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＜ター２＞：ポーランドのAMZクツノ社が開発した４×４輪装甲車。シェルパの足回りを流用しており、防御レベルは耐地雷レベル2A+2B・耐弾レベル３で、ランフラットタイヤとNBC防護装置を装備し、エアコンとヒーターも付いている。戦闘重量9.4トン。エンジンはディーゼル（220馬力）、最大速度120km、航続距離800km。ペイロード1.2トン。ルーフに有人銃塔または12.7mm機銃NSV/WKN-Bまたは7.62mm機銃PK/UKM-2000を装備するリモコン銃塔を搭載できる。参考：月刊軍事研究10,’08

＜タ一〇二＞：日本陸軍のクラスター爆弾用子爆弾。タ弾の１つで、成型炸薬を収容した弾体前部が一回り太くなっている。弾体中央部に六角形の環状枠があり、親爆弾にきっちり詰め込むことが可能。弾体尾部に十字安定翼を持つ。発火装置と瞬発信管を備え、親爆弾からばらまかれると２秒後に安全装置が解除される。航空機に命中すると、外板に直径400mmの孔を開けることが可能で、中に燃料タンクがあれば火が付く。全長250mm、弾体直径40mm、重量700g。参考：月刊航空ファン3,’17

＜ダーイッシュ＞：イスラム国を参照。

＜ダーウィン＞：04（フリゲート）を参照。

＜ダーウィン空襲＞：太平洋戦争時の昭和17年2月19日から昭和18年11月12日に日本軍が実施した、オーストラリアのダーウィン及び周辺諸島・海域に対する空襲作戦。昭和17年2月15日、第１・第２航空戦隊基幹の日本海軍機動部隊がパラオを出港。2月19日、ダーウィン北北西220海里に到達した空母赤城、加賀、蒼龍、飛龍から艦上機188機（うち艦戦36機）が発艦し、アンボンから0640に出撃した第１航空隊九六式陸攻28機と鹿屋航空隊一式陸攻27機も加わってダーウィンを空襲した。基地航空隊は1040からダーウィン東飛行場に60kg爆弾318発を投下し、1435に帰投。連合軍側の被害は死者243名、負傷350名、駆逐艦以下の艦艇11隻撃沈、航空機23機被撃墜・炎上だった。オーストラリアは2月19日を国民の休日としており、ダーウィン市内では戦没者追悼記念式典が行われる。参考：太平洋海戦史、月刊航空ファン3,’19、朝雲

＜ダーウェント＞：L83（駆逐艦）を参照。

＜ダーウェント・シリーズ＞：ロールスロイス社が開発した遠心式ターボジェットエンジンDerwent。スーパーチャージャーの技術を応用でき、重量も軽く低コストで済む遠心式を採用した。参考：月刊航空情報8,’12

　＜ダーウェント１＞：圧縮機はロールスロイス特製のRR56合金製で、インペラーの羽根は片側29枚、最大回転数毎分16600回転。燃焼器は10個で、点火プラグは３番・10番燃焼器にあり、燃料はケロシン（エンジンオイル1%混合）、排気ガス温度850度。タービン出力4000馬力。エンジン始動は電気モーター式。参考：月刊航空情報8,’12

　＜ダーウェント５＞：推力１トン。1947年に30基をソ連に輸出したが、RD-500としてコピーされてしまった。参考：月刊航空情報8,’12、月刊JWings7,'20

＜ダーウォード・ノウルズ＞：P422（哨戒艇）を参照。

＜ダーガチ型＞：ソ連海軍1239型高速ミサイル艇Dargach型（デルガチDergach級？ダーガシュDargash型？）。船型はSESで、船体と上構の後半部に暗い塗装が施されており、舷側排気方式らしい。全長64.5m、満載排水量1067トン。主機はCODOG方式、ディーゼル＋ガスタービン２基で、出力55216馬力、巡航速力12ノット（ハルボーン）、最大速力53ノット（オンクッション）。兵装は3M80モスキート艦対艦ミサイル４連装発射機KT-190が２基、76mm単装砲１門、AK630CIWS２基、オーサＭ艦対空ミサイル連装発射機１基。艇番号615と艇番号616サマムの２隻が建造され、１番艇は1989年に竣工したとされる。参考：月刊世界の艦船6,’15、2,’17、5,’91、7,'11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ターキー＞：TBFシリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜ターキー・シュート＞：七面鳥撃ち。最初は七面鳥を撃つ競技を指したが、後に七面鳥を商品にした射撃競技を呼ぶようになった。参考：GUN用語事典

＜ターキー・ノブ＞：ミート・グラインダー（硫黄島戦）を参照。

＜ターキッシュ・スターズ＞：ターク・イルディツラリ（アクロバットチーム）を参照。

＜ダーク＞：APA-159（攻撃輸送艦）を参照。

＜ダーグ＞：K257（フリゲート）を参照。

＜タークァン＞：1601（海洋観測艦）を参照。

＜タークァン級＞：達観級（海洋観測艦）を参照。

＜ターク・イルディツラリ＞：トルコ空軍第７代アクロバットチームTurk Yildizlari（トゥルク・イルディズラン？）、英語名はTurkish Stars。使用機はNF-5A/Bで、機体下面に赤色の鷲が描かれている。1992年（1993年1月？）の創設時は４機でフライトを行っていたが、1993年に5-6機、1995年に７機に増え、2004年からは８機になった。所属も第３航空団第133飛行隊の隷下だったのが第134アクロバット飛行隊として独立している。2001年8月、アゼルバイジャンで観客数100万人のギネス記録を達成した際、９機編隊ループ中に全機フレームアウトを起こすという珍事が発生した（全機無事にエアスタートで復帰）。2012年シーズンに20周年記念フライトだったが、シーズン前の訓練中に事故で３番機が墜落、パイロットが死亡し、７機での展示飛行となった。参考：月刊丸10,’10、月刊JWings9,’13

＜ダーク・シャーク＞：XF2R-1（試作艦上戦闘機）を参照。

＜ダークスター＞：RQ-3（無人機）を参照。

＜ダークファルコン＞：ベルギー空軍F-16ソロディスプレイチームが使用するF-16Aブロック20MLU、Dark Falcon。塗装は黒と灰色が基調で、垂直尾翼にモノクロのファルコンが描かれている。2018年6月9-10日のイギリスでのエアショーでデビューした。参考：月刊航空ファン8,’18

＜ターゲッティング＞：他の部門から入手した目標情報を元に目標の優先順位を決め、作戦上の要求と能力を勘案して優先目標への対応手段を選定すること。参考：月刊軍事研究8,’18

　＜ダイナミック・ターゲッティング＞：迅速（24時間以内）に対応する必要がある目標に対して実施するターゲッティング。時間が限られるため、場合によっては攻撃決定権を下級部隊指揮官に委任するなどして対応決心の時間短縮を図る。参考：月刊軍事研究8,’18

　＜デリバレート・ターゲッティング＞：計画的ターゲッティング。発見してから24-72時間以内に対応すべき目標に対するターゲッティングで、固定目標への航空攻撃などがこれにあたる。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ターゲット・ストレングス＞：TSと略す。アクティブ・ソナーから発せられる音波が潜水艦の船体で反響する量で、単位はデシベルである。音波を受けた際に船体が共振するとTSが増える。参考：月刊丸8,’98

＜ターゲット・プレーン＞：イギリス軍がバトルオブブリテンで大量に使用した、ダミー軍用機。囮の基地に並べてドイツ軍の目を眩ますために用いられた。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜ターゲット・マーカー・ボム＞：レッド・ベアード（核爆弾）を参照。

＜ダージョイ＞：バングラデシュ海軍ダージョイ級哨戒艇１番艇Durjoy。2012年8月進水。2013年2月、バングラデシュに到着した。2019年10月8日、コルベットのプロトイと共に、MST-464ぶんご、MSC-603たかしまと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船7,’13、12,’19

＜ダージョイ級＞：海南級哨戒艇（バングラデシュ海軍）を参照。

＜ダージョイ級＞：バングラデシュ海軍大型哨戒艇Durjoy級。037/2型紅箭級ミサイル艇がベースである。満載排水量648トン。兵装は76mm単装砲１門（艦首）、25mm連装機関砲２基（上構後部両舷）、C704艦対艦ミサイル連装発射筒２基（後甲板両舷）。１番艇ダージョイと２番艇ニルマルが中国で建造され、2013年に就役した。もう２隻がバングラデシュで建造されている。参考：月刊世界の艦船7,’13、10,’17

＜ターゾン＞：アメリカ軍が朝鮮戦争で使用した誘導爆弾。レーゾン誘導爆弾の破壊力強化型で、重量を12000ポンド（5.44トン）にしてある。1950年12月から第19爆撃航空群で使用されたが、起爆装置の安全性に問題があったため1951年8月に使用中止となった。30発が投下され、８発が命中、６基の橋を落としている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ターター＞：F43（駆逐艦）またはF133（フリゲート）またはWO/AC4（トラック）を参照。

＜ダーター＞：SS-227（潜水艦）またはSS-576（ダーター級潜水艦）を参照。

＜ターター艦対空ミサイル・シリーズ＞：アメリカ海軍の艦対空ミサイル、RIM-24 Tarter（タタール人の意）。3Tミサイルの１つで、テリアからブースターを抜いた駆逐艦用小型艦対空ミサイル（ちなみに値段はテリアより1.75%安いだけ）であり、1955年から開発され、1958年に試射され、1962年に実用化されたが、運用可能となるまで更に数年かかった。Mk13発射機に装填され、Mk74射撃指揮装置で管制される。捜索レーダーが60海里で探知した高度10万フィート（30500m）を飛行中の敵機を、射距離16海里で迎撃するのが主任務であり、単発命中率は50%（撃墜率は1962年で１発あたり40%）で、連装発射機とイルミネーター２基を使用すれば85%になる。信頼性不足が酷く、1962年の時点で稼働率が30%しか無かった。改善型ターターも開発され、2400発が生産されたところでスタンダードミサイルに後を譲った。空母機動部隊を持たず、駆逐艦クラスの戦闘艦が主力の西側諸国に、艦隊防空用ミサイルとして広く配備されている。参考：艦船メカニズム図鑑、丸スペシャルNo.77、日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05、6,’16、3,’10、5,’86、月刊軍事研究6,’93別冊

　＜ＲＩＭ−２４Ａ＞：Basic TARTAR（BT）ともいう。弾体最前部がレドーム、その後ろが近接・直撃起爆信管と弾頭、その後ろが２段式固体燃料ロケット（ブースターとサステナー。ブースターは燃焼終了後も切り離されないので実質１段式）で、側面には十字の固定式ストレーキが付く。更に後ろが油圧式翼制御部で、側面に十字の折り畳み式制御翼が付いている。制御翼の作動は補助動力装置２基による油圧式で、ガス圧により必要な油圧と電力を発生させる。低空目標対処のため、誘導はセミアクティブ・レーダー方式を採用した。テリアのように人力で翼を付ける必要が無く、予備ミサイルの装填を完全自動化できたが、誘導装置に真空管を使用しているため、ミサイルに給電してからウォームアップを完了して発射可能となるまで26秒かかる。全長4.57m、直径0.342m、翼スパン1.07m、重量646kg、弾頭重量53kg。誘導はSARH、推進は２段式（実質１段式）固体燃料ロケットで、最大速度マッハ1.8、射程1800-17700m、射高15-16700m。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、10,’18、月刊世界の艦船7,’13、5,’86、8,’14

　＜ＲＩＭ−２４Ｂ＞：RIM-24Aの改良型で、Improved TARTAR（IT）ともいう。全長4.65m、直径0.343m、翼スパン1.07m、重量593kg、弾頭重量59kg。誘導はSARH、推進は２段式（実質１段式）固体燃料ロケットで、最大速度マッハ2.2、射程1800-32000m、射高15-21340m。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、月刊世界の艦船7,’13

　＜ＲＩＭ−２４Ｃ＞：RIM-24Bの改良型で、Inproved TARTAR Retrofit（ITR）ともいう。最大射程32000mで、対艦ミサイルとしても使用できるが、発射艦が目標をレーダー照射しなければならないので、水平線以遠には使えない。参考：月刊世界の艦船7,’13、5,’14、8,’14

＜ダーター級＞：アメリカ海軍潜水艦Darter級。タング級の後継で、期間が空いたため完全新設計とする案も出されたが、結局タング級の改良型になった。水中騒音を低減し、対衝撃性を強化、新型電池を搭載するなどしている。ソナーはAN/BQR-2とAN/BQS-2。全長81.9m、最大幅8.3m、吃水5.1m、水上排水量1872トン、水中排水量2372トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、フェアバンクス・モース式8-38A6-3/4S型対向ピストン型ディーゼル３基・エリオット式主発電機３基・エリオット式電動機２基、水上出力3100馬力、水中出力4700馬力、２軸推進、水上速力15.5ノット、水中速力16ノット、エレクトリック・ストレージ・バッテリー社製サーゴ�U型蓄電池126セル４群計504セル、航続距離13500海里（水上10ノット）、航続時間48時間（水中３ノット）。安全潜航深度213m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首６門、艦尾２門。魚雷26本）。当初は３隻を建造する予定だったが、２隻がレギュラス搭載艦（SSG-574グレイバックとSSG-577グラウラー）に振り変えられたため、SS-576ダーター１隻のみ1956年に竣工した。1965-66年に大改装を受け、船体を5m延長し、主機を換装した。その後AN/BQG-4ソナーを追加している。1990年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史

＜ターター・システム＞：Mk74（射撃指揮装置）を参照。

＜ターター・システム（あまつかぜ用）＞：海上自衛隊護衛艦DDG-163あまつかぜに搭載されたタイプで、1960年3月31日に購入が調印され、4月にコンベア社に発注した。価格は一式44億7500万円（ちなみにあまつかぜの船体と機関を合わせた価格は33億円）で、負担は日米半々ずつである。導入に際しては防衛庁長官とアメリカ海軍作戦部長との間で協定が締結され、秘密事項区分は特定防衛秘密であり、関連要員への身元調査が行われ、関連図書は特定区画から持ち出すことはできず、保管もダイヤル錠付きの金庫に限定された。前部マストのAN/SPS-29レーダーで空中を捜索し、目標を探知すると、方位、距離、針路などがMk74射撃指揮装置に入力され、後部煙突前面支筒のAN/SPS-39A（後にAN/SPS-52B）により目標仰角、方位、距離などを測定、これも入力される。これらのデータに基づいて目標の位置が計算され、データは後部煙突直後の後部甲板室支筒上に２基背負い式に並んでいるAN/SPG-51目標追尾照射レーダー及びアンテナ支基部のMk73砲銃ミサイル射撃方位盤に送られ、AN/SPG-51が目標を自動的に捕捉・追尾する。また、Mk74射撃指揮装置が算出した目標の未来位置はMk13ターター単装発射機に送られ、発射機は目標未来位置に向けて指向し、ターターミサイルが発射される。ミサイルはAN/SPG-51レーダーが照射して目標から跳ね返ってきた電波を頭部のシーカーで、発射艦からの誘導電波を尾部のレシーバーでそれぞれ受信して目標に向かう。１基のAN/SPG-51がミサイルを誘導している間、もう１基のAN/SPG-51は次の目標の捕捉追尾を行う。AN/SPG-51のうち、艦首寄りのものを第２方位盤、艦尾寄りのものを第３方位盤といい、第２方位盤の支筒内部には第４レーダー室、第３方位盤の支筒内部には第５レーダー室とミサイル発射機監視室がある。オール・アナログ式なので、性能維持には機器そのものを弄る必要があり、調整ネジが３分の１回転ずれただけで命中しなくなるという超絶デリケートなシステムのため、要員は上陸の時間も削って整備に奔走した。参考：丸スペシャルNo.77、月刊世界の艦船8,’10、12,’21

＜ターターＤシステム＞：ターターシステムの改良型で、Ｄはデジタルの略。RIM-66スタンダードSM-1を運用できるようにしたタイプである。コンピュータをデジタル化し、各種装置を改良、目標探知・諸元計算・ミサイル発射誘導などの性能を改善し、スタンダードミサイルの長射程に対応できるようにした。射撃指揮装置はMk74Mod6で、後にAN/SPG-51CレーダーやMk73方位盤を改良したMk74Mod13も開発されている。参考：丸スペシャルNo.77、月刊世界の艦船11,’11

　＜ターターＤシステム（ＮＴＵ改修）＞：SM-2MR/ERを搭載できるようにして多目標同時交戦能力を強化する改修で、NTUはNew Threat Upgrade（新脅威対応アップグレード）の略。カリフォルニア級ミサイル巡洋艦、ヴァージニア級ミサイル巡洋艦、キッド級ミサイル駆逐艦が改修を受けた。海軍戦術情報システムNTDSを先進戦闘指揮システムACDSに、Mk11武器管制システムをMk14武器管制システムに換装し、AN/SYS-2(V)1統合自動探知追尾システムIADTS（Integrated Automatic Detection and Tracking System）を搭載、AN/SPS-48E三次元対空捜索レーダーとAN/SPS-49(V)5二次元対空捜索レーダーを装備し、AN/SYR-1データリンクを追加した。レーダーは旋回式で、発射機もVLSでは無いため限界はあるが、ミサイルが中間誘導で目標に向かってくれるので、イルミネーター・レーダーの数による同時交戦目標数制限が緩くなる。参考：月刊軍事研究10,’18

＜ターターＤシステム・海外シリーズ＞

＜ターターＤシステム（たちかぜ型）＞：海上自衛隊たちかぜ型護衛艦に搭載されているMk74Mod6。OPS-11遠距離対空捜索レーダー及びAN/SPS-52B/C三次元レーダーで目標を探知し、Mk152デジタル式ミサイル射撃指揮コンピュータが諸元を計算、AN/SPG-51C/D目標追尾照射レーダーがそれに基づいて目標を追尾捕捉し、後部甲板室後甲板のMk13Mod3単装発射機からRIM-66スタンダードミサイルを発射する。ミサイル発射機監視室は後部甲板室後端右舷側にある。第２AN/SPG-51レーダー支筒後面にはミサイル飛翔データを受信するSKQ-3テレメーター機材用パラボラアンテナを装備可能で、ミサイル発射訓練時のみ搭載した。さわかぜはMk74Mod13を搭載しており、Mk152射撃指揮コンピュータをCV-3432レーダー信号処理装置に換装していて、OPS-28レーダーによりシースキマー型対艦ミサイルを探知でき、Mk162Mod0発射システム管制装置（ミサイル発射機監視室にある）により指揮管制されるMk13Mod4単装発射機からミサイルを発射する。参考：月刊世界の艦船3,’14、丸スペシャルNo.77

＜ターターＤシステム（はたかぜ型）＞：完全自動化型で、システムにOPS-11レーダーを組み込んでいる。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜ダータネルス海峡突破作戦＞：1914年10月、オスマン・トルコがドイツ側で第１次大戦に参加。これを受け、敵対関係にあったロシア帝国はイギリス・フランスに対し、ダータネルス海峡の占領により地中海と黒海を結ぶ輸送ルートを確保することを要請した。イギリス海軍大臣のチャーチルと軍令部長のフィッシャーは、イギリス艦隊でダータネルス海峡を突破してコンスタンチノープルを攻撃する作戦を立案、陸軍は西部戦線に釘付けだったため兵力を割くことが出来ず、艦隊のみで実行することとなった。1915年2月15日、戦艦18隻を主力とするイギリス・フランス連合艦隊が出撃。2月19日から海峡周辺の陣地に対する艦砲射撃が開始された。2月25日にはトルコ軍砲兵を一時的に撤退させることに成功し、イギリス海兵隊がガリポリ半島に上陸した。しかしすぐにトルコ軍砲兵は陣地に戻り、砲撃が止んだ後にやってくる掃海艇だけを狙い撃ちしたため、掃海作業ははかどらず、イギリス海兵隊もトルコ陸軍の反撃で撤退を余儀無くされた。3月8日、悪天候により作戦が中断。3月18日に艦砲射撃が再開され、反撃したトルコ軍は弾薬を殆ど使い切ってしまったが、機雷により戦艦３隻を撃沈した。このためイギリス・フランス連合艦隊は作戦を断念し、陸軍と共同して海峡を占領することに決定、ガリポリ上陸作戦が実施されることとなった。参考：月刊軍事研究9,’07

＜タータン作戦＞：ポンス撃沈を参照。

＜ターチャン型＞：大江型（潜水艦救難艦）を参照。

＜ターチョン�U型＞：北朝鮮海軍哨戒艇Taechong�U型。北朝鮮国産の哨戒艇である。全長60.8m、満載排水量425トン。主機はディーゼルで、速力25ノット。兵装は100mm単装砲１門（前甲板甲板室上）、57mm連装砲１基（後甲板）。1990年代前半までに少なくとも５隻が建造された。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜ターチン＞：471（フリゲート）を参照。

＜ターチン級＞：タイ海軍フリゲートTachin級。船型は船首楼型で、艦橋後面に前部三脚マスト、その後ろに煙突、更に後ろに水上偵察機搭載設備（カタパルトは無い）、そのまた後ろに後部三脚マストがある。全長82m、基準排水量1400トン。主機は低圧蒸気タービン＋レシプロ蒸気機関の複合機関２基、出力2500馬力、２軸推進、速力18ノット。兵装は45口径十一年式12cm砲４門（前後甲板２門ずつ背負い式）、20mm連装機関砲１基、45cm連装魚雷発射管２基、爆雷投下軌条２条、Ｙ砲１基。掃海具一式も装備する。1923年（昭和12年）に浦賀船渠でメークロンなど２隻が建造されて輸出された。参考：月刊世界の艦船12,’15、2,’87、月刊モデルアート9,’15増刊

＜ターティエ級＞：大地級（情報収集艦）を参照。

＜ダーティ・ハリー＞：汚染水域潜水器を参照。

＜ダーティー・ハリー弾＞：L2A2通常弾を参照。

＜ダーティ・ボム＞：放射性物質を詰め込んである爆弾で、炸裂すると広範囲に放射性物質を撒布する。核兵器には分類されない。参考：核兵器事典

＜ダート＞：DART（誘導砲弾）またはK21（フリゲート）またはRPL04（揚陸艇）またはSSM-A-23（対戦車ミサイル）を参照。

＜ダート＞：イタリア海軍の70口径40mm連装機関砲用射撃指揮装置。RAN10S捜索レーダー、オリオン20X追尾レーダー、目視照準装置、風速風向計、ジャイロ、ログ、プロセス・インターフェイス・ユニット、コントロール・コンソール、機関砲塔で構成され、距離300m-3000mのシースキミングミサイル、ハイダイブミサイル、航空機などに対応できる。参考：ザ・マーチ42号

＜ダート４５０＞：オーストリアのダイアモンド・エアクラフト社が開発した基本練習機。機体フレームは全て炭素繊維複合材で組まれている。座席は前後とも射出座席。最大離陸重量2.3トン。エンジンはウクライナのイフチェンコ・プログレス・モーター製AI-450Sターボプロップ（369kW、495馬力）単発、プロペラはドイツのMTプロペラ製５翅、最大速度250ノット、失速速度60ノット、実用上昇限度7010m、航続時間８時間10分。荷重制限マイナス4Gからプラス7G。乗員２名（タンデム複座）。参考：月刊軍事研究9,’17

＜ダート５５０＞：オーストリアのダイアモンド・エアクラフト社が開発した練習機。ダート450の改良型で、エンジンを強化して最大離陸重量を増やした。最大離陸重量2.4トン。エンジンはGE社製GEH-75-100ターボプロップ（550馬力）単発、プロペラはドイツのMTプロペラ製５翅。乗員２名（タンデム複座）。2018年5月24日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’18

＜ダートアサワリ級＞：リビア海軍フリゲート。イギリスのヴォスパーMk7級を導入したものである。兵装は114mm砲１門、オトマート艦対艦ミサイル発射筒４基、対潜魚雷３連装発射管２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜タード・シット＞：アメリカ軍が開発した犬のフン型センサー。踏みつけるとパルス電波を発し、それをキャッチした中継装置が上空の監視機に警報信号を送る仕組みになっている。ベトナム戦争時に開発されたが、ベトナムのジャングル内に野犬がいないことが判明し、形状を木の枝状に変更して採用された。参考：月刊軍事研究12,’08

＜ダート・ターゲット＞：曳航標的の１つで、ダーツの矢のような形状をしているため、こう呼ばれる。曳航機が搭載するリール装置にセットし、上空で曳航機から離して曳航機が被弾しないようにする。リール装置に巻取り装置が付いていない場合は、使用後に帰投基地内で曳航索を切り離し、地上班にターゲットを回収してもらう。参考：月刊JWings7,’13、月刊軍事研究11,’15

　＜ダート・ターゲット（航空自衛隊）＞：ハニカム構造材にアルミニウム外板を貼り付け、４枚羽根の大型ダーツ状に仕上げている。ハニカム材には石灰の粉が仕込まれており、弾丸が命中すると空中にまき散らされるので命中判定が容易。長さ600mのケーブルで曳航され、使用後は基地上空で切り離して地上で改修する。全長5m、重量90kg。参考：世界の傑作機No.104、月刊航空ファン5,’19

＜ダートマス海軍学校＞：イギリス海軍ブリタニア海軍士官学校の艦名。元は1905年まで校舎として使用していた係泊艦ブリタニアに因んでブリタニアという艦名が付いていたが、1953年に進水した王室ヨットがブリタニアと命名されたのに伴い、ダートマス（Dartmouth）に変更した。ブリタニアの名称は学校名（ブリタニア海軍士官学校Britannia Royal Naval College）に引き継がれている。参考：月刊世界の艦船5,’83、月刊軍事研究1,’05

＜タートル＞：P-2対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜タートル＞：世界初の潜水艦。1776年にアメリカの学生ブッシュネルが発明し、アメリカ独立戦争で使用した。樽に手動のスクリュー２基（１基が推進用、１基が潜航用）と舵、シュノーケル（呼吸用パイプ）２本、バラストタンクを取り付けただけの簡単なもので、ハッチ脇には先端に爆薬缶（爆薬68kg入り）の付いた錐を装備しており、これを敵艦に食い込ませて離脱する。速力３ノット、水中航続時間30分。初陣は1776年9月6日夜のハドソン川におけるイギリス戦艦（砲艦？）イーグルに対する攻撃だったが、艦底に銅板が張ってあったため錐の取り付けに失敗し、戦果は無かった。離脱中に発見されてボートで追跡されたが、秘匿のため切り離した爆薬缶に戸惑ってボートが引き返したため、何とか逃げるのに成功した。２回目はニューロンドンでのイギリス艦攻撃で、錐の取り付けには成功したが、爆薬缶と錐を繋ぐ縄が発見されてしまった。イギリス軍は爆薬缶を艦上に引き揚げたが、そこで炸裂したため、乗員に損害が出ている。参考：現代の潜水艦、月刊軍事研究1,’03、兵器メカニズム図鑑、Ｕボート入門、月刊丸5,’07、11,’72

＜タートル作戦＞：ダイアデム作戦を参照。

＜ダーナ＞：DANA（自走砲）を参照。

＜ターナー＞：DD-506（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-648（リバモア級駆逐艦）またはDD-834（ギアリング級駆逐艦）を参照。

＜ターナブ／ランド航法装置＞：イスラエルのタマンプレシジョン・インスツルメント・インダストリーズ社が開発した航法装置で、アメリカ海兵隊がアヴェンジャー地対空ミサイル用にテストした。参考：月刊軍事研究7,’95

＜ダーニディン＞：I93（軽巡洋艦）を参照。

＜ダーバー級＞：コマール級ミサイル艇（バングラデシュ海軍）を参照。

＜ダーバン＞：I99（軽巡洋艦）を参照。

＜ダービー＞：DE-218（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダービー対空ミサイル＞：イスラエルのラファエル装備開発社製空対空・地対空ミサイルDerby。パイソン４短射程赤外線誘導ミサイルの誘導方式をアクティブ式レーダーホーミングに換えたもので、中射程ミサイルとして開発されたが、最短射程はサイドワインダーに匹敵し、短射程ミサイルも兼ねる。ヘルメット装着型照準装置と組み合わせて使用可能。全長3.62m、直径0.16m、翼スパン0.64m、重量118kg。最大射程63km以上。イスラエルの他に南アフリカが採用してケントロン社でライセンス生産しており、ブラジルもF-5M戦闘機用として2006年に採用した。参考：月刊JWings7,’01、月刊軍事研究5,’03、11,’06、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ダービー地対空ミサイルシステム＞：監視レーダー、４連装発射機（HMMWV搭載）、データリンク、ダービーSAMミサイル発射用車両からなるシステムで、360度全周交戦可能。レーダーの他に電子光学方向指示機も使用可能である。参考：月刊軍事研究5,’03

＜ターピー級＞：タイ海軍コルベットTapi級。アメリカのPF-103級を導入したもので、アメリカで建造された。満載排水量1191トン。兵装はアメリカ製76mm単装砲２門、３連装対潜魚雷発射管２基（Mk46短魚雷）など。２番艦艦番号432キリーラットなど２隻が1971年と1974年に就役した。２番艦は1987年に改装を完工し、砲をOTOメララ社製76mm単装砲１門とボフォース40mm単装機関砲１門に換装している。参考：月刊世界の艦船2,’18、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ダービー・ヘイブン＞：K438（フリゲート）を参照。

＜タービュラント＞：N98（Ｔ級潜水艦第１グループ）またはS-87（トラファルガー級原潜）を参照。

＜タービン＞：Turbine。翼断面形状の羽根を車板などに放射状に取り付け、それに高速ガス流を吹き付けることで車板を回転させ、回転動力を得る装置。蒸気タービンエンジンでは、高速ガス流として蒸気を使用する。ガスタービンエンジンでは、高速ガス流として燃焼室で燃焼したガスを用いており、これを膨張させて圧力と温度を下げる代わりに速度を上げ、動翼で受け止めて回転エネルギーを取り出す。後方で排気ダクトと繋がっており、タービンを通過した燃焼ガスは高速で後方に噴射され、推力を発生する。遠心式と軸流式があり、ほぼ後者が使用される。タービンで取り出した回転エネルギーは、圧縮機のコンプレッサーローターを回したり、プロペラシャフトやドライブシャフトを駆動させたりするのに使われる。圧縮機が高圧・低圧など複数に分かれている場合は、タービンも高圧・低圧など複数に分かれていて、それぞれ別の軸でそれぞれの圧の圧縮機を回転させる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings1,’01、10,’09別冊付録

　＜高圧タービン＞：High pressure turbine。高圧圧縮機を回転させるためのタービンで、燃焼室から出た燃焼ガスを最初に受け止めることにより、高圧圧縮に必要な大きい回転エネルギーを取り出すことができる。高圧・高熱・高運動エネルギーに耐える素材や構造が必要で、ガスタービンエンジンでは燃焼ガスの温度が1500℃にも達するため、高圧圧縮機から抽出した高圧空気をタービン翼の小孔から噴射して冷却したりする。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’22

　＜低圧タービン＞：Low pressure turbine。高圧タービンを通過した燃焼ガスから回転エネルギーを取り出すタービンで、回転エネルギーは低圧圧縮機を回すためなどに使用される。温度や速度の下がった燃焼ガスから効率良くエネルギーを回収するため、高圧タービンよりブレードを大きくしたり、段数を増やしたりする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ターピン＞：P354（潜水艦）を参照。

＜タービン・アイランダー＞：BN2T（双発輸送機）を参照。

＜タービンライト＞：イギリス空軍が第二次大戦時に使用した夜間迎撃用サーチライト。ハボックの機首に小型サーチライトを搭載して敵を照射、別の戦闘機がこれを撃ち落とすというハンター・キラー装備である。1942年4月28日のヨーク爆撃に対する迎撃作戦で初使用された。しかし回避機動を取られるとすぐ照射範囲から外れてしまうという欠点があり、数ヶ月間使用されたものの撃墜できたのは１機だけという惨憺たる結果で、味方爆撃機を誤撃墜するというオマケも付き、サーチライトの代わりに機銃を積んだ方が良いとまで言われた。参考：世界の傑作機No.145

＜ターブーク＞：F-159（フリゲート）を参照。

＜タープシカリ＞：R33（駆逐艦）を参照。

＜ターベル＞：DD-142（駆逐艦）を参照。

＜ターボ・エレクトリック方式＞：蒸気タービン発電機で得た電力により電動モーターを回転させ、それを推進軸に伝えて推進する方式のこと。回転数は主発電機回転数変更による周波数変調と、主電動機の極数切り替えでコントロールする。回転数を自由に変更でき、減速機が要らないので騒音が少なく強固なギア装置を作る手間も省け、後進タービンも不要で、全部のタービンを作動させなくても全部の推進軸を回転できるので航続性能が高い。また、発電機を推進軸から離しても差し支えないので機関部の設計自由度が高く、防御に適した設計をすることが可能。発電機スペース（減速機よりも大きい）が必要になり重量もかさむことと、蒸気タービン方式よりも全力運転時で5-6%くらい効率が悪く速力が出せないのが欠点。参考：月刊軍事研究6,’14、4,’05、6,’07、月刊丸11,’09、月刊世界の艦船12,’15、2,’15、11,’11

＜ターボオーリク＞：PZL-130シリーズ（練習機）を参照。

＜ターボコンパウンドエンジン＞：レシプロエンジンにジェットエンジンの機能を追加したタイプのエンジンで、排気によりタービンを回転させ、それをプロペラシャフトに出力する。参考：世界の傑作機No.50

＜ターボジェット・エンジン＞：Turbojet engine。コンプレッサー、燃焼室、タービン、排気ダクト、排気ノズルから構成されるジェットエンジンで、航空用として初めて実用化されたガスタービンエンジンである。エアインテイクから取り入れた空気をコンプレッサーにより30気圧程度に圧縮（温度は500度前後になる）し、燃焼室で燃料を吹き付けて燃焼させ、排気ガスを排気ノズルから後方に噴射して推力を得るもので、推力は全て噴射される排気ガスの反作用による。排気ガスの噴射エネルギーの一部はタービンの回転力として取り出され、同軸に繋げられているコンプレッサーの作動に用いられる。圧縮と燃焼を同時に行えるのでレシプロエンジンよりも出力を高くでき、特に超音速飛行時に効率が良い。排気が高速のため、騒音が凄まじい。エンジンの始動時のタービン回転は、地上器材もしくは自前の高圧空気（スターター）か、APUを使用して得る。コンプレッサーの形式により遠心式と軸流式に分かれる。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings1,’01、10,’09別冊付録、月刊軍事研究4,’12

＜ターボシャフト・エンジン＞：Turboshaft engine。ガスタービンエンジンの１つで、出力を100%回転エネルギーとして利用するエンジン。ターボプロップエンジンと構造はほぼ同じで、燃焼ガスのエネルギーを全てタービンで吸収する仕組みとなっており、タービンはドライブシャフトを回転させ動力を取り出すパワータービンと、圧縮機を回転させるガスジェネレーター・タービンに分かれる。エンジン回転数の変更機構も設けている。軸流式圧縮機により熱効率が向上しており、レシプロエンジンより出力重量比が高く、ヘリコプターの動力、ターボプロップ・エンジンと同様の用途、境界層制御用圧縮機駆動などに使用されており、ヘリコプターのメインローターを回す場合には、減速装置を介して回転力を上方に伝える。一部にはターボプロップエンジンのように排気の一部を推進力に変えるものもあり、排気の噴射により機体を安定させるシステムを持つタイプも登場した。ヘリコプターではタービン回転数とローター回転数をマッチングさせ慣性力の大きいローターを回すのに必要なトルクを発揮させるトランスミッションの開発に手間取り、1955年初飛行のアルエート�Uヘリ用アルツーストが実用機への初搭載となったが、小型軽量高出力という特徴から、あっという間にヘリコプターからレシプロエンジンを駆逐した。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊JWings1,’01、1,’18、2,’19、月刊軍事研究11,’16

＜ターボ・スーパーチャージャー＞：エンジン排気を利用して空気圧縮用タービンを駆動し、エンジンに供給する過給器。ターボチャージャー、排気タービンなどとも呼ばれる。元は空気が希薄な高々度でも航空機用エンジンの出力を落とさないようにするため開発されたもので、メカニカル・スーパーチャージャーのようにエンジン出力を抽出する必要が無く、高高度では大気と排気の圧力差が大きくなるので一層効率が増す。その後航空機だけでなく潜水艦や車両のエンジンにも装備され、出力の高いガソリンエンジン、300kW以上の出力を持つ殆どのディーゼルエンジンに搭載されている。本体重量は自動車用で1kg程度だが、排気ガスに含まれるエネルギーはエンジンから発生する全熱量のうち33%にも達するため、これを再利用することにより、エンジン出力を20-30%も上昇させることが可能である。タービンは約900度の排気熱に曝されながら毎分5-16万回転し、同軸に取り付けられた遠心式圧縮機を回転させ、吸入した空気を1.5-2気圧程度に圧縮する。ただ圧縮しすぎるとノッキングの原因になるため、アクチュエーターによりタービンに流入する排気量を調節、高度などに関わらず最適な圧縮空気を送り込むようにし、ガソリンもハイオクにする。タービンには耐熱性で軽量かつ遠心力に耐えられる強固な材料が必要で、ニッケル系の特殊合金が使用される。圧縮機は耐熱の必要が無いため、軽量のアルミ合金を使う。ベアリングは高速回転に耐えられるフローティング・ベアリングを採用している。エンジンを吹かしてから排気ガスがタービンを高速回転させるまでにタイムラグ（ターボラグ）が生じるのが欠点。また、２サイクルエンジンでは掃気ポンプにより排気に外気が混じるため、スタート時や加速時に十分な圧力が得られない場合があり、メカニカル・スーパーチャージャーを追加することがある。キャブレター式ガソリンエンジンの場合、ターボ・スーパーチャージャー上流にキャブレターを付けるとエンジン応答が遅くなり、下流に付けると燃料の供給量が少なくなるという欠点があるため、前者ではターボユニットを吸気マニホールドに近づける、後者では燃料増量機構を取り付けるといった対策が必要である。第２次大戦時は各国が高々度飛行用に研究していたが、タービンの開発やシステム制御、大きさなどの問題が山積みで、実用化できたのはアメリカ陸軍航空軍（GE社）だけだった。参考：自動車メカニズム図鑑、自動車エンジンの技術、月刊軍事研究9,’16、月刊JWings6,’03、月刊丸10,’93、月刊航空ファン8,’09、クルマのすべてがわかる事典

＜ターボスカイライナー２Ｄ／Ａ２＞：DH.114海外シリーズ（輸送機）を参照。

＜ターボスカイレーン＞：セスナT182T（軽飛行機）を参照。

＜ターボステイショネア＞：セスナ206シリーズ（軽飛行機）またはT206H（軽飛行機）を参照。

＜ターボチャージド・エンジン＞：ターボ・スーパーチャージャー付きエンジンのこと。

＜ターボチャージャー＞：ターボ・スーパーチャージャーを参照。

＜ターボット＞：SS-31（G-2級潜水艦）またはSS-427（潜水艦）を参照。

＜ターボ・トラッカー＞：S-2対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ターボトレーナー＞：AS32T（練習機）またはPC-7シリーズ（練習機）またはPC-7Mk�U（練習機）を参照。

＜ターボパンダ＞：Y12シリーズ（輸送機）を参照。

＜ターボビーバー＞：DHC-2Mk�U（輸送機）を参照。

＜ターボ・ファイアキャット＞：S-2対潜哨戒機・海外ファミリーを参照。

＜ターボピラン＞：T-35T（練習機）を参照。

＜ターボファン・エンジン＞：Turbofan engine。空気の流れからバイパス・エンジン（By-pass engine）という名称も付けられていたが、ほぼ使われなくなった。ガスタービン・エンジンの１つで、ターボジェット・エンジンの前に大口径のファン（ダクテッド・ファン）を取り付けたものであり、ダクテッド・ファン・エンジンとも呼ばれる。排気の運動エネルギーの一部を抽出してファンを回転させ、空気を後方に送り、一部をターボジェット内で使用し、残り（バイパス空気流）をそのまま後方に噴射、推力の助けにする。排出ガス速度を増大させずに排出ガス重量を増やすことにより、高い推進効率を保ちつつ推力を増大させることができる。推力一定ならターボジェットエンジンより排出ガス速度を減らす事ができ、速度の３乗に比例する騒音を減らせる。バイパス空気流の割合が大きい、つまりバイパス比が大きいほど、亜音速での推進効率が良くなり（ターボプロップもどきになる）、小さいほど超音速での推進効率が良くなる（ターボジェットに近づく）。エンジン本体や燃焼ジェットがバイパス空気に覆われるため、冷却効率が良く、騒音が少ない。ファン直径がエンジン本体よりも大きいので全体のサイズも大きくなり空気抵抗が増大する、アフターバーナーの消費燃料がターボジェットよりも多い、アフターバーナーを付けた場合にオーバーヒートを起こしやすく、圧縮機失速からエンジンが停止する危険もある、というのが欠点。1960年頃に実用化され、当初はバイパス比が2.6:1程度だったが、今では圧縮機の効率を高めて9:1程度を達成した。ファンと圧縮機の回転軸数で二軸式ターボファン、三軸式ターボファン、ギヤード・ターボファンに分類される。参考：月刊JWings1,’01、6,’05、10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊軍事研究4,’12、1,’17、F-15イーグル

＜ターボプロップ・エンジン＞：Turboprop engine。ターボジェットエンジンの燃焼エネルギーの90%をタービンで回転力に変え、減速ギアを介して大口径プロペラに伝え推進するエンジン。燃焼エネルギーの残り10%は後方に噴射して推力に変える。タービン回転数は変えず、プロペラに可変ピッチ機構を設けて推力を調整する。低速での推進効率と燃費に優れるのが利点で、プロペラの回転力を生み出すのに必要な圧縮空気を得れば済むので、圧縮機はターボジェットエンジンに比べて小さい。排気ガスの流速が遅いので、騒音も小さくなる。推進力の大部分をプロペラに頼るので、最大速度には限界がある。参考：飛行機のしくみ、月刊JWings1,’01、航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究11,’16

＜ターボポーター＞：PC-6Bを参照。

＜ターボメンター＞：T-34C（練習機）を参照。

＜ターボユニオン＞：トーネード戦闘機用RB199のメーカーで、イギリスのロールスロイス、ドイツのMTU、イタリアのフィアットが1969年9月に共同で設立した。参考：月刊航空ファン5,’19

＜ターボラグ＞：ターボ・スーパーチャージャーを参照。

＜ターボ・ラムジェットエンジン＞：ラムジェットエンジンの中にターボジェットエンジンを埋め込んだような構造をしており、マッハ３以下ではターボジェットエンジンを駆動させ、それを超えるとターボジェットエンジンのエアインテイクを閉じてラムジェットエンジンとして機能させるエンジンのこと。参考：月刊軍事研究9,’07

＜ターボレット＞：ソ連が1956年に初飛行させたVTOL実験用リグ。ツマンスキーRD-9BLエンジンを縦に装着し、エンジン抽出空気を噴射するリアクション･スラスターを４基装備している。参考：月刊軍事研究7,’11

＜ターポン＞：N17（Ｔ級潜水艦第１グループ）またはSS-14（Ｃ級潜水艦）またはSS-175（Ｐ型潜水艦グループ２）を参照。

＜ターマガント＞：R89（駆逐艦）を参照。

＜ターマニットＸ＞：ドイツの装甲板溶接用オーステナイト系ステンレスで、1941年の冬季東部戦線で溶接部分の割れが多発したことから、低温でも粘りが衰えない溶接材としてDEW社が生産した。18%のクロム、8%のニッケル、6%のマンガンを含む。参考：月刊丸4,’07

＜ターミガン＞：イギリス陸軍の通信システム。1985年から使用されているが、不朽の自由作戦では能力不足となり、EADSのコーモランシステムが後継として採用された。しかしこれも能力不足で、その後継であるファルコンの就役に間に合わないため、イスラエルのラドウィン2000を調達してターミガンを早期退役させることにした。参考：月刊軍事研究3,’10

＜ターミナル・フェーズ＞：弾道ミサイル飛翔の最終段階。大気圏に突入してから地表に到達するまでの数十秒を指す。ミサイル突入角度40度以上、最終速度マッハ3-10以上。加熱するので赤外線シーカーに捕らえられやすく、囮を放出しても燃え尽きてしまうが、速度が速く、迎撃時間は限られる。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊JWings12,’03、月刊軍事研究10,’03

＜ターミナルレーダー管制＞：航空交通管制の１つで、レーダーを使用して行う進入管制のこと。ラプコンで空港監視レーダーの情報を元に管制を行う。運用主任、管轄区域の一番外を管制する出入域管制席、出入域管制席を補佐する調整管制席、飛行場近くを管制する捜索誘導管制席が基本構成である。参考：JWings5,’17、航空用語事典増補改訂版

＜ターミナルレーダー訓練装置＞：自衛隊の機器。日本無線製。参考：月刊軍事研究10,’13

＜ターミネイト＞：Terminate。FACがレーザー照射を終了する際にコールする。参考：月刊航空ファン2,’02

＜ターミネーター＞：BMP-T（戦車支援車両）またはF-4E 2020（戦闘機）を参照。

＜ダーメンＦＣＳ５００９型＞：ジブチ海軍哨戒艇。P22アジュダン・アリ・Ｍ・フムドなどが就役した。参考：月刊世界の艦船9,’22

＜ターヤ・ミスル＞：1001（ミサイル・フリゲート）を参照。

＜ターヤンイーハオ＞：大洋１号（海洋調査船）を参照。

＜ターユン級＞：大運級（輸送艦）を参照。

＜ダーラン級＞：中国海軍潜水艦救難艦。全長111.9m、満載排水量4200トン。速力16ノット。兵装は25mm機関砲１門。艦番号332が就役した。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ターリエン＞：110（駆逐艦）を参照。

＜ダール＞：T-AKR-312（輸送艦）を参照。

＜ダール＞：ヴァルター・ダール。ドイツ空軍エース。1944年9月、75機撃墜を達成。総撃墜機数128機（うち４発重爆が36機で、ドイツ空軍２位）。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ダールグレン＞：DD-187（フラッシュ・デッキ型駆逐艦）またはDDG-43（クーンツ級ミサイル駆逐艦）を参照。

＜タールティヴァルディス＞：ラトビア海軍トリパルタイト級機雷掃討艇。参考：月刊軍事研究3,’12

＜ターン＞：P336（潜水艦）またはYQM-98A（試作無人機）を参照。

＜ターン・アラウンド・タイム＞：Turn around time、Turnaround time。出撃して戻ってきた機体が、次に出撃するまでに要する時間。燃料・弾薬を補給し、整備を行うのに要する時間である。JAS39では、ホット・サプライにより空戦ミッション用の燃料・弾薬補給にかかる時間は僅か10分弱で、エンジン交換にも４時間しかかからず、24時間に11ソーティーをこなせるとされる。参考：月刊JWings10,’01、航空用語事典増補改訂版

＜ターン・バレル＞：回転銃身を参照。

＜ターン・ボルト＞：ボルトアクション式を参照。

＜大四式患者車＞：九六式六輪自動貨車ファミリーを参照。

＜耐Ｇスーツ＞：パイロットが戦闘機動中の高いＧに耐えられるよう製作されたスーツのこと。ズボンや腹部に空気を送り込んで下半身への血液集中を防ぐようになっている。これでも不十分なことがあり、パイロットは自分で上半身にも力を入れてブラックアウトを防ぐ。1939年頃からイギリスやカナダで開発が始まり、1944年3月にアメリカ海軍空母バンカーヒル搭載F6F戦闘機で実戦テストが行われ、実用性が認められて11月にアメリカ陸海軍で制式化された。戦闘機の進化で更なる耐Ｇ能力が必要となり、1990年代からはコンバット・エッジが開発されるようになった。参考：月刊JWings9,’10、10,’11、戦闘機のしくみ

＜耐Ｇ服（航空自衛隊）＞：JB-3BまたはJG-5Aを参照。

＜対アクセス・地域拒否＞：A2/ADを参照。

＜耐圧殻非貫通型潜望鏡１型＞：海上自衛隊の非貫通型潜望鏡。タレスUK社製の非貫通型潜望鏡をライセンス生産したものである。そうりゅう型潜水艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'21

＜耐圧船殻＞：潜水艦が水圧に耐える部分。船殻表面には深度1mにつき１平方メートルあたり１トンの水圧がかかるので、安全潜航深度300m・安全率1.5の潜水艦では１平方メートルあたり450トンの圧力に耐えなければならず、ニミッツ級空母を乗せても潰れない強度が必要になる。概ね円筒の両端に半球をくっつけた形状をしており、一定間隔でフレームを巻き付けて強度を増している。フレームを外に巻いた外フレームと、中に巻いた内フレームの二種がある。内部は耐圧船殻と同程度の強度を持つ横隔壁や、それよりも強度の弱い耐圧横隔壁で数区画に区切られている。水上航行がメインだった時代は１区画が完全に浸水しても浮上できたが、水中行動をメインとするようになってからは予備浮力を極力減らしてあり、１区画未満の浸水でも沈没の恐れがある。限度を超えた水圧がかかると一気に潰れてしまい、魚雷などを巻き込んで大規模な水中爆発を起こすこともある。断面が歪んでいるとその部分に応力が集中するので、正円断面にする必要があり、整備の際に耐圧船殻を切らずに済むよう、エンジンなどの大型器材でも全て分解してハッチから搬出入できるようにしている。プロペラシャフトや潜望鏡など貫通部分があるため、強度を落とさずにそれらの部分を組み込むノウハウが必要で、主な使用素材である高張力鋼の溶接も技術を要し、機密の塊である。参考：月刊軍事研究11,’06、現代の潜水艦、月刊世界の艦船10,’16、5,’91、日本潜水艦物語、Ｕボート入門

＜耐圧防爆形天井クレーン＞：自衛隊の機器。キトー製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ダイアデム＞：84（軽巡洋艦）を参照。

＜ダイアデム作戦＞：第２次大戦時に連合軍が行ったイタリアのグスタフライン突破作戦、「王冠」。第５軍（アメリカ第２軍団と自由フランス欧州遠征軍団からなる）と第８軍（イギリス第13軍団、カナダ第１軍団、ポーランド第２軍団からなる）がグスタフラインに攻勢を掛け、空軍はストラングル作戦を発動してグスタフライン後方の予備支援兵力と交通網を破壊、ドイツ第10軍がグスタフラインに戦力を集中させたところで背後のアンツィオ海岸堡から第６軍団（隷下にアメリカ５個師団とイギリス２個師団、第１特殊任務部隊を置く）が前進し、後方を遮断する。第６軍団は第10軍の後方遮断を主目的とするバッファロー作戦と、ローマへの突破を視野に入れたタートル作戦の２つを考案しており、第15軍集団司令官は前者を望んだが、第６軍団司令官は後者を希望していた。作戦は1944年5月11日に開始され、1500門の火砲が40分ほど攻撃準備射撃を実施、２個軍が攻勢をかけた。第８軍はカッシーノで阻止されたが、第５軍自由フランス欧州遠征軍団がリーリ渓谷を突破したため、5月19日にドイツ軍はグスタフラインの放棄を決定。大損害を受けて再編中だった第８軍は追撃できず、ドイツ第10軍は予備陣地に後退した。5月23日、第６軍団はドイツ第10軍の退路となる国道７号線を塞ぐべく前進を開始したが、激しい反撃を受けて出血を強いられた。5月25日、第６軍団が第５軍と連絡を付け、チステルナを占領した。そのままアルバニ丘陵を占領して国道６号線も塞いでしまえばドイツ第10軍は包囲されたのだが、第６軍団司令官は２個歩兵師団をローマに向かわせてしまったため、その間にヘルマン・ゲーリング機甲師団が到着。国道６号線を5月30日まで保持し、ドイツ第10軍はアルバニ丘陵南のカエサル・ラインに後退した。6月2日、ドイツ第10軍はカエサル・ラインを放棄。6月5日、連合軍はローマに入城した。本作戦での連合軍の損害は44000名である。ドイツ第10軍はローマでの防衛戦は行わず、ゴシック・ラインに後退した。参考：月刊PANZER2,’11、歴史群像4,’11

＜ダイアド＞：DYAD（磁気掃海具）を参照。

＜ダイアナ＞：H49（駆逐艦）を参照。

＜ダイアモンド＞：D34（45型駆逐艦）またはH22（Ｄ級駆逐艦）を参照。

＜ダイアモンド黄金剣付柏葉騎士鉄十字章＞：ドイツの鉄十字勲章。1944年12月、ダイアモンド剣付柏葉騎士鉄十字章の上位として制定された。ダイアモンド剣付柏葉騎士鉄十字章の柏葉と剣を純金にしたデザインで、黒白赤の３色リボンで首から吊り、金属章が襟元に来るようにする。ダイアモンド剣付柏葉騎士鉄十字章以下全ての鉄十字章を受章し、更に顕著な戦功を収めた12名が受章対象で、実際に受章したのはドイツ空軍ルーデル大佐だけである。参考：武装親衛隊、Ｕボート入門

＜ダイアモンド剣付柏葉騎士鉄十字章＞：ドイツの鉄十字勲章。1941年9月、剣付柏葉騎士鉄十字章の上位として設けられた。剣付柏葉騎士鉄十字章の柏葉と剣の柄がダイアモンド装飾になっており、黒白赤の３色リボンで首から吊って金属章が襟元に来るようにする。全軍で27名に授与された。1941年7月15日の100機撃墜達成の功績でヴェルナー・メルダースに授与された。1942年1月28日、アドルフ・ガーランドに授与された。9月16日、第52戦闘航空団第９中隊長ヘルマン・グラーフに授与された。1943年3月11日、ロンメルに授与された。8月9日、U-181艦長ヴォルフガング・リュートに授与された（全軍で７番目）。10月19日、ヴァルター・ノヴォトニー大尉に授与された。1944年、エーリッヒ・ハルトマンに授与された。4月、ヘルベルト・オットー・ギレSS中将に授与された。8月1日、SS第１装甲軍団長ヨゼフ・ディートリッヒＳＳ上級大将に授与された。10月9日、ハインツ・ヴォルフガング・シュナウファーに授与された。参考：Ｕボート入門、武装親衛隊、グラフィックアクション36

＜ダイアモンドテイクオフ・アンド・ダーティターン＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Diamond take off and dirty turn。４機が一斉にフィンガーチップ隊形で編隊離陸（強風時には１機ずつ離陸）し、すぐに４番機が１番機の後ろに移動してダイヤモンド隊形を整え、270度旋回してフラップ下げ・脚下げ・着陸灯点灯のままスモークを焚き、会場正面から後方に抜ける。参考：月刊JWings7,’12、6,’09、6,’10、6,’10別冊付録

＜ダイアモンドバックス＞：VF-102（戦闘飛行隊）またはVFA-102（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ダイアモンド・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ。４機が菱形に並んで航過する。参考：月刊JWings6,’09

＜タイアレス＞：P327（Ｔ級潜水艦第２グループ）またはS-88（トラファルガー級原潜）を参照。

＜泰安＞：616（コルベット）を参照。

＜大安丸＞：下村汽船貨物船Taian maru。元は1916年（大正5年）12月に竣工したノルウェー船ハンナ・ニールセンで、アメリカのスキナー＆エディ社で建造され、アメリカが第１次大戦への参戦間際だったためアメリカ船舶院に徴用され、大正15年に下村汽船が購入して大安丸になった。垂線間長125.1m、幅16.46m、深さ9.07m、満載吃水7.34m、総トン数5655トン、重量トン数8750トン。主機は蒸気タービン１基１軸2400馬力、航海速力9.5ノット、最大速力10.5ノット。昭和18年、太洋海運に移籍した。10月8日、陸軍輸送で高雄からマニラに向かう途中、ルソン島北方でSS-254ガーナードの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’16

＜隊医极＞：日本陸軍の衛生材料運搬用木箱で、「たいいきゅう」と読む。隊包帯所に用意されている。参考：軍医サンよもやま物語

＜隊医极第参号＞：日本陸軍の衛生資材運搬用木箱で、大正3年に制式化された。主に薬品を収容するのに使用される。参考：歴史群像10,’10

＜体育（日本海軍）＞：水泳、相撲、体操、銃剣術、武術などが行われており、当然だが水泳が重視されていた。次は相撲で、プロ力士を呼んで指導していたこともある。参考：陸海軍学校と教育

＜体育学校＞：三自衛隊共同の機関で、朝霞駐屯地にある。隊員の体力向上を図るため、体育指導要員を養成し、体育についての調査研究を行う、というのが創設の大義だが、実際には東京オリンピックへの自衛隊選手派遣が目的で、通信学校体育課程を母体として1961年8月17日に朝霞駐屯地で創設された。しかし創設１年経っても設備が整わず、隊舎も仮設のままで夏には夜でも室温48度に達し、入校した選手が辞表を出す有様であった。教場は日本陸軍兵舎跡の流用で、屋内体育館が竣工したのは1970年代半ば、温水プールが完成したのは1978年春のことである。第一教育課、第二教育課、スポーツ科学科があり、部隊の体育指導に必要な教育訓練や、体育に関する調査研究を行ったりする。第一教育課は各部隊の体育指導者育成が主任務で、球技３競技、武道４競技、持続走、水泳（2015年から）の各指導者集合訓練を行う。第二教育課がオリンピック選手を目指すコースで、競技別に選手育成を行う陸上班、水泳班、レスリング班、近代五種班、射撃班、ボクシング班、柔道班、アーチェリー班、ウエイトリフティング班、カヌー班（2017年春に新設）、ラグビー（女子。2017年春に新設）、選手発掘や引退後の指導を行うスカウト教育班、理学療法を行う運用班、生活面をサポートしたり人事を行ったりする教務班があり、1964年の東京オリンピックから2008年の北京オリンピックまでに選手延べ123名を輩出しており、メダリストは延べ14名にのぼる。第２教育課には、全日本クラスの大会において優秀な成績を収め、採用試験に合格して体育特殊技能者として特別体育課程学生になるか、一般曹候補生または自衛官候補生として入隊し、新隊員教育の後に特別体育課程学生候補者集合訓練（５ヶ月）を受講、更に選抜されるかしなければ入れない。入校後も成績によって１年ごとに学生の入れ替えが行われる。スポーツ科学科は総括支援班とマルチサポート班からなり、運動能力測定分析とこれによる選手支援や、運動能力に関する情報の体育学校教育課や自衛隊各部隊への提供を主任務とする。総合体育館、球技体育館、屋内水泳訓練場、アーチェリー訓練場、陸上競技場、ラグビー・サッカー場、馬術訓練場といった施設を完備し、広報展示室ではメダルや賞状などを展示している。1962年、陸上競技、射撃、近代５種、レスリング、ボクシング、ウエイトリフティング、カヌーの教育を開始。1964年、東京オリンピックに20名が出場し、三宅義信三等陸尉が男子重量挙げフェザー級でジャーク世界記録152.5kgを挙げて金メダルを獲得。円谷幸吉がマラソンで銅メダルを獲得。1968年、メキシコオリンピックの男子重量挙げフェザー級で三宅義信三等陸尉が金メダルを獲得し、第一級賞詞を授与された。他にレスリングで中田茂男と金子正明が金メダルを獲得した。1972年、ミュンヘンオリンピックのレスリングで平山紘一郎が銀メダルを獲得。1976年、モントリオールオリンピックでのレスリングで平山紘一郎が銅メダルを獲得。1984年、ロサンゼルスオリンピックの射撃で蒲池猛夫三等陸尉、レスリングで宮原厚次三等陸尉が金メダルを獲得し、第一級賞詞を授与された。他にレスリングで宮原厚次が金メダル、江藤正基と入江隆が銀メダルを獲得している。1988年、ソウルオリンピックのレスリングで宮原厚次が銀メダルを獲得。1990年、第２教育課に柔道班が新編された。1992年、バルセロナオリンピックの射撃で木場良平が銅メダルを獲得。2004年、アテネオリンピックに隊員４名が参加し、井上謙二が銅メダルを獲得。2007年4月、スポーツ科学科が開設された。2008年、北京大会に隊員６名が参加。2009年4月、日本陸上競技選手権50キロ競歩で日本記録を更新した。2011年9月、カザフスタンのユーラシア国際映画祭で、渉外広報室長の佐野二等陸佐が製作した「春、一番最初に降る雨」（2011年3月製作）がグランプリを獲得した。2012年、ロンドンオリンピックに隊員12名（とOGの予備自衛官１名）が参加。レスリング女子48kg級で小原日登美一等陸尉（体育学校女子選手初の金メダル）、レスリングフリー66kg級で米満達弘三等陸尉が金メダルを獲得し、第一級賞詞を授与された。レスリングフリー55kg級で湯元進一二等陸尉、ボクシングバンタム級で清水聡三等陸尉が銅メダルを獲得し、第二級賞詞を授与された。高桑健三等海尉は水泳200m個人メドレーで６位に入賞した。ロンドン大会までの成績は、出場者延べ155名、金メダル８個、銀メダル４個、銅メダル６個。9月12日、日本オリンピック委員会が制定するトップアスリートサポート賞の最優秀団体賞に選定された。2014年4月10-25日、第１回女子ラグビー基幹要員集合訓練を実施。4月19-20日、全国自衛隊サッカー大会・女子部門（フットサル）を実施。12チームが参加し、空自入間基地が初優勝した。5月27日から6月1日にオーストリアで行われたインスブルック国際映画祭で、渉外広報室長の佐野二等陸佐が製作した「春、一番最初に降る雨」が最優秀作品賞を受賞した。7月7日から8月4日、第２回女子ラグビー基幹要員集合訓練を実施。9月6日、創立53周年記念行事とアジア競技大会壮行会を実施。2015年3月9日、中谷防衛大臣が視察し、隊員を激励した。4月、第２教育課が初めて女子ボクシング選手を採用。4月1日、第２教育課特別体育課程に未成年特殊体育技能者１期生２名が入校した。4月6-10日、第１教育課体育班が陸上自衛官34名に第１回水泳指導者集合訓練を実施。4月15日、第54期特別体育課程９個班143名の入校式を実施。2016年1月18日、日本スポーツ賞で山下敏和一等陸尉（射撃）と谷井孝行二等空曹（陸上）が優秀選手に選出された。2月27-28日、体育館で第41回全国自衛隊剣道大会を実施。団体戦で北熊本Ａが優勝した。3月28日、特別体育課程教育室が冬期戦技教育隊の隷下から移ってきた。第１・第２教育課やスポーツ科学科と並列で、クロスカントリー班とバイアスロン班からなる。所在地は真駒内駐屯地のまま。7月3日、リオデジャネイロ五輪日本代表選手団結団式・壮行会で国旗掲揚を行った。8月6-22日のリオデジャネイロオリンピックに９名が出場し、江原騎士２等陸曹が800m自由形リレーで銅メダル、新井広宙３等陸尉が陸上男子50km競歩で銅メダルを獲得した。9月2日、リオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得した２隊員に陸幕長から２級賞詞が授与された。9月9日、リオ五輪出場９選手の慰労会を東京のホテルで実施。9月21日、栃木地本が非常勤隊員７名に部隊研修を実施。11月16日、陸上競技場で全自衛隊陸上競技会を実施。11月27日、体育館で第30回全自衛隊バスケットボール大会決勝戦を実施。12月10-11日、体育館で第40回全自衛隊柔道大会を実施。2017年2月19-26日、特別体育課程教育室バイアスロン班11名とクロスカントリー班２名が2017冬季アジア札幌大会に出場し、バイアスロンで金１個と銅４個、クロスカントリーで金１個と銅２個のメダルを獲得した。3月1-2日、三自衛隊体育担当者ら300名に、厳しい任務遂行に必要な心・技・体の向上に資する体育訓練をテーマとした第14回体育セミナーを実施。4月、カヌー班が再編された。第２教育課にラグビー（女子）班を新編した。4月12日、第56期特別体育課程（夏季種目）11個班168名（うち新規採用57名。大会出場のため一部学生欠席）の入校式を実施。4月13-16日、日本選手権水泳競技で江原２等陸曹が800m自由形優勝、200m・400m自由形準優勝、新山海士長が50m平泳ぎ準優勝の成績を挙げた。4月16日、日本陸上50km競歩で荒井３等陸尉が優勝。6月16日、東京オリンピック空手競技出場を目指し、第１教育課に空手班が新編され、各部隊から集結した男性自衛官６名・女子自衛官３名が空手集合訓練を開始した。8月13日、ロンドンで行われた世界陸上競技選手権50キロ競歩で荒井３等陸尉が銀メダルを獲得した。8月21-29日、2017年近代五種世界選手権大会に５名が参加し、女子リレー競技で山中３等陸曹と島津３等陸曹が３位となり、近代五種世界選手権で日本初のメダルを獲得した。9月、日本オリンピック委員会スポーツ指導者海外研修事業に参加してペンシルバニア州立大オリンピックセンターで２年間の研修を終えた米満１等陸尉（ロンドンオリンピックのレスリングフリースタイル66キロ金メダリスト）が帰国した。9月7-11日、カヌースプリント日本選手権に第２教育課特待課程カヌー班７名が出場し、女子カナディアン・ペア500mで優勝した。10月18日、防衛省主催・日本陸上競技連盟公認のの第21回全自衛隊陸上競技会が開催された。11月1日、冬期特別体育教育室バイアスロン選手・コーチの激励会を実施。11月11-12日、講道館杯全日本体重別選手権女子78キロ級で濱田３等陸尉が優勝した。11月12日、全日本実業団空手道選手権大会に空手基幹要員集合訓練参加11名が出場し、男子組手団体戦で３位に入賞した。11月14-15日、日本選手権（25m）水泳競技大会400m自由形で江原２等陸曹が優勝した。11月19-20日、第57回近代五種全日本選手権に近代五種班の男子12名・女子３名が参加し、男子で岩元３等陸曹が優勝、女子で山中３等陸曹が優勝した。11月23-26日、第87回全日本ボクシング選手権ライトウェルター級で成松２等陸尉が優勝、秋山２等陸曹が準優勝した。12月2-3日、国際柔道連盟主催グランドスラム東京2017女子78キロ級で濱田３等陸尉が優勝した。12月13-17日、第16回全日本女子ボクシング選手権大会ライトフライ級で小村３等陸曹が優勝した。12月15日、第70回全日本フェンシング選手権団体男子エペで近代五種班が優勝した。12月19日、荒井広宙３等陸尉（世界陸上男子50km競歩銀メダル）が日本陸連アスレティックス・アワード2017のアスリート・オブ・ザ・イヤーに選出された。12月20-23日に開催された天皇杯全日本レスリング選手権大会において、男子フリースタイル65キロ級で高谷２等陸曹、グレコローマンスタイル63キロ級で井ノ口陸士長、同87キロ級で角３等陸曹、女子フリースタイル50キロ級で入江３等陸尉が優勝した。

2018年1月24日、平昌冬季五輪の結団式・壮行会に出場選手７名が参加。2月、平昌冬季五輪ではバイアスロンに６名、クロスカントリーに１名が出場し、バイアスロン男子10キロ・スプリント84位、バイアスロン男子20キロ個人64位、バイアスロン女子7.5キロ・スプリント42位・49位・68位・85位、バイアスロン女子10キロ・パーシュート54位・56位、バイアスロン女子15キロ個人76位・80位・81位・85位、バイアスロン女子24キロリレー17位、クロスカントリー男子30キロ複合25位、クロスカントリー男子15キロフリー13位、クロスカントリー男子50キロクラシカル23位だった。2月13日、部外講師に柔術家ヒクソン・グレイシー氏を招いて上級格闘指導官集合訓練参加者などに対する特別講習を実施。3月、岩元３等陸曹がロサンゼルスで近代五種ワールドカップ第３戦に参加し、日本男子歴代最高の６位に入賞した。4月11日、第２教育課57期特別体育課程入校式を実施。11個班173名が入校した。4月14日、第57回全日本競歩輪島大会女子10kmで道口２等空曹が優勝した。4月15日、第102回日本陸上競技選手権大会50km競歩で野田２等陸曹が優勝した。5月25-27日、平成30年度全日本ウエイトリフティング選手権大会に９選手が出場し、56kg級、62kg級、69kg級、105kg級の４階級で優勝した。6月14-17日、全日本選抜レスリング選手権大会に22階級34名が出場し、５階級で優勝した。7月28日、アジア競技大会に出場する隊員21名の壮行会を実施。8-9月、2018年アジア競技大会に９競技21選手が出場し、男子４×200mリレー（江原３等陸曹）、フェンシング・エペ団体戦（山田２等陸曹）、男子50km競歩（勝木３等陸曹）で金メダル、レスリング女子50kg級（入江３等陸曹）、男子フリースタイル65kg級（高谷２等陸曹）で銀メダル、ライフル射撃男子50m３姿勢（松本１等陸尉）、ボクシング男子ライトウェルター級（成松２等陸尉）で銅メダルを獲得した。9月20-27日に開催された世界柔道選手権で濱田２等陸尉が女子78キロ級で優勝し、柔道班所属選手として初めて世界選手権で優勝した。10月28日、陸上班野田２等陸曹が全日本50キロ競歩高畠大会で日本記録を更新して初優勝した。11月12-25日、ボクシング女子世界選手権で並木陸士長がフライ級銅メダルを獲得した。11月18日、女子ラグビー班の自衛隊体育学校PTSが女子７人制ラグビー日本トップリーグ太陽生命ウィメンズセブンズへの2019年度リーグ入りを決めた。11月23-25日に行われた柔道国際大会グランドスラム大阪で濱田２等陸尉が女子78キロ級で３位となった。

2019年2月3日に開催された札幌国際スキーマラソン大会の男子50kmで吉田１等陸尉、女子50kmで水木陸士長、女子25kmで竹田２等陸曹が優勝した。3月16-17日、第35回全自衛隊拳法選手権大会を実施。第12普通科連隊Ａが優勝した。3月24日、ブエノスアイレスで行われたフェンシング・ワールドカップにおいて、男子エペ団体（山田３等陸尉が参加）で初優勝した。4月6-7日、平成31年全日本選抜柔道体重別選手権大会の女子78キロ級で濱田２等陸尉が優勝した。4月19日、新しいライフル射撃訓練場の落成式を実施。4月30日から6月30日、７人制女子ラグビーの太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2019が開催され、自衛隊体育学校チームは年間総合８位だった。5月24-26日、第79回（男子）／第33回（女子）全日本ウエイトリフティング選手権大会において、高尾２等陸尉が男子67キロ級、糸数２等陸尉が女子49キロ級で優勝した。6月13-16日に実施された全日本選抜レスリング選手権大会において、赤熊３等陸尉がフリースタイル97キロ級、角３等陸尉がグレコローマンスタイル87キロ級で優勝した。8月25日から9月1日に行われた2019年世界柔道選手権東京大会において、濱田２等陸尉が女子78キロ級で準優勝、男女混合団体戦で優勝した。9月14-22日、2019レスリング世界選手権で古市２等陸曹が女子フリースタイル72キロ級で銅メダルを獲得、奥井２等陸曹が男子フリースタイル74キロ級で５位に入賞した。10月16-20日、第18回全日本女子ボクシング選手権大会で晝田陸士長がフェザー級優勝、第71回全日本社会人ボクシング選手権大会で近藤１等陸士がミドル級優勝を果たした。11月3日、第72回全日本フェンシング選手権大会で山田３等陸尉がエペで優勝した。12月19-22日、天皇杯全日本レスリング選手権男子フリースタイル97キロ級で赤熊２等陸尉が優勝、グレコローマン87キロ級で角３等陸曹が優勝・鶴田３等陸曹が準優勝した。

2020年3月3-11日にヨルダンのアンマンで開催された東京オリンピック・ボクシングのアジア・オセアニア予選女子51kg級で並木３等陸曹が銀メダルを獲得した。4月10日、新規入校者26名（うちスカウトによる新規採用者12名、集合教育での選抜14名）が参加して第59期特別体育課程入校式を実施。9月9-13日開催の日本カヌースプリント選手権大会で、坪田３等陸尉が女子カナディアン500m金メダル・同200m銀メダル、藤嶋２等陸曹が男子カヤック200m銀メダル、佐藤２等陸曹が男子カナディアン1000m銅メダル、小又３等陸曹が男子カヤック500m銀メダルの成績を収めた。11月13-15日に開催された全日本ライフル射撃競技選手権大会（ピストル競技）で山田３等陸曹が女子25メートルピストル60発で優勝した。11月27-29日、第60回近代五種全日本選手権大会で、嶋野２等陸曹が男子の部、島津３等陸曹が女子の部で優勝した。

2021年4月、2020年度の格闘教範改編による格闘教育訓練基準見直しを受け、第１教育課格闘・武道班が陸自各方面隊で部隊格闘指導官らへの新訓練基準巡回普及教育を開始。7月23日に開幕した東京オリンピックには９個班17名が出場し、史上最多のメダル５個（柔道班濱田１等陸尉が柔道女子78キロ級で金メダル、近代五種班山田２等陸尉がフェンシング男子エペ団体戦で金メダル、レスリング班乙黒２等陸曹がレスリング・フリー65キロ級で金メダル、柔道班濱田１等陸尉が柔道混合団体で銀メダル、ボクシング班並木３等陸曹がボクシング女子フライ級で銅メダル）を獲得した。9月29日から10月3日に開催された第33回サマーバイアスロン日本選手権大会で冬期特別体育教育室の立崎２等陸尉夫妻が男女揃って総合優勝した。

2022年4月2-3日、全日本選抜柔道体重別選手権大会で、女子78キロ級１位、女子52キロ級２位となった。4月9日、朝霞駐屯地三宅記念体育館で第61期特別体育課程学生155名（新規採用者14名、集合訓練選抜者17名、昨年度成果良好による残留者124名）の入校式を実施。4月28日から5月1日に行われた第98回日本選手権水泳競技大に水泳班から９名が出場し、男子50メートル平泳ぎで２位、男子50メートルバタフライで３位に入賞した。4月28日から5月1日、第82回全日本・第36回全日本女子ウエイトリフティング選手権大会が行われ、男子55キロ級、男子61キロ級、男子81キロ級で優勝した。5月7-8日、2022年度全日本選抜ライフル射撃競技選手権大会が行われ、伏射男子種目と３姿勢男子種目で優勝した。

参考：朝雲、MAMOR vol.109、vol.52、vol.58、vol.70、vol.117、vol.124、vol.126、vol.128、vol.130、vol.133、vol.134、vol.135、vol.137、vol.138、vol.139、vol.140、vol.142、vol.143、vol.145、vol.147、vol.149、vol.150、vol.152、vol.153、vol.154、vol.155、vol.156、vol.157、vol.158、vol.162、vol.167、月刊JWings1,’15、陸海軍学校と教育、日本の防衛戦力Part1

＜体育特殊技能者＞：自衛隊体育学校または陸自冬期戦技教育隊が強化に取り組んでいるレスリング、射撃、スキーなどの10競技で、全日本選手権優勝など顕著な実績を挙げ、採用試験に合格して毎年4月に直接採用した自衛官のこと。競技の成績で昇任していく。2020年の東京オリンピックを踏まえ、2015年度からは20才未満にも対象を広げている。参考：朝雲

＜第一線救護衛生員＞：自衛隊の救命処置員。有事の際に最前線で負傷した自衛隊員に対し、的確な救急救命措置を施すのが主任務である。准看護師と救急救命士の資格を持つ隊員に、陸自衛生学校で解剖生理、疾病生理、薬理、防衛省MC体制、緊急救命行為（一般的な救急救命処置、気道閉塞に対する輪状甲状靱帯切開・穿刺、緊張性気胸に対する胸腔穿刺、出血性ショックに対する静脈路または骨髄路からの輸液路確保及び輸液、疼痛がある場合の鎮痛剤投与、感染症予防のための抗生剤投与）、第一線救護衛生員の行動といった計200時間の教育を行い、気道確保や鎮痛剤投与などを最前線の現場で実施できるようにする。防衛省が2015年4月に部外有識者による第一線救護における的確な救命に関する検討会を設置し、2016年6月までに６回の会合を開き、9月の報告書で最前線で救護活動を行う衛生員の必要性が指摘され、10月に防衛省が衛生監をトップとする防衛省MC協議会を設置、2017年3月までの４回の会合で、緊急救命行為や訓練課程を正式決定した。2017年5月11日から6月15日、第１期生25名（陸自隊員のみ）が教育を受けた。8月23日、第２期生30名（陸自25名、空海自５名）の教育を開始。第３期生も30名（陸自25名、海空自５名）の予定である。参考：朝雲

＜対移動目標潜水艦活用先進兵器＞：AWESUMを参照。

＜大威力重噴進弾発射機＞：日本海軍が開発していた橋頭堡攻撃用ロケット弾。参考：月刊丸4,’99

＜隊員クラブ＞：自衛隊の基地や駐屯地に置かれている酒場で、隊員同士のみならず、来訪者との交流にも使用される。営業時間は平日の数時間。艦内には無い。参考：MAMOR vol.46、vol.106

＜大運級＞：中国海軍輸送艦904型のNATOコードで、ターユン（Dayun）級と読む。艦橋前方両舷に電動クレーン２基を装備し、後部甲板にヘリ発着スペースを持つ。また、小型揚陸艇４隻も搭載しており、港湾設備の無い場所でも輸送ができる。主任務は西沙諸島や南沙諸島にある前進基地へのドライカーゴ補給、人員輸送である。全長124.2m、全幅12.8m、吃水3.8m、満載排水量8500-11151トン、載貨重量2000トン。主機はディーゼル２軸で、速力22ノット。兵装は37mm連装機関砲２丁、25mm連装機関砲２丁。乗員240名。南運951海倉、南運952の２隻が1992年に就役した。後に艦番号883陽澄湖と艦番号884鏡泊湖に艦名変更されている。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’15、6,’14、3,’13、3,’10

＜戴雲山＞：994（揚陸艦）を参照。

＜大榮丸＞：日本郵船ストックボートTaiyei maru。垂線間長89.92m、幅13.72m、深さ7.62m、吃水6.394m、総トン数2933トン、重量トン数4610トン。主機は三連成汽機１基１軸1199馬力、航海速力8.3ノット、最大速力11.165ノット。大正元年（1912年）9月18日竣工。大正8年9-10月、海軍が徴用して特別大演習で特設運送船（給炭船）として使用した。大正12年、近海郵船創設に伴い出資船となった。昭和14年、近海郵船が日本郵船と合併したため、日本有線の所属となった。太平洋戦争時は陸軍に徴用されて電纜敷設船に改造された。昭和20年、シンガポールで病院船に改造されていたが、完工前に終戦を迎え、引揚船として使用された。昭和25年、低性能船舶買入法により解体された。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜退役＞：Decommission。参考：月刊世界の艦船10,’23

＜対エレクトロニクス高出力波先進ミサイル計画＞：CHAMPを参照。

＜ダイオミード＞：F16（フリゲート）を参照。

＜タイガー＞：�Y号戦車シリーズまたはF11シリーズ（戦闘機）またはK-154（潜水艦）またはティーガー・シリーズ（攻撃ヘリ）を参照。

＜タイガー＞：アメリカ陸軍第10機甲師団のニックネーム。

＜タイガー＞：イギリス海軍タイガー級巡洋戦艦Tiger。1914年10月3日竣工。1916年5月31日、第１巡洋戦艦戦隊所属でジュットランド沖海戦に参加。21発の砲弾を被弾し、修理に１ヶ月を要した。1918年に改装が行われた。ロンドン条約で廃棄対象となり、1931年に除籍され、1932年2月に売却されて解体された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、6,’16

＜タイガー＞：イギリス海軍マイノトー級軽巡洋艦Tiger。1941年に起工されたが、進水後の1946年に工事が中断され、設計変更を受けて1955年に工事を再開、1959年に竣工した。1972年に改装を受け、後部上構と兵装を撤去、01甲板にヘリ４機分の格納庫とヘリ甲板を設置して指揮ヘリコプター巡洋艦になった。1978年に退役した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船8,'15

＜タイガー＞：ロシアのアルザムス・マシナリー・プラント社が開発した４×４輪装甲車で、装甲型とソフトスキン型がある。最大速度140km、航続距離900km。天井に7.62mm機銃、12.7mm機銃。30mm自動てき弾発射機などを装備可能。乗員は２名で、兵員４名もしくは７名を乗せられる。警察用に開発され、軍でも使用されている他、中国に輸出された。参考：月刊軍事研究10,’08

＜タイガー�U＞：F-5E（戦闘機）を参照。

＜タイガー�V＞：F-5E戦闘機（チリ空軍）を参照。

＜タイガー２０００＞：台湾のAIDC社が自主開発したF-5E能力向上型。レーダー、航法装置を近代改修しており、HOTASを採用したコクピット、パルス・ドップラー・レーダーへの換装、HUDと多機能ディスプレイ搭載、GPS・INS導入、AMRAAM搭載改修などを行っている。参考：月刊JWings11,’01

＜タイガーＬＰＶ＞：イスラエルのMDTアーマー社が開発した４×４輪装甲車で、LPVはLight Protected Vehicleの略。ダッジRAM5500HDトラックのシャシーを流用しており、底部はＶ字断面をしているが、その上に装甲とクッションを四重に配置し、キャビンの床はフラットになっている。IEDや地雷が炸裂した場合、シートは上にスライドして衝撃を吸収する。天井は二重構造で、断熱性が高い。全周で小銃弾に対する防御能力を持ち、増加装甲キットを取り付ければRPG-7や自己鍛造弾にも耐えられる。全長5.6m、全幅2.42m、全高2.39m、戦闘重量8.8トン、最大重量10.4トン、標準ペイロード1.5トン、最大ペイロード３トン。エンジンはカミンズ社製ディーゼル（350馬力）。乗員６名で最大９名。参考：月刊軍事研究2,’10

＜タイガーＳ＞：TRS-2100レーダーのイラク軍名称。

＜タイガー・アイ＞：RF-5E（偵察機）を参照。

＜タイガー・アイ＞：アメリカ空軍の第３世代目標指示・航法ポッドで、ロッキード・マーチン製。夜間低高度航法及びLANTIRNシステムを発展させたもので、中波赤外線のFLIR航法ポッドと、目標指示ポッドで構成される。航法ポッドには地形追随レーダーも収容され、目標指示ポッドにはCCDカメラ、有効距離４万フィート（12192m）のレーザー、長距離IRSTが搭載される。このIRSTはF-14用のものとほぼ同じで、パイロン部に装備されており、受動式長波赤外線センサーを使用することで熱源探知を行う。空対空戦闘にも使用可能。参考：月刊JWings5,’01、月刊軍事研究6,’05、6,’09

＜タイガーキャット＞：F7Fシリーズ（戦闘機）を参照。

＜タイガーキャット＞：イギリス空軍短距離防空用地対空ミサイルTigercat。シーキャットの地上版である。ディレクター・トレーラーと３連装ランチャー・トレーラー、牽引車２両で構成されており、牽引車に要員５名、発電機、ミサイルを搭載する。誘導は目視による無線コマンドリンクで、ミサイルの推進炎をディレクター・トレーラーの照準眼鏡で捉えながらフライトコントローラーで操作する。悪天候・夜間ではレーダー／TV追尾を行う。ミサイル全長1.48m、直径0.19m、重量63kg。推進は固体燃料ロケット２段式で、射程6.5km。アルゼンチン軍、イラン軍、インド軍、クウェート軍、南アフリカ軍などにも配備された。参考：ザ・マーチ17号

＜タイガー級＞：マイノトー級（巡洋艦）を参照。

＜タイガー級＞：イギリス海軍超弩級巡洋戦艦Tiger級。アイアン・デューク級と同時期に建造された。元はライオン級４番艦になる予定だったが、イギリスで建造した金剛型を参考に、ライオン級の缶室を司令塔と３番砲塔の間に集約し、３番砲塔を艦尾に向けて発射できるようにしている。副砲は６インチ（15.2cm）にし、甲板や弾火薬庫の防御力を強化、区画を有効利用して重油満載量を増やした。全長214.6m、水線長212.67m、幅27.6m、吃水8.7m、常備排水量28430トン。主機はブラウン・カーチス高中低圧並列直結蒸気タービン４基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式混焼水管缶（16.5気圧、飽和温度）39基、出力85000馬力、４軸推進、推進軸回転数毎分275回、プロペラ直径4.11m、速力28ノット（過荷公試時29ノット）、航続距離は10ノットで4650海里。兵装は45口径34.3cm連装砲塔Mk�U＊＊４基、45口径15.2cm単装砲12門、20口径7.6cm単装高角砲２門、4.7cm単装砲４門、533m水中発射管４門。装甲厚は水線部229mm、甲板76mm、バーベット229mm、砲塔前楯229mm、司令塔254mm。乗員1121名。タイガーが1914年に竣工した。1918年に艦橋と檣楼を拡大し、後部マストや探照灯塔を追加、２番砲塔に航空機滑走台を搭載した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、丸エキストラ版No.71、月刊丸11,’09

＜タイガー級＞：エジプト海軍ミサイル艇Tiger級。兵装はエグゾセMM-38艦対艦ミサイル連装発射筒２基、76mm単装砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タイガー・シャーク＞：F-5G（戦闘機）またはF-20（戦闘機）または虎鮫（長魚雷）を参照。

＜タイガース＞：VAH-1（重攻撃飛行隊）またはRVAH-1（偵察攻撃飛行隊）またはVAP-62（重写真偵察飛行隊）またはVMM-262（海兵中型ティルトローター飛行隊）を参照。

＜タイガーストライプ・パターン＞：アメリカ軍の戦闘服。元はイギリスとフランスが1950年代に使用していた細い縞のパターンをもとにしてベトナム共和国で採用された迷彩模様で、ベトナム戦争初期にアメリカ軍事顧問団が個人で発注し、制式戦闘服以外の服を着用できた特殊部隊の一部が使用したものである。制式ではない。参考：月刊コンバットマガジン5,’06、コンバット・バイブル

＜タイガーストライプ・パターン（アメリカ空軍）＞：アメリカ空軍がBDUの後継として開発した迷彩で、タイガーストライプ・パターンの配色をエアフォースブルー基調（ブルーグレイをベースにブルーとグレイのストライプ）に換えたものである。女性兵士が20%を占めるようになったため、男女別にデザインされていた。アイロンをかけなくても形状が保てるので洗濯代が節約できるという利点があったが、迷彩効果に乏しく、2003-04年にテストされたものの採用されなかった。参考：月刊コンバットマガジン5,’06、11,’03

＜タイガーテイルズ＞：VAW-125（空中早期警戒飛行隊）を参照。

＜タイガーフィッシュ魚雷シリーズ＞：イギリスの対潜水艦・対水上艦両用魚雷Mk24。潜水艦発射型で、テストは1969年に開始されたが実戦配備は1980年にずれこんだ。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜Ｍｋ２４＞：雷速は35ノット・24ノットの二段階式で、静粛性重視のため速度を抑えてある。全長6.46m、直径533mm、重量1550kg、炸薬重量340kg（134kg？）。銀亜鉛電池駆動のモーター推進で、雷速35ノットなら航走距離13km、24ノットなら29km（39km？）。最大運用深度440m。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式で、水上目標には磁気近接信管、潜水艦には触接信管を使用する。スピアフィッシュに後を譲って2004年に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、2,'10、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90

＜Ｍｋ２４Ｍｏｄ１＞：ブラジル海軍がトゥビ級搭載用に採用した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜タイガーミート＞：NATO各国のタイガーをシンボルとする飛行隊が一堂に会して戦技を競う年一回の訓練Tiger Meet。ブルーフォース・レッドフォース2-3機ずつに分かれて対抗戦を行うシャドーミッションと、大規模任務パッケージを組んで行う統合大規模航空作戦で訓練を行い、虎模様の塗装（タイガーテイル・アウォード）、要員の服装、スポーツイベントなどでも優秀部隊を選び、総合的に最もタイガースピリットを発揮した部隊にはシルバータイガーが贈呈される。きっかけは1960年に虎をインシグニアとする在欧アメリカ空軍第79戦術戦闘飛行隊（79TFS）と、イギリス空軍第74飛行隊のパイロットが、イギリス空軍ウッドブリッジ基地のバーで一緒に酒を飲んだ時に、NATOタイガー部隊の親睦組織を作ろうという話が出たことで、翌年にフランス空軍のEC1/12が加わり、NATOタイガーアソシエーションという組織が誕生した。1962年、ボランティアとしてプロジェクトオフィサーとなった79TFSのマイク・デューガン中尉が、単なる親睦会でなくNATOの正式軍事演習にしようと提案。この年にNATO各国の８個タイガー飛行隊が参加してタイガーミート演習が開始された。その後どんどん拡大し、現在ではNATO最大規模の空軍演習となっている。2001年、チェコ空軍第211飛行隊がゲスト参加。2003年、スロバキア空軍第１飛行隊が旧東側諸国として初めてタイガーアソシエーション名誉メンバーとなった。2008年、チェコ空軍第221飛行隊が正式メンバーとなった。2009年、ハンガリー空軍第59/1飛行隊が正式メンバーとなった。2011年、ポーランド空軍第６飛行隊が正式メンバーとなった。2013年は所属34個飛行隊のうち20個が参加し、アークティック・タイガー2013の名称で6月17-28日にノルウェーで開催された。2014年は16個飛行隊（ハンガリー空軍第59/1飛行隊とポーランド空軍第６戦闘飛行隊が正式加入）が参加して6月16-27日にドイツ空軍シュレスヴィヒ・ヤーゲル基地で開催された。2015年は5月4-15日にトルコの第３基幹ジェット基地で開催された。2016年は5月16-27日にスペイン空軍サラゴサ基地で開催された。ドイツ空軍第74戦術空軍グループが新メンバーとなり、メンバー数は公式部隊23個・名誉飛行隊10個になっている。シルバータイガーはベルギー空軍31Smd（1962年の第１回から参加、通算９回目の受賞）が獲得した。2017年は6月5-16日にフランス海軍ランディビジオ基地で実施され、13カ国24部隊から戦闘機53機、ヘリ15機、航空搭乗員270名、地上要員630名が参加し、ギリシャ、ノルウェー、ポーランドがオブザーバーを派遣した。2018年は5月14-25日にポーランドのポツナン・クルゼスニー基地で開催され、16カ国19部隊から航空機65機以上と人員2000名が参加した。オランダ空軍第313飛行隊が最優秀賞シルバータイガートロフィーを受賞している。2019年は5月13-23日に実施され、12飛行隊が参加した。シルバータイガーはポルトガル空軍第301飛行隊が受賞した。スペシャルマーキング最優秀賞ベストテイルにはフランス空軍EC03.030ラファールＣ「ダークタイガー」が選出されている。2023年（第59回）は10月2-12日にイタリア空軍ジョイア・デル・コッレ基地で開催された。ドイツ空軍第74戦術航空団EF2000戦闘機が最優秀塗装機賞を受賞している。参考：月刊航空ファン7,’11、10,’98、8,'15、8,’16、9,’17、8,’19、月刊JWings9,’13、9,’14、8,'18、1,’24

＜タイガーモス＞：DH-82A（練習機）またはPT-24（練習機）を参照。

＜タイガーモス・シリーズ＞：イギリス空軍複葉初等練習機Tigermoth。1931年10月26日に試作機が初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜タイガーモスＭｋ．�T＞：最初の量産型で、1932年から就役した。エンジンは120馬力のジプシー３。35機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜タイガーモスＭｋ．�U＞：全長7.29m、全幅8.94m、全備重量800kg。エンジンはデハビラント・ジプシー・メジャー（130馬力）単発で、最大速度175km、実用上昇限度4130m、航続時間３時間。乗員２名。イギリスで4633機、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで2751機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜タイガーモス・ファミリー＞

　＜クイーン・ビー＞：無線誘導式の無人標的機型、Queen Bee。機体を木製構造羽布張りに変更してある。1935年1月5日に初飛行し、1944年までに380機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜大海艦隊章＞：Flotten-Kriegsabzeichen。ドイツ海軍レーダー提督が1941年4月30日に制定した勲章で、戦艦や巡洋艦に乗艦して12週間の作戦航海に就き、負傷したり、作戦に成功したりした場合に授与された。参考：グラフィックアクション44

＜タイ海軍＞：第１海軍コマンド（北部海域担当）、第２海軍コマンド（南部海域担当）、第３海軍コマンド（アンダマン海担当）から構成される。フリゲートやコルベットなどの小型艦艇をメインに装備しているが、東南アジアで唯一空母を持っている。シャム王国時代から日本や日本海軍との交流が深く、防衛大学校に留学する士官候補生もいる。1923年、ターチン級フリゲート２隻を日本から輸入。1937-38年、マッチャーヌ級潜水艦４隻が引き渡された。1938年、巡洋艦トンブリを日本から輸入。1951年、クーデター未遂を起こし、保有航空機が空軍に強制移管されてしまった。1966年、S-2Fトラッカーの供与を受けた。1971年、ターピー級コルベット２隻が就役開始。1975年、脱出してきた南ベトナム空軍U-17観測機のうち３機を編入した。1978年、ベル212ASWヘリの運用を開始。1983年、F27-400M輸送機２機とF27-200洋上哨戒機４機の導入を開始。1980年代後半、アメリカからPFMM Mk16コルベットを導入。1991年、チャオプラヤ型フリゲート４隻が就役開始。1992年、カムロンシン級哨戒艦３隻が就役。1994年、ナレースアン級フリゲート２隻が就役開始。ノックス級フリゲート１隻を貸与された。1995年、A-7E攻撃機の運用を開始。P-3T対潜哨戒機２機とUP-3T練習機１機を導入。1996年、S-76B-7ヘリ６機を導入。1997年、チャクリ・ナルエベト級空母１隻が就役。S-70B-7対潜哨戒ヘリ６機を導入。1999年、ガエタ級掃海艇２隻が就役。PC30級哨戒艇の配備を開始。2005-06年、パッターニー級コルベット２隻が就役。2011年、MH-60Sヘリ２機を導入。2012年、アントン級揚陸艦１隻が竣工。2013年、クラビ級哨戒艇が就役開始。8月、DW3000Fフリゲートの建造契約を締結。2016年、H145Mヘリの導入を開始。2022年12月18日、ラタナコシン級コルベットのスコータイが荒天に遭い沈没した。2023年、071E型揚陸艦１隻が就役。S26T潜水艦の調達計画を中止した。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船9,’10、8,’11、2,’14、5,’15、12,’18、3,'23、4,'23、1,'24、月刊航空ファン2,’18、4,’18、9,’18

　＜タイ海軍（１９７７年）＞：兵力28000名（うち海兵隊7000名）。フリゲート７隻、哨戒艇14隻、ミサイル艇３隻、対機雷戦艦艇18隻、河川哨戒艇28隻、沿岸砲艦30隻、戦車揚陸艦５隻、上陸用舟艇15隻、S2F哨戒機10機、HU16B哨戒機２機からなる。参考：軍事力バランス78年版

　＜タイ海軍（１９８９年）＞：兵力50000名（うち海軍航空隊900名、海兵隊20000名）。バンコクに司令部、ナコン・パノムにメコン川作戦部隊司令部、サタヒップ、ソンクラ、パンガに基地がある。マクート・ラジャクマルン級フリゲート１隻、タピ級フリゲート２隻、タコマ級フリゲート２隻、ラタナコシン級コルベット２隻、ラチャリット級ミサイル艇３隻、プラブパラパク級ミサイル艇３隻、チョンブリ級高速哨戒艇３隻、サッタヒップ級沿岸哨戒艇６隻、サラシン級沿岸哨戒艇５隻、T-11級内海哨戒艇10隻、小型内海哨戒艇20隻、パン・ラチャン級沿岸掃海艇２隻、ブルーバード級掃海艇４隻、タラン級掃海支援艦１隻、シチャン級戦車揚陸艦２隻、LST-1級戦車揚陸艦５隻、LSM-1級中型揚陸艦３隻、汎用揚陸艇10隻、機械化揚陸艇29隻、小型給油艦１隻、測量船２隻、練習艦２隻、F-27MPA哨戒機（AGM-84装備）３機、N-24AサーチマスターＬ哨戒機５機、S-2F哨戒機９機、CL-215捜索救難機２機、セスナT-337哨戒機10機、ベル212救難ヘリ４機、ベル214救難ヘリ５機、UH-1H救難ヘリ４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜タイ海軍（２０１５年）＞：現役兵力69850名（うち徴兵29850名。海軍航空隊、海兵隊、海軍特殊戦コマンド、沿岸防衛隊含む）。チャクリ・ナルエベト級空母１隻、ナレースアン級フリゲート２隻、チャオ・プラヤ級フリゲート４隻、ノックス級フリゲート１隻、マクート・ラジャクマルン級フリゲート１隻、練習艦413ピンクラオ、ラタナコシン級コルベット２隻、カムロンシン級コルベット３隻、タピ級コルベット３隻、クラビ級哨戒艇１隻、プラブパラパク級ミサイル艇３隻、ラトチャリト級ミサイル艇３隻、パッターニー級哨戒艇１隻、フア・ヒン級哨戒艇１隻、チョンブリ級高速哨戒艇３隻、サッタヒップ級沿岸哨戒艇６隻、哨戒艇56隻、対機雷戦艦艇17隻、アントン級ドック型揚陸艦１隻、シチャン級戦車揚陸艦２隻、マン・ノク級LCU３隻、マタフン級LCU６隻、トン・ケオ級LCU４隻、LCM24隻、ＬCVP12隻、LCA４隻、グリフォン1000TD級LCAC３隻、兵站支援艦19隻を保有する。海軍航空隊は人員12000名。P-3T哨戒機２機、セントリーO-2-337偵察機９機、F-27-200MPA洋上哨戒機１機、Do-228-212輸送機７機、ERJ-135LR輸送機２機、F-27-400M輸送機２機、N-24Aサーチマスター輸送機３機、UP-3Tオライオン輸送機１機、S-70B対潜ヘリ６機、スーパーリンクス300対潜ヘリ２機、MH-60S多用途ヘリ２機、ベル214ST/AB-214STヘリ２機、ベル212/AB-212ヘリ６機、S-76Bヘリ５機、AGM-84ハープーン空対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜大海指＞：大海令に基づき、軍令部総長が独立指揮官に対して発する具体的な指示（命令でなく、あくまでも指示）のこと。下に発簡番号を付けて大海指第○号と呼ばれることが多い。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜対海上作戦＞：航空作戦の１つで、対水上戦と対潜戦に分かれる。参考：月刊JWings8,’17

＜タイ海兵隊＞：海軍に属しており、アメリカ海兵隊と共同上陸演習を実施している。参考：月刊丸12,’90

　＜タイ海兵隊（１９７７年）＞：兵力7000名。海兵旅団１個（歩兵大隊３個、砲兵大隊１個）からなる。参考：軍事力バランス78年版

　＜タイ海兵隊（１９８９年）＞：兵力20000名。歩兵連隊６個、砲兵連隊１個、両用戦強襲大隊１個からなる。LVTP-7装甲車33両、155mm砲GC-45を18門、TOW、ドラゴン対戦車ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜タイ海兵隊（２０１５年）＞：兵力23000名。海兵師団司令部１個、偵察大隊１個、歩兵連隊２個、水陸両用強襲大隊１個、砲兵連隊（野戦砲兵大隊３個、防空大隊１個）１個からなる。BTR-3E1歩兵戦闘車14両、LAV-150装甲車24両、LVTP-7水陸両用装甲車33両、105mm砲36門（を保有しているという報告あり）、155mm砲GC-45を12門、M1045A2HMMWV自走TOW対戦車ミサイル10両、M47ドラゴン対戦車ミサイル、BGM-71TOW対戦車ミサイル、12.7mm対空機銃14丁、AAVR-7装甲回収車１両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜大改装＞：艦形を一新するような大規模工事を施すこと。参考：戦艦入門

＜大海令＞：大本営から日本海軍の用兵・作戦に関して発出される命令で、軍令部総長が、天皇の勅を奉じた大命を、連合艦隊司令長官など独立した指揮官に対して伝宣する。内容は大雑把な基本要綱のみで、詳細は軍令部で検討して大海指により軍令部総長が指示する。下に発簡番号を付けて大海令第○号と呼ばれることが多い。太平洋戦争では昭和16年11月5日の大海令第１号から昭和20年9月1日の第57号まで発出され、原本は全て海自幹部学校に保管されている。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、歴史群像8,’15

＜対外連絡部＞：北朝鮮工作機関の１つ。韓国・日本に浸透する工作員を選び、専門教育を施して潜入させ、長期の地下工作活動、情報収集、テロ活動に従事させる。工作員は貿易会社の社員になりすまして潜入し、事件を起こすと会社ごと消えてしまう。参考：月刊軍事研究12,’02

＜帯革＞：日本陸軍用語で、ベルトのこと。参考：帝国陸海軍事典

＜大華級試験艦＞：中国海軍試験艦Dahua級。HHQ-9やHHQ-10、魚雷など新規装備の海上テストに使用されている。参考：月刊世界の艦船2,’19、6,’14、3,’13、9,’11、5,’12

　＜９０９型＞：１番艦。船型は平甲板型で、艦首舷側にナックルラインが付く。後甲板はヘリ甲板だが、格納庫は無い。全長130m、幅17.5m、吃水7m、満載排水量6096トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、速力20ノット。乗員80名。艦番号891畢昇が1997年に就役した。052D型用対空システムのテストでは前甲板にVLS、前部上構後部側面にフェイズド・アレイ・レーダー用アンテナを装着していた。参考：月刊世界の艦船2,’19、3,’18、6,’14、3,’13、9,’11、5,’12

　＜９０９Ａ型＞：２番艦以降。船型は平甲板型で、艦首舷側にナックルラインが付き、水線下にバウ・スラスター１基を装備する。艦橋上面にミサイル追跡レーダー、後部タワーマスト上に346型フェイズド・アレイ・レーダーを搭載し、後甲板はヘリ甲板、その１甲板下がTASS甲板となっている。艦前後にHHQ-10艦対空ミサイル18連装発射機１基ずつ、煙突直前にYJ-12艦対艦ミサイル発射筒を装備する。２番艦・艦番号892華羅庚は2006年、３番艦・艦番号893は2011年に進水した。試験終了後に346型レーダーは外している。参考：月刊世界の艦船4,'21、2,’19、4,’17、6,’14、3,’13、9,’11、5,’12、5,’20

＜耐火耐水服＞：自衛隊の機器。装備開発機構製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜大雅丸＞：大阪商船2A型戦時標準貨物船。総トン数6923トン。昭和20年1月6日、モタ三〇船団の一員として六連島泊地を出港。フィリピンに向かったが、途中で船団が潜水艦の襲撃を受けたため、基�驍ﾉ退避した。参考：戦時標準船入門

＜大韓海峡海戦＞：朝鮮戦争初日の1950年6月25日夜、北朝鮮兵員輸送船が釜山沖に侵入したため、韓国海軍コルベット白頭山が撃沈したもの。参考：月刊軍事研究10,’10

＜大艦巨砲主義＞：大口径主砲を搭載した大型戦艦により制海権を獲得する海軍戦略のこと。日清戦争の黄海海戦や日露戦争の日本海海戦において、砲戦により艦隊決戦の帰趨を決し制海権を掌握できることが証明されたのが始まりである。戦艦と共に発達し、戦艦と共に廃れた。参考：月刊軍事研究9,’14、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜大韓航空機迎撃事件＞：1978年4月20日2039（日本時間）、大韓航空902便（ボーイング707-321B。乗員12名、乗客109名）がパリ空港を離陸し、アンカレッジ経由でソウルに向かった。北大西洋を北上して北極海を通過、グリーンランドをかすめてアラスカに向かうコースの筈だったが、4月21日0151（日本時間）にノルウェー沖のウェイポイントを通過したとの連絡を最後に消息不明となった。この時902便は本来のコースを大きく外れ、ほぼ180度逆戻りしてバレンツ海からソ連のムルマンスクに向かっており、ソ連防空軍のレーダーがコラ半島沖300kmの地点で902便をキャッチした。ムルマンスクには北洋艦隊基地があり、コース延長上にレニングラード、モスクワ、ミンスクがあるため、Su-15TM数機がスクランブルをかけた。2119（現地時間）、902便がソ連領空を侵犯。コラ半島を通過してフィンランド方面に向かうコースを取ったため、2142に防空指揮所は撃墜を命令、Su-15TMの１機がR-98Mミサイル１発を発射し、902便の左エンジンに命中させた。この時吹き飛んだ主翼端をレーダーがキャッチし、防空軍は巡航ミサイルを発射したと勘違いして別のSu-15TMに主翼端に向けて対空ミサイルを発射させた。902便は高度を落として雲に突入したため、更に別のSu-15TMが低空で接近し、現地時間2305、凍り付いた湖に不時着させた。902便は航法ミスに全く気付いておらず、乗客が接近してきたSu-15TMの写真を撮ったりしており、不時着した場所もアラスカと思っていたようである。ミサイルの破片により韓国人乗客１人が即死、重傷を負った日本人乗客１人も病院への搬送途中に死亡した他、13人が重軽傷を負った。参考：世界の傑作機No.120、世紀の失敗物語

＜大韓航空機撃墜事件＞：1983年9月1日0300（現地時間）、アラスカのアンカレッジ空港を大韓航空ボーイングB747-230Bジャンボジェット007便（乗員・乗客269人。うち日本人28人）が離陸、ソウル空港に向かった。INSに従い、アリューシャン列島を抜けてカムチャッカ半島の南を通過し、千島列島の東から本州上空を横切る飛行コースを取る筈だった。しかし実際には北西に徐々にずれており、8月31日1558（グリニッジ標準時）、カムチャッカ半島のソ連領空を侵犯し、そのまま南部の軍事都市ペドロパブロフスク・カムチャツキー付近を高度31000フィート（9449m）で通過。この時ソ連防空軍は戦闘機４機をスクランブルさせたが、地上からの誘導に失敗、捕捉できなかった。1709、東京国際航空局に千島列島東のウェイポイント通過を報告したが、実際は西側をサハリンに向かい飛行していた。再びサハリン空域を侵犯しようとした007便に対し、防空軍はサハリン南部のソーコル基地からSu-15TMを２機、スミルヌィフ基地からMiG-23を２機、パスタバーヤ基地からMiG-21bisを２機スクランブルさせた。このうち、Su-15TM１機が007便に追いつき、その数十km後方からMiG-23戦闘機１機が迫っていた。1812、空自のレーダーサイトに007便と思われる機影が出現。直後に007便がサハリン南部のドリンスク上空に侵入した。Su-15TMは肉眼で007便の航法表示灯と点滅灯を確認。防空指揮所から撃墜命令が出されたため、Su-15TMは機関砲による警告射撃を４回実施したが、曳光弾が含まれておらず、日本時間0300過ぎでは視認は不可能だった。1820（日本時間0320）、空自のレーダーサイトにSu-15TMと思われる機影が出現。1823、007便が高度を35000フィート（10668m）に上げたと東京国際航空局に告げた。直後に007便は速度を落とし始めたため、Su-15TMは007便が自機に気付いてオーバーシュートさせようとしていると判断、Su-15TMは007便の後方8kmに付いた。18時25分16秒、空自レーダーサイトがSu-15TMからの「既にスイッチオン」の交信をキャッチ。直後にSu-15TMはミサイル２発を発射、赤外線誘導ミサイルが左翼エンジン、レーダー誘導ミサイルが尾部を直撃し、007便は尾翼を吹き飛ばされて錐揉み状態で急降下した。空自レーダーサイトは18時26分20秒に「発射した」、同21秒に「撃墜」の交信を捉えた。1827、「こちら大韓航空007、交信を切らないで下さい。指示願います。こちら…急速な…減圧…10000フィート（3048m）まで降下…」と東京国際航空局に通信を送ったが、東京では「大韓航空007」までしか聞き取れず、交信不能となった。キャビン内に警報と緊急降下のプリレコーデッド・アナウンス、乗客の悲鳴が響く中、007便はモネロン島沖に墜落し、乗員乗客全員が死亡した。空自のレーダーサイトで機影が消失したのは1829。ソ連は責任を大韓航空機に押しつけ、領空侵犯を放置した日本や米国も同罪であるなどと主張したため、日米韓など５ヵ国が国連緊急安保理でソ連の責任を追及したものの、ソ連は大韓航空機がスパイ機であると主張した。オランダが安保理に国際航空協定遵守と国際民間航空機関（ICAO）への協力をうたった決議案（ソ連を非難する文言は避けた）を上程したが、ソ連が拒否権を発動して否決。9月15-16日、ICAOの特別緊急理事会でソ連を非難する決議を可決した。自衛隊が傍受していたソ連機と防空指揮所との通信を公表することには防衛庁は猛反対したが、政治決断で公表を決定。ソ連側の行動の詳細が明らかとなったが、直後にソ連軍は通信周波数を全て変更したため、暫く自衛隊で傍受できなくなった。1991年5月、イズベスチア紙が事件に関する記事を掲載、大韓航空機に対しては特別な警告を行わず、規律を優先して撃墜に至ったとした。1992年10月、ロシアは韓国やアメリカにボイスレコーダー解析資料などを引き渡した。ICAOの調査では、航路逸脱の原因は、乱気流・積乱雲回避のためヘディング・モードに切り替えたままにしたか、INSが作動しなかったためとされている。他にもINSの入力ミス説やジャイロ設定中に機体を移動させたためという説、燃料節約説にスパイ機説（撃墜したパイロットは乗客が１人も乗っていないスパイ機だったと主張。ロシア政府は否定している）、挙げ句の果てには007便がソ連領内に不時着させられて乗員乗客は収容所に今でも監禁されているという説まで出されている。参考：世界の傑作機No.120、世紀の失敗物語、月刊軍事研究7,’99、8,'15、朝雲

＜大韓航空機爆破事件＞：1987年11月29日、バクダッド発ソウル行き大韓航空858便がインド洋上空で爆破され、乗員乗客115人が死亡した事件。ソウルオリンピック妨害のため金正日の命を受けた北朝鮮労働党対外情報調査部工作員２名が偽造パスポートで日本人を偽って7B・7C席に乗り込み、C4コンポジットを仕込んだラジオと焼夷材を仕込んだショッピングバッグを棚に入れたものである。経由地のアブダビで降りた蜂谷真一（本名は金勝一）・蜂谷真由美（本名は金賢姫）がパスポート偽造で逮捕され、金勝一はタバコに仕込んだ青酸カリで自殺したが金賢姫はタバコを叩き落とされて韓国に移送された。金賢姫は一旦死刑が言い渡されたが、自身も北朝鮮の犠牲者との判断で特赦された。参考：月刊軍事研究3,’02、5,’17

＜対干渉作戦＞：A2/ADを参照。

＜耐寒耐水服�U型改＞：自衛隊の機器。東洋紡製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜耐寒耐水服�V型＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜対艦弾道ミサイル＞：ASBM（Anti-Ship Ballistic Missile）と略す。水上艦を攻撃するための弾道ミサイルのこと。発射直後に早期警戒衛星で探知される可能性が高く、弾速が速いといっても着弾まで10分くらいかかるので、その間に全速で退避されるとミサイルが終末誘導センサーを作動させる頃には目標艦がセンサーの有効範囲外に出てしまうため、目標を見失わないための一工夫が要る。ターミナルフェーズで艦船に向かうコースを取るまでは同射程の対地弾道ミサイルと弾道が一緒なので、核ミサイルの発射と間違われて核戦争を誘発する可能性がある。ソ連海軍が1960年に開発計画を立ち上げ、1966年からR-27Kとして正式に開発を開始したが、実戦配備はしなかった。中国軍が対アメリカ機動艦隊用にDF-21Dという名称で開発中である。イランでもハリジ・ファルスを開発中。参考：月刊世界の艦船6,’16、9,’09、月刊軍事研究12,’12、4,’15

＜耐寒服＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜耐寒服改−１＞：航空自衛隊の寒冷域不時着水時保命用スーツ。ナイロン生地に綿のキルティングが施されており、保温性が高い。ジェット機、MU-2、ヘリなどのパイロット、救難降下員、救難通信員が耐水服改-1の下に着用する。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜耐寒服改−５＞：航空自衛隊の寒冷域不時着水時保命用スーツ。難燃性芳香族ポリアミド繊維２枚の間に保温剤（綿とアルミ蒸着した不織布を一体加工したもの）を挟んであり、耐水服改-3の下着として着用する。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜対艦ミサイル＞：Anti-Ship Missile。艦船を目標とするミサイルのこと。目標は海面上に浮かぶ巨大な物体であり、煙突などから赤外線、各種アンテナから電波を放出していて、ロックオンは容易である。しかし、遠距離では目標が水平線の下に隠れてしまうため、発見が難しく、ミサイルが上空に飛び上がって捜索するか、自己で保有する以外の手段で目標を見つけてもらい、慣性誘導やGPSなどで接近した後、アクティブ・レーダー・シーカーや赤外線パッシブ・シーカーなどにより自力でロックオンする必要がある。また、敵味方識別を確実に行い、民間船舶への誤射を防がねばならない。戦闘艦は戦闘能力が高いので、戦闘範囲の外側から発射する必要があり、長射程を要する。ミサイルが高い所を飛ぶと発見されて回避迎撃される可能性が高いため、電波高度計と精密な飛行制御システムにより、海面すれすれを飛行する（シー・スキミング）ことが多いが、対空火器の届かないような超高空を超高速で飛翔して一気に接近し、レーダーでカバーしにくいほぼ真上から超高速のまま落下突入する（ハイダイブ）方式もある。弾頭は半徹甲で、吃水線上で爆発するため目標の撃沈は困難だが、内外の戦闘システムを破壊して戦闘不能に陥らせることができる。艦隊丸ごとの撃破を狙って核弾頭を搭載したものもある。発射母体により空対艦ミサイル、地対艦ミサイル、艦対艦ミサイル、潜対艦ミサイル、飛翔ルートにより対艦巡航ミサイルと対艦弾道ミサイルに分類される。参考：月刊丸12,’92、月刊世界の艦船1,’15増刊、3,’05、戦闘機のしくみ

＜対艦ミサイル艦上装置＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究11,’14

＜対艦ミサイル統合早期防御システム＞：AN/SYQ-17（ポイント・ディフェンス・システム）を参照。

＜待機位置＞：HAを参照。

＜大気吸入型極超音速飛翔体＞：アメリカ空軍が開発中の極超音速ミサイル、略称HAWC（Hypersonic Air-breathing Weapon Concept）。ロッキード・マーチン社が担当しており、アメリカ海軍F-35Cにも外装できるとしている。2020年12月、初のフリーフライト試験を行ったが、B-52Hからの切り離しに失敗した。2021年9月、B-52Hから空中投下後にブースター・ロケットで加速し、ブースター分離後にスクラムジェットエンジンを点火、マッハ５以上に加速して巡航飛行することに成功した。2022年4月5日、フリーフライト実験を実施。B-52Hから高度19800mで射出され、アエロジェット・ロケットダイン製スクラムジェットエンジンを作動させてマッハ５以上に加速、550km以上飛翔した。2023年1月30日、２回目のフリーフライト実験を実施。B-52H爆撃機から投下され、アエロジェット・ロケットダイン製スクラムジェットエンジンを作動させてマッハ５以上に加速し、最大高度18300mを560km以上飛翔した。これで概念試験を終了し、実際のミサイルの開発に入る。参考：月刊JWings8,’19、6,’22、4,’23、朝雲

＜大気圏内迎撃システム＞：インド防衛調査開発機構が開発中の弾道ミサイル迎撃システム。使用するミサイルの詳細は不明だが、イスラエルやロシアのミサイルをベースにしているようで、誘導は中間慣性誘導＋終末赤外線パッシブ／アクティブレーダー。目標を30秒で探知し、１分でミサイルを発射できるという。2006年11月27日、72km先から発射されたプリトヴィ�U弾道ミサイルを高度50kmで迎撃した。参考：月刊軍事研究10,’07

＜大気圏放射能集塵計画＞：HASPを参照。

＜待機車１号＞：航空自衛隊の車両。４輪トラックの後部荷台にシェルターを搭載したもので、ペトリオット部隊（高射隊）が機動展開した際の要員輸送・仮眠・待機に使用する。シェルター内は冷暖房完備で、折り畳み式３段ベッド計24床を備え、24名分の小銃と手荷物を収容可能。全長11.98m、全幅2.49m、全高3.79m、車両重量16.64トン。乗員３名＋乗車隊員32名を乗せられる。UDトラックス製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究8,’12、MAMOR vol.151

＜待機車２号＞：航空自衛隊の車両。４輪トラックの後部荷台にシェルターを搭載したもので、シャワー、トイレ、水道などを備えており、ペトリオット部隊（高射隊）が機動展開した際の生活に使用する。参考：MAMOR vol.151

＜対気速度＞：Air Speed。航空機と大気との相対速度、飛行機に当たる空気の速度。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings4,’03

　＜較正対気速度＞：CAS（Calibrated Air Speed）と略す。IASを計器誤差やピトー静圧系統位置誤差などで補正したものである。性能表示や離着陸速度（V1、VR、V2など）の指定に用いられる。参考：月刊JWings4,’03、航空用語事典増補改訂版

　＜指示対気速度＞：IAS（Indicated Air Speed）と略す。対気速度計に指示された速度のこと。飛行することで機体にかかる動圧から割り出した対気速度で、ピトー管で得た総圧から静圧孔で測った静圧（機体周辺の気圧）を引いて動圧を求め、速度に転換する。ピトー管動圧部に対する気流角度やピトー管静圧部に対する機体及びフラップの姿勢・位置による影響（位置誤差）、計器ごとに異なる指示の差（計器誤差）が含まれる。機体重量（＝揚力）と動圧の比（ほぼ迎え角）を示す値でもあり、離着陸時などに迎え角や揚力係数といった飛行特性を判断する時に使用され、航法や強度計算などには使われない。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究1,’13、月刊JWings4,’03、10,’09別冊付録

　＜真対気速度＞：TAS（True Air Speed）と略す。攪乱されていない大気と航空機との相対速度のことで、大気密度でEASを補正（EASをその高度での空気密度比の平方根で割る）して求める。海面高度ではEASに等しく、高度4000mではEASの1.2倍、10000mで1.7倍、18000mでは3.2倍になる。飛行高度や飛行速度があまり大きくない時点では、空気の圧縮性の影響が少ないため、EASの代わりにCASを使ってもだいたい同じ値が得られる。飛行中の航法に使用する。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究1,’13、月刊JWings4,’03

　＜等価対気速度＞：EAS（Equivalent Air Speed）と略す。空気の圧縮性を考慮してCASを補正し、海面上標準大気状態での対気速度に置き換えたもので、真対気速度に空気密度比（特定高度での空気密度と海面高度の空気密度の比）の平方根を掛け算して求める。よって、海面上標準大気状態では較正対気速度と同じになる。構造強度や設計を決める基準となるので、設計対気速度ともいう。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings4,’03

＜大義隊＞：第205航空隊を参照。

＜退却（日本陸軍）＞：作戦要務令第２部第４篇第２章に記載がある。戦闘の経過が不利となり退却を実行するのは、基本的に上級指揮官の命令に依る。衛生隊は師団長の命により輸送機関で後方に移動し、各部隊に配属された衛生部員は戦場の戦傷者を極力収容して後送、万難を排して死傷者が敵の手に渡ることを防ぐ。退却戦闘指導の主眼は速やかに敵と離隔することにある。そのため、師団長は退却を決定したら速やかに後方の整理を完了し、なるべく数縦隊となって併進すべき部隊を定め、明確に各縦隊の行進目標、退却地域または道路、退却開始時機、退却順序、収容隊、収容陣地、退路警戒の処置などを示して退却に就かしめ、まず敵との離脱を図り退却の実効を確認した後、適当な地域に先行して退却してきた部隊を掌握し、更に爾後の処置を行う。各部隊指揮官もこれに準じて退却戦等を指導する。退却にあたっては、敵就中機甲部隊の迂回と空輸挺身隊の出現に注意し、敵のガス使用、別働隊、住民なども顧慮する。師団長は軍司令官の企図または自己の任務に基づき、部隊を確実に掌握して新位置に就かせることができるよう、退却目標を選定する。状況により中間に逐次目標を指示する。退却目標は爾後の企図に基づき敵情特に予想する追撃方法、友軍との関係、地形特に交通網の状態などを考慮し、退却する各縦隊が少なくともその態勢を整頓する余裕を得られるよう、適宜戦場から離れた位置に選定する。退却開始時機は彼我の状況、味方の企図、地形などにより決定するが、状況が許す限り夜暗を利用する必要がある。師団収容陣地は一般の状況を考慮して選定し、退却する部隊をその掩護下に秩序を整えて出発させられるようにする。状況特に戦闘正面や地形などの関係により、各地区の部隊ごとに収容陣地を設けて師団長が統制することがある。夜間退却時に収容陣地を置くかどうかは状況による。収容隊にはなるべく新鋭の兵力を用い、昼間は特に多くの砲兵を配属する。この収容隊を後衛に置くと良い。退却の諸準備は兵力や戦況進捗の度合いが大きいほど困難になる。また、退却準備を敵に察知されると爾後の行動が至難になるため、各級指揮官は極力企図を秘匿し、最も急速に準備を完了する必要がある。地上や上空からの敵の視察に対し、味方の状態が従来と異なっているという印象を与えないことが特に緊要で、時に通信や工事などで敵を巧みに欺騙すると良い。戦場を離脱する際には、なるべく全線同時に撤退するのが有利だが、戦況や地形などの関係で一部兵力により比較的長く敵を抗拒させなければならない場合がある。砲兵主力は収容隊が陣地に就いて第一線を収容した後に適時退却させる。敵の圧迫が急だったり、軽挙暴進してきたりした場合は反撃を加えて離脱を容易にしなければならない事があり、この際は戦車を利用すると良い。第一線各部隊は必要なら縦長における自己兵力で前線を収容する。その際、陣地は可能なら退路側方を選び、その火力で敵の急迫を防ぐ。状況により逆襲して前線の退却を容易にする。第一線歩兵はまず現在の隊形で正面と直角方向に退却し、収容隊の掩護下に逐次兵力を集結しつつ所命の地に至る。この際、砲兵は損害を顧みず味方歩兵に最も危害を与える敵を射撃する。特に味方歩兵が敵に撃退された際の砲兵の犠牲的行動は、顕著な効果を発揮する。騎兵は敵の追撃状態を捜索すると共に、主として側方と背後を警戒して退却部隊の不慮の危険を予防し、かつ戦況によっては友軍を危地から救出するため果敢な行動をとる。高射部隊は退却する部隊に先行して退路上の要点や近傍の友軍を掩護し、あるいはまず収容陣地付近の部隊の集結を掩護する。工兵は交通路を遮断して敵の前進を妨害し、かつ味方退路の保全などを行う。この際、自動車を利用すると良い。飛行機は速やかに敵の追撃状態特に迂回部隊、機甲部隊、空輸挺身隊などの有無を捜索し、かつ重要な部隊間の連絡を行う。飛行部隊が地上の退却に直接協同する際は、友軍に最も危険な敵または敵主力を攻撃し、地上部隊の行動を容易にする。夜間退却を行う際は、敵に覚知されないよう、予め昼間に可能な限りの準備を整え、特に適時後方の整理を終え、夜暗における退却の実施に渋滞を起こさないようにする。夜間退却の準備や実施を秘匿するため、敵に近い場合には通常各部隊は敵に現状変化を感づかせないよう第一線の諸要点に僅少の部隊を残し、主力の退却を掩護させる必要がある。時として我が企図を秘匿するか敵を欺騙するため、一部の部隊で敵を夜襲させると良い。第一線を撤退した部隊は、近く戦線の後方に集結させ、確実迅速に掌握、漸次所命の退却路上に移り、行軍縦隊を編成させると有利なので、退却地域の配当はこの事を考慮して定める必要がある。夜間退却にあたり残置する部隊の退却時期は状況特に退却の難易や爾後の企図などを考慮して通常師団長が命じる。残置部隊は敵の急追を受け状況が要すれば果敢な反撃で敵を擾乱し、その機に乗じて離脱を図る。この場合、指揮官以下一兵に至るまで特に沈著かつ剛胆な行動が必要になる。退却が翌払暁にわたるような場合、必要なら残置部隊のため特に収容隊を設ける。この際、なるべく行動が軽捷な部隊を使うと良い。退却にあたり、指揮官は適時通信網撤去を準備し、また一部の通信網はその所用が終わった後で戦闘部隊の退却と同時に撤去する。収容隊を後衛に出来ない場合、別に後衛を配置して収容隊を収容させる。退却する部隊が収容隊を援助しようと妄りに敵に正面すると、却って敵からの離脱が困難になるので注意。師団長は通常各縦隊特にその後衛の行動を統一し、相互に密接な連携を保持し、敵が乗じる間隙を生まないようにする。退却間各級指揮官は可能な限り敵と大きく離隔し、行動の自由を獲得することに努める。そのため、特に行軍行程を増大すべき諸般の処置を講じる必要がある。退却間、小部隊で敵を奇襲して追撃を遅らせると有利になることがある。参考：作戦要務令、軍医サンよもやま物語

＜耐久限界＞：疲労限界を参照。

＜対機雷戦＞：MCM（Mine Counter Measures）と略す。Anti-Mine Warfare（AMW）ともいう。主目的は水路啓開・安全確保で、水路を調査して詳細を把握し、敷設された機雷を発見し、除去する。次々と新しいタイプの機雷が出現して機雷戦とのイタチごっこになるので、それに対抗して新しい対機雷戦手段を速やかに開発できるだけの潜在的技術力が必須である。探知、類別、位置特定、識別、無力化（機雷除去・処分）の順で進められ、機雷除去手段は掃海と掃討に分かれる。機雷原に直接乗り込んで無力化しなければならないため危険性が高く、強襲上陸時には敵沿岸陣地の目の前で対機雷戦（前駆掃海、突破機雷戦Mine Breakthrough）を繰り広げなければならず輪を掛けて危険なため、USVやUUVの活用を図る傾向にある。機雷そのものの排除だけでなく、艦船の防衛手段や機雷敷設妨害手段なども開発・実施する必要がある。機雷探知手段は1960年代から機雷探知ソナーの運用が始まり、搭載艦艇を機雷から遠ざけられるVDS式や、ソナーを自走化したPVDS（自走VDS）式のものも登場した。参考：MORIBITO Vol.3、月刊軍事研究1,’15、月刊JWings8,’02、月刊世界の艦船8,’82増刊、12,’1312,'22、

＜対機雷戦ヘリコプター飛行隊＞：HMを参照。

＜滞空型プラットフォーム＞：有線繋留式無人小型飛行体のこと。遠隔操縦もしくは自律操縦技術が必要なUAVよりも手軽で、ケーブルを経由して動力を供給できるので滞空時間も長い。遠くまで飛んでいくことはできないが、基地や宿営地などの固定式監視センサーの母機に適する。参考：朝雲

＜対空監視哨（日本陸軍）＞：兵力と勤務要領は前哨勤務の際の歩哨の要領に準じ、更に眼鏡、遮光眼鏡、簡易連絡器材などを使用させることができる。状況によって他の哨兵が兼務することもある。配置場所は、上空に対する視界が広く取れ、飛行音の聴取が容易で、指揮官及び対空射撃に任ずる部隊と連絡の取りやすい所にする。遠距離に配置する際は、自衛と連絡のため、兵力や器材を増加する場合がある。彼我飛行機の識別方を弁え、常に上空を監視し、音響に注意を払い、敵飛行機または不明機を発見したら監視を中絶すること無く直ちに指揮官に報告し、付近の対空射撃に任ずる部隊に通報する。こちらに向かってくる友軍飛行機も指揮官に報告する。特別守則として、監視哨の名称、方位と必要な地名、彼我飛行機の識別法、特に監視すべき方向と監視法、報告すべき指揮官と連絡すべき部隊の位置、報告または通報すべき事項、報告または通報の手段、その他注意事項を定める。参考：作戦要務令

＜タイ空軍＞：装備機にはタイ語で航空機を表すボーの頭文字と任務記号を組み合わせてシャム文字で表記した独自の型式番号を付けているが、使う関係者は殆どおらず、元々の名称を使っていることが多い。子供の日（１月第２土曜日）は全国の航空基地でオープンハウスが行われる。第２次大戦後、F8Fベアキャットやスピットファイア、AT-6テキサンなどを供与された。その後F-86F、F-84Gなどのジェット機を導入。ベトナム戦争中はアメリカ空軍がタイ空軍基地に展開し、ベトナムへと出撃した。ベトナム戦争後、F-5A/BやF-5E/F、RF-5A、AU-23Aピースメーカーを導入。ドイツ空軍からはアルファジェットを購入した。輸送機としてC-130HやC-130H-30、BT-67を使用している。UH-1H汎用ヘリも運用中。1980年代、ベトナム空軍Mi-8Tヘリ１機を撃墜したらしいが、詳細不明である。1988年、F-16の導入を開始。2011年7月8日、JAS39とエリアイAEWの戦力化を発表した。2012年7月27日から8月17日、ピッチブラック2012演習に参加。2015年8月3-14日、タイ・ブーメラン2015演習を実施。11月16-27日、中国空軍との共同訓練ファルコンストライク2015を実施。2016年、防衛大学校留学生（1978年入校・1982年卒業）で空自幹部学校留学生のジョム・ルンサワン空軍司令官が着任した。A340-541王室専用機を配備。7月29日から8月19日、ピッチブラック2016に参加。12月6-9日、コープ・タイガー2017（指揮所演習）に参加。2017年3月20-31日、コープ・タイガー2017（実動演習）に参加。2018年4月4日、T-50TH練習機の就役式典を実施。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊JWings10,’11、11,’12、11,’15、11,’16、5,’19、月刊航空ファン3,’13、4,’16、5,’16、6,’17、4,’18、6,’18、MAMOR vol.142

　＜タイ空軍（１９７７年）＞：兵力42000名。F-5A/E戦闘機12機、F-5B戦闘機２機、T-28D対ゲリラ戦機45機、T-6G対ゲリラ戦機20機、OV-10C対ゲリラ戦機32機、A-37B対ゲリラ戦機16機、AU-23A対ゲリラ戦機32機、T-33偵察機17機、RT-33A偵察機４機、RF-5A偵察機４機、O-1軽飛行機25機、C-47輸送機20機、C-123B輸送機30機、HS748輸送機２機、アイランダー１機、スカイバン３機、ターボポーター10機、CH-34Cヘリ20機、UH-1Hヘリ30機、チップマンク練習機15機、T-33A練習機14機、T-37B練習機14機、T-41練習機10機、SF260練習機12機、CT4練習機15機、飛行場防衛大隊４個を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜タイ空軍（１９８０年）＞：F-5Eを20機、F-5A/RF-5Aを28機、A-37Bを16機、AU-23Aを28機、T-6Gを30機、T-28Dを36機、OV-10Cを32機、RT-33Aを４機、C-123B/Kを36機、C-47を20機、HS748を２機、メルリン�WＡを４機、C-45を５機、セスナ310Fを２機、C-212を４機、UH-1Hを60機、CH-34Cを40機、KV-107を４機、OH-13を５機、ベル212、HH-43Bを３機、UH-19を13機、S-58Tを18機、KH-4を10機、T-33Aを20機、CT-4を24機、SF-260MTを18機、チプマンクを10機、T-41Dを６機、T-37Bを14機、U-10Aを３機、PC-6を10機保有している。参考：ザ・マーチ18号

　＜タイ空軍（１９８９年）＞：兵力43000名。F-5A戦闘機９機、F-5B戦闘機４機、F-16A戦闘機６機、F-16B戦闘機４機、F-5E戦闘機33機、F-5F戦闘機３機、OV-10C対ゲリラ戦機26機、AU-23A対ゲリラ戦機26機、A-37B対ゲリラ戦機15機、N-22Bミッションマスター対ゲリラ戦機14機、IAI-201電子情報収集機３機、RF-5A偵察機３機、RT-33A偵察機３機、コマンダー690測量機１機、キングエア90測量機２機、リアジェット35A測量機３機、マーリン�WＡ測量機２機、C-130H輸送機３機、C-130H-30輸送機３機、DC-8-62F輸送機３機、C-123B輸送機４機、C-123K輸送機８機、BAe-748輸送機６機、C-47輸送機10機、B737-200要人輸送機２機、マーリン�W要人輸送機１機、キングエア200要人輸送機１機、ベル412要人輸送ヘリ２機、CT-4練習機24機、ファントレーナーV-600練習機16機、SF-260MS練習機12機、SF-260MT練習機18機、T-33A練習機53機、T-37B練習機13機、T-37C練習機６機、T-41練習機11機、コマンダー連絡機３機、キングエアE90連絡機２機、O-1連絡機30機、U-10B連絡機３機、S-58Tヘリ18機、UH-1Hヘリ22機、ブロウパイプ地対空ミサイル、スカイガード・レーダー２基、30mmモーゼル砲８門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜タイ空軍（２０１５年）＞：現役兵力46000名。航空師団４個と飛行訓練学校１校を置く。年間飛行時間100時間。F-5E/F戦闘飛行隊２個、F-16A/B戦闘飛行隊３個、JAS39C/D戦闘飛行隊１個、アルファジェット攻撃飛行隊１個、AU-23A攻撃飛行隊１個、L-39ZA攻撃飛行隊１個、DA42MPP/IAI-201電子情報収集・偵察飛行隊１個、サーブ340B／サーブ340エリアイ早期警戒飛行隊１個、A310-324/A319CJ/B737-800王族飛行隊１個、ATR-72/BAe-748輸送飛行隊１個、BT-67/N-22B輸送飛行隊１個、C-130H/H-30輸送飛行隊１個、L-39ZA練習飛行隊１個、CT-4A/B/T-41D練習飛行隊１個、CT-4E練習飛行隊１個、PC-9練習飛行隊１個、ベル205（UH-1H）飛行隊１個、ベル412/S-92A飛行隊１個からなる。F-5B戦闘機１機、F-5E戦闘機21機、F-5F戦闘機３機、F-16A戦闘機38機、F-16B戦闘機15機、JAS39C戦闘機８機、JAS39D戦闘機４機、AU-23A攻撃機17機、IAI-201TH電子戦機２機、DA42MPP偵察機５機、サーブ340エリアイ早期警戒機２機、C-130H輸送機６機、C-130H-30輸送機６機、サーブ340B輸送機２機、ATR-72輸送機３機、ビーチ200輸送機３機、BT-67輸送機８機、コマンダー690輸送機１機、DA42M輸送機６機、N-22B輸送機４機、A310-324要人輸送機１機、A319CJ要人輸送機１機、A320CJ要人輸送機１機、B737-800要人輸送機１機、BAe748要人輸送機５機、アルファジェット練習機16機、CT-4A練習機13機、CT-4B練習機６機、CT-4E練習機20機、L-39ZA練習機27機、PC-9練習機21機、T-41D練習機７機、ベル412汎用ヘリ２機、ベル412SP汎用ヘリ２機、ベル412HP汎用ヘリ１機、ベル412EP汎用ヘリ６機、H225M戦闘捜索救難ヘリ４機、S-92A輸送ヘリ３機、ベル205汎用ヘリ（UH-1H）17機、AIM-9B/-9J/-120空対空ミサイル、パイソン�V空対空ミサイル、AGM-65空対地ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜対空警報（自衛隊）＞：敵機が300km圏内に入ると短音と長音を繰り返すパターン、100km圏内に入ると短音を３回ずつ繰り返すパターンで警報を鳴らす。参考：月刊軍事研究2,’02

＜対空作戦＞：航空作戦の１つで、攻勢対空戦、防勢対空戦、迎撃戦闘、制空戦闘といった分類がある。参考：月刊JWings8,’17

＜対空識別標識＞：航空機から地上・海上友軍の識別が容易となるように用いられる標識。参考：月刊JWings2,’02

＜対空車＞：ドイツ軍装甲列車BP42/BP44に接続される貨車。装甲貨車に４連装2cmFlakと野砲（BP42ではソ連製7.62cmFK295/1(r)野砲やポーランド製野砲などの鹵獲野砲、BP44では10.5cm榴弾砲leFH18）を搭載、貨車の４隅と両側面中央部の６カ所に機関銃用銃眼を設けてある。また、２カ所の銃眼を装着した装甲扉左右各１枚を持つ。参考：月刊グランドパワー5,’03

＜対空射撃訓練装置＞：GSM17と略す。陸上自衛隊の対空兵器シミュレーション訓練装置で、高射学校に配備されている。ドーム型スクリーンにCGで風景や敵機を映し出し、12.7mm重機関銃、91式携SAM、81式短SAM、93式近SAMのシミュレート訓練が行える。91式携SAM（改）に対応し、敵機からの攻撃や夜間戦闘もシミュレートできるようになった改修バージョンは2012年2月22日から運用中。参考：朝雲

＜対空射撃計算尺＞：日本海軍の高角砲用計算尺。昭和19年頃、館山砲術学校では対空机上射撃の自習用として普及型計算尺を使用しており、海軍陸戦隊でも陸軍の砲術計算尺を使っていた。なら高角砲用計算尺も作れるだろうと第３期海軍兵科予備学生対空術科教官東郷駿二中尉が発想したのが始まりで、同僚や上司の館山砲術学校防空科長中野忠夫中佐とも相談の上、逸見計算尺の平野英明研究所長と共同開発することになった。当初は計算尺が３本必要と見積もられたが、研究を重ねて昭和19年8月頃に１本に纏めることに成功、昭和20年2月頃には１万本を製作して主要対空関係者に配布した。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜対空射撃部隊（日本陸軍）＞：日本陸軍の野戦防空部隊。敵飛行機を射撃するための部隊で、歩兵大隊長、戦車連隊長、騎兵連隊長、砲兵大隊長、工兵連隊長、輜重兵中隊長、その他これらに準ずる部隊長が、所要に応じて編成する。単一飛行機に対して射撃効果を期待できる火力は歩兵のみで１個小隊以上、機関銃のみなら４丁以上を標準と考え、常に敵機の奇襲に即応できる規模の兵力を定める。自ら対空監視を行うと共に、対空班などとも連絡を取り、敵機の奇襲に備える。参考：作戦要務令

＜対空射撃用目標システム（地上装置）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜対空射撃用目標システム（地上装置）（試験用）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜対空射場管制装置（静内対空射場）＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜対空射場管制装置付加装置＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究2,’15

＜耐空証明＞：略称A/W（Airworthiness Certification）。形式証明を取得した後、機体ごとに取得する。これを取得すると、実運航が可能となる。参考：航空機設計法

