着観測に用いられる。全長5.3m、胴体長3.8m、ローター直径4.5m、胴体幅1.2m、重量275kg。エンジンはガスタービン（70馬力）単発、最大速度135km、実用上昇限度2500m、航続距離400km、航続時間３時間。機首下部にテレビカメラまたはFLIRを搭載したボール型センサーを装備し、その後ろに機体制御用・データ通信用のレドーム２基を持つ。レーザー測距機も搭載しており、完全自律飛行で50km以上進出して半径2km以内の目標を誤差100m、弾着を誤差50mで観測できる。価格は１セット45億円。高性能を求めたためシステムが大がかりになりすぎ、飛翔速度が遅いという欠点もあり、調達されたのは２セットのみで、富士学校特科教導隊第303観測中隊と実戦部隊の西部方面特科隊第302観測中隊空中標定小隊（2004年）に配備された。参考：月刊軍事研究10,’10、7,’03、11,’03、12,’03、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings2,’05、8,'15、8,’06、月刊航空ファン8,’09、スピアヘッドNo.7

＜ＦＦＲ１＞：中国海軍タイプ730 CIWSの追尾レーダー。参考：月刊軍事研究7,’03

＜ＦＦＲＡＴＳ＞：オートスロットル・システムを参照。

＜ＦＦＲＳ＞：陸上自衛隊の無人観測ヘリシステムで、Flying Forward Reconnaissance Syｓｔｅｍ（遠隔操縦偵察システム）の略。使用機はFFOS類似の無人ヘリで、行動半径を100km以上に拡大し、センサーを強化して全天候能力を改善した。信頼性も高く、国土交通省と連携して航空交通管制圏での運用が可能（それまでは模型飛行機と同じ扱いだった）である。１セットは機体４機と支援車両７両からなり、価格は35億円。３セットが導入された。2007年から方面隊直轄部隊の方面無人偵察機隊で運用中だが、虎の子なのか能力不足なのかシステムが相変わらず大がかりすぎて展開に難があるのか、災害派遣の観測任務に投入されたことは無く、東日本大震災でも民間無人機が投入された。2018年8月15日、富士総合火力演習支援に備え飛行訓練を行った際、離陸直後に機体が数センチメートル上昇したところで地面に落ち、メインローターなどを破損した。全機飛行停止にして原因究明にあたり、整備員のメインローターブレード取り付け角調整が不適切で揚力が足りなくなったためと判明、点検と整備教育を行い、11月1日から使用を再開している。参考：月刊JWings8,’15、12,’17、スピアヘッドNo.7、月刊航空ファン1,’19、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＦＦＴ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、予備兵員練習艦フリゲートFrigate（Reserve Training）を示す。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＦＦＴ−１０７８＞：FF-1078（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＴ−１０７９＞：FF-1079（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＴ−１０８４＞：FF-1084（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＴ−１０８５＞：FF-1085（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＴ−１０８９＞：FF-1089（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＴ−１０９０＞：FF-1090（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＴ−１０９５＞：FF-1095（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＴ−１０９７＞：FF-1097（フリゲート）を参照。

＜ＦＦＶ０１３＞：スウェーデンのFFV社が開発した指向性散弾地雷。1200発の鋼球を詰めた平たいコンテナを三脚上に載せたもので、遠隔操作で炸裂させると鋼球が扇状に飛び散り、150m先で幅100m・高さ4mに達して人員を殺傷する。陸上自衛隊も指向性散弾として採用した。参考：月刊PANZER11,’86

＜ＦＦＶ０１３海外シリーズ＞

＜指向性散弾＞：指向性散弾を参照。

＜ＦＦＶ０１６＞：スウェーデンのFFV社が開発した対軽装甲車両用小型地雷。樹木や電信柱など、適度な高さに設置され、遠隔操作で爆破する。弾頭は自鍛破片弾と呼ばれるもので、炸裂すると地雷表面のライナーが秒速2000mの高速金属片となって車両側面を貫徹する。30mの距離で50-60mm厚の装甲板を貫徹できる。直径80mm、重量2.5kg。参考：月刊PANZER8,’03

＜ＦＦＶ０２８シリーズ＞：スウェーデンのFFV社が開発した対戦車地雷。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ０２８＞：磁気感応式で、カバー範囲が広く、1000m四方の地雷原を構成するのに300-400個（一般的には1000個必要）で済む。敷設作業も、専用のFFV5821を使えば、人員４名で１時間しかかからない（人力敷設だと１個小隊30名で２時間弱）。バッテリーの寿命は５年間で、外部から交換可能。直径254mm、全高120mm、重量8.4kg、炸薬重量3.9kg（RDX＋TNT）。成型炸薬により、500mm先にある厚さ50mmの装甲板に直径65mm、その100mm内側にある厚さ10mmの鋼板に直径270mm、更に内側にある厚さ10mmの鋼板に直径280mm-350mmの穴を開けられる。西ドイツ陸軍も採用した。参考：ザ・マーチ33号、月刊PANZER8,’03、10,’85

　＜ＦＦＶ０２８ＲＵ＞：RUはRe-Usable（再使用型）の略。直径250mm、高さ110mm、重量7.5kg、炸薬重量3.5kg（RDX＋TNTまたはTNT単独）。予めセットした時間（最大180日）が過ぎると本体内蔵のマーカーが自動的に地表に撒布され、簡単に回収できる。回収後はパーツ交換だけで再使用可能。自己破壊装置は無く、ブービートラップとしての使用は出来ない。参考：ザ・マーチ33号

　＜ＦＦＶ０２８ＳＤ＞：SDはSelf Destroying（自爆型）の略。諸元はFFV028RUと同じだが、再使用はできず、最大30日が経過すると自爆する。ブービートラップとしての使用が可能。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ０７０＞：スウェーデンのFFV社が開発した爆弾用弾頭近接信管。細長いアンテナ状をしており、信管と弾体の間のキャパシティを測定、地上に近づいて一定値を越えると作動する。全長947mm、最大径64mm、重量1.7kg。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ０８３＞：スウェーデンのFFV社が開発した105mm発煙弾。内部にスモーク・キャニスター２発を搭載しており、機械式時限信管（遅延秒時5-80秒）により砲弾が地面に接近するタイミングで放出され、キャニスターはブレーキ・フラップを展張してそちらを上に落下、40m離れて着弾し、３分間発煙、幅80m・長さ125-150mの発煙スクリーンを展開する。砲弾重量14.6kg、発煙剤重量1.2kg（キャニスター１発あたり）。落下速度毎秒50m。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ１４１＞：カールグスタフ用訓練弾。FFV552に後を譲った。参考：スピアヘッドNo.2

＜ＦＦＶ２６６シリーズ＞：FFV社の120mm迫撃砲用発煙弾。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ２６６＞：砲弾が地上に接近すると、弾頭部の回転火薬に点火して弾頭側面からガスが噴射され、砲弾が弾道から30度傾く。更に分離火薬が作動して先端部が外れ、パラシュートが展開、砲弾は尾部を下にしてゆっくりと降下しつつ煙を放出し、地面に落下した後も発煙を続ける。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ２６６−Ｓ＞：アルミ製尾部を持つタイプ。砲弾重量13.3kg、発煙剤重量3kg（６クロロエタン、酸化鉛、カルシウム珪酸）。砲口初速毎秒124m（チャージ１）／毎秒317m（チャージ10）。最大射程6000m。発煙時間５分、煙幕展張幅50m・長さ150-200m・高さ10-15m。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ２６６−Ｔ＞：鋼鉄製尾部を持つタイプ。砲弾重量12.6kg、発煙剤重量3kg（６クロロエタン、酸化鉛、カルシウム珪酸）。砲口初速毎秒111m（チャージ０）／毎秒301m（チャージ８）。最大射程6000m。発煙時間５分、煙幕展張幅50m・長さ150-200m・高さ10-15m。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ４０１＞：カールグスタフ用フレシット弾。弾頭にフレシット1100発を詰め込んでおり、近接戦闘時に使用する。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＦＦＶ４４１シリーズ＞：カールグスタフ用榴弾。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＦＦＶ４４１＞：直接支援用。全長392mm、重量3.1kg、炸薬量0.4kg。砲口初速毎秒240m、最大射程2600m。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＦＦＶ４４１Ｂ＞：対人・対軟目標用で、内部に鉄球850個が入っている。信管は延期及び触発で、延期信管により目標上空で炸裂させることも可能。弾薬重量3.1kg、弾頭重量2.3kg。有効射程700-1000m。参考：月刊PANZER8,’03、スピアヘッドNo.2

＜ＦＦＶ４４１Ｄ＞：榴弾。参考：月刊軍事研究8,’17

＜ＦＦＶ４６９シリーズ＞：カールグスタフ用発煙弾。参考：月刊軍事研究8,’17

＜ＦＦＶ４６９＞：幅10-15mの煙幕を張れる。全長443mm、重量3.1kg、発煙剤重量0.4kg。砲口初速毎秒240m、最大射程2600m。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＦＦＶ４６９Ｂ＞：ケイ酸カルシウムと四塩化チタンを詰めてあり、幅10-15mの煙幕を30秒間にわたり展張する。全備重量3.1kg、弾頭重量2.2kg。有効射程1000m。参考：スピアヘッドNo.2、月刊PANZER8,’03

＜ＦＦＶ４６９Ｃ＞：発煙弾。参考：月刊軍事研究8,’17

＜ＦＦＶ５０２＞：カールグスタフM3用多目的榴弾。HEATとHEの両方の効果を持つHEDPと呼ばれる弾頭を持ち、触発信管ならHEAT、遅延信管ならHEとして作用する。弾薬重量3.25kg、弾頭重量2.3kg。有効射程250m（動目標）／500m（トーチカ）／1000m（対人）。装甲貫徹力150mm（200mm？）。参考：月刊PANZER8,’03、スピアヘッドNo.2

＜ＦＦＶ５０９＞：カールグスタフ用対構造物榴弾。信管は着発と遅延。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＦＦＶ５４５シリーズ＞：カールグスタフ用照明弾。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＦＦＶ５４５＞：上空に向けて発射すると、パラシュートが開いて毎秒5mで落下、30秒間にわたり65万カンデラの光を放ち、直径500mの地表を照らし出す。全長450m、重量3.1kg、照明剤重量0.4kg。有効射程2300m、最大射程2900m。参考：月刊PANZER10,’01、8,’03、スピアヘッドNo.2

＜ＦＦＶ５４５Ｃ＞：照明弾。参考：月刊軍事研究1,’18、8,’17

＜ＦＦＶ５５１シリーズ＞：カールグスタフ用ロケットアシスト付HEAT弾。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＦＦＶ５５１＞：先端からピエゾ信管、成型炸薬、ロケット推進薬、電気雷管、尾部安定翼という構成になっており、発射されると18mほど飛翔したところでロケットに点火、推進ガスによりプランジャーが押されて６枚の安定翼が45度外側に展張し、ゆっくりと旋転しながら500m飛んだところでロケットが燃え尽き、後は慣性で飛翔する。命中するとピエゾ信管が作動し、弾底部の電気雷管が発火して起爆、メタルジェットが装甲を貫徹する。弾薬重量3.2kg、弾頭重量2.4kg。装甲貫徹力400mm。砲口初速毎秒260m、最大飛翔速度毎秒380m、有効射程700m。1972年末から量産された。参考：スピアヘッドNo.2、月刊PANZER8,’03

＜ＦＦＶ５５１Ｃ＞：FFV551の改良型で、ノーズスパイクが付いた。参考：月刊軍事研究1,’18、8,’17

＜ＦＦＶ５５２＞：カールグスタフ用訓練弾。FFV551の炸薬を抜いたもので、初速などは全て同じに作ってある。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＦＦＶ５７４＞：スウェーデンのFFV社が開発した口径75mm以上の砲弾用近接・時限信管。先端に弾殻とは絶縁されたアンテナ電極が装着されており、アンテナ電極と弾殻の間のキャパシティを測定、地表面に近づいた際の静電容量変化が一定量を超えると炸裂する。信管側面には時限調定用スクリューも用意されている。スウェーデン軍標準のFFV574/FFV574Cと、MIL-STD-333準拠のFFV574Nがある。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＦＶ５９７＞：カールグスタフM3用HEAT弾。弾頭直径が132mmあり、ランチャーの後部から砲弾推進ユニットを装填、その後弾頭ユニットを先込めしてランチャー内で結合させる。砲口初速は毎秒115mだが、ロケットで加速するため、最大速度は毎秒310mに達する。全長1.5m、重量9.5kg、有効射程250m、装甲貫徹力900mm。実際にはそんな威力は無かったらしく、すぐに使われなくなってFFV751に後を譲った。参考：月刊PANZER8,’03、スピアヘッドNo.2

＜ＦＦＶ６１３＞：ノルウェー海軍の魚雷。弾頭重量240kg。雷速45ノット、航走距離27km。誘導はパッシブ音響。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ＦＦＶ６５５ＣＳ＞：カールグスタフ用ノーズスパイク付HEAT弾。バックブラストを抑えて室内から発射できるようにしてあるが、射程はFFV551/751に比べて短い。参考：月刊軍事研究1,’18、8,’17

＜ＦＦＶ７５１＞：カールグスタフ用タンデムHEAT弾。FFV551の弾頭部前方に小直径の１段目HEATを追加したような外形をしている。弾薬重量4kg、弾頭重量3.2kg。装甲貫徹力500mm。参考：スピアヘッドNo.2

＜ＦＦＶ７５６＞：カールグスタフ用MT（Multi Target）弾。HEATとHEをタンデムに配置しており（その通りの外見をしている）、前部のHEATで防御壁を貫通、後部のHEが内部を吹き飛ばす。参考：月刊軍事研究8,’17、1,’18

＜ＦＦＶ５８２１＞：FFV028用牽引式敷設装置。トラックの後ろに搭載し、トラック荷台に２名、装置に１名、敷設確認要員１名がついて、荷台に乗せたFFV028の運搬用安全装置を外して敷設装置のシュート内に次々と投入し、敷設していく。間隔は1-99mで自由に設定でき、最大200mmまで埋め込むことができる。作動のための独立油圧システムが搭載されているが、電力はトラックから供給される。最大敷設速度7km。参考：月刊PANZER8,’03

＜ＦＦＸ級＞：韓国海軍がウルサン級フリゲートとポハン級コルベットの後継として建造したフリゲート。インチョン級となった。参考：月刊世界の艦船9,’12、4,’14

　＜ＦＦＸ�T＞：1-6番艦で、インチョン級バッチ１にあたり、ウルサン級を代替する。参考：月刊世界の艦船8,’11、9,’12

　＜ＦＦＸ�U＞：７番艦以降で、インチョン級バッチ２にあたる。ポハン級とドンヘ級の代替で、18隻を建造予定だったが８隻に減らされた。参考：月刊世界の艦船8,’11、9,’12、4,’14

＜ＦＦＸ�V＞：韓国海軍の新型フリゲート。FFX級より対空戦能力を強化しており、国産多機能フェイズド・アレイ・レーダーを搭載し、艦橋上の塔型構造物４面にアンテナを装着する。全長129m、幅15m、排水量3500トン。主機はハイブリッド、最大速力30ノット。チュンナム級となった。参考：月刊世界の艦船6,’20、7,’22

＜ＦＧ＞：戦闘群（Fighter Group）の略。

＜ＦＧ−１＞：F4U-1（戦闘機）を参照。

＜ＦＧ１＞：ドイツのファウン・ハク・ラウフ社が開発した沈底機雷。対水上艦・対潜水艦兼用で、円筒形をしており、潜水艦でも敷設できる。全長2.31m、直径0.53m、重量771kg、炸薬重量535kg。最大設置深度60m。感応式信管を持つ。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＦＧ−１Ａ＞：F4U-1A（戦闘機）を参照。

＜ＦＧ−１Ｄ＞：F4U-1D（戦闘機）を参照。

＜ＦＧ−３＞：XF4U-3B（戦闘機）を参照。

＜ＦＧ１８＞：フランス海軍の潜水艦用機雷。ダフネ級で運用していた。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ＦＧ２９＞：フランス海軍の沈底機雷で、DCN社が開発した。円筒形で、潜水艦から敷設できる。全長3m（2.53m？）、直径0.53m、重量1000kg（850kg？）、炸薬600kg（530kg？）。最大敷設深度300m。信管は磁気・音響・水圧（磁気・音響のみ？）。リュビ級、シュフラン級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、4,’18、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＦＧ４２＞：ドイツ空軍兵器局が降下猟兵用に採用した突撃銃。空挺降下直後から降下猟兵にある程度の火力を持たせる必要性から、携行可能なフルオート火器として1940年にドイツ空軍兵器局がドイツ陸軍に開発を打診したが、技術的に困難として拒否されたため、民間会社２社に開発を依頼し、ラインメタル社製のものを1942年に採用した。7.92mm×33短弾薬ではなく制式ライフル弾の7.92mm×57小銃弾を使用しており、連射時にも銃のコントロールが効くよう直銃床を採用、折り畳み式バイポッドやマズルブレーキも付いていて、軽機関銃を兼ねる。ただバイポッドの強度不足により、射撃していると勝手に折り畳まれていくことがあった。作動はガス圧式で、連射はオープンボルト、単射はクローズドボルトで行われる。箱形弾倉を横から挿入（直銃床で地面とのクリアランスが取れない）するので左右のバランスが取り辛いのと、発射反動が大きいため照準が付けにくいという欠点があった。銃身下部には折り畳み式のスパイク銃剣付き。全長975mm、銃身長453mm、重量4.7kg。装弾数20発、発射速度毎分600発（フルオート）／120発（セミオート）。初期型はマンガン鋼により軽量化が図られており、プレス加工の銃床と後方に大きく傾いたグリップを持つ。1943年末にマンガン鋼が使用できなくなったため、木製銃床を採用し、マズルブレーキなどを改良、グリップの角度とバイポッド取り付け位置を調整した後期型が製造された。大規模空挺作戦のクレタ島侵攻メルクール作戦には間に合わず、ムッソリーニ救出作戦が実戦初投入とされ、その後は主に西部戦線で使用された。生産数は前期型2000丁、後期型5000丁。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、世界の軍用銃、拳銃・小銃・機関銃、日本の防衛戦力Part8

＜ＦＧ−４３＞：WS-1B（自走ロケット）を参照。

＜ＦＧ１４９＞：リビア海軍ナヌチュカ�U型ミサイル艇４番艇。1985年9月1日、キール運河を通過してリビアに向かった。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜ＦＧ３３７Ｂ＞：燃料タンク車（2000リットル、航空自衛隊）を参照。

＜ＦＧ１２５０＞：ドイツ国防軍小型赤外線投光器。直径200mm、出力200W。ZG1221赤外線暗視望遠鏡と組み合わせてパンターＧ型1944年9月生産車以降の一部に搭載されたが、有効距離が400-600mと短いのが欠点だった。参考：月刊グランドパワー12,'14別冊、月刊軍事研究8,’01、月刊PANZER10,’99

＜ＦＧ１２５１＞：ドイツ国防軍60cm赤外線投光器。高射砲部隊で使用されていた60cm炭素アーク式探照灯に赤外線フィルターを被せたもので、Sd.Kfz.251/20ウーフーに搭載されてZG1221搭載パンターＧ型及びファルケと行動を共にした。有効距離は1500mで、これにより夜間索敵を行い、最終的にはパンターＧ型固有のFG1250赤外線暗視望遠鏡で照準して攻撃した。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＦＧＦＡ＞：Su-57海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＦＧＭ−７７＞：ドラゴン・シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＦＧＭ１２９Ｓ＞：MiG-29M戦闘機（輸出型）に搭載されているレーダーで、別名ズークM1SE（Zhuk-M1SE）。最大探知距離130km。同時交戦可能目標数４。参考：月刊JWings4,’17

＜ＦＧＭ−１４８＞：ジャベリン（対戦車ミサイル）を参照。

＜Ｆｇｓｔ＞：Fahprammboote（上陸用舟艇）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＨ＞：Feldhaubitze（野戦榴弾砲）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＨ−１＞：FD-1（戦闘機）を参照。

＜ＦＨ４＞：HF/DF（短波方向測定儀）を参照。

＜ＦＨ．４０Ｍｋ．１＞：イギリス軍の試作機で、小型実験機バイモノの成功を受けて製作された。バイモノの上翼をハリケーンと同じものに換えてある。1942年から投棄実験を行ったが、間も無く中止された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＨ７０＞：ラインメタル、ヴィッカーズ、OTOメララの３社が共同開発した牽引式39口径155mm榴弾砲（実質カノン砲）で、FHはField Howitzer（野戦榴弾砲）の略であり、1970年代野砲という意味である。西ドイツとイギリスが1968年から開発し、1970年にイタリアが加わり、1977年から量産されて1978年に実戦配備された。砲身は単肉自緊式39口径155mm砲で、砲身長6.022m、薬室長0.9643m、ライフリングは48条で、傾度８度55分37秒。俯仰角はマイナス5.2度からプラス70度、旋回角は左右30度ずつ（左右計55度？左右56度ずつ？）。マズルブレーキはダブルバッフル式で、最大制動力は392.7kNに達する。装填装置は半自動式で、砲身角度によらず作動可能であり、装填トレイに次弾を載せておけば発射後に自動的にトレイが砲尾の延長線上まで上昇するので、装填手はそれを押し込むだけで済む。装填が終わると火管が自動的に挿入され、発射後は閉鎖機が自動で開いて火管が排出される。分離装薬弾を使用し、装薬は薬包式だが、カートリッジ式で砲尾を閉鎖できるため、半自動垂直鎖栓式閉鎖機（上開き）を採用可能となり、発射速度が向上した。駐退器は可変後座式。発射速度はフリック・ラミングと呼ばれる自動装填装置を使用すると最大８秒で３発、バースト射撃では13秒で３発、短時間なら毎分６発、持続なら毎分２発。照準は直接と間接の２種があり、照準器は左砲耳に取り付けられていて、全射程で高い命中率を誇る。発射可能弾はM107榴弾、L15榴弾、L15A1榴弾、M549A1RAP、DM105弾底放出発煙弾、DH106（DM106？）照明弾など。射程はアメリカ軍制式M107榴弾の最強装薬（装薬８、3700バール、初速毎秒827m）で24km、RAPで30km。APUとして、フォルクスワーゲン製VW127空冷４気筒エンジン（1800cc）を装備しており、砲の駆動の他に時速16kmでの自走もでき、30度の傾斜も登坂できる。輸送中は砲身を180度後方に向けて全長を9.8mに抑え、C-130クラスの中型輸送機に搭載できる。射撃姿勢をとる際には主車輪を上げ、砲架とターンテーブルを接地させ、尾輪を引き上げ、駐鋤を地面に食い込ませる。熟練すれば２分で展開可能。油圧で脚を引き上げれば駐鋤は自動的に引き抜かれる。全長9.8m（走行時）／12.4m（射撃時）、全備重量9300kg、砲架重量2980kg、APU部1890kg。最大牽引速度100km。イギリス陸軍が71門（制式名称L121）、ドイツ陸軍が216門（制式名称FH155-1）、イタリア陸軍が164門、陸自が479門を導入しており、他にオランダ陸軍、サウジ陸軍、マレーシア陸軍、モロッコ陸軍などが採用した。参考：スピアヘッドNo.3、No.18、月刊PANZER2,’04、10,’02、月刊軍事研究11,’99、2,’07、月刊JWings12,’01、月刊グランドパワー10,’94、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜ＦＨ７０海外シリーズ＞

＜ＦＨ７０（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊155mm榴弾砲、愛称はサンダーストーン（雷石）。1978年6月14-30日に陸自調査団が欧米を回ってFH70、FH77、M-198を調査した結果、最新だが開発が終わっていないFH77とヘリでの空輸性に偏重して砲としては旧式のM-198に勝って採用された。APUが富士重工製水平対向ディーゼルに変更されている他、安全装置などに違いがある。使用弾はL15A2榴弾、M107榴弾、93式155mm長射程榴弾、03式多目的弾、照明弾（100万カンデラで60秒間照明する）、白燐発煙弾など、装薬はM3J3発射装薬（緑のう）など。操作人員は班長、照準手、砲弾運搬手、信管セット手、装薬装填手、補助動力装置運転手、トラック運転手、砲弾装填手２名の計９名だが、殆どの部隊で定数割れしており、砲弾装填手が他の任務を掛け持ちして7-8名で運用している。中砲牽引車（クレーン付74式特大型トラック）で牽引する。1983年から479門（492門？）が日本製鋼所でライセンス生産されたが、うち２門がアメリカでの訓練のため輸送する最中に船が沈没して失われた。1985年から105mm榴弾砲M2A1と全般支援用155mm榴弾砲M-1/58式（非在道特科連隊第５大隊装備）に代わって配備され、老朽化は脚部の補強などでカバーしている。後継としてカエザールまたはM777榴弾砲の自走型を検討しているという話が合ったが、結局国産の19式装輪自走155mmりゅう弾砲になった。参考：月刊軍事研究11,’99、12,’06、2,’07、2,’08、9,’12、月刊JWings12,’01、月刊PANZER10,’02、5,’83、自衛隊装備年鑑1996、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.6、陸上自衛隊地上戦力の全容、MAMOR vol.91

＜ＦＨ７０の射撃準備（陸上自衛隊）＞：上級部隊から射撃命令が下ると、特科隊長が幕僚に先行偵察を命じ、布陣位置を決定する。次いで特科隊長が中隊長に展開命令を出し、大まかな射撃方向を指示するので、中隊長は隷下の砲班を指揮し、FH70をその方向に向けて分散配置させ、FH70や弾薬を降ろした中砲牽引車はすぐに移動する。FH70の砲身を前に向け、駐鋤で地面に固定し、コリメーターと照準眼鏡を合致させ、弾丸と装薬を準備し、電気式信管測合器で信管を調定する。基準砲の付近には隊本部から派遣された運用員が初速測定レーダーを設置し、隊本部の近くには全ての砲の据え付け方向の基準となる方向盤を置く。砲は間隔100m以上で配置するため、全ての砲が直接視準できるよう方向盤を複数設置することも多い。方向盤の設置が終わったら、それぞれの砲に正確な角度がミル単位で伝えられ、砲側ではその数字に照準器の角度を合わせ、照準器で方向盤を視準する。こうして砲の角度が正確に決まると、並行して据え付けた砲の左前方の方位眼鏡を用いて砲の照準器と方向盤を視準して方位眼鏡をセッティングする。その後は全て方位眼鏡を基準に調整し、偽装網と電話線を敷いて射撃準備完了となる。観測班から諸元の修正が無い限り、すぐに初弾を撃つことができる。参考：月刊軍事研究11,’98、スピアヘッドNo.18

＜ＦＨ７０の射撃操作＞：手動で砲尾を開き、初弾と装薬を薬室にラマーで押し込んで装填、次弾を装填トレイに載せる。砲尾を閉じると、点火チューブがマガジンから自動装填され、準備が完了する。発射ハンドルを引くと砲弾が発射され、油圧式駐退機とマズルブレーキが反動を受け止め、砲身は1400mm後退、砲尾が自動的に開き、装薬チューブが放り出される。砲身が元の位置に戻る間にトレイ上の次弾が持ち上げられ、砲尾までスライドする。これを人力で押し込めば次弾の発射態勢が整う。参考：月刊PANZER2,’04

＜ＦＨ７７シリーズ＞：ボフォース社の牽引式155mm榴弾砲。参考：月刊戦車マガジン2,’81、月刊軍事研究9,’12

　＜ＦＨ７７Ａ＞：薬莢式分離型砲弾を使用する。参考：月刊戦車マガジン2,’81

　＜ＦＨ７７Ｂ＞：薬莢式分離型砲弾でも薬のう式分離型砲弾でも発射できるようにしたタイプ。また、俯仰角をかけた状態でも弾薬を動力装填でき、砲に小型クレーンを付けて弾薬を持ち上げることが可能。APUを備え、時速8kmで機動して自力で陣地進入できる。重量12トン。最大射程24km（通常弾）／30km（ベースブリード）。最大発射速度毎分10発。操作要員４名。後にフェランティ製FIN1150地上航法装置が追加され、陣地進入後２分15秒で４発を発射し、更に50m移動して３発発射し終えるまで計５分10秒しかかからなくなった。参考：月刊軍事研究4,’97、月刊戦車マガジン2,’81、ザ・マーチ42号

＜ＦＨ７７Ｂ海外シリーズ＞

　＜ＦＨ７７Ｂ（インド陸軍）＞：インド陸軍榴弾砲。1986-90年に410門を輸入して配備した。ライセンス生産権も獲得したが、全く製造されておらず、2011年になって漸く試作要求が出た。参考：月刊軍事研究9,’10、4,’12

＜ＦＨ１５５−１＞：FH70榴弾砲のドイツ制式名称。

＜ＦＨ−２２７Ｅ＞：F27海外ファミリー（輸送機）を参照。

＜ＦＨＧ−２＞：航空自衛隊の航空ヘルメットで、昭栄化工製。強化プラスチック製で、色は灰色、バイザーとヘッドセットが設けられており、バイザーカバーを持つ。Ｓ、Ｍ、Ｌの３サイズがある。B-65、YS-11、U-125、T-400以外の乗員が使用する。参照：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings6,’05、世界の傑作機No.104、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ＦＨＴＶ＞：アメリカ軍の装輪輸送車で、重戦術車両ファミリーの略。PLSとHEMTTの総称である。参考：月刊軍事研究11,’17

＜ＦＩ＞：要撃戦闘機の略。

＜ＦＩ．３＞：スウェーデンのA.B.フリュグインダストリ社が開発した輸送用グライダー。主翼は高翼配置で、胴体両側に大型の乗降ドアを持つ。全長9.5m、全幅16.5m、総重量1800kg。乗員12名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆｉ−１０３＞：ドイツ国防軍の巡航ミサイル、別名V-1（Vergeltungswaffe-1、報復兵器第１号）またはクラーエ（カラスの意）、秘匿名称FZG-76（対空標的）、開発コードはキルシュケルン（桜の木）、ドイツ国防軍通称マイケーファー。イギリスではダイバーというコードを付けた他、飛翔音からバス・ボムまたはドゥードゥル・バグと呼ばれた。大元は1935年にシュミット博士とマデルング教授が共同提案したパルスジェットエンジン搭載無人飛行爆弾と、1939年10月にアルグス社のゴスラウ博士が設計したレシプロエンジン搭載遠距離攻撃兵器（Fernreuer）で、ドイツ空軍がアルグス社とシュミット博士に共同でパルスジェットエンジンを開発させ、本体の設計はアルグス社とフィーゼラー社の共同として完成させたものである。軟鉄製の胴体に短い直線翼を持ち、アルグス発動機社製As109-014パルスジェットエンジンを背負い式に搭載している。ジャイロスコープ、気圧高度計、磁気コンパスを組み合わせた自動操縦装置を装備しており、プロペラによる積算距離計により飛翔距離を算出、所定の飛翔距離に達すると方向舵と昇降舵をロックして自動的に落下する。当初は高度9000フィート（2743m）を飛行する予定だったが、燃圧レギュレータの関係で4000フィート（1219m）に下げられた。信管はoV電気式着発、Z80A機械式全方向、Z17Bm機械式遅延の３種類がセットされており、確実に爆発するようになっていた。射出はカタパルト式の発射台から行う。パルスジェットエンジンが振動に弱く、シャッターが破損するという欠点があり、イギリス上空に達するまでに飛行速度が１割くらい減少した。全長7.73m、全幅5.33m、発射重量2200kg、弾頭重量850kg。エンジンはアルグス発動機社製As109-014パルスジェット（推力330kg）単発、最大速度644km、上昇限度2440m、航続距離200-210km。CEP13km。発射部隊は1943年4月にヴァハテル実用化訓練部隊として新編され、後に秘匿のため第155高射砲連隊（発射機装備）と名付けられた。1942年から開発され、同年末に試射を開始。1943年11月には実戦投入する予定だったが、連合軍のFi-103関連施設（ノーボール）破壊作戦で遅れ、1943年12月から30257発（13000発？）が生産され、1944年6月13日から21770発が発射された。うち9251発（8564発？）がロンドン向けで、1944年6月13日から発射されたが、戦闘機や対空砲火に２割ずつが撃墜され、残りのうちの半分（2604発）も距離計の精度不足などによりロンドン以外のイギリス本土に落ち、2419発（2340発？）がロンドンに着弾した。被害は死者6184人、負傷者17981人（35000人以上？）。イギリスは発射基地を破壊すると共に阻塞気球と対空砲で沿岸に防衛線を張り、戦闘機（高速のテンペスト�X、マスタング�V、スピットファイア�]�W、夜間はモスキート）でも迎撃にあたった。ただ下手に銃撃すると誘爆して巻き添えになるので、近傍を通過したり、自機とFi-103の翼端同士を接近させて乱流に巻き込んだりして操縦不能状態にする戦法をとっている。1944年10月からは連合軍が占領したベルギーのアントワープに攻撃が向けられ、1944年末までに8696発が発射された。また、リエージュに3141発、ブリュッセルに151発が発射された。地上の発射基地が占領されてからはHe111H-22に搭載されて空中発射（海面上100mを飛行して目標の60km手前まで接近し、450mにポップアップして発射する）されるようになり、有人型のライヘンベルクも設計されている。最後の発射は1945年3月29日（28日？）。1943年7月にドイツ海軍がＵボートに搭載してニューヨークに落とす計画を立てたが、空軍省に拒否されて没になった。アメリカはデッドコピーのJB-2を開発した。参考：月刊丸4,’07、歴史群像8,’11、月刊ミリタリーエアクラフト4,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、グラフィックアクション29、Ｕボート入門

＜Ｆｉ１０３Ｒ３＞：ライヘンベルク・シリーズ（パルスジェット機）を参照。

＜Ｆｉ−１０３発射基地＞：ドイツ国防軍のFi-103巡航ミサイル発射基地。当初は野外陣地96カ所と大型バンカー４カ所から発射する予定だったが、連合軍に察知され、1943年12月からのノーボール破壊作戦による爆撃（トールボーイやアフロディーテ無人飛行爆弾を含む）で建設中の発射基地が1944年5月までにほぼ全て破壊されてしまったため、８日間で建設可能な発射陣地に変更し、6月までに100箇所以上を整えた。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｆｉ−１０３部隊＞：ドイツ国防軍のFi-103巡航ミサイル部隊。名称は発射装置対空砲連隊で、発射大隊４個からなる。発射大隊は発射中隊３個と補給中隊１個、発射中隊は発射小隊３個から編成されており、発射小隊は発射台２基を装備する。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ｆｉ１５６シリーズ＞：ドイツ国防軍軽連絡機、別名シュトルヒ（Storch、コウノトリ）。1935年に軍民共用軽飛行機としてフィーゼラー社が開発した。離陸距離75m／50m（向かい風毎秒4m）、失速速度30km、着陸速度40km、着陸滑走距離26mという優れたSTOL性能を持ち、微風時には15m四方（15平方メートル？）のスペースがあれば着陸できる。2900機（2700機？）が生産されて装甲師団に１機ずつが配備され、砂漠救難中隊なども装備し、連絡観測、傷病兵輸送、特殊作戦、捜索救難など広範に使用されており、ムッソリーニ救出作戦で名を馳せた。ソ連は独ソ不可侵条約締結後に送られた本機をコピーしてOKA-38を製作し、日本も輸入して三式指揮連絡機の原型とした。第２次大戦末期には連合軍側も鹵獲して使用し、フランスやチェコでは戦後も生産した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊PANZER4,’05、月刊丸1,’77、3,’90、グラフィックアクション29

　＜Ｆｉ１５６Ｖ４＞：試作４号機で、量産型原型。主脚はスキー装備である。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１５６Ａ−０＞：先行量産型で、10機が生産され、1937年7月の飛行競技会に参加した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１５６Ａ−１＞：量産型。主翼は骨組みに木、外板に合板と羽布を使用した支柱付きパラソル翼で、前縁にフルスパンの固定スラット、後縁内側に隙間フラップ、外側にフラッペロンを持つ。不整地運用に備え、主脚柱を長くしてオレオ式緩衝装置のストロークを430mmと大きく取り、ホイール・トラックも広くした。主輪は直径500mm、幅180mm。1937年から引き渡され、コンドル軍団に配備されてスペイン内乱で実戦テストに投入された。参考：月刊JWings4,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊丸3,’90

　＜Ｆｉ１５６Ｂ＞：引き込み式自動スラットを装備したタイプ。計画のみ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１５６Ｃ−１＞：コクピット後方に7.9mm機銃MG15のマウントを設けたタイプで、1938年から生産された。全長9.9m、全幅15.3m、全高3.1m、自重910kg、全備重量1290kg。エンジンはAs10C-3倒立Ｖ型８気筒空冷ガソリン（240馬力）単発、最大速度175km、実用上昇限度4600m、航続距離385km。防御兵装は7.9mm機銃MG15が１丁。乗員2-3名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings4,’18

　＜Ｆｉ１５６Ｃ−２＞：写真偵察機型。垂直カメラを装備する。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１５６Ｃ−３＞：汎用型。エンジンはAs10P（260馬力）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１５６Ｃ−５＞：胴体下面に増槽やカメラを搭載できるようにしたタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１５６Ｄ−１＞：胴体側面に大きな開口部を設け、担架を搭載できるようにしたタイプ。1941年から生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１５６Ｅ−０＞：不整地対応型。主輪をタンデムダブルにしてゴム製履帯を付けた。10機のみ生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｉ１５６海外シリーズ＞

　＜Ｆｉ１５６Ｃ−３（スイス空軍）＞：スイス空軍軽連絡機。1943年に５機を導入し、1962年まで使用した。参考：月刊軍事研究10,’06

　＜ＭＳ５００＞：フランス空軍軽連絡機。第２次大戦後に配備した。参考：月刊JWings4,’18

＜Ｆｉ１６７シリーズ＞：ドイツ国防軍の複葉複座艦上攻撃偵察機。空母グラーフ・ツェッペリンに搭載するため開発され、1938年に試作機が完成した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｉ１６７Ａ−０＞：先行量産機。全長11.4m、全幅13.5m、全高4.8m、全備重量4500kg。エンジンはDB601B（1100馬力）単発、最大速度325km、実用上昇限度8200m、航続距離1300km。固定武装は7.9mm機銃MG15が２丁。最大兵装搭載量1000kg。乗員２名。12機が発注され、完成した９機は1942年にオランダで沿岸作戦の実戦評価に使用されたが、肝心の空母が完成せず、本格量産には至らなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＦＩＡＢ＞：アメリカ軍のF-35戦闘機用試験施設で、F-35 In A Boxの略。統合シミュレーション試験JSEで使用する環境シミュレート装置で、種々の気象や地形環境などを模擬構築し、試験に使用する。2019年にエドワーズ空軍基地に設営され、夏に試験を終了する予定だったが、秋になっても終わっていない。参考：月刊JWings12,’19

＜ＦＩＡＣ＞：Fast Inshore Attack Craft（小型高速武装艇）の略。小型のモーターボートからジェットスキーまで含む多様な小型船舶に、機銃、ロケット弾、ミサイル、爆薬などを搭載したもので、一撃離脱の奇襲攻撃や自爆テロなどに使用される。一見すると民間船舶と変わらないため、攻撃意図を見抜くのが難しく、小型のためレーダーにも映りにくく、港湾周辺などで攻撃を仕掛けてきた場合に大口径砲やミサイルで反撃すると付随被害が甚大となり、対処が難しい。そこで機関砲や機銃を光学・赤外線カメラ付きで追加装備する艦船が増えている。参考：月刊軍事研究9,’07

＜ＦＩＡ−ＲＡＦＡＲ＞：トパーズ（偵察衛星）を参照。

＜ＦＩＣ＞：フォワード・インテリジェンス・センターを参照。

＜ＦＩＣＯＮ計画＞：JRB-36F（戦闘機運搬機）を参照。

＜ＦｉＣＳ＞：師団等指揮システムを参照。

＜ＦＩＤＡＥ＞：チリが偶数年に開催している航空トレードショーで、Feria Internacional del Aire y del Espacio（国際航空宇宙フェア）の略。初回はチリ空軍創設50周年記念として1980年3月21-30日にエルボスケ基地で開催され、13カ国32社が参加した。2010年は開催１ヶ月前に大地震が起こり、会場の空港も機能停止に陥ったが、ショー開催30周年記念、チリ建国200周年記念、チリ空軍創設80周年記念にあたり、また震災復興のシンボルとなるイベントとして大統領の強力な後押しを受け、数社のキャンセルのみで予定通り開催された。2018年（第20回）は4月3-8日にサンティアゴのプダウェル空軍基地で開催された。アメリカ空軍がF-22A、F-35A、B-52Hを送り込んで南米での軍事プレゼンスに努めている。参考：月刊航空ファン7,’18、6,’10

＜ＦＩＤＯ＞：Mk24（機雷）を参照。

＜ＦＩＬＵＲ＞：スウェーデンのサーブ社が開発したステルスUCAV実験機。構造材と外板はCFRP製とし、形状もB-2に似た全翼機としてステルス性を持たせている。しかし初期の飛行試験で安定性にやや欠けたため、脱着可能な双垂直尾翼（内側に傾斜）を装備した。2005年10月に初飛行し、飛行制御システムや機体設計をやり直して2006年8月頃から本格的なテストに入っている。全長2.2m、全幅2.5m、重量55kg。エンジンはオリンパス210N（推力2.26kN）。参考：月刊軍事研究2,’07

＜ＦＩＭ−４３＞：アメリカ軍の携帯地対空ミサイル、別名レッド・アイ。世界初の携SAMで、1956年からコンベア社が開発し、1959年に軍で開発が承認されてXMIM-43Aの名が付き、途中でジェネラル・ダイナミクス社に開発・生産が引き継がれ、1965年に採用されて陸軍と海兵隊が装備した。目視照準の赤外線受動誘導式で、撃ちっ放し式である。ランチャーを右肩に担ぎ、右手でグリップを握り、カバーを開けてグリップ上方の照準器を出し、グリップの安全装置を押すと3-5秒で発射可能になる。照準器を覗くと、三角形の上の頂点の部分に照準環があるので、その中に目標を入れる。照準環から目標の機影がはみ出したり、辺縁に全く接しなかったりするような時は、射距離が近すぎるか遠すぎるかして発射には不適である。最適射距離で目標を照準環内に捉え続けると、ミサイルが目標をロックオンし、ブザーが鳴る。そうしたら目標を照準環から三角形の底辺にある半円の中に移すが、目標が左から右に移動している時は左の半円、手前から奥に移動している時は中央の半円、右から左に移動している時は右の半円に入るようにしてトリガーを引く。するとミサイルが発射薬により射手から6m以上離れたところまで射出され、ロケットモーターに点火、目標に向かう。この時65度以上の仰角を取ると発射炎が足を焼くので注意。最低仰角は15度である。全長1.22m、全幅0.14m、直径0.07m、発射重量13kg、弾頭重量1.5kg。最大速度マッハ１、最大射程3.3km。オーストラリア軍、スウェーデン軍、デンマーク軍、西ドイツ軍なども採用した。敵機の後方または斜め後ろからしか攻撃できない、敵味方識別装置が付いていないという欠点があり、FIM-92が開発されることになった。参考：兵器最先端５、月刊軍事研究3,’04、わかりやすいアフガニスタン戦争、ワイルドウエポン

＜ＦＩＭ−９２シリーズ＞：アメリカ陸軍・海軍・海兵隊携帯式地対空ミサイル、別名スティンガー（Stinger）。陸軍ミサイル・コマンドがFIM-43の後継として1967年から開発し、アメリカ陸軍は1981年から配備、アメリカ海軍は1984会計年度から調達した。メーカーはヒューズ・ミサイル・システムズ社である。20カ国に輸出された。参考：月刊軍事研究11,’02、3,’04、月刊丸3,’90

　＜スティンガー・ベーシック＞：FIM-92A。第２世代赤外線誘導システムを使用したもので、発射前にフレオン・ガスや窒素ガスでシーカーを冷却することにより探知能力を上げており、全方向迎撃能力を持つ。また、誘導回路は全てトランジスタ化されたソリッドステート回路を使用している。ミサイル本体が装填されたメンテナンスフリーの発射筒（使い捨てキャニスター）、右前部に折り畳み式IFFアンテナを持つグリップストック、IFFトランスポンダーなどから構成される。ミサイル前後に４枚ずつの展張式フィンが付いており、前の２枚が全遊動式の飛翔制御フィンとなっている。整備無しでミサイルが使用できる期間は５年、冷却ガスやキャニスターの寿命も５年。発射筒全長1.52m、ミサイル本体全長1.4m、ミサイル胴体直径0.07m、翼スパン0.09m（0.203m？）、総重量15.8kg、ミサイル重量13.5kg、炸薬重量3kg。固体燃料ロケット推進、最大速度マッハ２、有効射程5000m、垂直射程13000フィート（3962m）。参考：コンバット・バイブル２、月刊軍事研究3,’04、月刊世界の艦船5,’91、12,’18、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings6,’02、兵器最先端５、月刊丸3,’90

　＜スティンガー・ブロック１＞：FIM-92C。第３世代のマルチ検出器（赤外線・紫外線）と再プログラミング可能な処理装置を搭載したもの。参考：月刊軍事研究3,’04、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings6,’02

　＜スティンガー・ブロック２＞：FIM-92Dブロック１。第５世代のイメージ・プレーン検出器搭載型で、ロールセンサーとしてリング・レーザー・ジャイロを積んでいる。参考：月刊軍事研究3,’04、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＩＭ−９２Ｅ＞：シーカーとソフトウェアを改良してタイプで、巡航ミサイル迎撃能力も持つらしい。1995年から納入された。参考：月刊PANZER3,’10

＜ＦＩＭ−９２海外シリーズ＞

　＜スティンガ＞：陸上自衛隊・航空自衛隊の携帯地対空ミサイル。FIM-92Aを導入したもので、当初はアメリカ側が数千発の一括発注を求めたことと、最新のFIM-92Cの輸入を認めなかったことから導入が没になりかけたが、航空自衛隊の強い要請と、自衛隊が国産の携SAM（後の91式携帯地対空誘導弾）を開発し始めたことから少数ずつの購入が認められ、1981年にジェネラル・ダイナミクス社ポモナ・ディビジョンからFMS輸入を開始、1983年から配備した。ミサイルキャニスター、IFFアンテナ付きグリップストック、IFF、IFFプログラマー・充電器で構成される。全備重量15.2kg。ミサイル本体は全長1.4m、直径0.07m、重量10kg。価格は1986年度調達で１セット3500万円。特科部隊、機甲部隊、航空基地が装備し、ホークや81式／11式短SAMが撃ち漏らした航空機に対して使用する。参考：スピアヘッドNo.12、月刊JWings6,’02、自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊地上戦力の全容、JGround Vol.11、月刊軍事研究3,’07

＜ＦＩＭＡ＞：A400M（輸送機）を参照。

＜ＦＩＮＤＥＲ＞：ファインダー（無人機）を参照。

＜ＦＩＰ＞：サーブ社が開発中の将来歩兵戦闘システムで、2006年に実用化予定。ベスト前面にバッテリーを搭載、右肩にGPS航法装置、左胸に通信機、背部にコンピュータを装備する。アイモニターは左右兼用である。P90に似た6.5mm小銃（FCSと光学サイト組み込み）も合わせて開発中。参考・月刊軍事研究6,’05

＜ＦＩＲＥＳＴＲＩＫＥ＞：ファイアストライク（レーザー砲）を参照。

＜ＦＩＲＯＳ−３０＞：イタリア軍の自走多連装122mmロケットランチャー。６×６輪車両に40連装ランチャーを搭載している。弾頭は榴弾、対人地雷撒布弾、対戦車地雷撒布弾。最大射程30km。斉射にかかる時間は20秒。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＦＩＲＳＴ＞：ラインメタル社の艦載赤外線捜索追尾装置で、Fast Infrared Search and Track Sensor（高速赤外線捜索追尾装置）の略。安定化装置上に搭載された全周旋回式赤外線センサーにより、水上目標、航空目標、対艦ミサイルなどを捜索・追尾できる。参考：月刊軍事研究5,’07

＜ＦＩＳ＞：戦闘迎撃飛行隊（Fighter Interceptor Squadron）の略。

＜ＦＩＳＩＮＴ＞：計装信号情報（Foreign Instrumentation Signals INTelligence）。他国が宇宙空間や地表面で行った実験や、それらに使用するシステムの展開行動に伴って放出された電磁波をキャッチして得た情報のことで、SIGINTの一種である。遠隔測定資料（テレメトリー。観測衛星で得た地表面の情報など）、ビーコン信号、電子誰何信号、ビデオデータリンクなどを含む。参考：月刊軍事研究8,’13

＜ＦＩＳＴ＞：イギリス陸軍の将来型歩兵システムで、Future Infantry Soldier Technologyの略。タレス社が主契約社となって開発中である。小銃搭載用統合照準システムとしてはFISTサーマルサイト、スペクターDR、小銃てき弾用FCS組み込みサイトなどを搭載するが、レーザー測距器は省く予定。指揮官用目標捜索装置はモスキートを採用した。また、記録用カメラとしてオリンパスの民生用コンデジであるミュータフを856基調達することになった。参考：月刊軍事研究12,’09、6,’05

