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＜ホ一＞：日本陸軍の航空機用20mm旋回機関砲。オチキス20mm対空機関砲を改造したものである。一〇〇式重爆の後上方旋回銃座に搭載されたが、機載にあたり小型軽量化を図らなかったため、取り回しが悪く戦闘機の機動に付いていけないという欠点があり、ホ五に換えられた。全長1.742m、砲身長1.2m、重量32.6kg。砲口初速毎秒520m、作動はガス圧式、発射速度毎分400発。弾薬はマ二〇一で、ドラム弾倉を使用する。参考：月刊航空ファン9,’02、月刊JWings3,’16、歴史群像8,’17

＜ホ三＞：日本陸軍の航空機用20mm機関砲。二式複座戦闘機用空対空機関砲として昭和12年12月末に発注され、オチキス社製対戦車砲を改造して完成した。作動はガス圧式。元が地上用だけに、大型で重い割に発射速度が遅く装弾数も少ない、と性能がイマイチで、主に対地・対艦攻撃用に使用された。参考：月刊丸1,'17別冊、歴史群像6,’08

＜ホ五シリーズ＞：日本陸軍の航空機用20mm機関砲、別名二式軽量二十粍機関砲、開発名称二〇粍翼内機関砲（制式化で〇が十になったらしい）。ホ三の性能がイマイチだったので、12.7mm機銃ホ103を20mmにスケールアップし、軽量かつ高発射速度を狙ったものである。昭和15年から開発されたが、当時は口径7.7mmの八九式固定機関銃で十分という用兵側の意見が強く、造兵廠もホ一〇三の量産準備に入ったばかりだったので、陸軍管理工場では無かった中央工業株式会社技術研究所でこっそり試作を行った。太平洋戦争が始まってみると、八九式固定機関銃どころかホ一〇三でもB-17に通用しなかったため量産が決定し、昭和18年4月から小倉造兵廠で生産に入り、昭和20年から名古屋造兵廠も加わり、民間の沼津兵器製作所と日立兵器製作所でも製造され、終戦までに小倉造兵廠第２製造所・春日製造所・糸口山製造所で17600門以上、名古屋造兵廠で2922門、沼津・日立兵器製作所で1500門ずつが作られている。実戦部隊には昭和18年9月から配備される予定だったが、初期故障や弾薬不足に悩まされ、前線に登場したのは昭和19年3月頃だった。ただ人手不足で細部の図面が完成するのが遅れ、大まかな試作図面だけ配布して細部修正を各工場に任せたため、修理の部品を取り寄せてもメーカーごとに細部が全て違っているので合わない事態が多発、後に砲口消炎器を追加した際も取り付け方を統一できなかった。更に戦争末期になると粗悪鋼材や工員の熟練度不足で主要部品の破損が大量発生し、終戦まで故障と破損に悩まされ続けている。弾薬も初期には信管、後期には発火部品の製造上の不具合が多く、東京補給廠寄居出張所格納庫にあった弾薬を調べてみたら４分の１が不良品という有様で、腔発事故が多発した。参考：月刊丸1,'17別冊、月刊航空ファン9,’02、歴史群像6,’08

　＜ホ五−�T＞：固定型。小型軽量に纏めてあるが、弾丸重量が海軍九九式固定機銃の７割程度で、威力にやや劣るのが欠点だった。作動は反動利用砲身後座式。口径20mm、全長1.45m、砲身長0.9m、重量37kg。弾薬重量200g、弾丸重量84g、初速毎秒750m、発射速度毎分750m。装甲貫徹力は射距離100mで20mm。いきいきランド交野に１門が展示されている。参考：月刊丸1,'17別冊、歴史群像6,’08、月刊航空ファン1,’17

＜ホ五−�U＞：旋回砲座用。全長1.45m、砲身長0.9m、重量35kg。初速毎秒735m、発射速度毎分700発。二式榴弾、二式榴弾代用弾、二式曳光榴弾、二式曳光榴弾代用弾、二式曳光徹甲弾、マ二〇二（着弾衝撃で炸裂する焼夷弾）を使用する。参考：月刊航空ファン9,’02、歴史群像6,’08

＜ホ一〇一＞：日本陸軍の試作12.7mm機銃。日華事変時に輸入したイ式重爆の重武装に着目して12.7mm機銃を開発することになり、昭和14年度から試作された。八九式固定機関銃を12.7mmに拡大したものだが、性能が悪くホ一〇三に負けて採用されなかった。参考：歴史群像6,’08、月刊丸1,'17別冊

＜ホ一〇二＞：日本陸軍の試作12.7mm機銃で、イタリアのブレダSAFATをベースに昭和14年度から開発された。重量超過でホ一〇三に負けて採用されなかった。参考：歴史群像6,’08、月刊丸1,'17別冊

＜ホ一〇三＞：日本陸軍の12.7mm機銃で、ブローニング12.7mmM2機関銃をベースに昭和14年度から試製12.7mm固定機関砲３型として中央工業で試作され、ホ一〇一とホ一〇二に勝って昭和16年に一式一二粍七機関砲として制式採用された。作動は反動利用砲身後座式。全長1.267m、銃身長0.8m、重量23kg。弾薬重量200g、弾丸重量36.5g、保弾子重量16g、初速毎秒780m、発射速度毎分800発。使用弾はイ式重爆用12.7mm機銃弾と同規格の12.7mm×81セミリムド弾で、弾丸重量が３割ほど軽くなったため発射速度は上がったが、弾道が山なりになって遠距離での命中精度は落ちた。弾種は一式曳光徹甲弾、一式普通弾、一式曳光弾、マ一〇二（着弾衝撃で炸裂する焼夷弾）、マ一〇三（瞬発信管付き榴弾）。用兵側の7.7mm機銃で十分という意見が強く量産が遅れ、太平洋戦争開戦後に慌てて量産に入ったものの初期故障が修正されておらず、実戦で信頼性の高さを実証できたのは昭和19年末になってからだった。徹甲弾の装甲貫徹力は射距離300mで12mm、700mで10mmあるが、B-17相手には大苦戦し、前線部隊から口径20mm以上の要望が出されている。中央工業（試作も担当）で昭和15年に10門、昭和16年に290門、昭和17年に1081門、昭和18年に3008門、昭和19年に6160門、昭和20年に4288門、名古屋陸軍造兵廠で昭和17年10月から昭和20年8月に34000門、小倉陸軍造兵廠で昭和18年6月から昭和19年3月に3000門が生産された。いきいきランド交野に１門が展示されている。参考：月刊丸1,'17別冊、月刊航空ファン9,’02、1,’17、歴史群像6,’08

＜ホ一五五＞：日本陸軍の30mm航空機関砲で、ホ五をボアアップしたものである。�T型と�U型の２種があり、前者は昭和18年5月、後者は8月に完成、昭和19年夏から生産した。全長1.51m、重量50kg。初速毎秒700m、発射速度毎分500-600発。搭載予定のキ−84丙型、キ−83、キ−87、キ−200などが完成せず、実戦投入はされなかった。参考：歴史群像6,’08

＜ホ二〇三＞：日本陸軍の37mm航空機関砲で、キ−45改丙型に搭載するため昭和15年から日本特殊鋼で製作された。ベースは平射歩兵砲で、本体を軽量化して16発入り弾倉を使用できるようにしてある。ただしジャミング防止のため実戦では15発収容に止めた。全長1.5m、重量80kg。初速毎秒570m、発射速度毎分140発。使用弾重量400g。参考：歴史群像6,’08、月刊航空ファン10,’16

＜ホ二〇四＞：日本陸軍の37mm航空機関砲。ホ一〇三を37mmにボアアップしたもの（ブローニング37mm機関砲の改造型？）で、昭和18年6月に試作砲が完成し、昭和19年3月に採用された。全長2.39m、砲身長1.26m、総重量130kg。弾丸重量475g、初速毎秒710m、発射速度毎分400発。４発重爆でも１発で致命傷を与えられる目論見だったが、大型大重量のため後付けが難しく、キ−102甲の機首や二式複座戦闘機丁型に装備された他、一〇〇式司偵三型改防空型に上向き斜め銃として搭載された程度に止まっている。参考：歴史群像6,’08、世界の傑作機No.24

＜ホ三〇一＞：日本陸軍の航空機搭載40mmロケット砲で、昭和16年末から二式戦闘機二型乙用に開発された。発射筒は尾部に連発機構を設けたもので、40mmロケット弾を連射することができる。初速毎秒220mと鈍足のため、命中率は悪かった。また、ロケット推進薬スペースを確保するために炸薬スペースが圧迫されており、破壊力もイマイチだった。参考：歴史群像6,’08

＜ホ四〇一＞：日本陸軍の57mm航空機関砲。八八式平射歩兵砲を自動化したもので、日本特殊鋼が製作し、昭和19年3月に制式化された。全長2m、重量150kg（900kg？）。初速毎秒500m、発射速度毎分80発（50発？）。機関室上部に設置した16発入りドラムマガジンで給弾される。キ−102乙に装備されて対地攻撃に使用された。参考：歴史群像6,’08、世界の傑作機No.24、月刊丸8,’95

＜ボア＞：アメリカ海軍の空対地核ロケット、BOAR（BuOrd Aircraft Rocket、兵器局航空機ロケットの略）。Mk7核爆弾に固体燃料ロケットを追加したもので、尾部に４枚の安定翼がＸ字に付いている。発射されると0.5秒後にロケットに点火し、超音速で飛翔する。その間に発射母機は離脱する。自由落下でも使用可能。全長4.8m、直径0.78m、重量910kg。最大射程12km。A-1艦攻など海軍機の殆どに搭載できる。1949年から開発され、1952年にAD-4Bからの発射試験が行われ、1956-63年に配備された。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、核兵器図鑑

＜ホアイナン＞：540（フリゲート）を参照。

＜ホアイペイ＞：541（フリゲート）を参照。

＜ホアイヤン＞：FF937（フリゲート）を参照。

＜ホアイン＞：513（フリゲート）を参照。

＜ボアサイト＞：Boresight。直接照準。シーカーの視野。照準規正／野外照準規正。銃砲類の照準規正具。ミサイルの中心軸。参考：月刊JWings8,’00、10,’09別冊付録、戦車隊長

＜ボアザン１９１７年型爆撃機＞：フランス軍の複葉夜間爆撃機。固定目標攻撃用として機首に37mm砲や47mm砲を固定装備する機体も作られた。参考：月刊丸6,’01

＜ボアスコープ＞：自衛隊の機器。東京航空計器製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ボア・ベロー＞：フランス海軍軽空母Bois Belleau（ベロー森林）。元はアメリカ海軍インディペンデンス級軽空母CVL-24ベロー・ウッドで、1953年9月に供与（貸与？）された。1954年5月3-7日、インドシナ紛争ディエンビエンフー戦に参加。その後もトンキン湾周辺の居留民・難民輸送任務に就き、12月16日にツーロンに帰港した。1958年2-3月、アルジェリア紛争に参加。1960年、アメリカに返却された。参考：月刊世界の艦船6,’17、2,’22

＜ホアヤン＞：903（駆逐艦）を参照。

＜ホアロン＞：AC-47ガンシップ（南ベトナム空軍）を参照。

＜保安警務隊＞：陸上自衛隊における憲兵にあたる組織で、司令部付隊の隷下である。平時は交通統制などが主任務で、戦時には一般警察と同じ権限が付与される。参考：兵器最先端５

＜保安警務中隊＞：陸上自衛隊の警務科組織で、方面警務隊隷下にある。トップは保安警務中隊長で、三等陸佐の警務官であり、方面警務隊長の指揮監督下に保安警務中隊の隊務を統括し、保安警務中隊本部の事務を掌理する。また、警務官である副隊長１名が置かれる。保安警務中隊本部とその他の部隊からなる。参考：警務隊の組織及び運用に関する訓令

＜ホアンシー＞：535（フリゲート）を参照。

＜保安隊＞：1952年4月28日のサンフランシスコ条約発効を受け、同年8月1日に発足した組織。警察予備隊と海上保安庁海上警備隊を一本化（海上警備隊は警備隊になった）したもので、間接侵略対処を主任務とする。警察予備隊の装備に加え、M4A3戦車、M24戦車、M3A1装甲車、75mm榴弾砲M1A1、105mm榴弾砲M1A2、155mmカノン砲、203mm榴弾砲、L-16連絡機などの導入が始まった。定員は11万名である。1952年10月15日、警察予備隊が正式に保安隊に切り替えられ、創立記念式典を実施。北海道に北部方面隊（管区隊の上級部隊）が設置され、４個管区隊に加えて方面直轄部隊が置かれた。11月、独立第１特車大隊が新町駐屯地で編成された。1953年、L-21連絡機が供与された。3月、アメリカ陸軍歩兵学校に６名の保安隊留学生が入校した。3月8日、旭川に第２管区隊総監部が設置された。6月16日、連合訓練展示演習を実施。7月、独立第１特車大隊が南恵庭駐屯地に移駐した。1953年7月に朝鮮戦争休戦でアメリカ軍の本土引き上げが始まったのを受けて、管区隊６個の編制とした。1954年、T-34練習機10機がアメリカから引き渡された。1月10日、管区航空隊が編成された。3月、日米相互防衛援助協定（MSA協定）関連４協定とMSA秘密保護法が制定された。5月1日、MSA協定が発効した。6月9日、防衛庁設置法及び自衛隊法が国会を通過。7月1日に自衛隊となった。参考：月刊軍事研究9,’03、8,’04、4,’10、1,’12、日本の防衛戦力Part1、月刊JWings12,’00、ストライク・アンド・タクティクスマガジン5,’11、スピアヘッドNo.12

＜ホアンフェン級＞：黄蜂級（ミサイル艇）を参照。

＜保安部隊＞：SDを参照。

＜ホイ＞：二式砲戦車を参照。

＜ホイートランド＞：AKA-85（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ホイール＞：ドライブシャフトの回転をタイヤに伝達し、車輪としての形状を保つためのパーツで、正式にはディスク・ホイールという。ドライブシャフトと連結されるディスク部と、タイヤを装着するリム部からなり、両者を一体構造にした１ピース構造、別々に作った２ピース構造、リム部を内外２つの分けてディスク部と結合させた３ピース構造がある。素材によりスチール・ホイールと軽合金（アルミニウム合金やマグネシウム合金）ホイールに分かれ、後者は元々バネ下重量を軽量化するためのものだが、デザイン重視で作るとスチール・ホイールより重くなったりする。参考：クルマのすべてがわかる事典

＜ホイールクレーン５トン＞：自衛隊の車両。アルティア製。参考：月刊軍事研究2,’13

＜ホイールクレーン１０トン＞：自衛隊の車両。アルティア製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜ホイールクレーン２０トン＞：自衛隊のクレーン車。アルティア製。参考：月刊軍事研究6,’08

＜ホイールクレーン４５トン＞：自衛隊の車両。加藤製作所製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ホイール・トラック＞：Wheel track、轍間距離。航空機を上から見た時の、左右主降着装置間隔のこと。シングルタイヤならタイヤの中心、ダブルタイヤなら脚柱中心または両タイヤ中間点で測定する。狭いと離着陸時に転覆する恐れが高くなり、広いと脚柱取り付け部が基軸から離れるため構造重量がかさむ。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ホイール・ベース＞：Wheel base。軸距、輪距ともいう。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ホイール・ベース（航空機）＞：前脚または尾脚から主脚までの距離のこと。地上姿勢（三点姿勢）で脚柱中心線から機軸に並行に計測する。脚柱が傾いている場合は車輪中心、脚柱が複数ある場合は中心位置で測る。地上での旋回半径を決める要素で、大型機では旋回半径を小さくするため主脚もステアリングできるようにしていたりする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ホイール・ベース（車両）＞：前後輪の車軸中心間距離のこと。長いほど室内スペースが広く取れ、乗り心地も良いが、回転半径が大きくなり、車体の剛性を保ちにくくなる。参考：自動車メカニズム図鑑

＜ホイールローダ（ＭＩＮＵＳＴＡＨ用）＞：自衛隊の車両。住友建機販売が受注している。参考：月刊軍事研究7,’11

＜ホイールローダ（ＵＮＭＩＳＳ用）＞：自衛隊の車両。日立建機製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜ホイール・ロック式＞：マッチ・ロック式に次いで16世紀初頭に出現した、発射薬への点火方法。回転するヤスリに火打ち石を押しつけて火花を飛ばし、発火させる。ちょうど歯車式の100円ライターと同じ原理である。わざわざ火縄に火を付けて挿む必要が無いので、発射速度が改善された。後にスナップ・ハンス式に発展した。参考：最新軍用ライフル図鑑、GUN用語事典

＜ボイキィ＞：532（コルベット）を参照。

＜ボイシ＞：SSN-764（潜水艦）を参照。

＜ボイジャー＞：CH-113A（ヘリ）またはD04（駆逐艦）を参照。

＜ボイジャーＫＣ．Ｍｋ２＞：A330-200MRTT海外シリーズ（空中給油機）を参照。

＜ボイジャーＫＣ．Ｍｋ３＞：A330-200MRTT海外シリーズ（空中給油機）を参照。

＜ホイシュレッケ１０＞：ドイツ陸軍自走砲Heuschrecke（バッタの意）、制式名称は10.5cm leFH18/1 L/28 auf Waffentrager GW �Wb（10.5cm leFH18/1搭載GW�Wｂ型兵器運搬車）。�V/�W号戦車車台に全周旋回・射撃可能なオープントップ式砲塔（折り畳み装甲板で開口部を塞ぐことが出来る）を載せ、10.5cm榴弾砲leFH18/1（60発）を搭載したものである。旋回角は360度、主砲俯仰角は０度から68度。砲塔を車体両側面に装備したクレーンで地上に降ろしての全周射撃も可能で、降ろした砲塔に車輪を付けて牽引砲として移動することもできた。全長6m、全幅3m、全高3m、重量23トン。装甲厚は車体前面30mm20度、側面16mm0度、後面16mm20度、底面10mm90度、戦闘室前面30mm20度、側面16mm0度、後面16mm20度、上面10mm90度、砲塔前面30mm30度、側面16mm20度、後面16mm25度、上面オープン、防楯30mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL90（360馬力）、前進６速・後進１速、最大速度45km、航続距離300km。無線機はFuG Spr f。乗員５名。開発に時間がかかり、穴埋めに作られたヴェスペの方が優れていたために、1942年に８両が生産されたのみで量産はされなかった。これとは別に、leFH43とHL100（400馬力）を搭載したバージョンもあるが、こちらも試作のみで終わった。参考：月刊PANZER8,’04、月刊グランドパワー7,’03、世界の軍用車両(1)、ジャーマンタンクス

＜ホイシュレッケ１２＞：�X号戦車ファミリーを参照。

＜ホイシュレッケ１５＞：�X号戦車ファミリーを参照。

＜ボイス＞：CL-47（軽巡洋艦）を参照。

＜ホイスト＞：救助用ワイヤー自動繰り出し／巻き上げ装置。捜索救難ヘリに装備されており、油圧／電動モーターで駆動するドラムによりワイヤーの繰り出し・巻き上げを行う装置で、救難員、サバイバー・スリング（要救助者の脇に入れて引き上げる黄色い馬蹄形の輪）、ストレッチャー（担架）を要救助者の近くに降ろしたり、これらを引き上げたりするのに使用する。ワイヤーが長ければ高いところから救助できるが、風に煽られて回収が困難になり、ワイヤー自体の重量がかさむので引き上げられる重量が減る。操作はホイスト・オペレーターが機内で行う。地面・海面・風の状況、ヘリの動き、救難員や要救助者の状態を見ながら操作する必要があり、相当の熟練を要する。参考：月刊航空ファン2,’16、月刊JWings2,’13

＜ボイス・レコーダー＞：コクピット・ボイス・レコーダーを参照。

＜ホイットカム・ボディ＞：ヴィクターMk2爆撃機の主翼後縁に装備されているフェアリングで、ホイットカム理論を元にファーンボロ空軍研究所が開発した。遷音速時の衝撃波の発生を遅延させる作用があり、低空性能改善に一役買っている。開発者の名前からクックマンのニンジンとも呼ばれる。参考：週刊エアクラフトNo.48

＜ホイットシェッド＞：D77（護衛艦）を参照。

＜ホイッドビー・アイランド＞：LSD-41（揚陸艦）を参照。

＜ホイッドビー・アイランド級＞：アメリカ海軍ドック型揚陸艦（LSD）Whidbey Island級。アメリカ海軍初のディーゼル推進LSDで、LCACの搭載を前提に設計された。艦前部に大型箱形上構があり、その上にラティスマストがある。艦後半部にCH-53を同時に２機運用できる長さ64.6m・幅25.3mのヘリ甲板を持ち（格納庫は無い）、ヘリの代わりにLCPL2-3隻や車両なども積載可能。ヘリ甲板下が巨大なウェル・ドック（長さ134.1m、幅15.2m）になっていて、LCACなら４隻、LCU-1610級なら３隻、LCM6型なら21隻、AAVなら64両を収容する。ドックに押されて貨物搭載スペースが少ないので、LCACに貨物を乗せたままドックに積んで出撃していく。また、主機の煙路もウェル・ドックを避けて通す必要があったため、煙突は上構後方右舷端とその後ろの左舷端に１本ずつ細いものが立てられている。主機はシフト配置として抗堪性を高めた。船楼後方両舷にクレーン１基ずつが設置されており、右舷側の吊り上げ能力は60トン級、左舷側は20トン級で、煙突間の上甲板に車両格納庫や貨物倉庫に繋がる四角い開口部がある。車両格納庫は床面積1161平方メートル、貨物倉庫は容積142立方メートル。全長185.8m、全幅25.6m、吃水6.3m、軽荷排水量11125トン、満載排水量15934-16195トン。主機はコルト・ピールスティック16PC2.5-V400中速４サイクルディーゼル４基、出力41600馬力（37440馬力？33000馬力？）、可変ピッチプロペラ２軸推進、速力22ノット、航続距離は18ノットで8000海里。兵装は20mmCIWS２基、25mm単装機関砲２門、12.7mm機銃6-8丁。乗員413名（340名？）で、海兵隊員504名（450名？402名？）を収容可能。LSD-41ホイッドビー・アイランド、LSD-42ジャーマンタウン、LSD-43フォート・マクヘンリー、LSD-44ガンストン・ホール、LSD-45カムストック、LSD-46トーテュガ、LSD-47ラシュモア、LSD-48アシュランド、LSD-49ハーパーズ・フェリー、LSD-50カーター・ホール、LSD-51オーク・ヒル、LSD-52パール・ハーバーの12隻が1985-98年に竣工した。LSD-49以降はハーパーズ・フェリー級とも呼ばれる。後にRAM21連装発射機Mk49を２基追加搭載した。1997年からSSDS Mk1を運用しており、SSDS Mk2Mod5Cに換装予定。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊軍事研究11,’08、2,’02、7,’16、月刊世界の艦船3,’19、4,’16、4,’15、5,’14、5,’91、12,’13、2,’13、1,’10、12,’12

＜ホイットビー級＞：イギリス海軍フリゲート、12型Whitby級。第２次大戦終結後に建造された対潜フリゲートで、荒海でも水中高速潜水艦に対抗できるよう、艦首乾舷を高くしてある。全長112.7m、幅12.5m、吃水5.2m、基準排水量2150トン、満載排水量2560トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、２軸推進、速力29ノット。主兵装はリンボー２基、114mm連装両用砲１基、40mm連装機関砲１基で、初期建造艦のみ533mm対潜魚雷発射管12門を装備する。1956-58年にF43トーキーなど６隻が竣工・就役した。参考：月刊世界の艦船3,’07、9,’96、5,’83、2,’21

＜ホイットビー級・海外シリーズ＞

　＜タルワル級＞：インド海軍フリゲートTalwar級。全長112.7m、幅12.5m、吃水5.4m、基準排水量2144トン、満載排水量2545トン。主機は蒸気タービン２基２軸30000馬力、速力30ノット、燃料搭載量400トン、航続距離は12ノットで4500海里。兵装は114mm連装砲１基、40mm連装機関砲２基、40mm単装機関砲１門、リンボー２基。乗員231名。タルワルとトリシュルの２隻が1960年に就役した。1975年にタルワル、1978年にトリシュルが近代化改装を受け、前甲板の114mm連装砲を撤去してSS-N-2a単装発射機２基（タルワルは当初３基）を搭載した。後にヘリコプター１機を搭載できるようになった。参考：月刊世界の艦船6,’83、3,’92増刊

＜ホイットフィールド＞：AKA-111（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ホイットマン＞：DE-24（護衛駆逐艦）を参照。

＜ホイットランド＞：L122（駆逐艦）を参照。

＜ホイットレー＞：AKA-91（攻撃貨物輸送艦）またはL23（護衛駆逐艦）を参照。

＜ホイットレー・シリーズ＞：イギリス軍双発爆撃機Whitley。アームストロング・ホイットワースが開発して1936年3月17日に初飛行し、1937-43年に1814機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊軍事研究10,’18

　＜ホイットレー５＞：1939年から就役したエンジン換装型。全長22.1m、全幅25.6m、全備重量12.79トン。エンジンはロールスロイス社製マーリン10（1010馬力）双発で、最大速度357km、実用上昇限度5364m、航続距離2650km。固定武装は7.7mm機銃５丁で、爆弾3.2トンを搭載できる。乗員５名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ホイップアーウィル＞：MSC-207（掃海艇）を参照。

＜ホイップ・アンテナ＞：ロッド・アンテナともいう。アンテナ線１本からなるもので、通信方向を特定しないので無指向性アンテナに分類される。相手の通信方向が分からない時には便利。参考：図解・電波のしくみ

＜ホイップル＞：DD-217（駆逐艦）またはFF-1062（フリゲート）を参照。

＜ボイド＞：DD-544（駆逐艦）を参照。

＜ホイト・Ｓ・ヴァンデンバーグ＞：ヴァンデンバーグ（アメリカ空軍大将）を参照。

＜ホイペットＡ＞：イギリス陸軍戦車Mk.A、別名トリトン・チェイサー。ホイペットは猟犬ミディアム・グレイハウンドのウィペットのことである。1916年末に開発され、第１次世界大戦末期に登場した。テイラーJB4水冷直列４気筒ガソリンエンジン（45馬力）を２基搭載し、左右の履帯を動かすことにより高い機動力を発揮する（ただしサスペンションは無い）。最大速度13.4kmと当時としては最速で、航続距離も長く、１名で操縦でき、Mk�W菱形戦車が突破した塹壕線から突入し、機関銃に弱い騎兵部隊に代わって敵の追撃を行うのが使用目的だった。要するに巡航戦車のはしりである。車体前部が機関室、後部が背の高い戦闘室で、四周にオチキス7.7mm機関銃４丁（5400発）をボールマウント式に搭載する。全長6.096m、全幅2.616m、全高2.743m、全備重量14.23トン。装甲厚は14-5mm。燃料搭載量318リットル、航続距離64km。乗員３名（車長、操縦手、機銃手）。1918年3月26日実戦に参加し、この時ドイツ軍戦車２両を鹵獲する戦果を挙げた。8月のアミアンの戦いでは１両が戦線後方を９時間にわたって荒らし回り、砲兵陣地、輸送部隊、宿営地、観測気球隊を蹂躙した。エンジンを２つ搭載しているので、操作や整備の手間がかかるという欠点があり、すぐに旧式化してしまった。参考：月刊PANZER10,’03、11,’03、月刊軍事研究7,’16、機甲入門、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、歴史群像10,’08、8,’08、ウォーマシン・レポート11

＜ホイペットＡ海外シリーズ＞

　＜ホイペットＡ（日本陸軍）＞：日本陸軍戦車。大正8-9年に数両（大正10年ないし12年に３両？）を購入し、シベリア出兵に２両を投入した。参考：日本戦車隊戦史

＜ボイヤントスリング＞：航空自衛隊の救難具。リング状をしており、要救助者の脇の下に通して体を預けてもらい、救難ヘリのホイストで吊り上げる。東日本大震災で負傷者や高齢者の救出が困難であると判明し、サイズの合わない乳児に至っては救出できずヘリが直接着陸しなければならない事もあったため、ピタゴール救難具を採用した。、月刊航空ファン4,’16

＜ボイル＞：DD-600（駆逐艦）を参照。

＜ポインター＞：A188（曳船）またはFQM-151（無人機）を参照。

＜ポイント・クルーズ＞：CVE-119（護衛空母）を参照。

＜ポイントシールド＞：イスラエルのDSIT社が開発したダイバー探知ソナー、PointShield。アクアシールドの小型版で、送受信アレイ（両者とも全周をカバーする）を直径320mm、高さ670mm、重量35kgにしてあり、船舶から海中に吊して運用することも可能。距離分解能は運用距離の0.2%、方位分解能は0.5度。有効探知距離は水中スクーターで500m、オープン潜水具着用ダイバーで350m、クローズドで250m。日本の取扱代理店は三井物産エアロスペース。参考：月刊軍事研究1,’11、7,’14、朝雲

＜ポイント・スター・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ、Point Star。前から１機、３機、２機と並ぶ星形隊形で航過する。参考：月刊JWings6,’09

＜ポイント・ディフェンス＞：Point Defense、地点防御、地点防空。参考：月刊世界の艦船5,’86

　＜ポイント・ディフェンス（艦船）＞：単艦の自己防御機能のこと。防御半径は0-15海里くらいで、エリア・ディフェンスをすり抜けてきた経空脅威や、短射程潜対艦ミサイルなどを迎撃する。レーダー探知距離は短距離で済むが、シースキマーに対応できる能力が必要となる。自艦に向かってくる目標を脅威認定して迎撃するシステムであり、僚艦に向かう経空脅威が迎撃可能範囲に入ってきても基本的には対処できない。兵装は短射程艦対空ミサイル、艦砲、CIWSなどを使用する。エリア・ディフェンスが艦対空ミサイルになった後も機関砲・機関銃の時代が続いたが、エイラート撃沈で高速小型の対艦ミサイル対処が課題となり、短射程艦対空ミサイルとCIWSが開発され、煙幕に代わってECMやチャフ・フレアディスペンサーなどの自己防御装置を積むようになった。参考：月刊世界の艦船6,’16、5,’86、8,’16

＜ポイント・ディフェンス（アメリカ海軍）＞：太平洋戦争直前には４連装75口径28mm高射機関砲Mk1＋Mk40射撃指揮装置と12.7mm機銃M2を組み合わせていた。ただ28mm高射機関砲Mk1の性能が悪いのと、M2の射程が短く威力も低いのとで、太平洋戦争勃発前後にボフォース40mm機関砲とエリコン20mm機関砲の２段構えに強化している。太平洋戦争後期には全艦種でボフォース40mm機関砲（Mk1またはMk2。VT信管付き）＋Mk51GFCSとエリコン20mm機関砲＋Mk14GFCSに統一し、高度600-3000mをカバーするボフォースと、高度1500m以下をカバーするエリコンで二重の弾幕を張った。戦後は長期にわたり開発が止まっていたが、1967年のエイラート撃沈を受けてシースパローとファランクスを急遽開発し、AN/SLQ-6ECMやチャフ・フレアディスペンサーを装備した。ただ艦上戦闘機とエリア・ディフェンス・システムによる遠距離迎撃を重視してポイント・ディフェンス用対空戦闘システムの開発が遅れ、1987年にFFG-31スタークがエグゾセに対して全く防御行動を取れず大破する事件が発生。暫定的なAN/SYQ-17を開発し、本格的なポイント・ディフェンス・システムとしてSSDSを完成させた。撃ちっ放し式ポイント・ディフェンス用ミサイルとしてRAMも開発し、21世紀に入ってESSM、RAM、ファランクスの３段構えにしている。参考：月刊世界の艦船6,’16、10,’13、12,’17、歴史群像8,’15、月刊軍事研究7,’16

＜ポイント・ディフェンス（イギリス海軍）＞：第２次大戦開戦時には自国製のポンポン砲を装備していたが、性能がイマイチで、ボフォース40mm機関砲とエリコン20mm機関砲を輸入して装備した。UP対空ロケット弾も開発したが、役に立たず、すぐ撤去されている。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜ポイント・ディフェンス（海上自衛隊）＞：各艦が自艦を防御するため対空戦を行うこと（Point Air Defense）。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜ポイント・ディフェンス（日本海軍）＞：初期には毘式40mm機銃と九三式13mm機銃を装備した。ただ毘式機銃の性能が悪く、九六式25mm機銃＋九五式機銃射撃装置に更新して太平洋戦争を迎えている。太平洋戦争後期には二号一型／一号三型対空電探を装備し、九六式25mm機銃＋九五式機銃射撃装置を搭載したが、レーダーの能力や信頼性に劣り、九六式25mm機銃の射程外から５インチ（127mm）ロケット弾でアウトレンジされてしまった。太平洋戦争末期に12cm28連装噴進砲を開発したが、あまり役に立たなかった。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜ポイント・デファイアンス＞：LSD-24（アシュランド級揚陸艦）またはLSD-31（トーマストン級揚陸艦）を参照。

＜ポイント・ブランク＞：零距離射撃を参照。

＜ポイント・ブランク作戦＞：第２次大戦時の1943年7月に連合国が発動した、ドイツ戦闘機隊撃滅作戦。参考：月刊PANZER6,’04

＜ポイントマグー海軍航空基地＞：アメリカ海軍の航空基地。カリフォルニア州ベンチュラ郡の市街地にある。沖合やチャネル諸島の一部を含む太平洋ミサイル試験センター発射レンジを含めてベンチュラ・カウンティ海軍基地とも呼ばれる。海軍航空戦センター武器部門NAWC-WDが兵装試験を行っている。参考：月刊航空ファン2,’16、月刊JWings12,’22

＜ポイントマグー海軍兵器試験飛行隊＞：NWTSPMを参照。

＜ポイントマン＞：パトロールで先頭に立つ兵士のこと。ブービートラップ警戒のために前方低く警戒する。ベトナム戦争時は、急に現れた敵兵を一撃で倒すためにショットガンを持っていたこともある。参考：コンバット・バイブル

＜ポイント・ランデブー＞：空中給油機との会合方法の１つ。事前に空中給油機と受油機との会合地点・時間を決めておき、給油機は15分前に到着して受油機を待つ。参考：月刊軍事研究11,’04

＜ポイント・ロマ＞：EPF-15（遠征用高速輸送艦）を参照。

＜ボイントン＞：グレゴリー・ボイントン。アメリカ海兵隊エース。1912年12月4日、アイダホ州生まれ。1934年、航空技術大学を卒業し、予備役将校訓練課程を修了してアメリカ陸軍に入隊後アメリカ海兵隊に入り、1935年に戦闘機パイロットとなった。しかし酒とギャンブルに溺れて離婚する羽目になり、多額の借金を抱えてしまい、海兵隊を除隊して給料の良い義勇飛行隊フライング・タイガースに参加。1941年11月からラングーンに展開し、1942年3月までに６機を撃墜した。義勇飛行隊がアメリカ陸軍第14航空軍に編入されると義勇飛行隊を辞して7月にアメリカに帰国。海兵隊に復帰しようとしたが、義勇飛行隊への転属の経緯が軍律違反だという疑念があり12月までかかった。1943年1月、戦闘機空輸任務のため南太平洋に派遣された。5月、第222海兵戦闘機隊に配属されたが、泥酔して踵を骨折し、ニュージーランドに後送された。治った後はパイロット補充部隊指揮官に飛ばされ、その後補充部隊に飛ばされたパイロットで構成された第214海兵戦闘機隊・通称ボイントン・バスターズ／ブラックシープ（厄介者）の指揮官となった。9月16日、F4U-1を駆り、１ソーティで５機を撃墜。12月27日、通算25機撃墜を達成。1944年1月3日、零戦３機を撃墜したが、被弾して海上にパラシュート脱出、日本の潜水艦に捕まって捕虜となり、終戦まで拘束された。帰国後は名誉勲章を授与されたが、再び大酒を喰らうようになってアルコール依存症になってしまい、戦傷もあって1947年に退役。1988年1月11日に死去した。総撃墜機数28機。最終階級は中佐。参考：月刊JWings4,’11

＜ボウアーズ＞：APD-40（高速輸送艦）またはDE-637（護衛駆逐艦）を参照。

＜砲安定化装置＞：Gun stabilizer。射撃指揮装置の１つで、ジャイロを使用して車体・船体動揺による火砲のブレを修正し、火砲の軸線が常に一定方向を向くようにする装置のこと。水平（旋回、ヨーイング）と垂直（俯仰、ピッチング）の両方を安定化する砲二軸安定化装置を積んでおけば、波浪、不整地走行、加減速により車体や船体が激しく揺れ動いても、火砲（とそれに連動する照準器）はぶれずに目標を捉え続けるので、走行間・航行間射撃が可能となる。ローリングも加えて三軸安定化すれば完璧だが、機構が複雑になりすぎるので、あまり採用されていない。火砲を地球に対して安定化する装置であり、船体や車体に対しては動揺と反対方向に激しく揺れ動くので、安定化装置が付いていても走行・航行間に弾薬を人力装填するのは無理があり、停止して動揺が収まるのを待つか、安定化装置を切るか、火砲と同様に安定化された自動装填装置を付ける必要がある。アメリカ陸軍はM3軽戦車・M3中戦車用として艦船用のものを小型化した垂直方向の安定化装置を完成させたが、実戦ではあまり使われなかった。参考：戦車の戦う技術、British and American tanks of World War Two、月刊丸4,’17

＜奉安殿＞：天皇皇后両陛下の御真影（写真）を収めた、神社に似た小さい建造物。学校の正門脇にあり、明治23年発布の教育勅語や昭和14年発布の青少年学徒に賜りたる勅語も収納されている。前を通る時は足を止めて正対し、最敬礼（脱帽45度）する。参考：海軍兵学校岩国分校物語、月刊丸7,’14

＜方位アンビギュイティー＞：方位アンビと略す。単局型TASSは音が左右どちらから来ているのか判別できないという構造上の問題があるため、艦を変針させて受信方位の変化を確認することにより、音の方位を確認するという方法のことである。自艦雑音低減のため低速航行中に、TASSがプロペラに絡まらないようゆっくりと変針し、長大なTASSケーブルが真っ直ぐになるまで直進しなければならないので、やたらと時間が掛かり、その間に目標に逃げられ兼ねないのが欠点。解決のため、深度センサーや方位センサーを仕込んだり、TASSケーブルが曲がっていても補正して測定を継続できるソフトウェアを開発したり、多局型TASSを開発したりしている。参考：月刊世界の艦船5,’12、1,’17、4,’18

＜ボウィー＞：APA-137（攻撃輸送艦）を参照。

＜方位角＞：水平面上における目標の方向のことで、英語ではアズマス（Azimuth）。度の他に、艦船では45度を４点、90度を８点、135度を12点、180度を16点として右舷12点・左舷２点などと点数表示することもある。砲兵の場合、ミル角（360度＝6400ミル）を使ったりする。参考：コンバット・バイブル２、米海軍サバイバルマニュアル、歴史群像6,’16

　＜関係方位角＞：相対方位を参照。

＜真方位＞：True Bearing。北を０度、東を90度、南を180度、西を270度として方位を示すもの。この場合の「北」は地図（グリッド座標）上の北のことである。地軸上の北は北極点（北極星の位置）なので、正確な方位角表示には誤差（偏角）の修正が欠かせない。普通は軍用地図上に修正角が載っている。参考：コンバット・バイブル２、米海軍サバイバルマニュアル

＜磁針方位＞：Magnetic Bearing。コンパスの指す北（北磁極）を基準にし、北を０度、東を90度、南を180度、西を270度として方位を示すもの。参考：コンバット・バイブル２、米海軍サバイバルマニュアル

＜相対方位＞：Relative Bearing。関係方位角ともいう。自分（自車両、自艦船、自部隊など含む）が向いている方向を基準に測定した目標の方角で、右回りに０度から360度まで度数刻みにして表す。艦船だと０度（正面）はデッドアヘッド（Dead Agead）、45度はスターボード・バウ（Starboard Bow）、90度はスターボード・ビーム（Starborad Beam）、135度はスターボード・クウォーター（Starmorad Quarter）、180度をスターン（Stern）、225度をポート・クウォーター（Port Quarter）、270度をポート・ビーム（Port Beam）、315度をポート・バウ（Port Bow）と称する。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜目標方位角＞：Target Angle。目標から自分を見た時の方位角のこと。相対方位と同じく、右回りに0-360度で表す。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜包囲攻撃＞：攻撃を参照。

＜方位線誘導＞：ベアリング・ライダー。誘導兵器の誘導法の１つで、発射母体と目標とを繋ぐ方位線上に誘導兵器を位置させるよう制御して命中させるものである。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜方位測定機＞：自衛隊の機器。ソキア販売が受注している。参考：月刊軍事研究10,’09

＜方位測定機（オートジャイロステーション式）＞：自衛隊の機器。トプコンソキアポジショニングジャパン製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜方位盤＞：Director。艦船の砲熕兵器を管制する装置（射撃指揮装置）の１つで、砲側照準器で砲ごとに照準するとばらつきが出るため、複数の砲を１つの照準装置で管制できるようにしたものである。目標追尾データを測定して射撃盤に送り、射撃盤で算出した目標未来位置を元に理想的な着弾地点を割り出し、そこに着弾させるための射撃計算データに照準修正データを加えた発砲諸元を管制下の各砲熕兵器へと送って指向させ、方位盤に付属する発射装置を使用して各砲熕兵器に一斉射撃を行わせる。遠距離での照準や弾着観測ができるよう高所に設置し、自艦の動揺による誤差を防ぐため安定化装置上に搭載する。1912年にイギリス海軍パーシー・スコット提督が開発し、当初は人間が光学測定した追尾データを使って人間が操作していたが、後に測定器がレーダーや電子光学赤外線センサーになり、コンピュータが発達すると無人化され、方位盤機能を組み込んだ多機能レーダーの登場で積まない戦闘艦も出てきた。参考：月刊軍事研究11,’08、3,’18、月刊世界の艦船4,’18、4,’17、1,’12、グラフィックアクション29

＜方位盤射撃＞

＜方位盤射撃（日本海軍）＞：敵艦を発見し、マストに装備された測距儀と電波探信儀で測距を行う。また、測的盤で針路と速力を測定し、数値を主砲発令所の射撃盤に送る。射撃所では射手と旋回手が方位盤照準装置で敵艦を照準、この方向角・動揺角データも射撃盤に送る。これらのデータを元に射撃盤が旋回角と俯仰角を割り出し、各砲塔の砲側受信器元針を作動させるので、砲塔内の射手と旋回手は追針が元針に一致するよう砲塔を動かせば照準が終了する。全砲塔の照準が終了したら射撃指揮官（砲術長）が射撃を命令、方位盤射手が引き金を引くと斉射される。参考：戦艦入門

＜砲運丸＞：日本陸軍が大阪砲兵工廠で製作した重砲を要塞に運搬するため使用した大砲運搬船で、前甲板に蒸気式40トンクレーンを持つ。垂線間長49.26m、幅8.29m、深さ4.1m、吃水3.2m、総トン数498トン、重量トン数360トン。主機は二連成汽機１基１軸241馬力、航海速力８ノット、最大速力９ノット。明治23年8月4日竣工。平尾喜平治の所有で、その後安田商事を経て株式会社法運丸運搬部に換わった。日露戦争で横須賀箱崎砲台の28センチ榴弾砲６門を大連に輸送した。昭和15年、京浜商船に売却されて一般貨物船の暁丸となり、終戦後は旭汽船などを経て神原汽船に移り、1961年に波崎沖で座礁して全損した。参考：月刊世界の艦船4,’13

＜防衛二法＞：自衛隊法と防衛省設置法／防衛庁設置法のこと。1954年3月11日に国会に提出され、自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議と一緒に6月2日に成立した。参考：MAMOR vol.93、月刊世界の艦船11,’18

＜防衛３文書＞：安保３文書ともいう。国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画のこと。2022年12月16日、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の３文書になった。参考：月刊JWings3,’23

＜防衛医科大学校＞：自衛隊の医官養成・医学教育学校National Defense Medical College。自衛隊では以前は医官として衛生貸費学生を新卒採用していたが、人数の確保が困難となり1972年には充足率が30%程度にまで落ち込んだため、独自の医官養成機関として埼玉県所沢に設立された。入学金や授業料は無料で、毎月学生手当、年二回期末手当が支給され、食事、被服、寝具が支給または貸与される。学生は特別職国家公務員で、学生舎で生活し、学生隊（120-240名の大隊。その下に60名の中隊と30名の小隊がある）を編成、全員が基本的に学友会に加入する。学生隊は医学科1-4年生が第１学生隊、5-6年生が第２学生隊、看護学科1-4年生が第３学生隊を編成し、トップは学生長で、学生隊全体のトップとして医学科６年生１名が学生隊学生長に指名（4月と10月に指揮官が推薦して学校長が指名）される。教育期間は６年間で、医学生としての教育に加え、防衛医学（軍事医学史、災害医療、戦傷病、NBC対処、特殊環境医学など）の教育や、幹部自衛官として必要な基礎訓練（三自衛隊関連を一通り）も行う。卒業すると陸海空曹長に任命され、幹部候補生学校で６週間の教育を受ける。医師国家試験に合格し、幹部候補生学校での教育も終了すると、二等陸海空尉に任命されて総合臨床医官として部隊勤務に入る。自衛隊法第64条の２で卒業生の勤続義務が定められており、防衛省設置法第16条第１項第１号の教育訓練を修了した者は卒後９年間、同項第２・第３号の教育訓練を修了した者は卒後６年間自衛隊に勤務する義務があり、それ未満で離職する際には、死亡、心身障害、公務災害による免職による場合を除き、自衛隊法第99条に基づいて償還金（教育訓練に要した職員給与費、研究費、その他経常的経費を超えない範囲で、隊員としての勤続期間を考慮して政令で定める金額）を支払わなければならない（2009年度卒業生で最高4899万円）。卒業した医官に対する教育訓練や、保健師や看護師である幹部自衛官・技官となるべき者の教育も行う。1973年に開設された。1985年から女性の採用が始まっている。1996年、防衛医学研究センターが新設された。2003年7月、防衛医大出身として初の将補医官が誕生した。2009年3月14日、医学科30期62名の卒業式を実施。卒業生は同年の医師国家試験に全員合格した（全医学部で防医大のみ）。3月30日、新型インフルエンザ検疫支援のため、成田空港検疫所に医官を派遣。4月8日、第36期生80名の入校式を実施。8月30日、東京都・世田谷区・調布市合同総合防災訓練に参加。2011年3月5日、医学科第32期67名（陸上44名、海上13名、航空10名）の卒業式を実施。3月11日、東日本大震災で天井や壁タイルの一部が落下した。4月7日、平成23年度医学科入校式に第38期学生83名が参加。2012年3月10日、医学科第33期65名（陸上42名、海上13名、航空３名）の卒業式を実施。卒業証書と学位記が授与された。4月9日、平成24年度医学科39期生87名の入校式を実施。10月6-7日、文化祭である並木祭を開催。東部方面衛生隊の野外手術システム展示や第32普通科連隊の高機動車による構内一周走行、第１偵察隊の野外炊具によるカレーライス炊き出しなどのイベントもあり、2800人が来場した。2013年1月21-25日、第２学年学生が蔵王温泉スキー場で冬期定期訓練（スキー訓練）を実施。3月9日、医学科第34期生72名の卒業式を実施。4月8日、医学科第40期82名の入校式を実施。2014年2月11-21日、コブラ・ゴールド14に参加。2013年度、防衛医科大学校看護学科（４年制。自衛官コースと技官コースがある）第一期生の募集を開始。2014年3月8日、医学科35期生63名（陸上41名、海上12名、航空10名）の卒業式を実施。4月、医学教育部看護学科が新設された。4月8日、入校式を実施。5月17-18日、第13回日本トラウマティック・ストレス学会で災害メンタルヘルス研究グループが最優秀賞と優秀賞を受賞した。2015年2月14日、平成26年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。3月7日、医学科第36期学生79名の卒業式を実施。4月7日、医学科42期学生84名と看護学科第２期学生（自衛官候補看護学生75名、技官候補看護学生45名）の入校式を実施。4月21日から5月29日、WHOの要請を受け、エボラ出血熱の疫学調査のためWHO使節団に国際感染症学講座の教官１名を派遣した。6月11-13日、感染症疫学対策研究官（教授）がソウルと釜山の在韓日本人にMERS対処法などを講演した。9月1-3日、バンコクで開催された第１回軍医科大学会議に４名で参加。11月5日、WHO国際緊急援助チームとしてシエラレオネに派遣された国際感染症学講座の教官に外務大臣感謝状が授与された。2016年3月3日、イギリス外科学会誌電子版に膜厚80ナノメートルのナノ絆創膏による腸管癒着防止技術を発表した。3月5日、医学科第37期学生74名（陸上46名、海上15名、航空11名）の卒業式を実施。3月12日、平成27年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。5月16日、２型アルデヒド脱水素酵素の遺伝子多型が痛風の発症に関与しており、酵素の機能が高く酒に強い方が痛風を発症しやすいことを発見し、サイエンティフィック・リポーツ誌電子版に発表した。10月13-16日、カザフスタン軍医療関係者に対する能力構築支援事業に協力した。2017年3月4日、体育館兼講堂で医学科38期生79名の卒業式を実施。4月14-16日、都内ホテルで第２回日米爆傷フォーラムを開催。10月2日、校内託児所すまいるＪキッズ所沢を開所した。2018年1月10日、防衛医学研究センターが防衛研究所国際会議場で平成29年度市ヶ谷報告会を実施。3月3日、医学科第39期生77名と看護学科１期生103名の卒業式を実施。5月9-11日、第３回日米爆傷フォーラム2018を都内のホテルで実施。6月、メンタルヘルス研究班が日本トラウマティック・ストレス学会で最優秀賞と優秀賞を受賞した。7月、メンタルヘルス研究班が日本うつ病学会総会で学会奨励賞を受賞した。2019年、防衛医科大学校病院が第一種感染症医療機関に指定された。1月21日、防衛医学研究センターが平成30年度発表会を実施。3月9日、医学科40期学生76名、看護学科２期学生112名（自衛官コース71名、技官コース41名）の卒業式を実施。5月25日、自衛隊中央病院主催の大量傷者受入訓練に参加。5月26日、41期生（６年生）４名チームが医学生理学クイズ日本大会PQJ（Physiology Quiz in Japan）2019で優勝した。9月7日、内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練に参加。11月10日、祝賀御列の儀に10名がと列部隊として参加。2020年1月22日、隣の国立障害者リハビリテーションセンター40周年記念式典に出席する天皇皇后両陛下に、教職員22名と医学科４年生76名が堵列（整斉と敬礼）を行った。2月1日、埼玉県からの要請により、防衛医科大学校病院で埼玉県第１例目の患者を受け入れた。3月7日、医学科41期70名と看護学科３期（自衛官候補72名、技官候補42名）の卒業式と任命・宣誓式を実施。3月16日、防衛医科大学校病院が病院長を本部長とする新型コロナウイルス感染対策本部を設置。4月10日、防衛医科大学校病院が、新型コロナウイルス感染症治療のため、診療科の垣根を越えた診療医師団の運用を開始。また、３個病棟を閉鎖して看護職員を確保している。新型コロナウイルス治療薬候補アビガンの治験を開始。5月22日、河野防衛大臣が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、入校式を中止すると発表した。7月16-17日、医学科２年／46期86名が体育学校プールで４キロ遠泳を行い、全員が完泳した。12月14日から看護官１名が新型コロナウイルス感染拡大で医療が逼迫した大阪府の医療支援に係る災害派遣に参加。

2021年1月30日、岸防衛大臣が視察し、新型コロナウイルス対処などの任務にあたる医官や看護官ら職員を激励した。3月6日、医学科第42期学生74名と看護学科４期学生102名（自衛官コース60名、技官コース42名）の卒業式を実施。5月10日、防衛医科大学校病院が、埼玉県からの要請で、所沢市とその周辺の医療従事者500名を対象とする新型コロナウイルスワクチン接種を開始。9月1日、構内の独立棟にくれよん保育園所沢防衛医大が開園した。11月10日、明治安田生命保険から医療従事者への感謝を示すメッセージカードが贈呈された。2022年2月10日、第３海兵遠征軍医務長らの訪問を受け、学校長が概況説明、施設見学、意見交換などを行った。3月末、臨床検査国際規格ISO15189を取得した。7月8-10日、モンゴル軍に対する衛生分野の能力構築支援事業に協力し、幅広い研修を行った。

参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、4,’14、11,’19、MOLIBITO Vol.3、防衛医科大学校学生募集案内、陸海軍学校と教育、月刊丸9,’03、月刊JWings9,’12、MAMOR vol.136、vol.90、vol.100、vol.157、朝雲、自衛隊法

＜防衛医科大学校看護学院＞：自衛隊看護師の養成機関で、1975年に創設された。防衛医科大学校看護学科新設に伴い、2013年度で募集を終了した。2013年5月24日、第38期看護学生61名の戴帽式を実施。2014年5月30日、体育館兼講堂で第39期看護学生の戴帽式を実施。これが高等看護学院最後の戴帽式となった。2015年3月10日、第38期学生48名の卒業式を実施。2016年3月8日、第39期看護学生67名の卒業式を実施。開設以来2417名の卒業者を輩出して閉校された。参考：朝雲

＜防衛医科大学校看護学科＞：自衛隊の（保健師・看護師）養成教育で、防衛医科大学校に看護学科が新設されたのに伴い、2013年度に第１期生の募集が行われた。教育期間は４年間で、幹部自衛官を育成する自衛官コースと、防衛医科大学校病院勤務の技官を育成する技官コースがある。自衛官コースでは学生は特別職国家公務員で、教育に防衛看護学（健康管理、災害時の看護、NBC看護、国際平和協力活動時の看護、戦傷病看護など）の科目があり、保健師や看護師の国家資格を取得、幹部候補生学校や自衛隊病院で更に訓練や研修を行い、幹部自衛官として自衛隊病院や部隊に勤務する。技官コースでは学生は非常勤職員で、医療連携システムなどの先端教育を受ける。参考：MAMOR vol.136、月刊JWings2,’15

＜防衛会議＞：防衛大臣の求めに応じ、防衛省の所掌事務に関する基本方針について審議する会議で、改正防衛省設置法に基づいて2009年8月1日に新設された。議長は防衛大臣、委員は防衛副大臣、政務官、補佐官、事務次官、官房長、防衛政策局長、運用企画局長、人事教育局長、地方協力局長、統幕長、海幕長、空幕長、陸幕長、情報本部長で、防衛大臣が必要と認めた時は委員と代理以外の関係者も出席可能。庶務は官房企画評価課と防衛政策局防衛政策課が担当する。2009年8月4日に初会合が開催された。参考：朝雲

＜防衛学＞：防衛大学校の教育課目で、講師は現役自衛官が務める。歴史、政治、社会、科学技術などを軍事面から学習し、戦略や安全保障などを学ぶもので、幹部自衛官に必要なリーダーシップやマネジメントも身に付ける。参考：MAMOR vol.108

　＜防衛学（２０１５年）＞：必修科目は防衛学基礎�T・�U、国防論、軍事史序論、統率、軍事と科学技術、戦略、作戦、国際情勢と安全保障で、他に進路別の必修科目として陸上作戦、海上作戦、航空作戦、防衛学特論�T・�Uがある。選択科目は国防政策�T−�W、科学技術と安全保障�T・�U、戦略論�T−�V、作戦論、軍事史�T−�X、防衛学専門書購読�T−�V、実用軍事英語、特別講義。参考：MAMOR vol.108

＜防衛監察本部＞：防衛省の機関で、2007年9月1日に創設された。防衛大臣直轄で、事務官や自衛官に加え、検察庁や公正取引委員会からの出向者、公認会計士なども勤務しており、防衛省・自衛隊全組織に対する防衛監察（定期、特別、点検の３種。2019年11月25日に抜き打ちを新設）とコンプライアンスを主任務とする。2013年10月9-10日、沖縄防衛局で地方コンプライアンス講習会を実施。2014年5月12日、新田原基地で第21回地方コンプライアンス（法令遵守）講習会を開催した。5月27日、大湊地方隊と共催で地方コンプライアンス講習会を大湊基地で実施。10月6日、九州防衛局で地方コンプライアンス講習会を実施。2015年1月21日、美保基地でコンプライアンス講習会を実施。1月22日、高尾山分屯基地でコンプライアンス講習会を実施。5月14-15日、海自佐世保基地で第26回コンプライアンス講習会を佐世保地方総監部と共催した。6月3日、沖縄防衛局とコンプライアンス講習会を共催した。2016年2月9日、関東補給処で第29回コンプライアンス講習会を実施。7月12日、陸自東北補給所で第31回コンプライアンス講習会を実施。10月27日、東北防衛局で平成28年度コンプライアンス講習会を実施。2017年8月29日、防府北基地でコンプライアンス講習会を実施。9月20日、中国四国防衛局でコンプライアンス講習会を実施。2019年2月22日、浜松基地でコンプライアンス講習会を実施。9月13日、百里基地で第43回コンプライアンス講習会を実施。11月25日、抜き打ち防衛監察制度を新設した。12月19日、防衛大学校でコンプライアンス講習会を実施。2021年3月24日、武器学校でコンプライアンス講習会を開催。7月6日、松戸駐屯地で第50回コンプライアンス講習会を実施。参考：防衛監察本部ホームページ、朝雲

＜防衛監察本部システム用プログラム（アンケート調査用）＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜防衛技官＞：防衛省、防衛装備庁、地方防衛局、各部隊などに勤務する職員で、装備系技官と技術（施設？）系技官に分かれる。防衛施設建設工事、装備品研究開発、装備品調達・維持・整備、メンタルヘルスケアなど種々の業務を行う。参考：MAMOR vol.108、vol.125、vol.148

＜防衛記念章＞：自衛隊の記念章、通称「グリコのおまけ」。自衛官の職務遂行による功績や、国際貢献などの業務従事を示すものであり、縦11mm・横36mmの大きさで、金属の芯に布を巻き、縦に色分けされている。同じ記念章を複数回受章した場合、２回なら銀桜花１つ、３回なら金桜花１つ、４回なら銀桜花２つ、５回以上なら金桜花２つを防衛記念章の上に取り付ける。制服の左胸ポケット上に中心揃えで装着するが、８種類以上の場合は襟に隠れないよう左揃えにできる。順番は号数の小さい順に最上段左からで、男性は１段あたり３つ、女性は１段あたり２つ。1982年に第１から第15が制定され、逐次増えているが、号数順に増やしていく訳では無く、受章任務の重要度次第で若い号数に差し込まれたりする。参考：MAMOR vol.156

＜防衛記念章（２０１５年現在）＞：第１号（特別賞詞受章者）、第２号（第１級賞詞受章者）、第３号（第２級賞詞受章者）、第４号（災害派遣や航空救難などによる第３級賞詞受章者）、第５号（航空機飛行無事故などによる第３級賞詞受章者）、第６号（技術発明や業務改善などによる第３級賞詞受章者）、第７号（訓練や演習などの功績による第３級賞詞受章者）、第８号（災害派遣・航空救難・警戒監視などによる第４級賞詞受章者）、第９号（航空機飛行無事故などによる第４級賞詞受章者）、第10号（技術発明や業務改善などによる第４級賞詞受章者）、第11号（訓練や演習などの功績による第４級賞詞受章者）、第12号（災害派遣や航空救難などによる第５級賞詞受章者）、第13号（航空機飛行無事故などによる第５級賞詞受章者）、第14号（技術発明や業務改善などによる第５級賞詞受章者）、第15号（訓練や演習などの功績による第５級賞詞受章者）、第16号（安全功労者表彰や防災功労者表彰を受けた部隊でその業務を行った者）、第17号（海賊対処などで特別賞状を受賞した部隊でその業務を行った者）、第18号（災害対処などで第１級賞状を授与された部隊でその業務を行った者）、第19号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した将）、第20号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した将補）、第21号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した一佐）、第22号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した二佐・三佐）、第23号（陸海空自衛隊の部隊名との長を経験した一尉）、第24号（防衛省内局に勤務した者）、第25号（統合幕僚監部に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第26号（陸海空幕僚監部に勤務した者）、第27号（統合幕僚会議事務局などに勤務した者）、第28号（情報本部に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第29号（技本に勤務した者）、第30号（装備施設本部に勤務した者）、第31号（防衛監察本部に勤務した者）、第32号（勤続25年以上。緑地なので緑のたぬきと呼ばれる）、第33号（勤続10年以上。赤地なので赤いきつねと呼ばれる）、第34号（在外公館など外国勤務経験者で防衛大臣が別に定める者）、第35号（海賊対処行動に従事した者）、第36号（東日本大震災など国内大規模災害派遣活動に従事した者）、第37号（PKO活動などに従事した者）、第38号（テロ対策特措法に基づくインド洋派遣に従事した者）、第39号（イラク特措法に基づくイラク人道復興支援活動に従事した者）、第40号（国の行事、ワールドカップサッカー大会、オリンピックなどに関する業務に従事した者）、第41号（国外での訓練や南極への輸送に従事した者）がある。参考：MAMOR vol.86、vol.100

＜防衛記念章（２０１９年現在）＞：第１号（特別賞詞受章者。2019年現在で該当者無し）、第２号（第１級賞詞受章者）、第３号（第２級賞詞受章者）、第４号（災害派遣や航空救難などによる第３級賞詞受章者）、第５号（航空機飛行・車両・艦艇操縦無事故などによる第３級賞詞受章者）、第６号（技術発明や業務改善などによる第３級賞詞受章者）、第７号（訓練や演習などの功績による第３級賞詞受章者）、第８号（災害派遣・航空救難・警戒監視などによる第４級賞詞受章者）、第９号（航空機飛行・車両・艦艇操縦無事故などによる第４級賞詞受章者）、第10号（技術発明や業務改善などによる第４級賞詞受章者）、第11号（訓練や演習などの功績による第４級賞詞受章者）、第12号（災害派遣や航空救難などによる第５級賞詞受章者）、第13号（航空機飛行無事故などによる第５級賞詞受章者）、第14号（技術発明や業務改善などによる第５級賞詞受章者）、第15号（訓練や演習などの功績による第５級賞詞受章者）、第16号（安全功労者表彰や防災功労者表彰を受けた部隊でその業務を行った者）、第17号（海外派遣で特別賞状を授与された部隊などでその業務を行った者）、第18号（国内大規模災害で第１級賞状を授与された部隊などでその業務を行った者）、第19号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した将）、第20号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した将補）、第21号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した一佐）、第22号（陸海空自衛隊の部隊等の長を経験した二佐・三佐）、第23号（陸海空自衛隊の部隊名との長を経験した一尉以下の者）、第24号（指揮官が将である部隊の上級曹長など）、第25号（指揮官が将補である部隊の上級曹長など）、第26号（指揮官が一佐である部隊の上級曹長など）、第27号（指揮官が二佐・三佐である部隊の上級曹長など）、第28号（指揮官が一尉以下である部隊の上級曹長など）、第29号（防衛省内局に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第30号（統合幕僚学校を除く統合幕僚監部に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第31号（陸海空幕僚監部に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第32号（統合幕僚会議事務局または旧情報本部に勤務した者。既に廃止された組織なので新規授与は無い）、第33号（情報本部に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第34号（研究所。先進技術推進センター・試験場を除く技本に勤務した者。既に廃止された組織なので新規授与は無い）、第35号（装備施設本部に勤務した者。既に廃止された組織なので新規授与は無い）、第36号（防衛監察本部に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第37号（防衛装備庁内局に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第38号（内閣官房、内閣府、国の行政機関に勤務した者のうち防衛大臣が別に定める者）、第39号（勤続25年以上。緑地なので緑のたぬきと呼ばれる）、第40号（勤続10年以上。赤地なので赤いきつねと呼ばれる）、第41号（在外公館など外国勤務経験者で防衛大臣が別に定める者）、第42号（海賊対処行動に従事した者）、第43号（東日本大震災など国内大規模災害派遣活動に従事した者）、第44号（PKO活動など第45・第46号該当を除く外国での国際貢献業務などに従事した者）、第45号（テロ対策特措法と新テロ特措法に基づくインド洋派遣に従事した者）、第46号（イラク特措法に基づくイラク人道復興支援活動と安全確保支援活動に従事した者）、第47号（首脳会議など国の行事、ワールドカップサッカー大会、オリンピックなどに関する業務に従事した者）、第48号（国外での訓練や南極への輸送に従事した者）がある。参考：MAMOR vol.156

＜防衛協力小委員会＞：SDCと略す。日米安全保障協議委員会の下部組織で、1976年に創設された。日米間の協力のあり方を研究協議するのが主目的で、ガイドラインの協議策定にあたっている。外務省北米局長、防衛省防衛政策局長、防衛省運用企画局長、統合幕僚監部代表、国務次官補、国防次官補、在日米大使館代表、在日米軍代表、統合参謀本部代表、米太平洋軍代表（ガイドライン1997年見直し協議時から加わった）からなる。ガイドライン1997年見直しで包括メカニズムの１つになった。ガイドライン2015年見直しで共同計画策定メカニズムの１つになった。参考：月刊軍事研究4,’14、朝雲

＜防衛計画＞：自衛隊用語で、作戦計画のこと。防衛計画の大綱で基本が定められ、統合幕僚会議事務局第３幕僚室が年度統合防衛計画を作成、これらに基づいて陸幕・海幕・空幕が年度防衛計画を定める。更にこれに基づいて各方面隊や師団が年度防衛計画、連隊が出動準備計画、大隊・中隊が出動整備計画を策定する。防衛出動待機命令や防衛出動命令の際の直接侵略対処計画はＱ計画と呼ばれる。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜防衛計画の大綱＞：Defense program outline。防衛大綱と略す。４次防の後を継いで策定されている自衛隊の防衛力整備計画。４次防を終了しても目標の防衛力が達成できず、特に後方体制は悲惨な状況で、意味のあり達成可能な防衛力整備構想を打ち出すべきということから策定が開始された。期間は特に定めず、国防の基本方針と国際情勢とに基づいて整備すべき編成や装備の規模を指針として打ち出している。2013年12月17日に国防の基本方針に代わって国家安全保障戦略が決定されたのに伴い、これに基づく防衛政策を指針として示すものとなった。別表として概ね10年後の自衛隊の体制が示されている。2022年12月16日、30防衛大綱に代わり国家防衛戦略が定められ、別表（10年後の数値目標）は防衛力整備計画に移し、両者が閣議決定された。参考：月刊世界の艦船8,’14、4,'23、3,'23、自衛隊装備カタログ1981、月刊軍事研究3,’14、9,’10、月刊JWings3,’11、MAMOR vol.100

　＜昭和五十二年度以降に係る防衛計画の大綱＞：４次防終了後の自衛隊構想で、1976年10月29日に国防会議と閣議で決定された。防衛力整備の基本方針は、平時に十分な警戒態勢を取ることができ、限定的かつ小規模な侵略までの事態に有効に対処可能な基盤的防衛力の整備である。自衛隊が限定的かつ小規模な侵略に対処できるとなれば、仮想敵は当然中規模以上の侵略を行って目的を達するであろうから、仮想敵の最大能力を考慮せずに日本の都合だけで防衛力を決めるのは危険という意見が海自から出されたものの、認められなかった。陸上自衛隊は日本全国に均衡配備とすることにし、地形や行政の面から道北、道東、道央、北東北、南東北、関東、甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州北部、九州南部、沖縄にそれぞれ１個ずつの部隊（うち四国と沖縄が混成団、他が師団）を置き、更にソ連の侵攻に備えて北海道に機甲師団の創設を決定、13個師団２個混成団態勢を取ることになった。陸上自衛隊は定員18万名で、12個師団、１個機甲師団、２個混成団、１個空挺団、１個ヘリコプター団、８個高射特科群からなり、戦車1200両と特科火砲1000門を配備する。海上自衛隊は対潜水上艦艇部隊として４個護衛隊群（常時１個を即応体制とする）12個隊33隻と５個地方隊10個隊（各地方隊あたり常時１個を即応体制とする）30隻、潜水艦部隊として６個隊（宗谷・津軽・対馬海峡で作戦に就く）16隻、掃海部隊として２個掃海隊群と地方隊隷下の掃海隊、陸上対潜機部隊として固定翼機10個隊（８個で太平洋側沿岸300マイル・日本海側沿岸200マイルを１日１回哨戒、１個で外航船団直衛、１個で内航船団直衛）・回転翼機６個隊（津軽海峡、対馬海峡、京浜、阪神、沖縄、日本海側港湾を防備）を整備することにし、対潜水上艦艇60隻、潜水艦16隻、作戦機220機を配備するとした。海自側では５個護衛隊群を望んでいたが、予算的に護衛艦充足の目途が無く、当分の間は平時に司令部のみで有事に地方隊の護衛艦を配属させるという案も実現しなかった。航空自衛隊はレーダー部隊28個警戒群、要撃戦闘機10個飛行隊、支援戦闘機隊３個飛行隊、偵察機１個飛行隊、輸送機３個飛行隊、早期警戒機１個飛行隊、防空ミサイル６個高射群を整備し、作戦用航空機を430機（うち戦闘機350機）配備する。1976年11月5日に防衛費のGNP1%枠が閣議決定され、1977年度以降は単年度予算編成になったが、これだと将来の見通しが立たないので、防衛庁で５カ年計画である中期業務見積もりを３年ごとに作製し、本大綱に基づく整備を実施した。1985年9月18日、５カ年計画も政府で策定すべきとのことで、中期防衛力整備計画を閣議決定した。参考：月刊世界の艦船3,’05、8,’14、9,’14、6,'22、月刊PANZER3,’05、月刊軍事研究9,’04、10,’10、3,’11、自衛隊装備カタログ1981

＜平成八年度以降に係る防衛計画の大綱＞：1995年11月28日（18日？）に閣議決定された。基本方針は昭和五十二年度以降に係る防衛計画の大綱と変わらない。防衛力整備の基本方針も、力の空白を生じない程度の独立国として必要最小限の基盤的防衛力整備といったものである。陸上自衛隊は定員16万名（常備14.5万名、即応予備1.5万名）とし、戦車を1200両から900両に、特科装備を1000門から900門に削減、師団を甲・乙２種から師団1-4型に多様化、一部を旅団化するもので、13個師団２個混成団が９個師団６個旅団態勢となる。これに基づき、1998年度に第13師団を旅団化して第13戦車大隊を中隊に縮小、第１師団を政経中枢防衛師団に改編して戦車大隊を２個中隊に削減、第12師団を旅団化して戦車大隊を全廃した。2004年度に第５師団が旅団化して第５戦車大隊を戦車隊に縮小、第３師団を政経中枢防衛師団に改編した。第２混成団、第11師団、第１混成団の旅団化は16大綱に持ち越されている。海上自衛隊は機動運用の護衛艦部隊は４個護衛隊群12個隊を維持するが、地域配備の護衛艦部隊を10個隊から７個隊に削減する。潜水艦は６個隊で変わらないが、掃海隊群は２個から１個に、陸上哨戒機部隊は16個隊から13個隊に減る。主要装備は護衛艦50隻、潜水艦16隻、作戦機170機。航空自衛隊は航空警戒管制部隊が８個警戒群、20個警戒隊、１個飛行隊で構成され、要撃戦闘機隊は10個から９個飛行隊に減る。支援戦闘機部隊は３個飛行隊、航空偵察部隊は１個飛行隊、航空輸送部隊は３個飛行隊、高射群は６個を維持する。装備は作戦用航空機400機（うち戦闘機300機）。参考：月刊世界の艦船3,’05、8,’14、7,’19、6,'22、月刊PANZER3,’05、月刊軍事研究9,’04、3,’11、スピアヘッドNo.2

＜平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱＞：2004年12月10日に安全保障会議と閣議で決定された。基本方針は第一目標が日本への直接脅威の排除、第二目標が国際的安保環境改善による脅威予防である。防衛力整備の基本方針は、多機能で弾力的な実効性のある防衛力の構築であり、これまでの基盤的防衛力構想に弾道ミサイルやゲリラ・コマンドー対処などの新事態対応能力を加えたものである。留意事項で適応期限は10年間とし、５年後の見直しを謳っている。陸上自衛隊の編成定数を常備148000名（3000名増）、即応予備7000名（8000名減）の計155000名に削減した。９個師団・６個旅団体制は平成8年度と同じで、第11師団が第11旅団に、第２混成団が第14旅団に、第１混成団が第15旅団に、機動運用部隊の空挺団とヘリコプター団が中央即応集団に改編される。師団と旅団のタイプ分けは総合近代化師団／旅団（北海道の２個師団２個旅団）と即応近代化師団／旅団（それ以外）の２つとなる。コア連隊（第73戦車連隊を除く普通科コア連隊）は方面隊直轄とし、予備兵力として使用する。主要装備は戦車600両、特科600門で、高射特科群は８個。ただ戦車や特科装備の削減に関する根拠はあまり明確でないようである。ゲリコマ作戦にあまり有効でないとされた重MATと多目的誘導弾は88%の大幅削減となる。海上自衛隊は機動運用の護衛艦部隊が４個護衛隊群８個隊（４個減）、地域配備の護衛艦部隊が５個隊（２個減）で、潜水艦は４個隊（２個減）、掃海部隊は１個掃海隊群、陸上哨戒機部隊は９個隊（４個減）を整備する。主要装備は護衛艦47隻、潜水艦16隻、作戦機150機。航空自衛隊は航空警戒管制部隊が８個警戒群20個警戒隊１個警戒航空隊（２個飛行隊）で、戦闘機部隊は要撃と支援の区分を廃止して12個飛行隊を整備する。航空偵察部隊は１個飛行隊、航空輸送部隊は３個飛行隊、高射群は６個のままで、空中給油輸送部隊１個飛行隊を新設する。主要装備は作戦機350機（うち戦闘機260機）。BMD用装備として護衛艦４隻、７個警戒群、４個警戒隊、３個高射群を整備する。参考：月刊世界の艦船3,’05、月刊軍事研究8,’11、10,’05、10,’10、3,’11

＜平成二十二年度以降に係る防衛計画の大綱＞：平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱の後継として2009年度中に策定される予定だったが、政権交代で先送りになった。参考：月刊軍事研究3,’10

＜平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱＞：22大綱。2010年12月17日の安全保障会議と閣議で決定された。安全保障の基本理念は、第一目標が日本に直接脅威が及ぶことを防ぎ、及んだ場合にはこれを排除して被害を最小化すること（16大綱と同じ）、第二目標がアジア太平洋地域の安全保障環境の安定化とグローバルな安全保障環境の改善により脅威の発生を予防する（16大綱より積極的）こと、第三目標が世界の平和と安定、人間の安全保障の確保に貢献すること（16大綱には無かった）である。そのため、外交力や防衛力をより積極的に使用するとしている。防衛力整備の基本方針としては、財政面に配慮して効率化と合理化を進め、即応性・機動性・多目的性の高い動的防衛力を構築する。要するに量を減らす分は工夫で補うという感じで、装備を揃えるだけでなく、実際の活動に投入することにより、抑止力の存在感を高める。また、情報収集にも力を入れる。東アジア情勢の緊迫化に対応し、警戒監視、洋上哨戒、防空、BMD、輸送、指揮通信機能充実に重点を置く。航空自衛隊は作戦機を10機減らして340機とし、戦闘機は260機を維持、那覇基地の戦闘機部隊を２個飛行隊に増強し、平成23-27年度中期防でF-4EJ後継機を12機配備する。基幹部隊は戦闘機12個飛行隊、偵察機１個飛行隊、輸送機３個飛行隊、空中給油／輸送１個飛行隊、１個警戒航空隊、４個警戒群、６個高射群。陸上自衛隊は定数を1000名減らして15万4000名（常備14万7000名、即応予備7000名）とし、地対空誘導弾部隊を１個群減らして７個群・連隊に、戦車を200両減らして400両に、火砲を200門減らして400門にする。基幹部隊は８個師団６個旅団１個機甲師団と中央即応集団。第１師団は常備自衛官のみとし、予備自衛官主体の第31普通科連隊を編成から外し、残る３個普通科連隊に重迫中隊を置く。第２師団の普通科連隊から対戦車中隊を廃止して師団直轄の第２対舟艇対戦車隊（96MPMS装備）を新編し、第２特科連隊を４個大隊10個射撃中隊に改編する。第４師団は予備自衛官主体の第19普通科連隊を編成から外す。第５旅団は常備自衛官のみとし、普通科連隊の第４中隊を廃止、第５特科隊を４個中隊から３個中隊に減らし、第５対舟艇対戦車中隊を廃止する。第14旅団は徳島県に駐屯地を開設。第15旅団は第６高射特科群を高射特科連隊に再編する。海上自衛隊はBMD対応イージス艦を２隻増やして６隻に、潜水艦を６隻増やして６個潜水隊22隻とする。海外活動が拡大して護衛隊群だけでは対応が困難になっているため、地方隊配備の護衛隊も機動運用部隊として運用する。基幹部隊は４個護衛隊群８個護衛隊＋４個地方隊配備護衛隊、６個潜水隊、１個掃海隊群、９個航空隊で、主要装備は護衛艦48隻、潜水艦22隻、作戦機150機。2012年12月26日に政権交代が起きたため、2013年12月17日に新しい大綱（26大綱）が纏められた。参考：月刊JWings3,’11、月刊軍事研究3,’11、11,’13、月刊航空ファン3,’11、3,’13、月刊世界の艦船4,’11、月刊PANZER4,’11

＜平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱＞：25大綱。2013年12月17日の国家安全保障会議と閣議で決定された。国家安全保障戦略に基づく積極的平和主義を実現し、脅威度の増す北朝鮮や軍事的に懸念材料の多い中国、南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模災害などに対応するため、統合運用体制と機動力を強化した統合機動防衛力を構築するというコンセプトで、国家安全保障戦略と同様に概ね10年くらいのスパンを考慮している。宇宙空間への対応を新項目として打ち出す一方、ゲリラ・コマンドー部隊への対応は弾道ミサイル攻撃時に行われる付随的なものという程度に格下げされた。自衛官定数は159000名で、常備自衛官が151000名、即応予備自衛官が8000名。空自は2017年度に三沢でF-35A戦闘飛行隊１個を創設して13個戦闘飛行隊体制とし、三沢の第８飛行隊を築城、築城の第304飛行隊を那覇に移す。戦闘機定数は260機から280機に増やされ、F-35A戦闘機28機を導入、F-15J戦闘機26機の近代化改修を行う。改良の効かないF-15J/DJのプレMSIP型は新型戦闘機で置き換える予定で、機種選定に入るかもしれない。F-2戦闘機も退役時期を見据えて後継機開発などの検討に入る。警戒監視飛行隊と空中給油飛行隊を１個ずつ増強。RF-4の後継として滞空型無人機を導入し、F-35AのEOTSで補完する。航空警戒管制部隊は８個警戒群20個警戒隊を28個警戒隊に改編する。海自は４個護衛隊群８個護衛隊＋６個護衛隊（尖閣諸島対応で１個増加）、６個潜水隊（１個増加）体制とし、護衛艦54隻（イージス護衛艦８隻）、潜水艦22隻、作戦機170機態勢を整備する。イージス護衛艦が２隻、その他護衛艦が６隻増えるが、隊員定数は増えないので、省力化で対応する必要があり、掃海艦艇は25隻から18隻に減らし、その他護衛艦を掃海にも対応できる多用途護衛艦（後の30FFM）とする。ひゅうが／いずも型のヘリ運用能力とおおすみ型の水陸両用戦能力を併せ持ち、それに応じた指揮能力も備えた多機能艦についても検討に入る。陸自は平時には敵の侵攻を困難とする配置を敷き、敵の侵攻に対しては先遣部隊の即応展開、即応機動連隊の一次展開、機動師団・旅団の二次展開で戦力を増強して追い落とし、占領を許した場合には水陸機動団など増援部隊の三次展開により奪還を図る。各方面隊を統括する組織として陸上総隊を創設し、中央即応集団は廃止して隷下部隊を陸上総隊直轄に移す。第２師団、第５旅団、第６師団、第８師団、第11旅団、第12旅団、第14旅団を機動師団／旅団に改編。機動戦闘車、装輪装甲車、120mm迫撃砲RTを主要装備とする即応機動連隊を主力とし、装輪走行による高速機動とC-2輸送機による空中機動で即応性を向上させる。第１ヘリコプター団にティルトローター機を配備。戦車は300両に減らし、北海道と九州（西部方面隊直轄部隊）に集約する。火砲も300門に減らし、FH70を火力戦闘車で置き換えて機動力を増す。高射特科群／連隊は８個から７個に減らす。水陸両用作戦部隊として１個水陸機動団を創設する。参考：月刊軍事研究3,’14、月刊JWings3,’14、4,’14、月刊世界の艦船3,’14、4,’14、11,’14、6,’19、MAMOR vol.137

＜平成三十一年度以降に係る防衛計画の大綱＞：30大綱。日本の安全保障環境が想定よりも速く厳しさと不確実性を増していることから、25大綱で想定していた10年スパンの半分で見直すことになり、2018年12月18日に国家安全保障会議と閣議で決定した。平成31年度から10年間を見据えた安全保障政策の基本方針を示しており、統合機動防衛力に宇宙・サイバー・電磁波などの新領域における防衛力を有機的に融合した多次元統合防衛力を構築し、領域横断作戦を実現すべく統合運用を行い、平時から有事まで全段階に対応できる柔軟かつ戦略的な活動を常時継続的に実施できるようにする。平時のグレーゾーン事態対応として、共同訓練・共同演習・海外寄港などによるプレゼンスの向上及び戦略的コミュニケーションの推進、常時監視と柔軟な抑止措置、主権侵害行為対処、弾道ミサイル防衛を行う。宇宙では相手の指揮統制情報通信を妨害し、サイバー空間では有事での相手方によるサイバー空間利用を妨げ、電磁波では相手のレーダーや通信を無力化する能力を重視し、優先整備する。対空能力強化と戦闘機運用柔軟性向上を図り、必要な場合に現有艦艇からSTOVL機を運用可能とする。脅威圏外からの対処を可能とするスタンドオフ火力を獲得し、統合ミサイル防空能力、水陸両用作戦能力、統合輸送能力、後方分野を含む防衛力持続性・強靱性を強化する。部隊は共同部隊がサイバー防衛隊１個、海上輸送群１個、陸自が機動師団３個、機動旅団４個、機甲師団１個、空挺団１個、水陸機動団１個、ヘリコプター団１個、地域配備師団５個、地域配備旅団２個、地対艦ミサイル連隊５個、島嶼防衛用高速滑空弾大隊２個、高射特科群・連隊７個、弾道ミサイル防衛隊２個、戦車300両、火砲300門、海自が護衛隊群４個（護衛隊８個）、護衛艦・掃海隊群２個（掃海隊６個、両用戦隊７個）、潜水隊６個、航空隊９個、護衛艦54隻（うちイージス護衛艦８隻）、潜水艦22隻、哨戒艦12隻、作戦用航空機190機、空自が警戒隊28個、警戒航空団１個、戦闘飛行隊13個（STOVL機部隊含む）、空中給油輸送飛行隊２個、航空輸送飛行隊３個、高射群４個、宇宙領域専門部隊１個、無人機飛行隊１個、作戦用航空機370機（うち戦闘機290機）とする。参考：朝雲、月刊世界の艦船4,’19、月刊航空ファン3,’19

＜防衛研究所＞：National Institute for Defense Studies。防衛庁／防衛省のシンクタンクで、上級幹部職員教育（一般課程。将来高級幹部となるのにふさわしい1-2佐、防衛省幹部職員、他省庁幹部職員、民間企業職員、外国人留学生などが対象で、9月から6月までの10ヶ月間）も行う。大元は1952年8月に発足した保安庁保安研修所で、1954年7月に防衛庁防衛研修所となり、1985年4月に防衛研究所に改称された。2011年9月1日に大規模改編が行われた。研究部を政策研究部（研究２室を防衛政策研究室、研究４室を軍事戦略研究室、研究７室をグローバル安全保障研究室に改編）、理論研究部（研究１室を政治・法制研究室、研究３室を社会・経済研究室に改編）、地域研究部（研究６室をアジア・アフリカ研究室、研究５室を米欧ロシア研究室に改編）の３部に分け、企画部を新設、戦史部を戦史研究センター（新設の戦史研究室、戦史１室から改編した国際紛争史研究室、戦史２室から改編した安全保障政策史研究室、図書館から移設した史料室からなる）とした。教育部は教務課と教育課程運営室に分けている。戦史研究センター史料室は公文書管理法適用対象外の歴史資料等保有施設に指定されており、日本軍公文書などの戦史史料を永久管理する。2012年10月26日、創立60周年を記念してホテルグランドパレスで平成24年度安全保障国際シンポジウムを実施。日本、アメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、韓国、スウェーデンの有識者12人が防衛力の戦略的マネジメントをテーマに議論を行った。2013年7-9月、初のオーストラリア国防省からの交換職員を受け入れた。11月12日、リーガロイヤルホテル東京で平成25年度安全保障国際シンポジウムを開催。日本、アメリカ、インド、オーストラリア、韓国、シンガポール、ロシアから有識者８人が参加した。2016年4月、中国研究室を新設した。8月1日、図書館の管理運営を空自幹部学校に引き継いだ。8月8日、目黒地区から市ヶ谷地区防衛省敷地内（防衛省の北側）に移転して業務を開始。新設のF1棟（教育研究棟。地上６階・地下２階、延床面積11100平方メートル）と、財務省国立印刷局市ヶ谷センターを改修したF2棟（事務棟。地上５階、地下１階、延床面積7600平方メートル）からなる。ちなみにA-E棟は防衛省の建物。F2棟には統合幕僚学校国際平和協力センターも目黒地区から移転する。8月30日、開所式を実施。9月26日、F1棟１階の資料閲覧室の一般利用を開始。10月、戦略研究プログラム第１期生10名の教育を開始。防衛研究所第64期一般課程入校者に対し、政策研究大学院大学での修士（政策研究）学位取得教育を行った。2017年4月14日、東アジア戦略概観2017を発表。9月14日、戦略研究プログラム第１期生10名の教育を修了し、全員が修士（政策研究）の学位を取得した。9月20日、平成29年度戦争史研究国際フォーラムを開催。非正規戦争の歴史的考察をテーマに講演や公開討論を行った。2018年4月1日、理論研究部社会・経済研究室主任研究員が国連1540委員会（国連安保理決議1540号に基づく大量破壊兵器不拡散政策担当）専門家グループのメンバーに就任（任期は数年の予定）し、国連本部で業務を開始した。2019年7月17-18日、第２回メガシティ会議が開催された。11月8日、中国安全保障レポート2020を公表。12月5日、オーストリア＝ハンガリーとの修好通商航海条約締結150周年となったことを記念して日墺防衛交流150年記念誌を共著した元オーストリア防衛駐在官とオーストリア陸軍ハラルド・ベッヒャー准将が講演を行った。2020年8月31日、これまでの防衛研究所紀要に代わり、安全保障戦略研究を創刊した。2021年3月22日、松川防衛大臣政務官が視察した。3月26日、東アジア戦略概観2021を公表。8月5日、文部科学相から科学研究費補助金取扱規程第２条に基づく研究機関に指定され、研究者が科研費に応募できるようになった。10月12-14日、所長と特別研究官（政策シミュレーション担当）がコペンハーゲンで開催された第50回NATO国防大学校長等会議CoC2021に出席し、軍事専門教育と将来戦人材をメインテーマに意見・情報交換を行った。11月26日、ノンフィクション作家を講師に招き、日本陸軍の船舶輸送部隊と司令官たちをテーマとする戦争史研究会を実施。2022年1月28日、創立70周年記念事業の一環で政策シミュレーション専門家会合を開催。2月1日、YouTube公式チャンネルを開設。2月28日、ウクライナ情勢に関する緊急座談会を実施。3月9日、ウクライナ情勢に関する緊急座談会を実施。3月21-22日、所長以下３名がハノイのベトナム国防省国防国際関係研究所と軍事戦略院を訪問し、意見交換を行った。4月11日、防衛省F1棟国際会議場で新領域安全保障セミナーを実施。次期防衛大綱で宇宙・サイバー・電磁波領域が果たす役割について議論した。4月22日、所長と戦史研究センター研究者ら計10名が領土・主権展示館を見学し、研修を行った。5月12日、防衛省F1棟国際会議場で第４回防研セミナーを実施。5月17-19日、所長がドイツのハンブルクで開催された第51回NATO国防大学国防関係学校長会議CoC2022に参加し、レジリエンス（困難な状況に対する柔軟な適応力・回復力）をテーマとする意見交換を行った。5月31日、「東アジア戦略概観2022」と別冊の「ウクライナ戦争の衝撃」を公表。6月21日、鬼木防衛副大臣が所内施設を視察した。イギリスのロングボトム駐日大使を招いて特別講義を実施。6月30日、研修員130人（防衛省・自衛隊、他省庁、民間企業、外国軍人など）の第69期一般課程修了式を実施。参考：防衛研究所ホームページ、朝雲、陸海軍学校と教育、月刊航空ファン6,’16、MAMOR vol.117、vol.131、月刊世界の艦船6,’21

　＜防衛研究所（２０１５年）＞：所長、副所長、研究幹事、企画部、製作研究部、理論研究部、地域研究部、教育部、戦史研究センター、特別研究官（国際交流・図書担当。4月新設）、特別研究官（制作シミュレーション担当。4月新設）からなる。参考：防衛研究所ホームページ

＜防衛研修所＞：防衛庁のシンクタンクで、高級幹部教育学校も兼ねており、陸海空の一佐クラス40名（以前は警察など他官庁からの要員も含め30名だった）に対し、国防、国際、国内など安全保障問題に関する幅広い研修教育（外国研修を含む）を行う。海外からの留学生も受け入れている。元は1952年8月に発足した保安庁保安研修所で、1954年7月に防衛庁防衛研究所となった。1958年4月、霞ヶ関から中目黒（海軍技術研究所跡）に移った。1985年4月、防衛研究所に改称された。参考：防衛研究所ホームページ、月刊世界の艦船1,’79増刊、月刊軍事研究7,’11、4,’12、目黒基地ホームページ

＜防衛功労賞＞：自衛隊の表彰制度。賞詞を授与された自衛隊員に贈呈されるもので、1954年に制定された。当初は第３級までだったが、2019年4月から第４級と第５級が追加されている。自衛隊の儀式、公式行事、離着任時、冠婚葬祭、公式の招待に参加する場合に着用する。戒告以外の懲戒処分を受けた場合には一定期間着用できない。参考：MAMOR vol.156、自衛隊法施行規則、表彰等に関する訓令

　＜特別防衛功労賞＞：特別賞状授与者が対象で、表彰権者は内閣総理大臣。2019年現在、受章者はいない。参考：MAMOR vol.156

　＜第１級防衛功労賞＞：第１級賞状授与者が対象で、表彰権者は防衛大臣。参考：MAMOR vol.156

　＜第２級防衛功労賞＞：第２級賞状授与者が対象。参考：MAMOR vol.156

　＜第３級防衛功労賞＞：自衛隊法第６章に規定する自衛隊の行動（防衛出動、国民保護等派遣、治安出動、警護出動、海上警備行動、海賊対処行動、弾道ミサイル等に対する破壊措置、災害派遣、地震防災派遣、原子力災害派遣、対領空侵犯措置、機雷等の除去、在外邦人等保護措置、在外邦人等輸送、後方支援活動等）に参加するか、航空救難、警戒監視その他の防衛大臣の定める業務に従事し、職務遂行に当たり特に著しい功績があったとして第３級賞詞を授与された者、職務遂行に当たり著しい功績又は功績を重ねたことにより職務遂行に当たり特に著しい功績があったとして第３級賞詞を授与された者、技術上優秀な発明考案をしたとして第３級賞詞を授与された者及び業務処理の能率性の改善その他の業務の改善を行ったことにより職務遂行に当たり特に著しい功績があったとして第３級賞詞を授与された者、それ以外の功績があったとして第３級賞詞を授与された者でそれぞれ綬の色分けが異なる（４種類ある）。参考：表彰等に関する訓令、MAMOR vol.156

　＜第４級防衛功労賞＞：2019年4月に新設された。第４級賞状授与者が対象。参考：MAMOR vol.156

　＜第５級防衛功労賞＞：2019年4月に新設された。第５級賞状授与者が対象。参考：MAMOR vol.156

＜寶永山丸＞：三井物産貨物船Hoyeisan maru。垂線間長124.13m、幅15.27m、深さ9.93m、吃水7.96m、総トン数6079トン、重量トン数8813トン。主機は三連成汽機１基１軸3796馬力、航海速力10ノット、最大速力12.5ノット。大正7年10月竣工。昭和12年、山下汽船に売却された。太平洋戦争勃発で日本陸軍の輸送を行った。昭和19年2月11日、マニラを出港してシンガポールに向かっていたところ、バターン半島南方で機関室に雷撃を受け機関が停止。バターン半島マリブルズ近郊に曳航されて擱座し、防水処置を施してマニラ港に移動、砲台として使用された。その後数回の空襲を受け、11月30日に大破して放棄された。アメリカの記録では10月18日沈没となっている。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜防衛施設庁＞：防衛庁の外局で、1962年11月1日に設置された。自衛隊や在日米軍の使用する土地・施設の取得、工事、在日米軍に雇われた日本人従業員の労務管理、在日米軍により生じる損害の賠償などの事務を行う。2007年1月9日に防衛庁が防衛省になったのに伴い、8月31日に解体されて9月1日から地方協力局となった。組織の一部は装備本部と統合されて装備施設本部になっている。参考：自衛隊図鑑2002、月刊軍事研究11,’07、11,’14、JWings11,’07

＜防衛出動＞：自衛隊法第76条・第88条に根拠がある。武力攻撃事態（外部からの武力攻撃及びその恐れが差し迫っている）が生じた場合、内閣総理大臣が国会の承認を得て（緊急時には得ないで）自衛隊の全部または一部を出動させることができる。集団的自衛権の限定容認を受け、日本と密接に関係する他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態が生じた場合にも出動を命じることが可能となった。同時に防衛庁長官／防衛大臣は一般命令として出動整備実施命令を発出し、自衛隊は戦闘部隊を編成、事前に策定しておいたＱ計画などの防衛計画に基づいて出動し、国際法規・慣例を遵守しつつ合理的に必要と判断される限度の武力を行使できる。また、自衛隊法第92条に基づき、必要に応じて公共の秩序を維持するため行動することができる。この際、自衛官は、道路交通法第114条の５に規定されている、自衛隊等の使用する車両以外の車両の道路に於ける通行禁止・制限を行うことができる。また、海上自衛官は、武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律が規定する権限を行使できる。陸上自衛隊は24時間以内に出動する。自衛隊の行動地域は自衛隊法施行令第107条に基づいて政府が告示し、この地域内では自衛隊法第88条に基づき、国際法規・慣例によるべき場合にはこれを遵守し、かつ事態に応じ合理的に必要な範囲で武力を行使できる。また、この地域内では、自衛隊法第103条に基づき、防衛大臣または政令で定める者の要請により、都道府県知事が病院、診療所その他政令で定める施設を管理し、土地・家屋・物資を使用し、物資生産・集荷・販売・配給・保管・輸送を業とする者に対し物資の保管を命じ、またはこれら物資を収用できる。土地に立木など家屋以外の邪魔な定着物件がある場合は、移転もしくは処分することが可能で、処分したら損失を補償する。家屋を使用する際には、やむを得ない必要がある場合、家屋の形状を変更することができる。緊急時には都道府県知事に通知した上で防衛大臣または政令で定める者が自ら権限を行使する。また、自衛隊法第103条の２に基づき、自衛隊行動地域外で防衛大臣が告示した地域内でも都道府県知事が同様の権限を行使でき、更に医療、土木建築工事、輸送を業とする者に対し、当該地域内で現に従事している業務と同種の業務に従事させることができ、実費を弁償する。自衛隊の行動に係る地域内を緊急に移動する場合で、通行に支障がある場所を迂回する必要がある時は、一般交通の用に供しない通路又は公共の用に供しない空き地・水面を通行することが出できる。緊急通信網を確保するため、防衛大臣が総務大臣に対し、電気通信事業者の電気通信設備や有線電機通信法第３条第４項第４号に掲げる者が設置する電気通信設備を優先使用できるよう求めることができ、総務大臣はその要求に沿うよう適当な措置を執る。弾薬、燃料、整備用部品などの緊急生産調達とその費用、民間輸送機関輸送力の活用、火薬類の運搬、防御施設構築のための土地建物の使用といった防衛出動時に必要となる有事法制の整備がさっぱり進んでいないのが難点。事態が緊迫し、防衛出動命令の発出が予測される場合、防衛大臣が内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の全部または一部に出動待機命令を出すことができる。その場合、部隊の展開が見込まれ、かつ防備を予め強化しておく必要があると認める地域がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、その範囲を定め、自衛隊の部隊等に陣地その他の防御のための施設を構築する措置を命じることができる。その際、自己又は共に職務にあたる隊員の生命身体を防護するためやむを得ないと認める相当の理由がある場合には、合理的に必要な限度で武器を使用できる。ただし刑法第36条（正当防衛）または第37条（緊急避難）に該当する場合の他、人に危害を与えてはならない。任務遂行上必要な場合、都道府県知事が防衛大臣または政令で定める者の要請に基づき、展開予定地域内の土地を使用することができ、任務の妨げとなる立木等（家屋以外）がある場合には移転したり処分したりできる（処分したら損失を補償する）。防衛出動命令発出予測時には、防衛大臣またはその委任を受けた者が、武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律の定めるところにより、行動関連措置としての物品の提供を行える。更に、防衛大臣は、同法の定めるところにより、防衛省の機関及び部隊等に、行動関連措置としての役務の提供を行わせることができる。参考：月刊軍事研究3,’05、4,’14、10,’16、自衛隊法、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜防衛省＞：Ministry of Defense。1964年4月に防衛庁を防衛省に昇格することが閣議決定されたが、総理が病床に付くなどして法案の提出には至らなかった。1981年にも論議されたが、法案に至らず、1997年から議論が本格化し、2001年に議員立法で防衛省設置法案が提出されたが、衆院解散で廃案になった。2005年から論議が再開され、2006年6月8日に閣議決定され、秋の臨時国会で法案（防衛庁設置法等の一部を改正する法律）が可決され、2007年1月9日に防衛庁の省への昇格法案（改正防衛庁設置法等）が施行されて同日に発足した。これにより、予算要求や議案提出を内閣府を通さずに直接行えるようになった。また、アメリカ軍に対する物品・役務の提供、防衛出動時における物資収容などに関する地域告示、需品の貸し付けなどを、内閣総理大臣でなく、防衛大臣の権限で行えるようになった。自衛隊法改正も同時に行われ、周辺事態対処、国際平和協力活動、機雷等の除去、在外邦人等輸送、後方地域支援等、国際緊急援助活動、国際平和協力業務が付随的任務から本来任務になった。これに伴い、安全保障会議設置法の諮問事項に、国際平和協力活動に関する重要事項が追記された。2009年4月30日から新型インフルエンザの検疫支援を開始。成田空港、中部国際空港、関西国際空港に医官や看護官を派遣した。2011年、日本軍兵士によるインドネシア独立支援に謝意を示すスディルマン将軍像がインドネシア国防省から贈呈された。3月11日に発生した東日本大震災を受け、直後の1450に防衛大臣を本部長とする災害対策本部を設置。2012年6月4日、防衛庁時代を通じて初となる民間（元航空自衛官の拓殖大教授）からの防衛大臣が就任した。

2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。2月12日、サイバー防御演習サイバー駅伝を開始。3月14日、陸幕給与室が主催して平成25年度方面等給与担当者集合訓練を実施。3月26-28日、東京都内などで国連PKO工兵部隊マニュアル会合を実施。14カ国と３機関から40名が参加した。4月1日、防衛省講堂で防衛省入省式が行われ、305人が入省した。4月14-18日、大臣官房が市ヶ谷基地などで平成26年度防衛省合同初任研修を実施。4月24日、防衛省内に吉野家市谷本村町店がオープンし、小野寺防衛大臣が来店第１号として防衛省限定の焼玉牛丼（500円）を食した。9月17日、人事教育局厚生課が主催し、40歳代に向けたライフプランセミナーを実施。9月25日、外務省主催の海洋安全保障・災害救援能力構築支援セミナーの一環として、ASEAN各国政府関係者を招き、防衛装備品展示会を開催した。10月21日、西アフリカで流行するエボラ出血熱への対応のため、幹部自衛官ら５名（陸自３名、空自１名、部員１名）をドイツ・シュツットガルトのAFRICOM司令部に派遣した。12月29日、アメリカ及び韓国の防衛当局と、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に関する秘密情報共有に関する取り決めに署名した。３カ国の防衛当局が自発的に秘密情報を共有する枠組みを設定したもので、法的義務を課すものではない。日本と韓国は直接情報をやりとりせず、アメリカ国防省を介して入手する。

2015年1月26-30日、平成26年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月3日、オーストラリア国防省からの職員受け入れを開始。女性事務官が防衛政策局国際政策課能力構築支援室に配属された。2月5日、平成26年度防衛医学セミナーを実施。2月9-20日、コブラゴールド15に参加。5月13日0612頃、宮城県沖でマグニチュード6.8の地震が発生し、最大震度５強を観測したため、0630に災害対策連絡室を設置した。5月18-21日、MILOPS2015に参加。5月30日2024頃、小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード8.5の地震が発生し、最大震度５強を観測したため、2029に災害対策連絡室を設置した。7月21日、空幕長とミャンマー空軍司令官が会談し、国際航空法セミナーなどの実施や、部隊レベルでの交流に向けた協力で一致した。7月22日1300頃、小型無人機への対処機材の説明を行うための事前予行として、民間業者が操縦するDJI社製ファントム�U小型無人機を構内で飛行させていたところ、風に煽られてファントム�Uが敷地外に流され、行方不明になった。1810に近くの民間人が落ちている小型無人機を発見したと警察署に通報、行方不明になっていたファントム�Uと確認され、業者に返却された。7月30日、統幕長とタイ軍司令官が会談し、安全保障分野での協力推進（ADMMプラスでのHA/DR専門家会合や防衛医学専門家会合など）、コブラ・ゴールドへの継続参加、人的交流などで合意した。8月4日、第１回日英法務官等会議を実施。統幕主席法務官ら５名とイギリス国防省法務官ら４名が防衛法制について意見交換した。9月1日、首都直下地震を想定した防災訓練に参加し、災害対策本部会議を開催した。9月10日、関東・東北豪雨災害で災害対策室を設置。10月1日、防衛装備庁を新設し、技術研究本部と装備施設本部を廃止した。防衛省設置法第12条改正に伴い、内局による運用統制を統幕に移管することになり、運用企画局を廃止し、統合幕僚監部に部隊運用を一元化した。メイバス米海軍長官の表敬訪問を受けた。11月20日、防衛省環境週間のイベントとして、防衛省講堂で市ヶ谷台管弦楽団（市ヶ谷地区勤務隊員・職員・その家族らで構成）による環境コンサートを実施。12月1日、オーストラリア国防省と船舶の流体力学分野にかかわる日豪共同研究に関する取り決めを締結した。12月4日、中谷防衛大臣がチェコのマルチン・ストロプニツキー国防大臣と日・チェコで初となる防衛相会談を実施。互いに重要なパートナーであることを確認し、チェコ国防相は安全保障関連法に高い関心と強い支持を表明、国際社会での日本の役割拡大に歓迎の意を示した。12月16日、第49回自衛隊高級幹部会同が開催され、安倍総理、中谷防衛大臣、若宮防衛副大臣、防衛政務官、事務次官、各幕僚長、各将官部隊長、各機関の長ら180名が出席した。

2016年1月、フィリピンに対する能力構築支援事業に２名が参加。1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。1月21日、アメリカ国防総省で第４回サイバー防衛政策ワーキンググループ会合に参加。1月29日、北朝鮮にミサイル発射の動きがみられるため、第１高射群PAC-3が配備された。2月、ラオスでの能力構築支援事業に１名を派遣。2月3日、第27回日米装備・技術定期協議を実施。装備品取得の分野でも協力を強化することなどで一致した。2月15日、陸幕計画平成27年度技能公募予備自衛官転地訓練を実施。法務枠の技能公募予備自衛官９名が法律支援演習に参加した。3月、ベトナムに対する能力構築支援事業に参加。3月15日、防衛省における女性職員活躍とワークライフバランス推進のための取り組み計画を改正した。3月24日、いじめ等の防止に関する検討委員会を開催。4月1日、パワーハラスメントの防止に向けた訓令を施行。パワーハラスメントを階級、職権、期別、配置などの権威、権力や職場の優位性（職場の地位に限らず、人間関係や専門知識などの様々な優位性の他、上司から部下、先輩・後輩間、同僚間、部下から上司に対するものも含む）を背景に、職務の適性な範囲を超えて隊員に精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為と定義し、指導に当たる隊員には怒りの感情のコントロールと法令や規則などの根拠に基づく指導を徹底するよう、指導を受ける隊員には何でもすぐパワーハラスメントとせず謙虚に受け止め、前向きに改善する姿勢を持つよう呼びかけた。新規採用者434名の入省式を実施。4月4-15日、ベトナムに対する能力構築支援事業に１名が参加。5月18日、在日米軍再編に係る訓練移転先６基地関係市町村議会連絡協議会（千歳、三沢、百里、小牧、築城、新田原各基地周辺自治体）のメンバーが防衛省を訪問し、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法が翌年3月31日に失効するのを受け、交付金の交付継続を求める要望書を副大臣に手交した。5月31日、UAE空軍司令官イブラヒム・ナシール・Ｍ・アルアラーウィ少将が訪問し、空幕長と意見交換などを行った。政府が防災基本計画や東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法などを一部改正したのを受け、防衛省防災業務計画の一部を修正した。東南海・南海地震を南海トラフ地震に修正するなど、各種用語を改めている。6月7日、統合幕僚長がNATO軍事委員長と会談し、日NATO国別パートナーシップ協力計画に基づき防衛協力や防衛交流を推進して緊密に協力することで一致した。6月16日1421頃、函館市で最大震度６弱を記録する地震が発生したため、1424に災害対策室を設置した。6月23日、鳥取県の海岸で16日に発見された北朝鮮の弾道ミサイル（2月に発射）フェアリングの一部とみられる半円筒形金属（長さ1.9m、幅1.2m、重量75kg）が運び込まれた。6月29-30日と7月5-8日、平成28年度自衛隊統合防災演習に参加。8月19日、稲田防衛大臣がアメリカ陸軍参謀総長と会談し、日米同盟とその強化の重要性を確認した。9月2日、稲田防衛大臣とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子兼国防大臣が防衛省で会談し、あらゆる分野での防衛協力推進で一致。防衛審議官とサウジアラビア国防次官補が防衛分野における協力に関する覚書に署名した。9月6-9日、航空自衛隊第28回市ヶ谷基地美術展が開催された。9月12日、第50回自衛隊高級幹部会同を実施。防衛副大臣、防衛政務官、防衛事務次官、各幕僚長、防衛装備庁長官など180名が出席し、安倍首相と稲田防衛大臣が訓示を行った。9月21日、稲田防衛大臣がミャンマー国防大臣と会談し、防衛協力強化で一致した。栃木地本が非常勤隊員７名に部隊研修を実施。9月28日、部外講師を招いてパワーハラスメント防止講演会を実施。10月7日、前日に在日米軍司令官兼第５航空軍司令官に着任したジェリー・マルティネス空軍中将が統幕長を表敬した。10月21日、稲田防衛大臣と在日米軍司令官兼第５航空軍司令官が会談し、日米同盟・抑止力・対処力強化で一致した。11月7日、稲田防衛大臣とアメリカ空軍参謀総長ゴールドフィン空軍大将が初めて会談した。12月7日、稲田防衛大臣とカーター米国防長官が会談し、強固な同盟関係を次期アメリカ政権に継承することで一致した。12月5日、統幕長がヨルダンのアブドラ国王から戦艦三笠の木製模型を贈られ、駐日ヨルダン大使から伝達を受けた。12月13日、稲田防衛大臣がオランダ国防大臣と会談し、防衛協力・交流に関する覚書に署名した。12月13-14日、第４回日米豪幕僚協議（スタッフトークス）を実施。統幕防衛計画部長、アメリカ太平洋軍司令部第５部長、オーストラリア軍統合作戦司令部副本部長が情勢認識を共有し、各国部隊の役割や協力のあり方について意見交換した。12月16日、整備計画局情報通信課に第１回働き方改革推進コンテストの大臣賞が伝達された。12月20日、鹿児島中央高校生徒28人が研修のため訪問した。

2017年1月23-27日、平成28年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。1月24日から2月24日、コブラ・ゴールド17に参加。2月4日、アメリカのジェームズ・マティス国防長官が訪問し、稲田防衛大臣と会談、日米の連携を確認した。2月9日、講堂で平成28年度防衛医学セミナーを実施。宇宙飛行士の油井元２等空佐が講演を行った。2月14日、平成28年度募集・援護担当者会同を開催。2月20-21日、自衛艦隊等先任伍長会報が開催され、先任伍長12名が海幕副長との懇談などを行った。2月22日、統幕長がヨルダン統合参謀本部議長と会談し、防衛交流推進で一致した。国連本部（国連事務局国連フィールド支援局後方支援部戦略支援課）に防衛部秘書課・統幕参事官付の防衛部員を１年間の予定で派遣した。整備計画局情報通信課が主催して初の情報セキュリティ講習会を開催。2月24日、女性自衛官と在日米軍女性軍人による女性フォーラムを開催。3月1日、ウクライナ最高会議議長が防衛副大臣を表敬し、安全保障分野での協力推進を表明した。陸幕長が在韓米陸軍第８軍司令官と会談し、米韓合同演習を前に情勢認識共有などの意見交換を行った。3月6-19日、陸自研究本部の２等陸佐２名を国際コンサルタントとしてエチオピア平和支援訓練センターに派遣し、PKOなどに関する教育訓練マニュアル作りに協力した。3月9日、スリランカで開催された女性・平和および安全保障セミナーに２名が参加。3月15日、食堂で自衛隊ラグビーを強くする会が総会と懇親会を実施。3月17日、今後の日米同盟の方向性をテーマに、防衛省シンポジウムを開催。3月21日、防衛省が平成28年度ワークライフバランス職場表彰選考委員会特別賞、整備計画局情報通信課が平成28年度ワークライフバランス職場表彰内閣人事局長表彰を受賞した。3月23日、認可保育所であるキッズパオ防衛省市ヶ谷保育園の開所式を実施。3月28-29日、第21回東京ディフェンス・フォーラムを都内のホテルで開催。日本など26カ国の将官・局長級国防関係者が参加し、PKOの課題などについて議論した。4月3日、平成29年度総合職・一般職・専門職新規採用者453人の入省式を実施。キッズパオ防衛省市ヶ谷保育園がオープンした。4月14日、稲田防衛大臣がインドネシア海洋・水産相と会談し、海洋安全保障分野の協力強化で一致した。4月19日、都内で開催された第９回日米韓防衛局長級実務者協議に防衛政策局長が出席し、アメリカ国防次官補代行及び韓国国防政策室長と会談、北朝鮮の核とミサイルの脅威に対する緊密な連携対処などを盛り込んだ共同ステートメントを発表し、完全かつ不可逆的な核・ミサイル開発放棄と挑発行為停止、国際的な義務の順守などを要求した。中国を念頭に、韓国へのTHAAD配備に対する圧力や報復は不当で不適切との認識でも一致している。5月8日、稲田防衛大臣がインド国防相と会談し、共同訓練や部隊間交流の積極的推進、US-2輸出への協議加速化などで合意した。5月9日、統合幕僚長に全国知事会から災害派遣活動に対する感謝状が贈呈された。5月15日、前日の北朝鮮軍弾道ミサイル発射を受け、稲田防衛大臣と韓国国防相が電話会談を実施。5月16日、稲田防衛大臣がアメリカ太平洋軍司令官ハリー・ハリス大将と会談し、自衛隊と米軍の連携強化による抑止力・対処力向上で一致した。統合幕僚長がアメリカ太平洋軍司令官ハリー・ハリス大将と会談し、アジア太平洋地域の安全保障環境と日米防衛協力について意見交換を実施、北朝鮮に対応するための自衛隊と米軍による協力関係の重要性を再確認した。北朝鮮軍弾道ミサイル発射を受け、防衛政策課長がアメリカ国防次官補代理代行、韓国国際政策次長と課長級テレビ会議を行った。5月22日、稲田防衛大臣がイタリア国防相と会談し、日伊間の防衛協力・交流に関する覚書に署名した。5月25日、北朝鮮軍弾道ミサイル発射を受け、防衛政策課長がアメリカ国防次官補代理代行、韓国国際政策次長と課長級テレビ会議を行った。5月31日、タイ空軍司令官ジョム大将が訪問した。6月5日、統合幕僚長がNATO変革連合軍司令官と会談し、緊密な協力の継続で一致した。6月7日、防衛省講堂で初の日米５軍種音楽隊合同演奏会を実施し、航空中央音楽隊、東京音楽隊、在日米陸軍音楽隊、アメリカ空軍太平洋音楽隊、第７艦隊音楽隊が参加した。6月13日、日米水陸両用将官級会議を初開催。統合幕僚長、西部方面総監、自衛艦隊司令官、航空総隊司令官など自衛隊13名、第７艦隊司令官、第３海兵遠征軍司令官などアメリカ軍４名が参加し、水陸機動団新編を見据えた意見交換や認識共有を行った。6月14日、陸幕長と仏領ポリネシア統合軍司令官が会談し、日仏水陸両用部隊などの交流強化で一致した。6月21日、ASEANとの防衛協力強化指針ビエンチャン・ビジョンに基づく初の研修プログラムで、ASEAN全10カ国から佐官級各１名とASEAN事務局１名が防衛省を訪問し、防衛政務官を表敬した。6月23日、防衛省講堂で宇宙飛行士山崎直子さんの公演会を実施。7月3-7日、長崎市で開催された赤十字国際委員会主催第12回東南及び東北アジア地域・国際人道法トレーニングに参加。7月12日、防衛政策局長、アメリカ国防次官補代行、韓国国防省国防政策室長職務代理が日米韓局長級テレビ会議を開催し、北朝鮮の脅威に対して連携を強化しつつ最大限の圧力を掛けることで一致した。7月13日、稲田防衛大臣がヨルダンの首相兼国防相と会談し、前年10月に締結した防衛協力・交流の覚書に基づく具体的取り組みの推進で一致した。7月24日、統幕長がニュージーランド軍司令官と会談し、防衛協力・交流の一層の推進で一致した。7月25日、陸幕長がチリ陸軍総司令官と会談し、災害対処分野を中心とする防衛協力推進で一致した。8月9日、南スーダンPKO日報問題再発防止策の一環として情報公開査察官のポストを新設した。8月18日、統幕長とアメリカ統合参謀本部議長が会談し、北朝鮮の脅威に対応するための緊密な連携の重要性を確認した。8月22日、統幕長とエジプト軍参謀長が会談し、交流促進で一致した。8月24日、小野寺防衛大臣とアメリカSTRATCOM司令官と会談し、日米同盟の抑止力・対処力強化と北朝鮮への圧力継続で一致した。8月28日、小野寺防衛大臣と在日米軍司令官が会談し、日米共同防衛態勢の堅持で一致した。8月31日、大学生らに対して市ヶ谷オフィスツアーを開催。9月4日、オーストラリア空軍本部長が訪問し、防衛大臣と航空幕僚長を表敬、第404飛行隊とオーストラリア空軍第33飛行隊間のシスター・スコードロン関係締結書に署名した。9月5日、小野寺防衛大臣がインド国防相と会談し、軍民両用技術などを中心とする防衛装備・技術協力の推進で一致した。9月5-8日、厚生棟多目的ホールで第29回空自市ヶ谷基地美術展が開催された。9月7日、第１省議室で東京オリンピック・パラリンピックとラグビー・ワールドカップに向けた第10回特別行動委員会を開催。9月11日、第51回自衛隊高級幹部会同が開催された。9月12日、小野寺防衛大臣がカンボジア副首相兼国防相と会談し、部隊間交流、能力構築支援、装備・技術協力など、幅広い分野での防衛協力推進や、北朝鮮に対する国際社会全体での対応で一致した。9月15日、小野寺防衛大臣がアメリカ陸軍参謀総長と会談し、北朝鮮に対する日米韓３カ国の緊密な連携対処を確認した。9月19日、小野寺防衛大臣がアメリカ海軍第７艦隊司令官と会談し、立て続けに発生したイージス駆逐艦事故の犠牲者と遺族に哀悼の意を示すと共に、在日米軍イージス艦の重要性を指摘し、防衛態勢に穴が開かないよう要請した。9月20-29日、ヴァージニア州サフォークで行われたアメリカ戦略コマンド主催グローバル・センチネル17演習に内局１名、防衛装備庁１名、空幕３名を派遣。9月25-29日、フィリピン海軍への艦船整備に関する能力構築支援事業（艦船整備に係る研修）を実施。9月29日、部外講師の一般社団法人日本案ガーマネジメント協会代表理事を招いてパワーハラスメント防止に関する講習会を実施。10月6-9日、国家公務員採用一般職試験（高卒者、社会人＝係員級）一次試験合格者を対象とした官庁訪問を実施。10月23日、陸幕長とシンガポール陸軍司令官が会談し、都市型防衛などをテーマとする防衛協力・交流を進めることで一致した。10月30日、小野寺防衛大臣がNATO事務総長と会談し、北朝鮮に対する国際社会と連携した圧力と、外交による解決で一致した。11月6日、小野寺防衛大臣がスリランカの国防担当国務大臣と防衛省で会談し、海洋安全保障分野を中心とした防衛協力・交流の推進で一致した。11月15日、小野寺防衛大臣が在韓国連軍司令官兼在韓米軍司令官と会談し、北朝鮮に対する日米韓の緊密な連携対処で一致した。11月16日、小野寺防衛大臣がアメリカ太平洋軍司令官と会談し、強固な日米同盟を再確認した。11月22日、宇宙デブリなどを監視するレーダーと運用システムを2022年度までに構築すると発表した。運用システムは空自府中基地、レーダーは海自山陽受信所跡地に設置する予定。11月28-29日、ロシア地上軍総司令官サリュコフ地上軍大将が来日し、陸幕長と会談した。12月1日から、エチオピア平和支援訓練センターに陸自隊員２名を派遣。12月1日、前月29日に北朝鮮が火星15号とみられる弾道ミサイルを発射したのを受け、日米韓防衛当局局長級テレビ会議を開催。防衛政策局次長がアメリカ国防次官補代行、韓国国防政策室長と会議を行い、北朝鮮への最大限の圧力で一致した。12月11日、ロシア軍参謀総長ゲラシモフ上級大将が河野統幕長を表敬訪問し、意見交換などを行った。12月18日、小野寺防衛大臣がアメリカ海軍作戦部長と会談し、連携強化を確認した。12月18-19日、働き方改革推進のための取り組みコンテスト表彰式を実施。呉地方総監部が防衛大臣賞、統幕指揮通信システム企画課・陸幕指揮通信システム課・東北防衛局が副大臣賞を受賞した。