＜対空戦＞：Anti-Air Warfare。経空脅威に対する戦闘のこと。参考：月刊世界の艦船4,’18

　＜対空戦（艦艇）＞：当初は艦艇を雷爆撃しに接近してくる航空機が主な経空脅威だったが、遠距離から対艦ミサイルを撃ち込んでくるようになると、ミサイル対処がメインになった。ポイント・ディフェンスとエリア・ディフェンスがあり、比較的射程の長い艦対空ミサイル（ESSMなど）の登場で両者の中間の僚艦防空／区域防空という概念が誕生しつつある。艦隊が実施する経空脅威からの防衛行動は艦隊防空という。空母があるなら艦上戦闘機や早期警戒機などによる対空作戦を加えることができる。対処の時間的猶予が少ないため、データ処理は全てコンピュータで行い、人間は最終的な意志決定や交戦判断のみを実施するようになった。参考：月刊世界の艦船4,’18、5,’19

＜対空戦車＞：自走対空砲を参照。

＜対空戦闘指揮システム補給処整備器材＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜対空戦闘指揮統制システム＞：ADCCS（Air Defense Command and Control System）と略す。陸上自衛隊の対空戦闘システムで、方面隊用の�T型、師団用の�U型、旅団用の�V型がある。８輪重装輪車に搭載した対空監視レーダー、デジタル式指揮統制システムから構成され、中SAM、ホーク、81式短SAMといった対空ミサイルや、陸上自衛隊指揮システム、群対空戦闘指揮装置といった指揮システム、航空自衛隊のJADGEとも連携し、目標情報を収集して迅速的確に対空戦闘を行う。三菱電機製。2014年度予算で２セットを63億円で取得する予定。参考：月刊軍事研究7,’11、9,’11、朝雲

＜対空戦闘指揮統制システム整備実習用教材＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜対空戦闘指揮統制システム補給処整備器材＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜対空通信員＞：陸上自衛隊のヘリポート運航支援要員。全般支援、気象予報官、気象観測員、付帯設備操作員といった他のヘリポート運航支援要員と協力し、無線でヘリパイロットに運航関連情報や気象情報などの各種情報を伝達する。航空無線通信士の資格と、空自第５術科学校初級航空管制員課程の修了が必要である。参考：MAMOR vol.147

＜対空挺戦闘の要領＞：国民義勇戦闘隊の戦闘マニュアル。敵空挺部隊への対抗手段を纏めたもので、教育総監部が製作した。新聞に抜粋記事が掲載されたが、実物配布前に終戦を迎えた。参考：月刊丸8,’15

＜対空班（日本陸軍）＞：日本陸軍の野戦防空用対空警戒部隊で、敵飛行機の監視と、友軍飛行機への連絡を主任務とする。歩兵大隊長、戦車連隊長、騎兵連隊長、砲兵大隊長、工兵連隊長、輜重兵中隊長、これらに準ずる部隊長が編成し、状況によっては隷下各中隊長や小隊長に必要な処置を行わせる。トップは将校または下士官で、所要の人員を配属させ、可能なら乗馬や自転車などを付ける。通常は所属指揮官の近傍に置かれ、駐止間は対空監視哨を設置、行進間は適宜監視者を指定し、必要なら斥候も加え、絶えず上空を観察する。所属指揮官、対空射撃部隊、友軍飛行機とは迅速に連絡できるようにしておく。参考：作戦要務令

＜対空部隊年次射撃訓練（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊高射特科部隊が毎年9-12月頃に実施している、アメリカのマクレガー射場における中距離地対空ミサイル実射訓練。ちなみに訓練評価を担当する高射学校評価支援隊は8月初めに渡米して準備に入り、年末から年明け頃に帰国する。1964年10月29日、第102高射大隊がホークで実施したのが初の対空実射である。この時は器材も訓練評価もアメリカ陸軍が担当した。1971年、陸自が訓練評価を行うようになった。1977年、器材を陸自が持ち込むようになった。1980年、改良ホークが初参加。1986年、改良ホーク改善�T型が初参加。1991年、改良ホーク改善�U型が初参加。1998年、改良ホーク改善�V型が初参加。2006年、03式中SAMが初参加。参考：月刊軍事研究3,’15

＜対空ミサイル＞：空中目標を攻撃するためのミサイル。遠くまで真っ直ぐ飛べるだけでは逃げ回る敵機を撃墜できないため、単純な射程の長さよりは速度・運動性やノーエスケープゾーンの広さなどを加えた総合力が性能を決める。小型だと小回りが効いて相手に逃げられにくいが、射程が短く威力が小さい。大型にして燃料と炸薬を詰め込めば射程と威力は高くなるが、機動性能は落ちる。発射母体により、空対空／地対空／艦対空／潜対空に分かれる。参考：月刊JWings8,’19、5,’20

＜対空無線機＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究7,’11

＜対空無線施設＞：T/COMと略す。航空保安無線施設の１つで、地上（管制塔屋上など）に設置され、地上と航空機の無線音声通信に使用される。参考：月刊JWings3,’16、4,’16

＜対空用信号発煙筒＞：自衛隊の信号発煙筒で、赤や白がある。細谷火工製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜対空レーダー＞：航空機など経空脅威を探知捕捉するためのレーダー。アンテナを機械的に全周回転させるタイプと、固定面に張り付けて電子的に全周捜索するタイプがある。参考：月刊丸3,’90

＜対空レーダ装置補給処整備器材＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜対空録音機＞：自衛隊の機器。旭光通商が受注している。参考：月刊軍事研究9,’09

＜対空録音装置＞：自衛隊の機器。あきらが受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜対クラッシュ外部燃料システム＞：CFESと略す。ロバートソン・フュエルシステムズ社が開発したUH-60用増槽で、セルフシーリング式であり、クラッシュランディングでも燃料が漏れない。参考：月刊JWings9,’13

＜タイ軍＞：2006年、クーデターを起こした。失脚したタクシン首相は海外に亡命している。2014年5月22日、タクシン派と反タクシン派の対立を収束させるという名目でクーデターを起こし、タクシン派政権を追放した。これでアメリカと疎遠になったが、中国と接近し、潜水艦の購入に興味を示している他、2015年11月には空軍共同演習を行っている。参考：月刊軍事研究10,’14、THE MILITARY BALANCE 2016、朝雲

　＜タイ軍（２０１５年）＞：現役総兵力360850名（陸軍245000名、海軍69850名、空軍46000名）、予備役200000名、準軍事組織現役92700名（州警察50000名、志願不正規部隊タハーン・プラーン21000名、国境警備隊20000名、海洋警察2200名、警察航空隊500名）、予備役45000名（国家保安志願軍）。インド・パキスタンにUNMOGIPオブザーバー３名、スーダンにUNAMID要員９名とオブザーバー４名を派遣している。USPACOM300名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜対軍事威力＞：CMPを参照。

＜大慶＞：576（054A型フリゲート）を参照。

＜たいげい＞：SS-513（潜水艦）を参照。

＜大鯨＞：日本海軍大鯨型潜水母艦Taigei。昭和8年4月12日、横須賀海軍工廠で起工、5月23日命名、11月16日（昭和9年1月？）進水。しかし溶接技術に問題があって船体に歪みが発生、直後に再度ドックインして船体を切断し、修正している。昭和9年3月31日竣工、潜水母艦に類別され、横須賀鎮守府所属となった。ただし予算上の都合でこの日を竣工日に設定しただけであり、工事は終わっておらず（どうせ有事には第２状態の空母への改造工事を受けるので急ぐ必要も無かった）、9月に呉鎮守府に転籍した後も潜水学校のアドバイスを受けて呉工廠で工事が続き、友鶴事件を受けての復元性能強化も行い、11月20日に工事を完了、その後も細かい工事を重ねて昭和10年に漸く行動できるようになった。しかし公試で機関に故障が頻発した上、昭和10年9月26日の第４艦隊事件で防水扉が破損して舵取機室への浸水により機力操舵不能に陥り、横須賀帰港後の検査で船体溶接部の亀裂も見つかったため、昭和10年11月17日に呉に入港して予備役に入り、昭和11年2月から昭和12年7月に修理改装・主機換装工事を実施した。昭和13年には戦隊補強、バルジ装着、固定バラスト追加といった空母転用に備えた工事も行い、9月に第１潜水戦隊旗艦となっている。しかし速力が遅いため艦隊潜水艦について行けないという欠点があった。10月20-22日、厦門に寄港。昭和16年9月14日、空母龍鳳への改造のため横須賀にドックイン。12月8日の太平洋戦争開戦時、建制上は第３潜水戦隊旗艦、兵力部署では連合艦隊先遣部隊第３潜水部隊所属だったが、まだ改造工事中だった。昭和17年4月18日、横須賀工廠で空母龍鳳への改造工事中に日本本土奇襲攻撃B-25爆撃機の爆撃を受け、500ポンド爆弾１発が右舷に命中し、８×15mの破孔と火災を生じた。昭和17年11月28日、空母への改造を完工。11月30日、空母龍鳳となった。参考：月刊世界の艦船2,'23、日本の潜水艦パーフェクトガイド、第２次大戦日本海軍作戦年誌、図解日本の空母、写真集日本の小艦艇、月刊丸2,’12別冊付録、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜たいげい型＞：海上自衛隊潜水艦。１番艦は29SSとして建造された。船型は葉巻型、耐圧船殻は部分複殻式で、船体にはほぼ全面に音響タイルが貼り付けられている。外観はほぼそうりゅう型だが、高さは0.1mほど高く、上構幅も拡大してセイル下面幅より明らかに大きくなった。上構後部フリーフラッド・スリットの間に円形のディーゼル排気口がある。セイルの方も長さや幅がそうりゅう型より広く、上に向かってテーパーがかけられており、付け根前縁に整流フェアリング、前部中央にセイル・プレーンを持つ。上構とセイルの拡大は新型大出力ディーゼル用大型排気筒や新型シュノーケルの後日装備に備えたらしい。艦底部にバラスト・キールを持ち、艦尾舵はＸ舵。艦内区画は６区画だが防水区画は５区画で、士官室区画と発令所区画の間を非耐圧隔壁にして小さい耐圧防水扉でなく通常の大型ドアを設け、移動を容易にした。また、浸水時に防水扉を閉鎖しても士官室と発令所に圧力差が生じないため、扉が開かず発令所に行けない状況を防げる。艦内甲板は海自初の浮甲板構造（そうりゅう型のAIP区画が既に浮甲板なので、艦全体に取り入れたのが初ということらしい）を採用し、静粛性と対衝撃性が高い。新型の潜水艦戦闘管理システムを装備し、オープン・アーキテクチャー化とソフトウェア化で能力向上を容易にしており、ソフト面のアップグレードはスマートフォンのシステム・アップグレード並に簡単らしい。８番艦でCOTS計算機を更新する予定。ソナーシステムはZQQ-8で、艦首アレイ、側面アレイ、曳航アレイ、逆探アレイ（艦首上面フェアリング）からなる。潜水艦戦闘管理システム更新に合わせ、８番艦以降は曳航アレイを音源受信範囲の広い新型にした。主機は1-3番艦はそうりゅう型と同じだが、４番艦以降は充電効率が高く騒音が少ない新型を積む。蓄電池はリチウム・イオン電池で、詳しい性能はもちろん秘密だが、一説によるとそうりゅう型のAIP使用時と同速なら連続潜航期間が2-3ヶ月に達し、最大速力なら36時間発揮し続けられるらしい。蓄電システムは大容量対応の次世代潜水艦用シュノーケル発電システムだが、竣工時から積むのは４番艦以降で、1-3番艦には後日搭載する。セイルにタレス社製非貫通式潜望鏡１型改１、三菱電機・ニコン製光学センサーＡ型改１（新型の非貫通式潜望鏡。最上部にフラスコ状フェアリング、その下に蛇腹状円筒形フェアリングがある）、ZPS-6H対水上レーダー、ESM（導波管が艦外にある非貫通型）を装備する。非貫通式潜望鏡も潜水艦戦闘管理システム更新に合わせて８番艦以降は更なる改良型にした。魚雷発射管室には上段に魚雷発射管２門、下段に４門が並び、魚雷搭載架台の空いた場所には定員外乗艦者用簡易ベッドを置ける。発令所は後方の士官室から非耐圧隔壁を抜けたどん詰まりで、前方区画に抜けるための通路や、セイルに登るハッチは無い。発令所には中央前部にセンサー・マストＡ型用操作卓、その後ろに非貫通型潜望鏡１型改１用操作卓、中央後部に海図台があり、前面と両舷の壁に向かって汎用コンソールが４基ずつ計12基並んでいて、前面が操艦、左舷側が艦の運動関連や機関系、右舷側が戦闘関連と一応分かれてはいるが、どのコンソールでも全操作を行える。操艦装置は操艦用コンソールに片手式ジョイスティックと据え置きゲーム機用コントローラー類似のものが用意されているが、汎用コンソールで針路や深度を入力すれば自動操艦装置がその通りに艦を進めてくれる。発令所前面上部に非常用監視パネルがあり、各ハッチやベント弁の閉鎖状況が常時表示されている。非貫通式潜望鏡の採用により、夜間見張り要員が目を暗順応させる必要が無くなっため、照明は夜でも赤灯でなく通常のものを使え、コンソールを暗幕で囲うことも無い。機械室は中央に通路があり、左右にディーゼルエンジンが１基ずつ収容されている。機械室中央上面に後部ハッチ兼脱出筒があり、緊急時にはMk11脱出用スーツを着た乗員が２名ずつ海中に出て行く。機械室の後方が電動機室で、機械室とは非耐圧隔壁により仕切られていて、電動機を収容する他、後部に機側操舵装置のピストンや信号発射筒を搭載する。機側操舵装置は油圧式で、従来は局部油圧による操舵だったが、本型から直接油圧を使用できるようになり、機側操舵時の速力制限が無くなった。士官室や食堂など艦内各所にモニターがあり、潜望鏡の画像、戦術情報、運航情報などを表示可能。海自潜水艦として初めて、建造時から女性自衛官の乗艦を考慮した。士官室は右舷側にあり、テーブル内に２基、通路側壁面に２基、後部壁面に１基のモニターが設置されている。士官室と通路を挟んで反対（左舷側）が第１・第２士官寝室で、コミュニケーションが取りやすい大部屋となっていて、３段ベッドが３組と、事務作業用机６名分がある。魚雷発射管室などの下方が科員居住区で、３段ベッドが並び、一角が薄い鉄板（ドア付き）で囲われた女性自衛官用区画（６名分）になっている。科員居住区後方の電子機器室から更に後ろに科員食堂があり、テーブルが４つ用意されていて、長椅子はジャガイモやタマネギなどの収容庫を兼ねる。厨房は科員食堂の後方・機械室と防水隔壁を挟んで前方にあり、火災予防のため調理は全て電気式。全長84m、幅9.1m、吃水8.5m、深さ10.4m、基準排水量3000トン、水中排水量4300トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、川崎12V25/25SBディーゼル（1-3番艦）／川崎12V25/31ディーゼル（４番艦以降）２基、永久磁石モーター１基、水中出力6000馬力、複合材製プロペラ１軸推進、水中速力18ノット。兵装は533mm魚雷発射管HU606が６門（上段２門、下段４門。18式魚雷、89式魚雷、ハープーン潜対艦ミサイル、機雷）。自衛用に潜水艦魚雷防御装置TCMを装備しており、セイル後方の上構上面にある両舷２箇所ずつの長方形ハッチからデコイを射出する。乗員約70名。１番艦SS-513たいげい、２番艦SS-514はくげい、３番艦SS-515じんげい、４番艦SS-516らいげいなどが2022年から就役した。１番艦は完熟訓練の後（２番艦就役後あたり）に試験潜水艦とし、導入した新機材の能力研究や新たな潜水艦運用法の開発に専従させる予定。参考：月刊世界の艦船2,'23、5,'22、1,’21、10,'21、1,’22、6,'22、7,’22、11,’22、1,’23、1,’24

＜大鯨型＞：日本海軍潜水母艦Taigei型、計画番号J-7。小型鈍足の迅鯨型潜水母艦では海大型や巡潜型の母艦・潜水戦隊旗艦任務をこなすのが無理なため、ロンドン条約制限外艦艇枠ギリギリの排水量10000トン・速力20ノット艦として開発された。１個潜水戦隊・伊号潜水艦９隻の母艦任務を行える。また有事には３ヶ月で小型空母に改造できるようにしてあり、潜水母艦を第１状態、空母を第２状態と称し、第２状態を基準に設計が進められている。昭和8年に計画が認められ、予算上の引き渡し日の制約から１年以内に建造することになり、横須賀工廠第２船台で巡洋艦鈴谷を起工するまでの８ヶ月間を利用して突貫工事で進水させた。これを可能とするため、艦政本部で立てた鋲接組み立ての予定を変更して工廠側の要求により電気溶接によるブロック建造方式を採用したが、技術的問題から建造中（進水前）に船体前後が上向きに反り返ってしまい、機関部からプロペラシャフトを通すための軸心見透しができず、船体中央を切断して修正したが、進水後にもまだ歪んでいて、同じ部分をまた切断し、更に艦首も切り離してリベットで繋ぎ直す羽目になっている。艦中央部に全長の４分の３にわたる飛行甲板（の予定部分）があり、このレベルを強度甲板としたため、伸縮継手は設けられていない。第２状態では飛行甲板を艦尾まで延長する工事を行う。飛行甲板の下に２層の格納甲板があり、前後２基のエレベーターで飛行甲板と繋がっているが、第１状態では前部エレベーターのみ装備し、後部エレベーター予定部は倉庫などとして使用した。上部格納庫は前後に仕切られていて、前部に水偵、後部に潜水隊補給用真水・重油・潤滑油タンクを搭載する。下部格納庫は潜水隊士官用私室として利用されており、第２状態では上下共に艦上機収容スペースとなる。空母に改造可能であるということを悟られないため、第１状態での艦橋は飛行甲板前端上面中央に設けて外見には注意を払い、第２状態の艦橋は飛行甲板下前端に設置した。主機は燃費や空母改造時の煙路を考慮して日本海軍大型艦初のディーゼル機関を積む事にし、まだ試作段階だった艦本式四五型無気噴油式（一一号一〇型の試作名称）二サイクル複動10気筒ディーゼルを搭載したが、故障が多発した。第１状態ではこれを４基搭載し、第２状態では更に４基追加して出力制限も外す。ディーゼル追加予定部には補給用真水タンクを積んだ。煙突は空母でないと見せかけるため飛行甲板中央に太いものを取り付けてあり、排気は格納庫両側を通って飛行甲板下中央に導かれ、煙突から外に出る。潜水艦に対する洋上燃料補給訓練装置が装備されている他、水上機３機を搭載可能で、飛行甲板右舷にカタパルトを持つ。軽質油タンクは前部のみ装備し、第２状態では残りを追加する。水線長211.12m、最大幅18.07m、吃水5.33m、基準排水量10000トン、公試排水量10500トン。主機は一一号一〇型内火機械４基２軸14000馬力、速力20ノット、航続距離は18ノットで10000海里。兵装は一〇年式45口径12.7cm連装高角砲２基、毘式40mm連装機関砲２基、保式13mm４連装機銃２基。大鯨が就役した。昭和10年の第４艦隊事件で損傷したため、船体補強、機関部修理、艦尾甲板１層追加による後部乾舷増加、吃水線部外舷バルジ装着といった改装が行われている。昭和13年の諸元は以下の通り。水線長210m、最大幅19.58m、吃水6.53m、公試排水量14400トン。主機は一一号一〇型ディーゼル機関４基２軸25600馬力、速力22.2ノット、重油搭載量1897トン。兵装は八九式40口径12.7cm連装高角砲２基、毘式40mm連装機関砲２基、保式13mm４連装機銃２基、一一式単装機銃６丁。カタパルト１基と水上偵察機３機を搭載する。乗員430名。大鯨が昭和9年に竣工した。後に空母龍鳳となった。参考：日本潜水艦物語、日本海軍特務艦船史、日本の潜水艦パーフェクトガイド、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船9,’12増刊

＜対ゲリラ戦＞：正規軍がゲリラに対して行う戦闘。ゲリラは隠密行動と要点攻撃を旨としているので、ゲリラが攻撃してきそうな要点や、そこへの移動経路を見極めて長期間に渡って監視し、何かあればすぐ確認して攻撃する。ゲリラを見つけても、ちょっと目を離すとすぐ隠れてしまうので、目標を保持しつつ即座に攻撃しなければならない。一般住民に紛れ込んだりするので、識別が重要になるが、実際には難しい。重装備は持っていないので、破壊力はあまり要らないが、発見したゲリラの周囲に未発見ゲリラ部隊が存在することもあるので、地域制圧力が必要になる。ただし森林や洞窟といった天然の防御施設を利用していることも多いので、この場合には相応の破壊力が要る。ゲリラに直接被害を与えられなくても、行動を封じたり、攻撃意図を挫いたりすることで、戦果が得られる場合もある。ゲリラ側が航空優勢を掌握していることはほぼ無いので、COIN機を利用して空からの制圧が行われる。また、特殊部隊によりゲリラにゲリラ戦術で対抗するのも有効である。参考：空軍

＜対ゲリラ戦（韓国）＞：民心掌握が重要で、これによりゲリラは安全に身を置く場所が無くなる。そのためには民衆に決して迷惑を掛けないことが必要で、水一杯でも必ず対価を支払うようにする。民衆からゲリラの情報が得られれば、不意の場所・時間における攻撃というゲリラの正規部隊に対する優位性は消滅する。掃討の際は少なくとも５倍の兵力を配置し、周囲を大きく完全に包囲、逃げ場となる所や頂上、稜線にも兵力を置き、更に打撃部隊を準備して一気に掃討する。要員は射撃規律を守ることができて射撃が得意であり、山岳地でも追跡できるような体力のある者が適しており、正規戦要員と基本的には変わりない。不用意な発砲はゲリラと共に行動している一般人や隣の友軍を死傷させ、ゲリラを捨て身にさせるので注意。最小単位はゲリラと同じくらいの5-6名の少人数（ゲリラの行動パターンからして正面から撃ち合いになる可能性は少ないため、これで十分。いざとなったら無線で応援を呼べば良い）とし、手信号だけで音を出さずに命令を伝達できるようにしておく。予備の機動打撃部隊も用意する。ヘリコプターによる空中機動は有効だが、ヘリから兵員を投入できるスペース（ヘリポートなど）を予め用意しておく必要がある。ゲリラを捕捉した部隊は他の部隊に引き継ぐことはせず、休むことなく追跡し、相手の靴か脚を壊して機動力を失わせる。包囲下のゲリラは食料、弾薬、機動力を失い、本能的に水を求めて谷間の河原に集結する。不用意に攻撃を仕掛けると窮鼠となって手痛い打撃を受けるので、付近に迫撃砲を撃ち込んで抵抗する気力を無くせばそのまま捕虜にできる。北朝鮮ゲリラ掃討から得た教訓を元に製作されており、ベトナム戦争では1964-73年に首都師団、第２海兵旅団、第９師団を派遣して大隊規模以上の戦闘1200回と小規模交戦57万回を行い、民族解放戦線と北ベトナム軍に49000名の人的損害（殺害、捕虜、帰順）を与え、ベトナム人をして「韓国最悪（テハン、ナンバーテン）」と言わしめた。参考：月刊軍事研究12,’09、コンバット・バイブル２

＜対ゲリラ戦（自衛隊）＞：正規軍特殊部隊（コマンドー）への対処と纏めて対ゲリラ・コマンドー戦（ゲリ・コマ戦）という。海に囲まれているため陸伝いやトンネルでゲリラやコマンドーが入ってくることは無いが、海岸線が長く複雑で、全域を四六時中監視する訳にもいかず、海からの侵入を防ぐのは難しい。侵入者の発見も自衛隊だけで行うのは困難で、関係機関とも協力するが、武装工作員等対処訓練において、予め不審車両リストを配り、関係機関からの接近情報も伝えておいたのに、監視哨で見逃す事態が多発したため、更に地域住民の協力を得ることが重要としている。侵入者は一般人に紛れて行動するため、地域住民による発見が一番早く確実。見つけたら陸自が重武装で囲い込み、住民を避難させ、包囲環を狭めていく。日本からの脱出は海空路に限られるので、陸上に孤立させれば焦る必要は無く、ゆっくりと追い詰める。参考：月刊軍事研究4,’16

＜大原級＞：ラッデロウ級護衛駆逐艦（台湾海軍）を参照。

＜大元丸＞：日本陸軍輸送船Taigen-Maru。元はアメリカで建造された貨物船ルイス・ニールセンで、下村汽船が購入して改称した。垂線間長125.1m、幅16.4m、総トン数5665トン、重量トン数8750トン。主機は蒸気タービン１基2700馬力、最大速力12ノット。大正6年竣工。昭和元年、下村汽船が購入した。太平洋戦争勃発で陸軍に徴用された。昭和17年5月6日、舟山群島南東でSS-201トライトンの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜大攻＞：九五式陸上攻撃機を参照。

＜大公＞：日本陸軍用語で、大隊長のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜対高圧破壊具＞：日本陸軍の近接戦闘器材。参考：工兵入門

＜大江型＞：中国海軍潜水艦救難艦925型のNATOコードで、ターチァン（Dajiang）型と読む。DSRV２隻を上部構造物前方両舷に露天搭載しており、前甲板の旋回式クレーン（容量58トン）で海面に降ろして救難を行う。後甲板はヘリコプター甲板になっており、２機のZhi-8ヘリを搭載可能である。全長156.2m、全幅20.5m、吃水6.8m、満載排水量12167トン（11975トン？）。主機はディーゼル２軸9000馬力で、速力20ノット。乗員308名。必要に応じて37mm連装機銃３基を搭載できるとされる。DSRVは満載排水量35トン、運用可能深度200m、最大潜航深度600m、救難人員６名。1976年から北救121長興島、東救302崇明島、南救506永興島の３隻が竣工した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’13、9,’11、3,’07、6,’01

＜対航空作戦＞：Counter Air Operation。戦術航空支援の１つで、敵航空戦力に対抗して航空優勢を確保・維持する作戦のこと。敵の航空攻撃を防ぐことにより、味方の地上・海上戦力、兵站路を保持し、損害を最小限に止め、自由に行動できるようにする。攻撃、掃討、戦力防御、SEAD、近接護衛、バリア戦闘、空中哨戒といった攻勢的対航空作戦、防空戦闘、地上配備防空などの防御的対航空作戦、迷彩、秘匿、分散、欺瞞、堅固化といった受動的対応に分類される。出撃してきた敵航空機を撃墜するだけでは不十分で、航空基地、防空関連施設など支援設備、燃料弾薬貯蔵施設なども全て破壊する。当然敵は航空機の補充と施設の補修を行うので、迎撃態勢を維持し、継続的に攻撃を反復する。敵が航空戦力を集中して反撃に出てくると完全に対抗するのは難しく、防空網や警戒監視網をかいくぐって攻撃してくることもあり、航空優勢をあらゆる場所で常に維持するのは意外と困難である。参考：空軍、月刊JWings10,’09別冊付録

＜大口径火砲システム（通常兵器登録制度）＞：カノン砲、榴弾砲、カノン砲及び榴弾砲の特性を兼ね備えた火砲、迫撃砲または多連装発射ロケットシステムで、口径が100mm以上あり、主として間接照準射撃により地上目標を攻撃できるもの。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜大口径追跡システム＞：LATSを参照。

＜対抗手段散布システム＞：AN/ALE-45（チャフ・フレアディスペンサー）を参照。

＜対向ピストンエンジン＞：１つのシリンダーの両側からピストン２つで圧縮するタイプのレシプロエンジン。シリンダーヘッドが要らないが、クランクシャフト２本を出力軸１本に纏めるギアを用意する必要がある。参考：月刊軍事研究8,’16

＜大光丸＞：日魯漁業冷凍／冷蔵貨物船Taiko maru。垂線間長76.2m、幅11.89m、深さ5.64m、吃水4.83m、総トン数1762トン、重量トン数1672トン。酒器は三連成レシプロ蒸気機関１基、主缶は重油専焼缶、出力1242馬力、１軸推進、航海速力9.5ノット、最大速力12.33ノット。関東大震災で完成が１年遅れ、大正13年7月10日に竣工し、葛原冷蔵に所属した。大正14年、東洋冷蔵の所属となった。その後、日魯漁業の所属になった。昭和17年12月、帝國水産統制に移籍した。昭和18年11月21日、佐伯からパラオに向かう途中、缶室火災で航行不能に陥り、沖ノ鳥島北北東100kmで護衛艦の砲撃により処分された。参考：月刊世界の艦船7,’19

＜太興丸＞：太興汽船鋼材運搬船Taiko maru。垂線間長82.82m、幅12.2m、深さ6.2m、吃水5.37m、総トン数1925トン、重量トン数2890トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1528馬力、航海速力11ノット、最大速力13.4ノット。荒田商会が発注し、昭和13年1月25日に竣工。昭和14年、荒田商会と川崎汽船が共同設立した太興汽船に移籍。太平洋戦争勃発で陸軍の輸送を行った。昭和18年7月11日、佐伯からパラオに向かっていたところ、パラオ北西680kmでSS-254ガーナードの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜大黒丸＞：横浜市港湾部バケット式浚渫船Daikoku maru。垂線間長53.3m、幅10.7m、深さ3.96m、総トン数598トン。主機は二連成汽機１基１軸528馬力、最大速力７ノット。浚渫能力毎時480立方メートル、浚渫深度12.2m。昭和3年9月7日竣工。昭和8年、新潟市に移籍。昭和20年7月19日、新潟港内で触雷して沈没した。昭和21年に引き揚げられて任務に復帰し、昭和40年に引退、昭和41年版日本船名録から削除された。参考：月刊世界の艦船2,’16

＜醍醐忠重＞：海軍兵学校40期卒。昭和8-9年、第19潜水隊司令を務めた。夕張・那珂・球磨・高雄・足柄艦長を経て昭和13年に侍従武官に就任。昭和16年10月、第５潜水戦隊司令官となり、太平洋戦争を迎えた。昭和17年8月、呉潜水戦隊司令官となった。昭和18年11月、第22特別根拠地司令官となった。昭和19年8月、潜水学校長となった。昭和20年5月1日、第６艦隊司令長官となった。太平洋戦争終結後、第22特別根拠地司令官時代に発生した処刑事件により蘭印軍人法廷で死刑判決を受け、昭和22年12月6日にポンチァナクで銃殺刑に処された。参考：日本海軍艦隊総覧

＜タイコンデロガ＞：CV-14（空母）またはCG-47（巡洋艦）を参照。

＜タイコンデロガ級＞：アメリカ海軍イージス巡洋艦Ticonderoga級。イージスシステム搭載巡洋艦で、原子力艦にすべきとの意見もあったが、価格が高くなるので通常動力としている。当初はミサイル駆逐艦の分類で、最初の４隻にはDDG-47/-48/-49/-50の艦種記号・艦番号が割り当てられたが、排水量が増大したため、ミサイル巡洋艦に艦種変更され、CG47-73の計27隻が1983-94年に竣工した。大きくは初期型、重量軽減型、VLS搭載型の３タイプに分けられ、更に搭載イージスシステムにより細分化される。VLS非搭載のベースライン１型５隻は2004-05年に退役した。2017年現在就役中のCG-52以降22隻のうち、CG-62までの11隻を2020年から毎年２隻ずつ退役させる方針だったが、実際には2020-21年は退役ゼロだった代わりに2022年に一気に５隻退役しており、2027年までに残る17隻も全て退役する予定。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、9,’16、5,’86、1,’18、6,'23、月刊軍事研究5,’03、近代巡洋艦史

＜タイコンデロガ級初期型（ベースライン１）＞：スプルーアンス級の船体をベースにしているが、最大許容排水量9700トンの所を10200トンに引き上げる必要があり、型鋼の規格から全て変更していて、殆ど再設計に近い。ただ、ちょうど設計基準がフィート規格からメートル規格に変更された頃で、端数を切り上げたら鋼板が厚くなって船体強度の問題はそのまま解決できた。水密区画を構成する主横隔壁甲板上端を第１甲板から01甲板に持ち上げ、トップヘビーを防ぐため船体前後に分けて上部構造物を載せ、多機能レーダーSPY-1Aを搭載しており、アンテナを前方上部構造物の前部と右、後方上部構造物の後部と左に配置している。アンテナ装備位置をなるべく上にするため、上部構造物は背が高いが、それでも従来のアンテナマストよりは低いので、低空目標探知能力にやや不安がある。また、重心が上昇したため、艦底に110トンのバラストを積んだ。乾舷も減少しており、主船体前部にブルワークを設置して補っている。スタンダードミサイル終末誘導用のSPG-62射撃指揮レーダーを前方上部構造物に並列に、後方上部構造物にタンデムに２基ずつ搭載しており、空中に18発のミサイルを置いて順次目標に誘導できる。搭載バウ・ソナーはAN/SQS-53Aで、低空目標捜索レーダーAN/SPQ-9B（前部マスト中段）、対水上レーダーSPS-55、電子戦装置SLQ-32を装備。機関室は左舷が前方、右舷が後方にあり、煙突はその真上に設けたため、左の煙突が前方、右の煙突が後方にある。主機はスプルーアンス級そのままで、推進軸直径増大やプロペラ形状変更などを施した。主発電機は出力を１基あたり2MWから2.5MWに強化し、煙突は消音器に改良を加えている。CICには大型ディスプレイが横に４基並んでおり、最大2000海里の範囲で戦術状況を表示できる。使用するコンピュータはUYK-7。全長172.8m、全幅16.8m、ソナー・ドーム部吃水9.5m、満載排水量9590トン。主機はCOGAG方式、ガスタービン４基２軸86000馬力、速力30ノット以上（32.5ノット？）、航続距離は20ノットで11100km、30ノットで6100km。兵装は前甲板に127mm単装砲Mk45を１基、その後方にSM-2MR／アスロック連装発射機Mk26（装弾数は後部発射機と合わせて最大88発）を１基、アンテナマスト前方左右に20mmCIWS１基ずつ、ヘリ甲板後方にSM-2MR連装発射機Mk26を１基、後部甲板に127mm単装砲Mk45を１基、ハープーン４連装発射機２基を持つ。その他に25mmMk38単装機銃２基、12.7mmM2機銃４基、324mm３連装短魚雷発射管Mk32を２基装備する。SH-2Fシースプライト対潜ヘリコプター２機を搭載可能。乗員358名（330名＋予備居住施設47名分？CG-48は312名）。CG-47タイコンデロガとCG-48ヨークタウンが1983-84年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、1,’10、9,’16、12,’19、4,’16、10,’11、2,’16、5,’86、月刊軍事研究5,’03、6,’93別冊、5,’15、日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、近代巡洋艦史

＜タイコンデロガ級重量軽減型（ベースライン１）＞：初期型は重心が高く復原性に問題があり、ベースライン２以降に予想される重量増にも対応するため、主船体材、肋骨、縦通材などを再設計、鋼板をHTS鋼からHY-80に変更して外板を薄くし、上部構造物の一部を小型化、アンテナマストを四脚から三脚にするなどして満載排水量を9407トンに抑えている。搭載ヘリはSH-60Bに変更された。CG-49ヴィンセンズ、CG-50バレー・フォージ、CG-51トーマス・Ｓ・ゲイツが1985-87年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、3,’92増刊、12,’19、月刊軍事研究5,’03、日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20

＜タイコンデロガ級ＶＬＳ搭載型ベースライン２＞：Mk26に換えてMk41VLSを搭載したタイプで、Mk26搭載位置に前後各61セルずつの発射機を配置し、リアクションタイムの短縮とブラインドゾーンの解消を図っている。また、AN/SWG-3トマホーク射撃指揮システムを搭載し、トマホークもMk41から発射できるようにした。AN/UYQ-21コンソールなども搭載している。重心降下のため、上構の高さを0.61mほど下げた。全長172.8m、幅16.8m、吃水9.5m、満載排水量9466トン。主機はLM2500ガスタービン４基２軸86000馬力、速力30ノット以上、航続距離は20ノットで6000海里。兵装は５インチ砲Mk45が２門、Mk41VLS122セル（後に128セル）、ハープーン４連装発射機２基、20mmCIWS２基、３連装短魚雷発射管２基（Mk46またはMk50短魚雷装備）。また、Mk36SRBOCを4-6基と、SLQ-25曳航型魚雷デコイを搭載する。ECMはSLQ-32(V)3で、TACANはURN-25である。射撃指揮装置はミサイル用のMk99（４基のMk80と１基のMk7Mod2）、主砲用のMk86Mod9、対潜用のMk116Mod6-7。搭載レーダーはSPY-1A、SPS-49(V)7、SPS-55対水上レーダー、SPS-64航海レーダー、SPQ-9A射撃指揮レーダー、SPG-62射撃指揮レーダー４基。戦闘情報処理装置はNTDS、リンク4A、リンク11、リンク14、リンク16。搭載ソナーはSQQ-89(V)3ソナーシステムとSQS-53Bバウソナーで、CG-54以降はSQR-19TACTASを追加装備している。SH-60対潜ヘリ２機を搭載可能。乗員358名（330名＋予備居住施設47名分？）、うち士官が24名。CG-52バンカーヒル、CG-53モービルベイ、CG-54アンティータム、CG-55レイテ・ガルフ、CG-56サン・ジャシント、CG-57レイク・シャンプレーン、CG-58フィリピン・シーが1986-89年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’16、月刊軍事研究6,’93別冊、5,’03、日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20

＜タイコンデロガ級ＶＬＳ搭載型ベースライン３＞：軽量化型のSPY-1Bを搭載し、低空を飛行する小型対艦ミサイルへの対処能力、ジャミングに対抗するためのサイドローブ低減などを得ている。また、ディスプレイ・コンソールも改良型のUYQ-21となった。CG-59プリンストン、CG-60ノルマンディ、CG-61モントレイ、CG-62チャンセラーズビル、CG-63カウペンス、CG-64ゲティスバーグが1989-91年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊軍事研究5,’03、3,’03

＜タイコンデロガ級ＶＬＳ搭載型ベースライン４＞：性能向上型のSPY-1B(V)を搭載している。コンピュータもUYK-43/44に改良し、CICにUYS-20大画面ディスプレイを導入した。SQS-53Cハルソナー、SQS-23Cバウソナー、SQR-17ソナーデータプロセッサも装備する。CG-65チョーシン、CG-66ヒュー・シティ、CG-67シャイロー、CG-68アンツィオ、CG-69ヴィックスバーグ、CG-70レイク・エリー、CG-71ケープ・セント・ジョージ、CG-72ヴェラ・ガルフ、CG-73ポート・ロイヤルが1991-94年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊軍事研究3,’03、5,’03、日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20

＜タイコンデロガ級巡洋艦近代化計画＞：Cruser Modernization、CG Mod。ズムウォルト級が縮小され、CG(X)計画も中止され、後継の巡洋艦が当分出現しそうにないが、アーレイ・バーク級よりも図体が大きく防空指揮所スペースを確保でき、艦長が大佐（駆逐艦は中佐）なのでCSGやARGの任務調整にも好都合で退役する訳にはいかないために行われている近代化改装・艦齢延長工事である。まず船体・機械・電装（HM&E）改装として全電気動力化、スマートシップ化、上部構造物・格納庫改修、居住性改善、艦首ブルワーク短縮などを実施し、艦齢を40年に延長する。次いでコンバットシステム近代化第１段階ACB08（Advanced Capability Build 08）としてAOA（Aegis Open Architecture）・CEC付与、COTSコンピュータなどを利用したCIC近代化、航海艦橋操艦コンソールのデジタル化、62口径127mm砲Mk45Mod2及びMk160FCS（電子光学センサーとレーザー測距機併用）搭載、VLSへのESSM適応、AN/SPS-49レーダー撤去、AN/SPQ-9B装備（艦橋上のドーム型SPQ-9Aが台形に変更）、Mk53Mod5デコイ装備、AN/SQQ-89A(V)15ソナー（CG52-58はそのまま）・多機能曳航アレイ（MFTA）搭載、ファランクス・ブロック�TＢ装備、SPS-49撤去などを行う。艦載ヘリもSH-60BからMH-60Rに更新する。全長172.8m、幅16.8m、吃水9.5m（ソナー・ドーム部）、満載排水量10117トン。主機はCOGAG方式、ガスタービン４基２軸86000馬力、速力30ノット。兵装はMk41VLS２基122セル（標準ミサイル搭載数はSM-2艦対空ミサイル74発、ESSM32発、トマホーク36発、VLA４発）、Mk45Mod2が２門、ハープーン４連装発射筒２基、20mmCIWS２基、25mm単装機関砲２門、324mm３連装短魚雷発射管２基。乗員330名（＋予備居住区47名分）。CG-52バンカーヒルが2009年に改修を終了し、計15隻が2017年までに改修される予定。更にコンバットシステム近代化第２段階ACB12としてスタンダードSM-6ミサイル運用能力付与、NIFC-CA搭載改修を行う。計画名の通称は2-4-6計画で、一度に２隻ずつ改修を開始し、４年以内で近代化工事を終え、同時工事隻数は６隻まで、という議会の決定に基づいている。参考：月刊世界の艦船1,’10、9,’16、4,’10、1,’12、4,’13、12,’13、4,’15、7,'16、12,’19、月刊軍事研究1,’15

＜大佐＞：陸軍ではColonel、海軍ではCaptain。Colonelはルネサンス時代にスペインで編成された6000名規模の軍団コロネリアの指揮官であるコロネルが大元で、16世紀半ばにコロネリアが連隊（スペイン名称テルシオ）に改編された後も名称が残って連隊長を意味するようになり、18世紀末に大佐という階級名になった。参考：歴史群像6,’16

＜泰山＞：一六試陸上攻撃機を参照。

＜大さん＞：日本陸軍用語で、大隊長のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜岱山島＞：866（病院船）を参照。

＜岱山島基地＞：中国軍航空基地。2250m滑走路と地下ハンガーを持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜対磁気地雷装置＞：AMMADと略す。車両前部に強力な磁場を発生させる装置を取り付け、磁気地雷を誘爆させるものである。アメリカ軍がIDAという名称で採用した。参考：月刊PANZER10,’01

＜隊舎＞：営舎を参照。

＜大射角用装載砲床＞：日本陸軍の野砲搭載用ターンテーブルで、中央の砲を載せる部分が一段高くなっており、射角を大きく取ることができる。海岸要塞に据え付けられ、照明弾射撃などに利用された。参考：大砲入門

＜泰州＞：138（駆逐艦）を参照。

＜台州＞：533（フリゲート）を参照。

＜対舟艇対戦車隊＞：陸上自衛隊の部隊で、師団の隷下（北部方面対舟艇対戦車隊のみ方面隊隷下）にある。主要装備は96式多目的誘導弾システム。2001年度末の第４師団第４対舟艇対戦車隊を皮切りに新編された。参考：月刊軍事研究8,’11、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜対舟艇対戦車誘導用トレーナー＞：陸上自衛隊の79式対舟艇対戦車誘導弾用訓練装置。川崎重工製。参考：スピアヘッドNo.5

＜大洲丸＞：大同海運貨物船Daisyu maru。大元はイギリスのバーンティスランド造船で起工された第１次大戦イギリス標準船ウォー・ブロスナで、建造中に終戦を迎え、大正8年10月にサン・シッピングの民間船サンバンクとして竣工し、昭和3年に大福汽船が購入して大洲丸に改称、昭和16年に合併で大同海運所属となった。垂線間長101.1m、幅14.2m、深さ7.56m、吃水6.74m、総トン数3323トン、重量トン数5300トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2100馬力、航海速力9.5ノット、最大速力10ノット。太平洋戦争直前に日本軍に３ヶ月ほど徴用された。太平洋戦争勃発後は船舶運営会が運航している。昭和18年11月22日、対馬南西70kmの東シナ海でSS-304シーホースの雷撃を受け、機関室右舷に１本が命中、不発だったが浸水を止められずに沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’21

＜大将（アメリカ軍）＞：海軍はAdmiral、他はGeneral。俗称はFour-Star General/Admiral、Full General/Admiral。軍種別や統合任務部隊での定数上限が法令で決められているが、大統領による増減が効く。恒久階級ではなく臨時階級で、統合参謀本部議長、同副議長、統合軍司令官、州兵総局長、陸軍参謀総長、陸軍参謀次長、海軍作戦総長、海軍作戦次長、空軍参謀総長、空軍参謀次長、海兵隊総司令官、同副司令官、CIA長官、在韓米軍司令官など大将職の任命とセットで大将に昇任し、任期が終わると大将ではなくなる。准将以上の将官で、各軍種省長官や統合参謀本部から推薦され、大統領の指名と上院の承認を受けた者が任官する。定年は64歳または服務期間40年間で、大統領や国防長官が定年延長を命じることも可能。臨時階級といっても、退役時に大将なら大将として退役し、1995年の沖縄米兵レイプ事件に関して暴言を吐き即更迭された太平洋軍総司令官リチャード・Ｃ・マッキー海軍大将のように、不祥事でも起こさない限りは恒久階級の少将にまで降格されるといった事は無い。海軍・海兵隊には実戦で活躍した中将が退役時に１階級特進して大将になることがあり、墓標大将と揶揄されていたが、1959年に制度が廃止された。参考：月刊軍事研究3,’16、4,’16

＜大将（日本軍）＞：陸海軍の最上級の階級。明治15年の階級制定時は勅命により任命されていたが、明治19年からは直接天皇により叙任されることとなった。中将を６年間勤めた後、先任順に昇格するのが通例だった。陸軍初の大将は西郷隆盛、海軍初は西郷従道。明治時代は陸軍大将が長州藩（31名中11名）、海軍大将が薩摩藩出身者（14名中13名）から選出されることが多く、長の陸軍、薩の海軍と呼ばれた。参考：戦時用語の基礎知識

＜大将旗（日本海軍）＞：日本海軍の旗章。白地の中央に日の丸があり、旭光が８方向に出ている。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜代将旗（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の指揮官旗の１つで、白地に桜が１つ描かれている。海将補が着任することになっている護衛隊群司令や練習艦隊司令官に任官前の一等海佐が就いた場合に掲げられる。一等海佐の上、海将補の下という扱いで、当人より先任の艦長（一等海佐）といえども先に敬礼しなければならない。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜耐衝撃試験＞：アメリカ海軍が戦闘艦各級１隻ずつに対して実施する、水中爆発に対する抗堪試験で、FSST（Full Scale Shock Trial）と略す。１番艦または２番艦を対象に、航行する脇で水中に仕掛けた爆薬を炸裂させ、損傷の程度を調べる。１トン機雷くらいの大爆発なので、修理にも手間と費用がかかるが、生残性に関する実艦での貴重なデータが得られるので、予算が厳しくなっても欠かさず行われている。参考：月刊世界の艦船9,’16、8,’19

＜対小銃弾用付加防護衣＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜大正飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜対情報＞：カウンター・インテリジェンスを参照。

＜大彰丸＞：大阪商船貨物船。総トン数6886トン。昭和19年10月、雷撃を受け沈没し、1602名が戦死した。参考：輸送船入門

＜対称翼型＞：Symmetric airfoil。翼上面と下面のカーブが全く同じ形状の翼型。中心線が翼弦線と一致しており、ここで折り返すと上下の輪郭が重なる。クラークＹやゲッチンゲン398翼型からキャンバーを取って上下対称にしたのがNACA４字番号系の対称翼で、他にも理論計算で作ったジューコフスキー対称翼型、超音速に適したレンズ型対称翼、角張った楔型翼（ダイヤモンド翼型）、ソロバン玉を潰したような複楔型翼などがある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜大序曲「１８１２年」＞：チャイコフスキーがナポレオンのロシア侵攻をテーマに作曲した楽曲。最後に打楽器として大砲を16発撃つ。参考：MAMOR vol.118

＜耐地雷中型車両＞：MMPVを参照。

＜隊司令旗＞：海上自衛隊の指揮官旗の１つ。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

　＜隊司令旗甲＞：長方形の外側１辺を三角形に切り抜いた白字の旗に、桜が１つ描かれている。護衛隊司令、潜水隊司令など一等海佐の司令が座乗した艦に掲揚する。参考：日本の防衛戦力Part7、月刊世界の艦船8,’11増刊

　＜隊司令旗乙＞：甲の上下辺が細く赤線で色づけされている。掃海隊司令、ミサイル艇隊司令など二等海佐の司令が座乗した艦に掲揚する。参考：日本の防衛戦力Part7、月刊世界の艦船8,’11増刊

＜対陣（日本陸軍）＞：敵味方がそれぞれ陣地を作って対峙し、事後の作戦を準備している状態のこと。対陣に入る場合、その後の作戦を考慮し、局部的攻撃・戦線整理・配置変更などを行い、後の攻勢に少しでも有利な陣地を構える。対陣状態になっている間も、築城材料を集めて陣地強度を高め、設備を整え、補修を行い、敵の急襲に備え、訓練を行い、休養を取らせる。敵の情報収集や攻撃準備・休息妨害のため、または要点奪取や味方陣地帯変更のため、局部的攻撃に出ることもある。士気が低下しやすく、敵もプロパガンダなどで士気・軍紀の弛解を図るので、各級指揮官は士気振作と軍紀粛正に努める。参考：作戦要務令

＜大新型＞：鄭和型（練習艦）を参照。

＜対人障害システム＞：自衛隊の機器。日本無線または三菱電機製。参考：月刊軍事研究12,’08、5,’15

＜対人障害システム用監視装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜対人障害システム用監視装置試験装置＞：自衛隊の試験装置。三菱電機製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜対人地雷＞：地雷を参照。

＜対人地雷禁止条約＞：正式名称は、対人地雷の使用、貯蔵、生産及び委譲の禁止並びに廃棄に関する条約。批准４年以内に保有する対人地雷（人の存在、接近または接触によって爆発するよう設計され、１人もしくは２人以上の者の機能を著しく害しまたはこれらの者を殺傷する地雷）を全て破棄し、制式・急造を含む全ての対人地雷の使用、開発、製造、引き渡しを禁止する条約。地雷探知・除去・廃棄のための技術開発・訓練のための若干数の保有・移譲は許可されている。1997年9月18日にノルウェーのオスロで採択され、1997年12月3-4日に日本を含む100ヵ国が署名し、1999年3月に発効した。日本はこれに基づいて1998年10月に対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律を制定した。対人地雷大国のアメリカ・ロシア・中国は署名しておらず、IEDや急造地雷の取り締まりは不可能に近く、対人地雷廃絶の前途は多難である。一応アメリカは1996年に「2000年以降は自爆信管付きの対人地雷のみを使用する（ただし朝鮮半島に既に埋められているものを除く）」と決定しているが。本条約制定のきっかけの１つとなったカンボジアでも、遺跡の盗難防止に対人地雷を使用していた（センサー類は高価で手が出ない）関係で、批准したのは条約制定２年後の1999年のことだった。参考：月刊軍事研究2,’98、6,’04、火器弾薬技術ハンドブック

＜対人地雷除去機（不発弾処理用）＞：コマツが2016年8月31日に発表した、地雷及び不発弾無力化器材。油圧ショベルのショベル部分に特殊バケットを装着したもので、クラスター弾の破片形成用硬金属外殻も砕いて無力化できる。灌木除去や整地にも使用可能。JMASに無償貸与してラオスに投入する。参考：月刊軍事研究11,’16

＜対人狙撃銃＞：M24海外シリーズ（狙撃銃）を参照。

＜対人狙撃銃（中距離域用）＞：自衛隊の小火器。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究1,’17

＜対人狙撃銃用可変倍率眼鏡（研究用）＞：自衛隊の機器。オペレーション・トレーニング・サービスが受注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜対人妨害システム＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜対心理課程＞：陸上自衛隊調査学校のカリキュラムの１つ。日本版グリーンベレーの創設を念頭に、情報収集から特殊工作までを行える人材を育てるため創設された。しかし履修者グループが機関誌を発行（情報員なのに）するなど次第に方向がずれていき、三島由紀夫も訓練を受けていたことなどから政治問題に発展した。参考：月刊軍事研究4,’09

＜ダイス＞：DD-880（駆逐艦）を参照。

＜対水上戦＞：ASuW（Anti Surface Warfare）と略す。水上艦艇を攻撃する戦闘のこと。攻撃目標の水上艦艇を広い海の上から捜索探知し、識別を行い、追尾しつつ攻撃諸元を決めて攻撃を行い、成否を評価して再攻撃をかけるか決めるという一連の流れで構成される。いくら強力な攻撃手段を持っていても、適当に遠くに飛ばして敵味方中立全て吹っ飛ばすようでは意味が無く、攻撃しっぱなしで当たったか外れたか分からないのも困るので、各能力を総合的に高めないと対水上戦で勝利することはできない。目標から逆襲されないよう、一連の流れをアウトレンジで行うか、逆探知されにくい手法を用いるようにする。目標の対応時間を極力短くしたり、対処手段を潰したりするのも、攻撃を成功させる有力な手段である。参考：月刊世界の艦船4,’18、月刊JWings8,’17

　＜対水上戦（艦艇）＞：当初は艦艇同士が衝撃したり、火矢を放ったり、乗員が移乗して戦闘を行ったりと近接戦を繰り広げていた。艦砲や魚雷の発達で遠距離戦が始まり、第１次大戦で潜水艦と軍用機が登場すると水面上だけでなく空と海中も含む三次元戦闘になった。一方的に攻撃できるよう射程がどんどん伸びていったが、命中率は逆にどんどん低下していったため、誘導装置を付けた対艦ミサイルが登場。更に射程が伸びて戦闘範囲は視程外に達し、目標捜索・ミサイル誘導手段として宇宙空間の衛星まで使われ初め、誘導妨害のためサイバー空間での対水上戦まで繰り広げられるようになった。対艦ミサイルの発達で一旦は艦砲の撃ち合いとなる局面が想定されにくくなったが、視程外まで届き下手な対艦ミサイルより射程の長い艦砲が開発されているため、いずれ長射程誘導砲弾を撃ち合う対水上戦が繰り広げられるかもしれない。対艦ミサイルの撃ち合いでは、こちらを捜索する敵哨戒機や敵の対艦ミサイルに対する対空戦を行いつつ、敵艦に対する対水上戦を繰り広げることになる。参考：月刊世界の艦船4,’18、5,’19

　＜対水上戦（航空作戦）＞：対海上作戦の１つ。対水上レーダーなどの各種センサーを搭載した洋上哨戒機で広範囲を見張り、発見した敵艦を攻撃する。攻撃兵装は当初爆弾、魚雷、ロケット弾などで、輸送船やタンカーなど非武装船舶相手なら機銃でも良いが、艦対空ミサイルの登場で近寄れなくなると、空対艦ミサイルでアウトレンジ飽和攻撃をかけるようになった。敵艦が長射程艦対空ミサイルを備えている場合は、シースキミングで敵艦センサー水平線下に潜って空対艦ミサイルの射程内まで近接する。民間船だからと油断しているとMANPADSが飛んでくることもあるので、注意が要る。参考：月刊JWings8,’17、月刊世界の艦船4,’18

　＜対水上戦（潜水艦）＞：潜水艦戦を参照。

　＜対水上戦（陸上部隊）＞：沿岸砲や地対艦ミサイルシステムを使用し、沿岸防衛を行う。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜対水上レーダー＞：水面上を航行する艦船を主として探知するレーダーのこと。潜水艦のシュノーケルや潜望鏡の探知も可能であり、近年ではシースキミング式対艦ミサイルの同時多目標探知能力も付与されている。水面上の電界強度を強くする必要があり、波長の短い電波を使う。対空捜索レーダーより狭い範囲を捜索するので、ビーム幅は狭くしても良く（方位分解能が向上する）、パルス幅も狭くして距離分解能を高くする。航海レーダーを兼ねることもできるが、ESMで電波情報を解析されてしまうので、別に民用航海レーダーを搭載することが多い。参考：月刊丸3,’90、月刊軍事研究5,’13、海軍技術研究所、月刊世界の艦船4,’17

＜耐水性導火線点火具（Ｍ２）＞：自衛隊の点火具。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究5,’08

＜耐水服＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜耐水服改−１＞：航空自衛隊の耐水服で、本体、フード、耐水手袋から構成される。生地はナイロンとゴム布で、首と手首にゴムシールとスライドファスナーが付いている。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜耐水服改−３＞：航空自衛隊の耐水服。耐寒服改−５と一緒に着ることで、寒冷域に不時着水した時でも耐えられるよう作られている。難燃性のポリアミドに多孔質フッ素樹脂フィルムと難燃性アクリルをラミネート加工した生地を用いてあり、本体、フード、手袋からなる。水の浸入を防ぎつつ水蒸気（汗）を外部に放出可能。藤倉航装製。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究2,’18

＜対数正規ＣＦＡＲ＞：CFARを参照。

＜タイスト＞：ノルウェー海軍ハウク級ミサイル哨戒艇。1979年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜大清＞：AOE-58（補給艦）を参照。

＜大青海戦＞：2009年11月10日1130頃、大青島沖でNLLを越えてきた北朝鮮警備艇１隻が、警告射撃を行った韓国高速艇２隻の船体に向け50発ほど発砲。これに対して韓国高速艇は40mm機関砲を5900発撃ち込んで大破させた。また、北朝鮮側に死者１名と負傷者３名が出たとみられる。これにより北朝鮮軍総参謀部作戦局長が大将から上将に降格されたらしい。11月13日に板門店で行われた南北将官級軍事会談では北朝鮮が韓国に「無慈悲な軍事的措置が下されるであろう」と書かれた通知文を送り、11月27日には金正日国防委員長が北朝鮮海軍西海艦隊司令部を視察、2010年1月末に黄海南道から海岸砲の射撃を行った。金正日国防委員長は2月にも西海艦隊司令部を視察しており、報復を指示したともいわれている。参考：月刊軍事研究7,’10、月刊世界の艦船9,’10

＜対勢儀（海上自衛隊）＞：艦船搭載用の状況表示・作図装置。分析器10型、対勢盤５型改３、自画盤10型、直風向風速計算機、風信儀信号安定器からなる。搭載艦船を中心とした座標が投影されており、レーダーやソナーなどから得た任意の目標（対勢盤５型改３では４個、自画盤10型では１個）を表示・作図できる。自艦の緯度・経度の表示や、風向風速信号の処理も行える。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜対勢作図装置１２型改７Ｄ＞：自衛隊の機器。東京計器製。参考：月刊軍事研究6,'17

＜対勢作図装置１５型Ｆ＞：自衛隊の対勢作図装置。19DDに搭載されている。トキメック製。参考：月刊軍事研究2,’09

＜対勢作図装置１５号＞：海上自衛隊の対勢作図装置。トキメックまたは東京計器製。参考：月刊軍事研究6,’08、2,’12

＜大青山＞：912（揚陸艦）を参照。

＜大西洋軍＞：LANTCOMを参照。

＜大西洋艦隊（アメリカ海軍）＞：LANTFLT（Atlantic Fleet）と略す。1922年12月に廃止され、合衆国艦隊に統合された。1941年2月1日、合衆国艦隊大西洋戦隊を格上げして再編された。1947年12月、LANTCOMという名称で統合軍として再編され、後に大西洋艦隊に改称された。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊軍事研究7,’12、月刊丸6,’01

　＜大西洋艦隊（１９８９年）＞：司令部はヴァージニア州ノーフォークにあり、第２艦隊（大西洋担当）と第６艦隊（地中海担当）を隷下に置く。SSBN26隻、SSGN７隻、SSN46隻、空母・原子力空母７隻、戦艦２隻、ミサイル巡洋艦・原子力巡洋艦19隻、ミサイル駆逐艦23隻、駆逐艦16隻、ミサイル・フリゲート30隻、フリゲート25隻、揚陸指揮艦１隻、強襲揚陸艦３隻、ヘリ搭載揚陸母艦４隻、ドック型揚陸母艦６隻、ドック型揚陸艦６隻、戦車揚陸艦10隻、強襲貨物艦２隻からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜大西洋の壁＞：第２次大戦中にドイツ軍が大西洋沿岸部に築いた対連合軍用上陸阻止要塞で、フランス、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェーに至る長大なものだった。1941年12月14日に新西方の壁として建設命令が出され、1942年夏にこの名称になり、トート機関が捕虜や労働者など50万名を動員して建設にあたった。1943年後半からはロンメルが建築にあたり、その時点ではカレー地区の主要な港や河口付近しか完成していなかったため急速建造を下命、オーバーロード作戦までに547ヵ所の砲台を設置すると共に、特にベルギーのオステンドからフランスのブレストまでの1500kmに防御の重点を置き、砲3000門を配置した。上陸阻止用の障害物として、満潮時の汀線から沖に130mと15mの所に鋼材や棒材と地雷・砲弾を組み合わせた水際障害（ベルギー門、忍び返し、テトラヘドロン、ヘッジホッグなど）50万個を設置したが、干満の差が大きいノルマンディ海岸などでは干潮時に位置がばれてしまうという欠点があった。内陸部には対空挺部隊用としてロンメルのアスパラガスを構築した。上陸予想地点から幹線道路に出るまでの間に6000万個（1kmあたり４万個）の地雷を敷設する予定だったが、500万個埋めたところで連合軍に上陸された。上陸阻止部隊は西方総軍隷下のＢ軍集団で、陸軍32個師団（うち装甲師団６個、２個が国防軍総司令部直轄）と空軍空挺師団３個を基幹とする。これらにより水際撃滅作戦を行う予定だったが、西方軍総司令官らは内陸での迎撃を考えており、航空機を運用する空軍や海岸砲を運用する海軍との連携も不十分であった。ドイツ軍は連合軍が良港の並ぶセーヌ川右岸に上陸すると見ていたが、オーバーロード作戦では裏をかかれる結果となった。参考：月刊軍事研究6,’07、月刊丸4,’07、グラフィックアクション39

＜大西洋の決意作戦＞：アトランティック・リゾルブ作戦を参照。

＜大西洋の戦い＞：Battle of the Atlantic。第２次大戦時にドイツ海軍が行った無制限潜水艦作戦と、それに対抗する連合軍対潜作戦の通称。イギリスからアフリカの沿岸に至る大西洋全域だけでなく、ノルウェー周辺、黒海、フィンランド湾、地中海、インド洋、北極海でもＵボート作戦が行われている。船団攻撃の他に英仏港湾への機雷敷設も行った。1939年9月1日の開戦時にはドイツ海軍の保有潜水艦は56隻（57隻？）、うち作戦用のＵボート�Z／�\型は22隻のみだった。イギリスの商船数は4000隻、総トン数2100万トン、年間造船能力は総トン数80万トンである。ドイツは第２次大戦開戦前の1939年8月19-21日にイギリス沿岸からジブラルタル海峡にＵボート39隻を配置していた。9月3日、イギリスとフランスがドイツに宣戦布告した際は旅客定期船に対する攻撃を禁止していたが、午後にはドーバー海峡でU-30潜水艦が仮装巡洋艦と誤認して定期航路客船アセニアを無警告で雷撃し撃沈（これが第２次大戦初のイギリス船撃沈）、113人が死亡した。9月5日、U-48がSSS（潜水艦の意）と打電していたロイヤルセプターを砲雷撃で撃沈。これが第２次大戦における連合国公認のＵボートによる初撃沈となっている。9月24日、ヒトラーは潜水艦隊に対し、旅客定期船は停船後に無線を発した場合は沈めるか捕獲することを下命。10月4日には武装商船の無警告撃沈、11月17日には敵性旅客定期船の無警告撃沈を認可し、早速大西洋方面で無制限潜水艦作戦を開始、1939年度にドイツ軍は連合軍商船221隻745237トン（うちイギリス船籍96隻419015トン）を撃沈した。ちなみにイギリス海軍は1940年4月9日からスカゲラク海峡周辺でのドイツ船舶に対する無制限作戦を開始している。5月のノルウェー戦開始でＵボートがそちらに30隻ほど回されたため、一時的に下火になったが、黄作戦の成功でフランスの港湾に展開し、1940年6月からルーデル・タクティクを開始、6月中に63隻356937トンを沈めた。ドイツ海軍水上艦もイギリス海軍艦隊との直接対決は避けてシーレーン破壊に集中、特設巡洋艦と共にイギリス輸送船団への攻撃を行っている。フランスが降伏するとフランス南西部のメリニャックに空軍基地を置き、空軍第40爆撃航空団Fw200長距離哨戒爆撃機（定数は36機だが実際にはそれより少ない）を配置して単機での船団攻撃を実施した。イギリスに向かうイギリス連邦諸国やアメリカからの輸送船はアイルランド島の西側を北東に向かってブリテン島とアイルランド島の間のノース海峡に入り、イギリス各地に入港していくが、このアイルランド島西側で船団航路が集束する西経10-20度・北緯52-56度付近はウエスタン・アプローチと呼ばれ、Ｕボート部隊やFw200の格好の標的となった。また、アイスランド経由で北大西洋を航行する商船はノルウェーから出撃するドイツ爆撃機や水上機の攻撃に晒された。ドイツ海軍は8月17日からイギリス周辺作戦海域での無制限作戦に突入し、夏から秋にかけて大西洋に展開した10隻強のＵボートで290隻120万トンを沈めた。10月、ルーズベルト大統領がスターク海軍作戦部長に対し、特設航空母艦（護衛空母）による船団護衛を提案した。11月、イタリア潜水艦６隻がボルドーの基地に展開し、大西洋での無制限潜水艦作戦に参加。ただ能力不足と協同作戦不調でさほど戦果は挙がらず、すぐに第二線任務に回されてしまった。1940年度にドイツ軍は連合軍商船1059隻3991641トン（うちイギリス船籍548隻2435034トン）を沈め、開戦から1940年末までにＵボートは440隻233万トン（戦艦１隻、駆逐艦３隻、潜水艦２隻、仮装巡洋艦５隻含む）を撃沈、Fw200は1940年7月から1941年2月に40隻強20万トンを沈めた。1941年から作戦用Ｕボートの量産が軌道に乗り始め、夏までに作戦範囲を大西洋西部・カナダ沿岸・西アフリカ沿岸に拡大、9月からはアフリカ軍団支援のため地中海にもＵボートを派遣し、1941年末からルーデル・タクティクによる本格的な海上交通破壊作戦を開始した。Ｕボート哨区は海図をマス目で区切ってアルファベット２文字（AD、AE、…AN、BA、BB、…）を割り当ててあり、これを９等分、更に９等分、もう９等分した細かい哨区も作成された。主要な作戦海域はウェスタン・アプローチと連合軍航空哨戒範囲外の北大西洋中央部である。南大西洋方面では補給が必要になるため、カナリア諸島に補給艦シャルロッテ・シールマンとクューレブラ、イベリア半島カデスに補給艦タリーアを送り込んだ。イギリスの圧力でこれらスペインの港が使えなくなると、補給艦による洋上補給に切り替えたが、イギリスに暗号を解読されて補給艦の位置を読まれ、次々と撃沈されている。ドイツ空軍からの支援は殆ど得られず、偵察情報も第�W航空軍団から海軍西方司令部経由でＵボート司令官（BdU）に入っていたため時間がかかりすぎ、1941年1月21日にデーニッツが国防軍総司令部と直談判して1942年1月7日から第40爆撃航空団第�U中隊をＵボート司令官の指揮下に入れることにしたが、ゲーリングが猛反対したため取り消され、代わりに大西洋航空指揮官／大西洋航空隊を設けてFw200による支援を行うことになった。機数は少ないが、フランス南西部のボルドー・メリニャック基地から出撃し、ウエスタン・アプローチや、ジブラルタル海峡経由で地中海とイギリスを往復するHG船団の攻撃を行っている。ノルウェー方面では空軍第�X航空艦隊Bv128C偵察機と連携して戦果を挙げた。イギリス海軍はドイツ潜水艦活動域をブラック・ピット（暗黒の洞穴）と命名して船団護衛を開始。初期には急造が可能なフラワー級コルベットを投入、次いで航洋力に優れた大型のリバー級フリゲートを投入、ブラックスワン級スループやハント級駆逐艦にアメリカのレンドリースによる護衛駆逐艦も加えた（最終的に計800隻以上）。空からはサンダーランド飛行艇などで長距離哨戒を実施している。ただ輸送船に対空火器を付ける余裕が無く、エアカバーもイギリス本土から離れると不可能で、ウエスタン・アプローチ西端に近い西経17度線までは護衛艦付きの船団を組むが、それより西では護衛艦無しの単独航行として損害を減らす方針とした。1941年4月からCAMシップによる護衛を開始。6月に護衛空母オーダシティ、11月に護衛空母アーチャーが竣工すると、早速船団護衛に参加（オーダシティは9月13日から）させている。1941年6月に独ソ戦が始まると、レイキャビクから北海とバレンツ海を抜けてムルマンスクやアルハンゲリスクに向かう輸送船団が航行を開始したが、ノルウェーのドイツ空海軍部隊に狙われることとなった。1941年度、ドイツ軍は連合軍商船1299隻4328558トン（うちイギリス船籍717隻2824056トン）を撃沈した。開戦から1941年12月までの連合軍商船の損失は2579隻9075438トンで、潜水艦によるものが1017隻4779068トン、航空機が573隻1600445トン、機雷が391隻1010773トン、特設巡洋艦が98隻593173トン、水上艦が71隻352646トン、魚雷艇が52隻106839トン、その他・不明が377隻632494トンだった。1941年12月7日の真珠湾攻撃によるアメリカ参戦を受け、1942年1月13日からパウケンシュラーグ作戦の名称でアメリカ東海岸やカリブ海にもＵボートを派遣し、2-3月にアメリカ沿岸で873000トンを沈めた。アメリカは本土東海岸、ニューファンドランド島、バミューダ島に哨戒機（主にPB4Y）を展開させて対抗している。6月、対ソ支援船団PQ17が大損害を受けた。7月、Ju88C-6爆撃機24機が大西洋航空隊に配備され、沿岸哨戒に投入された。1942年11月に月間80万トン撃沈を達成。1942年末には喜望峰方面にグルッペ・アイスベール、インド洋方面にグルッペ・モンズーンを展開したが、さすがに遠すぎたのと、補給時の交信を逆探知されて損害が続出したため、イギリス周辺に集中している。1942年度、ドイツ軍は連合軍商船1644隻7790697トン（うちイギリス船籍646隻3459923トン）を撃沈した。1943年3月30日、Ｕボート司令部がパリからベルリンに移動。アメリカとイギリスは航空兵力と水上兵力による対潜作戦を展開すると共に、戦時標準船を大量に建造して対抗。オペレーションズ・リサーチにより効率的な護送船団を編み出し、1942年にはヘッジホッグの装備を開始、1943年には小型の造船所でも建造が可能なカースル級コルベットと、リバー級の改良型としてロック級及びベイ級フリゲートを開発し、前投兵器のスキッドを搭載した上で約700隻を生産、大西洋海域での哨戒任務に就かせた。また、これら小型の護衛艦艇でカバーしきれない大西洋中央海域には長距離哨戒爆撃機（1943年からポルトガル領アゾレス諸島が使えるようになり北大西洋全域をカバーできるようになった）や数が揃った護衛空母を投入することとし、1943年3月に護衛空母と護衛駆逐艦からなるハンター・キラー・チームを初編成した。ルーデル・タクティクを行うＵボートをウルトラ情報、レーダー、逆探知装置などを駆使して見つけ出し、ハンター・キラー戦法で攻撃、輸送船を沈めるべく集結してきたＵボートを一網打尽にし、1943年5月に月間Ｕボート撃沈数41隻を記録して戦況をひっくり返している。以降12月まで毎月Ｕボート戦力の２割ずつが失われ、11月にＵボートは東大西洋から撤退。1943年度、ドイツ軍は連合軍商船597隻3220137トン（うちイギリス船籍273隻1514221トン）を撃沈した。1944年度、ドイツ軍は連合軍商船205隻1045629トン（うちイギリス船籍103隻489042トン）を撃沈した。1945年度、ドイツ軍は連合軍商船105隻438821トン（うちイギリス船籍43隻190011トン）を撃沈した。第２次大戦中にＵボートは1150隻が建造され、830隻が3000回の哨戒作戦を行い、2927隻14915921トン（1939年が147隻509321トン、1940年が520隻2462867トン、1941年が458隻2300689トン、1942年が1155隻6149473トン、1943年が457隻2536757トン、1944年が127隻672338トン、1945年が63隻284476トン）を撃沈したが、781隻を失い、215隻が自沈、28000名が戦死し、5000名が捕虜になった。船団側も３万人の死者を出している。連合軍船団はＵボートの他、航空機で820隻2889883トン、機雷で534隻1406037トン、仮装巡洋艦で133隻829644トン、水上艦で104隻498447トン、魚雷艇で99隻229676トン、その他・原因不明で632隻1029802トンを喪失した。アメリカ海軍空母の喪失はACV-21ブロック・アイランドのみだった。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、10,'22、月刊丸6,’01、Ｕボート入門、輸送船入門、護衛空母入門、第２次大戦のイギリス軍艦

＜大西洋の疫病神＞：Fw200シリーズ（哨戒機）を参照。

＜大政翼賛会＞：昭和15年3月25日、既成政党の解散と親軍挙国政党の結成を目指し、政友派、民政派、時局同志派、社会大衆革新派の各派議員100名強が聖戦貫徹議員連盟を結成し、各党に解党を呼びかけた。これを受けて次期首相と目されていた近衛文麿（実際7月2日に首相に就任）が6月に枢密院議長を辞任してこの連盟の運動に参加。「バスに乗り遅れるな」を合い言葉に諸政党が自主的に次々と解党し、7月7日にはマルクス主義がこの危急時になじまないとして社会大衆党が解党、7月30日に政友会中島派が続き、8月15日に民政党が解党して政党政治が終結した。各派は新体制促進同志会を結成、10月22日（12日？）に大政翼賛会と名を変えた。総裁は近衛首相で、地方支部長は知事である。結成後の初議会では施政方針演説に対する質問が１つも行われず、昭和17年4月30日に総選挙では非推薦候補に圧力をかけた上、非推薦の当選候補も取り込んで翼賛政治会と名称を変更した。参考：戦時用語の基礎知識、英独航空決戦

＜対赤外線ステルス＞：赤外線ホットスポットを探知追尾する旧世代のパッシブ赤外線誘導ミサイルには赤外線放射低減（＋フレア）で対抗できるが、赤外線画像誘導だと赤外線放射低減だけでは対抗が難しく、周囲環境の赤外線輻射に溶け込むような特殊技術を開発するか、ミサイルとの間にフレアで煙幕よろしくスクリーンを張るくらいしか無い。車両の場合、エンジンの排熱とそれによる車体表面の熱、走行時に駆動系が発する熱、射撃による発熱、乗員が発する熱（体温）が主な赤外線発生源となるので、これらに対策を施す必要がある。艦船では煙突、砲、艦載ヘリなどが熱源になる。特に煙突からの排熱が大きいので、空気や海水で冷却したり、煙突でなく舷側や艦尾に設けた排気口から水面や水中に向けて放出したりと工夫する。参考：月刊PANZER10,’85、月刊航空ファン10,’17

＜対蹠地爆撃機＞：アンチポーダル・ボマーを参照。

＜対潜機（アメリカ海軍）＞：Anti-submarine aircraft。空母から運用される艦上対潜哨戒機のこと。機種記号はＳ。参考：日本の防衛戦力Part7

＜対潜魚雷＞：潜水艦を撃沈するための魚雷。第２次大戦中からホーミング魚雷の研究が始まり、海中での三次元運動が可能となったため、第２次大戦後は対潜兵器の主役の座に就くようになった。事前にISDとフロアーの深度が入力され、魚雷はその間を上下しつつ旋回しながら潜水艦を捜索する。第２次大戦直後の潜水艦に対抗するには、炸薬量はそれほど必要とされず、誘導精度や被発見率低下の方が要求されたため、音響誘導と有線誘導式を併用した小型の短魚雷が開発された。大型原潜の登場で破壊力と水中雷速を高める必要性が生じ、ソ連では水上艦に大型の対潜長魚雷を積んだが、西側ではアスロックに短魚雷を装着して済ませている。参考：月刊丸3,’90、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船12,’21

＜対潜訓練・戦術評価装置（ＤＥＶＩＣＥ１４Ａ１２（Ｊ））の維持）＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜対潜訓練・戦術評価装置付加装置（ＳＳＡＡＣ）の維持＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究10,’18

＜対潜航空システム通信装置（ＡＳＣＯＭＭ）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究7,’11

＜対潜作戦＞：対潜戦及び潜水艦基地などに対する攻撃、潜水艦基地周辺での待ち伏せ攻撃など、対潜水艦作戦全般を指す。船舶運航統制、対潜護衛、機雷や対潜網による侵入防護といった防御的作戦もある。参考：月刊JWings8,’02、月刊丸5,’07、日本の防衛戦力Part3

　＜対潜作戦（アメリカ海軍）＞：第２次大戦後は積極的な対潜戦を行っていた。1958-59年に大西洋艦隊対潜部隊指揮官となったサッチ少将（サッチ・ウィーブ戦法の創案者）が、海底設置型潜水艦早期警戒・探知・追尾システム、探知音源識別システム、水中音波伝搬予察システム、早期警戒情報を基に対処を行う機動運用対潜部隊、対潜機・艦船装備潜水艦探知・識別・追尾システム、潜水艦を確実に撃沈できる射程・精度の攻撃兵器、音響以外の潜水艦探知装置、潜水艦撃破に十分な能力を持つ対潜部隊の８本柱からなる対潜作戦能力向上構想をアーレイ・バーク海軍作戦部長に提出し、承認された。1960年代、ジェゼベルとSOSUSの登場でパッシブ探知に移った。原子力潜水艦の登場とSLBMの長射程化で、敵SSBNが安全海域を遊弋するようになると、SSNをSSBN基地の近くに潜ませて出入りするSSBNを攻撃できるようにした。また、ソ連のSSGNから空母機動艦隊を守るためにもSSNを使用するようになった。参考：月刊丸5,’07、月刊世界の艦船8,’21

　＜対潜作戦（海上自衛隊）＞：政治的な問題で敵潜水艦基地に対する攻撃作戦は行えず、基地周辺海域での阻止作戦は原子力潜水艦を保有しないことから限界があり、そちらは同盟国のアメリカ海軍に任せ、専ら敵潜水艦の行動予想地域及びシーレーンにおける対潜戦を行う。海峡チョーク・ポイントにおける機雷原設営や対潜船団護衛も実施する。冷戦時代のソ連海軍潜水艦基地はウラジオストクとペトロパブロフスクで、前者配備のソ連潜水艦を海自、後者をアメリカ海軍が担当した。ウラジオストクを出撃したソ連潜水艦は、日本海南部では固定翼哨戒機、チョーク・ポイントの対馬・津軽・宗谷海峡では地方隊所属護衛隊・基地配備対潜ヘリ・海峡外側配備潜水艦、北西太平洋では固定翼哨戒機、敵潜攻撃目標その１（重要艦艇や船団）では護衛隊群、敵潜攻撃目標その２（シーレーン収束部の主要港湾外域）では地方隊所属護衛隊・基地配備対潜ヘリが対処する。参考：月刊世界の艦船5,'21、月刊丸5,’07、月刊軍事研究3,’16

＜対戦車壕＞：Anti-tank ditch。戦車が通過できないように設置される壕。履帯接地長の２分の１よりも大きな幅を持つように掘っておく。砲爆撃で破壊されやすいが、建設が簡単である。参考：月刊PANZER9,’05、軍事力バランス78年版

＜対戦車自走砲＞：Anti tank self-propelled gun。装輪・装軌車体上に砲を載せ、自力で移動できるようにした対戦車砲。基本的に対戦車砲と同じく待ち伏せ攻撃に使用されるので、装甲は元の対戦車砲防楯くらい薄い。参考：異形戦車ものしり大百科、月刊JWing6,’03

＜対戦車手榴弾＞：通常の手榴弾を数個束ねたり、成形炸薬を使用したりして、戦車を擱座させる目的で使用される手榴弾。履帯の上に置いたり、履帯と地面との間に敷いたり、砲塔と車体の隙間にねじ込んだりして爆破する。成形炸薬を使用したものはソ連が戦後に配備したが、重量が1kg以上あるため、掩体から投げつけるのは難しい。参考：兵器最先端５

＜対戦車地雷＞：地雷を参照。

＜対戦車隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の部隊で、師団隷下の対戦車ミサイル／無反動砲部隊である。対戦車ミサイルにより射距離1000m以遠の敵戦車隊を撃破することができ、普通科連隊などに配属して対戦車能力を強化するのが主任務で、配属後も師団長自ら所要の統制を行うため、師団長の最後の手札と称された。79式対戦車対舟艇誘導弾を使用した対舟艇戦闘も行えるが、その場合は師団長が直轄運用する。1993年度末以降は廃止が相次いでおり、代わりに第１・第９師団を除いて普通科連隊に対戦車中隊が新編されている。参考：月刊軍事研究8,’11、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜対戦車隊（陸自、１９７７年）＞：車載106mm無反動砲と車載64式対戦車誘導弾を装備し、1.5km以下の中距離で対戦車戦闘を行う。参考：日本の防衛戦力Part1

＜対戦車隊（陸自、１９８０年代半ば）＞：第７師団以外の師団隷下に１個ずつ配置されている。隊員数150名。隊本部、無反動砲小隊２個、対戦車ミサイル小隊２個から編成される。装備は106mm無反動砲８門、対戦車ミサイル８基。連隊戦闘団への分属は無く、敵戦車の侵攻が予想される地域に集中配置される。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、兵器最先端５

＜対戦車／対空火器用レーザ送信装置＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜対戦車複合陣地＞：第４次中東戦争でエジプト軍が構築した対イスラエル機甲部隊用の陣地。射程3000mのAT-3対戦車ミサイル、1500mのT-62戦車（初弾命中率は33%だが、1000mまで引きつけると75%に向上する）、1000mの100mm対戦車砲、800mの73mm無反動砲SPG-9、300mのRPG-7（ただし移動中の敵に対する命中率は27%。100mまで接近すれば90%以上）を組み合わせている。キルゾーンはミサイル陣地が105mm砲の射程外になる距離2500-3000mの地点で、キルゾーンから150-400mの近距離にも陣地を設けてRPG-7を並べてある。ミサイル部隊は射手、副射手、警戒員の３名で、照準眼鏡（８倍）２個、操作盤２個、15m遠隔操作ケーブル２本、ミサイル４発、RPG-7V１基を装備し、発射台の左右15mの所に射手と副射手を配置して１両の戦車に3-4発のミサイルを集中させ、それを突破してきた戦車をミサイル陣地前方に展開した警戒員がRPG-7Vで仕留める。ミサイル543基、RPG-7V1348基など、攻撃正面1kmあたり各種対戦車兵器90門（55基？）が設置され、濃密な対戦車火力網を形成していた。これにより僅か３日間で400両の戦車を撃破した。この結果、対戦車ミサイルの有効性が叫ばれて戦車無用論まで登場したが、実際には戦車砲・対戦車砲・無反動砲で撃破された戦車が65-70%で、ミサイル・RPG-7によるものは20-25%であった。緒戦以外ではミサイル陣地が活躍する場面は無く、歩兵携行対戦車ミサイルは防御兵器であって攻撃前進機能を持たないこともまた明らかとなった。参考：月刊PANZER11,’01、兵器最先端５

＜対戦車噴進砲＞：日本陸軍が開発していた対戦車ロケット。六角形の発射筒から噴進穿甲弾（タ弾）を発射する。射程100mの直径80mm版と、装甲貫徹力100mmの直径100mm版があった。参考：月刊丸5,’13

＜対戦車ヘリコプター＞：攻撃ヘリコプターに同じ。対戦車攻撃任務に限らず、多任務に使用できることが多い。参考：月刊JWings2,’03

＜対戦車ヘリコプター隊＞：陸上自衛隊の攻撃へリ部隊で、AH-1Sの導入を受けて1985年度から帯広駐屯地に第１、八戸駐屯地に第２、目達原駐屯地に第３、木更津駐屯地に第４が創設された。本部、本部付隊、飛行隊２個からなり、定数はAH-1Sが16機、OH-6（後にOH-1）が８機（４機？）、隊員204名。主任務は対機甲戦闘で、上陸した敵機甲部隊の侵攻を一時的に阻止し、味方の到着まで時間を稼ぐことである。他に対空挺ヘリ任務、ヘリボーン部隊援護、対ヘリ戦闘なども行う。参考：世界の傑作機No32、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊JWings12,’12

＜対戦車砲＞：戦車を破壊するための牽引砲。ソ連では全ての火砲が対戦車砲であるというコンセプトの下、15cm榴弾砲にまで直接照準器が付いており、第２次大戦時に前線部隊が対戦車砲を送れと電報を打ったら10cmカノン砲や15cm榴弾砲が到着するのがしばしばだったらしい。戦車の装甲が強化されるにつれ大型化し、移動が困難となったため、自走化などの工夫が行われたが、それでも大型化しすぎて運用困難となり、対戦車ミサイルなどに取って代わられた。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊PANZER8,’10、12,’10

＜対戦車ポケット＞：障害物や地形、地雷などにより戦車が通れる場所を制限し、付近に対戦車兵器を設置して待ち伏せする戦術。敵戦車隊が一定の線を越えた場合に射撃を開始するキルライン戦法と、一定地域に戦車隊全体が入った時に手頃な目標に射撃するキルゾーン戦法があるが、前者は先頭車両に砲弾が集中して無駄弾が多くなるので、後者が用いられることが多く、各待ち伏せ部隊への火力統制が鍵となる。参考：月刊PANZER9,’05、兵器最先端５

　＜対戦車ポケット（陸上自衛隊）＞：普通科はM20改４型スーパーバズーカやパンツァーファウスト３で陣地手前100mまで、カール・グスタフで800mまで、106mm無反動砲で1000mまでを担当する。対戦車隊は106mm無反動砲で1000mまで、64式対戦車誘導弾で1500mまで、87式対戦車誘導弾で2000mまで、79式対舟艇対戦車誘導弾で4000mまでを担当する。戦車の援護が得られれば2000mまで、対戦車ヘリの援護が得られれば3000m程度までをカバーしてもらう。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜対戦車ミサイル＞：戦車を破壊するため使用されるミサイルで、ATM（Anti-Tank Missile）、ATGM（Anti-Tank Guided Missile）、MAT（Missile of Anti-Tank）などと略す。中国語では反坦克導弾。対戦車砲よりも軽量で移動が容易、反動が殆ど無いため歩兵も運用でき、遠距離でも高い命中率と破壊力を持つ。第４次中東戦争でエジプト軍が対戦車複合陣地によりイスラエル軍戦車を多数破壊し、戦車無用論を生み出す程の威力を発揮した。弾頭は成型炸薬を使用するためスペースドアーマーや複合装甲には威力が不十分で、同一目標に数発浴びせる必要がある。誘導コースに乗るまでは死角になり、零距離射撃が出来ない。第2.5世代までは、誘導手が１発あたり数秒以上、砲弾の飛び交う戦場で照準を合わせ続けなければならず、多目標同時攻撃能力に欠けていた。有線誘導式では樹木や草に誘導ケーブルが絡まったりする。攻撃前進機能に欠けるため、機動打撃力の一端を担わせるには攻撃ヘリコプターなどに搭載する必要がある。戦車部隊が単独で突っ込むと第４次中東戦争の二の舞になるので、事前砲爆撃で進路を制圧し、歩兵と共同して死角を無くし、煙幕を張ったり地形に隠れたりするなどして照準を困難にしつつ前進する戦術がとられるようになった。参考：兵器メカニズム図鑑、世界の傑作機No34、兵器最先端５、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊軍事研究8,’08、5,’12、12,’15、戦車隊長

　＜第１世代対戦車ミサイル＞：射手がミサイルをコントローラーで操作し、目標に命中させるタイプ（MACLOS）。射出後に一旦上昇して射手にミサイルの姿を晒した後、射手が敵に見つからないようミサイルを降下させて目標に向かわせるため、最小射程が長くなる。射手が進路を制御できる程度の飛翔速度に抑えなければならず、敵に妨害・回避手段を講じる時間を与えてしまう。参考：兵器メカニズム図鑑、世界の傑作機No34

　＜第２世代対戦車ミサイル＞：射手が照準を目標に合わせておけば、ミサイルが自動的に進路を修正して命中するタイプ（SACLOSなど）。参考：兵器メカニズム図鑑、世界の傑作機No34

　＜第２．５世代対戦車ミサイル＞：射手もしくは射手以外の照準手が目標に照準を合わせておけば、ミサイルが自動的に進路を修正して命中するもの。参考：世界の傑作機No34

　＜第３世代対戦車ミサイル＞：発射前に照準を合わせておけば、発射後はミサイルが目標を自動的に識別して命中する撃ちっ放し式ミサイル。参考：世界の傑作機No34

＜対戦車ライフル＞：戦車の装甲を貫徹できる銃で、主に歩兵が使用する。第１次大戦で戦車が出現したため、歩兵でも対抗できる簡単な兵器としてドイツで開発された。対戦車砲よりも運用が楽なので、１−数名で運用可能な口径20mmまでの各種ライフルが開発されたが、装甲貫徹力はせいぜい30mmで、装甲貫通後の車内破壊力にも乏しく、第２次大戦初期以降は役に立たなくなり、ペリスコープやハッチなどの弱点射撃に使用された。第２次大戦中に対戦車ロケットが開発されると完全に出番が無くなり、対物狙撃ライフルに移行した。参考：月刊軍事研究5,’08、歴史群像6,’08

＜対戦車榴弾＞：HEATを参照。

＜対戦車ロケット＞：主に歩兵が自衛用に装備する携帯式対戦車兵器。随伴歩兵に見つかりにくい距離から戦車を攻撃するため、成形炸薬弾頭にロケットを取り付けたものである。重量がさほど大きくないので、個人で持ち運びできる。最大の効果は、戦車の衝撃効力を削ぎ、歩兵がパニックを起こして戦線が崩壊するのを防ぐこと、つまり歩兵に勇気を与えることである。第２次大戦中にバズーカ砲やパンツァーファウストが登場し、発展を遂げた。参考：兵器最先端５、世界の軍用銃

＜対潜哨戒機＞：Anti-submarine patrol aircraft。長時間の洋上対潜哨戒任務を行う航空機のこと。陸上に配備されるもの（アメリカ海軍では洋上哨戒機Maritime patrol aircraftと呼ぶ）と、空母に配備されて艦隊のシー・コントロール・エリア外の対潜水艦戦を担当するもの（アメリカ海軍では対潜機Anti-submarine aircraftと呼ぶ）、大型化が容易で機材の搭載能力に優れた水上機・飛行艇がある。哨戒海面に高速で進出でき、かつ哨戒海面を低速低高度で長時間監視飛行できる能力、機内に対潜機器及び情報処理装置を搭載できる十分な容積、乗員が任務に堪えうる居住性が求められるため、大型旅客機を改造したものも多く、一時は飛行艇も使われた。機体の性能よりも対潜器材の方が重要で、外見が殆ど変わらないまま中身だけ更新して50年も使われたりする。何かの拍子に浮上した潜水艦やシュノーケルを探知する全周捜索対水上レーダーや赤外線探知装置（あと乗員の目視）、ディーゼル排気のイオンを探知するスニッファー、潜水艦が発する電波を捉えるESM、潜航中の潜水艦を探知するソノブイやMADを装備し、対潜魚雷／短魚雷、爆雷、対潜爆弾などで攻撃する。レーダーの探知距離は高空なら200海里に達するが、高度1500mだと船体で80海里、シュノーケルで15-20海里に落ち、気象条件によっては肉眼並みの4-5海里程度にまで落ちてしまう。ESMなら高度1500mでも100海里くらいは探知できる。赤外線探知装置はMADよりやや長いくらい。乗員のチームワークが重要で、任務ほったらかしで個人的な感情に流されるようになると作戦に支障が出る。機器の小型化に伴い飛行艇がまず消え、冷戦が崩壊すると潜水艦隊を組めるのがアメリカくらいになったのと対潜ヘリの発達で艦載機型が消え、陸上機もMPA（洋上哨戒機）として多任務に就くようになった。参考：月刊世界の艦船3,’07、空軍、月刊軍事研究5,’05、3,’97、世界の傑作機No.50、日本の防衛戦力Part7

＜対潜資料隊＞：海上自衛隊の部隊。主任務は、対潜戦に必要な海洋資料や水中音響資料、対潜戦術の開発と改善に必要な資料を収集処理配布すること、それら資料の収集処理に関する調査研究改善技術指導を行うこと、それら資料の収集処理に関する教育訓練を実施すること、海洋観測の技術指導にあたること、対潜戦術の開発・改善に関する調査研究を行うこと。1992年2月15日（1995年6月？）、海洋業務群隷下に新編され、鹿児島音響測定所が編入された。2002年3月、鹿児島音響測定所が鹿児島試験所に統合された。2015年12月1日、上級部隊の改編により、海洋業務群から海洋業務・対潜支援群の隷下に移った。2017年11月8日、内閣総理大臣特別賞状が授与された。2020年10月1日、海洋科が気象海洋情報科に、気象科が気象海洋予報科に改編された。2021年3月31日、技術調整官を廃止した。参考：対潜資料隊の編制に関する訓令、月刊世界の艦船6,'22、2,'16、12,'20、朝雲

　＜対潜資料隊（２０１５年）＞：海洋業務・対潜支援群の隷下にある。トップは対潜資料隊司令（一等海佐）で、副長と技術調整官が１名ずつ置かれている。総務科、海洋第１科（海洋図誌・海洋資料担当）、海洋第２科（対潜海洋予報・音波伝搬担当）、音響第１科（音響資料担当）、音響第２科（音響測定艦担当）、研究教育科からなる。参考：対潜資料隊の編制に関する訓令

＜対潜資料隊システムソフトウェア（音響）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜対潜資料隊システムソフトウェア（海洋）（その１）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜対潜資料隊システムソフトウェア（海洋）（その２）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜対潜水艦戦＞：ASW（Anti-Submarine Warfare）と略す。潜水艦を捜索し、撃沈するまでの一連の作戦のこと。航空機が行うのは航空対潜戦（Air ASW）、水上艦艇が行うのは水上対潜戦（Surface ASW）、両方が行うのは空水共同対潜戦である。潜水艦が行う場合には潜水艦戦に含む。潜水艦の捜索哨戒や触接追尾を行うスカウト戦（Scouting）、掃討を行う対潜掃討戦・ハンターキラー戦（Hunter Killer、H/K）、海峡や港湾への潜入を防ぐ阻止戦（Interfiction）に分類され、発見、位置確認、識別、撃破の４段階からなる。対潜機雷戦を含むこともある。潜水艦は発見するのも一苦労の相手で、潜水艦の位置を絞り込むための作戦を広域対潜戦（Theater ASW）としてわざわざ分類する程であり、捜索側が音を出して潜水艦からの反射音を聞くアクティブ・オペレーションと、捜索は音を出さずに潜水艦の発する音を探すパッシブ・オペレーションがある。敵が１隻だからといって１対１の戦いを挑むのは無謀で、対潜チームを組んで対処する必要がある。また、潜水艦が水上艦を探知できる距離は水上艦が潜水艦を探知できる距離の数十倍に達することもあり、水上艦は圧倒的に不利なため、航空機や潜水艦と組んで対抗する。潜水艦が水上艦を攻撃する際には兵装の射程内まで近づかなければならず、発射音などで自らの位置を暴露してくれる可能性も高いため、時には刺し違える覚悟で戦う必要もある。可視光線を含め電磁波は吸収・散乱されて水中深くまでは届かない（現状ブルーグリーン・レーザーで浅深度機雷を探知できるくらい）ため、潜航中の潜水艦を探知する手段は主に音波を捉えるソナーだが、水中音速が毎秒1.5kmくらいなので、ソナーで音を捉えた時には既に何秒もタイムラグがあり、兵装を発射してから潜水艦に届くまでにもタイムラグがあるから、潜水艦の現在位置を正確に解析するのが重要で、四次元時空（三次元空間＋時間）での総合戦闘になる。海中での音響伝播は海水の性状、海象、海底地形、水中生物などにより影響を受け、潜水艦もデコイを放出するなどして欺瞞を図るため、これらを可能な限り正確に把握しておかないと、潜水艦をまともに見付けられない。水中ではIFFが使えない（アクティブソナーで識別信号を出す方法はあるが、逆探知される危険が高い）し、潜水艦は味方にも告げず哨戒範囲を自由行動しているので、敵味方識別が難しく、戦時となれば不明潜水艦は攻撃せざるを得ないので、１割くらいは味方を沈める腹積もりをしているらしい。第１次大戦開戦時、潜航した潜水艦を水上艦が見つけるには潜望鏡を肉眼で発見するしかなく、攻撃手段は体当たり（衝撃）だった。捜索にアシカを使う、カモメを潜望鏡に止まらせるといった冗談のような手段も検討されている。爆薬付きのケーブルや爆薬入りパラベーンを水上艦艇が海中に曳航して潜水艦にぶつけるという手段も取られたが、海中の潜水艦を攻撃するよりも、俯角の取れる速射砲で耐圧船殻に孔を開けて潜れないようにし、海上で破壊するのが一番楽だった。当時は潜水艦の航行能力が低かったため、潜望鏡を発見すると護衛艦が頭上に張り付いて攻撃位置に付かせないようにし、その間に艦隊や輸送船団を安全な場所に退避させることができた。イギリス軍は駆潜艇の元祖であるＰボートを開発して対抗したが、やはり主要な攻撃手段は衝撃だった。飛行船が監視を行うこともあったが、攻撃手段が無いので、警報を出して退避させるのが主な役目だった。1916年に漸く爆雷が完成、1917年に開発された指向性パッシブソナーと組み合わせて1918年から本格的に使用され、高い効果を上げた。また、1917年7月から本格的に開始された護送船団方式は防御効率を著しく上昇させた。爆雷は潜水艦の真上を通り過ぎてからでないと使えないので、イギリス海軍では外装式砲弾を前方に投射する迫撃砲を170隻に搭載したが、炸薬量が少なく分厚い耐圧船殻を破壊できず、戦果は１隻に終わっている。アクティブソナーの完成は第１次大戦後の1920年代で、アクティブソナー搭載艦（ハンター）が潜水艦を見つけ、近くにいる艦（キラー）に攻撃させるハンター・キラー方式が考案された。第２次大戦ではレーダーが加わり、前投兵器のヘッジホッグが開発されてアクティブソナー装備艦が単独で潜水艦を攻撃できるようになり、磁気探知器MADも登場、航空機による対潜戦も加わって水上行動を主とする可潜艦をほぼ制圧できるようになった。第２次大戦後は潜水艦がシュノーケル充電時以外はずっと水中に潜むようになり、更に完全水中行動の原潜が登場、水上艦では追いつけない事態も想定されるようになり、対潜哨戒機や対潜ヘリによる航空対潜戦の重要性が増した。核爆雷や核魚雷といった核兵器も配備されたが、炸裂すると海水がかき回され、ソナーが長時間使用不能となり、戦果判定ができなくなるという欠点があったため、実用性に難があった。冷戦末期頃から潜水艦の静粛化が進み、冷戦終結後は在来型潜水艦の探知が課題となっている。現在は偵察衛星により潜水艦の出港を把握、航跡や海面温度変化までキャッチして追跡し、SOSUSも併用して行動を逐一把握している。また、対潜哨戒機や対潜ヘリでソノブイやソナーを投入、データを陸上に送って分析し、個艦名まで把握できるようになった。水上艦は艦首の低周波ソナーとTASS、潜水艦はフランクソナーを使用して探知追尾を行う。攻撃の際にはホーミング魚雷を使用し、対潜ロケットや対潜ミサイルにより遠距離への迅速な投射を可能としている。センサーや対潜兵器のネットワーク化（バイスタティック／マルチスタティック・ソナーなど）、非音響センサー（レーザーやLEDなど）による探知などを研究中。参考：月刊丸5,’07、現代の潜水艦、空軍、Ｕボート入門、月刊JWings8,’02、戦争がやってくる、月刊軍事研究5,’09、10,’10、月刊世界の艦船8,’82増刊、7,'20、1,’16、9,’18、9,’15、3,’16、4,’18、日本の防衛戦力Part7、MAMOR vol.130

　＜対潜水艦戦（アメリカ海軍）＞：独立戦争で早々と潜水艇タートル号を実戦投入したこともあり、19世紀頃には泊地襲撃を防ぐため、周囲に漁網を張ったり、見張りに大口径銃や防水加工ダイナマイト（投擲爆雷）を持たせたりした艦もあったが、あくまで個別対処であり、軍として対潜戦を行うようになったのはもっと後である。第２次大戦では船団護衛と対潜哨戒機などによりＵボートを制圧。Ｕボートが対空兵装を強化して対抗すると、長射程のロケット弾や高速・高機動の艦上戦闘機を使用して駆逐した。第２次大戦後は対潜空母を中心とする対潜機動部隊を編成し、航空機のレーダーで潜水艦のシュノーケルを発見するとジュリーやアクティブソナーで追い回して撃沈する方針としている。ただ潜水艦が水中行動を主とするようになり、更にずっと水中にいる原潜も登場したことから、海軍作戦部に対潜戦の専門部署を創設して装備開発・取得部門との連携を図り、センサー、情報処理装置、兵装、対潜戦プラットフォーム（航空機、水上艦、潜水艦）を開発すると共に、情報組織なども組み込んだ対潜作戦全体の強化を図るようになった。1960年代には潜水艦の性能が向上して水上艦が逆襲される危険が出てきたことや、ジェゼベルやSOSUSといった高性能のパッシブ探知装置が開発されたことから、攻撃直前もしくはこちらの位置がばれた時以外はアクティブソナーを使用せず、艦艇も高速航行を控えて静かに潜水艦の動向を探ることとしている。1980年代には沿岸500海里以内のIn-shoreにSOSUSとP-3C、Off-shoreにS-3AとLAMPS、TACTASSを置いて対潜戦を行っていた。海軍では空母機動艦隊の針路前方に設定した海上制圧圏（艦隊前方300海里、幅150-180海里）までS-3Bバイキングが進出してソノブイを散布、攻撃潜水艦と共同して潜水艦の接近をブロックし、その内側にインナーゾーンを置いて水上艦や対潜ヘリが対潜戦を担当した。静粛原潜アクラ型が登場すると、TAGOS艦で情報を収集し、水上艦にAN/SQQ-89ソナーシステムを搭載、シーウルフ級原潜やP-8哨戒機の開発に入っている。冷戦終結で1990年代後半にS-3Bが空中給油機に転用され、後継艦載哨戒機の開発が中止されると、P-3Cを空母機動艦隊針路付近の基地に派遣してソノブイバリアーを敷くようになった。参考：月刊丸5,’07、月刊世界の艦船7,'20、8,’82増刊、月刊軍事研究1,’10

　＜対潜水艦戦（イギリス海軍）＞：第１次大戦初期には水中の潜水艦を発見したり攻撃したりする手段が無かったため、砲撃のため浮上した潜水艦を発見攻撃するのが主な対潜水艦戦で、水上艦や潜水艦で攻撃した他、1914年11月からＱシップを投入して11隻のＵボートを撃沈した。また、潜水艇を曳航するトロール船をわざと発見させ、警告のため浮上してきたＵボートを潜水艇で逆襲する戦法により、1915年に２隻を撃沈した。1917年2月から始まった無制限潜水艦作戦に対しては、護送船団方式と航空機・飛行船による哨戒で対抗。更に1917年に指向性聴音機を開発し、爆雷と共に1918年から本格的に使用、１年で22隻のＵボートを撃沈した。第２次大戦前にはASDICを開発したが、Ｕボートに対抗戦術を取られ、思った程の戦果は挙げられなかった。それでもヘッジホッグやスキッドといった前方投射兵器を投入、また1943年6月にはホーミング魚雷フィドを開発し、護衛艦による対潜水艦戦に使用した。ただ主役の座に就いたのは航空機で、まずはメートル波レーダーを搭載して出撃。1942年中頃にはHF/DFによりＵボートを探知して攻撃した。1943年2月からレーダーをセンチメートル波に切り替えて戦果を増し、Ｕボートが対空兵装を充実させると長射程のロケット弾や機関砲、誘導魚雷を投下してアウトレンジした。船団護衛戦術もハンター・キラーを採用するなど発展を遂げ、Ｕボートの集結を不可能にさせてドイツのルーデル・タクティクを完全に抑え込んだ。第２次大戦後は艦載前投兵器としてAS Mk.10リンボーを開発し、遠距離用にオーストラリア開発のアイカラ対潜ミサイルを導入している。参考：月刊丸5,’07、朝雲

　＜対潜水艦戦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の主任務。戦術判断により敵潜水艦のいそうな海域（チョークポイントやシーレーンなど）を見定め、護衛艦や航空機を投入して個々のセンサーで捜索探知し、各個または合同で追じょう撃破する。護衛艦と艦載ヘリは狭い海域での長期作戦、固定翼対潜哨戒機は広い海域での短時間（数時間程度）作戦を担当し、リンク11で両者が協同することもできる。また、ひびき型音響測定艦が平時から潜水艦の音響情報を収集し、海洋観測艦AGSが海洋観測を行う。潜水艦の発達に伴い、戦術はアクティブ・オペレーションからパッシブ・オペレーションに移行したが、潜水艦の静粛化でアクティブ・オペレーションの機会も増えた。ちなみにアクティブ・オペレーションは哨戒海域から潜水艦を確実に排除したことの確認にも使う。P-3C/P-1固定翼対潜哨戒機は潜水艦のいそうな海域でソノブイを駆使して潜水艦を狩る。艦載SH-60J/Kヘリならアクティブ・オペレーションでも反撃を受けないが、戦闘行動半径や航続時間が短いので、基本的に護衛艦が潜水艦を探知した後の確認・攻撃に使用する。海自潜水艦も自艦のソナーシステムを使用して対潜戦を行う。潜水艦の発見を個別で行うので効率が悪く、ひゅうが型・いずも型ヘリコプター護衛艦を建造して多数のヘリによる対潜戦を可能とし、あたご型・まや型イージス護衛艦にAN/SQQ-89を導入して個艦能力を高めると共に、ひゅうが型以降の護衛艦に洋上無線ルータ（ORQ-2Bなど）を積んでソナー送信情報を共有できるようにし、あさひ型汎用護衛艦や既存汎用護衛艦のISR機能（バイ／マルチスタティック・ソナー・オペレーションやDASSなど）を充実させ、西太平洋の広範な海域（東京−グアム−台湾のTGT海域、列島線沿い、各海峡など）における情報をネットワークで共有して潜水艦を撃破するマルチスタティック・オペレーションに移行する予定。参考：月刊世界の艦船5,’17、10,’19、1,’16、5,’19、7,’20

　＜対潜水艦戦（日本海軍）＞：日露戦争ではロシア海軍が使用する可能性を考え、駆逐艦隊に対し、潜航艇を発見した場合には急速接近し、毛布のようなものを潜望鏡に被せて視界を奪い、鹵獲するように通達が出たらしい。太平洋戦争開戦時、シーレーンは連合艦隊が、日本周辺海域は鎮守府や警備府が警護を担当していたが、連合艦隊は戦闘に忙しくシーレーン防御に戦力を回せず、鎮守府や警備府の艦船は航洋力が低すぎて役に立たず、殆ど無防備状態であった。使用する艦艇は艦隊が駆逐艦、シーレーンが駆潜艇と掃海艇だったが、航洋力の問題で程無く哨戒艇や海防艦が使用されるようになった。ただ駆逐艦や哨戒艇はソナーが貧弱、海防艦は遅くて潜水艦に振り切られるという欠点があり、いずれも対潜能力に乏しかった。潜水艦を発見しても攻撃ソナーが無いので敵の位置を正確に把握できず、爆雷を撒いて追い払う程度であり、作戦面でも問題があった。船舶は対潜警戒のためジグザグ航行を行うことになっていたが、危険水域に入っている時間が延びるだけで、逆効果だった。昭和17年4月になり、南方占領地と日本を結ぶシーレーンを守る第１・第２海上護衛隊が誕生したが、護衛艦艇が24隻しかなく、あまりに無力だった。昭和18年秋に海上護衛総隊が誕生し、船団護衛の指揮が一本化されたが、相変わらず艦艇数が少なすぎた上、潜水艦の攻撃で数も稼働率も激減した輸送船も船団を組むことができず、やられ放題になってしまった。昭和19年に入ると護送船団方式が検討され始めたが、僅かな艦艇ではシーレーン側面に防衛ラインを張るのが精一杯で、春になると防衛ラインの内側にまでアメリカ潜水艦が入り込んで来る始末だった。ここに至って漸く護送船団方式の導入を決定したものの、昭和19年8月でも海上護衛総隊隷下の護衛艦艇は60隻しか無く、数隻一組で襲いかかるようになったアメリカ潜水艦には対抗できなかった。強力な対潜兵装を備えた松型駆逐艦を建造し、戦術も改善したが、いかんせん数が少なすぎた。ソナーもカタログデータは優秀だったものの、信頼性が無い、水測員の練度が低い、そもそも艦艇に装備していない（昭和16年6月での装備艦は22隻のみ。昭和19年1月に駆逐艦19隻に対して探信儀装備、87隻に対して聴音機装備の命令が出されている）という状況で、対水上レーダーの性能も低く、逆探は放出電波を逆探知される有様で、前方投射兵器もヘッジホッグのような有効なものが開発できなかった。対潜哨戒機の東海は、登場時期が遅すぎる、潜航中の潜水艦を捕捉できない、強力な夜間探照灯を持たない、深深度対応の攻撃兵装が無いといった欠点があった。結果、戦果41隻に対し、空母など艦艇213隻、船舶1150隻486万トンを沈められてしまい、国力が大きく削がれた。この反省を基に、海上自衛隊では対潜能力を重視している。参考：月刊丸5,’07、世界大海戦史考、月刊世界の艦船5,’11

＜対潜水艦モーターボート＞：MAS艇を参照。

＜対潜水艦モールス弾＞：自衛隊の機器。鶴見精機製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜対潜水艦用モールス弾＞：自衛隊の機器。鶴見精機製。参考：月刊軍事研究6,'17

＜対潜戦＞：対潜水艦戦を参照。

＜対潜戦術訓練装置＞：海上自衛隊海上訓練指導隊群が運用する訓練装置。対潜水艦戦術などの訓練を陸上で行う装置で、環境の影響を加味した音響信号を作り出して潜水艦の探知・追尾・攻撃などを演練することができる。参考：MAMOR vol.139

＜対潜潜水艦＞：潜水艦を参照。

＜対潜弾＞：水上艦から発射薬の点火によって発射され、空中を飛翔する爆雷。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜対潜爆撃標的＞：甲標的を参照。

＜対潜爆弾＞：航空機から投下して使用する爆雷（航空爆雷）のことで、第２次大戦以降この呼び名となった。英語ではASW bomb。尾部に安定フィンが付いており、投下されると一定深度で爆発、衝撃波で潜水艦を破砕する。有効半径は9mくらいしかなく、小型のものを多数落として潜水艦を包み込むようにするのが常道である。一発で効果を出す核弾頭型も作られている。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings11,’13

　＜対潜爆弾（日本海軍）＞：第２次大戦時は60kgクラスの九九式六番二号や250kgクラスの一式二五番二号といった対潜爆弾を使用したが、深深度対応の信管を持っていなかったため、潜航中の潜水艦には効果が薄かった。そもそもMADのみでソノブイを開発できず、潜航中の潜水艦を高精度で探知できないという問題もあった。参考：月刊丸5,’07

＜対潜幕僚＞：海上自衛隊の職名で、タセサと略す。参考：日本の防衛戦力Part3

＜対潜ヘリコプター＞：対潜水艦戦に使用されるヘリコプターのこと。作戦海域に高速進出し、ソノブイ・バリアを展開して潜水艦の接近を阻止したり、離脱しようとする潜水艦をディッピング・ソナーで探知追尾したりする（もちろん搭載魚雷で攻撃もする）。機体サイズから来る大きさや能力の限界はあるが、対潜哨戒機と同種の機器を一通り積んでいる。航続時間が短いため、艦隊のインナーゾーン及び沿岸域における対潜任務に投入される。第２次大戦後、水中高速型潜水艦が急速に発達したため、空母の対潜哨戒機だけでは広大な捜索域をカバーできなくなり、水上艦への対潜ヘリ搭載が進んだ。冷戦終結で潜水艦の脅威が減少すると、機銃や小型ミサイルを搭載して洋上監視任務にも就くようになり、哨戒ヘリとも呼ばれるようになった。参考：月刊世界の艦船3,’07、4,’12、空軍、月刊JWings12,’10、5,’18、月刊丸12,’11

＜対潜ヘリ飛行隊＞：HSを参照。

＜対潜ミサイル＞：Anti-Submarine Missile。目標地点までホーミング魚雷（ときに核爆雷）を運搬するミサイル（ロケットを含むこともある）で、水上艦発射型はSUM（艦対潜ミサイル）、潜水艦発射型はUUM（潜対潜ミサイル）と略す。対潜ロケットでは潜水艦の回避行動でかわされる可能性があるため、命中精度を向上させる方策として登場した。魚雷自体に誘導装置が組み込まれているので、対潜ミサイルは相手が動目標であるが慣性誘導装置くらいしか積んでおらず、だいたいの位置に投射して後は魚雷に任せる。参考：月刊世界の艦船3,’05、11,’17

＜対潜無人ヘリコプター＞：ダッシュを参照。

＜対潜連続追跡無人艇＞：ACTUVを参照。

＜対潜ロケット弾＞：水上艦から発射され、ロケット推進で空中を飛翔する爆雷。射程が短い、潜望鏡深度くらいの潜水艦にしか効果が無いという欠点があるが、フィヨルドなど複雑な海岸線沿いの浅海域では魚雷よりも有効である。参考：月刊世界の艦船1,’02、火器弾薬技術ハンドブック

＜太倉＞：中国海軍福清型補給艦１番艦タイツァン、艦番号は北運575。1979年就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜体操（日本陸軍）＞：日本陸軍が教練を補うものとして実施していた運動科目一般のことで、特に器械体操が重視された。ちなみに剣術・軍刀術といった武術は術科の方に入る。参考：陸海軍学校と教育

＜大掃海具一号＞：日本海軍の掃海具で、単艦での掃海が可能である。参考：日本駆逐艦史

＜大掃海具二号＞：日本海軍の掃海具で、２隻で使用する対艦式である。ワイヤー長は1200mで、19個のブイが付いており、２隻が600m離れて10ノットで牽引する。有効掃海幅は480m。大正5年に採用された。参考：小艦艇入門

＜大掃海具二号二型＞：有効掃海幅500m。参考：日本駆逐艦史

＜大掃海具三号＞：日本海軍の単艦式曳航掃海具。艦後部に巻揚機と落下機、ダビットが付いており、普段はここに収容されていて、使用時に海中に投下する。巻揚機からは沈降器曳索が繰り出され、沈降器曳索の先に沈降器が付いていて、これにより掃海深度を調節する。沈降器からはヴィッカーズ社製のパラベーンが付いた掃海索２本が後方に延びており、幅110mの範囲で機雷係維索を切断する。15-20ノットでの掃海作業が可能。参考：小艦艇入門、日本駆逐艦史

＜大掃海具四号＞：日本海軍の掃海具で、二号の掃海幅を700mにしたものである。参考：日本駆逐艦史

＜大祚栄＞：977（駆逐艦）を参照。

＜大祖国戦争＞：独ソ戦のソ連側名称。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ダイソン＞：DD-572（駆逐艦）を参照。

＜大隊＞：Battalion。中国軍では営。昔の騎兵隊ではSquadronと称した。最も基本的な戦術単位で、戦闘単位と呼ばれるが、指揮機構が小さく、諸兵連合を編成できない。中世に騎士団が編成していた戦術単位のバトルが、中世末期に大型化して師団規模となったため、これより小さい戦術単位としてバタリオン（バタリアとも称した）が誕生した。17世紀に火力の増大で数百名から1500名くらいの規模に減り、以後現代までこれくらいの人数である。参考：月刊軍事研究2,’02、5,’16、歴史群像6,’16

＜大隊地雷処理セット＞：BCSを参照。

＜大隊長（日本陸軍）＞：任務は大隊を統率し、部下、特に中隊教育と内務を監督して連隊長の意図を徹底させること。また、賞罰や休暇附与なども行う。歩兵部隊では中隊長まで徒歩行動だが、大隊長からは乗馬行動になる。参考：帝国陸海軍事典、軍医サンよもやま物語

＜代替飛行場＞：Alternate airport。最初の予定着陸地への着陸が不可能になった時に備え、予め選定して飛行計画に組み込んでおく飛行場のこと。代替飛行場として使用できるのは、正規飛行場（路線免許上の飛行場）、その予備飛行場、燃料補給飛行場、代替飛行場で、代替飛行場として当局の使用認可を受けた場合は、飛行計画で最初の予定着陸地にすることはできない。代替飛行場を飛行計画に表示したら45分、しなかったら２時間の予備燃料を積む。計器飛行方式で飛行する場合は、最初の予定着陸地に対して少なくとも１個を選定しておかないと出発できない。また、出発地の気象状態が最低着陸気象条件を下回っている場合は、出発地に対する代替飛行場も選定しておく。参考：航空用語事典増補改訂版

＜大隊砲＞：九二式歩兵砲を参照。

＜タイダウン＞：タイダウンチェーンでデッキ上に機体を固定すること。参考：月刊JWings1,’02

＜タイダウンチェーン＞：艦載機を甲板上に固定するための鎖。参考：月刊JWings8,’21

＜タイダウンチェーン＞：自衛隊の機器。大川工業製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜タイダウンリング＞：艦載機にタイダウンチェーンを取り付けるためのリングで、機体各所に設けられていて、どういう向きでも確実に固定できるようにしてある。参考：月刊JWings8,’21

＜タイタス＞：フランスのネクスター社が開発した６×６輪装甲車Titus。タトラ社製６×６輪トラックT815のシャシーに全周NATOレベル２（パワーパックはレベル１）・耐地雷レベル3aの装甲車体を架装し、遠隔操作式20mm砲塔ARX20（7.62mm同軸機銃付き）を搭載している。7.62mm機銃や40mmてき弾発射機を装備する遠隔操作式兵装ステーションへの換装も可能で、装甲も全周レベル４（パワーパックはレベル３）・耐地雷レベル4a-4bまで強化できる。NBC防護装置とエアコンを標準装備する。全長7.77m、全幅2.55m、全高2.735m、基本戦闘重量23トン、最大戦闘重量27トン。エンジンはカミンズ社製ディーゼル（440-500馬力）、最大速度110km、航続距離700km。乗員２名＋乗車兵員12名または乗員３名＋乗車兵員10名。参考：月刊軍事研究11,’18、12,’13

＜タイダル・ウェーブ作戦＞：アメリカ軍が第２次大戦時に行った、プロエスティ油田爆撃作戦。この油田はルーマニアにあり、年間産油量は4300万バレルに達していた。1942年6月11日に少数機で爆撃をかけたものの、殆ど損害を与えられず、ドイツ側の防空力を強化させたのみであった。1943年1月のカサブランカ会談で、枢軸国の石油供給源を最優先で叩くことが決定され、リビアから地中海を越えて油田に向かい、レーダーに探知されにくく対空砲や迎撃機の攻撃も受けにくい高度150m以下での超低空爆撃をB-24で行うことになった。一番のネックは対空機関砲だが、B-24の防御兵装として搭載されているAN-M3機銃で制圧することにした。参加兵力はアメリカ第９航空軍第９爆撃航空本部第98爆撃航空群（48機）、第376爆撃航空群（28機）、アメリカ第８航空軍第８爆撃航空本部第44爆撃航空群（37機）、第93爆撃航空群（37機）、第389爆撃航空群（29機）の合計179機。1943年8月1日0330、リビアのベンガジに駐機していた179機のB-24がエンジンを始動。0400から次々と離陸し、プロエスティ油田に向かった。ルーマニアのダルゴビステ上空でやや右に変針して東のプロエスティに向かう予定だったが、先頭の第376爆撃航空群が変針しすぎて南東に向かってしまった。これに第93爆撃航空群も続き、第98・第44爆撃航空群と離ればなれになってしまった。第389爆撃航空群は予定通り左に変針して北東のステアウア・ロマーナ精油所に向かっている。予定通りの航路を取った第98・第44爆撃航空群はドイツ軍のＱ列車が走る線路と平行して飛ぶ羽目になり、途中で航路ミスに気づいて再びプロエスティに向かった第376・第93爆撃航空群は迎撃機・対空機関砲陣地に正面から突入することになり、大損害を受けた。第389爆撃航空群は予定通り爆撃を行い、離脱している。この爆撃でプロエスティ油田の生産能力を55%程度にまで低下させることに成功し、各機は2030-2130に帰投した。帰還したのは99機で、うち66機は損傷が激しく修理を要する状態だった。参加乗員数1780名、戦死310名、捕虜130名。５名（うち戦死者３名）が名誉勲章を受けた。参考：歴史群像10,’06、月刊軍事研究8,’14

＜タイタン＞：M-1戦車ファミリーを参照。

＜タイタン＞：イギリス軍装甲架橋車両で、2001年からヴィッカース・ディフェンス・システムズ社が開発した。No.10戦車橋（全長24m）を２分で架橋できる他、No.12戦車橋（全長13.5m）２基を90秒で展開できる。2005-08年に33両が生産される予定。参考：月刊軍事研究9,’07

＜タイタン＞：ポーランドのフェブリカ・ブロニ社とラドム社、軍事技術大学が開発中の5.45mm突撃銃。通常型とブルパップ型の２種を検討している。参考：月刊軍事研究12,’11

＜タイタンＩＣＢＭシリーズ＞：アメリカ空軍第１世代ICBM。マーチン社が開発した。参考：アメリカの核兵器

＜タイタン�T＞：ミサイル記号SM-68（後にLGM-25）、武器システム記号WS-107A-2。アトラスを開発できなかった場合の予備として1957年から開発（当初は無人爆撃機B-68という制式名称が付いた）し、1959年2月6日に１段目の試射に成功、1962年4月に実戦配備された。２段式の液体燃料ロケット推進で、液体酸素とケロシンを使用する。１段目の方が直径が太い。全長29.87m、直径3.05m、発射重量99.79トン。再突入体はMk4で、弾頭はW49単弾頭。誘導は無線＋慣性航法。最大射程10200km。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings4,’12

＜タイタン�U＞：LGM-25C。タイタン�Tの即応性を向上させるため、液体燃料を常温長期保存可能な四酸化二窒素（酸化剤）とエアロジン50（推進剤。非対称ジメチルヒドラジンUDMHとヒドラジンを１対１で混合したもの）に変更し、事前に燃料タンクに入れておけるようにしてある。これにより、発射準備にかかる時間は１分となった。ただし推進剤の温度が40度を超えると発火する恐れがあるため、冷却水供給用トレーラーを常に準備しておく必要があった。酸化剤と推進剤は混ぜるだけで発火するハイパーゴリックであり、点火システムは不要。弾体はアルミニウム合金で、軽量化のため押すとへこむ程度の厚さしかなく、1.3kgの工具を落としたために爆発事故が起きたこともある。第１段は全長20.42m、直径3.05m、空虚重量4.319トン、全備重量121.2473トン、第２段は全長8.84m、直径3.05m、全備重量28.841トンであり、その上に全長4.27mの円錐形再突入部が載っている。誘導は慣性航法IMUのみとしてECMを掛けられないようにした。ミサイル全長31.4m、直径3.05m、発射重量154トン。推進は第１段がエアロジェット・ジェネラル製LR87-AJ-5S液体ロケット（推力98トン）２基、第２段がエアロジェット・ジェネラル製LR91-AJ-5液体ロケット（推力45.36トン）１基、最大速度24000km以上、射程10140km。ロケット噴射口は第１段が２個、第２段が１個で、第２段の酸化剤タンクと燃料タンクの間に慣性誘導装置が付いていて、この情報を元にAN/ASC-15ミサイル誘導コンピュータ（Missile Guidance Computer、MGC）が第２段ロケット各部に取り付けられたピッチロケットやバーニア・ロケットを作動させて投射コースや姿勢を保持する。再突入部はスペーサーと弾頭からなり、弾頭はMk6再突入体と囮弾頭を収容していて、Mk6再突入隊にはGE製W53核弾頭（重量3.64トン、威力９メガトン）が１個搭載されている。タイタン�T型に替わって1963年から実戦配備され、第308戦略ミサイル航空団（アーカンソー州リトルロック）、第381戦略ミサイル航空団（カンザス州マッカーノー）、第390戦略ミサイル航空団（アリゾナ州デビスモンサン）に18発ずつ配置された。1978年に第308戦略ミサイル航空団、1980年に第381戦略ミサイル航空団で各１基が事故で失われている。1982年10月から退役が始まり、1987年までに全ての発射基地が破壊され、アリゾナ州の１カ所のみが博物館として一般公開されている。参考：アメリカの核兵器、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、核兵器図鑑、月刊軍事研究2,’18、ワイルドウエポン、月刊航空ファン3,’11、ザ・マーチ17号

＜タイタン２−ＭＧ３３２＞：ソ連の水上艦用船底ソナーで、低中周波を使用する捜索・攻撃用アクティブソナーである。探知距離9km。カーラ級、クリバック級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイタン�U爆発事故＞：1980年9月19日、アーカンソー州ダマスカスにあるリトルロック空軍基地タイタン�Uサイロで、定期点検中に整備員が誤ってレンチを落としてしまい、跳ね返ったレンチがタイタン�Uの外板（本体軽量化のため極めて薄く作ってある）を突き破り、推進剤が漏出した。孔を塞ぐことができずに整備員は退避、８時間半後にタイタン�Uは爆発し、周辺で調査を行っていた兵士１名が死亡、21名が負傷した（２名が死亡、20名が負傷？）。核弾頭も8kmほど吹き飛ばされたが、放射能汚染は無かった。参考：月刊軍事研究8,’11、アメリカの核兵器

＜タイタン�Uミサイル基地＞：ミサイルサイロはレベル1-8の８層からなり、蓋は分厚いコンクリート製で重さ760トン、核の直撃からタイタン�Uを防護する。地下にある発射施設は全体が宙吊りになっていてショックアブソーバーで支えられており、核爆発の衝撃から保護されるようになっている。NEMPを受けても障害が出ないよう、シールドが施されていて、地下施設入り口のブラストドア（厚さ200mm）の枠は導電金属製である。運用クルーは24時間交替で、ミッション中は常に２名１組で行動し、単独になることは許可されなかった。発射制御コンピュータのプログラムや攻撃目標データは鑽孔テープで入力する。大統領から低周波通信で攻撃命令が伝えられると、最初の10桁のメッセージを事前に通知されている真偽確認用メッセージと照合して本当に大統領からのものか調べる。大統領のものと確認された場合、南京錠のかかった赤いキャビネットに収容されている作戦指令書を取り出し、大統領からのメッセージと照合、攻撃目標（発射管制装置には予め４つが入力されている）を選択する。作戦指令書には目標都市名などは書かれていないので、どこを攻撃するのかまでは分からない。その後、司令官と副官が2m離れた所にある発射キーを同時に回して４秒間保持すると、発射準備が開始され、特に警告も無く数分後にミサイルが発射され、１時間以内にどこかの都市か基地かが消滅する。参考：月刊航空ファン3,’11

＜大単位部隊戦術的用法教令＞：フランス軍が1936年に纏めた戦術教範で、ヒトラー政権によるベルサイユ条約破棄を受けて大部隊戦術的用法教令草案を改訂したものである。指揮及び指揮系統、活動手段及び活動方法、情報及び警戒、輸送・運動・宿営、会戦、軍の会戦、軍団の会戦、歩兵師団の戦闘、騎兵大単位部隊の使用に関する総則、自動車化大単位部隊の使用に関する総則、大単位部隊使用の特別の場合、各部の運営、大単位部隊の教育法の13篇からなる。冒頭では、作戦上最も重要なのは指揮官の人格であると述べられている。参考：歴史群像6,’08

＜タイタンズ＞：VRM-30（飛行隊）を参照。

＜対弾道ミサイルシステムの制限に関するアメリカ合衆国とソビエト社会主義共和国連邦の間の条約＞：ABM条約を参照。

＜大地＞：埼玉地本のマスコットキャラ、陸自版。真面目で仕事熱心な陸上自衛官という設定で、空自版の翔子、海自版の海斗と共に2017年に制定された。参考：朝雲

＜大地級＞：中国海軍情報収集艦814A型のNATOコード、ターティエ（Dadie）級。国家海洋局海洋観測船向陽紅28を改造したものである。艦橋上に球形レドーム１個を持ち、後甲板に白色レドーム数個が並んでいるが、電子情報収集装備はそれほど充実しておらず、艦首に装備しているとみられるバウソナーで音響情報収集も行っているらしい。全長94m、全幅11.3m、吃水4m、満載排水量2591トン。主機はディーゼルで、２軸推進、速力17ノット。兵装は14.5mm連装機銃２基。乗員170名。1986年に北調841（後に北調900）が就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’19、5,’15、3,’13、2,’12

＜大地クラッター＞：グラウンド・クラッターを参照。

＜対地作戦（航空作戦）＞：航空作戦の１つで、戦略爆撃／戦略攻撃と戦術航空支援に分かれる。参考：月刊JWings8,’17

＜対地巡航ミサイル＞：地上目標を攻撃するための巡航ミサイル。固定目標攻撃用なので探知追尾能力は不要だが、方向音痴だと使い物にならないので、慣性誘導、衛星航法（GPS、GLONASS、北斗など）、TERCOM、DSMACなどを組み合わせて精密航法能力を持たせる。地上発射のFi-103が始祖で、第２次大戦後も開発が進められたが、信頼性と命中精度が低い、航続距離が短い、飛翔速度が遅く飛翔経路が単純で迎撃されやすい、発射機が脆弱といった欠点があり、弾道ミサイルに押されて有効な戦力にはならなかった。高精度誘導装置、高効率ターボファン、ステルス化と超低空飛行、制空権や制海権を確保した上での航空機・水上艦・潜水艦による奇襲発射といった方法で問題を解決したBGM-109トマホークが登場し、湾岸戦争で名を馳せ、以降も使用され続けている。ただ飛翔速度が亜音速で、主翼を損傷して揚力を失うだけで無力化されてしまうので、防空網に捕捉されると逃れるのは難しく、セルビアやイラクで数発が撃墜された。ロシアはシリア内戦への介入で実戦初使用した。移動目標（人間含む）に使う場合、発射から着弾までの時間が長いため逃げられる恐れが高く、遠距離から発射する場合には目標の位置を随時更新できる中間誘導装置を搭載し、自身の終末誘導装置で目標をロックオンできる位置までミサイルを持っていく必要がある。参考：月刊世界の艦船5,’16、11,’15増刊、2,’18、月刊軍事研究8,’18

＜対地接近警報装置＞：GPWSを参照。

＜対地接近警報装置ＭＡＲＫ　�X＞：自衛隊の機器。P-1に搭載された。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究3,’14

＜対地速度＞：Ground speed。地面に対する航空機の水平相対速度。対気速度から風速を足し引きしたもので、航法上重要な速度である。初期の飛行機は向かい風を利用して飛んでいたので、対地速度がマイナスになったこともあるらしい。ジェット気流に乗ると、旅客機でも対地速度が超音速になったりするが、対気速度は音速以下なので、もちろん衝撃波などは発生しない。参考：月刊JWings3,’03、10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版

＜対地弾道ミサイル＞：弾道ミサイルを参照。

＜対地ホバリング＞：ホバリングを参照。

＜対中２１ヵ条要求＞：日本が1915年（大正4年）１月18日、中華民国政府に要求した21ヵ条。14ヵ条の要求と、７ヵ条の要望からなり、中国における日本の利益拡大を求めるものであった。具体的な要求は、山東省の権利について日独両国の全ての協定を承認する、省内の土地を他国に譲渡・貸与しない、省内主要都市を外国人に開放する、膠州湾から洛南への鉄道建設を日本に許可する、旅順・大連南満州鉄道の租借を更に99年延長する、日本人の南満州・東モンゴルでの商工業権・土地所有権を認める、同地区の居住・往来を認める、同地区の鉱山採掘権を日本に与える、同地区における他国の鉄道敷設・税金担保の借り入れは日本の同意を得る、同地区の政治・財政・軍事の顧問の任命は日本と協議する、吉林・長春間の鉄道管理を99年間、日本に委任する、審陽の製鉄所を日中共同資本にする、諸鉱山を審陽製鉄所以外に許可しない、中国沿岸の港湾・島を他国に割譲・貸与しない、の14ヵ条。要望は、中国は政治・軍事・財政の顧問に日本人を招く、中国国内の日本の病院・寺院・学校の土地の所有権を認める、地方官憲を日中合同とするか、日本人を置く、日本から兵器の供給を受けるか、共同兵器工場を建てて日本人技師・材料を迎える、南昌力江線と武昌を連絡する鉄道、南昌・杭州の間の鉄道敷設権を日本に与える、福建省内の鉄道・鉱山・港湾の開設は日本と協議する、日本人の布教権を認める、の７ヵ条。もとは加藤高明外務大臣がイギリス大使時代から温めてあったもので、数ヵ条だったが、政界や軍部などの意見を入れているうちに無理難題の塊になってしまった。中華民国政府は、まだ袁世凱政権の基盤が固まっておらず、日本軍の示威的行動もあって5月28日にこの要求の大部分を受け入れて調印、それと同時に対日非難宣言を出して反日ムードを高めた（日本に留学し、親日家だった蒋介石や魯迅も反日に回った）。また、最後通牒の形にしたこともあり、欧米諸国、特にアメリカは日本に対する反発を強め、太平洋戦争に至るまで続く蒋介石との結び付きがこの時に生まれることとなった。中国のナショナリズムの高まりを受けて各地で暴動が多発、第１次山東出兵に繋がっていく。参考：月刊PANZER2,’02、太平洋海戦史

＜タイチョウ＞：138（駆逐艦）を参照。

＜対地レーダー＞：地形走査や敵地上戦力の索敵・攻撃に使用されるレーダーのこと。参考：戦闘機のしくみ

＜タイツァン＞：太倉を参照。

＜隊付衛生兵＞：衛生兵（日本陸軍）を参照。

＜タイッチ＞：愛媛地方協力本部のマスコットキャラ、海自版。愛媛県の県魚であるマダイをモチーフとしている。参考：MAMOR vol.121

＜対低観測＞：CLOを参照。

＜大擲弾筒＞：日本陸軍が太平洋戦争末期に本土決戦用として開発した簡易火砲。九七式曲射歩兵砲と同じ弾薬を使用できる。五式穿甲榴弾（重量3.2kg、装甲貫徹力90mm）の発射も可能。参考：大砲入門

＜対テロ戦＞：軍隊のみでなく、警察、沿岸警備隊、消防なども含めた総力戦であり、国際協力も欠かせない。テロリストの温床になる一般人を味方にするのが最重要であり、住民に安定した生活と治安を保証すれば、テロリストは基盤を失い活動できなくなる。軍事作戦より民生支援や資金援助の方が効果的なこともあり、ただテロリストを掃討すれば良いというものではない。参考：月刊軍事研究5,’13、12,’14

＜対テロ戦争遠征従軍章（アメリカ陸軍）＞：Global War On Terrorism Expeditationary Medal（GWOTEM）。2001年9月11日以降、対テロ戦争のため30日以上海外に派遣された将兵に授与される従軍章である。参考：コンバットマガジン7,’06

＜対テロ戦争任務章（アメリカ陸軍）＞：Global War On Terrorism Service Medal（GWOTSM）。2001年9月11日以降、対テロ戦争に30日以上従事した将兵に授与される従軍章である。参考：コンバットマガジン7,’06

＜対電子妨害手段＞：ECCMを参照。

＜大東＞：日本海軍日振型海防艦Daito。昭和19年8月7日竣工、呉防備戦隊に編入された。9月11日、第１海上護衛隊に転入した。9月23日から佐世保−シンガポールの船団護衛に就いた。11月14日、ヒ81船団の護衛として伊万里湾を抜錨。昭和20年1月12日、仏印のキノン北方でアメリカ海軍機動部隊の空襲を受けて損傷した。1月16日、香港でアメリカ海軍機動部隊の攻撃を受けて損傷した。3月9日から門司−高雄の船団護衛に就いた。5月28日から佐世保−朝鮮南部の船団護衛に就いた。8月1日から大湊−北海道の船団護衛に就いた。終戦時は小樽にいた。11月16日、対馬海峡東水道で触雷し、沈没した。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌、輸送船入門

＜大同＞：580（056型）を参照。

＜大同＞：満州国江上軍大同級砲艦Tatung。昭和8年8月26日就役。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜大東亜決戦機＞：四式戦闘機シリーズを参照。

＜大東亜戦争第二段作戦帝国海軍作戦計画＞：日本海軍が昭和17年4月16日に裁可した、太平洋戦争の第２段作戦計画。第１段作戦（海軍呼称。陸軍呼称は南方作戦）で目的としていた南方資源地帯とシーレーンの確保及び太平洋方面の安全化は予想以上のペースで達成されたが、連合軍が停戦に向かう気配が無かったため、引き続き第２段作戦を行う事になった。日本軍も太平洋戦争開戦前に戦争長期化を予測していたが、独ソ戦緒戦のドイツ快進撃を受けて第２次大戦の早期決着に望みも持っていたため、第２段作戦計画に関しては何も立案していない状況だった。しかしドイツ軍の進撃がモスクワ前面で阻止され、太平洋方面の領土と戦力の喪失にも関わらず米英の継戦意欲は旺盛で、戦争終結への動きが全く見られなかったため、昭和17年2-3月に陸海軍で協議して今後採るべき戦争指導の大綱を纏め、4月に海軍で第２段作戦の計画立案を開始。軍令部ではオーストラリアとニュージーランドを連合軍から脱落させてアメリカの反攻拠点を喪失させ、資源地帯とシーレーンの確保を更に確固たるものとすることにし、陸軍戦力の大量投入が必要なオーストラリア攻略という無茶はせずフィジーとサモアを占領して米豪遮断を図る計画を立て、戦力を中国・ソ連方面に戻したい陸軍の協力を取り付けた。ただ本来なら作戦計画に関しては軍令部の指揮下に置かれている筈の連合艦隊でも山本五十六司令長官が第２段作戦を立案しており、ポートモレスビーとミッドウェイを攻略してアメリカに痛打を与え続ける方針とした。統帥部での協議で結局全部行う事になり、FS作戦、MO作戦、MI作戦（とAL作戦）が実行に移された。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T、歴史群像4,’17

＜大同級＞：満州国江上軍砲艦Tatung級。日本海軍の小型砲艦小鷹をベースに三菱神戸造船所が建造したもので、仮組立までを日本で行い、ハルビンで完成させた。全長30m、排水量65.8トン。主機はディーゼルで、速力11.7ノット。兵装は15cm曲射砲１門、重機関銃３丁。大同と利民が1933年8月26日に就役した。参考：月刊世界の艦船7,’11、月刊丸3,’14

＜たい頭受信機＞：自衛隊の機器。神田通信工業製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜大同製鋼＞：日本海軍の航空機用装甲板も製作しており、1944-45年には名古屋工場で月産５トンを生産した。参考：続・海軍製鋼技術物語