＜ＦＩＳＴサーマルサイト＞：イギリス陸軍のFIST用小火器装着熱線暗視装置。キオプテック社製の非冷却式６倍ズーム熱線暗視装置マキシカイト�Uにシールド社製近接戦闘用ダットサイトLDS（Lightweight Day Sight）を組み合わせており、単三電池２本で60時間動く。L85小銃、L86分隊支援火器、AG36グレネードランチャー、MINIMIなどに適合する。4111基を調達予定。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＦＩＴＳ＞：Fully Integrated Tactical System（完全統合戦術システム）の略。FLIR、捜索レーダー、リアルタイム戦術処理装置、多機能コンソール４基、ビデオ画像表示装置などからなる。EADSが開発し、C-295MPA/ASWに搭載された。参考：月刊エアワールド10,’03

＜ＦＩＷ＞：戦闘迎撃航空団（Fighter Interceptor Wing）の略。

＜ＦＪシリーズ＞：アメリカ海軍ジェット艦上戦闘機、別名フューリー（Fury）。ノースアメリカン社が開発した。FJ-1とFJ-2以降は全くの別物だが、別名は同じ。1962年のアメリカ三軍名称統一（MDSシステム採用）でF-1に改称された。参考：月刊JWings10,’04

　＜ＸＦＪ−１＞：試作機。1945年1月1日に発注され、３機が製作された。開発中にドイツから後退翼のデータを入手したが、発着艦特性が不明だったため、直線翼で設計を続けている。エンジンはJ35-GE-2軸流式ターボジェット（推力1.732トン）単発。初号機は1946年1月に完成し、9月11日に初飛行した。２号機は1946年10月、３号機は1947年2月に初飛行している。参考：月刊JWings3,’21、10,'23

　＜ＦＪ−１＞：量産型。試作機初飛行前の1945年5月に100機が発注された。機体設計はP-51がベースで、胴体は完全新設計にしてエンジンを後部に置き、機首前面にエアインテイクを設けた。エンジン交換・整備は胴体背部を開いて行う。主翼は直線テーパー翼で、P-51より一回り大きくし、翼端増槽（容量170ガロン）を装備できるようにした。折り畳み機構は無いが、エセックス級空母のエレベーターに収まるサイズである。水平尾翼は上反角10度。降着装置は前輪式に変更し、主降着装置を前後桁の間に置いた。前脚にニーリング機構があり、脚柱前面に補助輪付き支脚柱を取り付けて前脚を引き上げると前傾姿勢を取れ、同様の姿勢を取った僚機尾部の下に機首を突っ込むことで駐機スペースを節約できる。全長10.49m、全幅11.63m、全高4.52m、総重量7.08トン。エンジンはJ35-A-2軸流式ターボジェット（推力1.73トン）単発、最大速度880km、実用上昇限度9754m、航続距離2400km。固定武装は12.7mm機銃６丁。乗員１名。1947年5月に初号機が引き渡されたが、同じエンジンに後退翼を付けた陸軍XP-86の方が遙かに性能が良かったため、1948年までに30機のみ生産されて全機VF-5A（1948年8月にVF-51に改称）でテストや記録飛行に使用された。1948年8月にCV-37プリンストンで８機が空母適合試験を受けることになり、４機を港で積載して出港したが、着艦して合流した４機のうち１機が左主脚を折って海に落ち、残る７機も着艦試験中に全損、テストは中止され、1949年には退役が始まり1953年に除籍されている。参考：月刊JWings3,'21、10,’04、2,’16

　＜ＦＪ−２＞：朝鮮戦争でMiG-15に直線翼のF9Fが太刀打ちできなかったので、後退翼を持つF-86Fセイバー（F-86E？）の海軍型として開発された。F-86Fの武装を20mm機関砲４門に変更、主翼折り畳み機構を付け、前脚を長くして大迎え角での着陸を可能とし、主脚間隔を0.2m広げ、AN/APG-30レーダーとMk16Mod2照準器を搭載している。主翼下パイロン２基に757リットル入り大型増槽を装備可能。エンジンはJ47-GE-2（推力2.72トン）単発。試作機はXFJ-2Bという名称で1951年12月27日に初飛行し、1952年から引き渡されたが、F-86Fの生産に手一杯で、朝鮮戦争休戦までには７機しか完成せず、運用は1953年からになった。総生産数は200機だが、空母適合試験で発着艦性能が不十分だったため空母には配備されず、全て海兵隊に渡された。参考：月刊JWings10,’04、2,’16、3,’23

　＜ＦＪ−３＞：FJ-2のエンジンをウエスティングハウス製J65-WE-4（推力3.47トン）に換装し、エアインテイクを大型化したタイプ。主翼下にパイロン４基を持ち、サイドワインダー２発を装備可能。1954年から配備され、空母でも運用されたが、性能が悪く、FJ-4の開発に移った。参考：月刊JWings10,’04、7,’14、10,’23

　＜ＦＪ−４＞：FJ-3の改良型。主翼を再設計し、翼面積を増大、コクピット後部から垂直尾翼にかけてドーサルフィンを付け、垂直尾翼の高さも増した。パイロンは６基に増え、ロケット弾、454kg爆弾、AGM-12ブルパップ空対地ミサイル（最大５発、残り１つには誘導装置搭載）等を搭載可能とした。胴体下面後部にはエアブレーキも付いた。全長11.07m、全幅11.91m、全高4.24m、総重量9131kg。最大速度1094km、実用上昇限度10670m、航続距離2390km。乗員１名。1954年10月から配備され、1956年から空母で運用されたが、全天候能力が無く、1960年代初めから退役した。1962年にF-1Eに改称されている。参考：月刊JWings10,’04、2,’16、10,’23

　＜ＦＪ−４Ｂ＞：FJ-4が完成する頃にはF-8クルセイダーが実用化しかかっており、低空高速爆撃任務に活路を見いだしてMk7/Mk12/B28/Mk105核爆弾とAGM-12ブルパップ空対地ミサイルを搭載可能としたタイプ。1962年にAF-1Eに改称された。参考：月刊JWings7,’14、アメリカの核兵器、月刊世界の艦船6,’12

＜ＦＪ−５＞：ノースアメリカン社計画艦上戦闘機の社内名称。F2J-1がF-8艦上戦闘機に破れて採用されず、代わりに提案したスーパー・フューリーも蹴られたため、新たに自主開発したものである。FJ艦戦シリーズとは全くの別物で、同社製F-107A試作戦闘機のエアインテイク配置を踏襲している。機首にナサール火器管制レーダーを搭載し、コクピット直後の胴体上面に固定式楕円形エアインテイクを持ち、胴体前下部には30mm機関砲４門またはギムレット空対空ロケット弾パックまたはサイドワインダー２発を収容するウェポンベイがある。主翼は低翼配置の後退翼で、前縁フラップと、超循環システム（Supercirculation system）と称する内翼後縁吹き出しフラップを持ち、横操縦はF-107Aと同じスポイラー（＋デフレクター）方式で行う。水平尾翼は全遊動式。垂直尾翼は垂直安定板＋ラダー構成である。射出座席を装備しており、脱出はスルーキャノピー方式で行う。全長15.92m、全幅12.17m／8.38m（主翼折り畳み時）、全高4.8m、自重6.803トン、総重量8.547トン。翼面積37.16平方メートル。エンジンはGE社製J79-GE-2（推力6.509トン）単発、最大速度マッハ1.44で、開発中のエンジン強化（推力7.144トン）を見込めば最大速度マッハ1.58に向上する。機内燃料1.234トン。乗員１名。1955年7月にアメリカ海軍に提案したが、既にテスト中のF-8艦戦で用が足りるので、これも蹴られた。参考：月刊JWings10,'23、2,’16

＜ＦＪ１２−ＴＣ３１１＞：燃料給油車（2000ガロン、航空自衛隊）を参照。

＜ＦＪ８０Ｇ−ＧＮＰＥＥ＞：救難車（航空自衛隊）を参照。

＜ＦＪＲ７１０＞：NALと通産省が1971年から開発した高バイパス比ターボファンエンジン。STOL実験機の飛鳥に搭載された。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＦＫ＞：Feldkanone（野砲）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＫシリーズ＞：ドイツ海軍が1916-18年に建造を計画した軽巡洋艦。いずれも建造されなかった。参考：近代巡洋艦史

　＜ＦＫ１級＞：常備排水量3000トン。２軸推進、速力30ノット。兵装は15cm単装砲５門、8.8cm高角砲２門、60cm単装魚雷発射管４基。参考：近代巡洋艦史

　＜ＦＫ１ａ級＞：常備排水量4025トン。３軸推進、速力33ノット。兵装は15cm単装砲５門、8.8cm高角砲２門、60cm単装魚雷発射管４基、機雷100個。参考：近代巡洋艦史

　＜ＦＫ２級＞：FK1級の防御力強化型。常備排水量4500トン。２軸推進、速力30ノット。兵装は15cm単装砲５門、8.8cm高角砲２門、60cm単装魚雷発射管４基。参考：近代巡洋艦史

　＜ＦＫ３級＞：FK2級の打撃力強化型。常備排水量6000トン。３軸推進、速力30ノット。兵装は15cm単装砲７門、8.8cm高角砲３門、60cm単装魚雷発射管４基。参考：近代巡洋艦史

　＜ＦＫ４級＞：FK3級の高速型。常備排水量7500トン。速力31ノット。兵装は15cm単装砲８門、8.8cm高角砲３門、60cm単装魚雷発射管４基。参考：近代巡洋艦史

＜ＦＫ−３＞：HQ-22（地対空ミサイル）を参照。

＜ＦＫ７Ｍ５９＞：ドイツ国防軍試作カノン砲。7.5cmPaK40の仰角を35度まで取れるようにし、榴弾の最大射程を13.3kmに増加させたものである。全備重量1.3トン。10門程度のみ生産され、1945年にテストされた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊PANZER12,’10

＜ＦＫ７Ｍ８５＞：ドイツ国防軍試作75mm砲。野砲と対戦車砲を統合すべく1944年に開発された。7.5cmPaK40の砲身をleFH18/40の砲架に搭載し、最大仰角を42度としている。重量1778kg。使用弾は榴弾（5.74kg）で、初速毎秒550m、射程10275m。10門のみの生産に留まった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊PANZER12,’10

＜Ｆ．Ｋ．１２＞：イギリス空軍試作護衛戦闘機。第１次大戦時にアームストロング・ホイットワースが開発した。単発三葉機で、中央主翼下面に銃座が付いており、大重量はロールスロイス製大出力（250馬力）エンジンでカバーして長距離護衛を行う。飛行テストの結果、所定の性能が出ずに開発中止となった。参考：月刊丸6,’01

＜ＦＫ１６ｎＡ＞：ドイツ国防軍の野砲。第１次大戦時に使用されていた77mm野砲FK16の砲身を、ラインメタル社製75mm砲に変更したものである。第２次大戦時にも騎兵部隊の一部や訓練用に使用されており、1943年半ばからは大西洋沿岸に配備されている。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ＦＫ３４＞：ドイツ空軍が第２次大戦時に使用した夏用飛行帽。麻布製で、ヘッドホンが付いておらず、通信装置の要らない乗員が使用した。参考：グラフィックアクション36

＜ＦＫ３８＞：クルップ社がブラジル向けに開発した7.5cm野砲。leFK18の砲身を2.335mに延長し、多孔式マズルブレーキを付けるなどの改修を施したものである。ブラジル向けに64門、ドイツ向けに80門が生産された。ドイツでは騎兵部隊に配備した後、沿岸防備部隊に回した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ＦＫ３９（ｒ）シリーズ＞：ドイツ国防軍75mm野砲。第２次大戦時にソ連軍から鹵獲して使用したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜ＦＫ３９（ｒ）＞：FK296(r)の短砲身版。砲身長2588mm。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜ＰａＫ３９（ｒ）＞：照準器などをドイツ標準に換装したもの。PaK36(r)と異なり、操作ハンドルに対する改造は施されていない。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ＦＫ４０＞：ドイツ陸軍75mm野砲。7.5cmPaK40を砲兵隊に回したものである。ただ仰角が取れないので射程が短く、操砲も射角と方位角を１名で合わせる必要があり、不便だったらしい。参考：月刊PANZER12,’10

＜ＦＫ５０Ｂ＞：オランダの爆撃機。コールホーヘン社製FK50旅客機を爆撃機に改造したものである。主翼は高翼配置、降着装置は固定脚。全長15m、全幅20.6m、全備重量5900kg。エンジンはブリストル社製マーキュリー（830馬力）双発、最大速度403km、実用上昇限度9000m。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＫ５１＞：オランダ陸海軍の複葉練習機。全長7.8m、全幅9m、全備重量1500kg。エンジンはアームストロング・シドレー社製チーター５（270馬力）単発、最大速度235km、実用上昇限度5600m、航続距離700km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＫ５２＞：オランダ軍の多用途機。FK51を多用途機として使用できるように改造したもので、機体を一回り大きくしてエンジンを強化、主脚を片持ち式にするなどしてある。1937年に初飛行し、少数が配備された。全長8.5m、全幅9.8m、全備重量2500kg。エンジンはブリストル社製マーキュリー８（830馬力）単発、最大速度382km、実用上昇限度9300m。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＫ５５＞：オランダの試作戦闘機。卵形の太い胴体の中央にエンジンを装備しており、二重反転プロペラ（２翅×２）で推進する。全長9.25m、全幅9.6m、全備重量2280kg。エンジンはロレーヌ・ステルナ５（1000馬力）単発、最大速度500km、実用上昇限度10100m。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＫ５６＞：オランダの偵察機。当初はガル翼で試作されたが、生産型では普通の主翼に換えられた。全長7.85m、全幅11.5m、全備重量1875kg。エンジンはライト・ホワールウィンドR975E-3（420馬力）単発、最大速度310km、実用上昇限度6500m。固定武装は機銃３丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＫ５８シリーズ＞：オランダの単葉戦闘機で、1938年9月22日に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＦＫ５８＞：最初の量産型。全長8.7m、全幅11m、全備重量2540kg。エンジンはイスパノスイザ14AA10（1080馬力）単発、最大速度500km、実用上昇限度10400m、航続距離750km。固定武装は7.5mm機銃４丁。乗員１名。フランスに７機が輸出されたところでドイツの侵攻に遭って生産が止まった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＦＫ５８Ａ＞：エンジンをノームローンに換えたもの。フランスに11機が輸出されたところでドイツ侵攻により生産できなくなった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＫ２３１（ｆ）＞：ドイツ国防軍75mm野砲。フランスの75mm野砲M1897を第２次大戦で鹵獲して使用したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ＦＫ２３５（ｂ）＞：ドイツ国防軍75mm野砲。ベルギー軍75mm野砲mle TR（クルップ社製M1905野砲のライセンス生産版）を第２次大戦で鹵獲して配備したものである。最大射程9900m。発射速度毎分６発。主に沿岸部隊や訓練部隊に配備された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ＦＫ２７２（ｅ）＞：18ポンド砲・海外シリーズを参照。

＜ＦＫ２７３（ｅ）＞：18ポンド砲・海外シリーズを参照。

＜ＦＫ２８０（ｅ）＞：25ポンド砲・海外シリーズを参照。

＜ＦＫ２８１（ｅ）＞：25ポンド砲・海外シリーズを参照。

＜ＦＫ２８２（ｅ）＞：25ポンド砲・海外シリーズを参照。

＜ＦＫ２９５／２ｒ＞：ドイツ国防軍の野砲。白作戦時にポーランド軍から鹵獲したソ連製馬匹牽引式76.2mm野砲M00/02Pで、1945年まで使用した。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜ＦＫ２９６（ｒ）シリーズ＞：ドイツ国防軍の野砲。ソ連76.2mm師団砲F-22を第２次大戦時に鹵獲して使用したものである。口径長48の長砲身砲で、元々野砲といいながらも対戦車砲や高射砲にも使用できる多目的砲であり、重宝した。参考：月刊PANZER11,’02

　＜ＦＫ２９６（ｒ）＞：F-22の俯仰用ハンドルを左に移し、砲手１名で操作可能とした他、照準器をPaK40用のZF3に交換している。防楯も上をカットして直接照準器用スリットを開口した。PaK40用の弾薬（薬莢長が716mmあり、ソ連のものより331mmも長い）を使用すると筒内暴発を起こす危険があるので、ソ連から分捕った弾薬しか使用できず、PaK36(r)に改造されることとなった。参考：月刊PANZER11,’02、5,’10

　＜ＰａＫ３６（ｒ）Ｌ５１.５＞：7.5cm対戦車砲PaK40用の弾薬を使えるように薬室と駐退復座器を改造したもの。戦闘重量1730kg。重量7.6kgのPzgr39徹甲弾だと砲口初速毎秒720m、装甲貫徹力は0-30度の傾斜装甲板に対して98mm（射距離100m）／90mm(500m)／82mm(1000m)／73mm（1500m）／65mm（2000m）。重量4.15kgのPzgr40高速徹甲弾だと砲口初速毎秒960m、装甲貫徹力は135mm（射距離100m）／116mm（500m）／94mm（1000m）／75mm（1500m）／58mm（2000m）。560門が改造されて1942年春から配備され、対T-34用として重宝された。1943年のドイツ国防軍のテストでは、射距離600mでKV-1の前面装甲（75mm60度）を貫通したとされる。マズルブレーキを標準装備し、厚さ14.5mmの新型防楯を付けてマルダー�U・�Vの主砲としても使用された。参考：異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER 11,’02、4,’03、5,’10、ジャーマンタンクス

＜Ｆｋｌ＞：Funklenk（無線操縦）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＫＳ１２０トン・ファウン＞：ドイツのファウン社が開発した120トンクレーン車。エンジンはユーロ１水冷ディーゼル（503馬力）で、懸架装置は水平調節器付き油気圧式。クレーンは専用のユーロ１エンジン（153馬力）で操作し、12.5-4.9mまでの範囲で伸縮する。参考：月刊軍事研究1,’00

＜ＦＬ−１＞：飛龍１型（艦対艦ミサイル）を参照。

＜ＦＬ−２＞：飛龍２型（艦対艦ミサイル）を参照。

＜ＦＬ−６＞：中国のヘリコプター搭載空対艦ミサイルで、イタリアのマルテ１をコピーしたものらしい。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＬ−９＞：中国が開発中の対艦ミサイル。全長3.4-3.5m、直径0.28m、翼スパン0.9m、重量350-360kg。誘導は中間が慣性誘導、終末がアクティブレーダー。最大射程20-27km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＬ−１０＞：AMX-13軽戦車の砲塔。

＜ＦＬ−１２＞：AMX-13/90軽戦車の砲塔。

＜ＦＬ−１５＞：AMX-13/105軽戦車及びSK105軽戦車の砲塔。

＜ＦＬ−９５＞：S-300PSの自走アンテナ、別名ソスナ。参考：月刊グランドパワー9,’03

＜Ｆｌ１８４＞：アントン・フレットナー技師が開発したオートジャイロ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｌ１８５＞：アントン・フレットナー技師が開発・試作したシングルローターヘリコプターで、1934年に完成した。機体左に長いブームを付け、先端にトルク打ち消し兼推進用プロペラを装着してある。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｌ２６５＞：ドイツ海軍ヘリコプター。アントン・フレットナー技師が1939年に製作した交差式並列同調ローター・ヘリコプターで、６機が納入された。重量1000kg。最大速度150km、上昇限度3000m。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、グラフィックアクション29

＜Ｆｌ２８２シリーズ＞：ドイツ海軍ヘリコプター、別名コリブリ（Kolibri、蜂鳥）。ドイツのアントン・フレットナー技師が開発した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｌ２８２＞：Fl265の改良型で、左右に12度・前に６度傾斜させた２翅交差式ローター１組により飛行する。ローターマスト前方に操縦席があり、真下がエンジンスペースで、後方に観測員席が設けてある。1940年に原型が完成し、コンパクトで艦船にも搭載可能なため1000機が発注されたが、ドイツ海軍に納入されたのは20機（22-23機？）に止まり、弾着観測、対潜哨戒、索敵に使用された。胴体長6.6m、ローター直径11.96m、全高2.2m、自重760kg、全備重量1000kg。エンジンはブラモ／シーメンスSh14A星型７気筒レシプロ（140馬力）、最大速度150km、実用上昇限度3300m、航続距離170km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings5,’17、10,’18、1,’19、月刊軍事研究9,’07、グラフィックアクション29

　＜Ｆｌ２８２Ｖ−２３＞：コクピット周辺をカウリングで覆い、水平尾翼端に上反角を付けた。第２次大戦終結後、アメリカ軍に接収された。参考：月刊JWings1,’19

＜ＦＬ１８００Ｓ＞：EADS社が開発したECM/ESM。ESMアンテナは固定型で、８方向に計８枚が装備され、0.5-18GHzの範囲を５帯域に分けて観測する。ECMアンテナは両舷に２基ずつ設置されており、7.5-17GHzの妨害電波を出す。F125型フリゲートに搭載予定。参考：月刊軍事研究5,’09

＜ＦＬ１８００Ｕ＞：212A型潜水艦バッチ１に搭載されているESM。モジュール化されており、受信電波自動分析機能や方位探知機能を持ち、事前に登録した警戒信号と同じだった場合には警報を出す。対応周波数0.5-18GHz。参考：月刊世界の艦船3,’17、9,’12増刊

＜ＦＬ２０００（Ｖ）＞：中国軍の自走短距離地対空ミサイルシステム。四輪駆動装甲車の車体上にパッシブ赤外線誘導式（射程800-5000m、有効高度30-3000m。QW2らしい）またはセミアクティブ・レーザー誘導式地対空ミサイル（射程800-6000m、有効高度10-4000m。QW3らしい）４連装発射機２基を搭載する。システム・リアクションタイム８秒。重量11トン。2003年から量産した。参考：月刊軍事研究3,’05

＜ＦＬ３０００Ｎ＞：中国海軍近接防御艦対空ミサイルシステム。外見はRAMとそっくりで、自国向け24連装（上から４・５・４・５・４・２発）または自国向け18連装または15連装または自国・輸出向け８連装ランチャーにHHQ-10艦対空ミサイルを収容する。FL3000NはHHQ-10の輸出名称という説もある。CIWSとして遼寧型空母（18連装）を皮切りに056型コルベット（８連装）、052D型ミサイル駆逐艦（24連装）、055型ミサイル駆逐艦（24連装）、002型空母（18連装）が搭載しており、HHQ-7から換装した艦もある。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、3,’18、11,’17、2,’19、2,’20、月刊軍事研究9,’14

＜ＦＬＡ＞：A400M（輸送機）を参照。

＜ＦＬＡＡＤＳ＞：CAMM（対空ミサイル）を参照。

＜ＦＬＡＧＥ＞：アメリカ陸軍と戦略防衛構想機構SDIOが共同で1987年5月21日にSDI用大気圏内迎撃ミサイル開発の一環として実施した弾道ミサイル迎撃実験。52km離れた場所で発射されたMGM-52ランス地対地ミサイルを発射後88秒で探知し、12秒後にGTV-4迎撃ミサイルを発射、高度3700mで激突して破壊した。速度はランスが毎秒910m、GTV-4が毎秒980mだった。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｌａｋ＞：Flukabwehrkanone（高射砲）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｆｌａｋ１８＞：ドイツ国防軍37mm高射機関砲。ラインメタル・ボルジーク社がスイスの子会社であるソロータン社にS10-100の名称で密かに開発させ、再軍備宣言と共に制式採用した。砲の左に砲手席がある。十字脚を採用し、運搬時には左右の脚を上に折り畳める。砲身長57口径（2.112m）、戦闘重量1.75トン、牽引時重量3.56トン。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス５度からプラス85度、砲口初速毎秒820m（徹甲弾）／毎秒770m（榴弾）、有効射程2000m、最大射高3500m。装弾は６発クリップ、発射速度毎分80-160発。重量過大で、牽引に４輪トレーラーが必要など扱いにくく、改良型のFlak36が開発された。それでも第２次大戦終戦まで使用されている。参考：グラフィックアクション29、月刊PANZER5,’04、月刊グランドパワー11,’98、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ１８＞：ドイツ国防軍88mm高射砲。対戦車戦闘や対地砲撃にも使用可能な万能砲である。1925年からスウェーデンのボフォース社と共同で極秘開発した7.5cm高射砲がベースで、1931年に完成して1933年のヒトラー政権誕生と共に採用され、空軍防空部隊と陸軍高射砲部隊に配備された。1933年採用なのにFlak33でないのは欺瞞のためである。砲身は単肉式内筒一体型で、外周に段差が無く、上部に円筒形の油気圧シリンダーを用いた復座機があり、下部に揺架と油圧式駐退機が付く。閉鎖機は半自動水平鎖栓式（装填すると自動閉鎖され、発射後に打殻薬莢が自動排出される）。砲身と砲架の間には２本の可変式平衡機がある。砲架左にはZSM.18信管調整装置と操作手席があり、右には砲手席、旋回ハンドル、俯仰ハンドル、ZF.20またはZF.20E直接照準器（倍率４倍、視野17.5度）取り付け基部、射撃管制機材データ表示装置などがある。復座機上部にRbl.F.32パノラマ式間接照準器が付く。当初は発射薬にコルダイトを使用したが、砲身の損耗が激しいので、ジグリコール（ニトロセルロース＋スチレングリコール）次いでグドール（ジグリコール＋ニトログアジン）が使用されるようになった。雷管はC/12nAまたはC/22。フラック・ラフェッテ18十字砲架を持ち、Sd.Anh201トレーラーを取り付けて迅速に移動が可能（射撃姿勢に入るまで５分以内）である。都市防衛時には30式伝達装置U.T.G30（電気式射撃諸元算定装置）を装備した。単肉砲身の寿命が短い（900発）のが欠点だったが、後に銅製の導環を付けた砲弾が開発されて2500発に、更にジエチレングリコール発射薬の採用で10000発に延びた。移動時全長7.77m、射撃時全長5.79m、砲身部全長4.93m（56口径）、砲身長4.69m（53.3口径）、移動時全幅2.32m、射撃時全幅5.15m、移動時全高2.418m、射撃時全高2.1m、移動時重量5.15トン。全周旋回・全周射撃可能で、俯仰角はマイナス３度からプラス85度。操作要員は10名で、砲の右に直接照準・旋回を行う砲手、後ろに俯仰操作を行う砲手、左に信管調整装置操作手、その後ろに弾薬手（信管調整装置に弾薬を差し込む）、更に後ろに装填手が位置し、残り４名は弾薬を運搬する。使用弾はSprgr.Patr、Pzgr.Patr.39、Pzgr.Patr.40、HI.Gr.Patr.39、8.8cm照明弾など。弾薬重量14.4kg・弾丸重量9.24kg（TNTまたはアマトール0.87kg充填）のL/4.5榴弾を使用すると、初速毎秒820m、最大射程15200m（10.5cm軽榴弾砲leFH18の射程を上回る）、有効射高8000m、最大射高11900m。装甲貫徹力はPzgr.Patr.39で0-30度の傾斜装甲板に対し127mm（射距離100m）、117mm（500m）、106mm（1000m）、97mm（1500m）、88mm（2000m）。発射速度毎分20発。１門あたりの価格は32000ライヒスマルク。1936年10月10日までに1058門が引き渡されて第２次大戦末期まで使用された。スペイン内乱では対地砲撃用照準望遠鏡を付けた本砲が共和国軍のT-26相手に威力を発揮しており、第２次大戦でも引き続き対戦車戦闘に投入されている。Sd.Kfz.11で牽引された他、フランス戦ではSd.Kfz.8/Sd.Kfz.9の後部荷台に搭載して自走砲として使用された。Sprgr.Patr.Gerillt、Sch.Sprgr.Patr、Br.Sch.Gr.Patrという弾薬も開発されたが、完成前に第２次大戦が終わった。参考：月刊PANZER6,’04、2,’01、月刊グランドパワー9,’04、ジャーマンタンクス、月刊丸12,’92、グラフィックアクション29

＜Ｆｌａｋ２８＞：ドイツ海軍20mm高射機関砲。エリコン20mm高射機関砲を採用したものである。実用発射速度毎分120発。15発入り箱形弾倉を使用する。第２次大戦ではオランダやフランスからも接収してドイツ国防軍が使用した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊グランドパワー11,’98、月刊丸4,’17

＜Ｆｌａｋ２８＞：ドイツ国防軍40mm高射機関砲。占領国が使用していたボフォース40mm機関砲を接収したり、ノルウェーやデンマーク兵廠で生産したりしたものである。参考：月刊グランドパワー11,’98、月刊丸4,’17

＜Ｆｌａｋ３０＞：ドイツ国防軍20mm高射機関砲。元はラインメタル・ボルジーク社が子会社のソロータン社に開発させたMK-ST-5機関砲で、1935年に採用された。当初は防楯を装備していなかったが、後で5mm厚のものを標準装備している。２輪式トレーラーSd.Ah.51に搭載してSd.Kfz.10や重乗用車で牽引する。砲身長2.3m（1.3m？）、戦闘重量463kg、輸送時重量890kg。俯仰角マイナス12度からプラス90度。徹甲弾なら初速毎秒830m、曳光榴弾（重量120g。305g？）なら初速毎秒900m、最大射高2200m。給弾は20発入り箱形弾倉、発射速度毎分280発（最大）／毎分120発（実用）。照準器は35式反射照準器で、後にリングサイトの視差を利用する簡易版のSchwebekreisvisiere30/38を使用した。操作要員５名（俯仰手、測距手２名、装填手、弾薬運搬手）。1944年11月に照準器が簡素化されて測距手が１名に減った。発射速度が遅いことからFlak38に替えられていったが、大戦末期まで牽引及び自走高射機関砲として使用された他、オランダや中国に輸出されている。地上射撃でも高い威力を発揮しており、1942年9月までに撃破したT-34/76中戦車のうち、4.7%が20mm機関砲によるものとされる。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊PANZER5,’04、月刊グランドパワー11,’98、グラフィックアクション29

＜Ｆｌａｋ３０海外シリーズ＞

　＜２０ＩｔＫ／３０ｓａｋ＞：フィンランド陸軍高射機関砲。30門を輸入したところで冬戦争が始まり、独ソ不可侵条約を締結していたドイツはそれ以上供給しなかった。参考：月刊丸6,’01

＜Ｆｌａｋ３６＞：ドイツ国防軍37mm高射機関砲。Flak18の砲座を2cmFlak30と同様の三角砲座に変更し、２輪トレーラーSd.Ah.52で牽引できるようにしたものである。当初は防楯が無かったが、後に砲手の前に装着されるようになり、最終的には砲の左右をカバーするものが付けられた。照準器は反射式の36式高射照準器。全長5.57m、砲身長2.112m（57口径。3.626m？）、戦闘重量1.55トン（1.248トン？）。俯仰角マイナス８度からプラス85度。砲口初速は榴弾（弾量640g）で毎秒820m、有効射高3500m、最大射高4800m。給弾は６発クリップで、機関部左から挿入する。発射速度毎分160発（最大）／80発（実用）。破壊力は2cmFlakの150倍あるらしい。射距離500mで装甲貫徹力27mmあり、地上掃射や対戦車用にも使用された。1941年には砲口に差し込んで発射する棒付てき弾41（有翼HEAT弾）も開発されている。運用要員８名（砲長、俯仰手、測速手、測高手、装填手、測距手、弾薬運搬手２名。７名？）で運用される。参考：月刊PANZER5,’04、3,’04、月刊グランドパワー11,’98、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ３６＞：ドイツ国防軍の88mm高射砲。スペイン内乱に投入した8.8cmFlak18の戦訓を基に改良を加えたタイプで、1936年末に制式化され、1937年から配備された。十字台座を改良してSd.Ah.201/202牽引用トレーラーに載せたまま地上目標を砲撃できるようにしており、Sd.Ah. 202用のフラック・ラフェッテ36（地上設置パッドが四角になり、脚が細長くなった）十字台座に生産早期から変更されている。砲身はRA9組立式砲身を採用し、やや寸詰まりになった。素材の変更などにより砲身命数は10000発（2500-3000発？）に向上している。8.8cmFlak18用弾薬に加え、AP39被帽付徹甲弾（対戦車・対コンクリート製防御構築物用）を使用できる。弾頭重量9.07kg。砲口初速毎秒820m、有効射高7925m、最大射高10600m、最大射程14860m（対地射撃）。発射速度毎分15発。１門あたりの値段は34000ライヒスマルク。北アフリカ戦でマチルダ�U歩兵戦車を撃ち抜いて「高射砲で戦車を撃つのはアンフェアだ」と言わしめた。また、リベット止めのM3中戦車は１発喰らうとバラバラになり、M4中戦車は砲塔を突き抜けて砲弾が反対側に飛び出していったという。1940年7月10日の報告書で、防楯を付けることが具申され、幅1.95m、高さ1.75m、前面10mm、側面6mmの装甲板で防楯が製作された。参考：月刊PANZER2,’01、6,’04、月刊グランドパワー9,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊丸12,’92

＜Ｆｌａｋ３６海外シリーズ＞

　＜８８／５６ＣＡ＞：イタリア軍88mm高射砲。ライセンス生産版である。参考：月刊PANZER6,’04

＜Ｆｌａｋ３６／４１＞：ドイツ国防軍88mm高射砲。8.8cmFlak41の砲身をFlak36の砲架・台座に据え付けたものだが、実際に生産されたかどうかは不明。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜Ｆｌａｋ３７＞：ドイツ国防軍37mm高射機関砲。3.7cmFlak36の照準器を計算機付きの40式高射照準器に換装したもので、少数が改造された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ３７海外シリーズ＞

　＜３７ＩｔＫ／３７ｓａｋ＞：フィンランド軍37mm高射機関砲。継続戦争勃発に伴い５門を輸入したが、中古で全て故障しており、使用できなかった。参考：月刊丸6,’01

＜Ｆｌａｋ３７＞：ドイツ国防軍50mm高射機関砲。5cmFlak36の照準器をツァイス社製vhrwerks-visierに交換したものである。参考：月刊PANZER5,’04

＜Ｆｌａｋ３７シリーズ＞：ドイツ国防軍8.8cm高射砲。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜Ｆｌａｋ３７＞：8.8cmFlak36の砲身を単肉式に戻し、対空専用にしたもので、オプションで地上砲撃用直接・間接照準器を搭載できる。照準器材は37式伝達装置に換えた。信管調定機構はZSM.19またはZSM.37に換装し、装填トレイ上にZSM.18/41を置いて素早い調整を可能としている。高射諸元算定機も新型にした。全長4.93m、砲身長4.126m、戦闘重量3.71トン、移動車輌搭載時重量5.15トン。初速毎秒820-840m、射程10600m。発射速度毎分15-20発。1942年から生産された。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊PANZER6,’04、2,’01、月刊丸12,’92

＜Ｆｌａｋ３７／２＞：8.8cmFlak37を固定砲架に搭載し、防空専用としたもの。参考：月刊PANZER6,’04

＜Ｆｌａｋ３７／４１＞：8.8cmFlak37の砲架と台座にFlak41の砲身を載せたもの。砲の後座量が大きいので、マズルブレーキを付けて解決した。1945年2月に13門のみ生産された。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜Ｆｌａｋ３７海外シリーズ＞

　＜８８Ｉｔｋ／３７ＲＭＢ＞：フィンランド軍8.8cm高射砲。Kl m/40L対空測距機と共に輸入したもので、1943年に３個中隊をヘルシンキ周辺に配備し、継続戦争でソ連軍機23機を撃墜した。1944年に追加購入してコトカ、トゥルク、タンベレに配備している。参考：月刊丸6,’01

＜Ｆｌａｋ３８シリーズ＞：ドイツ国防軍20mm高射機関砲。参考：月刊PANZER5,’04

＜Ｆｌａｋ３８＞：Flak30の改良型で、ラインメタル社が他の火砲の開発で忙しかったため、マウザー社が復座バネやボルトなどに改良を加えて発射速度を増し、ジャミングを減らした。Flak30と同様、Sd.Ah.51トレーラーに搭載しての牽引が可能である。発射速度毎分450発（最大）／180-220発（実用）。砲身長2.2528m、戦闘重量420kg、全備重量（トレーラー付き）860kg。俯仰角マイナス20度からプラス90度。最大射高2200m、有効射程2695m（対地）。砲身命数10000-12000発。価格は１門あたり6000RM。1940年初めから配備され、1945年3月頃まで生産された。当初Flakvisier38または38Aというリード角自動修正装置付きの高級な照準器が搭載されていたが、扱いに熟練が必要なため、後にFlak30と同じシンプルなSchwebekreisvisiere38になった。参考：月刊PANZER5,’04、月刊グランドパワー11,’98、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜Ｆｌａｋ３８（艦載用）＞：口径20mm、砲身全長2.252m、砲身長113口径（尾栓前面から砲口まで）／65口径（施条部）、砲身重量57.5kg。ライフリングは８条、36口径で１回転する。初速毎秒875m、最大射程4800m。参考：月刊丸4,’17

　＜Ｆｌａｋ ｆｉｅｒｌｉｎｇ３８＞：Flak38を４連装にしたもので、モーゼル社が海軍向けに開発し、1940年から空軍・陸軍でも採用した。第２次大戦末期にはレーダー射撃も可能となった。射撃はペダル、俯仰旋回操作はハンドルで行うので、砲の操作は１名で足りる。全長4.33m、砲身長2.2525m、重量1514kg、全備重量2212kg。弾丸重量300g。俯仰角はマイナス10度からプラス100度、最大射高2210m。発射速度は４門計で毎分1800発（理論上最大）／880発（実用）。運用要員７名（８名？）だが、砲長、俯仰手、弾薬手２名がいれば射撃できた。２輪トレーラーSd.Ah.52で牽引され、運搬の際には防楯を後ろに折り畳むことが可能。値段は20000RM。参考：月刊PANZER5,’04、月刊グランドパワー11,’98、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜Ｆｌａｋｆｉｅｒｌｉｎｇ３８／４３＞：潜水艦用で、砲架を防水型にしている。対潜哨戒機が重装甲のため3.7cm高射機関砲を搭載することになり、沿岸陣地に回された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜Ｆｌａｋｆｉｅｒｌｉｎｇ３８／４３Ｆ＞：38/43にテレフンケン社製レーダーを搭載したもの。完成前に終戦となった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜ＧｅｂＦｌａｋ３８＞：GebFlak38を参照。

＜Ｆｌａｋ３８＞：ドイツ国防軍10.5cm高射砲。1933年末から開発され、1936年10月にラインメタルのものが採用されて制式化された。砲の駆動はピットラー・トーマ油圧駆動式と呼ばれるもので、旋回・俯仰を直流油圧駆動モーターで行うことで砲手の負担を軽減している。俯仰角はマイナス３度からプラス85度。砲身は単肉で、ライフリングは36条。砲上部に油気圧式復座機、揺架の内側に油圧式駐退機、下方にコイルスプリング内蔵の油気圧式平衡機２本を備える。砲架は大型の箱形。脚は十字型で、牽引時は側方のものを折り畳み、前後の脚に203型特殊トレーラーSd.Ah.203を付け、12トンハーフトラックSd.Kfz.8で牽引する。防楯は付いていない。砲架の右は砲手席で、前席が旋回担当、後席が俯仰担当である。左には弾薬トレイ２基があり、まず左のトレイに弾薬を置いて信管を調定した後、右に移して弾薬を薬室に装填する。データ転送機材はランプ点灯式の30式伝達装置。牽引状態から射撃可能状態に移るまで20分くらいかかる。砲身長6.648m（5.547m・63.3口径？）、戦闘重量10.2トン、全備重量14.6トン。対空用の榴弾は弾頭重量14.8kg、弾薬重量26.5kg、砲口初速毎秒881m、最大射程12800m。徹甲榴弾の対地射撃では最大射程17600m、装甲貫徹力140mm（傾斜30度、射距離1000m）。発射速度毎分12-15発。Flak39と合わせて2000門前後が生産された。配備は1940年からで、1944年8月の段階で固定砲床877門、移動砲架1141門、列車搭載116門が配備されていた。参考：月刊グランドパワー11,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、グラフィックアクション29

＜Ｆｌａｋ３９＞：ドイツ国防軍10.5cm高射砲。10.5cmFlak38の砲身を分割式（外筒５分割・内筒３分割）に換え、データ転送機材を指針追従式の37式伝達装置に変更したものである。1940年から生産された。参考：月刊グランドパワー11,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ４０＞：ドイツ国防軍計画10.5cm高射砲。Flak38/39の砲身を滑腔とし、使用弾薬を変更したもの。計画のみで試作もされていない。参考：月刊グランドパワー11,’04

＜Ｆｌａｋ４０シリーズ＞：ドイツ国防軍12.8cm高射砲。1936年から開発され、ラインメタル社が製作し、1937年半ばに試作砲が完成、1938年末から限定生産に入った。参考：月刊グランドパワー12,’04

＜Ｆｌａｋ４０＞：閉鎖器は半自動水平鎖栓式で、撃発は電気式。砲上部には油圧式復座機、下部には２本の油圧式平衡機がある。砲架は箱形で、信管調整装置と動力式装填機構が左に、37式伝達装置が右に取り付けてあり、十字脚上に載せられている。直接照準器は無い。砲架前部には駆動用ギアボックスがある。揺架の左に回転式自動装填装置が取り付けられているが、重量40kg超の薬莢式弾薬を載せるのは装填手の役目である。Sd.Ah.202に載せてSd.Kfz.9で牽引できるが、実際に野戦用移動砲架として配備されたのは少数のみだった。砲身部全長7.835m、砲身長61口径、脚全長5.1m、砲重量13トン、脚重量26トン、牽引時重量48.1トン。俯仰角マイナス３度からプラス87度、全周旋回可能。使用弾は12.8cm榴弾L/4.5（弾丸重量26kg、総重量45.5kg、アマトール炸薬量3.4kg）、12.8cm破砕榴弾（弾丸重量25.25kg、総重量44.25kg。弾頭に124個の破砕片を持つ。少数生産のみ）、12.8cm対戦車徹甲弾（弾丸重量26.5kg、総重量42.5kg）、12.8cmロケット補助推進榴弾（L4.5のRAP型。試作のみ）。榴弾を使用すると初速毎秒880m、有効射高10675m、最大射高14800m、最大水平射程20475m。発射速度毎分10-12発。生産数は600門強で、1945年2月には固定式362門、列車用201門、野戦用６門が配備されていた。生産はラインメタルではなく、クルップ、スコダ、HMA、オーバーシュール、ラウラヒュッテで行われた。参考：月刊グランドパワー12,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、グラフィックアクション29

　＜Ｆｌａｋ　ｚｗｅｉｌｉｎｇ４０＞：12.8cm高射砲Flak40を連装にし、右砲の自動装填装置を右に移動、砲尾ブロックも180度回したもの。俯仰・旋回は左右連動している。15cm高射砲の開発が上手くいかなかったため、代わりに1941年末に制式化され、1942年春からフラックツルムに配備された。発射速度は１門あたり毎分12-14発。砲身命数が1000-2000発しかないので、砲身交換を頻繁に行わねばならず、ドイツ国防軍が地対空ミサイルを開発するきっかけともなっている。操作要員22名。１基あたりの価格は202000RM。終戦までに38門（34門説あり）が完成した。対空戦闘での出番は少なく、ベルリン戦で地上に砲弾の雨を降らせた。参考：月刊グランドパワー12,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ４１＞：ドイツ国防軍5cm高射砲。高度2500m付近を高速で飛行する航空機に対応するため開発され、1936年にラインメタル社が試作砲を完成させ、1940年に採用された。照準装置は反射式照準器と計算機を組み合わせた41式高射照準器である。砲身長4.6865m、戦闘重量3.1トン、牽引時重量5.72トン。全周旋回可能、俯仰角マイナス10度からプラス90度。主用対空弾は榴弾（全備重量4.28kg、弾頭重量2.2kg）で、初速毎秒840m、有効射高3050m、最大射高5600m、実用発射速度毎分130発。5cmPaK38の弾頭を本砲用榴弾の薬莢に収めた42式対戦車徹甲弾（4.35kg）も用意されている。装填は５発クリップによる。操作要員７名。４輪トレーラーSd.Ah.204に載せて牽引可能で、防楯を内側に、十字脚の左右を上に折り畳む。布陣の際にはスクリュージャッキで調整して砲をある程度水平に設置し、更に十字脚の接地具を回して正しい水平を出す必要があった。1941年に配備されたが、反動や発射炎が大きく、旋回速度が遅く、弾丸の威力が低いなどの欠点があり、200門が生産されただけに終わった。ただし連合軍の大量のヤーボに対し終戦まで使われ続けている。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊PANZER5,’04、月刊グランドパワー11,’98

＜Ｆｌａｋ４１＞：ドイツ国防軍8.8cm高射砲。1939年秋に高度10000m以上の目標に対応可能という開発要求が出され、ラインメタル・ボルジーク社が1941年に試作砲を完成させ、1942年に採用が決まった。砲身が余りに長いので、初期は５分割、中期は４分割、最終的にも３分割で作らねばならなかった。このため20-25発を連続発射すると分割パーツが歪み、５分間の砲身冷却を行わないと射撃継続ができなくなった。砲身上部には油気圧式復座機、下部に揺架を配し、揺架内部に駐退機を備える。砲尾にはスプリング・歯車・ローラーを組み合わせた装填補助装置があり、高仰角では威力を発揮した。砲架の配置を工夫して、全高を低く抑えている。砲架前方に厚さ8mmの装甲板で出来た防楯があり、牽引時は外側の部分を折り畳む。砲架右前方には中央指揮所からのデータを受信するUTG.37指針器２基、左にはZSM.41信管調整装置がある。脚は十字型で、左右のものは牽引時に水平に折り畳む。射高を確保するための高初速を得る目的で装薬量も増やしており、弾薬重量が5-6kgも増加した。使用弾は41式高射砲用榴弾、41式高射砲用指向性榴弾、41式高射砲用39/1徹甲弾、41式高射砲用40式対戦車徹甲弾。砲身長6.528m、口径長71.5（74.4？）。俯仰角マイナス３度からプラス90度、有効射高10675m、最大射高15000m。発射速度毎分20発。砲架の右前方に主砲手、その後ろに副砲手２名が位置し、旋回と俯仰操作を行う。他に装填手、信管調整手、信管調整装置弾薬差し込み手、弾薬運搬手４名が配置される。牽引用トレーラーはSd.Ah.202で、Sd.Kfz.8により牽引する。価格は１門あたり60000ライヒスマルク。生産数は300門強（3020門？）、配備数は1944年の段階で279門と少なく、中にはFlak37の砲架にFlak41の砲身を組み合わせて生産したものもあった。当初は北アフリカに送られたが、多くは本土防空部隊に配備されている。機構が複雑で、砲尾と薬莢の相性が悪くトラブルが多発したが、チェコスロバキア軍では1960年代まで使用されていた。参考：月刊グランドパワー10,’04、月刊PANZER2,’01、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊丸12,’92

＜Ｆｌａｋ４３シリーズ＞：ドイツ国防軍3.7cm高射機関砲。30mm航空用機関砲MK103のガス圧作動機構を応用してラインメタル社が開発した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ４３＞：戦時生産を考慮して工程が簡略化されており、Flak36に比べて25%以下にまで工程を減らした。厚さ6-9mmの防楯を持つ。砲身長2.13m（3.3m？）、口径長57、戦闘重量1392kg、全備重量2059kg。俯仰角マイナス7.3度からプラス90度、全周旋回可能。ガス圧作動式、発射速度毎分160-180発（実用）／230-250発（最大）。給弾は８発（６発？）クリップ。使用弾は榴弾（重量640g）、徹甲弾、40型高速徹甲弾で、初速毎秒840m（榴弾）／770m（徹甲弾）／1150m（40型高速徹甲弾）、有効射程6500m（榴弾）、最大射高4800m（榴弾）。照準器は計算機が組み込まれたFlaK visier43で、1944年には簡易型照準器も導入した。専用のSd.Ah.58トレーラーで移動する。生産数4320門。参考：月刊グランドパワー10,’99、月刊PANZER5,’04、4,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、グラフィックアクション29

＜Ｆｌａｋ４３／１＞：Flak43の車載型。砲架が変更されたのみで、性能諸元はFlak43と同じである。メーベルヴァーゲン、オストヴィント、sWSなどに搭載された。参考：月刊グランドパワー10,’99

＜Ｆｌａｋ　Ｚｗｅｉｌｉｎｇ４３＞：Flak43を上下２連装としたもので、４輪トレーラーSd.Ah.106に搭載される。戦闘重量2.796トン（2.4トン？）。1944年末から生産され、1945年2月の段階で390門が配備されていた。参考：月刊グランドパワー10,’99、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ４５＞：ドイツ国防軍12.8cm高射砲。12.8cm高射砲Flak40の砲身長を78口径（9984mm）に延ばしたものである。使用弾重量28kg、初速毎秒940m。試作砲が１門完成して試験中に終戦になった。参考：月刊グランドパワー12,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ１０３／３８シリーズ＞：ドイツ国防軍3cm高射機関砲。30mm航空機関砲MK103の転用である。量産はされなかった。参考：月刊グランドパワー10,’99

　＜Ｆｌａｋ１０３／３８＞：MK103機関砲を2cmFlak38の砲架に載せたもの。戦闘重量619kg。有効射高1500m、有効射程5730m（対地射撃）。給弾はベルトリンク。発射速度毎分250発（実用）／400発（最大）。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、月刊グランドパワー10,’99

