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＜Ｅ＞：バトルＥを参照。

＜Ｅ＞：ロシア語で、エクラニロヴァンヌイ（追加装甲）の略。T-28EやKV-1Eなど、装甲強化型を表す接尾記号である。参考：月刊PANZER8,’02

＜Ｅ＞：輸出（Eksportnyy）を表すロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜／Ｅ＞：アメリカ軍のユニット記号で、空中で使用しないユニットを指す。参考：月刊軍事研究12,’04

＜（ｅ）＞：ドイツ軍車両用接尾記号で、englisch（イギリス製）を表す。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｅ−１＞：SS-24（Ｅ級潜水艦）を参照。

＜Ｅ１火焔放射器シリーズ＞：アメリカ軍の火焔放射器。1940年8月12日からエッジウッド兵器廠とアバディーン演習場の協力でキンケイド社が開発した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｅ１＞：２室式タンク１本に22.5リットルの燃料が入っており、有効射程14-20m。重量が32kgあって重すぎたため、改良されることとなった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜Ｅ１Ｒ１＞：E1の改良型で、ボンベを２本にし、15-20秒の火炎放射を可能としたもの。有効射程は14-20mのままと短かったが、太平洋戦争勃発で量産が開始され、1942年12月にパプアニューギニアで初使用された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｅ−１潜水艦＞：スペイン海軍の潜水艦。ドイツ海軍のダミー会社が建造に関与しており、Ｕボート�TＡ型のベースになった。全長72.4m、全幅6.2m、水中排水量965トン。最大速力17ノット（水上）／8.5ノット（水中）、航続距離12965km（水上10ノット）／276km（水中４ノット）。兵装は魚雷発射管２門（魚雷10本）、20mm機関砲１門。乗員32名。1932年竣工。参考：Ｕボート入門

＜Ｅ−１早期警戒機シリーズ＞：アメリカ海軍の早期警戒機、別名トレイサー。C-1A輸送機をベースにAN/APS-82レーダーを搭載したもので、A-1G（AD-5W）の後継として開発され、1958年（1953年？）に就役した。参考：月刊JWings7,’04、月刊世界の艦船3,’21、2,’22

　＜Ｅ−１Ｂ＞：最初はWF-2と呼ばれた。C-1Aの胴体上に長径（前後）9.14m・短径（左右）6.1mの巨大なレドームを搭載し、内部にAN/APS-82捜索レーダー（探知距離400-480km、毎分６回転）を収容する。レドームを支えるために胴体後部を0.46m延長、垂直尾翼を途中で切り取って前縁を前に延長し、レドーム後端とくっつけた。また、左右水平尾翼端に垂直安定板を追加した。主翼は90度後方に折り畳む方式としており、折り畳むと重心が後方に移動して尾輪が接地する。尾輪にはステアリング機構が追加されており、空母上での取り回しが楽である。参考：月刊航空ファン11,’02、月刊JWings2,’20

＜Ｅ．１／４４＞：エース・シリーズ（試作戦闘機）を参照。

＜Ｅ１Ｙ＞：一四式水上偵察機を参照。

＜Ｅ�T型＞：659型（潜水艦）を参照。

＜Ｅ−２＞：SS-25（Ｅ級潜水艦）を参照。

＜Ｅ−０２＞：メキシコ海軍フレッチャー級駆逐艦クウィトゥラワック（Cuitlahuac）。1970年8月に供与された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｅ−２シリーズ＞：アメリカ海軍の艦上早期警戒機AEW、別名ホークアイ（Hawkeye）。機動部隊周囲を飛行して水上・空中の脅威を早期に発見し、行動を追跡してNTDSに送付する、空中戦術データシステム（ATDS）プラットフォームである。ロートドームを装備する初の実用早期警戒機で、ブライドルを使わないノーズギア方式カタパルト射出を行う初の艦上機でもある。1957年にATDSを積んだAEWとしてRFPが発出され、1959年3月12日にXW2F-1の名称でグラマン社に試作機３機が発注された。21世紀になっても使われ続けている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1979、月刊世界の艦船4,’04増刊

　＜ＸＷ２Ｆ−１＞：試作機で、３機が生産された。1960年10月21日に電子装備無し、1961年4月に電子装備ありで初飛行した。1962年9月に制式名称がW2F-1からE-2Aに変更された。参考：世界の軍用機1979

　＜Ｅ−２Ａ＞：機体のベースはS-2艦上対潜哨戒機で、一回り大きくした。コクピットは並列複座で、キャビン前方右に空調システムがあり、胴体前部右にレーダー用電子機器、左に通信・航法システムを収容する。胴体後部は与圧されたATDS（空中戦術データシステム）室で、右には電子装置操作員席３席が用意されていて、操作員は主任エアコントローラーとしてデータリンク及びSATCOMを担当する航空管制士官（ACO）、武装システム士官兼副エアコントローラーのレーダーオペレーダー（RO）、ミッションコマンダーのCIC士官（CICO）から構成され、レーダー、ESM、通信システムなど30種類以上の電子機器からのデータを処理する。ATDS室周囲には大容量の水蒸気循環式冷却システムが張り巡らされ、前部胴体上面に大型のラジエーターが付く。主翼は肩翼配置の直線翼で、エンジンポッド兼主脚収容部であるナセルが設けられており、その外側で外翼が45度回転して後方に折り畳まれ、垂直尾翼外側のフックに引っかけて固定される。空母格納時の高さ制限及びロートドームの後方気流やレーダー波と干渉しないように、垂直尾翼は４枚に分けて高さを抑えた。機体背部にロートドーム（直径7.3m、厚さ0.76m、毎分６回転）があり、ミッドウェイ級の格納庫に収容するため５本脚の支持フェアリングは油圧操作機構により0.60m縮めることができる他、回転面を傾けて探査領域を上下に拡大することができる。迎え角が付けられているので、ロートドームを支えるだけの揚力を自身で発生させることが可能。ロートドーム内にAN/APS-96レーダー（捜索距離は高度9150mで480km）、AN/APS-143アンテナ、CP-588コンピュータなどを収容する。機体姿勢に合わせて電子ビームを調整することはできず、機体自体がジンバル・プラットフォームとして飛行する。主翼前縁、ロートドーム周囲、尾翼前縁の黒い部分はゴム製防氷装置で、空気による膨張収縮で氷を落とす。機首、尾部、水平尾翼端にはパッシブ探知システムPDSのアンテナを持つ。ATDS関係の電子装備が機体重量の30%を占めており、外部からの航法支援無しに24時間行動可能とするため、ドップラー・レーダー、自動推測航法装置、TACAN、VORなども搭載している。エンジンはアリソンT56-A-8Aターボプロップ双発、プロペラは油圧操作恒速式４翅（直径4.1m）。乗員５名（パイロット、コパイロット、レーダーオペレーター、CIC士官、航空管制士官）。1965年8月17日に初飛行し、1964年1月19日（？）から引き渡された。56機が生産され、４機はTE-2A練習機に改造されている。ベトナム戦争に投入されたが、アビオニクスの信頼性が低く、1971年までに52機全てがE-2Bに改良された。参考：世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊軍事研究6,’01、丸スペシャルNo.83、スパイ機

　＜Ｅ−２Ｂ＞：ベトナム戦争でE-2Aが電子装置のトラブルによる稼働率低下を来したため、コンピュータをデジタル化するなどして信頼性を向上させたタイプで、空中給油装置も追加した。1969年2月20日に初飛行し、1971年までに既存のE-2A早期警戒機52機全てが改造された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1982、1979、月刊航空ファン4,’72、空軍、月刊JWings11,’17

　＜Ｅ−２Ｃ＞：エンジン・レーダー強化型で、1971年1月20日に初飛行し、1974年9月から実戦配備された。322km進出での哨戒時間は高度9100mで４時間。同時目標追跡能力250以上、同時迎撃管制能力30。参考：スパイ機、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｅ−２Ｃオムニバス�T＞：E-2Bのエンジン強化型で、レーダーなどはそのままである。参考：月刊軍事研究10,’07

　＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ０＞：UDPはUpdate Development Programの略で、単にE-2Cグループ０と呼ばれることが多い。レーダーをクラッター処理能力に優れるAN/APS-120に換装し、パッシブ探知システムPDSを搭載、ATDSとNTDSの連携を強化したタイプである。機首にはPDS受信機、PDSアンテナ、酸素ボンベを収容し、その後ろが並列複座のコクピットになっていて、下部には前脚収容部がある。コクピット後方は電子機器室で、上面には大型の冷却用ラジエーターが載っている。胴体中央部から後方がコンソール室で、左舷側にコンソールが並んでおり、３名の要員が運用する。胴体後方下面には着艦フックがあり、後端にはPDSアンテナと燃料投棄口を持つ。主翼は胴体中央に高翼配置で取り付けられており、フラップとエルロンを有し、エンジン取り付け部のすぐ外側で90度後方に折り畳まれる。エンジンナセル前端下方にはエンジン用エアインテイクと潤滑油冷却用エアインテイクが上下に並ぶ。胴体やや後ろ寄りの上面には支柱を介してロートドームが取り付けられており、内部にAN/APS-120とIFFのアンテナを収容する。水平尾翼には上反角が付けられており、両端にはPDSアンテナを装備している。垂直尾翼は左右水平尾翼中央上面及び翼端に計４枚取り付けられていて、グラスファイバー製のため電波の透過性が高い。全長17.55m、全幅24.56m、全高5.59m、自重17.09トン、総重量24.2トン、最大離陸重量23.355トン。エンジンはアリソンT56-A-422ターボプロップ（4910馬力）双発、プロペラはハミルトンスタンダード製４翅、巡航速度258ノット、最大速度340ノット、実用上昇限度8565m、航続距離1500海里。乗員５名（コクピットクルー２名、警戒管制要員３名）。34号機からレーダーがECCM能力強化型のAN/APS-125となり、1988年以降はAN/APS-138に換装した。AN/APS-138搭載型は前部胴体上面に電波伝播特性測定プローブを装着しており、電波屈折ダクト層を利用して見通し線以遠を探知するOTH-B能力を持つ。E-2Cの100号機までが本タイプにあたる。参考：ワイルドウエポン、世界の軍用機1979、自衛隊装備年鑑1996、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊軍事研究6,’01、スパイ機、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ�T＞：巡航ミサイルなど陸上を低空飛行する目標を探知できるAN/APS-139レーダーを搭載したタイプ。前部胴体上面に電波伝播特性測定プローブを装着しており、電波屈折ダクト層を利用して見通し線以遠を探知するOTH-B能力を持つ。エンジンはT56-A-427に換装した。E-2Cの101号機以降で、1989年8月から18機が配備された。後に12機がグループ�Uに改造された。参考：月刊軍事研究6,’01、10,’07、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ�U＞：探知能力やECCMに優れたAN/APS-145レーダーを搭載したタイプで、Ｘ、Ｎ、Ｍ、Ｃと４つのサブタイプに分かれる。パッシブ探知システムPDSは電波発信源800カ所以上を表示可能となった。IFFはAN/APX-100、航法装置はGPSを搭載している。全長17.6m、全幅24.56m、全高5.58m、自重18.36トン、最大離陸重量24.69トン。翼面積65.03平方メートル。エンジンはロールスロイス／アリソンT56-A-427（5250ehp）双発、巡航速度482km、最大速度626km、侵入速度191km、失速速度138km、実用上昇限度11275m、作戦行動半径1500km、フェリー航続距離2850km、哨戒時間４時間24分（320km進出）、無給油最大滞空時間６時間15分。乗員５名。1991-2001年に36機が引き渡された。全型とも後にロートドーム頂部にGPSアンテナを装備しており、Ｃ型ではCECアンテナも収容するため、円錐形の上部を切り落としたような形状になっている。参考：月刊軍事研究6,’01、10,’07、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ�U（Ｘ）＞：AN/ALR-73パッシブ探知システム、GRIIM RePRミッションコンピュータ、EMDU/MFCDU（拡張型メインディスプレイユニット／多機能操作ディスプレイユニット）戦術ディスプレイ、AN/ASN-92/50航法装置、AN/ASW-15自動操縦装置を搭載している。通信装置はHF無線機２基、UHF無線機３基、VHF/UHFハブクイック無線機３基で、リンク4A、リンク11、リンク16を装備する。機首に�Uと書いてあるのが特徴である。参考：月刊軍事研究10,’07

　＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ�U（Ｎ）＞：Ｎはナビゲーションで、航法装置をAN/ASN-139に、自動操縦装置をAN/ASW-50に換装したもの。このタイプ以降、機首には＋と書かれるようになった。参考：月刊軍事研究10,’07

　＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ�U（Ｍ）＞：Ｍはミッションコンピュータで、ミッションコンピュータをLR-304に、データローダー・レコーダーをRD-664A/ASHに、戦術ディスプレイをACIS/MFCDU（新型操作表示セット／多機能操作ディスプレイユニット）に換装したもの。コンソールが20インチ（508mm）のカラー液晶ディスプレイになった。2003年に実用化された。参考：月刊軍事研究10,’07

　＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ�U（Ｃ）＞：ＣはCECの頭文字で、CEC大容量高速データリンクを追加したもの。AN/USG-3共同交戦送信処理セットの円盤状アンテナを胴体後部下面に装備し、イージス艦と非イージス艦の通信中継を行って弾道ミサイル迎撃（イージス艦が弾道ミサイルを探知、非イージス艦にデータを送って艦対空ミサイルを発射）ができる。パッシブ探知システムをAN/ALQ-217に換装して機首、尾部、尾翼などにアンテナを装着し（AN/ALR-73と同位置）、HF無線機１基を撤去、AN/ARC-210VHF/UHF/AM-FM無線機を搭載した。前脚扉にブレードアンテナが付いている。2004年に実用化された。参考：月刊軍事研究10,’07、月刊JWings5,’10

＜Ｅ−２Ｃオムニバス�UＵＤＰグループ�U（Ｎ）改＞：E-2Cグループ�U(N)の航法装置を改良したもので、別名ホークアイ２プラス。参考：月刊軍事研究10,’07

＜Ｅ−２Ｃ２０００アップグレード型＞：レーダーはAN/APS-138で、ロートドーム中央に円錐状のアンテナを追加している。エジプトも採用した。参考：月刊JWings6,’03、11,’04

＜Ｅ−２Ｃ　ＮＰ２０００＞：NPはNavy Propellerの略だったが、海外売り込み時に不便なのでNew Propellerの略にした。54460-1プロペラが生産終了になったため、ハミルトン・サンドストランド社製NP2000プロペラ（８翅。こちらのNPは何の略なのか不明）にしてプロペラ効率と静粛性を高めたものある。エンジンには推進制御モニターユニットPCMUを装着した。2006年から納入された。参考：月刊JWings4,’00、2,’04、4,’07、5,’07、月刊軍事研究10,’07

＜ホークアイ２０００＞：通称HE2000またはHE2K。2030年までの運用を可能とすべく1994年12月から開発されたアップグレード型で、グループ�UM/C改修を経て最終的に到達する目標である。グループ�Uの改良型で、同じAN/APS-145レーダーを搭載する。ミッションコンピュータと表示装置を更新しており、2000以上の航跡を処理し、巡航ミサイルクラスの目標を陸上のクラッターから分離して追尾できる。レドーム頂部には円錐台形のSATCOMアンテナを装備。空中給油装置も付けられるが、居住性が悪く、長時間ミッションでは乗員がへたばるため、搭載されないかもしれない。CECを装備しており、胴体後部下面にはAN/USG-3の円盤状アンテナがある。既存のE-2Cもこのバージョン相当にアップグレードする計画もある。元々はNP2000改修とセットで行われる予定だったが、別々に行われることになった。1997年1月24日に初飛行し、1999年4月に24機（うち台湾軍向け２機、フランス海軍向け１機）が発注され、2001年10月25日から引き渡された。2003年には８機が追加発注されたが、うち５機はTE-2C、２機はE-2Dプロトタイプに改造されている。2007年1月から実戦配備され、2010年2月28日には厚木基地に３機が到着してVAW-115に配備された。参考：月刊軍事研究6,’01、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings9,’01、5,’07、月刊世界の艦船2,’16

＜ホークアイ２プラス＞：E-2Cオムニバス�UUDPグループ�U(N)改を参照。

＜Ｅ−２Ｃ　ＲＭＰ＞：レーダー近代化計画。搭載レーダーをUESA（UHFアクティブ電子スキャンアレイ）に変更、機首にIRSTを搭載する。アンテナを回転させる必要は無いが、機体変更に伴う空力計算が面倒なので、ロートドームはそのままになる予定。参考：月刊JWings4,’00

　＜Ｅ−２Ｄ＞：アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー搭載型、別名アドバンスド・ホークアイ。以前はホークアイ2005とも呼ばれていた。レーダーをAN/APY-9AESAレーダー（走査範囲120度）に換装したもので、AN/ADS-18アンテナを直径7.3mのAN/APA-171ロートドームに収容、毎分5-6回転させて全周を捜索する。レーダーが小型化されたため、空いたスペースにはBAEシステムズ社製AN/APX-123質問送受信機（IFF）のアンテナ36基が収容されており、SATCOM、GPS、AN/USG-3B共同交戦能力（CEC）端末の各アンテナも内蔵されたようである。CECアンテナは胴体下にも装備されており、主翼付け根部分の胴体下面が膨らんでいる。内部情報は光ケーブルLANで高速伝送され、搭載するAN/ARC-210対妨害マルチモード無線機、リンク16、CEC、衛星通信装置により各外部ネットワークにも情報を送信、新型艦対空ミサイルの中間誘導を行うこともできる。NIFC-CAの中核をなす存在でもあり、イージス艦とのリンクでは巡航ミサイルの迎撃確率が２倍に上昇し、F/A-18E/Fとのリンクでは従来のE-2Cに比べて迎撃効率が６倍にもなる。ファイアスカウト無人機の遠隔運用能力も持つ。コンソールはE-2Cグループ�U（M）と同じものが胴体中央オペレーション室に３台並んでいて（オペレーターは胴体左側を向いて座る）、AN/UYQ-70先進表示・コンピュータ周辺システムで制御するが、膨大なデータ処理をオペレーター３名（前から副空中管制官兼レーダー操作員、戦闘情報指揮官、空中管制官兼データリンク・衛星通信士と座る）でこなすのは限界があるため、パイロット２名のうち１名が限定的ながらミッション支援を行えるようになっていて、計器板を17インチ（432mm）カラー液晶PFD（主要飛行ディスプレイ）３基によりグラスコクピット化（デジタル戦術コクピット）し、従来の計器板の替わりとなる飛行管理モードの他、戦術モードに切り替えることで、ミッション支援を行う。コクピット後方には17インチ（432mm）戦術航法コクピットディスプレイTNCDと座席１つが追加され、コクピットでも戦闘情報指揮官が見ているディスプレイ情報を確認できるようになった。オペレーター用コンソールには20インチ（508mm）カラー液晶表示装置、キーボード、トラックボールが用意されている。エンジン出力を向上させ、発電能力や冷却能力も強化した。居住性向上を図り、個室トイレ、電子レンジ、冷蔵庫を追加している。ESMはAN/ALQ-217。前部胴体上面の熱交換器には上部にレーダー加圧冷却システムの熱交換器が追加されて２段式となった。E-2Cに比べて着艦重量が増加したため、識別用として機首部分にデルタ（三角形）マークが付く。空中給油受油能力は後日搭載で、E-2D初号機に受油装置を装着した空中給油試験機初号機が2016年12月15日に初飛行しており、46号機からコクピット上面に受油プローブを追加、45号機までにもレトロフィットする。空中給油１回で航続時間が10時間になるが、乗員の疲労が激しいので、８時間に抑えて運用している。全長17.6m、全幅24.6m、全高5.6m、機体重量19.5トン、最大離陸重量26.1トン。エンジンはロールスロイス・アリソンT56-A-427Aターボプロップ（5100馬力）双発、プロペラは８翅、最大巡航速度602km、最大速度630km、実用上昇限度10756m、航続距離2708km、航続時間6.4時間（空中給油無し）／10時間（あり）、哨戒時間５時間（空中給油時）。乗員５名（機長、副操縦士、戦闘情報指揮官、空中管制官兼データリンク・衛星通信士、副空中管制官兼レーダー操作員。６名？）。原型機２機はE-2C2000から改造され、初号機は2007年8月3日に初飛行した。2010年7月29日に低率初期生産初号機が引き渡され、合計75機を調達して10個飛行隊に５機ずつ配備する（残りは予備）予定。2011年2月3日、初の空母着艦を実施。7月29日、量産型初号機がVAW-120に配備された。2013年2月11日に全規模量産の許可が下りていて、2014年10月10日にVAW-125で初期作戦能力を達成した。2019年9月9日、空中給油受油プローブ付き初号機がVAW-120に配備された。空自が配備を決定し、フランスとインドも導入を検討していて、2018年から発注を受け付ける予定。参考：月刊軍事研究4,’17、10,’07、12,’14、11,’15、10,’06、4,’09、9,’13、2,’14、3,’14、月刊航空ファン11,’16、5,’17、5,’11、10,’14、7,’18、12,’19、月刊JWings10,’10、4,’11、5,’13、1,’16、1,’15、12,’19、8,'23、月刊世界の艦船2,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−２Ｄ　ＤＳＳＣ２＞：DSSCはDelta System Software Configurationの略。AN/USG-3Bのソフトウェアを最新版に更新し、IFFをAN/APX-122からモード5/S対応のAN/APX-122Aに換装、複信方式衛星通信を可能とするもので、2016年に実施された。参考：月刊軍事研究4,’17

　＜Ｅ−２Ｄ　ＤＳＳＣ３＞：NIFC-CAやCECのソフトウェアを最新版に更新し、自動識別システムAISを装備、早期中間相互運用改善計画AMIIPを適応する。2019年度第４四半期から部隊配備される予定。参考：月刊軍事研究4,’17

　＜Ｅ−２Ｄ　ＤＳＳＣ３ＡＲ＞：ARは空中給油の略。伸縮式空中給油受油プローブ追加によるソフトウェア更新を行うもの。参考：月刊軍事研究4,’17

　＜Ｅ−２Ｄ　ＤＳＳＣ４＞：MIDS/JTRS TTNTを適応し、機密インターネットプロトコル・ルーター・チャットSIPRT、航法戦能力データフュージョン、戦闘機間バックリンクなどのネットワーク関連ソフトウェアを近代化するもの。2021年度第４四半期から部隊配備される予定。参考：月刊軍事研究4,’17

　＜Ｅ−２Ｄ　ＤＳＳＣ５＞：NIFC-CAインクリメント３に対応し、AN/ALQ-217やストア性能要求品質分析SPARQを搭載するもの。2023年度から部隊配備される予定。参考：月刊軍事研究4,’17

＜Ｅ−２ファミリー＞

　＜ＴＥ−２Ａ＞：練習機型。E-2Aから４機が改造された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＴＥ−２Ｃ＞：練習機型。E-2C2000から５機が改造された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｅ−２海外シリーズ＞

　＜Ｅ−２Ｃ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍早期警戒機。１億6000万ドルでE-2Cグループ０を４機導入した。基地では主翼を折り畳んで戦闘機用シェルターに格納する。G550早期警戒機の導入に伴い退役し、３機がメキシコに売却された。参考：月刊軍事研究11,’06、スパイ機、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−２Ｃ（エジプト空軍）＞：エジプト空軍早期警戒機。E-2Cグループ０で、1984年に２機、1985年に２機、その後更に４機の計８機を導入した。参考：スパイ機、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’21

　＜Ｅ−２Ｃ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊早期警戒機。地上防空レーダーの死角となる低高度目標をカバーするため、1960年代前半に早期警戒機導入の検討を開始、E-2シリーズは最新機なので導入困難が予想され、PS-1やC-1をベースに国産化することになり、３次防で研究開発が行われ、1968年に技術研究本部が国産化可能との結論を得た。ただ同年にアメリカからE-2Cの輸出が可能であるとの連絡も受けたため、国産と輸入のどちらにするか検討を続けていたが、1974年12月の国防会議議員懇談会で国産化研究開発への着手は見送るという結論が出され、更に1976年9月のMiG-25函館亡命事件で早期に低高度をカバーする必要に迫られ、国産している暇が無いので1978年8月23日にE-2Cの導入を内定した。E-3Aも視野に入れていたが、実用化されたばかりで当面は輸入許可が下りないかもしれない、３倍以上高価、運用が複雑で飛行場追加整備の必要がある、周辺国に脅威となるといった事情があり、却下されている。AN/APS-125レーダー、AN/ALR-59レーダー逆探知装置、AN/ARC-158及びAN/ARQ-34データリンク装置などを搭載する。BADGE/JADGEとの直接リンクが行えないため、地上航空基地の通信バッファー（1987年度末までに設置完了）を経由してデータを交換する。全長17.6m、全幅24.56m、全高5.58m、自重17.09トン、全備重量23トン、最大離陸重量23.391トン。エンジンはアリソン製T56-A-425ターボプロップ（5100軸馬力）双発、巡航速度268ノット、最大速度325ノット・600km、実用上昇限度9390m、航続距離2550km、航続時間６時間（180海里進出して高度7000-9000mで４時間哨戒）。乗員５名（操縦士、副操縦士、オペレーター３名）。1982年5月18日に最初の２機をグラマン社で受領し、1983年7月7日に２機とも日本に到着、もう２機を加えて計４機で試験が行われ、1983年11月15日に部隊使用承認が下りて臨時警戒航空隊での運用が始まり、1986年4月5日に第601飛行隊が発足、1987年5月には８機態勢に拡大し、1993年に３機、1994年に２機が追加され、最終的にグループ０がFMSで13機輸入された。順次アップデートが行われており、レーダーをAN/APS-138に換装するなどしている。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings6,’02、9,’17、5,’14、2,'22、月刊軍事研究3,’14、6,’10、9,’11、12,’14、9,'15、月刊航空ファン1,’15、MAMOR vol.91

　＜Ｅ−２Ｃ改修型（航空自衛隊）＞：2002年度（2000年度？）から始まった改修で、ホークアイ2000に相当する。搭載捜索レーダーをAN/APS-145（探知距離300海里）に換え、AN/APX-100性能向上型IFF、AN/ALR-73ESM、新型MCPU、新型ワークステーション（ACIS表示装置）を採用し、INSをAN/ASN-139に換装、GPSを追加し、AFCSを近代化している。通信機能もリンク16やJTIDSを追加して強化し、AN/ARC-158UHFデータリンクやAN/ARQ-34HFデータリンクなどを装備した。探知可能な敵機RCSが数十平方メートルから数平方メートルになり、クラッター処理能力も改善する。JADGEとのリンクは相変わらず通信バッファー経由である。エンジンなどはそのままで、ロートドーム中央のアンテナも無い。2008年度にはNP2000プロペラの適合試験をアメリカ海軍省に発注した。2017年12月11日、NP2000プロペラ装備機が三沢基地でテスト飛行しているのが確認された。参考：月刊軍事研究3,’02、3,’14、8,’09、6,’10、月刊JWings2,’04、6,’04、11,’04、6,’10、3,’18、月刊航空ファン2,’18

　＜Ｅ−２Ｃ（シンガポール空軍）＞：シンガポール空軍早期警戒機。1985年にグループ０を４機導入した。参考：スパイ機、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−２Ｃ（フランス海軍）＞：フランス海軍早期警戒機。グループ�Uを２機とE-2C2000を１機の計３機を運用している。後にプロペラを８翅のNP2000に換装した。後継はE-2Dを予定しているが、導入開始がE-2Cの運用期限が迫る2025-26年になるので、取り敢えず既存のE-2Cに対して2016-17年にAN/APX-122IFF（モード5/S）搭載とAN/ALR-73ESMのAN/ALQ-217への換装を行う予定。参考：月刊JWings5,’13、月刊軍事研究8,’13、月刊航空ファン9,’18、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−２Ｄ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊早期警戒機。26中期防で導入する早期警戒機としてアメリカ政府が提案し、伊藤忠商事・伊藤忠アビエーションが提案したB737AEW&Cに勝って2014年11月21日に導入が決定、2015年6月1日に４機（＋T56-A-427Aエンジン10基、MIDS-LVT８基、AN/APY-9レーダー４基など）のFMS輸出をアメリカ国防安全保障協力局が承認し、2016年1月5日にアメリカ海軍がノースロップ・グラマンへ空自向けE-2D初号機を正式発注した。機体修理整備は川崎重工業、エンジン修理整備はIHIが行う。CECは積んでいない。初号機は2017年10月9日に初飛行したと11月13日にノースロップ・グラマンが発表した。2018年9月10日、アメリカ国防安全保障協力局が日本に対してE-2D最大９機（＋エンジン28基、AN/APY-9レーダー10基、MIDS/JTR12基、スペアパーツなど）を売却する承認を出した。初号機はNAVYとアメリカ海軍マークとビューロナンバーを付けて2019年3月15日に貨物船オーシャン・フリーダムで岩国基地に到着し、3月27日に三沢基地にフェリーされ、3月29日に引き渡されて第601飛行隊に配備され、同日から試験飛行を開始している。5月28日、国籍マークを日の丸に塗り替えて試験飛行を再開した。2020年1月17日、警視庁公安部と空自警務隊が、航空開発実験集団司令部研究開発部計画課長時代（2013年1月9日頃）にE-2Dの特別防衛秘密を含む情報が入った電子記録媒体を入間基地で知人の航空機関連商社社員らに譲渡するなどした、日米相互防衛援助協定に伴う秘密保護法違反容疑で、2017年に退官した一等空佐を逮捕した。この商社社員がE-2Dとは別のメーカーにデータを渡し、そのメーカーがアメリカ政府に通報、2014年10月に防衛省がアメリカ政府から情報提供を受け、慎重に捜査していたもので、機種選定への影響や第三国への情報流出は無かった模様。2020年3月7日、３号機と４号機が岩国基地に陸揚げされた。7月3日、３号機と４号機が三沢基地に到着した（ちなみに２号機はまだ日本に来ていない）。2022年10月18日、５号機と６号機が岩国基地に陸揚げされ、11月10日に６号機、11月11日に５号機が三沢基地にフェリーされた。この時点でも２号機は未到着である。ターボプロップ機で飛行性能に劣る、機内スペースに余裕が無く自衛隊デジタル通信システム（戦闘機搭載用）など追加器材の搭載が難しい、居住性が低いといった欠点があり、技術研究本部で国産大型機（恐らくP-1）を早期警戒機に改造する研究を実施中。参考：月刊軍事研究1,’15、4,’18、月刊航空ファン2,’15、2,’18、6,’18、月刊JWings8,’15、3,’16、2,’18、11,’18、6,’19、8,’19、6,’20、10,'20、1,'23、2,'23、朝雲

　＜Ｅ−２Ｄ（フランス海軍）＞：フランス海軍早期警戒機。E-2Cの後継で、2020年7月6日にアメリカ国防安全保障協力局が３機を20億ドルでFMS輸出する許可を出し、2021年12月21日にアメリカ海軍航空システム軍団NAVAIRがノースロップ・グラマン社と契約した。リンク16端末としてMIDS LTRSを搭載し、アビオニクスの一部をフランス製に換装、空中給油受油装置を装備する。フランス海軍ではCECを使っていないので、E-2Dにも装備しない模様。参考：月刊世界の艦船10,’20、月刊JWings3,’22

　＜Ｅ−２Ｋ＞：台湾空軍早期警戒機。E-2Tにホークアイ2000仕様への改修を行ったもので、NP2000プロペラを装備している。CECは無い。E-2Tから４機が改造され、新規に２機を導入した。参考：月刊航空ファン2,’15、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings3,’22

　＜Ｅ−２Ｔ＞：台湾空軍早期警戒機。E-2BをE-2Cグループ�U仕様に改造したもので、４機を導入した。後にホークアイ2000仕様への改修を行ってE-2Kになった。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究5,’09、月刊航空ファン2,’15

＜Ｅ−２Ｃ収集データ分析装置＞：自衛隊の分析装置。東芝製。参考：月刊軍事研究12,’08

＜Ｅ−２Ｃ操縦者用コクピットトレーナー＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究5,’16

＜Ｅ−２Ｃ統合後方支援（ＩＬＳ）＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｅ−２Ｃの次期味方識別方式への適合化改修（その１）＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｅ−２Ｃ用運用支援器材＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究3,’17

＜Ｅ−２Ｃ用計測器＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究3,’15

＜Ｅ−２Ｃロートドーム＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究11,’10

＜Ｅ−２Ｄ統合後方支援（ＩＬＳ）＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜Ｅ−２Ｄミッション・シミュレータ＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究1,’17

＜Ｅ−２Ｄ用整備器材＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｅ−２Ｄ用秘話装置＞：自衛隊の機器。アメリカ国家安全保障庁に発注している。参考：月刊軍事研究12,’16

＜Ｅ２Ｎ＞：一五式水上偵察機を参照。

＜Ｅ�U型＞：675型（潜水艦）を参照。

＜Ｅ−０３＞：メキシコ海軍ケツァルコアトゥル級駆逐艦１番艦ケツァルコアトゥル（Quetzalcoatl）。元はアメリカ海軍ギアリング級駆逐艦で、1982年2月に購入した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜Ｅ−３シリーズ＞：アメリカ空軍空中警戒管制システムAWACS、別名セントリー（Sentry）。EC-121C/Dの早期警戒能力、C-130ファミリー系の指揮統制能力、KC-135ファミリー系の通信能力を単独の機体に備えさせたものである。５社が競争試作を行い、まず機体として1970年7月にボーイングB707がマクダネル・ダグラス社に勝って採用され、開発用試作機EC-137Dが1972年2月5日（9日？）に初飛行、同年に前量産型の発注がなされ、1977年3月24日から戦術航空コマンドに配備された。アメリカ空軍向け生産数は原型２機含め36機（35機？）、海外向けも含めた総生産数は68機で、最終号機はフランス空軍向けとして1991年に完成している。湾岸戦争では１日15時間飛行し、1500機以上の飛行機に指示を出し、43日間の戦闘で通常時の半年分の任務をこなした。2022年に後継としてE-7A早期警戒管制機の採用を決めている。2023年2月、KC-135シリーズの垂直尾翼を胴体に固定する垂直ターミナル固定ピンで不良品が見つかったため、同じB707ベースである本機を調査したところ、こちらの一部にも不良品が発見され、3月2日までに保有全29機の交換を終えた。4月6日、退役する最初のE-3B早期警戒管制機がデビスモンサン空軍基地に向かった。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊JWing11,’03、5,'23、7,'23、世界の軍用機1979、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究10,’07、スパイ機

　＜ＥＣ−１３７Ｄ＞：試作型。ボーイングB707-320Bの機体を使用して２機が製作され、ヒューズ社とウェスティングハウス社のレーダーシステムをそれぞれ搭載して試験を実施した。1972年10月にウェスティングハウス社のシステムが採用され、E-3Aとして生産されることになった。後に２機ともE-3Bに改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界軍用機年鑑1990-91

　＜コアＥ−３Ａ＞：３号機から26号機（24号機？25号機？）まで。ボーイングB707-320（新造機）の胴体側面窓を撤去し、エンジンを換装、空中給油受油装置を搭載し、胴体後部上面に高さ3.35mの逆Ｖ字支柱とロートドームを取り付けている。機首には天候探知レーダーアンテナを収容し、風防前方にはグライド・スロープ・アンテナを装備する。コクピットには左にパイロット、右にコパイロットが座り、コパイロットの後ろに機関士、パイロットの後ろにオブザーバー、その後ろに航法士が位置する。コクピット後方右には通信機調整士と通信士が座り、更に後ろのキャビンスペースにはコンソール（多用途状況表示器SDC９台、補助表示器２台）やオペレーター（コンピューター・オペレーター、サーベランス・オフィサー、サーベランス・テクニシャン２名、デューティー・オフィサー２名、シニア・ディレクター、ウェポン・ディレクター３名、ミッション・クルー・コマンダー、レーダー技術員）が位置し、休養コンパートメントも用意されていて、下部にはIBM社製4PiCC-1多重処理大型コンピュータ、TDMA通信システム、航法システム、ECCM装置、電源などを収容する。ECCM装置は1975年6月にEA-6Bによるジャミングを排除して要撃戦闘機を正確に誘導した実績を持つ。胴体上面にはTACANアンテナ、AIMS（敵味方識別）上部アンテナがあり、下面にはTACANアンテナ、AIMS下部アンテナ、Ｘバンド・ランデブー・ビーコン・アンテナ、マーカービーコン・アンテナ、方向探知ループアンテナ、方向探知センスアンテナ、低高度用高度計送信・受信アンテナが並ぶ。AN/APY-1レーダーアンテナはIFF及び通信アンテナと一体化されており、アンテナ自体は7.32m×1.52mの大きさだが、前後にＤ字型のグラスファイバー・レドームを装着して直径9.14m・厚さ1.83mのロートドーム状に成形されていて、支柱上に下向き2.5度で装着してある。水平方向の走査は機械的（油圧で毎分６回転する。非作動時は毎分４分の１回転）に、垂直方向の走査は電子的に行われ、レーダーアンテナは機体姿勢に応じてビーム面を15度傾けることができ、機体側にはバンク角制限の自動操縦装置が付いていて、半径200海里（41万平方キロメートル）を捜索して同時に600個以上の移動目標を探知、200個以上の目標エコーを同時処理できる。IFFを補完するため、非協力的目標識別（NCTR）能力を備えており、レーダー反射波を解析することで目標識別が行えるらしい。全天候能力を持たせるため、AN/ASN-119カルーセル�W慣性航法装置、AN/ARN-120オメガ航法装置、AN/APN-213ドップラー航法装置などの各種航法装置を搭載。機首、機首両側面、尾部にESMアンテナを装備する。全長46.61m、全幅44.42m、全高12.73m、自重73.48トン、総重量147.4トン、最大離陸重量151.922トン。エンジンはプラット&ホイットニー社製TF33-P-7（TF33-PW-100A？推力9.525トン）４基、通常作戦速度563km、巡航速度マッハ0.7、運用限界速度マッハ0.83、実用上昇限度12200m以上、哨戒航続時間６時間（1609km進出）、最大航続時間11時間以上。乗員17名（運航乗員４名、システム整備・技術要員４名、戦闘指揮官１名、要撃管制チーム８名。同数の交代要員も乗る）。前量産型は1975年2月（10月31日？）に初飛行し、1975会計年度に量産機が発注され、量産型初号機は1976年7月末に完成、1977年3月24日に戦術航空コマンド第552空中警戒管制航空団（オクラホマ州ティンカー基地）に配備された。22号機からは水上捜索能力が追加され、24号機からはJTIDSとのリンク能力を得た。後に全機がE-3Bに改造された。参考：世界の軍用機1982、1979、アメリカ空軍の第一線機、世界航空機年鑑2018-2019、ワイルドウエポン、月刊軍事研究5,’07、10,’07、10,’12、スパイ機、月刊JWings1,’16

　＜スタンダードＥ−３Ａ＞：27-34号機（26-34号機？27-35号機？）。レーダーを海上監視能力を追加したAN/APY-2に、コンピュータをCC-2に換装し、状況表示卓SDCを14席に、UHF無線機を12基に、HF無線機を３基に増やしている。後に全機がE-3Cに改造された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｅ−３Ｂ＞：1984年7月18日から引き渡された改良型（ブロック20）で、レーダーはそのままだが、コンピュータをCC-2に換装して限定的な海上監視能力を得ている。状況表示卓SDCは14席。全長46.61m、全幅44.2m、全高12.93m、零燃料重量92.986トン、最大離陸重量147.418トン。エンジンはプラット&ホイットニー社製TF33-PW-100（推力9.526トン）４基、巡航速度835km、上昇限度8788m以上、燃料搭載量79494リットル、航続距離9250km以上、滞空時間11時間。運航乗員４名＋任務乗員13-19名。EC-137DとコアE-3A全機が改修を受けた。2005年から衛星通信システムの改良と新型衝突回避システム装備が行われている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings7,’17、11,’03、10,’05

　＜Ｅ−３Ｃ＞：E-3Bのコンピュータ改良型（ブロック25）で、スタンダードE-3Aの全機が改修を受けた。状況表示卓SDCが19席に、UHF無線機が17基に増えている。1997年末にAN/APY-2RSIP搭載改修が開始された。全長46.61m、全幅44.42m、全高12.6m、自重83.658トン、離陸総重量151.953トン。翼面積283.4平方メートル。エンジンはTF33-PW-100A（推力9.525トン）４基、巡航速度763km、最大速度852km、実用上昇限度8788m、ミッション航続時間６時間（1610km進出）、航続時間11時間。乗員20名（操縦要員４名＋空中監視・航空管制要員13-19名）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWing11,’03、10,’05、8,’06、月刊軍事研究5,’07

　＜Ｅ−３Ｃブロック３０／３５＞：機首、前部胴体側面、尾部にAN/AYR-2ESM用アンテナを追加し、JTIDSデータリンク端末をクラス2Hに換装したもの。参考：月刊軍事研究4,’09

　＜Ｅ−３Ｂ／Ｃ　Ｍｏｄ＞：IFFやネットワーク能力を改良したタイプらしいが、外見に変化は無く、詳細不明。参考：月刊航空ファン9,’11

　＜Ｅ−３Ｃブロック４０／４５＞：2005年から開発された改良型で、SATCOMを導入し、要求別複合アクセス（DAMA）／全地球航空交通整理（GATM）を統合、通信系統を強化してネットワーク中核作戦（NCO）への完全適合を行う。レーダー、IFF、ESM、リンク16などの情報を自動的に統合する複合資料統合処理能力を持つ。ディスプレイも直感的に状況を認識できる表示モードを持つタイプに換装されている。IFFはAN/APX-103Cからモード５対応のAN/UPX-40に換装する。2009年7月23日に低率初期生産の契約が成立し、2010年11月18日から実働機の改修に入っていて、制式名はE-3Gとなった。E-3Bから24機、E-3Cから８機が改修される予定。参考：月刊軍事研究10,’07、1,’14、月刊JWings10,’09、2,’11、10,’15、月刊航空ファン9,’11

　＜Ｅ−３Ｃ　ＥＡＧＬＥ計画＞：EAGLE計画を参照。

　＜Ｅ−３Ｇ＞：E-3Cブロック40/45の制式名で、2014年7月28日に初度作戦能力（IOC）を達成し、量産初号機は2015年5月18日に改修を終え、11月18日に配備された。コンピュータの改良で捜索レーダーの立ち上がりが早くなり、訓練や演習の際に他機より１時間以上前に離陸してレーダーを準備する必要が無くなり、戦時の即応性も増した。嘉手納基地の第18航空団第961空中航空管制飛行隊には2022年1月に２機が初配備されている。保有31機全機を改修する予定だったが、機体の老朽化と移動目標標示能力の低さが問題となり、後継としてE-7Aウェッジテイル早期警戒管制機を配備することになった。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊航空ファン10,’14、8,’15、2,’16、6,’16、月刊JWings11,’14、5,'22、7,'22、5,'22、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−３　ＤＲＡＧＯＮ改修＞：計器板をグラスコクピット化し、アビオニクスを近代化するもので、E-3Gへの改修と同時進行中。初号機は2017年1月9日に引き渡された。参考：月刊航空ファン4,’17

＜Ｅ−３ファミリー＞

　＜ＪＥ−３Ｃ＞：試験機型。１機がボーイング社に貸与されている。参考：月刊JWings11,’14

＜Ｅ−３海外シリーズ＞

　＜Ｅ−３Ａ（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍AWACS。エンジンをCFMインターナショナル製F108／CFM56-2A-2ターボファンに換装した。導入機数５機。RAMP（Royal Saudi Air Force E-3 Sentry Airmorne Warning and Control Systems Modernaization Program）という計画名でE-3Gに準ずる近代化改修を全機に20億ドルかけて施す予定で、初号機は2017年5月23日に改修を完了した。参考：月刊軍事研究11,’11、月刊JWings12,’14、8,’17、月刊航空ファン4,’18、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−３Ａ（ＮＡＴＯ軍）＞：NATO軍AWACS。レーダーをAN/APY-2に換装、コンピュータをIBM社製システム4PiモデルCC-22に変更し、HF通信機、無線テレタイプ、IDS戦術通信システムを追加した。電子機器の殆どは西ドイツで製作されており、システム統合もドルニエ社が行っている。乗員や地上支援要員はNATO各国が派出する。1982年から18機がドイツ連邦ガイレンキルヒェン航空基地のNATO空中早期警戒管制軍に配備された。ちなみに全機ルクセンブルク国籍で登録されている。1996年7月14日、１機がスペインのアクシオン国際空港で滑走路をオーバーランして大破損耗した。2011年、カナダが共同運用から抜けた。2015年6月、１機が退役して14機態勢になった。2017年12月、１機が退役して13機態勢になった。2018年、カナダが共同運用に復帰した。12月18日、残存機に対するDRAGON改修を終えた。2019年11月27日、ボーイングとFLEP（Final Lifetime Extension Programme）改修の契約を結んだ。近代化と同時に2035年までの寿命延長を行う。参考：スパイ機、月刊航空ファン10,’14、10,’15、10,’17、3,’18、5,’18、3,’19、2,’20

　＜Ｅ−３Ａ　ＤＲＡＧＯＮ＞：DRAGONは製造ソース低減汎地球作戦／航法アビオニクス換装の略。NATO軍向けE-3A早期警戒管制機13機（14機？）に対するアップグレードで、通信航法機器を強化して最新航空交通管制対応とし、計器板をフルカラーMFD５基でグラスコクピット化、フライトクルーを４名から３名に減らす。2015年11月に初号機が初飛行し、2018年12月18日に改修を終えた。アップグレードを受けない機体は部品取りの予備機で、2015年6月と2017年12月の退役機はデイビス・モンサン基地に送られ保管されている。機体寿命は2024年まで延長した。参考：月刊航空ファン10,’14、3,’18、3,’19、月刊軍事研究11,’14