＜大統領専用機（アメリカ空軍）＞：通称はエアフォース・ワンだが、大統領が乗っているアメリカ空軍機は全てエアフォース・ワンというコールサインになり、大統領専用機でも大統領が乗っていなければエアフォース・ワンというコールサインにはならない。フランクリン・Ｄ・ルーズベルト大統領のC-87Aから専用ニックネームが付いた。トルーマン大統領時代は1945-47年にVC-54C、その後VC-118Aを使った。アイゼンハワー大統領はVC-121Aコロンバイン�T／�UとVC-121Eコロンバイン�Vを使用。ケネディ大統領はVC-118Aで、ジョンソン大統領からVC-137Cの使用を開始し、ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュ大統領時代にVC-25Aに更新した。参考：月刊航空ファン11,’18

＜大統領部隊感状＞：部隊感状（アメリカ陸軍）を参照。

＜ダイドー＞：37（軽巡洋艦）またはF104（フリゲート）を参照。

＜ダイドー級シリーズ＞：イギリス海軍軽巡洋艦Dido級。アビシニア紛争においてシアリーズ級巡洋艦改造の防空艦が好評だったために建造されたもので、シーレーン防衛のための対水上戦能力を保ちつつ対空兵装を強化しており、計画当初は新型防空軽巡洋艦という艦種だったが、最終的に只の軽巡洋艦に落ち着いた。参考：月刊世界の艦船4,'23、第２次大戦のイギリス軍艦

　＜ダイドー級第１グループ＞：船型は長船首楼型で、アリシューザ級と類似の船体を採用し、主機も巡航タービン抜きの同型を搭載した。高角砲を対水上射撃兼用の両用砲にして主砲に据えており、最大射高は14170mに達し、自動装填装置により発射速度毎分12発を誇る。艦前部に３基、艦後部に２基をそれぞれ背負い式に配置し、十分な射界を確保したが、１番砲塔が船首楼甲板（01甲板）、２番砲塔がその１甲板上（02甲板）、３番砲塔（Ｑ砲塔）が更に１甲板上（03甲板）に積み重なっており、艦橋の位置は更に高いので、見た目からしてトップヘビーになった。ちなみに艦後部の４番砲塔は船首楼甲板（01甲板）後端、５番砲塔はその直後の上甲板（第１甲板）にある。ただ主砲がキング・ジョージ�X世級戦艦の副砲としても使用されることになり、第２次大戦勃発で量産が間に合わなくなったため、前期３艦は砲塔を１基減らして10.2cm単装砲１門に変更し、最後期２艦は11.4cm連装両用砲４基に換装した。アリシューザ級よりも艦橋が後ろにずれたことにより排煙が艦橋に逆流してくるのを防ぐため、煙突は２本とも後ろに傾斜させ、それに伴って前部煙突前方の三脚式前部マスト及び後部煙突後方の三脚式後部マストも後ろに傾けている。全長156.1m、幅15.4m、吃水4.3m（5.1m？）、基準排水量5600トン（カリブディスとシラは5580トン）。主機はパーソンズ式ギヤード蒸気タービン４基、主缶はアドミラルティ重油専焼３胴水管缶４基、出力62000馬力、４軸推進、最大速力32.25ノット、重油搭載量1100トン、航続距離4240海里（16ノット）。兵装は50口径13.3cm連装両用砲Mk�T４基＋45口径10.2cm単装砲１門（ダイドー、フィービ、ボナベンチャー）または50口径13.3cm連装両用砲Mk�T５基（艦前部３基・艦後部２基それぞれ背負い式。ユーライアス、ナイアド、シリアス、ハーマイアニ、クレオパトラ、アーゴノート）または45口径11.4cm連装両用砲Mk�V４基（カリブディス、シラ）、２ポンド４連装ポンポン砲２基、533mm魚雷３連装発射管２基。装甲厚は舷側76mm、甲板25mm、弾火薬庫25-51mm、砲塔38mm。乗員480-530名。1936-38年度計画で10隻、1939年度緊急計画で１隻が建造され、ダイドー、フィービ、ボナベンチャー、ユーライアラス、ナイアド、シリアス、ハーマイアニ、クレオパトラ（２代目）、アーゴノート、カリブディス、シラの11隻が1939-42年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,'23、2,’87、近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸4,’17

　＜ダイドー級第２グループ＞：ベローナ（Bellona）級ともいう。主砲が足りなくなったのと、トップヘビー改善のため、３番砲塔を外して砲塔を搭載していた03甲板を取り除き、02甲板の２番砲塔後方にポンポン砲を搭載、その後ろの艦橋も１段低くして煙突とマストを垂直にした。全長156.2-156.4m、幅15.4m、吃水4.5m（5.4-5.5m？）、基準排水量5950トン（5770トン？）、満載排水量6970トン。主機はパーソンズ・ギヤード蒸気タービン４軸64000馬力、速力32.25ノット。兵装は13.3cm連装両用砲４基、２ポンド４連装ポンポン砲３基、20mm連装高射機関砲６基、533mm３連装魚雷発射管２基。装甲厚は舷側76mm、甲板51mm、司令塔25mm、砲塔25-38mm、砲台13-19mm。乗員535名。ベローナ、ブラック・プリンス、84ダイアデム、ロイヤリスト、スパータンの５隻が1943-44年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船4,'23、4,'22、2,’87、近代巡洋艦史、週刊ワールドウェポン17

＜大肚型＞：680型（練習艦）を参照。

＜タイド級（初代）＞：イギリス海軍艦隊給油艦Tide級。全長177.6m、幅21.6m、吃水9.8m、満載排水量27400トン。主機は蒸気タービンで、出力15000馬力、速力18.3ノット。ヘリ４機を搭載可能。A75タイドスプリングが1963年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜タイド級（２代目）＞：イギリス王国艦隊補助部隊艦隊給油艦Tide級。MARS計画に基づく給油艦で、BMTディフェンス・サービス社がAEGIR-26型として設計し、韓国の大宇造船が建造、イギリスで通信器材や兵装を搭載した。船首楼と船尾楼を持ち、艦橋は船尾楼前部に設けられ、艦橋上面にタワーマスト、艦橋後方両舷に煙突があり、艦橋後方の上構内は中型ヘリ用ヘリ格納庫、船尾楼甲板後半はチヌーク対応ヘリ甲板になっている。ステルス性を考慮して船体舷側と船楼舷側は逆傾斜にし、上構舷側とも面一にした。船首楼直後の上甲板に大型クレーンがあり、コンテナなどの積み降ろしに使う。給油ステーションは右舷２基・左舷１基で、重油、ディーゼル燃料、航空燃料、真水に対応する。右舷だけ２基なのは、大量の燃料を要するクイーン・エリザベス級空母に右舷側から給油するためである。潤滑油はドラム缶に詰めてクレーンで搬送するか、ヘリでVERTREPを行う。燃料など液体補給物資19000立方メートル、清水1300立方メートル、20フィート・コンテナ８個を搭載可能。給油能力毎時800立方メートル。全長200.9m、垂線間長185.1m、幅28.6m、吃水10m、満載排水量37000-39000トン。主機はCODELOD方式、中速ディーゼル２基２軸20394馬力、巡航速力14.5-15ノット、最大速力18ノット（26.8ノット？）、航続距離18200海里。兵装はファランクス２基、30mm単装機関砲２基。中型ヘリ１機を搭載可能。乗員63名。2015-17年に４隻が就役予定だったが、技術トラブルが発生して１番艦の就役は２年遅れ、A136タイドスプリング、A137タイドレイス、A138タイドサージ、A139タイドフォースが2017-19年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’17、3,’14、2,’13、9,'23、6,’13、3,’17、10,’17、2,’18、9,’18、11,’18、1,'21、7,'21、朝雲

＜対特殊武器衛生隊＞：陸上自衛隊の衛生科部隊で、陸上総隊（2018年3月26日まで中央即応集団）隷下にあり、化学兵器や生物兵器による負傷者の救護や、特殊武器の同定を行う。隊本部、第101対特殊武器治療隊、第102対特殊武器治療隊からなり、生物剤対処用衛生ユニットなどの専用器材を装備する。2008年3月、中央即応集団隷下に朝霞駐屯地で新編された。2009年4月、新型インフルエンザ検疫支援を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。福島第一原発の冷却支援を行う隊員に対して被曝線量管理や救護、放射線に関する事前教育を行った。3月16日、４名で救護隊を編成して朝霞駐屯地を出発、福島県のＪビレッジに応急救護所を設営した。3月19日、東京電力と調整し、監督室を救護所に、ロッカールームを事務室兼宿泊所として使用することになった。4月中旬から大量傷者発生に備えた患者搬送訓練を実施（5月末までに計６回）。5月23日までに延べ1248名に健康診断を行い、51名が受診、108名に放射線教育を行った。2017年9月、自衛隊札幌病院と、強毒性感染症患者の発生を想定した訓練を実施。2018年3月27日、陸上総隊の隷下に入り、三宿駐屯地に移った。2019年7月6日、自衛隊中央病院で第５回感染症患者受入訓練に参加。2020年2月1日、新型コロナウイルス感染症流行地からの帰国者一時滞在施設での生活支援を開始。2月10日、乗員・乗客全員に対する新型コロナウイルスPCR検査が決定したダイヤモンド・プリンセス号での医療支援を開始。2021年3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、１級賞状が授与された。2023年11月9-20日、カマンダグ23に参加。参考：MAMOR vol.147、vol.162、朝雲、スピアヘッドNo.16、陸上総隊ホームページ、月刊軍事研究6,’18

＜タイドサージ＞：A138（給油艦）を参照。

＜対都市戦略＞：Counter City Strategy。1958-60年に生まれた核戦略で、対兵力戦略との間で議論となった。第一攻撃目標を都市に置くもので、重要都市に対応した一定数の戦略兵器を保有することにより、一般的な恐怖感に基づく抑止力を発揮させる。経済的で軍拡競争に発展しにくいが、積極的な抑止力に欠け、戦争になった際には敵軍事力の破壊への寄与が限定されるので勝利に繋がらない可能性がある。参考：アメリカの核兵器

＜タイドスプリング＞：A75（初代タイド級給油艦）またはA136（２代目タイド級給油艦）を参照。

＜タイドスプリング級＞：タイド級給油艦（２代目）を参照。

＜タイドフォース＞：A139（艦隊給油艦）を参照。

＜タイトル作戦＞：第２次大戦時にイギリス海軍が行った、チャリオット人間魚雷によるティルピッツ攻撃作戦。1942年10月26日、ノルウェーの木造漁船アーサーにチャリオット２隻を固定して出撃、途中で検問を逃れるために船底に吊るし直したが、荒波を受けてチャリオットが沈んでしまい、作戦は失敗した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜タイドレイス＞：A137（給油艦）を参照。

＜対ドローン銃＞：アンチ・ドローン・ガンを参照。

＜ダイナ＞：一〇〇式司令部偵察機シリーズを参照。

＜ダイナ７２＞：DYNA72（爆発性反応装甲）を参照。

＜隊内生活体験＞：民間企業や民間団体が自衛隊で訓練を行うもので、全国各地の駐屯地や基地で実施されている。基本教練、講義、施設見学、装備品体験搭乗などを日帰りから二泊三日程度で行う。費用は実費のみで、二泊三日でも3000円程度と格安。1960年代から実施されており、2009年度には15000人が参加した。参考：MAMOR Vol.43

＜ダイナヴァート＞：CL-84（VTOL）を参照。

＜ダイナ君＞：福井地方協力本部のマスコットキャラで、一般公募により2012年度に制定された。福井県が国内有数の恐竜化石発掘地であることと、鯖江市が眼鏡の生産量日本一であることから、眼鏡を掛けて迷彩服とヘルメットを被った恐竜というデザインになっている。参考：朝雲

＜ダイナソア計画＞：アメリカ空軍が1957年11月に開始した、アンチポーダル・ボマー開発計画DYNA-SOAR（ダイナミック・ソアリングの略）。それまで各社から出ていた計画を一本化したもので、メーカー７社が応募し、1959年にボーイング社が機体を、マーチン社（ベル社が協力）が液体ロケットブースターを開発することになった。実験機名はX-20で、1962年にモックアップが完成、1963年には実機製作も開始され、６名のパイロットも選抜されたが、1963年にアポロ計画に全力投入するため開発中止となった。研究成果はスペースシャトルの開発に活かされている。参考：月刊軍事研究7,’04

＜ダイナマイト＞：ニトログリセリン含有爆破薬の総称。ニトログリセリンを主成分として少量のニトロセルロースを混合してあるのが最も威力が大きい「松ダイナマイト」で、餅のような特性をしている。高価なニトログリセリンの代わりに硝酸カリウム微粒子を40%ほど用いたのが「桜ダイナマイト」。硝酸カリウムの50%を硝酸アンモニウムに置き換えて微量な添加物を加えると、「桐」、「えのき」、「白梅」などの多様なダイナマイトが出来上がる。参考：火薬のはなし

＜ダイナミック＞：AFDL-6（浮きドック）を参照。

＜ダイナミックシグナルアナライザ＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜ダイナミック・ターゲッティング＞：ターゲッティングを参照。

＜ダイナミック・マリナー＞：NATOの演習Dynamic Mariner。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜ダイナミック・マリナー２０１９＞：2019年10月8-18日に大西洋東部で実施され、アメリカ（DDG-101グリッドレイ、MV-22B）、スペイン（A14パティーニョ、L52カスティーリャ、L61ファン・カルロス�T世、EAV-8B）、ノルウェー（F314トール・ヘイエルダール）など18カ国から34隻（うち潜水艦２隻）が参加し、対空戦、対潜戦、対水上戦、侵略を受けた際の防衛戦を演練した。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜ダイナミック・マリナー２０２０＞：2020年9月28日から10月8日にフランス近海の地中海で行われ、アメリカ、イタリア（ミサイル駆逐艦D560ルイージ・ドゥランド・デ・ラ・ペンヌ）、オランダ（L800ロッテルダム）、スペイン（イージス艦F101アルヴァロ・デ・バサン、補給艦A14パティーニョ）、ドイツ、フランス（強襲揚陸艦L9013ミストラル、ミサイル駆逐艦D620フォルバン、ミサイル駆逐艦D621シュヴァリエ・ポール、ミサイル駆逐艦D654オーベルニュ）など７カ国から艦艇32隻と航空機３機が参加し、対空戦、対機雷戦、水陸両用戦などの訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜ダイナミック・マングース＞：NATO軍対潜演習Dynamic Mongoose。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜ダイナミック・マングース２０１５＞：2015年5月4日から北海で行った。アメリカ（CG-69ヴィクスバーグ）、イギリス（F79ポートランド）、オランダ（F803トロンプ）、カナダ、スウェーデン、スペイン、ドイツ（U33）、トルコ（F497ギョクス）、ノルウェー、フランス（D646ラトゥーシュ・トレヴィル）、ポーランドの11カ国から艦艇13隻と航空機数機（オランダ海軍NH-90対潜ヘリ、ドイツ海軍P-3C対潜哨戒機、フランス海軍アトランティック２対潜哨戒機など）が参加した。参考：月刊世界の艦船7,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ダイナミック・マングース２０１６＞：2016年6月20日から7月2日までノルウェー沖で実施された。アメリカ、イギリス、スペイン、ノルウェー（S-301ウートシラ）など８カ国から水上艦９隻と潜水艦４隻が参加した。参考：月刊世界の艦船10,’16

＜ダイナミック・マングース２０１８＞：2018年6月25日から7月6日までノルウェー海で実施された。オランダ（F831ヴァン・アムステル）、スペイン（F101アルヴァロ・デ・バサン）、デンマーク（F363ニールス・ユール）、トルコ（F495ゲディズ）、ポーランド（273ゲネラウ・タデウシュ・コシチュシュコ、Z-1バウティク）など８カ国から水上艦７隻、潜水艦２隻、航空機３機が参加し、対潜戦や対水上戦の訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船10,’18

＜ダイナミック・マングース２０２０＞：2020年6月29日から7月10日までアイスランド近海の北大西洋上で実施された。アメリカ（DDG-80ルーズヴェルト、SSN-789インディアナ）、イギリス（F78ケント、F237ウエストミンスター）、カナダ（FFH-337フレデリクトン）、ドイツ（U-36）、ノルウェー（F312オットー・スヴェルドラップ）など６カ国から艦艇５隻、潜水艦５隻、対潜哨戒機５機が参加し、水上艦及び航空機による対潜訓練と、潜水艦による水上艦襲撃訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船10,’20

＜ダイナミック・マンタ＞：NATOの年次対潜・対水上艦戦闘演習Dynamic Manta。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜ダイナミック・マンタ２０１５＞：NATOが2015年9月11-23日にイタリア近海で行った。アメリカ海軍潜水艦１隻、イギリス海軍攻撃原潜S-21アンブッシュ、イタリア海軍フリゲートF571グレカーレ、潜水艦S-522サルヴァトーレ・ペロシ、ギリシャ海軍潜水艦S-116ポセイドン、スペイン海軍潜水艦１隻、ドイツ海軍ミサイル・フリゲートF220ハンブルク、トルコ海軍潜水艦S353プレヴェゼ、フランス海軍攻撃原潜S-606ペルル、駆逐艦D643ジャン・ド・ヴィエンヌが参加した。参考：月刊世界の艦船12,’15

＜ダイナミック・マンタ２０１６＞：2016年2月22日からイタリアのシチリア沖で実施された。アメリカ、イギリス（アスチュート級原潜）、イタリア（フリゲートのリベッチオ、S-526サルヴァトーレ・トダロ）、ギリシャ、スペイン（F81サンタ・マリア、S-73ミストラル）、トルコ（S352ドルナイ）、フランス（D642モンカルム、補給艦ヴァル）など８カ国11隻が参加している。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜ダイナミック・マンタ２０１８＞：2018年3月5-16日、シチリア沖で実施された。アメリカ（SSN-785ジョン・ウォーナー）、イギリス（D37ダンカン）、イタリア（F593カラビニエーレ、ロメオ・ロメイ）、カナダ（潜水艦877ウインザー）、ギリシャ（F450エリ、S-123マトロゾス）、スペイン（F105クリストバル・コロン、S-73ミストラル）、トルコ（F490ガジアンテプ、S353プレヴェゼ）、フランス（D653ラングドック）、ベルギー（F931ルイーズ＝マリー）の９カ国から潜水艦６隻、水上艦９隻、対潜哨戒機10機が参加している。参考：月刊世界の艦船6,’18

＜ダイナミック・マンタ２０１９＞：2019年2月25日から3月8日、イタリアをホスト国に地中海中部で実施された。イタリア（S-527シレ）、オランダ（F805エフェルトセン）、ギリシャ（F-450エリ、S-120パパニコリス）、スペイン（F109ブラス・デ・レッソ、S-74トラモンタナ）、トルコ（F493ゲリボル、S357ギュル）、フランス（D654オーヴェルニュ）など10カ国から水上艦10隻、潜水艦５隻、航空機17機が参加している。参考：月刊世界の艦船5,’19

＜ダイナミック・マンタ２０２０＞：2020年2月24日から3月6日、地中海中部で実施された。アメリカ、イタリア（F593カラビニエーレ、ロメオ・ロメイ）、トルコ（S-355 18マルト）、フランス（D652プロヴァンス）など９カ国から水上艦７隻、潜水艦４隻、航空機８機が参加している。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜ダイナミック・マンタ２０２１＞：2021年2月22日から3月5日、シチリア島近海で実施された。アメリカ、イタリア（F591ヴィルジニオ・ファザン、A5327ストロンボリ）、ギリシャ（F462コウントウリオティス、S-120パパニコリス）、スペイン（F105クリストバール・コロン）、トルコ（F247ケマルレイス）、フランス（D653ラングドック）など８カ国から水上艦５隻、潜水艦５隻、対潜哨戒機５機、空母R-91シャルル・ド・ゴール機動部隊が参加し、対潜戦や対水上戦訓練を行った。参考：月刊世界の艦船6,’21

＜ダイナミック・マンタ２０２２＞：2022年2月21日から3月4日、シチリア島周辺で実施され、アメリカ、イタリア、スペインなど８カ国から水上艦12隻、潜水艦３隻、航空機８機が参加した。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜ダイナミック・モナーク２０１７＞：NATOの潜水艦救難演習Dynamic Monarch 2017。2017年9月8-21日にトルコ近海の地中海で実施され、イギリス海軍（支援船ノーザン・リバー）、イタリア海軍、スペイン海軍（潜水艦トラモンタナ）、トルコ海軍（潜水艦ブラクレイス、プレヴェゼ、潜水艦救難艦A582アレムダル、掃海艇アランヤ）、トルコ空軍（C-130輸送機）から艦艇12隻と航空機が参加した。参考：月刊世界の艦船12,’17

＜ダイナモ作戦＞：ダンケルク撤退を参照。

＜台南海軍航空隊（日本海軍）＞：日本海軍航空隊。昭和16年10月1日に戦闘機部隊として台南で編成され、第23航空戦隊に編入された。定数は艦戦54機、補用18機、陸偵６機である。12月8日、太平洋戦争開戦時には建制も兵力部署も第23航空戦隊の隷下で、零戦二一型45機、九六式艦戦12機、九八式陸偵６機を装備しており、山田部隊（零戦14機と少数の九六式艦戦）が第22航空戦隊司令部付戦闘機隊に配属されていた。12月8日、零戦44機でルソン島を攻撃し、９機を撃墜、60機を地上撃破した。損失は自爆未帰還５機。12月13日まで引き続きマニラ周辺の飛行場攻撃を行い、１個中隊がレガスピ飛行場に進出して上空警戒にあたった。12月17日からリンガエン湾上陸部隊輸送船団の空中掩護を実施。12月26日からホロ島への移動を開始。昭和17年1月7日、零戦41機がホロ島に展開した。1月10日からタラカン島上陸船団の対空直衛を実施。1月16日、タラカン基地に進出。バリクパパン、バンジェルマシン、メラク、マカッサルなどの攻撃や偵察に入った。1月24日、バリクパパン上陸を援護。1月30日、バリクパパン基地に進出。2月3日、スマトラ島・ジャワ島・バリ島攻略に備え、東部ジャワ航空撃滅戦を開始。2月18日、１個中隊がマカッサルに移動してバリ島上陸作戦を援護。2月20日、マカッサルの１個中隊がバリ島デンパサル飛行場に進出。3月1日、定数が戦闘機60機（常用45機・補用15機）、陸偵８機（常用６機、補用２機）となった。3月9日、蘭印作戦終了によりデンパサルで休養に入った。3月22日、零戦９機がフィリピンに転用され、コレヒドール爆撃を援護した。4月10日の改編で第25航空戦隊の隷下に入り、ラバウルに進出することになった。4月16日、部隊全力の移動を完了。しかし保有機の補充は少なく、4月25日の段階でラバウルに零戦８機、九六式艦戦６機、ラエに零戦24機であり、可動機は8月半ばまで20機前後だった。それでも4月17日から東ニューギニア方面の作戦を開始。ラエ、ポートモレスビー、ケアンズ、クックタウンなどの偵察も行った。5月7日、零戦12機で珊瑚海海戦に参加。6月27日、零戦11機でポートモレスビー港爆撃の護衛を実施。7月までに246機撃墜（不確実45機含む）のスコアをあげ、ホーン島やラエ、ブナでの戦果を合わせると約300機を撃墜し、損害は20機だった。7月10日、二式陸上偵察機２機が配備された。8月7日、アメリカがガダルカナル島に上陸してきたため、零戦18機で片道560海里の直衛任務を実施、F4F戦闘機43機（不確実７機含む）を撃墜した。損失は２機である。二式陸偵もガダルカナル島の偵察に投入されている。8-11月のスコアは201機（不確実37機含む）だったが、パイロット32名が戦死し、ベテランを次々と失う結果となった。11月1日に第251航空隊と改称され、11月中旬に本土に帰還した。日本海軍戦闘機隊の中で一番多くのエースを生み出した航空隊である。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊航空ファン7,’99、7,’19

＜タイニー・ティム＞：アメリカ海軍の空対地・空対艦ロケット弾。Fi-103巡航ミサイル発射基地攻撃用として1944年から開発されたが、実用化は1945年に入ってからで、沖縄戦の対地攻撃や呉空襲の対艦攻撃に使用された。弾頭は半徹甲で、重量225kg。最大射程1500m。F6F-5戦闘機にも２発積める。参考：歴史群像4,’17

＜大日丸＞：板谷商船貨物船。総トン数5813トン。昭和18年10月、ルソン島西で雷撃を受け沈没し、2089名が死亡した。参考：輸送船入門

＜大日本婦人会＞：陸海軍省隷下の大日本国防婦人会（昭和7年創立）、内務省管轄下の愛国婦人会（明治34年3月2日創立）、文部省監督下の大日本連合婦人会が統合され、昭和16年6月10日の閣議決定に基づいて昭和17年に結成された婦人団体。総裁は東久邇宮稔彦王妃聡子内親王殿下で、20歳以上の女性が強制的に会員となった。紺色の上着の左胸に日の丸をあしらった会章を付ける。皇国伝統の婦徳修養、家庭生活の非常準備、家庭生活の整備、国防上必要な訓練、軍人援護などを行う。昭和20年6月、翼賛壮年団や大日本青少年団などと共に国民義勇隊に統一された。参考：戦時用語の基礎知識、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜耐熱素材＞：Heat resistant material。長時間加熱に耐えられる温度は、アルミ合金なら120℃、チタン合金なら400℃、特殊ステンレス鋼なら650℃、インコネルＸ（ニッケルクロム鋼）やハステロイ（ニッケルモリブデンクロム鋼）、コバルト系合金なら800-1000℃で、それ以上はモリブデン／コロンビウム／タングステン合金や特殊非金属素材を使う。極超音速機や大気圏再突入機ではセラミック・ファイバーなどの断熱材と併用する。空力加熱に耐えられる航空機外板に使う場合、マッハ２強くらいまでは白い塗装の方が太陽熱を反射して温度が下がるが、それ以上ではつや消し黒塗装の方が外板からの熱輻射が増えて有利になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ダイバー＞：Fi-103（巡航ミサイル）を参照。

＜ダイバージェンス＞：Divergence。物体に力が加わって変形が生じ、その変形によって物体に加わる力の大きさが増大、更に物体が大きく変形し、ますます物体に加わる力が大きくなっていく現象のこと。最悪の場合には物体が破壊されてしまう。前進翼でこの現象が起こりやすく、主翼の剛性を高めて変形に耐えられるようにしておく必要がある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ダイバージョン＞：Diversion。航空機が最初の着陸予定飛行場に向け飛行中に、何らかの理由で着陸不可能になってしまい、飛行計画で予め指定しておいた代替飛行場に着陸すること。気象状態の悪化によるものが一番多いが、着陸予定飛行場で事故などが発生したり、航空交通管制が困難になったり、飛行場管理地域で戦争が起こったりしてもダイバージョンを余儀無くされる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ダイバーズロック＞：潜水艦救難脱出装置の１つ。二重ロック構造になっており、中に１名が入って入り口のハッチを閉め、内部に注水して水圧を内外均等にし、出口のハッチを開けて潜水艦外に脱出、ハッチを閉めて浮上する。これを繰り返すが、２人目以降が入り口のハッチを開ける度に海水が艦内に入ってしまう。また、脱出時にハッチを閉め損ねると次の脱出者がハッチを開けられなくなるし、水深が深いと注水した際の水圧で脱出者が潰される恐れがある。日本海軍の潜水艦にも用意されており、上には救難浮標が取り付けられていたが、太平洋戦争時には脱出を考えず、救難浮標や命綱を外して戦力増強のため内部に食糧を入れることもあった。参考：続潜水艦気質よもやま物語

＜ダイバーター＞：境界層が空気取り入れ口に流入するのを防ぐために設けられた平板のこと。境界層分だけ空気取り入れ口を機体から浮かせ、エアインテイク内側前方と機体との間に平板を設置することで境界層を流入させない。ダイバーター自体から発生する境界層は、ダイバーター表面に開けた細かい孔から吸い込み、機体とダイバーターの間に逃がす。参考：月刊JWings11,’00

＜ダイバーターレス・スーパーインレット＞：DSIと略す。境界層除去のためのダイバーターを持たない空気取り入れ口のデザインのことである。吸入口中央にバンプ（出っ張り）を設けるなどしており、部品点数と重量の削減が可能で、レーダー波の後方散乱も防げる。高速飛行はできず、マッハ1.6くらいが限界とされるが、NGFではエアインテイク開口部面積を広げてマッハ２級を出すとしており、工夫次第で何とかなるのかもしれない。F-35などに使用されている。参考：月刊JWings11,’00、3,’11、月刊航空ファン9,’19

＜ダイバー探知ソナー＞：潜水者探知ソナーを参照。

＜耐バードストライク試験＞：MIL軍用規格では重量４ポンド（1.814kg）の生きた鳥を速度300ノットで風防に衝突させ、超高速カメラで撮影して状況を確認する。死んだ鳥やチキンステーキなどではダメで、あくまで生きた鳥を使う。参考：月刊航空ファン6,’17

＜耐爆防爆形電気チェーンブロック＞：自衛隊の機器。キトー製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜大発＞：日本軍の上陸用舟艇（特型運貨船）で、大発動艇（大発動機船？大発動機艇？）の略。日本陸軍が開発し、昭和4年（7年？）に完成した。制式名称は14メートル特型運貨船で、海軍はこちらの名称で使用している。船体は厚さ3.2mmの鋼板を溶接して製作した。水線上は箱舟だが、耐波性を確保するため水線下は双胴になっており、艇首に２つ折りのランプ、後部に防楯付き操舵所と揚錨機、機関室、煙突２本を持つ。当時の輸送船は主に10トン・デリックを装備していたので、これで揚収できる9.5トンに自重を抑えた。輸送船の上甲板に搭載されており、沖合で船舶工兵が乗り込んで徴用船員が操作するデリックにより海面に降ろされる。船舶工兵はエンジンを始動して所定の輸送船舷側に移動、艇首尾を輸送船に固定し、兵員や兵器を積み込んで海岸へと向かう。揚陸地点直前で艇尾錨を降ろし、擱座着岸を行い、船舶工兵２名が艇首の錨を１本ずつ持って砂浜に上がり、左右に分かれて艇を固定、艇首のランプを展開して兵員や兵器を揚陸する。揚陸が終了したら、予め投錨しておいた艦尾の錨を支えにして揚錨機で舟艇を後退させ、海底から離れたら揚錨して撤収する。戦車を載せる際には水密作業を実施し、車体に夜光または白色塗料で前後左右と中心線を標示、車止めと固定材で確実に固定する。舟艇にもランプ両側と船底に白線を記入し、渡り板に圧板を載せて履帯で傷つくのを防止する。揚陸する際は、戦車兵１名が海に降りて水深と海底の状況を車長に報告し、適切であれば車長がランプドアを開放させ、渡り板を倒して戦車を前進させる。海岸に上陸したら戦車隊を横隊に展開し、上陸障害物の排除や敵火力の制圧、対戦車戦闘にあたる。全長14.88m、最大幅3.35m、深さ1.52m、吃水0.7m、自重9.5トン、満載排水量22.5トン。主機は液冷ディーゼル１基、出力60/80/150馬力、速力7.5-8.5ノット、航続距離は８ノットで50海里、航続時間9.5時間（15時間？）。積載量12トンで、八九式中戦車なら１両、馬なら10頭、武装した兵士なら１個小隊70名を収容できる。乗員6-7名。昭和7年から昭和15年までに135隻、昭和16年に300隻、昭和17年に555隻、昭和18年に1347隻、昭和19年に2489隻、昭和20年に603隻の計5429隻が生産され、木製の木大発、合板製の合板大発、合板と単板で作った木合板交造大発も製造された。車幅が広い九七式中戦車は載せられないという欠点があり、後に特大発（17メートル特型運貨船）が開発されている。日本陸軍では船舶工兵が運用し、太平洋戦争では強襲上陸に加えて蟻輸送にも使われたため、戦争後半に大量生産された。強襲上陸時に反撃を喰ったり、蟻輸送時にはアメリカ海軍の魚雷艇と撃ち合いになったりすることも多く、37mm速射砲や九二式7.7ミリ重機関銃を搭載することもあり、PT-133、193、247、283の４隻を撃沈したが、船体が只の薄い鋼板で、操舵所の防楯も付いていないものが多かったらしく、損害は大きかった。また、沿岸部の巻波で転覆する事態が多発した。参考：スピアヘッドNo.8、月刊軍事研究11,’16、小艦艇入門、輸送船入門、激闘太平洋戦記、写真で見る海軍糧食史

　＜ＬＢ−Ａ＞：大正14年に試作された初期型。ペイロードが小さく、戦車は載せられない。参考：月刊丸9,’03

　＜ＬＢ−Ｄ＞：八九式中戦車を載せられるようにしたタイプで、昭和8年に完成した。船底肋材を２本のＷ型にして強度を増し、船首道板も強化している。満載排水量22.5トン。主機は水冷ディーゼルで、速力7.8ノット。兵員70名もしくは八九式中戦車１両を搭載できる。参考：月刊丸9,’03

　＜大発（組み立て式）＞：島嶼間輸送用に大型化して自衛用兵装も積んだもの。15トン級のデリックがあれば輸送船から降ろせるよう、前半部（10トン）と後半部（15トン）に２分割でき、港で降ろして組み立てて使用する。全長25m、全幅4m、自重25トン、満載排水量62トン。兵装は37mm砲１門、20mm機関砲２門。昭和20年3月に試作艇が完成したが、量産前に終戦となった。参考：月刊軍事研究11,’16

＜対番＞：海軍兵学校、少年／高等工科学校、航空学生、防衛大学校などにおいて、マンツーマンで新入生の面倒を見る上級生のこと。海軍兵学校では英訳してペアーとも称し、学年席次の同位者が務めた。伝統的な制度であり、生徒心得には記載が無い。太平洋戦争勃発などで入校者数が激増するとマンツーマンとはいかなくなり、１対3-4名くらいになっている。防衛大学校では上級生を上対番、下級生を下対番と称する。参考：MAMOR vol.60、vol.142、陸海軍学校と教育、海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜貸費学生＞：自衛隊の入隊制度の１つ。医学、歯学、理学、工学を専攻する大学生・大学院生の志願者に、防衛大臣が定める選考手続きを経た上で学費を貸与し、卒業後に自衛隊に入隊してもらうもので、自衛隊法第98条に規定されている。貸与金には利息を附さず、修学後政令で定める年数以上継続して隊員であった時、修学後隊員であった者が公務災害で免職された時、死亡又は心身障害で貸与金の返還が出来なくなった時は、政令で定めるところにより、貸与金の全部又は一部の返還を免除される。衛生貸費学生と技術貸費学生の２種があり、将来的に三自衛隊のどれに入隊するかでも区分される。毎年学業成績表と健康診断の結果を提出する必要がある。貸費学生の指導は三自衛隊の指導官（幹部自衛官）が行う。参考：自衛隊貸費学生規則、自衛隊法、月刊JWings1,’12

　＜衛生貸費学生＞：学資金貸与の対象学術が医学又は歯学である貸費学生。大学の医学部又は歯学部で医学又は歯学を専攻し、正規の修業年限を修了する予定年の4月1日現在の年齢が28才未満の者か、大学院で医学又は歯学を専攻し、正規の修業年限を修了する予定年の4月1日現在の年齢が33才未満の者。参考：自衛隊貸費学生規則

＜技術貸費学生＞：学資金貸与の対象学術が自衛隊法施行令第120条の２ただし書に規定する理学又は工学である貸費学生。大学の理学部又は工学部で理学又は工学を専攻し、正規の修業年限を修了する予定年の4月1日現在の年齢が26才未満の者か、大学院修士課程で理学又は工学を専攻し、正規の修業年限を修了する予定年の4月1日現在の年齢が28才未満の者に学資金を支給し、夏休み期間に１週間程度の夏季研修を行い、卒業・修了したら幹部候補生として採用するものである。自衛隊に一定期間勤務すると、学資金返還が免除される。参考：自衛隊貸費学生規則、MOLIBITO Vol.3

＜タイフ＞：F708（フリゲート）を参照。

＜ダイブ＞：急降下を参照。

＜タイプ９−１７Ｋ＞：MiG-29K（インド海軍型）を参照。

＜タイプ１０ＲＤＮ＞：フランス軍のSAMP250汎用爆弾用サブスケール訓練爆弾。低抵抗も高抵抗もシミュレートできる。参考：月刊JWings5,’13

＜タイプ１４＞：MiG-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜タイプ１９Ａ＞：J30シリーズ（ジェットエンジン）を参照。

＜タイプ１９Ｂ＞：J30シリーズ（ジェットエンジン）を参照。

＜タイプ３５＞：ソ連軍対潜魚雷で、航空機から投下される。全長3.7m、直径0.35m、重量575kg、弾頭重量100kg。推進は固体燃料ロケット、雷速62ノット、航走距離2km。最大深度600m。誘導はパッシブ・アクティブ音響式である。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイプ４０＞：スウェーデン軍対潜魚雷。水上艦から発射可能である。直径406mm、弾頭重量150kg。雷速40ノット以上、航走距離15ノット。誘導はパッシブ・アクティブ音響式。ブルガリア軍も採用した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイプ４１＞：スウェーデン軍水上艦・潜水艦兼用対潜魚雷。直径400mm、弾頭重量45kg。雷速25ノット、射程20km。誘導はパッシブ音響式。参考：月刊丸3,’90

＜タイプ４２＞：スウェーデン軍魚雷。全長2.6m、直径400mm、重量298kg。最大雷速30ノット、最大射程20km。誘導は有線＋音響である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプ４３／４３１＞：スウェーデン軍対潜魚雷で、水上艦・潜水艦・航空機から発射できる。全長2.64m（2.85m？）、直径400mm、重量350kg、弾頭はHEまたはHEATで炸薬重量50kg。銀亜鉛電池によるモーター駆動で、雷速40ノットなら航走距離9km、35ノットなら10km、25ノットなら19km（22km？）、15ノットなら32km。誘導は有線＋パッシブ音響式。1987年に就役した。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプ４５＞：ロシア軍対潜魚雷で、水上艦や潜水艦から発射される。直径406mm、弾頭重量150kg。雷速40ノット、射程15km。誘導はアクティブ／パッシブ音響式。参考：月刊丸3,’90

＜タイプ４５／４５１＞：スウェーデン軍対潜魚雷で、水上艦・潜水艦・航空機から発射できる。全長2.85m、直径400mm、重量320kg（310kg？）、弾頭はHEATで重量50kg。銀亜鉛電池でモーターを駆動し、雷速40ノットなら航走距離10km、雷速25ノットなら22km、15ノットなら32km。誘導は有線＋アクティブ／パッシブ音響式（パッシブ音響式のみ？）。1990年に就役した。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプ５３−５６＞：ロシア軍対水上艦・対潜水艦用魚雷で、潜水艦から発射される。直径533mm、重量1900kg、弾頭重量400kg。空気・蒸気タービンで駆動し、雷速51ノットで航走距離4km、41ノットで8km。北朝鮮、ポーランド、リビアでも使用されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90

＜タイプ５３−６５＞：ロシア軍対水上艦用魚雷で、水上艦・潜水艦から発射される。1965年に就役した。全長7.8m、直径533mm、弾頭重量305kg。タービン推進で、雷速68ノットなら航走距離12km、雷速44ノットなら22km。最大深度100m。誘導は航跡追尾。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイプ６１／６１３＞：スウェーデン軍対水上艦用魚雷で、水上艦・潜水艦から発射できる。全長7.03m、直径533mm、重量765kg（1675kg？）、炸薬重量250kg。アルコール＋過酸化水素で熱機関を駆動し、雷速40ノット（45ノット？）、航走距離20km。誘導は有線＋アクティブ／パッシブ音響式。1984年に就役し、デンマーク軍やノルウェー軍なども採用した。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイプ６２＞：スウェーデン軍対水上艦用魚雷で、潜水艦から発射できる。全長6m（5.99m？）、直径533mm、重量1450kg。タービン推進で、雷速40ノット（45ノット以上？）、航走距離40km（50km以上？）。最大運用深度500m。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。1999年（2010年？）に就役した。輸出名はトルペド-2000（Torpedo 2000）で、ブラジル軍でも使用されている。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイプ６５−７６＞：ロシア軍対水上艦用魚雷で、潜水艦から発射される。全長1.1m、直径650mm、重量5000kg、弾頭重量500kg。灯油＋過酸化水素でガスタービンを駆動し、雷速50ノットで航走距離50km、30ノットで70km。最大深度200m。1976年に就役した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイプ６７機械化連隊＞：フランス陸軍の機械化連隊。司令部中隊、軽戦車中隊２個、ミサイル軽戦車小隊２個、機械化中隊２個からなり、AMX-13軽戦車26両、AMX-13/SS-11軽戦車８両、AMX-VTT/AMX-10P装甲車38両を装備する。参考：月刊PANZER5,’79

＜タイプ６７師団＞：フランス陸軍の師団編成で、タイプ59師団の核戦争対応型である。隷下にタイプ67旅団３個を置く。兵員15700名、戦車336両を保有する。参考：月刊PANZER5,’79

＜タイプ６７戦車連隊＞：フランス陸軍の戦車連隊。司令部中隊、戦車中隊４個、機械化中隊１個からなり、AMX-30戦車54両とAMX-VTT/AMX-10P装甲車13両を装備する。参考：月刊PANZER5,’79

＜タイプ６７旅団＞：フランス陸軍の旅団編成で、タイプ67師団隷下に３個が編成される。それ自体で基本戦闘単位になることができ、運用柔軟性が高い。指揮官は准将で、隷下に司令部大隊、戦車連隊１個、機械化連隊２個、野砲連隊１個、工兵中隊１個を置く。兵員数は約5000名で、AMX-30戦車54両、AMX-13軽戦車52両、AMX-13/SS-11軽戦車16両、155mm自走榴弾砲15両、AMX-VTT/AMX-10P装甲車89両を装備する。参考：月刊PANZER5,’79

＜タイプ６８シリーズ＞：フランス軍のヘリコプター搭載用SNEB68mmロケット弾ポッド。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプ６８−１２＞：12連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプ６８−２２＞：22連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプ６８−３６＞：36連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＬＲ６８−８＞：ダート弾専用８連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＬＲ６８−１２＞：ダート弾専用12連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＬＲ６８−１２Ｌ＞：ダート弾専用12連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＬＲ６８−２２＞：ダート弾専用22連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＬＲ６８−２２Ｌ＞：ダート弾専用22連装バージョン。全長1.41m、幅0.473m、高さ0.355m、重量252kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプ７２Ｚ＞：T-55海外シリーズ（戦車）を参照。

＜タイプ７４＞：スウェーデンのサーブ社が開発した対潜・対水上艦用係維機雷。円筒形をしている。重量205kg。最大深度110m。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜タイプ７７＞：スウェーデンのサーブ社が開発した対潜・対水上艦用沈底機雷。重量470kg。最大深度200m。水圧信管を持つ。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜タイプ１００−４＞：フランス軍のヘリコプター搭載用100mmロケット弾４連装ポッド。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプ１１６Ｍ＞：フランス軍の固定翼機用68mmロケット弾19連装ランチャー。参考：月刊JWings6,’13

＜タイプ１１８＞：イギリスのMk82爆弾用減速装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜タイプ１４８＞：ドイツ海軍高速哨戒艇。トリトン監視レーダー、カスター射撃管制レーダー、オクトパス統合電子戦装備を装備する。兵装は62口径76mm両用砲、40mm単装砲、MM38エグゾセ対艦ミサイル４発。１番艦P6141ティーゲルは1972年10月に就役した。P6155アルクは2002年5月13日に、P6146フクス、P6148レーウェ、P6156ドンメル、P6157ウェイエの４隻は2002年12月16日にドイツ海軍を除籍され、エジプト軍に委譲された。参考：月刊軍事研究1,’03

＜タイプ１５５＞：タイプＦシリーズ（ロケット弾ポッド）を参照。

＜タイプ２００＞：フランス軍の500ポンド爆弾用減速装置で、マトラ社が開発した。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜タイプ２０９＞：209型（潜水艦）を参照。

＜タイプ２１２Ａ＞：212A型（潜水艦）を参照。

＜タイプ２１４＞：214型（潜水艦）を参照。

＜タイプ２２４＞：スピットファイア・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜タイプ２４５−０１０＞：ドイツ軍が1943年5月27日の戦車委員会・兵器委員会の会合で開発することにした歩兵支援用戦車で、対空・対戦車両方に対応している。車体や砲塔は鋳造製の傾斜装甲で構成され、全周旋回砲塔に5.5cm機関砲MK112（350発。俯仰角マイナス８度からプラス82度）と7.92mm同軸機銃（機関砲の右脇）を搭載している。乗員は車体左の操縦手、砲塔右の車長、左の砲手で、操縦手には上面に引き込み式ペリスコープ、前面に上開きの円形クラッペが用意されており、車長と砲手には旋回式ペリスコープ付きの独立ハッチが装備された。エンジンとトランスミッション、操向装置、起動輪は後方にある。転輪は千鳥配置で、サスペンションは垂直円錐型コイルスプリング、履帯幅480mm。全長4.88m、全幅2.32m、全高2.57m、重量30トン。装甲厚は車体前面下部60mm曲面、前面上部60mm55度、側面下部16mm+16mm、側面上部40mm28度、後面下部25mm曲面、後面上部25mm62度、底面16mm、上面16mm、砲塔全周40mm30度、上面20mm。エンジンはポルシェ製タイプ101空冷ターボチャージドガソリン（345馬力）で、最大速度65km、航続距離は整地240km、不整地150kmを予定していたが、実際こんなに出せるかは不明である。乗員３名。木製の模型のみが製作され、試作車すら発注されなかった。参考：グランドパワー8,’10

＜タイプ２４５−０１１＞：ドイツ軍が1943年5月27日の戦車委員会・兵器委員会の会合で開発することにした偵察戦車で、主砲に5.5cm機関砲MK112を搭載、連合軍の1kgクラスター成型炸薬爆弾に耐えられる強力な上面装甲を備えることになった。駆逐戦車型式で、車体は良好な避弾経始を有し、上面前方右にMG42機銃（最大仰角72度）を装備する車長用銃塔、左に操縦手用ハッチを持つ。機関砲の射角は左右５度ずつ、俯仰角はマイナス５度からプラス22度で、装弾数240発。エンジンとトランスミッションを収容する機関室は後方にあり、起動輪も後方である。転輪はゴム内蔵式鋼製で、千鳥配置。上部転輪のかわりにソリが付いていて、サスペンションは垂直コイルスプリングである。履帯幅は450mm。全長4.79m、全幅2.92m、全高1.45m、戦闘重量15トン。装甲厚は車体前面上部60mm60度、前面下部60mm30度、側面上部40mm50度、側面下部25mm+16mm90度、後面上部25mm60度、後面下部25mm30度、上面25mm、底面20mm。エンジンはポルシェ製空冷ガソリン（250馬力）、最大速度58km。試作車すら発注されずに終わった。参考：グランドパワー8,’10

＜タイプ３００＞：スピットファイア・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜タイプ３２３＞：スピットファイア戦闘機ファミリーを参照。

＜タイプ３３２＞：フランケンタール級（機雷掃討艇）を参照。

＜タイプ３３８＞：ブザー�V型（レーダー警戒装置）を参照。

＜タイプ３３８Ａ＞：ブザー�V型（レーダー警戒装置）を参照。

＜タイプ４０４＞：エルベ級（支援母艦）を参照。

＜タイプ４２３＞：アルスター級（情報収集艦）を参照。

＜タイプ４２４＞：ドイツ海軍が開発している情報収集艦。タイプ423アルスター級の後継で、偵察やSIGINTが主任務である。１番艦は2029年に配備される予定。参考：月刊世界の艦船10,’23

＜タイプ４３２／４５１＞：スウェーデン海軍の400mm対潜魚雷。誘導は有線＋アクティブ／パッシブ音響で、速力25ノット、射程20km。参考：月刊軍事研究7,’99

＜タイプ４４０＞：ドイッチュラント級（練習艦）を参照。

＜タイプ５１０＞：ノール・アヴィアシオン社が開発した繋留型無人偵察機。３本の繋留索で地上と繋がれ、ターボシャフトエンジンによりローターを回転させて高度300mまで上昇できる。タイプ511に進んだ。参考：スパイ機

＜タイプ５１１＞：ノール・アヴィアシオン社が開発した繋留型無人偵察機で、タイプ510の改良型。繋留索を１本に減らし、運用高度を1000mに上げている。1969年に開発中止となった。参考：スパイ機

＜タイプ７０２＞：ドイツ海軍戦闘支援艦ベルリン（Berlin）級。ドイツ海軍の駆逐艦・フリゲート混成部隊に補給支援と医療業務を提供する艦で、医療業務用コンテナ化海上救難センターの搭載が可能であり、PKO任務も想定している。前甲板中央に門型洋上補給ポスト１基があり、その前後にコンテナ搭載用大型クレーン１基ずつを装備する。後部ヘリ甲板ではS-61シーキングやNH90多任務ヘリなど２機を運用できる。着艦拘束装置はハープーン。1-2番艦と３番艦の就役年は10年以上離れており、主機強化などの改良が施された。全長173.7m、幅24m、吃水7.4m、満載排水量20240トン（３番艦は20565トン）。燃料油7850トン、飲料水1330トン、ドライカーゴ280トン、弾薬220トン、潤滑油115トンの搭載が可能。主機はディーゼル２基２軸14322馬力（３番艦は19584馬力）、速力20ノット。兵装はMLG27単装機関砲４門、12.7mm機銃４丁、携SAM発射機２基。シーキングMk41ヘリ２機を運用する。乗員は固有の60名、医療スタッフ50名、航空要員30名で、更に94名が乗れる。また、傷病者43名を収容できる。１番艦A1411ベルリン、２番艦A1412フランクフルト・アム・マイン、３番艦A1413ボンが2001-13年に就役した。参考：月刊世界の艦船11,’13、3,’07、6,’01、10,’11、8,'20、月刊軍事研究5,’11、11,’02

＜タイプ７０２Ｄ気象レーダー局＞：PLZ45自走砲ファミリーを参照。

＜タイプ７０４＞：シュペサルト級（給油艦）を参照。

＜タイプ７０４−１砲迫探知・射撃修正レーダー＞：PLZ45自走砲ファミリーを参照。

＜タイプ７０７＞：ドイツ海軍が建造中の補給艦。シュペッサルト級給油艦の後継で、2019年から設計された。全長173m、幅24m、吃水8m、満載排水量20000トン。最大速力18-20ノット。補給用燃料容量12000立方メートル。コンテナ20個を搭載可能。乗員42名＋便乗者23名。１番艦は2023年6月29日にファースト・スチール・カットが行われ、8月8日に起工された。参考：月刊世界の艦船9,’23、10,’19、10,'23、11,’23

＜タイプ７３０＞：730型（CIWS）を参照。

＜タイプ８００＞：ドルフィン級（潜水艦）を参照。

＜タイプ１９８９＞：83式自走砲ファミリーを参照。

＜タイプ４５２０＞：ドイツのMAN社製トラック。４×４輪の５トントラック、６×６輪の７トントラック、８×８輪の10トントラックが用意されており、ドイツ軍で採用されている。参考：月刊PANZER11,’01

＜タイプ６６１４＞：イタリアのフィアット社とOTOメララ社が1970年から開発した４×４輪装輪装甲兵員輸送車。車体はフィアット社の担当で、装甲鋼板の溶接製、車高は低く抑えられており、装甲厚は前面8mm、それ以外が6mmで、良好な避弾経始を持つ。前部左に操縦席、右に機関室、後部に兵員室がある。操縦手用ハッチはドーム状をしており、５基のビジョンブロックが用意されていて、右に開く。歩兵10名を搭乗させることが可能で、指揮官はキューポラに、９名は兵員室に位置する。兵員室側面に前開きのドア、後面に下開きの大型ランプがあり、上面には２枚の左右開きハッチが用意され、10カ所（側面ドア１基ずつ、兵員室側面３基ずつ、後面ランプ２基）にビジョンブロックとガンポートを持つ。サスペンションはコイルスプリングによるストラット式で、それぞれに２基の油圧ショックアブソーバーとアンチロールバーを持つ。タイヤは14.50×20ランフラット。武装はOTOメララ社の担当で、基本は車体上面中央部のキューポラ（ペリスコープ５基付き）に装着された7.62mmMG42/59または12.7mmM2機銃１丁で、ハッチがそのまま防楯になる。側後面防楯付き12.7mmM2銃塔TPT Mk.4を搭載することもある。夜間暗視装置、エアコン、自動消火装置、76mm発煙弾発射機、4.5トンウインチなどをオプションで搭載可能。全長5.86m、全幅2.5m、全高1.78m、戦闘重量8.5トン。エンジンはフィアット・モデル8062.24液冷直列６気筒スーパーチャージャー付き多燃料ディーゼル（5184cc、160馬力）で、トランスミッションはマニュアル式（前進５速・後進１速、２速トランスファー付）、最大速度100km、燃料搭載量142リットル、航続距離700km。タイヤ推進による時速4.5kmでの水上航行が可能。乗員１名、乗車兵員10名。イタリア国家憲兵隊に150両、イタリア空軍に110両、イタリア陸軍山岳部隊に14両、イタリア警察に50両、韓国（KM900）に400両、ソマリアに270両、リビアに200両、チュニジアに110両、ベネズエラに24両、ペルーに15両が配備された。参考：月刊PANZER5,’11、4,’11、世界の軍用車両（４）

＜タイプ６６１６＞：イタリアのフィアット社とOTOメララ社が開発した偵察用４×４輪装甲車で、タイプ6614をベースに開発された。車体は鋼製で、前部左に操縦席、中央に戦闘室、後部に機関室があり、側面下部両側に脱出用ハッチがある。足回りはタイプ6614と同じ。戦闘室には鋼製の２名乗り砲塔が搭載されており、20mm機関砲Mk20Rh202（即応弾250発、予備弾150発）が１門と7.62mm同軸機銃MG42/59（即応弾300発、予備弾700発）が１丁（機関砲の上に装着）装備されていて、俯仰角はマイナス５度からプラス35度。砲塔上面の車長用ハッチ前方に106mm無反動砲１門を取り付けることも可能である。装甲厚は全周8mm、上面6mm。左に車長、右に砲手が座り、車長用に９基のペリスコープが、砲手用にアレニアP204照準潜望鏡もしくはP194夜間照準器が用意されている。砲塔両側には76mm３連装発煙弾発射機を装備可能。オプションでNBC防護装置、エアコン、自動消火装置、ウインチなどを装着できる。全長5.37m、全幅2.5m、全高2.04m、戦闘重量８トン。エンジンはフィアット・モデル8062.24液冷直列６気筒スーパーチャージャー付き多燃料ディーゼル（160馬力）で、トランスミッションはマニュアル式（前進５速、後進１速、２速トランスファー付）、最大速度100km、燃料搭載量150リットル、航続距離700km。タイヤを使用して時速5kmでの水上航行が可能で、空挺投下もできる。乗員は操縦手、車長、砲手。1972年に完成し、イタリア憲兵隊に40両、ペルーに15両、ソマリアに30両が配備された。コッカリル90mm戦車砲を搭載したT90CKL砲塔に換えたバージョンも作られたが、量産はされなかった。ペルーでは砲塔右側面にサガーを２基、剥き出しで装着している。参考：月刊PANZER5,’11、世界の軍用車両(4)

＜タイプＢＦ＞：フランスのレーダー警戒装置で、0.6-12GHzに対応する。湾岸戦争で、ジャギュアが搭載した。参考：月刊エアワールド1,’00

＜タイプＤＥＭ＞：フランス軍の航空機発射型100mmロケット弾で、対バンカー用。全長2.5m、直径0.1m、翼スパン0.35m、重量40kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプＥシリーズ＞：ロシア軍の航空機搭載用魚雷。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＥ４５＞：AT-1ともいう。直径450mmで、誘導はパッシブ・アクティブ音響式。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＥ５３＞：AT-2ともいう。60RUシリーズ（SS-N-14）の弾頭としても使用される。全長4.7m、直径533mm、重量840kg、炸薬80kg。電池駆動のモーター推進で、雷速40ノット、航走距離10km。最大運用深度300m。誘導はパッシブ・アクティブ音響式。1972年に就役した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプＥＣＣ＞：フランス軍の航空機発射型100mmロケット弾で、対装甲・対人弾頭を装備している。全長2.5m、直径0.10m、翼スパン0.35m、重量40kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプＥＥＧ＞：フランス軍の航空機発射型100mmロケット弾で、汎用弾頭を装備する。全長2.5m、直径0.10m、翼スパン0.35m、重量40kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプＦシリーズ＞：フランス軍の固定翼機搭載用SNEB68mmロケット弾ポッド。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＦ１＞：36連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＦ２＞：６連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプＦ４＞：18連装バージョン。全長1.97m、直径0.41m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜タイプ１５５＞：ダート弾専用18連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜タイプＬＲシリーズ＞：タイプ68シリーズ（ロケット弾ポッド）を参照。

＜タイプＮ＞：Tu-88（試作爆撃機）を参照。

＜タイプＰ＞：TT-1930モデル・ピストル用の拳銃弾。モーゼル7.62mm×25弾のコピーである。参考：月刊PANZER10,’03

＜タイプＱ＞：ガネット・シリーズ（対潜哨戒機）を参照。

＜タイプＱ指揮連絡車＞：ケグレスＭファミリーを参照。

＜タイプＳ＞：エリコン・コントラヴェス社製の20mm艦載機関砲で、人力操作式。簡単なマウントに搭載でき、大型艦の補助火器として採用された。マウント重量225kg、俯仰角はマイナス15度からプラス90度。初速毎秒835m、射程4.5km。給弾は60発入りのドラム弾倉で、発射速度は毎分800発。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タイプＸＦＭＵ．Ｆ４＞：フランス軍の航空機発射型100mmロケット弾で、目標指示・訓練用。全長2.5m、直径0.10m、翼スパン0.35m、重量40kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜台風＞：しつけの一環として新人自衛官や自衛官候補生の居室に度々吹き荒れる。分隊名を付けて台風121号などとも呼ばれる。整頓されていないシーツが吹っ飛んでいる程度の小型で弱い台風から、全居室のありとあらゆる物品が突拍子もないところに散らされている超大型で猛烈な台風まで、規模は様々。参考：MAMOR vol.60、日本の防衛戦力Part8

＜台風１０号被害に対する災害派遣（２０１６年）＞：2016年8月19日に八丈島近海で発生した台風10号が迷走しまくった挙げ句に8月30日1800前に岩手県大船渡市付近に上陸。1951年に気象庁が統計を開始して以来初の東北地方太平洋側への台風上陸となり、大雨による甚大な被害が発生したため、1955に岩手県知事から第９特科連隊長に孤立者救助や人員・物資輸送などに係る災害派遣要請が出された。2200、第９特科連隊が偵察用オートバイを中心とする先遣部隊を出発させた。8月31日0050、第９特科連隊の隊員100名と車両30両が岩泉町に向け出発したが、土砂崩れと川の氾濫で行く手を阻まれて現場に辿り着くのに難渋した。0500過ぎ、第９飛行隊UH-1ヘリが空路での隊員輸送を開始。0520、第９高射特科大隊の隊員80名と車両20両が釜石市に向け出発。夜明けには東北方面航空隊と第９飛行隊UH-1ヘリが岩泉町に向かい、小本川の氾濫で水没した高齢者施設ふれんどりー岩泉から孤立者85人を救出した。1150、第９特科連隊本隊が漸く岩泉町役場に到着し、現地指揮所を開設。8月31日未明、北海道十勝・上川地方で孤立者と断水が発生したため、北海道知事から0400に第５旅団長、0415に第４特科群長に対して、孤立者救助と給水支援に係る災害派遣要請が出された。第４特科群は南富良野町役場に連絡員２名を派遣し、0442に第120特科大隊の隊員25名が救助のため南富良野町に向かった。0447までに第５旅団第５戦車大隊の隊員10名と車両５両が給水支援のため新得町に、隊員10名が給水支援のため清水町に、第４普通科連隊の隊員25名が救助のため芽室町に向かった。9月1日1900、岩手県久慈市街地で水害が発生し、道路が塞がれたため、第９施設大隊の隊員16名と車両９両が出動。更に台風12号が接近して岩手県岩泉町に避難指示が出されたため、陸自ヘリなどが避難支援を行った。9月18日、北海道知事と岩手県知事の撤収要請を受けて活動を終了した。岩手には第９師団第21普通科連隊、第９戦車大隊、第９偵察隊、第９特科連隊、第９高射特科大隊、第９飛行隊、第９化学防護隊、第６師団第６飛行隊、第２施設団、東北方面航空隊、第１ヘリコプター団、第21航空群大湊航空分遣隊、岩手地方協力本部から延べ隊員2090名、車両690両、航空機77機を派遣、265人を救出し、1300人に入浴支援、7290食の給食支援、150トンの給水支援を行った。北海道には第５旅団第４普通科連隊、第５戦車大隊、第５後方支援連隊、第５化学防護隊、第５特科隊、第５飛行隊、第２師団第２施設大隊、第３地対艦ミサイル連隊、北部方面総監部、北部方面航空隊から延べ隊員1700名、車両790両、航空機19機、偵察用ボート５隻を派遣、158人を救出し、3470人に入浴支援、390食の給食支援、1810トンの給水支援を行った。参考：朝雲、月刊JWings12,’16

＜台風１５号被害に対する災害派遣（２０１９年）＞：2019年9月9日未明、台風15号が千葉市付近に上陸して首都圏を直撃し、２人が死亡、147人が負傷し、14000戸以上が全半壊、93万戸が停電し、停電の影響で断水が発生するなど各地で被害が発生したため、9月10日0400に千葉県知事が中部航空方面隊司令官、1525に神奈川県知事が第１師団長に災害派遣を要請し、9月11日に千葉県知事が第１空挺団長に対し倒木除去、第21航空群司令に入浴支援、9月13日に千葉県知事が横須賀地方総監に給水支援の要請を出した。9月10日、東部方面混成団第31普通科連隊や第４施設群の50名が鎌倉市で倒木除去を開始。9月13日、神奈川県での倒木除去・土砂撤去が終了し、部隊は撤収した。9月12日、第１師団第１普通科連隊が倒木除去を開始。9月15日、河野防衛大臣が被災地を訪問し隊員を激励、館山航空基地では入浴施設などを視察した。第１師団第１・第32普通科連隊、高射学校、第１空挺団、海自第３術科学校が家屋のブルーシート展張を開始。第５施設群と第102施設直接支援大隊第２直接支援中隊の隊員計52名が第４施設群などと東部方面施設支援群を編成し、富津市や茂原市で倒木除去や道路啓開を開始。第５旅団第５後方支援隊16名と車両８両、第７師団第７後方支援連隊、北部方面後方支援隊が第１北部方面入浴支援隊を編成して千葉県に向かった。9月16日、第１師団第34普通科連隊400名が下志津駐屯地に前進して連隊指揮所を開設、自治体や東京電力などと調整を行い、夕方から千葉市と市原市で倒木伐採除去、道路啓開、ブルーシート展張などに入った。第６師団第20普通科連隊第４中隊35名が第１空挺団第３大隊と共に東金市付近で倒木除去を開始。9月18日、第１北部方面入浴支援隊が千葉市消防学校に到着し、野外入浴所の熊乃湯を設営、入浴支援を開始した。9月26日、第５施設群と第102施設直接支援大隊第２直接支援中隊が活動を終了。9月28日、第20普通科連隊が活動を終了。9月30日、第34普通科連隊が活動を終了。10月1日からは第１空挺団と高射学校によるブルーシート展張支援のみとなった。10月4日、全活動を修了した。参加部隊は北部方面後方支援隊、東北方面後方支援隊、東北方面輸送隊、東部方面航空隊、東部方面混成団第31普通科連隊、東部方面後方支援隊、東部方面輸送隊、東部方面情報処理隊、中部方面後方支援隊、西部方面輸送隊、第１空挺団、第１師団第１・第32・第34普通科連隊、第１戦車大隊、第１偵察隊、第１特科隊、第１高射特科大隊、第１施設大隊、第１後方支援連隊、第２師団第２後方支援連隊、第３師団第36・第37普通科連隊、第３後方支援連隊、第５旅団第５後方支援隊、第６師団第20・第44普通科連隊、第22即応機動連隊、第６偵察隊、第６施設大隊、第６後方支援連隊、第７師団第７後方支援連隊、第９師団第39普通科連隊、第９戦車大隊、第９特科連隊、第９偵察隊、第９施設大隊、第９後方支援連隊、第10師団第10後方支援連隊、第11旅団第11後方支援隊、第12旅団第12後方支援隊、第13旅団第８・第17・第46普通科連隊、第14旅団第15即応機動連隊、第14後方支援隊、第１施設団、同団第307施設隊、第２施設団第104施設器材隊、同団第312ダンプ車両中隊、第４施設群、第５施設群、第６施設群、第10施設群、第11施設群、高射学校、需品学校、第21航空群、横須賀地方隊、下総教育航空群、海自第３術科学校、第６・第７航空団、第１・第２・第３輸送航空隊、中部航空方面司令部支援飛行隊、中部航空警戒管制団、中部航空施設隊第１・第２・第３作業隊、入間ヘリコプター空輸隊、高射教導群、第１高射群、第３高射群整備補給隊、第１・第２・第３・第４・第９・第10・第11・第12・第13・第14・第15・第20・第21・第22・第23高射隊、電子作戦群、第44警戒隊、第２移動警戒隊、第１・第２移動通信隊、作戦システム運用隊、第３・第４補給処、第２補給処十条支所、第４補給処木更津支所、空自第４術科学校で、延べ96000名（うち現地活動人員54000名）が参加し、情報収集、給水支援1300トン、患者空輸12人、停電復旧（43市町）、ブルーシート輸送12000枚・展張支援1820カ所、LEDランタン輸送2000個、入浴支援28000人などを実施した。第１空挺団の車両と入間ヘリコプター空輸隊CH-47Jヘリが木更津駐屯地から患者８名を搬送している。ブルーシートは秋田・徳島・香川・熊本県の倉庫から集めてC-2輸送機とC-130H輸送機で空輸し、展張に際しては屋根の様子を調べるためドローンを活用した。11月3日、東部方面混成団が鎌倉市長から感謝状を贈呈された。2020年1月31日、第４補給処木更津支処が千葉県知事から感謝状を贈呈された。6月23日、第１師団災害派遣部隊・同協同部隊・同支援部隊に河野防衛大臣から第１級賞状が授与された。参考：MAMOR vol.155、朝雲

＜台風１９号・２１号被害に対する災害派遣（２０１９年）＞：2019年10月6日、南鳥島沖で台風19号が発生し、勢力を拡大しながら日本に接近した。10月11日、防衛省・自衛隊が連絡員など170名を10都県に派遣し、関係部隊が活動準備を開始。1500、第12旅団第12特科隊が栃木県に情報所を設置。10月12日、ベリーズ船籍貨物船ギャラクシー・シーが佐渡島真野湾沖で機関故障を起こして荒天下を漂流したため、海保がヘリで乗員の救助活動を行った。1830、練馬駐屯地業務隊が練馬駐屯地厚生センターにねりまキッズサポートセンターを開設。1900前、台風19号が伊豆半島に上陸。その後台風は関東・東北を縦断し、大雨により71河川140箇所の堤防が決壊、青森県から大分県に至る33都府県で浸水や土砂災害などの被害が発生し、90人が死亡、５人が行方不明となり、89350棟の住宅が被害を受けたため、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、静岡、長野、福島、宮城、岩手の11都県から災害派遣要請が出された。1950、大雨特別警報が発令された。第12特科隊が県庁連絡幹部を派遣。2110、栃木県佐野市で河川が氾濫したため、栃木県知事から第12特科隊長に災害派遣要請が出された。10月13日未明、第44普通科連隊が駐屯地を出発し、伊達市、本宮市、二本松市、川内村、新地町、相馬市、南相馬市などで救助活動や不明者捜索活動などを開始し、二本松市で土砂崩れに埋まった家屋の１階から行方不明者２人を発見・収容した。第14普通科連隊が本管中隊・第４中隊隊員計10名と車両４両（野外炊事車、水タンク車など）からなる派遣部隊を編成し、宇都宮駐屯地に向かった。0930、首相官邸に非常災害対策本部が設置された。1000、自衛隊の活動規模は27000名に達していた。1120、栃木県那須烏山市で断水等が発生したため、栃木県知事から第12特科隊長に応急復旧及び生活支援に係る災害派遣要請が出された。1600、河野防衛大臣が陸上総隊司令官を長とする災統合任務部隊の編成を下命し、派遣規模を人員31000名、艦艇８隻、航空機130機に拡大した。1700以降、西部方面隊派遣部隊460名と車両130両が各駐屯地を出発。宇都宮駐屯地業務隊が宇都宮駐屯地厚生センターにキッズサポートセンターを開設。10月14日、予備自衛官・即応予備自衛官1000名の招集命令が出された。この日に予定していた観艦式は中止し、DDH-184かがなど参加艦艇の一部を災害派遣に振り向けた。第20普通科連隊給水隊が相馬市と南相馬市で給水支援を開始。第21航空群が基地浴室を開放しての入浴支援、携帯電話充電支援、給水支援を開始。福島県相馬港でMST-463うらが、小名浜港でLST-4003くにさきが入浴支援を実施。この日までに海保は延べ船艇638隻、航空機89機、特殊救難隊・機動救難士・機動防除隊141人を投入している。10月15日、東部方面・東北方面管内の即応予備自衛官が出頭を開始。山梨地本が即応予備自衛官１名に災害等招集命令書を交付。第14普通科連隊が栃木県那須烏山市烏山体育館で入浴・給水支援を開始。第２移動警戒隊がいわき市舞小浜病院で給水支援を実施。キャンプ富士のアメリカ海兵隊員12名が静岡県小山町で災害ボランディア活動を実施。10月15-19日、埼玉地本が予備自衛官２名と即応予備自衛官４名に災害招集命令書を交付。10月16日、DDH-184かがに代わり、DDH-183いずもが福島沖に展開して活動を開始した。山梨地本が即応予備自衛官１名の災害等招集命令書を交付。10月17日、安倍総理が福島県と宮城県を訪問し、自衛隊員を激励した。第21航空群が入浴支援を完了。0300頃、第４師団第16普通科連隊30名が長野市スポーツ・レクリエーションパークで給食支援として豚汁600食分の調理を開始。出来上がった豚汁は第41普通科連隊が避難所７カ所に届けた。10月18-29日、第５施設団、第４師団第41普通科連隊、第４施設大隊、第４特殊武器防護隊が、長野市の小中学校５校で応急復旧支援や災害廃棄物・土砂除去などを実施。10月20日、安倍総理が長野県を訪問し、自衛隊員を激励した。キャンプ富士のアメリカ海兵隊員12名が静岡県小山町の平成の杜特別養護老人ホームやその近傍で土砂除去のボランディア活動を実施。10月21日、第５施設団が長野市豊野中学校校庭に集積された災害廃棄物を撤去。10月22日、第４特殊武器防護隊が長野市豊野中学校で防疫活動を実施。第41普通科連隊が長野市長沼小学校で土砂除去を実施。第32普通科連隊が千葉県館山市でブルーシート展張を実施。10月23日現在、災統合任務部隊31000名（うち即応予備自衛官300名、予備自衛官９名）が宮城県丸森町、福島県川内村、神奈川県相模原市、静岡県沼津市で人命救助・不明者捜索を、岩手・宮城・福島・栃木・茨木・東京・長野で給水支援（52カ所）・給食支援・入浴支援（25カ所）を、８県59カ所で廃棄物処理や道路啓開を実施中。この日までに2040人を救助し、6000トンを給水、24000人に入浴支援を行い、廃棄物20000トンを除去、道路80kmを啓開し、84000平方メートルの公共施設を防疫、1000軒の屋根にブルーシートを張った。第21普通科連隊が岩手県宮古市で流木除去を実施。第13普通科連隊が長野県佐久穂町で流木除去を実施。10月23日から11月4日、東部方面隊が技能予備自衛官の医師５名・看護士７名を受け入れた。10月24日、中部航空施設隊が千葉県市原市で災害廃棄物除去作業を実施。10月25日、台風21号の影響で千葉、茨城、福島を中心に大雨が降り、千葉（15河川）・茨城・埼玉・福島の計27河川が氾濫して10人が死亡、３人が行方不明になった。1730、千葉県知事が第１空挺団に人命救助の災害派遣を要請。10月26日1120、福島県知事が第44普通科連隊長に不明者捜索の災害派遣を要請。10月27日、河野防衛相が宮城県と福島県を訪れ、隊員を激励した。10月30日、家屋応急処置（ブルーシート展張）を終了。延べ軒数は1040軒だった。第12旅団第12化学防護隊が長野市の小中学校で消毒剤撒布を実施。西部方面隊派遣部隊が東部方面隊への活動引き継ぎを開始。10月31日、電力復旧支援を終了。延べ倒木1330本を除去した。2200、栃木県知事から撤収要請が出された。栃木県での活動実績は、人命救助122人、施設復旧（廃棄物除去含む）ダンプ2167両分、道路復旧4.26km、防疫活動7.35ヘクタール、給水支援299.9キロリットル、入浴支援4225人、物資輸送段ボール50個・段ボールベッド100個などだった。11月1日、第12旅団第12化学防護隊が長野市の小中学校で消毒剤撒布を実施。11月2日、西部方面隊派遣部隊が帰隊を開始。第６師団第20普通科連隊の隊員５名が郡山市青年会館駐車場で脱輪している車両を救出した。11月3日、河野防衛相と小泉環境省が長野市を訪問し、自衛隊員を激励した。11月4日、物資輸送を終了。延べ60トンを輸送した。第12旅団第12化学防護隊が長野市の小中学校で消毒剤撒布を実施。11月5日、医療支援を終了。延べ230名に支援を行った。第１師団第34普通科連隊に静岡県小山町長からお礼状が贈呈された。第12旅団第12化学防護隊が長野市の小中学校で消毒剤撒布を実施。11月6日、給水支援を終了。延べ給水量は7030トンだった。同日現在、災統合任務部隊を７県に派遣し、神奈川県で人命救助・不明者捜索、長野県で給食支援、宮城・福島・茨城・長野各県の計９カ所で入浴支援、福島・長野両舷の３カ所で災害廃棄物等処理・道路啓開、長野県で防疫活動、福島県でCT車による診療を行っており、活動実績（延べ数）は人命救助2040人、給水7030トン、給食27000食、入浴57000人、災害廃棄物等処理86000トン、道路啓開100km、防疫活動350000平方メートル、倒木除去1330本、ブルーシート展張1040軒、物資輸送60トン、CT車による診療230人だった。11月8日、活動規模が300名程度に縮小したことから、災統合任務部隊の解組命令が出され、東北・東部方面隊による通常の災害派遣に移行した。第12旅団第12化学防護隊が長野市の小中学校で消毒剤撒布を実施。これで防疫支援を終了し、防疫面積は延べ349950平方メートルだった。11月9日、予備自衛官・即応予備自衛官の災派活動を終結させる防衛大臣命令が発出された。11月10日、施設学校が茨城県での入浴支援を終了。1305、茨城県知事から撤収要請が出された。11月11日現在、人命救助活動（延べ2040名）、給食支援（延べ33300食）、入浴支援（延べ62600名）、災害廃棄物等処理（延べ88000トン）、道路啓開（延べ97km）、連絡員派遣（最大270名）を継続中。11月26日現在、入浴支援と給食支援を継続中。11月30日、長野県知事から撤収要請を受け、全活動を終了した。派遣規模は延べ隊員880000名（うち現地活動人員88000名。79000名？即応予備自衛官370名、予備自衛官50名）で、活動実績は人命救助2040人、給水支援7030トン、給食支援50360食、入浴支援70230人、災害廃棄物処理95580トン、道路啓開100km、防疫活動349950平方メートル、倒木除去1330本、ブルーシート展張1040軒、CT車による診療230人だった。12月2日、第12後方支援隊災派部隊が長野市長らの見送りを受け長野市役所を後にした。12月26日、宮城・福島両県の被災地を見舞われた天皇皇后両陛下を乗せ、特別輸送ヘリコプター隊EC225ヘリが仙台空港−宮城県丸森町立丸森中学校−福島県本宮市立本宮第１中学校−福島空港を運航した。2020年1月24日、台風19号に伴う災害派遣の功績で、第１師団第34普通科連隊と第１戦車大隊に静岡県知事から感謝状が贈呈された。6月23日、統合任務部隊・同支援部隊に河野防衛大臣から第１級賞状が授与された。参考：朝雲、月刊JWings1,’20、月刊世界の艦船1,’20、MAMOR vol.156

＜台風１９号・２１号被害に対する災害派遣（２０１９年１０月１７日現在）＞：岩手県で第９師団第５普通科連隊、第９特科連隊、第９戦車大隊、第９施設大隊、第９高射特科大隊、第９後方支援連隊、第９通信大隊、第２施設団、空災部隊が人命救助、道路啓開、瓦礫撤去、入浴、給水支援を実施。宮城県で第６師団第22即応機動連隊、第６後方支援連隊、東北方面後方支援隊、第２施設団、同団第104施設器材隊、大湊地方隊、横須賀警備隊、百里救難隊、空災部隊が人命救助、瓦礫撤去、給水、物資輸送、道路啓開、入浴支援を実施。福島県で第６師団第20普通科連隊、第44普通科連隊、第６特科連隊、第６高射特科大隊、第６飛行隊、第６特殊武器防護隊、第６施設大隊、第11施設群、第７師団第７後方支援連隊、第２師団第２後方支援連隊、第９師団第９後方支援連隊、東北方面後方支援隊、DDH-184かが、DDH-183いずも、LST-4003くにさき、AMS-4305えんしゅう、海災部隊、高射教導群、第１高射隊、空災部隊が人命救助、給水、入浴支援を実施。茨城県で施設学校と第７航空団が人命救助、水防作業、給水・給食、入浴支援を実施。栃木県で第12旅団第12特科隊、中央即応連隊、中部方面後方支援隊、第10師団第14普通科連隊、第10後方支援連隊、東部方面混成団第48普通科連隊が人命救助、土砂除去、防疫、給水、入浴、道路啓開、瓦礫撤去、河川護岸を実施。群馬県で第12旅団と第10師団第10飛行隊が人命救助を実施。長野県で第12旅団第13普通科連隊、第12ヘリコプター隊、東部方面ヘリコプター隊、第１施設団、同団第306施設中隊、第４師団第16普通科連隊、第41普通科連隊、西部方面後方支援隊、小松救難隊、新潟救難隊、浜松救難隊が人命救助、道路啓開、給食支援を実施。東京都で第１師団第１後方支援連隊、第１施設大隊、第１飛行隊が人命救助、道路啓開、物資輸送、入浴支援を実施。千葉県で第１空挺団と空災部隊がブルーシート展張、倒木伐採、入浴、道路啓開を実施。埼玉県で第１師団第32普通科連隊、第１後方支援連隊、第１施設大隊、第３輸送航空隊が道路啓開、物資輸送、給水支援を実施。神奈川県で第１師団、第４施設群、第１師団第１偵察隊が不明者捜索、道路啓開、情報収集を実施。静岡県で第１師団第34普通科連隊と第１戦車大隊が人員輸送、不明者捜索、給水支援を実施。参考：朝雲

＜タイ・ブーメラン演習＞：タイ空軍とオーストラリア空軍の共同演習。元は1992年から実施された共同演習バロン・フラファで、1997年まで毎年、その後はオーストラリア空軍主催多国籍演習ピッチブラックとの関連で隔年開催されている。参考：月刊JWings11,’15

　＜タイ・ブーメラン２０１５＞：8月3-14日にタイのコラート空軍基地で実施された。タイ空軍第１航空団第102・第103飛行隊F-16A/B戦闘機５機ずつ、第７飛行団第701飛行隊JAS-39C/D戦闘機５機、オーストラリア空軍第３・第77飛行隊F/A-18A戦闘機計８機、KC-30空中給油機１機が参加し、異機種戦闘訓練を行っている。参考：月刊JWings11,’15

＜タイフーン＞：A95（曳船）またはBf108シリーズ（戦闘機）またはEF2000シリーズ（戦闘機）またはM96（ロケットランチャー）またはPC-5（哨戒艇）を参照。

＜タイフーン近接防御兵器＞：ラファエル社の艦船用近接防御兵器Typhoon。1990年代に開発した。安定化砲架に25mm機関砲M242とトップライト光学・赤外線センサー・レーザー測距機を装着している。マウント重量1042kg。旋回角左右165度ずつ、俯仰角マイナス20度からプラス45度。砲弾重量500g、初速毎秒1000m、有効射程2500m、最大射程6800m。発射速度毎分200発。イスラエル海軍シャルダグ級哨戒艇やスーパー・ドヴォラMk�V級哨戒艇に搭載され、遠隔操作式にしたものがキャンベラ級多目的強襲揚陸艦に採用された。アメリカ海軍でもMk38Mod2として制式化された。20mm機関砲や30mm機関砲に換装可能で、30mm機関砲Mk44を搭載したものはタイフーンMk-30cと呼ばれる。参考：月刊軍事研究9,’07、月刊世界の艦船1,'21、1,'15増刊、5,’15

＜タイフーン巡航ミサイル＞：ドイツ軍が開発中のUAV改造巡航ミサイルTAIFUN。元はCL-289で、高度4000mを巡航した後、目標近くで2000-2500mに降下、事前に登録された画像と照らし合わせて目標を発見し、突入する。弾頭は成型炸薬で、最大射程170km。参考：月刊軍事研究4,’01

＜タイフーン戦闘機シリーズ＞：イギリス空軍戦闘機Typhoon。2000馬力級エンジンを搭載したトーネード戦闘機がエンジン不調によりキャンセルされたため、別の2000馬力級液冷エンジンを搭載した高速戦闘機として1938年4月からホーカー社が開発した。1940年2月24日に初飛行したが、最大速度747kmの予定が660kmしか出なかった。それでも第２次大戦で１機でも多くの迎撃機を要したイギリス空軍に採用され、改良を続けて不具合を改称すると共に、低空性能と大ペイロードを活かし戦闘爆撃機として活躍している。各型計3333機が生産され、第２次大戦終結で用済みとなって1946年末には退役した。参考：月刊JWings4,’01、2,’18

　＜タイフーン�TＡ＞：最初の生産型で、1941年5月27日に初飛行した。ホーカー社初の全金属製戦闘機で、胴体後半部はセミモノコック構造、前半部は頑丈な鋼管骨組みとした。主翼は低翼単葉、7.7mm機銃12丁装備のＡウイングである。機首下面に大型の冷却器を配置したが、飛行性能は低下した。セイバーエンジンの耐用時間が25時間しかなく、上昇力も劣り、後方視界はほぼゼロで、排気がコクピット内に流れ込んできて一酸化炭素中毒を起こすなど欠陥が多すぎ、更に高速ダイブから引き起こすとフラッターで尾部が吹き飛んだ。海上に不時着水すると機首が沈んでしまい、パイロットが脱出する時間が確保できないという欠点もあった。1941年7月から引き渡され、100機が生産されたが、配備されてから最初の９ヶ月はトラブルで失った機体の方が多く、Fw190と間違われて誤撃墜も続くなどあまり役に立たなかった。参考：月刊JWings4,’01、月刊丸10,’93

　＜タイフーン�TＢ＞：主翼に20mm機関砲を４門ずつ搭載したＢウイング装備型。胴体後部をプレートで補強し、後部風防を透明に改め、スライド式とした。全長9.73m、全幅12.67m、全高4.67m、全備重量5171kg、兵装ペイロード900kg。エンジンはネイピア製セイバー水平対向Ｈ型24気筒液冷ガソリン（2180馬力、総排気量36700cc）単発、最大速度652km、実用上昇限度10360m、航続距離980km（821km？）。乗員１名。3230機が生産されたが、高度6000m以上では性能が劣悪だったため、1942年11月以降は低空侵入攻撃をメインに行うようになった。これに伴い、主翼下面に1942年から250ポンドまたは500ポンド爆弾１発ずつ、1943年から76mmロケット弾４発ずつ、1944年からは1000ポンド（453.6kg）爆弾１発ずつを搭載可能としている。エンジンも最初セイバー�T（2100馬力）だったが、セイバー�UＡ（2180馬力）、�UＢ（2200馬力）、�UＣ（2260馬力）と換わり、プロペラも３翅から４翅に換装、各種トラブルを解決して近接航空支援や航空阻止に活躍した。参考：月刊JWings4,’01、2,’18、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸10,’93

＜タイフーン戦闘機ファミリー＞

　＜タイフーンＦＲ　Ｍｋ．�TＢ＞：武装偵察機型。参考：月刊JWings4,’01

＜タイフーン装甲トラック＞：ロシア陸軍・ロシア国内軍６×６輪装甲車。車体は装甲鋼板とセラミック装甲を備え、全周で射距離200mからの14.5mm徹甲弾、底部でTNT爆薬8kgの爆発に抗堪できる。重量24トン。エンジン出力450馬力。乗車兵員16名。参考：月刊軍事研究10,’17、月刊PANZER10,’12

　＜タイフーンＫ＞：カマズ自動車製造が自主開発したKamAZ-63968を採用したもので、キャブオーバー型である。IEDに対抗するため、車体底部はＶ字型にした。兵員室内には衝撃吸収座席16席が向かい合わせで並ぶ。車体後面には下開きのランプがある。乗員３名＋搭乗兵員16名。2014年のモスクワ戦勝記念パレードで初公開された。参考：月刊軍事研究10,’17、7,’15、月刊PANZER8,’18

　＜タイフーンＬ＞：カマズ自動車製造が開発した４×４輪型。乗車兵員が少ないので、主に警備用車両として使用されている。参考：月刊PANZER8,’18

　＜タイフーンＵ＞：ウラル車両工場のUral-63095を採用したもので、ボンネット型である。兵員室内には衝撃吸収座席16席が用意されている。乗員３名＋搭乗兵員16名。ロシア陸軍とロシア国内軍に配備され、2015年の対独戦勝70周年記念パレードで初公開された。参考：月刊軍事研究10,’17、7,’15、月刊PANZER8,’18

＜タイフーン装甲兵員輸送車＞：ストレイトグループが開発した４輪装甲兵員輸送車。耐弾力は標準でNATOレベル２、追加装甲ありで最大レベル４。最大戦闘重量16トン。エンジンはカミンズ社製ディーゼル（400馬力）、トランスミッションはアリソン300。乗員２名、乗車兵員８名。参考：月刊軍事研究5,’11

＜タイフーン対空ロケット＞：ドイツ軍の10cm対空ロケット。エレクトロメカニシュベルケが開発し、1944年9月からテストが開発され、1945年1月から生産された。88mm高射砲の砲架に30連装で搭載され、牽引トレーラーで移動する。最大射高15000m、高度10000mへの到達時間は14秒。終戦までに600発が生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜タイフーン（ミサイル艇）＞：ロシア海軍プロジェクト22800カラクルト型ミサイル艇２番艇Taifun。2015年2月起工、2018年就役。参考：月刊世界の艦船5,’19、4,’16

＜タイフーン�U＞：テンペスト・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜タイフーンＫ＞：KAMAZ-53949（４×４輪装甲車）またはタイフーン・シリーズ（装甲車）を参照。

＜タイフーンＵ＞：タイフーン・シリーズ（装甲車）を参照。

＜タイフーン・アベイラビリティ・サービス＞：TASと略す。EF2000タイフーン向けの運用／メンテナンス包括支援サービスで、BAEシステムズ社が統括する。航空自衛隊の後方支援態勢にも適応できるとされ、タイフーン共々F-4EJの後継として売り込みを図っていたようである。参考：月刊軍事研究12,’09

＜タイフーン級＞：イギリス海軍航洋曳船Typhoon級。全長61m、幅13m、吃水4m、基準排水量800トン。主機はディーゼルで、出力2750馬力、速力16ノット以上。A95タイフーンが1960年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜タイフーン級＞：ソ連海軍戦略原子力潜水艦のNATOコード、Typhoon級。1980年にソ連軍参謀総長がタイフーン就役と公式発表したのでタイフーン級と呼ばれるが、ソ連制式名称は941型アクラ（Akula、鮫）級重ミサイル水中巡洋艦（1992年6月から戦略任務重原子力水中巡洋艦）で、タイフーンは搭載SLBMのニックネームだったらしい。1972年12月に北極の氷をぶち割ってSLBMを発射する戦略原潜として要求が出され、1973年12月に開発を開始、建造のためにセヴェロドヴィンスク造船所には世界最大の屋根付き船台が設置された。世界最大の潜水艦で、船体は複殻式、直径7.2-12mの内殻２本を平行に並べ、外殻で覆っている。セイル付け根には発令所などを収容する小型耐圧殻が内殻の上に俵積みで載せられており、この部分が盛り上がった形状になった。魚雷発射管室、発令所、原子炉区画は左右の内殻に独立して配置され、SLBM発射筒はセイル前方の２本の内殻の間にあり、間接防御力が非常に高い。電力が失われても自動的に原子炉を冷却させたり、停止させたりすることが可能で、安全性も向上した。内殻と外殻の間には最大幅4mの水室が設けられており、内部に１万トン近い海水を入れられる。元々は吃水の浅い原潜基地や生産・修理工場に停泊する関係でバラストタンクを大きくせざるを得なかったためだが、これにより魚雷の威力を削げる他、圧縮空気により排水することで一気に浮力を増し、頑丈なセイルにより厚さ3mの北極海の氷を打ち割って浮上でき、１発84トンもあるR-39SLBMを安定して発射できる。魚雷発射管室や発令所にはチタン合金を使用、外殻は低磁性鋼に防音ゴムを張ってあり、原子炉及び各機器は２段式のサスペンションで支持される。艦首の潜舵は引き込み式。尾部にある２基のスクリューはシュラウド・リング付きで、その後方に昇降舵が付いている。MGK-500/MGK-540バウソナー、MG-519機雷探知ソナー、MG-553雑音検出ソナー、MRKP-58対水上レーダーを装備。ESMはレーダー警戒型リム・ハットとパーク・ランプ方位探知機。潜望鏡はシグナル３とレベッド21。居住性にも注意が払われており、日光浴室、サウナ、プール、健康増進センター、動植物コーナーを完備する。全長172.8m、全幅23.3m、吃水11m、水上排水量23200トン、水中排水量48000トン（26500トン？）。主機はVM-4S（OK-650？）加圧水型原子炉２基・VV型蒸気タービン２基、出力99200馬力、７翅スキュード・プロペラ２軸推進、水上速力15ノット（22.2ノット？）、水中速力27ノット。非常用電動機（130馬力）も備える。安全潜航深度400m、最大潜航深度550m、連続潜航期間400日（40日？120-180日？）。兵装はセイル前方のR-39戦略核ミサイル垂直発射筒20基、533mm魚雷発射管６門（艦首左右３門ずつ。各種魚雷、SS-N-15対潜ミサイル計22本）、イグラ対空ミサイル発射機８基（ミサイル48発）。乗員175名（160名？）。20隻を建造する予定だったが、６隻に減らされ、１番艦TK-208ドミトリー・ドンスコイ、TK-12、TK-13、TK-17アルハンゲリスク、TK-20セヴェルスタル、TK-202が1981-1989年に就役した。当初はミサイル潜水重巡洋艦に分類されており、1992年6月3日からは原子力戦略潜水重巡洋艦に艦種変更された。R-39の耐用年数（10年）が過ぎたため、ブラヴァSLBMへの換装や巡航ミサイル原潜への改造が考慮されていたが、開発が難航、2014年までに全艦退役することになり、１番艦だけ941UM型に改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、兵器メカニズム図鑑、月刊世界の艦船9,’12増刊、11,'22、10,'23、10,’02、2,’10、12,’11、11,’12、1,'15増刊、8,’16、3,’17、12,'21、現代の潜水艦、月刊軍事研究8,’16、9,’12

＜タイフーン級ファミリー＞

　＜９４１ＵＭ型＞：ブラヴァ弾道ミサイル実験艦に改造したタイプ。全長171.5m、幅24.6m、吃水13m、水上排水量18797トン、水中排水量26925トン、主機は原子力蒸気タービン方式、原子炉２基蒸気タービン２基２軸81600馬力、水上速力12ノット、水中速力25ノット。兵装はブラヴァSLBM１基、533mm魚雷発射管６門（各種魚雷とSS-N-15計22本。機雷も可）。乗員175名。TK-208ドミトリー・ドンスコイが改造され、2004年に再就役した。2023年に退役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、12,’11、11,’22、5,’23

＜タイフーン作戦＞：ドイツ軍が第２次大戦中の1941年9月下旬から開始した、モスクワ攻略作戦。最終到達ラインはウラル山脈近傍のアルハンゲリスク・アストラハン線（AAライン）である。本来ならバルバロッサ作戦に引き続いて行われる筈だったが、ヒトラーの戦争経済優先論でウクライナ作戦が優先されてしまい、開始が２ヶ月間遅れた。9月6日、ヒトラーが作戦発動を下命。しかし部隊の出撃準備が整うのに時間がかかり、9月下旬になって漸く進撃が可能となった。この間にソ連軍は防備を固め、セリゲル湖の東から南にかけてルジェフ−スチェフカ−ヴィヤジマ−キーロフ−ブリャンスクと連なる第１防衛ラインと、モジャイスクを通る第２防衛ラインを設置、西部方面軍隷下の第16・第19・第20・第22・第29・第30軍（兵員32万名、戦車475両、砲2253門、狙撃兵30個師団、自動車化狙撃兵２個師団、騎兵３個師団、戦車４個旅団など）をスモレンスク−ヴィヤジマ街道沿い中心に配置した。更に防衛ラインの東及びヴィヤジマ南には予備方面軍隷下の第24・第31・第32・第33・第43・第49軍（戦車200両以上、狙撃兵25個師団など）を置いてドイツ軍に備えた。キーロフから南方にはブリャンスク方面軍の第３・第13・第50軍が置かれた。ドイツ中央軍集団は70個師団を第２・第４・第９軍の３つに分け、北に第９軍、中央に第４軍、南に第２軍を配置、前２者で西部方面軍を、後１者でブリャンスク方面軍を包囲殲滅することにした。9月30日、第２軍は第２機甲集団を先頭にして進撃を開始、ブリャンスクに向かった。10月2日、第９軍は第３機甲集団を、第４軍は第４機甲集団を先頭に前進を始め、スモレンスク−ヴィヤジマ街道を南北に迂回する形で進撃し、20-40kmの前進を果たした。10月3日、第２機甲集団は200km前進してオリョールに到達。あまりに進撃が速かったため、オリョール市民の中には味方のソ連軍と勘違いした者もいたという。第３機甲集団は50km、第４機甲集団は80km前進。10月4日、第２機甲軍がオリョールを占領。次いで工業地帯のツーラに向かったが、ソ連も重要性を認識していて手前のムツェンスクに第１親衛狙撃兵軍団と第４・第11戦車旅団を配置しており、第２機甲軍はソ連の遅滞戦闘に遭って８日間にわたり進撃を止められ、133両の戦車を喪失した。ツーラ占領のためグロスドイッチュラント自動車化歩兵師団が充てられたが、ツーラ市内の工場から続々と吐き出されるT-34戦車及び優先配備されたカチューシャの猛攻撃を受けて撃退され、ツーラを迂回してモスクワに向かうことになった。10月6日、第17機甲師団と第２機甲軍（前日に第２機甲集団から名称変更）がブリャンスクを占領。10月7日、第３・第４機甲集団がヴィヤジマに到達し、ソ連第16・第19・第20・第24・第32・第43軍が包囲された。10月10日、第３機甲集団がスチェフカへの前進を開始。第４機甲集団がメドウィン及びクジャーツクに向け進撃、メドウィンを占領した。ドイツ中央軍集団はスモレンスク−モスクワ街道及びブリャンスク−モスクワ街道を通りモスクワに向かっており、これを阻止するため、ソ連軍は狙撃兵４個師団、予科狙撃兵３個連隊、機関銃５個大隊、戦車７個旅団をかき集めて投入した。10月14日、第３・第４機甲集団に包囲されたソ連軍６個軍は殲滅され、66万３千名が捕虜となり、戦車・自走砲1200両以上と火砲5400門以上を鹵獲されて組織的戦闘が不能となった。10月半ばにドイツ軍はカリーニン−ツーラ線に進出したが、秋雨で地面が泥沼になって装軌車両以外は動けなくなり、補給が滞り前進できなくなった。これを打開すべく、荷役馬車を現地調達（強制徴用）したため、現地住民の反発を買い、パルチザン活動が激化し始めた。10月15日夜、ソ連政府がモスクワ東方800kmのクイビシェフに疎開を開始。10月16日、モスクワ市民が避難しようとしてパニック状態に陥ったため、10月19日に戒厳令が敷かれ、煽動者やスパイなどはその場で銃殺された。10月18日、モジャイスクとマロヤロスラーヴェツをドイツ軍が占領。10月22日、モスクワから70kmのナロ・フォミンスクを第４機甲軍が占領。ソ連は極東やシベリアから戦力を回して前線を維持し続けた。ドイツ第２機甲軍は燃料のある戦車をかき集めて前進を再開し、10月27日にブラススコエ、10月28日にピッサレヴォを制圧、10月29日にはツーラの南4kmに達したが、ソ連軍の抵抗によりツーラの制圧には至らなかった。11月上旬になって気温が低下、地面が凍り付いたため、ドイツ軍の機動力が回復した。11月7日、ソ連が赤の広場で革命記念日のパレードを実施。行進に参加した部隊はそのまま前線に送られた。11月13日、ドイツ国防軍最高司令部は前線に参謀総長を派遣、現地司令官らと作戦会議（オルシャ会議）を開催し、このまま防御陣地を建設して冬をしのぎ、春から攻撃を行う案と、地面が凍結している今すぐ攻撃を開始する案について討議、すぐに攻撃をかけることにした。第２軍はツーラを制圧してニジニ・ノブゴロドに向かい、第４軍はモスクワに直進、第９軍はモスクワ南東に回り込む予定である。11月19日、モスクワ攻撃を再開。しかし零下20度の大寒波に見舞われて燃料とマシンオイルが凍結、稼働率が大幅に低下した。11月23日、モスクワからレニングラードに向かう鉄道幹線を切断。11月28日、第３機甲軍はヴォルガ運河を渡るが、ソ連第１突撃軍の反撃にあって前進が停止。第２機甲軍はツーラ前面でソ連軍陣地に釘付けとなった。12月1日、第４機甲軍はクレムリンから30kmの地点に到達。オートバイ斥候はモスクワ市外縁から8kmの地点まで進出し、クレムリンのワシリエフスキー教会の屋根を望んだという。12月2日、第２機甲軍はツーラ奪取のため攻撃を開始。ツーラの北と東から第24機甲軍団、西から第43軍団が進撃して包囲を目指し、戦車770両を投入したが、1km正面に１両という密度では衝撃効力に欠いており、零下50度の寒波にも遭って頓挫した。12月5日、ソ連軍カリーニン方面軍が反撃を開始。ネフェドヴォ村の戦闘。12月6日、南西方面軍と西方面軍が反撃を開始。ドイツ軍にはこれを防ぐ余力は無く、ツーラへの攻撃を中止。第３・第４機甲集団もイストラ・クリンの線まで退却した。ドイツ軍は12月末までに100-250kmの後退を余儀無くされ、モスクワ前面から追い出されてしまった。1942年1月にはモスクワ南北からソ連軍が前進を再開し、ドイツ中央軍集団を包囲にかかった。更に空挺部隊やパルチザンによる後方撹乱まで開始されたため、中央軍集団司令官クルーゲはヒトラーを説得して撤退を認めさせ、1月15日から撤退を開始。戦線を整理して1月末からソ連軍への反撃を行い、第４軍と第４機甲軍でソ連第33軍と親衛第１騎兵軍団に、第９軍でソ連第29・第39軍に打撃を与えて戦線を安定させた。3月末から雪解けで両軍共に動けなくなり、ドイツ軍は南部での攻勢に移行、モスクワ方面での大規模戦闘は夏のザイドリッツ作戦まで行われなかった。参考：月刊丸3,’01、8,’87、7,’14、WW�U欧州戦史シリーズVol.4、月刊PANZER1,’11、月刊軍事研究3,’09、5,’09

＜タイフーン・チェイサー＞：WC-130B（気象観測機）を参照。

＜タイフォンＬＲ＞：SAM-N-8（艦対空ミサイル）を参照。

＜タイフォンＭＲ＞：SAM-N-9（艦対空ミサイル）を参照。

＜タイフォン・プログラム＞：アメリカ海軍の艦対空ミサイルシステムTyphon（ギリシャ神話の怪物）。3T艦対空ミサイルの後継として1958年から開発した。目標捜索追尾・射撃指揮にAN/SPG-59多機能レーダー、誘導にTVM方式と指令誘導を併用することにより、ジャミングを排除しつつ複数の超音速対艦ミサイルを同時に対処・迎撃できるシステムを目指した。SAM-N-8タイフォンLR長射程ミサイルとSAM-N-9タイフォンMR短・中射程ミサイル、Ｃバンド電子走査レーダーAN/SPG-59などから構成され、20目標を同時に迎撃できる。1962年に試験艦AVM1ノートン・サウンドに搭載されて試験を受けた。巡洋艦用と駆逐艦用の２種類を開発したが、システムが複雑で、レーダーに電力を供給するためには原子炉を積む必要があり費用がかさむといった問題があり、1963年11月（1964年？）に開発が中止され、搭載予定の原子力フリゲートSCB-227やSCB-240・65も計画中止になっている。しかし艦隊防空システム搭載艦の必要性は高く、ほぼ同時にASMS開発計画がスタートした。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、11,’15、6,’04、3,’03、月刊世界の艦船10,’11、9,’16、12,’19

＜太福丸＞：日本陸軍輸送船Taifuku maru。元は近海郵船の樺太航路貨物船である。垂線間長104.82m、幅14.7m、深さ8.5m、満載吃水6.83m、総トン数3520トン、重量トン数5274トン。主機は三連成レシプロ１基１軸2300馬力、航海速力10ノット、最大速力14.27ノット。昭和14年7月6日竣工。9月7日、近海郵船が日本郵船と合併したため、日本郵船に移った。太平洋戦争で陸軍に徴用された。昭和18年8月27日、フ806船団としてパラオから宇品に向かう途中、高知県沖の島の南西30kmでSS-180ポラックの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’13

＜大福丸＞：大同海運貨物船Daifuku maru。大元はナフィエラ・リベラ・トリエスティーナ社船ルナで、明治40年12月に竣工し、大正15年に大福汽船が購入して大福丸に改称、昭和16年7月に合併で大同海運所属となった。垂線間長96.04m、幅14.17m、深さ6.4m、満載吃水6.096m、総トン数3184トン、重量トン数4809トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1500馬力、航海速力９ノット、最大速力10ノット。昭和18年5月5日、大連東南東85kmでSS-279スヌークの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜タイプ・サーティファブル・プレデターＢ＞：MQ-9B（無人機）を参照。

＜大部隊戦術的用法教令草案＞：フランス軍が1921年に発行した軍・師団レベルの戦術教範草案。第１次大戦の戦訓に基づいて纏められたものである。参考：歴史群像6,’08

＜大部隊戦術的用法教令＞：フランス軍が1936年に制定した軍・師団レベルの戦術教範で、大部隊戦術的用法教令草案をベースに纏められている。マジノ線に関する項目が最初に来ており、機械化部隊に関するものはその次になっていて、敵に対する陣地防御及び拠点火力発揮を重点に置いたものである。戦車の運用法では、対戦車砲による反撃を防ぐために砲兵支援下での進撃を強調している。その次が航空部隊の項目で、観測機を使用した長距離砲撃の重要性を説いているが、攻撃機を砲兵がわりに使用することは考えられていない。最後は通信の項目で、無線通信による各兵科の緊密な連携を述べている。参考：歴史群像8,’08

＜対物個人戦闘兵器＞：OICWを参照。

＜対物狙撃銃＞：アンチ・マテリアル・ライフル。ベトナム戦争において、M2重機関銃で2300m先の兵士の狙撃に成功するという出来事があり、射撃愛好家の語りぐさとなっていたが、1980年に設立されたバレット・ファイアアームズ社が大口径火器愛好家向けに同じ弾薬を使用するM82大口径狙撃銃をスポーツ狙撃銃として1982年に販売した。同年のフォークランド紛争でもアルゼンチン軍がM2重機関銃にスコープを付けて遠距離狙撃を行っており、1988年にスウェーデン陸軍が遠距離狙撃及び対車両狙撃用としてM82を採用、対物狙撃銃というカテゴリーが生まれた。貫徹力の大きい大口径狙撃銃で、自動車や航空機の内部に立て籠もるテロリストや遮蔽物の向こうにいる兵士を狙撃することができ、ストッピングパワーも大きいため、対テロ任務用として広く使用されている。地雷処理などにも使える。ハーグ陸戦協定（陸戦の法規慣例に関する条約）に規定されている「不必要の苦痛を与える兵器」に分類されるのではともいわれるが、同口径の機関銃やそれ以上の口径の機関砲でも対人掃射を行っているせいか、あまり気にされず使用されている。参考：歴史群像6,’08

＜ダイブトス爆撃＞：急降下して加速し、45度の引き起こしを行って爆弾を投げ上げる爆撃法。GPS誘導爆弾など各種誘導爆弾を投下するのに使用される。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ダイブトス・モード＞：引き起こし機動中に兵装を放物線状に投弾する際に使用するモード。FCSに高度な計算能力が要求される。参考：月刊軍事研究2,’01

＜ダイブブレーキ＞：スピードブレーキと同様の空気抵抗板で、空気抵抗の少ない機体で急降下を行う際に展開し、加速しすぎて限界速度を突破してしまうのを防ぐ。参考：航空用語事典増補改訂版

＜タイプライター英文＞：日本陸軍の無線通信器材。参考：工兵入門

＜タイプライター蘇文＞：日本陸軍の無線通信器材。参考：工兵入門

＜ダイプレキシング＞：２台以上のレーダー送信機出力をダイプレクサーで合成し、１個のアンテナで送信する方式。ECM側の妨害能力が２つに分けられてしまう。参考：月刊エアワールド4,’00

＜タイフン＞：Bf108（汎用機）を参照。

＜タイフン＞：オットー・メララ社が開発した装甲兵員輸送車で、モワク社のトルナードをベースにしている。車体は避弾経始に優れた形状で、前部左に操縦手、中央に20mm機関砲塔（発煙弾発射機４基付き）、右に車長が位置し、車体中央が機関室、車体後部が兵員室となっていて、機関室と兵員室は一段高くなっている。兵員室には３名ずつが背中合わせに座り、後部の大型ランプから乗降する。兵員室側面にガンポート２基ずつ、上面後端左右にリモコン式7.62mm機銃１基ずつを持つ。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、ダブルタイプ上部転輪３組を持つ。重量22.8トン。スコーピオン軽戦車と同じ76mm砲塔を載せたタイプ、20mm機関砲連装砲塔を装備するタイプ、20mm機関砲と7.62mm同軸機銃を搭載するタイプなどのバリエーションが造られたが、いずれも何処の国にも採用されなかった。参考：月刊PANZER5,’79

＜タイフン＞：トルコのヘマ・ディフェンス社が開発した４×４輪軽装甲車。全周耐弾レベル３、下面耐地雷レベル３の防御力を持つ。戦闘重量13トン。最大速度100km。乗員２名、乗車兵員８名。参考：月刊軍事研究7,’13

＜タイフンＦ＞：ドイツ軍が1944年9月から開発した地対空ロケットTaifun F。30本を束ねて発射し、時限信管もしくは電波近接信管で切り離して弾幕を張る。全長1.9m、直径0.1m、重量20.3kg。最大速度3600km、有効射程15km。終戦までに600セットが生産されたが、実戦では少数が使用されただけだった。参考：グラフィックアクション29

＜大文丸＞：下村汽船ストックボートTaibun maru。大元は大正9年5月に竣工した日本汽船江とな丸で、同年に国際汽船に移籍し、昭和4年に下村汽船が購入して大文丸になった。垂線間長126.5m、幅16.92m、深さ10.57m、吃水8.4m、総トン数7144トン、重量トン数10681トン。主機は三連成汽機１基１軸3386馬力、航海速力9.5ノット、最大速力12.8ノット。太平洋戦争で陸軍の輸送を行った。昭和18年8月30日、室蘭から川崎に向かう途中、恵山岬北東1.8海里でSS-232ハリバットの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案＞：太平洋戦争開戦直前の昭和16年11月15日に大本営政府連絡会議で決定された。方針一、速やかに極東の米英蘭根拠地を覆滅して自存自衛を確立し、更に積極的措置により蒋政権の屈服を促進し、独伊と協力してまずイギリスを屈服させ、アメリカの継戦意思を喪失させるよう努める。方針二、極力戦争相手の拡大を防ぎ、第三国の利導に勉める。要領一、迅速な武力戦で東アジアと南西太平洋の米英蘭根拠地を覆滅し、戦略上優位な態勢を確立すると共に、重要資源地域と主要交通線を確保して長期自給自足態勢を整える。また、適時アメリカ海軍主力を誘致して撃滅する。要領二、日独伊三国協力してまずイギリスの屈服を図る。（一）日本の方策は以下の通り。（イ）オーストラリアとインドに対し攻略や通商破壊を行い、イギリスとの連携を遮断して離反を図る。（ロ）ビルマ独立を促進してインドの独立を刺激する。（二）独伊には以下の方策を執らせる。（イ）近東、北阿、スエズ作戦及びインドに対する施策。（ロ）対英封鎖。（ハ）イギリス本土上陸作戦。（三）日独伊が協力して以下の方策を執る。（イ）インド洋を通じた連絡提携。（ロ）海上作戦強化。（ハ）占領地資源の対英流出禁絶。要領三、日独伊の協力の下、イギリスへの措置と並行してアメリカの戦意を喪失させる。（一）日本の方策は以下の通り。（イ）フィリピンは差しあたり現政権を存続し、戦争終末促進に資するようにする。（ロ）通商破壊戦を徹底する。（ハ）中国と南洋資源の対米流出を禁絶する。（ニ）対米宣伝謀略の強化。重点はアメリカ海軍主力の極東誘致並びにアメリカ極東政策の反省と、日米戦無意義の指摘に置き、アメリカ世論に嫌戦ムードを醸成する。（ホ）アメリカとオーストラリアを離反させる。（二）独伊には以下の方策を執らせる。（イ）大西洋とインド洋における対米海上攻勢の強化。（ロ）中南米に対する軍事・経済・政治的攻勢の強化。要領四、中国に対しては対米英蘭戦争の成果を活用しての援蒋の禁絶と抗戦力減殺を図ると共に、在華租界の把握、南洋華僑の利導、作戦強化などの手段を積極的に行い、重慶政権の屈服を促進する。要領五、南方作戦間は極力対ソ戦の惹起を防止する。独ソ戦の講和を図りソ連を枢軸側に引き入れ、場合によってはソ連のインド・イラン方面進出を助ける。要領六、仏印に対しては現資策を続行。タイは対英失地回復により日本の施策に協調するよう誘導する。要領七、戦局の推移、国際情勢、敵国民心の動向などを常時厳密に監視考察し、戦争終結のため以下の機会を捕捉する。（イ）南方作戦の主要段落。（ロ）対中国作戦の主要段落、特に蒋介石政権の屈服。（ハ）ヨーロッパ情勢変化の好機。特にイギリス本土の陥落、独ソ戦終末、対インド施策成功。そのため、速やかに南米諸国、スウェーデン、ポルトガル、法王庁などに対する外交・宣伝の施策を強化する。日独伊は単独不講和を取り決め、イギリスの屈服に際しては直に講和せず、イギリスにアメリカを誘導させるよう施策する。対米和平促進のため、南洋方面での錫・ゴムの供給及びフィリピンの取扱に関し考慮する。参考：太平洋海戦史

＜対兵器防空システム＞：ADAMを参照。

＜泰平組合＞：三井物産、大倉商事、高田商会が明治41年6月に共同出資で設立した武器輸出機構。日露戦争後に余剰となった兵器を主に中国に売るため設立された。第１次世界大戦中はヨーロッパにも輸出を行っている。昭和14年4月に高田商会のかわりに三菱商事が加入し、昭和通商にという名称に変えられ、陸軍主導の代行商社となった。参考：日本陸軍兵器資料集

＜対米武器技術供与包括取り決め＞：正式名称は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づくアメリカ合衆国に対する武器技術の供与に関する交換公文。1983年11月8日に取り交わされた。日本がアメリカに対して武器技術を供与するための枠組みを記述している。参考：軍縮条約・資料集

＜太平洋海兵隊（アメリカ）＞：2015年3月16-17日、日米兵站幕僚会議に参加。2023年11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。参考：朝雲

　＜太平洋海兵隊（１９８９年）＞：USPACOM隷下。ハワイに9400名、MEB１個、フィリピンに2000名、日本に23700名、MEF１個、アメリカ西海岸にMEF１個、ディエゴ・ガルシアにMPS（事前集積船隊）５隻を置く。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜太平洋海兵隊（２０１２年）＞：アメリカ太平洋軍（USPACOM）隷下で、司令部はオアフ島キャンプ・Ｈ・Ｍ・スミスに置かれている。隷下に第１海兵遠征軍、第３海兵遠征軍を置く。参考：月刊軍事研究9,’12

＜太平洋艦隊（アメリカ）＞：USPACFLT（United States PACific FLeeT）と略す。1907年に新編された。1922年12月に廃止され、合衆国艦隊に統合された。1941年2月1日に再編された。太平洋艦隊司令部、第１−第10任務部隊から構成される。オレンジ計画における任務は、マーシャル諸島攻略、カロリン・マーシャル諸島地区攻略、通商破壊、赤道以南・東経155度以西のイギリス艦隊支援、サモア・グアム地区防衛などであった。9月9日、レインボー５号計画がキンメル太平洋艦隊司令長官から下達された。1957年7月、太平洋軍（PACOM）の隷下となった。2015年3月2-12日、アメリカ海軍大学校で日米共同指揮所演習に参加。2016年2月16-25日、平成27年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2017年2月6-16日、司令部がアメリカ海軍大学校で平成28年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2018年2月12-22日、司令部がアメリカ海軍大学校で平成29年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に参加。2月27日、司令官スコット・スウィフト大将に旭日大綬章が贈呈され、3月6日に防衛省で小野寺防衛大臣から伝達された。2020年2月24日から3月5日、アメリカ海軍大学校で行われた令和元年度日米共同指揮所演習（派米訓練）に司令部が参加。2023年11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に協力部隊として参加。参考：歴史群像8,’98、月刊世界の艦船1,’12、5,’15、5,'16、4,’17、5,'20、帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊JWings2,’13別冊付録、月刊軍事研究7,’12、朝雲

　＜太平洋艦隊（１９８９年）＞：USPACOM隷下の海軍部隊で、水上戦闘艦部隊は第３艦隊（空母戦闘群５個、戦艦水上攻撃群1-2個、洋上補給群４個、両用戦群）と第７艦隊（空母戦闘群２個、戦艦水上攻撃群0-1個、洋上補給群１個、両用戦群）からなる。ハワイに12500名、太平洋艦隊司令部、第３艦隊司令部、潜水艦19隻、水上戦闘艦９隻、支援艦など10隻、フィリピンに5500名、日本に8300名、第７艦隊司令部、空母１隻、水上戦闘艦８隻、潜水艦３隻、揚陸艦３隻、韓国に4000名、グアムに4000名、オーストラリアに450名、ディエゴ・ガルシアに1400名を置く。戦力はオハイオ級SSBN８隻、SSGN３隻、SSN37隻、通常動力攻撃型潜水艦３隻、空母７隻、戦艦２隻、ミサイル巡洋艦22隻、ミサイル駆逐艦14隻、駆逐艦15隻、ミサイル・フリゲート21隻、フリゲート26隻、揚陸指揮艦１隻、LHA３隻、LPH３隻、LPD７隻、LSD７隻、LST10隻、LKA３隻。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜太平洋艦隊（２００８年）＞：司令部はハワイのパールハーバーにあり、隷下の第３艦隊司令部はカリフォルニア州サンディエゴにある。部隊は第３空母打撃群の空母ジョン・Ｃ・ステニス、第９空母航空団、イージス巡洋艦２隻、イージス駆逐艦３隻、攻撃型原潜１隻、第７空母打撃群の空母ロナルド・レーガン、第14空母航空団、イージス巡洋艦１隻、イージス駆逐艦４隻、攻撃型原潜１隻、第11空母打撃群の空母ニミッツ、第11空母航空団、イージス巡洋艦２隻、イージス駆逐艦４隻、攻撃型原潜１隻、第９空母打撃群の空母エイブラハム・リンカーン、第２空母航空団、イージス巡洋艦１隻、イージス駆逐艦４隻、攻撃型原潜１隻、空母キティーホーク（2009年に退役）である。また、潜水艦隊司令部はパールハーバーにあり、隷下の第９潜水艦群司令部はワシントン州バンゴールにある。他に太平洋艦隊水上艦部隊（イージス巡洋艦３隻）、中部太平洋水上艦群（イージス巡洋艦２隻、イージス駆逐艦及びフリゲート８隻）、北西太平洋水上艦群（イージス巡洋艦１隻、イージス駆逐艦及びフリゲート７隻）、太平洋艦隊海軍航空部隊を隷下に置く。参考：月刊軍事研究9,’08

　＜太平洋艦隊（２０１２年）＞：隷下の軍政系統部隊は太平洋海軍航空部隊（カリフォルニア州ノース・アイランド。CVN-68ニミッツ、CVN-70カールビンソン、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CVN-73ジョージ・ワシントン、CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、CVN-76ロナルド・レーガン、第５空母航空団、太平洋哨戒偵察群、西太平洋艦隊航空司令部など）、太平洋海軍水上部隊（カリフォルニア州コロナド。第１駆逐隊、第７駆逐隊、第９駆逐隊、第15駆逐隊、第21駆逐隊、第23駆逐隊、第31駆逐隊、第１遠征打撃群、第３遠征打撃群、第３掃海隊、第７掃海隊など）、太平洋艦隊潜水艦部隊（パールハーバー。第１潜水隊、第７潜水隊、第11潜水隊、第15潜水隊、第17潜水隊、第19潜水隊、第５潜水艦開発隊など）、西太平洋兵站群など。軍令系統部隊は第３艦隊と第７艦隊である。参考：月刊軍事研究9,’12

　＜太平洋艦隊（２０１６年）＞：司令部はパールハーバー・ヒッカム海軍統合基地にある。隷下に軍政系統部隊として太平洋海軍水上部隊（カリフォルニア州コロナド）、太平洋潜水艦部隊（パールハーバー）、太平洋海軍航空部隊（カリフォルニア州ノース・アイランド）などを置く。参考：月刊軍事研究2,’17

＜太平洋艦隊（イギリス）＞：1945年2月、東洋艦隊を改編して創設された。早速太平洋戦争に投入され、沖縄戦からアメリカ艦隊との共同作戦を行っている。参考：護衛空母入門、月刊世界の艦船11,’15

＜太平洋艦隊（ロシア）＞：ウラジオストク、ソビエツカヤ・ガバニ、ペトロパブロフスクが３大基地。1932年に新編され、ルスキイ島に無線情報特務基地を設置した。初めて配備された軍艦は警備艦クラスヌイ・ヴィンペルとされる。1938年、隷下に水中工作員部隊が創設された。第２次大戦後暫くはソ連軍の戦力配置がヨーロッパ方面に集中していたため、通常動力潜水艦でアメリカ太平洋艦隊を牽制するのが主任務であった。1946年、ルスキイ島の無線情報特務基地を無線情報特務隊に改編し、Be-6などの航空機も使用して対日情報活動を行うようになった。1952年、第525海洋無線情報特務隊を編成。1953年、海洋諜報基地が開設された。1956年、第525海洋無線情報特務隊隷下に第169通報船特別隊を編成し、海軍制式情報収集船２隻と中古日本漁船改造情報収集船２隻で情報収集を行うようになった。1957年、第169通報船特別隊を第169特務船特務隊に改称された。1959年、第525海洋無線情報特務隊が第19海洋無線情報特別隊に改称された。1960年代に入ると、有事の際には太平洋艦隊が日本の封鎖線を突破して太平洋に核兵器搭載艦を展開し、アメリカ空母機動部隊を核で粉砕するのが主任務となり、アメリカに加えて戦力を拡大しつつある海上自衛隊も仮想敵に位置づけるようになった。パブロフスク湾とヴァジミール湾にある基地に配備されている原潜が太平洋に出られるよう、海上自衛隊の警備行動を牽制・欺瞞したが、練度が高くてかなり手こずったらしい。1961年、Tu-16Rによる日本海での情報収集を開始。1963年、オホーツク海の防衛を行う第171特別潜水艦旅団を編成。1966年、第867特別偵察飛行連隊がTu-95RTsによる日本近傍での偵察飛行を開始。1967年、第593特別飛行連隊がAn-12RRによる日本近傍での偵察を開始。1960年代後半には宗谷海峡や対馬海峡に兵力を揚陸させて安全に通過できるようにする作戦を考案し、1968年に第55海軍歩兵師団を編成して揚陸艦戦力も強化していった。1969年、第19無線情報収集隊（艦船15隻、移動特務班10班）と特務艦船特別旅団が編成され、ベトナム戦争ではベトナム近海のアメリカ空母機動部隊の監視活動を行った。1970年代にはオホーツク海での戦略原潜パトロールが開始され、有事の際に千島列島を突破してオホーツク海に入ってくると考えられる海上自衛隊やアメリカ海軍の艦艇に対抗するため、第171特別潜水艦旅団に加えて臨時対潜機動部隊を編成するようになった。また、千島列島付近を機雷封鎖したり、場合によっては上陸作戦を行ったりするとも考えており、これに対抗するための演習も実施している。1973年、偵察機部隊による情報収集作戦ビアトロン（バイアスロンの意）とヴューガ（吹雪の意）を実施。54回の偵察飛行により日本の防空システムを分析した。1978年、補給艦ボリス・ブトマが配備された。1981年2月7日、太平洋艦隊司令官を含む司令部要員を乗せたTu-104空中司令部機がレニングラードの飛行場を離陸直後に墜落し、司令官ら将官16名と士官50名が死亡した。1990年、巡洋艦チェルヴォナ・ウクライナが配備された。ソ連崩壊で情報収集態勢は縮小を余儀無くされ、第593特別飛行連隊（An-12RR装備）以外は全て解隊されてしまった。1992年、駆逐艦アドミラル・パンテレーエフが配備された。1992年以降新型艦が配備されない状態が続いていたが、2014年から更新が開始される予定で、ミストラル級、ボレイ級、ステレグシュチイ級、18280型情報収集艦などが配備される。2014年6月17日、艦艇３隻でベトナムのカムラン湾にある海軍基地を訪問。2016年5月、千島列島北部のマトゥワ島（松輪島）で拠点の建設を開始。2017年7月3-4日、オホーツク海でミサイル迎撃などの大規模演習を実施。2018年4月、春季大演習を実施。955型戦略原潜ウラジミール・モノマーフ、同アレクサンドル・ネフスキーを中心とする対抗演習、巡洋艦ワリャーグなどによる対空・対水上射撃訓練、海軍歩兵部隊の地上訓練、海軍航空隊MiG-31による防空訓練（太平洋艦隊として初の北極圏防空含む）などを行った。参考：月刊世界の艦船8,’10、6,’15、10,’13、5,’91、8,’16、1,’19、ソ連／ロシア巡洋艦建造史、朝雲

　＜太平洋艦隊（ソ連海軍、１９８９年）＞：司令部はウラジオストクにあり、ウラジオストク、ペトロパブロフスク、ソビエツカヤ・ガバニに基地がある。ベトナムのカムラン湾と南イエメンのアデンに海外拠点を置く。兵力160000名。SSBN24隻、SSB２隻、SSGN22隻、SSN31隻、SSG４隻、SS27隻、その他の任務用通常動力潜水艦10隻、空母２隻、巡洋艦11隻、駆逐艦８隻、フリゲート56隻、哨戒艦艇・沿岸戦闘艦艇100隻、機雷戦艦艇102隻、両用戦艦艇21隻、支援艦艇・補助艦艇230隻を配備する。太平洋艦隊航空隊は司令部をウラジオストクに置き、Tu-26爆撃飛行連隊２個40機、Tu-16バジャーA/C/G爆撃飛行連隊１個25機、艦上機飛行小隊４個、Su-17飛行隊１個、MiG-23MF飛行隊１個、Tu-142対潜哨戒機30機、Il-38対潜哨戒機20機、Be-12哨戒機25機、Ka-25/-27/Mi-14ヘリ90機、Tu-95哨戒機20機、Tu-16哨戒機50機、An-12カブＢ哨戒機４機、Ka-25哨戒ヘリ10機、Mi-14対機雷戦ヘリ５機、Tu-142通信機、Tu-16空中給油機20機からなる。海軍歩兵は兵力7000名で、師団司令部１個、歩兵連隊３個、戦車連隊１個、歩兵連隊１個を置く。カムラン湾／南シナ海には潜水艦1-2隻、水上戦闘艦1-2隻、哨戒艦艇１隻、機雷戦艦艇２隻、両用戦艦艇0-1隻、支援艦艇9-12隻、Tu-95/-142哨戒機６機、Tu-16バジャーA/C/E/J哨戒機16機、MiG-23飛行隊１個、地対空ミサイルを派遣し、通信傍受施設を設けている。南イエメン／エチオピア／インド洋には潜水艦1-2隻、水上戦闘艦2-3隻、機雷戦艦艇1-3隻、両用戦艦艇１隻、支援艦艇8-10隻を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜太平洋艦隊（ロシア海軍、２０１５年）＞：東部軍管区隷下で、戦略原潜４隻、巡航ミサイル原潜５隻、攻撃原潜５隻、攻撃型潜水艦８隻、ミサイル巡洋艦１隻、ミサイル駆逐艦８隻（うち予備役３隻）、哨戒艦艇23隻、対機雷戦艦艇８隻、戦車揚陸艦４隻、中型揚陸艇３隻、汎用揚陸艇２隻を保有する。海軍航空部隊はMiG-31B/BS飛行隊１個、Ka-27/-29飛行隊３個、Il-18D/Il-22/Il-38飛行隊１個、Tu-142M/MR飛行隊１個、An-12BK/An-26/Tu-134飛行隊２個からなり、MiG-31B/BS戦闘機12機、Tu-142M/MR対潜哨戒機14機、Il-38哨戒機15機、Il-22電子情報収集機１機、An-12BK輸送機２機、An-26輸送機３機、Tu-134輸送機１機、Ka-27対潜ヘリ、Ka-29輸送ヘリ、Mi-8輸送ヘリを保有する。海軍歩兵部隊は海軍歩兵旅団２個、地対空ミサイル連隊２個からなる。沿岸砲兵・ミサイル部隊は地対艦ミサイル旅団１個、地対艦ミサイル連隊１個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜太平洋艦隊（ロシア海軍、２０１６年）＞：第36水上艦師団（フォーキノ。スラヴァ級巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級駆逐艦ビストルイなど２隻、ウダロイ級駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、アドミラル・トリブツ、アドミラル・パンテレーエフ、マーシャル・シャポシニコフ）、第165水上艦旅団（ウラジオストク。12411/12411M型ミサイル艇11隻）、第10潜水艦師団（カムチャツカ半島ルィバチー。949A型オスカー�U級原潜５隻、971型アクラ級原潜５隻）、第19潜水艦旅団（ウラジオストク。877型キロ級潜水艦８隻）、第100揚陸艦旅団（1171型揚陸艦１隻、775/775M型揚陸艦３隻、21820型揚陸艇１隻）、第515偵察艦大隊（ウラジオストク。偵察艦３隻）、第72独立沿岸ロケット旅団（沿海州スモリャニノヴォ。3K60バール地対艦ミサイル１個大隊、K300Pバスティオン地対艦ミサイル１個大隊）、第520独立ロケット火砲旅団（ペトロパブロフスク。サハリン、択捉、シムシルに分遣隊。ルベズ／リドゥート地対艦ミサイル）、第7060海軍航空隊基地（カムチャツカ半島エリゾヴォ。MiG-31/-31BM、Il-38、An-12）、第7062海軍航空隊基地（ナホトカ。Tu-142独立対潜飛行隊１個、An-12独立輸送航空隊１個）、第53防空ロケット師団（カムチャツカ半島エリゾヴォ。S-400／パンツィールS1混成連隊１個）、沿海州とカムチャツカに海軍歩兵旅団１個ずつを置く。カムチャツカ半島ルィバチーの第25潜水艦師団（667BDR型戦略原潜３隻、955型戦略原潜アレクサンドル・ネフスキー）は最高司令部直轄である。参考：月刊軍事研究9,’16

＜太平洋空軍＞：PACAFを参照。

＜太平洋空軍参謀総長等シンポジウム＞：アメリカ太平洋空軍主催のシンポジウムで、PACSと略す。第14回は13カ国が参加して2014年3-4月に実施され、空自からは空幕長が参加、地域情勢や防衛政策、HA/DRなどの課題について議論を行った。2017年は9月25-29日に17カ国が参加してハワイで実施され、空自から空幕長が参加した。2019年は12月4-6日にハワイで行われ、19カ国の空軍参謀長ら（丸茂空幕長含む）が参加した。参考：朝雲

＜太平洋軍＞：PACOMを参照。

＜太平洋航空博物館＞：ハワイのフォード島に太平洋戦争開戦時からある格納庫を改修して2006年12月7日に開設された博物館。真珠湾攻撃でニイハウ島に不時着した零戦二一型の残骸をはじめ、太平洋戦争初期の航空機が展示されている。カメラ以外の荷物は持ち込み禁止。参考：月刊丸4,’07

＜太平洋哨戒偵察群（２０１２年）＞：Patrol and Reconnaissance Group。アメリカ海軍の哨戒機部隊で、太平洋海軍航空部隊の隷下にある。司令部はハワイ・オアフ島カネオヘに所在する。隷下に第２哨戒偵察航空団と第10哨戒偵察航空団があり、P-3CやEP-3Eが配備されている。参考：月刊軍事研究9,’12

＜太平洋水陸両用指揮官シンポジウム＞：アメリカ海兵隊が2015年から毎年実施しているシンポジウムで、PALSと略す。第８回は2022年6月13-16日に初めて日本で行われ、陸上自衛隊が共催し、イギリス、オーストラリア、カナダ、フィリピン、フランスなど18カ国66名が参加、6月14-15日はホテル椿山荘東京で全体会議、16日午前は横須賀基地でLST-4001おおすみ、エアクッション艇１号型、AAV7水陸両用車、対戦車兵器、小火器などの概要説明、午後は木更津駐屯地で日米共同島嶼部作戦訓練（沿岸地域における領域横断作戦と機動展開前進基地作戦。陸自V-22輸送機、12式地対艦誘導弾、アメリカ海兵隊CH-53E強襲ヘリ、HIMARSなどが参加）を見学した。参考：朝雲

＜太平洋戦争＞：こちらは連合軍名称で、昭和20年12月5日に日本も太平洋戦争と呼ぶことになったが、ベーリング海からインド洋に至るまで戦争範囲なので、日本政府では先の大戦と称している。当時の日本側名称は、昭和16年12月10日の大本営政府連絡会議で日本陸軍が大東亜戦争、日本海軍が太平洋戦争または対米英戦争を主張し、12月12日に日華事変（当時の名称は支那事変）と合わせて大東亜戦争とすることが閣議決定された。日本の目的は、マレーとフィリピンを足がかりにして蘭印南方資源地帯の領有化により国の自存自衛を全うすること、ビルマ経由の援蒋ルートを遮断して蒋介石政権を屈服させ中国大陸での権益を確保すると共に満州国の完全植民地化を果たしブロック経済圏を確立すること。昭和16年12月8日、開戦詔書を発表。真珠湾攻撃・香港攻略戦・マレー攻略作戦・フィリピン攻略戦開始。第１航空艦隊、第１水雷戦隊、第８戦隊がハワイに、第２艦隊が南方攻略作戦全般支援に、第３艦隊がフィリピンに、第４艦隊が内南洋に、南遣艦隊がマレーに展開して連合軍艦隊に対処し、上陸支援には水雷戦隊があたった。アメリカとイギリスに宣戦布告。12月9日、グアム島攻略作戦開始。マキン島及びタラワ島を占領。12月10日、ジットラ防御線突破作戦開始。マレー沖海戦。東条内閣がこの戦争を大東亜戦争と呼ぶことを決定。12月11日、ウェーク島攻略に失敗。12月12日、ルソン島上陸。12月17日、ボルネオ島のミリを攻略。12月22日、リンガエン湾上陸。12月23日、ウェーク島攻略成功。12月25日、香港のイギリス軍が降伏。ホロ島上陸。

昭和17年1月6日、トロラク防御線に攻撃を開始。ボルネオ・ブルネイ占領。1月7日、スリム橋梁を確保。1月10日、ボルネオ島攻略作戦開始。1月11日、セレベス島攻略作戦開始。1月12日、タラカン島占領。1月19日、パクリ陣地に攻撃を開始。1月22日（23日？）、ラバウルに南海支隊、ニューアイルランド島カビエンに舞鶴第２特別陸戦隊が上陸し、占領した。1月23日、グリーン島攻略。1月24日、マカッサル海峡海戦。バリクパパンとセレベス・ケンダリーに上陸。1月26日、エンドウ沖海戦。1月29日、SR（サラモア・ラエ）攻略作戦開始。1月31日、蘭印のアンボン島攻略作戦開始。1月末、ビルマ攻略戦開始。2月、アメリカ大統領と政府が民間向け自動車の生産を停止し、軍需生産に切り換えるよう下命。生産ライン上にあった未出荷乗用車も将校・司令部要員用などのスタッフ・カーとして軍に納入された。2月1日、アメリカ艦上機がマーシャル諸島を空襲。2月3日、Ｚ作戦開始。2月4日、ジャワ沖海戦。2月7日、シンガポール島攻略作戦開始。2月9日、第８特別根拠地隊基幹のＲ方面部隊がニューブリテン島スルミ・ガスマタを占領。2月12日、Ｌ作戦開始。2月14日、パレンバン攻略作戦開始。2月15日、シンガポール占領。ガスパール海峡の戦い。2月17日、チモール島攻略作戦開始。2月19日、ルーズベルト大統領が、必要に応じて軍による敵性外国人の強制収容を可能とするアメリカ大統領命令9066号に署名し、西部防衛軍がアメリカ西海岸に住む全ての日系人を全米10カ所に作られた収容所に送り込んだ。ちなみにドイツ系やイタリア系は収容所送りにはされていない。バリ島沖海戦。ダーウィン空襲開始。2月20日、チモール島クーパンを占領。アメリカ艦上機がラバウルを空襲。2月23日、伊17がアメリカ本土を砲撃。2月24日、アメリカ艦上機がウェーキを空襲。2月27日、スラバヤ沖海戦。3月、日本政府が戦時船舶管理令を公布。アメリカ軍が警備部隊をニューカレドニアに展開。3月1日、バタビア沖海戦。ジャワ島攻略作戦開始。3月4日、アメリカ艦上機が南鳥島を空襲。3月7日、大本営政府連絡会議で今後採るべき戦争指導の大綱を策定。3月8日、第６水雷戦隊基幹のSR方面攻略部隊の支援を受け、陸軍南海支隊堀江部隊がニューギニアのサラモア、海軍ラバウル警備隊がラエに上陸。Ｔ作戦（北部スマトラ攻略作戦）開始。3月9日、連合艦隊が南方部隊にセイロン島方面機動作戦を下命。蘭印が全面降伏。3月10日、Ｄ作戦（アンダマン諸島攻略作戦）開始。アメリカ艦上機がサラモア・ラエを空襲。3月19日、Ｕ作戦（ビルマ輸送作戦）開始。3月30日、アメリカ統合参謀本部は、マッカーサー大将を南西太平洋地域司令官、ニミッツ大将を太平洋地域軍司令官に任命。3月31日、クリスマス島攻略。4月5日、セイロン島攻撃。中旬、第８潜水戦隊が甲標的による第２次特別攻撃を実施。4月16日、大東亜戦争第二段作戦帝国海軍作戦計画が裁可された。4月18日、日本本土奇襲作戦で東京が空襲された。4月23日、MO作戦を開始。5月、アメリカ軍が警備部隊をニューヘブリデスに展開。5月3日、ソロモン諸島ツラギに上陸。5月6日、珊瑚海海戦。5月16日、ゾルゲ事件を公表。5月20日、連合艦隊が第２段兵力部署を発動。5月26日、AL作戦を開始。6月4日、日本がビルマを軍政統治下に置いた。6月5日、ミッドウェイ海戦。6月7日、キスカ島・アッツ島に上陸。伊24潜水艦がシドニーを砲撃。6月12日、FS作戦が発令されたが、延期された。陸路でのポートモレスビー攻略の検討を開始。6月中旬、SN作戦を開始。6月21日、日本潜水艦がオレゴン州を砲撃。7月、日本海軍がガダルカナルに航空基地の設営を開始。7月11日、FS作戦中止を正式決定。陸路でのポートモレスビー攻略作戦を発令。7月20日、アメリカ統合参謀本部は、マッカーサーがラバウル・西部ニューギニア・フィリピン、ニミッツがギルバート諸島・マーシャル諸島を順次攻略する作戦を決定。7月21日、ニューギニアのブナに上陸。8月、アメリカ海軍が潜水艦に夜間潜望鏡とSJ水上捜索レーダーの搭載を開始、夜間攻撃を仕掛けるようになり、日本艦船の被害が増大し始めた。8月3日、タラワ島攻略。8月7日、アメリカ軍がガダルカナル島上陸作戦開始。8月8日、第１次ソロモン海戦。8月13日、大陸命第673号が出され、第17軍にソロモン群島要地奪回が命じられた。日本海軍は大海指第120号で情勢に応ずる東部ニューギニア、ソロモン群島作戦に関する陸海軍中央協定を発出。8月17日、ギルバート諸島マキン島にアメリカ海兵隊が潜水艦で上陸、奇襲攻撃をかけて引きあげた。8月24日、第２次ソロモン海戦。8月25日、ナウル島上陸。8月26日、ニューギニア東部のミルン湾に上陸。ナウル島とオーシャン島を占領。9月9日、アメリカ本土爆撃。10月11日、サボ島沖夜戦。10月26日、南太平洋海戦。この時の損害でアメリカ軍の稼働空母がゼロになってしまった。11月1日、日本が大東亜省を設立。11月12日、第３次ソロモン海戦。11月15日、関門トンネルの開通式が行われた。11月18日、日本軍が南太平洋方面作戦陸海軍中央協定を発出。陸軍第８方面軍と海軍連合艦隊の緊密な協力により、ソロモン群島（ガダルカナル飛行場、ツラギなど）とニューギニア方面の要地（ウエワクなどニューギニア北岸）を攻略することになった。ニューギニアのブナ方面部隊は状況によってサラモア方面に撤退するとしている。日本陸軍は大陸命第715号を発し、第８方面軍にソロモン群島攻略を命じた。日本海軍は大海指第159号で南太平洋方面作戦陸海軍中央協定を発令。11月30日、ルンガ沖夜戦。この損害で空母に続いてアメリカ軍の稼働巡洋艦が殆ど無くなってしまい、アメリカ海軍戦力が危機に陥ったが、ガダルカナルの飛行場が機能していたため日本軍有利とはならなかった。12月31日、大本営はガダルカナル島からの撤退を決定。大本営では連合軍が先ずソロモン群島を島伝いに北へと攻略、東部ニューギニアでもラエとサラモアを占領し、両者でラバウルに攻撃を掛け、ラバウルを堕としたらニューギニア北岸に沿って侵攻、フィリピンに向かうと判断した。また、中部太平洋、アンダマン諸島、ベンガル湾、ベーグ海の制海権奪回の機会を伺い、潜水艦による通商破壊作戦や資源地帯への戦略爆撃を強化し、インド・ビルマ方面ではアキャブを奪回して雨期開けにインパールへの攻勢を企図すると予想した。