2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。1月15日、小野寺防衛相がスペインのコスペダル国防相と会談し、2014年に両国が署名した防衛協力・交流に関する覚書に基づく安全保障協力の強化などを謳った共同プレス声明を発表した。1月27日、フランスのパルリ軍事相が小野寺防衛大臣と会談し、省内に配備されているペトリオットPAC-3を視察した。1月31日、丸茂空幕長とウィルソン米空軍長官が会談し、地域の平和と安定のため緊密に連携することで一致した。2月1日、平成29年度防衛医学セミナーが開催された。2月7日、アメリカのペンス副大統領が省内に配備されているPAC-3運用部隊の第１高射隊市ヶ谷分遣班を視察した。河野統幕長とカナダ軍参謀総長バンス陸軍大将が会談し、防衛交流の一層の促進で一致した。2月13-23日、コブラ・ゴールド18に参加。2月18日、アメリカ陸軍参謀総長ミリー大将の表敬訪問を受けた。小野寺防衛相とも会談し、北朝鮮への圧力継続と不測事態への準備の重要性を確認した。2月21日、陸自曹友連合会が１級褒賞とJSS（ジャパン・サージェント・サリュート）顕彰の授与式を実施。2月27日、小野寺防衛省がイギリス第１海軍卿兼海軍参謀長ジョーンズ大将と会談し、防衛協力推進で一致した。ジョーンズ大将は村川海幕長とも会談し、日英海軍の能力強化が自由で開かれたインド太平洋の貢献するとの見解で一致している。2月28日、日ラトビア防衛相会談を初開催し、小野寺防衛相とベルグマニス国防相が対北朝鮮圧力継続やNATOを通じた防衛協力などで一致した。3月6日、小野寺防衛大臣がアメリカ太平洋艦隊司令官スウィフト大将に旭日大綬章（2月27日付で贈呈）を伝達した。3月9日、小野寺防衛大臣とアメリカ戦略軍統合軍宇宙構成部隊司令官兼アメリカ空軍宇宙コマンド司令官レイモンド大将が会談し、宇宙分野での日米協力推進で一致した。3月14日、第１省議室で2019年国際防衛ラグビー競技会に向けた自衛隊ラグビー強化策説明会を実施。3月15日、日韓外務・防衛当局実務者による第11回安全保障対話を３年振りに開催。防衛省国際政策課長、外務省アジア大洋州局長、韓国国防省国際政策次長、韓国外務省東北アジア局長らが出席し、緊密な連携を確認した。3月19日、防衛省シンポジウムを都内で開催。北朝鮮の核・ミサイル脅威にどう対処するか〜北朝鮮の核・ミサイル開発の動向と日本の弾道ミサイル防衛体制がテーマで、防衛産業関係者、研究者、学生など400人が聴講した。3月22日、イギリス国防省との間で次世代RF（Radio Frequency／電波）センサシステムの実現可能性に係る共同研究に関する取決めを締結。広帯域の電波により広範囲を瞬時に探索可能なシステムを研究する予定である。4月2日、平成30年度新規採用者505名の入省式を実施。4月4日、村川海幕長とフィリピン海軍司令官エンペドラッド少将が会談し、海上自衛隊と比海軍間の協力深化に関わる実施取り決めに署名した。4月5日、フィリピン海軍司令官エンペドラッド少将が小野寺防衛大臣と河野統幕長を表敬した。4月9日、小野寺防衛相とベトナムのリック国防相が会談して防衛協力・交流指針である共同ビジョンに署名し、ハイレベル及び軍種間の交流、防衛装備・技術協力、サイバーセキュリティなどでの協力強化を確認した。4月11-12日、福井国体に合わせて防衛省共済組合本省支部が厚生棟地下１階イベントスペースで福井県フェアを実施。5月10日、山本防衛副大臣とUAEのボワルディ国防担当国務大臣が会談し、防衛協力・交流覚書に署名した。5月16日、丸茂空幕長がニュージーランド空軍司令官デイヴィーズ少将と会談し、地域情勢、防衛政策、防衛協力などについて意見交換を行った。司令官は村川海幕長、河野統幕長、山本防衛副大臣を表敬している。5月17日、河野統幕長がタイ国軍司令官スリスワン陸軍大将と会談し、防衛協力と交流深化で一致した。5月21日、小野寺防衛相とシンガポールのエンヘン国防相が会談し、米朝首脳会談に向けた緊密な連携などを確認した。5月28日、丸茂空幕長が対空軍司令官ルンサワン大将と会談し、関係強化を確認した。6月12日、フランス国防省と次世代機雷探知技術に係る共同研究に関する取決めを締結。防衛装備庁艦艇装備研究所とフランス国防省装備総局無人海洋システム部門が、主としてソナーによる高精度自動探知類別技術（試作含む）の共同研究の実現可能性に係る机上検討を２年くらい行う。6月18日、大阪北部地震が発生したため、災害対策室を設置。6月19日、第28回日米装備・技術定期協議を開催。6月19-22日、平成30年度自衛隊統合防災演習に参加。6月21日、小野寺防衛相と米インド太平洋軍司令官デービッドソン海軍大将が会談した。6月22日、河野統幕長とデービッドソン海軍大将が会談した。6月25日、笹川平和財団の日越佐官級交流で来日したベトナム人民軍幹部14名（団長はベトナム人民軍総参謀部政治局長）が小野寺防衛相と本松統幕副長を表敬した。6月27日、第２回日米女性フォーラムを実施。女性自衛官15名と女性在日米軍人19名が参加し、キャリア形成や意識改革などについて議論した。6月28日、小野寺防衛大臣がグアム準州カルボ知事と会談し、在沖縄米海兵隊の早期移転を確認した。6月29日、小野寺防衛大臣とマティス米国防長官が会談し、北朝鮮への対応を協議した。6月30日から7月15日、防衛大学校所属２等陸佐をエチオピアのエチオピア平和支援訓練センターに派遣し、紛争管理コースの運営支援や教育などを行った。7月2日、村川海幕長とイタリア海軍参謀長ジラルデッリ大将が会談し、防衛協力強化で一致した。7月4日、小野寺防衛相がベトナム国防次官ヴィン陸軍上将と会談し、防衛協力・交流の更なる推進で一致した。7月7日、中央音楽隊・東京音楽隊・航空中央音楽隊による平成30年度陸・海・空自衛隊合同コンサートをウェスタ川越大ホールで実施。7月24-26日、パシフィック・シールド18に参加。7月27日、アメリカ国防総省との間で、高耐熱性ケース技術に係る共同研究に関する取り決めを署名した。ロケットモーター用CFRPモーターケースの設計・製造・試験を行う。7月30日、河野統幕長が米インド太平洋軍司令官デービッドソン海軍大将と会談し、中国・朝鮮半島情勢について意見交換を行った。7月31日、北朝鮮軍による弾道ミサイル発射の恐れが当面低くなったとして、昨年3月から敷地内グラウンドで迎撃態勢を取っていた第１高射群第１高射隊市ヶ谷分遣班PAC3を省内施設に収容した。8月6日、会津地方自衛隊駐屯地誘致期成同盟会が小野寺防衛大臣に会津若松市への陸自駐屯地新設の要望書を手渡した。8月22-28日、防衛大学校の２等陸佐をインドネシア軍平和維持ミッションセンターにカナダ軍事訓練協力プログラム戦略的平和支援活動コースの講師として派遣。8月28日、中央省庁障害者雇用率水増し問題で、厚生労働省が2017年6月時点で防衛省から報告された516名のうち、315名が障害者手帳などを所持しておらず不適切な参入だったと発表した。8月31日、フジクラが製造・納入したケーブル類の一部で、品質検査の一部を実施していなかったなどの不適切行為があったと発表した。影響について調査と確認を進める予定。小野寺防衛大臣を委員長とする将来の防衛力検討委員会の初会合が開催された。9月3日、安倍総理を迎えて第52回自衛隊高級幹部会同を実施。9月6日0309、北海道胆振東部地震で災害対策室を設置。9月11日、小野寺防衛大臣とマレーシアのサブ国防相が会談し、防衛協力・交流に関する覚書に署名した。9月12日、山崎陸幕長が在日米陸軍司令官ルオン少将と会談した。9月18-28日、グローバル・センチネル2018に１名で参加。9月20日、第３海兵機動展開部隊司令官スミス中将が小野寺防衛大臣と山崎陸幕長を表敬した。9月21日、小野寺防衛大臣とエストニアのルイク国防相が会談し、サイバー防衛分野での協力強化で一致した。9月25日、サイバー防衛政策ワーキンググループ第６回会合を開催。9月27日から10月1日、厚生棟で第30回市ヶ谷基地美術展を実施。10月9-19日、アラバマ州マックスウェル空軍基地で行われたアメリカ空軍宇宙コマンド多国間図上演習シュリーバーに内局５名で参加。10月17日、将来の防衛力検討委員会が第２回会合を実施。10月18日、在日米軍司令官兼第５航空群司令官マルティネス中将が表敬し、岩屋防衛大臣と会談した。10月31日、アメリカ下院軍事委員会委員長が表敬し、岩屋防衛大臣と会談した。11月2日、部外講師を招いてセクハラ防止に関する講演を実施。11月6日、公益財団法人偕行社がメモリアルゾーンで平成30年度市ヶ谷台慰霊祭を実施。11月8日、在日米軍と米軍施設ニュー山王ホテルで飛行安全に関する日米専門家の初会合を開催し、計20名が意見交換した。11月19-22日、陸幕装備計画部が主催する陸軍兵站幕僚会議が開催された。11月21-22日、防衛省共済組合本省支部が厚生棟地下１階イベントスペースでながさきフェアを開催。11月30日、厚生棟１階の防衛省共済組合本省支部直営食堂（警察予備隊時代の1951年9月に警察予備隊共済組合本庁支部直営食堂として営業開始）が同日の昼食を以て営業を終了し、食堂入り口で直営食堂閉店セレモニーが行われた。１年３ヶ月の改修を経てフードコートになる予定である。12月11日、丸茂空幕長とインド空軍参謀長ビレンデル・シン・ダノア大将が会談した。12月12日、海自先任伍長が自衛艦隊等先任伍長会報を開催。

2019年1月3日、熊本地方を震源とする最大震度６弱の地震が発生したため、１812に災害対策室を設置。1月18日、アメリカ海軍作戦部長リチャードソン大将が村上海幕長にアメリカ国防長官からのメリット勲章を授与した。1月23日、岩屋防衛大臣がオーストラリアのパイン国防省と会談し、特別な戦略的パートナーシップに基づく防衛協力拡充・深化で一致した。1月24日、村川海幕長がアメリカ太平洋艦隊司令官アクイリノ大将と会談し、日米の連携・防衛協力・交流を強化することで一致した。1月28日から2月1日、第２回人道支援／災害救援に関する日ASEAN招へいプログラムを実施。1月29日、在日米軍司令官兼第５航空軍司令官ジェリー・Ｐ・マルティネス中将が離任前の挨拶で表敬訪問し、岩屋防衛大臣から旭日大綬章を伝達された。平成30年度全自衛隊美術展の表彰式を実施。1月30日、第２回人道支援・災害救援に関する日ASEAN招へいプログラムの指揮所演習を実施。2月5日、岩屋防衛相がフィンランドのユッシ・ニーニスト国防相と会談し、防衛協力・交流に関する覚書に署名した。2月8日、在日米軍司令官兼第５航空軍司令官ケビン・Ｂ・シュナイダー中将が着任の挨拶で表敬訪問し、河野統合幕僚長及び丸茂航空幕僚長と意見交換した。2月12-22日、コブラ・ゴールド19に参加。2月15日、在日米軍司令官兼第５航空軍司令官シュナイダー中将が岩屋防衛大臣を表敬した。2月20日、山崎陸幕長がイギリス陸軍参謀総長カールトンスミス大将と会談した。陸自曹友連合会が平成30年度第一級褒賞授与式とJSS（ジャパン・サージェント・サリュート）顕彰授与式を実施。2月21日2122頃、北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度６弱の地震が発生したため、2122に災害対策室を設置。2月26日から3月4日、厚生棟多目的ホールで平成30年度全自衛隊美術展を開催。3月4日、河野統幕長がベトナム軍総参謀長ファン・ヴァン・ザン陸軍上将と会談し、防衛協力・交流の更なる推進で一致した。3月6-7日、厚生棟で香川県フェアを実施。3月12日、フィリピン空軍司令官ブリゲス中将が丸茂空幕長と会談した。3月19日、日本の防衛〜新たな防衛計画の大綱をテーマに、平成30年度防衛省シンポジウムを都内で実施。3月25日、日本とオマーンとの初の防衛相会談が開催され、両国の防衛協力に関する覚書に署名した。3月27日、多次元統合防衛力構築委員会が初会合を開催。4月1日、2019年度入省式を行い、新規採用者574名（総合職39名、一般職454名、専門職30名、研究職２名、障害者選考など49名）が入省した。4月5日、岩屋防衛大臣が日韓中印駐在アメリカ大使の表敬を受けた。岩屋防衛大臣がフランス陸軍参謀総長ジャン＝ピエール・ポセール陸軍大将と会談し、インド太平洋地域安定に向けた協力で一致した。4月17日、岩屋防衛大臣がフィリピンのロレンザーナ国防相と会談し、幅広い分野での防衛協力推進で一致した。5月2-4日、岩屋防衛大臣がベトナムを訪問し、首相や国防相と会談、防衛産業間協力の覚書に署名し、連携強化で一致した。5月7日、湯浅陸幕長が前在日米陸軍副司令官スティーブン・グラブスキー大佐に感謝状を贈呈した。5月9日、鈴木貴子防衛大臣政務官が厚生棟２階の庁内託児所キッズパオ防衛省市ヶ谷保育園を視察し、職員と意見交換した。5月22日、岩屋防衛相がシンガポールのウン・エンヘン国防相と会談し、自由で開かれたインド太平洋ビジョンに基づく防衛協力強化で一致した。令和元年度自衛隊統合防災演習の一環として、第３回防衛省災害対策本部会議を実施。オリンピック開催中の大規模災害発生を想定し、オリンピック支援部隊をオリンピック会場での被災者対応に回す協議や、72時間以内の対処に重点を置いた指揮所演習（内閣官房、内閣府、警察庁、地方公共団体、オリンピック・パラリンピック組織委員会、在日米軍なども参加）を行った。5月23日、岩屋防衛相がカタールのハーリド・ビン・ムハンマド・アル・アティーヤ副首相兼防衛担当国務大臣と会談し、防衛協力・交流の拡大及び推進で一致した。5月30日、丸茂空幕長がタイ空軍司令官チャイヤプルック・ディサヤサリン大将と会談し、関係強化で一致した。6月3日、岩屋防衛省がカナダのサージャン国防相と会談し、防衛協力強化に向けた初の日加共同声明を発表した。6月4日、岩屋防衛相がシャナハン米国防長官代行と会談し、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指した連携強化で一致した。6月6日、防衛省環境月間の講師としてパックンマックンを招き、環境をテーマとする講演を行った。6月13日、小型無人機飛行禁止区域に13施設を指定した。6月24-25日、全国自衛隊地方協力本部長会議が開催された。6月24日、平成30年度地方協力本部表彰式が行われ、栃木・山梨・福岡地本に１級賞状が授与された。6月25日、岩屋防衛相がエスパー国防長官代行と初の電話会談を行った。6月28日、陸自最先任上級曹長交代式を実施。7月1日、岩屋防衛相がトルコのフルースィ・アカル国防相と会談し、防衛協力・交流推進で一致した。第３海兵機動展開部隊�VMEF司令官ハーマン・ステーシー・クラーディ中将が岩屋防衛相と湯浅陸幕長を表敬した。ベトナム軍佐官級研修プログラムで来日したベトナム軍佐官級訪日団14名が岩屋防衛相と山崎統幕長を表敬した。7月8-11日、第１回プロフェッショナル・エアマンシップ・プログラムを実施。7月11日、岩屋防衛相と山村海幕長がアメリカ海軍太平洋艦隊司令官アクイリノ大将、在日米軍司令官シュナイダー空軍中将、在日米海軍司令官フォート少将と会談した。7月22日、岩屋防衛相がボルトン大統領補佐官（国家安全保障担当）と会談した。ブラジル陸軍司令官ブジョウ大将が岩屋防衛相と山崎統幕長を表敬した。7月25日（現地時間）、第29回日米装備・技術定期協議をアメリカ国防総省で開催。8月7-8日、こども霞ヶ関見学デーの一環で、小中学生と保護者ら194人が見学した。8月7日、岩屋防衛相がエスパー米国防長官と会談し、強固な日米同盟を確認した。ホルムズ海峡安全確保の有志連合構想に関しても意見交換し、政府全体として総合的に判断すると伝えている。8月20日、伊あわや防衛大臣がアメリカ海兵隊総司令官デビッド・バーガー大将と会談し、日米同盟の更なる強化で一致した。8月23日、日本・ミャンマー将官級交流プログラム訪日団ミャンマー軍将校10名が岩屋防衛相と山崎統幕長を表敬した。8月26日、福井県知事、敦賀市長、小浜市長らが防衛省を訪問し、原発15基が集中する若狭湾沿岸の防衛力を高めるため、自衛隊基地・駐屯地などの配備や、自衛隊大型ヘリによる原子力災害時住民避難支援態勢強化を求める要望書を、原田防衛副大臣に手渡した。8月29日、働き方改革に関する講演会を実施。9月2日、岩屋防衛相がインドのラージナート・シン国防相と会談し、日印２＋２開催、日印物品役務相互提供協定早期締結、自由で開かれたインド太平洋ビジョンに基づく防衛協力推進などで一致した。9月10日、イスラエル国防省と、防衛装備・技術に関する秘密情報保護の覚書を締結した。9月11日、偕行社が防衛省メモリアルゾーンで令和元年度市ヶ谷台慰霊祭を実施。9月12日、空自幹部候補生合格者市ヶ谷研修（幹部候補生学校概要・生活環境・カリキュラム説明、キャリアパス解説、若手幹部との懇談など）を実施。9月17日、第53回自衛隊高級幹部会同を開催。安倍総理、河野防衛相、山本防衛副大臣、渡辺防衛政務官、岩田防衛政務官、高橋防衛事務次官、山崎統幕長、湯浅陸幕長、山村海幕長、丸茂空幕長、武田防衛装備庁長官、三自衛隊部隊長・各機関長ら180名が出席し、聖域無き改革、技術力強化、人材確保、多様性理解などへの奮励努力で一致した。9月23-27日、グローバル・センチネル19に１名が参加。9月24日、アメリカ海軍作戦部長が山村海幕長と会談し、河野防衛相と山崎統幕長を表敬した。乗機のC-37Bにトラブルが発生したため、次の訪問国の韓国にはC-40Aで向かい、アメリカにはC-37Aで戻っている。C-37Bは厚木基地で修理して9月29日にアメリカへと戻った。9月26日、小型無人機飛行禁止区域として新たに航空部隊司令部がある飛行場施設14区域を指定した。また、6月13日に指定した13施設中12施設に対象外地域を含める人為的ミスがあったとして修正した。実際の規制範囲に影響は無い。10月1日、河野防衛相がイランのハータミ国防軍需相と電話会談した。防衛相とイラン国防軍需相との会談は初である。10月3日、河野防衛相がオーストラリアのレイノルズ国防相及びサウジアラビアのムハンマド皇太子兼国防相と電話会談した。10月8日、第５回日NATOサイバー防衛スタッフトークスを開催した。10月9日、第11回日ASEAN防衛当局次官級会合を開催。山本防衛副大臣がラオスのオンシー・セーンスック国防副大臣と会談し、防衛協力・交流の覚書に署名した。山崎統幕長がミャンマー国軍司令官ミン・アウン・フライン陸軍大将と会談し、防衛交流促進で一致した。10月16日、河野防衛相がカタールのアティーヤ副首相兼防衛担当国務相と電話会談を行った。10月23日、河野防衛相がマーシャル諸島共和国ハイネ大統領、ジブチ共和国モハメド首相と会談した。東京港晴海埠頭に寄港中のチリ海軍練習帆船エスメラルダ艦長マルドナード・ナベアス大佐が出口海幕副長を表敬した。10月24日、河野防衛相がUAEのボワルディ国防相、バーレーンのハリーファ国軍司令官と電話会談した。10月28日、河野防衛相がオマーンのバドル国防担当相と電話会談した。10月29-31日、厚生棟多目的ホールで空自市ヶ谷駐屯地美術展を開催。10月29日、河野防衛相がインドのシン国防相、デンマークのブラムセン国防相と電話会談した。10月30日、河野防衛相がニュージーランドのピーターズ副首相兼外相と会談。10月31日、河野防衛相が委員度太平洋群司令官デービッドソン海軍大将と会談。11月6日、部外講師を招き防衛省職員ハラスメント防止講演会を実施。11月8日、河野防衛相がイギリスのウォレス国防相と電話会談し、防衛協力・交流や安全保障情勢などの意見交換を行った。11月17-18日、河野防衛相がバンコクを訪問し、第５回日ASEAN防衛担当大臣会合と第６回拡大ASEAN国防相会議に出席、第13回日米韓防衛相会談や日米・日韓防衛相会談を行った。11月20日、河野防衛相がオーストラリアのレイノルズ国防相と会談し、防衛協力強化の具体策を盛り込んだ共同声明を発表した。11月23日、河野防衛相がバーレーンのマナマでイギリス国際戦略研究所主催地域安全保障サミット（マナマ対話）に防衛相として初めて出席した。11月27日、河野防衛相がドイツのカレンバウアー国防相と電話会談し、防衛協力・交流や安全保障情勢などについて意見交換を行った。12月2-6日、サイバー・コアリション2019に参加。12月3日、河野防衛相がモンゴルのエンフボルド国防相と会談し、自由で開かれたインド太平洋ビジョンに基づく防衛協力・交流推進で一致した。12月4-10日、防衛省職員ハラスメント防止週間を実施。12月11-12日、共済組合本省支部が厚生棟地下１階イベントスペースで北海道フェアを実施。12月14日、河野防衛相がカタールの首都ドーハで第19回ドーハ・フォーラムに参加し、カタールのアティーヤ副首相兼防衛担当国務大臣やマレーシアのモハマド国防相と会談、防衛協力・交流の深化で一致した。12月15日、河野防衛相がヨルダンのアブドラ国王、サファディ外務・移民相、フネイティ統合参謀本部議長らと会談し、防衛協力強化で一致した。12月16-18日、湯浅陸幕長主催の第37回日米シニア・リーダーズ・セミナーが開催され、湯浅陸幕長、高田陸上総隊司令官、アメリカ太平洋陸軍司令官、アメリカ太平洋海兵隊司令官らが出席した。12月17日、ジブチ共和国から帰国した第５施設群の災害対処能力強化支援事業派遣部隊12名が湯浅陸幕長に帰国報告を実施。鹿児島中央高２年生32人が訪問し、業務概要などの説明を受けた。12月18日、河野防衛相が防衛大臣として10年振りに中国を訪問し、中国国務委員兼国防相と会談、防衛分野での交流促進などで一致した。東シナ海や尖閣諸島での中国公船・飛行機の活動に対する強い懸念も伝えている。12月19日、河野防衛相が北京郊外の中国陸軍警衛第３師団市街地訓練施設を訪問し、テロリスト制圧訓練などを視察した。河野防衛相が中国から帰国後にアメリカのエスパー国防長官と電話会談し、インド太平洋地域の情勢などに関する意見交換を行った。12月20日、河野防衛相がインドネシアのプラポウォ・スビアント国防相と会談し、日ASEAN防衛協力指針ビエンチャン・ビジョン2.0に基づく防衛協力強化で一致した。12月23日、第１省議室で東京オリンピック・パラリンピックに向けた防衛省・自衛隊の第12回特別行動委員会を開催。12月24日、令和元年度安全保障技術研究推進制度（２次募集）について、応募件数44件のうち５件の大規模研究課題を採択したと発表した。

2020年1月20日、日中防衛当局が海空連絡メカニズムに基づく２回目の年次会合（防衛政策局次長と国際軍事協力弁公室副主任）と専門会合（国際政策課長と国際軍事協力弁公室アジア局副局長）を開催。市ヶ谷地区の全売店でレジ袋配布が原則禁止となったことを受け、河野防衛大臣が率先してマイバッグを持参し、厚生棟前のキッチンカーで唐揚げ弁当を購入した。1月29日、第151連合任務部隊司令官に就任する第３護衛隊群司令が山崎統幕長に出国を報告した。2月15日、河野防衛大臣がミュンヘンで第56回ミュンヘン安全保障会議に出席し、ドイツ、ウクライナ、カナダ、フランスの各国防相、EU上級代表、NATO事務総長と個別会談を行った。2月19日、陸自曹友連合会が１級褒賞とJSS（ジャパン・サージャント・サリュート）顕彰の授賞式を実施。2月21日、河野防衛大臣がベトナム国防次官グエン・チー・ヴィン陸軍上将と会談し、防衛協力・交流の拡充と深化で一致した。2月26日、防衛制作局次長や国防次官補代理（宇宙製作担当）らが出席して日米宇宙協力ワーキンググループ第６回会合を実施。3月1日、パワーハラスメントやいじめに対する処分基準を改定し、極めて重大なケースはそれまで停職16日以上だったのを原則免職とするなど厳罰化した。3月2日、河野防衛大臣がUAEのボワルディ国防担当国務大臣と電話会談し、防衛交流や地域情勢の意見交換を行った。4月1日、令和2年度防衛省新規採用者525名（総合職42名、一般職447名、専門職25名、研究職11名）の入省式を全国の各基地・駐屯地・機関など150カ所に分散して実施。4月24日、河野防衛大臣がドイツのカレンバウアー国防相と電話会談し、ドイツ国防相からはダイヤモンド・プリンセス号の乗客だったドイツ人夫妻が自衛隊中央病院の治療で回復し帰国に至ったことに謝意があり、河野防衛大臣はその夫妻から湯浅陸幕長に感謝の手紙が届いたことを報告した。河野防衛大臣がアメリカのエスパー国防長官と電話会談し、新型コロナウイルスへの対応、インド太平洋地域情勢、在日米軍に関する諸課題などについて意見交換した。4月28日、河野防衛大臣がイギリスのウォレス国防相と電話会談し、日英2+2の早期開催を確認、新型コロナウイルスに関する自衛隊の活動や感染予防策などについて説明した。5月1日、河野防衛相がカナダのサージャン国防相と電話会談し、新型コロナウイルスに関する自衛隊の活動や感染予防策などについて説明、新型コロナウイルス感染症に関してカナダ軍が行っている支援活動の状況に関する説明を受けた。5月7日、河野防衛大臣がオーストラリアのレイノルズ国防相と電話会談し、地域情勢について意見交換を行い緊密な連携で一致、新型コロナウイルスに関する自衛隊の活動や感染予防策などについて説明した。5月8日、河野防衛大臣とインドのシン国防大臣が電話会談し、空自とインド空軍の戦闘機共同訓練を新型コロナウイルス感染症終息後に延期すると決定した。5月12日、河野防衛大臣がフィリピンのロレンザーナ国防相と電話会談し、隙の無い防衛体制維持で一致した。5月13日、日米韓防衛当局の局長級実務者協議をテレビ会議形式で実施。5月15日、河野防衛大臣がアメリカのエスパー国防長官と電話会談し、新型コロナウイルス関連状況、インド太平洋地域情勢、在日米軍をめぐる諸課題などについて意見交換し、緊密な連携を確認した。5月19日、河野防衛大臣がニュージーランドのマーク国防相、シンガポールのエンヘン国防相、インドネシアのスビアント国防相と電話会談し、２国間防衛協力や地域情勢などの意見交換を行い、新型コロナウイルス対策の知見を共有した。5月20日、河野防衛大臣がイタリアのグエリーニ国防相と電話会談し、２国間防衛協力などの意見交換を行い、新型コロナウイルス対策の知見を共有した。5月21日、河野防衛大臣が在日イギリス大使館でマデン駐日大使と会談し、新型コロナウイルス対策に関する意見交換を行った。6月2日、河野防衛大臣がモンゴルのエンフボルド国防相と電話会談し、新型コロナウイルス対応などの意見交換を行い、防衛協力強化と東・南シナ海情勢での緊密な連携で一致した。6月5日、再生エネルギー100%宣言RE Actionのアンバサダーになった。6月9日、河野防衛大臣がUAEのボワルディ国防担当国務大臣とテレビ会談し、中東地域における情報活動や、新型コロナウイルス対策で認識を共有した。河野防衛大臣が自衛隊施設での更なる再生可能エネルギー導入推進を表明。6月11日、厚生棟１階フードコートに定食屋ダイニングICHIGAYAが開店。6月16日、河野防衛相がパプアニューギニアのソロマ国防相と電話会談し、新型コロナウイルス対策や、新型コロナウイルスの影響で中断している二国間防衛協力・交流などの意見交換を行った。6月22日、厚生棟１階フードコートに吉野家とはなまるうどんが開店。厚生棟地下一階でポンフードがレストランの営業を開始。7月1日、防衛政策局に、自由で開かれたインド太平洋ビジョンの実現に向けた防衛協力・交流の強化を目的とした、ASEAN及び太平洋島嶼国担当の参事官ポストを新設した。7月8日、河野防衛大臣がアメリカのエスパー国防長官及びオーストラリアのレイノルズ国防相とテレビ会談し、威圧的で一方的な行動に対する強い反対の意、南シナ海情勢についての深刻な懸念、香港国家安全維持法に関する深い懸念、北朝鮮の弾道ミサイル発射が国際社会の安全に対する深刻な脅威であるとの強い懸念及び国連安保理決議への度重なる違反への非難を表明する共同声明を発表した。7月14日、自衛隊法に違反して企業側に退官予定者の情報を提供し、将官級陸上自衛官の再就職を不正に斡旋していたなどとして、現役隊員17名を処分した。退職者６人も指揮監督義務違反として訓戒などに相当すると発表している。7月20日、日本ジビエ振興協会代表理事を招き、初のジビエ料理試食会を実施。河野防衛大臣・山本副大臣以下50名が12品を試食した。河野防衛大臣がマレーシアのヤーコブ国防省と電話会談し、防衛協力・交流推進で一致、南シナ海問題は国連海洋法条約など普遍的国際法の原則により平和的に解決するべきとし、新型コロナウイルスに関する情報・教訓・知見の共有を申し合わせた。7月21日、河野防衛大臣がNATOのストルテンベルグ事務総長と電話会談し、防衛協力・交流推進で一致、力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要であるとし、新型コロナウイルスに関する情報・教訓・知見の共有を申し合わせた。7月26日、初の不要物品競り売りを実施。21点が計5818000円で落札された。8月6日、河野防衛大臣がパキスタンのバジュワ陸軍参謀長とテレビ会談し、新型コロナウイルス感染症対応に関する意見交換を行うと共に、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力推進の重要性を指摘した。8月7日、重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律に基づく小型無人機飛行禁止区域となる自衛隊施設14カ所と在日米軍施設・区域15カ所を告示した。環境省と共同で初の災害廃棄物の撤去等に係る連携対応マニュアルを策定したと発表した。8月8日、河野防衛大臣が入間基地から第３輸送航空隊C-2輸送機で与那国空港に到着し、与那国駐屯地を訪問、与那国空港から第２輸送航空隊C-1輸送機で宮古空港に入り、宮古島駐屯地を視察した。8月9日、河野防衛大臣が宮古島分屯基地を視察し、第２輸送航空隊C-1輸送機で入間基地に戻った。8月12日、河野防衛大臣がトンガのトゥクイアウラヒ国防相と電話会談し、新型コロナウイルス感染症終息後の日・太平洋島嶼国国防大臣会合JPIDD早期開催で一致、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流推進を確認した。河野防衛大臣がインドネシアのスビアント国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流の推進で一致した。8月19日、河野防衛大臣がフィジーのセルイラトゥ防衛・国家安全保障・警察相とテレビ会談し、外交関係樹立50周年を祝うと共に、日・太平洋島嶼国国防大臣会合JPIDDの新型コロナウイルス感染症終息後の早期開催で一致し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流推進を確認した。8月27日、河野防衛大臣がフィンランドのカイッコネン国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流の促進、自由で開かれた海洋秩序に関する緊密な連携、新型コロナウイルス感染症対策の情報・教訓・知見共有で一致した。8月28日、令和2年度安全保障技術研究推進制度について大規模研究課題７件と小規模研究課題14件を採択したと発表した。8月29日、河野防衛相がアメリカのエスパー国防長官とアンダーセン空軍基地で会談し、強固な日米同盟を確認、総合ミサイル防空能力の強化で一致した。9月1日、弁護士によるハラスメント相談窓口を開設した。9月8日、河野防衛大臣がサウジアラビアのサルマン皇太子兼副首相兼国防相と電話会談し、防衛協力・交流強化や地域情勢などについて意見交換した。9月17日、岸信夫防衛大臣が正式に初登庁し、特別儀仗隊の栄誉礼を受け、殉職隊員慰霊碑に献花し、防衛省講堂で着任式に臨み、訓示を行った。9月18日、岸防衛大臣と河野前防衛大臣が防衛大臣室で事務引き継ぎを行い、事務引継書に筆で署名した。10月2日、岸防衛大臣が防衛省を表敬したヤング駐日米臨時代理大使と会談し、日米同盟の重要性を確認した。10月7-9日、防衛省共済組合本省支部が厚生棟地下１階多目的ホールでっとり・おかやまフェアin防衛省を開催。10月7日、岸防衛大臣がアメリカのエスパー国防長官と電話会談し、日米同盟強化で一致、イージス・アショア代替案での緊密な連携を確認した。日米防衛・外務当局審議官級協議がテレビ会議方式で行われ、防衛政策局次長、北米局参事官、国防次官補代理、国務次官補代理が参加、新型コロナウイルス感染症の影響を含む安全保障環境や日米間安全保障・防衛協力について意見交換し、自由で開かれたインド太平洋の維持と日米同盟強化のための緊密な連携で一致した。平成29年度海自地方調達に関する随意契約の防衛大臣承認手続きについて、防衛装備庁と海上部幕僚監部の間の一部の公文書が、決裁権者の決裁を得ずに発簡されている事案が複数確認されたと発表した。本来大臣承認が必要無いか、適正な手続きが行われていれば承認された筈のもので、契約自体には問題が無いが、防衛省は防衛監察本部による調査を開始、防衛装備庁は法令に基づいて被疑者不詳のまま公文書偽造の疑いで警務隊に告発した。10月12日、岸防衛大臣がオーストラリアのレイノルズ国防相と電話会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流の強化で一致した。10月15日、岸防衛大臣がブレイスウェイト海軍長官と会談し、緊密な連携で一致した。10月19日、岸防衛大臣がオーストラリアのレイノルズ国防相と会談し、共同声明を発表した。10月20日、岸防衛大臣がマッカーシー陸軍長官と会談し、緊密な連携で一致した。10月22日、国内の宇宙関連スタートアップ企業など８社の関係者を招いて意見交換会を実施。10月23日、岸防衛大臣が米インド太平洋軍司令官デービッドソン海軍大将と会談し、日米同盟の更なる強化で一致した。岸防衛大臣がフィリピンのロレンザーナ国防相とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛交流・協力の推進で一致し、感染症対策の分野でも防衛協力を推進する方針を伝えた。10月24日、岸防衛大臣が就任後初めて山口県を訪問し、海自岩国航空基地とアメリカ海兵隊岩国基地を視察、基地司令官ルイス大佐と会談し、日米同盟の更なる強化で一致した。11月2日、岸防衛大臣がインドネシアのスビアント国防相とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流の推進や２プラス２の早期開催で一致し、新型コロナウイルスの影響を踏まえた感染症対策分野での防衛協力推進を申し合わせた。11月4-5日、シュリーバー2020演習に４名が参加。11月9-10日（現地時間）、防衛政策局次長、外務省北米局参事官、アメリカ国務省安全保障関係交渉・協定担当上級顧問、アメリカ国防次官補代理らが、在日米軍駐留経費に関する初の実務者レベル正式交渉をワシントンで行った。11月10日、岸防衛大臣がドイツのカレンバウアー国防相とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流推進で一致した。また、新型コロナウイルス感染症流行下の人道支援・災害救援で得られた教訓の共有、感染拡大対処能力の向上に向けた第３国協力を進める新たな機会の模索、自国に有利な国際秩序・地域秩序形成を図る影響工作などに対する意見交換を進めることを申し合わせた。11月14日、岸防衛大臣がアメリカのミラー国防長官代行と電話会談し、インド太平洋地域の情勢について意見を交換、日米の緊密な連携で一致した。11月16日、岸防衛大臣がベトナムのリック国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流の推進で一致、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携を確認し、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症対策分野での防衛協力推進を申し合わせた。11月18日、隊友会、偕行社、水交会、つばさ会が、令和2年度政策提言書を岸防衛大臣に提出した。岸防衛大臣がアメリカ海兵隊総司令官バーガー大将と会談し、共同訓練などを通じて日米同盟を更に強化することで一致した。11月25日、岸防衛大臣がカナダのサージャン国防相と電話会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流の推進で一致した。また、新型コロナウイルス感染症拡大下での人道支援・災害救援活動で得られた教訓の共有、感染拡大対応能力強化のための第３国協力を進める新たな機会の模索、偽情報への対処を含めた法に基づく国際秩序強化のための情報共有・意見交換で互いに協力することを確認した。11月30日、岸防衛大臣がフランス海軍参謀長ヴァンディエ大将と会談し、防衛協力・交流進展で一致した。12月7日、岸防衛大臣がシンガポールのエンヘン国防相とテレビ会談し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の重要性を共有、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症対策分野での防衛協力推進で一致した。12月10日、岸防衛大臣が第６回日ASEAN防衛担当大臣会合と第７回拡大ASEAN国防相会議にオンラインで出席。12月14日、岸防衛大臣が中国国務委員兼国防相の魏上将とテレビ会談し、防衛当局間での意思疎通の継続を確認、海空連絡メカニズム用ホットラインの早期開設実現の方針で一致した。一方で、尖閣諸島周辺での中国船活動に強い懸念を伝え、中国に国防政策や軍事力の透明性を高めるよう求めている。12月15日、岸防衛大臣が日独防衛相フォーラムにオンラインで出席し、インド太平洋地域の安全保障に関する意見交換を行った。岸防衛大臣がブラジルのシルヴァ国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流覚書に署名、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の重要性を確認し、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた感染症対策分野での防衛協力推進を申し合わせた。12月16日、第54回自衛隊高級幹部会同をオンラインで実施。防衛省から防衛大臣以下30名、３自衛隊から将官級部隊長・各機関の長など60名が参加し、菅総理も事前収録ビデオで訓示した。12月17日、重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律第６条第１・第２・第４項に基づく飛行禁止区域となる自衛隊施設13カ所を告示した。12月22日、岸防衛相がインドのシン国防相と電話会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流推進で一致し、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、人道支援・災害救援活動で得られた教訓の共有、感染拡大対処能力向上機会の模索、偽情報対処を含めた国際秩序強化のための意見交換を申し合わせた。12月25日、過去に取得実績の無い新たな重要装備品などを選定した際に結果を公表する方針に基づく最初の事例として、ASM-3A対艦ミサイル、新特殊降下傘（通常用）、重装輪回収車（改）、RC-2電波情報収集機の機上電波測定装置の量産品取得、将来潜水艦用ソーナー装置、流体雑音低減型水中発射管構成要素の研究開発、の計６つを発表した。

2021年1月14日、岸防衛大臣がイギリスのウォレス国防相とテレビ会談を行い、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた緊密な連携や、２＋２の早期開催で一致した。1月15日、フランスのパルリ軍事相とテレビ会談を行い、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた緊密な連携や、２＋２の早期開催で一致した。1月19日、働き方改革推進コンテストのオンライン表彰式を行い、第35警戒隊に大臣賞、施設学校に副大臣賞を授与した。1月24日、岸防衛大臣がアメリカのオースチン国防長官と初の電話会談を行い、日米同盟強化で一致した。2月3日、第４回日英2+2を開催。2月4日、岸防衛大臣がサウジアラビアのアブドルアジーズ国防副大臣と電話会談し、防衛協力・交流強化で一致、新型コロナウイルスの影響を踏まえた感染症対策の分野での協力推進を申し合わせた。2月9日、岸防衛大臣がアメリカのヤング駐日臨時代理大使と会談し、日米同盟の更なる発展で一致すると共に、中国の海警法施行は断じて受け入れられないとし、北朝鮮の全ての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄に向けた連携を訴えた。2月15日、岸防衛大臣がイランのハータミ国防軍需相とテレビ会談を行い、防衛当局間の意思疎通継続で一致、中東情勢の意見を交換した。2月24日、岸防衛大臣がUAE次期駐日大使の表敬訪問を受け、地域と世界の平和安全のため協力していくことで一致した。3月3日、日・太平洋島嶼国国防大臣会合JPIDOの開催に向けた準備会合をオンラインで実施。3月4日、日米防衛・外務審議官級協議がテレビ会議方式で開催され、大和防衛政策局次長、有馬北米局参事官、モーガン国防次官補代理代行、ナッパー国務次官補代理が出席し、新型コロナウイルスの影響を含む地域の安全保障環境や二国間防衛協力などについて意見交換すると共に、東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに強い反対を表明し、中国の海警法に深刻な懸念を共有、自由で開かれたインド太平洋を維持すべく引き続き緊密に連携する事で一致した。3月10日、岸防衛大臣がUAEのボワルディ国防担当国務大臣とテレビ会談し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の重要性に関する認識を共有し、中東地域の平和・安定・航行安全確保のため連携を継続することで一致した。また、新型コロナウイルス感染拡大を受け、感染症対策分野での防衛協力・交流促進も確認している。3月13日、岸防衛大臣が、カナダのシンクタンクである国防協会会議が主催する、第89回安全保障・防衛に関するオタワ会議にオンラインで出席。3月16日、岸防衛大臣がアメリカのオースチン国防長官と会談し、宇宙・サイバー領域を含む全領域での協力深化で合意、既存の国際秩序と相容れない中国の行動に関し防衛当局として執るべき対応を協議する方針で一致した。3月17日、岸防衛大臣が来日したウクライナのタラン国防相とテレビ会談（ウクライナ側随行者１人が新型コロナウイルス陽性だったため対面から変更）し、ウクライナ南部クリミア半島や東・南シナ海で行われている力による一方的な現状変更の試みは断じて認めず、中国海警法への深刻な懸念を共有、防衛協力強化で一致した。3月23日、日米宇宙協力ワーキンググループSCWG第７回会合をオンラインで実施。大和防衛制作局次長らがヒル国防次官補事務代理（宇宙政策担当）らと宇宙分野での日米協力などについて意見交換した。3月25日、岸防衛大臣がイギリスのウォレス国防相と電話会談し、日英防衛協力の新たな段階への引き上げで一致した。防衛省における女性職員活躍とワークライフバランス推進のための取り組み計画を策定。夜、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて防衛政策局長とアメリカ国防次官補代行（インド太平洋安全保障担当）が電話会談し、日米韓の緊密な連携などを確認した。3月28日、岸防衛大臣が来日したインドネシアのプラボウォ国防相と会談し、安全保障分野での協力推進で一致、中国海警法やミャンマー情勢に深刻な懸念を表明した。3月29日、大和防衛政策局次長や吉野国際政策課長らが、中国国防省の宋国際軍事協力弁公室副主任や陳国際軍事協力弁公室アジア局副局長らと、第３回海空連絡メカニズム年次会合をテレビ会議形式で実施。3月30日、岸防衛大臣が日インドネシア２＋２に出席。令和2年度防衛省シンポジウムをユーチューブで公開した。4月1日、防衛政策局調査課に経済安全保障情報企画官を新設。防衛省新規採用者628名の入省式を実施。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国150カ所の会場に分散して行った。オーストラリア国防省から５人目の交換職員を受け入れた。4月12日、岸防衛大臣がインド太平洋軍司令官デービッドソン海軍大将と会談し、3月30日付で贈られた旭日大綬章を伝達した。4月13-16日、ロックド・シールズ2021に参加。4月13日、初の日独２＋２をテレビ会議形式で実施。4月15日、岸防衛大臣がマレーシアのヤーコブ国防省とテレビ会談し、防衛装備・技術協力などの推進を確認した。4月19日、岸防衛大臣がニュージーランドのヘナレ国防省とテレビ会談し、共同訓練の実現に向けた調整で合意した。4月23日（日本時間）、岸防衛大臣がアメリカ政府主催の気候変動に関する首脳会議の気候安全保障セッション（気候サミット分科会）にオンラインで出席し、気候変動タスクフォースの新設を表明した。4月28日、岸防衛大臣がカナダのサージャン国防省とテレビ会談し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要とのメッセージの明確な発信で一致した。5月14日、気候変動タスクフォースの初会合を開催。中山副大臣、島田事務次官、槌道防衛審議官、芦沢官房長、４幕僚長、防衛装備庁長官らが出席し、気候変動による災害増加で災害派遣に人手を取られたり、食料や資源の減少などで安全保障環境に悪影響が及んだりするのを防ぐため、気候変動が日本や世界の安全保障に与える影響を分析して対応を検討すると共に、2020年度から開始した再生可能エネルギーによる電力調達（151施設0.9億kWh）を、今年度は自衛隊全985施設のうち526施設に、調達量を全使用電力12.8億kWhのうち6.2億kWhに拡大することを確認した。5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練に参加。5月19日、岸防衛大臣がオーストラリアのダットン国防相とテレビ会談し、早期の対面会談実施や防衛協力・交流推進などで一致した。5月21日、岸防衛大臣がアメリカ宇宙コマンド司令官ディキンソン陸軍大将の表敬を受け、日米防衛当局間の協力推進で合意した。5月25日、岸防衛大臣がタイのプラユット首相兼国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流の推進で一致した。6月1日、岸防衛大臣が来日したインド太平洋軍司令官アクイリーノ海軍大将と会談し、自由で開かれたインド太平洋の実現・維持・強化のため、日米同盟の抑止力・対処力を強化することで一致した。6月2日、岸防衛大臣がフィリピンのロレンザーナ国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流の推進で一致した。6月3日、岸防衛大臣がベトナムのザン国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流の推進で一致した。6月16日、岸防衛大臣が拡大ASEAN国防相会議にオンラインで出席した。6月17日、岸防衛大臣がEU欧州議会の招待を受け日本の防衛大臣として初めて安全保障・防衛小委員会にオンラインで出席し、日EU戦略パートナーシップ〜安全保障・防衛分野における相互協力の強化の動向と見通しをテーマとするスピーチを行った。日独外務・防衛当局間政務局長級協議と防衛当局間協議を対面で実施。6月22日、岸防衛大臣がドイツのカレンバウアー国防相とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流の活発化で一致した。在日米陸軍司令官を離任するルオン少将に、大西政務官が旭日重光章を伝達した。6月23日、岸防衛大臣がラオスのチャンニャラート副首相兼国防相とテレビ会談し、インド太平洋に関するASEANアウトルックが自由で開かれたインド太平洋ビジョンと多くの本質的原則を共有していることを再確認すると共に、防衛協力・交流の推進で一致した。6月25日、岸防衛大臣がカンボジアのバニュ副首相兼国防相とテレビ会談し、インド太平洋に関するASEANアウトルックが自由で開かれたインド太平洋ビジョンと多くの本質的原則を共有していることを再確認すると共に、防衛協力・交流の推進で一致した。6月29日、槌道防衛審議官がイギリスのウィリアムズ国防次官とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力推進や、東・南シナ海などの地域情勢について意見交換した。7月1日から9月1日、パシフィック・パートナーシップ2021に参加。7月1日、地方協力局の大規模改編を実施。7月2日、長崎県知事が、水陸機動団の新編水陸機動連隊を長崎県内に配備するよう求める要望書を、岸防衛大臣に手渡した。7月3日、国連が掲げる持続可能な開発目標SDGsの達成に向けた防衛省・自衛隊の取り組みをホームページで公表した。7月6日、岸防衛大臣がスリランカのラージャバクサ大統領とテレビ会談し、防衛協力・交流の覚書に基づく関係強化で一致した。7月7日、岸防衛大臣が来日したアメリカ太平洋海兵隊司令官ラダー中将と会談し、陸自と海兵隊との緊密な連携を確認した。7月12日、アメリカ戦略軍司令官リチャード海軍大将が防衛省を訪問し、岸防衛大臣、山崎統幕長、吉田陸幕長、山村海幕長、井筒空幕長と会談した。7月20日（21日？）、岸防衛大臣とイギリスのウォレス国防相が防衛省で会談し、F-X開発で特にエンジンシステムに重点を置いた協力の加速、日英防衛協力促進、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序で一致した。7月21日、岸防衛大臣がアメリカのシャーマン国務副長官と会談し、日米同盟強化で一致した。7月25日、アメリカ海軍作戦部長ギルデイ大将と会談し、日米同盟強化で一致した。7月30日、岸防衛大臣がアメリカのオースティン国防長官と電話会談し、日米同盟の抑止力・対処力強化を確認した。8月9日、中山防衛副大臣がフォート・ミード陸軍基地でサイバー軍司令部を視察し、サイバー軍司令官ナカソネ陸軍大将と会談、サイバー空間での脅威増大を背景に、日米連携の重要性を確認し、協力方針の議論や脅威動向の情報交換を行った。8月16日、石川県小松市長が岸防衛大臣に小松基地へのF-35A戦闘機配備に関する要望書（安全対策、騒音対策、地域振興策、小松空港発展協力など）を手渡した。8月17-19日、松川防衛大臣政務官がハワイを訪問し、インド太平洋参謀総長等会議で世界の安全保障に於ける女性の役割に関するセッションで講演すると共に、インド太平洋群司令官アクイリーノ海軍大将、イギリス第１海軍卿兼海軍参謀長ラダキン大将、オーストラリア国防軍司令官キャンベル陸軍大将、フィリピン軍副参謀長グロリア空軍中将と２国間協議を行った。8月17日、インドネシア独立の功績を伝えるスディルマン将軍像への献花式を実施。8月25日、岸防衛大臣が在日米軍司令官兼第５航空群司令官シュナイダー中将に旭日大綬章を伝達した。8月30日、来日したアメリカ太平洋陸軍司令官フリン大将が岸防衛大臣を表敬した。9月2日、防衛省主催の大臣級多国間会合である日・太平洋島嶼国国防大臣会合JPIDDが新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンライン形式で開催され、自由で開かれたインド太平洋、海洋安全保障、新型コロナウイルス対応、気候変動と人道支援・災害救援を主要テーマに意見交換を行い、対話と協力の継続を謳う共同声明を採択した。9月9日、新しく在日米軍司令官兼第５航空軍司令官に就任したラップ空軍中将が岸防衛大臣を表敬した。9月11日、岸防衛打陣がハノイを訪問し、国防大臣ザン陸軍上将と会談、防衛協力が新たな段階に入った事を確認すると共に、同日の防衛装備品・技術移転協定への署名・発効を踏まえ、艦艇分野を念頭にした具体的な装備品輸出に向けた協議を加速することになった。9月21日、アメリカ第３海兵遠征軍クラーディ中将が岸防衛大臣を表敬した。9月22日、中山防衛副大臣が来日したイギリスのクイン国防閣外大臣と会談し、防衛装備・技術協力の推進で一致、F-2後継戦闘機の開発に係る協力などの意見交換を行った。9月30日、フィリピン空軍に対する能力構築支援事業に防衛政策局参事官付２名が参加。10月1日、日米韓防衛当局局長級（防衛政策局長、アメリカ国防次官補、韓国国防政策室長）電話会談が開催され、核ミサイル問題や安全保障協力強化を話し合った。10月20日、岸防衛大臣が来日した米ミサイル防衛庁ヒル長官と会談し、日米連携の更なる強化に向けた協力進展で一致した。10月25日、岸防衛大臣が来日したアメリカのトロ海軍長官と会談し、日米同盟の抑止力・対処力強化と自由で開かれたインド太平洋の維持強化のため、海自とアメリカ海軍が緊密に連携することを確認した。11月1日、岸防衛大臣がアメリカ太平洋空軍司令官ウィルズバック大将と会談し、中国・北朝鮮情勢を踏まえた連携強化を確認した。11月5日、岸防衛大臣と山崎統幕長が来日したドイツ連邦軍総監ツォルン陸軍大将と会談し、日独連携や防衛交流の重要性を確認した。11月9日、岸防衛大臣がUAEのポワルディ国防担当国務大臣とテレビ会談し、防衛協力・交流推進で一致した。11月11日、岸防衛大臣が来日したインド太平洋軍司令官アクイリーノ海軍大将と会談し、日米同盟の抑止力・対処力強化や、自由で開かれたインド太平洋の維持強化のための緊密な連携で一致した。11月12日、防衛力強化加速会議の初会合を実施。議長は岸防衛大臣で、防衛副大臣、防衛政務官、防衛事務次官、防衛審議官、大臣官房長、各局長、各幕僚長が参加し、敵基地攻撃能力の保有を含めた国家安全保障戦略・防衛大綱・中期防の改訂議論を行った。11月23日、岸防衛大臣が来日したベトナム国防相ザン陸軍大将と会談し、力による一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致した。また、両大臣立ち会いの下、防衛審議官とベトナム国防次官がサイバーセキュリティ分野での協力に関する覚書と衛生分野での協力に関する覚書に署名した。12月3日、岸防衛大臣がアメリカのオースティン国防長官と電話会談し、2+2の早期開催や、抑止力・対処力強化で一致した。12月9日、岸防衛大臣がカナダのアナンド国防相とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた防衛協力・交流推進で一致した。12月15日、防衛力強化加速会議第３回会合を実施。12月24日、防衛力強化加速会議第４回会合を実施。12月27日、岸防衛大臣が中国国務委員兼国防相魏鳳和上将とテレビ会談を行った。12月28日、岸防衛大臣がブルネイのハルビ第２国防省とテレビ会談した。

2022年1月13日、防衛政策局長がアメリカ国防次官補（インド太平洋安全保障担当）及び韓国国防政策室長と会談し、北朝鮮の完全非核化・弾道ミサイル放棄の実現に向けた緊密な連携の重要性を確認した。2月4日、防衛政策局長がアメリカ国防次官補（インド太平洋安全保障担当）及び韓国国防省国防政策室長と会談し、安全保障上の協力の重要性を確認した。2月10-18日、ベトナム空軍への航空救難分野の能力構築支援に防衛政策局参事官付１名が参加。2月10日、岸防衛大臣がアメリカ国防長官及び韓国国防相と電話会談し、安全保障協力強化などを議論した。水陸機動団第３水陸機動連隊の竹松駐屯地配備決定を受け、大村市陸上自衛隊水陸機動団誘致期成会会長の大村市長が防衛省を訪問し、岸防衛大臣に更なる連携強化を求める要望書を手渡した。2月15日、カンボジア陸軍マネット司令官が来省し、岸防衛大臣、山崎統幕長、吉田陸幕長と個別に会談、防衛協力・交流強化で一致した。2月21日、岸防衛大臣がポーランド国防相とテレビ会談し、防衛協力・交流覚書に署名した。3月10日、日加次官級2+2に防衛審議官が参加。3月11日、日米安全保障高級事務レベル協議に防衛政策局長が出席し、外務省北米局長、アメリカ国防次官補（インド太平洋安全保障担当）、国務次官補（東アジア・太平洋担当）と会談した。4月1日、新規採用者654人に全国150カ所の会場で入省式を実施。4月7日、岸防衛大臣とフィリピンのロレンザーナ国防大臣が防衛省で会談し、防衛協力・交流及び防衛装備・技術協力の一層の推進で一致した。4月9日、初の日比2+2を東京都内で実施。4月13日、岸防衛大臣が防衛装備品製造主要15社の社長らを招いて意見交換会を実施。岸防衛大臣がイランのアーシュティヤーニ国防軍需相とテレビ会談を行い、中東情勢などの意見交換を実施、防衛当局間の意思疎通継続で一致した。4月19日、日本とシンガポールの第17回防衛当局間協議を都内で開催し、防衛政策局次長がシンガポール国防省ディー副次官と意見交換を行った。4月25日、岸防衛大臣が韓国政策協議代表団の表敬を受け、45分間面会した。4月27日、岸防衛大臣が自民党安保調査会から自民党の提言書（反撃能力保有や、GDP比２パーセント以上を念頭に置いた防衛予算水準の５年以内達成など）を受領した。5月4日、岸防衛大臣がアメリカ国防総省でオースティン国防長官と会談し、抑止力強化などで一致した。5月11日、アメリカ国防総省で行われた日米宇宙協力ワーキンググループSCWG第８回会合に防衛政策局次長らが参加。5月12日、アメリカ国防総省で行われた日米サイバー防衛政策ワーキンググループCDPWGに防衛政策局次長らが参加。5月13日、初のAI・データ分析官を採用した。5月16-20日、ベトナム海軍に対する水中不発弾処分の能力構築支援事業に防衛政策局参事官付が参加。5月16日、インド空軍参謀長チョウダリ大将が岸防衛大臣を表敬した。5月18日、岸防衛大臣が防衛省でカレ国連事務次長と会談し、PKOに関する意見交換を行い、緊密な連携を確認した。5月24日から6月26日、カンボジア軍に対する道路測量教官育成の能力構築支援事業に防衛政策局参事官付が参加。6月7日、岸防衛大臣がNATO軍事委員長オランダ海軍バウアー海軍大将と防衛省で会談した。6月11-12日、岸防衛大臣がシンガポールでシャングリラ会合に出席。6月12日、岸防衛大臣がシンガポールで中国国務委員長兼国防相の魏上将と会談した。6月15日、岸防衛大臣が来日したオーストラリアのマールズ副首相兼国防相と会談した。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。6月22日、岸防衛大臣がプノンペンで開催された日ASEAN防衛担当大臣会合に出席し、サイバー国際法セミナーと環境分野のセミナーを新設すると発表した。カンボジアのバニュ副首相兼国防相、インドネシアのスビアント国防相、ベトナムのザン陸軍大将と２国間会談を行っている。6月24日、岸防衛大臣がアメリカ太平洋艦隊司令官ババロ大将と防衛省で会談し、日米同盟の抑止力・対処力強化で一致した。8月30日、浜田防衛大臣が来日したイスラエルのガンツ副首相兼国防相と会談し、日本国防衛省とイスラエル国防省との間の防衛交流に関する覚書に署名した。12月13日、複数の部下にパワハラを繰り返したとして、一等海佐を２階級降格、上司の海将補を１階級降格とする懲戒処分を行った。12月16日、政府が国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の防衛３文書（安保３文書）を安全保障会議と閣議で決定し、海上保安能力強化に関する方針を関係閣僚会議で決定した。12月26日、特定秘密を漏洩したとして、当時情報業務群司令だった一等海佐を懲戒免職とした。また、当時の自衛艦隊司令部情報主任幕僚を注意義務違反で停職５日の処分、当時の自衛艦隊司令官及び海幕長を指揮監督義務違反で減給２ヶ月・戒告相当の処分（既に退職済みのため減給分の自主返納を要請）としている。

2023年1月27日から2月3日、令和4年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。4月18-21日、サイバー防衛演習ロックド・シールズ2023に参加。

2024年1月23-31日、ソロモン諸島に対する不発弾処理分野の能力構築支援事業に防衛政策局インド太平洋地域参事官付１名が参加。2月1-8日、令和5年度日米共同統合演習（指揮所演習）に参加。

参考：月刊世界の艦船3,’07、8,’12、3,’15、4,’15、12,'15、2,'16、6,’17、12,’17、2,’18、3,'23、4,'23、月刊丸2,’07、月刊JWings6,’11、8,’15、10,’15、9,’16、3,'18、9,’18、11,’18、12,’18、5,’19、9,’19、9,’20、10,'20、3,'21、10,'21、2,'22、11,'22、MAMOR vol.89、vol.118、月刊航空ファン8,’16、4,’17、8,’17、9,’17、11,’17、5,’18、10,’18、4,’19、10,’19、12,’19、朝雲、月刊丸4,’17、月刊軍事研究5,’18、6,’18、11,’18

　＜防衛省（２０１０年度末）＞：トップは防衛大臣で、防衛副大臣、防衛大臣補佐官（３名以内）、防衛大臣政務官２名、防衛事務次官、防衛大臣秘書官がおり、内部部局（内局）として大臣官房、防衛政策局、運用企画局、人事教育局、経理装備局、地方協力局が設置されている。他に防衛会議、統合幕僚監部、陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部、情報本部、技術研究本部、装備施設本部、防衛監察本部、防衛大学校、防衛医科大学校、防衛研究所、地方防衛局がある。大臣官房は秘書課、文書課、企画評価課、広報課、衛生監、技術監、報道官、審議官７名（うち充て職１名）、訴務管理官、参事官５名、米軍再編調整官からなる。防衛政策局は次長２名、防衛政策課、日米防衛協力課、国際政策課、防衛計画課、調査課からなる。運用企画局は事態対処課、国際協力課、運用支援課、情報通信・研究課からなる。人事教育局は人事計画・補任課、給与課、人事育成課、厚生課、服務管理官、衛生官からなる。経理装備局は会計課、監査課、装備政策課、システム装備課、艦船武器課、航空機課、施設整備課、技術計画官、施設技術官からなる。地方協力局は次長２名、地方協力企画課、地方調整課、周辺環境整備課、防音対策課、補償課、施設管理課、提供施設課、労務管理課、沖縄調整官、調達官からなる。参考：東日本大震災自衛隊救援活動日誌

　＜防衛省（２０１５年）＞：トップは防衛大臣で、内部部局（内局）として大臣官房、防衛政策局、運用企画局、人事教育局、経理装備局、地方協力局が設置されている。他に防衛会議、統合幕僚監部、陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部、情報本部、技術研究本部、装備施設本部、防衛監察本部があり、教育研究機関として防衛大学校、防衛医科大学校、防衛研究所が設けられている。また三自衛隊共同の部隊として情報保全隊と指揮通信システム隊、共同の機関として体育学校、自衛隊中央病院、自衛隊地区病院、地方協力本部がある。審査会や委員会として自衛隊員倫理審査会、防衛施設中央審議会、独立行政法人評価委員会、防衛人事審査会、防衛調達審査会、地方組織として地方防衛局を持つ。10月1日の改編で運用企画局、技術研究本部、装備施設本部が廃止され、防衛装備庁が新設された。参考：防衛省ホームページ、月刊JWings6,’15、朝雲

＜防衛省サラリーマン川柳＞：第一生命が公募するサラリーマン川柳の防衛省版として、1995年度に開始された。主催は第一生命、審査員は第一生命社員や各幕僚監部広報担当者などである。2022年1月27日、第35回の入賞作品が決定した。参考：朝雲

＜防衛召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜防衛省設置法＞：2015年6月10日に改正され、防衛大臣の補佐を文官限定から統合幕僚長・陸海空幕僚長が対等な立場で行えるようにし、防衛装備庁を新設することにした。参考：月刊JWings8,’15

＜防衛省中央ＯＡネットワーク・システム（施設庁システム）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜防衛省中央ＯＡネットワーク・システム（統幕システム）＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜防衛情報通信基盤＞：DIIを参照。

＜防衛情報通信基盤（ＤＩＩ）の設計（平成二七年度）（収容設計）＞：富士通が受注している。参考：月刊軍事研究12,’16

＜防衛情報通信基盤（ＤＩＩ）の設計（平成二八年度）（収容設計等）＞：富士通が受注している。参考：月刊軍事研究6,’18

＜防衛情報通信基盤（クローズ系）規約作成ソフトウェア＞：自衛隊の機器。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究

＜防衛情報通信基盤通信電子機器（災害派遣部隊等用）＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究8,’12

＜防衛情報通信基盤通信電子機器（災害派遣部隊等用ＩＰ暗号機）＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防衛食＞：日本が昭和19年から非常食として生産した民間用代用缶詰で、陶器製である。参考：写真で見る海軍糧食史

＜防衛生産・技術基盤戦略＞：防衛省が2014年6月19日に策定した、防衛装備品生産・技術基盤に関する指針で、1970年に策定した装備品の生産及び開発に関する基本方針の後継である。防衛生産・技術基盤の脆弱化、国際共同開発生産の拡大、防衛装備移転三原則決定などを受け、重点化と効率化を重視した施策による基盤強化、防衛装備品の特性に応じた適切な取得方法の選択、官官・官民の長期的パートナーシップ構築、随意契約の推進と５年以上の長期契約の検討、装備品の特性に合致した調達方法の採用による防衛産業の安定的な経営基盤維持などを図るとしている。また、陸海空宇宙サイバーといった各分野や、弾火薬ミサイル、通信電子指揮統制システム、無人機といった各装備品の現状や方向性についても分析している。防衛計画の大綱と同じく今後10年くらいを目安としており、安全保障や基盤に関して何か変化があった場合には国家安全保障会議に報告し改訂する予定。参考：月刊軍事研究8,’14、9,’14、朝雲

＜防衛総司令部＞：日本陸軍が昭和16年7月に設置した組織で、広域防衛及び防空を担当する。トップは防衛総司令官（大将または中将）で、天皇直属である。市ヶ谷に防弾作戦室があり、入り口は厚さ200mmの二重鉄扉になっていて、２トン爆弾の直撃に耐え、化学兵器防護能力を持ち、冷暖房完備であった。内部には防衛総司令官／防衛総参謀長執務室兼寝室、副官室、作戦室、無線通信室２室、有線通信室２室、電話交換室、機械室、電池室、空気ボンベ室などが設けられている。昭和19年5月、内地に配置されていた軍を編入し、これの統率も行うこととなった。昭和20年4月に第１・第２総軍に改編された。参考：帝国陸海軍事典、陸海軍学校と教育

　＜防衛総司令部（昭和１９年後半）＞：日本本土に置かれている。第36軍、第６航空軍、東部軍、中部軍、西部軍を隷下に置く。参考：比島決戦

＜防衛装備移転三原則＞：武器輸出新原則ともいう。2013年12月の国家安全保障戦略に基づき、従来の武器輸出三原則に代わるものとして2014年4月1日に閣議決定された。第１原則は移転禁止の明確化で、移転が日本の締結した条約など国際約束に基づく義務に違反する場合、国連安保理決議に基づく義務に違反する場合（要するに国連が指定する武器禁輸国に対するもの）、紛争当事国（武力攻撃が発生し、国際平和安全の維持または回復のため国連安保理が取っている措置の対象国）への移転となる場合には移転を認めない。第２原則は移転の限定・厳格審査・情報公開で、平和貢献、国際協力推進、日本の安全保障に効果があると認められた場合に限り、国家安全保障会議などにおいて厳格な審査を行い、情報を公開する。第３原則は目的外使用と第三国移転に係る適正管理の確保で、移転先の国が防衛装備を更に第三国に移転する場合や、目的外に使用する場合には、原則として日本に事前同意を得ることを義務づけた。輸出により生産会社に利益が出た場合、防衛省が初度費の一部返還を求めてくるという話があり、企業が輸出に本腰を入れてくれるかは微妙である。2014年5月5日、安倍総理がフランスのオランド大統領と会談し、防衛装備品（UUVらしい）共同開発のための政府間協定締結に向けた交渉開始で合意した。7月3日、イギリスとの間で防衛装備品共同開発等に係る枠組み協定を締結。CBRN関連で共同開発を行う予定で、MBDAとの新型BVRAAM共同開発も噂されている。7月8日、オーストラリアとの間で防衛装備品技術移転協定を締結した。2015年度から潜水艦技術提供を視野に入れた船舶流体力学共同研究を行う予定。7月17日、国家安全保障会議で、ペトリオットPAC-2の部品（シーカージャイロ）のアメリカへの移転と、イギリスとの共同研究のためのシーカーに関する技術情報の移転が、海外移転を認めうる案件に該当すると確認された。PAC-2のシーカージャイロはアメリカで生産ラインが閉じられており、三菱重工が代わりに作ってレイセオン社に納入、最終的にカタールに輸出される。イギリスとの共同研究の対象となるミサイルはミーティアで、日本のシーカー技術を組み合わせた場合のシミュレートを行う。11月20日、イギリス国防省との間で新たな空対空ミサイルの実現可能性に係る日米共同研究に関する取決めを締結。三菱電機のAAM-4用シーカー技術をイギリスに移転し、イギリスのミサイル関連技術（恐らくミーティア）と組み合わせて共同研究を行い、性能をシミュレーションにより分析して将来の共同事業（F-35ウェポンベイ内蔵型ミーティアのJNAAMらしい）の実現可能性を探る。2015年5月18日、オーストラリアとの潜水艦共同開発・生産の実現可能性調査のための技術情報の移転が、防衛装備移転三原則と防衛装備移転三原則の運用指針に照らして移転を認め得る案件に該当すると、国家安全保障会議が審議で確認した。7月23日、イージス・システムに係るソフトウェア及び部品等のアメリカへの移転が、防衛装備移転三原則と防衛装備移転三原則の運用指針に照らして移転を認め得る案件に該当すると、国家安全保障会議が審議で確認した。次期イージス護衛艦に搭載するイージス・システムのうち、イージス・ディスプレイ・システムに関するソフトウェアと部品等の製造に日本企業が参画し、これらを他のイージス・システム保有国でも共有する予定。10月15日、経済産業省が防衛装備の海外移転の許可の状況に関する年次報告書を発表。2014年度の個別許可は1841件で、うち1713件は装備品の交換修理や加工委託のための一時的な輸出だった。11月26日、防衛省が、オーストラリア将来潜水艦（SEA1000計画）の共同開発・生産を日本が行うことになった場合、構成品や技術情報についての海外移転を認めると発表した。11月30日、防衛省がオーストラリア政府に将来潜水艦の提案書を提出した。2016年2月29日、フィリピンと防衛装備品・技術移転協定を締結した（６ヵ国目）。海自TC-90貸与に向けたものらしい。8月31日、TC-90練習機とTC-90関連器材・技術情報のフィリピンへの移転について、移転を認め得る案件に該当すると、国家安全保障会議で確認した。2017年7月17日、防衛装備品及び技術の移転に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定を締結。装輪装甲車（改）用エンジンなど、陸上装備品関連の技術移転を考えているらしい。ドイツとフランスで新型戦闘機の共同開発を行うことが決まったので、F-2後継機関連の技術移転もあるかもしれない。9月20日、幹部職員向けコンプライアンス教育を実施。9月28日、幹部職員向けコンプライアンス教育を実施。11月24日、小野寺防衛大臣が記者会見で、2017年度に日英共同空対空ミサイル研究が終了した後、2018年度は将来中距離空対空誘導弾の研究として試作品を製作し性能評価を行う、と発表した。日本側の小型高性能シーカーとイギリスの高速長射程飛翔体を組み合わせる。12月18日、日本でライセンス生産されているF100-PW-220ターボファンエンジン４部品（プレートなど）のアメリカのライセンス元への輸出について、移転を認め得る案件に該当すると国家安全保障会議で確認した、と内閣官房、防衛省、外務省、経済産業省が発表した。2018年3月8日、J/FPS-3ベースの固定式警戒管制レーダーをタイに移転することについて、移転を認めうる案件に該当すると国家安全保障会議で確認した。これを受けてタイ空軍向け警戒管制レーダーとして提案したが、採用されなかった。4月、マレーシアとの防衛装備品・技術移転協定に署名した。11月28日、UH-1Hの不要パーツ1400種類をフィリピン空軍に無償譲渡する協定（不要装備品無償譲渡は自衛隊法に基づく規定）に防衛装備庁長官とフィリピン国防次官が署名した。2020年8月28日、フィリピン空軍が三菱電機と警戒管制レーダー４基（J/FPS-3ベースの固定式３基、JTPS-P14ベースの移動式１基）を１億ドルで導入する契約を締結した。日本で新たに開発・製造した完成装備品を海外に移転するのはこれが初である。2021年3月、日インドネシア２＋２で防衛装備品・技術移転協定に署名した。9月11日、駐ベトナム日本大使とベトナム国防次官が防衛装備品・技術移転協定に署名（11カ国目）し、即日発効した。2022年3月8日、政府が、ロシアの侵略を受けたウクライナに対し、防弾チョッキ、鉄帽、防寒服、天幕、カメラ、衛生資材、非常用糧食、発電機などを移転すると決定した。ウクライナは紛争当事国だが、ロシアが武力による一方的な現状変更に対して国際社会と結束し毅然と行動することが安全保障上極めて重要であるとして、運用指針に規定を追加、同日にKC-767空中給油輸送機が装備品を積んで小牧基地を、3月10日にC-2が美保基地を出発している。4月19日、防護衣、防護マスク、小型無人機をウクライナに移転すると、岸防衛大臣が発表した。その後1/2トントラック、高機動車、資材運搬車も移転している。5月2日、岸田首相がタイのジャンオーチャー首相兼国防省と会談し、防衛装備品・技術移転協定の締結で合意、駐タイ日本大使とタイ軍司令部統合兵站部長が協定に署名（12ヵ国目）し、即日発行した。10月3日、フィリピン空軍に納入する三菱電機製TPS-P14ME警戒管制レーダー初号機の製造が完了し、フィリピン空軍による輸出前検査が了承されたと、防衛省が発表した。これを受け、10月4日から空自がフィリピン空軍要員へのレーダー関連教育を開始している。2023年10月、FPS-3ME固定式警戒管制レーダー初号機がフィリピン空軍に納入された。12月22日、国家安全保障戦略などを踏まえた見直しを実施。三原則そのものは維持するが、移転の意義を追加し、安全保障環境認識の更新などを行った。同日、ペトリオット・ミサイルのアメリカへの移転を国家安全保障会議（内閣官房、外務省、経済産業省、防衛省）で認可した。参考：月刊軍事研究3,’17、6,’14、9,’14、1,’15、7,’15、9,’15、12,'15、2,'16、11,’16、1,’18、月刊JWings2,’14、7,’14、9,’14、5,’16、2,’18、3,’18、5,’22、12,'22、月刊世界の艦船6,’14、10,’15、2,'16、5,'16、11,'20、5,'22、6,’23、月刊航空ファン10,’14、2,’15、8,’18、10,’18、2,’19、月刊航空情報3,’18、MAMOR vol.160、防衛省ホームページ、朝雲

＜防衛装備移転三原則の運用指針＞：防衛装備移転三原則に基づき、2014年4月1日に国家安全保障会議で決定され、同日施行された。海外移転を認め得る案件、海外移転時の厳格審査の視点、適正管理の確保、審査手続き、定期報告と情報の公開などを定めている。平和貢献・国際協力の積極的な推進に資するものであれば、外国だけでなく国連や国連関連機関などへの輸出も可能であり、PKO活動などに使用する器材を海外に持ち出す際にいちいち官房長官談話を出す必要が無くなった。日本の安全保障に資する海外移転は、アメリカなど日本と安全保障面で協力関係にある国との国際共同開発・生産に関するもの、物品役務相互提供協定（ACSA）に基づく物品役務提供、アメリカとの相互技術交流の一環としての武器技術提供、アメリカからのライセンス生産品に係わる部品や役務の提供、アメリカ軍への修理などの役務提供、日本との間で安全保障面での協力関係がある国への救難、輸送、警戒、監視、掃海（纏めて５類型と称する）に関する防衛装備について認可する。自衛隊を含む政府機関の活動または邦人安全確保に必要な海外移転は、自衛隊等の活動に係わる装備品の一時的な輸出、購入装備品の返送と技術情報提供、公人警護または公人の自己保存のための装備品、誤送品の返送・返送を前提とする見本品の輸出・海外政府機関の警察官により持ち込まれた装備品の再輸出といった、日本の安全保障上の観点から影響が極めて小さいと判断される場合に認可する。改正する場合は、防衛装備移転三原則が外為法の運用基準であるため、経済産業省が内閣官房・外務省・防衛省と協議して案を策定し、国家安全保障会議で決定する。2022年3月8日、認可される海外移転に、「国際法違反の侵略を受けているウクライナに対して自衛隊法第116条の３の規定に基づき防衛大臣が譲渡する装備品等に含まれる防衛装備」を追加した。具体的には、防弾チョッキ、鉄帽、防護服、天幕、カメラ、衛生資材、非常用糧食、発電機などである。3月15日、ウクライナに対する譲渡装備品等に双眼鏡、照明器具、医療用資器材を追加した。2023年12月22日、国家安全保障戦略などを踏まえた見直しを実施。部品の定義を明確化し、完成品の一部として組み込まれているが単独で装備品としての機能を発揮できないもの、としている。その上で、安全保障面での協力関係がある国に対し、５類型に限らず部品を総じて移転できるようにした。日本が部品や技術を移転したパートナー国が、それを利用した完成品を第三国に移転した場合、国家安全保障会議での第三国移転に係る事前同意を経て、日本から第三国に対して維持整備用部品・技術の移転を可能としている。アメリカ以外の国へのライセンス生産品提供ができるようになり、部品だけでなく完成品も提供可能としたが、自衛隊法上の武器にあたるライセンス生産品をライセンス元国以外の国に更に提供する場合は、武力紛争で戦闘中の国には提供しない。修理などの役務もアメリカ以外の国に提供できるようになった。５類型の移転に関し、本来業務に必要な武器（自走式機雷処分用弾薬や機雷処分用JM61バルカン砲など）や自己防護のための武器（ファランクスなど）の移転が可能なことを明確化している。ウクライナ向け移転の規定を拡大し、国際法に違反する侵略や武力行使または武力の威嚇を受けている国に対して、自衛隊法上の武器に該当しない装備品を、自衛隊法第116条の３の規定（自衛隊で不要になった装備品を開発途上国に限定して無償・低額で譲渡する）に限らず移転できるようになり、開発途上国以外の国への移転、新造品の移転、有償移転が可能となった。厳格審査の視点に、武器移転先が現に戦闘を行っているかどうかの考慮を追加。また、第三国移転に係る事前同意に関しては、相手国での安全保障上の意義と、日本からの直接移転と同様の視点を複合的に考慮して審査を行うこととした。自衛隊法上の武器の移転に係る審議も厳格化している。参考：防衛省ホームページ、朝雲、月刊JWings5,’22

＜防衛装備・技術移転に関する検討会＞：2014年6月策定の防衛生産・技術基盤戦略に基づき、防衛省が開催する検討会。2014年12月17日に発足し、第１回会合は2014年12月18日に開催された。参考：月刊世界の艦船3,’15

＜防衛装備庁＞：防衛省外局機関で、ATLA（Acquisition, Technology & Logistics Agency）と略す。主任務は技術的優越の確保、プロジェクト管理による装備品の最適な取得と取得改革推進、防衛装備・技術の国際協力推進、防衛生産・技術基盤の維持強化で、防衛省設置法第36条に記載されている。防衛省、自衛隊各幕装備部／技術部／装備取得部門、装備施設本部、経理装備局装備政策部署、技術研究本部の装備品調達部門を統合した機関で、フランス国防省装備総局がモデルといわれ、防衛装備品の構想・開発から量産、運用維持、輸出、廃棄に至るまでの全過程（ライフサイクル）を一元管理（プロジェクト管理）する。現場の声は陸海空幕僚監部後方支援部（装備部から改称）から拾い上げる。トップは防衛装備庁長官（事務次官クラス）で、初代は技術研究本部長が就任した。公式キャラクターは新波和奏で、防衛装備庁技術戦略部技術戦略課技術企画室企画調整専門官の二等海佐が鋭意制作中である。2015年10月1日、市ヶ谷地区Ａ・Ｄ棟内に創設された。11月10-11日、東京都新宿区ホテルグランドヒル市ヶ谷で防衛装備庁・技術シンポジウム2015を開催。11月18日、プロジェクト管理重点対象装備品12品目（F-35A、F-2後継機、P-1、C-2、グローバルホーク、V-22、UH-X、SH-60K改、SM-3ブロック�UＡ、中SAM改、水陸両用車、3000トン級多任務護衛艦）を選定した。2016年4月22日、2014年の大雪で日本飛行機の格納庫が陥没して自衛隊機６機が損傷した事案に関し、契約会社の川崎重工に18億円の損害賠償請求を行った。4月25日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で防衛装備シンポジウムを開催。8月31日、プロジェクト管理重点対象装備品12品目の取得戦略計画を策定した。10月28日、洋上給油ホース等の製造請負契約で、日本バルカー工業の下請け２社が製品試験結果に事実と異なる記載をしていたことが判明し、日本バルカー工業も要求規格を満たさない製品を納入していたため、この３社を2017年1月27日まで３ヶ月間の指名停止処分とした。11月、第１回安全保障協力協議会合を開催。2017年2月15日、平成30年度以降の護衛艦（新艦艇）の調達に係る企画提案の契約への参加企業募集を開始。2月24日、東京航空計器が防衛装備品契約で不適切な工数調整により過大申告を行っていたとの自発的情報提供があり、その事実が確認されたため、特別調査を行うと発表した。1980年代から虚偽申告を行っていたとみており、水増し数億円に対して返金請求を行う予定。3月16日、イギリス国防省と、将来戦闘機（F-2後継機）と将来戦闘航空システム（Future Combat Air System）における英国との協力の可能性に係る日英共同スタディに関する取決めを締結した。自衛隊はエンジン技術や無人機技術、イギリス軍はステルス技術や高機動技術、レーダー技術を入手したいらしい。6月9日、島津製作所と2016年5月に契約した航空機用補助動力装置の修理で、使用できず交換が必要なパーツを修理だけで済ませるといった不適切な行為があったことが確認されたため、同日から３ヶ月半の指名停止処分とした。6月15日、防衛装備・技術協力に向けた地域多国間協議を開催し、日本、インドネシア、シンガオール、タイ、フィリピン、ベトナムから国防関係者など20人が参加し、人道支援・災害派遣や対テロ分野での技術協力に向けた議論などを行った。8月28日、インドネシア国防省で開催された日本／インドネシア防衛産業セミナーに参加。9月1日、中小企業等参入促進ワークショップ・展示会（マッチング事業）を開催し、11社から100人が参加した。9月11-14日、防衛装備庁長官がロンドンに出張し、イギリス国防省装備担当幹部と意見交換を行い、DSEIを視察した。9月12-15日、DSEiに出展した。9月20-29日、ヴァージニア州サフォークで行われたアメリカ戦略コマンド主催グローバル・センチネル17演習に１名が参加。11月6-9日、バンコクで開催された国際防衛装備品展示会に初出展し、日本企業７社と共同の日本パビリオンを設けた。11月6-7日には防衛副大臣が現地を視察してスピーチを行い、タイ国防副大臣やタイ軍司令官と会談、防衛装備品・技術移転協定早期締結を含む協力推進で一致している。11月12-16日に実施されたドバイ航空ショーでC-2輸送機ブースを出展。11月23日、三菱電線工業が仕様書の要求値に満たないゴム製品を納入していたとして、同社に事実関係確認、原因究明、再発防止策策定を求めた。航空機や艦船に使用されており、影響について調査や確認を行っている。12月6日、第２回安全保障協力協議会合を行い、アメリカ国防安全保障協力庁幹部と防衛省で意見交換を行った。2018年2月22日、防衛省とイギリス国防省がジェットエンジン認証プロセスに係る共同研究に関する取り決めを締結した（締結日は2月21日）と発表した。航空装備研究所とイギリス国防省国防科学技術研究所が共同で研究を行う。3月6日、オーストラリア国防省と日豪間で初となる官民防衛産業フォーラムを開催し、日本企業20社とオーストラリア企業10社が参加した。4月2日、札幌試験場が千歳試験場に改称された。4月18日、情報収集機の実現性の調査検討（EP-3/OP-3能力向上）、多機能電子戦機（ECM/ELINT兼用機らしい）、航空機搭載空中線の低被観測化技術の研究（戦闘機用レーダー・レドーム低被観測化らしい）に関する情報提供依頼RFIを発出。4月25-29日、ベルリン国際航空宇宙ショーにブースを出展。4月27日、プロジェクト管理重点対象装備品等にイージス・アショア、16式機動戦闘車、KC-46A、E-2Dを追加した。5月7日、陸上自衛隊新戦闘ヘリコプターに関する情報提供依頼RFIを発出した。将来的な取得に関する検討の際に参考となる情報を収集するもので、現時点では新戦闘ヘリの導入を前提にはしていない。6月19-22日、平成30年度自衛隊統合防災演習に参加。8月31日、プロジェクト管理重点・準重点対象装備品16品目の分析評価と、16式機動戦闘車、KC-46A、E-2Dの取得戦略計画策定を実施。11月13-14日、技術シンポジウム2018をホテルグランドヒル市ヶ谷で開催。2019年1月16日、第３回安全保障協力協議会合を実施。1月21-24日、装備官がロンドンで第19回国際装甲車会議に出席し、我が国の装甲車開発の実績と将来への取り組みをテーマとした講演を行った。1月31日から2月1日、ローマのイタリア国家装備局で日伊官民防衛産業フォーラムを開催し、日本から９社、イタリアから20社以上の計100人が参加した。2月8日、プロジェクト管理部プロジェクト管理総括官がヴァージニア州のアメリカ海兵隊システムズコマンドを訪問し、司令官バセジアン准将と海兵隊戦闘研究所長ウォートマン准将と会談、防衛装備庁とアメリカ海兵隊との間で初となる軍種間技術交流に関する設置要綱に署名した。3月6日、中小企業等参入促進ワークショップ・展示会を実施。6月25-27日、プロジェクト管理部事業管理官付事業計画調整官がテキサス州オースチンで開催された国際装甲車会議に出席した。8月30日、プロジェクト管理重点対象・準対象装備品計20品目中19品目の取得プログラム分析評価を実施。プロジェクト管理重点対象装備品として島嶼防衛用高速滑空弾、準対象装備品として島嶼防衛用新対艦誘導弾など３品目を追加選定し、取得戦略計画などを策定した。10月2-4日、東京ビッグサイトで開催されたテロ対策特殊装備展／危機管理産業展2019にブースを出展した。10月2日、マニラで日比官民防衛産業フォーラムに参加。11月12-13日、東京都内のホテルで防衛装備庁技術シンポジウム2019を開催。2020年1月20-23日、イギリスで開催された第20回国際装甲車会議に装備官（陸上担当）の柴田陸将が出席し、講演を行った。1月22日、防衛省で第４回安全保障協力協議会を実施。防衛装備庁長官らが出席し、アメリカ国防安全協力庁長官らと、FMS調達物品・役務の未納入・未精算について解決策を協議した。10月21-23日、東京ビッグサイトで開催されたテロ対策特殊装備展／危機管理産業展2020にブースを出展し、遠隔操縦装軌車両などの模型を展示した。

2021年4月1日、事業管理官（宇宙・地上装備担当）の中に宇宙事業管理班、輸入調達官付有償援助調達室に履行管理・促進班を立ち上げた。電子装備研究所と先進技術推進センターを統合して次世代装備研究所に改編した。産業サイバーセキュリティ室、技術連携推進官、先進技術戦略官が新設された。5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練に参加。7月19日、T-7初等練習機・T-4中等練習機の後継となる練習機と、両機の地上訓練システムの導入を検討することにし、RFIを発出した。2022年2月16日、防衛関連企業主要15社との第１回意見交換会を実施。3月1日、多国間サイバー防護競技会に参加。3月23日、防衛関連企業主要15社との第２回意見交換会を実施。5月10日、防衛装備庁長官が安全保障政策調査会に講師として招かれ、「我が国の装備行政について」という題で講演会を行った。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。2023年10月26-27日、大阪のハービスホールで令和5年度防衛産業参入促進展を実施した。

参考：月刊世界の艦船12,'15、2,’15、2,'16、11,’16、11,’18、11,’19、月刊軍事研究12,'15、2,'16、1,’17、4,’17、5,’17、10,’17、1,’18、4,’18、7,’18、11,’18、月刊JWings12,'15、7,’18、1,’20、4,’20、12,'22、1,’24、月刊航空ファン2,’16、5,’17、6,’17、9,’17、2,’18、5,’18、7,’18、4,’19、12,’19、朝雲、MAMOR vol.114、vol.115、vol.133、vol.158

　＜防衛装備庁（２０１５年１０月１日創設時）＞：防衛省Ａ・Ｄ・E1棟などにある。トップは防衛装備庁長官で、職員数1780名（自衛官407名、事務官・技官等1373名）。次長、長官官房審議官、防衛技監、装備監４名（陸海空将官、技官。プロジェクト管理を行う）、長官官房、装備政策部、プロジェクト管理部、技術戦略部、調達事業部、調達管理部、航空装備研究所、陸上装備研究所、艦艇装備研究所、電子装備研究所、先進技術推進センター、札幌試験場、下北試験場、岐阜試験場を隷下に置く。長官官房は総務官、人事官、会計官、監察監査・評価官（部下20名を擁し、不祥事を監視する）、装備開発官（システム装備、陸上装備、艦船搭載装備、航空機の４名）、艦船設計官からなる。装備政策部は防衛生産・技術基盤維持強化、外国との共同技術開発、輸出などを担任し、装備政策課、国際装備課、装備制度管理官からなる。プロジェクト管理部は主要装備ライフサイクルを一元管理し、20-30年の長期的視野で装備品取得運用を行うのが主任務で、プロジェクト管理総括官（陸上、海上、航空の３名）、事業計画官、統合装備計画官、事業監理官（情報・武器・車両、艦船、航空機の３名）、装備技術官（陸上、海上、航空の３名）を擁する。技術戦略部は先進技術を含む研究開発が主任務で、革新技術戦略官、技術戦略課、技術計画官、技術振興官からなる。調達管理部は装備品調達計画立案が主任務で、調達企画課、原価管理官、企業調査官からなる。調達事業部は装備品契約実務が主任務で、調達総括官２名、需品調達官、武器調達官、電子音響調達官、艦船調達官、通信電気調達官、航空機調達官、輸入調達官を擁する。参考：月刊世界の艦船12,'15、2,’15、2,'16、月刊軍事研究12,'15、2,'16、月刊JWings12,'15、月刊航空ファン2,’16、朝雲

＜防衛装備長期契約特別措置法＞：財政法で５年以内になっている防衛装備品の支払期間を最長10年に延長するための特別措置法。長期契約による一括取得で調達コストを下げるのが目的で、2019年度予算ではFMS（E-2D早期警戒機９機まとめ買い）に対して初めて適用された。参考：月刊航空ファン6,’19

＜防衛即応体制＞：デフコンを参照。

＜防衛大学校＞：National Defense Academy of Japan。将来の幹部自衛官を育成する教育を行う学校である。三自衛隊からは独立した防衛省／防衛庁付属機関で、文部科学省の大学設置基準に準拠しており、学生の身分は特別職国家公務員である。所在地は神奈川県横須賀市走水1-10-20。京急馬堀海岸駅から路線バスで６分。学生のモットーは９期生が４学年時に委員会を設立して定めた学生綱領にある「廉恥（Honor）、真勇（Courage）、礼節（Propriety）」。建学の精神は槇智雄初代学校長が示した「真の紳士淑女にして、真の武人たれ」。教育方針は槇智雄初代学校長が指南した「広い視野」「科学的な思考力」「豊かな人間性」。開校祭では防大生と京大生らが意見交換を行う防衛フォーラムが開かれる。世界一の士官学校を目指し、グローバル教育にも積極的で、海外留学、留学生の受け入れ、国際士官候補生会議などを行っている。正門を入って正面に本部庁舎、その奥に記念講堂（2300名収容）、時計台や実験施設を兼ねる高さ50mの給水塔（シンボルタワー）があり、正門を入って左に理工学1-5号館や総合実験棟などの理工学科関連施設、右に防衛学館、武道場、総合体育館、陸上競技場、ラグビー場、サッカー場、野球場などのスポーツ施設、記念講堂の奥に人文科学館、社会科学館、資料館、本部庁舎の右奥（スポーツ施設群の奥）に第1-4学生舎、学生教育1-3号棟、学生食堂、学生会館などが並ぶ。防衛学館の傍には九三式魚雷、74式戦車、F-1支援戦闘機が展示されている。入試は一般が筆記の一次と面接・身体検査の二次で、推薦や総合選抜試験もある。一般一次試験は国公立一次よりも前の11月に行われるため、偏差値60台以上の大学を目指す受験生の腕試しにも使用される。年明けに行われていた一般後期日程は2018年度から廃止された。1952年8月1日に保安庁保安大学校として設置され、1953年4月1日に久里浜駐屯地の仮校舎で開校した。1954年7月1日、陸上自衛隊発足で防衛大学校に改称された。1955年4月1日、久里浜駐屯地から横須賀市小原台に移転。1958年、留学生の受け入れを開始し、タイから１名を受け入れた。1964年10月10日、東京オリンピック開会式で第11期生が各国のプラカードを持って行進した。1982年、浴場を改築した。1990年、陸海空幕僚長が防衛大１期生でそろい踏みした。1991年、任官拒否は94名だった。1992年4月1日、初めて女性が入校した。2009年3月22日、本科53期、理工学研究科前期課程46期、同後期課程６期、総合安全保障研究課11期計540名の卒業式を実施。4月5日、本科57期生理工学専攻407名、同人文・社会学専攻87名、インドネシア・韓国・カンボジアなどからの留学生17名、理工学研究科前期48期生54名（うち留学生２名）、49期生予定留学生４名、理工学研究科後期９期生９名、総合安全保障研究科前期13期生11名、同後期１期生６名の入校式を実施。2010年4月、東ティモール共和国から女性を含む４名の留学生が入学した。東ティモールからは初で、女性留学生も初である。

2011年3月11日、東日本大震災が発生し、地元避難者200人を校内に受け入れた。3月20日、本科55期409名、理工学研究科前期課程48期53名、理工学研究科後期課程８期11名、総合安全保障研究科前期課程13期10名計483名の卒業式を実施。東日本大震災の発災直後であり、犠牲者への黙祷が捧げられ、会場は照明を60%に落とし、恒例の帽子投げと観閲式は行われなかった。4月5日、本科59期生585名（うち留学生23名）、大学院理工学研究科前期課程64名（うち留学生５名）、同後期課程６名（うち留学生１名）、総合安全保障研究科前期課程19名（うち留学生１名）、同後期課程５名が平成23年度入校式に参加。5月3-7日、学生21名が学生ボランティアチームの一員として東日本大震災の被害を受けた牡鹿半島沿岸部での漁業関連復興作業を行った。11月20-24日にナイジェリアで開催された世界軍医学会で、防衛医学講座徳野慎一准教授（二等陸佐）が最優秀ポスタープレゼンテーション賞を受賞した。2012年から試験日程を一般大学と同じにした入試や、AO入試を取り入れる予定。建設環境工学科に震災工学と大規模災害概論、機械システム工学科に原子力システム安全工学の各科目を新設する。2012年3月18日、本科56期（陸182名、海90名、空96名）、理工学研究科前期課程49期（陸24名、海10名、空14名、技官５名、留学生６名）、同後期課程９期（陸５名、空１名、民間１名、留学生１名）、総合安全保障研究科前期課程14期（陸５名、海１名、空２名、留学生３名、官公庁１名、特別研究院２名）、同後期課程１期（陸２名、空１名）の卒業式を実施。不況の余波か非任官者は４名と最小だった。4月5日、平成24年度入校式を実施。本科60期生502名（理工学専攻393名、人文・社会科学専攻109名）、理工学研究科前期課程51期69名、同後期課程12期９名、総合安全保障研究科前期課程16期11名、同校期４期５名が入校した。7月2-5日、第17回国際防衛学セミナーを開催。海外からアメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、韓国、シンガポール、タイ、中国、チリ、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、マレーシア、モンゴルの14カ国から15人が参加した。11月10-11日、防衛大学校創立60周年開校記念祭を実施。11月22-23日、日本防衛学会の平成24年度秋期研究大会が開催された。2013年2月28日から3月7日、第16回国際士官候補生会議を実施。本科学生2000名と、アメリカ、イギリス、インド、中国、チュニジア、ドイツ、ブラジル、フランスなど14カ国から士官候補生17名が参加した。3月17日、本科57期424名、理工学研究科前期61名、同後期６名、総合安全保障研究科前期17名、同後期５名の卒業式を実施。4月5日、本科61期450名、本科留学生26名、理工学研究科前期52期54名、同後期13期10名、総合安全保障研究科前期17期18名、同後期５期４名の入校式を実施。7月1-5日、第18回国際防衛学セミナーを実施。17カ国17名が軍の機能や士官学校教育などについて意見交換を行った。2014年3月4-11日、第17回国際士官候補生会議を実施。17カ国から士官候補生20名を招聘し、リーダーシップと士官候補生のあるべき姿をテーマに討議を行った。3月22日、本科58期448名、理工学研究科前期課程51期68名、同後期課程11期６名、総合安全保障研究科前期課程16期10名、同後期３期４名の卒業式を実施。4月5日、本科62期生571名、本科留学生25名、理工学研究科前期53期53名、同後期14期９名、総合安全保障研究科前期18期18名、同後期６期５名の入学式を実施。6月21日と28日、有志260名が京急浦賀駅・馬堀海岸駅から防衛大学校までの道路と周辺でゴミ拾いのボランティアを行った。6月28日、吹奏楽部が栃木県の小山市文化センターで小山市制60周年記念の防衛大学校吹奏楽部演奏会in小山に参加。6月30日から7月4日、第19回国際防衛学セミナーを実施。オーストラリアや中国など16カ国から16名が参加し、多様な環境下の任務を遂行する素地を与える士官候補生教育をテーマとした意見交換を行った。11月8日、防衛フォーラム2014を実施。日本の将来の安全保障について防大生と京大生が討論を行った。2015年2月28日から3月7日、第18回国際士官候補生会議を実施。19カ国（アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、インド、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、スウェーデン、タイ、中国、チュニジア、ドイツ、フィリピン、ブラジル、フランス、マレーシア、ミャンマー）30名がリーダーシップを巡る討議を行った。3月22日、本科59期492名、理工学研究科前期課程52期55名、同後期課程12期５名、総合安全保障研究課前期課程17期18名、同後期課程４期２名の卒業式を実施。任官拒否は25名だった。4月5日、入校式を実施。4月13日（10日？）、教養教育センター（総合企画室、基礎部門、国際部門、学際部門、リーダーシップ部門、リテラシー部門からなる）と国際交流センターが発足した。4月14日、新設されたサイバー戦概論講座（前期30名）の授業を開始。6月30日から7月4日、第20回国際防衛学セミナーを実施。オーストラリアやカンボジアなどから16カ国17名の士官らが参加した。11月14-15日、創造への一歩をテーマに開校記念祭を開催。防衛大臣が学生1200名を巡閲した。11月15日、開校祭恒例行事の棒倒しを実施。４個大隊520名が参加し、第１大隊が優勝した。

2016年、タイ空軍司令官に1978年入校・1982年卒業の留学生であるジョム・ルンサワン氏が着任した。3月2-8日、第19回国際士官候補生会議を開催。アメリカ、イギリス、インド、タイ、ドイツ、ブラジル、フランス、ミャンマーなど15カ国から士官候補生25名を招き、リーダーシップなどに関する意見交換や討議を行った。3月6日、神奈川自衛隊音楽まつりに参加。3月21日、本科60期439名（陸上177名、海上94名、航空99名、留学生20名、任官辞退47名含む非任官者49名）、理工学研究科前期課程53期51名（陸上23名、海上12名、航空９名、技官１名、留学生４名、特別研究員２名）、同後期課程13期10名（陸上４名、留学生４名、民間１人、特別研究員１名）、総合安全保障研究科前期課程18期16名（陸上６名、海上２名、航空３名、留学生１名、官公庁２名、特別研究員２名）、同後期課程５期２名（陸上１名、航空１名）計518名の卒業式を実施。4月1日、グローバルセキュリティセンターを創設。6月12日、岐阜市で行われたＪリーグFC岐阜−セレッソ大阪戦の開始セレモニーで儀仗隊がドリル演技を披露した。7月3-6日、第21回国際防衛学セミナーを実施。アメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、韓国、中国、フランスなど10カ国から12名が参加し、防衛大教職員なども加わって100名でサイバーセキュリティ教育に関する議論を行った。8月30日、日本・ミャンマー将官級交流で来日したミャンマー軍訪日団の訪問を受けた。9月17日、フィールドホッケー部がイギリス陸軍フィールドホッケーチームと親善試合を行い、３戦して２勝１敗だった。11月14日、グローバルセキュリティーセンター発足記念シンポジウムを開催。11月19日、京大生と防衛フォーラム2016を実施。2017年1月31日、新浴場（鉄筋コンクリート２階建て、延床面積2400平方メートル）の落成式を実施。3月1-7日、第20回国際士官候補生会議を実施。19カ国から士官候補生など31名が参加し、軍のリーダーシップにおける課題・変化する戦場についての討議や、統合運用におけるリーダーシップ、多国籍軍を率いるためには、第５の戦場・サイバー空間、テロ脅威への対処の４つのテーマでのセッション、スポーツ大会、文化研修などを行った。3月19日、本科61期生陸上165名、海上90名、航空93名、留学生21名、理工学研究科前期陸上20名、海上９名、航空11名、技官１名、留学生６名、特別研究員２名、同後期陸上３名、技官１名、留学生２名、民間２人、総合安全保障研究科前期陸上７名、海上３名、航空４名、その他３名、同後期陸上１名、航空１名の卒業式を実施。任官辞退者は32名だった。6月1日、防衛大学校第26期卒、空自幹部学校指揮幕僚課程・高級幹部課程卒のタイ空軍司令官ジョム大将が訪問した。11月11-12日、第65回開校記念祭を実施。棒倒しでは第２大隊が優勝した。11月25日、日本防衛学会秋季大会が開催され、防衛研究所戦史研究センターの３等海佐が猪木正道賞（正賞）を受賞した。11月25-26日、本科学生306名が防衛大学校から千鳥ヶ淵戦没者墓苑まで68kmを夜通し行進する東京行進を実施。12月2-8日、ヨット部の学生２名がインド海軍主催アドミラルズカップ2017に出場し、参加28カ国29チーム中総合６位の成績を収めた。12月9日、関西大学、慶応義塾大学、神戸大学、拓殖大学、東京大学、一橋大学の学生を招聘し、国際情勢・安全保障に関する学生シンポジウムを開催。2018年2月3日、学生有志228名が横須賀市内でゴミ拾いボランティアを実施。2月28日から3月6日、第21回国際士官候補生会議を実施。20カ国の士官候補生ら33名が参加し、空自中部防空管制群司令の基調講演聴講、理想の指揮官になるためにをテーマとした討議、文化交流、スポーツ大会などを行った。3月12日、防衛大学校学術・教育振興会が山崎賞の贈呈式を実施。3月18日、本科62期494名（陸上203名、海上110名、航空120名、留学生20名、非任官41名）、理工学研究科前期課程55期42名（陸上21名、海上７名、航空７名、技官４名、留学生３名）、理工学研究科後期課程第15期８名（陸上４名、海上１名、航空１名、留学生２名）、総合安全保障研究科前期課程20期12名（陸上３名、海上３名、航空２名、留学生１名、特別研究員３名）、総合安全保障研究科後期課程７期１名（陸上１名）の卒業式を実施。4月1日、先端学術推進機構が新編された。先端学術推進機構事務室、国際交流センター（教務部から移管）、グローバルセキュリティーセンター（総合情報図書館から移管）、教養教育センター（教務部から移管）からなる。4月5日、本科66期生531名、留学生24名、理工学研究科前期課程57期生54名、理工学研究科後期課程18期生10名、総合安全保障研究科前期課程22期生15名、総合安全保障研究科後期課程10期生２名の入校式を実施。来日していたフィリピン海軍司令官エンペドラッド少将も出席し、フィリピンからの留学生10名（うち新規入校者２名）を激励している。6月9日、ホッケー部がイギリス空軍創立100周年記念行事の一環として来校したイギリス空軍ホッケーチーム35名と親善試合を行った。男女とも防衛大ホッケー部が勝利し、試合後はOBも含めた親睦会を開催している。6月23日、学生有志143名がゴミ拾いボランティアに参加。7月25日、本科第66期生が遠泳競技会を実施。各大隊別のカラー帽を被り８キロ泳（入校時に全く泳げなかった10人は白帽を被り４キロ泳）を行い、５時間かかって全員が泳ぎ切った。11月3日、日本代表対ニュージーランド代表のラグビー国際交流試合で、ラグビー部学生２名が両国国旗掲示支援、儀仗隊50名がファンシードリルを実施。11月10-11日、第66回開校記念祭を実施。外交・経済・防衛の３分野から考える対中戦略をテーマとする防衛フォーラム2018を開催し、防大生と京大生が討論した。棒倒し競技では第２大隊が優勝し、３連覇を飾った。11月17日、学生有志60名がゴミ拾いボランティアを実施。2019年1月3日、第95回箱根駅伝関東学生連合チーム６区に理工学部航空宇宙工学専攻の４年生が出場した。2月27日から3月5日、第22回国際士官候補生会議を実施。アジア、アフリカ、ヨーロッパ、オセアニア、北米、南米の21カ国から士官候補生ら31名が参加し、「変化する世界、変わらない信念〜リーダーになるために〜」をテーマとする討論や、文化・スポーツ交流を行った。3月3日から２週間、二等陸佐１名をエチオピア平和支援訓練センターに派遣。3月11日、防衛大学校学術・教育振興会が山崎賞の贈呈式を実施。3月16日、防衛大学校学術・教育振興会が山崎学生奨励賞の贈呈式を実施。3月17日、本科63期503名（陸自210名、海自114名、空自105名、留学生25名、非任官者49名）、理工学研究科前期課程56期45名（陸自19名、海自８名、空自10名、技官１名、留学生４名、特別研究員２名、民間１名）、理工学研究科後期課程16期７名（陸自３名、空自１名、留学生１名、特別研究員１名、民間１名）、総合安全保障研究科前期課程21期13名（陸自５名、海自２名、空自２名、官公庁２名、特別研究員２名）、総合安全保障研究科後期課程８期１名（特別研究員）の卒業式を実施。4月5日、平成31年度入校式を実施。本科67期生516名、９カ国留学生25名、理工学研究科前期課程58期生55名、同後期課程19期生８名、総合安全保障研究科前期課程23期生14名が入校した。6月22日、合気道部が創部60周年記念行事を実施。6月28日から7月12日、エチオピア平和支援訓練センターに二等陸佐１名を派遣し、PKO要員人材育成に関する教育カリキュラムコース運営支援や講義などを行った。7月2-23日、別府駐屯地、十文字原演習場、日出生台演習場などで、３学年陸上要員部隊実習を実施。学生12名が第４師団第41普通科連隊の支援を受け、野戦築城、市街地戦闘、40キロ徒歩行進後の攻撃などの訓練を行った。7月24日、第67期生が遠泳競技を実施。9月、教育研究Ａ館の運用を開始。10月10-19日、国際防衛ラグビー競技会に併せてオーストラリア軍士官学校ラグビークラブ士官候補生30名を招き、日豪学生交流プログラムを実施。11月8-22日、エチオピア平和支援訓練センターに二等陸佐１名を派遣し、PKO要員人材育成に関する教育カリキュラムコース運営支援や講義などを行った。11月10日、祝賀御列の儀に20名がと列部隊として参加。11月16-17日、第67回開校記念祭を実施。棒倒し競技では第１大隊が優勝した。11月16日、京大生と安全保障フォーラム2019を実施。11月28-29日、防大卒留学生OB・OG12カ国50名を招いて防衛省で交流会を実施。12月19日、防衛監察本部がコンプライアンス講習会を実施。

2020年2月11日、学生406名が大学校内外でごみ拾いのボランティア活動を行った。3月6-15日、２等陸佐をエチオピアのアジスアベバにあるエチオピア平和支援訓練研究センターに国際コンサルタントとして派遣し、PKO要員の人材育成に関する対話・交渉・協定コースのカリキュラム作成支援などを行った。3月22日、本科64期（陸上179名、海上105名、航空98名、留学生20名、非任官者35名）、理工学研究科前期課程57期（陸上27名、海上５名、航空９名、技官３名、留学生７名、特別研究院１名）、同後期課程17期（陸上２名、留学生３名、民間企業１名）、総合安全保障研究科前期課程22期（陸上６名、海上４名、航空１名、特別研究院１名）、同後期課程９期（陸上１名）の卒業式を実施。5月22日、河野防衛大臣が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、入校式を中止すると発表した。7月3-25日、高田駐屯地と関山演習場で夏期定期訓練第３学年部隊実習を実施。第12旅団第２普通科連隊の支援を受け、３年生10名がリペリング、各射撃研修、野営などを行った。7月8日、４年生が修武台記念館講堂で中部航空警戒管制団副司令の講和を聴講した。7月21日、走水海岸で遠泳を実施。12月5日、京大安全保障フォーラム2020防衛大学校学生との討議会に参加。

2021年3月21日、本科第65期420名（陸上171名、海上106名、航空92名、留学生23名、非任官者28名）、理工学研究科前期課程第58期48名（陸上19名、海上10名、航空９名、技官２名、留学生５名、特別研究員２名、民間企業１名）、同後期課程第18期８名（陸上３名、海上１名、技官１名、留学生１名、民間企業２名）、総合安全保障研究科前期課程第23期10名（陸上６名、海上２名、特別研究員１名、官公庁１名）、同第10期２名（陸上１名、特別研究院１名）の卒業式を実施。4月1日、本科第69期生が着任。4月5日、本科第69期生入校式を実施。4月18日、本科第69期生初の引率外出を実施。新型コロナウイルス感染予防のため、上級生１名が引率できる人数を１年生３名までに制限し、マスクなどの基本的予防策を徹底、着校後初の外出を楽しんだ。10月27日、PAC-3機動展開訓練に参加し、第１高射群が入間基地から展開した。

2022年1月14日、プロセーラーの白石康次郎氏を招いて「突破力〜困難を乗り越える諦めない心」と題する講演を開催。3月1日、多国間サイバー防護競技会に参加。3月27日、本科第66期501名（陸上209名、海上108名、航空90名、留学生22名、非任官者72名）、理工学研究科前期課程第59期41名（陸上23名、海上８名、航空３名、技官２名、留学生４名、特別研究員１名）、理工学研究科後期課程第19期７名（陸上１名、航空２名、留学生３名、民間企業１名）、総合安全保障研究科前期課程第24期８名（陸上５名、海上１名、航空１名、特別研究員１名）、総合安全保障研究課前期課程第25期（１年修了）３名（陸上１名、航空２名）の卒業式を実施。4月28日、本科第70期生入校式を実施。4月29日、本科第70期生の引率外出を実施。5月31日、本科第69期生カッター競技が行われ、第43中隊が優勝した。6月5日、オープンキャンパスを実施。6月10日、統率・戦史教育室の准教授が大平正芳記念賞を受賞し、贈呈式が行われた。

参考：防衛大学校ホームページ、月刊世界の艦船1,’79増刊、MOLIBITO Vol.3、陸海軍学校と教育、久里浜駐屯地ホームページ、月刊丸10,’10、3,’13、月刊JWings5,’14、8,’11、3,’12、10,’12、2,’13、6,’14、11,’14、9,’16、9,’17、9,'18、2,’20、1,'22、防衛大学校学生募集案内、朝雲、MAMOR vol.60、vol.81、vol.100、vol.102、vol.104、vol.110、vol.146、vol.157、月刊軍事研究9,’13、6,’14、9,’14、1,’16、5,’16

　＜防衛大学校（２０１５年）＞：学校長、副校長２名、幹事、人材確保統括官、総務部（総務課、厚生課、会計課、管理施設課、衛生課）、教務部（教務課、入学試験課、教養教育センター、国際交流センター、理工学研究科教務主事、総合安全保障研究科教務主事）、訓練部（訓練課、学生課、総括首席指導教官）、総合情報図書館（総合情報図書館事務室、学術情報官）、総合教育学群（外国語教育室、体育学教育室、数学教育室）、人文社会科学群（人間文化学科、公共政策学科、国際関係学科）、応用化学群（応用物理学科、応用化学科、地球海洋学科）、電気情報学群（電気電子工学科、通信工学科、情報工学科、機能材料工学科）、システム工学群（機械工学科、機械システム工学科、航空宇宙工学科、建設環境工学科）、防衛学教育学群（国防論教育室、戦略教育室、統率・戦史教育室）からなる。参考：防衛大学校ホームページ

＜防衛大綱＞：防衛計画の大綱を参照。

＜防衛駐在官＞：防衛省／自衛隊の駐在武官。日本大使館などの在外公館で外務事務官として防衛に関する事務を行う。外交官資格を持つ幹部自衛官（二佐から将補クラスで、一佐が多い。階級により外国軍でアクセスできる情報が違ってくるので注意が要る）が充てられ、防衛省から外務省に出向した外交官という身分なので予算は外務省から出る。指揮監督も外務大臣や在外公館長（大使など）で、軍事関連情報も大使や公使が目を通して修正を加えた後、外務省を経由して防衛省に伝達される。自衛官としての階級はそのままで、制服も自衛隊のものを着用するため、制服を着た外交官という通称を持ち、外務省職員では立ち入りが困難な各国国防省や軍事施設、正確な収集が困難な軍事情報にアクセスする。主任務はHUMINTによる軍事情報収集分析、任国との防衛協力推進と情報交換、日本からの出張者支援、任国軍事組織との連絡、武官団交流などである。政府専用機の領空通過・着陸・運用許可や飛行計画変更も担当する。オランダの防衛駐在官は化学兵器禁止機関OPCW日本政府代表部のメンバーでもある。オーストリアの防衛駐在官は欧州安全保障協力機構OSCEも担当する。防衛省／自衛隊はもちろん、日本政府の代表としての立場であるため、責任は重大。任期は３年間で、英語や現地語に通じ、コミュニケーション能力が優れた自衛官を選び、派遣１年前から研修を実施、場合によっては現地視察や相手国国防大学・高級幹部課程への留学も行う。家族帯同が基本で、夫人も武官団夫人会（各国駐在武官の夫人で作るコミュニティ）の一員として外交活動に参加、自宅に他国駐在武官を招いてのホームパーティで交流を深める。1954年、防衛庁・自衛隊が発足すると同時に制度が創設され、アメリカに派遣した。1964年、インドに防衛駐在官１名（一等陸佐）の派遣を開始した。2013年1月に発生したアルジェリアでのテロ事件で日本人が殺害されたのを受け、2014年度にアフリカ地域７カ国へ新規に防衛駐在官を派遣した。また、インドの駐在官を１名（一等海佐）増やし、２名としている。2014年7月、ブラジルに初の防衛駐在官が任命された。2015年初めの段階で37カ国と２国際機関代表部に陸自24名、海自15名、空自15名の計54名を配置しており、2014年度末（2015年3月）までにジブチ、ナイジェリア、モロッコに１名ずつを新規派遣、2015年度にウクライナとポーランドに１名ずつを新規派遣し、オーストラリアに１名を追加派遣して３名体制とする予定。2015年7月、インドの駐在官を１名（一等空佐）増やし、３名体制とした。2016年度、ヨルダンに１名を新規派遣することとなった。2017年3月、モンゴルに１名を新規派遣した。参考：MAMOR vol.106、vol.89、vol.111、vol.121、vol.137、月刊世界の艦船12,’12、月刊軍事研究6,’13、2,’16、6,’16、朝雲

　＜防衛駐在官（２０１５年７月１日）＞：40大使館２代表部に58名（陸自26名、海自16名、空自16名）を配置している。アフガニスタン１名（二等陸佐）、アメリカ６名（海将補、二等海佐、一等陸佐、二等陸佐、一等空佐、二等空佐）、アルジェリア１名（二等空佐）、イギリス２名（一等海佐、三等陸佐）、イスラエル１名（一等空佐）、イタリア１名（一等海佐）、イラン１名（一等陸佐）、インド２名（一等陸佐、一等海佐）、インドネシア１名（一等海佐。ASEAN日本政府代表部付と在東ティモール日本国大使館付防衛駐在官を兼任）、ウクライナ１名（一等空佐）、エジプト１名（一等陸佐）、エチオピア１名（一等陸佐）、オーストラリア２名（一等海佐、一等空佐）、オーストリア１名（一等陸佐）、オランダ（一等陸佐）、カザフスタン１名（一等陸佐）、韓国３名（一等陸佐、一等海佐、一等空佐）、クウェート１名（一等空佐）、ケニア１名（二等海佐）、サウジアラビア１名（一等海佐）、ジブチ１名（二等海佐）、シンガポール１名（一等海佐）、スウェーデン１名（一等陸佐）、タイ１名（一等陸佐）、中国３名（一等陸佐、一等海佐、一等空佐）、ドイツ２名（一等陸佐、二等空佐）、トルコ１名（一等海佐）、ナイジェリア１名（二等陸佐）、パキスタン１名（一等陸佐）、フィリピン１名（一等空佐）、ブラジル１名（一等陸佐）、フランス２名（一等空佐、三等海佐）、ベトナム１名（一等陸佐）、ベルギー１名（一等空佐）、マレーシア１名（一等陸佐）、南アフリカ１名（二等陸佐）、ミャンマー１名（一等陸佐）、モロッコ１名（二等空佐）、レバノン１名（一等陸佐）、ロシア３名（一等陸佐、一等海佐、一等空佐）、国連日本政府代表部１名（一等陸佐）、軍縮会議日本政府代表部１名（一等空佐）で、2015年7月にインドに一等空佐１名、2015年度にオーストラリアに一等陸佐１名を追加し、2015年度にポーランドに一等陸佐１名を新規派遣する予定。参考：朝雲、MAMOR vol.106

＜防衛庁＞：Japan Defence Agency。1954年7月1日の防衛庁設置法施行に基づいて保安庁から改編されて設立された、内閣府総務庁の外局にある行政機関で、陸海空自衛隊を管理運営し、それに関する業務を行う。また、防衛施設庁を通じて在日米軍駐留に伴う業務も行っている。トップは防衛庁長官で、内閣総理大臣の指揮監督下に自衛隊の隊務を統括する指揮官であると共に、自衛隊の運用などに関して内閣総理大臣を補佐し助言する参謀役でもある。他に政務・事務次官、参事官、内局（内部部局。長官官房、防衛局、教育訓練局、人事局、経理局、装備局）、統合幕僚会議、付属機関で構成される。1956年3月28日、越中島から霞ヶ関の新庁舎に移転。1960年1月11日、桧町庁舎に移転。1961年、政府の環境汚染調査の一環として、機上集塵器による放射性浮遊塵の採取分析を開始。1987年5月下旬から6月上旬の１週間、防衛庁長官が現職として初めて中国を訪問した。2000年5月8日、桧町地区から市ヶ谷地区に移転した。2007年1月9日に防衛省に昇格した。参考：自衛隊図鑑2002、月刊世界の艦船3,’07、7,’19、月刊丸8,’87、陸上自衛隊地上戦力の全容、朝雲、日本の防衛戦力Part1、月刊JWings10,’16

＜防衛庁設置法＞：1954年3月8日に国会に提出され、6月9日に公布され、7月1日に施行されて保安庁が防衛庁になった。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜防衛統合デジタル通信網＞：IDDNと略す。自衛隊のデジタル通信網で、従来太平洋側のみだった有線通信網の冗長性を拡大し、有事などにおける突発的な通信量の増大にも対応できるよう、1987年から整備が始められた。自衛隊独自の回線を太平洋側を中心に構築し、日本海側は民間の部外回線を使用、更に臨時回線用として衛星通信回線も確保している。参考：MAMOR vol.102

＜防衛白書＞：防衛庁・防衛省から発効される防衛政策報告書で、公式タイトルは日本の防衛である。1970年の中曽根長官時代に第１回が出版され、1976年の第２回発行以降は毎年出版されている。1999年度版からCD-ROMが標準添付されたが、インターネットでダウンロードできるようになったため、2003年度から廃止された。また、当初はA5サイズだったが、2000年度版からA4変版にサイズを拡大、2003年度版からA4正寸になり、2006年度版からA4変版に戻った。発行部数は４万部を超えており、日本政府発行の全白書の中で最も多い。参考：月刊軍事研究10,’07、3,’11

＜防衛モニター制度＞：防衛問題や自衛隊に関する意見や要望を広く国民一般から聴取し、防衛行政に反映させる制度で、一般公募などにより地方協力本部が任期２年で委嘱する。参考：朝雲

＜防衛予算＞：日本における軍事費。総額には米軍再編に伴う関係経費の地元負担軽減分やSACO関係経費などが含まれており、これを引いた額が防衛省／自衛隊の予算になる。人件糧食費が40%強と比較的高く、残りが物件費（事業費）で、装備品や燃料などの購入、教育訓練、施設整備、光熱費、技術研究開発、在日米軍駐留経費などに充てられ、契約年度中に支払われる一般物件費（活動経費。燃料費や演習費など）と、その年度以前の契約に基づいて支払われる歳出化経費（後年度負担）に分けられる。兵器価格は割高だが、調達研究開発費の合計は物件費の10%くらいである。昭和30年代には人員募集が追いつかず、充足率に合わせて大蔵省が予算を削っていたが、景気減速で入隊希望者が増えても前年に決定した予算の枠内でしか募集できないので非効率になってしまった。1976年11月5日、GNP1%枠が閣議決定された。平成8年以降に係る防衛計画の大綱以降は人員が急速に削減された上、それ以上の防衛予算減を強いられており、少年工科学校生徒や一般入隊二等陸士などを学生の身分にして自衛官から省き、業務の民間委託などを行って経費削減に努めている。兵器調達は単年度予算に収まる範囲で逐次行われるため、いつまでにいくつ揃えるかは調達が終わるまで判明せず、調達総額がいくらになるかは買い終わってみないと分からないという行き当たりばったりのシステムである。数年分の装備品を一括調達して割安に済ませる仕組みが導入されたのも21世紀に入って暫くしてからである。メーカーの負担となる設備投資費用やライセンス料はメーカー側がまず負担し、装備品調達価格に上乗せしていたが、装備品の調達がいくつでいつまでになるのか終わってみないと分からないため、金利が多額になったり、生産打ち切りになったAH-64Dのようにメーカー側が多額の損失を抱え込んだりする事態が発生、2008年度からは初度費として防衛省がメーカーに一括先払いするようになった。装備品の高性能化で整備維持費が高騰、新装備の調達を圧迫しており、海上自衛隊では2005年度に新規装備品の契約額を整備維持経費が上回っている状況である。参考：月刊軍事研究7,’05、4,’10、7,’10、11,’10、11,’11、月刊JWings11,’15

　＜防衛予算（１９７７年度）＞：総額１兆6906億円。対前年度比プラス11.8%、対GNP比0.88%。参考：月刊世界の艦船9,’14

　＜防衛予算（１９７８年度）＞：総額１兆9010億円。対前年度比プラス12.4%、対GNP比0.90%。参考：月刊世界の艦船9,’14

　＜防衛予算（１９７９年度）＞：総額２兆945億円。対前年度比プラス10.2%、対GNP比0.90%。参考：月刊世界の艦船9,’14

　＜防衛予算（１９９７年度）＞：陸自の歳出予算は１兆8099億円（前年比プラス1.0%）で、人件・糧食比が１兆2221億円、歳出化4226億円、一般物件費1651億円（正面85億円で前年比31.7%減、後方1566億円で0.2%減）。陸自の新規後年度負担は4637億円（前年比7.1%増）で、正面が2906億円（10.8%増）、後方が1732億円（1.3%増）。参考：月刊軍事研究4,’97

　＜防衛予算（２０００年度）＞：総額４兆9217億7100万円。陸自１兆8499億7500万円、海自１兆972億7700万円、空自１兆1428億6600万円、統合幕僚会議507億5500万円、技術研究本部1347億7400万円。参考：月刊世界の艦船6,’01