　＜Ｆｌａｋｖｉｅｒｌｉｎｇ１０３／３８＞：MK103機関砲を４連装2cmFlak38の砲架に載せたもの。ごく少数の生産に留まり、ツェルシュテーラー45への搭載も検討されていたが、結局量産には移されなかった。参考：月刊グランドパワー10,’99、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ２１４＞：ドイツ国防軍5cm高射機関砲。BK5航空機用機関砲をゲラート58の砲架に搭載したものである。第２次大戦末期に開発されたが、完成数は不明。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ２８２（ｉ）＞：ドイツ国防軍2cm高射機関砲。イタリアの20mm多目的機関砲M35を第２次大戦時に接収して使用したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ３０９／ｌ（ｉ）＞：90/53（高射砲）を参照。

＜Ｆｌａｋ（ｅ）＞：Mk�T海外シリーズ（高射砲）を参照。

＜Ｆｌａｋ（ｅ）＞：ドイツ国防軍4cm高射機関砲。イギリスのQF2ポンドMk8艦載機関砲を第２次大戦時に鹵獲して地上配備型として使用したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ　ｆｉｅｒｌｉｎｇ３８＞：Flak38シリーズ（高射砲）を参照。

＜Ｆｌａｋ　Ｍ３０（ｆ）＞：ドイツ国防軍7.5cm高射砲。フランスのシュナイダー社が開発した75mm高射砲M1930を第２次大戦時に接収して使用したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ　Ｍ３１（ｒ）＞：ドイツ国防軍8.8cm高射砲。ソ連の76.2mm高射砲ZP1931を第２次大戦時に鹵獲し、機関部を改良して8.8cm弾を撃てるようにしたものである。戦闘重量3.65トン。最大射高9300m。発射速度毎分15-20発。防空から対戦車攻撃まで多任務に使用された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ　Ｍ３６（ｆ）＞：ドイツ国防軍7.5cm高射砲。フランスのシュナイダー社が開発した75mm高射砲M1936を第２次大戦時に接収して使用したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ　Ｍ３７（ｔ）＞：ドイツ国防軍7.5cm高射砲。チェコのスコダ社が開発した75mm高射砲PLv37を第２次大戦時に接収して使用したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ　Ｍ３９ａ（ｒ）＞：61K海外シリーズ（高射機関砲）を参照。

＜Ｆｌａｋ　Ｍ３９（ｅ）＞：ドイツ国防軍94mm高射砲。第２次大戦時にイギリスから鹵獲した94mm高射砲QF Mk.�Tである。有効射程9760m、発射速度毎分10発。信頼性が高く、ドイツで弾薬10万発を国産し、海岸砲などとして50門程度を配備した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ｆｌａｋ　Ｍ４２＞：ドイツ海軍3.7cm高射機関砲。ドイツ陸軍3.7cmFlak36をベースとして1939年にラインメタル社が製作、1942-44年に生産した。2cm高射機関砲より射程が長く威力も大きかったが、仕上げ精度が悪く故障が多い、海水に弱いといった欠点があった。また、Ｕボートでは射撃準備のため浮上して砲を調整する必要があったが、敵に発見されないよう夜に無灯火で行わねばならず、実用性に欠ける面があった。砲身長69口径。使用弾は榴弾で、重量612g、砲口初速毎秒850m。作動は反動利用式、給弾は８発クリップ。発射速度最大毎分160-180発。Ｕボートなどに搭載され、沿岸防衛にも使用されている。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、Ｕボート入門、月刊丸4,’17

＜Ｆｌａｋ　Ｍ４３＞：ドイツ海軍3.7cm高射機関砲。口径37mm、砲身全長3.3m、砲身長89口径（尾栓後端まで）／57口径（線条起始部まで）、砲身重量50kg。ライフリングは20条で、施条起端部が60口径で１回転、砲口部が35.9口径で１回転の漸増転度方式。弾丸重量644g、発射薬重量190g、初速毎秒820m、最大射程6500m。作動はガス圧利用式、給弾は８発マガジン、発射速度毎分250発。LM43単装砲架に架装し、俯仰はハンドル、旋回は肩押しで行う。1945年からアドミラル・シェーアやリュッツォに搭載された。参考：月刊丸4,’17

＜ＦｌａｋＰｚ１Ａ２＞：ゲパルト・シリーズ（自走高射機関砲）を参照。

＜Ｆｌａｋ　Ｐｚ　Ｗｇ＞：Flakpanzerwagen（対空用車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｆｌａｋ　ｚｗｅｉｌｉｎｇ４０＞：Flak40シリーズ（12.8cm高射砲）を参照。

＜Ｆｌａｋ　Ｚｗｅｉｌｉｎｇ４３＞：Flak43シリーズ（3.7cm高射機関砲）を参照。

＜Ｆｌａｋ　Ｚｗｅｉｌｉｎｇ４３＞：ドイツ国防軍5cm連装高射砲。5cmFlak43を上下２連装としたものである。戦闘重量2400kg。Sd.Ah.106に載せて移動する。終戦までに400基ほどが生産された。参考：月刊グランドパワー11,’98、月刊PANZER5,’04

＜Ｆｌａｋヴィッカース（ｅ）＞：Mk�VＡ海外シリーズ（高射砲）を参照。

＜ＦｌａｋヴィッカースＭ３９（ｅ）＞：Mk�V海外シリーズ（高射砲）を参照。

＜Ｆｌａ　Ｐｚ＞：Flakpanzer（対空戦車）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｌａＲａｋＰｚ＞：ローランド�U自走対空ミサイルシステム（ドイツ陸軍）を参照。

＜ＦＬＡＳＨシリーズ＞：タレス・アンダーウォーター・システムズ社のヘリコプター用アクティブ・ディッピング・ソナーで、Folding Light Active Sonar for Helicopterの略。参考：月刊軍事研究2,’14

＜ＦＬＡＳＨ＞：深度700mまでセンサーを降ろすことができ、浅海でも使用可能。使用周波数20kHz（3-5kHz？）の監視モードと250kHzの識別モードを持つ。距離分解能0.5m。イギリス海軍マーリンHM1、スウェーデン海軍NH90、フランス海軍、ノルウェー海軍NH90などで採用された。参考：月刊軍事研究2,’14、6,’07、月刊丸2,’12、月刊世界の艦船1,’17

＜ＦＬＡＳＨコンパクト＞：FLASHを小型ヘリにも搭載できるようコンパクト化したタイプ。参考：月刊軍事研究2,’14

＜ＦｌａＳＬ１５１＞：ドイツ国防軍20mm高射機関砲。MG151/20機関砲を３連装にしてコの字防楯付き砲架に架装したもので、Sd.Kfz.251/21などに搭載された。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜ＦＬＣＣリギング器材＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＦＬＣＶ計画＞：カナダ陸軍の車両更新計画で、FLCVはFamily of Land Combat Vehiclesの略。レオパルト２の機動力向上改修、CCV調達、LAVの改修、戦術装甲パトロール車両（LAV-2コヨーテの後継）調達、FME（Force Mobility Enhancement）調達が行われる。参考：月刊軍事研究7,’10

＜Ｆｌｅｅｔｅｘ８５＞：海上自衛隊とアメリカ海軍の共同演習。千島列島周辺に攻撃原潜などを展開してオホーツク海の聖域化を図るソ連海軍を想定したもので、1984年に実施された。海上自衛隊からDDHくらまなど15隻、アメリカ海軍から空母戦闘群３個など35隻が参加し、小笠原諸島を千島列島に見立てて対潜戦・対水上戦訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船4,’20

＜ＦｌＥｓＭｉ４２＞：ドイツ国防軍が第２次大戦時に使用した対人地雷。ガラスボトルにゼリー状のゼラチン・ドナリ爆薬を詰め込んだもので、コンクリートに埋めて破片効果を出す。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦＬＧ１シリーズ＞：中国の地対空システム。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ＦＬＧ１＞：航空宇宙科学工業公司が開発した。ミサイルシステム車両は、４輪駆動型WZ551の車体上に、２連装地対空ミサイルランチャー２基を搭載する無人砲塔を装備している。ランチャー間には光電子パッケージと監視レーダーがあり、ミサイルは最大射程5kmで、誘導はパッシブ赤外線とセミアクティブレーザーのようだ。これに牽引式25mm連装機関砲を組み合わせて運用するが、機動性には欠けるような気がする。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ＦＬＧ１Ｓ＞：中国航空科学工業公社が中国エアショー04で発表した自走地対空ミサイルで、FLG1の改良型らしい。ミサイルランチャーが４連装または８連装になっており、管制レーダーを改良している。参考：月刊軍事研究3,’05

＜ＦＬＩＰＳ＞：飛行情報出版物編集装置を参照。

＜ＦＬＩＲ＞：Forward Looking Infra-Red（前方監視赤外線装置）の略。自身の前方にある物体が放射する赤外線を捉えて表示する、パッシブ赤外線暗視装置のことである。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜第１世代ＦＬＩＲ＞：目標探知距離10km、目標識別距離1-3km程度。参考：月刊軍事研究4,’01

　＜第２世代ＦＬＩＲ＞：目標探知距離20km弱、目標識別距離5km弱。参考：月刊軍事研究4,’01

　＜第３世代ＦＬＩＲ＞：目標探知距離35km、目標識別距離10km程度。参考：月刊軍事研究4,’01

＜ＦＬＩＲ（近距離暗視装置）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究7,’11

＜ＦＬＩＲ用搭載ビデオ＞：自衛隊の機器。OH-1に搭載されている。ナックイメージテクノロジー機器製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜ＦＬＭ＞：限定致死性爆弾を参照。

＜ＦＬＯＬＳ＞：Fresnel Lens Optical Landing System（フレネルレンズ式光学着艦誘導装置）の略で、通称ミートボール（Meatball）。アメリカ海軍空母の飛行甲板アングルドデッキ左舷側にあり、中央に縦に並んだフレネルレンズ付き光源と黄色い指示灯の位置関係が着艦進入角のずれを、横一列に並んだデータムズライトの色と見え方が左右のずれを示す。また、LSOが着艦中止サインを出すウェーブオフ指示灯も装着している。参考：月刊JWings1,’02、2,’00、月刊世界の艦船2,’16、2,’22

　＜ＦＬＯＬＳ（ニミッツ級）＞：制式名はMk6Mod3。６番艦からは改良型のMk13Mod0IFLOLS（Improved FLOLS）を装備しており、５番艦までも後に換装した。参考：月刊軍事研究11,’13、月刊世界の艦船2,’16

＜ＦＬＯＡＮ＞：スペイン海軍航空隊の略。参考：月刊航空ファン4,’19

＜ＦＬＯＴＥＸ２０１３＞：ドイツ海軍年次演習で、2013年8月26日から9月6日にバルト海で実施され、フリゲート１隻、コルベット１隻、ミサイル艇ゲパルト、同ヘルメリン、潜水艦１隻、掃海艇１隻、補給艦２隻（A511エルベなど）が参加した。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜ＦＬＯＴＬＯＧ＞：フランス海軍の補給艦建造計画で、Flotte Logistiqueの略。イタリア海軍ブルカーノ級補給艦がベースで、船体はイタリアのフィンカンティエーリ、搭載システムなどはフランスのアトランティーク造船所とネイヴァル・グループが担当する。４隻を建造予定で、まずは2025年までに２隻を竣工させる。参考：月刊世界の艦船1,’19

＜ＦＬＰ＞：Flight Leader Practiceの略。４機編隊長の資格を得るための訓練のこと。参考：月刊JWings6,’05

＜ＦＬＲＡＡ＞：アメリカ陸軍がFVL CS3でUH-60の後継として計画中の新型輸送機で、Future Long-Range Assault Aircraft（将来型長距離侵攻航空機）の略。読みはフローラ。2019年4月4日にRFIが発出され、巡航速度519km、無給油戦闘行動半径556km、無給油フェリー航続距離4520km、スリング容量4.54トン、搭乗兵員12名、ホバリング高度限界1830m（地面効果外・気温35℃）といった内容であり、ヘリの能力限界を超えたVTOL輸送機となっていて、合致するのはV-280とSB>1くらいである。2021年3月30日、競争開発・リスク低減CD&RRフェーズ�Uの契約をベル社（V-280）及びシコルスキー社＋ボーイング社（SB>1）と締結した。2021会計年度第４四半期までに両者が予備設計レビューを完成させて陸軍で審査に入り、2023年にマイルストーンＢを達成してEMD段階に進み、2024会計年度第３四半期までに原型機が初飛行し、2030年までに配備を始める予定だが、高性能に見合う高価格で、予想ユニットコストはUH-60の２倍強に達する4300万ドルにもなり、１対１で置き換えるのは無理。アメリカ海兵隊と特殊作戦コマンドも2032年から配備する予定。2022年12月5日、ベル・テキストロン社V-280を採用した。参考：月刊JWings7,’19、7,’20、9,’20、7,’21、2,’23

＜ＦＬＳ６０＞：イクスブルー社が開発した三次元マルチビーム式前方監視ソナー。ＦLS150の性能向上型である。探知距離350m（浮遊・沈底機雷）／650m（係維機雷）。参考：月刊軍事研究2,’15、月刊世界の艦船1,’22

＜ＦＬＳ１５０＞：イクスブルー社が開発した三次元マルチビーム式前方監視ソナー。障害物・機雷探知、海底地形マッピング、航法、環境アセスメントなどに使用できる。探知距離330m（浮遊・沈底・係維機雷）。参考：月刊軍事研究2,’15、月刊世界の艦船1,’22

＜ＦＬＴ−２＞：レオパルト２戦車のデジタル式弾道計算機。メモリーに弾薬７種類の弾道データを内蔵しており、各種センサーからのデータに基づいて主砲に適切な射角・方位角を与える。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ＦＬＴＦＯＲＣＯＭ＞：艦隊総軍を参照。

＜ＦＬＴＳ＞：FLight Test Squadron（飛行試験飛行隊）の略。

＜ＦＬＴＳＡＴＣＯＭ＞：アメリカ海軍電信システムを構成する艦隊衛星通信システムで、FLeeT SATellite COMmunication systemの略。通信衛星の寿命は７年間で、アップリンクをUHF及びSHF、ダウンリンクをUHFで行う。静止軌道を周回しており、太平洋上に２基、インド洋上に１基、大西洋上に１基を置いて全世界をカバーする。艦隊衛星放送FSB（Fleet Satelite Broadcast）、デジタル情報交換IX（Information Exchange）、デジタル秘話通信SVC（Secure Voice Communication）の各サブシステムを有する。1970年代前半から開発し、1978-81年にFLTSATブロック１衛星５基、1987-89年にブロック２衛星３基を打ち上げた。参考：月刊軍事研究1,’07、3,’08、日本の防衛戦力Part3

＜ＦＬＵ−４１９＞：アメリカ陸軍の装輪式ブルドーザー。小型で取り回しが良いため前線近くでの土木作業にも投入されているが、最大速度が60km程度なので他の装輪車両に置いてけぼりにされてしまうため、ストライカー旅団戦闘団用にHMEE-1を開発している。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ＦＬＷ＞：Flammenwerfer（火焔放射器）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＬＷ１００＞：クラウス・マッファイ・ヴェグマン社が開発中の遠隔操作銃塔で、FLWはFernbadienbare Leichte Waffenstatioen（遠隔操作武器ステーション）の略。車両の天井に装着するが、車内に基部が喰い込まない構造をしているため、車内容積を圧迫しないという利点がある。昼間用テレビカメラと赤外線暗視装置を標準装備しており、オプションで安定化装置とレーザー測距機を搭載可能。俯仰角マイナス20度（５度？15度？）からプラス70度。本体重量80kg、武装付き全備重量100kg。搭載武装5.56mmまたは7.62mm機銃（MG3機銃など）、装弾数120発または250発。参考：月刊軍事研究9,’06、7,’07、10,’08

＜ＦＬＷ２００＞：クラウス・マッファイ・ヴェグマン社の遠隔操作銃塔。防弾構造の銃塔に7.62mm機銃MG3、12.7mm機銃、40mmグレネードランチャーなどのどれかとEO/IRカメラを搭載する。重量170kg。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス15度からプラス75度。前部に発煙弾発射機６基を追加することができる。フェネックA2に搭載された。レオパルト2A7+にも装備予定。参考：月刊軍事研究7,’07、10,’08、9,’10、月刊PANZER 6,’13

＜ＦｌｙｔＬＩＮＫ＞：タレス社が開発した航空機用衛星データ通信システム。イリジウム衛星携帯電話を使用しており、高緯度でも問題無く通信でき、飛行状況を地上にリアルタイムで送信したり、機上でインターネットに接続したりすることが可能となる。端末重量7kg。通信速度上り350kbps／下り700kbps。参考：月刊航空ファン10,’18

＜ＦＭ＞：Frequency Modulation（周波数変調）の略。電気信号の振幅は一定のまま周波数を変調させて情報を伝達する方式である。送信信号と時間的に逆となっている周波数変動を持つフィルタを通すと復調できる。FM-CWレーダーなどがこの方式で、パルス圧縮により分解能向上やノイズ低減を図ることができ、AM方式よりもノイズ・ジャミングをかけられにくいという長所がある。参考：レーダの基礎、月刊軍事研究9,’11、現代の潜水艦、空軍

＜ＦＭ−１＞：ALI（弾道ミサイル迎撃試験）またはF4Fシリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜ＦＭ−１Ａ＞：ALI（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ＦＭ−２＞：ALI（弾道ミサイル迎撃試験）またはF4Fシリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜ＦＭ−３＞：ALI（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ＦＭ−４＞：アメリカ軍のSM-3ブロック０発射試験。2002年11月22日、大気圏外ブースト段階の弾道ミサイルを探知し、迎撃するという想定で行われ、CG-70レイク・エリーが目標を探知してから35秒後にSM-3ブロック０が発射され、発射２分後にLEAPが命中し、試験は成功した。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究1,’05

＜ＦＭ−５＞：アメリカ軍のSM-3ブロック０発射試験で、2003年6月18日に行われた。SDACSの不具合修正が主目的で、FM-4同様にCG-70レイク・エリーから大気圏外ブースト段階の目標に向け発射されたが、軌道修正バルブが作動不能を起こして外れた。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究1,’05

＜ＦＭ−６＞：アメリカ軍のSM-3ブロック０発射試験で、2003年12月11日に行われた。DDG-59ラッセンがレーダー有効圏内に入るや否や弾道ミサイルを探知し、データをリンク16でCG-70レイク・エリーに送信（能力はパシフィック・エクスプローラー試験で確認済み）し、280km以上離れた目標に向けてSM-3ブロック０を発射、２分後に高度137km・相対速度マッハ11で撃墜した。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究1,’05

＜ＦＭ−７＞：FTM-04-1（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ＦＭ−８＞：FTM-04-2（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ＦＭ−９＞：FTM-04-3（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ＦＭ８０＞：HQ-7（地対空ミサイル）を参照。

＜ＦＭ−８０Ｎ＞：HHQ-7（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＦＭ−９０＞：HQ-7A（地対空ミサイル）を参照。

＜ＦＭ−９０Ｎ＞：HHQ-7A（艦対空ミサイル）またはHQ-7B（地対空ミサイル）を参照。

＜ＦＭ１００−５＞：アメリカ陸軍野外教令（Field Manual）、”Operations”。2001年、FM3-0に改称された。参考：月刊軍事研究9,’16

　＜ＦＭ１００−５（１９４９年改訂）＞：第２次大戦・太平洋戦争の戦訓を取り入れて改訂したもの。参考：月刊軍事研究9,’16

　＜ＦＭ１００−５（１９６２年改訂）＞：

　＜ＦＭ１００−５（１９６８年改訂）＞：下級指揮官の独断専行を求める記述を削除し、上層部からのコントロールを重視した。参考：月刊軍事研究9,’16

　＜ＦＭ１００−５（１９７６年改訂）＞：第４次中東戦争の戦訓などを取り入れた改訂で、アクティブ・ディフェンスを導入した。参考：月刊軍事研究9,’16

　＜ＦＭ１００−５（１９８２年改訂）＞：エア・ランド・バトルを導入した。参考：月刊軍事研究9,’16

　＜ＦＭ１００−５（１９８６年改訂）＞：Operational Art（作戦術）の概念を導入した。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＦＭ４００＞：フランスのDCNSがユーロネイヴァル2008で発表した汎用フリゲートコンセプト。ステルス性を重視した船体に全周監視型艦橋、全周監視マスト、中口径艦砲、遠隔操作機関砲、艦対艦ミサイル、艦対空ミサイル、ヘリ／UAV甲板、USV収容スペース、ミッションモジュールを装備し、外洋から沿海域まで、幅広い任務に対応できる。全長126m、全幅17.5m、吃水4.5m、満載排水量4000トン。速力25-29ノット、航続距離7500海里（15ノット）。乗員130名。ハルソナー、TASS、対潜ヘリ、短魚雷を装備する対潜型、大口径艦砲、特殊部隊用設備、偵察・目標指示用UAVを搭載した地上攻撃型、遠距離レーダー装備、電子戦システム強化、艦対空ミサイル搭載数増加を行う対空戦闘型といった単一任務特化型への転換も可能。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＦＭ−６２２Ａ＞：アメリカ空軍のVHF/FM無線機。陸軍のVHF通信システムに対応したもので、地上部隊との直接交信が可能。相手無線ステーションの方位を探知して姿勢方位指示計ADIに表示する機能も持つ。周波数範囲30.0-75.95MHz、チャンネル数920（50kHzおき）。A-10A攻撃機に搭載された。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＦＭ−２０００＞：アメリカのＯ・Ｉ・アナリティカル社が開発した連続空気監視システム。化学兵器を含む有毒化学物質を継続的に監視できる。長さ30mのアンテナ12本により、汚染空気の流れを把握することも可能。世界各地で軍用・民間用に使用されている。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＦＭＡ＞：アルゼンチンの国営航空機会社で、軍航空機工場（Fabrica Militar de Aviones）の略。1927年10月に創設された航空技術研究所（Instituto Aerotecnico）が1940年代に改称したものである。第２次大戦中にはFw44などのライセンス生産を行い、戦後にジェット機を国産開発し、IA-58やIA-63を量産した。1995年に民営化されてロッキード・マーチン社の子会社となり、LMAASAに改称された。参考：月刊JWings8,’14

＜ＦＭＡＮ＞：FC/ASW（巡航ミサイル）を参照。

＜ＦＭＣ＞：FC/ASW（巡航ミサイル）またはフラッター・モード制御を参照。

＜ＦＭ−ＣＷドップラー・レーダー＞：ドップラー・レーダーを参照。

＜ＦＭＦ＞：アメリカ国務省の外国軍に対する軍事資金援助制度Foreign Military Financing。提供した資金はアメリカ企業への発注に使用するという縛りがある。参考：月刊航空ファン7,’18

＜ＦＭＦ＞：三菱重工が2018年4月9-11日に開催されたネイビー・リーグの装備展示会シー・エア・スペース2018で発表した多任務フリゲート・コンセプトで、Future Multi-mission Frigateの略。MAST Asia 2019でも模型を展示した。売り文句はステルス性（Stealthy）、自動化ダメコン（Smart）、高度拡張性（Scalable）である。船型は長船首楼型で、船体中央に船体幅一杯の上構を持ち、ステルス性を考慮して艦尾まで続くナックルラインより上の舷側を船体と逆傾斜にし、艦橋上面に上構幅一杯の太い四角錐台形タワーマストを有し、上面から太い棒状のアンテナフェアリングが突き出している。煙突左の艦載艇搭載スペースや艦対艦ミサイル搭載部の舷側は上構舷側と面一のブルワークでカバーし、アンテナドームも全周を傾斜板で覆ってある。モジュラー構造を採用しており、各種兵装、分散型高性能センサー、推進器、艦載無人システム（UAV/USV/UUV）を顧客の要望に応じて換装可能。船体内のCICは円形をしており、上部全周にモニターを巡らせ、外界の全周映像を映し出すことで艦橋監視要員を削減した。全長130-140m、幅16m、満載排水量5500-6000トン。主機は統合電気推進やCODAGなど、プロペラ／ウォータージェット２軸推進、速力30ノット以上。兵装は127mm単装砲（前甲板）、VLS（砲後方）、艦対艦ミサイル４連装発射筒（後部上構）、CIWS（ヘリ格納庫上）など。上構後部がヘリ格納庫、後甲板がヘリ甲板で、艦尾にUSV/UUV発進揚収ドアがある。参考：月刊世界の艦船7,’18、9,’19

＜ＦＭＦＭ−１＞：アメリカ海兵隊が1989年に定めた教令Fleet Marine Force Manual “War Fighting”。ベトナム戦争の戦訓を取り入れ、敵戦力の量的撃破に固執せず、意思決定や行動を阻害して勝利に繋げる機動戦を主眼に置いている。1997年、ドクトリンのMCDP（Marine Corps Doctrinal Publication）-1に改訂された。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＦＭ　ｇｒ１＞：Sd.Kfz.9先行量産型（装甲車）を参照。

＜Ｆ　Ｍｋ２＞：アメリカ海軍のフライホイール式カタパルト。10000ポンド（4.54トン）の航空機を30ノットで射出できる。長さ47m、重量６トン。レキシントン級空母に水上機射出用として搭載されたが、フライホイールを高速回転させるのに時間がかかる、クラッチが焼き付くという欠点があり、すぐ外されてしまった。参考：丸スペシャルNo.83、月刊世界の艦船6,’17

＜ＦＭＬＢ−１＞：台湾海軍FMLB-1級敷設艇１番艇。2019年起工、2020年12月就役。2022年7月25-29日、漢光38号演習に参加。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜ＦＭＬＢ−１級＞：台湾海軍機雷敷設艇Fast Mine Laying Boat-�T級。敵の予想上陸地点付近への急速敷設を主任務とする。全長41m、幅8.8m、吃水1.6-1.7m、満載排水量376トン。主機はディーゼル、速力14ノット。兵装は20mm単装機関砲１門（前甲板）、12.7mm機銃２丁、国家中山科学研究院製自動機雷敷設装置（敷設軌条３条）、機雷144個。４隻を建造予定で、１番艇FMLB-1岷江は2020年12月に就役した。２番艦FMLB-2は2022年1月14日に就役した。３番艇はFMLB-3、４番艇はFMLB-5。参考：月刊世界の艦船5,'22、4,'22、11,’20、11,’22

＜ＦＭＰ＞：在韓米軍の施策で、戦力モジュールパッケージの略。柔軟抑止オプションFDOによる抑止効果が十分に発揮されず、戦争の可能性が高まった場合に、空母戦闘群などの迅速派遣部隊を展開させることで、抑止力を強化するものである。参考：月刊軍事研究11,’03

＜ＦＭＲ型＞：エドソル級（護衛駆逐艦）を参照。

＜ＦＭＳ＞：フライト・シミュレータまたはフライト・マネージメント・システムを参照。

＜ＦＭＳ＞：Foreign Military Salesの略で、海外有償援助、有償軍事援助と訳される。アメリカ軍を介して兵器を購入することで、シリアルナンバーがアメリカ軍そのままになっていることが多い。根拠となる法律は武器輸出管理法で、単純な兵器の輸出販売でなくアメリカの安全保障政策の一環として同盟国などに装備品を有償提供するものであり、売却先が提出した引合申請書LoR（Letter of Request。購入したい内容を記載）を国防安全保障協力局と国務省が審査し、売却可能と判断すると国防安全保障協力局が議会に通告、議会が承認すると軍を介しての提供が決定され、売却先はアメリカ政府と引合受諾書LoA（Letter of Acceptance）を交わして契約が成立、売却先から入金されると軍がメーカーに発注し、完成品は軍が領収してから売却先に引き渡す。技術盗用、技術漏洩、人権侵害目的の使用の恐れなどをチェックする必要があり、FMSの件数自体が増加していることもあって、審査にやたらと時間がかかっている。その割に相手国で導入が本決定される前に早々と審査を終了していたりする。交換パーツなどもアメリカ軍経由になるので、手間と時間がかかり、稼働率に影響を及ぼすこともある。アメリカ軍や輸入各国の導入分と合わせてメーカーに発注するため、量産効果による価格引き下げ効果が得られ、アメリカ軍による教育訓練を受ける事もでき、メーカーが買収されたり倒産したりしてもアメリカ政府が運用体制維持を保証してくれるが、技術支援料と称してアメリカ企業からの派遣技術者に対する人件費まで負担しなければならない。価格と納期に関する根拠が不透明で、アメリカ軍の都合により変更（場合によっては契約解除）されることがあり、そのくせ支払いは原則前払い。日米間では日米相互防衛援助協定MSAに基づいて実施されており、秘密保護が保障されているため、最新鋭だったり機密度が高かったりして輸出市場に出されていない兵器を入手することが可能だが、日本の防衛産業が得られるメリットはほぼ無く防衛力のアメリカ依存を高める結果となっており、未納入・未精算といった問題も発生、会計検査院からは高額で価格の透明性に欠けるといった指摘が出されていて、安全保障協力協議会で防衛装備庁と国防安全保障協力庁が2016年から意見交換を行っている。トランプ政権で兵器輸出を促進する方針となり、2018年4月19日に手続きを簡略化する大統領令が発出された。参考：月刊航空ファン2,’15、6,’18、4,’19、月刊JWings1,'21、9,’15、12,’04、7,’18、11,’18、月刊軍事研究12,’14、4,’17、11,’18、月刊世界の艦船9,'20

＜ＦＭＳ調達弾薬＞：防衛省がアメリカ陸軍に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜ＦＭＳ調達弾薬（３０Ｇ多目的弾）＞：自衛隊の弾薬。アメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究7,’17

＜ＦＭＳ調達に係るケース管理要員のための経費＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＦＭＴＶ＞：アメリカ軍の小型・中型トラックで、Family of Medium Tactical Vehicle（中型戦術車両ファミリー）の略。2.5トン積みのLMTVと５トン積みのMTVの２種のトラックシリーズ計17種類から構成され、HIMARSやレーダー車などの車体にもなっている。両者は車体構成品の80%が共通で、最新のタイヤ空気圧中央制御システムCTISを装備し、悪路機動力が高い。専用トレーラーとして、2.5トントレーラーM1082、５トントレーラーM1095、５トントレーラーM900シリーズ、特殊カーゴM200/M1061が用意されている。1991年からLSAC装甲化キャビンが搭載された。更に対テロ戦争の戦訓を取り入れたLTAS装甲キャブが登場している。参考：月刊軍事研究8,’03、9,’06、5,’17、月刊PANZER7,’10

＜ＦＭＵ＞：アメリカ軍の航空支援機器型式命名システムASETDS記号で、兵器信管ユニット（Fuze Munition Unit）を示す。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−２６／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の爆弾用信管。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＦＭＵ−２６／Ｂ＞：Mk80シリーズの電気作動式着発信管で、頭部または底部に装着する。瞬発と短延期を離陸後に切り替え可能。投下されると母機と接続されているランヤードが外れて熱電池が作動し、アクティブとなる。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＭＵ−２６Ｂ／Ｂ＞：遅延秒時は0.00秒、0.01秒、0.02秒、0.05秒、0.1秒、0.25秒に設定可能。また、クラスター爆弾用に投下後1.9-99.9秒で安全装置を解除し、そこから0.1秒で起爆する空中起爆も設定できる。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−５４／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の弾底着発信管。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＭＵ−５４／Ｂ＞：Mk80シリーズの高抵抗型及びM117爆弾（retard）用。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＭＵ−５４Ａ／Ｂ＞：Mk82スネークアイ及びM117爆弾用。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＭＵ−５６／Ｂ＞：アメリカ軍の弾頭近接信管。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−７２／Ｂ＞：Mk80シリーズ用で、弾頭部または底部に装着する着発・長時間延期信管である。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−８１／Ｂ＞：アメリカ軍の弾頭部・底部兼用着発・延期信管。GBU-10/-11/-12/Mk82/84に装着できる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−１０７／Ｂ＞：アメリカ軍の弾頭空中炸裂信管。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−１１０／Ｂ＞：アメリカ軍の弾頭近接信管。作動対地高度を300フィート（91.4m）／500フィート（152.4m）／700フィート（213.4m）／900フィート（274.3m）／1200フィート（365.8m）／1500フィート（457.2m）／1800フィート（548.6m）／2200フィート（670.6m）／2600フィート（792.5m）／3000フィート（914.4m）から選択できる。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−１１３／Ｂ＞：アメリカ軍の弾頭近接信管。Mk80シリーズとM117爆弾に装着できる。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＦＭＵ−１２４／Ｂ＞：アメリカ軍のGBU-15/AGM-130/-142/Mk84用着発・延期信管。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−１３９Ａ／Ｂ＞：アメリカ軍の電子信管。着発または短延期（10/25/60ミリ秒）で、近接センサーからの信号も受信できる。Mk80シリーズ、GBU-24/B、AGM-65の弾頭部または弾底部（弾底部のみ？）に装着可能。参考：火器弾薬技術ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究4,’11

＜ＦＭＵ−１４０／Ｂ＞：アメリカ軍の近接・遅延信管。Mk339の後継で、ドップラー・レーダーを内蔵しており、作動高度を90-900mの十段階で設定、ディスペンサーを開放して子爆弾をばらまく。遅延モードでは投下後1.2秒以上を設定できる。Mk7クラスター爆弾ディスペンサー、CBU-78B/B、CBU-99A/B、CBU-99B/B、CBU-100A/Bに装着可能。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊JWings2,’13

＜ＦＭＵ−１４３／Ｂシリーズ＞：アメリカ軍のレーザー誘導式貫徹型爆弾用着発・延期信管。弾頭部にはレーザー受光部があり装着できないため、弾底部に取り付ける。信頼性がやや低いらしい。参考：月刊軍事研究4,’11、月刊JWings10,’17

＜ＦＭＵ−１４３Ｂ／Ｂ＞：アメリカ軍の着発・延期信管。遅延秒時60ミリ秒。GBU-10/-15/-24/-27、AGM-130/-142、BLU-109/Bに装着できる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＭＵ−１４３Ｆ／Ｂ＞：アメリカ軍のGBU-28/B用着発・延期信管。遅延秒時30/60/120ミリ秒。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＭＵ−１５２／Ｂ＞：アメリカ軍の爆弾用弾底電子信管、別名Joint Programmable Fuze（統合プログラマブル信管）、略称JPF。カマン社が開発した。搭載機にFZU-55A/Bまたは信管機能制御セットFFCSを装着しておけば、MIL-STD-1760またはRS-422経由で、着発／遅延（短）／遅延（長）の各モード切替や、安全装置解除までの時間を電子制御できる。DSU-33/B近接センサーと組み合わせれば、近接または近接・遅延のモードを追加でき、JDAM用近接信管としても使用可能。Mk80シリーズ、BLU-109/B、BLU-110/B、BLU-111/B、BLU-113/B、BLU-117/B、BLU-122/Bに装着できる。参考：月刊軍事研究8,’18、4,’11

＜ＦＭＵ−１５６／Ｂ＞：アメリカ軍の信管で、別名Hard Target Smart Fuze（強化目標スマート信管）、略称HTSF。遅延時間0.01/0.15/0.02/0.03/0.04/0.05/0.12秒。参考：月刊航空ファン3,’18

＜ＦＭＵ−１５７／Ｂ＞：アメリカ軍の信管、別名強化目標スマート信管、略称HTSF。精密加速度計を持ち、事前にプログラムした侵徹レベル（地下３階など）で炸裂させることが可能である。GBU-15/-24/-27/-28/-31/-32/-35/-37、JDAM、AGM-130、I-250SSBに装着可能。参考：火器弾薬技術ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究12,’04

＜ＦＭＵ−１５９／Ｂ＞：アメリカ軍のスマート信管。精密加速度計を持ち、空間層や埋設深さをカウントして目標内のプログラムされた地点で弾頭を炸裂させる。AGM-86D、GBU-24/-27/-28/-37、RGM-109H、UGM-109Hに装着でき、B-52H、B-2A、F-15E、F-117A、F-14、F/A-18、RGM/UGM-109H搭載艦船からプログラムを受け取る。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＦＭＵ−１６２／Ｂ＞：アメリカ軍の信管で、略称ESAF（Electronic Safe and Arm Fuze、電子式信管）。参考：月刊航空ファン3,’18

＜ＦｍＷ＞：フランメンヴェルファー（火炎放射器）の略。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦｍＷ１８＞：ドイツ軍が第１次大戦時に使用した火炎放射器。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦｍＷ３５＞：ドイツ国防軍の火炎放射器。FmW18の改良型で、中央の大型ボンベに11.8リットルの燃料、左の小型ボンベに放射用の窒素ガスが入っており、10秒間の放射が可能。使用の際には防炎服を着用することになっていたが、実戦では着ないこともあった。1941年まで生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦｍＷ４０＞：ドイツ国防軍の火炎放射器。FmW35のボンベを円形の皮革・樹脂製に変更して軽量化したものである。外側のドーナツ状の部分に燃料7.5リットル、内側の円形タンクに放射用窒素ガスを充填する。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦｍＷ４１＞：ドイツ国防軍の空挺部隊用火炎放射器。タンクは上下２段式で、上部に放射用窒素ガス、下部に7.5リットルの燃料が入っており、電熱線により燃料に点火する。重量22kg。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦｍＷ４２＞：ドイツ国防軍の火炎放射器。FmW41をカートリッジ点火方式にしたもので、ノズルの形状が変更された。カートリッジとして9mm拳銃弾の空薬莢を使用する。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦｍＷ．Ａｎ＞：ドイツ国防軍のトレーラー式火焔放射器。クレオソート油180リットル入りの装甲トレーラーに防楯付きのノズルを搭載したもので、本体重量40.5kg。射程40m、放射時間24秒。汎用性に欠けたため、少数のみの生産に留まった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＦＮ６＞：中国の精密機器輸出入公司が開発した携帯式地対空ミサイル。外見はスティンガーに似ており、IFFアンテナが八木アンテナのような外観である。後部に安定フィン４枚、前部に制御翼４枚を持つ。ミサイル全長1.495m、直径0.072m、システム重量16kg。運用高度15-3500m、運用射程500-5000m。秒速360mで向かってくる目標または秒速300mで飛び去る目標と交戦でき、ミサイル運動能力は4G。シーカーは４セル赤外線探知器で、赤外線変調ジャミング、欺瞞赤外線ジャミングに対抗できる。参考：月刊軍事研究12,’00

＜ＦＮ３０−１１＞：FN社の狙撃銃。モーゼル1898をベースとして1930年に開発したFNモデル30に改良を加えたものである。FN MAG機関銃と同じ折り畳み式バイポッドをストック前端下面に装着できる。ショルダーストックは上下２分割されており、スペーサーを挟むことで、形状をある程度調整できる。トリガープルの調節も可能。専用のFN社製４倍光学スコープや、暗視スコープも用意されている。全長1.135m、銃身長0.618m、重量4.85kg。ライフリングは４条右回り。作動はボルトアクション式。使用弾は7.62mm×51弾（軍用より精度の良い民間競技弾を使う）、初速毎秒850m。マガジンは５発入り固定式または10発入り着脱式。1950年から生産され、ベルギー陸軍などに採用された。参考：最新軍用ライフル図鑑、週刊ワールドウェポン17

＜ＦＮ．３０５シリーズ＞：イタリア軍の練習機で、ナルディ社が開発し、1935年2月に初飛行した。当時の速度・長距離飛行記録を打ち立てて諸外国からの引き合いも多かったが、第２次大戦で採用中止となり、本国で使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＮ．３０５＞：主翼は低翼単葉、降着装置は引き込み式。全長7m、全幅8.5m、全備重量950kg。エンジンはアルファロメオ115-1（185馬力）単発、最大速度310km、実用上昇限度6500m。固定武装は7.7mm機銃１丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＦＮ．３０５Ｄ＞：エンジンを空冷のフィアットに換装したタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆ−ＮＡＴ＞：FFM用航海術科訓練装置を参照。

＜ＦＮＣシリーズ＞：FN社の5.56mm突撃銃で、Fabrique Nationale Carbine（工営工場カービン）の略。FALの後継である。参考：兵器最先端５

＜ＦＮＣ＞：ガス圧作動式で、ターンボルト方式の閉鎖機構を持ち、発射速度は毎分600-750発の３段階から選択できる。耐久性向上のため、下部レシーバーを軽合金削り出しとした。金属製折り畳み式スケルトンストックを標準装備する。全長995mm、銃身長485mm、重量4.1kg。ライフリングは６条右回り。使用弾はSS109で、M16と同じ30発マガジンを使用する。初速毎秒965m。参考：最新軍用ライフル図鑑、兵器最先端５

＜ＦＮＣアサルトカービン＞：カービン型で、空挺部隊、特殊部隊、機械化部隊向け。銃身を445mmに短縮、全長を945mmとした。重量は4.1kgと変わらない。警察用のセミオート専用版もある。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＦＮＣ海外シリーズ＞

　＜ＡＫ５シリーズ＞：AK5シリーズを参照。

＜ＦＮ−Ｆ２０００＞：FN社のアサルトライフル。.22口径のライフルと40mmグレネード・ランチャーを一体化し、コンピュータ化サイトを搭載している。ブルパップ式だが、薬莢を前方に蹴出することで利き手の問題の解決を図った。全長694mm、重量3.6kg。参考：月刊軍事研究2,’04

＜ＦＮ−Ｍ１９３５＞：ブローニング・ハイパワー（拳銃）を参照。

＜ＦＮＳ−９＞：FN社の拳銃。トリガーを２つのパーツに分けており、絞りきらないと弾丸が発射されない。口径9mm、全長184mm、重量715g。装弾数17発。トリガープル2.5-3.5kg。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ＦＮ社＞：ベルギーの銃器メーカー、ファブリック・ナショナル社のこと。第２次大戦中はベルギーがドイツに占領されたため、技師はイギリスに亡命して銃器開発を続けた。参考：最新軍用ライフル図鑑、GUN用語事典

＜ＦＯ＞：前進観測班を参照。

＜Ｆｏ．１０８＞：イギリス空軍のエンジンテストベッド専用機。1937年の43/37仕様書に基づいてフォーランド社が開発した。胴体は金属製モノコック構造で、内部にテスト要員２名が乗る。主翼は木製で、低翼配置の単葉。降着装置は固定脚。全長13.26m、全幅17.68m、全備重量6800kg。乗員３名。12機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｆｏ−１３９＞：ナット・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＦＯＡ＞：Field Operating Agency（付属機関）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＦＯＡＢ−５００＞：ソ連の低抵抗型貫通爆弾。全長2.5m、直径0.45m、重量500kg。貫徹力は200mm（コンクリート）。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＯＢ＞：Forward Operating Base（前線作戦基地）の略。

＜ＦＯＢＳ＞：Fractional Orbit Bombardment System（部分軌道爆撃システム）の略。R-36弾道ミサイル（SS-9Mod3）の誘導方式の１つで、一旦弾頭を地球周回軌道に打ち上げ、適当なタイミングで地上に向けて落下させるものである。アメリカの防空警戒システムが手薄な南半球側から攻撃を行うことが可能で、最大高度150kmくらいなので着弾までの時間が15分しかかからず、地球を一周する前に落下するので、衛星の範疇には入らず、宇宙条約には抵触しない。ペイロードと命中精度が低下するという欠点があり、本格的な導入はされず、アメリカも対抗開発の気配を見せたためにSALT�U条約で禁止が合意された。参考：核兵器事典、月刊軍事研究5,’07、ザ・マーチ42号

＜ＦＯＣ＞：Full Operational Capability（完全作戦能力）の略。参考：月刊航空ファン2,’18

＜ＦＯＤ＞：Foreign Object Damageの略。異物吸引によるエンジン損傷のことで、プロペラや機体の損傷も含むことがある。参考：月刊JWings1,’04、10,’09別冊付録

＜ＦＯＤカバーマット＞：航空自衛隊の滑走路修復器材。グラスファイバー製FFM型滑走路復旧マット（Folded Fiberglass Mat。10m×16m、厚さ5mm、重量1.36トン。3.2トン？）に金属製AM2型滑走路復旧マット（24m×16m）を重ねたもので、爆弾などで開いた滑走路の孔を埋め戻した跡に被せてアンカーボルトで固定すれば、滑走路の応急復旧が完了する。更に緊急用滑走路帯位置表示、非常用滑走路灯、航空機着陸拘束装置（機動バリア）を装着すれば離着陸可能になる。参考：朝雲、月刊JWings12,’16

＜ＦＯＤチェック＞：滑走路や飛行甲板上にFODの原因となる異物が無いことを確認する作業。人員が横に並んで端から端まで歩き、目視でチェックして異物を回収する。参考：月刊JWings1,’04、月刊航空ファン5,’17

＜ＦＯＦＡ構想＞：Follow-On Forces Attackの略。NATO軍が1980年代に立ち上げた基本戦略で、ハイテク技術を利用した空地一体攻撃により、敵前線部隊と後続部隊を同時に撃破するものである。参考：月刊戦車マガジン6,’89

＜ＦＯＧ−Ｍ＞：アメリカ陸軍が開発していた撃ちっ放し式垂直発射ミサイルで、光ファイバー誘導ミサイルの略。HMMWVの後部荷台に６連装ランチャーを搭載するもので、ヒューズ社／ボーイング社チームと、マーチン・マリエッタ社／レイセオン社チームが競争開発し、1997年末からランチャー車400両とミサイル15000発を量産する予定だった。1988年12月にMGM-157という制式名が付いたが、1990年に計画中止となった。参考：月刊戦車マガジン6,’89、月刊軍事研究9,’17

＜ＦＯＩＰ＞：自由で開かれたインド太平洋を参照。

＜ＦＯＮＯＰ＞：航行の自由作戦を参照。

＜ＦＯＲＣＥＣＡＰ＞：戦闘空中哨戒を参照。

＜ＦＯＲＤ＞：F4Dシリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＦＯＲＦＵＳＣＯ＞：フュージリア海兵コマンドーを参照。

＜ＦＯＲＩＴ＞：前方監視用熱線映像装置の略。

＜ＦＯＲＳＣＯＭ＞：アメリカ陸軍部隊コマンドの略。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＦＯＲＳＣＯＭ（１９８９年）＞：アメリカ本土軍CONUS隷下の陸軍部隊で、他の統合軍に即応予備部隊を提供するのが主任務である。隷下現役部隊は軍司令部６個、軍団司令部３個、機甲師団２個、機械化師団５個、軽歩兵師団３個、防空師団１個、空中強襲師団１個、機甲旅団１個、機械化旅団１個、歩兵旅団１個、砲兵旅団３個、装甲騎兵連隊１個。予備役部隊は陸軍州兵の機甲師団２個、機械化師団２個、歩兵師団５個、軽歩兵師団１個、独立旅団19個、装甲騎兵連隊２個、陸軍予備役の独立旅団３個。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＦＯＳ＞：Forward Operating Site（前進作戦拠点）の略。海外駐留アメリカ軍の小規模常駐部隊の拠点のこと。参考：月刊軍事研究7,’04

＜ＦＯＳ＞：フランス語で海洋戦略兵器の略。SNLE（戦略原潜）の核ミサイルシステムのことを指す。参考：月刊丸2,’07

＜ＦＯＴＤ＞：AN/ALE-55（曳航デコイ）を参照。

＜ＦＯＸシリーズ＞：フランスのCACシステムズ社が開発したUAVシステム。ドイツのメルセデス・ウニモグ６×６輪トラックに、UAV４機、発射用カタパルト、無線遠隔操作／センサー管制コンソールなど一式を搭載して移動運用できる。参考：月刊軍事研究1,’04

＜ＦＯＸ−ＡＴ１＞：外見はパイオニアに似ている。離陸重量90kg。滞空時間1.5時間。参考：月刊軍事研究1,’04

＜ＦＯＸ−ＡＴ２＞：離陸重量140kg。滞空時間５時間。参考：月刊軍事研究1,’04

＜ＦＯＺＡＢ−５００＞：ソ連の高抵抗型火炎爆弾。全長1.5m、直径0.45m、翼スパン0.5m、重量450kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＰ−１＞：C-21シリーズ（飛行艇）を参照。

＜ＦＰ−２＞：C-21シリーズ（飛行艇）を参照。

＜ＦＰ−８０Ａ＞：P-80戦闘機ファミリーを参照。

＜ＦＰ４１８Ｔ＞：８トン４×２トラックを参照。

＜ＦＰＡＳＳ＞：デザート・ホーク（無人機）を参照。

＜ＦＰＢ＞：Fast Patrol Boat（高速哨戒艇）の略。

＜ＦＰＢ５７級＞：トルコ海軍ミサイル艇。ドイツの支援で建造した。排水量353トン。速力36.5ノット。兵装は62口径76mm単装砲１基、90口径35mm連装機関砲１基、7.62mm機銃２丁、ハープーン艦対艦ミサイル８基。１番艦クルンチュなど５隻が就役予定。参考：月刊軍事研究3,’02、12,’98

＜ＦＰＢ６２級＞：バーレーン海軍ミサイル艇。ドイツのリュールセン社が建造した。ヘリコプター１機を搭載できる。参考：月刊丸12,’92

＜ＦＰＢ９８ＭＫＩ級＞：ウクライナ国境警備隊哨戒艇。20隻を建造予定で、１番艇は2023年6月に竣工した。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜ＦＰＣ＞：US-1A改救難飛行艇に導入された機能で、Flight Pass Controlの略。設定降下角を保持して着水動作を補助し、操縦者のワークロードを低減する。参考：月刊軍事研究7,’04