昭和18年1月4日、南太平洋方面作戦陸海軍中央協定を発令（海軍は大海指第184号）。ニュージョージア島・イサベル島以北のソロモン群島と東部ニューギニアの要域を確保し、１月下旬から２月上旬頃にガダルカナルから撤収することになった。北部ソロモン群島（ショートランド、ブーゲンビル、ブカなど）は陸軍、ニュージョージア島とイサベル島は海軍（陸軍部隊を海軍の指揮下に入れる）が担当し、東部ニューギニアではスタンレー山脈以北のニューギニア北東部要域を攻略確保、ブナ方面は適宜サラモア方面に撤収させ、ガダルカナル撤収は陸海軍が協力し、海軍による航空戦は継続する。航空戦兵力は陸軍が第６飛行師団長指揮下の戦闘機74機、軽爆撃機27機（＋27機増強）、重爆撃機27機、司令部偵察機９機、海軍が南東方面艦隊司令長官指揮下の戦闘機80機、陸攻60機、艦載20機、陸偵５機、飛行艇５機、水上機20機で、陸軍はニューギニア部隊の地上作戦・補給輸送掩護と東部ニューギニア方面航空撃滅、海軍は陸軍担任以外のソロモン群島及びニューギニア方面の航空作戦を行い、ガダルカナル撤収、局地防空、東部ニューギニア方面航空撃滅と、それ以外でも状況に応じて陸海軍が協同して作戦を実施する。1月5日、日本軍はニューギニアに２個師団を増強、ニューギニア反攻を開始。1月29日、レンネル島沖海戦。2月1日、ガダルカナル島撤退作戦を開始。イサベル島沖海戦開始。2月7日、日本軍はガダルカナル島から撤退を完了。2月20日、アメリカ軍が中部ソロモン奪回作戦を開始。3月2日、日本陸軍第51師団をニューギニアのラエに輸送する81号作戦を開始したが、ダンピールで輸送船団が全滅。3月5日、鳥取地方大震災。3月25日、大本営陸海軍部が第三段作戦方針を策定、南東方面作戦陸海軍中央協定を決定し、南東方面作戦に関する申合覚を交付。南東方面の主作戦方面をニューギニアとし、ソロモン諸島とビスマルク諸島では守勢に移ることとした。ソロモン諸島北部まで戦線を下げる陸軍の主張と中部ソロモンを死守する海軍の主張に配慮し、北部ソロモンを陸軍、中部ソロモンを海軍（と陸軍南東支隊）が防衛する。ただ連合軍がソロモン方面を先ず攻略すると予想しているのに主作戦方面を後方支援態勢も整っていないニューギニアにし、後方の内南洋基地が整備され陸海軍協同作戦も容易なソロモン・ビスマルク方面では攻勢を取らず島嶼に点在する基地の防備を固めるという、矛盾をはらんだ内容となった。陸海軍は南東方面の航空戦力増強に努め、あらゆる手段を以てニューギニアへの補給を強化する。これに基づき、軍令部総長が第三段作戦帝国海軍作戦方針を大海指第209号で連合艦隊司令長官に指示。作戦目的は敵艦隊と航空兵力の撃滅、海上輸送路破壊、必勝の戦略的態勢確立による敵継戦意思の破砕とし、まず航空戦での必勝態勢を確立、敵艦隊を前進根拠地などの奇襲により破壊すると共に、戦略要点を押さえ、敵進攻企図の破砕と敵艦隊誘出による捕捉撃滅を図り、海上輸送破壊戦も強化する。戦略要地の防備を固め、海上交通保護を徹底、本土空襲に対し厳重な警戒を行う。防備担当地域は第４艦隊が南洋、ギルバート諸島、ナウル、オーシャン、大鳥島、大宮島、沖ノ鳥島、第５艦隊がアリューシャン方面、南東方面艦隊が蘭領ニューギニア以東の南方占領地区、南西方面艦隊が蘭領ニューギニア以西の南方占領地区、支那方面艦隊が中国沿岸占領地区、鎮守府・警備府部隊が各所管警備区である。また、南東方面作戦陸海軍中央協定も大海指第213号で連合艦隊司令長官に指示し、主作戦方面をニューギニア方面に置き、ラエ・サラモア付近の要地を確保してポートモレスビー方面への作戦準備に入り、ソロモン方面やビスマルク方面では防衛強化や基地増設を行う事とした。3月26日、山本連合艦隊司令長官が、い号作戦命令を下達。3月27日、アッツ島沖海戦。4月、米軍が潜水艦３隻１組の狼群戦術を開始。4月7日、い号作戦開始。4月18日、山本連合艦隊司令長官戦死。4月20日、東条内閣が内閣改造を実施。5月9日、アメリカ潜水艦が北海道幌別を砲撃。5月12日、アメリカ軍がアッツ島に上陸。5月29日、アッツ島玉砕。6月、日本海軍は潜水艦に対抗するため、海域ごとに護衛部隊を配置する方式から全域一環護衛方式に変更。6月16日、ルンガ沖航空戦。6月30日、アメリカがカートホイール作戦を開始、ニュージョージア島侵攻作戦トゥネイルを発動し、ニューギニアでもナッソー湾に上陸して攻勢に移った。7月5日、クラ湾夜戦。7月12日、コロンバンガラ島沖夜戦。7月29日、キスカ島撤退作戦終了。8月1日、海軍特別志願兵令（朝鮮・台湾含む）公布施行。日本がビルマの軍政統治終了を発表し、ビルマが独立を宣言したが、裏では日本国緬甸国軍事秘密協定が結ばれており、名ばかりの独立で、ビルマは米英に宣戦布告する一方でイギリス特務機関とも連絡を取り抗日転換の機会を覗い始めた。8月6日、ベラ湾夜戦。8月15日、連合艦隊が第３段兵力部署を発動し、Ｚ作戦要領を策定。8月16日、東京都が上野動物園に猛獣処分を通達。8月18日、ベラ・ラベラ沖海戦。9月、日本海軍軍令部次長がシーレーン防衛には360隻の護衛艦と2000機の対潜哨戒機が必要との意見を出した。9月1日、アメリカ機動部隊がギルバート諸島攻略の事前作戦として南鳥島を空襲。9月8日、横浜の花月園で猛獣が処分された。9月10日、鳥取県大震災。9月18-19日、アメリカ機動部隊がマキンとタラワを空襲。9月23日、25歳未満の独身女子を勤労挺身隊に動員。9月24日、大本営政府連絡会議で戦争指導大綱を決定。昭和19年中に戦局の大勢を決するのを目標に、必勝の戦略態勢を確立すべく、特に航空戦力を増強し、主導的対米英戦を遂行すると共に、ドイツとの提携を密にし、対ソ関係の好転を図り、アジア各国との結束を強化するとした。そのための絶対確保要域を千島、小笠原、内南洋（中西部）、西部ニューギニア、スンダ、ビルマを含む太平洋・インド洋地域とし、この圏内で海上交通を確保する。重慶政府に対しては強圧を継続し、機を見て問題解決を図るとした。9月25日、御前会議で絶対国防圏を策定。昭和18年からアメリカ軍がヨーロッパ方面と太平洋方面に同等の戦力を投入してきたため、大規模海戦が起きていないのに東部ニューギニア戦線を中心に次第に日本側が押されるようになってきており、攻勢作戦から守勢防衛作戦へと切り替え、日本海軍は太平洋の島嶼部に配置した基地航空隊を中心に連合軍を撃退することにした。9月29日、ゾルゲと尾崎秀実に死刑判決。9月30日、御前会議で戦争指導大綱を決定。日本海軍が大海指第280号で中南部太平洋方面作戦陸海軍中央協定を発出。陸海軍は南東方面で持久戦を行い、その間（目途は昭和19年春頃まで）にオーストラリア北方から中部太平洋方面に反撃拠点を完成させて反撃戦力を整え、徹底的反撃により敵の主攻方面戦力を撃破して戦意を挫き、可能なら昭和19年中期以降にオーストラリア北方から積極作戦に転じる方針とした。10月2日、学徒出陣決定。10月5-6日、アメリカ機動部隊がウェーク島を空襲。9月28日から10月2日、日本軍がコロンバンガラ島から撤退。10月6日、ベラ・ラベラ島沖夜戦。10月10日、北ボルネオのアピでアピ事件が発生。10月14日、フィリピンでラウレル政府が独立式典を実施、日本と同盟。10月21日、チャンドラ・ボースが自由インド仮政府を樹立。11月、カイロ会談。日本海軍に海上護衛総司令部が発足。しかしレーダー搭載艦が少ない上に性能も悪く、攻撃には爆雷を使うしかなく、苦肉の策として搭載した三式八糎迫撃砲も精度と威力に欠けて殆ど役に立たなかった。11月1日、連合軍がブーゲンビル島タロキナ岬に上陸。ろ号作戦開始。11月2日、ブーゲンビル島沖海戦。11月5日、第１次ブーゲンビル島沖航空戦。11月8日、第２次ブーゲンビル島沖航空戦。11月11日、第３次ブーゲンビル島沖航空戦。11月13日、第４次ブーゲンビル島沖航空戦。11月17日、第５次ブーゲンビル島沖航空戦。11月21日、第１次ギルバート諸島沖航空戦。学徒出陣の壮行会を実施。ガルバニック作戦開始。11月25日、タラワ・マキン守備隊玉砕。セント・ジョージ岬海戦。11月26日、第２次ギルバート諸島沖航空戦。11月27日、第３次ギルバート諸島沖航空戦。11月29日、第４次ギルバート諸島沖航空戦。12月1日、第６次ブーゲンビル島沖航空戦。12月5日、マーシャル諸島沖航空戦。12月15日、連合軍がニューブリテン島に上陸。

昭和19年2月1日、アメリカ軍がフリントロック作戦に基づきルオット島・クェゼリン島に上陸。2月10日、陸軍大臣、参謀総長、海軍大臣、軍令部総長の会談で、航空機生産数を調整。当初は陸軍28000機・海軍32000機を要求したが、生産能力的には年産46000機が限界なので海軍が26000機に削減した。しかし陸軍が32000機に増やすと言い出し、陸軍26400機・海軍24400機に修正したものの、海軍用兵側が削減に納得せず、最終的に陸軍27120機・海軍25130機になった。2月17日、トラック空襲（キャッチボール作戦）。トラック環礁は基地機能を喪失、連合艦隊は産油地周辺のリンガ泊地、ガラン泊地、タウイタウイ泊地に釘付けとなってしまった。大本営は雄作戦で反撃を計画したが、中止された。2月21日、東条首相兼陸軍大臣が杉山陸軍参謀総長を罷免して参謀総長を兼任。嶋田海軍大臣が永野軍令部総長を罷免して軍令部総長を兼任。2月23日、マリアナ諸島にアメリカ機動部隊が来襲、所在の航空機がほぼ全壊した。3月13日、インパール作戦開始。3月17日、インド洋海上交通破壊のサ号作戦を開始。3月30日、アメリカ機動部隊がパラオを空襲。4月1日、連合艦隊司令部要員が搭乗した飛行艇が低気圧に巻き込まれ、古賀長官らが殉職。4月2日、古賀長官に代わり、南西方面艦隊の高須大将が臨時に連合艦隊の指揮を執ることとなった。4月8日、日本陸軍第33軍が創設され、断作戦が開始された。5月3日、豊田副武大将が連合艦隊司令長官に就任。大海指第373号「連合艦隊の準拠すべき当面の作戦方針」であ号作戦を下令。5月27日、ビアク島上陸作戦。6月13日、あ号作戦決戦用意を下令。6月15日、サイパン島上陸作戦開始。日本本土空襲開始。あ号作戦決戦発動、機動部隊がマリアナ沖に向かった。6月17日、オレアイ飛行場夜襲。6月19日、マリアナ沖海戦。6月23日、サイパン奪回計画を放棄。7月、本土決戦準備開始。7月2日、ヌンホル島にアメリカ軍が上陸。7月7日、サイパン島陥落、絶対国防圏が破綻。戦争目的が一撃講和論にシフト。7月18日、絶対国防圏破綻の責任を取り、東条内閣が総辞職。7月21日、スティーブドール作戦開始。7月22日、小磯国昭内閣が成立。7月24日、テニアン島上陸作戦。大本営が陸海軍爾後の作戦指導大綱を策定、これに基づいて捷号作戦を決定。7月31日、大本営政府連絡会議を実施。小磯首相が最高戦争指導会議の設置を提案した。8月、盤作戦及び完作戦を開始。8月5日、最高戦争指導会議が設置された。8月19日、最高戦争指導会議で今後採るべき戦争指導の大綱を決定。8月23日、学徒動員令と女子挺身隊勤労令を公布。9月7日、小磯首相がインドネシア独立容認を発表した。9月11日、第２次ケベック会談。9月13日、拉孟・騰越守備隊玉砕。9月15日、ペリリュー島上陸作戦。アメリカ軍がモロタイ島に上陸。9月17日、アメリカ第81歩兵師団がアンガウル島に上陸。9月27日、グアムの日本軍が玉砕。9月30日、アメリカ軍がバリクパパン戦略爆撃を開始。10月、XY作戦。10月4日、アメリカ軍がモロタイ島を制圧。10月10日、アメリカ機動部隊が延べ400機で10時間にわたり沖縄を空襲。10月12日、台湾沖航空戦。10月17日、アメリカ軍がスルアン島に上陸。10月18日、捷一号作戦発動。10月20日、アメリカ軍がフィリピンのレイテ島に上陸。神風特別攻撃隊を編成。10月24日、比島沖海戦。11月1日、B-29が初めて関東に来襲。11月5日、アメリカ軍がシンガポールへの戦略爆撃を開始。11月7日、風船爆弾攻撃を開始。陸軍特攻隊が初出撃。11月20日、第１次玄作戦。11月24日、マリアナのB-29が東京を初空襲。12月6日、和号・テ号作戦。12月7日、東南海地震が発生し、996人が死亡、26130戸の住宅が全壊し、三菱重工名古屋工場などが大損害を受けた。12月26日、礼号作戦。昭和20年、特攻部隊以外の残存艦艇を全て輸送及び輸送護衛に割り当てたが、中国や朝鮮からの物資輸送すら困難になってきた。1月9日、アメリカ軍がルソン島リンガエン湾に上陸。1月12日、第２次玄作戦。1月13日、名古屋地方大震災。1月18日、最高戦争指導会議で今後採るべき戦争指導大綱を決定。1月20日、大本営陸海軍部が初の陸海軍統合作戦計画となる帝国陸海軍作戦大綱を策定。重点をアメリカ軍の進攻破砕とし、随所縦深に亘り敵戦力を撃破、戦争遂行上喫緊の要域を確保して敵の戦意を挫折させることとなった。そのため、まず皇土と大陸要域で邀撃態勢を確立することを優先し、状況が許せば特に航空戦力の整備により反撃を行う事としている。また、フィリピン攻略中のアメリカ軍に対して強力な反撃を行い敵戦力を拘束し、その間に他方面の作戦準備を進めるとした。アメリカ軍がフィリピンから日本に向かってきたら東シナ海周辺での空海戦力による撃滅を予定し、2-3月頃を目途に東シナ海周辺要地での作戦準備を整える。硫黄島を含む小笠原諸島に来攻した場合に備え、この方面も防備を強化し、千島からの進攻や、日本本土への直接上陸にも備えた準備を行う。アメリカ機動部隊には不断の漸減攻撃を仕掛け、進攻戦力主力は洋上で撃破し、上陸されたら火力集団機動を重視して陸上作戦と補給遮断で対抗する。南シナ海域から進攻する敵にはインドシナ半島とボルネオの防備強化で対抗し、ビルマ・マレー方面と協同してインド洋・太平洋方面の敵の連絡を阻止し、中国大陸との連絡線を保持する。仏印はなるべく速やかに武力処理し、敵が来攻した場合は沿岸要地特に港湾確保に重点を置く。本土決戦作戦大綱決定。南号作戦開始。1月22日、陸軍は内地防衛軍隷下の東部軍、中部軍、西部軍を廃止し、第11方面軍（東北）、第12方面軍（関東甲信越）、第13方面軍（東海北陸）、第15方面軍（関西中国四国）、第16方面軍（九州）を創設。2月中旬、ヤルタ協定。2月10日、北号作戦開始。2月19日、硫黄島上陸作戦。3月、文部省が決戦教育措置要綱を定め、国民学校初等科以外の学校授業を停止、労働力に回した。3月10日、東京大空襲。明号作戦開始。3月11日、丹作戦開始。ベトナムが独立。3月12日、カンボジアが独立。3月19日、アメリカ機動部隊が瀬戸内海・九州を空襲。3月20日、大海指第513号で帝国海軍当面作戦計画要綱を発出。アメリカ軍の進攻破砕と皇土防衛体制強化を図るべく、作戦の重点を東シナ海特に南西諸島正面とし、航空兵力集中と局地防衛強化による敵軍主力撃滅（天号作戦と称する）を行い、この間本土防衛体制を強化して直接来攻には機動兵力（特に航空兵力と特攻）で対抗する。本土防衛態勢強化は関東と南九州を重点とし、日本海のシーレーンを確保する。敵上陸軍撃滅作戦は決号作戦と称し、各種特攻による敵船団洋上・水際撃破を重視する。空襲激化に備え、戦力維持、生産・交通・通信の防衛、治安確保に努める。3月23日、国民義勇隊組織に関する件を閣議決定。3月24日、日本陸軍が決号作戦準備要綱を本土の各方面軍に内示。3月26日、硫黄島陥落。天一号作戦下令。慶良間諸島上陸作戦。3月29日、ダウンフォール作戦策定。4月、日本陸海軍が共同戦備計画を検討し、特攻兵器を最優先で生産することになった。4月1日、沖縄上陸開始。阿波丸がアメリカ潜水艦クイーン・フィッシュの攻撃を受けて沈没。4月5日、小磯首相が指導体制強化のため陸軍大臣兼任を要望したが、陸軍から拒否されたため、総辞職した。ソ連外相モロトフが中ソ大使に日ソ中立条約不延長を通告。4月6日、菊水作戦開始。沖縄特攻のため第１遊撃部隊が出撃。4月7日、鈴木貫太郎内閣成立。一度は固辞したが、天皇陛下の「どうか曲げて承知してもらいたい」と頼まれ引き受けた。4月8日、日本陸軍が本土作戦準備計画を示達。第１・第２総軍、航空総軍の戦闘序列を下命。ラオスが独立。4月12日、ルーズベルト大統領死去。トルーマンが大統領就任。鈴木貫太郎首相は深い哀悼の意を表した。4月14日、アメリカで初めて特攻作戦が公式に報道された。4月15日、センター・ボード作戦策定。5月1日、大本営に海軍総監部を設置し、100総トン以上の船舶を国家管理することとなった。英印軍がラングーンに上陸。5月7日、ドイツが降伏。5月8日、アメリカ大統領が声明を発表。アメリカ海軍エリス・ザカライアス海軍大佐が対日心理作戦を開始、無条件降伏の目的は軍部勢力の排除と兵士の家庭・職場復帰であり、日本人を絶滅させることでも奴隷化することでもないという放送を週３回流し、日本の情報部に傍受させた。5月9日、日本政府がドイツ降伏に関わらず戦争を遂行すると声明を発表。5月、大本営隷下に陸海軍協同海運統括機関である海運総監部を新編。5月14日、日本の最高戦争指導会議でソ連に対し終戦工作を行う方針を決定。5月23日、バッゲ工作及び小野寺工作が失敗。6月、バーニー作戦開始。日本海軍が術科学校の繰り上げ卒業を実施。6月6日、最高戦争指導会議が戦争指導基本大綱を決定し、あくまでも戦争を完遂するとした。6月8日、御前会議で戦争指導基本大綱が承認された。6月14-15日、開戦後初めて天皇が政務を休み、療養された。6月20日、天皇が外務大臣に対し、本土決戦準備が不十分であることは明らかで、速やかに戦争を終結させるよう取り運ぶことを希望すると述べられた。これを受けて6月22日午後に御前会議が緊急召集され、慣例を破って天皇自らが最初に発言、戦争終結について具体的研究を行い、実現に努力するよう命じられた。6月23日、義勇兵役法が公布された。7月、猛輸送を開始。7月1日、アメリカ軍がオリンピック作戦の事前空襲を開始。7月10日、日本の最高戦争指導会議でソ連に近衛文麿を派遣しての終戦依頼を決定。7月15日から8月2日、ポツダム会談。7月18日、アメリカ機動部隊が横須賀と関東地区飛行場を空襲。ソ連が日本の終戦依頼を拒否。7月24日、アメリカ機動部隊が瀬戸内海を空襲。7月26日、ポツダム宣言を発表。7月27日0600、日本政府がサンフランシスコ米軍報道でポツダム宣言を把握。7月28日、アメリカ機動部隊が呉を空襲。首相がポツダム宣言の黙殺を発表。8月6日、広島に原爆を投下。8月9日、ソ連が参戦。長崎に原爆投下。8月9日1030から最高戦争指導会議を開催。戦争継続不可能ということでは一致したが、首相、海軍大臣、外務大臣が国体護持の条件付きでポツダム宣言受諾、陸軍大臣、参謀総長、軍令部総長がそれに加えて占領を規模・期間とも最小限とする、武装解除と戦犯処置を日本が行うという条件付きでの受諾で意見が割れた。この会議中、陸軍大臣が参謀次長に呼び出され、クーデター案を提示されている。2350から御文庫附属庫でポツダム宣言受諾に関する御前会議を開始。やはり３対３で意見が割れたが、8月10日0200過ぎ、天皇の裁可により国体護持を条件にポツダム宣言の受諾を決定。0700、スイスとスウェーデンを経由して国体護持を条件としたポツダム宣言受諾を連合国に通告。日本政府が米機の新型爆弾による攻撃に対する抗議文を提出。8月11日、トルーマン大統領が日本への回答書を承認、B-29による戦略爆撃の一時中止を下命。また、３発目の原爆投下計画も承認した。8月12日、日本の降伏条件に対する連合国の回答が到着。天皇が受諾手続きに入ることを命じた。8月13日、最高戦争指導会議を開催。1500から閣議に切り換えたが纏まらず、翌日に御前会議を開催してポツダム宣言受諾の可否を決めることになった。8月14日、重慶で蒋介石総統が「暴をもって暴に報ゆることなかれ」と題した放送を実施。1050、御前会議を開始、ポツダム宣言の受諾が決まった。2300、終戦詔書の交付手続きが完了し、終戦の大詔が発せられた。8月15日正午、終戦詔書がラジオで発表され、ポツダム宣言を受諾。鈴木内閣が総辞職。一般命令第一号に基づき、連合軍の占領地域を確定。阿南陸軍大臣が一死を以て大罪を謝すとして自決。陸軍将官31名、海軍将官６名が自決している。大海令第47号で海軍総隊に積極進攻停止を命令。8月16日、日本が全軍に即時戦闘行動中止命令を発令。大海令第48号で海軍全軍に自衛以外の戦闘行動の即時停止を下命。アメリカ政府は連合軍最高司令官がマッカーサー元帥であることをスイス政府経由で日本政府に伝達。マニラのマッカーサー司令部が日本政府と大本営に降伏軍使の派遣を要求。8月17日、東久邇内閣成立。赤十字国際委員が東京に集まり、捕虜収容所の把握にあたった。日本には103カ所の捕虜収容所があり、34000名が収容されていた。大海令第49号で海軍全軍に一切の戦闘行為停止を命令。8月18日、占守島防衛戦。日本本土で最後の日米空戦が行われた。内務省から都道府県に進駐軍用慰安所の整備要項が通達された。8月19日、降伏軍使がマニラの連合国最高司令部に到着。全軍に停戦を示達。8月20日、マニラ会談で連合軍最高司令官要求書が出され、日本海軍による掃海は続行されることになった。大海令第49号に基づき、豊田副武軍令部総長が大海指第530号で小澤海軍総司令長官に各部隊の待機要領を指定。8月22日、引き揚げ船撃沈事件。厚木航空隊の抗命が収束。海軍総司令長官と隷下部隊の作戦任務を解除。8月23日、復員を開始。8月24日、陸軍相が全軍に対して8月31日までの軍旗奉焼を指示（近衛第１師団には8月31日まで待つよう指示）。陸軍通信学校と予備士官学校の士官・生徒が徹底抗戦を呼びかけるため日本放送協会川口放送所を占拠。8月25日、陸海軍の復員にあたり陸海軍に勅諭が下賜された。8月28日、占領軍先遣隊が厚木飛行場に到着。アメリカ軍が横須賀に上陸。8月30日、マッカーサー元帥以下占領軍司令部が厚木飛行場に到着、第１騎兵師団と共に横浜入りし、ホテルニューグランドにGHQを設置した。横須賀鎮守府で降伏式を実施。8月末から日本の捕虜収容所に救援物資の投下を開始。ただパラシュート無しで投げ落としたため、落下した物資の直撃を受けて約20名の捕虜が死亡した。収容所から逸れて落下する物資もあったが、赤十字に送られることを聞くと周囲の日本人は回収を手伝い、缶詰１つたりとも無くなることはなかったという。9月2日、横浜沖に停泊した戦艦ミズーリで降伏調印式が行われ、日本代表はDD-486ランズダウンで横浜からミズーリまで輸送された。当初は戦艦ニュー・ジャージーで行われる予定だったが、トルーマン大統領出身州のミズーリに変更された。周辺海域には約260隻の連合軍艦船が展開していた。日本側の政府全権代表は重光葵外相、陸軍全権代表は梅津参謀総長であり、海軍全権代表は豊田軍令部総長の予定だったが、大西軍令部次長共々嫌がったために作戦部長の富岡少将が出席した。日本側代表がミズーリに乗り組むとカメラのフラッシュが一斉に焚かれたため、日本外務省随員がアメリカ将校に止めさせるよう依頼し、将校が命じて止めさせた。式場は第２主砲塔右舷側にあり、机が１つ、椅子が２脚しつらえてあって、右舷側の椅子に日本全権、左舷側の椅子に連合国代表が座り、机の両側に米軍将兵が並び、後方に従軍記者や映画班が位置した。側壁には1852年（1853年？）にペリー提督が日本に来た時に外輪フリゲート・ミシシッッピが掲げていた星条旗と、太平洋戦争開戦時にホワイトハウスに掲揚されていた星条旗が飾られていた。調印式の開始にあたり、マッカーサーは「戦いは終わり、恩讐は去った。神よ、この平和を永遠に続けさせ給え」と宣言した。調印式終了後、参加艦船や兵員は日本各地に散っていき、占領業務にあたった。GHQが陸海軍の解隊を命ずる指令を発令。また、GHQ一般命令第１号で、掃海作業を引き続き日本が行う事になった。9月3日、第14方面軍が降伏。9月5日、第７方面軍が降伏。9月6日、第８方面軍が降伏。9月8日、大湊警備府で降伏式を実施。9月10日、マッカーサー元帥が日本の管理方針を発表。9月11日、戦犯容疑者に逮捕令が出された。東条英機が自殺未遂。9月13日、大本営廃止。ナウル島守備隊の海軍第67警備隊と横須賀第２特別陸戦隊が降伏。9月26日、復員船第１船が帰港。10月5日、東久邇内閣総辞職。10月9日、幣原内閣成立。10月10日、海軍総隊、連合艦隊を廃止。10月15日、参謀本部、教育総監部、軍令部廃止。11月、軍人恩給、遺族扶助、金鵄勲章年金の支給を停止。11月17日、兵役法を廃止。11月30日、陸軍省・海軍省廃止、海軍艦艇の大部分を除籍。12月1日、陸軍省に代わり第一復員省、海軍省に代わり第二復員省を設立。12月7日、爵位や位階勲などを返上。12月16日、近衛文麿が服毒自殺。改正選挙法を公布。1946年1月4日、公職追放令で軍人18万名を含む20万人が職を追われた。6月15日、第一・第二復員省を復員庁に統合、それぞれ第一・第二復員局となった。1947年5月3日、旧日本海軍全艦艇の除籍を完了。1948年5月、運輸省の外局として海上保安庁が創設された。1950年3月までの内地復員者は235万名、外地復員者は270万名であった。1951年、民間航空事業を再開。11月、公職追放令が解除され、警察予備隊に旧軍将校が入隊した。1953年6月2日、在日中国人の中国への帰還事業を開始。1959年、航空管制がアメリカ軍から日本へ全面返還。1972年、沖縄が本土に復帰。1974年5月、那覇飛行情報区が日本政府に移管されたが、レーダーによる進入管制業務は嘉手納基地のRAPCONが引き続き実施した。2016年、遺骨収集事業が議員立法で国家事業になった。2020年7月末現在、未収容遺骨概数は1124000柱で、海没300000柱、相手国の事情で収容困難230000柱、収容可能な遺骨概数590000柱となっている。参考：月刊丸3,’01、4,’07、1,’77、3,’90、12,’90、2,’07、8,’95、9,’03、6,’01、8,'15別冊、月刊PANZER12,’01、月刊軍事研究8,’01、10,’05、7,’99、11,’11、6,’13、12,’17、歴史群像12,’03、8,’02、10,’11、8,’15、4,’16、8,’17、朝鮮戦争（上）、朝鮮戦争（下）、第二次大戦日本海軍作戦年誌、激闘太平洋戦記、軍縮条約・資料集第２版、戦時用語の基礎知識、第２次大戦のアメリカ軍艦、比島決戦、航空管制のはなし、太平洋戦争情報戦、写真集日本の小艦艇、丸エキストラ版No.114、月刊世界の艦船9,’09、10,’11、9,’13増刊、1,'21、近代巡洋艦史、スピアヘッドNo.8、比島決戦、護衛空母入門、輸送船入門、海軍操舵員よもやま物語、月刊航空ファン1,’17、軍医サンよもやま物語、大日本帝国陸海軍軍装と装備、THE JEEP、朝雲

＜太平洋戦争・関連データ＞：昭和11年度の自動車生産数・保有数は、アメリカが生産444535台・保有28086380台。日本が生産9149台・保有149635台。イタリアが保有415000台。昭和12年以降の召集総数は陸軍590万、海軍48万、志願者を含む現役徴収徴兵者は423万人で、防衛召集を除く男子兵役服務者は総計1061万人。日本の出陣学徒数は約30万名。太平洋戦争での日本軍将兵戦没者は187万名。終戦時の日本陸軍現存兵員数は5472400名。昭和12年7月7日から昭和20年8月14日までの陸軍戦没者は1482300名。昭和20年8月15日以降の陸軍戦没者は164900名。日本海軍軍人・軍属戦死者数42万名。昭和12年10月から16年3月までに九七式中戦車523両、九五式軽戦車539両、九四式軽装甲車169両、九七式軽装甲車497両を生産。昭和15年度末には中・軽戦車1200両、軽装甲車600両を保有。昭和16年度、中・軽戦車1056両、軽装甲車18両を生産。昭和17年、戦車・自走砲557両、軍用トラック35386両を生産。昭和18年、戦車・自走砲558両、軍用トラック24000両を生産。昭和19年、戦車・自走砲353両、軍用トラック20356両を生産。昭和20年、戦車・自走砲137両、軍用トラック1758両を生産。相模陸軍造兵廠では昭和17年度に中戦車484両、軽戦車519両、砲戦車26両、牽引車1242両、装甲軌道車12両を生産、昭和18年度に中戦車543両、軽戦車234両、砲戦車14両、牽引車642両、装甲兵員輸送車435両、装甲軌道車９両を生産、昭和19年度に中戦車374両、軽戦車49両、砲戦車55両、牽引車1133両、装甲兵員輸送車110両、大発414隻、マルレ2200隻を生産、昭和20年度に中戦車160両、砲戦車11両、牽引車293両、装甲兵員輸送車126両、自動貨車1905両、大発13隻、マルレ357隻、折畳舟118隻、防空気球15個を生産。昭和20年6月19日に出された昭和20年度調達兵器員数表では、チヌ車150両、テト車195両、一〇糎自走砲150両、一五糎自走砲（九七式中戦車改造）100両、対戦車自走砲200両、ハーフトラック60両、スキ車220両、アキ車230両を生産する予定になっていた。戦時中の中戦車生産数は2367両。開戦時の火砲配備数は、野砲7000門、重砲1500門、高射砲1650門。昭和16-20年の火砲生産数は、小口径22780門、中口径6030門、大口径153門。ちなみにアメリカは同期間に中口径火砲だけで71000門を生産している。昭和20年6月19日に陸軍大臣が指示した火砲生産数は、八九式重擲弾筒29000門、九七式曲射歩兵砲1900門（�T型500・�U型1400）、一式機動四十七粍砲350門、四一式山砲300門、十二糎迫撃砲5500門（�T型1500、�U型4000）、九九式小迫撃砲600門（�T型100、�U型500）、十一年式曲射歩兵砲�U型1000門、新七糎半戦車砲（長）250門、試製七糎半対戦車砲200門、試製七糎噴進砲26000門、十糎半無反動砲200門、四式基筒双連二十粍高射機関砲1500門、五式四十粍高射機関砲1500門、九四式山砲260門、四式七糎半高射砲360門、九九式八糎高射砲480門、三式十二糎高射砲170門、新要地高射砲６門、三連装木製二十糎噴進砲220門、九〇式野砲20門、九五式野砲18門、九一式十糎榴弾砲50門、九二式十糎加農４門、九六式十五糎榴弾砲23門、試製単車八九式十五糎加農４門である。昭和16-20年の弾薬生産数は、小口径3281万発、中口径444万発、大口径14万発で、輸送能力不足により前線では弾薬が足りなくなり、ラバウルなどでは黒色火薬や迫撃砲弾を現地生産した。爆弾生産量は、昭和19年が陸軍大型10900発、小型5600発、海軍大型79500発、小型27400発。アメリカの日本への爆弾投下量は161425トン。鋼材不足、生産順位低下（艦船と航空機の生産優先）及び下請け工場の離脱により昭和16年にバスの生産を停止。昭和19年、乗用車の生産を停止。自動車生産量は昭和20年に最盛期の10%にまで低下した。開戦時の石油備蓄量は陸軍120万キロリットル、海軍650万キロリットル、民間70万キロリットル。日本の戦時中の石油取得見通しは、開戦１年目が国内25万キロリットル、人造石油30万キロリットル、南方還送30万キロリットル、２年目が国内20万キロリットル、人造石油40万キロリットル、南方還送200万キロリットル、３年目が国内30万キロリットル、人造石油50万キロリットル、南方還送450万キロリットル。消費見通しは、１年目が陸軍100万キロリットル、海軍280万キロリットル、民間140万キロリットル、２年目が陸軍90万キロリットル、海軍270万キロリットル、民間140万キロリットル、３年目が陸軍95万キロリットル、海軍250万キロリットル、民間140万キロリットル。実際の消費量は昭和17年が陸軍91.5万キロリットル、海軍485.4万キロリットル、民間248.2万キロリットル、昭和18年が陸軍81.2万キロリットル、海軍428.2万キロリットル、民間152.6万キロリットル、昭和19年が陸軍67.3万キロリットル、海軍317.5万キロリットル、民間83.7万キロリットル、昭和20年が陸軍14.5万キロリットル、海軍56.9万キロリットル、民間8.5万キロリットルで、開戦２年までは戦線拡大に伴い海軍の消費量が見積もりの1.6倍になってしまっていた。これに対して石油供給量は昭和17年が国産26.5万キロリットル、人造石油21.9万キロリットル、南方送還148.9万キロリットル、昭和18年が国産27.4万キロリットル、人造石油27.4万キロリットル、南方還送264.6万キロリットル、昭和19年が国産25.4万キロリットル、人造石油21.9万キロリットル、南方還送106.6万キロリットル、昭和20年が国産16万キロリットル、人造石油4.5万キロリットル、南方還送０キロリットル。終戦時の石油備蓄量は、航空用揮発油10万キロリットル、普通揮発油6.5万キロリットル、重油16.2万キロリットル、潤滑油4.6万キロリットル。日本の石炭産出量は、昭和17年6130万トン、昭和18年6050万トン、昭和19年5170万トン、昭和20年1100万トン。日本の鉄鉱石産出量は昭和17年740万トン、昭和18年670万トン、昭和19年600万トン、昭和20年90万トン。日本の粗鋼生産量は昭和17年800万トン、昭和18年880万トン、昭和19年650万トン、昭和20年80万トン。日本の鋼材供給量は昭和10年度3737000トン（うち造船用321000トン）、昭和11年度4264000トン（うち造船用567000トン）、昭和12年度4673000トン（うち造船用755000トン）、昭和13年度4871000トン（うち造船用355000トン）、昭和14年度4609000トン（うち造船用199000トン）、昭和15年度4522000トン（うち造船用285000トン）、昭和16年度4184000トン（うち造船用274000トン）、昭和17年度4037000トン（うち造船用550000トン）、昭和18年度4124000トン（うち造船用1135000トン）、昭和19年度2607000トン（うち造船用1200000トン）、昭和20年度460000トン（うち造船用158000トン）。アルミニウム生産量は昭和17年度103000トン、昭和18年度141000トン、昭和19年度110000トン、昭和20年度7000トン。開戦時の連合艦隊艦船は254隻、戦艦10隻、空母10隻（鳳翔、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、龍驤、大鷹、翔鶴、瑞鶴、瑞鳳）、重巡18隻、軽巡20隻、駆逐艦103隻（峯風型以降）、潜水艦61隻、水上機母艦５隻、潜水母艦５隻、敷設艦10隻、海防艦４隻、砲艦13隻、水雷艇12隻、掃海艇19隻、駆潜艇23隻、敷設艇11隻、哨戒艇12隻、特務艦23隻、敷設特務艇11隻、駆潜特務艇３隻、電纜敷設艇４隻、魚雷艇６隻、潜水艦64隻（昭和14年時点では59隻75532トン）で、総排水量97.6万トン、航空機2120機。参戦した日本海軍艦艇の総数は、戦艦12隻、空母25隻（鳳翔、祥鳳、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、龍驤、冲鷹、隼鷹、龍鳳、海鷹、飛鷹、大鷹、雲鷹、翔鶴、瑞鶴、瑞鳳、大鳳、千歳、千代田、神鷹、信濃、雲龍、天城、葛城）、重巡21隻、軽巡26隻、水上機母艦４隻（７隻？）、潜水母艦３隻（５隻？）、敷設艦10隻（11隻？）、砲艦19隻、駆逐艦174隻、潜水艦190隻、海防艦172隻、その他927隻（1156隻？水雷艇12隻、掃海艇37隻、駆潜艇61隻、敷設艇21隻、哨戒艇20隻、輸送艦70隻、特務艦44隻、敷設特務艇16隻、哨戒特務艇27隻、駆潜特務艇220隻、掃海特務艇29隻、電纜敷設艇４隻、魚雷艇381隻など。うち連合艦隊に編成されていたのは計637隻）で、徴用船舶は3369049トン、民間船舶は2445隻639万トン。タンカーは47万総トンで、大型油槽船23万総トンは特設給油艦として海軍に徴用されており、南方からの石油還送（片道5000km以上）に使える長距離油槽船は20万総トン未満だった。開戦時の航空機定数は一式陸攻144機、九六式陸攻139機だった。日本の戦時中潜水艦建造数は137隻。日本の船舶建造は昭和16年が5904総トン、昭和17年が260058総トン、昭和18年が769085総トン、昭和19年が1699866総トン、昭和20年が559563総トン。民需用船舶は総トン数300万トンを確保する予定だったが、達成できたのは昭和17年8-12月だけで、物動対象船に限れば昭和17年11月の総トン数269.9万トンが最大だった。終戦時の残存艦艇は、戦艦４隻（日向・伊勢・榛名が大破着底、長門が中破）、空母６隻（海鷹が大破着底、天城が横転、葛城が小破（中破？）、隼鷹が中破、龍鳳が中破（小破？）、鳳翔が無傷（小破？））、巡洋艦11隻（大淀が転覆、利根・磐手が大破着底、青葉・高雄・出雲が大破、妙高が艦尾切断、北上が主機破損、酒匂が小破、八雲と鹿島が健在）、水上機母艦１隻（能登呂が大破）、潜水母艦２隻（長鯨と駒橋が中破）、敷設艦３隻（常磐が大破、若鷹が中破、箕面が健在）、砲艦14隻（９隻大破、５隻健在）、駆逐艦41隻（２隻大破、６隻中破、３隻小破、30隻健在）、潜水艦59隻（１隻大破、１隻中破、１隻小破、55隻健在。建造途中も含めると計150隻）、海防艦100隻（大破９隻、中破10隻、小破５隻、健在76隻）、その他588隻（723隻？うち水雷艇３隻、掃海艇11隻、駆潜艇28隻、敷設艇６隻、哨戒艇６隻、特務艦19隻、敷設特務艇14隻、一等輸送艦４隻、二等輸送艦９隻、哨戒特務艇16隻。25隻？、駆潜特務艇146隻、掃海特務艇21隻、電纜敷設艇１隻、魚雷艇308隻。連合艦隊の作戦可能艦は計43隻）で、徴用船舶は455448トン、民間船舶は1217隻134万総トン（うち稼働できたのは80万総トン、そのうち第２次戦時標準船が656000トン）だった。喪失率は軍艦が65.8%、その他艦艇が46.1%（駆逐艦は76.4%、潜水艦は68.9%）、徴用船舶が86.5%。日本海軍全喪失艦艇755隻180万トンで、内訳は戦艦11隻（うち航空機５隻、潜水艦１隻、水上艦４隻、事故１隻）、空母19隻（大破着底含むと20隻。うち航空機10隻、潜水艦８隻、航空機＋水上艦１隻、触雷＋航空機１隻）、潜水艦127隻（うち呂号潜水艦42隻）、海防艦75隻、水上機母艦６隻、潜水母艦４隻、敷設艦８隻、砲艦５隻、水雷艇９隻、掃海艇26隻、駆潜艇33隻、敷設艇15隻、哨戒艇14隻、輸送艦54隻、特務艦25隻、敷設特務艇２隻、哨戒特務艇12隻、駆潜特務艇74隻、掃海特務艇８隻、電纜敷設艇３隻、魚雷艇73隻。そのうち潜水艦に沈められたのは、空母８隻、戦艦１隻、巡洋艦13隻、駆逐艦49隻、海防艦41隻、潜水艦25隻、その他76隻の計213隻（214隻？）。日本商船の全喪失数は2534隻（2568隻？）8897000トンで、昭和16年が55159総トン、昭和17年が972467総トン、昭和18年が1754553総トン、昭和19年が1076隻3788768総トン、昭和20年が1787283総トン。1144隻が雷撃、940隻が航空攻撃、256隻が触雷、83隻が座礁、35隻が衝突、28隻が荒天、25隻が砲撃、57隻がその他原因で沈んでいる。潜水艦に沈められたのは1150隻（1178隻？）486万トン、その半分（548隻）が昭和19年であり、開戦時に保有していた船腹量の約４割（2452000トン）をたった１年で沈められてしまい、昭和20年2月の実動船舶総トン数は102万トンにまで落ち込んでいる。終戦時の残存商船総トン数は180万トンで、うち損傷船舶が75万トンを占め、外地に取り残された状態のものも多く、内地で行動可能なものは67万トンだけだった。油槽船は420隻1768825総トン中306隻1487429総トンを喪失し、損失率は72.9%に達した。商船乗員71000人のうち35000-46000人が戦死している。昭和19-20年に沈没した潜水艦は82隻（全喪失潜水艦の65%）で、うち39隻がレーダーで探知されたことによるものだった。潜水艦乗員戦死者は11000名、うち呂号潜水艦の戦死者は2638名。太平洋戦争中の戦果は、戦艦２隻撃沈（どちらも航空機による）、空母10隻撃沈（航空機によるもの５機、潜水艦によるもの２隻、水上艦によるもの１隻、複合２隻）、潜水艦56隻撃沈（駆逐艦と駆潜艇によるもの１隻、水雷艇と駆潜艇によるもの１隻、水偵と駆潜艇によるもの１隻、駆潜艇によるもの３隻、海防艦によるもの７隻、海防艦と駆逐艦によるもの１隻）。日本の潜水艦による総撃沈数は179隻（正規空母２隻、護衛空母１隻、重巡１隻、軽巡１隻など軍用艦は23隻）、商船は849097総トン、うち呂号潜水艦は商船含め11隻（駆逐艦２隻、LST２隻など）。終戦時に自力航行可能だった潜水艦は伊14、伊36、伊47、伊53、伊58、伊121、伊155、伊156、伊157、伊158、伊159、伊162、伊201、伊202、伊203、伊363、伊366、伊367、伊369、伊400、伊401、伊402、伊501、伊502、伊503、伊504、伊505、伊506、呂50、呂62、呂63、呂68、呂500、波103、波105、波106、波107、波108、波109、波111、波201、波202、波203、波204、波205、波207、波208、波209、波210の49隻で、伊14、伊201、伊203、伊400、伊401の５隻がハワイに回航され調査の後海没処分、ローズ・エンド作戦で24隻が海没処分、デッド・ダック作戦で４隻が海没処分となり、他は解体された。内地にあって航行不能だが曳航可能な６隻も海没処分されている。開戦時の日本海軍パイロットは3500名で、空母に配属していたのは600名であり、その平均飛行時間は800時間だった。日本海軍パイロットの損失は昭和17年2月までに509名、ミッドウェイ作戦後までに655名、ラバウル航空戦終結後までに3045名で、熟練パイロットの大半を昭和19年初めまでに喪失し、飛行教官の確保すら危うくなってしまった。太平洋戦争中に日本海軍航空機搭乗員8000名が戦死している。昭和18年度の年間消耗航空機数は完成機と比較して海軍205%、陸軍107%。昭和19年2-5月の海軍機生産数は月産1023-1235機で、陸軍もだいたい同じ。航空機生産数は昭和17年度10576機（陸軍6176機、海軍4400機）、昭和18年度20164機（陸軍10314機、海軍9852機）、昭和19年度42516機（陸軍22029機、海軍20487機）。戦闘機生産数は昭和17年2935機、昭和18年7147機、昭和19年13811機、昭和20年5474機。爆撃機生産数は昭和17年2433機、昭和18年4189機、昭和19年5100機、昭和20年1934機。終戦時の日本の航空戦力は、陸軍が正規戦用2150機、特攻用2650機（戦闘用機900機、高等練習機1750機）、稼働状態に無いもの3000機。海軍が正規戦用3200機、特攻用2700機（全て初等練習機）、稼働状態に無いもの4200機。日華事変から太平洋戦争までの日本の戦費は、臨時軍事費特別会計が1654億1377万1000円、陸海軍省費が99億6413万7000円で、この期間の一般会計歳出合計の２倍である。財源の大半（約1500億円）は公債借入金だった。昭和19年の軍事費は国民所得の96%にも達していた。太平洋戦争による国富被害は昭和24年4月6日に４兆2000億円と発表された。昭和20年の日本の平均寿命は男性23.9歳、女性37.5歳。アメリカの動員兵力（1941-46年）は16112566名（陸軍11260000名、海軍4183466名、海兵隊669100名）、総死者数405399名（陸軍318274名、海軍62614名、海兵隊24511名）、戦死者数291557名（陸軍234874名、海軍36950名、海兵隊19733名）、戦闘外の死者113842名（陸軍83400名、海軍25664名、海兵隊4778名）、負傷者670847名（陸軍565861名、海軍37778名、海兵隊67207名）。アメリカの原油産出量は、1942年１億8390万トン、1943年１億9960万トン、1944年２億2250万トン、1945年２億2720万トン。アメリカの石炭産出量は、1942年５億2850万トン、1943年５億3530万トン、1944年５億6200万トン、1945年５億2390万トン。アメリカの鉄鉱石産出量は、1942年１億7600万トン、1943年１億3100万トン、1944年9600万トン、1945年9020万トン。アメリカの粗鋼生産量は、1942年8060万トン、1943年8220万トン、1944年8510万トン、1945年8660万トン。アメリカのアルミニウム生産量は、1942年751900トン、1943年1251700トン、1944年1092900トン、1945年1026700トン。1942年、戦闘機10769機、爆撃機12627機、戦車・自走砲24997両、軍用トラック619735両を生産。1943年、戦闘機23988機、爆撃機29355機、戦車・自走砲29497両、軍用トラック621502両を生産。1944年、戦闘機38970機（38873機？）、重爆16334機、中爆10060機、軽爆8782機、大型輸送機6792機、重戦車40両、中戦車15489両、軽戦車3893両、軍用トラック596963両を生産。1945年、戦闘機20742機、爆撃機16087機、戦車・自走砲11968機、軍用トラック327893両を生産。開戦時のアメリカの海軍兵力は、戦艦17隻、空母７隻（CV-2レキシントン、CV-3サラトガ、CV-4レンジャー、CV-5ヨークタウン、CV-6エンタープライズ、CV-7ワスプ、CV-8ホーネット）、護衛空母１隻（AVG-1ロング・アイランド）、条約型重巡が18隻、15.2cm砲搭載軽巡が19隻（オマハ級10隻、ブルックリン級９隻）、駆逐艦が170隻強。潜水艦は1939年時点で85隻、75680トンを保有しており、開戦時には111-113隻を保有、アメリカ本土太平洋岸に艦隊型39隻・Ｓ級12隻、アジア艦隊に艦隊型23隻・Ｓ級６隻、太平洋艦隊に艦隊型16隻・Ｓ級６隻の計102隻が配備されていた。開戦時のアメリカ太平洋方面配備艦船（真珠湾の太平洋艦隊とフィリピンのアジア艦隊）は157隻、総排水量76.3万トンで、戦艦９隻（うちアジア艦隊０隻）、空母３隻（CV-2レキシントン、CV-3サラトガ、CV-6エンタープライズ。うちアジア艦隊０隻）、重巡13隻（うちアジア艦隊１隻）、軽巡８隻（うちアジア艦隊２隻）、駆逐艦67隻（うちアジア艦隊13隻）、潜水艦41隻（うちアジア艦隊29隻）だった。1943年、インディペンデンス級軽空母９隻が就役。正規空母７隻、護衛空母33隻、戦艦２隻、巡洋戦艦２隻、重巡１隻、軽巡10隻、駆逐艦87隻が就役。戦時中のアメリカ空母建造数は正規空母17隻、軽空母９隻、護衛空母76隻で、正規空母４隻、軽空母１隻、護衛空母６隻（うち１隻は大西洋方面）を喪失した。アメリカ潜水艦建造数は243隻で、52隻を喪失し、終戦時には236隻（267隻説あり）を保有していた。太平洋戦争中にアメリカ海軍艦上戦闘機が撃墜した機数は6510機で、うち4947機がF6Fによるものである。太平洋戦争中にアメリカ潜水艦が撃沈した日本艦船は、海軍艦艇214隻577600総トン以上（空母９隻、戦艦１隻、巡洋艦14隻、駆逐艦43隻、敷設艦・海防艦44隻、潜水艦24隻、水雷艇など38隻の計173隻？）、商船1178隻505万３千総トン以上。1944年6月5日から終戦までのB-29の戦績は、延べ出撃機数33004機（うち偵察・リーフレット散布など1617機）、爆弾投下量171060トン（うち日本本土が91%）、喪失機数512機（戦闘によるもの494機）だった。戦時中に沈没したアメリカ巡洋艦はヒューストン、アストリア、クインシー、ヴィンセンズ、ノーザンプトン、シカゴ、アトランタ、ヘレナ、ジュノー、インディアナポリスの10隻。終戦時のアメリカ海軍保有艦船は戦艦23隻、正規空母20隻（うち２隻は練習空母として運用）、軽空母８隻、護衛空母71隻、外輪練習空母２隻、大型巡洋艦２隻、重巡洋艦29隻、軽巡洋艦54隻、駆逐艦約500隻、護衛駆逐艦約600隻（イギリス海軍に引き渡されたもの、高速輸送艦に改造されたもの含む）、潜水艦235隻など6768隻。アメリカ潜水艦の損害は52隻3506名で、太平洋戦域での戦闘41隻、事故６隻、自艦魚雷２隻、太平洋での誤射１隻、大西洋での誤爆または触雷１隻、日本軍フィリピン侵攻時のマニラ爆撃１隻。アメリカ航空機搭乗員戦死者は3000名。アメリカの第２次大戦を通じての戦費は2960億ドルで、1945年GDPの36%にあたり、1944年は財政支出の９割が戦費だった。これを賄うため、所得税の課税対象者を10倍に増やし、源泉徴収制度を導入、法人税に超過利潤税を設けて税率を95%まで増大させ、戦時国債を大量に発行している。アメリカの登録商船総トン数は1942年5479766トン、1943年11448360トン、1944年9228156トン、1945年5839858トン。参考：日本陸軍兵器資料集、戦時用語の基礎知識、帝国海軍太平洋作戦史�T、比島決戦、第２次大戦のアメリカ軍艦、機甲入門、連合艦隊巡洋艦、帝国陸海軍事典、月刊軍事研究12,’07、8,’08、4,’16、ナチスＵボート、月刊JWings5,’08、小艦艇入門、歴史群像8,’98、6,’08、10,’04、4,’18、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、日本海軍艦隊総覧、輸送船入門、戦時標準船入門、現代の潜水艦、アメリカ潜水艦史、大砲入門、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船6,’09、9,’14、6,’16、6,’17、10,'22、太平洋海戦史、比島決戦、日本海軍の爆弾、月刊丸8,’95、写真版東京大空襲の記録、月刊航空ファン11,’18

＜太平洋戦争開戦まで＞：昭和8年3月、日本が国際連盟を脱退。昭和9年12月、日本がワシントン条約を破棄。昭和11年、ロンドン条約が失効。昭和14年8月8日、平沼内閣で五相会議が開かれ、石渡蔵相が米内海相に対し、「日独伊で英米仏ソと戦争する場合、海軍が主役になるが、勝算はどうか」と質問したところ、海相は「勝てる見込みは無い。独伊の海軍力は問題にならない」と答えた。8月23日、独ソ不可侵条約締結。日本陸軍が模索していた日独伊防共協定強化が頓挫した。9月1日、第２次大戦勃発。日本は戦争不介入の声明を出した。12月、アメリカが日米通商条約更新・暫定取り決め締結を一方的に拒否。昭和15年初め、日本海軍はＷ測定によりアメリカ太平洋艦隊の行動パターンを把握。1月16日、米内光政内閣が成立。3月、連合艦隊が第１航空戦隊の航空機81機により空母龍驤（迎撃機27機搭載）に護衛された戦艦長門・陸奥に対して攻撃を仕掛けるというシナリオで演習を実施、艦隊は全滅という結果を得た。5月7日、アメリカが極東情勢に鑑みて太平洋艦隊を真珠湾に終結させると発表。6月、アメリカが艦隊７割増強案（両用艦隊法）を可決。6月3日、アメリカが日本に対する工作機械の輸出を禁止。7月、アメリカが航空用ハイオク燃料を許可証が必要な輸出品目に指定。7月2日、北部仏印に西原機関が常駐するようになった。7月16日、ドイツやイタリアとの軍事同盟を画策する陸軍は反対する米内内閣を倒すため畑俊六陸軍大臣を単独辞任させて後任を出さず、米内内閣を総辞職に追い込んだ。7月22日、第２次近衛内閣が成立。7月26日、基本国策要綱で公式文書に八紘一宇や大東亜などの言葉が登場。7月30日、第５師団の北部仏印通過及び一部兵力駐屯に関する日本・フランス間の諒解が成立。8月16日、大本営陸海軍部作戦計画主務者が初の南方作戦研究会を実施。陸軍は中立のアメリカが参戦するのを防ぐため、グアムやフィリピンを無視してマレーと蘭印だけ攻略すべきとしたが、海軍はイギリスを攻撃すると間違いなくアメリカが参戦してくるので、蘭印だけに絞るべきとした。9月、日本が蘭印と石油輸入交渉を開始。9月23日、援蒋ルート遮断のため、日本軍が北部仏印に進駐。アメリカは脅迫によるものだとして不承認を表明。9月26日、アメリカがくず鉄と鉄鋼をイギリス及び西半球以外に輸出しないことを決定。9月27日、日独伊三国同盟を締結。10月、外国名追放によりタバコ銘柄が日本語名に変更された。アメリカが極東にいる婦女子の引き揚げを勧告。10月12日、大政翼賛会が設立された。10月16日、アメリカはくず鉄と鉄鋼の輸出も禁止。11月、ドイツ軍仮装巡洋艦アトランティスがイギリス商船を拿捕し、日本が南進してもイギリス政府は対応しない旨が記述されたイギリス内閣議事録を押収、日本の軍令部にもたらされた。この文書はチャーチルがわざとドイツの手に渡るよう用意したものといわれる。11月15日、出師準備第一着作業を発動、戦力の充実を図ると共に、アメリカ・イギリス・オランダ同時作戦を前提とした作戦計画立案に着手した。12月中旬、日本陸軍が機甲部隊や戦車技術の視察のため、ドイツに視察団を派遣。昭和16年1月8日、東條英機陸軍大臣が全陸軍将兵に戦陣訓を配布。1月16日、日本海軍のドイツ視察団が特務艦浅香丸でドイツに向かった。1月19日、新聞紙等掲載制限令を公布。1月30日、大本営政府連絡会議で対仏印・タイ施政要項を決定。2月、日本海軍がＡ作業を開始。2月6日、野村吉三郎駐米大使が着任。2月7日、浅香丸がパナマ運河に到着。アメリカ側は武装監視兵を搭乗させたが、まだ臨戦状態とは程遠かったため、アメリカ側は日本の将官や佐官を陸上の食事会に招待し、更にパナマ運河防衛施設を見せたり、要塞上空を飛行機で飛んで案内したりといった呑気な歓迎振りであった。2月8日、野村由三郎駐米大使とハル国務長官が第１回の会談を実施。2月11日、アメリカが武器貸与法を可決。2月21-24日、浅香丸乗員がリスボンから空路でベルリンに到着。以降は海軍首脳との会談や、技術講義の受講などを行った。3月8日、野村・ハル会談でハル長官は「日本政府を支配しつつある軍閥は、2-3の国家が軍事力で世界征服するのをアメリカが黙って見ているとでも思っているのか」と不快感を露わにした。3月27日、ホノルル総領事館に軍令部嘱託職員が赴任、ハワイでの情報収集を開始した。4月、米穀配給通帳制・外食券制施行。前月に交付された国民学校令に基づき、小学校が廃止されて国民学校となった。中学校の男子制服が国防色（カーキ色）になり、帽子が陸軍戦闘帽に変更され、登下校時にはゲートルを巻くようになった。女子制服はセーラー服にモンペ、駒下駄である。日米交渉でアメリカは日本の三国同盟からの離脱と中国からの撤兵を要求。4月13日、日ソ中立条約調印。5月、アメリカ海軍が太平洋に配備していた主力艦を真珠湾常駐とし、サンディエゴから移動させた。また、太平洋艦隊の25%を大西洋に移し、ドイツに対する中立巡視の範囲を拡大した。5-6月、第11航空艦隊が洋上漸減作戦を想定した南洋展開訓練Ｇ訓練を実施。5月6日、アメリカが中国への武器貸与法適用を決定。5月12日、ホノルル総領事館の軍令部嘱託職員が初の太平洋艦隊動静情報として、前日の真珠湾に戦艦11隻、重巡５隻、軽巡10隻、駆逐艦37隻、駆逐母艦２隻、潜水母艦１隻、潜水艦11隻、輸送船など10数隻がおり、空母レキシントンと駆逐艦２隻がオアフ島東岸沖を航行中という暗号電を東京に打電。6月17日、日本政府が蘭印との石油輸入交渉打ち切りを発表。6月22日、バルバロッサ作戦発動。ヨーロッパからのシベリア鉄道経由での工作機械輸入が出来なくなった。6月25日、大本営政府連絡会議が南部仏印進駐を含む南方施策を決定。7月2日、情勢の推移に伴う帝国国策要綱と南部仏印進駐を御前会議で決定。7月7日、大本営が関東軍特種演習第１次動員を下令。7月16日、第２次近衛内閣が総辞職。7月18日、第３次近衛内閣成立、松岡外相は更迭され、豊田海軍大将が外相となった。7月23日、日本軍が援蒋ルート分断及び南方資源確保のため南部仏印（今のベトナム）に進駐。7月25日、進駐をフランス降伏に伴う軍事的領土拡大と判断したアメリカは国内の日本資産を凍結。ただし、日本の反発を恐れ、アメリカが許可する日本向け輸出品に対する資金は凍結しない方針とした。7月26日、アメリカは極東米陸軍師司令部をフィリピンに創設、ダグラス・マッカーサーが司令官に就任。7月26日、イギリスが対日資産を凍結。7月28日、蘭印が対日資産を凍結。7月29日、日本が仏印との共同防衛議定書に調印。8月1日、アメリカは対日石油輸出を全面禁止。この時日本は石油全輸入量の86%をアメリカに頼っており、前年の日本の石油需要473万キロリットル（民生349万キロリットル、陸軍33万キロリットル、海軍91万キロリットル）に対してアメリカからの輸入は421万キロリットルだった。アメリカの輸出管理局は石油輸出凍結により日本との戦争に突入する事態を避けるため、45万ガロンの低オクタン価ガソリンと30万ドル相当の軽油を輸出する許可を出していたのだが、国務次官補が購入資金を凍結してしまったため、輸出されなかった。この時点での日本の石油貯蔵量は940万キロリットルで、アメリカからの輸入が無ければ毎月40万キロリットルずつ減っていく計算であり、決戦用50万キロリットル、国内民需予備100万キロリットル、タンクの焦げ付き分80万キロリットルを差し引き、南方資源地帯を完全占領して原油の本土還送が軌道に乗るまでの２年間や、南方占領作戦による消費などを考慮に入れると、10月までには禁輸を解かせるか、さもなくば戦争に踏み切って蘭印油田地帯（年産800万キロリットル、うちパレンバン300万キロリットル）を押さえるしか方法が無くなった。ただ蘭印だけ攻略してもマレーやシンガポールのイギリス軍とフィリピンのアメリカ軍にシーレーンを潰されるので、大本営では戦争に踏み切った際には米英蘭全てを相手にすることにしている。陸軍ではマレーを先攻してシンガポールから蘭印に手を伸ばす経路、海軍ではフィリピンを先攻してアメリカとの艦隊決戦を窺いつつ蘭印を制圧、南からシンガポールに迫る経路を主張し、結局マレーとフィリピンの攻略を同時に開始することになった。ルーズベルトとチャーチルが会談し、大西洋憲章を発表。8月5日、マレー政府がイギリス軍増援部隊の到着を発表。8月11日、軍令部が支那方面艦隊に第23航空戦隊の一部をサイゴンに派遣してフィリピン方面の戦略偵察を行うことを下命し、第３航空隊が実施することになった。8月15日、出師準備第二着作業の一部を発動。8月26日、アメリカが重慶政府に軍事使節団の派遣を発表。8月28日、近衛首相からのハワイでの日米首脳会談開催を望むメッセージをアメリカ大統領に手交し、野村大使がハル長官、陸海軍大臣が駐日大使にそれぞれ会談早期実現の要望を伝えた。9月、味噌・醤油の統制を開始。東京府のハイヤー、タクシー各社にガソリンの使用中止を通告。9月1日、日本海軍が昭和16年度帝国海軍戦時編制を発動。9月2日、陸軍報道部長が、資産凍結や禁輸によって米英が日本の窒息を意図した許されざる犯罪を行っていると批判。在日米大使がワシントンに向け、日本がアメリカとの戦争を不可避とするような手段に突然走る可能性があると警告電を発した。9月3日、日米首脳会談開催には日米交渉においてある程度の実質的な合意が得られていなければならないとし、アメリカが日米首脳会談を拒否。9月4日、ハル国務長官が野村駐米大使との会談の中で、8月以来石油が日本に全く輸出されていないことを知ったが、供給を再開すれば日本の強硬派を調子づかせることになるため、全面禁輸を続けるしか無くなった。9月5日、近衛首相が天皇に拝謁し、現状を上奏。外交交渉より開戦準備が優先されていることを知り、天皇は杉山参謀総長と永野軍令部総長を呼んで確認、南方地域での作戦は３ヶ月で終わると答えた参謀総長に対し、天皇は日華事変はすぐ終わると言ったのに４年も経ってまだ続いていると反論、何も言えなくなってしまったが、統帥部は外交を優先させているとしてその場を収めた。9月6日、御前会議で帝国国策遂行要領を決定し、10月上旬までに交渉が妥結しない場合、アメリカとの戦争も辞さないことを決断。石油の残量、日々広がる戦力差、マレー・フィリピンにおけるモンスーン季の影響（11-3月は波が荒れて洋上補給が困難となり、特に12-1月はマレー半島東岸の磯波が強烈で上陸作戦にも支障を来す）、ソ連の抑え（冬期は作戦不能なので安全）などを勘案し、開戦時期は11月初めが望ましいとした。この御前会議で、天皇は立ち上がって自ら発言するという異例の行動を取り、明治天皇の御製を拝誦、世界に明治天皇陛下の平和の考えを広める決意を固めているとした。これに対し、永野修身軍令部総長が、武力行使は最後の手段と考えており、まずは外交を優先すると確約している。また、永野修身軍令部総長は対米戦について、進攻作戦により敵を屈服させ遷移を放棄させる手段は無く、南方で長期自給体制を確立するか、蒋介石政権を降伏させるか、イギリスがドイツに降伏するかした際に講和に持ち込む方針であると述べ、特にドイツの対英戦勝利に期待していた。9月7-9日、大本営陸軍部第20班（戦争指導班）が対米英蘭戦争指導要綱第１案を起草。帝国国策遂行要領に基づき、満州、華北、内地の戦力を華中、華南、台湾、仏印方面に送り込んだ。9月11-20日、連合艦隊がハワイ作戦特別図上演習を実施。9月24日、連合艦隊はハワイ作戦に空母４隻を参加させることにした。9月27日、野村駐米大使が日米国交調整了解案をハル国務長官に提示。9月末、連合艦隊はハワイ作戦参加空母を３隻に減らした。10月2日、アメリカが対日強行路線を記した覚書を提示。10月14日、近衛首相は陸軍に対し、中国から撤退すべきであると求めたが、東条陸軍大臣は拒否。10月16日、近衛内閣が総辞職。10月18日、東条内閣が成立し、御前会議での決定を白紙に戻したため、開戦時期が１ヶ月遅れることとなった。ゾルゲが逮捕された。10月19日、連合艦隊はハワイ作戦参加空母を６隻に決定した。11月1日、連合艦隊が第一段作戦兵力部署を発動。11月3日、永野軍令部総長が作戦部の反対を抑え、山本五十六連合艦隊長官の真珠湾奇襲攻撃を採用。11月4-6日、機動部隊が佐伯湾に集結し、停泊艦船と佐伯航空隊をハワイに見立てて最終訓練を実施。11月5日、御前会議で対米交渉期限を12月1日0000までに限定。鈴木貞一企画院総裁は開戦後３年間の石油需給を需要1495万トン（年間556万キロリットル）・貯油840万トン・供給845万トンとし、開戦３年後の在庫220万トンと予測している。大本営は対米英蘭作戦準備を下令、国策遂行要領が決定された。日本陸軍は寺内南方軍総司令官に対する杉山参謀総長奉勅命令を発し、海軍と協同しての南方要域攻略準備を下命、米英蘭軍から攻撃を受けた場合の自衛目的の反撃を許可した。日本海軍は出師準備第２着作業に全面移行。大海令第１号（永野修身軍令部総長から山本五十六連合艦隊司令長官充て）、大海指第１号（永野修身軍令部総長から山本五十六連合艦隊司令長官充て）、機密連合艦隊命令作第１号を発令、12月上旬を期して諸般の作戦準備完了を下命し、作戦開始前の待機地点への進出を命じた。気比丸事件が発生。11月7日、日本は中国からの条件付き撤退と三国同盟の無実化をうたった甲案を野村大使からハル国務長官宛てに提出。軍令部総長が連合艦隊に対し、開戦概定日を12月8日とする旨、指示。月齢19日で明け方の上陸作戦ができるくらいの月明かりがあり、アメリカ太平洋艦隊が真珠湾内に停泊している日曜を狙った。11月8日、陸軍大学校で東京協定を実施。11月13日、アメリカが中立法を修正し、事実上これを破棄。11月15日、アメリカが甲案を拒否。大本営政府連絡会議で対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案を決定。南太平洋の要地を占領して長期不敗態勢を確立し、アメリカ艦隊を撃破、蒋介石政権が屈服し、ドイツがイギリスを降伏させてくれればアメリカは戦争を終結させるだろうという見通しを立てたが、それまでの短期決戦政策とは相反するものであり、肝心なところでドイツ頼みでもあった。大本営陸軍部は寺内南方軍総司令官等に対する杉山参謀総長奉勅命令を発出し、南方軍に作戦命令を下達。大本営の推測では、南方地域の米英蘭軍は陸軍35万、飛行機970機、タイ国軍は兵力５万、飛行機180機、インド洋より東の連合軍海軍兵力は空母２隻、水上機母艦４隻、戦艦4-6隻、巡洋艦39隻、駆逐艦35隻、潜水艦50隻と見積もっており、陸軍は兵力37万、航空機591機、11個師団９個戦車連隊２個飛行集団、海軍は第２艦隊、第３艦隊、南遣艦隊の空母１隻、水上機母艦２隻、戦艦２隻、重巡12隻、軽巡８隻、駆逐艦53隻、潜水艦14隻、第11航空艦隊の基地航空隊３個506機、輸送船など390万トンを南方方面に展開、マレー攻略に第25軍隷下４個師団と第３飛行集団354機、フィリピン攻略に第14軍２個師団と第５飛行集団144機、タイ・ビルマ攻略に第15軍２個師団、蘭印作戦に第16軍３個師団を充て、海軍基地航空隊はフィリピン攻略に382機、マレー方面に210機を配分することとした。また、香港は第23軍の１兵団と第２遣支艦隊、グアムとビスマルク諸島は南海支隊と第４艦隊が担当する。開戦したらマレーに先遣部隊を上陸させると共にフィリピンを空襲し、次いでフィリピン、マレーの順に主力が上陸、速やかに攻略する。同時に作戦初期にグアム、香港、英領ボルネオを占領すると共に、タイとインドシナの安定を確保、その間なるべく速やかにビスマルク群島、蘭領ボルネオ、セレベスなども攻略し、マレーの進捗に応じて南部スマトラを制圧、モルッカ群島とチモールの要地を占領する。ジャワ作戦に必要な航空基地が整備されたらジャワ攻略を行い、シンガポール占領後には北部スマトラを占領する。作戦中にアメリカ主力艦隊と艦隊決戦を行うため連合艦隊がそちらに回ったり、ソ連参戦などの事態が発生したりしたとしても、フィリピンとマレー作戦はそのまま実行し、作戦目的を完遂する。機会を見て南部ビルマの航空基地などを占領し、初期の作戦が一段落したらビルマ作戦に入る。11月17日、日本海軍機動部隊は佐伯湾を出港。11月20日、日本は蘭印の資源及び石油の獲得、アメリカの石油輸出再開、中国と北部仏印への駐留を条件に、中国でこれ以上の軍事行動を起こさず、南部仏印からは撤退するという乙案をアメリカに提出。南方占領地行政実施要項を制定。軍令部第１部長福留繁少将が柱島の連合艦隊旗艦長門を訪れ、翌日に発令される予定の大海令第５号（作戦実施部隊の作戦海面への進出命令、作戦準備行動中の自衛のための武力行使許可）と大海指第７号（作戦実施部隊を作戦海面に進出させ、爾余の部隊は開戦初頭の配備に向けた行動をとる。大海指第５号における武力行使は米英蘭の海上兵力が領海に侵入して偵察を行うか、領海に接近して危険な積極的行動を取った場合に限る）を手交。下旬、アメリカ太平洋艦隊作戦参謀は、防衛会議でハワイへの日本軍奇襲攻撃はあり得ないと発言し、哨戒強化が却下された。11月21日0000、連合艦隊司令部は隷下艦隊に第２開戦準備を発令。11月22日、機動部隊は択捉島単冠湾に入港。11月23日、山口県徳山で陸海軍首脳部が最後の打ち合わせを実施。山本五十六連合艦隊司令長官は、対米交渉が成立した場合12月7日0100までに出動部隊に引き揚げを命じるので即時撤退すること、と訓示。これに対して指揮官数名が実行できないと反論したが、山本長官は、百年兵を養うは只平和を護らんがためである、命令を実行できないなら即時に辞表を出せ、と一喝した。11月25日、日独伊防共協定を５年間延長。シンガポール航空偵察を実施。山本連合艦隊司令長官が機動部隊に対し、翌日の単冠湾出撃と12月3日夕方の待機地点（北緯42度・西経170度）進出を下命。11月26日、アメリカが日本にハルノートを提示。駐米日本大使が日本政府に向けて暗号電報を発し、交渉打ち切りを示唆。アメリカはこれを解読し、太平洋艦隊とアジア艦隊に海軍基本戦争計画に基づく防衛展開を下命。アメリカ陸軍参謀総長も警戒命令を発令。機動部隊が択捉島の単冠湾を出撃。フィリピン攻略部隊が寺島水道を出撃。11月27日、野村大使とルーズベルト大統領との会見の場で、ハル国務長官が日本の仏印進駐兵力増強と三国同盟を批判し、その状況下で石油の対日輸出を再開することは世論が承服しないと述べた。11月27-28日、大本営政府連絡会議でのハルノート検討の結果、開戦せざるをえないと全員一致。継戦能力を維持するための資源地帯を確保する作戦を実行に移すこととした。11月29日、ハル国務長官が在米イギリス大使と会見し、日本との外交交渉は事実上終結し、問題は陸海軍当局に移ったと述べた。11月30日、昭和天皇が嶋田海相及び永野軍令部総長と会見。高松宮軍令部参謀の対米戦争勝利に確信が持てないとする見解について正したが、両者とも海軍の準備は万全で相当の確信もあると奏上した。12月1日1620、御前会議で対米開戦を正式決定。断交通告手交から真珠湾攻撃開始までの時間は１時間半という案が出されたが、長すぎるとして少なくとも30分に短縮された。大海令第９号により、永野修身軍令部総長が山本五十六連合艦隊司令長官に開戦命令を伝達。ホノルル総領事館の軍令部嘱託職員吉川書記生は、艦隊主力の行動について知らせるよう命令を受け、艦隊主力の演習がハワイ南東500海里で行われると推定されること、火曜日に出港して金曜日に入港するか、金曜日に出港して日曜日に入港し、約１週間在泊することを伝えた。12月2日1730、連合艦隊はハワイ攻撃を12月8日に決定。隠密近接・空襲後離脱には暗夜または下弦の月が有利で、空襲及び発艦には明け方に月が出ているのが良く、太平洋艦隊が在港していて乗員の少ないのが日曜朝であることから、この日を選んだ。大本営海軍部は南雲機動部隊に「ニイタカヤマノボレ一二〇八」を打電。12月4日、大本営陸軍部は「コトブキ二十九号ヤマガタトス」（寿は開戦を示す。山県は開戦予定日前後の日付に日露戦争時の将軍名を割り当てたもの）の機密電を発し、陸軍参謀総長は南方軍に「『ヒノデ』ハ『ヤマガタ』トス」の暗号電報を送信。フィリピン・マレー作戦では上陸地に不案内なことから夜半以降に月明かりがあった方が好ましく、黎明前後の空襲にも下弦の月明かりが望まれ、月齢20-22くらいの日曜ということで月齢19.2の日曜であるこの日を選んだ。日本陸軍第25軍の将兵を乗せた17隻の輸送船が中国海南島の三亜港を出港。グアム島攻略部隊が母島を出撃。12月6日2100（ハワイ時間）、ホノルル総領事館の軍令部嘱託職員吉川書記生は、通算177通目にあたる第254番電で太平洋艦隊の同日1800現在の動向を報告。内容は、5日夕方に入港した空母２隻と重巡10隻が6日午後に出港したこと、在泊艦船が戦艦９隻（練習戦艦ユタ含む。太平洋艦隊の全戦艦である）、軽巡３隻、駆逐艦17隻、水上機母艦（潜水母艦？）３隻、ドックイン中の艦艇が軽巡４隻、駆逐艦３隻（２隻？）であること、空母（ヨークタウン、ホーネット、レキシントン、エンタープライズ）と重巡が全て出払っていて洋上にあること、艦隊航空兵力での航空偵察を実施していないこと、であり、開戦６時間前に東京に届き、機動部隊にも伝えられた。12月7日、ワシントンの日本大使からアメリカ政府に最後通告を手渡すことを決定。参考：歴史群像6,’04、2,’01、朝鮮戦争（上）、第二次大戦日本海軍作戦年誌、WW�U欧州戦史シリーズVol.4、激闘太平洋戦記、帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊丸4,’07、3,’90、5,’07、2,’07、11,’72、歴史群像8,’15、激闘！太平洋戦争地上戦、太平洋海戦史、帝国陸海軍事典、太平洋戦争情報戦、海軍技術研究所、月刊世界の艦船12,’10、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧、パールハーバー、陸海軍学校と教育、MAMOR vol.102、山本五十六と米内光政、輸送船入門、海軍兵学校岩国分校物語

＜太平洋戦争終戦まで＞：昭和16年9月6日に策定された帝国国策遂行要領に基づき、9月7-9日、大本営陸軍部第20班（戦争指導班）が対米英蘭戦争指導要綱第１案を起草したが、11月2日にこれを上奏した際、天皇から戦争を終末せしむる施策を研究するよう要望があり、11月13日の大本営政府連絡会議では対米英蘭戦争指導要綱第９項の戦争終結方略が上程され、多少の修正を受けて11月15日に対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案として採択された。これによれば、速やかに極東で米英蘭根拠地を覆滅して自存自衛を確立し、独伊との連携で先ずイギリスを屈服させてアメリカの継戦意思を喪失させ、積極的に蒋介石政権の屈服を促進するとしている。イギリスの屈服に向けては太平洋方面のイギリス連邦諸国との遮断、インドやビルマの独立といった手段を挙げた。アメリカは直接侵攻で全土を占領するのは不可能なので、海上交通破壊作戦、宣伝謀略戦、米豪遮断などを行う。中国は米英蘭根拠地覆滅により蒋介石政権への支援を途絶させて抗戦力減殺すると共に、在支租界把握、南方華僑利導などの政戦略強化を図る。ドイツやイタリアにはイギリス本土及びイギリス勢力圏（近東、北アフリカ、スエズ運河など）への攻勢や、大西洋・インド洋方面でのアメリカに対する海上作戦を取りはからってもらう。ただこれは正式な戦争指導方針では無く、正式な戦争終結のビジョンが無いまま太平洋戦争に突入していった。緒戦における順調な戦況推移を受け、12月27日に陸軍側の提案で陸海軍主務者が会合を開き、戦争指導方針の再検討を開始。しかし太平洋方面で持久態勢に移りたい陸軍と、積極攻勢を続けたい海軍との間で意見が纏まらないまま時は過ぎ、昭和17年1月6日に天皇から陸軍参謀総長に第一期作戦後の予定について質問があったため、1月10日の大本営政府連絡会議で今後の戦争指導方針を当面の施策に縮小して採択、米英等は宣伝強化による継戦意思の喪失を狙い、オーストラリアやインドは米英との交通遮断と反米英運動積極化を図ることにした。1月14日、陸軍参謀本部第１部第２課で指導要領を策定し、南方作戦計画の完遂による自給自足態勢確立、イギリスと重慶政権の屈服、アメリカの戦意喪失を目指し、ソ連に対しては極力戦争を避けるとした。1月30日、陸軍参謀総長と海軍軍令部総長が戦争指導方針について話し合ったが、物別れに終わった。2月2日、陸海軍間で戦争指導方針が纏まらないため、東条首相兼陸軍大臣が調停に乗り出し、大本営政府連絡会議で調整を行うことになった。3月7日、大本営政府連絡会議で今後採るべき戦争指導の大綱を決定。イギリスを屈服させ、アメリカの戦意を喪失させるため、戦果拡充による長期不敗態勢を整えつつ、隙を見て積極作戦を実施することになった。とはいえ、陸軍は長期不敗態勢優先、海軍は積極作戦優先とする方針を変えておらず、どちらも同時に進められるような文面になっている。6月のミッドウェイ海戦敗北を受け、オーストラリア交通遮断を断念。8月からガダルカナル戦が始まり、インド洋海上交通破壊によるインド交通遮断を中止して戦力をガダルカナルに集中させたが、苦戦に陥り、中国大陸から陸軍兵力を引き抜いたため五号作戦による重慶政権屈服も断念せざるを得なくなった。昭和18年2月、大本営陸軍部が昭和18年度帝国陸軍総合作戦指導計画を策定。基本は占領地域の現状維持で、積極策は機会があればインド北東部で攻勢に出るという程度しか無く、戦争終結への方策が一気に乏しくなってしまった。昭和19年2月12日、高木惣吉（当時海軍大学校研究員）が2月10日に行われた陸海軍航空資材配分会議の結果を知り、嶋田海軍大臣・永野軍令部総長が陸軍の言いなりになっていると判断。海軍首脳陣を交代させ、最終的に東条独裁体制も打破することにし、嶋田海軍大臣の後ろ盾となっている伏見宮博恭王を抑え込むため、岡田啓介大将に協力を取り付けた。3月、インド北東部攻勢のウ号作戦（インパール作戦）を開始したが、失敗。3月7日、岡田大将が伏見宮を熱海に訪ね、海軍の建て直しと米内光政大将の現役復帰を協議し、米内大将を軍事参議官に就けることとした。東条独裁体制打破は政治と陸軍の両方（と嶋田海軍大臣）を掌握されており進まなかったため、取り敢えず嶋田海軍大臣の更迭を目指し、後継の海軍大臣に条約派の米内大将、軍令部総長に艦隊派の末次信正大将を就けて海軍勢力の結集を図ることにしている。6月に入り、オーバーロード作戦、マリアナ沖海戦、サイパン放棄と戦局の悪化が続き、海軍内部に東条政権打倒の動きが拡大、高木惣吉教育局長や神重徳教育局一課長らが東条首相暗殺計画を立てて7月20日に実行を予定するところまで行ったが、7月18日に絶対国防圏破綻の責任を取り、東条内閣が総辞職。7月22日、小磯国昭内閣が成立し、米内大将が海軍大臣となった。8月5日（7日？）、井上成美が海軍次官に就任。8月28日、重光葵外相が駐日ドイツ大使に独ソ和平斡旋を提案。8月29日、井上次官が海軍大臣室を訪れ、日本は想像以上の速さで確実に負けるから一刻も早く戦争を止める工夫をする必要があり、高木教育局長に命じて内密に終戦の研究をすると宣言。井上次官は及川軍令部総長にもその意向を伝えると、その日のうちに高木教育局長を電話で呼び出し、太平洋戦争終結の道を探れという密命を発した。部内にも秘密であり、高木教育局長は病気療養を装って軍令部出仕兼海軍省出仕海軍大学校研究部員次官承命服務という辞令を受領、熱海の藤山愛一郎邸に引き籠もったが、当日呼び出されるまで元気でいたのに急に病気というのも妙な話で、部下からは栄転の準備、同僚や先輩からは嶋田海軍大臣時代の政治策動の復讐人事などと噂されたらしい。高木局長は課題が陸軍の終戦同意、国体護持と降伏条件の摺り合わせ、国民の動揺防止、天皇の決心にあると考え、陸軍中堅層の掌握及び宮中工作が重要と判断した。阿南陸軍大臣を終戦派に引き込んで陸海軍省双方が和平に向かえば話は早いが、陸相に近づく手掛かりが無かったため、まずは終戦を望む勢力の結集から始めることにしている。9月、バッゲ工作を開始。9月11日、第２次ケベック会談。昭和20年1月、高木局長が内大臣秘書官長を中心とする陸軍省・外務省の終戦派と疎通できるようになった。終戦派としては若槻、平沼、近衛、岡田の重臣グループ、木戸幸一内大臣や両松平の宮中側近グループ、近衛公を中心に鳩山、吉田、原田、小林、真崎、小畑の陸軍グループ、岡田、野村、左近司提督の海軍グループなどがおり、海軍大臣と重臣・海軍グループとの提携は容易だったが、米内内閣倒閣後に首相となった近衛公を米内海軍大臣があまり信用していなかったのと、近衛公に近い皇道派の真崎・小畑らを井上海軍次官が嫌っていたことから、陸軍グループとの連絡が困難を極めた。また、決戦論はおおっぴらに主張できるが終戦工作は裏で進めなければならないという制約もあった。官界では松前重義通信院工務局長／通信院総裁、学界では西田幾多郎、西谷啓治、高山岩男、鈴木成高、矢部貞治東京帝大法学部政治行政学教授、マスコミでは東京日日新聞新名丈夫記者らと連携した。2月中旬、ヤルタ協定。3月13日、高木局長が中間報告書を米内大臣に提出。4月5日、小磯内閣総辞職。米内海相も退く筈だったが、高木局長が井上次官と共に引き留めて鈴木貫太郎内閣でも海軍大臣を務めさせている。ソ連外相モロトフが中ソ大使に日ソ中立条約不延長を通告。4月7日、鈴木貫太郎内閣成立。一度は固辞したが、天皇陛下の「どうか曲げて承知してもらいたい」と頼まれ引き受けた。外相は東郷茂徳、陸軍大臣は阿南惟幾、海軍大臣は米内光政である。陸軍参謀総長は梅津美治郎、軍令部総長は及川古志郎だった。5月8日、アメリカのトルーマン大統領が日本に対する降伏勧告声明を発表。アメリカ海軍エリス・ザカライアス海軍大佐が対日心理作戦を開始、無条件降伏の目的は軍部勢力の排除と兵士の家庭・職場復帰であり、日本人を絶滅させることでも奴隷化することでもないという放送を週３回流し、日本の情報部に傍受させた。5月9日、日本政府がドイツ降伏に関わらず戦争を遂行すると声明を発表。5月11日、最高戦争指導会議で戦局収集に関する協議を実施。米内海軍大臣が沖縄戦の状況を確認するなどして陸軍側に戦争終結方針について遠回しに尋ねたところ、ソ連の方針を警戒し、日ソ中立条約を延長して可能なら和平を斡旋してもらい、終戦に向かわせるらしいことをにおわせたが、明確な意見は得られなかった。5月14日、最高戦争指導会議でソ連に対し対日参戦阻止工作を行う方針を決定。終戦交渉に関しては、及川軍令部総長が梅津参謀総長と差しで話すと戦局の困難さや沖縄の補給などについて意見が一致し陸軍側にも終戦への流れが生じるかに見えたものの、首相以下全員の前では梅津参謀総長が沖縄戦は五分五分で南洋方面も占領したままだから敗戦国の態度を取る必要は無いと強気に出たため、ソ連への和平斡旋依頼は時期尚早ということになってしまった。重慶政府を経由しての和平工作も検討されたようだが、米内海軍大臣は高木局長に駄目だと思う、とこぼし、ソ連への交渉もなかなか上手く行かないだろう、と漏らしている。5月15日、高木局長が研究対策という名称の報告書を米内大臣に提出。5月18日夜、ニューデリー放送で、日本がソ連を介して和平を提議したものの連合軍に拒否されたと報じられた。5月23日、バッゲ工作及び小野寺工作が失敗。ドイツ降伏、日本本土空襲激化、沖縄戦局悪化を受け、5月初め頃から臨時議会を招集して政府の所信を表明し、国内の結束を図るべきとの声が高まり、そこで発表する声明を決定するため、6月6日に最高戦争指導会議が開かれた。政府として明確な方針は決まっておらず、米内海軍大臣は議会を開けば議場心理や群集心理で強行声明に陥る恐れが高く、空襲被害の応急措置としての緊急勅令などに止めるべきと臨時議会招集に猛反対したが、戦争完遂、国体護持、皇土保衛、征戦目的達成を旨とする戦争指導基本大綱が決まってしまった。6月8日、御前会議（梅津陸軍参謀総長は大連会議のため欠席）で戦争指導基本大綱が承認された。米内海軍大臣と東郷外務大臣は大いに失望したが、木戸内大臣は本年下半期以降に日本の戦争遂行能力が事実上失われるとして時局収拾対策試案（10項目からなる和平交渉の試案）を起草し、ソ連による和平仲介の道を模索することにした。この時期、国民の４割が敗戦を確信している状態で、国民義勇戦闘隊の編成は遅れ勤労奉仕の欠勤率も上昇、御前会議でも民心の動向に注意する必要があり国民道義に頽廃の兆しがあると報告されている。6月13日、木戸内大臣が米内海軍大臣次いで鈴木首相と時局収拾対策試案について懇談し、両者から賛同を得た。この際、米内海軍大臣に対し、陸海軍から終戦を切り出すのは不可能だろうから、政治家（木戸内大臣自身）が悪者になるべきと述べている。近衛公が木戸内大臣から鈴木首相に終戦の意思があることを伝えられた。6月14-15日、開戦後初めて天皇が政務を休み、療養された。8日の御前会議における国力判断と、その後の梅津陸軍参謀総長からの奏上を受け、天皇は和平に向かうべきと判断したようだ、と14日に米内海軍大臣が高木局長に語っている。戦争指導基本大綱承認で辞意を固めかけていた米内海軍大臣は、和平の希望が出てきたため閣内に止まって終戦への道を模索し続けることにした。6月15日、木戸内大臣が時局収拾対策試案について東郷外相と会談。6月18日、木戸内大臣が時局収拾対策試案について阿南陸軍大臣と会談。陸軍大臣は反対意見も述べたが、最終的にはソ連に和平仲介を図ることで合意した。米内海軍大臣は鈴木首相と打ち合わせを行い、経緯を木戸内大臣に報告。6月18日、最高戦争指導会議メンバー６名で会議を行い、日ソ中立条約の延長、可能ならソ連の好意的中立取り付け、ソ連に対する戦争終結斡旋依頼、という３つの方針を決めた。6月20日、天皇が東郷外相に対し、本土決戦準備が不十分であることは明らかで、速やかに戦争を終結させるよう取り運ぶことを希望すると述べられた。これを受けて翌21日にかけ鈴木首相、東郷外相、木戸内大臣、近衛公による意見交換が行われ、6月22日に最高戦争指導会議のメンバーが宮中に呼ばれることとなった。6月22日1500、御前会議が緊急召集され、慣例を破って天皇自らが最初に発言、あくまでも戦争を続けるというのはもっともだが、一方で戦争終結についても、従来の観念に囚われず具体的研究を行い、実現に努力することも必要と思うと述べられた。鈴木首相は仰せの通りと応じ、次いで首相の指名を受けた米内海相が発言。外務大臣から奉答するのが順序だが便宜上私から、との前置きの後、5月11日から数回にわたる最高戦争指導会議構成員だけの懇談会の結果、ソ連との中立関係を持続する、ソ連の好意的中立を取り付ける、ソ連に戦争終結の斡旋を依頼する、との３項の結論を得ており、6月6日の総合計画局長官による国力現状説明から武力戦に負けなくても総合国力が戦争の継続に耐えられず前途は推して知るべしとの所感を得、6月18日の懇談会でソ連に戦争終結の斡旋を依頼すべきとの意見で一致した、と述べた。東郷外相は補足説明を行い、梅津陸軍参謀総長も同様の趣旨を回答。阿南陸軍大臣は特に申し上げることは無いとし、35分間の御前会議を終えた。6月28日、高木局長が時局収集対策という名称の報告書を米内大臣に提出。しかし本土決戦強硬派によるクーデター計画もちらほらと噂される中、終戦工作は遅々として進まず、7月7日に天皇陛下から鈴木首相に催促があり、7月10日に最高戦争指導会議が開催されてソ連に特使を派遣しての終戦依頼を決定。7月11-12日、鈴木首相、木戸内大臣、東郷外相が対ソ交渉について協議し、近衛文麿公を特使とすることにした。7月12日、天皇陛下から近衛文麿公にソ連への特使が依頼された。7月14日夜、対ソ特使随員を政府が内閣情報局総裁・元ポーランド公使の伊藤述史、海軍が高木惣吉、陸軍がスウェーデン公使館付陸軍武官の小野寺信陸軍少将またはスイス公使館付陸軍武官岡本清福陸軍中将または首相秘書官松谷誠陸軍大佐とすることに決定。7月15日から8月2日、ポツダム会談。7月18日、ソ連が日本の終戦依頼を拒否。7月26日、ポツダム宣言を発表。7月27日0600、日本政府がサンフランシスコ米軍報道でポツダム宣言を把握。外務省では外務次官を中心に検討会議を開いたが、ソ連の態度が不明確であり、即時受諾はすべきでないという結論に至った最高戦争指導会議では陸軍大臣、参謀総長、軍令部総長がポツダム宣言を拒否して本土決戦の大号令を下命するよう主張したが、閣議では態度を明確にせずノーコメントと発表し、マスコミでも小さく扱わせる方針とした。7月28日、鈴木首相が記者会見でポツダム宣言はカイロ宣言の焼き直しであり重大視せず黙殺すると発表。しかし7月30日付けの新聞やラジオでは断乎とした拒絶といった調子で大きく報道されてしまい、連合軍側はノーコメントでなく拒絶と受け取った。8月9日のソ連侵攻を受け、1030から最高戦争指導会議を開催。戦争継続不可能ということでは一致したが、首相、海軍大臣、外務大臣が国体護持の条件付きでポツダム宣言受諾、陸軍大臣、参謀総長、軍令部総長がそれに加えて占領を規模・期間とも最小限とする、武装解除と戦犯処置を日本が行うという条件付きでの受諾で意見が割れた。この会議中、陸軍大臣が参謀次長に呼び出され、クーデター案を提示されている。2350、御文庫附属庫で、首相、外務大臣、陸軍大臣、海軍大臣、参謀総長、軍令部総長に加え、平沼枢密院議長が特旨を以て列席、迫水書記官長、池田総合計画局長官、吉積陸軍軍務局長、保科海軍軍務局長が出席、蓮沼侍従武官長が陪席し、ポツダム宣言受諾に関する御前会議を開始。やはり３対３で意見が割れたが、8月10日0230、鈴木首相が天皇による裁可を促すと、天皇は外務大臣の意見に同意し、国体護持を条件にポツダム宣言を受諾することが決定した。8月10日0700、スイスとスウェーデンを経由して国体護持を条件としたポツダム宣言受諾を連合国に通告。8月10日頃、海軍省教育局でも無条件降伏が察知され、海軍兵学校生徒があらぬ行動に出る可能性も予測されたため、教育局勤務の宮本鷹雄中佐が教育局長の許可を得て、海軍兵学校に対し、終戦にあたっては生徒に夏季休暇を直ちに与えて帰省させること、機密書類以外の書籍・衣服・食料は各自に携行させ金銭も所定の額を支給すること、必要な場合には各県庁所在地に連絡のため教官を派遣することを指示した。8月11日、トルーマン大統領が日本への回答書を承認、B-29による戦略爆撃の一時中止を下命。また、３発目の原爆投下計画も承認した。8月12日、日本の降伏条件に対する連合国の回答が到着。降伏時点から天皇及び日本国政府の国家統治の権限は連合国最高司令官の制限のもとに置かれ、日本の最終的形態は日本国国民の自由に表明する意思により決定するというものだった。この「制限のもとに置かれ（subject to）」の訳し方に陸軍が「隷属する」でないかと文句を付けたが、天皇が取りなして受諾手続きに入ることを命じた。8月13日、最高戦争指導会議を開催。連合国に回答に関して再照会するか受諾するかで揉め、阿南惟幾陸軍大臣、梅津美治郎参謀総長、豊田副武軍令部総長が拒否、鈴木貫太郎首相、東郷茂徳外務大臣、米内光政海軍大臣が受諾で真っ二つに割れてしまい、1500からは閣議に切り換えたが纏まらず、翌日に御前会議を開催して決めることになった。8月14日1050、御前会議を開始。その直前に左近司政三国務大臣が米内光政海軍大臣に対し、通常通り多数決で議決すると徹底抗戦の統帥部が納得せず後が危険なので、各人の意見を述べさせた後で鈴木首相から天皇の御聖断を仰ぎ結論とするのが上策と進言、米内海軍大臣がこれを鈴木首相に伝え、その手順で会議が進められた。天皇は回答文は国体問題に関して悪意をもって書かれたものとは思えず、国民全体の信念と覚悟の問題であり、受諾すべきと述べられ、ポツダム宣言の受諾が決まった。午後、大本営が、何分の令あるまで対米英ソ華積極進攻作戦はこれを見合わすべし、との命令を発出。2300、終戦詔書の交付手続きが完了した。8月15日早朝、スイス政府を通じて連合国にポツダム宣言受諾を回答。正午、終戦詔書発表。一般命令第一号に基づき、連合軍の占領地域を確定。阿南陸軍大臣が一死を以て大罪を謝すとして自決。大海令第47号で海軍総隊に積極進攻停止を命令。8月16日、日本が全軍に即時戦闘行動中止命令を発令。大海令第48号で海軍全軍に自衛以外の戦闘行動の即時停止を下命。アメリカ政府は連合軍最高司令官がマッカーサー元帥であることをスイス政府経由で日本政府に伝達。マニラのマッカーサー司令部が日本政府と大本営に降伏軍使の派遣を要求。8月17日、東久邇内閣成立。赤十字国際委員が東京に集まり、捕虜収容所の把握にあたった。日本には103カ所の捕虜収容所があり、34000名が収容されていた。大海令第49号で海軍全軍に一切の戦闘行為停止を命令。8月19日、降伏軍使がマニラの連合国最高司令部に到着。8月20日、大海令第49号に基づき、豊田副武軍令部総長が大海指第530号で小澤海軍総司令長官に各部隊の待機要領を指定。8月22日、厚木航空隊の抗命が収束。海軍総司令長官と隷下部隊の作戦任務を解除。8月23日、復員を開始。8月24日、陸軍相が全軍に対して8月31日までの軍旗奉焼を指示（近衛第１師団には8月31日まで待つよう指示）。陸軍通信学校と予備士官学校の士官・生徒が徹底抗戦を呼びかけるため日本放送協会川口放送所を占拠。8月25日、陸海軍の復員にあたり陸海軍に勅諭が下賜された。8月28日、連合軍先遣隊が厚木飛行場に到着。アメリカ軍が横須賀に上陸。8月30日、マッカーサー元帥以下連合軍司令部が厚木飛行場に到着、第１騎兵師団と共に横浜入りし、ホテルニューグランドにGHQを設置した。連合軍が首都圏の軍施設接収準備を開始。横須賀鎮守府で降伏式を実施。9月1日、アメリカ第８軍が横浜に上陸を開始。9月2日、横浜沖に停泊した戦艦ミズーリで降伏調印式が行われた。参考：月刊丸3,’01、4,’07、1,’77、3,’90、12,’90、2,’07、8,’95、9,’03、6,’01、月刊PANZER12,’01、月刊軍事研究8,’01、10,’05、7,’99、11,’11、6,’13、歴史群像8,’15、12,’03、8,’02、10,’11、太平洋海戦史、山本五十六と米内光政、朝鮮戦争（上）、朝鮮戦争（下）、第二次大戦日本海軍作戦年誌、激闘太平洋戦記、軍縮条約・資料集第２版、戦時用語の基礎知識、第２次大戦のアメリカ軍艦、航空管制のはなし、太平洋戦争情報戦、写真集日本の小艦艇、丸エキストラ版No.114、月刊世界の艦船9,’09、10,’11、9,’13増刊、近代巡洋艦史、スピアヘッドNo.8、護衛空母入門、比島決戦、海軍兵学校岩国分校物語、日本海軍艦隊総覧、朝雲

＜太平洋戦闘攻撃航空団＞：SFWP（Strike Fighter Wing, Pacific）と略す。参考：月刊航空ファン10,’16

＜太平洋地域陸軍管理セミナー＞：PAMSと略す。1978年からアメリカと参加国の持ち回りで開催されているセミナーで、中佐から少将クラスの将校が意見交換を行う。1993年に第17回が開催され、陸上自衛隊が初参加した。2009年8月24日に第33回が東京で開催され、27カ国90名が参加した。第42回は2018年8月20-23日にハノイで開催され、20カ国から少将−中佐クラスの実務者（陸自は教育訓練研究本部研究部長やOBら５名）が参加し、人道支援および災害対応におけるインド太平洋地域での陸軍種間の協力をテーマにスピーチや意見交換を行った。参考：朝雲

＜太平洋地域陸軍参謀総長等会議＞：PACCと略す。1999年から太平洋地域陸軍管理セミナーに合わせて隔年開催されており、太平洋地域の各国陸軍参謀総長らが意見交換を行う。2009年8月24日に第６回が東京で開催され、初参加の陸上自衛隊を含む22カ国が参加した。2013年9月9-11日にニュージーランドで第８回が開催され、陸自含む26カ国が参加した。陸幕長はアメリカ、インド、オーストラリア、タイ、ニュージーランド、ネパールと二国間会談、米豪と三カ国会談を行い、日米韓の懇談も実施した。2017年の第10回は9月17-20日にソウルで開催され、アメリカ陸軍参謀総長や陸幕長など30カ国の陸軍種トップが参加した。陸幕長は日米韓３者会談を行い、北朝鮮問題を話し合っている。参考：朝雲

＜太平洋地上軍シンポジウム＞：NGOのアメリカ陸軍協会が主催するシンポジウム、略称LANPAC。アジア太平洋地域の陸軍種指揮官を対象とする。第１回は2013年4月9-11日にハワイで開催され、30カ国以上から600人が参加した。陸自からは幹部学校校長が参加している。第２回は2014年4月8-10日にハワイで開催され、15カ国から600人が参加した。陸自からは陸上幕僚長が参加している。2019年は5月20-22日に自由で開かれたインド太平洋をテーマとして開催され、20カ国以上から陸軍参謀総長らが参加した。陸自からは小野塚陸幕副長が参加し、パネル・ディスカッションやオーストラリア陸軍・カナダ陸軍・ニュージーランド陸軍・ネパール陸軍各高官との会談に臨んでいる。2022年は5月17-19日にハワイで行われ、25カ国が参加し、陸上自衛隊から陸幕副長がパネル・ディスカッションを行った。参考：朝雲、MAMOR vol.91

アメリカ陸軍協会が主催するシンポジウムで、LANd forces PACific（太平洋地上軍シンポジウム）の略。参考：朝雲

＜太平洋統合情報センター＞：JICPACを参照。

＜太平洋特殊作戦コマンド＞：SOCPACを参照。

＜太平洋ミサイル射場＞：PMRFを参照。

＜太平洋陸軍＞：Army Pacific（USARPAC）。アメリカ太平洋軍（USPACOM）隷下の陸軍部隊である。2011年、第８軍が在韓米軍から太平洋陸軍の管理統制下に移された。2015年3月16-17日、４部長が日米兵站幕僚会議に参加。6月1-13日、司令部がヤマサクラ68に参加。2016年6月5-9日、ハワイで第４回日米豪シニア・リーダーズ・セミナーを開催。アメリカ太平洋陸軍司令官、アメリカ太平洋海兵隊司令官、陸上幕僚長、オーストラリア陸軍本部長らが出席し、更なる連携強化と地域の安全保障環境強化を主体とする共同声明を発表した。6月12-22日、司令部がヤマサクラ70に参加。2018年6月13-28日、ヤマサクラ74に参加。2019年7月17-30日、ヤマサクラ76に参加。2020年10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。12月2-15日、ヤマサクラ79に参加。2023年11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に参加。参考：月刊軍事研究9,’12、月刊世界の艦船1,'21、朝雲、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜太平洋陸軍（１９８９年）＞：ハワイに司令部がある。ハワイに19000名、司令部、軽歩兵師団１個、州兵歩兵旅団１個、フィリピンに600名、日本に2000名、軍団司令部１個、韓国に31600名、軍司令部１個、歩兵師団１個、ランス地対地ミサイル中隊１個を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜太平洋陸軍（２０１２年）＞：ハワイ・オアフ島フォート・シャフターに司令部がある。隷下に第８軍（ソウル龍山。第２歩兵師団、第19遠征継戦コマンド、第１通信旅団、第35防空砲兵旅団、第65医療旅団、第501軍事情報旅団）、第25歩兵師団（オアフ島スコーフィールド・バラックス）、在日米陸軍司令部／第１軍団前方司令部（キャンプ座間）、第８戦域継戦コマンド（オアフ島フォート・シャフター。第45継戦旅団、第10地域支援群）、第94陸軍航空ミサイル防衛コマンド（オアフ島フォート・シャフター）、第311通信コマンド（オアフ島フォート・シャフター）、第516通信旅団（オアフ島フォート・シャフター）、第18医療コマンド（オアフ島フォート・シャフター）、第500軍事情報旅団（オアフ島フォート・シャフター）などを置く。参考：月刊軍事研究9,’12

＜太平洋陸軍（２０１６年）＞：USPACOM隷下で、総兵力106000名（予備役含む）。司令部はハワイ州オアフ島フォート・シャフターにある。隷下に第８軍（在韓米陸軍）、アメリカ陸軍アラスカ、在日米陸軍、第25歩兵師団、第196歩兵旅団、第８戦域継戦コマンド、第94陸軍防空・ミサイル防衛コマンド、第500軍事情報旅団、第311戦域通信コマンド（第１通信旅団、第516通信旅団）、第９任務支援コマンド、第18医療コマンド、第５戦場調整分遣隊、第413契約支援旅団などを置く。参考：月刊軍事研究2,’17、7,’17

＜対兵力戦略＞：Counter Force Strategy。1958-60年頃に生まれた核戦略で、対都市戦略との間で議論となった。第一攻撃目標を敵戦略兵力に置くもので、敵の報復能力を減らすことにより味方の損害を限定する。先制攻撃をかけなければならない、強固なミサイルサイロ、TEL、戦略原潜などを敵が配備すると撃破が難しく、十分な報復能力減殺に繋がらない、といった欠点がある。参考：アメリカの核兵器

＜大別山＞：926（1511型戦車揚陸艦）または981（072B型揚陸艦）を参照。

＜隊法＞：自衛隊法を参照。

＜大砲＞：薬室に弾薬を装填し、装薬を燃焼させて砲弾を砲身に沿って加速、砲口から射出して遠距離に到達させるのは銃と同じだが、どこまでが小銃でどこからが大砲かは明確に定義されていない。1247年に火薬で石を飛ばす石弾砲が実戦で初使用された。1315年に鉄弾を撃ち込む大砲が完成し、1337年からの百年戦争に投入され、1378年に青銅製の大砲が製作された。この頃は直方体の錬鉄をタガで円筒形に纏めたような外形をした前装砲で、砲耳は無く、砲身をそのまま板に載せるか箱に入れるかして固定していた。照準や移動が困難なため、命中精度と破壊力は砲弾を巨大にすることでカバー（口径25インチ／635mm・重量600kgの石弾も使用された）し、主として攻城戦に使用されている。15世紀半ば頃までには下部砲架に車輪を付けるようになり、15世紀末には砲耳が開発されて使い勝手が改善、1494年からのイタリア戦争に投入された。更に発射薬と弾丸（丸く削った石）を予め装填した砲尾部分（子砲）を砲身尾部に取り付けて発射するフランキ式（仏郎機式という字をあてる）後装砲も誕生した。ただこのタイプの後装砲は接続部分から発射ガスが漏れるため、16世紀末までに使われなくなっている。17世紀に入って弾丸内部に炸薬を詰めた炸裂弾が開発され、1803年にイギリスで榴散弾が、1804年にフランスで榴弾が誕生した。ただ信管に問題があり、球形弾であるために弾頭信管を使うことができず、信管自体の実用性も低く、実用レベルに達したのは19世紀半ばに信頼性の高い遅延信管が開発されてからである。1854年、イギリスで実用性の高い後装砲であるアームストロング砲（隔螺式閉鎖器）が誕生。同じ頃、ドイツのクルップも実用的な後装砲（スライド式閉鎖器）を生み出し、発射速度及び射程・命中精度（弾丸を砲身に密着できるので発射ガスが漏れない）が向上した。18世紀後半、散弾を束ねたブドウ弾（剥き出しで束ねてあり、発射時の衝撃で弾丸が散らばる）やキャニスター弾（筒に詰めてあり、着弾時の衝撃で弾丸が散らばる）が開発され、1784年、シュラプネル氏により榴散弾（弾丸内部に散弾と火薬が詰めてある）が開発された。この頃は砲弾外殻が脆かったため、炸裂弾や榴散弾は弱装の曲射砲でしか発射できないという欠点があった。これらの大砲の発展により城壁や尖塔は価値を失い、築城は胸壁がメインになった。18世紀末、フランスのグリボヴァール将軍が大砲を役割別に野砲、攻城砲、要塞砲、海岸砲と分類した。これでそれまでの砲弾重量別分類（カノン、カルヴェリン、セイカー、ファルコンなど）は廃れ、役割別分類と形式による分類（カノン砲、曲射砲、臼砲など）の２本立てで区別するようになった。1860年頃までに導環を巻き付けた砲弾が一般化し、ライフル砲が広まった。これにより椎の実状の弾丸が採用され、頭部着発信管が使用できるようになった。1897年にフランスで制式化されたMle1897が駐退復座機を採用、砲撃の反動でいちいち砲が下がることが無くなり、射撃の度に砲を元の位置に戻して照準をやり直す必要が消え、発射速度が更に増加した。これにより、騎兵突撃及び歩兵の密集突撃が殆ど効果を無くし、隊列をある程度臨機応変に変更できる歩兵の小部隊が主流となっていった。19世紀末頃から弾道学と通信手段が発達し、弾着修正のスピードが速くなったため、間接照準射撃を実施できるようになった。この頃、日本では炸裂弾が死語になり、榴弾という語句が使われるようになった。砲の分類も榴弾砲、カノン砲、曲射砲、臼砲と弾道別になり、重量別に軽砲や重砲と分類することもあった。役割別では山砲が出現、歩兵砲や騎砲は廃れていった。第１次大戦では40センチクラスの攻城砲すら分解してのトラクター牽引が可能となっており、兵站の発達で砲撃を持続的に行うことができ、迅速に展開した砲兵部隊が弾幕射撃を実施、全死傷者の半数以上が砲撃によって生じる程の凄惨な砲撃戦となった。これを防ぐために塹壕が発達、対抗するために迫撃砲が出現し、ドイツでは歩兵に随伴でき、火点を正確に狙える歩兵砲が復活した。砲術も長時間にわたって砲撃も続けるのではなく、短時間に集中射撃して敵を混乱させ、その隙に戦車や歩兵が突撃して敵陣を突破するという方式に変わっていった。新兵器として戦車や航空機が出てきたため、歩兵砲を対戦車砲に、野砲（カノン砲）を高射砲に転用した。また、戦車に搭載する戦車砲も登場した。牽引砲の砲架は開脚式となり、十分な仰角を確保できるようになって射程が延伸している。第１次大戦後、水圧自緊砲身が開発され、強装薬での射撃ができるようになり、榴弾砲並みの長射程を持つカノン砲が登場した。戦術面では、諸元計算による無試射射撃及び急襲的火力集中が実施されるようになり、機動性の高い長射程砲及び目標／射撃諸元情報の測定伝達が重要となった。第２次大戦では対空・対戦車・対地支援の全てに使える万能砲が出現する一方で、迫撃砲や山砲などの任務特化型砲も活躍し、無反動砲という新型砲が登場した。大戦中から大戦後にかけては、反撃を防ぐために迅速な陣地転換が必要となり、砲の自走化が図られた。また、ヘリコプターなどで空輸できる軽量砲の開発にも力が入れられている。ミサイルの登場で大口径高射砲や対戦車砲は廃れ、対地支援が主任務になった。従来の面制圧だけでなく、誘導砲弾によるピンポイント砲撃も可能となっている。参考：歴史群像8,’98、大砲入門、月刊軍事研究1,’16、MAMOR vol.146

　＜大砲（日本）＞：1544年、ポルトガル人アントニュースが種子島時堯に口径２寸・砲腔長３尺６寸の大筒の製法を伝えたのが始まりとされる。1551年と1576年にはポルトガルの商船が大友宗麟に青銅製のフランキ式火砲を献上、国崩と命名されて島津家との戦争に使用された。1586年には蒲生氏郷がローマに家来を遣わして大砲１門を購入した。1611年、国産の鋳造白銑砲が製作された。1613年、イギリスやオランダから大砲が献上され、オランダには数門を発注した。その後は鎖国と平和の持続により暫く大砲の発達は認められなかったが、ペリー来航で高性能の大砲の必要性に迫られ、大砲の研究及び造砲所・火砲製造所の建造に入った。荻野新流砲術を伝える高島家が1832-40年に海外の大砲（前装式滑腔砲）を数種類、個人的に輸入しており、洋式砲術も導入して長崎奉行付鉄砲方に砲術を伝授している。1839年、幕府は大砲の製造を許可制とした。1862年、親衛常備軍が創設され、砲兵には100門の軽重野砲を配備することになったが、生産は進まなかったらしく、戊辰戦争でも山砲部隊数隊が戦闘に参加した程度だったという。1866年、ナポレオン三世からライフル式の四斤野砲と四斤山砲が贈呈され、ライフル砲時代に入った。その後クルップ製の克式八センチ及び７センチ半野砲を導入。明治13年頃から砲の国産化議論が起こり、イタリアの技術を導入して７センチから28センチまで各種口径の国産大砲を製造した。日清戦争後は速射砲の開発に乗り出し、三十一年式速射野砲及び同速射山砲を採用。ロシアがシベリア鉄道の建設を行っており、対露情勢が緊迫化していたことから、クルップとシュナイダーに製造を依頼して数を揃えた。日露戦争では迫撃砲を使用。また、三十一年式速射野砲がロシアの３インチ野砲にアウトレンジされたため、三八式野砲を導入したが、配備は戦争終結後となった。野戦重砲兵用には三八式十珊加農、三八式十二珊榴弾砲、三八式十五糎榴弾砲を導入したが、これも戦後の配備となった。日露戦争後、戦訓を元に四一式騎砲を導入。明治末期から新型の重砲を開発し、四五式十五糎加農、四五式二十四糎榴弾砲、四年式十五糎榴弾砲を制式化した。青島攻略戦ではこれらの火砲を投入し、ドイツ軍の砲兵陣地を破砕している。また、偵察機撃退用に試作高射砲が投入され、初の高射砲実戦使用となった。第１次大戦終結後は軍備制限によりドイツからの技術導入は期待できなくなったため、主にフランスから技術を導入、砲身自緊法や内筒交換法、マズルブレーキ、空気式復座機、重砲分解搬送法などを取り入れた。大正4年頃から大隊以上の本部に観測・通信機関を設置、隠蔽陣地からの間接砲撃が可能となった。大正14年、初めて高射砲連隊を編成した。昭和4年頃、瞬発信管及び短遅延信管を導入し、榴霰弾を廃止して榴弾に統一、更に発煙弾や照明弾、焼夷弾、化学弾なども開発した。擲弾発射機も開発したが、小銃てき弾よりも擲弾筒の方が有効であると考え、十年式擲弾筒を開発し、改良型の八九式重擲弾筒も採用した。昭和11年、気球兵が砲兵科の隷下となったため、気球による観測の研究が本格化され、九八式気球を導入して日華事変や太平洋戦争に投入した。太平洋戦争末期にはカ号オートジャイロを観測用に開発した。参考：大砲入門

＜大砲＞：男の子のこと。参考：続日本海軍よもやま物語

＜大鳳＞：日本海軍大鳳型空母Taiho。昭和16年7月10日起工、昭和18年5月7日進水。竣工直前に整備長が点検したところ、ミッドウェイ海戦の教訓ということで飛行甲板後部が半円形に切り取られていたため、練度の低い搭乗員の着艦には不利と考えられ、艦後部の形状を元に戻すかわりに開閉式シャッターを取り付けた。また、装甲化エレベーターが重すぎてトラブルが続出したため、補強を実施。軽質油タンクから格納庫までガソリンを送るパイプは資源不足のため銅でなく鉄に交換されていたが、高圧水を入れてテストした結果、数カ所から漏れが確認され、修理が必要と判断された。しかし引き渡しが遅れるとのことで、パイプ内に弁を設けて延焼を防ぐ措置のみに止められた。昭和19年2月3日、神戸から呉軍港に回航され、最終艤装を開始。3月7日竣工、第１機動艦隊第３艦隊第１航空戦隊に所属し、第１機動艦隊旗艦となった。3月24日、呉を出港してシンガポールに向かった。途中、岩国沖で二式艦上偵察機、零戦、彗星、天山計約60機を搭載した。3月28日、伊予灘長浜沖で秋月型駆逐艦初月、若月が護衛に加わった。4月5日、シンガポールのセレター軍港に入港。4月9日、セレター軍港を出港し、リンガ泊地に向かった。1500、リンガ泊地に到着。6月19日、マリアナ沖海戦でSS-218アルバコアの雷撃を受け沈没した。8月10日、第３艦隊付属となり、11月15日に連合艦隊付属とされ、昭和20年8月26日（31日？）に除籍された。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸5,’07

＜大鳳型＞：日本海軍空母Taiho型。マル四計画により建造された。日本海軍で唯一エンクローズド・バウ（飛行甲板が低いので艦首乾舷確保のため）を採用した空母である。艦首は小型のバルバス・バウで、艦首外舷には大きなフレアを持ち、錨甲板は艦内に設置された。艦首艦底部には零式聴音機１基を装備する。空母同士の戦闘の際、他の味方空母（軽装甲）よりも前方の敵攻撃圏内に踏み込んで展開し、後ろから飛んでくる味方機の中継基地としての役割を果たす計画（アウトレンジ戦法）があり、敵の爆撃に耐えるため装甲飛行甲板を採用した。飛行甲板の表面はラテックス張り、全長257.5m、前端幅18m、中央幅30m、後端幅27mで、前部・後部エレベーター間の長さ150m・幅20mの範囲に装甲（厚さ20mmのDS鋼板の上に75mmのCNC甲板を重ねた）を施していて、高度700mからの500kg爆弾による急降下爆撃に耐えられる。本当は800kg爆弾による急降下爆撃や大型爆弾の水平爆撃に耐えられる装甲を付与したかったが、計画排水量的に無理だった。右舷のアイランド・煙突との重量バランスを取るため、飛行甲板中心線は後端で2m、左舷に寄せてある。エレベーターは前後２基で、25mmDS鋼板２枚を重ねた装甲を施してあり、サイズは前部が縦14m・横13.6m、後部が縦14m・横14m、重量100トン。着艦制動装置は空廠式三型（三式着艦制動装置？）が４基（３基？）で、制動用横索14本（10本？）を持つ。滑走制止装置は空廠式三型（三式一〇型滑走静止装置？）の固定式が３基。遮風柵は工事の簡素化を図って取り付けられていない。飛行甲板上には隠顕式に３基の110cm探照灯が設置された。格納庫は２段だが翔鶴型より高さを抑え、装甲甲板による重心上昇を防いでいる。上部格納庫は幅18m・５区画、下部は幅17m・４区画で、各区画は防火鎧戸で分けられており、エレベーターに接する鎧戸は7mm厚のDS鋼板で製作された。上部格納庫の天井は飛行甲板と700mmの隙間があり、10mm厚のDS鋼板が張られていて、格納庫内で爆弾が炸裂して飛行甲板が歪まないように工夫してある。上部飛行甲板舷側はスプリンター防御として25mm厚のDS鋼板が使用され、肋骨間にブロウオフ・パネルが設けられており、内部で爆弾が炸裂した時には鋼板が外れて爆風を逃がすようになっていた。トップヘビー防止のために飛行甲板の高さを翔鶴型より一甲板分低くしたことで、舷側に煙突を突き出すと被弾傾斜時に水が入ってくる危険が増したため、艦橋上に外側に26度傾けた高さ17m（飛行甲板から）の煙突を設けた。艦橋は５層の甲板から構成されており、飛行甲板レベルには方位測定室、飛行機搭乗員待機室、気象作業室などが置かれ、舷側には110cm探照灯が設置された。その上は下部艦橋甲板になっており、長官や艦長などの休憩室、方位測定室、無線電話室などが置かれ、前方には露天甲板があって九四式高射装置、方位測定器用ループアンテナ、1.5m測距儀が配置された。その上が上部艦橋甲板で、操舵室、第一防御指揮所、作戦室兼海図室、方位測定室、無線電話室などが置かれ、前方の露天式スポンソンには探照灯管制機と機銃射撃装置が、後方の露天甲板には二一号電探のアンテナが設置された。上から２層目が羅針艦橋甲板で、羅針艦橋、伝令所、照射指揮所、発着艦指揮所などが置かれた。一番上が露天式の防空指揮所甲板で、防空指揮所、二一号電探のアンテナ、一三号電探のアンテナが配置され、後部から煙突（外側に26度傾斜）が突き出している。羅針艦橋には25mmDS鋼による弾片防御がなされており、操舵室は15cm砲弾に耐えられるよう40mmCNC鋼板で囲われた。機関室は高度3000mからの800kg爆弾による急降下爆撃と６インチ（15.2cm）砲による射距離1200-20000mでの被弾に耐えられるよう、16mm高張力鋼による水平防御と55mmCNC甲鈑による垂直防御を施し、弾火薬庫は高度3000mからの１トン爆弾による急降下爆撃と８インチ（20.3cm）砲による射距離1200-20000mでの被弾に耐えられるよう、32mmCNC甲鈑による水平防御と160mmCNC甲鈑による垂直防御を施した。艦中央部舷側には400kgの炸薬を持つ魚雷に耐えられる装甲と液層利用水中防御が施されている。これらの重防御により戦場に長期間止まることが求められたため、爆弾と航空機燃料を従来艦の２倍搭載できるようにした。缶室は８室で、１室あたり主缶１基を収容する。舵は２枚の半平衡舵で、主舵は前、副舵は後ろに付けられた。艦尾の飛行甲板下は短艇格納庫になっており、艦尾には25mm３連装機銃２基が搭載されている。全長260.6m、飛行甲板中央幅31m、最大幅27.7m、平均吃水9.67m、基準排水量29300トン、公試排水量34200トン。主機は艦本式オールギヤードタービン４基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（30気圧、350度）８基で、出力160000馬力、４軸推進、速力33.3ノット、重油搭載量5700トン、航続距離は18ノットで10000海里。兵装は九八式六五口径一〇サンチ連装高角砲６基（シールド無し。飛行甲板両舷に３基ずつ）、九六式二五ミリ三連装機銃17基（右舷７基、左舷８基、艦尾２基。22基？）で、九四式射撃装置を両舷に１基ずつ、九五式機銃射撃装置を両舷と艦尾に計８基装備した。また、連装ロケット砲４基も搭載された。装甲厚は飛行甲板95mm、舷側55-165mm、甲板47mm。搭載機は最初九六式艦戦24機（常用18機、補用６機）、九九式艦爆24機（常用18機、補用６機）、九七式艦攻30機（常用27機、補用３機）の予定で、最終計画では烈風19機（常用18機、補用１機）、彩雲６機（常用６機）、流星36機（常用36機）とし、彩雲全機と流星７機を飛行甲板に露天繋止する予定だった。しかし艦上機の開発が遅れたため、零戦、九九式艦爆、彗星、天山などを搭載している。マリアナ沖海戦での搭載機は、零戦27機、偵察機３機、艦爆27機、艦攻18機。乗員1649名。昭和19年に大鳳が竣工した。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録

＜大宝山丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第４艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜隊包帯所＞：日本陸軍の野戦衛生機関。歩兵大隊本部の隊付軍医１名と衛生下士官以下衛生兵数名が開設し、隊医极やガス医极を用意する。前線から負傷兵が後送されてくると、止血処置や骨折に対する応急処置などを行い、問題無ければ前線に復帰させ、更なる治療や入院が必要なら野戦病院へと後送する。参考：軍医サンよもやま物語

＜対砲迫レーダー＞：砲迫の弾丸をレーダーでキャッチし、その弾道を解析して弾着点や発射点を割り出すもので、対砲レーダーの方が、弾速が速く弾道の低い弾丸を捉えられる。敵の撃った弾丸の弾道を捉えて敵砲迫陣地の位置を割り出したり、味方の撃った弾丸の弾道を捉えて弾着地点を推定し弾着誘導をしたりすることができ、前者の場合は弾丸が放物線の最高点に上がってくる位置で、後者の場合は弾丸が放物線の最高点から落ちてくる位置で捉える必要がある。何層かのビームを扇形に放射しておき、通過地点を記録して弾道を予測する待ち受け型（多目標標定用）と、１発１発の砲弾を追尾して弾道を捉える追尾型（省電力）の２つがあり、両方を合わせて用いるものもある。大部分の迫撃砲は弾種が限られ、射角のみで弾道が決定されるが、榴弾砲は弾種も多く、装薬号数と射角で弾道が決定されるので、対迫レーダーよりも対砲レーダーの方が製作が難しい。参考：月刊軍事研究11,’98、月刊PANZER8,’01、手榴弾・迫撃砲、月刊丸5,’07

＜ダイポール・アンテナ＞：２本の導体線を左右対称に取り付け、電圧をかけて電波を放射するアンテナで、導体線の全長は半波長の整数倍に取る。アンテナ前後に８の字の指向性を持つ。アマチュア無線などで使用される。単なる金属棒もダイポール・アンテナとして機能しうるので、電波送信アンテナの近くでは電流が発生して感電することがあるので注意。これを改良して更に指向性を高めたのが八木アンテナである。参考：図解・電波のしくみ、レーダの基礎

＜ダイポール・ドルーピー＞：21-90-31（アンテナ）を参照。

＜隊補給長＞：海上自衛隊の職名で、タホキと略す。参考：日本の防衛戦力Part3

＜大星丸＞：日本陸軍臨時配当船Daiboshi maru。大元は明治22年4月に竣工したイギリスの汽船ラルナカ社所属ラルナカで、明治32年にオーストラリアのアデレード汽船に移籍してミンタロになり、大正3年に橋谷合資が購入して大星丸（たいせいまる）に改称、すぐに読みを「だいぼしまる」に変更した。太平洋戦争時は船舶運営会が運航し、昭和19年後半になって陸軍臨時配当船になっている。垂線間長88.45m、幅11.55m、深さ6.73m、満載吃水6.37m、総トン数2388トン、重量トン数3500トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1050馬力、航海速力９ノット、最大速力10ノット。戦後は日の丸汽船が購入して運航した。1950年に運航を終え、11月に船籍を抹消されている。1951年に解体された。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜大本営＞：天皇の大纛（天子の乗り物の左に立てる旗）下に置かれた最高の統帥部（戦時大本営条例第１条）。最高指揮官（大元帥）である天皇に参謀総長から作戦を参画奏上し、勅裁を受ける機関である。天皇、参謀総長、軍令部総長、陸海軍大臣などがメンバーで、戦時又は事変に際して必要に応じて設置され、作戦命令を下す権限は天皇にある。明治26年5月19日に条例が制定され、日清戦争勃発を受けて明治27年6月5日に設置され、広島城に置かれた。当初は海軍軍令部総長の上に陸軍参謀総長がいたが、明治36年12月28日、日露戦争前に陸軍参謀総長と海軍軍令部総長が同格となった。明治37年2月13日（11日？）、日露戦争における大本営が設置された。第１次大戦では設置されていない。昭和12年11月18日、戦時大本営条例のかわりに大本営令を制定、宣戦布告しなくても設置できるようになり、軍部大臣以外の閣僚が参加できなくなった。近衛文麿首相は国務と統帥を一元化するため首相も構成員にしようと考えたが、陸軍参謀本部が首相を操ったり、海軍を圧迫したりする事態になりかねないとして海軍側が反対し、実現していない。大本営令では、大本営は天皇を（名目上の）トップとし、大本営陸軍部（陸軍大臣、大本営陸軍幕僚、大本営陸軍諸機関）、大本営海軍部（海軍大臣、大本営海軍幕僚、大本営陸軍諸機関）、侍従武官、海運総監部（昭和20年5月1日設置）、大本営報道部（大本営陸海軍諸機関の下に設置してあったのを昭和20年6月2日に統合）、戦力会議（昭和20年4月19日、制度化されない申し合わせの下に設置）から構成されていた。日華事変勃発を受け、昭和12年11月20日に設置され、太平洋戦争勃発後も引き続き存続した。陸海軍の方針が一致しなかった場合、法律上は軍事参議院で調整することになっていたが、形骸化していたため、いちいち陸海軍中央協定を締結しなければならず、それもさっぱり守られなかった。昭和18年8月上旬に陸海軍部を統合する案が出されたが、誰をトップに据えるかで行き詰まり、昭和19年2月に統合は中止されている。昭和19年7月に小磯内閣が成立した際にも陸海軍統合案が検討されれたが、海軍側が密かに戦争終結へと動き出していたこともあり、実現しなかった。昭和20年5月、付設として海運総監部が新編された。昭和20年9月13日に廃止された。参考：戦時用語の基礎知識、日本海軍艦隊総覧、月刊軍事研究12,’04、帝国陸海軍事典、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’02、6,’14、MAMOR Vol.46、月刊丸8,'15別冊

＜大本営政府連絡会議＞：昭和12年11月、日華事変に対応する大本営設置時に、政府と軍の中枢が情報交換する臨時制度として創設された。昭和19年8月、最高戦争指導会議に改称された。参考：月刊軍事研究1,’13

＜大本営に於ける本土作戦準備計画＞：日本陸軍の本土決戦準備計画で、昭和20年4月8日に大本営陸軍部が発出した。作戦要綱として、速やかに戦備を強化してアメリカ軍を本土要域で邀撃し、主戦方面は太平洋と東シナ海正面に置き、戦備の重点は関東と九州に保持すること、日本海沿岸要点も十分に警備して日本海での敵の行動を防ぐこと、敵の空襲を防いで敵機の跳梁を制し、特に生産・交通・作戦準備に支障が出ないようにすること、敵の本土上陸企図に対しては可能な限り洋上撃破に努め、上陸した敵には果敢な陸上攻撃を仕掛けて勝利すること、航空作戦の主攻撃目標は敵輸送船団とし、航空撃滅戦、防空作戦、地上支援などは敵輸送船団攻撃に支障の出ない範囲として戦力を温存すること、陸上作戦は沿岸部での敵上陸部隊撃滅を主眼に置き、航空部隊等の協力が無くても陸上部隊単独で作戦を遂行すること、海軍のシーレーン防護、水上・水中特攻、海峡防衛に協力すること、国土の特性、特に挙国皆兵たる伝統の精髄を発揮して作戦目的の完遂を期すること、敵の内陸侵攻といった各種情勢に対応するため、国土全域に亘り国内交戦を準備し国内警備に万全を期すること、が列挙されている。また、兵站準備要綱として、昭和20年6月末頃に本土の後方準備を概成し10月末頃まで（関東・九州四国地方は昭和20年中期まで）に完成させること、純作戦準備に加えて防衛・生産戦時態勢を確立強化すること、万物を戦力化すること、国土の利点を最大限に活用して後方作戦準備を促進すること、特に作戦軍の訓練、築城、防衛分散、繰り上げ生産、食料確保に重点を置くこと、国家総力を結集して国土戦場態勢を確立すること、昭和20年中期頃までに決号作戦の遂行に必要な戦力集中を行うこと、そのために作戦準備を促進しつつ昭和20年前半期に最大限の戦力整備を行い、大陸から戦力を抽出して本土に転用し、遊休資材の戦力化を進めること、航空関係兵站準備の重点は飛行機保全施設強化、特攻機用爆弾生産、指揮情報通信網整備、航空燃料分散確保とし、昭和20年6月末を目途に完成させること、食糧増産と燃料生産は一部軍で実施すること、軍需整備は中央計画の達成を第一とするが、輸送力逼迫に逐次対処して国土や軍管区ごとに独立作戦能力（食料的自活、兵器諸資材修理、燃料・一部兵器・器材生産）を持たせること、作戦準備にあたっては海軍部隊と密に連絡して陸海戦力を統合発揮できるようにすること、が挙げられている。他に交通作戦準備要綱、決号作戦通信整備要綱、決号作戦集中計画要綱の項目がある。参考：太平洋海戦史

＜大本営陸軍部地下壕＞：日本陸軍が大本営陸軍部の建物前（現・防衛省Ａ棟儀仗広場から防衛省敷地南端斜面にかけて）地下に昭和16年8月から建設し、昭和17年に完成した。起工直後に開戦した太平洋戦争での空襲に備えたと思われるが、関連資料が終戦時に廃棄されるかGHQに持って行かれたため、詳細は不明である。地下14mに幅4.6m、奥行き52m、高さ4mのトンネルが南北方向に３本並んでおり、東西方向の長さ48m、幅4.6m、高さ4mの連絡通路２本で繋がれている。総面積1342平方メートルで、陸軍大臣室、通信所、電気釜付き炊事場、食堂、浴場、厠、受水槽などが設けられており、壁は厚さ1m、天井は厚さ4mのコンクリートで固めた。出入り口はトンネル南端１カ所ずつと北端左右１カ所ずつの計５カ所で、南端出入り口の扉は500kg爆弾に耐えられる鋼鉄製、北端出入り口は曲がりくねった階段の先にある。西側及び中央のトンネルと南側連絡通路の交点天井に通風筒があり、地上部分は日本庭園内の石灯籠で擬装され、現存している。200名が生活可能。太平洋戦争終戦で接収され、1959年に日本に返還された。2015年8月10日、戦後70周年で報道陣に公開された。2019年1月から一般公開に向けた整備を開始。2020年3月18日、報道陣に公開された。4月1日には一般公開の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期され、8月3日から市ヶ谷台ツアー午後の部の一環として一般公開されている。参考：MAMOR vol.162、朝雲、月刊世界の艦船6,’20

＜ダイマーカー＞：海での遭難時に使用する信号用具で、海上に撒布する色素マーカーである。高度1000mを飛行する捜索機なら16km先から視認可能で、海が穏やかなら１時間ほど色が保つ。夜間には用を為さない。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜タイミール＞：ソ連タイミール級原子力砕氷船Taymyr。1989年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜タイミール級＞：ソ連の河川用原子力砕氷船Taymyr級、プロジェクト10580。船体はフィンランドのヴァルチラ社、機関はレニングラードのバルチック造船所で製作された。厚さ1.7mの連続砕氷能力を持つ。全長149.7m（150.2m？）、幅28.9m、吃水7.5m（河川航行時）／9m（海洋航行時）、満載排水量20790トン（23460トン？）。主機は原子力ターボ・エレクトリック方式、KLT-40M加圧水型原子炉１基（熱出力171MW）、蒸気ターボ発電機２基、出力52000馬力／47000軸馬力／35MW、３軸推進、速力16.5ノット（18.5ノット？）。乗員89名。タイミールとヴァイガチの２隻が1989-90年に竣工した。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船3,’00

＜大明神＞：日本海軍用語で、ケガ治療用のリバノール、白癬菌治療用のサルチルサン、疥癬治療用のテラポールの後ろに付ける敬称である。参考：海軍よもやま物語

＜タイム＞：K210（コルベット）を参照。

＜隊務（海軍兵学校）＞：生徒（主に最下級生）が行う日常雑務のこと。輪番制のものは特に当番隊務と称する。昼食後に行うことが多い。参考：海軍兵学校岩国分校物語

＜タイムール＞：D-166（駆逐艦）を参照。

＜タイム・フェイズド戦力展開データ＞：TPFDDを参照。

＜ダイムラー・スカウトカー＞：イギリス軍軽装甲車（Scout-Car）。1938年にイギリス戦争局が要求した４輪軽装甲偵察車開発計画に基づいてBSA社、アルビス社、モーリス社が試作し、8月にテストが行われ、BSA社のものが採用された。後にBSA社がダイムラーに吸収合併されたため、この名称になっている。兵士からは何故かアルビス社製試作車のニックネームであるディンゴと呼ばれた。1939-45年に各型計6626両が生産され、1940年の黄作戦から実戦投入され、第２次大戦中最良のイギリス軍車両といわれた。1952年にフェレット装甲偵察車に後を譲って退役した。参考：月刊PANZER1,’13、世界の軍用車両(4)、月刊グランドパワー11,’12

　＜ダイムラー・スカウトカーＭｋ�T＞：シャシーはＨ型で、液体フライホイール採用の動力伝達機構やＨ型の駆動系を持ち、当時としては高度な足回りをしていた。サスペンションはダブルコイルスプリングを使用したウィッシュボーン式で、ランフラットタイヤを採用しており、スペアタイヤを標準装備する必要が無くなった。車体中央の一段盛り上がった戦闘室はオープントップだが、スライド式の装甲カバーが付いている。兵装はブレン軽機関銃１丁（750発）、ライフル１丁（50発）、手榴弾36発。ブレン軽機関銃は戦闘室前面右のバイザーを外して射撃するが、その手間を省くと共に身を乗り出さなくても撃てるよう、車内から延びた銃架とトリガーケーブルを独自に取り付けた車両もある。無線機はNo90。前線での使用を考え、当時の装甲車としては分厚い装甲を持つが、武装が貧弱なので実際には主に後方で指揮連絡用に使用された。全長3.17m、全幅1.71m、全高1.49m、重量2.6トン。エンジンはダイムラー社製直列６気筒液冷ガソリン（56馬力）、最大速度88km、航続距離320km。最大装甲厚30mm。乗員２名。参考：月刊PANZER1,’13、世界の軍用車両(4)、月刊グランドパワー11,’12

　＜ダイムラー・スカウトカーＭｋ�TＡ＞：戦闘室上面の装甲カバーを折り畳み式としたタイプ。参考：月刊PANZER1,’13

　＜ダイムラー・スカウトカーＭｋ�TＢ＞：エンジン冷却機能向上のため後部機関室を改修し、収納ボックス及び燃料タンクのラックを追加したタイプ。参考：月刊PANZER1,’13