　＜防衛予算（２００１年度）＞：総額４兆9388億3300万円、対GNP比0.952%、対前年比プラス0.3%。一般物件費9431億円、歳出化経費（後年度負担支払い）１兆7689億円、人件糧食費２兆2269億円。陸自１兆8682億円（対前年比プラス1.0%）、海自１兆1530億円（対前年比プラス5.1%）、空自１兆874億円（対前年比マイナス4.9%）、統合幕僚会議480億1600万円、技術研究本部1479億8000万円。参考：月刊丸6,’01、月刊世界の艦船6,’01

　＜防衛予算（２００９年度）＞：総額４兆7028億円。内訳は陸上自衛隊１兆7314億円、海上自衛隊１兆699億円、航空自衛隊１兆1478億円、防衛省内部部局4875億円、統合幕僚監部175億円、情報本部490億円、防衛大学校151億円、防衛医科大学校254億円、防衛研究所16億円、技術研究本部1308億円、装備施設本部72億円、防衛監察本部４億円、地方防衛局191億円。思いやり予算は1927億5400万円、米軍再編に関する経費は1316億円である。参考：月刊世界の艦船8,’10、月刊軍事研究7,’10

　＜防衛予算（２０１０年度）＞：総額４兆6826億円。内訳は陸上自衛隊１兆7439億円、海上自衛隊１兆522億円、航空自衛隊１兆873億円、防衛省内部部局4811億円、統合幕僚監部260億円、情報本部592億円、防衛大学校147億円、防衛医科大学校200億円、防衛研究所16億円、技術研究本部1704億円、装備施設本部71億円、防衛監察本部４億円、地方防衛局185億円。人件糧食比が２兆850億円（44.5%）、物件費が２兆5975億円（うち歳出化経費が１兆6750億円・37.5%、一般物件費が9225億円・19.7%、）。参考：月刊世界の艦船8,’10、月刊軍事研究11,’10

　＜防衛予算（２０１１年度）＞：総額４兆6625億円で、前年比0.4%減。人件糧食比２兆916億円、物件費２兆5709億円（歳出化経費１兆6321億円、一般物件費9388億円）。新規後年度負担１兆6540億円（前年比0.5%減）。参考：月刊JWings3,’12

　＜防衛予算（２０１２年度）＞：総額４兆6453億円（東日本大震災復興経費を入れると４兆7589億円）で、前年比0.4%減。人件糧食比２兆701億円、物件費２兆5751億円（歳出化経費１兆6315億円、一般物件費9437億円）。新規後年度負担１兆7895億円（前年比8.2%増。東日本大震災復旧復興費を含むと１兆7954億円）。陸自１兆7723億円、海自１兆1078億円、空自１兆435億円、防衛省内局4805億円、統幕232億円、情報本部496億円、技術研究本部1047億円などとなっている。参考：月刊JWings3,’12、月刊世界の艦船6,’12、8,’13

　＜防衛予算（２０１３年度）＞：総額４兆6804億円で、前年比0.8%増（増加は11年振り）。陸自１兆6929億円、海自１兆1190億円、空自１兆234億円、防衛省内局4739億円、統幕241億円、情報本部503億円、技術研究本部1636億円などとなっている。参考：月刊世界の艦船8,’13

　＜防衛予算（２０１４年度）＞：総額４兆7838億円で、前年比2.2%増。陸自１兆7690億円、海自１兆1298億円、空自１兆899億円、防衛省内局4761億円、統幕276億円、情報本部652億円、技術研究本部1579億円などとなっている。参考：月刊世界の艦船8,’14、6,’14

　＜防衛予算（２０１５年度）＞：総額４兆8221億円。陸自１兆7684億円、海自１兆1358億円、空自１兆1035億円、防衛省内局4868億円、統幕400億円、情報本部640億円、技術研究本部858億円などとなっている。参考：月刊世界の艦船8,'15、6,’15

　＜防衛予算（２０１６年度）＞：総額５兆541億円（SACO関係費含む。除くと４兆8607億円）。陸自１兆7489億円、海自１兆1954億円、空自１兆1196億円、防衛省内局4941億円、統幕407億円、情報本部702億円、防衛大学校159億円、防衛医科大学校246億円、防衛研究所53億円、防衛監察本部５億円、地方防衛局193億円、防衛装備庁1263億円。参考：月刊世界の艦船8,’16、6,’16

　＜防衛予算（２０１７年度）＞：総額５兆1251億円（SACO関係費含む。除くと４兆8996億円）。陸自１兆7706億円、海自１兆1548億円、空自１兆1578億円、内局4965億円、統幕402億円、情報本部694億円、防大161億円、防医大239億円、防衛研究所26億円、防衛監察本部６億円、地方防衛局198億円、防衛装備庁1473億円。参考：月刊世界の艦船8,’17、7,’17

　＜防衛予算（２０１８年度）＞：総額５兆1991億円（SACO関係費含む。除くと４兆9388億円）。陸自１兆8310億円、海自１兆1433億円、空自１兆1663億円、内局4884億円、統幕440億円、情報本部718億円、防大153億円、防衛医大255億円、防衛研究所28億円、防衛監察本部９億円、地方防衛局199億円、防衛装備庁1296億円。参考：月刊世界の艦船8,’18、6,’18

　＜防衛予算（２０１９年度）＞：総額５兆2574億円（SACO関係費含む）。参考：月刊世界の艦船6,’19

　＜防衛予算（２０２１年度）＞：総額５兆3422億円（SACO関係費含む）。補正予算で7738億円が計上され、令和4年度当初予算概算要求の一部（UH-2多用途ヘリ13機、P-1哨戒機３機、C-2輸送機１機など）を前倒しした。参考：朝雲

　＜防衛予算（２０２２年度）＞：総額５兆4005億円。2021年度補正予算と合わせて防衛力強化加速パッケージと称し、日本周辺の安全保障環境悪化に対応する。参考：月刊世界の艦船7,’22、朝雲

＜防衛力整備計画＞：日本の防衛政策で、防衛３文書／安保３文書の１つ。従来の防衛計画の大綱別表（10年後の数値目標）と中期防を合わせた感じで、防衛省が主管して国家防衛戦略に基づく保有すべき防衛力の水準を提示し、10年後の体制と、主要装備品５カ年整備数量を明記するものである。2022年12月16日に初閣議決定された。国家防衛戦略でスタンド・オフ防衛能力などを活用した反撃能力を定めた事に基づき、スタンド・オフ・ミサイルとして12式地対艦誘導弾能力向上型、島嶼防衛用高速滑空弾、島嶼防衛用高速滑空弾（能力向上型）、極超音速誘導弾、JSM、JASSM、トマホークの開発・配備を進める。10年後には陸自に多用途無人機（OH-1/AH-1S/AH-64D後継）部隊１個を新編し、OH-1/AH-1S/AH-64Dは順次退役させる。海自は護衛隊群と掃海隊群を一元管理する水上艦艇部隊（仮称）を新編し、水上艦艇部隊６個群21個隊、潜水艦部隊６個潜水隊、哨戒機部隊９個航空隊（うち固定翼４個隊）、無人機部隊２個隊、情報戦部隊１個部隊の体制とし、護衛艦54隻（うちイージス護衛艦10隻）、イージス・システム搭載艦２隻、哨戒艦12隻、潜水艦22隻、作戦用航空機170機を配備する。空自は作戦機数は430機（うち戦闘機320機）のままだが、戦闘機飛行隊を１個増やして13個とし、他は空中給油輸送飛行隊２個、輸送飛行隊３個、無人機飛行隊１個で変わらない。F-2戦闘機に12式地対艦誘導弾能力向上型（空中発射型）運用能力を追加し、輸送機搭載型スタンド・オフ・ミサイル発射装置を開発する。T-4練習機・T-7練習機の後継となる教育訓練システムを導入する。宇宙・サイバー・電磁波領域に跨がる領域横断作戦能力向上のため、必要な組織改編や装備品調達を行う。2023-27年度（令和5-9年度）にもがみ型護衛艦12隻、イージス・システム搭載艦２隻、潜水艦５隻、哨戒艦10隻、P-1哨戒機19機、F-35A戦闘機40機、F-35B戦闘機25機、F-15戦闘機能力向上改修54機、C-2輸送機６機、E-2D早期警戒機５機、KC-46A空中給油輸送機など13機、RC-2電波情報収集機３機、スタンドオフ電子戦機（C-2輸送機ベース）１機、ネットワーク電子戦システム２式、03式中距離地対空誘導弾（改善型）能力向上型14個中隊などを整備する。参考：月刊JWings3,'23、月刊世界の艦船3,’23、4,’23、6,’23

＜防疫給水部＞：日本陸軍の野戦部隊。外地における疫病の予防や安全な水の供給を行う部隊で、軍直轄と師団隷下があり、日華事変の頃から中国に派遣された。部隊長は佐官級の軍医で、防疫担当は衛生部員、給水担当は兵科将兵である。石井式濾水器などを装備する。参考：軍医サンよもやま物語

＜ほうおう＞：H-21Bヘリ（航空自衛隊）を参照。

＜鳳凰＞：F-16戦闘機（台湾空軍）を参照。

＜ポヴォリノ＞：ソ連海軍グリシャ�X型フリゲートPovorino。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜防音型発動機＞：自衛隊の機器。オールホンダ販売が受注している。参考：月刊軍事研究11,’10

＜防音型発動発電機＞：自衛隊の機器。アルティア製。参考：月刊軍事研究12,’11

＜砲架＞：Mount。射撃または移動の際に火砲を支える装置。砲塔の所定の位置に火砲を支持する装置。上部砲架、下部砲架、俯仰装置、旋回装置、脚、射撃支持装置などからなる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、British and American tanks of World War Two

　＜牽引砲架＞：牽引式火砲に用いられる砲架。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜固定砲架＞：要塞砲・沿岸砲などに使用される砲架。移動不能。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜自走砲架＞：自走火砲に用いられる砲架。砲塔を有する火砲では、上部砲架が砲塔、下部砲架が車体である。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜特殊砲架＞：迫撃砲の砲架のこと。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜砲外弾道計測装置（短距離用）＞：自衛隊の機器。ノビテック製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜砲外弾道計測装置（中距離用）＞：自衛隊の機器。ノビテック製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜妨害ブローバック式＞：ブローバック式を参照。

＜防化研究院＞：中国人民解放軍の化学戦研究施設。４年で卒業後は化学兵将校となって兵士に化学戦訓練を施す。参考：化学・生物兵器概論

＜ポウカタック＞：T-AO-108（給油艦）を参照。

＜包括的核実験禁止条約＞：CTBTを参照。

＜防火部署＞：海上自衛隊の緊急部署の１つ。乗員が火災を発見したら、初期消火に入ると共に艦内に知らせ、艦橋と機関操縦室（兼応急指揮所）に状況を報告、艦橋が防火部署を発動して艦内マイクで伝達し、火災報知器を鳴らす。乗員は防火部署で定められた配置に就き、艦橋から逐次伝達される燃えている物の種類（固形可燃物のＡ火災、液体可燃物のＢ火災、電気やマグネシウムなど特殊な物によるＣ火災）と火災の場所などの情報を元に、消火活動用通路を残して火災発生区画を非常閉鎖し、消火用具を現場に運び、可搬式消火器などで初期消火に入り、可燃物や重要物品を搬出、応急長は本格的な消火活動に備えて現場指揮所と消火用具集積場所を決定する。初期消火に失敗したら消火活動用通路も閉鎖して火災区画を完全に閉じ、応急隊による本格的な消火活動に入る。応急隊は酸素発生呼吸器OBA、自給式呼吸器SCBA、防火衣などを身に付け、消火海水管に繋がるホース、消火器、消火剤散布機、可搬式消火ポンプなどを持って応急長から指示された攻撃口（完全閉鎖された火災区画への突入口）から内部に進入（ここまで火災発生から３分以内が目標）、消火活動を行う。隣接区画や弾火薬庫への延焼警戒や冷却準備も実施する。消火したら再燃に注意しつつ煙熱の排気、燃え滓の排除、消火水の除去などを行い、被害を調査して応急長が応急指揮所経由で艦長に報告し、火災区画と隣接区画に警戒員を配置する。再燃の恐れが無くなったら応急長が応急指揮所経由で艦長に報告し、艦長が火災鎮火・用具納めの号令詞で防火部署を復旧する。事故火災の場合には原因調査を行い、有事なら戦闘力の維持回復のための修復作業などに入る。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜砲艦＞：砲を搭載した小型戦闘艦、Gun Boat。平時は沿岸警備や海外派遣、漁場での他国漁船に対する威圧任務などを担当し、戦時には残敵掃討、捜索救難、商船捕獲などを行う。他国に国威を見せつける目的にも使用され、砲艦外交という言葉も生まれた。参考：小艦艇入門

＜砲艦（日本海軍）＞：明治13年、磐城型砲艦１隻が就役。明治21年から竣工した摩耶型砲艦が最初の近代的砲艦である。小型なので基本的には沿岸を行動するが、黄海海戦では主力艦に混じって戦闘に参加した。明治27年、龍田が竣工。明治31年3月21日、軍艦の１つとして砲艦の類別を制定し、一等砲艦（排水量1000トン以上）と二等砲艦（1000トン未満）に分けた。鹵獲砲艦筑紫、鹵獲砲艦平遠が一等砲艦、鳳翔、鹵獲砲艦鎮東型６隻、鹵獲砲艦操江が二等砲艦に類別されている。龍田は通報艦に類別変更された。明治36年に中国大陸警備用大型砲艦（宇治）、明治39年に中国大陸警備用河用砲艦（隅田）が竣工した。明治41年、淀型砲艦が竣工。明治44年に沿岸警備用砲艦は全て退役した。大正元年、嵯峨が竣工。8月28日、通報艦が廃止され、所属艦が一等砲艦と二等砲艦に再分類された。主任務は航洋力を活かした外地警備である。龍田が一等砲艦に類別された。大正11年、安宅が竣工。昭和3年、通報艦転籍砲艦が全て退役した。昭和6年6月1日、一等と二等の区別を廃止した。昭和15-16年、橋立型２隻が竣工。太平洋戦争時には主に中国方面での哨戒や護衛に就いている。昭和16年、鹵獲砲艦の多々良型１隻が就役。昭和17年、鹵獲砲艦の唐津型１隻と須磨型１隻が就役。昭和18年、鹵獲砲艦の鳴海型１隻が就役。昭和19年10月1日、軍艦から外れて独立艦種（種別）となり、艦首の菊の御紋が外された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、帝国陸海軍事典、月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊丸3,’14、月刊モデルアート9,'15増刊、日本海軍艦隊総覧

＜砲艦外交＞：Gunboat Diplomacy。外交の手段として相手国に軍艦を派遣すること。恫喝外交のこともあれば、友好親善や表敬訪問の場合もある。砲艦がイメージしにくい時代になってきたので、Showing the flagとか軍事プレゼンスの発揮とか言い換えることもある。参考：歴史群像8,’98、月刊軍事研究11,’15

＜防寒靴＞：自衛隊の冬季用靴。スキーをそのまま取り付けられるよう、カカトにミゾが付いている。参考：月刊軍事研究4,’08

＜砲艦モニター＞：MONを参照。

＜俸給＞：自衛官の基本給のこと。自衛官俸給表で定められている。他に賞与や手当などが付く。参考：月刊JWings7,’14

＜防御＞：敵の攻撃を破砕すること。火力重視の陣地防御、機動力重視の機動防御があるが、普通は互いに組み合わせて使用される。参考：歴史群像12,’03

＜機動防御＞：主に戦車部隊などの機動打撃力により敵の攻撃を破砕すること。陣地防御よりも広い縦深が要る。前方地域に偵察部隊を派遣、全般前哨を置く。この部隊で偵察を行うと共に、防御に有利な地点に誘い込む。主要戦闘地域（支とう点）には拠点守備部隊を配置、敵部隊の突破を阻止する。機動打撃部隊は後方の秘匿地域で待機、逆襲時期を逃さず奇襲をかけ、側面・背部を突いて敵を殲滅する。参考：歴史群像12,’03

　＜陣地防御＞：主に陣地に拠って敵の攻撃を破砕すること。陣地は十分な縦深を確保し、互いに支援できるよう配置、各種障害と組み合わせて火力重視の防御を敷く。前方地域に偵察部隊・援護部隊を派遣し、全般前哨を置いておく。ここで敵情視察及び味方陣地への偵察行動の阻止などを行う。敵部隊が接近すると状況に応じて後退し、予備戦力となる。主陣地の直前には戦闘前哨を置き、攻撃警告などを行う。主陣地は十分な火力を配置、後方に予備陣地も作っておく。こうして主陣地正面で敵を破砕する。第１次大戦開戦当初は陣地が塹壕１本の一線陣地だったが、突破されないよう数本を組み合わせた数線陣地になり、更に縦深を数キロメートルに拡大した陣地帯に発展、これを数キロメートル間隔で2-3帯縦深配置した数帯陣地が登場した。また、最初は敵正面の斜面や最前列の陣地に主力を配置していたが、相手の砲撃で損害が続出するので、反斜面陣地を構成したり、最前列陣地（前進陣地）の部隊は敵の攻撃が始まったら後ろに下げて第２陣地（主陣地）や更に後方の予備陣地から逆襲をかけたりするようになった。参考：月刊軍事研究1,’16、歴史群像12,’03

＜防御（日本陸軍）＞：作戦要務令第２部第３篇に記載がある。主眼は、地形の利用、工事の施設、戦闘準備の周到など、物質的な利益によって兵力の劣勢を補い、かつ火力や逆襲を併用して敵の攻撃を破砕することにある。防御に際しては、一箇の陣地帯（主陣地帯と称する）を最も堅固にし、該地帯の前方で敵の攻撃を破砕するのを本旨とする。防者はややもすれば全く受動に陥り、行動の自由を失いがちなので、各級指揮官は特に堅確な意志を以て勉めて主動的に企図を遂行し、隙を見つけたら機を失せず利用する。このため、必要なら配備を変更したり、築設した工事を放棄したりといった事も躊躇せずに行う。防御の際は敵情特にその企図を速やかに察知すると共に、我が企図を秘匿するのが極めて緊要である。よって、各級指揮官以下あらゆる手段を尽くしてこの要求を充足しなければならない。参考：作戦要務令

　＜陣地防御（日本陸軍）＞：主陣地帯が骨幹で、ここに全力を傾注して敵を主陣地帯前方で阻止し、防御の目的を達成する。主陣地帯に侵入されたら、逆襲で陣地を回復する。主陣地帯を援護する警戒陣地、軍司令官の予備陣地として後方陣地帯、必要なら主陣地帯と後方陣地帯の間に斜交陣地を設ける。警戒陣地は主陣地帯にある砲兵の支援を受けられる範囲で可能な限り前方に配置する。主陣地帯の砲撃を終えた敵砲兵が、陣地転換無しに後方陣地帯に砲撃してくるのを防ぐため、主陣地帯と後方陣地帯の間には必要な距離を開ける。斜交陣地は、陣地正面のうち危険が大きい方面に、両翼を前後２陣地帯に委托して設置する。急襲されるのを防ぎ、主導権を握るため、敵に関する情報収集と味方に関する企図秘匿が重要である。第一線師団は主陣地帯と警戒陣地の防御を行う。師団長は防御を行うと決めたら、敵の遠近に応じて通常は騎兵またはその他の部隊により前方の要線を占め捜索や警戒にあたらせ、その掩護下に陣地を占領、防御陣地を構築する。そのため、まず自ら陣地の偵察を行うと共に、師団砲・工兵指揮官などにも所要の偵察を実施させ、かつ築城材料を整備させる。その間、諸隊は陣地占領に便利で敵眼特に空中捜索に対して遮蔽されている場所で待機する。状況により、行軍の態勢から直ちに諸隊を予定陣地に向かって分進させることがあり、この際は機を失せず防空の処置を講じる必要がある。師団長は防御の方針を定め防御計画を策定する。戦車は通常逆襲に使用するので、当初は師団長の直轄として控置し、使用方面が決まったらなるべく早く当該方面の第一線部隊に配属する。戦車を使用しない間は、予想する使用法面、地形、敵砲火の関係などを考慮してその位置を定め、意図を明示して、爾後の進出や諸兵種の協同などに関する諸準備を周到にさせる。逆襲のため戦車を使うにあたっては、目標を示し、神速短切なる攻撃を行わせる。もし優勢な敵戦車と対戦する状況になったら、友軍対戦車火力との協調を特に緊密にし、敵戦車の不利な状態に乗じる。状況により、敵の攻撃準備間に戦車で急襲擾乱させる。師団長は防御計画を策定したら之に基づいて防御に関する命令を下し、各部隊に陣地を占領させる。この命令に示すべき主要事項は以下の通り。地区占領部隊には、兵力、編組、抵抗地帯前縁、戦闘地域、警戒部隊に関する事項、必要なら他兵種との協同や側防の関係など。砲兵には、各時期に於いて所望の方面または場所に配置すべき火力とその目的、陣地と為すべき地域、使用弾薬概数、効力射準備射撃の時機、歩兵との協同に関する事項、必要なら戦闘初期の任務など。工兵には、実施すべき作業の種類、程度、完成時期など。その他防御計画に従い予備隊、戦車、騎兵、高射部隊、消毒部隊、飛行機、通信部隊などに関し必要な事項を示す。前地における要点が過早に敵手に帰すのを妨げる、敵の展開方向を誤らせる、敵の近接を困難にする、といった目的で、防御陣地前方に一時的に前進陣地を占領することがある。その兵力と編組は目的や地形などにより差異があるが、必要最小限に止め、指揮官は慎重に選定し、特に明確な任務を付与する。前進陣地の撤退に関しては、占領を命じた指揮官が予め撤収時期や収容方法などを規定して関係部隊に明示し、敵が追跡して本陣地に近接したり、予期しない戦闘を惹起したりしないよう準備しておく。防御では不断の敵情監視が特に重要なので、師団長は自ら所要の機関を配置し、予め必要な施設を為さしめ、必要なら各部隊の監視に関して全般を統一する。この際、戦況の進展、煙の使用、気象変化などにより欠陥を生じないよう注意。地区指揮官は師団命令に基づき部下諸隊を部署し、陣地の編成を完備し、捜索と警戒の処置を講じる。地区占領部隊は通常その歩兵を警戒部隊、第一線部隊、予備隊に区分し、第一線部隊は歩兵抵抗地帯防御の主体となる。抵抗地帯は第一線歩兵大隊が占領し、大隊陣地を独立して保持できるよう設備して濃密な火網を編成、陣地前の要点には火力を急襲的に集中できるよう準備する。また、各大隊の間隔や前地は互いに有効に側防できるようにし、必要なら間隔に一部隊を配置する。地形によっては、抵抗地帯前方に秘匿・掩護された自動火器を配置して陣地正面を側防すると、特に有利になる。地区予備隊はその地区の防御を完璧にするため、主として逆襲に使うもので、位置は地形と第一線部隊の配置とを考慮し、最も有利に逆襲できるよう選定し、適宜疎開し且つ所要の工事を施しておく。地区指揮官は陣地占領にあたり逆襲の計画を定め所要の準備を行う。地区指揮官は警戒部隊に任務を付与し、その位置と行動を律する。状況により第一線部隊を警戒部隊として配置し、これを統一することがある。警戒部隊配置要領は任務・兵力・地形などで異なるが、通常は要点を占領し所要の工事を施し常に主陣地帯との連絡施設を為す。警戒部隊の抵抗の程度や撤退の方法は主陣地帯の戦闘に大きな影響があるので、地区指揮官が予め的確な命令を与えておく。師団砲兵指揮官は師団命令に基づいて戦闘に関する計画を定め、部下諸隊を部署して陣地を占領し、戦闘準備を完成させる。防御に際しては戦況に応じて運用すべき火力を当初なるべく大きくする必要があり、歩兵に直接協同する時期になったらそちらに十分な火力を回す。歩兵に直接協同する砲兵指揮官は、予め協同すべき地区の指揮官と連絡し、歩兵陣地の状況特に第一線の位置、歩兵の火力配置、戦闘指導に関する地区指揮官の企図を知得し、これに基づいてまず自己の戦闘に関する計画、特に協同すべき歩兵に関係ある火力の配置と目的、射撃実施要領、陣地特に歩兵の抵抗地帯内に配置すべき観測所の位置などを通報し、状況の推移に応じて逐次協定（特に逆襲準備に関するもの）を完全にしておく。師団工兵指揮官は師団命令に基づき作業の種類と量、使用できる材料、時間の関係などを考慮して作業計画を定め、かつ関係部隊と密接に協同して状況に適合するよう作業を実施する。また逆襲を考慮して所要の準備を行う。多数の弾薬を整備するのは防御に於いて特に重要であり、弾薬の集積には多くの輸送力と時間が必要なので、綿密な計画を立てて速やかに着手し、敵火に対して安全を確保すると共に、戦闘激烈な時期でも円滑に補充できるようにしておく。攻撃を企図する防御では、陣地を味方兵力に適合すると共に有利に攻撃に転じられるよう選定し、工事の築設、連絡の施設、軍隊の配置などを適切にして、守備に充てる兵力をなるべく節約し、攻撃のため自由に使用できる兵力を大きくする。そのため、予備隊はなるべく攻者の外翼または側面を包囲するのに便利な陣地の翼側などに配置すると良い。一地を固守する防御では、なるべく敵の攻撃を阻害する地形を利用し、かつ諸種の障害を設置、各方面に対して陣地を設備し、全力を尽くして死守する。また、逆襲のチャンスがあれば断然決行する必要がある。参考：作戦要務令

＜妨業＞：サボタージュを参照。

＜房業教育食＞：日本海軍の特殊糧食で、昭和6年3月の海軍糧食表改訂で制定された。主計科の調理教育用で、衣糧術練習生（主計科士官候補生）や四等主計兵の教育、厨業連合教育などに使用される。参考：写真で見る海軍糧食史

＜防御円陣＞：Abwehrkreis。Bf110の防御用飛行法で、サーカス戦術とも呼ばれる。編隊が一列の輪になって飛行し、互いの後方をカバーしながら運動性の高い敵単発戦闘機の攻撃をやり過ごすものである。ノルウェー戦や黄作戦時には既に使用されていたが、防御兵装の死角となる下方から急上昇で突っ込まれると手も足も出ないという欠点があった。それでもバトル・オブ・ブリテンで引き続き使われている。参考：世界の傑作機No.157

＜防御型手榴弾＞：手榴弾を参照。

＜防御管理システム＞：AN/ASQ-184（防御電子装置）を参照。

＜防御支援サブシステム＞：DASSを参照。

＜防御指揮装置制式＞：日本海軍が昭和18年7月に制定した艦内防御装置設備要領で、応急指揮装置制式の改訂版である。戦艦、巡洋艦、空母、潜水母艦、水上機母艦の防水、防火、防毒、破壊物処置、負傷者処置、傾斜復原、電機部指揮などに必要な装置設備を定めており、それ以外の艦船では電機部指揮以外のものは必要に応じて設置することにした。第一防御指揮所、第二防御指揮所、第一応急部指揮所、第二応急部指揮所、応急班哨所16個、注排水部指揮所、前部注排水管制所、中部注排水管制所、後部注排水管制所、前部弁開閉員待機所、中部弁開閉員待機所、後部弁開閉員待機所、電機部指揮所、電機部分掌指揮所、電機員待機所、消防指揮所（空母のみ。上部・下部格納庫に１個ずつ）、消防監視所（空母のみ。上部・下部格納庫に４個ずつ。第１消防監視所と第５消防監視所はそれぞれ上部格納庫・下部格納庫消防指揮所を兼ねる）といった設備を各艦種別に設置場所や必要機材まで規定している。艦長の艦内防御に関する命令を執行するのは副長で、この場合特に防御総指揮官と呼ばれる。その下に防御指揮官（内務長が配される）がいて、戦闘配置では応急部、注排水部、電機部を指揮する。常務編成では防火・防水・防毒・船具整備・運用を行う水兵が所属する運用部、船体・機関・兵装などの修理や潜水作業を行う工作兵が所属する工業部、機関兵が所属する電機部と補機部が置かれた。参考：月刊丸4,’13、月刊世界の艦船5,’91

＜防御陣地（日本陸軍）＞：主陣地帯は、歩兵の抵抗地帯、主力砲兵陣地、その他の諸設備からなり、よく地形に適合し、歩兵の抵抗地帯と砲兵陣地との関係を良好にし、歩兵・砲兵火力を該地帯前方に最も有効に協調発揮できるようにする。また、敵の火力発揚を困難にし、特に陣地の主要部分をなるべく敵の地上観測や戦車の攻撃から逃れられる地域に選定すると良い。敵の戦車に対する顧慮が大きい時は、勉めて天然障害物を利用するように抵抗地帯を配置し、敵歩戦砲の協同戦闘が困難になるように地形を利用する。主陣地帯は、歩兵の抵抗地帯、主力砲兵の陣地、その他の諸設備からなり、良く地形に適合し、歩兵と砲兵の関係を良好にして、両者の火力を該地域の前方に最も有効に協調発揮できるようにする。また、敵の火力発揚を困難にし、特に陣地の主要部分をなるべく敵の地上観測や戦車の攻撃から逃れられる地域に選定すると有利である。敵の戦車に対する顧慮が大きい時は、勉めて天然障害物を利用できるよう抵抗地帯の位置を選定し、敵歩戦砲の協同戦闘が困難になるよう地形を利用する。陣地前の地形は開豁で遠い射界を持つと有利だが、状況によっては一部を特に短小な歩兵の射界で済ませなければならないことがある。高地を占領する際、最前線を稜線後方に配置するような場合は、敵方に面した斜面を陣地の他部特に砲兵により射撃できるようにするのが重要である。主陣地帯の地形は、戦闘の支撑たるに適する地域を含み、部隊の縦深配備に適し、良好な監視・観測所を持ち、対戦車防御に便利で、ガス滞留の恐れが少なく、内部や背後の交通が自在で敵眼から遮蔽されていると良い。陣地の翼は、地形上敵の包囲に対して堅固なら有利になるが、そうでないなら部隊配置や工事などにより補う必要がある。陣地各部が全て思い通りの地形となっていることは希有なので、兵力部署や工事で補わなければならない。歩兵の火力配置の要領は、その抵抗地帯前方で各種歩兵火器による濃密な火網を構成し、かつ火網外の要点や陣地帯内部をも必要に応じて有効に火制できるよう設備することにある。敵歩兵に対する砲兵の火力配置要領は、警戒陣地前方から主陣地帯直前にわたる地域に火力の大部分を指向、特に主陣地帯歩兵火網の直前と同火網内部を濃密にし、かつ主陣地帯内部に対しても必要に応じて火力を指向できるようにする。予期する敵の主攻撃方面及び我が逆襲を予想する地域でも、その火力を濃密にする必要がある。また隣接兵団の作戦地域内、特にこれとの接続部付近にも所要の火力を指向できるようにしておく。陣地は防御方針に基づき地形と指揮の便否とを考慮していくつかの地区に分け、各地区に歩兵を主とする適応の部隊を配置する。敵の主攻撃方面や射界不良の地区には大兵力を配置する、陣地内の交通が困難なら地区数を増やすなど、状況に応じた対応を行う。状況により各地区占領部隊に自ら陣地前を側防させたり、敵の戦車を射撃させるなどの目的で若干の砲兵を置いたり、必要に応じて工兵の一部を配属させたりする。各地区占領部隊の戦闘地域は、陣地境界、前地区分、捜索・警戒の担任が明らかとなるよう、抵抗地域の後端付近から警戒陣地の前方に渡って確定させておくが、広闊な地域では標識が必要になる場合もある。警戒部隊は地区ごとに出し、敵情を捜索し主陣地帯を隠蔽する。時に全部又は一部で敵の攻撃を遅滞させるなど、前進陣地占領部隊に準じる任務を付加することがある。警戒陣地は味方砲兵が支援できる距離に設け、状況により機関銃で支援できる距離に接近させ、なるべく良好に遮蔽でき、敵の捜索を妨害しつつ味方の捜索拠点になるよう選定する。警戒部隊の兵力は状況特に任務や地形で違ってくるが、なるべく小兵力で済ませ、配置は不規則にして敵の捜索を困難にする。時に警戒陣地の一部または全部を省略することもある。砲兵は望むまま火力を運用できるよう、なるべく縦深に配置し、任設に応じて敵を遠距離に支え、または最後の時期に至るまで位置を変えずに歩兵に協同でき、敵砲火の損害を避け、緊要の時期に十分な威力を発揚できるようにする。敵の近接運動や攻撃準備を妨害するため、当初主陣地帯の前方に一部の砲兵を配置することがある。状況により砲兵を歩兵の抵抗地帯内に配置しなければならない時は、特に抵抗地帯直前と内部の戦闘並びに逆襲にあたり、動作の自由を失わないよう注意する。観測所は、歩兵抵抗地帯の後方で、所望の地域を観測できる地点に選ぶのが最高だが、適当な位置が無い場合、歩兵の抵抗地帯内に置いたり、抵抗地帯の方を一部前方に出したりする。夜間、濃霧、塵煙などにより観測が困難となっても任務を達成できるよう、観測所を主陣地帯前方の要点に配置し、所要の歩兵で掩護させることもある。高射部隊は師団の態勢、地形、敵飛行機の行動、戦況などを考慮し、上空に対し掩護または秘匿を最も必要とする部隊、場所、時期などを定め、これに応じて配置を決定する。工兵は陣地要部の設備、障害施設、陣地内・後方の交通設備、陣地前交通網の破壊・阻絶、築城材料の整備など、特に技術的能力が必要な作業を担任する。師団長はなるべく速やかに通信隊長に通信施設の要綱を示し、前方に派遣した部隊などとの連絡を保持して情報収集を容易にすると共に、主陣地帯の通信施設に着手させるようにする。各関係指揮官相互や、各関係指揮官と監視・観測機関との間に連絡施設を完備し、かつ戦闘が激烈な時期でも連絡が途絶しないよう防護するのが特に重要である。予備隊の位置は我が企図、兵力、敵情、地形などを考慮し、予期する戦況に応じて防御の目的を達成するのに便利なよう定め、適宜疎開し所要の工事を行う。敵戦車は極力これを陣地前に破砕するようにするが、陣地内でも対応できるよう遺憾なく処置する。そのため、陣地前縁だけでなく陣地内の要点にも戦車防御施設を置く必要があり、できるだけ天然障害物を利用し、巧みに対戦車火砲を配置、これらの不足を人工障害物で補うようにする。対戦車施設は、前方の地形が戦車の近接に適するほど、その程度を厳にしなければならない。また、敵歩兵を協同する戦車と砲火から分離するため、予め隠蔽した側防機能や係蹄地帯など所要の施設を設置しておく。これらの施設は極力秘匿しなければならない。砲兵は特に敵戦車阻止射撃と戦車随伴砲制圧の準備を整え、煙幕により射撃を妨害されないようにする。陣地前縁付近で対戦車射撃のため野砲や山砲を専任させるのは、他に手段が無い時に限る。後方部隊に属する対戦車火砲や陣地内の各種火砲は同士討ちに注意して射撃準備を行う。敵戦車の標的にされやすい歩兵重火器は適切な偽装を施し、砲兵や司令部は適切に位置を選び、適宜自衛の処置を行い、必要なら掩護隊を付ける。敵が化学兵器を使うと予想される場合、師団長は気象や地形などを考慮して適宜防護資材を分配し、予備資材と消毒部隊を適当な地点に配置して迅速に使用できるよう準備し、必要なら消毒部隊を最初から必要な方面の部隊に配属する。また、状況により各部隊の気象・ガス勤務を統制する。各級指揮官はガス防護資材の分配と防護施設を適切にし、予め消毒部隊が配属されたら予備資材と共に必要な時期まで控置するが、状況によりガス勤務員を集結して使用したり、臨機消毒部隊を編成したりする。陣地の一部が甚だしく汚染され、やむを得ず配備の小変更を要する場合を想定し、全般の防御機能を損なわないような計画を予め立てておくと良い。陣地の編成は防御方針に基づき状況特に地形に応じ火力の発揚と逆襲の実施に便利なようにするのが重要で、時間と材料の許す限り十分な工事を施す。時間の余裕が無い場合、各部隊はまず速やかに火力配置を完全にする。陣地の設備にあたっては、第一に要点を堅固にする。このため、まず射撃、視察、連絡、障害の設備を施し、次いで交通、援護、ガス防護などの設備を行い、時間があれば逐次これを縦深に及ぼす。工事は必要の程度が少ない方面でもきちんと行わなければならない。交通設備は縦方向だけでなく横方向にも設け、陣地内の行動を安全にし連絡を容易にすると共に、偽工事と相まって陣地要点の所在を敵に察知されないようにする必要がある。師団長は陣地の秘匿に関して必要な処置を講じ、その実施を監督する。陣地秘匿の目的を達成するためには、警戒部隊等を配置し、敵飛行機駆逐の処置を講じる他、各級指揮官は工事の開始に先立って所要の偽装を行い、交通の痕跡を消したり増やしたりして欺騙し、工事を地形に適合させ、守兵の行動に注意し、特に砲兵や重火器などは適時移動して陣地の要点と配備を判別しにくいようにするのが重要である。陣地を秘匿するため、昼間は準備のみとし、夜間に陣地占領と工事を行うことがある。偽装や偽工事などにより、敵に我が兵力や配備などを誤認させるため、時間、兵力、材料などの許す限り施設を完全にしておく。そのため、各級指揮官は適宜これらを実施し、特に敵に抵抗地帯前縁の判定を誤らせるか、真陣地を誤認させて攻撃方向を誤らせるなどのため、師団長の統一規格に基づいて偽工事を行うことがある。この際、偽工事に対して敵が攻撃を仕掛けても味方に被害が出ないよう注意する。味方陣地を敵方や上方から視察または撮影するのは、陣地秘匿の状態や、これに応じる処置を知るための重要な手段となる。陣地の設備にあたり、師団長はなるべく速やかに陣地後方の交通路を補修または新設し、軍隊の移動や軍需品の補給などを容易としておく。防御正面が兵力に比べて増大するに従い、第一線部隊の陣地は独立性のある拠点に編成し、拠点の間隔を適宜増大、その間隔は地形や偽工事などの巧みな利用と両側部隊の側防とにより敵の突破を防止するものとする。防御正面が兵力に比べて相当広く、敵の突破に対して全正面にわたり各拠点間隔の防御を行うのが困難な場合、侵入する敵に対して第二線に控置する兵力で果敢な逆襲を行い撃破する。そのため控置する兵力は勉めて大きくし、拠点数と兵力はなるべく節約すると共に可能な限り堅固に施設し、かつ独立性を大きくする。各拠点兵力は負担させる任務に応じて通常歩兵１個大隊以上が必要で、拠点間隔、比隣拠点側防、陣地補強などの関係を考慮して所要の砲兵・工兵などを加える。主力砲兵に陣地を占領させるか、一部や大部分を控置すべきかは状況に依るが、いずれにせよ砲兵を孤立させず、対戦車・対空防御の準備を十分にし、必要な予備陣地を設けるのが重要である。状況により砲兵の一部または大部分を最初から各拠点の掩護下に位置させると良い。警戒陣地は一連に設けず、主として敵の急襲を偵知しうるを度とし最小限の兵力で監視網を構成する。行李と輜重は状況により第一線部隊付近に分置するか、地障の掩護下に位置させる。参考：作戦要務令

＜防御戦闘（日本陸軍）＞：飛行機、騎兵、防御陣地前に派遣された各部隊、第一線部隊などは、当面の状況、特に敵の兵力区分、到達地点、後続部隊の有無と状態、攻撃準備の程度などを適時報告し、上級指揮官の戦闘指導に資するのが重要で、捜索は昼夜を問わず継続する。前方の騎兵隊が接近して陣地前の行動が不可能となったら、師団命令で前進部隊または警戒部隊と密接に連携しつつ陣地の翼側に移り、敵情特に包囲または迂回行動を捜索し、翼側を警戒、爾後の行動を準備する。防御戦闘では機宜に適する砲兵の射撃開始が特に重要なので、師団長が命令を下す。師団長が敵の出現に先立って予め効力射準備射撃を行わせる場合、味方の企図の秘匿に注意し、かつ前方の友軍に危害を及ぼさないようにする。敵が近づいたら、砲兵特に長射程砲は交通路上の要点を適時射撃し、その他所要の砲兵が射撃して敵の行動を妨害する。この際、過早に主力砲兵の位置を暴露しないため、使用兵力はなるべく制限し、必要なら陣地を変換して射撃させる。敵の射撃射備にあたり、一般の状況特に防御の目的に鑑みて沈黙の必要が無いなら、砲兵は有利な目標などに適時射撃を行う。この場合、軍直轄砲兵は敵の準備が整わないうちに機先を制して敵砲兵を射撃し、師団砲兵も可能なら協力する。ただし敵砲兵が著しく優勢な時は、砲兵特に師団砲兵の主力は初期の対砲兵戦を避けた方が良いこともある。敵兵が接近したら、警戒部隊はなるべく長く要点を保持して敵の捜索を妨害し、極力敵情を捜索して攻撃に関する企図を偵知するようにする。そのため、敵の小部隊や斥候などに対して可能な限り積極的に行動する必要があるが、敵の本気攻撃に対してどの程度抵抗を持続すべきかは受領した任務による。警戒部隊に協力する砲兵は、師団命令に基づき、警戒部隊と密接な連絡を保ちつつ戦闘を支援する。警戒部隊は撤退に際して抵抗地帯の前方に配置された監視部隊と連携し、爾後の敵の行動を偵知する手段を講じ、かつ主陣地帯を占領する味方部隊の射撃を妨げないよう行動する。陣地各部の状況に応じ、好機に守兵を陣地に就かせるのは地区各指揮官の責任であり、各部隊は常に機を失せず陣地に就く準備をしておく。敵歩兵が攻撃前進したら、砲兵は適時火力を集中して前進を阻止する。その間、所要に応じて一部の砲兵は敵砲兵や敵後方を射撃する。敵兵が近接したら、歩兵も重火器で有利な目標や予め準備した要点に火力を集中する。敵兵が歩兵火網内に侵入したら、歩兵・砲兵は協調を緊密にして各種火器の特性を発揮し敵を圧倒する。敵兵が漸次近接するに従い、歩兵は益々火力を最高度に発揚し、特に側防火器の火力を発揮、砲兵主力も猛火を集中して味方陣地前で敵を破砕する。敵が毒煙を使用したり、煙幕を張って接近したりした時は、側方から射撃する、予め準備した要点に火力を集中するといった各種手段を尽くし、最近距離で猛烈な火力を瞬時に発揚して敵を破砕する。この際、敵の発煙を妨害することに著意を要する。敵兵が味方陣地に近迫するにあたり、例え少数の砲兵であっても、新たな陣地から不意に乗じて射撃すると、極めて効果的である。工兵は防御戦闘の経過中も工事を堅固にし、特に障害物の補修や対戦車防御のため地雷地域の設置などを行う。敵戦車に対しては速やかに使用方面を偵知し、必要なら機を失せず対戦車火砲、対戦車地雷、時に一部の野山砲などを増強する。そのため、後方部隊の対戦車火砲を一時的に前線投入することがある。砲兵は優勢な戦車群を発見したらそれが待機中と前進中とに関わらず状況が許す限り有効な火力を集中して速やかに破壊する。対戦車専任火砲は有効射程内に戦車が出現したら所属部隊の正面かどうかに関わらず直ちに射撃する。爾余の対戦車威力ある火砲（砲兵以外）は所属部隊の正面に来た戦車には独断射撃を指向し、所属部隊以外の正面に来た時は状況により当該所属指揮官が射撃を命じる。戦車が至近距離に迫ったら、対戦車威力が小さい重火器も所属指揮官の命令または隊長の独断で対戦車射撃を行い、軽機関銃や小銃も視察装置を射撃し、各隊は肉薄攻撃を掛ける。戦車が陣地内に侵入してきたら、準備した火砲は友軍への誤射を避けつつ直ちに射撃する。他の砲兵も自衛上必要な時は誤射を避けつつ適宜射撃する。対戦車射撃を担当しない各種火器は極力敵歩兵を射撃して敵戦車に追随させないようにする。この際、必要に応じて味方対戦車火砲を射撃する砲兵も制圧する。飛行部隊は地上の戦闘に直接協同する際は、必要に応じて敵の攻撃準備を破砕するか、重要な第二線部隊、機甲部隊、有力な砲兵、必要なら敵主力方面の前線に於ける重要目標を攻撃する。敵の攻撃を味方陣地前で頓挫させたら、当該地区指揮官は彼我全般の状況と師団長の爾後の戦闘指導を考慮して逆襲を行い敵を撃滅する。この際必要なら一部の守兵を陣地に残して火力による協力を行わせつつ陣地を確保させる。また、比隣部隊は当面の状況に応じて射撃や逆襲により協力し、砲兵は機を失せず歩兵の逆襲に協力する。敵兵が味方陣地に肉薄したら、守兵は全火器を最大限に発揮して敵を震駭させ、敵兵が咫尺の地に来たら銃剣で奮闘し、これを撃滅する。砲兵は例え大損害を被っていても意に介せず最も便な位置に火砲を移し、猛烈な射撃で歩兵に協力する。敵兵が味方陣地内に侵入したら、当該地区指揮官は直ちにあらゆる火力を集中して混乱に陥れ、機を失せず予備隊などを使用して果敢な逆襲を行い、砲兵は敵の第一線と後方部隊とを遮断して敵を撃滅する。この逆襲は敵の不意に乗じ、なるべく側背に向かって急襲的に行うと良い。この際、少なからず後方の部隊長による独断専行が必要となる。師団長は攻勢を企図していない場合でも、常に当面の状況を精細に観察し、敵の攻撃が頓挫した時、敵が過失を冒した時、味方第一線部隊が逆襲成果を有利に拡張できそうな時などの好機を発見したら、主力を挙げて攻撃を決行する。この場合、目的を明確にし、これに向かって各部隊を協同戦闘させると共に、目的達成後旧陣地に復帰すべき時は予めその方法を考えておく。攻撃を企図する防御では適時攻勢移転を行う。攻勢移転、攻勢移転後の師団長の戦闘指導、攻撃動作に移った部隊の行動は、攻撃に於ける原則を適用する。師団長は攻勢移転のため適時戦闘指導の方針と之に基づく部署特に諸兵種協同の容量を定め、諸準備を周到にさせる。そのため、各部隊に予め部署変更や歩戦砲協同などに関する諸準備を整えさせるよう留意する。攻勢移転は諸準備を整え好機を作って一挙急襲的に行うのが良い。しかし準備の完成や規定の計画に拘り戦機を逃してはいけない。攻勢移転の時期は予め計画しておくべきだが、戦闘の経過中に敵の攻撃が頓挫したり敵の過失を発見したりした時などは、巧みにこれに乗じる必要がある。攻勢移転は、敵の主力を味方陣地正面に拘束し、有力な部隊で敵の側背や翼側に向かって包囲をかけるのが最良だが、状況特に地形や側方委托の関係などにより、陣地前で敵に損害を与えた時機を利用し、正面から攻勢に転じるのが有利なことも多い。いずれの場合でも、攻勢の支撑たるべき地域を確保して主力の攻撃を容易とし、攻勢の進展に伴って適時攻撃に転じると良い。夜間防御は特に警戒を厳にし捜索を周到にし、前地を照明するなど諸種の手段を尽くして敵の近接や企図遂行を妨害する必要がある。状況特に地形により前地における要点を予め占領しておくと敵の攻撃企図を有効に妨害できる。夜間攻撃を受けて新たに軍隊を部署しようとするのは混乱の元である。よって、各級指揮官は必要に応じて第一線を増加して配備の間隙を塞ぎ、予備隊を前線に近接させ必要なら分置し、速やかに前線を増援できる処置を施しておく必要がある。陣地守兵は予め夜間射撃の設備を整え、砲兵は特に歩兵と緊密な協定を遂げて必要な火力支援に支障が無いようにする。敵兵が味方陣地に近接して工事や準備行動を行っているのを偵知したら、第一線部隊は小部隊の出撃などの各種手段で妨害し、敵兵が味方障害物を破壊しているのを偵知したら、これを撃退する。夜間防御では適時比隣部隊の協同や後方部隊の援助を期待できないため、各部隊は特に断固たる決意でその位置を固守し、砲兵は歩兵と密接に連絡して必要な射撃を行い、最前線の守兵は近接する敵兵に猛烈な射撃を加え手榴弾を投げ、敵隊伍が動揺した瞬間に銃剣によりこれを撃滅する。この際、一小部隊といえども敵の側背を攻撃するよう勉める。敵兵が味方陣地に侵入したら、当該地区指揮官は直ちに逆襲して恢復に勉める。夜間防御ではあちこちで戦闘が惹起することが多いので、各級指揮官は冷静に戦況を判断し、強固な意志で戦闘を指導、必要なら適時予備隊を第一線に投入したり逆襲に使用したりして、各種手段により陣地の保持を全うする。参考：作戦要務令

＜防御築城＞：築城を参照。

＜棒機雷＞：仮称五式撃雷を参照。

＜防空＞：経空脅威を破砕または無力化し、領土・領海・重要地域・部隊・住民・施設等の安全を確保すること。発見（Detection）、敵味方識別（Identification）、危険性評価（Evaluation）、迎撃部隊割り当て（Assignment）、迎撃・射撃（Fire）の５段階からなり、頭文字を充ててDIe Enemy Air Forceと称される。地域防空（エリア・ディフェンス）と地点防空（ポイント・ディフェンス）、要地防空（本土防空）と野戦防空（戦域防空）、積極防空（敵機を迎撃する）と消極防空（被害を局限する）、軍防空と民間防空といった分類がある。参考：空軍、月刊軍事研究2,’98、歴史群像4,’11、月刊JWings8,’14、日本の防衛戦力Part7

　＜艦隊防空＞：艦隊防空を参照。

　＜積極防空＞：経空脅威を積極的に迎撃するタイプの防空。探知、識別、迎撃、撃破の４段階からなり、奇襲を受けないこと、兵力を統合・集中運用して数の上で不利にならないことが重要である。また、時間も重要で、撃破したのは相手が攻撃を終えた後だった、ではあまり意味が無い。参考：空軍

＜本土防空＞：第２次大戦時にイギリスが整備した防空網がベースになっており、レーダー警戒ステーション（SS、Surveillance StationまたはEW、Early Warning）で24時間365日の監視を行い、情報を防空指令所（ADDC、Air Defence Direction Center）に送り、防空指令所が防空部隊に迎撃命令を出し、迎撃戦闘機部隊を敵の所に誘導（GCI、Ground Control Intercept）する。防空指令所からの無線が届きにくい場所や、防空指令所が破壊された場合に備え、レーダー警戒ステーションに迎撃戦闘機の誘導機能を持たせることもある（ISS、Intercept Surveillance StationまたはEW/GCI、Early Warning/ Ground Control Intercept）。防空指令所の上には防空管制所（ADCC、Air Defence Control Cente）が編成されていて、各防空司令所における迎撃戦闘の指揮調整を行う。更に上には全防空域を統合指揮する防空戦闘作戦センター（COC、Combat Operation Center）がある。これら部隊や指揮所同士の連絡を人間が電話や無線で行っていると時間がかかりすぎるので、データ処理も含めてコンピュータにより自動化するようになり、SAGEやBADGE/JADGE、NADGEが誕生した。参考：空軍

＜野戦防空＞：最前線部隊の対空防御のこと。システムは本土防空と同じだが、全て移動式になっている。長距離対空ミサイルサイトやレーダーサイトの設置が難しいので、CAP、自走式短距離地対空ミサイル、携帯式地対空ミサイル・対空機関砲の３段構えで実施する。統制警戒所（Control Reporting Post、CRP）がレーダーによる警戒監視を行い、戦闘地区ごとに置かれた地区統制本部（Sector Control Center、SCC）に情報を送り、航空作戦本部（Air Operation Center、AOC）で集約、SCCを介して迎撃命令を出し、統制警戒指令所（Control Reporting Center、CRC）が迎撃機の誘導や目標割り当て、帰投支援を行う。ちなみにAOCでは防空戦闘だけでなく、対航空作戦全般、戦術攻撃、戦術偵察など全戦術航空作戦を指揮統制する。参考：空軍、兵器最先端５

　＜防空（アメリカ）＞：野戦・戦域防空も本土防空も陸軍の担当で、長射程防空ミサイル（BMD用GBI含む）は全て陸軍に配備されている。冷戦末期の1980年代末には、アメリカ本土に向かってくる航空機・巡航ミサイル監視網として、カナダとグリーンランドを結ぶDEWライン、アメリカ・カナダ国境沿いのパイン・ツリー、太平洋・大西洋のFPS-118が設置され、ICBM/SLBM監視網として、コブラ・デイン、BMEWS、PARCS、FPS-85が配備されていた。弾道ミサイル防衛は2002年からBMDに移行した。参考：ザ・マーチ33号、月刊軍事研究9,’15、月刊世界の艦船6,’23

　＜防空（イギリス）＞：1930年初期までは飛行隊の戦闘機が担当哨戒地区を飛行し、爆撃機を発見するとそのまま迎撃に向かうスタンディング・パトロールを採用していた。哨戒機は１時間ごとに交替する。地上からの監視と対空砲による迎撃も行われていたが、監視は監視哨が肉眼で行うしかなく、監視範囲は晴天でも半径3.6km程度で、悪天候や夜間では役に立たなかった。その後、哨戒航空機などが爆撃機を発見すると基地に待機している迎撃戦闘機が迎撃に向かう方法に変更された。1930年代には聴音探知が実用化され、悪天候や夜間でも地上から爆撃機をある程度捉えることが可能となったが、有効半径は3.7km程度で、30秒しか余裕が無かった。1934年から防空レーダーの開発を開始。1936年初期にレーダー網の設置が決定し、9月に最初のレーダーシステムがイギリス東海岸のボードゼィで稼働した。1937年からCHレーダー網の建設を開始。第２次大戦開戦時には世界初のレーダー防空網を完成させ、WAAF女性隊員がレーダーを操作し、その情報を防空指揮所のフィルター室に集約、指揮下飛行隊の状況（使用可能機数や出撃・待機などの状態）を示すステータス・ボードに基づいて迎撃に向かわせる飛行隊を決定し、空軍通信兵が防空指揮所の管制室から迎撃戦闘機隊に送る体制を整えていた。また、民間防空監視組織が目視での警戒にあたっていた。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、月刊軍事研究9,’12、月刊航空ファン2,’18

　＜防空（イスラエル）＞：ハマスやヒズボラが日常的にロケット弾や迫撃砲、果ては弾道ミサイルを撃ち込んでくるため、アロー2/3、ダビデズ・スリング、アイアンドーム、アイアンビームによる多層地対空防空網を構築している。参考：月刊軍事研究2,’18

　＜防空（自衛隊）＞：太平洋戦争終結後の全般防空はアメリカ空軍が行っていたが、1954年7月に発足した航空自衛隊が任務を引き継いだ。防空監視所でADIZ外側にも及ぶ空域を常時監視し、防空指令所で情報を集約、不明機が進入したらスクランブル発進を下命する。ナイキ／パトリオット地対空ミサイルによる全般防空も空自が担当する。陸上自衛隊は野戦防空がメインであり、一応大都市、工場群、基地などの局地防空も担当するが、空自の防空網と連携できる射程や能力を有するのは永らくホークだけで、対空火器の装備数も少なく、陸自の航空基地周辺に高射砲を数門配備して終わりという程度だった。ちなみに空自では防空や基地防空という呼称を使用するが、陸自は対空作戦、海自は対空戦と称する。1960年7月から空自が航空警戒管制組織を運用するようになった。各地の防空監視所で監視係員がレーダースコープを監視し、不明航空機を発見すると防空指令所に目標情報を音声で伝達、防空指令所の表示係員が大型表示板に航跡を手書きし、識別係員が敵味方識別を行い、防空指令所の管制官が音声で要撃指令を出してF-86F/Dにより要撃させるという手動方式である。管制官は目標の位置と針路をパイロットに伝えるが、接敵経路などはパイロットが操縦しながら航法計算盤で算出しなければならず、後に第８飛行隊戦闘機パイロットがボタン１つで算出する方法を編み出して採用された。F-104Jやナイキ防空ミサイルの導入などに伴い、BADGEシステムによる自動防空を行うことになり、1969年3月から初代BADGEシステムの運用を開始。1989年3月30日、新BADGEシステムの運用を開始。2003年、BMDの整備を決定。2009年7月、JADGEシステムの運用を開始。参考：月刊軍事研究7,’14、6,’17、日本の防衛戦力Part1、月刊航空ファン7,’17、月刊JWings5,’20、月刊世界の艦船6,’23

　＜防空（中国）＞：本土防空は空軍、野戦防空は陸軍の担当である。中国全土をカバーする航空警戒管制システムは2007年に完成した。中国全体では160カ所のレーダーサイトがあり、大半が沿岸沿いにあってOTH-SW（地表波型超水平線）レーダー、YLC-2V、YLC-4、YLC-8、P-37、JYL-1、JY-11B、96L6E、64N6E2などによる監視レーダー網を構築している。S-300PMU/PMU1/PMU2、HQ-9、S-75といった長射程地対空ミサイルが台湾沿岸、北京、上海、大連、西安といった要所に配置されている。参考：月刊軍事研究6,’14、2,’15

　＜防空（ドイツ）＞：再軍備後の要地迎撃は空軍の担当で、ヒンメルベッドなどのレーダー、探照灯、高射砲、高射機関砲を組み合わせた。トップは空軍司令官で、各地域は航空管区司令官が担当し、航空警戒管制組織、要撃戦闘機部隊、高射砲部隊、阻塞気球部隊、レーダー部隊、探照灯部隊などの運用を行った。重要地域には大高射砲大隊と高射砲塔大隊が置かれている。防空指揮所にはゼーベルクと呼ばれる水平ガラス板（後に戦闘オペラハウスと呼ばれる垂直ガラス板）が設置されていて、敵機の状況を女性軍属がランプで投影する。1940年7月、夜間戦闘師団がドイツ北西部にHelle Nachtjagd（明るい野戦）防空システムを構築。防空地域を20km×45kmの戦闘区域に区切り、フライア・レーダーが夜間爆撃機編隊を捉えると夜間戦闘機が離陸、司令部の指示により敵編隊予想針路近くで待機し、戦闘区域ごとに配置されている地上の聴音機で敵編隊の方向を見極めてサーチライトで捕捉、地上から無線で夜間戦闘機隊に情報を伝え、夜間戦闘機隊がサーチライトに照らし出された敵編隊を迎撃した。10月16日（10月2日説あり）にヒンメルベットによるDunkelnachtjagd（暗い夜戦）防空システムで初戦果を挙げた。1942年3月、イギリスが密集編隊による集中爆撃戦術を採用。夏からは爆撃先導機パスファインダー、新型航法装置、ESMを使用したため、FuMO51やFuMG402といった新型レーダーなどで対抗。1943年3月、イギリスが新型航法システム、爆撃レーダー、ウインドウ（チャフ）の使用を開始し、ルール地方への無差別爆撃を開始。ドイツはヴィルデ・ザウ、ツァーメ・ザウ、He219、FuG220、FuG227、FuG350、シュレーゲ・ムジークで対抗し、一定の戦果を挙げた。1944年6月のオーバーロード作戦後は防空施設の破壊・被占領と戦略爆撃による燃料不足で防空能力が低下。1944年の実験結果から、信管に延期信管を使っても着発信管を使っても効果に差は無い（着発信管は遅延秒時設定時間がゼロなので命中率の差を射撃速度でカバーできる）という結論が導かれ、1945年3月20日に延期信管の使用中止命令が出されている。民間は民間防空を参照。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器、世界の傑作機No.157、歴史群像10,’10、4,’11、月刊軍事研究9,’12

＜防空（日本軍）＞：軍の防空は主に陸軍が担当した。野戦防空では歩兵大隊長、戦車連隊長、騎兵連隊長、砲兵大隊長、工兵連隊長、輜重兵中隊長などが対空班と対空射撃部隊を設け、上記各部隊長の指揮下に無い小部隊も状況に応じて適宜対空処置を行う。高級指揮官は高射部隊や照空部隊等を配置し、必要なら対空班や対空射撃部隊の行動といった事項を命令する。後方では主要飛行場や補給・交通要点など重要施設の掩護に重点を置いて防空処置を行う。作戦地では巧妙な灯火管制が難しいので、予め灯火の使用制限または禁止をかける。わざと灯火を残したり、偽灯火を灯したりして敵を欺くのも良い。駐屯が長期に及ぶ場合、対空監視圏の拡大、通信網整備、警報・投下管制・防火・ガス防護等の統一を行い、整然とした防空組織を構成する。空襲を受けたら、大隊長またはこれに準ずる部隊長（輜重兵なら中隊長）以上、その他分離して行動している部隊の長、特に指定された者は、飛行機警報を発する。猶予の無い場合は、小隊長以上が自分の責任で飛行機警報を発令する。警報は伝達容易で誤解や混同の恐れが無いようにし、各種手段を併用すると共に、ずっと同じものを使って敵に偽警報を出されないように注意する。本土防空では、昭和8年の関東防空演習に際し、東京・埼玉、千葉、神奈川、茨城の４個監視地区を設定、各地に防空監視哨を配し、７人以上の監視哨員（哨長は在郷軍人、哨員のうち２人以上は通信技能を持つ）を置き、数組が交代で24時間の監視（昼は双眼鏡による目視、夜間悪天候時は聴音）に就いた。敵機を発見したら監視哨名、発見時刻、敵機方位、高度、機種、機数を略号にして哨戒本部や関東防空司令部（東京三宅坂）に伝達した。ちなみに敵機役は所沢陸軍飛行学校、下志津陸軍飛行学校、館山海軍航空隊、横須賀海軍航空隊、霞ヶ浦海軍航空隊が務めている。関東地方の飛行場は陸海軍合わせて昭和6年までに８ヵ所、日華事変勃発までに12ヵ所、太平洋戦争開戦までに31ヵ所、終戦までに24ヵ所の計75ヵ所が整備された。太平洋戦争でのアメリカ軍による本土空襲の際の陸軍防空では、敵機を探知するのは電波警戒機甲、電波警戒機乙、防空監視哨で、これらの情報は監視隊本部に集約され、東部・中部・西部軍隷下の各防衛司令部に送られる。防衛司令部には作戦室、情報室、警報室、電信室、日本放送協会放送室などが設置されており、監視隊本部からの情報を情報室で女子通信員が受信、操作卓に目標情報を逐次入力・更新する。この情報は作戦室前面の情報地図盤・情報表示板、中央の警戒機乙用表示板に電光で表示され、軍司令官、参謀、幕僚、防空担当飛行師団長、高射師団作戦参謀などが中二階からこれらを眺めて状況を判断し、警戒警報や空襲警報を出したり、防空戦闘を命じたりする。迎撃のため離陸した戦闘機に、地上から無線管制を行う態勢も整っていた。関東地区の迎撃は第10飛行師団、第302海軍航空隊（厚木基地）、横須賀航空隊が担当し、昭和20年2月には第601海軍航空隊（香取基地）が加わっている。海軍では横須賀鎮守府裏の地下にコンクリートと鉄扉で固めた防空作戦指揮所を設け、正面に群馬県南部・福島県東部・愛知県豊橋・鳥島・硫黄島周辺までの範囲をカバーする立体図を設置、これに正対する位置に3.6m四方の机を設けて飛行基地や配備機種・機数を記入した作戦図を置いた。レーダーや特設監視艇などが探知した敵機情報は通信室で纏められ、立体図に豆灯で表示される。これにより敵機の状況を把握して作戦図に敵味方の状況を記入、横須賀鎮守府長官以下指揮所に常駐する司令部要員が状況を判断し、各部隊へと迎撃指示を出す。厚木基地では防空作戦指揮所から敵機侵入の恐れがあるとの警報を受けると、赤いＢ旗を半旗に掲げ、搭乗割のスクランブル発進担当パイロットが救命胴衣と落下傘バンドを付けて指揮所で待機し、整備員が戦闘機にイナーシャ・ハンドルを装着、通信員が戦闘機の無線を調整する。次いで防空作戦指揮所からスクランブル発進の指示が入ると、Ｂ旗を全揚にし、パイロットが戦闘機に飛び込んで出撃していく。中国大陸を飛び立ったB-29による九州への空襲は、早期警戒レーダー網が整っていたのと、内地ということで燃料弾薬の供給が十分だったため、まずまずの防空戦果を挙げた。マリアナ諸島からの空襲は、横須賀鎮守府の防空作戦指揮所に海軍特別通信班を置いてマリアナの通信を傍受し、かなりの確度で来襲時期を予測することが可能だったらしいが、小笠原諸島のある関東方面でも父島−八丈島間に1000kmの隙間があり洋上監視網を築くのが難しく、父島のレーダー情報を基に関東か中京以西に向かうかは判断できるようになったものの、中京か阪神かは本土に近接されないと分からず、昭和20年2月16-18日の艦上戦闘機来襲で防空戦闘機隊が大損害を受けたため3月10日の東京大空襲で始まった連日の夜間無差別爆撃には対応困難に陥り（自衛武装を外して焼夷弾を詰め込んだB-29が比較的低高度を飛んできたので、高射砲と残存戦闘機で一定の損害は与えられたが）、硫黄島陥落でP-51戦闘機の襲撃が始まると更に苦しくなり、6月以降は本土決戦に備えた戦力温存で何も出来なくなってしまった。参考：歴史群像6,’14、戦時用語の基礎知識、作戦要務令、月刊丸4,’17、8,'15別冊、首都防空網と空都多摩、月刊軍事研究7,’14、6,’17、日本の防衛戦力Part1

＜防空演習（日本）＞：軍の指導により、昭和3年6月30日に大阪で初めて実施された。法律の裏付けができたのは昭和12年9月29日に防空法施行令が公布された時である。参考：戦時用語の基礎知識

＜防空監視所（航空自衛隊）＞：SS（Surveillance Station）と略す。いわゆるレーダーサイトで、1958年5月から1961年9月1日までの間にアメリカ軍から空自に管理が移管された。沖縄本土復帰後、1974年までに沖縄周辺のものが引き渡され、28カ所の防空監視所が揃った。当初はAN/FPS-20捜索レーダーとAN/FPS-6測高レーダーの組み合わせで、1972年からJ/FPS-1の配備が開始され、以後も改良が続いていて、J/FPS-1からJ/FPS-4に更新されたもの、J/FPS-2を配備するもの、J/FPS-2からJ/FPS-3に更新されたもの、更にJ/FPS-3改に更新されたもの、J/FPS-5を配備するものがある。ただ21世紀に入ってもAN/FPS-20+AN/FPS-6の監視所があり、J/FPS-2共々J/FPS-7に換装される予定。レーダー監視の便を考えて離島や海岸沿いの高台に設置されており、対空監視の他、SIGINTやCOMINT任務も行い、情報を防空指揮所に送る。攻撃されやすいので運用局は鉄筋コンクリート地下屋舎に収容されており、補給を考慮してCH-47Jが離着陸できるヘリポートが用意されている。有事などで破壊された場合や、改良や更新で使用不能となる場合、移動警戒隊が対空監視を引き継ぐ。運用するのは警戒隊である。稚内、根室、奥尻島には電波情報収集のため地上電波測定装置が置かれており、2000年代半ば以降には背振山、福江島、宮古島にも設置された。参考：月刊軍事研究7,’09、6,’10、12,’16、月刊JWings11,’07

　＜防空監視所（航空自衛隊、２００７年）＞：全国に28箇所設置されている。北部航空方面隊北部航空警戒管制団隷下に稚内、網走、根室、当別、襟裳、大湊、山田、加茂、奥尻島、中部航空方面隊中部航空警戒管制団隷下に大滝根山、佐渡、峯岡山、輪島、御前崎、経ヶ岬、笠取山、串本、西部航空方面隊西部航空警戒管制団隷下に高尾山、見島、海栗島、背振山、福江島、下甑島、高畑山、南西航空混成団南西航空警戒管制隊隷下に沖永良部島、久米島、与座岳、宮古島。参考：月刊JWings11,’07

＜防空基幹船＞：日本陸軍の防空輸送艦で、第１次世界大戦時のガリポリ上陸作戦の分析から、輸送船団を守るために対空戦闘能力を備えた船舶が必要であることが判明したために建造された。徴用貨物船に高射砲や機関砲を積んであり、野砲も装備している。運航は民間船員が実施し、兵器の取り扱いは陸軍船舶工兵が行う。太平洋戦争開戦時には龍城丸（神州丸）、宏川丸、熱田山丸、佐渡丸、ありぞな丸、善洋丸、佐倉丸、靖川丸が配備されていた。参考：歴史群像8,’02

＜防空気球＞：阻塞気球を参照。

＜防空軍団＞：アメリカ空軍本土防空部隊で、Air Defense Command、ADCと略す。1946年3月12日、戦略航空軍団や戦術航空軍団と共に新編された。隷下にはP-47やP-61を装備する４個飛行隊と、レーダー装備の訓練部隊１個を置く。1947年9月18日、空軍が独立。当時は本土に１ヵ所、アラスカに４ヵ所しかレーダー基地が無く、アラスカも数時間ずつしか作動していないというお寒い状況だったが、ソ連がTu-4を実戦配備したことなどから監視レーダー網の充実を図ることになり、アメリカ本土に374ヵ所、アラスカに37ヵ所のレーダー基地を設置することにした。しかし予算が４億ドルもかかるということから議会で一蹴されたため、予算を8600万ドルに縮小して75ヵ所の早期警戒レーダー基地と10ヵ所の防空管制センターを設置することにし、承認された。ただ完成が1952年になるため、1950年半ばまでにカリフォルニア周辺にレーダー基地44ヵ所を整備する計画も立てた。1948年12月1日、アメリカ大陸航空軍団（CONAC）に統合された。1949年9月1日、組織改編で東部防空航空軍と西部防空航空軍に分割され、ADCの名称は無くなった。1951年、ソ連の核実験成功や朝鮮戦争勃発を受けて復活。この時司令部はコロラド州ピーターソン基地にあり、隷下に東部防空航空軍と西部防空航空軍を置いており、更に中部防空航空軍も設立された。全天候戦闘機F-89の就役もこの頃から始まっている。レーダーサイト75ヵ所及び防空管制センター10ヵ所が整備中で、カナダとの国境にも建設が決定し、海軍からはレーダー・ピケット艦を譲り受けた。また空中早期警戒機の装備も行うことにした。ただ建設中のレーダー網が完成してもなお不十分という報告が出されたため、カナダ北部から侵入する敵機に備える北緯69度のレーダー網DEWライン（Distant Early Warning Line）、アメリカ東部の海岸から90kmの地点にある浅瀬にレーダー・プラットホームを展開させるテキサス・タワーを計画した。また、DEWラインとカナダ国境ラインとの間が離れているため、カナダ政府との間で北緯55度に沿ったレーダー網であるカナダ中部ラインの建設に合意した。1952年10月、24時間稼働のレーダー・ピケットが就役。1953年に75箇所のレーダーサイトと10箇所の防空管制センターが配置された。全天候戦闘機F-86Dの配備を開始。10月、RC-121が実戦部隊に就役。1954年1月、75ヵ所のレーダーサイトの間を埋める300ヵ所以上の小型レーダー基地を建設することになった（ギャップ・フィラー計画）。9月1日、陸海空３軍が本土防空体制で協力することになり、統合幕僚本部隷下に大陸防空軍団（CONAD）が設けられ、防空は空軍が指揮権を持つことになった。1955年9月、F-86D航空団20個、F-89航空団７個、F-94C航空団３個が配備されていた。1956年から本格的な防空体制が整備され、半自動式の防空警戒管制システム（SAGE）や予備迎撃管制システムが立ち上げられた。1月、ミサイルを装備できるF-89Hの引き渡しが開始された。6月、超音速要撃機F-102Aが就役を開始。1957年、ギャップ・フィラー計画で建造していたレーダー網が完成した。8月1日にNORADをカナダ防空軍・アメリカ陸軍防衛軍団と共に組織し、ADCの司令官はNORADの司令官を兼ねるようになった。1958年、司令部はコロラド州エント空軍基地にあり、隷下に第64航空師団（ニューファンドランドのペッペレル基地）、東部防空航空軍（司令部はニューヨーク州スチュワート基地。７個航空師団及び１個空中早期警戒・管制航空団）、中央防空航空軍（司令部はミズーリ州リャードゲバー基地。５個航空師団）、西部防空航空軍（司令部はカリフォルニア州ハミルトン基地。４個航空師団、１個空中早期警戒・管制航空団）、第73航空兵器師団（フロリダ州チンドル基地）を置いていた。1月末、F-104Aが就役開始。1959年、地方司令部３ヵ所が解隊された。1月、レーダー整備に伴い、地上監視隊が解隊した。2月、DEWラインのカナダ部分がカナダ空軍に移管された。6月、F-106Aの配備を開始。12月、予算削減に伴い78個飛行隊を70個飛行隊に削減することになり、SAGEとのデータリンクを搭載できないF-104AがADCを去った。カナダに高度600m以下の侵入機を探知するための45ヵ所のレーダー基地を建設することが決定。1960年、弾道ミサイル探知衛星MIDAS及びサモスの打ち上げを開始。10月、BMEWSのチュール基地が完成。10月10日、人工衛星を監視するため、海軍宇宙監視探知網と空軍宇宙追跡システムを統合し、宇宙探知追跡システムをNORAD隷下に編成することを決定。1961年6月、F-101B66機をカナダに供与し、かわりにパインツリー・ラインのレーダー基地11ヵ所をカナダが管理運営する協定が締結された。7月、バッフィン島からグリーンランド東海岸に至る４ヵ所のレーダー基地を増設。10月1日、宇宙探知追跡システムが就役。12月1日、SAGEが全面稼働を開始。1962年7月、MATSからアイスランドのレーダー基地及び防空任務を引き継いだ。10月、キューバ危機を受けてキーウェストに前進司令部を設置。1963年、SAGEコントロールセンター６ヵ所と長距離レーダー基地17ヵ所が攻撃目標に近すぎるという理由で閉鎖された。同年初め、キューバ危機に対応するため一時的にANGからF-104の２個飛行隊を借りて南フロリダと西テキサスに配置。7月、第32航空師団と第64航空師団が解隊。隷下部隊は第25航空師団（ワシントン州マッコード基地）、第26航空師団（ニューヨーク州ハンコックフィールド基地）、第28航空師団（カリフォルニア州ハミルトン基地）、第29航空師団（ミズーリ州リャードゲバー基地）、第30航空師団（ウィスコンシン州トラックスフィールド基地）、第９宇宙防衛師団（コロラド州エント基地）、第73航空兵器師団（フロリダ州チンドル基地）となった。1964年1月、BMEWSの３基地全てが完成。10月、司令部をNORADと共にシャイアン山の人工洞穴の中に移した。1965年6月30日、海軍がEC-121で行ってきた太平洋洋上監視を終了。8月、海軍がEC-121で実施していた北大西洋洋上監視を終了。9月、東海岸沖のパトロール用としてEC-121Hが就役。1966年4月、５個航空師団編制から４個航空軍15個航空師団33個飛行隊編制に変更。隷下部隊は第１航空軍（ニューヨーク州スチュワート基地）、第10航空軍（ミズーリ州リャードゲバー基地）、第14航空軍（アラバマ州ギュンター基地）、第４航空軍（カリフォルニア州ハミルトン基地）、第９宇宙防衛師団（コロラド州エント基地）となった。5月、支援要撃管制システムが完成。1968年1月、名称がAerospace Defense Command（航空宇宙防衛軍団）に変更された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings11,’07、アメリカジェット戦闘機

＜防空警報（ドイツ）＞：秘密警報、公衆警報（小規模空襲）、公衆警報（全般警告）、准警報解除、警報解除がある。固定式サイレンの到達範囲は半径485mしか無かったので、あちこちに設置されており、警察車両のサイレンも使用した。旗や着色円筒も使われている。秘密警報は空襲が予想される際、警報中枢部から高射砲部隊以外の軍隊、病院、学校、軍需工場、発電所などに電話で伝達されるものである。工場はこれが出るまで退避することができない。公衆警報（小規模空襲）は12機以下の敵機が15分以内の到達距離に接近した場合に出されるもので、５秒間隔で３回のサイレンが鳴らされる。防空壕への退避は行わない。公衆警報（全般警告）は、12機以上の敵機が15分以内の到達距離に接近した場合に出されるもので、４秒間隔で15回のサイレンが鳴らされる。全交通の停止と防空壕への避難を行う。准警報解除は爆撃が概ね終わり、次の敵機編隊が接近している際に出されるもので、５秒間隔で３回のサイレンが鳴らされる。警報解除は50-60km以内に敵機がいなくなった時に出されるもので、サイレンが１分間鳴らされる。参考：歴史群像10,’10

＜防空壕（皇居）＞：御文庫附属庫を参照。

＜防空壕（日本）＞：昭和16年夏頃から自発的な建設が始まり、10月に公共用防空壕の建設のため内務大臣が資材を配布することが決まった。昭和17年に家庭用防空壕（正確には家庭用待避所）の指導が行われたが、この時は家具や押し入れの中も可とされ、すぐに消火活動に移れるよう考慮されていた。昭和19年3月4日、戦局の悪化とドイツでの戦訓を受け、防空壕及び待避所の緊急拡充計画が打ち出され、全長30m・収容人数90人を１単位とする横穴式防空壕、待避壕、収容人数５人を標準とする公共待避所、深さ1.2m以上を推奨するの家庭待避所（地下式）の建設が開始された。ただ東京下町の海抜ゼロメートル地帯ではいつのまにか水が湧いてボウフラ天国になっていたりした。参考：戦時用語の基礎知識、写真版東京大空襲の記録

＜防空指揮群＞：航空自衛隊の防空部隊。BADGEシステム運用が主任務で、1967年10月に府中基地隊から改編されて府中基地で創設された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2012年3月26日、横田基地（空自）に移駐し、運用を開始した。参考：月刊軍事研究11,’14、MAMOR vol.52、府中基地ホームページ

＜防空指揮所＞：防空指令所ともいう。DC（Direction Center）と略す。航空自衛隊の航空方面隊ごとに設置されている防空組織で、防空監視所の情報を元に、担当空域内での防空指揮活動を行う。北部航空方面隊は三沢基地、中部航空方面隊は入間基地、西部航空方面隊は春日基地、南西航空混成団は那覇基地に置いている。運用は防空管制隊で、監視セクションが防空監視所のキャッチした飛行物体を監視し、識別セクションでは識別技術員がフライトプランと照合したり、防空監視所に細かなレーダー操作を指示したりして正体を判別、先任兵器管制官がそれらの情報や、上級部隊・兵器管制技術員・レーダー助言資格を持つ隊員らの助言を元に要撃の必要性を判断し、要撃の必要があれば要撃管制セクションに伝達、要撃管制技術員がコンソールのスクランブル発進通報ボタンを押す。参考：月刊軍事研究7,’09、月刊航空ファン7,’17

＜防空識別圏＞：Air Defense Identification Zone、ADIZと略す。防空の都合上、航空機の識別や位置確認などを行うために領空の外に設定した空域である。領空侵犯されてからスクランブルしたのでは間に合わないので、ここを突破してきた正体不明機にはスクランブルをかけて正体を確認する。国際的に周知されているが、特に国際法上の規定や国家間の取り決めがある訳ではなく、各国が独自に定めている。要するに勝手に引いたラインであり、何なら全世界の空域を自国のADIZに設定しても構わないが、正体不明機がADIZに入ってきたことを探知するための監視網や、正体を確認するためのスクランブル態勢が構築されていないと、設定しても意味が無い。隣国が陸続きだったりすると隣国の領空に重ねて設定している場合もあるが、その場合はスクランブルの際に自分が領空侵犯しないよう気を配る必要がある。ADIZに入ってきた機体に何か権利を主張できる訳では無く、正体不明機に対しては領空に近づいているという注意を促す程度で、強制的に飛行コースを変更させたり、攻撃したりはできない。ただADIZに入ってきた民間機にいちいちスクランブルをかける（かけられる）のは軍も民間機側も面倒なので、事前にフライトプランを提出していなかったり、フライトプランと異なる経路でADIZ内を飛行したりする場合には、軍に航空無線などで一報を入れることを求めるのが通例である。参考：月刊JWings4,’04、9,’10、10,’09別冊付録、2,’14、月刊軍事研究7,’05、2,’14、3,’14、月刊航空ファン8’10、朝雲

　＜防空識別圏（台湾）＞：2019年9月17日から自衛隊統幕ホームページを参考にしたスクランブル発進状況を中華民国国防部ホームページで公表しており（トップページ首頁＞国防消息＞即時軍事動態と進めば見られる）、スクランブル対象機の飛行ルートを示す図表（下の方にpdfファイルがある）に防空識別圏が中国・台湾中間線と一緒に記載されている。北西方向の中国側はかなり広く、中国本土まで入り込んでいるが、海側はそれに比べて結構狭い。参考：月刊JWings2,’21

　＜防空識別圏（日本）＞：1969年8月29日に出された防衛庁訓令第36号、防空識別圏における飛行要領に関する訓令の第２条で空域が指定されていて、1956年にアメリカが使っていたものをそのまま引き継いでいる。内側防空識別圏（Inner ADIZ）と外側防空識別圏（Outer ADIZ）の二重で設定されていて、常時レーダーで監視し、不明機にはスクランブルを行う。韓国や台湾との境界線はアメリカが勝手に決めたため、竹島は韓国の防空識別圏に含まれていたが、もちろん日本も竹島周辺に防空識別圏を設定しており、1960年代頃までは築城基地から韓国機へスクランブルをかけていたが、その後はスクランブルをしなくても国土防衛に支障が無いとして中止されている。沖縄返還決定を受け、南西諸島の防空識別圏は1972年5月3日に決定したが、その際に中国の舟山列島付近を縮小した（尖閣諸島上空はそのまま）。与那国島は東経123度より東が日本、西が台湾（当時は台湾駐留米軍）の防空識別圏に分かれた状態を放置したため、与那国島に向かう日本の航空機が台湾機のスクランブルを受けたこともあった。また、民間機の飛行情報区は東経124度で台湾飛行情報区と沖縄飛行情報区に分かれており、東経123度の防空識別圏を通過して東に向かう民間機の情報が東経124度を通過するまで日本側に入ってこないため、余計なスクランブルの手間が増えた。1998年11月10日、アジア安保研修で台湾を訪れた元空将が中華民国国家安全保障局長に飛行情報区や防空識別圏に関する文書を渡したのをきっかけに台湾側で防空識別圏の運用が見直され、与那国島沿岸から12海里を台湾側防空識別圏から外して対応するなどの措置が執られたようで、スクランブル回数が激減したという。2010年5月23日の首相と沖縄県知事との会談で与那国島防空識別圏の見直しが決定し、6月25日に与那国島の西側２海里までを防空識別圏とする訓令が施行された。参考：月刊丸3,’14、月刊JWings4,’04、9,’10、10,’09別冊付録、2,’14、月刊軍事研究7,’05、2,’14、3,’14、月刊航空ファン8’10、朝雲、航空用語事典増補改訂版

＜防空室＞：御文庫附属庫を参照。

＜防空指令所＞：防空指揮所を参照。

＜防空戦闘機＞：日本陸軍の戦闘機分類の１つ。火力、速力、上昇力を重視した戦闘機で、主に爆撃機に対処する。昭和18年12月25日の航空審査部の意見書では、単発単座戦闘機で、高度8000mで最大速度700km以上、実用上昇限度12500m、航続時間は巡航速度で３時間以上、最大速度で１時間以上、武装は37mm砲１門と20mm砲２門といった案が出されている。参考：世界の傑作機No.24

＜防空ミサイル艦＞：艦隊防空の中核を担う軍艦。射程数十海里以上の長射程対空ミサイルを搭載する。参考：月刊世界の艦船10,’02

＜防空網＞：領空内への敵機の侵入を防ぐために張られた監視網のこと。地上設置レーダー、航空搭載レーダーなどで構成される。参考：月刊JWings4,’04

＜ホウク級＞：河谷級（ミサイル艇）を参照。

＜防舷物＞：艦船が接岸・接舷する際に衝突して傷つかないよう、舷側に吊す緩衝材。海上自衛隊の中型艦以上の艦船（潜水艦除く）ではゴム製の黒い球状物、小型艇ではゴムタイヤを使う。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜澎湖＞：日本海軍測天型敷設艇７番艇Hoko。昭和16年12月20日竣工、馬公防備隊に配属され、馬公を基地として護衛任務に就いた。昭和18年4月10日、馬公を出港してラバウルに進出し、船団護衛任務に就いた。9月28日、ブカ島の東20海里で爆撃を受けて沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊世界の艦船11,’13

＜鳳江＞：607（哨戒艇）を参照。

＜逢甲＞：FFG-1115（ミサイル・フリゲート）を参照。

＜方向安定＞：Directional stability。機体が片揺れを起こした際、常に進行方向（相対風の方向）に機首を向けようとする働きのことで、風見安定ともいう。垂直安定板による片揺れモーメントが方向安定を保つ働きをし、静的安定は横滑りした際に垂直尾翼から発生する復元モーメント、動的安定は片揺れ角速度によって垂直尾翼から発生する減衰モーメントによって保たれる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜砲口炎＞：Muzzle Flash。高温発射薬ガスと、それに続く周囲の空気との混合により引き起こされる化学反応により、砲口近傍で発する閃光のこと。弾丸が砲口に達する前、弾丸を通り越して漏れる高温ガスと微粒子で予備炎が生じ、次いで弾丸が砲口を出た後、高温の発射ガスそのものが一次炎として可視される。続いて発射ガスは急速に膨張して冷却され、弱く光る砲口グローが生じる。膨張ガスは弾丸を通り越して漏れ出た高速微粒子によって生じる衝撃波（マッハディスク）を通過して再圧縮され、再び高温となって中間炎を生じる。膨張ガス内部には水素や一酸化炭素などの可燃ガスが含まれており、これが空気と混合して着火、大きな二次炎を生じる。ただし、小火器の場合、中間炎領域でのガス濃度や温度が低いため、二次炎は起こらない。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜方向角＞：水平面上の角度で、通常は物体間の角度を指す。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜砲工学校員外学生課程＞：日本陸軍の教育制度。砲兵学校普通課程または工兵学校普通課程を優秀な成績で卒業した数名を帝国大学理工系学部に入学させて学ばせる制度である。学費は軍が負担し、給与もそれまで通り支給される。参考：陸海軍学校と教育

＜砲口照合装置＞：砲塔上の投光器から砲口のミラーに光を照射し、反射光の位置を受信することで砲口の位置を探知して射撃修正を行う装置。砲身は重量により砲口部分が僅かに垂れ下がっているが、射撃を行うと加熱され、延びて真っ直ぐになり、そのうち反り返っていくこともあり、１ミル程度の照準誤差を生じるので、それの補正に用いる。陸上自衛隊では砲口照合装置の無い時代に射撃による反り具合を研究して照準修正をしていた。参考：兵器メカニズム図鑑、月刊軍事研究10,’09

＜砲口初速＞：弾丸が砲口を離脱する際の対砲身速度。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜砲口制退器＞：マズルブレーキを参照。

＜方向探知機＞：Direction Finder。電波が来る方向を探知する装置のこと。枠型（円形が多い）アンテナと受信器で構成され、電波によりアンテナに誘導される電圧を受信器で測定し、電波が飛んでくる方向を調べる。手動でアンテナをくるくる回しながら受信器の針とにらめっこして測定するのは面倒なので、自動方向探知機（ADF）が開発された。参考：航空用語事典増補改訂版

＜砲口排煙器＞：Bore evacuator、Fume evacuator、Fume extractor。砲発射直後に砲身内に残留する発射ガスを砲口から排出するための装置で、密閉戦闘室に装備された火砲に装備される。砲身の途中に膨らんだ圧力室を設けてあり、前方に傾斜したガスノズルという小さな孔で砲身と繋がっている。発射時、砲弾がガスノズルを通過すると、圧力室内に発射ガスの一部が流れ込む。弾丸が砲口を出ると、砲腔内の圧力が低下し、ガスノズルから前向きに圧力室内のガスが噴出する。ここで薬室を開放すると、薬室内から空気が流れ込んで砲口に抜け、残留発射ガスを押し出す。アメリカ軍がM46戦車用の90mm戦車砲M3A1に採用した。朝鮮戦争で中国軍が鹵獲したM46やM26A1から技術がソ連に渡ったともいわれる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、M26/46パーシング戦車1943-1953

＜方向盤＞：間接射撃において火砲に方位を与えるための器具。射撃観測や測量などにも用いられる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜奉公袋＞：陸軍に入営する時、必需品を入れて持って行く袋のこと。軍隊手帳、勲章、記章、適任証書、特業教育証書、召集・点呼令状、貯金通帳などを入れる。参考：戦時用語の基礎知識

＜砲熕兵器＞

　＜砲熕兵器（日本海軍）＞：大砲、機銃、弾薬、火薬、射撃指揮装置及び射撃に必要な光学兵器などの一切を含めたものの総称。参考：艦船メカニズム図鑑、帝国陸海軍事典

　＜砲熕兵器（海上自衛隊）＞：日本海軍の規定した砲熕兵器を砲銃器材とし、更に誘導器材としてミサイルを含めたもの。参考：艦船メカニズム図鑑

＜豊光丸＞：日本海軍特設運送船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。昭和17年8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。参考：日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜防護外套＞：ジャーキンを参照。

＜報国号＞：航空機献納運動により日本海軍に献納された航空機に付けられた名称。太平洋戦争勃発で5000機以上に達した。参考：軍事用語の基礎知識、月刊航空ファン11,’11

＜報國丸＞：日本海軍報國丸型特設巡洋艦Houkoku maru。元は大阪商船東アフリカ航路の貨客船で、１回だけ就航して日本海軍に徴用され、特設巡洋艦になった。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制も兵力部署も第24戦隊に所属していた。昭和17年11月11日、インド洋で連合軍艦艇と交戦して沈没した。参考：月刊丸2,’07、月刊世界の艦船1,’17、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜報國丸型＞：日本海軍特設巡洋艦Houkoku maru型。大阪商船東アフリカ航路貨客船として建造され、日本海軍に徴用されたものである。呉海軍工廠造船部が考案した迷彩を施しており、報國丸は第１次大戦時にアメリカがデザイン1013戦時標準船に施したのと同じ濃淡灰色・黒色の三色迷彩、愛國丸は濃淡灰色の楔形迷彩が塗られた。総トン数10439トン。速力21.1ノット。兵装は40口径安式15cm単装砲８門（前後甲板に１門ずつ、前部凹甲板と上構前後に２門ずつ）、九三式13mm連装機銃２基（艦橋上面）、六年式53cm連装発射管２基（後甲板）。九四式水上偵察機２機を搭載可能。報國丸、愛國丸、護國丸が就役した。後に報國丸と愛國丸は40口径安式15cm単装砲を50口径三年式14cm砲に、護國丸は40口径安式15cm単装砲を45口径十年式12サンチ単装高角砲Ｅ型に換装している。参考：月刊世界の艦船1,’17、月刊モデルアート9,’15増刊

＜防護巡洋艦＞：巡洋艦を参照。

＜防護任務型モジュール輸送車＞：G5装甲兵員輸送車を参照。

＜防護マスク＞：陸上自衛隊のガスマスク。NBC状況下を想定し、目を閉じたままで８秒以内に装着できるよう訓練する。参考：月刊PANZER5,’98、MAMOR Vol.81

　＜防護マスク１型＞：ホース付き。参考：月刊PANZER5,’98

　＜防護マスク２型＞：アメリカ軍のM9タイプ。参考：月刊PANZER5,’98

　＜防護マスク３型＞：フィルター内蔵型。粉末活性炭を吸着材として使用しており、両頬の部分に吸着フィルターを装着する。重量1.3kg。重松製作所製。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊PANZER5,’98、日本の防衛戦力Part7

　＜防護マスク４型＞：面体前部にフィルターを装着するタイプで、本体、フード、吸収缶からなり、マスク正面中央に外装式に吸収缶を取り付け、液滴防護のためフードを装着して使用する他、ゴムホースを付けて隔離式（90式戦車のフィルターに繋いだりする）として使用することもできる。通常の視力矯正用メガネをかけるのは無理なので、専用のメガネをゴーグル部分の内側に填め込む。重量2kg。興研が生産している。参考：月刊PANZER12,’99、5,’98、JGround　Vol.11、MAMOR vol.50、vol.86、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜防護マスク４型Ｂ＞：眼鏡部を大型化して視界を改善し、ストローチューブを追加して水筒から水を飲めるようにしたタイプ。参考：スピアヘッドNo.17

＜砲耳＞：トラニオン。砲身や揺架から左右に突き出した軸で、砲架に砲身を載せる部分であり、砲身に俯仰角を与える回転軸の役目を果たす。砲身の俯仰を楽にするなら重心位置近傍に装着するのが理想だが、それだと仰角を取った時に砲尾が地面にめり込むなど操砲に問題があり、実際は砲尾付近に設けられることが多く、バランスを取るため平衡器を追加する。参考：GUN用語事典、陸上自衛隊地上戦力の全容、MAMOR vol.146

＜砲車＞：ドイツ軍装甲列車BP42とBP44に接続された装甲貨車。前者はポーランド製10cmleFH14/19(p)軽榴弾砲などの鹵獲砲、後者は10.5cm榴弾砲leFH18Mを搭載する。歩兵車も兼ねており、車体４隅と側面に計16カ所の銃眼を持ち、銃眼２カ所の付いた装甲扉左右各２枚が取り付けられている。参考：月刊グランドパワー5,’03

＜放射器用点火筒＞：自衛隊の点火筒。細谷火工製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜放射性同位元素＞：放射性物質を参照。

＜放射性物質＞：放射線を放出して原子核が崩壊（壊変）する性質のある元素で、放射性同位元素ともいう。物質によって決まったエネルギーの放射線を出し、原子核が崩壊して別の元素になる。崩壊時に放出する放射線の種類によってアルファ崩壊、ベータプラス崩壊、ベータマイナス崩壊などに分かれる。また、時間経過によって崩壊を起こす確率も物質ごとに決まっており、物理学的半減期として表す。参考：知ることから始めよう放射線のいろいろ、放射線健康科学

＜放射線＞：粒子放射線と電磁放射線があり、物質に衝突して軌道電子を遊離させる電離作用や、電子を外側の軌道に遷移させる励起作用を持ち、電離放射線ともいう。原子力基本法での定義は、「電磁波または粒子線のうち、直接または間接に空気を電離する能力を持つもので、政令に定めるもの」。放射性物質から発生する以外に、人工的に作り出すことも可能。宇宙線から0.38mSv、カリウム40から0.46mSv、ラドン222から1.2mSvなど、世界平均では年に2.4mSvの自然放射線被曝がある。日本は年に1.5mSvで、関東より関西の方が花崗岩が多いため2-3割高い。インドのケララはトリウムを含むモナザイトが多く存在するため、自然放射線被曝線量は年間10mSvに達する。参考：知ることから始めよう放射線のいろいろ、放射線健康科学、軍縮条約・資料集第２版

　＜電磁放射線＞：電磁波の一種で、Ｘ線とγ線がある。参考：放射線健康科学

　＜粒子放射線＞：質量を持った粒子の運動により生じる放射線。電荷を持つ荷電粒子から生じるもの（α線、β線、重粒子線、電子線、陽電子線、陽子線、ミューオンなど素粒子線）と、電荷を持たない非荷電粒子から生じるもの（中性子線）がある。参考：放射線健康科学

＜放射線強化弾頭＞：中性子爆弾を参照。

＜放射線検知装置＞：自衛隊の機器。富士電機製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜放射線障害＞：放射線被曝により生じる健康被害。放射線がDNAを傷害するのが原因で、修復が間に合わないと健康に影響が及ぶ。早期影響と晩発影響、確定的影響と確率的影響などに分けられる。参考：放射線健康科学、知ることから始めよう放射線のいろいろ

＜放射線防護＞：自然・人工放射線源からの被曝を様々な手段でコントロールすること。行為の正当化（メリットのない被曝を伴う行為をしてはならない）、防護の最適化（被曝を必要最小限とする）、個人線量制限からなる。基本は時間（被曝時間短縮）、距離（放射線源から離れる）、遮蔽。参考：放射線健康科学、知ることから始めよう放射線のいろいろ

＜放射能＞：原子核が放射線の放出を伴って崩壊する性質のこと。単位はベクレル（Bq）。アメリカの土には1kgあたり370ベクレルのカリウム40、35ベクレルのウラン238、35ベクレルのトリウム232などが含まれる。人間も1kgあたり100ベクレル超（カリウム40が67ベクレル、炭素14が42ベクレル、ルビジウム87が８ベクレル）の放射能を持ち、肉や魚もだいたい同じくらいで、カリウムが多い野菜や果物はもう少し多めになる。放射能を持つ物質（つまり放射性物質）のことを単に放射能という場合もあり、一般に放射能汚染という場合は放射性物質が拡散することを指す。参考：知ることから始めよう放射線のいろいろ、放射線健康科学、月刊軍事研究6,’11

＜砲手＞：ガンナー。主砲を操作する兵士であり、迅速で正確な射撃を行うのが主任務である。敵の監視及び早期発見、照準、発砲、命中確認、効果判定を行い、火器及びFCSの整備や調整、修理を実施する。車長が負傷・死亡して指揮が執れなくなった時は、代わりを務めることが多い。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊JWings1,’03

＜砲種＞：自衛隊用語で、弾薬や武装の種類のこと。「砲種徹甲」「砲種連装」などと号令する。参考：月刊軍事研究2,’08

＜砲術士＞：海上自衛隊の職名で、略号はホシ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜砲術幕僚＞：海上自衛隊の職名で、略号はホサ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜防楯＞：銃架・砲架を防御するため、銃架・砲架に固定した前方装甲板のこと。英語ではRotor Shield（砲と共に俯仰する可動部）、Gun Shield（砲耳を装着する固定部）、Apron Shield、Mantlet、Mantle。開口部を外から覆う外装式と、内側から塞ぐ内装式がある。また、戦車など砲ごと可動するタイプと、機関銃・牽引砲など防楯自体は可動せず、切れ目から銃身・砲身を突き出して旋回俯仰を行うタイプがある。可動型では、被弾して変形しても可動しないといけないので、装甲の間にはある程度の隙間が必要であり、内部にかえしを設けて銃弾などの進入を防いでいる。また、NBC防護用に不燃性の防水カバーなどを張ってある。艦砲の場合、砲の全周・上面にわたる装甲板やカバーを防楯と称することもある。参考：月刊戦車マガジン2,’81、GUN用語事典、ウォーマシン・レポートNo.17、British and American tanks of World War Two

＜鳳翔＞：日本海軍鳳翔型砲艦Hosho。明治2年竣工、長州藩軍艦鳳翔丸となった。明治4年5月18日、明治政府に献納された。6月8日、鳳翔に改称された。明治18年頃、瓦式100ポンド単装砲を撤去。明治31年3月21日、二等砲艦に類別された。明治32年3月13日に除籍され、3月18日に雑役船に編入された。明治39年4月19日に廃船となった。参考：日本海軍特務艦船史

＜鳳翔＞：日本海軍鳳翔型空母Hosho。仮称艦名は第７号特務船で、当初は龍飛という名称を予定していたが、鳳翔に改称された。建造訓令は横須賀鎮守府・横須賀海軍工廠に発出されたが、造船不況の救済のため船殻工事を創業間も無い淺野造船所に委託し、横須賀海軍工廠で艤装を行っている。大正9年12月16日、大正7年度第７号特務船（淺野造船所建造番号56）として起工。大正10年10月13日、軍艦に種別変更され、航空母艦に類別された。大正10年11月13日進水。進水重量は3829.294イギリストンだった。大正11年1月10日、船殻が完成し、横須賀海軍工廠に引き渡された。12月27日竣工・就役。大正12年2月5日、東京湾でジョルダン元イギリス海軍大尉による着艦実験を開始。2月22日（29日？）、ジョルダン元イギリス海軍大尉が操縦する十年式艦上戦闘機により、発着艦実験に成功。3月5日、吉良俊一大尉が十年式艦上戦闘機で着艦に成功。3月15日、十年式艦上戦闘機で夜間着艦に成功。3月16日、吉良大尉が十年式艦上戦闘機で発艦に成功。着艦も行ったが、一度目は飛行甲板から海上に落ちてしまい、予備機を使って成功した。大正13年6-10月、横須賀工廠で改装を実施。艦橋やクレーンなどを撤去した。9月1日、第１艦隊に編入された。11月15日、第１艦隊から外された。大正14年、改装を実施。9月1日、連合艦隊に所属。大正15年12月1日、連合艦隊から外された。昭和初期、戦闘機常用９機、偵察機常用３機、攻撃機常用３機を搭載していた。昭和2年3月25日、連合艦隊に所属。昭和3年4月1日、連合艦隊第１航空戦隊に転属。12月20日、連合艦隊第１航空戦隊から外された。昭和4年4月1日、連合艦隊第１航空戦隊に所属。昭和7年1月29日、上海事変勃発に伴い、上海沖に展開。2月1日、揚子江河口に到着。2月2日、第３艦隊第１航空戦隊に転属。上海事変の停戦に伴い、3月20日に第３艦隊第１航空戦隊から外され、連合艦隊に復帰、以降は訓練に従事した。昭和8年5月20日、第１艦隊第１航空戦隊に所属。10月20日、第１艦隊第１航空戦隊から外された。昭和9年11月15日、第１艦隊第１航空戦隊に所属。昭和10年、第４艦隊事件で飛行甲板前端部が激しい波により破壊され、錨甲板まで垂れ下がってしまったため、艦橋前方が塞がれて前が見えなくなり、操艦困難に陥った。その後修理を実施。昭和12年7月7日、日華事変勃発時には第１艦隊第１航空戦隊に所属していた。7月12日、佐世保を出港。7月16日、上海沖に到着し、陸上戦闘の援護に就いた。9月1日、補給のため佐世保に帰港。9月5日、補給を終えて広東付近に向かった。9月21日から9月末まで広東周辺の爆撃任務を実施。10月3日、上海沖に到着し、付近の陸上戦闘支援任務にあたった。10月17日、飛行隊を龍驤に渡して本土に帰還。12月1日、第１艦隊第１航空戦隊から外され、予備艦となり、改装工事を実施。昭和15年11月15日、工事を終えて第１艦隊第３航空戦隊に所属。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第３航空戦隊に所属していた。昭和17年4月1日、第１艦隊に転属。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。この時の艦上機定数は九六式艦攻６機であった。6月20日、第１航空戦隊に転属。航空機を全て降ろし、発着艦訓練艦となった。7月14日、第３艦隊に転属。10月、機動部隊訓練部隊に編入され、内海で訓練空母として使用された。昭和18年1月15日、第３艦隊第50航空戦隊に転属。昭和19年1月1日、第12航空艦隊第51航空戦隊に転属。2月20日、連合艦隊に転属。3-4月、呉工廠で飛行甲板延長工事を実施。4月、第３予備艦となった。4月20日、連合艦隊から外された。昭和20年3月19日、呉で空襲により軽微な損傷を受けた。6月1日、第４予備艦となり、乗員の殆どは艦を後にした。7月24日、呉で空襲を受け損傷。7月28日、呉で空襲を受けて損傷した。終戦時は小破の状態だった。10月5日に除籍された。10月16日1530、復員輸送のため佐伯湾を出港。10月27日、マーシャル諸島ヤルート島に到着。格納庫を改装した居住区に復員者（海軍の習慣に則って便乗者と称した）を乗せた。10月28日、マエロラップ島で復員者を収容。10月29日、ウオッゼ島に入港。同日1100、ウォッゼ島を出港。11月9日、浦賀港に帰港して復員者を降ろした。その後は呉に回航されて応急修理を実施。延長飛行甲板が航海の邪魔だったので、ついでに撤去している。12月30日、ドックを出て沖合に投錨した。12月31日、呉に回航された。昭和21年1月5日、呉を出港、佐伯湾に入港して生鮮食料品を搭載した。1月7日、佐伯湾を出港。1月15日、ニューギニアのウエワクに入港。1月16日、復員者を乗せた。1月17日、ウエワクを出港。1月20日、ファウロ島に入港、復員者を乗せた。1月21日、ファウロ島を出港。1月31日、浦賀に入港。2月7日、浦賀を出港。2月16日、ファウロ島に入港、復員者を乗せた。2月17日、ファウロ島を出港。2月26日、佐世保に帰港。8月、復員輸送を完了。8月31日、日立造船築港工場で解体を開始。昭和22年5月1日、解体が完了した。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊世界の艦船12,'22、6,’05、9,’10、9,’14、2,’15、第２次大戦日本海軍作戦年誌、帝国陸海軍事典、日本海軍戦闘機隊、月刊丸9,’03、2,’12別冊付録、日本航空母艦史、日本海軍艦隊総覧

＜帽章（自衛隊）＞：正帽に付ける徽章で、陸海空それぞれの所属を示す。陸自は盾の形状で、中央に桜花、下から両脇に葉をあしらっている。海自は階級ごとに異なったデザインである。空自は上部に翼を広げた鷲、下部中央に太陽・月・星の組み合わせ、下部両側に翼をアレンジしている。参考：MAMOR vol.86

＜鳳翔型＞：日本海軍砲艦Hosho型。元は長州藩がイギリスに建造させた３本マストの小型木造船で、明治4年に明治政府に献上された。垂線間長36.7m、最大幅7.37m、吃水2.44m、常備排水量321トン。主機は横置式２気筒単膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼円缶２基、出力110馬力、１軸推進、速力７ノット。兵装は前装式瓦式100ポンド単装砲１門、瓦式40ポンド単装砲１門、瓦式20ポンド単装砲２門。乗員90名。鳳翔が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜鳳翔型＞：日本海軍空母Hosho型。建造当初から空母として設計された世界初の艦である。大正7年計画で建造が予定され、当初は艦首に発艦専用の60m程度の甲板を設け、航空機の回収は着水揚収で実施、14cm砲８門を装備して機関出力56000馬力・最大速力30ノットという要求だったが、大正8年の米英軍視察情報を元に修正が加えられ、帰着部分124mを足した全通飛行甲板を持つ空母になった。ただ予算の関係で全長は192mから168mに短縮、機関出力30000馬力・最大速力25ノットとされた。艦首は日本海軍が使用した連係水雷の索を乗り越えられるようにスプーン・バウを採用したが、凌波性・推進性には劣った。また、艦首にフレアが付けられたが、シアは付いていない。船体動揺防止のため、船体中央部付近に重さ190トンのスペリー社製ジャイロ・スタビライザーを搭載、片舷15度以内の動揺を３度以内に抑制することができる。錨甲板には飛行甲板を支える細身の支柱が７組取り付けられた。飛行甲板下の最上甲板前方両舷には三年式五〇口径十四サンチ単装砲が１門ずつ装備された。飛行甲板は艦首先端部まで設けられており、長さ168.25m、最大幅22.71mで、前端には下向き約５度の傾斜が付いている。同時期のハーミーズよりも30mも短いが、被弾を防ぐため最小限の広さに止めたらしい。格納庫は一段で、最上甲板に位置する前部（全長76.2m、全幅9.5m）に戦闘機、上甲板に位置する後部（全長45.9m、全幅14m）に攻撃機を収容するが、前後格納庫に段差があり、艦内通路で分断されていて、使い勝手が悪かった。エレベーターは前後部格納庫に１基ずつ設けられ、前部は正方形、後部は前後に長い。着艦制動装置は縦索式で、飛行甲板前端30mから長さ100mにわたり0.15m間隔で幅20mに設置してある。このワイヤーは与圧された横板（駒板）で甲板上150mmの高さに持ち上げられるようになっており、着艦機は機体に取り付けられた金具でワイヤーを捉えて接地、駒板が前輪で倒されながら機体にブレーキをかける。これを展開するのに非常に時間が掛かり、ブレーキ性能も悪いという欠点があった。飛行甲板も狭いので初着艦テストを日本海軍パイロットで初挑戦するのは無理があり、空母アーガスで縦索式着艦制動装置の経験を持ち、三菱重工で一〇式艦上戦闘機テストパイロットを務めていたウィリアム・ジョルダン元イギリス海軍大尉を傭っている。飛行甲板右舷の前寄りに楕円柱形の小型アイランド型艦橋が設けられた。艦橋最上部が羅針艦橋で、布により上部が覆われており、2.5m測距儀や羅針盤などが装備された。艦橋左舷寄りには三脚式マストが立てられており、75cm探照灯２基と上部見張り所が設置されている。羅針艦橋の下に海図室、補助無線電信室などが作られた。艦橋前方には飛行機揚収用の大型起倒式クレーンが設置された。艦中央部の前後部格納庫間通路付近の両舷には三年式五〇口径十四サンチ単装砲が１門ずつ搭載された。主缶はロ号艦本式重油専焼缶（１基あたり出力5500馬力）４基とロ号艦本式重油・石炭混焼缶（１基あたり出力2000馬力）４基で、前者を第１缶室、後者を第２・第３缶室に収容している。缶室の後ろに機械室があり、シフト配置にはなっておらず、両舷に配置した重油タンクが防御構造を兼ねている。煙突は起倒式３本で、艦橋構造物直後の飛行甲板右舷に縦列で並んでおり、専焼缶の排煙を第１・第２煙突から、混焼缶の排煙を第３煙突から排出した。煙突起倒装置には故障が多く、実際には平時にも倒したままで運用することが多かった。また、直立時には飛行甲板にかかるので、その部分が切り欠かれており、その分だけ飛行甲板有効幅が減った。艦尾はクルーザー・スターンで、直線的に切れ上がった形状となっており、オーバーハング部中央に半平衡式中央部支持舵を持つ。全長168.25m、最大幅17.98m、平均吃水6.17m、基準排水量7470トン。主機はパーソンズ式オールギヤードタービン２基、主缶はロ号艦本式重油専焼缶４基・混焼缶４基（18.3気圧、飽和蒸気）で、出力30000馬力、２軸推進、プロペラ直径3.658m、速力25ノット（公試では26.5-26.7ノットを記録）、燃料搭載量は重油2700トン、石炭940トン、航続距離は14ノットで10000海里。兵装は十四サンチ単装砲４門、三年式八サンチ単装高角砲２門（引き込み式、後部エレベーター前端両舷に１門ずつ）。搭載機数は常用15機、補用６機。乗員550名。鳳翔が大正11年に竣工した。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊世界の艦船9,’10、11,’15、12,'22、月刊丸2,’12別冊付録

＜鳳翔型（大正１４年改装）＞：発着艦テストの結果、甲板上の艦橋や煙突の排煙が飛行作業の邪魔になる、2.5m測距儀・マストの装備位置が右に寄りすぎていて使いづらいなどの改善点が指摘されたため、大正14年に改装を行った。艦首の傾斜甲板を撤去して平甲板にし、支柱を補強用ブラケット付きの太いものに変更した。アイランド型艦橋と飛行機揚収用クレーンを撤去し、艦橋設備は最上甲板最前部に集中配置している。この両舷には張り出しデッキを設置し、見張り用の双眼鏡、信号燈、測距儀などを搭載した。また、撤去された三脚式マストに換わり、起倒式の無線マストを前部エレベーター付近に設置した。煙突は水平のみで使用することにし、飛行甲板切り欠き部は塞いでいる。後部エレベーター両舷側の三年式八サンチ単装高角砲は１番煙突前方の飛行甲板上に移された。搭載機は一〇式艦戦12機（常用９機、補用３機）、一三式艦攻９機（常用６機、補用３機）となった。ただ航空機用燃料タンクは装備しておらず、一斗缶で艦上機に給油していた。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録

＜鳳翔型（改装）＞：昭和3年3月、前部エレベーター前方に遮風柵を設置。甲板上に航空機の繋留装置を装着。昭和4年、前部エレベーターを大型化。昭和6-8年、缶を全て重油専焼缶に換えた。着艦制動装置を萱場式横索制動装置に換装。三年式八サンチ単装高角砲横の両舷に毘式十二ミリ単装機銃１丁ずつを装備。昭和9年12月、飛行甲板中央両舷に人員壁落防止網を、飛行甲板後部両舷に着艦標識装置を装着。搭載機は昭和9年度で艦戦12機（常用９機、補用３機）、艦攻９機（常用６機、補用３機）となった。昭和10年9月の大演習で第４艦隊事件が勃発、波浪により飛行甲板前面が破損したため、昭和11年にかけての修理のついでに飛行甲板を支持するブラケットを強化した。また、煙突起倒装置が不調だったため、斜め下向き煙突に変更し、60トンの重量軽減に成功、復原性も改善した。三年式八サンチ単装高角砲と12mm機銃は撤去し、飛行甲板前後両舷のスポンソンに九三式十三ミリ連装機銃６基（前部両舷１基ずつ、後部両舷２基ずつ）を装備。昭和16年12月の太平洋戦争開戦までに25mm連装機銃４基を搭載。昭和17年10月、訓練空母として転換された際、新型の艦上機（天山と彗星）に対応するため飛行甲板前端部の幅と長さを延長、飛行甲板全長を180.8m、前端幅を10m、中央幅を22.7mとし、三式一〇型着艦制動装置と空廠式四型滑走制止装置を装備、14cm砲は全て撤去して前部14cm砲装備位置には25mm機銃もしくは13mm機銃を搭載した。昭和19年、艦尾側の飛行甲板を延長、艦尾支柱を補強して三角ガーダーの補強材を取り付けた。これで零戦、九九式艦爆、九七式艦攻の発着艦が可能となったが、外洋航海はできなくなった。艦上機が足りなくなって出撃不能となると砲や機銃は地上砲台として使用するために撤去され、終戦時には25mm連装機銃３基しか残っていなかった。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊世界の艦船9,’14

＜鳳翔戦闘機隊＞：昭和初期には常用９機で分隊を編成した。昭和7年1月29日、上海事変に参加。2月5日、三式艦上戦闘機３機が真茄上空で中国空軍戦闘機９機と交戦し、日本航空史上初の空戦を記録した。2月26日、加賀の艦攻を６機で護衛し、杭州飛行場への攻撃に参加。帰路に戦闘機５機と交戦し、３機を撃墜した。昭和12年7月25日、日華事変緒戦で九〇式艦戦３機により出撃し、マーチン重爆１機を撃墜した。9月21日から広東付近への攻撃に護衛として参加。６機が出撃し、敵機６機を撃墜したが、５機が燃料切れで不時着水した。10月17日、保有航空機を龍驤に移した。昭和15年11月、鳳翔が戦列に復帰すると、主力部隊の上空直衛任務に就いた。昭和17年4月に鳳翔は戦闘機を降ろしており、ミッドウェイ海戦には参加していない。その後鳳翔は発着艦訓練用に回されたため、戦闘機隊が編成される事は無かった。参考：日本海軍戦闘機隊

＜棒状対戦車地雷（イギリス）＞：全長1.2m、重量11kg、炸薬量7.2kgの棒状地雷で、二重衝撃信管を装備する。イラク軍が湾岸戦争時、サダム・ラインに敷設しており、マインローラーで踏んだ後に履帯の下で炸裂、アメリカ軍戦車を度々吹き飛ばした。履帯から誘導輪、車体前部の転輪まで破壊する威力がある。参考：月刊軍事研究12,’98

＜防・除氷用器材＞：航空自衛隊の器材。３軸トラックの後部に輸送機などの翼上面を除雪・防氷処理する装置を搭載している。全長9.933m、全幅2.484m、全高2.532m、車重12.255トン、最大積載量4.07トン。エンジンは6HE1直列６気筒ディーゼル（7127cc、195馬力）で、トランスミッションは流体変速機前進４段・後進１段、最大速度50km、燃料タンク容量130リットル。乗員２名。森田ポンプ製。1993年から調達された。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜砲身＞：Gun tube。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜砲身ＡＳＳＹ１２０ｍｍ戦車砲用（１０式戦車用）＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜砲身ＡＳＳＹ１２０ｍｍ戦車砲用（９０式戦車用）＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究11,’17

＜ホウシン級＞：紅星級（ミサイル艇）を参照。

＜砲身型原爆＞：ガンバレル型原爆を参照。

＜砲身長＞：砲身後端から砲口までの長さ。砲腔、薬室、圧入斜面の合計長さである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜砲身長後座式火砲＞：後座長が概ね1mを超える火砲のこと。参考：大砲入門

＜砲身被筒＞：サーマル・スリーブを参照。

＜砲身部８１ｍｍ迫撃砲Ｌ１６＞：自衛隊の機器。豊和工業製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜防刃ベスト＞：刃物から身を守るための防護衣。斬りつけを防ぐのは比較的容易だが、刺突を防ぐのは高度な技術を要求される。衝撃吸収層も付いていた方が良いが、アーマーシールド社製のもの以外には装着されていないらしい。主に警察用や護身用に使用される。一定規格以上の防刃ベストでは、アイスピックを刺そうとしても先端が曲がってしまうので、ナイフによるテストが欠かせない。イギリスではPSDB規格で防御力が規定されている。参考：月刊軍事研究12,’04

＜防刃・防弾兼用ベスト＞：防刃ベストにインサート・プレートを入れたり、防弾ベストにチェインメイル（鎖帷子）やメタルプレートを組み込んだり、素材としてスペクトラ・シールドやUDダイネーマを使用したりする方法があるが、重量がかさむのが欠点。参考：月刊軍事研究12,’04

＜防水区画＞：浸水による沈没を防ぐため、防水構造の甲板と隔壁で船体内部を区切ったもの。浸水箇所の偏りによってトリムが変化したり傾斜を生じたりするので、注排水装置を設けて調節する。重心から遠い艦前後端に浸水するとトリム変化が大きくなるため、端に行くほど区画を小さくするが、小さくしすぎても通行やハッチ・ドア閉鎖が面倒になったり、被弾時にかえって広い区画に渡って浸水を生じたりするので、適当なバランスが重要である。船体を左右に区切る縦隔壁を設置すると、浸水が片舷に偏って転覆しやすくなる。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜防水部署＞：海上自衛隊の緊急部署の１つ。乗員が浸水を発見したら、初期遮防などを行うと共に、艦内に知らせ、艦橋へと報告を上げ、艦長が艦内マイクで防水部署を発令、一般警報機を鳴らす。艦の異状で浸水が予想されるなら、艦長の防水・急速探知始めの号令詞で浸水箇所の確認に入る。浸水の進行を防ぐため艦を停止させるのが基本だが、戦闘中ならどちらを優先するか艦長が決定する。ごく小規模な浸水なら現場の毛布やマットレスなどによる初期遮防が有効だが、大抵は無理なので、重要物や危険物を搬出したり、本格的な防水活動の際に必要なスペースを確保したりする作業が主になる。浸水区画や隣接区画は順次非常閉鎖に入り、浸水区画の通電・通風は停止する。応急隊が現場に到着したら、応急長が状況を確認し、自艦のみで何とかなるか救援が必要かを判断し、艦長に伝える。応急隊は応急長の指示に基づき角材やテーブルなどで破孔を塞ぐ遮防を行い、無理なら区画を閉鎖してハッチやドアを補強し浸水がそれ以上広がらないようにする。排水装置を作動させて浸水量を減らし、艦の復原力やトリムの維持、横傾斜の修正に努める。浸水が止まったら、応急長が被害確認と調査を実施、周辺区画に警戒員を配置し、徐々に速力を上げて再浸水しないか確認する。応急長から防水・排水作業完了、再浸水の恐れ無しとの報告で、艦長が防水作業完了・防水用具収めを下命、防水部署を復旧させる。状況に応じて艦内警戒閉鎖を行う場合もある。その後は原因調査や戦闘継続のための復旧などに入る。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜防勢対空戦＞：DCA（Deffensive Counter Air）と略す。味方支配領域内に侵入して攻勢航空戦を仕掛けてきた敵航空部隊を、防空システムなどで排除する航空戦である。参考：月刊JWings8,’17

＜砲戦車＞：日本陸軍用語で、戦車の車体をベースに砲塔（全周旋回、固定式両方がある）を搭載し、新たな主砲を載せたものを指す。元の戦車よりも火力の大きい砲を搭載し、対戦車戦闘を主任務とした。参考：月刊PANZER12,’04、機甲入門

＜宝泉丸＞：1TS型戦時標準油槽船。総トン数1040トン。昭和20年3月5日、南号作戦ヒ八八ｉ船団の一員としてシンガポールを出港。3月20日、パラダン岬沖で潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：戦時標準船入門

＜防潜網＞：潜水艦の侵入を防ぐために設置される強力な金網。潜水艦の航路になりそうな所や港湾に張り巡らせてあり、潜水艦が接触すると見張り所に警報が出される。機雷を取り付けることもある。参考：続潜水艦気質よもやま物語

＜豊倉＞：東運615（補給艦）を参照。

＜放送管制＞：地上管制迎撃を参照。

＜砲側照準射撃＞：砲塔に用意された照準器により、独自に敵を照準して射撃すること。参考：戦艦入門

＜方測処理伝送装置＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜祝園分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地（宇治駐屯地の分屯）で、ほうぞのと読む。所在地は京都府相楽郡精華町大字北稲八間小字縄田259で、町の面積の６分の１を占める。元は大阪陸軍兵器廠祝園分廠で、1960年12月に関西補給処祝園弾薬支処が新編された。2017年3月27日、中部方面後方支援隊第303弾薬中隊（コア部隊）が新編された。参考：MAMOR vol.87、JGround Vol.23、宇治駐屯地ホームページ、朝雲