　＜Ｅ−３Ａ（イラン空軍）＞：イラン空軍AWACS。７機が発注されたが、イラン・イスラム革命勃発で取り消された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ｅ−３Ｄ＞：イギリス空軍AWACS、別名セントリーAEW.1（Sentry AEW.1）。エンジンはCFMインターナショナル製F108／CFM56-2A-2ターボファンに換装されている。７機を輸入した。参考：月刊世界の艦船1,’02、月刊軍事研究11,’11、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’21

　＜セントリーＷＬＳＰ＞：WLSPは全運用期間（2025年までを想定）支援計画の略。E-3DにIFFモードＳを追加するなどの改修を施すもので、2014年5月2日に全機のアップグレードが終了した。更に2035年まで運用期間を延長する計画があるが、後継機を採用した方が能力的にもコスト的にも優れているという意見も出ている。参考：月刊JWings8,’14、月刊軍事研究11,’18

　＜Ｅ−３Ｆ＞：フランス空軍AWACS。エンジンはCFMインターナショナル製F108／CFM56-2A-2ターボファンに換装した。４機を輸入して1990年から運用中。参考：月刊JWings5,’02、月刊軍事研究11,’11、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｅ−３Ｆ（アップグレード型）＞：フランス空軍E-3Fを2004年からアップグレードしたもの。レーダーシステムを中心に改良が施される。参考：月刊JWings5,’02

　＜Ｅ−３Ｆ　ＭＬＵ＞：フランス空軍E-3Fの運用中期近代化（MLU）型で、2010年2月3日に契約が締結された。ボーイング社とフランスのKLMエンジニア＆メンテナンス社が担当し、運用中の４機全てにブロック40/45相当の改良を施すもので、ミッションコンソールを10基から14基に増やし、IFF、リンク16、AWACSディスプレイ、戦闘識別能力などを強化する。2016年度までに改修を終える予定で、初号機は2014年2月17日に改修を完了し、7月までにフランス空軍に引き渡された。参考：月刊軍事研究8,’14、1,’15、月刊JWings9,’13

　＜Ｅ−３　ＲＳＩＰマイナス＞：ヨーロッパ向け改良型で、E-3ブロック30/35の簡易型改修を実施した。参考：月刊軍事研究4,’09

＜Ｅ−３海外ファミリー＞

　＜ＫＥ−３（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍の空中給油機型。８機を導入した。参考：月刊軍事研究11,’11

＜Ｅ�Vアインデッカー＞：ドイツのフォッカー技師が開発した世界初のプロペラ同調機銃搭載戦闘機。プロペラの回転軸にカムを付け、銃の前をプロペラが通る時だけ発射装置が作動しないようにしてある。1915年に開発され、出現当初強力な攻撃力を誇った。当時珍しい単葉機である。参考：月刊JWings10,’03

＜Ｅ３Ａ＞：九〇式一号水上偵察機を参照。

＜Ｅ−０４＞：メキシコ海軍ケツァルコアトゥル級駆逐艦ネツァウァルコヨトゥル（Netzahualcoyotl）。元はアメリカ海軍ギアリング級駆逐艦で、1982年2月に購入した。2013年6月19日、海自遠洋練習航海部隊と親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’13

＜Ｅ−４シリーズ＞：アメリカ空軍国家緊急空中指揮機NEACP／国家空中作戦センターNAOC。従来のNEACPと空中コマンドポストの機能を統合したAABNCP（Advanced AirBorNe Command Post）として計画され、緊急時にアメリカ国家指揮権限を持つ大統領、国防長官、指揮幕僚を乗せて空中退避しつつ司令部機能を果たすべく開発された。運用部隊は戦略航空軍団から航空戦闘軍団ACCを経て空軍全地球打撃コマンドAFGSCになった。大統領外遊の際には必ず同行し、大統領搭乗機エアフォース・ワンと同時に攻撃されないよう、別の飛行場で待機する。後継機として高生存性空中作戦センター・ウェポンシステムSAOC WSを開発する予定。参考：月刊JWings11,’03、8,’16、2,’20、アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究8,’05

　＜Ｅ−４Ａ＞：最初の量産型で、ボーイングB747-200Bから改造されて1973年6月13日に初飛行し、1974年12月から３機が引き渡された。機内に国家指揮権限保有者用作業室、会議室、ブリーフィング室、戦闘幕僚作業室、通信管制センター、休息室、電子機器室に整備修理室を備え、電子装備はEC-135Jのものを流用しており、それにNEACP用通信装備を追加している。EC-135よりも床面積が４倍（429.2平方メートル）、ペイロードが３倍あり、作戦要員が増加し、居住性も良好となった。エンジンは２号機まではJT9D-7だったが、３号機はCF6-50E（F103-GE-100）に換装され、２号機までにもレトロフィットされた。全長70.66m、全幅59.64m、全高19.3m、自重186トン、最大離陸重量364.241トン。エンジンはJT9D-7W（推力21.3トン）またはCF6-50Eターボファン（推力23.814トン）４基、通常巡航速度939km、最大速度969km、運用限界マッハ数0.92、巡航上昇限度13120m、最大航続距離11426km（燃料満載）。ペイロード68トン。乗員40名。後に全機E-4Bに改修された。参考：スパイ機、世界の軍用機1979、1982、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｅ−４Ｂ＞：別名ナイトウォッチ（Nightwatch）。Ａ型の電子装備改良型で、17kHzのVLFから8GHzのSHF衛星通信システムやミルスター衛星通信システムを含む13種類の通信装置を装備し、データ自動処理能力や耐NEMP／熱線能力を強化してある。電力系統も1200kVAにパワーアップした。最前部が要人用居室、その後ろがコクピットへの階段、その後ろが会議室とブリーフィング室、機体中央が戦闘幕僚作戦室（作戦用コンソール収容）、後部がテクニカル・コントロール・エリア（床下の貨物室に収容されている電子機器の保守整備を行う）、最後部がスタッフ休憩室となっていて、管制センターや通信室もある。コクピット後方のデッキは運航乗員用の休憩室である。機首に空中給油受油装置を備え、潤滑油が限界を迎えるまで連続72時間滞空して指揮を執れる。機体上部（主翼付け根前縁の上あたり）にSHF（8.4GHz）衛星通信用大型アンテナフェアリングがあり、内部に直径0.8382mのディッシュアンテナがある。機体後部床下には長さ1.524km（6km？8km？）の引き込み式LF/VLFワイヤーアンテナを収容、機体尾部から繰り出す。電力消費量が大きいため、各エンジンに150kVA発電機を２基ずつ搭載した。ルッキング・グラスとして核攻撃命令を出す際には空中発射管制システムと高々度放射線探知システムを、NEACPとして空中指揮を行う際には大統領用通信支援設備とUHF-FM通信装備を積む必要があるが、プラグ接続だけで済むので、24時間以内に任務を転換することが可能。電子機器にはNEMP対策が施されている。核ミサイル発射指令暗号は爆破装置付きのメモリーに保存されており、墜落したり盗まれたりして電力の供給が３分間以上途切れた場合にはメモリーが自爆する。全長70.51m、全幅69.64m（59.64m？）、全高19.33m、最大離陸重量362.88トン。エンジンはジェネラル・エレクトリック製F103-GE-101（推力23.814トン）４基、最大速度926km、燃料搭載量193073リットル、航続距離8340km、滞空時間12時間（空中給油無し）／72時間（あり）。乗員４名（機長、副操縦士、航法士、航空機関士）、作戦指揮要員26名（戦力状況統制員３名、敵情把握担当下士官、作戦統制員、通信統制員、情報計画員４名、作戦計画員４名、兵站補給計画員４名、作戦参謀長、空中発射指揮システム士官２名、気象士官、偵察計画員、被害評価士官、事務官２名）、通信要員15名（無線操作員３名、記録通信操作員５名、無線保守要員５名、交換手２名）が搭乗し、他に指揮官として将官１名以上と参謀士官２名以上が乗る。最大収容可能要員数94名。1978年6月10日に初飛行（テストベッドとして1975年8月には空軍に引き渡されており、E-4B量産型仕様で初飛行したのがこの日である）し、３機が生産され、３機がE-4Aから改修された。後にミルスター衛星通信システムをAEHFに換装し、低周波送信システムLFTSやモバイルユーザー用衛星システムMUOSなどを追加、後部胴体左下部に低周波曳航アンテナLFTA用フェアリングを設けている。2010年頃に脱出口以外の窓が全て埋められた。2011年から通信航法捜索／航空交通管理（CNS/ATM）改修を実施しており、連邦航空局の要請を基にコクピットの近代化改修を行い、混雑空域でも効率的に任務をこなせるようになる予定。2016年10月7日、配備先が航空戦闘軍団ACC第55航空団第１空中指揮管制飛行隊から汎地球打撃軍団AFGSC第59指揮管制群第１空中指揮管制飛行隊に移った。2017年6月16日、配備先のオファット空軍基地が竜巻に襲われ、保有４機中２機が損傷した。参考：世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWing11,’03、4,’11、9,’11、1,’17、3,’19、月刊軍事研究8,’05、月刊丸3,’90、スパイ機、ザ・マーチ23号、月刊航空ファン9,’17、9,’19

＜Ｅ−４火器管制装置＞：F-86D戦闘機などに搭載されている射撃指揮装置で、ヒューズ・エアクラフト製。まず地上のレーダーサイトからの指示で会合位置に向かい、AN/APG-37機上レーダー（捜索距離30海里）で捉えた敵機を、距離15海里以内でパイロットが手動ロックオンすると、レーダーが敵機の自動追尾を開始する。発射トリガーを引き続けると、AN/APA-84が敵機の未来位置を自動計算し、照準情報を光像式照準器に映し出すと共にオートパイロットが敵機に向かって自機を自動的に飛行させ、最適のタイミングでマイティーマウスを斉射する。参考：月刊軍事研究8,’01、8,’12、ジェット戦闘機

＜Ｅ−４砲塔＞：ドイツのラインメタルKUKA社が開発した２名用砲塔。武装はマウザーMk.30機関砲で、Mk44ブッシュマスター�Uにも換装できる。重量3.35トン。トロージャンやマルダー12（CV9030CHに負けた）に搭載された。参考：月刊PANZER5,’02

＜Ｅ４Ｎ＞：九〇式水上偵察機シリーズを参照。

＜Ｅ．５／４２＞：エース・シリーズ（試作戦闘機）を参照。

＜Ｅ−６シリーズ＞：アメリカ海軍のTACAMO（弾道ミサイル原潜と地上指揮所間の通信中継機）／ABNCP（空中指揮）用機、別名マーキュリー（Mercury。1991年にハーミーズから改称）。EC-130Q（先代TACAMO）の後継で、TACAMO2とも呼ばれる。1983年4月から開発された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’02、月刊軍事研究11,’11

　＜Ｅ−６Ａ＞：TACAMO型。機体のベースはボーイング製B707-320Cジェット旅客機で、構造とシステムはE-3と75%の共通性を持ち、胴体左には貨物ドアがある。機内にVLF（周波数3-30kHz）アンテナ２本を収納し、胴体下と尾部金属ドローグ（重量41kg）から繰り出して使用する。アンテナは飛行中に垂直に立てる必要があるため、尾部から展開する全長10670m（7925m？）のロングワイヤ・ドローグアンテナは、パイロン・ターン（定点旋回）を行うことで全長の70%を空中で直立させる。胴体下のアンテナは全長1500m（1220m？）のショートワイヤ・ドローグアンテナで、こちらから電波を発信し、ロングワイヤで反射させて送信する。通信中継に必要な精密航法を可能とするため、各種航法装置と高度な自動操縦装置を搭載。左右主翼端にはHF曳航アンテナ及びSATCOM用UHFアンテナ／AN/ALR-66レーダー受信機収容ポッドを装備する。コクピットに操縦士、副操縦士、航空機関士、航法士が位置し、後部キャビンのミッションエリアに機上通信士２名、機上通信員１名、フライトテクニシャン２名が座る。また、アンテナ操作要員としてリールオペレーター１名が乗る。交代要員用として前部キャビンに座席が８つとベッドが４つ用意されている。全長46.6m（45.8m？）、全幅45.16m、全高12.93m、自重78.378トン、最大離陸重量155.128トン。翼面積283.4平方メートル。エンジンはF108-CF-100（推力9.526トン。10.886トン？）４発、巡航速度842km（高度12200m）、最大速度530ノット・981km、実用上昇限度12800m、通信中継滞空高度7620-9150m、燃料容量86276リットル、ミッション航続距離11760km、無給油航続時間15.4時間、ミッション航続時間10時間半（1000海里進出）／72時間（交代要員８名増員＋空中給油あり）。乗員9-20名（運航要員４名＋コンソールに座るミッションスペシャリスト５名＋リールオペレーター１名＋交代要員８名＋オブザーバー・学生２名）。B707-320Bを改造した原型機は1987年2月19日に初飛行し、1989年8月から1992年に16機が配備された。1992年からMILSTAR衛星通信装置、MIL-STD-1553Bデータバス、GPSなどを搭載する近代化を実施。2004年までに全てE-6Bに改修された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船4,’04増刊、11,’16、4,’17、月刊JWings10,’02、月刊軍事研究11,’11、8,’05、月刊航空ファン8,’15

　＜Ｅ−６Ｂ＞：空中指揮機ABNCP兼用型で、アメリカ空軍EC-135Cの後継を兼ねる。E-6Aの胴体背面前部にAN/ARC-208(V)2MILSTAR用EHF/UHF無線通信アンテナフェアリングを追加しており、VLFワイヤーアンテナは尾部のロングワイヤ（全長7925m）のみとされ、リールオペレーター席が廃止されてレストエリアとなり、従来のレストエリアは空中指揮を行う際のバトルスタッフエリアに変更され、ミッションエリアは通信センターエリアに改称された。主翼端にESM・AFSATCOM通信アンテナを収容したポッドを装着、有事の作戦司令部としての機能が付与されている。更に次世代グラスコクピットへの改修が行われた。全長46.61m、全幅45.16m、全高12.93m。エンジンはGE/SNECMA製F108-CF-100（推力9.526トン）４基、巡航速度835km、航続距離12416km、航続時間15時間以上（無給油）／72時間（空中給油有り）。運航要員は４名で、TACAMOでは海軍士官５名と下士官兵９名が同乗、ABNCPでは更にUSSTRATCOMのスタッフ８名が乗り込む。1997年12月から第１戦略通信航空団第３・第４艦隊航空偵察飛行隊（VQ-3/-4）に配備され、2004年までにE-6Aの全機が改修を終えた。参考：月刊軍事研究11,’11、8,’05、月刊JWing10,’02、11,’03、3,’19、月刊航空ファン8,’15

　＜Ｅ−６Ｂブロック１＞：2009年に開始されたOSIP（運用安全向上計画）008-10を実施したもの。内容は機体寿命延伸と通信システムなどの改良で、2011年度に改修が始まっており、2016年度に全機終了する予定。参考：月刊軍事研究11,’11、月刊航空ファン8,’15

　＜Ｅ−６Ｂブロック２＞：OSIP013-10を実施するもの。内容はMILSTAR用無線通信装置を先進型ミリ波AEHF対応とすることや、先進目視圏外ターミナルファミリー・マルチロール戦術共用データリンクなどの追加である。改修はブロック１と並行して実施され、2016年度に全機終了する予定。参考：月刊軍事研究11,’11

＜Ｅ６�UＡ１砲塔＞：ヴィーゼル１空挺装甲車やVBL装甲車などに搭載された１名用砲塔。主砲はラインメタル・ランドシステムズ社製20mm機関砲MK20Rh202で、主砲左に徹甲弾80発・榴弾40発を収める弾倉を装着する。俯仰角はマイナス10度からプラス45度。照準器はPERI Zi6（倍率２倍と６倍の切り替え式）。砲塔重量404kg。オプションは、夜間照準器、発煙弾発射機、投光器、増加装甲、砲塔内部のライナーなど。参考：月刊PANZER12,’01

＜Ｅ−７Ａ＞：B737-400AEW&Cシリーズを参照。

＜Ｅ７Ｋ＞：九四式水上偵察機シリーズを参照。

＜Ｅ−８シリーズ＞：アメリカ空軍の地上監視指揮管制機、別名J-STARS（Joint-Surveillance And Targeting Attack Radar System、空軍・陸軍共同戦場監視、目標捜索、標定、攻撃、誘導、指揮レーダーシステム）。戦場監視機（Battlefield SurveillanceまたはAirborne Battle Management Aircraft）とも呼ばれ、陸軍の移動式地上ステーションモジュールと組み合わせて運用される。ノースロップ・グラマンが改造を担当し、1982年からEC-18Cの名称で開発、1987年4月に空力飛行試験を開始し、12月からレーダーを搭載してテストした。テスト中に湾岸戦争が始まったため、実戦テストを兼ねてサウジアラビアのリヤドに展開している。E-8A２機、E-8C FSD１機、E-8C17機の計20機が配備された。全機ジョージア州ロビンズ空軍基地の州空軍第116航空管制航空団に所属しており、同じ基地の空軍第461航空管制団（人員のみで構成される現役空軍部隊）と共同運用される。後継としてE-10を開発していたが没になり、それを受けたE-8C改良計画も潰えたので、J-STARS RECAPを開発中だったが、2019年度予算案に項目が無かった。有人機だと脆弱という指摘があったらしく、代わりにISR無人機を中核とする先進型戦闘管理捜索システムABMSを開発する。ただ陸軍側の要望には合っていないようで、陸軍は2019年から高精度探索利用システムHADES搭載次期空中情報収集・監視・偵察機AISRを独自に開発中。2023年9月21日、ラムシュタイン空軍基地を離陸したE-8Cがポーランド・ロシア国境付近で最後の任務飛行を行い、11月に最後の２機が退役した。参考：月刊軍事研究10,’07、11,’11、1,’14、月刊JWings11,’03、3,’15、8,’15、8,’16、3,’17、5,’18、10,’18、7,'20、12,'23、月刊航空ファン2,’18、11,’15、5,’16、7,’16

＜Ｅ−８Ａ＞：最初の２機で、FSD（全規模開発機）３機の中に含まれる。中古ボーイングB707-320の胴体前部に長さ12mのカヌー状レドームを装着し、中にAN/APY-3合成開口マルチモード側視機上レーダーのアンテナを左右２枚納め、機内にコンソール18卓を積んだ。BMD関連では、移動発射機で運用される弾道ミサイルの全天候下探知・戦場監視に向いている。全長46.6m、全幅44.4m、全高12.9m。エンジンはプラット＆ホイットニー社製JT3D-3B8（推力8.169トン）４基、最大速度970km、航続距離6900km。乗員24名。初号機は1988年12月22日、２号機は1989年8月31日に初飛行した。テスト中に湾岸戦争が勃発したため、実戦テストも兼ねて参加している。後にE-8Cに改修する予定。参考：月刊JWings11,’03、6,’05、月刊軍事研究11,’98、10,’07、軍事分析湾岸戦争

＜Ｅ−８Ｂ＞：新規製造のボーイングB707を使用する予定だった量産型で、CFM社製F108ターボファンエンジンを搭載する。試作機YE-8Bは1990年7月12日に初飛行した。22機を製造する予定だったが、生産ラインが既に閉じていたため、中古のB707-320B/C、C-137C、EC-18Bを利用したE-8Cを生産することになり、E-3Bは量産されなかった。YE-8Bも貨物機に改造されて民間に払い下げられている。参考：月刊軍事研究10,’07、11,’11、月刊航空ファン2,’18

＜Ｅ−８Ｃ　ＦＳＤ＞：全規模開発機３機の中の１機で、機体フレームは中古のB707-320を使用している。参考：月刊JWings 6,’05

＜Ｅ−８Ｃ＞：中古のB707機体フレームを使用した量産型。1994年3月25日に初飛行し、1996年6月から第93航空管制航空団（2001年に第116航空管制航空団に改編）に配備された。機内前部はギャレー、トイレ、休憩スペースで、後部にオペレーター・ワークステーション17基（通路左側１列５基、右側２列12基）と航法・自衛用ワークステーションNOWS（Navigator/Operator Work Station）１基（通路右前方）が設置されている。機体前方下面のカヌー型レドーム（全長7.92m）内に装備するAN/APY-3側方監視フェイズド・アレイ・レーダーにより、範囲５万平方メートルの車両及び低空飛行目標を捜索する。データは監視・管制データリンクSCDL（Surveillance and Control Data Link）、統合戦術情報配布システムJTIDS、リンク16、SATCOM、統合型戦術ターミナルで伝送する。無線機はAN/ARC-164ハブクイック�U極超短波AM無線機12基、AN/ARC-186VHF/AM/FM無線機３基、AN/ARC-190短波無線機２基、SINCGARS超短波無線機3-4基、SATCOM音声無線機３基、救命無線機を搭載。航空機や艦船にはリンク16で、ヘリコプターにはSINCGARSで直接データを送れる他、SCDLにより陸軍の５トントラック搭載AN/TSQ-132暫定地上ステーションモジュール、５トントラック搭載AN/TSQ-168中地上ステーションモジュール、HMMWV搭載AN/TSQ-178軽地上ステーションモジュール、HMMWV搭載AN/TSQ-179共通地上局に伝送できる。全長46.6m、全幅44.4m、全高13m、運航自重77.564トン、最大離陸重量152.409トン。翼面積283.4平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製TF33-P-102Cターボファン（推力19200ポンド・8.7トン。民間名JT3D-3B）４基、巡航速度945km（890km？）、最大運用限界マッハ数0.84、実用上昇限度12802m、燃料搭載量90300リットル、航続時間９時間以上（11時間？）。運航要員４名（機長、副操縦士、航空機関士、航法士兼SDS/Self-Defense Suite。前３者はコクピット、後１者はNOWSに位置する）、空軍ミッション要員15名、陸軍軍事情報中隊要員３名。最大38名が乗れる。2005年3月23日（2006年3月22日？）までに17機が第116航空管制航空団に配備されたが、３号機が2009年3月13日にカタールのアル・ウデイド基地で事故により機籍を抹消されている。救命無線機を周波数121.5/243MHzから121.5/407MHzのものに交換する予定。2023年9月21日に最後の任務を行った。参考：月刊軍事研究5,’07、11,’11、10,’07、8,’14、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings 6,’05、12,’01、12,'23、月刊航空ファン2,’18

＜Ｅ−８Ｃブロック１０＞：初期型で、1-8号機がこれにあたる。参考：月刊航空ファン2,’18

＜Ｅ−８Ｃブロック２０＞：9-17号機で、COTSコンピュータ（ヒューレット・パッカード社製アルファサーバーES40CVなど）を採用し、信頼性と処理能力を向上させつつ低価格に抑えている。ブロック10もCRP（Computer Replacemen Program）の名称で1997-2005年にこの仕様に改修された。参考：月刊航空ファン2,’18、月刊航空ファン2,’11、月刊JWings3,’02

＜Ｅ−８Ｃ　ＪＳＲＭ計画＞：JSRMはJ-STARSレーダー近代化の略。レーダーを空中目標の追尾も可能なAN/APY-7MP-RTIP（E-10用に開発したもの）に換装し、改良型データモデムを装備した。更にノースロップ・グラマン社がE-10用に開発したMS-177電子光学赤外線カメラをカヌー型フェアリング前部に追加するテストを行っていたが、こちらはE-8Cには積まないことになった。参考：月刊軍事研究1,’14

＜Ｅ−８Ｃ　ＣＮＵ＞：CNUは通信・ネットワーク・アップグレードの略。JTIDSクラス２をMIDS-JTRSに換装する改修計画で、初号機は2013年に配備されており、2015年3月までに15機に対して改修が行われる。参考：月刊JWings6,’13

＜Ｅ−８Ｃ改良計画＞：E-10開発中止を受けて立ち上げられた改良計画。通信能力を強化してNCOへの組み込みを可能とし、エンジンをプラット＆ホイットニー社製JT8D-219ターボファン（推力9.84トン）に強化、巡航高度を12000m程度にまで引き上げて監視範囲を広げ、プログラム可能型処理プロセッサを民生品２基に交換し、デジタル信号処理プロセッサのSHARCカードを５枚追加する。エンジン換装に際しては騒音基準クリアのためセブンＱセブン社製ハッシュキットを組み込まなければならず、2011年12月14日に試験改修機が初飛行したものの、所定の結果が出せず2012年5月にキャンセルされてしまった。参考：月刊軍事研究11,’11、10,’07、月刊JWings5,’10、月刊航空ファン2,’18

＜Ｅ−８Ｃ　ＰＭＥ　ＤＭＳ＞：PME DMSはPrimary Mission Equipment Diminishing Manufacturing Sourcesの略。ブロック20で導入した民生品が古くなって整備交換パーツが入手できなくなったため、新型に交換するもので、定期デポ整備の際に改修を実施する。2018年度までに16機全機の改修を終える予定。参考：月刊航空ファン2,’18

＜Ｅ−８Ｃ　ＣＥＮＴＲＩＸ＞：CENTRIXはCombined Enterprise Regional Imformation Exchange Systemの略で、海外基地に展開した際にネットワーク経由で政府・軍・企業などと秘匿性の高い情報交換を行うシステムである。2018年度予算で16機全機分の搭載キットが発注された。参考：月刊航空ファン2,’18

＜Ｅ−８Ｃ　Ｒｅｃａｐ＞：レーダーや戦場管理指揮管制（BMC2）システムなどを改修し、衝突回避警報システム（TCAS）を追加するもの。参考：月刊航空ファン9,’16

＜Ｅ−８ファミリー＞

　＜ＧＥ−８Ｃ＞：地上整備訓練機型。１機が配備された。参考：月刊軍事研究11,’11

　＜ＴＥ−８Ａ＞：練習機型。全規模開発機のうち１機が改造された。ちなみに残りの２機は空軍とノースロップ・グラマン社の合同チームの恒久実験機として使用されている。参考：月刊JWings 6,’05

＜Ｅ８砲塔＞：ドイツのラインメタルKUKA社が開発した１名用砲塔。重量2.3トン。武装はマウザー製30mm機関砲Mk.30で、30mm機関砲Mk44ブッシュマスター�Uに換装できる。ギリシャELBO社のケンタウルス歩兵戦闘車に採用された。参考：月刊PANZER5,’02

＜Ｅ８Ｎ＞：九五式水上偵察機シリーズを参照。

＜Ｅ９火器管制装置＞：F-89H戦闘機に搭載されたFCS。世界初の実用空対空ミサイルであるAIM-4ファルコンを運用可能。参考：月刊軍事研究8,’01

＜Ｅ−９Ａ＞：アメリカ空軍のミサイル射場管理用空中データリンク機。デハビラント・カナダ社製DHC-8Mがベースで、胴体右舷にAN/APS-143(V)1フェイズド・アレイ・レーダー、垂直レドームにAN/APN-128Dレーダーを収容し、訓練空域を監視したり、テレメトリー、音声通信、ドローン含む航空機のデータを中継したりする。２機が配備された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン2,’12

＜Ｅ９Ｗ＞：九六式小型水上偵察機を参照。

＜Ｅ−１０＞：アメリカ軍の計画マルチセンサー指揮管制機。EP-3とRC-135に代わる有人偵察機として2003年から開発（ボーイングB707ベースのテストベッド機は2002年4月28日に初飛行している）され、E-8、E-3、RC-135（SIGINT任務）を兼ねる機体として実用化が進められた。機体はボーイングB767-400ERで、胴体下部のカヌー型レドームに多重プラットホーム・レーダー技術操縦プログラムMP-RTIP（Multi-Platform Radar Technology Insertion Program）と名付けられた全長6.3mの空地両用レーダーを搭載する。捜索域は対空で509km四方、対地で426km四方に及び、低空超音速巡航ミサイルの探知追尾能力や、地上車両の車種識別能力もある。新型SIGINT装置やBMC2サブシステムも搭載する。全長61.4m、全幅51.9m、全高16.9m、最大離陸重量204.12トン。巡航速度930km、実用上昇限度11580m、航続時間11.5時間。乗員２名＋操作要員25名。スパイラル１・２・３と段階的に開発を進めて量産配備する予定だったが、ベース機体が生産終了になってしまった上、国防予算縮小のあおりを受けて2007会計年度の追加予算が立てられず、2007年に開発中止となり、実証試作機１機のみの製作に止まった。参考：月刊軍事研究5,’07、10,’07、月刊JWings10,’03、11,’06、7,’19、月刊航空情報8,’02

　＜Ｅ−１０Ａスパイラル１＞：巡航ミサイル対応のMP-RTIPを搭載したもので、巡航ミサイル監視もできるE-8といった位置付けになる予定だった。参考：月刊軍事研究10,’07

　＜Ｅ−１０Ａスパイラル２＞：AWACS機能を統合するもので、E-3プラスE-8になる。制式化されればE-10Bになる予定だった。参考：月刊軍事研究10,’07、11,’11

　＜Ｅ−１０Ａスパイラル３＞：SIGINT機材を搭載するもので、完全型である。制式化されればE-10Cになる予定だった。参考：月刊軍事研究10,’07、11,’11

＜Ｅ１０＞：ドイツ陸軍の10-15トン級計画軽戦車。Ｅシリーズの１つで、KHDマジラス社が開発した。48口径7.5cm戦車砲PaK39を主砲に持つ駆逐戦車型で、片側４輪の千鳥型転輪を持つ。サスペンションはコイルスプリングで、機械的に操作して車高を1.76mから1.40mにすることができた。装甲厚は車体前面上部60mm30度、前面下部30mm30度、側面20mm10度、後面上部20mm15度、後面下部20mm35度、上面10mm、底面10mm。エンジンは試作型ではマイバッハ製HL100（400馬力）を搭載することにしたが、量産車では燃料直噴式のHL101（550馬力）を積む予定だった。全長6.91m、車体長5.35m、全幅2.86m、全高1.76m。1944年夏に図面が出来上がり、３両分の車台が完成したが、ヘッツァー改良型の方が実用性が高いと判断され、1945年1月に開発中止された。参考：月刊グランドパワー8,’10、8,’03

＜Ｅ１１＞：ドイツの装甲板統一規格で、厚さ5-14.5mmの無ニッケル・無モリブデン鋼である。1941年に制定された。参考：月刊丸4,’07

＜Ｅ１１Ａ＞：九八式水上偵察機を参照。

＜Ｅ−１１Ａ＞：アメリカ空軍の戦場空中通信結節BACN有人機型。ボンバルディア社製グローバルエキスプレスBD-700にBACNシステムを搭載したもので、2007年にノースロップ・グラマンに発注された。センチネルR.1と同じ形状の胴体上面バルジ状アンテナドームと胴体下面カヌー型アンテナドームを装着し、内部にシステムを収容している。BACNは24時間フル運用されるため、無人機型のEQ-4Bと組み合わせて運用時間帯に穴を開けないようにする。全長30.3m、全幅28.65m、全高8.23m、自重22トン、総重量42トン。翼面積94.9平方メートル。エンジンはロールスロイス社製RB710-48-C2（推力6.69トン）双発、最大巡航速度800km、実用上昇限度15500m、航続距離11000km、滞空時間12時間（８時間？）。乗員4-6名。４機が配備され、2008年10月からアフガニスタンに試験投入されて無人機型のEQ-4Bと共に山岳地帯でのデータ中継を実施、有効性が確認されたため2011年に制式化された。第430遠征電子戦闘飛行隊に配備されて引き続きアフガニスタンに投入されている。2020年1月27日、アフガニスタンのカブール南西100kmのガズニ州で第430遠征戦闘飛行隊所属の１機が墜落し、乗員２名は両方とも死亡した。アメリカ軍の発表直後にタリバンが撃墜を主張したが、アメリカ側は否定している。その後の調査で、飛行中に左エンジンのファンブレード１枚が外れてエンジン内に吸い込まれてしまい、異常を感知したFADECが自動停止させたが、乗員が右エンジン不調と勘違いしてこちらも手動停止させてしまい動力を喪失、高度12500mからの滑空で距離を稼ぐとはいえ近場の飛行場（31km先のカブール空港や70km先のバグラム基地）でなく400km以上先の出撃基地カンダハルを目指したため最終的に荒地に不時着する羽目になり、機体は340m以上転がって大破、乗員も助からなかったことが判明した。2021年6月2日、リアジェット社に１機（＋オプション５機）を発注した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’12、4,’12、11,’12、4,’20、4,’21、8,'21、月刊丸2,’12

＜Ｅ１３Ａ＞：零式水上偵察機シリーズを参照。

＜Ｅ１３ＴＰ＞：フィンランドのSISUが開発した８×８輪装甲化トラック。PKOなどで後方支援任務中にゲリラの襲撃を受けても耐えられるよう、主要部を装甲化してある。リトアニア軍が2007-09年に24両を受領した。参考：月刊丸6,’14

＜Ｅ１４＞：フランス海軍の潜水艦搭載用長魚雷で、1960年に就役した。全長4.28m、直径0.55m、重量927kg、炸薬重量200kg。NiCd電池によるモーター駆動、雷速25.5ノット、最大深度300m、航走距離5km。誘導はパッシブ音響式。パキスタン、ポルトガルに輸出された。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜Ｅ１４Ｙ＞：零式小型水上偵察機シリーズを参照。

＜Ｅ１５＞：フランスの潜水艦搭載用長魚雷で、パキスタン、ポルトガル、南アフリカに輸出された。全長5.90m、直径0.55m、重量1387kg、炸薬重量330kg。NiCd電池によるモーター駆動、雷速25ノット、航走距離12km。誘導はパッシブ音響式。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜Ｅ１５Ｋ＞：二式水上偵察機を参照。

＜Ｅ１５Ｔ＞：シス・ディフェンス社がフィンランド国防軍向けに開発した装輪式戦車橋。シス高機動車10×10輪型にクラウス・マッファイ・ヴェクマン社製MLC70レグアン橋体を搭載したものである。エンジンはキャタピラー社製C15ディーゼル（550馬力）、最大速度100km。架橋に10分、撤収に10分かかる。参考：月刊軍事研究11,’06、12,’08

＜Ｅ１６Ａ１＞：瑞雲一一型（水上偵察機）を参照。

＜Ｅ２２＞：ドイツ軍の装甲板統一規格で、1943年2月に厚さ35-50mm及び55-80mm、1944年6月に85-120mmが制定された。ニッケルの在庫が底を尽きかけていたので、無ニッケルで製作されている。炭素0.37-0.47%、マンガン0.6-0.9%、クロム1.6-1.9%、バナジウム0.015%未満を含む。ブリネル硬度279-324（厚さ35-50mm）／265-309（55-80mm及び85-120mm）。参考：月刊丸4,’07

＜Ｅ．２５＞：C-101EB（練習機）を参照。

＜Ｅ２５＞：ドイツ陸軍の25-30トン級計画中戦車。Ｅシリーズの１つで、1944年からアルグス社が開発した。新開発の対装甲目標用10.5cm砲を搭載する駆逐戦車型（ヘッツァーに外見は似ている）で、E10とコンポーネントを共通化しており、転輪は片側５輪の千鳥型、サスペンションは縦置きコイルスプリングで、起動輪は後部にあり、履帯は�X号戦車パンターのものを使用する。全長5.66m、全幅3.41m、全高2.03m。エンジンはHL230P30（700馬力。HL100またはHL101？）。装甲厚は前面上部50mm40度、前面下部50mm55度、側面上部30mm38度、側面下部30mm90度、後面上部30mm50度、後面下部30mm50度、上面20mm、底面20mm。敗戦時には試作車５両が組み立て途中の段階だった（装甲板３両分が切り出されたのみ？）。参考：月刊グランドパワー8,’10、8,’03、ジャーマンタンクス

＜Ｅ．２７＞：PC-21海外シリーズ（練習機）を参照。

＜Ｅ２７＞：日本海軍のESM装置。昭和18年中頃から配備されたが、波長0.75m以上の電波しか探知できないという欠点があり、波長0.1m前後のレーダーを既に配備していたアメリカ軍には通用せず、この装置から出る電波を逆に探知される有様で、役に立たなかった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜Ｅ２８集束焼夷弾＞：アメリカ軍の焼夷弾。M69子爆弾を集束した500ポンド弾である。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｅ２８／３９＞：G.40E28/39（実験機）を参照。

＜Ｅ３２＞：ドイツ軍の装甲鋼板統一規格で、1942年12月に制定された。装甲厚は16-30mmで、0.37-0.47%の炭素、0.55-0.85%のマンガン、1.4-1.8%のクロム、0.4-0.6%のモリブデンを含む無ニッケル・無バナジウム鋼である。ブリネル硬度324-370。参考：月刊丸4,’07

＜Ｅ３６集束焼夷弾＞：アメリカ軍の焼夷弾。M69子爆弾を集束した500ポンド弾である。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｅ３９＞：ドイツ軍が計画した駆逐戦車。�W号ｂ型自走砲にカーゼマット式戦闘室を設け、7.5cmPaK39/L48を搭載したものである。�W号駆逐戦車で用が足りるので、没になった。月刊PANZER5,’10

＜Ｅ４０＞：ドイツ軍の装甲鋼板統一規格で、1943年2月に制定された。装甲厚は125-160mmで、0.32-0.42%の炭素、0.3-0.65%のマンガン、2-2.4%のクロム、0.15-0.3%のモリブデンを含む無ニッケル・無バナジウム鋼である。ブリネル硬度265。参考：月刊丸4,’07

＜Ｅ４０−７５Ａ＞：SET-73（魚雷）を参照。

＜Ｅ４１＞：ドイツ軍の装甲鋼板統一規格で、1944年6月（1943年という説も）に制定された。装甲厚は125-160mmで、炭素0.3-0.4%、マンガン0.6-0.8%、ニッケル1-1.5%、クロム2.3-2.7%、バナジウム0.015%未満を含む。この頃には深刻なニッケル不足に陥っていたが、この厚さで強度を保つには使用せざるを得なかったようである。ブリネル硬度265。参考：月刊丸4,’07

＜Ｅ４３＞：ドイツ軍の装甲鋼板統一規格で、1944年6月に制定された。装甲厚は165-200mmで、炭素0.32-0.42%、マンガン0.3-0.65%、ニッケル0.9-1.1%、クロム2.8-3.2%を含む無バナジウム・無モリブデン鋼である。この頃には深刻なニッケル不足に陥っていたが、この厚さで強度を保つには使用せざるを得なかったようだ。ブリネル硬度265。参考：月刊丸4,’07

＜Ｅ４５＞：チェコスロバキアのプラガ社が開発した複葉戦闘機。アビアB534に性能で劣り、採用されなかった。全長7.45m、全幅8.5m、全備重量1710kg。エンジンはロールスロイス・ケストレル�]�W（760馬力）単発、最大速度410km、実用上昇限度10000m。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｅ４６＞：M19（焼夷弾）を参照。

＜Ｅ４７＞：アメリカ軍の500ポンド集束焼夷弾。内部に10ポンド焼夷弾M47を38発収容する。参考：戦時用語の基礎知識

＜Ｅ５０＞：ドイツ陸軍の50トン級主力戦車計画で、�X号戦車パンターの後継。Ｅシリーズの１つであり、標準型戦車とも呼ばれた。開発はヴェザーヒュッテ社（サスペンションのみアドラー社）である。70口径7.5cm砲（8.8cm砲に強化する予定もあったらしい）を全周旋回砲塔に装備し、良好な避弾経始（車体前面で30度）を持つ。エンジンにスーパーチャージャーを追加する計画もあったが、スーパーチャージャーが開発できずに断念された。転輪は千鳥式の片側６輪。サスペンションはTeller Pfaderと呼ばれる外装式で、シリンダー内部に皿型バネ多数とダンパーを仕込んであり、これを上下に重ねて１ユニットとし、２基の転輪支持架とカムで結合したものを片側３ユニット装着した。エンジンは燃料直噴式HL234（900馬力）、トランスミッションは油圧式８速、最大速度60km。試作車完成前に終戦となった。参考：月刊グランドパワー8,’03、8,’10、月刊丸12,’11

＜Ｅ５３−７２Ａ＞：AT-2シリーズ（魚雷）を参照。

＜Ｅ７５＞：ドイツ陸軍の75トン級重戦車計画で、�Y号戦車ティーガーの後継。Ｅシリーズの１つであり、標準型戦車とも呼ばれた。開発会社はE50と同じで、生産を容易にするためコンポーネントはE50と共通化されており、エンジンも同じだったため最大速度は40kmに低下した。下部転輪は千鳥式で片側８輪。履帯はE50よりも幅広で、鉄道輸送時にはE50の履帯を取り付ける予定だった。71口径88mm砲を全周旋回砲塔に装備する。試作車完成前に終戦となった。参考：月刊グランドパワー8,’10、8,’03

＜Ｅ８５＞：ロシアのエニクス研究センターが開発した標的機。全長3.2m、全幅2m、全高0.84m、発進重量140kg。エンジンはラムジェット（推力400kg）、航続距離70km。参考：月刊軍事研究1,’00

＜Ｅ９０＞：ロシアのエニクス研究センターが設計した偵察用UAV。胴体前部に低翼配置、後部に高翼配置の飛行翼を持ち、垂直尾翼は胴体後端両側に２枚ある。全長1.48m、全幅2.56m、重量45kg。エンジンはラムジェット、速度100-180km。行動半径25km。ペイロード9kgで、重量8.5kgのTVシステムを標準装備する。参考：月刊軍事研究1,’00

＜Ｅ−９９＞：EMB-145SA（早期警戒機）を参照。

＜Ｅ１００＞：ドイツ陸軍の130-140トン級超重戦車計画で、Ｅシリーズの１つ。ティーガーＢの拡大版といった外形で、側面装甲板は垂直だが、３分割の装甲スカートを装備して耐弾性を保っている。エンジンはHL234（800馬力）、トランスミッションはメキドロ機械流体変速機（前進８速・後進４速）で、パワーパック化する予定だったが、完成が遅れ、試作車にはHL230P30（700馬力）を積み、変速機と操向装置はティーガーＢと同じものを使用、リアエンジン・フロントドライブとしている。転輪は片側８枚の千鳥型。全長10.27m、車体長8.69m、全幅4.48m／3.29m（鉄道移動時。スカート・外側転輪撤去、履帯換装）、全高3.11m、重量140トン。主砲は15cmKwK44 L/38（32発）または17.4cmKwK44、俯仰角マイナス７度からプラス23度。副武装は7.92mm機銃１丁。装甲厚は車体前面下部150mm40度、上部200mm60度、側面下部120mm０度、上面120mm０度＋60mm20度、後面150mm30度、底面80mm90度、上面40mm90度、砲塔前面240mm（曲面）、側面200mm30度、後面200mm７度、上面40mm90度、防楯は240mmザウコップ式。最大速度40km、航続距離120km。無線機はFuG5。乗員５名。1943年6月から開発されたが、1944年11月に優先順位が下げられたため、３人で細々と製作され、車体が完成したところで終戦となった。参考：ジャーマンタンクス、月刊グランドパワー8,’03、異形戦車ものしり大百科、月刊丸4,’07、7,’09別冊

＜Ｅ１２５−６０Ｋ＞：航空自衛隊のレーダーサイト用ジェネレーターセット（発電機）。LGA-601-100の後継として1965年度から装備された。エンジンはNRTO-6-GC（６気筒12200cc）、発電機は防滴自己通風型（1888rpm）、出力125kW、120/208V、434A、60Hz。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜Ｅ１４０＞：イギリスのヘイリー＆ウェラー社が開発したスタングレネード。重量297g。参考：月刊軍事研究7,’97

＜Ｅ１５３＞：アントノフＭ（戦闘機）を参照。

＜Ｅ１８２＞：イギリスのヘイリー＆ウェラー社が開発したスタングレネードで、E140の改良型。重量250g。参考：月刊軍事研究7,’97

＜Ｅ２００＞：Ｅシステムズ社が開発したRPV。ツインテールブーム機で、推進用プロペラを持つ。センサーペイロード45.4kg以上。作戦速度136km、航続距離260km、作戦航続時間３時間。参考：スパイ機

＜Ｅ−２６６Ｍ＞：MiG-25戦闘機ファミリーを参照。

＜Ｅ３８１＞：アラド社の計画ロケット戦闘機。ヴァルターHWK109-509Aロケット（推力1.7トン）を搭載しており、操縦士はコクピットに腹這いになる。コクピット周囲のみ防弾が施されているが、他は木製。Ar234Cの胴体下面から発進し、爆撃機に対して20mm/30mm機関砲で攻撃を仕掛ける。計画のみで実用化には至らなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ｅ−３８１−Ｓ＞：ドイツ海軍のＵボート用予備無線受信器で、テレフンケン製。使用波長は短波、使用周波数は15-20000KHz。参考：Ｕボート入門

＜Ｅ−４３７−Ｓ＞：ドイツ海軍のＵボート用無線受信器で、テレフンケン製。使用波長は短波、使用周波数は3-30MHz。参考：Ｕボート入門

＜Ｅ−５５０Ａ＞：G550早期警戒機（イタリア空軍）を参照。

＜Ｅ−７３７＞：B737-400AEW&Cシリーズを参照。

＜Ｅ−７６７シリーズ＞：航空自衛隊の早期警戒管制機AWACS。1980年代後半、長射程空対地ミサイルの進歩により、将来的にE-2Cの進出速度・レーダー覆域では能力不十分となることが予想されたため、03中期防で早期警戒管制機を導入することとなった。この時はE-3にする予定だったが、1991年8月にB707の生産ライン閉鎖が発表されたため、ベース機をB767に変更している。参考：月刊JWings7,’04