　＜ダイムラー・スカウトカーＭｋ�U＞：４×４輪駆動から前輪駆動に変更したタイプ。参考：月刊PANZER1,’13

　＜ダイムラー・スカウトカーＭｋ�V＞：車体を防水化し、戦闘室上面の可動式装甲カバーをキャンバスに変更したタイプ。参考：月刊PANZER1,’13

＜ダイムラー装甲戦闘車シリーズ＞：イギリス陸軍威力偵察用４輪装甲車（Armoured-Car）。イギリス陸軍からダイムラー・スカウトカー（当時はまだBSA社が開発中だったのでBSAスカウトカーだった）の火力強化の要請があったため、Mk�Z軽戦車テトラークの砲塔を積んだものである。1939年末にBSA装輪式軽戦車として試作車が完成し、BSA社がダイムラーに吸収合併されたのと装輪式軽戦車の名称が装甲戦闘車に変更されたためダイムラー装甲戦闘車に改称され、1939年から2694両が生産されたが、重量増によるファイナルドライブのトラブル解決に時間がかかり、1942年から実戦配備された。ベトナム戦争まで使用され、輸出もされた。参考：月刊PANZER1,’13、世界の軍用車両(4)

　＜ダイムラー装甲戦闘車Ｍｋ�T＞：駆動系は流体フライホイールを使用した動力伝達機構、Ｈ型ドライブシャフト、ダブルウィッシュボーン式サスペンション（独立懸架式）、４輪ディスクブレーキなどを使用した当時最新式のもので、ランフラットタイヤを採用していてパンクが少ないため、スペアタイヤは装備していない。４輪駆動で、操向も４輪である。乗員区画後方にも操縦装置があり、緊急時には方向転換せずにそのまま逃げられる。車体とシャシーはセミモノコック式（一体型モノコック？）だが、整備に手間がかかるという欠点があった。地上クリアランスが小さいので、地雷に弱い。戦闘室上部の面積を広くしてMk�Z軽戦車テトラークの砲塔（２ポンド砲と7.7mm同軸機銃装備）を搭載しており、前線での使用にも耐える性能を持つ。全長3.96m、全幅2.43m、全高2.23m、全備重量7.62トン。最大装甲厚16mm。エンジンはダイムラー製６気筒液冷ガソリン（95馬力）で、最大速度80km、航続距離330km。乗員３名。参考：月刊PANZER1,’13、世界の軍用車両(4)、月刊丸2,’07

　＜ダイムラー装甲戦闘車ＣＳ＞：ダイムラー装甲戦闘車Mk�Tの主砲を76mm砲に換装した近接支援型。参考：月刊PANZER1,’13

　＜ダイムラー装甲戦闘車Ｍｋ�U＞：操縦手席上部に脱出ハッチを追加し、防楯や砲架をMk�[軽戦車ハリー・ホプキンスと同じものに変更してリトルジョン・アダプター（口径漸減砲）を搭載したタイプ。ラジエーター吸入部にルーバー式カバーを取り付け、排気管を上に延長して渡渉性能を向上させた。四輪操向は操縦が難しいため、前輪操向に変えられている。被弾損傷に備えてスペアタイヤを積むことになり、車体右側面のハッチを塞いでタイヤホルダーを設置した。参考：月刊PANZER1,’13、世界の軍用車両(4)

＜ダイムラー装甲戦闘車ファミリー＞

　＜ダイムラー指揮装甲車ＳＯＤ＞：砲塔を撤去して指揮車両としたもの。連隊本部に配備された。参考：月刊PANZER1,’13

＜太明丸＞：近海郵船重軌条運搬船Taimei maru。垂線間長99.44m、幅13.5m、深さ7.3m、吃水6.1m、総トン数2883トン、重量トン数4119トン。主機は三連成汽機１基１軸3000馬力、航海速力11.5ノット、最大速力13.74ノット。昭和11年7月31日竣工、八幡製鉄所で製造されたレールや鋼材を阪神・京浜地区に輸送するのに使用された。昭和17年11月、日本陸軍に徴用された。昭和18年3月3日、八一号作戦でラバウルからラエに向かう途中、ラエの東南東200kmでアメリカ・オーストラリア機の空襲を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船8,’11、輸送船入門

＜泰緬連接鉄道＞：タイのノンプラドックからミャンマーのタンビザヤを繋ぐ総延長420kmの鉄道。南方侵攻に備えて昭和16年10月に南方軍鉄道司令部が建設の検討を開始し、昭和17年に大本営に申請したが一度は許可されず、測量を行って7月に許可され、昭和18年末までに完成させることになり、昭和18年5月に工期を４ヶ月短縮せよと命令された。輸送力は１日１方向3000トンである。昭和18年7月5日に建設が始まり、タイ側から鉄道第９連隊、ミャンマー側から鉄道第５連隊が担当し、独立歩兵大隊１個、工兵連隊２個、野戦病院４個、兵站病院１個、南方軍防疫給水部全部が増援として送り込まれた。日本軍１万２千名、英印軍捕虜５万５千名、現地住民7-18万人と象400頭で工事を行ったが、過労と不十分な食事で体力が衰えた上にマラリアとコレラが大流行し、日本軍1000名（鉄道第５連隊長含む）、捕虜１万２千名、現地住民３万人という多数の犠牲者を出した。昭和18年10月17日にレール10mにつき枕木５本の軽軌道が完成し、その後10mあたり枕木８本を追加、C56機関車が引く重列車が通れる重軌道に改修して10月25日に開通式が行われた。直通列車を毎日１本運行したが、空襲にあって輸送量は日量100トン程度に留まり、予定の30分の１しか運べなかった。終戦後は捕虜虐待で32名が戦犯として処刑された。日本陸軍の給養責任者は主計だが、イギリス陸軍では軍医なので、誤解されて軍医も多くが戦犯にされたらしい。唯一の鉄橋であるメクロン永久橋（メクロン川とクワイ川の合流点付近にある）は後に映画「戦場にかける橋」のモデルとなった。今は大部分が廃線となっている。参考：工兵入門、歴史群像6,’01、月刊軍事研究7,’97、軍医サンよもやま物語

＜タイヤ＞：重量を支持し、地面からの衝撃を吸収し、前進・後退力やブレーキ力を地面に伝える。空気を入れたチューブを内蔵するチューブタイヤと、空気を通しにくいインナーライナーをタイヤの内側に張ったチューブレスタイヤがあるが、ほぼ後者が使用される。チューブやインナーライナーの外側にはコード布（ゴムをしみこませた縦糸）を重ねたカーカス層があり、その上に補強用のブレーカーもしくはベルトが重ねられ、最外部がゴム層になっていて、路面と接する部分にはトレッドが刻まれている。ホイールのリムに填め込む部分はスチールワイヤーの束（ビードワイヤー）や頑丈なゴム（ビードフィラー）で補強されていて、ビード部と呼ばれる。カーカス層が45度の角度で互い違いに重ねられているのをバイアスタイヤ、進行方向と垂直に配置されているのをラジアルタイヤと称し、前者は乗り心地、後者は走行性能に優れる。近年ではサスペンションで乗り心地を最適に出来るので、ほぼラジアルタイヤが使われるようになった。参考：クルマのすべてがわかる事典、自動車メカニズム図鑑

＜タイヤシールド＞：ハチンソン社が開発したタイヤ防御装置。タイヤの外側に硬質ゴム製カバーを装着し、防御力を強化する。参考：月刊軍事研究11,’10

＜タイヤローラ＞：自衛隊の車両。酒井重工業または日立建機または日立建機日本製。参考：月刊軍事研究9,’10、12,’12、1,’17

＜タイヤローラ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の施設器材で、アスファルト舗装の仕上げに使用される。タイヤ空気圧調整装置付き。全長5.15m、全幅2.14m、全高3.27m、車重8.5トン、ウェイト重量6.5トン。エンジンは6BD1直列６気筒ディーゼル（5785cc、92馬力）で、トランスミッションは常時咬合式前進４段・後進４段で、最大速度25km、燃料タンク容量100リットル。乗員１名。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜隊友会＞：公益社団法人で、事務局は防衛省内にある。2011年3月11日に発生した東日本大震災でボランティア活動を行い、被災地隊友会から延べ800人の会員が参加、全国から募集した本部直轄応援隊延べ610人も加わった。2012年3月7日、東日本大震災でのボランティア活動で農水大臣から感謝状を授与された。参考：朝雲

＜大洋＞：十九試陸上哨戒機を参照。

＜大鷹＞：日本海軍大鷹型空母。日本郵船の欧州航路用貨客船春日丸として昭和15年1月6日に三菱長崎造船所で起工、昭和15年9月19日進水、昭和15年11月に日本海軍に徴用され、昭和16年9月5日に春日丸からの改造を完了して特設航空母艦春日丸として竣工、第１航空艦隊第５航空戦隊に配備された。9月25日、第１航空艦隊第４航空戦隊に転属。12月8日、太平洋戦争開戦時は第４航空戦隊に所属し、台湾やパラオへの海軍機輸送任務に就いた。12月13日、呉鎮守府部隊に転属。昭和17年1月から南方方面への陸海軍航空機輸送に従事。8月31日、軍艦籍に編入され、航空母艦大鷹に類別変更・改称された。9月1日、連合艦隊付属となった。9月28日（24日？）、トラックの南方40海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて魚雷１本を艦尾に被雷、中破した。昭和18年4月4日、飛行第68戦隊を便乗させ横須賀を出港。4月10日、トラックに到着。9月24日、父島の北東200海里で潜水艦の雷撃を後部舵取機室に受けて大破した。12月15日、海上護衛総司令部に転属し、船団護衛に就いた。昭和19年7月、海鷹、神鷹と共にフィリピンへの航空機輸送任務を実施。３隻で零戦95機、雷電10機、月光９機、彗星５機、天山５機を運んでいる。8月17日からヒ71船団の護衛に参加。8月18日、ヒ71船団を護衛中にルソン島の西でSS-269ラッシャーの雷撃を受けて沈没し、10月10日に除籍された。参考：図解日本の空母、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸10,’93、月刊世界の艦船9,’14、護衛空母入門、日本海軍艦隊総覧、輸送船入門

＜大洋１号＞：中国大洋鉱産資源研究開発協会海洋調査船の艦番号で、ターヤンイーハオと読む。制式名は不明。船体後部に伸縮式デッキクレーンを持ち、艦尾にＡフレームを搭載する。全長104.5m、総トン数4385トン。主機はディーゼルで、速力14.5ノット。1999年5月19日、沖縄県那覇の西180kmを航行しているのを第１航空群のP-3Cが確認した。2000年8月3日、奄美大島の西330kmを航行しているのを第５航空群のP-3Cが発見した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’00、11,’00

＜大鷹型＞：日本海軍の商船改造空母で、日本郵船の貨客船である春日丸から大鷹、八幡丸から冲鷹、新田丸から雲鷹が建造され、昭和16-17年に就役した。主任務は主力艦隊に随伴して艦上機により直衛、弾着観測、敵主力艦攻撃を行うことである。船体の上甲板（遊歩甲板、プロムナードデッキ）より上の構造物を撤去、その5m上方に飛行甲板を設置、上甲板と飛行甲板の間の両舷に外板を張って格納庫とし、上甲板前端に甲板２層分の高さの構造物を設け、上部を羅針艦橋として平甲板型空母に仕上げた。飛行甲板長は大鷹と雲鷹が162m、冲鷹が172mで、前二者（雲鷹のみという説有り）は後に172m（180m？）に延長された。飛行甲板前端幅10m、中央幅23.5m（冲鷹は23.7m）、後端幅16m。エレベーターは前後に２基が用意されており、大きさは前が12m×13m、後ろが13m×12mである。着艦制動装置は呉式四型が８基（６基？）で、アレスティング・ワイヤーは８本（６本？）、滑走制止装置は空廠式三型が１基。カタパルトは無い。艦首両舷に25mm３連装機銃を１基ずつ搭載しており、昭和19年半ば以降に25mm単装機銃が増設された。羅針艦橋後方に海図室、作戦室などがあり、その一段下には艦長休憩室、搭乗員室などが配置された。飛行甲板前部舷側には補助艦橋、防空指揮所、発着艦指揮所が設置され、右舷側に起倒式信号マストがある。艦尾は商船式で、下端支持の釣り合い舵を持つ。艦尾甲板には飛行甲板支柱１組が取り付けてある。艦内は客船時代の隔壁をあらかた撤去して部屋を作り直している。飛行甲板による重心上昇を防ぐため、第１−第５船倉には砂利バラストを積んだ。主機は客船当時と同じで、右舷やや前方に斜め下向き煙突を設置した。速力が遅く、カタパルトも無く、機動部隊には付いていけず新鋭機の運用もほぼ不可能で、太平洋戦争では主に航空機輸送や船団護衛任務に就いた。全長180.24m、最大幅22.5m、平均吃水8.0m、基準排水量17830トン、公試排水量20000トン。主機は三菱ツェリー式オールギヤードタービン２基、主缶は三菱式重油専焼水管缶（27気圧、390℃）４基で、出力25200馬力、４翅プロペラ（直径5m）２軸推進、最大速力21.0ノット、重油搭載量2250トン、航続距離は18ノットで8500海里。兵装は一〇年式四五口径十二サンチ単装高角砲４門（６門？冲鷹は40口径12.7cm連装高角砲４基）、25mm連装機銃４基（冲鷹は３連装25mm機銃10基）。搭載機は艦上戦闘機11機（常用９機、補用２機）、艦上攻撃機16機（常用14機、補用２機）。冲鷹は常用26機、補用４機である。乗員747名（冲鷹は850名）。大鷹と雲鷹はあ号作戦では兵装を12cm単装高角砲６門（大鷹は未実施説有り）、25mm３連装機銃２基、25mm連装機銃４基とし、昭和19年8月末には25mm機銃を３連装８基、連装２基、単装36門に、13mm機銃を単装10-13丁に増やした。参考：日本航空母艦史、図解日本の空母、護衛空母入門、月刊世界の艦船12,’10、9,’14、月刊丸2,’12別冊付録、護衛空母入門

＜隊容検査＞：部隊が行動前に実施する、隊員や装備などの確認検査。人数、職責、装備、火器、携行物品準備状況、車両数などを確認する。参考：MAMOR vol.140

＜代用食＞：日華事変長期化に伴う食糧不足に対応し、主食（米）を節約するため、本来とは別のもので代用した食事のこと。昭和14年11月1日、代用駅弁として焼き芋が京都駅に登場した。他にも混飯（麦、大豆、小豆、豌豆、甘藷、馬鈴薯、里芋、粟、稗、黍、高粱、玉蜀黍、大根、大根菜などを混ぜる）、芋粥、味噌雑炊、すいとん、団子、うどん寿司、そば寿司、そばがき、国策ランチ（うどんとジャガイモとタマネギを揚げたもの）、芋パン（サツマイモと小麦粉を4:6で混ぜて海草と鰯の粉を加えて発酵させたもの）、必勝汁粉（更生麺と小麦粉を混ぜて団子にし、番茶に入れる）、イナゴコロッケ、決戦粉（茶殻や柏の葉を粉にして米粉や小麦粉のかわりにする）、戦時代用パン（果物の皮、落花生を使う）、時局パン、興亜建国パンなどが作られた。参考：戦時用語の基礎知識、写真で見る日本陸軍兵営の食事

＜代用弾＞：日本陸軍の榴弾で、鋼性弾殻を完全に鋳鉄に置き換えたものである。物資欠乏から太平洋戦争末期にはほぼ代用弾が支給されるようになった。参考：月刊丸5,’13

＜太陽電池用材料評価装置＞：自衛隊の機器。誠南商事が受注している。参考：月刊軍事研究10,’14

＜太陽同期極軌道＞：衛星軌道の１つ。極軌道から少し傾けた場所を通る軌道で、地球の重力の歪みにより軌道を少しずつずらすことで、地球の公転周期による衛星軌道への影響を除外し、１日１回決まった時刻に同じ場所を通るようにしている。偵察衛星が使う。参考：月刊JWings7,’16

＜大洋丸＞：日本郵船北米航路客船。元は明治44年（1911年）に竣工したドイツのハンブルグ南アメリカ社南米航路客船カップ・フィニステレで、第１次大戦の戦時賠償として受領した。総トン数14458トン。昭和17年5月5日、太平洋戦争緒戦で占領した東南アジアの行政、民政、石油・鉱物資源採掘精製施設建設などを担当する民間人1010人、軍人34名、資材2450トンを積み込んで宇品を出港。門司で石炭や水を搭載し、5月7日1200に護衛艦や僚船と共に六連島泊地を出港した。2200、五島列島北西で針路を南西に変更し、台湾に向かった。5月8日1900、護衛の特設砲艦北京丸が潜水艦出没情報を発したため、船橋見張り員を増員。1945、長崎県男女群島南南西85海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受け、左舷船尾に魚雷１本、続いて左舷船首に１本が命中し、船首２番船倉に積んでいたカーバイドが海水と反応して爆発、大火災を起こして沈没した。峯風、富津丸、長崎水産試験場調査船、漁船が救助にあたったが、乗員157人と乗客660人が死亡して資材も全て失われた。参考：輸送船入門、月刊世界の艦船4,’12

＜大洋丸＞：林兼商店トロール船Taiyo maru。垂線間長53.49m、幅9.3m、深さ5m、吃水4.87m、総トン数658トン、重量トン数597トン。主機はディーゼル１基１軸750馬力、航海速力10ノット、最大速力13.16ノット。昭和10年10月25日竣工。太平洋戦争で海軍に徴用されて特設運送船（給糧船）となった。昭和19年1月28日、クェゼリンのルオットを出港。1月30日から消息不明となった。雷撃を受け沈没したらしい。参考：月刊世界の艦船1,’18

＜泰洋丸＞：東海汽船貨物船Taiyo maru。元はイギリスのチャールズ・ラドクリフ社所有アサーストーンで、大正2年7月に竣工し、数度の売船を経て昭和13年に日本人が購入、昭和16年に別の個人に売却され、その後東海汽船に移籍した。垂線間長112.78m、幅15.66m、深さ8.03m、満載吃水7.32m、総トン数4168トン、重量トン数7550トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2100馬力（371公称馬力）、航海速力9.5ノット、最大速力10.5ノット。太平洋戦争で船舶運営会が運航した。昭和19年10月26日、門司からマニラに向かう途中、ルソン海峡ダルピリ島西63kmでSS-367アイスフィッシュの雷撃尾受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜代用名称＞：日本陸軍の試製機密兵器または機密兵器の秘匿名称。昭和8年4月陸軍技術本部発出の陸軍技術本部民間注文兵器の秘密保持に関する内規で、民間工場に秘密兵器を注文する際に仮名称または符号を付けるよう定めており、昭和11年3月の陸軍航空本部兵器機（秘）密取扱既定には器材区分により飛行機機体にはキ、飛行機発動機にはハ、気球にはフに一連番号を付けると記載されている。特に兵器名称が必要な場合を除いて設計試作審査の間は往復書簡や図書なども含め全てこれを使用し、機密兵器と第１秘密兵器は制式後も仕様書、仕様書附録、官民・民民往復文書、秘密保持の必要がある官官往復文書には代用名称を使う。第２秘密兵器や普通兵器として制式化された場合も、秘密保持上必要な場合には代用名称を使用し、民間で複製する図面などでは機密・秘密・普通兵器全て代用名称とする。戦車の場合は大型戦車がオ、中戦車がチ、軽戦車がケで、一連番号でなくイロハ順を付ける。参考：月刊航空ファン2,’18

＜タイラー＞：K576（フリゲート）を参照。

＜タイラント＞：SS-420（潜水艦）を参照。

＜大力士式運輸機＞：C-130海外シリーズ（輸送機）を参照。

＜大陸間弾道ミサイル＞：ICBMを参照。

＜タイ陸軍＞：1986-90年、スティンガー�T軽戦車160両を配備。2007年、ウクライナ製BTR-3E1装輪装甲車を採用。無償提供６両、第１バッチ96両、第２バッチ121両を配備した。2011年3月、M-41軽戦車の後継戦車としてオプロト、T-90、K-1A1のうちオプロトを選定した。9月1日、オプロトを49両調達する契約を締結した。参考：月刊軍事研究3,’12

　＜タイ陸軍（１９７７年）＞：兵力141000名、予備役500000名。騎兵師団１個、歩兵師団６個、独立連隊戦闘団３個、空挺特殊大隊４個、ホーク地対空ミサイル大隊１個、航空中隊５個、航空小隊数個からなる。M24軽戦車20両、M41軽戦車150両、サラセン装甲車20両、M113/LVTP装甲兵員輸送車250両、105mm榴弾砲300門、155mm榴弾砲50門、57mm/106mm無反動砲、40mm高射機関砲、ホーク40基、O-1軽飛行機90機、UH-1B/Dヘリ120機、CH-47ヘリ４機、OH-13ヘリ24機、FH1100ヘリ16機、ベル206ヘリ３機、ベル212ヘリ２機、OH-23Fヘリ６機、KH-4ヘリ28機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜タイ陸軍（１９８０年）＞：O-1を90機、OH-13Hを15機、UH-1B/Hを120機、ベル206Bを３機、CH-47Cを４機、FH100を12機、OH-23Fを６機、ベル214Bを２機保有している。参考：ザ・マーチ18号

　＜タイ陸軍（１９８９年）＞：兵力190000名（うち徴兵80000名）。陸軍管区司令部４個、軍団司令部２個、騎兵（軽機甲）師団２個、機械化歩兵師団１個、歩兵師団６個、特殊部隊師団２個、砲兵師団１個、高射砲師団１個、工兵大隊19個、独立騎兵連隊１個、独立歩兵大隊８個、偵察中隊４個、武装航空騎兵連隊、ヘリコプター飛行小隊数個、予備役歩兵師団司令部４個からなる。69式戦車60両、M-48A5戦車64両、スコーピオン軽戦車134両、M-41軽戦車200両（大部分保管中）、M-24軽戦車20両（保管中）、スティングレイ軽戦車９両、ショーランドMk3偵察車32両、M-113装甲兵員輸送車340両、M-3A1/M-16ハーフトラック、V-150装甲兵員輸送車150両、サラセン20両、YW-531H装甲兵員輸送車300両、63式装甲兵員輸送車105両、105mm砲M-101/M-101改200門、105mm砲M-102を12門、105mm砲M618A2、59式130mm砲18門、155mm砲M-114を50門、155mm砲M-198を62門、155mm砲M-71を32門、82式130mm多連装ロケットランチャー、81mm/107mm迫撃砲、TOW対戦車ミサイル、ドラゴン対戦車ミサイル300基、M72対戦車ロケット、57mm無反動砲M-18、75mm無反動砲M-20、106mm無反動砲M-40を150門、M163バルカン砲40基、M-167バルカン砲24基、74式37mm高射機関砲30門、40mm高射機関砲M-1、M-42自走高射機関砲80両、70口径40mm高射機関砲104門、57mm高射機関砲24門、レッドアイ地対空ミサイル、アスパイド地対空ミサイル、ビーチ99輸送機１機、C-47輸送機４機、セスナ208輸送機10機、クイーンエア輸送機１機、ショート330輸送機１機、スーパー・キングエア輸送機１機、O-1A連絡機62機、O-1E連絡機17機、T-41A連絡機６機、U-17A連絡機13機、ベル206ヘリ10機、ベル212ヘリ15機、ベル214ヘリ６機、OH-58Aヘリ３機、ヒューズ300C練習ヘリ36機、OH-13練習ヘリ12機、TH-55練習ヘリ14機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜タイ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力245000名（うち徴兵115000名）。地域軍司令部４個、師団司令部３個、特殊部隊師団１個、特殊部隊連隊１個、騎兵師団３個、機械化歩兵師団１個、歩兵師団８個、即応展開軍１個（地域軍あたり大隊１個ずつ）、ヘリ飛行隊数個、砲兵師団１個、防空師団１個（大隊６個）、工兵師団１個、経済発展師団４個、予備役歩兵師団司令部１個からなる。M60A1戦車53両、M60A3戦車125両、M48A5戦車105両、T-84オプロト戦車10両、69式戦車50両（全て保管中）、M41軽戦車24両、スコーピオン軽戦車104両（うち保管中50両）、スティングレイ軽戦車66両、S52Mk3偵察車32両、M1114HMMWV偵察車、BTR-3E1歩兵戦闘車162両、ブロンコ装甲兵員輸送車、M113A1/A3装甲兵員輸送車430両、85式装甲兵員輸送車450両、コンドル装輪装甲車18両、LAV-150装輪装甲車142両、レヴァ装輪装甲車100両、155mm自走砲アトモス2000を１両、155mm自走砲カエサル６両、155mm自走砲M109A5を20両、105mm砲LG1Mk�Uを24門、105mm砲M-56を12門、105mm砲M101/M101改を200門、105mm砲M102を12門、105mm砲M618A2を32門、105mm軽砲L119を60門、155mm砲GHN-45A1を90門、155mm砲M114を48門、155mm砲M198を118門、155mm砲M-71を21門、85式130mm多連装ロケット60基、302mm多連装ロケットDTI-1を18基、81mm自走迫撃砲M125A3を21両、107mm自走迫撃砲M106A3、120mm自走迫撃砲M1064A3を12両、81mm/107mm/120mm迫撃砲1867門、M901A5自走対戦車ミサイル18両以上、BTR-3RK自走対戦車ミサイル６両、M47ドラゴン対戦車ミサイル、75mm無反動砲M20を30門、106mm無反動砲M40を150門、ビーチ200軽輸送機２機、ビーチ1900C軽輸送機２機、C212軽輸送機１機、セスナA185E（U-17B）軽輸送機10機、ERJ-135LR軽輸送機２機、ジェットストリーム41軽輸送機２機、MX-7-235スターロケット練習機11機、T-41B練習機22機、AH-1F攻撃ヘリ７機、AS550汎用ヘリ８機、AW139汎用ヘリ２機、Mi-17V-5汎用ヘリ３機、CH-47D輸送ヘリ５機、UH-60L汎用ヘリ９機、UH-60M汎用ヘリ３機、ベル205（UH-1H）94機、ベル206ヘリ27機、ベル212（AB-212）52機、エンストロム480Bヘリ16機、ヒューイ300C練習ヘリ53機、サーチャー／サーチャー�U無人機、スターストリーク自走地対空ミサイル８両、アスピーデ地対空ミサイル、9K338携帯地対空ミサイル54基、20mm自走高射機関砲M163を24両、40mm自走高射機関砲M1/M42を30両、20mm地対空バルカン砲M167を24基、74式37mm高射機関砲52門、70口径40mm高射機関砲48門、59式57mm高射砲（S-60）６門（＋非作戦状態18門以上）、AN/TPQ-36対砲レーダー、RASIT対砲レーダー、BTR-3BR装甲回収車５両、M88A1戦車回収車22両、M88A2戦車回収車６両、M113装甲回収車10両、653式戦車回収車５両、WZT-4装甲回収車、84式戦車橋、ボゼナ地雷戦車両、ジャイアント・ヴァイパー地雷戦車両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜大陸航空軍団＞：CONAC（Continental Air Command）と略す。アメリカ空軍が1948年12月1日に創設した組織で、防空軍団と戦術航空コマンドを統合したものである。1949年9月1日、隷下に東部防空航空軍と西部防空航空軍を設立し、防空軍団は廃止された。ソ連の原爆実験成功、朝鮮戦争勃発によりアメリカ本土防空強化が課題となり、早期警戒レーダーと要撃機の開発を行った他、低空監視のため肉眼を使用する地上監視部隊を1950年2月に創設した。7月1日には陸軍対航空機軍団を作戦上の指揮下に置くことを決定。また、レーダーを予備役により24時間稼働とすることや、要撃機をジェット化することも始まった。1950年12月、戦術航空コマンドが分離独立。1951年1月1日、航空宇宙防衛軍団が分離独立。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜大陸打通作戦＞：一号作戦を参照。

＜大陸棚＞：国連海洋法条約では、沿岸国は200海里までの海域を大陸棚とし、海底などの主権的権利を確保できる。また、地形や地質が一定の条件を満たせば、200海里を超えて延長できる。沿岸国同士の距離が400海里に充たない場合、単純に200海里までを大陸棚として主張できないので、両国間の合意により画定する。参考：月刊世界の艦船10,’20

　＜大陸棚（日本）＞：1982年の国連海洋法条約を受け、1983年に就役した海上保安庁測量船拓洋が大陸棚調査を開始。海保独自の調査が永らく続いたが、2003年に政府が重い腰を上げて内閣官房に大陸棚調査対策室を設置、2008年までに拓洋が行った総航程1080000kmに及ぶ調査などを元に、同年11月の国連大陸棚限界委員会に大陸棚延長を申請、2012年4月に４海域310000平方キロメートルが認められた。12月、中国と韓国が、沖縄トラフで大陸性地殻が途切れているとして、南西諸島の日本領海ギリギリまでを自国大陸棚と主張する大陸棚延長申請を大陸棚限界委員会に提出したが、国連海洋法条約では海底地形や地殻状況が大陸棚の範囲に影響するような規定は無く、日中・日韓との距離が400海里未満なので日中間・日韓間での合意により境界を画定するのが筋で、日本が委員会に審査を行わないよう求め、大陸棚限界委員会も審査をしなかった。2014年10月、四国海盆海域と沖大東海嶺南方海域を延長大陸棚とする政令を施行した。参考：月刊世界の艦船10,’20

＜対榴＞：多目的対戦車榴弾の略。参考：月刊JWings2,’03

＜対流圏＞：Troposphere。上空に行くほど気温が低下し、対流が起きる領域。上昇気流、下降気流、雲が発生する。また、山岳周辺では地形による乱気流が起こる。極地で高度8000m、中緯度で10000m、赤道で15000m以下が対流圏にあたる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜対流圏界面＞：トロポポーズを参照。

＜大龍丸＞：日本海軍輸送船Tairyu maru。大元はニュージーランドのユニオン汽船所属ワイホラで、明治40年4月15日進水、5月に竣工し、昭和2年に内外汽船が購入して大龍丸に改称、昭和11年に栗林商船に移籍し、太平洋戦争直前に日本陸軍が徴用、昭和18年7月に日本海軍輸送船となった。垂線間長117.3m、幅15.76m、深さ8.96m、満載吃水6.81m、総トン数4994トン、重量トン数6930トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2400馬力、航海速力9.5ノット、最大速力11ノット。昭和19年2月19日、基�驍ｩら門司に向かっていたところ、台湾北端富貴角灯台の北14kmでアメリカ陸軍B-24爆撃機の空襲を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’20

＜太隆丸＞：日本海軍特設運送船Tairyu maru。元は昭和15年3月4日に竣工した川崎汽船船尾機関型貨物船で、10月に日本海軍が徴用して雑用船となり、昭和16年10月に特設運送船に種別変更された。垂線間長82.8m、幅12.2m、深さ6.2m、満載吃水5.37m、総トン数1913トン、重量トン数2860トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1734馬力、航海速力11ノット、最大速力13.64ノット。昭和20年5月17日、大阪から呉に向かっていたところ、神戸沖5kmで触雷して沈没した。昭和23年に浮揚され、修理されて再就航し、昭和39年に解体された。参考：月刊世界の艦船2,’23

＜大量急速輸送部隊＞：アメリカ海軍の海上輸送力を構成する部隊の１つ。サージ部隊ともいう。LMSRが配備されており、96時間以内に出撃可能。参考：月刊軍事研究5,’03

＜対領空侵犯措置＞：スクランブル発進（航空自衛隊）を参照。

＜泰陵ゴルフ場＞：泰陵はテヌンと読む。韓国で最も古いゴルフ場で、朴大統領の命により士官候補生用（海外駐在時の人脈拡大や情報交換に有効な趣味として、ゴルフ、乗馬、テニスは士官学校で教育される）として建設された。各ホールは同じナンバーの師団が造成しており、師団番号と師団章を刻んだ石がティーグラウンドに設置されている。オープニングコンペでは大統領自らラウンドしたが、３ホール目で小山に当たってしまい、「あれは邪魔だな」とつぶやいたため、一晩で陸軍兵士たちが撤去して平らにしてしまったらしい。参考：月刊軍事研究1,’08

＜大量破壊兵器＞：大量殺戮兵器とも言い、WMD（Weapons of Mass Destruction）と略す。要するにNBC兵器のことで、国連安保理決議687でこの名称が規定された。参考：図解雑学生物・化学兵器、核兵器事典

＜大量破壊兵器の拡散防止行動＞：PSIを参照。

＜大量破壊兵器の拡散問題について＞：防衛庁が1995年5月に報告した内部研究で、防衛研究所所員、統幕自衛官、内局文官の３名により執筆された。日本の核武装に関しても触れており、概略は以下の通り。「日本にとって核武装はイスラエルのように周辺国との関係上死活的なものではなく、核武装でイギリスやフランスのようにアメリカの拡大抑止を図る必要も無く、核戦争時に相手の核に対抗できる国土縦深や地下要塞施設も整備されておらず、核保有によるメリットを享受することはできない。また、NATOが旧ソ連の高速縦深打撃部隊に対抗するのとは異なり、敵大規模上陸部隊に対しては事前偵察などで十分な準備が可能なため、戦術核による殲滅は必要性に欠ける。万が一日米同盟が破綻し、世界的な核拡散が生じた場合でも、日本は国際社会の安定の上に成り立つ通商国家であり、自ら核武装して国際社会を不安定にさせることは、生存基盤を掘り崩すものである。核戦争に突入して相手国と被害の交換を行っても問題無いほど国が窮乏していれば核武装の選択はありうるが、それは条件の自己目的化にすぎない。」参考：月刊丸4,’07

＜大量報復戦略＞：Massive Retaliation Strategy。アメリカの核戦略で、1953年に就任したアイゼンハワー大統領がラドフォード統合参謀本部議長などの軍首脳に研究させて確立したニュールック戦略を1954年1月のダレス国務長官の演説の中で言い換えたものである。核兵器搭載戦略爆撃機部隊により、敵の攻撃に対して直ちに出撃させ、大量の報復核攻撃を行うという内容で、これに対する恐怖感により戦争を抑制する。相手国家の機能を失わせるのには国民の40%を死滅させることが必要であると計算され、それに必要な核戦力（戦略航空軍団がメイン）を揃えた。もちろん実際の戦争勃発に際しては、核兵器のみに頼るのではなく、状況に応じた対応を取る。この戦略下では米ソ間の核戦争は起きなかったが、核兵器の使用＝全面核戦争＝地球滅亡になるので核兵器を使えなかったというだけで、核抑止力の実効性は皆無に等しく、朝鮮戦争などの局地紛争が各地で発生し、あまり役に立たなかった。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究7,’05、9,’18、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜体力徽章（自衛隊）＞：自衛隊の徽章で、陸海空共通。中央に星をイメージした飾りがあり、葉が取り巻いている。参考：MAMOR vol.100

＜体力徽章（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の徽章。運動能力測定１級または水泳能力１級を持つ者が付ける。両方持っている場合は中央の星が金色になる。参考：MAMOR vol.62、vol.145

＜体力徽章（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の徽章。体力測定で航空幕僚長が定める基準以上の成績を収めた者が付ける。参考：MAMOR Vol.62、vol.145

＜体力徽章（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の徽章。体力検定で陸上幕僚長が定める基準以上の成績を収めた者が付ける。参考：MAMOR Vol.62、vol.145

＜体力検査（防衛省職員）＞：防衛省職員の健康管理に関する訓令第２章第６条で、健康管理者が被管理者である自衛官に対して定期的な体力検査を行うことが義務づけられている。項目は、握力、走力、投力、跳力、懸垂力、背筋力、疲労及び回復で、毎年１回実施する。職種や特技区分は体力検査の結果を考慮の上で決定される。体力検査の結果、自衛官の体力管理上著明な欠陥が判明したら、健康管理者は原因を究明して必要な対策を講じなければならない。参考：防衛省職員の健康管理に関する訓令

＜体力検定（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の基礎体力検査で、全隊員が年１回行う義務がある。体力検定�Tと体力検定�Uで構成されていたが、安全保障環境が変化し、戦技に直結した体力検定が求められるようになったため、体力検定�Uを改訂することにし、2016-17年度に試行を実施。修正を加えて2018年度に体力検定�Uを戦技等に直結する体力検定に改訂し、ついでに体力検定�Tは中身が三自衛隊共通（海自の運動能力測定�T及び空自の体力測定�Tと同じ）なので共通体力検定に改称した。参考：朝雲、MAMOR vol.145

　＜体力検定�T＞：体力測定（自衛隊）の運動能力測定�Tと同じ。全員が対象で、腕立て伏せ２分間、膝半屈腹筋２分間、１周500mのグラウンド６周の３種目からなり、成績によって1-7級の等級に分けられる。参考：朝雲、MAMOR vol.108

　＜体力検定�U＞：体力測定（自衛隊）の運動能力測定�Uと同じ。40才未満の男性自衛官及び30才未満の女性自衛官が対象の運動能力測定�U（ソフトボール投げ、懸垂／斜め懸垂、走り幅跳び）があり、成績によって1-6級までの等級に分けられる。参考：朝雲、MAMOR vol.108

＜共通体力検定＞：体力検定�Tを改称したもの。全員が対象で、腕立て伏せ２分間、膝半屈腹筋２分間、3000メートル走（１周500mのグラウンド６周）と、中身は同じである。参考：朝雲、MAMOR vol.145

＜戦技等に直結する体力検定＞：体力検定�Uを全面改訂し、戦技等に直結する内容としたもので、級を廃止し、対象を全員に拡大した。課目は「重量物の卸下、運搬、積載」、「短距離疾走」、「超壕」の３種類である。「重量物の卸下、運搬、積載」では、大型トラック荷台の高さから20kg以上の物品（水入りポリタンク２個）を降ろして50m以上運搬し、また大型トラックの荷台に積むまでを、空襲警報発令から敵航空攻撃を喰らうまでの最短時間とされる２分以内に済ませる。「短距離疾走」では、小銃を両手で持つか、拳銃を腰に装着し、50mの距離を、敵の射撃照準が定まるのに必要な十数秒以内に走破する。「超壕」では、小銃を両手で持つか、拳銃を腰に装着し、助走無しで、敵の陣地等の幅を想定した１mを跳躍する。参考：朝雲、MAMOR vol.116、vol.145

＜体力章検定＞：文部省が軍事体育奨励のため行っていた体力検定。中学生以上が対象で、100m走、2000m走、走り幅跳び、手榴弾投げ、運搬、懸垂の全項目で所定の記録を出すと、初級、中級、上級の認定証とバッジが授与される。初級は100m走16秒、2000m走９分、走り幅跳び4m、手榴弾投げ35m、運搬40kg15秒、懸垂５回。中級は100m走15秒、2000m走８分、走り幅跳び4.5m、手榴弾投げ40m、運搬50kg15秒、懸垂９回。上級は100m走14秒、2000m走７分半、走り幅跳び4.8m、手榴弾投げ45m、運搬60kg15秒、懸垂12回。参考：軍医サンよもやま物語

＜体力測定（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の体力検査。参考：MAMOR vol.145

　＜体力測定�T＞：全隊員が年に１回行う義務がある。腕立て伏せ２分間、膝半屈腹筋２分間、3000メートル走（１周500mのグラウンド６周）で、陸自の共通体力検定及び海自の運動能力測定�Tと内容は同じ。参考：朝雲、MAMOR vol.145、vol.108

　＜体力測定�U＞：40才未満の男性自衛官及び30才未満の女性自衛官が対象で、ソフトボール投げ、懸垂／斜め懸垂、走り幅跳びからなる。海自の運動能力測定�Uと内容は同じ。参考：朝雲、MAMOR vol.145、vol.108

＜体力調整＞：陸上自衛隊のレンジャー訓練で行われる体力錬成のこと。参考：MAMOR vol.125

＜タイルー＞：SS-416（潜水艦）を参照。

＜タイルフィッシュ＞：SS-307（潜水艦）を参照。

＜大礼服＞：日本軍文官の礼服のこと。奏任と勅任の２種があり、上衣、袴、帽、袖章、肩章、襟章、帽前章、腰部飾章などからなる。通称としては武官用の礼服（陸軍正衣、通常礼装、海軍正装、礼装、通常礼装）も含む。参考：大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜対レーダー・ジャミング＞：ジャミングを参照。

＜対レーダー・ステルス＞：レーダーに映りにくくする技術。最近のレーダーは鳥や虫の群れ程度でもエンジェル・エコーとして捉えられるくらいの性能を持ち合わせているので、完全に映らなくするのは難しく、レーダー被探知距離を短縮する方法とか、エンジェル・エコーやクラッターの除去技術に紛れて「見れども観えず」状態にする方法、とした方が正確かもしれない。レーダー方程式による計算上はRCSを10分の１に減らすと被探知距離が半分に減らせるので、かなり有利になる。基本はレーダー波を受信アンテナの方向に戻さないことで、形状を工夫して電波の反射方向を局限することが最も重要である。球状の物体にレーダー波が当たると入射方向に反射していく部分が必ず存在するので、モノスタティック・レーダーに映ってしまう。そこで、丸みを無くして滑らかな平面形状とし、レーダー波を鏡のように反射させてしまえば、たまたま入射方向と垂直になったら探知されるが、角度が変わればすぐ探知できなくなるので、追尾されることは無い。レーダー波を吸収するRAMはまだ効果が低く、鋭角部での回折による散乱波を減らす程度の使用に止まっている。完全に電波を透過させる素材だけで各種機器を作ることは不可能で、例えばレドームを完全電波透過素材で作るとレドームを透過した相手のレーダー波が内部のレーダーアンテナやアンテナ首振り機構などで散乱されてしまうから、この場合は特定周波数のみを透過する周波数選択膜（FSS）機能を持つ素材でレドーム表面をカバーし、自分のレーダー周波数は透過させつつ、周波数の違う相手の電波は一定方向に反射させるような工夫をする。レーダー波を完全透過する素材だけで兵器を作るのは無理なので、素材の工夫だけで対レーダー・ステルスを獲得できるというものではなく、「１に形状、２に形状、３・４が無くて５に形状」らしい。木製など非金属製だとレーダーに映らないという説をしばしば耳にするが、レーダーは非金属どころか雨粒や雲も捉えられる（天気予報で日頃お世話になっている気象レーダーを見ての通り）し、風にゆらめく木の葉や枝は厄介なグラウンド・クラッターであり、全木製のモスキート爆撃機がドイツ国防軍レーダー網をすり抜けたとか、海自の木造・FRP製掃海艇や民間の木造漁船が航海レーダーに映らず事故ったという話も聞かない（むしろ潜水艦なだしおと第一富士丸の衝突事故以降は金属製の潜水艦にレーダー・リフレクターを付けている）。レーダー波長がメートルからデカメートル級になると、主尾翼や機体全体が電波反射鏡の役目を果たしてしまうので、形状の工夫やRAMが通用しなくなるが、こういった波長の長いレーダーは必然的に解像度が悪いので、ステルス破りとしてはもう一工夫要る。自分でレーダーを使うと逆探知されて存在がばれるので、他の目標情報入手手段を持たなければならない。F-22のような全方向に高度の対レーダー・ステルス性を持つものはVLO（超低観測性）、F/A-18のように前面など一定方向のみに対レーダー・ステルス性を持つものはRO（観測性低減）と呼称する。VLOだとステルス最優先の設計を採らざるを得ず、飛行・航行性能が落ちたり、兵器としての使い勝手が悪くなったり、製作運用費が超高額になったりするので、ROで忍ぶ事も多い。技術は民間分野でも応用されており、無線LANや携帯電話のノイズ抑制、ETCのレーン間電波緩衝や前後車両による電波反射の低減、テレビのゴースト防止などが挙げられる。参考：ロッキードF117ナイトホーク、レーダの基礎、月刊航空ファン5,’17、10,’14、歴史群像2,’01、月刊軍事研究1,’08、11,’09、3,’11、MAMOR Vol.50

＜対レーダー・ミサイル＞：Anti-radiation missile。敵レーダーの電波を捉え、発信源に突入するミサイルのこと。誘導装置には敵の電波特性が入力されており、これに向かって飛行していく。シュライク、HARMなどがある。参考：F-4ファントム物語、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ダイレクター方式＞：FCSの照準線ミラーを二軸安定化し、これに主砲を追随させ、照準線と射線が一致した時のみ射撃できるようにしたもの。小型のミラーを安定化すれば良いので、精度が高い。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ダイレクトパス領域＞：直接探知領域。海中から発せられた音を直接探知できる領域のこと。海中では密度や温度の関係で深度により音速が異なり、音が正弦波を描いて海底に向かっていくため、ソナーで潜水艦雑音を拾える距離には限界があり、ダイレクトパスでの実用探知距離は10000ヤード（9144m）くらいに止まってしまう。これ以上の探知には浅海ではボトム・バウンス、深海ではCZを利用する。参考：月刊世界の艦船8,’14

＜ダイレクト・ポップアップ爆撃＞：ポップアップ爆撃を参照。

＜ダイレクト・リフト方式＞：VTOLの１つで、メインエンジンの排気を下方に噴出して垂直離着陸を行い、飛行中は排気を後方に噴出して推力を得るものである。ハリアーとX-32Bが使用した。参考：月刊軍事研究7,’11

＜大連＞：105（ミサイル駆逐艦）または110（駆逐艦）を参照。

＜大連造船重工有限責任公司＞：中国の造船会社。敷地面積3.1平方キロメートル。艦艇建造用の１号・２号ドックと修理用１号・２号（全長340m）・３号（全長320m）・４号ドックがある。1972年に創設された。遼寧型空母16遼寧の艤装・修理、002型空母17山東の建造を行っている。参考：月刊世界の艦船8,’22

＜大撈型＞：大老型かも。中国海軍潜水艦救難艦のNATOコードDalao型、中国名称926型。船型は船首楼型で、船体前部から中央にかけて大型の上構を持つ。船体後部が作業甲板で、右舷に舷側クレーン、左舷に中折れ式クレーン、艦尾にＡフレームクレーンを装備しており、イギリス製のLR-7DSRV（上構後部の格納庫に収容）を運用する。上構前部が艦橋で、艦橋上面前部両舷に放水銃、中央にポールマストを持つ。艦橋後方には煙突２本が並列に並んでおり、その後方04甲板レベル（上部構造物上面後半部）はヘリ甲板になっている。ヘリ格納庫は無い。艦首水線下はバルバス・バウで、バウ・スラスター３基を持つ。船体中央水線下にフィン・スタビライザー１組と、その前後にビルジキールが１本ずつ装着されている。全長136m、幅18.5m、満載排水量9652トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、２軸推進。2010年に１番艦艦番号864海洋島、2013年に２番艦艦番号865劉公島と艦番号867長島が就役し、北海・東海・南海艦隊に１隻ずつ配備された。参考：月刊世界の艦船11,’15、4,'21、2,’20、9,’11、12,’12、9,’16、3,’18、2,’19

＜タイロナ＞：SS29（潜水艦）を参照。

＜大和王城寺原大演習場＞：王城寺原演習場を参照。

＜泰和基地＞：中国軍航空基地。2600m滑走路、緊急滑走路、地下ハンガーを持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜大和駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は宮城県黒川郡大和町吉岡字西原21-9。JR仙台駅もしくは仙台市営地下鉄南北線泉中央駅から宮城交通バスに乗り、吉岡営業所で降りて徒歩15分。1956年3月に開設され、福島駐屯地から第６特車大隊が移駐した。1958年3月、船岡駐屯地から第６偵察隊が移駐した。1962年8月、第６対戦車隊が新編された。1973年3月、第110地区警務隊対話連絡班が新編された。1999年3月、第６対戦車隊が廃止された。2006年3月、第６後方支援連隊第２整備大隊戦車直接支援隊と同整備大隊偵察直接支援小隊が新編された。2010年6月16-18日、大和町、大衡村、色麻町役場の新規採用職員11人が隊内生活体験を行った。2011年11月22日、宮城県東松島市大曲小学校３年生と教諭が駐屯地を訪問し、校舎や体育館の復旧作業を行った第６戦車大隊に感謝の寄せ書きなどを手渡した。2013年2月18-25日、東日本大震災後初となる在沖縄米海兵隊の105mm榴弾砲等実弾射撃訓練を実施。2014年5月8日、色麻中学校２年生３人に職場体験学習を実施。2016年1月14日、隊員70名が吉岡八幡神社どんと祭に参加。2018年2月7日、大和町立吉岡小学校６年生94人の総合的な学習の時間を支援した。参考：大和駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR vol.124、朝雲

　＜大和駐屯地（２０１５年）＞：第６師団第６戦車大隊、第６偵察隊、第６後方支援連隊第２整備大隊戦車直接支援隊、同整備大隊偵察直接支援小隊、第308基地通信中隊大和派遣隊、第124地区警務隊大和連絡班、東北方面会計隊第309会計隊（3月26日から第381会計隊大和派遣隊）、大和駐屯地業務隊、宮城地方協力本部大和地区援護センターが駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、大和駐屯地ホームページ

＜大和駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2016年12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。2019年6月、隊員自主募集優秀部隊等褒賞を受賞した。参考：朝雲

＜台湾＞：面積は九州と同じくらいで、全面積の80%が山地である。1874年（明治7年）5月17日、征台の役で日本軍3650名が出兵し、台湾南部を制圧。清国は海軍組織が地方ごとにバラバラで対応できず、10月30日に清国との間で講和が纏まり、日本軍が撤収した。1895年（明治28年）4月、日清戦争後の下関条約を受け、清から日本に台湾が割譲された。5月29日、近衛師団が台湾に上陸。6月7日に台北を占領し、8月6日には台湾総督府条例が制定されて日本軍の軍政が開始された。昭和2年5月、飛行第８連隊が屏東飛行場に移駐。太平洋戦争末期になると主要作物の砂糖を日本に送る術が無くなり、余剰在庫で工場があふれ、台湾駐屯部隊には食傷気味になるほどの砂糖製品が配布された。ただ小麦粉などは無いので、金平糖や飴といった純砂糖加工品ばかりである。1945年8月15日の太平洋戦争終結で中華民国国民党政府が奪回。1947年1月、中華民国新憲法が発布された。2月28日、反国民党勢力による暴動が発生したが、国民党により苛烈な制圧が行われ、28000人以上の死者を出した。1948年、蒋介石が中華民国初代総統に就任。1949年5月20日、戒厳令が敷かれた。12月、国共内戦で敗北した蒋介石が台湾に逃れ、国民党政府は12月7日に台北に遷都した。1952年4月28日、日本との平和条約に調印。中国と国交を結ぶ国に対しては高圧的な態度を取り続けたが、経済的にも軍事的にも遙かに中国に劣るため、国際的に孤立の度を深め、1971年10月の中国国連加盟承認に際しては国連を脱退してしまった。1972年、蒋介石が病気になったため、蒋経国が実質的な指導者となった。1975年、蒋介石が死去。1978年、蒋経国が総統に就任、民主化を進めた。1987年7月15日、38年以上にわたり敷かれてきた戒厳令が漸く解除された。1988年、蒋経国の死去により副総統の李登輝が総統に就任。1996年3月23日、初の総統直接選挙で李登輝が当選。その前後に中国が圧力を掛けるため周辺地域で演習を行い、台湾海峡危機となった。2000年、野党民進党の陳水扁が総統に就任。2008年、国民党の馬英九が総統に就任。2016年1月16日、民進党の蔡英文が総統に就任。中国中央テレビは1月20日に前年の第31集団軍による演習の様子を放送して早速独立派の牽制に入っている。2020年8月10日、蔡英文総統とアメリカのアザー厚生長官が会談した。中国空軍が複数の軍用機を台湾海峡の台湾側に進入させて牽制している。8月18日、中国空軍機８機以上が台湾海峡の台湾側に進入。8月19日、李登輝総統の告別式が行われ、アメリカのクラック国務次官が参列した。中国空軍は殲撃16型戦闘機を含む19機を台湾海峡の台湾側に進入させている。2021年4月16日、日米首脳会談後の共同声明で、1969年以来52年振り、1970年代の日米両国による台湾との断交以来初めて、「台湾海峡」の文言が盛り込まれた。10月21日、バイデン大統領がCNNテレビ主催の市民集会で、台湾が中国に攻撃されたらアメリカは台湾を守るのか、との質問に、その通り、我々はその義務がある、と回答し、台湾有事での軍事介入を示唆した。これに対し、大統領報道官は、アメリカと台湾との防衛関係は台湾関係法により処理し、同法の下での義務を守り、台湾の自衛を支持すると訂正、軍事介入を否定している。11月15日の米中首脳会談の後、ホワイトハウスは、バイデン大統領が台湾問題に関し、アメリカは台湾関係法、３つの共同コミュニケ、６つの保証に基づく１つの中国政策を維持し、台湾海峡の平和と安定を損なう一方的な現状変更の試みには強く反対すると強調した、と発表した。2022年8月2-3日、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問。中国は強く反発し、8月4-7日に台湾周辺を封鎖する形で実弾演習を実施。8月4日1500-1600過ぎ、弾道ミサイル９発を発射し、うち５発が与那国島南（最も近いもので80km沖）の日本の排他的経済水域内に落ちた。8月5日、中国軍機68機と中国軍艦艇13隻が台湾海峡の中間線を越えて台湾側に入った。9月、アメリカのバイデン大統領が、中国による台湾侵攻が行われた場合、アメリカは民主的な台湾を守ると述べた。参考：歴史群像6,’08、12,’09、10,’18、月刊軍事研究8,’10、5,’16、新兵サンよもやま物語、朝雲、大日本帝国陸海軍軍装と装備、月刊JWings12,’20、10,’22、月刊世界の艦船2,’23、10,’23

＜台湾沖航空戦＞：太平洋戦争中の昭和19年9月6日、アメリカ海軍第３艦隊第38機動部隊が西カロリン諸島に来襲した。構成は総旗艦の戦艦ニュージャージー（第２機動群を直卒）、第１機動群（空母３隻、軽空母２隻、重巡４隻、防空軽巡２隻、駆逐艦14隻）、第２機動群（空母３隻、軽空母１隻、戦艦２隻、軽巡３隻、駆逐艦16隻）、第３機動群（空母２隻、軽空母２隻、戦艦２隻、軽巡４隻、駆逐艦13隻）、第４機動群（空母２隻、軽空母２隻、戦艦２隻、重巡２隻、駆逐艦15隻）で、艦上機1300機に加え、カサブランカ級護衛空母８隻に補充用艦上機400機を積み込んでいた。目的はフィリピン上陸作戦支援で、日本軍の航空戦力を地上で撃破すると共に、残りを台湾沖に誘い出して殲滅することである。日本陸軍はフィリピンに第４航空軍実動200機、日本海軍はフィリピンに第１航空艦隊350機（実動43-57%）、九州・沖縄・台湾に第２航空艦隊510機（実動57-65%）を配備していた。9月9日から9月10日午前にはフィリピン南部のミンダナオ、9月12-14日には中部フィリピンを空襲し、第１航空艦隊と陸軍第４航空軍に大損害を与えた。9月21-22日にマニラ、9月24日に中部フィリピンを空襲し、第１航空艦隊の実動兵力を63機にまで減少させた。10月9-10日には沖縄本島と南西諸島を空襲し、４次にわたる攻撃で航空機45機、艦艇22隻、船舶４隻を破壊。10月10日からは第77機動部隊（サンガモン級護衛空母４隻、カサブランカ級護衛空母14隻。F6F艦戦56機、F4F艦戦231機、TBF艦攻220機）と共にマスケーター作戦を開始し、レイテ島上陸支援空襲に入った。この機動部隊を鹿屋の索敵機が沖縄東方100海里付近と1140海里付近に発見したため、連合艦隊司令部は捷号作戦に基づく総攻撃を決定。陸軍は独立飛行第23中隊三式戦闘機８ないし10機が迎撃に上がったが、全て撃墜されてしまった。10月10日0925に基地航空部隊捷二号作戦警戒を下令し、第２航空艦隊にＴ攻撃部隊を編入、瀬戸内海で再建中の第３航空艦隊を西日本方面に移動させた。10月11日、第38機動部隊はルソン島北部を約100機で空襲。10月12日、第38機動部隊は台湾に来襲し、0648から延べ1400機で攻撃をかけ、台湾にある海軍戦闘機の実動数を26機にまで減少させた。日本陸軍は第８飛行師団第６・第８・第20・第21・第22教育飛行隊（三式戦闘機と一式戦闘機装備）で集成防空第１隊を臨時編成し、13機で迎撃、５機ないし８機（うち不確実２機）を撃墜した。更に三式戦闘機２機でF6F戦闘機40機（実際には36機）を迎撃せよという無茶な命令が出されたが、出撃した２名（うち１名は初出撃）は両者とも不時着したものの軽傷のみで帰還し、5-6機撃墜・５機撃破の戦果を報告している。1025、連合艦隊司令部は基地航空部隊に捷一号及び捷二号作戦発動を発令。第２航空艦隊第51航空戦隊は第６基地航空部隊に編入され、約250機が鹿屋や出水など南九州の基地に展開した。午後、鹿屋方面に進出したＴ攻撃部隊の攻撃隊100機が夜間攻撃のため発進したものの、54機が未帰還となった。攻撃第501航空隊からは銀河30機（雷装15機、爆装13機、照明２機）が宮崎から出撃したが、戦果は無く、着陸時の事故も含めて13機を喪失した。10月13日、台湾各地に0510から正午まで延べ1000機以上のアメリカ軍機が攻撃を仕掛けた。Ｔ攻撃部隊は28機（45機？）を発進させ、スコールの合間を縫って攻撃を仕掛けたが、18機が未帰還となった。台湾東方でCV-13フランクリンに陸攻１機が突入、また重巡キャンベラを雷撃し、損傷させている。キャンベラは航行不能になり、救難船ムンシーに曳航されていった。夕方までに南九州には第６基地航空部隊と第３艦隊の444機が集結し、Ｗ一空襲部隊と命名された。しかし急遽編成されたため、機種がまちまちで、通信機用のクォーツが間に合わずに各部隊間の連絡が殆ど出来なかったとされる。10月14日0700-0900、アメリカ軍機250機が攻撃を実施。しかし1000には撤収してアメリカ機動部隊が南東に退避を始めたため、連合艦隊司令部はＴ部隊による２日間の攻撃でアメリカ機動部隊にかなりの損害（撃沈空母9-13、炎上１隻など）が出ているものと判断、Ｗ一空襲部隊は総攻撃を実施すると共に、連合艦隊は1216に瀬戸内海西部にいた第２遊撃部隊（第21戦隊の重巡那智、足柄、第１水雷戦隊の軽巡阿武隈、駆逐艦７隻）に対して電令作348号を発し、残敵掃討のため出撃を下命。この情報を翌日の朝刊に間に合うよう、新聞社にも流した。午後、石垣島南方の機動部隊に対し、Ｗ一空襲部隊378機で２次にわたる空襲を実施。しかし事前の機動部隊位置情報が殆ど得られず、雲量10・雲高500m・視界5kmという悪天候も重なり、迎撃機と対空砲火で多大な損害を出した。攻撃第405航空隊・攻撃第406航空隊の銀河は24機が出撃して全機未帰還になっている。攻撃終了後は台湾に着陸したが、機数は266機に減っていた。夕方、石垣島南西で重巡キャンベラを護衛していた第38機動部隊第１任務群が鹿屋から出撃した攻撃第501飛行隊の銀河８機の攻撃を受け、1845に軽巡ヒューストンが右舷中央に被雷して機関室に浸水、行動不能となった。しかし銀河も全て未帰還になっている。1852、海軍第６基地航空部隊指揮官が電令作第53号・第54号を発し、翌日に総攻撃を実施、0600以前に偵察機を出し、0615から台湾及びＴ部隊の攻撃機部隊全力で攻撃をかけることにした。夜間にはＴ攻撃部隊の41機（47機？）が空襲をかけたが、27機が未帰還になった。連合軍側は中国からB-29爆撃機100機、P-38戦闘機70機で空襲を行った。この日、台湾東方でCV-19ハンコック、CL-96リノー、DD-793カッシン・ヤングを雷爆撃などで損傷させた。10月15日0000、第２遊撃部隊が岩国沖を出撃。大本営海軍部は連合艦隊司令部に、リンガ泊地にいる第１戦隊（大和、武蔵）に駆逐艦と第４航空戦隊（伊勢、日向）を付けて出撃させるよう要請したが、燃料の関係で連合艦隊は拒否した。0300、重巡ボストンが速度5-6ノットで南南東に向けて軽巡ヒューストンの曳航を開始。重巡キャンベラは3.8ノットでその後を追った。この時ハルゼー提督はNHKのラジオ放送で日本海軍がハルゼー艦隊を壊滅させたと思いこんでいることを知り、この損傷艦群を囮にして日本軍機をおびき寄せ、一気に壊滅させることにした。損傷艦隊の護衛には第38機動部隊第１任務群を充て、第２・第３任務群が待ち伏せを行い、第４任務群がルソン島の空襲を担当する予定とし、ハルゼー提督はニミッツ太平洋艦隊司令長官に向け、「日本海軍が撃沈し、または損傷させた筈の第３艦隊の各艦は、現在浮上復旧し、敵に向かって全速で退避中」という皮肉満点の電報を打った。前日の出撃で宮古島に不時着した第３航空艦隊所属の天山３機と零戦10機、爆装零戦５機は0729に出撃、南南西に向かい、空母５隻、戦艦３隻、その他５隻からなるアメリカ艦隊（第38-1機動部隊と思われる）を発見、攻撃に移ったが、戦果は不明で、７機を失った。0800、豊後水道で監視活動中のアメリカ潜水艦が全速で南下する日本の重巡３隻と軽巡１隻（第２遊撃部隊）を発見。同時刻、フィリピンからの索敵機がマニラから66度240海里に空母４隻を基幹とする第38機動部隊第４任務群を発見。連合艦隊は九州の航空部隊に翌日の全力攻撃を指示した。0915、第１航空艦隊第５基地航空部隊の零戦19機と爆装零戦７機がクラーク基地を発進、第４任務群の攻撃に向かい、CV-13フランクリンの舷側エレベーターに爆弾が命中、15名の死傷者を出した。この攻撃で爆装零戦６機が未帰還となった。0920、台湾からの索敵機が空母２隻を基幹とするアメリカ艦隊を高雄の90度・255海里に発見。0930、別の索敵機がほぼ停止している空母１隻、戦艦２隻、駆逐艦11隻を高雄の98度・260海里に発見。電令作56号・57号が下命され、高雄から甲隊、新竹から乙隊が出撃した。甲隊第１次攻撃隊はそれより前の0645に零戦９機と銀河10機で出撃して付近の敵を捜索していたが、0910に敵艦上機の攻撃を受けて零戦７機と銀河９機を失っていた。第２次攻撃隊は零戦６機と銀河９機で1625に出撃したが、指揮官機が故障したため1640に全機引き返した。乙隊は0955に零戦16機、一式陸攻５機、月光１機で発進したが、零戦６機がエンジン不調で、零戦７機が天候不良で引き返し、敵予想地点の60海里手前で敵艦上機の攻撃を受け、零戦２機と陸攻２機、月光１機を喪失、1700に残機は帰投した。1125に日本の索敵機が空母３隻、巡洋艦及び駆逐艦８隻からなる艦隊を発見したため、沖縄の小禄から1330に戦爆連合33機が出撃したが、艦隊を発見できずに引き返し、彗星５機が消息不明になった。1400には第５基地航空部隊の第２次攻撃隊の零戦９機、一式陸攻３機、陸軍戦闘機74機がクラーク基地から、零戦４機と天山12機がツゲカラオから出撃。1540にアメリカ艦上機部隊に遭遇し、戦闘機隊が交戦している隙に攻撃機が第４任務群を襲った。空母１隻の轟沈と空母３隻の艦上機の炎上を報じたが、実際にはアメリカ側に損害は無く、陸軍機９機、零戦３機、天山８機、陸攻３機を失った。第８飛行師団にも出撃命令が下ったが、攻撃に適する機体を持っておらず、出撃できなかった。Ｔ攻撃部隊は一式陸攻16機と天山９機で鹿屋から出撃したが、敵を発見できなかった。フィリピンのマニラに第38機動部隊第４任務群の艦上機が空襲を実施。1025にニコルス飛行場を攻撃したが、日本側は第４任務群を事前に発見していたため、空襲を予期してダミー20機を飛行場に置き、第５基地航空部隊の零戦50機と陸軍第４航空軍の40機で待ち伏せて迎撃戦を行った。夕方、ハルゼー提督は隷下艦隊の編成を変更。損傷艦隊を援護する巡洋艦２隻・駆逐艦８隻からなる第30機動部隊第３任務群を囮戦隊として編成し、緊急救難信号を出しながら退避させ、直掩として第38機動部隊第１任務群から軽空母カウペンス、カボット、巡洋艦２隻、駆逐艦４隻を随伴させ、第38機動部隊第３任務群は囮戦隊の北に同行し、第１任務群の残りと第２任務群は東に位置して日本軍を待ち伏せ、第４任務群はルソン島攻撃を続行することにした。10月16日、第１航空艦隊の可動機は零戦12-16機、彗星１機、銀河２機、陸攻３機、天山７機、月光１機であった。午前、台湾東方洋上に空母２隻、戦艦２隻を含む艦隊を発見、台湾から120機、鹿屋からＴ攻撃部隊25機、フィリピンから20機が攻撃に向かい、30機が未帰還となった。1013、鹿屋の索敵機が台湾東方の洋上に空母７隻、戦艦７隻、巡洋艦十数隻からなる艦隊を発見。連合艦隊司令部は第２遊撃部隊に退避を命じ、第２航空艦隊とフィリピンの第１航空艦隊に攻撃命令を出した。大本営海軍部はリンガ泊地の第１遊撃部隊に出撃命令を出すよう連合艦隊に要請したが、台湾沖に出撃すると燃料不足でフィリピンに向かえなくなるため、連合艦隊は拒否した。航空機部隊はルソン島東方でCL-81ヒューストンを雷撃して損傷させたが、大部分は敵艦隊を発見できずに引き返し、台湾沖航空戦は終了した。10月12日からの攻撃で、大本営は轟撃沈が空母11隻、戦艦２隻、巡洋艦３隻、巡洋艦または駆逐艦１隻、撃破が空母８隻、戦艦２隻、巡洋艦４隻、巡洋艦または駆逐艦１隻、艦種不詳13隻、火柱を認めたもの12隻以上、空中撃墜112機の戦果を報じ、未帰還・自爆312機と発表した。10月22日には御嘉賞の勅語を賜るほどの大戦果だったが、実際には大誤報で、重巡キャンベラとCL-81ヒューストンが大破、CV-13フランクリンとCV-19ハンコックが小破などのみであり、日本海軍は出撃機470機のうち未帰還298機に達し、実動機は1250機から300機（250機以下？）にまで減少してしまっていた。索敵機は機動部隊の健在を知らせており、10月18日の連合艦隊司令部の戦果再検討でも空母撃沈破は5-6隻で残る10隻前後が健在と判断していたが、間違えたとも言い出せず、陸軍もこの戦果を信じ込んで陸軍部第20班機密戦争日誌に世界戦史に類を見ない大戦果であるなどと記述しており、その後の作戦計画も誤報戦果に基づいて立てられ、フィリピンへのアメリカ軍侵攻は11月以降であると間違った判断をしてしまった。参考：激闘太平洋戦記、激闘！太平洋戦争地上戦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’98、月刊軍事研究7,’95、8,’95、月刊丸12,’90、4,’13、比島決戦、護衛空母入門、月刊世界の艦船6,’16、山本五十六と米内光政

＜台湾海峡危機＞：1996年3月23日に台湾で初の総統直接選挙が行われることとなった。中国は台湾独立派の李登輝を当選させまいと、3月8-15日に台湾の北東及び南西海上に弾道ミサイルを撃ち込み、3月12-20日に福建省と広東省の沖合で海空軍合同演習、3月18-25日に福建省の沖合で陸海空軍統合演習を行ったが、武力による威嚇に対して国際社会の反発が強まり、アメリカ軍は空母インディペンデンス戦闘群（CV-62インディペンデンス、CG-52バンカーヒル、DD-966ヒューイット、DD-975オブライエン、FFG-41マクラスキー、SSN-698ブレマートンなど）を3月8-26日、CVN-68ニミッツ空母戦闘群を3月25日から台湾周辺海域に展開、結局総統選挙では李登輝が当選して中国の目論見は外れた。参考：月刊軍事研究12,’13

＜台湾海軍＞：海軍総司令部がトップで、その下に艦隊司令部、陸戦隊司令部などが隷属している。大元は1928年に編成された国民革命軍第１・第２艦隊と練習艦隊である。その後国民政府海軍となったが、第１次・第２次上海事変や日華事変では目立った活躍も無く、軍艦66隻と魚雷艇12隻を失って壊滅状態になった。太平洋戦争終戦後に雪風など駆逐艦７隻、鵜来など海防艦17隻、輸送艦２隻、敷設艦２隻など34隻を日本から賠償として取得し、他にも砲艦や舟艇を接収。1946年7月にアメリカからフリゲート２隻、掃海艇４隻、駆潜艇２隻、輸送艦15000トンが供与され、更に1947年末までに35隻が供与された。1946年12月、イギリスからコルベット伏波を供与された。1948年5月、イギリスから軽巡洋艦重慶と駆逐艦１隻を供与された。1948年末には2169隻83000トンの艦艇を保有していた。1949年には428隻94000トンを保有していた。しかし内戦の戦況が芳しくなくなると中国海軍に寝返る艦が続出し、台湾に逃れたのは50隻強だった。1955年、LCU-1466級汎用揚陸艇６隻を供与された。1961-72年、パタプスコ級油槽艦３隻を貸与された。1967-71年、フレッチャー級駆逐艦４隻が引き渡された。1970年からアレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦６隻が就役。1973年、アメリカから海獅級潜水艦２隻を導入。1980-84年、海鴎級ミサイル艇が就役。1982-88年、雲峰級戦闘輸送艦３隻が就役。1987-88年、海龍級潜水艦２隻を受領。1988年から光華計画と称する近代化計画を開始。1990年、補給艦武夷が就役。1993-99年、ノックス級フリゲートを導入。1993-2004年、成功級フリゲート８隻が就役。1994年に次期兵力整建計画が開始され、軍事戦略を攻守一体から固守防御に変え、大規模なリストラを行った。1995年、アグレッシブ級掃海艇４隻が就役。1996-98年、康定級フリゲート６隻が就役。1997年、ニューポート級戦車揚陸艦２隻が就役。1998年、S-2対潜哨戒機が空軍から移管された。2000年、アンカレッジ級ドック型揚陸艦１隻が就役。2003年、アメリカからディーゼル潜水艦供与を打診され、イタリアのサウロ級やアメリカのバーベル級を改修・再設計したものを提示されたが、高くて古いとして予算を蹴られた。2006年からキッド級ミサイル駆逐艦４隻を導入。2009年から光華�W型ミサイル艇31隻が就役。2010年1月26-27日、高雄軍港沖で対潜攻撃訓練を実施。1月27日午前、高雄軍港の南西24マイルで演習中の艦艇が国籍不明の潜水艦を探知したため、S-70Cヘリがソノブイとディッピング・ソナーを使用して確認、潜水艦の追尾に移ったが、国籍の確認までには至らず、逃げられた。後の発表では中国の潜水艦では無かったとされている。1月27日、台湾南西部の領海をアメリカ海軍CG-70レイクエリーが侵犯。フリゲート康定が緊急出動し、台湾海峡中央から日本方面に抜けていくのを確認した。中国本土からもレイクエリーの後を追って艦船が出撃していったという。2011年1月28日、南シナ海で15隻の艦艇が参加する洋上演習を実施。2011年後半、海軍司令部で潜水艦作戦の機密管理を行っていた前大気海洋局政治作戦処長など退役軍人８名が、中国情報機関員に協力していたとの疑いで拘束されて起訴された。2012年6月28日、海鴎級ミサイル艇が退役した。2013年5月15-16日、ルソン海峡周辺で行政院海岸巡防署と漁民保護合同演習を実施。5月9日にフィリピン警備船の銃撃で台湾漁船の乗員１人が死亡したのを受けて行われたもので、フィリピンとのEEZ境界として台湾が設定した北緯20度を初めて越えている。10月16日、与那国島南方でキッド級ミサイル駆逐艦２隻がスタンダードSM-2艦対空ミサイル発射訓練を実施。2014年に潜水艦の自力開発を発表し、2019年に設計を終えて2024年に１番艦を完成させる予定らしいが、技術がほぼゼロの状態から可能かどうかは不明。2014年から沱江級ミサイル艇が就役。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習を実施。SS793海龍、FFG1101成功、FFG1105継光、FF1206迪化、大型哨戒艇・ミサイル艇・掃海艇計13隻以上（錦江級大型哨戒艦609高江、606新江、607鳳江、光華�Y型ミサイル艇FACG-84、オスプレイ級機雷掃討艇永靖など）が参加した。2015年1月1日、年頭洋上訓練を実施。キッド級ミサイル駆逐艦馬公、成功級ミサイル・フリゲートFFG1101成功、ノックス級フリゲートFF938宜陽、康定級フリゲートFF1207武晶、同FF1208承徳、ミサイル艇PGG618沱江などが参加した。1月23日、補給艦532磐石が就役した。2016年1月27日、高雄沖の南シナ海で公開訓練を実施。キッド級ミサイル駆逐艦左営、康定級フリゲート西寧、ミサイル艇沱江、光華�Y型ミサイル艇４隻、補給艦磐石が参加した。2016年6月20日、2018-40年の艦艇近代化計画を発表。国産通常動力潜水艦、ミサイル駆逐艦（キッド級後継）4-6隻、ミサイル・フリゲート、ドック型輸送揚陸艦、多機能兵員輸送艦、高速機雷敷設艇（ドック型輸送揚陸艦に搭載可）を配備する。また、対機雷戦艦艇MCMVを６隻導入するらしい。2018年4月13日、総統が臨席して蘇澳基地沖で着上陸阻止演習を実施。前日の中国海軍海上閲兵式に対抗したものとみられ、ミサイル駆逐艦基�驕A蘇澳、FFG1103鄭和、SS-793海龍、MHC-1311永安、光華６型ミサイル艇などが参加した。2021年、FMLB-1級敷設艇が就役開始。2022年、玉山型ドック型輸送揚陸艦が就役。初の国産潜水艦である海鯤級が2024年から就役予定。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’10、8,’10、4,’15、11,’15、11,’18、月刊世界の艦船9,’10、4,’11、9,’11、12,’12、11,’13、1,’14、5,’14、4,’15、6,’16、10,’16、8,’18、9,'20、2,'21、12,'22、2,'23、12,'23、朝雲

　＜台湾海軍（１９７７年）＞：兵力35000名、予備役45000名。ガピー�U型潜水艦２隻、SX404ミゼットサブ３隻、駆逐艦18隻、フリゲート13隻、哨戒艇３隻、魚雷艇６隻、対機雷戦艦艇22隻、上陸用艦艇50隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜台湾海軍（１９８９年）＞：兵力35500名、予備役32500名。海軍区３個からなり、左営に司令部、馬公と基�驍ﾉ基地がある。海龍級潜水艦２隻、海獅級潜水艦２隻、ギアリング級駆逐艦14隻、アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦８隻、フレッチャー級駆逐艦４隻、クロスレイ級フリゲート９隻、ラッデロウ級フリゲート１隻、龍江級ミサイル艇２隻、海雀級ミサイル艇50隻、オーク級哨戒艇３隻、小型内海哨戒艇12隻、ユンチョウ級沿岸掃海艇８隻、高雄級両用戦指揮艦１隻、カビルド級ドック型揚陸艦１隻、LST-1級戦車揚陸艦21隻、LSM-1級中型揚陸艦４隻、汎用揚陸艇20隻、機械化揚陸艇260隻、支援給油艦４隻、工作／サルベージ船２隻、曳船６隻、測量／調査船１隻、S-2Eヘリ25機、S-2Fヘリ７機、ヒューズ500MD対潜ヘリ12機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜台湾海軍（２０１０年）＞：近代的な潜水艦は２隻のみ。水上艦は基�驪宴~サイル駆逐艦４隻、成功級フリゲート８隻、康定級フリゲート６隻、済陽級フリゲート８隻が主力である。参考：月刊軍事研究6,’10

　＜台湾海軍（２０１３年）＞：通常動力潜水艦４隻、駆逐艦４隻、フリゲート22隻、大型揚陸艦12隻、中型揚陸艦４隻、ミサイル哨戒艇45隻を保有している。参考：月刊世界の艦船8,’13

　＜台湾海軍（２０１５年）＞：現役兵力40000名、予備役67000名。海龍級潜水艦２隻、海獅級練習潜水艦２隻、キッド級ミサイル駆逐艦４隻、成功級フリゲート８隻、ノックス級フリゲート８隻、康定級フリゲート６隻、沱江級コルベット１隻、錦江級ミサイル艇12隻、光華�Y号級ミサイル艇31隻、ニンハイ級哨戒艇８隻、オスプレイ級掃海艇２隻、アジュタント級掃海艇４隻、ユンフェン級掃海艇４隻、アグレッシブ級掃海艇４隻、カオシュン級指揮艦１隻、アンカレッジ級揚陸艦１隻、LST-1級戦車揚陸艦10隻、ニューポート級戦車揚陸艦２隻、LCU８隻、LCVP100隻、LCM170隻、兵站支援艦37隻、S-70C対潜ヘリ20機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜台湾海兵隊＞：陸海空軍と並ぶ独立組織である。参考：月刊丸12,’90

　＜台湾海兵隊（１９７７年）＞：兵力35000名、予備役35000名。２個師団からなる。M47中戦車、LVT-4水陸両用車、105mm/155mm榴弾砲、106mm無反動砲を装備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜台湾海兵隊（１９８９年）＞：兵力30000名、予備役35000名。２個師団と支援部隊からなる。LVT-4/5装甲車、105mm/155mm牽引式榴弾砲、106mm無反動砲を装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜台湾海兵隊（２０１５年）＞：現役兵力10000名。海兵旅団３個、戦闘支援ユニット数個からなる。AAV-7A1水陸両用装甲車52両、LVTP-5A1水陸両用装甲車150両、105mm牽引砲、155mm牽引砲、106mm無反動砲、AAVR-7装甲回収車２両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜台湾関係法＞：Taiwan Relations Act。アメリカが台湾と断交した後も関係を維持するため、1979年に制定した法律。事実上の安全保障条約であり、台湾に対して武力行使などの強制的な方法が取られた場合には、アメリカがそれに対抗する能力を発揮するとし、防御的性格の兵器を供与することも定めている。参考：月刊軍事研究1,’14

＜台湾空軍＞：中国国民革命軍が日本軍に対して初めて航空作戦を行った1937年8月14日を創設の日としている。1945年9月、台湾の４基地に進駐した。1952年、CIAが設立したダミー会社西方公司と協力して中国本土の情報収集を開始、代わりにアメリカから台湾防衛の約束をとりつけた。1958年1月、低空偵察担当の黒蝙蝠中隊（第８大隊第34中隊）と黒猫中隊（第８大隊第35中隊。U-2使用）を創設。1959年、巫毒式偵査機（RF-101A偵察機）の供与が開始された。1997年、F-16戦闘機の引き渡しが始まった。1998年、S-2対潜哨戒機を海軍に移管した。2013年2月1日、AN/FPS-115レーダーが就役。2014年9月16日、嘉義県民雄郷で戦備道訓練を実施。2016年1月21日0845頃、台湾空軍訓練生を乗せてルーク米空軍基地を離陸したF-16A戦闘機がアリゾナ州バグダット近郊に墜落し、訓練生が死亡した。2017年11月9日、ミラージュ2000戦闘機が東シナ海で行方不明になった。12月、S-2T完全退役及びP-3C配備完了式典を実施。ついでに空軍の航空団番号を１桁に変更した。2018年6月4日、F-16A戦闘機が台北市郊外の山林に墜落し、パイロットが死亡した。10月19日、F-16A/Bブロック20V初号機が配備された。2019年5月28日、漢光35号演習の一環として、５年振りに高速道路を使用した着陸・補給・離陸訓練を実施し、F-16V、ミラージュ2000、経国、E-2Kなど13機が参加した。2020年1月2日、旧正月前の部隊慰問に向かう軍幹部10名を含む13名を乗せたUH-60Mヘリ１機が新北市鳥来区の山中に墜落し、空軍参謀総長以下８名が死亡した。FDRの解析では、動力系統に異常が無いまま突如高度を下げ、パイロットが上昇させようとしたが失敗し、そのまま落ちたらしい。10月29日、F-5E戦闘機１機が志航空軍基地／台東空港を離陸して２分後に台東県東海岸に墜落した。パイロットは脱出したが死亡している。11月16日、第５連隊F-16A戦闘機１機が夜間訓練のため花蓮基地を離陸して２分後に花蓮北沖８マイルで消息不明になった。11月19日にロケーター・ビーコンらしき信号を確認したが、12月9日の時点で機体もパイロットも発見されていない。11月16日にF-16全機を飛行停止にして点検したが、機体の問題である可能性は低いとして12月2日から段階的に飛行を再開した。2021年3月22日、対地攻撃訓練を終えて台東空軍基地に戻る途中のF-5E戦闘機２機が、高度4300mで編隊の形を変えようとした際に空中衝突して洋上に墜落、操縦士はどちらも射出座席で脱出したが、１名が死亡し、１名が行方不明になった。2022年1月11日、F-16V戦闘機１機が訓練中に嘉義県沖の台湾海峡に墜落し、パイロットが死亡した。参考：月刊航空ファン4,’10、2,’15、4,’16、11,’17、8,’18、1,’19、月刊JWings3,’18、8,’19、3,’20、1,'21、2,'21、6,'21、2,'22、4,'22、月刊軍事研究7,’18

　＜台湾空軍（１９７７年）＞：兵力70000名、予備役90000名。F-100A/D戦闘機90機、F-5A/B/E戦闘機110機、F-104G戦闘機63機、RF-104G偵察機８機、S2Aトラッカー哨戒機25機、HU16A捜索救難機10機、UH-1Hヘリ10機、C-46輸送機30機、C-47輸送機50機、C-119輸送機40機、C-123輸送機10機、B720B輸送機１機、PL-1B中正／T-28/T-33/T-38/F-5B/F-5F/TF-104G練習機160機、UH-19ヘリ７機、ベル47Gヘリ10機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜台湾空軍（１９８０年）＞：F-5Eを180機、F-5Aを90機、F-104G/RF-104Gを52機、F-100A/Dを50機、C-119Gを40機、C-123を10機、C-46Dを25機、C-47Dを40機、B720-047Bを１機、UH-1Hを115機、CH-34を７機、OH-6Aを６機、KH-4を２機、F-5B/Fを42機、F-100Fを６機、TF-104G/Dを10機、T-38を30機、T-28D、PL-1Bを50機、T-33を15機、T-CH-1Bを30機保有している。参考：ザ・マーチ18号

　＜台湾空軍（１９８９年）＞：兵力70000名、予備役90000名。F-5A戦闘機25機、F-5B戦闘機８機、F-5E戦闘機220機、F-5F戦闘機55機、F-104戦闘機128機、TF-104G戦闘機33機、F-104G戦闘機50機、RF-104G偵察機３機、HU-16B捜索救難機５機、S-70救難ヘリ12機、UH-1H救難ヘリ12機、C-47輸送機20機、C-54輸送機２機、C-118B輸送機１機、DC-6B輸送機１機、C-119G輸送機35機、C-123B/K輸送機10機、C-130H輸送機12機、ビーチ1900輸送機12機、B720B用順輸送機１機、B727-100要人輸送機４機、CH-34ヘリ５機、S-62A要人輸送ヘリ１機、S-70ヘリ14機、AT-3練習機60機、PL-1B練習機、T-28A練習機、T-33A練習機30機、T-34C練習機42機、T-Ch-1練習機40機、ベル47Gヘリ10機、ヒューズ500ヘリ６機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜台湾空軍（２０１３年）＞：兵力45000名。戦闘機388機（F-16A/B戦闘機144機、ミラージュ2000戦闘機56機、経国戦闘機126機など）、攻撃機22機、輸送機21機を保有している。空軍基地は12箇所で、有事には民間飛行場44箇所も使用し、48時間以内に高速道路も滑走路に転用する。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船8,’13、月刊JWings8,’13

　＜台湾空軍（２０１４年）＞：基地ごとに大隊／連隊（Wing。伝統の１桁ナンバー大隊名と新規の３桁ナンバー連隊名を併用しており、第443戦術戦闘機連隊・別名第１大隊といった感じで、垂直尾翼にも両方のマーキングがあってややこしい）が編成されており、その下の序列は作戦隊（Group）−中隊（Squadron）である。岡山基地に空軍軍官学校がある。F-16A/B戦闘機144機、ミラージュ2000-5Ei/-5Di戦闘機56機、F-5E/F戦闘機47機、経国戦闘機126機、RF-5E偵察機５機、AT-3練習機51機、T-34C練習機37機、P-3C哨戒機、S-2T対潜哨戒機24機、E-2K早期警戒機６機、C-130HE電子戦機１機、C-130H輸送機19機、EC225ヘリ３機、S-70C-1救難ヘリ13機を配備する。参考：月刊航空ファン2,’15

　＜台湾空軍（２０１５年）＞：現役兵力45000名、予備役90000名。年間飛行時間180時間。ミラージュ2000-5E/D（ミラージュ2000-5EI/DI）飛行隊３個、F-5E/F飛行隊３個、F-16A/B飛行隊６個、F-CK-1A/B飛行隊５個、S-2T/P-3C対潜飛行隊１個、C-130HE電子戦飛行隊１個、RF-5E偵察飛行隊１個、E-2T早期警戒飛行隊１個、H225/S-70C捜索救難飛行隊１個、C-130H輸送飛行隊２個、B727-100/B737-800／ビーチ1900／F-50/S-70C要人輸送飛行隊、AT-3A/B訓練飛行隊１個、ビーチ1900訓練飛行隊１個、T-34C基本練習飛行隊１個からなる。F-5E/F戦闘機75機（＋保管機少数）、F-16A/B戦闘機145機、ミラージュ2000-5D（ミラージュ2000-5DI）戦闘機９機、ミラージュ2000-5E（ミラージュ2000-5EI）戦闘機47機、F-CK-1A/B戦闘機128機、S-2T対潜哨戒機11機、P-3C対潜哨戒機12機、C-130HE電子戦機１機、RF-5E偵察機７機、E-2T早期警戒機６機、C-130H輸送機20機、ビーチ1900輸送機10機、B737-800要人輸送機１機、F-50要人輸送機３機、AT-3A/B練習機55機、T-34C練習機42機、H225ヘリ３機、S-70Cヘリ16機、AGM-65A空対地ミサイル、AGM-84空対艦ミサイル、スカイソード�UＡ対レーダーミサイル、AIM-9J/-9P/-120C空対空ミサイル、R-550マジック２空対空ミサイル、シャフリル空対空ミサイル、MICA空対空ミサイル、スカイソード�T／�U空対空ミサイル、アンテロープ地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜台湾軍＞：1991年、大陸反攻任務が解除された。2001年4月、アメリカが台湾軍への武器供与計画を発表。購入兵器の内容や金額で揉め、予算が可決されたのは2006年末で、規模も縮小されていたため、アメリカは2008年6月に供与を凍結した。2008年10月、アメリカは凍結した供与兵器の一部解除を通告。2010年1月29日、アメリカが凍結解除した兵器の供与を行うとし、UH-60ヘリ60機、PAC-3システム４基（ミサイル114発）、C4I器材、ハープーン・ミサイル12発、オスプレイ級掃海艇２隻の導入が決定したが、F-16C/D戦闘機やバーベル級ディーゼル潜水艦の設計図は先送りにされた。台湾軍は引き続きF-16C/D戦闘機とバーベル級潜水艦設計図、ペリー級ミサイルフリゲート８隻の導入を求めている。2015年12月16日、アメリカ政府が台湾軍への武器売却を決定。オリヴァー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート２隻、FGM-148ジャベリン対戦車ミサイル、AAV-7水陸両用車、AIM-9X空対空ミサイル、リンク11、リンク16など18億3100万ドルを売却する予定である。F-16C/D戦闘機は見送られた。2017年6月29日、アメリカ国防安全保障協力局がMk48Mod6T魚雷48本、Mk54魚雷近代化改修キット168基、AGM-154JSOW56発、AGM-88HARM、スタンダードSM-2の売却と、早期警戒レーダー技術支援及びキッド級駆逐艦用AN/SLQ-32A電子戦装置近代化改修を発表した。2019年5月、漢光35号演習を実施。2020年1月2日、松山空港を離陸して宜蘭県の軍施設に向かったUH-60M救難ヘリが離陸13分後にレーダーから消え、新北市烏来付近の山中に墜落しているのが発見された。搭乗者13名のうち、参謀総長以下８名が死亡している。2021年10月4日、中国軍殲撃16型戦闘機34機や轟炸６型爆撃機12機など計56機が台湾南西の防空識別圏に侵入し、東沙諸島付近を飛行したと発表した。11月6日、中国空軍殲撃16型戦闘機10機と殲撃10型戦闘機６機が防空識別圏に侵入したと発表した。11月28日、殲撃10型戦闘機６機、殲撃11型戦闘機４機、殲撃16型戦闘機８機、轟炸６型爆撃機５機、KJ-500早期警戒機２機、Y-9通信対抗機１機、Y-20U空中給油機１機が台湾南部の防空識別圏に侵入したと発表した。2022年1月1日、台湾国防部隷下に全民防衛動員署を新設し、予備役訓練担当の５個訓練旅団を新編した。1月24日、中国軍機13機（初確認の殲撃16D電子戦機含む）が防空識別圏に侵入したと発表した。5月6日、中国軍機18機が防空識別圏に侵入。5月20日、中国軍機14機が防空識別圏に侵入。5月30日、中国軍機30機が東沙諸島北東の防空識別圏に侵入したと発表した。7月25-29日、漢光38号演習を実施。2023年7月下旬、漢光39号演習を実施。参考：月刊軍事研究4,’10、11,’10、11,’17、朝雲、月刊航空ファン8,’19、3,’20、月刊JWings12,’21、1,’22、3,’22、4,’22、8,’22、11,'23、月刊世界の艦船11,’22

＜台湾軍（１９８９年）＞：兵力405500名、予備役1657500名。シンガポール軍が訓練キャンプを置いている。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜台湾軍（２００８年）＞：現役兵力39万名、予備兵力160万名。現役は陸軍19万名、海軍５万名（うち海軍陸戦隊が1.5万名）、空軍５万名、憲兵１万名、司令部及び後方要員９万名である。参考：月刊軍事研究10,’08

＜台湾軍（２０１５年）＞：現役総兵力215000名（陸軍130000名、海軍40000名、空軍45000名）、予備役1657000名（陸軍1500000名、海軍67000名、空軍90000名）、沿岸警備隊現役17000名。Rocsat-2偵察衛星１基を保有する。シンガポール軍が訓練キャンプ３カ所（歩兵・砲兵含む）を置いている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜台湾ミサイルコマンド（２０１５年）＞：雄風�UＥ地対艦ミサイル部隊３個、防空・地対空ミサイル群２個（MIM-23地対空ミサイル部隊13個、MIM-104FパトリオットPAC-3部隊４個、天弓地対空ミサイルシステム部隊６個）からなる。雄風�UＥ地対艦ミサイル12基、MIM-104FパトリオットPAC-3地対空ミサイル24基以上、MIIM-23ホーク地対空ミサイル100基、天弓�T／�U地対空ミサイル500基を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜台湾陸軍＞：特殊戦司令部隷下に長距離水陸両用偵察コマンドが編成されており、上陸作戦時の事前偵察などを行う。1970年代末、CM21装甲兵員輸送車の量産を開始。1996-2001年に改編が行われ、作戦基本部隊が師団から旅団になり、打撃旅団と守備旅団の２タイプが編成され、状況に応じて隷下部隊の組み替えが可能となった。2007年、CM32装輪装甲車の量産を開始。2013年、AH-64Eの配備を開始。2019年7月、アメリカ国防安全保障協力局がM-1A2T戦車108両の台湾への売却を発表した。2022年から受領する予定。参考：月刊軍事研究10,’08、月刊丸12,’90、月刊世界の艦船4,’22

　＜台湾陸軍（１９７７年）＞：兵力32万名、予備役100万名。機甲師団２個、重歩兵師団12個、軽歩兵師団６個、機甲騎兵連隊２個、空挺旅団２個、特殊部隊４個、地対空ミサイル大隊３個、地対地ミサイル大隊１個からなる。M47/M48中戦車150両、M41軽戦車1000両、M113装甲兵員輸送車250両、75mm榴弾砲M116を350門、105mm榴弾砲550門、155mm榴弾砲300門、203mm榴弾砲90門、240mm榴弾砲10門、105mm自走榴弾砲225門、76mm自走対戦車砲M18を150両、106mm無反動砲500門、40mm高射機関砲300門、オネスト・ジョン、ナイキ・ハーキュリーズ、チャパラル、UH-1Hヘリ50機、ヒューズ500ヘリ60機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜台湾陸軍（１９８９年）＞：兵力27万名（金門島55000名、馬祖島18000名）、予備役150万名。軍司令部３個、軍団司令部６個、特殊部隊司令部１個、重歩兵師団12個、軽歩兵師団96個、機械化歩兵師団２個、空挺旅団１個、戦車グループ４個、野戦砲兵大隊22個、地対空ミサイル大隊５個、飛行隊６個、予備役歩兵師団９個からなる。M-48A5戦車309両、M-24軽戦車（90mm砲装備）275両、M-41/64式軽戦車675両、M-8偵察車、M-113歩兵戦闘車（20mm/30mm機関砲装備）225両、M-2ハーフトラック40両、M-113装甲兵員輸送車650両、V-150装甲兵員輸送車300両、105mm砲M-101/T-64を650門、155mm砲M-44、155mm砲M-59を90門、155mm砲M-114/T-65を250門、203mm砲M-115を70門、105mm自走砲M-108を100両、155mm自走砲T-69を45両、155mm自走砲M-109A1を110両、203mm自走砲M-110を60両、117mm多連装ロケットランチャーKFVI、126mm多連装ロケットランチャーKF�V／�W、81mm迫撃砲M-29、107mm迫撃砲、雄蜂地対艦ミサイル、TOW対戦車ミサイル、90mm無反動砲M-67、106mm無反動砲M-40/51式500門、M18対戦車自走砲150両、35mm高射機関砲、40mm高射機関砲400門（M42自走高射機関砲含む）、ナイキ・ハーキュリーズ36基、ホーク54基、チャパラル地対空ミサイル、天弓１／２地対空ミサイル、O-1観測機20機、UH-1Hヘリ118機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜台湾陸軍（２００８年）＞：３個軍団司令部（第６・第８・第10軍団）と花東・澎湖・金門・馬祖防衛指揮部の隷下に15個打撃旅団（５個機甲旅団、３個機甲歩兵旅団、３個自動車化歩兵旅団、１個航空特殊戦旅団）と25個守備旅団が配備されている。各軍団には１個戦車旅団、１個機甲歩兵旅団、１個自動車化旅団、複数の守備旅団を隷下に置いており、３個予備歩兵大隊と１個予備歩兵大隊が配備されている。金門防衛指揮部には３個守備旅団、１個機甲旅団、４個歩兵大隊、地対地・地対空ミサイル大隊、特殊部隊、馬祖防衛指揮部には３個守備旅団、地対地・地対空ミサイル大隊、澎湖防衛指揮部には１個守備旅団、１個機甲旅団、砲兵大隊複数などを隷下に置く。平時の兵力は20万名だが、戦時には予備役を動員して170万名になる。主要装備は、攻撃ヘリ60機、主力戦車（M60A3、M48A5、M48H）920両、軽戦車（M24、M41A1、M41D）900両、歩兵戦闘車225両、装甲車950両、自走砲400両、水陸両用車150両など。戦時には師団司令部８個が編成されて複数の旅団を指揮し、軍団直轄の師団砲兵が隷下旅団の支援に当たる。参考：月刊軍事研究10,’08、6,’10

＜台湾陸軍（２０１３年）＞：兵力13万名で、戦車1100両（うちM60A3が460両）、火砲1600門を有する。３個軍団隷下に８個歩兵旅団、３個機械化歩兵旅団、４個機甲旅団、５個砲兵旅団、３個両用戦旅団を置く。参考：月刊世界の艦船8,’13、月刊軍事研究1,’14

＜台湾陸軍（２０１５年）＞：現役兵力130000名（うち憲兵10000名）、予備役1500000名。軍司令部３個、防衛コマンド司令部５個、特殊作戦・航空コマンド（特殊作戦群２個、航空旅団２個）１個、機甲旅団４個、機械化歩兵旅団３個、歩兵旅団６個、砲兵群３個、地対艦ミサイル大隊１個、工兵群３個、CBRN群３個、通信群３個、予備役歩兵旅団21個からなる。M60A3戦車200両、M48A5戦車100両、M48H戦車265両、M41/64式軽戦車625両、90mm砲装備M24軽戦車230両（全て保管中）、BIDS偵察車（CBRN）、K216A1偵察車（CBRN）48両、KM453偵察車（CBRN）、CM-25歩兵戦闘車（20-30mm機関砲装備M113）225両、M113装甲兵員輸送車650両、CM-32装甲兵員輸送車230両、LAV-150装甲兵員輸送車300両、105mm自走砲M108を100両、155mm自走砲M109A2/A5を225両、155mm自走砲M44Tを44両、155mm自走砲T-69を45両、203mm自走砲M110を70両、105mm牽引砲T-64（M101）を650門、155mm牽引砲M59を90門、155mm牽引砲T-65（M114）を250門、155mm牽引砲M44、155mm牽引砲XT-69、203mm牽引砲M115を70門、127mm沿岸砲Mk32を50門（保有しているという報告あり）、240mm沿岸砲M1を４門、117mm多連装ロケット砲工蜂�Y120基、126mm多連装ロケット砲工蜂�V／�W60基、126mm多連装ロケット砲RT2000サンダー150基、81mm自走迫撃砲M29、81mm自走迫撃砲M125を72両、107mm自走迫撃砲M106A2を90両、81mm迫撃砲M29を160門、81mm迫撃砲T-75、107mm迫撃砲M30、120mm迫撃砲K5、120mm迫撃砲XT-86、自走TOW対戦車ミサイル、ジャベリン対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、90mm無反動砲M67、106mm無反動砲M40A1を500門、51式106mm無反動砲、AH-1W攻撃ヘリ67機、AH-64E攻撃ヘリ29機、OH-58D汎用ヘリ38機、CH-47SD輸送ヘリ８機、UH-60M汎用ヘリ８機、ベル205（UH-1H）汎用ヘリ76機、TH-67練習ヘリ29機、マスティフ�V無人機、M1097アヴェンジャー自走地対空ミサイル74両、M48自走地対空ミサイル２両、FIM-92A携帯地対空ミサイル、自走40mm高射機関砲M42、35mm高射機関砲GDF-001を20門（システムは30基）、70口径40mm高射機関砲、緑蜂地対艦ミサイル、AN/TPQ-37対砲レーダー１基、M9装甲工兵車18両、CM-27/CM-27A1装甲回収車、M88A1戦車回収車37両、M3戦車橋22両、M48A5戦車橋を保有する。

＜タイン＞：P281（哨戒艦）を参照。

＜タイン２２＞：ロールスロイスが開発したターボプロップエンジンで、C-160に搭載されている。インレット・ガイドベーン１段、コンプレッサーは軸流式で低圧６段・高圧９段、燃焼器はカニュラー型で燃焼室10個、タービン段数は高圧１段・低圧３段。離昇出力6100馬力。参考：世界の軍用機1979

＜タインＲＭ１Ｃ＞：ロールスロイス社製の艦船用ガスタービンエンジン。ヴァンガード旅客機用タイン・ターボプロップエンジンの転用である。全長5.6m、全幅1.5m、全高2.6m、重量14トン。燃料消費率は毎時210g／馬力。21型フリゲートに搭載された。海上自衛隊も採用し、はつゆき型などに搭載した。参考：丸スペシャルNo.78、月刊軍事研究4,’16

＜タインＲ　Ｔｙ．２０Ｍｋ.２１＞：ロールスロイスとスネクマが開発したターボプロップエンジンで、アトランティック２に搭載されている。圧縮機６＋９段、圧縮比13.9、燃焼器はカニュラー式で燃焼室10個、タービン段数１＋３段、離昇出力6100ehp。全長109インチ（2.77m）、直径43.2インチ（1.1m）、重量2203ポンド（999.3kg）。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ダインティ＞：H53（駆逐艦）を参照。

＜タインデイル＞：L96（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダヴィソン＞：DD-618（駆逐艦）を参照。

＜ダヴィッドソン＞：DE-1045（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダヴィンチ＞：AW109Sダヴィンチ（ヘリ）を参照。

＜ダヴェンポート＞：PF-69（フリゲート）を参照。

＜ダウガヴァ＞：ドニェーストル・シリーズ（早期警戒レーダー）を参照。

＜ダウガヴァ＞：ロシア海軍アムガ型ミサイル補給艦Daugava。2015年11月16日0500頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、949A型オスカー�U型潜水艦と共に、宗谷岬北東65kmを西に航行するのを、第２航空群P-3CとMSC-679ゆげしまが発見した。その後宗谷海峡を西に進んでいる。2018年10月10日0000頃、プロジェクト20381ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイと共に宗谷岬西北西110kmを東に航行するのをMSC-689あおしまが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に進みオホーツク海に入っている。11月1日1400頃、プロジェクト20381ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイと共に、宗谷岬東120kmを西に航行するのを、DE-231おおよどと第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を西に抜けて日本海に向かっている。参考：月刊世界の艦船2,’16、1,’19、朝雲

＜タウシッグ＞：DD-746（駆逐艦）を参照。

＜ダウティ・プロペラーズ＞：イギリスの航空機用プロペラ会社。1937年、ロールスロイス社とブリストル・エンジン社が共同で設立した。参考：月刊JWings10,'20

＜タウナス装置＞：ドイツ国防軍が開発したドップラー検出装置で、ヴェルツラス装置の改良型。FuMG62(39T)ウルツブルグレーダー全てに取り付けられ、連合軍の撒布する大量のチャフに対抗した。参考：月刊軍事研究12,’08

＜タウファンガナス＞：スモーキー・バンディッツ（ディスプレイチーム）を参照。

＜ダウフィン＞：APA-97（攻撃輸送艦）を参照。

＜タウベ＞：オーストリアのエトリヒが羽根の付いた種を見て形態のヒントを得、1910年に完成させた単葉機で、鳩の意。運動性は悪いが安定性が良好で、1912年にルンプラーが生産を開始、アルバトロスやゴータなども参画して500機が生産された。練習機や観測機としてドイツ軍に採用され、第１次大戦時には偵察機として実戦投入、青島攻略戦にも参加した。エンジンはダイムラー100馬力、プロペラはショービエール木製２翅。参考：月刊丸3,’90、月刊航空ファン8,’19

＜タウポ級＞：ニュージーランド海軍哨戒艇Taupo級。全長55m、幅9m、吃水2.9m、満載排水量340トン。主機はディーゼル２基で、２軸推進、速力25ノット。兵装は12.7mm単装機銃３丁。乗員20名。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜田浦海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、横須賀市にある。兵器整備教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜田浦飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和19年、神奈川県横須賀市に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜タウラン事件＞：昭和11年3月29日、満州軍の偵察隊が外蒙軍の飛行機２機に急襲され、トラック１台を破壊された。これに対し関東軍が外蒙軍に反撃し、外蒙軍も戦車・装甲車などを出動させて大規模な戦闘に発展した。4月1日まで戦闘が続き、日本側に戦死13名、捕虜１名、九四式軽装甲車２両大破の損害が出た。参考：月刊PANZER1,’90

＜ダウンウインド・レグ＞：場周経路を参照。

＜ダウンウォッシュ＞：Downwash、洗流。ヘリコプターのメインローターから生じる、吹き下ろしの風。大出力ターボシャフトエンジンを用いるヘリの場合、風圧は相当なもので、ちょっとした山火事なら鎮火でき、故障などで航行不能になったプレジャーボートや小型不審船を押しやることも可能。CH-47やV-22のダウンウォッシュに巻き込まれると吹っ飛ばされることもあるので注意。固定翼機の場合は、翼の後方で発生する下向き気流のことを指す。主翼のダウンウォッシュが水平尾翼を直撃すると、水平尾翼の迎え角が減少してしまうため、全遊動式水平安定板にして大きい迎え角を取れるようにしたり、Ｔ字尾翼にしてダウンウォッシュが影響しない場所に付けたりする。参考：月刊JWings1,’01、10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版、スピアヘッドNo.8、月刊世界の艦船4,’21

＜タウン級駆逐艦＞：イギリス海軍駆逐艦。元はアメリカ海軍のフラッシュ・デッキ型駆逐艦で、第２次大戦時に護衛艦が足りなかったため基地使用権と引き替えに1940年に引き渡しを受けたものである。就役に際して、兵装を変更したり重心を低下させたりと改装が施された。主に大戦前期の船団護衛などに使用され、一部はカナダ海軍が運用した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

　＜タウン級第１グループ＞：全長96.2m、幅9.4m、吃水2.3m、基準排水量1020トン。主機は蒸気タービンで、出力20000馬力、速力30ノット。兵装は２ポンド単装砲２門。G68ルイスが就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

　＜タウン級第２グループ＞：全長96.2m、幅9.4m、吃水2.3m、基準排水量1020トン。主機は蒸気タービンで、出力18500馬力、速力30ノット。兵装は10.2cm単装砲１門、２ポンド単装砲２門。G27リーズ、G57ラドローなどが就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

　＜タウン級第３グループ＞：全長95.9m、幅9.3m、吃水2.7m、基準排水量1090トン。主機は蒸気タービンで、出力25200馬力（G42は26000馬力）、速力35ノット。兵装は10.2cm単装砲３門（G42は１門）、7.6cm単装砲１門、533mm３連装魚雷発射管２門（G42は１門）。I42キャンベルタウン、I20コールドウェル、I23キャッスルトン、I35チェルシー、G05ランカスター、G19レミントン、G42リンカーン、G76マンスフィールド、G95モントゴメリー、G88リッチモンド、I52サリスバリー、I95ウェルズなどが就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

　＜タウン級第４グループ＞：全長95.9m、幅9.3m、吃水2.6m、基準排水量1060トン。主機は蒸気タービンで、出力25000馬力（I40は27000馬力）、速力35ノット。兵装は10.2cm単装砲３門（I40は１門）、7.6cm単装砲１門、533mm３連装魚雷発射管２基（I40は１基）。I17バス、I08ブライトン、I21チャールズタウン、I40ジョージタウン、G08ニューアーク、G47ニューマーケット、G54ニューポート、I07ロックスボー、I15セント・アルバンス、I12セント・マリーズなどが就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

　＜タウン級第５グループ＞：全長95.9m、幅9.4m、吃水2.8m、基準排水量1190トン。主機は蒸気タービンで、出力27000馬力（I14は13500馬力）、速力35ノット（I14は25ノット）。兵装は10.2cm単装砲３門（I14は１門）、7.6cm単装砲１門、533mm３連装魚雷発射管２基（I14は１基）。H46ベルモント、H64バーバリー、H72ブラッドフォード、H81ブロードウォーター、H90ブロードウェイ、H82バーンハム、H94バーウェル、H96バクストン、I05キャメロン、I28チェスターフィールド、I45チャーチル、I14クレア、G60ラムゼイ、G71リーディング、G79リプリー、G58ロッキンガム、I80スターウッド、I73スタンリーなどが就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜タウン級巡洋艦＞：サウザンプトン級を参照。

＜ダウンズ＞：DD-375（駆逐艦）またはFF-1070（ノックス級護衛艦）を参照。

＜ダウントレス＞：21（沿岸警備艦）を参照。

＜タウン・ファインダー＞：イギリスが1939年に実験した機上レーダーで、地形表示レーダーのテストに使用されたが、波長が150cmと長かったため、実用的でなく、1940年に波長50cmのものを開発して引き続き実験したが、やはり波長が長すぎ、マグネトロンを開発して波長を10cmにまで短縮、H2Sレーダーとして完成させた。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ダウンフォール作戦＞：太平洋戦争時の昭和20年3月29日に連合軍統合参謀本部が策定した、日本本土侵攻作戦。アメリカ軍はオレンジ計画で日本本土直接侵攻は損害が大きく避けるべきとしていたが、太平洋戦争中の昭和18年4月の研究では戦略爆撃と海上封鎖でも屈服しなかった場合に考慮すべきとされ、10月25日には昭和21年夏に北海道、秋に東京占領を目指し本州へと上陸という案が出された。昭和19年1月、アメリカ陸軍省作戦部が日本を完全に屈服させるためには本土上陸作戦もやむを得ないとの方針を示し、7月14日の米英連合統合参謀長会議でアメリカ陸軍マーシャル参謀総長が本土侵攻の見解を表明、9月の第２次ケベック会談で米英首脳が了承した。この時は昭和19年末にドイツを降伏させて昭和20年末に関東へと上陸する予定だったが、ドイツ軍がラインの守り作戦を発動して粘ったために時期未定とされ、昭和20年2月のヤルタ会談と同時開催された米英連合参謀長会議ではドイツ降伏から18ヶ月後に日本を降伏させることにし、昭和20年7月1日に欧州戦線を終戦させて年末から日本本土侵攻を開始し、昭和21年末に太平洋戦争を終わらせることで合意した。昭和20年3月、マーシャル参謀総長がマッカーサー元帥に九州侵攻オリンピック作戦（1945年12月1日発動）と関東侵攻コロネット作戦（1946年3月発動）の検討・立案を下命し、3月29日に統合参謀長会議で日本本土侵攻作戦の総称をダウンフォール作戦とすることと、オリンピック作戦及びコロネット作戦の実施が決まった。参加兵力は陸軍107万名（航空兵力含む）及び太平洋艦隊全力で、4月6日（3日説あり）にマッカーサーが太平洋戦区アメリカ陸軍総司令官になった際にダウンフォール作戦全体の指揮をマッカーサーが取ることになり、沖縄戦終結後に太平洋戦区陸軍・海兵隊全部隊（B-29装備の第20・第21航空軍だけワシントン直轄）がマッカーサー、太平洋戦区海軍全部隊がニミッツの指揮下に入った。硫黄島戦での被害の多さから戦略爆撃と海上封鎖だけで済まそうという意見も出たが、マッカーサーが「損害は５万名程度で済む」と進言したこと、封鎖だけでは日本が降伏する確証が無いこと、ソ連の日本侵攻が迫っていること、長期戦に伴う連合軍兵士の士気低下の兆候が出てきたことなどから承認された。参考：月刊丸8,'15別冊、歴史群像12,’03

＜タエル１＞：ラード１（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜タエル２＞：ラード２（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜楕円系＞：防衛大学校スラングで、ラグビー部及びアメフト部のこと。参考：MAMOR vol.164

＜楕円テーパー翼＞：テーパー翼の翼端を楕円形にしたもので、スピットファイアなどに採用されている。胴体が無い場合には最良の翼型であり、翼端渦による誘導抗力を減少させ、大迎え角時の翼端失速を防ぐことが可能だが、工作が面倒なのと、テーパー翼に捩り下げを加えれば解決できることが分かったので、廃れた。参考：歴史群像2,’05、丸メカニック別冊１、月刊丸2,’12

＜楕円偏波＞：偏波を参照。

＜楕円翼＞：楕円に近い形状をした翼のこと。誘導抗力が最小になるという利点があるが、製作が困難という欠点があり、あまり使われなくなった。参考：飛行機のしくみ

＜タオル・バー＞：航空自衛隊C-130H第16号機に装備されている自動方向探知器アンテナの通称。参考：月刊JWings3,’04

＜たか＞：PC-303（駆潜艇）を参照。

＜タカ＞：スーダンのサハット・アビエーション・グループが開発した107mmロケット弾。弾頭重量1.26kg（HE）。最大射程8.5km。参考：月刊軍事研究1,’17

＜タカ−２＞：GRL01（ロケットランチャー）を参照。

＜タカー３＞：GRL02（ロケットランチャー）を参照。

＜ダガー＞：Kh-47M2（極超音速兵器）またはネシェル海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ダカール級＞：イスラエル海軍潜水艦Dakar級。2022年1月、ティッセンクルップ・マリン・システムズと３隻の納入合意（期間９年間、価格30億ユーロ）を結んだ。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜高岩薫＞：日本海軍エース。大正12年、長野県生まれ。昭和15年6月、海軍乙種飛行予科練習生となり、土浦で予科課程を修了、名古屋航空隊及び大分航空隊で飛行練習生課程を修了し、鈴鹿航空隊と厚木航空隊で延長教育を受け、昭和18年12月に第201航空隊所属となってラバウルに向かった。12月17日、初撃墜を記録。昭和19年1月3日、第253航空隊に転属。2月10日、未帰還となり戦死認定された。公認撃墜数８機。最終階級は上飛曹。参考：日本海軍戦闘機隊

＜高雄（初代）＞：日本海軍運送船Takao。明治7年にイギリスから購入して就役した。明治31年、三等海防艦に類別された。明治44年に除籍された。参考：月刊丸6,’14

＜高雄（２代目）＞：日本海軍高雄型重巡洋艦１番艦Takao。昭和2年3月28日（4月？）起工、昭和5年5月進水、昭和7年5月31日竣工。昭和7年9月27日、東京湾外で実施された公開戦技に参加。昭和12年7月7日、日華事変勃発時には第４戦隊に所属していた。昭和14年8月21日、近代化改装を完工。昭和16年12月8日太平洋戦争開戦時は建制でも兵力部署でも第４戦隊に所属しており、マレー上陸作戦支援に就いていた。昭和17年6月、ミッドウェイ作戦に参加。8月11日、柱島を出撃。8月17日、トラックに到着。8月21日、トラックを出撃してガダルカナルに向かった。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月12日、第３次ソロモン海戦に参加。昭和18年11月5日、ラバウルで爆撃を受けて損傷した。昭和19年6月19日、マリアナ沖海戦に参加。昭和19年10月22日、比島沖海戦に参加。10月23日、SS-227ダーターの雷撃を受けて大破した。ブルネイに回航後、1945年2月1日からシンガポールのセレター軍港に停泊したが、修理は行われないままだった。昭和20年7月31日、シンガポールでストラグル作戦に参加中のXE-3の攻撃を受け、大破した。終戦時は大破航行不能状態だったが、電気系統が無事で投揚錨作業も可能だったため、戦後は通信兼修理母艦として使用された。昭和21年10月27日（29日？）、使用可能な機器を外した後、マラッカ海峡でイギリス軍により処分された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、連合艦隊巡洋艦、帝国陸海軍事典、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船11,’11、9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜高雄海軍航空隊＞：日本海軍最南端の航空隊で、操縦教育も担当する。昭和13年4月1日、日華事変における中国大陸作戦担当陸攻部隊として台湾の馬公要港部隷下に新編された。定数は九六式陸攻12機と九五式艦戦６機で、要員は鹿屋・木更津海軍航空隊から異動している。4月27日に初出撃し、龍巌飛行場と福州飛行場を60kg爆弾12発搭載九六式陸攻６機ずつで爆撃した。5月7日、高雄基地で竣工式を開催。報国兵器献納式も執り行われ、九六式陸攻４機と対空聴音機１機の献納を受けた。6月16日、九六式陸攻６機で楽昌駅を爆撃したが、グラディエーター戦闘機の迎撃で積んでいた60kf爆弾が誘爆し、３機が巻き込まれて喪失した。8月、第２連合航空隊の隷下に入った。8月11日、漢口攻略に参加するため、上海戊基地に展開。8月12日、九六式陸攻（250kg爆弾２発と60kg爆弾６発搭載）13機で武昌にある将軍行営（師団本部）の爆撃を実施。8月18日、九六式陸攻（60kg爆弾12発搭載）９機で衡陽の飛行場に対する昼間強襲爆撃を実施。その後第２連合航空隊の隷下を外れて台湾に戻った。高雄が雨期だったため、台北の松山飛行場に展開している。9月15日、広東攻略に参加するため、広東省三灶島基地に展開。9月28日、昆明の中国空軍基地に初空襲を実施。９機が250kg爆弾18発と60kg爆弾54発を投下した。敵戦闘機の迎撃を受け１機が撃墜されている。12月12日、高雄飛行場に帰投。12月15日、第３連合航空隊の隷下に入った。昭和14年6月7日、漢口基地に進出。6月11日、重慶を爆撃。10月31日、海口基地に帰還して南支作戦に復帰。昭和15年1月15日、第１連合航空隊の隷下に入った。一旦内地に帰還し、雷撃訓練など対艦攻撃訓練を実施している。5月18日から第１連合航空隊隷下で百一号作戦に参加。作戦終了後は高雄に帰投した。12月初め、九六式陸攻12機からなる派遣隊がハノイのジャラム基地に進出。12月11日、九六式陸攻（60kg爆弾12発搭載）12機がジャラムを出撃して昆明飛行場を爆撃。12月12日、九六式陸攻（250kg爆弾４発＋60kg爆弾４発搭載）がジャラムを出撃して援蒋ルート功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。12月13日、九六式陸攻９機がジャラムを出撃して箇旧市街を爆撃。12月14日、九六式陸攻がジャラムを出撃して功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。12月15日、九六式陸攻がジャラムを出撃して功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。12月22日、九六式陸攻がジャラムを出撃して功果橋を爆撃したが、破壊には失敗した。昭和16年7月25日、一式陸攻に機種改変して漢口に進出。7月27日から百二号作戦に参加。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第23航空戦隊の隷下で、定数は一式陸攻72機だった。昭和17年2月4日、ジャワ沖海戦に参加。11月1日、第753航空隊に改称された。参考：月刊丸8,’95、陸海軍学校と教育、日本海軍艦隊総覧、月刊航空ファン3,’17、7,’17、9,’17、1,’18、3,’18、8,’18、11,’18、7,’19、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜高雄海軍通信隊＞：日本海軍の通信隊。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には第１連合通信隊の隷下にあった。参考：日本海軍艦隊総覧

＜高岡迪＞：たかおか・すすむ。日本海軍テストパイロット。昭和9年11月、飛行学生に採用された。卒業後は艦上攻撃機パイロットとして空母加賀に配属され、１年後に横須賀航空隊に転属して艦上爆撃機パイロットとなった。更に蒼龍の艦上機パイロットとなり、日華事変に参加。昭和13年、艦爆分隊士として安慶の飛行場に派遣され、九六式艦爆６機の編隊長として揚子江沿岸の爆撃に出撃。帰投する際に対空機銃弾２発を被弾し、銃弾は額のところに外していた飛行眼鏡の右枠を貫通して機体上翼を損傷させ、その破片により頭に軽傷を負った。日華事変の戦勲により金鵄勲章功五級を授与されている。昭和16年8月、海軍航空技術廠飛行実験部部員（要するにテストパイロット）となり、主に艦爆系の機体のテストを行った。特に気を遣うテストは３種類あり、機体もエンジンも新開発の初飛行、急降下試験でフラッターに入る直前、スピンテストであるという。彗星（日向／伊勢用カタパルト射出実験も実施）、銀河、誉エンジンテストベッド用十一試艦爆、翼端離脱機構付き九九式艦爆、流星などのテストに参加し、ジェット特攻機橘花のテスト中に終戦を迎えた。最終階級は中佐（終戦後に１階級昇進）。集中と分散（精神を一点集中させると共に立体的に注意力を発揮する）、大胆と臆病の共存がモットーで、テストパイロットとしての任務中に不時着や落下傘脱出、命に関わる大事故の一歩手前といった経験をしたことは一度も無く、九九式艦爆で要務飛行に行った帰りに気化器が凍って不時着水した程度で、太平洋戦争を通して海軍機の開発に尽力した。終戦後は航空自衛隊に入隊し、実験航空隊飛行隊長としてT-1の初飛行を含む実験飛行を行い、退官後は三菱重工に入社してMU-2などのテストパイロットを務めた。参考：陸海軍学校と教育、朝雲、月刊航空ファン2,’16

＜高雄型＞：日本海軍一等巡洋艦（重巡洋艦）Takao型。妙高型の改良型としてワシントン条約下に建造され、藤本造船大佐が大正12年から設計した。戦闘能力だけでなく居住性も改善し、艦隊旗艦施設を備えている。船体は妙高型とほぼ同じで、上部構造物も後部煙突が垂直で前部マストが四脚式になっているくらいの違いしか無い。ただ艦橋は艦隊司令部スペース確保及び射撃指揮システム搭載のため巨大になった。艦橋第１層（上甲板レベル）は応急指揮所、倉庫・工場、第２層（高角砲甲板）は格納庫・倉庫、第３層（下部艦橋甲板）は電信室と倉庫、第４層（中部艦橋甲板）は操舵室や無線室、第５層（上部艦橋甲板）は通信指揮室・高角砲指揮通信所、第６層（羅針艦橋）はブリッジ、応急指揮所、作戦室、海図室、第７層は魚雷発射指揮所、発射発令所、司令部、第８層は測的所、照射指揮所、第９層は主砲指揮所、第10層は主砲射撃所（4.5m測距儀と方位盤搭載）などとなっている。通信装備も充実していたが、前部マストと後部マストが近いために空中線の長さを確保できず、無線通信に支障を来した。艦橋操舵室が使用不能になった際の予備となる後部操舵室は最下甲板（第４甲板）左舷バルジすぐ内側、後部管制盤を入って後部変圧機室を抜けた先（５番主砲塔弾火薬庫のすぐ後ろ）にあり、後部転輪羅針儀室を兼ねていて、舵輪、安式二号ジャイロコンパス、艦橋操舵室に繋がる直通電話や伝声管などが設置されている。魚雷発射管は中甲板から上甲板スポンソンに移され、旋回式連装発射管を計４基装備した。発射管室の舷側シェルターには窓が開いており、誘爆時のエネルギーを外に逃がすようになっている。また、次発装填装置も装備され、これの魚雷頭部にあたる部分には防弾板が設けられた。第１から第５砲塔までのバイタルパートを1m短縮し、その分弾火薬庫の装甲をNVNC鋼板の５インチ（127mm）厚（一部テーパー付き）として防御力を強化、電気溶接や軽金属を多用して重量軽減を図っている。主砲は口径を20.3cmにボアアップし、仰角70度を取れるＥ型砲架とし、高角砲を４基に減らした。しかし砲塔照準器用の切り欠きは拡大されておらず、装薬分離式で発射速度が遅いこと、砲塔の旋回俯仰も遅いことから対空射撃は実用的でないと判断されたようで、摩耶は55度のE1型砲架を採用した。カタパルトは後部マスト後方両舷に呉式二号三型を１基ずつ装備し、水上機搭載数は３機に増やした。全長203.759m、最大幅18.999m、平均吃水6.529m、基準排水量11350トン、公試排水量14838トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン４基、主缶はロ号艦本式専焼缶12基、出力130000馬力、４軸推進、速力35.5ノット、航続距離は14ノットで8000海里。兵装は三年式五〇口径二号二〇サンチ砲連装装備Ｅ型砲塔５基、十年式四五口径一二サンチ高角砲４門（10門？）、毘式40mm機銃２門（２番煙突両側）、八九式六一サンチ連装魚雷発射管４基（次発装填装置付き）。水上偵察機３機（九〇式二号水偵など複座２機、三座１機）と呉式二号三型射出機２基を装備し、２機分の航空機格納庫を持つ。艦載艇は12メートル内火艇１隻、11メートル内火艇２隻、11メートル内火ランチ２隻、９メートルカッター３隻、８メートル内火通船１隻、６メートル通船１隻。乗員727名。高雄、愛宕、鳥海、摩耶の４隻が昭和7年に竣工した。参考：連合艦隊巡洋艦、月刊丸2,’08、近代巡洋艦史、小艦艇入門、月刊世界の艦船12,’10、9,’14、海軍操舵員よもやま物語

＜高雄型・近代化改装＞：昭和10-12年、前部マストが短縮化され、羅針艦橋と測的所甲板が縮小され、前檣頂部には6m測距儀装備の射撃塔が搭載された。昭和13-14年（高雄、愛宕）、魚雷発射管を４連装４基（次発装填装置付き）に強化、高角砲を12.7cm連装砲４基に換装し、機銃を25ミリ連装６基と３連装２基に変更、船体にバルジを装着した。諸元は以下の通り。基準排水量13200トン（13550トン？）。最大速力34.3ノット、航続距離は18ノットで5049海里。鳥海と摩耶は改装前に開戦となったため、そのまま参戦している。昭和16年の開戦時（鳥海、摩耶）、後部煙突両舷の40mm単装機銃２基を撤去して13mm４連装機銃２基を装備していた。昭和18年末（摩耶）、ラバウル空襲の損傷ついでに防空巡洋艦への大改装を実施。３番砲塔を撤去して機銃座を設け、12cm単装高角砲４基を外して12.7cm連装高角砲を上甲板両舷に３基ずつ搭載、25mm３連装機銃13基、単装９門、13mm単装36門を装備。魚雷発射管を４連装４基（次発装填装置付き）に強化。マストトップに二一号電探、艦橋両舷に二二号電探を搭載、一三号電探１基も装備した。重量増により船体にバルジ（昭和13年に装着した高雄や愛宕とは別形状）を装着している。改装後の摩耶の諸元は、全長203.759m、最大幅20.72m、平均吃水6.44m、基準排水量13350トン、公試排水量15159トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン８基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶12基、出力130000馬力、４軸推進、速力34.25ノット、航続距離5000海里（18ノット）。兵装は50口径20.3cm連装砲４基、40口径12.7cm連装高角砲６基、25mm３連装機銃13基、25mm単装機銃９門、13mm単装機銃36門、九二式六一サンチ四連装発射管４基。装甲厚は舷側127mm、甲板36mm。水上偵察機２機とカタパルト２基を装備する。乗員996名（開戦時921名）。昭和19年10月23日の摩耶戦没時、25mm機銃搭載数は66門に増えていた。参考：連合艦隊巡洋艦、月刊世界の艦船12,’10、10,’19、9,’20

＜高雄級揚陸指揮艦＞：台湾海軍揚陸指揮艦Kaohsiung級。元はLST-1級戦車揚陸艦艦番号229中海で、通信装置を追加するなどして揚陸指揮艦に改造された。LCC-1高雄が就役した。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜高雄警備府＞：日本海軍の警備府。昭和18年4月1日、馬公警備府が高雄に移転して創設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜高尾山分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地で、第７警戒隊が駐屯している。所在地は島根県松江市美保関町森山632。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11

＜高尾山レッド・クラブ＞：航空自衛隊高尾山分屯基地の隊員で構成される自転車アクロバットチーム、高尾山Red Crab。名前（赤蟹）の由来は山陰地方の特産物である紅ズワイガニである。2004年に空自創立50周年記念でブルーインパルス・ジュニアを参考に創設され、F-15戦闘機類似のハリボテ（ボディは紅白に塗った木材やプラスチック、翼は発泡スチロール）を被せた20インチ折り畳み自転車６台に乗って展示走行を行う。チームは操縦士６名、ナレーター、コントローラー、音響員（BGM係）、整備員などで、曲技走行は20種類ある。2016年5月29日の美保基地航空祭で自転車を交換し、6月5日の高尾山分屯基地開庁記念行事から新車になった。参考：朝雲、月刊JWings8,’06、月刊航空ファン8,’16

＜高垣春雄＞：日本陸軍エース。北海道生まれ。昭和12年2月、熊谷陸軍飛行学校に入学し、昭和13年7月に卒業、昭和14年春に飛行第11戦隊配属となった。5月からノモンハン事件に参加、15機を撃墜した。太平洋戦争では南方作戦に参加。昭和18年2月6日、ワウ攻撃で２機を撃墜。昭和19年5月、飛行第72戦隊に転属。12月、熊谷飛行学校に転属。昭和20年春、飛行第246戦隊に転属。7月15日、紀伊半島沖の敵艦船攻撃のため夜間悪天候の中で離陸しようとしたが、補給車と衝突して死亡した。総撃墜機数17機以上。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜高木兼寛＞：たかぎかねひろ。嘉永2年（1849年）9月15日、宮崎県生まれで、藤四郎と命名された。18歳で薩摩藩の蘭方医に師事し、戊辰戦争に薩摩藩軍医として参加。この頃に高木姓を名乗り、名前も兼寛と改称している。明治3年、鹿児島医学校に入学。明治5年、海軍九等出仕に抜擢され、海軍病院に勤めるようになった。明治8年、海軍軍医の指導にあたっていたイギリス海軍軍医アンダーソンの目にとまり、イギリスの聖トーマス病院医学校に留学、最優秀学生として表彰された。帰国後は当時大問題となっていた脚気対策に奔走し、原因が炭水化物過大・蛋白質過小の偏った食事にあると分析。主食を白米でなく麦飯やパンとし、副食も充実させるよう提言したが、当時の兵食は副食を金銭で支給して兵士が買うシステムだったため副食を買わずに貯めてしまうことが多く、また白米の人気も絶大で、浸透しなかった。明治17年、遠洋航海の際に軍艦筑波の兵食を炭水化物と蛋白質のバランスの取れたものに変更する実験を実施。前年に大量の脚気患者を出した軍艦龍驤と同一コースだったが、出港８ヶ月後にハワイから「病者１人も無し」の電文が届き、実験は大成功となった。ちなみに脚気の本当の原因はビタミンB1の不足だが、これの含まれていない白米だけを大量に取るのを止め、含まれる主食と副食をバランス良く取ったのが功を奏している。明治18年から兵食改革も行って脚気予防に絶大な効果を上げ、明治21年に日本初の博士号を授与された。陸軍軍医本部では脚気の原因が食物にあるという意見を否定し続けたため、日清・日露戦争で数十万人の罹病者と数万人の病死者（ちなみに日露戦争での海軍脚気患者は87名、死者３名）を出し、主食を米麦飯に変更したのは大正2年になってからである。大正9年4月13日に死去した。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜高木惣吉＞：明治26年8月9日（出生届上は11月10日）、熊本県人吉市生まれ。尋常小学校を全優で飛び級卒業するほど成績優秀だったが、極貧のため中学校には行けず、人吉高等小学校を卒業して明治40年3月に事務員となった。明治43年5月、通信講義録にあったアメリカ留学の謳い文句につられて上京したが、嘘の宣伝だったため、そのまま神田で本屋の裁断工に転職。キリスト教慈善団体の助け船で東京帝大教授兼東京天文台長の書生となり、東京物理学校夜間部への通学を始めた。明治45年8月、海軍兵学校第43期にハンモックナンバー100名中21番目で合格。大正14年12月、海軍大学校甲種第25期に入校。昭和2年、海軍大学校甲種を20名中トップの成績で卒業。12月、少佐に昇任し、在仏大使館付海軍武官付補佐官となりフランスに渡った。昭和4年11月に帰国し、昭和5年1月に軍令部出仕兼海軍将軍務局出仕でロンドン軍縮会議事務を担当。6月、副官兼海軍大臣秘書官となった。昭和6年6月、結核で喀血し待命となった。昭和7年2月、右肺尖炎で２年の静養を余儀無くされた。その後海軍大学校教官、駐仏武官を歴任。昭和11年12月、軍令部出仕海軍省出仕官房調査課員軍務局勤務として山本五十六海軍次官の下での勤務を開始。昭和12年10月、海軍省調査課長となった。昭和16年頃、西田幾多郎を訪ねる機会が多く、日独伊三国同盟に関して西田氏は、ナチスという野蛮人共は文化に対する良識が無く哲学はじめ学問を皆壊しており、こんな政治の国と手を握るのはとんでもないと不満を露わにしていたという。日米関係が悪化の一途を辿り、高木惣吉が開戦も止む無しと政治・軍事情勢を打ち明けた時には、君たちは国の運命をどうするつもりか、今でさえ国民をどんな目に遭わせたと思う、日本のこの文化の程度で戦争でもできると考えているのか、と西田氏から叱り飛ばされた。昭和17年6月、海軍省調査課長を退いた。昭和18年8月、支那方面艦隊参謀副長への内示を受けたが、肋膜炎の後遺症で外地勤務不可との診断を下され、9月下旬に軍令部出仕となり、その後海軍大学校研究員となった。昭和19年、海軍省教育局長となった。9月29日朝、海軍次官井上成美中将に電話で呼び出され、米内光政海軍大臣からの太平洋戦争終結の道を探れという密命を受けた。最終階級は海軍少将。昭和54年7月に死去した。参考：月刊丸8,'15別冊、山本五十六と米内光政、海軍こぼれ話

＜高木武雄＞：海軍兵学校39期卒。その後水雷学校に進み、潜水艦長や潜水戦隊参謀などを務め、昭和8年に長良艦長となった。昭和13年11月15日から昭和14年11月1日、第２艦隊参謀長を務めた。太平洋戦争開戦時は第２艦隊第５戦隊司令官で、昭和17年11月に馬公警備府司令官、昭和18年4月に高雄警備府長官、6月21日に第６艦隊司令長官となった。昭和19年7月8日、「PS（サイパンの暗号名）を死守し麾下潜水艦の赫々たる戦果を親しく目撃せるを喜ぶ　第６艦隊隊員及び標的員を率い敵陣に突入す　万歳」と軍令部総長宛に打電してサイパンで戦死または自決した。52歳で、7月10日に第６艦隊司令長官の職を解かれ、死後に中将から大将に昇任した。戦後、遺族の一人は、高木武雄中将がサイパン玉砕時に実際には軍令部との連絡のため東京に来ており、時間が空いたため自宅の庭先で孫を抱いて涼を取っていたが、軍令部からサイパン玉砕の報が入り孫を投げ捨てるように離すと第一種軍装に着替え、サイパンに行ってくると家を飛び出しそれっきりとなった、と証言している。参考：日本海軍艦隊総覧

＜舵角測定器材＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜高崎＞：日本海軍高崎型運送船Takasaki。元は明治34年4月に進水したイギリスの貨物船ローズレイで、日露戦争中の明治38年1月12日に拿捕し、9月1日に高崎丸と命名した。明治44年5月9日、運送船に類別された。大正4年、高崎に改称された。同年、前後上甲板に格納庫とデリックを設置して水上機母艦任務に就けるようにし、大演習に参加した。大正6-7年、音羽と春日の救難に参加。大正13年、大演習で水上機を搭載。昭和5年、徳山港に入港した際、機関を損傷した。昭和7年4月1日に除籍され、陸軍に移管された。昭和19年、実艦的として処分された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船11,’00

＜高崎＞：日本海軍剣埼級潜水母艦Takasaki。建造中に軽空母瑞鳳に改造された。参考：図解日本の空母、日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜高崎＞：日本海軍洲崎型給油艦Takasaki。昭和18年9月2日竣工、運送艦に類別された。昭和19年6月5日、ミンダナオ西方でアメリカ潜水艦の雷撃により沈没した。7月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜高崎型＞：日本海軍運送船Takasaki型。元はイギリス貨物船で、日露戦争中に拿捕して高崎丸と命名し、後に高崎と改称したものである。運送船として貨物輸送を行った他、洋上救難、水上機母艦、戦利艦曳航、警備艦艇への補給など多様な任務をこなし、海軍除籍後は陸軍に移管されて太平洋戦争末期まで使用された。垂線間長114.3m、最大幅14.61m、吃水4.80m、常備排水量5987トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は宮原式石炭専焼水管缶３基、出力1850馬力、１軸推進、速力10ノット、石炭搭載量806トン。兵装は安式40口径８サンチ単装砲２門。乗員114名。高崎が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜高砂丸＞：日本海軍特設病院船。元は優秀船舶建造助成施設で建造された大阪商船貨客船で、昭和12年に竣工した。全長150.1m、全幅18.5m、総トン数9315トン。主機は蒸気タービン２基、出力12641馬力、最大速力20.2ノット。昭和16年12月、日本海軍に徴用され、同月中に特設病院船に改造された。12月8日の太平洋戦争開戦時は連合艦隊付属だった。昭和17年4月26日0138、赤十字旗を掲揚して航行中にアンボン北西60海里で潜水艦から魚雷２本の雷撃を受けた。日本赤十字社が赤十字国際委員会に抗議文書を送付している。11月、ショートランドで爆撃を受け、至近弾数発により損傷した。昭和19年4月、パラオ諸島沿岸で触雷して損傷した。太平洋戦争終戦後は引揚船として使用され、昭和31年に解体された。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、日本赤十字社社史稿第５巻

＜たかしお＞：SS-571（うずしお型潜水艦）またはSS-597（おやしお型潜水艦）を参照。

＜たかしま＞：MSC-603（ひらしま型掃海艇）またはMSC-661（はつしま型掃海艇）またはMSI-688（うきしま型掃海艇）を参照。

＜鷹島＞：日本海軍測天型敷設艇。昭和17年3月25日竣工、佐世保防備隊付属となった。昭和18年3月から昭和19年1月まで、佐世保−上海の護衛任務を実施。4月、佐世保−高雄の輸送任務を実施。7月、種子島方面で機雷を敷設。8月から沖縄への緊急輸送を実施。10月10日、沖縄で空襲を受けて沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門

＜多賀城海軍工廠＞：日本海軍の工廠で、宮城県多賀城にある。昭和18年11月に開設された。航空機用機銃・銃弾を担当する。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜鷹匠作戦＞：イラク戦争のオーストラリア軍呼称。