　＜祝園分屯地（２０１５年）＞：関西補給処祝園弾薬支処が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜砲隊鏡＞：砲兵の弾着観測用双眼式ペリスコープ。対物レンズの部分を左右に開いて覗くことで立体映像を得られる。参考：月刊PANZER12,’11

＜砲隊鏡（日本陸軍）＞：日本陸軍の偵察用光学視察装置のうち、双眼のものを指す。参考：日本陸軍兵器資料集

＜砲隊鏡＞：自衛隊の機器。ニコン製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜砲隊鏡（３国）＞：自衛隊の機器。ニコン製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜防大ツアー＞：防衛大学校が一般向けに実施しているツアーで、広報スタッフが付き添い、学校の概要や学生生活を紹介するものである。開催日は祝祭日を除く月（午後のみ）・水（午前と午後）・金（午後のみ）で、事前予約が必要。2006年5月31日に開始された。2007年3月、参加者が通算1000人を達成。2009年1月、参加者が通算5000人に達した。2012年5月21日、参加者が通算10000人を達成。2015年6月17日、参加者通算20000人を達成。2018年5月25日、参加者通算30000人を達成。参考：朝雲、MAMOR vol.106

＜包帯嚢＞：日本陸軍の衛生兵用衛生材料携帯具。予備の包帯包や消毒剤（ヨーチン）が入った革の鞄である。参考：軍医サンよもやま物語

＜包帯包＞：日本陸軍の個人携行応急手当キット。三角巾１枚と消毒ガーゼ２枚が入っており、上衣左下の内ポケットに携行する。貫通銃創を受傷したら、入口部と出口部にガーゼを当て、三角巾で縛って消毒止血する。包帯包１つでは足りない場合、衛生兵を呼んで予備の包帯包や消毒剤（ヨーチン）をもらう。その後、隊包帯所まで下がって本格的な処置を受ける。参考：軍医サンよもやま物語

＜棒倒し（海軍経理学校）＞：海軍兵学校同様の方式で、毎週土曜日に行われる。参考：月刊世界の艦船12,’17

＜棒倒し（海軍兵学校）＞：海軍兵学校の伝統競技。服装は上が半袖の棒倒し服、下が事業服で、靴と靴下は履かず裸足で行う。２チームに分かれ、一方は棒倒し服を裏返しで着ることにより、襟周りの色（表は黒、裏は白）で敵味方識別を行う。長さ2m（岩国分校では2.5m）・直径0.15mの丸太（頂部に紅白の旗を立てる）を100mほど離して設置、下で防御部隊が倒れないよう支える。合戦準備／戦闘用意のラッパに続いて撃ち方始め／戦闘のラッパで全員がわーっと鬨の声を上げ、後は無言で攻撃部隊が相手防御陣に突撃、力尽くで棒を早く倒した方の勝ちである。殴る、蹴る、頭突きを喰らわすなど行動は自由だが、当て身と逆手は禁止。勝負が付くと待てのラッパが鳴り、元の位置に付けの号令で自軍位置に整列する。倒れなくても２分30秒経過すると待てのラッパがかかり、棒の傾きが大きい方が負けになる。週番生徒が結果を審判の当直監事に報告し、勝ち負けが申し渡されると、勝った方が攻撃部隊指揮官の１、２、３に続いて万歳と勝ち鬨を上げて（岩国分校では手を挙げず万歳の一声のみ）終了する。参考：海軍兵学校よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜棒倒し（防衛大学校）＞：防衛大学校の伝統行事で、開校記念祭で行われる。大隊ごとにチームを組み、１チームの人数は130-150名で、ラグビー部員は攻撃力が強すぎ、女性は危険すぎるため選手に登録できず、相手の練習をこっそり偵察するといった後方支援を行う。長さ3.5m・太さ最大0.2m・総重量70kg超の棒を50m離して立て、制限時間２分間以内に相手の棒を完全に30度以上傾けるか、約30度で３秒間傾ければ勝利である。チームは相手の棒を倒す攻撃陣と味方の棒を守る防御陣に分かれており、攻撃陣は突攻、スクラム、遊撃、防御陣は棒持ち、上のり、サークル、キラーから構成される。攻撃の際には遊撃の支援を受けつつスクラムが相手防御陣に突っ込み、スクラムを踏み台にして突攻が棒に飛びつく。防御陣は棒持ちが棒を支え、上のりが棒の頂上に陣取って突攻を蹴落とし、サークルが棒の周囲を固め、キラーが敵攻撃陣を押さえ込んだりして排除する。鼻血程度の軽傷者は普通に出るが、重傷者に備えてグラウンド脇に救急車が待機している。参考：MAMOR vol.109、vol.128、vol.158

＜砲弾＞：口径20mm以上の火砲で使用される弾薬（火砲弾薬）のこと。大砲の弾丸の略だったりすることもある。参考：MAMOR vol.132

＜防弾受付カウンター＞：三菱長崎機工が開発した防弾仕様の受付カウンター。見た目は何の変哲も無い１人用の受け付けようカウンターだが、耐弾レベルNIJ3（7.62mmNATO弾抗堪）の強度を誇り、国際会議などで銃の乱射事件が起きても身を守れる。テロ対策特殊装備展SEECAT2016で展示された。参考：朝雲

＜防弾ガラス＞：銃弾の貫通を防げるガラスのこと。高分子膜をガラスで挟んで接着した合わせガラスが使われており、ガラスが割れても高分子膜にくっついているので破片が飛ばない。また、高分子膜は塑性変形により弾丸のエネルギーを吸収し、貫通孔が出来るのを防ぐ。初めは複数枚のガラスをポリビニルブチラール中間膜で接合した合わせガラスが使用され、次いでその最裏面にポリカーボネートをポリウレタン中間膜で接合したものが開発された。後者は薄くて済むが、高価なのが難点である。1990年代からはポリカーボネートの接合枚数を増やしたタイプが導入されているが、水が侵入すると耐久性が低下するという欠点がある。ガラス支持構造にも強度が要求されるため、サッシなどは頑丈でなければならない。防弾規格としてUL752などがある。参考：ガラスの百科事典、トコトンやさしいガラスの本

＜防弾鋼�T種＞：日本陸軍の防弾鋼板で、焼き入れを行った後に焼き戻しを入れるもの。低温焼き戻しの一類（防弾鋼�T種Ａ、�T種Ｂ、�T種Ｃ、�T種Ｋなど）、高温焼き戻しの二類がある。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�T種Ａ＞：日本陸軍の防弾鋼板。炭素0.25-0.35%、珪素0.35%未満、マンガン0.3-0.6%、クロム1.5-2.0%、モリブデン0.3-0.5%、ニッケル2.5-3.5%、燐・硫黄0.03%未満を含む。板厚2mm以上。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�T種Ｂ＞：日本陸軍の防弾鋼板。炭素0.25-0.35%、珪素0.35%未満、マンガン0.8-1.5%、クロム1.2-1.8%、ニッケル1.2-2%、モリブデン0.3-0.5%、燐・硫黄0.03%未満を含む。板厚50mm以下。参考：月刊軍事研究6,’12、月刊丸4,’07

＜防弾鋼�U種＞：日本陸軍の防弾鋼板で、表面浸炭処理を行った浸炭鋼板である。浸炭深さは板厚30mm以下で板厚の8-10%、30-50mmでは7-10%、50mm以上では6-8%と規定されていた。浸炭部はヴィッカーズ硬度550以上（ロックウェル硬度換算で53HRC以上）の硬度がある部分とされ、最も硬い表面部分はロックウェル硬度63HRC程度の硬度があった。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�U種Ａ＞：日本陸軍の浸炭鋼板。炭素0.2-0.35%、珪素0.35%未満、マンガン0.3-0.6%、クロム1.5-2.0%、モリブデン0.3-0.5%、ニッケル3.0-5.0%、燐・硫黄0.03％未満を含む。板厚2mm以上。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�U種Ｂ＞：日本陸軍の浸炭鋼板。炭素0.2-0.35%、珪素0.35%未満、マンガン0.8-1.5%、ニッケル1.2-2%、クロム1.2-2%、モリブデン0.3-0.5%、燐・硫黄0.03%未満を含む。板厚50mm以下。参考：月刊軍事研究6,’12、月刊丸4,’07

＜防弾鋼�V種＞：日本陸軍の装甲鋼板で、焼き入れ後に高温焼き戻しを行い、更に表面を焼き入れ処理した表面硬化鋼である。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�V種Ａ＞：日本陸軍の装甲鋼板。炭素0.47-0.50%、珪素0.35%未満、マンガン0.3-0.6%、クロム1.1-1.6%、モリブデン0.3-0.5%、ニッケル1.5-2.0%、燐・硫黄0.03%未満を含む。板厚50-75mm。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�V種Ｌ１＞：日本陸軍の装甲鋼板。炭素0.47-0.50%、珪素0.35%未満、マンガン0.3-0.6%、クロム1.7-2.3%、モリブデン0.3-0.5%、ニッケル3.5-4.0%、燐・硫黄0.03%未満を含む。板厚100-200mm。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�V種Ｌ２＞：日本陸軍の装甲鋼板。炭素0.47-0.50%、珪素0.35%未満、マンガン0.3-0.6%、クロム1.3-1.8%、モリブデン0.3-0.5%、ニッケル2.2-2.7%、燐・硫黄0.03%未満を含む。板厚100-175mm。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼�V種Ｌ３＞：日本陸軍の装甲鋼板。炭素0.47-0.50%、珪素0.35%未満、マンガン0.3-0.6%、クロム1.1-1.6%、モリブデン0.3-0.5%、ニッケル1.5-2.0%、燐・硫黄0.03%未満を含む。板厚100-250mm。参考：月刊軍事研究6,’12

＜防弾鋼板＞：装甲板を参照。

＜防弾盾＞：金属で作ると跳弾して被害が増える恐れがあるので、ケブラーなどの防弾繊維で作る。ヘルメットや防弾ベストで防御しきれない箇所を守るのに高い威力を発揮する。室内に突入する部隊の先頭にいる隊員がこれと拳銃を持ち、サブマシンガンを持った後続の隊員はその影に隠れて射撃を行う。参考：月刊軍事研究4,’97

＜砲弾地雷＞：日本陸軍の急造地雷で、15榴や10榴の砲弾に三式地雷信管などを取り付けた物である。15榴なら１発、10榴なら2-3発纏めて設置すれば履帯を切断できる。参考：月刊丸1,’07

＜防弾チョッキ＞：防弾ベストを参照。

＜防弾チョッキ２型シリーズ＞：陸上自衛隊のボディ・アーマーで、戦闘防弾チョッキの改良型としてイラク人道支援活動開始前後に採用された。参考：月刊軍事研究5,’10

　＜防弾チョッキ２型＞：セラミックプレートを追加して防御力を強化できるが、重量が12kgに達する。参考：月刊軍事研究5,’10

　＜防弾チョッキ２型改＞：ワンタッチで外すためのクイックリリース機能を追加したもので、落水した時や負傷時に便利。参考：月刊軍事研究5,’10

＜防弾チョッキ３型（単価契約）＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究9,’16

＜防弾チョッキ３型（改）＞：自衛隊の機器。東洋紡または東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜防弾チョッキ３型（改）砂漠用＞：自衛隊の機器。東洋紡製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜防弾チョッキ３型（改）（単価契約）＞：自衛隊の機器。東洋紡または東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜防弾チョッキ３型（改）付加器材＞：自衛隊の機器。東洋紡製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜防弾チョッキ３型（改）用付加器材＞：自衛隊の機器。東レ製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜防弾チョッキ海上用＞：海上自衛隊の防弾ベストで、立入検査の際などに使用する。前面にポケットが２つ作られており、手錠は右側に入れる。救命胴衣兼用。総重量6kg。参考：MAMOR Vol.50

＜防弾ベスト＞：ボディ・アーマーの１つで、小口径弾を防ぐことを目的とした防護衣であり、防弾チョッキともいう。耐弾プレートを仕込んだものはプレートキャリアと呼ばれる。胴体部分の防御を主眼に置くため、この名がある。1901年のマッキンレー大統領暗殺事件が開発のきっかけとされ、第１次大戦では鉄板を重ねたものが使用されたが、重量が15kg以上もあり、重すぎて一旦は廃れた。第２次大戦時に爆撃機搭乗員の機銃弾防護衣として復活し、大戦末期から朝鮮戦争にかけてナイロンとジュラルミンプレートまたはFRPプレートの組み合わせで歩兵にも装備されるようになった。ベトナム戦争頃には胸腹部全体をプレートでカバーしていたが、重すぎるのと、動きが妨げられるので、適度なサイズへと縮小化が図られている。1971年にデュポン社がケブラー（アラミド繊維）を開発し、これとセラミック・プレートを組み合わせた軽量ベストが誕生した。現在では超強力ポリエチレン線維（スペクトラ・シールドなど）でも製作される。水や汗がしみこむと繊維が滑ってしまい、貫通される恐れがあるので、耐水性のポリエチレン繊維といえどもパッケージ部分の防水は欠かせない。きちんと身に付けていないと、所定の防護力を発揮できず、死に直結するので注意。プレートキャリアは耐弾プレート上端が鎖骨の線に重なるようにする。弾丸の貫通を防いでも衝撃で骨が折れたりするので、衝撃吸収素材を付けておくのが望ましい。最近はテロリストもこれを着用している場合が想定されるため、射撃訓練では殺害する場合は頭を狙う。生きたまま捕らえる場合、脚は片方を撃ち抜いてももう片方で立ち上がって反撃してくることがあるので、腸骨翼（骨盤左右の張り出した部分）を狙い、腰を破壊すると共にショック状態に陥らせて身動きできなくする。参考：月刊軍事研究6,’07、12,’04、7,’09、8,’16、3,’17、月刊丸6,’14

＜防弾ヘルメット＞：小銃弾や榴弾弾片は阻止できても着弾の衝撃や爆圧は吸収できないので、律儀に顎紐を締めていると首が折れる事があり、一定以上の荷重がかかると顎紐が外れる機構を備えたものもある。また、バイザーを付けた場合にも着弾時の衝撃でヘルメットが飛ばず、やはり首の骨が折れるので、顔面防護には防弾盾を使用する。曳火射撃から身を守るためしゃがんだ際、首の後ろががら空きになるため、防弾パッドを装着できるようにしたタイプもある。参考：月刊軍事研究4,’97、8,’16、3,’17

＜ホウチェン級＞：紅箭級（ミサイル艇）を参照。

＜報知艦＞：通報艦を参照。

＜防諜＞：Counterespionage。カウンター・インテリジェンス（対情報）の１つで、諜報活動、諜報技術、通信連絡、諜報関係者を探知したり、無力化したりすること。日本陸軍では昭和10年頃から軍事機密の漏洩を防ぐ軍機保護のことを防諜と呼ぶようになり、昭和13年発行の作戦要務令にも防諜の語がある。防衛省・自衛隊では対情報や保全といった活動の一部に過ぎないということで、防諜という用語は定義せず、訓令に時々表記されるくらいである。参考：月刊軍事研究5,’15、作戦要務令

　＜防諜（日本陸軍）＞：敵の諜報を防ぎ軍機漏洩を避けること。高級指揮官は所要の規定を設けて厳守させ、防諜を防がなければならない。軍の秘密は私信で漏洩することが少なからずあるため、各人は私信中に自軍の企図、状態、部隊号、地点、日時などを記載しないようにし、各部隊長は所要に応じて部下の私信を点検する。参考：作戦要務令

＜膨張式救命筏＞：海上自衛隊の護衛艦に搭載されている救命筏。船舶救命設備規則により規定されており、甲種と乙種に分かれる。参考：丸スペシャルNo.77、艦船メカニズム図鑑

　＜甲種膨張式救命筏＞：遠洋区域または近海区域を航行する船舶に搭載が義務づけられている。マユ型のFRPコンテナに収容されて架台に２基ずつ搭載されており、小型艦では１基ずつになっていることもある。コンテナには救命設備の表示と搭載艦名の表記が義務づけられていて、艦名、救命筏の種類・形式、定員、重量、投下試験高さ（18mから水上に投下しても壊れないのが最低基準）、製造番号、製造社名が記されている。自動離脱機もしくはハンドル操作で海面に落下し、落下途中で架台に括り付けられた自動索が作動索を引っ張り、炭酸ガスボンベの弁が開かれ、筏が自動的に展開する。自動索の先端には安全索ともやい綱が付いていて、筏が船から離れないようになっているが、搭載船舶が急速に沈んで筏が海中に引き込まれた場合、100kgの張力がかかったところで安全索が切れて筏が海上に浮き上がるようになっている。上下逆さに浮上してしまった場合、床面の復元装置を使用してひっくり返す。筏は化学繊維の布地に合成ゴムを張ったもので、自動的に膨張する上下主気室、支柱気室、天幕、手動充気により膨張する床気室から構成される。筏の内外周には救命索があり、天幕には雨水を溜める装置が付いていて、天幕頂部と内部に海水電池で点灯する灯火が装備されている。筏内には艤装品収納袋があり、オール、錨、修理用具、救難食料、飲料水、医薬品、救難信号、釣り道具などが収められている。15人乗りと25人乗りの２種類があり、コンテナの大きさは前者が全長1.22m、直径0.64m、重量130kg、後者が全長1.45m、直径0.68m、重量175kg。展開後の大きさは前者が全長4.27m、幅2.37m、天幕高さ1.458m、後者が全長5.332m、幅2.99m、天幕高さ1.544mである。メーカーは東洋ゴム工業、住友電工、三菱電機、藤倉ゴム工業。参考：丸スペシャルNo.77

　＜乙種膨張式救命筏＞：沿岸区域を航行する船舶は搭載を義務づけられる。甲種と同じくFRPコンテナに収容されて架台に搭載されており、自動離脱機もしくは手動で海面に落下、炭酸ガスで自動的に膨張する。形状は円形で、上下主気室、床気室からなり、乗船後に軽合金またはビニール製の支柱を立てて天幕を張る。上下どちらにも天幕を張れるので、復元装置は用意されていない。艤装品収納袋が用意されており、長期の漂泊にも耐える。８人乗り、13人乗り、19人乗り、25人乗りの４種類があり、大きさは13人乗りで直径2.965m、天幕高さ1.745m、25人乗りで直径3.95m、天幕高さ1.88m。メーカーは甲種と同じ。参考：丸スペシャルNo.77

　＜膨張式救命いかだ（非磁性）＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜奉勅命令＞：天皇が参謀総長に直接下す命令のこと。日本軍で最高位の命令であり、絶対の命令である。参考：未公開写真に見る２・26事件

＜砲艇＞：機動砲艦ともいう。Motor Gun Boat。ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンを使用する小型砲艦のことである。魚雷艇程度の大きさしかなく、小型の火砲のみを装備している。第２次大戦時、イギリス軍はドイツの魚雷艇を撃退するために使用した。参考：小艦艇入門

＜砲艇３１０号＞：イギリス海軍フェアマイルＢ型砲艇。排水量65トン。兵装は47mm砲。1942年2月、シンガポールから脱出した後、駆逐艦白雪の攻撃を受けて沈没した。参考：小艦艇入門

＜ボウディッチ＞：T-AGS-62（海洋観測艦）を参照。

＜防電具＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜放電索＞：Static discharger。放電装置ともいう。航空機が帯電している雲の傍を通過すると機体が静電気を帯び、空間や雲に向かって不安定な放電を繰り返し、無線交信を困難にするといった悪影響を与える。これを防ぐため、放電しやすい翼端や胴体尾端近くに取り付ける放電用の棒が放電索で、直径5-6mmのカーボン含有綿糸をビニル系プラスチックの鞘で包んだものや、銅の針金をゴムチューブで包んで固定抵抗器に装着したものを使用し、尖端放電により定常的な放電を行うことで機体の静電気を逃がす。大型機では避雷針のような大型の放電棒を用いる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜奉天飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和6年9月18日の満州事変勃発を受け翌19日に占領した。12月、飛行第７連隊八七式重爆４機が朝鮮から移動し、昭和7年1月に飛行第６大隊第１中隊に改編された。参考：月刊航空ファン6,’17

＜包頭＞：133（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜砲塔＞：Turret。砲の周囲を操砲スペース・弾薬搭載スペースなどを含めて装甲で覆い、旋回できるようにしたもの。銃だと銃塔になる。ミサイルだと誘導弾塔、ではよく分からないのでミサイル・ターレットとカタカナ語を使う。センサーを積んだものは探知器塔、ではコンチキチンだかトンチキ野郎みたいなのでセンサー・ターレットと呼ぶ。旋回は砲塔ごと回転するが、俯仰は砲側の機構で行うものが多い。クリミア戦争の頃にイギリス・フランスで提案され、アメリカ南北戦争でモニターに搭載されて1862年に実用化された。イギリス海軍ではコールズ艦長が1850年代末に提唱したものをベースとして開発し、131門戦列艦ロイヤル・サブリンを改造して1864年に完成させている。当初は操砲スペースや装弾・装填機構だけを装甲で覆い、砲自体は剥き出しになっていたタイプもあったが、後に砲を覆う装甲砲室を設けて一体化するタイプが主流となった。参考：月刊丸1,’07、4,’99、月刊世界の艦船4,’18

＜砲塔四十五口径二十糎加農＞：日本陸軍の沿岸砲で、巡洋戦艦鞍馬の連装砲塔を譲り受けたものである。弾量113kg。最大射程18200m。昭和3年12月に房州大房崎砲台に設置され、昭和7年3月に制式化された。参考：大砲入門

＜砲塔四十五口径二十五糎加農＞：日本陸軍の沿岸砲で、戦艦安芸の砲塔を譲り受けたものである。動力を人力にし、仰角を30度まで取れるようにして最大射程を24.6kmに延伸した。弾量235kg。大正15年に三浦半島三崎城ヶ島砲台に据え付けられ、昭和6年8月に制式化された。参考：大砲入門

＜砲塔四十五口径三十糎加農＞：日本陸軍の沿岸砲で、戦艦鹿島、伊吹、生駒の砲塔を譲り受けたものである。鹿島のものは東京湾千代ヶ崎砲台と長崎県的山大島砲台、伊吹のものは青森県津軽大間第一砲台と豊予海峡鶴見崎砲台、生駒のものは房州洲崎第一砲台に据え付けられ、東京湾のものは昭和3年10月、長崎県のものは昭和7年3月、他は昭和7年11月に制式化された。参考：大砲入門

＜砲塔四十五口径四十糎加農＞：日本陸軍の沿岸砲で、戦艦土佐と赤城の砲塔を譲り受けたものである。砲身重量が116トン、砲塔旋回盤重量も100トンという大重量があったため、当時陸軍の装備していた30トンクレーンでは到底輸送できず、組み立て式の120トンクレーンと海上輸送用の蜻州丸を製造した。また、砲塔駆動はディーゼル機関による水圧式とし、新潟鉄工所に製作させている。砲塔１基あたりの要員は、砲小隊60名、機関小隊40名、弾薬小隊40名、観測小隊60名からなる中隊１個200名である。土佐の砲塔は釜山港外張子嶝砲台、赤城の砲塔は壱岐黒崎砲台及び対馬豊砲台に据え付けられ、昭和9年8月に制式化された。平時はグリスを塗ったまま保存状態にあり、訓練は三八式野砲を流用した縮射砲で実施した。参考：大砲入門

＜砲塔五十口径三十糎加農＞：日本陸軍の沿岸砲で、戦艦摂津の砲塔を譲り受けたものである。仰角を33度に増大し、最大射程を29600mに延伸した。斉射間隔46秒。弾量400kg。昭和3年8月に対馬竜ノ崎第１砲台に据え付けられ、後に第２砲台にも装備され、昭和8年9月に制式化された。参考：大砲入門

＜暴動鎮圧剤（化学兵器禁止条約）＞：毒性化学物質に含まれない化学物質で、短時間で消失するような人間の感覚に対する刺激又は行動を困難にする身体への効果を速やかに引き起こすもの。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜砲塔バスケット＞：Turret Basket、Turret Cage。砲塔から吊り下げられた床のことで、乗員が乗って作業をする。砲塔が旋回すると一緒に回るので、乗員がいちいち体を動かす必要が無い。参考：月刊JWings1,’03、British and American tanks of World War Two

＜砲塔リング＞：Turret Ring。砲塔を填め込むため、車体上面に開けたリング状の開口部のこと。参考：British and American tanks of World War Two

＜暴徒鎮圧用防護衣＞：打撃防止用ベストともいう。鉄棒や投石から身を守るための防護衣である。日本の機動隊が採用した出動服が大元であるが、これには衝撃吸収機構は無い。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ホウドン級＞：トンドル級（ミサイル艇）を参照。

＜坊ノ岬沖海戦＞：沖縄海上特攻作戦を参照。

＜砲迫＞：間接射撃用のカノン砲・榴弾砲などと迫撃砲を合わせてこういう。参考：MAMOR Vol.46

＜砲迫観測シミュレーター＞：陸上自衛隊富士学校特科部に設置されている、観測員訓練用シミュレータ。前方に大型スクリーンがあり、砲迫の弾着状況を再現し、前進観測者、空中観測者、観測所要員が射撃観測、目標捜索、目標標定の訓練を行う。場所は複数から選択でき、時間は昼間、夜間、薄暮、霧の発生は７段階、風速は毎秒0-10m、弾種は榴弾、発煙弾、照明弾、信管は触発、時限、空中炸裂（曳火射撃）から選べる。参考：MAMOR vol.135

＜防爆衣＞：自衛隊の機器。イヨンインターナショナルが受注している。参考：月刊軍事研究1,’18

＜砲発射誘導砲弾＞：HVP（誘導砲弾）を参照。

＜砲尾装置＞：薬室の開閉、撃発、ガス緊塞などを行う装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜防備隊（海上自衛隊地方隊）＞：海上自衛隊地方隊隷下の港湾・水路防備部隊。隊本部、水中処分隊、整備隊、警備所、港湾哨戒隊（哨戒艇装備）、魚雷艇隊からなる。防備に必要な情報を収集し、器材を整備、水中危険物を処理するのが主任務である。参考：日本の防衛戦力Part3

＜砲尾付加射撃砲身＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜砲尾閉鎖残渣除去システム＞：CBSSを参照。

＜防氷装置＞：Anti-icing system。機体表面に氷が付かないようにする装置のこと。空中の水分が空気の流れによって機体表面にぶつかる場所に結氷しやすく、放っておくと翼前面が凍り付いて翼型が乱れたり、エアインテイクに張り付いた氷がエンジン内に吸い込まれてエンジンを損傷したりするので、これを防ぐ目的で除氷装置と共に使用される。電熱器で加熱する方法は電力を喰うので、エアインテイクなど面積の小さい部分に使用し、翼前面など大面積の部分はジェットエンジンの圧縮機から抽気した高温高圧の空気を流すことで氷結を防ぐ。風防の場合は積層ガラス最外層の内側に透明導電膜を貼り付け、電気を通して加熱する。温度差で曇らないよう、除曇装置（Defogging system。積層ガラス内面も透明導電膜で加熱するか、暖気を吹き付ける）も付ける。尾翼は氷が付いても殆ど影響が無いことが分かってきたため、氷対策を施さなくなった。参考：航空用語事典増補改訂版

＜蚌埠＞：582（コルベット）を参照。

＜ボウフィン＞：SS-287（潜水艦）を参照。

＜暴風虎＞：暴風号（戦車）を参照。

＜暴風号＞：北朝鮮陸軍主力戦車ポップンホ（Pokpoong-ho）、米軍コードM2002。同じ読みで暴風虎の字をあてることもある。2001年8月に金正日総書記がロシアを訪問した際、天馬号の後継戦車としてT-90の導入を打診したが断られたため、代わりとして第２経済委員会と第２国防化学院が開発（設計自体は1990年代から着手していたらしい）し、2002年6月17日に存在が公表され、2010年10月10日の軍事パレードで登場した。T-62や85式担克をベースとしているらしく、操縦席は車体の左寄りにあり、起動輪や履帯、サスペンションはT-62と同じものである。車体は延長されているとみられ、下部転輪は片側６組になっており、車体前面にゴムスカートが装着された。砲塔前面に増加装甲をボルト止めし、砲塔側面にアップリケアーマーを装着、砲塔後部を後ろに張り出させている。主砲は115mm戦車砲2A20とも、125mm戦車砲2A26/2A46ともいわれるが、T-62の砲塔に125mm戦車砲を搭載するのはスペースの関係で難しいようである。サーマルスリーブは付いていない。,副武装は7.62mmPKT同軸機銃と、砲塔上の14.5mm機銃KPV。砲塔側面に発煙弾発射機を２連装で装備している。FCSは主砲基部左上のレーザー測距器、車長用ハッチ後方の環境センサーなどから構成されるが、暗視装置はアクティブ式のようで、主砲基部右上に赤外線サーチライトを装着している。砲塔四隅にはレーザー検知器らしき構造を持つ。戦闘重量43-45トン前後とみられ、エンジンを強化しているようだ。増加装甲無しの曲面鋳造砲塔（後部の張り出しが大きい）を載せ、砲塔左に支柱を介して携SAMを搭載したバリエーションも2010年10月10日の軍事パレードで行進した。2010年現在でも生産数は少数に留まっているらしく、第105戦車師団にのみ装備されている。2017年4月の軍事パレードでは砲塔・車体前面に爆発反応装甲らしい装甲ブロックを追加した車両と、車体前面に爆発反応装甲らしい装甲ブロック、砲塔前面及び主砲基部左右にユニット型追加装甲を装着した車両が登場した。2018年2月の軍事パレードでは、行進した全車両が砲塔の14.5mm機銃を連装で装備していた。また、砲塔上面に対戦車ミサイル連装発射機と9M310携SAM発射機２基を装着し、車体前面に爆発反応装甲らしい装甲ブロック、砲塔前面及び主砲基部左右にユニット型追加装甲を装着した車両が登場した。参考：月刊軍事研究10,’13、9,’13、10,’10、5,’18、月刊PANZER9,’12

＜防府海軍通信学校＞：日本海軍の通信学校。昭和18年5月に開設され、終戦まで教育にあたった。参考：朝雲

＜防府管制隊＞：航空自衛隊の管制隊で、航空保安管制群の隷下にあり、防府北基地に置かれている。飛行場管制を担当し、ターミナル・レーダー管制は築城管制隊が行う。2018年10月24日から山口県周防大島町で給水支援に係る災害派遣に参加。参考：月刊JWings4,’16、8,’14、MAMOR vol.144

＜防府気象隊＞：航空自衛隊の気象隊で、防府北基地に置かれている。2018年10月24日から山口県周防大島町で給水支援に係る災害派遣に参加。参考：月刊JWings8,’14、MAMOR vol.144

＜防府北基地＞：航空自衛隊の航空基地で、陸上自衛隊とも共用している。滑走路はランウェイ12/30（主滑走路、1480×45m）と01/19（副滑走路、1180×60m）の２本で、東側で交差している。所在地は山口県防府市田島無番地。最寄り駅はJR山陽本線防府駅で、航空祭では臨時バスが出る。1959年6月、防府基地が南北に分かれて創設された。1962年、陸上自衛隊防府分屯地との共用になった。1970年3月、航空学生教育隊が芦屋基地から移動してきた。1992年4月、航空学生の学生隊舎である俊鷲館が完成した。2001年6月、航空学生顕彰館が完成した。2015年1月23日、新成人56名に自衛隊防府地区新成人祝賀行事を実施。6月6日、航空学生制度創設60周年記念行事を実施。2017年8月29日、防衛監察本部がコンプライアンス講習会を開催。2020年7月7-8日、第75期・第76期航空学生が海自小月航空基地第71・第72期航空学生と交歓会を実施。2021年4月23日、島根地本が一般幹部候補生・一般曹候補生志願者計10名に研修を行った。2022年6月5日、航空祭でデモフライトを行ったPACAF F-16デモチームのF-16MJ戦闘機が、フライト中にコクピット左後方の機体パネルを脱落させる事故を起こした。2023年3月16日、宇宙作戦群第２宇宙作戦隊が新編された。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、防府北基地ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、8,’14、8,’15、8,'22、8,'23、月刊航空情報5,’18、朝雲

　＜防府北基地（２０１５年）＞：第12飛行教育団司令部、同団飛行教育群第１飛行教育隊、同群第２飛行教育隊、同群地上準備教育隊、第12飛行教育団航空学生教育群、同団整備補給群、同団基地業務群、防府管制隊、防府気象隊が置かれている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜防府基地＞：航空自衛隊の航空基地。元は陸軍防府飛行場で、1954年12月に開設され、第１航空教育隊が小月基地から移駐した。1955年11月、第１操縦学校防府分校が創設された。1957年9月、防府管制分遣隊と防府気象分遣隊が新編された。1959年6月、第１操縦学校が廃止されて第12飛行教育団に改編され、基地が防府北基地と防府南基地に分かれた。参考：防府南基地ホームページ、防府北基地ホームページ

＜報復核攻撃（アメリカ、１９７０年代）＞：アラスカからカナダにかけての北極圏に敷かれたDEWライン、カナダ中部のミドル・カナダ、アメリカ・カナダ国境沿いのパインツリーといった対爆撃機用早期警戒レーダー網、アラスカ・グリーンランド・イギリスに設置された対ICBM早期警戒網BMEWS、フロリダ・太平洋・大西洋岸に設置された対SLBM用早期警戒網、人工衛星による早期警戒網、超水平線レーダーなどの早期警戒システムにより核攻撃を探知すると、危険緊急警報が直ちにNORADに伝達される。NORADはコンピュータにより脅威情報を分析し、核攻撃と判断すれば自動的に宇宙防衛軍団と戦略航空コマンド、国防省に警報を伝達。警報から着弾までにはICBMで30分、SLBMでは10分前後しかないため、統合参謀本部で開かれる国家安全保障会議の結論を待たずにSAC司令部は戦略爆撃機にMITO（最短間隔離陸）を命じ、ICBM・SLBMは発射準備に入る。アメリカ大統領を含め国防スタッフは空中司令部または洋上司令部に移る。大統領が核報復を決定すると、大統領の「ゴー」指令及び、大統領と常に共にいる空軍中佐がカバンに入れている暗号コードをJCSANでSACに伝達。赤電話で各基地及び飛行中の爆撃機に暗号が送られる。SACが核攻撃で破壊された場合に備え、EC-135もしくはE-4空中指揮機が常に飛行している。警報発令後30秒から１分で発射準備を終えるICBM・SLBMは、発射要員２名で暗号を解読、一致すると鍵を発射管制パネルに差し込んで２名同時に回して発射する。爆撃機では乗員３名が同時に暗号を解読、一致すると弾頭安全装置を解除、核報復を行う。参考：アメリカジェット戦闘機

＜豊福丸＞：大阪商船ストック・ボートHofuku maru。起工時は第三十一大福丸という名称で、豊福丸に改称されて大正7年11月22日に竣工、川崎汽船が運航し、昭和3年に国際汽船に移籍、太平洋戦争直前から陸軍の輸送を行い、昭和18年に大阪商船に移籍した。垂線間長117.35m、幅15.54m、深さ10.97m、吃水8.26m、総トン数5824トン、重量トン数9096トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸3869馬力、航海速力10.5ノット、最大速力14.211ノット。昭和19年9月21日、マニラから高雄に向かっていたところ、ルソン島マシンロック岬東で空襲を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’19

＜防府飛行場＞：日本陸軍の飛行場。戦後は防府基地を経て防府北基地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜防府分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は山口県防府市田島無番地。1962年、航空自衛隊防府北基地の敷地内に開設された。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、JGround Vol.23

＜防府分屯地（２００７年度）＞：第13旅団第13飛行隊（UH-1J、OH-6D）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜防府分屯地（２０１５年）＞：第13旅団第13飛行隊、中部方面管制気象隊、通信中隊防府派遣隊が駐屯している。参考：防府北基地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜防府南基地＞：航空自衛隊の基地。所在地は山口県防府市中関で、防府海軍通信学校があった。1959年6月、防府基地が南北に分かれて創設された。1982年12月、航空教育隊が新編され、第１航空教育隊が第１教育群に改編された。1981年8月、防府海軍通信学校で教育を受けた甲種飛行予科練習生の記念碑が建てられた。2010年6月8日、給養小隊に調理師として勤務している技官が、山口県知事が認定する山口マイスターに選ばれた。7月24日、三田尻港中関港で行われた第13回カッターレース大会に女性自衛官チームが初参加して優勝した。2014年10月22日、防府市立関小学校６年生18人の職場体験学習に協力した。2016年2月22-28日、NPO法人ルーキーズの生徒ら17人の体験入隊を実施。2018年10月24日から11月7日、山口県周防大島町の断水に伴う災害派遣に参加し、隊員延べ287名を派遣、延べ3823人に給水活動を行った。2019年1月8日、山口県周防大島町の断水に伴う災害派遣活動の功績で、山口県知事から感謝状を授与された。2020年7月4日、山口県赤十字血液センターの献血に協力し、189名が献血した。参考：防府南基地ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、8,’14、朝雲、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜防府南基地（２０１５年）＞：航空教育隊司令部、同隊基地業務群、第１教育群、防府地方警務隊が置かれている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜帽ふれ＞：日本海軍の別れ・見送りの挨拶。各種学校の卒業式で卒業生が隊門を出た後や、退艦者が内火艇に乗った後などにこの号令が出され、終わると「帽もとへ」の号令がかかる。特攻隊が出撃する際の帽ふれは特に号令は無く、自発的に行われる。海上自衛隊も引き継いでおり、幹部候補生学校を卒業して遠洋練習航海に出港する際や退官行事などに実施する。参考：海軍よもやま物語、MAMOR vol.126、vol.164

＜砲兵＞：大口径長射程火砲を装備し、遠距離地上目標に間接射撃を行う兵科。戦争の神様、戦場の女神とも呼ばれる。攻城用のバリスタやカタパルトは紀元前から整備されており、マケドニア国王フィリップ２世はそれを分解して野戦用に改造した。これを有効に使用したのが息子のアレキサンダー大王で、野戦砲兵部隊を編成し、戦闘開始から終了まで数日間にわたり敵陣に石弾を撃ち込み続けた。17世紀、野戦砲兵の父と呼ばれるグスタフ・アドルフが大砲の軽量化を行い、砲兵を正式な兵科として定めた。18世紀には曲射砲を使用して隠蔽された敵砲兵陣地を叩く戦法が出現。19世紀、ナポレオンは大砲を馬数頭で牽引させて機動力を改善、砲兵大火力による戦場全体の制圧を行い、局所的にしか砲兵を使用しなかったイギリス軍を圧倒した。現在の主任務は、要塞・陣地・障害の破壊、敵砲兵の制圧、歩兵に対する火力支援、機甲部隊に対する火力支援であり、戦闘の機能のうち撹乱または制圧を担う。弱点は、射撃準備に時間がかかること、目標が隠蔽したり分散したりした際には膨大な弾量でカバーしなければならないこと、近接戦闘に弱いこと。そのため、戦車隊同士の殴り合いを突如始められると支援が間に合わなくなる。参考：月刊軍事研究4,’97、陸上自衛隊地上戦力の全容、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜砲兵（日本陸軍）＞：兵科色は黄色。重要な目標に対して大火力を集中発揮するのが主任務である。隷下情報機関で捜索を行うが、この際に他部隊の支援を受けさせると有利である。適時所望の場所に所望の火力を指向し、特に決戦を企図する方面に最大威力を発揮できるよう諸般の部署を定める必要がある。よって、砲兵指揮官は師団固有の砲兵と臨時配属された砲兵の全てを統一指揮するが、状況によっては一部を第一線歩兵に配属することもある。軍直轄砲兵は主に遠距離対砲兵戦、堅固な陣地設備の破壊、交通遮断、擾乱などを行い、戦機に応じて第一線師団の戦闘に直接協力する。師団砲兵と軍直轄砲兵との任務の分界、相互協同、配置、各隣接兵団砲兵との協同は、軍司令官が指示する。師団砲兵と軍直轄砲兵の任務の分界は、戦闘区域や軍直轄砲兵に与える目標の種類を示すことで行うが、時に任務の分界を示さず、軍直轄砲兵に達成すべき目的だけを示して済ませることもある。状況により、軍直轄砲兵を歩兵直接協同火力の増強に使用することがあり、この場合は師団砲兵指揮官が当該砲兵を区処する。砲兵を使用する際、師団長が隣接兵団との協同に関して直接協定を遂げる必要が生じる場合がある。配置はなるべく同一陣地より戦闘の経過に伴い適時必要な方面特に決戦を企図する方面に最大威力を発揮しうることを主とし、併せて状況の変化にも対応できるように決定する必要がある。この際、各種火砲の特性を考慮し、最初から勉めて第一線に近く進出させるようにする。通常は戦闘一般の部署により援護を受けるが、敵の戦車や飛行機などの脅威が大きい場合など、状況により特別な掩護隊を付けることがある。参考：作戦要務令、工兵入門

＜砲兵学校（日本陸軍）＞：日本陸軍の実施学校。砲兵少尉が普通課程に入学し、１年半の教育を受ける。卒業すると優秀な数名は砲工学校員外学生課程、上３分の１は高等科、それ以外は乙種学生課程に進む。参考：陸海軍学校と教育

＜砲兵師団（ソ連、１９８９年）＞：方面軍の隷下にある。４個旅団12個大隊からなり、152mm牽引砲、152mm自走砲、多連装ロケットランチャーを装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜砲兵縦深ロケットシステム＞：ASTROS�Uを参照。

＜砲兵隊（日本陸軍）＞：指揮班または指揮小隊は、当該部隊長の職域に応じ、部隊長と所属上級指揮官、補助観測所、放列陣地、関係歩兵部隊長、必要なら飛行機その他重要機関との間の通信を行う。ただし砲兵団司令部とその直轄部隊との間の通信施設は、通常当該砲兵団の指揮班が担当する。参考：作戦要務令

＜砲兵大隊（アメリカ陸軍重旅団戦闘団、２０１６年）＞：重旅団戦闘団隷下に１個が編成されている。兵力431名（士官32名、准士官２名、下士官・兵397名）。大隊本部／本部中隊、射撃中隊３個、目標捕捉小隊１個からなる。大隊本部／本部中隊は兵力90名で、M1165HMMWV23両、M1068指揮車３両、M1078トラック３両、M1083トラック１両を装備する。射撃中隊は中隊本部（７名。HMMWV１両、M1083トラック１両）と射撃小隊（48名。本部に４名とHMMWV１両とM1152多用途車１両、射撃指揮所に８名とHMMWV１両とM1068指揮車１両、榴弾砲班に30名とM-109A7自走砲３門とM992弾薬補給車３両、弾薬班に６名とM1074A1重機動トラック＋M1076トレーラー３両）２個からなる。M1074A1には８発入り弾薬パレット22個、M1076にも同数を積むので、弾薬班は自走砲１両あたり352発の弾薬を補給できる。目標捕捉小隊は兵力32名で、小隊本部（２名とHMMWV１両）、兵器位置捕捉レーダー班（５名とAN/TPQ-53対砲迫レーダーと通信管制車）、気象チーム（２名とAN/TMQ-52）、砲兵調査チーム（２名とHMMWV１両）２個、対射撃作戦班（６名とHMMWV１両）、軽量対迫レーダー班（８名とAN/TPQ-50多機能レーダー４基）からなる。攻勢作戦では諸兵科連合大隊１個あたり射撃中隊１個が配属される。参考：月刊軍事研究5,’17

＜砲兵大隊（イラク軍、湾岸戦争時）＞：本部、管理中隊１個、整備中隊１個、業務中隊１個、砲兵中隊３個からなる。１個砲兵中隊は牽引砲または自走砲６門、M1974観測車両１両、弾薬輸送用2.5トントラック12-13両、５トントラック１両を装備する。参考：月刊軍事研究8,’09

＜砲兵旅団（ソ連陸軍、１９８９年）＞：軍の隷下にある。152mm牽引砲24門を装備する大隊２個と、152mm自走砲24両を装備する大隊２個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜砲兵旅団（モジュラー師団）＞：Fires Brigade。アメリカ陸軍モジュラー師団を構成する支援旅団の１つ。本部中隊、多連装ロケット砲大隊（MLRS27両またはHIMARS18両）、通信中隊、目標標定中隊、ネットワーク支援中隊、無人機中隊、旅団支援大隊からなり、適宜MLRS大隊や野砲大隊（牽引砲または自走砲18門）が1-5個ほど増強される。参考：月刊軍事研究8,’13

＜法務科（日本海軍）＞：日本海軍の兵科で、昭和20年5月に創設された。海軍刑務所の刑務官を務めるのが主任務で、刑務所長が法務科士官／法務科特務士官、看守長が法務科特務士官／法務科准士官／法務科下士官、看守が法務科下士官／法務兵長、軍法会議警査が上等法務兵といった階級を与えられた。ちなみに一番下の階級が上等法務兵で、一等法務兵や二等法務兵は存在しない。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜法務幹部（自衛隊）＞：自衛隊の職種。訴訟、損害賠償、法規審査、法律支援等を主任務とし、幕僚監部や司令部に幕僚として勤務、指揮官に対して部隊の活動に関する法律的な助言（演習・訓練内容や移動方法が適法かどうかなど）を行うと共に、隊員の法律相談や防衛関係法講習なども実施する。訴訟や損害賠償への対応も担当し、国側の代理人として裁判に出ることもある。法曹資格は要らないが、仕事内容から概ね大学法学部卒で、陸自小平学校で幹部法務課程などを修了して任官される。参考：MAMOR vol.110

＜法務部（日本陸軍）＞：日本陸軍の兵科で、昭和17年4月に創設された。これに伴い、法務官が武官になっている。参考：軍医サンよもやま物語

＜方面会計隊＞：陸上自衛隊の会計科部隊で、方面隊隷下に１個ずつ編成されている。方面隊隷下各部隊の活動予算を把握して必要な資金を陸幕に請求し各部隊・駐屯地に交付する予算業務、配分された予算を執行する経理業務を行う。会計検査院に提出する書類は隊本部審査科でチェックして中央会計隊に送る。トップは方面会計隊長で、出納官吏（自衛隊関連の代金や隊員給与を支払う資金前渡官吏及び隊員や一般人などが支払った代金を国庫に納める収入官吏）でもあり、国の会計機関として業務が行えるようになっている。参考：MAMOR vol.144

＜方面軍（ソ連軍、１９４２年）＞：ソ連赤軍最高司令部隷下で、ソ連陸軍最大の野戦軍戦略単位諸兵科連合部隊である。トップは方面軍司令官（元帥または上級大将）で、司令部は司令官を議長とし、方面軍司令官代理、方面軍政治委員、方面軍参謀長を議員とする方面軍軍事会議と、参謀部からなる。隷下に4-5個狙撃軍、1-2個戦車軍、1-2個航空軍、４個砲兵師団、５個高射砲師団、５個ロケット発射機旅団、２個独立迫撃砲旅団、４個独立重砲兵旅団、５個戦車駆逐旅団、２個戦車軍団、1-2個機械化軍団／騎兵軍団を置き、必要に応じて工兵建設旅団、工兵架橋大隊、自動車輸送旅団、通信連隊、道路修理連隊、通信諜報連隊、保安大隊、将校補充連隊、狙撃補充連隊、懲罰大隊、整備補給処、弾薬補給処、燃料補給処、糧秣補給処、馬糧秣補給処が配属される。参考：月刊PANZER12,’13

＜方面軍（日本陸軍）＞：一方面の２個軍以上からなる部隊。参考：帝国陸海軍事典

＜方面警務隊＞：陸上自衛隊の警務科組織。警務隊隷下で、各方面隊管区に北部・東北・東部・中部・西部方面警務隊が編成されている。トップは方面警務隊長で、警務官の一等陸佐であり、警務隊長の指揮監督の下に隊務を統括し、方面警務隊本部の事務を掌理する。方面警務隊長は、陸上幕僚長の定めるところにより防衛大臣直轄の部隊等の保安職務を行い、また当該方面隊における保安職務の実施に関して当該方面総監の指揮を受ける。警務官である副隊長１名が置かれ、方面警務隊本部（総務科、企画訓練科、捜査科）、地区警務隊、保安警務中隊からなる。教育訓練の際、方面総監から必要な支援（教官、教材、施設など）を受けることが可能。参考：警務隊の組織及び運用に関する訓令

＜方面航空隊＞：陸上自衛隊の航空科部隊で、各方面隊隷下の航空部隊として1963年に新編された。北部方面航空隊（丘珠）、東北方面航空隊（霞目）、東部方面航空隊（立川）、中部方面航空隊（八尾）、西部方面航空隊（高遊原）がある。参考：自衛隊装備年鑑1996、日本の防衛戦力Part1

　＜方面航空隊（１９７７年）＞：隊本部、本部付隊、方面ヘリコプター隊（UH-1B/Hヘリ20機）、方面飛行隊（LR-1、OH-6）、師団支援飛行隊（OH-6、UH-1B/H。師団長指揮下で運用）、航空野整備隊、管制気象隊からなる。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜方面航空隊（１９９５年）＞：隊本部、隊本部付隊、方面ヘリコプター隊、対戦車ヘリコプター隊、航空野整備隊、方面管制気象隊からなる。参考：自衛隊装備年鑑1996

　＜方面航空隊（２０１８年）＞：隊本部、本部付隊、方面ヘリコプター隊、対戦車ヘリコプター隊、方面管制気象隊、方面航空野整備隊からなる。参考：月刊JWings11,’18

＜方面後方支援隊＞：陸上自衛隊の後方支援部隊。方面隊隷下の野戦兵站部隊で、方面直轄部隊などの装備品整備、部品補給、輸送支援といった後方支援を主任務とする。2000年3月、北部方面後方支援隊が新編された。参考：北部方面後方支援隊ホームページ

＜方面総監＞：陸上自衛隊方面隊の長。防衛大臣の指揮監督を受け、方面隊の隊務を統括する。参考：自衛隊法

＜方面総監部＞：陸上自衛隊方面隊の司令部組織。トップは方面総監である。方面副総監はいないが、師団長の上のポストを５つ増やすと人件費がかさむというだけのことらしい。ナンバー２は方面幕僚長で、師団長より階級が下なので師団長に命令を出せず、方面総監の代役を誰が務めるのかは不明である。ナンバー３・４が幕僚副長だが、実務は各部長、実務統制は方面幕僚長が行うので、専任する職務はあまり無い。とはいえ寝ていて良い訳では無いのは当たり前で、師団長や方面総監の仕事ぶりを観察し、見て盗むのが重要な職務である。1978年1月に改編され、方面総監・幕僚長・幕僚副長２名の下に総務部、人事部、調査部、装備部、衛生官、監察官の４部２官が置かれた。2006年、自衛隊勤務の経験が無いキャリア（防衛省に入省した国家公務員�T種試験合格者）が部隊の現状を知り、防衛省と陸上自衛隊を繋ぐためのポストとして、政策補佐官が新設された。参考：日本の防衛戦力Part1、月刊軍事研究7,’16、8,’16、陸上自衛隊地上戦力の全容、東日本大震災自衛隊救援活動日誌

　＜方面総監部（１９８５年）＞：方面総監、幕僚長、幕僚副長２名（行政担当と防衛担当）、監察官、総務部（総務課、法務課、会計課）、人事部（人事課、募集課、厚生課）、調査部（調査課、資料課）、防衛部（防衛課、訓練課）、装備部（後方運用課、装備課、需品課、施設課）からなる。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜方面総監部（２００８年）＞：方面総監、幕僚長、幕僚副長２名（行政担当と防衛担当）、最先任上級曹長、政策補佐官、総務部（総務課、地域連絡調整課、会計課）、人事部（人事課、募集課、厚生課、援護業務課）、調査部（情報課、資料課）、防衛部（防衛課、訓練課）、装備部（物品調達保管整備担当。後方運用課、装備課、需品課、施設課）、医務官、監察官、法務官（自衛隊行動法令調査研究、訴訟・損害賠償・損失補填など法務関連事務担当）からなる。参考：東日本大震災自衛隊救援活動日誌、月刊軍事研究10,’08

＜方面総監部（２０１８年３月）＞：方面総監（陸将）、幕僚長（陸将補）、幕僚副長２名（陸将補。行政担当と防衛担当）、政策補佐官（事務官）、総監部付隊、総務部（地域連絡調整課、会計課、広報室）、人事部（人事課、募集課、厚生課、援護業務課、職員人事管理室）、情報部（情報課、資料課）、防衛部（防衛課、訓練課）、装備部（後方運用課、装備課、需品課、施設課）、医務官、監察官、法務官、方面隊最先任上級曹長（准尉）からなる。各部長と各官は一等陸佐。参考：月刊PANZER6,’18

＜方面隊＞：陸上自衛隊最大の部隊。司令部組織として総監部を置き、数個師団・旅団を基幹とし、特科団・特科群、高射特科団・高射特科群、施設団、教育団・教育連隊・混成団などの直轄部隊から編成され、直接及び間接の侵略に対して一方面の陸上作戦を担当する作戦部隊である。戦闘部隊や支援部隊のみならず、地方協力本部も監督下に置いていて、軍団規模ながら軍レベルの活動を行っており、英語ではArmyと訳されている。トップは方面総監で、幕僚長、防衛幕僚副長、行政幕僚副長、総務幕僚、人事幕僚、調査幕僚、防衛幕僚、装備幕僚各１名ずつが補佐する。北部、東北、東部、中部、西部の５個がある。ソ連の侵攻方面と予想された北海道と九州には有事に増強部隊が派遣されるが、これを指揮する司令部組織として1954年に北部方面隊、1955年に西部方面隊が創設され、管区総監部に代わって方面総監部が設置された。本州でも部隊増加に伴い東北、東部、中部に方面総監部が置かれて1959年1月に５個方面隊が揃った。誕生の経緯から、前二者は有事の際の野戦軍司令部、後三者は行政機関という性格だったが、1976年に制定された防衛計画の大綱で日本全国均等な防衛警備体制を整えることになり、全方面隊が同じ性格のものとなっている。2007年から、各方面隊が半年ローテーションで1300名の隊員を国際活動派遣態勢に置くようになった。参考：日本の戦力、日本の防衛戦力Part1、自衛隊法、月刊軍事研究5,’10、10,’13、月刊PANZER8,’10、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜方面隊（２０１５年）＞：方面総監部／総監部付隊、師団・旅団、特科団・特科隊、高射特科団・高射特科群、方面航空隊、施設団・施設隊、方面混成団、方面通信群、方面後方支援隊、方面会計隊、方面衛生隊、方面指揮所訓練支援隊、方面音楽隊、各駐屯地業務隊、補給処などからなる。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜方面隊電子交換システム＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜方面通信群＞：陸上自衛隊の通信科部隊。各方面隊管内における通信網運営維持が主任務で、各駐屯地・分屯地の通信隊が末端になる。通信団が兼務している東部方面隊を除く４個方面隊に１個ずつ置かれている。参考：日本の防衛戦力Part1

＜鳳陽＞：FF933（フリゲート）を参照。

＜寶洋丸＞：日本海軍特設給油艦。垂線間長143.3m、幅19.6m、深さ11.43m、満載吃水9.051m、総トン数8692トン、重量トン数13305トン。主機はMAN社製D6Zu60/110ディーゼル１基１軸4500馬力、航海速力13ノット、最大速力16.15ノット。昭和11年11月5日に竣工し、日本タンカーに引き渡された。昭和15年、日本海軍に徴用されて特設運送艦となった。昭和16年3月、日本タンカーの合併に伴い、日東礦業汽船に移った。12月8日、太平洋戦争開戦時は第４艦隊補給部隊に所属していた。昭和18年11月、雷撃を受けて損傷した。昭和19年2月17日、損傷修理のためトラック環礁に停泊中、アメリカ艦上機の空襲を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’12、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜砲雷科＞：海上自衛隊の科の１つ。砲熕兵器による戦闘、甲板作業（揚錨や舫作業など）、船体・艦載艇・錨・索具の保守整備などが主任務で、対水上戦・対空戦を行う砲術部門と、対潜戦を行う水雷部門に分かれる。トップは砲雷長で、砲術士・水雷士が補佐し、水測員、魚雷員、射撃管制員、射撃員、運用員がいる。水上見張り任務は航海科の管掌だが、見張員やサーチライトは砲雷科の担当である。以前は砲術長と水雷長がおり（砲術士と水雷士もいる）、ダッシュ運用艦には飛しょう長と飛しょう士も配置されていた。水上艦では第１分隊が担当する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、日本の防衛戦力Part3、MAMOR vol.148

＜防雷具＞：パラベーンを参照。

＜防雷具四号＞：中防雷具三型を参照。

＜砲雷長＞：海上自衛隊の職名で、略号はホラ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜宝来丸＞：MS-33（掃海艇）を参照。

＜蓬莱丸＞：日本陸軍輸送船。元は明治45年7月に進水したオーストラリアのオーストララシアン・ユナイテッド・スチーム・ナビゲーション社に所属する沿岸航路客船で、大正6年から第１次大戦の兵員輸送に使用され、大正9年にベルギーのロイド・ロイアル・ベルジに売却されてペイ・ド・ウェーとなり、大正12年に大阪商船に売却されてこの名称で台湾航路で運航された。垂線間長137.2m、幅18.3m、深さ12.2m、吃水9.75m、総トン数9735トン。主機は四連成汽機２基２軸8132馬力、航海速力13.5ノット、最大速力16.6ノット。太平洋戦争勃発で陸軍に徴用され、昭和17年3月1日、西部ジャワ上陸作戦に参加してバンタム湾で揚陸中にオランダ海軍魚雷艇の雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜謀略＞：Covert Operation。サボタージュと転覆活動がある。敵国に仕掛けた場合、成果を外から確認するのが困難なので、確実性に乏しいのが欠点。参考：月刊軍事研究7,’97、月刊軍事研究5,’10

＜砲隷属方式＞：ガン・スレイブ方式を参照。

＜飽和攻撃＞：Saturation attack。防御側の対処能力を超えるような多数で一斉攻撃をかけること。参考：月刊軍事研究6,’93別冊

＜飽和潜水＞：深さ10m以上潜水した後で急激に浮上すると、水圧により血中に溶解した窒素などの大気成分が溶けきれなくなって気泡になり、減圧症を生じて最悪死亡する。これを防止するには、時間を掛けて浮上した後、体内に残った大気成分を完全に排出するまで休息せねばならず、深度数百メートルの海底に潜った場合には１気圧の環境に戻るまでに2-3週間もかかってしまう。深海に潜って数時間作業する度に2-3週間休むのでは効率が悪いので、深海に相当する高圧環境を加圧ヘリウムガスなどにより人工的に作り出し、作業を終えたらそこに入って休息、またすぐ作業に戻る、と高圧環境下でそのまま生活するのが飽和潜水である。最高深度はフランスの534mで、２位は2008年5月の海上自衛隊潜水員の450m。深海作業はロボットに任せれば良いという考えもあったが、クルスク沈没で重要性が再認識された。参考：月刊軍事研究11,’13、朝雲

＜飽和潜水員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の飽和潜水要員。深々度で潜水作業を行うのが主任務で、潜水艦救難艦に配属される。幹部・海曹士専修科飽和潜水課程を修了すると任じられ、深海潜水訓練装置で200m飽和潜水や450m飽和潜水の訓練を行い、万が一の事態に備える。任務の際には、人工肺や温水循環装置を備えた飽和潜水装備と呼ばれる専用のスーツを着用し、１回あたり４時間程度の作業を行う。参考：MAMOR vol.153

＜飽和潜水課程（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の飽和潜水員養成訓練で、幹部専修科飽和潜水課程と海曹士専修科飽和潜水課程がある。1986年から開講されており、専修科開式スクーバ課程と海曹士特修科潜水課程を修了し、飽和潜水員を希望した者が潜水医学実験隊で受講する。入学は10月、訓練期間は４ヶ月、１期あたり学生数5-12名。座学、訓練水槽での潜水訓練、深海潜水訓練装置での１週間に及ぶ水深60m想定飽和潜水訓練（学生飽和）からなる。参考：MAMOR vol.153

＜飽和潜水訓練（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の飽和潜水訓練。飽和潜水課程の学生飽和（深度60m想定）と飽和潜水員に対する深度200m・450m想定の訓練があり、潜水医学実験隊にある深海潜水訓練装置で行われる。潜函病を防ぐため、想定水深と同程度に加圧して訓練を行い、徐々に減圧して１気圧に戻るまで、訓練装置から出ることはできない。450m飽和潜水訓練は６名で行い、2-3日かけて水深450m相当の46気圧に加圧、作業訓練を数日行い、３週間かけて１気圧に戻す。高圧下では高価なヘリウムガス98%と酸素2%の混合ガスを装置内に流す必要があるため、３年に１回しか行えない。抗力の大きい鼻呼吸は不可能、訓練以外ではろくに動くこともできず、居住区画内は高温多湿（室温29℃。それでも寒く感じるらしい）で感染症を防ぐ観点からヒゲ剃りも耳かきも不可、ヘリウムのせいで声が聞き取りにくくなり会話も難しく、２段ベッド３組とテレビくらいしか無い部屋に詰め込まれて体調管理のため24時間監視下に置かれ続けるという過酷な訓練で、終了後は屈強な自衛隊員といえども体力が極度に低下しており、階段を登るだけで息切れする状態になる。ということで、深度450m以上では人間の作業に無理があるため、無人水中艇を使う。参考：MAMOR vol.153

＜ホエイヤン＞：906（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）を参照。

＜ホエール＞：A-3シリーズ（攻撃機）またはSS-239（ガトー級潜水艦）またはSSN-638（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜ホエール級＞：プロジェクト617（潜水艦）を参照。

＜ホエール・タン＞：ソ連の水上艦用船底ソナーのNATOコード。アクティブ式捜索・攻撃用で、使用周波数は中周波。ネウストラシムイに装備されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ホェトストーン＞：LSD-27（アシュランド級揚陸艦）を参照。

＜ボエボイ＞：ソ連のソブレメンヌイ級駆逐艦Boevoy。1982年3月26日起工、1984年8月4日進水、1986年9月28日竣工。参考：月刊軍事研究11,’99、月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ボエボダ＞：RS-20（ICBM）を参照。

＜ホー＞：SS-258（潜水艦）を参照。

＜ボーアフィッシュ＞：SS-327（潜水艦）を参照。

＜ボーイ＞：日本海軍用語で、従兵のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ボーイズ対戦車ライフル・シリーズ＞：イギリス軍の対戦車ライフルで、1937年末に採用された。アメリカもカナダのＪ・イングリス社製の本銃を採用し、海兵隊襲撃大隊と陸軍レンジャー大隊に配備した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜ボーイズＭｋ�T＞：全長1.614m、銃身長0.915m、重量16.56kg。使用弾は.55口径徹甲弾（13.9mm×99ブリティッシュ）で、初速毎秒990m、装甲貫徹力は射距離300m（500m？）で20mm。５発入りの箱形弾倉を機関部の上から挿入する。作動はボルトアクション式。イギリス製のものには円筒形の、カナダ製のものにはハーモニカ型のマズルブレーキが付いている。歩兵小隊に１丁ずつ配備されたが、重量の割に反動が強烈で、威力も少なく、北アフリカ戦では対装甲車用・長距離対人狙撃ライフルとして使用された。1942年には口径漸減型に改良したタイプも試作されたが、あまり改善には繋がらなかったらしく、採用されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、歴史群像6,’08、世界の軍用銃

　＜ボーイズＭｋ�U＞：空挺部隊用の軽量化バージョン。銃身を4.5インチ（114.3mm）短縮し、床尾板のパッドを廃止している。銃身が短くなったので威力が低くなり、重量が軽くなったので反動が更に強烈になり、採用されたが誰も使わなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜ボーイング＞：アメリカの航空機メーカー。1916年、ウィリアム・エドワード・ボーイングがパシフィック・アエロ・プロダクト社として創設し、アメリカ海軍にモデル５が採用されるとボーイング・エアプレーンに改称した。1927年、航空郵便輸送事業を開始。一時ユナイテッド・エアクラフト＆トランスポート社の傘下に入ったが、1934年に独占禁止法が制定されユナイテッド・エアクラフト＆トランスポート社が３社に分割されることになり、そのうちの１社として独立した。1939年（1934年？）、ステアマン・エアクラフト社を買収し、軍用機事業を本格的に開始。1954年、B707旅客機が初飛行した。1960年3月31日、バートル・エアクラフト社を買収し、ボーイング社バートル部門とした。1986年、デハビランド・カナダを買収。1987年、バートル部門をボーイング・ヘリコプターズに改称。1992年、デハビランド・カナダをボンバルディアとオンタリオ州政府に売却。1996年12月、ロックウェル・インターナショナル社の航空宇宙防衛部門を買収。1997年8月4日、マクダネル・ダグラス社を吸収合併した。マクダネル・ダグラス・ヘリコプターの製品のうち、AH-64シリーズをボーイング統合国防システムズで生産することになり、民間用のMD500・600・900シリーズは2005年からマクダネル・ダグラス・ヘリコプター社で販売している。1999年、ACES�U射出座席の事業をグッドリッチ社に売却。2000年、ヒューズ社人工衛星製造部門を買収。2001年、本社をワシントン州シアトルからイリノイ州のシカゴに移動。2008年、インシツ社を買収して子会社化した。2010年1月7日、統合防衛システム部門を改編してボーイング防衛・宇宙・安全保障部門とした。2009年7月、ボート・エアクラフト社を吸収合併。2011年、サイバーセキュリティを主任務とするサイバー・エンゲージメント・センターを開設した。2019年11月、エンブラエルとの事業統合で合意したが、2020年4月26日に没になった。参考：月刊JWings7,’19、6,’05、3,’12、1,’17、3,’17、7,’19、3,’20、2,'21、6,'23、月刊軍事研究6,’07、3,’10、1,’12

＜ボーイング３６０＞：ボーイング社が自主開発した全複合材製タンデムローターヘリ。機体はグラファイト製フレームにノーメックス・ハニカム・コアとケブラー外皮を貼り付けており、４翅のローターも全複合材製で、ローターヘッド、スオッシュプレート、ローターシャフトなどの動力伝達系もほぼ複合材で出来ている。降着装置は前輪式の完全引き込みで、エンジンも機体内部に収容してスポンソンを廃止しており、高速化を図った。コクピットはモジュラー構造で、６個のCRTディスプレイによりグラスコクピット化されている。胴体長15.54m、全高5.91m、総重量13.834トン。エンジンはライカミング社製AL5512（4200軸馬力）双発で、巡航速度200ノット。1987年6月10日に初飛行した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ボーイング空中戦闘チーミングシステム＞：ボーイング社がオーストラリア国防省と開発している有人・無人チームBoeing Airpower Teaming System、略称BATS。EA-18G電子戦機とMQ-28AゴーストバットUAVをチーム運用するもので、UAVが敵地での危険な偵察・攻撃任務を担当する。EA-18G電子戦機３機編隊のうち２機をUAVに見立て、残る１機で遠隔操縦する実証実験をアメリカ海軍パタクセントリバー航空基地で2019年末までに21回行い、成功裏に終了した。2021年12月8日、ボーイング・オーストラリアが、デジタル・シミュレータで、脅威環境下での複数航空機連携ミッション達成デモンストレーションに成功したと発表した。参考：月刊JWings4,’20、5,’20、7,’20、12,’20、1,’21、3,’21、5,’21、1,’22、2,’22、6,’22

＜ホーエル＞：DD-533（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-768（ギアリング級駆逐艦）を参照。

＜ホーエンシュタウフェン＞：SS第９装甲師団を参照。

＜ホーエントヴィールＵ＞：FuMO61（レーダー）を参照。

＜ホーエントヴィール・ドローフ＞：FuMO65（レーダー）を参照。

＜ホーカー４００シリーズ＞：ビーチクラフト社のビジネスジェット。元は三菱重工のMU-300ビジネスジェットで、1988年に製造権を取得してビーチジェット400に改称、その後ホーカー400に名称変更した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ホーカー４００＞：MU-300ダイヤモンド�U／ビーチジェット400を改称したもの。リアジェット機で、主翼は低翼配置、尾翼はＴ字、降着装置は前輪式。全長14.75m、全幅13.25m、全高4.24m、運用自重4.983トン、最大離陸重量7.393トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製JT15D-5（推力1.32トン）双発、巡航速度834km（高度12500m）、最大運用マッハ数0.78、運用高度限界13243m、航続距離3124km（長距離巡航速度・VFR・余裕燃料あり）。乗員２名。客席数９。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ホーカー４００ＸＰ＞：

　＜ホーカー４５０ＸＰ＞：エンジンをプラット＆ホイットニー社製PW535D（離昇推力1.345トン）双発にし、内装をホーカー900XPベースのものとした。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ホーカー４００ファミリー＞

　＜Ｔ−１Ａ＞：T-1A（練習機）を参照。

＜ホーカー４００海外ファミリー＞

　＜Ｔ−４００＞：T-400（練習機）を参照。

＜ホーカー７５０＞：ビーチクラフト社のビジネスジェット。ホーカー800の短距離型で、エンジンはTFE731-BR双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ホーカー８００シリーズ＞：ビーチクラフト社のビジネスジェット。大元は1962年8月13日に初飛行したDH125ビジネスジェットで、原型機は1983年5月28日に初飛行した。胴体が太めなので、各種器材を積んで捜索救難機や医療後送機としても使用でき、軍用機や公用機としても採用されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ホーカー８００＞：リアジェット機で、主翼は低翼配置のスーパークリティカル翼、後退角20度、翼厚比11-14%。降着装置は前輪式で、全てダブルタイヤである。水平尾翼は垂直尾翼の上寄りに付く。計器板にCRTディスプレイの適用が可能。エンジンはTFE731双発。292機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ホーカー８００ＸＰ＞：XPはExtended Performanceの略。重量増加型で、エルロンや逆噴射装置も改良した。260機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ホーカー８５０ＸＰ＞：ウイングレットを追加したタイプ。2006年2月28日にFAAの形式証明を取得し、100機強が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ホーカー９００ＸＰ＞：ビーチクラフト社のビジネスジェット。ホーカー800XPの改良型で、エンジンを強化してウイングレットを付け、航続距離を延伸した。全長15.6m、全幅16.56m、全高5.51m、運航自重7.484トン、最大離陸重量12.7トン。エンジンはハネウェルTFE731-5BR（推力2.114トン。TFE731-50R、2.268トン？）双発、最大巡航速度861km、最大速度マッハ0.87、実用上昇限度12497m、航続距離5371km。乗員２名。客席数8-14。2007年8月24日にFAAの形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ホーカー社＞：イギリスの航空機メーカー。元は1920年に設立されたH.G.Hawker Engineeringで、自動車メーカーだった。第２次大戦前後にハリケーン、タイフーン、テンペスト、シーフューリーなどを生産。1960年、合併でホーカーシドレー航空機社になった。参考：月刊JWings1,’07

＜ホーカー・シドレー航空機社＞：イギリスの航空機メーカーHawker Siddeley Aviation。ホーカー、グロスター、フォーランド、アブロ、アームストロング・ホイットワースが合併して1960年に創設された。同年にブラックバーン航空機＆発動機社の航空機部門、1961年にデハビランドも吸収している。1977年、BACなどと合併してBAeになった。参考：月刊JWings5,’12、6,’18、月刊航空情報8,’02

＜ホーカー・ビーチクラフト社＞：大元はビーチクラフト社とブリティッシュ・エアロスペースのビジネスジェット部門で、1980年と1993年にレイセオン社が買収統合してレイセオン・エアクラフトとなっていたのを、カナダの投資会社オネックスとゴールドマン・サックス・キャピタル・パートナーズが2006年に買収して名称変更したものである。2012年5月に連邦破産法の適用を受け、ビジネスジェットから撤退して大規模なリストラを敢行、2013年2月にビーチクラフト社に名称変更して再建された。参考：月刊JWings9,’13、4,’14

＜ホーカム＞：Ka-50（攻撃ヘリ）を参照。

＜ポーギー＞：SS-266（ガトー級潜水艦）またはSSN-647（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜ポーキュパイン＞：B-29爆撃機ファミリーまたはG93（Ｐ級駆逐艦）またはチェンタウロ装輪戦闘車ファミリーを参照。

＜ポーキュパイン＞：アメリカ海軍雑役特務艦。1944年12月30日、ミンドロ島付近で特攻機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ポーキュパイン＞：オットー・メララ社が開発した拠点防衛システム。20mmガトリング砲M61A1に多目標同時追尾能力を持つ捜索レーダーを組み合わせている。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ホーキンス＞：DD-873（ギアリング級駆逐艦）またはI86（軽巡洋艦）を参照。

＜ホーキンス級＞：改バーミンガム級（軽巡洋艦）を参照。

＜ホーキンス地雷＞：No75（手榴弾）を参照。

＜ホーク＞：P-36シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ホーグ＞：R74（駆逐艦）を参照。

＜ボーグ＞：ACV-9（護衛空母）を参照。

＜ポーク＞：G93（駆逐艦）を参照。

＜ホーク＞：イギリス海軍マイノトー級軽巡洋艦Hawke。建造中止になった。参考：近代巡洋艦史

＜ホーク地対空ミサイル・シリーズ＞：アメリカ陸軍地対空ミサイルHAWK（Homing All the Way Killer）。1954年から開発され、1959年に配備された。参考：月刊軍事研究5,’02、日本の防衛戦力Part1、空軍

　＜ホーク＞：基本ホーク（Basic HAWK、BH）ともいう。３連装ミサイルランチャー、ミサイル装填車、P14捜索レーダー、イルミネーターレーダーなどで構成される。ミサイルは全長5.1m、直径0.35m、発射重量578kgで、誘導はセミアクティブ・レーダー・ホーミング方式。推進は固体燃料ロケット１段で、射程22海里。装填車は装軌式で、車体に載せたミサイルを油圧アームで持ち上げ、ランチャーに一気に３発装填する。装填車の下部転輪は片側２枚、接地式誘導輪を後部に、起動輪を前部に持ち、上部転輪は無い。ランチャーは３連装で、タイヤ１軸２輪が付いており、ミサイルに大型フィンが付いているのでガイドレールは無い。イルミネーターレーダーは２つの円筒ドラムが横に並んでおり、間にはTVカメラも付いている。参考：月刊PANZER3,’02、自衛隊装備年鑑1996、空軍、日本の防衛戦力Part7

　＜改良ホーク＞：MIM-23B。Improved HAWK、IHと略す。基本ホークの改良型で、有効空域・迎撃可能目標を拡大し、迎撃率や信頼性を向上させている。全長5.08m、直径0.37m、翼スパン1.2m、重量625kg、弾頭重量54kg。誘導は連続波SARH。推進はエアロジェットXM112ロケットで、飛翔速度マッハ2.5、最大射程40km、最小射高30m、最大射高18000m。1972年からアメリカ軍実戦部隊に配備され、ホークを装備する他国にも輸出された。参考：ザ・マーチ17号、自衛隊装備年鑑1996、日本の防衛戦力Part7

＜ホーク改修型＞：TMD計画第一段階を構成する防空兵器近代改修により生まれたもので、海兵隊に対し射程百数十kmの戦場支援用短距離弾道ミサイル（SRBM）への対処能力を与える目的で開発された。1996年までに海兵隊の使用するホークが改修を受けた。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ホーク海外シリーズ＞

　＜ＲＢ７７＞：スウェーデン陸軍が導入した改良ホーク。参考：月刊軍事研究4,’97

　＜シャヒン＞：イランがホークをコピーしたもので、2009年に公開された。最大水平射程40km。参考：月刊軍事研究11,’11

　＜ホーク（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊地対空ミサイル。ナイキ・アジャックスを空自に取られてしまったため、1964年から導入し、1965年から方面隊高射特科群に実戦配備した。野戦防空が主任務だが、一部はBADGEシステムに組み込まれており、要地防空も担当する。高々度用パルス捕捉レーダーPAR、低空用連続波捕捉レーダーCWAR、ミサイル誘導用高出力イルミネーター２基、測距レーダー、AN/TSQ-73戦闘情報装置、中隊統制中枢、JS-P2送受信器、JS-P3指示器、３連装発射機、接続箱、発電機、ローダー、パレット、トレーラー、ミサイル本体で構成される。１個中隊は本部、管理小隊、２個射撃小隊からなり、PAR１基、CWAR１基、イルミネーター２基、３連装発射機６基が配備されていて、４個中隊、指揮組織、支援部隊で１個高射特科群を構成する。高射特科群に配備されている対空捜索レーダーJTPS-P5が目標を捉えると、JS-P2送受信器とJS-P3指示器に情報が表示され、高射搬送中隊に配備されているAN/TSQ-73が戦闘情報に統合して高射中隊の中隊統制中枢に送る。高射中隊は群本部から30km以内に配置されており、それぞれ120度の範囲の防空を担当する。中隊統制中枢は高射特科群からの情報を元にPAR（中・高空用）またはCWAR（低空用）で目標を捕捉し、測距レーダーで距離を測り、イルミネーターにより目標を追尾（１基で最大４目標を同時追尾可能）する。射撃諸元はBCPに送られ、それに基づいて発射されたミサイルはイルミネーターの反射波を辿って目標に命中する。ミサイル（MIM-23B）諸元は以下の通り。全長5.03m、直径0.36m、重量627kg、弾頭重量75kg。誘導はセミアクティブ・レーダー・ホーミングで、２段式固体燃料ロケット推進、最大速度マッハ３、射程35000m、有効射高30-16000m、加害半径100m。参考：自衛隊装備カタログ1981、日本の防衛戦力Part1、スピアヘッドNo.6

　＜改良ホーク（陸上自衛隊）＞：誘導装置を改良し、炸薬を増加させたもの。1977年度から順次換装された。参考：自衛隊装備カタログ1981、自衛隊装備年鑑1996

　＜改良ホーク改善�T型（陸上自衛隊）＞：コンピュータ、レーダー、ランチャーを更新し、目標探知能力を向上させたもので、1982-85年度に全ホークが順次改良された。パルス捕捉レーダー、連続波捕捉レーダー、高出力イルミネーター、測距レーダー、情報調達中枢、中隊統制中枢、発射機、接続箱、発電機、ローダー、パレット、トレーラー、ミサイル本体からなる。後継として新型SAMを導入する予定だったが、有力候補のペトリオットを空自に取られた（高価すぎるという問題もあるが）ため、改良ホーク改善�U型を開発することになった。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜改良ホーク改善�U型（陸上自衛隊）＞：ECCM能力や信頼性を向上させたもの。1986年度から順次換装された。1988年からは高射特科群の対空レーダーがJTPS-P14に換装されている。ミサイル全長5m、直径0.35m、重量0.6トン。参考：自衛隊装備年鑑1996 、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.6

　＜改良ホーク改善�V型（陸上自衛隊）＞：測距レーダー、情報調達中枢、中隊統制中枢を中隊指揮装置BCPに纏めている。1995年度（1991年？）から順次換装され、2003年度に全て換装を終えた。射程50km。03式中SAMに後を譲って退役中。参考：自衛隊装備年鑑1996、スピアヘッドNo.6、MAMOR vol.131

＜ホーク練習機シリーズ＞：イギリス空海軍双発ジェット高等練習・軽攻撃機Hawk。ナット練習機及び練習機型ハンターの後継で、1964年から計画された。1965年にはフランスと攻撃機兼練習機としてジャギュアの共同開発が決定したが、単価もライフ・サイクル・コストも高額すぎたので、ホーカーシドレー社が自主開発したHS-1182練習機（BAC社になってからはBAC1182練習機）を1970年に採用したものである。試作機は作られず、前量産型５機の生産に入り、1974年8月21日に初飛行、1976年11月からホークT.Mk1がイギリス空軍に配備された。輸出も盛んに行われており、20カ国に採用され、1000機以上が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings8,’04、11,'23、軍事力バランス78年版、月刊エアワールド10,’03、月刊航空ファン4,’18

　＜ホークＴ．Ｍｋ１＞：胴体はセミモノコック構造。タンデム複座機で、後席は前席よりも高く配置され、頭越しに前下方５度まで、斜め下なら20度までの視界を確保している。キャノピーは横開き。低翼の主翼は箱型構造をしており、外板は削り出しの一体式、前縁26度・25%翼弦で21度31分の後退角と２度の上反角を持ち、アスペクト比は5.3、翼厚比は付け根10.9%、翼端9%である。主翼後縁にはエルロンと二重隙間フラップを持つ。水平尾翼は全遊動式、後退角35度で下反角は10度である。油圧は3000psiの二重で、非常用のラムエアタービンを装備。胴体中央と主翼下面にパイロン（計３カ所。輸出型は５カ所）を持ち、兵装ペイロードは2.27トンで、30mmアデン砲パック（100発）やロケット弾などを搭載しての対地攻撃訓練も行える。全長11.96m、胴体長10.33m、全幅9.4m、全高4.1m、自重3.382トン、基本練習時総重量5.03トン、戦技訓練時総重量5.45トン、最大総重量7.357トン、最大着陸重量4.65トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ・アドーアMk151（推力2.422トン）単発で、最大速度マッハ0.85、実用上昇限度13330m、燃料容量1705リットル＋455リットル増槽２個、航続時間は操縦訓練で90分、戦技訓練で60分強。制限荷重マイナス4Gからプラス8G。固定武装は無し。イギリス空軍に176機が配備された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings8,’04

　＜ホークＴ．Ｍｋ１Ａ＞：AIM-9サイドワインダーの搭載能力を持たせたタイプ。ただし実際の訓練ではミサイルを運用していない。実験用以外のT.Mk1は全てこの規格に改修された。全長11.17m（プローブ抜き）、全幅9.39m、全高3.99m、最大離陸重量5.7トン、最大着陸重量4.649トン。エンジンはロールスロイス社製アドーア151（推力2.359トン）単発で、最大速度535ノット、急降下最大速度マッハ1.2、実用上昇限度15250m、燃料容量1704リットル、フェリー航続距離1313海里。乗員２名。1989年から主翼が強化された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊軍事研究10,’10、月刊JWings8,’04

　＜ホークＴ．Ｍｋ１Ｗ＞：イギリス空軍練習機。参考：月刊エアワールド10,’03

　＜ホークＴ．Ｍｋ２＞：イギリス空軍練習機。2005年7月25日に試作初号機が初飛行し、2009年4月8日に最初の６機が引き渡された。エンジンをアドーアMk.951（推力2950kg）に換装し、ホークMk128と同様の戦闘機主翼やグラスコクピットを採用している。製造工程も簡素化され、値段や整備コストが安い。2011年11月から訓練に使用される予定。Mk1Aと同様に主翼端にミサイルレールがあるが、訓練ではミサイルを使わないようである。参考：月刊JWings10,’09、月刊軍事研究10,’10

＜ホーク海外シリーズ＞

　＜ＣＴ−１５５＞：カナダNATO飛行訓練部隊練習機。ホークMk.115を導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊JWings12,’03、5,’07

　＜Ｔ−４５＞：T-45シリーズを参照。

　＜Ｔ−５９＞：韓国海軍練習機。ホークMk67を導入したもので、ホークと似た読みの数字である59（オク）をあててT-59にしている。1992年から20機を配備した。2013年に退役し、12機がAir USAに売却された。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜ホーク５０＞：ホークT-1相当の輸出型。エンジンはアドーア851（推力2.422トン）。参考：月刊JWings8,’04、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ホーク６０＞：ホークT-1A相当の輸出型。エンジンはアドーア861（推力2.586トン）。参考：月刊JWings8,’04、世界軍用機年鑑1990-91

＜ホーク１００＞：ホーク50/60の主翼を大型のコンバットウイングに換装して対地攻撃能力を強化したもので、グラスコクピット（HUD＋MFD）を採用、エンジンも25%以上強力なタイプに換装した。翼端ハードポイントにWVRAAM、翼下ハードポイントに30mm機関砲パック、ロケット弾、爆弾を装備でき、FLIR、レーザー測距器、空中給油プローブを追加できる。全長11.4m（12.43m？）、全幅9.08m（9.93m？）、全高3.98m、自重4.4トン、最大離陸重量9.1トン。翼面積16.69平方メートル。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製アドーアMk871（推力2.65トン）単発、最大速度1000km（海面高度）、急降下時最大速度マッハ1.2、失速速度177km（フラップ下げ）、実用上昇限度13650m、海面上昇率毎分3600m、機内燃料搭載量1.277トン。最大兵装搭載量３トン。乗員２名。UAE、インド、オーストラリア、オマーン、マレーシアなどで練習機兼攻撃機として採用された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究3,’08、月刊JWings11,’14、8,’04、4,’23

＜ホーク（ＵＡＥ空軍）＞：UAE空軍練習機。Mk.61を９機、Mk.63/Mk.63A/Mk.63B/Mk.63Cを計20機、Mk.102を18機導入した。参考：月刊JWings11,’07

　＜ホークＭｋ５１（フィンランド軍）＞：フィンランド軍が練習機として52機保有しており、有事には軽攻撃機として使用される。参考：月刊軍事研究11,’03

　＜ホークＭｋ６３（ヨルダン空軍）＞：ヨルダン空軍練習機。LIFT訓練用F-5E戦闘機の後継で、2016年4月からUAEの余剰機を無償供与で受領し、第17飛行隊に戦闘機教育課程高等練習機として配備した。ただ予備部品はUAEの特定企業から買わねばならず維持費が高く、PC-21高等練習機でLIFT訓練も兼用できると判明したため、１年で退役した。参考：月刊航空ファン5,’16、7,’19

　＜ホークＭｋ１０８＞：マレーシア空軍練習機。ホークMk100を導入したもので、AIM-9を運用できる。参考：月刊JWings3,’16

＜ホークＭｋ１１５Ｙ＞：インド空軍が導入する予定の練習機で、Mk115の改良型。参考：月刊JWings12,’03

＜ホークＭｋ１２７ＬＩＦ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍練習機で、LIFはリード・イン・ファイターの略。2014年から33機に対してレーダー・電子戦模擬訓練機能、対地接近警報装置GPWS、空中衝突回避装置などを追加する改修を実施しており、2019年に完了した。ついでに旧式化したシミュレータ２基をCAE社製新型シミュレータ３基に換装し、キュービック社製空戦機動計測（ACMI）装置を購入している。参考：月刊航空ファン6,’19、12,’19

＜ホークＭｋ１２８（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍練習機。2012年にBAEシステムズ社へ22機を発注した。2016年から引き渡される。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホークＭｋ１２８（南アフリカ空軍）＞：南アフリカ空軍練習機。2003年10月2日に初飛行し、10月17日に引き渡された。戦闘機準備練習機（LIFT）型と呼ばれる改良型で、ハードポイントを増やして主翼端にミサイルレールを設けた戦闘機主翼を採用、計器板をHUDとMFDによりグラスコクピット化した。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ホークＭｋ１３２（インド空軍）＞：インド空軍練習機。HJT-16Mk.2練習機の後継として採用し、HALでライセンス生産を行い、2004年から156機を導入した。ホーク100の改良型で、爆撃コンピュータを搭載しており、主翼端にWVRAAMを装備でき、有事には作戦機としても使用可能。全長11.85m、全幅9.39m、全高4m。エンジンはロールスロイス／チュルボメカ製アドーアMk871（推力26kN）単発、最大速度マッハ1.2、実用上昇限度15240m、航続距離3150km（増槽あり）。乗員２名。参考：月刊JWings4,'23、6,’09

＜ホークＭｋ１６６（オマーン空軍）＞：オマーン空軍練習機で、ホークMk128またはホークMk155かも。2017年までに12機を導入予定で、初号機のロールアウト式典は2017年5月15日に行われ、7月29日に最初の２機が引き渡された。参考：月刊航空ファン3,’13、10,’17、9,’17、月刊JWings8,’17

＜ホークＴ．５３＞：インドネシア空軍高等練習機。1980年に８機、その後更に12機を購入した。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ホーク１５９＞：サウジアラビア空軍練習機。2012年8月に22機、2016年2月に22機を発注した。参考：月刊JWings5,'16

＜ホーク海外ファミリー＞

　＜アドバンスド・コンバット・ホーク＞：インド向けに計画している攻撃機・練習機兼用型で、ドリーム・ホークともいう。HAL社とBAEシステムズ社が共同開発する予定で、レーザー誘導装置、精密誘導爆弾、統合訓練装置を搭載する。2017年2月14-18日のエアロインディアで実証機が展示されたが、直後の2月22日にインド国防省がHJT-16Mk2後継機調達計画の棚上げを発表した。初号機は2017年6月8日に初飛行している。参考：月刊軍事研究7,’16、JWings5,’17

＜ホーク２００＞：単座戦闘攻撃機型で、デモンストレーターは1986年5月19日に初飛行した。ホーク100の前部胴体を再設計して単座化し、機首にFLIRを搭載、ステーションを７ヵ所に増やし、両主翼端にミサイル搭載レールを装備した。それでもホーク100とは機体構造の８割が共通である。HUDを搭載、スロットルはHOTASとし、計器板にNVG対応カラーCRTディスプレイを搭載してグラス・コクピット化している。後席はアビオニクス収容部となった。オプションでレーダー警戒装置スカイガーディアンやチャフ・フレアディスペンサーを装備できる。全長11.38m、全幅9.39m、全高3.93m、最大離陸重量9.1トン。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ・アドーアMk87（ドライ推力26kN）単発で、最大速度540ノット、実用上昇限度13715m、戦闘行動半径100海里（胴体下面ガンパック＋空対空ミサイル４発＋増槽２本、２時間滞空CAP）／537km（空対空ミサイル２発＋対地兵装2000ポンド＋増槽２本、戦場阻止）／900km（空対空ミサイル２発＋カメラポッド１基＋増槽２本、長距離偵察）。固定武装は機首のアデン30mm機関砲１門だが、固定武装無しにしてアデン25mm機関砲ポッドまたはマウザー27mm機関砲ポッド1-2門で済ますことも可能。爆弾、ロケット弾、短射程空対空ミサイル（AIM-9、ASRAAM）、空対艦ミサイル、スティング・レイ短魚雷、増槽、ECMポッド、偵察ポッドなど3.06トンを搭載できる。近接航空支援任務ではガンパック＋空対空ミサイル２発＋1000ポンド級爆弾４発や、空対空ミサイル２発＋対地兵装2000ポンド＋増槽２本といった組み合わせで出撃する。乗員１名。インドネシア空軍、オマーン空軍、マレーシア空軍が採用した。参考：参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings3,’16、12,’06、11,’14、ザ・マーチ40号

＜ホーク２００ＲＤＡ＞：ホーク200にAN/APG-66Hレーダーを搭載したタイプ。全長11.38m、全幅9.4m、全高3.99m、自重4.45トン、最大離陸重量9.1トン。翼面積16.69平方メートル。エンジンはロールスロイス・チュルボメカ製アドーアMk871（推力2.65トン）単発、巡航速度796km（高度12500m）、最大速度1000km（海面上）、失速速度177km（フラップ下げ）、実用上昇限度13715m、戦闘行動半径537km（戦場阻止）、フェリー航続距離2530km（増槽２本）。武装は30mmアデン砲パック（120発）、空対空ミサイル、爆弾、ロケット弾などで、最大兵装搭載量３トン。乗員１名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ホークＭｋ２０３＞：オマーン空軍が採用したホーク200。固定式空中給油プローブが付く。11機が配備された。参考：月刊JWings12,’06

＜ホークＭｋ２０８＞：マレーシア空軍が導入したホーク200。固定式空中給油プローブが付いている。15機が配備された。参考：月刊JWings12,’06

＜ホークＭｋ２０９＞：インドネシア空軍が導入したホーク200。27機が配備された。参考：月刊JWings12,’06

＜ホーク�V＞：BF2C海外シリーズ（戦闘爆撃機）を参照。

＜ホーク７５＞：P-36A（戦闘機）を参照。

＜ホークアイ＞：E-2シリーズ（早期警戒機）またはHMMWV輸送車ファミリーを参照。

＜ホークアイ＞：アメリカのマーク社とマンダス社が開発した105mm自走砲。ルノー・トラック・ディフェンス社製シェルパ・ライト・ピックアップにマンダス社製27口径105mm軽量砲を搭載している。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ホークアイ２０００計画＞：E-2シリーズ（早期警戒機）を参照。

＜ホークアイ２００５＞：E-2D（早期警戒機）を参照。

＜ホーク技術援助役務＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜ボーグ級＞：アメリカ海軍商船改造護衛空母Bogue級。アメリカ海事委員会C3-S-A1型標準貨物船がベースで、起工後のものを1942年度追加予算で改造した20隻をボーグ級、1943年度予算で最初から護衛空母として建造した24隻をプリンス・ウィリアム級として区別することもあるが、中身はほぼ同一である。同じC3型標準貨物船を使用したチャージャー級は艦首尾上甲板のシアをそのままにして格納庫に流用しており、格納庫の床が傾斜していて使いにくかったため、前後エレベーター間の上甲板上に平らな甲板を１枚追加して格納庫甲板を平らにし、長さ79.6m、幅18.9m、高さ5.3mの格納庫を設け、その上に長さ133.1m（135m？142.2m？）・幅24.4m（23.9m？23.5m？）の飛行甲板を設置、飛行甲板と上甲板の間の両舷を艦首から27mまでを除いて壁面で覆った。飛行甲板前後中心線上に内舷式エレベーター（長さ12.6m、幅10.1m、最大荷重6.3トン）を１基ずつ、飛行甲板前端左舷側にカタパルト１基、飛行甲板右舷前部にアイランドを持つ。着艦制動装置はMk4。アイランド上のラティスマストにSKレーダーなどを搭載する。主機のディーゼルもチャージャー級でトラブルを多発したため、蒸気タービンに換装し、飛行甲板後部両舷に煙突を１本ずつ設けた。全長151.2m、水線長141.7m、最大幅34m、水線幅21.2m、吃水7.9m（7.1m？）、基準排水量7800トン（9800トン？）、満載排水量15700トン（15390トン？）。主機はアリス・チャルマーズ式ギヤード・タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー式重油専焼水管缶（289℃、20気圧）２基、出力8500馬力、１軸推進、最大速力18ノット、重油搭載量2423トン、航続距離は15ノットで26300海里。兵装は38口径12.7cm単装両用砲２門（艦尾両舷スポンソン）、40mm連装機関砲８基（飛行甲板両舷スポンソン３基ずつ、艦尾２基）、20mm単装機関砲20門（艦首２門、両舷スポンソン９門ずつ）。射撃指揮装置はMk51。格納庫収容機数24機（21機？28機？）。乗員890名。ACV-9ボーグ、ACV-11カード、ACV-12コパヒー、ACV-13コア、ACV-16ナッソー、ACV-18アルタマハ、ACV-20バーンズ、ACV-21ブロック・アイランド、ACV-23ブレトン、ACV-25クロアタン、ACV-31プリンス・ウイリアムの11隻が1942-43年にアメリカ海軍で就役し、アタッカー級／ルーラー級としてイギリス海軍に計34隻が供与された。アメリカ海軍では1942年度追加予算でもう４隻就役させる予定だったが、改造元の貨物船が41隻で尽きたため、シマロン級給油艦から改造してサンガモン級として建造している。参考：月刊世界の艦船6,’17、3,’07、10,'22、護衛空母入門、第２次大戦のアメリカ軍艦、歴史群像2,’01

＜ポーク級＞：ソ連海軍沿岸対潜哨戒艇Pauk級。兵装はRBU-1200対潜ロケット発射機２基、対潜魚雷発射管４門。1979-91年に40隻弱が就役した。参考：月刊世界の艦船9,'20、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ホークス＞：VBFA(AW)-533（海兵全天候戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ホーク・スイング＞：スイングファイア（対戦車ミサイル）を参照。

＜ホーク・スクリーチ＞：MR105（射撃指揮レーダー）またはヤコール（射撃指揮レーダー）を参照。

＜ホークスベリー＞：オーストラリア海軍ヒューオン級掃海艇２番艇Hawkesbury。2000年2月就役。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ホーク・中ＳＡＭ年次射撃用経費（射撃支援費）＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ホーク・中ＳＡＭ年次射撃用経費（飛行支援）＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究1,’19

＜ホーク年次射撃用緊急部品＞：防衛省がアメリカ陸軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜ホークビル＞：SS-366（ガトー級潜水艦）またはSSN-666（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜ボークリエール＞：H20（駆逐艦）を参照。

＜ボーサ＞：イギリス軍の沿岸軍団用双発偵察雷爆撃機Botha。1935年からブラックバーン社が開発し、1938年12月28日に初飛行した。1940年6月から配備され、580機が生産されたが、能力不足のため５ヶ月ほどで最前線から撤収となり、訓練機に回された。全長15.57m、全幅17.98m、全備重量8370kg。エンジンはブリストル社製パーシウス10（880馬力）双発で、最大速度354km、実用上昇限度5610m、航続距離2040km。固定武装は7.7mm機銃３丁。魚雷や爆弾900kgを搭載できる。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ホーサーはエンド＞：日本海軍用語で、カッター揚収などの際には索（ホーサー。ホースともいう）の端（エンド）を持つのが一番楽だということ。索を引っ張ってもすぐ反対舷に到達してしまうので、サボれる。ただし新兵がこれをやると古参兵に殴られる。休暇は前期などと同じ意。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜ホーサ・グライダー＞：イギリス軍の空挺グライダー。木製だが、クラッシュ・ランディングの際は衝撃を吸収できる。乗員は２名、搭乗兵員は29名。参考：月刊PANZER7,’00

＜ホーザム＞：K583（フリゲート）を参照。

＜ボージャン＞：614（哨戒艇）を参照。

＜ホース＞：Yak-24シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ボース＞：スバス・チャンドラ・ボース。1897年1月23日、カルカッタ生まれ。カルカッタ大学とケンブリッジ大学を卒業し、帰国後はガンジーの運動に参加した。1930年、カルカッタ市長に就任。1938年、国民会議派議長となったが、反英運動のため逮捕され、８回目の投獄となった。この際結核を患い、獄死を恐れたイギリスは療養を理由に釈放し、インドから国外退去させた。ウィーンに転居後、結核は治癒し、ムッソリーニの支援も得て独立活動を継続。第２次大戦開戦で帰国し、ガンジーに蹶起を促すも断られたため、国民会議派を離脱して武力闘争に移った。1940年7月、11回目の逮捕となったが、断食で抵抗したため、獄死を恐れたイギリスが釈放して自宅監禁とした。1941年1月17日、イスラム教徒に変装して自宅を脱出、アフガニスタンからモスクワに入り、亡命を希望したが断られたため、1941年4月にベルリンに到着してドイツに亡命した。ただヒトラーはインド独立に反対であり反りが合わなかったため、太平洋戦争開戦で日本への渡航を決断し、1942年5月にヒトラーと会見して便宜を図るよう依頼した。1943年2月、U180潜水艦でブレスト軍港を出港し、4月28日にマダガスカル島の南南東400海里で伊29に乗り移り、5月6日にスマトラ島北端のサバン島に到着した。5月11日、飛行機でサバン島を発ち、5月16日に東京に到着。6月19日、帝国ホテルで記者会見を開き、その後シンガポールでインド国民軍を編成、10月21日にはシンガポールで自由インド臨時政府を樹立した。1944年3月、インド国民軍6000名と共にインパール作戦に参加。10月、インパール作戦失敗でラングーンに戻った。1945年5月、バンコクに後退。8月15日、日本のポツダム宣言受諾を受けてシンガポールに戻り、イギリスの敵であるソ連に逃れて武力によるインド独立闘争を支援してもらおうとした。そのため、サイゴンに移動して南方総軍司令官に九七式二型重爆を手配してもらい、定員７名のところ12名（操縦士、副操縦士２名、無線技士、ボース、ラーマン副官、日本軍将校ら６名）を乗せ、地元インド人が寄付した貴金属のトランク２個も加えて8月17日17時に離陸、トゥーランに着陸した。ここで軽量化のため機銃・弾薬と爆弾倉内の土産を降ろし、8月18日0500に離陸して台湾に向かった。機内でソ連軍が旅順に進駐したことを知り、当日中に大連に向かうことにして一旦台北松山飛行場に着陸した。昼食後、ガソリン2000リットルを補給して1430に離陸したが、離陸後1-2分で左エンジンが爆発して墜落。ボースは座席前に落ちた燃料タンクのガソリンをもろに浴びて大火傷を負い、陸軍病院南門分院（本院は疎開した本部組織のみで構成されており、分院が病院本体である）に運び込まれた。全身が３度熱傷で、髪の毛は焼け落ち、皮膚はいぶし銀に変色しており、点滴、強心剤・サルファ剤投与、輸血といった処置の甲斐無く2300に死去した。他に同乗者４名が死亡しており、ボースを助けようとしたラーマン大佐は両手に火傷を負っている。ボースの遺体は台北で荼毘に付され、9月6日に東京に移され、占領軍による押収を防ぐため9月18日に杉並区の蓮光寺に安置された。その後遺骨をインドに返還する予定だったが、肉親らが飛行機事故で死んだのではなく生きていると言い張って譲らず、インド政府調査委員会による３回の調査も全て結論が出されずに終わり、未だ日本に安置されたままで、毎年8月18日に法要が営まれている。参考：月刊丸9,’03、歴史群像8,’17、朝雲

＜ホース空中給油器材＞：自衛隊の機器。日本バルカー工業製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜ホース・ジョー＞：MGK-355（ソナーシステム）を参照。

＜ホース・テイル＞：MGK-355（ソナーシステム）を参照。

＜ホース・ドラム・ユニット＞：HDUを参照。

＜ホースパイプ＞：舷外と甲板の間を繋ぐパイプ状の機材で、中に錨鎖を通す。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊JWings2,’00

＜ポーゼン＞：ドイツ海軍ナッソー級戦艦Posen。1908年12月進水、1910年竣工。第１次大戦開戦時は第１戦艦戦隊第２小隊旗艦だった。1916年5月31日、第１戦艦戦隊第２小隊旗艦としてジュットランド海戦に参加。主砲弾53発を発射した。夜戦で味方の軽巡エルビングと衝突した。1919年に除籍され、1920年5月に戦後賠償艦としてイギリスに引き渡され、1922年にオランダで解体された。参考：近代戦艦史、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船6,’16、歴史群像6,’16

＜ポーゼン要塞攻略戦＞：第２次大戦中の1945年1月末から始まった、ソ連軍によるポーゼン攻略戦。ポーゼンはポーランドの都市だが、ソ連軍の攻勢をくい止めるために要塞化（といっても単にドイツ軍守備隊が立て籠もっていただけ）されており、オーデル河に橋頭堡を築いたソ連軍の補給路に食い込む形で残存していた。1月末、ポーゼン要塞がソ連軍に包囲され、2月12日には市街地が占領されたが、古い城塞（シタデラ）に立て籠もった１万名のドイツ軍は第８親衛軍の攻勢を地形を活かして食い止め続けた。2月中旬に砲兵の直接射撃で漸く城塞の一部の破壊に成功、瓦礫で壕を埋め立てて2月20日に総攻撃を開始し、油入りドラム缶に火を付けて投げ入れるなど中世の攻城戦のような攻防を繰り広げ、2月23日に漸く陥落させた。参考：月刊PANZER11,’03

＜ボーダー＞：L67（駆逐艦）を参照。

＜ポーター＞：DD-356（ポーター級駆逐艦）またはDD-800（フレッチャー級駆逐艦）またはDDG-78（イージス駆逐艦）またはPC-6（練習機）を参照。

＜ポーター級＞：アメリカ海軍駆逐艦Porter級。ロンドン条約下で建造されており、水雷戦隊旗艦設備を持つ嚮同駆逐艦である。船型は船首楼型で、前後に三脚マストを装備する。機関区画上甲板にのみ12.7mm厚の高張力鋼が張られており、ここは機銃掃射に対する防御力を持つ。他部位の装甲は重量の関係で断念された。兵装は強力だが、復元性能に問題があった。全長116.2m、幅11.3m、深さ6.4m、吃水3.2m、基準排水量1850トン（DD-360以降は1805トン）、満載排水量2617トン。主機は蒸気タービン２基、主缶は４基（圧力28気圧・温度340度）、出力50000馬力、２軸推進、速力37ノット。航続距離は12ノットで7800海里。兵装は38口径12.7cm連装平射砲Mk22（密閉砲塔型）４基（船体前後に２基ずつをMk35方位盤射撃指揮装置１基ずつと共に配置）、75口径2.8センチ４連装機銃２基、533mm４連装魚雷発射管２基（次発装填装置付。使用魚雷はMk15）。乗員290名。DD-356ポーター、DD-357セルフリッジ、DD-358マクドゥガル、DD-359ウィンスロウ、DD-360フェルプス、DD-361クラーク、DD-362モフェット、DD-363バルチの８隻が1936-37年に就役した。1934年、爆雷投下軌条を装備して14個の爆雷を搭載した。太平洋戦争中に後部マストと後部方位盤を撤去し、艦橋を縮小して前檣をポールマストに変更、トップヘビー改善に努めた。この時機銃をボフォース40mmやエリコン20mmに変更・増設した。数隻は太平洋戦争中に主砲を12.7cm連装両用砲２基と単装砲１門に換え、魚雷発射管１基を撤去して機銃を増設した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船10,’06

＜ポーターフィールド＞：DD-682（駆逐艦）を参照。

＜ポータガード＞：ポータブル式の対人対車両監視装置で、音響のドップラー効果により人を60m、車輌を200mの距離から監視できる。薄いガラス窓や壁を通しての監視も可能である。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ポータブル・ロジク・アナライザ＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ポータブル無線機用テスタ＞：自衛隊の機器。菊水電子工業製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ボータン・ボープレ＞：フランス海軍ボータン・ボープレ級測量艦１番艦。2001年3月起工、2003年2月就役。参考：月刊世界の艦船

＜ボータン・ボープレ級＞：フランス海軍測量艦Beautemps-Beaupre級。測量艦レスペランスの代替として開発された。全長80.6m、満載排水量3292トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力3000馬力、速力14ノット。測量艇２隻、潜水調査艇を搭載可能。１番艦ボータン・ボープレは2003年2月に就役した。２番艦は2002年に起工されている。参考：月刊世界の艦船

＜ホーチミン・シティ＞：HQ-183（潜水艦）を参照。

＜ポーツマス＞：CL-102（軽巡洋艦）またはSSN-707（潜水艦）を参照。

＜ポーツマス・ガス拡散工場＞：アメリカの核物質生産施設で、オハイオ州ピケトンにある。1956年から稼働。濃縮ウランの生産を行っている。参考：核兵器事典

＜ポーティ・システム＞：イギリスのBAEシステムズが開発中の砲牽引車システムで、スパキャット社製の８×６輪トラックHMTにM777超軽量榴弾砲を搭載したものである。キャビンは６名用で、装甲化されており、NBC防護装置も標準装備している。砲本体に砲弾３発を収容する他、車体に20発分の砲弾と装薬を搭載。布陣したら砲をアームで降ろして射撃を行う。戦闘重量12.3トン。C-130による空輸が可能で、A400Mなら２両、C-17なら３両同時に輸送できる。イギリス陸軍が45セットを導入予定。参考：月刊軍事研究2,’07

＜ポーティシャム＞：M2781（通船）を参照。

＜ボーディセア＞：H65（駆逐艦）を参照。

＜ボーデシア＞：イギリス海軍巡洋艦Boadicea。常備排水量3300トン。主機はパーソンズ式直結蒸気タービン４基、主缶はヤーロー式水管缶12基、出力18000馬力、４軸推進、速力25ノット。1909年竣工。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜ボーデロン＞：DD-881（駆逐艦）を参照。

＜ボートゥール・シリーズ＞：フランス空軍多目的ジェット戦闘機Vautour（ハゲタカ）。SNCASOが開発した。参考：月刊JWings7,’05

　＜ボートゥール�UＮ＞：タンデム複座の全天候戦闘機型で、試作機は1952年10月16日に初飛行した。主翼は35度の後退角を持ち、ポッド式にエンジン１基ずつを搭載している。補助翼前方の主翼上部に２列、下部に１列のボルテックスジェネレーターを持ち、主翼前縁にはウイングフェンスが１枚付く。降着装置は自転車式で、機体前後に主脚、エンジンポッド下部に補助脚がある。機首には迎撃レーダーが搭載されている。機体後部にはドラッグシュートを装備。全長15.55m、全幅15.1m、全高5.1m、自重14900kg、最大離陸重量20700kg。エンジンはSNECMAアター101E-3（推力3500kg）２基で、最大速度951km、実用上昇限度14950m、最大航続距離2420km。固定武装は機首のDEFA5-52機関砲４門。爆弾倉にマトラ104A引き込み式ロケットパック２基（68mmANEBロケット弾計232発搭載）を装備する。1957-59年に70機が生産された。最終25機は、水平尾翼が全遊動式になっている。1974年までに全機退役した。イスラエルも15機を導入した。参考：月刊JWings7,’05

　＜ボートゥール�U１Ｎ＞：ボートゥール�UＮにマトラR511空対空ミサイル４発を搭載できるようにしたもので、1964年に就役中の53機が改造された。参考：月刊JWings7,’05

　＜ボートゥール�UＡ＞：単座の攻撃機型で、機首のレーダーを外し、爆弾倉に1000ポンド爆弾３発、両翼下パイロンに1000ポンド爆弾１発ずつを搭載する。30機が生産されたが、全て試験用に回され、後に25機がイスラエルに売却されて第３次中東戦争に参加した。参考：月刊JWings7,’05

　＜ボートゥール�UＢ＞：戦術爆撃機型で、機首のレーダーと機関砲を撤去して爆撃照準窓を設け、航法士兼爆撃手搭乗スペースとしている。爆弾倉に1000ポンド爆弾３発、主翼下パイロンに1000ポンド爆弾１発ずつを搭載可能。40機が生産された。参考：月刊JWings7,’05

＜ボート・エアクラフト・インダストリーズ＞：1992年に経営破綻したLTV社の航空機部門が2000年に独立したもので、経営権は投資会社のカーライルが握っている。ステルス機の機体コンポーネントの製造を行っている。参考：月刊軍事研究9,’07

＜ボートコンテナ＞：救命筏入りのコンテナ。艦船が沈没する際にコンテナが着水すると自動的に展開される。片舷あたり乗員分以上が用意されている。参考：月刊JWings2,’00

＜ポート・サイド＞：976（コルベット）を参照。

＜ボート・スコードロン＞：遠征飛行隊を参照。

＜ポートダーウィン空襲＞：ダーウィン空襲を参照。

＜ボート・ダビット＞：艦船に搭載した小型ボートを海上に降ろす装置。参考：艦船メカニズム図鑑、丸スペシャルNo.77

　＜グラビティ型＞：固定ロープを弛めると、重力に従ってボートが舷外に出されるタイプ。大型ボートでも１名で揚降でき、取り扱いが楽。参考：丸スペシャルNo.77、艦船メカニズム図鑑

　＜ラッフィング型＞：起倒ハンドルを回して支柱を舷外に振り出し、ボートを降ろすタイプ。ピボット型（艦載艇格納位置が低く搭載艦の重心が高くならない）とクオドラント型（艦載艇格納位置が高く甲板通路などの邪魔にならない）に分かれる。参考：丸スペシャルNo.77、艦船メカニズム図鑑

　＜ラディアル型＞：ボートを前後２本の支柱で支え、１本ずつ支柱を外側に振り出し、ワイヤーを繰り出して海面に降ろすタイプ。操作が面倒で人手もかかり、荒天時には危険なため、廃れた。参考：丸スペシャルNo.77

＜ポートチェスター・キャッスル＞：K362（コルベット）を参照。

＜ボートテイル弾＞：弾底部にテーパーを付けてボートのような形にしたもの。空気抵抗を減少させて射程を延伸する効果がある。フランス陸軍が第１次大戦前に採用したのが最初で、その後ライフル弾から艦砲弾まで広く採用された。参考：GUN用語事典

＜ボートトゥール＞：APA-136（攻撃輸送艦）を参照。

＜ポートモレスビー作戦＞：MO作戦を参照。

＜ポートランド＞：CA-33（重巡洋艦）またはF79（フリゲート）またはLPD-27（サン・アントニオ級揚陸艦）またはLSD-37（アンカレッジ級ドック型揚陸艦）を参照。

＜ポートランド級＞：インディアナポリス級（重巡洋艦）を参照。

＜ポート・ロイヤル＞：CG-73（ミサイル巡洋艦）を参照。

＜ホーナーン＞：F-169（フリゲート）を参照。

＜ボーナス＞：スウェーデン陸軍155mm榴弾砲用目標検知型弾薬BONUS。Giat社とボフォース社が共同開発し、2003年に採用され、アーチャー自走榴弾砲に搭載された。内部に子弾として赤外線センサー・レーザー高度計付き自己鍛造弾（直径138mm、ライナーはタンタル製）２発を内蔵しており、目標上空で撒布してトップアタックを行う。参考：月刊軍事研究2,’07、4,’18、火器弾薬技術ハンドブック

＜ポーニー＞：VZ-1（フライング・プラットフォーム）を参照。

＜ホーニング＞：A1773（通船）を参照。

＜ホーネッツ＞：第43戦闘飛行隊を参照。

＜ホーネット＞：CV-8（ヨークタウン級空母）またはCV-12（エセックス級空母）またはF/A-18シリーズ（戦闘攻撃機）またはM93（地雷）またはワスプ（装輪装甲車）を参照。

＜ホーネット戦闘機シリーズ＞：イギリス空軍双発戦闘機DH103 Hornet。デハビラント社が対日戦用長距離戦闘機として1943年6月からモスキートを元に開発した。1944年6月（7月？）28日に初飛行し、1945年2月28日から引き渡されたが、実戦配備は1946年5月からで、第２次大戦には間に合わず、マレーシアでの対テロ作戦用地上支援機として使用された。１955年6月にイギリス空軍実戦部隊から退役した。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜ホーネットＦ．Ｍｋ１＞：モスキートの小型版で、主翼を金属製にし、他部位の木材を新素材に変更している。エンジンは左右で回転方向を逆にしてあり、プロペラ（デハビラント社製ハイトロマチック４翅）は内回りで回転する。全長11.18m、全幅13.72m、全備重量8.03トン。エンジンはロールスロイス社製マーリン130/131（2030馬力）双発で、最大速度760km、実用上昇限度11430m、航続距離2400km。固定武装は20mm機関砲４門。450kg爆弾２発を搭載可能。乗員１名。60機が引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、週刊エアクラフトNo.82

＜ホーネットＦ．Ｍｋ３＞：F.Mk1にドーザルフィンを付け、燃料容量を増大したもの。全長11.18m、全幅13.72m、全高4.32m、自重5.842トン、最大離陸重量9.48トン。エンジンはロールスロイス社製マーリン130/131レシプロ（2070馬力）双発で、最大速度760km、実用上昇限度10670m、航続距離4828km。固定武装は機首の20mm機関砲４門。主翼下に1000ポンド爆弾またはロケット弾または増槽を最大907kgまで搭載できる。1948年後半から120機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜ホーネットＦＲ．Ｍｋ４＞：F.Mk3の後部胴体燃料タンクを外し、F.52カメラ１基を搭載したもの。少数機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜ホーネットＰＲ．Ｍｋ２＞：F.Mk1の後部胴体にカメラを搭載した偵察機型。１機が改造された。参考：週刊エアクラフトNo.82

＜ホーネットＵＡＶ＞：DARPAとエアロ・ヴァイオロンメント社が開発した小型UAV。全幅380mm、重量170g。2003年3月に初飛行し、45分間の滞空を狙っていたが、燃料電池が結露して15分しか飛べなかった。参考：月刊軍事研究11,’12

＜ポーパス＞：N14（機雷敷設潜水艦）またはS01（哨戒潜水艦）またはSS-7（潜水艦）またはSS-172（潜水艦）を参照。

＜ポーパス級＞：イギリス海軍機雷敷設潜水艦Porpoise級。船体は複殻式で、上部構造物内部に船体全長にわたる水平機雷収納トンネルを設けて機雷40-50個（120個？）を収容しており、レール上を移動するコンベアによって艦尾から敷設する。全長87.8m（N56は88.1m）、幅9.1m（N56は7.8m）、吃水4.2m（N56は4.7m）、水上排水量1500トン（N56は1520トン）、水中排水量2053-2157トン。主機はディーゼルと電動モーターで、水上出力3300馬力、水上速力15.5-15.8ノット、水中速力8.8ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門、10.2cmまたは12cm単装砲１門、機雷40-50個。N14ポーパス、M37シール、N45ナーワル、N56グランパス、N74ローカル、N83カシャロートの６隻が1933-39年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、ナチスＵボート、月刊世界の艦船6,’09

＜ポーパス級＞：イギリス海軍哨戒潜水艦Porpoise級。全長90m、幅27.4m、吃水8.7m、基準排水量1630トン、水上排水量2030トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、出力6000馬力、速力17ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。1958-61年にS01ポーパス、S07シーライオン、S08ウォーラスなど８隻が就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ポーハタン級＞：アメリカ海軍艦隊航洋曳船Powhatan級。民間の海上作業支援船を元に設計された。船体後部を乾舷の低い作業甲板とし、コンテナ化した装備（レスキュー・チェンバー含む）を搭載することで、曳航作業、潜水作業支援、貨物輸送などを行う。推進器はコルト・ノズル付きの可変ピッチプロペラで、バウ・スラスターも装備する。曳航能力54トン。全長68.9m、満載排水量2296トン。主機はディーゼル２基２軸7250馬力、速力14.5ノット。曳航能力54トン。乗員20名で、うち16人が民間人である。1979-81年にT-ATF-168カトーバ、T-ATF-169ナバホ、T-ATF-171スー、T-ATF-172アパッチなど７隻が就役した。1999年に２隻が離籍して民間に貸与されている。参考：月刊世界の艦船2,’13、5,’14、4,’15、8,’19、1,’10、4,’04増刊

＜ポーハン＞：756（コルベット）を参照。

＜ポーハン級＞：浦項級（コルベット）を参照。

＜ポープ＞：DD-225（駆逐艦）またはDE-134（護衛駆逐艦）を参照。

＜ボーファイター・シリーズ＞：イギリス空軍沿岸航空隊用双発戦闘機 Beaufighter。ブレニム爆撃機から発展したボーフォート雷撃機の前部胴体を短縮し、エンジンを改良したもので、1939年6月17日にブリストル社自主開発初号機が初飛行した。1945年9月21日までにイギリス空軍向け各型計5562機が生産され、オーストラリアも364機を導入している。参考：月刊JWings2,’20、4,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊軍事研究10,’18

＜ボーファイターＭｋ．�TＦ＞：最初の量産型。試作機に防弾装備や武装を搭載したところ、速力が低下し、長距離護衛戦闘機としては性能が悪くなったので、夜間戦闘機としたバージョンである。機首にAI・Mk.�Wレーダーを搭載し、主翼は中翼配置で、エンジンを主翼串刺しに装備する。重量級の機体を支えるため、主脚支柱はオレオ緩衝装置２本で主輪を挟む構造にした。全備重量9500kg。エンジンはブリストル製ハーキュリーズ�V／�]�T（1500馬力）双発、最大速度520km、航続距離1800km。乗員２名（機首のパイロット、胴体中央後ろ向きの偵察員）。1940年7月27日に引き渡しが開始され、8月3日に配備が始まり、ブレニム夜戦型と交替していった。武装は当初イスパノ20mm機関砲４門（各120発。ただし60発入りのドラムを手動交換しなければならない）だったが、それ以降の機体はブローニング7.7mm機銃を右主翼に４丁、左主翼に２丁（各1000発）追加した。1941年9月以降、20mm機関砲はMk.1フィード（反動利用式）に換えられている。当初はレーダーの操作に熟練が要ったため、あまり戦果が挙がらなかったが、1941年1月にGCI（地上迎撃管制）システムが導入されてPPI上での敵機・味方機の同時追尾が可能となり、会敵地点への誘導が迅速・正確となった。615機が生産された。参考：月刊JWings4,’02、2,’16

　＜ボーファイターＭｋ．�TＣ＞：1941年になると英本土爆撃に来襲するドイツ軍機が激減したため、地中海コースタル・コマンド向け洋上長距離戦闘機として開発したタイプ。ＣはCoastalの頭文字である。胴体機関砲ベイの間に227リットル燃料タンクを搭載して航続距離を増している。また、方向探知ループアンテナを搭載し、一部には砂漠用防塵フィルターを装備した。300機が生産され、1941年3月から配備が始まった。参考：月刊JWings4,’02

　＜ボーファイターＭｋ．�UＦ＞：Mk.�Tのエンジンをロールスロイス製のマーリン20液冷（1480馬力）に換装したタイプ。エンジンナセルはランカスターのものを流用し、最小限の改造で搭載した。エンジンが前に張り出したため方向安定性が低下し、水平尾翼に12度の上反角を付けて解決している。高度6160mで最大速度516kmを誇ったが、低空性能は悪かった。1941年3月22日に生産が開始され、450機が生産された。参考：月刊JWings4,’02