＜Ｅ−７６７＞：ボーイングB767-200ERの機体（一般輸入契約）にE-3と同じAN/APY-2と警戒管制システム（どちらもFMS調達）を搭載している。胴体後部上面のロートドームは直径9.14m、厚さ2m、重量12500ポンド（5.67トン）で、直径99インチ（2.51m）の円形ビームから下に突き出した左右１本ずつの支柱で機体に取り付けられており、毎分６回転（非作動時は４分で１回転）する。ロートドームが大きいので、整備の際には下面のドアを開けて整備員が中に入る。ロートドームの重量に耐えられるよう、隔壁を強化型フレーム２枚に交換し、床縦通材４本も強化した。E-3よりも床面積・機内容積が大きく、ギャレー、トイレ２カ所、交代要員控え室、休憩室などが設けられていて、乗員の疲労度が抑制できるらしい。床下貨物室も大きいので、無線送受信器やレーダー送信器を全てここに収容した。コクピット後方のメインキャビンが作戦室で、通信機器操作卓、コンピュータ操作卓、監視管制用コンソール、レーダー操作卓が前から順に置かれている。INS、GPS、Mk�]�U敵味方識別装置、状況表示コンソール14基、補助ミッション監視員席６席、CC-2E指揮通信用マルチタスクコンピュータ、E-3に準ずる最新ソフトウェア・冷却システム、TADIL-Aデータリンク、各種無線通信機材（HF/VHF/UHF）、機上試験モニター整備システム、統合戦術情報分配システムJTIDS、時間分割データリンクTDDL、無線テレタイプRATT、ハブクイック、150kVA発電機などを装備しており、JTIDSによるデータ送信で要撃管制を行うことが可能。主翼端にHF通信アンテナ、胴体に多数のブレードアンテナを装着する。全長48.51m、全幅47.57m、全高15.85m、空虚重量58トン、最大離陸重量171トン。翼面積283.3平方メートル。エンジンはジェネラル・エレクトリック製CF6-80C2B6FAターボファン（推力27.9トン・273.6kN）双発、最大巡航速度805km、最大速度450ノット・840km、実用上昇限度10360-12220m（13000m？）、航続距離9260km／7200km（貨物30トン搭載時）。哨戒時間８時間（1000海里進出。７時間？９時間？）／10時間（300海里進出。13時間？）／22時間（300海里進出・空中給油あり）。パイロット２名＋FE１名＋運用員18名-19名＋同乗席８席。1993-94年度予算で２機ずつ導入し、1996年8月9日に初飛行、1-2号機は1998年3月11日にボーイング社シアトル工場で引き渡され、1998年3月25日に２機、1999年2月8日に２機が浜松基地に到着、1999年3月25日に浜松基地の第601飛行隊第２飛行班に配備され、2000年3月から運用された。配備先は2005年3月31日に飛行警戒管制隊、2014年4月20日に第602飛行隊に改編された。価格は１機あたり550億円。2009-10年にJ-RSIP改修を終えた。2009-10年度に改修予算（2009年に１機、2010年に３機111億円）が計上されており、探知能力やECCMの強化、信頼性・整備性向上が行われるようだ。2014年度にはIFF更新（AN/UPX-40及びAN/APX-119）、自動識別システム及びESM搭載、ミッションコンピュータ能力向上、KIV-77暗号化装置・衝突警報回避装置追加、３カ所の地上支援施設アップグレードなどを実施する予定で、2014年10月28日にFMSでボーイング社と契約を結んだ（納期2015年2月28日）。2017年度からE-3ブロック40/45と同レベルの能力を持たせるための改修に入る。参考：月刊JWings7,’04、11,’03、9,’17、5,’14、6,’02、6,’10、11,’14、6,'22、月刊エアワールド4,’00、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究12,’14、3,’14、6,’10、9,’11、2,’14、11,’15、月刊航空ファン7,’99、1,’15

　＜Ｅ−７６７　Ｊ−ＲＳＩＰ＞：RSIPはレーダーシステム改良計画（Radar System Improvement Program）の略。JADGEとのマッチングやステルス機探知能力強化などが図られており、F-15J近代化改修型とデータリンクすることで巡航ミサイルなどの小型目標にも迅速な対応ができる。2007年にボーイング社が受注しており、2009年に改修キットが納入され、2010年までに改修を終えて2011年から運用している。参考：月刊軍事研究3,’14、4,’09、6,’10

＜Ｅ−７６７能力向上装備品の取得＞：防衛省がアメリカ国家安全保障庁に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜Ｅ７６７レーダ用補給処整備器材＞：自衛隊の機器。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜Ｅ９１７Ｔ＞：イギリス陸軍６×４輪３トントラック。民間向けサセックス・トラックの軍用型で、フォード社が生産し、1940年に24両のみ引き渡された。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜Ｅ３１０９＞：自衛隊の電子管。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜Ｅ３５２７＞：自衛隊の電子管（GCA装置用）。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜Ｅ３５３５＞：自衛隊の電子管（GCA装置用）。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜Ｅ３８５１＞：自衛隊の電子管。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究6,’18

＜Ｅ１３０００４Ｇ２＞：自衛隊の空中線。三菱電機製。参考：月刊軍事研究10,’08

＜Ｅ３７００１Ｈ１＞：自衛隊の電子管（気象レーダ装置用）。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜Ｅ３７１００−９５９０ＭＨＺ＞：自衛隊の電子管（気象レーダ装置用）。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜Ｅ３７１００・Ｈ１＞：自衛隊の電子管（気象レーダ装置用）。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜Ｅ３７１００　Ｌ１＞：自衛隊の電子管。新日本無線製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜Ｅ３７１５０−９０８０ＭＨＺ＞：自衛隊の電子管（GCA装置用）。東芝電子管デバイス製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ＥＡ−１Ｅ＞：AD艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−１Ｆ＞：AD艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−３Ａ＞：A-3艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−３Ｂ＞：A-3艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−４Ｅ＞：A-4艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ａ＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ　ＢＡＳＣＡＰ＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ　ＥＸＣＡＰ＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ　ＩＣＡＰ＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ　ＩＣＡＰ�U＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ　ＩＣＡＰ�V＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ二次能力向上型＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ三次能力向上型＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ周波数帯域拡張型＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ能力向上型＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−６Ｂ標準型＞：A-6艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ７＞：エドグリー社が開発した良視界固定翼機、別名オプティカ（Optica）。エンジンを収容したダクテッドファン（５翅木製固定ピッチ）に主翼を取り付けてツインテールブーム機にし、ファンの前にアルミ合金フレーム・アクリル窓付きのキャビンを置いている。キャビンはほぼ全面アクリル張りで、極めて視界が良い。主翼は直線翼で、翼型は軽飛行機用GA(W)-1、アスペクト比9.1、翼厚比17%であり、後縁に２分割ファウラーフラップ（最大下げ角40度）とエルロンを持つ。垂直尾翼がテイルブーム後端に付いており、垂直尾翼端を連結する形で水平尾翼が設けられている。イギリス陸軍が観測機として注目していたらしい。全長8.16m、全幅12.16m、全高2.31m、自重895kg、最大離陸重量1220kg。エンジンはライカミングIO-360（180馬力）単発、巡航速度94ノット、最大速度109.5ノット、実用上昇限度2440m、航続距離538海里。乗員３名（座席は並列）。参考：世界の軍用機1982

＜ＥＡ−７Ｌ＞：A-7艦攻ファミリーを参照。

＜ＥＡ−５０＞：T-50練習機ファミリーを参照。

＜ＥＡ−２００Ｂ＞：トーネード・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＥＡＡＫ＞：アメリカ海兵隊AAVP-7A1水陸両用装甲兵員輸送車の増加装甲。イスラエルのラファエル社が開発した波形増加装甲ASPRO-PをAAVP-7A1用に改修したもので、1991年から導入した。��硬度鋼板、ゴム板、軟鋼を積層しており、HEAT弾の斜射（命中角35-110度）に対抗でき、7.62mm及び12.7mm徹甲弾には射距離ゼロで、KPV用14.5mm重機関銃弾には射距離300mで95%抗堪でき、155mm榴弾の破片は距離15mで99%防げる。重量1996kg。参考：月刊グランドパワー3,’04、月刊軍事研究9,’13

＜ＥＡＡエア・ベンチャー＞：EAAはExperimental Aircraft Associationの略。毎年７月最終週から８月第１週末にかけて開かれる世界最大のエアショーで、元はオシコシ・フライインという名称だった。軽量民間機から水上機、F-22戦闘機に至るまで参加機は1000機以上にのぼり、見学のため全米はおろか世界中から駆けつける個人所有機や民間エアライン機（かつてはコンコルドが乗り付けていた）まで含めると10000機が会場付近に集結する。参考：月刊丸2,’08付録

＜ＥＡＢＯ＞：遠征前進基地作戦を参照。

＜ＥＡＤＳ＞：アエロスパシアル社、DASA、CASAが2000年7月に合併して誕生した。傘下にエアバス・コマーシャル、エアバス・ミリタリー、ユーロコプター、カシディアン（前EADSディフェンス＆セキュリティ）、アストリアムなどを置く。2012年5月からBAEシステムズとの合併交渉に入ったが、株主のドイツ・フランス政府や相手方株主のイギリス政府からクレームが付いたらしく、10月10日に断念を発表した。2014年1月2日、エアバス・グループに社名変更した。参考：月刊JWings4,’12、12,’06、1,’13、3,’14、月刊軍事研究6,’07

＜ＥＡＦ＞：遠征航空宇宙軍の略。アメリカ本土の部隊を紛争地域に派遣する時に、軍種の垣根を越えて統合遠征部隊を編成するコンセプトで、実際に派遣される部隊名はAEFである。参考：月刊軍事研究6,’02

＜ＥＡＧ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、試験用特務艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＥＡＧＬＥ計画＞：E-3の能力向上プログラム８項目の１つ。空中全地域弾道ミサイル発射探知評価拡張（Extended Airborne Global Launch Evaluator）の略で、AIRMSの実戦兵器版ともいえる。AWACSにEAGLE赤外線望遠鏡を搭載し、弾道ミサイル探知・追跡を可能とする計画で、戦域ミサイルをブースト段階で探知・追跡し、レーザー測距儀によって正確な飛翔経路を計算し、THAAD・ERINT（後のPAC3）部隊に迎撃データを与える。EAGLE構成品には、ジンバル安定付きパッシブ赤外線望遠鏡、それと同期して動く赤外線レーザー測距儀、母機を含めた空間的三次元位置を確定するIMU/GPS受信・表示ユニット、迎撃部隊にデータを送る通信連絡指示装置などが挙げられる。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ＥＡＧＬＥ構想＞：アメリカ空軍の反射衛星砲（by宇宙戦艦ヤマト）開発構想Evolutionary Aerospace Global Laser Engagement。旋回式バイフォーカル型反射鏡２枚を備えた人工衛星で、１枚がレーザー発信源を追跡してレーザーの照射を受け、もう１枚で目標に向けて反射する。2001-02年に案が出され、大気圏内に反射鏡を置いてテストする予定だったが、レーザー飛翔距離が長く、反射する際にエネルギーが15%ほど減衰するのでメガワット級の出力が必要で、ABL開発中止により大出力レーザーの完成が見込めなくなったため、立ち消えになった。参考：月刊世界の艦船5,’20

＜ＥＡＪＰ＞：サーブ社が開発しているジャミングポッドで、Electronic Attack Jammer Podの略。ポッド前後端に窒化ガリウム製送受信モジュール60基以上を配しており、受信したレーダー波をデジタル無線周波数メモリDRFMのデータと照合し、最適波長で瞬時にジャミングをかける。電子攻撃能力も有しており、防空システムのセンサーを破壊することが可能。JAS39E/F戦闘機が内蔵するAREXIS電子戦装置と同様の能力を後付けすることができる。2019年11月4日にJAS39Dに搭載して初飛行試験を行った。参考：月刊JWings1,’20、11,’20

＜ＥＡＰ＞：EF2000ユーロファイター戦闘機のテクニカル・デモンストレーターで、1986年8月8日に初飛行した。前方カナードを持つ無尾翼デルタ機で、主翼はダブルデルタ翼になっている。胴体はやや短く、垂直尾翼はドーザルフィン付きでかなり大きい。エアインテイクは機首下面にある。全長14.7m、全幅11.17m、自重10.2トン、総重量16トン。エンジンはターボユニオンRB199-34R Mk104D（ミリタリー推力4.1トン、A/B時推力7.7トン）双発、最大速度マッハ２以上。固定武装は27mm機関砲１門。サイドワインダー２発、スカイフラッシュ４発を搭載できる。乗員１名。制作費は２億３千万ポンドで、イギリス政府が6500万ポンド、イタリア政府が若干を負担し、残りはEFA開発に必要な部分をユーロファイター社、残りをBAeなど開発業界が負担している。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＥＡＰ＞：NATOによる黒海沿岸国（ブルガリアやルーマニアなど）アラート任務で、エンハンスド・エア・ポリシングの略。2014年のロシアによるクリミア併合を受けて開始された。参考：月刊JWings10,’22

＜ＥＡＰＳ＞：ロッキード・マーチン社が2013年からテスト中の対砲迫ロケット弾迎撃（Counter-Rocket, Artillery and Mortor、C-RAM）システムで、Extended　Area Protection and Survivabiityの略。小型安価なミサイルにより砲弾やロケット弾を直撃破壊するもので、システムはコンテナ収納式発射ユニット（15連装ミサイルランチャー、通信装置、電子機器など）と火器管制レーダーで構成され、前者はHMMWVに１基またはHEMTTに３基（＋ミサイル405発）、後者は中型戦術トラックMTVに積載する。HMMWVとMTVの組み合わせなら、一式をC-130輸送機に載せて空輸できる。ミサイルは全長750mm以下、東体直径70mm以下、重量3kg以下。誘導はセミアクティブ・レーダー、有効射程2.5-3km。ミサイル単価16000ドル以下。参考：朝雲

＜ＥＡＲＦ＞：東アフリカ緊急対処部隊を参照。

＜ＥＡＲＴ＞：ヨーロッパ空中給油訓練を参照。

＜ＥＡＳ＞：等価対気速度を参照。

＜ＥＡＳＡ＞：ヨーロッパ航空安全局の略。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＡＳＲ＞：アメリカ海軍がAN/SPS-48/-49の後継として開発している長距離対空捜索レーダーで、Enterprise Air Surveillance Radar（エンタープライズ対空捜索レーダー）の略。レイセオン社がAMDR-S用RMA、ノースロップ・グラマン社がAN/TPS-80の技術などをベースに開発研究を行っており、2018年からテストに入る予定。2021年8月2日、バージニア州ワロップ島試験施設で行っていたバリアント１及びバリアント２の試験を完了したと、レイセオン・テクノロジーズが発表した。参考：月刊軍事研究9,'15、8,’14、8,’17、月刊世界の艦船8,’17、8,’18、10,’21

　＜ＥＡＳＲバリアント１＞：制式名はAN/SPY-6(V)2。AN/SPY-6(V)1AMDR-Sと同じ、窒化ガリウム半導体製送受信モジュール６個からなるTRIMMを24個組み合わせたRMA（縦・横・高さ各２フィート・610mm）を使用し、RMAを９基（３×３）並べてアンテナ１面を構成（総送受信モジュール数1296個）、上部にIFFアンテナを装着し、機械旋回させて全周を捜索する。周波数帯8-12.5GHz。2019年8月、アメリカ海軍水上戦闘システム・センターで初のシステム試験を行い、民間機含む複数種類の目標を同時連続追尾した。ニミッツ級空母、アメリカ級強襲揚陸艦３番艦以降、サン・アントニオ級ドック型油送用陸艦13番以降といった在来艦艇に搭載予定で、2020年7月のLRIPオプション契約情報では、CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、LHA-8ブーゲンビル、LPD-29リチャード・Ｍ・マックール、LPD-30ハリスバーグの名が挙げられている。参考：月刊世界の艦船10,’18、6,'23、8,’17、12,’18、4,’19、11,’19、10,’20

　＜ＥＡＳＲバリアント２＞：制式名はAN/SPY-6(V)3。アンテナ面３面の固定式で、１面あたりRMA９基・送受信モジュール1296個を使用する。当初はジェラルド・Ｒ・フォード級空母３番艦CVN-80エンタープライズから搭載する予定だったが、コスト削減を図るため２番艦CVN-79ジョン・Ｆ・ケネディにも積むことになった。FFG(X)／コンステレーション級フリゲートにも搭載する。参考：月刊世界の艦船6,'23、8,’17、10,’18、4,’19、10,'20

＜ＥＡＴＣ＞：ヨーロッパ空輸軍団を参照。

＜ＥＡＴＦ＞：ヨーロッパ航空輸送部隊を参照。

＜ＥＡＴＰ＞：AN/ALQ-188シリーズ（電子戦訓練ポッド）を参照。

＜ＥＡＶ−８Ｂ＞：ハリアー海外シリーズ（VTOL機）を参照。

＜ＥＡＶ−８Ｂプラス＞：ハリアー海外シリーズ（VTOL機）を参照。

＜ＥＢ−２９＞：B-29ファミリー（X-1母機）を参照。

＜ＥＢ−２９Ａ＞：B-29ファミリー（空中給油受油試験機）を参照。

＜ＥＢ−２９Ｂ＞：B-29ファミリー（XF-85母機）を参照。

＜ＥＢ−４７Ｅ＞：B-47ファミリー（電子戦機）を参照。

＜ＥＢ−５７Ｃ＞：B-57爆撃機ファミリー（電子戦訓練機）を参照。

＜ＥＢ−６６Ｂ＞：B-66爆撃機ファミリー（電子戦機）を参照。

＜ＥＢ−６６Ｃ＞：B-66爆撃機ファミリー（電子戦機）を参照。

＜ＥＢ−６６Ｅ＞：B-66爆撃機ファミリー（電子戦機）を参照。

＜ＥＢＢ＞：日米共同対潜特別訓練の通称で、Exercise Base Ballの略。1957年9月に初の訓練を行うにあたり、戦術や意見などのキャッチボールを行うという意味を込めて付けたという説や、野球好きだった当時の自衛艦隊司令が付けたという説がある。これにちなみ、1957年9月17日午前の洋上給油訓練ではアメリカ補給艦艦長が海自護衛艦に野球ボールを投げ渡した。参考：月刊世界の艦船1,’02

＜ＥＢＣ＞：CNU-188/A（カーゴポッド）を参照。

＜ＥＢＦ＞：外部吹き出しフラップを参照。

＜ＥＢＧアップグレード型＞：AMX-30戦車ファミリーを参照。

＜ＥＢＧ装甲工兵車＞：AMX-30戦車ファミリーを参照。

＜ＥＢＯ＞：アメリカ空軍がイラク戦争から採用した航空戦の基本ドクトリンで、Effects-Based Operations（効果基準作戦）の略。ステルス機と精密誘導兵器の組み合わせにより最小限の兵力で最大限の効果を挙げるというもので、以前はレーダー、防空指揮センター、飛行場…と直列・順次攻撃をかけていたが、本作戦では軍事目標、政治中枢、インフラ、交通システムなどに同時攻撃を仕掛けて全てを制圧する並列・同時攻撃を旨とする。完全な破壊を行わなくとも、機能を喪失すれば可としており、より少ない戦力で付随被害を抑えつつ迅速な無力化を図ることを目標とする。参考：月刊JWings7,’03、月刊軍事研究5,’10

＜Ｅ−Ｂｏｍｂ＞：EMP爆弾を参照。

＜ＥＢＲ装甲車シリーズ＞：フランス陸軍８輪装甲車で、Engin Blinde de Reconnaissance（装甲偵察車両）の略。1946年4月に試作命令が出され、パナール社が1930年代に開発していたM201をベースに製作して1948年7月までに２両が完成、オチキス社の対抗案に勝って1949年12月に採用された。1950-60年に1200両が生産され、1979年からAMX-10RCに更新された。ポルトガル軍も配備している。参考：月刊PANZER3,’10、世界の軍用車両（４）

　＜Ｍ２０１＞：パナール社が1937年から開発した８×８輪偵察用装甲車。前後２軸はゴムタイヤ（9.75×20）だが、中央２軸には歯車のオバケのような鉄輪が取り付けられており、不整地走行時のみ降ろして使用する。車体中央下部に機関室があり、前後に操縦席が付く。武装は揺動砲塔の73口径25mm砲１門、7.5mm機銃１丁。最大速度90km以上（路上）／80km以上（路外）。1939年12月に試作車１両が完成した。1940年から量産される予定だったが、ドイツに攻め込まれてしまい、試作車は砂漠を試験走行中に行方不明となり、図面は廃棄され、計画は放棄された。参考：月刊PANZER3,’10

＜ＥＢＲ−７５モデル１９５１＞：1944年のフランス解放を受けてフランス陸軍が戦闘車両の開発を再開したのに伴い、パナール社が偵察用重装甲車として提案したM212が採用されたもの。M201の改良型で、車体は一回り大きく、前部に操縦席、中央に戦闘室、後部に副操縦席があり、機関室は戦闘室の床下にある。エンジンは床下に収めるため新規開発されており、厚さ218mm・重量360kgと超薄型軽量にして車体高を抑えた。冷却用の空気は砲塔下面と車体上面の間に設けた楕円形通気口から取り入れ、車体後部上面の楕円形排気口から排出する。エンジン前方にトランスミッション（４段。路外走行時は４段の副ギアボックスに繋いで16段変速にできる）があり、路上は前後４輪ゴムタイヤ（ミシュランF24コンバットタイヤ、14.00×24）で走行し、路外に出ると中央４輪ジュラルミンタイヤ（鋼製グローサー付き）を油圧で下ろして８輪走行する。サスペンションは二重同心スプリングと油圧ダンパー。砲塔はFL-11揺動砲塔で、武装は75mmライフル砲CN-75-49（砲口初速毎秒600m。56発）と7.5mm機銃１丁、俯仰角はマイナス10度からプラス15度。砲塔両側面に発煙弾発射機を連装装備する。操縦手・副操縦手席にも7.5mm機銃が１丁ずつ付いていたが、後に外された。全長6.15m、車体長5.56m、全幅2.42m、全高2.24m（４輪走行時）／2.32m（８輪走行時）、全備重量13.5トン。エンジンはパナール12H6000水平対向空冷２サイクル12気筒ガソリン（200馬力、総排気量6000cc）、最大速度105km（前後進とも）、燃料搭載量380リットル、航続距離630km。乗員４名（操縦手、副操縦手、車長、砲手）。参考：月刊PANZER3,’10

＜ＥＢＲ−７５タイプ１９５４＞：改良型で、一部は砲塔をFL-10に換装した。参考：月刊PANZER3,’10

＜ＥＢＲ−７５タイプ１９５５＞：砲塔をAMX-13に搭載されているFL-10揺動砲塔に換装したもの。主砲は75mm戦車砲CN-75-50（砲口初速毎秒1000m）で、砲塔後部に６発入りリボルバーマガジン２基を持つ。搭載弾数は計38発に減り、俯仰角はマイナス６度からプラス13度になり、背が高くなって重くなったので不整地踏破能力が減少した。全長6.75m、車体長5.56m、全幅2.42m、全高2.58m（４輪走行時）／2.66m（８輪走行時）、全備重量15.2トン。エンジンはパナール12H6000水平対向空冷２サイクル12気筒ガソリン（200馬力、総排気量6000cc）、最大速度105km（前後進とも）、燃料搭載量380リットル、航続距離630km。乗員４名（操縦手、副操縦手、車長、砲手）。参考：月刊PANZER3,’10、世界の軍用車両（４）

＜ＥＢＲ−９０＞：1960年代になって主砲の威力低下が問題となったため、90mm砲に換装したもので、1963年に開発が決定した。主砲を90mm滑腔砲F2とし、HEAT-FS弾（砲口初速毎秒750m、装甲貫徹力は衝角０度で320mm、60度で120mm）を使用可能としている。砲塔内部レイアウトも変更し、主砲搭載弾数が43発に増えた。全長6.155m、車体長5.56m、全幅2.42m、全高2.24m（４輪走行時）／2.32m（８輪走行時）、全備重量12.7トン。エンジンはパナール12H6000水平対向空冷２サイクル12気筒ガソリン（200馬力、総排気量6000cc）、最大速度105km（前後進とも）、燃料搭載量380リットル、航続距離630km。乗員４名（操縦手、副操縦手、車長、砲手）。既存の車両がこの規格に改造された他、少数が新造された。参考：月刊PANZER3,’10、世界の軍用車両（４）

＜ＥＢＲファミリー＞

　＜ＥＢＲ−ＥＴＴ＞：フランス陸軍の植民地用装甲兵員輸送車。砲塔を外して車体正面前端に7.5mm機銃F1装備銃塔（後に7.62mm機銃M1919を１丁に換装）を搭載、車体後半部分を兵員室にし、機関部の上にあたる部分にベンチを設け、兵員12名が背中合わせに座れるようにした。兵員室後面に観音開きドア、上面に左右２枚のハッチを持ち、側面には片側２基ずつのガンポートがある。副操縦手席は残されていて、後面ハッチ上部に視察用ハッチが左右１枚ずつ付く。操縦手用ハッチ両側に発煙弾連装発射機を１基ずつ搭載でき、銃塔に投光器を付けられる。全長5.56m、全幅2.42m、全備重量15トン。エンジンはパナール12H6000水平対向空冷２サイクル12気筒ガソリン（200馬力、総排気量6000cc）、最大速度105km、燃料搭載量380リットル、航続距離630km。固有の乗員は操縦手１名で、車長兼機銃手が乗ることもある。1956年に試作車が完成（この時は車体上面後部にも銃塔があった）し、30両が生産されたが、フランスではすぐに退役した。ポルトガル軍で10両が1974年まで使用されている。参考：月刊PANZER3,’10

　＜ＥＢＲ自走対空機関砲＞：試作自走対空機関砲。イスパノスイザ製30mm機関砲タイプ831連装砲塔を搭載した。AMX-13DCAが開発されていたため、試作１両のみで採用されなかった。参考：月刊PANZER3,’10

＜ＥＢＴ機能＞：アメリカ空軍用語で、EBTはEmBedded Trainingの略。実物の航空機及び兵装など（Live）に加え、人間操作のシミュレータなど仮想現実環境上の航空機及び兵装など（Virtual）や、コンピュータがソフトウェア上で自律操作する航空機及び兵装など（Constructive）を、全て実目標であるかのように練習機上で表示し、これに搭乗した学生パイロットが予め設定したミッションシナリオや戦闘環境において訓練を行うことで、利用できるコクピットリソース（乗員の能力、各種センサー、通信、兵装など）を効果的にフル活用してミッションをこなすCCRM能力（Cockpit/Crew Resource Management）を身に付ける訓練機能のこと。交戦訓練やミッション訓練をシミュレートで行えるので、訓練弾、仮想敵機、標的機、広い訓練空域、射爆撃場などを用意する必要が無く、訓練効率が高い。T-38後継機で実現が予定されている。参考：月刊軍事研究5,’17、月刊航空ファン5,’19

＜ＥＢＵ組立スタンド＞：自衛隊の機器。堀口エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＥＣ−１＞：C-1輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−２改造型工作艦＞：アメリカ海軍工作艦。EC2型リバティー貨物船を改造した工作艦で、内燃機関（艦船・航空機のガソリンエンジンやディーゼルエンジン）の修理にあたる。全長134.6m、幅17.4m、吃水7m、基準排水量4621トン。主機はレシプロ蒸気機関、出力2500馬力、１軸推進、速力12.5ノット。兵装は127mm単装砲１門、76mm単装砲２門、40mm機関砲４門。乗員550名。ARG-4ツツイラなど10隻強が就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＥＣ−１７＞：アメリカ軍の水爆。全長224.9インチ（5.71m）、直径61.4インチ（1.56m）、重量39600ポンド（18トン）。空中爆発式で、威力11メガトン。参考：世界の傑作機No.125

＜ＥＣ−１８Ｂ＞：C-18輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１８Ｃ＞：E-8JSTARSシリーズを参照。

＜ＥＣ−１８Ｄ＞：C-18輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−２０Ｆ＞：C-20輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−２４Ａ＞：アメリカ海軍艦隊電子戦支援群所属の電子戦アグレッサー。DC-8-54Fに各種電子戦装備を取り付けたもので、1984年8月からエレクトロスペースシステムズ社が中古機を改造し、1987年8月に１機が引き渡された。空中記録兼訓練システムARTS、AN/ALR-75電子支援計測装置、AN/ALT-40レーダー妨害システム、AN/ASQ-191通信妨害装置、AN/ALE-43チャフ・フレアディスペンサーなどを搭載し、空対艦ミサイルの発射は編隊から訓練用シーカーポッド装備のA-4攻撃機を分離することで模擬する。全長45.9m、全幅43.38m、全高12.88m、最大離陸重量147.42トン。航続距離4800海里。乗員は運航要員３名＋電子戦器材操作員７名。運用はクライスラー・テクノロジー社が行っており、オクラホマ州タルサ空港から海上演習に展開する。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings2,’01

＜ＥＣ−３７Ｂ＞：C-37B輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−４６Ｄ＞：C-46輸送機・海外ファミリーを参照。

＜ＥＣ−４７＞：C-47輸送機・海外ファミリーを参照。

＜ＥＣ−４７Ｑ＞：C-47海外ファミリー（電子戦機）を参照。

＜ＥＣ−５４Ｄ＞：C-54ファミリー（飛行点検機）を参照。

＜ＥＣ−８２Ａ＞：C-82輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−９５＞：EMB-110A（輸送機）を参照。

＜ＥＣ−１１９Ａ＞：C-119輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１１９Ｊ＞：C-119輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ１２０＞：H120シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＥＣ−１２１Ｃ＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１２１Ｄ＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１２１Ｈ＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１２１Ｋ＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１２１Ｍ＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１２１（ＴＡＣＡＭＯ）＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１２１撃墜事件＞：1969年4月15日、厚木基地所属のEC-121が、北朝鮮の清津沖166kmの公海上で北朝鮮軍ミグ戦闘機に撃墜され、乗員31名全員が死亡した事件。アメリカは対潜空母CV-12ホーネット、戦艦BB-62ニュージャージーなど28隻を日本海に展開し、更に原子力空母CVN-65エンタープライズまで加えて威嚇した。参考：月刊軍事研究6,’01

＜ＥＣ−１３０Ｅ（ＡＢＣＣＣ）＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｅ（ＣＣ）＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｅ（ＣＬ）＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｅ（ＲＲ）＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｅ（ＲＲ）コマンドーソロ�U＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｇ　ＴＡＣＡＭＯ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｈ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｊ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３０Ｑ　ＴＡＣＡＭＯ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ａ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｂ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｃ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｅ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｇ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｈ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｊ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｋ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｌ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｎ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｐ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５Ｙ＞：KC-135空中給油輸送機ファミリーを参照。

＜ＥＣ−１３５シリーズ＞：ユーロコプター社のヘリコプター。MBB社がBo105の後継となるヘリコプターとして1991年からBo108の名称で開発し、アエロスパシアルとの合併でユーロコプター社になってEC-135と改称、1994年2月15日に初飛行した。1996年6月14日にドイツ、7月2日にフランス、7月31日にFAAの消え式照明を取得している。エアバス・ヘリコプターズになってH135に改称された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings6,’19

　＜ＥＣ１３５＞：機体形状を洗練し、Bo105よりキャビンを拡大しつつ抗力を３割減らした。20Gの墜落衝撃にも耐えられる。メインローターはベアリングレスで、メインローターブレードは複合材製。テイルローターは10翅フェネストロンである。降着装置はスキッド式。エンジンはアリウス2BまたはPW206B双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＣ１３５Ｐ２＞：エンジンをPW206B2双発にしたもの。2001年8月に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＣ１３５Ｐ２ｉ＞：EC135P2のエンジン用ソフトウェアを改修して出力を向上させ、最大離陸重量を2.91トンに引き上げたもの。2006年秋に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＣ１３５Ｐ２ｅ＞：最大離陸重量を2.95トンに増やしたもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＣ１３５Ｔ２＞：エンジンをアリウス2B2双発としたもの。2002年8月に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＣ１３５Ｔ２ｉ＞：EC135T2のエンジン用ソフトウェアを改修して出力を向上させ、最大離陸重量を2.91トンに引き上げたもの。全長12.19m、メインローター直径10.2m、全高3.51m、自重1.455トン、最大離陸重量2.91トン。エンジンはチュルボメカ製アリウス2B2ターボシャフト（634軸馬力）双発、経済巡航速度240km、最大速度259km、実用上昇限度3045m、海面上昇率毎分480m、ホバリング高度限界3045m（地面効果内）／2010m（外）、燃料搭載量700リットル、航続距離620km。座席数８。2006年秋に登場した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＣ１３５Ｔ２ｅ＞：最大離陸重量を2.95トンに増やしたもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＣ−１３５Ｔ２＋＞：キャビン左右に大型のスライドドア、後方にクラムシェルドアを持つ。エンジンはアリウス2B2双発。統合型ディスプレイシステムによるグラスコクピットを採用している。テイルブームはキャビン後上方から延びており、テイルローターはフェネストロンである。参考：月刊軍事研究7,’09、月刊世界の艦船4,’09

＜ＥＣ−１３５海外シリーズ＞

　＜ＥＣ−１３５Ｔ２＋（オーストラリア国防軍）＞：オーストラリア軍練習ヘリ。HATS（Helicopter Aircrew Training System）用として2016年11月までに15機を引き渡した。２年限定で提供し、陸海軍の訓練に使用する。参考：月刊航空ファン3,’17

　＜ＴＨ−１３５＞：海上自衛隊練習ヘリ。回転翼操縦基礎課程用OH-6D/DA練習ヘリと回転翼機計器飛行課程用TC-90航法訓練機の兼用後継機として2009年1月14日に採用した。機首先端に気象レーダーを装備しており、エアインテイクにはパーティクル・セパレーターを装着して砂塵（鹿屋航空基地に飛んでくる桜島の火山灰）を吸い込まないようにしている。キャビン後方に217リットル入り補助燃料タンクを取り付けることが出来、航続時間を１時間延ばせる。緊急用フロートは標準装備ではないが、後付け可能。全長12.16m、胴体長10.2m、メインローター直径10.2m、胴体幅1.56m、水平安定板幅2.65m、全高3.51m、最大離陸重量2.91トン（2.95トン？）。エンジンはターボメカ社製アリウス2B2ターボシャフト（592軸馬力）双発、巡航速度130ノット、最大速度138ノット・256km、航続距離635km。乗員４名。ユーロコプタージャパンが受注しており、完成機をユーロコプター社から購入して海自仕様への改修を施している。まずは２機を計７億9981万５千円で輸入（初号機納入は2009年12月2日）して第51航空隊で性能試験を行った後、2010年9月に部隊使用承認を取得、2011年11月4日に第211教育航空隊で訓練を開始した。2010年度の調達価格は３機で17億円。2014年10-12月、エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンから11-13号機を受領した。2015年11月25日、最終15号機が第211教育航空隊に配備された。参考：月刊世界の艦船2,’10、1,’11、2,’12、1,’15、1,’19、月刊軍事研究2,’10、3,’11、月刊航空情報2,’10、月刊JWings6,’10、9,’17、5,’18、2,’15、2,'16、MAMOR vol.98、朝雲

　＜ＶＨ−３５＞：ブラジル空軍汎用ヘリ。H135Mを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＣ−１３７Ｄ＞：E-3シリーズ（早期警戒管制機）を参照。

＜ＥＣ１４５シリーズ＞：ユーロコプター社のヘリコプターで、川崎BK117C-2の別名である。BK117シリーズのサイズとエンジンを変えずにキャビン容積と輸送力を拡大するというコンセプトで1997年から開発し、1999年6月12日に原型初号機がドイツで、2000年3月15日に原型２号機が日本で初飛行、2000年12月20日に形式証明を取得した。アメリカ陸軍がUH-72として採用した他、ドイツ陸軍、カザフスタン空軍、ボリビア空軍、フランス憲兵隊も導入した。ユーロコプターがエアバス・ヘリコプターズになったのに伴い、H145に改称された。2019年9月25日、南米大陸最高峰アコンカグアの標高6962m地点に着陸した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings12,’13、6,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜ＥＣ１４５＞：BK117C-1を軽量化してローターブレードを新型にし、アビオニクスを強化したものである。機首を延長して胴体幅を広げ、キャビン容積を２割以上拡大した。風防を横枠無しにすると共に計器板をCRTで小型化し、視界を改善している。メインローターは形状を工夫して直径を変えずに揚力を増し、外部騒音もBK117C-1より４デシベルほど小さくした。水平安定板に後退角を付けている。空虚重量1.792トン、最大離陸重量3.55トン。最大速度270km、燃料タンク容量757リットル、航続距離700km。ペイロード1.68トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＣ１４５Ｔ２＞：UH-72AやAAS-72Xと同じ胴体に、アリエル2Eエンジン、強化型トランスミッション、フェネストロン、グラスコクピット、４軸自動操縦システムなどを装備する。テイルローターは２翅。参考：月刊軍事研究5,’13、7,’13

＜ＥＣ１４５ファミリー＞

　＜ＥＣ１４５ｅ＞：救急専用型。EC145C2がベースで、自動操縦装置を強化するなどしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＣ１５５シリーズ＞：H155シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＥＣ１７５シリーズ＞：ユーロコプター社と中国のHAIGハルビン飛機工業が共同開発したヘリコプターで、中国名称は直15／直昇15／Z-15。2005年に共同開発（出資比率50対50）が調印され、2006年初めからユーロコプター社主導で設計、2009年12月4日（公式では12月17日）に試作初号機が初飛行した。2014年12月11日に量産１・２号機がベルギーのNHV社に引き渡されている。ユーロコプター社がエアバス・ヘリコプターズになったのを受け、H175シリーズに改称された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報3,’10、月刊軍事研究9,’11、6,’11、2,’15

＜ＥＣ１７５＞：シングルローターヘリで、メインローターは５翅、ローターヘッドはベアリングレス、30分間のドライラン能力を持つ。テイルローターは３翅で垂直安定板左側に付く。胴体はアルミニウム合金製。キャビン内には前後５列・左右3-4列の座席を設置できる。機体前後に緊急フロートがあり、12-18名用のライフラフト２個も搭載する。キャビンの窓は強く押すと外れるので、緊急時の脱出が容易。コクピットはサイドバイサイドで、アビオニクスはH225用と同じヘリオニクス統合型アビオニクス、計器パネルは６×８インチ（152×203mm）液晶パネル５枚でグラスコクピット化した。全長18.06m、胴体長14.79m（15.68m？）、メインローター直径14.8m、胴体幅2.25m、全高5.34m（テイルローター先端まで）、空虚重量4.603トン、最大離陸重量7.8トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6C-67Eターボシャフト（デュアルFADEC付。離昇出力1776軸馬力、最大連続出力1645軸馬力）双発、最大巡航速度274km、最大速度296km、燃料搭載量2590リットル（2710リットル？オプションでプラス340リットル）、航続距離1096km・600海里、航続時間６時間、行動半径195海里（乗員２名＋乗客12名）／140海里（乗員２名＋乗客16名）／105海里（乗員２名＋乗客18名）。機外スリング能力2.9トン。乗員２名。座席数最大18。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報3,’10、月刊軍事研究12,’13、7,’13、9,’11、6,’11

＜Ｚ−１５＞：中国版、別名直15または直昇15。主任務は海洋石油開発支援で、要員16名を載せて時速250kmで巡航し、500km沖のプラットホームへと往復飛行を行う。エンジンは有事などの際に供給不安があるため、チュルボメカ製アーディアン3Cを東安エンジン製造会社でライセンス生産したWZ16ターボシャフトエンジン（1800軸馬力）を搭載する。2012年から量産機が引き渡される予定である。Avicopter設立でAC352に改称したらしい。参考：月刊航空情報3,’10、月刊軍事研究9,’11、6,’11、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＣ１７５ファミリー＞

　＜Ｈ１７５パブリック・サービス仕様＞：警察、消防、国境警備隊、捜索救難、救急医療サービス向け。ヘリオニクスと呼ばれるアビオニクスと、４軸自動操縦装置を備える。ローンチ・カスタマーは香港政府フライングサービスで、2018年に７機が引き渡された。参考：月刊航空ファン9,’18

＜ＥＣ２２５＞：AS332シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＥＣ−２２５ＬＰ＞：AS332海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＥＣ−２２５ＬＰ整備用機材（輸入・その２）＞：自衛隊の機器。日本エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究3,’16

＜ＥＣ−２２５ＬＰ用カートリッジ＞：自衛隊の機器。エンジン消火用、APU消火用がある。ユーロコプタージャパンが受注している。参考：月刊軍事研究1,’11

＜ＥＣ６３５＞：ユーロコプター社のヘリコプター。EC135シリーズの汎用型（軍用型？）である。胴体長10.21m、ローター直径10.2m、全高3.62m、空虚重量1.265トン、最大離陸重量2.25トン。エンジンはアリエル2D（離昇出力847軸馬力）単発、巡航速度248km、最大速度287km、実用上昇限度7000m、ホバリング高度限界3383m（地面効果外）、航続距離600km、航続時間４時間。ペイロード0.985トン。乗員１名＋搭乗人員5-8名。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＥＣ６３５海外シリーズ＞

　＜ＥＣ６３５（スイス空軍）＞：スイス空軍軽輸送・練習ヘリ。EC135P2プラスがベースで、18機を発注し、2008年3月に初号機が引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＣ６４５Ｔ２＞：ユーロコプター社のヘリコプター。EC145シリーズの汎用型で、テイルローターをフェネストロンに変更した。キャビン下部左右にハードポイントがあり、上反角を持つスタブウイングを介して兵装を搭載できる。全長13.63m、胴体長11.69m、ローター直径11m、全高4m、最大離陸重量3.85トン。エンジンはアリエル2E（離昇出力894軸馬力、最大連続出力771軸馬力）双発、巡航速度248km、最大速度268km、ホバリング高度限界3000m（地面効果外）、航続距離663km。乗員1-2名。搭乗兵員9-10名。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＥＣ６５５＞：ユーロコプター社の軍用ヘリ。EC135の軍用型である。エアバス・ヘリコプターズへの社名変更に伴い、H135Mに改称された。全長10.21m、メインローター直径10.2m、全高3.62m、最大離陸重量2.9トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW206B2（817軸馬力）双発、最大速度259km、航続距離650km。参考：月刊JWings4,'21

＜ＥＣ６６５＞：ティーガー・シリーズ（攻撃ヘリ）を参照。

＜ＥＣ７０７＞：B707旅客機ファミリー（早期警戒機）を参照。

＜ＥＣ７２５＞：AS332シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＥＣ／ＡＰ＞：ジャギュア・シリーズ（攻撃機）を参照。

＜ＥＣＡＴ＞：ジャギュア・シリーズ（攻撃機）を参照。

＜ＥＣＡ計画＞：EF2000シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＥＣＢ＞：イギリスのウルトラ・エレクトロニクス社が開発した潜水艦用使い捨て曳航式通信ブイで、Expendable Communications Buoysの略。イリジウム衛星携帯電話を経由したデータ通信を行うもので、使用後はブイを切り離して投棄する。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜ＥＣＣＭ＞：Electric Counter-Counter Measures（対電子妨害手段）の略。1990年代以降のアメリカ軍ではElectoric Protection（EP、電子防御）、2001年以降の陸自では通信電子防御（EP）という。ECMに対抗する手段を指す。レーダーや無線の周波数を自動変更するスペクトラム拡散、パルス幅やパルス繰り返し周波数の変調、送信出力強化、レーダー探知距離短縮、アンテナ旋回速度上昇による指向性反射波受信秒時短縮、アンテナ俯仰角変更による反射波受信方向変更、グラウンド・クラッター除去用移動目標識別（MTI）モード利用による同一位置同一強度発信電波の消去、アンチ・チャフ回路、パルス妨害除去回路PIE（Pulse Interference Eliminator）、雑音除去回路AVNL（Automatic Video Noise Limitor）、IAGC（Instantonesus Automatic Gain Control）、FTC（Fast Time Constant）などがこれにあたる。レーダー波の送信を時々切ってジャミング波が入ってこないか窺ったり、ECMを受けたらパッシブ・レーダーに切り替えてECM発生源を逆探知したり（そのままロックオンするものもある）、使用周波数の違う複数のレーダーを組み合わせたりすることもある。被探知を防ぐための電波封止EMCONもECCMの１つである。防衛関連コンピュータのファイアウォールやワクチンソフトもこれにあたりそうな気もする。参考：空軍、月刊JWings11,’03、月刊軍事研究2,’13、月刊世界の艦船5,’19

　＜ＥＣＣＭ（自衛隊）＞：電子防護EP（Electronic Protection）という。ステルス化による被探知性低減や、電子攻撃を受けた際の周波数変更・出力増加などにより、相手の電子攻撃を低減・無効化すること。参考：月刊航空ファン2,’20