＜多賀城駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。中央部が山になっており、小演習場として使用可能。防衛館には日本軍や自衛隊の史料が展示されている。所在地は宮城県多賀城市丸山2-1-1。JR多賀城駅からタクシーで５分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。大元は1942年（昭和17年）に開設された海軍工廠で、太平洋戦争終結で1945年にアメリカ軍が駐屯して1951年までキャンプ・ローバーとして使用し、1954年に多賀城駐屯地として開設され、第６管区総監部が福島駐屯地から移駐した。1961年、多賀城燃料支処が開設された。7月、第22普通科連隊が仙台駐屯地から移駐した。1965年、第１教育連隊が仙台駐屯地から移駐した。1999年、第38普通科連隊が八戸駐屯地から移駐した。2006年、第１教育連隊が廃止され、第119教育大隊が新編された。2009年1月9日、新成人隊員57名の成人祝賀会食を実施。2月3日、陸上自衛隊第６師団と宮城・山形・福島３県警察による共同実動訓練を実施。7月6-17日、第６師団と警察機動隊による警察レンジャー訓練を実施。9月15日、地域活動連絡協議会梅の宮母親クラブのメンバーに対する駐屯地・部隊見学を実施。9月28-30日、東北インフォメーションシステムズ株式会社の新入社員33人に対する隊内生活体験を実施。11月25日、地元女性協力団体である航空自衛隊松島基地サルビア会の会員33人が駐屯地を見学した。2010年1月27日、駐屯地消防ポンプ班が消火訓練を実施。2011年3月11日、第22普通科連隊が平成22年度小火器射撃競技会を実施。閉会式の準備をしていた1446に東日本大震災が発生したため、直ちに指揮所を開設して連絡幹部を県庁や市町役場に派遣。先遣小隊の車両の出動準備を実施していたが、1556、砂押川を遡って駐屯地に押し寄せる津波が隊舎にいた隊員らの目に入った。隊舎屋上に上がれという叫び声を聞いた出動準備中の隊員達が慌てて階段を駆け上った直後の1559、津波が駐屯地正門を突破して敷地内に押し寄せ、駐屯地の半分近くが冠水し、地上施設の１階部分と、派遣準備中だった車両数十台や私有車を含む車400台が水没して大損害を受けた。隊員のうち第22普通科連隊第４中隊長を含む３名が津波に飲まれたが、何とか脱出している。利府町の射撃場で訓練中の隊員は渋滞で駐屯地に戻るのに３時間かかり、津波に巻き込まれて車両ごと流された隊員もいたが、何とか付近の建物の上に逃れて木材をイカダ代わりに駐屯地へと帰投した。その後すぐ徒歩やボートなどにより付近の救助活動を行っている。駐屯地の損害で第119教育大隊での訓練が行えなくなり、北部方面隊や中部方面隊が代行することとなった。また、東北補給処多賀城燃料支処の倉庫群（日本海軍工廠が建設）は壁が崩壊するなどの被害を受けて使用不能になっている。8月11日、多賀城市大代保育園の園児ら20人が駐屯地を訪問し、感謝状と手作りの金メダルを贈呈した。2012年3月17日、東京のNPO法人地域の芽生え21の会員と隊員らがサクラの苗木100本を植樹した。3月30日、男子一般陸曹候補生290名が第119教育大隊に入隊。3月31日、女性自衛官候補生70名が第119教育大隊に、自衛官候補生（前期教育）30名が第22普通科連隊に入隊。4月8日、第119教育大隊と第22普通科連隊教育隊の一般曹候補生前期292名・自衛官候補生104名に対する入隊行事を実施。2015年1月29日、仙台城南高校硬式野球部学生18人に隊内生活体験を実施。10月4日、第24回多賀城駐屯地司令杯争奪家庭バレーボール大会を実施。2018年4月8日、一般陸曹候補生課程前期と自衛隊候補生課程計522名の合同入隊式を実施。6月23日、一般陸曹候補生課程前期・自衛官候補生課程計496名の修了式を実施。参考：多賀城駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、月刊軍事研究5,’12、MORIBITO Vol.3、月刊PANZER5,’11、スピアヘッドNo.8、MAMOR vol.91、仙台駐屯地ホームページ、朝雲

　＜多賀城駐屯地（２０１５年）＞：第６師団第22普通科連隊、第６後方支援連隊第２整備大隊第２普通科直接支援中隊、東北方面混成団第38普通科連隊、同第119教育大隊、第308基地通信中隊、第124地区警務隊多賀城派遣隊、第301会計隊、東北補給処多賀城燃料支処、多賀城駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜多賀城駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2019年7月24日、子育て講座などの功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が贈呈された。参考：朝雲

＜高須四郎＞：海軍兵学校35期卒。五・一五事件発生時はイギリス大使館付き海軍武官だったが、艦隊派でも条約派でもない中立の立場として急遽呼び戻され、判事長を務めた。判決文を纏める際は頭を丸めて横須賀砲術学校に40日間籠もっている。昭和8年1月9日、五・一五事件の判決を言い渡した。11月15日から昭和9年11月15日、第３艦隊参謀長を務めた。昭和12年12月1日から昭和13年8月1日、練習艦隊司令官を務めた。昭和14年9月29日から11月15日、第５艦隊司令長官を務めた。昭和14年11月15日から昭和15年10月15日、第２遣支艦隊司令長官を務めた。北部仏印進駐時は第２遣支艦隊司令長官で、陸軍置き去り事件をやってのけた。昭和15年11月15日、第４艦隊司令長官となった。昭和16年8月11日、第４艦隊司令長官を退いて第１艦隊司令長官に就任。太平洋戦争直前には沢本頼雄海軍次官の質問に対して開戦反対と述べている。昭和17年7月14日、第１艦隊司令長官を退いた。9月15日、南西方面艦隊司令長官兼第２南遣艦隊司令長官に就任。昭和18年4月15日、第２南遣艦隊司令長官を退いた。9月20日、第13航空艦隊司令長官を兼務した。昭和19年4月、古賀連合艦隊司令長官行方不明事件で連合艦隊司令長官代理を兼任した。6月18日、南西方面艦隊司令長官兼第13航空艦隊司令長官を退いた。9月2日、胃病により60歳で戦病死した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜高�P飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜高田関山演習場＞：関山演習場を参照。

＜高田駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。郷土記念館には陸自資料や山下清画伯の絵などが展示されており、事前申し込みで一般見学が可能。所在地は新潟県上越市南城町3-7-1。JR南高田駅からタクシー５分。1950年10月、警察予備隊の駐屯地として陸軍野砲兵（山砲兵？）第19連隊跡に開設され、11月に第４連隊先発隊が駐屯した。1962年8月14日、第107施設大隊の一部が勝田駐屯地から移駐。1968年8月9日、第107施設大隊第３中隊が勝田駐屯地から移駐し、第107施設大隊が移駐を完結した。1972年8月1日、第107施設大隊が第５施設群に改編され、隷下７個中隊のうち６個が高田駐屯地に駐屯した。2001年3月、第５施設群第353施設中隊が松本駐屯地から移駐した。2011年4月、第307施設隊が宇都宮駐屯地に移った。4月16日、予備自衛官１日間招集訓練を実施。4月19日から5月6日、福島第一原発事故で上越市や妙高市に避難している被災者計69名を駐屯地に招待し、部隊見学や災害派遣活動の近況伝達などを行った。12月15日、陸自第92期一般幹部候補生（Ｂ・Ｕ）10名と薬剤科幹部候補生１名が普通科隊付教育履修のため着隊した。2012年4月3-5日、北越銀行新入社員42人に隊内生活体験を実施。2013年1月11日、新成人隊員45名の成人行事を実施。4月20日、高田城百万人観桜会で41年振りとなるパレードを実施。2014年1月10日、新成人隊員51名の駐屯地成人式を実施。2015年1月9日、新成人隊員の成人を祝う茶会を実施。3月14日、駐屯地音楽クラブが上越妙高駅で北陸新幹線開業記念イベントに参加。7月10日、即応予備自衛官雇用企業主ら10社15人に訓練公開概要説明、施設・装備品公開、体験喫食を実施。12月15日、餅つき大会を実施。2016年2月10-15日、スペシャルオリンピックス・新潟に協力するため、隊員29名を派遣。10月2日、駐屯地司令杯ママさんバレーボール大会を実施。12月10日、高田駐屯地業務隊が越後の絆�U訓練を実施。2017年12月4日、駐屯地司令と新潟県副知事が、にいがたはね馬国体の協力協定書に調印した。2019年2月2-3日、上越市の金谷山スキー場で開催されたレルヒ祭を支援した。4月6日、新発田駐屯地と共に高田自衛隊パレードを実施。新潟県上越市高田公園で隊員163名と車両26両が高田公園司令部通りを行進した。8月25日、新潟県上越市で第94回謙信公祭に参加・協力した。2021年8月4-5日、新潟地本長岡出張所が地元高校生２人のインターシップを実施。参考：高田駐屯地ホームページ、MAMOR vol.91、JGround Vol.23、月刊JWings6,’10別冊付録、朝雲、宇都宮駐屯地ホームページ

　＜高田駐屯地（２０１５年）＞：第12旅団第２普通科連隊、第５施設群、高田駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜高田駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2015年11月11日、板妻駐屯地で家族支援訓練に参加。2016年6月、大規模災害発生時の家族支援を訓練する越後の絆訓練を実施。12月10日、高田駐屯地で越後の絆�U訓練を実施。新発田駐屯地業務隊、新潟地本、家族会、隊友会が参加し、陸自各部隊、海自新潟基地分遣隊、空自新潟救難隊、第46警戒隊、家族支援関係者120人も研修に加わり、大規模災害（地震）発災直後の情報収集、情報共有、意思決定要領、自衛隊・家族会・隊友会の連携に関する図上演習と、事後研究会を行った。2017年2月21日、新潟県自衛隊家族会佐渡地区協議会が主催した佐渡市家族支援訓練に参加。2018年1月17日、家族支援訓練の企画実施など家族支援施策の推進の功績で、陸幕長から２級賞状が授与された。2022年2月1-3日、第12旅団第２普通科連隊が関山演習場で行った第２中隊訓練検閲に、指定充足訓練を兼ねて対抗部隊として参加した。参考：朝雲

＜高千穂＞：日本海軍浪速型二等巡洋艦。明治19年竣工。明治23年4月18日、海軍観兵式で御召艦を務めた。明治25年秋から明治26年春、横須賀鎮守府造船部で修理を受け、砲身が黒から白塗りになった。4月21日、常備艦隊に復帰。明治27年3月6日、ハワイの王政廃止に伴う移民保護のため横須賀を出港。3月21日、ホノルルに到着。日清関係が緊張してきたため、6月19日にホノルルを出港して日本に向かった。帰路は搭載した石炭の質が悪く、長期停泊で水線下に汚れが付いて航行能力が低下し、補助帆も使って7月9日（10日ともいわれる）に日本に着いた。明治36年5月15日、佐世保工廠で三四式無線電信機の搭載改修を実施。明治42年、敷設艦に改造された。大正3年10月18日0100、青島でドイツ海軍水雷艇S90の雷撃を受け、搭載していた機雷が誘爆、沈没した。乗員284名のうち、３名（13名説あり）のみ救助された。参考：月刊丸7,’14、月刊世界の艦船1,’02、6,'20、4,'21、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜高千穂降下部隊＞：日本陸軍空挺部隊。昭和19年12月6日、アンフェレス基地からドラグ・タクロバンに向けて出撃。そこへの地上部隊の到達予定は無く、実質空挺特攻だった。輸送にあたった挺進飛行第２戦隊の９機の輸送機共々帰らず、戦果は不明である。参考：特別攻撃隊

＜高千穂丸＞：MS-42（掃海艇）を参照。

＜高塚寅一＞：日本海軍エース。大正3年、静岡県生まれ。昭和8年11月、海軍操縦練習生を卒業。昭和15年9月13日、第12航空隊の重慶攻撃に参加し、３機を撃墜した。昭和16年10月、飛曹長となり、除隊した。太平洋戦争勃発により召集され、台南航空隊配属となり、昭和17年6月、ラバウルに進出した。9月13日、ガダルカナル島上空の戦闘で行方不明となり、戦死認定された。公認総撃墜数16機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜たかつき＞：DD-164（護衛艦）を参照。

＜たかつき型＞：海上自衛隊護衛艦。第２次防衛力整備計画で建造した大型汎用護衛艦で、対空重視のためDDAと呼ばれるが、アスロックとDASHを両方搭載していて対潜能力も高い。設計に際してはフォレスト・シャーマン級駆逐艦、ギアリング級FRAM�T、アレン・Ｍ・サムナー級FRAM�U、フレッチャー級FRAM�Uを参考とし、マック採用にあたりレイヒ級ミサイル・フリゲートの現場調査も行っている。船型は２層の全通甲板を持つ遮浪甲板型で、大型バウソナー（DD-164/165がAN/SQS-23、DD-166/167がOQS-3）を持ち、艦首錨と干渉しないよう艦首が大きく前方に突き出している。前甲板には強いシーアを付けたが、艦首形状の関係で波を被ることが多く、DD-164が青波を被ってボフォースランチャー架台が一部断裂する事故も発生、架台前部に波浪防護用ブルワークを追加した。DD-166/167は前部舷側にナックル・フレアを付けて凌波性を向上している。当初はもう１つの主錨をボフォース架台後方の右舷側に装備していたが、運用実績がイマイチだったようで、DD-166/167は艦首左舷側に移した。艦尾にDASH用格納庫（兼魚雷庫）と飛行甲板、JP-5燃料タンク（容量15キロリットル）を設置するため、マストと煙突を一体化したマックを護衛艦として初めて採用し、甲板スペースを節約している。後部マック頂部はTACANアンテナ収容ドーム装備部（後日装備予定）とした。２番艦以降は前部マストを2m高くし、前部煙突を前後に0.5m拡大するなどの変更を加えた。艦橋前方中央にアスロック管制所（DD-164は上甲板、DD-165以降は01甲板）があり、その下がアスロック弾庫で、前方のアスロック８連装発射機に機力補助装填装置により手動再装填する。艦橋は３層構造で、群司令部区画やCICを持つ。また、第１缶室の真上にあるため、艦橋下部中央から後部を煙路が突き抜けている。機関区画はシフト配置で、前後機関区画の間には補機室を設けている。主機は各艦でメーカーが違うが、あまつかぜ型で設計した標準化30000馬力蒸気タービンを採用した。艦内冷房方式は二段冷房式。艦載戦闘管制システムは国産アナログのTDS-1。FCSは光学・レーダー併用のMk56（艦橋頂部と後部マック後方に１基ずつ）で、DD-167は72式GFCS-1Aを搭載した。対空レーダーは前部マック中段のOPS-11、対水上レーダーは前部マック上段のOPS-17。対空戦では二次元レーダーしか搭載していないので目標高度情報が得られず、戦術情報処理装置としてNYYA-1を搭載していたものの火器管制機能と戦術データリンクが無く、CICと砲側との情報伝達は有線電話で行われており、CICで指示した目標を砲側FCSで捉えるのに難渋した。主砲射撃指揮装置はMk56で、２基を前後に搭載して抗堪性を増すと共に、１基を対空射撃、１基をアスロック弾頭分離着水点確認・DASH追尾に割り当てるという使い方をしている。DD-167はMk56の代わりに射撃指揮装置１型Ａを搭載した。電子戦装置は前部マック両舷ヤードのNOLR-1B（DD-164）／AN/WLR-1C（DD-165）／NOLR-5（DD-166）／AN/WLR-1C（DD-167、後日装備）。洋上補給装置はハイラインポスト、機力移送式ハイライン受給ステーション（艦橋前面）、洋上給油受油ステーション（上部構造物前後両舷）、洋上弾薬受給装置（５インチ砲上部後端）、テレスコピック・ポスト（昇降式補給ポスト）１基。全長136.0m、全幅13.4m、深さ8.7m、吃水4.4m、基準排水量3050トン（DD-166以降3150トン）、満載排水量3950トン（DD-166以降4050トン）。主機は蒸気タービン（直結式巡航タービン付き高・低圧型３胴で、DD-164は三菱ウェスティングハウス衝動反動型、DD-165は三菱エッシャーウィス衝動型、DD-166は川崎重工衝動NH-300型、DD-167は三菱ウェスティングハウス衝動反動型）２基、主缶は二胴水管缶（蒸気圧１平方センチあたり40kg、温度450℃、蒸気発生量毎時120トン。DD-164は三菱神戸CE舶用、DD-166は川崎BD120-1型、それ以外は三菱長崎CE舶用）２基、出力60000馬力、２軸推進、最大速力32ノット、航続距離は20ノットで6000海里。主発電機は蒸気タービン（800kW。後期２隻は1000kW）１基とディーゼル（400kW。後期２隻は500kW）２基で、補助発電機はディーゼル（200kW）１基。兵装は73式127mm単装砲（DD-165以降はライセンス生産）２門（艦前後に１門ずつ）、アスロック８連装発射機１基（艦橋前方）、ボフォース対潜ロケット４連装発射機１基（前部砲前方）、68式３連装短魚雷発射管が２基（前後上構間。Mk44短魚雷）、DASH２機（Mk44短魚雷使用）。DD-166以降は後部マックにTACANを装備し、DD-164とDD-165はAN/SQS-35(J)VDSを搭載している。艦載艇は7.9メートル内火艇２隻（後部マック右舷重力式ダビット、中部甲板デッキクレーン揚収式）、７メートルカッター１隻（後部マック左舷重力式ダビット）。乗員260名（270名？）。DD-164たかつき、DD-165きくづき、DD-166もちづき、DD-167ながつきが1967-70年に就役した。就役後は後部マックへのORN-6TACAN装備（DD-166除く）、戦術情報処理装置NYYA1搭載、ECM改良、VDS追加（DD-164とDD-165）などの改修を実施。1981年度でDASHの運用が中止された。DD-164とDD-165は1984-86年度にFRAM改装を施され、水上打撃力・ミサイル防御力・電子戦能力を強化し、はつゆき型に準じた性能を持った。1996年までに全艦退役した。参考：月刊世界の艦船11,’13、11,'17増刊、1,’95、12,'21、2,’87、3,’92増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、6,’11、8,’11増刊、2,’12、10,’11、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、艦船メカニズム図鑑、海上自衛隊全艦艇史、月刊丸3,’90、自衛隊装備カタログ1981、丸スペシャルNo.78

＜たかつき型ＦＲＡＭ改装＞：53中業で計画され、DD-164たかつきが1984-85年、DD-165きくづきが1985-86年に受けた改装で、個艦防空能力と水上打撃力をはつゆき型と同等レベルに向上させ、８年程度の艦齢延長を図るものである。これにより基準排水量が3250トンに、満載排水量が4300トンに増加、最大速力31ノットに低下したもののミサイル・電子戦能力が大幅に向上し、ヘリ以外ははつゆき型と同等の能力を得た。兵装は127mm砲１基（後部の52番砲）とDASH関係装備、第２方位盤を撤去し、シースパロー８連装発射機３型１基（DASH飛行甲板）とハープーン４連装発射筒２基（第２マック後方左右）を搭載している。きくづきのみDASH格納庫上部にCIWS１基を追加した。DASH格納庫内部はシースパロー管制室と予備弾庫になり、DASH格納庫上部には上部構造物が新設され、頂部にFCS-2-12Bを搭載した。また、艦橋上部指揮所の両側にMk36チャフ発射機を装備し、AN/SQR-18A曳航ソナーを搭載、CICを拡張し、戦闘システムをOYQ-5B-2（DD-164たかつき）／OYQ-5C-2（DD-165きくづき）に、ESMをNOLR-6Cに、対空レーダーをOPS-11C換装した。艦中部両舷にスライディング・パッドアイ式受給装置を追加し、TACAN、中部デッキクレーン、７メートルカッターを撤去している。費用はたかつきが161億円、きくづきが190億円。全長136m、最大幅13.4m、吃水4.5m、基準排水量3250トン、満載排水量4300トン。最大速力31ノット。兵装は127mm単装砲１門、シースパロー８連装発射機３型１基、ハープーン４連装発射筒２基、アスロック８連装発射機１基、３連装短魚雷発射管２基、ボフォース４連装対潜ロケット発射機１基、ファランクス１基（DD-165のみ）。乗員260名。完工後に船体振動の増大が判明し、特にたかつきで問題になったため、後部船体に補強を加えた（このせいで科員食堂が柱だらけになった）。3-4番艦にも行われる予定だったが、実行には移されなかった。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,'17増刊、3,’15、10,’02、2,’87、6,’11、8,’12、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史、月刊丸3,’90

＜たかなみ＞：DD-110（護衛艦、初代）またはDD-110（護衛艦、２代目）を参照。

＜高波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦７番艦。昭和17年8月31日竣工。昭和17年10月26日、南太平洋海戦に参加。11月7日、ガダルカナル島沖で爆撃を受けて大破した。11月30日のルンガ沖夜戦でアメリカ艦隊の矢面に立ち、集中砲撃を受けて30日0100に沈没、12月24日に除籍された。参考：月刊丸6,’03、日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜たかなみ型＞：海上自衛隊護衛艦。むらさめ型の改良型で、将来の誘導砲弾導入を見込んで127mm砲を装備し、VLSを１種類に統一して前甲板に纏め、SH-60K対応の航空艤装を搭載したものである。船型は遮浪甲板型、船体の組み立ては縦肋骨構造で、肋骨数は約100本。船体中心線前後60%を外板強度考慮範囲としている。前甲板の主砲を換装したため弾薬庫が弾庫と装薬庫に分かれ、VLSセル数が倍になったので、前甲板艦内区画もむらさめ型から大きく変更した。CICなど重要区画は第１甲板以下の船体中央部に置かれており、第２・第３甲板の戦闘区画と外板の間には通路や空所区画を設けてスプリンター防御を行っている。前部上構は３層の甲板で仕切られており、最上部の03甲板が艦橋及び旗甲板、02甲板が戦闘区画、01-第１甲板が司令室、艦長室である。第１甲板両舷には立直室があり、舷門当直員が詰めている。操舵装置は電気式舵制御装置と自動操舵装置で、艦尾区画の舵取機室にある舵取機電動機を遠隔操作する。主機も艦橋主機操縦装置で遠隔操作できる他、操縦室兼応急指揮所や各機械室での操作が可能。フィン・スタビライザーも艦橋と応急指揮所での操作が可能である。また、応急指揮所には応急コンソール装置が配置されており、主要区画の損害やタンク残量の確認、通風機や海水ポンプの遠隔操作などが行える。主機はむらさめ型と同様のシフト配置を採用、機関室はＭゼロ化（無人化）されており、第１・第２機関室の間に補機室を設けてディーゼル発電機（停泊時用。出力600kW）やポンプなどを搭載した。第２機関室後部の第３甲板下区画には航海時用のガスタービン発電機（出力1500kW）３基がある。煙突は２本で、機関室の担当駆動軸に合わせて前方が左舷側、後方が右舷側に寄っている。艦の前後区画には大型の冷暖房機を、必要区画には空調室を設け、戦闘区画と一般区画に別系統で通風トランクを設置、自動温度調節を行いつつ艦内の換気を行う。NBC攻撃を受けた際には艦内への空気取り入れを停止し、艦内空気循環で長時間の通風運転を行える。大部分の燃料タンクと船倉前後の３区画はバラストタンクを兼ねており、燃料消費時及び緊急時には海水ポンプで海水を注入して重心を下げたり、傾斜を補正したりすることができる。むらさめ型と異なり、居住区は小区分化されておらず、海曹士居住区は30名前後の大部屋である。科員室にはソファー、テーブル、椅子が寝室居住員の1/3分用意されていて、テレビに冷蔵庫も付いている。科員寝室には整理引き出し付きの２段ベッドと2-3名用衣服ロッカーがある。むらさめ型で科員寝室を小分けしすぎて乗員の行動・心理上問題があったため、少し大部屋にした。士官室は緊急時には手術室に早変わりする。むらさめ型と同様に２段ベッドを３段ベッドに交換して収容人員を増やすことができ、中国への親善訪問のため群司令部と音楽隊を追加で乗せたこともある。Mk41VLSのセル数が倍増したが、艦前部はフレアが大きく船体下部の幅が狭いため船体内に収まりきらず、はみ出した部分を前部上構前端に設けた甲板室に収容しており、VLS上面がむらさめ型より１甲板高い01甲板レベルになった。Mk48VLSの撤去跡は艦対艦ミサイル発射筒、搭乗員待機所、倉庫兼AGM-114対応弾薬庫にしている。マストはステルス性を考慮したタワー型に変更する検討もなされたが、200トンほど重量が増えるとのことで従来のラティス型のままとされた。代わりにジャッキステー、足場、梯子、手摺りなどを減らしたり、形状を変えたり、スライディング・パッドアイを傾けたりと、細かい工夫をしている。音響ステルスとしてマスカーとプレーリーを装備し、主機をエンクロージャー内に設置、減速装置は防振マスや防振支持を施した。艦載艇は7.9m内火艇２隻とRHIB１隻で、RHIBは第２煙突後方左舷側に移し、デッキ・クレーンは第１煙突後方中央に１基のみとした。全長151m、全幅17.4m、深さ10.9m、吃水5.3m、基準排水量4650トン、満載排水量6300トン。主機はCOGAG方式、巡航用スペイSM1Cガスタービン（最大20500馬力だが13500馬力で使用）２基＋ブースト用LM2500ガスタービン（最大25000馬力だが16500馬力で使用）２基、出力60000馬力、５翅可変ピッチ式スキュード・プロペラ２軸推進、速力30ノット。兵装は127mm54口径単装速射砲１門（前甲板）、CIWSバルカンファランクス・ブロック�TＡ（さざなみとすずなみはブロック�TＢ）２基（艦橋前方、ヘリ格納庫上左舷）、RIM-7M/-7Pシースパロー／垂直発射式アスロック用Mk41VLS（前甲板に32セル、それぞれ16発ずつ収納）、３連装短魚雷発射管２基（Mk46短魚雷）、SSM-1B艦対艦ミサイル４連装発射機２基（第２煙突直前）。SH-60J対潜ヘリ（後にSH-60K）を標準１機・最大２機搭載可能で、格納庫はSH-60Kの将来配備を考えてむらさめ型より大きめに作ってあり、ヘルファイアを収納できる。着艦装置はE-RASTで、着艦拘束装置の移送レールは２本（Ｙ字型）。マストは艦橋と前部煙突の間にあり、付け根両舷にスーパーバード衛星通信アンテナを持つ。マストトップにORN-6C（URN-25？）タカン、その下にNOLQ-3電子戦装置（ESM部）、その下にOPS-28D対水上レーダー、その下にORQ-1ヘリコプター・データリンクの白ドーム、その下にOPS-20航海レーダー、その下にOPS-24B対空三次元レーダー、その両舷にNOLQ-3電子戦装置（ECM部）がある。また、OQS-5-1パッシブ／アクティブソナー、OQR-2TASS（艦尾右舷）、127mm砲・シースパロー管制用FCS-2-31B２基（艦橋上及びヘリ格納庫上。FCS-2-21B？）、対魚雷デコイの曳航具４型（艦尾左舷）を装備する。戦術情報処理装置はOYQ-9（４番艦はOYQ-9D、５番艦はOYQ-9E）、コンピュータは1-3番艦がAN/UYQ-43、４・５番艦がAN/UYQ-70で、４番艦以降は複数のコンピュータによる分散処理方式を採用した。対潜情報処理装置はOYQ-103。データリンクはリンク11で、５番艦すずなみはリンク16（就役時から積んだのは初）であり、４番艦までもリンク16に改修する予定（2016年現在未実施）。自己防御用として、艦橋後方の上部構造物両舷にMk36SRBOCチャフ発射機２基ずつを搭載。指揮管制支援ターミナルを装備して高度の指揮通信能力を持つ。統合化航法システムも装備する。乗員176名。10DD-13DDとしてDD-110たかなみ、DD-111おおなみ、DD-112まきなみ、DD-113さざなみ、DD-114すずなみの５隻が建造され、2003-06年に竣工した。本来は11隻建造して八八艦隊に配備する予定だったが、周辺国の情勢変化などにより、あきづき型の建造に移っている。ソマリア沖海賊対処で艦橋周辺に装甲板を装着し、チャフ甲板に防弾板付12.7mm銃座を追加、LRADとRHIBを積んだ。2014-15年度予算でRIM-7Mの代わりにESSMを搭載する改修を実施中。2016年度から艦載戦闘システム、2017年度からCIWSの近代化を行う予定。参考：月刊世界の艦船1,’04、5,’19、1,’20、3,’07、1,’14、1,’16、1,’17、3,’10、1,’11、6,’11、2,’12、8,’12、1,’13、1,’15、3,’16、1,'24、月刊丸6,’03、1,’10別冊、月刊軍事研究5,’03、4,’08、6,’15、JShips Vol.48、月刊JWings9,’04、3,’05、海上自衛隊全艦艇史、MAMOR vol.111

＜たかなみ型ガスタービン操縦訓練装置（その１）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜たかなみ型ガスタービン操縦訓練装置（その２）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究11,’10

＜タカニス・ベイ＞：CVE-89（護衛空母）を参照。

＜たかね＞：MSC-640（掃海艇）を参照。

＜高根＞：日本海軍海防艦。昭和20年7月30日、舞鶴で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜鷹野型＞：日本海軍給油艦。改マル五計画で建造を予定した15900トン型艦隊随伴高速給油艦で、計画番号はJ-34である。速吸型の航空機搭載能力を強化したもので、流星14機を積む。ただ防御力や速力などは基本的に補助艦艇に準じており、第一線部隊に同伴させるのは無理なため、どう運用するつもりだったのかは不明である。１番艦鷹野など８隻を作る予定だったが、竣工が昭和20-24年になる見込みで、戦況悪化により建造中止となった。参考：日本海軍特務艦艇史、月刊丸7,’14

＜高萩飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和14年、埼玉県入間郡高萩村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜高橋伊望＞：海軍兵学校36期卒。昭和5年、随員としてロンドン軍縮会議に参加。帰国後は海軍省副官となった。愛宕艦長、霧島艦長、軍令部第２部長を歴任し、昭和12年11月15日から昭和14年11月5日まで第１艦隊参謀長を務めた。その後馬公要港部司令官に就任し、昭和16年4月10日に再編された第３艦隊の司令長官となった。昭和17年3月10日、第２南遣艦隊司令長官に着任。4月10日、南西方面艦隊司令長官を兼務。9月15日、南西方面艦隊司令長官を退いた。11月5日、第２南遣艦隊司令長官を退いて呉鎮守府司令長官となり、昭和18年6月に退任、昭和19年12月に予備役となた。昭和22年3月18日、69歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜高橋勝太郎＞：日本陸軍エース。大正5年、岡山県生まれ。昭和11年7月、少年飛行兵として熊谷陸軍飛行学校を首席で卒業し、教育総監賞を授与され、飛行第１連隊に配属された。昭和13年7月、飛行第59戦隊に転属。昭和14年9月、満蒙国境に移動。9月15日、タムスク進攻で２機を撃墜し、初陣を飾った。昭和15年12月、航空士官学校に入学、昭和16年7月に卒業し、飛行第59戦隊に戻った。太平洋戦争後は南方に展開。昭和17年3月2日、リジャチ飛行場上空で６機を相手に単機で立ち回り、賞賛を浴びた。12月14日、敵襲の報で機体の乗り込もうとしたところを敵戦闘機に銃撃され、戦死した。総撃墜数９機。最終階級は中尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜高橋健一＞：日本海軍エース。大正13年、長野生まれ。昭和15年、海軍乙種予科練習生となり、昭和18年3月に飛行練習課程を修了し、名古屋航空隊に配属された。その後厚木航空隊に転属、昭和18年9月末に第204航空隊配属となり、ラバウルに進出した。10月24日、初戦果を記録。昭和19年1月末、第253航空隊に転属となった。2月中旬、トラックに引き揚げた。6月19日、あ号作戦に伴いグアムに展開。数日後、中攻でグアムを脱出し、トラックに帰投、次いで潜水艦により本土に帰還した。7月、第221航空隊戦闘308飛行隊に配属された。10月中旬、捷号作戦参加のためフィリピンのクラーク基地に進出。昭和20年1月、筑波航空隊に転属となり本土に帰還、終戦を迎えた。総撃墜数14機。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜高橋武夫＞：日本陸軍エース。大正9年、広島県生まれ。昭和13年2月、東京陸軍航空学校に入学、熊谷陸軍飛行学校で操縦教育を受け、昭和14年7月に卒業し、飛行第９戦隊所属となった。昭和16年3月、軍曹に昇進。11月、第１野戦補充飛行隊に転属。昭和17年2月、飛行第11戦隊に転属。3月末、ビルマ戦線に移動。5月5日、初戦果を挙げた。12月、ラバウルに進出。昭和18年1月31日、ガダルカナル島撤退作戦援護でF4F戦闘機２機を撃墜。7月、本土に帰投し、その後満州に移動した。昭和19年4月、飛行第52戦隊に転属し、芦屋に展開。9月30日、ルソン島デルカルメン基地に移動。10月15日、マニラ空戦で１機を撃墜。10月末、バコロド上空でP-38を撃墜し、准尉に昇進した。11月3日、P-38を撃墜したが、被弾して不時着、匪賊と交戦して右大腿を負傷し、入院した。11月13日、輸送機に搭乗して後退したが、マニラ湾付近で行方不明となり、戦死認定された。総撃墜数13機以上。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜高畑山分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地で、第13警戒群が駐屯している。所在地は宮崎県串間市大字本城４。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11

＜高平・ルート協定＞：1908年11月30日に日米間で交わされた協定で、太平洋域における軍事的緊張緩和、清国の門戸開放及び機会均等、互いの領土の現状維持を確認するものである。条約ではないため強制力は無かったが、日本は列強に対して清国の権益を一定量確保することに成功し、外交上でも列強に肩を並べることとなった。参考：歴史群像6,’08

＜タカプ＞：ニュージーランド海軍タカプ級内海測量艇Takapu。1980年就役。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜タカプ級＞：ニュージーランド海軍内海測量艇Takapu級。モア級と同じ船体を採用し、測量用の内装を施した。全長26.8m、満載排水量112トン。主機はディーゼルで、出力710馬力、２軸推進、速力12ノット。1980年にタカプなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜高松飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜たかみ＞：MSC-630（掃海艇）を参照。

＜たかみ型＞：海上自衛隊掃海艇。かさど型の海洋型として、掃海任務だけでなく、水中処分班を収容しての機雷掃討任務が追加された。船型は船首楼型で、船首楼をかさど型より後ろに延ばして艦内容積を拡大し、水中処分員関連のスペースを確保している。船体素材は長尺材を全て集成材にし、従来ヒノキやタモを使っていた部分を米松に変更した。ASDIC193（たかみ、いおう）またはZQS-2高性能機雷探知機（みやけ以降）と、水中処分艇（ゴムボート）やスクーパーなどの水中処分具を搭載し、水中処分員４名が乗艦する。デリックは掃海用クレーンに換装し、クレーンや舵は油圧作動式となった。掃海具として67式普通掃海具とS-2処分具を装備する。主機には防振支持と弾性軸接手を採用し、水中雑音を低減した。当初は減速装置を二速減速機にして航行時・掃海時共に主機を全力運転できるようにしていたが、MSC-636以降は可変ピッチプロペラを採用して二速減速機は廃止、掃海時には主機の振動を最小とする回転数で固定し、ピッチを変化させて速力をコントロールするようにした。艦内電源は交流化しており、戦闘区画には冷房を設置している。舷側排気のため、煙突は無い。全長52m、全幅8.8m、深さ4m、吃水2.4m（2.3m？）、基準排水量380トン、満載排水量425トン。主機は三菱YV12ZC15/20�T型12気筒Ｖ型ディーゼル２基２軸1440馬力、速力14ノット。機雷破壊用20mm単装機関砲１門を装備する。乗員45名。1967-75年度計画でMSC-630たかみ、MSC-631いおう、MSC-632みやけ、MSC-633うとね、MSC-634あわじ、MSC-635とうし、MSC-636てうり、MSC-637むろつ、MSC-638たしろ、MSC-639みやと、MSC-640たかね、MSC-641むづき、MSC-642よこせ、MSC-643さかて、MSC-644おうみ、MSC-645ふくえ、MSC-646おきつ、MSC-647はしら、MSC-648いわいの19隻が1969-78年に竣工し、1992-2000年に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,'17増刊、10,'15、1,’95、1.’79増刊、5,’02増刊、3,’10、海上自衛隊全艦艇史、丸スペシャルNo.76、No.78

＜たかみ型＞：海上自衛隊第２種支援船特務船。船体は木製で、全長52m、幅8.8m、深さ4m、吃水2.4m、基準排水量380トン。主機はディーゼルで、出力1440馬力、２軸推進、速力14ノット。11隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜高見山丸＞：三井船舶部貨物船Takamisan maru。垂線間長83.97m、幅12.41m、深さ6.4m、満載吃水5.53m、総トン数1992トン、重量トン数3152トン。主機は三井B&Wディーゼル１基１軸1333馬力、航海速力10ノット、最大速力11.46ノット。昭和3年竣工。太平洋戦争中は陸軍の輸送を行った。昭和18年5月30日、伊万里から上海に向かっていたところ、舟山列島東福山島東170kmでSS-189ソーリーの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’23

＜高宮敬司＞：日本陸軍エース。大正10年、千葉県生まれ。昭和16年7月、陸軍士官学校を卒業し、歩兵少尉となった。半年後に航空に転科、大刀洗飛行学校と明野飛行学校、飛行第４戦隊で教育を受け、昭和18年3月に飛行第78戦隊所属となった。7月12日に東部ニューギニアに向かった。7月21日、マダン上空で初撃墜を記録。昭和19年2月1日、夜間着陸の際に燃料タンク車に衝突して戦死した。総撃墜数17機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜タカムカリ＞：PGH-2（砲艇）を参照。

＜高遊原分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地で、たかゆうばると読む。熊本空港の一角にあり、所在地は熊本県上益城郡益城町大字小谷1812。JR熊本駅からバス（熊本空港行き）でテクノリサーチパーク入り口下車。2019年6月1日、熊本地本が募集対象者や協力者ら53人にCH-47JAヘリ体験搭乗を実施。2020年3月26日、輸送航空隊第109飛行隊が新編された。参考：JGround Vol.23、月刊JWings6,’20、朝雲

＜高遊原分屯地（２００７年度）＞：西部方面航空隊本部付隊（LR-2）、西部方面航空隊西部方面ヘリコプター隊（CH-47JA）、第８師団第８飛行隊（UH-1J、OH-6D）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜高遊原分屯地（２０１５年）＞：西部方面航空隊本部、西部方面航空隊本部付隊、西部方面ヘリコプター隊第３飛行隊、第８飛行隊、西部方面航空野整備隊、西部方面管制気象隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜高良台分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第８高射隊が配備されている。所在地は福岡県久留米市荒木町藤田官有地。1966年2月、陸上自衛隊高良台演習場の一部に開設され、第２高射群第８中隊が創設された。8月、ナイキ・アジャックスの運用を開始。1969年10月、第２高射群第８中隊が同群第８高射隊に改編された。1973年3月、ナイキＪの運用を開始。1992年4月、航空警戒管制多重通信網の運用を開始。1994年3月、ペトリオットの運用を開始。参考：高良台分屯基地ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、MAMOR vol.90

＜宝塚音楽学校＞：1989年から4月の入学直後に自衛隊での１日研修（隊内生活体験。2010年からは中部方面通信群が担任）を行っており、舞台での隊列形成や迅速な行動に役立てている。参考：MAMOR Vol.43、朝雲

＜宝塚海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、兵庫県川辺郡にある。飛行予科練習生教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜タカン＞：TACANを参照。

＜タカン航法装置テストセット＞：自衛隊の機器。日本エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究1,’11

＜タカンシミュレータ＞：自衛隊の機器。島田理化工業またはジュピターコーポレーション製。参考：月刊軍事研究2,’13、1,’14

＜蛇管ピックアップ法＞：海上自衛隊第１掃海隊群が開発した、掃海母艦と掃海艇による洋上補給法。両艦並走によるCONREP装置は装備していないため、代わりに考案したもので、掃海母艦から掃海艇に蛇管を渡し、タンデム航走しつつ給油や給水を行う。蛇管の代わりに索を渡せば、ドライカーゴも受け渡しできる。津軽海峡を航行するソ連艦が行っていたのを参考にしたらしい。参考：ペルシャ湾の軍艦旗

＜タカンレシーバー＞：自衛隊の機器。日本エアロペース製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜タカンレシーバートランスミッター＞：自衛隊の機器。日本エアロペース製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜タキ−１号＞：日本陸軍の航空機用対水上レーダー（電波警戒機）。昭和19年後半に実用化された。参考：歴史群像4,’17

＜タキ−２号＞：日本陸軍の航空機用迎撃レーダー（電波標定機）。二式複戦に搭載してテストされたが、完全実用化前に終戦を迎えた。参考：歴史群像4,’17

＜滝ヶ原駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。東富士演習場の真ん中にあり、滝ヶ原飛行場に長さ650m、幅18m、ランウェイ02/20の滑走路を持つ。所在地は静岡県御殿場市中畑2092-2。1960年4月、滝ヶ原分屯地として開設された。1965年7月、第110施設大隊が移駐。1974年4月、滝ヶ原駐屯地に昇格した。8月、滝ヶ原駐屯地業務隊が新編された。1977年3月、富士飛行班が教育支援飛行隊富士飛行班に改称された。2002年3月、評価支援隊が新編され、第11施設大隊が教育支援施設隊に改編された。2009年1月13日、新成人隊員47名の成人祝賀会を実施。新成人は会食の前に県道23号線の清掃奉仕を行った。5月15日、静岡市常葉高校の総合的学習の時間（職場体験学習）に協力し、１年生47人が参加した。7月26日、東京都昭島消防少年団の部隊見学を支援した。2010年10月19-21日、御殿場市立南中学校の生徒６人に対する職場体験学習を実施。2011年1月7日、新成人隊員45名に対して駐屯地祝賀会を実施。終了後は新成人隊員がボランティア活動として県道23号線の歩道周辺のゴミ拾いを実施した。3月、御殿場市と大規模災害時等の自衛隊派遣における留守家族支援に関する協定書を締結した。2012年4月上旬から5月中旬、静岡県内５企業の新入社員209人に対する隊内生活体験を実施。12月8日、第１飛行隊のUH-1ヘリ２機で部外者体験飛行を実施。2013年4-5月、静岡県内外７企業の新入社員284人に隊内生活体験を実施。6月15日、静岡市葵区賤機山の慰霊碑前で行われた静岡市民戦没者とB-29米軍機搭乗員を弔う日米合同慰霊祭に参加。2014年6月7日、静岡県沼津市の千本浜海岸で米軍キャンプ富士の兵士と富士日米友好協会主催の地引き網大会に参加。8月21日、砂川市と大規模災害時等の連携に関する協定と、大規模災害時等における派遣隊員留守家族支援に関する協定を締結。2015年1月5日、訓練始めを実施。普通科教導連隊は駆け足訓練、評価支援隊は綱引き、教育支援施設隊は持続記録会、富士教導団支援隊は行進訓練と演習場のゴミ拾いを行った。4月1日、ファミリーマートが新装開店した。2016年4-6月、４企業の社員163人に隊内生活体験を実施。6月4日、新隊員教育隊が自衛官候補生家族137人を招いて家族の日を開催。2019年2月2日、長野地本が募集対象者33名に戦車試乗・見学会を実施。4月4日、自衛官候補生98名の入隊式を実施。4月17日、静岡県赤十字血液センターの献血に協力した。5月18日、下田黒船祭に参加。7月24日、静岡地本が高校２年生７人の職場体験を実施。2020年3月2-5日、駐屯地メンタルヘルスケア・コミュニティが駐屯地ないでケア要員養成訓練を実施。隊員８名が参加し、訓練終了後の3月18日にケア要員認定証を授与された。参考：滝ヶ原駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、月刊JWings6,’10別冊付録、11,’18、朝雲

＜滝ヶ原駐屯地（２００７年度）＞：航空学校教育支援飛行隊富士飛行班（OH-6D、OH-1）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜滝ヶ原駐屯地（２０１５年）＞：普通科教導連隊、教育支援施設隊、富士教導団教育隊、部隊訓練評価隊評価支援隊、航空学校教育支援飛行隊富士飛行班、東部方面管制気象隊第２派遣隊、第305基地システム通信中隊滝ヶ原派遣隊、第128地区警務隊滝ヶ原連絡班、第433会計隊、滝ヶ原駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜滝ヶ原駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1974年8月に新編された。2014年7月11-12日、御殿場市と共同で子弟の一時預かりに関する宿泊訓練を実施。8月26日、富士総合火力演習の労をねぎらうため、夕食で慰労バイキングを実施。12月8日、依託売店を利用しやすい環境を醸成した功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。2015年7月24-25日、託児施設の運営訓練を実施。2016年7月28日、隊員11家族から子供20人を預かり、駐屯地厚生センターで隊員の子供の面倒を見る施設運営訓練を行った。9月1日、富士総合火力演習の労をねぎらうため、隊員食堂で総火演慰労バイキングを実施。12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。参考：朝雲、滝ヶ原駐屯地ホームページ

＜滝川演習場＞：陸上自衛隊の演習場。面積137万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。参考：月刊軍事研究4,’10

＜滝川駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は北海道滝川市泉町236。JR滝川駅からバスで20分、タクシーで10分弱。アイヌ語史料館であるソーラップチ（ソーは滝、ラップチは下るの意）史料館がある。1955年7月に開設され、第10普通科連隊が真駒内キャンプから移駐、第345会計隊、第328固定無線隊、第328警務分遣班、滝川駐屯地業務隊が新編された。1962年8月、第101特科大隊が移駐してきた。1968年3月、第314基地通信中隊滝川派遣隊が新編された。1969年3月、第11特科連隊第１大隊が真駒内駐屯地から移駐した。第101特科大隊が美幌駐屯地に移駐した。1971年3月、第328警務隊が第101地区警務隊滝川派遣隊に改編された。1996年3月、第11特科連隊第１大隊が真駒内駐屯地に移駐した。2008年3月、第11後方支援隊第２整備中隊第１普通科直接支援小隊が新編された。2009年11月、新レンジャー塔（高さ11mと10mの２本）が完成。2010年、展示装備にUH-1Hと75式自走155mm榴弾砲が追加された。2010年4月28日、新レンジャー塔の落成式を行い、レンジャー特技保有者によるラペリング展示や、塔の間に張られたロープを渡る胆力テストなどが実施された。2012年5月8日、駐屯地修親会員61名と曹友会員270名が駐屯地周辺クリーン作戦を実施。2014年10月9日、北海道砂川高校と札幌工業高校の生徒計37人のインターンシップに協力した。2015年1月15日、北海道赤十字血液センターで北海道知事から北海道社会貢献賞（献血推進功労者）を授与された。6月20日、隊員150名と車両43両が滝川市メインストリートで駐屯地創設60周年記念パレードを実施。2016年7月16日、芦別市で第47回星の降る里・芦別健夏山笠まつりに参加し、１トンの山笠を53名で担いで2kmを走破した。2018年6月9日、第10普通科連隊170名（うち自衛官候補生58名）と車両31両が滝川市三楽街で市中パレードを実施。8月2-3日、隊員家族を対象に夏休みちびっ子キャンプ大会を実施。10月4-5日、砂川高校２年生のインターンシップを支援した。2019年1月27日、駐屯地修親会・曹友会36名が滝川市丸加高原でそらぶちキッズキャンプのジャンボ滑り台を製作した。3月26日、第10普通科連隊が第10即応機動連隊に改編され、編成完結式が行われた。2021年10月21日、FMなかそらちのインタビューを受けた。参考：滝川駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、月刊JWings9,’10、MAMOR vol.123、朝雲

　＜滝川駐屯地（２０１５年）＞：第11旅団第10普通科連隊、第52普通科連隊第２中隊、第11後方支援隊第２整備中隊第１普通科直接支援小隊、第314基地通信中隊滝川派遣隊、第120地区警務隊滝川派遣隊、北部方面情報保全隊滝川情報保全派遣隊、第345会計隊、札幌地方協力本部滝川地域連絡事務所、滝川駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜滝川駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1955年7月に新編された。2016年12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。2021年10月22日、滝川駐屯地とラウネ川で油流出対処訓練を実施。参考：滝川駐屯地ホームページ、朝雲

＜滝川駐屯地史料館＞：滝川駐屯地内にある史料館で、名称はソーラップチ。自衛官の装備や日本陸軍の小銃、合成石油の歴史などが展示されている。駐屯地開放時の他、２週間前までに予約すれば土日祝日以外は見学可能。参考：MAMOR vol.42、vol.91

＜滝口広＞：日本陸軍エース。大正8年、香川県生まれ。昭和17年3月、陸軍航空士官学校を卒業し、飛行第204戦隊に配属された。昭和18年11月、ビルマに配置された。昭和19年2月29日、共同でB-24爆撃機４機（不確実２機含む）を撃墜。4月1日、B-24爆撃機３機を撃墜。4月25日、インパール付近で輸送機２機を撃墜。10月、ネグロス島に移動してレイテ戦に参加。11月1日、船団護衛のためオルモック湾に向かったが、P-38と交戦して行方不明になり、戦死認定された。総撃墜数９機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜タキシーウェイ＞：誘導路。エプロンと滑走路を繋ぐ道のこと。滑走路と区別できるよう、滑走路よりも照明を落とし、中心線には緑、路端には青の灯火を設置している。参考：JWings11,’18、8,’04

＜タキシング＞：Taxing。タキシーウェイを航空機が自走すること。牽引されるのはトーイングという。参考：JWings8,’04、10,’09別冊付録

＜たきすけ＞：滝ヶ原駐屯地のマスコット。2019年5月18日、下田黒船祭に参加。参考：朝雲

＜多機能アクティブセンサー＞：AN/ZPY-3（レーダー）を参照。

＜多機能曳航アレイ＞：TB-37（曳航ソナー）を参照。

＜多機能化ＦＤＲ用データ読み出しユニット＞：自衛隊の機器。関東航空計器製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜多機能艦＞：イタリアのフィンカンティエーリ社が構想を発表した多目的揚陸艦Multifunctional Ship (MS)。全長190m、幅33m、満載排水量20000トン。主機はディーゼルで、速力20ノット。乗員200名。EH-101級ヘリ６機と兵員750名を搭載できる。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜多機能先進データリンク＞：アメリカ軍のF-35戦闘機用Kuバンドデータリンクで、MADL（Multifunction Advanced Data Link）と略す。通信速度が速く、対空目標の攻撃に必要なデータを丸ごと僚機に送って代わりに攻撃してもらえる。また、指向性も高く、傍受・妨害されにくい。B-2でも運用する予定。F-22戦闘機用飛行間編隊内データリンクIFDLとは互換性が無いので、ゲートウェイ・ワンを介してデータ交換できるようにするテストを行っている。参考：月刊軍事研究8,’17、月刊世界の艦船7,’17、月刊JWings3,’21

＜多機能前線戦闘機＞：MFIを参照。

＜多機能ディスプレイ＞：MFDを参照。

＜多機能統合型ＲＦシステム／多機能機首アレイ＞：AN/APG-81を参照。

＜多機能表示装置／統合飛行情報システム＞：MFD/IFISを参照。

＜多機能レーダー＞：MFR（Multi Function Radar）と略す。捜索探知機能のみでなく、射撃用の精密追尾、ミサイル中間誘導のデータリンク、終末誘導や砲管制の目標照射などを１つのレーダーで行えるようにしたもの。時分割で各機能を割り当てるので、最適な時間管理が行えるようなプログラムを組むのが重要である。レーダー波は長距離捜索のため波長の長いものにするか、追尾能力重視のため波長の短いものにするか悩ましい所で、別に長距離捜索レーダーを搭載することもある。参考：月刊軍事研究2,’02、月刊丸1,’10別冊、レーダシステムの基礎理論

＜滝山和＞：たきやまやまと。日本陸軍エース。大正4年、京都府生まれ。昭和12年6月、陸軍士官学校を卒業し、8月に航空兵少尉となり、所沢飛行学校、明野飛行学校で訓練を受け、昭和13年7月に飛行第11戦隊第２中隊配属となった。昭和14年6月27日、I-16戦闘機１機を撃墜して初陣を飾った。昭和16年3月、大尉となり、飛行第87戦隊中隊長となった。昭和19年、陸軍大学校を卒業。8月、飛行第104戦隊長となった。12月、B-29爆撃機２機を撃墜。その後終戦を迎えた。総撃墜数９機、不確実５機。最終階級は少佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜太行山＞：982（揚陸艦）を参照。

＜タク＞：N38（潜水艦）を参照。

＜タクシン＞：422（フリゲート）を参照。

＜タクシン＞：タイ海軍タクシン級軽巡洋艦タクシン。1939年起工、1942年5月進水。8月にイタリアに接収され、エトナ級軽巡エトナとなった。参考：近代巡洋艦史

＜タクシン級＞：タイ海軍軽巡洋艦。1939年にトリエステのCRDAにタクシンとナレスアンの２隻が発注された。基準排水量5500トン。速力30ノット。兵装は15.2cm連装砲３基、7.6cm単装高角砲６門、533mm３連装魚雷発射管２基。水上偵察機を搭載する。進水前後の1941年12月に工事が中断され、1942年8月にイタリアが取得してエトナ級軽巡となった。参考：近代巡洋艦史

＜タクソン＞：CL-98（軽巡洋艦）を参照。

＜タクティカ・シリーズ＞：イギリスのGKNディフェンス社が開発した装輪装甲車。４輪駆動車で、車種によりホイールベースが異なり、また車体形状も異なる。参考：月刊PANZER12,’98

　＜装甲兵員輸送車型＞：車体は箱形で、7.62mm弾から防御できる。収容人員は操縦手含め14名、シートを替えると22名まで収容できる。また、車体上部に7.62mm銃塔の搭載も可能。参考：月刊PANZER12,’98

　＜長距離パトロール型＞：車体は箱形で、車内に操縦手含め９名の兵員と装備を収容、操縦室上面に自衛用7.62mm機銃を搭載できる。防弾ガラスを使用しており、7.62mm弾に耐えられる。また、ニーズに応じて増加装甲の装着も可能。ディーゼルエンジンは複数が用意され、顧客が選択できる。参考：月刊PANZER12,’98

＜タクティカル・ウェポン・ミート＞：NATO軍が1960年代から毎年実施している航空部隊演習Tactical Weapon Meet。参考：月刊航空ファン9,’17

　＜タクティカル・ウェポン・ミート２０１７＞：2017年6月5-16日にベルギー空軍フロレンヌ基地で行われ、空対空戦闘やミッションパッケージ演習を実施した。イギリス空軍ホークT1A攻撃機、イタリア空軍F-2000ユーロファイター、ギリシャ空軍F-4E AUP戦闘機、スペイン空軍ユーロファイターC.16、ベルギー空軍F-16AM/BM戦闘機、アルファジェット1Bプラス攻撃機、ポーランド空軍MiG-29A戦闘機などが参加している。ベルギー空軍第１飛行隊創設100周年記念で記念塗装のドイツ空軍ユーロファイターやフランス空軍ミラージュ2000-5F戦闘機なども飛来した。参考：月刊航空ファン9,’17

＜タクティカル・フォーメーション＞：Tactical Formation、戦闘隊形。２機編隊の隊形の１つで、編隊長機が右、ウイングマンが左に並び、２海里離れて飛行する。参考：月刊JWings1,’24

＜タクティカルベスト＞：ベストにポーチを作りつけ、各種装備を収容できるようにしたもの。2-3日分の作戦行動が可能な弾薬や水などを持ち運ぶことができる。参考：歴史群像6,’08

＜タクティカル・リーダーシップ・プログラム＞：TLPと略す。NATO加盟国空軍による共同訓練で、戦術訓練及びリーダーシップ養成を主目的とし、年に3-4回実施される。2019年6月、TLP19-2をスペインのロス・ジャノス基地で実施。スペイン空軍、ポーランド空軍、ギリシャ空軍、アメリカ空軍F-35A戦闘機が参加した。参考：月刊JWings5,’16、9,’19

＜タクティシャン＞：P314（潜水艦）を参照。

＜ダクテッド・ファン＞：Ducted fan、Ducted-fun。推進装置の１つで、ダクト（導管）の中にファンを設置して回転させ、推進力を発生させるタイプである。低速時の推進効率が高いが、単純なファンよりもダクトの分だけ重量がかさむ。ターボファン・エンジンはターボジェット・エンジンにダクテッド・ファンを取り付けた構造をしており、ダクテッド・ファン・エンジンとも呼ばれる。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、月刊世界の艦船5,’14、航空用語事典増補改訂版

＜ダクテッド・ファン・エンジン＞：ターボファン・エンジンを参照。

＜ダクテッド・ロケット・エンジン＞：Ducted Rocket Engine。酸化剤の少ない固体ロケット推進薬を一次燃焼室に充填して点火し、発生した可燃性不完全燃焼ガスを二次燃焼室で圧縮空気と混合して着火させ、燃焼ガスをノズルから噴射して推進力を得るエンジン。ラムジェットエンジンの固体燃料版で、グルシジルアジ化ポリマーを主成分とする推進薬を使用する。。衝撃波による圧縮空気を得るために、予め超音速に加速しておく必要があり、最初は高効率のロケット推進薬を使用して固体燃料ロケットとして加速し、超音速（マッハ２以上）に達したらダクテッド・ロケットに切り替える方式がとられる。固体燃料を使うので貯蔵性に優れる。空気取り入れ口からの空気流量が速度と高度で変化するため、一定高度を一定速度で飛行する場合は単純な構造で済むが、そうでなければ速度と高度に応じて一次燃焼室での燃焼速度を調節する必要があり、燃焼調整が難しい固体燃料を使うこともあって運用範囲が限られる。ミサイルに使用する場合、燃料が尽きた後にエアインテイクが空気抵抗を生むだけの邪魔者になってしまうので、ミーティアのように取り付け方法を工夫したり、技本で開発中のミサイルのように投棄式にしたりといった手段を採用する。参考：火薬のはなし、月刊軍事研究6,’14、10,’11、自衛隊装備年鑑1996

＜タクト＞：PG-98（コルベット）を参照。

＜ダクト現象＞：Ducting。大気中の温度や湿度の逆転層において、電波が屈折反射しつつ遠距離まで到達する現象のこと。Ｘバンドなど周波数の高い電波で生じやすく、バルチック海、東地中海、ペルシャ湾、南シナ海でよくみられる。これを利用して水平線以遠の目標をレーダーで探知することも可能。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ダクト推進機関＞：Duct propulsion engine。ダクト内に燃料噴射装置や自動弁など簡単な装置のみを設置し、ダクト後方から高温高速の燃焼ガスを噴射して推進する機関のことで、ラムジェットエンジンやパルスジェットエンジンなどがある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜タクナ＞：158（補給艦）を参照。

＜タグボート＞：曳船を参照。

＜タグボード＞：D-21シリーズ（無人偵察機）を参照。

＜たくま君＞：陸上自衛隊のマスコットキャラ。陸自シンボルマークの左手が意味する「たくましさ・強さ」から命名された。着ぐるみは2013年4月27日に幕張メッセ（ニコニコ超会議２）で初登場した。参考：朝雲、MAMOR vol.99

＜ダグラス＞：D90（駆逐艦）を参照。

＜ダグラス・Ａ・マンロ＞：DE-422（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダグラス・Ｈ・フォックス＞：DD-779（駆逐艦）を参照。

＜ダグラス・Ｌ・ハワード＞：DE-138（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダグラス社＞：アメリカの航空機会社Douglas Aircraft Company。ドナルド・ダグラスが1921年7月にカリフォルニア州で設立した。それより前の同年4月にアメリカ海軍での審査が決定したドナルド・ダグラス設計のDT雷撃機を手始めに航空機製造を開始した。1924年にDT-2の改造機が世界一周に成功すると、社章に「最初の世界一周」の文字を加えている。1932年から民間旅客機開発に着手、DC(Douglas Commercial)シリーズを生み出した。1968年4月28日（1967年？）にマクダネル社に吸収され、マクダネル・ダグラス社になった。参考：月刊航空情報3,’10、週刊エアクラフトNo.93、月刊JWings12,’20

＜ダグラス・バーダー＞：バーダー（イギリス空軍エース）を参照。

＜ダグラス飛行艇＞：DF海外シリーズ（飛行艇）を参照。

＜ダグラス・マッカーサー＞：マッカーサーを参照。

＜竹（初代）＞：日本海軍樅型駆逐艦６番艦。大正8年12月25日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年2月1日に除籍された。昭和19年2月10日、雑役船に編入された。昭和23年に解体されて船体は秋田港の防波堤になった。参考：日本駆逐艦史、日本海軍艦隊総覧

＜竹（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦２番艦。昭和18年10月15日起工、昭和19年3月28日進水、6月16日竣工。11月25日、レイテ輸送作戦の途中、フィリピンのパナラカン湾で艦上機の攻撃を受けて損傷した。12月1日、第７次多号作戦第３・第４梯団の護衛としてマニラを出港。12月3日未明、オルモック湾で水上艦艇と交戦して損傷したが、DD-695クーパーを雷撃して撃沈した。これが日本駆逐艦の夜間雷撃による最後の撃沈である。12月7日、レイテ島北西で爆撃を受けて小破した。昭和20年10月25日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年7月16日に賠償艦としてイギリスに引き渡され解体された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像2,’08、日本海軍艦隊総覧

＜ダゲ＞：フランス海軍の近距離用チャフ・フレアディスペンサー。旋回架台上面に10連装ランチャー（横一列で、両側に向かってやや下がる山形）を載せており、最大射程1000mのキャニスターを装着する。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜ダゲＭｋ．�U＞：フランスの艦載チャフ・フレアディスペンサー。旋回式のディスペンサーにチャフ・フレア搭載コンテナを10基搭載できる。コンテナ内には33-34本の投射筒が内蔵されている。円筒形のサゲ遠距離チャフ・フレア搭載コンテナの搭載も可能。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜竹内正吾＞：日本陸軍エース。大正7年、京都府生まれ。昭和14年9月、陸軍航空士官学校を卒業し、航空兵少尉となり、飛行第64戦隊配属となった。太平洋戦争開戦後はマレー作戦に参加。昭和17年１月31日、ハリケーン３機を撃墜。その後スマトラ・ジャワ航空戦に参加した。4月、飛行第68戦隊に転属。12月、第２中隊長となった。昭和18年4月、東部ニューギニアに赴任。7月20日、B-24を三式戦闘機により撃墜。10月、迎撃戦で負傷したが、完治前に包帯を巻いたまま出撃している。12月21日、マーカス岬攻撃隊の援護に就き、グラマン１機を撃墜したが、被弾して不時着直前に樹木に衝突し、戦死した。総撃墜機数19機以上。最終階級は少佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜竹川丸＞：川崎汽船鋼材運搬船Takekawa maru。船倉容積3343平方メートル。垂線間長82.8m、幅12.2m、深さ6.2m、吃水5.37m、総トン数1931トン、重量トン数2792トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1430馬力、航海速力10.5ノット、最大速力13.29ノット。昭和14年4月4日竣工。太平洋戦争勃発で陸軍に徴用された。昭和19年4月29日、高雄からマニラに向かっていたところ、ルソン島北西端ボヘヤドール岬北西220kmでSS-385バングの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜打撃軍（ソ連陸軍）＞：ソ連陸軍の戦略部隊で、1941年11月に新設された。方面軍の攻勢予備または突破主力をなす部隊で、2-4個狙撃軍団9-10個狙撃師団を主力とする諸兵科連合である。第１−第５打撃軍が1942年12月までに狙撃軍から改編されて創設され、第２次大戦に参加した。参考：月刊PANZER12,’13

＜打撃防止用ベスト＞：暴徒鎮圧用防護衣を参照。

＜たけしお＞：SS-580（潜水艦）を参照。

＜竹敷要港＞：日本海軍の要港。ロシアとの戦争に備えて明治29年1月20日（6月？）に創設された。大正12年4月に廃止された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜竹島＞：隠岐島の北西157kmにある島で、東西２つの島と37の岩礁からなる。面積は東京ドームの５倍程度。島根県隠岐群島町に属するが、韓国が慶尚北道鬱陵群鬱陵邑獨島里獨島として実効支配している。欧米での名称は、1748年にフランスの捕鯨船が同島を発見した際に名付けたリアンクール岩礁である。1618年、竹島の北西にある鬱陵島（512年から朝鮮の支配下にあったが、李氏朝鮮が1392年に渡航を禁止し、無人島になっていた）に日本人が漂着、アワビなどの漁場であったため、幕府に渡航許可を出して認められた。ここに渡航する際、竹島（当時の名称は松島）を経由しており、ここもアワビやアシカの漁場であったため、1656年に幕府から正式な渡航許可を得て漁を開始した。1696年、幕府は李氏朝鮮との紛争を避けるため、鬱陵島への渡航を禁止したが、竹島への渡航は禁止しなかった。1890年（明治20年代後半）頃、鬱陵島への渡航許可が出され、次いで1904年に隠岐島の住人が竹島の領土編入・貸与を申し出て認められ、1905年2月22日に明治政府が竹島と命名して島根県の所管とし、法に基づく実効支配を開始した。太平洋戦争後、サンフランシスコ講和条約制定の過程で駐米韓国大使が竹島を韓国領として認めるよう異議を唱えたが、歴史上朝鮮の一部として取り扱われたことがないとのことで拒絶され、同条約第２条で日本が放棄する領土に竹島は入らなかった。しかしサンフランシスコ講和条約発効直前の1952年1月18日に韓国の李承晩大統領が海洋主権宣言を行い、外国籍漁船立ち入り禁止線（李承晩ライン）を一方的に制定し、竹島を組み込んだ。1953年1月12日、韓国政府は日本漁船の徹底拿捕を指示。日本はこれを非難して巡視船を竹島周囲に派遣した。1953年4月30日、韓国は獨島義勇守備隊を編成して駐在を開始。6月27日、海上保安庁は守備隊を退去させたが、巡視船が引きあげた後、守備隊は小銃と迫撃砲で武装して再び駐在を開始。7月12日、巡視船へくらが竹島に到着した際、数十発の銃撃を受けた。1954年2月20日、巡視船さどが銃撃を受けて拿捕された。8月23日、巡視船おきが竹島から700mに接近した際、数百発の銃撃を受けた。11月21日、巡視船へくらとおきが竹島から4kmに接近した所、76mm砲の砲撃を受けた。1956年には韓国国家警察の武装警察官が常駐するようになり、実行支配を開始した。1965年に日本と韓国が国交を正常化し、12月18日に日韓漁業協定が発効して李承晩ラインは廃止されたが、それまでに328隻・3929人（326隻・3904人？）が拿捕され、８人が死亡、36人が負傷し、185隻が未帰還となった。うち1952年の第１・２大邦丸銃撃事件では、漁船を装った監視船から公海上で銃撃を受け、重傷を負った乗員の治療が行われず、拿捕船員に食事も与えられず、領海侵犯の署名を強制させられるなど、非人道的な扱いを受けている（後に韓国大統領が謝罪）。李承晩ライン廃止後も現在に至るまで竹島の韓国側実効支配が続き、日本が国際司法裁判所に共同付託を３回提案したが、韓国は全て拒否している。2005年2月2日、島根県が条例で2月2日を竹島の日と定めた。3月8日、朝日新聞社の社用機が無許可で島に接近したとして、韓国空軍戦闘機がスクランブル発進した。2013年10月25日、民間人が上陸したとの想定で韓国軍が演習を実施。2014年6月20日、韓国海軍が艦艇19隻と航空機３機で射撃訓練を実施。日本政府は中止を求めたが、韓国側は強行した。11月24日、竹島沖で韓国海軍（973ヤン・マンチュンなど）と海洋警察が上陸阻止演習を実施。日本政府が外交ルートを通じて抗議した。2019年7月23日、ロシア空軍A-50早期警戒管制機とTu-95爆撃機が接近し、A-50が領空を２度にわたり侵犯した。韓国空軍F-15K戦闘機１機とF-16戦闘機１機がスクランブル発進し、計360発の警告射撃を行っている。近くに中国空軍轟炸６型爆撃機も飛行していたが、領空侵犯の有無は不明。韓国はロシアに対して抗議したが、ロシアはTu-95爆撃機２機が公海上空で訓練飛行を行ったもので警告射撃も受けていないと発表した。日本も韓国とロシアに対して抗議している。10月1日、韓国空軍が国軍の日の一環としてF-15K戦闘機による竹島上空飛行を行った。日本政府は韓国政府に抗議し、アメリカ国務省も日韓対立の解決においては生産的で無いとコメントしたが、韓国国防部は独島の領有権を損なわせようとする如何なる試みにも断固として対応すると表明した。2022年5月9日、韓国石油公社の委託を受けたノルウェー船籍調査船が、竹島南85kmの日本の排他的経済水域内で船尾からケーブルを下ろして低速航行するのを、海上保安庁巡視船が確認した。日本政府が申し入れを行っている。5月28-29日、韓国国立海洋調査院調査船ヘ・ヤン2000が、竹島北74kmの日本の排他的経済水域内で先端に筒状の物体が付いたワイヤー状のものを海中に延ばしているのを、海上保安庁巡視船が確認した。日本政府が抗議している。7月24-28日、国立海洋調査員調査船ヘ・ヤン2000など韓国の海洋調査船３隻が竹島周辺を航行するのを海上保安庁巡視船が確認した。日本の排他的経済水域内で調査機材を運用し、一時領海にも侵入していたとみられる。参考：月刊軍事研究9,’06、月刊世界の艦船1,’11、1,’14、9,’14、2,’15、7,’18、8,'22、10,'22、月刊JWings6,’19、10,’19、12,’19、朝雲

＜猛輸送＞：たけしゆそう、と読む。南方にいる陸軍航空隊パイロットを本土決戦のため内地に輸送する作戦で、参謀本部と航空本部の要請により昭和20年7月から大日本航空が行った。朝鮮の京城とプノンペンを台北・サイゴン経由でMC-20輸送機16機が往復し、約500名のパイロットを本土に輸送した。途中からは京城でなく福岡に到着するようになった。往路では南京でアヘンを積んでいったという説もある。参考：月刊エアワールド8,’05

＜ダゲスタン＞：ロシア海軍11611型ゲパルト3.9級フリゲート２番艦Dagestan。2012年9月17-23日、カフカス2012演習に参加。カリブルNKの発射訓練を行った。2012年11月就役。2015年10月7日、カスピ海からシリアに向けカリブルNKを発射。11月20日、シリアに向けカリブルNKを発射。11月24日、マハチカラに帰港。参考：月刊軍事研究11,’12、月刊世界の艦船6,’15、1,'16、2,’16

＜武蔵旅館＞：たけぞうりょかん、と読む。太平洋戦争時、トラック環礁泊地に停泊したまま出撃の機会が無く、前線に向かう将校の中継地点と化していた戦艦武蔵を揶揄した言葉である。参考：歴史群像8,’98

＜多桁構造＞：主翼に３本以上の桁を配置した構造のこと。デルタ翼が多用する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜武智型＞：日本海軍の試作EC型戦時標準コンクリート製貨物船。垂線間長（全長？）60.0m、最大幅10m（12.2m？）、深さ6m、満載吃水5m、総トン数800トン、載貨重量980トン、排水量1200トン。主機はディーゼルで、出力700馬力（800馬力？）、航海速力9.5ノット（8.5ノット？）。昭和19-20年に第１−第４武智が竣工し、横須賀鎮守府や呉鎮守府などで沿岸輸送に使用された。退役後、第１・第２武智は広島県安芸郡安浦町の岸壁になっている。参考：戦時標準船入門、小艦艇入門

＜ダゲット・カウンティ＞：LST-689（揚陸艦）を参照。

＜武豊丸＞：日本郵船貨物船Taketoyo maru。垂線間長135.64m、幅17.68m、深さ10.36m、吃水8.18m、総トン数7028トン、重量トン数10735トン。主機は三連成汽機２基２軸4483馬力、航海速力11ノット、最大速力14.09ノット。太平洋戦争勃発で陸軍に徴用され、その後船舶運営会を経て海軍に徴用され、油槽船へと改造された。1944年8月21日、ミリからマニラに向け航行中にミンドロ島北西カラビテ岬南でSS-271レイの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’15

＜竹橋事件＞：明治11年、西南戦争の論功行賞に不満を抱いた竹橋兵営近衛砲兵大隊の兵士273名が大隊長を殺害し、天皇に直訴するため皇居に進軍した事件。途中で鎮台の歩兵部隊と交戦して鎮圧されたが、死者４名、負傷者14名を出している。その後263名が処分を受け、うち53名が死刑になった。参考：月刊丸6,’14

＜タケブ＞：鷹撃１型・海外シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜竹松駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は長崎県大村市富の原1-1000。JR竹松駅から徒歩30分。創立記念行事ではJR大村駅から循環バスが出る。元は1923年（大正12年）12月に開設された海軍大村基地で、太平洋戦争終結により1945年9月にアメリカ軍が接収、1948年4月に長崎県青年師範学校に移管され、1954年7月7日に警察予備隊の駐屯地として開設され、第４施設大隊が鹿屋から移駐し、竹松駐屯地業務隊が新編された。1959年、第314地区施設隊が湯布院駐屯地に移った。1974年3月、第４施設大隊が大村駐屯地に移駐した。8月1日、第７高射特科群が新編された。2003年3月、第102高射直接支援大隊第２直接支援中隊が新編された。2009年1月20日、大村市の郡中学校生徒に対する職場体験学習を実施。2010年5月12-14日と18-20日、三菱重工長崎造船所の新入社員325名に対し生活体験入隊を実施。第７高射特科群４個中隊と第２直接支援中隊が協力した。2013年6月3日、口腔保健指導を実施。2016年3月、西部方面混成団車両教育隊が移駐し、竹松車両教育隊となった。2018年3月、第329・第330高射中隊が廃止され、第346高射中隊が新編された。2020年2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。3月26日、第７高射特科群本部と第346高射中隊が宮古島駐屯地に移駐した。参考：竹松駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、朝雲、湯布院駐屯地ホームページ、月刊JWings5,’20

　＜竹松駐屯地（２０１５年）＞：第７高射特科群、西部方面後方支援隊第102高射直接支援大隊第２直接支援中隊、西部方面通信群第321基地通信中隊竹松派遣隊、西部方面会計隊第371会計隊（3月26日から第363会計隊竹松連絡班）、西部方面警務隊第134地区警務隊竹松連絡班、西部情報保全隊竹松情報保全派遣隊、西部方面混成団竹松車両教育隊、竹松駐屯地業務隊、長崎地方協力本部竹松援護室が駐屯している。参考：竹松駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜竹松駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1954年7月、竹松駐屯地で新編された。参考：竹松駐屯地ホームページ

＜武山駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は神奈川県横須賀市御幸浜1-1。JR衣笠駅からバス30分、京急三崎口駅からバス25分。1958年12月に開設され、第１新隊員教育隊が久里浜駐屯地から移駐し、武山駐屯地業務隊が新編された。1963年5月、第101高射大隊第２中隊が習志野駐屯地から移駐した。1964年4月、第101高射大隊第２中隊が航空自衛隊に移管されて第２高射隊となった。2009年11月17日、合同震災対策図上訓練を実施。神奈川県、県警、横浜市、川崎市、自衛隊から380名が参加した。2011年4月22日、東部方面混成団編成完結式を実施。10月6日、神奈川県隊友会、全国自衛隊父兄会神奈川県支部連合会と共同で、平成23年度神奈川県自衛隊殉職隊員追悼式（43回目）を実施。隊員59柱の冥福を祈った。2015年6月18日、陸海自第２回新入隊員交流行事を実施。第117教育大隊、女性自衛官教育隊、横須賀教育隊の新隊員1700名が参加し、綱引き（１チームは男性なら18名、女性なら24名）と1200メートルリレー（女性はグラウンド半周分のハンデあり）を行い、綱引きでは海自第131分隊（女性自衛官）、リレーでは海自第21分隊（男性自衛官）が優勝した。2017年11月15日、久里浜駐屯地、横須賀地方総監部、武山分屯基地と共に、横須賀市と大規模災害時等に従事する隊員の家族支援に関する協定を締結。2018年2月23日、神奈川県内家族会長・隊友会長、座間・横浜・久里浜・武山駐屯地司令、神奈川地本長が、大規模災害時等における派遣隊員の留守家族支援に関する協定を締結した。参考：武山分屯基地ホームページ、月刊JGround Vol.23、朝雲、久里浜駐屯地ホームページ、MAMOR vol.134

　＜武山駐屯地（２０１５年）＞：東部方面混成団本部、第31普通科連隊、第117教育大隊、第302普通科直接支援中隊、高等工科学校、武山駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜武山駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1958年12月、武山駐屯地で新編された。2013年12月9日、割引協定施設利用促進の功績により、陸幕長から２級賞状を授与された。2015年11月11日、板妻駐屯地で家族支援訓練に参加。参考：武山分屯基地ホームページ、朝雲

＜武山分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第２高射隊が置かれている。所在地は神奈川県横須賀市御幸浜3-1。1964年4月、陸上自衛隊第101高射大隊第２中隊が空自第２高射隊に改編されたのを機に開設された。2017年11月15日、久里浜駐屯地、武山駐屯地、横須賀地方総監部と共に、横須賀市と大規模災害時等に従事する隊員の家族支援に関する協定を締結。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、8,’14、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.134

＜竹槍＞：全長2m・直径0.3-0.35mの竹の先を斜めに削って槍に仕立てたもので、弾力のある真竹の威力が高い。太平洋戦争争時に婦女の戦闘訓練用に使用された。昭和17年3月7日の東京朝日新聞に、千葉県で昭和16年暮れから竹槍訓練を行っているという記事があり、昭和18年2月には大日本婦人会が竹槍訓練を開始した。銃後の精神的な引き締めを図るものであり、実際にこれで対抗しようとは考えていなかった、と思いたいが、昭和19年7月19日の読売報知新聞にあるサイパン玉砕の見出しに「武器なきは竹槍で突撃」というのがあり、沖縄や樺太では実戦投入されている。突くことはできるが、斬りつけるのは無理なので、先端に包丁でも括り付けておいた方が使い勝手が良い気がする。参考：戦時用語の基礎知識、丸エキストラ版No.114、歴史群像8,’17、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜竹槍事件＞：毎日新聞の新名丈夫記者が、太平洋戦争は航空戦であり竹槍では勝てないという批判記事を載せたところ、政権批判と受け取った東条首相が記者に懲罰召集を喰らわせた事件。陸軍の一部や海軍は記者に同情して阻止しようとしたが、結局前線送りにされている。参考：月刊丸3,’14、戦時用語の基礎知識、丸エキストラ版No.114

＜竹輸送＞：大本営が太平洋戦争時の昭和19年4月に下命した輸送作戦で、中国の陸軍部隊を西ニューギニアまで輸送し、防衛を強化するものである。4月21日に第１回の輸送作戦が開始され、敷設艦白鷹（第６護送船団旗艦）、駆逐艦３隻、海防艦倉橋、海防艦20号、掃海艇22号、駆潜艇37号、駆潜艇38号、砲艦宇治、砲艦安宅、陸軍第７飛行師団九九式軍偵察機１機、九九式双発軽爆撃機１機が16隻の輸送船を護衛する竹一号船団が上海を出港した。しかし航行中に潜水艦の波状攻撃を受け、乗船していた第32・第35師団8000名が海に飲まれて行方不明になり、輸送任務は失敗。これを受けて竹輸送全体も中止に追い込まれた。参考：小艦艇入門

＜太原＞：131（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜タコ＞：TACCO（戦術航空士）を参照。

＜太湖＞：889（補給艦）を参照。

＜タ号＞：日本陸軍航空技術研究所が太平洋戦争時に開発した全木製特攻機で、タは竹槍のタ。日本国際航空工業で製作した日立ハ-11初風エンジン（100馬力）付きの100kg爆弾搭載バージョンと、立川飛行機で製作したハ-13甲エンジン（500馬力）付きの500kg爆弾搭載バージョンがあった。量産前に終戦となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜た号シリーズ＞：日本陸軍の電波標定機（射撃指揮レーダー）。参考：レーダシステムの基礎理論

＜た号１型＞：太平洋戦争シンガポール戦後に取得したニューマン文書とイギリス軍探照灯管制（SLC、Search Light Control）レーダーの技術資料、フィリピン攻略戦で鹵獲したアメリカ陸軍SCR-268レーダーを基に、日本電気が試作したもの。使用周波数200MHz。昭和17年末までに10基、昭和18年に25基が製造された。参考：レーダシステムの基礎理論

＜た号２型＞：た号１型の東芝バージョン。使用周波数200MHz。１型と同じく、昭和17年末までに10基、昭和18年に25基が製造された。参考：レーダシステムの基礎理論

＜た号３型＞：シンガポール戦後に入手したイギリス軍GL Mk2射撃指揮レーダーの機材や技術資料を基に、日本電気が開発したもの。使用周波数78MHz。昭和18年から150基が製造された。参考：レーダシステムの基礎理論

＜た号４型＞：た号２型の改良型。東芝で開発に入ったが、ウルツブルグレーダーの資料を入手したため、昭和19年秋からた号改４型（佐竹式ウルツブルグレーダー）の開発に移った。参考：レーダシステムの基礎理論

＜た号改４型＞：佐竹式ウルツブルグレーダーを参照。

＜沱江＞：PGG-618（ミサイル艇）を参照。

＜沱江級シリーズ＞：台湾海軍ミサイル艇Duojiang / Tuo Jiang（トゥオチアン）級またはHsun Hai級。12隻を建造予定とされたものの、2014年の１番艦就役後暫く音沙汰が無かったが、2021年に漸く２番艦が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’15、10,’21

＜沱江級（１番艦）＞：波浪貫通型双胴船で、船型は長船首楼型、上構幅を船体幅に合わせてナックルラインより上を船体と逆傾斜にし、マストも傾斜させるなどステルス性を考慮した。後甲板はヘリ甲板だが、格納庫は無い。艦尾左右にハッチを持つ。全長60.4m、幅14m、吃水2.3m、満載排水量567トン（基準排水量600トン？）。主機はディーゼル、最大速力43ノット（45ノット？40ノット？38ノット？）。兵装は雄風�V型艦対艦ミサイル連装（上下２連）発射筒４基（上構後半部中央）、雄風�U型艦対艦ミサイル連装（上下２連）発射筒４基（雄風�V型発射筒の前後に２基ずつ）、３連装短魚雷発射管２基、ステルス防楯（台湾独自）付76mm単装砲コンパクト１門（前甲板）、20mmCIWSファランクス・ブロック�TＢ１基（上構後端）、12.7mm単装機銃４丁。乗員41名。PGG-618沱江は2014年12月23日に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’15、10,’17、8,’19、11,’19、2,’20、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

＜沱江級（２番艦以降）＞：改良型で、船体を拡大し、ファランクス直前に甲板室を設けて海蜂眼対空レーダーの四角い旋回式アンテナを載せ、雄風�U型艦対艦ミサイルの一部を撤去する代わりに近接防御用海剣�U型（海剣羚？）艦対空ミサイルを搭載した。マスト前方の射撃指揮装置も変更されており、架台が低くなっている。全長65m、幅14m、満載排水量（基準排水量？）685トン。主機はディーゼル、速力38ノット。兵装は76mm単装砲１門、雄風�V型艦対艦ミサイル連装発射筒４基、雄風�U型艦対艦ミサイル連装発射筒２基、海剣�U型（海剣羚？）艦対空ミサイル８連装（２列４段）発射機２基、20mmCIWS１基。乗員31名。PGG-619塔江が2021年に就役した。３番艦は2021年10月6日にファースト・スチール・カットを行っている。2023年までに５隻追加し、更に５隻作る予定。参考：月刊世界の艦船5,'22、12,'21、10,'21、3,’21、1,’22

＜多号作戦＞：日本海軍が太平洋戦争時の昭和19年10月25日から行った、捷一号作戦レイテ決戦に備えた輸送作戦。決戦方面がルソン島からレイテ島に移されたのを受け、マニラから700km離れたレイテ島西岸のオルモック湾への部隊輸送を行うもので、ミンドロ島東方のマリンドク島とレイテ島北西のマスバテ島を経由し、敵に見つからないよう夜間のみ航行する。それでもゲリラ監視員に通報されて損害が続出、出撃した100隻の小型船が３隻しか戻ってこないこともあった。昭和19年11月9日、第１師団先遣隊３個大隊を輸送艦６号、９号、10号に分乗させ、マニラからレイテ島オルモック湾に輸送した。次いで第26師団をレイテ島に輸送したが、第２水雷戦隊の護衛が付いていたとはいえ低速船団だったので、レイテ島到着直後に空母エセックスなどを中心とするアメリカ第38機動部隊第３空母部隊艦上機の攻撃を受け、陸軍兵は装備を全て失ってレイテ島に泳ぎ着いた。多号５次輸送では第26師団の将兵200名と軍需品を輸送艦６号・10号に搭載し、マニラからレイテ島オルモック湾に送り出したが、アメリカ第38機動部隊の空襲にあって２隻とも沈没した。第７次多号作戦は輸送部隊を第１−第４梯団に分け、第３・第４梯団の第９号・第140号・第159号輸送艦には駆逐艦竹と桑が護衛に就いた。12月1日1800、第７次輸送部隊がマニラを出港し、オルモック湾に向かった。12月2日、駆逐艦竹が訓練中に魚雷１本を誤投棄した。アメリカ哨戒機が船団を発見し、1830に第120駆逐隊（DD-692アレン・Ｍ・サムナー、DD-693モール、DD-695クーパー）がレイテ湾を出撃、オルモック湾に向かった。途中で月光や瑞雲の空襲を受け、DD-692アレン・Ｍ・サムナーとDD-693モールが軽微な損傷を受けたが、そのまま航行している。2330、第３・第４梯団がオルモック湾に到着し、揚陸作業を開始。12月3日0000、第120駆逐隊がオルモック湾に到着し、横隊で湾内に入り、0030に駆逐艦桑に対してDD-695クーパーが砲撃を開始した。0039、桑が集中砲火を喰らい沈没した。竹は直ちに反撃の砲火を浴びせると共に雷撃を行い、魚雷発射管１本が故障したため残る２本を放ち、１本がDD-695クーパーの右舷に命中、船体を真っ二つにして轟沈させた。DD-692アレン・Ｍ・サムナーとDD-693モールは退避に移ったため、魚雷発射管を修理して残る１本を射出したが、これは外れている。竹も前部機械室に被弾したが不発弾で、浸水により左舷側推進機が停止し左舷側に大傾斜したものの、シフト配置により無傷だった右舷側推進機で離脱した。第８次多号作戦には第11号輸送艦、第５真盛丸、赤城山丸、白洋丸、白馬丸、哨戒艇（旧式駆逐艦）３隻、駆潜艇２隻が参加し、第68旅団5000名、海上挺進18戦隊600名、武器弾薬食料を積み込んで昭和19年12月5日にマニラを出港した。12月7日早朝、レイテ島北端サンイシドロ沿岸でアメリカ軍レイテ島上陸船団と鉢合わせしてしまい、強行突破して海岸に向かったもののB-24爆撃機70機による銃爆撃を受け、第５真盛丸、白洋丸、白馬丸が沈没した。赤城山丸と第11号輸送艦は上陸作業を開始したが、再度航空攻撃を喰らって沈没、上陸できたのは装備を失った将兵2000名未満だった。昭和19年12月上旬の第９次多号作戦まで実施され、中旬の第10次作戦は中止となった。全体では物資のうち80%が海に沈み、駆逐艦10隻（８隻が空襲、２隻が水上艦と交戦）が戦没した。参考：小艦艇入門、太平洋戦争情報戦、月刊世界の艦船5,’11、戦時標準船入門、太平洋海戦史

＜多孔式マズルブレーキ＞：マズルブレーキを参照。

＜ダゴール・シリーズ＞：ポラリス・ディフェンス社が開発した４×４輪高機動車Dagor。アメリカ陸軍陸上機動車GMVに提案した。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ダゴール＞：キャビンをパイプフレームの完全オープン（ドアもウインドシールドも無い）として軽量化した。CH-47に２両積める。全長4.52m、全幅1.88m、全高1.84m、自重2041kg、全備重量3515kg、ペイロード1474kg。エンジンはターボチャージドディーゼルで、最大速度97km、航続距離805km。乗員９名（キャビン前列２名、中央ルーフ銃座操作員１名、後列２名、荷台４名）。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ダゴールＡ１＞：輸送機からの空中パラシュート投下、CH-47の機内搭載、UH-60でのスリング輸送が可能。全長4.5m、幅1.8m、重量3.8トン。航続距離800km。貨物搭載量1.8トン。乗員９名。参考：朝雲

＜多国間輸出規制調整委員会＞：COCOMを参照。

＜多国籍部隊・監視団＞：MFOを参照。

＜ダコタ＞：C-47海外シリーズ（輸送機）を参照。

＜タコツボ＞：個人用掩体・個人用塹壕（２名用くらいまでは許容範囲）のことで、英語ではフォックス・ホールという。植物の葉や天幕で天井を作って風雨を凌ぐこともある。水は大敵で、寝る時には地面からの寒さを防ぐため、ブランケットやポンチョを使ったり、レーションの空き箱を敷いたりした。参考：月刊コンバットマガジン7,’09、帝国陸海軍事典

＜タコニク＞：AGC-17（揚陸指揮艦）を参照。

＜タコ爆弾＞：三号爆弾を参照。

＜タコマ＞：PF-3（フリゲート）を参照。

＜タコマ級＞：アメリカ海軍フリゲートTacoma級。イギリス海軍リバー級フリゲートをアメリカで発注したもので、最初の２隻はイギリス規格（アッシュビル級）で引き渡されており、残るアメリカ仕様（溶接船体、アメリカ機関・兵装）で建造されたものがこれである。船体は一回り大きいS2-S2-AQ1標準船規格を採用、ほぼ全溶接構造とし、舷窓を廃止し、ポールマストを採用、主錨をダンフォース型にするなどアメリカ式の艤装を施している。商船建造ラインで生産され、主機も量産向きのレシプロ機関を採用、レシプロ機関に慣れたコースト・ガード隊員が運用した。船型は長船首楼型。前部マスト頂部にSA対空レーダー（HF/DFアンテナを装備したものもある）、その直下にSL対水上用レーダーを装備する。Mk51射撃指揮装置２基も搭載した。全長92.66m、幅11.43m、吃水4.53m、基準排水量1430トン。主機は４気筒３段膨張式レシプロ蒸気機関２基、主缶はパブコック＆ウィルコックス式水管缶（圧力16.9気圧）２基、出力5500馬力、２軸推進、速力20ノット。重油768トンを搭載し、航続距離は12ノットで8250海里。兵装は50口径76mm単装砲３門（PF-18、23、24、28-33、56-61、67、93、94、101、102は２門）、40mm単装機関砲２門または40mm連装機関砲２基（後部マスト両舷）、20mm単装機関砲９門（PF-18、23、24、28-33、56-61、67、93、94、101、102は４門）、ヘッジホッグ１基（１番砲後方）、爆雷投射機Ｋ砲８基、爆雷投下軌条２条。乗員190名（PF-18、23、24、28-33、56-61、67、93、94、101、102は176名）。当初100隻を建造する予定だったが、うち４隻が建造中止となり、PF-3からPF-94、PF-99からPF-102の96隻が1943-44年に就役した。護衛任務に使用するには不具合な点があるとしてアメリカ海軍の評価はあまり高くない。24隻は後部の76mm砲１門を撤去し、気球を搭載してコーストガードが気象観測船として使用した。21隻はイギリスに引き渡されてコロニー級となった。1945年には28隻がソ連に貸与され、返還後に18隻が日本に引き渡された。他にメキシコに４隻、ドミニカに２隻、キューバに３隻、コロンビアに１隻、エクアドルに１隻、ペルーに１隻、アルゼンチンに２隻、フランスに４隻、ベルギーに２隻、オランダに１隻が売却され、他の47隻は1947年中に除籍されて民間業者に解体のため売却された。そのうち２隻がエジプト海軍に、２隻がブラジルの海運会社に渡っている。参考：アメリカ護衛艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船9,’96、3,’13、月刊丸10,’93

＜タコマ級フリゲート海外シリーズ＞

　＜コロニー級＞：コロニー級を参照。

　＜タコマ級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍フリゲート。エジプトの海運会社が民間船に改造するため入手したPF-80及びPF-84を1953年に海軍が引き取った。兵装は全て撤去された状態であり、1956年のスエズ動乱の際にスエズ運河に沈められ、後に解体された。参考：月刊丸10,’93

　＜タコマ級（オランダ）＞：大西洋上の定点気象観測のため１隻を購入し、兵装を撤去して使用した。参考：月刊丸10,’93

　＜タコマ級（ソ連海軍）＞：ソ連海軍フリゲート。武器貸与法により28隻が1945年7月から10月までに引き渡され、EK1-28として太平洋艦隊に編入された。一部は対日戦にも投入されている。参考：月刊丸10,’93

　＜タコマ級（タイ海軍）＞：タイ海軍フリゲートで、タチン級ともいう。２隻を導入した。全長92.7m、幅11.4m、吃水4.1m、満載排水量2454トン。主機はレシプロで、出力5500馬力、２軸推進、速力18ノット。兵装は76mm単装砲３門、40mm単装機銃２丁、20mm単装機銃９丁、ヘッジホッグ１基、324mm３連装短魚雷発射管２基、爆雷投射機８基、爆雷投下軌条２条。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜タコマ級（フランス）＞：大西洋上の定点気象観測のため４隻を購入し、兵装を撤去して使用した。参考：月刊丸10,’93

＜蛸を釣る＞：日本陸軍用語で、揚げ足を取ること、いじめること。参考：帝国陸海軍事典

＜駄載式架橋器材＞：日本陸軍の架橋器材。全長135m、耐重量３トン。鉄舟36隻、架柱９組、九〇式操舟機（10馬力）３基などから構成され、馬300頭で運搬する。50セットが配備された。参考：工兵入門

＜駄載式動力伐採機＞：日本陸軍の機力器材で、直径0.8m以下の木を伐採するのに使用する。全重量61kg。エンジン出力６馬力。参考：工兵入門

＜駄載式鉄舟＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜タサファロンガ海戦＞：ルンガ沖夜戦を参照。

＜太山丸＞：興国汽船貨物船Tazan maru。大元は大正8年7月にアメリカのコロンビア・リバー造船所で竣工したアメリカ船舶院標準船ウエスト・ノスカで、昭和12年に宮地産業が購入してウエスト・ノスカ丸に改称、昭和13年に興国汽船が購入して太山丸になった。垂線間長125.11m、幅16.46m、深さ9.19m、吃水7.43m、総トン数5478トン、重量トン数8638トン。主機は蒸気タービン１基１軸2900馬力、航海速力9.5ノット、最大速力11ノット。太平洋戦争勃発で陸軍に徴用されて輸送船となった。昭和17年5月17日、シンガポールから高雄に向かう途中、南シナ海北ナツナ島北北東184kmでSS-184スキップジャックの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’17

＜タジ＞：イラクの地名で、バグダッドの北16kmにある。核関連施設をはじめ大規模な軍需工場が集まっており、ガス遠心分離装置の開発・製造を行っていたとされる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ダシール＞：アメリカ海軍駆逐艦。1945年4月14日、沖縄付近で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ダジェ＞：第６軽機甲師団（フランス）を参照。

＜ダ式一〇〇馬力発動機＞：日本陸軍モ式六型飛行機に搭載されたエンジン。製作は東京瓦斯電気工業で、大正7年4月に東京砲兵工廠に技師を派遣、大正8年10月に試作エンジンが完成した。これが日本初の民間工場製造エンジンである。水冷直列６気筒、出力100馬力。価格は１基11000円。大正9年度に24基、大正10年度に６基が納入された。参考：月刊丸8,’95

＜タジキスタン空軍・防空軍（２０１５年）＞：現役兵力1500名。Tu-134A輸送機１機、L-39練習機４機、Yak-52練習機数機、Mi-24攻撃ヘリ４機、Mi-7/-17ヘリ11機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タジキスタン軍＞：2014年からロシアが10億ドル以上の援助を行い近代化に入っており、国境を接するアフガニスタンからの不安定要素排除を図っているが、特殊部隊の訓練が不十分、人員が徴兵頼み、作戦立案能力が低い、といった難点を解決するには到らず、違法薬物流入などに悩まされ続けている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜タジキスタン軍（２０１５年）＞：現役総兵力8800名（陸軍7300名、空軍・防空軍1500名）、準軍事組織7500名（内務省軍3800名、国家警備隊1200名、非常事態省2500名）。ウクライナにOSCE要員７名を派遣している。ロシア軍5000名、第201自動車化狙撃師団、T-72B1戦車40両、BMP-2歩兵戦闘車60両、BTR-80装甲車80両、MT-LB装甲車40両、2S1自走砲18両、2S3自走砲36両、2S12自走砲６両、9P140多連装ロケット12両、Mi-24Pヘリ４機、Mi-8MTVヘリ４機が駐屯している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タジキスタン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力7300名。自動車化狙撃旅団３個、空中強襲旅団１個、砲兵旅団１個、地対空ミサイル連隊１個からなる。T-72戦車30両、T-62戦車７両、BMP-1歩兵戦闘車８両、BMP-2歩兵戦闘車15両、BTR-60/-70/-80装甲車23両、122mm砲D-30を10門、122mm多連装ロケットBM-21を３両、120mm迫撃砲10門、S-75/-125地対空ミサイル、9K32携帯地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜多軸船＞：プロペラ軸が２本以上ある艦船のこと。１軸だと必要な推進力を得るためにはプロペラ回転数が多くなりすぎる場合や、吃水が浅いため大直径プロペラを装備すると海面上に出てしまうような場合に採用する。小直径プロペラを比較的高速で回すことになり、プロペラ位置も舷側の流速の速い所になるので推進効率が悪い。また、プロペラ軸を長く取る必要があり、ストラット（支柱）を設けなければならないので抵抗も増える。参考：図解雑学　船のしくみ

＜タシケント条約＞：集団安全保障条約を参照。

＜タシッターン＞：P334（潜水艦）を参照。

＜タシットレインボー＞：AGM-136（空対地ミサイル）を参照。

＜舵手（アメリカ海軍）＞：Helmsman。資格を持つ操舵手で、当直士官など操舵指揮官の指示コースに従い、舵を操作する。当直掌帆長属の指示で交替する。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜多周波ステップICWドップラー・レーダー＞：ドップラー・レーダーを参照。

＜タシュケント＞：ソ連海軍駆逐艦Tashkent。38ノット駆逐艦隊の嚮導艦となる艦として計画され、イタリアで建造された。非武装公試では44.2ノットを出し、兵装搭載時でも39ノットを発揮できた。1939年竣工、黒海艦隊に配備された。1942年6月、爆撃を受けて大破した。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜タシュケント＞：ソ連海軍カーラ級ミサイル巡洋艦Tashkent。1974年7月5日艦籍編入、11月22日起工、1975年11月5日進水、1977年12月4日軍艦旗掲揚、同月公試開始。造船所公試では27日間で1993海里、国家公試では16日間で2296海里航行し、巡航速力公試では巡航速力18.2ノット、航続距離7170海里、燃料消費量１海里あたり244kg、最大速力公試では最大速力32.6ノット、航続距離2610海里、燃料消費量１海里あたり700kgを記録した。11月31日（12月31日？）竣工。一旦黒海艦隊第30対潜艦師団第11対潜艦旅団に臨時編入され、1978年2月17日、太平洋艦隊に編入された。1979年2月、モザンビークなどを訪問しつつ太平洋に回航された。4月24日、太平洋艦隊第10作戦艦隊第175ミサイル艦旅団に編入された。1982年、インド洋で作戦任務に就いた。1983年、インド洋で作戦任務に就き、アデンを訪問。1984年、インド洋で作戦任務に就いた。1985年3月1日、太平洋艦隊第10作戦艦隊第183対潜艦旅団に編入された。3-4月、真珠湾強襲を想定した太平洋艦隊大演習に参加し、フィリピン湾でアメリカ戦略原潜捜索訓練、宗谷海峡で仮想敵艦隊とのミサイル戦訓練を行った。1986年10月、ソ連・北朝鮮共同海軍演習にソ連側旗艦として参加。1989年12月、ニコライエフの第445造船所に回航され、11342型への改装が開始されたが、ソ連崩壊で中止となった。1992年7月3日に除籍され。1994年8月にスクラップとしてインドに売却された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09、3,’92増刊

＜たしろ＞：MSC-638（掃海艇）を参照。

＜ダス＞：UAE海軍ムライ・ジブ級コルベット。参考：JShips Vol.44

＜タスカルーザ＞：CA-37（重巡）またはLST-1187（戦車揚陸艦）を参照。

＜タスカン＞：R56（駆逐艦）を参照。

＜タスキーギ・エアメン＞：アラバマ州メイコン群タスキーギ陸軍飛行場で訓練を受けたアメリカ陸軍航空隊アフリカ系アメリカ人パイロットの通称。1941年7月からアフリカ系アメリカ人に対する教育が始まり、第１期の卒業生５名のうち４名は第99追撃飛行隊（1942年5月に第99戦闘飛行隊に改称）の配属となった（残る１名は飛行学校教官）。パイロットの育成が進むと、1942年10月に第100・第301・第302戦闘飛行隊を隷下に収める第332戦闘航空群レッドテイルスが新編されている。実戦初任務は1943年6月2日に第99戦闘飛行隊が行ったP-40による地中海哨戒・爆撃機護衛で、7月2日にFw190戦闘機を撃墜して初戦果を挙げた。1944年2月に第332戦闘航空群もイタリアに移動して地中海哨戒・爆撃機護衛に参加、4月には航空群司令も含め完全なアフリカ系アメリカ人部隊になり、5月1日に第99戦闘飛行隊も第332戦闘航空群隷下に移った。エースはいないが、第２次大戦終戦までに確実撃墜112機の戦果を挙げている。参考：月刊航空ファン1,’20

＜タスク＞：SS-426（潜水艦）を参照。

＜タスクフォース＞：行政的固有編成の部隊とは別に、固有の任務に合わせて編成される部隊。日本語で直訳すれば任務部隊だが、艦船部隊の場合、機動部隊と意訳されることが多い。ただし任務によっては空母を含まない場合もある。参考：月刊丸12,’92

＜ダスター＞：M42シリーズ（自走高射機関砲）を参照。

＜ダスト・ショット＞：バード・ショットの通称で、普通12号散弾を指す。参考：GUN用語事典

＜ダスト・デビルズ＞：VX-31（試験評価飛行隊）を参照。

＜ダストビン＞：Mk7爆雷（イギリス）を参照。

＜ダス・ライヒ＞：SS第２装甲師団またはSS第２装甲てき弾兵師団を参照。

＜ダズル迷彩＞：船舶用迷彩Dazzle。第１次大戦中の1914年、イギリスの動物学者ジョン・グラハム・カーがチャーチル海軍大臣に手紙を送り、動物の縞模様を船舶に描き込めば迷彩になると提案したのがきっかけで、1916年末にイギリス海軍本部に船舶用迷彩の担当部署が創設され、海洋画家でもあるノーマン・ウィルキンソン予備少佐が実際の模様を開発した。船体を直線または曲線で帯状のブロックまたは市松模様に区切り、異なる色（モノクロだけでなく赤青黄などカラフルだった）で塗り潰したもので、海面は太陽光によって色彩が変わるため通常の船体を隠す迷彩が不可能なことから、逆に目立つ配色と無意味な図形を組み合わせて船体形状や距離・進行方向を見誤らせるようにしたものである。1917年から商船や軍艦艇に施されるようになり、アメリカ海軍など各国に波及、第２次大戦でも使われたが、効果の程は不明で、単に士気高揚のために用いられることもあった。参考：歴史群像4,’17、月刊コンバットマガジン5,’06、月刊世界の艦船9,’19

＜タセサ＞：海上自衛隊の略号で、対潜幕僚のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜タセ車＞：九八式軽戦車ファミリーを参照。

＜太倉＞：575（補給艦）を参照。

＜多層式水中防御方式＞：水中防御のため、防御縦壁を含む多数の縦壁を並列させ、その間を防水区画や重油タンクとしたもので、アメリカ海軍が第１次大戦中に開発し、カリフォルニア級戦艦から装備を開始、以降のアメリカ海軍大型艦には全てこれを採用した。参考：近代戦艦史

＜ダゾール＞：RPM（装甲偵察車）を参照。

＜タタールスタン＞：ロシア海軍ゲパルト3.9級フリゲートTatarstan。ヤストレブの名称で1991年起工、1993年に進水したが、予算不足で完成が遅れに遅れ、2002年になって未完のまま漸くロシア海軍に引き渡され、7月（2003年？）に就役、カスピ小艦隊に配備された。この時名称もタタールスタンに変更されている。2016年に艦令延長・近代化改修を完工し、主機、電子機器、居住設備を改良、ガルス対空・対水上捜索レーダーを搭載した。カリブル巡航ミサイルは搭載されなかったようである。参考：月刊軍事研究11,’12、月刊世界の艦船6,’15、10,’02、8,’16、2,’17

＜戦いの原則＞：アメリカ陸軍教範のOperationsと陸上自衛隊教範である野外令の綱領によれば、目標（Objective。決定的な意義を持ち、かつ達成可能なもの）、主動（Offensive。イニシアチブの獲得維持）、集中（Mass。兵力差の確保）、経済（Economy of Force。効率的な運用、改良による戦力維持など）、統一（Unity of Command。全部隊の意思・目標統一）、機動（Maneuver。敵より有利な態勢をとる）、奇襲（Surprise）、簡明（Simplicity）、保全（警戒、Security。敵の奇襲を防ぎ行動の自由を保つ）の９つ。参考：月刊軍事研究6,’13、現代の空挺作戦、月刊丸12,’11

＜忠海製造所＞：日本陸軍の化学兵器生産施設で、広島県の大久野島に建設され、昭和4年から太平洋戦争終戦まできい剤、あか剤、みどり剤、ちゃ剤の生産を行っていた。存在は機密で、戦時中は島自体が地図に載っていなかった。3000-5000人が製造に従事しており、管理がずさんなため化学兵器が漏れてかなりの死者が出ているが、これも戦時中は隠蔽されている。また、びらん剤の生産従事者には戦後になって上気道がんや肺がん、慢性気管支炎が多発した。戦後は施設が処分され、貯蔵されていたイペリット1451トン、ルイサイト824トン、その他化学兵器3000-5000トンも投棄・焼却された。島には実験用のウサギが野生化して住み着き、ウサギ島の別名が付けられている。参考：図解雑学生物化学兵器

＜多田弾薬支処＞：陸上自衛隊の弾薬支処。1956年10月10日、北海道地区補給処隷下に上富良野駐屯地で新編された。参考：北海道補給処ホームページ、上富良野駐屯地ホームページ

＜多田野演習場＞：陸上自衛隊の演習場で、福島県郡山市にある。5月9日、福島県などが主催して福島第一原発事故に伴う警戒区域内での大規模林野火災を想定した空中消火訓練を実施。第６特科連隊、第44普通科連隊、各消防本部、各市町村防災担当者、消防団員ら100名が参加し、防衛大臣が視察した。参考：朝雲

＜多田分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は北海道空知郡上富良野町字上富良野。1977年3月25日に開設され、多田弾薬支処が上富良野駐屯地から移駐した。参考：北海道補給処ホームページ、上富良野駐屯地ホームページ、JGround Vol.23

　＜多田分屯地（２０１５年）＞：北海道補給処多田弾薬支処、第301基地通信中隊多田派遣隊が駐屯する。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜たたら＞：MSC-610（掃海艇）を参照。

＜多々良＞：日本海軍多々良型砲艦Tatara。元は1927年12月28日に竣工したアメリカ海軍河用砲艦グアムで、後にPR-3ウェークとなり、アジア艦隊に配備されていたのを、昭和16年12月8日の太平洋戦争勃発時に上海で鹵獲し、第１工作部で整備したものである。12月15日、多々良と命名され、砲艦に類別された。昭和17年、出雲が不在の際に支支那方面艦隊旗艦の任務を代行した。昭和20年9月、国府海軍に接収されて太原（Taiyuan）と改称された。9月30日、日本の艦籍から除かれた。その後中国共産党の手に渡り、1960年頃まで使用されたらしい。参考：日本海軍特務艦船史、日本海軍艦隊総覧

＜多々良型＞：日本海軍砲艦Tatara型。元はアメリカ海軍河用砲艦PR-3ウェークで、通信任務のため上海に配備されていたのを、太平洋戦争勃発時に鹵獲し、兵装を日本海軍制式に改めるなどしたものである。居住性は良好で、一時支那方面艦隊旗艦を代行したこともあるが、速力が遅く、揚子江の急流を遡るのが困難だった。垂線間長45.69m、最大幅8.2m、吃水1.6m、基準排水量370トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶はソーニクロフト式重油専焼水管缶２基、出力1950馬力、２軸推進、速力12.5ノット、重油搭載量75トン。兵装は8cm単装砲２門、留式7.7mm機銃８丁。乗員70名。多々良が就役した。後に主砲を8cm高角砲に換装した。参考：日本海軍特務艦船史

＜タ弾＞：日本陸軍の成型炸薬弾。昭和17年5月にドイツ国防省兵器局弾薬班長パウル・ニーメラー大佐がドイツから封鎖突破船タンネンフェルスで持ち込んだ30mm小銃てき弾と75mm山砲用ホローチャージ弾の資料を元に陸軍第一技術研究所が6月から開発した。この資料に「エプリシエ・ターゲル」と名称が書いてあり、楕円弾と訳すことにしたが、長いのでダ弾と略したものの、何となく語感が悪いのでタ弾（対戦車弾の略にもなる）にしている。7月に来日したバルター・メルケル技術大尉からも資料を得ると共に、陸軍技術本部、兵器本部、造兵廠、航空本部の高級将校がドイツの２名と会合を重ねた。昭和18年4月にU180からマダガスカル島沖で伊29が実物を受け取り、これも参考にした。小銃用として二式穿甲銃榴弾、試製三式穿甲銃榴弾を開発した他、九〇式・九七式戦車砲用（全長189mm、弾量1.8kg、装甲貫徹力55mm）、九二式歩兵砲用（全長281mm、弾量3.38kg、装甲貫徹力90mm）、四一式・九四式山砲用（全長297mm、弾量3.95kg、装甲貫徹力100mm）、九九式山砲用（全長364mm、弾量10.91kg、装甲貫徹力120mm）、三八式野砲用（全長297mm、弾量3.95kg、装甲貫徹力100mm）、九一式十糎榴弾砲用（全長364mm、弾量10.91kg、装甲貫徹力120mm）、三八式十二糎榴弾砲用（全長387mm、弾量13.03kg、装甲貫徹力140mm）、四年式十五糎榴弾砲用（全長524mm、弾量21.04kg、装甲貫徹力150mm）、八九式重擲弾筒用五式穿甲榴弾甲（全長143mm、重量835g、装甲貫徹力50mm）、大擲弾筒五式穿甲榴弾甲（全長254mm、重量3.15kg、装甲貫徹力90mm）、二式十二糎迫撃砲用（全長584mm、重量12.18kg、装甲貫徹力150mm）が開発され、威力不足で使えなくなった37mm砲に外装式に取り付ける九四式三七粍速射砲外装タ弾�U型（全長456mm、口径80mm、装甲貫徹力100mm）、75mm山砲の砲口に被せて発射する四一式山砲外装タ弾�T型（全長802mm、口径200mm、装甲貫徹力300mm）も研究が行われた。また、飛行場に並ぶ航空機を攻撃するためのクラスター弾用子爆弾としてタ一〇二が開発され、親爆弾の二式四〇粍散布弾や三式四〇粍散布弾もタ弾という名称で呼ばれている。こちらは後に空対空任務に転用され、B-29の上空からばらまいて編隊を迎撃する予定だったが、B-29の上空に出るのがほぼ不可能だった。昼間精密爆撃などのため高度5000-6000mを飛んでいた場合は使用可能で、昭和19年12月22日の名古屋空襲、昭和20年6月3日の大阪空襲ではこれを使用して迎撃にあたった。日本海軍では射撃試験やその後の研究に参加したが、あまり採用に積極的ではなく、二式六番二十一号爆弾一型を開発した程度である。参考：大砲入門、月刊PANZER4,’93、11,’86、月刊丸9,’97、月刊航空ファン3,’17、日本海軍の爆弾

＜タチアナ＞：RDS-4（核兵器）を参照。

＜大刀洗飛行場＞：日本陸軍の飛行場で、福岡県三井郡大刀洗村にある。ちなみに太刀洗と書かれる事もあり、大正以降は太刀洗の方が多かったらしい。大正7年、当時日本陸軍で最西端だった各務原飛行場と朝鮮半島の中間地点に飛行場を設置することになり、5月から用地買収を開始、大正8年10月に竣工し、11月に航空第４大隊が所沢飛行場から移駐した。大正11年8月、航空第４大隊が飛行第４大隊に改編された。大正14年5月、飛行第４大隊が飛行第４連隊に改編された。昭和6年4月5日0100過ぎ、竜巻が発生して飛行機庫２棟が大破、飛行機庫２棟が中破、飛行機庫１棟が小破し、飛行機11機が破壊された。参考：月刊航空ファン5,’17

＜大刀洗平和記念館＞：日本陸軍大刀洗飛行場・陸軍飛行学校本校のあった福岡県筑前町にある平和記念館で、九七式戦闘機、零式艦上戦闘機三二型、戦時中の資料、戦後の航空技術発展に関する資料などが展示されている。毎年3月27日と31日には大刀洗大空襲の日として献花が行われる。所在地は福岡県朝倉郡筑前町高田2561-1。開館時間は0900-1700。休館日は12月29日から1月3日。入館料は大人500円。昭和62年4月に私設の記念館として開館した。2008年に町営の記念館として建て替え工事が始まり、2009年に新館が開館した。参考：MAMOR vol.58、朝雲

＜立ち入り検査隊＞：海上自衛隊の護衛艦ごとに編成されている組織で、立検隊（たちけんたい）と略す。第１分隊要員を中心に構成され、黒のタクティカルスーツに防弾チョッキを着用、9mm拳銃や警棒を持ち、不審船舶への立ち入り検査を行う。指揮官が通信連絡を取れるよう、通信員が最低１名配属される。停船命令に応じた船舶に対してのみ検査を行うため、強行乗船する海上保安庁特警隊員（89式小銃や散弾銃を持っている）よりは武装が軽い。司法警察権は無いが、抵抗する相手を一時的に拘束することはある。教育は第１術科学校立入検査課程で行われるが、立入検査課程修了者から直接教育を受けることもある。参考：月刊JWings4,'22、月刊丸1,’10別冊

＜ダチェット＞：イギリス海軍ダチェット級水中作業母船Dachet。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ダチェット級＞：イギリス海軍水中作業母船Dachet級。主機はディーゼルで、出力450馬力、速力12ノット。ダチェットが1972年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜たちかぜ＞：DDG-168（護衛艦）を参照。

＜太刀風＞：日本海軍峯風型駆逐艦11番艦。大正10年12月5日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和2年7月28日から8月10日、御召艦山城の供奉艦を務めた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第34駆逐隊に所属していた。昭和17年12月27日、ラバウルで爆撃を受け、至近弾で火災を起こした。昭和18年3月23日、ラバウルで爆撃を受け、至近弾で破孔を生じた。4月15日、ビスマルク諸島ムシュ島で至近弾（爆弾）を受けて小破した。10月12日、ラバウルで爆撃を受け、至近弾により小破した。昭和19年2月6日、トラック春島で座礁した。2月17日、トラック空襲で沈没し、3月31日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船11,’18

＜たちかぜ型＞：海上自衛隊ミサイル護衛艦。あまつかぜ型に続く第２世代ミサイル護衛艦として三次防から建造された。DDG初のマック採用艦、海自最後の蒸気タービン艦である。造船業界が大好況すぎて民間設計技術者の労務借上契約が締結できず、技本で基本設計を組んだらしい。工数を減らすため、フレームやビームの軽目穴を減らしたり、舷外からの海水吸入管などをシーチェストに纏めるといった工夫を施した。船体のベースはたかつき型、船型は遮浪甲板型で、艦首に大きいシーアを持ち、前部舷側に顕著なナックルと軽めのフレアーが付いており、錨でバウソナーを傷つけないように艦首が前方に突き出している。船体中央水線下にはビルジキールを持つ。前甲板に51番砲があり、その後ろがアスロック発射機で、後方の上部構造物下部がアスロック弾庫、その上の上部構造物01甲板がアスロック管制室となっている。アスロック弾庫には爆風抜き扉があり、たちかぜとあさかぜは前面と左舷側に小型９個、さわかぜは側面のみ大型４個である。アスロック再装填はたちかぜとあさかぜがラマー・クレーンによる機力補助手動式、さわかぜが弾庫からの直接装填式で、さわかぜではアスロック発射機が後ろにずらされ、弾庫前面に装填用扉と傾斜が付けられた。艦橋前面には洋上補給用構造物を持つ。艦橋頂部前面は防空指揮所だが、実際の戦闘指揮はCICで行われるので、存在意義は不明。防空指揮所両舷に光学照準器がある。艦橋後方にあたる船体中央両舷には35mm対空機関砲の搭載を考慮して区画を空けていたが、結局積まなかった。三次元レーダーの機器室を第２缶室の上に置いたため、高温多湿に晒されて故障が頻発、操作員が自腹で除湿器や扇風機を購入する羽目になったが、３番艦では環境改善が図られたようである。ターター発射機よりも後方の甲板スペースを利用してVERTREPが可能で、目印のマーキングが記されている。艦尾はVDSの後日装備を考慮して少しオーバーハングの付いたトランサム・スターンとしたが、結局VDSは搭載されていない。マストは前部の煙突と一体化したマック構造を採用しており、機関は中間区画を介して前後に分け、缶機缶機のシフト配置にした。主機ははるな型と同じ構成のシリーズ・パラレル方式。主缶の蒸気諸元は本型より前に建造されたはるな型（60気圧480℃）よりも劣るが、信頼性や耐久性の関係かもしれない。操縦関係は第２甲板中央部補機区画の機関操縦室に集約され、主補機、主缶、電源の監視、記録、警報もここから遠隔式に処理されるようになっており、省力化や配置の合理化が行われた。主発電機を常時動かす関係上、停泊中も主缶を焚いており、30-45分で緊急出港が可能となったが、維持整備の負担が増えている。対空ミサイルシステムはFMSで導入したターターＤシステムで、後甲板にMk13Mod3発射機を装備しており、SM-1MRミサイル（RIM-66B）を運用できる。３番艦たちかぜは対空ミサイル発射機がMk13Mod4で、ハープーンミサイルの運用が可能となっており、１・２番艦にも後に搭載改修が施された。SPS-52B三次元レーダー（後部マック頂部。３番艦はSPS-52C）、SPG-51C/Dミサイル管制レーダー２基（後部マック後方の支柱２本の上に背負い式装備）、OPS-11B/C対空レーダー（１番艦は後日装備、2-3番艦は新造時から搭載）、OPS-17対水上レーダー（OPS-16D？前部マック。３番艦は対艦ミサイル探知能力向上のためOPS-28を採用）、NOLR-5電子戦装置（１番艦。前部マック）、NOLQ-1電波探知妨害装置＋OLR-9Bミサイル警報装置（2-3番艦）、72式１型Ａ射撃統制装置（３番艦はFCS２型21）、リンク11、リンク14を装備（３番艦は就役時から、1-2番艦は後日装備）する。第２SPG-51支筒後面にはミサイルテレメーター受信装置SKQ-3用パラボラアンテナを装着可能。バウ・ソナーとして1-2番艦がOQS-3、３番艦がOQS-4（�T）を装備する。戦闘指揮システムは1-2番艦がWES(Weapon Entry System。スペリー・ユニバック社製)、３番艦がCDSで、戦術情報処理装置はたちかぜがOYQ-1、あさかぜがOYQ-2、さわかぜがOYQ-4であり、ミサイル・砲射撃指揮装置と共に海自初の全デジタル・コンピュータ管制システムとなっている。艦載艇は後部上構両舷の重力式ボート・ダビットに内火艇２隻と７メートルカッター１隻を積んでいる。2-3番艦はMk36チャフ・システムを搭載した。群司令部設備を持つ。上構が大きく、ミサイル管制装置も背が高いため、トップヘビー気味で、同サイズのたかつき型よりもよく揺れるらしい。３番艦はCIWSを竣工時から搭載しており、７メートルカッターはダビットごと撤去、艦橋前面の洋上補給用受給リグを廃止し、スライディング・パッドアイを採用して船体中央両舷に受給ポストを装備した。全長143m、全幅14.3m、深さ9m、吃水4.6m（１・２番艦）／4.7m（３番艦）、基準排水量3850トン（１・２番艦）／3950トン（３番艦）、満載排水量5200トン。主機は三菱舶用２胴衝動式蒸気タービン（高圧・巡航一体タービンと低圧タービン２胴のシリーズ・パラレル型）２基、主缶は三菱CE舶用２胴水管型缶（蒸気圧１平方センチあたり40kg、温度450℃、蒸気発生量毎時120トン）２基、出力60000馬力、固定ピッチ３翅プロペラ２軸推進、速力32ノット、航続距離は20ノットで6000海里。主発電機は蒸気タービン（1500kW。３番艦は1800kW）２基、非常用補助発電機はディーゼル（300kW）２基。兵装はスタンダードSM-1MR単装発射機Mk13Mod3が１基（後甲板、40発。３番艦はMk13Mod4でハープーンの発射も可能、スタンダード36発＋ハープーン４発またはスタンダード32発＋ハープーン８発）、73式127mm単装砲２門（前甲板、後甲板のMk13発射機前方にある背の低い上構上01甲板）、アスロック８連装発射機１基（前部砲の後方。３番艦のみ自動装填式）、68式３連装短魚雷発射管２基（前後上構間両舷）。乗員230名（１番艦）／250名（２番艦）／255名（３番艦）。１番艦DDG-168たちかぜ、２番艦DDG-169あさかぜ、３番艦DDG-170さわかぜの３隻が1976-83年に就役した。値段はDDG-169あさかぜが230億円、DDG-170さわかぜが459億円（512億7500万円？）。1980年度、DDG-168たちかぜがOPS-11C（OPS-11B？）とOLR-9Bを搭載。1982年度、DDG-168たちかぜがMk36チャフ装置を搭載。1984年度、DDG-169あさかぜが20mmCIWS２基を後部マック付近両舷に装備。1986年度、DDG-168たちかぜが20mmCIWS２基を後部マック付近両舷に装備、ESMをNOLR-6に換装し、OLT-3ECMを追加した。1987年度、DDG-170さわかぜが20mmCIWS２基を後部マック付近両舷に装備。1989年2-9月、DDG-168たちかぜが艦橋構造部後端を3m後ろに拡大してOYQ-1をOYQ-1Bに換装し、UYK-7コンピュータとリンク11を積んだ。1989年12月から1990年6月、DDG-169あさかぜが艦橋構造部後端を3m後ろに拡大してOYQ-2をOYQ-2Bに換装し、UYK-7コンピュータとリンク11を積んだ。1992-94年、OPS-20航海レーダーを追加。1998年2-7月、DDG-168たちかぜが護衛艦隊旗艦改装を実施。幕僚長室と首席幕僚室を設け、127mm単装砲１門（後部52番砲）を撤去、後部01甲板に大型甲板室を設置して司令部設備を追加した。2007-10年に除籍された。参考：月刊世界の艦船3,’14、8,’14、1,’17、11,'17増刊、1,’04、1,’79増刊、8,’82増刊、6,’83、1,’02、11,’11、2,’12、月刊JWings1,’99、艦船メカニズム図鑑、自衛隊装備年鑑1996、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究6,’93別冊、7,’18、海上自衛隊全艦艇史、月刊丸2,’08、自衛隊装備カタログ1981、丸スペシャルNo.76、No.78

＜立川基地＞：在日米軍基地。元は日本陸軍立川飛行場で、太平洋戦争終戦により1945年9月5日にアメリカ軍が接収し、アメリカ陸軍が航空基地として使用した。1948年5月、アメリカ空軍が発足したため、空軍基地になった。朝鮮戦争では輸送機基地・兵站拠点となった。1953年、C-124輸送機が離陸直後にエンジントラブルで墜落した。朝鮮戦争終結後に砂川町方面に基地を拡張し、滑走路を延伸する計画を立てたが、1955年からの反対派住民・団体による砂川闘争で断念。1969年、ジェット化に対応できず飛行場としての機能を停止。1973年1月、日米安全保障協議委員会で関東地方の在日米空軍施設を横田基地に統合することになり、1977年12月に全面返還されて昭和記念公園になった。参考：首都防空網と空都多摩、月刊JWings10,’21

＜立川式ＴＳ六測量機＞：九八式直接共同偵察機を参照。

＜立川式小型連絡機＞：九五式一型練習機ファミリーを参照。

＜立川駐屯地（初代）＞：陸上自衛隊の駐屯地。元は日本陸軍獣医資材本廠で、1952年に開設され、武器補給処、通信補給処、衛生補給処、武器学校、第502測量中隊が置かれた。武器学校は9月25日に土浦駐屯地に移動している。1954年、第101測量大隊が新編された。1963年に廃止され、小平駐屯地立川分屯地に改編された。参考：東立川駐屯地ホームページ

＜立川駐屯地（２代目）＞：陸上自衛隊の駐屯地。立川飛行場は広域防災拠点でもあり、消防、警察、海保、医療関係の施設が集中する。滑走路は長さ900m、幅45m、ランウェイ01/19。敷地面積846000平方メートル。所在地は東京都立川市緑町５で、昭和記念公園の隣。JR立川駅から徒歩20分。大元は1922年（大正11年）に開設された陸軍立川飛行場で、太平洋戦争終戦を受け1945年にアメリカ空軍極東司令部が置かれ、1972年に東部方面航空隊本部が移駐、1973年に東部方面航空隊が全面移駐し、1977年に自衛隊の立川基地一時使用が承認されてアメリカ空軍立川基地司令部が閉鎖され、1981年から新しい駐屯地の建設工事が始まり、1983年に落成して部隊の移転も完了した。2004年から箱根駅伝予選会が行われるようになった。2010年7月1日、協同訓練を通じた災害医療や救命救急医療体制の充実発展に協力したことにより、国立病院機構災害医療センターから感謝状を授与された。2011年1月14日、新成人22名の祝賀行事を実施。新成人は小銃を手にして駐機場のUH-1ヘリに乗り込み、駐屯地グラウンドにヘリボーン降着を行った。10月15日、東京箱根間往復大学駅伝競走予選会に協力した。2012年1月13日、1320-1548に離着陸訓練を実施していたOH-6Dヘリからワイヤー状アンテナ１本と付属品（総重量100kg）が脱落していたことが判明した。6月9-10日、ガールスカウト東京128団の団員・保護者37人が体験入隊した。10月20日、第89回箱根駅伝予選会を支援した。2014年1月22日、東京女子体育短期大学学生80人の部隊見学を支援した。2021年9月5-7日、石川地本の広報に協力し、若者５人が見学した。参考：立川駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、月刊JWings6,’10別冊付録、4,’12、11,’18、朝雲、MAMOR vol.58

＜立川駐屯地（２００７年度）＞：東部方面航空隊本部付隊、東部方面航空隊東部方面ヘリコプター隊（UH-60JA、UH-1H/J、OH-6D）、第１師団第１飛行隊（UH-1J、OH-6D）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜立川駐屯地（２０１５年）＞：東部方面航空隊本部、東部方面航空隊本部付隊、東部方面ヘリコプター隊、東部方面航空野整備隊、東部方面管制気象隊本部、東部方面管制気象隊基地隊、東部方面通信群本部中隊映像写真小隊空中伝送班、第１師団第１飛行隊、第305基地システム通信中隊立川派遣隊、第126地区警務隊立川連絡班、第431会計隊、立川駐屯地業務隊、東京地方協力本部駐屯地援護室が駐屯している。参考：立川駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜立川駐屯地（２０２０年）＞：東部方面航空隊、東部方面ヘリコプター隊（UH-1J、OH-6D）、第１師団第１飛行隊（UH-1J）などが駐屯する。参考：月刊JWings3,’20

＜立川駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2013年12月9日、特定健康診査受診率向上により、陸幕長から２級賞状を授与された。参考：朝雲

＜立川飛行機＞：大元は大正13年に独立した石川島造船所の航空部門で、昭和5年に石川島航空工業に改称、昭和11年に北多摩郡立川町に立川工場の隣に砂川工場を開設したのに伴い、立川飛行機に改称した。昭和19年、従業員は21420人（事務職2300人、技術職1120人、徴用含む工員数18000人）だった。昭和1-20年に11876機を生産した。昭和20年2月17日、空襲で34人が死亡。4月4日、空襲で８人が死亡。4月24日、空襲で69人が死亡。5月25日、空襲を受けた。7月10日、空襲で１人が死亡。8月2日、空襲で４人が死亡。9月3日から占領軍が進駐を開始。参考：首都防空網と空都多摩

＜立川飛行場＞：日本陸軍の飛行場。中央線立川駅に近く、道路もあり、大半が雑木林で地価が安いことから大正10年6月に航空第５大隊の敷地として選ばれ、秋に45万坪を購入し、大正11年3月に地鎮祭を行い、秋までに滑走路、格納庫４棟、兵舎などを完成させた。大正11年11月、飛行第５大隊が移駐。実際に入営したのは大正12年1月からである。大正12年9月1日の関東大震災で洲崎飛行場が焼失したため、民間航空が移転してきた。昭和3年8月、陸軍航空本部技術部が所沢から移駐。11月、陸軍航空本部技術部が陸軍航空技術研究所に改編された。昭和4年4月、日本航空輸送が定期便の運航を開始。昭和6年8月、羽田村に逓信省東京飛行場が完成したため、日本飛行学校や日本航空輸送などの民間航空がそちらに移動し、軍の専用飛行場になった。昭和8年10月、陸軍航空本部補給部所沢支部が移駐し、同立川支部になった。昭和10年8月、陸軍航空本部補給部立川支部が陸軍航空廠立川支廠に改編された。昭和14年3月、飛行第５戦隊が柏飛行場に移った。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく機密飛行場に指定された。昭和20年4月19日、空襲を受けた。4月24日、空襲を受けた。4月30日、空襲を受けた。7月10日、空襲を受けた。9月3日から占領軍が進駐を開始し、在日米軍立川基地となった。在日米軍撤収後は立川駐屯地となっている。参考：首都防空網と空都多摩、月刊航空ファン8,’16、11,’16、月刊JWings11,’18

＜立川分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。所在地は東京都立川市栄町1-2-10。1956年11月、陸自立川駐屯地（初代）と同じ敷地に開設され、航空自衛隊補給処第５出張所が置かれた。1958年11月（12月？）、航空医学実験隊が新編された。12月、補給処第５出張所が第１補給処立川支処に改編された。1961年2月1日、航空音楽隊が新編された。1982年3月、航空安全管理隊が新編された。4月、航空音楽隊が航空中央音楽隊に改編された。2006年から航空医学実験隊が順次入間基地に移転。2013年8月1日、第１補給処立川支処が第４補給処立川支処に改編された。2014年8月27日、第149期飛行安全幹部課程入校式を実施。三自衛隊と韓国空軍第20戦闘飛行団の10名が入校した。2018年9月20日、防衛大臣直轄部隊等英語競技会を実施。飛行開発実験団が幹部の部で優勝、准曹士の部で準優勝した。参考：第４補給処立川支処ホームページ、月刊JWings8,’14、6,’10別冊付録、補給本部ホームページ、朝雲

　＜立川分屯基地（２０１５年）＞：第４補給処立川支処、航空医学実験隊、航空安全管理隊、航空中央音楽隊が置かれている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜立川分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地で、小平駐屯地の分屯。1963年、立川駐屯地（初代）から改編されて創設された。1965年、東京地方連絡部三多摩地区隊が新編された。1974年、東立川駐屯地に改編された。参考：東立川駐屯地ホームページ

＜立川陸軍航空廠＞：日本陸軍航空廠。昭和9年、北多摩郡立川町に開設された。昭和20年4月28日、空襲を受けた。4月30日、空襲を受けた。6月10日、空襲を受けた。参考：首都防空網と空都多摩

＜立検隊＞：立ち入り検査隊を参照。

＜立ち止まり状態＞：Standing state。飛行速度ゼロ（進行率ゼロ）でプロペラが回転している状態のこと。プロペラ断面翼型がほぼ羽根角に近い迎え角になっている。この状態における推力を静止推力という。参考：航空用語事典増補改訂版

＜橘（初代）＞：日本海軍櫻型駆逐艦２番艦。明治45年6月25日竣工。大正元年8月28日、二等駆逐艦に類別変更された。昭和3年11月23日、20日に三重県多気郡黒部村沖1500mの伊勢湾に墜落した日本電報通信社サルムソン2A-2複葉機と同社航空部所属一等操縦士の捜索に参加。昭和7年4月1日に除籍され、昭和8年1月1日に廃駆逐艦第５号となった。参考：日本駆逐艦史、月刊航空ファン10,’19

＜橘（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦21番艦。昭和20年1月20日竣工。昭和20年7月14日、函館港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没し、昭和20年8月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜橘型＞：松型駆逐艦を参照。

＜橘作戦＞：太平洋戦争沖縄戦で台湾航空隊司令部が昭和20年4月17日に策定した、攻撃特701飛行隊及び攻撃第702飛行隊の陸攻による夜間機動部隊・沖縄飛行場爆撃作戦。4月28日、一式陸攻３機が機動部隊索敵攻撃、九六式陸攻２機が沖縄北飛行場爆撃を行ったが、一式陸攻は敵を発見できず、九六式陸攻も爆撃を行ったが戦果不明で、１機が未帰還になった。4月29日、一式陸攻２機が敵艦戦雷撃、九六式陸攻１機が沖縄北飛行場夜間爆撃を行ったが、戦果は無かった。4月30日、機動部隊攻撃を行ったが、１名が戦死した。参考：月刊航空ファン3,’20

＜橘丸＞：日本陸軍病院船。元は東海汽船の伊豆大島航路客船である。日本海軍特設病院船として日華事変に参加し、損傷を受けた。太平洋戦争開戦前に海軍から除籍されたが、太平洋戦争中に陸軍病院船として再徴用された。昭和20年8月1日、ニューギニアのカイ島から将兵2400名と武器弾薬を積んでジャワ島に向かったが、直後にアメリカ海軍哨戒機と駆逐艦２隻に発見され、臨検で積み荷がばれて拿捕拘留された。太平洋戦争終戦で日本に回航されている。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、月刊モデルアート9,’15増刊

＜拖仲型救難曳船＞：中国海軍艦隊航洋曳船Tuzhong型。全長84.9m、満載排水量3658トン。速力20ノット。艦番号830が就役した。参考：月刊軍事研究7,’10、月刊世界の艦船9,’11

＜タチン級＞：タコマ級フリゲート（タイ海軍）を参照。

＜辰昭丸＞：日本の貨物船。昭和19年11月10日、モマ〇七船団の一員として六連島を出港。11月12日、潜水艦の雷撃を受け、魚雷２本を被雷して弾火薬が誘爆、轟沈した。190名が戦死している。参考：戦時標準船入門、輸送船入門

＜ダツィンスカヤ＞：第２親衛戦車軍団を参照。

＜タッカー＞：DD-374（駆逐艦）を参照。

＜辰神丸＞：日本海軍特設運送船（給兵船）。元は三菱神戸造船所で昭和14年10月31日に竣工した辰馬汽船の遠洋航路船で、日本海軍に徴用された。垂線間長133.96m、幅17.83m、深さ10.01m、吃水8.041m、総トン数7064トン、重量トン数10242トン。主機は三菱インパルス蒸気タービン１基、連続最大出力4200馬力、航海速力12.5ノット、最大速力15.955ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第11航空艦隊補給部隊所属、兵力部署では南方部隊航空部隊付属だった。昭和17年1月、ボルネオ島タラカン・バリクパパン攻略作戦に参加。1月24日未明、バリクパパン沖で第２次揚陸の準備中にアメリカ海軍DD-230ポール・ジョーンズとDD-225ポープの砲撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’11、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜達観＞：1601（海洋観測艦）を参照。

＜達観級＞：台湾海軍海洋観測艦タークァン級。台湾海軍初の本格的海洋観測艦で、建造はイタリアである。中国を刺激しないために交通通信部が名目上発注した。アライアンス級海洋観測艦と同型で、船体は耐氷構造、バウ・スラスターと昇降旋回式スターン・スラスターを持ち、細かい操艦ができる。また、静止推力が20トンあるため各種観測器材の曳航が可能である。潜水艦救難設備も用意されているとされるが、詳細は不明。全長93m、全幅15.2m、吃水5.1m、満載排水量3180トン。主機はディーゼル・エレクトリック２軸5100馬力で、速力15ノット。自衛用に12.7mm機銃２丁を持つ。乗員82名で、うち26名は科学者。1995年に艦番号1601達観が就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ダック＞：J2F複葉水陸両用機シリーズまたはMk�\装甲運搬車を参照。

＜タック＞：ロバート・スタンフォード・タック。イギリス空軍エース。1916年、イギリスのキャットフォード生まれ。1935年、イギリス空軍の採用試験を受験し、9月に入隊、戦闘機パイロット養成コース卒業後は少尉となり第65飛行中隊に配備された。1938年、訓練中に僚機と２回空中衝突を起こし、顔面を負傷、傷隠しに口髭を生やすようになり、後にトレードマークとなった。1940年5月、第92飛行中隊に転属し、中尉となった。5月23日にスピットファイアMk.�Tを駆ってダンケルク撤退支援で初出撃し、Bf109E戦闘機１機を撃墜した。補給後に再度出撃し、Bf110C戦闘機２機を撃墜。5月24日、ダンケルク上空でDo17爆撃機２機を撃墜してエースになった。6月2日、Bf109戦闘機１機とHe111爆撃機１機を撃墜。空軍殊勲十字章が授与された。8月、１週間で２回撃墜され、負傷して一時戦線を離脱。8月25日、14機目を撃墜。9月11日、少佐に昇進し、第257飛行隊隊長となった。乗機はハリケーンMk.�Tに変更された。9月15日、Bf110戦闘機１機とBf109E戦闘機１機を撃墜。1940年末までに計18機を撃墜した。1941年、乗機をハリケーンMk.�Uに変更。7月、中佐に昇進し、ダックスフォード基地航空団司令官となった。12月、ビッギン・ヒル基地航空団司令官となった。1942年1月28日、ハリケーンMk.�UＣで出撃したが、フランスのブーローニュ付近で飛行場を機銃掃射中に対空砲火で撃墜され不時着、捕虜となった。1945年1月、収容所を脱走してソ連軍に救出され、終戦前にイギリスに帰還した。総撃墜機数29機。最終階級は中佐。参考：月刊JWings6,’11、英独航空決戦

＜タック・アンダー＞：Tuck under。正の安定性を持つ航空機が亜音速領域で加速していく際、速度が増すと機体に機首上げの力が作用するので、操縦桿を押す力をだんだん増やしていって機首を下げるようにし、水平を保つ必要がある。そのまま加速して遷音速領域に入り、臨界マッハ数を超えると、衝撃失速により揚力が減少し、水平尾翼に対するダウンウォッシュが減って機首が下がっていくので、静安定性は増加しているにも関わらず、今度は逆に操縦桿を引いて水平を保つことになる。この保舵力の逆転現象がタック・アンダーで、更に加速するとピッチアップを起こしてまた操縦桿を押す必要が出てくることもあり、瞬時に操縦桿の操作を逆転させなければならず、遷音速領域での操縦を困難にする原因となる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜タック・クロス�T＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Tac cross �T。会場正面から２機がアブレスト隊形で進入し、背面飛行に移って270度横転してすれ違い、２回転半ほどロールしながら1500mまで急上昇した後、スプリットＳで急降下して会場正面に戻り、背面飛行で高度100mをすれ違い、２機はロールして会場後方に抜ける。参考：月刊JWings6,’09、7,’12、6,’10別冊付録