＜ＦＰＣＯＮ＞：アメリカ軍の基地警備に関する警戒区分で、フォース・プロテクション・コンディションの略。2001年7月にスレットコンから改称された。平時はノーマル（Ｎ）で、警戒の必要性に応じアルファ（Ａ）、ブラボー（Ｂ）、チャーリー（Ｃ）、デルタ（Ｄ。攻撃を受ける恐れが非常に高い）の段階が設定される。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＦＰＤＡ＞：イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシアの軍事同盟で、Five Power Defence Arrangements（５カ国防衛協定）の略。2011年10月17日から11月4日、マレーシアのバターワース基地でBERSAMALIMA2011演習を実施。参考：月刊航空ファン2,’12、12,’19

＜ＦＰＦ＞：突撃破砕射撃を参照。

＜ＦＰＫ＞：ルーマニアのロムテクニカが開発したスナイパーライフル。外見はSVDに似ているが、機関部はAIMを流用して製作されている。セミオート射撃が可能で、LSPスコープ（倍率４倍。赤外線暗視装置は付いていない）を標準装備する。全長1157mm、銃身長679mm、重量4.8kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×54R弾、装弾数10発。有効射程800m。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究7,’97

＜ＦＰＳ−３ＭＥ＞：J/FPS-3海外シリーズ（レーダー）を参照。

＜ＦＰＳ−ＸＸ＞：防衛庁技術研究本部が開発した弾道ミサイル探知用固定式レーダーで、正式名称は将来固定式警戒管制レーダー装置開発試作機、通称ガメラレーダー。元はステルス機探知用のバイスタティック・レーダーとして開発されていたもので、1993年に技本で警戒管制レーダー構成要素の研究として前段階開発が開始された時や、1998年3月に空自から技本に開発要求が出された時には弾道ミサイル対処は含まれていなかったが、8月の北朝鮮による日本列島越えミサイル発射により急遽要求に入れられ、ビーム集中による遠距離探知距離（ビーム幅を絞って探知距離を伸ばす）を活かして弾道ミサイル探知を可能とすることとなり、空自が予めJ/FPS-3に弾道ミサイル探知能力を付加するための研究を行っていた成果を取り入れ、技術研究無しに一気に開発した。高さ30mの三角柱状全周旋回式架台にカメの甲羅のような外観（レドームに甲羅模様が入っている）をしたアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー・アンテナ３基（レドーム直径18mの弾道ミサイル監視用Ｌバンド１基、直径12mの航空機・巡航ミサイル対処用Ｓバンド２基）を搭載、360度全周をカバーする。北朝鮮を監視するため、数千kmの探知距離を持つといわれる。デュアル・バンド式レーダーで、使用周波数はＬバンド（1-2GHz）及びＳバンド（2-4GHz）、送信モジュールはF-2用アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー・モジュールの10倍の大きさを持ち、18mアンテナで5000個が取り付けられている。使用電力1.2MW。対レーダーミサイルを避けるため、疑似電波発生装置が離れた場所に設置される。千葉県旭市の技術研究本部第２研究所飯岡支所に設置され（アンテナは18mと12mを１枚ずつ）、第44警戒隊飯岡分遣班によりテストが行われた。ただ日本には弾道ミサイルが無いので、戦闘機を２機重ねて飛ばし、１機を急降下させて分離ブースターを真似させるなど苦労している。回路基板の一部を引っこ抜いてフォール・トレラントの試験も行った。J/FPS-5として実用化され、テスト終了に伴い2013年に解体撤去された。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究11,’05、9,’05、1,’12、9,’07、11,’08、月刊航空情報10,’05、月刊世界の艦船9,’09、MAMOR Vol.52、朝雲

＜ＦＰＵ−１／Ａ＞：アメリカ海軍の267ガロン（1011リットル）増槽。空虚重量230ポンド（104kg）。F-14に搭載可能。参考：月刊JWings9,’13

＜ＦＰＵ−６／Ａ＞：アメリカ海軍の315ガロン（1192リットル）増槽。楕円断面として空気抵抗を減らしている。空虚重量308ポンド（140kg）。F/A-18に搭載可能。参考：月刊JWings9,’13、4,’10、5,’15

＜ＦＰＵ−８／Ａ＞：アメリカ海軍の330ガロン（1249リットル）増槽。後部上面にピボットが付く。空虚重量290ポンド（132kg）。F/A-18に搭載可能。参考：月刊JWings9,’13、4,’10、月刊航空ファン2,’12

＜ＦＰＵ−１１／Ａシリーズ＞：アメリカ海軍の480ガロン（1817リットル）増槽。参考：月刊JWings9,’13

＜ＦＰＵ−１１／Ａ＞：空虚重量350ポンド（159kg）。F/A-18E/Fに搭載可能。参考：月刊JWings9,’13、5,’15

　＜ＦＰＵ−１１Ａ／Ａ＞：素材を複合材に変更したもの。外殻はカーボンとエポキシ系、内殻はカーボンとグラスファイバーとエポキシ系で、間にケブラーとウレタンフォームのハニカム材が挟まっている。参考：月刊JWings8,'21、9,’13

＜ＦＰＵ−１２／Ａ＞：アメリカ海軍の480ガロン（1817リットル）増槽。FPU-11A/Aのピボット形状を改良したものである。空虚重量350ポンド（159kg）。F/A-18E/F、EA-18Gに搭載可能。参考：月刊JWings4,’10、5,’15

＜ＦＰＵ−１３／Ａ＞：アメリカ海軍の480ガロン（1817リットル）増槽。先端にIRSTを付けてAN/ASG-34(V)1赤外線捜索追尾装置にする計画が進行中。参考：月刊軍事研究9,’17

＜ＦＰＶＣＶ＞：イギリス軍が計画する斬新な装甲戦闘車両システムで、Future Protected Vehicle Capability Visionの略。車体は楔形で、前下部にUGV、前部にUAVを内蔵し、後部に乗員１名の乗る操縦室があり、後面に乗降ドアが付く。操縦室の上に無人砲塔が載っており、砲塔基部には視察用ペリスコープが全周に配置されている。走行装置はインホイールモーター８×８輪で、いくつか吹き飛んでも走行可能。車体・砲塔表面やホイールに周辺の景色を映し出してカモフラージュするシステムを備える。最大戦闘重量30トン。バッテリーによる任務可能時間48時間。兵員８名を収容する歩兵戦闘車型もある。参考：月刊軍事研究3,’15

＜ＦＰコンディション＞：テロ攻撃などに対する警戒態勢を表すもので、最高位はＤ（デルタ）。参考：月刊軍事研究2,’05

＜ＦＱ１０＞：3/4トントラック・シリーズを参照。

＜ＦＱＦ−２５００＞：中国海軍12連装対潜ロケット発射機、別名75型204mm12連装対潜ロケット発射機。ベースはRBU6000（RBU1200？）で、円筒形の発射機が二重の弧を描いており、外側に７個、内側に５個が並ぶ。対潜ロケット弾はRBU1200と共通で、弾頭重量34kg。射程0.6海里（1200m）、爆発深度250m。旅滬型、旅大型に搭載された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’12、月刊軍事研究1,’09

＜ＦＱＦ−３２００＞：87式対潜ロケット発射機を参照。

＜ＦＱＭ−１５１＞：アメリカ軍の手投げ式小型UAV、別名ポインター（Pointer）。アエロバイロンメイト社が開発した。分解して管制システムと共に２名で運搬でき、飛行の際は手で投げて飛ばし、着陸は失速で地面に落とす。全長1.8m、全幅2.7m、全備重量4.3kg。推進は電動モーター、巡航速度35km、最大速度340km、ホバリング可能、飛行時間５時間。ビデオカメラやレーザー照準器を搭載できる。陸軍と海兵隊に50機が配備され、湾岸戦争の際は砂丘の向こうの敵を確認するためなどに使用された。しかし小型なので風に弱く、朝夕の風が弱い時にしか使用できなかったらしい。参考：月刊軍事研究6,’01、11,’12、軍事分析湾岸戦争、防衛技術ジャーナル1,’07

＜ＦＲシリーズ＞：ポルトガルの破砕爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＲ１５＞：重量15kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＲ５０＞：重量50kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＲ２００＞：重量200kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＲ艦上戦闘機シリーズ＞：アメリカ海軍混合動力艦上戦闘機、別名ファイアボール（Fireball）。1942年12月にアメリカ海軍省航空局が発出した混合動力艦上戦闘機要求に応じてライアン社が開発し、1943年2月に採用された。参考：月刊JWings4,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＸＦＲ−１＞：試作機で、1943年から３機が製作された。水平尾翼は垂直尾翼の半ばから出ている。垂直尾翼の背が低く、風洞実験の段階で方向安定性不足が指摘されていたが、改良は製作後に行うことにして取り敢えず完成させた。1944年6月25日にレシプロエンジンのみで初飛行、9月20日に２号機が混合動力で初飛行した。垂直尾翼とドーサルフィンをいくつか組み合わせてテストを行っている。10月13日、初号機が急降下試験中に空中分解してパイロットが死亡した。1945年3月、２号機が急降下試験中に墜落してパイロットが死亡した。4月、３号機が低空高速飛行中にキャノピーが砕けた。パイロットは脱出に成功したが、機体は失われている。テストの結果、二重隙間フラップの効果が薄く、量産機は隙間フラップに変更することにした。参考：月刊JWings4,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＦＲ−１＞：機首に空冷レシプロエンジン、胴体後部にターボジェットエンジンを搭載しており、胴体尾部にノズルがある。燃料はどちらもガソリンを使うので、燃料タンクは共通。主翼は低翼配置で、前縁は直線、後縁に前進角が付き、中央翼には上反角は無く、外翼のみ上反角が付く。翼厚比17%（付け根）／15%（翼端）。試作機の試験結果を受けてフラップはシングル・スロッテッド（最大開度40度）にしたが、変更が間に合わず、14号機まではダブル・スロッテッドのままだった。中央翼内側前縁にターボジェット用エアインテイク、中央翼外側前縁に12.7mm機銃２丁ずつを装備し、外翼を上に折り畳むことが可能。垂直尾翼の背を高くして増積し、水平尾翼は胴体後上部に移した。降着装置が尾輪式だと排気が飛行甲板を焼くので、前輪式を採用している。全長9.86m、全幅12.19m／4.85m（主翼折り畳み時）、全高4.15m、自重3.59トン、全備重量5.285トン（4.8トン？）。翼面積25.5平方メートル。エンジンはライト社製R-1820-72W空冷星形９気筒ガソリン（1425馬力）＋GE社製J31-GE-3ターボジェット（推力7.12kN）、最大速度475km（レシプロのみ）／686km（混合動力）、実用上昇限度13137m、航続距離1660km。固定武装は12.7mm機銃４丁。内翼部下面に1000ポンド（0.454トン）までの爆弾１発ずつ、外翼下面に５インチ（127mm）ロケット弾２発ずつを搭載できる。試作機初飛行前の1943年12月に100機が発注され、その後600機が追加され、1945年3月から配備されたが、太平洋戦争終戦で発注が取り消され、66機のみ生産された。着艦試験で前脚の折損事故を繰り返し、1947年6月21日には着艦時に胴体が折れ、空母認証試験をクリアできないまま退役している。１機がプレーンズ・オブ・フェイム博物館に展示された。参考：月刊JWings4,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＦＲ−２＞：レシプロエンジンをR-1820-74W（1450馬力）に換装したタイプ。FR-1量産初号機でテストが行われ、600機が発注されたが、太平洋戦争終戦で開発中止になった。参考：月刊JWings4,’16

＜ＦＲ−３＞：ジェットエンジンを推力強化型J31（推力0.907トン）に換装したタイプ。計画のみ。参考：月刊JWings4,’16

＜ＸＦＲ−４＞：ジェットエンジンをウェスティングハウス社製J34（推力1.905トン）に換装したタイプ。エアインテイクをNACAインテイクに変更し、胴体側面に埋め込んでいる。ジェットエンジン非作動時にはエアインテイクが電動ドアで閉まる。１機が改造されてテストされたが、太平洋戦争終戦で開発中止になった。参考：月刊JWings4,’16

＜ＦＲ３００シリーズ＞：サージャント・フレッチャー社製HDUで、KC-130シリーズに搭載されている。送油能力毎分300ガロン（1136リットル）。参考：月刊JWings10,’01

＜ＦＲ４００シリーズ＞：サージャント・フレッチャー社製HDUで、KA-6Dの胴体内に搭載されている。送油能力毎分400ガロン（1514リットル）。参考：月刊JWings10,’01

＜ＦＲ５００シリーズ＞：サージャント・フレッチャー社製HDUで、KC-135に搭載されている。送油能力毎分500ガロン（1893リットル）。参考：月刊JWings10,’01

＜ＦＲ６００シリーズ＞：サージャント・フレッチャー社製HDUで、KC-10Aに搭載されている。送油能力毎分600ガロン（2271リットル）。参考：月刊JWings10,’01

＜ＦＲＡＭ＞：水上艦艇近代化改修計画（Fleet Rehabilitation And Modernization）の略。装備の近代化と艦齢延長を行うものである。参考：月刊JWings2,’00、丸スペシャルNo.78、日本の防衛戦力Part3

＜ＦＲＡＳ−１＞：RPK-1（艦対潜ミサイル）を参照。

＜ＦＲＥＤＡ＞：FREMMフリゲート（フランス海軍対空型）を参照。

＜ＦＲＥＭＭ＞：Frigate European Multi Mission / Frégate Européenne Multi-Missions（ヨーロッパ多任務フリゲート）の略。NFR90計画の破綻後、フランス海軍とイタリア海軍はホライズン計画で２隻ずつを建造したが、数が足りないので、現有フリゲートの後継として開発した多目的艦である。既存の兵装やシステムを使用して建造費を抑えた。ギリシャも2010年から4-6隻の建造を計画していたが、予算不足でキャンセルになった。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’07、月刊世界の艦船4,’12、4,’10、4,’11、3,’14

　＜ＦＲＥＭＭ（イタリア海軍）＞：イタリア海軍フリゲート。マエストラーレ級フリゲートとルポ改級フリゲートの後継として汎用型６隻と対潜型４隻を導入することにし、１番艦F-590カルロ・ベルガミニ（汎用型）、２番艦F-591ヴィルジニオ・ファサン（対潜型）、３番艦F-592カルロ・マルゴッティーニ（対潜型）、４番艦F-593カラビニーレ（対潜型）、５番艦F-594アルピーノ（対潜型）、６番艦F-595ルイージ・リッツォ（汎用型）、７番艦F-596フェデリコ・マルティネンゴ（汎用型）、８番艦F-597アントニオ・マルチェリア（汎用型）、９番艦F-598スパルタコ・スケルガト（汎用型）、10番艦F-589エミリオ・ビアンキ（汎用型）を建造し、2013年から就役させたが、９番艦F-598スパルタコ・スケルガト（汎用型）と10番艦F-589エミリオ・ビアンキ（汎用型）は竣工直前にエジプト海軍に売却された。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’07、3,’10、3,’12、月刊世界の艦船3,’16、8,’13、10,’17、4,’18、7,’18、3,’21

＜ＦＲＥＭＭ（イタリア海軍汎用型）＞：船体はステルス性を考慮した形状となっており、内部には将来の装備拡張を見越した十分なスペースが確保されている。船型は平甲板型で、フランス海軍型よりも船体乾舷が甲板１層分高い。上部構造物は艦橋から後部ヘリ格納庫までを一体化した大型のもので、幅を船体幅一杯にしてナックルラインより上を逆傾斜にするなど、ステルス性に配慮している。投揚錨装置や係船装置も船体内に収容した。艦橋上には大型のタワーマストがあり、頂部球形レドームにクロノスGN多機能レーダーを搭載する。対水上捜索・航海レーダーはRAN-30X/I対水上捜索レーダー１基と航海レーダー１基。主砲用射撃指揮装置はNA-25X２基、EO/IRセンサーはSASSを搭載する。通信アンテナなどを装備するマストはタワーマスト後方の煙突と一体化した甲板室前部に立てられている。主機は静粛性を高めるため15ノット以下では電動機のみによる推進とし、吃水線近くの両舷に煙路を設けることで赤外線シグネチャーの低下にも注意を払った。艦首付近の水線下には引き込み式の電動アジマス・スラスターがあり、艦内電源または非常用ディーゼル発電機２基により最大速力７ノットでの航行が可能で、入出港時の微妙な操艦にも役立つ。搭載ソナーはタレス社製UMS4110バウソナー、SNA2000-I機雷探知回避ソナー。データリンクはリンク11、リンク16、リンク22、JSAT。艦載戦闘システムはSAMP-SD（SADOC3？）。全長143.9m、幅19.4m、吃水5.4m、満載排水量6700トン（5980トン？6500トン？）。主機はCODLAG方式、巡航用ディーゼル発電機（出力2.1MW）４基＋電動機（出力2.2MW）２基・ブースト用LM2500+G4ガスタービン１基、出力48812馬力、５翅可変ピッチプロペラ２軸推進、巡航速力15ノット、最大速力27ノット（29ノット以上？）、航続距離6000海里（15ノット。6700海里？）。兵装はアスター30／アスター15艦対空ミサイル用８セルVLSシルベールA50が２基（主砲後方。もう２基追加できるスペースがある）、テセオMk2A艦対艦ミサイル連装発射筒４基（４連装２基？）、オットー・メララ社製64口径127mm砲１門（ヴルカーノ発射可能。前甲板）、62口径76mm速射砲１門（ストラレス砲弾誘導システム搭載。ヘリ格納庫上）、80口径25mm単装機関砲２門、MU90短魚雷３連装発射管２基。SLAT魚雷防御システムを搭載しており、デコイ射出機を両舷に１基ずつ装備する。対艦ミサイル防御用にSCLAR-H多目的ロケットランチャーも両舷に１基ずつ搭載する。電子戦装置はMM/SMQ-765で、タレス社製ESMとネッツーノ4100ECMを組み合わせている。上構後部がヘリ格納庫、後甲板がヘリ甲板で、NH90ヘリ２機またはEH101ヘリ１機＋NH90ヘリ１機を運用する。乗員131名、航空要員23名で、特殊部隊20名も乗船可能（乗員131名＋予備居住区25名分？）。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’07、1,’15、月刊世界の艦船3,’16、12,’19、8,’13、4,’10、10,’11、2,’13、2,’15、1,'15増刊、5,'22、THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

＜ＦＲＥＭＭ（イタリア海軍対潜型）＞：UMS4249CAPTAS可変深度ソナーとミラスSUM（上構中部）を追加、テセオMk2A艦対艦ミサイル連装発射筒を２基に減らし、127mm砲を76mm速射砲に換装している。全長143.9m（142.5m？）、幅19.4m、吃水5.4m、満載排水量5980トン（6700トン？）。主機はCODLAG方式、ガスタービン１基・ディーゼル４基・電動モーター２基、出力48812馬力、２軸推進、速力27ノット。兵装はテセオMk2A艦対艦ミサイル連装（４連装？）発射筒２基、アスター30／アスター15艦対空ミサイル用８セルVLSシルベールA50が２基、62口径76mm速射砲２門（ストラレス砲弾誘導システム搭載）、MU90短魚雷３連装発射管２基、ミラスSUM連装発射筒２基、25mm単装機関砲２門。乗員131名＋予備居住区25名分（乗員133名＋航空要員23名＋特殊部隊20名？）。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’07、月刊世界の艦船11,'21、8,’13、4,’10、5,’14、4,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＦＲＥＭＭ（フランス海軍）＞：フランス海軍の艦種はフリゲートだが、NATOの分類は駆逐艦で、艦種記号もNATOに準じてＤになっている。対地攻撃型９隻と対潜型８隻を導入する予定で、第１ロットの対潜型６隻と対地攻撃型２隻が発注されたが、対地攻撃型の建造は取りやめになり発注が取り消され、トータルで対潜型９隻と対空型２隻の建造を行うことになった。第１ロットは対潜型のみ８隻となる。第２ロットは対空型２隻と対潜型１隻で、2009年10月に発注された。結果、1-6番艦が対潜型、7-8番艦が対空型、9-11番艦が対潜型（改）になる予定だったが、2013年の国防白書で主力水上戦闘艦が15隻と発表されたため、対潜型（改）は作らないことになった。結局トゥールヴィル級とジョルジュ・レイグ級の後継として対潜型を６隻、フォルバン級が減った分として対空型を２隻建造する。１番艦D-650アキテーヌは2014年に就役し、２番艦（４番艦？）ノルマンディはエジプト海軍に売却され、D-652プロヴァンス、D-653ラングドック、D-654オーヴェルニュ、D-655ブルターニュ、D-651ノルマンディ、D-656アルザス、D-657ロレーヌが建造に入った。また、モロッコが対潜型１隻を購入することになった。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’07、3,’10、12,’10、月刊世界の艦船10,’14、4,’10、1,’15、5,’15、12,’15、3,’16、12,’16、10,’17

＜ＦＲＥＭＭ（フランス海軍対潜型）＞：F-ASM。イタリア海軍型と比較すると、プロペラを安価な固定ピッチに、艦載戦闘システムをSETISに、多機能三次元レーダーをヘラクレスに、EO/IRセンサーをアルテミスに換装し、対水上捜索・航海レーダー１基、艦載ヘリ管制レーダー１基、UMS4249CAPTAS可変深度ソナーを追加した。アスター15・76mm艦砲用射撃管制レーダーはNA-25XPで、艦橋上の風船状レドームに収容される。艦砲射撃指揮用にはナジールMM電子光学方位盤も装備する。多機能レーダー換装で前部マストは背が低くなり、レドーム形状も変更され、後部アンテナマストは煙突と分離して前方に移動したため、見た目がイタリア海軍型とは相当違っている。NBC防護装置はNBCシス社製で、長さ1.6m、幅0.935m、高さ1.89m、重量1.3トン、１時間あたり2400立方メートルの空気を清浄化できるものが８基搭載されている。全長142.2m、幅19.7m、吃水5.4m、満載排水量6096トン（6069トン？）。主機はCODLOG方式、巡航用MTU16V-4000-N43Bディーゼル発電機４基＋電動機２基（4.3-4.4MW・5766馬力）・高速用LM2500+G4ガスタービン（43520馬力）１基、出力43520馬力（43620馬力？47370馬力？）、５翅固定ピッチプロペラ２軸推進、巡航速力15-16ノット、最大速力27.5ノット、航続距離6000海里（15ノット）。兵装はアスター15艦対空ミサイル用８セルVLSシルベールA43が２基（前甲板）、スカルプ・ナヴァール巡航ミサイル用８セルVLSシルベールA70が２基（前甲板）、エグゾセMM40ブロック�V艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、62口径76mm速射砲スーパーラピッド１門（前甲板、VLS群前方。ストラレス砲弾誘導システム搭載。非搭載？）、12.7mm機銃４丁（20mm単装機関砲ナーワル20B２門？）、324mm短魚雷Mu-90用連装（３連装？）発射管B515が２基。127mm砲、25mm機関砲、ミラスは装備しない。SLAT魚雷防御装置とコントラルトＶ魚雷防御装置を搭載しており、NGDSデコイ射出機（SEACLADを収容）を両舷に１基ずつ搭載する。シジェン電子戦装置をアンテナマスト両舷に１基ずつ装備。上構後部がヘリ格納庫、後甲板がヘリ甲板で、SAMAHE着艦拘束移送装置（移送軌条１条）を備え、NFH90ヘリ１機を運用できる。乗員108名。後期型では通信アンテナマストをタワーマストと一体化することも検討されている。D-650アキテーヌ、D-652プロヴァンス、D-653ラングドック、D-654オーヴェルニュ、D-655ブルターニュ、D-651ノルマンディが2014-20年に就役した。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’07、1,’11、2,’15、月刊世界の艦船3,’16、6,’19、8,’13、3,’14、5,’16、10,’17、4,’10、10,’11、7,’11、10,'20、3,'22、3,'23、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＦＲＥＭＭ（フランス海軍対空型）＞：FREDA（Frégates de Defense Aeriennes）またはFREMM DAともいう。アスター30の運用を可能としたタイプで、シルベールA50VLS（16セル２基。シルベールA43？）を使用し、レーダーをシーファイア500アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーに換装してアンテナを４面固定式に変更、STIR EO Mk2を追加し、CICに対空戦担当士官用コンソール３基を増設して計20基とし、SETIS指揮管制装置を防空向けにした。スカルプ・ナヴァール用VLSは撤去している。UMS4110CLハルソナーとUMS4249VDSはそのまま搭載した。全長142.2m、全幅19.7m、吃水5.4m、満載排水量6096トン。主機はCODLOG方式、ガスタービン１基・ディーゼル４基・電動モーター２基、出力43520馬力、２軸推進、速力27.5ノット。兵装はアスター15/30艦対空ミサイル用８セルVLS４基計32セル（砲と上構の間）、エグゾセMM40艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（マスト前方）、76mm単装砲１門（前甲板）、20mm単装機関砲ナーワル20Bが２門（上構後端両舷）、324mm短魚雷連装発射管（固定式）２基。ヘリまたはUAVを搭載可能。乗員108名＋予備居住区18名分。D-656アルザスとD-657ロレーヌが2021年から就役した。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’07、1,’15、月刊世界の艦船11,'21、7,'21、9,'23、3,’16、4,’10、1,’19、6,’19、7,’23

＜ＦＲＥＭＭ（フランス海軍対地攻撃型）＞：127mm砲を装備し、上陸用舟艇と海兵隊30名の運用設備を設けたタイプ。９隻を導入予定だったが、建造中止となった。参考：月刊世界の艦船4,’10

＜ＦＲＥＭＭ海外シリーズ＞

　＜ＦＲＥＭＭ（エジプト海軍）＞：エジプト海軍ミサイル・フリゲートで、ターヤ・ミスル（Tahya Misr）級ともいう。元はフランス海軍FREMM級フリゲート２番艦ノルマンディ（対潜型）で、就役前の2015年2月に購入契約を締結し、2015年6月23日に取得して就役させた。スカルプ・ナヴァール用VLSは外されている。全長142.2m、満載排水量6096トン。主機はCODLOG方式、速力27.5ノット。兵装はアスター15用８セル垂直発射機シルベールA43が２基、エグゾセMM40ブロック�V艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、324mm短魚雷Mu-90用３連装発射管B515が２基、76mm単装砲１門など。SH-2シー・スプライト対潜ヘリ１機を搭載できる。艦番号1001ターヤ・ミスルが2015年6月に就役した。2020年、竣工直前のイタリア海軍汎用型F-598スパルタコ・スケルガト（イタリア向け通算９番艦）と同F-589エミリオ・ビアンキ（同10番艦）を購入し、艦番号1002アル・ガララ及び1003ベルニースとして2020-21年に就役させた。全長143.9m、満載排水量6700トン。主機はCODLAG方式、速力27ノット。兵装は127mm単装砲１門、アスター15/30艦対空ミサイル用16セル垂直発射機１基、オトマート艦対艦ミサイル連装発射筒４基。参考：月刊世界の艦船6,’19、10,'15、9,’15、5,’16、7,'21、10,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＦＲＥＭＭ（モロッコ海軍）＞：モロッコ海軍フリゲート。フランス海軍対潜型がベースで、2007年10月に建造契約が公表された。スカルプ・ナヴァール対地巡航ミサイルは装備せず、電子戦装置換装に伴いマスト基部両舷の装置収容部が外されている。全長137m、幅19m、吃水5m、満載排水量6096トン。主機はCODLOG方式、ガスタービン１基・電動モーター２基、出力47370馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装はアスター15用８セル垂直発射機シルベールA43が２基、エグゾセMM40ブロック�V艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、76mm単装砲１門、324mm短魚雷Mu-90用３連装発射管B515が２基。AS565SAヘリ１機を搭載可能。乗員108名。艦番号701モハンマド�Y世が2014年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’16、4,’14、10,’13、月刊軍事研究1,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＦＲＥＭＭ−ＥＲ＞：DCNS社がユーロネイヴァル2012でコンセプトを発表したフリゲートで、ERはExtended Rangeの略。FREMMの多機能レーダーをSF500（Sea Fire 500）フェイズド・アレイ・レーダーに換装し、DCNS社製戦闘システムCMS（Combat Management System）を搭載する。対空、対水上、対潜といった主任務を選択してそれに合わせた兵装を装備でき、戦域弾道ミサイル防衛やUAV/USV運用などにも対応可能。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ＦＲＥＭＭイージス＞：イタリアのフィンカンティエリ社がユーロネイヴァル2012でコンセプトを発表したイージス対応型FREMM。多機能レーダーをAN/SPY-1Dに換装し、前甲板に48セルVLSを装備する。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ＦＲＥＳ＞：イギリス国防省が計画している緊急展開部隊で、Future Rapid Effect Systems（将来型緊急展開システム）の略。MRAVプログラムの代替として2004年5月5日から開発された。緊急展開能力を持つ新型装甲車両（輸送車、偵察車FRES-SV、重量級戦闘車FRES-Heavy、中型戦闘車、特殊戦闘車、汎用車FRES-UV）をファミリー車両として装備する。当初はC-130で輸送できる重量にする予定だったが、対テロ戦争で防御力強化の必要性が認識されたため、A400MまたはC-17で輸送できる重量に引き上げられた。2007年からFRES-UVの車種選定に入り、ボクサー、SEP８×８、ピラーニャ�X、VCI、VBCI、AMVが候補に挙がって2008年5月8日にピラーニャ�Xが選ばれたが、アップグレードに関する知的所有権の問題が解決できず、2008年12月に取り消されてしまった。そこで新たに偵察車、工兵車、救急車のベースとなるFRES-SVの選定に入り、CV90とASCOD SVを比較、2010年3月にASCOD SVと優先契約を結んだ。参考：月刊軍事研究9,’10、2,’12

＜ＦＲＥＳＣＡＮ＞：周波数走査（Frequency Scan）の略。

＜ＦＲＥＳＨ１＞：Foil Research, Experimental, Supercavitating Hydrofoilの略。ボーイング・マリン・システムズが開発した水中翼船で、アメリカ海軍との契約に基づいて1963年に建造された。航空機用ターボファンエンジンを搭載しており、最大速力84ノットを記録している。参考：ザ・マーチ33号

＜ＦＲＥＳ　ＳＶ＞：イギリス陸軍が計画中の新型装軌式偵察車両で、Future Rapid Effect Systems Specialist（Scout?） Vehicle（将来型緊急展開システム・偵察車両）の略。後にFRESが省略されて単なるSVになった。CV90ベースのBAEシステムズ社案と、ASCODベースのジェネラルダイナミックスUK案（ASCOD CBP）が争い、2010年3月にASCOD SVが選ばれた。偵察仕様ブロック1-3として1200両を調達予定であり、その後は120mm滑腔砲を搭載したファミリー車両も作られるらしい。参考：月刊軍事研究11,’09、2,’10、4,’10、9,’10、10,’10

　＜偵察仕様ブロック１＞：最初の600両で、40mmCTASと7.62mm同軸機銃装備の偵察車、支援車両、装甲工兵車などからなる。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＦＲ−Ｆ１＞：フランス陸軍の狙撃銃、別名ティロール・デリト（名狙撃手）。FRは連発銃の略である。サンテティエンヌ造兵廠MASが開発し、1967年に制式化された。MAS1936ライフルを基にしており、銃身はフローティングバレル、作動はボルトアクション式で、専用のモデル1953L806光学スコープ（倍率3.8倍）、二脚、マズルブレーキを標準装備する。チークピースとバットストックの間にスペーサーを入れて長さや高さを調節することが可能。全長1138mm、銃身長552mm、重量5.2kg（弾薬抜き）。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.5mm×54弾、装弾数10発。後に7.62mm×51NATO弾を使用するよう改造された。参考：最新軍用ライフル図鑑、週刊ワールドウェポン17

＜ＦＲ−Ｆ２＞：フランス軍の歩兵用7.62mm狙撃銃。FR-F1狙撃銃の改良型で、銃身をグラスファイバー製サーマルジャケットで覆い、直射日光による銃身の歪みや、過熱による陽炎の発生を防止している。全長1200mm、銃身長650mm、重量5.1kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×51NATO弾、装弾数10発。1984年に登場した。参考：最新軍用ライフル図鑑、週刊ワールドウェポン17、月刊軍事研究3,’03

＜ＦＲＫ＞：SVD海外シリーズ（狙撃銃）を参照。

＜ＦＲＬＩＦ＞：アメリカ陸軍個人装備IIFSを構成する装備の１つで、フレーム内蔵大型野戦パックの略。縦長のバックパックで、個人用テント、ポンチョ、衣類、個人装備、食料などを収容する。外側のポケット３つは外すことができ、それだけで短期パトロールに使用できる。参考：コンバット・バイブル

＜ＦＲＭ−８＞：救命浮舟６人用を参照。

＜ＦＲＯＧ＞：中国のIACAS（Institute of Automation of the Chinese Academy of Sciences）が開発した四足歩行ロボット技術実証機で、Four-legged Robot for Optimal Gaitの略。重量55kg。2011年に発表された。参考：月刊軍事研究2,’15

＜ＦＲＰ＞：Full Rate Production（全規模量産）の略。IOT&EをクリアしてマイルストーンＣを達成すると、低率初期生産LRIPからこれに移行する。参考：月刊JWings3,’19、月刊航空ファン2,’18

＜ＦＲＰ＞：繊維強化プラスチック（Fiber Reinforced Plastic）の略。熱硬化性のエポキシ樹脂で繊維素材を固めたもので、ガラス繊維（GRP）、炭素繊維（CRP）、ボロン繊維（BRP）、石英繊維（QRP）、ケブラー（KRP）などがある。軽くて強いのが特徴で、対重量比強度（比重あたりの引っ張り強さ）はGRPで10-20、BRPで50-65、CRPで50-70と特殊鋼（12-18）やアルミニウム合金（14-20）に匹敵・凌駕するため、構造材に使うと軽量化が実現できる。普通弾や榴弾弾片などには優れた耐弾性を示すが、徹甲弾などの高速弾に対しては劣るため、表面に付加装甲を貼り付けた方が良いとされる。海水にも腐食せず、維持整備が容易で、振動吸収性が高いので騒音を抑えられ、熱伝導率が低いために高温・低温環境下でも乗員の疲労度が低い。被弾時の内面剥離が無く、レーダーやレーザーの反射量が少ない。成型技術が難しいのと、コンポーネントへの結合が難しいのが欠点。航空機に適用する場合、力を加えた時の変形が大きいという欠点があって実用化に時間を要したが、1960年代末から構造材の一部に使用されるようになった。船舶に適用する場合、強化繊維性の型を作って樹脂を含浸硬化させ積層させていく方式がとられるが、薄めの単板になるので遮音性が悪い、木造船に比べると振動構造減衰率が低い、大型船には不向きといった欠点があり、サンドイッチ構造FRPを接着剤で結合したりして解決する。損傷した場合の修復が面倒で、木材のように損傷ヵ所だけ穴埋めするわけにいかないのも欠点。1970年代前半にイギリス海軍がFRP製掃海艇を完成させた。参考：月刊PANZER6,’01、月刊軍事研究10,’07、月刊JWings10,’09別冊付録、月刊世界の艦船8,’12、1,’12、朝雲

＜ＦＲＲ−２５＞：航空自衛隊の20名用救命浮舟。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ＦＲＳ＞：前進修理システムを参照。

＜ＦＲＳ＞：アメリカ海軍の飛行隊で、艦隊転換訓練飛行隊／艦隊即応飛行隊の略。パイロットの機種転換訓練を行う他、機種転換を行う予定の部隊に配備される機体を一時的にプールする役目も持っている。参考：月刊軍事研究11,’14、月刊JWings3,’03

＜ＦＲＳ−８００＞：PS-890（レーダー）を参照。

＜ＦＲＵＫＵＳ演習＞：フランス（France）、ロシア（Russia）、イギリス（UK）、アメリカ（US）が2004年から実施している多国籍海上演習で、RUKUS演習にフランスが加わったものである。参考：月刊世界の艦船9,’11

　＜ＦＲＵＫＵＳ２０１１＞：2011年6月27-29日にアメリカのノーフォーク沖で実施された。フランスからフロレアル級フリゲートF733ヴァントーズ、ロシアからウダロイ�U型ミサイル駆逐艦アドミラル・チャバネンコ、イギリスから45型ミサイル駆逐艦D33ドーントレス、アメリカからアーレイ・バーク級イージス艦DDG-95ジェームス・Ｅ・ウィリアムスが参加し、通信、陣形運動、アメリカ魚雷回収船ヒューゴーを被害船に見立てての海賊対処訓練を実施した。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜ＦＳ＞：航空隊（海上自衛隊）または支援戦闘機（Fighter Support）または戦闘飛行隊（Fighter Squadron）の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＦＳ�T＞：アンスヴァルト（特設水上機母艦）を参照。

＜ＦＳ�U＞：サンタ・エレナ（特設水上機母艦）を参照。

＜ＦＳ�V＞：オスヴァルト（特設水上機母艦）を参照。

＜ＦＳ３＞：アメリカ陸軍の砲兵観測機材で、Fire Support Sensor Systemの略。見た目も中身もLRAS3とほぼ同じで、観測誤差を10km先で30mに抑え、レーザー誘導爆弾・レーザー誘導砲弾用のレーザーを目標に照射する能力を追加した。ストライカーM1131火力支援車に搭載されている。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＦＳ３ａ＞：日本海軍の通常弾用鋼で、太平洋戦争前に口径36-40cm用として使用されていた。炭素0.41-0.45%、珪素0.05-0.30%、マンガン0.30-0.70%、リン0.045%未満、硫黄0.045%未満、ニッケル1.2-1.7%、クロム0.25%を含む。降伏点は１平方ミリメートル当たり55kg以上、引っ張り強さは１平方ミリメートルあたり80-100kg。酸性平炉により製鋼を行う。銑鉄（炭素4.3%、燐0.025%、硫黄0.035%）を30-35%、精鋼材（炭素0.3%、燐0.035%、硫黄0.045%）を20%、くず鉄（炭素0.3%、燐0.025%、硫黄0.030%）を45-50%の割合で地金を炉に投入し、1620-1650度で熔解して炭素が約1%になったら鉄鉱石を投入、炭素が約0.7%になったら石灰石を加え、炭素が約0.5%になったら合金鉄を加え、約30分後に1520-1550度で出鋼する。この際、炉床の珪砂が造滓材となる。全精錬時間は7-8時間。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜ＦＳ３ｂ＞：日本海軍の通常弾用鋼で、太平洋戦争前に口径15cm以上36cm未満用として使用されていた。炭素0.53-0.58%、珪素0.05-0.30%、マンガン0.30-1.40%、リン0.035%未満、硫黄0.030%未満、ニッケル0.30%未満、クロム0.70-1.0%を含む。降伏点は１平方ミリメートル当たり55kg以上、引っ張り強さは１平方ミリメートルあたり80-100kg。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜ＦＳ３ｃ＞：日本海軍の通常弾用鋼で、太平洋戦争前に口径15cm未満用として使用されていた。炭素0.40-0.45%、珪素0.05-0.30%、マンガン0.50%、リン0.045%未満、硫黄0.040%未満、ニッケル1.7%未満、クロム0.70-1.0%を含む。降伏点は１平方ミリメートル当たり55kg以上、引っ張り強さは１平方ミリメートルあたり80-100kg。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜ＦＳ−１７イベント１＞：フォーミダブル・シールド（多国間演習）を参照。

＜ＦＳ−１７イベント２＞：フォーミダブル・シールド（多国間演習）を参照。

＜ＦＳ４２．７５／４２＞：SLT-56戦車運搬車のトラクター。キャビン外板を２枚合わせとし、ウインドシールドにもラミネート・ガラスを使用して防御力を向上させた。参考：月刊グランドパワー10,’94

＜ＦＳ１５００級・海外シリーズ＞

　＜ＦＳ１５００級（コロンビア海軍）＞：アルミランテ・パディラ級（フリゲート）を参照。

　＜ＦＳ１５００級（マレーシア海軍）＞：カスツーリ級（フリゲート）を参照。

＜ＦＳ−４０６７Ｂ＞：自衛隊の空中線。東芝デンパプロダクツ製。参考：月刊軍事研究9,’14

＜ＦＳＡＦ＞：アスター15（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＦＳＡＴ＞：フルスケール空中標的を参照。

＜ＦＳＢ＞：ロシア連邦保安庁を参照。

＜ＦＳＢ＞：アメリカ陸軍前方支援大隊の略。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＦＳＢ（ＡＲＭＯＲ）＞：アメリカ陸軍デジタル重師団機甲旅団の兵站を担う前方支援大隊。本部付中隊（HHC）１個、前方支援医療中隊（FSMC）１個、前方支援中隊（FSC）３個（戦車大隊・機械化歩兵大隊支援）、旅団支援中隊（BSC）１個からなる。定数938名。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＦＳＢ（ＭＥＣＨ）＞：アメリカ陸軍デジタル重師団機械化旅団の兵站を担う前方支援大隊。本部付配分中隊（HDC）１個、前方支援医務中隊（FSMC）１個、前方支援中隊（FSC）３個（戦車大隊・機械化歩兵大隊支援）、旅団支援中隊（BSC）１個からなる。定数431名。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＦＳＣ（デジタル重師団）＞：アメリカ陸軍デジタル重師団前方支援中隊の略。中隊本部、補給・輸送小隊、整備小隊から構成される。主力は大隊本部付中隊の後方、前線から4-12kmの地点に展開し、補給・輸送小隊は大隊本部前方に兵站端末点LRP（Logistic Release Point）を設置して補給品（LOGPAC）を集積する。補給品の実戦部隊への交付は大隊本部付支援小隊から派遣された中隊LOGPACが行う。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＦＳＣＣ＞：アメリカ海兵隊が第２次大戦中に採用したシステムで、ファイア・サポート・コーディネーション・センターの略。上陸作戦中の砲撃・艦砲射撃・近接航空支援のマッチングを行うものである。参考：月刊航空ファン2,’02

＜ＦＳＣ計画＞：イギリス海軍が22型・23型フリゲートの後継として計画した将来型水上戦闘艦（Future Surface Combatant）。1990年代に開始され、実験艦RVトライトンを建造したが、2004年末に中止されかけ、2006年に大幅に見直され、2020年頃の実用化を目指していた。S2C2（Sustained Surface Combatant Capability）と呼ばれる検討が行われており、汎用艦のC1、安定化作戦用のC2、警察・小規模戦闘・対機雷戦用のC3という３種類の建造が予定されていて、C1を2020年頃から10隻、C2を2030年頃から８隻ほど作ることにし、2010年10月の戦略防衛及び安全保障見直しで凡地球戦闘艦（GCS）26型フリゲートに改称された。参考：月刊軍事研究12,’09、3,’12、3,’18

　＜ＦＳＣ−Ｃ１＞：官民でレインボーという組織を作って仕様を纏めていた。民間側の参画企業はBAEシステムズ社とVT社が協同で設立したBVT社を中心とし、バブコック・マリーン社、タレス社、BMTディフェンス・サービス社、キネティックなどが加わる。船体は単胴で、船体後部に収容区画を持ち、艦尾ランプからTASS、魚雷防御装置、無人艇、特殊部隊輸送艇などを繰り出す。排水量6000トン。主機は電動。兵装は155mm単装砲、CAMMなど。捜索レーダーは中距離用のMRR、航海レーダーはNASAR、対空戦闘システムはFLAADS。参考：月刊軍事研究12,’09、3,’10

＜ＦＳＣＰ＞：将来水上戦闘艦プログラムを参照。

＜ＦＳＥＴ＞：F-2シリーズ（支援戦闘機）を参照。

＜ＦＳＦ−１＞：アメリカ海軍シー・ファイター級沿岸戦闘実験艦シー・ファイター（Sea Fighter）。2005年6月就役。2006年6月26日から7月28日、リムパック2006に参加。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜ＦＳＯＣ＞：飛行安全幹部課程を参照。

＜Ｆｓｐ　Ｐｚ　Ｗｇ＞：Fernsprechpanzerwagen（電話通話用装甲戦闘車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＳＳ＞：周波数選択膜を参照。

＜ＦＳＳ＞：高速海上輸送艦のこと。アメリカ海軍海上輸送力を構成し、96時間以内に出撃できる。参考：月刊軍事研究5,’03

＜ＦＳＳ＞：イギリス海軍計画ドライカーゴ補給艦Fleet Solid Support。王立艦隊補助部隊RFA所属補給艦フォート・オースチン、フォート・ロザリー、フォート・ヴィクトリアの代艦として３隻を建造する予定である。2019年に海外の造船所を募集してコンペティションを行ったが、予算オーバーで一旦没になり、2021年に改めてコンペティションを実施、2022年11月にチーム・レゾリュート（BMT、ハーランド＆ウォルフ、ナバンティアUKの合同チーム）に決定し、2023年1月18日に３隻を発注した。全長216m。速力19ノット。貨物搭載スペース9000立方メートル。BMTが設計し、2025年からハーランド＆ウォルフとナバンティアが船殻ブロックを作り、ベルファストで組み立てと艤装を行い、2032年までに全艦を王立艦隊補助部隊RFAに配備して運用する。参考：月刊世界の艦船8,’21、2,’23、4,’23

＜ＦＳＳＣ＞：飛行安全特別講習を参照。

＜ＦＳＳＴ＞：耐衝撃試験（アメリカ海軍）を参照。

＜ＦＳ−Ｔ２改＞：T-2練習機ファミリーを参照。

＜ＦＳＴＡ＞：ボイジャーKC.Mk2（空中給油輸送機）を参照。

＜ＦＳＸ＞：F-2シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＦＳＷ＞：前進翼を参照。

＜ＦＳＷシリーズ＞：中国の偵察衛星。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜ＦＳＷ０＞：第１世代。フィルム回収式カメラ（解像度10-15m）を搭載しており、自国の天災監視を主任務とする。1975-87年に９基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜ＦＳＷ１＞：第２世代。写真フィルムカメラ（解像度10-15m）と、CCDカメラ（解像度50m）を搭載している。1993-94年に５基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜ＦＳＷ２＞：第３世代。CCDカメラ（解像度10-15m ）を搭載し、リアルタイムで画像データをダウンロードできる。1992-98年に４基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜ＦＳＷ３＞：第４世代。写真フィルムカメラ（解像度1m）とCCD電送式カメラ（解像度5m）を搭載した。重量５トン。1998年に初号機が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＦＳ作戦＞：日本軍が太平洋戦争の第二段作戦として立案した、フィジー・サモア諸島攻略作戦。連合軍反攻の拠点となるであろうオーストラリアを攻略するのは無理なので、ニューカレドニア、フィジー、サモアを制圧してアメリカとオーストラリアの連絡を絶つというものである。ただ戦域が日本本土から7000-8000kmも離れていて、補給能力を鑑みれば、こちらも相当に無理である。昭和17年6月12日に発令されて作戦準備に入ったが、FS作戦の上陸支援に当たる空母が直前のミッドウェイ海戦で沈められたために延期され、7月6日に軍令部が中止を決定、陸軍参謀本部にも申し入れて7月11日に正式に中止された。参考：月刊丸6,’01、歴史群像8,’15

＜ＦＴ−１＞：中国軍のGPS誘導爆弾。弾頭重量440kg。参考：月刊軍事研究4,’09

＜ＦＴ−２＞：中国軍のGPS誘導爆弾。FT-1に滑空翼を装着したもので、高度35000フィート（10668m）で投下すれば90km先に到達する。参考：月刊軍事研究4,’09

＜ＦＴ−５＞：殲撃５型戦闘機ファミリーを参照。

＜ＦＴ−５＞：中国軍のGPS誘導爆弾Fei Teng 5。全備重量50kg、弾頭重量35kg。UAVに搭載できる。参考：月刊軍事研究4,’09、2,’17

＜ＦＴ５＞：南アフリカ陸軍個人携行対戦車兵器。南アフリカのソムチェム社が開発した。弾種はHEATで、直径94mm、初速毎秒275m、射程400m、装甲貫徹力650mm以上。改良型照準器をセットすれば、射程は600mとなる。使い捨てではなく、200発以上を発射可能。南アフリカ陸軍に1000基が引き渡された。タンデムHEAT（ERA付630mm装甲を貫徹可能）や、多目的榴弾（1.5mの土嚢または300mmのコンクリートまたは20mmの鋼板を貫通した後に炸裂する）も開発されている。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＦＴ−６＞：殲撃６型戦闘機ファミリーを参照。

＜ＦＴ−７＞：殲撃７型戦闘機・海外ファミリーを参照。

＜ＦＴ−９＞：中国が開発した誘導爆弾Fei Teng 9。誘導はINS/GPSまたは電子光学TVまたは赤外線またはセミアクティブレーダー。全備重量50-75kg。最大射程5km。彩虹4B無人機に搭載可能。参考：月刊軍事研究4,’16、2,’17