＜ＥＣＣＰＢ＞：改ケープ級（哨戒艇）を参照。

＜ＥＣＤＩＳ＞：電子海図情報表示装置を参照。

＜ＥＣＧ＞：Electronic Combat Group（電子戦闘航空群）の略。参考：月刊航空ファン5,’19

＜ＥＣＭ＞：Electric Counter Measures（電子妨害手段）の略。1990年代以降のアメリカ軍ではElectric Attack（EA、電子攻撃）、2001年以降の陸自では通信電子攻撃（EA）という。レーダーや無線交信などを能動的に妨害する手段を指す。対象に赤外線やレーザーを含むこともある。相手電波などの存在を検知し、発信源を探知、性状を分析して脅威を判定するパッシブECMと、パッシブECMの情報を元に妨害を行うアクティブECMに分類され、アクティブECMにはチャフ／デコイ（欺瞞、ディセプション）や妨害電波（ジャミング）によるソフトキルと、対レーダーミサイルや施設爆撃などによるハードキルがある。ステルス技術をパッシブECMに含めることもある。アメリカ軍では電磁波を放出しないチャフやデコイなどの対抗手段をパッシブEA、電磁波を放出するジャマーなどの対抗手段をアクティブEAと分類している。電子戦にコンピュータに対する妨害も含めると、敵防衛施設のコンピュータに対するウイルス攻撃もECMに分類されそうである。航空機では器材をポッドに収容して外付けすることも多いが、パイロンに吊り下げた場合、敵レーダーに背中が向いてECM発信部分が隠れてしまうと用をなさなくなってしまう。参考：月刊JWing11,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、7,’81臨時増刊、月刊軍事研究12,’08、1,’13、空軍

　＜ＥＣＭ（自衛隊）＞：電子攻撃EA(Electronic Attack)という。相手の通信機器やレーダーに、より強力な電波や欺瞞電波を放射するなどして、通信機器やレーダーから発せられる電波を妨害し、通信や捜索などの能力を低減・無効化することで、電波妨害（ジャミング）や、高出力電磁波（レーザーやマイクロ波）による対象の物理的破壊を含む。参考：月刊航空ファン2,’20

＜ＥＣＭ　ＡＮＴＥＮＮＡ　ＴＲＡＮＳＭＩＴＬＦ＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜ＥＣＭＯ＞：ECMオペレーターの略。

＜ＥＣＯＮ速度＞：巡航速度を参照。

＜ＥＣＲ９０＞：EF2000戦闘機のレーダー、別名キャプター。イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン共同設立のユーロレーダー社が開発した。第２世代コヒーレントＸバンド（8-12GHz）マルチモード・パルス・ドップラー・レーダーで、シーハリアーFA.Mk2用ブルーヴィクセン・レーダーの改良型である。電子戦環境下でも機能を阻害されないよう、従来のものより１チャンネル増やして３チャンネル化しており、アンテナは機械走査式にして開発リスクを減少させた。中距離空対空、短距離空対空、空対地の３モードを有し、更に32の細かなモードがある。空対空モードには捜索中測距（レンジ・ワイル・スキャン）、速度探知、捜索中追尾（トラック・ワイル・スキャン）、非協力目標識別、空戦捕捉モード、単一目標追跡／目標認識／機関砲モードなどが用意されていて、ルックアップ用の低パルス繰り返し周波数、ルックダウン用の高パルス繰り返し周波数、SARHミサイル用の連続波を送受信でき、シュートダウン能力も有する。探知能力160km（戦闘機サイズ）／370km（輸送機サイズ）。20個の目標を同時探知し、８目標を追尾、攻撃・識別システムAISと組み合わせて自動的に選択された１目標に対してミサイル攻撃を行える。また、パッシブレーダーモードにより、敵の射撃指揮レーダー波を逆探知することも可能。空対地モードでは、リアル・ビーム・マッピングRBM、ドップラー・ビーム・シャープニングDBS、地上移動目標識別GMTI、地形回避TA、合成開口レーダーSAR、空対地測距などの各種モードを使用する。SARモードの解像度は、第１トランシュ用が1m、第２トランシュ用が0.3m。高い電子妨害耐性も有する。アンテナ直径0.7m、重量193kg。参考：月刊JWings11,’04、月刊軍事研究12,’08

＜ＥＣＲＳ＞：CAESAR（レーダー）を参照。

＜ＥＣＳテスト・セット（Ｆ−１５用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’12

＜ＥＣＳトラブルシューティング・キット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜ＥＣＶ＞：M1165（輸送車）を参照。

＜ＥＣＷＣＳ＞：アメリカ軍の極寒地域用ジャケットで、エクステンデッド・コールド・ウェザー・クロージング・システムの略。見た目はマウンテンパーカーで、A4サイズのカーゴポケットを持ち、脇の下から上腕までファスナーが設けられていて温度調節も可能。強度の高い特殊なゴアテックス製で、完全防水かつ蒸れない。1986年から装備した。参考：月刊JWings1,’01、コンバット・バイブル

＜ＥＣ型戦時標準船＞：Ｅ型戦時標準船シリーズを参照。

＜Ｅｄ＞：護衛隊の略。

＜ＥＤＡ＞：アメリカ軍の兵器輸出制度で、Excess Defense Articleの略。保管中の退役装備を無償供与するもので、現役復帰及び改修費用や輸送費は相手側が負担する。参考：月刊丸7,’14、月刊航空ファン8,’19

＜ＥＤＡ−Ｒ型＞：L9092型（双胴揚陸艇）を参照。

＜ＥＤＡ−Ｓ型＞：フランス海軍揚陸艇Engin de Débarquement Amphibie-Standard。艦首にランプを持つ。搭載量65トン（通常）／80トン（最大）。最大速力16ノット、航続距離300海里。ミストラル級揚陸艦に４隻搭載可能。2021年9月、強襲揚陸艦L-9014トンネールでテストを開始した。14隻を生産し、ツーロンに８隻、ジブチに２隻、マヨットに１隻、ヌーメアに１隻、フォール＝ド＝フランスに１隻、クールーに１隻を配備する予定。参考：月刊世界の艦船12,'21、4,’19

＜ＥＤＢ−３６Ｈ＞：B-36爆撃機ファミリーを参照。

＜ＥＤＢ−３６Ｈ−�U＞：B-36爆撃機ファミリーを参照。

＜ＥＤＣ＞：ヨーロッパ防衛共同体を参照。

＜ＥＤＤ−９６４＞：アメリカ海軍個艦防御試験艦ポール・Ｆ・フォスター（Paul F. Foster）。元はスプルーアンス級駆逐艦DD-964ポール・Ｆ・フォスターで、2004年4月に一旦退役した後、兵装を撤去して遠隔操縦装置を搭載するなどの改造を施して2005年3月にこの艦種として再就役し、アメリカ海軍水上戦センターに配備された。SSDS Mk1のテストを行い、その後SSDS Mk2Mod2に換装している。2011年4月6日、上構最後部に搭載したMLDによるレーザー照射試験を行い、RHIBのエンジンを炎上させて破壊することに成功した。11月中旬、バイオ燃料と通常燃料を１対１で混合した燃料を使用しての航走試験を実施。2013年5月、RIM-116C（RAMブロック２）の試射を行い、亜音速・超音速目標計４機に対して所定の性能を発揮した。2016年7月、Mk41VLSからのLRASM発射試験を行った。参考：月刊世界の艦船2,’12、9,'22、月刊軍事研究8,’11、7,’16、4,’18

＜ＥＤＥ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、実験護衛駆逐艦（Experimental Destroyer Escort）を示す。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＥＤＭ４Ｓ＞：ウクライナ軍携帯電子妨害装置。リトアニアのNTサービス社が開発した。UAVの遠隔操作用電波と映像伝送用電波を妨害できる。参考：朝雲

＜ＥＤＭＳ＞：アメリカ軍の可搬型野戦病院で、Establish Deployable Medical System（展開可能衛生システム）の略。コンテナに一式が収容されており、展開すると手術室２室、ICU24床、一般病室300-500床、救護スタッフ居住棟、発電機、燃料庫、冷凍冷蔵庫、食料庫などを持つ野戦病院になる。設営には１週間かかる。相模総合補給廠にも配備されている。参考：月刊JWings2,’11

＜ＥＤＯ１４２＞：アメリカ空軍の実験機。EDO150の離着水特性をテストするのが主任務である。全幅8.8m、総重量3.6トン。エンジンはJ34ターボジェット（推力1.588トン）単発。計画のみに終わった。参考：月刊JWings7,’14

＜ＥＤＯ１５０＞：アメリカ空軍パント・ベース・ファイター（航空基地の無い北極圏に配備できる迎撃戦闘機）計画にEDO社が応募した戦闘飛行艇。胴体下面に水上滑走用折り畳みスキー、翼端にフロートを装備しており、海面に離着水できる。全長20m、全幅13.8m、総重量12.7トン。エンジンはアリソンJ35ターボジェット（推力2.223トン）双発。1947年2月に空軍資材コマンドと契約が締結され、テスト用として一回り小さいEDO142実験機も作る予定だったが、計画のみに終わった。参考：月刊JWings7,’14

＜ＥＤＳ＞：アメリカ海軍のレーダーデータ処理システムで、Electronic Data Systemの略。イギリスのCDSをベースに1953年から開発された。CDSを全電子化して信頼性を向上させている。24目標の処理が可能で、目標の速度成分を使用することで自動レート・エイド追尾もできるようになった。これによりスコープ上でシンボルが目標生ビデオ画像と同期するようになり、操作員が同時に８目標を処理できた。1956年にDD-929/DL-4ウィリス・リーに搭載されたのを皮切りに計20基が使用された。参考：月刊軍事研究5,’04

＜ＥＤＳＣＧ＞：拡大抑止戦略協議体を参照。

＜ＥＤＵＣＡＰ＞：教育民間支援の略。参考：月刊JWings2,’16

＜ＥＤＺ＞：爆発反応装甲のロシア語（エレメンティ・ディナミーチェスキー・ザシーティー、爆発防護エレメント）略。参考：月刊グランドパワー6,’03

＜ＥＥ−３＞：エクアドル陸軍装甲偵察車、別名Jararaca。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＥ−９シリーズ＞：ブラジル陸軍６輪装甲戦闘車、別名カスカベル（Cascavel）。参考：月刊PANZER1,’90、月刊グランドパワー3,’95、世界の軍用車両(4)

＜ＥＥ−９Ｍｋ．�T＞：最初の量産車。EE-11装甲兵員輸送車の足周りを流用している。車体は硬度の違う装甲鋼板２枚を重ねたバイメタリック装甲で、車体前部左に操縦席、中央に戦闘室、後部に機関室がある。砲塔にはM3軽戦車から取り外した37mm砲を搭載していたが、後にエンゲサ社製EC-90砲塔に換装した。主砲はエンゲサ製EC-90ライフル砲で、弾種はAPFSDS、HE、HEAT、HESH、発煙弾。砲身基部に暗視装置を搭載することもできる。副武装は7.62mm同軸機銃１丁と7.62mm対空機銃１丁。全長6.2m、全幅2.64m、全高2.68m、重量13.4トン。エンジンは６気筒液冷ディーゼル（212馬力）、最大速度100km、航続距離880km。乗員３名。参考：月刊PANZER1,’90、月刊グランドパワー3,’95、世界の軍用車両(4)

＜ＥＥ−９Ｍｋ．�U＞：輸出用で、砲塔をフランス製90mm砲装備のH90に換装している。こちらも後にEC-90砲塔を搭載するようになった。参考：世界の軍用車両（４）

＜ＥＥ−１１＞：ブラジルの国産６輪装甲車で、別名ウルツ（Urutu）。1970年7月にエンゲサ社で試作車が完成し、1974年から生産された。車体は硬度の異なる装甲鋼板２枚を重ね合わせたバイメタリック装甲で、近距離からの小火器射撃に耐える。社内配置は前部左が操縦席、右が機関室、後部が兵員室。操縦手用ハッチ前にペリスコープ３基があり中央の１基はパッシブ式暗視装置に交換可能である。兵員室には12名を収容でき、車体右側面と後面のドアから出入り可能。ガンポートは後面ドアに１カ所、両側面に２カ所ずつまたは５カ所ずつを設置できる。エンジンはデトロイト・ディーゼル製や、メルセデスベンツ製など数種類から選ぶことができ、サスペンションは前輪がダブルウィッシュボーン、後ろ２軸がエンゲサ社開発のブーメラン式である。操縦席後方の車体上面に武装搭載スペースがあり、12.7mm機銃搭載リングマウント、7.62mm機銃、イスパノスイザ製20mm機関砲装備のヘグラント社製HS804砲塔、60mm後装迫撃砲TDA搭載オープントップ砲塔、90mm戦車砲搭載ET-90砲塔などを装備できる。ブラジル陸軍・海兵隊、UAE、アンゴラ、イラク、ウルグアイ、ガボン、ギアナ、キプロス、コロンビア、スリナム、チュニジア、チリ、ベネズエラ、ボリビア、モロッコ、ヨルダン、リビアなどで採用された。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＥＥ−１８＞：ブラジルの６輪装甲車、別名スクリ。車体前部が機関室、中央左が操縦席、後部が戦闘室。サスペンションは油気圧式である。ET-105砲塔にはOTOメララ社製105mm低反動砲を搭載し、レーザー測遠機、弾道コンピュータ、LLLTVを組み込んだFCSを装備する。参考：月刊PANZER1,’90

＜ＥＥＣＳ＞：アメリカ軍が開発中の偵察衛星で、Evolved Enhanced CRYSTAL Systemの略。KH-12AFP-731の後継で、スノーデンがリークした予算書の記載により名称が発覚した。参考：月刊軍事研究10,’14

＜ＥＥ−Ｔ１シリーズ＞：ブラジル陸軍の戦車、別名オソリオ。当時の主力だったM41軽戦車の後継として1982年に基礎研究を開始し、1984年10月に原型初号車が完成した。コストを抑えるために既存の技術を極力流用し、ヴィッカーズ・ディフェンス・システムズ社の協力も得てブラジルでも買えるような安上がりに仕上げている。サウジアラビアへの輸出用として、高級なタイプも開発された。参考：月刊PANZER6,’04

　＜オソリオＰ１＞：ブラジル国内向け。車体は装甲鋼板の全溶接で、前方に操縦室、中央に戦闘室、後部に機関室がある。車体前面にはエンゲサ社製特殊装甲（複合装甲またはバイメタリック装甲）が搭載されているという。エンジンはドイツの船舶用ディーゼルメーカー、モトーレン・ヴェルケ・マシーネンAGのMWM・TBD234（後にMWM834と改称）ターボチャージャー・アフタークーラー付き60度Ｖ型12気筒液冷ディーゼル（1025馬力）、トランスミッションはドイツのZF社製LSG3000オートマチック（前進４段・後進２段）。下部転輪は片側６個、サスペンションは油気圧式で、車外からボルトオンされている。起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、装甲スカートを持つ。多分上部転輪もあるが、枚数は不明。履帯はドイツのディール社製No.234ダブルピン・ダブルブロック式で、ラバーブッシュ付きコネクターピン・着脱式ラバーパッドにより静粛性に優れる。砲塔はヴィッカーズ社の設計で、角張った形状をしており、前面装甲にはエンゲサ社製の特殊装甲が搭載されているという。主砲はロイヤル・オードナンス製105mmライフル砲L7A3で、主砲弾は砲塔後部のバスルに12発、車体前部に33発を収容する。バスルと砲塔はスライディングドアで隔離され、被弾時の安全を確保している。FCSは倍率８倍の昼間照準器、Nd-YAGレーザー測遠機、倍率７倍の光増倍式夜間視察装置を纏めたOIPオプティクス社製LRS-5ペリスコピックサイトと、補助用のL30テレスコピックサイト、弾道コンピュータなどである。車長用にはOIP社製SCS-5（LRS-5から測遠機と弾道コンピュータを抜いたもの）を搭載し、オーバーライドも可能。両照準器は固定式で、砲塔を回さないと視界が得られないという欠点がある。参考：月刊PANZER6,’04

　＜オソリオＰ２＞：サウジアラビア陸軍向け、別名アル・ファハド。P1のウェポン・システムを大幅に改造しており、車長用照準器はSFIM社製VS580安定化パノラミックサイトで、砲を照準器に追随させるスレイブ機能を持ち、砲と独立して旋回もできる。更に車長用にはフィリップ社製UA9090パノラミック２軸安定化熱線暗視装置が砲塔後部中央に全周旋回式で搭載されている。砲手用照準器はSFIM社製VS580VICAS（VS580からパノラマ機構を除き、倍率を10倍固定としたもの）。車長・砲手用照準器共にNd-YAGレーザー測遠機が付いており、測距データはマルコーニ社製コマンド・コントロールシステムによりFCSの弾道コンピュータに入力される。主砲はGIAT/EFAB120mm滑腔砲G1（俯仰角マイナス10度からプラス20度）で、後座長が485mmと長い代わりに反動が36トンと低い。排煙は砲尾から圧縮空気を押し込んで行うため、砲口排煙機は装備していない。主砲弾は砲塔後部のバスル内に12発、車体前方に26発を収納する。弾種はAPFSDS、HEAT-MP、訓練弾で、他の120mm滑腔砲とも砲弾が共用できる。同軸機銃は主砲左上の7.62mm機銃１丁で、砲塔上面に対空用12.7mm機銃または7.62mm機銃１丁を搭載する。砲塔後部左右に発煙弾発射機６基ずつを装備している。全長10.1m、車体長7.13m、全幅3.26m、全高2.89m、自重41トン、戦闘重量43トン。最大速度70km、路上行動距離550km。サウジアラビア軍がM1、レオパルト２、AMX40と比較試験を行った結果、走行試験及び射撃試験で最優秀だったが、湾岸戦争でM1の株が一気に上がり、採用されなかった。参考：月刊PANZER6,’04

＜ＥＥＴ−４＞：ブラジルが開発した装軌式装甲車。7.62mm連装銃塔、迫撃砲、対戦車ミサイルなどを装備でき、汎用性に優れる。参考：月刊PANZER1,’90

＜ＥＥＺ＞：排他的経済水域を参照。

＜ＥＦ＞：護衛艦隊の略。

＜ＥＦ−４Ｂ＞：F-4戦闘機ファミリーを参照。

＜ＥＦ−４Ｃ＞：F-4Cワイルドウィーズル�W（SEAD機）を参照。

＜ＥＦ−１０Ｂ＞：F3D-2Q（戦闘機）を参照。

＜ＥＦ１３＞：日本が太平洋戦争時に開発した戦時型電気機関車。車体中央だけ箱形に覆って資材を節約し、不要なパーツは省略、主回路がショートした際の高速度遮断器まで撤廃した。量産性を考慮して丁寧な艤装は省き、可能な限り木製にしているが、車重が減って牽引力が落ちるのを防ぐため、コンクリートを16.4トン詰め込んでいる。乗務員室側面の内側に厚さ13mmの鉄板を張り、外板との間に砂を入れて防弾化した。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ＥＦ−８４Ｄ＞：F-84戦闘機ファミリーを参照。

＜ＥＦ−１０１Ｂ（カナダ）＞：F-101戦闘機・海外ファミリーを参照。

＜ＥＦ−１０５Ｆ＞：F-105G（戦闘機）を参照。

＜ＥＦ−１１１Ａ＞：F-111戦闘機ファミリーを参照。

＜ＥＦ１２６＞：ユンカース社が設計したパルスジェット戦闘機で、背負い式にAs014エンジンを搭載している。実用化されず。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＥＦ１２７＞：EF126のロケット戦闘機型で、胴体内にロケットを収めている。実用化されず。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＥＦ１２８＞：ユンカース社の設計した無尾翼複座単発ジェット戦闘機。機首にレーダー搭載スペースを確保するため、エアインテイクを胴体側面に設けてある。射出座席を装備しており、胴体尾部左右にはエアブレーキを持つ。主翼は高翼の後退翼で、半ばに小さな垂直尾翼が設けられていて、外形はF7Uカットラス類似である。全長7.0m、全幅8.9m、全備重量4.08トン。エンジンはHeS011（推力1.31トン）単発、最大速度987km、上昇限度13700m、航続距離1800km。武装はMK108機関砲４門（機首に２門、主翼付け根に１門ずつ）。試作機が完成したところでソ連軍がデッサウのユンカース工場に到達、1945年4月にソ連に押収された。参考：月刊丸12,’92、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＥＦ１３０＞：ユンカース社が設計した４発全翼型爆撃機。機体中央後部にエンジン４基を纏めて搭載している。実用化されず。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＥＦ１３１＞：Ju287V2（爆撃機）を参照。

＜ＥＦ１３２＞：ユンカース社の設計した大型ジェット爆撃機、別名Ju132。総重量90トン弱の大型後退翼機で、両主翼付け根にユモ012ターボジェット（推力３トン）３基ずつを埋め込んでいる。計画のみで終戦を迎えた。参考：月刊JWings2,’13

＜ＥＦ１４０＞：ソ連のOKB1が開発した前進翼ジェット爆撃機で、EFはEntwicklungsflugzeug（開発機）の略。Ju287V2が失敗作だったので、エンジンをミクーリン設計局製AM-TRDK-01（推力3.3トン）双発に変更したものである。航続距離1300km（4.5トン搭載）／2200km（1.5トン搭載）。自衛用に23mm機関砲２門を装備する。最大爆弾搭載量4.5トン。乗員４名（操縦士、航法爆撃手、無線手兼下面銃手、上方銃手）。1948年9月30日に初飛行したが、エンジンの開発に失敗し、1949年5月までに17回のテスト飛行を行ったのみで開発中止になった。参考：月刊JWings2,’13

＜ＥＦ１４０ファミリー＞

　＜ＥＦ１４０Ｒ＞：偵察機型。胴体に偵察用カメラと照明弾を搭載し、エンジンをクリモフVK-1ターボジェットに換装、翼端増槽を装着している。1949年10月12日に初飛行したが、翼端増槽に由来する主翼バフェッティングが解決できず、1950年6月に開発中止となった。参考：月刊JWings2,’13

＜ＥＦ２０００シリーズ＞：イギリス、ドイツ、イタリア、スペインが共同で設立したユーロファイター社が開発した第４世代戦闘機。制式名は国によってEF2000だったりタイフーン（Typhoon）だったりユーロファイターだったりする。防空・制空、航空阻止攻撃、近接航空支援、SEAD、対艦攻撃といった複数任務を行うことができ、出撃後でも任務を切り替えられるということで「スイングロール・ファイター」の別名が付いた。1980年4月にフランス・西ドイツ・イギリスでトーネードと同時に運用する防空・制空任務用ヨーロッパ戦闘機（ECA）計画が立てられ、1983年3月に挫折したが、9月にイタリアとスペインも加わって将来ヨーロッパ戦闘機（FEFA）計画が再開、1984年にヨーロッパ戦闘機（EFA）計画と名称変更して進行した。1985年7月にフランスが空母での運用要求に応えられないため脱退してラファールの独自開発に移ったため、イギリスのBAe、ドイツのメッサーシュミット、イタリアのアレニアが敏捷作戦機ACA（Agile Combat Aircraft）を開発することになり、BAeが提案した双発機型P110を主軸に設計することになった。開発遅延に伴い、イギリスのトーネードF3、トーネードGR1/4、ジャギュアGR1/3、ドイツのトーネードIDS、F-4F、MiG-29、イタリアのF-104S、トーネードIDS、スペインのミラージュF1、F/A-18を全て代替できるよう、航空阻止攻撃、近接航空支援、SEAD、対艦攻撃にもこなすマルチ・ロール・ファイターに任務変更されている。10月27日にはACAデモンストレーターであるEAP（欧州航空機計画）が完成し、1986年8月8日に初飛行した。その直前の6月にユーロファイター社が創設されている。1988年11月23日に全規模開発への移行が決定。その後のドイツ統一でドイツの資金が不足し、一時白紙撤回されそうになったが、作り直すには計画が進みすぎていたので、ユーロファイター社が７種類の代案を作って各国に提示、ドイツの要求に沿ったNEFA（新欧州戦闘機）案が採用され、1992年12月10日にEFAからEF2000計画に名前を変えて開発を継続した。1994年1月21日のESR-D合意で計画推進が最終決定され、1994年3月27日にEF2000DA初号機が初飛行したが、各国の生産数が減らされ、それに伴うワークシェアの組み替えで揉め、1997年12月22日にイギリス232機、ドイツ180機、イタリア121機、スペイン87機の採用が決定し、ワークシェアはイギリスのBAEシステムズが37.5%（前部胴体、カナード、主翼外側パイロン、胴体センターラインパイロン、胴体背部フェアリング、垂直安定板、内側フラッペロン、後部胴体構造部）、ドイツのEADSドイッチュラントが29%（中央胴体）、イタリアのアレニアが19.5%（左主翼、主翼内側パイロン、外側フラッペロン、後部胴体）、スペインのEADS CASAが14%（右主翼、主翼前縁スラット）となった。開発はBAEシステムズが電子機器統合化、ECM、照明、電気・燃料システム、EADSドイッチュラントが飛行操縦装置、攻撃・識別システム、RCS低減対策、アレニアがユーティリティ制御システム、主翼、航法サブシステム、兵装統合、EADS CASAが構造技術、主翼設計、環境制御を担当する。1998年にはニックネームがイギリスの提示したタイフーンに決まったが、第２次大戦で元祖タイフーンに痛い目に遭ったドイツとイタリアの制式名はユーロファイターである。量産型は2003年8月にドイツ空軍を皮切りに引き渡されており、2005年にイタリア空軍、2007年にイギリス空軍で就役した。機体を段階的に完成させる仕組みを取り入れており、調達の区切りでトランシェ、その細分化でブロック、ソフトウェアのバージョンでプロダクション・ソフトウェア・パッケージPSP及びサービス・リリース・パッケージSRPに分かれる。第２トランシェにはフェーズ・エンハンスドの名称で段階的な改良が行われており、イギリス空軍ではP1Eb以降にセンチュリオン計画の名称を付けた。2008年3月に第１トランシュの引き渡しを完了、同年後半から第２トランシュが引き渡される。オーストリア空軍も24機を2005-07年に導入する予定だったが、政権交代で一旦白紙になり、第１トランシュ15機の導入となった。ギリシャ空軍は60機（90機に増えるかもしれない）の導入を決定した。サウジアラビア空軍も第２トランシュ72機（24機は輸入、48機はサウジ国内生産）の導入を決めている。インド空軍にも提案中。ブラジル空軍にも提案されていたが、JAS39グリペンに負けて採用されなかった。スイス空軍Air2030計画とフィンランド空軍HXではF-35Aに負けた。前方象限のみRCSが低いRO機で、F-35などに比較してステルス性には劣るが、PIRATEやパッシブレーダーモードによりステルス機を探知し、高い空戦能力を活かして対抗できるという。レッド・フラッグ演習ではレーダーで探知できなかったF-22AをPIRATEで発見することに成功している。第4.5世代戦闘機に分類されることが多いが、アメリカによる勝手な分類として製作元は特に世代を強調していない。2008年8月、イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙が、イギリス国防省発注のうち第３トランシュの88機が財政難で引き取り困難になっており、日本などの外国に肩代わり購入を依頼しているという報道を行ったが、BAEシステムズ社の副社長は国際航空宇宙展2008の席でこれを否定し、日本（航空自衛隊）にはアビオニクスを含む全ての技術情報をブラックボックス無しに提供するというライセンス契約を提示しているとした。ただしF-XではF-35Aに負けた。2009年5月14日、イギリスが第３トランシュへの参加を正式に表明したが、調達機数を全タイプ計232機から160機に減らして40億ポンドを節約することになった。2010年7月、イタリアが調達数を121機から96機に減らすと発表した。8月24日、サウジアラビア空軍機が墜落し、パラシュートハーネスの緊急解除が上手くいかずにパイロットが死亡したため、全運用国の配備全機に改修が施された。機体の機動力向上のため、エアバス・ディフェンス＆スペース社が空気力学的近代化改修キット（AMK）を開発中。参考：月刊航空情報10,’05、月刊JWings11,'22、10,’10、11,’04、12,’03、12,’10、2,’19、9,'21、月刊軍事研究10,’06、10,’08、12,’08、1,’09、2,’10、12,'15、月刊航空ファン8,’09、月刊丸10,’10

　＜ＥＦ２０００ＤＡ＞：試験機で、DAはDevelopment Aircraft（開発試験機）の略。最初の２機（DA1、DA2）はエンジンが間に合わず、トーネードと同じロールスロイス社製RB199の逆噴射装置抜きを搭載し、３機目（DA3）からEJ200を装備した。４機目（DA6）は複座型、６機目（DA7）はECR90初装備、７機目（DA4）はアビオニクス完備の複座型である。７機が製作されたが、６号機が2002年11月21日にサージングを起こして墜落したので、期間内の飛行試験終了が困難となり、IPAが製作された。DA5は2007年からCAESARレーダーのテストに使われている。DA3とDA7も兵装システムのテストで使用中。DA1はドイツ博物館シュライスハイム分館、DA2はイギリス空軍博物館、DA4は帝国戦争博物館ダックスフォードで展示されている。参考：月刊軍事研究12,’08、月刊JWings 11,’04、5,’14

　＜ＥＦ２０００ＩＰＡ＞：IPAはInstrumented Production Aircraft（計測量産航空機）の略。第１トランシュ（第１部、第１区分。Trancheのフランス語読みだが、フランスは参加していないので英語読みのトランチェやトランシェと呼ばれることもある）製造機で、元は量産型だったが、第２トランシュの試験飛行が間に合わないので試験機に回された。５機が飛行試験に参加しており、アビオニクス試験機のIPA6は2007年11月1日、第２トランシュ完全型のIPA7は2008年1月16日に初飛行した。2016年7月13日からIPA5がCAESARレーダーの飛行試験に入った。2017年、IPA4が双方向データリンクを使用したミーティアによる同時２目標交戦試験を行った。参考：月刊JWings 11,’04、月刊軍事研究12,’08、月刊航空ファン10,’16、7,’17

　＜ＥＦ２０００第１トランシュ＞：ブロック１/1B/1C／２／2B／５／5A。ソフトウェアはPSP1/PSP2/PSP3/SRP4.1/SRP4.2/SRP4.3と順次バージョンアップしている。イギリス55機、ドイツ44機、イタリア29機、スペイン20機の予定だったが、オーストリア向けに15機が振り替えられ、イギリスに53機、ドイツに33機、イタリアに28機、スペインに19機、オーストリアに15機の計148機が配備された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings11,’22

　＜ＥＦ２０００第２トランシュ＞：ブロック８/8A/8B/10/10C/11/11C/15/15C。ソフトウェアはSRP5.0/SRP5.1。2004年12月に製造契約が締結された。計234機（ドイツ70機、イタリア47機、スペイン34機、イギリス91機。ドイツ68機、イタリア46機、スペイン33機、イギリス89機の計236機？）の予定だったがサウジアラビア向けとして24機が振り替えられ、サウジ独自組み立て機もあり、ドイツ79機、イタリア47機、サウジ48機、スペイン34機、イギリス67機の計275機（251機？）を生産予定。2011年からフェーズ・エンハンスドの名称で段階的な改修を行っている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings11,’22

　＜ＥＦ２０００Ｐ１Ｅａ＞：Phase 1 Enhanced a。第２トランシュの能力強化で、HMSSを空対地対応にして機関砲にも空対地射撃能力を追加し、GPSを強化、音声認識機能を90種類に拡大した。ソフトウェアはSRP10。参考：月刊JWings11,’22

　＜ＥＦ２０００Ｐ１Ｅｂ＞：Phase 1 Enhanced b。P1Eaに続く改良で、改修機は2016年に就役した。AN/AAQ-28またはダモクレス、誘導爆弾（ペイブウェイ�U／�W、エンハンスド・ペイブウェイ�U、GBU-48）、IRIS-T空対空ミサイルを運用可能とし、空対地戦闘能力をフルに発揮できるようにした。GPS受信機のECCMを強化し、戦術状況表示を改良、IFFモード５に対応し、音声認識機能を100種類に拡大している。ソフトウェアはSRP12。イギリス空軍ではこれ以降のフェーズ・エンハンスメントにセンチュリオン計画の名称を付けた。参考：月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００Ｐ１Ｅｂ　ＦＷ＞：Phase 1 Enhanced （Enhancements?） b Further Work。P1Ebに続く改良で、改修機は2018年に就役した。運用可能な空対地兵装を追加し、マン・マシン・インターフェースを改良している。参考：月刊JWings11,'22、月刊航空ファン1,’18

＜ＥＦ２０００Ｐ２Ｅ＞：Phase 2 Enhanced （Enhancements?）、別名センチュリオン能力向上計画フェーズ１。P1Eb FWに続く改良で、ａとｂに分かれており、ミーティア空対空ミサイルとストームシャドー巡航ミサイルを運用できるようにし、多機能情報伝達システムMIDSの相互運用性を改善する。ソフトウェアはSRP14。参考：月刊JWings11,'22、月刊航空ファン10,’18

＜ＥＦ２０００Ｐ２Ｅａ＞：Phase 2 Enhanced （Enhancements?） a。ブロック15の前段階で、ストームシャドー巡航ミサイルを運用可能として対地攻撃能力を強化し、レーダー、ターゲッティング・ポッド、防御支援サブシステムDASSを改良した。2016年1月21日、第２トランシュ試験機IPA6でテスト飛行を行った。参考：月刊JWings11,'22、月刊航空ファン4,'16

＜ＥＦ２０００Ｐ２Ｅｂ＞：Phase 2 Enhanced b。ミーティア空対空ミサイルを運用可能とした。参考：月刊JWings11,'22

＜ＥＦ２０００Ｐ３Ｅ＞：Phase 3 Enhanced （Enhancements?）、別名センチュリオン能力向上計画フェーズ２。アビオニクス、ミッションシステム、整備支援器材などを改良し、ブリムストーン２を運用可能とする。ソフトウェアはSRP16。2017年3月13日にブリムストーン２の飛行試験を完了しており、2017年後半から実射テストに入り、2018年から運用する予定。参考：月刊JWings11,'22、5,’15、6,’17

＜ＥＦ２０００Ｐ３Ｅａ＞：Phase 3 Enhanced a。イギリス空軍向けで、ブリムストーン２空対地ミサイルを運用可能とし、ストームシャドー巡航ミサイルの運用能力を強化した。参考：月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００Ｐ３Ｅｂ＞：Phase 3 Enhanced b。クウェート向けで、ECRS Mk0アクフェィブ・フェイズド・アレイ・レーダーとスナイパーATPターゲッティングポッドの運用能力を追加する。ソフトウェアはアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー対応のSRP18。参考：月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００Ｐ３Ｅｃ＞：ミーティア空対空ミサイル及びブリムストーン対戦車ミサイル運用能力、MIDS／リンク16、DASSを強化し、コクピットのディスプレイをLAD（Large Area Display）に換装する。2021年8月6日にイギリス政府がBAEシステムズとの改修契約締結を発表した。参考：月刊JWings11,’21

　＜ＥＦ２０００第３トランシュ＞：ブロック20/25/25C/30。トランシュ3Aと3Bの２段階に分ける予定だったが、トランシュ3Aだけになった。計236機（イギリス88機、ドイツ68機、イタリア46機、スペイン34機）を生産予定だったが、ドイツが機数減を要求しており、イギリスやイタリアでも同様の動きが見られ、オマーン空軍が導入を決定し、2018年現在で172機、2022年現在で200機（ドイツ31機、イタリア21機、クウェート28機、オマーン12機、サウジ24機、スペイン20機、イギリス40機、カタール24機）を生産予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings11,’22

　＜ＥＦ２０００第４トランシュ＞：ドイツ空軍第１トランシュ機の更新用、計画名プロジェクト・クアドリガ（Project Quadriga）。第３トランシュの改良型のためトランシュ３プラスともいう。ドイツが38機を導入予定で、スペインも採用するかもしれない。参考：月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００ブロック１＞：第１トランシュ製造機その１。PSP1中央コンピュータ・プログラム・ソフトウェアを装備しており、基本防空訓練用に使用される。機体は無尾翼デルタ機、正面のRCSは１平方メートルで、RO級である。機体表面の70%、構造重量の40%がCFRPで占められ、レドームなどの電波送受信アンテナをカバーする部分はGFRP（機体表面の12%）が使用されており、前縁スラットとカナード翼がチタン製、ラダー、フラッペロン、翼端ポッド、キャノピー枠、垂直尾翼前縁などがアルミニウム合金製（金属素材は機体表面の15%）で、設計飛行時間6000時間、想定着陸回数8000回。主翼は複合デルタ翼で、アスペクト比2.2、後退角35度（25%翼弦）／53度（前縁）、テーパー比2.15、上反角１度で、前縁スラットと２枚ずつの後縁フラッペロン・エレボンを装備する。低翼配置だが、胴体下のエアインテイクに降着装置収容部があるのでグランドクリアランスは十分確保されており、多種多様な兵装を搭載できる。カナード翼は翼面積左右計2.4平方メートルで、下反角が付けられており、スーパープラスチック成形Ｘコア構造にチタン外板を貼り付けていて、全遊動式であり、主としてピッチ制御に使用される。取り付け位置がコクピットの前下方にあるため視界の邪魔になるのと、チタン製でRCSが大きいのが欠点。エアインテイクは機体下面にあり、下のカウル・リップが可変式になっていて、空気流量を調節する。エアインテイクは中央で縦に２分割されており、エアインテイク上面は境界層スプリッターである。内部のダクトは上に曲げられていて、レーダー波がエンジン前面ファンで反射するのを防ぐ。燃料タンクは胴体内３カ所と両主翼内にある。コクピット後方にあたる胴体上面には前ヒンジのエアブレーキを持つ。垂直尾翼付け根には熱交換器用エアインテイク、後縁頂部には燃料投棄口が付く。垂直安定板とエンジン排気口の間にドラッグシュート収納部があり、カバーは上開きである。ドラッグシュート収納部上縁にはミサイル警報装置用センサーが突き出している。飛行制御は４重デジタルフライバイワイヤで、機械式のバックアップは無い。操縦装置はHOTASで、操縦桿は座席前方中央にあり、普通に動くタイプを採用した。風防とキャノピーは別構成で、単座型は涙滴型キャノピー、複座型はファストバック型キャノピーである。ただしブロック１は複座のみ。コクピットにはパニック・ボタンが用意されており、これを押すと主翼は水平位置に戻り、機体は安定化されて僅かな上昇姿勢を取り、速度は300ノットになる。解除するには操縦桿を操作するか、パニック・ボタンをもう一度押せば良い。射出座席はマーチンベイカー社製Mk.16A。機首のレーダーはECR90キャプターで、レドームが小型なため、レーダーアンテナ直径がF-15やSu-27よりも一回り小さく、性能がやや劣る。パイロット用ヘルメットはHMDを装着したストライカーHMSS（Helmet Mounted Symbology System）で、コクピットには広視野（35度×35度）ホログラフ式HUDとアクティブ・マトリックス式液晶多機能ディスプレイ３基を搭載する。ヘルメットは後にNVG代わりの赤外線カメラを仕込んだ軽量のBAEシステムズ社製ストライカー�Uに換装した。航法用には地形プロファイル・マッチング・サブシステム（TERPROM）を装備。暫定型防御支援サブシステム（DASS）は搭載されていない。兵装ステーションは主翼下に４ヵ所ずつ、機体下左右に前後２ヵ所ずつ、胴体中央に１カ所の計13ヵ所で、胴体中央は燃料配管が付いており1000リットル増槽またはターゲッティングポッド用、機体下左右は半埋め込み式でBVRAAM専用、主翼下外舷はWVRAAM専用である。主翼下内側２番目ステーションに燃料配管があるので、増槽はここにも搭載できる。内側フラッペロン・アクチュエーター・ハウジングにBOL-501フレア・ディスペンサー、主翼下面最外側Sta.1/13のLAU-7ランチャー最後部にチャフ・ディスペンサーを装備する。風防右下方に引き込み式空中給油受油プローブが用意されている。全長15.96m、胴体長14.89m、全幅10.95m（翼端ポッド含む）、全高5.28m、空虚重量10.995トン、最大離陸重量16トン（迎撃）／21トン（対地攻撃）／23.5トン（過荷時）。翼面積51.2平方メートル。エンジンはEJ200-101（FADEC付。ミリタリー推力60kN、A/B時90kN）双発、超音速巡航可能、最大速度マッハ1.9-2.0、実用上昇限度16765m以上、燃料搭載量4.5トン・5700リットル、フェリー航続距離3704km（最大離陸重量時）、戦闘行動半径1389km（10分間戦闘空中哨戒CAP）／604km（Lo-Lo-Lo対地攻撃）／1389km（Hi-Lo-Hi対地攻撃）。荷重制限マイナス3Gからプラス9G、固定武装は右主翼付け根のマウザー27mm機関砲BK-27（150発）１門。最大外装量6.5トン。乗員２名。ブロック1B・1Cと合わせて31機（ドイツ８機、イタリア６機、スペイン５機、イギリス12機。計38機？）が生産され、全て複座機である。参考：月刊エアワールド7,’04、10,’03、月刊JWings 11,'23、11,’04、10,’10、3,’02、3,’09、10,’10、1,’14、11,’14、9,’19、10,’19、1,’22、11,'22、12,'23、月刊航空情報10,’05、月刊軍事研究12,’08、1,’09、5,’10、11,’17

＜ＥＦ２０００ブロック１Ａ＞：ブロック１の改良型で、PSP1を改修している。複座型のみ。参考：月刊軍事研究1,’09、月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００ブロック１Ｂ＞：ブロック１の改良型。複座型のみ。参考：月刊軍事研究12,’08、月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００ブロック１Ｃ＞：ブロック1Bの改良型。複座型のみ。月刊軍事研究12,’08、月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００ブロック２＞：第１トランシュその２、初度作戦能力IOC型。PSP2中央コンピュータ・プログラム・ソフトウェアを装備し、AIM-120AMRAAM、ASRAAM、AIM-9Lサイドワインダーを搭載可能としており、基本的な防空任務を施行できる。直接音声入力（DVI）装置を搭載し、VTASによる機体操作を可能とする他、多機能情報分配システムMIDS（リンク16端末）も装備し、限定的対地攻撃能力及び暫定型防御支援サブシステム（ミサイル接近警報抜き）を搭載する。単座と複座の両タイプがある。ドイツに単座13機と複座１機、イタリアに単座８機と複座１機、スペインに単座５機と複座１機、イギリスに単座（タイフーンF.Mk.2）17機と複座（タイフーンT.Mk1A）１機が引き渡された。参考：月刊JWings 10,’10、11,’04、月刊航空情報10,’05、月刊軍事研究10,’08、1,’09

＜ＥＦ２０００ブロック２Ｂ＞：ブロック２に完全空対空戦闘能力とケアフリー・ハンドリング機能（パイロットが無茶な操作をしても機体がフライトエンベロープを逸脱しないよう、自動的にブレーキをかける）を追加したもの。迎え角を取っている状態で速度が低下すると失速に陥らないよう自動で回避してくれるが、機体がどう動くかはコンピュータ任せなので、パイロットはバリスティックと叫んで僚機に離れてもらい、自分で操縦できるようになるのを待つ必要がある。ドイツに単座８機と複座４機、イタリアに単座６機と複座１機、スペインに単座４機と複座１機、イギリスに単座（タイフーンF.Mk.2）11機と複座（タイフーンT.Mk1）３機が引き渡された。参考：月刊JWings10,’10、9,’18、月刊軍事研究10,’08、1,’09

＜ＥＦ２０００ブロック５＞：第１トランシュ製造機その３、完全作戦能力（FOC）型。PSP3中央コンピュータ・プログラム・ソフトウェアを装備しており、空対空・空対地の両任務をこなせる。AIM-120C-5、通常爆弾、ペイブウェイ�U（GBU-10/-16）、BL755クラスター爆弾、CRV-7ロケット弾ポッド、ラファエル社製ライトニング�Vターゲッティングポッドを搭載可能とする。ドイツ空軍・オーストリア空軍型以外はIRSTとFLIRを組み合わせた受動赤外線空中追跡機材PIRATEを風防の左に搭載しており、LANTARNなどの外装式目標標定システムを積む必要が無い。DASSはミサイル接近警報を搭載した完全版となった。FADECとエンジン管理を一元化するデジタル式エンジン制御・モニタリングユニット（DECMU）を搭載する予定。ドイツに単座５機と複座２機、イタリアに単座４機と複座１機、スペインに単座１機と複座１機、イギリスに単座（タイフーンFGR.Mk4）６機と複座（タイフーンT.Mk3）１機が引き渡された。2007年9月24日、ペイブウェイ�Uを６発、AIM-120を４発、ASRAAMを２発搭載した重兵装で高度40000フィート（12192m）まで上昇した。後にトランシェ２ブロック８仕様に準ずる改修を受けてEF2000R2となった。参考：月刊JWings 10,’10、11,’04、月刊軍事研究7,’08、10,’08、12,’08、1,’09

＜ＥＦ２０００ブロック５Ａ＞：オーストリア空軍導入型の15機で、ブロック５に準じる仕様だが、PIRATEとDASSを装備しておらず、AIM-120Cも運用できない。全て単座型である。2007年7月12日から2009年9月24日に引き渡された。参考：月刊軍事研究12,’08、月刊JWings 10,’10、2,’11

＜ＥＦ２０００ブロック８＞：第２トランシュ製造機その１。ミッションコンピュータなどのハードウェアをアップグレードしたタイプで、ミーティア空対空ミサイルやストームシャドー空対地ミサイルなどを運用可能とする。ストームシャドーは翼下増槽搭載用パイロンと競合して航続距離が低下するため、左右主翼と胴体に取り付ける容量1500リットルのコンフォーマル燃料タンクも開発中だが、性能的に十分と考えられているせいか、あまり熱心でないようだ。2007年（2008年2月1日？）から供給され、イギリスでは2008年10月21日から受領した。価格は１機4000万ポンド。参考：月刊JWings 11,’04、9,’10、月刊軍事研究12,’08、4,’07、6,’14