＜タック・クロス�U＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Tac cross �U。タック・クロス�Tを水平面で行うもので、第４区分で実施される。参考：月刊JWings6,’10別冊付録

＜ダックス・フット・ピストル＞：数本の銃身を扇形に並べ、斉射するタイプのピストル。18世紀後半に、待遇の悪い水夫が暴動を起こした時の鎮圧用に開発された。参考：GUN用語事典

＜ダックスフントの腹＞：Bf110C-6（戦闘機）またはBf110D（戦闘機）を参照。

＜ダックスベリー・ベイ＞：AVP-38（飛行艇支援艦）を参照。

＜ダック・ハンターズ・パターン＞：M1941（作業服）を参照。

＜ダックビルズ・エンドコネクター＞：M4A3E2戦車の重量増に対応するため、履帯の外側に装着したコネクター。幅広にすることで接地圧を抑えている。参考：月刊PANZER4,’03、月刊丸9,’97

＜ダックワース＞：K351（フリゲート）を参照。

＜ダッシール＞：DD-659（駆逐艦）を参照。

＜ダッジ・ウェポン・キャリア＞：T214シリーズを参照。

＜ダッシャー＞：D37（護衛空母）を参照。

＜ダッシュ＞：アメリカ海軍対潜攻撃兵器で、Drone Anti Submarine Helicopter（対潜無人ヘリコプター）の略。第２次大戦型艦艇に対するFRAM用としてアスロック、VDS、短魚雷と共に開発された無人ヘリで、Mk44ホーミング短魚雷1-2発を搭載、母艦が目標を探知すると直ちに飛び立ち、母艦のSFCS（Submarine Fire Control System、水中攻撃指揮装置）による無線誘導でアスロックよりも遠距離（最大80km）まで飛行させて攻撃する。アメリカ海兵隊がテストしていたジャイロダイン製小型有人ヘリXRONを無人化したもので、1959年にプロトタイプのDSN-1が初飛行し、DL-2ミッチャーでテストされてアメリカ海軍に採用され、ブロンスティン級、ガーシア級、ノックス級に搭載された。無線指令電波が空母−艦上機間の交信電波と混信するため運用中の事故が多発したこと、無線指令が母艦からの一方通行で的確な攻撃判断が障害されたこと、ソナーの探知距離が短くアスロックで十分だったことより、1967年（1969年？）に運用中止となった。生産数の半分が事故で失われている。参考：月刊軍事研究11,’03、9,’03、世紀の失敗物語、月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’12、10,’13、7,'23、丸スペシャルNo.78

　＜ＱＨ−５０Ａ＞：プロトタイプ。エンジンはガソリン（72馬力）単発。Mk44魚雷１発を搭載できる。参考：月刊世界の艦船10,’13、月刊軍事研究3,’05、世紀の失敗物語

　＜ＱＨ−５０Ｂ＞：プロトタイプその２で、双発化している。Ａ型と合わせて12機が生産され、試験に付されたが、ガソリンを艦上で扱うのに難があり、実用化には至らなかった。参考：月刊世界の艦船10,’13、世紀の失敗物語

　＜ＱＨ−５０Ｃ＞：機体を大型化し、エンジンを255馬力のターボシャフトに換装したもの。エンジン剥き出しの機体に二重反転ローターとスキッドを取り付けており、スキッド間に魚雷搭載架がある。無線遠隔操縦は艦上のAN/SRW-4Bで、飛行はダッシュに装備されたAN/ASW-29が行う。遠隔操作装置は飛行甲板とCICに１基ずつ搭載されており、発着艦は甲板上で操作するが、ダッシュが発艦して射撃指揮レーダーで追尾できるようになったらCIC内で管制する。全長3.94m、全高2.96m。最大速度148km、航続距離104km。Mk44魚雷２発を搭載できる。B57核爆雷の運用も可能。1960年に発注され、1962年から373機が量産された。参考：月刊軍事研究3,’05、月刊世界の艦船10,’13、月刊丸1,’10別冊、世紀の失敗物語、アメリカの核兵器

　＜ＱＨ−５０Ｄ＞：最終生産型。ローターをグラスファイバー製に換え、エンジンを強化、燃料搭載量を増やしている。パイプ構造のスキッド上にエンジンを搭載しており、二重反転ローターを回して飛行する。飛行誘導は母艦のAN/SRW-4B指揮誘導装置の指令により本機のAN/ASQ-20が行う。エンジン下部の搭載架に魚雷２本やMk17核爆雷を搭載可能。ローター直径6m。エンジンはボーイングT-50-BO-12ターボシャフト（365馬力）で、巡航速度100km、最大速度150km、航続距離60海里、滞空時間105分。最大攻撃距離22海里。運用限度はシーステート６。1966年に制式化され、377機が生産された。参考：月刊軍事研究11,’03、月刊世界の艦船10,’13、世紀の失敗物語

＜ダッシュ・ファミリー＞

　＜スヌーピー・ダッシュ＞：後期生産型にテレビカメラとデータリンクを搭載し、リアルタイムで画像を送信できるようにした無人観測機型。ダッシュ設備のある艦船なら全て運用可能であり、ベトナム戦争で沿岸隠密観測やBB-62ニュージャージーの弾着観測に使用された。参考：月刊世界の艦船4,’12

＜ダッシュ海外シリーズ＞

　＜ダッシュ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の対潜魚雷運搬用無人ヘリ。1965年にMAPでQH-50Cを３機、アメリカ海軍からの直接調達でQH-50Dを１機導入してテストを行い、QH-50Dを採用して更に18機を輸入（合計QH-50C３機＋QH-50D19機の22機）した。整備員７名で２機を運用する。ローター直径6m、全高3m、機体全重量0.55トン、全備重量３トン。エンジンはボーイング社製ターボシャフト（330馬力）単発で、速力150km、航続距離60海里、航続時間は55ノットで105分。魚雷２本を搭載可能。1967-71年に18機を輸入し、みねぐも型護衛艦みねぐも・なつぐもやたかつき型護衛艦に搭載した他、第11海上訓練指導隊で訓練を行った。海上自衛隊では運用が上手くいき（とはいえ事故と損耗で半数以上を失っている）、1979年（1977年？）まで使用されていたが、アメリカでの運用中止で部品が調達できなくなり、代わりに小型ヘリ（MASH）を搭載する案も没になり、アスロックに換装された。QH-50D最終19号機が海自呉史料館に展示されている。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊、7,'23、5,’12、10,’13、丸スペシャルNo.78

＜ダッシュ２＞：海上自衛隊HSS-2Aヘリの愛称。参考：月刊JWings4,’04

＜ダッシュＸ＞：アメリカ海軍が開発中のISR用UAVで、ノースロップ・グラマン社とVXエアロスペース社が担当している。折り畳んでクラスター爆弾用キャニスターに収容、EA-18Gブロック�Uに搭載されて空中で発進し、敵防空網内で電波情報を収集、リアルタイムで発射母機に送る。翼スパン3.66m、巡航速度110km。参考：月刊JWings2,’18、8,’19

＜ダッシュエイト＞：CC-142（輸送機）を参照。

＜ダッシュツービー＞：海上自衛隊HSS-2Bヘリの愛称。参考：月刊軍事研究10,’02

＜脱出区画（海上自衛隊潜水艦）＞：潜水艦から脱出する際に使用される区画。上部に二重ハッチの脱出筒があり、外部に繋がっている。脱出筒の定員は２名で、入ったら下のハッチを閉め、脱出用スーツと強力な鼻栓を着用。片手でバーを掴んで体を固定、もう一方の手で空気ホースを供給口に填め、注水口を開けると、脱出筒内に一気に海水が満たされ、内外の水圧が一致したところで上部ハッチが開くので、直ちに耳抜きをして両手を離し、脱出して上部ハッチを閉める。海水が入ってきた際に乗員が意識を失っが場合には、バーとホースから自然と手が離れるので、別の乗員が上部ハッチから外に出す（よって、空気ホースは機械固定式にはしない）。脱出筒内の海水を排水したら、また２名ずつ入って脱出していく。参考：月刊軍事研究11,’13

＜ダツ・シラトナ級＞：カノン級フリゲート（フィリピン海軍）を参照。

＜脱水缶詰＞：静岡県缶詰株式会社が輸送量増加を主目的に開発した缶詰で、魚肉なら30-35%、根菜なら25%、葉菜なら75%の水分を除去してあり、水で戻して使う。昭和19年から日本陸海軍に納入された。参考：写真で見る海軍糧食史

＜脱走兵（日本陸軍）＞：最大の不名誉であり、本人のみならず両親親類まで非国民扱いされた。戦地では敵前逃亡で即刻銃殺である。内務班では中隊長以下全員が監督責任を取らされるため、野外演習や公用外出の名目で潜伏先を探して見つけ出し、重営倉で済ませる。どうしても見つからなかった場合は中隊長が大隊長に報告、憲兵隊が徹底的に捜索して探し出すのに２日とかからない。捕まった脱走兵は隊内離脱、兵器横領、官給被服破棄など10以上の罪状で非公式裁判にかけられて収監され、半年経たずに獄死に追い込まれる。参考：新兵サンよもやま物語

＜ダッソー＞：フランスの航空機会社Dassualt Aviation。マルセル・ブロックが1937年に設立したマルセル・ブロック株式会社をベースとし、ブロックがマルセル・ダッソーに改名したため1947年1月20日にマルセル・ダッソー航空機会社に改称した。MD315フラマン輸送機、MD450ウーラガン、MD452ミステール、シュペール・ミステール、ミラージュを開発。1963年からはビジネスジェットのファルコンを生産している。1967年6月（1971年末？）にブレゲー・アビアシオンを合併してダッソー・ブレゲー（正式にはアヴィオン・マルセル・ダッソー・ブレゲー・アヴィアシオン）となったが、1990年6月にダッソー・アヴィアシオンの社名に戻った。1991年、ラファールが初飛行。2019年3月5日、フォッカー・エアロスペース社が保有していたベルギーSABCAの株式を全て（43.57%分）購入し、保有株式比率を96.53%とした。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊JWings7,’12、12,’06、6,’14、月刊丸9,’03、月刊航空ファン6,’19

＜ダッソー・アビエーション式ファルコン２０００ＥＸ型＞：ファルコン2000海外ファミリー（洋上哨戒機）を参照。

＜ダッソー・ブレゲー＞：ダッソー（航空機会社）を参照。

＜ダッソー・ブレゲー式ミステール・ファルコン９００型＞：ファルコン900海外ファミリー（洋上哨戒機）を参照。

＜龍田（初代）＞：日本海軍龍田型砲艦Tatsuta。明治27年7月31日竣工。日清戦争開戦が迫っており、急いで日本に向かったが、イギリスを出港した直後に戦争が始まりアデンで抑留されてしまった。明治28年1月20日、抑留を解かれ、日本に向かった。3月19日、横浜に到着し、すぐ北清方面に向かった。5月21日、神戸に帰港。明治31年3月21日、通報艦に類別された。明治35-36年、主缶を換装。明治38年5月27-28日、日本海海戦に参加。大正元年8月28日、一等砲艦に類別変更された。大正5年４月1日に除籍された。12月9日、雑役船（潜水艇母船）に編入され、長浦丸と改称された。大正15年4月6日に売却された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜龍田（２代目）＞：日本海軍天龍型軽巡洋艦２番艦Tatsuta。大正8年3月30日竣工。大正13年3月19日、第43潜水艦と衝突し、相手が沈没した。昭和7年1月29日、前日の第１次上海事件勃発を受けて佐世保から特別陸戦隊を乗せ上海に向かった。昭和8年、前部マストをポールマストから三脚マストに換装した。昭和12年7月7日、日華事変勃発時には第10戦隊に所属していた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制でも兵力部署でも第18戦隊に所属しており、1515にウェーク島攻略戦のためルオット島を出撃。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、第18戦隊所属で珊瑚海海戦に参加。昭和19年3月13日、木更津沖を抜錨してサイパンに向かったが、八丈島の西南西40海里でSS-381サンドランスの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、連合艦隊巡洋艦、写真で見る海軍糧食史、月刊世界の艦船6,’83、11,'21、日本海軍艦隊総覧

＜龍田型＞：日本海軍砲艦Tatsuta。アームストロング社エルジック工場で建造された水雷砲艦である。船型は平甲板型で、煙突は１本、マストは前後に１本ずつ。垂線間長73.15m、最大幅8.38m、吃水2.9m、常備排水量868トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶は石炭専焼円缶４基、出力5500馬力、２軸推進、速力21ノット、石炭搭載量244トン。兵装は安式40口径12cm単装砲２門、保式47mm単装重速射砲４門、45cm連装水上発射管旋回式２基、45cm単装水上発射管固定式１門。乗員107名。明治27年に龍田が竣工した。明治35-36年に主缶を換装し、煙突を３本としている。参考：日本海軍特務艦船史

＜龍田丸＞：日本郵船客船。総トン数16975トン。最大速力20ノット。昭和5年竣工、サンフランシスコ航路に就航した。昭和16年12月2日、日米交換船を装ってアジアからのアメリカ人引き揚げ者を乗せ横浜を出港。12月8日、真珠湾攻撃で太平洋戦争が始まったため、日本に引き返した。昭和17年1月、海軍に徴用された。7月、第２回日英交換船に指定され、クレーギー駐日イギリス大使、フォートム駐日ベルギー大使ら928人を乗せアフリカのロレンソマルケスに向かった。ロレンソマルケスではイギリスの交換船からの日本人919人を乗せ、日本に戻っている。昭和18年2月8日1600、乗員198人、海軍将兵1223名、海軍軍属60名を乗せ横須賀を出港し、駆逐艦山雲の護衛を受けトラックに向かった。2230頃、御蔵島東40海里で雷撃を受け沈没した。龍田丸の前方1500mを航行していた山雲は２回の爆発音を聴取し、反転して龍田丸の方向に発光信号を送ったが応答は無く、直後に星明かりの中で龍田丸が船尾から沈むのを確認。横須賀鎮守府に向け遭難の連絡を入れたが、龍田丸が短艇を降ろした形跡が無いなどとして積極的な救助活動を行わず（探照灯照射すらしていない）、2月9日朝から館山航空隊の哨戒機１機と横須賀防備隊の艦艇が捜索を行ったが、生存者は無かった。参考：輸送船入門、パールハーバー

＜タッチ・アンド・ゴー＞：滑走路に接地した後、そのまま加速して離陸すること。離着陸訓練などで使用される。参考：月刊JWings2,’13

＜ダッチェス＞：APA-98（攻撃輸送艦）を参照。

＜ダッチス＞：H64（駆逐艦）を参照。

＜ダッチマンリカライフル＞：M1895（小銃）を参照。

＜ダッチメン軽戦車＞：ヴィッカーズ軽戦車モデル1936を参照。

＜ダッチロール＞：Dutch roll。横滑り、ローリング、ヨーイングなどの横運動をバラバラの周期で繰り返すこと。オランダ人がスケートをする様子に似ているのが由来らしい。垂直尾翼までのアームを長くして垂直尾翼を大型化するなど、垂直安定板の効きを良くすることにより、横安定に対して方向安定を十分に確保することで予防できる。それでも足りない場合にはヨーダンパーを付けたりする。ただしダッチロールを防ぐため垂直尾翼を大きくして主翼上反角を減らすと、横安定不足から錐揉み不安定の傾向が増すので注意が要る。実機では錐揉み不安定気味、操縦されない模型飛行機ではダッチロール気味に設計する。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、世界の傑作機No.172

＜タッツオーリ＞：イタリア海軍フィンツィ級潜水艦。1943年5月16日、ボルドーを出港。その後行方不明になった。参考：月刊丸11,’09

＜ダット＞：レティクルを参照。

＜ダットサイト＞：ドットサイトともいう。照準眼鏡の１つで、短い筒状をしており、等倍のレンズが取り付けられている。中を覗くと中心に赤い発光点（レッド・ダット）が見え、これを目標に合わせて射撃する。ダットの輝度調節機能や狙点調整機能を持つ。小型のため拳銃にも取り付けられ、夜間でも照準がしやすい。倍率は１倍なので、利き目でサイトを覗き、もう一方の目で目標及び周囲を観察し、立体視で目標を捉えるのが基本。1980年代初頭からシューティングマッチで使用され初め、特殊部隊などにも広がった。電池が切れると発光点を投影できなくなるのが欠点。参考：月刊コンバットマガジン11,’03、7,’09

＜ダット自動車＞：快進社、ダット自動車商会、実用自動車株式会社が大正15年に合併して設立された自動車製作会社。軍用3/4トントラックの生産に従事した。参考：機甲入門

＜タットノール＞：アメリカ海軍輸送駆逐艦。1945年5月20日、沖縄付近で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜タッドポール・クリッパー＞：PBM飛行艇シリーズ（飛行艇）を参照。

＜ダットン＞：アメリカ海軍測量艦。1945年5月26日、沖縄付近で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜タッパー級哨戒艇＞：スウェーデン海軍哨戒艇Tapper級。兵装はエルマ用ASW-600爆雷投射機など。1993-99年に12隻が就役した。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜ダッハウ強制収容所＞：ヒトラーがドイツ首相となったすぐ後の1933年2月28日、公序良俗に反する人を強制収容できる法律（人民及び国家の保護に関する大統領布告）が成立した。これに基づいて最初に建設された強制収容所である。1933年3月22日に反国家活動容疑者を保護監禁する施設として設置され、最初は共産主義者、社会民主主義者、聖職者などが収容され、オーストリア併合後はオーストラリア政府支持者が加わり、更に浮浪者や同性愛者なども加わっていった。初代所長はSS大佐のテオドーレ・アイケで、配下のSS部隊は髑髏部隊と名付けられ、囚人に対して定期的に鞭打ちを行った。1939年に一旦閉鎖されて改装され、1940年に再開された。その後はソ連、フランス、チェコ、ポーランドなどの外国人（日本人も１名いる）などが加わり、1944年秋には35000人が収容されていた。この周囲にも外部強制労働キャンプが183ヵ所もあり、４万人が収容されていた。収容者は連日強制労働に科せられ、看守の暴力と飢餓、病気、更には低圧実験（高度20000m以上を想定。200人が被験者となり70人が死亡）や低温実験（北極海での不時着水を想定）、海水飲用実験などにより、延べ収容者25万人のうち７万人が死亡した。1945年4月29日、アメリカ軍により解放された。戦後は連合軍のドイツ軍捕虜収容所となり、返還後は避難民キャンプとして1968年まで使用された。参考：月刊軍事研究8,’04、ゲシュタポ

＜辰鳩丸＞：日本の貨物船。総トン数5396トン。昭和19年12月30日、ヒ八六船団の一員としてシンガポールを出港。昭和20年1月12日、仏印沖で航空攻撃を受け大破、海岸に擱座した。参考：輸送船入門

＜タッパハノク＞：アメリカ海軍給油艦。1943年4月7日、フロリダ沖海戦で沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜タッバラー＞：DE-418（護衛駆逐艦）を参照。

＜辰春丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は兵力部署では第17戦隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜龍飛＞：鳳翔（空母）を参照。

＜竜巻作戦＞：太平洋戦争時に日本軍があ号作戦の一部として立案した作戦。マーシャル諸島に展開するアメリカ機動部隊を潜水艦及び航空機で偵察し、機を図って特四式内火艇による魚雷攻撃をかけるというものだったが、特四式内火艇の能力が低すぎて使えず、実行直前の昭和19年5月12日に中止された。参考：月刊PANZER6,’04

＜辰宮丸＞：日本海軍特設敷設艦。総トン数6343トン。元は辰間汽船の所属船で、太平洋戦争開戦時は建制では第17戦隊、兵力部署では馬來部隊機雷部隊に所属しており、開戦直後にイギリス東洋艦隊を撃破すべくマレー東岸に機雷を敷設した。参考：小艦艇入門、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜辰羽丸＞：辰馬汽船貨物船Tatsuha Maru。大元は大正7年11月にイギリスで建造された貨物船ヴァージリアで、数度の改名を経て大正14年にコーヒー・キャッスルとなり、昭和3年に辰馬汽船が購入して辰羽丸に改称した。垂線間長129.2m、幅17.1m、深さ8.75m、満載吃水7.75m、総トン数5799トン、重量トン数9600トン。主機は三連成汽機１基１軸3012馬力、航海速力11ノット。昭和19年2月17日、第52師団を乗せた3206船団の一員としてトラックに向け航行中、トラックの西40海里でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜だっぺ＞：ソマリア沖派遣海賊対処行動航空隊DAPE（Deployment Air force counter Piracy Enforcement）のこと。参考：MAMOR vol.164

＜辰洋丸＞：辰馬汽船2A型戦時標準貨物船。総トン数6892トン。昭和20年1月6日、モタ三〇船団の一員として六連島泊地を出港。1月8日、潜水艦の魚雷２本を受けて沈没した。参考：戦時標準船入門

＜蓼＞：日本海軍樅型駆逐艦21番艦。大正11年7月31日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年4月1日に哨戒艇に転籍となり、第39号哨戒艇と改称された。参考：日本駆逐艦史

＜縦安定＞：Longitudinal stability。飛行機の対称面内（xz面内）の運動に関する安定性で、飛行速度、迎え角、姿勢角で表される。飛行中に擾乱を受けて迎え角が増加した時、釣り合い迎え角まで戻す働きを縦の静安定性といい、水平尾翼の揚力による復元モーメントが関与し、主翼空力中心と機体重心との距離が長く、主翼揚力中心と水平尾翼揚力中心との距離が長く、水平尾翼面積が広いほど安定する。縦の動揺を抑えるための減衰モーメントも水平尾翼から発生し、主翼揚力中心と水平尾翼揚力中心との距離の２乗及び水平尾翼面積に比例する。縦の動安定を得るには、縦の静安定性に加えて適当な動的減衰力を持つ必要がある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜立石＞：日本海軍初島型電纜敷設艇Tateishi。昭和16年8月31日竣工。太平洋戦争開戦時は舞鶴防備戦隊に所属していた。昭和18年1月、横須賀を出港してラバウルに進出した。5月、千島防備部隊に編入された。10月、内南洋方面で海上防備を行い、ダバオ・スラバヤ方面で船団護衛を実施した。昭和20年3月19日、ヒ八八ｉ船団を護衛してサンジャックを出港、三亜に向かった。3月21日、仏印ナトラン南南東11海里でB-25の爆撃を受けて沈没した。5月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、戦時標準船入門

＜建川丸＞：川崎汽船油槽船。全長153.8m、全幅20m、総トン数10090トン、石油搭載量14120トン。主機は三菱MAN式ディーゼル、出力10658馬力、最大速力19.92ノット。太平洋戦争直前に海軍に徴用され、特設給油艦（正式には特設運送艦。後に特設運送船）となった。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜タテ器＞：シーズベッヒャー海外シリーズ（小銃てき弾発射機）を参照。

＜立付＞：「たてつけ」と読む。海上自衛隊用語で、予行演習のこと。本番の立ち位置に実際に立って確認するので、こう呼ばれる。ちなみに航空自衛隊用語では「たてつけ」というと組織図のことなので注意。また、陸上自衛隊用語に「たてつけ」は無いので、施設の建付けの話と間違う。参考：朝雲、海上自衛官紹介資料、MAMOR vol.164

＜立て銃（日本陸軍）＞：三八式歩兵銃では下帯の下を右手で持つ。九九式短小銃では下帯の上を右手で持つ。参考：軍医サンよもやま物語

＜立て銃（陸上自衛隊）＞：たてつつ、と読む。小銃を持った際に不動の姿勢を取らせる号令で、担え銃や控え銃からこの号令をかける。体勢は小銃を持たない場合の不動の姿勢と同じで、小銃を体の右に位置させ、床尾板を地面に付け、照星付近を右手で握る。小銃は弾倉を前に向ける。参考：MAMOR vol.152、vol.116

＜館林飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和12年、群馬県邑楽郡多々良村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜縦複合ユニット＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜館砲＞：館山海軍砲術学校を参照。

＜館山海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。昭和5年6月1日に館山飛行場で開隊した。昭和10年9月頃から九試陸上攻撃機（九六式陸攻試作機）の実用試験と搭乗員養成を開始。参考：館山航空基地ホームページ、月刊航空ファン3,’20

＜館山海軍砲術学校＞：日本海軍の海軍砲術学校で、館砲と略す。砲術練習生に対する陸上砲術教育のみを担当したので、海軍陸戦学校とも呼ばれる。教官と教員は陸軍歩兵学校で研修を行い、海軍陸戦教範も歩兵操典をコピーして作成した。昭和16年6月、横須賀海軍砲術学校の陸戦部門と陸上対空射撃部門が独立して千葉県館山市で創設された。参考：海軍兵学校岩国分校物語

＜館山航空基地＞：海上自衛隊の航空基地。館山飛行場の滑走路は長さ300m、幅45m、ランウェイ09/27で、ドラマＧメン'75のタイトルバックに使われた。所在地は千葉県館山市宮城無番地。JR館山駅からバス。徒歩だと30分くらい。元は1930年（昭和5年）に開隊した館山飛行場で、太平洋戦争後の1945年8月31日からアメリカ陸軍騎兵第１師団が駐屯、1947年11月1日に館山航空標識所が開設され、1948年6月30日から安房水産高校が施設の一部を使用、1952年4月1日には農林統計調査事務所が開設された。1953年7月15日、館山航空隊設立準備室と館山航空隊設立仮事務所が開設され、9月16日に保安庁警備隊館山航空隊が開隊した。1955年12月1日、第101飛行隊、第102飛行隊、第103飛行隊が創設された。1958年8月5日、飛行隊改編で第101、第151、第152飛行隊が駐屯するようになった。12月16日、館山術科教育隊が新編された。1960年1月16日、第152飛行隊が解隊され、館山航空隊教育部が新編され、館山術科教育隊が下総に移動した。1961年9月1日、館山航空隊が第21航空群に改編され、第211・第221教育航空隊が新編された。1968年11月30日、第221教育航空隊が小月航空基地に移った。1973年2月20日、第101航空隊第121飛行隊が新編された。1974年2月16日、第211教育航空隊が鹿屋航空基地に移動した。11月27日、第121航空隊が新編された。1989年3月17日、第124航空隊が新編された。1998年3月20日、第124航空隊が第123航空隊に改称された。2008年3月26日、第101・第121・第123航空隊が第21航空隊に統合された。第21航空群第73航空隊が新編された。2010年3月1-3日、海上幕僚監部主催の大学交流セミナーに協力した。2011年1月7日、第21航空隊のSH-60K１機とSH-60J２機、第73航空隊のUH-60J２機で初訓練飛行を実施。7月16日、館山市市民が正門近くの外柵に黄色いリボンを結び、東日本大震災の災害派遣に対する感謝の意を示した。2012年1月21日、基地体育館で第４回21空群司令杯・南総地区小学生バレーボール大会を実施。2013年5月上旬、庁舎（日本海軍時代の昭和5年に建造）老朽化に伴い、新庁舎の建設工事を開始。9月18日、無事故管制150万回達成の功績で航空集団司令官から３級賞状が授与された。2014年1月19日、基地体育館で第６回21空群司令杯南総地区小学生バレーボール大会を実施。2017年1月6日、第21航空隊SH-60J/Kと第73航空隊UH-60Jが初訓練飛行を実施。7月24日、基地海曹会が館山市長から感謝状を贈呈された。2018年4月2日、第73航空隊が解隊され、第21航空隊第213飛行隊に改編された。10月6日、基地開隊65周年記念行事を実施。2019年6月21日、ヨガ・インストラクターら15人を招き、隊員180名が飛行場駐機地区でヨガを実施。12月13日、航空集団司令官が基地を訪問。鴨川市自衛隊協力会に航空集団司令官が感謝状を贈呈した。2020年11月20日、基地内慰霊碑である悠久の碑の前で基地殉職隊員の慰霊祭を実施。2022年5月19日、東京医薬看護専門学校学生40人が基地を見学し、SH-60K哨戒ヘリの救難装備品や消防車の説明を受けた。2023年10月14日、基地開隊70周年記念行事を実施。参考：館山航空基地ホームページ、教育航空集団司令部ホームページ、月刊JWings1,'24、6,’10別冊付録、3,’11、8,’13、3,’17、6,’18、11,’18、12,’18、朝雲

＜館山航空基地（２００７年度、改編前）＞：第21航空群第101航空隊（SH-60J）、同第121航空隊（SH-60J、SH-60K）、同第123航空隊（SH-60J）、横須賀地方隊南極観測船しらせ飛行科（S-61A）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜館山航空基地（２０１２年度）＞：第21航空隊（SH-60J、SH-60K）、第73航空隊（UH-60J）が所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜館山航空隊＞：保安庁警備隊／海上自衛隊の航空隊で、警備隊初の航空隊・戦後日本初の航空部隊でもある。保安庁警備隊時代の1953年7月15日、館山航空基地に館山航空隊設立準備室と館山航空隊設立仮事務所が開設され、9月16日に新編された。内務科、通信科、補給科、飛行科、整備科を隷下に置く。配備機はベル47D-1ヘリ４機で、ヘリコプターによる訓練と浮遊機雷捜索が主任務である。1954年1月15日、S-51ヘリ１機が引き渡された。1955年、S-51ヘリ２機が引き渡された。9月30日、S-55ヘリ２機とベル47Gの配備を開始。12月1日、航空隊等の編成に関する訓令が制定され、隷下に第101飛行隊、第102飛行隊、第103飛行隊、第101整備隊、第102整備隊、第103整備隊、航空教官などが新編された。1956年5月16日、S-51ヘリ３機が大湊航空隊に移った。1958年3月4日、HSS-1の配備を開始。8月5日、隷下飛行隊が第101飛行隊、第151飛行隊、第152飛行隊に改編された。12月16日、教育部が廃止され、館山術科教育隊となった。1960年1月16日、第152飛行隊が解隊され、教育部が再編された。4月14日、S-55Aヘリの配備を開始。1961年8月31日、HSS-1Nヘリの配備を開始。1961年9月1日、第21航空群に改編された。参考：館山航空基地ホームページ、月刊JWings12,’18、月刊世界の艦船5,’02増刊、8,’11増刊、MAMOR vol.98、教育航空集団ホームページ

＜館山システム通信分遣隊＞：海上自衛隊の部隊。2002年3月、館山航空基地隊館山航空通信隊から改編されて創設され、システム通信隊群横須賀システム通信隊の隷下に入った。2017年7月1日、家族会の発足に伴い、第１回家族説明会を実施。2018年7月25日、服務無事故3650日を達成。参考：朝雲

＜館山術科教育隊＞：海上自衛隊の術科教育隊。1958年12月16日、館山航空基地で新編された。1960年1月16日、下総航空基地に移動した。参考：館山航空基地ホームページ

＜館山飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和5年6月1日、千葉県館山市に開設され、館山海軍航空隊が置かれた。戦後は館山航空基地になった。参考：首都防空網と空都多摩、月刊JWings11,’18、12,’18

＜立山丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第４艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜縦揺れ＞：ピッチングを参照。

＜縦揺れモーメント＞：ピッチング・モーメントを参照。

＜タトゥー＞：Tatoo。帰営ラッパ、軍楽祭、軍楽行進の意。参考：朝雲

＜田戸台分庁舎＞：横須賀地方総監部が管理する施設で、京浜急行県立大学前駅の山側にある。元は日本海軍横須賀鎮守府司令長官官舎で、1913年（大正２年）に竣工し、太平洋戦争終結でアメリカ軍が接収して在日米海軍司令官などの居住施設となり、1969年に防衛庁に移管されて横須賀地方総監部の管理下に入った。国内外の要人接遇、会議、音楽会ホールなどとして使用されており、毎年春に一般公開されている。大正時代のドイツ製グランドピアノがあり、事前申し込みで練習や演奏会に使用可能。参考：横須賀地方隊ホームページ、月刊世界の艦船11,’18、朝雲、MAMOR vol.135

＜タトノール＞：APD-19（高速輸送艦）またはDD-125（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜タトラ社＞：1990年代に民営化された。2002年にテレックス社の100%子会社になっている。参考：月刊軍事研究9,’06

＜ダドン＞：K411（フリゲート）を参照。

＜ダナ＞：DANA（自走砲）を参照。

＜ダナート＞：蛇腹鉄条網のこと。鉄条網を螺旋に巻いて障害物にしたものである。参考：コンバット・バイブル

＜ダナイデ＞：イタリア海軍ミネルヴァ級コルベットDanaide。1986年就役。2016年3月10日に退役し、巡視船に改造されて2017年にバングラデシュ沿岸警備隊に譲渡された。参考：月刊世界の艦船6,’16、3,’05、11,’17

＜ダナエ＞：F47（フリゲート）またはI44（軽巡）を参照。

＜ダナエ＞：フランス海軍アリアーヌ級潜水艦Danae。1929年竣工。1942年11月19日、連合軍の北アフリカ上陸時に自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ダナエ級軽巡洋艦＞：Ｄ級軽巡洋艦を参照。

＜田中国義＞：日本海軍エース。大正6年、佐賀県生まれ。昭和9年に海軍入隊、昭和11年3月に操縦練習生を卒業、大村航空隊に配属された。昭和12年10月、第13航空隊配属となり、上海に進出した。12月9日、南昌攻撃でカーチス・ホークとコルセア１機ずつを撃墜。昭和13年7月までに計12機を撃墜し、大村航空隊に転属となった。その後は空母龍驤、鈴鹿航空隊、鹿屋航空隊に配属され、昭和16年10月に一等飛行兵曹に昇進し、台南空に転属した。12月8日、ルソン島攻撃でP-40戦闘機１機を共同撃墜した。その後は蘭印でB-17攻撃に活躍し、昭和17年1月24日に２機、2月8日に２機を撃墜した。4月、大分航空隊に転属となり内地に帰還したが、心臓弁膜症が判明し、筑波航空隊と霞ヶ浦航空隊で教官を務め、終戦となった。公認総撃墜数17機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜田中上奏文＞：東方会議の結果、日本政府が天皇に上奏したとして中国の時事月報に掲載されたもの。中国東北部からモンゴルに至る地域の征服・経営方法を21項目について記述している。その後の歴史経過がこの内容に沿っているかのように進み、東京裁判でも問題となった文書であるが、実際は偽書らしい。参考：月刊丸10,’97

＜田中民穂＞：たなかみんぽ。日本海軍エース。昭和14年5月、乙種予科練習生として海軍に入隊。昭和17年9月、飛行練習生課程を卒業。昭和18年5月、第１航空艦隊第261航空隊に編入された。昭和19年2月末、サイパン島に進出。3月30日、ペリリュー島に進出。3月31日に初陣を飾った。その後、メレヨン島に移動してPBYを２機撃墜。6月上旬、ハルマヘラ島を経てヤップ島に進出。6月18日、サイパン沖のアメリカ船団攻撃に出撃し、F6F戦闘機２機を撃墜、グアム島に着陸した。7月中旬、アメリカ軍がグアム島に上陸すると60kg爆弾で爆装して上陸地点を爆撃し、そのままメレヨン島に脱出、その後パラオ経由でセブに着いた。第201航空隊に転属となり、特攻隊の護衛を行い、昭和20年1月に本土に帰還。第253航空隊や第203航空隊に配属され、終戦を迎えた。戦後は全日空のパイロットとなった。撃墜機数15機。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜タナトサイド＞：L69（駆逐艦）を参照。

＜七夕機動作戦＞：平成26年度協同転地演習を参照。

＜ダ・ナン＞：ベトナム海軍636型潜水艦５番艦Da Nang。2015年に引き渡された。2016年2月、カムラン湾に到着。2017年2月28日、ベトナムのカン・ホア州にある海軍基地で就役式典が行われて就役し、第189潜水艦大隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’17、6,’17

＜タニー＞：APSS-282（輸送潜水艦）またはSS-282（ガトー級潜水艦）またはSSN-682（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜ダニエル＞：DE-335（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダニエル・Ａ・ジョイ＞：DE-585（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダニエル・T・グリフィン＞：APD-38（高速輸送艦）またはDE-54（護衛駆逐艦）を参照。

＜ダニエル・イノウエ＞：DDG-118（アーレイ・バーク級イージス駆逐艦）を参照。

＜ダニエル・ウェブスター＞：SSBN-626（ラファイエット級戦略原潜）を参照。

＜ダニエル・ブーン＞：SSBN-629（ジェームズ・マディソン級戦略原潜）を参照。

＜谷風（初代）＞：日本海軍江風型駆逐艦２番艦Tanikaze。大正8年1月30日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和10年4月1日に除籍され、昭和15年4月1日に廃駆逐艦第19号となり、太平洋戦争終結後に解体された。参考：日本駆逐艦史

＜谷風（２代目）＞：日本海軍陽炎型駆逐艦14番艦Tanikaze。昭和16年4月25日竣工。12月8日、第17駆逐隊に所属して真珠湾攻撃に参加。12月21日、ウェーク島攻略作戦に参加。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月18日、一木支隊をガダルカナル島に輸送した。昭和18年1月15日、ソロモンのニュージョージア島北東で爆撃を受け、損傷した。2月1日、イサベル島沖海戦に参加。7月5日、クラ湾夜戦に参加。涼風と共にCL-50ヘレナを雷撃して撃沈したが、被弾により小破した。7月9日、コロンバンガラ沖で爆撃により小破した。昭和19年6月9日、タラカン北東でSS-257ハーダーの雷撃により沈没し、8月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊丸4,’99、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧

＜谷口正夫＞：日本海軍エース。大正8年、福岡県生まれ。昭和11年に海軍に入隊し、昭和15年7月に卒業練習生を卒業、昭和16年4月に赤城に配属された。太平洋戦争開戦後は真珠湾攻撃、ダーウィン攻撃、コロンボ攻撃に従事し、昭和17年4月9日のツリンコマリ攻撃で初戦果を挙げた。6月のミッドウェイ作戦では雷撃機３機を撃墜したが、母艦沈没により不時着水。本土に帰還し、翔鶴乗員となって第２次ソロモン海戦と南太平洋海戦に参加した。11月、大村航空隊に転属。昭和18年7月、第331航空隊に転属となり、サバンに配属された。12月5日、カルカッタ攻撃に出撃。その後第201航空隊に配属され、ラバウルに向かった。昭和19年1月末、トラックに後退。2月17日、トラック空襲で迎撃にあたった。3月30日、ペリリュー迎撃戦に出撃し、その後フィリピンに後退した。10月23日、マニラ上空で被弾不時着時に重傷を負い、本土に送還され、そのまま終戦を迎えた。公認撃墜数14機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜谷水竹雄＞：日本海軍エース。大正8年、三重県生まれ。昭和16年、海軍丙種飛行予科練習生となり、11月に卒業。実用機教程修了後の昭和17年4月、第６航空隊に配属された。5月26日、空母隼鷹に搭乗して大湊を出港し、AL作戦支援に向かった。6月、空母春日丸（後の大鷹）に搭乗することになった。甲板が狭く速力も遅いため、九六式艦戦を使用することになり、訓練を実施。8月17日、瀬戸内海からトラックに向かった。10月7日、大鷹戦闘機隊が解隊されたため、大村航空隊に転属となり、飛行練習生に訓練を施した。昭和18年2月、翔鶴に配属された。7月10日、瀬戸内海からトラックに向かった。11月1日、ろ号作戦開始に伴い、ラバウルのブナカナウ飛行場に進出。11月2日、初陣でP-38戦闘機２機を撃墜した。11月13日、トラックに戻った。12月13日、ラバウルに移動。昭和19年2月1日、台南航空隊に配属され、教育任務を実施した。9月3日、高雄に夜間爆撃を行いに来たB-24を迎撃し、１機を撃墜した。11月3日、P-51の奇襲を受けて撃墜され、パラシュート脱出したが重傷を負ってしまい、年末に本土に帰還した。12月、第203航空隊所属となり、笠ノ原基地に配備された。3月19日、零戦五二丙でF4U戦闘機１機を撃墜。7月、宇佐基地に転属となり、終戦を迎えた。飛行時間1425時間、総撃墜機数18機。最終階級は飛曹長。2006年3月に死去した。参考：月刊JWings2,’11、日本海軍戦闘機隊

＜ダニューブ作戦＞：1968年8月20日夜から開始された、ワルシャワ条約軍（ルーマニア除く）によるチェコスロバキア侵攻作戦。「プラハの春」と呼ばれるチェコスロバキア共産党の民主主義的な改革政策を覆すため、ブレジネフ率いるソ連政権が起こしたものである。1963年、成長率がマイナスに陥ったチェコスロバキア経済を立て直すため、チェコスロバキア大統領は改革を行うことにしたが、官僚の抵抗で達成できず、不満の高まった市民は大統領退陣と経済完全自由化を訴えるようになった。1968年1月5日、大統領が退陣し、改革派が後を継いで自由化推進に乗り出したが、ブレジネフはこれを脅威と見なし、1968年6月、ソ連、東ドイツ、ポーランド、ハンガリー、ブルガリアがチェコスロバキアとの国境付近で大規模な軍事演習を実施。6月15日にはワルシャワでチェコスロバキアの自由化政策を非難する声明を発表し、これを放棄するように要求した。チェコスロバキアはこれを拒否したため、ソ連、東ドイツ、ポーランド、ハンガリー、ブルガリアの連合軍20万名がチェコスロバキアへの侵攻準備を整えた。ソ連軍はダニューブ作戦最高司令部の隷下にソ連陸軍３個方面軍とソ連空挺軍２個航空強襲師団を置き、中央方面軍が東ドイツからポーランドのシレジア軍管区まで、カルパチア方面軍がポーランドのワルシャワ軍管区からソ連まで、南部方面軍がハンガリー方面からチェコ国境を突破、ソ連空挺軍第103親衛航空強襲師団がプラハ空港を強襲し（残る１個師団は予備）、ポーランド軍第６ポメラニア航空強襲師団の一部がパルドゥビツェ飛行場の制圧を担当した。8月20日夜、An-24軽輸送機１機が不定期便としてプラハ北東のリュズィメ空港に近づき、着陸許可を求めたため、空港は許可して2030に着陸した。その後もう１機がウクライナのリボフからリュズィメ空港に着陸、私服のソ連政府職員が降りて国家保安部職員と短い話をし、こちらの機体はすぐに離陸した。8月21日0000、中央方面軍とカルパチア方面軍がT-54/55を先頭に侵攻を開始した。0200、MiG-21数機の護衛を受けたソ連軍のAn-12輸送機２機がリュズィメ空港に着陸し、２個中隊80名の空挺隊員が空港施設に突入。前日夜から滑走路端に止まっていたAn-24は第103親衛航空強襲師団を乗せたAn-12輸送機５個飛行隊に対して着陸命令を出し、航空管制もAn-24から行っている。着陸したAn-12からはASU-85やAPCが吐き出され、プラハ市内の政府施設や通信センターへと向かった。フラデク・クラロベ飛行場はソ連空挺軍のヘリ強襲部隊が制圧にあたっている。0600、チェコスロバキア・ラジオを空挺隊員が占領、他の放送通信施設も制圧した。中央方面軍の第６親衛自動車化狙撃師団と第35自動車化狙撃師団がプラハに突入して第103親衛航空強襲師団と連絡を付け、プラハ全域の占領にあたった。しかし補給部隊のトラックが付いて行けずにプラハ市内の戦車兵が市民にパンを恵んでもらう有様で、この結果侵攻軍と市民の間に宥和関係が生じ、部隊の早期交代を図らねばならない羽目になった。また、チェコスロバキア市民も「沈黙の抵抗（近くに来てただじっと見守る）」を繰り広げ、進駐したソ連将校は動揺した。それでも8月21日中に改革派要人の身柄を拘束、最終的に62万名を投入してチェコスロバキアを制圧し、市民に多数の死傷者が出た。ソ連は西側に行動を秘匿するため、前線沿いに大量のアルミ・チャフを散布、西側の電子偵察システムはソ連軍の行動を殆どキャッチできなかったという。参考：ワルシャワ条約機構軍特殊部隊、歴史群像12,’09、月刊グランドパワー3,’03、月刊丸1,’77

＜ダニル・モスコウスキー＞：K-414（潜水艦）を参照。

＜タニン＞：イスラエル海軍ドルフィン級バッチ２潜水艦１番艦Tannin。2012年2月19日進水。5月3日にイスラエルに引き渡された。2013年5月12日、洋上公試開始。11月22日、スゲカラク海峡での深深度潜航試験を終えてヴィルヘルムスハーフェンで消磁作業を行い、キールに帰港した。11月25日、キール湾で浅海域試験を開始。2014年9月8日、キールを出港し、イスラエルのハイファに向かった。同年就役（2012年就役？）。参考：月刊世界の艦船3,’13、8,’13、2,’14、12,’14、10,’17

＜タニン級＞：Ｓ級潜水艦・海外ファミリーまたはドルフィン級バッチ２（潜水艦）を参照。

＜多任務戦闘艦＞：ロッキード・マーチン社がフリーダム級LCSをベースに提案している戦闘艦で、MMCS（Multi Mission Combat Ship）と略す。船体を大型化してSPY-1F多機能レーダー、ハープーン、Mk41VLS、魚雷発射管を追加している。全長150m。最大速力35ノット。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜ダヌシュ＞：インドのDRDOが開発している潜水艦発射対地ミサイル（SLBM）Dahnush。プリトヴィ�Uをベースにした潜水艦発射短距離弾道ミサイルで、発射実験を行っているが、失敗続きである。参考：月刊軍事研究6,’02、5,’01、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ダネイ＞：イギリス海軍リアンダー級フリゲートDanae。1967年就役。1991年にエクアドルに売却され、モラン・バルベルデとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜多燃料ディーゼル＞：軽油や重油など、様々な種類の燃料を使えるようにしたディーゼルエンジンのこと。参考：月刊軍事研究8,’16

＜タノン３００＞：カシーディアンがユーロサトリ2012にモックアップを出品した無人ヘリコプター。滞空時間8-10時間。2013年にテスト飛行を開始して2017年までに完成させる予定である。参考：月刊軍事研究9,’12

＜タバー＞：F44（フリゲート）を参照。

＜ダバオ・デル・スル＞：602（ドック型輸送揚陸艦）を参照。

＜ダバオの煙突＞：日本海軍用語で、ダバオに集荷されるミンダナオ島産の煙草の通称。士官しか手に入れられない高級葉巻や、下士官・兵用の黒くて長い巻き煙草があった。参考：海軍よもやま物語

＜煙草＞：ジュネーブ捕虜条約では喫煙は捕虜の権利として認められている。参考：日本赤十字社社史稿第５巻・第６巻

＜煙草（海上自衛隊）＞：潜水艦にシュノーケルと空気浄化装置が付いたため、艦内での喫煙が可能である。2015年7月にP-1がRIATに参加した際、他国に比べて乗員の喫煙率が相当高かったようで、これなら展示飛行用スモークは要らないな、などとジョークを飛ばされたらしい。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊航空ファン10,'15

＜煙草（日本海軍）＞：誉、光といった銘柄がある。潜水艦では保管場所がチストの隅とかになり、長期行動中に潰れてしまうので、１枚２枚と数えた。湿気も酷く、カビが生えることもしばしばだが、気にせず吸って目を回した。火災を防ぐために所定の時間・場所以外では吸えないが、偉い人は構わず吸って下士官や兵の反感を買うこともあった。当時も法律で20歳未満の喫煙は禁止されており、徴兵で入営した者は20歳以上なので問題無いが、志願で軍に入った20歳未満の者も区別するのが面倒だったのか煙草が配給されていて、未成年の喫煙は黙認されていた。参考：潜水艦気質よもやま物語、続日本海軍よもやま物語、軍医サンよもやま物語

＜煙草（日本陸軍）＞：誉、金鵄、光、富士（朝鮮総督府専売局製）、かちどき（朝鮮総督府専売局製）、極光（満州煙草株式会社製）などの銘柄がある。火災予防のため、吸い殻入れの1m以内で喫煙し、日夕点呼後は禁煙となる。小休止で兵に煙草を吸う時間を与えるのを忘れないよう、将校も煙草を吸うよう勧められていた。当時も法律で20歳未満の喫煙は禁止されており、徴兵で入営した者は20歳以上なので問題無いが、志願で軍に入った20歳未満の者も区別するのが面倒だったのか煙草が配給されていて、未成年の喫煙は黙認状態だった。参考：新兵サンよもやま物語、軍医サンよもやま物語、歴史群像8,’17

＜煙草盆＞：喫煙用具を載せる箱のことだが、日本海軍や海上自衛隊では吸い殻入れのことをいう。参考：写真で見る海軍糧食史

　＜煙草盆（日本海軍）＞：士官用は木製の箱に格納されており、使用する際には格納箱の上に石綿の台を載せ、その上に金属の吸い殻入れを置いて使う。吸い殻入れの中には火縄が内蔵されており、煙草の点火も行える。下士官・兵用は40cm×30cmくらいの浅い木箱の内側にブリキを張った作りとなっており、甲板の上に石綿板を置いてそこに載せ、中に水を張る。傍には煙草点火用の火縄（古いロープをほぐしたもの）を置く。準備するのは厠番で、煙草盆出せの号令で普通は上甲板に置くが、雨や雪の日、航海中は中甲板の便所付近の通路に設置する。上甲板で煙草盆を置く場所の近くには下士官専用の長椅子が用意されている。潜水艦では接敵の恐れが無い時に限り、2-3名ずつ（休息法甲では２名、乙では３名）が艦橋に上がり、火が見えないよう両手で覆って煙草を吸った。参考：写真で見る海軍糧食史、海軍よもやま物語、潜水艦気質よもやま物語

　＜煙草盆（海上自衛隊）＞：木箱の内側にブリキを張ったものを使用する。石綿は健康被害の恐れがあるので、もう使わない。参考：写真で見る海軍糧食史

＜タハ車＞：一式中戦車ファミリーを参照。

＜タパジューズ＞：フランス海軍アルダン級対潜砲艦Tapageuse。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜タパヨ＞：S33（潜水艦）を参照。

＜タバントルゴイ演習場＞：モンゴル軍の演習場で、５つの峰という意味。国連軍用の市街戦演習施設も用意されており、沖縄に駐屯しているアメリカ海兵隊や、ポーランド軍、韓国軍なども演習を行っている。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜タピ＞：タイ海軍哨戒艇。2022年3月30日、タイランド湾で日タイ親善訓練に参加し、DD-117すずつきと戦術運動・通信訓練を行った。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜タビー＞：零式輸送機シリーズを参照。

＜タピ級＞：タイ海軍コルベットTapi級。兵装は76mm砲１門、324mm短魚雷３連装発射管２基（Mk46短魚雷）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ダビット＞：Davit、鉤柱。搭載艇吊り下げ装置で、一対の腕の動作により、搭載艇を艦上の格納位置から海上に降ろしたり、海上から回収したりする。舷梯を上げ降ろしするのに使用するものもある。ボート・ダビットも参照。参考：月刊PANZER6,’04、帝国陸海軍事典、米海軍サバイバルマニュアル、日本の防衛戦力Part3

＜ダビデ＞：イタリアが開発中の76mm誘導砲弾システム。前部カナード翼と後翼を持ち、砲塔に設置されたストラレス誘導システムからの電波を受信、飛翔コースを変更して目標を破壊する。最大運動性能40G以上、最大有効射程8km。参考：月刊軍事研究1,’07、月刊コンバットマガジン11,’03

＜ダビデ・スリング＞：イスラエル軍の迎撃用ミサイルシステムで、DSWS（David’s Sling Weapon System）と略す。ヘブライ語でシャルビット・クサミーム、英語でマジック・ワンド（どちらも魔法の杖の意）とも呼ばれる。アローとアイアン・ドームの間を埋めるもので、パトリオットとホークの後継も兼ねており、2006年からアメリカ（レイセオン、オービタルATK、ノースロップ・グラマン）と共同開発した。アラブゲリラの使用する射程300kmまでのロケット弾や弾道ミサイル、巡航ミサイル、誘導爆弾、航空機、武装UAVなどの迎撃を主任務とする。射撃管制装置、エルタ社製EL/M-2084AESAレーダー、ランチャー、スタナー迎撃ミサイルで構成される。2012年11月末に試射に成功、2014年までの初期作戦能力獲得を目指していた。2015年12月、弾道ミサイル迎撃試験に成功し、12月21日には短時間で発射された短距離・長距離ロケット弾の迎撃に成功して最終試験を終了、2017年4月2日からイスラエル国防軍で実戦配備された。改良型も開発されており、2017年1月25日にスカッドＢを模したブラックスパロー標的機の迎撃成功をイスラエル国防省とラファエル社が発表している。参考：月刊軍事研究2,’18、10,’13、7,’08、7,’07、6,’16、7,’17、月刊航空情報11,’10、月刊航空ファン6,’17

＜ダビューク＞：LPD-8（揚陸艦）を参照。

＜ダビラ級＞：LST-1級戦車揚陸艦（ブラジル海軍）を参照。

＜タビンシュエーティー＞：ミャンマー海軍タビンシュエーティー級コルベットTabinshweti。2016年就役。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜タビンシュエーティー級＞：ミャンマー海軍コルベットTabinshweti級。元はアノーヤター級３番艦として計画されたが、経済不振で1-2番艦就役から起工まで10年ほど間が開いたため、ついでに改良したものである。船型はステルス性を考慮し、兵装を強化した。タビンシュエーティーが2016年に就役した。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜タフ＞：K367（フリゲート）を参照。

＜ダフ＞：K352（フリゲート）を参照。

＜タブ＞：Tab。操縦翼面の釣り合いを変更するための小翼面。様々な種類があるが、１つで２種類以上の役目をしていることも多い。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No.125、月刊JWings2,’11

　＜アンチサーボ・タブ＞：Anti-servo tab。舵面とタブに連動機構があり、舵面と同じ方向にタブが動いて空気抵抗を生じ、わざと操舵力を重くする。基本三舵の操舵力のバランスを取ったり、軽い力を掛けただけで舵面が動いてしまって静安定性を損ねるのを防いだりする役目がある。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜固定タブ＞：地上で調整して固定し、空中では動かせないタブで、小型機のエルロンや、単発機のラダーに取り付けられる。長時間飛行する巡航状態に合わせて調整し、その状態で操縦桿を中立位置にしても機体の釣り合いが取れるようにしておく。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜コントロール・タブ＞：操縦桿を操作すると、舵面後縁に付いたタブだけが動くタイプで、梃子の原理により大きな舵面を小さな力で作動させることができる。大型機で良く使用されるが、タブが作動してから舵面が動くまでに時間差があるのと、対気速度が小さい場合にはタブに生じる空気抵抗が小さくなって舵面が作動しなくなるのが欠点。参考：世界の傑作機No.125、航空用語事典増補改訂版

　＜サーボ・タブ＞：Servo tab。舵面の作動に使用されるタブで、バランス・タブ（Balance tab）ともいう。舵面の後縁に小さなタブが付いており、パイロットが操舵装置を動かすと、操縦索を介して舵面が動くと共に、連動装置を介してタブが逆方向に動く。するとタブに空気抵抗が生じ、梃子の原理で舵面を逆方向に大きく動かす力が働くので、操舵力を軽く出来る。参考：世界の傑作機No.125、航空用語事典増補改訂版

　＜スプリング・タブ＞：Spring tab。舵面の作動に使用されるタブ。タブのヒンジ軸に蔓巻バネが仕込まれており、作動要領はコントロール・タブと同じだが、操舵装置からの入力がスプリングを介して舵面にも伝わるので、舵の作動に時間差が無く、対気速度が小さくタブの補助が得られなくても舵を動かせる。乱気流で舵が揺すられたり、舵が効き出した後で急に操舵が軽くなったりラダーロックになったりといった現象を抑制する働きもある。飛行速度によりタブにかかる動圧が変化し、スプリングの延び方が変わってタブの角度が変化するため、飛行速度で変わる保舵力の変化を改善する目的でも使用される。ダグラス社がXB-19試作爆撃機で大型機として初めて採用した。参考：世界の傑作機No.125、航空用語事典増補改訂版

　＜トリム・タブ＞：Trim tab。釣り合いを維持するためのタブ。エンジン出力を変化させると、機体の縦の釣り合いも変わるため、パイロットが操縦桿を操作して釣り合う位置を探し、その位置で操縦桿を固定し続けなければならない。しかしそれでは疲れてしまって長時間の操縦ができないので、動翼に付けたトリム・タブを曲げ、動翼のヒンジ・モーメントがゼロになるように調節すると、動翼が釣り合う位置で固定され、操縦桿に力を入れずに縦の釣り合いを維持することができる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings11,’00、2,’11

　＜バランス・タブ＞：サーボ・タブを参照。

＜ダブ＞：UAE海軍ムライ・ジブ級コルベット。1991年1月就役。2011年2月20-24日、ドバイで海軍防衛展示会2011に参加。参考：JShips Vol.44

＜ダブ５＞：デボン海外シリーズ（輸送機）を参照。

＜ダブ６＞：デボン海外シリーズ（輸送機）を参照。

＜ダフィ＞：DE-27（エヴァーツ級護衛駆逐艦）またはDE-268（エヴァーツ級護衛駆逐艦）を参照。

＜ダフィルホ＞：DE-423（護衛駆逐艦）を参照。

＜タブーク＞：F-272（コルベット）を参照。

＜ダフォディル＞：イギリス海軍特設スターン・シュート型揚陸艇Daffodil。元は1910年代後半に建造された鉄道連絡船で、台車にLCMを搭載し、艦尾から発進させる。全長110.8m、総トン数2680トン。速力11.5ノット、航続距離は11.5ノットで1350海里。兵装は２ポンド砲４門など。乾舷が低く浸水時に沈没しやすいためと速力・航続距離に劣ったため、基地間での揚陸艇輸送に使用された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜タブク＞：AK-47突撃銃・海外ファミリーまたはAK-74突撃銃・海外ファミリーを参照。

＜タブク＞：イラク軍の狙撃銃で、AKMの派生型である。全長1.1m、銃身長0.6m、重量4.5kg、有効射程800m。参考：軍事分析湾岸戦争

＜タブク＞：サウジアラビア海軍バドル級コルベット４番艦Tabuk。1983年1月就役。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。参考：月刊世界の艦船6,’12

＜ダフネ＞：A156（曳船）を参照。

＜ダフネ級＞：フランス海軍潜水艦Daphné級。全長57.75m、水上排水量870トン、水中排水量1045トン。水上速力13.5ノット、水中速力16ノット、最大運用潜航深度300m。兵装は550mm魚雷発射管12門（艦首に８基、艦尾に４基）。FG18機雷も積める。ミネルブなどが就役した。参考：月刊軍事研究7,’05、月刊世界の艦船4,’18、10,’19

＜ダフネ級・海外シリーズ＞

　＜ダフネ級（スペイン海軍）＞：スペイン海軍潜水艦で、デルフィン級ともいう。地中海を１ヶ月間哨戒できるという要求に合致したため、バサン造船所でフランスの援助下にライセンス生産した。全長57.75m、全幅6.75m、吃水4.56m、水上排水量869トン、水中排水量1043トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル発電機２基・電動モーター２基２軸2600馬力、水上速力13.5ノット、水中速力15.5ノット。潜航深度300m。兵装は550mm魚雷発射管12門（艦首８門、艦尾４門）で、魚雷（F-17とL-5）12本または機雷12個を搭載する。艦尾発射管は耐圧船殻の外にあるため、魚雷を外部から装填する。乗員47名（士官６名、下士官・兵41名）。1973-75年にS-61デルフィン、S-62トニーナ、S-63マルソパ、S-64ナルバルの４隻が就役した。1983-88年にFCSなどを改良し、550mm魚雷発射管に内筒を填め込んで533mm魚雷を撃てるようにした。1994-96年、S-62以外が近代化改修を受けた。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’87、現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ダフネ級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍潜水艦で、ハンゴル級ともいう。３隻をフランス、１隻をポルトガル海軍から購入し、1969-70年にS131ハンゴル、S132シュシュク、S133マングロ、S134ガジの４隻が就役した。1980年代後半に近代化改装を受け、ハープーンミサイルを発射できるようになった。全長57.8m、全幅6.8m、吃水4.6m、水上排水量869トン、水中排水量1043トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル発電機２基・電動モーター２基２軸2600馬力、最大速力は水上13ノット、水中15.5ノット。潜航深度300m。兵装は550mm魚雷発射管12門（艦首８門、艦尾４門）で、L5長魚雷・ハープーン計12発を搭載できる。乗員45名（士官７名、下士官・兵47名？）。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究7,’05、現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ダフネ級（ポルトガル海軍）＞：ポルトガル海軍潜水艦。フランスのノルマンディ造船所で建造された。全長57.78m、全幅6.75m、吃水5.2m（4.62m？）、水上排水量869トン、水中排水量1043トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル発電機２基・電動モーター２基２軸2600馬力、水上速力13.5ノット、水中速力16ノット。潜航深度300m、圧壊深度575m以上。兵装は550mm魚雷発射管12門（艦首８門、艦尾４門）で、EL-5長魚雷12本を搭載する。乗員54名（士官５名、下士官・兵45名？）。S-163アルバコラ、S-164バラクーダ、S-165カチャローテ、S-166デルフィムが1960年代に就役した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ダフネ級（南アフリカ海軍）＞：南アフリカ海軍潜水艦。1970-71年に３隻が引き渡され、1988-90年に近代化改装を受け、1990年代後半に再び改装された。全長57.8m、全幅6.8m、吃水4.6m、水上排水量869トン、水中排水量1043トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル発電機２基・電動モーター２基２軸2600馬力、水上速力13.5ノット、水中速力16ノット。潜航深度300m。533mm魚雷発射管12門（艦首８門、艦尾４門）で、魚雷12本を搭載する。乗員51名（士官６名、下士官・兵45名）。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜タフブック＞：パナソニック社製の市販ノートパソコン。衝撃、埃、水などに強く、軍用標準規格MIL-STD-810Fレベル516・５耐衝撃能力、同レベル514・５カテゴリ24耐震能力、同レベル506・４−�V防水能力、同レベル510・４−�T防塵能力を満たしているので、そのまま野戦用コンピュータとして使用されていて、アメリカ軍ではUAV制御にも使っている。陸上自衛隊はReCS用端末、海上自衛隊では艦載用ノートパソコンとして使用中。参考：月刊丸4,’13、月刊軍事研究4,’11、1,’12

＜ダブルＬ掃海法＞：イギリス海軍がGA磁気機雷を掃海するために開発した磁気掃海法、Double L Longitudinal Sweep。ウェリントン爆撃機や木造掃海艇に電磁石を搭載する案があまり上手くいかなかったため、木造掃海艇２隻で電気ケーブルを引っ張る方式を考案したものである。掃海艇は先端に陰極を付けた長さ1600mのケーブルと先端に陽極を付けた長さ533mのケーブルを１本ずつ曳航し、3000アンペアの直流電流を５秒ごとに流しながら275m間隔で２隻が並進すると、計４本のケーブル電極の間に640平方メートルの強力な磁場が生じ、磁気機雷が誘爆する。これに基づいて設計された掃海具はLL掃海具（Long Line Gear）と呼ばれ、1940年5月に完成し、数ヶ月で300発以上の磁気機雷を処理した。参考：歴史群像12,’09、丸スペシャルNo.76

＜ダブルアクション＞：引き金を引くと撃鉄が起こされ、そのまま引ききると撃鉄が解放されるもの。自動式拳銃では射撃準備操作や射撃を行うことで自動的に撃鉄が起きるが、不発時（再度雷管を打撃することで発火して発射できる可能性がある）やハーフコックでの携帯時における緊急発射時にはダブルアクションで発射する必要がある。ラペリング中など片手が塞がっていても、薬室に弾薬が入っていればホルスターから抜いてそのまま撃てるので便利。トリガーが重いという欠点があるが、改良が続けられて大分軽くなってきている。トリガー・ストロークが長いので、精密射撃には向かない。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典、スピアヘッドNo.14

＜ダブル・アグリー＞：F-4シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ダブルアクティング・ショック・アブソーバー＞：ショック・アブソーバーを参照。

＜ダブル・イーグル・シリーズ＞：スウェーデンのサーブ・ボフォース社が開発した有線制御機雷捜索・処理用UUV、Double Eagle。スウェーデン海軍に採用され、北欧諸国やオーストラリアに輸出された。参考：月刊軍事研究3,’09、8,’01

　＜ダブル・イーグルＭｋ．�U＞：目標捜索用センサーは、カラーCCDカメラや電子走査ソナーなどで、水中航走体センサーとしてジャイロスコープ、深度ソナー、速度計などを備える。航走体には直径11mm・長さ1000mのケブラー補強ケーブルが母艦から伸びており、電源用ケーブルと信号伝送用光ファイバーが内蔵されている。最大深度300m（500m？）までの機雷に接近し、油圧作動アームで爆破用炸薬を取り付けられる他、デンマークのノルディック・ディフェンス社製DAMDIC Mk1やノルウェーのコングスベルグ社製マインスナイパーといったワンショットUUVを航走体下部から機雷目掛けて射出できる。全長2.2m、幅1.3m、高さ0.5m、重量360kg。推進は電動推進器２基で、最大速力６ノット。三次元移動は小型推進器６基で行う。参考：月刊軍事研究8,’01、2,’17、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ダブル・イーグルＭｋ．�V＞：潮の流れが速くても使用できるよう、Mk.�Uの推進器を４基に増やし、後部にスタビライザーを付加して航行特性の向上を図ると共に、ペイロードを増大させた。全長3m、全幅1.3m、全高1.3m、重量500kg（600kg？）。最大速力７ノット、最大潜航深度500m。2001年に発表され、2003年中頃から生産されているはず。参考：月刊軍事研究3,’09、8,’01、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ダブル・イーグルＳＡＲＯＶ＞：SAROVはSaab Autonomous Remotely Operated Vehicleの略。全長2.9m、重量540kg。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究2,’17

＜ダブルウィッシュボーン式サスペンション＞：独立懸架式サスペンションの１つ。ウィッシュボーンは鳥の胸骨（逆Ｖ字形をしている）の事で、これと似た形状の上下２本のアーム（アッパーアームとロアアーム）で車体に固定するためこう呼ばれる。車体にはサブフレームが設けられていることが多く、アームはピボットを介してサブフレームに結合される。コイル・スプリングとショック・アブソーバーは、下部のアームと車体の間に取り付けられる。設計自由度が大きく、サブフレームを使用するため振動を絶縁でき、タイヤが路面に対して常に水平に接触するため接地性が良好だが、複雑なので整備性やコストの面で劣り、アッパーアームの位置が高いので車内容積を圧迫する。タイヤが上に持ち上げられると、タイヤ面が内側に引っ張られるので、タイヤの摩耗が激しくなるという欠点があり、下部のアームを長くしてタイヤの横ずれを無くすことで解決したタイプ（不等長リンク式）もある。参考：自動車のサスペンション、自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典

＜ダブルエース＞：10機以上撃墜したパイロットのこと。参考：月刊JWings11,’99

＜ダブルエンダー＞：艦対空ミサイル発射機を艦前後に１基ずつ配置したもの。参考：近代巡洋艦史

＜ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフト＞：DOHCを参照。

＜ダブル・オー・バック＞：OO Buck。Buckは牡鹿のことで、鹿撃ち用の大粒弾を指す。径8mm弱で、12番径なら９発入るため、九粒とも呼ばれる。ストッピングパワーが大きいため、ライアット・ガン用の弾丸としても重用される。参考：GUN用語事典

＜ダブル・カーベチャー型＞：艦首形状の１つ。吃水線部から艦底部に向かってＲカーブを持ち直線的に切れ込んだ形状である。参考：図解日本の空母

＜ダブル・カナード＞：二重カナードを参照。

＜ダブル・カラム・マガジン＞：複列弾倉。スタガード・カラム・マガジンともいう。弾倉内に弾薬が２列に収められているもので、２列の弾薬を弾倉上部で交互に押し出し、１列にして給弾するシングル・フィード（単給弾路方式）と、２列に並んだままで給弾するダブル・フィード（複給弾路方式）がある。前者は自動式拳銃、後者はサブマシンガンで多く使われる。参考：GUN用語事典、拳銃・小銃・機関銃

＜ダブルキャンセラＭＴＩ方式＞：MTI（移動目標表示）を参照。

＜ダブル級＞：イスラエル海軍哨戒艇Dabur級。兵装はMk46短魚雷単装発射管２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ダブル・クラッチ＞：減速ギアに切り替える際、一旦クラッチペダルを踏んでニュートラルに入れた後、エンジンを空ぶかしし、再度クラッチペダルを踏んで減速ギアに入れること。1950年頃まではこうしないとスムーズに歯車がかみ合わなかった。参考：月刊PANZER5,’98

＜ダブルクロス＞：XXと書く。第20委員会、ダブルエックス委員会とも呼ばれた組織で、ロンドンからの指令により行われる謀略工作を補助するために1941年1月に結成された。陸海空軍情報機関、MI5とMI6の代表者、ロンドン・コントロール・セクションのジョン・ベヴァン中佐で構成され、MI5のB1Aが行っている二重スパイの活動を監督し、ドイツ側に流す情報を調整する。ここが行っていた戦略的欺瞞工作もダブルクロスと呼ばれる。1941年に行われた作戦はあまり成果を挙げられなかったが、ドイツの通信傍受（スパイの信頼性や成果を確認することができた）や組織間の情報共有により改善を行い、1942年以降はかなりの効果を挙げた。参加した二重スパイは110名にのぼる。参考：月刊軍事研究5,’10

＜ダブル・スロッテッド・フラップ＞：フラップを参照。

＜ダブル・ゼロ＞：INF条約を参照。

＜ダブル・テイク＞：デフコン�Wを参照。

＜ダブル・デルタ翼＞：二重三角翼、Double delta wing。スウェーデンのサーブ社がドラケンSTOL戦闘機に採用した主翼形状で、後退角の大きい内翼と、小さい外翼からなるデルタ翼である。デルタ翼の内側前縁にもう１つの小さいデルタ翼をくっつけたような形になるのでダブルデルタという。亜音速飛行時の抗力はアスペクト比が大きいほど小さく、超音速飛行時の抗力は翼弦を長くして翼厚比を減らすほど小さくなるので、翼面積一定の条件下でこれを両方満たすようにしてある。亜音速飛行の時には主に外翼で揚力を発生させているが、超音速飛行時は内翼も揚力を発生するようになる。これにより、超音速飛行に移行した際の風圧中心の移動がデルタ翼よりも小さく、トリムを取るための舵角が小さくて済むので、抵抗を減らせる。超音速飛行時にはマッハコーンの外側に外翼がはみ出して空気抵抗が増加することがあるが、翼幅が大きい分翼厚比が小さくなること、誘導抵抗が減少することで相殺される。また、内翼は迎え角が小さい時は殆ど揚力を生じないが、大迎え角では揚力を発揮し、その揚力が機首上げに作用するので、無尾翼デルタ機が着陸引き起こし時に行うエレボン操作が少なくて済み、エレボンが大きな下向きの揚力を発生して揚力係数を大きく引き下げるような事態が発生せず、STOL性に優れる。単純デルタ翼では大迎え角をとった時に前縁から発生した渦流が主翼外側で剥がれてしまい、その後方に位置する補助翼が効かなくなることがあるが、ダブルデルタなら内翼と外翼の境目から発生する渦流が渦流の剥がれを抑制し、補助翼の作用を維持できる。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No.120、月刊Jwings12,’00、月刊航空ファン5,’13、7,’99

＜ダブル・ナッツ＞：CAG機を参照。

＜ダブルバッフル式マズルブレーキ＞：マズルブレーキを参照。

＜ダブル・ファーベル＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ。フォー・シップ・インバートのバリエーションで、会場右から４機がダイヤモンド隊形で進入し、１番機と４番機が180度右ロールで背面となり、その後再び180度右ロールを行って元に戻り、会場左に抜ける。参考：月刊JWings6,’10別冊付録

＜ダブルフィード式＞：二重給弾式。２種類の弾薬を選択して発射できる火砲を指す。

＜ダブルフロー・タービン＞：蒸気タービンを参照。

＜ダブルベース推進薬＞：無煙火薬とも呼ばれ、エネルギーが高く完全燃焼するため発煙性が少ない。液体状のニトログリセリンに、綿もしくは粒子状のニトロセルロースを加え、熱分解防止用の安定剤（ジエチルフタレートなど）を混合してゴム弾性を有する推進薬グレインとして成型して用いる。顕微鏡で見て組織が均一であることから、均質系推進薬とも呼ばれる。4MPa以下の低圧力では不完全燃焼する特性があるため、ガス発生量の多い黒色火薬を点火薬として使用する。燃焼温度が高いので、砲腔のエロージョンが激しく、火砲での発射には向かない。参考：火薬のはなし、月刊PANZER8,’99

＜ダブルベース発射薬＞：ニトロセルロースのみのシングルベース発射薬は酸化剤不足の組成であり、これを改善するためニトログリセリンを加えたもの。シングルベース発射薬よりも性能が10%増しとなる。発火感度はシングルベース発射薬よりも高く、発火温度は150-160度と低い。ダブルベース推進薬と化学組成は殆ど変わらない。ニトログリセリンを加えることで柔らかくなるので、溶剤無しでも成型可能。ほぼ無煙である。製造工程が簡単でコストが安く、大量生産向きであり、物理衝撃での誘爆の危険が少ない。爆発熱が大きい（燃焼温度3500度）ので、砲身のエロージョンが大きくなるのが欠点。また、燃焼温度が高いので砲口炎は大きいが、硝酸カリウムなどの消炎剤を添加すれば、ある程度は抑えられる。温度の急な変化でニトログリセリンが結露し、薬性が変化することがある。砲身が短いが大きい推進効果を持たせる必要のある、迫撃砲弾・無反動砲弾・戦車砲弾・機関砲弾などに使用される。参考：火器弾薬技術ハンドブック、火薬のはなし、GUN用語事典

＜ダブル・ライン＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ、Double Line。３機ずつ前後に並んで航過する。参考：月刊JWings11,’13

＜ダブル・ロール・バック＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Double roll back。2010年のブルーインパルス創設50周年記念で初登場した。６機がデルタ隊形で会場右から進入し、スモークを焚いた後、２機ずつ２回計４機（５・６番機、２・３番機の順）がバレルロールを行ってスワン隊形になり、会場左に抜ける。参考：月刊JWings6,’10、6,’10別冊付録、8,’15

＜ダブルワスプ＞：R-2800（エンジン）を参照。

＜タブン＞：Tabun。神経剤の１種で、GAと略す。化学名はジメチルホスホラミドシアニド酸エチルエステル。無色または褐色の液体で、微かな果実臭または全くの無臭である。融点マイナス49度、沸点246度、比重1.07。気温25度での揮発性は１立方メートルあたり490mg。侵入経路は肺・眼・皮膚で、半数致死量は400mg・min／立方メートル。毒性は晴天で1-4日、気温が低くなれば２週間くらい持つこともある。揮発性が低く、撒布した液体のタブンが気化拡散することはあまり期待できない。かといって爆発で広範囲に撒布しようとすると、熱で変性して毒性が無くなる。1937年（1936年末？）に殺虫剤研究の過程でドイツのI.G.ファルベン化学産業連合体バイエル社の研究者SchraderがLe-100という名称で合成し、これを実験室の机の上に一滴垂らしただけでその場にいたSchraderら研究者が中毒を起こしたため、動物実験を行ってみたところ、高い殺傷能力が証明された。殺虫剤としては強力すぎるので開発中止になったが、報告を受けたドイツ軍は動物実験の結果から化学兵器としての採用を決定し、毒性が強すぎて使用が禁忌（Tabu）であるということからタブンと命名、1939年9月からタブン製造工場を計画し、1940年からポーランドのシレジア地方に月産３千トンの工場を建設し始め、1944年末までに１万トン以上を生産した。ただ第２次大戦では実戦使用されていない。イラン・イラク戦争でイラクが使用した。参考：化学・生物兵器概論、図解雑学生物化学兵器、月刊軍事研究5,’17、1,’08、戦争がやってくる、軍医サンよもやま物語

＜舵柄信号標＞：舵柄標ともいう。自艦の操舵を後続艦に知らせるための標識で、後部マストのヤードに掲示する。右舷側が緑色、左舷側が赤色に塗られており、舵の切り具合によって上下に動くので、左右の色の見え具合と標識の位置により、舵の方向と転舵角度を判断することができた。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜タペット＞：ガスピストンを参照。

＜タペット式＞：ガス圧作動式を参照。

＜タボール＞：TAR21（小銃）を参照。

＜タボール２＞：イスラエル軍次期制式小銃。TAR21の改良型で、統合昼夜間照準器、小型レーザー測距器、目標マーカーを備え、ヘルメット装着照準器を使用して遮蔽物から身を出さずに射撃ができる。参考：月刊軍事研究10,’02

＜タホキ＞：海上自衛隊の略号で、隊補給長のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜タボラ＞：AKA-45（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜たま＞：神奈川地方協力本部のマスコットキャラ、陸自版。陸自戦闘服と鉄帽を着た白地に茶色のブチネコで、名前は「弾」に引っ掛けている。2020年4月14日、相模原青年会議所主催の「地域の先生事業（職業講話）」に参加。参考：MAMOR vol.132、朝雲

＜多摩＞：日本海軍球磨型軽巡洋艦。大正10年1月29日竣工。昭和16年7月25日、新編された第５艦隊の旗艦となった。12月8日の太平洋戦争開戦時は建制では第21戦隊旗艦、兵力部署では北方部隊主隊第21戦隊所属だった。昭和18年3月27日、アッツ島沖海戦に参加。7月、キスカ撤収作戦に参加。10月21日、ラバウル港外でオーストラリア軍機の爆撃を受け、至近弾により損傷した。その後横須賀に戻り、修理ついでに二一号電探搭載や砲塔２基撤去などの改装を受けた。昭和19年8月、第11水雷戦隊旗艦となった。10月20日、比島沖海戦に参加。10月25日、エンガノ岬沖で艦上機の攻撃を受けて損傷し、SS-368ジャラオの雷撃を受けて沈没した。参考：連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船8,’15、日本海軍艦隊総覧、歴史群像8,’17、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜弾入れ＞：弾薬盒を参照。

＜弾入れ２形６４式小銃用＞：自衛隊の機器。ハイランドテクノ製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜弾入乙＞：日本陸軍の騎兵用小銃弾ケース。内部は３つに分かれており、中央には油入、両端に紙函（５発クリップ３個入り）２つを入れる。参考：日本陸軍兵器資料集

＜弾入丙＞：日本陸軍の小銃弾ケース。乙の帯革と締め革を取り除いたものである。参考：日本陸軍兵器資料集

＜ダマヴァンド＞：イラン海軍ジャマラン級駆逐艦３番艦（２番艦？）Damavand。2015年3月9日就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜多摩川精機＞：昭和13年3月、東京都大田区蒲田で創設された。当初は北辰電機の下請けとして羅針盤の部品加工を行っていたが、昭和16年から軍の要求に基づいて航空計器の生産を開始。昭和17年には長野県飯田市に工場を新設し、九七式戦闘機・九七式艦攻用の九七式油量計を製造した他、軍艦の羅針盤、特殊潜航艇のジャイロ部品などを製作した。空襲で蒲田の工場が焼けたため、戦後は飯田市の工場を拠点として金物製造に従事。1953年からサーボモーターやシンクロを製造し、陸上自衛隊に納入した。1957年、防衛庁技術研究本部の要求で船舶進水用ジャイロを開発。1959-60年、対戦車ミサイルや火薬推進ジャイロを開発。1963年、防衛庁の航空機搭載用シンクロ、サーボモーター、ジャイロを生産。1966年、P2V-7用インジケーターのオーバーホールを受注。1967年、P2J用方位指示器、シンクロを受注。1979年、B747の気象レーダー用慣性計測装置を受注。以降、モーター、センサー、ジャイロを三種の神器と銘打ち、F-4E、F-15J、F-2、C-2、P-1、P-3Cなどに使用するアビオニクス部品、AH-1Sのロケット弾発射制御装置、ASM-1やSSM-1のミサイル制御装置、74式・90式・10式戦車のモーター及びセンサー、16式機動戦闘車のスリップリングなどを製作している。民間分野でもB-787やA350、MRJ、ARJ21、G450、G550、G650、E170、E190用のアビオニクス部品を製造しており、宇宙ロケット、人工衛星、天文台などの宇宙分野や、自動車業界にも進出した。2013年1月29日、大森精工機（航空機・艦船装備品の整備などを行っている）を完全子会社化すると発表した。2017年、C-2/P-1用燃料ポンプにおける軸流式インペラの新規製作プロセスの確立の功績で、平成29年度防衛基板整備協会賞を受賞した。参考：月刊航空情報3,’10、月刊軍事研究4,’13

＜多摩研＞：陸軍技術研究所を参照。

＜タマ船団＞：太平洋戦争時、高雄からマニラに向かう輸送船団に付けられたコード名。参考：輸送船入門

　＜タマ二一船団＞：貨物船16隻、海防艦・掃海艇６隻からなる。昭和19年7月14日、高雄を出港し、マニラに向かった。途中で６隻を喪失した。参考：輸送船入門

　＜タマ二四船団＞：貨物船９隻、駆逐艦・海防艦・掃海艇９隻からなる。昭和19年8月22日、高雄を出港し、マニラに向かった。途中で２隻を喪失した。参考：輸送船入門

　＜タマ二五船団＞：貨物船11隻、駆逐艦・海防艦・水雷艇など10隻からなる。昭和19年9月5日、高雄を出港し、マニラに向かった。途中で３隻を喪失した。参考：輸送船入門

＜玉島丸＞：日本海軍特設運送船。元は飯野汽船の貨物船である。垂線間長104.0m、幅14.7m、深さ8.5m、満載吃水6.84m、総トン数3560トン、重量トン数5240トン。主機は三連成汽機１基１軸2300馬力、航海速力11.5ノット、最大速力15.1ノット。昭和15年12月14日竣工。太平洋戦争勃発で日本海軍に徴用されて特設運送船になった。昭和19年1月30日、横須賀からサイパンに向け航行していたところ、サイパンの北北東400海里でSS-190スピアフィッシュの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜玉津丸＞：大阪商船貨物船。総トン数9590トン。昭和19年8月8日、ヒ71船団の一員として六連島泊地を出港。8月19日0430、ルソン島北西で潜水艦の雷撃を受け、機関室右舷に魚雷２本を被雷して沈没し、乗員と将兵計4755名が戦死した。65名が救助されている。参考：輸送船入門

＜玉波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦10番艦。昭和18年4月30日竣工。昭和19年7月7日、マニラ西方でSS-261ミンゴーの雷撃により沈没し、9月10日に除籍された。参考：日本海軍艦隊総覧、日本駆逐艦史、参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜たまに撃つ弾丸が無いのが玉に瑕＞：1970年代に朝雲新聞社が募集した防衛川柳の応募作。現在でもだいたいこんな感じである。参考：月刊世界の艦船2,’23

＜ダマバンド＞：イラン海軍フリゲートDamavand。排水量1500トン。兵装は76mm砲、艦対艦ミサイル。2013年就役。2018年1月10日、カスピ海バンダレ・アンザリーに入港しようとした際、悪天候で防波堤に衝突し、乗員２名が行方不明となった。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ダマバンド級＞：バトル級駆逐艦（イラン海軍）を参照。

＜多摩飛行場＞：日本陸軍の飛行場で、西多摩郡福生町に建設されたので福生飛行場とも通称される。陸軍航空技術研究所の飛行実験に使用するため、陸軍省と厚生省の所管する60万坪の山林を開拓し、昭和15年4月に竣工した。同時に陸軍飛行実験部が移転している。昭和17年10月、陸軍飛行実験部が陸軍航空審査部に改編された。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく機密飛行場に指定された。太平洋戦争終結を受け、昭和20年9月20日に占領軍1000名が進駐。更に増員して飛行場の拡張に入り、多摩川から砂利を浚って建設、飛行場東側には軍人用住宅区域も設営して在日米空軍横田基地とした。参考：首都防空網と空都多摩

＜ダマヘル＞：日本海軍士官のスラングで、むっつりスケベのこと。黙ヘル。参考：帝国陸海軍事典

＜玉鉾丸＞：帝国汽船イースタン・ショア型ストックボートTamahoko maru。垂線間長129.54m、幅16.34m、深さ11.34m、満載吃水8.72m、総トン数6780トン、重量トン数10993トン。主機は三連成汽機１基１軸3018馬力、航海速力10ノット、最大速力11ノット。大正8年2月28日竣工。太平洋戦争で陸軍の輸送に使用され、昭和19年6月24日、野母崎南西の天草灘でSS-306タングの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜玉丸＞：日本海軍特設掃海艇。昭和17年3月5日、SR作戦に参加。3月10日、アメリカ機動部隊の空襲を受けて損傷した。4月下旬からMO作戦に参加。5月4日、サボ島ハニサボ港でヨークタウン艦上機の攻撃を受け至近弾で擱座し、5月6日0450に沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’83、日本海軍艦隊総覧

＜多摩丸＞：日本郵船中型貨物船Tama maru。東京海運が発注して大正7年3月に竣工し、直後に陸軍に徴用され、更に海軍が特設運送船（給炭船、その後雑用船）として２年間徴用し、大正15年に近海郵船所有となり、昭和14年に合併で日本郵船に移籍した。垂線間長94.79m、幅13.49m、深さ8.23m、吃水6.89m、総トン数3054トン、重量トン数4800トン。主機は三連成レシプロ蒸気機械１基１軸1600馬力、航海速力9.5ノット、最大速力11.75ノット。太平洋戦争では海軍の輸送に使用された。昭和19年7月4日、セブからパラオに向かう途中、パラオ島西水道入口西北西135kmでSS-362の雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜ダマヤン作戦＞：アメリカ軍のフィリピン台風30号被害救援作戦で、ダマヤンは互助もしくは友人という意味のタガログ語。2013年11月11日、海兵隊のKC-130JとMV-22Bが現地に到着して救援を開始。第31海兵遠征隊900名はLSD-42ジャーマンタウンとLSD-48アシュランドに乗り込んで現地に向かった。11月12日、香港に寄港していたジョージ・ワシントン空母戦闘群（CVN-73ジョージ・ワシントン、CG-54アンティータム、CG-63カウペンス、DDG-89マスティン、T-AKE-10チャールズ・ドリューなど）がレイテ島に向け出港。LSD-42ジャーマンタウンとLSD-48アシュランドが佐世保を出港。11月14日、CVN-73に搭載されているHSC-12がMH-60Sで、HSM-77がMH-60Rで救援活動を開始。アメリカ空軍は横田の第374空輸航空団C-130Hをクラーク空軍基地に派遣した。11月21日、LSD-42ジャーマンタウンとLSD-48アシュランドがフィリピン沖に到着。参考：月刊JWings2,’14、月刊世界の艦船2,’14

＜タマラ＞：チェコの開発したパッシブ型レーダーで、探知距離は450kmとされる。参考：月刊JWings8,’03

＜タマリスク＞：K216（コルベット）を参照。

＜タマル＞：VAG01（武装トラック）を参照。

＜タマンダーレ＞：ブラジル海軍MEKO A100級フリゲート１番艦Tamandaré。2023年3月24日、起工式を実施。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜タマンダーレ級＞：MEKO A100級（ブラジル海軍）を参照。

＜ダミーえい航標的用パラシュート装置＞：自衛隊の機器。日本工機製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ダミー・カートリッジ＞：擬装弾、擬製弾。カートリッジからプライマーとパウダーを除いたもので、銃器の操作訓練用に使用する。参考：GUN用語事典、自衛隊装備年鑑1996

＜ダミー弾＞：イナートの１つ、Dammy Air Training Missle。炸薬、ロケット推進薬、誘導システムなどは一切装着されておらず、その分のオモリを搭載して重さと重心を実弾に合わせてある。搭載訓練などに使用される。参考：月刊JWings3,’12、7,’14

＜タミール５＞：ソ連の潜水艦用船底ソナーのNATOコード。アクティブ・パッシブ式の高周波ソナーで、中国に輸出されたロメオ型に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜タミル・イーラム解放の虎＞：シンハラ人が多数を占めるスリランカからの分離独立を目指す少数民族タミル人の過激派組織で、LTTEと略す。実行支配していたスリランカ北部及び東部では税金を収めさせており、独立国家に準ずる体制を作り上げている他、インドなどに在留するタミル人からも支援を受けている。中部山岳地帯東側では麻薬を栽培し、アフガン産麻薬の欧米への販売を仲介し、独自の商船を使用して貿易及び武器取引を実施したり、マネー・ロンダリングを行ったりしている。陸上ゲリラ部隊だけでなく、自爆決死隊ブラックタイガー、高速艇や水中工作員で港湾や艦船を攻撃する海上部隊シータイガース、Z-143軽飛行機やR-44ヘリなどで爆撃や自爆攻撃を行うエアタイガースも編成していた。1976年にタミル人指導者ベルピライ・ピラバカラン氏により創設された。1983年7月23-24日のシンハラ人によるタミル人虐殺をきっかけに政府軍との内戦に突入。1980年代後半から女性による自爆テロを含む爆弾テロを多用するようになり、自爆ベルトや自爆ベストを開発した。1987年4月21日、コロンボのバス停で自動車爆弾を炸裂させ、一般市民113人を殺害した。2001年7月20日、少年兵を使用しているとしてユニセフから非難された。7月24日、カツナヤケ基地をブラックタイガーで襲撃し、クフィール戦闘機２機とMiG-27M戦闘機１機を破壊、クフィール戦闘機５機とMiG-27M戦闘機１機を損傷させた。9月11日の同時多発テロ以降、マネーロンダリング口座が世界中で閉鎖されたため、資金調達が困難となった。2003年8月、タイの小島で小型潜水艇を作っているところをタイ警察に摘発された。10月、アメリカから国際テロ組織と認定された。2004年12月26日にはインド洋津波の被害を受け、テロ組織であるため支援が受けられず、支配地域住民が困窮に陥った。2006年5月、EUからテロ組織認定を受けた。10月16日、ディガムパサナでスリランカ海軍兵士を乗せたバスの車列にトラック爆弾による自爆テロを行い、100名を殺害、150人以上を負傷させた。2007年現在、兵力は8000-11000名とみられる。2007年3月26日、Z-143でカツナヤケ空軍基地／バンダラナイケ国際空港を爆撃。4月、Z-143でパラリ基地とコロンボ近郊にある燃料貯蔵施設を爆撃。10月、Z-143でアンラーダプラ基地を爆撃。10月22日、ブラックタイガーでアヌラーダブラ基地を襲撃し、PT-6練習機３機を破壊した。11月2日、スリランカ政府軍の爆撃により政治部門のトップと側近６人が死亡した。2008年4月、ウェリオヤのスリランカ陸軍部隊をZ-143で爆撃。8月、ツリンコマリ軍港をZ-143で爆撃。9月、バブニアの防空レーダー施設をZ-143で爆撃。10月、マンナーのスリランカ陸軍部隊とコロンボ近郊の発電所をZ-143で爆撃。2009年2月、スリランカ政府軍により鎮圧された。参考：月刊軍事研究6,’07、3,’06、1,’08、11,’17、月刊世界の艦船4,’10、月刊航空ファン10,’17

＜ダム攻撃作戦＞：第２次世界大戦時、ドイツのルール地方にあるダムを破壊して発電能力を低下させると共に大規模な水害を発生させ、ドイツの戦争遂行能力を大幅に減ずるため実行された作戦で、コード名はチャスタイズ（折檻）。考案者はイギリスのバーンズ・ウォーリス博士である。1943年5月16日2110及び2125、ガイ・ペンローズ・ギブソン中佐率いる第617中隊のランカスターMk.�Vスペシャル19機がダム破壊爆弾アップキープを搭載してイギリスのスキャンプトン基地を出撃。レーダーの捕捉を逃れるため、超低空で三波に分かれて目標に向かった。5月17日未明、第一波がメーネダム上空に到達し、0050過ぎに破壊した。次いで第二波がエーデルダムに爆撃を行い、１発を命中させて0200前に破壊した。第三波の５機はゾルベダムとエンネペダムを爆撃したが、高射砲の阻止砲火に遭って２機が撃墜され、破壊できなかった。ルール地方の工業生産能力を大幅に低下（死者1294人、操業停止工場125カ所、流出農耕地3000ヘクタール）させることに成功したが、高射砲により８機が失われ、53名が戦死、３名が捕虜となった。ギブソン中佐にはビクトリア・クロスが授与されたが、その後1944年9月19日にモスキート爆撃機でパスファインダー任務中に戦死している。参考：月刊JWings12,’12、4,’05、歴史群像8,’08、月刊軍事研究1,’15

＜ダムサ＞：F102（コルベット）を参照。

＜ダムサ＞：バーレーン海軍サイクロン級哨戒艇Damsah。2022年3月30日、就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜ダムサ級＞：コンバタント�V級ミサイル艇（カタール海軍）を参照。

＜タムズ対戦車ミサイル・シリーズ＞：イスラエル軍非直接照準方式対戦車ミサイルTamuz。M113やペレフ自走対戦車ミサイルに搭載される。1980年代には完成していたが、イスラエル軍が存在を公表したのは2011年になってからである。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜タムズ＞：ミサイルにテレビカメラを搭載しており、送られてきた画像を元に射手が手動で誘導操作を行い、誘導信号が通信アンテナからミサイルに伝達される。発射後ロックオンによる運用が可能。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜タムズ２＞：射程を15kmに延伸したタイプ。低速対空目標にも使用できる。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜タムズ４＞：半自動レーザー誘導装置を搭載し、射程を30kmに延伸したタイプ。低速対空目標にも対応可能。参考：月刊軍事研究1,’16

　＜タムズ５＞：スパイクNLOSを参照。

＜ダムダム弾＞：Dum Dum Shot。イギリス植民地下のインドにあったダムダム兵器廠で開発されたライフル弾である。弾丸先端をジャケットで覆わず、鉛の弾芯を露出させているため、命中するとマッシュルーミングを起こし、体内に留まる。弾丸の持つエネルギーが全て目標に伝わるため、破壊力が大きく、非人道的という理由から国際条約により軍用での使用が禁止となっている。現在ではソフト・ポイント弾やホロー・ポイント弾など、命中後に弾頭が変形して体内に留まる弾丸一般を指す。目標を手負いにしないという配慮から、狩猟用としては幅広く使用されている。また国内法では禁止されておらず、ストッピング・パワーが高く貫通後の跳弾を気にする必要が無いため、警察・対テロ特殊部隊用などとして広く採用されている。わざと貫通力を低くしており、防弾ベストで止められてしまうのが欠点。参考：GUN用語事典、月刊軍事研究8,’16

＜ダムダム弾禁止宣言＞：ダムダム弾の使用を禁止する国際宣言で、1899年7月29日にハーグで署名され、1900年9月4日に発効した。日本での正式名称は、「外包硬固ナル弾丸ニシテ其ノ外包中心ノ全部ヲ蓋包セス若ハ其ノ外包ニ截刻ヲ施シタルモノノ如キ人体内ニ入テ容易ニ開展シ又ハ扁平ト為ルヘキ弾丸ノ使用ヲ禁スル宣言」で、日本の批准は明治33年（1900年）9月3日、公布は明治33年11月22日。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜ダムディック・シリーズ＞：DAMDICシリーズ（ワンショットUUV）を参照。

＜ダムバスターズ＞：VFA-195（戦闘攻撃飛行隊）または第617中隊（イギリス空軍）を参照。

＜ダム・ボム＞：Dumb Bomb。直訳すれば馬鹿爆弾だが、桜花のことではなく、スマート爆弾の対義語で、従来型無誘導爆弾のことである。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ダムヤット＞：エジプト海軍ノックス級フリゲート１番艦Damyat。元はアメリカ海軍ノックス級フリゲートのジェス・Ｌ・ブラウンである。1994年就役。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜タムワース・キャッスル＞：K393（コルベット）を参照。

＜ダメイト＞：DD-871（駆逐艦）を参照。

＜ダメージ・コントロール＞：Damage Control。戦闘や事故、座礁などで発生した艦船の損傷に対し、適切に対応を行い、予備浮力と復原力を維持し、被害を局限、負傷者を処置し、故障の復旧などを実施して航行機能と戦闘機能を保持すること。平時・戦時の別無く行われ、平時に於ける唯一の実戦ともいわれる。火災の場合には消防主管からの注水や人力散水で消火するか、区画を閉鎖して酸素を無くす密閉消火・泡沫被覆消火などを行う。浸水の場合には防水区画閉鎖、損傷箇所修復・隔壁補強（木材を打ち付ける）、注排水による傾斜復元などを実施する。ときに、乗員がまだ中に居る区画を閉鎖して艦や他の乗員を救う苦しい判断を迫られることもある。艦船には消火設備、注排水設備、通風装置、工作設備、医療設備、非常発電機、甲板散水装置、洗身装置などを艤装し、消火器材、斧、酸素呼吸器（OBA）、応急材料（角材など）、潜水具、溶接器材、応急電線、衛生器材などを積む。こういった損傷時に行う対応の他に、艦船に防水区画や二重底構造を設けたり、装甲を強化したり、そもそもダメージを受けないように防御兵装や自衛装置を搭載したりといったことも重要となる。古代ギリシャ・ローマ時代から、戦闘艦には船大工（ナウペグス）が乗り込んでおり、航海中の損傷に備えていた。ただ戦闘で衝角により大穴を開けられると対応するのは無理だったようである。東方見聞録には13世紀の中国船が隔壁による水密区画構造をとって浸水に備えていたという記述があるが、欧米で水密区画が採用されるのは鉄船が一般的になってからのことだった。木造帆船が艦砲で撃ち合うようになると、被弾して開いた穴や破れた帆、欠けたマストを艦内工作で修復するようになったが、火災は手に負えないことが多く、周りの船も飛び火を恐れてさっさと逃げていた。鋼鉄船や蒸気機関の誕生で軍艦には装甲と水密区画が標準装備されるようになったが、19世紀から20世紀初め頃にはまだダメージ・コントロールの重要性が十分に理解されておらず、防水扉の閉鎖を怠って沈没する事態が多発している。船体が燃えにくくなったので一旦火災の危険性は減じ、防火服や空気ホース付き潜水用ヘルメットを被って消火活動を積極的に行うようになった。電気の使用が始まって配線が艦内を走り回り、蒸気・真水・海水といった各パイプが張り巡らされるようになると、電源が落ちて暗闇となった艦内でも防水扉・ハッチ閉鎖や複雑な復旧処置が行えるよう、乗員の日常訓練の重要性がますます高まった。第１次大戦時にドイツ海軍で発達し、魚雷の登場で水線下に大穴を開けられる被害が出るようになったこともあり、浸水による傾斜を補正する応急注排水装置、注排水区画、注排水指揮所や同管制所などが装備されるようになった。艦砲の発達で火災による誘爆の脅威が増すと共に、発生する煙や有毒ガスへの対応も必要となり、陸軍からガスマスクを借りることもしている。第１次大戦終戦後は戦訓を元にして各国で対応が進んだ。第２次大戦では航空攻撃に対するダメージ・コントロールの必要性が一気に増大。第２次大戦後はNBC防護も行うようになり、NBC自動検出装置、甲板散水装置、洗身装置、艦内与圧装置が装備された。また、装甲による直接防御が廃れ、ダメージ・コントロールの重要性がますます増している。基本的に人間が行う作業なので、省力化との両立が難しい。参考：月刊世界の艦船5,’91、9,'22、9,’17、近代戦艦史

　＜ダメージ・コントロール（アメリカ海軍）＞：第１次大戦後に弾火薬庫の水中防御強化に乗り出し、1924年にマニング造船少佐がPrinciple of naval architecture and warship constructionを執筆。1935年発行の第３版でPrinciple of warship construction and damage controlと初めてダメージ・コントロールの語が出現した。ダメージ・コントロール最大の意義を戦闘力維持に定め、応急工作法や器材の位置から各水密区画浸水時の復元性能やトリムの変化まで記載したダメージ・コントロール・ブックを艦ごとに作成して乗員に配布、それに基づいた教育訓練を施している。第２次大戦時にはConstruction and RepairまたはHull Departmentという科にDamage-control officer（応急長。運用長First lieutenantを兼ねる）という科長がいて、Ｒ部（工作担当）とＸ部（運用担当）を統括した。戦闘配置が下命されると、応急指揮所に応急長、復原性担当士官、応急指揮盤員、損傷分析員、燃料担当者、電気担当者、兵器担当者が集結、隷下の応急班（空母は８個、戦艦は６個）を指揮してダメージ・コントロールにあたる。真珠湾攻撃では艦内可燃物が塗装や配線被覆に至るまで悉く炎上・延焼したため、できる限り撤去することにしたが、サボ島沖海戦でも艦内可燃物が全て炎上して消火ホースによる直射放水だけでは手に負えないことが判明、散霧式ノズルやアプリケーター（先端が60-90度曲がった散霧式ノズル）が開発され、油火災にも水霧で対応できるようにした（乗員の高熱暴露対策にも使える）。また、電源や送水路が損傷するとダメージ・コントロールに支障を来すため、予備系統や復旧資材を用意するようになった。海軍基地には実物大の艦船模型を組み立てて応急要員の消火訓練を実施している。第２次大戦後は独立した科を廃し、砲雷科と機関科に振り分けたが、次第に砲雷科は複雑化する兵装の運用で手一杯になり、機関科の応急士が受け持つようになった。1960年代には長さ300フィート・91.44m以上の艦は全長の15%相当の外板破孔浸水抗堪、長さ100-300フィート・30.48-91.44mの艦は浸水許容同時２区画、長さ100フィート・30.48m以下の艦は浸水許容１区画という防御力基準を設けていた。参考：月刊世界の艦船5,’91、9,’17、2,’19、歴史群像8,’15

＜ダメージ・コントロール（海上自衛隊）＞：応急、艦内防御と称する。艦の水密・復原力・運動力・攻撃力の保持、艦の傾斜・トリム調整、火災・浸水に対する予防手段、人的被害の最小化など、艦のあらゆる被害に対して効果的に処置し修復する手段のこと。アメリカ海軍のダメージ・コントロールをベースとし、防火、防水、NBC防護に分けられる。水密区画は一定長さの破孔が生じて数区画（DDなら同時浸水許容３区画、DEなら２区画）に浸水しても一定の浮力が得られるように配置されており、艦が中小型であるため直撃抗堪力は重要区画の弾片防御（スプリンター防御）程度に止めた。動力・電力系は冗長性を確保しており、火災に対しては、可燃性・熱可塑性素材を極力使用しないようにし、消火海水主管は前後２系統以上、消火栓は１区画に５条以上確保している。NBC防御は密閉循環通風と甲板散水で行う。各艦には応急甲板（最初は上甲板／第１甲板にあったが、長船首楼型のあやなみ型から第２甲板に設けられるようになった。ひゅうが型は第５甲板、いずも型は第６甲板）があり、ほぼ艦中央に応急指揮所（1962年度計画のやまぐも型から設置）、その近くと艦前後に応急員待機所を配置して応急修理を迅速に行えるように工夫されている。1960年度計画のDDG-163あまつかぜ以降は応急甲板右舷に全通通路が設けられるようになり、応急通路と呼ばれた。応急甲板のあちこちには消火栓、角材、斧、TAU（可搬式TAS消火装置）といった器材が並べられ、医務室や工作室といった応急関連室の他、科員居住区からCICまでが応急甲板レベルに集中しており、艦の機能中枢甲板といえる。また、応急甲板前後にある科員用洗面所・便所はNBC戦闘時の乗員洗水所を兼ねる。応急指揮所には応急監視制御盤があり、補機、弁、タンクといった各種状況が表示される。応急員待機所は応急甲板通路の前・中・後部にあり、応急器材格納箱、OBA（酸素呼吸器）またはSCBA（Self Contained Breathing Apparatus、自給式呼吸器）格納箱、赤色ヘルメット、移動通風機、水中電動ポンプ、移動式排水用エダクター、電話などが用意されている。可搬式消火海水ポンプはガソリンエンジン式で、ガソリンタンクは後甲板などに配置して非常時には遠隔操作で投棄できる。後にガスタービン式が装備されて火災への抗堪力は増したが、重量が大きく起動に時間がかかるという欠点が出た。艦長の下に応急指揮官（機関長）がおり、全応急班を指揮する。応急班は護衛艦では前部・中部・後部応急班の３個が編成されており、ヘリを搭載できる護衛艦では艦上救難班が追加される。要員は応急員と呼ばれて機関科が充てられ、足りない場合には各科から要員を派出して予備応急班を編成する。現場指揮官は応急長で、現場に駆け付けた複数班で構成される応急隊の指揮を執る。艦橋、応急指揮所、現場の指揮所には応急指揮盤を用意し、現場や艦全体の現況を表示して各レベルで情報を共有、効果的な応急を行う。戦闘時には第一分隊砲雷科運用員が応急班に加わり、戦闘被害で火災や浸水が生じた場合には戦闘運転応急として総員が戦闘配置に就いた状況下で戦闘しながら応急を行う。艦にはアメリカ海軍に倣ってダメージ・コントロール説明書が用意されており、乗員全員が内容を十分に把握する。艦内で火災が発生した場合、近くの隊員（教育隊の基本教育で消火訓練を受講済）が消火器による初期消火を行い、防火部署が発動すると応急員が出動する。航空機火災は地上救難員（ヘリ搭載艦では艦上救難員と名称変更される）が担当し、特に発着艦する航空機に異常がある場合には航空機緊急着艦部署が発動されて態勢が強化される。1968年度計画のはるな型は広い飛行甲板にターレット・ノズルを装着して広範囲に消火剤を撒けるようにした。1977年度計画のはつゆき以降は、粉末消火剤と水性膜泡消火剤を併用するTAS消火剤、それを移動可能な消火装置に積んだTAU、ハロン1301消火装置を搭載し、応急監視制御装置や応急監視制御盤による応急関係情報一元監視・制御の導入を行った。フォークランド紛争を受け、1983年度計画艦のあさぎり以降は主機のシフト配置を採用、火炎に弱いアルミ材を外し、電源ケーブルも難燃化した。こんごう型からは、応急修理の初動をできるだけ早く取れるように集中管理システムを配備し、艦内与圧式NBC防護装置を有する。戦闘システムが集中している艦橋部分は、従来の倍のエネルギーを持つ弾片が命中しても破損しないように、複合材などで防御力が強化された。艦内戦闘区画は二重防水構造である。VLS区画は同時注排水が可能で、区画ごと冷却して延焼や誘爆を防ぐ。1995年度計画のむらさめ型５番艦いなづまから応急指揮支援端末を導入し、応急監視制御盤の情報や応急の現場で端末に入力した情報を全端末で瞬時に共有できるようになった。ひゅうが型やいずも型は広大な格納庫を防火シャッターで区切り、散水管装置やターレット・ノズルで消火する。格納庫内では基本的に燃料弾薬の積み降ろしはしない。飛行甲板にも各所にターレット・ノズルがあり、複数の航空用消火機器室を持つ。潜水艦では応急長の配置は無いが、幹部全員に対して応急長としての技能を発揮するのに必要な教育が施され、科員も全員が応急員として応急に従事できる。平時で緊急事態が生じた場合にはとにかく浮力を確保し、浮上して水圧を逃れつつ、その浮力を失わないように応急処置を行う。有事に攻撃を受けて損傷した場合には敵前で浮上する訳にいかないので対処困難であり、沈座脱出を図るくらいしか方法が無くなる。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船9,’17、5,’91、8,’11増刊、11,’13、2,’19、MAMOR vol.108

＜ダメージ・コントロール（ドイツ海軍）＞：20世紀初め、ティルピッツ海軍大臣が沈んだ軍艦は無価値として防御力を重視。集中防御方式は取らず全体防御を続け、更に艦首と艦尾の装甲を強化して浸水によるピッチングを防止し、砲塔バーベットは防御甲板まで装甲化、水密区画も細分化し、水線下横隔壁にはドアを付けず、装薬は主装薬と副装薬に分けて金属ケーシングに収容、重要機器は複数に分散配置し、浸水に備えて十分な注排水能力を持たせた。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜ダメージ・コントロール（日本海軍）＞：幕末に富士山艦がフランス海軍からの指導を受けた際に船員が火消役を仰せつかったり、蒸気艦スームビング（後の観光艦）に龍吐水担当といった役職が配されたりしたのが始まりで、火災が発生した際の乗員全員の役割も定められた。昭和15年、内令第13号で応急指揮装置制式を制定。昭和18年、防御指揮装置制式を制定。昭和19年、官房機密第4957号で居住区艤装のダメージ・コントロールを指定。士官公室も可燃物を極力廃止し、ソファの外張り、搬出可能なテーブル、書庫を除いて不燃物のみとし、壁にペンキすら塗らなかった。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜ダメージ・コントロール手術＞：重傷外傷に対する術式で、DCSと略す。参考：朝雲

＜田母神論文事件＞：2008年10月31日、田母神航空幕僚長の投稿した懸賞論文が公となった。論文は史実に反する内容が多く、自らの主張に沿った情報資料のみをピックアップして論拠にしてしまったようで、内容も散漫すぎて主題が不明になっている。しかも投稿先が軍事とは無縁の主催者による懸賞付き論文募集の第１回目で、権威もへったくれもなく、幕僚長の意見の投稿先としては不適切であった。当日から防衛省では対応を協議し、論文内に太平洋戦争に関する政府の認識と明らかに異なる見解や、憲法に関する重要な部分で不適切な記述があったことから、内閣の承認を得て航空幕僚長を解任し、空幕付とした。その後防衛省では度々辞任を説得したが、拒否したため、11月3日付で勤務延長期限を繰り上げて定年退職扱いとした。また、事務次官、人教局長、官房長を処分し、防衛大臣、副大臣、政務官は給与を国庫に自主返納した。他に航空自衛官97名が懸賞論文に応募しており、前空幕人教部長と空幕教育課長の２名に違反行為があったとして12月25日に注意処分を行った。参考：朝雲、月刊軍事研究1,’09

＜多目的型自動車＞：自衛隊の車両。日産自動車または三菱自動車工業製。参考：月刊軍事研究1,’13、8,’13

＜多目的型乗用車＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜多目的軽対戦車ミサイルシステム＞：スパイク海外シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜多目的高性能戦術ターミナル＞：MATTと略す。特殊部隊にほぼリアルタイムで作戦情報を伝達する目的で開発された、小型マルチチャンネル受信・処理システムである。CV-22BにはOZ-72(V)5(C)/Aが搭載されている。参考：月刊丸10,’97、月刊軍事研究12,’18

＜多目的作業車＞：航空自衛隊の車両。航空機整備点検用の車両で、後部荷台が作業台になっており、高さ6mまで持ち上げることが可能。全長5.7m、全幅2.7m、全高3.25m、車両重量９トン。参考：MAMOR vol.98

＜多目的自動車＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車または富士重工製。参考：月刊軍事研究9,’11、8,’10

＜多目的自動車（全輪駆動）＞：自衛隊の車両。スズキ製。参考：月刊軍事研究5,’09

＜多目的水陸両用車＞：IHIがプライベート・ベンチャーで開発中の水陸両用車両。見た目は94式水際地雷敷設装置を３軸６輪にした感じである。路上最大速度70km、水上最大速力９ノット。貨物搭載量６トン。MAST Asia 2019で模型が展示された。参考：朝雲

＜多目的対装甲・対人兵器システム＞：カールグスタフM3海外シリーズ（無反動砲）を参照。

＜多目的伝送装置＞：自衛隊の機器。富士通ネットワークソリューションズ製。参考：月刊軍事研究11,’13

＜多目的伝送装置（７ＧＨｚ帯）＞：自衛隊の機器。富士通ネットワークソリューションズ製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜多目的統合化学剤警報装置＞：MICADを参照。

＜多目的フリゲート建造コンセプト＞：MEKOを参照。

＜多目的分析機＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究7,’17

＜多目的榴弾＞：HEAT-MPを参照。

＜ダモクル＞：DAMOCLES（ターゲッティング・ポッド）を参照。

＜タモヨ＞：S31（潜水艦）を参照。

＜多用途ガン＞：84mm無反動砲（Ｂ）を参照。

＜多用途監視システム＞：グローバル・アイ（早期警戒機）を参照。

＜多用途ガン用弾薬（試験用）＞：自衛隊の弾薬。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究10,’10

＜多用途小型無人機＞：技術研究本部が1995-2001年度に研究開発した試作無人機で、富士重工が製作した。F-15Jから空中発射され、パラシュートとエアバッグにより海上に着水して回収される。2004年度から無人機研究システムに進んだ。参考：月刊JWings3,’16

＜多用途コンテナ＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜多用途支援艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。2002年3月27日、区分・自衛艦−大分類・補助艦−中分類・補助艦艇の下の種別として定められた。艦種記号はAMS、艦番号は4301以降である。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜多用途戦術航空輸送システム＞：UH-60シリーズ（ヘリ）を参照。

＜多用途戦術輸送車＞：MUTT（無人車両）を参照。

＜多用途戦闘機＞：マルチロール・ファイターを参照。

＜多用途標準誘導砲弾＞：アメリカ軍の127mm/155mm誘導砲弾Multi Service-Standard Guided Projectile（MS-SGP）。INS/GPS誘導式ロケットアシスト弾で、対空・対陸上・対水上目標を射撃でき、データリンクも備えていて発射後に目標を変更できる。オプションで移動目標攻撃用セミアクティブ・レーザー誘導装置が用意されている。Mk45Mod4用127mm版の諸元は以下の通り。全長1.5m、弾丸重量16.3kg、砲弾重量50kg。最大射程54海里・100km。CEP10m。発射速度毎分10発。参考：月刊世界の艦船3,’21

＜多用途フリゲートヘリコプター＞：NFH-90ヘリ（ドイツ海軍）を参照。

＜多用途ヘリコプター（ＵＨ−６０ＪＡ）防弾板＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’13

＜多用途ヘリコプター（艦載型）＞：海上自衛隊が調達予定の多用途艦載ヘリ。一応UH-60J救難ヘリの後継という位置づけだが、26中期防で海自の陸上配備救難部隊は空自航空救難部隊と一元化を目指すことになっているため、ひゅうが型・いずも型DDHなどに艦載し、輸送、救難、負傷者後送などを主任務とするヘリコプターとして要求を出した。コクピットはサイドバイサイド、エンジンは２基以上積む。2015年7月13日に防衛省でRFP受領手続き説明会が行われ、7月22日の期限までに申し込んだ企業に対してRFPが配布された。三菱重工／シコルスキー・エアクラフトがUH-60改（SH-60K改）、川崎重工／アグスタ・ウェストランドがAW101（の川崎重工名称KE-101。MCH-101改）を提案したが、エアバス・ヘリコプターズは性能より日本国内体制に重点が置かれていて選定の見込みが無いとしてNFH90の提案を見送った。アメリカ海軍でC-2の後継となるV-22オスプレイも提案されていない。9月15日、海幕がKE-101を採用した。しかし選定に関して不正があったとの公益通報が入ったため、10月27日から防衛監察本部で防衛特別観察に入った。2016年12月16日、機種選定手続きにかかわる公正性の確保の状況に係る特別防衛監察の結果を防衛省が発表。業界関係者などからの働きかけは無かったが、公正性の確保や、関係者との対応要領などを定めた通達の一部事項の実施、関係書類等の管理状況に問題があったとし、関係者を処分（訓戒と注意）した。再発防止策を採った上で、改めて選定を行う。2018年5月8日、海幕が提案要求書RFPの説明会を実施。２基以上のエンジンを装備する並列複座回転翼機で、主にひゅうが型・いずも型DDHに艦載し、輸送、救難、負傷者救護後送などが可能な機体を要求した。参考：月刊JWings3,’17、12,’15、7,’18、月刊軍事研究11,’15、月刊航空ファン3,’17、7,’18

＜多用途輸送貨物機＞：MTC（輸送機）を参照。

＜多用途輸送航空機＞：MTC（輸送機）を参照。

＜多用途連接通信装置＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜タラーン＞：621（対機雷戦支援艦）を参照。

＜タラギリ＞：F41（リアンダー級フリゲート）またはF41（シヴァリク�U級フリゲート）を参照。

＜タラシュ地対空ミサイル・シリーズ＞：イラン軍地対空ミサイルTalash。参考：月刊軍事研究2,’15

　＜タラシュ１＞：Talash-1。短距離地対空ミサイルで、2012年に公開された。参考：月刊軍事研究2,’15

　＜タラシュ２＞：Talash-2。中距離地対空ミサイルシステムで、2013年11月に公開された。OfoghまたはOfogと呼ばれる射撃管制レーダーと、RIM-66スタンダードSM-1をベースとするサヤッド２地対空ミサイルからなる。2016年12月28日に最初の実射テストを行い、ミサイルは標的に命中したとイラン軍が発表している。参考：月刊軍事研究2,’15、5,’17

　＜タラシュ３＞：Talash-3。S-200の改良型で、2014年9月1日に発射試験に成功したと発表した。参考：月刊軍事研究2,’15

＜ダラス＞：CA-140（重巡洋艦）またはCL-87（軽巡洋艦）またはDD-199（駆逐艦）またはSSN-700（潜水艦）を参照。

＜タラニス計画＞：イギリス国防省が2005年3月のイギリス戦略的航空無人機実験〔SUAV(E)、Strategic Unmanned Air Vehicle (Experiment)〕計画及び12月の防衛産業戦略に基づいて2006年12月から開発中の無人攻撃機で、タラニスはケルト神話の雷神。BAEシステムズ、ロールスロイス、キネティック、スミス・エアロスペースが参加している。主任務は攻撃、情報収集、捜索、偵察、目標指示である。機体はエイのような形状の全翼機で、ステルス性を有しており、機首上面に三角形のエアインテイク、機内に爆弾倉２つを持つ。飛行モードは事前ウェイポイント設定による自動飛行と、無人機自己判断による自律飛行で、バックアップに手動飛行モードも備える。全長11.7m（12.5m？）、翼スパン9.6m、機体総重量８トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製アドーアMk951ターボファン（推力6500ポンド・2.95トン）単発、最大速度1130kmだが音速を突破できるという説もある。2010年7月12日に試作機が公開され、2013年8月10日に初飛行した。試験場は秘匿されているが、オーストラリアのウーメラ試験場らしい。2014年1月、オーストラリアのウーメラ試験場で第２次飛行試験を実施。2018年に制式化され、F-35を補完する戦力として運用される予定。参考：月刊軍事研究11,’07、5,’15、8,’17、10,’18、4,’08、9,’10、11,’10、7,’14、11,’15、2,’16、月刊丸10,’10、月刊JWings4,’14

＜タラハシー＞：CL-61（クリーブランド級軽巡、初代）またはCL-116（クリーブランド級軽巡、２代目）を参照。

＜タラハッチー・カウンティ＞：LST-1154（戦車揚陸艦）を参照。

＜タラリオン＞：フランス・ドイツ・スペインが配備を予定していた双発ジェットUAVで、タラリオンはヘルメスの靴のこと。EADSの子会社であるカシディアンが開発していた。機体はモジュラー式で、情報収集、監視、目標識別、偵察といった任務に応じたセンサー（電子光学センサー、合成開口レーダー、ELINT装置など）の搭載が可能。翼スパン27.9m、重量７トン級、ペイロード0.8トン。滞空時間20時間前後。2009年のパリ航空ショーで初公開され、バラクーダUAVでテストを実施、2015年頃の就役を予定していたが、ヨーロッパ内部でもテレモスと競合してしまい、資金を拠出していたフランス、イギリス、ドイツ、スペイン、トルコの各国が別のUAVの採用に移ったため、2012年3月に開発中止になった。参考：月刊軍事研究12,’09、9,’11、8,’12、5,’15、月刊JWings6,’12

＜タラワ＞：CV-40（空母）またはLHA-1（揚陸艦）を参照。

＜タラワ級＞：アメリカ海軍強襲揚陸艦Tarawa級、基本計画番号SCB-410。汎用強襲揚陸艦LHA(GP)と呼ばれ、イオージマ級がヘリコプターでしか揚陸できなかった反省を踏まえてドックウェルを内蔵しており、ヘリコプター・VTOL運用能力（上陸部隊への航空支援が可能）、揚陸艇・装軌上陸車収容・発進能力、貨物輸送能力、揚陸部隊旗艦指揮通信機能を併せ持つ、強襲揚陸艦（LPH）兼ドック型揚陸艦（LSD）兼貨物揚陸艦（LKA）兼揚陸指揮艦（LCC）といった艦で、海兵１個大隊1700-1900名を装備器材車両（戦車５両、LAV装甲車25両など）ごと迅速に揚陸可能である。船体は飛行甲板を含めて９層の甲板で構成される。長さ250m、幅36m（32.5m？）の全通飛行甲板を持ち、飛行甲板の前部は幅が狭くなっている。飛行甲板上では同時に９機のCH-53Dまたは12機のCH-46D/Eを運用可能で、改修すればAV-8Bも扱える。飛行甲板の下には前部から兵員区画（士官172名・下士官1731名の計1903名収容）、医療区画（ICU17床、手術室４室、ベッド300床）、貨物区画（容積3300立方メートル）、車両甲板（床面積3100平方メートル。第４甲板下方の主車両搭載区画とその下の副車両区画からなる）、航空機格納庫が並び、これらの下には長さ81.7m、幅23.8m、高さ9m（３甲板分）の大型のドックウェルが配置されている。ヘリ格納庫は長さ80m、広さ1800平方メートルで、CH-53なら19機、CH-46なら26機を収容可能。ドックウェルにはLCU-1610汎用揚陸艇なら４隻、LCU-1610とLCM-8混載なら２隻ずつ（LCU-1610を２隻とLCM-8を３隻？）、LCM-6型車両揚陸艇なら17隻、LVTP-7なら45両を搭載でき、前方には車両甲板に繋がるランプを持つ。ドックウェルの中央に貨物移送用コンベアを持ち、天井には容量２トンのホイスト11個があり、複数の揚陸艇に同時に荷物を積み降ろしできる。ただLCACは幅が広いため、貨物移送用コンベアが邪魔をして１隻しか積めない（空いたスペースにLCU２隻、LCPL４隻を搭載可能）。揚陸艇発進の際には容量12000トンのバラストタンクに注水して艦尾を沈める。航空機は、標準でCH-46を18機、CH-53を４機、AH-1を４機搭載しており、最初の12分で海兵２個ライフル中隊を揚陸できる。CH-46だけなら30機、CH-53だけなら19機を積める他、VTOL機や無人機も搭載でき、V-22も運用できる。ヘリボーン作戦ではCH-46Eを26機とAV-8Bを８機搭載し、UH-1汎用ヘリを指揮連絡用に加える。エレベーターは左舷（縦15.2m、横10.3m、最大搭載重量18.2トン）と艦尾中心線上（縦18.2m、横10.6m、最大搭載重量36.3トン）にあるが、艦尾エレベーターの分だけ格納庫スペースが潰される欠点があった。車両甲板は２層で、総容積3134立方メートル、各種車両200両を搭載できる。主車両甲板は第６甲板レベルにあり、長さ75mで、重車両の搭載が可能。副車両甲板は第７甲板レベルで、長さ50m、軽車両を搭載する。揚陸部隊の装備品や補給品は前部機械室前方と後部機械室後方の第８・第９甲板レベルにある貨物区画に収容される。車両や貨物の移送のため、貨物用エレベーター５基、自走式コンベア、モノレール、フォークリフト23台、パレット運搬車などが配備されていて、揚陸管制室の指揮により荷運びを行う。兵員区画は艦前部第2-4甲板にあり、兵員移送用エレベーター２基が用意されている。揚陸作戦指揮のため揚陸戦情報戦術統合装置（ITAWDS）を搭載しており、作戦地域の気候に海兵隊員を慣らすための訓練兼作戦環境順応区画、負傷者治療用の医療施設（収容人数300名）と４カ所の補助戦闘治療所も持っている。艦首にはバウ・スラスターを持つ。右舷中央の箱形アイランドは重量軽減のためアルミ合金製であり、最前部は車両出入り口で、車両ランプを経由して車両甲板と繋がっていて、出入り口上部にはシースパロー発射機が装備された。揚陸作戦指揮管制センター（揚陸部隊指揮センター、支援火力指揮センター、戦術航空調整センター、ヘリコプター管制センター、揚陸管制センター、作戦室、CIC、通信センター、計算機センターなど）は全てアイランドに収容される。アイランド前端には航海艦橋と戦闘艦橋が上下に並んでおり、航海艦橋上方の架台にはシースパロー管制用M51レーダーを装備する。前部煙突背後にSPS-40B対空捜索レーダー、前部煙突直後の右舷にはSLQ-29ECMがあり、後部マスト上部ヤードにはSPS-10F対水上レーダーが装備されていて、その下にSPS-52B三次元レーダーを配する。アイランド後端の航空管制所では50機のヘリを同時に指揮できる。アイランド後端右舷側にはAN/SPN-35着艦誘導レーダーのレドームがある。主機室はタービンと缶を１基ずつ組み合わせて前後に離して配置しており、煙突は前後２本となった。前部マストには頂部にURN-20タカン、中段にSPQ-9A対地・対水上射撃レーダー用レドーム、その下にSPG-60対空射撃レーダー用円盤アンテナがあり、後部マスト中段にはSPS-52B三次元レーダーのアンテナがある。アイランド後部にチャフ・ロケット発射機Mk36を２基装備しており、後部左舷側にはSPN-35方向指示レーダーの大型レドームを持つ。アイランド後方には容量27トンの大型クレーンがあり、飛行甲板上にLCM6とLCPLを２隻ずつ搭載できる。全長254.2m、水線長237.1m、最大幅40.2m（38.4m？）、水線幅32.5m、満載吃水7.9m、満載排水量39967トン。主機はウェスティングハウス社製ギヤード・タービン２基、主缶はコンバッション・エンジニアリング社製V2M-VS型缶２基、出力70000馬力、固定ピッチプロペラ２軸推進、最大速力24ノット、航続距離は20ノットで10000海里。出力900馬力（800馬力？）のバウ・スラスターを持つ。ヘリコプター用燃料40万ガロン、車両用燃料１万ガロンを搭載する。兵装はシースパロー８連装発射機Mk25が２基（アイランド前端と飛行甲板後端左舷フラット）、127mm単装砲Mk45が３基（飛行甲板前端部両舷フラットと飛行甲板後端右舷フラット）、20mm単装機関砲Mk67が６丁（飛行甲板両舷３丁ずつ）。ミサイル射撃指揮装置はMk115、砲射撃指揮装置はMk86。乗員964名（930名・902名ともいわれる）で、うち56名が士官。９隻を建造する予定だったが、建造費が高く1971年に５隻に減らされ、1976-80年にLHA-1タラワ、LHA-2サイパン、LHA-3ベローウッド、LHA-4ナッソー、LHA-5ペリリューが就役した。1980年代後半から1990年代後半に兵装がRAM21連装発射機２基（艦前後に１基ずつ）、20mmCIWS２基（アイランド前と艦尾に１基ずつ）、25mm単装機関砲６門、12.7mm機銃８丁となった。三次元レーダーも1990年代にSPS-48に換装されている。FRAM改装が検討されたが、飛行甲板やドックウェルが狭くMV-22やLCACの運用能力に難があり実施されず、2005-15年に全艦退役した。参考：月刊軍事研究2,’02、7,’95、11,’08、7,’11、1,’16、アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船9,’02、4,’04増刊、12,’13、12,'20、5,’91、5,’14、1,’10、丸スペシャルNo.90、兵器最先端５、月刊航空ファン4,’10

＜タラワ島上陸作戦＞：ガルバニック作戦を参照。

＜タランガウ級＞：パシフィック級哨戒艇（パプアニューギニア海軍）を参照。

＜タランギニ＞：インド海軍練習帆船Tarangini。満載排水量420トン。帆装は３檣バーク。乗員16名、候補生45名。1997年就役。2010年12月11日、スリランカ海軍創設60周年記念国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船6,’16、JShips Vol.44

＜タランタル級＞：ロシア国境警備隊対潜哨戒艇Tarantul級、NATOコードはStenka級。兵装は406mm魚雷発射管４門、AK630CIWS連装２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タランタル級シリーズ＞：ソ連海軍1241型（別名Molnya型）ミサイル艇シリーズのNATOコード、Tarantul級。オーサ級の後継で、1979-2017年に輸出用も合わせて計100隻以上が竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’86、6,’15、2,’17、9,’22

＜タランタル�T級＞：輸出用Tarantul�T型。上部構造物左右に上下２連のSS-N-2C対艦ミサイル発射機を備え、前甲板に76mm単装砲AK-176を１門搭載する。全長56m、満載排水量760トン。主機はガスタービンで、速力35ノット。1979年に１番艇が就役した。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜タランタル�U級＞：ソ連海軍向けTarantul�U型、別名1241.1型。タランタル�T型の電子装備改良型で、艦橋上にバンド・スタンドが装備されている。排水量496トン。主機はCOGAG方式、速力41ノット。兵装は76mm単装砲AK-176が１門（前甲板）、P15M艦対艦ミサイル連装発射機２基（艦橋左右）、AK630CIWS２基。１隻は試験的に3M80艦対艦ミサイルを搭載した。自衛用としてストレラ２携帯地対空ミサイル４連装発射機（マニュアル照準）１基を装備する。R-79、クズネツクなどが竣工した。参考：月刊軍事研究11,’02、月刊世界の艦船8,’82増刊、5,’86、9.'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タランタル�V級＞：改良型Tarantul�V型、別名1241M型（1242.1型？）。対艦ミサイルを3M80に換装しており、KT-152Mミサイル発射筒を搭載する。全長56.1m、満載排水量462トン。主機はディーゼル＋ガスタービン、速力36ノット。兵装は76mm単装砲AK-176が１門（前甲板）、3M80艦対艦ミサイル連装発射筒２基（艇中央両舷）、AK630CIWS２基。自衛用としてストレラ２携帯地対空ミサイル４連装発射機（マニュアル照準）１基を装備する。R-11、R-14、R-18、R-19、R-20、R-24、R-29、艇番号991/R-261、R-298、イヴァノヴェッツ、チュヴァシヤなどが竣工した。参考：月刊軍事研究9,’09、月刊世界の艦船2,’17、11,’13、11,’15、3,’16、11,’16、11,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タランタル級・海外シリーズ＞

　＜ヴィール級＞：ヴィール級を参照。

　＜タランタル�T級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍ミサイル艇。HQ-371が就役した。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜タランタル�U級（ウクライナ海軍）＞：ウクライナ海軍ミサイル艇。兵装はP-15テルミットＲ（SS-N-2D）艦対艦ミサイル連装発射機２基、9K32艦対空ミサイル４連装発射機１基（手動照準）、76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タランタル�U級（ブルガリア海軍）＞：ブルガリア海軍ミサイル艇で、ムルナヤ（Mulnaya）級ともいう。兵装は76mm単装砲１門、P-15M艦対艦ミサイル連装発射筒２基、ストレラ２（SA-N-5）艦対空ミサイル４連装発射機（手動照準）２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜タランタル�U級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍ミサイル艇。HQ-372が就役した。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜タランタル�V級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍ミサイル艇。HQ-373とHQ-374が就役した。参考：月刊軍事研究10,’16

＜タランタル�X級＞：ベトナム海軍コルベットTarantul �X級、プロジェクト1241.8。全長59.9m、満載排水量450トン。主機はCOGAG方式で、速力36ノット。兵装は76mm単装砲１門、3M24艦対艦ミサイル４連装発射筒４基、9K32艦対空ミサイル（マニュアル運用）、AK630近接防御兵器２基。１番艦HQ-375と２番艦HQ-376はロシアで建造されて2007年に就役しており、以降10番艦までベトナムで建造予定。2015年6月3日にもベトナムのバション造船所で２隻が引き渡された。参考：月刊世界の艦船9,’10、9,’15、月刊軍事研究10,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タランタル�W級（エジプト海軍）＞：プロジェクト12421ミサイル艇（エジプト海軍）を参照。

＜タランチュラ＞：SS-12（Ｂ級潜水艦）を参照。

＜タランチュラ・ホーク＞：RQ-16A（無人機）を参照。

＜タラント空襲＞：ジャッジメント作戦を参照。

＜ダランベールの背理＞：圧力抗力を参照。

＜タリア＞：一式輸送機（川崎）を参照。

＜ダリア＞：K59（コルベット）を参照。

＜タリージガ＞：APA-208（攻撃輸送艦）を参照。

＜タリー・ホー＞：P317（潜水艦）を参照。

＜タリー・ホー戦闘機＞：N156（タリー技師案）を参照。

＜タリーボルト＞：L18（駆逐艦）を参照。

＜タリー・マーク＞：Tally mark。CAS機が攻撃目標のマーキングを確認した際にFACに告げる。参考：月刊航空ファン2,’02

＜タリヴァルディス＞：M-06（掃海艇）を参照。

＜タリク＞：181（フリゲート）またはD-165（駆逐艦）を参照。

＜ダリク＞：DE-666（護衛駆逐艦）を参照。

＜タリク＞：イラクがイタリアのベレッタ社からライセンスを購入して生産した拳銃Tariq。装弾数８発で、口径7.65mmと9mmの２種がある。参考：軍事分析湾岸戦争

＜タリク級＞：21型・海外シリーズ（フリゲート）またはブラック・スワン級・海外シリーズ（スループ）を参照。

＜タリク・ビン・ザイド＞：イラク海軍アサド級ヘリ搭載コルベットTariq Bin Ziad。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜タリク・ベン・ジヤード＞：613（コルベット）を参照。

＜タリク・ベン・ジヤード級＞：モロッコ海軍フリゲート、Taril Ben Ziyad級。オランダのダーメン・シェルデ社が設計したシグマ型コルベット（シグマ10513型）を導入したもので、船体はステルス性を重視している。艦橋上部にタワーマストがあり、頂部にSMART-Sレーダー、マスト前方にLIROD Mk2射撃指揮装置を装備する。全長105.1m、幅13m、吃水4m、満載排水量2335トン。主機はディーゼル２基、出力22030馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装はVL-MICA艦対空ミサイル用６セルVLS２基、エグゾセMM40ブロック�U／�V艦対艦ミサイル連装（上下２連）発射筒２基、324mm短魚雷Mu-90用３連装発射管２基、76mm単装砲１門、20mm単装機関砲２丁。ヘリ格納庫とヘリ甲板を持ち、AS565SAヘリ１機を運用可能。乗員91名。タリク・ベン・ジヤードが2011年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’16、10,’17、12,’12、12,’11、1,’12、月刊軍事研究1,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タリスマン＞：N78（潜水艦）を参照。

＜タリスマン・シリーズ＞：イギリスのBAEシステムズ社が2004年から開発中のUUV、Talisman。参考：月刊軍事研究1,’08

＜タリスマン＞：船体は炭素繊維がメインの複合材製で、水上では電波（衛星通信含む）、水中では音響により通信を行う。主任務は機雷掃討で、アーチャーフィッシュを携行して完全自律航行し、任務にあたる予定。全長4.5m、全幅2.5m、重量1.8トン。電動スラスターポッド６基で航行する。最大速力５ノット、潜航可能深度5-300m（150m？）、航行時間24時間。2006年にアーチャーフィッシュの射出実験に成功した。参考：月刊軍事研究3,’09、2,’07、1,’08

＜タリスマンＬ＞：沿岸海域用で、対機雷戦、フロッグマン探知などを行う。撮影用カメラ、前方・側方捜索ソナーを持ち、自律航行もしくは手動航行が可能である。全長1.4m、重量50kg。推進はスラスターで、最大速力５ノット、定位置静止や後進もできる。最大潜航深度100m、最大連続作動時間12時間。参考：月刊軍事研究12,’09

＜タリスマンＭ＞：機雷掃討専門型。全長4.5m、重量1.8トン。2007年8月からイギリス海軍防衛潜水学校で実験が行われている。参考：月刊軍事研究12,’09、1,’08

＜タリスマン・セイバー＞：アメリカ海軍第７艦隊とオーストラリア陸海軍の合同演習Talisman Sabre。タンデム・スラスト演習とクロコダイル演習を合わせたもので、隔年開催される。2005年に第１回目が開催された。2011年は7月11-29日にオーストラリアのクイーンズランド周辺で開催され、アメリカから兵員14000名、CVN-73ジョージ・ワシントン、LCC-19ブルー・リッジ、LSD-42ジャーマンタウンなど、オーストラリアから兵員8500名などが参加した。2013年は7月15日から8月5日までオーストラリア周辺海域で実施され、CVN-73ジョージ・ワシントンなどが参加した。参考：月刊軍事研究10,’05、月刊JWings9,’05、月刊世界の艦船10,’11、11,’13

　＜タリスマン・セイバー２０１５＞：通算６回目で、2015年7月4-19日にオーストラリアのノーザンテリトリー州ブラッドショー演習場、フォグ・ベイ、その周辺海域で実施された。規模は兵員30000名以上、艦艇21隻（24隻？）、航空機200機以上。アメリカ（CVN-73ジョージ・ワシントン、DDG-88プレブル、LPD-20グリーン・ベイ、LHD-6ボノム・リシャール、第31海兵遠征隊、AAV-7、120mm迫撃砲、155mm榴弾砲）やオーストラリア（FFH157パース、FFH151アランタ、揚陸艦チャールス、哨戒艇ローンセストン）に加え、陸上自衛隊（西部方面普通科連隊など40名、89式小銃、偵察ボート。水陸両用戦訓練と小銃実射訓練などを実施）とニュージーランド軍（600名。テ・カハなど艦艇２隻、航空機４機、軽装甲車22両）が初参加している。参考：月刊世界の艦船10,'15、3,’16、月刊JWings10,'15、朝雲

　＜タリスマン・セイバー２０１７＞：2017年6月23日から7月25日、シドニー沖で実施された。アメリカ空軍第353特殊作戦群MC-130J、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、HSC-85のHH-60H、アメリカ海兵隊VMM-265のMV-22B、在韓米陸軍C-12V、陸自第１空挺団が参加している。参考：月刊JWings10,’17、月刊航空ファン10,’17