＜ＦＴ１１Ｎ＞：イギリスの４×４輪３トントラック。４×２輪（後輪駆動）にもできる。サスペンションはリーフスプリング式。全長6.3m、全幅2.387m、全高3.1m、重量4.903トン。エンジンは６気筒（総排気量4560cc、出力90馬力）、トランスミッションは４速ギアボックスと２速トランスファー。アルビオン社が1940年2月から生産した。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＦＴ１７＞：フランス陸軍軽戦車。Char de Faible Tonnage 1917（1917年型軽戦車）の略といわれるが、FTは単に開発元したルノー社の社内記号だったという説もある。Char d’accompagnement（随伴戦車）とも呼ばれた。シュナイダーCA／サンシャモン戦車隊の指揮戦車として計画されたが、塹壕の中に潜り込んでまた這い出していく機関銃装備の小型安価戦車というコンセプトに変更され、1917年に制式化された。装軌式装甲車体に全周旋回可能な砲塔を載せ、そこに武装を搭載するという戦車の基本的構造を確立した戦車である。機関室も操縦室や戦闘室と分離して騒音や振動から乗員を保護した。塹壕から這い出す時にひっくり返らないよう、車体後部には鉄の尻尾と呼ばれる尾橇を装着している。全長4.88m、全幅1.74m、全高2.14m、全備重量6.7トン。武装は8mm機関銃１丁。後に21口径37mm砲搭載型も製作された。装甲厚は車体側面16mm、底面・上面6mm、砲塔全周22mm。エンジンはルノー製の直列４気筒ガソリン（39馬力）、最大速度9km、燃料搭載量90リットル、航続距離40km。乗員２名。1917年1月からルノー、ベルリエ、ソミュア、ドゥローニ・ベルヴュで計3137両（3400両？）が生産され、第１次大戦終結でそのうち1000両が余ったので、アメリカ、イタリア、ベルギー、日本、中国、ポーランドに輸出された。参考：月刊軍事研究1,’07、5,’16、歴史群像6,’10、12,’03、月刊PANZER12,’03、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、機甲入門

＜ＦＴ１７ファミリー＞

　＜ＢＳ＞：火力強化型。75mm砲を搭載している。参考：月刊軍事研究1,’07

　＜マテリアル・ド・１０５＞：自走砲型。砲塔と装甲を外し、105mm砲を後ろ向きに搭載している。参考：月刊PANZER10,’85

＜ＦＴ１７海外シリーズ＞

　＜６トン戦車（カナダ軍）＞：カナダ軍訓練用戦車6 Ton Tank。1940年夏に訓練用戦車が足りなくなったため、アメリカがスクラップ扱いの戦車229両を送付したが、その中にルノーFT系の２名用戦車が含まれていた。近代的な訓練用戦車が配備されるまで、キャンプ・ボーデンで訓練に使用されている。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ＦＴ１７／１８　７３０（ｆ）＞：ドイツ国防軍戦車。第２次大戦時に鹵獲したもので、警備・保安部隊や鉄道警備隊（貨車に積載）に配備された。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＦＴ１７（スイス陸軍）＞：スイス陸軍戦車。1920年に１両がテストされたが、採用はされなかった。参考：月刊軍事研究10,’06

　＜ＦＴ１７（中国軍）＞：中国国民政府軍戦車。1926年に満州軍閥の張作霖が輸入し、1932年には訓練用として国民政府軍も導入した。満州事変で奉天に配備されていた３両が日本軍に鹵獲され、ブレン機銃を付けて使用された。防楯形状がルノー甲型戦車とは異なっている。参考：日本戦車隊戦史、月刊PANZER2,’04

　＜ＦＴ１７（ルーマニア陸軍）＞：ルーマニア陸軍戦車。1919年に37mm砲装備型48両と機銃装備型28両を導入した。25両ずつ３個中隊を編成し、１個ずつをプロエシャティ油田、ブカレストなど都市部の警備、予備に配備している。1937年には20両が稼働状態にあり、スコダ社と改修契約も結んだ。参考：月刊丸9,’03

　＜ルノー甲型戦車＞：日本軍戦車。武装はオチキス機銃１丁。大正8-9年に13両が配備され、主に運用実験に賦されたが、満州事変や上海事変では補給戦車として活躍した。参考：月刊PANZER2,’04、日本戦車隊戦史

＜ＦＴ１８ファミリー＞

　＜カノン・ド・７５モデル１８９７＞：ルノーFT18の車体中央部に75mm砲モデル1897を後ろ向きに搭載し、車体後部を開放して射撃できるようにしたもの。弾薬は操縦手の後ろに積む。参考：月刊PANZER10,’85

＜ＦＴ２０００シリーズ＞：中国が開発中（？）の対レーダー地対空ミサイル。1998年のファーンボロ航空ショーのパンフレットに掲載され、国営精密機械輸出入公司設計局が中国陸軍に配備されたと発表したが、実際には中国含めどこの国でも採用されておらず、開発が進んでいるかもはっきりしない。参考：月刊軍事研究11,’03、3,’99

＜ＦＴ２０００＞：S-300PMUがベースで、対AWACS用とされ、ミサイルはS-300PMU2類似の４連装発射機搭載８輪トラックに搭載される。ミサイル全長6.8m、直径0.466m、総重量1300kg。誘導はS-Kuバンド（2-18GHz）のパッシブレーダーで、射程12-120km（30-100km？）、有効射高12km、最大射高20km。トラックには目標捜索用としてパラボラアンテナと小型ディッシュアンテナからなる三次元レーダーを装備する。参考：月刊軍事研究11,’03、4,’00、9,’08、3,’99、2,’10

　＜ＦＴ２０００Ａ＞：固定陣地用。HQ-2がベースで、射程60kmとされる。参考：月刊軍事研究11,’03、9,’08

＜ＦＴＡＳ＞：アメリカ軍の対砲迫レーダーシステムで、Family of Target Acquisition Systemsの略。AN/TPQ-46、AN/TPQ-49、AN/TSQ-267で構成され、対砲迫レーダーで探知した敵砲兵の位置を味方砲兵に伝え、反撃してもらう。参考：月刊軍事研究9,’15

＜ＦＴＣ＞：部隊訓練評価隊を参照。

＜ＦＴＣ＞：ECCM装置の１つで、高速時定数の略。レーダー受信機のビデオ増幅器内に装備する、高速用フィルターの一種である。送信波よりも少しだけ長い時定数を使用することで、目標エコーは歪みなく受信されるが、クラッターや長い妨害波は寸断されてしまう。参考：月刊エアワールド4,’00

＜ＦＴＣ−２０００＞：殲教９型（練習機）を参照。

＜ＦＴＣ−２０００Ｇ＞：殲教９型練習機・海外ファミリーを参照。

＜ＦＴＣＳ＞：飛行試験管制システムを参照。

＜ＦＴＧ−０５＞：アメリカ軍のGBI発射試験で、2008年12月5日に実施された。アラスカ州のコディアックから模擬弾道ミサイルが発射され、海上配備Ｘバンドレーダー、ビール空軍基地のAN/FPS-132UEWR、アラスカ州ジュノーのFBXRT、AN/SPY-1レーダーが次々と探知追尾し、そのデータに基づいてGBIが発射され、撃墜に成功した。参考：月刊軍事研究6,’09

＜ＦＴＧ−１１＞：アメリカ軍のGBI発射試験で、2018年3月25日に行われた。クェゼリンからICBM模擬標的が発射され、GBI２発で迎撃、１発目が再突入体を破壊したため、２発目は残存探知目標のうち脅威度が最も高いものに指向され、こちらも破壊している。参考：月刊航空ファン6,’19

＜ＦＴＧ−１５＞：アメリカ軍のGBI発射試験で、ICBM迎撃を初めて想定しており、2017年5月30日に実施された。マーシャル諸島クェゼリン環礁から模擬ICBMが発射され、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地からGBI CE-�Uブロック�Tを発射、太平洋上で迎撃に成功している。参考：月刊航空ファン8,’17、月刊軍事研究4,’18

＜ＦＴＩ＞：フランス海軍がラ・ファイエット級フリゲートの後継として開発している中型フリゲートで、Frégate de Taille Intermédiaireの略。FREMM級フリゲートとゴーウインド級コルベットの中間くらいの排水量で、対空戦、対水上戦、対潜戦、排他的経済水域警備、非対称戦、特殊部隊支援など多任務をこなす。DCNS社／ネイヴァル・グループが設計し、タレス社製のレーダーとソナーなどを積む。船型は長船首楼型で、船体はステルス性を考慮しており、ナックルラインより上の舷側を船体と逆傾斜にし、上構舷側は02甲板レベルまで傾斜壁面でカバー、艦橋上にタワーマストを設けている。艦首は水線部に向かって微妙に突出させる形状にした。タワーマスト前後左右にSF500（シーファイア500）アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーの平面アンテナを装着する。ヘリ格納庫とヘリ甲板を持ち、パンサーまたはNH90ヘリまたはVSR700UAVを１機搭載可能。TASSはUMS4249CAPTAS-4のコンパクト版。煙突両舷にシャッターがあり、内部にRHIBを収容する。全長122.25m、全幅17.7m、満載排水量4500トン。主機はCODAD方式、MTU16C-8000M91Lディーゼル４基（巡航用２基＋ブースト用２基）、出力32MW・42913馬力、２軸推進、最大速力27ノット、航続距離5000海里（13ノット）、連続行動日数45日。兵装は127mmまたは76mm単装砲１門（前甲板）、アスター15／アスター30用８セル垂直発射機２基（主砲後方）、エグゾセMM40ブロック3C艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（マストと煙突の間）、MU90短魚雷用発射管、遠隔操作式20mm機関砲２門。乗員125名＋便乗者28名。2017年4月21日に５隻の建造開始許可が下り、アミラル・ロナーク級になった。参考：月刊軍事研究1,’17、月刊世界の艦船2,’20、1,’20、5,’18、7,’17、6,’19

＜ＦＴＩ海外シリーズ＞

　＜ＢｅＬＨ＠ＲＲＡ＞：輸出版。名称はフランス南西部大西洋岸のベルハラ（Belharra）という地名に由来する。ギリシャ海軍が２隻を導入予定。参考：月刊軍事研究1,’17、月刊世界の艦船1,’20

＜ＦＴＩ−０１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル防衛システム実証試験Flight Test Integrated-01。弾道ミサイル・巡航ミサイル模擬標的計５発を探知追尾し、C2BMCで分析してイージス艦、THAAD、PAC3に目標を割り振り、迎撃させるというもので、2012年10月25日にクェゼリン環礁ロナルド・レーガン射場で行われた。まずC-17輸送機から発射されたE-LRAT準中距離弾道ミサイル模擬弾をロイ・ナムル島のAN/TPY-2が探知し、メック島のTHAADが撃墜した。次いでウェーク島から発射されたARAV-B短距離弾道ミサイル模擬弾にクェゼリン北西のDDG-62フィッツジェラルドがSM-3ブロック�TＡを発射したが、IMUの不具合で破壊には失敗した。第３目標はクェゼリン北東の洋上発射母船から発射された短距離弾道ミサイル標的で、オメレク島のPAC3が撃墜した。第４目標は対艦巡航ミサイルを想定してガルフストリーム機から発射されたBQM-74標的機で、DDG-62フィッツジェラルドがSM-2ブロック�VＡで撃墜した。第５目標はロイ島から発射された低空巡航ミサイル模擬弾で、メック島のAN/MPQ-65レーダーが探知し、オメレク島のPAC3が撃墜した。参考：月刊軍事研究11,’13

＜ＦＴＩ−０３＞：アメリカ軍のイージス・アショアによる弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Integrated-03、別名ステラ・ワウエル（Stellar Wawel）。2018年12月11日に行われ、太平洋ミサイル射場でイージス・アショア（イージスシステム・ベースライン9B2.0／イージスBMD5.1）からSM-3ブロック�UＡを発射し、C-17Aから投下されたIRBM模擬標的を撃墜した。参考：月刊世界の艦船3,’19、月刊航空ファン3,’19

＜ＦＴＭ０４−１＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile 04-1、別名FM-7。イージスBMD3.0.1.2によるSM-3ブロック�T発射試験で、2005年2月24日に実施された。カウアイ島ミサイル試験場から目標が打ち上げられた１分後にCG-70レイク・エリーがSM-3ブロック�Tを発射、２分後に高度137kmで弾頭分離前の単弾頭短距離弾道ミサイル目標を直撃した。LEAPの赤外線映像を分析した結果、弾頭部分にロックオンされていたことが判明し、優れた目標識別能力が証明された。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究6,’16、6,’15、12,’18

＜ＦＴＭ０４−２＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile 04-2、別名FM-8。イージスBMD3.0.1.2によるSM-3ブロック�T発射試験で、2005年11月17日に実施された。標的は模擬中距離弾道ミサイル（弾体・弾頭分離型）で、CG-70レイク・エリーには目標発射時刻が通告されなかった。発射後に目標を探知したCG-70レイク・エリーは４分後にSM-3ブロック�Tを発射、２分後に高度160km以上の宇宙空間で弾頭分離後の目標を直撃した。支援としてLRS&T能力を持つDDG-70ホッパーも参加した。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ０４−３＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile 04-3、別名FM-9。BMDブロック2004の最終テストとなるSM-3ブロック�T発射試験だったが、FTM04-2で十分に性能が確認できたため、中止となった。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＭ−１０＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-10、別名ステラ・プレデター（Stellar Predator）。イージスBMD3.6及びSM-3ブロック�TＡによるもので、2006年6月22-24日に実施された。目的は、準中距離弾道ミサイルに対するイージスBMD3.6の探知追尾能力確認、SM-3ブロック�TＡによる目標迎撃（FTM-10）、将来予定されている発射試験をリハーサルすることによる問題点の洗い出し、イージスBMD3.6による従来目標との交戦能力確認である。参加したのはCG-67シャイロー（イージスBMD3.6搭載）、CG-70レイク・エリー、DDG-69ミリアス、DDG-60ポール・ハミルトン、DDG-174きりしま、移動式ＸバンドレーダーTPS-X（カウアイ島）。標的となるMRBMはハワイのカウアイ島から発射され、これをTPS-Xが探知、C2BMCセンターにデータを送り、ここからDDG-69ミリアスにデータを送った。DDG-69ミリアスはAN/SPY-1Dで追尾を開始、SM-3による模擬的な交戦を行い、弾道ミサイル発射地点にもトマホークによる模擬的な攻撃を実施している。イージスBMD3.0を搭載してLRS&T能力を持つDDG-60ポール・ハミルトン及びDDG-174きりしまも目標を追尾、リンク16により追跡データを交換した。CG-67シャイローはSM-3ブロック�TＡを発射、MRBMから切り離された弾頭をAN/SPY-1B(V)レーダー及びミサイル先端の赤外線シーカーにより識別して追尾し、高度160kmで直撃して破壊した。また、同時にSM-2ミサイルによる従来型目標迎撃実験を行い、２目標を２発で撃墜した。CG-70レイク・エリーはBSP付加AN/SPY-1B(V)レーダー（イージスBMD3.0.1.2）によりMRBM弾頭を識別・追尾し、迎撃前後の様子をリアルタイムで表示した。その後、CG-67シャイローとDDG-69ミリアスは短距離弾道ミサイル及び従来型対空目標による同時多目標対処のシミュレートを実施した。参考：月刊軍事研究11,’07、6,’15、月刊世界の艦船10,’06

＜ＦＴＭ−１１＞：アメリカ海軍のイージスBMD3.6によるSM-3ブロック�TＡ発射試験Flight Test standard Missile-11。CG-70レイク・エリーが弾道ミサイルにSM-3ブロック�TＡ、航空目標にSM-2ブロック�VＡを発射するものである。2006年12月7日のテストでは発射システム不良で失敗したが、2007年4月26日の再試験（FTM-11Event4）では高度160kmの短距離弾道ミサイルと対艦ミサイルを両方とも撃墜した。2007年8月31日にもFTM-11aというSM-3ブロック�TＡ発射試験が行われているが、参加艦も含め内容は不明。参考：月刊軍事研究11,’07、6,’15、12,’18

＜ＦＴＭ−１２＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-12。2007年6月22日にステラ・アテナの一環として行われ、イージスBMD3.6を搭載したDDG-73ディケイター、新型レーダー信号処理装置を搭載したCG-73ポートロイヤル、スペイン海軍F100型アルヴァロ・デ・バサン級イージスフリゲートF104メンデス・ヌニェス、THAAD用車載レーダーが参加した。カウアイ島から発射された弾頭分離型準中距離弾道ミサイルをDDG-73ディケイターのSM-3ブロック�TＡにより高度160kmで撃墜した他、THAADとCG-73ポートロイヤルの間でのデータリンクなども試されている。参考：月刊軍事研究11,’07、6,’09、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−１３＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-13。2007年11月6日に実施された。イージスBMD3.6搭載CG-70レイク・エリーがSM-3ブロック�TＡを２発発射し、70秒差で打ち上げられた弾頭非分離型短距離弾道ミサイル標的ARAV-A２基を高度160kmで直撃して破壊した。DDG-173こんごうはLRS&T訓練を行い、目標の探知追尾に成功した。参考：月刊軍事研究6,’09、6,’15、6,’16、12,’18、月刊世界の艦船2,’18

＜ＦＴＭ−１４＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-14。2008年6月5日に実施され、イージスBMD3.6搭載CG-70レイク・エリーがSM-2ERブロック�Wの改良型２発を弾頭非分離型短距離弾道ミサイルに発射し、高度19kmの大気圏内で撃墜した。参考：月刊軍事研究6,’09、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−１５＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-15、別名ステラ・シャロン。2011年4月14日に実施された。クェゼリン環礁ロナルド・レーガン・ミサイル防衛試験場からLV-2中距離弾道弾標的（射程3000-5500km）が発射され、弾道ミサイル早期警戒衛星STSS２基やAN/TPY-2レーダー（発射地点から1300km先のウェーキ島に配置）などが探知、パールハーバー・ヒッカム統合基地第94陸軍防空ミサイル防衛軍団のC2BMシステムに送られて統合されたデータを元に、DDG-77オケイン（イージスBMD3.6.1搭載）がSM-3ブロック�TＡミサイルを発射、11分後に目標を直撃して破壊した。これが初のイージスBMDシステムによる中距離弾道弾の撃破で、初のランチ・オン・リモート試験かつ成功でもある。ただ分析の結果、三段目ロケットに軽度の作動不良が判明した。参考：月刊航空ファン7,’11、月刊軍事研究6,’15、5,’12

＜ＦＴＭ−１６Ｅ１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-16 Event 1。2011年3月16日に行われ、イージスBMD4.0.1によりSM-3ブロック�TＢで弾頭分離型弾道ミサイル、SM-2ブロック�UＢで航空機を迎撃した。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＭ−１６Ｅ２＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-16 Event 2。2011年9月1日に実施され、CG-70レイク・エリーがハワイ州カウアイ島沖でSM-3ブロック�TＢによる初の弾道ミサイル迎撃試験を行い、レーダーによりARAV-C＋＋SRBM標的を追尾、標的発射90秒後にミサイルを発射したが、三段目ロケットが作動不良を起こして撃墜には失敗した。参考：月刊軍事研究5,’12、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−１６Ｅ２ａ＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-16 Event 2a、別名ステラ・ベンジャンス。2012年5月9日に実施された。FTM-16E2の失敗を踏まえてSM-3ブロック�TＢ三段目ロケット噴射管制ソフトを改良しており、CG-70レイク・エリー（イージスBMD4.0.1搭載）がSM-3ブロック�TＢを発射し、ARAV-A単弾頭短距離弾道ミサイル標的を撃墜している。参考：月刊軍事研究6,’15、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−１７＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-17。2009年7月30日に実施され、DDG-70ホッパーがSM-3ブロック�TＡを発射し、単弾頭SRBM標的ARAV-Aの迎撃に成功している。参考：月刊軍事研究5,’12、6,’15、12,’18

＜ＦＴＭ−１８＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-18。2012年6月26日に実施され、FTM-15/-16E2で観測された三段目ロケット作動不良を改善したSM-3ブロック�TＢをCG-70レイク・エリーが発射し、弾頭分離式中距離弾道ミサイル標的を撃墜している。参考：月刊軍事研究6,’15、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−１９＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-19。2013年5月15日1725、イージスBMD4.0.4搭載CG-70レイク・エリーがSM-3ブロック�TＢを発射し、ARAV-C分離弾頭式短距離弾道ミサイル標的を撃墜した。これによりSM-3ブロック�TＢの実運用能力が証明され、量産が開始された。参考：月刊軍事研究6,’15、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−２０＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-20、別名ステラ・アイズ。2013年2月12日に実施された。STSS-D衛星により弾道ミサイルを探知、そのデータに基づいてイージスBMD4.0.2搭載CG-70レイク・エリーがSM-3ブロック�TＡをランチ・オン・リモートで発射し、途中からAN/SPY-1による誘導に切り替え、ARAV-B単弾頭中距離弾道ミサイル標的を撃墜している。参考：月刊軍事研究6,’15、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−２１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-21、別名ステラ・ニンジャ。2013年9月18日に実施された。イージスBMD4.0.2搭載CG-70レイク・エリーがSM-3ブロック�TＢをATRV-C++弾頭分離型短距離弾道ミサイル模擬目標に２発発射し、囮弾頭と真弾頭を識別、１発目で撃墜した。２発目は三段目ロケットの２回目パルス噴射不良が確認され、後部ノズルに設計変更を加えることが決まっている。参考：月刊軍事研究8,’14、6,’15、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−２２＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-22。2013年10月3日に実施された。イージスBMD4.0.2搭載CG-70レイク・エリーがSM-3ブロック�TＢをARAVTTO-E中距離弾道ミサイル模擬標的に発射し、撃墜した。参考：月刊軍事研究8,’14、6,’16、12,’18

＜ＦＴＭ−２５＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test standard Missile-25。2014年11月6日に実施された。DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズ（イージスシステム・ベースライン9C1／イージスBMD5.0CU搭載）が、AN/SPY-1レーダー発達型防空・ミサイル防衛（IAMD）プライオリティモードで短距離弾道ミサイル模擬標的１機と巡航ミサイル模擬標的BQM-74無人標的機２機を同時探知し、それぞれSM-3ブロック�TＢ１発とSM-2ブロック�VＡ２発で撃墜した。MQ-9無人機２機、イージス・アショア、C2BMCもテストに参加している。参考：月刊軍事研究3,’15、5,’15、6,’16、月刊航空ファン1,’15、月刊世界の艦船2,’15

＜ＦＴＭ−２７Ｅ１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験で、Flight Test standard Missile-27 Event 1の略。2016年12月14日に行われ、DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズがSM-6デュアル�Tを発射、複雑弾道型中距離弾道ミサイルを撃墜（１発目が外れ２発目が命中）した。これによりSM-6デュアル�TはIOCを達成している。参考：月刊軍事研究12,’18、月刊世界の艦船3,’17、11,’17、月刊航空ファン11,’17

＜ＦＴＭ−２７Ｅ２＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験で、Flight Test standard Missile-27 Event 2の略。2017年8月29日に太平洋ミサイル射場PMRFで実施され、DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズがPMRFから発射されたMRBM模擬標的をAN/SPY-1で探知追尾し、SM-6デュアル�Tを２発発射して撃墜した。参考：月刊世界の艦船11,’17、月刊航空ファン11,’17

＜ＦＴＭ−３１Ｅ１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Aegis Weapon System 31 Event 1。SM-6デュアル�USWUPによる準中距離弾道ミサイルMRBMターミナル・フェーズ迎撃試験で、2021年5月に行われたが、失敗した。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜ＦＴＭ−３１Ｅ１ａ＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Aegis Weapon System 31 Event 1a。SM-6デュアル�USWUPによる準中距離弾道ミサイルMRBMターミナル・フェーズ迎撃試験で、FTM-31E1が失敗したため、2023年3月30日に行われた。太平洋ミサイル射場から発射されたMRBM標的に、DDG-118ダニエル・イノウエがSM-6デュアル�USWUPを２発発射し、撃墜に成功している。これがSM-6デュアル�Uによる３回目の迎撃成功、イージスシステム・ベースライン9C2＋イージスBMD5.1＋SM-6デュアル�USWUPの組み合わせでは初の迎撃成功である。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜ＦＴＭ−３３＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Aegis Weapon System 33。2020年12月に実施予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で準備が整わず、2021年7月24日にハワイ北西の海域で行われた。DDG-114ラルフ・ジョンソンが短射程弾道ミサイル模擬標的２発に対してSM-6デュアル�Uを１発ずつ発射し、模擬標的１発を破壊した。もう１発がどうなったかは不明。参考：月刊世界の艦船10,’21

＜ＦＴＭ−４４＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Aegis Weapon System-44。SM-3ブロック�UＡによるICBM迎撃試験で、2020年5月に実施予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により11月16日になった。ロナルド・レーガン・ミサイル試験場からノースロップ・グラマン社製ICBM模擬標的を発射し、C2BMC経由で目標情報を受け取ったハワイ北東海域のイージスシステム・ベースライン9C2.0搭載DDG-113ジョン・フィンがエンゲージ・オン・リモートでスタンダードSM-3ブロック�UＡを発射、大気圏外で命中させている。参考：月刊世界の艦船2,’21、5,'21、朝雲

＜ＦＴＭ−４５＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験、別名ステラ・アラリス。2018年10月26日にハワイの太平洋ミサイル射場PMRFで行われ、DDG-113ジョン・フィン（イージスシステム・ベースライン9C2＋イージスBMD5.1）がSM-3ブロック�UＡを発射、カウアイ島から発射された中距離弾道ミサイル模擬標的を撃墜した。10月25日昼過ぎ（日本時間）には那覇基地から遠距離探知センサシステム搭載UP-3Cが離陸しており、何か関連があるかもしれない。参考：月刊世界の艦船1,’19、月刊航空ファン1,’19

＜ＦＴＭ−４８＞：アメリカ軍の統合防空ミサイル防衛IAMD試験。ミサイル防衛局とアメリカ海軍PEOIWS（Program Executive Office Integrated Warfare Systems）の合同試験で、ミサイル防衛局側名称がFTM-48（Flight Test Aegis Weapon System-48）、アメリカ海軍側名称がVigilant Wyvernである。2023年10月に太平洋ミサイル射場PMRFで行われ、DDG-120カール・Ｍ・レヴィンがSM-3ブロック�TＡ艦対空ミサイルで短射程弾道ミサイル標的２発を、SM-2ブロック�VＡ艦対空ミサイルで亜音速巡航ミサイル標的２発を迎撃し、試験は成功した。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜ＦＴＯ−０１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Operational-01。THAADシステムとイージスBMDシステムによる弾道ミサイル迎撃試験で、2013年9月10日にクェゼリン環礁ロナルド・レーガン・ミサイル防衛試験場と周辺空海域で実施された。C-17輸送機から発射されたLRALTをメック島の第11防空砲兵旅団第２防空砲兵連隊Ａ射撃中隊のTHAAD、ウェーキ島から発射されたMRBM標的をイージスBMD3.6.2搭載DDG-73ディケイターのSM-3ブロック�TＡが迎撃し、後者が失敗した場合にはTHAADで第２撃を加えるというものである。両方とも一撃で標的を直撃破壊することに成功し、THAADの第２撃目は空中で自爆処分された。参考：月刊軍事研究12,’13、6,’16

＜ＦＴＯ−０２Ｅ１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Operational-02 Event 1。2015年6月25日に実施されたが、標的の不具合で中止された。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＯ−０２Ｅ１ａ＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Operational-02 Event 1a。2015年12月9日に実施された。AN/TPY-2によるランチ・オン・リモートでAAMDTCからSM-3ブロック�TＢを発射し、航空機から投下された分離型MRBM（IRBM？）目標を撃墜している。参考：月刊軍事研究6,’16、12,’18

＜ＦＴＯ−０２Ｅ２＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Operational-02 Event 2。2015年10月4日に実施されたが、標的の不具合で中止された。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＯ−０２Ｅ２ａ＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験で、2015年11月1日に実施された。C-17輸送機２機が短距離目標SRALT、MRBM目標、BQM-74E無人機を発射し、イージスシステム・ベースライン9C1／イージスBMD5.0CU搭載DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズとTHAADが迎撃を実施、SRALTをTHAADミサイル、BQM-74EをSM-2ブロック�VＡで撃墜したが、SM-3ブロック�TＢによるMRBM迎撃には失敗している。原因はSM-3ブロック�TＢ飛翔初期の不具合とされ、詳細は調査中。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＦＴＲ−１＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Round-1。2000年6月14日に行われ、CG-67シャイローがSM-2ERブロック�Wを発射したが、失敗と判定された。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＲ−１Ａ＞：アメリカ軍の弾道ミサイル迎撃試験Flight Test Round-1A。2001年1月21日に行われ、CG-70レイク・エリーがSM-2ERブロック�Wを発射、弾道ミサイル標的TTVを撃墜した。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＲ−３１＞：2016年1月18日に太平洋ミサイル射場で実施され、DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズがSM-6を発射、DDG-101グリッドレイとのCECによるエンゲージ・オン・リモートでFFG-57ルーベン・ジェイムスを撃沈した。参考：月刊軍事研究10,’18

＜ＦＴＲ３２ＦＢ＞：航空自衛隊２トン半散水車。飛行場の清掃洗浄などに使用される。全長6.565m、全幅2.415m、全高2.82m、車重5.76トン。エンジンは6HEI直列６気筒ディーゼル（総排気量7127cc、出力195馬力）、トランスミッションはMBG6T（前進６段・後進１段）、最大速度100km、燃料タンク容量100リットル。最大積載量4.5トン。乗員３名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＦＴＳ＞：Flight Training Squadron（飛行訓練隊）の略。参考：月刊航空ファン2,’19

＜ＦＴＴ−１８＞：アメリカのミサイル防衛局が実施した、THAADによるIRBM迎撃実験Flight Test THAAD-18。2017年7月11日に行われた。C-17AからオービタルATK社製模擬標的を投下し、アラスカのコディアックに展開したTHAADシステムが迎撃、標的を撃墜した。参考：月刊航空ファン10,’17

＜ＦＴＴ−２３＞：アメリカのミサイル防衛局とアメリカ陸軍が実施した、THAADによるIRBM迎撃実験Flight Test THAAD-23。2019年8月30日にクェゼリン環礁で行われ、ランチャーを離れた場所に置く遠隔発射を初めて実施し成功した。参考：月刊航空ファン11,’19

＜ＦＴＴＳ＞：アメリカ陸軍計画モジュラー式装甲トラックFuture Tactical Truck System（将来戦術支援車両システム）。後部荷台部分を交換すれば４×４輪にも６×６輪にもなる。2006-07年にロッキード・マーチン、IMV、アーマーホールディングスなどが開発していたが、JLTVカテゴリーＣと被るためにテストを中断している。参考：月刊軍事研究10,’07、12,’11

＜ＦＴＵ＞：Formal Training Unit（正式訓練部隊）の略。参考：月刊航空ファン11,’17

＜ＦＴＵＡＳ＞：将来型戦術無人機システムを参照。

＜ＦＴＶ−１＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験。1992年9月24日、CG-20リッチモンド・Ｋ・ターナーからSM-2ERブロック�Uを発射した。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＶ−２＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験。1993年9月27日、CG-29ジュエットからSM-2ERブロック�Uを発射した。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＶ−３＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験。1995年3月4日、CG-20リッチモンド・Ｋ・ターナーからSM-2ERブロック�Uを発射したが、スカッド模擬標的の迎撃には失敗した。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＶ−４＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験。1995年3月28日、CG-20リッチモンド・Ｋ・ターナーからSM-2ERブロック�Uを発射したが、スカッド模擬標的の迎撃には失敗した。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＶ−５＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験。キャンセルされた。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＸ−３０＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験。2017年3月に実施され、イージスシステム・ベースライン9C2搭載艦がSRBMに対してSM-3ブロック�UＡを、亜音速巡航ミサイルと超音速巡航ミサイルにSM-2を発射し、全て撃墜した。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＸ−３１＞：アメリカ海軍の弾道ミサイル迎撃試験。2017年9月に実施され、イージスシステム・ベースライン9C1搭載艦とPMRFのイージス・アショアが参加し、SRBMを含む対空目標に対する迎撃試験を行った。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＦＴＷ＞：Flight Training Wing（飛行訓練航空団）の略。参考：月刊航空ファン8,’18

＜ＦＴ法＞：合成石油を参照。

＜Ｆｕ＞：Funk（無線）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｆｕ５＞：ドイツ国防軍の超短波無線機。出力10W、周波数27200-33000kHz、有効送受信距離2-3km。戦車に標準装備された。参考：月刊PANZER12,’01

＜Ｆｕ．７＞：ドイツ国防軍の地対空用超短波無線機。出力20Wの送信機とd1受信機を組み合わせており、周波数40MHz、通信距離25km（打電式・音声式とも）。参考：月刊グランドパワー11,’98

＜Ｆｕ．８＞：ドイツ国防軍の中波帯無線機。出力30Wのａ型送信機とｃ型受信機を組み合わせている。フレームアンテナ使用時通信距離50km（打電式）／15km（音声式）、星形アンテナ（長さ8m）使用時通信距離150km（打電式）／50km（音声式）。参考：月刊グランドパワー11,’98

＜Ｆｕ．１２＞：ドイツ国防軍の中波帯無線機。出力80Wの送信機とｃ型無線機を組み合わせている。通信距離80km（打電式）／25km（音声式）。参考：月刊グランドパワー11,’98

＜ＦｕＢｌ�T＞：ドイツ空軍が第二次大戦時に使用した着陸誘導装置。EBl1受信機（使用周波数30-33.3MHz、AM波モールス信号A2信号波）、EBl2受信機（使用周波数38MHz、AM波モールス信号A2信号波）、アンテナで構成される。参考：月刊航空ファン3,’13

＜Ｆｕｂｏ＞：ドイツ海軍Ｕボート用連絡ブイ。直径304mm・高さ610mmのブイに信号照明弾発射装置を取り付けたもので、ブイの下面に長さ610mmの棒を介して直径350mmの円形錘が付いており、これでブイが海面に直立する。ブイを海面に置いて紐を引っ張ると、30分後にベリー式多色信号照明弾を発射する。１隻あたりの搭載数は15個。少数のＵボートで運用された。参考：Ｕボート入門

＜ＦＵＦＯ＞：信管起爆モード完全選択方式のこと。空中爆発、地表爆発、遅延爆発の３つから選択できる信管を装備した核爆弾を指す。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜Ｆｕ／ｆｕ＞：Fu/fu装甲指揮車（フクス装甲車ファミリー）またはFu/fu本部車両（フクス装甲車ファミリー）を参照。

＜ＦｕＧ＞：Funkgerat（無線装置）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１＞：ドイツ陸軍の受信専用無線機システム。使用周波数0.1-6.97MHz。Sd.Kfz.250/3など総司令部用車両に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ２＞：ドイツ陸軍の受信専用無線機システム。長さ1.4mの棒状アンテナを持つ。使用周波数27.2-33.3MHz。全ての装甲車両に装備された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ�V＞：ドイツ空軍の無線機。S3a送信機（Sender）、E2a受信機（Empfanger）、固定アンテナ、曳航アンテナ（長さ180-300m）で構成される。S3a送信機は周波数300kHz・出力70Wまたは周波数3000-6000kHz・出力40WのA1信号波（モールス信号）またはA3信号波（AM無線電話）を送信する。E2a受信機は送信機と同周波数のA1信号波、A2信号波（AMモールス信号）、A3信号波を受信する。参考：月刊航空ファン3,’13

＜ＦｕＧ４＞：ドイツ陸軍の砲兵管制用無線機システムで、長さ2mの星形アンテナを持つ。機甲砲兵観測車に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ５＞：ドイツ陸軍の戦車用標準型無線機システム。送信機（出力10W）、受信機、長さ2mの棒状アンテナからなる。使用周波数27.2-33.3MHz。�V・�W号戦車、補助装甲車両に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ６＞：ドイツ陸軍の無線機システム。送信機（出力20W）、受信機、長さ2mの棒状アンテナからなる。使用周波数27.2-33.3MHz。初期の装甲指揮車両に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ７＞：ドイツ陸軍の地対空無線機システム。送信機（出力20W）、受信機、長さ2mの棒状アンテナからなる。使用周波数42.1-47.8MHz。装甲指揮車両、Sd.Kfz.250/3、Sd.Kfz.251/3に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ８＞：ドイツ陸軍の無線機システム。師団司令部の連絡用で、送信機（出力30W）、受信機、フレームアンテナからなる。使用周波数1.13-3MHz及び0.58-3MHz。後にアンテナが8mの巻き上げ式となった。装甲指揮車両や無線車に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１０＞：ドイツ陸軍の無線機システム。送信機（出力30W）、受信機、フレームアンテナからなる。使用周波数は0.95-1.67MHz及び0.1-6.97MHz。Sd.Kfz.223に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１０＞：ドイツ空軍の無線機。S10LまたはS10K送信機（Sender）、E10LまたはE10K受信機（Empfanger）、SchK13またはSchK14切り替え装置（受信機とEiV機内電話との切り替えを行う）、FBG3アンテナセレクター（アンテナと波長の切り替えを行う）、固定アンテナ、曳航アンテナ（長さ110-330m）からなる。S10Lは使用周波数300-600kHz、出力70Wで、A1信号波（モールス信号）またはA2信号波（AMモールス信号）を使用する。S10Kは使用周波数3000-6000kHz、出力40Wまたは70Wで、A1信号波またはA2信号波を使用する。E10Lは使用周波数300-600kHzで、A1信号波、A2信号波、A3信号波（AM無線電話）を受信する。E10Kは使用周波数3000-6000kHzで、A1-A3信号波を受信する。これだけだと無線電話が送信できないので、TZG10無線電話装置を追加して運用した。参考：月刊航空ファン3,’13

＜ＦｕＧ１１＞：ドイツ陸軍の無線機システム。送信機（出力100W）、受信機、フレームアンテナからなる。使用周波数0.2-1.2MHz及び0.1-6.97MHz。司令部との連絡用としてSd.Kfz.232（Fu）に搭載された。後にアンテナが長さ9mの巻き上げ式となった。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１２＞：ドイツ陸軍の無線機システム。送信機（出力80W）、受信機、長さ2mの棒状アンテナからなる。使用周波数1.12-3MHz、0.835-3MHz。ルクスやSd.Kfz.234などに搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１３＞：ドイツ陸軍の指揮車両用無線機システム。FuG6の受信機を２基に増やしたもので、出力20Wの送信機と長さ2mの棒状アンテナを持つ。使用周波数27.2-33.3MHz。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１５＞：ドイツ陸軍の突撃砲用受信専用無線機。長さ2mの棒状アンテナを使用する。使用周波数23-24.95MHz。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１６＞：ドイツ陸軍の突撃砲用無線機。送信機（出力10W）、受信機、長さ2mの棒状アンテナから構成される。使用周波数23-24.95MHz。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦｕＧ１６＞：ドイツ空軍のAM空対地無線機。1941年以前に配備された。使用周波数38-48MHz。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜ＦｕＧ１６Ｚ−Ｅ＞：地上管制局からの指示を受信するためのモラーネ・アンテナを装備する他、方向探知能力が追加されており、方向探知用ループアンテナも装着する。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜ＦｕＧ１６ＺＹ＞：Ｙシステムと呼ばれる地上管制システムに対応したもの。モラーネ・アンテナと方向探知用ループアンテナを装備する他、コクピット内操作で４チャンネルを使い分けることが出来る。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＦｕＧ２４＞：ドイツ空軍のAM空対地無線機。1943年以前に配備された。使用周波数37-50MHz。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＦｕＧ２５シリーズ＞：ドイツ空軍の敵味方識別装置。世界初の電波式IFFで、1941年秋から配備された。地上レーダーに装備された発信器からの質問信号を受け取り、応答パルス（識別信号と位置標識信号）をモールス信号で送り返す。参考：月刊航空ファン8,’09、世界の傑作機No.157

　＜ＦｕＧ２５＞：別名ツヴィリンク（Zwilling、双子）。BG25スイッチボックス、VK25、WK25、SE25aロータリーインバータ（送受信機）、AAG25から構成される。アンテナはロッド式。探知距離268km、受信周波数123-128MHz（160MHz？）、送信周波数150-160MHz（560MHz？）。送信機はFuMG62(39T)ヴュルツブルグ・レーダーに取り付けられる。BG25はコクピット内に装備され、質問波を受信するとランプが付き、ボタンを押すと応答波が発信される。10000セット以上が生産された。参考：月刊航空ファン8,’09、3,’13、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜ＦｕＧ２５ａ＞：改良型で、別名エルストリンク（Erstling、処女作）。送信機と受信機を一体化し、FuMGフレイア地上警戒レーダーやFuMG402ヴァッサーマン・レーダーなどにも対応させたもので、1942年頃から終戦までに8000セット以上が生産された。パイロットは10個の爪を持つ鍵を２つ持っており、暗号に従って工具で爪を折り取って送受信装置に差し込む。すると、TG25信号発生装置の電動カムにより、折り取られた部分でモールス信号が発生し、これを応答波としてモールス信号用AM波であるA2信号波（周波数160MHz）で発信する。アンテナは長さ350mmのホイップアンテナ。敵の手に渡ると一大事なので、コクピットには自爆スイッチが用意された。参考：月刊航空ファン8,’09、3,’13、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＦｕＧ３７（ｔ）＞：チェコスロバキア製装甲車両に装備されていた無線機のドイツ陸軍名称。送信機（出力10W）、受信機、棒状アンテナからなる。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＵＧ６５＞：BRDM2海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＦｕＧ１０１＞：ドイツ国防軍の電波高度計。左主翼下に送信用と受信用アンテナを１本ずつ取り付け、夜間悪天候時の低空飛行で使用する。Fw190F-8やG-8の一部が装備した。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＦｕＧ１２２＞：ドイツ国防軍の航法装置。イギリスのTR1355Mk2のコピーで、使用する地図もコピーしていた。1944年2月24日にイギリス本土上空で撃墜されたJu188に搭載されていた。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＧ２０２＞：ドイツ国防軍夜間戦闘機用機上レーダー、別名リヒテンシュタインBC1（Lichtenstein BC1）。テレフンケン社がリヒテンシュタインＢ電波高度計／電波航法装置をベースに1939年から開発し、Do215に搭載されて1941年8月8-9日（9-10日説あり）にウェリントンを撃墜して初戦果を挙げた。9月にはDo215B-5による実戦テストで爆撃機６機を撃墜し、制式化された。機首四隅に八木アンテナ（前後２本のロッドアンテナを縦横４つ組み合わせる）を４セット装着する。機内には３管ディスプレイSG202を搭載し、レーダー手が横一列に並んだ方位用ディスプレイ、俯仰角用ディスプレイ、距離用ディスプレイを見て敵の位置をパイロットに知らせる。使用周波数490MHz（UHF帯）、使用波長メートル波（0.6m）、出力1.5kW、探知距離180-3200m、探知角60度。重量70kg。1941年末（1942年2月？1943年？）から量産され、1943年から実戦配備された。1943年5月9日にこれを装備したJu88夜間戦闘機が間違ってイギリスの基地に着陸してしまい、イギリスによって詳細な調査が行われた。その結果、電波の放射角が30度と狭いことが判明、電波妨害が可能であると判断され、パイプラックと呼ばれる機上妨害装置を開発した。参考：世界の傑作機No.157、グラフィックアクション29、月刊軍事研究8,’01 、英独航空決戦、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＧ２１２＞：ドイツ国防軍夜間戦闘機用機上レーダー、別名リヒテンシュタインC-1（Lichtenstein C-1）。ほぼFuG202と同じで、ディスプレイは３管式のSG212を使用する。使用周波数420-490MHz（UHF帯）。参考：世界の傑作機No.157、月刊航空ファン5,’17

＜ＦｕＧ２１２（ａ）＞：ドイツ国防軍夜間戦闘機用機上レーダー、別名リヒテンシュタインC-1W（Lichtenstein C-1W。Ｗは広域角Weitwinkelの略）。FuG212のアンテナをダイポールアンテナに変更し、探知角を120度に広げたもので、FuG220の近距離死角をカバーするために使用された。ディスプレイはSG212または２管式のSG212a。探知距離200-2000m。参考：世界の傑作機No.157

＜ＦｕＧ２１６＞：ドイツ国防軍単座夜間戦闘機用機上レーダー、別名ネプツーンＶ（Neptun V）。胴体前部、後上面、両主翼付け根上下面にロッドアンテナを3-4本ずつ取り付ける。使用周波数125MHz（メートル波）、有効探知距離500-3500m。計器板左上にレーダースコープがあり、陰極線管３本に表示される輝線を見て距離と方位を判断する。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＦｕＧ２１７＞：ドイツ国防軍単座夜間戦闘機用機上レーダー、別名ネプツーンJ-2（Neptun J-2）。アンテナはFuG216と同様の位置に取り付ける。使用周波数158-187MHz（メートル波）、有効探知距離400-4000m。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＦｕＧ２１８シリーズ＞：ドイツ国防軍単座夜間戦闘機用機上レーダー。FuG217ネプツーン・リリプートとFuG226ノイリンクを一体化したもので、ジーメンス社が開発した。参考：世界の傑作機No.157

＜ＦｕＧ２１８ネプツーンＪ−３＞：Neptun J-3。FuG217のアンテナを八木アンテナに変更し、両主翼前縁または機首に取り付けたものである。周波数158-187MHz（メートル波）。探知距離が140-4800mと短いのと、八木アンテナなので前方しか捜索できないのが欠点だった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、グラフィックアクション29

＜ＦｕＧ２１８ネプツーンＶ−１＞：Neptun V-1。探知距離120-5000m。Bf110G、Ju88G、Me262Bなどが装備しており、Bf110Gなどは後方警戒レーダーも併用した。Bf110GとJu88Gではモルゲンシュテルン２低抵抗アンテナを採用しており、機首に短い円柱状の支柱を取り付け、その先端から斜め４方向に平たい支柱を伸ばし、それぞれにダイポールアンテナ２本からなる八木アンテナを装着するタイプとなっている。参考：世界の傑作機No.157

＜ＦｕＧ２２０シリーズ＞：ドイツ国防軍夜間戦闘機用機上レーダー、別名ヒルシュゲヴァイ（牡鹿の角）。参考：世界の傑作機No.157、連合軍の傑作兵器駄作兵器、グラフィックアクション29

＜ＦｕＧ２２０＞：別名リヒテンシュタイン（Lichtenstein）SN-2。FuG213リヒテンシュタインＳ対水上レーダーを改造したもので、ウィンドウ対策として使用周波数を90MHz（VHF帯）に、使用波長を3.5mにした。ダイポールアンテナ２本を支柱に垂直に装着し、機首の４隅に取り付ける。ディスプレイは２管式のSG220で、周囲にゴム製のバイザーを装着して見やすくした。探知距離410-6400m（300-4000m？）。1944年初めから実戦投入されて高い効果を上げたが、1944年7月13日にこれを装備したJu88Gが間違ってエセックス州ウッドブリッジに着陸してイギリスに鹵獲され、イギリス側は新型チャフのロープを開発して対抗した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、グラフィックアクション29、世界の傑作機No.157、月刊航空ファン5,’17

＜ＦｕＧ２２０ｂ＞：別名リヒテンシュタイン（Lichtenstein）SN-2b。FuG212(a)と組み合わせて近距離の死角を狭くしたタイプ。参考：世界の傑作機No.157

＜ＦｕＧ２２０ｃ＞：別名リヒテンシュタイン（Lichtenstein）SN-2c。FuG220bからFuG212(a)を省いたもの。参考：世界の傑作機No.157

＜ＦｕＧ２２０ｄ＞：別名リヒテンシュタイン（Lichtenstein）SN-2d。ダイポールアンテナを45度傾け、ビーム幅を狭くしてウィンドウの妨害を受けにくくしたもの。後方警戒レーダーと組み合わせて使用したらしい。参考：世界の傑作機No.157

＜ＦｕＧ２２７＞：ドイツ国防軍機上逆探装置、別名フレンズブルグ（Flensburg）。イギリス空軍のモニカ機上後方警戒レーダーが発する電波を逆探知するもので、ジーメンス社が開発した。ダイポールアンテナ２本を支柱に水平に取り付け、主翼端から斜め前方に突き出させている。使用周波数30-230MHz、探知距離100-200km以上、追尾距離72km。参考：世界の傑作機No.157、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＧ２４０＞：ドイツ国防軍のレーダー、別名ベルリン。使用波長10cm。10基が製造されたところで終戦になった。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＧ３５０＞：ドイツ国防軍機上逆探装置、別名ナクソス（Naxos Z）。H2Sレーダーの電波を逆探知する。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、世界の傑作機No.157

＜ＦｕＧ　Ｓｐｒ＞：ドイツ陸軍の車両間交信用無線機。長さ1.4mまたは2mの棒状アンテナを使用する。戦車以外の装甲車両に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＵＪＩ８０＞：フジ80（日英共同訓練）を参照。