　＜ボーファイターＭｋ．�V＞：ハーキュリーズ�Yエンジンを搭載したタイプ。計画のみ。参考：月刊JWings4,’02

　＜ボーファイターＭｋ．�W＞：グリフォンエンジンを搭載したタイプ。計画のみ。参考：月刊JWings4,’02

　＜ボーファイターＭｋ．�X＞：胴体の20mm機関砲を２門に減らし、翼内機銃を全廃、操縦席直後にボールトンポールBPA-1動力銃塔（7.7mm機銃４丁）を搭載したもの。�UＦを改造して２機が作られたが、採用されなかった。参考：月刊JWings4,’02

＜ボーファイターＭｋ．�YＦ＞：マーリン20がランカスターに取られて足りなくなったため、Mk.�UＦにハーキュリーズ�Wを搭載したタイプで、1941年後半に登場した。主に大陸への夜間侵攻作戦に用いるため、航続距離を延伸している。翼面積41.9平方メートル。上昇中の縦安定性不足が指摘されたため、水平尾翼に12度の上反角を付けた。全長12.71m、全幅17.64m、全高4.83m、自重6570kg、全備重量9720kg。エンジンはブリストル・ハーキュリーズ�W／�]�Y空冷星形14気筒（1455馬力／1670馬力）双発、最大速度536km、実用上昇限度8080m、航続距離2368km（2900km？）。固定武装はイスパノ20mm機関砲４門、ブローニング7.7mm固定機銃６丁（右外翼４丁、左外翼２丁）、7.7mm旋回機銃１丁。主翼外翼下面に60ポンド（３インチ）ロケット弾４発ずつ、胴体下面に227kg爆弾２発または965kg魚雷１本を搭載可能。乗員２名。アメリカ陸軍にも輸出された。1942年に爆弾架（500ポンド爆弾計２発搭載）が追加され、レーダーをAI・Mk.�Zに換え、機首にレドームが追加された。レーダーは後にAI・Mk.�[に換装されている。参考：月刊JWings4,’02、2,’20、2,’16、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、世界の傑作機No.141、No.157

＜ボーファイターＭｋ．�YＣ＞：Mk.�TＣのエンジンをハーキュリーズ�Wに換装したタイプ。航続距離は2900km以上もあり、FW200コンドル長距離哨戒爆撃機の行動を封じ込めた。1942年に爆弾架が追加された。参考：月刊JWings4,’02

　＜ボーファイターＭｋ．�Y（ＩＴＦ）＞：Mk.�YＣに魚雷懸架装置を追加したもので、ITFは臨時雷撃戦闘機のこと。もともとエンジンが低空向きでないので、あくまでも臨時であった。参考：月刊JWings4,’02

　＜ボーファイターＴＦ　Ｍｋ．�]＞：1943年から生産された本格的な雷撃機型で、Mk.�YＣのエンジンを低空用に改造したハーキュリーズ�]�Z（1735馬力）に換装したタイプ。後部シートに7.7mm旋回機銃を搭載し、一部の機には水上艦艇捜索用のAI・Mk.�[レーダーを装備した。無線・航法装置を搭載して重量が増え、安定性が保てなくなったため、昇降舵の面積を拡大し、大型のドーサルフィンを設けている。生産途中で外翼下面にロケットランチャー８基を装着し、艦船に対して高い威力を発揮した。全長12.71m、全幅17.64m、全高4.83m、自重7082kg、全備重量11441kg。最大速度488km、航続距離2367km。固定武装は20mm機関砲４門と7.7mm旋回機銃１丁で、750kgまたは966kg魚雷１発、あるいは27kgロケット弾８発と113kg爆弾２発を装備できる。乗員２名。1945年9月までに2205機が完成した。参考：月刊JWings4,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ボーファイターＭｋ．�]�TＣ＞：ボーファイターTF Mk.�]から魚雷搭載装備を除いたモデルで、コースタル・コマンド向け。163機が生産された。参考：月刊JWings4,’02

＜ボーファイター・ファミリー＞

　＜ボーファイターＴＴ　Ｍｋ．�]＞：イギリス空軍標的曳航機。第２次大戦後に余ったTF Mk.�]を改造したものである。1948-50年に35機が改造され、1960年まで使用された。参考：月刊JWings4,’02

＜ボーファイター海外シリーズ＞

＜ボーファイターＭｋ．２１＞：オーストラリア軍戦闘機。オーストラリアでライセンス生産したもので、基本はTF Mk.�]である。1944年5月26日に初飛行、364機が対日戦終了までに生産された。搭載エンジンはハーキュリーズ�]�[で、翼内機銃を12.7mm4丁に換え、機首にオートパイロットを搭載してキャノピー前方に膨らみを付けた。参考：月刊JWings4,’02

＜ホープウェル＞：DD-681（駆逐艦）を参照。

＜ホーフェイ＞：132（駆逐艦）を参照。

＜ボーフォート＞：ATS-2（救難艦）を参照。

＜ボーフォート・シリーズ＞：イギリス空軍雷撃機Beaufort。ブリストル社が開発して1938年10月15日に初飛行し、各型計1180機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings2,’20

＜ボーフォートＭｋ．�T＞：最初の量産型で、1940年1月に就役した。全長13.57m、全幅17.63m、全備重量9620kg。エンジンはブリストル社製トーラス６（1130馬力）双発で、最大速度425km、実用上昇限度5030m、航続距離1700km。防御兵装は7.7mm機銃４丁。爆弾や魚雷700kgを搭載できる。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ボーフォートＭｋ．�U＞：エンジンをツインワスプに換えたタイプ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ホープレス・ダイヤモンド＞：ハヴ・ブルー（実験機）を参照。

＜ホーヘン・シュタウヘン＞：SS第９装甲師団を参照。

＜ポーポイジング＞：Porpoising、低角不安定。飛行艇滑水中に生じる激しいピッチング現象のことで、艇体と機首が両方上下動を起こし、次第に増幅していき水面をバウンド、最悪の場合は機体が大破する。前輪と主輪の荷重分担が悪い前輪式陸上機でも地上滑走中に発生することがある。語源はイルカなどが水面をジャンプしながら泳ぐことで、正しい発音は「ポーパスィン（byグーグル先生）」だが、あまり気にしてはいけない。艇体と機体重心位置のバランスが悪いことで生じ、機首を下げると発生しやすい。ビームローディングが高いほど安定領域が狭くなり、過荷重状態で起こりやすい。昇降舵で修正をかけるが、タイミングを合わせるのがかなり難しい。着水・着陸時に発生した場合、失速速度を下回る前にタッチ・アンド・ゴーに切り換え、やり直した方が良い。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings6,’05、月刊航空ファン7,’11、9,’02、月刊世界の艦船3,’20

＜ポーポイジング＞：Porpoising。モーターボートなど高速艇が高速で航行する際の、水面を飛び跳ねるような動きのこと。針路維持が困難になったり、乗員が負傷したりする。参考：図解船の科学、図解雑学　船のしくみ

＜ポーポイズ＞：N14（潜水艦）を参照。

＜ホーマー＞：V-12（ヘリ）を参照。

＜ホーミング魚雷＞：目標に向けて追尾を行う魚雷。アクティブ音響、パッシブ音響、有線、航跡追尾などがある。ホーミング維持のため最大雷速を発揮し続けるのが難しく、発射された側はいち早く探知して回避針路に転舵しつつ最大戦速に加速、魚雷を振り切るもしくは魚雷防御システムを作動させる時間を稼ぐのが重要である。参考：現代の潜水艦、月刊JWings2,’00、月刊世界の艦船8,’12

＜ホーミング爆弾システム＞：HOBSを参照。

＜ホームガード＞：第２次大戦時、イギリスがドイツ軍の上陸に備えて編成した国防市民軍のこと。陸軍省の各地域防衛担任司令部の下に置かれた国防組織で、非常態勢時に正規陸軍部隊隷下に入ることになっており、連絡・指導には軍の下士官や下級将校があたった。隊員となったのは、重要産業従事などで兵役を免除された者、兵役不適格者、高齢者などで、「親父達の陸軍」という俗称が付けられている。ダンケルク撤退で正規軍でも武器が足らない状態だったため、スミス砲などの即製対戦車砲や、自家用車にコンクリートブロックや小石入り鉄箱を取り付けた装甲車を配備して間に合わせていた。参考：英独航空決戦、月刊航空ファン2,’18

＜ホームス＞：ゲルハルト・ホームス（Gerhard Homuth）。ドイツ空軍エース。1914年9月20日、クロムイ南部生まれ。ドイツ海軍に入隊したが、1935年にドイツ空軍に編入された。1937年から第２教導航空団第２戦闘飛行中隊に配属された。1939年10月6日、第27戦闘航空団第１飛行隊副官となった。1940年2月1日、同航空団第３飛行隊に異動。黄作戦とバトル・オブ・ブリテンに参加した。1941年4月、北アフリカに移動。6月8日、第27戦闘航空団第１飛行隊司令官となった。10月27日、60機撃墜を達成。1943年7月29日、第54戦闘航空団第１飛行隊司令官となり、東部戦線に配属された。8月2日、ソ連空軍のP-39エアラコブラに撃墜され、行方不明となった。総出撃回数450回、撃墜機数63機。最終階級は少佐。参考：グラフィックアクション36、39

＜ホームスピード＞：日本海軍用語で、艦が帰港する時の速度のこと。巡航速力よりも速めになりがちである。参考：帝国陸海軍事典

＜ホームタウン・フォーメーション＞：B-36シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ホーモン＞：Ka-25シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ポ−ヤンマー級＞：フィンランド海軍コルベットPohjanmaa級、計画名スコードロン2020。サーブ社製統合マストSLIM（Saab Lightweight Integrated Mast）を装備する。戦闘システムはサーブ社製9LVを予定しており、シー・ジラフ4A対空レーダー、シー・ジラフ1X対水上レーダー、セロス200方位盤を積む。ソナーはSS2030潜水艦・魚雷探知ソナー、SD9500潜水員探知ソナー、SonacDTS型VDS（Sonac曳航ソナーかも）を追加する。Mk41VLSベースライン�Zストライク・レングスを積むらしく、アメリカ国防安全保障協力局がFMS輸出を発表した。ヘリ甲板下は機雷敷設装置とVDSの搭載スペースである。全長114m、幅16m、吃水5m、基準排水量3900トン。主機はCODLAG方式、LM2500ガスタービン＋MAN社製ディーゼル発電機＋レンク社製電気推進システム、速力26ノット。兵装は57mm単装砲Mk3が１門（前甲板）、遠隔操作式12.7mm単装機銃２丁、ESSMブロック２艦対空ミサイル用Mk41垂直発射機８セル（主砲後方）、ガブリエル艦対艦ミサイル（マストと煙突の間）、400mm魚雷発射管（Tp47魚雷）。中型ヘリ１機またはUAVを運用可能。2023年から４隻を建造する予定。参考：月刊世界の艦船9,'23、5,’18、7,’19、12,’19、7,’20、1,’21、1,’24

＜ポーラ＞：イタリア海軍ザラ級重巡洋艦Pola。1932年竣工。1941年3月29日、マタパン岬沖海戦で沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’12、4,’18、近代巡洋艦史

＜ポーランド沿岸警備隊＞

＜ポーランド沿岸警備隊（１９８９年）＞：オブルーズ級内海哨戒艇５隻、グダンスク級内海哨戒艇２隻、ピリカ級内海哨戒艇11隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポーランド沿岸警備隊（２０１５年）＞：ポーランド国境警備隊隷下で、隊員数3700名。巡視艇18隻、グリフォン2000TDXエアクッション揚陸艇２隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポーランド海軍＞：1970年、ワルシャワ級駆逐艦１隻が就役。1983-91年、ゴプオ級掃海艇13隻が就役。1984年、PZL M-28対潜哨戒機の量産を開始。1986年、877E型キロ級潜水艦１隻を購入。1987年、カシューブ級コルベット１隻が就役。641型潜水艦２隻の貸与が開始された。1988年、カシン改級対潜艦１隻がソ連から引き渡された。1989年、ルブリン級戦車揚陸艦５隻が就役開始。1994年、M28哨戒機の配備を開始。2000-02年、ジェネラル・カシミエルツ・プラスキ級フリゲート２隻が就役。2002-04年、コッベン級潜水艦４隻が就役。2012年、予算不足によりMEKO A-100型フリゲートの導入計画を放棄した。１番艦は船体だけ完成しているので、哨戒艦にする予定。2022年、新型フリゲート計画メチュニクでアローヘッド140を採用した。参考：月刊世界の艦船3,’14、9,’10、6,'22、月刊JWings10,’18

＜ポーランド海軍（１９７７年）＞：兵力25000名（徴兵6000名）、予備役45000名。ウイスキー級潜水艦４隻、コトリン級駆逐艦（ゴア艦対空ミサイル装備）１隻、オーサ級ミサイル艇12隻、大型哨戒艇26隻、ウィスラ級魚雷艇９隻、P6級魚雷艇３隻、外洋掃海艇24隻、K8級掃海艇20隻、ポルノクヌイ級揚陸艦30隻、上陸用舟艇20隻、Il-28爆撃機10機、MiG-17戦闘機38機、MiG-15戦闘機12機、Mi-1/Mi-2/Mi-4ヘリ25機を装備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ポーランド海軍（１９８９年）＞：兵力25000名（沿岸警備隊含む。うち徴兵6000名）、予備役10000名。グドイニア、ヘル、スヴィノージェシー、グダンスクに海軍基地、コロブルヅェックに沿岸警備隊基地がある。キロ級潜水艦１隻、フォックストロット級潜水艦２隻、ウイスキー級潜水艦１隻、ワルシャワ級（カシン改級）ミサイル駆逐艦１隻、カスズブ級フリゲート１隻、タランタル�T級ミサイル艇４隻、オサ�T級ミサイル艇12隻、オブルーズ級内海哨戒艇８隻、T-43内海哨戒艇１隻、クロギュレック級沿岸掃海艇12隻、T43級沿岸掃海艇９隻、ノテック級内海掃海艇９隻、レニウカ級内海掃海艇２隻、ポルノクヌイ級中型揚陸艦23隻、汎用揚陸艇１隻、兵員揚陸艇15隻、情報収集艦２隻、支援給油艦３隻、測量艦３隻、練習艦２隻を装備する。海軍航空隊は兵力2300名。武装ヘリ11機、Mi-14対潜ヘリ11機、Mi-2ヘリ10機、Mi-4ヘリ10機、Mi-8ヘリ５機を装備する。沿岸防衛隊は砲兵大隊６個に152mm砲M-1937、地対艦ミサイル大隊３個にSSC-2Bを配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポーランド海軍（２０１３年）＞：兵力8000名。潜水艦５隻、フリゲート２隻、コルベット６隻、戦車揚陸艦５隻、揚陸艇３隻、掃海艇20隻、掃海指揮艦１隻、測量艦２隻、測量艇２隻、情報収集艦２隻、練習艦２隻、給油艦２隻、救難艦２隻、救難艇２隻、艦載ヘリ４機、固定翼陸上機12機、陸上ヘリ23機を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜ポーランド海軍（２０１５年）＞：兵力7700名、うち海軍航空隊1300名。コッベン級潜水艦４隻、キロ級潜水艦１隻、ジェネラル・カシミエルツ・プラスキ級フリゲート２隻、カシューブ級コルベット１隻、オルカン級ミサイル艇３隻、掃海艇21隻、ルブリン級LSM５隻、デバ級LCU３隻、兵站・支援艦艇38隻、An-28RM洋上哨戒機８機、An-28T洋上哨戒機２機、An-28TD輸送機２機、M-28B輸送機２機、Mi-14PL対潜ヘリ７機、SH-2G対潜ヘリ４機、Mi-17汎用ヘリ２機、Mi-14PS捜索救難ヘリ２機、W-3RM捜索救難ヘリ６機、Mi-2軽輸送ヘリ４機、NSM地対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポーランド義勇予備民兵（１９８９年）＞：兵力35万名。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポーランド空軍＞：1918年のポーランド軍創設時に編成された航空部隊が元である。1932年、P.7A戦闘機の配備を開始。1939年、ドイツ侵攻で消滅したが、パイロットはフランスに亡命、更にイギリスに渡り、イギリス空軍の一員として参戦した。人数が増えるとポーランド人パイロットのみの自由ポーランド飛行隊が編成されるようになり、第２次大戦終戦までに十数個が編成されている。1951年、Lim-1戦闘機の量産を開始。1954年、Lim-2戦闘機の量産を開始。1955年、MiG-17PF戦闘機を輸入。1963年3月（1961年？）、TS-11練習機の引き渡しが始まった。1981年、MiG-23戦闘機の配備を開始。1984年、Su-22攻撃機の運用を開始。1994年、PZL-130練習機の配備を開始。2002年、SW-4ヘリの配備を開始。2004年、C-295M輸送機の運用を開始。2006年、F-16戦闘機の導入を開始。2009年、C-130E輸送機の導入を開始。2016年、M-346練習機の配備を開始。2017年、シリア内戦介入インヒアラント・リゾルブ作戦に参加し、DB-110偵察ポッド搭載F-16による偵察任務を行った。6月5-16日、タクティカル・ウェポン・ミート2017に参加。12月、MiG-29戦闘機１機が墜落し、パイロットが負傷した。12月22日、Su-22M4とMiG-29の後継機計画ハルビア（ハルピア？）に、ボーイングがアドバンスド・スーパーホーネット、ロッキード・マーチンがF-35A、ユーロファイターGmbHがEF2000、サーブがJAS-39で応じたと発表した。他に中古F-16も提案されている。2018年7月6日、夜間訓練飛行中のMiG-29戦闘機が墜落し、パイロットは脱出したが死亡した。2019年5月27日、ハルピア計画でF-35A戦闘機32機の導入を決定し、アメリカに調達要求を伝えた。参考：月刊JWings7,’12、6,’13、3,’18、10,’18、8,’19、月刊軍事研究8,’14、月刊航空ファン10,’18、12,’16、9,’17、10,’19

　＜ポーランド空軍（１９７７年）＞：兵力62000名（うち徴兵18000名）、予備役60000名。MiG-17戦闘機260機、MiG-21戦闘機340機、Su-7戦闘機30機、Su-20戦闘機28機、Il-28爆撃機６機、MiG-15/MiG-21偵察機型72機、Il-28偵察機型５機、Il-14偵察機型４機、輸送機60機（An-12、An-24、An-26、Il-14、Il-18、Il-62、Tu-134、Yak-40など）、Mi-1/Mi-2ヘリ165機、Mi-4ヘリ19機、Mi-8ヘリ26機、練習機385機（イスクラ、MiG-15UTI、MiG-17UTI、MiG-21UTI、Il-28練習機型など）、SA-2地対空ミサイル36個大隊、SA-3地対空ミサイル12個大隊を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ポーランド空軍（１９８９年）＞：兵力105000名（うち徴兵30000名）、予備役75000名。Su-7B/-7U攻撃機30機、Su-20攻撃機50機、Su-22攻撃機75機、LIM-6攻撃機45機、MiG-21/-21U戦闘機325機、MiG-23MF戦闘機40機、MiG-21RF偵察機35機、An-2輸送機９機、An-12輸送機20機、An-26輸送機12機、Il-14輸送機12機、Tu-134A要人輸送機２機、Yak-40要人輸送機12機、Il-18要人輸送機１機、PZL-130要人輸送機25機、Mi-2ヘリ130機、Mi-8ヘリ50機、Ka-26ヘリ８機、Mi-24ヘリ30機、TS-8/TS-11/LIM-1/MiG-21UTI/Su-7U/PZL-130練習機300機、SA-2/-3/-5地対空ミサイル300基を装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ポーランド空軍（２０１５年）＞：現役兵力16600名。年間飛行時間160-200時間。MiG-29A戦闘機26機、MiG-29UB戦闘機６機、F-16Cブロック52プラス戦闘機36機、F-16Dブロック52プラス戦闘機12機、Su-22M-4攻撃機12機、Su-22UM3K戦闘機６機、C-130E輸送機５機、C-295M輸送機16機、M-28輸送機23機、PZL-130練習機28機、TS-11練習機32機、Mi-17ヘリ８機、Mi-8ヘリ９機、W-3ヘリ11機、W-3WA要人輸送ヘリ10機、Mi-2ヘリ16機、SW-4訓練ヘリ24機、S-125ネヴァSC地対空ミサイル17基、S-200C地対空ミサイル１基、R-60/-73/-27T空対空ミサイル、AIM-9/-120C空対空ミサイル、AGM-65J/G空対地ミサイル、Kh-25/-29空対地ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポーランド軍＞：1918年に独立国家として復活し、ポーランド軍も創設された。1939年にドイツとソ連の侵攻を受けて分割占領され、第２次大戦中は連合軍がポーランド第２軍団を、ソ連がポーランド人民師団を編成。1944年7月にポーランド東部がソ連により解放されるとポーランド民族委員会が樹立され、ポーランド人民共和国が誕生するとソ連軍を参考にポーランド人民軍が再建された。2014年9月、軍事費をGDP比2%に上昇させることを決めた。2015年1月、国家防衛局がサイバー防衛ドクトリンを発行した。2016年6月7-17日、年次航空演習アナコンダ2016を実施。ポーランド軍航空部隊に加え、アメリカ空軍F-16、アメリカ陸軍AH-64D、UH-60M、ドイツ空軍ユーロファイター、スウェーデン空軍JAS39グリペン、ハンガリー・クロアチア・マケドニア地上部隊も参加した。2017年5月、国防戦略レビューを発表。兵力を20万名（うち国土防衛隊53000名）に増強するなどして戦力強化を図る予定。参考：月刊PANZER5,’79、月刊航空ファン10,’16、10,’18、月刊軍事研究12,’17

　＜ポーランド軍（２０１５年）＞：現役総兵力99300名（陸軍48200名、海軍7700名、空軍16600名、特殊作戦部隊3000名、統合部隊23800名）、準軍事部隊73400名（国境警備隊14300名、警察テロ阻止部隊59100名）。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員180名、UNAMAオブザーバー１名、アルメニア／アゼルバイジャンにOSCEミンスク・カンファレンス要員１名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにアルテア作戦要員39名、中央アフリカ共和国にEUMAM RCA要員２名、コートジボアールにUNOCIオブザーバー２名、コンゴ民主共和国にMONUSCOオブザーバー２名、リベリアにUNMILオブザーバー２名、マリにEUTMマリ要員20名、モルドヴァにOSCE要員１名、セルビアにKFOR要員240名、歩兵中隊１個、USMIKオブザーバー１名、コソボにOSCE要員１名、南スーダンにUNMISSオブザーバー２名、ウクライナにOSCE要員30名、西サハラにMINURSOオブザーバー１名を派遣している。多国籍軍団司令部エレメントとしてドイツ軍67名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポーランド国土防衛部隊（１９８９年）＞：国防省隷下で、兵力65000名（うち徴兵27000名）。戦車、装甲兵員輸送車、対戦車砲を装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポーランド国境警備隊＞

＜ポーランド国境警備隊（１９８９年）＞：内務省隷下で、省司令部３個、旅団８個（うち山岳旅団１個）からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポーランド国境警備隊（２０１５年）＞：内務省隷下で、隊員数14300名（沿岸警備隊含む）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポーランド特殊部隊（２０１５年）＞：現役兵力3000名。特殊部隊ユニット３個、戦闘支援ユニット１個、支援ユニット１個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポーランド分割条約＞：独ソ国境友好条約を参照。

＜ポーランド陸軍＞：1933年、TK-3豆戦車を量産。1951年、T-34/85戦車のライセンス生産を開始。1963年、SKOT装甲車を量産。1978-85年、Mi-24Dヘリ16機を配備。1986-91年、Mi-24Wヘリ16機を配備。2002年、レオパルト2A4PLを発注。2004年、ロアラ地対空システムの引き渡しが始まった。2008年にT-72とPT-91の後継となるウィルクと呼ばれる新戦車の要求を纏めたが、2012年に変更され、50トン級主力戦車と歩兵戦闘車を兼ねるモジュラー装軌車両300-500両、BMP-1とMT-LBの後継となる軽装軌車両（IFV型、偵察型、指揮車型、火力支援型、回収車型、救急車型）1000-1500両を2014年から導入する予定である。2014-15年、ドイツから中古のレオパルト2A5戦車を105両受領した。2017年5月に発表した国防戦略レビューで、陸軍４個師団を新編、重装旅団をポーランド東部から中部に移動し、既存のレオパルト2A4戦車142両をレオパルト2PLに改修、T-72M1やPT-91をスペイン中古のレオパルト2A4で更新してこちらもレオパルト2PL規格とすることになった。レオパルト2PLの導入が完了する2027-2032年までは、T-72M1とPT-91に新型暗視装置を装着し、新型砲弾を運用可能とする改修を行って延命を図る。参考：月刊軍事研究2,’13、5,'16、12,’17、月刊JWings10,’15

＜ポーランド陸軍（１９７９年）＞：兵力222000名（うち徴兵166000名）、予備役500000名。３個軍管区、15個師団（自動車化狙撃師団８個、戦車師団５個、空挺師団１個、水陸両用師団１個）、４個重地対地戦術ミサイル旅団（スカッド装備）、３個砲兵旅団、１個砲兵連隊、６個高射砲兵連隊、３個隊戦車連隊からなる。戦時には２個機械化軍・１個戦車軍編成（１個自動車化狙撃師団、１個空挺師団、１個水陸両用師団、１個重地対地戦術ミサイル旅団は陸軍総司令部予備となる）となり、ワルシャワ統一軍北部方面軍隷下に入る。T-34/T-54/T-55/T-62戦車3500両、PT-76軽戦車300両、FUG65/FUG70、BRDM偵察車2000両、OT64装甲兵員輸送車2200両、BTR-40/-50/-60/-152装甲兵員輸送車104両、85mm砲400門、122mm/130mm砲700門、152mm砲150門、80mm/120mm迫撃砲550門、122mm/140mmロケット砲250門、フロッグ３／フロッグ７対地ロケット46基、スカッド36基、76mm/85mm/100mm対戦車砲、ASU-57/ASU-85自走砲、82mm無反動砲、サガー／スナッパー対戦車ミサイル、23mm高射機関砲/57mm/85mm/100mm高射砲/ZSU-57-2自走高射砲400門、SA-6/SA-7/SA-9地対空ミサイルを装備する。参考：軍事力バランス78年版、月刊PANZER5,’79

＜ポーランド陸軍（１９８９年）＞：兵力217000名（うち徴兵168000名）、予備役420000名。軍管区／軍司令部３個からなり、うち１個軍は戦車師団３個、自動車化狙撃師団２個、１個軍は戦車師団２個、自動車化狙撃師団３個、１個軍は自動車化狙撃師団１個からなる。軍直轄部隊として空挺旅団１個、両用戦強襲旅団１個、砲兵旅団５個、スカッド旅団４個、SA-4旅団１個、SA-8連隊１個、SA-6連隊２個、対戦車連隊３個が編成されている。T-34/85戦車270両、T-54/-55戦車2700両、T-72戦車360両、PT-76軽戦車100両、FUG/BRDM-2偵察車900両、BMP-1歩兵戦闘車1250両、OT-64A装甲車2700両、OT-64B、OT-64C(1)、OT-64C(2)、OT-62A装甲車200両、OT-62C、122mm榴弾砲M-1931/37を400門、122mm榴弾砲M-1938を850門、152mm榴弾砲M-1937を230門、2S1自走砲425門、DANA自走砲40門、BM-21ロケットランチャー230基、BM-14/WP-8ロケットランチャー30基、82mm/120mm迫撃砲550門、フロッグ地対地ミサイルランチャー52基、スカッドＢランチャー30基、AT-1/-3/-4/-5/-7対戦車ミサイル、85mm対戦車砲D-44を380門、100mm対戦車砲T-12を15門、ZU-23対空機関砲、ZSU-23-4自走対空機関砲150両、57mm高射砲S-60、SA-7地対空ミサイル、SA-4/-6/-8/-9/-13地対空ミサイル400基を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポーランド陸軍（２０１５年）＞：現役兵力48200名。第２機械化軍団司令部、軍団司令部エレメント１個、偵察連隊３個、第11機甲騎兵師団（機甲旅団２個、機械化旅団１個、砲兵連隊１個）、第12師団（機械化師団。機械化旅団２個、沿岸機械化旅団１個、砲兵連隊１個）、第16師団（機械化師団。機甲旅団２個、機械化旅団２個、砲兵連隊１個）、第21機械化旅団（機甲大隊１個、機械化大隊３個、砲兵大隊１個、防空大隊１個、工兵大隊１個）、第６航空強襲旅団（航空強襲大隊３個）、第25航空騎兵旅団（航空騎兵大隊３個、輸送ヘリ大隊２個、医療ユニット１個）、第１航空旅団（攻撃ヘリ飛行隊２個、CSARヘリ飛行隊１個、ISRヘリ飛行隊２個、Mi-2ヘリ飛行隊２個）、工兵連隊２個、ポンツーン橋連隊１個、化学連隊２個、防空連隊３個からなる。レオパルト2A4戦車142両、レオパルト2A5戦車91両、PT-91戦車233両、T-72/T-72M1D/T-72M1戦車505両、BRDM-2偵察車237両、BWR偵察車37両、WD R-5偵察車92両、BMP-1歩兵戦闘車1268両、ロスマック歩兵戦闘車570両、クーガー装甲車40両（アメリカから貸与）、M-ATV装甲車45両、マックスプロ装甲車30両、122mm自走砲2S1を292両、152mm自走砲M-77ダナ111両、BM-21多連装ロケット75両、RM-70多連装ロケット30両、WR-40多連装ロケット75両、98mm迫撃砲M-98を89門、120mm迫撃砲M120を95門、9K11/9K111／スパイクLR対戦車ミサイル、2K12自走地対空ミサイル20両、9K33オサAK自走地対空ミサイル64両、9K32地対空ミサイル、ZSU-23-4自走高射機関砲８両、ZSU-23-4MP自走高射機関砲20両、ZU-23-2高射機関砲252基、ZUR-23-2KG/PG高射機関砲72基、LIWIEC地上レーダー３基、Mi-24D/V攻撃ヘリ28機、Mi-8MTヘリ７機、Mi-17ヘリ３機、Mi-17A3医療ヘリ１機、Mi-17-1Vヘリ５機、Mi-2URPヘリ16機、W-3W/WAヘリ24機、W-3PL捜索救難ヘリ４機、Mi-8Tヘリ７機、Mi-2ヘリ25機、W-3AE医療ヘリ２機、IWT装甲工兵車、MT-LB装甲工兵車、レオパルト１戦車回収車10両、MT-LB装甲回収車15両、TRI装甲回収車、WPT-TOPAS装甲回収車、WZT-3装甲回収車40両、ビーバー戦車橋４両、BLG67M2戦車橋48両、ボゼナ地雷処理装置14基、カリナSUM地雷処理装置４基を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホーリー・グリーンズ＞：VAQ-131（飛行隊）を参照。

＜ホーリーホック＞：K64（コルベット）を参照。

＜ホール＞：DD-583（駆逐艦）を参照。

＜ボール＞：普通弾を参照。

＜ポール＞：FF-1080（フリゲート）または瑞雲（水上偵察機）を参照。

＜ポール・Ｆ・フォスター＞：DD-964（駆逐艦）またはEDD-964（試験艦）を参照。

＜ポール・Ｇ・ベイカー＞：DE-642（護衛駆逐艦）を参照。

＜ポール・イグナシアス＞：DDG-117（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜ポールキャット＞：P-175（無人機）を参照。

＜ポール・ジョーンズ＞：DD-230（駆逐艦）を参照。

＜ホールダー＞：DE-401（護衛駆逐艦）またはLST-1190（戦車揚陸艦）を参照。

＜ポールタイプトレーラ＞：自衛隊の車両。日本トレクス製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜ボールド・アリゲーター２０１２＞：2012年1月30日から2月12日までアメリカ東海岸で実施された多国籍合同演習。参加国はアメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリア、オランダ、カナダ、スペイン、ニュージーランド、フランスの９カ国で、兵力２万名、航空機、艦船31隻が参加した。内容はシーベースからの海兵遠征旅団による水陸両用作戦で、アメリカ海軍第２遠征打撃群（アメリカ強襲揚陸艦LHD-1ワスプ、LHD-3キアサージ、LHD-7イオー・ジマ、輸送揚陸艦２隻、揚陸艦２隻、イージス巡洋艦・駆逐艦計３隻、攻撃原潜１隻、フランス強襲揚陸艦L9013ミストラル）、アメリカ海兵隊第２海兵遠征旅団（第２連隊上陸チーム、第29海兵航空群、第25戦闘兵站連隊、第24海兵遠征隊、イギリス海兵隊、オランダ海兵隊、カナダ陸軍）、第12空母打撃群（空母CVN-65エンタープライズ、イージス巡洋艦・駆逐艦計４隻、攻撃原潜１隻）、軍事海上輸送コマンド（給油艦２隻、補給艦１隻、給兵艦１隻、航空支援艦１隻）、機雷戦任務部隊（アメリカ航空対機雷戦部隊、カナダ掃海艦艇３隻、アメリカ沿岸警備隊カッター１隻）による実動演習を行った。参考：月刊軍事研究4,’12

＜ボールド・アリゲーター２０１４＞：揚陸艦LHD-3キアサージを旗艦とする揚陸艦６隻による揚陸艦隊、イージス巡洋艦１隻、イージス駆逐艦３隻、SSN-750ニューポート・ニューズで遠征打撃群を編成し、実動演習を行った。参考：月刊軍事研究1,’16

＜ボールド・イーグル計画＞：U-2シリーズ（偵察機）を参照。

＜ボールドウィン＞：DD-624（駆逐艦）を参照。

＜ボールド・オライオン＞：WS-199（弾道ミサイル）を参照。

＜ポール・ドゥメ橋＞：北ベトナムの首都ハノイにかかる鉄橋で、今の名前はロンビエン鉄橋。鉄道網の要で、ベトナム戦争時の1967年8月11日に攻撃命令が出た。それから５ヶ月にわたりF-105Dが380トンの爆弾を投下したが、修復可能な損害しか与えられなかった。1972年5月10日、レーザー誘導爆弾で破壊された。参考：月刊JWings4,’01

＜ホールドバック・バー＞：Holdback Bar。カタパルト射出の際、エンジン出力を上昇させた機体が射出前に前進してしまうのを防ぐため、機体とカタパルトを固定しておくバーで、前脚支柱後面にあるホールドバック・バー・レセクタブルと接続する。射出時には固定が解かれ、シャトルに引っ張られて機体が急加速していく。参考：月刊世界の艦船2,'22、月刊JWings1,’02、7,’22

＜ボールトン・ポール社＞：イギリスの航空機会社。鉄製品会社として18世紀末に設立され、1915年から航空機を生産した。1937年、デファイアント戦闘機が初飛行。1950年、バリオルT.2及びシー・バリオルT.21の生産を開始。参考：月刊JWings5,’23

＜ボール爆弾＞：BLU-63/Bシリーズを参照。

＜ポール・ハミルトン＞：DD-590（フレッチャー級駆逐艦）またはDDG-60（イージス駆逐艦）を参照。

＜ポールバンダル＞：D-69（駆逐艦）を参照。

＜ボールブローク＞：L65（駆逐艦）を参照。

＜ボールマーカ＞：自衛隊の火工品。山陽色素製。参考：月刊軍事研究7,’08

＜ポールマスト＞：マストを参照。

＜ポール・ミキ・ナカソネ＞：ナカソネ大将を参照。

＜ホールメイト＞：日本海軍士官のスラングで、穴兄弟のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ポール・リヴィア＞：APA-248（攻撃輸送艦）を参照。

＜ポール・リヴィア級＞：アメリカ海軍攻撃輸送艦Paul Revere級、基本計画番号SCB-78。C4-S-1A型（マリナー型）標準貨物船を攻撃輸送艦に改造したもので、LCM(6)級７隻、LCVP12隻、LCPL５隻を搭載できるようにし、後甲板にヘリ甲板を設置した。艦橋前後に四脚ラティスマストを設け、60トン・デリックを装備している。全長171.8m、幅23.2m、吃水8.23m、軽荷排水量10709トン、満載排水量26838トン。主機はGE社製蒸気タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー缶２基、出力22000馬力、１軸推進、速力22ノット、航続距離は20ノットで10000海里。兵装は50口径76mm連装速射砲４基。乗員414名。兵員1657名、貨物1900トンを搭載できる。APA-248ポール・リヴィアとAPA-249フランシス・マリオンが1958-61年に竣工した。1980年、２隻ともスペイン海軍に引き渡されてカスティーヤ級として就役した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ホーレス・スミス＞：スミス＆ウェッソン社の創立メンバーの１人。1824年にスプリングフィールド工廠に就職。1842年に退職していくつかの銃工場を転々とし、1849年、自分のショップを持って銃を開発。1852年にS&W社を創立した。こちらは売却されてしまったが、1857年に再び工場を設立、数々のリボルバー銃を開発した。1873年に引退し、1893年に没した。参考：GUN用語事典

＜ホーワ３００＞：M1海外シリーズ（カービン）を参照。

＜ホーン＞：CG-30（ミサイル巡洋艦）またはブライドル・リトリーバーを参照。

＜ホーンアンテナ＞：アンテナの一種で、ラッパ（Horn）に形状が似ているため、この名称が付いた。参考：レーダの基礎

　＜扇形ホーンアンテナ＞：角錐形ホーンアンテナの左右または上下を極端に狭くしたもので、ファンビームの形成に使用する。参考：レーダの基礎

　＜角錐形ホーンアンテナ＞：ピラミッド形ホーンアンテナともいう。導波管で形成した電波に、角錐状のホーンで指向性を持たせるもので、電波は直線偏波になる。参考：レーダの基礎

　＜コルゲート・ホーンアンテナ＞：Corrugated horn antenna。ホーン内部に細い溝を多数刻んだもので、広帯域かつサイドローブを抑制した電波ビームを形成できる。参考：レーダの基礎

＜ポーン・ショップ＞：ロシアの53T6用誘導レーダーで、３基の球形アンテナを並列にしており、ミサイルに最終誘導指令を与える。参考：月刊軍事研究11,’00

＜ボーンフィッシュ＞：SS-223（潜水艦）またはSS-582（バーベル級潜水艦）を参照。

＜ボーンヘッズ＞：第95戦闘飛行隊を参照。

＜ホガー＞：032（潜水艦）を参照。

＜捕獲網艇（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。昭和4年に廃止され、所属艇は二等敷設艇に変更された。参考：月刊丸3,’14

＜保革油＞：日本陸軍用語で、靴クリームのこと。参考：帝国陸海軍事典

＜帆風＞：日本海軍峯風型駆逐艦12番艦Hokaze。大正10年12月12日（22日？）竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和2年7月28日から8月10日、御召艦山城の供奉艦を務めた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には第３駆逐隊に所属していた。昭和17年3月10日、アメリカ機動部隊の空襲を受けて損傷した。昭和18年7月1日、マカッサル海峡北口でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて中破した。昭和19年5月2日、パラオで座礁した。7月6日、セレベス島北東のサンギ島西方２海里でSS-263パドルの雷撃を受けて沈没し、9月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14、11,’18、日本海軍艦隊総覧

＜戊型＞：潜（戊）型潜水艦または潜丁二型潜水艦を参照。

＜ボガツイリ＞：ロシア海軍ボガツイリ級防護巡洋艦Bogatyr。1902年8月20日竣工。1904年5月15日、ウラジオストク沖で座礁した。ロシア革命では赤軍が使用。1918年に退役し、1922年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ボガツイリ級＞：ロシア海軍防護巡洋艦Bogatyr級。全長134m、常備排水量6645トン。主機はレシプロ蒸気機関２基２軸23000馬力、計画速力23ノット、公試時速力24.15ノット（１番艦）。兵装は15.2cm連装砲２基、15.2cm単装砲８門、7.5cm単装砲12門、4.7cm単装砲８門、37mm機砲２門、38.1cm水中魚雷発射管２門。１番艦ボガツイリはドイツのフルカン社、２番艦以降はロシアで建造され、５隻作る予定だったが５番艦は未完成に終わった。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ホガット・ベイ＞：CVE-75（護衛空母）を参照。

＜ポカテッロ＞：PF-9（フリゲート）を参照。

＜ボガマール・マリン級＞：イラン革命防衛隊海軍の高速ボートで、機銃や無反動砲、対戦車ミサイルなどを装備している。参考：月刊軍事研究4,’07

＜保管船（海上自衛隊）＞：海上自衛隊第４種支援船で、船種記号はYAC。予備艦に該当するもので、兵装や艤装の一部を外してある。解体待ちの状態で、港の片隅に置かれているが、停泊実習などに使用されることもある。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜保管船２４号型＞：海上自衛隊保管船。元はLCMで、1974年に保管船に船種変更されたものである。船体は鋼製。全長17.1m、幅4.3m、深さ1.7m、吃水0.9m、基準排水量22トン。主機はディーゼルで、出力450馬力、２軸推進、速力10ノット。YAC-24、YAC-25、YAC-26、YAC-27の４隻が船種変更された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜補機＞：Accessory。正確にはエンジン補機。エンジン本体ではないが、エンジン本来の機能を果たすために必要な機器のこと。気化器、始動機、発電機、マグネトー、ガバナー、潤滑装置、冷却装置、燃料管制機、燃料噴射装置、吸排気装置、過給器などで、纏めて補機類と呼ばれる。参考：航空用語事典増補改訂版、クルマのすべてがわかる事典

＜ホキアム＞：PF-5（フリゲート）を参照。

＜ボギー＞：Bogey。国籍不明機、敵味方不明機を表すアメリカ軍用語。参考：F-15イーグル、英独航空決戦、MAMOR vol.164

＜ホキ車＞：一式装軌装甲兵車を参照。

＜ホキ砲シリーズ＞：日本陸軍の20mm高射機関砲。参考：月刊戦車マガジン11,’92

　＜ホキ砲�T型＞：拠点防空用。設計のみ。参考：月刊戦車マガジン11,’92

　＜ホキ砲�U型＞：車載型で、タセ車（九八式軽戦車車台）に搭載された。全長2m、全備重量180kg。方向射界左右15度ずつ、俯仰角0-70度。照準は時速300-700km対応のリングサイトで行う。試作のみで1943年3月にタセ車共々開発中止となった。参考：月刊戦車マガジン11,’92

＜ポキプシ＞：PF-26（フリゲート）を参照。

＜補給＞：軍需の供給業務のことで、軍需品（弾薬、燃料、食糧など）を部隊に支給することを指す。参考：月刊軍事研究7,’97

＜補給（航空自衛隊職種）＞：航空自衛隊の職種。空自で使用する全物品を保管し、必要な部隊に出荷する。参考：月刊JWings7,’12

＜補給員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の補給科員。日用品から食料に燃料や水まで、各種物品の補給や保管を主任務とし、艦船、航空部隊、造修補給所などに配備され、倉庫や保管器材の維持整備も行う。経補要員として勤務した後、第４術科学校で補給課程を修了すると資格が得られる。物品取扱のため特定高圧ガス取扱主任者や乙種第４類危険物取扱者の免許を取り、倉庫などへの物品出し入れのためフォークリフト運転技能講習修了証、大型特殊自動車免許、クレーン・デリック運転士免許などを取得する。参考：MAMOR vol.142

＜補給科＞：海上自衛隊の科の１つ。トップは補給長で、補給士が補佐し、補給員、経理員、給養員などが所属する。庶務、給食、補給、会計などを行う。艦内酒保の管理も担当し、給与が現金手渡しだった時代には毎月18日に乗員それぞれへと分配していた。洋上では補給の機会が限られるため、食材の分量を間違えたりすると以降の調理に響くので注意。自衛艦では第４分隊である。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、MAMOR vol.84、vol.148、日本の防衛戦力Part7

＜補給艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。護衛隊群に随伴し、艦船用燃料、航空機用燃料、弾薬、糧食、予備品といった各種燃料物品を洋上補給するのを主任務とする、艦隊随伴多機能高速補給艦であり、液体補給品用タンク、自動式倉庫、戦闘員・災害被災者収容区画などを備える。港に停泊していても、洋上を行動中の艦船から物資や燃料の搬送依頼を受け緊急出動していくことも多い。積み忘れや機材故障で洋上補給が出来ないと艦隊ごと行動不能に陥るため、失敗の許されない実任務を常時達成する必要があり、士気と練度を常に高く保っている。夜間洋上給油では最小限の照明（数個の赤い灯火とケミカルライト目印のみ）で作業を行わねばならず、乗員分の暗視ゴーグルなどある筈も無く、目を瞑っても上甲板で作業できるよう覚え込んでおく。はまな型やアメリカ補給艦と違い、艦橋は後部の１つだけで、航行時の安全確認と補給作業時の監視を同じ場所から行うことが出来る。ただ門型補給ポストの水平連接ポータルに視界が阻まれるという欠点があり、ましゅう型ではモノポール式補給ポストを採用した。1976年5月11日、区分・自衛艦−大分類・特務艦−中分類・特務艦艇の下の種別として定められ、従来の給油艦もこちらに改称された。艦種記号はAOまたはAOE、艦番号はAOが411以降、AOEが421以降である。1979年、さがみ型１隻が竣工。1987-90年、とわだ型３隻が竣工。1997年頃、AOの艦種記号が廃止された。2004-05年、ましゅう型２隻が竣工。参考：MAMOR vol.126、月刊世界の艦船7,’14、1,’18、11,'17増刊、月刊軍事研究9,’18

＜補給基点＞：兵站主地以外の軍需品集積地で、陸路又は水路輸送の起点となる場所のこと。参考：月刊軍事研究7,’97

＜補給支援特別措置法＞：テロ対策特別措置法の期限切れを受け、2008年1月に新たに制定された法律。これに基づき、2008年2月からインド洋での支援活動が再開された。参考：朝雲

＜補給処（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の機関。処長が処務を掌理するにあたっては、補給本部長の指揮監督を受ける。参考：自衛隊法

＜補給所（海上自衛隊地方隊）＞：海上自衛隊地方隊隷下の補給部隊で、地方隊や艦艇が必要とする需品、火器、弾薬、車両、化学器材、施設器材、通信器材、衛生器材などを調達保管整備する。参考：日本の防衛戦力Part3

＜補給処（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の後方部隊で、補給本部の隷下にあり、担任品目別に組織されている。所掌事務は航空自衛隊の需品、火器、弾薬、車両、航空機、施設器材、通信器材、衛生機材等の補給、調達、保管、輸送、整備、調査研究（自衛隊法第26条第１項で規定）で、基地や部隊が独自に調達する物品以外のほぼ全てを調達保管し、基地や部隊に分散配置してある物品なども含めて一元管理する。24時間365日稼働しており、各部隊の故障部品はOCP（Out of Commission for Parts、パーツ待ち非稼働品。航空機はAircraft OCP、ミサイルはMissile OCP、レーダーはRadar OCPとなる）として特別緊急請求が行われ、直ちに交換部品が部隊に向けて発送される。各部隊では行えないレベルの修理整備は補給処で行う。部品が足りなくなる事態を避けるため、計画に従って業者から物品を購入する補給処調達を実施しており、これの契約事務も担当する。参考：月刊軍事研究7,’13、月刊JWings11,’16、補給本部ホームページ

＜補給処（自衛隊）＞：自衛隊の機関で、自衛隊の需品、火器、弾薬、車両、船舶、航空機、施設器材、通信器材、衛生器材などの調達・保管・補給・整備・調査研究を行う。処長は自衛官で、防衛大臣の定めるところにより処務を掌理する。参考：自衛隊法

＜補給処（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の後方部隊で、各方面隊に１個ずつ（北海道、東北、関東、関西、九州補給処）設けられている。補給を方面隊でなく中央で一括統制する方針としたのを受け、1996年に地区補給処からの改編が決定し、順次創設された。任務は自衛隊法第26条に規定があり、自衛隊の需品、火器、弾薬、車両、船舶、航空機、施設器材、通信器材、衛生器材などの調達、保管、補給、整備、調査研究を行う。用途廃止になった装備品の手続きや処分も担当する。処長は補給統制本部長の業務上の統制を受ける。防衛大臣が必要性を認めた場合、方面総監に処長を指揮監督させることができる。参考：自衛隊法、月刊軍事研究4,’12、月刊JWings5,’20

＜補給隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の補給部隊。後方地域に交付所を開設し、糧食、被服、燃料、装具などを各部隊に交付する。参考：日本の防衛戦力Part1

＜補給隊（陸自、１９７７年）＞：師団隷下で、補給任務の他、業務小隊が装備する給水セットを使用した給水任務も行う。参考：日本の防衛戦力Part1

＜補給隊（陸自、１９８０年代半ば）＞：師団隷下で、弾薬以外の補給、洗濯、入浴、浄水などの後方任務を行う。参考：兵器最先端５

＜補給長（海上自衛隊）＞：日本海軍で言えば主計長。庶務、経理、需品、給養といった各係員のトップで、艦艇における後方支援業務（経理、補給、食事管理など）の責任者である。酒保や自動販売機の物品管理なども行う。現金給与時代には内火艇で運んできた現金を乗員に分配するのが重要な仕事であった。潜水艦の補給長は潜航指揮も執れるし、哨戒長としての役目も行える。参考：月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船8,’11増刊

＜補給点＞：兵站輜重に対して軍需品を交付する地点のこと。参考：月刊軍事研究7,’97

＜補給統制処＞：航空自衛隊の補給部隊。1961年7月15日、資材統制隊から改編されて檜町で新編された。1981年2月10日、補給本部に改編され、市ヶ谷に移った。参考：補給本部ホームページ

＜補給統制本部＞：陸上自衛隊の後方部隊で、十条駐屯地に置かれている。防衛大臣直轄で、補給処を統括する。任務は自衛隊法第27条の３に規定されており、自衛隊法第26条第１項に規定する事務（自衛隊の需品、火器、弾薬、車両、船舶、航空機、施設器材、通信器材、衛生器材等の調達・保管・補給・整備・調査研究）の企画・総合調整・統制業務並びに、同項の調達事務のうち防衛大臣が定めるものである。トップは自衛官の補給統制本部長で、自衛隊法第26条の４に基づき、補給統制本部長が補給処長を統制する。1998年3月、十条駐屯地で新編された。2009年2月17-18日、航空機等技術改善会議を実施。陸自から140名、関連企業46社から200人が参加した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。発災後直ちに仙台駐屯地へ副本部長以下20名を派遣、前方指揮所（TAC・CP）を開設した。東北地方の民間石油備蓄基地が壊滅し、航空機用JP-4燃料の不足が懸念されたため、木更津駐屯地と関東補給処朝日燃料支処の在庫を民間役務輸送のタンクローリーで霞目駐屯地に運び込んでいる。また、１日250キロリットル（平時の約10倍）に達する陸自車両用燃料の供給、東日本における品不足の中での必要資材の確保といった任務にも尽力し、公告無しに契約する緊急調達を行って部隊から要請された必要物品を翌日には発送した。2012年6月25日、イオンと大規模災害時における物資の供給要請に関する協定を締結。6月26日、セブン＆アイ・ホールディングスと大規模災害時における物資の供給要請に関する協定を締結。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。1月27日、製パン会社のコモと大規模災害時における物資の供給要請に関する協定を締結。2月22日、部隊の即応態勢強化を目的に、一時子供預かり施設の開設・運営訓練を実施。2015年3月16-17日、日米兵站幕僚会議に参加。3月17日、一般社団法人日本建設機械レンタル協会と、建設機械等の情報に関する合意書を締結。災害派遣時の円滑な重機借り受けが目的で、レンタル可能な重機の種類や数などに関して協会から定期的な報告を受ける。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。5月30日、体育学校射撃班の教官を招いて拳銃装備者・射撃訓練担当者50名に拳銃射撃指導要領普及教育を実施。2017年9月6日、医薬品卸業社バイタルネットと、大規模災害時における医薬品等の供給に関する協定を締結し、十条駐屯地で衛生部長とバイタルネットの社長が協定書に調印した。2018年10月26日、生物剤警報器と広域放射線監視装置の通信用電波の出力を記した定期検査結果が、実際には訓令で定められた基準値を超えていたにも関わらず、基準値内に収まるよう補給統制本部内で書き換えられていた疑いがあると、陸上幕僚監部が発表した。実際の値は人体に影響の無いレベルであるが、両器材の運用を停止して調査を行っている。2020年2月13-14日、十条駐屯地で兵站フェア（後段）を開催し、３自衛隊の補給部隊や民間企業275社が参加した。11月19日、コカ・コーラボトラーズジャパンと大規模災害時における物資の供給要請に関する協定を締結した。2021年4月19日、新規採用職員14名を対象に独自の初任研修を実施。2022年3月17日、住宅火災現場での住民救出及び避難誘導の功績で、二等陸曹１名に東京消防庁消防総監感謝状が授与された。2023年11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に参加。参考：自衛隊法、月刊軍事研究4,’12、朝雲

＜補給品分類＞：次の10種に分類される。第１種・食料と水、第２種・被服等装備品、第３種・燃料、第４種・障害資材（土嚢や鉄条網）、第５種・弾薬、第６種・個人用品、第７種・完成品目（補充用主要装備）、第８種・衛生用品、第９種・交換部品、第10種・民政用品。参考：月刊軍事研究8,’03

＜補給本部（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の組織。海自の後方支援中枢であり、主任務は自衛隊法第26条第１項に規定する事務（自衛隊の需品、火器、弾薬、車両、船舶、航空機、施設器材、通信器材、衛生器材等の調達・保管・補給・整備・調査研究）の企画・総合調整・統制業務、同項に規定する調達事務のうち防衛大臣が定めるもの、海上自衛隊補給処の管理である。トップは補給本部長（自衛官）で、防衛大臣の定めるところにより、部務を掌理する。防衛大臣が必要性を認めた場合、自衛艦隊司令官に補給本部長を指揮監督させることができる。1998年12月8日、需給統制隊から改編されて十条で創設された。陸自十条駐屯地／補給統制本部、空自十条基地／補給本部と同居している。2001年10月1日、管理部に契約課と原価計算課を新設。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。6月30日、海自造修整備補給システム（オープン系）の運用記念行事を実施し、運用を開始した。2015年8月31日から9月4日、平成27年度海上自衛隊演習（図上演習）に参加。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。9月26日から10月9日、平成28年度海上自衛隊演習（図上演習〈日米共同演習〉）に参加。2017年10月31日から11月9日、海自幹部学校で平成29年度海上自衛隊演習（図上演習<日米共同演習>）に参加。2018年6月23日、第54回東京官公庁剣道大会に出場した事務官が女子個人戦で準優勝した。2019年9月4-9日、令和元年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。2020年4月1日、装備計画部に輸送計画課を新設。艦船・武器弾薬課を弾薬部とし、隷下に弾薬計画課、弾薬整備補給課、検査官を置いた。2021年9月28日から10月1日、令和3年度海上自衛隊演習（図上演習＜日米共同演習＞）に参加。自衛艦隊、佐世保地方隊、システム通信隊群と共に、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊と、海上作戦センター及び参加部隊などの所在地で、上級指揮官情勢判断や部隊運用要領などを演練した。2022年3月17日、住宅火災現場での住民救出及び避難誘導の功績で、二等海曹１名に東京消防庁消防総監感謝状が授与された。2023年10月3-6日、令和5年度海上自衛隊演習（図上演習（共同演習））に参加。参考：海上自衛隊補給本部ホームページ、自衛隊法、月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船12,’16、11,’19、12,'21、12,'23、朝雲

＜補給本部（海自、２００７年度改編前）＞：艦船補給処、航空補給処を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜補給本部（海自、２０１０年）＞：十条にある。航空補給処（木更津）、艦船補給処（田浦）を隷下に置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜補給本部（海自、２０１５年）＞：十条にある。トップは補給本部長で、副本部長と先任伍長が補佐する。会計監査官、管理部（総務課、会計課、契約課、原価計算課、有償援助調達課、原価監査官、人事管理官）、装備計画部（企画課、補給計画課、艦船装備計画課、航空装備計画課）、情報処理部（計画管理課、装備システム課、業務システム・電算機運用課）、艦船・武器部（艦船・武器補給課、幹線整備課、武器整備課、弾薬課）、航空機部（航空機補給課、航空機整備課、航空武器整備課）、需品部（需品補給課、需品整備課）からなる。航空補給処（木更津）と艦船補給処（田浦）を隷下に置く。参考：海上自衛隊補給本部ホームページ、月刊航空ファン4,’16

＜補給本部（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の後方支援を一元管理する組織で、十条基地に置かれている。主任務は自衛隊法第26条第１項に規定する事務（自衛隊の需品、火器、弾薬、車両、船舶、航空機、施設器材、通信器材、衛生器材等の調達・保管・補給・整備・調査研究）の企画・総合調整・統制業務と、航空自衛隊補給処の管理で、自衛隊法第27条の４に規定がある。中央調達（装備品丸ごとといった大規模調達）の関連業務も担当する。防衛大臣が必要性を認めた場合、航空総隊司令官に補給本部長を指揮監督させることができる。1981年2月10日、補給統制処から改編されて市ヶ谷で創設された。1997年12月1日、十条基地に移駐した。2009年3月10日、イラク復興支援活動への貢献に対し、航空幕僚長から二級賞状を授与された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2012年2月7-17日、コブラ・ゴールド12に参加。2013年3月1日、電算機室で事務共通システム運用開始記念式典を実施。8月1日、法務官が新設された。第１補給処が第４補給処木更津支処に改編され、第１補給処東京支処が第２補給処十条支処、第１補給処立川支処が第４補給処立川支処になった。8月31日、南海トラフ巨大地震を想定した平成25年度広域医療搬送訓練に参加。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。2月11-21日、コブラ・ゴールド14に参加。2015年2月9-20日、コブラゴールド15に参加。2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。1月19日から2月19日、コブラゴールド16に参加。10月14日、組織改編を実施。航空幕僚監部装備計画部整備・補給課の班名に合わせ、第１部を需品部、第２部を航空機部、第３部を通信電子部、第４部を武器弾薬部に改編し、需品管理課、航空機管理課、通信電子管理課、武器弾薬管理課に調達室を置いた。陸自十条駐屯地体育館で創設60周年記念式典を挙行。2017年現在、管理品目数は74万点に及び、F-35A、E-2D、KC-46、サイテーション680Aの導入により更に増える見込みである。3月1日、十条基地で事務共通システム換装記念行事を実施。2018年10月18-26日、平成30年度航空総隊総合訓練（実動訓練）に参加。2020年1月31日に発出された新型コロナウイルス感染症拡大防止の災害派遣に参加。10月19日から11月10日、令和2年度航空総隊総合訓練（実動訓練）に参加。11月26日から12月3日、令和2年度在外邦人等保護措置訓練に参加。2021年3月17日、品質管理QC（Quality Control）サークル第１回大会を実施。第３補給処が金賞と補給本部長賞を独占した。2022年8月31日から9月7日、令和4年度在外邦人等輸送訓練に参加。2023年2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。2024年2月5-23日、コープ・ノース24に参加。2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。参考：補給本部ホームページ、自衛隊法、MAMOR vol.52、vol.160、月刊世界の艦船4,’12、4,’14、4,’15、月刊JWings11,’16、8,’14、1,’19、1,'21、2,'21、11,'22、4,'24、月刊軍事研究7,'15、11,’17、月刊航空ファン5,’16、2,’17、朝雲

＜補給本部（空自、１９８０年代前半）＞：第１補給処、第２補給処、第３補給処、第４補給処を隷下に置く。参考：日本の戦力

＜補給本部（空自、２００７年度）＞：第１補給処、第２補給処、第３補給処、第４補給処を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜補給本部（空自、２０１０年）＞：十条基地にある。第１補給処（木更津）、第２補給処（岐阜）、第３補給処（入間）、第４補給処（入間）を隷下に置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜補給本部（空自、２０１５年）＞：十条基地に置かれている。トップは本部長で、副本部長、監理監察官、法務官、医務官、総務部（総務課、人事課、厚生課）、計画部（企画課、会計課、整備課、補給課、調達課）、第１部（第１整備課、第１補給課、第１調達課。車両、電源、被服、救命装備品、衛生、燃料、一般用品の整備補給調達を行う）、第２部（システム管理課、第２整備課、第２補給課、第２調達課。航空機、航空機エンジン、航空機支援器材の整備補給調達を行う）、第３部（第３整備課、第３補給課、第３調達課。アビオニクス、レーダー等通信電子器材、写真器材、これらの部品の整備補給調達を行う）、第４部（第４整備課、第４補給課、第４調達課。武器、弾薬、標的、標的曳航器材、関連整備器材等、これらの部品の整備補給調達を行う）、情報処理部（計画管理課、電子計算機システム課、計算課、印刷課、類別標準課。電子計算機システム管理運用、情報保証、図書業務、文書等の浄書印刷製本、写真業務、物品の類別及び標準化を行う）、技術課（新規装備品の技術要求事項作成、各種技術審査、初回試験実施要領審査、品質管理・形態管理・信頼性管理に関する総括業務を行う）からなる。第２補給処、第３補給処、第４補給処を隷下に置く。参考：補給本部ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊航空ファン4,’16

＜補給本部（空自、２０１６年１０月１４日改編）＞：十条基地に置かれている。トップは本部長で、副本部長、監理監察官、法務官、医務官、准曹士先任、総務部（総務課、人事課、厚生課）、計画部（企画課、会計課、整備課、補給課、調達課）、航空機部（航空機管理課、航空機第１課、航空機第２課、航空機第３課）、武器弾薬部（武器弾薬管理課、武器弾薬第１課、武器弾薬第２課）、通信電子部（通信電子管理課、通信電子第１課、通信電子第２課）、需品部（需品管理課、需品第１課、需品第２課）、情報処理部（計画管理課、電子計算機システム課、計算課、印刷課、類別標準課）、技術課からなる。隷下に第２補給処、第３補給処、第４補給処を置く。参考：補給本部ホームページ、月刊JWings11,’16

＜補給輸送飛行隊＞：VRCを参照。

＜補給用冷凍装置＞：自衛隊の機器。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜ホギング＞：船体中央に波の山、船首尾に波の谷が位置すること。船体中央で浮力が増加、船首尾で減少し、船体中央に上向きの力がかかる。参考：図解船の科学、艦船メカニズム図鑑

＜北安丸＞：日本海軍特設運送船。元は大連汽船の貨物船である。垂線間長106.0m、幅15.3m、深さ7.46m、満載吃水6.24m、総トン数3714トン、重量トン数5209トン。主機は三井B&Wディーゼル１基１軸2200馬力、航海速力12ノット、最大速力15.8ノット。昭和13年7月31日竣工。太平洋戦争勃発で日本海軍に徴用されて特設運送船となり、更に応急タンカーに改造された。昭和18年9月、一般徴用船となった。9月9日、SS-209グレイリングに衝撃をかけて撃沈したらしい。昭和19年2月14日、ボルネオからマニラを経由して門司に戻る途中、ルソン島南方ベルデ島海峡でSS-249フラッシャーの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜北運５７５＞：太倉（補給艦）を参照。

＜北欧国連待機軍＞：1968年にスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの４カ国が創設したPKO・自然災害時救援活動専門軍で、正規軍は流用していない。訓練センターも分担して設置しており、スウェーデンは将校向け訓練センター、デンマークは憲兵用訓練センター、ノルウェーは後方支援訓練センター、フィンランドは軍事監視訓練センターを担当する。参考：コンバット・バイブル２

＜北欧防衛協力＞：NORDEFCOと略す。アイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドが2009年に構築した防衛協力体制である。戦略的発展、作戦能力、人的資源・教育、訓練、演習、作戦の分野で相互協力を実施するとしており、演習としてはクロスボーダー・トレーニングを行っている。2013年12月にヘルシンキで閣僚級会議を開催し、ヴィジョン2020を採択、防衛協力関係の強化や装備共同調達、合同作戦部隊創設を決定した。参考：朝雲、月刊軍事研究10,’15

＜ホク級＞：パキスタン海軍ミサイル艇。中国製のものを導入した。兵装はHY-2艦対艦ミサイル発射筒２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜北救１２１＞：861（潜水艦救難艦）を参照。

＜ボクサー＞：CV-21（空母）またはF92（22型フリゲート）またはL2H43（トラック）またはLHD-4（ワスプ級強襲揚陸艦）またはLPH-4（ボクサー級強襲揚陸艦）を参照。

＜ボクサー・シリーズ＞：ドイツのクラウス・マッファイ・ヴェクマン社とラインメタル・ランドシステムズ社が開発した８×８輪多用途装甲車Boxer。1998年にイギリス、フランス、ドイツが共同開発に合意し、合弁企業ARTEC GmbHを主契約社にMRAV/GTK/PWVとして開発していたが、1999年にフランスが抜け、2001年にオランダが加わり、2003年にイギリスが抜け、ドイツとオランダの共同開発になった。イギリスは2018年に再参加を正式発表している。ドイツ陸軍は装甲兵員輸送車型135両、コマンドポスト65両、装甲救急車72両を、オランダ陸軍はコマンドポスト55両、装甲貨物車27両、貨物・指揮通信車19両、装甲工兵車41両を発注した。2015年末にはドイツ陸軍がフクスA8の後継として新型装甲兵員輸送車型131両を追加発注しており、2016-20年に配備する予定である。イギリスは2023年から運用に入る予定で、サウジアラビアも200両を導入予定。リトアニア陸軍とオーストラリア陸軍も採用した。参考：月刊軍事研究10,’08、8,’06、2,’09、8,’11、12,'15、5,'16、7,’16、9,’18、月刊グランドパワー9,’04、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボクサー＞：車体は装甲鋼板製で、AMAP複合装甲の装着が可能。車体底部は地雷やIEDに対抗するため船底型三重装甲を採用した。操縦室と下部車体をドライビング・モジュールとして一体化しており、車体後部にミッション・モジュールを搭載する形になっていて、ミッション・モジュールとしては兵員室、装甲救急車、コマンドポスト、修理車輌、装甲工兵車、装甲貨物車、貨物・指揮通信車が用意されている。ミッション・モジュールとドライビング・モジュールの固定は４ヵ所のみで、脱着には１時間しかかからない。スカイレンジャー砲塔を搭載した自走対空機関砲型なども提案されている。タイヤ圧自動制御装置セゴシェゴン・パワーを装備する。全長7.93m、全幅2.99m、車体高2.376m、標準重量25.2トン、戦闘重量33トン、最大戦闘重量38.5トン、積載量８トン。エンジンはMTU社製8V199TE20ディーゼル（720馬力）で、最大速度103km、航続距離1050km。兵装は40mm自動てき弾発射機または12.7mm機銃。参考：月刊軍事研究10,’08、8,’06、2,’09、8,’11、12,'15、5,'16、7,’16、9,’18、月刊グランドパワー9,’04、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ボクサーＲＣＴ＞：RCTは遠隔操作砲塔の略で、別名プーボ。プーマ歩兵戦闘車と同じ無人砲塔を搭載したもので、主砲はMk44ブッシュマスター�U、副武装はFLW200遠隔操作銃塔である。砲塔左にスパイクLR対戦車ミサイルを追加可能。乗員は車長、操縦手、砲手。乗車兵員８名。参考：月刊軍事研究10,’10、2,’16、7,’16

＜ボクサー・ファミリー＞

　＜ボクサー指揮通信車＞：車体後部に指揮通信用ミッション・モジュールを搭載したタイプ。モジュール後部に20インチ以上の大型モニターを装備しており、車外に向けて野外会議に使うこともできる。走行しながら指揮を執れるよう、各座席にもモニターが用意されている。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ボクサー海外シリーズ＞

　＜ボクサー（オーストラリア陸軍）＞：オーストラリア陸軍装輪装甲車。ASLAV及びM113AS4の後継車両を選定するランド400計画で2018年3月14日に採用を決定した。BAE社製35mm機関砲塔を搭載する。戦闘偵察車型と歩兵戦闘車型を計211両導入し、2020年から配備する予定。参考：月刊PANZER6,’18

　＜ボクサー（リトアニア陸軍）＞：リトアニア陸軍装甲車、別名Vilkas（狼）。30mm機関砲、7.62mm同軸機銃、スパイクLR対戦車ミサイル連装ランチャー装備のラファエル社製サムソンMk�U遠隔操作砲塔を載せた歩兵戦闘車型（M113の後継）と、コマンドポスト型を計88両採用した。2017-21年に53両をクラウス・マッファイ・ヴェグマン、35両をラインメタルで生産する。参考：月刊軍事研究7,’16、2,’17

＜ボクサー・エンジン＞：水平対向エンジンを参照。

＜ボクサー・カートリッジ＞：イギリスのボクサー大佐が開発した金属薬莢で、スナイドル銃に使用される。発砲時には僅かに膨張して発射ガスを外に漏らさない。参考：月刊軍事研究11,’02

＜ボクサー型アンビル＞：アンビルを参照。

＜ボクサー級＞：アメリカ海軍強襲揚陸艦（LPH）Boxer級。アングルドデッキ改装を受けず旧式化したエセックス級対潜空母３隻をLPHに改造したものである。カタパルトや着艦拘束装置などの航空艤装を全て撤去して飛行甲板にヘリ発着スポット（左舷側10カ所、右舷側アイランド前後３カ所ずつ）を設け、艦内に海兵隊員1300-1800名、ヘリ（HUSまたはHR2S）30機、2000トンの車両・資材を搭載する施設を整備した。主缶と主機、推進軸を半分に減らし、機銃は全撤去している。５インチ砲は上陸作戦時の火力支援用として残した。全長270.7m、最大幅45m、水線幅28.3m、満載吃水8.61m（LPH-5とLPH-8は8.69m）、軽荷排水量25800トン、満載排水量36780-37500トン。主機はウエスティングハウス製蒸気タービン２基、主缶はバブコック＆ウイルコックス缶４基、出力75000馬力、２軸推進、速力27ノット、航続距離は12ノットで17600海里。兵装は38口径５インチ連装両用砲４基（LPH-5とLPH-8は３基）。乗員1331名（LPH-5は1646名、LPH-8は1610名）。海兵隊1300名（LPH-5とLPH-8は1800名）を搭載できる。ヘリ搭載数は格納庫内10機、飛行甲板上20機。1959-61年にCVS-21ボクサーがLPH-4に、CVS-37プリンストンがLPH-5に、CVS-45バリー・フォージがLPH-8に改造された。元が正規空母なのでヘリ用スペースは十分だったが、大きすぎて兵員と貨物の運用効率に難があったのと、運用コストがかさんだため、イオージマ級を新造した方が安く、1969-70年には早々と退役し、CVS-39レイク・シャンプレインの改造は中止された。参考：アメリカ揚陸艦史、丸スペシャルNo.90、月刊世界の艦船6,’12、12,’13、8,’15、12,’20

　＜ボクサー級ＦＲＡＭ�U改装＞：1961-64年に実施された。主缶を半分に減らし、アイランドを大型化、電子兵装を更新している。LPH-5とLPH-8はアイランド前後の５インチ連装両用砲を１基ずつに減らした。速力25ノット。参考：アメリカ揚陸艦史、丸スペシャルNo.90、月刊世界の艦船6,’12

＜ボクサー級＞：イギリス海軍戦車揚陸艦Boxer級。当初から戦車揚陸艦として設計された世界初の艦で、マラカイボ級LSTの速力改善型であり、後にアメリカ海軍との艦種記号統一でLST(1)級の名称が付いた。艦内にはほぼ全通にわたり車両甲板が設けられており、前部に観音開きの門扉と長さ30mのランプが用意されている。船体中央に艦橋があり、その直後の中心線上に上甲板と戦車甲板を結ぶリフトがある。右舷に煙突、左舷に40トンクレーンを持つ。全長121.9m、軽荷排水量2840トン、満載排水量5410トン。速力17ノット。兵装は２ポンド砲４門など。30トン級の戦車13両、兵員200名を搭載できる。1943年に３隻が建造された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船2,’14、4,’22

＜ボクサー・スタンス＞：ウィーバー・スタンス（拳銃保持姿勢）を参照。

＜ボクサー・プライマー＞：ボクサー型雷管。イギリスの造兵将校エドワード・ボクサーが開発した雷管で、発火金が雷管に内蔵されており、１個の伝火孔で済む。使用後に雷管を抜き取るのが簡単なので、リロードが楽。参考：GUN用語事典

＜牧師科（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍の科の１つ。科員はプロテスタントの牧師とカトリックの神父の両方に対応しており、大型艦艇に配置される。教会も用意されていて、こちらはキリスト教だけでなく他の宗教の礼拝にも使用可能。参考：MAMOR vol.115

＜北支事変＞：日華事変を参照。

＜北清事変＞：義和団事件を参照。

＜北拖７２１＞：中国海軍北拖721型救難曳船の艦番号、Beituo721。2009年6月22日、沖ノ鳥島の北東260kmに進出した。2010年3月18日、洪澤湖と共に宮古島の南140kmを航行しているのを第５航空群のP-3Cが発見した。参考：月刊世界の艦船9,’09、4,’11

＜北拖７２１型＞：中国海軍救難曳船で、制式名称は不明。徒仲型救難曳船の拡大改良型らしい。水線長80m、幅14m、深さ6.8m。艦番号北拖721と南拖181が2008年、南拖189が2012年に就役した。参考：月刊世界の艦船9,’09

＜北調８４１＞：中国海軍大地級情報収集艦１番艦の艦番号Beidiao841。正式な艦名は不明。元は国家海洋局観測船の向陽紅28で、1986年に海軍に移管されて就役、艦番号が北調841になった。後に艦番号が北調900に変更された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’13、2,’19

＜北調９００＞：中国海軍大地級情報収集艦１番艦の艦番号Beidiao 900。北調841から改称された。2011年11月22-23日、沖縄本島と宮古島の間を通って西太平洋に進出。11月24日、第５航空群のP-3Cが発見した。11月25日、沖縄本島と宮古島の間を通って帰投した。2019年現在、東海艦隊に所属している。参考：月刊世界の艦船3,’13、2,’12、2,’19

＜北調９１１＞：中国海軍音響測定艦の艦番号Beidiao 991。船型はSWATH型で、統合電気推進を採用しているらしい。2008年就役。参考：月刊世界の艦船3,’13

＜北鎮師団＞：第２師団（陸自）を参照。

＜北斗シリーズ＞：中国人民解放軍の全地球衛星航法システムBei Dou、正式には北斗衛星導航系統。３段階の開発計画で完成する予定で、2018年末までに一帯一路経済圏、2020年までに静止軌道５基・傾斜軌道３基・中軌道27基の衛星で世界中をカバーする。参考：月刊軍事研究2,’15、3,’11、4,’18

　＜北斗１＞：1978年のGPS衛星打ち上げに刺激され、1983年に双星快速定位通信システムという名称で中国科学院から提案されたが、この時は技術的に不可能などとして却下された。1986年3月、共産党中央委員会において、八六三計画という名称の西側先端技術導入による科学技術発展方針が決定され、北斗１を軍でも研究することになった。1989年9月25日、東方紅２衛星２基による測位実験が行われ、精度20m未満での測位に成功、1993年から正式に研究開発が始まり、2000年10月31日に衛星初号機（東経140度。2010年11月に東経60-58.75度に移動）が打ち上げられ、２号機（東経80.5度）は2000年12月21日に、３号機（予備。東経110.5度）は2003年5月25日に打ち上げられてシステムは2003年に完成した。システムは静止軌道上の衛星２基、地上局、送受信器で構成される。地上局は衛星に向けてＣバンド（6GHz）の問い合わせ電波を送信しており、衛星はこれを周波数変換して地上の送受信器（サービス利用者が持っている）にＳバンド（2.4835-2.5GHz）で返す。送受信器はこの電波を受信すると、ID番号とＬバンド（1.61-1.6255GHz）の呼応電波（電波発射時刻情報入り）を衛星に発信する。衛星はこれを周波数変換し、電波が衛星に届いた時刻を加えてＣバンド（4GHz）で地上局に送る。地上局は送受信器が電波を送った時間と衛星に電波が届いた時間の差から２基の衛星と送受信器の距離を計算し、送受信器の位置を特定（衛星は静止軌道上の定位置にあるため、２基の衛星からの距離情報だけで計算できる）、地球基準楕円体に投影して緯度と経度を割り出す。この情報は地上局から衛星に送られ、衛星はＳバンドで送受信器に向け送信、送受信器は自分のIDの入った位置情報を受け取り、地上局から送られた地図情報と重ねて現在位置を表示する。精度は衛星のみで100m、地上校正局から補正情報を得られる場合で20m、送受信器の観測結果も加えて補正する場合で10m。標高校正処理部のデータベースや気圧測定局の標高情報が得られる場合の三次元定位では精度20m。全天候下で24時間利用できるが、東経70-140度、北緯5-55度に限られる（日本でも使える）。利用可能仰角は10-75度。2004年4月から一般利用が可能となっており、無料の公開サービスと、利用料ありの利用者限定高精度・高信頼性サービスが利用できる。また、送信機能を活かして利用者同士の短文通信サービス（漢字なら120文字くらい。暗号処理付き）というのもある。欠点は、機能の大部分を地上局が担っているのでここを破壊されると使えなくなること、地上局が１秒間に150件しか位置情報を処理できないので利用者数が限られること、送受信器に衛星まで届く送信機能を付けないといけないので小型化が難しいこと、アクティブ送信を行うので逆探知されること、亜音速以上の高速移動物体では利用できないこと。参考：月刊軍事研究3,’11、2,’15

　＜北斗２＞：北斗１の改良型で、北斗開発第２段階（2012年完了予定）では静止衛星５基、傾斜衛星３基、中高度周回衛星４基で測位精度を向上させると共に、使用領域を北緯55度から南緯55度、東経55-180度に拡大する。第３段階（2020年頃完了予定）では静止衛星５基と中高度周回衛星30基（または静止衛星５基と傾斜衛星３基と中高度周回衛星27基）、高精度原子時計、全世界地上局によりセンチメートル単位の測位精度を目指す。2007年2月3日、静止衛星１基を打ち上げたが、これは2009年2月に退役用廃棄軌道に移された。2007年4月14日、中高度周回衛星１基を打ち上げ。2008年4月15日、静止衛星１基を東経83.5度に投入したが、制御不能になって東経75度付近にずれた。2009年4月15日、静止衛星１基を打ち上げた。2010年1月17日、静止衛星１基を打ち上げ、軌道変更を繰り返して6月6日に東経144.5度での運用を開始した。6月2日、静止衛星１基を打ち上げ、6月7日に東経84.6度に展開させた。8月1日、傾斜軌道衛星１基を打ち上げた。11月1日、静止衛星１基を打ち上げた。12月17日、傾斜軌道衛星１基を打ち上げた。2012年12月、アジア太平洋向け測位サービスを開始。参考：月刊軍事研究3,’11、10,’14

　＜北斗３＞：2018年末までに18基を打ち上げる予定。2017年10月5日、長征3Bロケットで２基を高度21500kmの中軌道（MEO）に乗せた。2020年6月23日、衛星30基によるシステムが完成した。参考：月刊軍事研究4,’18、月刊世界の艦船7,’21

＜北東アジア協力ダイアログ＞：NEACD（The NorthEast Asia Cooperation Dialogue）と略す。カリフォルニア大学サンディエゴ校世界紛争・協力研究所（IGCC）が1993年から開催している安全保障・信頼醸成措置に関する国際会議。アメリカ、韓国、北朝鮮、中国、日本、ロシアの政府関係者や民間研究者が参加している。参考：MAMOR vol.83

＜北東軍＞：USNEC（アメリカ統合軍）を参照。

＜北東方面艦隊（日本海軍）＞：日本海軍の艦隊で、昭和18年8月5日に横浜で編成された。司令長官は戸塚道太郎中将（第12航空艦隊司令長官と兼務）。昭和19年8月1日、第22戦隊が除かれた。12月5日に解隊された。参考：日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’13増刊

　＜北東方面艦隊（昭和１９年８月）＞：連合艦隊隷下で、司令長官は後藤英次中将（第12航空艦隊司令長官兼務）。隷下に第５艦隊と第12航空艦隊を置く。参考：比島決戦

＜北爆＞：ローリング・サンダー作戦を参照。

＜北部軍（日本陸軍）＞：日本陸軍の軍。南樺太、北海道、青森、岩手、秋田、山形の防衛を担当する。昭和15年12月、北海道月寒村で新編された。司令官は浜本喜三郎中将である。昭和18年2月、北方軍に改編された。参考：歴史群像8,’17

＜北部軍集団（ソ連軍、１９８９年）＞：西部戦略方面隷下で、司令部はポーランドのレグニツァにある。兵力40000名。戦車師団１個、自動車化狙撃師団１個、スカッド旅団１個、地対空ミサイル連隊１個、戦車訓練連隊１個、攻撃ヘリ連隊１個（Mi-8/-24ヘリ80機）からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜北部訓練場＞：キャンプ・ゴンザルベス。在日米軍の演習場で、沖縄本島北部にあり、森林地帯なのでジャングル・ウォーフェア・トレーニング・センターとも呼ばれる。海兵隊の管理下だが、グリンベレーなども使用しており、対ゲリラ戦、サバイバル、ヘリボーンといった訓練が行われている。2016年12月、日米両政府が総面積7824万ヘクタールのうち約4000万ヘクタール（沖縄県の米軍施設・区域面積の約２割にあたる）の返還で合意し、12月22日に日本政府へと返還された。不発弾処理や土壌汚染除去などを行い、2017年12月25日に国頭村で小野寺防衛大臣らが出席して引渡式が行われ、地権者に返還されている。参考：月刊軍事研究4,’10、写真で見るトモダチ作戦、朝雲

＜北部航空音楽隊＞：航空自衛隊の音楽隊で、三沢基地に置かれている。1976年10月1日、北部航空方面隊隷下に三沢基地で新編された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2011年3月28日1200、岩手県山田町織笠小学校卒業式で演奏支援と慰問演奏を実施。2012年3月11日、岩手県山田町中央公民館で行われた東日本大震災追悼行事で慰霊演奏を実施。3月17日、青森県三沢市公会堂で第33回定期演奏会を実施。2013年11月14日、弘前市立船沢中学校の芸術鑑賞教室に協力した。2014年11月29日、リンクステーションホール青森で陸海空自衛隊合同演奏会に参加。2016年12月17日、陸自第９師団第９音楽隊、海自大湊音楽隊と共に、青森地本創立60周年記念陸海空自衛隊合同演奏会に参加。2017年9月2日、国学館高校主催の航空自衛隊北部航空音楽隊コンサートで演奏した。2018年1月20-21日、秋田市内のショッピングセンターでミニコンサートを実施。2019年2月22日、八戸地区自衛隊協力会主催の三八地区入隊予定者激励会で演奏した。2020年6月5日、2016年2月以来４年間の服務無事故達成により、航空総隊司令官から第３級賞状を授与された。2021年10月28日、鷹栖町のたかすメロディーホールで演奏会を実施。参考：MAMOR vol.52、vol.108、月刊JWings6,’11、8,’14、三沢基地ホームページ、朝雲

　＜北部航空音楽隊（２０１５年）＞：北部航空方面隊の隷下で、三沢基地に置かれている。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北部航空警戒管制団＞：航空自衛隊の航空警戒管制団で、三沢基地に置かれている。1954年10月1日、北部訓練航空警戒隊として三沢基地で新編された。1961年7月15日、北部航空警戒管制団に改編され、隷下に警戒資料隊が新編された。1971年12月1日、臨時第１移動警戒隊が新編された。1973年10月16日、臨時第１移動警戒隊が第１移動警戒隊に改編された。1984年10月1日、第５移動警戒隊が新編された。1985年4月6日、警戒資料隊が警戒資料群に改編された。1987年3月31日、第８移動警戒隊が新編された。1988年3月31日、第11移動警戒隊が新編された。2000年3月31日、隷下部隊が２個警戒群７個警戒隊になった。6月30日、第11移動警戒隊が廃止された。2001年3月27日、警戒資料群が廃止された。2002年3月31日、第５移動警戒隊が廃止された。2009年7月25日から8月1日、米軍再編に係る岩国飛行場から三沢基地への訓練移転（共同訓練）に参加。2010年3月26日、第８移動警戒隊が第１移動警戒隊に統合され、第１移動警戒隊が三沢基地から千歳基地に移駐した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2012年9月5-7日、米軍再編に伴う岩国飛行場から千歳基地への訓練移転（共同訓練）に参加。2015年12月1-18日、米軍再編に係る嘉手納飛行場から空自三沢基地への訓練移転（共同訓練）に参加。2016年1月12-22日、米軍再編に関する岩国飛行場から千歳基地への共同訓練移転に参加。12月5-16日、千歳基地で在日米軍再編に伴う訓練移転（日米共同訓練）に参加。2017年7月7-14日、米軍再編に係る嘉手納飛行場から三沢基地への訓練移転（共同訓練）に参加。第２航空団、第３航空団、警戒航空隊と共に、アメリカ第18航空団F-15C戦闘機、E-3早期警戒管制機１機と三沢東方・秋田西方空域で戦闘機戦闘訓練を行った。2018年4月23-27日、米軍再編に係る三沢基地から千歳基地への訓練移転に参加し、第２航空団と共に、アメリカ第35戦闘航空団と戦闘機戦闘訓練などを行った。5月9-24日、米軍再編に係る岩国飛行場から三沢基地への訓練移転（共同訓練）に参加。第２航空団F-15戦闘機４機、第３航空団F-35A戦闘機１機、F-2戦闘機４機、第３・第６高射群、警戒航空隊などと共に、アメリカ第12海兵航空群F-35B戦闘機８機と、三沢東方空域などで戦闘機戦闘訓練や空対地射爆撃訓練を行った。10月17日、北部方面隊持続走大会で優勝した。2021年9月30日、警戒通信隊が空自第５回品質管理QCサークル全国大会でシルバー賞を受賞した。2022年6月3日、第２航空団F-15戦闘機２機と共に、青森県東方の太平洋上で日米共同訓練に参加し、アメリカ空軍B-1B爆撃機２機と要撃戦闘訓練を行った。6月29日、東シナ海と日本海上で日米共同訓練に参加。第２航空団F-15戦闘機４機、第６航空団F-15戦闘機４機、第８航空団F-2戦闘機４機、中部航空警戒管制団、西部航空警戒管制団と共に、アメリカ空軍第34爆撃飛行隊B-1B爆撃機２機と、編隊航法訓練を行った。9月9日、青森県西方の日本海上空で日米共同訓練に参加。10月27日、日本海上空で日米共同訓練に参加。第２航空団、第７航空団、第８航空団、中部・西部航空警戒管制団と共に、アメリカ空軍B-52H戦略爆撃機２機と、編隊航法訓練を行った。12月21日、青森県西方の日本海上の空域で日米共同訓練に参加。第３航空団F-35A戦闘機３機と共に、アメリカ空軍F-16戦闘機14機及びアメリカ海軍EA-18G電子戦機２機と、各種戦術訓練を実施した。2023年3月2日、日米共同訓練を実施。第３航空団F-35A戦闘機４機、第７航空団F-2戦闘機４機、第８航空団F-2戦闘機４機、中部・西部航空警戒管制団と共に、アメリカ空軍第28爆撃航空団B-1B爆撃機１機、第35戦闘航空団F-16戦闘機４機、第18航空団KC-135空中給油輸送機１機と、日本海上で各種戦術訓練を行った。3月3日、日米共同訓練に参加。第３航空団F-35A戦闘機４機、第６航空団F-15戦闘機４機、第８航空団F-2戦闘機４機、中部・西部航空警戒管制団と共に、アメリカ空軍第28爆撃航空団B-1B爆撃機１機と、日本海上で各種戦術訓練を行った。3月30日、日米共同訓練に参加。第２航空団F-15戦闘機４機、第５航空団F-15戦闘機４機、第６航空団F-15戦闘機４機、第８航空団F-2戦闘機４機、中部・西部航空警戒管制団と共に、アメリカ空軍第２爆撃航空団B-52H爆撃機２機と、日本海及び東シナ海上で各種戦術訓練を行った。8月8日、青森県東方の太平洋上で日米共同訓練に参加。第３航空団F-35A戦闘機２機と共に、アメリカ空軍F-16戦闘機７機、アメリカ海軍EA-18G電子戦機１機、アメリカ海兵隊F-35B戦闘機２機と、各種戦術訓練を行った。9月15日、青森県西方の日本海上で日米共同訓練に参加。第２航空団F-15戦闘機４機と共に、アメリカ空軍F-16戦闘機15機・AC-130攻撃機１機、アメリカ海軍EA-18G電子戦機５機、アメリカ海兵隊F-35B戦闘機８機と、各種戦術訓練を行った。10月17日、日本海上と沖縄周辺で日米共同訓練に参加。第２航空団F-15戦闘機４機、第６航空団F-15戦闘機４機、第９航空団F-15戦闘機４機、中部航空警戒管制団、南西航空警戒管制団と共に、アメリカ空軍B-52H爆撃機２機、F-35A戦闘機６機、KC-135空中給油輸送機１機と、各種戦術訓練を行った。12月14日、青森県西方の日本海上空で日米共同訓練に参加。第３航空団F-35A戦闘機４機と共に、アメリカ空軍F-16戦闘機７機、KC-135空中給油輸送機１機、アメリカ海軍EA-18G電子戦機２機と、各種戦術訓練を行った。2024年1月18日、日本海上空でアメリカ空軍との共同訓練に参加。第２航空団F-15戦闘機４機と共に、アメリカ空軍B-1B爆撃機２機と、各種戦術訓練を行った。1月30日、日本海と東シナ海上空で日米共同訓練に参加。第２航空団F-15戦闘機４機、第７航空団F-2戦闘機４機、第８航空団F-2戦闘機４機、中部・西部航空警戒管制団と共に、アメリカ空軍B-52H爆撃機１機と、各種戦術訓練を行った。参考：三沢基地ホームページ、MAMOR vol.52、月刊JWings11,’12、8,'22、9,'22、12,'22、1,'23、3,'23、5,'23、11,'23、12,'23、1,'24、3,'24、4,'24、月刊航空ファン2,’16、3,’17、9,’17、朝雲、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北部航空警戒管制団（２０１０年）＞：北部航空方面隊隷下で、三沢基地に置かれている。隷下に北部防空管制群（三沢）、第18警戒隊（稚内、J/FPS-2）、第26警戒隊（根室、J/FPS-2）、第28警戒隊（網走、J/FPS-4）、第29警戒隊（奥尻島、J/FPS-4）、第33警戒隊（加茂、J/FPS-3改）、第36警戒隊（襟裳、AN/FPS-20）、第37警戒隊（山田、J/FPS-2）、第42警戒群（大湊、J/FPS-5）、第45警戒群（当別、J/FPS-3改）、第１移動警戒隊（三沢）、第８移動警戒隊（千歳）を置く。参考：月刊航空ファン4,’10、月刊軍事研究6,’10

＜北部航空警戒管制団（２０１５年）＞：北部航空方面隊隷下で、司令部は三沢基地に置かれている。隷下に北部防空管制群、整備補給群、基地業務群、第18警戒隊、第26警戒隊、第28警戒隊、第29警戒隊、第33警戒隊、第36警戒隊、第37警戒隊、第42警戒群、第45警戒群、第１移動警戒隊、整備隊を置く。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北部航空警戒管制団（２０２０年）＞：北部航空方面隊隷下で、三沢基地にある。参考：月刊JWings6,’20

＜北部航空施設隊＞：航空自衛隊の航空施設隊で、三沢基地に置かれている。積雪期間には千歳飛行場除雪隊などの飛行場除雪隊を編成して担当航空基地の除雪にあたる。1961年2月1日に創設され、千歳基地の除雪を開始した。1971年12月、三沢基地の除雪を開始した。2009年7月22日、矢臼別演習場で実爆を伴う滑走路被害復旧訓練を実施。隊員220名が参加し、500ポンド爆弾１発と750ポンド爆弾１発により滑走路が破壊されたという想定で復旧作業を行った。7月24日2100頃、北海道別海町中西別の交差点で、運転手含め５名を乗せ矢臼別演習場に戻る途中だった北部航空施設隊のマイクロバスと、農業男性の乗用車が出会い頭に衝突し、一等空曹１名が外傷性ショックで死亡、隊員４名と農業男性が負傷した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2012年4月24-25日、北部航空方面隊戦闘行動基準基礎競技会で総合優勝した。2013年9月9日、矢臼別演習場で平成25年度実爆を伴う滑走路被害復旧訓練に参加。1000、模擬滑走路の1.7m下に埋められた爆弾２発が炸裂し、直径6m・深さ2mの破孔が生じた。1200より復旧作業を開始し、爆破孔を埋め戻して周辺のめくれ上がったコンクリートを撤去、FFM型マットとAM2型マットを敷き詰めて予定より１時間早い1506に復旧を完了した。2016年8月30日、矢臼別演習場で平成28年度実爆を伴う滑走路被害復旧訓練に参加。1000、23m×25mのアスファルト製模擬滑走路（厚さ0.3m）下1.7mに埋めた１発の500ポンド爆弾Mk82を炸裂させ、直径11m・深さ2mに達する破孔の調査を実施。傍に設置したソイルアーマーの被害状況も検証している。1200から復旧作業に入り、FFM型滑走路復旧マットを使用して４時間で復旧させた。2020年7月1日、隊員自主募集の功績で、丸茂空幕長から第５級賞状を授与された。8月24日から9月10日、令和2年度北部方面隊実動演習に参加し、第３施設団が北海道大演習場で行った滑走路復旧訓練で技術支援を行った。2021年3月25日、令和2年度体力測定�T練度向上で優秀賞を獲得し、空幕長から表彰を伝達された。7月1日、令和2年度隊員自主募集の功績で、井筒空幕長から第２級賞状を授与された。参考：MAMOR vol.52、朝雲、月刊JWings12,’16、8,’14、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜北部航空施設隊（２０１５年）＞：北部航空方面隊の隷下で、三沢基地に置かれている。第１作業隊（三沢基地）、第２作業隊（千歳基地）からなる。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北部航空方面隊＞：航空自衛隊の航空方面隊で、三沢基地に司令部を置く。元は1957年7月15日に三沢基地で新編された臨時北部航空司令部訓練隊で、1958年8月1日に北部航空方面隊司令部に改編され、北部航空方面隊が創設された。1968年、北部航空方面隊支援飛行班が三沢基地で新編された。1976年10月1日、北部航空音楽隊が新編された。2010年7月28日、中日本航空所属のセスナTU206G型機が渡島半島付近で行方不明となったため、1419に東京空港事務所長から災害派遣要請を受けた。千歳・松島・秋田救難隊と飛行警戒監視隊が海自第21航空群大湊航空分遣隊と共に航空機で捜索を行ったが見つからず、翌日は悪天候で0800に捜索を中断、0900過ぎに陸自北部方面総監部にも協力を依頼して空自第６高射群の隊員80名と第28普通科連隊の隊員70名が地上捜索を開始したが、天候が回復しなかったため1500過ぎに捜索は中止された。7月30日、千歳救難隊と第21航空群が空から、第28普通科連隊と第６高射群が地上からの捜索を行い、1146頃に千歳救難隊の救難ヘリが航空機の残骸を発見し、乗員２名を収容して函館空港まで搬送した（病院で死亡を確認）。1300過ぎに撤収要請が出された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。発災直後から災派準備に入った。3月15日、大槌町大槌トンネル付近で消火活動を開始。第１派遣隊が弘前市折笠地区で消火活動を行った。3月16日0700、大槌トンネル付近の消火活動を継続。1620、山田第一波派遣隊が山田町豊間根生活改善センターや豊間根小中学校などに毛布1170枚を配布した。3月17日、山田作業隊が岩手県山田漁港から国道45号線にかけての瓦礫除去作業を実施。山田第一派遣隊が北浜地区で救難・瓦礫除去作業を実施。3月20日、第２派遣隊が要救助者１人を発見。3月21日、給水活動、給食支援、道路啓開作業、応急救護活動などを実施。第２派遣隊が要救助者２人を発見。3月23日、炊き出しや道路啓開作業などを実施。3月29日、山田町で巡回医療を開始した。4月1日、東松島市で医療支援を行った。2012年4月24-25日、戦闘行動基準基礎競技会を実施。北部航空施設隊が総合優勝した。2014年11月6-9日、みちのくALERT2014に参加。2015年8月7-22日、レッドフラッグ・アラスカ15-3に参加。2017年8月28日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習の北演29に参加。2018年2月21日、司令部が青森県小川原湖でアメリカ空軍F-16戦闘機が投棄した増槽からの油回収の災害派遣に参加。10月17日、持続走大会を千歳基地で実施。６チームが参加し、北部航空警戒管制団が優勝した。2019年9月24日から10月4日、武士道ガーディアン19に参加。2021年9月7日、司令部が新庁舎（地上４階・地下１階・延床面積7100平方メートル）への移転完了に伴う庁舎落成式を実施。2021年12月14日、三沢基地で優秀空曹招待行事を実施し、司令官が曹長３名に褒章状を授与した。2023年3月16日、第３・第６高射群が北部高射群に統合改編された。参考：月刊JWings1,’04、3,’17、11,'19、12,’19、6,'23、月刊航空ファン6,’11、2,’15、3,’15、MAMOR vol.52、vol.136、朝雲

　＜北部航空方面隊（１９８０年代前半）＞：北部航空方面隊司令部、第２航空団、第３航空団、第３高射群、第６高射群、北部航空警戒管制団などを隷下に置く。参考：日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981

　＜北部航空方面隊（２００７年度）＞：第２航空団、第３航空団、北部航空警戒管制団、第３高射群、第６高射群、北部航空施設隊、北部航空音楽隊を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

　＜北部航空方面隊（２０１０年）＞：航空総隊隷下で、司令部は三沢にある。隷下に第２航空団、第３航空団、北部航空警戒管制団、第３高射群、第６高射群、北部航空施設隊、北部航空音楽隊を置く。参考：月刊航空ファン4,’10

　＜北部航空方面隊（２０１５年）＞：航空総隊隷下で、司令部は三沢基地にある。隷下に第２航空団、第３航空団、北部航空警戒管制団、第３高射群、第６高射群、北部航空施設隊、北部航空音楽隊を置く。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜北部航空方面隊（２０２０年）＞：航空総隊隷下で、三沢基地にある。第２航空団、第３航空団、北部航空警戒管制団、第３高射群、第６高射群などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜北部高射群＞：航空自衛隊の高射群。2023年3月16日、第３・第６高射群を統合して三沢基地で新編された。隊員数1200名。参考：月刊JWings6,’23

＜北部支援飛行班＞

＜北部支援飛行班（２０１５年）＞：第３航空団隷下で、T-4を装備する。参考：月刊航空ファン4,’16

＜北部支援飛行班（２０２０年）＞：第３航空団隷下で、T-4を装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜北部戦区＞：中国軍の戦区。旧瀋陽軍区の黒竜江省、吉林省、遼寧省と、旧南京軍区の山東省、旧北京軍区の内蒙古自治区を管轄する。内蒙古自治区の西側は中部戦区管轄という説もある。戦略方向は朝鮮半島、ロシア。連合作戦指揮機構は瀋陽、戦区陸軍司令部は済南、戦区海軍司令部（北海艦隊）は青島、戦区空軍司令部は瀋陽にある。2016年2月1日に創設された。その後戦区空軍司令部が長春に移った。2017年4月、第40集団軍が廃止され、第16集団軍が第78集団軍に改編されて軍部が黒竜江省哈爾浜に移り、第39集団軍が第79集団軍に、第26集団軍が第80集団軍に改編された。参考：月刊航空ファン5,’16、月刊軍事研究5,’16、9,’17

　＜北部戦区（２０１６年２月１日）＞：連合作戦指揮機構は瀋陽にある。戦区陸軍司令部は済南にあり、第16集団軍（吉林省長春）、第26集団軍（済南省濰坊）、第39集団軍（遼寧省遼陽）、第40集団軍（遼寧省錦州）を置く。海軍は北海艦隊を置き、艦隊司令部は青島にあり、海軍航空隊第２爆撃航空団、第５攻撃航空団、独立第１航空隊、独立第３航空隊を配備する。戦区空軍司令部は瀋陽、指揮所は大連、長春にあり、第１航空団、第21航空団、第30航空団、独立第４偵察航空隊（殲偵8F）、第５攻撃航空団（殲轟7A）、第12航空団、第19航空団、第43空挺師団が配備されている。火箭軍基地は遼寧省瀋陽の第51基地。宇宙ロケット発射基地として吉林省靖宇に第28基地があるが、所属軍種は不明。参考：月刊軍事研究5,’16、月刊航空ファン5,’16

＜北部同盟＞：タジク人（アフガン全人口の25％、北部同盟司令官モハメド・ファヒム国防相派が主）、ウズベク人（全人口の6％、有力軍閥アブダル・ラシード・ドスタム将軍派が主）、ハザラ人など非パシュトゥン人が中心の反タリバン組織。アフガン北部に陣取っていたためこう呼ばれる。参考：月刊軍事研究8,’01、5,’04

＜北部における地上電波測定装置のシステム設計＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜北部仏印進駐＞：主食の米の自給率が低下し、年間1000万石が不足していた日本は仏印とタイから輸入していたが、仏印の対日輸出量が減少し、タイもイギリスに買い占められてしまった。また、日華事変における援蒋ルートで唯一残っていたビルマから昆明に至る滇緬公路の遮断も課題だった。そこで日本は昭和15年6月16日にフランスがドイツに降伏したのを機に、仏印現地政府と交渉を行い、昭和15年9月には第15航空隊陸上偵察機がハノイ周辺の飛行場などに対する領空を侵犯しての隠密偵察を実施して地誌を作成し、9月23日に北部仏印へ軍を進めた。日本の軍事顧問団である西原機関が現地当局者と平和裏に進駐する協定を結んでいたが、参謀本部作戦部長が勝手に武力行使を指導したため現地フランス軍と戦闘になる羽目になり、近衛歩兵第１旅団もハイフォン沖から勝手に強行上陸したため、上陸船団を護衛していた海軍が怒って艦艇を引き揚げてしまい、部隊がほったらかしにされる事態となっている。10月5日、第14航空隊零戦９機と艦隊付属水上機がハノイ近郊二〇一基地（ジャラム基地）に展開。10月8日、第15航空隊九六式陸攻が二〇一基地に展開。参考：戦時用語の基礎知識、歴史群像6,’14、月刊航空ファン3,’18、8,’18

＜北部防空管制群（２０１５年）＞：北部航空警戒管制団隷下で、三沢基地に置かれている。参考：月刊航空ファン4,’16

＜北部方面衛生隊＞：陸上自衛隊の方面衛生隊。2015年8月26-30日、ノーザン・レスキュー2015に参加。2017年2月13-26日、第８回冬季アジア札幌大会を支援した。2019年8月21日、教育隊が真駒内駐屯地西岡演習場で第一線救護（戦闘行動下での傷者捜索・応急処置・後送・担架班行動）訓練を実施。2022年4月22日、自衛隊札幌病院が行った令和4年度第１回即応態勢点検に参加。参考：朝雲

＜北部方面音楽隊＞：陸上自衛隊の方面音楽隊。2014年5月23日から6月3日、ロシアのハバロフスクで行われた軍楽祭に参加。2015年10月24日、札幌市内で北部方面隊音楽まつりに参加。2016年3月21日、札幌市にあるコンサートホールKitaraで第75回定期演奏会を開催し、フランス軍隊行進曲など８曲を演奏した。2017年2月13-26日、第８回冬季アジア札幌大会を支援した。10月28日、恵庭市民会館大ホールで開催された第９回北海道補給処カワセミコンサートで演奏した。2019年3月29日、北海道日本ハムファイターズの開幕戦で演奏を実施。7月21日、幌別駐屯地創立66周年記念行事で演奏を行った。参考：朝雲、月刊JWings10,’19

＜北部方面会計隊＞：陸上自衛隊の方面会計隊。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。参考：MAMOR vol.52

＜北部方面管制気象隊＞：陸上自衛隊の管制気象隊で、北部方面航空隊の隷下にある。1962年1月18日、北部方面航空隊隷下に丘珠駐屯地で新編され、第１派遣隊（旭川）と第２派遣隊（帯広）を隷下に置いた。1963年3月15日、札幌飛行場の管制業務を開始。1966年10月1日、第１派遣隊が旭川飛行場（旭川駐屯地）で管制業務を開始。1981年3月1日、第２派遣隊が十勝飛行場（帯広駐屯地）で管制業務を開始。参考：丘珠駐屯地ホームページ

＜北部方面軍（ソ連軍、１９８９年）＞：独立司令部はレニングラード軍管区にある。戦略兵力は北洋艦隊のSLBMとプレセックICBM実験センターだが、軍中央の管轄下に置かれている。防空部隊はソ連防空軍指揮下の12個戦闘機飛行連隊に配備されたMiG-23/-25/-31/Su-15/-27戦闘機350機と、Il-20電子情報収集機５機、Tu-126早期警戒機３機、Il-76早期警戒機14機、SA-2/-3/-5/-10地対空ミサイルサイト100箇所以上。レニングラード軍管区はレニングラードに司令部があり、軍団司令部２個、自動車化狙撃師団11個、空挺師団１個、砲兵師団１個、スカッド旅団４個、空中強襲旅団１個からなる。３個対地攻撃戦闘飛行連隊にMiG-21/-27/Su-17戦闘機135機と、MiG-25/Su-17偵察機25機、武装ヘリ40機、戦車1200両、火砲／多連装ロケットランチャー2900門、フロッグ／SS-21地対地ミサイル44基、スカッド42基を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜北部方面警務隊＞：陸上自衛隊の方面警務隊。2017年2月15-16日、札幌駐屯地体育館で北部方面警務隊競技会を実施。鑑識競技で第120地区警務隊、職能試験で第119地区警務隊、逮捕術で第301保安警務中隊が優勝し、第120地区警務隊が総合優勝を果たした。2018年8月7日、隊本部と第301保安警務中隊が札幌駐屯地で家族の日を開催。2020年11月11-13日、札幌駐屯地で方面警務隊鑑識競技会及び弁論大会を行い、競技会では第120地区警務隊が優勝した。12月16日、令和2年度鑑識競技会で優勝した。参考：警務隊の組織及び運用に関する訓令、朝雲

＜北部方面警務隊（２０１２年）＞：隊本部（担当区域は札幌駐屯地が所在する区域）、第301保安警務中隊、第119地区警務隊、第120地区警務隊、第121地区警務隊、第122地区警務隊からなる。参考：スピアヘッドNo.15、警務隊の組織及び運用に関する訓令

＜北部方面航空隊＞：陸上自衛隊の方面航空隊。1954年1月、札幌で新編され、北部方面特科団航空隊、第２管区航空隊、第２航空勤務隊を隷下に置いた。5月、第762航空整備隊が隷下に入った。7月、北部方面特科団航空隊が第１特科団航空隊、第762航空整備隊が第302航空整備隊に改称された。9月、隷下に第５航空隊と第305航空整備隊が新編され、第２航空勤務隊が廃止された。10月、駐屯場所が丘珠分屯地として開設された。1956年1月25日、第302・第305航空整備隊が廃止され、第305航空整備中隊が新編された。1956年1月、第307航空整備中隊が新編された。1961年2月、第７航空隊が新編された。1962年1月に改編を行い、特科団航空隊を廃止して第11飛行隊を新編、隷下部隊が北部方面飛行隊、第２飛行隊、第５飛行隊、第11飛行隊、北部方面管制気象隊となった。8月、第７飛行隊が隷下に入った。1964年3月、第307航空整備中隊が第307航空野整備隊に改称された。1968年3月、北部方面ヘリコプター隊が新編された。1978年4月、第307航空野整備隊が北部方面航空野整備隊に改称された。1986年3月25日、第１対戦車ヘリコプター隊が新編された。1994年3月、改編を行い、北部方面航空隊本部付隊を新編、北部方面飛行隊を廃止し、第２・第５・第７・第11飛行隊が第２・第５・第７・第11師団の隷下に移った。2009年1月8日、丘珠駐屯地で平成21年年初編隊飛行訓練を実施。OH-6D３機、UH-1H/J４機、AH-1S３機、LR-1連絡機１機が参加した。10月11日、北海道美瑛町の美瑛滑空場で１人乗りグライダーが離陸後に行方不明となったため、1816に東京空港事務所長から司令官に災害派遣要請が出された。10月12日0535、千歳救難隊のU-125A救難機１機とUH-60Jヘリ１機が離陸。0737、千歳救難隊のUH-60Jヘリ１機が離陸。1040、松島救難隊のU-125A救難機１機が離陸。乗員からの救助要請無線を受信したUH-60Jヘリが1202に新得町の山林でグライダーと乗員を発見し、1250にホイスト救助して旭川市内の病院に搬送した。2010年1月7日、丘珠駐屯地で平成22年年初編隊飛行訓練を実施。OH-6D３機、UH-1H/J７機、AH-1S４機、OH-1ヘリ２機が飛行した。2011年1月12日、丘珠駐屯地で年初請願行事と年初編隊飛行訓練を実施。北部方面ヘリコプター隊からUH-1ヘリ８機、OH-6D２機、LR-2連絡機１機、第１対戦車ヘリコプター隊からAH-1S５機、OH-1ヘリ１機が参加した。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。1525、UH-1Jヘリ１機がヘリ映像伝達装置を搭載して離陸。3月21日1659、山形から花巻に物資を輸送。4月6日、OH-1ヘリで山田町の余震情報収集を行った。7月28日、墜落した航空大学校帯広校所属ビーチクラフトA36の捜索を実施。11月24日1925頃に発生した北海道浦河沖を震源とする震度５弱の地震を受け、情報収集のためOH-1ヘリ１機を飛行させた。2012年1月12日、年始編隊飛行訓練を実施。2013年3月15-18日、北海道で行方不明になったモーターグライダーの捜索に参加。2014年1月9日、年初編隊飛行訓練を実施。4月3日0300-1800、チリ地震で発令された津波注意報を受け、情報収集活動を実施。10月27日から11月7日、オリエント・シールド2014に参加。11月6-9日、みちのくALERT2014に参加。2015年7月13-17日、第１特科団訓練検閲を支援した。8月26-30日、ノーザン・レスキュー2015に参加。9月18日、チリ中部沖地震による津波警報発令に伴い、UH-1ヘリ１機で情報収集を実施。10月1-12日、北海道大演習場で平成27年度方面隊実動演習に参加。2016年1月7日、年初編隊飛行訓練を実施。4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。6月16日1421頃、函館市で最大震度６弱を記録する地震が発生したため、ヘリ映伝搭載UH-1ヘリ１機を待機させた。8月31日から台風10号被害の災害派遣に参加。9月26日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習に参加。2017年1月10日、14機で年初編隊飛行訓練を実施。5月15日1123、北海道知事の緊急患者空輸に係る災害派遣要請を受け、LR-2連絡偵察機１機が丘珠空港を離陸して函館空港に向かった。1147頃、函館空港西33kmの北斗市付近を飛行中、管制官との交信を最後に連絡が取れなくなり、1148に空自レーダーからも機影が消えた。1305、捜索のため空自千歳救難隊U-125Aが離陸。1306、千歳救難隊UH-60Jが離陸。1308、海自第73航空隊UH-60Jが離陸。1315、在空中の海自第25航空隊SH-60ヘリ１機が現場付近に到着して捜索を開始。1400、空自第20高射隊20名、第11旅団第28普通科連隊先発隊20名などが捜索のため出発。2200過ぎ、第28普通科連隊が梅漬峠付近から袴腰山に入り、捜索を開始。航空機14機と三自衛隊隊員1700名で空地から捜索したが、この日は発見できなかった。5月16日0130頃、第７師団第11普通科連隊、第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊、第７特科連隊、第７高射特科連隊などの捜索隊員が現地に到着し、捜索を開始。0622、秋田救難隊U-125Aが離陸。同隊UH-60J、千歳救難隊U-125A、第73航空隊UH-60Jも加わった。1106頃、秋田救難隊UH-60Jが北斗市袴腰山（標高616m）から東3kmの山中で機体を発見し、1351までに乗員４名を発見・収容、全員の死亡が確認された。自衛隊は隊員延べ2600名と航空機延べ20機を派遣している。5月27日、丘珠駐屯地で殉職隊員４名の葬送式を挙行。7月1日2345頃、北海道胆振地方中東部を震源とするマグニチュード5.1の地震が発生したため、UH-1Jヘリ２機で情報収集を実施。9月13日、陸上幕僚監部が設置した航空事故調査委員会がLR-2墜落事故の原因調査結果を公表した。悪天候で函館空港ランウェイ12に着陸進入するため自動操縦装置により雲中を低空飛行していた際、11時48分14秒頃にパイロットが函館レーダーと無線で進入許可交信を行おうと操縦桿の裏にある無線通話スイッチを押したが、誤って操縦桿前面の自動操縦装置解除スイッチも一緒に操作してしまい、自動操縦が解除された。雲中飛行だったこともありパイロットは自動操縦装置が解除されたことに気付かず、機体が右降下旋回に入って急降下、十数秒で回復困難な異常姿勢に陥り、そのまま11時48分44秒に袴腰山標高333m地点に衝突したとしている。自動操縦解除時の警告表示や音声警告、飛行計器の継続的確認、対地接近警報の警告表示や音声警告に対する対応要領などを教育により徹底し、9月15日から自動操縦装置無しで訓練を再開した。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。10月5日0858頃、北海道胆振地方中東部を震源とするマグニチュード5.2の地震が発生し、最大震度５弱を観測したため、ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリ２機で情報収集を行った。2019年2月21日2122頃、北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度６弱の地震が発生したため、ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリなどで2月22日まで情報収集を行った。12月12日0109頃に発生した北海道宗谷地方北部を震源とする最大震度５弱の地震でヘリ映伝搭載UH-1Jによる情報収集を行った。2020年3月6-10日、北海道大演習場で総合戦闘射撃訓練に参加。4月24日、北海道知事から新型コロナウイルス患者輸送の災害派遣要請があり、UH-1Jヘリで利尻空港から稚内空港に患者を輸送した。6月25日、自衛隊札幌病院准看護学院が丘珠駐屯地で行った患者後送訓練にUH-1Jヘリで協力した。2021年2月22-27日、第11旅団第10即応機動連隊の連隊演習に参加。3月11日、新型コロナウイルス対応の功績で、１級賞状が授与された。参考：月刊JWings3,’09、4,’11、6,’11、4,’12、6,’13、4,’14、6,’14、12,'15、9,’16、3,’17、8,’17、12,’17、12,’18、5,’19、7,'20、月刊軍事研究3,’10、MAMOR vol.52、月刊航空ファン1,’15、2,’15、7,’16、8,’17、12,’17、朝雲

＜北部方面航空隊（２００７年度）＞：北部方面航空隊本部付隊、北部方面ヘリコプター隊、第１対戦車ヘリコプター隊などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜北部方面航空隊（２００９年度）＞：北部方面隊隷下で、丘珠駐屯地に置かれている。隷下に北部方面航空隊本部付隊（LR-2）、北部方面ヘリコプター隊、第１対戦車ヘリコプター隊、北部方面管制気象隊、北部方面航空野整備隊を置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜北部方面航空隊（２０１５年）＞：北部方面隊隷下で、丘珠駐屯地に置かれている。隷下に北部方面航空隊本部付隊、北部方面ヘリコプター隊、第１対戦車ヘリコプター隊、北部方面管制気象隊、北部方面航空野整備隊を置く。参考：丘珠駐屯地ホームページ

＜北部方面航空隊（２０２０年）＞：北部方面隊隷下で、丘珠駐屯地にある。北部方面航空隊本部付隊（LR-2）、北部方面ヘリコプター隊、第１対戦車ヘリコプター隊などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜北部方面航空野整備隊＞：Northern Army Aircraft Field Maintenance。陸上自衛隊の方面航空野整備隊で、丘珠駐屯地に置かれている。航空機や搭載器材の整備補給回収などを主任務とする。1956年1月、第307航空整備中隊として北部方面航空隊隷下に丘珠駐屯地で新編され、1964年3月に第307航空野整備隊に改編され、1978年4月に北部方面航空野整備隊に改称された。参考：丘珠駐屯地ホームページ

＜北部方面後方支援隊＞：陸上自衛隊の方面後方支援隊。2000年3月28日、北部方面隊隷下に新編された。2001年3月、隷下に第101輸送業務隊が新編された。2007年3月、隷下に第301対舟艇対戦車直接支援隊が新編された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月、隷下に第303普通科直接支援隊が新編された。2013年3月、第101戦車直接支援隊と第303普通科直接支援隊が解隊され、第305普通科直接支援中隊が隷下に新編された。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。9月26日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習に参加。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。2019年1月7日から2月3日、第70回さっぽろ雪まつりに協力した。9月9日に上陸した台風15号被害の災害派遣に参加。12月12日0109頃に発生した北海道宗谷地方北部を震源とする最大震度５弱の地震で情報収集にあたった。参考：北部方面後方支援隊ホームページ、MAMOR vol.52、vol.155、北海道補給処ホームページ、朝雲

　＜北部方面後方支援隊（２０１５年）＞：北部方面隊隷下で、隊本部／本部付隊は島松駐屯地にある。隷下に第101・第102・第103全般支援大隊、第101特科直接支援大隊、第101高射直接支援大隊、第101施設直接支援大隊、第101通信直接支援隊、第301対舟艇対戦車直接支援隊、第305普通科直接支援中隊、北部方面輸送隊を置く。参考：北部方面後方支援隊ホームページ

＜北部方面混成団＞：陸上自衛隊の方面混成団。2011年4月22日、北部方面教育連隊を母体とし、東千歳駐屯地で北部方面隊隷下に新編された。北部方面隊の教育隊を一纏めにした部隊であり、隷下に第120教育大隊、第52普通科連隊（北部方面隊唯一のコア普通科連隊）、第１陸曹教育隊、冬季戦技教育隊を置く。2012年8月27日から9月12日、平成24年度方面隊実動演習（北方総合戦闘力演習）に参加。2014年1月7日、真駒内駐屯地で訓練初めとして3km雪上駆け足と綱取りを実施。3月26日、第52普通科連隊が１個普通科中隊と重迫撃砲中隊を増強して６個中隊（本部管理中隊、第１−第４普通科中隊、重迫撃砲中隊）編成となり、編成完結式を実施。2018年1月17-18日、ニセコ訓練所で新渡道訓練を実施。北海道に初めて勤務する将官・一等陸佐13名が参加し、スキー技術や冬季作戦戦闘に関する教育（スキー教練、雪崩遭難者救出研修、小銃射撃要領、アキオ曳行、銃装備でのスキー機動など。実習は冬季戦技教育隊が担当）を受講した。3月上旬、札幌市で開催された宮様スキー大会・バイアスロン競技とバイアスロン日本選手権に協力した。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に第52普通科連隊が即応予備自衛官を招集して参加。11月15日、国内外情勢と北部方面混成団の活動をテーマとする講話を実施。2019年10月31日、第120教育大隊新隊員教育隊が25キロ徒歩行進訓練を実施。初めて西岡演習場から真駒内駐屯地までの公道をフル装備で行進した。2020年4月15-21日、第52普通科連隊が北恵庭駐屯地と北海道大演習場東千歳・有明地区で第１次射撃指導者集合訓練（射撃術理論・新射撃検定に関する座学、隊員への指導法、実弾による研究射・新射撃検定など）を実施。7月15-18日、第52普通科連隊が第７師団第73戦車連隊の支援を受け北海道大演習場千歳・恵庭地区で連隊統制訓練・第10回即応予備自衛官招集訓練を実施。8月24日から9月10日、令和2年度方面隊実動演習（北部方面隊）に第52普通科連隊が参加し、即応予備自衛官招集訓練も行った。10月18日、第120教育大隊が真駒内駐屯地で北海道大学少林寺拳法部学生に部隊見学と格闘交流を実施。2021年7月5-8日、第52普通科連隊が第１高射特科団が行った総合防空訓練に参加。9月17-19日、第52普通科連隊が令和3年度連隊射撃競技会（89式小銃、9mm拳銃）を行い、第２普通科中隊が優勝した。参考：朝雲、月刊JWings7,’11、11,’18

＜北部方面指揮所訓練支援隊＞：自衛隊初の指揮所訓練支援隊で、2001年3月に新編された。ゲリラ・コマンドー部隊対処、災害派遣対処などの指揮所訓練や、シミュレータ訓練の支援を行う。2010年2月26日、東千歳駐屯地で創隊９周年記念行事を実施。参考：朝雲