　＜タリスマン・セイバー２０１９＞：2019年6月27日から7月27日、クイーンズランド州ショールウォーターベイ演習場からニューサウスウェールズ州とオーストラリア東側排他的経済水域で実施された。アメリカ空軍第３航空群第90戦闘飛行隊F-22A戦闘機、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、LHD-1ワスプ、LPD-20グリーン・ベイ、LSD-48アシュランド、SEALs、アメリカ海兵隊第31海兵遠征隊、VMFA-121所属F-35B戦闘機、VMM-265(Rein)AH-1Z攻撃ヘリ、MV-22B輸送機、第１海兵師団第１海兵大隊、オーストラリア空軍第35飛行隊C-27J輸送機、オーストラリア海軍キャンベラ級強襲揚陸艦L02キャンベラ、同L01アデレード、LCM-1E上陸艇、オーストラリア陸軍第５航空連隊MRH-90ヘリ、第６航空連隊S-70A-9、特殊部隊、第７連隊、陸上自衛隊水陸機動団330名、AAV7、AAVC7、AAVR7、120mm迫撃砲RT、中距離多目的誘導弾、第１ヘリコプター団CH-47JAヘリ、海上自衛隊500名、DDH-182いせ、LST-4003くにさき、LCAC２隻、イギリス軍、カナダ軍、ニュージーランド軍などの６カ国軍の人員34000名、艦艇22隻、航空機200機以上が参加している。自衛隊は統合及び日米共同による指揮幕僚活動、統合及び日米共同による着上陸、日米共同による陸上戦闘と共同巡航訓練などを行った。自衛隊の派遣期間は6月3日から8月21日だった。6月18日、LST-4003くにさきがブリスベーン港内の岸壁に接触する事故を起こした。損傷は軽微な模様で、その後の訓練も予定通りこなしている。7月7日、指揮幕僚活動・共同対処法など日米共同機能別訓練を終了。7月11日、総合訓練前段を開始。7月16日、クイーンズランド州ランハムビーチ周辺海域で揚陸演習を実施。7月17日、空中機動訓練を実施。7月22日、総合訓練後段をクイーンズランド州キングスビーチで開始。7月24日、訓練を修了した。訓練終了後の8月3-5日、自衛隊参加部隊がパプア・ニューギニアのポート・モレスビーに寄港し、親善行事などに参加した。参考：月刊JWings10,’19、月刊世界の艦船8,’19、9,’19、10,’19、月刊航空ファン9,’19、10,’19、朝雲

　＜タリスマン・セイバー２０２１＞：2021年6月25日から8月7日、オーストラリア東方空海域で実施され、アメリカ（イージス駆逐艦DDG-115ラファエル・ペラルタ、揚陸艦LHA-6アメリカ、揚陸艦LPD-18ニュー・オーリンズ、揚陸艦LSD-42ジャーマンタウン、補給艦T-AKE-3アラン・シェパード、給油艦T-AO-204ラパハノック、F-35B戦闘機、第５爆撃航空団B-52H爆撃機、VP-45所属P-8A哨戒機、第３海兵遠征団ダーウィンローテーション部隊）、オーストラリア（イージス駆逐艦41ブリスベーン、フリゲートFFH154パラマタ、フリゲートFFH155バララト、揚陸艦L02キャンベラ、揚陸艦L100チャールス、P-8哨戒機、F-35A戦闘機、F/A-18F戦闘機、EA-18G電子戦機、第１師団）、イギリス（海兵隊王立海兵コマンド）、自衛隊（海自DD-112まきなみ、搭載SH-60Kヘリ、陸自水陸機動団第２水陸機動連隊30名。派遣期間7月18-27日）、カナダ（フリゲートFFH335カルガリー）、韓国（駆逐艦978ワン・ゲオン）、ニュージーランドから人員17000名と艦艇20隻などが参加し、対空戦、対潜戦、海上作戦、水陸両用作戦、射撃などの各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船10,’21、月刊JWings10,’21、朝雲

　＜タリスマン・セイバー２３＞：2023年7月20日から8月4日に行われ、オーストラリア（L01アデレード）、カナダ（FFH336モントリオール）、フィジー、フランス、ドイツ、インドネシア、陸上・海上自衛隊、ニュージーランド、パプアニューギニア、韓国（強襲揚陸艦6112マラド）、トンガ、イギリス、アメリカ（CVN-76ロナルド・レーガン、DDG-115ラファエル・ペラルタ）が参加した。水陸両用作戦訓練には水陸機動団（AAV-7水陸両用車）、第１ヘリコプター団（CH-47ヘリ）、令和5年度インド太平洋方面派遣IPD23第１水上部隊DDH-183いずも、IPD23第２水上部隊LST-4002しもきた、LCAC（LCAC-2104エアクッション艇４号など）、アメリカ海兵隊第31海兵遠征隊、アメリカ海軍第７艦隊LHA-6アメリカ、LPD-20グリーンベイ、LPD-18ニュー・オーリンズ、ドイツ海軍第１艦隊海上大隊１個小隊が参加し、ショールウォーターベイ演習場で統合火力誘導訓練、クイーンズランド州ミッジポイントで着上陸予行、クイーンズランド州スタネージで総合訓練を実施。対空戦闘訓練はショールウォーターベイ演習場で行われ、東部方面隊第２高射特科群とアメリカ海兵隊第31海兵遠征隊が参加し、アメリカ以外で初となる03式地対空誘導弾実射と、アメリカ航空機との対抗方式での対空戦闘を演練した。対艦戦闘訓練はジャービスベイ特別地域で行われ、西部方面隊第５地対艦ミサイル連隊、富士学校特科教導隊、第２師団第２情報隊、オーストラリア海軍第816飛行隊、第822X飛行隊が参加し、オーストラリア軍との共同及び国外で初飛行となるSE2による情報収集や、アメリカ以外で初となる12式地対艦ミサイル実射などを実施している。7月28日、オーストラリア陸軍第６航空隊NH-90MRHヘリ１機がオーストラリアのウィットサンデ諸島沖に墜落し、乗員４名全員が死亡した。参考：月刊世界の艦船9,’23、月刊JWings10,’23

＜ダリニ＞：A306（工作艦）を参照。

＜ダリニ級＞：インド海軍工作艦Dharini級。排水量6000トン。主機はレシプロ蒸気で、速力９ノット。A306ダリニが1944年に進水した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ダリニィ・ボンバルディロフシチク＞：長距離爆撃機という意味のロシア語。

＜タリバン＞：神学生達の意。パキスタンのアフガン難民キャンプで育った若手を中心に1994年7月に結成された新興勢力で、パシュトゥーン人主体のイスラム教スンニ派原理主義武装勢力。イスラム法の厳格な適用を実践している。指導者はムラー・オマル（Mullah Omar）師で、南部のカンダハル近郊のシンゲシャル村でイスラム神学校（マドラサ）を開いていた。1994年、カンダハルで武装勢力司令官が10代の少女２人を誘拐する事件が起こり、ウマル師は学生など30人と小銃16丁で武装蜂起、司令官を拘束して戦車の砲身に吊し、絞首刑にした。これをきっかけにタリバンが誕生し、厳しい軍規で統制を取り、住民の支持を得て1995年中に殆どの他勢力を征服した。パキスタン（ヒズブ・イスラミアから乗り換えた）とサウジアラビアの支援も受けていた。1996年にジャララバードを制圧し、オサマ・ビンラディンの資金援助を得るようになった。9月にはカブールを制圧、アフガニスタン・イスラム首長国の成立を宣言し、北進して北部同盟軍を追いつめた。1997年、イスラム民族運動の本拠地であるマザリシャリフを制圧。9月、ドスタムにマザリシャリフを奪還されたが、1998年8月に再攻略し、アフガン国土の９割を制圧。男性のひげ剃りや女性の就業・就学・娯楽・写真撮影などを禁止したり、女性のブルカ着用義務づけを行ったりした。これらはイスラム法にアフガンの慣習を加えた独自のものである。1998年8月7日、在ケニア・タンザニア米大使館自爆テロ事件でアルカイダの関与が疑われ、アメリカとの関係が悪化。1999年11月の安保理決議1267号に基づくアメリカへのオサマ・ビンラディン引き渡しに応じなかったため、ますます関係が悪化した。2000年10月のコール自爆テロ事件で安保理決議1333が採択されたが、これに基づくオサマ・ビンラディン引き渡しも拒否。2001年9月の同時多発テロでアメリカが不朽の自由作戦を開始すると、首都を放棄して南部山岳地帯やパキスタン国境地域に身を潜めた。麻薬栽培で大量の資金を獲得すると息を吹き返し、2005年頃から勢力を急拡大、2009年からはアフガン全土でテロ攻撃を行っている。2008年10月10日、パキスタンのオクラザイで300kg爆薬積みピックアップ・トラックによる自爆テロを仕掛け、110人を殺害、200人以上を負傷させた。2015年7月、オマル師の死亡を認めた。後継者はMullah Mansour師で、アフガニスタン軍などへの攻撃激化を表明している。参考：月刊軍事研究3,’10、8,’01、11,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タリビー＞：SS-284（潜水艦）またはSSN-597（タリビー級原潜）を参照。

＜タリビー級＞：アメリカ海軍小型対潜攻撃原潜Tullibee級。攻撃原潜の主任務を水上艦攻撃から敵潜水艦基地付近での潜水艦待ち伏せ攻撃に切り替えるにあたって建造された、静粛性・水中運動性向上試験艦である。L/B比の大きい細長い涙滴型潜水艦で、十字舵とセイル・プレーンを持つ。艦首にAN/BQS-6用大型球形ソナードームを備え、艦側面にAN/BQR-7ソナーを搭載、艦上面前部・中央・後部にはAN/BQG-2A測距ソナーの大型フィン状フェアリングを持ち、AN/BQQ-2ソナーシステムで運用する。艦首をソナーに占領されたため、魚雷発射管は艦中央前寄りに装備した。魚雷射撃指揮装置はMk112。静粛化向上を図って減速歯車が要らない原子力ターボ・エレクトリック方式を採用し、異常に静粛な原潜とまで称されたが、電気関連装置にスペースを取られて原子炉を必要以上に小型化せざるを得ず、この推進方式は以後の原潜には引き継がれなかった。また、低速でも静粛性を重視して沿海部で待ち伏せ攻撃を重視する戦術も、攻撃原潜のもう１つの重要任務である高速空母打撃部隊に随伴して護衛を行うことへの応用が利かないことから、採用されなかった。全長83.1m、幅7.1m、吃水6.4m、水上排水量2317トン、水中排水量2607トン。主機は原子力ターボ・エレクトリック方式、コンバッション・エンジニアリング社製S2C原子炉１基・ターボ発電機１基・電動モーター１基１軸2500馬力、水中速力14.8ノット。兵装は533mm魚雷発射管４門（艦中央前寄り下方両舷に２門ずつ。魚雷12本または機雷）。SSN-597タリビーが1960年に竣工した。自艦の静粛性が高いので敵潜水艦をいち早く発見できたが、射撃指揮装置の関係でサブロックを使用できず、実運用に難があった。大洋作戦向きのスレッシャー級が量産されて本級は１隻のみの建造に止まり、1988年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史、ザ・マーチ17号、月刊世界の艦船6,’13、10,’13、2,’10、10,’23

＜タリホー＞：敵発見、を意味するネイティブ・アメリカン語で、突撃せよという意味のコードでもある。参考：コンバット・バイブル２、英独航空決戦

＜ダリャール＞：ソ連の弾道ミサイル探知レーダーで、西側コードはペチョラ（最初の設置された場所の名前）。バイスタティック方式のフェイズド・アレイ・レーダーで、高さ30m・幅40mの送信アンテナ（出力300kWの発振素子が1260個取り付けられている）から波長1.5-2m・出力50MWのVHFを送り、500m離れた場所にある80m四方の受信アンテナで反射波をキャッチする。探知距離はRCS0.01平方メートルで6000km、探知方位角90度前後、同時追尾可能目標数100。アンテナを装着するのは巨大なビルの壁面であり、コンポーネントが4070個もあるため、建造するのに９年間かかるのが欠点。1970年代後半から建設が開始され、ヤマル半島のペチョラと、アゼルバイジャンのカバラに１基ずつが設置されて1980年代後半から稼働を開始した。他に５ヵ所以上に設置する予定だったが、ソ連崩壊で建設と運用がストップしている。1980年代に、クラスノヤルスクで建設していたレーダーはABM条約違反であるとしてアメリカからクレームが付き、1989年に違反であることを認めて1991年から解体を開始したが、これまたソ連崩壊で解体が途中で止まっている。カバラのレーダーは、2002年にロシアがアゼルバイジャン共和国に対して使用再開を申し入れ、年間700万ドルで10年間の契約を結んだ。イランからの弾道ミサイル警戒に適した位置にあるため、アメリカがBMDシステム用レーダーを東欧に配置する計画の代替として米ロ共同利用できないか調べようと2007年にカバラへ調査団を送り込んだが、直接組み込むのは無理と判断された。参考：月刊軍事研究7,’12、10,’07

＜タリン＞：ウラジオストク（カーラ級巡洋艦）またはリュッツオ（重巡）を参照。

＜タリン＞：ソ連海軍68bis-ZIF型巡洋艦Tallin。1953年9月28日起工、1955年5月28日進水。進捗率70.3%で建造中止となり、スクラップにされた。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜ダル＞：2S1自走砲ファミリーを参照。

＜垂井光義＞：日本陸軍エース。大正4年、岡山県生まれ。昭和9年2月、少年飛行兵となり所沢陸軍飛行学校に入校。昭和10年11月卒業、明野で戦闘機戦技教育を受け、岐阜の飛行第１連隊第１中隊に配属となった。昭和14年6月22日、トボス飛行場に進出してノモンハン事件に参加。6月26日、I-15戦闘機２機を撃墜して初戦果を挙げた。9月15日の停戦までに28機を撃墜した。昭和15年12月、航空士官学校に入校し、昭和16年7月に卒業して少尉に任官された。昭和16年12月、太平洋戦争と共に南方に出動。昭和18年4月、中尉に昇進し、飛行第68戦隊に転属となり、ニューギニアのウエワク基地に配置された。P-47含め10機以上を撃墜したが、昭和19年春にアメリカ軍が上陸してきたために航空機を失い、徒歩で退却することになった。8月18日、アメリカ戦闘機の機銃掃射を受けて重傷を負い、北面して天皇陛下万歳を唱え合掌した後、戦死した。総撃墜数38機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜タルーガ＞：アメリカ海軍給油艦。1945年4月16日、菊水３号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ダルース＞：LPD-6（揚陸艦）を参照。

＜タルカシュ＞：F46（フリゲート）を参照。

＜タルキ級＞：LSM-1級中型揚陸艦（エクアドル海軍）を参照。

＜タルゴ＞：イスラエルのエルビット・システムズが開発した戦闘機パイロット用ミッショントレーナーTargo。ヘルメットのバイザーに各種情報を投影する方式で、ドッグファイト含む対空戦闘や対艦戦闘などを訓練することができる。参考：朝雲

＜タルサ＞：CA-129（重巡）またはLCS-16（沿海戦闘艦）またはPG-22（砲艦）を参照。

＜ダルジク＞：トルコのアセルサン社が開発したUUV。推進用プロペラ２基と姿勢制御用プロペラ２基を持ち、水中での機動力が高い。港湾警備や機雷掃討に使用できる。参考：月刊軍事研究8,’09

＜たるしま丸＞：日本海軍特設運送船Tarushima maru。元は昭和13年2月15日に竣工した濱根商店中型貨物船である。垂線間長111.5m、幅16.5m、深さ8.9m、満載吃水7.2m、総トン数4865トン、重量トン数7041トン。主機は蒸気タービン１基１軸3983馬力、航海速力14ノット。最大速力16.7ノット。太平洋戦争勃発で日本海軍に徴用され、特設運送船になった。昭和19年1月16日、佐伯からパラオに向かう途中、沖ノ鳥島北北西300kmでSS-197シーウルフの砲撃を受け損傷し、更にSS-239ホエールの攻撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜ダルシャク＞：A139（測量艦）を参照。

＜ダルシャク級＞：インド海軍測量艦Darshak級。排水量2790トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、速力16ノット。ヘリコプター１機を搭載できる。1964年にA139ダルシャクが竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ダルシュワリ＞：F36（哨戒艦）を参照。

＜ダルタクワ＞：09（哨戒艇）を参照。

＜ダルッサラム＞：06（哨戒艇）を参照。

＜ダルッサラム級＞：ブルネイ海軍哨戒艇Darussalam級。ドイツのリュールセン造船所の輸出用哨戒艦PV80型を導入したものである。船体はステルス性を考慮しており、砲塔も平面構成となっている。対空／対水上レーダーはマストトップのSCANTER4100、FCSレーダーは艦橋上のタレス・ネダーランド社製STINGで、他に航海レーダー２基と対水上レーダー２基を持つ。後部にヘリ甲板があり、S-70クラスのヘリコプター１機が発着艦できる（格納庫は無し）。艦尾には小型ボート（10m級RHIB）発進用とみられる引き込み式のランプドアを持つ。全長80m、幅13m、吃水3.5m、満載排水量1486トン（1625トン？）。主機はMTU社製ディーゼル（MTU4000シリーズ？）２基、速力21.5ノット、航続距離は12ノットで7500海里、行動日数21日。兵装は57mm単装砲１門（艦橋前方甲板室上）、エグゾセMM40連装発射筒２基（艦橋と煙突の間。前方が右舷向き、後方が左舷向き）。艦番号06ダルッサラム、艦番号07ダルレサン、艦番号08ダルラマンの３隻が2011年に竣工し、もう１隻が2014年に竣工した。参考：月刊世界の艦船9,’10、5,’18、4,’11、1,’14、7,’15、10,’17、1,’23

＜タルテュ＞：フランス海軍ヴォークラン級駆逐艦Tartu。1932年竣工。1940年6月13日からヴァード作戦に参加。1942年にツーロンで自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船2,’18

＜ダルド＞：VCC80（歩兵戦闘車）を参照。

＜ダルド・シリーズ＞：イタリア海軍CIWS、Dardo。NA-10射撃指揮装置シリーズ、セレニア／エルサグ社製E/Fバンド捜索レーダー、RTN-10X/-20X追尾レーダー、ブレダ社製70口径40mm連装機関砲コンパクト40またはファスト40を組み合わせたもので、レーダーと機関砲は別の場所に設置する。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス13度からプラス85度。口径40mm、砲口初速毎秒1000m、有効射程4000m、最大射程8700m（12500m？）。発射速度は２門で毎分600発（コンパクト40）／900発（ファスト40）。砲弾は近接信管付きの破片弾で、対艦ミサイルには射距離3000m付近で射撃を開始し、射距離1000mまでに98%を撃墜できるという。ジュゼッペ・ガリバルディ級空母やマエストラーレ級フリゲートなどに搭載された。イタリア以外の海軍も採用している。参考：月刊丸3,’90、月刊世界の艦船2,'21、2,’87、8,’82増刊

　＜ダルドＡ＞：甲板下にも弾倉を設置するタイプ。装弾数440発（本体）＋292発（甲板下弾倉）。参考：月刊世界の艦船2,’21

　＜ダルドＢ＞：甲板下構造を無くし、後付けを容易にしたタイプ。装弾数440発（本体）。参考：月刊世界の艦船2,’21

＜タル・ドクトリン＞：オール・タンク・ドクトリンともいう。第３次中東戦争の戦訓からイスラエルのタル少将が発案したもので、歩兵が身を隠す場所に乏しい砂漠地帯では、歩兵や砲兵の援護無しに戦車部隊のみで突撃できるという考えで纏められた。戦車のみの快速部隊を多数編成し、機動力を最大限に発揮して敵を撃破するというものである。第４次中東戦争では対戦車複合陣地に捕まって多大な被害を出した。参考：歴史群像2,’05

＜タルハ＞：パキスタンの試作装甲兵員輸送車Talha。外見はM113とほぼ同じである。車体はアルミ溶接製で、前部右に操縦手、左に機関室があり、後方は11名乗りの兵員室で、側面上部には銃眼を持つ。NBC防護装置と浮航能力を備える。重量12.5トン。エンジンはアメリカ製275馬力ディーゼル、トランスミッションは３速オートマチック、最大速度70km、燃料容量390リットル、航続距離500km。参考：月刊PANZER11,’02

＜ダルバートン＞：L63（駆逐艦）を参照。

＜ダルバートン＞：イギリス海軍ハント級掃海艇Dulverton。1983年就役。2008年、リトアニア海軍ハント級掃海艇M54クルシスとなった。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜樽運び＞：鼠輸送を参照。

＜ダルフール紛争＞：ダルフールはスーダンの中西部地域で、チャドとの国境地帯にあり、アフリカ系の農耕民族とアラブ系遊牧民が生活している。1988年から大干魃と豪雨、バッタの大発生で大打撃を受けた上、冷戦の崩壊で武器が流れ込み（1998年に国連安保理で禁輸措置が出たが、ロシア、中国、ウクライナが無視）、石油産出地域なのに中央政府から収益配分が無かったため、2003年2月にザガワ族がスーダン解放軍（SLA）、イスラム原理主義者が正義平等運動（JEM）という反政府組織を結成して紛争に発展した。スーダン政府はスーダン内戦で手一杯のため、地元のアラブ系遊牧民武装組織「ジャンジャウイード」に武器を渡して制圧を依頼。ジャンジャウイードはアフリカ系民族に対して虐殺、強姦、略奪の限りを尽くしたため、2004年4月に国連が警告を発する事態となった。同月、チャド政府の仲介で停戦合意が達成され、アフリカ連合の停戦監視団の派遣が決定。5月、国連安保理がスーダン政府にアラブ系民兵の武装解除を要請。6月、国連安保理がPKOの派遣（安保理決議1547号）を全会一致で採択。8月、アフリカ連合の停戦監視団が派遣された。2005年3月、ダルフールで残虐行為を行った者を国際刑事裁判所にかける決議を国連安保理で賛成多数（アメリカ、中国など４ヵ国が棄権）により採択。2006年5月5日、ナイジェリアの首都アブジャでスーダン政府とSLAがダルフール和平合意に署名。しかしJEMとSLAの一部は紛争を続けた。8月、国連安保理でダルフールに国連軍を派遣する決議案（国連決議1706号）を賛成多数（ロシア・中国・カタールが棄権）で採択したが、2005年3月の訴追決議を理由にスーダンの大統領はこれを拒否した。2007年1月、国連事務総長とスーダンの大統領がアジスアベバで会談したが、PKOの派遣に関して合意は得られなかった。4月、スーダンが4000名規模のPKO派遣に同意。6月12日、スーダンが20000名規模の国連・アフリカ連合合同PKO派遣に合意した。7月31日、安保理決議1679号で26000名規模のPKO部隊派遣を決定し、年末からUNAMID（国連合同ダルフール派遣団）が展開した。2009年3月4日、バシル大統領とジャンジャウイード関係者に対する国際刑事裁判所の逮捕状が出たが、大統領は拒否している。ダルフール紛争における犠牲者は国連発表では20万人、スーダン政府発表では９千人以下（戦闘によるもの）とされ、かなりの隔たりがあるが、人口調査や戸籍が皆無の地域なので、正確な数字は将来も不明のままである。参考：月刊軍事研究8,’07、3,’10、3,’13

＜タルヘ＞：CH-54シリーズ（ヘリ）を参照。

＜タルボット＞：APD-7（高速輸送艦）またはDD-114（平甲板型駆逐艦）またはFFG-4（ブルク級護衛艦）を参照。

＜タルボット級＞：マンリー級（高速輸送艦）を参照。

＜タルボット・カウンティ＞：LST-1153（戦車揚陸艦）を参照。

＜タルボット・カウンティ級＞：アメリカ海軍戦車揚陸艦Talbot County級。LST-1級の速力向上型だが、艦首形状はそのままで、造波抵抗が大きく、機関強化で無理矢理速くした。ついでに船体も一回り大きくし、車両甲板と上甲板を繋ぐエレベーターを追加、船倉の換気能力を強化するなどしている。船体後部の艦橋は高さを増し、両舷にウェリン式ダビットを設けてLCVPを２隻ずつ搭載した。全長116m、幅16.5m、吃水4.42m、基準排水量2324トン、満載排水量6000トン。主機はウエスティングハウス社製蒸気タービン２基、主缶はコンバッション・エンジニアリング缶２基、出力6000馬力、２軸推進、速力14ノット、航続距離は10ノットで10000海里。兵装は38口径12.7cm単装両用砲２門、40mm連装機関砲２基、20mm機関砲。乗員181名。兵員165-175名など500トンを搭載できる。LST-1153タルボット・カウンティとLST-1154タラハッチー・カウンティの２隻が1947年と1949年に竣工し、LST-1155が建造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ダルマ＞：九五式小型四輪起動乗用車を参照。

＜ダルマ・ガーディアン＞：陸上自衛隊とインド陸軍の共同実動訓練。初の日印陸軍種による２国間共同訓練で、2017年9月の日印首脳会談と防衛相会談で開催が決まった。参考：朝雲

＜ダルマ・ガーディアン２０１８＞：第１回で、2018年11月1-14日に実施された。陸上自衛隊から東部方面総監を担任官とする第１師団第32普通科連隊第２中隊30名、インド陸軍から第１グルカライフル第６大隊長を担任官とする同大隊30名が参加し、インド東部ミゾラム州にある対内乱・ジャングル戦学校などで、11月1-10日に機能別訓練（対テロ戦訓練。閉所突入、至近距離射撃、市街地戦闘、IED対処など）、11月11-12日に総合訓練（テロリスト捜索・掃討）を行った。空自第１輸送航空隊C-130H輸送機が陸自部隊を現地まで輸送している。11月6日、陸自隊員がインド側から座学教育を受けた後、屋内訓練場で掃討訓練を実施。終了後の意見交換では白熱した議論が行われ、終了予定時間を大幅にオーバーした。11月8日、シルチャル市内のスタジアムやホテルを使用してテロリスト掃討訓練を実施。11月13日、訓練終了式で日印友好の文字が入ったダルマに日印両部隊長が目入れを行った。参考：朝雲、MAMOR vol.145

＜ダルマ・ガーディアン１９＞：第２回で、2019年10月15日から11月5日に実施された。第１師団第34普通科連隊30名、ドグラ連隊第18大隊30名が参加し、ミゾラム州対内乱・ジャングル戦学校などで日印共同対テロ作戦教育、閉所至近距離射撃、総合訓練（１夜２日捜索・撃滅要領）などを行っている。10月19日、訓練開始式を実施。10月30-31日、湯浅陸幕長が訓練を視察し、隊員を激励した。参考：朝雲

＜ダルマ・ガーディアン２１＞：第３回で、2022年2月27日から3月10日、カルナータカ州ベルガウム・コマンドー訓練センターで行われ、第12旅団第30普通科連隊40名、インド陸軍第15マラサ軽歩兵大隊40名が参加し、屋内戦闘射撃、屋外昼夜間戦闘射撃、建物突入、検問、ヘリからの特殊降下に続く市街地戦闘訓練などを行った。部隊と装備は第３輸送航空隊C-2輸送機が運んでいる。参考：朝雲

＜ダルマ・ガーディアン２２＞：令和4年度印陸軍との実動訓練。日本国内で初となるインド陸軍との実動訓練である。2023年2月14日、インド陸軍第５歩兵大隊を乗せたインド空軍第81飛行隊C-17A輸送機１機が小牧基地に飛来し、人員を下ろしてインドに戻った。2月17日から3月2日、饗庭野演習場で、第３師団第36普通科連隊がインド陸軍第５歩兵大隊と対テロ（都市部）に係る各種行動（指揮所活動含む）を実施。3月3日、日印共同訓練シンユウ・マイトゥリ23参加部隊と共に、インド空軍第81飛行隊C-17A輸送機１機でインドに戻った。参考：朝雲、月刊JWings5,’23

＜ダルマ・ガーディアン２３＞：令和5年度印陸軍との実動訓練。2024年2月25日から3月9日、ラージャスタン州マハジャン・フィールドファイアリング・レンジで行われ、第１師団第34普通科連隊40名とインド陸軍第19歩兵大隊40名が参加し、対テロ戦訓練を行った。参考：朝雲

＜ダルマ式自転車＞：オーディナリー型自転車を参照。

＜だるまん＞：群馬地方協力本部のマスコット。高崎だるまをモチーフとしており、2011年度から登場した。緑のリック、白のカイ、青のクーがおり、合体すると赤になるらしい。モットーは七転び八起き。2015年5月23-24日、高崎市の観音山ファミリーパークで2015県民参加フェスタに参加し、募集広報を行った。参考：朝雲、MAMOR vol.165

＜垂水海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、神奈川県藤沢市にある。兵器整備教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜ダルメシアン＞：A129（曳船）を参照。

＜タルラック＞：601（ドック型輸送揚陸艦）を参照。

＜タルラック級＞：フィリピン海軍ドック型輸送揚陸艦Tarlac級。インドネシア海軍ドクター・スハルソ級ドック型輸送揚陸艦とだいたい同じで、インドネシアが建造した。船型は平甲板型で、短い前甲板の後ろに長大な箱型上構があり、艦後部３分の１の01甲板レベルがヘリ甲板となっている。上構中央左右に艦載艇レセスを持つ。上構上面前部にタワーマスト、上面後部左右に煙突がある。全長123m、満載排水量11400トン。主機はディーゼル、速力16ノット。兵装は40mm単装機関砲１門、20mm単装機関砲２門。76mm単装砲と25mm単装機関砲を追加予定である。ヘリ３機、LCU２隻、揚陸部隊500名を搭載可能。艦番号601タルラック、602ダバオ・デル・スルが2016-17年に就役した。もう２隻作る予定。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜ダルラマン＞：08（哨戒艇）を参照。

＜ダルレサン＞：07（哨戒艇）を参照。

＜タルワル＞：F40（タルワル級フリゲート）またはF40（タルワル�T級フリゲート）を参照。

＜タルワル級＞：ホイッドビー級・海外シリーズ（フリゲート）を参照。

＜タルワル級シリーズ＞：インド海軍フリゲート、プロジェクト11356型（1135・6型？）Talwar級。ニルギリ級の後継で、シヴァリク級が完成するまでの穴埋めとして採用された。ロシアのクリバック�V級をステルス仕様にしたもので、全てロシアで建造された。参考：月刊軍事研究9,’01、6,’05、8,’04、4,’01、11,’08、7,’09、1,’11、4,’11、JShips Vol.24、月刊世界の艦船9,’10、2,’16、7,’21

＜タルワル�T級＞：Talwar�T級。進水は予定通りに行われたが、シュチル艦対空ミサイルシステムを入手できず就役が２年以上遅れ、取り敢えずカシミール／ウーラガンを搭載した。全長125.3m、排水量3680トン、満載排水量4035-4100トン。主機はCOGAG方式で、DN-59ガスタービン２基・UGT6000ガスタービン２基２軸60000馬力、最大速力32ノット、航続距離4850海里（14ノット）。兵装は3M54E1クラブＮ艦対艦ミサイル（3M54TE？）８セルVLS１基（３番艦はPJ-10ブラーモス説あり）、カシミール／3K90ウーラガン艦対空ミサイル単装発射機１基、59口径100mm単装砲A190Eプーマ１門、イグラ1E４連装発射機２基、カシュタン艦対空システム２基、RBU6000対潜ロケット発射機１基、533mm連装魚雷発射管PTA-53（DTA-53？）２基。Ka-28（Ka-31？）またはドゥルブ対潜ヘリ１機を搭載できる。艦載戦闘システムはトレヴァバーニエ（条件の意）で、三次元捜索レーダーとしてフレガットM2EM、対水上目標用レーダーとしてフルケOTHレーダー、SAM用射撃指揮レーダーとしてMR-90を装備する。VDSはSSN-137。乗員180名。１番艦F40タルワル、２番艦F43トリシュル、３番艦F44タバーの３隻が2002-03年（2003-04年？）に就役した。後に艦対空ミサイルをシュチル１に換装している。参考：月刊軍事研究9,’01、6,’05、8,’04、4,’01、11,’08、7,’09、4,’11、JShips Vol.24、月刊世界の艦船9,’10、6,’15、1,'15増刊、12,’18、7,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タルワル�U級＞：Talwar�U。�T級の改良型で、対艦ミサイルをブラーモスに、艦対空ミサイルシステムをシュチルに、CADS-N-1をAK-630に換装した。FCSは216目標同時対処能力を持つトレヴァーニエＥで、フレガットMA三次元捜索レーダー（フレガットM2EM？艦橋上マスト）、ガルプンＢ対水上捜索レーダー（艦橋上面前部）、ポジティーフＥ対水上目標捜索射撃指揮レーダー、MR-331対水上レーダー（ヘリ格納庫上）、5P-10-01レーダー方位盤（艦橋上面中央）、MR-90レーダー方位盤４基などを装備する。電子戦装置はロシア製TK-25E-5で、ECM、ESM、PK-10/KT-216デコイ発射機４基を統合している。全長124.8m、幅15.2m、吃水4.7m、満載排水量4100トン。主機はCOGAG方式、ウクライナ製M7N.E（DS-71？）巡航用ガスタービン２基＋DT-59ブースト用ガスタービン２基、出力60076馬力、２軸推進、最大速力32ノット、航続距離4850海里（14ノット）。WCM800/5ディーゼル発電機を搭載する。兵装はブラーモス対艦ミサイル用８セル垂直発射機3S14が１基（艦橋直前の上構前部）、シュチル用9M317/9M317M艦対空ミサイル単装発射機１基（100mm砲とVLSの間）、100mm単装砲A190E１門（前甲板）、AK630CIWS２基（ヘリ格納庫両舷）、533mm連装魚雷発射管DTA53が２基（上構内両舷）、RBU6000対潜ロケット発射機１基（VLS後方）。ドゥルブまたはKa-28へリックスＡヘリ１機を搭載可能。乗員190名、最大220名。１番艦F45テグは2007年7月27日に起工し、2011-2012年に３隻が竣工する筈だったが、ロシアのヤンタル造船所のインフラが貧弱で建造が遅れており、兵装や電子装備をインド向けに改造するのにも手間がかかり、費用も当初計画の14億1000万ドルからインフレやドル下落を理由に１億ドル以上値上げされるとみられ、就役は2012年になった。２番艦F46タルカシュは2012年11月9日、３番艦F51トリカンドは2013年6月29日に就役した。2014年末に対潜能力強化のためアトラス・エレクトロニクス社製ACTASS低周波アクティブTASSを搭載することを決めた。参考：月刊軍事研究12,’15、9,’01、6,’05、8,’04、4,’01、11,’08、7,’09、1,’11、JShips Vol.24、月刊世界の艦船8,’12、9,’10、6,’11、10,’13、6,’15、5,’17、2,’19、9,’21

＜トゥシル級＞：Tushil級。バッチ３として３隻の追加調達を検討しているとされ、2016年10月には４隻建造で合意したといわれたが、価格が高すぎて揉めたらしく、2018年10月27日に２隻を９億5000万ドルでロシアのヤンター造船所に発注した。36-48ヶ月後に引き渡す計画で、時間が無いため、建造中のロシア海軍向けアドミラル・グリゴロヴィッチ級４番艦アドミラル・ブタコフと５番艦アドミラル・イストミンを振り向け、トゥシル及びタマラと改称している。2019年1月25日にインドのゴア造船所に２隻を発注（ライセンス生産）しており、１隻目（３番艦）は2021年1月29日、２隻目（４番艦）は2021年6月18日に起工された。１番艦トゥシルはヤンター造船所で2021年10月28日に進水している。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜タルワル型・海外シリーズ＞

　＜アドミラル・グリゴロヴィッチ級＞：ロシア海軍プロジェクト11356MフリゲートAdmiral Grigorovich級、NATOコードはクリヴァク�W（Krivak�W）級。新冷戦や中東情勢を鑑み、黒海艦隊の近代化と勢力増強が課題となったため、タルワル級をロシア海軍向けに改修して開発期間を短縮、急速配備することにしたものである。船体・上構は鋼製で、船型は中央船楼型、艦尾まで続くナックルラインより上の舷側を船体下部と逆傾斜にし、船体側面と上構側面を面一とし、艦首部に揚錨機を隠すブルワークを設置、艦対空ミサイル発射機をVLSに換装し、艦橋上面のマスト２本をタワー型にするなどステルス性を考慮したが、艦橋上面とマストに複雑な形状のレーダー・アンテナ類を満載し、艦橋後方にはラティスマストも１本立っていて、全てを台無しにした感がある。巡航用ガスタービンとブースト用ガスタービンを１基ずつ纏めたM7N1パッケージを２セット搭載し、それぞれ推進軸１軸を駆動する。煙突は１本。タワーマスト頂部にフレガットM2EM三次元対空捜索レーダー（フレガットME2M？フレガットMEM？）、艦橋上にガルプンＢ（ポジティブＥ？）対水上捜索レーダー、ヘリ格納庫上にMR-331ミネラルＭ水上捜索レーダー、他にMR-212航海レーダーを装備する。戦術情報処理装置はトレバヴァーニエＭまたはシグマ。射撃指揮レーダーは主砲用が5P-10-01（5P-10E？）２基（１基？）、シュチル１用がMR90オレフ４基、AK-630MがMR-123-02。VDSはSSN-137。艦後部にヘリ格納庫とヘリ甲板を持ち、動揺抑制のためフィン・スタビライザーを装備する。全長124.8m、幅15.2m、吃水4.2-4.6m、基準排水量3620トン、満載排水量4035トン。主機はCOGAG方式、巡航用UGT6000ガスタービン（8314馬力。DS-71、8450馬力？）２基＋ブースト用DN-59ガスタービン（21744馬力。DT-59アフターバーナー付、22000馬力？）２基、出力60116馬力（60900馬力？64070馬力？56000馬力？）、２軸推進、最大速力32ノット、航続距離4850海里（14ノット）／4500海里（18ノット）、最大航続日数30日。発電機はWCM-800ディーゼル発電機（800kW）４基。兵装は100mm単装砲A190-01が１門（前甲板）、9M317ME用12セル角型垂直発射機3S90M（主砲後方。3S14U1後方？）２基、3M55オニクス／カリブルNK用８セル垂直発射機3S14U1UKSK（3S90後方01甲板レベル。主砲後方？）１基、RBU6000対潜ロケット発射機１基（艦橋直前01甲板レベル）、533mm連装魚雷発射管DTA-53-1136-2（SET-65E、53-65E魚雷用）２基、AK630M２基（格納庫両舷）。自衛装備として、PK-10デコイ発射システム用KT-216ランチャー４基とTK-25ECM/ESMを装備する。Ka-27PL対潜ヘリまたはKa-28またはKa-31空中早期警戒ヘリ１機を搭載可能。乗員190名（180名？うち士官18名）で、他に20名の海軍歩兵を収容可能。黒海艦隊向けに１番艦アドミラル・グリゴロヴィッチ、２番艦アドミラル・エッセン、３番艦アドミラル・マカロフ、４番艦アドミラル・ブタコフ、５番艦アドミラル・イズトミン、６番艦アドミラル・コルニロフの６隻を建造予定で、１番艦は2010年、４番艦は2013年7月、５番艦は2013年11月に起工され、2016年から就役した。2015年7月1日、ウクライナからガスタービンが入手出来なくなったため、４番艦以降の建造を停止すると海軍総司令官が発表した。ただウクライナが担当しているのは一部部品生産と最終組立なので、パーツの大部分はロシアが生産しており、NPOサトゥルンで代替主機のM70FRUとM90FRを開発して完成させる予定だが、2019-20年までかかるので、主機以外を完成させて他国に輸出し、その国がウクライナから主機を輸入して竣工させてもらう計画も立て、面倒なのでインド海軍に輸出するという説も出ている。2017年6月に主機開発の見込みが立ったため工事を再開したようで、4-6番艦は2020-21年に竣工する予定だったが、4-5番艦はインド海軍に売却され、竣工時期が2022年に延びた。６番艦もインド海軍向けになるかもしれない。参考：月刊世界の艦船11,'21、3,’16、6,’15、10,’17、6,’19、8,’13、4,’13、9,’15、11,’15、5,’16、10,’16、11,’16、2,’17、3,’18、月刊軍事研究10,’17、10,'15、10,’13、10,’11、5,’11、9,’11、4,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タルン＞：フランス海軍ラドゥール級運送艦Tarn。1942年12月、ビゼルトで枢軸軍に接収され、ジェノアに曳航された後、イタリア海軍FR.85となった。1943年9月、ジェノア港で自沈。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜タルンマッテ＞：ドイツ軍が第２次大戦時に使用した電波吸収材Tarnmate、秘匿名称ズムプフ（沼）。合成ゴムに酸化鉄の粉を混ぜ込んだもので、271型レーダーの9.7cm波長に対応する。タイル状にしてＵボートのシュノーケルや艦橋を覆った。参考：Ｕボート入門、月刊丸5,’07、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜タレク＞：901（潜水艦）を参照。

＜タレク級＞：877EKM型潜水艦（イラン）を参照。

＜ダレス工作＞：太平洋戦争終戦工作の１つ。ドイツ駐在海軍武官だった藤村中佐が昭和20年2月末にスイス駐在海軍武官に転勤となり、スイスで日本海軍購買エージェントとして勤務していたフリードリッヒ・ハック元ドイツ極東顧問とベルンで会合し、和平工作を具体化することになった。ハックはダレス機関（ダレスが総局長を務めていたアメリカのOSSのこと）とパイプを築いており、4月末に藤村中佐がダレス機関メンバーと会談、5月3日にアメリカ国務省から日米直接和平交渉に関してアメリカ側は問題無いという返答が届いた。これを受けて5月8日から藤村中佐は海軍大臣及び軍令部総長に向け和平交渉に関する電報を送り続けたが、海軍中央は判断を避けて6月中旬に電報を外務省に回してしまったため、当事者以外に秘密が漏れたとして工作は打ち切られた。参考：太平洋戦争情報戦

＜タレス社＞：フランスの軍事用電子システム開発企業Thales。トムソンCSF社が2000年12月に名称変更したものである。2006年にドイツのディール社と提携、ディールエアロスペースを設立。2007年、アメリカのDRSテクノロジー社とDRSセンサーシステムを設立し、ソナーなどの水中センサーシステムを生産している。また、アルカテルの衛星通信事業子会社なども買収した。2002年からDCNとの関係強化に乗り出し、2007年4月にDCNSに資本参加した。日本にはタレス・インターナショナル・ジャパンがあり、自衛隊に各種電子機器を納入している。参考：月刊世界の艦船6,’05、月刊軍事研究9,’07、11,’07

＜タレス・ネーデルランド社＞：Thales Nederland社。オランダのシグナール社がタレス社に吸収されて社名変更したものである。参考：月刊軍事研究8,’11、月刊世界の艦船3,’22

＜多連装ロケットシステム＞：MLRSを参照。

＜多連装ロケットシステム指揮装置＞：MLRSの射撃指揮を行うための装置で、陸上自衛隊の野戦特科部隊が装備する。野戦地図や状況図がコンピュータ・モニター上に表示され、迅速な射撃統制が可能である。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜多連装ロケットシステム自走発射機用故障探求アダプタセット＞：自衛隊の機器。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究5,’15

＜多連装ロケットシステム自走発射機用鉄履帯＞：自衛隊のMLRS用履帯。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜多連装ロケットシステム自走発射機用ボードチェッカ＞：自衛隊の機器。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究5,’15

＜タレント＞：P322（Ｔ級潜水艦第２グループ）またはS-92（トラファルガー級原潜）を参照。

＜打撈型＞：922型シリーズ（潜水母艦）を参照。

＜タロス・シリーズ＞：アメリカ海軍長距離艦対空ミサイルTalos。バンブルビー計画により開発された3Tミサイルの１つである。1948年からベンディックス社で開発され（ラムジェットエンジンの予備研究は1945年3月から開始）、プロトタイプのXSAM-N-6は1952年10月に飛翔成功、同年目標撃墜にも成功した。要求変更が繰り返され、ラムジェットエンジンや誘導装置の開発にも手間取り、1958年に制式化されたが、完全実用化は1959年までずれ込んでいる。艦対地ミサイルとしても使用可能。目標照射レーダーはAN/SPG-49、目標追尾・ミサイル誘導レーダーはAN/SPG-56である。ロングビーチとCLG６隻に搭載され、ミサイル巡洋艦ガルヴェストンから海上で初めて発射された。1962年の１発あたり撃墜率は48%とされる。ベトナム戦争中にロングビーチが60海里先のMiG戦闘機を撃墜している。大型で搭載艦が限られること、低空目標に対処できないことから、1979年に退役した。参考：月刊軍事研究5,’03、6,’93別冊、ザ・マーチ23号、アメリカの核兵器、月刊世界の艦船5,’86、11,’17

　＜ＳＡＭ−Ｎ−６＞：1951年に飛翔に成功した試験飛翔体（XPM: Experimental Prototype Missile）。参考：月刊軍事研究5,’03

　＜ＳＡＭ−Ｎ−６Ｂ＞：初期型で、後にRIM-8Aと改称された。全長5.8m／9.53m（ブースター込み）、直径0.76m、翼スパン2.9m、重量1.225トン／3.175トン（ブースター込み）。推進は固体燃料ロケットブースター＋ラムジェットエンジン、最大速度マッハ2.5。誘導はビームライディング＋終末セミアクティブ・レーダーで、ミサイル先端にレーダーアンテナ４本が付く。弾頭はW30核弾頭（５キロトン）。信管はVT信管。射程93km（105km？）。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究5,’03、6,’93別冊、アメリカの核兵器

　＜ＲＩＭ−８Ａ＞：SAM-N-6Bを改称したもの。参考：月刊軍事研究5,’03

　＜ＲＩＭ−８Ｄ＞：弾頭はW30核弾頭（５キロトン）。射程185km。終末誘導の必要が無いので、レーダーアンテナは付いていない。1960年に実用化された。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究5,’03

　＜ＲＩＭ−８Ｅ＞：核弾頭と通常弾頭のコンパーチブル型。参考：アメリカの核兵器

　＜ＲＩＭ−８Ｇ＞：1966年頃に開発された射程延伸型。全長9.53m、ブースター除き6.4m、弾体直径0.76m、翼スパン2.9m、発射重量3.175トン。誘導は中間がレーダービームライディング、終末がセミアクティブレーダーホーミング。最大速度マッハ2.5、最大射高26.5km以上、射程185km。参考：ザ・マーチ23号、月刊軍事研究5,’03

　＜ＲＩＭ−８Ｈ＞：対艦用のパッシブレーダーホーミング型で、核弾頭装備型もある。大型かつ高速なので、通常弾頭でも16インチ砲弾より威力が高かったらしい。参考：ザ・マーチ23号、月刊世界の艦船2,’16

　＜ＲＩＭ−８Ｊ＞：RIM-8Gの誘導システム改良型。射程241km。参考：ザ・マーチ23号、月刊世界の艦船5,’86

＜タロン＞：T-38シリーズ（練習機）を参照。

＜タロン＞：アメリカ陸軍の爆発物処理用小型ロボットTalon。フォスター・ミラー社（後にキネティック・ノース・アメリカ社）が開発した。装軌式UGVで、長さ1.6mのカメラ付き２段折り畳み作業アームを装備しており、車体後部には高さ1mの全周旋回式マストがあって、カメラや照明を搭載できる。カメラは赤外線カメラ３基と光学カメラ１基が用意されていて、光学12倍・デジタル25倍の300倍ズームが可能。全長864mm、全幅572mm、高さ427mm（マニピュレータ除く）、重量52kg、全備重量72kg、ペイロード45kg、牽引力91kg。バッテリー・モーター駆動の装軌式で、最大速度は時速8.3kmまたは毎秒1.8mの切り替え式、行動時間は２時間（オプションバッテリーで4.5時間）。有効距離800-1200mのスーツケース型遠隔無線操縦装置による無線誘導か、有効距離5000mの光ファイバー有線誘導で操縦される。コントローラーは406mm×483mm×229mmの大きさで、重量15kg。使用周波数2.4GHz。2000年にボスニアに投入され、不朽の自由作戦やイラクにも投入されてIED処理にあたっている。東日本大震災の福島第一原発事故でも暗視カメラと放射線量測定器を装着して任務をこなした。SWORDS武装システムを搭載する武装型や、化学兵器の偵察や検知に使用するHAZMATもある。参考：月刊軍事研究2,’17、12,’11、6,’07、4,’05、月刊グランドパワー3,’05、月刊PANZER8,’10

＜タロン＞：レイセオン社がUAEのEAI（Emirates Advanced Incestments）社と2008年から共同開発した70mm誘導ロケット弾。70mmFFARハイドラ70にセミアクティブ・レーザー誘導装置とフィン制御キットを搭載したものである。2013年にUAE軍が調達を決定し、2014年9月15日から全規模量産中。参考：月刊軍事研究3,’15、5,’11

＜タロンＨＡＴＥ＞：アメリカ空軍とボーイング社ファントム・ワークスが開発中のデータ中継ポッド。F-22A専用の編隊内データリンク（IFDL）とリンク16を中継できるようにするもので、IFDLとMIDS-JTRSを両方搭載する。大型なので胴体下中央パイロンにしか積めないという欠点がある。全長5.18m、重量1800ポンド。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊航空ファン8,’17

＜タロン・シールド＞：TMD構想第一段階として実用化された野戦防空部隊用情報処理システム。早期警戒衛星からの情報を直接現場の防空部隊が利用して迅速に弾道ミサイルに対処することができる。これに沿って1995年からアメリカ陸軍で野戦早期警戒部隊が立ち上げられている。参考：月刊軍事研究11,’98

＜タワー型マスト＞：マストを参照。

＜タワー・シミュレータ＞：航空自衛隊の管制塔シミュレータ。模擬管制卓の前面に120インチスクリーンが５枚設置されており、国土交通省航空交通管制職員基礎資格の受験課目である飛行場管制実習に必要な基礎的知識と技能の習得に使用される。航空保安管制群の航空保安管制競技会にも用いられる。参考：MAMOR vol.135

＜タワーズ＞：DDG-9（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜タワカルナ機械化師団（デザート・セイバー作戦時）＞：兵力14000名で、T-72戦車220両、BMP-1/2歩兵戦闘車284両、野砲126門、多連装ロケット弾発射機18両を装備する。隷下には第18機械化旅団、第29機械化旅団、第９戦車旅団、師団砲兵旅団、工兵大隊、偵察大隊、防空砲兵大隊を置き、クウェート西部のイラク−クウェート国境沿いに、第12戦車師団と共に南北60kmにわたり防御陣地を敷いていた。主陣地前方8kmに増強大隊程度の戦力を持つ警備部隊を置き、主陣地には中隊から大隊規模の戦闘陣地を三角陣地として縦深10kmに並べ、後方に火力支援を行う砲兵陣地を配置。兵站部隊の規模は小さいが、IPSAパイプライン道路を使って兵站集積を実施した。アメリカ第１歩兵師団／第２機甲騎兵連隊戦区の正面には第18機械化旅団を主力とする戦車大隊６個と機械化大隊４個、アメリカ第３機甲師団戦区の正面には第29機械化旅団、第９戦車旅団、第12戦車師団第46機械化旅団を主力とする戦車大隊４個と機械化大隊５個を配置していた。1991年2月26日夕方から73イースティングの戦いに突入。参考：月刊軍事研究3,’09

＜タワカルナの戦い＞：73イースティングの戦い（第１機甲師団）を参照。

＜ダワ党＞：1956年ないし58年に創設されたイラクのシーア派組織で、代表はアリフ・バスリ、精神的指導者はムハマド・バクル・サドル導師であった。1980年に当時の代表だったサイード・カデム・ハイリがイランに亡命してからはテヘランを本拠地に活動した。シャヒード・アル・サドルという軍事部門を持つ。参考：月刊軍事研究4,’05

＜タン＞：Br.1001（軽攻撃機）を参照。

＜ダン＞：ロシアの標的機で、貢ぎ物の意味。全長4.6m、全幅2.68m、全高0.82m、離陸重量395kg。エンジンは垂直尾翼基部のMD-120ターボジェット（推力120kg）で、最大速度710km。発進用に固体燃料ブースターを使用する。飛行高度50-9000m、マイナス3Gからプラス9Gの機動が可能で、航続時間40分、航続距離300-400km。パラシュートで回収される。飛行制御はプログラムまたは無線誘導。参考：月刊軍事研究1,’00、12,’04

＜団＞：中国軍の部隊単位で、連隊に相当する。参考：月刊軍事研究5,’16

＜団＞：陸上自衛隊の部隊の１つで、英訳はBrigade。師団或いは方面隊の作戦支援か、師団後方地域の方面管内の人事・兵站を行うのが主任務である。1-3個群／大隊及び他の部隊から編成される。第１空挺団、第１戦車団、第１特科団、高射特科団、混成団、施設団、第１ヘリコプター団、富士教導団がある。参考：日本の防衛戦力Part1、日本の戦力

＜短八サンチ砲＞：短十二斤速射砲を参照。

＜短十二斤速射砲＞：日本海軍の艦砲。口径長28、砲口初速毎秒488m。参考：日本駆逐艦史

＜短二〇センチ砲＞：日本海軍が太平洋戦争末期に製造した砲で、12口径と短砲身であり、戦時標準船に搭載したり沿岸防御に使用したりする目的で開発した。砲身が薄いので装薬を強くできず、威力は低い。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜ダンＭ＞：ロシア空軍標的機で、ダンの改良型。設計はソコル実験的設計局である。エンジンの燃焼効率を高め、飛翔時間を70分に、最大航続距離を680kmに伸ばした。離陸重量は375kgに軽減された。2005年から量産予定。参考：月刊軍事研究12,’04

＜短ＳＡＭ＞：81式短距離地対空誘導弾シリーズを参照。

＜短ＳＡＭ（改�U）＞：陸上自衛隊が81式短距離地対空誘導弾（改）の後継として2005年から開発した地対空ミサイル。６輪トラックの荷台に４基のミサイルキャニスターを横一列に並べたランチャーを搭載したもので、空対地ミサイルや巡航ミサイルにも対処できるという。11式短距離地対空誘導弾として制式化された。参考：月刊軍事研究11,’10、月刊PANZER2,’11

＜短ＳＡＭシステム３型＞：FCS-3（ひゅうが型）を参照。

＜短ＳＡＭシステム３型Ａ＞：FCS-3Aを参照。

＜短ＳＡＭシステム３型瞬停対策化器材＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜短ＳＡＭシステム３型等の機能性能向上機材＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜短ＳＡＭシステムＥＳＳＭ化器材（ＦＣＳ）＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜短ＳＡＭシステムＥＳＳＭ化器材（ＦＭＳ）＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜短石屑匙＞：日本陸軍の石工器材。参考：工兵入門

＜単一統合空域状況図＞：Single Integrated Air Picture（SIAP）。各センサーが探知した対空目標情報を統合して１枚の空域マップ上に表示したもの。味方部隊の各ユニットが共有することで、的確な状況認識が行える。移動中のものも含めて各センサーの位置を把握し、捉えた相対的な目標位置を地図上の絶対的な位置に置き換え、各センサーで探知した目標が同一か別個かを判断し、空域マップと統合、各ユニットに配布するまでをほぼリアルタイムで実行する必要がある。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜単一半径方式＞：シングル・ラディアス方式を参照。

＜短延期信管＞：信管を参照。

＜淡黄薬＞：日本陸軍の混合爆薬で、RDX、TNT、テトリルからなる。アメリカ軍のPTX-1と同等。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜短靴＞：陸上自衛隊の革靴（女性自衛官はパンプス）。常装の際に履く。参考：MAMOR vol.137

＜タンガ＞：ドイツ海軍魚雷艇母艦。排水量2620トン。速力17.5ノット、兵装は10.5cm単装高角砲２門。1936年起工、1937年進水、1938年竣工。終戦後はアメリカに引き渡され、1948年にデンマークに引き渡されてエージル（エギール？）となった。参考：写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション44

＜ダンカー訓練（陸上自衛隊ＡＡＶ７ＲＡＭ／ＲＳ）＞：陸上自衛隊AAV7RAM/RS搭乗要員の緊急脱出訓練。水上航行時に水没した事態を想定したもので、プールの真ん中に兵員室を再現した訓練用ユニットがクレーンで吊り下げられており、搭乗要員を座らせた状態で水没・回転させ、脱出訓練を行う。海中や海面に漂う油などで失明する恐れがあるため、水中で装備を外し、緊急呼吸装置を咥え、天井のカーゴハッチや後面ドアなどを開けて脱出し、海面に顔を出すまでを目を瞑ったままで行わなければならない。参考：MAMOR vol.158、vol.159

＜タンカーズ・オーバーオール＞：アメリカ軍の使用する、ワンピースの制服の通称。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜段階的放射線爆縮爆弾＞：水素爆弾を参照。

＜段階的有効性向上＞：PIAを参照。

＜単殻構造＞：潜水艦の船体構造の１つで、耐圧船殻が船体の大半で外部に露出した構造のこと。バラストタンクは船殻内部に搭載するか、耐圧船殻前後の外側に用意する。ソナーやプロペラシャフトは耐圧船殻の外に出さないといけないので、船体前後は耐圧船殻の外に鋼板を張って非水防部とし、その中に収容する。船体を細くでき、頑丈な船殻内部に全ての構造があるので衝突には強いが、予備浮力が少なく、被弾には弱い。船体側面装備フランクアレイソナーの性能を損なわないため、近年ではこちらのタイプを採用する艦が増えている。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船10,’16、月刊軍事研究8,’06、現代の潜水艦

＜段隔螺式閉鎖機＞：閉鎖機を参照。

＜炭化ケイ素繊維複合材＞：ポリカルボシラン（ケイ素の一種）入りポリマーを過熱して糸状に加工し、不融化処理後に一次焼成で炭化させ、二次焼成で結晶を育てて目的の形状にした炭化ケイ素連続繊維を、セラミック複合材に加工したもの。金属素材の３分の１の重量で２倍の強度と２割増しの耐熱性を誇り、ガスタービンエンジンの金属素材を置き換えることもできる。参考：月刊航空ファン12,’16

＜丹霞山＞：934（072�U型揚陸艦）を参照。

＜炭化タングステン＞：タングステンと黒鉛の粉末を加熱し、チタン、タンタル、コバルトなどの粉末を圧縮して成形、1000-1500度で1-2時間加熱して製造する。タングステン合金と同じく、徹甲弾の材料として使用される。硬度はタングステン合金よりも上だが、加工が難しい。また、ウゴニオ弾性限界を超えると硬度は貫徹力にあまり関係なくなるので、メリットが薄い。参考：月刊PANZER12,’04

＜担克＞：中国語で戦車のこと。タンクの当て字。参考：月刊グランドパワー6,’04

＜弾火薬庫鍵入鍵箱鍵入鞄＞：弾薬庫を開ける鍵を入れておく鍵箱を開けるための鍵をしまう小さな革製の鞄で、日本海軍の副直将校が管理している。ややこしい名前だが、訓練や実戦の際に弾庫や火薬庫を開けるための鍵を出すのに必要な大事な道具なので、新兵もさっさと覚えないと制裁を喰らう。参考：続海軍よもやま物語

＜ダンカン＞：D37（45型駆逐艦）またはD99（Ｄ級嚮同駆逐艦）またはDD-485（リバモア級駆逐艦）またはDD-874（ギアリング級駆逐艦）またはFFG-10（O.H.ペリー級フリゲート）を参照。

＜弾丸＞：発射という衝撃に耐え、目標まで高速で安定しながら飛翔する物体で、弾薬の構成要素の１つ。普通弾、ダムダム弾、徹甲弾、榴弾、焼夷弾、曳光弾、照明弾、発煙弾など様々な種類がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、MAMOR vol.132

＜単眼合致式測距儀＞：基線長式測距儀を参照。

＜単眼型レーダー＞：アンテナが１つのレーダー。焦点に置いた１つの輻射源から電波を発射し、パラボラアンテナなどで反射させて指向性を持たせたレーダー波を作り出すものである。参考：月刊軍事研究2,’04

＜弾丸切手＞：戦時郵便貯金切手のことで、昭和17年6月に販売が開始された。１枚２円で、販売期間終了後に１等1000円などの当選を決める抽選が行われる。切手は５枚１組で郵便貯金に預けることができるが、利子は付かない。売り上げは国債を償還するために使用された。参考：軍事用語の基礎知識

＜短機関銃＞：サブマシンガンを参照。

＜短機関銃＞：自衛隊の火器。JALUXが受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜短機関銃用９ｍｍ普通弾＞：自衛隊の短機関銃弾。JALUXが受注している。参考：月刊軍事研究6,’08

＜短期現役士官制度＞：日本海軍が大正14年に制定した制度で、大学や高専の学生を卒業後に士官候補生として採用し、所定の教育を行って少尉や中尉に任命、軍務に２年間服役させるものである。服役後は現役に留まることも、民間に復帰することも可能。軍医科と薬剤科で開始され、昭和15年2月には造船、造機、造兵、主計にも適応された。参考：海軍技術研究所

＜タン級＞：096型原潜を参照。

＜短魚雷＞：長魚雷に比べて長さの短い軽魚雷（Light Weight Torpedo）を指す海上自衛隊用語。主に対潜魚雷として使用されるが、水上艦を攻撃することも可能である。航空機から投下したり、艦艇の水上発射管から射出したりする。誘導はパッシブ・ホーミングだが、自己のエンジン音に惑わされないよう、静粛な蒸気タービン（エネルギー源はリチウム）を使用するようになった。弾頭は成形炸薬で炸薬重量100kg以下が多く、二重船殻の潜水艦を貫徹できるよう、円周同時起爆が可能なブースタープレートを組み込んで爆轟衝撃波がライナーにあたる角度を大きくして成形炸薬弾頭の貫徹能力を向上させ、ライナーの厚みを工夫してスタンドオフを10口径以上とし、スラグを中心軸から逸らすためライナー形状を調整してある。速力は低速と高速の２段切り替えにしていることが多く、低速では30分くらい航走できるが、高速では５分程度で、潜水艦から２海里以内くらいのごく至近に投下しないと届かない。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊世界の艦船10,’17、月刊JWings2,’02、月刊丸2,’12、空軍

＜短魚雷落射機＞：海上自衛隊の短魚雷発射機で、アメリカのMk2/Mk4短魚雷落射機が供与されたものだが、Mk2とMk4の違いは不明。格納架台からMk32短魚雷を固定架台に移し、高圧空気（７気圧）でアームを回転させて甲板外7mに放り投げる装置である。重量300kg。あやなみ型、むらさめ型、あきづき型、いすず型前期、あまつかぜ型、はるかぜ型改装後、うみたか型前期、みずとり型前期、あづま型に装備された。護衛艦では移送軌条に４本ほど魚雷を載せて次発にしており、駆潜艇では移送軌条でなく独立架台を２基装備してその上に次発魚雷を載せている。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船3,’10、丸スペシャルNo.76、自衛隊装備カタログ1981

＜短距離弾道ミサイル＞：SRBM（Short Range Ballistic Missile）と略す。短射程弾道ミサイルともいう。射程1000km以下の弾道ミサイルのことである。弾道最高点は100-200km、着弾までの時間は軌道にもよるが5-10分、再突入速度は毎秒1-3km。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究10,’07、12,’10、月刊JWings12,’03

＜短距離発艦拘束着艦＞：STOBARを参照。

＜短距離離着陸機＞：STOL機を参照。

＜短距離離陸垂直着陸＞：STOVLを参照。

＜タンク＞：戦車を表す英語Tank。第１次大戦時、イギリス軍が水タンクと偽って戦車を開発・輸送したことに由来する。最初はロシア向け水運搬車（Water Carrier）という名称にしたが、頭文字を取るとトイレ（WC）開発委員会の略と同じになってしまうので、こうなった。現在はバトルタンクや、メインバトルタンクと言われることも多い。参考：異形戦車ものしり大百科、歴史群像12,’03、日本戦車隊戦史

＜タング＞：SS-306（潜水艦）またはSS-563（タング級潜水艦）またはSSN-806（ヴァージニア級原潜）を参照。

＜タング級＞：アメリカ海軍潜水艦Tang級。第２次大戦後の初設計艦で、ドイツＵボート�]�]�T型の資料を基に開発した水中高速潜水艦である。耐圧船殻はHY80高張力鋼製複殻式（艦尾だけ単殻）。潜舵は艦首に艦内引き込み式で装備した。ソナーはAN/BQR-2/-4とAN/BQR-3攻撃用旋回式パッシブソナーで、艦首底部と前甲板（BQR-3用）にソナードームを持つ。対潜パッシブソナーはドイツの技術をベースとしている。シリンダーを縦に重ねたGM式ディーゼルを搭載して機関区画を短縮したが、不調に悩まされたため、5-6番艦は船体を2.75m延長して新型主機を積み、ついでにセイルも段無しの新型にした。1-4番艦も就役後に同様の改装を受けている。全長82m、最大幅8.3m、吃水5.5m、水上排水量1821トン、水中排水量2260トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM式16-338型16気筒２サイクルディーゼル（SS-567とSS-568はフェアバンクスモース式8-38A6-3/4S型対向ピストン型ディーゼル）３基・エリオット式主発電機３基・エリオット式電動機（SS-565とSS-566はGM式、SS-567とSS-568はWH式）２基、水上出力3400馬力、水中出力4700馬力、２軸推進、水上速力15.5ノット、水中速力18.3ノット、エレクトリック・ストレージ・バッテリー社製ガピー型蓄電池126セル４群計504セル、航続距離11500海里（水上10ノット）、航続時間43時間（水中３ノット）。安全潜航深度213m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首６門、艦尾２門。魚雷26本）。SS-563タング、SS-564トリガー、SS-565ワフー、SS-566トラウト、SS-567ガジョン、SS-568ハーダーの６隻が1951-52年に就役した。1967年、４隻が改装を受け、船体を4.6m延長し、BQG-4測距・方位測定ソナーを追加、艦首とセイル直後にフィン型ソナードームを装着した。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船10,’13、現代の潜水艦

＜タング級ファミリー＞

　＜タング級支援潜水艦＞：SS-566トラウトは1978年に除籍された後でイラン海軍に引き渡される予定だったが、革命で宙に浮いたため、アメリカ海軍で海中音響標的としたもの。全長87.5m、幅8.33m、吃水5.70m、水上排水量2050トン、水中排水量2700トン。主機はディーゼル３基、２軸推進で、水上速力15.6ノット、水中速力18.3ノット。潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首６門、艦尾２門）。1997年に再就役し、2004年に除籍された。参考：現代の潜水艦

＜タング級・海外シリーズ＞

　＜タング級（トルコ海軍）＞：トルコ海軍潜水艦で、フズルレイス級ともいう。イラン革命により宙に浮いたのを取得したものである。艦首、艦尾、セイル直後の船体上面にBQG-4パッシブ評定システムの聴音機ドームを持つ。全長87.4m、全幅8.3m、吃水5.8m、水上排水量2100トン（2770トン？）、水中排水量2700トン（3556トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル発電機３基・電動モーター２基２軸5600馬力、水上速力16ノット（13ノット？）、水中速力16ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首６門、艦尾２門）で、Mk37長魚雷21本を搭載する。乗員87名（士官17名、下士官・兵61名？）。S-342フズルレイスとS-343プルレイスが1980年と1983年に就役した。当初は貸与だったが、1987年に有償譲渡された。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990

＜タンクＭ＞：KS（戦車）を参照。

＜タンク・イストリビーチェリ＞：T-34/57（戦車）を参照。

＜タングステン合金＞：タングステン90%、ニッケル7%、鉄3%といった構成が一般的だが、徹甲弾用のものは比重を高くするためタングステンを93%以上含むとされる。比重が高い（17.5-18.5前後）ため、APFSDS弾などの弾体として使用される。ヴィッカーズ硬度は1200-1500。欠点は、希少金属のため値段が高いこと、推定埋蔵量の半分以上が中国とロシアにあるので大規模戦争時には西側諸国での入手が困難なこと、貫徹時に先端がキノコ状になり抵抗が増して貫徹力が弱くなることである。参考：月刊グランドパワー5,’04、月刊PANZER12,’04、月刊軍事研究8,’08、10,’12、戦車の戦う技術

＜タングステン作戦＞：イギリス海軍が第２次大戦時に行ったティルピッツ爆撃作戦。1944年4月3日、空母38ヴィクトリアス、47フューリアス、アタッカー級護衛空母D64フェンサー、D73パースァー、ルーラー級護衛空母D98エンペラー、D09トランペッターからバラクーダ60機とF6Fヘルキャット 40機が出撃、726kg爆弾と爆雷で攻撃を行い、14発を命中させ大破させた。4月21日にも攻撃予定だったが、天候不良で中止されている。参考：護衛空母入門

＜タンク整備用器材（その３）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜タンク・デサント＞：戦車跨乗兵を多用する戦術のこと。本来ならば、戦車隊に歩兵を随伴させるためには装甲兵員輸送車を用いるべきだが、それが無いので戦車の車体上に歩兵を乗せて進撃する戦法である。機動力は高くなるが、戦車は目立つため敵銃砲火が集中して生身の戦車跨乗兵が薙ぎ倒される、跨乗兵は手摺りなどに掴まっていないと揺れで振り落とされるため乗車中の戦闘行動ができない、といった欠点がある。第２次大戦時、ソ連の戦車旅団は２個戦車大隊と１個機械化狙撃大隊から構成されていたが、狙撃大隊に兵員輸送車が無かったので、取り敢えず戦車に乗せたのが始まりとされる。１個戦車搭乗大隊は500名で、PPSh41を装備、戦車の上に乗って前進し、破壊されたら別の戦車に乗り換えて前進を継続、一気に突撃発起線まで到達して短機関銃の射程の短さをカバーした。しかし損耗率は非常に高く、平均寿命2-3週間といわれた。そのため、懲罰大隊の囚人兵から構成されることも多かった。参考：月刊PANZER1,’03、月刊グランドパワー8,’00、9,’00、拳銃・小銃・機関銃、歴史群像8,’02、スピアヘッドNo.8、月刊軍事研究7,’16

＜タンク・テスト・ベッド＞：TTB（試作戦車）を参照。

＜タンク・トランスポーター＞：戦車運搬車両。初期の戦車は履帯の耐久性に問題があり、軽戦車などはカーゴトラックをトランスポーター代わりにして前線まで運んでいた。参考：月刊PANZER3,’12

＜タンクバスター＞：87式対戦車誘導弾発射装置の愛称。参考：月刊JWings6,’01

＜タンクブリッジ＞：91式戦車橋の愛称。参考：月刊JWings6,’01

＜タンク・プリンキング＞：Tank Prinking。湾岸戦争で掩体壕に籠もる共和国親衛隊戦車をレーザー誘導爆弾で破壊したF-111Fパイロットがその任務に付けたニックネームで、湾岸戦争後に正式な空軍用語となった。参考：月刊軍事研究9,’08

＜タンク・モロトヴァ＞：TM（戦車）を参照。

＜団結＞：韓国陸軍第５師団のニックネーム。部隊マークから、鍵というニックネームも付いている。

＜単桁構造＞：一本桁構造ともいう。主翼の構造の１つで、翼断面の最も厚いあたりに桁を１本通したものである。桁の後方もしくは前方に補助桁を置いて外板の支えにすることが多いが、こちらは飛行中に発生する主翼の曲げに対抗する役目は無く、桁（補助桁との区別のため主桁という）のような頑丈な構造はしていない。参考：航空用語事典増補改訂版

＜タンケッテ＞：豆戦車を参照。

＜タンケッテ構想＞：重機関銃を可能な限り少人数で機動運用することを目的に考えられた戦術。重機関銃の運用は射手、補助射手、弾薬手２名で行っていたが、重機関銃搭載の豆戦車（タンケッテ）を使用すれば１名で済み、機動力や装甲防御力も高くなる。第１次大戦後にフランスやイギリスで考案され、軽戦車へと思想が引き継がれたが、第２次大戦で役に立たないことが判明した。参考：歴史群像12,’09

＜ダンケルク＞：フランス海軍ダンケルク級戦艦１番艦Dankerque。1932年起工、1937年5月1日竣工。1940年7月3日、北アフリカのメルス・エル・ケビール軍港で、カタパルト作戦のため出撃したイギリス海軍Ｈ部隊の砲撃を受けて大破着底した。7月6日、アークロイヤル艦上機の攻撃を受けて破壊された。その後引き揚げられてツーロンに回航され、乾ドックで修理を受けていたが、1942年11月27日にドイツ軍が進駐してきたため自沈した。1945年にドックから出され、後部上構以外の上部構造物をほぼ全て撤去された状態で放置され、1958年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、2,’18

＜ダンケルク級＞：フランス海軍戦艦（フランス海軍では高速戦艦に類別）Dankerque級。ドイツのポケット戦艦及びイタリアの35000トン型戦艦に対抗してロンドン条約制限内で建造された。主砲口径はポケット戦艦の28cm砲に対抗するため33cmとし、軽量化のため４連装主砲塔を採用（連装砲塔４基にするより30%軽い）、高速性能を持たせ、追撃戦に対応するため２基を艦前部に纏めて搭載している。砲塔内部には被害を防ぐための隔壁が設けられており、砲塔同士の間隔も大きくとった。主砲爆風の届かない艦後部はカタパルト・格納庫などの航空艤装に充てられた。ただし主砲を後方に向けて発射すると艦橋に轟音が鳴り響き、指揮が一時中断されるという欠点があった。前檣楼頂部には３層の測距塔があり、上層に副砲用射撃指揮装置、中層に副砲用6m測距儀、下層に主砲用12m測距儀を搭載している。また、主砲塔にも12mステレオ式測距儀を装備した。主砲の死角を補うため、13cm４連装両用砲塔３基（最大仰角75度）を後部格納庫上と両舷に配置しており、更に13cm連装両用砲塔２基、37mm連装機関砲４基も装備する。装甲は艦全長の60%を覆う集中防御方式を採用し、舷側装甲は28cm砲弾に耐えられるよう上部が厚さ241mm、下部が140mmで、21度傾けたインターナルアーマーとした。水中防御隔壁は船体中央線に寄せて水中爆発に強くしてあり、外板との間にエボナイト・ムースという衝撃緩衝ゴムを詰めた。防御には11200トンを割り当てている。機関室は缶機缶機のシフト配置。全長214.5m、最大幅31.1m、吃水8.7m、基準排水量26500トン、公試排水量30750トン、機関部重量2214トン。主機はラトー式（ストラスブールはパーソンズ式）高中低圧ギヤード・タービン４基、主缶はアンドレ式重油専焼三胴水管缶（27気圧350℃）６基、出力112500馬力、４軸推進、最大速力29.5ノットで、公試時には30ノットを記録し、過負荷全力では31ノットを超えた。航続距離は15ノットで7500海里。主砲は50.44口径33cm砲M1931の４連装砲塔２基（前甲板背負い式）、45口径13cm４連装砲３基（後甲板）、45口径13cm連装砲２基（船体中央両舷）、37mm連装機関砲４基、13.2mm４連装機銃８基。カタパルト１基と水上機４機（２機？）を搭載する。装甲厚は水線部248mm、甲板127mm、バーベット345mm、砲塔前楯337mm、司令塔267mm。乗員1431名。１番艦ダンケルク、２番艦ストラスブールが1937-38年に就役した。もう２隻建造する予定もあったが、ドイツが本級に対抗するシャルンホルスト級の設計に入ったため、リシュリュー級の建造に移った。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、4,'22、月刊丸4,’17

＜ダンケルク撤退＞：作戦名はダイナモ。第２次大戦中の1940年5月末、オランダ・ベルギーに展開していた英仏連合軍は、ドイツ軍の黄作戦によりダンケルク地域に包囲された。5月14日、イギリスはBBCラジオニュースで国民に向け、全長30-100フィート（9.1-30.5m）のエンジン付ボートを所有している場合はそれを海軍省に申し出るよう放送した。5月17日、フランス戦の戦局を鑑み、チャーチル首相がイギリス遠征軍の撤退手段を検討するよう命じた。5月19日、イギリス遠征軍撤退作戦に関する初の会議が開催され、指揮官はバートラム・ラムゼー中将に決まった。5月20日、ラムゼー中将がドーバー城の地下に設けられた作戦室でチャーチル首相に作戦説明を実施。この作戦室がもともと発電機室だったことから、作戦名がダイナモに決まった。まだ水陸両用戦用艦艇の準備が無かったので、輸送に使用する船舶として、沿岸航路用貨客フェリーなど港側に特別な揚降器材の要らない36隻の徴用船を用意。一部には自衛武装を取り付けた。また、大規模港湾が使用不能になった場合に備え、スクーツと呼ばれる沿岸・河川用貨物運搬船（海岸から直接乗れる）40隻を徴用し、ルイス機銃１丁を据え付けた。海峡の護衛や哨戒を行う戦闘部隊の序列は、ドーバー司令部隷下の対潜哨戒部隊４個（２個は哨戒スループ３隻、２個は対潜トローラー６隻配備）、対潜群２個（対潜トローラー６隻ずつ）、魚雷艇戦隊（魚雷艇６隻）、掃海戦隊６個（掃海艇５隻ずつ）、掃海群２個（掃海トローラー９隻ずつ）、ノア管区派遣隊（防空巡洋艦カルカッタ、駆逐艦11隻、ガンボート２隻）、西方接近路管区派遣隊（駆逐艦11隻、護衛スループ１隻）、ポーツマス管区派遣隊（駆逐艦４隻）、スカパフロー部隊（掃海艇２隻）、ハリッジ部隊（掃海艇４隻）。5月24日、ドイツＡ軍集団ルントシュテット将軍は隷下部隊に停止命令を出し、ヒトラーも承認。5月25日、イギリス遠征軍、フランス第１軍集団、ベルギー軍はレオポルド運河（ベルギー）、アー運河（フランス）、ヴァレンシェンヌ（フランス）を頂点とする英仏海峡沿いの地域に閉じ込められていた。1830、イギリス遠征軍は左翼のベルギー側に２個師団を移し、フランス軍が予定していた反撃計画を捨てて撤退拠点となる海岸堡の維持に入った。5月26日1857、ダイナモ作戦が発動された。5月27日0015、海峡横断客船モナーズ・クイーンが最初の撤退兵1312名を乗せてドーバーに帰港。英仏間の有線通信ラインが切断されたため、駆逐艦ウォルジーがダンケルク港外に錨泊して無線通信を中継した。朝、フランス軍がダンケルク市街から8kmの地点まで撤退。ダンケルクからドーバーに直行する撤退経路Ｚ航路がドイツ砲兵の射程内に入ってしまい、北回りで掃海の済んでいないＸ航路か、東に大きく迂回するＹ航路を取らざるを得なくなった。また、ダンケルク港も砲爆撃に晒されて一部が破壊され、2000に現地部隊は小型舟艇を多数派遣してダンケルク東の海岸から直接撤退させるよう要請した。これに基づき、イギリス海軍はトロール漁船、刺し網漁船、艀、個人のモーターヨットやランチまで徴用を開始。これら船舶には予備役海軍将兵や本来の所有者が乗り込み、手こぎボート数隻を曳航しつつダンケルク周辺の海岸に向かい、海岸近くで手こぎボートにより将兵を回収、沖合で待機している輸送艦船に引き渡した。ただ砲爆撃に晒される昼間を避けて夜間に実施したため、輸送艦船との邂逅に失敗することも多く、その場合は40海里先のドーバーまで直接連れ帰った。中には手こぎボートでそのままイギリスまで往復した強者もいたらしい。将兵の受け入れ港には小型タンカーが配置され、速やかに給油を行った。5月28日、ベルギー軍が降伏。午後、ラムゼー中将は本国の駆逐艦全てをダイナモ作戦に振り向けるよう要請、イギリス海軍は西方接近路管区とポーツマス管区所属の駆逐艦をドーバー司令部隷下に置いた。5月29日、イギリス駆逐艦グレネード、ウェイクフル、グラフトンが沈められたため、イギリス海軍は全ての新型駆逐艦を引き揚げた。5月30日、ダンケルクの海岸に廃棄大型車両を沈めて作った仮設桟橋が造られ、小型舟艇への乗船効率が上昇した。5月31日、この日は作戦終了予定日だったが、延長が決定された。フランスやベルギーの艦船が作戦に参加し始めた。海岸堡は幅32km、縦深10kmに縮小。6月1日、イギリス駆逐艦キースが急降下爆撃を受けて沈没。6月2日深夜、ダンケルク海岸堡に残ったイギリス遠征軍部隊から撤退完了の無線が入ったが、ラムゼー中将は最期に残った将兵を救出するため作戦を継続。6月3日1025、作戦参加全艦艇に最終撤退作戦が下命され、夜にダンケルク港からの一斉撤退を実施。6月4日1423にイギリス海軍が作戦終了を通達し、イギリス軍人198229名（215000名？）、フランス軍人139997名（123000名？）が撤退を完了した（その後も1100名が小型船舶などで脱出した）。使用した港は大型船で閉塞され、沿岸水路には機雷を敷設した。イギリス軍が遺棄した兵器は、戦車数百両、火砲800門、２ポンド砲500門、ブレン機関銃8000丁、対戦車ライフル350丁、小銃９万丁（30万丁ともいわれる）、自動車12万台で、本土には戦車と火砲が500ずつしか残っていなかった。ドイツ軍は魚雷艇を繰り出して攻撃を行い、S-30がイギリス駆逐艦ウェークフルを、S-23がフランス駆逐艦シロッコを、S-34がトロール漁船２隻（３隻？）を撃沈し、S-24（S-26？）がフランス駆逐艦シクロンを大破させた。撤退に参加したイギリス海軍艦船のうち、駆逐艦９隻と輸送船８隻が沈没、駆逐艦20隻と輸送船９隻が行動不能になった。フランス海軍はこの間に駆逐艦７隻、掃海艇30隻など計60隻を失った。また、この撤退がイギリス単独で決定されたため、フランスにはイギリスに対する不信感が生まれる結果となった。2015年5月21日、英仏海峡でダンケルク撤退作戦75周年洋上パレードが行われ、イギリス海軍哨戒艇２隻（トランペッターなど）、各種小型船50隻が参加した。参考：歴史群像10,’11、第２次大戦のフランス軍艦、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊丸3,’90、写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション２、44、月刊世界の艦船8,’15

＜短現＞：海軍短期現役士官制度を参照。

＜湛江＞：165（駆逐艦）または165（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜淡江＞：605（哨戒艇）を参照。

＜湛江基地＞：中国海軍の基地。2019年現在、南部戦区海軍部、南海艦隊駆逐艦第２支隊、揚陸艦第６支隊、作戦支援第３支隊、掃海艦第76大隊、偵察船大隊（815A型情報収集艦、武装偵察漁船）、海難救助大隊などが配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’20、2,’19

＜鍛工穿孔機＞：日本陸軍の鍛工器材。参考：工兵入門

＜鍛工送風機＞：日本陸軍の鍛工器材。参考：工兵入門

＜短後座式＞：反動利用短後座式を参照。

＜タンゴ級＞：641B型（潜水艦）を参照。

＜単座機＞：１人乗り航空機のこと。コクピットが小さくて済み、飛行性能への影響を最小限に抑えられるが、１人で全てこなさなければならないので大変。参考：月刊JWings8,’16

＜炭酸ガスアーク溶接＞：溶接を参照。

＜丹作戦＞：太平洋戦争中の昭和19年秋頃から計画された作戦で、前線に集結したアメリカ軍機動部隊に対する航空攻撃（特攻含む）である。昭和20年3月18-21日の戦闘は九州・四国沖航空戦ともいう。まず第１次丹作戦としてメジュロ、クェゼリン、ブラウンを銀河で爆撃するなどの作戦が立てられたが、台湾沖航空戦の消耗で中止された。次いで第２次丹作戦としてウルシー環礁攻撃作戦を立案。二式大艇で銀河を誘導し、攻撃に向かわせることにしたが、片道2500kmもあるので、必然的に特攻となり、第５航空艦隊攻撃262飛行隊と攻撃406飛行隊の銀河28機で梓特別攻撃隊が編成された。昭和20年3月9日、彩雲偵察機がウルシー環礁でアメリカ機動部隊と輸送船団を発見。3月10日0330（日本時間。ウルシー時間は＋１時間）、鹿児島湾を二式大艇が離水し、偵察に向かった。0815、銀河24機が鹿屋を離陸。しかし、第５航空艦隊司令部が彩雲からの暗号電信解読に手間取り、敵空母の所在確認が遅れたため、南大東島沖を飛行中に作戦中止命令が出て引き返した。この夜、准士官以上の隊員は第５航空艦隊司令長官との晩餐会に出席したが、銀河に電信員を乗せて犠牲者を増やすのは何故かと隊員が参謀に詰め寄る場面もあった。3月11日0855、銀河24機が離陸を開始。0925、誘導の二式大艇と合流。1130、南大東島上空で二式大艇が交替。1510、銀河の１機がエンジン故障を起こして編隊から遅れた。その他にも１機が行方不明になり、更に５機が遅れている。1830、ヤップ島上空で二式大艇と別れ、ウルシーに向かった。1840、ウルシー泊地のCV-19ハンコックがレーダーでボギーをキャッチ。1848、アメリカ軍夜間戦闘機１機がスクランブル発進した。1855、梓隊は夜間訓練中のアメリカ軍艦船対空砲火を視認。1856、ト連送打電。西風に期待して出撃を１時間遅らせた結果、ウルシー環礁は暗闇の中にあった。1857、ウルシー環礁のアメリカ軍が空襲警報を発令。1902、ウルシー泊地のレーダーが高度5000フィート（1524m）、速度150-180ノットで接近する日本軍機をキャッチしたが、チャフが撒かれたために追跡不能となった。1907、CV-15ランドルフに銀河１機が突入。航空機14機が全壊、12機が損傷し、34名が戦死、100名超が負傷した。ソーレン島にも１機が突入、アメリカ兵２名が死亡し、６名が負傷、資材が炎上した。1950、空襲警報解除。暗闇のため珊瑚礁などに突入した機体も多く、ヤップ島に銀河３機、ルモング島に銀河１機が不時着した他は全て失われた。４機の乗員計10名は唯一無傷だった落合勝飛曹長機に乗って帰投したが、この機体には胴体に辞世の句が書かれていた。3月14日、アメリカ機動部隊の第58任務部隊（正規空母10隻、軽空母６隻、航空戦力1128機、戦艦８隻など）がウルシー環礁を出撃した。3月17日、日本の哨戒機が機動部隊を視認。3月18日、機動部隊は九州南東170kmの地点に到達し、早朝から南九州と四国方面の日本軍航空基地に延べ1500機で空襲を行った。南九州に配備されていたのは第５航空艦隊第１機動基地航空部隊の稼働機348機と、陸軍第６航空軍の２個戦隊。兵力を温存していても地上で撃破されるだけなので、日本軍はアメリカ艦隊の攻撃に向かった。0330から日本軍は攻撃を仕掛け、435機が参加し79機が未帰還となった。うち特攻出撃59機、未帰還32機。第５航空艦隊は正規空母１隻を含む６隻を撃沈破したと判断したが、実際にはCV-6エンタープライズ（不発弾１発命中）、CV-10ヨークタウン（至近弾１発）、CV-11イントレピット（至近弾１発。死者２名、２機損傷）の損傷だった。3月19日、呉泊地・阪神工業地帯・九州航空基地を攻撃するため、第58任務部隊は四国沖に向かった。0200、陸軍部隊の四式重爆と攻撃501の銀河、攻撃251の天山が夜間雷爆撃に向かったが、戦果無く終わった。午前中も日本軍機の攻撃が行われたが、午後は天候不良となり低調になった。日本側作戦機数119機、未帰還25機、うち特攻出撃31機、未帰還19機。第５航空艦隊は空母と巡洋艦を１隻ずつ撃沈したと判断したが、実際にはCV-13フランクリン（前部エレベーターと格納庫に１発ずつ命中、５時間にわたり誘爆が起きて13度傾斜したが、復旧に成功。死者832名）、CV-18ワスプ（１発が飛行甲板と格納庫甲板を突き抜けて爆発、50分後に作戦行動再開。死者102名）の損傷だった。呉にアメリカ軍機が来襲し、軽巡大淀が中破、戦艦日向、榛名、空母龍鳳、天城、重巡利根、伊400潜水艦、呂67潜水艦が小破、戦艦大和、空母葛城、鳳翔、海鷹、輸送艦105号、駆潜特務艇229号が軽微な損害を受けた。また、建造中の空母生駒も被弾した。3月20日は晴れたが、作戦可能機が底を尽いてしまった。作戦機数45機、未帰還機13機、うち特攻出撃20機、未帰還９機。第５航空艦隊は正規空母と巡洋艦を１隻ずつ撃沈し、正規空母１隻を炎上させたと判断したが、実際にはDD-686ハルゼイ・ホウエルの損傷のみだった。CV-13フランクリンは修復のためウルシー泊地に向け離脱したが、日本軍に追撃する余力は残っていなかった。3月21日、第５航空艦隊はこれまでに空母５隻、戦艦２隻、重巡１隻、軽巡１隻、艦種不詳１隻を撃沈し、第58任務部隊の空母半数以上を撃滅したと判断、追撃を行うことにした。作戦機数246機、被撃墜161機、うち特攻未帰還機69機。鹿屋基地からは神雷部隊から桜花16機が参加したが、護衛機が30機しか無く、護衛機部隊司令の作戦中止の申し入れも聞き入れられず、目標から90kmの地点でF6Fの迎撃に遭い20分の戦闘で神雷部隊の全機と護衛機10機が撃墜された。更に地上被害が50機に達し、第５航空艦隊の稼働機数は110機にまで減少した。3月23日、アメリカ軍が艦上機300機以上で沖縄を爆撃。これをアメリカ軍がウルシーに退却する前の攻撃と見た日本軍は天号作戦を3月25日に発動することとし、本格攻撃は更に遅らされたため、アメリカ軍の沖縄上陸を阻止することができなかった。4月末、ウルシーの機動部隊を攻撃する第３次丹作戦が立案され、第706航空隊から第４御盾特別攻撃隊（銀河装備）が編成された。5月7日、第３次丹作戦を開始。陸攻４機で前路掃討と誘導を実施、詫間空の二式大艇２機が0320に発進して沖ノ鳥島到達線を構成した。出撃機は第４御盾特別攻撃隊の24機で、鹿屋を0645に離陸したが、４機が故障で離陸できず、１機が直後に墜落、１機が離陸遅延により本隊に追いつけず、３機が増槽故障で、２機がエンジン不調で、１機が燃料消費過大で、３機が原因不明で引き返し、１機が途中で行方不明になり、沖ノ鳥島付近に到達したのは誘導機２機と銀河８機だった。付近は雲が低くたれこめており、誘導機は雲の下で沖ノ鳥島を発見したものの、銀河３機が雲を突破する途中で編隊からはぐれ、残る５機も0810にハリケーンが追尾してきたので攻撃を断念し、1630-1700に鹿屋に引き返した。鹿屋まで帰って来られたのは６機だけだった。5月10日に再攻撃を行う予定としたが、5月12日に延期され、天候不良で5月14日に再延期された。762空から12機を増強して作戦に備えたものの、5月14日の出撃直前に艦上機の攻撃を受けて出撃不能となり、作戦は中止された。第４次丹作戦は台湾から出撃してレイテの機動部隊を攻撃することになり、第762航空隊から神風特別攻撃隊第５御盾隊（銀河25機）が編成され、8月5日に第一波が台湾に到着したが、そのまま終戦を迎えた。参考：月刊軍事研究3,’02、4,’08、月刊丸4,’13、激闘太平洋戦記、月刊航空ファン3,’13

＜断作戦＞：太平洋戦争緒戦の日本軍によるビルマ侵攻でビルマ陸路での援蒋ルートは途絶えていたが、昭和18年10月にインドからアメリカ軍がルート再開を目指して日本陸軍第18師団に攻撃を開始した。昭和19年4月8日に第33軍が創設され、第18師団が隷下に入った後、この防衛作戦は断作戦と名付けられたが、この頃既に師団戦力は２個大隊程度にまで減少していた。5月半ばには中国軍が雲南省から第56師団に対して攻撃を開始、6月末に拉孟・騰越を包囲した。8月3日、第18師団はミイトキーナを撤退、アメリカ軍がここを占領した。9月6日に拉孟守備隊、9月13日に騰越守備隊が玉砕し、11月3日に第56師団は龍陵を撤退、作戦は失敗した。参考：激闘！太平洋戦争地上戦

＜堪薩斯州人式教練機＞：AT-11海外シリーズ（練習機）を参照。

＜タンザニア海軍＞：

＜タンザニア海軍（１９７７年）＞：兵力600名。上海級哨戒艇６隻、滬川級魚雷艇４隻、P6級魚雷艇３隻、P4級魚雷艇３隻、沿岸哨戒艇８隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜タンザニア海軍（１９８９年）＞：兵力700名。ダルエッサラーム、ザンジバル、ビクトリア湖ルワンザに基地がある。滬川級魚雷艇４隻、上海�U級哨戒艇６隻、小型哨戒艇８隻（うち４隻がルワンザに配備）、強襲揚陸艇４隻を保有する。ただし一部は部品不足で稼動できない状態にある。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜タンザニア海軍（２０１５年）＞：現役兵力1000名。滬川級魚雷艇２隻、哨戒艇８隻、ユーチン級LCU２隻、カサ級LCT１隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タンザニア空軍＞：

＜タンザニア空軍（１９７７年）＞：兵力1000名。MiG-21/F-8戦闘機11機、MiG-17/F-4戦闘機３機、MiG-19/F-6戦闘機15機、An-2輸送機１機、DHC-4輸送機12機、HS748輸送機１機、セスナ310輸送機６機、MiG-15UTI練習機２機、チェロキー練習機11機、ベル47Gヘリ２機、AB206ヘリ２機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜タンザニア空軍（１９８９年）＞：兵力1000名。J-7戦闘機11機、J-5戦闘機３機、J-6戦闘機10機、DHC-5D輸送機５機、Y-5輸送機１機、AB205ヘリ４機、セスナ310連絡機７機、セスナ404連絡機２機、PA-28連絡機５機、PA-32連絡機１機、ベル206Bヘリ２機、MiG-15UTI練習機２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜タンザニア空軍・防空コマンド（２０１５年）＞：現役兵力3000名。F-7TN戦闘機９機、FT-7TN戦闘機２機、SB7L-360シーカー偵察機１機、Y-8輸送機２機、セスナ404輸送機２機、DHC-5D輸送機３機、Y-12�U輸送機２機、F-28要人輸送機１機、F-50要人輸送機１機、G550要人輸送機１機、FT-5(JJ-5)練習機３機、K-8練習機６機、ベル412EP汎用ヘリ１機、ベル205（AB-205）ヘリ１機、2K12地対空ミサイル、S-125地対空ミサイル、9K32携帯地対空ミサイル、14.5mm対空機銃ZPU-2/-4を40機、23mm高射機関砲ZU-23を40門、37mm高射機関砲M-1939を120門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タンザニア軍＞：

　＜タンザニア軍（２０１５年）＞：現役総兵力27000名（陸軍23000名、海軍1000名、空軍3000名）、予備役80000名、準軍事組織（警察野戦軍）1400名。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員１名、コートジボアールにUNOCI要員２名とオブザーバー２名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員1265名、特殊作戦中隊１個、歩兵大隊１個、砲兵中隊１個、レバノンにUNIFIL要員158名、憲兵中隊２個、南スーダンにUNMISS要員４名とオブザーバー４名、スーダンにUNAMID要員813名、歩兵大隊１個、オブザーバー２名、UNISFAオブザーバー２名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜タンザニア陸軍＞：

＜タンザニア陸軍（１９７７年）＞：兵力17000名。59式戦車20両、60式／62式軽戦車14両、BTR-40/-152装甲兵員輸送車、K63装甲兵員輸送車、76mm砲24門、122mm榴弾砲30門、82mm迫撃砲、120mm迫撃砲50門、14.5mm/37mm高射機関砲を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜タンザニア陸軍（１９８９年）＞：兵力45000名（うち徴兵20000名）。師団司令部３個、歩兵旅団８個、戦車旅団１個、野砲兵大隊２個、高射砲大隊２個、迫撃砲大隊２個、地対空ミサイル大隊、対戦車大隊２個、通信大隊２個からなる。59式戦車30両、T-62戦車30両、62式軽戦車30両、スコーピオン軽戦車36両、BRDM-2偵察車20両、BTR-40/-152装甲兵員輸送車45両、56式装甲兵員輸送車30両、76mm砲ZIS-3を45門、56式85mm砲80門、122mm砲D-30を200門、54式122mm砲20門、59式130mm砲50門、BM-21自走ロケット砲50両、82mm迫撃砲M-43を300門、120mm迫撃砲M-43を50門、52式75mm無反動砲540門、14.5mm対空機銃ZPU-2/-4を280基、23mm高射機関砲ZU-23を40門、55式37mm高射機関砲120門、SA-3地対空ミサイル９基、SA-6地対空ミサイル12基、SA-7を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜タンザニア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力23000名。特殊作戦ユニット１個、戦車旅団１個、歩兵旅団５個、砲兵大隊４個、迫撃砲大隊１個、対戦車大隊２個、防空砲兵大隊２個、工兵連隊１個、兵站群１個からなる。T-54/-55戦車30両、59G式戦車15両、スコーピオン軽戦車30両、62式軽戦車25両、63A式軽戦車２両以上、BRDM-2偵察車10両、BTR-40/-152装甲兵員輸送車10両、92式装甲兵員輸送車４両、122mm砲D-30を20門、54-1式122mm砲（M-30）80門、59式�T型130mm砲30門、07PA式120mm迫撃砲３門以上、122mm多連装ロケットBM-21を58両、300mm多連装ロケットA100を３基以上、82mm迫撃砲M-43を100門、120mm迫撃砲M-43を50門、52式75mm無反動砲（M20）、56式85mm対戦車砲（D-44）を75門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜炭酸ガスレーザー＞：ガスレーザーの１つ。チューブ内に封入された二酸化炭素を発振体としたレーザーで、連続的な発振が可能であり、個体結晶を発振体とするレーザーよりも大出力なのが特徴である。波長は10.6マイクロメートルで、遠赤外線領域のレーザーなので、霧や煙にも強い。物質における吸収率が高く、レーザー接断器として金属などの切断に使用されている。1964年に開発され、1966年には出力8kWのEDLが、1969年には出力60kWを数秒間維持できるガスダイナミック炭酸ガスレーザーが開発された。ユナイテッド・リサーチ・ラボラトリーが開発した20kWのEDLは、厚さ6.5mmのチタン板を毎分15ｍで切断・溶接することが可能であり、厚さ25.4mmの鋼板を切断することもできた。参考：月刊戦車マガジン10,’78、月刊PANZER5,’02、月刊軍事研究2,’12

＜タンジール＞：AV-8（水上機母艦）を参照。

＜タンジェント・サイト＞：照尺の１つ。スケールを前進させると照門が持ち上がり、遠距離射撃に対応できる仕組みになっている。参考：月刊PANZER2,’04、GUN用語事典

＜単軸エンジン＞：Single shaft engine。圧縮機とタービンを連結する軸が１本のガスタービンエンジンのこと。圧縮機の性能が限定されるので、二軸式や三軸式が開発された。参考：航空用語事典増補改訂版

＜タンジム＞：ファタハ内の民兵組織。主力メンバーはパレスチナ国内で地下抵抗運動を担っていた人物である。設立は1983年で、インティファーダ以降に地位を確立した。参考：月刊軍事研究6,’01

＜タンジャー級＞：アメリカ海軍水上機母艦Tangier級。カーティス級が高価だったので、C-3型標準船に同じ装備を載せたものである。公試排水量11760トン。速力16-17ノット。1940-42年に４隻が就役した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜短射程弾道ミサイル＞：短距離弾道ミサイルを参照。

＜短射程中距離核戦力＞：中距離核兵器を参照。

＜ダンジャン＞：605（哨戒艇）を参照。

＜単銃身旋回機関銃二型＞：テ四を参照。

＜短縮垂直間隔＞：RVSMを参照。

＜断首攻撃＞：イラク戦争で2003年3月19日にアメリカ特殊部隊が行った作戦。

＜タンジュン・ダルペレ＞：ドクター・スハルソを参照。

＜単純追跡航法コース＞：犬追い曲線ともいう。ミサイルが目標後方から接近する場合に取るコースで、目標の飛行コースと自分の飛行コースの角度がゼロになるように追跡すれば、そのまま衝突できる。ただし相手よりも速い速度を保たないと振り切られる。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜単純フラップ＞：フラップを参照。

＜単純ブローバック式＞：ブローバック式を参照。

＜弾芯＞：Core、Bullet core。弾丸のジャケット内部にある鉛の部分。徹甲弾では貫徹体、焼夷弾では焼夷剤を指す。参考：GUN用語事典

＜探信儀＞：日本海軍の測距ソナー。使用時に送波器を海中に降ろし、音波を発振して反射波を受信、タイムラグから敵艦までの距離を測る。受信機だけ使用すれば敵ソナーの逆探が可能である。あまり頻繁に測ると測定音波を敵に逆探知されるので、ここぞという時にのみ使用する。参考：続潜水艦気質よもやま物語

＜ダンスター＞：A393（通船）を参照。

＜弾性係数＞：ヤング率ともいう。ある素材を引っ張って元の２倍の長さにするのに、断面積１平方ミリメートル当たり何kgの力が必要かを示す。数値が大きい程、変形しにくいことを表している。参考：航空用語事典増補改訂版

＜弾倉＞：マガジンを参照。

＜炭疽菌＞：土壌に生息するグラム陽性桿菌で、皮膚・肺・消化管から感染する。家畜（草食動物）にも感染するので、これを介して感染を起こすこともあるが、人間同士では通常の生活上は感染しない。ただし2009年にイギリスでヘロイン注射器の回し打ちをして47人が感染、13人が死亡した事例はある。生息環境が悪化すると栄養型から芽胞に変化し、数年間にわたり毒性を維持する。潜伏期間は1-7日。皮膚炭疽では10-25%で敗血症から死亡するが、皮疹の浸出液を検鏡・培養して早期診断し、抗生物質を投与すれば死亡率を1%未満にまで減らせる。肺・胃腸炭疽では、肺水腫や腸閉塞を起こし、致死率は70-80%に達する。初発症状が感冒と同じなので、診断が難しく、気付いた時には手遅れになっていることが多い。芽胞の噴霧により毒ガスのような使用法が可能で、50kgの炭疽菌粒子をエアロゾル化して50万人都市に撒布すると、125000人を無力化できるという。食物への混入も可能。731部隊でも爆弾に詰め込んで人体実験を行ったが、製作の手間の割に効果が低く、実用化には至らなかった。第２次大戦中にはイギリスがグルイナード島で炭疽菌爆弾の爆撃実験を繰り返している。スヴェルドロフスクで兵器用の炭疽菌が漏れて惨事になったことがあり、アメリカでも炭疽菌テロが発生した。オウム真理教も大量に培養していた。参考：化学・生物兵器概論、月刊軍事研究2,’01、図解雑学生物・化学兵器、日本医事新報No.4620

＜炭疽菌テロ事件＞：2001年10月2日、フロリダ州の救急センターに搬送されたザ・サン紙の写真編集者の髄液から大量の炭疽菌が発見され、患者は３日後に死亡した。保菌動物とは全く縁の無い職業だったため、CDCと公衆衛生当局が調査したところ、同じザ・サン紙に勤務する73歳の男性も入院しており、鼻腔とパソコンのキーボードから炭疽菌を検出した。感染経路は不明で、誰かが炭疽菌を撒いた可能性が浮上してきた。10月12日、ニューヨークのNBCテレビに勤務する女性職員が皮膚炭疽に罹患していると判明。10月14日、ニューヨーク市長がNBCテレビで捜査を行った警官１人と検査した保健局職員２人も保菌者になっていると発表した。10月15日、ABCテレビ勤務者の子供が炭疽菌に感染していることが判明。ワシントンにある民主党のダシュル上院議員事務所に炭疽菌芽胞入り郵便物が送りつけられ、スタッフ28人が保菌者になってしまった。また、この郵便物を取り扱った郵便局員５人が肺炭疽と診断された。10月18日、CBSテレビの女性職員が炭疽菌に感染していると分かった。10月20日、ニューヨーク・ポスト社の女性職員が炭疽菌に感染、発症していると発表された。10月22日、ダシュル上院議員宛郵便物を取り扱った郵便局員の内２人が死亡。10月25日、フロリダ州、ニューヨーク、ワシントンで検出された炭疽菌が全てエイムズ株であることが発表された。10月26日、アメリカ連邦最高裁、ホワイトハウス、国務省、CIA、陸軍感染症研究所、厚生省、農務省から炭疽菌芽胞が検出された。10月30日、ニューヨークの病院職員が肺炭疽と確認され、翌日に死亡した。検出されたのはエイムズ株だった。11月2日、ニューヨーク・ポスト社の職員が皮膚炭疽と確認された。11月21日、コネチカット州の94歳の女性が肺炭疽で死亡した。炭疽病と確認されたのは16人で、５人の死者が出た。他に疑い患者が５人おり、全患者／疑い患者のうち肺炭疽は10人、皮膚炭疽は11人である。炭疽菌芽胞は郵便物に入れられて送りつけられており、封筒の紙繊維の隙間（10-100ミクロン）から漏れたものが郵便局員に感染したとみられる。芽胞を詳しく調査した結果、一緒に滑石の粉が検出されたため、静電気により芽胞同士がくっつくのを防いで肺に吸入しやすくする細工が施されていることが判明。炭疽菌やその生物兵器化に相当の知識を持つ人物が犯人であると推測されたが、未だに捕まっていない。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜炭素繊維強化プラスチック＞：CRPを参照。

＜弾帯３型＞：自衛隊の火工品。新成物産が受注している。参考：月刊軍事研究2,’12

＜弾帯改良型１５５ｍｍ榴弾砲用Ｌ１５Ａ２型特てん弾（試験用）＞：自衛隊の弾薬。小松製作所製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜タンタルス＞：P318（潜水艦）を参照。

＜短遅延信管付き榴弾＞：地上に到達した後、0.2秒以内程度の間をおいて炸裂する。落角が大きい時は地面に潜り込んで炸裂するため、掩蓋を破壊するのに適する（地表の目標には効果が無い）。落角が浅いと、固い地面では弾き返って空中に上がってから炸裂することになる。跳弾しうる最大落角は25度前後、最大射距離は各装薬の最大射程の63-75%。破裂高は7.5m以下と低く、地面の状態によっても変化する。しかし破裂高の誤差は0.6-1.5mと時限信管付き榴弾の空中破裂よりも小さく済む。破片撒布界は落角が小さい時の瞬発信管付き榴弾に似る。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜弾着監視システム＞：自衛隊の機器。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究4,’17

＜弾着地点連続計算＞：CCIPを参照。

＜ダンテ・アリギエーリ＞：イタリア海軍ダンテ・アリギエーリ級戦艦ダンテ・アリギエーリ（Dante Alighieri）。1913年1月15日竣工。1922-23年に改装工事を実施。1928年11月1日に除籍された。参考：月刊世界の艦船10,’06、近代戦艦史

＜ダンテ・アリギエーリ級＞：イタリア海軍初のド級戦艦Dante Alighieri級。世界初の３連装砲塔搭載艦で、世界初の砲塔式副砲搭載艦でもある。公試で24.2ノットを出し、当時世界最速の戦艦とも言われた。船型は船首楼型、船首は衝角式。主砲配置が特徴的で、設計者の名前からクニベルティ配置と呼ばれる。全長168.1m、幅26.6m、吃水8.8m、常備排水量19552トン。主機は蒸気タービン４基４軸35000馬力、速力24ノット。兵装は46口径30.48cm３連装砲４基（前甲板と後甲板に１基ずつ、前後煙突グループ間に２基。砲身重量63.5トン、弾丸重量452kg、初速毎秒840m）、12cm連装砲４基（１番・４番砲塔両舷に１基ずつ）、12cm単装砲12門、7.6cm40口径単装砲13門、45cm水中発射管３門。装甲厚は水線部254mm、甲板38mm。乗員950名。1913年にダンテ・アリギエーリが就役した。就役後、艦橋上に三段の測距儀を装備。1922-23年に第１・第２煙突を高くし、その間にあった単脚式前部マストを三脚マストに変更して射撃指揮所を設け、第１煙突直前に移した。第１次大戦時に7.6cm40口径単装砲を全て撤去して7.6cm50口径対水上単装砲16門、7.6cm高角砲４門を搭載した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船10,’06、1,’12

＜短艇（日本海軍）＞：軍艦に搭載する艦載艇のこと。機関を積んでいる機動艇（17メートル艦載水雷艇、15メートル内火艇、12メートル内火艇、11.5メートル内火艇、11メートル内火艇、９メートル内火艇、７メートル内火艇、6.5メートル内火艇、７メートル潜水艦内火艇、６メートル潜水艦内火艇）、櫂を使う櫂艇（12メートルランチ、11メートルランチ、10メートルランチ、９メートルカッター、８メートルカッター、７メートルカッター、６メートルカッター）、櫓を使う櫓艇（９メートル通船、８メートル通船、７メートル通船、６メートル通船、帆布艇）に分類される。また、使用する任務によってその都度救助艇、外舷艇、軍装艇、哨艇、掃艇、当直艇、捕獲艇、臨検艇、通信艇、曳艇、電池艇、錨艇、錨索艇などの名称が付けられ、任務に応じた兵装や貨物を積み込む。参考：写真で見る海軍糧食史

＜ダンディー＞：L84（スループ）を参照。

＜短艇員（日本海軍）＞：日本海軍の短艇操作員。停泊中は係船桁に繋留した短艇の中で寝食する。風の強い日などは艦から食缶を降ろすのも一苦労である。風向きによっては厠とスカッパーからの汚物が直撃することがあり、付近の海水も垂れ流した汚物だらけなので、掃除が大変である。参考：続日本海軍よもやま物語

＜タンティヴィ＞：P319（潜水艦）を参照。

＜短艇訓練（海軍兵学校）＞：トイレは無いので、櫂を２本舷側から外に突き出し、それに跨って排便する。訓練期間中は尻の皮が剥けて事業服にまで血がにじみ、尻ダコができる。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜短艇訓練（海上自衛隊教育隊）＞：持久力、チームワーク、シーマンシップを養うのが主目的。太さ100mm・重さ10kgのオールを全力で漕ぐので、手のマメが潰れた痕にまたマメができ、尻の皮も剥けてしまう。仕上げの短艇競技会は一般海曹候補生と自衛官候補生が一緒に競い、各分隊を３個班ずつに分けて12名乗りカッターで班ごとと分隊平均のタイムを競う。参考：MAMOR vol.117

＜短艇敷物＞：単に敷物ともいう。海上自衛隊の内火艇内の腰掛けに敷く毛布状の敷物。乗り込んでいる幹部自衛官によって色分けがなされており、将官は黄、隊司令・艦長（一佐）が赤、艦長（二佐以下）・幹部自衛官が青（実際には緑に近い）である。参考：丸スペシャルNo.77

＜短艇巡航＞：巡航（海軍兵学校）を参照。

＜短鉄梃＞：日本陸軍の土工器材。参考：工兵入門

＜タンデム＞：前後に並んでいること。参考：JWings5,’03

＜タンデム・ウイング＞：串型翼を参照。

＜タンデム・スラスト演習＞：アメリカ陸海空軍海兵隊、オーストラリア陸海空軍、カナダ国防軍が２年に１度行っている統合演習。開催地はグアムとオーストラリアが交替で務める。参考：月刊JWings9,’01

＜タンデム弾頭＞：炸薬弾頭を前後に並べて破壊力を増している弾薬。主にHEAT弾に使用されており、１段目の小HEATでERAを破り、２段目の主弾頭で装甲を貫徹する。また、１段目がSFFになっているものもある。徹甲爆弾で、１段目にHEAT、２段目に徹甲弾頭を置き、１段目で天井を突き破って２段目を内部に突入させるタイプもある。参考：月刊グランドパワー2,’04

＜タンデムデルタ＞：コ・デルタ、複合デルタともいう。デルタ翼の前方カナードと、同じくデルタ翼の主翼を持ち、水平尾翼を持たないタイプの機体で、カナードと主翼が近接している。前方カナードは上向きの揚力を発生して水平尾翼の代わりをすると共に、渦流を生み出して主翼上面に送り込み、主翼の渦と組み合わせて大きい揚力を発生させる。主翼後縁に純粋な高揚力装置を装備することで機動性を高めることができ、大迎え角時には主翼上面の渦流により失速を防ぐ。離着陸時にはカナードの上向き揚力により機首上げが行われ、滑走距離が短縮できる。ビゲンなどがこれにあたる。参考：月刊航空ファン7,’99、月刊軍事研究11,’11、10,’02

＜タンデム・トリプレーン＞：前方カナード、主翼、水平尾翼を持つ航空機のこと。参考：月刊軍事研究4,’10

＜タンデム・プロペラ＞：プル・プロペラとプッシャー・プロペラを縦列に並べて組み合わせた推進装置。Do335などが採用している。参考：航空用語事典増補改訂版

＜タンデム・ローター＞：Tandem rotor。胴体前後にメインローターを持つヘリコプターのこと。前後のローターは伝導軸で連結されており、普通は共通のエンジンで駆動する方式で、回転方向を逆にすることでトルクを打ち消している。エンジン出力を全てメインローターに割り振ることができ、縦安定性が良好で、胴体前後に揚力が生まれるので重心位置の許容範囲も広い。胴体が細長くなるので前面投影面積を抑えつつ機内容積を大きく出来る。ローターが機体の重心から遠いため、出力を僅かに変化させるだけで鋭敏な操縦が可能である。操縦装置はサイクリック・コントロール・スティック、コレクティブ・ピッチ・レバー、フットペダルで、シングルローター・ヘリと同じ方式だが、ローターのピッチ、ヨー、ロールを前後別々に制御することにより、細かな機体コントロールが行える。機体が大型化する、ローターが２基あるので操縦系や駆動系が複雑になるという欠点がある。また、前進飛行時に前のローターからのダウンウォッシュが後ろのローターに当たるとローター効率が下がるので、後ろのローターを高いパイロンに取り付けて干渉しないようにする必要がある。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の軍用機1979、1982、月刊軍事研究5,’09、6,’11、月刊JWings6,’18

＜タンテ・ユー＞：Ju52シリーズ（輸送機）を参照。

＜丹東＞：543（フリゲート）を参照。

＜短筒＞：徳川時代頃に開発された、火縄式拳銃。馬上でも撃てるというふれこみで、馬上筒とも呼ばれた。実際には馬上で火皿に火薬を入れて火縄を挿んで撃つというのはちょっと無理があるので、実用性には欠けるようである。参考：GUN用語事典

＜弾道＞：砲弾・銃弾が砲口・銃口から出た後に辿る飛翔経路。参考：GUN用語事典

＜弾道確認弾＞：自衛隊の火工品。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究4,’12

＜単筒ガスショック・アブソーバ＞：モノチューブ式ガス入りショック・アブソーバーを参照。

＜弾道計算機＞：射撃統制装置の１つで、目標及び自己の位置や運動の情報、弾道計算に必要な弾道諸元情報（弾種、射距離、発射薬温度、気温、気圧、初速修正量、横風風速、砲耳傾斜角）などの信号をセンサーまたは操作員から得て、未来修正角を計算する装置。このデータは火器の旋回・俯仰装置に送られる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、戦車の戦う技術

＜弾道コンピュータ＞：弾道計算機を参照。

＜弾頭点火弾底起爆信管＞：信管を参照。

＜弾道ミサイル＞：飛行経路の殆どが放物線軌道または地球を焦点の１つとする楕円周回軌道であるミサイル。射程によりSRBM、MRBM、IRBM、ICBMに分類される。潜水艦から発射されるものはSLBMと呼ばれる。発射台から垂直に上昇して濃密な大気層を抜け加速、ロケット燃焼終了時に所定の速度と角度をもって弾道コースに投入され、目標に向かう。迎撃は困難だが、ペイロードに限界があるので、NBC弾頭を搭載しないと戦略兵器として使用するのは難しい。弾道投入時の角度は射程が長いほど浅く、SRBMで45度、ICBMで30度くらい。衛星発射用ロケットとの共通技術も多く、単純に区別するのは困難である。ちなみに衛星は第１宇宙速度あたりまで加速させる必要があるので、弾道ミサイルよりも高度の低い段階で浅い角度を取って飛翔速度を増す。参考：軍縮条約・資料集第２版、月刊軍事研究10,’07、6,’12、6,’09、8,’12、月刊世界の艦船11,’17

＜弾道ミサイル作戦統制所＞：弾道ミサイル防衛（韓国）を参照。

＜弾道ミサイル実現・演習のための協会＞：SEREBを参照。

＜弾道ミサイル潜水艦＞：潜水艦を参照。

＜弾道ミサイル早期警戒システム＞：BMEWSを参照。

＜弾道ミサイル等に対する破壊措置＞：2006年3月の自衛隊法改正で第82条の２として追加され、海賊対処行動の追加で第82条の３にずれた。防衛大臣は、弾道ミサイル等（弾道ミサイルその他、その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であって、航空機以外のもの）が日本に飛来する恐れがあり、その落下による日本領域における人命又は財産に対する被害を防止するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に、日本に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を日本の領域または公海（国連海洋法条約に規定する排他的経済水域を含む）の上空で破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる。措置を命じられた部隊は、弾道ミサイル等の破壊のため、必要な武器を使用することができる（自衛隊法第93条の３）。防衛大臣は、その恐れが無くなった場合には、内閣総理大臣の承認を得て、速やかに破壊措置命令を解除しなければならない。防衛大臣は、事態が急変して内閣総理大臣の承認を得る暇も無く日本に向けて弾道ミサイル等が飛来する緊急の場合において、日本領域における人命又は財産に対する被害を防止するため、防衛大臣が作成し、内閣総理大臣の承認を受けた緊急対処要領に従い、予め自衛隊の部隊に対して破壊措置命令を下しておくことができる。この場合、防衛大臣は、その命令に係る措置を執るべき期間を定めておく。内閣総理大臣は、これらの措置が執られた時は、その結果を速やかに国会に報告しなければならない。2009年3月27日に初めて発令され、北朝鮮軍の弾道ミサイルに対して破壊措置実施の自衛隊行動命令を下命、4月6日に終結した。2012年3月30日に発令され、4月13日に終結した。12月7日に発令され、12月12日に終結した。2016年2月3日に発令され、2月8日に終結した。3月16日に発令され、5月11日に終結した。5月30日に発令され、31日に終結した。8月8日（16日？）、常時発令された。2023年5月29日に6月11日までの予定で発令され、6月11日に当面の間延長された。参考：自衛隊法、月刊丸1,'10別冊、月刊JWings6,’19、月刊世界の艦船7,’19

＜弾道ミサイル防衛（アメリカ）＞：1993年5月、TMD構想を発表。2001年末、TBMD区域防衛がキャンセルされた。2002年、TMDとTBMD戦域広域防衛がBMDに統合された。参考：月刊軍事研究5,’12、1,’05、6,’16

＜弾道ミサイル防衛（アメリカ、１９７８年）＞：ICBM、FOBS、SLBMを監視する静止衛星３基（東半球に１個、西半球に２個）、宇宙探知追跡体系SPADATS（NORAD宇宙防衛センターで空軍宇宙追跡基地７個、海軍SPASUR、非軍事機関を統合）、BMEWS、DEWライン（北緯70度沿いの監視基地31個）、パインツリー・ライン（カナダ中央部24カ所）、SLBM探知システム474N（アメリカ東部と西部に３カ所ずつ、メキシコ湾岸に１カ所）、周辺探索レーダーPAR（ノースダコタ州ABM基地）、支援迎撃管制（ＢＵＩＣ）、SAGE、地上レーダー基地による監視網を構築しており、セーフガードで迎撃を行う。参考：軍事力バランス78年版

＜弾道ミサイル防衛（韓国）＞：北朝鮮軍短距離弾道ミサイルの脅威に1980年代から（長距離砲弾やロケット弾ならそれ以前から）晒されていたが、主に中国への配慮から防衛システムの構築は全く進まず、KAMDと呼ばれる弾道ミサイル防衛システムの中核となる弾道ミサイル作戦統制所（AMD-CELL）を創設したのは2013年7月のことで、同年にPAC-2GEM-Tへと改修するためのミサイルを発注した。韓国のEL/M-2080Sグリーンパイン・レーダーやイージス艦などのレーダー網、アメリカの早期警戒情報で得られた弾道ミサイル情報を弾道ミサイル作戦統制所で一元解析し、PAC-2GEM-T部隊に射撃命令を出す。2014年にはPAC-3/PAC-3MSEを発注している。L-SAM開発、イージスシステム・ベースライン９搭載イージス艦建造、在韓米軍へのTHAAD配備を進め、2018年には天弓ブロック�U地対空ミサイルシステム／鉄鷹�U弾道弾迎撃ミサイルの量産を開始する予定。弾道ミサイル発射地点を特定したら玄武弾道ミサイル、海星艦対地巡航ミサイル、スパイス2000空対地ミサイル、SLAM-ER空対地ミサイルを叩き込む。参考：月刊軍事研究3,’18、6,’14、月刊世界の艦船12,’16

＜弾道ミサイル防衛（中国）＞：JY-27AやJL-1Aなどのレーダー網で弾道ミサイルを探知し、HQ-19で迎撃するシステムを構築中で、完成すれば射程3000kmまでの弾道ミサイルをミッドコース迎撃できるようになる。HQ-9とS-300PMU-2には戦術弾道ミサイルに対するポイント・ディフェンス能力がある。参考：月刊軍事研究12,’18

＜弾道ミサイル防衛（日本）＞：BMD（日本）を参照。

＜弾道ミサイル防衛（ロシア）＞：早期警戒衛星は73D6と71Kh6、早期警戒レーダーはドニエプル、ダリャール、ヴォルガで、ヴォロネジを開発中。ICBM用の迎撃システムはまずA-35Mを開発し、1996年からA-135に更新したが、弾頭が全て核なので地上の被害が避けられず、A-235へ更新中である。戦域・戦術弾道ミサイルの迎撃はS-300VとS-300PMの担当で、後継としてS-400やS-500を開発中。A-135を宇宙軍、S-300シリーズを空軍航空宇宙防衛作戦戦略コマンドが担当していたが、2011年12月に両者が合併して航空宇宙防衛軍が創設された。2014年6月、コスモス2479として打ち上げた71Kh6衛星が機能停止に陥り、早期警戒衛星が全滅してしまったため、後継となる早期警戒衛星システムEKSの開発を急いでいる。参考：月刊軍事研究7,’12、9,’14

＜弾道ミサイル防衛機構＞：BMDOを参照。

＜ダントルカストー＞：A621（多用途艦）を参照。

＜ダントルカストー＞：フランス海軍海洋観測艦D’Entrecasteaux。艦前部に観測艇３隻の搭載スペースがあり、上構後部にヘリ格納庫、艦後部にヘリ甲板を持つ。全長89m、満載排水量2400トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、速力15ノット。1971年就役。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜ダントルカストー級＞：フランス海軍多用途艦B2M（Bâtiment Multi Missions）または海外支援艦BSAOM（Bâtiment de Soutien et d’Assistance Outre-Mer）、D’Entrecasteaux級。海外領域での法執行、漁業保護、密輸・不法移民取締、海賊対処、救難、兵站支援、災害派遣を主任務とする。車両２両、武装兵・警察官20名、潜水員、8m級ボート１隻、RHIB数隻、USVを搭載でき、パワー・プロジェクションにも使える。医療チームを乗せれば人道支援も可能。全長65m、幅14m、吃水4.2m、満載排水量2300トン。主機はディーゼルで、速力15ノット、連続行動期間30日、年間行動期間200日。兵装は12.7mm機銃２丁。乗員23名。2016-19年に１番艦A621ダントルカストー、２番艦ブーゲンヴィル（Bougainville）、３番艦シャンプラン（Champlain）、４番艦ジュール・デュモン・デュルヴィル（Dumont d’Urville）の４隻が就役し、それぞれニューカレドニア島ヌーメア、タヒチ島パペーテ、レユニオン島ポワント・デ・ガレ、ウィンドワード諸島マルティニーク海外県フォール＝ド・フランスに配備した。参考：月刊世界の艦船5,’16、12,’16、7,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

＜タントン＞：543（フリゲート）を参照。

＜ダントン級＞：フランス海軍前ド級戦艦Danton級。フランス海軍大型艦初の蒸気タービン艦で、缶室を分離配置したため、煙突が５本立っていた。全長146.6m、常備排水量18318トン。主機は蒸気タービン４基４軸22500馬力、速力19ノット。兵装は30.5cm連装砲２基、24cm連装砲６基、7.5cm単装砲16門、47mm単装砲10門、45cm魚雷水中発射管２門。1911年にヴォルテールやミラボーなど６隻が就役した。参考：月刊世界の艦船7,'21、9,’10

＜単肉自緊砲身＞：単肉砲身の製造工程中に高い内圧を加え、砲身強度を上げたもの。砲身の寿命を延ばし、また砲身を薄くできる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜単肉砲身＞：単一材料で製作された砲身。鍛造で作られる。小口径砲や、発射薬燃焼ガス圧の低い砲に用いられる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜タンネ・オスト作戦＞：ラップランド戦争を参照。

＜タンネンベルク＞：ドイツ海軍特設敷設艦。元は客船で、下部プロムナードデッキに機雷敷設軌条を装備するなどの改造を受けた。総トン数5504トン。兵装は15cm砲３門、機雷460個。1941年7月、スウェーデンの機雷原に迷い込んで触雷し、沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜タンネンベルク会戦＞：第１次大戦中の1914年8月19日、予想よりも早期に立ち上がったロシア軍がグムビンネンの戦いでドイツ軍を破り、東プロイセンに侵入。ロシア第２軍は8月20日から100km正面にわたりドイツ第20軍団に攻撃を開始した。8月22日、東プロイセン第８軍司令官のヒンデンブルクと参謀長ルーデンドルフは、撤退中のドイツ２個軍団を反撃に移らせた。8月26日、ドイツ軍１個軍団がロシア軍の左翼に攻撃を開始。8月27日、ロシア第１軍の救援が無いことからドイツ軍はロシア第２軍の包囲を開始。8月30日、ドイツ軍はロシア第２軍の包囲を完了、8月31日にロシア第２軍は降伏した。ロシア側の損害は３個軍団壊滅、戦死４万・捕虜12万。ドイツ側は死傷者１万２千。その勢いでロシア第１軍も撃破し、ロシア軍を東プロイセンから追い出すことに成功した。参考：月刊PANZER5,’05、11,’99

＜短波＞：アメリカ電気電子学会標準規定（IEEE Std.）で周波数30-3MHz・波長10-100m（デカメートル波）の電磁波を指し、HF（High Freuency）と略す。高周波ともいう。ドイツ語ではクルツヴェレ。電離層の反射を利用した長距離通信やOTH（水平線以遠）レーダーに使用されるが、季節、時刻、太陽の状態で電離層が変化するため、受信状況にムラが出るのが欠点。アンテナが小さくて済む、エネルギー損失が少ない、電波ビームの絞り込みや周波数割り当てが容易で混信を少なくできるといった長所があり、無線通信に幅広く利用された。参考：図解・電波のしくみ、航空管制のはなし、現代の潜水艦、海軍技術研究所、Ｕボート入門、月刊世界の艦船5,’16、月刊航空ファン5,’17、レーダシステムの基礎理論

＜タンバー＞：SS-198（潜水艦）を参照。

＜タンパー＞：原爆の核分裂連鎖反応が十分に進行するまで核物質が飛散しないように閉じこめておく入れ物。プッシャーともいう。とはいえ核爆発に伴う高温高圧に耐えられる物質は存在しないので、密度の高い物質の慣性を利用する。ウランを使うとリフレクターも兼ねることができるが、重すぎて核兵器の軽量化には妨げになるので、鋼鉄やタングステンを併用して重量と構造強度の問題を解決している。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究8,’99

＜ダンバートン・キャッスル＞：K388（コルベット）またはP265（哨戒艦）を参照。

＜短波受信機＞：日本陸軍の無線通信機材。参考：工兵入門

＜短波帯表面波レーダ（その２）の研究試作＞：自衛隊の研究試作。三菱電機が受注している。参考：月刊軍事研究2,’18

＜短波長赤外線＞：赤外線を参照。

＜単発機＞：エンジン（発動機）が１つの飛行機のこと。単発プロペラ機の場合、トルクの反作用でプロペラ回転方向と逆に機体がローリングする、プロペラ後流がプロペラ回転方向に渦を巻くのとプロペラ不均衡荷重の影響とで機体がヨーイングを起こす、機首の向きを変えようとした際にジャイロ効果で機首が意図した方向からプロペラ回転方向に90度ずれて動く、といった特性があるので注意。参考：月刊JWings8,'23、飛行機のしくみ

＜単発式散弾銃＞：散弾銃を参照。

＜タンピコ・クラブ＞：TB-9（軽飛行機）を参照。

＜ダンプ＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バスまたはいすゞ自動車または日産ディーゼルトラックス製。参考：月刊軍事研究5,’09、7,’10

＜ダンプ七トン除雪兼用＞：自衛隊の車両。UDトラックスジャパン製。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ダンプ・アンド・バーン＞：トーチを参照。

＜ダンプ車両中隊（２００４年編制）＞：施設団隷下の部隊で、36両のダンプを持ち、土砂や砂利などを運搬する。参考：月刊軍事研究8,’04

＜ダンプトラック１０トン６×４＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜タンブルホーム型＞：Tumblehome Hull Form。吃水線から上の舷側が内側に傾斜している船体のこと。船体上部の重量を軽減するため木造帆船時代に登場したもので、敵の小型船がフレアーの影に隠れられないという利点もあった。復原性が悪いなどの欠点があり、20世紀初めに廃れたが、燃料消費に伴って吃水が上昇した際に水線幅が広くなるので、吃水上昇による復原性能低下を抑える事ができ、燃費の悪い蒸気タービン艦では軽いタンブルホーム形状を残していたりした。蒸気タービンがディーゼルやガスタービンに代わるにつれてほぼ絶滅したが、ズムウォルト級がステルス性を得るために採用した。船体に当たったレーダー波が海面に反射して照射方向に戻ることが無いので、ステルス性が高いが、復原性が悪い、上甲板や艦内スペースが狭くなるという欠点がある。技本ではこの欠点を補うため、船体後半部を三胴船にした模型を防衛技術シンポジウム2009で発表した。参考：月刊世界の艦船8,’16、月刊軍事研究5,’08、2,’05、歴史群像6,’14、朝雲

＜ダンプローダ＞：自衛隊の車両。UDトラックスジャパン製。参考：月刊軍事研究10,’13

＜単兵自熱食品＞：中国海軍軍需特食部が開発した個人用レーション。レトルト食品と加熱剤を内蔵した加熱袋２個、調味料、スプーン、お手ふきがセットになっており、加熱袋に水を加えると温かい食事が取れる。食品は炭水化物の組み合わせで、チャーハン２種、チャーハンと麺、麺と90圧縮干狼といったものがある。麺がのびているのが欠点。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11

＜単兵特族定食＞：中国海軍のレーション。主食250g、圧縮干粮、牛肉料理からなり、主食が麺か米飯かで２種類に分けられる。ナプキン、フォーク、折り畳み紙皿が付く。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11

＜タンペート＞：フランス海軍ブーラスク級駆逐艦Tampete。1926年竣工。1950年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜タンペラ＞：フィンランド軍120mm自走迫撃砲Tampella。装軌車両に迫撃砲を搭載している。最大射程6000m。発射速度毎分15発。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ダンボ＞：PBYシリーズ（飛行艇）を参照。

＜ダンボ＞：イギリス海軍試作艦上攻撃機Dumbo。バラクーダと同時期にスーパーマリンで開発された。主翼取り付け角変更装置、主翼前後縁の高揚力装置により失速速度は92kmである。バラクーダに破れて採用されなかった。全長12.18m、全幅15.24m、全備重量5.45トン。エンジンはロールスロイス社製マーリン32（1640馬力）単発で、最大速度446km、航続距離1830km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜タンボフ＞：K-448（潜水艦）またはTu-95MSM（爆撃機）を参照。

＜弾幕応急射撃＞：Mass hip-shoot。砲兵への火力支援要請から８分以内に効力弾幕射を浴びせる射撃法のこと。参考：月刊軍事研究3,’09

＜弾幕妨害＞：バラッジ・ジャミングを参照。

＜ダンマン級＞：ヤグアル級魚雷艇（サウジアラビア海軍）を参照。

＜ダンヤオ級＞：904A型（補給艦）を参照。

＜弾薬＞：火薬類または化学剤を内蔵し、主として目標の破壊殺傷を目的として設計された物品。訓練目的のものや、照明弾など破壊殺傷をしないものも弾薬に含む。口径20mm未満のものは小火器弾薬、それ以上は火砲弾薬（砲弾）という。小火器弾薬は弾丸、薬莢、装薬、雷管で構成される。参考：火器弾薬技術ハンドブック、拳銃・小銃・機関銃、MAMOR vol.132

＜弾薬（自衛隊スラング）＞：陸上・航空自衛隊用語で、金銭や酒などのこと。参考：MAMOR vol.164

＜弾薬運搬車器材バッテリー＞：自衛隊の機器。シンフォニアエンジニアリング製。参考：月刊軍事研究10,’10

＜弾薬運搬車＞：BT592-2。航空自衛隊の車両で、牽引車に牽引されて弾薬の運搬に使用される。全長5.65m、全幅2.45m、全高1.15m、車重1.5トン、最大積載量１トン。加治金属工業または佐野車両製作所または日産自動車製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究7,’10、1,’13

＜弾薬運搬車（庫外用）＞：自衛隊の車両。長谷川またはテクス清水製。参考：月刊軍事研究7,’10、9,’14

＜弾薬運搬用器材（庫内用１．５トン　リーチフォークリフト）＞：自衛隊の車両。日本輸送機製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜弾薬運搬用器材（庫内用フォークリフト１．５トン）＞：自衛隊の車両。ニチユMHI東京またはトヨタエルアンドエフ東京製。参考：月刊軍事研究10,’11、11,’15

＜弾薬運搬用機材（庫内用フォークリフト２．５トン）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京またはニチユMHI東京または双信商事が受注している。参考：月刊軍事研究2,’13、5,’14、11,’15

＜弾薬空輸用固定治具（誘導弾キャニスタ用）＞：自衛隊の機器。渡辺鉄工製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜弾薬庫（自衛隊）＞：自衛隊の弾薬貯蔵施設で、火薬類取締法に規定がある。地上に建てた貯蔵施設を土堤で囲んだ地上式火薬庫、地上に建てた貯蔵施設を土で完全に覆った地上覆土式火薬庫、山腹に横穴を掘って貯蔵施設にした地中式火薬庫がある。参考：MAMOR vol.132

＜弾薬盒＞：だんやくごう、と読む。小銃弾を入れる入れ物のことで、英語ではAmmunition Pouch。九九式小銃が採用された頃から、「弾入（たまいれ）」と簡略化して呼ばれるようになった。日本陸軍の採用したものとしては、前弾入、後弾入、弾入乙、弾入丙、弾薬帯がある。重いので、中には行軍中に弾薬を捨てていく兵士もいたという。参考：日本陸軍兵器資料集、月刊PANZER1,’90、世界の軍用銃

＜弾薬庫爆発事故（イギリス）＞：1944年1月27日、イギリスのスタッフォードシアの農村の地下27mにあった航空機用爆弾庫が爆発し、TNT火薬換算で4000トンの大爆発が起きた。これにより長さ274m、幅244m、深さ24mの大穴が開き、70人が死亡、20人が重軽傷を負った。参考：核兵器事典

＜弾薬庫歩哨（日本陸軍）＞：日本陸軍の歩哨の１つ。弾薬庫の警戒が主任務で、昼間は主に土墻上を動哨警戒する。夜間は主に土墻内を警戒するが、時々土墻上を動哨警戒して外部の動向を探る。錠前、封印、扉、窓などに異状が無いか、換気口の開閉の程度が時節に合っているか、火薬や煙の臭いがするなど爆発の恐れが無いか、土墻外から潜入しようとした形跡が無いか、付近で火災が起きていないかを見張る。弾薬庫の開閉は必ず司令の立ち会いの下で行い、司令の許可の無い者を構内に入らせてはいけない。司令の許可を得ていても、隠顕灯、マッチ類、石油、揮発油、油類、木綿屑など火気や発火の恐れのあるものを持っていないかチェックし、帯剣帯刀していたり、靴や鉄鋲の付いた上靴を履いていたりしたら入庫させない。弾薬庫修理のため民間業者が来たら、特に火気に注意し、弾薬庫内に入った場合には必要事項の申し送りを忘れないようにする。中隊兵器掛下士官などが弾薬授受のため来た時には、携帯電灯以外の火気発生の恐れがあるものは携帯させない。弾薬庫の扉が開いている間は、主に出口付近にいて出入者の監視にあたる。火災に備え、窓や扉の隙間を塞ぐ目塗土や、梯子、バケツが備えてあるが、暗夜でも適切に使えるよう使用法や使用場所を熟知し、目塗土が適度の硬さになっているかなど適宜チェックする。異常事態を付近に警報する場合は、大声で「気を付け」を2-3回連呼し、携帯・固定警報器を鳴らし、警報鐘を乱打、衛兵所や付近から援護が来るまで続ける。衛兵以外の者が救援に来た場合、衛兵所への急報を依頼する。不審者を発見したら注意警戒し、弾薬庫に近づいたら捕らえて衛兵所に急報する。この際、後方や側方に注意する必要がある。参考：衛兵勤務必携

＜弾薬庫歩哨（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の駐屯地弾薬庫を警備する歩哨。小銃と弾薬を携行するが、武器などの防護に必要な場合を除き、弾薬を小銃に装填することは禁止されている。参考：月刊軍事研究12,’08

＜弾薬作業車＞：ZC-48C。航空自衛隊の６×６輪４トントラック。全長9.3m、全幅2.45m、全高2.88m、重量13.6トン。最大牽引力5.9トン、最大吊り上げ荷重4.5トン。エンジンは日野製DS-30水冷６気筒（総排気量7689cc）で、トランスミッションは選択摺動式前進４段後進１段、最大速度66km、燃費は１リットルあたり4.7km。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜弾薬作業車＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜弾薬作業車２号＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜弾薬整備場用空気調和装置＞：自衛隊の機器。守谷商会が受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜弾薬帯＞：日本陸軍の弾薬ケースで、手榴弾を入れる大型ケースが２つ、小銃弾５発クリップ２個を入れる中型ケースが６つ、油入を入れる小型ケースが１つ付いている。参考：日本陸軍兵器資料集

＜弾薬搭載用器材＞：自衛隊の機器。ゴオダ工業製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜弾薬リフトトラック＞：自衛隊の弾薬リフトトラック。神鋼電機またはシンフォニアテクノロジー製。参考：月刊軍事研究10,’07、1,’15

＜タンヤン＞：911（駆逐艦）を参照。

＜丹陽＞：台湾海軍駆逐艦Tanyang。元は日本海軍陽炎型駆逐艦雪風で、1947年7月6日に引き渡され、1948年5月1日に丹陽と改称された。1966年年に廃艦とされ、1971年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船8,’19

＜単葉機＞：主翼が１枚の飛行機。参考：飛行機のしくみ

＜丹遥型＞：904型シリーズ（輸送艦）を参照。

＜ダンラップ＞：DD-384（駆逐艦）を参照。

＜ダンラップ級＞：マハン級（駆逐艦）を参照。

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