＜ＦｕＭＢ＞：電波観測装置のドイツ語略。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦｕＭＢ１＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知機、別名メトックス（Metox）、通称ビスヤカ・クロイツ（ビスケー・クロス）。1942年から連合軍がASV　Mk1/Mk2対水上レーダーを装備し、ビスケー湾を航行するＵボートを24時間監視攻撃するようになったため、ドイツ海軍はレーダー波の使用波長をVHFであると推定、これを逆探知すべく器材を探したところ、フランスのメトックス・グランディン社製VHF受信器R.600が見つかり、急遽作成した。波長1.3-2.6mの電波を受信して警報を出す装置で、本格的なアンテナを装備すると耐圧船殻に孔を開けるといった大改修が必要になるため、十字に組んだ木の棒の頂点同士をアンテナ線で結んだ簡易アンテナで済ませ、ケーブル２本で本体に接続した。このアンテナは艦橋の専用支持架に取り付けて当直員が手回しで90度旋回させ、通信室の操作員（専用の下士官が配置された）が本体を操作し、電波をキャッチするとスピーカーから警告音が出る。水中航行に耐えられないため、潜航時には乗員が外して艦内に収容したが、ケーブルがハッチに挟まると浸水する恐れもあった。探知範囲30km。1942年8月から1942年末までに全てのＵボートに配備し、フランス沿岸の海軍第２電波師団にも海上警戒用として14基配備した。1943年初めからこれを装備していても攻撃を受ける事態が多発し、マジック・アイと呼ばれる特殊真空管を追加してレーダー波逆探知を視覚的に捉えられるようにしたり、アクティブ赤外線暗視装置による探知を疑って一部のＵボートに赤外線探知機や赤外線吸収塗料を適応したりしたが効果が無く、FuMB1が放射する中間波長の電波（ドイツの調査では高度2000mで46.5km先から探知できた）を逆探知されている可能性が疑われ、1943年7月31日に使用注意の通達が出された。8月13日にイギリスの捕虜がFuMB1の放射現象逆探知を証言したため、8月14日に全面使用禁止が通達されている。ただ実際には連合軍がFuMB1の放射現象逆探知を行っていた事実は無かった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＭＢ７＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知機、別名ナクソス（Naxos）。1942年3月以降に撃墜した連合軍対潜哨戒機からASV Mk.3対水上レーダーを復元してテストしたところ、波長9.7cmの電波を使用していることが判明したため、これに対応する電波探知機として開発された。クューバ�Tａ型パラボラアンテナ（通称フリーゲ、蝿）により波長8-12cmの電波を探知するが、俯仰方向が10度しかカバーできず、最大警告距離も5kmと短く退避猶予時間が僅か１分間で、アンテナが非耐圧のため潜航時に外す必要があった。1943年11月から配備された。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＭＢ９シリーズ＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知機、秘匿名ツェーペルン（Zypern、キプロス島）、別名ヴァンツ（波長警告装置の略）、通称ハーゲヌク（開発したドイツの電気企業ハーゲヌク社から）。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ヴァンツＧ１＞：直径200mm・高さ100mmの金網状アンテナに小さいダイポールアンテナを取り付けた円形ダイポール（ルントディッポル）アンテナを使用し、波長1.2-1.8mの電波を探知する。1943年8月にＵボートに装備されてテストが始まったが、9月20日にリベレーターに襲撃された際に作動せず、10月と11月5日にも作動しない事態が生じたため、使用禁止にされてしまった。参考：Ｕボート入門

＜ヴァンツＧ２＞：自ら電波を発してしまうという欠点を改良したもの。その分探知能力が削られてしまい、役に立たなかった。参考：Ｕボート入門

＜ＦｕＭＢ１０＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知器、別名ボルクム（Borkum）。水晶発振器を使用しており、波長0.75-3.3mの電波を探知できる。探知距離が短い、音声警告装置が無い、センチメートル波レーダーに対応できないといった欠点があったが、FuMB9に代わりＵボートに搭載され、終戦まで使用された。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＭＢ２３／ＦｕＭＢ２８＞：ドイツ海軍の電波探知器、別名ナクソスZM。FuMB7の改良型で、毎分1300回転するアンテナで電波を探知し、CRTモニターに表示する。Ｓボートに搭載された。Ｕボート用も開発されていたが、実用化前に終戦を迎えた。参考：Ｕボート入門

＜ＦｕＭＢ２４＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知器、別名フリーゲ。8-20cm波長の電波に対応する。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＭＢ２６＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知器、別名ツニス（Tunis、チュニス）。AN/APS-4を逆探知するムュケ（ブヨの意）が開発されたため、これをＵボートに装備しようとしたが、既に艦橋はFuMB7/FuMB9/FuMB10のアンテナで占領されており、格納に手間もかかるので、FuMB7のアンテナと背中合わせに一体化したものである。波長9cm（対ASV Mk3）及び3cm（対AN/APS-4用）の電波に対応しており、探知距離70km。1944年5月から配備されたが、アンテナが非耐圧で、潜航前に乗員が船内に格納する必要があった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＦｕＭＢ２９＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知器、別名バーリ（Bali）。以前の電波探知器のアンテナが非耐圧で潜航の度に格納しなければならなかったため、耐圧式にしてセイルに固定できるようにしたものである。ダイポールアンテナを円筒型ワイヤーゲージで囲ってあり、100km以上先から照射された波長0.75-3mの電波を探知できる。1942年中頃から配備された。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦｕＭＢ３５＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知器、別名アトス（Athos）。FuMB26のアンテナを耐圧式にしたもので、耐圧潜望鏡上部に環状アンテナ２基を装着する。上部アンテナはリング状アンテナ32個からなり、Ｘバンド帯を探知する。下部アンテナはリング状アンテナ16個からなり、Ｓバンドを探知する。完成前に終戦となった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦｕＭＢ３７＞：ドイツ海軍Ｕボート用電波探知器、別名レーロス（Leros）。FuMB35とFuMB29を結合したものである。1944年9月から開発したが、完成前に終戦を迎えた。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦｕＭＧ早期警戒レーダー・シリーズ＞：ドイツ国防軍の早期警戒レーダー、別名フレイア（Freya）。フレイアは北欧神話の女神で、護衛が昼夜にわたり数百キロメートル彼方を監視していることから名付けられている。1930年代から対空用センチメートル波レーダーとして海軍が設計したが、十分な出力のあるマグネトロンを開発できず、波長を1.8mのメートル波に変更して試作、最終的に波長2.4mにして完成した。移動可能なため、防空陣地だけでなく、野戦防空部隊にも配備されたが、空軍が必要性を認めなかったため、1937年から量産に入ったにも関わらず、第２次大戦開戦時には防空陣地に数基しか設置されていなかった。参考：英独航空決戦、歴史群像4,’11、世界の傑作機No.157

　＜ＦｕＭＧ．３９Ｌ＞：ローレンツ社が開発した。送信周波数560MHz、有効探知距離10-25km、距離精度20-25m、方位精度2-3度。参考：歴史群像4,’11

　＜ＦｕＭＧ．４０Ｌ＞：ローレンツ社が開発した。送信周波数556MHz、有効探知距離25-40km、距離精度30-40m、方位精度10-16度。参考：歴史群像4,’11

＜ＦｕＭＧ．Ａ１＞：AEG社が開発し、５基が配備されて1940年から運用された。使用周波数126MHz、使用波長2.4m、方位精度5-10度。大型爆撃機を高度8000mなら120km、高度1000mなら60kmで探知できる。アンテナはワイヤーメッシュ前方にダイポール空中線を取り付けたもので、ビーム幅を絞り、アンテナを全周旋回させて捜索を行う。IFFも組み込まれていた。高度判定は出来ないので、ヴュルツブルグ・レーダー２基と共にヒンメルベットの一部として用いられた。イギリスはオスロ・レポートとウルトラ情報で存在を掴み、1940年末にコタンタン半島先端のオーデルヴィル村に偵察機を飛ばしてアンテナを発見した。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊軍事研究7,’08、連合軍の傑作兵器駄作兵器、歴史群像4,’11

＜ＦｕＭＧ．Ａ２＞：AEG社が開発し、1940年から配備された。送信周波数480MHz、有効探知距離8-10km、距離精度100m、方位精度0.25度。参考：歴史群像4,’11

＜ＦｕＭＧ３９Ｌ＞：FuMGシリーズ（早期警戒レーダー）を参照。

＜ＦｕＭＧ３９Ｌ（Ａ２）＞：ドイツのローレンツ社が開発した航法用機材で、射撃用レーダーとしても使用された。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜ＦｕＭＧ４０Ｌ＞：FuMGシリーズ（早期警戒レーダー）を参照。

＜ＦｕＭＧ４０Ｌ（Ａ２）＞：ドイツのローレンツ社が開発した航法用機材で、射撃用レーダーとしても使用された。参考：月刊グランドパワー9,’04

＜ＦｕＭＧ６２（３９Ｔ）＞：ドイツ国防軍の射撃指揮レーダー、別名ヴュルツブルグ（Würzburg）。1935年からテレフンケン社が開発し、1940年から4000基が生産された。使用周波数565MHz・使用波長53cm（51cm？）のセンチメートル波レーダーで、直径3mのパラボラ・アンテナを持ち、中央に旋回式電波発信用ポールがあって、コニカル・スキャンにより目標自動追尾を行える。右には操作員が配置され、俯仰（プラスマイナス90度）旋回（全周）操作を行う。その他４名が運用にあたる。重量1500kg。捜索距離40km、距離精度プラスマイナス20m（1.6km？）、方位・高低精度プラスマイナス1/3度。Sd.Ah.104を前後に装着して移動も可能。FuMGフレイア早期警戒レーダーと共にヒンメルベッドを構成する。黄作戦頃から高射砲部隊に配備された。探知距離64kmの改良型も製作され、1500基が迎撃管制に使用された。第２次大戦中にイギリス軍がビッティング作戦でレーダー主要部品を奪取し、これを元にしてしばしば妨害をかけたので、広帯域対応にして使用周波数をずらしたり、ヴェルツラス装置・タウナス装置・ニュルンベルグ装置を付加してチャフを判別したりした。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊軍事研究12,’08、7,’08、英独航空決戦、連合軍の傑作兵器駄作兵器、グラフィックアクション29、世界の傑作機No.157

＜ＦｕＭＧ６２（３９Ｔ）海外シリーズ＞

　＜ヴュルツブルグ（日本軍）＞：日本軍の射撃指揮レーダー。昭和16年3月23日、ドイツを視察中の日本海軍技術者がヴュルツブルグを視察した。日本陸軍が技術導入を図り、第２次大戦に日本が参戦したのをきっかけに輸入が認められ、潜水艦で持ち帰ろうとしたが１度は失敗。技術資料だけ入手できたので、陸軍多摩技術研究所で八木アンテナを４本纏めた佐竹式ウルツブルグレーダー（た号改４型。使用周波数200MHz）を開発し、東芝で昭和19年秋に試作機を完成させ、テストを行っている。日本海軍でも技術資料を二二型電探の改良に使った。ヴュルツブルグの実物は昭和18年12月にイタリア潜水艦で日本に到着し、陸軍多摩技術研究所に持ち込んで研究を開始、昭和19年4月から日本無線で製作を始めたが、空襲と工場疎開で完成が昭和20年7月末にずれ込んだ。久我山の高射砲陣地に五式十五糎高射砲と共に配備されたが、実戦使用可能となる前に終戦を迎えた。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊軍事研究8,’08、海軍技術研究所

＜ＦｕＭＧ６３＞：ドイツ国防軍の高射砲管制用コニカルスキャンレーダー、別名マインツ。1941年から51基が配備された。参考：歴史群像4,’11

＜ＦｕＭＧ６４（４１Ｔ）＞：ドイツ国防軍の10.5cm高射砲・迎撃管制レーダー、別名マンハイム。Flak37のコマンド・ゲラーテ40に対してデータを自動送信できる。Sd.Ah.204を前後に付けて移動が可能。コニカルスキャンレーダーで、使用周波数560MHz、有効探知距離25-35km（高度10000m）、距離精度10-18m、方位精度プラスマイナス2.3-4.3度、高度精度プラスマイナス2.5-16度。1944年8月から実戦配備された。参考：歴史群像4,’11、月刊グランドパワー9,’04

＜ＦｕＭＧ６５＞：ドイツ国防軍のレーダー、別名ヴュルツブルグ・リーゼ（Würzburg Riese、巨大ヴュルツブルグ）。FuMG62(39T)ヴュルツブルグの改良型で、直径7.6mのメッシュ式パラボラアンテナを持つコニカルスキャンレーダーで、アンテナ背後に密閉式操作室を配置、４管式ディスプレイを使用する。総重量13トン以上で、移動は諦めて固定式施設とされた。送信周波数560MHz、探知距離26-65km、方位精度3-16度。452基が生産され、12.8cmFlak40高射砲塔の管制用として使用された。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊軍事研究7,’08、歴史群像4,’11、世界の傑作機No.157

＜ＦｕＭＧ７４＞：ドイツ国防軍のレーダー、別名クルムバッハ。1943年から高射中隊に１基ずつ配備された。参考：歴史群像4,’11

＜ＦｕＭＧ７６＞：ドイツ国防軍のレーダー、別名マルバッハ�X。1944年から配備された。参考：歴史群像4,’11

＜ＦｕＭＧ４０２＞：ドイツ国防軍の測高レーダー、別名ヴァッセルマン。最大探知距離190km。参考：月刊軍事研究7,’08

＜ＦｕＭＯ＞：電波探知機器の略で、ドイツ海軍レーダーのこと。参考：Ｕボート入門

＜ＦｕＭＯ２２＞：ドイツ海軍の水上艦用レーダー。使用波長は81.5cm。参考：グラフィックアクション44

＜ＦｕＭＯ２３＞：ドイツ海軍の射撃指揮レーダー。GEMA社製。アンテナはベッド・スプリング型、ピーク出力1kW、使用波長81.5cm。参考：グラフィックアクション44

＜ＦｕＭＯ２９＞：ドイツ海軍のＵボート用対空・対水上レーダー、別名ゲマ（メーカーがゲマ社だったので）。ダイポールアンテナが水平２段に並んでおり、上段が送信用、下段が受信用である。これを艦橋左右に３基ずつ設置して位相変調をかけ、艦首両方向10度を捜索する。アンテナか艦を旋回させれば捜索角度を広げることが可能。使用周波数382MHz。探知距離7.5km（水上艦）／15km（高度500m航空機）。1942年初め（夏？）からU-156やU-230など数隻に配備されたが、性能が悪く、FuMO61が開発されることとなった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦｕＭＯ３０＞：ドイツ海軍のＵボート用レーダー。長方形の枠の前面にダイポールアンテナ４組、後面に八の字アンテナが付いており、使用時に艦橋上に取り付け、艦内通信室から手動遠隔操作で旋回させる。1942年夏から配備されたが、性能が悪く、FuMO61が開発されることとなった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦｕＭＯ６１＞：ドイツ海軍のＵボート用レーダー、別名ホーエントヴィールＵ（Hohentwiel U）。空軍のFuMG200ホーエントヴィールをＵボート用に改造したもので、幅1.5m・高さ1mのアンテナ枠にダイポールアンテナを６列４段で取り付けている。使用波長53cm。探知距離15-20km（低空飛行航空機）／7km（水上艦）。1944年3月に完成し、Ｕボートに順次搭載された。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ＦｕＭＯ６５＞：ドイツ海軍のＵボート用レーダー、別名ホーエントヴィール・ドローフ（Hohentwiel-Drauf）。FuMO61の改良型で、Ｕボート�]�]�T型に配備された。参考：ナチスＵボート

＜ＦｕＭＯ８４＞：ドイツ海軍のＵボート用試作レーダー、別名ベルリンＵ�U（Berlin U�U）。使用波長9cm。試作中に終戦となった。参考：ナチスＵボート

＜ＦｕＭＯ３９１＞：ドイツ海軍のＵボート�]�]�T型用試作二次元対空レーダー、別名レッシング（Lessing）。シュノーケル先端にダイポールアンテナを取り付けてあり、探知距離は落ちるがシュノーケル航行中でも使える。使用波長2.4cm。探知距離30km（高度2000mの航空機）／10km（低空飛行）。試作中に終戦となった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜Ｆｕ　Ｐｚ　Ｗｇ＞：Funkpanzerwagen（無線操縦戦車）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｆｕ　Ｓｐｒ＞：Funksprechgerat（無線電話機）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＵＷＥＳ＞：ドイツ海軍がF125型フリゲートに搭載予定の戦闘管制システムで、Fuhrungs Und WaffenEinsatzSystem（指揮管制武器展開システム）の略。スウェーデン海軍R2000型ハミナ級コルベットに搭載されているANCSの改良型で、IBN（Integrated Board Net）という処理能力分散型ネットワークにより、センサー、武器、サブシステムなどを統合する。参考：月刊軍事研究5,’09

＜Ｆｕ　Ｗｇ＞：Funkwagen（無線車）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＶ−３＞：フランス軍のSAMP250汎用爆弾（高抵抗型）用サブスケール訓練爆弾。全長740mm、直径99mm、重量4kg。参考：月刊JWings5,’13

＜ＦＶ−４＞：フランス軍のSAMP250汎用爆弾（低抵抗型）用サブスケール訓練爆弾。全長900mm、直径99mm、重量16kg。参考：月刊JWings5,’13

＜ＦＶ１０１＞：スコーピオン・シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＦＶ１０２＞：ストライカー（自走対戦車ミサイル車両）を参照。

＜ＦＶ１０３＞：スコーピオン装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ１０４＞：スコーピオン装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ１０５＞：スコーピオン装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ１０６＞：スコーピオン装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ１０７＞：スコーピオン・シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＦＶ１８０ＣＥＴ＞：イギリス陸軍の戦闘工兵車。1960年代後半から西ドイツと共同開発したが、途中で西ドイツが抜けてイギリスでのみ採用された。装軌車体の後部にバケットドーザーを装備する。下部転輪はダブルタイプ片側４組、起動輪は前方、誘導輪は接地式で後方にあり、上部転輪は無い。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＦＶ２１４シリーズ＞：イギリス陸軍重戦車（Heavy Gun Tank）、別名コンカラー。ソ連のIS-3重戦車に対抗すべく開発され、最前線で近接戦闘するセンチュリオンを遠距離砲撃で支援するのを主任務とする。戦車連隊１個あたり小隊３個が配備され、センチュリオン中隊１個をコンカラー小隊３両１個で支援する。運用試験用にFV221カーナヴォン（カーナベアン？）を10両作り、コンカラーは159両が生産された。1963年に第一線配備を解かれ、1966年に全て退役した。参考：月刊PANZER12,’03、6,’98、月刊軍事研究3,’12

＜コンカラーＭｋ．�T＞：車体は装甲鋼板の溶接製で、車体前部右が操縦席、左が弾庫、中央が戦闘室、後部が機関室。下部転輪は小型転輪片側８個で、サスペンション・ボギーに２個１組で取り付けられ、誘導輪が前部、起動輪が後部にあり、上部転輪は片側６個、短い装甲スカートを持つ。戦闘室に砲塔が載り、主砲はアメリカの高射砲を元に開発した120mmライフル砲L1A1またはL1A2で、砲身中央にカウンターウェイトが付いている。電動水平鎖栓式閉鎖器と油圧式駐退機２本を装備し、後座長は460mm。弾薬は装薬分離式、弾種はAPDSとHESHの２種類のみで、装弾数35発。砲の俯仰は動力制御で、車両速度が2.5kmを越えると振動による俯仰装置の損傷を防ぐためにロックされる。空薬莢は排莢シュートに落下し、チェーン駆動式ホルダーが砲塔右側面のイジェクションポートから自動排莢する（故障も多かったが）。副武装は主砲右の7.62mm同軸機銃１丁と車長用キューポラの7.62mm機銃１丁で、弾薬7500発を搭載する。砲塔内には右前方に砲手、左前方に装填手、後部中央に車長が座る。車長用キューポラは射撃統制ターレットとも呼ばれ、砲塔後部中央にあり、砲塔と別個に旋回できる。車長用主照準器は倍率６倍の双眼式ペリスコープで、左の接眼部に砲手用照準器と同じレンジ・スケールが表示される。また、キューポラを貫いて基線長1245mmの合致式測遠機を装備する。車長用主照準器と合致式測遠機は連動しており、照準器に捉えた目標の距離を測遠機が計測し、データを照準操作システムに送付、車長のスイッチ操作で砲塔が目標に向け旋回する。また、キューポラは目標に正対する位置で安定化される。砲塔が目標に正対すると、車長用主照準器の右接眼部に照準環が示され、微修正をした後、車長または砲手が発砲する。このキューポラは戦艦の測距儀と射撃統制室にあたるもので、遠距離射撃時の正確な命中を期するために採用された。重量65トン。装甲厚は車体前面130mm30度、側面76mm90度、後面38mm90度、上面44mm０度、底面20mm０度、主砲防楯203mm、砲塔前面89mm、側面89mm、後面70mm、上面51mm０度。エンジンはロールスロイス製ミーティアＶ型12気筒水冷式ディーゼルOHV M120（810馬力）、最大速度34km、燃料搭載量1000リットル（機関室左右）、航続距離110km。参考：月刊PANZER12,’03、6,’98、月刊軍事研究3,’12

　＜コンカラーＭｋ．�U＞：砲身中央のカウンターウェイトと同じところに排煙器を装備し、操縦手席前方のペリスコープを小型のもの３個から大型のもの１個に変更、砲塔後部に荷物収納用ラックを新設した。全長11.58m、全幅3.99m、全高3.35m、戦闘重量66.04トン。最大速度34km、燃料搭載量1000リットル、航続距離153km。参考：月刊PANZER12,’03

＜コンカラーＭｋ．�V＞：最多量産型。参考：月刊PANZER6,’98

＜ＦＶ２２１＞：イギリス陸軍試作重戦車、別名カーナヴォン。FV200系の車体にセンチュリオンMk.3の砲塔を搭載したものである。FV214重戦車生産前の運用経験を積むための車両で、1952年から10両のみ製作された。参考：月刊PANZER12,’03

＜ＦＶ４１１ＨＲ＞：航空自衛隊のTW4セミトレーラ用６トン（６×４）トラクタ。全長6.66m、全幅2.48m、全高3.1m、車重8.72トン。エンジンは8M20直列８気筒ディーゼル（総排気量20089cc、出力375馬力）、トランスミッションはM130S2×5、前進L5段・H5段、後進L1段・H1段、最大速度85km。燃料タンク容量200リットル。最大積載量11トン。乗員３名。参照：自衛隊装備年鑑1996

＜ＦＶ４３０シリーズ＞：イギリス陸軍の装軌式装甲車。FV432の改良型である。参考：月刊軍事研究9,’07

　＜ＦＶ４３０Ｍｋ２＞：エンジンをK60ディーゼル（210馬力）に換装したもの。参考：月刊軍事研究9,’07

　＜ＦＶ４３０Ｍｋ３＞：エンジンをカミンズ6BTT（250馬力）、トランスミッションをアリソン社製４速に変更し、ステアリングやブレーキなどにも改良を加えたタイプ。900両前後が2011年まで使用される予定である。参考：月刊軍事研究9,’07

　＜ブルドッグ＞：Mk3の装甲強化型Bulldog。FV432の歩兵戦闘車化計画がベースである。車体全周にイスラエルのラファエル社が開発した分厚い爆発性反応装甲を追加しており、車体前面左の機関室前面のみ重量軽減と整備性を兼ねてスラット装甲となっている。武装は車長用の防楯付き7.62mm機銃１丁で、狙撃探知機を装備する。一部に7.62mmまたは12.7mm機銃搭載遠隔操作銃塔を装備したタイプもある。2006-11年に900両が生産される予定。2007年からイラクに派遣されている。参考：月刊軍事研究9,’07、11,’07

＜ＦＶ４３２シリーズ＞：イギリス陸軍装甲車。1958年から開発され、1963-71年に3000両以上が生産され、ウォーリアと交代しながらも21世紀になっても1700両以上が使用されている。参考：月刊グランドパワー8,’04

　＜ＦＶ４３２Ｍｋ１＞：車体は箱形で、装甲鋼板全溶接製、装甲厚6-12mm。車体左側面前部に消音器のボックスがあり、そこから排気管が車体最後部まで伸びている。右側面にはエアフィルター・ユニットを外装する。車体後面に手動右開きの一枚ドア、車体上面右前部に操縦手用ハッチ、右中央に車長用ハッチ、兵員室上面に両開きのハッチがある。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪片側２枚と短いスカートを持つ。車体周囲に浮航スクリーンを張ると水上航行が可能である。NBC防護装置付。全長5.25m、全幅2.8m、全高2.52m、重量15.28トン。エンジンは液冷６気筒ディーゼル（240馬力）、最大速度52km、航続距離480km。乗員２名＋乗車兵員10名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER10,’12

　＜ＦＶ４３２Ｍｋ２＞：Mk1の排気管を車体上部から出したタイプ。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＦＶ４３２Ｍｋ２／２＞：Mk2のエアフィルター・ユニットを車内に収容したタイプ。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＦＶ４３２ファミリー＞

　＜ＦＶ４３２装甲救急車＞：救急車型。負傷者最大５名を後送できる。参考：月刊グランドパワー4,’95

　＜ＦＶ４３２装甲指揮車＞：指揮車型。スライド式作戦地図用ボード、折り畳み式テーブル、UK/VRC系無線機を搭載し、大隊幕僚５名が乗車する。装甲兵員輸送車型にキットを付けるだけで改造できる。参考：月刊グランドパワー4,’95

　＜ＦＶ４３２自走迫撃砲＞：自走迫撃砲型。81mm迫撃砲を車体後部に搭載する。参考：月刊グランドパワー8,’04

　＜ＦＶ４３２自走無反動砲型＞：自走無反動砲型。120mm無反動砲ウォンバットを搭載する。参考：月刊PANZER10,’12

　＜ＦＶ４３２対迫レーダー車＞：対迫レーダー車両型。兵員室上面に旋回架台を設け、シンブリン対迫レーダーの曲面アンテナを装着している。ユーゴ内戦に派遣されてセルビアの迫撃砲弾探知に使用された。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

　＜ＦＶ４３２ラーデン砲塔＞：偵察・火力支援型。スコーピオン・シミターと同じ30mmラーデン砲塔を搭載する。参考：月刊PANZER10,’12

　＜ＦＶ４３４ＡＲＶ＞：装甲回収車型。車体中央から後部にかけての天井を外して貨物積み込みスペースを確保、車内中央右側にクレーン（1250kgまでなら3.96m、3050kgまでなら2.26mの吊り下げ能力を持つ）を搭載した。車体は少し延長されているが、転輪枚数などは変わらない。車体後部をオーバーハングさせて戦車のパワーパックを搭載できるようにしたタイプもある。王国電気・整備工兵（REME）に配備され、必要に応じて各機械化部隊に配属される。参考：月刊PANZER10,’12、5,’01、10,’01、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＦＶ４３８＞：自走対戦車ミサイル型。スイングファイア対戦車ミサイルを引き込み式に装備しており、目標を発見すると車体上部から仰角30度でミサイル発射機を引き出し、銃塔からミサイル誘導用照準器を上昇させて発射する。参考：月刊丸11,’72

　＜ＦＶ４３９＞：通信車型。車体上面中央左にデータ送信用伸縮式アンテナポールを搭載し、車体上面後部にケーブルリールを装備する。参考：月刊PANZER8,’99、ウォーマシン・レポートNo.26

＜ＦＶ４３３＞：イギリス陸軍105mm自走砲、別名アボット（Abbot、大司教）。25ポンド自走砲セクストンの威力不足とNBC防護能力不足（戦闘室がオープントップ）が露呈してきたため、1950年代から開発され、1961年に試作車が完成した。車体はFV432装甲車がベースで、車体前部右に操縦席、左に機関室、後部に戦闘室という配置である。車体後面には右開きのドアがあり、砲弾を補給しながら連続射撃が可能。トランスミッションは油圧式で、ルックアップ型クラッチ付トルクコンバーターを持つ。前進１速では変速比5.294、操向機減速比2.07、最終減速比4.58、総合減速比50.19で、最大速度8.9km。前進２速では変速比3.810、操向機減速比2.07、最終減速比4.58、総合減速比36.12で、最大速度12.3km。前進３速では変速比2.690、操向機減速比2.07、最終減速比4.58、総合減速比25.51で、最大速度17.5km。前進４速では変速比1.936、操向機減速比2.07、最終減速比4.58、総合減速比18.35で、最大速度24.3km。前進５速では変速比1.309、操向機減速比2.07、最終減速比4.58、総合減速比13.18で、最大速度33.8km。前進６速では変速比1.000、操向機減速比2.07、最終減速比4.58、総合減速比9.48で、最大速度47.5km。後進１速では変速比6.042、操向機減速比2.07、最終減速比4.58、総合減速比57.26で、最大速度7.8km。エンストしてスターターも作動しない時は、ギアをニュートラルに入れて時速16kmくらいで牽引してもらい、トランスミッション制御を３速か４速にセットすると、エンジンがかかる。下部転輪はダブルタイプ片側５組、サスペンションはトーションバー式、第１・第５転輪にバンプストッパが付く。前方に起動輪、後方に誘導輪（履帯張度調整装置付）があり、上部転輪は２個、スカートを装備する。履帯はラバーパッド付きマンガン鋼製シングルピンで、幅340mm、ピッチ116.6mm。浮航スクリーンを展開して水上航行も可能。戦闘室に全周旋回砲塔が載っており、右に砲手と車長、左に装填手が位置する。砲塔上面右には砲手用の旋回キューポラ式望遠鏡式ダイヤル照準器があり、これで方向射界を決める。対戦車用直接照準器もあり、車長によるオーバーライド機能も持つ。砲塔上面右後部に車長用ハッチ、左後部に装填手用ハッチがある。主砲はヴィッカーズ・エンジニアリング・グループが開発した専用の36.8口径105mm榴弾砲L13A1で、砲身中央に砲口排煙器、砲身先端にダブルバッフル式マズルブレーキを備える。緩衝器は油圧式２本、復座装置は油気圧式１本。半自動垂直鎖栓式閉鎖器と電動ラマーを装備し、ラマーにより弾丸を装填した後で装填手が電気着火式雷管付真鍮薬莢に入った装薬を押し込む方式で、発射速度毎分３発（持続）／12発（最大）。俯仰角はマイナス５度からプラス70度で、手動式。砲弾は分離装薬で、L31榴弾（重量16.1kg）34発と粘着榴弾（対戦車用）６発を搭載する。他に訓練弾、発煙弾、照明弾も用意されていて、給弾車に搭載した弾薬を使用して砲撃するのを基本とし、車内に積まれた40発はあくまでも予備弾扱いである。装薬はノーマルチャージ（チャージ1-5の５種類）とスーパーチャージで、両者ともサブゾーン装薬Ａまたはサブゾーン装薬Ｂと組み合わせて使用することもできる。最大射程は17000mと長く、使い勝手は良かったが、155mmクラスに主力が移ったために配備数はさほどでもない。副武装は車長用キューポラ前部の7.62mmブレン機関銃L4A4（1200発）。限定的なNBC状況下戦闘能力を持つ。全長5.84m、車体長5.1m、全幅2.64m、全高2.49m、車両重量14.878トン、戦闘重量16.556トン。装甲厚は車体前側面12mm、後面10mm、底面6mm、上面10mm、砲塔全周10mm、上面12mm。パワーパックはロールスロイス社製K60Mk.4G多燃料２ストローク直列６気筒垂直対向ディーゼルエンジン（240馬力）とアリソン製TX200オートマチックトランスミッション（前進６速、後進１速）、最大速度47.5km、航続距離480km（380km？）。浮航速度5km。無線機はB48超短波無線機。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。1964-67年に155両（146両＋1968年に改良型20両？）が生産され、王立野戦砲兵連隊機甲軽砲兵大隊に18両（中隊３個に６両ずつ）が配備された。また、簡易型がインドに輸出された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER5,’83、8,’01、世界の軍用車両(2)

＜ＦＶ４３３ファミリー＞

　＜ファルコン＞：試作自走高射機関砲。FV433の車体にイスパノスイザ製30mm機関砲HSS831L連装砲塔を搭載したもので、BMARCが開発した。照準は目視のみ。1970年に原型が完成し、イギリス軍がテストしたが、採用されなかった。参考：月刊PANZER5,’83、8,’01

＜ＦＶ４３４＞：FV432装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ４３８＞：FV432装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ４３９＞：FV432装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ５１０＞：ウォーリア・シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜ＦＶ５１１＞：ウォーリア歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＦＶ５１２＞：ウォーリアMRVR（装甲回収車）を参照。

＜ＦＶ５１３ＭＣＲＶ（Ｒ）＞：ウォーリア歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＦＶ５１４＞：ウォーリア歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜ＦＶ６０１シリーズ＞：イギリス陸軍偵察用装輪装甲車、別名サラディン（Saladin）。ダイムラーMk�UやAEC装甲車Mk�Vといった第２次大戦型装輪装甲車の後継として1946年1月からアルビス社が開発し、1953年に試作初号車が完成した。1958-72年に1177両が生産され、1970年代にスコーピオンに後を譲っている。イギリス以外にもインドネシア、ケニア、スーダン、ポルトガル、ヨルダンなど19カ国（17カ国？）に輸出され、21世紀に入っても使用されている。参考：月刊PANZER12,’04、10,’85、世界の軍用車両(4)

　＜サラディンＭｋ．１＞：クロスレイ・モーターズ社生産バージョン。アルビス社がFV603サラセンの量産で忙しかったため、1958年まで生産を担当した。車体は装甲鋼板全溶接製で、前部が操縦室、中央が戦闘室で砲塔が載り、後部が機関室である。機関室上面に６つの吸気口があり、それぞれ装甲カバーがかけられている。足回りは６×６輪で、前２軸がステアする。タイヤは12.00×20で、サスペンションはトーションバー式。砲塔も装甲鋼板全溶接製で、右に車長、左に砲手が位置し、それぞれにハッチが用意されている。砲手用ハッチ前方には２段式ペリスコープがあり、上が等倍の視察用、下が倍率６倍の照準用。当初は２ポンド砲を搭載する予定だったが、威力不足ということで量産型ではL5A1にした。全長5.28m、全幅2.54m、全高2.93m、全備重量11.57トン。武装は76.2mm砲L5A1、7.62mm同軸機銃１丁、対空・対地兼用7.62mm機銃１丁（砲塔上面）。装甲厚は車体前・側面12-16mm、上面10-12mm、底面8-12mm、砲塔前面32mm、側面16mm。エンジンはロールスロイス製B80Mk.6A水冷８気筒ガソリン（170馬力）、最大速度72km、航続距離400km。乗員３名。砲塔両側にスイングファイア対戦車ミサイルランチャーを１基ずつ搭載したものも小数のみ配備された。参考：月刊PANZER12,’04、10,’85、世界の軍用車両(4)

　＜サラディンＭｋ．２＞：アルビス社生産版で、別名FV601(c)、通称アルビス・サラディンMk.2。車体は全溶接構造で、装甲厚は操縦席前方16mm、主砲防楯32mm。サスペンションはトーションバー式完全独立懸架で、前部と中央部の２軸がステアリングする。NBC防護装置、暗視装置は付いていない。砲塔にはロイヤル・オードナンス社製76.2mm砲L5A1（42発）を搭載する。副武装は7.62mmL3A3またはL3A4機銃２丁（2750発。主砲同軸と車長用ハッチ右側対空用）。砲塔前面左右には発煙弾発射機６基ずつを搭載する。エンジンはロールスロイス製B80Mk.6Aガソリン（170馬力）、最大速度72km、航続距離400km。乗員３名（車体前部の操縦手、砲塔右の車長兼装填手、左の砲手）。参考：月刊PANZER5,’01、12,’04

＜ＦＶ６０３＞：イギリス陸軍装輪装甲兵員輸送車、別名サラセン（Saracen）。FV601サラディンをベースにアルビス社が開発し、1952年に試作車が完成、12月に量産を開始、1972年までに1939両が生産された。車体は装甲鋼板全溶接構造で、兵員室スペース確保のためエンジンを前方に移し、ギアボックス、トランスファー、燃料タンクを兵員室床下に配置していて、車内は前方から機関室、操縦室、兵員室という配置である。兵員室後面に両開きの乗降ドアを持つ。シャシーはFV601サラディンと共通で、足回りは６×６輪、タイヤは12.00×20で、サスペンションはトーションバー式、ステアリングは前２軸。操縦室直後のキャビン上にフェレットMk.2/Mk.3と同じ7.62mm銃塔（No.3Mk.�T照準ペリスコープ装備）を搭載しており、兵員室上部のリングマウントにも7.62mm機銃を装備できる。全備重量10.17トン。装甲厚は前側面12-16mm、上面10-12mm、底面8-12mm。エンジンはロールスロイス製B80Mk.6A水冷８気筒ガソリン（170馬力）、最大速度72km。乗員２名（操縦手、銃手）＋乗車人員10名（銃手左に分隊指揮官、右に無線手、兵員室の左右ベンチに４名ずつ）。FV432が配備されるまで前線配備に就いた。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’85、12,’04

＜ＦＶ６０３ファミリー＞

　＜ＦＶ６１０＞：砲兵部隊用コマンド・ポスト型。キャビン天井を高くし、内部のアレンジを変えている。参考：月刊PANZER12,’04

＜ＦＶ６１０＞：FV603装甲車ファミリーを参照。

＜ＦＶ６２２＞：ストルワートMk.2（トラック）を参照。

＜ＦＶ７０１＞：フェレット・シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＦＶ７２１＞：イギリス陸軍４輪装甲車、別名フォックス。フェレットの車体を大型化し、アルミニウム合金を多用して軽量化、エンジンをジャガーXK（195馬力）にし、パワーステアリングを採用している。２名用砲塔に30mmL21A2ラーデン砲と7.62mm同軸機銃を搭載しており、攻撃力も高い。砲塔前面左右に４連装発煙弾発射機１基ずつを装備する。スクリーンを張って水上航行もでき、C-130に３両搭載して空中投下も可能。車体長4.17m、全幅2.13m、全高2.25m、重量6.12トン。最大速度100km、航続距離430km。1972年からダイムラー社、1986年からヴィッカーズ・ディフェンス・システムズで量産された。参考：月刊PANZER1,’05、世界の軍用車両(4)

＜ＦＶ７２１海外シリーズ＞

＜パンガ＞：輸出向け。FV721の車体に12.7mm機銃と7.62mm機銃１丁ずつを搭載したFVT800銃塔を搭載している。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＦＶ１８０１＞：イギリス陸軍４×４輪軽輸送車両、別名チャンプ。第２次大戦後のジープ国内版開発計画に応じてナフィールド社が開発し、その後ナフィールド社がオースチン社と合併してブリティッシュ・モーター・コーポレーション（BMC）社になったため、そこで生産された。元はナフィールド社が開発に失敗したガッティで、サスペンションを改良してエンジンをロールスロイス社製に換装してある。サスペンションとエンジンが車体に比べて大きく、無理矢理収めるため駆動系が複雑で故障が多発、ランドローバーに追い出されて退役した。参考：月刊PANZER2,’12

＜ＦＶ３８０２＞：センチュリオン25ポンド自走榴弾砲を参照。

＜ＦＶ３８０５＞：センチュリオン139.7mm自走榴弾砲を参照。

＜ＦＶ４００３＞：センチュリオンAVREを参照。

＜ＦＶ４００４＞：センチュリオン装甲救急車を参照。

＜ＦＶ４００５＞：センチュリオン駆逐戦車を参照。

＜ＦＶ４００６＞：センチュリオンMk.2装甲回収車を参照。

＜ＦＶ４００７＞：センチュリオンMk.7（戦車）を参照。

＜ＦＶ４０１１＞：センチュリオンMk.5/1（戦車）を参照。

＜ＦＶ４０１２＞：センチュリオンMk.8（戦車）を参照。

＜ＦＶ４０１５＞：センチュリオンMk.9（戦車）を参照。

＜ＦＶ４０１７＞：センチュリオンMk.10（戦車）を参照。

＜ＦＶ４０１８＞：センチュリオン海浜装甲回収車を参照。

＜ＦＶ４０１９＞：センチュリオン火炎放射戦車を参照。

＜ＦＶ４０３０／１＞：イラン陸軍戦車。チーフテンMk.5の小改良型で、チーフテンMk5/5（Ｐ）ともいう。ちなみにＰはペルシャのＰである。耐地雷能力を強化、トランスミッションを電子制御式のTN12とし、ショックアブソーバーを追加、砂漠向けに防塵用エアフィルターを装備する。見晴らしの良い砂漠では近接戦闘用機銃の必要性が薄いとのことで、主砲左の7.62mm機銃を外した。187両が生産された。参考：ウォーマシン・レポート11、月刊PANZER7,’99、月刊戦車マガジン10,’78

＜ＦＶ４０３０／２＞：イギリス軍がイラン用に開発した戦車で、別名シール・イラン（イランの獅子）１。チーフテンのエンジンをロールスロイス社製コンダーＶ型12気筒（1200馬力）に、トランスミッションをTN37に換装し、サスペンションを強化した。125両が発注され、1977年に試作車３両が完成したが、1979年のイラン革命によりキャンセルされ、同年11月にハリド（Khalid。カリド？）と改称してヨルダン陸軍に回された。参考：ウォーマシン・レポート11、月刊PANZER7,’99、月刊戦車マガジン10,’78、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＦＶ４０３０／３＞：イギリスがイラン用に開発した戦車、別名シール・イラン２。FV4030/2の改良型で、チョーバム・アーマーを採用して角張った砲塔や分厚いスカートを持つなど外見も一新している。1225両が発注され、1977年に試作車７両が完成したが、1979年のイラン革命によりキャンセルされ、ロイヤル・オードナンスとロールスロイス社が倒産しかけた。チャレンジャー１のベースとなった。参考：ウォーマシン・レポート11、月刊PANZER7,’99、月刊戦車マガジン10,’78

＜ＦＶ４０３０／４＞：チャレンジャー１シリーズ（戦車）を参照。

＜ＦＶ４２０１＞：チーフテン・シリーズ（戦車）を参照。

＜ＦＶ４２０４＞：チーフテンARV（装甲回収車）を参照。

＜ＦＶ４２０５＞：チーフテンAVLB（戦車橋）を参照。

＜ＦＶ４３３３＞：ストーマー・シリーズ（装甲兵員輸送車）またはストーマー自走地対空ミサイルを参照。

＜ＦＶ１８００１＞：ランドローバー・シリーズ（野外機動車両）を参照。

＜ＦＶＣ１１４＞：イギリスのへリオ社が開発した車上砲塔システム（OWS）。12.7mm重機関銃M2、40mmてき弾発射機、発煙弾発射機、レーザー測距器、昼間照準器、熱線暗視装置などを装備し、基本装甲でも7.62mm弾を防御でき、アップリケ装甲も装着可能。M113など各種車両に搭載できる。参考：月刊軍事研究10,’98

＜ＦＶＬシリーズ＞：アメリカ軍（主体は陸軍）が2008年（2009年？）から研究中の将来型垂直輸送機Future Vertical Lift。現用の全軍用ヘリとV-22オスプレイの後継で、共通コンポーネントを備えた機体をペイロード別に５種類用意する。2030年からLRIPに入る予定。参考：月刊JWings11,’17、月刊軍事研究2,’16

　＜ＣＳ１＞：Capability Set 1 / CapSet1。機内ペイロード2000-2500ポンド（0.907-1.134トン）。速度200-250ノット、行動半径170-229海里。乗員２名＋搭乗人員６名。2016年2月、アメリカ陸軍が情報要求書RFIを発出し、OH-58の後継を予定している。2018年、計画名がFARAになった。参考：月刊JWings11,’17、7,’20

　＜ＣＳ２＞：Capability Set 2 / CapSet2。機内ペイロード3500-5500ポンド（1.588-2.495トン）。速度170-270ノット、行動半径300-437海里。乗員４名＋搭乗人員8-10名。参考：月刊JWings11,’17

　＜ＣＳ３＞：Capability Set 3 / CapSet3。機内ペイロード3500-5500ポンド（1.588-2.495トン）。速度270-350ノット、行動半径300-450海里。乗員４名＋搭乗人員10-12名。2016年2月、アメリカ陸軍が情報要求書RFIを発出し、AH-1ZとUH-60の後継が予定されている。AH-64の後継とも噂されていたが、RFIでは除かれていた。統合多用途機JMRの名称で技術開発を行う予定で、技術実証機JMR-TDでテストする。2019年、FLRAAに改称された。2022年12月5日、ベル・テキストロン社V-280が採用された。参考：月刊JWings11,’17、7,’20、2,’23

　＜ＣＳ４＞：Capability Set 4 / CapSet4。機内ペイロード12000-20000ポンド（5.443-9.072トン）。速度250-300ノット、行動半径324-420海里。乗員2-4名＋搭乗人員24-32名。CH-47の後継を予定している。参考：月刊JWings11,’17、7,’20

　＜ＣＳ５＞：Capability Set 5 / CapSet5。機内ペイロード24000-30000ポンド（10.886-13.608トン）。速度270-350ノット、行動半径750-1200海里。C-130の後継を予定している。参考：月刊JWings11,’17、7,’20

＜ＦＶＴ９２５＞：イギリスのへリオ社が開発した１名用砲塔。武装はM242ブッシュマスター機関砲と7.62mm同軸機銃。フィリピン軍シンバ装甲車やマレーシア陸軍ストーマー装甲兵員輸送車向けで、フランスのVBCI用としても提案されている。参考：月刊PANZER5,’02、月刊軍事研究3,’99

＜ＦＷ＞：戦闘航空団（Fighter Wing）の略。参考：月刊JWings9,’17

＜ＦＷ�U＞：フォッケウルフ社の計画ジェット戦闘機。FW�Zの後に計画したもので、Ta183の胴体をやや細長くし、水平尾翼を垂直尾翼下方に移したような形状をしている。胴体はセミモノコック構造で、与圧式コクピットを持つ。主翼は合板製、後退角32度。エンジンはHeS011Aターボジェット（推力2860ポンド・1.297トン）単発。Ta183に負けて製作されなかった。参考：月刊丸12,’92

＜ＦＷ�Z＞：フォッケウルフ社の計画単発ジェット戦闘機、別名フリッツァー（Flitzer、向こう見ず）。当初はFW190を流用する予定だったが、途中で設計を全面的に変更し、後退角30度の主翼を持つツインテールブーム機になった。エンジンはHeS011ターボジェット（推力1.3トン）とヴァルター109/509Dロケット（推力1.7トン）、最大速度962km。固定武装はMG151/20機関砲３門の予定だったが、後にMG213機関砲４門に変更された。1942年に設計され、モックアップまで製作されたが、実機の製作には至らなかった。参考：月刊丸12,’92

＜Ｆｗ４２＞：ドイツ空軍計画双発爆撃機。1930年代前半にフォッケウルフ社が設計した。先尾翼形式を採用しており、胴体の前後に銃座を持つ。実用化はされなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ４４シリーズ＞：ドイツ空軍複葉初等練習機、別名シュティークリッツ（Stieglitz、ゴシキヒワ）。設計はクルト・タンク博士で、1932年8月の初飛行時に操縦したのもタンク博士である。フィンランド中央航空博物館に展示されている。参考：月刊JWings10,’10

＜Ｆｗ４４＞：胴体は木金混合、主翼は全木製で、いずれも羽布張りである。操縦安定性の良さと頑丈さから広く使用され、アルゼンチン、スウェーデン、ブラジルでライセンス生産され、チェコスロバキア、中国、チリ、トルコ、フィンランド、ブルガリア、ルーマニアなどに輸出され、第２次大戦後も何カ国かで使用されていた。全長7.3m、全幅9m、全高2.7m、全備重量1910kg。エンジンはアーガスAs8（135馬力）単発、巡航速度172km、最大速度185km、実用上昇限度3900m、航続距離680km（550km？）。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ４４Ｃ＞：エンジンをシーメンスSh14a（140馬力。150馬力？）に換装したもの。参考：月刊JWings10,’10

＜Ｆｗ４４Ｄ＞：

＜Ｆｗ４４Ｆ＞：

＜Ｆｗ４４Ｊ＞：輸出型。参考：月刊JWings10,’10

＜Ｆｗ４４海外シリーズ＞

　＜Ｆｗ４４（アルゼンチン空軍）＞：アルゼンチン空軍練習機。1937年にライセンス生産権を得て1942年までにFMAで190機を生産したが、ライセンス費用が高すぎて打ち止めになった。参考：月刊JWings10,’10

　＜Ｆｗ４４（中国国民政府軍）＞：中国国民政府軍練習機。20機を輸入し、日華事変では機銃を搭載して実戦参加したが、全機叩き落とされてしまった。参考：月刊JWings10,’10

＜Ｆｗ５６シリーズ＞：ドイツ空軍高等練習機、別名シュテッサー（ハイタカ）。フォッケウルフ社初製作、クルト・タンク技師初チーフデザインである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５６ａ＞：試作機。1933年11月に初飛行し、He74とAr76に勝って採用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５６Ａ−１＞：量産機で、高等操縦訓練、曳航標的射撃、急降下爆撃訓練などに使用された。全長7.7m、全幅10.5m、全高3.6m、自重695kg、全備重量995kg。エンジンはAs10C（240馬力）、最大速度278km、実用上昇限度6200m、航続距離400km。7.9mm機銃MG17を２丁装備しており、1kg訓練爆弾３発を搭載できる。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ５７＞：フォッケウルフ社が1934年から開発した双発戦闘爆撃機。主翼は低翼配置。全長16.45m、全幅25m、総重量8300kg。翼面積73.5平方メートル、翼面荷重１平方メートルあたり113kg。エンジンはダイムラー・ベンツ社製DB600（1000馬力）双発、最大速度405km。武装は機首の20mm機関砲MGFF２門、上部旋回銃座の20mm機関砲MGFF１門。乗員３名。Bf110に負けて採用されなかった。参考：世界の傑作機No.157、月刊JWings12,’13