＜北部方面システム通信群＞：陸上自衛隊のシステム通信群。2023年9月14-23日、オリエント・シールド23に参加。参考：陸上自衛隊ホームページ

＜北部方面施設隊＞：陸上自衛隊の施設科部隊で、北部方面隊隷下の第３施設団が21世紀に入って縮小改編されたものである。2009年1月20日、南恵庭駐屯地で施設学校による平成20年度職種訓練現況視察を受けた。2月10-14日、北海道大演習場などで第２次集中野営訓練を実施。第12施設群は障害構成作業、第13施設隊は第361施設中隊の訓練検閲、第105施設器材隊は積雪地での基本行動錬成、第301坑道中隊と第303ダンプ車両中隊は対抗方式斥候訓練・自衛警戒戦闘を行った。3月23日、第89期一般幹部候補生８名の任官行事を実施。6月9-10日、南恵庭駐屯地で平成21年度第１回総務・人事業務等担当者集合訓練を実施。6月18-29日、天塩渡河訓練場で北部方面隊職種共同訓練（施設）を実施。隊員600名、車両230両が参加し、第１特科団と第１戦車群の協力も得て第13施設隊の訓練検閲を行った。10月13日から2010年1月28日まで、平成21年度物品管理検査等を実施。各部隊の状況報告、隊内巡視、書面検査、現物検査などを行った。2010年5月24日、第362施設中隊が倶知安駐屯地創立55周年記念行事に向け、観閲台とその周辺の大改修工事に着手した。6月1-15日、北海道大演習場で方面隊職種協同訓練（施設）を実施。隊員600名と車両200両が参加し、方面隊総合戦闘力演習に備えて各部隊に陣地構築作業の指導を行い、北部方面施設隊隷下の第12施設群は多目的大空間簡易掩蓋掩壕（第335施設中隊が２階建て指揮所用掩壕、第337施設中隊がパネル橋器材による多目的大空間構築物、第342施設中隊が指揮所用掩壕２個）、第13施設隊は96式MPMS用軽掩蓋掩壕、第105施設器材隊は応用資材を活用した軟弱地盤の各種通過施設、第301坑道中隊は各種通信電子器材用簡易掩蓋掩壕、各師団・旅団隷下の第２施設大隊は指揮所用簡易掩蓋掩壕、第７施設大隊は90式戦車用露天掩体、第５施設中隊は5.56mm機関銃用簡易・軽掩蓋掩壕を構築し、築城能力向上を図った。6月24日、第361施設中隊が蘭越町水防工法実技訓練（防災訓練）に参加。2011年2月14日、施設器材高段階整備実情把握研修を実施。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。南三陸町に拠点を置いた。6月5-10日、北海道大演習場などで第１次集中訓練を実施。2012年5月24日、演習場の整備、PKO参加、東日本大震災の災害派遣などの功績を称え、北部方面総監から三級賞状を伝達された。11月27日、北海道登別市で暴風雪による大規模停電が発生したため、1800から隊員40名と車両10両で出動、避難所４カ所に天幕用ストーブを設営し、毛布と発電機などを輸送した。2013年3月19日、最先任上級曹長交代式を実施。5月8-17日、北海道大演習場と矢臼別演習場の整備を実施。7月22-26日、北海道大演習場などで第１次隊集中野営訓練を実施。第12施設群は第337施設中隊検閲、第13施設隊は第360施設中隊検閲、第301坑道中隊は方面直轄部隊支援、北部方面施設隊通信班は通信所開設運営、第303ダンプ車両中隊は運土作業などを演練した。2014年11月6-9日、みちのくALERT2014に参加。10月14-22日、方面隊職種協同訓練を担任。陣地構築支援と伐開作業の実施、国際平和協力活動用兵站支援橋の普及を目的に、第２施設大隊、第７施設大隊、第12施設群、第13施設隊に対して射撃指揮用掩蓋掩壕の構築と実用性評価、伐開ハンドブックや兵站支援橋設置要領の教育を行った。2015年1月26日、南恵庭駐屯地と南恵庭訓練場で冬期戦技競技会（一般走、部隊機動、アキオ曳行）を実施。第12施設群が４連覇した。6月18-19日、南恵庭駐屯地で第１回総務・人事業務等担当者事前訓練を実施。総務、服務、人事管理の各事項について演練した。7月13-17日、第１特科団訓練検閲を支援した。8月26-30日、第105施設器材隊がノーザン・レスキュー2015に参加。10月1-12日、北海道大演習場で平成27年度方面隊実動演習に参加。11月5-14日、北海道大演習場と矢臼別演習場の秋期定期整備に参加。2016年2月15-21日、第73戦車連隊、第101施設直接支援大隊と共に、恵庭クロスカントリースキー大会コース整備に協力した。3月27-28日、第361施設中隊が羊蹄山雪崩で行方不明になった男性１名の捜索に参加。4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。5月10-19日、北海道大演習場と矢臼別演習場で春季定期整備を実施。両方合わせて装輪車道255kmと装軌車道93kmを成形した。6月9-10日、第13施設隊第361施設中隊が北海道喜茂別町で行方不明になった女性の捜索に参加。7月9-14日、北海道大演習場恵庭・千歳・島松地区で第12施設群及び第301坑道中隊に訓練検閲を実施。9月26日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習に参加。10月31日から11月10日、北海道大演習場などの秋期定期整備を行い、装輪車道96kmの路面整形などを実施した。2017年3月27日に廃止され、隷下部隊は第３施設団に移った。参考：スピアヘッドNo.17、MAMOR vol.52、月刊航空ファン2,’15、朝雲

＜北部方面情報隊＞：陸上自衛隊の方面情報隊。2013年3月26日、北部方面隊隷下に札幌駐屯地で創設された。本部、北部方面無人偵察機隊などからなる。2015年8月26-30日、ノーザン・レスキュー2015に参加。2016年6月4-7日、矢臼別演習場で第１特科群が行った訓練検閲をUAVで支援した。9月26日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習に参加。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。2022年1月31日から2月13日、北海道大演習場などで行われた第３施設団の第５次団集中野営訓練に参加。第13施設群第360施設中隊と連携し、ドローンによる敵障害解明（偵察）及び地雷原爆破装置投射後の未処理確認を実施した。参考：朝雲

＜北部方面総監部＞：陸上自衛隊の方面総監部で、北部方面隊隷下にある。2014年2月5日、日米最先任下士官８名の訪問を受けた。2014年8月2-4日、陸海空総合広報ノーザンスピリット14を実施。2016年8月31日から台風10号被害の災害派遣に参加。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。2019年2月21日、北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度６弱の地震が発生したため、情報収集を実施。12月12日0109頃に発生した北海道宗谷地方北部を震源とする最大震度５弱の地震で情報収集にあたった。2023年9月14-23日、オリエント・シールド23に参加。参考：朝雲、月刊JWings12,’18、MAMOR vol.148

＜北部方面隊＞：陸上自衛隊最強の方面隊で、北海道全域を担当する。ソ連からの侵略を防ぐのが主任務であり、侵攻された場合には３週間戦線を維持し、アメリカ軍の到着を待つ。稚内から旭川まで200km、旭川から札幌まで120kmの縦深を持つので、地形を活かした反撃を行いながら遅滞行動に全力を尽くす。そのため、稜線射撃に特化した戦車及び偵察・攻撃ヘリコプター、後退する時敵に食いつかれないよう強烈な突撃破砕射撃を行う大口径榴弾砲を優先的に配備している。長射程砲の優先配備には、射撃訓練を行えるのが矢臼別大演習場しかないという事情もある。1954年9月29日、アメリカ第16軍団から北海道の防衛責任が移管された。1962年1月18日、第11師団が新編された。1970年代半ば以降、陸上自衛隊の作戦が水際撃退に変更されているが、装備品のコンセプト自体は特に変更されていない。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の災害派遣に参加。2000年3月、北部方面武器隊が廃止された。2008年3月26日、北部方面対舟艇対戦車隊が新編された。11月19-23日、北海道大演習場第１戦車射場で第４回北部方面隊戦車射撃競技会を実施。北部方面隊第１戦車群、第２師団第２戦車連隊、第５師団第５戦車隊、第７師団第71-73戦車連隊、第７偵察隊、第11旅団第11戦車大隊から90式戦車35個小隊と74式戦車10個小隊が参加した。優勝は90式戦車部隊部門が第72戦車連隊、中隊部門が第72戦車連隊第４中隊、小隊部門が第73戦車連隊第１小隊、74式戦車部隊部門が第２戦車連隊、小隊部門が第２戦車連隊第２中隊第１小隊だった。2009年5月23日、第２師団、第７師団、第５旅団、第11旅団、第１特科団、第１高射特科団、北部方面施設隊、北部方面衛生隊、自衛隊札幌病院が参加し、真駒内駐屯地と豊平駐屯地で平成21年度方面隊衛生科部隊等訓練（強毒型新型インフルエンザ対処訓練）を実施。9月13-18日、北海道大演習場、奥尻島・松前地区、全道各駐屯地などで平成21年度職種協同訓練ブレイジング・スカイ2009を実施。隊員940名、車両360両が参加し、対空戦闘練度向上を目的とする訓練を行った。2010年6月20日、ニセコ町の山林に山菜採りに入った男性が行方不明となり、2200に北部方面対舟艇対戦車隊に災害派遣要請が出されたため、同隊及び倶知安駐屯地に所在する第361施設中隊、第301対舟艇直接支援隊、第３直接支援中隊倶知安派遣隊の隊員60名と車両10両が6月21日明け方に現地に到着したが、0520に捜索態勢に入ったところで男性が無事に発見されたため、0526に撤収した。8月23日から玄武2010演習（総合戦闘力演習）を実施。第２師団、第７師団、第５旅団、第11旅団、第１特科団、第１高射特科団、北海道補給処の他、中央即応集団や航空自衛隊も加わり、隊員15000名、戦車120両、火砲40門、航空機50機が参加した。9月5日まで防衛作戦準備を実施、9月11-14日に攻勢作戦を行い、9月15-22日に指揮所演習を行って終了した。2011年2月8-10日、北海道の大規模エゾシカ捕獲事業である白糠の夜明け作戦を実施。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月22日、隷下に北部方面混成団が新編され、北部方面教育連隊が廃止された。8月29日から9月9日、平成23年度協同転地演習（師団等転地）を実施。第７師団を基幹とする隊員3000名、車両1000両（うち戦車100両、火砲20門）が参加した。9月12-22日、上富良野、近文台、然別演習場で北方総合戦闘力演習（兵站）を実施。10月29日から12月2日、協同転地演習を実施。73式装甲車10両が貨車で札幌貨物ターミナル駅から大分に、90式戦車４両、89式装甲戦闘車10両、78式戦車回収車１両、90式戦車回収車１両、87式自走高射機関砲２両、96式自走120mm迫撃砲２両を含む車両52両、隊員230名が民間高速フェリーのナッチャンWorldで苫小牧西港から大分港に運ばれ、11月10-18日に西部方面隊実動演習に参加した。2012年6月11-22日、武力攻撃事態を想定した平成24年度総合戦闘力演習（後方地域）指揮所演習を実施。隊員3000名、15の自治体と関係機関、北海道隊友会、父兄会が参加した。6月24日、ニセコアンヌプリ北側の花園地区で男性１人が行方不明になったため、6月25日0930過ぎに北海道知事から北部方面対舟艇対戦車隊に災害派遣要請が出された。午後から北部方面対舟艇対戦車隊と第361施設中隊の隊員80名と車両10両で捜索を実施。6月27日1700過ぎに撤収した。8月27日から9月12日まで、平成24年度方面隊実動演習（北方総合戦闘力演習）を実施。第２師団、第７師団、第５旅団、第11旅団、第１特科団、第１高射特科団、北部方面混成団、北海道補給処、第１ヘリコプター団などから隊員9000名、戦車100両を含む車両1000両、航空機20機が参加した。また、協同転地演習で北海道に移動した中部方面隊第13旅団の隊員1200名、74式戦車３両を含む車両430両、航空機５機も加わった。10月26-30日、北海道大演習場島松地区第１射場で北部方面隊戦車射撃競技会を実施。74式戦車の部で第１戦車群第303中隊第２小隊、90式戦車の部で第72戦車連隊が優勝した。11月5-16日、キーン・ソード13に参加。11月5-14日、北海道大演習場で道路・訓練施設整備訓練、矢臼別演習場で装輪車道170km・機動車道49kmの路面整形を行った。2013年1月23-25日、北海道と初共催で平成24年度方面隊災害対処指揮所訓練を実施。2-3月、方面直轄部隊12.7ミリ重機関銃対空実射訓練を実施。3月26日、北部方面情報隊が新編された。7月3日、名寄駐屯地と名寄演習場で平成25年度北部方面隊偵察部隊等戦技競技会（オートバイ）を実施。陸自初の偵察バイク競技会で、北部方面隊隷下の21個部隊38チーム76名が出場し、部隊対抗で第７偵察隊、組対抗で第７偵察隊１組が優勝した。10月7-11日、北海道大演習場島松地区第１戦車射場で戦車射撃競技会を実施。46個小隊の90式戦車186両（＋予備46両）が参加し、第71戦車連隊第１中隊第２小隊が1000点満点のところ1337点を記録して優勝した。2014年3月3日、北海道旅客船協会と災害時における自衛隊等の緊急輸送に関する協定を締結した。3月15日、第１戦車群が廃止された。8月28日から9月3日、北部方面隊指揮所演習を実施。9月16日から10月15日、北海道大演習場、矢臼別演習場、札幌駐屯地などで平成26年度方面隊実動演習を実施。北部方面総監部、第２師団、第７師団、第５旅団、第11旅団、第１特科団、第１高射特科団などから隊員6600名、戦車45両など車両1700両、航空機15機が参加し、警戒監視、攻撃、防御、沿岸監視、対空戦闘、協同対艦、協同防空、ペトリオット警備、通信訓練を行った。10月17-22日、北海道大演習場で平成26年度方面隊戦車射撃競技会を実施。2015年2月9-20日、コブラゴールド15に参加。3月17日、セイコーマートと災害時における物資の供給協力に関する協定を締結した。8月26-30日、ノーザン・レスキュー2015に参加。10月1-12日、北海道大演習場で平成27年度方面隊実動演習を実施。北部方面隊、第７師団、第１高射特科団、第１電子隊、第１特科団、北部方面施設隊、北部方面航空隊、北部方面対舟艇対戦車隊、第12旅団第30普通科連隊（東部方面協同転地演習中）から隊員4500名、車両900両（うち戦車60両）、航空機15機が参加し、攻撃訓練や射撃訓練を行った。10月20日から11月17日、平成27年度協同転地演習に参加。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。10月26日から11月1日、北海道大演習場で北部方面隊戦車射撃競技会を実施。第２師団第２戦車連隊、第５旅団第５戦車大隊、第７師団第71−第73戦車連隊、第11旅団第11戦車大隊から45個小隊が参加（第２戦車連隊の10式戦車装備２個小隊はオープン参加）し、稜線射撃、行進射撃、対戦車榴弾による移動目標の射撃などを行い、連隊・大隊の部で第71戦車連隊、中隊の部で第72戦車連隊第５中隊、小隊の部で第72戦車連隊第５中隊第２小隊が優勝し、整備部門では第７後方支援連隊第２整備大隊第１戦車直接支援中隊（第71戦車連隊を担当）が表彰された。

2016年1月19日から2月19日、コブラ・ゴールド16に参加。8月6-8日、募集広報ノーザンスピリット2016を実施。9月26日から10月5日、侵略事態対処能力向上を目的とする平成28年北部方面隊総合戦闘力演習を北海道大演習場で実施。隊員12000名、戦車80両など車両3000両、第５旅団、第11旅団、第72戦車連隊戦闘団、北部方面航空隊、北部方面対舟艇対戦車隊、北部方面施設隊、北部方面後方支援隊、北部方面情報隊、第１電子隊、第１高射特科団、第１特科団、航空機40機（空自F-15、海自P-3C含む）、海自艦艇３隻、協同転地演習中の東北方面隊第39普通科連隊が参加した。10月12日から11月15日、平成28年度連隊等協同転地演習を実施。11月3-13日、平成28年度連隊等協同転地演習を実施。

2017年2月6-12日に札幌市で行われたさっぽろ雪まつりで第１雪像制作隊（北部方面通信群主力150名）が凱旋門、第２雪像制作隊（第18普通科連隊150名）が興福寺中金堂を制作した。3月27日、北部方面施設隊が廃止され、第３施設団が新編された。8月28日から10月5日、道北から道央で北部方面隊総合戦闘力演習の北演29を実施。隷下の第２師団、第５旅団、第１特科団、第１高射特科団、第３地対艦ミサイル連隊、第３施設団、北部方面ヘリコプター隊などに加え東北方面隊、海自大湊地方隊、空自北部航空方面隊などから隊員17000名、車両3200両、航空機50機、艦船２隻が参加し、道北での水際戦闘、道央での内陸戦闘準備、総合戦闘射撃などを行った。10月23-28日、北海道大演習場島松地区第１戦車射場で北部方面隊戦車射撃競技会を実施。第２師団第２戦車連隊、第５旅団第５戦車大隊、第７師団第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊、第７偵察隊、第11旅団第11戦車大隊が参加し、連隊対抗の部で第72戦車連隊、中隊対抗の部で第72戦車連隊第５戦車中隊、小隊対抗の部で第72戦車連隊第２戦車中隊武田小隊が優勝した。

2018年3月2日、千歳市から苫小牧市に向かう林道で暴風雪により行方不明になった１人の捜索に係る災害派遣に参加。6月13-28日、ヤマサクラ74に参加。7月6日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。9月4日、平成30年度北部方面隊総合戦闘力演習総合訓練を実施。10月20日、創隊66周年記念行事の音楽まつりを札幌文化芸術劇場で実施。10月22日から11月24日、平成30年度方面隊実動演習に参加。12月3-17日、ヤマサクラ75に参加。

2019年8月26-27日、令和元年度長距離機動訓練を実施し、第７師団が参加した。9月1-9日、北部方面隊総合戦闘力演習を実施。9月3-9日、令和元年度方面隊実動演習を実施。第２師団、第５旅団、第７師団、第11旅団、第１特科団、第１高射特科団、補給大隊、弾薬大隊などの隊員10000名、車両3000両、航空機30機に海空自も加え、攻撃、防御、防空、対艦戦闘、三自衛隊統合作戦・システム連携・情報共有などの訓練を行った。

2020年8月1-30日、総合広報ノーザン・スピリット20を実施。8月24日から9月10日、令和2年度方面隊実動演習（北部方面隊）を実施。陸上総隊、第２師団、第７師団、第11旅団、北部方面ヘリコプター隊、北部方面混成団第52普通科連隊、第１特科団第１地対艦ミサイル連隊（88式地対艦誘導弾）、第３地対艦ミサイル連隊（88式地対艦誘導弾）、第１特科群第129特科大隊（MLRS）、第３施設団第13施設群、東北方面隊、水陸機動団（侵攻部隊役）、第１空挺団（侵攻部隊役）、海上自衛隊DDH-184かが、LST-4002しもきた、第22航空隊SH-60K、航空自衛隊北部航空施設隊、アメリカ空軍第374空輸航空団C-130J-30輸送機２機など17000名、車両5000両、航空機30機が参加し、北海道全域の演習場や駐屯地などで、着上陸、対着上陸、水際障害（高さ2mの砂壁であるノコギリ型障害、拒馬、鋼矢板、94式水際地雷原など）構築、対水上戦闘、長距離機動、対空戦闘指揮統制システムADCCSと自動警戒管制システムJADGEの連接による対空戦闘、滑走路復旧などの各訓練を行った。ナッチャンWorldが釧路港から苫小牧港まで第７師団の車両40両（うち装軌車両10両）を輸送している。8月28日には手塩演習場で水陸機動団AAV7による着上陸訓練（北海道初）が行われ、沖合3kmに停泊するLST-4002しもきたからAAV7水陸両用車９両が発進、海上機動で目標地点に上陸した。12月9日から看護官ら10名が新型コロナウイルス感染拡大で医療体制が逼迫した旭川市内の医療支援に係る災害派遣に参加。12月18日、北部方面総監が管内優秀隊員21名をオンラインで表彰した。

2021年7月、総合広報ノーザンスピリットを実施。12月5-15日、北海道大演習場島松地区第１戦車射場で令和3年度方面隊戦車射撃競技会を実施。第２・第７師団と第５・第11旅団から90式戦車160両と10式戦車24両が参加し、90式戦車の部で第72戦車連隊、10式戦車の部で第２戦車連隊が優勝した。

2022年8月22-25日、第７師団による令和4年度長距離機動訓練を実施。第７師団第71戦車連隊などが参加し、装軌車両一般道自走訓練（東千歳駐屯地から苫小牧西港、釧路港から釧路駐屯地）や装軌車両等のナッチャンWorldへの積載（室蘭港・苫小牧西港）・卸下（釧路港）などの訓練を行った。

2023年11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に参加。2024年2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。

参考：月刊軍事研究5,’08、3,’09、8,’09、12,’10、8,’11、1,’12、1,’13、12,’16、4,’17、12,’17、兵器最先端５、スピアヘッドNo.6、MAMOR vol.52、vol.137、vol.140、月刊JWings7,’11、11,’19、11,'20、月刊PANZER12,’13、朝雲、月刊世界の艦船1,’13、4,’15、1,’16、4,’16、11,’19、11,'22、倶知安駐屯地ホームページ

　＜北部方面隊（１９７７年）＞：総監部は札幌にある。隷下に第２師団、第５師団、第７師団、第11師団、第１特科団、第１高射特科団、第１戦車団、第３施設団、第３教育連隊、北部方面通信群、北部方面航空隊、北部方面輸送隊、北海道地区補給処などを置く。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜北部方面隊（１９８０年）＞：総監部は札幌にある。隷下に第２師団、第５師団、第７師団、第11師団、第１特科団、第１高射特科団、第１戦車団、第３施設団、北海道地区補給処、札幌地区病院などを置く。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜北部方面隊（１９８０年代後半）＞：総監部は札幌にある。第２・第５・第７・第11師団、第１特科団、第１高射特科団、第３施設団、第１戦車群、第３教育連隊を基幹とし、陸自の全陸上戦力の３割以上、機甲戦力の約５割（戦車４割強、自走砲10割）を占める。参考：兵器最先端５、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊JWings4,’10、月刊軍事研究3,’10

＜北部方面隊（２００７年度）＞：第２師団、第５旅団、第７師団、第11師団、第１特科団、第１高射特科団、第３施設団、北部方面航空隊、北海道補給処などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜北部方面隊（２００９年度）＞：北部方面総監部、北部方面総監部付隊、北部方面航空隊、第２師団、第５旅団、第７師団、第11旅団、第１戦車群、第１特科団、第１高射特科団、北部方面通信群、北部方面教育連隊、北部方面施設隊、北部方面後方支援隊、北部方面衛生隊、北部方面会計隊、北部方面指揮所訓練支援隊、北部方面対舟艇対戦車隊、北部方面情報処理隊、北部方面音楽隊、第１電子隊、第301沿岸監視隊、第302沿岸監視隊、冬期戦技教育隊、北海道補給処、自衛隊札幌病院、各駐屯地業務隊、各地方協力本部を隷下に置く。参考：月刊軍事研究10,’10、3,’10、月刊航空ファン4,’10

＜北部方面隊（２０１５年）＞：北部方面総監部／総監部付隊、第２師団、第５旅団、第７師団、第11旅団、第１特科団、第１高射特科団、第１電子隊、北部方面混成団、北部方面施設隊、北部方面航空隊、北部方面後方支援隊、北部方面通信群、北部方面会計隊、北部方面衛生隊、北部方面指揮所訓練支援隊、北部方面対舟艇対戦車隊、北部方面音楽隊、各駐屯地業務隊、自衛隊札幌病院、北海道補給処を隷下に置く。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜北部方面隊（２０２０年）＞：北部方面総監部／総監部付隊、第２師団、第５旅団、第７師団、第11旅団、第１特科団、第１高射特科団、北部方面航空隊、第３施設団、北部方面混成団などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜北部方面対舟艇対戦車隊＞：陸上自衛隊の対舟艇対戦車隊。2008年3月26日、第11師団第11対戦車隊と第28普通科連隊第４中隊の一部を統合し、北部方面隊隷下に新編され、96式MPMSを装備した。2009年4月10-12日、倶知安駐屯地で加森観光ルスツリゾートの新入社員32人に隊内生活体験を実施。10月24日、第11飛行隊の支援を受け、協力団体関係者や隊員家族に対するヘリコプター体験搭乗を実施。11月9-10日、ニセコ演習場、高嶺演習場、倶知安基本射場の秋季演習場整備を実施。2010年1月7日、訓練始めを実施。スキー装着で駐屯地から高嶺演習場を往復した。6月24日、蘭越町水防工法実技訓練（防災訓練）に参加。7月3-4日、高嶺演習場で初級部隊通信総合訓練を行った。11月15-29日、倶知安駐屯地と北海道大演習場で創隊以来初の隊訓練検閲を受閲した。非常呼集、250kmの長距離機動、96式MPMSによる実射訓練（３発全弾命中）などを行い、概ね良好の評価を得た。2011年2月2-3日、倶知安駐屯地周辺と高嶺演習場で冬期災害派遣を想定したスキー行進・宿営訓練を実施。１0月8-12日、北海道大演習場松島地区で96式MPMSによる実射訓練を実施。第1-3小隊が計５発を発射し、全弾を命中させた。2013年3月11日、倶知安駐屯地で冬期戦技競技会を実施。7月21日から8月4日、鹿児島県の佐多射撃場で96式多目的誘導弾システム対舟艇射撃訓練を創隊以来初めて実施。洋上に浮かんだ新型標的船に対して４発を発射し、全弾命中させた。2014年10月28-30日、倶知安中学校２年生５人の職場体験に協力した。2015年3月5日、倶知安駐屯地で冬期戦技競技会を実施。4-5名のチームが89式小銃と10kgの背嚢を着けスキーで6km滑走し平均タイムを競う断郊走を行い、第３小隊チームが優勝した。10月1-12日、北海道大演習場で平成27年度方面隊実動演習に参加。2016年2月9日、倶知安駐屯地や高峰演習場などで冬期災害対処訓練を実施。雪崩に対する災害派遣を想定し、スキー機動や捜索救助活動の訓練を行った。3月27-28日、羊蹄山雪崩で行方不明になった男性１名の捜索に参加。4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。5月16-20日、倶知安駐屯地と高嶺演習場で第１次練成訓練（機能別訓練、総合訓練）を実施。機能別訓練では96式MPMSの点検・準備、全器材による操法、小型ドーザーを使用した６名用掩体の構築など、総合訓練では200km車両行進、集結地安全化・占領・強化、被拘束者取扱訓練などを行った。6月9-10日、北海道喜茂別町で行方不明になった女性の捜索に参加。6月9-13日、倶知安駐屯地で予備自衛官延べ53名に第１次予備自衛官招集訓練（精神教育、基本教練、体力検定、武器訓練小火器射撃、駐屯地警備訓練など）を実施。7月5-19日、第２次練成訓練（機能別訓練、射撃予行、実射訓練）を実施。7月18日、北海道大演習場島松地区で96式多目的誘導弾システム実射訓練を行い、演習弾１発を発射、目標に命中させた。9月26日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習に参加。2021年10月13日、京極中学校の１日防災訓練を支援した。2022年1月24日、倶知安駐屯地体育館で救急法検定を行い、受検者17名全員が合格した。参考：北部方面対舟艇対戦車隊ホームページ、朝雲

＜北部方面通信群＞：陸上自衛隊の方面通信群。1996年3月、映像伝送写真隊が新編された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2019年1月7日から2月3日、第70回さっぽろ雪まつりに協力した。5月20-24日、第１高射特科団総合防空訓練（前段）を支援した。参考：MAMOR vol.52、丘珠駐屯地ホームページ、朝雲

＜北部方面武器隊＞：陸上自衛隊の方面武器隊。2000年3月に廃止された。参考：倶知安駐屯地ホームページ

＜北部方面ヘリコプター隊＞：陸上自衛隊の方面ヘリコプター隊。1968年3月、北部方面航空隊隷下に丘珠駐屯地で新編された。UH-1を装備する。1971年2月27日、OH-6Jが配備された。1994年、OH-6Dが配備された。1996年、航空無事故51000時間の功績により２級賞状を受賞した。2011年、OH-1が配備された。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月21日、UH-1で山形から花巻まで物資を輸送した。4月10日、集中捜索を実施。2017年8月28日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習の北演29に参加。2019年3月13日、部隊最後のOH-6Dヘリによるフライトを実施。飛行を終えたOH-6Dは北部方面航空隊北部方面航空野整備隊に教育機材として引き取られた。5月27日、北海道雄武町で発生した山林火災の災害派遣に参加。2020年8月24日から9月10日、令和2年度北部方面隊実動演習に参加。2021年8月23日から9月4日、第３施設団の訓練検閲に協力し、第13施設群と連携して水際地雷原を構成した。参考：丘珠駐屯地ホームページ、MAMOR vol.52、vol.151、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings12,’17、6,’19、11,'20、朝雲

＜北部方面ヘリコプター隊（２００９年度）＞：北部方面航空隊隷下で、丘珠に置かれている。本部付隊（OH-6D）、第１・第２飛行隊（UH-1H、UH-1J）からなる。参考：月刊航空ファン4,’10

＜北部方面ヘリコプター隊（２０２０年）＞：北部方面航空隊隷下で、丘珠駐屯地にある。本部付隊（OH-1）、第１・第２飛行隊（UH-1J）を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜北部方面無人偵察機隊＞：陸上自衛隊の無人偵察機隊。2013年3月26日、北部方面情報隊隷下に静内駐屯地で新編された。2015年8月26-30日、ノーザン・レスキュー2015に参加。参考：月刊世界の艦船11,’15、北部方面隊ホームページ、第７師団ホームページ

＜北部方面輸送隊＞：陸上自衛隊の方面輸送隊で、北部方面後方支援隊の隷下にある。2016年5月22日、26日までの予定で第310輸送中隊30名が然別演習場で物資輸送中に車両が襲撃されたという想定の訓練を開始。5月23日1530、然別演習場で第310輸送中隊隊員９名が攻撃側２名と防御側７名に分かれて89式小銃での空包射撃を行ったところ、実弾が装填されており、計79発が発射され、隊員２名が左脇腹と左大腿部に軽傷を負い、銃口部に装着した空包発射補助具が破損した。演習場から外に飛び出した弾丸は無いとみられる。第310輸送中隊が空包を請求したのに北部方面支援隊の弾薬担当者が過去の実弾訓練で使用した情報をそのままパソコンに入力したため実弾が駐屯地業務隊に請求され、受領した第310輸送中隊でも紙箱の弾種表記と弾頭部の確認を怠ったため気付かず、装填した隊員も全員そのまま使用してしまったものだが、当然ながら見た目からして明らかに異なるものを取り違えるという「通常ではありえない事案」（陸幕長）が発生してしまった。6月20日、陸上幕僚監部が再発防止策を発表。当面の間は請求・移動票を空包と実弾で別のものにし、使用目的をちゃんと記載、空包用紙箱に色を塗って識別しやすくすることにした。抜本対策は、パソコンへのご入力を防ぐためのシステム改修と規則・教範類改正、弾薬点検要領の徹底、弾薬を使用する訓練の増加としている。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。2019年3月4日、20フィート輸送コンテナ導入に伴う入魂式を実施。参考：朝雲、月刊JWings11,’18

＜北洋館＞：海上自衛隊や大湊地方警備隊の資料が展示してある施設。所在地は青森県むつ市大湊町4-1。開館時間は平日が0900-1600、休日が0900-1500。休館日は年末年始と不定休日。参考：MAMOR Vol.42

＜北洋艦隊（ロシア海軍）＞：ロシア海軍の艦隊。司令部はコラ半島のセヴェロモルスクにある。2014年12月1日、統合戦略コマンド（OSK）に格上げされ、西部軍管区から独立した統合部隊SF-OSK（北洋艦隊統合戦略コマンド）となった。海軍部隊だけでなく、北極旅団（北極圏の陸軍部隊として新設）や防空部隊も隷下に編入しており、北極方面部隊の指揮権を握っている。参考：月刊世界の艦船2,’15、4,’15、6,’15、9,’23

　＜北洋艦隊（ロシア海軍、１９８９年）＞：兵力126000名。司令部はセベロモルスクにあり、北極海と大西洋を担当する。SSBN39隻（タイフーン級５隻、デルタ�T級９隻、デルタ�U級４隻、デルタ�V級６隻、デルタ�W級５隻、ヤンキー�T級８隻、ヤンキー�U級１隻、ホテル�V級１隻）、SSGN29隻、SSN49隻、SSG７隻、SS31隻、その他潜水艦16隻、空母２隻、巡洋艦13隻、駆逐艦13隻、フリゲート42隻、哨戒艇・沿岸戦闘艦艇40隻、機雷戦艦艇64隻、両用戦艦艇15隻、支援補助艦艇190隻、Tu-26爆撃機40機、Tu-16爆撃機25機、Yak-38VTOL機30機、Tu-142対潜哨戒機30機、Il-38対潜哨戒機20機、Be-12対潜哨戒機30機、Ka-25/Ka-27/Mi-14対潜ヘリ65機、Tu-95哨戒機25機、Tu-16哨戒機33機、An-12哨戒機10機、Ka-25哨戒ヘリ５機、Mi-14掃海ヘリ８機、Tu-16空中給油機18機、海軍歩兵旅団１個（大隊４個、兵力3000名）を有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜北洋艦隊（ロシア海軍、２０１５年）＞：戦略原潜９隻、巡航ミサイル原潜４隻、攻撃原潜13隻、攻撃型潜水艦８隻、空母１隻、ミサイル巡洋艦１隻（＋非作戦状態１隻＋整備中１隻）、ミサイル駆逐艦７隻、フリゲート８隻、対機雷戦艦艇12隻、戦車揚陸艦４隻を保有する。航空隊はSu-33/Su-25UTG中隊２個、MiG-31BM/Su-24M/M2/MR連隊１個、Il-20RT/Il-38/Tu-134中隊１個、Ka-27/Ka-29中隊３個、Tu-142M/MR中隊１個からなり、MiG-31BM戦闘機20機、Su-33戦闘機18機、Su-24M戦闘機13機、Su-25UTG練習機５機、Su-24MR偵察機４機、Tu-142M/MR対潜哨戒機13機、Il-20RT電子情報収集機２機、Il-22電子情報収集機１機、Il-38哨戒機14機、An-26輸送機８機、Tu-134輸送機１機、Ka-27ヘリックスＡ対潜ヘリ、Ka-29ヘリックスＢ輸送ヘリ、Mi-8輸送ヘリを保有する。海軍歩兵は自動車化狙撃旅団２個、海軍歩兵旅団１個、地対空ミサイル連隊３個からなる。沿岸砲兵・ミサイル部隊は１個地対艦ミサイル旅団からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜北陸丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊所属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜ポケット戦艦＞：ドイッチュラント級を参照。

＜補欠召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜ポゴ＞：XFY-1（試作戦闘機）を参照。

＜ホ号＞：九四式軽装甲車を参照。

＜母港＞：Homeport。作戦航海を終えて戻り、補給・整備を行い、乗員を陸に揚げる港である。アメリカ海軍横須賀基地と佐世保基地は、アメリカ海軍公式用語では空母打撃群（CSG）の「母港」ではなく、「前方展開させる港」。よって、新聞には「事実上の母港」と書かれる。参考：月刊軍事研究5,’05

＜ホ号艦本式缶＞：ロ号艦本式缶と同じ三胴Ａ型水管を片流式（燃焼ガスを片側にのみ流す）にして容積を小さくしたもの。蒸気圧力20気圧。橋立型砲艦、伏見型河用砲艦、海防艦第２号型などに搭載された。参考：小艦艇入門

＜戊号工事＞：御文庫附属庫を参照。

＜保国演習＞：韓国軍が1996年3月から年１回実施している実動軍事演習。陸海空軍の実動演習を一纏めにしてあり、1990年に誕生した合同参謀会議の指揮の下で行われる。参考：月刊軍事研究4,’07、10,’10

＜鉾田飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和15年、茨城県鹿島郡新宮村に開設された。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく陸軍大臣所管の機密飛行場に指定された。参考：首都防空網と空都多摩

＜ポコノ＞：AGC-16（揚陸指揮艦）を参照。

＜ボコ・ハラム＞：ナイジェリア北東部を中心に活動するアルカイダ系イスラム過激派組織Boko Haram（西洋教育禁止の意）。指導部がイスラム国に忠誠を誓ってからはイスラム国アフリカ県（ウィラヤト・ガーブ・アフリキーヤ）と改称した。2009年頃からナイジェリア政府軍に対する自爆テロやキリスト教徒の村における住民虐殺を繰り返し（2015年までに17000人を殺害したといわれる）、イスラム法に基づく統治と称して残虐行為を行っている。2014年、カメルーン副首相夫人や宗教指導者を誘拐した。4月14日、ナイジェリアのボルノ州にある公立中学校学生寮を襲撃して女子学生276人を拉致し、イスラム教に強制改宗させ人身売買を行った。8月、ナイジェリアでイスラム国家樹立を宣言。2015年2月、イスラム国への忠誠を宣言し、イスラム国西南アフリカ州に改称した。ナイジェリア軍はSTTEP社など民間軍事会社２社と契約して戦力を整えると、ボコ・ハラム制圧作戦を強化し、2月18日に11の町村を解放、3月27日にボコ・ハラムが本部を置いていたグヴォザを制圧したと発表した。ただ3月の大統領選挙でボコ・ハラム活動地域出身の大統領が当選し、民間軍事会社との契約は打ち切られている。参考：月刊軍事研究6,’17、3,’16、12,’15、10,’14

　＜ボコ・ハラム（２０１５年）＞：T-55戦車、ヴィッカーズMk3戦車、スコーピオン軽戦車、AML-60偵察車、ECR-90偵察車（を保有しているという報告あり）、4K-7FA装甲兵員輸送車、MT-LB装甲兵員輸送車、AVGP製クーガー改装甲兵員輸送車、コブラ装甲車、スパルタン装甲車、105mm砲M56、122mm砲D-30、155mm砲FH-77B（を保有しているという報告あり）、14.5mm対空機銃ZPU-2搭載トラック、23mm高射機関砲ZU-23-2搭載トラックを保有する。ただし、作戦地域の変化、ナイジェリア軍及びMNJTFとの戦闘、ボコ・ハラム自体の多様性などにより、保有装備の種類や数を完全に把握するのは難しい。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜保護班＞：日本陸軍用語で、病弱な兵のみで構成される内務班のこと。だからといって労られることは無く、逆に妬まれてビンタの数が増えた。参考：新兵サンよもやま物語

＜ポコモーク＞：AV-9（水上機母艦）を参照。

＜ボゴモル級＞：ロシア国境警備隊哨戒艇Bogomol級。兵装はAK630CIWS連装２基、76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホサ＞：海上自衛隊の略号で、砲術幕僚のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ホシ＞：海上自衛隊の略号で、砲術士のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜星形エンジン＞：Radial type engine。シリンダー（気筒）がクランクシャフトを中心に放射状に配置されたレシプロエンジンのこと。直列型よりも全長を短縮でき、空冷でも十分な冷却能力を得られる。全高は高くなって前面面積が大きくなるが、その分の空気抵抗は多気筒による大出力で相殺でき、単発機なら胴体断面積とほぼ同じ前面面積に収められる。シリンダーを順番に点火していく関係でシリンダー数は奇数となり、7-9シリンダーまでなら単列に収まるが、それ以上だと放射状に詰め込むのが難しいので前後に並べた複列にし、前後のシリンダーが重ならないよう配置して冷却に支障を来さないようにする。それでも前列の方が10度ほど温度が低くなるので、そちらに繋がるマグネトーの点火時期を後列側よりもクランクシャフト0.5度分早くした。最大で４列まで実用化されている（R-4360）。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊PANZER7,’05、月刊軍事研究6,’16、4,’12、続日本海軍よもやま物語

＜戊式一型練習機＞：日本陸軍複葉双発練習機。丁式二型爆撃機の夜間爆撃練習機として日本陸軍が導入したコードロンG.4である。胴体は鋼管骨組みで、垂直尾翼は４枚。翼面積38平方メートル。全幅17m。エンジンはル・ローヌ製ロ式80馬力双発、プロペラは木製２翅。フランスから輸入して東京砲兵工廠で組み立て、大正10年10月に戊式一型練習機の制式名称を付けた。11月21日には所沢で１機が事故を起こしている。大正11年7-9月に所沢陸軍航空学校に10機を配備する計画が立てられているが、大正12年前半には既に飛行回数がゼロとなっており、12月には４機が廃品リスト入りした。参考：月刊航空ファン11,'15、8,’19

＜保式六斤速射砲＞：日本海軍の57mm砲で、フランスのオチキス社が設計したのでこう呼ばれた。大正時代からは口径から六サンチ砲と呼ばれるようになった。口径長25、初速毎秒560m。参考：日本駆逐艦史

＜保式一三ミリ機銃シリーズ＞：日本海軍の13.2mm機銃。オチキス社のを輸入もしくは国産化（九三式一三ミリ機銃と称する）したもので、単装から４連装まで、地上用から航空機用まで20種類以上が導入された。使用弾は13.2mm×99リムレス弾。威力が弱いのが欠点で、B-24相手でも至近距離でないと銃弾が弾き返されてしまったという。参考：歴史群像6,’08、月刊グランドパワー6,’10、月刊丸1,'17別冊

　＜保式一三ミリ二連装機銃三型＞：地上用三脚架に連装で搭載したもの。参考：月刊グランドパワー6,’10

　＜九三式一三ミリ二連装機銃三型＞：保式一三ミリ二連装機銃三型を国産化したもの。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜ボ式四〇粍高射機関砲＞：ボフォース40mm機関砲・海外シリーズを参照。

＜保式機関砲＞：オチキス機関銃・海外シリーズを参照。

＜ボ式山砲＞：日本陸軍の山砲。口径75mm、放列砲車重量795kg。俯仰角はマイナス12度からプラス50度、射界105ミル。使用弾は榴弾と尖鋭弾。参考：大砲入門

＜保式連装発射管＞：日本海軍の21インチ（533.4mm）連装魚雷発射管。ホワイトヘッド社製で、大正2年10月に採用が決定し、浦風に搭載された。参考：日本駆逐艦史

＜ボシシオ＞：ブラジル海軍ブロードソード級フリゲートBosisio。元はイギリス海軍22型バッチ１フリゲート、ブレイズンで、1996年8月に引き渡された。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜ポジティフＭＥ１＞：ロシア海軍の三次元対空・対水上捜索レーダーPositive ME1、NATOコードはクロス・ドーム（Cross Dome）。アンテナは横長矩形フェイズド・アレイ式で、重量1.46トン。回転数毎分３・６・12・30回転。使用周波数Ｘバンド、最大探知距離250km、最大目標追尾数50。目標データは砲射撃指揮装置や艦対空ミサイルシステムに送られる。ゲパルト3.9級に搭載された。参考：月刊軍事研究11,’15、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ポジティフＭＥ１．２＞：ロシア海軍の三次元対空・対水上レーダーPositiv ME1.2、NATOコードはクロス・ラウンド（Cross Round）。レドーム内に横長直方体のフェイズド・アレイ・アンテナとIFFを収容しており、全周旋回（１回転あたり１秒、２秒、５秒、10秒の４モードあり）して目標捜索を行う。アンテナ重量600kg（750kg？）。使用周波数はＳバンドで、最大探知距離150km、高度1000mを飛行するRCS１平方メートルの目標なら50km、高度15mを飛行するRCS0.1平方メートルの目標なら20km、同時追尾数150（40？）。目標捜索、艦砲・カシュタン・対艦ミサイルの目標捕捉指示、ヘリ発着艦管制に使用される。プロジェクト21630ブヤン型コルベットに搭載された。参考：月刊軍事研究11,’13、11,’15、10,’09、月刊世界の艦船6,’15

＜ポジティブ・クライム＞：上昇中、の意味。離陸して、機体が上昇に転じた時にコールする。参考：月刊JWings6,’00

＜補充＞：人馬や軍需品の不足を、供給機関から受領して充足すること。参考：月刊軍事研究7,’97

＜募集広報徽章＞：自衛隊の徽章。地方協力本部に勤務し、募集広報に従事することを命じられている者が付ける。参考：MAMOR vol.62、vol.56、vol.100

＜補充大隊（ドイツ陸軍）＞：Ersatzbataillon。ドイツ陸軍（再軍備後）の組織で、師団補充連隊の隷下にあり、徴兵された兵や負傷から回復した兵が配属された。入中隊（新規徴兵者の訓練を行う）、訓練中隊（志願者の訓練を行う）、移送中隊（訓練終了後の徴兵者や志願者を前線の歩兵連隊に送る）、回復中隊（負傷から回復した兵を復帰させる）からなる。軍管区の隷下にある各兵科補充大隊もあり、砲兵連隊、対戦車大隊、偵察大隊、工兵大隊、通信大隊、医療大隊などに兵を補充する。1942年には前線との距離が離れたため、外地で訓練を行ったり、占領地の管理をしたりする予備大隊と、内地で訓練を行う訓練大隊の２つに組織が分割された。参考：月刊丸9,’03

＜補充中隊（ドイツ陸軍）＞：ドイツ陸軍（再軍備後）の組織で、師団補充連隊の隷下にあり、歩兵連隊の歩兵砲中隊、対戦車砲中隊、工兵小隊、通信隊、騎馬小隊に兵を補充する。参考：月刊丸9,’03

＜歩哨（日本陸軍衛兵）＞：軍旗歩哨、表門歩哨、弾薬庫歩哨、裏門歩哨、営倉歩哨などに細分される。常に守則を守り、警戒を怠らないようにする。常に姿勢動作を正しくし、他人と雑談して警戒を疎かにしたり、頭巾を被って視野や聴覚を妨げたりしてはいけない。雨や雪が降ったら哨舎内に入るが、特に警戒が必要な時、哨舎内では監視が不十分になる時、敬礼の時、交代の時、巡察官が巡察を行う時、連絡など必要時は、外に出る。喫煙、命令無しの座臥は禁止。常に銃を手に持ち、昼間は立銃または提銃または腕に銃、夜は提銃または腕に銃の姿勢を取るが、夜に上官に対して敬礼したり、上官の問いに答える時は立銃とする。夜間、警備上必要な時、特に命じられた時以外は銃に着剣しない。特に定められた場合を除き、哨所から30歩以上離れることは禁止なので、必要なら予め歩測しておく。敬礼は哨所の位置で行うが、戻っている暇が無い時はその場でも可。衛兵が整列して敬礼を行う対象者が来た場合、営舎前の歩哨は「整列」と叫ぶ。衛戌勤務に関係する上官や直属の団隊長以外に守則を話してはいけない。営内出火、近所の火災、不審者捕縛、緊急事態で衛兵所や隣の歩哨に警報を行う時は、気を付けと声を上げて携帯警報器や固定警報器を使用し、速やかに実施する。非常の場合、隣の歩哨から警報があった場合、異状を認めた場合には、できる限り逓伝、報告、通報を行う。怪しい者が潜入しやすい場所に注意し、なるべく暗い場所を足音を立てず静粛に行動、視覚と聴覚を存分に活用し、怪しい者がいたらこちらに気付く前に機先を制して対処する。命令に従わない不審者を捕らえたら、警報を発して応援を呼び、付近の者と協力して逃亡を防ぐ。暴れる場合には衛兵の兵器使用基準に基づき対処する。夜間歩哨に近づく者がいたら、銃を構えて「誰か」と問い、３回聞いても答えなければ捕縛する。ただし暗号を使う場合には作戦要務令前哨勤務の規定に準ずる。火災を見付けた場合、消火できそうなら速やかに衛兵所に警報すると共に消火活動に入る。無理なら衛兵所、隣歩哨、最寄りの中隊に警報を行う。応援が到着したら消火活動はそちらに任せ、警戒など歩哨本来の任務に集中する。立哨中に具合が悪くなったりトイレに行きたくなったりしても、なるべく交代時刻まで勤務に就くが、どうしても無理なら巡察官や通行者に頼んで衛兵司令に交代の者を呼んでもらう。歩哨に就く前には服装を準備し、守則を十分に記憶、永久・一時申送簿の必要事項を理解し、用便を済ませておく。交代時の無駄話は厳禁。交代途中だからといって警視を怠ってはいけない。交代時に守則を復唱するが、夜はあまり大声を出さないこと。参考：衛兵勤務必携

＜歩哨（日本陸軍近衛兵、皇居）＞：70名で48時間勤務する。太平洋戦争末期には部隊数が多かったため、月に１回くらい順番が回ってきた。立哨は正門（２名）、鉄橋（１名）、東御車寄せ、北御車寄せなど18ヵ所。参考：月刊丸8,'15別冊

＜歩哨（日本陸軍、駐軍警戒時）＞：駐軍間の警戒における歩哨は、最前線の監視線を成形するものであり、任務は重大で、常に身を以てその責に任じなければならない。歩哨は分哨と複哨に分かれ、分哨は重要な地点や交代不便な地点などに配置する。歩哨は派出部隊ごとに右翼から順次一連の番号を付け、第１分哨、第２複哨などと称する。通常は小哨長の命により背嚢を小哨の位置に残置し、小銃及び手榴弾を携行する。必要に応じて眼鏡、擲弾筒、対戦車地雷なども携行するが、これらの使用は小哨長が指示する。歩哨の位置はなるべく十分な展望があり、かつ敵に対して遮蔽しうる必要がある。このため、樹木、家屋、堆土などを利用し、必要なら眼鏡を運用、所要の偽装を施す。また、掩体や障害物などを作成するよう勉めるが、これは小哨長が下命する。音響や火煙を観測する場合は高所、地平線・水平線近くの敵を見付ける場合は夜間低地が適するので、昼夜に適宜位置を変更する必要があり、夜間奇襲を避ける点でも重要である。化学兵器を使われる恐れが大きい場合、特に風向や地形などに応じて化学兵器使用の徴候や流来などを発見しやすい位置に歩哨を置くようにする。歩哨線で警戒に就く場合の一般守則は以下の５つ。１．絶えず敵方を監察し、併せて四周を警戒、全ての徴候に深く注意する。敵を発見したら良く確認して１名が報告に向かう。緊急を要する場合は急射撃または信号を発しつつ１名が急報する。少数の敵兵が近づいたら、殺すか捕獲する。２．歩哨線を出入りさせて良いのは我が軍の部隊、昇降、斥候、巡察、伝令のみで、他は小哨長から指示を受ける。夜に近づく者があれば銃を構えて良く確認し、何者か分からなければ「誰か」と３回呼びかけ、答えなければ殺すか捕獲する。自動車は停止させて取り調べる。歩哨の命令に従わない者も殺すか捕獲する。３．出発する斥候からは、任務、経路、帰来地点、時刻などの概要を聞き、自己見聞の状況を告げる。帰来する斥候からは、見聞した事項を聞く。４．白旗を掲げて遠くから軍使であることを表している者と、降参人に対しては、敵として取り扱わず、歩哨線外に止めて敵の方向を向けさせ、降参人は武器を棄てさせ、乗馬・乗車していたら下馬・下車させ、速やかに報告する。この際、無用の談話を避け、特に欺かれないようにするよう注意。５．喫煙は禁止。命令が無ければ座臥してはならない。銃は手から放してはならず、昼間は立銃または提銃または腕に銃、夜は提銃または腕に銃の態勢を取る。独立騎兵部隊の歩哨が乗馬で服務する場合、揚銃をとるか、銃を鞍上に横たえる。敵襲に際して後退命令が出されても、過早に位置を放棄せず冷静沈着に行動し、敵との接触を保ちつつ後退する必要がある。この際、味方部隊の位置を敵に知らせず、かつ味方部隊の射撃を妨害しないようにする。参考：作戦要務令

＜歩哨掛（日本陸軍衛兵）＞：日本陸軍衛兵の掛の１つ。衛兵司令の命により、歩哨の交代、服装、守則の実施、哨舎の清潔保存などに責任を持つ。自らの服装も常に正しておくのは当然である。衛兵交代の際は、上番歩哨掛が上番歩哨を率いて哨所に行き、下番歩哨と向かい合わせ又は同列に整列させ、下番歩哨掛の立ち会いの下で引き継ぎを行う。下番者の申し送り事項は服務中の所見、哨所の清潔保存状態、弾薬庫の状況、公用証や門鑑について（特に紛失関連）、仮門鑑の数・番号・使用先または使用者氏名などで、これらを上番者が復唱したら衛兵交代は終了、哨所を離れ衛兵司令に哨所の状況や下番者からの伝達事項を報告する。衛兵交代以外での歩哨交代も、これに準ずる。上番歩哨を率いるため号令をかける時は、昼間は活音、夜間は低音とし、哨所に向かう際は銃の担い方及び脇見や雑談をする歩哨がいないか注意する。哨所に向かうついでに巡察も行うので、同じ移動経路ばかり使わない。夜間の移動は静粛に。衛兵司令から巡察割を指示されたら、目的、時刻、場所、着眼点、実施方法を予習しておく。参考：衛兵勤務必携

＜歩哨犬（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の軍用犬で、全国の基地に200頭が配置されている。犬種はジャーマン・シェパードで、嗅覚に優れるラプラドール・レトリバーも試験導入した。入間基地警備小隊歩哨犬管理班が民間の警察犬訓練所から購入（1-5歳。雌は避妊手術済みのもの）し、入間基地の歩哨犬訓練センターで６ヶ月の訓練を受けて各基地の警備小隊に配備され、警備小隊歩哨犬係（こちらも歩哨犬管理班で訓練を受け、特技MOSを取得して歩哨犬関連業務に専念する）の飼育訓練を受けつつ夜間基地警備任務（1630頃から翌0800頃まで）に就く。書類上は装備品の扱いであるが、どんなに低く見積もっても三等空曹に該当する働きをしているとされる。歩哨犬管理班には１頭ずつの檻が用意されており、病犬舎やトイレも完備。犬用防弾チョッキや犬用クールベストといった装備も用意されている。1961年にアメリカ軍や民間からの寄贈犬12頭がアメリカ空軍歩哨犬訓練センターで訓練を受けて高蔵寺分屯基地に配備されたのが始まりである。1963年、訓練を入間基地の歩哨犬管理班が行うようになった。当初は様々な種類（アメリカ軍の軍用犬としてベトナム戦争に参加した猛者ならぬ猛犬もいたという）だったが、後にジャーマン・シェパードに統一されている。2012年4月27日、入間基地において、NPO救助犬訓練士協会と合同で、初となる災害派遣を想定した被災地の生存者捜索訓練を実施。2013年度に警備犬に名称変更された。参考：MAMOR vol.62、vol.84、JShips Vol.48、日本の戦力、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、朝雲

＜補助艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1979年7月1日、自衛艦の大分類として特務艦から改称され新設された。中分類の補助艦艇からなる。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜補助艦艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1979年7月1日、自衛艦−大分類・補助艦の下の中分類として、特務艦艇から改称されて新設された。艦艇のうち、警備艦以外のものを指す。練習艦、訓練支援艦、海洋観測艦、海洋観測艇、音響測定艦、砕氷艦、敷設艦、潜水艦救難艦、試験艦、補給艦、特務艦（ASU）、特務艇（ASH、ASU、ASY）の種別からなる。1981年6月15日、潜水艦救難母艦の種別を設けた。1987年頃、海洋観測艇の種別を廃止。1989年5月29日、特務艦にATSS（特務潜水艦）の艦種記号を設けた。1990年3月9日、特務艦ATSS（特務潜水艦）を特務艦TSS（練習潜水艦）に変更。3月23日、音響測定艦の種別を設けた。2000年3月28日、特務艇ASHを廃止。2002年3月27日、多用途支援艦の種別を設けた。2004年頃、特務艦ASUを廃止。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、月刊JWings1,’99

＜補助空母�T＞：ドイツ海軍が第２次大戦時に計画した特設航空母艦の秘匿名。1930年に竣工した大型高速客船オイローパを改造するもので、1942年5月から設計が開始された。長さ276m・幅30mの飛行甲板を設置し、右舷側に煙突と一体化したアイランドを設け、前部にカタパルトを２基、飛行甲板前後にエレベーターを１基ずつ装備する。格納庫は長さ216m、前部幅25m、後部幅30mで、Bf109G艦上戦闘機24機とJu87D艦上爆撃機18機を搭載可能。全長291.5m、全幅37m（バルジ部分）、吃水10.3m、基準排水量44000トン、満載排水量56500トン。主機はブロム・ウント・フォス社製ギヤード・タービン４基、主缶は三胴両面型水管缶24基で、出力100000馬力、４軸推進、速力26.5ノット、燃料搭載量8500トン、航続距離は27ノットで5000海里。兵装は10.5cm連装高角砲６基、37mm連装高射機関砲10基、４連装40mm高射機関砲7-9基。格納庫を主構造甲板に設けたため船体強度が足りない、復原性と燃費が悪いといった欠点があり、解決中の1942年11月25日に計画中止となった。参考：月刊丸3,’14

＜補助空母�U＞：ドイツ海軍が第２次大戦時に計画した航空母艦の秘匿名。元はフランス海軍で建造中に鹵獲した軽巡ド・グラースで、1942年4月から設計を開始し、8月に改造が正式決定した。長さ177.5m・幅24mの飛行甲板を設け、右舷側に煙突と一体化したアイランドを設置、前部にカタパルトを２基、前後に内舷式エレベーターを１基ずつ装備する。格納庫は長さ142m、幅8.6mで、Bf109G艦上戦闘機11機とJu87D艦上爆撃機12機を搭載可能。全長192.5m、幅24.4m、吃水5.6m、基準排水量11400トン。主機はラトー・ブルターニュ式ギヤード・タービン２基、主缶はアンドレ式高圧水管缶４基、出力100000馬力、２軸推進、速力32ノット、航続距離は19ノットで6500海里。兵装は10.5cm連装高角砲６基、37mm連装高射機関砲６基、20mm４連装高射機関砲６基。改造に時間と費用がかかる、ロリアン工廠にあったため空襲で破壊される可能性が高いなどの問題点があり、サボタージュで建造工事も進まず、1943年2月に計画中止となった。参考：月刊丸3,’14

＜補助憲兵＞：憲兵を参照。

＜補助車輪＞：Auxiliary wheel、Outrigger wheel。自転車式降着装置を持つ航空機の主翼翼端付近にある小車輪のこと。機体が地上で横倒しにならないよう支える役目がある。地上滑走中に旋回した時や、機体が傾いて着陸した時は、相当の荷重が加わるので、翼端部も含めてそれなりの強度を持たせなければならず、機体重量が数パーセント増える。参考：航空用語事典増補改訂版

＜補助巡洋艦＞：特設巡洋艦を参照。

＜補助巡洋艦戦闘章＞：Kriegsabzeichen fur Hilfskreuzer。1941年4月24日にドイツが制定した勲章で、通商破壊作戦に長期間従事したり、卓越した指導力を発揮したり、作戦中に負傷したりした特設巡洋艦または補給艦船乗員に授与される。地球上を航走する帆走ヴァイキング船を柏の葉で囲み、上部に鈎十字を掴んだ鷲を配したデザインとなっている。参考：グラフィックアクション44

＜補助担架兵（日本陸軍）＞：日本陸軍の兵種。衛生部員から担架搬送教育を受けた一般兵士で、中隊長の命により、負傷兵を担架に乗せて隊包帯所に後送する。参考：軍医サンよもやま物語

＜補助タンク＞：トリム・タンクを参照。

＜補助動力装置＞：APUを参照。

＜補助ボイラ（２６ＤＤ用）＞：自衛隊の機器。日本サーモエナー製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜補助ボイラ（２７ＤＤＧ用）＞：自衛隊の機器。日本サーモエナー製。参考：月刊軍事研究6,’18

＜補助翼＞：エルロンを参照。

＜補助ローター＞：Auxiliary rotor。メインローター（揚力ローター）以外のローターのこと。シングルローター・ヘリコプターのテイルローター、揚力ローター制御用の制御ローター（ヒラー360が装備）、縦方向姿勢制御ローター（CL-84が装備）などがある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ボシングトン＞：M1133（トン級機雷掃討艇）を参照。

＜ボスケー＞：APA-135（攻撃輸送艦）を参照。

＜ホスゲン＞：窒息剤の１つで、化学名は塩化カルボニル、CGと略す。1812年に合成された。無色の気体で、揮発性が高く、干し草臭がする。肺胞内で二酸化炭素と塩化水素に加水分解され、細胞を傷害して肺水腫を引き起こす。皮膚からは吸収されない。融点118度、沸点8.2度、空気に対する比重は3.5。半数致死量は3200mg・min／立方メートルで、行動不能にできる濃度はその半分。持続時間は晴天で数分、低温でも１時間程度と短いので、特別な除染は必要無いことが多い。発症までに潜伏期間があるのが特徴で、少量の場合8-24時間、大量では1-4時間。第１次大戦時の化学兵器による死者の８割はこれによるとされる。1985年2月にはカンボジア内戦に介入したベトナム軍が使用したロケット弾から検出された。参考：図解雑学生物・化学兵器、化学・生物兵器概論、戦争がやってくる

＜ホスゲンオキシム＞：びらん剤の一種で、CXと略す。鋭く突き刺すようなにおいがある。参考：戦争がやってくる

＜ボズジャアダ＞：トルコ海軍ブラク級コルベットBozcaada。元はフランス海軍デティエンヌ・ドーヴ級通報艦コマンダン・ド・ピモダンで、2001年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜ホスタ＞：2S34（自走砲）を参照。

＜ホスタイル＞：H55（駆逐艦）を参照。

＜ホステ＞：K566（フリゲート）を参照。

＜ポスト４次防＞：自衛隊の防衛力整備計画。海自は第４次防衛力整備計画の未達艦艇を年度ごとに補う予定とし、八八艦隊の整備も始まった。地方隊の護衛隊／駆潜隊は所定の海域ごとに少なくとも１隊を可動できる態勢にする。海自固定翼哨戒機部隊は、太平洋側300海里、日本海側100-200海里を１日１回以上哨戒飛行し、船舶護衛を要する場合には外航と内航に最低１個航空隊ずつを割り当てられる数を揃えることとした。1977年度、DD-122はつゆき、DE-226いしかり、SS-574もちしお、MSC-650にのしま、MSC-651みやじま、ARC-482むろとの建造を承認。1978年度、DDG-170さわかぜ、DD-123しらゆき、SS-575せとしお、MSC-652えのしま、MSC-653うきしま、ASE-6101くりはまの建造を承認。1979年度、DD-124みねゆき、DD-125さわゆき、DD-126はまゆき、DE-227ゆうばり、SS-576おきしお、MSC-654おおしま、MSC-655にいじま、LSU-4171ゆら、LSU-4172のと、AGS-5103すま、AGB-5002しらせの建造を承認。参考：月刊世界の艦船4,’11、4,'23、日本の防衛戦力Part3

＜ポスト・イラク戦争＞：イラク戦争終結後もイラクの自由作戦は継続されている。アメリカ軍はイラクを６つの区域に分け、６個師団と多国籍軍、イラク保安部隊を配置して統治にあたった。ブッシュ大統領の戦闘終結宣言後も掃討作戦は続いており、約12-16万名のアメリカ軍兵士がイラクで活動していた。連合統合特殊作戦任務部隊−北部は連合統合特殊作戦任務部隊−アラビア半島（CJSOTF-AP）に改称して司令部をバグダッドに置き、任務を続行している。2003年4月、イラク暫定統治組織としてアメリカを中心とする再建・人道援助室（ORHA）が設立され、5月上旬に連合国暫定統治機構（CPA）が発足。5月、アンマン国際空港不発弾爆発事故が発生。5月15日、プラネットＸ作戦を実施。5月16日、連合軍暫定統治機構命令第１号が発令され、イラク社会の脱バース党化が下命された。5月23日、連合軍暫定統治機構命令第２号が発令され、イラク軍、イラク情報機関、イラク警察、バース党の解体が宣告され、全バース党員が公職から追放された。これにより数百万人が失業に追い込まれ、テロリストに身をやつす者が続出した。また、治安も崩壊し、全土で犯罪が横行、大混乱に陥る結果となった。更にアメリカ軍がテロ掃討と称して強制家宅捜索による武器押収や家財没収を繰り返したため、反米感情が一気に高まり、かえって各地でテロが頻発した。6月9日、半島打撃作戦を実施。6月15日、砂漠のサソリ作戦を開始。7月、イラク統治評議会（シーア派13人、スンニ派５人、クルド人５人、トルクメン人１人、アッシリア人１人）が設立された。CJSOTF-APの規模が海軍特殊戦任務隊１個と陸軍特殊部隊前方作戦大隊１個に縮小された。7月12日、ソーダ・マウンテン作戦とアイヴィー・サーペント作戦を開始。7月22日、フセインの息子であるウダイとクサイが第101空挺師団との交戦で死亡。7月末、アイヴィー・スネーク作戦を開始。8月19日、バグダッドの国連施設で爆弾テロが起き、22人が死亡、国連がイラクから撤退する事態になった。8月末、アイヴィー・ニードル作戦を開始。11月12日鉄槌作戦を実施。11月29日、日本人外交官２人が射殺された。12月初め、アイヴィー・ブリザード作戦を開始。12月4日、ブルドッグ・マンモス作戦を開始。12月13日、赤い夜明け作戦で、フセイン大統領を逮捕。12月18日、鉄の正義作戦を開始。12月24日、鉄の支配作戦を実施。2004年に入り、一向にテロ活動がおさまらないため、一旦11万名台まで減少したアメリカ軍部隊はまた強化されることとなった。1月、CJSOTF-APの規模を陸軍特殊部隊前方作戦大隊２個に変更した。3月2日、バグダッドとカルバラでアルカイダ系テロリストがシーア派祭礼日アシュラを狙った自動車爆弾・ロケット弾などによる連続テロを起こし、178人が死亡、500人が負傷した。3月31日、ファルージャでアメリカ軍事請負会社ブラック・ウォーターの社員４人が武装勢力の待ち伏せ攻撃で惨殺され、遺体が住民により損壊された。4月4日、ランサー・フューリー作戦を開始。4月5日、油断無き決意作戦を開始。ファルージャで民間人被害が多数出たため、シーア派急進派を中心に、反米武装勢力の攻撃が激化し、イラク全土に争乱が生じ、アメリカ軍を中心に大規模な掃討作戦が実施された。4月8日、日本人３人が人質となった。アメリカ第１機甲師団第２旅団戦闘団がマハディ軍の支配するクートの奪還作戦を開始。4月10日までにクートを制圧し、マハディ軍団の33人を殺害、93人を捕えた。4月13日、アメリカ第１歩兵師団第３旅団戦闘団タスクフォース・デュークがナジャフ制圧作戦を開始。マハディ軍団がイスラム寺院に立て籠もったため制圧は断念し、5月後半にマハディ軍と停戦した。6月、イラク暫定政府が計画前倒しで誕生。8月5日、サドル派マハディ軍の攻撃が激化し、ナジャフのサレム墓地・アリ廟で掃討作戦が展開された。8月13日、バトン・ルージ作戦開始。10月、マハディとアメリカ軍が停戦合意。11月8日よりファルージャで大規模な掃討作戦（ファントム・フューリー作戦もしくはアル・ファジル作戦）を開始。2005年、CJSOTF-APの規模を陸軍特殊部隊前方作戦大隊３個に拡大し、イラク軍への教育訓練を強化した。1月4日、ポスト・イラク戦争でのアメリカ兵負傷者が１万名を超えた。1月30日、イラク国民議会選挙が実施された。ここでシーア派中心の政権が樹立したため、イラク治安部隊やイラク警察によるスンニ派への弾圧が開始された。連行されたスンニ派容疑者が数日後に路上で死体になっていることも稀ではないという。2月14日、ポスト・イラク戦争でのアメリカ兵死者が１千名を超えた。2月28日、ヒッラの警察官募集センターに自動車爆弾による自爆テロが行われ、127人が死亡した。9月14日、バグダッドでアルカイダ系テロリストがシーア派住民に対して自動車爆弾による自爆テロを行い、112人が死亡、160人が負傷した。9月29日、バラードで野菜市場、銀行、警察署に自動車爆弾が１両ずつ自爆テロを行い、102人が死亡、100人以上が負傷した。11月19日、ハディーサでアメリカ海兵隊員による虐殺事件が発生。2006年1月、イラク聖戦アルカイダ機構が他のスンニ派武装組織と共にイスラム聖戦士評議会を設立。2月（3月？）、サマラのシーア派モスクであるアスカリ聖廟がスンニ派テロ組織に爆破されたため、シーア派が全面報復に出た。これに対し、スンニ派もイラク新政府への反感と相俟って宗派間対立が激化、内戦レベルの治安悪化になってしまった。5月20日、ヌール・マリキ首相（シーア派ダワ党）をトップとするイラク新政府が発足したが、首相代理２名の治安に関する意見が食い違っており、スンニ派が防衛省を、シーア派が内務省を牛耳っているため、国家警察と10個旅団３万名規模のイラク陸軍（当時。今後８個旅団規模を追加編成）の協同による有効な治安安定作戦が行えない状況にある。更に各知事の管轄下にある地方警察との連係も問題視されている。各部隊の士気も最悪で、逃走や脱走が頻発。反米強硬シーア派組織のムクタダ・サドル派から閣僚が５人輩出されたため、シーア派民兵組織のマフディ軍によるスンニ派殺害事件も多発した。6月、イラク聖戦アルカイダ機構のザルカウィが爆撃を受けて死亡。11月23日、サドル・シティでアルカイダ系テロリストがシーア派に対し自動車爆弾含む自動車６両による攻撃を仕掛け、215人を殺害、257人を負傷させた。2007年1月10日、アメリカのブッシュ大統領がイラク政策の誤りを認め、イラクへのアメリカ軍21500名（陸軍５個旅団17500名がバグダッド、海兵隊２個大隊4000名が西部のアンバル州）の緊急派遣を決定。イラク人部隊への治安権限委譲を2007年11月に前倒しすることも発表した。2月3日、バグダッドの市場に爆弾積み大型トラックが自爆テロを仕掛け、135人が死亡、339人が負傷し、建物10棟が破壊された。反政府勢力またはスンニ派の過激派による犯行らしい。3月、イラク安定国際会議を開催、シリアやイランを含むアラブ連盟諸国と国連安保理常任理事国が参加した。3月27日、タル・アファルでトラック爆弾２両が自爆テロを行い、152人が死亡、347人が負傷した。首謀者は不明。4月18日、バグダッド周辺でアルカイダ系テロリストが自動車爆弾５両による連続テロを行い、198人を殺害、251人を負傷させた。8月14日、アルカイダ系テロリストがヤズディ教徒地区で自動車爆弾４両による自爆テロを行い、796人を殺害、1000人以上を負傷させた。9月以降、テロ件数が減少傾向となっており、年初からのアメリカ軍増派によるテロ掃討が効果を現してきたようである。9月16日、ブラック・ウォーター社による住民無差別銃撃事件が発生。10月17日、トルコがクルド労働者党（PKK）掃討のための越境攻撃法案を議会で可決。2008年1月8日、アメリカ軍がファントム・フェニックス作戦を実施。ポーランドが2008年10月末までに派遣していた900名を撤退させることを決定。2009年1月1日、アメリカとイラクとの新たな地位協定が発効し、イラク国内で活動するアメリカのPMC要員が犯罪を起こした場合、イラクの法律で裁くことができるようになった。ブラック・ウォーター社はライセンスを獲得できず、イラクから完全撤退することになったが、業務は別のPMCであるトリプルキャノピー社にほぼ全て引き継がれた。7月31日、オーストラリア軍が撤退を完了。8月6日、イギリス軍が撤退を完了。8月19日、バグダッドでイスラム国が自動車爆弾３両や迫撃砲などによるテロを起こし、101人が死亡、563人が負傷した。10月25日、バグダッドでイスラム国がミニバンとバスに爆薬を積んで政府関係施設に対する自爆テロを起こし、155人が死亡、721人が負傷した。12月8日、バグダッドでイスラム国が自動車爆弾５両により警察や政府施設を攻撃し、127人以上が死亡、440人以上が負傷した。2010年4月5日、ウィキリークスで2007年7月12日にバグダッド郊外でAH-64ヘリがロイター通信記者２人を含む12人を30mm機関砲で殺害する映像が暴露された。この映像を流出させた容疑者はイラク駐留米陸軍情報部門所属の上等兵で、5月26日に逮捕されている。8月中旬、展開するアメリカ軍の規模は５万名台にまで縮小し、戦闘部隊は全て撤退した。これまでのアメリカ軍死者は、2003年486名（イラク戦争での172名を含む）、2004年848名、2005年846名、2006年821名（ただし2006年までで600名以上の非戦闘死亡を含む）。2010年8月31日、アメリカはイラクの自由作戦終結を宣言して戦闘任務を終え、9月1日から新たなる夜明け作戦に移行した。イラクの自由作戦におけるアメリカ軍総死者数4411名、うち戦死者3481名（陸軍2536名、海軍64名、海兵隊852名、空軍29名）、事故死566名（陸軍413名、海軍19名、海兵隊121名、空軍13名）、戦病死94名（陸軍72名、海軍10名、海兵隊６名、空軍６名）、殺人36名（陸軍23名、海軍４名、海兵隊７名、空軍２名）、自殺223名（陸軍180名、海軍４名、海兵隊37名、空軍２名）、不明11名（陸軍９名、海軍２名）、負傷者は31951名（陸軍22229名、海軍646名、海兵隊8626名、空軍450名）だった。アメリカ文民13名が死亡している。2011年12月14日、アメリカ大統領がアメリカ軍の全作戦終了を発表。12月18日1104、CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス所属のE-2Cがイラク上空での早期警戒・通信支援任務を終えて着艦し、アメリカ海軍のイラク作戦が終了した。ただシーア派マリキ首相の偏った政策にスンニ派の不満が蓄積しており、隣国シリア情勢の悪化に乗じて勢力を拡大したイスラム国が2014年からスンニ派地域で攻勢に出ている。参考：月刊軍事研究9,’04、4,’05、10,’06、2,’07、3,’07、11,’07、1,’08、3,’08、12,’08、7,’09、12,’10、3,’11、9,’14、12,’14、4,’16、11,’17、月刊JWings1,’05、5,’07、3,’12、月刊グランドパワー3,’05、3,’11、月刊PANZER1,’11、月刊航空ファン5,’11、月刊世界の艦船3,’12、ストライク・アンド・タクティカル・マガジン3,’12

＜ポスト・インサート＞：インサート（照星）を参照。

＜ボストウィック＞：DE-103（護衛駆逐艦）を参照。

＜ホス・ドゥルグ＞：K73（コルベット）を参照。

＜ポスト・ジュットランド級＞：Post-Jutland Type。第１次大戦中のジュットランド沖海戦で、超弩級戦艦の想定以上の距離18000mでの砲戦が行われ、徹甲弾がほぼ真上から落下、巡洋戦艦の主砲塔上面の薄い装甲が撃ち抜かれて大きな被害を出した。このため、16500m以上の砲戦に耐える水平防御と対魚雷防御用バルジを装着して誕生したのがポスト・ジュットランド級戦艦で、イギリスのフッド・ネルソン、アメリカのメリーランド級（コロラド級）、日本の長門・陸奥がワシントン条約でこれに分類された。参考：近代戦艦史、戦艦入門

＜ポスト・ストール・マニューバ＞：Post Stall Maneuver（PSM）、失速後機動。限界Ｇで機体を失速させ、失速後も操縦性を確保することにより、小さい半径で旋回するなどの高機動を行うものである。第３世代戦闘機の機動性能が人間の限界となる9Gに達し、それ以上の高機動が困難となったため、高Ｇをかけずに目標を捕捉する機動として研究が進められた。防衛装備庁装備開発官付第３開発室長三輪一等空佐のX-2実験機初公開時の言葉を借りれば、高速で大きく周回するスピード・スケーターから、その場で3-4回転できるフィギュア・スケーターへの転換である。X-31とF/A-18との１対１空中戦では有効性が実証された。ただし機体の保有するエネルギーも失速レベルに落ちるので、多数機を相手にしている場合、PSM後に他機から攻撃されると手も足も出ないことになり、実戦では基本的に２機編隊以上で行動しているから、役に立たないとされる。よって、主にデモ飛行で機動性能自慢に使われる。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings5,’14、8,’13、12,’19、月刊軍事研究2,’16、月刊航空ファン7,’16、朝雲

＜ポスト・ブースト機動弾頭＞：IPBVを参照。

＜ポスト・ランプ＞：56SM（艦砲）を参照。

＜ボストン＞：A-20海外シリーズ（攻撃機）またはCA-69（重巡）またはSSN-703（原潜）を参照。

＜ボストン＞：フランスのAGMAT社が開発した装甲車。AGMAT社製VLRAのシャシーに装甲車体を載せたものである。重量12トン。乗車兵員10名。USAFRICOMがアフリカ諸国への供与用として発注した。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ボストン級＞：アメリカ海軍ミサイル重巡洋艦Boston級。バルチモア級重巡CA-69ボストンとCA-70キャンベラをテリア艦に改装したものである。後部上構と後部８インチ３連装砲塔を撤去してテリア連装発射機２基を背負い式に搭載するなどミサイルシステムを装備し、電子装備の改良、煙突の１本化、艦橋・マストの改修などを行った。全長205.3m、満載排水量17947トン。主機は蒸気タービンで、速力33ノット。兵装はテリア連装発射機２基、３連装203mm砲塔２基。1955-56年にCAG-1ボストン、CAG-2キャンベラが就役した。システムの旧式化が思ったより早く、1968年に重巡洋艦CAに戻り、艦砲射撃による対地支援を主任務とした。参考：月刊世界の艦船12,’13、6,’16

＜ボスニア治安軍＞：SFORを参照。

＜ボスニア仲裁軍＞：IFORを参照。

＜ボスニア紛争＞：ユーゴスラビア紛争の１つ。1992年1月15日、ECがスロベニアとクロアチアの独立を承認。これに続いてボスニアでかつて地主だったムスリム教徒のボシュニャク人（ボスニア総人口の44%）を中心とする独立運動が起こり、3月1日にボスニア・ヘルツェゴビナが国民投票で独立を決定、ユーゴスラビアを継承した。ボスニアでかつて小作人だったセルビア人（ボスニア総人口の31%）は投票をボイコットし、独立決定後はボスニアに駐屯していた旧ユーゴスラビア連邦軍（各共和国の兵員は離脱して実質的にセルビア軍）の協力を得て支配地域を武力で確保、ボスニア北部にスルプスカ共和国の創設を宣言し、互いに領域を拡大しようとするボシュニャク人とセルビア人との間で内戦が勃発。これにボスニア総人口の17%を占めるクロアチア人が加わり、３勢力間で民族浄化の名の下に陰惨な殺し合いが繰り広げられた。正規軍を持つセルビアが当初優勢に立ったが、カトリック中心のスロベニア・クロアチアの独立を早い段階で認めていたドイツがクロアチアに加担、これにNATOとアメリカが引きずられて反セルビアの流れを加速させた。4月6日、ECがボスニア・ヘルツェゴビナの独立を承認。4月7日、アメリカがスロベニア、クロアチア、ボスニアの独立を承認。セルビア人はボスニア独立承認に反発して戦闘が激化し、国連はUNPROFORを派遣したが、既に手の付けられない状態に陥っていた。4月27日、セルビアとモンテネグロが新憲法を採択し、新ユーゴスラビアが設立された。5月24日、コソボ自治州が独自の選挙でコソボ民主同盟議長を大統領に選出した。10月、国連安保理がボスニア・ヘルツェゴビナ上空に飛行禁止区域を設定。1993年、ジュネーブでボシュニャク人、セルビア人、クロアチア人が和平交渉を行い、ボスニアを10の自治州に分けるヴァンス＝オーウェン提案を協議したが、物別れに終わり、クロアチア人はヘルツェグボスナ・クロアチア人共和国の独立を宣言した。国連は孤立しているボシュニャク人居住区域６カ所を国連指定安全地域として保護を開始。4月、NATO軍がボスニア・ヘルツェゴビナ上空の飛行禁止区域を監視するディナイ・フライト作戦を開始。9月、ボシュニャク人孤立地域のビハチ飛び地が独立を宣言した。1994年2月、サラエボの市場に迫撃砲が撃ち込まれるようになったため、サラエボ周辺での休戦が宣言され、周囲20kmに非重火器地域を設定した。3月、アメリカがボスニアを２分割する和平案を提示し、ボシュニャク人、クロアチア人、クロアチア政府がこれを認め、ワシントン合意が成立した。4月、ワシントン合意を拒否するセルビア人勢力がボシュニャク人孤立地域のゴラジュデを攻撃したため、NATO軍が初の航空攻撃を実施。5月31日、ワシントン合意に基づいてボスニア・ヘルツェゴビナ連邦が発足した。12月、カーター元米大統領がボスニアを訪問し、1995年1月から４ヶ月間の停戦が成立した。1995年5月1日、ボスニア停戦が失効した。5月10日、クロアチア内戦が再燃してクロアチア軍により西スラボニアが制圧されたことを受け、セルビア人勢力がボスニアで反攻を開始し、サラエボ周辺でも戦闘が始まった。5月16日、フレージャー米特使とセルビアのミロシェビッチ大統領が会談を開始。5月23日、米特使とセルビア大統領の会談は物別れに終わった。5月24日、ボスニア・ヘルツェゴビナ駐留国連防護軍（UNPROFOR）の司令官は、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府軍とセルビア人勢力に対し、重火器の使用停止と、国連武器集積所から奪った４門の重火器の返還を25日正午までに行わない場合、NATO軍が爆撃を行うと通告した。しかし政府軍とセルビア人勢力はこれを無視したため、安保理では軍事介入が決定され、5月25日午後にNATO軍による爆撃が開始され、サラエボ南東のバレ近郊にあるセルビア人弾薬庫が攻撃された。これに対してセルビア人勢力は夕方に国連安全区域６ヵ所のうちサラエボを含む５ヵ所を砲撃したため、71人が死亡、150人以上が負傷した。5月26日1000過ぎ、NATO軍が弾薬庫を再度爆撃。アメリカは第６艦隊空母セオドア・ルーズベルトをアドリア海に派遣した。これに対し、セルビア人勢力はフランス（170名）、ロシア、カナダ、チェコなどの兵士を含む373名（220名？）のUNPROFOR要員を人質に取り、弾薬庫近くに拘束した。5月27日、フランスのシラク大統領は国際社会の決意の不十分さがこの事態を招いたとし、5月28日に空母フォッシュを派遣した。5月28日、ボスニア・ヘルツェゴビナ外相の乗ったヘリがセルビア人勢力に撃墜された。ゴラジュデに駐留するイギリスのUNPROFOR要員33名がセルビア人勢力に拘束されたため、イギリス政府は緊急閣議を開催し、２個歩兵中隊と１個武装兵大隊を追加派遣することにした。5月29日、セルビア人勢力最高司令官がUNPROFORとの間で締結した全ての合意の破棄を宣言。5月30日、アメリカ国防総省はミサイル巡洋艦ミシシッピをアドリア海に派遣したと発表、クリントン大統領はUNPROFOR支援のため一時的に地上軍を投入することがあり得るとした。6月1日、セルビア人勢力指導者のカラジッチ氏が、国連の武力行使に人質の虐殺で応える可能性があると警告。イギリスが人質救出のためのアルファ任務部隊を創設すると宣言し、NATO各国にも参加要請を行った。6月2日、飛行禁止空域の監視飛行を行っていたアメリカ空軍のF-16がSA-6ミサイルにより撃墜された。そのため、アメリカ軍はアドリア海に展開していた第24海兵遠征隊を投入し、救出にあたった。夜、セルビア人指導部がフランス、カナダ、スウェーデンなどの兵士120名を解放。6月3日、NATOとEUの国防相会議が開催され、英仏主導の多国籍緊急展開部隊を創設することで合意。6月3-4日、セルビア人勢力が国連指定安全地域に対して砲撃を実施、少なくとも５人が死亡し、５人が重傷を負った。6月4日、クライナ地方クニン西でクロアチア政府軍とセルビア人勢力が戦闘を行った。6月6日夜、UNPROFORの人質108名が解放された。6月8日、アメリカ海兵隊が40名の兵士を搭載した輸送ヘリ数機とAH-1W攻撃ヘリ２機でボスニア北西部に強行着陸し、撃墜されたF-16パイロットの救出に成功。ブリュッセルで国連とNATOが国防相会議を開き、UNPROFORを防衛するため、国連の指揮下に緊急対応部隊（RRF）を編成することを決定。6月13日、イスラム教徒主体のボスニア・ヘルツェゴビナ政府軍がサラエボ北方に2-3万名の兵力を集結。6月15日、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府軍がセルビア人勢力との間で戦闘を開始。イスラム勢力がUNPROFOR管理下の戦車１両を奪った。6月19日午後、UNPROFOR要員26名が解放され、人質全員が解放された。7-8月、国連指定安全地域のスレブニッツァとジェパをセルビア勢力が占領。防衛に当たっていた軽装備のオランダ軍は手も足も出ず、航空作戦の発動も間に合わず、スレブニッツァでは5000人以上のボシュニャク人が虐殺されたといわれる。8月28日、セルビア人勢力がサラエボを攻撃して市民が死傷したため、NATO軍が航空攻撃を拡大。9月10日、アメリカ巡洋艦がボスニアにトマホーク13発を発射。11月1日、アメリカの仲介により、オハイオ州デイトンのライトパターソン空軍基地でボスニア政府イゼトベゴビッチ代表、セルビア共和国ミロシェビッチ大統領、クロアチア共和国トゥジマン大統領が和平協議を行い、デイトン合意が結ばれた。12月14日、パリでボスニア和平協定が調印され、ボスニア・ヘルツェゴビナはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦（ムスリム人及びクロアチア人）とスルプスカ共和国（セルビア人）に分割、ボスニア・ヘルツェゴビナ中央政府がそれらを国家連合として一元管理することになり、NATO軍中心の停戦監視部隊IFOR（ボスニア仲裁軍）を受け入れた。内戦の犠牲者は20万人、負傷者は100万人で、難民は250万人に達している。しかしその後もテロ事件や虐殺が続き、コソボ紛争が勃発した。参考：ウォーマシン・レポートNo.26、月刊軍事研究4,’08、1,’15、8,’99、8,’95、7,’99、月刊PANZER10,’99

＜ボスニア・ヘルツェゴビナ軍＞：2015年、2016-17年にEUFORの訓練を受けることで合意した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ボスニア・ヘルツェゴビナ軍（２０１５年）＞：現役総兵力10500名、うち空軍・防空旅団800名。作戦司令部１個、支援司令部１個、歩兵旅団３個、戦闘支援旅団１個、憲兵大隊１個、CBRN部隊１個、信号大隊１個、兵站コマンド１個（兵站大隊５個）、ヘリ中隊２個、防空大隊１個からなる。M60A3戦車45両、M113A2装甲兵員輸送車20両、122mm榴弾砲D-30を100門、122mm多連装ロケットAPRA-40を24両、120mm迫撃砲M-75を100門、9P122マリュートカ自走対戦車ミサイル８両、9P133マリュートカ自走対戦車ミサイル９両、BOV-1自走対戦車ミサイル32両、M-92自走対戦車ミサイル11両、9K11対戦車ミサイル、9K111対戦車ミサイル、9K115対戦車ミサイル、HJ-8対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、MTU戦車橋、ボゼナ地雷車両、J-22オラオ戦闘攻撃機７機（保管中）、J-1ヤストレブ攻撃機６機（保管中）、TJ-1ヤストレブ攻撃機３機（保管中）、RJ-1ヤストレブ偵察機２機（保管中）、G-4スーパーガレブ練習機１機（保管中）、Mi-8MTVヘリ４機、Mi-17ヘリ１機、SA-341Hヘリ１機、SA-342Lヘリ７機、Mi-8ヘリ８機、ベル205ヘリ13機、Mi-34練習ヘリ１機、ストレラ10M3（SA-13）自走地対空ミサイル１両、2K12（SA-6）自走地対空ミサイル20両、ストレラ１（SA-9）自走地対空ミサイル６両、9K34ストレラ３（SA-14）地対空ミサイル、9K310（SA-16）地対空ミサイル、自走20mm高射機関砲BOV-3を９両、自走30mm高射機関砲M53を38両、自走30mm高射機関砲M-53-59を116両、自走57mm高射砲ZSU-57-2を６両、20mm高射機関砲M-55A2を32基、20mm高射機関砲M38を４基、20mm高射機関砲M55A2B1を１基、20mm高射機関砲M55A3/A4を293基、20mm高射機関砲M75を138基、23mm高射機関砲ZU-23を29基、23mm高射機関砲GSh-23を９基、30mm高射機関砲M-53を33基、37mm高射機関砲55型を７基、60口径40mm高射機関砲を31門、70口径40mm高射機関砲を16門、40mm高射機関砲M-12を２基保有する。アフガンに53名（NATO軍レゾリュート・サポート作戦）、コソボにOSCE要員10名、ウクライナにOSCE要員14名を派遣している。EUFORのアルテア作戦で、アルバニア軍１名、オーストリア軍319名、歩兵大隊司令部１個、歩兵部隊１個、ブルガリア軍10名、OSCE要員１名、カナダOSCE要員１名、チリ軍15名、チェコ共和国軍２名、OSCE要員１名、フィンランド軍８名、フランス軍１名、ドイツOSCE要員４名、ギリシャ軍１名、ハンガリー軍164名、歩兵部隊１個、アイルランド軍７名、OSCE要員４名、イタリア軍４名、OSCE要員７名、マケドニア軍（FYORM）11名、オランダ軍６名、ポーランド軍39名、ポルトガル軍８名、ルーマニア軍39名、ロシアOSCE要員２名、セルビアOSCE要員１名、スロバキア軍19名、OSCE要員１名、スロベニア軍９名、スペイン軍２名、OSCE要員２名、スウェーデン軍２名、スイス軍20名、トルコ軍243名、歩兵部隊１個、イギリス軍31名、OSCE要員１名、アメリカOSCE要員７名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポスる＞：日本海軍士官のスラングで、われ精力半減せり、の意。ネットスラングで言う賢者モード／賢者タイムのこと。艦隊の勢力が半減した際にはPOSの３つの旗を掲げるため。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典、海軍こぼれ話

＜ポセイドン＞：P-8A（対潜哨戒機）またはS-116（潜水艦）を参照。

＜ポセイドン＞：ロシア軍が開発している原子力推進核魚雷2M39 Poseidon、アメリカ国防総省コード・NATOコードはカニヨン（Kanyon）。2015年11月のプーチン大統領、軍、軍需産業との会合を撮したテレビ映像で、手元の資料に海洋多用途システム「スタトゥス６（ステータス６）」という名称の原子力推進自律無人水中機というのが載っており（この時にアメリカ国防総省・NATOコードが付いた）、2018年3月1日の年次教書演説でプーチン大統領が新型戦略兵器ポセイドン原子力核魚雷として発表した。潜水艦発射型で、T-15計画核魚雷がベースらしく、核弾頭（推定威力は2018年のアメリカ国防省資料で100メガトン、2019年のタス通信で２メガトン）または通常弾頭を積む。内陸のICBM基地を攻撃するのは無理で、水上艦隊や沿岸部への無差別攻撃を主任務とする。最大雷速はVA-111シクヴァル並の100ノットという説もあるが、ロシア国防省が公開した画像では尾部にボカシがかけられているもののポンプジェット推進らしく、先端にスーパーキャビテーション発生装置も無く、どうやって発揮させるのかは不明である。また雑音抑制装置を積むスペースが無いのと主機や速力の関係で航走雑音が大きいと予想され、被発見率は高いとみられる。全長24m、弾頭部長さ4m、直径1.6-2m。推進は液体金属冷却原子炉、最大雷速56-100ノット、最大潜航深度1000m、航走距離5400海里・10000km以上。ELF通信装置を備える。32本を生産し、原潜４隻に８本ずつ積んで北洋艦隊と太平洋艦隊に２隻ずつ配備する予定。ただ巨大すぎて原潜の内部に収容するのは難しく、専用特務原潜として09851型と09852型を１隻ずつ作ったが、残りは949A型に外装式発射管を装着するらしい。2019年2月20日、プーチン大統領が発射試験に成功したと発表した。参考：月刊世界の艦船11,'22、6,'21、5,'20、5,’19、4,’19、8,’16、8,’19、4,'20、9,'21、月刊軍事研究8,’18、2,'17、朝雲

＜ポセイドン２０１７＞：NATO軍掃海部隊が2017年3月5-13日に黒海で実施した掃海演習。ギリシャ、スペイン（掃海艇ドゥエロ）、ドイツ（掃海艇ロットヴァイル）、トルコ（M265アランヤ）、ブルガリア、ポーランド（機雷戦指揮艦コントルアドミラウ・Ｘ・チェルニツキ）、ルーマニアから10隻が参加した。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜ポセイドンＣ３＞：アメリカ海軍のSLBM、UGM-73A Poseidon C3。UGM-27CポラリスA3の後継（多弾頭型）であり、当初はポラリスB3という計画名が付けられていて、ロッキード社が開発した。UGM-27よりも直径は増えたが、内筒を広げるだけで同じ発射筒を使える。全長10.39m、直径1.88m、発射重量29.545トン。弾頭はMk3MIRV（Mk3再突入体？）とW68核弾頭（40-50キロトン）6-14発（実用的には8-10発らしい）。推進は固体燃料ロケット２段式（＋PBV段）、射程2500海里・4630km（弾頭14発時）／3200海里・5930km（弾頭10発時）。誘導は慣性誘導方式、CEP450-550m。射撃指揮装置はMk88。ミサイル619基とW68核弾頭3040発が生産され、1971年3月末からラファイエット級シリーズ31隻（ラファイエット級19隻＋ベンジャミン・フランクリン級12隻）に16基ずつ配備された。UGM-96トライデントC4に後を譲って1984年に退役した。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑、月刊軍事研究12,’16、2,’10、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船4,'20、8,’82増刊、3,’05、11,’17、ザ・マーチ17号、アメリカ潜水艦史

＜ポセイドンＭＲＡ　Ｍｋ．１＞：P-8海外シリーズ（哨戒機）を参照。

＜ボゼナ４＞：スロバキアのウェイ・インダストリー社が開発した無人地雷処理機で、2002年に完成した。４輪車（履帯を履かせることも可能）の前方にフレイル式の地雷処理装置が付いており、地雷を強制的に爆破させる。処理幅は2-2.225m、処理速度は毎時520-2500平方メートル。総重量5.96トン。9kgのTNT火薬の炸裂に耐えられる。遠隔操作可能距離は2km。60セット以上が販売された。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ボゼナ５＞：スロバキアのウェイ・インダストリー社が開発した無人地雷処理機で、ボゼナ４の６輪バージョン（履帯装着可能）である。処理幅2.88m、処理速度毎時1050-4900平方メートル。重量11.72トン。エンジンはタトラ社製で、出力321馬力。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ホセ・リサール＞：FF-150（フリゲート）を参照。

＜ホセ・リサール級＞：HDF-3000型（フリゲート）を参照。

＜保全＞：Security。受動的な対情報活動の１つだが、自衛隊では対情報活動全体を指す。情報を関係者以外に漏らさない秘密保全（Classifications）、本人の信頼度を調査する人的保全（Security Clearance）、施設の秘匿及び警備を行う施設物件保全（Physical Security）、部隊の位置や作戦行動内容を秘匿する行動保全（Operational Security）、通信を欺瞞・秘匿する通信保全（Signal/Communication Security）がある。参考：月刊軍事研究7,’97

＜保全監査隊＞：海上自衛隊の部隊。システム通信隊群隷下で、市ヶ谷地区に置かれている。2021年10月8日、システム通信隊群中央システム通信隊、同横須賀システム通信隊と共に、部隊所在地（市ヶ谷地区）で、アメリカ海軍情報作戦コマンド横須賀NIOC-Yと日米共同訓練（サイバー攻撃等対処）を実施。12月16-17日、アメリカ海軍横須賀基地で日米共同訓練（サイバー共同対処訓練）に参加し、アメリカ海軍情報作戦コマンド・ハワイNIOC-HAWAII（U.S. Navy Information Operation Command-Hawaii）N3J部とサイバー攻撃等対処訓練を行った。2022年5月11-12日、アメリカ海軍横須賀基地で日米共同訓練に参加し、アメリカ海軍情報作戦コマンド・ハワイN3J部とサイバー攻撃等対処訓練を行った。6月27-29日、ハワイのヒッカム統合基地とDDH-183いずもで日米共同訓練（サイバー共同対処訓練）に参加。アメリカ海軍NIOC-HAWAIIとサイバー攻撃等対処訓練を行った。11月1-2日、アメリカ海軍横須賀基地で日米共同訓練（サイバー共同対処訓練）に参加。アメリカ海軍NIOC-HAWAII N3J部とサイバー攻撃等対処訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’22、3,’22、8,’22、9,’22、2,’23

＜保線軌道車＞：日本陸軍の鉄道器材。参考：工兵入門

＜歩槍＞：ライフル銃の中国語。参考：月刊軍事研究5,’09

＜歩槍七六二５７式＞：M14海外シリーズ（自動小銃）を参照。

＜捕捉＞：距離を置いて着弾させた２斉射の間に目標を収めること。参考：月刊世界の艦船3,’15

＜ボゾック１２．７ＭＫＴ＞：トルコのオトカ社が開発した12.7mm有人銃塔。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ボゾック２５ＭＫＴ＞：トルコのオトカ社が開発した有人機関砲塔。口径20-30mmクラスの機関砲を搭載できる。参考：月刊軍事研究7,’13

＜細野勇＞：日本陸軍エース。大正6年、岐阜県生まれ。民間の名古屋飛行学校を卒業後、陸軍第５連隊に予備下士官候補として入隊し、熊谷陸軍飛行学校を昭和11年11月に卒業、飛行第１連隊所属となった。昭和14年6月2日、ノモンハン事件参加のため各務原を発ち、6月22日にトボス飛行場に到着、採塩所飛行場に展開して空戦を行った。9月15日の停戦までに21機を撃墜している。その後は孫家飛行場で訓練を行い、昭和15年12月に航空士官学校に入学。昭和16年7月に卒業し、東満州の飛行第87戦隊所属となり、10月に少尉となった。昭和17年12月、明野飛行学校に転属となり、本土に帰還。昭和18年5月、飛行第25戦隊所属となり、中国で空戦任務に就いた。10月6日、遂川飛行場攻撃の帰りにP-40の攻撃を受けてエンジンに被弾、操縦困難となり、陸軍戦闘機隊万歳、天皇陛下万歳を連呼して高度1000mから墜落、戦死した。総撃墜数26機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜細谷火工株式会社＞：1903年（明治36年）、藤棚　細谷煙火店として創業し、打ち上げ花火の製造販売で業績を伸ばした。太平洋戦争後は防衛・産業用火工品の製造販売や、火薬庫賃貸事業などを行っている。花火部門は1990年にホソヤエンタープライズとして独立した。参考：朝雲

＜ボタ＞：イギリス軍雷撃哨戒機で、ブラックバーン社が開発した。後方防御用に当初は機銃１丁を搭載する予定だったが、動力連装銃塔に変更されたため、ブリストル・ペルセウス�]エンジンでは出力が足らなくなり、改良型のペルセウス�]ａを搭載することにした。しかし重量が大きくなりかえって性能が低下してしまい、雷撃哨戒機の筈が単なる哨戒機になってしまった。総生産数は580機で、1940年6月28日から実戦部隊に配備され、8月10日からは船舶護衛任務に投入されたが、機首には右半分しか窓が無く、胴体両側面の観測窓も視界が悪くて有効な哨戒が行えず、11月6日に任務を外されてしまった。訓練や標的曳航に回されたものの、こちらにもあまり役に立たず、1943年8月から除籍された。事故で失われた機体は129機に上る。参考：月刊航空ファン8,’10

＜ほたか＞：MSC-616（掃海艇）を参照。

＜ポタッシオ＞：イタリア海軍フルット級潜水艦Potassio。1943年9月10日、建造中にドイツ軍に接収され、UIT10となった。参考：ナチスＵボート

＜ぼたもち＞：日本海軍用語で、善行章の無い下士官の通称。剥奪された際の縫い跡の形から来ている。素行不良が激しく、挙げ句の果てに進級停止や辺地部隊勤務を命じられることも多かった。太平洋戦争開戦後は進級ペースが急になり、勤続1-2年で下士官になる者が多く出現、善良な（？）ぼたもちが大量生産された。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜ホタルイカのイッカー３兄弟＞：富山地方協力本部のシンボルキャラクターで、2010年に採用された。長男のイッカー君（三等陸曹、23歳）、長女のほたるちゃん（二等海曹、26歳）、末っ子のひかる君（空士長、20歳。ライチョウの雷太君に乗っている）の３兄弟である。参考：朝雲、MAMOR vol.132

＜ぼたん＞：LSSL-442（警備艇）を参照。

＜牡丹江＞：604（コルベット）を参照。

＜牡丹江重砲兵連隊＞：日本陸軍の重砲兵連隊。２個大隊４個中隊編成で、１個中隊には四五式二十四糎榴弾砲２門が配備されている。参考：大砲入門

＜保弾子＞：ベルト給弾式を参照。

＜ボタン電話装置＞：自衛隊の機器。東通ネットワークまたは岩崎通信機製。参考：月刊軍事研究9,’15、12,’16

＜ボタン電話装置（中規模用）＞：自衛隊の機器。岩崎通信機製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜保弾板＞：銃に給弾するための器具で、金属でできた堅いプレートに弾薬を数十発横並びに填め込むものである。箱形弾倉よりも薬室への装填は面倒だが、ベルトリンクのように弾が踊ってしまってジャミングを起こすことは無い。１つ１つをあまり長くすることはできないが、後端のフックに次の保弾板の前端を引っかければ連続射撃が可能である。箱形弾倉よりも材料の節約になるが、弾薬が剥き出しなので異物が付きやすい。参考：日本陸軍兵器資料集

＜ポチ級＞：ソ連海軍沿岸対潜哨戒艇。兵装は対潜ロケット発射機２基、533mm対潜魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポチャード＞：P165（防材敷設船）を参照。

＜ポチョムキン＞：ロシア海軍の戦艦（ロシア海軍の正式分類は装甲艦）で、制式名称はクニャージ・ポチョムキン・タウリチェスキー（Kniaz Potemkin Tavricheskiy）。1903年にニコライエフスク工廠で建造された黒海艦隊初の戦艦で、当時のロシア海軍最強戦艦の１つであった。全長115.36m、全幅22.25m、常備排水量12582トン。兵装は305mm連装砲塔２基、11ポンド単装砲11門、381mm魚雷発射管５門など。装甲厚は水線付近229mm、甲板76mm、砲塔254mm、司令塔229mm。主機は10600馬力レシプロ、最大速力16.6ノット。1905年6月27日に劣悪な待遇に起こった水兵が反乱を起こして船を乗っ取り、黒海沿岸を遊弋したりオデッサ港を砲撃したりし、最後にはルーマニアに遁走してコンスタンツァ港で抑留された。1905年10月9日、パンテレモン（Panteleimon）と改称され、1917年3月にポチョムキンに戻され、5月11日にはポレツ・ザ・スヴォボドゥに改称された。1924年に解体。参考：月刊PANZER11,’01、月刊世界の艦船5,’14

＜保津＞：日本海軍勢多型河用砲艦４番艦Hozu。大正12年11月7日竣工、二等砲艦に類別された。昭和6年6月1日、単なる砲艦に類別変更された。昭和12年、軽巡寧海を鹵獲した。昭和12年7月7日、日華事変勃発時は第11戦隊に所属していた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第１遣支艦隊所属だった。昭和19年11月26日（25日？）、揚子江上流の安慶で爆撃を受けて大破した。昭和20年春に上海で解体され、5月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、日本海軍艦隊総覧

＜北海＞：558（フリゲート）を参照。

＜北海艦隊（中国海軍）＞：中国海軍の艦隊で、北部戦区（以前は済南軍区）に属する。主任務は北京と中国東北部の防衛で、北朝鮮国境から江蘇省海安地区（北緯32度近辺）までの海域を担当する。2020年1月12日、055型駆逐艦101南昌が配備された。参考：月刊世界の艦船3,’13、4,'20、月刊軍事研究2,’15、日本海軍艦隊総覧

　＜北海艦隊（１９８９年）＞：北朝鮮国境から連雲港南方（北緯35度10分くらい）までの沿岸防衛と洋上監視を主任務とする。青島に司令部、大連、葫蘆島、威海、長山に基地があり、沿岸警備区９個を有する。潜水艦戦隊２個、護衛艦戦隊３個、機雷潜戦隊１個、両用戦戦隊１個、渤海湾練習小艦隊からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜北海艦隊（２０１３年）＞：司令部は青島にある。旗艦は052A型駆逐艦112哈爾浜。青島基地に駆逐艦第１支隊（051C型２隻、052A型２隻、054A型４隻、053H2型１隻）、潜水艦第１基地（091型攻撃原潜２隻と092型戦略原潜１隻）、潜水艦第２支隊（035型潜水艦４隻、039型潜水艦４隻）、作戦支援艦第１支隊（大江型潜水艦救難艦１隻、福清型補給艦１隻、917型救助船など）、高速艇第１支隊（哨戒艇大隊、揚陸艦第１大隊）、旅順基地に駆逐艦第10支隊（051型４隻、053H3型４隻）、潜水艦第12支隊（035型潜水艦８隻）、威海水警区に哨戒艇大隊２個、対艦ミサイル旅団、大連水警区に哨戒艇大隊２個、掃海艇大隊１個が配備されている。北海艦隊航空兵（司令部は青島）として海軍航空第２師団（J-8、H-6）、海航第５師団（J-8、JH-7A）、海航独立第３飛行団、海航独立第６飛行団、北海艦隊航空兵レーダー第４旅団、レーダー第１旅団、高射第２旅団、航空通信所、直轄部隊として海軍試験基地、電対抗団子、通信総站、大連艦艇学院海上実習センター、潜水艦試験試航訓練基地（清型潜水艦１隻）、艦艇訓練センター、軍艦潜水艦装備試験試航基地、水中兵器試験研究所がある。参考：月刊軍事研究2,’15、月刊世界の艦船3,’13、5,’15

　＜北海艦隊（２０１５年）＞：司令部は青島、支援基地は青島とLushunにある。北朝鮮国境鴨緑川からLianyungang南方（概ね北緯35度10分）まで、瀋陽・北京・済南軍区及びそれらに面する海域を担任し、沿岸防衛区域９個を有する。潜水艦22隻、空母１隻、ミサイル駆逐艦４隻、ミサイルフリゲート16隻、ミサイルコルベット７隻、哨戒艇18隻、揚陸艦艇９隻、敷設艦１隻、掃海艦艇９隻を配備する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜北海艦隊（２０１７年）＞：北部戦区の海軍部隊で、司令部は青島にある。駆逐艦第１支隊（青島）、駆逐艦第10支隊（旅順）、護衛艦第11支隊（旅順）、護衛艦第12支隊（青島）、潜艇第２支隊（青島）、潜艇第12支隊（旅順）、登陸艦第１大隊（旅順）、作戦支援艦第１支隊（青島）などからなる。参考：月刊世界の艦船3,’18

　＜北海艦隊（２０２０年）＞：北部戦区の海軍部隊で、北京など首都圏に対する海上攻撃を阻止するのが主任務である。空母16遼寧、攻撃原潜４隻、潜水艦16隻、055型ミサイル駆逐艦１隻、ミサイル駆逐艦７隻、旧型ミサイル駆逐艦２隻、フリゲート11隻、旧型フリゲート２隻、コルベット10隻、ミサイル艇18隻、対機雷戦艦艇18隻、中・小型水陸両用戦艦艇７隻、早期警戒機飛行部隊１個、艦載戦術攻撃機飛行隊１個、ヘリ部隊１個を保有する。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜渤海翠珠型＞：中国海軍RORO船Bohai Cuizhu級。中国初の軍用RORO船で、平時には民間フェリーとして黄海航路に就航しているが、有事には兵員輸送に使用される。１番艦の就航式典では戦車、装甲車、火砲、兵員を搭乗させるデモンストレーションを行ったらしい。排水量36000トン。人員2000名と車両300両を搭載可能。ヘリ着艦パッドを持つ。2012年までに渤海翠珠など２隻が竣工し、もう１隻を建造中である。参考：月刊世界の艦船3,’13、1,’13

＜北海道胆振東部地震＞：2018年9月6日0307頃、北海道胆振地方中東部で最大震度７（北海道で史上初）を観測するマグニチュード6.7の地震が発生。0309、首相官邸と防衛省が災害対策室を実施。0311、イタリアに出張中の小野寺防衛大臣が、関係府省庁や自治体との緊密な連携による情報収集、被害発生に備えた万全な準備態勢の確立、状況の推移への的確かつ万全な対応を指示。0325、第３航空団F-2戦闘機２機が離陸して情報収集を開始。0339、北部方面総監部連絡幹部２名が車両１両で北海道庁に出発。0340、第７師団第７飛行隊UH-1ヘリ１機が離陸。第73戦車連隊FAST-Force隊員35名と車両５両が苫小牧市に向かった。0342、北部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリ１機が離陸。0347、第７飛行隊OH-6Dヘリ１機とUH-1Jヘリ１機が離陸。0349、第25航空隊SH-60Jヘリ１機が離陸。0356、第２航空群P-3C哨戒機１機が離陸。0406、第７特科連隊FAST-Force隊員25名と車両４両が厚真町に向かった。0416、千歳救難隊UH-60Jヘリ１機が離陸。0433、北部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリ１機が離陸。0440、第73戦車連隊FAST-Force隊員35名と車両５両が苫小牧に向かった。0442、第11師団第11飛行隊UH-1ヘリ１機が離陸。0445、警戒航空隊E-2C早期警戒機１機が離陸。0530、第71戦車連隊FAST-Force隊員25名と車両５両が白老に向かった。0600、北海道知事から第７師団長に人命救助と給水支援の災害派遣要請が出された。0700過ぎ、大規模な土砂崩れが発生した厚真町に、第７師団第72戦車連隊、第７特科連隊、第７施設大隊などから780名を派遣。0800、偵察航空隊RF-4偵察機が百里基地を離陸。0900過ぎ、RF-4偵察機が現場で撮影を開始。1100、RF-4偵察機が百里基地に帰投。1130、偵察情報処理隊がRF-4偵察機のフィルム現像を開始。1500過ぎ、偵察情報処理隊が複数枚の偵察写真合成を終え、報告準備を開始。1630、秋田派遣隊（第357施設中隊と第105施設直接支援大隊の隊員10名、車両５両）が秋田駐屯地を出発。1800前、第３師団が厚真町で活動を開始。空自とオーストラリア空軍との共同訓練武士道ガーディアン2018を中止。9月7日、オーストラリア出張中の山崎陸幕長とタイ出張中の丸茂空幕長が日程を繰り上げて帰国。防衛大臣が即応予備自衛官当面200名・最大300名の招集命令を発出。防衛省チャーター船ナッチャンWorldが塩釜港で第２施設団の隊員と器材を搭載して北海道に向かった。0100、生鮮食料品などを積み込んだ運搬用コンテナ４基を積載した６トントラックが横須賀造修補給所を出発、0730に仙台港に到着し、1030過ぎに入港したLST-4001おおすみにコンテナを搭載した。午前、小野寺防衛大臣が日程を半日繰り上げてヨーロッパから帰国。9月8日、即応予備自衛官が活動を開始。北部方面混成団第52普通科連隊にはマッサージ師免許を持つ即応予備自衛官５名がいたため、巡回ケアチームを編成して避難所での心身ケアを行った。函館地本が即応予備自衛官２名に災害等招集命令書を交付。入間基地の中部航空警戒管制団基地業務群施設隊が八戸港から民間フェリーで苫小牧港に向かい、到着後は道路啓開作業に入った。陸自開発実験団装備実験隊が6月に納品されたばかりの無人機を厚真町の被害状況確認に投入。第２師団もスカイレンジャー無人偵察機を使用して低空からの被害状況確認を行っている。9月10日現在、自衛隊の派遣規模は隊員25100名、艦船９隻（LST-4001おおすみ、AMS-4302すおう、チャーター船はくおうなど）、航空機46機で、この日までの活動実績は人命救助46人、給水支援541.5トン、入浴支援3981人、給食支援49790食、道路啓開3403mである。海保は延べ船艇39隻と航空機25機などを派遣している。9月10日から実施予定だったノーザンヴァイパー2018を中止。9月10日、厚真町の安否不明者36人全員の救出・収容を完了した。厚真町では引き続き第７施設大隊や第３施設団が道路啓開にあたり、北部方面混成団第52普通科連隊などが生活支援を行っている。第403飛行隊C-2輸送機が入間基地で救援物資（農林水産省提供のカップラーメンと水など）を積み千歳基地に到着。第７後方支援連隊が厚真町で給水支援を実施。砕氷艦しらせは苫小牧港で入浴支援や給食支援を行った。9月11日現在、自衛隊の派遣規模は隊員25100名、航空機46機、艦船９隻、活動実績は人命救助等46人、道路啓開4km、給水支援600トン、給食支援60000食、入浴支援5000人。9月11日、偵察航空隊RF-4E偵察機が千歳基地に展開して被災地を撮影。第３航空団警備犬サン号が捜索任務を終えてCH-47Jで三沢基地に帰投。9月13日、防衛省チャーター船はくおうが苫小牧西港で入浴支援を開始。9月15日、函館地本が管内から招集された即応予備自衛官の雇用企業主による生活支援現地活動激励を行い、５社の企業主が即応予備自衛官を激励した。9月16日、函館駐屯地で即応予備自衛官の招集終了に伴う出迎え式が行われた。第10施設群第387施設中隊が活動を終えて岩手駐屯地に帰隊。9月17日、防衛省チャーター船はくおうが入浴支援を終了。利用者は延べ1547人だった。9月18日、小野寺防衛大臣が厚真町総合福祉センターを視察して隊員を激励した。第７施設大隊や第１・第２・第３施設団などによる道路啓開を終了し、1000名態勢に縮小。秋田派遣隊（第357施設中隊、第105施設直接支援大隊）が秋田駐屯地に帰隊。9月19日現在の派遣規模は隊員1000名、航空機５機で、活動実績は人命救助等46人、道路啓開8km、給水支援1000トン、給食支援120000食、入浴支援20000人だった。9月19日、函館駐屯地で即応予備自衛官の招集終了に伴う出迎え式が行われた。9月23日、即応予備自衛官が活動を終了。9月26日現在の派遣規模は隊員1000名、航空機５機で、活動実績は人命救助等46人、道路啓開8km、給水支援1100トン、給食支援140000食、入浴支援20000人だった。10月3日現在の派遣規模は隊員1000名、航空機５機で、活動実績は人命救助等46人、道路啓開8km、給水支援1200トン、給食支援160000食、入浴支援23000人だった。10月13日、むかわ町で撤収を開始。10月14日、厚真町で撤収を開始。2300に北海道知事から撤収要請を受けた。10月15日、安平町で撤収を開始し、同日中に全地区で撤収を完了した。参加部隊は北部方面航空隊、北部方面後方支援隊、北部方面情報隊、第101無人偵察機隊、第２師団、第５旅団、第７師団、第11旅団、第１地対艦ミサイル連隊、第２地対艦ミサイル連隊、第３地対艦ミサイル連隊、第１施設団、第２施設団、第３施設団、第１特科団、第４特科群、第４施設群、第10施設群、第12施設群、第13施設群、施設学校、北部方面混成団、第301沿岸監視隊、第302沿岸監視隊、海自第25航空隊、第61航空隊、第２航空群、函館基地隊、余市防備隊、大湊地方隊、横須賀造修補給所、MSC-687いずしま、AGB-5003しらせ、AMS-4302すおう、LST-4001おおすみ、LST-4002しもきた、PG-827くまたか、空自第２航空団、第３航空団、第７航空団、第８航空団、第９航空団、第１輸送航空隊、第２輸送航空隊、第３輸送航空隊、警戒航空隊、偵察航空隊、千歳救難隊、三沢ヘリコプター空輸隊、入間ヘリコプター空輸隊、中部航空警戒管制団、第１高射群、自衛隊札幌病院、はくおう、ナッチャンWorld、派遣規模は隊員延べ201000名（即応予備自衛官含む。最大25100名）、空自警備犬９頭、航空機延べ518機（最大46機）、艦船83隻（はくおう、ナッチャンWorld含む。最大９隻）で、活動実績は人命救助等46人、道路啓開8km、給水支援1200トン、給食支援167000食、入浴支援24000人だった。2019年3月6日、第７師団災派部隊および協同・支援部隊に岩屋防衛大臣から１級賞状が授与された。参考：月刊JWings11,’18、12,’18、11,’19、月刊世界の艦船11,’18、MAMOR vol.142、vol.143、朝雲

＜北海道訓練センター＞：陸上自衛隊の施設で、HTCと略す。矢臼別演習場にあり、訓練評価支援隊が運用する。プレハブの統裁部などを設営してモニターを設置、交戦用訓練装置バトラーなどのデータを受信して戦闘の経過や損害などを評価できる。2020年6月30日から訓練評価支援隊が第１回運営を実施。9月3日から訓練評価支援隊が第２回運営を実施。2021年5月14日から訓練評価支援隊が令和3年度第１回実動対抗演習を実施。8月20-26日、訓練評価支援隊が令和3年度実動対抗演習第３回運営を実施。2023年5月18日から6月21日、第１師団と第２師団が令和5年度第１回実動対抗演習を実施。6月29日から7月31日、第10師団と第11旅団が令和5年度第２回実動対抗演習を実施。9月20日から10月25日、第３師団と第９師団が令和5年度第３回実動対抗演習を実施。2024年1月9-31日、水陸機動団と第13旅団が令和5年度第４回実動対抗演習を実施。2月1-16日、第４師団が令和5年度第５回実動対抗演習等を実施。参考：月刊JWings11,’20、朝雲、陸上自衛隊ホームページ

＜北海道大演習場＞：陸上自衛隊の演習場で、東千歳演習場、恵庭演習場、島松演習場、有明演習場、西岡演習場の総称。2010年7月5日、山菜採りに入った女性が行方不明となり、1120に北海道知事から第７師団長に災害派遣が要請され、1300から第１戦車群の隊員130名と車両20両が捜索を開始、1400には第７飛行隊のOH-6ヘリ１機が加わった。1500に射撃訓練のため待機中の隊員が女性を発見保護し、1520に捜索部隊は撤収した。参考：MAMOR Vol.81、朝雲

＜北海道地区補給処＞：陸上自衛隊の地区補給処。1952年1月28日、警察予備隊一般命令第２号に基づき、管理補給総監部隷下の北海道地区補給廠として苗穂駐屯地で創設され、3月10日に総隊総監部隷下に移り、10月15日に警察予備隊が保安隊に改編されたため保安庁長官直轄となり、12月10日に本廠が島松駐屯地に移駐、1954年5月30日に北海道地区補給しょうに改称され、7月1日の自衛隊創設で防衛庁長官直轄の北海道地区補給処となった。1955年2月28日、隷下に厚別弾薬支処、近文台弾薬支処、安平弾薬支処、東千歳弾薬支処、近文台燃料支処、早来燃料支処が新編された。1956年5月23日、陸幕長から３級賞状を授与された。10月10日、多田弾薬支処が新編された。1957年11月20日、苗穂支処が新編された。1958年2月26日、白老弾薬支処が新編された。12月5日、北部方面総監から３級賞状を授与された。1960年1月14日、北部方面総監直轄となった。1963年6月21日、北部方面総監から３級賞状を授与された。1965年2月23日、陸上幕僚長から２級賞状を授与された。3月11日、北部方面総監から３級賞状を授与された。1969年3月1日、厚別弾薬支処が日高弾薬支処に改編された。1972年2月3-13日、札幌オリンピック冬季大会を支援した。1973年2月4-10日、寒地装備品等研究演習を実施。7月31日、天売災害派遣支援で羽幌港において軽油８キロリットルを補給した。1980年9月1日、演習地区補給処が新編された。1985年4月6日、東千歳弾薬支処が廃止された。10月8-17日、総合野外訓練を実施。1986年9月18-30日、北部方面隊兵站演習に参加。10月31日、北部方面隊兵站演習の功績により、北部方面総監から３級賞状を授与された。1990年3月26日、沼田弾薬支処が新編された。8月20日から9月3日、陸上自衛隊演習に参加。1991年8月21日から9月1日、ビッグレスキュー91に参加。1993年4月26日、北部方面総監から３級賞状を授与された。7月12日から北海道南西沖地震の災害派遣に参加。9月29日から10月1日、陸上自衛隊演習に参加。12月22日、北海道南西沖地震災害派遣の功績により、防衛庁長官から１級賞状が授与された。1994年3月28日、足寄弾薬支処が新編された。1995年1月17日、ルワンダ難民救援の功績で北部方面総監から３級賞状を授与された。1月29日から3月11日、阪神淡路大震災災害派遣に参加。6月7日、北部方面隊大規模震災対処演習に参加。9月1-7日、陸自大規模震災対処演習に参加。1996年8月30日、北部方面隊災害派遣初動対処訓練に参加。1998年3月5日、北部方面隊震災対処訓練に参加。1998年3月26日、北海道補給処に改編された。参考：北海道補給処ホームページ