＜ＥＦ２０００ブロック８Ａ＞：ブロック８のソフトウェア改良型。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＥＦ２０００ブロック８Ｂ＞：ブロック8Aのソフトウェア改良型。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＥＦ２０００Ｒ２＞：EF2000ブロック５にトランシュ２ブロック８相当の改修を施したタイプで、R2はレトロフィット・トランシェ２の略である。参考：月刊軍事研究8,’11

＜ＥＦ２０００ブロック１０＞：第２トランシュ製造機その２。EOC（Enhanced Operational Capability、作戦能力強化型）１またはP1E（フェーズ１エンハンスメント）とも呼ばれ、DASSをフルバージョンにし、GBU-48/Bエンハンスド・ペイブウェイ�U、ペイブウェイ�W、JDAM、IRIS-T、ALARMなどの搭載を可能とする。ライトニング�Vターゲッティングポッドにより１回の航過で６目標に対して誘導兵器を命中させることができる。GPS、IFF、MIDSも改良する。ペイブウェイ�WとGBU-48/Bの投下試験は2011年2月と4月に行われ、いずれも成功した。参考：月刊JWings 11,’04、10,’10、11,'22、月刊軍事研究7,’11、月刊航空ファン1,’15

＜ＥＦ２０００ブロック１１＞：サウジアラビア空軍向け。参考：月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００ブロック１５＞：第２トランシュ製造機その３。EOC2またはP2E（フェーズ２エンハンスメント）とも呼ばれ、AIM-120C-5、ストームシャドー、KEPD350タウラス、ブリムストーン、ミーティア、ペイブウェイ�V、GBU-38などを搭載可能とし、偵察機能を付加、最大離陸重量を24.5トンに引き上げる。参考：月刊JWings 11,’04、10,’10

＜ＥＦ２０００ブロック２０＞：第３トランシュ製造機その１。電子戦能力を強化した。エンジンをユーロジェットEJ230に換装する予定で、上下30度以上可動する推力偏向ノズルも開発中である。機上多モード・ソリッドステート・アクティブ・アレイ・レーダー（AMSAR）のCAESARを搭載するとされたが、実際積むのはクウェート空軍だけとなった。容量400ガロン・1514リットルのコンフォーマルタンクを主翼付け根に１基ずつ装備できるが、採用はされていない。初号機（イギリス空軍向け）は2013年7月に完成し、12月6日に初飛行した。参考：月刊JWings 11,'22、11,’04、10,’10、5,’14、7,’16、月刊軍事研究12,’08、5,’10、11,’15、月刊丸3,’14

＜ＥＦ２０００ブロック２５＞：第３トランシュ製造機その２。詳細不明。参考：月刊JWings 11,’04

＜ＥＦ２０００ブロック２５Ｃ＞：サウジアラビア空軍向けトランシュ3A。参考：月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００ブロック３０＞：オマーン空軍向けトランシュ3A。参考：月刊JWings11,’22

＜ＥＦ２０００（艦上戦闘機型）＞：計画艦上戦闘機型。カナード翼でパイロットの視野が遮られるため、マーシャラーが機体から相当離れて誘導する必要があり、狭い飛行甲板での運用が無理ということで製作されなかった。参考：月刊航空ファン3,’19

＜ＥＦ２０００海外シリーズ＞

＜Ｃ．１６＞：スペイン空軍戦闘機、別名ティフォン（台風）。59機を配備した。2017年10月12日にアルバセテのロス・ラノスで第14航空団所属機１機が墜落し、パイロットが死亡した。2022年6月23日、C.15/CE.15ホーネット戦闘機の後継となるハルコン�T計画で16機の追加導入を決めた。2026年から納入される予定。2023年9月12日、C.15/CE.15ホーネット戦闘機の後継となるハルコン�U計画でCE.16と合わせて第４トランシェ25機の追加導入を決めた。参考：月刊丸1,’07、月刊航空ファン1,’18、月刊JWings2,’21、9,’22、12,’23

　＜ＣＥ．１６＞：スペイン空軍戦闘機。複座型である。初号機は2003年2月17日に初飛行し、10月16日に配備された。合計配備数14機。2022年6月23日、C.15/CE.15ホーネット戦闘機の後継となるハルコン�T計画で４機の追加導入を決めた。2026年から納入される予定。2023年9月12日、C.15/CE.15ホーネット戦闘機の後継となるハルコン�U計画でC.16と合わせて第４トランシェ25機の追加導入を決めた。参考：月刊丸1,’07、月刊JWings2,’21、9,’22、12,’23

　＜ＥＦ２０００（オーストリア空軍）＞：オーストリア空軍戦闘機。タイフーンという名称は使っていない。J35ドラケンの後継で、元はJAS39グリペン、ミラージュ2000、F-16、MiG-29を検討していたが、2002年7月2日に突如EF2000の採用が決定した。ただ周囲に脅威となる国が存在しないのにこの機体は大袈裟すぎる（後に１億ユーロの裏金が渡されていたと判明し空軍司令官が解任された）として、2006年の政権交代時に一旦白紙化しかけたが、第２トランシェ18機の予定を第１トランシェ・ブロック5A単座型15機に減らして発注した。初号機は2007年7月12日に、最終機は2009年9月24日に引き渡されている。2008年7月1日から領空侵犯対応任務に就いており、機関砲とIRIS-Tミサイル２発を搭載してスクランブル発進する。パイロットの年間飛行時間は110時間を予定していたが、軍事費をGDP比0.5%以下にするという政府の方針があり、予算の関係で70-80時間しか確保できないため、残りの30-40時間はシミュレータで済ませている。2011年からシステムをSRP（Service Release Proposal）4.0から4.2にアップグレードする改修に入り、無線機、GPS、先進型IFF搭載などの改良を実施、2013年10月23日に全機改修を終えた。トランシェ／ブロックの更新は経費がかさむので行えない。2014年4月末、経費節減のため、パイロットを18名から12名に減らした。機数自体も9-12機に減らすかもしれない。スクランブル発進の予算にも事欠き、主にJ-105 Öがガンポッドを積んで出撃する有様で、スイスから防空義務を果たしていないと批判された。2017年2月16日、2003年の発注時にオフセット経費を上乗せし、第２トランシェ・ブロック８にアップグレードするのも怠り、１億8340万ユーロの損害を受けたとして、エアバス・ディフェンス・アンド・スペースGmBHとユーロファイターGmBHをオーストリア国防省が告発した。参考：月刊航空ファン7,’16、5,’17、月刊JWings6,’14、10,’10、10,’09、1,’14、月刊軍事研究1,’12、2,’10、4,’14、10,’14

　＜ＥＦ−２０００（クウェート空軍）＞：クウェート空軍戦闘機。F/A-18C/Dの後継として2015年9月11日に第３トランシェ（ISPA6。CAESARキャプターＥ／ECRS Mk.0初装備）単座型EF-2000戦闘機22機・複座型EF-2000(T)戦闘機６機の購入でイタリア政府とクウェート政府が合意し、2016年3月1日に契約をクウェート内閣が承認、議会も予算を認め、4月5日にフィンメカニカ社と正式契約が結ばれた。2019年12月23日、クウェート空軍仕様初号機が初飛行した。最初の２機は2021年12月14日にクウェートに到着した。参考：月刊JWings12,’15、5,'16、7,'16、3,’18、3,’20、3,'22、4,'22、11,'22、月刊航空ファン5,’16、6,’16、3,’20

　＜Ｆ−２０００Ａ＞：イタリア空軍戦闘機。空対空戦闘を主任務とする。バルト三国領空警備BAPでは胴体下面にAIM-120空対空ミサイル、主翼下面最外側にIRIS-T空対空ミサイルを装備しており、2023年には胴体下面中央に導入したばかりのAN/AAQ-28ライトニング５目標指示ポッドを搭載して任務に就いた。量産型初号機は2003年2月14日に初飛行し、2004年2月20日から配備された。調達機数は121機を予定していたが、95機（トランシュ１仕様27機、トランシュ２仕様47機、トランシュ3A仕様21機。トランシェ１仕様が28機で計96機？）に減らされている。2011年3月20日、リビア爆撃作戦で実戦に初参加した。2014年3月9日、イタリア向け第３トランシュ初号機がアレニア・アエルマッキ社トリノ・カッセレ工場で完成し、7月11日に初飛行した。2015年、空対地任務の評価を開始。2017年9月24日、イタリアのラツィオ州ラティーナ県テッラチーナでデモフライト中の１機が墜落し、パイロットが死亡した。2020年10月23日、最終号機（通算95機目、トランシュ3A仕様単座機）が引き渡されて第51航空団第132飛行隊に配備された。参考：月刊JWings10,’10、5,’14、6,’16、12,’16、1,'21、11,'22、12,'23、月刊航空ファン6,’11、10,’14、12,’17

　＜ＴＦ−２０００Ａ＞：イタリア空軍戦闘機。複座型である。参考：月刊JWings10,’10

　＜ガルフ・タイフーン＞：UAE、バーレーン、カタールなどに提案中の機体の非公式名称。AESA式のCAPTOR-Eレーダーを搭載し、HMSSとミーティア空対空ミサイルを運用可能としており、エンジンには推力偏向ノズルを適用する。胴体側面にコンフォーマル燃料タンクを装備することが可能。参考：月刊航空ファン5,’11

　＜タイフーン（イギリス空軍）＞：イギリス空軍戦闘機。作戦飛行隊に105機、実用機転換訓練用に24機、実用機評価用に４機、フォークランド派遣用に４機、予備に95機の計232機を導入予定だったが、第１トランシュ53機、第２トランシュ67機、第３トランシュ40機の計160機になった。2003年2月14日に量産型初号機が初飛行し、6月30日から引き渡された。2009年9月16日、フォークランド島への配備を完了した。2013年7月、第３トランシュ初号機が完成した。2018年12月10日、即応警戒任務でのミーティア空対空ミサイル運用を開始した。2019年9月27日、最終号機（タイフーンFGR.4）が納入された。参考：月刊JWings10,’10、5,’14、12,’19、11,'22、月刊航空ファン3,’19

　＜タイフーンＦ．Ｍｋ２＞：イギリス空軍戦闘機。ブロック２・ブロック2Bにあたり、28機を導入した。うち９機はFGR4（ブロック５）仕様に改良された。参考：月刊軍事研究12,’08、1,’09

　＜タイフーンＦＧＲ．Ｍｋ４＞：イギリス空軍戦闘機で、FGRは戦闘攻撃偵察の略。EF2000ブロック５及びブロック８にあたる。全長15.96m、全幅10.95m（翼端ポッド含む）、全高5.23m、空虚重量11トン、最大離陸重量23.5トン。エンジンはEJ200（A/B時推力90kN）双発、巡航速度マッハ1.1（高々度、空対空ミサイル６発装備）、最大速度マッハ２（通常1.8に制限）、実用上昇限度16765m以上、最大上昇限度19800m、戦闘行動半径325海里（Lo-Lo-Lo）／750海里（戦闘空中哨戒）、フェリー航続距離2900km（5382km？）。兵装搭載量7.5トン。乗員１名。６機が生産され、最終号機は2019年9月27日に納入された。参考：月刊JWings1,’16、2,’20、月刊軍事研究12,’08、月刊航空ファン12,’19

　＜タイフーンＴ．Ｍｋ１＞：イギリス空軍戦闘機。ブロック１／２／2Bにあたる。T.Mk3へのアップグレードを実施中。参考：月刊軍事研究12,’08、月刊Jwings10,’10

　＜タイフーンＴ．Ｍｋ３＞：イギリス空軍戦闘機。ブロック５複座型にあたる。１機を導入した。参考：月刊軍事研究12,’08

　＜タイフーン（オマーン空軍）＞：オマーン空軍戦闘機。2008年11月にイギリス空軍の旧式第１トランシェ（ブロック１またはブロック５）の改修型を24機導入する予定を立てたが、第３トランシェ新造機12機（単座９機、複座３機）を2017年までに配備する契約を2012年12月21日に締結した。初号機（複座型）のロールアウト式典は2017年5月15日に行われ、6月21日に複座型２機がアル・ムサンナ基地でオマーン空軍に引き渡された。参考：月刊航空ファン3,’13、9,’17、月刊軍事研究6,’13、月刊JWings8,’17、月刊航空情報9,’17

　＜タイフーン（カタール空軍）＞：カタール空軍戦闘機。イギリスのファロン国防相がカタールを訪問している最中の2017年9月17日に第３トランシェ24機の導入を決めた。CAESARキャプターＥ／ECRS Mk.0アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを積む。2022年8月15日、イギリスのランカシャー州ウォートンにあるBAEシステムズ社拠点で初号機が引き渡された。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究5,’18、月刊JWings4,’22、11,’22

　＜タイフーン（航空自衛隊）＞：航空自衛隊がF-X（F-4EJ後継）として検討し、メーカーもソースコード開示、主要装備品及び電子機器のライセンス生産、日本への最終組み立てライン設置、管理・保守整備の日本国内での実施などが可能であるとして積極的に売り込みを図った。NATO演習でアメリカ軍との相互運用に問題は無く、AAM-5など空自独自の兵器にも機体改造で対応できるとしている。F-35Aに負けて採用されなかった。参考：月刊JWings7,’10、月刊軍事研究11,’11

　＜タイフーン（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍戦闘機。2007年に72機が発注され、最初の24機はイギリス空軍向けのものが振り替えられ、残り48機はサウジアラビアで生産される予定で、最初の２機は2009年6月末にサウジアラビアに到着した。イギリス生産分24機は第２トランシェで、うち６機が複座型であり、サウジアラビア組み立てのうち最初の24機が第２トランシェ（うち４機が複座型）、残り24機が第３トランシェ（うち４機が複座型）である。ただサウジアラビア生産分の作業分担を巡ってイギリスと揉め、結局イギリスで72機全て生産することになった。2010年8月24日にスペインのモロン基地近郊で１機が墜落し、パラシュートハーネスの緊急解除が上手くいかず、緊急脱出したパイロットが死亡した。2017年9月13日、イエメン上空で任務飛行中の１機が墜落し、パラシュートが死亡した。2018年3月9日、48機を追加発注した。参考：月刊JWings10,’09、10,’10、12,’10、7,’12、6,’18、月刊航空ファン4,’10、12,’17

　＜ティフォン（スペイン空軍）＞：スペイン空軍戦闘機。ミラージュF1とF/A-18A/Bの後継として2004年からC.16とCE.16を計87機（第１トランシェ20機、第２トランシェ33機、第３トランシェ34機）導入予定。ただ財政難で支払い遅延が発生し、2012-14年に引き渡される予定だった15機は2015年以降の供給に延期されており、2018年現在の導入予定数は73機となっている。2018年1月22日、P1EB FW仕様の最初の２機（通算66機目と67機目）がアルバセテ基地に到着した。残る６機もP1EB FW仕様で、2020年1月9日までに納入を終えている。総配備機数は単座C.16戦闘機59機＋複座CE.16戦闘機14機の計73機だが、2021年現在、３機を事故で喪失していて70機を運用中。参考：月刊JWings10,’10、2,'21、月刊軍事研究3,’13、5,’13、月刊航空ファン4,’18、月刊航空情報4,’18

　＜ユーロファイター（インド海軍向け）＞：インド海軍向け艦上戦闘機型で、インド空軍中型多任務戦闘機としてユーロファイターが選ばれた場合に提案を予定している。スキージャンプ台から運用できるよう機体や降着装置を強化する。主翼折り畳み機構は省く。エンジンは推力偏向ノズルを採用し、大仰え角を取らなくても着艦可能。参考：月刊航空ファン5,’11、月刊世界の艦船5,’11

　＜ユーロファイター（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍戦闘機。制式名がEurofighterで、タイフーンやEF2000とは呼ばない。180機（177機？）を導入し、F-4Fの後継となる防空戦闘機として配備、完全対地任務を実施できるようアップグレードしてトーネードIDSを更新する。初号機は2003年2月13日に初飛行した。配備は2004年4月30日の第73戦闘航空団第732飛行隊が初だが、それより前にEADSジャーマニーの支援下にあるパイロット訓練部隊（ドイツ空軍とは別組織）に引き渡されている。2009年12月、空対地能力を持つ初の機体が第31戦闘爆撃航空団に引き渡された。2011年9月、37機のトランシェ3B配備をキャンセルし、トランシェ3Aまで143機（第１トランシェ33機、第２トランシェ79機、第３トランシェ31機）の調達に止めることとなった。完全対地能力を持ち、GBU-48/Bを運用する改修を施したマルチロール型（GBU-48/B最大４発にライトニング�Vターゲッティングポッド、自衛用IRIS-T空対空ミサイル２発、増槽２基を積む）は2017年から就役し、第２航空師団第31戦闘爆撃航空団が最初のマルチロール型配備部隊となった。2018年5月、予備部品不足でユーロファイターの可動率が著しく低下している（一説には140機中４機のみ）と複数のメディアが報道した。2019年6月24日、メクレンブルク・フォアポンメルン州で兵装を搭載せず戦闘訓練を行っていた第73戦術航空団所属３機のうち２機が空中衝突して墜落し、パイロット２名は緊急脱出してパラシュート降下したが、１名が死亡、１名が木の上に落ちて負傷した。12月17日、最終143号機（トランシェ3A仕様）が引き渡された。2020年11月5日、トランシェ１の更新とトーネードの後継を兼ねるトランシェ４仕様単座機31機・複座機７機の調達を連邦議会が承認し、11月11日に契約を締結した。2025-30年に納入される予定。既存のトランシェ２／３もトランシェ４仕様に改修し、2060年以降まで運用可能とする。参考：月刊JWings10,’10、12,’16、12,’18、9,’19、1,'21、2,'21、月刊軍事研究4,’12、2,’14、6,’18、月刊航空ファン9,’19、2,’20、3,’20

＜ＥＦ２０００ファミリー＞

　＜ＥＦ２０００ＥＣＲ＞：電子戦機仕様で、ECRはElectronic Combat Roleの略。エアバス・ディフェンス＆スペースが2019年に構想を発表した。参考：月刊航空ファン2,’20

＜ＥＦ２０００兵装＞

　＜近接航空支援＞：ASRAAM２発、AMRAAM４発、ブリムストーン18発、1000リットル増槽１基。第３トランシュではAGM-65マーヴェリックを搭載できるようになる予定。参考：月刊航空情報10,’05、月刊JWings11,’04

　＜空対空＋ＳＥＡＤ＞：胴体下にAMRAAM４発、主翼下最外部にASRAAM１発ずつ、主翼下の他のパイロンにALARM３発ずつを搭載する。第３トランシュではAGM-88を搭載できるようになる予定。参考：月刊航空情報10,’05、月刊JWings3,’02

　＜空対地＋ＳＥＡＤ＞：胴体中央に目標指示ポッド（イギリス空軍ではライトニング�V）、胴体側面にAMRAAM４発、主翼下最外部にASRAAM１発ずつ、主翼下の外から２番目にALARM１発ずつ、主翼下の内側から２番目に1500リットル増槽、主翼下最内側にストームシャドー１発ずつ。ALARMやストームシャドーの代わりにレーザー・GPS誘導爆弾も装備できる。第３トランシュではAGM-154JSOWやAGM-158JASSMの搭載が可能になる予定。参考：月刊JWings3,’02、月刊航空情報10,’05、月刊軍事研究12,’08、1,’09

　＜スイングロール＞：ASRAAM２発または４発、AMRAAM３発または４発、目標指示ポッド１基、スタンドオフミサイル／対レーダーミサイル２発、ペイブウェイ�Vなどレーザー・GPS誘導爆弾２発、2000リットル増槽２基、1000リットル増槽１基。参考：月刊JWings3,’02、月刊航空情報10,’05、月刊軍事研究12,’08

　＜制空＞：ASRAAM２発（主翼下）、AMRAAM６発（胴体下面半埋め込み式４発、主翼下２発）、1000リットル（2000リットル？）増槽２基（主翼下）、1000リットル増槽１基（胴体下）。主翼下のAMRAAMランチャーをASRAAM用連装ランチャーに換装すると、ASRAAM６発＋AMRAAM４発という組み合わせになる。将来的にはAMRAAMの代わりにミーティアを搭載する。参考：月刊航空情報10,’05、月刊JWings11,’04、月刊軍事研究1,’09

　＜対艦攻撃＞：ASRAAM２発、AMRAAM４発、空対艦ミサイル（ハープーンまたはペンギン）４発または６発、1000リットル増槽１基または３基。参考：月刊JWings11,’04、月刊軍事研究12,’08

＜ＥＦＡ＞：フランス陸軍の自走浮橋。形状は70式自走浮橋に似ている。車体上の橋節を前後に展開し、車体両側面のバルーンを膨らませて河の中に入って橋になる。参考：月刊PANZER7,’98

＜ＥＦＡＭＳ＞：機外燃料・兵装管理システムの略。

＜ＥＦＣ＞：US-1A改に導入された機能で、Engine Failure Compensationの略。着水時にエンジン故障が起こった時、自動的に離水復航することができる。参考：月刊軍事研究7,’04

＜ＥＦＣ＞：Equivqlent Full Chargeの略。常装薬で射撃した際の砲身命数のことである。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜ＥＦＣＳ３シリーズ＞：フォトナ社が開発した戦車用FCS。レーザー測距器組み込み安定化昼夜間照準器に、ジャイロ、傾斜角センサー、環境センサーなどを組み合わせてコンピュータ処理する。参考：月刊PANZER3,’02

　＜ＥＦＣＳ３−５５＞：T-55用。参考：月刊PANZER3,’02

　＜ＥＦＣＳ３−７２＞：T-72用。参考：月刊PANZER3,’02

　＜ＥＦＣＳ３−８４＞：M-84用。参考：月刊PANZER3,’02

＜ＥＦＭＳ＞：エンジン電子燃料統制装置の略。

＜ＥＦｍＷ４６＞：ドイツ軍の使い捨て火焔放射器で、肩から提げて使用する。放射時間0.5秒、射程27m。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＥＦＯＤ−２０＞：DANA自走榴弾砲用通常榴弾。

＜ＥＦＯＧＭ＞：アメリカ軍が開発中の光ファイバー・赤外線画像誘導式ミサイルで、Enriched Fiber Optics Guided Missile（強化ファイバー光学誘導ミサイル）の略。８連装発射機に収容され、HMMWVに車載される。射手は光ファイバーで送信される赤外線画像を見てミサイルを誘導する。参考：月刊軍事研究5,’08

＜ＥＦＰ＞：SFF（自己鍛造弾）を参照。

＜ＥＦＳ＞：遠征戦闘飛行隊（Expenditionary Fighter Squadron）の略。

＜ＥＦＳＳ＞：遠征火力支援システムを参照。

＜ＥＦＶシリーズ＞：アメリカ海兵隊の水陸両用装甲戦闘車。Expenditionary Fighting Vehicle（遠征戦闘車）の略で、当初は先進水陸両用強襲車AAAV（Advanced Amphibious Assault Vehicle）という名称だった。上陸地点から35-40km先（水平線以遠）に停泊した揚陸艦から発進して高速で陸に向かい、内陸まで戦車と共に進撃していくのが主任務である。1996年からジェネラル・ダイナミックス社が開発し、1999年に試作車AAAV-SDDが完成、2003年にEFVに名称変更され、各タイプ計1013両（EFVP1を936両、EFVC1を78両？）を生産して2007年から実戦配備する予定だったが、イラク戦争勃発で開発費が戦費に回されて2010年に延期され、更に地雷やIEDに対する防御力を高めるなどの改良を施すことになって2012年からに遅れ、更に2015年に延期された。また、コストも１両1700万ドルに増加したため、生産数が1013両から573両に減らされている。第３次試作車７両でテスト中だったが、成績不良で、水陸両用作戦における必要性も薄く、2011年1月6日に国防長官が開発中止を発表した。代わりにACVを開発する予定。参考：月刊軍事研究8,’06、7,’07、5,’10、2,’11、9,’13、月刊PANZER8,’10、2,’11、月刊丸3,’13

　＜ＥＦＶＰ１＞：基本の歩兵戦闘車型。車体は2519アルミニウム（2519-TSY87）の全溶接構造で、セラミック製増加装甲がボルト止めされており、14.5mm徹甲弾や155mm榴弾弾片に抗堪できる。また、車内にはケブラー製ライナーを張り、耐地雷型乗員シートを採用した。車体底面は水上航行を考慮して平らになっているが、地雷やIEDに弱いので、試作途中で追加装甲を貼り付けることになった。車体中央に機関室、後部に兵員室、後面中央に小型のランプドアがあり、車体上面前方に２名用砲塔が搭載されている。車内には18.1インチ（459.7mm）のコンピュータ内蔵AMLCDスマートディスプレイなど、電子機器を満載した。エンジンは2.7トンと重いため、車体中央下部に配置されており、兵員室が圧迫されて大きさの割に乗車兵員数が少なくなった。また、ランプドアが小さいので、１名ずつしか出られないという欠点もある。トランスミッションは車体前方下部、起動輪は前方に配置されている。下部転輪は片側７組。砲塔右に車長、左に砲手が位置し、前面左に暗視／照準装置がある。主砲は30mm機関砲Mk44（即用215発、予備180発）で、同軸に7.62mm機銃M240（即用600発、予備800発）を装備し、M-1A2戦車と同系統のFCS（デジタル弾道計算機、砲安定化装置、赤外線暗視装置、レーザー測距機）を搭載する。射距離1500mでの機関砲初弾命中率は90%以上。赤外線暗視装置は第２世代相当で、識別可能距離2000m、最大探知距離6800m。水上航行時には車体４面にあるフラップ（前面のバウ・フラップ、両側のシャイン・フラップ、後部のトランサム・フラップ）を張り出し、電気油圧式サスペンションにより下部転輪を持ち上げて履帯を車体下部と同じ位置まで上げ、前部波切り板の左右を延ばすと共に車体底部の鋼板を左右に開いて履帯を覆い、ウォータージェット２基（総推力22794ポンド・10.3トン）により水上速力46km（緊急時は時速56kmを超える）を発揮する。車体後部両側のスラスターにより後進も可能。水上航行状態への変形は水深5.5m以上、速力10ノット以内で行う。車体には見通し内通信用のVHFアンテナが３本、UHF無線機／EPLRS現在位置報告システム／GPS兼用アンテナが１本、見通し外通信用の平板型UHFアンテナが１本付く。全長10.57m（水上）／9.27m（地上）、全幅3.63m、全高3.32m、自重28.7トン、戦闘重量34.5トン。エンジンはMTU社製MT883Ka523水冷12気筒90度Ｖ型ターボチャージドディーゼル（出力水上2702馬力／陸上850馬力。陸上では燃費向上のため出力を抑える）、地上最大速度72.4km、水上最大速力46.3km、水上後進速力8.3km、燃料搭載量1226リットル、航続距離120km（水上）／523km（地上）。乗員は車体前部の操縦手、砲塔の車長と砲手の計３名。乗車兵員は車体前部の上陸部隊指揮官、車体中央エンジン両側の６名、車体後部兵員室の10名の計17名（１個小銃分隊＋１個増強分隊）。貨物なら4.15トンを収容可能。重量制限からくる低い防御力に難点があり、水陸両用作戦中に増加装甲を取り付けるというのも無理があって、解決しきれなかった。参考：月刊軍事研究8,’06、月刊PANZER8,’10

　＜ＡＡＡＶ−ＳＤＤ＞：システム開発技術実証車両で、1999年に兵員輸送車型２両と指揮通信車型１両が製作され、2001年までテストが行われた。全長10.57m（水上）／9.27m（地上）、全幅4.45m（水上）／3.63m（地上）、全高2.8m（水上）／3.20m（地上）、自重28.7トン、戦闘重量34.5トン。エンジンはMTU社製MT883Ka523Ｖ型12気筒ターボチャージドディーゼル（水上2600馬力）、地上最大速度72.4km、水上最大速力46.3km、燃料搭載量1226リットル、航続距離120km（水上）／523km（地上）。武装は30mm機関砲Mk44（APFSDS-TとHE/HETFを計395発）と7.62mm機銃M240（1400発）。乗員３名＋乗車兵員17名。参考：月刊PANZER8,’10

　＜ＥＦＶ技術試作車＞：AAAV-SDDに続いて製作された技術試験車両で、この時に名称がAAAVからEFVに変更された。AAAV-SDDのテスト結果を基に、細部を改良し、速力を維持するためエンジン出力を強化している。全長10.67m（水上）／9.27m（地上）、全幅4.66m（水上）／3.66m（地上）、全高2.8m（水上）／3.28m（地上）、戦闘重量34.5トン。水上出力2702馬力。2003年から10両が製造された。参考：月刊PANZER8,’10

　＜ＥＦＶ第３次試作車＞：イラク戦争やポスト・イラク戦争の戦訓を基に防御力を強化したタイプで、IEDに対する車体下面増加装甲を装着できるようにしている。７両で試験を行ったが、2006年の運用テストでは増加装甲と兵士の装備品を積んだら海に沈み、騒音が激しすぎて音声通信ができず、水上航行中に波しぶきでサーマルサイトが故障を頻発するなど平均故障発生時間が僅か4.5時間で、水陸両用試験では12項目のうち完遂したのは２項目に止まり、射撃試験に至っては10項目のうち１項目しか完遂できずシャシーが損傷、その影響で陸上機動試験が行えなくなるという散々な成績を収め、他にも弾薬装填不良、油圧システムの作動油漏洩、排気システムの熱シグネチャー過大といった問題が山積し、開発中止に追い込まれた。参考：月刊軍事研究9,’13、月刊PANZER8,’10

＜ＥＦＶファミリー＞

　＜ＥＦＶＣ１＞：指揮車型。兵員室に無線通信装備（各種11基）と幕僚・指揮官ステーション（各種７基）を設けてあり、上級指揮官１名と幕僚７名が搭乗し、大隊・連隊本部として使用できる。砲塔は小型の固定式銃塔に換えられ、7.62mm機銃M240のみを装備している。参考：月刊軍事研究8,’06、月刊PANZER8,’10

＜ＥＧ−１＞：デハビラント・オーストラリアが開発した軍用グライダーで、1942年9月末に初飛行した。機体は全木製で、主翼は高翼配置。全長10.68m、全幅17.99m、自重0.563トン、総重量1.272トン。曳航速度209km、最大速度298km。乗員１名＋搭乗兵員６名。後にG-1に改称された。参考：月刊丸4,’99

＜ＥＧ−２＞：デハビラント・オーストラリアが開発した軍用グライダーで、EG-1の改良型。全長10.07m、全幅15.4m、自重0.658トン、総重量1.476トン。曳航速度209km、最大速度322km。乗員１名＋搭乗兵員６名。後にG-2に改称された。戦後にフォードの100馬力エンジンを搭載し、主翼を吸い込み翼に変更して翼上面の乱流を吸引するという実験機が製作された。参考：月刊丸4,’99

＜ＥＧＡＭＥ＞：フランスのUNAC社が開発した水陸両用多目的工兵車両。２軸８輪（各輪ダブルタイヤ）装輪車で、ドーザー、地雷処理装置、牽引装置といったアタッチメントを交換装備して各種任務に投入可能。エンジンはキャタピラー社製ディーゼル（253馬力）。渡渉可能深度1m。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＥＧＢＵ＞：アメリカ軍のエンハンスド・ペイブウェイ誘導爆弾シリーズなどに付けられる略称で、強化型誘導爆弾の略。EGBU-10/-12/-15/-16/-24/-27/-28などがあり、制式名ではないので、接尾記号/Bは付かない。既存のレーザー誘導爆弾やTV誘導爆弾にGPS/INS誘導装置を追加したもので、コンピュータ制御グループ部分にGPS受信用の丸アンテナが追加された。参考：月刊軍事研究12,’04、月刊JWings4,’10

＜ＥＧＢＵ−１０＞：GBU-50/Bシリーズ（誘導爆弾）を参照。

＜ＥＧＢＵ−１２＞：GBU-49/Bシリーズ（誘導爆弾）を参照。

＜ＥＧＢＵ−１５＞：GBU-15(V)33/B（誘導爆弾）またはGBU-15(V)34/B（誘導爆弾）を参照。

＜ＥＧＢＵ−１６＞：GBU-48/Bシリーズ（誘導爆弾）を参照。

＜ＥＧＢＵ−２４＞：GBU-24E/B（誘導爆弾）またはGBU-24G/B（誘導爆弾）またはGBU-24(V)9/B（誘導爆弾）またはGBU-24(V)10/B（誘導爆弾）を参照。

＜ＥＧＢＵ−２７＞：GBU-27A/B（誘導爆弾）またはGBU-27B/B（誘導爆弾）を参照。

＜ＥＧＢＵ−２８＞：GBU-28C/B（誘導爆弾）を参照。

＜ＥＧＰＷＳ＞：Enhanced Ground Proximity Warning System（発展型地上接近警報システム）の略。参考：月刊航空ファン11,’18

＜ＥＧｒ．＞：ErprobungsGruppe（試験飛行隊）の略。参考：グラフィックアクション36

＜ＥＧＳ＞：バスタブ実験型全体防御を参照。

＜ＥＧＴ＞：ジェットパイプ温度を参照。

＜ＥＨ−１Ｈ＞：UH-1ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ−１Ｘ＞：UH-1ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ−６Ｂ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ−６Ｅ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ−６０Ａ＞：UH-60ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ−６０Ｂ＞：UH-60ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ−６０Ｃ＞：UH-60ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ−６０Ｌ＞：UH-60ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＥＨ１０１シリーズ＞：イギリスのウェストランド社とイタリアのアグスタ社が共同出資したユーロ・ヘリコプター・インダストリーズEHIが開発した３発多用途ヘリコプター。本当はEHI01という名称だったが、Ｉと１を間違えてEH101と記載してしまったため、この名称になったらしい。シーキングの後継として1977年からイギリス国防省で検討が始まり、1980年6月にEHIが設立され、1981年6月から設計され、1984年1月25日にイギリス政府とイタリア政府が計画を承認し、3月に艦載型の全規模開発の調印が行われ、輸送型や民間型も開発されることになり、1987年10月9日に初号機がイギリスで、11月26日に２号機がイタリアで初飛行し、1991年にイギリス海軍がマーリンHM.Mk1として44機を発注した。ユーロ・ヘリコプター・インダストリーズが廃止されてアグスタ・ウェストランドになったので、2007年以降はAW101と呼ばれる。2017年に生産会社がレオナルド・ヘリコプターズに社名変更したが、本機の名称はAW101のままである。参考：月刊JWings8,’00、月刊軍事研究5,’18、10,’09、7,’04、9,’09、1,’14、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＷＧ３４＞：イギリス国防省が研究していたシーキングの後継ヘリ。全長17.3m、最大離陸重量10.886トン。エンジンはターボシャフト（1500-1800馬力）双発。ジュゼッペ・ガリバルディ級空母建造により、将来的にシーキングの後継ヘリが必要となったイタリア海軍が開発に加わり、1980年6月のユーロ・ヘリコプター・インダストリーズの創設に合わせて発展型がEH101として開発されることになった。参考：月刊軍事研究10,’09

　＜ＥＨ１０１＞：WG34のエンジンを３発に増やしたもの。胴体後面にカーゴランプがあり、その上からテイルブームが伸びる。カーゴドアは幅2m、高さ1.95mあり、長さ6.5m・幅2.49m・高さ1.83mのキャビンには３トンまでの軍用車両、完全武装兵27名、兵員40名を搭載できる。エンジンはローターマスト左右のポッドとローターマスト後部に１基ずつ収容しており、航続距離を稼ぎたい時にはエンジン２基で飛行する。メインローターは複合材製５翅で、イギリス実験的ロータープログラムBERPと呼ばれる先端の広がった特殊形状を採用、通常ブレードより揚力を３割増しとし、ローター直径の短縮や静粛化に成功した。ローターハブはチタン製コアを複合材で包んだ構造で、ローターブレード支持構造は二重化し、ハブ中央アームが損傷しても暫くはブレードが外れないようにしてある。テイルローターはセミリジッド式複合材製４翅。コクピットはサイドバイサイドで、計器板は180×150mmデジタルカラーMFD６基によりグラスコクピット化され、パイロット１名での計器飛行も行える。降着装置は完全引き込み前輪式。主要部は12.7mm弾に耐えられる。不時着に備え、降着装置は12G、燃料タンクなどは15Gの耐荷重能力を持つ。海軍型はモデル100シリーズと呼ばれ、メインローターとテイルブームを折り畳める。機首には全周捜索レーダーを装備し、魚雷４本を搭載可能。3500トン級フリゲートで運用できる。汎用型にはモデル400シリーズとモデル500シリーズがあり、カーゴドアを閉めた際にデッドスペースとなる部分への簡易脱着式貨物コンテナ搭載が可能。全長22.8m／15.75m（メインローター・テイルブーム折り畳み時）、胴体長19.53m、メインローター直径18.6m、全幅4.5m／5.6m（メインローター・テイルブーム折り畳み時）、全高6.62m／5.3m（メインローター・テイルブーム折り畳み時）、テイルローター直径4.0m、空虚重量9.01トン、総重量14.6トン、最大全備重量15.6トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製RTM332（2312軸馬力）またはGE製T700-T6A（1714馬力）３発、最大巡航速度278km、最大速度309km、航続距離1390km。機内ペイロード６トン、吊り下げ可能重量4.536トン。ホバリング限界高度1067m（地面効果外）／3444m（内）。乗員２名。民間型はトイレ、ギャレー、手荷物室を備え、キャビンに客室乗務員１名と乗客30名を乗せられる。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings8,’00、月刊軍事研究10,’09、9,’04、12,’03、3,’08、9,’09、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＷ１０１＞：改称ついでに最大離陸重量を引き上げ、新型アビオニクスを装備できるようにしたもの。EH101仕様での生産も引き続き可能である。全長22.8m／15.75m（メインローター・テイルブーム折り畳み時）、胴体長19.53m、メインローター直径18.59m、全高6.62m／5.2m（メインローター・テイルブーム折り畳み時）、全備空虚重量10.5トン、最大離陸重量15.6トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製RTM322-01/8（1566kW）またはGE製CT7-6A（1491kW）３発、標準巡航速度150ノット、超過禁止速度167ノット、実用上昇限度5570m、ホバリング限界高度1400m（地面効果外）／2970m（内）、機内燃料容量1074リットル、フェリー航続距離1130海里（増槽あり）、行動半径350海里。乗員２名＋搭乗兵員30名。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊JWings1,’16

＜ＥＨ１０１ファミリー＞

　＜ＡＷ１０１（捜索救難仕様）＞：全長22.83m、メインローター直径18.6m、全高6.66m、総重量15.6トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製RTM322-02/8Mk250ターボシャフト（最大連続出力2000軸馬力）３発、巡航速度252km、最大巡航速度278km、海面上昇率毎分630m、ホバリング限界高度1067m（地面効果外）／3444m（内）、燃料搭載量5120リットル、航続距離900km（ペイロード３トン、３発運航）。最大機内ペイロード６トン。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＨ１０１海外シリーズ＞

　＜ＡＷ１０１（ノルウェー空軍）＞：ノルウェー空軍全天候捜索救難ヘリ。シーキングMk.43Bの後継で、2013年12月19日に16機＋オプション６機の契約を締結した。フィンメカニカ製AESAレーダーなどを搭載する。初号機は2016年3月21日に初飛行した。イギリスのヨービル工場で組み立てたものを輸入し、2017年から運用予定。参考：月刊JWings6,’16、月刊軍事研究3,’14

　＜ＡＷ１０１（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍ヘリ。Mi-14の後継として４機を調達することにし、2019年4月26日にPZLシフィドニクと契約した。参考：月刊航空ファン7,’19

　＜ＣＨ−１０１＞：海上自衛隊南極観測支援ヘリ。MCH-101とほぼ同じ機体を非戦闘・極地仕様にしてあり、ミサイル警報装置は無く、基部のみが設置されている。後部ランプドアから機力で貨物積み降ろしが可能。南極観測船しらせ（AGB-5002/-5003）に搭載される。全長22.8m、全幅18.6m、全高6.6m、最大離陸重量14.6トン。エンジンはロールスロイス社製RTM332-02/08ターボシャフト（2150軸馬力）３発、最大速度150ノット・278km、行動半径220km（貨物ペイロード３トン）。乗員４名（３名？）。文部科学省予算で川崎重工が３機をライセンス生産した。運用は横須賀基地のしらせ飛行科だが、機体は兵站を考慮してMCH-101と同じ岩国航空基地に配置し、整備は第31航空群第31整備補給隊が担当する。初号機は2007年9月に初飛行して同月に納入され、2008年度末に部隊使用承認が得られた。２号機は2009年5月に初飛行した。３機目の納入は先延ばしになり、2011年と2012年は２機のうち１機が定期修理などで使えず、観測活動に影響が出かねない状況に陥っている。2012年度補正予算で３機目を導入することになり、３号機は2016年6月に初飛行した。2017年8月17日0215頃、93号機が岩国航空基地でスリング訓練中に横転大破し、乗員８名中４名が軽傷を負った。参考：月刊世界の艦船1,’11、2,’12、1,’15、1,’19、月刊JWings9,’17、2,'22、6,’07、1,’13、9,’16、11,'23、月刊軍事研究10,’09、月刊丸12,’11、月刊航空ファン10,’16、11,’17

　＜ＣＨ−１４９＞：カナダ航空コマンドの捜索救難型モデル511、別名コルモラン（Cormorant）。自衛用電子システムを撤去して軽量化、２名を同時に吊り上げられるツインホイストを装備している。VH-71計画中止によりアメリカ軍で宙に浮いた９機を含む15機を導入した。2004年に訓練中の事故で１機が失われた。参考：月刊軍事研究10,’09、5,’11、月刊JWings5,’07、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊航空ファン8,’18

　＜ＥＨ１０１（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍の輸送ヘリ。25機が配備された。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜ＥＨ１０１（イタリア海軍）＞：イタリア海軍ヘリコプター。対潜・対水上戦型のモデル110／Mk110を12機、早期警戒型のモデル112／Mk112を４機、輸送型のモデル410／Mk10を８機採用した。エンジンは全てT700-GE-T6Aである。モデル110はエリレーダーAPS-784捜索レーダー、HELASディッピングソナー、AYK-204プロセッサなどを装備する。参考：月刊軍事研究10,’09、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＨ１０１（デンマーク空軍）＞：デンマーク空軍ヘリコプター。モデル512を導入し、８機を捜索救難、６機を戦術兵員輸送に使用している。機首にスターSAFIR赤外線暗視装置と気象レーダーを装備しており、救難型にはホイストやサバイバルラジオ電波逆探装置、胴体左右にAN/AAQ-24(V)ネメシスを追加した。更に６機を追加購入して捜索救難に使用することになったため、初期型のうち４機はイギリス空軍に売却されてマーリンHC Mk3Aとなった。参考：月刊軍事研究10,’09

　＜ＥＨ１０１（日本）＞：警察庁がV-107の後継として１機（民間型モデル510）を採用し、1999年から運用している。参考：月刊軍事研究10,’09、月刊JWings8,’00

　＜ＥＨ１０１（ポルトガル空軍）＞：ポルトガル空軍ヘリコプター。捜索救難型のモデル514を６機、漁業監視用のモデル515を２機、CSAR用のモデル516を４機装備する。モデル514はFLIR、ホイスト、捜索レーダーを装備。モデル516はマーリンHC Mk.3に準ずるもので、メインローターとテイルブームは折り畳みでき、両側窓とカーゴランプに機銃を装備できる。参考：月刊軍事研究10,’09