＜Ｆｗ５８シリーズ＞：ドイツ空軍汎用機、別名ヴァイエ（チュウヒ）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｖ１＞：試作初号機、輸送機原型。1935年に完成した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｖ２＞：試作２号機、爆撃機乗員訓練機型。機首をガラス張りにし、機首とコクピット後方に7.9mm機銃１丁ずつを搭載する。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ａ−０＞：輸送機・航法訓練機型の先行量産型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ａ−１＞：輸送機・航法訓練機型の量産型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｂ−１＞：爆撃機乗員訓練機型。全長14m、全幅21.1m、全高3.9m、自重2400kg、全備重量3600kg。エンジンはAs10C（240馬力）双発、最大速度270km、実用上昇限度5600m、航続距離800km。武装は7.9mm機銃MG15が２丁。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｃ−０＞：双発機乗員訓練機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｃ−１＞：連絡機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｃ−２＞：連絡機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｄ−１＞：連絡機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｅ−１＞：気象観測機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｅ−２＞：試験機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｆ−１＞：連絡機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｇ−１＞：患者輸送機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｇ−２＞：試験機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｇ−３＞：患者輸送機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ５８Ｋ＞：輸出型で、319機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ６１＞：ハインリッヒ・フォッケ教授が1936年に開発したサイドバイサイドローター式ヘリコプター。Fw44の主翼を外し、左右に鋼管製のアウトリガーを設けて直径7mの３翅ローターを並列に取り付け、ダウンウォッシュの影響を避けるため水平尾翼を小型化して垂直尾翼の上端に装着した。機首に短い２翅プロペラがあるが、これはエンジン冷却用。降着装置は前輪式で、離着陸時に尾部が地面にぶつかるのを避けるため、尾輪も残した。1936年6月26日に初飛行し、上昇高度3427m、航続時間80分（巡航速度100kmで計算すると飛行距離130km）、最大速度122kmなどの記録を立てた（以前の回転翼機の記録は高度17m・飛行距離1080mだった）。全長7.9m、ローター直径7m、全高2.64m、全備重量953kg。エンジンはシーメンス・ハルスケSh.14A（150馬力）単発、巡航速度100km、最大速度122km、実用上昇限度2620m、航続距離230km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ６２＞：フォッケウルフ社の試作水上偵察機。He60の後継として開発したが、開放風防付きの複葉機で、設計が古く、Ar196に負けて採用されなかった。全長11.2m、全幅12.4m、全備重量2850kg。エンジンはBMW132Dc（880馬力）単発、最大速度280km、実用上昇限度5900m、航続距離720km。防御武装は7.9mm機銃MG15が１丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ１５９＞：ドイツ空軍試作戦闘機。1934年の次期主力単発戦闘機計画にフォッケウルフ社が応募したもので、1935年に初号機が完成した。Fw56がベースで、主翼はパラソル翼、引き込み脚と密閉風防を採用したが、引き込み脚に故障が頻発し、まともな試験が行えず、Bf109に負けて採用されなかった。全長10m、全幅12.4m、自重1875kg、全備重量2250kg。エンジンはユモ210Da（680馬力）単発、最大速度385km、実用上昇限度7200m、航続距離650km。武装は7.9mm機銃MG17が２丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｆｗ１８６＞：フォッケウルフ社のオートジャイロで、1935年のドイツ空軍観測連絡機要求に応じて開発された。Fi156に負けて採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ１８７シリーズ＞：ドイツ空軍試作戦闘機。1935年からクルト・タンク技師が開発し、1936年にドイツ空軍が試作を許可、先行量産機まで生産されたが、生産性などでBf110に負けて採用されなかった。ドイツ空軍には一時的に３機が非公式に配備されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜Ｆｗ１８７Ｖ１＞：試作初号機で、1937年に完成した。ユモ210エンジン（680馬力）双発の単座機で、翼面積を30.7平方メートルに抑え、最大速度525kmを出している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、世界の傑作機No.157

　＜Ｆｗ１８７Ｖ３＞：試作３号機で、駆逐機として重武装の複座機にしたタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８７Ｖ４＞：全長11.1m、全幅15.3m、全高3.85m、自重3700kg、全備重量5000kg。エンジンはユンカース製ユモ210G（670馬力）双発、最大速度500km、航続距離900km。武装は20mm機関砲２門、7.9mm機銃４丁。乗員２名。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ｆｗ１８７Ｖ６＞：試作６号機。エンジンをDB600A（1000馬力）に換装し、最大速度635kmを出した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８７Ａ−０＞：先行量産型で、1939年夏に３機完成した。全長11.1m、全幅15.3m、全備重量5000kg。エンジンはユモ210Ga（730馬力）双発、最大速度530km、実用上昇限度10000m、航続距離900km。固定武装は20mm機関砲MGFFが２門、7.9mm機銃MG17が２丁。乗員２名。フォッケウルフ社ブレーメン工場防空に出撃して敵機を撃墜したといわれ、パイロットからの評判は悪くなかったが、試作機が墜落したことと、後方防御機銃が装備できないことから、制式採用はされなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ１８９シリーズ＞：ドイツ空軍の偵察・軽攻撃機。Hs126の後継で、1937年2月の要求に基づきフォッケウルフ社が開発し、Ar198とBv141に勝って採用され、1940年春に量産発注が出された。1941年までにフォッケウルフ社で99機が生産され、その後はチェコスロバキアのエアロ社とフランスのSNCASOが量産し、1944年までに各型計828機（864機？）が生産されて1942年春から配備されている。夜間偵察任務も行ったため、ドイツ側はウーフー（フクロウ）のニックネームを付けた。全周視界を確保するという要求を満たそうとしたため妙な外見をしており、ソ連は不格好な中央胴体部分を見て「窓枠」と呼んでいる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings10,'22、月刊丸1,’77、グラフィックアクション29

　＜Ｆｗ１８９Ｖ１＞：試作初号機で、1938年7月に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８９Ａ−１＞：量産型。全金属製セミモノコック構造双発ツインテールブーム機で、中央胴体全体が乗員室になっている。中央胴体前面と尾部はガラスで覆われ、視界は良好。中央胴体前部に操縦士と航法・偵察員がサイド・バイ・サイドで位置し、後部に銃手が後ろ向きに座る。主翼は低翼配置で、エンジンナセルを後方に延長してテイルブームにし、後端に垂直尾翼を設け、左右垂直尾翼間に水平尾翼を配した。偵察カメラとしてRb50/30とRb12.5 ７×９を装備する。降着装置は引き込み式で、主脚はエンジンナセル、尾輪は水平尾翼中央に引き込まれる。防御武装は7.9mm機銃MG17が４丁（コクピット後上方、テイルコーン、両主翼付け根）。1940年から引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings10,'22

　＜Ｆｗ１８９Ａ−２＞：防御兵装を7.9mm連装機銃MG81Zに換装したもの。全長11.9m、全幅18.4m、全高3.1m、自重2805kg、全備重量3950kg。エンジンはアルグス製As410A-1空冷倒立Ｖ型12気筒レシプロ（465馬力）双発、最大速度334km、実用上昇限度7300m、航続距離830km（670km？）。武装は翼内の7.9mm機銃MG17が１丁ずつ、7.9mm連装機銃MG81Zが２基。50kg爆弾SC50を４発搭載できる。乗員３名。1941年から生産された。参考：月刊JWings10,’22、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８９Ａ−３＞：練習機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８９Ａ−４＞：近接航空支援型。主翼付け根の7.9mm機銃MG17を20mm機関砲MGFFに換装した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８９Ｂ−０＞：練習機の先行量産型。中央胴体を再設計して５名乗りにした。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８９Ｂ−１＞：練習機型。B-0の量産型で、10機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８９Ｃ＞：近接航空支援型。中央胴体を重装甲２名乗りにしている。試作のみに終わった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ１８９Ｆ−１＞：エンジンをAs411MA-1（600馬力）に変更したタイプ。17機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ１９０シリーズ＞：ドイツ空軍戦闘機。Bf109の補助用として、Bf109と同系統のDB601系液冷エンジンを使用しないという条件で1938年から開発がされた。コンセプトは前線未整備飛行場でも運用でき、未熟パイロットでも操縦が容易で、被弾しても帰ってこれる戦闘機である。クルト・タンク技師が設計し、予想以上の高性能を発揮したため、補助でなく主力戦闘機となった。1941年9月に実戦初デビューし、兵士からビュルガー（モズ）という愛称を付けられた。参考：月刊丸8,’87、歴史群像2,’08、月刊PANZER10,’03

　＜Ｆｗ１９０Ｖ−１＞：最初の試作機。BMWで開発したばかりのBMW139空冷複列18気筒エンジン（1550馬力）を搭載し、1939年5月に完成、6月1日に初飛行した。前面空気抵抗を減少させるため、ダクテッド・スピナーと呼ばれる大型スピナーを装備し、カウリングもスピナーのラインに合わせて前方に絞り込んでいて、後下方にカウルフラップがある。コクピットは視界確保のため前寄りに取り付けたが、エンジンの熱で蒸し焼きになるため、改善を勧告された。主翼はテーパーが強く、主輪はハの字に傾いており、主脚カバーの形状や尾翼の形も量産型と異なっている。全長8.85m、全幅9.515m、総重量2768kg。武装は主翼付け根のMG17機銃２丁とMG131機銃２丁の予定だったが、実際に装備はされなかった。性能テストでBf109Eを上回り、量産が決定した。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’01、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｖ−２＞：試作２号機で、1939年12月31日に初飛行した。V-1との違いは、武装を搭載したことと、エンジン前面に強制冷却ファンを取り付けたことである。それでもエンジン冷却が不十分だったので、1940年1月にスピナーを通常型に戻し、カウリングをNACAカウリングにした。最大速度595kmを記録している。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ−３＞：BMWがBMW139の改良型として開発したBMW801Aエンジンを搭載した試作機となる予定だったが、エンジンが開発中止になり完成の目処が立たなくなったため、V-1とV-2の予備機材に回された。参考：月刊丸8,’87、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ−４＞：BMW801Bエンジンを搭載した試作機となる予定だったが、地上テスト機材になった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ−５＞：試作５号機。BMW139に過熱問題が発生したため、エンジンを２速過給機・燃料直噴装置付BMW801空冷二重星形14気筒（総排気量41800cc、1600馬力）に換装したもので、カウリングを改修して強制冷却ファンの枚数を10枚から12枚に増やし、コクピットを後ろにずらしてキャノピー形状を耐弾性に優れたタイプに変更、主脚を改良し、垂直尾翼を増積した。武装は機首上面にMG17機銃２丁、主翼付け根にMG17機銃２丁、外翼にMGFF機関砲２門を装備したが、重量増で旋回性能が落ちている。1940年4月に初飛行し、当初は翼面積を小さくして速度を稼いでいた（Fw190V5k）が、墜落事故で破損したのを機に翼面積の大きいV5gが製作され、重量が増えて最大速度は10kmほど劣るものの運動性と上昇性に優れるとしてこちらが選ばれた。スロットルレバー１本で燃料流量・混合比濃度・プロペラピッチ・点火時期・過給機の変更などを行えるコマンドゲレートと呼ばれる装置を採用している。参考：歴史群像2,’08、2,'08付録、月刊JWings1,’01

　＜Ｆｗ１９０Ｖ５ｋ＞：ｋはkleiner（小型）の略で、V5g製作後に区別のためこの名称が付けられた。全長8.8m、全幅9.515m、全高3.5m、空虚重量2564kg、全備重量3200kg。エンジンはBMW801C-0（1560馬力）単発、最大速度602km、実用上昇限度11000m、航続距離1100km。固定武装はMG17機銃４丁（２丁？）とMGFF機関砲２門（MG131機銃２丁？）を予定していたが、装備されていない。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ５ｇ＞：ｇはgrosser（大型）の略。V5kの主翼スパンを1m延長し、テーパーを弱くして翼面積を拡大した大型翼に交換したもので、Fw190A-0のベースとなった。全長8.8m、全幅10.5m、全高3.5m、空虚重量2737kg、全備重量3400kg。エンジンはBMW801C-0（1560馬力）単発、最大速度590km、実用上昇限度11400m、航続距離1080km。固定武装はMG17機銃４丁とMGFF機関砲２門を予定していた。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ６＞：試作６号機で、仕様はV5kに準じる。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ７＞：試作７号機。V5kに準じた仕様の地上試験機である。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ｖ１７＞：Fw190Dシリーズの試作型。Fw190A-1にユモ213Aエンジンを搭載したもので、1941年冬から1942年にテストされた。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｖ１７／Ｕ１＞：Fw190V17の改良型で、Fw190D-9の原型機である。1944年5月に初飛行した。参考：月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｖ１８／Ｕ１＞：ヘーエンイェーガー２試作機で、DB603Aエンジンと排気タービンを装備したが、与圧コクピットではない。後にFw190V18/U2に改造され、Ta152試験機となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ２０＞：Fw190Dの原型機で、ユモ213Aエンジンを搭載する。後にTa152C原型機のFw190V20/U1に改造された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ２１＞：Fw190Dの原型機で、ユモ213Aエンジンを搭載する。後にTa152C原型機のFw190V21/U1に改造された。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ２４＞：Fw190A-4の原型機。Fw190A-3の１機を改造したもので、エンジンにMW50水メタノール噴射装置を追加し、無線機をFuG�ZaからFuG16Zに変更、アンテナ絶縁碍子を換装し、垂直尾翼直前の胴体上部にアンテナ引き込み線を追加、垂直尾翼のアンテナ取り付け部をマスト状にした。胴体下面第11-12隔壁間にあったFuG25アンテナは胴体下面12-13隔壁間に移動している。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ２９＞：ヘーエンイェーガー２試作機で、DB603Aエンジン、排気タービン、与圧コクピットを装備した。後にFw190V29/U1に改造され、Ta152試作機となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ３０＞：ヘーエンイェーガー２試作機で、DB603Aエンジン、排気タービン、与圧コクピットを装備した。後にFw190V30/U1に改造され、Ta152試作機となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ３２＞：ヘーエンイェーガー２試作機で、DB603Aエンジン、排気タービン、与圧コクピットを装備した。後にFw190V32/U1に改造され、Ta153試作機となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ３３＞：ヘーエンイェーガー２試作機で、DB603Aエンジン、排気タービン、与圧コクピットを装備した。後にFW190V33/U1に改造され、Ta152試作機となった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ｖ４２＞：Fw190A-5/U13の１機。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ４３＞：Fw190A-5/U13の１機。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ４４＞：Fw190A-5/U13の１機。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｖ５６＞：Fw190D-11の原型機。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜Ｆｗ１９０Ａ＞：初の量産シリーズ。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−０＞：Fw190V5gベースの先行量産型。スピナーはV5gよりも少し大きくなっている。エンジンは空冷だが、カウリングをぎりぎりまで絞り込んで抗力を最小とした。過給機空気取り入れ口はカウリング側面の僅かな隙間に設け、オイルクーラーはカウリング前面に設置している。排気管はカウリング後方側面と下面に纏めて開閉式スリットから排出し、カウルフラップによる抗力増大を防いだ。キャノピーは前面に22度の傾斜を持つバブルトップ型で全周上方視界が良く、地上駐機時の視界は悪いが、キャノピー側面を深く切り込ませ、エンジン後方の機首を軽く三角型にして空中での前下方視界を確保している。時速400km以上でのキャノピー投棄を容易にするため、爆薬による投棄装置を装備した。油圧は被弾に弱いので、主脚ブレーキだけに留め、他の可動部は電動式である。Bf109で問題とされた脚間は3.5mに拡大、脚自体も頑丈にし、未整地での離着陸を可能とした。整備を容易とするため、破損箇所をコンポーネントごと交換できるようになっている。1940年末から1941年初めまでに28機が生産されて試験に使用された。300リットル増槽や爆弾の搭載テストも実施している。最初の８機はV5kと同じ小型主翼で完成したが、暫く後にV5gと同じ大型主翼に交換された。後期型はカウリング先端の分割ラインが屈曲せず真っ直ぐになり、カウリング側面の過給器エアインテイクダクトカバーの形状が変わり、カウリング右下面の排気管が廃止された。参考：歴史群像2,’08、月刊JWings1,’01、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−０／Ｕ３＞：FuG25IFFのテストに使用されたA-0。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−０／Ｕ４＞：射出座席のテストに使用されたA-0。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−０／Ｕ５＞：MG151/20機関砲のテストに使用されたA-0。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−０／Ｕ１０＞：20mm機関砲MGFFのテストに使用されたA-0。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−０／Ｕ１２＞：GM1パワーブーストのテストに使用されたA-0。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−０／Ｕ１３＞：BMW801Dエンジンのテストに使用されたA-0。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−１＞：最初の量産型。V5gと同様の大型主翼のA-0をベースに開発され、1941年春に発注された。A-0と比較すると、胴体下面にFuG25IFF用ロッドアンテナが付き、水平尾翼形状を改良、頭部防弾鋼板支持索を追加し、スピナーをやや大型化、過給器エアインテイクダクトカバーの形状も変化している。胴体は機首、前部胴体（エンジン防火壁を兼ねる第１隔壁からコクピット直後の第８隔壁まで）、後部胴体（第９から第14隔壁まで）、尾部（垂直尾翼と一体化）の４つで構成される。前部胴体はボックス構造で、第1-8隔壁の四隅にＵ字断面の強力縦通材計４本が通っており、下半分にはセルフシーリング式燃料タンク（前方232リットル・後方292リットル）が布ベルトで固定されている。エンジン支持架の付く第１隔壁は下部が後ろにずれていて、主翼主桁にも結合されており、機体荷重の負担を１カ所に集中させることで構造的に高い強度を持たせた。第1-3隔壁上部にMG17機銃を装備。第3-4隔壁上方が風防フレーム取り付け部で、転覆時にパイロットが潰れないよう、風防の後方縦フレームは頑丈な作りとされた。被弾や故障で潤滑油が漏れて風防に張り付いた時のため、ガソリンを使用した風防洗浄システムが用意されている。座席背部は厚さ8mmの装甲板で出来ており、座席直後はパイロット用雑具入れである。頭部には厚さ12mmの装甲板が装着された。射撃照準器はReviC12/D。キャノピーは後方スライド式で、非常時には火薬で吹き飛ばすことが可能。コクピット直後には圧縮酸素ボトル３組が用意されている。後部胴体はセミモノコック構造で、左に大型の点検パネルがある。第12隔壁には、尾輪収納口から逆流したエンジン排気がコクピットに侵入しないよう、布製のパネルが張られた。主翼は上下分割製作で、左右一体の主桁に下面外板＋縦通材＋リブを組み付け、上から上面外板＋縦通材＋リブを被せて接合すれば完成する。リブのうち上下両方の外板に接合されるのは５個だけである。主桁は主翼強度の大部分を支える他、機関砲や主脚も取り付けられるため、頑丈に製作されている。エルロンはフリーズ式で、前部が金属骨組み金属外皮、後部が金属骨組み羽布張り、作動角は上下17度ずつ。フラップは中央取り付け部アームに0-60度までの目盛りが振ってあり、主翼上面の小さなガラス張りの孔からパイロットがフラップ開度を確認することができる。主脚は電動の内方引き込み式で、ホイール・トラックは3.5mあり、安定性が高い。主脚柱の強度は高く設定してあり、改良を加えて総重量が倍になってもほぼそのままで耐えられた。主脚カバーは脚柱上部カバー（脚柱にボルト止め）、脚柱下部カバー（主車輪外側ハブの支持架に取り付け）、主車輪カバー（胴体下面に取り付け）からなる。タイヤサイズは700×150mm、内圧は5.5気圧。胴体尾部ユニットは後部胴体第14隔壁にリベット止めされ、内部には尾輪や昇降舵差動装置、水平安定板トリム変更用電動モーターがなどが取り付けられる。垂直尾翼は尾部ユニットと一体化しているが、水平尾翼はトリム変更を可能とするため独立して組み立てられた。昇降舵の作動角はマイナス26度からプラス31度で、飛行中の重心位置の変化は水平尾翼の取り付け角変更（マイナス１度からプラス４度、通常はプラス２度にセット）で調整する。方向舵作動角は左右16度ずつで、後縁下方には固定式トリムタブと尾灯が付いている。尾輪は右主脚引き込み用アームと直結していて、主脚と連動して引き込まれるが、タイヤの下半分は露出する。タイヤサイズは350mm×135mm。エンジンの過給器用エアインテイクはカウリング内左右に設置されており、エンジン後方左右から空気を供給する。エンジン本体前面には12翅の強制冷却ファンが搭載された。エンジンはコマンドゲラーテ作動油タンクを兼ねるマウントリングと、上下支持架により、前部胴体第１隔壁に取り付けられている。排気管は右に４本（第1-4シリンダー）、左に４本（第11-14シリンダー）、下に５本（第5-10シリンダー。９・10は１本に纏めてある）。カウリングは円形断面で、先端部分に潤滑油タンク（55リットル）と潤滑油冷却器が組み込まれていて、潤滑油システム部分の外板は厚さ5.5mmの装甲板で出来ており、カウリング前面にも厚さ6.5mmの装甲リングを装着した。カウリングパネルは整備員の足場としても利用できるよう、厚く作られている。操舵装置はケーブルではなくロッドを使用しており、伸びが無く操作に敏感で、優れた機動性を発揮した。各機体の癖は動翼の固定タブにより地上で調節する。全長8.85m、全幅10.5m、全高3.95m、全備重量3400kg。エンジンはBMW801C-1（1560馬力）単発、プロペラはVDM9-12067A（直径3.3m、３翅）、最大速度590km、実用上昇限度9600m、航続距離1030km。武装は機首前方上部左右に7.9mm機銃MG17が１丁ずつ、主翼に7.9mm機銃MG17及び20mm機関砲MGFFが左右１丁ずつ。装弾数はMG17が各850発（900発？）、MGFFが各60発（55発？）。102機が生産され、1941年7月（8月？）から第26戦闘航空団第２飛行隊第６中隊を皮切りに配備され、9月27日にダンケルク上空で第６飛行隊の４機がイギリス空軍スピットファイア�Xｂ戦闘機３機を撃墜した。生産途中で座席ヘッドレストが防弾鋼板に密着するタイプに変更されている。欠点は、エンジンの故障と、過給器性能不足から来る高々度での戦闘能力低下。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01、10,’12、6,’17、3,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ａ−１／Ｕ１＞：A-1のエンジンをBMW801Dに換装した試験機。１機のみ製作された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−２＞：V-14及びV-15をベースとする量産型で、A-1のエンジンをBMW801C-2に換装し、主翼付け根の武装を20mm機関砲MG151/20（各200発）１門ずつに換えたタイプ。機関砲は内翼部に装備したが、外翼部に20mm機関砲MGFFを増設したものも多かった。エンジン冷却空気排出用スリットが排気口の後ろに追加され、頭部防弾板の支持索が金属板に変更された。全長8.85m、全幅11.5m、全高3.95m、全備重量3400kg。エンジンはBMW801C-2（1560馬力）単発、最大速度590km、航続距離1030km。武装は7.9mm機銃MG17が２丁、20mm機関砲MGFFが１門、20mm機関砲MG151/20が２門。乗員１名。426機（フォッケウルフ118機、AGO105機、アラド203機）が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings10,’12、1,’01、月刊丸8,’87、歴史群像2,’08付録

　＜Ｆｗ１９０Ａ−２／Ｕ１＞：胴体下面に300リットル増槽を搭載可能としたもの。１機が改造された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−２／Ｕ３＞：胴体下面にETC501ラックを取り付け、爆弾を搭載可能としたもの。12機が改造された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−３＞：過熱やトラブルが多かったA-2のエンジンをBMW801D-2に換装したもので、1942年に開発された。操縦席背後とカウリングの装甲も強化している。風防には50mm厚の防弾ガラスが張られており、照準器はReviC12/Dである。座席後方にはFuG�ZとFuG25を搭載する。当時のイギリス空軍主力戦闘機スピットファイアMk.�Xを圧倒する性能を持っており、Mk.�\相手でも中高度以下では優位に立てた。全長8.85m、全幅10.5m、全高3.95m、空虚重量3225kg、全備重量3995kg。エンジンはBMW801D-2空冷星型複列14気筒レシプロ（1700馬力）単発、プロペラはVDM9-12067A金属製定速可変ピッチ３翅（直径3.3m）、巡航速度447km、最大速度660km、実用上昇限度10600m、航続距離800km。固定武装は7.92mm機銃MG17が２丁（機首上面）、20mm機関砲MG151/20が２門（内翼）、20mm機関砲MGFFが２門（外翼）。ETC501ラックを介して300リットル増槽を装備することも可能で、ラック取り付けのため胴体側の主車輪カバーを外し、主翼側の主脚カバーにタイヤ保護用小カバーを取り付けた。乗員１名。1943年初めまでに509機が生産された。熱帯地向けフィルターや、ER-4小型爆弾ラックのテストに使用された機体もある。1942年6月23日夜、１機がフランスの基地と間違えてイギリスのペンブレイ航空基地に着陸、無傷で連合軍に鹵獲された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊丸8,’87、月刊JWings1,’01、図解世界の軍用機史

　＜Ｆｗ１９０Ａ−３／Ｊａｂｏ＞：ETC501ラックを介して各種爆弾を搭載可能としたもの。外翼の20mm機関砲MGFFは撤去し、弾倉バルジを整形、胴体側の主車輪カバーを廃止し、主翼側の主脚カバーにタイヤ保護用小カバーを追加している。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−３／Ｕ１＞：試験機型。BMW801D-2エンジン取付架延長試験用で、１機が製造された。後にA-5シリーズの原型となり、更にA-5/U13に改造された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−３／Ｕ２＞：主翼に73mm空対空ロケット弾RZ65を搭載可能としたもの。１機が試作された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−３／Ｕ３＞：試作戦闘偵察機型。操縦席直後にRb50/30またはRb75/30カメラを１台搭載し、胴体下面に撮影窓と撮影窓保護用のフェンスを付けた。軽量化のため外翼の20mm機関砲MGFFは撤去している。１機が製作された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−３／Ｕ４＞：U3のカメラをRb12.5/7×９カメラ２台に換装し、左主翼前縁にロボットカメラ１台を追加したもの。1942年10-11月に12機が製作され、第２訓練航空団第�V飛行隊第９中隊（近距離偵察）に配備された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−３／Ｕ７＞：試作高々度戦闘機型。武装を主翼付け根の20mm機関砲MG151/20のみとし、無線機なども撤去して軽量化した。過給器エアインテイクをカウリングの外側（両側面）に移し、ダクト部分を円筒状に張り出させ、高々度でも十分な吸気が得られるように工夫している。３機が改造されてテストを受けた。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４＞：Fw190V24の量産型。A-3のエンジン強化型で、無線機やアンテナ線などもFw190V24と同様に改修した。全長8.95m、全幅10.5m、全高3.95m、自重2950kg、全備重量4100kg。エンジンは水噴射装置付BMW801D-2空冷星型複列14気筒レシプロ（2100馬力）単発、最大速度670km、航続距離800km。固定武装は7.92mm機銃２丁、20mm機関砲MG151/20が２門、20mm機関砲MGFFが２門。乗員１名。後期型では排気管直後のエアスリットにシャッターが付き、パイロット頭部防弾板が幅広となり、内側ホイールハブが穴あき型から一体パネルになっている。対戦闘機戦用に外翼の20mm機関砲MGFFを外して軽量化したり、胴体下面にETC501ラックを付けて300リットル増槽を標準装備としたりしたものもある。/Tropなどと合わせて906機が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01、歴史群像2,’08付録

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４／Ｔｒｏｐ＞：熱帯型。防塵フィルターを取り付けた。50機が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４／Ｒ１＞：無線機をFuG16Z-Eに換装し、左主翼下面にモラーネ・アンテナを追加、300リットル増槽を標準装備したタイプ。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４／Ｒ６＞：A-4の両外翼下面にW.Gr21対空ロケット弾１発ずつを装備したもの。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４／Ｕ１＞：地上襲撃機型。A-4のエンジンをBMW801C-2のままとし、主翼外側の20mm機関砲MGFFを撤去、胴体下面に爆弾ラックを装備した。少数が製造され、第10高速爆撃航空団で使用された（1942年3月にフランス・ベルギーを担当地区とする第２・第26戦闘航空団に配備された？）。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊PANZER10,’03

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４／Ｕ３＞：A-4の胴体下面にETC501ラックを装備、50kg爆弾４発または250kg/500kg爆弾１発を搭載可能とし、主翼外側の20mm機関砲MGFFを撤去、機体下面主要部を厚さ5-8mmの特殊鋼板に換えたもので、Schlachflugzeug 1（地上襲撃機１）とも呼ばれた。1942年9月に初号機が完成し、30機が発注されたが、生産されたのは18機だった。後にFw190F-1に名称変更された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊PANZER10,’03

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４／Ｕ４＞：操縦席直後の胴体内にRb12.5/7×９カメラ２台を収容し、無線機をFuG17長距離無線機としたもの。胴体下面には撮影窓保護用シャッター収容バルジがある。胴体下にはETC501ラックを装備し、主車輪カバーを廃止して主脚カバー下部に小カバーを追加した。少数生産に止まったとみられ、第123長距離偵察飛行隊第５中隊、第13近距離偵察飛行隊などで使用された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−４／Ｕ８＞：長距離戦闘爆撃機型（Jabo-Rei）。主翼付け根の20mm機関砲MG151/20を残して固定武装を撤去し、胴体下面にETC501ラック、主翼下面にユンカース式300リットル増槽ラックを標準装備している。２機が原型機として改造され、1942年に生産型が少数作られ、第10高速爆撃航空団に配備された。1943年8月にFw190G-1と名称変更された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５＞：A-4のエンジン取り付け架を152.5mm延長し、重心を改善したタイプ。カウリング下面パネルと主翼前縁付け根の間にスペーサーが入れられ、機首上面機銃点検パネル両側の開閉クリップ最前方とカウリングパネルラインの間隔が広くなった。また、胴体第9-10隔壁間に補助隔壁9aが追加され、後部胴体左の点検パネルが大型化して長方形となり、取り付け位置が上にずれた。動翼は内部骨組みの改修を受け、リブ数が増えている。プロペラはVDM9-12176A（直径3.3m、３翅）に換装された。エンジン前方の強制冷却ファンは12翅で、回転数はプロペラシャフトの1.72倍である。全長9m、全幅10.5m、全高3.95m、空虚重量3230kg、全備重量4063kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、巡航速度495km、最大速度670km、実用上昇限度10600m、航続距離850km。固定武装は7.92mm機銃MG17が２丁、20mm機関砲MG151/20が２門、20mm機関砲MGFFが２門。爆弾搭載量500kg。1942年末から1943年夏に723機が生産された。細かいバリエーションとして、外翼の20mm機関砲MGFFを外して左翼前縁にBSK16ガンカメラを搭載したもの、A-3/U7と同様の過給器エアインテイクを装備したもの、外翼の20mm機関砲MGFFを撤去してETC50小型爆弾ラックを外翼下面に装着したものなどが存在する。１機が分解されて潜水艦で日本に運ばれ、テストに投入された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01、月刊丸3,’14

　＜Ｆｗ１９０Ａ５Ｋ＞：試験型で、Fw190V5kと同じ小型主翼を装備する。10機が製作されたが、採用はされなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｒ６＞：主翼下面にW.Gr21ロケット弾１発ずつを搭載したもの。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１＞：エンジンをBMW801C-2のままとし、胴体下面にETC501ラックを追加、外翼の20mm機関砲MGFFを外したもの。少数が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１＞：Fw190S-5を参照。

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ２＞：夜間長距離戦闘爆撃機（Nacht Jabo-Rei）型。胴体下面にETC501ラックを装着し、主翼下に300リットル入り増槽用メッサーシュミット製ラック（Messerschmitttrager）を装備、排気口上部に防炎フィンを、左主翼前縁中央にEK16ロボット�Uカメラと着陸灯２個を追加した。固定武装は主翼付け根の20mm機関砲MG151/20が１門ずつと機首上面の7.92mm機銃MG17が２丁で、MG17は外したものもある。２機が試作され、少数が生産された。一部にFuG217ネプツーンJ-2を装備した夜間戦闘機型がある。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ３＞：A-5型にA-4/U3型と同じ改造を行ったもので、地上襲撃機３とも呼ばれた。多くは防塵フィルターを付けて熱帯型として完成している。全長8.9m、全幅10.5m、全高3.95m、自重3100kg、全備重量4700kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、最大速度585km、航続距離500km以上。固定武装は20mm機関砲２門。乗員１名。A-3/U1を改造して１機が試作され、テストの結果採用されて1942年11月に初号機が完成し、1943年5月までに271機が生産された。一部はFuG16Z無線機にD/F方向探知器用ループアンテナを追加している。後にFw190F-2に名称変更された。実戦デビューは1943年に入ってから。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊PANZER10,’03、歴史群像2,’08付録

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ４＞：戦闘偵察機型。A-5にA-4/U4と同じ改造を施した。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ８＞：長距離戦闘爆撃機型。A-5にA-4/U8と同様の改造を施したもので、主翼下面増槽ラックは当初ユンカース式だったが、大半はメッサーシュミット式を採用している。後にFw190G-2に改称された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ９＞：A-5の武装強化型で、機首上面の7.92mm機銃MG17を13mm機銃MG131に、外翼の20mm機関砲MG151/20を20mm機関砲MG151/20に換装している。A-5の２機が改造されて試験が行われ、A-7/A-8として量産されることになった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１０＞：A-5の武装強化型で、外翼の20mm機関砲MGFFを20mm機関砲MG151/20に換装したもの。地上襲撃機３のカテゴリーとして２機が試作され、A-6として量産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１１＞：外翼の20mm機関砲MGFFを撤去し、外翼下面に30mm機関砲MK103を搭載した地上襲撃機３。１機が改造されてテストを受け、野戦改修キットR-3仕様として採用された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１２＞：外翼の20mm機関砲MGFFを撤去し、外翼下面に20mm機関砲MG151/20パックを搭載した地上襲撃機３。２機が改造されてテストを受けた結果、対爆撃機用として効果が高いと判断され、野戦改修キットR-1仕様として採用された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１３＞：昼間長距離戦闘爆撃機型。A-5/U2の主翼下面増槽ラックをフォッケウルフ型に換装し、爆弾も装着できるようにした。排気管の防炎フィンは外している。Fw190V42/V43/V44の３機が試作され、Fw190G-3として量産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１４＞：試作雷撃機型。固定武装を主翼付け根の20mm機関砲MG151/20のみとし、胴体下面にETC502ラックを搭載、LTF5b航空魚雷（800kg）を装着可能としている。尾輪支柱を延長し、垂直安定板を大型化した。２機が改造されてテストを受けたが、BT魚雷型爆弾の開発が進められていたため本機の意義が薄くなり、計画中止となった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、歴史群像2,’08付録

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１５＞：胴体下面にETC501ラックを装備し、BV246ハーゲルコルン滑空爆弾１発を搭載できるようにしたもので、アスカニア社製ALSK121無線誘導装置も追加した。主翼下面にBV246の主翼を支えるための支持棒を装備する。固定武装は主翼付け根の20mm機関砲MG151/20。１機が改造された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１６＞：駆逐機型。外翼の20mm機関砲MGFFを外し、外翼下面に30mm機関砲MK108を１門ずつ搭載している。１機が改造されて1943年8月にテストを受け、Fw190A-7/R2、Fw190A-8/R2、Fw190A-8/R8として採用された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ａ−５／Ｕ１７＞：地上襲撃機型。A-5/U3ベースで、胴体下にETC501ラック、主翼下にETC50ラック左右２基ずつを装備する。Fw190F-3/R1として採用された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ａ−６＞：対爆撃機型。A-5/U10の量産型で、主翼に20mm機関砲MG151/20を４門装備する。無線機はFuG16ZEに換装し、胴体下面第10隔壁部にD/F方向探知用ループアンテナを設置、左翼前縁の機関砲間にBSK16ガンカメラを追加した。全長9m、全幅10.5m、全高3.95m、空虚重量3426kg、全備重量4145kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、最大速度660km、実用上昇限度10500m、航続距離1350km（300リットル増槽あり）。固定武装は7.92mm機銃MG17が２丁、20mm機関砲MG151/20が４門。爆弾搭載量500kg。1943年春から12月に569機（アラド社55機、AGO280機、フィーゼラー社234機）が生産された。バリエーションにはR1、R2、R3、R4、R6型などがある。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊丸8,’87、月刊JWings1,’01、歴史群像2,’08付録

＜Ｆｗ１９０Ａ−６（ＢＭＷ８０１ＴＳ搭載型）＞：エンジンをBMW801TS（2000馬力）に換装したもので、機首先端の装甲リングと外翼の20mm機関砲MG151/20を外し、プロペラを直径3.5mのVDM9-12157H3に変更している。２機が改造された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ａ−６（ＦｕＧ２１７搭載型）＞：夜間戦闘機型。FuG217ネプツーンJ2を搭載し、排気口上方に防炎フィンを装備する。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ａ−７＞：Fw190A-5/U9の制式化型で、A-6の機首上面機銃を13mm機銃MG131に強化したもの。機銃収容部を再設計し、左右と上に膨らんだ形状にした。照準器はRevi16Bで、ETC501胴体下ラックを標準装備している。バリエーションはR1、R2（A-7/MKという資料あり）、R6。一部に外翼の20mm機関砲MG151/20を撤去し、ETC501を外して増槽装着専用の鋼管骨組を搭載したものが存在する。1943年12月から1944年3月に80機が生産され、殆どがFuG16Z-E無線機用モラーネ・アンテナと300リットル増槽を標準装備して本土防衛部隊に回された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊丸8,’87、月刊JWings1,’01

＜Ｆｗ１９０Ａ−７ドッペルライテル＞：ドッペルライテル（Doppelreiter）はDouble Riderの意。グラーフ・ツェッペリン研究所が開発した270リットル入りスリッパ式増槽を主翼に装着したものである。試作のみで実用化はされなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ａ−８＞：最多生産型。A-7のコクピット後部第8-9隔壁に燃料またはGM1/MW50用ブースト剤を入れる115リットルタンクを増設し、無線機を隔壁１区画分、ETC501ラックを0.2m前方にずらして重心を調整したものである。前部胴体第6-8隔壁間上部右に点検ハッチを追加し、PKS12自動操縦装置を装備、無線機を交信用FuG16ZYと味方識別用FuG25aに変更し、左主翼付け根下面にモラーネ・アンテナを装着、ピトー管を右主翼前縁中央から右主翼端に移している。重量増で飛行性能がやや低下した。外翼の20mm機関砲MG151/20は400m先、内翼の20mm機関砲MG151/20は600m先で弾道が交差するようになっている（機首の13mm機銃MG131は直進）。全長9m、全幅10.5m、全高3.95m、自重3470kg、全備重量4460kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、プロペラはVDM9-12176A金属製定速可変ピッチ３翅（直径3.3m）、巡航速度470km、最大速度640km、実用上昇限度11400m（10400m？）、航続距離880km（1035km？）／1450km（300リットル増槽あり）。固定武装は機首上部の13mm機銃MG131（475発。400発？）２丁、20mm機関砲MG151/20（外翼125発、内翼250発）４門。爆弾搭載量500kg。照準器はRevi16B。1944年3月から終戦までに8300機以上が生産された。バリエーションはR1、R2、R3、R6、R7、R8、R11（ごく少数のみ）、R12（計画のみのようだ）。また、胴体下面にW.Gr21を１発搭載したもの、外翼武装を撤去して300リットル増槽ラックを装着したもの、FuG218ネプツーンJ3を装備して排気管上方に防炎フィンを装備した夜間戦闘機型、両主翼下にメッサーシュミット増槽ラックを搭載して排気管上方に防炎フィンを装備した夜間戦闘爆撃機型もある。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

＜Ｆｗ１９０Ａ−８／Ｊａｂｏ＞：戦闘爆撃機型。外翼の武装を撤去してETC501ラックを爆装用にした。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ａ−８／Ｒ８＞：迎撃戦闘機型、別名シュトルムボック（破城槌）。Fw190Aシュトルムイェーガーの武装強化型で、機首の7.7mm機銃MG17を13mm機銃MG131に、外翼の20mm機関砲MG151/20を30mm機関砲MK108に換装した。内翼の20mm機関砲MG151/20はそのまま残している。これにより武装は13mm機銃２丁、20mm機関砲２門、30mm機関砲２門となり、３秒間に74ポンド（33.6kg）の弾丸を敵爆撃機に浴びせることが可能となった。キャノピー両側と風防に30mm厚防弾ガラス、コクピット前方上面に4mm厚、コクピット前方に15mm厚、コクピット側面に5mm厚、30mm機関砲MK108周辺に4mm厚の装甲板を追加している。しかし武装と装甲を強化した分運動性が低下し、護衛戦闘機との空戦では不利だったため、制空戦闘機仕様のFw190やBf109による護衛が必要だった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、歴史群像2,’08

＜Ｆｗ１９０Ａ−８／Ｒ１１＞：エンジンをBMW801TU（瞬間出力2000馬力）に換装し、PKS12自動操縦装置とFuG125ヘルミーネ方向探知／無線航法／着陸誘導装置を搭載している。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ａ−８／Ｕ１＞：Fw190S-8を参照。

＜Ｆｗ１９０Ａ−９＞：A-8のエンジンをBMW801TS（2200馬力）に換えたもので、最大速度700kmを出した。キャノピーは視界改良型ガーランド・ハウベに換装しており、それに合わせてパイロット頭部防弾板支持架を改修している。プロペラを木製のVDM9-12157H3に換えたり、300リットル増槽を資材節約型の上下２分割タイプとしたりしたものもある。1944年9月から生産されたが、エンジン供給が足らず、少数生産になった。Ｒ仕様もいくつか試作されたが、採用はされなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01

＜Ｆｗ１９０Ａ−１０＞：高々度戦闘機型。A-9の翼スパンを20.5mに延長し、外翼武装を30mm機関砲MK108にした（BMW801Fエンジンを搭載した？）。Fw190DシリーズとTa152に労力を集中することになったため、開発中止になった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、歴史群像2,’08付録

＜Ｆｗ１９０Ａシュトルムイェーガー＞：シュトルムシュタッフェル用の重装甲重武装機。Fw190A-6がベースで、コクピット側面に5mm厚の装甲板を追加し、風防に50mm厚、キャノピー側面に30mm厚の防弾ガラスを外付けしており、これを頼みに爆撃機の防御砲火内に突入して肉薄攻撃をかける。武装は機首の7.92mm機銃MG17が２丁と主翼の20mm機関砲MG151/20が４門だが、重量軽減のために機首の機銃を外したものもあった。参考：歴史群像2,’08、月刊JWings1,’01

＜Ｆｗ１９０Ａ夜間戦闘機型（ヴィルデ・ザウ）＞：電子妨害を喰らったレーダーの代わりに、探照灯と地上火災を頼りに攻撃を仕掛けるヴィルデ・ザウ（イノシシ）戦法に使用した機体。機体を黒く塗っただけである。参考：月刊JWings1,’01

＜Ｆｗ１９０Ａ夜間戦闘機型（ツァーメ・ザウ）＞：ネプチューンレーダーを搭載し、地上管制に誘導されて迎撃を行うツァーメ・ザウ戦法に使用した機体。参考：月刊JWings1,’01

＜Ｆｗ１９０Ｂ＞：Ａ型の高々度性能改善のため、亜酸化窒素ブースターGM-1を追加したもので、コクピットを与圧化した。ブースターの重量が過大で、作動時間も短く、性能不十分として採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’01

＜Ｆｗ１９０Ｃ＞：Ａ型の高々度性能改善のため、DB603A液冷エンジン（1750馬力）にターボチャージャーを組み合わせたもの。ターボチャージャーが機能せず、採用されなかった。参考：月刊JWings1,’01

＜Ｆｗ１９０Ｄ＞：エンジンをユモ213シリーズに換装したタイプ。Ｄシリーズの生産数は約650機である。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｄ−０＞：ユモ213Aエンジン搭載Ｄシリーズの前生産型で、エンジンに合わせて機首と胴体を延長した。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｄ−１＞：前生産型で、D-0の垂直尾翼を増積したもの。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｄ−９＞：Ｄシリーズ最初の量産型で、通称ドーラ・ノイン。Ａ型の高々度性能改善のため、水メタノール噴射装置MW50付きユンカース社製ユモ213A-1液冷エンジンに換えたものである。機首に環状冷却器を装備しているので、一見空冷エンジン機に見える。機首右には過給器用エアインテイクがある。後部胴体を0.5m、垂直尾翼を0.15m延長しており、垂直尾翼が大型になった。高度10000mで時速680kmを出せたが、中低高度での性能に劣るのが欠点だった。全長10.192m、全幅10.5m、全高3.36m、自重3249kg、全備重量4270kg。エンジンはユンカース社製製ユモ213A-1液冷倒立Ｖ型12気筒レシプロ（MW50非作動時1770馬力、作動時2240馬力）単発、プロペラはユンカース社製VS111木製３翅、最大速度640km（705km？）、実用上昇限度11100m、航続距離840km。固定武装は機首上部の13mm機銃MG131が２丁と主翼付け根の20mm機関砲MG151/20が２門。胴体下に500kg爆弾１発や300リットル増槽１本を搭載できる。乗員１名。1944年夏から700機（1826機？）が生産されたが、部隊に引き渡されたのは1944年秋からで、300機程度に留まったとされる。ラインの守り作戦から実戦参加したが、機数が少ないのと時期が遅すぎて活躍できなかった。参考：月刊JWings1,’01、図解世界の軍用機史、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録、月刊丸6,’14

＜Ｆｗ１９０Ｄ−１０＞：D-9の機首機銃を外し、30mm機関砲MK108を軸内装備したタイプ。少数が生産された。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｄ−１１＞：攻撃機型。D-9の外翼に30mm機関砲MK108を１門ずつ追加し、エンジンをユモ213F（2060馬力）に換装した。少数が生産された。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｄ−１２＞：D-9のエンジンをユモ213Fに換装したタイプで、Ta152の代替として開発された。全長10.2m、全幅10.5m、全高3.36m、自重3490kg、全備重量4550kg。エンジンはユモ213F-1（2100馬力）単発、最大速度695km、航続距離745km。固定武装は20mm機関砲３門（30mm機関砲MK108を軸内と両外翼、20mm機関砲MG151/20を両主翼付け根？）。乗員１名。少数（30機程度？）が生産されたが、配備前に終戦となった。参考：歴史群像2,’08付録、月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｄ−１３＞：戦闘爆撃機型。D-12のエンジンをユモ213EBに変更し、軸内と主翼付け根に20mm機関砲MG151/20、外翼に30mm機関砲MK108を搭載した。全長10.49m、全幅10.2m、全高3.36m。最大速度704km、航続距離840km。乗員１名。A-8から少数が改造され、配備前に終戦となった。参考：月刊丸8,’87、歴史群像2,’08付録、戦闘機のしくみ

＜Ｆｗ１９０Ｆ＞：戦闘爆撃機型。Ju87の旧式化に伴い、対地攻撃任務を担ったものである。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−１＞：Fw190A-4/U3から1942年11月に名称変更された。胴体内燃料タンク下面パネルを5mm厚にして装甲化し、後方タンク直後には8mm厚の装甲板を追加した。主脚カバーと機銃弾倉にも装甲板を追加している。ETC501ラックには小型爆弾用ER4アダプターを装着した。30機が発注されたが、A-4の生産ラインがA-5に切り替わったため、18機がA-4から改造された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊丸8,’87、月刊PANZER10,’03

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−２＞：Fw190A-5/U3が1942年11月に名称変更されたもの。A-5から271機が改造された。参考：月刊丸8,’87、月刊PANZER10,’03