＜北海道防衛局＞：防衛省の地方防衛局。北海道での防衛行政推進、防衛施設の安定使用、建設工事執行、防衛施設の取得・管理などを主任務とする。2007年9月1日、札幌防衛施設局から改編されて創設された。2014年1月1日、業務の円滑な運営と防衛施設の安定使用に多大な貢献をしたとして、中富良野町長、留萌市長、帯広市長に感謝状を贈呈した。2016年4月14日、北海道基地協議会主催の平成28年度防衛省所管補助事業等実務担当者研修会に参加。6月17日、登別市民会館大ホールで第33回防衛問題セミナーを開催。6月23日、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づき、補助事業として建設を進めてきた瓜幕バイオガスプラントの落成記念式典が行われた。11月10日、別海町で第34回防衛問題セミナーを実施。2017年3月2日、札幌市教育文化会館で南スーダンにおける国際平和協力活動をテーマとする第35回防衛問題セミナーを開催。6月27日、富良野市文化会館で大雨被害から考える〜防災と自衛隊の災害派遣活動をテーマとする第36回防衛問題セミナーを開催。10月30日、札幌市教育文化会館小ホールで弾道ミサイルの脅威と我が国の対応をテーマとする第37回防衛問題セミナーを実施。2018年2月20日、北広島市芸術文化ホールで防衛問題セミナーを実施。4月20-30日、千歳基地に現地連絡本部を設置し、4月23-27日に千歳基地で実施された日米共同訓練の支援や地元自治体などへの現地説明会を実施。7月9日、名寄市民文化センターで第39回防衛問題セミナーを実施。2019年3月12日、札幌市教育文化会館で平成30年北海道胆振東部地震と自衛隊の活動をテーマとする第40回防衛問題セミナーを実施。9月19日、旭川市民文化会館で水害から国民を守るをテーマとする第42回防衛問題セミナーを実施。2020年8月19日から9月3日、千歳基地で8月24-28日に空自と在日米空軍との共同訓練（米軍再編に係る航空機訓練移転）が行われたのに伴い、企画部長を本部長とする45名が千歳基地内に現地連絡本部を開設し、関係機関との連絡調整や支援を行った。2022年4月20-22日、新規採用者教育研修（前段）を実施し、4月22日は千歳基地で第２航空団・千歳救難隊・第２作業隊の、北千歳駐屯地で第７師団第71戦車連隊の装備品見学や研修を行った。5月9-11日、新規採用者教育研修（後段）を実施。5月9日、新規採用者教育研修（後段）で、真駒内駐屯地での自衛隊体操、基本教練、10km行進訓練を実施。5月10日、新規採用者教育研修（後段）で、余市防備隊でのPG-825わかたか見学と支援船による体験航海、ニセコトレーニングセンターでの冬期訓練施設研修、高嶺演習場での春季演習場整備研修などを行った。5月11日、新規採用者教育研修（後段）で、第13施設群での92式地雷原処理車・94式水際地雷敷設装置見学と白老弾薬支所研修を行った。6月27日、入札監視委員会を開き、入札や契約の審議を行った。2023年11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に協力部隊等として参加。参考：朝雲

＜北海道補給処＞：陸上自衛隊の補給処で、島松駐屯地に置かれている。1998年3月26日、北海道地区補給処から改編されて創設された。1999年10月28日、災害対処訓練を実施。12月31日から2000年1月4日、Y2K対処体制を取った。2月14-24日、陸上自衛隊演習に参加。3月31日から7月24日、有珠山噴火の災害派遣に参加。9月29日から10月1日、総合防災訓練を実施。2001年3月27日、物品別10個部課から機能別６個部課に改編された。2002年6月16日、北部方面総監から３級賞状を授与された。2004年5月26日、イラク派遣部隊支援の功績で北部方面総監から３級賞状を授与された。11月30日、新潟中越地震の災害派遣に参加。2005年10月6日から11月25日まで、中国遺棄化学兵器発掘回収事業に参加。2007年1月22日、方面統裁指揮所演習に参加。7月16日、新潟中越沖地震の補給整備支援を実施。2008年7月7-9日、洞爺湖サミットを支援。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。現地に派遣されなかった隊員も、ガンバレ東北というメッセージを書き込んだ捜索用の鳶口を２日間で900本自作するなどして活動を支援した。3月17日、岩手駐屯地に北方岩手前方支援地域（FSA）を開設し、岩手県内に展開する災派部隊に補給整備支援を実施した。7月8日、岩手FSAの任務を終了。2012年8月27日から9月12日、平成24年度方面隊実動演習（北方総合戦闘力演習）に参加。10月18日、日米共同現地研究（後方補給）参加者の北海道補給処研修を支援。2013年1月23日、北部方面隊災害対処指揮所訓練に参加。6月14日、恵庭市と大規模災害時等における派遣従事隊員の留守家族支援に関する協定を締結。2016年4月19日から熊本地震の災害派遣に参加。7月5-7日、自衛隊統合防災演習に参加。9月26日から10月5日、北部方面総合戦闘力演習に参加。10月14日、家族会や隊友会と関係部外団体との家族支援協定を締結。2017年2月10日、隊員が89式小銃や装具などを携行して恒常業務を実施。8月21日、自衛隊家族会千歳支部14人が見学した。10月28日、北部方面音楽隊の協力を得て恵庭市民会館大ホールで第９回北海道補給処カワセミコンサートを実施。11月27日から12月5日に矢臼別演習場で行われた沖縄県に駐留する米海兵隊の実弾射撃移転訓練を支援した。2018年8月8日、本部庁舎前広場で隊員と家族のふれあい行事を実施。9月19日、北海道小樽未来想像高校２年生５人のインターシップを支援した。2019年10月1日と4日、持続走競技会を実施。近文台燃料支処が総合優勝した。2021年6月25日、北海道ニセコ高校生徒２人のインターシップを支援した。参考：北海道補給処ホームページ、MAMOR vol.52、vol.124、朝雲

＜北海丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は連合艦隊補給部隊、兵力部署では南洋部隊補給部隊に所属していた。昭和19年8月8日、ヒ71船団の一員として六連島泊地を出港。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T、輸送船入門

＜北極星＞：851（情報収集艦）を参照。

＜北極星１号＞：北朝鮮軍SLBM（の発射実験時に弾体側面に書かれていた赤文字）Bukkeukseong-1、米韓コードはKN-11。当初はR-27のコピーとみられており、推定諸元は全長9m、直径1.5m、重量15トン、射程2000kmくらいだった。2015年1月23日、発射試験を行った。5月9日、朝鮮中央通信が潜水艦（新甫型らしい）からの水中発射に成功したと報じ、静止画や動画を公開した。前日の5月8日に東朝鮮湾内で発射したらしいが、本当に潜水艦から撃ったのか、水中の実験用発射筒から射出したのかは不明。ベースとなったR-27や、発射炎の様子から、液体燃料ロケット推進と推定された。2016年4月23日、試験発射を実施。水平30km程度の飛翔に止まったらしい。発射炎の様子や、3月23日に北朝鮮が直径1.25mの固体燃料ロケットの写真を発表したことなどから、空力形態だけR-27から拝借し、推進は固体燃料ロケット２段式に変更したとみられる。弾頭部は弾付きの円錐状で、弾体尾部には折り畳み式グリッド・フィンを備える。キャニスターからコールド・ランチで射出され、海面上に飛び出してからロケットに点火する。7月9日、潜航中の新甫型潜水艦から試射したが、高度10kmくらいで爆発、失敗した。8月24日0529頃、発射実験を行った。北朝鮮東部の咸鏡南道の新浦付近から新甫型潜水艦で水中発射し、東北東に500km飛翔して日本海に落ちている。飛翔距離を抑えるため急角度で発射したらしく、普通に飛ばせば1000km以上飛翔したという説もある。韓国研究所では弾頭1.5トンなら運搬能力450km、１トンなら600-800kmと推定している。国営朝鮮中央通信は推進を独自技術で改良した固体燃料ロケットと報道した。巨浪１型と見た目がそっくりのため、コピーまたは技術供与説も出ている。「艦船知識」誌2019年10月号の推定諸元は以下の通り。全長9.5m（西側情報で7.4m説あり）、直径1.5m（西側情報で1.1m説あり）、重量15トン、弾頭重量0.65トン。推進は固体燃料ロケット２段式、射程1200km。参考：月刊軍事研究8,'15、9,’16、10,’17、7,’16、10,’16、2,’17、4,’17、5,’17、月刊世界の艦船7,’15、12,’19、5,’15、11,’16、12,’16、11,’17、月刊JWings11,’16

＜北極星２号＞：北朝鮮軍準中距離弾道ミサイルPukguksong-2、米韓コードはKN-15。北極星１号の陸上発射型（BM25ムスダンの改良型？）らしい。弾頭部は先の丸い円錐状で、弾体尾部に上方折り畳み式グリッド・フィン８枚を持つ。推進は固体燃料２段式で、射程1200-2000km。射程からして日本向けで、ノドンと被る。TELは装軌式で、T-62の車体を延長して箱型上構を載せたものとみられる。上構前面に２枚の窓がサイドバイサイドで並び、下部転輪は片側８組で、スカートを持つ。上構上面に太い円筒形キャニスターを１本搭載しており、キャニスターからの射出はコールド・ランチ方式。2017年2月12日に北朝鮮西岸の亀城から１発を発射、最大高度550kmに達し、水平距離で500km飛翔して日本海に落ちた。通常弾道を取らせれば1200kmくらい飛ぶらしい。5月21日、平安南道北倉から発射し、最大高度500km・水平距離560km飛んで日本海に落ちた。これでテストを終了、量産化に移行して実戦配備されている。参考：月刊軍事研究10,’17、4,’17、6,’17、8,’17、3,’18、月刊世界の艦船4,’17、1,’18

＜北極星３号＞：北朝鮮が開発中のSLBM、米艦コードはKN-26。北極星２号がベースで、発射筒から高圧空気により射出され、海面から飛び出してロケットに点火する。全長10m、直径1.8m。推進は固体燃料ロケット２段式、射程2400km（3000-5000km説あり）。033型ロメオ級潜水艦のセイル後半部に発射筒３本程度を仕込んだ033改型弾道ミサイル潜水艦に搭載するとみられる。2019年10月2日0710頃、元山北東沖17kmの海中から試射し、最大到達高度910kmで水平距離450km飛翔、0727頃に隠岐諸島島後沖350kmの日本のEEZ内に落ちた。防衛省ではロフテッド軌道を取ったとみており、通常弾道で発射した場合には最大射程2500km級と推定している。参考：月刊世界の艦船12,’19、1,’18、4,'20、朝雲

＜ホッキング＞：APA-121（攻撃輸送艦）を参照。

＜ホッグ＞：Ka-18（ヘリ）を参照。

＜ボックス・ウイング＞：複葉機の一種で、後退角を持つ下翼と前進角を持つ上翼を翼端で結合させたものである。参考：月刊軍事研究12,’07

＜ボックスカー＞：M.68（試作軽輸送機）またはMk.�U中戦車シリーズを参照。

＜ボックスビーム構造＞：箱桁構造。主翼構造の１つで、大型機や小型高速機に良く使用される。これらの機体では、フラッター、ダイバージェンス、エルロンリバーサルといった現象を防ぐため、主翼の捻れ剛性を高くしなければならず、外板を分厚くしている。よって、外板にも曲げ力を分担させることが可能となり、複桁構造の前後桁の間にある外板の裏に太めの縦通材を配置、前後桁と外板で囲まれる箱形構造（トーションボックス）で曲げと捻れを支えるようにしたのが本構造である。主翼下面の引っ張り力は桁と縦通材と下面外板全体、上面の圧縮力は桁と縦通材と縦通材付近の上面外板、捻れ力は箱形構造全体で抗堪する。箱形構造の中にもう１本桁を入れてフェイル・セーフとしたり、縦通材と外板を一体としてインテグラル構造にしたりしたものもある。箱形構造内部は燃料タンクに使われることが多い。小型高速機では分厚い外板を持つ薄翼を使用するので、桁や縦通材を入れるスペースが無いことがあり、上下外板間に桁のウエブだけを多数設置して圧縮力に対抗できるようにし、曲げ力も捻れ力も全て外板に担わせる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ボックス・マガジン＞：箱形弾倉を参照。

＜ホッグ・スモーク＞： 航空戦闘軍団主催のA-10A対地攻撃競技会。ガン・スモークに替わって2000年から１年おきに開催されている。参考：月刊軍事研究8,’04

＜北江丸＞：日本海軍一般徴用船（雑用船）Hokko maru。元は大連汽船の貨物船で、昭和15年11月7日に竣工し、昭和18年5月から海軍指定船になり、7月に一般徴用となった。垂線間長120.4m、幅16.16m、深さ9.14m、総トン数5385トン、重量トン数7719トン。主機は蒸気タービン１基１軸4139馬力、航海速力７ノット、最大速力16.301ノット。昭和18年11月19日、トラックから横須賀に向かっていたところ、小笠原諸島母島南東700kmでSS-257ハーダーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜ホッジズ＞：DE-231（護衛駆逐艦）を参照。

＜ホッジストン＞：M1146（沿岸掃海艇）を参照。

＜ボッシュバスター＞：イギリス軍の18インチ（457.2mm）列車榴弾砲。14インチ（355.6mm）カノン用列車砲架に35口径18インチ砲を搭載したものである。仰角0-40度。使用弾は榴弾で、弾量1125kg、初速毎秒626m、射程20000m。1918年に完成したが、第１次大戦終了後に解体保存され、1940年に再び配備され、ドーバーに送られてドイツ軍の予想上陸地点であるエルハム谷の鉄道に置かれ、ボルネ墜道に潜んでいた。時々発射しては士気高揚を図っていたが（射程が短くドーバー対岸までは届かない）、衝撃でガラスが割れたり、250トンの砲車で線路が痛んだりとさんざんであった。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜勃然七九＞：ブレン海外シリーズ（軽機関銃）を参照。

＜ホッダー＞：イギリスのアドバンスド・コンポジットグループが開発したツインローター式UAV。重量1.5トン、ペイロード１トン。使用燃料はJP-8で、飛行時間８時間。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ポツダム暗号＞：ドイツ軍が第２次大戦時に使用した暗号で、バルバロッサ作戦時にバルト海で用いられた。参考：Ｕボート入門

＜ポツダム会談＞：太平洋戦争末期の昭和20年7月17日から（7月15日から8月2日まで？）ベルリン郊外のポツダムで行われた戦時首脳会談。26日に米英中３カ国首脳の名でポツダム宣言を発表した。参考：朝鮮戦争（上）、月刊世界の艦船

＜ポツダム政令＞：ポツダム勅令を参照。

＜ポツダム宣言＞：Potsdam Declaration。ポツダム会談を受け昭和20年7月26日にアメリカ大統領、中華民国政府主席、イギリス首相の名で発表された宣言で、日本の降伏条件を定めたものである。内容は以下の通り。米英中は他の連合国と共に日本に対して最後の一撃を加える準備を整えており、このままではドイツの前例と同じく日本軍と日本の国土は完全に蹂躙される。日本がこのまま愚かな皮算用により大日本帝国を滅亡の淵に追いやった自己中心的な軍国主義者による支配を続けるか、理性的な道へと歩みを変えるか、今や決断の時は来た。我々の条件は以下の通りで、この条件から外れるようなことはせず、代替案や受諾引き延ばしは認めない。我々は無責任な軍国主義が世界中から排除されるまで新しい平和・安全・正義の秩序は確立しないと考えており、日本国民を欺き誤解を与え世界征服の道へと突き進ませた権力や影響力は完全に排除されなければならない。このような新秩序が構築され、日本の戦争を生み出す能力が破砕されたという確固たる証明が得られるまで、連合国が指定した日本の領域内の各地点は、我々がここで述べる基本目標を達成すべく、占領されるものとする。カイロ宣言の条項に基づき、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及び我々が定める島々に限定する。日本軍将兵は完全に武装解除され、平和で生産的な生活を主導するため家庭に戻ることになる。我々には日本民族を奴隷化したり、国家を破壊したりする意思は無い。しかし、捕虜虐待などの戦争犯罪を犯した者には厳格な裁判が待っている。日本政府は、日本国民の民主化傾向の復活及び強化に対する全ての障害を取り除くこと。また、言論・宗教・思想の自由及び基本的人権の尊重を確立すること。日本は経済を支えたり、賠償の類いを行うために必要だったりする産業を維持することができるが、戦争に必要な再軍備を可能とするものは禁止する。また、産業維持のため、原材料を入手（統制ではない）することもできる。最終的に、日本は世界貿易に参加できるようになる。これらが達成され、日本国民が自由に表現した意思に従って平和的かつ責任感のある政府が樹立した時、連合国占領軍は可及的速やかに日本を撤収する。我々は、日本政府が直ちに全日本軍隊の無条件降伏を行い、降伏行動に関して誠意のある適切で十分な保証を付けることを要求する。他の選択肢は日本の迅速且つ完全な破壊のみである。参考：イラストと読む現代語訳ポツダム宣言

＜ポツダム大尉＞：ポツダム宣言を受諾して日本が降伏、軍人を復員させる際に、一階級昇進措置を受けて大尉になった元中尉のこと。参考：月刊軍事研究4,’12

＜ポツダム勅令＞：ポツダム宣言受諾に伴う占領軍命令を実施する際、法律制定が間に合わない場合に政府によって出される勅令。日本国憲法施行後はポツダム政令と呼ばれた。参考：戦争がやってくる

＜ホット＞：HOT（対戦車ミサイル）を参照。

＜ポッド＞：EPS（ヘリ用シート）を参照。

＜ポッド＞：Pod。航空機に外部搭載される器材で、内部に各種装備を収容しており（カーゴポッドは空だが）、航空機に色々な機能を追加することができる。空気抵抗を減らすため、流線型をしていることが多い。参考：戦闘機のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録、月刊軍事研究10,’15

＜ホット・サプライ＞：エンジンを回したまま燃料・弾薬の補給を行うこと。ターンアラウンドタイムを短縮することができる。参考：月刊JWings10,’01

＜ホット・ショット＞：1RL-144M（レーダー）を参照。

＜ポッド推進器＞：交流電気モーターを内蔵したプロペラ付きポッドを船底に取り付けて推進するもの。ポッドを360度回転させることができるので、複雑な操艦も簡単に行える。プロペラ軸が要らず、主機（発電機）をどこにでも置ける。モーターのサイズがポッドの大きさに制限されるので出力に限界がある、水中雑音源になる、防御力に難点がある、といった欠点を持つ。フィンランドの企業が世界で初めて開発した。参考：図解雑学　船のしくみ、月刊軍事研究6.’14、月刊世界の艦船10,’14

＜ホットスクランブル＞：2010年6月8日からスターコーンFMで開始された、航空自衛隊築城基地広報ラジオ番組。パーソナリティは全員自衛官で、毎月第２・第４火曜日の1630-1700に放送している。2012年4月6日から１時間に拡大され、全国65局ネットになった。参考：月刊JWings2,’11、10,’10、朝雲

＜ホットスパー＞：G.A.L.48シリーズ（グライダー）またはH01（Ｈ級駆逐艦）を参照。

＜ホットスパー＞：イギリス空軍試作迎撃機Hotspur。コクピット後部に動力銃塔を持つ戦闘機としてホーカー社が開発し、1938年6月14日に初飛行したが、デファイアントに負けて採用されなかった。全長10.02m、全幅12.34m、全備重量3.74トン。エンジンはロールスロイス社製マーリン２（1025馬力）単発で、最大速度508km、実用上昇限度8350m。兵装は動力銃塔の7.7mm機銃４丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ホットセル＞：放射性物質を遠隔操作で取り扱えるよう、厚い遮蔽壁で囲まれた区画のこと。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ホットディンプリングマシン＞：自衛隊の機器。オメガジャパン製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ホットピット・リフュエリング＞：ホット・リフュエリングを参照。

＜ホットフート計画＞：アメリカ海軍が太平洋戦争時に計画した、艦上機による東京空襲計画。1944年11月中旬までの実施を予定しており、防空戦闘機に打撃を与えてB-29爆撃機による日本本土空襲を容易にする目的もあった。1944年11月12日に延期が決定した。参考：月刊丸4,’17

＜ホット・フラッシュ＞：カシュタン（CIWS）を参照。

＜ポット・ヘッド＞：351型（レーダー）を参照。

＜ホット・ポイント＞：Mk105（核爆弾）を参照。

＜ホットライン＞

　＜ホットライン（英露間）＞：1967年8月25日に協定が発効した。電信印刷機付きの通信用端末２つを、イギリス−オランダ−デンマーク−ポーランド−ロシアを結ぶ線を通る24時間作動の二重ケーブル電信路と、自動訂正器付き二重無線電信路で結んであり、緊急通信に使用する。端末にはイギリスの提供する暗号化機器を装備し、一回限り使用できる暗号テープを使う。参考：軍縮条約・資料集第２版

　＜ホットライン（仏露間）＞：1966年11月9日にコミュニケが署名された。クレムリンとエリゼ宮の間を直接通信線で結んでいる。参考：軍縮条約・資料集第２版

　＜ホットライン（米露間）＞：1963年6月20日に覚え書きが交換され、設置が決定した。電信印刷機付きの通信用端末２つと暗号化装置を、ワシントン−ロンドン−コペンハーゲン−ストックホルム−ヘルシンキ−モスクワを結ぶ24時間作動の二重有線電信回線と二重無線電信回線で結んであり、緊急時の通信に使用する。1971年9月30日の改善協定で、人工衛星による通信回線２つを追加することが決定され、端末数の追加も可能とされた。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜ホットランチ＞：キャニスターやサイロ内からミサイルを発射する時、ミサイル自身のロケットで射出するもの。発射後は内部が焼けてしまうため、再利用に時間がかかり、ミサイルが大きいICBMサイロに至っては再使用が不可能になるともいわれる。発射機に発射炎放出口を設けて影響を抑えるタイプもある。参考：月刊世界の艦船6,’17、兵器メカニズム図鑑

＜ホット・リフュエリング＞：ホットピット・リフュエリングともいう。任務を終えて着陸後、エンジンを止めずに給油すること。そのまま次の任務に出て行く。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊航空ファン12,’19

＜ボットン＞：日本海軍用語で、潜水艦が海底沈座すること。上陸して宿などに泊まる時もこう称した。参考：潜水艦気質よもやま物語

＜ホッパー＞：DDG-70（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜ホッピング＞：APD-51（高速輸送艦）またはDE-155（護衛駆逐艦）を参照。

＜ポップアイ＞：AGM-142（ミサイル）を参照。

＜ポップアップ点＞：PUPを参照。

＜ポップアップ爆撃＞：目標に超低空で侵入し、急上昇しながら爆弾を投下、急旋回しながら降下離脱するもの。参考：月刊丸6,’03

　＜１８０度リバーサル・ポップアップ攻撃＞：目標まで高度1000フィート（304.8m）以下を維持しつつ侵入、目標上空をそのまま通過した後急上昇し、インメルマンターンで急降下して目標を爆撃、低空離脱する。参考：アメリカジェット戦闘機

　＜アングルオフ・ポップアップ降下爆撃＞：ダイレクト・ポップアップに左または右ひねりを加えたもの。目標左または右1.5-2マイルの地点まで高度1000フィート（304.8m）以下の低空で進出し、急上昇しつつ旋回を加えて目標に正対、高度5000-7000フィート（1524-2133.6m）まで上昇して30度の降下に移り、目標を爆撃する。参考：アメリカジェット戦闘機

　＜アングルオフ・ポップアップ低空攻撃＞：目標の左または右1.5-2マイルの地点まで低空直線侵入し、上昇しつつ旋回して目標に正対、距離0.75-1.5マイル、高度1000-1500フィート（304.8-457.2m）から降下角10-15度の緩降下爆撃を行う。参考：アメリカジェット戦闘機

　＜ダイレクト・ポップアップ爆撃＞：目標手前2-4海里まで高度1000フィート（304.8m）以下、速度400-450ノットで接近し、10000-11000フィート（3048-3352.8m）に急上昇。目標に対して降下（降下角は急降下爆撃で45度、ロケット弾で30度、掃射で5-15度、低高度爆撃で0-15度）し、攻撃をかける。参考：アメリカジェット戦闘機

＜ホッフー＞：F704（フリゲート）を参照。

＜ポップギンス＞：アメリカ海軍高速掃海艦。1945年1月6日、フィリピン付近で神風特攻機１機に突入されて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ポップ・グループ＞：オーサＭ艦対空ミサイル用MPZ-301バザ誘導レーダーのNATOコード。使用周波数はX/Kバンド（Ｊバンド？）で、ディッシュ型と長方形のアンテナを持つ。誘導距離30km。キーロフ級、スラヴァ級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ホップスビクトリア＞：アメリカ海軍給弾艦。1945年4月6日、沖縄付近で菊水一号作戦特攻機の攻撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ホップライト＞：CVS302（ミサイル）を参照。

＜ぽっぽ＞：日本陸軍用語で、軍用伝書鳩を担当する兵の通称。参考：帝国陸海軍事典

＜北方機動演習＞：陸上自衛隊が毎年6-7月に行っていた演習で、本州のどこかの部隊が師団規模で海を越えて北海道に移動（長距離機動訓練）し、矢臼別演習場で錬成訓練を行う。ソ連侵攻の可能性が高い初夏に北海道の戦力を強化する目的もある。1973年に始まった他方面区演習を改称して1982年（1977年？）から開始された。1979年6月8日から7月18日、ハマナス演習の名称で第６師団が実施。第44普通科連隊基幹の2800名が参加した。1980年5月20日から6月28日、第８師団が実施。1982年5月13日から6月27日、辛夷（こぶし）演習の名称で第６師団が実施。隊員3980名（＋総監部・方面隊470名）と車両830両が参加した。5月18-26日には同時に行われた統合演習にも参加し、第20普通科連隊戦闘団の489名が海上機動、311名が空中機動を行っている。ちなみに上陸演習も統合演習で行う予定だったが、反対派に配慮して辛夷演習の方で実施されている。1995年は6月22日から7月31日に実施。海上自衛隊水上艦部隊の指揮下に航空自衛隊の戦闘機部隊を組み込む空海統合作戦を初めて行った。2001年は6月19日から8月3日に実施。海自からLST-4001おおすみ、DDG-174きりしま、DDG-168たちかぜ、DDH-143しらねが参加した。2005年から協同転地演習に改称された。参考：月刊軍事研究10,’98、月刊PANZER3,’05、5,’83、月刊世界の艦船9,’01、6,'22、朝雲

＜北方軍（日本陸軍）＞：日本陸軍の軍。昭和18年2月、北部軍から改編されて創設され、北海守備隊が大本営直轄から北方軍の隷下に入った。司令官は樋口季一郎中将である。昭和19年3月、第５方面軍に改編された。参考：歴史群像8,’17

＜北方軍集団＞：ドイツ国防軍の軍集団。バルバロッサ作戦開始時の司令官はフォン・レープ元帥、参謀長はブレネッケ中将。隷下に第18軍、第４装甲集団、第16軍を置き、後方地域に３個警備師団を配置、軍集団予備として第23軍団、OKH予備として第50軍団を擁していた。1944年7月、ソ連のシャウリャイ・ムダヴァ作戦を受けてクールラント方面に閉じ込められた。1945年1月25日、クールラント軍集団に改称され、中央軍集団が北方軍集団に改称された。参考：WW�U欧州戦史シリーズVol.4、歴史群像4,’18

＜北方限界線＞：NLLを参照。

＜北方工業公司＞：NORINCOを参照。

＜北方発達型地対空ミサイルシステム＞：NASAMSを参照。

＜北方部隊（太平洋戦争第一段作戦第一期連合艦隊兵力部署）＞：連合艦隊隷下で、第５艦隊司令長官細萱戊子郎中将が指揮する。主隊（第21戦隊、第22戦隊、鷺、鳩）、小笠原部隊（第７根拠地隊）、航空部隊（横須賀航空隊の一部、木更津航空隊の一部）からなる。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜北方領土＞：国後島（面積1499平方キロメートル）、択捉島（3184平方キロメートル）、色丹島（253平方キロメートル）、歯舞諸島（計100平方キロメートル）のこと。先住民族はアイヌ人。1715年、松前藩主が江戸幕府に対し、北海道本島、千島、カムチャツカ、樺太を藩領として統治していると上申書を送った。1754年、松前藩が国後島にアイヌとの交易所を設置した。1760年代にロシアは択捉島で毛皮税の取り立てを行っていた。1785年に日本の探検家が国後島に渡り、翌年には択捉島にも渡っているが、この時ロシア人の貿易商と接触している。1798年、江戸幕府は蝦夷に巡察隊を派遣し、択捉島に大日本得土呂府と書かれた木柱を立てた。1799-1800年、江戸幕府は国後島と択捉島に郷村制を敷き、漁場の開拓と島間の航路の開設を行うと共に役人を常駐させ、1801年からは200人の守備隊を派遣した。1806-07年、ロシアが樺太と択捉島を襲撃した（文化露寇）。1811年、ロシア軍艦乗員６名が測量探査で国後島に上陸したため守備隊がこれを拘束、報復として残りの乗員が付近を航行中の日本船を襲撃して人質を取ったため、捕虜交換を行い、国境確定交渉を開始した。1855年、日露通商条約（下田条約）を締結し、国境を択捉島とその東の得撫島の間に設定。1875年（明治8年）のサンクトペテルブルグ条約（樺太・千島交換条約）で、樺太をロシアに譲る代わりに得撫島や占冠島などを含め千島列島全域が日本領になった。日露戦争後のポーツマス条約では特に変更無し。1945年2月、ヤルタ会談でソ連への南樺太返還、千島列島引き渡しを決定。日本がポツダム宣言を受け入れた後にソ連軍が侵攻し、9月5日までに軍事占領した。1946年1月19日、GHQ指令第677号で千島での日本の行政権が停止され、2月2日にソ連が千島列島を領土に編入した。当初、住民の移動を認めなかったが、12月に引き揚げが合意され、1949年7月までに住民17000人ほぼ全員が本土に帰還した。1951年、サンフランシスコ講和条約第２項で日本は千島列島を一旦放棄。1956年の日ソ共同宣言第９項で、日ソ両国は平和条約締結後に歯舞・色丹島を日本に引き渡すことで同意。1978年、ソ連が北方領土に第18師団の展開を開始。1978-80年、ソ連が日本からセメント5000トンを輸入。どうやら択捉島プレヴェストニク飛行場（天寧飛行場）の補修に使用したようで、1981年には配備機をMiG-17からMiG-21に更新した。1983年、択捉島プレヴェストニク飛行場にMiG-23を配備。ソ連崩壊前には兵力9500名、MiG-23戦闘機40機（択捉島プレヴェストニク飛行場に展開）、Mi-24攻撃ヘリ、130mmカノン砲などが配備されていた。1991年、日ソ共同声明で、平和条約で解決すべき領土問題が４島であることを明文化した。その後、交渉は進展せず、平和条約は結ばれることも無く、２島返還か４島返還かで揉め続けている。1992年、ソ連側提案に基づいてビザ無し交流を開始。1994年、北海道東方沖地震で第18機関銃・砲兵師団の設備が大損害を受けた。1995年、北方領土の兵力が第18機関銃・砲兵師団3500名になった。2004年末までに1294隻8991人が拿捕され、衝突で沈没したり、銃撃されたりして29人が亡くなった。2009年7月3日、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律が改正され、北方領土を日本固有の領土とした。7月6-10日、平成21年度北方四島交流訪問事業（ビザ無し交流）を実施。2010年、ロシア北方領土の配備兵力は第18機関銃砲兵師団の２個連隊3500名で、T-80BV戦車94両、多連装ロケット砲グラード18両、152mm榴弾砲ジアツィントＢ36門、ブーク防空システム12ユニット、ストレラ10防空システム12ユニット、ZSU-23-4自走対空機関砲12両、122mm榴弾砲D-30が18門、82mm迫撃砲2B14が18門、ZU-23-2高射砲８門などを装備していた。ただソ連崩壊後に兵器が更新されておらず、老朽化しているという話もある。7月、ロシアが9月2日を対日戦勝記念日に制定した。11月1日、ロシア大統領が初めて北方領土（国後島）を訪問した。2011年1月、ロシアのブルガーコフ国防次官が北方領土を訪問。2月、セルジュコフ国防相が北方領土を訪問した後、北方領土の軍備を大幅に強化すると述べた。3月1日、ロシア軍参謀本部が国防相に北方領土配備予定兵器リストを提出。バスチオン地対艦ミサイルシステム、トールM2中距離地対空ミサイル、Mi-28N攻撃ヘリなどの名前があった。また、ロシア国防相は大統領に択捉島のブレヴェストニク飛行場を拡張してIl-76輸送機を離着陸可能とする予定と報告した。ただイスカンデル弾道ミサイル、S-400長距離防空ミサイル（地形上運用が難しく、量産も遅れている）、Su-35S戦闘機、Mi-28N攻撃ヘリなどはリストに無く、ヨーロッパ方面の戦力強化を優先するとみられ、兵力は3500名（１個旅団規模。旅団への改編を受けるかは未定）で維持されるようである。T-55とMT-LBが退役し、T-80とBMP-2とブークM1が配備された。2012年7月3日、ロシアのメドベージェフ首相が国後島を訪問。2016年11月、択捉島にSSC-5地対艦ミサイルシステム、国後島に3K60バール地対艦ミサイルシステムが配備された。12月15-16日、プーチン大統領が来日して安倍総理と会談し、共同経済活動の実現に向けた協議に着手することで合意した。2018年8月3日、択捉島ヤースヌィ軍民共用空港にSu-35S戦闘機が試験配備されたと、サハリンのメディアが報じた。日本はモスクワ日本大使館経由でロシア外務省に抗議している。2021年2月7日、北方領土の日に合わせ、令和3年北方領土返還要求全国大会をリモート形式で実施。6月23-27日、ロシア軍が択捉島や国後島などで10000名規模の演習を実施。2022年2月7日（北方領土の日）、令和4年北方領土返還要求全国大会を国立劇場で実施。新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客で、ユーチューブ配信を行っている。9月1-7日、ロシア軍が北方領土含む日本海からオホーツク海で多国籍合同演習ヴォストーク2022を実施し、日本政府が抗議した。10月7日、ウクライナのゼレンスキー大統領が北方領土を含む日本領土の一体性を尊重すると延べ、ウクライナ議会が北方領土について日本を支持する決議を採択した。参考：月刊軍事研究1,’14、9,’06、6,’11、1,’12、12,’14、2,’17、朝鮮戦争（上）、ストライク・アンド・タクティカルマガジン1,’11、月刊丸1,’12、月刊JWings10,’18、11,'22、1,'23、朝雲

＜ボツリヌス菌毒素＞：食中毒の原因であるボツリヌス菌が産生する毒素で、筋肉を麻痺させる作用があり、呼吸ができなくなって死に至る。致死率は60-70%と高い。エアロゾルでの散布が可能だが、毒性が低下するという欠点がある。731部隊が製造しており、ドイツも第２次大戦中に兵器として開発した。アメリカやソ連も兵器として研究しており、イラクでは20000リットルのボツリヌス菌毒素が発見されている。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜ボツワナ空軍＞：

　＜ボツワナ空軍（２０１５年）＞：F-5A戦闘機９機、F-5D戦闘機５機、O-2偵察機５機、C-130B輸送機３機、BN-2輸送機４機、BN-2B輸送機６機、ビーチ200キングエア要人輸送機１機、C-212-300輸送機２機、CN-235M-100輸送機２機、Do-328-100要人輸送機１機、BD700グローバル・エクスプレス要人輸送機１機、PC-7Mk�U練習機５機、ベル412EP汎用ヘリ２機、ベル412SP汎用ヘリ５機、AS350B汎用ヘリ８機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボツワナ軍＞：

　＜ボツワナ軍（２０１５年）＞：現役総兵力9000名（陸軍8500名、空軍500名）、準軍事部隊（警察機動ユニット）1500名。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボツワナ陸軍＞：

＜ボツワナ陸軍（１９８９年）＞：兵力4500名で、空軍部隊も陸軍の一部である。歩兵中隊５個、装甲車中隊１個、偵察中隊１個、工兵中隊１個、対ゲリラ戦飛行隊１個、輸送飛行隊１個、連絡訓練飛行隊１個からなる。ショーランド偵察車10両、V-150偵察車12両（うち11両は90mm砲装備）、BTR-60装甲兵員輸送車30両（非稼動）、105mm砲６門、56型105mm砲４門、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲10門、TOW対戦車ミサイル、カールグスタフ20門、20mm高射機関砲M-167、SA-7地対空ミサイル10基、BN-2対ゲリラ戦機５機、BAC-167Mk83対ゲリラ戦機９機、BNトライスランダー輸送機２機、CN-235輸送機２機、スカイバン3M輸送機２機、セスナ152練習機１機、ブルドッグ120練習機５機、AS-350Lヘリ２機、ベル212ヘリ３機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ボツワナ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力8500名。機甲旅団１個、歩兵旅団（機甲偵察連隊１個、歩兵大隊４個、コマンドー隊１個、防空砲兵連隊２個、工兵連隊１個、兵站大隊１個）、砲兵旅団１個、防空旅団１個、工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站群１個からなる。SK-105軽戦車30両、スコーピオン軽戦車25両、RAM-V-1偵察車、RAM-V-2偵察車８両、VBL偵察車64両、FV103スパータン装甲車６両、BTR-60装甲車50両、LAV-150装甲車50両（少数は90mm砲装備）、ピラーニャ�V装甲車50両、105mm軽砲L118を12門、105mm砲モデル56パックハウザー６門、155mm砲ソルタム12門、122mm多連装ロケットAPRA-40を20基、81mm迫撃砲22門、120mm迫撃砲M-43を６門、TOW搭載V-150自走対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、84mm無反動砲カールグスタフ、ジャベリン携帯地対空ミサイル、9K32/9K310携帯地対空ミサイル、20mm高射機関砲M167バルカン７基、グライフ装甲回収車、M578装甲回収車を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜保定＞：511（コルベット）を参照。

＜ボディ・アーマー＞：飛来物から胴体部分を守る衣服のこと。破片防止用ジャケット（フラック・ジャケット）、防弾ベスト、防刃ベスト、防弾・防刃ベスト、暴徒鎮圧用防護衣に分かれる。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ボディ・アーマー・フラグメントベストＭ０５＞：フィンランド軍の防弾ベストで、重量3.07kg。対弾片レベルは、STANAG2920・V-50フラグメントが毎秒500mで衝突しても耐えられる。セラミックプレートを挿入して防御力を向上させることが可能。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ボディガード作戦＞：第２次大戦時に連合軍が行った、オーバーロード作戦欺瞞作戦。ノルウェーへの上陸を欺瞞するフォーティチュード・ノースと、フランスのパ・ド・カレー地区への上陸を欺瞞するフォーティチュード・サウスからなる。連合軍の動向を掴むためのドイツ諜報網は、８割以上がMI5の二重スパイで構成されており、欺瞞に完全に引っかかってしまい、上陸地点や上陸時期、兵力を誤判断することになった。また、ガルボというコードネームの二重スパイは、上陸作戦実行直前に「連合軍がノルマンディーに向けて出港した」という正しい情報を、ノルマンディーの前線部隊が上陸作戦実行前に受け取れないタイミングで発信。ドイツ側は、間に合わなかったが正しい有力な情報を掴んだとしてガルボに鉄十字章を授与した。ガルボの情報は信憑性が高いとみたドイツ軍は、6月8日にガルボが発信した、「アメリカ軍大規模部隊がパ・ド・カレー地区への上陸を準備中」とする偽情報も信じてしまい、ノルマンディーに向かっていたドイツSS第１装甲師団と第116装甲師団をパ・ド・カレーに向かわせてしまい、更に22個師団をパ・ド・カレー地区に張り付けてしまったため、ノルマンディーの連合軍は橋頭堡の確保・拡大に成功した。これにより、ガルボはイギリスのMBE勲章を授与されている。参考：月刊軍事研究5,’10

＜ボディカウント＞：死体の数をカウントすること。参考：コンバット・バイブル２

＜保偵式＞：ポテーズ25海外シリーズ（偵察機）を参照。

＜ボディナイス＞：日本海軍士官のスラングで、ナイスバディの女性のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ボティニアー＞：APA-235（攻撃輸送艦）を参照。

＜ポテーズ２５海外シリーズ＞

　＜保偵式＞：日本陸軍が満州事変時に鹵獲したもので、偵察機として使用した。複葉単発機で、プロペラは２翅。参考：月刊航空ファン6,’17

＜ポテーズ２２０＞：フランスの双発多用途観測機で、1937年からポテーズ社で開発され、1940年4月に初飛行したが、ドイツ占領により開発中止となった。全長11.22m、全幅15.31m。エンジンはノームローンM0/N1（680馬力）双発で、最大速度490km。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ポテーズ２３０＞：フランスの試作戦闘機で、ポテーズ社にいた旧ル・ミュロー社のスタッフがミュロー190軽戦闘機をベースに開発した。1940年1月に初飛行したが、ドイツ軍に接収された。全長7.57m、全幅8.74m、全備重量1.8トン。エンジンはイスパノスイザ12Xcrs（670馬力）単発で、最大速度560km、航続時間1.5時間。固定武装は20mm機関砲１門と7.5mm機銃４丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ポテーズ６３０シリーズ＞：フランス空軍双発戦闘機。戦闘機隊嚮導用双発多座長距離戦術機として1934年に提案要求が出され、1936年4月25日に初飛行して制式採用された。214機が生産され、ドイツ侵攻時には主に対地攻撃機として使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、世界の傑作機No.157

＜ポテーズ６３０＞：暗号化無線電信機による通信（当時の無線電話は性能が低すぎて基地との遠距離交信に向かない）と磁気コンパスによる航法を専門に担当する航法通信士を乗せ、重くなった分は双発化による出力増大でカバー、単発単座戦闘機隊を率いて目標に誘導するというのがコンセプトで、空いた機首に固定武装を詰め込んで自らも戦闘に参加、余裕のある出力を活かして爆弾も積め、多座なのを利用して偵察もできるというのが売りだった。エンジンはイスパノスイザ14AB10/11（640馬力）双発。80機が生産された。参考：世界の傑作機No.157、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ポテーズ６３１＞：全長11.07m、全幅16m、全備重量4.5トン。エンジンはノームローン14M6/7（660馬力）双発で、最大速度445km、実用上昇限度9000m、航続時間2.5時間。固定武装は20mm機関砲２門、7.5mm機銃８丁。乗員2-3名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ポテーズ６３３＞：攻撃練習機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ポテーズ６３７＞：胴体下面に観測窓を付けた観測機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ポテーズ６３．１１＞：ポテーズ637の観測窓張り出しを撤去し、機首に観測員席を設けたもの。1938年12月11日に初飛行し、700機以上が生産され、軽攻撃機としても使用された。全長10.94m、全幅16.01m、全備重量4450kg。エンジンはノームローン14M4/M5（670馬力）双発で、最大速度420km、実用上昇限度9300m、航続距離1600km。防御兵装は7.5mm機銃３丁。爆弾や照明弾200kgを搭載できる。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ポテーズ６７０シリーズ＞：フランス軍の試作長距離戦闘機。テスト中にドイツ軍に破壊された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ポテーズ６７０＞：ポテーズ631の胴体に楕円翼を組み合わせ、ノームローン14M3/4エンジン（700馬力）を搭載したもの。1939年3月30日に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ポテーズ６７１＞：全長10.8m、全幅15.1m、全備重量4.74トン。エンジンはイスパノスイザ14AB12/13（800馬力）双発で、最大速度500km、実用上昇限度10200m、航続距離2000km。固定武装は20mm機関砲２門と7.5mm機銃４丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ポテーズ−ＣＡＭＳ１４１＞：フランス軍４発哨戒飛行艇、別名アンタレス。1935年の仕様に基づいて開発され、1938年1月21日に初飛行した。1939年に141機の発注を受けたが、後に11機に削減され、結局量産されず、原型機だけが1943年まで哨戒任務に就いた。全長24.3m、全幅41m、全備重量25.85トン。エンジンはイスパノスイザ12Y-26/27（930馬力）４発で、巡航速度260km、最大速度320km、実用上昇限度5600m、航続時間30時間。防御兵装は7.5mm機銃６丁。爆弾1.5トンを搭載できる。乗員9-12名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ホテル型＞：658型（潜水艦）を参照。

＜ポテンティラ＞：K214（コルベット）を参照。

＜補填軽荷排水量＞：弾薬、燃料、食料などを消費して軽荷排水量の状態に近づいた際、重心上昇で復原性が悪化して航行に支障が出るのを防ぐため、バラストタンクに海水を充填するが、その状態での排水量のこと。軽荷排水量の状態でも復原性に問題が無ければ必要の無い値なので、定めていない艦船もある。参考：海軍操舵員よもやま物語

＜墓島＞：ブーゲンビル島のこと。太平洋戦争で日本軍将兵33600名が犠牲になっている。参考：朝雲

＜ポドヴェレゾヴィク＞：MR-700（レーダー）を参照。

＜ポドカート＞：3R95（レーダー方位盤）を参照。

＜ホト車＞：試製十二糎自走砲を参照。

＜ポドソルヌフ＞：ロシア海軍のOTHレーダー。探知距離は水上艦で200-400km、航空機で500km。日本海やオホーツク海など太平洋艦隊・カスピ小艦隊作戦域の３ヵ所に配備されているらしい。2017年から北極圏６ヵ所に追加するともいわれる。参考：月刊軍事研究2,’17、9,’16

＜ポトマック＞：AG-25（ヨット）を参照。

＜ボトムアップ・レビュー＞：アメリカが1993年9月に発表した戦略で、政権交代により名称は変更されたものの、ほぼ地域防衛戦略を踏襲した内容となっている。大量破壊兵器拡散、地域紛争、旧ソ連及び東ヨーロッパでの民主主義の失敗、経済危機が今後の危険であり、地域紛争としてはイラクのクウェート侵攻や北朝鮮の韓国侵攻を念頭に置き、即応体制、軍の質及び装備の優位性を維持することにより対処するとしている。備えるべき戦力は140万名、陸軍は現役10個師団、予備役５個師団、海軍は空母11隻（＋予備役１隻）と攻撃型原潜45-55隻を含む346隻、空軍は戦闘航空団現役13個、予備役７個、海兵隊は現役３個師団、予備役１個師団、戦略核戦力はSSBN18隻、B-52H94機以下、B-2A22機、ミニットマン500基。地域紛争対処のため、ウィン・ホールド・ウィン戦略を掲げ、事前集積強化、戦略機動性確保、空母打撃力及び地上火力増強、長距離爆撃機への精密誘導兵器運用能力付与が重要で、戦域航空機、陸軍ヘリ、BMD、空母、攻撃型原潜を優先的に近代化するとした。また、アメリカが主導権を取る事項として、脅威減少への協力、核拡散防止、旧ソ連とのパートナーシップ、地球規模での平和維持を挙げた。参考：月刊軍事研究3,’99

＜ボトム・バウンス＞：海底反射（Bottom Bounce）のことで、BBと略す。浅海で音が海底に衝突して反射し、海面まで聞こえてくることである。海底の地質（岩か泥かなど）によって音の伝搬強度が影響される。参考：ザ・マーチ39号

＜ポドモスコヴィエ＞：ロシア海軍09787型特務原潜Podmoskov’e。元は667BDRM型戦略原潜３番艦K-64ウラジミールで、1999年から改造工事に入り、資金難による中断を経て2015年8月に竣工、係留試験に入った。2016年10月22日、白海での試験航海のため出港。12月26日就役。参考：月刊世界の艦船1,’17、3,’17

＜ボドリイ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートBodry。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ポドルスク＞：K223（原潜）を参照。

＜ボトルネック型薬莢＞：薬莢を参照。

＜ボナベンチャー＞：31（軽巡洋艦）を参照。

＜ボナベンチャー＞：カナダ海軍空母Bonaventure。1962年、キューバ危機で封鎖水域警戒任務を行った。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜ホニ�T＞：一式七糎半自走砲を参照。

＜ホニ�U＞：一式十糎自走砲を参照。

＜ホニ�V＞：三式砲戦車を参照。

＜ボニタ＞：SS-15（Ｃ級潜水艦）またはSS-165（潜水艦）またはSSK-3（バラクーダ級潜水艦、２代目）を参照。

＜ボニファス＞：F-111（フリゲート）を参照。

＜ボニファス級＞：F-110級（フリゲート）を参照。

＜ポヌィリ停車場攻防＞：ポヌィリ停車場は、オリョル−クルスク間の鉄道の要所で、両者に対し有効な攻撃を行うことができた。第２次大戦のツィタデレ作戦において、1943年7月9日、フェルディナンド44両を基幹とするドイツ軍第654重駆逐戦車大隊などが重装甲を頼みに突入。ラッチュ・バムを弾き返しながら5月1日国営農場を突破し、ゴレロエ農場員居住区に進撃した。ここにはソ連軍工兵が急いで設置した対戦車地雷原があり、フェルディナンドは次々に被雷して立ち往生、更に重砲と側面への対戦車砲射撃、歩兵肉弾攻撃が浴びせられて多数の損害を出し、ドイツ軍は5月1日農場まで退却した。翌日はＢ�W重爆薬運搬車で地雷啓開後に突撃を再開、遠距離から砲撃を浴びせて多数のソ連軍火砲・戦車を破壊し、数両がポヌィリ停車場まで到達したが、重砲700門の集中射撃を受けて歩兵が追随できず、前進を中止せざるを得なかった。7月12-13日にドイツ軍は損傷車両を回収したが、フェルディナンドは重すぎて回収できず、7月14日のソ連軍攻勢で21両がソ連の手に落ちた。参考：月刊グランドパワー1,’01、月刊軍事研究11,’13

＜ボノム・リシャール＞：LHD-6（揚陸艦）を参照。

＜ホノルル＞：CL-48（軽巡洋艦）またはSSN-718（潜水艦）を参照。

＜ホバー・アイ＞：フランス陸軍のフェラン未来歩兵用携帯型UAVで、バータン・テクノロジー社が開発している。二重反転ローターをカウリングで包んでおり、機体上部にカメラ、その下にレーダー、そのまた下に交換用バッテリーを搭載する。方向転換はローター下部にある箱形フラップを使用する。小型のＨイージーと大型のＨヘビーの２種があり、前者は直径0.5m、重量6kg、飛行時間10分、ペイロード300g、後者は直径0.7m、重量12kg、飛行時間20分、ペイロード1000g。電動モーター駆動で、最大速度100km。参考：月刊軍事研究10,’05、11,’06

＜ホバークラフト＞：一般名はエアクッションビークル（Air Cushon Vehicle、ACV）で、ホバークラフトはイギリスのブリティッシュ・ホバークラフト社の商品名だが、同社では一般名としての使用も認めている。船舶周囲をゴム製スカートで覆い、内部に空気を吹き込み地面効果を利用して船体を完全に水面から浮上させ、推進用プロペラで推進する。造波抵抗、摩擦抵抗、粘性圧力抵抗といった水の抵抗を一切気にする必要が無くなり、そのまま砂浜にも乗り上げられるので港湾施設が要らない。船体を持ち上げる揚力は船体底面積と空気圧の積であるため、船体が大きくなるほど効率が良くなり、ペイロードを大きく取れる。水中部分が無くキャビテーションが起きないので、高速航行が可能。スカート下部からかなりの空気が漏れるので浮上用ファンの出力を大きくする必要がある、高速にするため推進に割り当てる出力を上げると推進用ファンの直径を大きくしなければならず容積がかさみ騒音も大きくなる、旋回時にスカートが変形して横滑りする、風や波の影響を大きく受けるのが欠点。SESもホバークラフトに含むこともある。参考：図解船の科学、図解雑学　船のしくみ、日本の防衛戦力Part3

＜ホバークラフト（イギリス海軍）＞：イギリス海軍の装備する多用途ホバークラフトで、上陸作戦支援の他、沿岸警備や物資輸送などにも使用される。全長14.8m、全幅7.7m、全高3.8m、総重量10.8トン。主機はロールスロイス社製ノーム（1125馬力）で、最大速力51ノット、航続時間3-8時間。兵士20名または貨物５トンを積載できる。参考：兵器メカニズム図鑑

＜ホバークラフト（スウェーデン沿岸砲兵）＞：スウェーデンのコッカムス・ネイバル・システムズ社が開発したホバークラフト。船体はカーボンファイバー／ビニール・ラミネート・サンドイッチ構造で、軽量かつ強度が高い。全長19m、全幅9m、重量27トン。主機はディーゼル２基で、空虚時の最大速力は50ノット以上、満載時でも35ノットを出せる。乗員３名で、兵員用シート50席または担架20床を収容でき、全長6.1mのコンテナやBv206装甲車１両を輸送できる。1998年6月にスウェーデン軍と契約が結ばれた。参考：月刊軍事研究12,’98

＜ホバート＞：39（パース級ミサイル駆逐艦）または39（ホバート級イージス艦）を参照。

＜ホバート＞：オーストラリア海軍パース級軽巡洋艦Hobert。元はイギリス海軍改リアンダー級アポロ（Apollo）で、1936年1月13日にイギリスで竣工し、1938年9月28日にオーストラリア海軍に引き渡されて改称された。1942年5月6日、珊瑚海海戦に参加。7月22日、ニュージーランドを出撃してソロモン方面に向かった。8月8日、第１次ソロモン海戦に参加。1943年7月、伊11の雷撃を受けて中破した。1947年12月、予備役に編入された。1953-56年、練習艦に改造されたが、航海に出ることは無く、1960年2月5日に除籍された。1962年に廃艦となり、日本の業者に購入されて解体された。参考：月刊世界の艦船11,'23、11,’00、第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代巡洋艦史

＜ホバート級＞：オーストラリア海軍イージス駆逐艦Hobart級。パース級の後継として1990年代からSEA1400の計画名で検討が始まり、後にSEA4000AWD（Air Warfare Destroyer）に改称され、21世紀に入って本格的な計画が開始された。アメリカのギブス＆コックス社がアーレイ・バーク級フライト�UＡ縮小版、スペインのナバンティア社がF100型アルバロ・デ・バサン級改良型、ドイツのブロム・ウント・フォス社がザクセン級改良型、イギリスのBAE社が45型改良型を提案し、2007年6月20日にナバンティア社の案が採用され、2007年10月に契約が締結されている。選定に当たっては海上自衛隊にも相談し、主にアメリカ製イージスシステムと国産艦との艤装マッチングに関する意見を聞いた。アメリカ海軍機動部隊との共同作戦能力も重視している。船体はアルバロ・デ・バサン級よりも僅かに大きく、上構と船体の舷側を繋げるなどステルス性に配慮した。航海艦橋後方に一段高い上構を設け、斜め４面にAN/SPY-1D(V)レーダーのアンテナ、上面に三脚マストを装着する。SPY-1D(V)レーダー用アンテナ装着上構の後面に前部煙突が接しており、後部煙突との間にハープーン発射筒があり、後部煙突後方がヘリ格納庫で、後甲板はヘリ甲板（長さ26.4m、幅17m）となっている。イージスシステム・ベースライン7.1、SPY-1D(V)レーダー、AN/SPQ-9B対水上レーダー、AN/SPG-62射撃指揮レーダー２基（艦橋上、ヘリ格納庫上面甲板室上）、Mk20EOSS（Electro-Optical Sensor System）、ヴァンピールNG赤外線監視装置、シリーズ2500電子光学追尾システム（ウルトラ2500？）、Mk34砲射撃指揮装置、L-3ハリス社製レーダーパイロット1100航海レーダー（使用周波数Ｘバンド）２基、2150型低周波バウソナー、VDS、AN/USG-7B共同交戦能力（CEC）イクイップメントセット、リンク11、リンク16を搭載する。イージスシステムと非アメリカ製センサーはコングスベルグ社製インターフェースATI（Australian Tactical Interface）で繋ぐ。艦尾中央に曳航ソナー繰り出し口１基、艦尾左舷側に対魚雷デコイ繰り出し口２基が開口している。水線下にバウ・スラスターを持つ。洋上補給装置は前後煙突間両舷に固定式で装備した。全長146.7m、水線長133.2m、幅18.67m、吃水4.97m／7.2m（最大）、満載排水量6350トン。主機はCODOG方式、巡航用バサン／キャタピラー社製Bravo 16Vディーゼル（7580馬力・5.65MW）２基＋高速用GM製LM2500-SA-MLG38ガスタービン（23500馬力・17.5MW）２基、出力12240馬力（巡航時）／47328馬力（最大）、５翅スキュード可変ピッチプロペラ２軸推進、速力28ノット、航続距離5000海里以上（18ノット）。兵装はMk41VLS48セル（主砲と艦橋の間、前後６セル×左右８セル。スタンダードSM-2MRブロック�VＡ／�VＢ用32セル32発＋RIM-162ブロック�TESSM用16セル64発）、ハープーン・ブロック�U４連装発射機２基（前後煙突間両舷）、127mm砲Mk45Mod4が１門（前甲板）、20mmCIWSファランクスブロック1B１基（ヘリ格納庫上）、タイフーン25mm遠隔操作式機関砲２基、324mm短魚雷連装発射管（固定式）Mk32Mod9が２基（Mu90、Mk54）。スタンダードSM-6が実用化されれば搭載改修を行う。ESMは対レーダー用のEDO社製ES3701-02Sと通信傍受用のSwRI社製MBS-567A。チャフ・デコイ発射機はMk37Mod1シーナット４基とMk169ヌルカ４基。対魚雷装置はコントラルトＶ魚雷防御装置、AN/SLQ-25ニキシー、LESCUT対魚雷デコイ。MH-60R（S-70B）またはMRH-90ヘリ１機分の格納庫があり、MH-60R運用能力は1-2番艦は後付け、３番艦は新造時からとなった。UAV運用能力も持つ予定。乗員205名（186名＋航空要員16名？）。居住区は234名分（213名分？）ある。2011年からオーストラリア国営ASC造船所で建造に入り、2014-17年に３隻を就役させる予定だったが、１番艦艦番号39ホバートの起工は2012年にずれこみ、２番艦艦番号41ブリスベーンは2014年2月3日、３番艦艦番号42シドニーは2015年11月に起工された。船体ブロックの組み立てでもトラブルがあって工事が遅れており、2017-20年に就役した。2020年1月15日、アメリカ国防安全保障協力局が、イージス武器システムMk6Mod1及びBMD/IAMD能力付与のFMS輸出許可を出した。5-6月、1-2番艦がAN/SPY-1D(V)レーダーとコンピュータ・プログラムの改修を行った。３番艦と同じ仕様にした模様。参考：月刊世界の艦船8,’13、9,'16、12,’19、11,'21、8,'15、3,’16、11,’17、4,’11、10,’11、4,’14、1,’18、4,'20、9,'20、8,'21、月刊軍事研究2,’07、1,’15、8,’16、11,’18、朝雲

　＜ホバート級ＡＷＳフェーズ４＞：巡航ミサイル運用能力追加改修で、2022年以降に作戦運用能力を得る予定。参考：月刊世界の艦船8,’13

＜ホバーフライＭｋ．�T＞：イギリス軍ヘリコプター。アメリカのR-4ヘリを導入したもので、艦載対潜ヘリとして1942年12月にイギリス海軍省が25機を仮発注し、イギリス空軍も練習ヘリとして使用した。参考：月刊JWings4,’20

＜ホバーマスト＞：イスラエルのスカイサピエンス社が開発した滞空型プラットフォーム。中央の大型ダクテッドファン１基と周囲の小型ダクテッドファン４基で垂直離着陸し、高度50mまで15秒で到達する。中央ファン下部にセンサーを装着可能。直径720mmのコンテナに収容される。参考：朝雲

＜ポパイ・シリーズ＞：イスラエルのラファエル社が開発した空対艦ミサイルPopeye。参考：月刊丸10,’97

＜ポパイ＞：誘導は中間が慣性航法＋発射母機のデータリンク、終末がTVまたは画像赤外線。全長4.28m、直径0.508m、重量1360kg。弾頭は350kgのHEか、352kgの貫徹型。推進はロケットモーターで、射程92km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97

　＜ポパイ２＞：Popeye�U。軽量化し、単発ジェット機にも搭載可能としたもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポパイ・ターボ＞：ポパイ３ともいう。エンジンをターボジェットに変更したバージョンで、射程を320kmに延伸した。核弾頭も積めるらしい。参考：月刊世界の艦船2,’18、月刊丸10,’97

＜ポパイ・ターボ（潜水艦発射型）＞：潜対地巡航ミサイル型で、アメリカからトマホークを輸入しようとしたが、2000年に断られたため、代わりに開発したもの。2002年にインド洋でアメリカ海軍が立ち会って発射テストを行い、1500km先の目標に命中させたらしい。2000年5月には既に潜水艦から発射して1500km飛ばしたという説もある。参考：月刊世界の艦船2,’18

＜ポパイ海外シリーズ＞：

＜ＡＧＭ−１４２＞：AGM-142を参照。

＜ポハクロア演習場＞：アメリカ陸軍の演習場（アメリカ海兵隊も使う）で、ハワイ島にある。面積131805エーカー（533.4平方キロメートル）。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ホハ車＞：一式半装軌装甲車を参照。

＜ホバリング＞：懸吊を参照。

＜ホバリング＞：Hovering。回転翼機やVTOL機が空中で静止すること。風を受けながらホバリングしている場合、対地速度はゼロだが対気速度はゼロではない（水平飛行と同じ状態）ので、特に対地ホバリングと称する場合がある。性能や操縦安定性は無風状態でのホバリングで検討する。追い風でのホバリング（平面ホバリング）は、機体が不安定になるので禁止。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、10,’20

＜ホバリング高度限界＞：Hovering ceiling。ヘリコプターがホバリングできる限界高度。ヘリコプターがホバリングするのに必要なエンジン出力は高度が高くなるほど大きくなる（メインローターは空気を下に吹き付けて推力を発生させており、ホバリングに要するエンジン誘導出力は空気密度の２乗根に反比例する）のに対し、エンジンの最大出力は高度が高くなるほど低下するので、前者が後者を下回るようになると、ホバリングができなくなる。地面効果が得られる場合を地面効果内（IGE、In Ground Effect）ホバリング高度限界、得られない場合を地面効果外（OGE、Out of Ground Effect）ホバリング高度限界といい、前者はヘリポートを作れる最大高度、後者はクレーン作業が行える最大高度などの検討に使用する。気温が高くなると空気密度が下がって誘導出力が低下するので、ホバリング高度限界も下がってしまい、標準大気で3000mの地面効果外ホバリング高度限界を持つUH-60シリーズでも、夏山の救助作業は高度2000mを超える辺りで非常に困難な任務となる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings11,’03、月刊航空ファン8,’16

＜ポハン＞：756（コルベット）を参照。

＜ポハン級＞：浦項級（コルベット）を参照。

＜ホビー＞：DD-610（駆逐艦）を参照。

＜ポピー＞：K213（コルベット）を参照。

＜ポビエダ＞：ロシア海軍ペレスウェート級戦艦Pobieda。参考：月刊世界の艦船6,’14

＜墓標大将＞：大将（アメリカ軍）を参照。

＜ボブ＞：キ−28（試作機）を参照。

＜ボフォース（海上自衛隊）＞：ボフォース社製対潜ロケット発射機を指す。参考：月刊JWings2,’00

＜ボフォース３７ｍｍ対戦車砲＞：スウェーデンのボフォース社が開発した37mm対戦車砲。口径長45、戦闘重量380kg。装甲貫徹力は射距離400mで37mm（30度）。ポーランド軍も使用しており、白作戦では装甲の薄いドイツ軍戦車を大量に撃破した。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜ボフォース４０mm機関砲シリーズ＞：スウェーデンのボフォース社が開発した40mm機関砲。1925年にスウェーデン海軍が20mm機関砲の開発を依頼したが、ボフォース社は威力が小さく１発で航空機を撃墜できないとして40mm機関砲の開発を提案、1928年11月に購入契約が結ばれ、1930年に試作型が完成、1932年から原型の水冷艦載型M/32（銃身を覆う外筒がある）を生産、1934年からは陸上空冷単装型のM/34を量産した。同時期に開発されていたポンポン砲や37mm機関砲に比べて弾量が倍、射程も2-5割増しで、世界中で使用された。寒冷地では冷却液に不凍液を使用する。スウェーデンの他、1933年にオランダ海軍から発注されたのを皮切りに、ポーランド海軍、オーストリア陸軍、ベルギー、ユーゴスラビア、ノルウェー、ラトビア、フランス、エジプト、ポルトガル、イギリス、中国、タイに輸出され、ポーランド、ハンガリー、ノルウェー、フランス、アメリカ、イギリスでライセンス生産され、第２次大戦中のアメリカだけでも６万門以上、予備砲身12万本以上が作られ、特攻機の阻止に高い威力を発揮した。ドイツではMe210Caに地上攻撃用として搭載した他、レーダーによる射撃統制により1943年にティソ河橋梁を攻撃しに来たPe-2爆撃機25機全機を叩き落としている。参考：月刊世界の艦船2,’87、1,’79増刊、月刊軍事研究3,’02

　＜４３口径４０ｍｍ機関砲＞：潜水艦向けで、1932年から開発され、1934年から配備された。参考：月刊世界の艦船1,’21

　＜６０口径４０ｍｍ機関砲＞：艦載型で、1936年から配備された。単装マウント重量２トン。口径40mm、口径長56.25、砲身長2.25m、砲口初速毎秒800-900m、最大射程10060m、最大射高6950m、有効射高2500m。使用弾は弾丸重量850gの徹甲弾（初速毎秒853m）などで、装薬重量315g、装弾は４発クリップで行う。装甲貫徹力は射距離500mで40mm。俯仰角はマイナス10度からプラス90度。発射速度は空冷型で実用毎分60発、水冷型で実用毎分80発、最大毎分120-140発。連装（マウント重量５トン）、４連装（マウント重量10トン）もある。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊世界の艦船2,’87、1,'15増刊、1,’21

　＜７０口径４０ｍｍ機関砲＞：60口径砲の改良型、Bofors L70。単装型と連装型があり、1951年から生産された。ジェット機に対応できるよう、給弾機構の改良で発射速度を大幅に上げ、装薬を増やして初速を増加させ、射程を延伸している。装弾は26発を載せられる導板で行う。砲口初速毎秒1005-1100m、最大射程4000m（対空）／12500m（対水上）、有効射程6000m（対水上）。発射速度毎分240発。スウェーデン海軍がSAK-40/L-70として採用し、イギリス、インド、インドネシア、ブラジル、イタリアのオットー・ブレダ社などがライセンス生産した。防衛庁にも1954年頃に１億7000万円でライセンス契約の提案が行われている。参考：月刊世界の艦船1,'21、2,’87、月刊軍事研究3,’02、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜ＳＡＫ−４０／Ｌ−７０−６００＞：70口径40mm機関砲の発射速度を毎分300発に上げたもの。シー・トリニティに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’21

　＜Ｍｋ３＞：Mk3（機関砲塔）を参照。

　＜Ｍｋ４＞：Mk4（機関砲塔）を参照。

＜ボフォース４０ｍｍ機関砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１＞：M1高射機関砲を参照。

　＜Ｍｋ１＞：40mm Bofors twin mount Mk1。アメリカ海軍ライセンス生産バージョンで、60口径を連装化している。Mk51射撃方位盤のMk14照準器と連動しており、電動油圧により自動的に旋回し、方位盤のトリガーで射撃を行う。人力操作のみのバリエーションもあるが、形式名は不明。第２次大戦後に制式化されたMk63射撃方位盤を使用する場合、砲身付け根にMk34レーダーを装備する。砲の左に射手、右に旋回手が位置し、自動旋回俯仰機構故障時には俯仰旋回と射撃（ペダル式）を担当する。方位盤が故障した際には砲に備え付けてある蜘蛛の巣状照準器で照準する。口径40mm、口径長56.25、砲身長2.25m、重量5.9トン。使用弾はM81AP-T、Mk�UHE-T、Mk�UHE-T-SD（光焼夷白爆榴弾）などで、弾薬重量2kg、発射速度は１門あたり毎分120-160発、俯仰角マイナス５度（マイナス15度？）からプラス90度、初速毎秒800-880m、射程8370m。重量9kgの４発クリップで装弾され、銃身１本に装填手１名と給弾手１名が付いて1.5-2秒に１回の割合で次々と装弾していく。空薬莢は機銃後部の排出シュートを通って機銃下部前方から銃架の下に放出される。1940年9月にテストされ、1941年7月にライセンス生産権を獲得、1942年1月に最初の砲が完成し、7月1日の駆逐艦DD-606コグランを皮切りに配備された。海上自衛隊も採用し、ゆり型、あさひ型、ありあけ型、あけぼの型、いかづち型、ちくご型などに搭載した。参考：海上自衛隊全艦艇史、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’87、1,’95、3,’10、丸スペシャルNo.75

　＜Ｍｋ２＞：Bofors 40mm Quadruple Mount Mk2。アメリカ海軍の４連装バージョンで、Mk1を左右に並べて同一架台に据えている。銃身は水冷式で、不凍液を入れることも可能。旋回俯仰は電動油圧式、俯仰角はマイナス15度からプラス90度。重量11.3トン。初速毎秒850m、最大射程4950m。発射速度１門あたり毎分120-160発。操作要員は砲員長、旋回手、射手兼俯仰角手１名、装填手４名、給弾手４名。1942年4月に最初の砲が完成し、6月22日に練習戦艦BB-32ワイオミングに搭載されたのを皮切りに、各種艦艇に配備された。また、海上自衛隊のあさかぜ型（貸与）やはるかぜ型（MAP供与）に搭載された。参考：艦船メカニズム図鑑、海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船2,’87、7,'23、丸スペシャルNo.75

　＜Ｍｋ３＞：アメリカ海軍の単装バージョン。銃身は空冷式で、発射速度毎分120-160発、砲口初速毎秒880m、最大射程10249m。俯仰角はマイナス15度からプラス90度。海上自衛隊も採用し、魚雷艇各型、はやとも型掃海母艦、おおすみ型揚陸艦、うじしま型掃海艇に搭載した。参考：艦船メカニズム図鑑、海上自衛隊全艦艇史

　＜五式四〇粍高射機関砲＞：ボ式四〇粍高射機関砲ともいう。太平洋戦争時にシンガポールで鹵獲したものをベースとし、砲身長を長くしたもので、1945年5月に２門が完成したが、６門を生産したところで終戦となった。参考：月刊世界の艦船2,’87

　＜コンパクト４０＞：コンパクト40を参照。

　＜ファスト４０＞：ファスト40を参照。

　＜ブレダ／ボフォース３５０Ｐ＞：イタリアのブレダ社が70口径砲に改良を加えたもので、装弾数を144発にしてある。イタリア、西ドイツ、スペインなど30ヵ国以上で採用された。参考：月刊世界の艦船2,’87

　＜ボフォース６０口径４０ｍｍ機関砲（イギリス）＞：まず陸軍がポンポン砲Mk8の発注を取り消して採用を決め、1937年4月に牽引型100門と弾薬50万発を購入、ライセンス生産権も獲得した。その後イギリス海軍も装備を開始、小型艦には手動操作型を装備し、大型艦にはヘイズメイヤーマウントと呼ばれる３軸安定化装置付遠隔制御連装砲架に282型レーダーと共に搭載した。６連装マウントも開発され、戦艦ヴァンガードや空母91アーク・ロイヤル、94イーグルに搭載されたが、大きすぎて不評であった。参考：月刊世界の艦船2,’87

　＜ボフォース６０口径４０ｍｍ機関砲（ＡＣ−１３０搭載用）＞：第２次大戦中に艦船用として搭載されていたのを外して装備したものである。PGU-9B/B・PGU-9C/B高性能焼夷弾、PGU-9B焼夷榴弾、M81徹甲弾、12秒燃焼式曳光弾を主に使用する。参考：月刊ミリタリーエアクラフト4,’02

＜ボフォース５３口径６インチ連装砲＞：ボフォース社の53口径６インチ（152mm）連装艦砲で、オランダ海軍デ・ロイテル級用として1937年から開発された。マウント重量113トン。旋回角150度、俯仰角マイナス10度からプラス70度。砲弾重量45.8kg、初速毎秒900m、射程26km。発射速度は１門あたり毎分10-15発。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ボフォース４１４０＞：スウェーデン陸軍105mm牽引式榴弾砲。重量３トン。最大射程15.6km、発射速度毎分25発。455門が配備された。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ボフォース社＞：スウェーデンの兵器メーカー。1646年、鉄工所として創設された。1884年、スウェーデン軍から初めて兵器を受注した。1894年、アルフレッド・ノーベルに買収された。2000年、親会社のセルシウスがサーブ社に買収されたのを機に、重火器部門をユナイテッド・ディフェンス社に売却し、ミサイルなど他の兵器部門はサーブ社のサーブ・ボフォース・ダイナミクスが引き継いだ。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ボフォース・ロケット・システム＞：ボフォース社の対潜ロケットシステム。1948年から開発し、1956年に完成した。４連装旋回式ロケットランチャーM/50または６連装ランチャーまたは２連装軽量ランチャーを使用し、甲板下から12回の機力再装填（ランチャーを立てる）が可能。ロケット弾は直径375mm、固体燃料ロケット推進で、Ｅ（エリカErika）、Ｆ（フローラFlora）、Ｍ（ミミMimmi）、Ｎ（ネリNelli）の４種類が用意されている。Ｅの諸元は重量107kg、射程0.655-1.635km。Ｆの諸元は重量230kg、弾頭重量80kg、射程1.4-2.23km。Ｍの諸元は発射重量100kg、射程0.37-0.875km。Ｎの諸元は発射重量80kg、射程1.58-3.625km。投射距離はランチャー仰角で調整し、近接信管またはソナーからの自動調定による時限信管により炸裂する。浅海域では短魚雷より有効なので、21世紀に入っても装備している国もある。参考：月刊世界の艦船9,'20、1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、艦船メカニズム図鑑、月刊丸3,’90、1,’10別冊

＜ボフォース・ロケット・システム海外シリーズ＞

　＜７１式ボフォース対潜ロケット弾発射機＞：71式ボフォース対潜ロケット弾発射機を参照。

＜ボブキャット＞：UC-78シリーズ（輸送機）またはAT-8（練習機）またはAT-17シリーズ（練習機）を参照。

＜ホプキンス＞：アメリカ海軍掃海駆逐艦。1945年5月4日、沖縄付近で菊水５号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ホプキンソン効果＞：固体に爆薬が密着して爆轟すると、爆轟波はまず固体物質内を圧縮波として伝播し、境界面に達すると膨張波として反射される。この反射膨張波により物質は引き延ばされ、耐えきれない場合境界面側が剥離する。これがホプキンソン効果で、装甲板に対して作用すると装甲板内面が剥離して内部に飛散し、弾薬・燃料を誘爆させ、搭乗員を殺傷する。ただし二重装甲では装甲内部に空間を持つため、無効である。参考：火薬のはなし

＜匍匐前進＞：敵砲火の下での移動や敵陣への接近などに用いる移動法で、這って移動することにより、正面暴露面積を最小にして被弾を防ぐ。遮蔽物がある時は高姿勢（ハイ・クロール）で顔を上げながら匍匐し、遮蔽物が無い時は低姿勢（ロー・クロール）で顔も地面に付けたまま移動する。ただし眼前の敵を見失うと撃ち殺されるので、どんなに銃砲爆撃が激しくなっても絶対に敵から目を離してはならない。スピードが要求される時は片膝をついて移動する方法もとられる。曳火射撃を喰らった場合には、かえって被弾面積が増えるので、うずくまるようにしゃがむ方が良い。参考：コンバット・バイブル、朝雲、月刊軍事研究3,’17

　＜匍匐前進（陸上自衛隊）＞：上半身を起こし左膝をついて進む第１匍匐、膝を立てない第２匍匐、上半身も伏せる第３匍匐、顔だけ上げて両手で銃を捧げるように持ち（銃口は左手側）前進する第４匍匐、顔も上げず右手は銃のスリングを持って進む第５匍匐がある。参考：MAMOR vol.116

＜匍匐飛行＞：NOE飛行を参照。

＜ホフ車＞：九五式一三屯牽引車シリーズを参照。

＜ボブ・センプル戦車＞：ニュージーランド軍の試作戦車”Bob Semple” Tank。生産を進めた国防大臣の名前からこう呼ばれ、他にも”Mobile Pillbox” tank（動くトーチカ戦車／動く機関銃座）という別名がある。インターナショナル・ハーヴェスター社製装軌式農業トラクターに波形装甲板で製作した装甲車体（銃眼付き）と銃塔を装着したもので、重量20-25ロングトン、最大速度８マイル（12.9km）。1940-41年に４両が製作されたが、トップヘビーが酷い、足回りがトラクターそのままなのでサスペンションの復元力が足りないといった欠点があり、それ以上は作られなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜ホブソン＞：DD-464（駆逐艦）を参照。

＜ボブノーズ＞：EC-135N（アポロ計画支援機）を参照。

＜ボブ・ホープ＞：T-AKR-300（輸送艦）を参照。

＜ボブ・ホープ級＞：アメリカ海軍大型中速車両輸送艦（LMSR）、Bob Hope級。貨物搭載スペースは38万平方フィート（35340平方メートル、車両甲板29528平方メートル＋貨物甲板6524平方メートル。フットボール場８面分）で、戦車100両を含む1000両の車両計13260トンを搭載できる。ランプを両舷と艦尾（長さ41m、幅7.3m、耐荷重160トン）に計３基、吊り上げ能力55トンのツインクレーンを艦首に２組タンデムに装備し、ヘリコプター甲板も持つ。全長289.63m、幅32.27m、吃水10.74m、満載排水量62069-63062トン。主機はディーゼル４基２軸65160馬力、速力24ノット、航続距離は24ノットで12000海里。乗員は民間人26-45人、海軍要員50名。T-AKR-300ボブ・ホープ、T-AKR-301フィッシャー、T-AKR-302シエイ、T-AKR-303メンドンカ、T-AKR-304ピリラウ、T-AKR-305ブリティン、T-AKR-306ビナヴィデツの７隻が1998-2003年に就役した。参考：月刊世界の艦船2,’13、4,’15、3,’00、4,’04増刊、1,’10、月刊軍事研究5,’03

＜ポフヨンマー級＞：フィンランド海軍機雷敷設艦で、練習艦を兼ねる。満載排水量1100トンで、就役時フィンランド軍最大の軍艦だった。兵装は120mm砲１門、機雷120個。ポフヨンマーが就役した。1996-98年の改装で満載排水量が1450トンとなり、ハメンマー級を抜いて再びフィンランド最大の軍艦となった。参考：月刊軍事研究9,’06、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ホプライト＞：Mi-2シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ポプラ事件＞：1976年8月、北朝鮮の許可を得て監視の邪魔になったDMZのポプラの木を伐採していた米韓軍兵士を、北朝鮮軍兵士が鎌や斧で襲撃した事件。アメリカ兵２名が死亡、韓国兵11名が重軽傷を負い、国連軍はデフコン�Uを発令して準戦時態勢をとった。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ポプラト＞：ポーランド陸軍自走対空ミサイルPoprad。４×４輪装甲車の後部荷台にグロム携SAM４連装発射機を装着している。目標捜索用などとして電子光学センサー、暗視カメラ、レーザー測距器、IFF、GPSを装備する。SAMは赤外線誘導式で、最大射程5500m、射高3500m。乗員２名。2018年に14両、2019年に22両、2020年に22両、2021年に19両の計79両を導入し、１個機甲旅団、２個機械化旅団、３個独立防空連隊に配備する予定。参考：月刊軍事研究5,’16

＜歩兵＞：軽歩兵、機械化歩兵、空中機動歩兵などがある。面の確保ができる唯一の部隊で、散開して塹壕に籠もってしまえば戦車や航空機でも容易には排除できず、1000トン単位の砲爆撃を喰らっても生き残り反撃してくる。よって、地形が変わるまで攻撃準備射撃を加えたとしても、立ち上がって敵陣に突撃していくのは無謀なので注意。第１次大戦開戦時にはライフル銃、シャベル、銃剣の取り扱いを覚えている程度で事足りた。第２次大戦ではライフル銃、シャベル、銃剣、軽機関銃、手榴弾、軽迫撃砲、対戦車ライフルなどの操作を覚えることが必要で、戦時中にサブマシンガンや機関銃、対戦車砲に対戦車ロケットなど、扱う兵器が倍増した。様々な兵器が誕生した現在でも、敵を食い止める最終手段は歩兵であり、あるアメリカ軍将校は「軍には原爆、戦車、航空機といった装備があるが、やはりライフル銃と銃剣で武装した歩兵を持たねばならない。彼等は敵を蛸壺から追い出し、平和条約に調印させるであろう」と述べている。参考：拳銃・小銃・機関銃、歴史群像6,’01、朝雲

　＜機械化歩兵＞：装甲兵員輸送車や歩兵戦闘車に搭乗して主力戦車隊と共に行動し、敵歩兵の対戦車火器を制圧して戦車隊の安全を確保する任務を負った歩兵のこと。第２次大戦前から大戦中のドイツでは、装甲てき弾兵と呼ばれた。基本原則は射撃（車両固有のものと下車戦闘用のもの）、警戒（部隊の正面・側面・後方警戒や煙幕による遮蔽）、移動（機動力）、通信連絡（車両間、車両・下車歩兵間、下車歩兵間）、持久（継戦能力。弾薬携行量、居住性、整備性など）で、乗車戦闘と下車戦闘の両方をこなす必要がある。第２次大戦頃はトラックに乗っていたりしたが、不整地で戦車について行けず、装甲が無いと損害も甚大なため、戦後は歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車で移動するようになった。冷戦終結後は戦車戦の機会が減り、主力戦車の援護の下に自らが主役として非正規戦に投入されるようになった。参考：コンバット・バイブル２、歴史群像6,’01、MAMOR vol.110

　＜空中機動歩兵＞：空中機動作戦を行う歩兵部隊のことで、航空機（固定翼機及びヘリコプター）により迅速に移動し、落下傘降下やヘリボーンで敵地に到着、敵陣を制圧する。参考：コンバット・バイブル２

　＜軽歩兵＞：いわゆる歩兵。近世あたりまで歩兵は密集隊形を組んでマスケット銃の一斉射撃を行っていた（戦列歩兵）が、銃（特に重機関銃）の発達で無謀になったため、小部隊で散開して遮蔽物に隠れつつ戦う軽歩兵が主流となった。主任務は徒歩戦闘だが、移動は装甲車やヘリを使用することもある。山岳地形など、戦車が入っていけない場所ではほぼ独壇場である。第２次大戦頃は装備の重量がだいたい30kgくらいだったが、21世紀に入ると暗視装置、ラップトップコンピュータ、モバイル機器、予備バッテリーなどが追加されて60kgにも達し、重歩兵と呼んだ方が正確な状況になっていて、パワードスーツや荷役用UGVの開発が進められている。軍の機甲化が進むにつれ、機械化歩兵との境界が薄れている。参考：コンバット・バイブル２、兵器最先端５、月刊丸7,’09別冊、月刊軍事研究5,’15、1,’16、2,’17、軍医サンよもやま物語

＜歩兵（日本陸軍）＞：兵科色は緋色。数十キロの荷物を背負って歩くので、身長が縮んで体幹に筋肉が付き体重が増え、ダルマに手足が付いたような特有の体型になるらしい。戦闘時、指揮官は第一線に近く位置し、変転する戦況に即応した適切な戦闘指揮を行い、軍隊の志気を鼓舞する。指揮官は師団長の命令により通常緊要な方面での歩兵と必要な他部隊を指揮し、関係部隊と協同して該方面の戦闘遂行に任じる。状況により師団長の命を受け第一線歩兵の全部を指揮する場合もある。参考：工兵入門、軍医サンよもやま物語、作戦要務令

＜歩兵機動車＞：IMV（Infantry Mobility Vehicle）と略す。装輪式重装甲兵員輸送車のことで、地雷やIEDに耐えられる重装甲を持ち、兵装は機銃程度で、１個歩兵分隊10名前後を搭載でき、主にパトロールなどに使用される。参考：月刊軍事研究7,’16

＜歩兵師団（アメリカ陸軍）＞

＜歩兵師団（アメリカ陸軍、ロード師団）＞：師団司令部、旅団司令部３個、歩兵大隊８個、機甲歩兵大隊、機甲大隊、砲兵連隊、防空大隊、空中騎兵（軽歩兵）大隊、ヘリ大隊、支援コマンド、通信大隊、工兵大隊、化学防護中隊、憲兵中隊、電子戦中隊からなる。兵員18000名。戦車54両、装甲車84両、指揮車12両、装甲偵察車36両、攻撃ヘリ30機、観測ヘリ60機、多用途ヘリ65機などを保有する。参考：兵器最前線５

＜歩兵師団（アメリカ陸軍、１９８９年）＞：旅団司令部３個、歩兵大隊８個、機械化歩兵大隊１個、戦車大隊１個、砲兵大隊３個、防空大隊１個、航空旅団１個などからなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜歩兵師団（イラク、湾岸戦争時）＞：司令部付中隊１個、歩兵旅団２個、機械化旅団１個、機械化大隊２個、機甲偵察中隊１個、砲兵連隊１個（砲兵大隊３個、重迫撃砲大隊１個、対戦車大隊１個、対空大隊１個から編制）、特殊部隊中隊６個、工兵大隊１個、施設中隊１個、通信大隊１個、化学防護中隊１個、輸送中隊１個、戦闘訓練隊１個、憲兵中隊１個からなる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜歩兵師団（ドイツ、黄作戦時）＞：師団司令部、歩兵連隊３個、野砲兵連隊、偵察大隊（自動車化）、対戦車砲大隊（自動車化）、工兵大隊、通信大隊、補給隊などからなる。兵員17000名で、野砲36門、重砲12門、馬匹1133頭、自動車942台を装備する。参考：歴史群像8,’08

＜歩兵師団（フランス、黄作戦時）＞：師団司令部、歩兵連隊３個、重砲兵連隊、野砲兵連隊、偵察大隊、工兵大隊、有線通信中隊、無線通信中隊、輸送中隊２個からなる。兵員16541名で、野砲36門、重砲24門、馬匹4867頭、自動車546台を装備する。参考：歴史群像8,’08

＜歩兵小隊＞：トップは小隊長で、階級は少尉。サポートに古参の軍曹や曹長が就く。隷下に本部と3-4個歩兵分隊を置き、分隊の装備に加えて軽迫撃砲や対戦車火器が配属される。戦法は分隊とほぼ同じ。参考：歴史群像8,’02

＜歩兵戦車＞：イギリスの戦車分類の１つ。味方歩兵と歩調を合わせて進撃し、歩兵の障害となる機関銃座を潰すことを目的に使用される。元はプラン1919の重戦車で、1936年にパーシー・ホバート第１戦車旅団長（後の第79機甲師団長）が概念を固めてこの名称に変更した。敵対戦車砲の徹甲弾を弾き返せるよう装甲を厚く作ってあり、重いので速度は遅かったが、歩兵と同時進撃すれば良いのであまり問題にはされなかった。1936年、マチルダ�Tを採用。1938年、マチルダ�Uを量産。1940年、バレンタイン歩兵戦車を採用（代わりにA20は開発中止）。第２次世界大戦で戦車の役割がほぼ対戦車機動戦闘に特化されたため必要性が無くなり、1943年後半から開発したA38ヴァリアントと1944年から開発したA43ブラックプリンスは開発中止になり、戦後にこの分類は消滅した。参考：月刊JWings5,’03、月刊軍事研究3,’12、月刊グランドパワー11,’12、歴史群像4,’16

＜歩兵戦車Ｍｋ．�T＞：マチルダ�Tを参照。

＜歩兵戦車Ｍｋ．�U＞：マチルダ�TMk.�Uを参照。

＜歩兵戦車Ｍｋ．�V＞：バレンタイン・シリーズを参照。

＜歩兵戦車Ｍｋ．�W＞：チャーチル・シリーズを参照。

＜歩兵戦闘車＞：IFV（Infantry Fighting Vehicle）またはAIFV（Armoured Infantry Fighting Vehicle）と略す。NBC状況下で装甲兵員輸送車同士が遭遇した際、歩兵が下車して戦闘する事態を極力避ける必要があり、相手を撃破できる装備が必要とのことで20mm以上の大口径機関砲を載せ、相応の装甲を附与したものである。歩兵が乗ったまま銃を撃てるよう、ガンポートを設けたりもする。こうして20mm機関砲を装備した西ドイツのHS-30やフランスのAMX-VCI M-56が1950年代半ばに誕生した。機関砲を載せるとなると大型の動力砲塔が必要で、どうせ大きくなるなら相手の装甲兵員輸送車は戦車と行動を共にしている筈なのでそちらにも対抗できるよう対戦車ミサイルも搭載し（BMP-1がこのタイプ）、ついでに砲安定化装置と夜間暗視装置も取り付け、とやっているうちに歩兵の搭乗スペースが足りなくなり、１両に乗る１個分隊の人数を10-12名から6-8名と３分の２から半分に減らすという本末転倒ぶりに発展した。更に歩兵降車のために停止すると被弾の恐れが高いということから、ソ連では時速15kmで走りながら降車する訓練まで行われていた。また、兵装とFCSが充実した代わりに値段が高くなり、歩兵部隊を全て歩兵戦闘車で機械化するのは無理で、第一線部隊以外は装甲兵員輸送車を使っている。戦車より多くの兵士が乗っている割に装甲が薄く、市街戦などでは民兵の対戦車ロケットに狙われて多大な損害を出したため、弱点のガンポートを廃止し、爆発性反応装甲などで重防御を施すことが多くなった。道路網の発達と運用予算削減の圧力で、装輪式歩兵戦闘車も増えている。参考：兵器最先端５、コンバット・バイブル２、月刊軍事研究3,’97、7,’16、月刊PANZER7,’11

　＜歩兵戦闘車（ＣＦＥ条約）＞：CFE条約での定義は、「主として戦闘歩兵分隊の輸送用に設計されかつ装備された装甲戦闘車両で、通常は、兵員は車両内部から装甲に保護されて火器を発射することができ、口径20mm以上の砲を一体として又は固有に装備し、時として対戦車ミサイル・ランチャーを装備するもの。地上軍の装甲歩兵部隊、機械化歩兵部隊又は自動車化歩兵部隊の主要兵器システムとして使用される」。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜歩兵操典（日本陸軍）＞：明治24年にドイツ陸軍の1888年版歩兵操典を日本語訳して初めて制定された。歩兵戦闘は部隊の散開に始まり、射撃を主な戦闘手段として火力で決戦を行うと定めている。参考：月刊軍事研究1,’16

＜歩兵分隊＞：歩兵の最小部隊単位。概ね10名前後だが、携行火力の発達で10名を割るようになってきた。ただ少なすぎると戦死者や負傷者が出た際に支障を来すので、バランスをとるのが難しい。主な武器は小銃（短機関銃、突撃銃含む）で、人数が少ないことによる火力不足を補うため、軽機関銃や多目的機関銃、分隊機関銃が加わる。擲弾筒やてき弾発射機、対戦車ロケットが加わることもある。第１次大戦後期までは中隊以上のレベルでの横隊突撃が一般的だったため、小銃以外の兵器はあまり用いられなかったが、陣地戦で鉄条網に開けた穴から突入できる人数が限られたことや、塹壕内での近接白兵戦を中隊レベルで指揮するのが困難なことから、次第に運用単位が細かくなっていき、第１次大戦末期に小隊から分隊レベルの部隊を独立戦闘単位とした浸透戦術が行われるようになり、人数減少に伴って火力強化のため軽機関銃を皮切りに様々な連射兵器が配備されることとなった。隊形は射撃用の横隊と移動用の傘型（縦隊）で、移動の際には目標を自らの火力や砲兵の突撃支援射撃で制圧しながら次の遮蔽物・射点まで一気に移動（躍進）し、これを繰り返して目標手前50m以下に設定された突撃発起線に到達したら突撃支援射撃を終了すると同時に突撃に移る。敵兵は砲撃終了後10秒もすれば立ち直るので、それまでに敵陣に突入する。突撃の際には手榴弾を投げ込み、最終的には銃剣戦闘で敵陣を占領する。冷戦終結後は非正規戦において敵の細かい動きに対応するため、１個分隊を3-4名の班に細分して運用するようになった。参考：歴史群像8,’02、月刊PANZER7,’10、月刊軍事研究1,’16

＜歩兵分隊（イラク陸軍、湾岸戦争時）＞：分隊長、小銃手８名、機関銃手、機関銃弾薬手、対戦車てき弾発射手の12名から構成される。携行火器はAK47で、機関銃手は更に7.62mm機関銃RPKを、対戦車てき弾発射手はRPG-7を携行する。参照：月刊グランドパワー4,’95

＜歩兵分隊（ソ連陸軍、１９６０年代以降）＞：７名で構成される。装備火器は突撃銃４丁、PKMまたはRPK分隊支援火器１丁、SVD狙撃銃１丁、RPG-7対戦車ロケット１門。参考：月刊軍事研究11,’07

＜歩兵分隊車両＞：ISVを参照。

＜歩兵砲＞：曲射・平射両方ができ、塹壕内の機関銃陣地を破壊するために使用される榴弾砲。後方の砲兵が突撃支援射撃を終了した後、歩兵が敵陣地に突撃するまでの隙間を埋めるための直協用火力として開発され、主に中近距離の直接照準射撃を行うことが多かった。第１次大戦中の1916年にフランス陸軍が歩兵大隊に37mm歩兵砲を２門ずつ配備したのが始まりである。イギリスやアメリカでは迫撃砲がこれを兼ね、ドイツでは野砲兵連隊の１個中隊を歩兵連隊に随伴させた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、戦場写真で見る日本軍実戦兵器、歴史群像10,’10

　＜歩兵砲（日本陸軍）＞：不意に近距離に出現した重火器や、砲兵による火力制圧が困難な地区にある近距離目標を迅速に制圧破壊するのが主任務で、その特色を活かして砲兵と使い分け、歩兵の支援にあたる。参考：作戦要務令

＜歩兵砲中隊（１９４４年、ドイツ陸軍Ｓｐｅｒｒ師団）＞：leIG18装備の歩兵砲中隊で、本部と小隊３個からなる。装備はleIG18が12門、拳銃13丁、小銃150丁、短機関銃27丁、軽機関銃４丁。要員は将校３名、下士官33名、兵155名で、移動・輸送のため、乗馬５頭、軽輓馬42頭、中輓馬２頭、歩兵用１頭引きカートJf8が３両、縦２頭立て２輪歩兵用カート２両、２頭立て馬車20台、２頭立て野戦キッチンHf11またはHf13が１台、軽人員輸送車１両、自転車９台が配備されていた。参考：月刊グランドパワー8,’98

＜歩兵旅団（イラク、湾岸戦争時）＞：３個歩兵大隊、１個迫撃砲中隊、１個コマンドー中隊、１個補給・輸送中隊、１個化学防護小隊からなる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜歩兵旅団（イラク大統領親衛隊、湾岸戦争時）＞：３個歩兵大隊、１個砲兵大隊（155mm榴弾砲18門）、１個迫撃砲中隊（120mm迫撃砲６門）、１個コマンドー中隊、１個工兵小隊、１個補給・輸送中隊、１個化学防護小隊からなる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜歩兵旅団戦闘団＞：アメリカ陸軍モジュラー師団を構成する旅団戦闘団で、IBCT（Infantry Brigade Combat Team）と略す。歩兵下車戦闘、空挺作戦、ヘリボーン作戦が主任務で、レンジャー部隊や山岳部隊も含まれるが、全て編成は同一である。軽量旅団なので即応性は高いが、本格的な戦闘に対応する重装備は無く、継戦能力にも欠ける。旅団本部／本部大隊、歩兵大隊またはレンジャー大隊２個、騎兵大隊（偵察監視大隊）１個、砲兵大隊１個（105mm牽引砲16両）、後方支援大隊１個からなる。兵力3300名。2014年、旅団戦闘団の数を減らす代わりに１個あたりの戦力を強化することとし、歩兵大隊を３個、兵力を4413名に増やした。参考：月刊軍事研究8,’13、9,’13、7,’16、月刊PANZER10,’12

　＜歩兵旅団戦闘団（２００９年）＞：トップは旅団長で、兵力2700名。隷下に旅団本部付大隊、歩兵大隊（徒歩編成。60mm迫撃砲、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲、ジャベリン対戦車ミサイル、TOW）またはレンジャー大隊（歩兵大隊からTOW装備の火器中隊と60mm迫撃砲装備の中隊迫撃砲班を抜いた編成）２個、偵察大隊（LRAS3、120mm迫撃砲、ジャベリン対戦車ミサイル）、野砲大隊（牽引式105mm榴弾砲M119A2、AN/TPQ-36対砲レーダー、AN/TPQ-48対迫レーダー）、旅団支援大隊（装輪車両59両を装備し１個小銃中隊を輸送できる前方支援中隊と、装輪車両88両を装備し２個小銃中隊を輸送できる配分中隊からなる）を置く。参考：月刊軍事研究9,’13

　＜歩兵旅団戦闘団（２０１６年）＞：兵力4413名（士官356名、准士官44名、下士官・兵4013名）。司令部、歩兵大隊３個、騎兵大隊、砲兵大隊、旅団工兵大隊、旅団支援大隊からなる。装甲化HMMWV100両（うちBGM-71E TOW2B搭載36両、重機関銃・自動擲弾発射機搭載64両）、120mm迫撃砲M120を14門（16門？）、105mm牽引式榴弾砲M119を12門、155mm牽引式榴弾砲M777を６門、RQ-7無人機を４機装備する。HMMWV含め各種車両961両を配備するが、ほぼ全て物資や貨物などの輸送用であり、移動は徒歩に限定される。現役14個と州兵20個が編成されている。参考：月刊軍事研究7,’16、11,’16

＜歩兵旅団戦闘団騎兵大隊（２０１６年）＞：本部／本部付中隊、騎兵中隊（自動車化）２個、騎兵中隊（徒歩）１個からなる。M1152A1装甲HMMWV13両、M997野外救急車10両、M1165A1装甲HMMWV18両、M1167A1対戦車HMMWV12両、M1151A1武装化装甲HMMWV28両など車両93両を装備する。参考：月刊軍事研究11,’16

＜歩兵旅団戦闘団砲兵大隊（２０１６年）＞：本部／本部付中隊、射撃中隊（155mm榴弾砲M777装備）１個、射撃中隊（105mm榴弾砲M119）２個、目標捕捉中隊１個からなる。M1152A1装甲HMMWV54両、M997野外救急車３両、M1165A1装甲HMMWV26両など車両119両を装備する。参考：月刊軍事研究11,’16

＜歩兵旅団戦闘団歩兵大隊（２０１６年）＞：本部／本部付中隊、小銃中隊３個、兵器中隊１個からなる。M1152A1装甲HMMWV12両、M997野外救急車10両、M1165A1装甲HMMWV37両、M1167A1対戦車HMMWV８両、M1151A1武装化装甲HMMWV８両など車両86両を装備する。参考：月刊軍事研究11,’16

＜歩兵旅団戦闘団歩兵大隊小銃中隊（２０１６年）＞：兵力131名（士官５名、下士官・兵126名）。中隊本部、小銃小隊３個、迫撃砲班からなる。中隊本部は兵力８名。M1165A1中隊長車＋1/4トン高機動トレーラー、M1083中型トラック（自衛用にM2機銃を装備。M240B機関銃２丁、M26ショットガン18丁、レイブン無人機２機を輸送）＋水タンクトレーラーを有し、M4小銃８丁を装備する。小銃小隊は兵力39名で、小隊本部、小銃分隊（分隊長、アルファチーム、ブラボーチーム）３個、兵器分隊（分隊長、機関銃チーム２個、ジャベリンチーム２個）１個からなり、戦闘時には火力支援チームの前進観測員２名と医務兵が各小隊に配属される。ジャベリン対戦車ミサイル６基、カール・グスタフM3無反動砲１門、M224軽迫撃砲２門、M2重機関銃１丁、M4小銃105丁、M320A1てき弾発射機20基、M240B機関銃２丁、M240L機関銃６丁、M249軽機関銃18丁、M9拳銃９丁、RQ-11レイブン無人機１セット、SUGV小型無人車３セットを装備する。迫撃砲班は兵力６名。M224系迫撃砲２門、M4小銃４丁を装備する。参考：月刊軍事研究12,’16

＜歩兵旅団戦闘団旅団工兵大隊（２０１６年）＞：本部／本部付中隊、工兵中隊２個、通信中隊、軍事情報中隊からなり、軍事情報中隊に無人機小隊が編成されている。M1152A1装甲HMMWV49両、M997野外救急車２両、M1165A1装甲HMMWV42両、M1151A1武装化装甲HMMWV10両など車両164両を装備する。参考：月刊軍事研究11,’16

＜歩兵旅団戦闘団旅団支援大隊（２０１６年）＞：本部／本部付中隊、配分中隊、野外整備中隊、医務中隊からなる。戦闘時には歩兵旅団戦闘団隷下の各大隊に前方支援中隊を１個ずつ配属させる。M1152A1装甲HMMWV45両、M997野外救急車16両、M1165A1装甲HMMWV35両、中型トラック80両、M1120LHS重機動トラック57両、重機動タンカー14両、重機動レッカー２両など車両289両を装備する。参考：月刊軍事研究11,’16

＜歩兵連隊（日本陸軍）＞：三八式歩兵銃／九九式小銃2124丁、九二式重機関銃など機関銃24丁、擲弾筒76門、大隊砲６門、連隊砲４門、軍馬927頭を装備する。参考：日本の防衛戦力Part1

＜ホボーズ・ファニーズ＞：第79機甲師団（イギリス）を参照。

＜ボマー・ギャップ＞：ソ連が1954年5月1日の航空ショーでTu-16とM-4、1955年の航空ショーでTu-95を編隊飛行させたことに伴い、アメリカの爆撃機戦力がソ連を遙かに下回っているのではという疑念から生じた論争。実際には開発途中だったり、量産体制には無かったりしたが、アメリカではB-47の大量配備により対抗した。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ボマーク・シリーズ＞：アメリカ空軍長射程防空ミサイルBOMARC（ボーイング社＋ミシガン大学航空工学センター、BOeing＋Michigan Aeronautical Research Center）。当初は無人要撃機扱いであり、1948年に地対空ミサイルを陸軍が管轄するようになった後も空軍所属のまま残された。コンドル計画とGAPAで開発されたXSAM-A-1がベースで、1949年からXM-1599の名称でボーイング社が開発し、1951年にF-99（試作時はXF-99）と改称され、1955年にIM（Intercept Missile）-69と改称されたが番号が紛らわしいからとIM-99になり、1958年に実用化され、1960年12月から実戦配備されて北米防衛に使用された。警報発令から２分以内に発射可能態勢を取り、核弾頭で敵爆撃機編隊を一網打尽にするのが主任務である。当初は52カ所の発射基地に120発ずつを配備する予定だったが、1959年に16カ所に56発ずつを配備することになり、最終的にはボマークＡが５カ所とボマークＢが８カ所（うちカナダ２カ所）となった。1963年6月にCIM-10に改称された。１972年までに全て退役した。参考：月刊JWings4,’12、アメリカの核兵器、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊軍事研究8,’11

　＜ＸＩＭ−９９＞：飛行テスト機で、41機が生産された。参考：月刊JWings4,’12

　＜ＹＩＭ−９９＞：誘導システム試験機で、38機が生産された。F-94BとB-57Bの機首にボマークのレーダーとレドームを取り付けた実験機も１機ずつ製作されている。参考：月刊JWings4,’12

　＜ＹＩＭ−９９Ａ＞：量産仕様の実験機。７機が生産されて1957年10月から試射が行われた。参考：月刊JWings4,’12

　＜ボマークＡ＞：CIM-10A。固定翼機型のミサイルで、主翼、垂直尾翼、水平尾翼は全てクリップドデルタ翼形状をしている。胴体下面左右にラムジェットエンジンをポッド状に搭載しており、胴体後部のロケットブースターで成層圏まで一気に上昇してラムジェットに点火、超音速巡航で目標に向かう。全長14.25m、胴体直径0.89m、翼スパン5.54m、発射重量7.26トン。W40核弾頭または1000ポンド通常弾頭を搭載する。推進はエアロジェット・ジェネラル社製LR59-AJ-13液体燃料ロケット（硝酸とヒドララジン。推力15.876トン）とマークォードRJ-MA-3ラムジェットエンジン（推力5.216トン）２基で、巡航速度マッハ2.8、巡航高度20000m、射程400km。誘導は中間がコマンドリンク式で、SAGEシステムによる誘導が可能。目標まで十数kmに接近すると機首のDPN-34レーダーによるアクティブレーダーホーミングに切り換える。初号機は1957年12月30日に完成し、1959年9月に実戦配備され、５カ所の発射基地が作られた。1964年12月に退役した。参考：月刊JWings4,’12、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊軍事研究8,’11

　＜ボマークＢ＞：CIM-10Bスーパー・ボマークともいう。ロケットブースターを固体燃料推進に変更し、ロケットがコンパクトになったスペースを燃料タンクに充て、ラムジェットエンジンも換装して射程を740kmに延伸したタイプである。全長13.7m、発射重量7.25トン。推進はサイオコールM51固体燃料ロケット（推力2.268トン）とマークォードRJ43-MA-7ラムジェット（推力5.443トン）２基で、巡航速度マッハ３、巡航高度30500m、射程710km（740km？）。弾頭は核のみ。1961年6月からアメリカ６ヵ所、カナダ２ヵ所に配備された。1972年4月に退役した。参考：月刊JWings4,’12、アメリカの核兵器、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ボマーク・ファミリー＞

　＜ＣＱＭ−１０Ａ＞：退役したCIM-10Aを超音速標的機に改造したもの。参考：月刊JWings4,’12

　＜ＣＱＭ−１０Ｂ＞：退役したCIM-10Bを超音速標的機に改造したもの。参考：月刊JWings4,’12

＜ボマーク基地＞：地上にコンクリート製シェルター（棺桶と通称された）が並んでおり、シェルターは発射室と機器室に分かれている。発射室内には水平位置で収容された発射台にボマーク１発が搭載されていて、発射指令が出されると発射台が垂直に立ち上がり、２分かけて液体燃料を注入した後、射出される。１個発射部隊は28基（４×７で配列）のシェルターを有する。参考：月刊JWings4,’12

＜ボマーク爆発事故＞：1960年6月7日（7月6日？）、ニュージャージー州マクガイア基地に配備されていたボマークの推進剤加圧用高圧ヘリウムタンクが爆発し、推進剤に延焼してボマークが炎上した。核弾頭の炸薬は誤爆を免れたが、核物質が露出してしまい、消火剤と一緒に流れ出すなどして周囲を汚染した。除染が行われたものの、1980年に再調査したところ、７エーカーの土地が汚染されたままになっていた。参考：月刊軍事研究8,’11、アメリカの核兵器、月刊JWings4,’12

＜ボマー・ジャック＞：第２次大戦時、爆撃隊員が爆撃機乗員用フライトジャケットに付けたニックネーム。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜誉シリーズ＞：日本海軍の航空機用ガソリンエンジン。栄エンジンのシリンダーを18気筒に増やして複列化し、吸気圧、圧縮比、回転数も高めることで、外径を30mmしか増加させずに2000馬力を発揮できるようにしたものである。中島飛行機製作所が昭和14年末から社内名称BA11として設計を開始、昭和15年9月15日に日本海軍が開発を承認、十五試ル号NK9の名称が付いた。陸軍にも採用され、昭和18年に200基、昭和19年に5400基、昭和20年に3150基が生産されている。開発段階ではアメリカから輸入する100オクタンのハイオクガソリンを使用する予定で設計されていたが、太平洋戦争開戦で88-90オクタンしか使えなくなり、ノッキングによる不具合の原因となった。また、限界までコンパクトにしたため整備性が悪く、吸入系統の鋳造不良や潤滑油の質の低下なども問題で、稼働率低下に悩まされた。参考：月刊丸3,'18別冊、10,’93、1,'17別冊

　＜ＮＫ９＞：試作型。クランクケースは特殊鋼を使用している。冷却フィンはR-3350同様の埋め込み式鋳造アルミフィンを採用、厚さ1mmのフィンを3mm間隔でシリンダーに埋め込んだ。直径を抑えるためにケルメット軸受けを限界まで細くしたが、飛行試験中に焼付事故を起こしたため、クランクピンと軸受けを改良、昭和17年9月18日に制式採用された。参考：月刊丸10,’93、月刊航空情報8,’12

　＜誉一一型＞：初期にはNK9と同じ冷却フィンを使用していたが、量産技術が無く、製造に手間もかかりすぎたため、すぐ通常のブルーノ式フィンに変更せざるを得なくなった。これによりフィン厚2.5mm・間隔5mmへの変更を余儀無くされ、冷却が不十分になり、性能が低下して故障も頻発した。空冷星型複列18気筒ガソリンエンジンで、全長1.785m、直径1.18m、重量830kg。ボア130mm、ストローク150mm、圧縮比７。減速比0.5。離昇出力1800馬力（回転数2900rpm、ブースト圧400mmHg）、公称出力1650馬力（回転数2900rpm、ブースト圧250mmHg、高度2000m）。参考：月刊丸3,'18別冊、10,’93 、月刊航空情報8,’12

　＜誉一二型＞：水メタノール噴射装置を誉二一型と共通化したもの。離昇出力1820-1825馬力、二速公称出力1440馬力（高度5700m）／1495馬力（高度6550m）。流星改に搭載された。参考：月刊丸4,’13、3,'18別冊

　＜誉二一型＞：離昇出力を2000馬力に増加させた出力増大型。ただ混合気の分配率がシリンダーごとにばらつくという問題が解決できず、実際には1800馬力程度に制限されている。全長1.785m、直径1.18m、重量830kg。ボア130mm、ストローク150mm、圧縮比７。減速比0.5。離昇出力2000馬力（回転数3000回転、ブースト圧500mmHg）、公称出力1860馬力（回転数3000rpm、ブースト圧350mmHg、高度1800m）、参考：歴史群像6,’14、月刊丸3,'18別冊、4,’13

　＜誉二二型＞：強制空冷ファンを追加してカウリング開口部直径を小さくできるようにし、減速比を0.42として大直径プロペラを装着可能としたもの。離昇出力2000馬力、二速公称1620馬力（高度5400m）。参考：歴史群像6,’14、月刊丸3,'18別冊

　＜誉二三型＞：低圧燃料噴射装置を搭載したもの。参考：月刊丸4,’13

　＜誉四二型＞：離昇出力2200馬力、二速公称1600馬力（高度10000m）。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜ハ４５＞：陸軍採用型で、制式名称は四式一九五〇馬力発動機。二列星形18気筒空冷ガソリンエンジンで、外径1180mm、乾燥重量835kg。シリンダー内径130mm、行程150mm、容積35800cc、圧縮比7.0。離昇出力2000馬力（3000回転）、公称出力1860馬力（１速、3000回転、高度1750m）、1620馬力（２速、3000回転、高度6100m）。二速メカニカル・スーパーチャージャー付き。こちらも稼働率低下に悩まされたが、独立飛行47中隊（後に飛行第47戦隊）では吸気系の修理及び入念な整備により稼働率100%を達成しており、パフォーマンス価140の燃料を使用した戦後のアメリカ軍のテストでは抜群の性能を発揮、エンジン設計が優れていることを実証した。参考：月刊丸10,’93、月刊航空ファン11,’92

＜ボムキャット＞：F-14D（戦闘機）を参照。

＜ボム・スーツ＞：アレン社が開発した爆発物処理班用防爆スーツ。ノメックス／ケブラー製の冷却装置付スーツ、小型無線機内蔵ヘルメットなどからなり、連続５時間の作業が可能。ヘルメットは毎秒680mで飛散する破片に、スーツ正面で毎秒1667m、両腕で毎秒563mに耐えられる。参考：月刊軍事研究4,’99

＜ボムラック＞：ラックを参照。

＜ポメラニアン作戦＞：第２次大戦時、第１白ロシア方面軍・第１ウクライナ方面軍のベルリン作戦を補助するため、第２ウクライナ方面軍が行ったポメラニアン地域の掃討作戦。1945年4月20日、ドイツ第３装甲軍シュテッテン防御集団に対して攻撃を開始、オーデル河下流を渡河して第１防御線を突破した。また、ドイツ第３装甲軍のベルリンへの増援を阻止した。4月26-27日、第２防御線を突破。5月6日まで残余部隊を追撃し、イギリス第２軍の先遣部隊と接触して作戦を終了した。参考：激闘　東部戦線(2)

＜ポメロイ＞：T-AKR-316（輸送艦）を参照。

＜ポモドン＞：SS-486（潜水艦）を参照。

＜ポモルニク級＞：ズブル級（LCAC）を参照。

＜ポモン級＞：イギリス海軍駆逐艦で、元はフランス海軍の所属だった。全長80.5m、幅7.3m、吃水2.8m、基準排水量610トン。主機は蒸気タービンで、出力22000馬力、速力34ノット。兵装は10cm単装砲２門、37mm単装砲２門、55cm連装魚雷発射管１基。ブランレバス、H20ボークリア、H25ラ・コルデリエール、H63ラ・フローレ、H47リンコンプリーゼ、H56ラ・メルポメーネの６隻が1935-37年に進水した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ホヤ車＞：偵察用小型乗用車を参照。

＜ホラ＞：海上自衛隊の略号で、砲雷長のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ボラーギ＞：イランの装甲兵員車両で、BMP-1を中国で改良したものを更にイランで国産化したものらしい。50mm砲を装備すると発表されたが、公表された写真では12.7mm機銃しか装備していない。参考：月刊PANZER12,’97

＜ボラード＞：ロープ（係留索）を巻き止める円筒状の器具で、２個１組になっている。参考：月刊JWings2,’00

＜ポラード事件＞：1985年11月に、ジョナサン・Ｊ・ポラードがイスラエルのスパイとしてアメリカで逮捕された事件。1981年にポラードはスパイとなり、1984年から1985年に逮捕されるまで、イスラエルが核攻撃の目標としている油田や、ソ連南部のソ連軍配備状況など1000件以上を機密漏洩したとされる。参考：月刊軍事研究5,’02

＜ホライズン級＞：ヨーロッパ共同開発ミサイル駆逐艦Horizon級。NFR90計画が破綻した後、イギリス、フランス、イタリアの３カ国で1993年から開発されたPAAMS対空ミサイルシステム搭載フリゲートCNGF（Common New Generation Frigate）の計画名で、途中から駆逐艦とも呼ばれるようになり、結局どっちでもいいらしい。1999年にイギリスが抜けたので２カ国で開発を継続、フォルバン級とアンドレア・ドリア級として完成した。ただ２隻ずつしか建造できなかったので、引き続き低価格のFREMMの開発に移っている。参考：月刊世界の艦船12,’19、6,’05、4,’12、10,’17、月刊軍事研究1,’07、7,’05、2,’07、JShips Vol.20

＜ホライズン級（フランス）＞：フォルバン（Forbin）級ともいう。フランス海軍での艦種名は防空フリゲート（Frégates de Défense Aérienne）。船型はステルス性を考慮した中央船楼型で、船体水線下にはフィン・スタビライザーを持ち、バウソナードームの後方にはバウスラスターを装備している。航海艦橋上面に前部タワーマスト、中央船楼中央右寄りに細めの中央タワーマスト、その左に第１煙突、中央船楼やや後方左寄りに太い後部タワーマスト、その右に第２煙突を持つ。中央船楼後部はヘリ格納庫、後甲板はヘリ甲板である。主機はシフト配置で、煙突は２本とも外舷側に傾けてステルス性に配慮した。前部マストトップのレドームは直径5mで、吃水線から高さ35mにある。戦闘管理システムはフランスのSENIT8をベースとしており、空中目標1000個を同時探知できるという。システム作動用に４基、待機用に４基、訓練・シミュレータ用に２基の計10基の戦術コンピュータが搭載されており、コンソール24台と連結されている。データリンクにはリンク16を使用し、他艦や地上基地、航空機などと緊密な連携が可能である。防空システムはPAAMS(E)と呼ばれるもので、EMPAR（前部マストトップ球形レドーム）、S-1850M（後部マストトップ矩形アンテナ）、ヴァンピーアMB電子光学センサー（中央マスト頂部）及びヴィジー20電子光学センサー、VLS、アスター対空ミサイルを統合している。主砲管制レーダーは前部マスト前面上部のNA-30S（NA25XP？）、対水上・航海レーダーは前部マスト付け根前面と後部マスト中部後面のSNP-753レーダー（Ｘバンド）計２基。RTN25Xレーダー光学方位盤を艦橋上に１基装備する。ヘリコプター発着艦管制用レーダーとして、SPN-720レーダー（Ｘバンド）を装備。バウソナーはUMS4110CL。前部マスト前面中段にシラキューズ衛星通信アンテナを収めたアンテナドームを持つ。全長152.9m、幅20.3m、吃水8m、満載排水量7163トン。主機はCODOG方式、AVIO・GE社製LM2500ガスタービン（33600kW・31515馬力）２基・SEMTピールスティック社製12PA6STCディーゼル（5350kW・5850馬力）２基、出力63030馬力、５翅可変ピッチプロペラ２軸推進、巡航速力18ノット、最大速力31ノット。航続距離7000海里（18ノット）／3500海里（ガスタービン１基のみ運転25ノット）。兵装は、アスター15/30用８セル垂直発射機A50シルヴェール６基（上構直前甲板室。ミサイル発射間隔0.5秒）、ミストラル艦対空ミサイル６連装発射機サドラル２基（ヘリ格納庫上。CIWSとして使用）、エグゾセMM40ブロック３艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、ステルス砲塔型76mm単装砲スーパーラピッド２門（艦橋直前甲板室上両舷に１門ずつ）、324mm短魚雷単装発射管（固定式）B515が２門（連装２基？MU-90短魚雷）、Giat社製90口径20mm機関砲ナーワル20Bが２門（即用弾320発）。自己防御装置はNGDSデコイ・システム（マスト横両舷に１基ずつ。SEACLADを収容する予定）とコントラルトＶ魚雷防御装置。NH-90TTHヘリコプター１機を搭載できる。乗員195名。４隻を建造予定だったが２隻に減らされ、2010-11年にD620フォルバン、D621シュバリエ・ポールが就役した。減った分はFREMM対空型で補う。参考：月刊世界の艦船11,'21、3,’16、10,’17、6,’05、5,’12、1,'15増刊、7,'20、8,'21、12,'21、月刊軍事研究1,’07、7,’05、2,’07、1,’09、JShips Vol.20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホライズン級（イタリア）＞：イタリア海軍ミサイル駆逐艦、別名アンドレア・ドリア（Andrea Doria）級。ヴィジー20は搭載しておらず、艦載戦闘システムをSADOC3に、主砲用射撃指揮装置をNA-25X２基に換装し、SPS-791電波音波併用レーダー（Ｓバンド）を１基追加してある。全長152.9m、幅20.3m、吃水8m、満載排水量6741トン。主機はCODOG方式、AVIO・GE社製LM2500ガスタービン（33600kW）２基・SEMTピールスティック社製12PA6STCディーゼル（5350kW）２基、出力55750馬力、推進は５翅可変ピッチプロペラ２軸、巡航速力18ノット、最大速力29ノット、航続距離は18ノットで7000海里、25ノット（ガスタービン１基のみ使用）で3500海里。兵装はアスター15/30用８セル垂直発射機A50シルヴェール６基（計48セル。ミサイル発射間隔0.5秒）、テセオMk2A対艦ミサイル４連装発射筒２基、62口径76mm単装砲スーパーラピッド３門（艦橋直前甲板室上両舷に１門ずつ、ヘリ格納庫上に１門）、エリコン80口径25mm単装機関砲KBA（旋回角315度、俯仰角マイナス15度からプラス50度。即用弾252発、発射速度毎分600発、有効射程2000m）２門、324mm単装短魚雷発射管（固定式）B515が２門（MU-90短魚雷）。砲管制装置はNA25で、RTN25Xレーダー光学方位盤を船体前後に１基ずつ装備する。自己防御装置はSCLAR-H（マスト横両舷に１基ずつ）、ネッツーノ4100ECM。EH-101またはNH90哨戒ヘリコプター１機を搭載する。乗員200名。D553アンドレア・ドリア、D554カイオ・デュイリオの２隻が就役した。D553アンドレア・ドリアは2018年、D554カイオ・デュイリオは2017年にスーパーラピッド砲にストラレス砲弾誘導システムを搭載し、DART／ダビデ誘導弾を使用してCIWSを兼用できるようにしている。参考：月刊世界の艦船12,’19、12,'21、8,’13、3,’14、6,’05、7,'20、10,'20、6,'22、月刊軍事研究1,’07、7,’05、2,’07、JShips Vol.20

＜ホライズン級ＭＬＵ＞：MLUはMid-Life Upgradeの略。PAAMSを改修し、EMPARをクロノス・グランド・ナヴァルに、SMART-LをSMART-L MMに換装、アスター艦対空ミサイルブロック1NTを運用可能とする。参考：月刊世界の艦船11,’23

＜ボライド＞：サーブ・ボフォース・ダイナミックス社が開発した地対空ミサイルで、RBS-70の改良型。レーザー誘導式で、小型軽量。再プログラミング可能なファイバー・ジャイロを備え、最大速度マッハ２、有効射程250m-8000m、有効高度5000m。近接信管で炸裂し、厚さ20mmの装甲を貫徹するという。2002年から生産予定。参考：月刊PANZER9,’01

＜ホラ級＞：オサ級ミサイル艇（中国海軍）を参照。

＜ボラク＞：イラン陸軍歩兵戦闘車Boragh。BMP-1/-2の車体をベースに開発され、1997年から量産された。兵員は車体後部の両側に沿ったベンチシートに内側を向いて座り、後部の２枚の両開き扉もしくは車体上部のドアから外に出る。時速7kmで水上航行可能。本体の装甲は小銃弾に対する程度だが、30mmAP弾に抗堪できる追加装甲も装着可能。射撃ポート、発煙装置、NBC防護システムなどを標準装備する。戦闘重量13トン。エンジンは空冷で330馬力、最大速度75km、航続距離625km。乗車歩兵10名。オープントップ１名用砲塔に12.7mm機銃を装備したAPC型、２名用砲塔に30mm機関砲、12.7mm同軸機銃、9M111対戦車ミサイルを搭載したIFV型（BMP-2に似ている）がある。参考：月刊軍事研究8,’03、月刊PANZER9,’02、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボラク・ファミリー＞