　＜ＨＨ−１０１Ａ＞：イタリア空軍捜索救難ヘリ、別名Caesar。AW101の捜索救難型である。12機を配備予定で、初号機は2015年6月に引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＭＣＨ−１０１＞：海上自衛隊の掃海・輸送ヘリ、モデル518。MH-53Eの後継として採用され、川崎重工がライセンス生産した。海自初のヨーロッパ機であり、競争相手のS-92は、開発の目処が立たなかったこと、MH-53Eでのシコルスキー社のサポートが最悪だったことなどから蹴られた。ローターブレード先端は独特の形状をしており、低速ホバリング時に機体を安定させるアクティブ防振システムも搭載されている。機首にはヒゲのようにバックミラーが伸びており、掃海任務時に後方を確認できる。胴体右のドアにはホイストを装備する。艦載するため、メインローター（５翅）とテイルブーム（４翅）に全自動折り畳み機構を付けた。国産アビオニクスと統合するため、アグスタ社に川崎重工からソフトウェア技術者を派遣してインターフェースを開発している。総重量はMH-53Eの半分で、キャビンも小さいため輸送量は低いが、掃海能力はほぼ同等で、機体が小柄になった分、ヘリ甲板への発着艦など運用の柔軟性が増す。全長22.8m、メインローター直径18.59m、胴体長19.53m、胴体幅4.61m（スポンソン含む）、全幅5.09m（水平安定板含む）、全高6.62m、自重9.9トン、空虚重量10.5トン、最大離陸重量14.6トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ（2013年から製造権は全てチュルボメカが取得）RTM322Mk250Sターボシャフト（2150馬力・2100軸馬力。2000軸馬力？）３発、巡航速度230km、最大速度150ノット・277km（305km？）、実用上昇限度3200m（4575m？）、ホバリング高度限界1950m（地面効果外）、航続距離900km（800km？）。乗員４名（機長、副操縦士、機上電子員、機上武器員）。操縦士２名＋便乗者30名という組み合わせも可能で、特別警備隊などの強襲輸送能力も考慮されている。完全輸入（＋川崎重工で改造）の初号機は2006年3月3日に納入され、２号機はノックダウン生産、３号機以降はライセンス生産されて2017年3月29日までに計10機が引き渡された。価格は輸入機が１機あたり59億円、ライセンス生産機が2011年度要求で１機あたり82億円（プラス初度費102億円／全調達機数）。2007年3月30日、防衛大臣の部隊使用承認を取得した。2010年1月15日、機体右下方にSH-60Kと似たFLIR（FLIRシステムズ社製スターサファイア？）を搭載している姿が確認された。将来的にAN/AES-1ALMDSとAN/AQS-24Aを組み合わせた高速航空機雷掃討システム（統合掃海システム）を搭載して機雷掃討能力も持つ予定で、8656号機以降が搭載可能バージョンとして製作されており、胴体左側面下部にシステム搭載部を設け、側面バブルウインドウの位置を１つ後ろにずらして前から４番目の窓としている。このバージョンの初号機は2015年2月27日に引き渡されて第51航空隊で性能試験を行っており、2016年から実運用に移る計画である。バブルウインドウの後方移設は8655号機以前の機体にも順次実施中。31中期防で、任務の効果的遂行などのため、完成機１機を追加で輸入することになり、装備機数は11機になった。参考：月刊JWings5,’06、5,’14、9,’17、6,’06、6,’07、4,’10、9,’14、2,’16、2,’17、5,’18、月刊軍事研究7,’04、12,’08、10,’09、4,’10、9,’10、1,'16、6,'17、月刊丸1,’10別冊、12,’11、月刊航空ファン5,’17、2,’11、7,’15、6,’17、月刊世界の艦船2,’12、1,’15、1,’18、1,’19、4,’19、6,'22、朝雲

　＜ＵＳ１０１＞：VH-71A要人輸送ヘリを参照。

　＜ＵＳ１０１（ＣＳＡＲ用）＞：アメリカ空軍に捜索救難ヘリとして提示しているもので、必要な各種機材を搭載する。全長22.8m、胴体長19.53m、ローター直径18.6m、全高6.62m、最大離陸重量15.6トン。エンジンはGE製T700-T6A1ターボシャフト（1870馬力）３発、最大巡航速度278km、実用上昇限度4575m、航続距離1389km。乗員２名。参考：月刊軍事研究2,’08

　＜ＶＨ−７１Ａ＞：アメリカ海兵隊試作要人輸送ヘリ、別名EH101Mk.519（モデル519？）ケストレル。ロッキード・マーチン社がVXX計画にUS101という名称で提案し、既存のEH101からデモンストレーター１機を製作、2005年1月に採用が決定した。アメリカ大統領がヨーロッパ機に乗るのでは格好が付かないので、ロッキード・マーチンを主契約社に据え、ベル社にも協力を仰ぎ、アグスタ・ウェストランドの分担比率を半分以下に抑えている。イギリスにあるウェストランド社で製造し、飛行試験後にグリーンエアクラフトの状態でアメリカに輸送、装備品を搭載して完成品に仕上げる。C-17で空輸可能。エンジンはGE製CT7-8Eが３基。2007年7月3日に試作初号機、2008年8月27日にミッション機器初搭載の試作３号機、9月22日に量産初号機が初飛行し、パタクセントリバー基地の大統領ヘリ支援施設PHSF（Presidential Helicopter Support Facility）で運用試験が行われた。2010年度にインクリメント１の４機、2017-18年度にインクリメント２の18機の計22機をHMX-1に配備する予定だったが、機体が大型なのを良いことに追加装備の要求が出されまくり、強力なNEMPにも耐えられる通信設備から長時間飛行用キッチンに至るまで余計な装備品の開発・装備費がかさみ、開発費は１兆円を突破、１機あたりのユニットコストが2008年度には１億3850万ドルに到達し、VC-25Aエアフォース・ワン並みになってしまった。これを受けて2009年度予算には費用が拠出されず、2011年度国防計画でキャンセルされてしまった。一応試作機４機と量産機５機の計９機が製造されており、カナダ国防省が購入してCH-149の部品取りに使用することを検討しているという。VXX計画は2012年度に再開されたが、RFPの内容がS-92に偏っており、こちらには最初から応募しなかった。最終的にVH-92A（S-92のVIP仕様）が採用されている。参考：月刊航空ファン8,’19、月刊軍事研究6,’07、9,’14、10,’06、9,’09、5,’11、JWings6,’09、3,’13、4,’05、8,’14

　＜マーリンＡＳａＣ　Ｍｋ．５＞：イギリス海軍の早期警戒ヘリ、Merlin ASaC Mk.5。シーキングASaC7をアフガニスタン戦に投入した結果、機体の劣化が激しく早期退役に至る見込みとなったため、後継として開発した。マーリンHM.2の対潜機器を外してクロウズネスト早期警戒レーダーシステムを搭載するもので、数時間で換装できる。2018年に就役予定だったが、試作機初飛行は2019年3月28日、初号機就役（第820飛行隊）は2021年3月24日になった。IOCは２年遅れで2023年9月に達成している。参考：月刊軍事研究5,’18、月刊世界の艦船8,’17、10,’18、2,'22、12,'23、月刊JWings7,’18、6,'21

　＜マーリンＨＣ　Ｍｋ．３＞：イギリス空軍捜索救難ヘリ、別名モデル411。機体ベースは輸送型で、ホイストが無い。C-17による輸送を考慮してBERP�Vメインローターとテイルブームは折り畳みできる。胴体左右にAN/AAQ-24(V)ネメシスを装備する。ケブラー装甲を装着する筈だったが、積んでいないらしい。降着装置は前輪式引き込み脚で、全てダブルタイヤである。空中給油受油プローブを持つ。コクピットはサイドバイサイドで、CRTによる多機能ディスプレイを装備する。総重量14.6トン。エンジンはRTM322-200。1998年12月24日に初号機が初飛行し、22機を配備した。2003年からバルカン半島、2009年7月からポスト・イラク戦争、12月から不朽の自由作戦に投入されている。後にイギリス海軍に移管され、コマンドー・マーリンHC Mk.4となった。参考：月刊軍事研究10,’09、5,’18、3,’10

　＜マーリンＨＣ　Ｍｋ．３Ａ＞：イギリス空軍捜索救難ヘリ。2007年3月30日にデンマーク空軍から６機の購入契約を結んだモデル512SARで、2008年3-7月に配備した。ベース機体が捜索救難型なので、キャビン側面ドア上部にホイストが付いている。ローターブレードはBERP�Wで、HC Mk.3よりペイロードが0.6-0.8トンほど大きい。計器板の多機能ディスプレイは液晶式である。エンジンはRTM322-250。後にイギリス海軍に移管され、コマンドー・マーリンHC Mk.4Aとなった。参考：月刊軍事研究5,’18、10,’09

　＜マーリンＨＣ　Ｍｋ．３ｉ＞：イギリス海軍の輸送ヘリ。公式にはマーリンHC Mk.3という名称で、こちらは通称であり、マーリンiHC3とも呼ばれる。マーリンHC Mk.3の暫定（interim）改良型で、2016年3月のシーキングHC.4退役から2018年のコマンドー・マーリンHC Mk.4/4AのIOC達成までの繋ぎであり、改良計画にはMLSPフェーズ１という名称が付けられた。ローターブレードを外部操作で折り畳める（コクピットからの操作はできない）ようにし、キャビン天井を強化してキャビンドア上部にファストロープ装着ポイントを追加、降着装置のサスペンションを強化し、タイダウン・ポイントを設けた。2014年10月からマーリンHC Mk.3ヘリ７機を改修し、初号機は2015年3月24日に初飛行、2016年3月24日までに全機納入されてIOCを達成した。2020年までにコマンドー・マーリンHC Mk.4に改修される予定。参考：月刊軍事研究5,’18、月刊JWings12,’17

　＜コマンドー・マーリンＨＣ　Ｍｋ．４＞：イギリス海軍の輸送ヘリ、開発名称マーリンHC Mk.4。海兵隊輸送用シーキングHC.4の後継で、空軍からマーリンHC Mk.3を移管し、MLSP（Merlin Life Sustainment Programme。繋ぎでMLSPフェーズ１を施したHC Mk.3iを作ることになったのでMLSPフェーズ２になった）の名称で、艦上運用向け改修及びマーリンHM Mk.2と同じアビオニクス改良を施したものである。メインローターとテイルローターにコクピットから操作できる自動折り畳み機構を追加、テイルブームも折り畳めるようにし、艦上繋止用タイダウン・ポイントを設けた。計器板はジェネラル・エレクトリック社製10×８インチ（254×203mm）タッチスクリーン式MFD５基による統合表示ユニットでデジタル・コクピット化し、センター・コンソール最前部には機体システム操作用BARCO社製タッチスクリーン式ディスプレイを装着している。ジェネラル・ダイナミクスUK社製データ記録装置を装備し、コクピット後部の機体両側面上部にチャフ／フレア・ディスペンサーを追加する。航法装置はILS/GPS/VOR。燃料タンクはキャビン床下に４基あり、外部吊下フックは機体に組み込まれている。総重量15.6トン。エンジンはRTM322-200。2016年10月24日に初号機が初飛行し、2018年5月24日に量産初号機が引き渡された。2020年までに19機を配備予定。参考：月刊軍事研究5,’18、月刊航空ファン2,’17、8,’18、月刊JWings12,’17、月刊世界の艦船12,’17、1,’18

　＜コマンドー・マーリンＨＣ　Ｍｋ．４Ａ＞：イギリス海軍の輸送ヘリ、開発名称マーリンHC Mk.4A。空軍からマーリンHC Mk.3Aを移管し、MLSPフェーズ２改良を施すと共に、コマンドー・マーリンHC Mk.4との仕様共通化を図ったものである。ローターブレードはBERP�Vにダウングレードし、機首左舷側ドアも下ヒンジの乗降ステップ兼用ドアからスライドドアに変更した。ホイストも外してファストロープ装着場所を確保する予定。トランスミッションはHC Mk.4と共通化したが、エンジン換装は費用がかさむのでソフトウェアだけ書き換えて出力特性をHC Mk.4と同じにした。燃料タンクはキャビン床下の５基、外部吊下フックが機体下部に突き出しているのはそのままにしている。総重量15.6トン。エンジンはRTM322-250。2018-20年に６機を配備予定。参考：月刊軍事研究5,’18

　＜マーリンＨＭ　Ｍｋ．１＞：イギリス海軍哨戒ヘリMerlin HM Mk.1、別名モデル111。シーキングの後継で、対潜戦と対水上戦を主任務とし、BAEシステムズ社製ブルーケストレル捜索レーダー（前胴部下面）、トムソン・マルコーニ社製FLASHディッピングソナー（低周波アクティブ式、有効深度700m）、ソノブイ用ロータリーランチャー、ASQ-903音響プロセッサ、オレンジリーパーESMなどを装備する。カーゴランプにはAPUが収容されており、カーゴドアは使用不能となっている。前胴部両側面にハードポイントがあり、スティングレイ魚雷やMk11対潜爆弾なら片側各２発まで、シースキュア対艦ミサイルなら片側各１発の搭載が可能。主脚スポンソンには発煙弾・マリンマーカー射出ランチャーを持つ。コクピットはサイドバイサイドで、キャビンに航法士とセンサーオペレーターが乗る。空中給油受油プローブは無く、マーリンHC3より燃料タンクも小さく、降着装置はシングルタイヤである。エンジンはRTM322ターボシャフト３発。1991年に44機が発注され、初号機は1995年12月6日に初飛行し、1997年5月17日に納入され、2002年までに44機が調達された。実戦部隊には1999年3月に配備して2000年6月2日から運用している。うち30機がマーリンHM Mk.2に改修された。参考：月刊軍事研究10,’09、5,’18、月刊JWings8,’00、月刊世界の艦船8,’17、世界航空機年鑑2018-2019

　＜マーリンＨＭ　Ｍｋ．２＞：マーリン能力向上計画MCSP（Merlin Capability Sustainment Programme）の名称でMk.1のミッションシステムやコクピットを改良したもの。担当はロッキード・マーチンUKで、オープンアーキテクチャー化したアビオニクスとジェネラル・ダイナミクスUK社製戦術ミッションシステムを搭載し、ミッションシステム処理能力やソナー音響情報処理能力を強化、ムービング・マップ機能を付与し、レーダーモードにISARなどを追加、計器板を10×８インチ（254mm×203mm）タッチパネル式ディスプレイ５基でグラスコクピット化し、後部キャビンにも大型カラー液晶ディスプレイ装備コンソールを搭載、ローターシステムを油圧からフライ・バイ・ワイヤに換装し、HEAT（Helicopter Electro Actuation Technology）を導入してアクチュエーターを油圧駆動から電動に変更、軽量化や整備性向上を図った。2013年7月23日に最初の５機が配備され、2015年9月にFOCを達成、2016年8月までに30機の改修を終えた。第820飛行隊が2018年にクイーン・エリザベス級空母で作戦認証を受ける予定。参考：月刊軍事研究5,’18、月刊JWings10,’13、12,’17、月刊世界の艦船10,’18

＜ＥＨＣＬＳ＞：ハープーン・システム（潜水艦用）を参照。

＜ＥＨＥＷ＞：アメリカ国防総省用語で、Enhanced High Explosive Weapon（強化型高性能爆薬兵器）の略。強力なIEDを指す。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＥＨＦ＞：ミリメートル波を参照。

＜ＥＨＦ／ＳＨＦ−ＨＤＲ−ＭＢＳＣＳ＞：アメリカ海軍の潜水艦用衛星通信システムで、ミリ波・センチメートル波高速データマルチバンド衛星通信システムの略。MILSTARや艦隊通信衛星FLTSATCOMとの通信が可能。ヴァージニア級原潜に搭載された。参考：月刊軍事研究8,’02

＜ｅｈｐ＞：等価軸馬力を参照。

＜ＥＨＵＤ＞イスラエル空軍の空戦訓練システムポッドで、BVRシステムズが国産開発した。AIM-9サイドワインダー空対空ミサイルの前翼を外したような形状をしている。参考：月刊JWings2,’14

＜ＥＨインダストリーズ＞：ユーロ・ヘリコプター・インダストリーズを参照。

＜Ｅ−ＩＢＣＴ＞：アメリカ陸軍近代化型歩兵旅団戦闘チーム。将来戦闘システム計画の後継で、戦闘コマンドネットワーク、先進ネットワークシステムキット、市街地戦術地上監視センサー、クラス１UAV、小型UGVなどを配備する予定だったが、市街地戦術地上監視センサーとクラス１UAVは開発中止となり、小型UGVと先進ネットワークシステムキットのみを少数調達することにした。参考：月刊軍事研究7,’11

＜Ｅｉｎｈ＞：Einheits（統制型、標準型）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＥＪ２００シリーズ＞：EF2000ユーロファイター・タイフーン戦闘機用ターボファン・エンジン。ユーロジェット・ターボ社の開発で、設計の分担はロールスロイス33%、MTU33%、アヴィオ21%、ITP13%、生産担当はロールスロイス36%、MTU30%、アヴィオ20%、ITP14%である。ベースは1982年からイギリス国防省とロールスロイス社が開発したXG-40で、RB211エンジンの高圧タービン設計なども取り入れた。推力偏向ノズルの研究は行っているが、今のところ使用国から装備要求は出ていない。参考：月刊軍事研究1,’09、月刊JWings8,’19、11,’04、4,’16

　＜ＥＪ２００−１０１＞：第１トランシュ用。ファンは１段で、ブレード翼型は弦長の広いものを採用しており、インレット・ガイドベーンは無く、低圧圧縮機３段、高圧圧縮機５段で、エアスプレー型アニュラー式燃焼室を持ち、タービンは高圧（前方に可変式インレット・ガイドベーン付き。ブレードにはシュラウドを持たない）と低圧が１段ずつで、タービンブレードには単結晶素材を使用しており、アフターバーナーは３段で、排気口は可変面積式コンバージェント・ダイバージェント型である。全長4.01m、最大径0.84m、重量1.037トン。バイパス比0.4:1、総圧縮比25:1、ファン圧縮比4.2:1。ミリタリー推力60kN・13490ポンド・6.119トン、A/B時推力90kN・20250ポンド・9.185トン。2006年12月までに363基が引き渡された。参考：月刊JWings11,’04、11,'22、月刊軍事研究1,’09、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＪＧ＞：ErganzungsJagdGeschwader（補充戦闘航空団）の略。参考：グラフィックアクション36

＜ＥＫ１５＞：ソ連のパトロール・フリゲート。元はアメリカ海軍PF-6パスコである。1945年8月に貸与された。1950年に返却。参考：月刊軍事研究5,’05

＜ＥＫ１６＞：ドイツ軍の戦果確認用ガンカメラで、別名ロボット�U。機銃発射ボタンと連動し、ワンショットだけ写真を撮る。Fw190では主にA-4以降の戦闘爆撃機型に搭載された。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＥＫＡ−３Ｂ＞：A-3攻撃機ファミリーを参照。

＜ＥＫＳ＞：ロシアの弾道ミサイル監視衛星システムで、EKSは統一宇宙システムの略。73D6衛星と71Kh6衛星の後継で、14F142ツンドラ早期警戒衛星10基（と静止衛星？）によりICBM、SLBM、IRBM、短距離弾道ミサイルなどの各種弾道ミサイル発射を探知し、飛翔コースから弾着地点を予測する。巡航ミサイルの探知追尾も可能で、戦闘指揮システムとしての機能も持ち、報復攻撃命令を出せるらしい。周回軌道はツンドラ軌道（傾斜角63.4度、近地点24000km、遠地点47000km）。2015年11月、コスモス2510としてツンドラ衛星１号機が打ち上げられた。2017年5月、２号機が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究7,’18、7,’12、3,’16

＜ＥＫＶ＞：GBIミサイルの弾頭部分で、Exo-atmospheric Kill Vehicle（大気圏外・運動エネルギー迎撃体）の略。搭載した望遠マルチバンド赤外線センサーにより、ICBM弾頭と宇宙空間のイオンとの摩擦熱をキャッチ、４本の小型ジェットノズルDACSで進路を修正しつつ体当たりして破壊する。テレビ送受信機も搭載されており、迎撃経過をリアルタイムでBM/C3に送信できる。全長1.4m、直径0.6m、重量69kg。終末速度マッハ20（秒速7000-8500m）。最大到達高度は2000kmで、ICBMの最大到達高度である1000km台を凌駕するとされる。参考：月刊軍事研究9,’05、11,’07、7,’08、4,’12、8,’13

＜ＥＬ＞：護衛隊群の略。

＜ＥＬ１モデルＧ３５８＞：コロンビア空海軍雑用機。コロンビアのガビラン社が開発し、1990年4月27日に原型機が初飛行、主翼前方胴体を0.3m延長して最大離陸重量を140kg増やすなどの改良を施して1992年にコロンビア政府、1998年5月にアメリカの形式証明を取得した。胴体は鋼管溶接アルミ外板で、キャビン最大長3.66m、最大幅1.37m、最大高1.22m、床面積5.02平方メートル。主翼はアルミ製で高翼配置の支柱付き直線翼、降着装置は前輪式固定脚。全長9.53m、全幅12.8m、全高3.73m、自重1270kg、総重量2041kg。翼面積18.95平方メートル。エンジンはライカミングTIO-540-W2Aレシプロ（350馬力）単発、経済巡航速度233km（高度4580m）、最大巡航速度250km（高度4580m）、最大速度259km（高度4580m）、失速速度108km（フラップ40度）、実用上昇限度6860m、海面上昇率毎分268m、燃料容量454リットル、航続距離1750km（＋余裕燃料30分）。乗員１名＋搭乗人員８名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｅｌａ−１０・１２＞：ドイツ海軍のＵボート用ビーコン受信器・民間通信傍受器で、テレフンケン製。アンテナはDF用ループアンテナと兼用で、使用波長は長波、使用周波数は100-1500KHz。参考：Ｕボート入門

＜ＥＬＡＷＳ＞：エルビット・システムズ社のレーザー検知器で、Enhanced Laser Warning Systemの略。波長0.5-1.6ミクロンのレーザーを照射されると警報を発する。ヴィスビー級コルベットに追加搭載された。参考：月刊世界の艦船3,’18

＜ＥＬＥＤＯＮ＞：TSM-2233（ソナーシステム）を参照。

＜ＥＬＦ＞：極超長波を参照。

＜ＥＬＦ送信局＞：極超長波送信局を参照。

＜ＥＬＧＴＲ＞：アメリカ軍の訓練弾で、LGTR（レーザー誘導訓練弾）の射程延伸型。BDU-58/BまたはBDU-59/BシリーズまたはBDU-60/Bシリーズを参照。参考：月刊航空ファン5,’13、月刊軍事研究10,’15

＜ＥＬＩＮＴ＞：ELectronic INTelligance（電子情報）の略。非通信目的の電波信号を傍受して周波数、位相、変調方式などを解析し、敵のレーダーや指揮・通信・航法・識別システムなどの特徴、レーダー施設の位置、運用方法などを把握しておくこと。電子戦を行うためには必須の情報である。収集する周波数帯域は広範囲にわたり、電波出力も幅広く、同時に複数の電波が出ていたり、それらが相関していたりもするので、見逃さないように十分な能力を持つ器材を用意するが、どうしても大型化するので、航空機や艦船などに収集器材を積んで広範囲をカバーし、データを大型地上施設に送って分析する。平時でも有事でもレーダーや無線などの形式は大きく変化しないことがあり、平時の情報収集活動として重要性が高い。電波は遠くまで届くので、相手の領域外からでも有力な情報を得ることが可能。逆に言えば、平時からELINTを受けていると考えてレーダーや無線を使う必要があり、至近距離で射撃指揮レーダーを作動させたりして重要な電波情報をうっかり渡してしまわないように注意せねばならない。1939年5月にドイツ空軍がツェッペリン飛行艇を使用してイギリス本土レーダー網のELINT収集を行っているが、探知機の能力不足で上手くいかず、バトル・オブ・ブリテンで役立てることができなかった。参考：月刊軍事研究4,’04、12,’16、月刊世界の艦船3,’17、図解現代の航空戦、空軍、現代の潜水艦、スパイ機、月刊丸11,’72

＜ＥＬＩＴＥ＞：エリート演習を参照。

＜ＥＬ／Ｌ−８２１２＞：イスラエルのエルタ社が開発したジャミングポッド。重量100kg。イスラエル空軍やオーストラリア空軍（F/A-18A/Bに搭載）が採用した。参考：月刊JWings12,’13、11,’20

＜ＥＬ／Ｌ−８２２２＞：イスラエルのエルタ社が開発したジャミングポッド。EL/L-8212の大型化改良型である。参考：月刊JWings12,’13、11,’20

＜ＥＬ／Ｌ８２５１＞：イスラエルのエルタ社が開発しているジャミングポッド。妨害周波数帯域1-18GHz。参考：月刊JWings12,’13

＜ＥＬ／Ｌ８２５２＞：イスラエルのエルタ社が開発したジャミングポッド。参考：月刊JWings12,’13

＜ＥＬ／Ｌ８２８２＞：イスラエルのエルタ社が開発したジャミングポッド。参考：月刊JWings12,’13

＜ＥＬ／Ｍ２０３２＞：エルビット社の航空機用 レーダー。空対空モードはレンジ・ワイル・スキャン、単一目標追尾、トラック・ワイル・スキャン、空中戦闘、スレーワブル空中戦闘、HUD空中戦闘、ボアサイトが用意されており、空対地モードは高分解能マッピング、リアル・ムービー・マッピング、ドップラー・ビーム・シャープニング、対地測距、洋上捜索、陸上移動目標表示、地形回避が用意されている。重量100kg。使用周波数Ｘバンド。戦闘機クラスの目標なら、ルックダウンで56-84km、ルックアップで65-102km先から探知できる。トルコ空軍F-4E 2020戦闘機、チリ空軍F-5Eタイガー�V戦闘機、ルーマニア空軍MiG-21改 ランサーＣ戦闘機、インド空軍ジャギュアIM攻撃機などに搭載された。参考：月刊エアワールド8,’05

＜ＥＬ／Ｍ−２０５５＞：IAI社のUAV用地上捜索監視レーダー。合成開口レーダーモードと陸上移動目標表示モードを持ち、合成開口レーダーのスポットモードでは解像度0.3-0.6mの画像が得られる。全備重量38kg・最大探知距離35km、全備重量50kg・最大探知距離50km、全備重量100kg・最大探知距離100kmの３種類が用意されている。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ＥＬ／Ｍ２０６０Ｐ＞：IAIエルタ社が開発したF-16用レーダー偵察ポッド。合成開口レーダー収容偵察ポッド（重量590kg）、地上ステーション、トレーラー式地上データリンク端末からなる。高解像度地形表示、陸上移動目標表示などの機能を持つ。イスラエル空軍とトルコ空軍が採用した。参考：月刊軍事研究5,’11、月刊JWings1,’14

＜ＥＬ／Ｍ−２０７５＞：IAI社の空中早期警戒レーダー、別名ファルコン（Phalcon）。アクティブ・フェイズド・アレイ方式で、使用周波数Ｌバンド。参考：月刊航空ファン5,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＬ／Ｍ−２０８０シリーズ＞：イスラエル軍のアロー・システム用車載レーダー、別名グリーン・パイン（Green Pine）。主契約社はエルタ社で、IAI社と共同開発した。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＥＬ／Ｍ−２０８０＞：アクティブ・フェイズド・アレイ方式で、使用周波数Ｌバンド（500-1000MHzまたは1000-2000MHz）、最大探知距離500km、秒速300mの目標なら30個を同時追尾でき、マッハ8.8（秒速3000m）以上の目標も追尾可能。目標捜索追尾の他、アロー２ミサイルの中間誘導も担当する。参考：月刊軍事研究2,’18、11,’07、6,’14

＜ＥＬ／Ｍ−２０８０Ｓ＞：別名スーパー・グリーン・パイン。最大探知距離を800-900kmに拡大している。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＥＬ／Ｍ−２０８０海外シリーズ＞

　＜ＥＬ／Ｍ−２０８０Ｓ（韓国軍）＞：韓国軍早期警戒レーダー。北朝鮮軍短距離弾道ミサイル監視用として2012年末に２基を導入し、忠清北道と忠清南道に配備した。AMDセル指揮管制所とリンクしており、パトリオット部隊へと情報が送られる。レーダーアンテナ全体が外気に晒される状態のため、結露で使えなくなる事態が2015年までに21回発生し、レドームを作ることにした。参考：月刊軍事研究2,’18、3,’18

＜ＥＬ／Ｍ−２０８３＞：IAI社が開発した地上設置型レーダー。有効探知距離500km。低空飛行目標も捉えることが出来る。インド空軍が２基を導入しており、更に３基を追加する予定で、インド海軍も５基を導入予定。参考：月刊軍事研究6,’09

＜ＥＬ／Ｍ−２０８４＞：エルタ社が開発したアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、ダビデ・スリングとアイアンドームが使用している。対空レーダーに加えて対砲迫レーダーとしての能力も持ち、ロケット弾や砲弾の発射地点を推定でき、味方部隊に情報を送って反撃してもらえる。使用周波数Ｓバンド。覆域120度、同時目標処理数1100。参考：月刊軍事研究2,’18、朝雲

＜ＥＬ／Ｍ２０９０＞：インド空軍A-50EhI早期警戒管制機のアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー。エルタ社が開発した。使用周波数Ｌバンド。参考：月刊JWings4,’23

＜ＥＬ／Ｍ２１３３＞：エルタ社が開発したトロフィー防御システム用フェイズド・アレイ・レーダー、別名ウインドガード。パルス・ドップラー式で、アンテナは上下に潰れた８角形をしており、車両の４カ所に設置して全周をカバー、対戦車ロケット／ミサイルなどの脅威を探知して未来位置を割り出す。参考：月刊軍事研究8,’11

＜ＥＬ／Ｍ２１３８Ｍ＞：イスラエル陸軍機動対砲迫レーダー、別名グリーンロック。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＥＬ／Ｍ−２２０７＞：イスラエルの対空・対水上捜索レーダー。楕円形アンテナを持つ。使用周波数Ｓバンド（3.1-3.3GHz）、ピーク出力425kW、パルス繰り返し周波数500-1500pps、走査回数は毎分12または24回。探知距離56km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＥＬ／Ｍ−２２０８＞：イスラエルの対空・対水上捜索レーダー。楕円形アンテナを共有する複合レーダーである。使用周波数S/Xバンド、ピーク出力425kWまたは25kW、パルス繰り返し周波数500-1500または100-1500pps、走査回数毎分12または24回、探知距離56km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＥＬ／Ｍ−２２２１＞：エルタ・システムズ社の射撃指揮レーダー、別名STGR。使用周波数8-40GHz（I/J/Kバンド）。コルカタ級駆逐艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜ＥＬ／Ｍ−２２２８Ｓ＞：イスラエルの二次元・三次元対空・対水上捜索レーダー、別名AMDR。アンテナは横長パラボラと横長アレイで、毎分12または24回転する。使用周波数Ｓバンド、探知距離100km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＬ／Ｍ−２２２８Ｘ＞：イスラエルの二次元対空・対水上捜索レーダー、別名SGRS。アンテナは略楕円形パラボラで、毎分12または24回転する。使用周波数Ｘバンド、探知距離100km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＬ／Ｍ−２２３８＞：IAI社の三次元レーダー、別名STAR（Surveillance and Threat Alert Radar）。996型レーダーの後継としてイギリスに提示されている。使用周波数Ｓバンド。アンテナは機械旋回式横長矩形プラナー・アレイで、開口面積を大中小の３種類から選択でき、大では最大探知距離350km（300km？）・ミサイル自動探知28km、中では250km・25km、小では200km・20kmとなる。シンガポール海軍エンデュアランス級揚陸艦には中が搭載された。参考：月刊軍事研究1,’08、9,’09、月刊世界の艦船8,’13、7,’16

＜ＥＬ／Ｍ−２２４８＞：IAI社の艦載多機能アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー、別名MF-STAR（Multi-Function Surveillance and Threat Alert Radar）。アンテナは略円形フェイズド・アレイ式４面固定型で、１面あたりアンテナ素子（半導体送受信モジュール）2000個を有し、１面の大きさは3m四方で重量は１面あたり1.5トン（２トン？）、艦内装備重量は0.9トン（４トン？）と軽く、コルベットにも搭載できる。使用周波数Ｓバンド（E/Fバンド）、俯角マイナス20度から仰角プラス85度の全周をカバーする。最大探知距離450km以上、最大追尾可能距離250km（高々度戦闘機大目標）／25km（低高度巡航ミサイル）。目標捜索探知識別追尾、ミサイル管制、砲管制、弾着観測が行える。イスラエル海軍サール５型・サール６型コルベットに搭載された。インド海軍プロジェクト15Aコルカタ級駆逐艦にも射程80kmのバラク８艦対空ミサイルとセットで積まれており、ヴィクラント級空母も装備した。参考：月刊世界の艦船8,’13、3,’20、7,'16、5,’19、11,'21、月刊軍事研究10,’14、3,’13、8,’06、1,’09、9,’09

＜ＥＬ／Ｍ−２２５８＞：IAI社とエルタ社が開発した三次元捜索レーダー、別名アルファ（ALPHA、Advanced Lightweight PHased Array）。EL/M-2248をベースに小型化した略横長矩形アンテナ１面回転型アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、艦外装備重量を0.7トン、艦内装備重量を0.5トンにしている。使用周波数Ｓバンド、360度全周・高角70度を捜索し、25km先までのシースキミングミサイル、120km先までの高々度飛翔体を捜索探知追尾でき、水上射撃時の弾着観測も可能。マルチパス抑制やECCM機能も持つ。サール4.5級コルベットやサール５級コルベットの改装時に搭載される予定。参考：月刊軍事研究9,’09、10,’14、3,’13、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＬＭＡ＞：エルマ（爆雷投射機）を参照。

＜Ｅｌｏｋａ＞：フクス装甲車ファミリーを参照。

＜ＥＬＰ＞：Element Leader Practiceの略。２機編隊長となる資格を得るための訓練のこと。参考：月刊JWings6,’05

＜ｅＬＲＡＳ３＞：アメリカ軍の車載センサー。LRAS3の改良型で、本体を小型軽量化し、ネットワークに対応、対地ミサイルの誘導もできる。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＥＬＳ＞：AN/APR-38（レーダー警報）を参照。

＜ＥＬＴ／１５８＞：イタリア軍のレーダー警戒装置。湾岸戦争時、トーネードに搭載されていた。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ＥＬＴ／５７２＞：レオナルド社のミサイル妨害装置。RALM01/V2ミサイル警報装置で対空ミサイルを探知し、レーザーを照射して無力化する。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＥＬ／Ｗ−２０８５＞：イスラエルのエルタ社が開発したアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー。イスラエル空軍がG550、チリ空軍がB707の機体６カ所にアンテナを装着して早期警戒機にしている。また、中国空軍KJ-2000早期警戒機も類似のレーダーを搭載しているとみられる。使用周波数は前後アンテナがＳバンド、側方アンテナがＬバンド。参考：月刊軍事研究8,’05、11,’06、月刊航空ファン5,’17

＜ＥＭ＞：メガトン等価量を参照。

＜ＥＭ２＞：イギリス軍の試作.28口径（7.2mm）ライフル銃。NATO標準弾が7.62mm×51弾になったので開発中止になり、L1A1が採用された。参考：日本の防衛戦力Part8

＜ＥＭ１１＞：イギリス軍の試作ライフル銃。使用弾は.280ブリティッシュ（7mm×43）で、.303ブリティッシュよりも反動を抑えて連射が利くようにしてある。1949年に開発したが、採用には至らなかった。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜ＥＭ１１シリーズ＞：中国海軍の沈底機雷。円筒形で、航空機または潜水艦から敷設できる。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＥＭ１１（航空機用）＞：全長2.79m、直径0.45m、重量500kg、炸薬重量300kg、最大深度30mのタイプと、全長3.35m、直径0.53m、重量1000kg、炸薬重量700kg、最大運用深度50mのタイプがある。信管は音響や水圧など。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＥＭ１１（潜水艦用）＞：全長1.98m、直径0.45m、重量500kg、炸薬重量300kg、最大深度30mのタイプと、全長2.9m、直径0.53m、重量1000kg、炸薬重量700kg、最大運用深度50mのタイプがある。信管は音響や水圧など。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＭ１２＞：中国海軍の沈底機雷。円筒形で、航空機、水上艦、潜水艦から敷設できる。全長1.5m、直径0.53m、重量570kg、炸薬重量320kgのタイプと、全長2.6m、直径0.53m、重量950kg、炸薬重量700kgのタイプがある。最大運用深度200m。信管は音響・磁気・水圧。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＭ５２＞：中国海軍の係維式上昇機雷（PRAM）。爆弾型をしており、水上艦から敷設される。敵潜水艦（ときに水上艦）を音響や磁気で探知するとロケット推進弾頭を射出する。全長3.7m、直径0.45m、重量620kg、炸薬重量140kg。最大敷設深度200m（110m？）。信管は音響・磁気・水圧。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船1,'15増刊、10,'15、5,’15、4,’22

＜ＥＭ５３＞：中国海軍のスマート機雷。音波による遠隔操作が可能で、自軍艦船が通過する時に非活性化しておけるらしい。音響・磁気複合信管を持つ。2014年7月の機雷戦演習で使用された。参考：月刊軍事研究4,’15

＜ＥＭ５５シリーズ＞：中国海軍の上昇機雷。魚雷型をしており、水上艦や潜水艦から敷設できる。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＥＭ５５（対水上艦用）＞：全長3.35m、直径0.45m、重量620kg、炸薬重量130kg。最大深度200m。信管は音響・磁気・水圧。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＥＭ５５（対潜水艦用）＞：全長3.54m、直径0.53m、重量840kg、炸薬重量130kg。最大深度200m。信管は音響・磁気・水圧。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＭ５６＞：中国海軍の対水上艦用自走機雷。潜水艦から射出し、最大45km先に敷設できる。全長7.74m、直径0.53m、重量1840kg、炸薬重量380kg。航走距離13km。最大深度45m。信管は音響・振動・水圧。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、10,'15、5,’15、4,’22

＜ＥＭ５７＞：中国海軍の対水上艦・対潜水艦用沈底式管制機雷。円筒形で、航空機や水上艦から敷設される。全長2.14m、直径0.45m、重量510kg、炸薬重量300kgのタイプと、全長3.14m、直径0.53m、重量1010kg、炸薬重量700kgのタイプがある。最大深度100m。信管は音響と磁気。遠隔管制距離30km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、5,’15

＜ＥＭ３５１＞：79式狙撃歩槍を参照。

＜ＥＭＡ＞：ベルギー軍の機銃ポッドで、機外装着アッセンブリの略。内部にMAG58MまたはM3M機銃を１丁収容する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＥＭＡＤトラック＞：フランス軍の４×４輪トラック。兵員用の塹壕や地雷敷設用の穴を掘る機材を後部に搭載している。参考：月刊PANZER4,’03

＜ＥＭＡＬＳ＞：アメリカ海軍ジェラルド・Ｒ・フォード級原子力空母に搭載された電磁カタパルトで、Electro-Magnetic Aircraft Launch System（電磁航空機射出システム）の略。リニア・インダクション・モーター方式で、カタパルト本体に片側149個ずつ電磁石（ステーター）を置き、シャトルと連結した永久磁石付リアクションプレート（キャリッジ）を電磁誘導で動かす。大重量航空機を短時間で加速するのに必要な大電力は、回転式オルタネータ（毎分6400回転）４基からなるエネルギー蓄積サブシステム（長さ4.1m、幅3.3m、高さ2.1m、重量32トン。最大容量484メガジュール）から供給し、大電圧対応のサイクロコンバータで三相交流電源に変換して電磁石に送る。エネルギー蓄積システムESS（Energy Storage System）はEMALS１基あたり３基が用意されており、空母の発電機から供給される電力により45秒間でエネルギーを回復し、2-3秒間で放出する。電磁式のため、制御用ソフトウェア変更だけで射出速度や加速パターンの細かい調整が可能で、将来出現するかもしれない重量40トン級の艦上機から重量1.15トンの中型無人機まで問題無く射出できる。機体に与える加速エネルギーの最大値は平均値の5%増しに過ぎず、機体に余計な負荷を与えないので、C13カタパルトよりも機体寿命が３割延びる。キャリッジ（とシャトル）を止める際は電磁石の磁界を逆にして減速させる方式で、整備の手間がかかるウォーター・ブレーキが不要となった。故障などでキャリッジを止めきれなかった場合、レール先端のハニカム構造ステンレスに突っ込んで物理的に停止するので、キャリッジを元の位置に戻してハニカムを交換し、原因を直せば復旧する。カタパルト長106m、容積423立方メートル、重量225トン。サイクルタイム45秒、エネルギー効率70%、射出エネルギー122メガジュール（重量45.4トンの航空機を２秒で130ノットに加速）、最大射出重量45.4トン、航空機射出速度101-370km。ジェネラル・アトミクス社が開発して2007年12月までに試験を終える予定だったが、かなり遅れており、2008年9月にエネルギー蓄積変換装置の高サイクル試験第１ステージを終了、2009年10月に10000回超の高サイクル試験第２ステージを終えた。2010年2月に実用型の半分の長さのものを作って試験を開始。フルサイズのものによるレイクハースト航空基地での射出テストは2010年6月1日にT-45Cで開始し、6月8日にC-2Aで成功、12月18日にはF/A-18Eによる射出テストが始まったが、４回ほど成功したところでリニアモーター間の動力の引き継ぎに問題があることが判明、５ヶ月かけて改修し、2011年5月25日から再開した。2014年12月現在、平均故障間隔MCBOMF（Mean Cycles Between Operational Mission Failure。致命的な故障が発生する割合）を4166サイクル（射出）に１回とする筈が、実際には340射出に１回となっていて、信頼性が低いという欠点が指摘された。9月、E-2Dの射出に成功。11月18日、F-35CF-3の射出に成功した。2012年11月、延べ134回の射出を行って航空機射出試験フェーズ１（カタパルト機能テスト）を終了。2013年3月、空母での運用に合わせた４基稼働の模擬試験を行って成功し、同月に航空機射出試験フェーズ２（空母での運用を想定した各重量での射出）を開始。6月、EA-18Gの射出に成功した。2014年4月6日、F/A-18Cの射出試験を終了。全空母艦上機に対する適合試験を完了し、延べ310回の射出を行ってフェーズ２試験を終了した。2015年3月18日、CVN-78ジェラルド・Ｒ・フォード艦上で無負荷射出試験に成功。5月15日、作動試験を終了した。6月5日、CVN-78艦上で重量16000ポンド（7.3トン）のソリの射出に成功。その後翼下に480ガロン（1817リットル）増槽を搭載したF/A-18E/FやEA-18G、330ガロン（1249リットル）増槽や外部兵装をフル搭載に近い状態としたレガシー・ホーネットを射出すると機体に過剰な負荷が掛かるという問題が発覚、ソフトウェアを修正して71回の射出テストを行い、解決したことを確認した。2016年4月現在の致命的故障発生までの平均射出サイクル数は400サイクルに１回で、改善してはいるが、目標の10分の１くらいである。2017-18年、就役後のCVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードにおける試験運用では、致命的故障発生までの平均射出サイクル数が455射出に１回で、多少改善したものの信頼性にはまだまだ問題があり、蓄電・放電システムが完全に作動を停止するまでに1.5時間かかるので修理の際に待ちぼうけを食わされる、といった欠点もあることから、１年かけて改善を行う。2020年1月、CVN-79/-80のEMALSに対するハードウェア・キット修正契約を、メーカーのジェネラル・アトミクス社と締結した。1月16-31日のCVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードにおける航空機運用適合性試験では平均故障発生間隔の問題は報告されていない。2020年1-8月にCVN-78が行ったISE(Independent Steaming Event)では発艦3975回で平均故障間隔MCBOMFが181サイクルと、改善どころか悪化している。参考：月刊軍事研究4,’14、7,’09、7,’14、7,’10、7,’13、月刊世界の艦船12,’16、10,’16、9,’13、1,’10、10,’11、8,’15、11,’15、8,’17、10,’17、10,’18、8,'21、3,'23、8,'23、月刊航空ファン3,’11、2,’12、10,’17、月刊JWings4,’11、9,’14、11,’18、4,’20、朝雲

＜ＥＭＡＬＳ海外シリーズ＞

　＜ＥＭＡＬＳ（インド海軍）＞：ヴィシャール級空母向けとして2017年7月にインド国防省がアメリカに対して技術供与を打診し、10月18日にインドへの技術移転を承認したとアメリカ国務長官が発表した。見返りとしてF-16やF/A-18の導入を打診しているらしい。参考：月刊軍事研究3,’18

　＜ＥＭＡＬＳ（フランス海軍）＞：シャルル・ド・ゴール級空母の後継となる新型空母PA NGに先進着艦拘束装置AAGと一緒に搭載する予定で、2017年にアメリカから説明を受け、2018年夏から交渉に入り、2021年12月21日にアメリカ国防安全保障協力局のFMS輸出許可が下りた。参考：月刊世界の艦船1,’19、3,’22

＜ＥＭＡＲＳ＞：アメリカ海軍が開発中の着艦システムで、Electro-Magnetic Aircraft Recovery System（電磁航空機回収システム）の略。アレスティング・ワイヤをフックで引っかける方式は同じだが、制動を電磁的に行うようだ。参考：月刊軍事研究6,’01

＜ＥＭＡＲＳＳ＞：キングエアB300海外ファミリーを参照。

＜ＥＭＡＲＳＳ−Ｖ＞：キングエアB300海外ファミリーを参照。

＜ｅＭＡＳＴ＞：IAI社が発表した統合マスト。四角錐をしており、側面には中央やや下にEL/M-2248MF-STAR多機能レーダー、その上にオセロ赤外線撮像装置、その上にVHF/UHFデータリンクと通信アンテナと船舶自動識別装置アンテナ、その上にIFFアンテナ、その上にECM/ELINTアンテナ、その上に電子光学赤外線センサーが内蔵または壁面装着されていて、頂部にCOMINT装置アンテナが載り、一番下にはSATCOMアンテナドーム用の台座が突き出している。参考：月刊軍事研究1,’17

＜ＥＭＡＴＴ＞：Mk39Mod3（潜水艦模擬標的）を参照。

＜ＥＭＡＴＴ＞：海上自衛隊の消耗型移動対潜水艦戦訓練標的。P-3CやSH-60Jのソノブイ・ランチャーから投下され（手投げもできる）、水中で潜水艦の疑似音を出しながらプログラム通りに航行する。参考：月刊JWings1,’03

＜ＥＭＢ−１１０シリーズ＞：ブラジル空軍輸送機、別名バンディランテ（Bandeirante）。ブラジル空軍のビーチD-18輸送機後継機要求に基づいて1965年からエンブラエル社が開発し、1968年10月22日に原型機、1971年8月9日に量産初号機が初飛行し、1973年2月9日から引き渡された。民間型もあり、1971年12月に形式証明を取得している。1992年までに軍民計500機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1979

＜ＥＭＢ−１１０＞：ブラジル空軍制式名称C-95。胴体はセミモノコック構造で、主翼は低翼の直線翼である。エンジンはPT6A-27ターボプロップ（680馬力）双発。搭乗兵員12名。参考：世界の軍用機1979