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−２／Ｔｒｏｐ＞：F-2の過給器エアインテイクに防塵フィルターを装着したもの。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−３＞：F-2の主翼下面にETC50爆弾ラック左右２基ずつを備えたもので、A-5/U17の量産型である。主翼に50kg爆弾を積めるようになり、それにプラスしてETC501に大型爆弾や増槽を装備できるようになった。30mm機関砲MK103ガンパックを取り付けた機体もある。また、カウリング脇に防塵フィルター付きの空気取り入れ口が設けられた。1943年5月から1944年4月まで生産された。R1、R2、R3のサブタイプがあり、大部分はR1で完成、R2とR3はテストのみで実用化されていない。後期生産型247機は、主翼のETC50爆弾ラックを外してユンカース式300リットル増槽ラックを装備している。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01、月刊PANZER10,’03、歴史群像2,’08付録、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−３／Ｒ１＞：Fw190A-5/U17の量産型。左主翼前縁にEK16ロボット�UまたはBSK16ガンカメラを装着した。全長9m、全幅10.5m、全高3.95m、全備重量5000kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、巡航速度450km、最大速度525km／460km（低空域）、実用上昇限度7250m、航続距離615km。固定武装は7.92mm機銃MG17が２丁、20mm機関砲MG151/20が２門。爆弾搭載量700kg。通常は両主翼下に50kg爆弾計４発を搭載し、胴体下面に300リットル増槽を装備して対地支援を行った。大部分は防塵フィルター付きの熱帯地仕様である。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−４＞：F-3の爆弾投下装置などを改良したタイプ。計画のみ。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−５＞：F-3のエンジンをBMW801F（2400馬力）に換装したもの。計画のみ。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−６＞：計画のみ。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ｆ−７＞：A-7ベースの戦闘爆撃機型。計画のみ。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８＞：生産ラインがA-8に切り替わったため、A-8にF-3/R1と同様の改造を施したもの。コクピット後方に115リットルタンクを増設、ETC501ラックを200mm前にずらし、FuG16ZY無線機を搭載した。FuG25は必要性が低いので外してあるものが多く、地上部隊との連絡用にFuG16ZSを搭載したものもあった。機首の機銃は13mm機銃MG131に換装している。1944年3月から4000機が生産され、殆どはR1仕様で完成した。1944年末からキャノピーを視界向上型のガーランド・ハウベにした。搭載兵器としてパンツァーブリッツ１／２／３、W.Gr28/32、パンツァーシュレック、AG140、X-4、SB800RS、SG113Aフォルスターゾンデなどが試験されている。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、歴史群像2,’08付録、月刊PANZER10,’03、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｒ１＞：両主翼下面にETC50ラック２個ずつを搭載したもの。全長9m、全幅10.5m、、全高3.95m、全備重量5400kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、巡航速度445km、最大速度520km、実用上昇限度7250m、航続距離775km。固定武装は13mm機銃MG131が２丁、20mm機関砲MG151/20が２門。爆弾搭載量700kg。1944年8月以降、ETC50をETC71に換装した。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｒ３＞：両主翼下面に30mm機関砲MK103を搭載したもの。２機が試作されたが、量産はされなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｒ１３＞：夜間地上襲撃機型で、当初はF-8/U4と呼ばれた。エンジンをBMW801TSに換装し、排気口に防炎フィンを装着、主翼下面にETC503ラックを左右１基ずつ取り付け、TSA2A低空緩降下爆撃照準器やFuG101電波高度計などを搭載する。完成しなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｒ１４＞：A-5/U14と同様の改造を加えたもので、胴体下ラックをETC502またはETC504に換装し、Ta152の垂直安定板を取り付け、延長尾輪を装備する。固定武装は主翼付け根の20mm機関砲MG151/20のみとされた。少数が試作された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｒ１５＞：F-8/R14にBT1400爆弾を搭載可能としたもので、元はF-8/U3という名称だった。胴体内の115リットルタンクを外し、コクピット内にTSA2A低空緩降下爆撃照準器を、左主翼下にFuG101電波高度計アンテナを装着している。５機が製作され、第200爆撃航空団第�V飛行隊に配備された。１機が鹵獲されてファーンボロー航空ショーで展示されている。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｒ１６＞：BT400/BT700爆弾搭載型で、元はF-8/U2またはF-8/U5と呼ばれた。BT700を装備する時には特に改造せずETC501ラックに装着、BT400を装備する時は主翼下面にETC503を装着して胴体下に300リットル増槽を装備する。20機を製作する予定だったが、完成しなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｔｒｏｐ＞：熱帯地型で、過給器エアフィルターを装着する。少数のみ生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｕ２＞：Fw190F-8/R16を参照。

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｕ３＞：Fw190F-8/R15を参照。

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｕ４＞：Fw190F-8/R13を参照。

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−８／Ｕ５＞：Fw190F-8/R16を参照。

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−９＞：Ｆ型最終型。A-9がベースで、エンジンをBMW801TS（2200馬力）に、プロペラを木製のVDM9-12157H3（直径3.5m）に、強制冷却ファンを14枚羽根に換装した。キャノピーはガーランド・ハウベである。各種専用攻撃兵器（パンツァーブリッツ１／２／３やSG113Aフォルスターゾンデなど）の装備が予定されていた。後期生産型では主翼下面にETC503ラックを１基ずつ搭載、胴体下面ラックをETC504に換装し、コクピット内部、尾翼、フラップなどを木製に変更している。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊PANZER10,’03、歴史群像2,’08付録

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−９／Ｒ１＞：両主翼下にETC71小型爆弾架を装着したもの。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−１０＞：エンジンをBMW801F-1（2400馬力）に換装し、プロペラを木製のVDM9-12157H3に換え、強制冷却ファンの羽根を14枚に増やし、垂直尾翼をTa152のものに変更、外翼内または外翼下面に20mm機関砲MG151/20または30mm機関砲MK103または30mm機関砲MK108を搭載したもの。エンジンが生産されず、計画のみに終わった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、歴史群像2,’08付録、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−１５＞：F-10に続いて計画されたもの（F-11からF-14は戦闘機型Ｄシリーズと紛らわしいので欠番）で、F-10のエンジンをBMW801TS（2200馬力）に換装し、主車輪を740×210mmにしている。1945年3月に原型機が飛行試験を行ったが、F-16の方が有用として量産はされなかった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｆ−１６＞：F-8のエンジンをBMW801TJ（1810馬力）に換装し、F-10と同じ強制冷却ファンとプロペラを取り付け、無線機をFuG15に換えたもの。バリエーションとして、R1、R5（主翼下面にMW50用55リットルタンク搭載）、R13、R14（雷撃戦闘機型）が考えられていた。1944年12月に原型機が完成したが、量産型の完成前に終戦となった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ｆ−１７＞：F-16にTSA2D低空緩降下爆撃照準器を搭載したもの。設計中に終戦となった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０Ｇ＞：長距離爆撃機型（Jabo-Rei）。戦線後方の補給路・補給施設を破壊するのが主任務である。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−１＞：Fw190A-4/U-8を改称したもの。軽量化のためA-4の機首と外翼の武装を撤去して主翼付け根の20mm機関砲MG151/20のみとし、主翼左右に300リットル増槽用ユンカース式ラックを装着、胴体下面のETC501ラックに250kgまたは500kg爆弾１発を搭載する。全長8.9m、全幅10.5m、全高3.95m、自重3110kg、全備重量5000kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、最大速度560km、航続距離1545km。乗員１名。49機が生産された。重量増で飛行性能が落ちたため、早朝や夕方、悪天候時に行動していたが、1944年以降はほぼ夜間作戦にしか使えなくなった。参考：月刊JWings1,’01、歴史群像2,’08付録、月刊丸8,’87、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−２＞：A-5/U8を改称したもの。殆どは主翼の増槽ラックをメッサーシュミット式にしている。近距離作戦時には主翼の増槽ラックを外すことも多かった。1942-43年に601機（486機？）が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−２／Ｎ＞：夜間攻撃機型で、消炎排気管を装備する。1944年以降はこのタイプに改造された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−３＞：A-5/A-6ベースの長距離爆撃機型。PKS12自動操縦装置を搭載してパイロットの負担を軽減し、主翼を強化して主翼下増槽ラックをフォッケウルフ式に換装した。全長9m、全幅10.5m、全高3.95m、全備重量4800kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、最大速度460km、実用上昇限度7500m、航続距離1125km。固定武装は20mm機関砲MG151/20が２門。144機が生産された。バリエーションとしてR1とR5がある。参考：月刊JWings1,’01、歴史群像2,’08付録、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−３／Ｔｒｏｐ＞：熱帯地型で、過給器エアインテイクに防塵フィルターを装着した。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−８＞：A-8ベースにG-3と同様の改修を行ったもの。主翼下面にETC503ラックを装着して爆弾を搭載できるようにし、胴体下に増槽を吊り、排気管に消炎装置を取り付けた夜間攻撃機型も作られた。全長9m、全幅10.5m、全高3.95m、全備重量5200kg。エンジンはBMW801D-2（1700馬力）単発、最大速度450km、実用上昇限度7500m、航続距離1125km。固定武装は20mm機関砲MG151/20が２門。爆弾搭載量500kg。バリエーションとして、/R4と/R5がある。1944年春から就役したが、戦線縮小で長距離爆撃機に出番が無くなり、夏には生産が打ち切られてＦシリーズに絞られた。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊JWings1,’01、月刊丸8,’87

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−８／Ｒ４＞：GM-1ブースト装置を装着したタイプで、少数が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｇ−８／Ｒ５＞：主翼下面にETC50ラック２基ずつを装着し、主翼内に115リットル防弾タンク２個を搭載したもの。少数が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｈ＞：本格的高々度戦闘機型で、元はFw190Ra-6と呼ばれていた。翼面積を拡大し、胴体を延長、高々度用液冷エンジン（ユモ213E、DB603G、DB632など）を装備する。計画のみに終わったが、Ta152に引き継がれた。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｆｗ１９０／Ｒ１＞：Fw190A-5/U12の量産型で、MG151/20機関砲２門を収容するWB151ガンパック（装弾数125発ずつ）を主翼下に搭載したもの。重量が300kgほど増え、速度は50km低下した。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ２＞：Fw190V51の量産型で、外翼の機関砲を30mm機関砲MK108に換装したもの。主翼下面の機関砲点検パネルのバルジが変更された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ３＞：Fw190A-5/U11の量産型で、外翼下面にMK103機関砲パックを搭載する。実用性に乏しく、殆ど使用されていない。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ４＞：Fw190V45/V47の量産型で、GM-1ブースト装置を追加したもの。Fw190A-8/F-8/F-9の一部がこの仕様になった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ５＞：胴体内に115リットルタンクを増設し、MW50ブースト装置を追加したもの。Fw190A-8/F-8/F-9の一部がこの仕様になった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ６＞：主翼下にW.Gr21ロケット弾を１発ずつ搭載したタイプ。Fw190A-6/A-7/A-8/A-9の一部がこの仕様になった。A-8では胴体下面に１発搭載するタイプも作られている。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ７＞：重装甲型で、コクピット周辺に防弾鋼板、キャノピー側面に防弾ガラスを追加した。Fw190A-8の一部がこの仕様になった。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ８＞：Fw190/R2とFw190/R7を両方適用したもの。Fw190A-6/A-8の一部に施されたが、Fw190A-6の場合、A-6/R8とは表示せず、単にA-6で済ませたようである。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ１１＞：全天候戦闘機型。FuG125ヘルミネ無線機とPKS12帰投装置を装備した。キャノピーには電熱曇り止め装置が搭載された。A-8、A-9、Ｄシリーズに適用された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ１２＞：R2とR11を両方適用したもの。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜Ｆｗ１９０／Ｒ１３＞：夜間戦闘用無線機と航法装置を装備し、排気管に防炎装置を取り付けたもの。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０／Ｒ１４＞：雷撃機型。ETC502胴体下ラックを搭載し、尾脚柱を延長した。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０／Ｒ１５＞：戦闘爆撃機型。1400kg爆弾用懸架装置を装備する。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０／Ｒ１６＞：戦闘爆撃機型。700kg爆弾用懸架装置を装備する。参考：月刊丸8,’87

＜Ｆｗ１９０Ｒａ−４＞：Ta153を参照。

＜Ｆｗ１９０Ｒａ−６＞：Fw190Hを参照。

＜Ｆｗ１９０Ｓ−５＞：複座練習機型で、ＳはSchulung（訓練）の略。A-5ベースで、操縦席の後ろに教官席と複操縦装置を追加、操縦席と教官席を連結した大型キャノピーで覆っている。武装は全て外した。全備重量3900kg。最大速度580km。A-5から１機が改造され、A-5/U1として３機がテストされ、この名称でごく少数が生産された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０Ｓ−８＞：複座練習機型。A-8ベースで、S-5と同様の改修を行っている。教官席のキャノピー側面が四角錐状に張り出した形状になった。当初はA-8/U1と呼ばれていたが、この名称に変更され、1944年から90機が生産された。連絡機としても使用されている。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜Ｆｗ１９０生産途中改修＞：1944年秋以降の生産機では、ガーラント・ハウベと呼ばれる視界向上型キャノピー（上部を上に大きく膨らませてある）が搭載された。参考：月刊JWings1,’01、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜ヘーエンイェーガー１＞：ヘーエンイェーガーは高々度戦闘機のこと。Fw190Aの高々度戦闘機型で、BMW801エンジンにGM-1を追加したものである。エンジン性能向上に限度があり、量産はされなかった。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜ヘーエンイェーガー２＞：高々度戦闘機型。Fw190AのエンジンをDB603に変更し、排気タービンを追加している。排気タービンとインタークーラーは胴体下面に取り付けられており、カンガルーというニックネームが付いた。５機が改造されて試験を受けたが、排気タービンにトラブルが続出して採用されず、Fw190D以降に後を譲った。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ｆｗ１９０海外シリーズ＞

　＜Ｆｗ１９０（フランス空軍）＞：フランス空軍戦闘機。戦後の一時期使用していた。参考：月刊PANZER4,’04

　＜Ｆｗ１９０Ａａ−３＞：トルコ空軍戦闘機。中立国トルコとの間に1941年に結んだ協定の見返りとしてFw190A-3を輸出したものである。主翼付け根のMG151/20をMG17に換装し、無線機を全て撤去した。1942年10月から1943年3月までに72機が引き渡され、1948年まで使用された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

　＜ＮＣ９００Ａ８＞：ドイツ占領下のフランスで生産されたもの。参考：月刊丸2,’08

＜Ｆｗ１９０Ｆ対地攻撃戦術＞：４機編隊（シュヴァルム）２組により高度2000m以下で接近。１組が単縦陣となって降下角60-70度でダイブし高度300mで投弾、そのまま水平飛行に戻りながら機銃掃射を行い、その後上昇してもう一方の編隊のカバーに入る。他に高度50mを500km以上の高速で目標に接近、1500m手前で上昇して300mほど水平飛行し、シュヴァルムから単縦陣に移行して緩降下に入り、機首上げで投弾して左右に離脱するというのもある。参考：月刊PANZER10,’03

＜Ｆｗ１９１＞：ドイツ空軍試作双発爆撃機。He111後継爆撃機開発計画「ボマーＢ」にフォッケウルフ社が提示したもので、ユモ222エンジン（2500馬力）と与圧キャビンを装備し、高々度高速飛行と急降下爆撃が可能な機体として開発された。BMW801（1700馬力）を搭載した試作機は1940年に完成したが、機体にトラブルが多発し、1943年にユモ222を積んだタイプも完成したが今度はエンジンが生産中止となったため、本機も開発中止となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｆｗ２００シリーズ＞：フォッケウルフ社の４発旅客機、別名コンドル。大西洋横断可能で、クルト・タンク技師が設計した。1938年11月にベルリン・立川間を42時間半で飛行し、日本も爆撃機としてのライセンス生産を申し出たが、断られた。試作機10機がルフトハンザ航空に引き渡されたところで第２次大戦が始まり、ドイツ軍に30機ほど徴用されて軍用型Fw200Cシリーズに改造され、海上交通破壊作戦や洋上哨戒などに投入されて当初はチャーチルから大西洋の疫病神といわれるほど大量のイギリス艦船（1940年8月から1941年2月までに85隻363000トン）を沈めたが、護衛空母などの登場で損害が増え、Ju290などに後を譲って1944年以降は輸送機として使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊丸3,’90、グラフィックアクション29、月刊JWings1,’20、9,’13

　＜Ｆｗ２００Ｓ＞：試作初号機で、Fw200V1ともいう。1937年7月27日に初飛行した。エンジンはプラット＆ホイットニー社製ホーネット（875馬力）４基。ベルリン・ニューヨーク間無着陸飛行、ベルリン・東京連絡飛行の時間記録を樹立した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’20

　＜Ｆｗ２００Ｖ２＞：試作２号機。エンジンをホーネットのライセンス生産型であるBMW132に換装している。ルフトハンザに引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ２００Ｖ３＞：試作３号機。ヒトラー専用機になった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ２００Ｖ１０＞：日本海軍から発注された洋上哨戒型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ２００Ｂ＞：旅客機型。参考：月刊丸3,’90

　＜Ｆｗ２００Ｃ−０＞：洋上哨戒型で、第２次大戦直前に発注された。客室は増槽５基（合計容量5500リットル）や潤滑油タンクに割り当てている。主翼内に左右計８個の燃料タンクがある。主脚支柱は複数のパイプフレームを組み合わせた複雑な形状で、屈折緩衝装置により緩衝した。主輪はシングルタイヤ。1942年4月から洋上哨戒や船団護衛などに投入された。参考：月刊航空ファン2,’12、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’20

　＜Ｆｗ２００Ｃ−１＞：爆撃機型。C-0がベースで、機体構造の関係から客室を爆弾倉に改造するのが難しかったため、機体前部下面にゴンドラを追加し、ゴンドラ内の前後部に銃座、中央部に爆弾倉を設けた。全長23.85m、全幅32.84m、全高6.5m（３点姿勢）。エンジンはBMW132星型９気筒ガソリン４発。乗員６名。参考：月刊航空ファン11,’11、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’20

　＜Ｆｗ２００Ｃ−２＞：C-1の武装変更型。参考：月刊航空ファン11,’11

　＜Ｆｗ２００Ｃ−３＞：機体構造を強化し、エンジンをブラモ323R-2に換えたもの。重量が増えたので主輪をダブルにした（尾輪はシングルのまま）。全長23.85m、全幅32.84m、全高6.3m、全備重量22720kg。エンジンはブラモ323R-2空冷星型９気筒ガソリン（燃料直噴式、水メタノール噴射装置付。1200馬力）４発、最大速度363km、燃料搭載量8060リットル、航続距離4443km（3550km？）。固定武装は20mm機関砲１門、13mm機銃３丁、7.92mm機銃２丁。爆弾搭載量1250kg（通常）／2100kg（最大。5400kg？）。ゴンドラ内爆弾倉に250kg爆弾１発（500kg爆弾２発？）を積める。ハードポイントはエンジンナセル下と外翼下に１カ所ずつ計４カ所で、全て250kg爆弾を１発ずつ（前者は1400kg爆弾、後者は1800kg爆弾？）搭載可能。FuG10無線機、PeilG�X方向探知装置、FuG25敵味方識別装置、FuBl.1着陸誘導装置を装備する。乗員６名。1941年2月に完成した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’20、月刊航空ファン11,’11、2,’12

　＜Ｆｗ２００Ｃ−３／Ｕ４＞：武装・爆弾搭載量強化型で、エンジンナセル下面ハードポイントに500kg爆弾を積めるようにした。全長23.5m、全幅32.9m、全高6.3m、自重17010kg、全備重量24520kg。エンジンはBMW-ブラモ323R-2（1200馬力）４発、最大速度360km、実用上昇限度6000m、航続距離3600km。武装は胴体側面の13mm機銃MG131が２丁、上部前後の7.9mm機銃MG15が１丁ずつ、ゴンドラ前部の20mm機関砲MG151/20が１門、ゴンドラ後部の7.9mm機銃MG15が１丁。爆弾搭載量1750kg（通常）／2100kg（最大）。乗員７名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings1,’20

　＜Ｆｗ２００Ｃ−４＞：FuG200ホーエンツヴィール・レーダーを搭載したタイプで、1942年2月から生産された。生産途中で尾脚サスペンションも屈折緩衝式に変更され、シミーダンパーが前方に突出するようになった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊航空ファン2,’12

　＜Ｆｗ２００Ｃ−４／Ｕ１＞：C-4の輸送機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ２００Ｃ−４／Ｕ２＞：C-4の輸送機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ｆｗ２００Ｃ−６＞：C-3にHs293ミサイルの運用システムを搭載したタイプで、外翼爆弾ラックをHs293用ラックに交換している。1943年から改造された。同年12月28日に初実戦参加し、イギリス艦艇の攻撃に向かったが、サンダーランド飛行艇に撃墜されるなどあまり役に立たなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、丸エキストラ版No.71

　＜Ｆｗ２００Ｃ−８＞：Hs293ミサイル搭載型。参考：丸エキストラ版No.71

＜Ｆｗ２５９＞：フォッケウルフ社の計画戦闘機。Fw159のエンジンをDB601に変更したもので、1936年に計画されたが、性能がBf109に劣ると見積もられたため、試作されずに計画中止となった。参考：歴史群像2,’08付録

＜ＦＷ４１９Ｍ９＞：レッカ車を参照。

＜ＦＷ４２９Ｎ改＞：航空自衛隊の６×６輪除雪トラックで、飛行場の除雪に使用される。除雪幅4.8m。全長13m、全幅4.8m、全高3.45m、車重20.41トン。エンジンは8DC11ディーゼル（８気筒、総排気量17737cc、355馬力）、トランスミッションは遊星歯車式前進５段・後進１段、最大速度85km、燃料タンク容量300リットル。乗員３名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＦＷＣ＞：完全戦闘能力の略。参考：月刊JWings4,’20

＜Ｆ．Ｗ．Ｄ．トラック＞：イギリス軍４×４輪8cwtトラック。ハンバー社製で、シャシーは同社の４輪ヘビー・ユーティリティーと同じものを使用し、３名用キャビンを持つ。参考：月刊グランドパワー3,’02、月刊PANZER12,’01

＜Ｆ．Ｗ．Ｄ．トラック・ファミリー＞

　＜野戦救急車＞：野戦救急車型。オースチンK2Y重救急車よりもやや小型で、より前線に近い所に投入される。後部を救急キャビンに改装しており、定員は担架２床＋着席可能な負傷者３名または負傷者のみ５名だが、担架４床、着席可能な負傷者6-7名、担架３床＋負傷者３名という乗せ方もされた。参考：月刊グランドパワー3,’02、月刊PANZER12,’01

＜ＦＷＭＰ＞：アメリカ軍の地雷除去装置で、Full-Width Mine Plow（車体幅除雷鋤）の略。ABV装甲工兵車に取り付ける幅4.2m・重量3.6トンの巨大なチタン製Ｖ字型熊手である。プラウ中央と車体左右からはプラウ前方にソリが延びていて、除雷深さを調整する。プラウは中央と左右で３分割されている。深さ0.3mまでの地雷を時速15kmで処理可能。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＦＷＭＲ＞：アメリカ軍の地雷除去装置で、車体幅除去レーキの略。M728のドーザーの換わりに取り付ける幅4.5mの巨大な熊手で、中央にソリがついており、これで除去深さを調節する。深さ0.3mまでの地雷を除去でき、除雷幅も大きく、除去後には砂漠に跡がはっきり残るので、湾岸戦争で有効に使用された（TWMR、TWMPの次に使用して残された地雷が無いか確認した）。参考：月刊軍事研究12,’98、月刊グランドパワー4,’95

＜ＦＷＳ＞：KADDBとユニバテがジョイントベンチャーで開発している遠隔操作式兵装ステーションで、Floating Weapon Stationの略。ヨルダン国産のロータリー・リニア・モーターにより駆動し、二軸安定化装置付きで、赤外線暗視装置と12.7mm機銃を搭載する。システム重量200kg。参考：月刊軍事研究8,’10

＜Ｆ−Ｘ（Ｆ−８６後継）＞：第一次F-X。航空自衛隊F-86Fの後継となる戦闘機である。1956年4月、YF-104が公開された直後にロッキード海外事業社の社長が来日し、防衛庁に対してF-86F後継戦闘機としての売り込みを開始。ノースアメリカンの輸出部長も対抗してF-100の説明を行った。1957年2月、航空幕僚監部は1960年代に実用化されると予想されるソ連爆撃機に対抗できる戦闘機として、最大速度マッハ２、実用上昇限度60000フィート（18288m）以上、上昇力８分以内50000フィート（15240m）、行動半径200海里以上といった要求（該当するのはF-104しかない）を出した。6月、第１次防衛力整備計画で次期超音速戦闘機を300機国産すると決定。8月、防衛庁はアメリカに第一次F-X調査団を送り、F-100とF-104に加え、F-102、N156Fを調査し、アメリカ国防省日本担当官の要望からF11F-1Fも調べた。結果、F-100は戦闘爆撃機で要撃任務に向かず、全天候性も無い、F-104は視界良好時の迎撃機としては最優秀だが実用試験が始まったばかりで評価が未定、操縦機構が複雑で、座席下方射出方式には再考を要する、F-102は性能が不十分、N156Fはまだ研究段階、F11F-1FはF-104並に高性能で多用途性に富むが、実験機であり自ら実用化を行う必要がある、といった問題があり、結論が出なかった。このため12月24日にF-100を繋ぎとして国産化する案を国防会議に諮ったが、戦闘爆撃機と説明したので爆撃機は要らないと首相に蹴られ、1958年4月5日に防衛庁会議と4月12日の国防会議議員懇談会で使用期間、安全性、必要滑走路長、多用途性といった長所からF11F-1F（の改良型のG-98J-11スーパータイガー）の採用が決まった（F-104Aはエンジン故障による連続墜落事故と3000m以上の滑走路がネック）。更に生産計画調整や日米の費用分担を決めて国防会議に諮り正式決定する予定にし、空自では国産準備委員会を立ち上げ、防衛庁と通産省は新三菱重工を主契約社、川崎重工を協力社に決定した。新三菱重工は早速グラマン社に調査団を派遣している。しかしその後もメーカーによる売り込み合戦が続き、ロッキードとグラマンによる政官財への札束攻勢（一晩で数億）が行われたともいわれ、コンベア社（F-102とF-106）やノースロップ社（N156F）も加わって収拾が付かなくなり、8月にはグラマンによる政治汚職疑惑の怪文書まで流れる事態に発展、8月22日の衆議院決算委員会で問題が取り上げられて首相の証人喚問にまで至った。汚職に関しては証拠が出なかったが、ロッキードがF-104の値下げを申し入れたり、G-98J-11がまだ設計段階であることに文句が付いたりと事態がますます複雑化し、1959年6月15日の国防会議で内定が白紙に戻された。そこで8月8日に源田実航空幕僚長を団長とする第２次F-X調査団が渡米、F11F-1F、F-104、F-106、N156Fを調査対象として実際に搭乗するなど10月26日まで２ヶ月半に及ぶ綿密な調査を行った。その結果、F11F-1Fは性能に劣る、F-106は高性能だが価格が高すぎる、N156Fは飛行試験開始直後で未完成ということで、操縦性、上昇力、速度性能、FCS能力に優れたF-104の採用が11月6日の国防会議で決定した。国防会議では「F-104Cを日本向けに改造した型」という表現だったが、要するにF-104G（の改修型）である。この再決定に関してもロッキードによる汚職疑惑が流れているが、真相は不明。参考：世界の傑作機No.104、月刊丸12,’10、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｆ−Ｘ（Ｆ−１０４Ｊ後継）＞：第二次F-X。航空自衛隊は第３次防衛力整備計画でF-104J/DJの後継戦闘機を選定することになり、1967年から機種選定が始まった。1967年10月26日に資料収集班が各国に派遣され、F-111、CL-1010、F-4、F-5、P530（F/A-18原型）、ライトニング、ミラージュF1C、サーブ37ビゲン、ジャギュアの情報を収集した。1968年4月に航空幕僚監部内にF-X企画室が設置され、5月に機種がCL-1010-2、F-4E、ミラージュF1Cに絞られた。この中で当時実際の機体が開発されていたのはF-4Eだけで、9月27日に航空幕僚長、10月8日に防衛庁長官にF-4Eを選定するという報告書が提出され、11月1日に首相の了承が得られて採用が決定、1969年1月10日の国防会議で導入を決定し、F-4EJとして制式化された。この際、F-4Eの輸入代理店である日商岩井の常務が前防衛庁長官に対して政界工作を仕掛け、大問題になっている。参考：月刊丸12,’10、自衛隊装備カタログ1981、月刊航空ファン1,’15

＜Ｆ−Ｘ（第三次）＞：航空自衛隊F-104J/DJの後継となる戦闘機で、1975年から選定され、F-14、F-15、F-16、YF-17、サーブ37ビゲン、ミラージュF1E、トーネードIDS（ADVはまだ無かった）の情報を収集した。まず欧州機のサーブ37ビゲン、ミラージュF1E、トーネードIDSが蹴られ、F-16に敗れたYF-17が落選し、最低限の戦闘能力しかないF-16が外れ、秋には入間基地の国際航空宇宙ショーでF-14とF-15が売り込みのデモフライト合戦を繰り広げ、1976年末には上昇力、加速力、格闘戦能力に優れ、１名で運用できるF-15が一旦選定された。ただ12月21日の国防会議で来年度予算に組み込むための審議時間が無いとのことで決定が１年延期され、1977年12月28日の国防会議でF-15Jの採用が決定した。この遅れにより戦闘機が足りなくなる恐れがあったため、F-4EJを12機余計に調達している。アメリカからは技術奪取の可能性があるとして売却を渋る動きも見られたが、欧州機にシェアを奪われるとして議会の承認が得られた。参考：月刊丸12,’10、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜Ｆ−Ｘ（Ｆ−４ＥＪ改後継）＞：航空自衛隊F-4EJ改の後継となる戦闘機で、2004年12月10日に閣議決定された中期防衛力整備計画（平成17年度以降）で明記され、2005年7月1日に設置された航空幕僚監部防衛部次期戦闘機企画室が選定を行っている。2006年3月、候補がF-22A、F-15FX（F-15Eベースというか恐らくF-15SEベース）、F/A-18E/F、EF2000タイフーン、ラファール、JAS39グリペンに決まった。調達数は不明だが、２個飛行隊40-60機くらいだったらしい。当初は2009年度から調達を開始し、2010年度からの中期防で本格的な更新を行う筈で、航空自衛隊ではF-22Aの採用を目指していたが、F-22Aを輸出する場合、１機あたりの売却価格は２億5000万ドルになるといい、運用コストや周辺環境の整備を含めて予算をどう捻出するのかは不明である。また、日本にF-22Aを輸出すると、中国への技術転用疑惑のあるイスラエルにも輸出許可を出さなければならなくなり、技術拡散の恐れが出てくるため、アメリカ側は輸出を許可していない。2006年3月、海外メーカーにRFIを発出。ラファールはヨーロッパ製戦闘機はどうせ落選するからとメーカーが提案を行う意志が無く、グリペンは販売元のBAEシステムズがタイフーンを推したため、提案されなかった。2007年2月25日から3月15日、第１次海外調査でタイフーン、F-15FX、F/A-18E/Fの調査を実施。4月、日米首脳会談と日米防衛首脳会談でF-22Aの情報提供を要求したが、詳細情報は提供されなかった。2007年7月、F-35に関する情報の一部の提供を受けた。2008年3月、第２次海外調査でF-35の調査を実施。また、調査はされていないが、ステルス化を図る周辺国に対抗するためF-22Aを導入すべきという意見も強かった。2009年1月16日、航空幕僚長が、日本周辺にステルス機保有国が出てきた場合に、日本にステルス機が無いと、防空・軍事バランス上、大きなハンデになると発言。ただ、F-22Aを導入するとライセンス生産や国内整備が不可能になるため、２個飛行隊程度の導入に留め、他機種と併用することも検討された。5月1日、防衛大臣とアメリカのゲーツ国防長官との会談で、F-22Aの輸出禁止を定めたオベイ条項の撤廃は困難であることが伝えられ（F-22Aが輸出を想定しておらず機密パーツにブラックボックス化が必要で費用がかかりすぎるという問題もあったらしい）、F-35の導入が打診された。ただF-35が実用化されるのは2015年頃で、ライセンス生産に関する調整には更に数年かかる（完全輸入になる可能性もある）ことから、2011年度のF-2生産終了に間に合わず、日本の戦闘機産業の仕事が無くなる。F-22AとF-35の情報が不十分なため、2010年度概算要求でのF-X調達経費計上は見送られた。2009年7月3日、航空幕僚監部がアメリカ政府に対してF-22Aに関する質問書への回答を要請し、F-35の具体的な情報取得のための契約手続きを開始した。しかしF-22Aは2009会計年度での調達打ち切りが決定したため、導入は不可能となった。10月19日、イギリスの防衛装備支援担当相がF-Xへのタイフーン導入に期待感を表明した。この時点で、F-22Aは理想的だが導入不能、F-35は理想に近いが導入時期が恐らくF-4完全退役後になりライセンス生産も困難、F-15FX（F-15SEになるかも）は機種統一で導入の苦労は無いが、ライセンス生産による新規技術獲得のメリットが少なく、機体トラブルなどで飛行停止が勧告されるとF-15J共々飛べなくなってしまう、F/A-18E/Fは新型機で多用途任務に対応できるが、エンジンパワーが限界に近く飛行性能に難がありスクランブル任務にやや不向きで、海軍艦上機ベースであり他の空自機との共用が難しい、タイフーンはライセンス生産交渉が楽（メーカーが全情報開示を表明している）だが、レーダー性能がイマイチ（AESAではない）であり、ヨーロッパ機なのでF/A-18E/F以上に共用が難しく、欧州規格対応整備用具などの新規導入が必要、ラファールは空自もメーカーも採用する・される気が無いといった感じで、１つに絞り込むのは時間がかかりそうな状態だった。2011年1月7日、防衛省に次期戦闘機統合プロジェクトチームIPT（Integrated Project Team）が発足。候補機をF-35、F/A-18E/F、タイフーンに絞り込み、春までに提案要求書を纏めて各メーカーに提出、2012年度予算に調達経費を計上する予定とした。4月13日、提案要求書に関する説明会を実施。所要機数は２個飛行隊定数計36機＋予備機3-4機＋教育用１機＋飛行開発実験団用1-2機の計42機となった。4月18日、ボーイング、ロッキード・マーチン、BAEシステムズが提案申し込みを行った。6月28日、ロッキード・マーチン社がF-35採用の暁には最終組み立てを日本企業に委託すると表明。9月26日、各メーカーの提案書が受領され、F/A-18E、F-35A、タイフーンの３機種から選定されることになった。12月20日、性能（50点満点）、後方支援体制（５点）、国内企業参画（22.5点）、ライフサイクルコスト（22.5点）を検討した結果、国内企業参画（タイフーンがトップ）を除いた３項目でF-35Aが最高評価を獲得し、機種がF-35Aに確定した。製造・修理担当は機体が三菱重工、エンジンがIHI、ミッションアビオニクスが三菱電機である。2012年度に予算化し、FMSで調達、2016年度から受領する予定。F-35Aの初期運用試験終了は2017年を予定していて、このままだと間に合わないが、ロッキード・マーチンではスケジュールを１年間前倒しして何とか滑り込む方針としている。F-15Jの偵察機化が難航しているため、F-Xにも偵察機能を持たせることを検討しているらしい。23中期防で12機を導入する予定だが、F-4EJ改の退役スピードの方が早く、戦闘機／攻撃機戦力の減勢を余儀無くされそうである。参考：月刊コンバットマガジン7,’09、月刊航空ファン8,’09、3,’11、6,’11、9,’11、JWings6,’09、4,’10、7,’10、12,’11、3,’12、月刊軍事研究2,’12、10,’09、11,’09、1,’10、10,’11、11,’15、2,’17、月刊丸11,’09

＜Ｆ−Ｘ（Ｆ−２後継）＞：航空自衛隊F-2戦闘機後継計画。防衛省では将来戦闘機構想を立ててi3Fighterコンセプト、23DMU-26DMUのデジタルモックアップ、X-2実験機を製作し、XF9-1などのコンポーネントも研究しているが、単独開発は技術や予算の面で限界があるので、国際共同開発や既存機の能力向上なども視野に検討を行っている。完全輸入だと開発予算は低減できるが、候補がF-35Aしか無く、トラブルの際に空自戦闘機の大部分が飛行停止処分の憂き目に遭う、国内航空産業に貢献しない、といったことから、外国機の導入は見送られるとみられる。2016年6月3日、防衛装備庁がRFIを発出し、取得方法の検討に必要な情報を提供してくれる企業の募集要項を発表した。期限は7月5日1500までで、航空機、エンジン、搭載機器などの研究開発試験製造輸入販売を行える企業を対象とし、適すると思われる既存機種の情報や、新規開発する場合に必要となりそうな最新技術の情報の提供を求める。防衛省では応募企業を発表していないが、ノースロップ・グラマンとロッキード・マーチンが応募を明らかにした。ボーイングは三菱重工との共同開発を提案。ユーロファイター社やサーブ社も関心を示しているらしく、提案のあった企業は80社以上に上る。2017年3月16日、イギリス国防省と、将来戦闘機における英国との協力の可能性に係る日英共同スタディに関する取決めを締結した。2018年3月、複数の外国企業（ロッキード・マーチン、ボーイング、BAEシステムズ社らしい）と外国政府にRFIを送付した。RFIの要求性能には無人機搭載能力が含まれているらしい。ロッキード・マーチンではF-22ベースの機体にF-35のアビオニクスを組み合わせたもの、ボーイングはF-15の技術を活用したもの、BAEシステムズ社はEF2000の技術を活用したものを提示する予定とされる。2019年5月31日、一般社団法人日本航空宇宙工業会第８回定時総会に先立つ記者会見で、会長が開発早期着手を要望した。防衛省は2010年に発表した将来戦闘機の開発ビジョンの中で開発費を5000-8000億円と見積もっているが、多分倍の1-2兆円くらいはかかる。26中期防最終年度の2018年度末までに方向性を決める予定だったが、どのくらい国産にしてどのくらい海外技術を導入するかの判断が難しいらしく、国産開発断念やら国際共同開発やら既存機改修やらと噂が飛び交っている状態である。平成31年度／令和元年度中期防で、F-2退役時期（2030年代）までに、将来のネットワーク化した戦闘の中核となる戦闘機を取得するため、必要な研究を推進し、国際協力を視野に入れて自国主導の開発に早期に着手することになった。2020年度予算で初めて開発費が計上され、名称も将来戦闘機から次期戦闘機F-Xに改称、高いステルス性能とネットワーク戦能力を備え、優秀なセンサーを積み、アメリカとのインターオペラビリティを有するものとされた。ミッションシステム・インテグレーションや有人機・無人機編隊飛行技術などの周辺研究費は大幅に減額されており、まずは共同開発国・企業が決まるのを待つようである。スケジュールは、2020-22年度に構想検討と初期設計、2023年度に詳細設計、2024年度に試作機製造開始、2031年度に量産開始、2035年度に開発完了、2036年度に部隊配備開始を予定している。2020年7月31日、エンジン以外の開発体制をシングル・プライム（インテグレーション企業＋下請け企業）にすると発表し、次期戦闘機（その１）の契約希望者募集要領を発表した。超音速（マッハ1.6以上）・高機動（7G以上）ステルス固定翼機で、空対空ミサイルを含む兵装の火器管制を行うことが出来、射出座席による脱出を含む耐空性を持つ機体を纏め上げる企業を募集している。また、防衛省では日本周辺空域に迅速に展開し、より遠方で目標に対処でき、F-35よりミサイルを多く積むことができる機体を求める方針を示している。単純にF-2の後継なら空対艦攻撃能力が最優先の筈だが、将来の日本の防衛において空対空戦闘能力の方が重要と睨んでいるのかは不明。8月25日、外国企業にインテグレーション支援に関する情報提供を要求した。9月1日、河野防衛大臣が、インテグレーション企業に三菱重工、インテグレーション支援外国企業に海外７社から応募があったと発表した。10月30日、次期戦闘機の令和2年度事業（その１）の契約を三菱重工と締結したと防衛省が発表した。11月4日、BAEシステムズ社がインテグレーション支援に関する情報提案書を提出したと発表した。岸防衛大臣は同日の会見で、ボーイング社とロッキード・マーチン社からも提案書を受領したと明らかにしている。11月14日、防衛省が「次期戦闘機の調達について」で次期戦闘機のコンセプトを発表。必要な能力として、量に勝る敵に対する高度ネットワーク戦闘、高度なセンシング技術、優れたステルス性を挙げ、また改修の自由度、将来の拡張性、国内維持整備基盤の確保もコンセプトに掲げた。12月、関係企業出向者で構成されるエンジニアリングチームFXET（F-X Engineering Team。エフゼットと読む）が発足した。12月18日、インテグレーション支援候補企業にロッキード・マーチン社を選定したと、防衛省が発表した。2021年12月22日、日英防衛当局がエンジン共同実証事業を行うための取り決めに署名し、IHIとロールスロイスが2022年1月から共同で実施することになった。2022年2月15日、防衛装備庁とイギリス国防省が、将来戦闘機に搭載する次世代RFセンサーシステムの技術実証に関する取り決めに署名したと発表し、ジャガー試作レーダーを作ることになった。5月、イギリスを訪れた岸田首相がジョンソン首相と会談し、年末までに開発協力の全体像を策定する事で合意した。11月4日、岸田首相とイギリスのスナク首相が電話会談し、日英両国の協力加速で一致した。12月9日、日英伊がグローバル戦闘航空プログラムGCAPとして2035年に向けた次世代戦闘機共同開発を行うと発表し、テンペストと統合された。参考：月刊JWings8,’16、10,’16、11,’16、12,’16、1,’17、7,’18、3,’19、8,’19、3,’20、10,'20、11,'20、1,'21、3,'21、8,'21、3,'22、1,'23、2,'23、月刊軍事研究2,’17、6,’16、12,’16、5,’17、月刊航空ファン10,’18、5,’18、朝雲

＜Ｆ−Ｘ�T＞：F-15K（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−Ｘ�U＞：F-15K（戦闘機）を参照。

＜Ｆ−Ｘ�V＞：韓国空軍の次期戦闘機導入計画で、60機を配備する。2012年6月18日、ボーイングF-15SE、ユーロファイターEF2000、ロッキード・マーチンF-35Aが応募した。2013年8月にEF2000を提案書不備、F-35Aを高価格で除外したが、F-15SEもステルス性が不十分として9月24日に選定やり直しを決定している。11月22日、統合参謀本部会議で第５世代ステルス戦闘機を採用すると発表した。なぜ機種名をぼかしたのかは不明だが、2014年3月24日にF-35Aであると公表している。導入機数は40機（＋オプション20機）であり、全て完全輸入で、2018-21年に受領する。参考：月刊JWings9,’12、1,’14、2,’14、6,’14

＜ＦＸ１４００＞：SD1400X（空対艦誘導爆弾）を参照。

＜ＦＹ�U＞：北京科源軽型飛行機実業公司が開発中の無人機。機体はCRPとGRPを多用している。参考：月刊軍事研究10,’14

＜ＦＹ２ＦＴＡＴ＞：燃料給油車（20kl、航空自衛隊）を参照。

＜ＦＹ９９国防報告＞：アメリカ国防省が1998年2月に発表した報告書。基本的にはボトムアップレビューの踏襲だが、アメリカにとって有利な安全保障環境の形成、これまでアメリカが対象事態に取ってきた対応、21世紀に向けての準備の３つをキーワードとする三面戦略を採用している。安全保障環境形成に関しては、戦力展開の維持、NATO拡大及びNATOとロシア・ウクライナとの関係強化、平和のための協力、日米韓及びASEAN地域フォーラムとの関係強化、中国との防衛協議、ラテンアメリカ諸国との防衛協力を挙げている。対応してきた事態は、フセイン政権封じ込め、SFORへの参加、非戦闘員救出、中国への緊急人道援助、インドネシア森林火災などであり、今後は大規模戦域戦闘及び小規模緊急事態作戦に対応するため、ほぼ同時に発生する２つの大規模戦域戦争に対処できる戦力を維持するとしている。具体的には、陸軍は現役10個師団の維持（兵力は現役15000名と予備役45000名を削減）、海軍は12個空母戦闘群・12個即応両用戦群維持（兵力は現役18000名と予備役4100名を削減）、攻撃型原潜の73隻から50隻への削減、F/A-18E/F調達計画の1000機から548機への削減、空軍は12個戦闘航空団・予備役８個航空団体制への変更（現役27000名を削減）、F-22調達計画の438機から339機への削減、海兵隊は３個海兵遠征軍の維持を掲げている。東アジアに関しては、日米安保体制を軸に東アジアに展開し地域の安定を保障する、北朝鮮は無謀な事態を引き起こす可能性があるため強い抑止力と対外開放誘致で対処するとした。また、台湾の性急な独立宣言は危険を招くとして牽制した。21世紀への準備として、ジョイント・ビジョン2010を制定。国際社会安定に対するアメリカの関与、危機抑止と紛争防止、紛争が起きた場合の軍事的勝利という３つの事項を将来のアメリカ軍が全て達成できるよう、機動の優越、精密正確な交戦、全次元の防護、全ニーズに合致した兵站による統合作戦を行える軍を完成させるとした。また、弾道ミサイル防衛構想に関しては、戦域弾道ミサイル防衛を優先させること、宇宙施策に関してはC4ISRインフラを中心に整備を進めることが記載された。参考：月刊軍事研究3,’99

＜Ｆｚ＞：Fahrzeug（車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＦＺロケット弾シリーズ（インドネシア軍）＞：インドネシア軍70mm空対地ロケット弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＺ−３２＞：発煙弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＺ−６７＞：弾体は非回転式である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＺ−６８＞：FZ-67の回転安定化型。全長1000mm、直径70mm、翼スパン300mm、重量5.19kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＺ−７１＞：対人弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＺロケット弾シリーズ（ベルギー）＞：ベルギー軍70mm空対地ロケット弾。アメリカのFFARをベルギーで生産したものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ３２＞：訓練用発煙弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ４９＞：HEAT弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ７１＞：汎用弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ１００＞：多目的クラスター弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ１２０＞：訓練弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ１４９＞：対ソフトスキン弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ１８１＞：フラッシュマーカー弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ２１０＞：目標指示・訓練用発煙弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＦＺ２５７＞：照明弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＦＺＦ−７６＞：Fi-103（巡航ミサイル）を参照。

＜ＦＺＧ＞：Fi-103（巡航ミサイル）を参照。

＜ＦＺＵ−３９／Ｂ＞：アメリカ軍のCBU-87/-89/-97/-102/-103/-104/-105/-107/-113/-115/-116/-118クラスター弾用近接信管。炸裂高度を90m-900mの間で10段階に設定でき、撒布界を細かく調節できる。時限信管も用意されており、投下後0.63-4.15秒の間で12段階に設定できる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings2,’13

＜Ｆ型＞：641型（潜水艦）を参照。

＜Ｆ型戦時標準貨物船シリーズ＞：日本の戦時標準貨物船。参考：戦時標準船入門

　＜Ｆ型貨物船＞：船舶改善協会が昭和14年3月に設計したもの。単に規格を標準化しただけで、戦時量産の工夫は見られない。総トン数490トン、載貨重量750トン。主機はディーゼル、最大出力700馬力、航海速力10ノット、最大速力12ノット。参考：戦時標準船入門

＜Ｆ型戦時標準貨物船＞：内地と朝鮮または南方局地間の沿岸航路用貨物船である。船首楼と船尾楼を持ち、船尾楼前端に船橋がある。船尾船底部に機関を配置した。全長53.3m、全幅8.4m、総トン数490トン、載貨重量700トン、積載トン数770トン。主機はディーゼルまたは三連成レシプロ蒸気機関、出力550馬力、航海速力10ノット、最大速力12ノット。21隻10290総トンが竣工した。参考：戦時標準船入門、輸送船入門

＜Ｆ機関＞：藤原機関を参照。

＜Ｆ級嚮同駆逐艦＞：イギリス海軍の嚮同駆逐艦で、Ｆ級駆逐艦を嚮同する。Ｆ級の通信能力を強化、船体を大型化して司令部用居住区を増設した。全長104.6m、幅10.3m、吃水2.7m、基準排水量1475トン。主機は蒸気タービン、出力38000馬力、速力36ノット。兵装は12cm単装砲５門、53.3cm４連装魚雷発射管２基。H62フォークナーが1935年に竣工した。参考；第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ級駆逐艦＞：イギリス海軍駆逐艦、別名トライバル級。ドレッドノート級戦艦に随伴するため速力と航洋力を重視した艦で、船体を大型化して船首楼型とし、蒸気タービンを積んだ。７社が作ったため細かい寸法がバラバラで、煙突も3-6本立っている。最大速力33ノット。1907-09年にズールー、ヌビアンなど12隻が竣工した。参考：月刊丸4,’17

＜Ｆ級駆逐艦＞：イギリス海軍駆逐艦。全長100.3m、幅10.2m、吃水2.6m、基準排水量1350トン。主機は蒸気タービン、出力36000馬力、速力35.5ノット。兵装は12cm単装砲４門、53.3cm４連装魚雷発射管２基。H78フェイム、H67フィアレス、H79ファイアドレイク、H74フォレスター、H68フォアサイト、H70フォーチュン、H69フォックスハウンド、H76フューリーの８隻が1934年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｆ級潜水艦＞：アメリカ海軍潜水艦で、カープ級ともいう。ガソリンエンジンより取り扱いが容易なディーゼルを積んだ潜水艦として1909年にアメリカ海軍が要求を出し、エレクトリック・ボート社がアメリカ本土からハワイまで進出できるタイプとしてＥ級潜水艦と共に設計した。ディーゼルはＥ級に積んだものの６気筒バージョンだが、同様に不調を起こしまくって後に換装を余儀無くされ、電池室の設計にも不備があってSS-23が事故で沈没している。Ｅ級と同様、上構前部に引き込み式の潜舵を持つ。全長43.5m、最大幅4.7m、吃水3.7m、水上排水量330トン、水中排水量400トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用NLSECO−ヴィッカーズ式６気筒４サイクル・ディーゼル（出力410馬力・400rpm）２基・水中用ディール・マニュファクチャリング社製電動モーター２基、水上出力780馬力（SS-22とSS-23は800馬力）、水中出力620馬力、２軸推進、水上速力13.5ノット、水中速力11.5ノット、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、航続距離2300海里（水上11ノット）／100海里（水中５ノット）。安全潜航深度61m。兵装は艦首の45cm魚雷発射管４門（魚雷８本）。乗員22名。SS-20、SS-21、SS-22、SS-23の４隻が1912-13年に竣工した。第１次大戦後は練習潜水艦に回され、1922年に退役した。参考：アメリカ潜水艦史

＜Ｆ作業＞：自衛隊のスラングで、釣り（Fishing）のこと。参考：MAMOR vol.100

＜Ｆバンド（新ＮＡＴＯ）＞：3-4GHzの周波数帯を指す。波長は100-75mm。参考：レーダの基礎

＜Ｆボート＞：F-1級（護送艦）を参照。

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