＜ＥＭＢ−１１０Ｋ＞：ブラジル空軍制式名称C-95A。胴体を操縦席の後ろで0.85m延長し、キャビン容積を増やした。胴体後部左に貨物扉がある。全長15.08m、全幅15.3m、全高4.73m、自重3.394トン、最大離陸重量5.67トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PT6A-34ターボプロップ（750馬力）双発、経済巡航速度182ノット、最大速度248ノット、実用上昇限度8360m、航続距離1035海里（最大燃料）／170海里（最大ペイロード）。最大ペイロード1.754トン。乗員２名＋搭乗兵員19名。参考：世界の軍用機1979

＜ＥＭＢ−１１０ファミリー＞

＜ＥＭＢ−１１０Ａ＞：飛行点検機型、ブラジル空軍制式名称EC-95。参考：世界の軍用機1979

＜ＥＭＢ−１１０Ｂ＞：写真測量型、ブラジル空軍制式名称R-95。胴体下面に0.84m×1.86mの開口部を持つ。参考：世界の軍用機1979

＜ＥＭＢ−１１０Ｃ＞：民間型。客席数15。1973年4月16日にトランス・ブラジル航空で定期路線に就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１１０Ｐ１＞：民間型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１１０Ｐ１Ａ＞：民間型。全長15.1m、全幅15.3m、全高4.9m、運航自重3.59トン、最大離陸重量5.9トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-34ターボプロップ（750軸馬力）双発、巡航速度413km、最大速度460km、実用上昇限度6550m、航続距離2000km。乗員２名。客席数19。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１１０Ｐ２＞：民間型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＳＣ−９５Ｂ＞：ブラジル空軍捜索救難機。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＭＢ−１１１＞：ブラジル空軍対潜哨戒機、制式名称P-95A/B/M、別名マリタイム・バンディランテ（Maritime Bandeirante。Bandeirulha？）。ブラジルのエンブラエル社が空軍沿岸警備部隊P-15哨戒機の後継機計画に基づいて開発し、1977年8月に初飛行した。EMB-110軽輸送機標準型を改造したもので、機首にAN/APS-128レーダーを搭載し、翼端増槽（総容量636リットル）を装備、胴体後部にベントラルフィンを装着し、重量増に合わせてエンジンを強化している。主翼には左右２箇所ずつハードポイントがあり、右内側には光量5000万カンデラのサーチライトを搭載する。航法装置はリットンLN-33慣性航法装置やVIA-31A（VOR/ILS）などで、オメガをオプションで追加できる。全長14.91m、全幅15.95m（翼端増槽含む）、全高4.91m、自重3.76トン、最大離陸重量７トン、最大着陸重量5.45トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PT6A-34ターボプロップ（750軸馬力）双発、経済巡航速度290ノット、最大巡航速度208ノット、実用上昇限度7770m、燃料容量2550リットル（翼端増槽含む）、航続距離1590海里、航続時間10時間40分。５インチ（127mm）ロケット弾８発、2.75インチ（70mm）ロケット弾７連装ポッド４基を装備できる。乗員6-7名。1978年4月11日から12機が納入され、スーパーサーチャー・レーダー、ESM、SFIMなどを追加した10機が追加発注された。ただP-15は1976年までに全機退役したため、配備先の第７航空群第１飛行隊は１年半ほど装備機が無くなってしまった。ガボン空軍が1981年に１機、アンゴラ空軍が２機を受領している。1990年までに29機が生産された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979、1982、世界航空機年鑑2018-2019、月刊丸3,’90、ザ・マーチ５号、世界の傑作機No.50、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＭＢ−１１１海外シリーズ＞

　＜Ｐ−１１１＞：チリ海軍対潜哨戒機、エンブラエル社名称EMB-111AN。防氷装置とECMを追加している。６機を導入した。2013年から改修を実施し、計器板にカラーMFDを追加、機首下面にFLIRを搭載している。参考：月刊航空ファン11,’17

＜ＥＭＢ−１２０シリーズ＞：エンブラエル社のコミューター機、別名ブラジリア（Brasilia）。1983年7月27日に初飛行し、1985年5月に形式証明を取得した。ブラジル空軍もC-97として採用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＭＢ−１２０＞：機体は主に金属製で、キャビン床板や側壁などに複合材を、機首、フェアリング、尾部、翼前縁、フラップなどにグラスファイバーを使っている。胴体は円形断面で、与圧により高度5180mまでのキャビン気圧を海面��度と同じに保つ。乗務員席、ギャレー、トイレ、衣裳棚などが付いており、軍用バージョンではギャレーなどを撤去してスペースを拡大できる。客室後方は貨物室で、左舷側に大型の貨物ドアがある。主翼は低翼配置の直線翼。尾翼はＴ字。降着装置は前輪式。エンジンはPW115ターボプロップ（1500軸馬力）双発、プロペラは４翅。乗員２名。客席数30名。軍用では兵員24-26名と貨物0.9トンを搭載できる。1985年10月から就航した。後にエンジン出力を1600軸馬力に増やしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１２０（貨物型）＞：貨物専用型。最大ペイロード４トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１２０ＱＣ＞：貨客転換型。キャビン内装を交換して最大ペイロード3.5トンの貨物機としても使えるようにしてあり、旅客機から貨物機には40分、貨物機から旅客機には50分で転換できる。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１２０ＲＴ＞：エンジンをPW118（1800軸馬力）に換装したもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１２０ＥＲ＞：最大離陸重量とペイロードを増やしたもので、キャビンも改装を施して快適性を増した。全長20m、全幅19.78m、全高6.35m、運用自重7.56トン、最大離陸重量11.99トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW118A（1800軸馬力）双発、最大巡航速度580km、最大速度606km、実用上昇限度9750m、航続距離1480km。乗員２名。客席数30。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＭＢ−１２０ファミリー＞

　＜ＶＣ−９７＞：ブラジル空軍要人輸送機。EMB-120RTがベースである。参考：世界航空機年鑑2018-2019、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＭＢ−１２１＞：ブラジルのエンブラエル社が開発した双発ターボプロップ機、別名シングー（Xingu。ブラジルの川の名前）。燃費の良い与圧キャビン機として開発され、1976年10月10日に初飛行し、1977年5月に与圧システムを作動させての飛行に成功、ブラジル初の国産与圧機となった。全長12.25m、全幅14.05m、全高4.84m。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-135ターボプロップ（750馬力）双発、巡航速度380km、最大速度466km、実用上昇限度8535m、航続距離2278km。乗員8-9名。民間市場に出された他、ブラジル軍（制式名VU-9）とフランス空海軍が採用した。フランス空海軍では43機が多用途機として採用され、2025年まで使用される予定。参考：月刊JWings4,’10、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＭＢ−１４５シリーズ＞：ブラジル空軍偵察／早期警戒管制機。エンブラエル社が開発した。参考：月刊軍事研究1,’17

　＜ＥＭＢ−１４５ＲＳ＞：リモートセンシング機、ブラジル空軍制式名称R-99A。胴体下に合成開口レーダーやAAQ-22赤外線カメラなどを装備する。３機を導入予定で、まず１機が2002年7月に納入された。参考：月刊JWing10,’02、月刊航空ファン9,’02、月刊軍事研究9,’01

　＜ＥＭＢ−１４５ＳＡ＞：早期警戒管制機、ブラジル空軍制式名称R-99B。ERJ-145にスウェーデンのエリクソン社製PS-890エリアイ早期管制フェイズド・アレイ式監視レーダーを搭載している。まず２機が2002年7月に納入され、もう３機配備した。2008年にE-99に改称されている。参考：月刊軍事研究1,’17、月刊JWing7,’04、10,’02、1,'21、月刊航空ファン9,’02、9,’01

　＜ＥＭＢ−１４５ＭＰ＞：洋上哨戒機型。メキシコ空軍が２機を導入予定。参考：月刊軍事研究8,’05

＜ＥＭＢ−１４５海外シリーズ＞

　＜ＥＭＢ−１４５Ｈ＞：ギリシャ空軍早期警戒管制機。EMB-145SAを導入したもので、４機を配備した。参考：月刊軍事研究1,’17

　＜ＥＭＢ−１４５Ｉ＞：インド空軍早期警戒管制機AEW&C、別名ネトラ（NEtwork TRaffic Analysis）。2004年9月に180億インドルピーでEMB-145SAを３機購入することを決定した。搭載レーダーは国産のAAAUに換装、ミッション・アビオニクスも国産に変更する。AAAUは胴体背部の平均台（バランスビーム）状フェアリングに収容されており、逆Ｖ字の支柱２本により前傾姿勢で取り付けられている。その前方にあたる胴体背部と両側面にもフェアリングを持ち、後部胴体下面には数枚のブレードアンテナが付く。尾翼はＴ字で、両水平尾翼の中央部には上下にブレードアンテナが突き出している。機体も滞空時間６時間以上（５時間？）を目指して改修を加えてあり、空中給油受油プローブ（機首右上）やベントラルフィン（胴体尾部に２枚）を追加した。空中給油１回で作戦時間を９時間延長できるが、交替要員が少ないので人間の方がへばる。乗員２名＋ミッションクルー５名。初号機は2011年に引き渡される予定だったが、レーダー開発が遅れたため初号機の初飛行が2011年12月になり、2012年8月16日に引き渡された。20機以上を配備する予定だったが、エアインディア中古A330旅客機に新型国産早期警戒管制装置を積んだものを運用することになり、３機で打ち切られる見込み。参考：月刊JWings4,'23、4,’12、9,’19、月刊航空ファン5,’13、5,’19、月刊軍事研究4,’09、3,’08、7,’11、2,’13

　＜ＥＭＢ−１４５ＳＡ（メキシコ空軍）＞：メキシコ空軍早期警戒管制機。EMB-145SAを４機導入した。参考：月刊軍事研究1,’17、月刊JWings9,’19

＜ＥＭＢ−３０１＞：ブラジルのエンブラエル社が開発した練習機。エンジンはライカミングTIO-541。T-25の後継としてブラジル空軍に提案されたが、EMB-311/EMB-312に負けて採用されなかった。参考：月刊JWings3,’14

＜ＥＭＢ−３１１＞：ブラジルのエンブラエル社が開発した練習機。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PT6A。T-25の後継としてブラジル空軍に提案されたが、要求を満たすには至らず、EMB-312が開発されることとなった。参考：月刊JWings3,’14

＜ＥＭＢ−３１２＞：ブラジル空軍練習機、制式名T-27、別名ツカノ（Tucano。ブラジルの国鳥）。T-25練習機の後継として1978年1月からエンブラエル社が開発し、12月6日に原型機２機（＋強度試験機２機）が発注され、1980年8月16日に初号機が初飛行した。コクピットはタンデム複座で、視界確保のため前後席に段差を付けており、キャノピーは中間に枠の無い一体式の右横開き式とした。座席はマーチンベイカー社製Mk.8L射出座席で、世界初の射出座席装備ターボプロップ練習機である。主翼はボックスビーム構造のテーパー翼で低翼配置、上反角５度30分、取り付け角１度25分、捩り下げ２度13分、アスペクト比6.4。主翼下にパイロン２基ずつを装着可能で、7.62mmガンポッド、ロケットポッド、250ポンド爆弾Mk81などを搭載できる。全長9.86m、全幅11.14m、全高3.4m、自重1.81トン、標準総重量2.35トン、最大離陸重量3.175トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-25Cターボプロップ（750軸馬力）単発、巡航速度222ノット、最大速度242ノット、実用上昇限度9145m、燃料容量694リットル、航続距離995海里。乗員２名。1982年8月12日（1983年9月？）から133機を受領し、まずセールスを兼ねたアクロバットチームのエスカドリヤ・ダ・フマサに配備した。アンゴラ、アルゼンチン、エジプト空軍（54機）、ドミニカ、フランス、ホンジュラス、イギリス空軍、イラン、イラク空軍（80機）、パラグアイ、ペルー、ベネズエラなども導入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、月刊JWings3,’14、月刊軍事研究3,’08

＜ＥＭＢ−３１２海外シリーズ＞

　＜ＥＭＢ−３１２（アルゼンチン空軍）＞：アルゼンチン空軍練習機。1987年に30機を導入し、訓練部隊に配備した。2019年11月にIA-58COIN機が退役したため、後継を務めることになり、アルゼンチン国産7.62mmガンポッド（装弾数250発）のコリブリ、12.7mmガンポッドのトルド、125kg汎用爆弾などを装備する軽攻撃機に改修され、第３航空旅団に配備された。12機はグラスコクピット化する計画もある。ちなみに練習任務はT-6テキサン�Uに後を譲った。参考：月刊JWings11,’21

　＜ツカノＴ．１＞：イギリス空軍練習機Tukano T1。ショート・ブラザーズのライセンス生産版で、ショート／エンブラエルの社内名称はS312。BAC145ジェットプロボストの後継仕様であるAST412要求を満たすため、大幅な改良を加えた。機体とエンジン、主脚を強化し、計器板をホークと共通化している。胴体下面にはエアブレーキを追加し、キャノピーにはバードストライクに耐えられるよう中央フレームを装備した。全長9.86m、全幅11.28m、全高3.4m、自重2.017トン、総重量3.275トン。エンジンはギャレット製TPE331-12B（1100軸馬力）単発、巡航速度220ノット、最大速度274ノット、実用上昇限度10365m、燃料容量724リットル、航続距離900km。乗員２名。1985年3月に採用して130機を配備した。2019年10月25日、本機で教育を受けた最後の学生パイロットが卒業し、T-6テキサン�Uに後を譲って退役した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究3,’08、月刊JWings1,’20

　＜ツカノＴ５１＞：ケニア空軍練習機。ツカノT.1を採用したものである。参考：月刊軍事研究3,’08

　＜ツカノＴ５２＞：クウェート空軍練習機。ツカノT.1を採用したものである。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＥＭＢ−３１２Ｈ＞：EMB-314シリーズ（軽攻撃機）を参照。

＜ＥＭＢ−３１４シリーズ＞：エンブラエル社のターボプロップ軽攻撃機、別名スーパー・ツカノ（Super Tucano）。1991年からEMB-312Hとして開発し、同年9月9日に原型機が初飛行、ブラジル空軍がA-29の名称で採用して2003年から引き渡された。導入機数はYAT-29が１機、YA-29が１機、A-29Aが33機、A-29Bが66機。また、ドミニカ共和国も８機を導入して国境警備や麻薬取り締まり用に採用している他、コロンビアが25機、チリが12機、エクアドルが24機を導入し、インドネシアがOV-10Dの後継として16機の購入を決め、アメリカの民間軍事会社であるブラックウォーターも訓練用に使用している。アメリカ空軍も2013年にLASとして採用を決定した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings11,’01、5,’13、月刊軍事研究3,’08、月刊航空ファン8,’09、4,’10

　＜Ａ−２９＞：単座の攻撃能力強化型。EMB-312がベースで、エンジン強化に伴い胴体を延長した。計器板はグラスコクピット化されており、射出座席を搭載、コクピット周囲は装甲化されている。胴体下部にAN/AAQ-22FLIRを搭載し、ミサイル警報やレーダー警戒装置も装備する。翼内に機銃を搭載したため、主翼形状も改修した。全長11.42m、全幅11.14m、全高3.97m、自重2.42トン、総重量3.19トン、最大離陸重量3.6トン。翼面積19.4平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-68Aターボプロップ（1193kW・1621馬力・1300軸馬力）単発、最大巡航速度530km（高度6100m）、最大速度557km（高度6100m）／529km（クリーン状態）／453km（機外最大搭載）、失速速度145km（着陸形態）、実用上昇限度10670m、海面上昇率毎分895m、最大航続距離1569km（＋余裕燃料30分。高度9150m）。固定武装は主翼の12.7mm機銃（200発）２丁。兵装搭載量1.5トン。ハードポイントは主翼下２カ所ずつと胴体下の計５ヵ所。7.62mmガンポッド（500発）、12.7mmガンポッド、20mm機関砲ポッドNC621、ロケット弾、113kg爆弾、レーザー誘導爆弾、MAA-1空対空ミサイル、増槽などを装備できる。乗員１名。ブラジル空軍に49機が配備された。参考：月刊軍事研究7,’10、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings3,’16、11,’01、11,’14

　＜ＡＴ−２９＞：複座の練習機兼攻撃機型。ブラジル軍に50機が採用され、20機は訓練任務、もう20機は胴体下面にFLIRを搭載して夜間攻撃任務に用いられる。参考：月刊JWings11,’01

＜ＥＭＢ−３１４海外シリーズ＞

　＜Ａ−２９（アフガニスタン空軍）＞：アフガニスタン空軍軽攻撃機。アメリカ空軍から20機の供与を受ける予定で、2016年1月15日に最初の４機がカブールのハミド・カルザイ国際空港にフェリーされた。参考：月刊航空ファン4,’16

　＜Ａ−２９（アメリカ空軍）＞：アメリカ空軍軽攻撃機。アフガニスタン空軍への供与用に20機を導入する予定で、2011年12月にホーカー・ビーチクラフト／ロッキード・マーチンAT-6Bを破り採用決定となったが、ホーカー・ビーチクラフト／ロッキード・マーチン側が連邦裁判所に提訴したため、一時採用取り消しとなった。再選定の結果、2013年2月27日に制式採用が決定。2014年からアフガニスタン空軍に20機を引き渡す予定で、9月26日に初号機がジョージア州ムーディー空軍基地にフェリーされた。ここでアフガニスタン空軍パイロット30名と整備員90名が訓練を行い、終了後に機体と人員をアフガニスタン空軍に引き渡す。アメリカ空軍次期軽攻撃機OA-Xにも提案中だが、AT-6Bとの競争試験中の2018年6月22日に墜落し、WSOは脱出に成功したが、パイロットは脱出したもののパラシュートが開く前に地面に落ちて死亡した。GBU-12投下後の旋回離脱時に低速すぎて錐揉みに陥ったのが原因とみられる。2019年、空軍特殊作戦軍団が2-3機を配備し、同盟国への助言任務を行う教官を養成する訓練に使うことになった。参考：月刊JWings6,’12、5,’13、12,’14、5,’19、月刊航空ファン10,’17、1,’20

　＜Ａ−２９Ｂ（チリ空軍）＞：チリ空軍中間練習機／軽攻撃機。2008年8月に12機を採用した。参考：月刊航空ファン7,’18

　＜Ａ−２９Ｂ（ドミニカ空軍）＞：ドミニカ空軍軽攻撃機。８機が発注され、2009年12月18日に最初の２機が引き渡された。参考：月刊航空ファン4,’10

　＜Ａ−２９（ナイジェリア軍）＞：ナイジェリア軍COIN機。ボコ・ハラムやイスラム国対策で、アメリカからFMSにより12機を導入する。2024年5月までに全機納入される予定。参考：月刊JWings3,’19

　＜Ａ−２９（フィリピン空軍）＞：フィリピン空軍軽攻撃機。2017年11月に６機を発注した。2019年から引き渡される予定。参考：月刊JWings2,’18

　＜ＥＭＢ−３１４（アンゴラ空軍）＞：アンゴラ空軍練習機。2012年に６機を発注し、最初の３機は2013年に引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＥＭＢ−３１４（ＵＡＥ空軍）＞：UAE空軍軽攻撃機。2015年1月17日に24機を発注した。うち数機を対イスラム国用としてイラク空軍に引き渡すらしい。参考：月刊軍事研究6,’15

　＜ＥＭＢ−３１４（コロンビア空軍）＞：コロンビア空軍軽攻撃機。2005年に25機の売買契約が締結された。FLIRシステムズ社製ブライト・スター赤外線マルチセンサーレーザー測距機またはスター・サファイア�Vシステムが胴体下部の前脚部分に搭載されており、干渉を避けるためプロペラと同期するようになっている。2007年、FLIR社製ジムボール・レーザー誘導爆弾搭載ポッドの配備が決定し、Mk82のレーザー誘導型を運用するものとみられる。参考：月刊軍事研究4,’07

　＜ＥＭＢ−３１４（チリ空軍）＞：チリ空軍軽攻撃機。国境警備・麻薬密輸監視用として2003年8月に12機を発注した。2009年12月23日に最初の４機を受け取っている。参考：月刊JWings4,’10

　＜ＥＭＢ−３１４（ホンジュラス空軍）＞：ホンジュラス空軍練習機。2014年に２機を発注した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＭＣ＞：ドイツ海軍の触発機雷で、７本の触角を持つ。直径1.1m、炸薬重量300kg。参考：グラフィックアクション44

＜ＥＭＣＡＴ＞：電磁カタパルト（Electro Magnetic Catapult）の略。イギリスのコンヴァティーム社が開発中のUAV用リニアモーター式カタパルトで、パルス交流発電機、大電力変換器、先進リニア誘導電動機、カタパルト機構、摩擦ブレーキ、リアクションプレート（UAVを載せる）などから構成される。イギリス国防省がEMKITの実証用として推進中である。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ＥＭＣＯＮ＞：EMission CONtrol（電波放射管制）の略。無線封止、電波封止ともいう。ESMでの探知を防ぐため、レーダー波発信停止や通信制限などにより電波を出さないようにすること。どれくらい制限するかはその時の戦術状況により部隊指揮官が決定する。探知手段はパッシブ式に限定し、通信手段は手旗、発光、旗旒などに切り替える。参考：月刊世界の艦船7,’17、10,’17、12,’21

＜ＥＭＤ＞：自走式機雷処分用弾薬を参照。

＜ＥＭＤ＞：Engineering and Manufacturing Development（技術製造開発）の略。マイルストーンＡの機種選定を終えてTMRR（技術成熟・開発リスク見極め）フェーズが完了し、技術開発試験に入った後のマイルストーンＢにあたり、テストが順調に進めばマイルストーンＣの低率初期生産（LRIP）に進む。参考：月刊軍事研究2,’16、10,’16、月刊航空ファン3,’13、月刊JWings3,’15

＜ＥＭＥＲＧＣＯＮ＞：エマージコンを参照。

＜ＥＭＥＳ−１５＞：レオパルト２戦車に搭載されている砲手用照準器で、照準眼鏡、レーザー測距器、赤外線暗視装置（WBG）からなる。照準眼鏡は倍率12倍・視野５度。レーザー測距器はエルトロ社製のものをツァイス社でライセンス生産したもので、波長1.06ミクロンのNd-YAGレーザーを使用し、測定距離200-9900m・誤差プラスマイナス20m。WBGは、水銀・カドミウム・テルルを使用した量子型素子により遠赤外線（波長8-12ミクロン）を検知するパッシブ式赤外線検知器で、倍率は12倍（視野2.5×5度）と４倍（視野7.5×15度）の切り替え式、有効距離2500m。各照準線は２軸安定化され、主砲もこれに連動することで安定化されており、主砲の射線及びFCSの照準線が一致すると射撃可能となるダイレクター方式を採用している。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜ＥＭＦ＞：ドイツ海軍の磁気機雷。直径1.1m、炸薬重量350kg。参考：グラフィックアクション44

＜ＥＭＩＯＳ＞：スペインのエクスパル社が開発した81mm自走迫撃砲システム。HMMWV級の車両に搭載可能で、油圧式反動吸収装置を持つ。作動は電動モーター。システム重量550kg。最大射程6900m。走行状態から初弾発射までにかかる時間は20秒。要員３名（操縦手、砲手、砲手助手）。最大射程4900mの60mm迫撃砲型もある。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＥＭＩＰ＞：電磁分離を参照。

＜ＥＭＫＩＴ＞：イギリス国防省がUAVやUCAVの射出用に開発を進めている電磁カタパルトで、Electro Magnetic Kinetic Integrated Technology（電磁運動統合技術）の略。クイーン・エリザベス級空母に搭載されて有人機発艦用としても使用されるという説もあったが、EMALSに負けた。更にクイーン・エリザベス級空母がSTOVL空母になったので、カタパルト自体を積まないことになった。参考：月刊軍事研究8,’10、月刊世界の艦船12,’11

＜ＥＭＰ＞：Electro Magnetic Pulse（電磁パルス）の略。参考：核兵器事典

＜ＥＭＰＡＲ＞：エムパー（多機能レーダー）を参照。

＜ＥＭＰ爆弾＞：非致死性兵器の１つ、Electro Magnetic Pulse Bomb（E-Bomb）。高出力マイクロ波HPM（High Power Microwave）爆弾、高出力電波HPRF（High Power Radio Frequency）爆弾ともいう。ロシア軍が初めて開発に成功し、アメリカ軍も配備した。2000ポンド爆弾Mk.84のケースなどに、先端からマイクロ波アンテナ、ヴァーケイター、同軸型FCG（タンデム２連）、コンデンサー、電源と配置する。低周波EMPの場合はマイクロ波アンテナとヴァーケイターの代わりに火花電極（スパークギャップ）を積む。これにより尖頭出力10MW・平均出力1MW以上の強力なマイクロ波を放射し、半径200m以内のレーダー受信機を強力な電磁パルスで焼き切るSEAD兵器として使用できる。湾岸戦争でアメリカ軍が試験的に使用したとされ、イラク戦争で実戦使用したらしい。この時は巡航ミサイルやUAVに搭載し、投下機にマイクロ波の影響が出た場合に備えていたといわれる。進行波管増幅器の周囲に爆薬を置き、一方の端から爆破して進行波管増幅器を内部で発生した高周波ごと絞り込み、強力なパルス電波を取り出す方法も用いられる。有効半径十数メートルのスーツケース大のものや、有効半径数百メートルの車載型が開発されているといわれ、都市で使用すれば周辺の半導体や電源装置を破壊して大損害が生じうるので、テロリストによる製造や使用が懸念されている。自衛隊も2018年度予算でEMP放射部を試作し、防護技術に関する検討も行う。核兵器を使用したEMP爆弾はHEMP兵器と呼ばれる。参考：月刊軍事研究5,’14、7,’03、1,’08、2,’08、8,’18、月刊丸12,’92

＜ＥＭＲ＞：M39（狙撃銃）を参照。

＜Ｅｍ．Ｒ．１ｍ＞：ドイツ軍の基線長式測距儀。基線長1m、重量4kg。倍率7.8倍、有効距離250-8500m。2cmFlakや3.7cmFlak用に配備した。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜ＥＭＲＧ＞：レールガンを参照。

＜ＥＭＳ＞：ドイツ海軍のＵボート搭載用浮遊機雷で、アインハイトミーネ・ゼローア・トライブミーネ（標準機雷・漂流）の略。1943年末に採用された。魚雷発射管から射出されて海面を浮遊し、72時間後に自沈装置で海底に沈む。炸薬重量14kg。参考：Ｕボート入門

＜ＥＭＳ−１＞：アメリカ海軍ベセスダ級遠征病院船１番艦ベセスダ（Bethesda）。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜ＥＭＳ−２＞：アメリカ海軍ベセスダ級遠征病院船２番艦バルボア（Balboa。サンディエゴ海軍病院の医師）。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜ＥＭＳ（Ｘ）＞：ベセスダ級（病院船）を参照。

＜ＥＭＴ＞：メガトン等価量を参照。

＜ＥＭクラブ＞：横須賀にあった在日米軍将校集会所。元は横須賀鎮守府の下士官集会所で、太平洋戦争終結によりアメリカ軍に接収された。日本のジャズ揺籃期を支えた演奏場所でもある。1990年に解体された。参考：日本海軍艦隊総覧

＜ＥＭ砲＞：電磁砲を参照。

＜Ｅ−Ｍ理論＞：Energy-Maneuverability Theory（エネルギー機動性理論）の略。アメリカ空軍空中戦戦術教官ジョン・Ｒ・ボイド大佐が朝鮮戦争での空戦を分析して1960年前後から提唱した理論で、戦闘機のドッグファイトに利用できるエネルギーは、（推力−抗力）×速度／重量＝エネルギー率（余剰推力率）の式で計算でき、エネルギー率を高くすることがドッグファイトでの優位性を獲得するために必要である、とするものである。F-15、F-16、F/A-18の設計に活かされたが、本人はこれを重視しすぎてドッグファイト専任の戦闘機を作ろうとしており、戦闘機マフィアの一員に加えられている。参考：月刊軍事研究8,’18、月刊JWings1,’13

＜ＥＮＣＡＰ＞：ENgineering Civil Action Program（工兵による民生支援）の略。インフラ整備や公共施設整備を工兵が行うもので、PKO活動の柱の１つにもなっている。参考：月刊軍事研究7,’16、月刊JWings2,’16

＜ＥＮＧ−２＞：79式56口径100mm連装砲を参照。

＜ＥＮＪＪＰＴ＞：NATO加盟国の戦闘機パイロット養成を共同で行うプログラムで、Euro-NATO Joint Jet Pilot（Euro-NATO統合ジェットパイロット訓練）の略。1960年代に入ってパイロットの訓練費用がかさむようになったため、1973年にNATOでパイロットを共同養成して経費を節約する検討が始まり、イギリス、イタリア、カナダ、トルコが訓練基地候補に名乗りを上げたが、1974年にアメリカが立候補し、1978年に各国が調印、1981年10月にテキサス州にあるアメリカ空軍シェパード基地で開始された。当初は10年後に訓練基地を再検討する予定だったが、アメリカ以上に経費を節減できる地域が無く、1993年・2005年・2026年と契約期間が延長されまくっている。2019年現在の参加国はNATO所属14カ国。訓練担当はアメリカ空軍航空教育訓練軍団AETC第80戦闘訓練航空団で、司令・副司令・ENJJPT運用群司令はアメリカ空軍士官だが、隷下飛行隊長などのポストは参加各国士官が務める。アリゾナ州グッドイヤーにあるルフトハンザの訓練センターで実施される操縦訓練適性試験をクリアした学生が入校し、座学とシミュレーターによるフェーズ１訓練、座学204時間＋シミュレーター34ソーティ＋T-6A実機78ソーティ105時間のフェーズ２訓練、T-38Cによるフェーズ３訓練を施され、計55週間の訓練を修了すると国籍に関係無くアメリカ空軍のウイングマークを取得できる。全参加国が全フェーズを通して受講する訳では無く、イタリア空軍はフェーズ２訓練を終えたら自国でT-346A練習機による訓練に移る。参考：月刊航空ファン3,’20、5,’19、月刊JWings6,’02

＜ＥＮＶＧ＞：AN/PSQ-20（暗視ゴーグル）を参照。

＜ＥＯ＞：Electro-Optical（電子光学）の略。

＜ＥＯ１シリーズ＞：フォード社の15-cwt４×２輪トラック。参考：月刊グランドパワー4,’02

＜ＥＯ１Ｙ＞：ボンネット、フェンダー、車輪などは民間用のものがそのまま使用されている。1940年10月から1941年7月に108両が生産された。参考：月刊グランドパワー4,’02

＜ＥＯ１Ｔ＞：EO1Yの後輪をダブルにしたもの。170両が生産された。参考：月刊グランドパワー4,’02

＜ＥＯ−５Ｂ＞：O-5シリーズ（偵察機）を参照。

＜ＥＯ−５Ｃ＞：O-5シリーズ（偵察機）を参照。

＜ＥＯＣ＞：Early Operational Capability（早期運用能力）の略。限定配備による運用試験において一定の性能を発揮すると認定され、初期運用能力IOC達成の支援プロセスとなる。参考：月刊航空ファン3,’19

＜ＥＯＤ＞：Explosive Ordnance Disposal（爆発物処理、水中処分チーム）の略。機雷処分専門教育を受けたフロッグマンで、機雷を回収したり、爆破処分したりする。海上自衛隊では水中処分員という。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、MORIBITO Vol.3、MAMOR vol.151

＜ＥＯＤ−８＞：海上自衛隊の爆発物処理用防護服で、スーツ本体、ヘルメット、インナーからなる。液冷式で、長時間の作業が可能であり、冷却装置コントローラーは右腰に装着する。ヘルメット上部には暗所作業用ライトを取り付けられる。参考：MORIBITO Vol.3

＜ＥＯ　ＤＡＳ＞：AN/AAQ-37（電子光学赤外線センサー）を参照。

＜ＥＯＤＬ＞：電子光学データリンクの略。光学シーカーの映像を発射母機または別の誘導機に双方向データリンクで送り、その映像を見ながら爆弾やミサイルを誘導する方法で、ベトナム戦争後に実用化された。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＥＯＤ　ＮＧ＞：Electro Optical Director New Generationの略。フランスのサジェム社が開発した電子光学方位盤で、全周捜索探知及び艦載砲の管制が可能である。参考：月刊軍事研究5,’07

＜ＥＯＧＢ＞：電子光学誘導爆弾の略。GBU-4/B、GBU-5/B、GBU-15シリーズなどのことである。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＥＯＧＣＳ＞：シリーズ2500（射撃指揮装置）を参照。

＜ＥＯ／ＩＲ＞：Electro-Optical/InfraRed（電子光学／赤外線）の略。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ＥＯＩＳ＞：Electro-Optics Identification Sensor（高分解能目標識別光学センサー）の略。

＜ＥＯＭＳ　ＮＧ＞：フランスのサジェム社が開発した艦載可視光／中波赤外線センサーで、Electro Optical Multifunction System New Generationの略。目標追尾の際にはセンサーヘッドの旋回を止め、レーザー測距を行って弾道コンピュータに諸元を送る他、艦砲の管制も行える。フランス海軍ミストラル級強襲揚陸艦やUAE海軍バイヌナ級コルベットなどに搭載された。参考：月刊軍事研究5,’07、月刊世界の艦船12,’21

＜ＥＯＲ＞：エンゲージ・オン・リモートを参照。

＜ＥＯＲＳＡＴ＞：ELINT Ocean Reconnaissance Satellite（海洋電子情報偵察衛星）の略。

＜ＥＯＳシリーズ＞：キヤノン社のデジタルカメラで、2006年度にアメリカ海兵隊が採用した。使用されているのはEOS10DとEOS20Dで、レンズはEF24-70mm F2.8L USM、EF70-200mm F2.8LIS USMなど。ボディ及びレンズの外面には迷彩塗装が施されているが、塗料の乗りが悪いので剥がれやすい。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜ＥＯＳ５００＞：オーストラリア海軍アラフラ級外洋哨戒艦に搭載されている電子光学センサー。可視光・赤外線撮像装置とレーザー測距器を組み合わせており、４目標を同時に追尾できる。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜ＥＯＳＳ＞：AN/ZSQ-2シリーズ（前方監視赤外線装置）またはMk20（電子光学センサーシステム）を参照。

＜ＥＯＴＳ＞：AN/AAQ-40（電子光学装置）を参照。

＜ＥＰ−２Ｅ＞：P-2対潜哨戒機シリーズまたはP-2対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＥＰ−２Ｈ＞：P-2対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＥＰ−３（海上自衛隊）＞：P-3対潜哨戒機・海外ファミリーを参照。

＜ＥＰ−３Ａ＞：P-3対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＥＰ−３Ｂ＞：P-3対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＥＰ−３Ｅ＞：P-3対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＥＰ−３Ｅ・殲撃８型衝突事件＞：2001年4月1日朝、EP-3Eアリーズ�Uが嘉手納基地を離陸し、海南島沖の南シナ海上を飛行していた。これに対し、中国海軍は殲撃８型戦闘機２機をスクランブル発進させた。現地時間0915、海南島の南東104km（中国側は10km沖の領空内と主張している）でEP-3Eと殲撃８型が空中衝突し、殲撃８型は墜落、EP-3Eは第１エンジンのプロペラと機首のレドームが吹き飛んで海南島の陵水空軍基地に不時着した。EP-3Eは中国に新たに配備されたソブレメンヌイ級駆逐艦か、ロプノールで行うといわれていた臨界前地下核実験のデータ収集のため偵察飛行を行っていたといわれ（もちろん公式発表は無い）、中国の防空識別圏に入ったため、殲撃８型がスクランブル発進してきたとみられる。EP-3Eの機材は乗員により徹底的に破壊されたが、一部はロシアに運ばれて解析された筈である。その後乗員は解放され、機体も6月2日にロシアのAn-124輸送機に積み込まれてアメリカに返還された。参考：月刊軍事研究6,’01、月刊JWings6,’01、月刊世界の艦船9,’01、6,’01

＜ＥＰ−３Ｊ＞：P-3対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＥＰ−３電波探知装置付加器材＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＥＰＡ＞：プラガ社が開発した液冷直列６気筒ガソリンエンジン。排気量7750cc、出力125馬力（2200回転）。38(t)式戦車A-G型に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＥＰＡ／２＞：プラガ社が開発したエンジン。出力140馬力（2500回転）。マルダー�VＨ対戦車自走砲に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＥＰＡＡ＞：BMD（NATO）を参照。

＜ＥＰＡＷＳＳ＞：AN/ALQ-250（電子戦装置）を参照。

＜Ｅｐｂｖ．３０２２＞：Pbv.302装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜ＥＰＣ＞：ヨーロッパ哨戒コルベットまたはルクレール（戦車）を参照。

＜ＥＰＦ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、遠征高速輸送艦（Expeditionary Fast Transport）を示す。2015年9月3日にJHSV（統合高速輸送艦）から変更されて創設された。強襲上陸以外の場面で、緊急を要する兵器・物資を急速輸送するのに使用する。スピアヘッド級遠征高速輸送艦が建造された。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船12,’15

＜ＥＰＦ−１５＞：アメリカ海軍スピアヘッド級遠征用高速輸送艦15番艦（フライト�U２番艦）ポイント・ロマ（Point Loma）。2023年6月27日、オースタルUSA社で起工式を実施。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜ＥＰＬＦ＞：エリトリア人民解放戦線の略。帝国主義・エチオピア植民地主義反対、文化を含む諸民族平等の地位確立、狭隘な民族主義と排他主義反対を掲げている。エチオピアに対する独立抗争を展開した。参考：月刊軍事研究12,’00

　＜ＥＰＬＦ（１９８９年）＞：兵力30000名。T-54/-55戦車などの鹵獲兵器を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＥＰＬＲＳ＞：Enhanced Position Location Reporting System（能力向上型方向・位置報告システム）の略。

＜ＥＰＯ＞：Every POst-flight inspection（毎飛行後点検）の略。参考：月刊JWings10,’23

＜ＥＰＲ＞：M855A1（ライフル弾）を参照。

＜ＥＰＲ＞：Engine Pressure Ratioの略。ジェットエンジンの入口と出口における圧力比のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ＥＰＲシリーズ＞：イタリア海軍の沈底機雷。小型船舶やフロッグマンの侵入を阻止するための小型機雷である。円盤形で、ヘリから敷設可能。テクノヴァル製。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＥＰＲ１．２＞：炸薬量1.2kg。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜ＥＰＲ２．５＞：全長90mm、直径260mm、重量6kg（5kg？）、炸薬量2.5kg。最大深度40m。電気接触信管（時限信管？）を持つ。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＥＰＲ３．６＞：炸薬量3.6kg。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜ＥＰＲ６＞：炸薬量6kg。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜ＥＰＲＤＦ＞：エチオピア人民革命民主戦線の略。1974年に発足したエチオピア軍事政権に対する反政府組織で、EPLFと提携して攻勢をかけ、1995年に政権を奪取した。参考：月刊軍事研究12,’00

＜ＥＰＳ＞：エクスターナル・プランク・システムの略で、通称ポッド。MH-6のキャビン外側に装着する３名掛けのベンチシートである。左右両側に装備できるので、計６名を輸送可能だが、通常は２名ずつ４名で使用する。狙撃プラットフォームとしても利用できるらしい。参考：月刊軍事研究3,’03

＜ＥＰＸ＞：U-2シリーズ（偵察機）を参照。

＜ＥＰＸ−２Ｂ＞：自衛隊のレーダ訓練用ブイ。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究11,’07

＜ＥＱ−４Ｂ＞：RQ-4シリーズ（無人偵察機）を参照。

＜ＥＱ２０５０＞：中国軍の４×４輪汎用車で、別名は猛士。東風汽車公司がGMの技術を導入して国産化したもので、HMMWVに似ている。2006年に採用された。参考：月刊軍事研究12,’09、9,’10

＜ＥＲ＞：Electric Reconnaissance（電子偵察）の略。

＜ＥＲ−２＞：U-2偵察機ファミリーを参照。

＜ＥＲ４＞：ドイツ軍のSC50爆弾用アダプター。ETC501ラックに取り付けて使用する。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＥＲＡ＞：爆発反応装甲を参照。

＜ＥＲＡ−３Ｂ＞：A-3攻撃機ファミリーを参照。

＜Ｅ−ＲＡＳＴ＞：海上自衛隊たかなみ型護衛艦に搭載されているヘリコプター用着艦拘束装置。RASTの移送軌条をＹ字にしたもので、ベアトラップ１基によりヘリを格納庫左右に分けて移送できるようにしてある。使い勝手はイマイチだったらしく、あきづき型護衛艦は素直に移送軌条・ベアトラップ２組のASIST Mk.6着艦拘束装置にした。参考：月刊世界の艦船5,’19

＜ＥＲＡＷＡシリーズ＞：ポーランド陸軍PT-91戦車用爆発性反応装甲。ポーランドのWITU社が開発した。車体前面に118個、スカートに84個、砲塔前面に108個装着されている。参考：月刊軍事研究10,’10

　＜ＥＲＡＷＡ−１＞：1986年に完成したタイプで、炸薬と薄板が一層である。サイズは150mm四方で、厚さ30mm。装甲貫徹力300mmのPG-7対戦車ロケットを命中角０度で撃ち込むと、200mmほど貫徹力を減少させることが可能で、主装甲は100mmしか貫徹されない。命中角60度では278mm減少させることができる。9M113対戦車ミサイル（装甲貫徹力460mm）の命中角60度では370mm減少、3BK-14HEAT（装甲貫徹力460mm）の命中角60度なら430mm減少である。参考：月刊軍事研究10,’10

　＜ＥＲＡＷＡ−２＞：1992年に完成したタイプで、炸薬と薄板を二層に増やしてAPFSDSや自己鍛造弾に対応した。サイズは150mm四方、厚さ45mm。9M111対戦車ミサイル（装甲貫徹力460mm）を命中角60度で撃ち込むと、437mmほど貫徹力を減少させることが可能で、主装甲は23mmしか貫徹されない。9M113（装甲貫徹力460mm）の命中角60度では437mm減少、3BK-14M（装甲貫徹力460mm）の命中角60度では430mm減少、3BM-15（装甲貫徹力300mm）の命中角60度では170mm減少、自己鍛造弾（口径100mm、装甲貫徹力85mm）の命中角60度では80mm減少である。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ＥＲＢ−２９＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜ＥＲＢ−３６Ｄ＞：B-36爆撃機ファミリーを参照。

＜ＥＲＣ＞：エンジン・ランニング・クルーチェンジの略。エンジンを始動させたままで乗員を交替させ、そのまま再出撃するものである。参考：月刊軍事研究10,’06

＜ＥＲＣ装甲車シリーズ＞：フランス陸軍６×６輪装甲車。元はパナール社がプライベートベンチャーで開発したもので、1977年にユーロサトリで展示され、1982年から配備された。参考：世界の軍用車両(4) 参考：月刊丸3,’13

＜ＥＲＣ−９０Ｆ４＞：別名サゲー（Sagaie）。車体及び砲塔は圧延鋼板の全溶接で、車体前部やや左に操縦手席、中央に戦闘室、後部に機関室があり、左側面の第１・２軸の間には乗降扉がある。第１・３軸のサスペンションはコイルスプリングだが、中央の車輪は油気圧懸架装置で上下でき、路上走行時には４輪で走ることも可能。車輪（時速4.5km）またはウォータージェット（時速9.5km）で水上を航行できる。車体中央にTTB-190（TS90？）動力式旋回砲塔を搭載し、主武装は52口径90mm砲、副武装は7.62mm同軸機銃である。左に車長、右に砲手が位置しており、車長用にペリスコープ７基、砲手用にペリスコープ５基とM563テレスコピックサイト（5.9倍）が用意されている。装弾数はHEAT12発、HE８発、機銃弾2000発。全長7.7m、全幅2.5m、全高2.25m、戦闘重量15.9トン（8.1トン？）。エンジンはプジョー社製V6ガソリン（155馬力）、トランスミッションは前進６段・後進１段、最大速度95km、航続距離700km。乗員４名（３名？）。フランス陸軍が1990年までに192両を配備した。コートジボアールも採用している。参考：世界の軍用車両(4)、月刊グランドパワー3,’95、月刊軍事研究12,’08、月刊丸3,’13

＜ＥＲＣ−９０Ｆ１＞：別名リンクス。砲塔を90mm戦車砲F1装備のイスパノスイザ製リンクス90に換装したものである。アルゼンチンやチャドで採用された。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＥＲＣ装甲車ファミリー＞

　＜ＥＲＣ自走高射機関砲＞：自走高射機関砲型。20mm連装機関砲装備のTAB220砲塔やS530A砲塔を搭載する。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＥＲＣ自走地対空ミサイル＞：自走地対空ミサイル型。ミストラルを搭載する。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＥＲＣ自走迫撃砲＞：自走迫撃砲型。半自動式81mm後装迫撃砲を搭載する密閉砲塔を装備する。最大射程7000m。APFSDS弾の射撃も可能。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＥＲＣセーバル砲塔搭載車＞：自走迫撃砲型。60mm後装迫撃砲と20mm高射機関砲を搭載する60-20セーバル砲塔を装備する。前者は80度、後者は50度の仰角を取れる。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＥＲＣ−１９＞：海上自衛隊の移動用多重通信装置。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究3,’07

＜ＥＲＣ−２０＞：自衛隊のVHF無線機。日本無線製。参考：月刊軍事研究8,’07、9,’08

＜ＥＲ−ＤＩＦＡＲ＞：アメリカ海軍研究局が開発中の指向性ソノブイExtended Range-DIrectional Frequency Analysis and Recording。アンダーシー・シグナル・システムズとイギリスのウルトラ・エレクトロニクスに発注した。参考：月刊世界の艦船10,’20、12,’20

＜ＥＲＤＬパターン＞：アメリカ軍の４色迷彩戦闘服。ERDLは技術研究開発実験所の略で、通称リーフ・パターン。1948年から開発し、1968年に採用された。明るいグリーンが基調で、沿岸地域の植生に適応しており、主に海兵隊や空挺部隊などで使用された。参考：月刊コンバットマガジン5,’06、コンバット・バイブル

＜ＥＲＦＢ−ＢＢ＞：射程延伸型ベースブリード弾の略。

＜Ｅｒｇ．Ｇｒ．＞：ErganzungsGruppe（補充飛行隊）の略。参考：グラフィックアクション36

＜ＥＲＧＭ＞：EX-171（試作艦砲弾）を参照。

＜ｅＲｉｄｅｒ＞：フランスのサフラン社が開発した有人・無人車両。フェラン将来歩兵システムの支援車両で、自律運転による偵察哨戒、歩兵の後を付いていくフォロー・ミー・モードでの貨物輸送、有人運転での各種任務などをこなす。キャビン天井に電子光学センサーマストと音響式射撃探知装置を装備する。全長3.8m、全幅1.7m、全高2m、戦闘重量1500kg。エンジンはハイブリッド電動式、発電機出力2.6kW、電動モーター出力10kW、最大速度70km、航続距離200-300km。積載量500kg。座席数２ないし４。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＥＲＩＮＴ＞：MIM-104F（地対空ミサイル）を参照。

＜ＥＲＪ−１３５＞：ERJ-145シリーズ（リージョナル・ジェット）を参照。

＜ＥＲＪ−１４０＞：ERJ-145シリーズ（リージョナル・ジェット）を参照。

＜ＥＲＪ−１４５シリーズ＞：エンブラエルの小型リージョナル・ジェット。1989年からEMB-145として開発され、1994年に開発会社の民営化でERJ-145に改称された。度重なる設計変更で完成が３年遅れ、劣悪な財務状態をカバーするためエンジン担当のアリソン社に加えてスペイン、チリ、ベルギーなど15社の協力を得ている。各型計1000機以上が生産され、ブラジル軍もC-99Aとして配備した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＥＲＪ−１４５＞：EMB-120の拡大型で、エンジンをターボプロップからクラムシェル型逆噴射装置付ターボファンに換装した。エンジン装備位置は主翼上面にする計画だったが、主翼下面に変更され、最終的に尾部を延長してリアジェット方式にし、尾翼もＴ型にした。1993年に形式証明を取得する予定だったが、初飛行が1995年8月11日に遅れ、形式証明取得は1996年12月になり、1997年から就航した。全長29.87m、全幅20.04m、全高6.75m、運航自重11.6トン、最大離陸重量20.6トン。エンジンはアリソン製AE3007Aターボファン（FADEC付。推力3.37トン）双発、最大巡航速度822km、実用上昇限度11278m、航続距離2460km。乗員２名。客席数50。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＲＪ−１４５ＸＲ＞：長距離型で、2001年6月29日に初飛行し、2002年9月に形式証明を取得した。胴体を強化し、翼端にウイングレットを追加、エンジンをロールスロイス社製AE3007A1Eターボファン（推力8.04トン）に換装し、最大離陸重量を24トンに増やしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＲＪ−１３５＞：ERJ-145の短胴型。1998年7月に初飛行し、1999年に形式証明を取得した。座席数37。量産初号機は1999年8月にコンチネンタル・エクスプレスに引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＥＲＪ−１４０＞：ERJ-135の胴体延長型。2000年6月27日に初飛行し、2001年6月に形式証明を取得した。座席数44。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＥＲＪ−１４５ファミリー＞

　＜ＥＲＪ−１３５ＢＪ（インド空軍）＞インド空軍要人輸送機。航空司令部通信飛行隊に配備されている。2022年9月7日、第２回日印外務・防衛閣僚会合（日印２＋２）に出席する外務大臣と国防大臣を乗せ、羽田空港に飛来した。9月10日に離陸している。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings12,’22

　＜ＶＣ−９９シリーズ（ブラジル空軍）＞：VC-99シリーズを参照。

＜ＥＲＪ−１７０＞：エンブラエル170（リージョナル・ジェット）を参照。

＜ＥＲＪ−１７５＞：エンブラエル175（リージョナル・ジェット）を参照。

＜ＥＲＪ１９０−１００ＥＣＪ＞：リネージュ1000シリーズ（コーポレート機）を参照。

＜ＥＲ／ＭＰ−ＵＡＳ＞：アメリカ陸軍が開発した航続力拡張多用途無人航空機システム（Extended Range Multi-Purpose Unmanned Aerial System）。2002年に計画が始まり、GA-ASI社のI-ナットERをベースとしたウォリアが選定された。全長8.53m、全幅17.07m、最大離陸重量1361kg。エンジンはシエラート・センチュリオン1.7ディーゼル（135馬力）、最大運用高度29000フィート（8839m）、航続時間30時間以上。ペイロード 261kg（機内）／227kg（機外）。偵察システムは、機首フェアリング内のリンクス�U合成開口レーダーと機首下面のEO/IRカメラシステム・ターレットで、レーザー測距照準装置も搭載しており、主翼下に４発携行するヘルファイアミサイルにより、攻撃任務も行える。GBU-44/Bバイパー・ストライク誘導爆弾の運用も可能となるかもしれない。MQ-1Cとして実用化された。参考：月刊軍事研究4,’07、1,’17

＜ＥＲＯ＞：Engｉneered Refueling Overhaul（炉心交換工事）の略。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜ＥＲＯＳシリーズ＞：イスラエルのIAI社とアメリカのコア・ソフトウェア・テクノロジー社が、オフェック３軍事偵察衛星の技術を基に共同開発した民間画像観測衛星。参考：月刊軍事研究1,’00、11,’98

＜ＥＲＯＳ−Ａ＞：軌道傾斜角53度、高度480kmの低軌道で、7000ピクセルの白黒CCDカメラとマルチスペクトラル４バンドラインセンサー（赤、青、緑、近赤外線）を搭載し、白黒画像の分解能は1.8m。重量270kgと小型軽量である。参考：月刊軍事研究1,’00、11,’98

＜ＥＲＯＳ−Ｂ＞：地上分解能1mの改良型。軌道は傾斜角約90度の準極太陽同期軌道で、高度600kmを周回する。参考：月刊軍事研究1,’00

＜ＥＲＯＳ−Ｂ１＞：分解能0.7m（商用のデータで、軍用にはもっと細かい画像を提供できるといわれる）の改良型で、2006年4月25日に打ち上げられた。重量290kg。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ＥＲＳＡ＞：B-1シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＥＲＳ−ＲＶＴ＞：フランス陸軍の戦術画像情報システムで、End Reception Station-Remote Video Terminal（遠隔ビデオ受信端末）の略。サジェム社が開発した。無人機の撮影した映像を直接受信して個人携帯または車載モニターにリアルタイムで表示するもので、GPS受信機も内蔵しており、座標グリッド付きデジタル地図を表示したり、過去状況や脅威評価などを描出したりすることも可能。処理装置はモジュール型オープン・アーキテクチャーを採用しており、アップデートが容易で、周波数選択や波形変調によるECCM機能も持つ。2009年5月からスペルヴェル無人機と組み合わせて第61砲兵連隊による野外試験が行われている。参考：朝雲

＜ＥＲＷ＞：中性子爆弾を参照。

＜ＥＲＷＳ＞：アメリカ海軍の組織で、Electronic Reconnaissance Weapons School（電子偵察兵器学校）の略。2000年、NSAWC隷下に新編された。参考：月刊航空ファン11,’19

＜ＥＳ−３＞：自衛隊のジャイロコンパス。横河電子機器製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜ＥＳ−３Ａ＞：S-3対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ＥＳ０５＞：スウェーデン空軍JAS39EグリペンＥ戦闘機のAESAレーダー、別名レイブン。機械式首振り装置に平板アンテナを取り付けており、方位角200度をカバーする。参考：月刊JWings9,’16

＜ＥＳＡＦ＞：FMU-162/B（信管）を参照。

＜ＥＳＢ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、遠征機動基地（Expenditionary Mobile Base）のこと。2015年9月3日、AFSB（洋上前進策定基地）から変更されて創設された。脅威度の少ない海面に展開し、掃海ヘリや特殊作戦部隊輸送艇の洋上基地となるのが主任務である。ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦を建造中。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船12,’15

＜ＥＳＢ−３＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦１番艦ルイス・Ｂ・プラー（最多勲章受章の海兵中将）。元はT-ESB-3で、2017年8月に軍事海上輸送部隊MSC所属アメリカ軍艦船USNSからアメリカ軍艦USSに転籍してESB-3になり、恒久就役した。2022年2月6-17日、カットラス・エキスプレス2022演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’20、4,'22

＜ＥＳＢ−４＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦２番艦ハーシェル・ウイリアムス（Hershel Williams。硫黄島戦で名誉勲章を受章した海兵隊員）。元はT-ESB-4で、2020年3月7日に軍事海上輸送部隊MSC所属アメリカ軍艦船USNSからアメリカ軍艦USSに転籍してESB-4になり、恒久就役した。7月末、初の海外展開のためノーフォークを出港して地中海に向かい、第６艦隊に配備された。10月、ギリシャのスーダ湾を母港に前方展開を開始。参考：月刊世界の艦船5,’20、11,’20

＜ＥＳＢ−５＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦３番艦ミゲル・キース（Miguel Keith）。元はT-ESB-5で、2021年5月8日に軍事海上輸送部隊MSC所属アメリカ軍艦船USNSからアメリカ軍艦USSに転籍してESB-5になり、アメリカ海軍に恒久就役し、カリフォルニア州サンディエゴのノース・アイランド基地で就役式典が行われた。9月、第７艦隊に配備された。母港はサイパン。10月7日、ホワイトビーチ沖に停泊。その後佐世保基地沖に錨泊し、10月14日には岩国基地東側岸壁に接岸、10月下旬に再度ホワイトビーチ沖に停泊した。2022年2月4-7日、CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-105デューイ、DDG-111スプルーアンス、LHA-6アメリカ、LHD-2エセックス、LPD-20グリーン・ベイ、LSD-48アシュランド、LSD-52パール・ハーバー、MCM-10ウォーリア、P-8A対潜哨戒機と共に、東シナ海と西太平洋で日米共同訓練に参加し、DDG-173こんごう及びP-3C哨戒機と、各種戦術訓練を行った。4月18日、岩国基地に寄港。参考：月刊世界の艦船8,’21、1,’22、4,'22、月刊JWings2,’22

＜ＥＳＢ−６＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦４番艦ジョン・Ｌ・キャンリー（John L. Canley。ベトナム戦争フエ戦で名誉勲章を受章した海兵隊上級曹長）。2022年4月30日、ジェネラル・ダイナミクス社ナショナル・スチール＆シップビルディングで起工式を実施。2023年3月1日、アメリカ海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船2,’21、8,’22、6,’23

＜ＥＳＢ−７＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦５番艦ロバート・Ｅ・シマネック（Robert E. Simanek。朝鮮戦争バンカー・ヒルの戦いでの勲功で名誉勲章を受章した海兵隊員）。2022年10月21日起工。参考：月刊世界の艦船7,’22、1,’23

＜ＥＳＢ−８＞：アメリカ海軍ルイス・Ｂ・プラー級遠征機動基地艦６番艦ヘクター・Ａ・カフェラタ（Hector A. Cafferata）。2023年8月8日、起工式実施。参考：月刊世界の艦船11,’23

＜ＥＳＣ＞：電子システム・センターを参照。

＜ＥＳＤ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、遠征積替ドック（Expenditionary Transfer Dock）のこと。2015年9月3日、MLP（機動揚陸プラットフォーム）から変更されて創設された。脅威度の少ない海面で、輸送艦から揚陸艇に物資を積み替えるのが主任務である。モントフォード・ポイント級遠征積替ドックを建造中。参考：月刊軍事研究3,’16、月刊世界の艦船12,’15

＜ＥＳＦ＞：アメリカ海軍・海兵隊の複合任務艦隊で、Expeditionary Strike Force（遠征打撃部隊）の略。空母打撃群CSGと遠征攻撃群ESGを組み合わせたもので、複合戦指揮官CWC（Composite Warfare Commander）が指揮統率し、強力な戦闘能力を持ち、あらゆる作戦形態に柔軟に対応できる。アメリカ海軍だけでなく同盟国海軍の艦艇も自由自在に編入出でき、ESFに組み込まれているいないに関わらず共同訓練も容易に実施可能。参考：朝雲

＜ＥＳＧ＞：アメリカ海軍・海兵隊の水陸両用戦艦隊で、遠征攻撃群（Expeditionary Strike Group）の略。不正規戦の増加に伴い揚陸即応群ARGの出番が増えたが、護衛として空母打撃群CSGを付けるのは大げさすぎるし経費もかかりすぎるため、ARGに水上行動群SAG（Surface Action Group）、水中護衛艦（攻撃原潜）、哨戒機、艦隊補給艦をプラスして済ませたもので、2003年頃から編成された。地域紛争やテロ組織拠点に対する作戦の際に出動する小規模の艦隊で、海兵遠征隊を即応状態で乗り込ませている。中心はLHD/LHAで、１隻あたり１個のESGが編成され、LSDとLPDを加えた揚陸艦３隻で１個海兵遠征隊の兵員と装備を収容する。護衛としてイージス巡洋艦、イージス駆逐艦、攻撃原潜、哨戒機が配備されており、トマホーク200発以上を撃ち込める他、原潜にSEALを乗せて出撃することもでき、更に海兵隊による陸上作戦も可能である。ただし海軍の揚陸艦全てを集めても海兵遠征旅団２個程度しか運べないので、海上から陸上に一度に投入できる兵員数は20000名弱が限界である。常設部隊12個を編成する予定だったが、予算不足で必要数の艦船を揃えられず、2010年にはゼロになってしまった。代わりに常設部隊としてはARGに攻撃原潜１隻だけプラスして済ませ、戦時に必要な水上艦（基本はイージス巡洋艦１隻とイージス駆逐艦２隻）や哨戒機を追加することとし、部隊名だけ残している。2018年、LHD-1ワスプ＋F-35B戦闘機装備VMFA-121、ドック型揚陸艦２隻、イージス艦５隻、攻撃原潜１隻などからなるUp-Gunned ESG（火力強化型遠征打撃群。第７遠征打撃群）が誕生した。参考：月刊軍事研究11,’03、1,’16、2,’02、4,’12、9,’17、月刊JWings7,’03、5,’18、6,’18、月刊世界の艦船1,’10、3,’19

　＜ＥＳＧ（２０１３年）＞：LHD１隻、LSD１隻、LPD１隻、１個MEUからなる１個ARGに、水上艦３隻と攻撃原潜１隻を護衛に付けている。参考：月刊世界の艦船2,’14

　＜ＥＳＧ（２０１５年）＞：本国艦隊コマンド隷下に第２遠征打撃群、太平洋艦隊隷下に第３遠征打撃群と第７遠征打撃群が編成されている。LHD/LHA１隻、LSD１隻、LPD１隻、MEU１個、タイコンデロガ級イージス巡洋艦１隻、アーレイ・バーク級イージス駆逐艦２隻、攻撃原潜１隻からなる。参考：月刊軍事研究1,’16、月刊世界の艦船3,’19

＜ＥＳＪ＞：エスコート・ジャミングを参照。

＜ＥＳＫ２０００＞：ドイツ空軍のガンカメラで、Elektrische Schuss-Kamera fur 2000 Bildschusse（2000コマ撮影用電動式ガンカメラ）の略。ツァイス・イコン社製で、35mmレンズを使用しており、視野は６度、F1.4、露出150分の１秒。フィルムは全長15m（１コマあたり９×7.5mm）で、射撃ボタンと連動して電圧12-16Vの電動モーターでフィルムを送り、毎秒16コマで撮影して射撃時刻を指針と共に丸い文字盤ごと記録する。マイナス30℃でも使用できるよう、50Wヒーターも内蔵されている。総重量8.67kg。Bf109やJu87の主翼、Me210やMe410の爆弾倉内に装備された。世界の傑作機No.141

＜ＥＳＭ＞：Electric Support Measures（電子支援手段）の略で、逆探または電波探知装置（Electronic Surveillance Measures）ともいう。1990年代以降のアメリカ軍ではElectric Warfare Support（ES、電子戦支援）、2001年以降の陸自では通信電子情報活動（ES）と称する。敵の発する電波を捜索・探知・分析・識別し、敵レーダーや無線の周波数、レーダー基地や無線局の位置といった電子情報を収集し分析すること。敵の輻射電波を探知して敵の存在を警告するのもESMの１つで、レーダー警戒装置もこれにあたる。インターセプト機能を持つ無指向性アンテナで敵電波をキャッチし、DF機能を持つ指向性アンテナで発信位置の分析を行う。広義では敵防衛関連コンピュータへのハッキングもこれにあたるかもしれない。単に電波を受信するだけだと、味方のものか敵のものか民間用か、通信電波なのかレーダー波なのか、脅威があるのか無いのか全く分からないので、予めELINTやCOMINTで電波情報を集めておく必要がある。分析できる電波の周波数や方位の範囲、精度、感度、パルス時間の精度、パルス・スループット（単位時間当たりのパルス処理能力）などを常に強化改良し、多種多様な電子情報に対応できるようにしている。参考：月刊JWings11,’03、2,’00、月刊軍事研究12,’08、2,’13、9,’13、月刊世界の艦船3,’17、1,'15増刊、5,’19、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、丸スペシャルNo.78

　＜ＥＳＭ（自衛隊）＞：電子戦支援ES（Electronic warfare Support）という。電子攻撃や電子防護を効果的に行うため、相手の使用する電磁波に関する情報を収集する活動のこと。平時から情報収集しておく必要があり、また事前に把握・分析できていない電磁波でも効果的に電子攻撃・防護が行えるシステムを備えるのが望ましい。参考：月刊航空ファン2,’20

＜ＥＳＭ−９−１Ｂ＞：自衛隊の自走電源装置。東芝イーアイコントロールシステム製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜ＥＳＭ−９Ｄ＞：自衛隊の自走電源装置。シンフォニア・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ＥＳＭ−１５＞：自衛隊の自走電源装置。シンフォニア・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＥＳＲＡ８６＞：ミッドウェイ級空母（第３次近代化改装）を参照。

＜ＥＳＲ−１＞：362型レーダーを参照。

＜ＥＳＲ−Ｄ＞：EF2000ユーロファイターの開発要求で、欧州共通幕僚開発要求の略。制空・迎撃・対地任務に対応するカナード付きデルタ翼双発単座低コスト戦闘機という内容で、1994年1月21日に合意され、EF2000ユーロファイター開発に最終的なゴーサインが出された。参考：月刊JWings 11,’04

＜ＥＳＳ＞：EUの欧州理事会が2003年12月に採決した安全保障戦略で、European Security Strategyの略。抑制的な関与と、効果的な多国主義支持を目的としている。参考：月刊JWings9,’00

＜ＥＳＳ−１＞：中国海軍の中周波VDS。DE-1163またはDUBV-43と同じものである。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＳＳ−２＞：中国海軍の水上艦用ハルソナー。DE-1160またはDUBV-23と同じものである。探知距離12-18km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＥＳＳＭ＞：RIM-7シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＥＳＳＳ＞：UH-60ヘリ用スタブウイングで、外部搭載物サポートシステムの略。下反角の付いたタイプと、上反角の付いたタイプの２種がある。増槽、AGM-114ヘルファイア対戦車ミサイル、FIM-92スティンガー空対空ミサイルなどの搭載が可能。参考：月刊軍事研究7,’95

＜ＥＳＳＷＡＣＳ＞：電子ソリッドステート広角カメラシステムを参照。

＜ＥＳＴＥＲ＞：デンマークのテルマ社が開発したエジェクターラックで、発展型スマート３連装エジェクターラックの略。参考：月刊航空ファン1,’20

＜ＥＳＵ−ＴＺ＞：ロシア軍の戦術自動指揮システムで、統一戦術レベル指揮システムの略。旅団以下の司令部から部隊末端の歩兵・車両・航空機までをカバーするマイクロ波無線通信システムである。WiFiとWiMAXを利用しており、使用周波数1.5-108MHz、通信速度最大5Mbps。アカツィヤＭとの協同運用が可能。2009年末にモスクワ軍管区でテストされたが、１週間で140ほどエラーが発生し、ヒューマン・インターフェースもイマイチで、まだ改良中である。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ＥＴ＞：Ｅ型戦時標準貨物船ファミリーを参照。

＜ＥＴ−４６＞：ソ連海軍の対潜魚雷。1944年7月に撃沈したU-250潜水艦を引き揚げて接収したＴ�U魚雷をベースとしており、1946年に就役した。全長7.45m、直径533mm、重量1.81トン、炸薬重量0.45トン。雷速31ノットで航走距離6km。運用可能深度1-14m。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ＥＴ−５２Ｃ＞：中国軍の短魚雷。中国造船工業が開発し、1990年代から運用された。航空機や水上艦から発射できる。誘導はアクティブ・パッシブ音響。全長2.6m、直径0.324m、重量234.5kg、弾頭重量45kg（34kg？）。電動モーター駆動プロペラ推進（YT-3液体燃料使用？）、速力30ノット、運用深度6-450m、航走距離6km（9.4km？）。参考：月刊世界の艦船7,'21、月刊軍事研究1,’17

＜ＥＴ−５６＞：ソ連海軍の対潜魚雷。ET-46のモーターとバッテリーを改良したもので、1956年に就役した。全長7.45m、直径533mm、重量２トン、炸薬重量0.3トン。雷速36ノットで航走距離6km。運用可能深度1-14m。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ＥＴ−８０＞：ソ連海軍の魚雷。1942年に就役し、1943年から実戦投入された。全長7.5m、直径533mm、重量1.8トン、炸薬重量0.4トン。推進は電動モーター、雷速29ノットで航走距離4km。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜ＥＴ−８０＞：ロシア海軍の魚雷。全長7.8m、直径533mm、弾頭重量0.272トン。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。電池駆動のモーター推進、雷速35ノットで航走距離15km。より高速のモードもある。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＥＴ−１３３＞：T-33練習機・海外ファミリーを参照。

＜ＥＴ４１０ＴＲ＞：軽雪上車を参照。

＜ＥＴＡ＞：バスク祖国と自由を参照。

＜ＥＴＣ５０＞：ドイツ空軍の爆弾ラック。前後に爆弾押さえがあり、後ろは固定式だが、前は引き込み式で、爆弾を搭載しない時はラック側面に収容しておく。参考：世界の傑作機No.157

＜ＥＴＣ５００＞：ドイツ空軍の胴体下縣吊ラック。Bf110に取り付ける際は、２個を左右に並べてフレームに固定し、フレームをハードポイントにピン４本で固定する。参考：世界の傑作機No.157

＜ＥＴＣ５０１＞：ドイツ空軍の胴体下懸吊ラックで、ETCはElektrische Tragervorrichtung fur Cytinderbomben（電気作動式円筒型爆弾懸吊具）の略。SC250、SC500、PC250、SD250、AB250、AB500、BT200、BT400、BT700の各種爆弾や、300リットル増槽を装着できる。Fw190に装着する場合、弾倉アクセスパネルを塞いでしまうので、ラック前方を外して下に降ろし、機首上面及び主翼付け根の弾薬を補給した後にラックを填め直し、爆弾などを装着する必要がある。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＥＴＣ５０２＞：ドイツ空軍の胴体下懸吊ラック。LTF5b航空魚雷や、BT1400魚雷型爆弾を搭載できる。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＥＴＣ砲＞：電子熱化学砲、化学高燃焼装薬砲（Electrothermal Chemical Gun）。装薬には火管の代わりに電力投入部が挿入されており、装填されると砲尾のパルス電源と結合、撃発時にプラズマを発生させて装薬を一気に燃焼させる。発射薬の燃焼効率を高め、発射砲弾の威力を高めることができるが、その分反動も大きくなるという欠点がある。装薬の酸素原子量を減らしても強制的に不完全燃焼させることができるので、装薬に水素原子を余分に含ませることで発射ガスの分子量を低くしてガス速度を上げ、初速を更に増加させることも可能である。プラズマと発射薬との相互作用には不明な点が多く、実験段階の域を出ていない。参考：月刊防衛技術ジャーナル10,’06、月刊PANZER9,’02

＜ＥＴＯＰ＞：IAI社が開発した滞空型プラットフォームで、Electric Tethered Observation Platformの略。電源車などからケーブルで電力を供給され、４つの電気駆動ローター（ダクテッドファン）で飛翔する。全長1.6m、全幅1.6m、全高0.2m、最大離陸重量45kg。最大飛翔高度100m。ペイロード20kg。搭載カメラによる監視半径4km。参考：月刊軍事研究11,’10、朝雲

＜ＥＵ９ｉ＞：本田技研工業のインバーター発電機で、野外炊具１号改や野外炊具２号改に搭載されている。重量13kg。燃料はガソリン。出力900VA、1/4負荷時連続運転時間７時間。参考：朝雲

＜ＥＵ−９３Ａ＞：ブラジル空軍飛行点検機。ホーカー800XPがベースである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＥＵＣＯＭ＞：アメリカ統合軍の１つで、欧州軍（EUropean COMmand）の略。1947年3月に創設された。ヨーロッパと西ドイツ占領政策を担当する。1957年8月、USEUCOMに改称された。参考：月刊軍事研究7,’12、4,’05、月刊JWings7,’04

＜ＥＵＦＯＲ＞：EU独自の軍事組織で、欧州連合部隊の略。2003年3月に創設され、同月31日にはマケドニア治安維持任務コンコルディア作戦を開始した。2003年6月、コンゴに派遣された。2004年末、SFORの後を継いでボスニアの治安維持活動（EUFORアルテア）を開始した。参考：月刊軍事研究12,’03、ウォーマシン・レポートNo.26

＜ｅＶ＞：電子ボルト（electron Volt）の略。放射線のエネルギーを表す単位で、1eVは1.6×10のマイナス19乗ジュール。参考：放射線健康科学

＜ＥＶ−１Ｅ＞：OV-1シリーズ（ELINT機）を参照。

＜ＥＶ４２０＞：ドイツのクルップ社が1943年末に開発した装甲板用溶接材。ニッケル不足でステンレスが使用不能となったため、炭素0.08%の極低炭素軟鋼を使用している。参考：月刊丸4,’07

＜ＥＶＡ＞：イスラエル空軍M-346練習機の訓練システムで、Embeded Virtual Avionicsの略。エルビット社が開発した。バーチャル訓練データを実機に反映させるもので、ミサイルの攻撃を受けると、飛んでくるミサイルの映像がHMDに表示され、より現実感の高い訓練を行うことができる。参考：月刊軍事研究5,’17

＜ＥＶＡ＞：イタリアのシエナ社が開発したパトロールカー・システム。天井部分に装備する回転灯・サーチライト・ビデオカメラや、コンピュータ、GPS、入力用キーボード・タッチパネル、音声入力ヘッドセットなどから構成される。イタリア国家憲兵隊が採用した。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＥＶＡＡ＞：フランス空軍のアクロバットチームで、Equipe de Voltige de l’Armee de l’Air（空軍アクロバット競技チーム）の略。民間アクロバット競技会（コンペティション・アクロバット）に参加する他、各地のエアショーでアクロバット飛行を行う。1967年に空軍参謀総長の命で創設された。ホームベースはサロン・ド・プロバンス基地（フランス空軍大学）。2005年8月、競技中に使用していたCAP232の主翼が脱落する事故が発生したため、使用機をエレクトラ330に更新した。2009年の世界アクロバット選手権で優勝した。2013年現在の使用機はエクストラ330SCとその複座型330LCである。2013年のパトルイユ・ド・フランス60周年と2014年のフランス空軍80周年・第１次大戦100周年を受け、この２シーズンは２機フォーメーションでフライトした。参考：月刊航空ファン8,’10、月刊JWings4,’13、9,’14

＜ＥＶＬＳＶ＞：ポラリス・ディフェンス社が開発した電動４×４輪バギーで、基地など後方での使用を意図している。積載量226.8kg、牽引可能重量567kg。エンジンはモーター（30馬力）、最大速度40.2km、走行距離80.4km。充電時間８時間。乗員２名。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＥＶＳ＞：AN/ASQ-151（EO/IRセンサー）を参照。

＜ｅＶＴＯＬ＞：電動垂直離着陸機の略。UAV化して自律飛行装置を組み込めば、操縦士要らずの空飛ぶタクシーや空飛ぶ軽トラックになる。参考：朝雲

＜ＥＸ＞：アメリカ軍の外装用核爆弾に付ける接尾記号。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＥＸ−３１＞：Mk49（ミサイル発射機）を参照。

＜ＥＸ−３４シリーズ＞：M230チェインガンを7.62mmにダウンスケールしたもの。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ＥＸ−３４＞：全長940mm、重量13.7kg／99kg（弾薬2000発含む）。発射速度毎分570発。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

　＜ＨＧＳ−５５＞：500MDディフェンダー用。ケニア空軍が採用した。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ＥＸ−３５＞：アメリカのベネット研究所が開発した超低圧反動105mm戦車砲。M68ライフル砲の改良型で、M68用の弾薬は全て使用可能である。砲口制退機はペッパーボックス型で、閉鎖器、駐退復座機、砲口排煙器も改良した。重量1.318トン。参考：月刊PANZER1,’05

＜ＥＸ−７４＞：アメリカのエマーソン・エレクトリック社が開発した有人30mm機関砲塔。エリコンKCB機関砲を装備する。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜ＥＸ−８３＞：シーバルカン30（機関砲）を参照。

＜ＥＸ−８４＞：シーバルカン20（機関砲）を参照。

＜ＥＸ−１７１＞：アメリカ海軍127mm艦砲Mk45Mod4用計画長射程ロケットアシスト誘導砲弾、略称ERGM（Extended Range Guided Munition、射程延伸誘導砲弾）。1990年代半ばから開発した。ロケットモーターと滑空で射程を大幅に延伸しつつ、INS/GPSでCEPを20mに抑えるのがコンセプトで、発射直前に目標座標が入力差で、発射されると後部操縦翼を展開、ロケットモーターに点火して高度80000フィート・24000メートルに達し、前部滑空翼を展張して滑空、GPS/INSによる軌道修正を行いつつ目標上空に達し、EX1子爆弾（M80子爆弾の派生型）72発を撒布する。撒布範囲は直径20/40/60/80/100mのいずれかを事前入力し、それに見合った高度250-400mの範囲で子爆弾を放出する。全長1.55m、直径127mm、重量50kg。固体燃料ロケット推進、射程60海里・できれば75海里。誘導はGPS/INS、CEP20m。1997年4月に原型の試験に成功し、2001年以降のCTV(Control Test Vehicle)-1/-2試験も順調だったが、2004年4月の試験でロケットモーターが爆発、その後も失敗続きで開発費用がかさみ、2008年3月（2月？）に開発中止になった。参考：月刊世界の艦船3,’21

＜ＥｘＬＳ＞：ロッキード・マーチン社が開発した３連装ミサイル発射機Extensible Launcher System。CAMMやヌルカの試射に成功している。カナダ海軍新型フリゲートCSCとブラジル海軍タマンダーレ級コルベットに搭載予定。参考：月刊世界の艦船8,’19

＜ＥＸＴＲＡ＞：イスラエルのIAI社とIMI社が開発したMLRS用ロケット弾で、EXTended Range Artilleryの略。射程は130kmもあり、125kgの弾頭にATACMSと同様の子爆弾を内蔵している。GPSと連動したガスジェネレーターにより、CEP10mを誇る。参考：月刊軍事研究10,’05

＜ＥＷ＞：電子戦を参照。

＜ＥＷシリーズ＞：ドイツの水エタノール噴射装置で、エタノール・ヴァッサー（エタノール・水）の略。MW装置のメタノールの替わりにエタノールを詰めたものだが、使用状況は不明。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜ＥＷ３０＞：MW30にエタノール30%、水69.5%、腐食防止剤シュッゼル39を0.5%混合した液体を詰めたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

　＜ＥＷ５０＞：MW50にエタノール50%、水49.5%、腐食防止剤シュッゼル39を0.5%混合した液体を詰めたもの。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97

＜ＥＷＣ＞：電子戦コントローラの略。

＜ＥＷＥＳ＞：電子戦能力評価システムを参照。

＜ＥＷＥＳのＦ−２連接機能付加＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜ＥＷＭＳ＞：AN/ALQ-213（V）電子戦装置を参照。

＜ＥＷＲ＞：早期警戒レーダーを参照。

＜ＥＷＳ３９＞：JAS39戦闘機に搭載されている電子戦システムで、エリクソン・ラジオシステムズ社（現サーブ・マイクロウェーブ・システムズ社）が開発した。垂直尾翼などにアンテナを装備しており、E-Jバンドに対応するもので、ジャミングポッド、曳航デコイ、チャフ・フレアディスペンサーなどと組み合わせることも可能。攻撃部隊のエスコート・ジャミングを行うこともできる。参考：月刊軍事研究11,’08

＜ＥＷＳＳ＞：AN/ALQ-128（電子戦装置）を参照。

＜ＥＸＣＭ＞：AN/ALE-49（チャフ・フレアディスペンサー）を参照。

＜ＥＹライフル＞：イギリスのホームガードが第２次大戦時に使用していた小銃で、No36ミルス手榴弾を発射するための補強が施されている。名前の由来は、発明者のEdgar Youllからという説や、EmergencYの略という説があるが、詳細不明である。参考：手榴弾・迫撃砲

＜ＥＺ４０＞：ドイツ空軍のジャイロ式照準器。1935年から開発し、Bf109Fに搭載してテストしたところ、ReviC12よりも命中精度が倍増した。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＥＺ４１＞：ドイツ空軍のジャイロ式照準器。EZ40の改良型だが、開発に失敗した。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＥＺ４２＞：ドイツ空軍のジャイロ式照準器。1944年からFw190/Me262計200機に搭載された。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＥＺエアー＞：イギリスのエイボン社が開発したガスマスク用エアフィルター。内蔵されたモーターが浄化された空気をチューブ経由でガスマスク内に送ってくれる。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＥＺフライ＞：USSOCOMが試験している１名用フライング・プラットフォームEZ-Fly。2018年にザパタ社が開発した。足台の下にタービンエンジン６基が装着されており、両脇にスキッド式降着装置を持ち、両側上方に向かって操縦桿が延びていて、乗員は足台の上に立ち、両手で左右の操縦桿を掴み飛行する。参考：月刊JWings12,’18

＜Ｅ型戦時標準貨物船シリーズ＞：日本の戦時標準貨物船。建造担当造船所は三菱重工下関造船所、三菱重工若松造船所（年産100隻目標）、播磨造船松浦造船所（年産100隻目標）、川南工業深堀造船所（年産300隻目標）、東京造船東京造船所（年産80隻目標）である。参考：戦時標準船入門

　＜Ｅ型貨物船＞：船舶改善協会が昭和14年3月に設計したもの。単に規格を標準化しただけで、戦時量産の工夫は見られない。総トン数830トン、載貨重量1250トン。主機はディーゼル、最大出力850馬力、航海速力10ノット、最大速力12ノット。参考：戦時標準船入門

　＜１Ｅ型戦時標準貨物船＞：第１次戦時標準船。当初は単にＥ型貨物船だったが、後に2E型が作られたので、前に１が付いた。内地と朝鮮または南方局地間の沿岸航路用貨物船で、船型は三島型。全長60.6m、全幅9.5m、総トン数830トン、載貨重量1265トン、積載トン数1320トン。主機はディーゼルまたは三連成蒸気機関、出力750馬力、航海速力11ノット、最大速力12-12.5ノット。13隻10790総トンが竣工した。参考：戦時標準船入門、輸送船入門

　＜２Ｅ型戦時標準貨物船＞：第２次戦時標準船。昭和18年頃に日本本土の鉄道輸送能力が限界に達してしまったため、代わりに沿岸航路で国内輸送を担う小型船として計画された。また、外地でも局地輸送用として需要が高く、国内４箇所に造船所を新設して量産している。船型は船首尾楼型で、船尾楼前端に船橋、その後ろに煙突１本を持つ。船首尾楼間の船体内は船倉で占められ、底は一重で済ませた。デリックやボート・ダビットなどはＨ型鋼材やＬ型鋼材をそのまま使って工期短縮を図っている。全長60m、全幅9.5m、総トン数870トン、積載トン数1080トン、載貨重量1570トン。主機はレシプロ蒸気機関またはディーゼル、最大速力10.5ノット。昭和18年6月から昭和20年7月に419隻364530総トンが竣工し、うち135隻（104隻？）が2ET型油槽船に改造された。参考：戦時標準船入門

　＜３Ｅ型戦時標準貨物船＞：第３次戦時標準船。竣工しなかった。参考：戦時標準船入門

　＜ＥＣ型戦時標準コンクリート製貨物船＞：19世紀にはコンクリート船が実用化されており、第１次大戦時にもアメリカで戦時急造船として総トン数4500トンの貨物船がテストされ、コンクリートの弱点である引っ張り・曲げ強度の脆弱性があまり問題にならない総トン数6000トン以下の中型クラスなら、船体重量に目を瞑れば戦時量産向きであることが判明していた。そこで造船用鋼材不足を解決するため、昭和17年半ばに海軍艦政本部がＥ型貨物船をコンクリートで作ってみることにし、舞鶴海軍工廠、大学のコンクリート工学科、民間の建設業者による研究を開始。昭和18年6月から兵庫県高砂市にドックを作って建造し、昭和20年初めまでに武智型貨物船４隻を竣工させた。鋼材使用量が少なく、船内雑音を分厚いコンクリートが遮断するので磁気・音響感応機雷に反応しにくいという長所も判明し、Ｄ型標準船もコンクリートで作る計画も持ち上がったが、コンクリート船の実用性・有用性に対する理解が薄く、量産には至らなかった。運輸省でも総トン数265トンのコンクリート貨物船第１国策丸を昭和19年から設計したが、進水前に終戦を迎えている。参考：戦時標準船入門

＜Ｅ型貨物船ファミリー＞

　＜２ＥＴ型油槽船＞：2TM型の建造が遅れたため、代わりに2E型を端末輸送用タンカーに改造したもので、ETはエンド・タンカーの略。船倉を石油タンクに改造してあり、上甲板のハッチを閉鎖してガス抜き孔や石油積み降ろし機材を装着した。総トン数870トン、載貨重量1200トン。主機はレシプロ蒸気機関またはディーゼル。殆どが播磨造船松浦造船所で製造され、第三弥栄丸、第八弥栄丸、第十南興丸、第十南進丸など135隻117450総トン（104隻86736総トン？）が竣工し、50隻41700総トンを喪失した。参考：戦時標準船入門、比島決戦、月刊軍事研究12,’07

　＜３ＥＴ型油槽船＞：第３次標準油槽船で、当初は3E型小型貨物船となる予定だったが、不足が深刻な油槽船に切り替えられた。11隻9174総トン（26隻？）が竣工し、５隻4170総トンを喪失した。参考：戦時標準船入門

　＜４ＥＴ型油槽船＞：第４次標準油槽船。試作１隻のみが竣工した。参考：戦時標準船入門

＜Ｅ級嚮同駆逐艦＞：イギリス海軍の嚮同駆逐艦で、Ｅ級駆逐艦を嚮同する。全長104.6m、幅10.3m、吃水2.7m、基準排水量1495トン。主機は蒸気タービン２基２軸36000馬力、速力36ノット。兵装は12cm単装砲５門、12.7mm４連装機銃２基、533mm４連装魚雷発射管２基。H02エクスマウスが1934年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船6,’11

＜Ｅ級駆逐艦＞：イギリス海軍の駆逐艦。必要に応じて高速敷設艦に転用できる様に設計されたが、敷設装備を搭載したのは２隻だけである。全長100.3m、幅10.2m、吃水2.6m、基準排水量1375トン。主機は蒸気タービン、出力36000馬力、速力35.5ノット。兵装は12cm単装砲４門、533mm４連装魚雷発射管２基。H15エスクとH61エクスプレスは機雷敷設軌条を装備しており、１・４番砲、魚雷発射管、ダビットなどを外せば機雷60-80個を搭載できる。1934年にH23エコー、H08エクリプス、H27エレクトラ、H10エンカウンター、H17エスカペイド、H66エスコート、H15エスク、H61エクスプレスの８隻が竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｅ級軽巡洋艦＞：イギリス海軍の軽巡洋艦。第１次大戦時にドイツ軍が就役させるといわれていた高速巡洋艦に対抗するため開発された。船体を細長くし、駆逐艦用主機を２組搭載して出力を確保、満載時でも32ノットを出せるようにしている。機関室は前後に分けて被弾時の安全性を確保した。I52は前甲板の15.2cm砲を連装に纏め、艦橋を新型に換え、５番砲後方にカタパルトを装備した。全長173.9m、幅16.6m、吃水5m、基準排水量7550トン（I52は7580トン）。主機は蒸気タービン、出力80000馬力、速力33ノット。兵装は15.2cm単装砲７門（I52は連装砲１基と単装砲５門）、10.2cm単装高角砲５門、533mm３連装（４連装？）魚雷発射管４基。乗員450名。３隻が発注されたが、第１次大戦終結で３番艦はキャンセルされ、1926年にI66エメラルド、I52エンタープライズが就役した。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｅ級潜水艦＞：アメリカ海軍の潜水艦、別名スキップジャック級。エレクトリック・ボート社の提案に基づき、Ｄ級潜水艦の主機をディーゼル化したもので、ヴィッカーズ社製ディーゼルのライセンス生産権をエレクトリック・ボート社で取得し、傘下のNLSECO社で量産して搭載した。潜望鏡を船体内に移設して司令塔を小型化している。魚雷発射時に船体が傾くのを防ぐため、上構前部に引き込み式潜舵を装備しており、雷撃時の船体傾斜を4.5度から１度に減らすことができる。使わない時は後ろに回して回旋し、上構の壁に一体化させる。全長41.2m、最大幅4.4m、吃水3.6m、水上排水量287m、水中排水量342トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用NLSECO−ヴィッカーズ式４気筒４サイクルディーゼル（出力275馬力・回転数400rpm）２基・水中用エレクトロ・ダイナミック式電動モーター２基、水上出力700馬力、水中出力530馬力、２軸推進、水上速力13ノット、水中速力11ノット、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル２群計120セル、航続距離2100海里（水上11ノット）／27海里（水中９ノット）。安全潜航深度61m。兵装は艦首の45cm魚雷発射管（魚雷８本）。乗員20名。1912年にSS-24とSS-25が竣工した。肝心のディーゼルが不調で、電池室も設計不良があって塩素ガスが漏出、爆発事故まで起こしている。1922年に２隻とも売却された。参考：アメリカ潜水艦史

＜Ｅ級潜水艦＞：イギリス海軍の潜水艦E Class。Ｄ級の拡大改良型で、第１次大戦では主力潜水艦として地中海や北海で活動した。全長54.2-55.6m、水上排水量660トン、水中排水量796-807トン。主機は水上がディーゼル（1600馬力）、水中が電動モーター（840馬力）、２軸推進、水上速力15-16ノット、水中速力10ノット。兵装は45cm魚雷発射管3-5門、7.6cm単装砲１門。機雷敷設型は機雷20個を搭載できる。1913-17年に原型８隻、兵装強化型41隻、機雷敷設型６隻の計55隻（58隻？）が建造され、25隻が戦没した。参考：月刊世界の艦船10,’13、6,’01

＜Ｅ級潜水艦・海外シリーズ＞

　＜Ｅ級潜水艦（オーストラリア海軍）＞：オーストラリア海軍初の潜水艦。1914年に２隻を輸入した。早速第１次大戦に投入したが、１隻は1914年に行方不明になり、残る１隻も1915年に戦闘で大破自沈して失われた。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜Ｅ級内水測量艇＞：イギリス海軍内水測量艇。全長32.6m、幅6.7m、吃水2.1m、基準排水量120トン。主機はディーゼル、出力1400馬力、速力14ノット。兵装は40mm機関砲１門。A70エコー、A71エンタープライズ、A72エゲリアが1958-59年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ｅシリーズ＞：ドイツ陸軍兵器局第６課が1943年4月から開発した装甲車両シリーズで、Ｅは統制または共通の意。重量によってE10、E25、E50、E75、E100の５種類に分類されており、前面装甲を分厚くしてカウンターウェイト代わりに機関系（整備が容易なもの）を後部に収容する。懸架装置は外部装着として車内スペースを拡大し、前方の誘導輪や転輪が破壊されても残りの転輪に履帯をかければ走行できるようになっている。参考：月刊グランドパワー8,’10

＜Ｅハンター＞：エンハンスド・ハンター（無人機）を参照。

＜Ｅバンド（新ＮＡＴＯ）＞：2-3GHzの周波数帯を指す。波長は0.15-0.1m。参考：レーダの基礎

＜Ｅボート＞：連合軍がドイツ海軍Ｓボートに付けた名称で、Enemy Boatの略。参考：グラフィックアクション29

＜Ｅモーター＞：ゴリアテ・シリーズ（無人車両）を参照。

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