＜救難車＞：

＜弾薬輸送車＞：122mm自走砲ラード１支援用の弾薬輸送車。車体後部を嵩上げして弾薬を搭載している。参考：月刊軍事研究8,’03、月刊PANZER9,’02

＜迫撃砲搭載車＞：機関室隔壁から後ろに背の高い戦闘室を設け、内部に120mm迫撃砲と操作要員を配置。車体上面の左右開きドアを開けて発射する。旋回は左右15度ずつ、俯仰角はマイナス43度からプラス86度で、射程500-9000m。参考：月刊PANZER9,’02

＜ポラック＞：SS-180（潜水艦）またはSSN-603（スレッシャー級攻撃原潜）を参照。

＜ポラックス＞：T-AKR-290（輸送艦）を参照。

＜ポラナ＞：AKA-35（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ボラム＞：APD-84（高速輸送艦）またはDE-790（護衛駆逐艦）を参照。

＜ホラムシャハル＞：イラン軍が開発している中距離弾道ミサイル。北朝鮮から技術支援を受けたとしており、北朝鮮から入手したBM-25の射程をイスラエルに届く程度に減らしてペイロードを拡大したものらしく、BM-25のペイロード部分を一回り太くしたような外見をしている。複数弾頭の搭載が可能。推進は液体燃料ロケット、射程2000km。TELに搭載される。2017年1月29日に発射テストを行ったが、966-1010km先で再突入体が空中分解して失敗したらしい。

＜ホラムシャハルの戦闘＞：イラン・イラク戦争中の1982年5月、港湾都市ホラムシャハルに対してイラン軍が人海戦術をかけた。イラク軍は３個師団で防御していたが、ろくに戦いもせず逃げ出し、捕虜12000名（ほぼ１個師団）を出して壊滅した。イラク軍の士気の低さを表す戦闘である。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ポラメ＞：KF-21（戦闘機）を参照。

＜ポラリス＞：CC-150（政府専用機）を参照。

＜ポラリス・シリーズ＞：アメリカ海軍潜水艦発射弾道ミサイル、UGM-27Polaris。ジュピターＳ計画を引き継いでロッキード社が1956年12月から開発した。ポラリス搭載潜水艦はポラリスA1用ジョージ・ワシントン級５隻、A2用イーサン・アレン級５隻＋ラファイエット級７隻（1-4番艦、7-9番艦）、A3用ラファイエット級２隻（5-6番艦）＋ジェームズ・マディソン級10隻＋ベンジャミン・フランクリン級12隻の計41隻が建造され、「自由のための41隻（41 for Freedom）というニックネームが付けられており、１隻あたり16基ずつ、計656基が配備された。参考：月刊軍事研究12,’16、5,’01、2,’10、アメリカの核兵器、アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船11,’17

　＜ポラリスＡ１＞：UGM-27A。当初は射程1500海里を予定していたが、1957年5月のソ連ICBM完成を受けて射程を300海里短くし開発期間も短縮、1958年9月には地上発射試験を開始し、翌年4月に地上試射が成功、1960年7月20日にSSBN-598ジョージ・ワシントンに搭載して発射試験が行われて2000km飛翔し、11月15日に配備された。ロケットは固体燃料にして液体燃料よりも安全性を高め、発射準備時間も短縮している。弾頭部先端はスパイク状である。発射する際には潜望鏡深度まで浮上する必要があり、ミサイルは圧縮空気で押し出され、海上に出るとロケットが点火する。同時期のソ連SLBMは全長が長くセイルに2-3発しか積めなかったが、こちらは船体内に16発搭載可能で、一気に数的優勢を獲得できた。全長8.69m（8.8m？）、直径1.37m、発射重量13.06トン（12.9トン？）。弾頭はMk1再突入体とW47Y1核弾頭（600キロトン）１基。推進は固体燃料ロケット２段式、射程1200海里（2200km。1000海里・1852km？）。誘導は慣性誘導方式、CEP1800m。射撃指揮装置はMk80。モスクワに命中させるには北海からスカンジナビア沖、地中海の沿岸付近まで進出しなければならず、スコットランドとスペイン西岸に潜水艦基地を新設した。参考：月刊軍事研究2,’10、7,’05、12,’16、月刊世界の艦船4,'20、3,’05、9,’12増刊、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、アメリカ潜水艦史

　＜ポラリスＡ２＞：UGM-27B。ポラリスA1の第１段ロケットを延長し、第２段のケーシングを鋼板からFRPに変更している。ミサイル全長は9.45mになったが、SSBN-598の発射筒はこのサイズで作られていたので、特に改造せず収容できた。全長9.45m、直径1.37m、発射重量14.74トン（13.6トン？）。弾頭はW47Y2核弾頭（800キロトン）１基。射程は当初予定していた1500海里（2780km）に延びており、イギリス周辺や地中海のほぼ全域からモスクワに届く。CEP1200m。射撃指揮装置はMk80またはMk84。1961年に完成し、1962年から作戦哨戒に投入された。参考：月刊軍事研究2,’10、12,’16、月刊世界の艦船8,’82増刊、3,’05、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、アメリカ潜水艦史

　＜ポラリスＡ３＞：UGM-27C。MRV採用型で、弾頭部先端がスパイクではなくフェアリングとなっており、内部にW58核弾頭３発を収容する。第１段ロケットもFRPになり、２段目推進剤を変更、ノズルに二次流体を注入して推力偏向を行うようにした。全長は延びたが、それまでの発射システムを共用できる。全長9.86m、直径1.37m、発射重量16.19トン（15.9トン？）。弾頭はMk2MRVとW58核弾頭（200キロトン）３発。推進は固体燃料ロケット２段式で、１段目はアエロジェット製ロケット（推進剤PU/AP、推力36トン）、２段目はハーキュリーズ製ロケット（推進剤Nc/Ng/AP）、最大射程2500海里・4630km。誘導は慣性誘導方式、CEP900m。射撃指揮装置はMk84。紅海やアラビア海北部からモスクワに届く。1962年8月から試射され、1964年9月にSSBN-626ダニエル・ウェブスターに搭載されて実用化された。ポセイドンC3に後を譲って1981年に退役した。参考：月刊軍事研究2,’10、5,’01、月刊世界の艦船8,’82増刊、3,’05、9,’12増刊、11,’17、ザ・マーチ17号、アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜ポラリス海外シリーズ＞

　＜Ａ−３Ｔ＞：イギリス海軍バージョンで、A-3Pともいう。アメリカに開発資金を提供していたGAM-87の開発失敗を受け、代わりに入手したものである。UGM-27C相当で、弾頭はイギリス製200キロトン水爆のET317MRV（W-58弾頭のコピーらしい）３発。射程2480海里、CEPは900m。1960年代後半に就役したレゾリューション級に搭載された。参考：月刊軍事研究12,’16、5,’01、8,’05、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05、5,’83

　＜Ａ−３ＴＫ＞：A-3Tの改良型。核弾頭を225キロトン２発に換装している。1973年に目標到達能力改善計画チェヴァライン（Chevaline）がスタートし、1982年から弾頭を40キロトン核弾頭６発を収容するMIRVに換装した。ただし全核弾頭の着弾点を70海里以内に収めなければならず、MIRVとしての能力は限定的らしい。レゾリューション級の全ミサイルを改修するのに10億ポンドかかった。トライデントD5に後を譲って1996年に退役した。参考：月刊軍事研究12,’16、5,’01、8,’05、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05、5,’83、11,’17

＜ポラリスＢ３＞：ポセイドンC3（SLBM）を参照。

＜ポラリス級＞：メキシコ海軍哨戒艇Polaris級。満載排水量19トン。参考：月刊世界の艦船12,’14

＜ポラリス・ポイント＞：アプラ港を参照。

＜ポラリス・ミサイル・セールス合意＞：1962年12月、アメリカのケネディ大統領とイギリスのマクミラン首相の間で発表された「核防衛システムに関する声明」の中に謳われた合意で、ナッソー協定ともいう。開発が失敗に終わったGAM-87Aスカイボルトのかわりに、ポラリス・ミサイルをアメリカ海軍に引き渡す費用の5%増しで継続的に提供するというものである。参考：月刊軍事研究5,’01、月刊世界の艦船11,’17

＜ポラリメトリック合成開口レーダー＞：Polarimetric SAR、PolSARと略す。合成開口レーダーの１種で、水平偏波マイクロ波と垂直偏波マイクロ波を交互に送信し、水平偏波と垂直偏波のみの反射波を受信して画像に合成、水平偏波送信・水平偏波受信（HH）、垂直偏波送信・垂直偏波受信（VV）、水平偏波送信・垂直偏波受信（HV）、垂直偏波送信・水平偏波受信（VH）の４種類の偏波組み合わせ複素画像を取得するものである。得られた複素画像を更に解析して目標物の物理的・電気的特性を計測し、様々な分野に利用することが可能。参考：レーダの基礎

＜ホランディア＞：CVE-97（護衛空母）を参照。

＜ホラント＞：P840（哨戒艦）を参照。

＜ホランド＞：SS-1（潜水艦）を参照。

＜ホランド１号＞：イギリス海軍ホランド型潜水艇。1902年竣工。1913年、スクラップとして曳航される途中にプリマス沖エディストン灯台近くで沈没した。1981年4月、沈没位置が判明し、9月には潜水員の捜索で深度60mに沈む艦の姿が確認された。その後浮揚作業が行われ、12月1日にデヴォンポートの乾ドックに入渠。３分割されてゴスポートにあるイギリス海軍潜水艦博物館に運ばれて展示されている。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ホランド第９号艇＞：アメリカ海軍潜水艦で、ジョン・Ｐ・ホランドが開発した。ホランドは1875-92年にホランド第１号艇から第６号艇を設計試作しており、第７号艇／ホランド�X型を1893年のアメリカ海軍省潜水艇に応募して採用されたが、アメリカ海軍が浮上時の主機を内燃機関から蒸気機関に変更したため、実用性が無くなって建造中止になってしまった。そこでホランドが水上航行用主機をガソリン機関としたホランド�Y型を試設計し、ホランド第８号艇として自分で建造、艦尾舵をスクリューの前から後ろに移動させるなどの改良を加えてホランド第９号艇と改称し、1899年に完成させた。テストの結果が優秀だったため、1900年4月11日にアメリカ海軍が15万ドルで買い取って6月25日に艦籍に編入し、SS-1ホランド（Holland）として10月24日に就役した。船体は紡錘形の単殻構造で、内部にメインバラストタンクとトリムタンクを持ち、スクリュー後方に縦舵と横舵を備え、水上でガソリンエンジン・水中で電動モーターにより推進する方式であり、在来型潜水艦としての特徴をほぼ完備して高い実用性を持っていた。ただし潜望鏡は無いので、潜航中は外が見えない。艦首に仰角15度固定でダイナマイト砲を内蔵しており、榴弾を高圧空気で発射できるが、射程が900mくらいで照準も難しく、あまり役に立たなかったようである。全長16.4m、最大幅3.1m、吃水2.6m、水上排水量64トン、水中排水量74トン。主機はガソリン機関直結推進方式、水上がオットー式２気筒２サイクルガソリン機関（45馬力）１基、水中がエレクトロ・ダイナミック式電動モーター（単機出力50馬力、過負荷時130馬力）１基、１軸推進、水上速力６ノット、水中速力5.5ノット、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル（66セル？）１群、航続距離は水上６ノットで200海里、水中5.5ノットで30海里。安全潜航深度23m。兵装は艦首下部の45cm魚雷発射管１門（Mk2魚雷３本）と艦首上部の21.4cmダイナマイト砲（空気砲）１門。乗員７名。海軍士官学校で練習潜水艦として使用され、1905年7月17日に退役した。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、10,’13、アメリカ潜水艦史、Ｕボート入門

＜ホランド型（イギリス海軍）＞：イギリス海軍初の潜水艦、Holland型。1900年にホランド第９号艇の設計図をアメリカから購入し、ヴィッカーズ造船所（オランダのフェニアニズム社？）で建造した。全長19.3m、幅3.6m、水上排水量104トン、水中排水量122トン（ホランド第２号以降150トン）。主機は４気筒ガソリンエンジン１基160馬力（ホランド第２号以降250馬力）で、水中では電池式モーターで推進し、水上速力８ノット、水中速力５ノット。兵装は艦首の36cm魚雷発射管１門。乗員７名（士官２名＋下士官・兵6-7名という説あり）。ホランド第１−第５号の５隻が1902年から竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83、Ｕボート入門

＜ホランド型（オーストリア＝ハンガリー帝国海軍）＞：オーストリア＝ハンガリー帝国海軍Holland型潜水艦。ホワイトヘッド社が建造した。全長32.09m、水上排水量240トン、水中排水量273トン。主機はガソリン機関で、水上出力500馬力、水中出力230馬力、水上速力11.4ノット、水中速力9.7ノット、航続距離は水上800海里、水中60海里。兵装は艦首の45cm魚雷発射管２門（魚雷４本）。1910年にU5とU6が就役した。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜ホランド型（日本海軍）＞：日本海軍が初めて配備した潜水艦で、日露戦争勃発を受けてアメリカのエレクトリック・ボート社製ホランド型潜水艇を輸入したものである。明治37年6月30日に発注され、一旦解体されて日本に運ばれ、11月に資材が引き渡されて横須賀工廠で組み立てを開始、明治38年7月から10月までに５隻が竣工した。耐圧船殻は単殻式。乗員の宿泊施設や充電器などは全く搭載されておらず、母艦の支援が無いと行動できない。潜舵が無いので、潜入の際には予備浮力を調整して2-3度の俯角を取った後、横舵を使って俯角を維持して潜入する。潜望鏡の接眼部が前方固定のため、横を見ると画像が横になり、後ろを見ると逆さになって視察しにくいという欠点があった。全長20.42m、幅3.63m、平均吃水2.79m、公試時吃水3.12m、常備排水量103トン、水中排水量124トン。主機はオットー式ガソリンエンジン（180馬力）１基、開放型電動モーター（70馬力）１基、１軸推進、水上速力8.9ノット、水中速力6.9ノット、ガソリン2850リットル及びクロライド式電池60個を搭載し、航続距離は水上８ノットで264海里、水中6.8ノットで20.25海里。安全潜航深度30.5m。兵装は艦首の45cm魚雷発射管１門（魚雷２本）。乗員16名。第１潜水艇から第５潜水艇の５隻が就役し、大正8年4月1日に潜水艦と改称され、大正10年に全て除籍された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語、月刊世界の艦船10,’13、7,’17

＜ホランド型改（日本海軍）＞：日本海軍潜水艦。潜水艇技師のジョン・ホランドが親交のあった海軍省副官に図面を送り、それを元に川崎造船所が開発したものである。全長23.29m（第７潜は26.49m）、幅2.16m（第７潜は2.46m）、平均吃水2.08m（第７潜は2.26m）、常備排水量58トン（第７潜は79トン）、水中排水量63トン（第７潜は88トン）。主機はスタンダード式ガソリンエンジン（出力300馬力・250軸馬力）１基、開放型モーター（出力22軸馬力）１基で、１軸推進、水上速力８ノット（第７潜は8.5ノット）、水中速力４ノット（第７潜は4.5ノット）、ガソリン1978リットル（第７潜は2444リットル）及びクロライド式電池60個（第７潜は64個）を搭載し、航続距離は水上８ノットで184海里、水中４ノットで12海里。安全潜航深度30.5m。兵装は艦首の45cm魚雷発射管１門（魚雷１本）。乗員16名。明治39年に第６・第７潜水艇（大正8年に潜水艦に改称）の２隻が竣工し、公試を行ったが不具合が続出、明治41年に大改装を行ったが根本的な解決にはならず、港湾警備艇や訓練艇として使用された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

＜ホラント級＞：オランダ海軍対潜駆逐艦Holland級。排水量2000トン級。主機はパーソンズ式１段減速蒸気タービン、主缶はアドミラルティ缶（蒸気圧１平方センチあたり21.1kg、温度327℃）４基、出力45000馬力。1954-55年に４隻が就役した。後にペルー海軍に引き渡され、ガルシア・イ・ガルシア級になった。参考：月刊世界の艦船12,’21、5,’86

＜ホラント級＞：オランダ海軍外洋哨戒艦OPV（Offshore Patrol Vessel）Holland級。カレル・ドールマン級フリゲートの後継で、主任務は低脅威度海域における対テロ作戦、海上警備、臨検、海賊制圧など。船体はステルス性を考慮している。艦首に電動バウスラスターを持つ。マストにI-MAST400と呼ばれるIMMを採用し、シーマスター400広域捜索AESAレーダー（Ｓバンド）とシーウォッチャー100水上捜索用AESAレーダー（Ｘバンド）のアンテナを４面ずつ配置した。他に電子戦アンテナ（対応周波数0.5-18GHz）、統合通信アンテナICAS、ゲートキーパー電子光学センサー、SHF衛星通信アンテナ（頂部）、UHF通信アンテナ（底部）がマストに装着される。CICは航海艦橋後部にある。FCSはCAMSフォースヴィジョンで、主任務の関係から銃砲しか積んでおらず、ソナーは装備しているが短魚雷発射管は無く、対潜戦にはヘリを使う。全長108.4m、幅15.2m（16m？）、吃水4.6m、満載排水量3750-3810トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式（CODOE方式）、ディーゼル２基・ディーゼル発電機３基・電動モーター２基、出力14480馬力、推進は可変ピッチプロペラ２軸、最大速力21.5ノット、航続距離は16ノットで5000海里。兵装はOTOメララ社製62口径76mm単装砲１門（前甲板の甲板室上。ステルス砲塔ではない）、30mm単装機関砲マーリンWS１門、ヒットロールNT２基、M2重機関銃２丁、7.62mm機銃６丁。後甲板にヘリ格納庫とヘリ甲板、艦尾に12m級強襲艇用ドックと発進揚収用スリップウェイを持ち、NH-90ヘリ１機とRHIB２隻を搭載可能。上構右舷後部に10トン級クレーンがあり、ヘリ甲板下には各種任務用モジュール・コンテナ２基または20フィート・コンテナ２基を収容できる。乗員50名。海兵隊／特殊部隊／医療部隊40名、避難民100人を追加で乗せられる。当初は８隻作る予定だったが、４隻に減らされ、予算不足により2011年に２隻のみの就役とすることが決まったが、結局P840ホラント、P841ゼーラント、P842フリースラント、P843フローニンゲンの４隻が2011-13年に就役した。艦尾水線下後方にハル・ベーンと呼ばれるコの字型部材（曳き波や艦の動揺を推進力に転換する）を取り付ける予定。参考：月刊世界の艦船8,’13、5,’16、5,’18、3,’14、4,’10、10,’11、4,’12、9,'22、月刊軍事研究3,’17、1,’14、12,’10、1,’09、8,’09、月刊丸8,’11

＜ホリ＞：試製五式砲戦車を参照。

＜ポリ＞：フィンランド海軍R2000ハミナ級コルベット４番艇Pori。2006年6月19日就役。2022年、延命・能力強化改修を終えた。2023年10月31日、Tp47短魚雷の試射を実施。参考：月刊世界の艦船10,’06、12,'22、1,'24、月刊軍事研究1,’09

＜ポリアンサス＞：K47（コルベット）を参照。

＜ボリー＞：DD-215（フラッシュ・デッキ型駆逐艦）またはDD-704（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）を参照。

＜ボリヴァー＞：APA-34（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ポリヴィスティ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートPoryvisty。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ポリウレタンコーティング＞：自衛隊の機器。エイスインターナショナルトレードが受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ポリカーボネート＞：Polycarbonate resin。透明プラスチックの一種。180℃くらいまでの耐熱性があり、被弾しても割れが拡がらず、アクリル樹脂の代わりに風防素材などとして使用される。表面に細かい傷が付きやすい、溶剤に弱いという欠点があるため、表面に薄いアクリル樹脂を圧着積層してカバーする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ポリカルポフ設計局＞：ソ連の航空機設計局で、別名第51設計局OKB-51。1938年に設立され、航空技師のニコライ・ニコラエピチ・ポリカルポフがトップとなった。1944年7月30日にポリカルポフが胃がんで死去したため、ウラジーミル・チェロメイがトップとなった。第２次大戦後は巡航ミサイルの開発を行っている。1953年2月に廃止され、人員と資材はMiG設計局に、OKB-51の名称と建物はスホーイ設計局に移った。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜ポリゴナル型ライフリング＞：メトフォード・ライフリングの改良型で、銃腔断面が六角形や八角形をしている。エンフィールド型ライフリングに比べてあまりメリットが無いので、廃れつつある。参考：GUN用語事典

＜ホリス＞：APD-86（高速輸送艦）またはDE-794（護衛駆逐艦）を参照。

＜ホリスター＞：DD-788（駆逐艦）を参照。

＜ボリス・チリキン級＞：ソ連海軍1559V型補給艦Boris Chilikin級。ソ連海軍初の本格的な洋上補給艦で、商用タンカーをベースに設計された。全長162.1m、満載排水量23400-23826トン。主機はディーゼルで、速力17ノット。燃料油13000トン、弾薬400トン、糧食400トン、真水500トンを搭載可能。1970-78年にボリス・ブトマ、ウラジミール・コレチツキイ、セルゲイ・オシポフなど６隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、6,’01、5,’83、月刊丸4,’17

＜ボリス・ブトマ＞：ロシア海軍ボリス・チリキン級補給艦４番艦Boris Butoma。1978年就役、太平洋艦隊に配備された。2009年4月16日、上対馬南東45kmを航行するのをDE-231おおよどが発見した。7月2日、ソマリア海賊対処に向かう途中、下対馬南東26kmを航行するのをDE-232せんだいが発見した。2010年7月12日、ミサイル巡洋艦ワリャーグ、救難曳船フォーティ・クリロフと共に尻屋崎の北北東30kmを航行するのをDE-233ちくまが発見した。2012年2月9日0900-1100頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に下対馬南西120kmを北上するのをDD-154あまぎりが発見した。その後対馬海峡を北上している。6月13日、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共にウラジオストクを出港。6月14日1700頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に竜飛崎の西北西350kmの日本海を東に航行するのを第２航空群P-3C哨戒機が発見した。その後津軽海峡を東に進んでいる。6月29日から8月3日までリムパック2012に参加。8月24日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に、尻屋崎の東50kmを航行するのを、DE-231おおよどが発見した。8月28日から9月1日、舞鶴基地に寄港。2013年8月12日、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガバニ、同ステリャーク、同ウスト・イリムスク、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、ソーニャ型掃海艇BT-256、同艇番号553、フィニク型測量艦GS-397と共に、宗谷岬の西南西250kmを北東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。2014年1月21日1400頃、ミサイル巡洋艦ワリャーグと共に、下対馬南西350kmを北に航行しているのを、第１航空群P-3Cが発見した。1月25日、ウラジオストクに帰投した。10月25日1300頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に、上対馬北東220kmを南西に航行するのを第４航空群P-3Cが発見した。その後対馬海峡を南下して太平洋に抜けている。12月11日2300頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に、下対馬南西110kmを北東に航行するのを、第１航空群P-3Cが発見した。2015年11月2日、インド海軍との共同演習インドラネイビー2015に参加するためウラジオストクを出港。11月4日1030頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、イングル級救難曳船アラタウと共に、上対馬北東75kmを南西に航行するのを、PG-826おおたかと第１航空群P-3Cが発見した。その後対馬海峡を南下して東シナ海に入っている。11月9-20日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、イングル級救難曳船アラタウと共に、南西諸島周辺を往復航行したり錨泊したりし、一部は日本の接続水域内で行動しているのを、ATS-4202くろべ、ATS-4203てんりゅう、第５航空群P-3Cが発見した。11月20日午前に海域を離れて南下している。12月7-12日、ベンガル湾でインド海軍との共同演習インドラネイビー2015に参加。2016年1月23日0500頃、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、イングル級救難曳船アラタウと共に、下対馬南西100kmを北東に航行するのを、第１航空群P-3CとPG-826おおたかが発見した。その後対馬海峡を北上している。1月26日、ウラジオストクに帰港。6月20日2130頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、グリシャ�X型警備艦コレーツ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイと共に、宗谷岬西北西110-130kmの宗谷海峡を東に航行するのを、PG-825わかたかと第２航空群P-3Cが発見した。10月20日、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、イングル級曳船アラタウと共に上対馬北東100kmを航行するのを第４航空群P-3CとPG-829しらたかが発見した。10月21日、対馬海峡を南下して日本海から東シナ海に入った。2017年1月12日1800頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツと共に下対馬南西200kmを北に航行するのを、PG-829しらたかが発見した。1月20-23日、アドミラル・トリブツと共に舞鶴に寄港。1月22-23日、DDH-181ひゅうが、AMS-4301ひうち、アドミラル・トリブツと共に、舞鶴港内と若狭湾北方海域で海上自衛隊との捜索救難共同訓練に参加。10月3日1400頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・ヴィノグラードフと共に上対馬北東70kmを南西に航行するのを第４航空群P-1とPG-829しらたかが確認した。その後対馬海峡を南下し、東シナ海に向かっている。2018年1月6日0000頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと共に下対馬南西120kmを北東に航行するのを第４航空群P-1とAMS-4303あまくさが発見した。その後対馬海峡を北上して日本海に向かっている。10月1日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと共にウラジオストクを出港。10月4-7日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと共に、函館港に寄港し、湾内に錨泊した。10月9日2200頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと共に、上対馬北東55kmを南西に航行するのを、第４航空群P-1哨戒機とPG-826おおたかが確認した。その後これらは対馬海峡を南下している。その後済州島を訪問し、10月21日に青島基地に入港。10月25日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと共に、中国海軍との合同戦術訓練（編隊航行訓練、通信訓練）を実施。11月6日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと共に、東シナ海で防空訓練と捜索救難訓練を実施。2019年1月16日0800頃、スラヴァ級ミサイル駆逐艦ワリャーグ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと共に、下対馬南西115kmを北東に航行するのを、MSC-685とよしまと第１航空群P-3Cが確認した。その後これらは対馬海峡を北上し、日本海に向かっている。2020年8月5日1100頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフと共に、上対馬北東90kmを南西に航行するのを、第４航空群P-1、PG-824はやぶさ、PG-829しらたかが確認した。その後これらは対馬海峡を南西に進み、東シナ海に向かっている。9月27日1400頃、ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフと共に、下対馬南西160kmを北東に航行するのを、DD-108あけぼのと第１航空群P-1が確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。

2021年12月29日1500頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・トリブツと共に、対馬北北東430kmを南西に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機、第４航空群P-1哨戒機、DD-119あさひ、PG-829しらたかが確認した。その後これらは対馬海峡を南西に進み、東シナ海に向かっている。

2022年11月13日1400頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、イングル級救難曳船１隻、ドゥブナ級補給艦１隻と共に、与那国島南80kmを北東に航行するのを、AOE-422とわだと第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは与那国島と西表島の間を北東に進み、東シナ海に向かっている。

参考：月刊世界の艦船9,’09、3,’10、4,’11、9,’12、4,’13、11,’13、4,’14、1,’15、3,’15、2,’16、4,’16、9,’16、3,’17、4,’17、12,’17、3,’18、12,’18、1,’19、4,’19、12,'20、3,'22、3,'23、月刊JWings4,’17、朝雲

＜ボリソグレブスク＞：K496（原潜）を参照。

＜ボリソグレブスク２＞：ロシア軍の電子戦装置。GPSと携帯電話を妨害できる。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜ホリゾン級＞：ホライゾン級（フリゲート）を参照。

＜ホリゾンタル・シザーズ＞：戦闘機動の１つ。互いにブレイクを繰り返して相手の内側に回り込んでいく戦術で、相手がオーバーシュートしたところで後上方につく。敵に仕掛けられた場合、深追いすると速度と高度を失って追い込まれるので、速度を維持したまま大きく旋回上昇をかけて、相手が反転して前方に飛び出すのを待つ。ただし相手が反転しないとそのまま後ろにつかれるので、この時はハイ・ヨーヨーで速度を落としてオーバーシュートさせる。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ポリツェイ＞：SS第４警察装甲擲弾兵師団を参照。

＜ボリデ＞：スウェーデンのITO05CMAD及びITO5MANPADに使用されている地対空ミサイル。RBS70をベースとしており、誘導はレーザー・ビーム・ライディング方式、最大射程8km、最大射高6km。弾頭は成型炸薬で、ライナーはタングステンを採用、装甲貫徹力は200mm以上ある。撃ちっ放しでなく、暗視装置を使用しての夜間戦闘は可能だが全天候能力に欠けるのが欠点。参考：月刊軍事研究12,’08

＜堀悌吉＞：海軍兵学校32期を首席で卒業。リベラル派で、戦争は悪で海軍はその悪の抑止力、という考えに立っていた。大正2-5年、フランスに駐在。帰国後に海軍大学校を卒業し、軍務局第１課に入り、大正10年にワシントン軍縮会議随員を務めた。連合艦隊参謀、五十鈴艦長、長良艦長などを経て大正末期から国際連盟海軍代表となり、昭和に入って陸奥艦長を務め、昭和3年12月10日に第２艦隊参謀長となり、昭和4年9月6日に軍務局長となった。ロンドン軍縮会議の時は軍務局長で、次官、海軍省首席副官らと共に裏方として軍令部の反対を抑え、ロンドン条約を妥結させたが、昭和9年に予備役送りにされた。これをロンドンで聞いた山本五十六は堀を失ったのと大型巡洋艦１隻とどちらが海軍にとって損失か分かっているのかと臍を噛んだという。その後は日本飛行機社長、浦賀船渠社長を務めて海軍軍備を支えている。昭和34年5月12日、76歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜ポリノム＞：MGK-355（ソナーシステム）を参照。

＜ボリビア海軍＞：Fuerza Naval Boliviana。海は無いが、チチカカ湖で哨戒艇を運用している。軽飛行機も数機配備している。参考：月刊JWings4,’10

　＜ボリビア海軍（１９７７年）＞：兵力1500名。小型哨戒艇16隻、河川輸送艇１隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ボリビア海軍（１９８９年）＞：兵力4000名（海軍歩兵・海兵隊1000名含む。うち徴兵1800名）。海軍管区５個に小艦隊１個ずつを配備し、チチカカ湖や河川を防衛する。リベラルタ、チキナ、プエルト・グアヤラメリン、トリニダド、プエルト・ソアレスに司令部、プエルト・ブスチ、プエルト・ビヤロエルに基地がある。小型河川哨戒艇10隻、リベルタドール・ボリバル級外洋輸送艦１隻（アルゼンチン及びウルグアイの港を使う）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ボリビア海軍（２０１５年）＞：現役兵力4800名。６海軍区に分かれており、プエルト・グアヤラメリンに司令部がある。哨戒艇８隻、小型哨戒艇（排水量10トン以下）30-40隻、兵站支援船27隻を保有する。海兵隊は兵力1700名（うち海軍憲兵1000名）で、機械化歩兵大隊１個、海兵大隊６個、憲兵大隊４個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボリビア空軍＞：Fuerza Aerea Boliviana。1973年、カナダからシルバースターMk.3練習機13機を輸入。1982年に軍事政権から民政へ移行したため、作戦機の大部分が退役。1993年、F-86Fが退役し、T-33A-Nシルバースターが唯一の作戦機になってしまった。アメリカと対立しているので後継機の選定に手間取り、結局中国製のK-8練習機を導入することにした。UH-1Hといったヘリも使用しているが、アメリカとの関係悪化で部品供給が絶たれると使えなくなるので、ロシアからMi-17を５機導入する予定。2014年、AS332Bヘリの導入を開始。2017年7月31日、T-33練習機が退役した。参考：月刊JWings4,’10、3,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ボリビア空軍（１９７７年）＞：兵力4000名。T-33A/N戦闘練習機12機、F-86F戦闘練習機４機、F-51Dマスタング10機、AT-26D対ゲリラ戦機13機、T-28A/D対ゲリラ戦機６機、C-130H輸送機１機、エレクトラ１機、C-54輸送機２機、リアジェット１機、アラバ６機、CV440輸送機４機、C-47輸送機12機、C-45、セスナ402輸送機２機、ターボポーター１機、ターボセンチュリオン２機、セスナ185軽飛行機15機、ヒューズ500Mヘリ12機、OH-23C/Dヘリ３機、セスナ310練習機、T-6練習機10機、T-41D練習機６機、T-23練習機18機、フォッカーS11練習機８機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ボリビア空軍（１９８９年）＞：兵力4000名。AT-33N戦闘機14機、F-86F戦闘機４機、AT-6G対ゲリラ戦機４機、PC-7対ゲリラ戦機12機、ヒューズ500M特殊作戦ヘリ10機、HB-315B救難ヘリ４機、SA-315B救難ヘリ１機、L-188エレクトラ要人輸送機１機、セイバーライナー要員輸送機１機、スーパー・キングエア要人輸送機３機、セスナ402要人輸送機１機、セスナ404要人輸送機１機、セスナ421要人輸送機１機、C-130輸送機２機、C-47輸送機７機、IAI201輸送機４機、F-27-400輸送機６機、リアジェット35A写真観測機２機、セスナ402写真観測機１機、セスナ152連絡機１機、セスナ185連絡機２機、セスナ206連絡機14機、セスナ210連絡機１機、セスナ402連絡機２機、セスナ404連絡機１機、UH-1Hヘリ６機、セスナ152練習機３機、PC-7練習機23機、SF-260CB練習機６機、T-23練習機18機、T-33A練習機12機、T-41D練習機３機、エリコン20mm連装高射砲、トラック搭載高射砲を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ボリビア空軍（２０１５年）＞：現役兵力6500名。AT-33AN攻撃機15機、MD-10-30F輸送機１機、C-130A輸送機１機、C-130B輸送機２機、C-130H輸送機１機、エアロコマンダー690輸送機１機、ビーチ90キングエア輸送機３機、ビーチ200キングエア輸送機２機、ビーチ1900輸送機１機、C-212-100輸送機５機、セスナ152輸送機10機、セスナ172輸送機２機、セスナ206輸送機19機、セスナ402輸送機１機、CV-580輸送機１機、DA40輸送機９機、F-27-400M輸送機３機、IAI-201輸送機４機、リアジェット25B/D輸送機２機、MA60輸送機２機、PA-32輸送機１機、PA-34輸送機３機、セイバーライナー60輸送機１機、B727要人輸送機１機、B737-200要人輸送機３機、BAe146-100要人輸送機５機、ファルコン900EX要人輸送機１機、K-8Wカラコルム練習機６機、T-25練習機６機、PC-7練習機17機、SA316アルエート�Vヘリ１機、AS332Bヘリ２機、H125ヘリ２機、ベル205（UH-1H）ヘリ19機、H145ヘリ２機、R-44レイブン�Uヘリ６機、エリコン20mm高射機関砲、65式37mm高射機関砲18門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボリビア軍＞：2015年4月、航空機で移動する犯罪組織に対抗するため、タレス社製指揮管制システム＋レーダー17基を導入することにした。値段が高すぎて8月に契約を一旦凍結するなど一時混乱したが、11月に最終決定している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ボリビア軍（２０１５年）＞：現役兵力34100名（陸軍22800名、海軍4800名、空軍6500名）、準軍事組織37100名強（国家警察31100名強、麻薬取締警察6000名強）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員３名、コートジボアールにUNOCIオブザーバー３名、コンゴ民主共和国にMONUSCOオブザーバー８名、ハイチにMINUSTAH要員１名、リベリアにUNMILオブザーバー１名、南スーダンにUNMISS要員３名とオブザーバー３名、スーダンにUNAMIDオブザーバー２名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボリビア陸軍＞：2014年末、アルゼンチンとチリの国境を両国と共に警備するため、１個師団を新編した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボリビア陸軍（１９７７年）＞：兵力17000名。騎兵連隊４個、機械化連隊１個、自動車化連隊１個、歩兵連隊13個、レンジャー連隊２個、空挺大隊１個、砲兵連隊３個、工兵大隊６個からなる。コマンドー装甲車10両、M706装甲兵員輸送車10両、M113装甲兵員輸送車18両、モワグ装甲兵員輸送車20両、75mm砲６門、75mm分解式榴弾砲25門、FH18榴弾砲20門、105mm榴弾砲M101を25門配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ボリビア陸軍（１９８９年）＞：兵力20000名（うち徴兵15000名）。軍管区６個、機甲大隊２個、機械化騎兵連隊１個、大統領親衛歩兵連隊１個、師団10個からなる。SK105軽戦車36両、EE-9偵察車24両、M-113装甲兵員輸送車50両、V-100装甲兵員輸送車15両、モワグ社製ローランド装甲兵員輸送車24両、EE-11装甲兵員輸送車24両、75mm砲M-116を６門、75mm砲ボフォースM1935を10門、105mm砲M-101を６門、81mm迫撃砲M-29を200門、107mm迫撃砲M-30、90mm無反動砲、106mm無反動砲M-40A1、セスナ206を４機、キングエアB90を１機、スーパー・キングエア200要人輸送機１機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ボリビア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力22800名（うち徴兵13000名）。地域軍司令部６個、師団司令部10個、特殊作戦連隊３個、自動車化騎兵群１個、機甲大隊１個、機械化騎兵連隊１個、機械化歩兵連隊２個、強襲騎兵群１個、騎兵群５個、自動車化歩兵連隊３個、歩兵連隊21個、大統領警護歩兵連隊１個、空挺連隊２個、航空中隊２個、砲兵連隊６個、防空砲兵連隊１個、工兵大隊６個、情報中隊１個、憲兵大隊１個、通信大隊１個、兵站大隊１個からなる。SK-105A1軽戦車36両、SK-105A2軽戦車18両、EE-9偵察車24両、M113装甲兵員輸送車50両、M9ハーフトラック37両、EE-11装甲兵員輸送車24両、モワグ・ローランド装甲兵員輸送車22両、V-100コマンドー装甲兵員輸送車15両、105mm砲M101A1を25両、122mm砲M-30（M-1938）を36両、81mm迫撃砲M29を250門、81mm迫撃砲W87、107mm迫撃砲M30、120mm迫撃砲M120、HJ-8装備コヤック自走対戦車ミサイル、HJ-8対戦車ミサイル、90mm無反動砲M67、106mm無反動砲M40A1、F-27-200軽輸送機１機、ビーチ90キングエア軽輸送機１機、C-212軽輸送機１機、セスナ210軽輸送機１機、H425汎用ヘリ６機、ロビンソンR55練習ヘリ１機、65式37mm高射機関砲18門、4K-4FA-SB20装甲回収車４両、M578装甲回収車を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポリフェム＞：ドイツ・フランス・イタリアが1991年から開発中の光ファイバー誘導式対艦・対戦車ミサイルPolyphem。1970年代末からドイツで試作された光ファイバー誘導式対戦車ミサイルがベースで、1982-84年に射距離1kmで成功、その後1986-89年にドイツ・フランス共同で射距離7kmで戦車に命中し、1991年にこの名称となり、1994年にイタリアも参加した。1997年に射距離17kmでの発射・誘導実験に成功、現在60km以上でも誘導が可能となっているとされる。水上艦では４連装箱形ランチャーに搭載され、固体燃料ブースターにより秒速180mで射出される。その後ターボジェット・エンジンに点火して秒速120-200m・高度150mを維持し、弾体後部の４枚の大型フィンで姿勢制御しながらGPS/INSと電波高度計で目標を目指す。終末誘導には弾体先端の二軸安定化された3-5ミクロン帯の赤外線画像シーカー（白金シリコン素子によるフォーカル・プレーン・アレイで高い解像度を持つ）を使用し、その画像は後部から繰り出される直径245ミクロン（芯線8.3ミクロン、ガラス・コーティング125ミクロン、外皮二重）光ファイバーを通じて水上艦に伝送され、誘導信号がミサイルに伝えられる。光ファイバーを焼かないように、ブースターやターボジェットの排気口はミサイル側面に付いている。信管には衝撃センサーが内蔵されており、命中時の衝撃加速度から標的材料を識別する知能信管である。全長3m、重量145kg、弾頭重量20kg。陸上では装輪式自走車両の３列２段ランチャーに収容され、仰角20度以上で発射される。潜水艦（533mm魚雷発射管に４発を収容できる）から発射してヘリコプターや対潜哨戒機を攻撃することも考えられており、ドイツではU212級やコルベットへの搭載を決定していたが、こちらは開発中止になり、IDASに引き継がれた。参考：月刊軍事研究5,’08、6,’01、7,’99、7,’97、1,’09、火器弾薬技術ハンドブック

＜ポリプロピレンロープ八つ打ち＞：自衛隊の機器。装備開発機構製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜堀光男＞：日本海軍エース。大正10年、岐阜県生まれ。昭和17年3月、海軍乙種飛行予科練習生として飛行練習生課程を修了し、5月に台南航空隊所属となった。11月、第582航空隊に転属。昭和18年1月7日、被弾負傷して本土に帰還。大村航空隊に転属した後、11月に三亜航空隊教員となった。昭和19年4月15日、南寧攻撃で１機を撃墜。6月、高雄航空隊に転属。昭和20年1月、第343航空隊戦闘301飛行隊に転属、終戦を迎えた。戦後は全日空のパイロットになった。総撃墜数11機。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜ポリメント＞：5P-20K（レーダー）を参照。

＜ポリメント・リドゥート＞：3K96-2（艦対空ミサイルシステム）を参照。

＜ボリューム・サーチ・レーダー＞：Volume search radar。３次元空間を対象とする捜索レーダーのこと。対空レーダーや航空管制レーダーがこれにあたる。基本レーダー方程式を実用的な式に変形して概略性能を簡便に見積もることが可能。レーダー覆域を示す際は垂直面覆域図が頻用される。参考：レーダの基礎

＜ポリュクス＞：フランス海軍敷設艦Pollux。ロシアの砕氷船イリヤ・ムロメッツを1928-29年にロリアン工廠で改装したものである。全長64.2m、幅15.5m、吃水6m、基準排水量2461トン。主機はレシプロ機関、出力4000馬力、速力14ノット。10cm砲４門と37mm機関砲２門、機雷投下軌条を装備した。機雷搭載数は236個。1940年7月、イギリスに接収され、レーダー練習艦として使用された後、1946年に返還された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜捕虜＞：POW（Prisoner Of War）と略す。人間の争いが縄張り争いレベルだった頃は捕虜という考え方自体が無かったと思われるが、社会が発達すると捕らえた敵の一部を奴隷として労働力にしたり、相手方に身代金を要求したり、捕虜交換したりするようになった。20世紀以降はハーグ陸戦法規、ジュネーブ協定、ジュネーブ第三条約に基づいて扱われる筈だが、報復感情に負けたり面倒だったりして死人に口なし状態にすることも多々ある。退却に際して一緒に後退できない重傷者は、赤十字の旗を掲げた野戦病院に置いていく（場合によっては軍医や衛生兵も残る）と、占領した方が国際赤十字の協定に基づいて治療を引き継ぐ。太平洋戦争のシンガポール戦でも日本軍の占領時に連合軍の戦傷者収容所に赤十字の旗が掲げられていて、発見した独立工兵第15連隊の軍医が第25軍の軍医部に報告し、医療資材を届けている。判明した身元は国際赤十字経由で本国に通知される。捕虜を得た場合はファイブＳルールにより速やかに後方に送り、ショックが抜けないうちに尋問を開始するのが基本。敵に捕らえられるまで戦い抜いたとのことで、アメリカでは戦時捕虜章が授与される。参考：歴史群像4,’17、コンバット・バイブル２、軍縮条約・資料集第２版、月刊軍事研究9,’12、軍医サンよもやま物語、軍医戦記

　＜捕虜（自衛隊）＞：自衛官は、武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律に規定する権限を行使することができる（自衛隊法第94条の９）。参考：自衛隊法

　＜捕虜（ジュネーブ条約、１９２９年）＞：捕虜の待遇に関する1929年7月27日のジュネーブ条約が適用される者は、同条約第１条と第81条に規定されている。（１）陸軍の法規慣例に関する1907年10月18日のヘーグ条約附属規則第１条・第２条・第３条に掲げられた全ての者で、敵に捕らえられた者。（２）交戦当事者の軍に属し、海戦または空戦中に敵に捕らえられた全ての者。捕獲状況が本条約の適用を不可能とする場合はその限りでないが、適用の除外が本条約の基本原則を害する場合や、捕らえられた者が捕虜収容所に達した場合は、捕虜として扱う。（３）通信員、新聞の探訪者、酒保商人、用達人など、直接に軍の一部を為さない従軍者で、敵の権内に陥り、敵が抑留するのを有益だと認めた者は、その随伴した軍の軍事官憲の証明書を携帯する場合に限り、捕虜の取扱を受ける権利を有する。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

　＜捕虜（ジュネーブ第３条約、１９４９年）＞：ジュネーブ第３条約の定義は、次の部類に該当する者で、敵権力内に陥ったもの。（１）紛争当事国の軍隊の構成員及びその軍隊の一部をなす民兵隊または義勇隊の構成員 （２）紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員（組織的抵抗運動団体の構成員を含む）でその領域が占領されているかどうかを問わずその内外で行動するもののうち、部下について責任を負う１人の者が指揮し、遠方から認識できる固着特殊標章を有し、公然と武器を携行し、戦争法規・慣例に従い行動するもの （３）正規軍の構成員で、抑留国が承認していない政府または当局に忠誠を誓ったもの （４）実際には軍隊の構成員ではないが軍隊に随伴するもの（従軍記者、文民たる軍用航空機乗組員、労務隊員など）で、随伴する軍隊の認可を受けている場合 （５）紛争当事国の商船及び民間航空機の乗組員で、国際法の他のいかなる規定によってもいっそう有利な待遇の利益を受けられないもの （６）占領されていない領域の住民で、敵の接近にあたり、正規の軍隊を編成する時間が無く、侵入する軍隊に抵抗するために自発的に武器をとるもので、公然と武器を携行し、戦争法規・慣例を尊重する場合 （７）被占領国の軍隊に所属するものまたは当該軍隊に所属していたもので、特に戦闘に従事している所属軍隊に復帰しようとして失敗した場合または抑留の目的でされる召喚に応じなかった場合に当該軍隊への所属を理由として占領国が抑留することを必要と認めるもの （８）1-7のいずれかに該当するもので、中立国または非交戦国が自国の領域内に収容しており、かつその国が国際法に基づいて抑留することを要求された場合。参考：軍縮条約・資料集第２版、日本赤十字社社史稿第６巻

　＜捕虜（日本海軍）＞：自軍に捕虜となる者は存在しないという建前なので、捕虜になったらどうするか、解放されたらどう処遇するかという規定は何も定められていなかった。日華事変では航空機搭乗員が敵地に不時着した場合、中国兵に捕らえられて拷問を受けるので、近くの敵陣地に突入して自爆した方がマシだとされ、士官以上には自決用拳銃も渡されていた。太平洋戦争開戦直前、第11航空艦隊参謀長大西瀧治郎少将は、米英に圧政を受けているフィリピン人やインドネシア人は日本軍による植民地解放を待ち望んでおり拷問を受けるような事は無いから、飛行不能となっても自爆せず生存に努め、上陸してくる友軍に合流して原隊復帰するよう伝達した。しかし開戦直後の昭和16年12月12日にクラーク飛行場爆撃に参加し撃墜された第１航空隊九六式陸攻乗員が捕虜になり、昭和17年1月に陸軍により解放されるという事態が発生。上級部隊の第11航空艦隊では内地で軍法会議にかける、失踪者扱いにする、戦死させるといった案を検討し、結局名誉の戦死または自爆させるという結論となり、最終的に第１航空隊の内地帰還前に単機出撃・自爆を命じている。捕虜となった乗員に対して第１航空隊要員からは恥さらしや面汚しといった声も上がったが、自爆を命じた上層部に反感を持つ者もいた。昭和17年3月、第31航空隊で一旦捕虜になった艦爆乗員が解放され原隊復帰する事態が発生。こちらは上官が事態の処理を急ぐことは無く、引き続き部隊と共に行動し、南太平洋海戦で名誉の戦死となっている。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜捕虜（日本軍）＞：日露戦争の時、敵中突破を敢行して偵察任務を履行、敵に捕らえられた一等兵や、大腿部貫通銃創を負いながら敵の追撃を１人で食い止めて味方主力を後退させ、ロシア軍の捕虜となった満州派遣軍建川挺身隊の一等兵に対し、戦争終結後に金鵄勲章が授与されている。しかしノモンハン事件では終結後に捕虜交換で引き渡された将校に自決が強要された。昭和16年に戦陣訓が出され、太平洋戦争では兵士ばかりでなく非戦闘員まで自決の道を選ぶ（選ばされる）こととなった。重傷者を赤十字の旗と一緒に残していく事も出来ないので、退却に際して自決不可能な重体に陥った戦傷者は軍医が殺害することになる。太平洋戦争時に敵国に於ける日本人捕虜を赤十字国際委員会代表が視察した際の報告は以下の通り。「面接した捕虜全員は、戦後本国に送還されるに際し、痛く憂慮していると表明した。また、ジュネーブに送付された捕虜名簿に記載されている自分の姓名が日本にいる自分の近親者に通報され、その結果家族の名誉を汚すことや、近親が期待し又出征に際し行われた儀式で誓った通り前線で名誉の戦死を遂げていないと判明することを、甚だ憂慮していた。これらの理由から、捕虜の生に対する執着は極めて薄弱で、阻止しなければしばしば自殺の意向があると思われる。日本人捕虜の大部分は、自己の義務を果たしていないと故国の同胞に見做されてしまうことを極度に憂慮しており、捕獲された現在に於いても、戦闘員としての勇気がいささかも衰えていないということを故国の人々に高示したいという強い希望を示した。日本人捕虜は、物質的には厚遇を受けている事実に感謝しているが、生に対する態度はこれと異なり、物質的方面に対する関心は、精神的方面の関心に比べて遙かに軽小である。彼らの心底に深く根ざした天皇及び国家に対する忠誠と義務の観念並びに自己の家族に対する名誉観念などにより、彼ら自身が異端者と見做されることを由々しき問題と考えている。これらの心理的要因が日本人捕虜の捕虜生活を良好にさせることを妨げている。上記のことから、彼らに伝統的な自殺をする傾向が濃厚で、他の者まで誘っている日本人捕虜もおり、中でも下士官などはこの精神的憂悶が殊の外深刻で、この英雄的行為により故国の同胞に対して精神的健在を示そうとする激情にかられつつある。捕虜の精神に至大の影響をもたらしている他の点は、宗教に対する態度である。礼拝信仰等に関しては抑留国側から何ら制限は無く、神社等の建立は自由だが、現在に到るまで何ら積極的挙措は見受けられない。この理由について、日本人捕虜は、敵国に神社を建立するのは不敬であるから、と語っている。同様な理由に基づき、彼らの信仰に基づく宗教的儀式は何ら行われていない。日本国有の食糧、楽器、楽譜、書簡、娯楽品などを日本人捕虜宛に日本側から送付する道があれば、彼らが故国から忘却されていないことを示し、士気を高揚できると考えられる。日本人捕虜の多数は、手工芸特に写生、彫刻、絵画、刺繍などに芸術的才能を持つ。もし資金の調達が可能なら、委員会代表はこれらの目的に必要な物資を概ね地方に於いて調達し、これらの趣味に専心させることで、精神的苦悩を大いに軽減させることができるだろう。故国に対する日本人の強烈な義務観念は、労働に対する態度に大いなる影響をもたらしている。戦闘部隊に属する捕虜は、日本軍の慣例から戦闘以外の労働を戦闘に劣り戦闘部隊以外の随伴部隊に委ねるべきものと考えており、戦闘と何ら関係無い労働を下等なものと考えて態度も否定的である。更に日本人捕虜は、捕虜国側のために行った労働が、直接的には捕獲国にとり軍事的価値が無いといっても、結局は捕獲国の戦力増強に繋がるものと考えている状況である。」日本政府は捕虜の待遇に関する1929年7月27日のジュネーブ条約に調印したが、捕虜を否定する軍部が必要性を認めなかったため批准しておらず、赤十字国際委員会マックス・ヒューバー委員長から昭和15年8月6日に外務大臣、赤十字国際委員会ジャック・シュヌビエール中央委員長から同年8月21日に日本赤十字社社長宛に批准勧告が送付されたものの、日本政府は他国との国情相違を理由として批准を拒否している。昭和16年12月18日にアメリカ政府が日本政府に対してアメリカ軍人が捕虜になった際のジュネーブ条約に基づく扱いを申し入れたが、明確な回答を行っていない。敵の捕虜は憲兵の監視の下で使役に就き、移動の時も憲兵と一緒で、日本軍兵士と同じ列車に乗ることもあり、ある時は捕虜用弁当は用意されていたものの日本兵の方には無く、憲兵が捕虜の方にだけ弁当をしっかり配って日本兵は携帯糧食だけ、ということもあった。昭和18年10月8日、アメリカ軍上陸が近いとみられたウェーク島で、日本海軍第65警備隊が緒戦の攻略戦時から捕虜になっていたアメリカ軍人100名を殺害した。駐日赤十字国際委員会代表部（開戦時首席代表はドクトル・フリック・パラビッチニ氏、昭和18年7月にＭ・ペスタロッチ氏に交代）は、昭和18年5月に台湾、6月に長野、8月に函館と釜石、11月に奉天と朝鮮、12月に善通寺、昭和19年に大阪、台湾、東京、浦和、山北、田園調布、名古屋、神戸、長崎、福島、品川、愛知の捕虜収容所を視察している。報告書の内容は以下の通り。「捕虜は国際条約に基づいて最も公正に取り扱われ、人道上なし得る限りの保護を加え、取り締まりについても軍律の許す範囲において努めて寛容にし、安心して捕虜生活を遅れるような方針が採られている。生活習慣もなるべく尊重する方針で、戦時中のやむを得ない事情や風習の相違による不便から全ての希望を満たすことは出来ていないが、捕虜はこういった状況に無理をしない程度に慣れつつある。捕虜の自由をなるべく尊重しているが、無為放縦は却って害になるため適正な規律生活を要求して取り締まっている。気候や風土の著変による影響に留意し、保健・衛生法を励行させ、診療と看護を懇切に行っている。相互の意思疎通のためと捕虜の希望により、日本語の教授を行い、日本に関する研究を希望する者には便宜を供与している。適正な運動を励行し、音楽、スポーツ、読書、農芸養畜その他研究などは、施設資材の入手、軍律の維持、捕虜の態度などを考慮し、可能な限り許容する一方、賭けトランプなど一般に害毒を及ぼす恐れのある遊技などは断乎として禁止している。毎日曜日は祈祷式その他の宗教儀式に充て、クリスマスには十分とはいえないものの可能な限りの料理を提供して祝意を示し、演芸会も許可している。死者に対する葬儀などはキリスト教式で行い、旧教のためには当地から牧師を招聘している。各班に班長を置いて内務統制・指示伝達などに、物品支給・炊事・酒保・医務室などに捕虜将校以下を置いて業務補助にあたらせ、捕虜の意向を汲んでいる。郷里や家族への通信は取り急ぎ実施するとの方針の下、全て発送済みである。捕虜の起居行動は自律的で節度正しく、定められた規則は進んで守り、職員には礼儀を尽くし、指示命令には従順で、公正な取り扱いに信頼を寄せ、親切な待遇に感謝している。保健状況は入所当初は長途の輸送により憔悴していたが、入所後は逐次良好となりつつある。将校たる捕虜には、国際法で定める所により、日本軍将校の階級に相当する俸給を月末に支給している。被服は捕虜が所持していたものに加え、鹵獲新品を支給し、日本軍用の防寒外套と毛布５枚を貸与している。糧食は３食のうち１食は必ずパン食とし、副食は栄養価を最大限考慮、必要に応じて果物などを加給している。日用品や煙草は毎月定量を支給し、必要に応じて酒保で販売、物品や書籍などは申し出に応じて斡旋購入させている。本所、分所それぞれに軍医将校１名、衛生下士官１名、衛生兵数名を配し、捕虜軍医将校以下衛生員が補助し、疾病の未然防止と早期診断を医療方針として、公衆衛生、予防接種、毎月の健康診断を行い、起床後に受診を申し出させ午前中に診察し、就寝前にも捕虜軍医将校が新患調査を実施、急病者はその都度不時診断を行っている。伝染病は速やかに発見して隔離室に収容し蔓延予防に努めている。患者は程度に応じて３種に区分され、必要に応じ病室に収容して牛乳とリンゴを加給、重病者は陸軍病院に速やかに入院させている。衛生部員の医療看護は常に患者から感謝されており、感謝の意を表するため日本赤十字社に寄付を申し出た士官もいた。相互の意思疎通のため、毎日定時に各係将校・班長一同を集めて会合を行い、指示命令等を伝達すると共に誓願申出などを受理して効果を上げている。労役は強制的には行わず、種類を選択し労役時間を８時間以内にしてちょうど良い運動となるよう仕向け、食糧等を加給している。以上、捕虜取り扱いや待遇は方針の通り行っていると信じられるが、風習や見解の相違、言語の不通による意思疎通の障害があり、捕虜の感度は必ずしも正当でないものがある。」参考：軍事用語の基礎知識、月刊軍事研究9,’08、輸送船入門、新兵サンよもやま物語、軍医サンよもやま物語、日本赤十字社社史稿第５巻、月刊航空ファン11,’19

　＜捕虜（日本陸軍）＞：捕虜を得たら直ちに携帯書類を押収し、必要なら緊要事項を尋問し、その結果及び捕虜を得た地点・日時と共に速やかに上級指揮官に送付する。尋問の際は捕虜１人ずつ別の場所で行い、一致する陳述の多寡によって真否を判定する。主要尋問事項は、所属部隊と任務、位置、編制、装備、新たに支給された資材、最近受領した命令、その部隊に連繋する他の部隊、高級指揮官の氏名と所在、前夜の宿営、戦闘や行軍の状態、特に実施している訓練、給養の適否、士気の振否、団結の良否、行動地域の地形などで、その時の状況に応じた尋問を行うが、時間の余裕が無くても最低限所属部隊と位置は必須である。尋問の際、既に得ている情報を補助に使うと効果的な場合がある。参考：作戦要務令

＜ポリョート＞：ソ連の軌道変換実験衛星で、1963年11月1日に１号、1964年4月に２号が打ち上げられた。当時は軌道変換の技術開発を目的とした衛星と発表されたが、後に衛星破壊用衛星の開発実験だったことが判明している。参考：月刊軍事研究5,’07

＜捕虜収容所＞

＜捕虜収容所（自衛隊）＞：自衛隊の機関で、三自衛隊の機関として臨時に置くことができる。武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律の規定による捕虜等の抑留及び送還と、防衛大臣の定める事務を主任務とする。トップは所長で、三等尉官以上の自衛官を充て、防衛大臣の定めるところにより所務を掌理する。参考：自衛隊法

＜捕虜収容所（ジュネーブ条約、１９２９年７月２７日）＞：捕虜の待遇に関する1929年7月27日のジュネーブ条約での規定は以下の通り。捕虜収容所は責任ある将校の管下に置き、戦闘区域から十分遠くにある危険圏外の地域（都市、城塞、垣を巡らせた管内その他の場所）に設置し、ある地点・地域を砲爆撃させない目的（人間の盾）に利用してはならない。留置した捕虜に一定地域外から出ない義務を負わせることができるが、幽閉や禁足は保安上・衛生上やむを得ない場合に限る。同一収容所内に異人種や異国籍の捕虜を収容するのはなるべく避ける。湿気を避け、必要な保温と照明を行い、火災予防を講じ、衛生保健に可能な限り保障がある建物または仮建物に宿泊させる。寝室総面積、最少気容、寝具の設備・材料は、捕獲国の補充部隊に対するものと同一条件とする。各収容所内に酒保を設け、捕虜が地方的市価を支払えば食料品や日用品を購入できるようにする。酒保により収容所管理部が得た利益は、捕虜のために利用する。交戦者は収容所の清潔と衛生を確保し、伝染病予防に必要な一切の衛生的措置を執る義務を負う。捕虜には生理的法則に適い清潔に保持された設備を日夜提供する。捕虜が身体の清潔を保つために十分な水を供給し、できる限り浴場や灌水浴場を設置する。各収容所には医務室を備えて捕虜が必要とする全ての治療を受けられるようにし、必要に応じて伝染病患者用の隔離室を設ける。補欠用仮装置の費用を含む治療費は捕獲国が負担する。交戦者は要求があれば治療を受けた捕虜に対し、病気の性質、罹病期間、受けた手当を示す公的な証明書を交付しなければならない。交戦者は特別協定により医師及び看護人を収容所内に留め置き、これと同国籍の捕虜を介抱させる権利を相互に有する。重病人や重大な外科手術を必要とする捕虜は、軍用又は民間病院に収容し、捕獲国の費用で治療する。将校収容所の用務を弁ずるため、将校収容所には将校と同一軍に属する兵卒たる捕虜にして、できる限り同国語を話す者を、十分な数派遣する。将校収容所では最高級先任将校たる捕虜が収容所官憲と捕虜との仲介者になる。この際、収容所官憲との交渉で通訳を務める捕虜将校１名を指定できる。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

＜捕虜収容所（ジュネーブ第３条約、１９４９年）＞：ジュネーブ第３条約の規定は以下の通り。衛生上及び保健上の全ての保障を与える地上の建物で、軍事上許される場合にはいつでも、昼間は、空中から明白に識別することが出来るPWまたはPGという文字によって表示しなければならない。関係国はその他の表示方法についても合意できるが、その表示は捕虜収容所にのみ使用する。捕虜は国籍・言語・習慣に応じて２以上の収容所または収容所内の区画に分類収容する。ただし、捕虜が同意しない限り、その者が捕虜となったときに勤務していた軍隊に属する捕虜と分離してはならない。捕虜に対し、収容所から一定の限界を超えて離れない義務や、柵を巡らせた収容所の場合には柵の外に出ない義務を課することができる。抑留国は、利益保護国の仲介により、関係国に対し、捕虜収容所の地理的位置に関する全ての有益な情報を提供しなければならない。捕虜の宿営条件は、同一の地域に宿営する抑留国の軍隊についての宿営条件（特に寝室の総面積・最小限度の空間・一般的設備、寝具、毛布）と同様に良好なもので、捕虜の風俗及び習慣を考慮に入れなければならず、いかなる場合にも捕虜の健康に有害なものであってはならない。捕虜の個人的・集団的使用に供する建物は、完全に湿気を防止し、ならびに十分に保温し、及び特に日没から消灯時までの間は点灯しなければならず、火災の危険に対しては万全の予防措置を執らなければならない。女子の捕虜が男子の捕虜と共に宿泊する収容所では、女子のために分離した寝室を設けなければならない。捕虜に食堂として使用させるため、適当な場所を提供しなければならない。全ての収容所には通常日用品、食糧、石けん、煙草を買うことが出来る酒保の設備をしなければならない。抑留国は、収容所の清潔と衛生の確保ならびに伝染病の防止のため、必要な全ての衛生上の措置を執らなければならない。捕虜に対しては、日夜衛生上の原則に合致する設備で常に清潔な状態に維持されるものをその用に供しなければならない。女子の捕虜が宿営している収容所では、女子のために分離した設備を設けなければならない。また、捕虜に対しては、収容所に設備することを必要とする浴場及びシャワーの他、身体の清潔及び被服の洗濯のため、水と石けんを十分の供給しなければならず、捕虜に対してこれらに必要な設備、便益、時間を与えなければならない。各収容所には、捕虜が必要とする治療と適当な食事を受けることができる適当な病舎を備えなければならない。必要な場合には、伝染病と精神病にかかった患者のために隔離室を設けなければならない。捕虜に対しては、宗教的儀式を行う適当な場所と、身体の運動（運動競技を含む）を行い戸外にいる機会を与えるための十分な空き地を提供しなければならない。各捕虜収容所は、抑留国の正規軍隊に属する責任ある将校の直接の指揮下に置かなければならない。その将校は、本条約の謄本を所持し、収容所職員及び警備員が本条約の規定を確実に知っているようにし、ならびに自国政府の指示の下で本条約の適用について責任を負わなければならない。各収容所には、本条約及びその付属書の本文ならびに第６条に規定する特別協定の内容を、捕虜の用いる言語により、全ての捕虜が読むことが出来る場所に掲示しておかなければならない。将校収容所における役務を確保するため、同一軍隊の兵たる捕虜で可能な限り同一の言語を話す者が、将校たる捕虜及び将校に相当する地位の捕虜の階級を考慮して、十分な人数だけ将校収容所に派遣されなければならず、それらの兵には他のいかなる労働も要求してはならない。将校及び将校相当官の収容所または混合収容所では、捕虜中の先任将校を捕虜代表とする。それ以外の収容所では、６ヶ月ごと及び欠員を生じた都度、捕虜が自由に秘密投票による選挙を行って捕虜代表を決定する。捕虜の労働収容所には、同一の国籍を有する捕虜たる将校を置き、収容所の管理に関する任務で捕虜が責任を負うものを遂行する。参考：日本赤十字社社史稿第６巻

＜捕虜情報局＞：中立国などに設置される中央捕虜情報局を介して各国と捕虜情報を交換し、捕虜に関する問い合わせに回答する機関。ジュネーブ第３条約第５編に規定があり、紛争当事国は紛争開始の際及び占領のあらゆる場合に、設置が義務づけられている。また、紛争当事国の軍隊構成員及びその軍隊の一部をなす民兵又は義勇隊の構成員を領域内に収容した中立国または非交戦国も、設置しなければならない。各捕虜について入手可能な氏名、階級、軍の名称、連隊の名称、個人番号または登録番号、出生地、生年月日、属する国、父の名と母の旧姓、通知を受ける者の住所氏名、捕虜に対する通信を送付すべき宛名を含む情報を、利益保護国及び中央捕虜情報局を介し、関係国に対して最も速やかな方法で直ちに通知する。捕虜の移動、解放、送還、逃走、入院、死亡に関する情報も同様に通知する。重病・重症の捕虜の健康状態に関する情報も、定期的（可能なら毎週）提供する。捕虜に関する情報を求められた場合、全ての問い合わせに答える責任があり、情報が無い時にはそれを入手するため必要な調査を行う。送還・解放・逃走・死亡した捕虜が残した全ての個人的な有価物を集めて関係国に送付する役目もある。業務に必要な郵便料金、輸入税、税関手数料その他の課徴金は免除され、電報料金は免除または少なくとも著しい減額を受ける。参考：日本赤十字社社史稿第６巻、朝雲

＜捕虜条約＞：ジュネーブ第三条約または捕虜の待遇に関する1929年7月27日のジュネーブ条約を参照。

＜捕虜取り扱い法＞：日本が2004年に制定した法律。自衛隊の機関としての捕虜収容所の設置を義務付け、ジュネーブ条約に基づく適切な施設、食事、衣服、医療などの提供を定めている。2006年度から統合幕僚監部で国際人道業務訓練を開始して捕虜取り扱いの座学教育を行っており、2008年度から模擬捕虜収容所を使用しての実動訓練を試行、2013年11月の自衛隊統合実動演習では捕虜取り扱い実動訓練を行った。参考：朝雲

＜捕虜の待遇に関する１９２９年７月２７日のジュネーブ条約＞：別名捕虜条約。当時の日本では捕虜に「俘虜」の字をあてていた。1907年のヘーグ第４条約付属書「陸戦の法規、慣例」に記載されていた、捕虜に関する17カ条をベースに、第１次大戦の戦訓に基づく改定を加えたもので、戦争の惨禍を可能な限り軽減し捕虜の運命を緩和するため、捕虜に対して国家が負う義務と、捕虜の権利を定めており、８篇97条からなる。捕虜は敵国構内に属し、捕らえた個人や部隊には属しない。捕虜は常に博愛の心をもって取り扱い、暴行、侮辱、公衆の好奇心に対して特に保護し、報復手段は禁止する。捕虜は人格と名誉を尊重される権利があり、私権の完全な享有能力を保持し、女性は女性に対する一切の斟酌を以て待遇する。捕虜を捕獲した国は、捕虜を給養する義務を負い、待遇差別は捕虜の軍事的階級、肉体的・精神的健康状態、職業的技能、性別に基づくもの以外は不法とする。捕虜は氏名、階級または登録番号に関しては正直に答えなければならず、嘘をついた場合には同種の捕虜に与えられる利益を制限されることがある。捕虜の所属軍や国の情報を得るため拘束したり、回答を拒絶する捕虜に脅迫・侮辱・不愉快・不利益を加えたりするのは禁止。個人用衣類・物品（武器、馬匹、軍用装具、軍用書類を除く）、金属兜、ガスマスクは捕虜の保有とし、身分証明書、階級徽章、勲章、貴重品は押収してはならない。捕虜が所持する金銭は、将校の命で金額を検証した後でなければ押収してはならず、押収したら受取証を交付し、各捕虜の勘定に記入する。捕虜を捕獲したら、なるべく速やかに戦闘区域から十分遠い所にある捕虜収容所に後送する。傷病により後送が危険な者に限り、一時的に危険区域に留置できるが、戦闘区域より後送する前に、無益に危険に曝してはならない。捕虜はいかなる時を問わず戦闘区域の戦火に曝されるような区域に移送してはならず、捕虜の所在により地点・地域の砲爆撃を避けさせる人間の盾として利用してはならない。徒歩による俘虜の後送は通常１日20kmとするが、水や食糧の貯蔵所に到達させる必要上、これより長い旅程を必要とする場合は、例外とする。交戦者は捕虜情報局を通じてなるべく速やかに一切の捕虜の捕獲を相互に通告し、また捕虜に宛てた家族の通信を到達させるための宛名を相互に通告する義務がある。捕虜はなるべく速やかに（海洋で捕らえられた場合は港に到着後）家族と通信できるようにする。交戦者は捕虜宛てまたはその署名した証書、文書、記録特に委任状、遺言状の送達に一切の便宜を図る。各捕虜は捕虜収容所に到着後遅くても１週間以内及び病気に罹患した場合、家族に宛てて捕獲及び健康状態を報知するための葉書を発送でき、交戦者は可能な限り速やかに家族へと送付する。各交戦者は捕虜が１ヶ月あたりに発送できる信書と葉書の数を定期に定めて他の交戦者に通告し、懲罰的理由で配達遅延や抑留をしてはならない。捕虜は食料品や被服などの物品を含む小包郵便物を個人的に受領でき、小包は受取証と引き換えに名宛人に交付される。捕虜は個人的に書籍の送付を受けることができ、保護国と公認救恤団体の代表者は捕虜収容所の図書室に著作物や書籍集を送付できる。捕獲国は検閲が可能だが、検閲困難を理由として送付を遅らせてはならない。通信検閲はなるべく速やかに行う。小包郵便物の監督は小包に含まれることがある食料品の保存に適した条件下、できれば名宛て人または名宛て人により正当に求められた信任者の面前で実施する。軍事上・政治上の理由で交戦者が発令する通信禁止は、一時的なものとし、可能な限り短期間とする。直接または情報局を通じて捕虜に宛てられた郵便物、金銭、有価物は、差し出し国、通過国、名宛て国全てで郵便料金が免除される。捕虜が承認された急用の場合に電信を発する際は、通常料金を支払う。捕虜への贈与品や救恤品は、輸入税その他の諸税や国有鉄道運賃が免除される。捕虜収容所から別の収容時に移送する場合、移送費は捕獲国が負担し、捕虜に新しい目的地を事前に公式に告げ、個人用品、通信、自己宛小包の携帯を許可する。作戦進行上の必要が無い限り、移送によって回復が阻害されると予想される傷病捕虜は、移送してはならない。旧収容所に宛てられた通信や小包が新収容所に遅滞なく届けられるよう、必要な全ての措置を執る。捕虜の食糧は質・量共に捕獲国の補充部隊と同一のものとする。これに加え、捕虜には処分しうる食糧補足品を自ら調理する手段を与える。飲料水は十分に供給し、喫煙を許可し、捕虜を炊事場で働けるようにする。食糧に関する団体的懲罰手段は一切禁止する。被服、下着、靴は捕獲国が捕虜に支給し、定期的に交換や修理を行う。労働の性質上必要な場合、労働者に対してどこにおいても労働服を支給する。将校とこれに準ずる者は、捕獲国が支払う俸給により食糧と被服を購入し、将校自身による日用品の管理には諸般の便宜を与える。捕虜には運動を行い外気に当たる機会を与える。捕虜の一般健康状態と清潔状態を監督し、伝染病（特に結核と性感染症）を発見するため、少なくとも毎月１回の健康診断を受けさせる。捕虜は軍事官憲の定めた秩序と取り締まりに関する規定に従うことを唯一の条件として、信教の自由を与えられる。司教たる捕虜は宗教の如何に関わらず自由に同宗教信者に対し宗教を司ることができる。交戦者は可能な限り捕虜が計画する知的・体育的娯楽を奨励する。捕虜は自国軍内で自国人に関し現に行われている規則により定められた礼式の他、捕獲国の一切の将校に対して敬礼の義務がある。捕虜たる将校は、捕獲国の上級または同階級の将校に対してのみ敬礼の義務がある。捕虜は階級章や勲章を着用できる。一切の規則、命令、通告、公告は捕虜の了解する国語で通知し、尋問も同様に行う。戦争開始直後、相当階級の将校とこれに準ずる者の間に於ける待遇の平等を確保するため、交戦者は直ちに各自国軍内で使用している称号と階級を相互に通知する義務を持つ。捕虜たる将校とこれに準ずる者には、その階級及び年齢に相当する敬意を以て待遇し、捕獲国軍の相当階級の将校と同一の俸給と、元の国軍でもらっていた俸給のうち、低い方を支払う。交戦者は俸給の支払いに適用する為替相場を協定するが、協定の無かった場合は開戦時の相場を適用する。捕獲国が支払った俸給は、戦争が終わったら捕虜が所属していた国が返済する。交戦者は戦争開始直後に各種階級・役種の捕虜が所持できる現金の最高額を協定し、捕虜から取り上げたり留保させたりした超過額は、捕虜による預金と同様、勘定に記入し、勘定の貸方額の全部又は一部を捕虜が本国の銀行または個人に移送できるよう便宜を図り、拘束終了に際しては勘定の貸方残額を捕虜に支払う。交戦者は将校とこれに準ずる者を除き、健康な捕虜を階級と才能に従って労働者として使役することができる。ただし捕虜たる下士官は特に報酬的作業を要求しない限り、監督労働にのみ服役させる。労働災害が起きたら、捕獲国の法制上同一種類の労働災害に対して適用される利益を受けさせる義務がある。捕獲国の法制上これが不可能な場合は、罹災者に対して公平な賠償を行うための全ての措置を執るよう、立法府に建議しなければならない。捕獲国は個人のために働く捕虜の給養、弁当、俸給、労銀の支払いに全責任を負う。捕虜の労働時間には仕事場への往復時間を含み、その地方で同一労働に従事する民間労働者に認められた労働時間を超過してはならず、毎週連続24時間（なるべく日曜日）の給養を与える。捕虜に対し、肉体的に不適当な労働、作戦行動に直接関係する労働特に兵器弾薬の製造運搬、不健康又は危険な労働を課してはならず、懲罰手段として労働条件を加重してはならない。労働分遣所は捕虜収容所に所属し、同一の制度で運用する。収容所の管理・整理・保存に関するもの以外の労働に対し、戦争開始直後に定めるべき交戦者間の協定に基づいて労銀が支払われる。捕虜は監督担当の軍事官憲に拘束制度に関する苦情申請の権利を持ち、根拠が無い訴えだったとしても処罰を与えてはならない。捕虜は軍事官憲と保護国に対する代表者を軍事官憲の承認の下に信任者として指定し、信任者は合同送付品の接受・分配を行い、捕虜相互扶助制度を権限内に置く。信任者が労働者として使役されている場合、信任者としての活動は義務労働時間に算定する。捕虜は保護国軍の現行法律、規則、命令に服従する。違反した場合、捕虜に対して当該法律、規則、命令で規定する手段を施す。捕獲国の軍事官憲や裁判所は、捕虜に対し、同一事実について該国軍の軍人に対するものと異なる罰を課してはならない。一切の体刑、日光の照明が無い場所での一切の監禁、一切の残酷な罰、個人の行為に対する団体的な罰は禁止する。規律違反を構成する事実、特に逃走の企ては至急確認すべきだが、捕虜の予防的拘留は最小限度とする。刑罰・懲罰を終えた捕虜は他の捕虜と同等の待遇に戻すが、逃走を企てた場合には本条約による捕虜の権利を害さない範囲で特別の監視下に置くことができる。捕獲国は捕虜の階級やそれに付帯する特権を剥奪できず、自由の剥奪を伴う罰を受けた将校やこれに準ずる者を同罰の下士官・兵と一緒にしてはならない。と捕虜が逃走して自軍に逃げ込む前や、捕獲軍の占領地域を離れる前に捕まえた場合、懲罰のみ与えることができる。捕虜が逃走して自軍に逃げ込むか、捕獲軍の占領地域を離れ、その後の戦闘で再び捕虜にした場合、その逃走に対しては罰を与えてはいけない。逃走を企てた捕虜が逃走中に人または財産に対して罪を犯し、裁判となった場合、逃走（初逃走や再犯に関わらず）を理由に刑を重くしてはならない。逃走に協同した逃走者の同僚は、その理由により懲罰のみ与えることができる。交戦者は捕虜が犯した犯行（特に逃走）が懲罰と刑罰のどちらにあたるかの判断に関し、当該官憲が最も寛大な態度に出るよう注意する。捕虜は同一事実または同一訴追事項に関し、一度だけ罰せられる。捕虜に弁護の機会を与えず処罰してはならず、自白を強要してはならない。捕虜は有資格の弁護人を帯同し適当な通訳を用いる権利を持ち、捕虜が弁護人を選択しなかった場合は保護国が捕獲国から送付された弁護人名簿から選択し、保護国は訴訟弁論（国家治安のため訴訟弁論を秘密とする必要上がる場合を除く）に立ち会う権利を持つ。送還すべき捕虜が刑事訴追中だった場合、裁判手続きの終了または刑期満了まで送還から除外される。送還すべき捕虜が既に留置中だった場合、終了まで留置される。捕虜に対する判決は捕獲国軍に属する者と同一の裁判所で同一の手続きにより言い渡される。捕虜は捕獲国軍に属する者と同様の方法により、上訴する権利を持つ。捕虜に対する判決は直ちに保護国に通知される。捕虜に死刑が言い渡された場合、捕獲国は犯行の性質や情状を詳細に記載して速やかに保護国代表者に送付し、保護国は捕虜が服役した軍の所属国へと送る。死刑執行はこの通知から３ヶ月以上たってからとする。捕虜に対する最も重い懲罰は拘留で、同一罰の期間は30日を超えてはならず、複数の事実について懲罰を受ける際も超えてはならない。拘留中または拘留後、捕虜が新たな懲罰を受けた場合で、拘置期間のどちらかが10日以上の場合は、両拘留間に少なくとも３日の期間を空ける。懲罰を受けた捕虜に対し、捕獲国軍内で行われている食糧制限を罰の加重として適用することができるが、捕虜の健康状態が悪い場合や、団体的懲罰手段にあたる場合は、科すことができない。懲罰を受けさせるため刑務所、懲治監、従刑場などに移送してはならず、衛生上の要求に適合する場所を選び、捕虜には自分の清潔保持、運動または毎日２時間の屋外外出、読み書き、手紙発受を許可する。また、捕虜の要求に基づいて診察を受けさせ、医師が必要と認めた場合には手当や収容所医務室・病院への移送を行う。懲罰を受けている捕虜への小包と送金は満罰期まで交付しなくても良い。小包内に腐敗しやすい食料品がある場合、医務室または収容所炊事場で保存する。交戦者は重病・重傷者たる捕虜が移送可能となったら、階級や人数に関係無く、本国に送還するか中立国に収容させる義務があり、交戦者は対象の傷病状態を定めた協定をなるべく早く締結しておく。重度の労働災害を罹災した捕虜も同様の措置を執るが、故意に負傷した場合は除外する。交戦者は戦争継続中に人道上の理由から長期拘束捕虜を送還または中立国に収容させる協定も締結できる。捕獲国国境外における送還や中立国収容の費用は捕虜が服役した軍の所属国が負担する。送還された捕虜を現役軍務に就かせてはならない。休戦条約には原則として捕虜の送還に関する規定を設け、この規定の有無に関わらず、捕虜の送還は平和回復後なるべく速やかに行う（訴追中や服役中を除く）。捕虜の死亡証明や遺言は内国軍軍人と同一の条件で受領・作成する。交戦者は拘束中に死亡した捕虜が丁重に埋葬されるよう、また墳墓が有用な一切の表示を有し尊敬され相応に維持されるよう注意する。戦争開始直後、各交戦国並びに交戦者を収容した中立国は、その領域内にある捕虜に関する官立情報局を設置し、捕虜に関する一切の情報の管理伝達にあたる。また、中立国に捕虜情報中央部を設立する。慈善行為の媒介者たる目的で自国法律に従い正式に組織された捕虜救恤協会は、その博愛的事業を有効に行うため、自己とその正当な委任がある代表者に対して軍事上の必要によって定められた範囲内で、交戦者から一切の便宜を受けることができる。協会代表者は、各自軍官憲から免許状の交付を受け、かつ該官憲の定めた秩序及び取り締まりに関する一切の規律に服すべき旨を書面で約束した上で、捕虜収容所と送還捕虜の途中休止所で、救恤品を分与することができる。戦時において、交戦者の一が本条約の当事者でなかった場合でも、本条約の規定はこれに参加する交戦者の間に拘束力を持つ。交戦者の利益の保護を委託された保護国の代表者またはその代表にして承認を受けた者は、捕虜が留置された一切の場所に例外なく到達し、捕虜により占められた一切の場所に到り、立会人の無い状況で、自らまたは通訳の仲介により、捕虜と会談することができる。交戦者は保護国の代表者または代表にして承認を受けた者に対し、職務を容易ならしめるよう配慮せねばならず、軍事官憲はその訪問を通知しなければならない。交戦者間に本条約の適用に関する意見の不一致がある場合、保護国が可能な限り仲介を斡旋する。本条約への加盟は書面を以てスイス連邦政府に対し通告し、加入書がスイス連邦政府に到達した日の６ヶ月後に効力を生じる。本条約は各締約国につき批准書寄託後６ヶ月で実施される。戦争開始前後や戦争状態にある交戦国から寄託された批准や通告された加入は、直ちに効力を生じる。廃棄は書面を以てスイス連邦政府に通告し、１年後に効力を生じる。ただし廃棄国が戦争に参加している場合は、廃棄通告から１年経過したとしても、戦争が終わって平和を回復するまでは効力を生じない。1937年10月19-23日、条約改正・拡張を目的とした専門家会議が赤十字国際委員会本部で開催された。1939年、第２次大戦勃発に伴い、赤十字国際委員会が中央捕虜情報局を設置した。人員3200人が捕虜・抑留者・行方不明者3600万人の情報を収集し、１日最大４万件の手紙や電報が届けられ、終戦までに5300万件の問い合わせに対応している。1940年8月現在の加盟国は以下の通り。アイスランド（未批准）、アイルランド（1932年8月5日批准）、アデン（1939年4月1日批准）、アメリカ（1932年2月4日批准）、イギリス（1931年6月23日批准）、イタリア（1931年3月24日批准）、イラン（未批准）、ウルグアイ（未批准）、エジプト（1933年6月25日批准）、エストニア（1936年6月11日批准）、オーストラリア（1931年6月21日批准）、オーストリア（1936年3月13日批准）、オランダ（1932年10月5日批准）、カナダ（1933年2月20日批准）、キューバ（未批准）、ギリシャ（1935年5月28日批准）、コロンビア（未批准）、スイス（1930年12月19日批准）、スウェーデン（1931年7月3日批准）、スペイン（1930年8月6日批准）、スロバキア（1939年9月15日批准）、タイ（1939年6月3日批准）、チェコスロバキア（1937年10月12日批准）、中国（1935年11月19日批准）、チリ（1933年6月1日批准）、デンマーク（1932年8月5日批准）、ドイツ（1934年2月21日批准）、ドミニカ（未批准）、トルコ（1934年3月10日批准）、ニカラグア（未批准）、日本（未批准）、ニュージーランド（1931年6月23日批准）、ノルウェー（1931年6月24日批准）、ハンガリー（1936年9月10日批准）、ビルマ（1937年4月1日批准）、フィンランド（未批准）、ブラジル（1932年3月23日批准）、フランス（1935年8月21日批准）、ブルガリア（1937年10月13日批准）、ベネズエラ（未批准）、ベルギー（1932年5月12日批准）、ポーランド（1932年6月29日批准）、ボリビア（1935年8月15日批准）、ポルトガル（1931年6月8日批准）、南アフリカ（1931年6月23日批准）、メキシコ（1932年8月1日批准）、ユーゴスラビア（1931年3月20日批准）、ラトビア（1931年10月14日批准）、リトアニア（1939年2月27日批准）、ルーマニア（1931年10月24日批准）、ルクセンブルグ（未批准）。第２次大戦の戦訓に基づき、1949年にジュネーブ第三条約に改定された。参考：日本赤十字社社史稿第５巻、人道・博愛−百年のあゆみ、輸送船入門

＜捕虜の待遇に関する１９４９年８月１２日のジュネーブ条約＞：ジュネーブ第三条約を参照。

＜ボリングブルック＞：ブレニム海外シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ボリンジャー＞：APA-234（攻撃輸送艦）を参照。

＜ポリントン＞：M1173（沿岸掃海艇）を参照。

＜ボルガ軍管区（ソ連軍、１９８９年）＞：中央戦略地域隷下で、司令部はクイビシェフにある。自動車化狙撃師団４個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ボルクム＞：FuMB10（電波探知器）を参照。

＜ボルケーノ＞：M139（地雷投射装置）またはチェンタウロ155/39（自走榴弾砲）を参照。

＜ホルコーム＞：L56（駆逐艦）を参照。

＜ボルゴグラード＞：K-502（原潜）を参照。

＜ホルサ＞：A.S.51シリーズ（グライダー）を参照。

＜ポルシェ１００＞：ポルシェの開発した空冷Ｖ型10気筒ガソリンエンジン。排気量10000cc、出力は回転数2500で210馬力。VK3001(P)に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ポルシェ１０１／１＞：ポルシェの開発した空冷Ｖ型10気筒ガソリンエンジン。排気量15060cc、出力は回転数2500で320馬力。VK4501(P)に搭載された。参考：ジャーマンタンクス

＜ポルシェ・ティーガー＞：VK4501(P)試作戦車を参照。

＜ホル車＞：試製五式四十七粍自走砲を参照。

＜ホルスター＞：拳銃携帯用ケースのこと。参考：GUN用語事典

＜ホルスター・ストック＞：拳銃用の木製ストックで、しかもホルスターとしても使えるものをいう。参考：GUN用語事典

＜ホルスト・アデマイト＞：アデマイト（ドイツ空軍エース）を参照。

＜ホルスト・ヴェッセル＞：SS義勇第18装甲擲弾兵師団を参照。

＜ホルスト・ヴェッセル＞：ドイツ海軍ホルスト・ヴェッセル級帆走練習艦。1937年9月竣工。第２次大戦後にアメリカに引き渡され、沿岸警備隊の士官候補生練習艦イーグルになった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ホルスト・ヴェッセル級＞：ドイツ海軍帆走練習艦。常備排水量1634トン。補助機関は750馬力のディーゼル。乗員78名、練習生220名。ホルスト・ヴェッセルとアルベルト・レオ・シュラーゲターが竣工した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ホルストマン型サスペンション＞：Horstmann Type Suspenshon。ヴィッカーズ社が開発したサスペンションで、転輪を２個１組にし、ラジアル・アームを介してボギー・ブラケットに取り付け、そのアームを水平に置かれたコイル・スプリングにより緩衝する。頑丈で整備が容易、車高を低くできるというメリットがあるが、緩衝力はトーションバーに劣る。参考：月刊PANZER1,’98、British and American tanks of World War Two

＜ホルダー＞：DD-819（駆逐艦）を参照。

＜ボルター＞：Bolter。空母に着艦しようとしたが、アレスティングフックがワイヤーを捉えられなかった時にLSOからコールされる。参考：月刊JWings1,’02、月刊軍事研究9,'15

＜ホルダード１＞：ラード１（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜ホルダード２＞：ラード２（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜ホルダード３＞：ラード３（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜ボルター・フライト・パス＞：ボルターの際に行われる再離艦・上昇のこと。スロットルはミリタリー出力に入っているので、エアブレーキを閉じ、アフターバーナーに点火して再加速、アングルドデッキを走り抜けてからケース�Tリカバリーでは600フィート（182.9m）、ケース�U・�Vでは1200フィート（365.8m）に再上昇し、180度左旋回して反航コースに戻る。参考：月刊航空ファン4,’72

＜ボルタック＞：VORTAC。VOR局とTACAN局を併設したもので、VOR/DMEと同じ役目を果たす。参考：月刊航空情報11,’10、月刊JWings10,’09別冊付録

＜ホルダネス＞：L48（駆逐艦）を参照。

＜ポルタワ＞：ロシア海軍ガングート級戦艦Poltava。1911年起工、1914年竣工、1915年就役。1920年、ミハイル・フルンゼ（Mikhail Frunze）と改称された。1922年、火災事故でネヴァ川に着底。後に引き上げられ、主砲を撤去して兵員宿舎となった。1925年に除籍された。外した主砲塔のうち２基はウラジオストク近郊ルースキー島の要塞陣地に据え付けられ、1997年まで現役にあった。退役後も保存されており、見学が可能。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船4,’17、月刊軍事研究11,’17

＜ボルツァーノ＞：イタリア海軍ボルツァーノ級重巡Bolzano。1933年竣工。1941年3月27日、マタパン沖海戦に参加。イタリア降伏に伴い、ドイツが接収した。1944年6月21日、ラ・スペチアで被雷して沈没した。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船1,’12

＜ボルツァーノ級＞：イタリア海軍重巡洋艦Bolzano級。イタリア海軍最後の重巡である。船型はザラ級と同じだが、装甲を減らして速力を重視した。艦橋と前部煙突は一体化されており、航空装備は艦中央にある。機関部はシフト配置。全長196.9m、幅20.6m、吃水6.8m、基準排水量10890トン。主機は蒸気タービンで、４軸推進、速力36ノット。兵装は20.3cm連装砲４基、10cm連装高角砲８基、40mm機銃４丁、53.3cm連装固定式魚雷発射管４基。航空機３機を搭載する。乗員725名。ボルツァーノが1933年に竣工した。第２次大戦中に航空巡洋艦への改装が検討されたが、実施されなかった。参考：近代巡洋艦史

＜ポルックス＞：P-902（沿海哨戒艦）を参照。

＜ボルティモア＞：SSN-704（潜水艦）を参照。

＜ボルテックス＞：渦を参照。

＜ボルテックス・ジェネレーター＞：Vortex generator。境界層の剥離を防ぐため、機体や翼表面（ときに自動車）に取り付けられる小翼や突起物のこと。ここから縦の渦流が発生して境界層にエネルギーを供給し、剥がれないようにする。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録、クルマのすべてがわかる事典

＜ボルテックス・リング状態＞：Vortex ring state。回転翼機が誘導速度（メインローター吹き下ろし速度）と同じくらいの速度で降下した際、ローターブレード後縁から発生する後曳き渦の中にローターブレードが入ってしまい、メインローターの翼端渦が増大して揚力が減少する状態のこと。急降下を起こし、ローターブレードが振動して操縦困難に陥り、エンジン出力を増加させても止めるのは難しい。参考：航空用語事典増補改訂版、朝雲、月刊JWings12,’13

＜ホルト＞：DE-706（護衛駆逐艦）を参照。

＜ボルト＞：遊底を参照。

＜ボルト＞：ドイツのＵボート用音響デコイBold。直径100mmの円筒型金属缶で、中には炭化カルシウムが詰め込まれている。艦外に射出されると、浮上しながら海水と反応してアセチレンの気泡を20-25分にわたり放出し、アスディックを欺瞞する。使用可能深度は30mまで。1942年から装備が開始され、日本海軍にも引き渡されたらしい。後に深度200mまで使用できるボルト５も製作された。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート、月刊丸5,’07

＜ホルト５トン牽引車＞：アメリカのキャタピラー社が開発した牽引車。元は農業用トラクターだったが、アメリカ陸軍も採用したので、軍用に改良してある。日本軍も三八式一〇糎加農砲用牽引車として採用した。全長3.1m、全幅1.74m、全高2.33m、重量5.54トン。エンジンは36馬力で、最大速度9.1km。日本では大正13年の演習で初登場したが、速度が遅くて布陣に間に合わないという失態を演じてしまった。ただ頑丈で故障も少なく、満州事変直前まで使用された。参考：月刊PANZER7,’04、機甲入門

＜ホルト３０型牽引車＞：日本陸軍牽引車。キャタピラー社製で、昭和6年にホルト５トン牽引車の後継として採用した。しかし農業用のみしか製作されておらず、履帯が脆くて舗装路を走れず、最大速度が7kmしか出なかったため、取り敢えず履帯を交換して１個連隊分を購入して使用した。砲兵からは速度の遅さから不評だったが、44馬力を活かして工兵作業は難無くこなし、工兵隊からは非常に好評だった。全長3.29m、全幅1.65m、全高2.35m、自重4.27トン。昭和8年頃から九二式五頓牽引車と交替し、順次退役した。参考：月刊PANZER7,’04、機甲入門

＜ボルトアクション式＞：手動小銃の作動機構の１つ。ボルト本体に付いたボルトハンドルを手動で操作してボルトを作動させ、送弾、閉鎖、開放、抽筒、蹴出などを行うものである。ハンドルを操作すると弾薬が薬室に送り込まれ、回転すると閉鎖状態となる。発射後、ハンドル操作でボルトが開放され、撃針がコッキング位置となり、ハンドルを引くと薬莢が引き出されて排莢される。作動が確実であり、広く普及した。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典、世界の軍用銃

　＜ターン・ボルト＞：ボルトハンドルを往復させてボルトを作動させる際に、ボルトハンドルを起こす必要があるもの。普通はこのタイプである。参考：GUN用語事典

＜ストレート・プル・アクション＞：ボルトハンドルを単に往復させればボルトが作動するもの。構造が複雑なのと、ターン・ボルト式と操作速度に大して差がないので、普及しなかった。参考：GUN用語事典

＜ボルトアクション式散弾銃＞：散弾銃を参照。

＜ぼるどう丸＞：川崎造船所船舶部ストックボートBordeaux maru。垂線間長123.44m、幅16.15m、深さ11.28m、吃水8.66m、総トン数6567トン、重量トン数9810トン。主機はブラウン・カーチス式２段減速蒸気タービン１基１軸4698馬力、航海速力12ノット、最大速力15.297ノット。大正12年12月20日竣工。昭和9年、川崎汽船に移籍。太平洋戦争勃発で日本海軍に徴用された。昭和17年2月1日、ウォッゼ環礁で揚陸中に艦砲射撃を受けて沈没した。アメリカ側資料では、クェゼリンでCV-6エンタープライズ艦上機の攻撃により沈没、となっている。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ボルトガイド＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ポルトガル海軍＞：1960年代、ダフネ級潜水艦４隻が就役。1967年からコマンダンテ・ジョアン・ベーロ級４隻が竣工。1971年からジョアン・クーティニョ級フリゲート６隻が竣工。1974年からバプティスタ・デ・アンドラテ級フリゲート４隻が就役。1991年、ヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲート３隻が就役。2009-2010年、カレル・ドールマン級フリゲート２隻が就役。2010-14年、ヴィアナ・ド・カステロ級哨戒艦２隻が竣工。2010年、トリデンテ級潜水艦２隻が就役。参考：月刊世界の艦船4,’11、3,’14、3,’92増刊

　＜ポルトガル海軍（１９７７年）＞：兵力12800名（うち海兵隊2500名）。ダフネ級潜水艦３隻、フリゲート７隻、コルベット10隻、大型哨戒艇10隻、沿岸哨戒艇８隻、沿岸掃海艇７隻、戦車揚陸艇２隻、上陸用舟艇８隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ポルトガル海軍（１９８９年）＞：兵力16100名（海兵隊含む）、うち徴兵5900名（海兵隊含む）。本土、アゾレス、マデイラに１個コマンドずつが配置されており、基地は本土のポルティメーオ、リスボン、アゾレスのプンタデルガド、マデイラのフンチャルにある。ダフネ級潜水艦３隻、コマンダント・リビエレ級フリゲート４隻、バプティスタ・デ・アンドラテ級フリゲート４隻、ジョアン・クーティニョ級フリゲート６隻、カシーネ級哨戒艇10隻、サンロック級哨戒艇４隻、内海哨戒艇７隻、汎用揚陸艇３隻、機械化揚陸艇３隻、洋上給油工作艦１隻、輸送艦１隻、水路調査船１隻、練習艦１隻、曳船１隻を保有する。海兵隊は兵力2800名（うち徴兵1400名）で、歩兵大隊２個、公安大隊１個、支援部隊からなり、シャイミテ装甲兵員輸送車、迫撃砲、機械化揚陸艇７隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ポルトガル海軍（２０１３年）＞：兵力9029名。潜水艦２隻、フリゲート５隻、コルベット７隻、哨戒艦１隻、哨戒艇15隻、揚陸艇１隻、測量艦２隻、測量艇２隻、練習艦艇３隻、補給艦１隻、設標艦２隻、艦載ヘリ５機、陸上ヘリ12機、固定翼陸上機17機を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’14

　＜ポルトガル海軍（２０１５年）＞：現役兵力8700名（うち海兵隊1450名）、予備役1250名。214型トリデンテ級潜水艦２隻、ヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲート３隻、カレル・ドールマン級フリゲート２隻、バプティスタ・デ・アンドラテ級コルベット３隻、ヨハン・コーチニョ級コルベット２隻、哨戒艇17隻、兵站支援船21隻、リンクスMk95対潜ヘリ５隻を保有する。海兵隊は特殊部隊分遣隊１個、軽歩兵大隊２個、迫撃砲中隊１個、憲兵分遣隊１個からなり、120mm迫撃砲30門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポルトガル共和国警備隊＞：

＜ポルトガル共和国警備隊（１９８９年）＞：人員19000名。コマンドーMk�V装甲兵員輸送車、SA-313ヘリを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポルトガル共和国警備隊（２０１５年）＞：人員21600名。コマンドーMk�V装甲兵員輸送車を少数、哨戒艇32隻、SA315ヘリ７機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポルトガル空軍＞：FAP（Força Aérea Portuguesa）と略す。1934年、DH82練習機を配備。1937年、グラディエーター戦闘機30機の導入を開始。1951年、DHC-1練習機を配備。1960年、P-2対潜哨戒機の導入を開始。1994年、F-16戦闘機の導入を開始。2023年5月20日、C-390空中給油輸送機部隊の第506飛行隊が新編された。参考：月刊航空ファン11,’16、4,’19、世界の傑作機No.50、月刊JWings8,’23

＜ポルトガル空軍（１９７７年）＞：兵力10000名（うち１個空挺連隊1200名）。G91戦闘攻撃機18機、F-86F戦闘機20機、P2V-5哨戒機８機、C212アビオカー偵察機６機、C212アビオカー輸送機20機、C-130H輸送機２機、DC-6輸送機、G91T練習機５機、T-33練習機14機、T-37練習機24機、Do27練習機16機、チップマンク練習機28機、レイムズセスナFTB337G練習機35機、T-38練習機10機、アルエート�Vヘリ34機、SA330ピューマ12機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ポルトガル空軍（１９８９年）＞：兵力15200名（うち徴兵6300名、空挺部隊2000名）。A-7P攻撃機34機、TA-7P練習機６機、G-91R3戦闘攻撃機25機、G-91R4戦闘攻撃機18機、G-91T1練習機10機、P-3P哨戒機６機、T-38練習機12機、T-33練習機18機、T-37練習機23機、C-130輸送機５機、C-212A輸送機12機、C-212A転換訓練機４機、C-212A電子戦訓練機２機、C-212B哨戒機４機、ファルコン20輸送機３機、セスナ337連絡機23機、セスナ337練習機８機、チップマンク練習機５機、TB-30練習機18機、SA-330輸送ヘリ10機、SA-316練習ヘリ24機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポルトガル空軍（２０１５年）＞：現役兵力6350名、予備役700名。F-16パイロット年間飛行時間180時間。F-16AM戦闘機26機、F-16BM戦闘機４機、P-3C哨戒機５機、C-295M洋上哨戒機５機、C-295M写真偵察機２機、C-130H輸送機６機、C-130H-30輸送機３機、C-295M軽輸送機５機、ファルコン50要人輸送機３機、アルファジェット練習機６機、TB-30練習機14機、SA316ヘリ６機、AW101ヘリ12機（うち救難ヘリ６機、戦闘捜索救難ヘリ４機、漁業取り締まり用２機）、AIM-9L/-9I/-120空対空ミサイル、AGM-65A空対地ミサイル、AGM-84A対レーダーミサイル、エンハンスド・ペイブウェイ�U、GBU-31/-49誘導爆弾を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポルトガル軍＞

＜ポルトガル軍（１９８９年）＞：陸海空軍からなる。兵力75300名（うち徴兵47200名）、予備役19万名。NATO軍太平洋イベリア海域司令部があり、アメリカ海軍800名、アメリカ空軍3000名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポルトガル軍（２０１５年）＞：現役総兵力32850名（陸軍17800名、海軍8700名、空軍6350名）、予備役211950名（陸軍210000名、海軍1250名、空軍700名）、準軍事組織45250名（ポルトガル共和国警備隊21600名、治安警察21200名）。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員10名とUNAMAオブザーバー１名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにアルテア作戦要員８名、中央アフリカ共和国にEUMAM RCA要員８名、イラクにインヒアラント・リゾルブ要員30名、マリにEUTMマリ要員９名とMINUSMA要員２名、北海にNATO SNMG1所属フリゲート１隻、セルビアにKFOR要員186名、空挺中隊１個、コソボにOSCE要員１名、ウガンダにEUTMソマリア要員４名、ウクライナにOSCE要員５名を派遣している。USEUCOM700名が駐留し、支援施設１ヵ所がある。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポルトガル陸軍＞：2008-09年、レオパルト2A6を導入。参考：月刊丸7,’09別冊

＜ポルトガル陸軍（１９７７年）＞：兵力36000名。騎兵連隊５個、歩兵連隊16個、砲兵連隊６個、工兵連隊２個、通信連隊２個からなる。M47中戦車100両、M48中戦車５両、M24軽戦車10両、パナールEBR装甲車、シャミテ装甲兵員輸送車40両、25ポンド砲10門、5.5インチ砲30門、105mm砲50門、105mm自走砲、106mm無反動砲18門、SS11対戦車ミサイル、沿岸砲、40mm高射機関砲を装備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ポルトガル陸軍（１９８９年）＞：兵力44000名（うち徴兵35000名）。軍管区４個・軍地区２個に混成旅団３個、空挺／軽歩兵旅団１個、空挺旅団１個、騎兵連隊３個、歩兵連隊12個、野砲兵連隊１個、高射砲連隊１個、沿岸砲兵連隊１個、工兵連隊２個を配備する。M-48A5戦車86両、サラディン30両、AML-60/90偵察車56両、フェレットMk4偵察車32両、M-113装甲兵員輸送車132両、M-577A2装甲車19両、シャイミテ装甲車81両、105mm牽引砲M-101A1を42門、105mm牽引砲M-101を18門、駄載105m砲18門、5.5インチ砲23門、155mm砲M-114を40門、M-109A2自走砲６門、150mm沿岸砲27門、152mm沿岸砲、234mm沿岸砲、81mm迫撃砲、107mm迫撃砲M-2/-30を20門、120mm迫撃砲81門、TOW46基、SS11対戦車ミサイル31基、ミラン45基、90mm/106mm無反動砲240門、M-163A1自走高射機関砲34門、Rh-202高射機関砲30門、60口径40mm高射機関砲322門、ブローパイプ57基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ポルトガル陸軍（２０１５年）＞：現役兵力17800名、予備役210000名。特殊部隊大隊１個、ISR代替１個、機械化旅団１個、介入旅団１個、即応旅団１個、マデイラ歩兵グループ、アゾレス歩兵グループ、防空大隊１個、工兵大隊１個、爆発物処理ユニット１個、ポンツーン橋中隊１個、電子戦中隊１個、憲兵中隊２個、CBRN中隊１個、心理戦ユニット１個、CIMIC中隊１個、通信大隊１個、建設中隊１個、整備中隊１個、兵站中隊１個、輸送中隊１個、医療ユニット１個などからなる。レオパルト2A6戦車58両、M60A3TTS戦車21両、V-150偵察車14両、ULTRAV M-11偵察車33両、M113A1装甲車173両、M113A2装甲車32両、M577A2装甲車51両、V-200装甲車21両、パンデュル�U装甲車144両、M109A2自走砲６両、M109A5自走砲17両、105mm榴弾砲L119を18門、105mm榴弾砲M101A1を８門、105mm榴弾砲M-56を５門、155mm榴弾砲M114A1を24両、81mm迫撃砲164門（うち自走迫撃砲21両）、107mm迫撃砲M30を31門（うち自走迫撃砲20両）、120mm迫撃砲タンペラ54門、TOW搭載M113装甲車16両、M901自走対戦車ミサイル４両、ミラン対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、84mm無反動砲カール・グスタフ162門、90mm無反動砲M67を29門、106mm無反動砲M40A1を45門、M48A2チャパレル５両、M48A3チャパレル24両、FIM-92A、20mm対空機関砲Rh202を20基、M728装甲工兵車、M88A1戦車回収車６両、パンデュル装甲回収車７両、M48戦車橋を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボルトハンドル＞：槓桿を参照。

＜ボルドレー＞：フランス海軍ラドロア級駆逐艦Bordelais。1930年竣工。1942年に自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ホルトン＞：DE-703（護衛駆逐艦）を参照。

＜ボルトン作戦＞：デザート・フォックス作戦のイギリス軍名称。

＜ホルニッセ＞：ドイツ軍対戦車自走砲Sd.Kfz.164 Hornisse（熊蜂）、制式名称は8.8cm PaK43/1(L/71) auf Geshutzwagen �V und �W (Sf)。1942年2月に開発が開始され、1943年2月から1945年3月までに494両が生産された。�V/�W号車台の車体後部に8.8cm対戦車砲PaK43/1を搭載し、10mmの装甲板で前後左右を覆っている。後部には乗降用ドアが設けられた。射界は左右15度ずつ、俯仰角はマイナス５度からプラス20度、搭載弾数40発。照準器はSflZF1a・Rblf36。車体前部にガントラベリングロックがあり、緊急時に備えて車内操作で外すことができた。全長8.44m、全幅2.95m、全高2.94m、全備重量24トン。副武装は車内のMG34機銃１丁（600発）。装甲厚は車体前面30mm20度、側面20mm０度、後面20mm10度、底面15mm90度、戦闘室前面10mm37度、側面10mm16度、後面10mm10度、上面オープン、防楯10mm37度。エンジンはマイバッハHL120TRM液冷12気筒ガソリン（300馬力）で、前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離260km。無線機はFuG Spr d。乗員は車長、操縦手、砲手、装填手、無線手の５名。重戦車駆逐大隊に配備され、1943年夏から実戦投入された。名前を昆虫からとるのはどうかとヒトラーからクレームが付いたため、1944年1月からはナースホルン（Nashorn、サイ）に改称されている。参考：世界の軍用車両(1)、異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス、月刊PANZER4,’11、月刊軍事研究8,’13

＜ホルニッセ＞：ドイツのドルニエ社が研究した無人機。機体は無尾翼デルタで、偵察、目標補足、射撃指揮、SEAD、対戦車攻撃、デコイ役を主任務とする。TVカメラ、レーザー照射器、赤外線暗視装置、自動目標追尾装置、ESMなどの搭載が可能。全長2m、翼スパン2.1m、発射重量70kg。エンジンはリムバッハ製レシプロ（22馬力）単発で、プッシャープロペラを搭載し、最大速度250km、作戦高度3000m、作戦行動時間３時間。参考：スパイ機

＜ボルネオ島攻略作戦＞：太平洋戦争時の昭和17年1月10日、蘭印攻略作戦の口火を切って開始された。参加兵力は第16軍の坂口支隊（混成第56歩兵団。5000名）で、目的はタラカン島（年間70万トン算出）及びボルネオ島の石油施設の占領である。軍参謀長はタラカンで永く事業をしていた人物が日本に帰国していたのを見いだし、道案内として坂口支隊に派遣した。1月7日、タラカン攻略部隊を乗せた輸送船14隻がダバオを出港。1月10日、ボルネオ島北端のタラカン島に坂口支隊と呉第２特別陸戦隊１個大隊が上陸。蘭印軍歩兵800名、砲兵400名、工兵70名、その他100名の守備隊を排除して1月12日朝（13日？）に占領した。油田施設は破壊されていたが、５ヶ月で修復している。1月21日、第４水雷戦隊の護衛の下、16隻の輸送船に分乗してタラカンを出港し、1月23日にバリクパパン泊地に到着、1月24日未明から上陸を開始した。この時連合軍部隊とマカッサル海峡海戦となり、輸送船４隻が沈没、哨戒艇１隻が大破し、輸送船２隻が損傷したが、坂口支隊は上陸した後だったので、陸上部隊の損害は無かった。蘭印軍守備隊は撤退しており、1月25日に坂口支隊はバリクパパン（石油精製積み出し施設と飛行場がある）を無血占領。次の目標である450km南のパンジェルマシンには海上と陸上の二方向から迫ることにし、1月30日にまず海上部隊が大発４隻、小発２隻に分乗してバリクパパンを出港し、夜間機動で南下した。陸上部隊は2月2日にバリクパパンを出撃、ジャングルの中を自転車600台で450キロ南まで進撃し、2月10日にパンジェルマシン近郊のマルタプラ飛行場を占領した。2月11日にはパンジェルマシンを占領、作戦を終了した。海上部隊は進出が遅れ、陸上部隊の占領後に到着している。蘭印軍との戦闘は殆ど起こらなかったが、ジャングルの中の進撃のためマラリアが強敵となり、兵士の８割がマラリアに感染してしまった。持って行った自転車600台のうち、最後まで使えたのは１台だけだった。参考：月刊丸12,’90、激闘！太平洋戦争地上戦、太平洋海戦史

＜ポルノクニイ級＞：ソ連海軍戦車揚陸艦Polnochny型。兵装によってＡ、Ｂ、Ｃの３種がある。全長70-80m、満載排水量1000トン。速力16-18ノット。兵装は140mmロケット弾18連装発射機（ロケット弾重量8kg、射程9km）２基など。1960-70年代に100隻以上が竣工した。参考：月刊世界の艦船2,’14、6,’83、1,'15増刊、月刊丸12,’90

　＜ポルノクニイＡ級＞：Polnochny A級、プロジェクト770。戦車６両、兵員180名を搭載できる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＢ級＞：Polnochny B級、プロジェクト771。全長76m、基準排水量790トン。兵装は9M32/SA-N-5発射機２基など。戦車６両、兵員180名を搭載できる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船

＜ポルノクニイ級・海外シリーズ＞

　＜ポルノクニイ級（インド海軍）＞：ゴールパッド級を参照。

　＜ポルノクニイ級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍中型揚陸艦。人員180名、戦車６両を搭載可能。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ポルノクニイ級（リビア海軍）＞：リビア海軍中型揚陸艦。人員180名、戦車６両を搭載可能。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ポルノクニイＡ級（アゼルバイジャン海軍）＞：アゼルバイジャン海軍中型揚陸艦。戦車６両、人員180名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＡ級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍中型揚陸艦。戦車６両、人員180名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＡ級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍中型揚陸艦。戦車６両、人員180名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＢ級（アゼルバイジャン海軍）＞：アゼルバイジャン海軍中型揚陸艦。戦車６両、人員180名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＢ級（アルジェリア海軍）＞：アルジェリア海軍中型揚陸艦。兵装はAK230CIWS１基。戦車６両、人員180名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＢ級（シリア海軍）＞：シリア海軍中型揚陸艦。戦車６両、人員180名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＢ級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍中型揚陸艦。戦車６両、人員180名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ポルノクニイＣ級（ウクライナ海軍）＞：ウクライナ海軍中型揚陸艦。戦車６両、人員180名を搭載可能。L401ユーリ・オレフィレンコが1994年に就役した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船2,’22

＜ボルハルト・ピストル＞：1893年にヒューゴ・ボルハルトが開発したセミオートマチック・ピストル。マキシム銃のトグルロック機構を無断借用しており、銃尾に取り外し式のストックを装備すれば50m以上先を狙える。全長356mm、重量3.3kg。使用弾は7.65mmボトルネック型リムレス弾（85グレイン、5.5g）で、装弾数８発。作動機構をルガーにパクられてパラベラム・ピストルM1900を開発されてしまったが、元々本銃の作動機構も無断借用で、特許も取っておらず、泣き寝入りせざるを得なかったという。参考：グラフィックアクション２

＜ポルバンダル＞：M62（掃海艇）を参照。

＜ホルヒ・シリーズ＞

＜ホルヒＴｙｐ１ａ＞：ホルヒEFmシリーズの機構はそのままに、全幅を150mm拡大したもの。前方のラジエーターグリルもその分幅広になり、ボンネット全体がすのこ状のグリルになっている。全長4850mm、全幅2000mm、全長2040mm、ホイールベース3000mm、車体重量3.6トン、全備重量4.8トン。エンジンは1937-38年生産車がホルヒV8の3.5リットル、39-40年生産車が3.8リットル。最大速度は前者が80km、後者が75km（オーバートップで90km）。前後輪間に外装式にスペアタイヤを収容する。参考：月刊PANZER9,’03

＜ホルヒＴｙｐ．４０＞：Typ.1bの発展型。エンジンはV8の3.8リットルで、スペアタイヤがボディ内側に収容されるようになった。参考：月刊PANZER9,’03

＜Ｋｆｚ．３１＞：ホルヒTyp.1aの救急車型。ハードトップのボディを持つ。参考：月刊PANZER9,’03

＜ホルヒ３．５＞：Sd.Kfz.221などに搭載されている液冷Ｖ型８気筒ガソリンエンジン。排気量3517.7cc、出力は回転数3600で75馬力。参考：ジャーマンタンクス

＜ホルヒ３．８＞：Sd.Kfz.260などに搭載されているエンジン。排気量3823cc、出力は3600回転で90馬力。参考：ジャーマンタンクス

＜ホルムウッド＞：A1772（通船）を参照。

＜ホルム級＞：デンマーク海軍特務艇Holm級。船体はFRP製である。満載排水量138トン。主機はディーゼル、推進はアジマス・スラスター２基で、速力12ノット。エルトホルム、MSD6サルトホルムなど６隻が就役した。1-2番艦は水路測量用で、船体と艦橋天蓋が赤く塗られている。２隻は練習艇、２隻は掃海艇（遠隔操作可能。掃海用無人水上艇MSFの母艦にもなれる）として使用中。参考：月刊世界の艦船9,’10、9,’16

＜ホルムズ＞：K581（フリゲート）を参照。

＜ホルムズ１＞：イラン革命防衛隊航空宇宙軍が2014年5月11日に公開した対レーダーミサイル。ファテフA110戦術弾道ミサイルがベースで、試射では300km先の6mコンテナに命中したらしい。参考：月刊軍事研究10,’14

＜ホルムズ２＞：イラン革命防衛隊航空宇宙軍が2014年5月11日に公開した対艦ミサイル。ファテフA110戦術弾道ミサイルがベースで、終末誘導はアクティブ／パッシブレーダーらしい。2017年3月初めにイラン革命防衛隊が発射テストを行い、250km先の目標に命中した。参考：月刊軍事研究10,’14、7,’17

＜ホルムスク＞：ロシア海軍グリシャ�V型警備艦Kholmsk。2011年9月9日0100-1000頃、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガヴァニ、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、同R-19、同R-24、同R-298、ロプーチャ�T型揚陸艦BDK-98、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ドゥブナ級補給艦イルクート、エルブラス型潜水艦救難艦１隻、イングル型救難曳船１隻、カツン�U型救難艦１隻、オビ型病院船１隻と共に宗谷岬の西200kmを東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2000-2200には宗谷海峡を通過していくのが確認されている。9月28日、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦ウスト・イムリスク、同コレーツ、同ソヴェツカヤ・ガヴァニ、ロプーチャ�T型揚陸艦BDK-98、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、改アルタイ型補給艦、オビ型病院船と共に宗谷岬の東北東350kmを航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2014年6月15日0700頃、グリシャ�X型警備艦ステリャークと共に宗谷岬北西120kmを航行しているのを第２航空群P-3Cが発見した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。8月20日0700頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦ソビエツカヤ・ガバニと共に宗谷岬の北西90-120kmを北東に航行するのをDD-114すずなみと第２航空群P-3Cが発見した。10月2日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ユグ型海洋観測艦マーシャル・ゲロバニと共に、宗谷岬北東80kmを航行するのをDE-231おおよどが確認した。2015年8月16日1230頃、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガバニ、タランタル�V型ミサイル艇R-18、同R-19、同R-20、同R-261、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ソーニャ型掃海艇BT-215、同BT-232と共に、宗谷岬の西南西190-230kmを北東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進み、オホーツク海に入っている。9月2日、サハリン南部コルサコフ沖で第２次大戦戦勝70周年記念観艦式に参加。9月27日0730頃、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェートと共に、宗谷岬北西120kmを東に航行するのを、ミサイル艇くまたかが発見した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。2016年6月19日1800頃、宗谷岬北西40kmの宗谷海峡を東に航行するのを、PG-825わかたかと第２航空群P-3Cが発見した。2017年7月3-4日、太平洋艦隊の大規模演習に参加。7月5日0500-0700頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦２隻（アドミラル・ヴィノグラードフなど）、グリシャ�X型フリゲート１隻、タランタル�V型ミサイル艇４隻と共に、宗谷岬北北東40kmを西に航行するのを、第２航空群P-3C、DD-156せとぎり、PG-827くまたかが発見した。その後宗谷海峡を西に抜けて日本海に向かっている。2019年10月1日0630頃、ナヌチュカ�V級ミサイル艇スメルチ、ズヴェズドチカ級兵器輸送艦１隻と共に、宗谷岬北西65kmを東に航行するのを、PG-825わかたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に進んでいる。2020年7月14日1600頃、ズヴェズドチカ級兵器輸送艦１隻と共に、宗谷岬北東350kmを南西に航行するのを第２航空群P-3CとPG-827くまたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進み、日本海に向かっている。参考：月刊世界の艦船3,’12、9,’14、11,’14、3,’15、11,’15、12,’15、9,’16、10,’17、3,’20、4,'21、朝雲

＜ボレアス＞：H77（駆逐艦）を参照。

＜ボレイ級＞：955型シリーズ（原潜）を参照。

＜ボレイジ＞：K120（コルベット）を参照。

＜ホレイス・Ａ・バス＞：APD-124（高速輸送艦）またはDE-691（護衛駆逐艦）を参照。

＜ポレツ・ザ・スヴォボドゥ＞：ポチョムキン（戦艦）を参照。

＜ボレロ作戦＞：第２次大戦時に行われた、アメリカ軍部隊のイギリス大量展開作戦。参考：月刊PANZER6,’04、月刊丸6,’03

＜ホロ＞：四式十五糎自走砲を参照。

＜ボロ＞：B-18シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ホローダック浮橋システム＞：ドイツ陸軍の浮橋。架橋場所の選定や輸送、運用に制限があるため、2003年までに改良が加えられる予定である。参考：月刊PANZER6,’01

＜ホロー・チャージ＞：成型炸薬を参照。

＜ホロー・ポイント＞：HPと略す。ソフト・ポイント弾の弾頭先端に穴を開けたもので、命中時に先端がマッシュルーム状に変形する。いわゆるダムダム弾の一種である。拳銃弾ではジャケッテッド・ホロー・ポイントという。参考：GUN用語事典

＜ホロサイト＞：光学照準器の１つで、レンズに照準レティクルを三次元画像として投影するタイプのもの。どの角度から照準器を覗いてもレティクルは同じように見える。投影にはレーザーを使うので、レンズの大部分が破損しても残りの部分に投影させて照準器として使用することができる。安物ではLEDを使っているので注意が要るが、破損の恐れのないサバイバルゲームなどなら十分使用に耐える。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜ボロジノ＞：ロシア海軍ボロジノ級戦艦１番艦。1904年8月就役。1905年5月27日、日本海海戦に参加、転覆沈没した。参考：歴史群像6,’14

＜ボロジノ級＞：ロシア海軍戦艦Borodino級。日本海軍の12インチ（30.5cm）砲搭載戦艦に対抗すべく建造したもので、フランスのFCM（ラ・セーヌ地中海造船所）に発注した戦艦ツェサレーヴィチのライセンス生産権を取得し、運用側の要求やロシアの技術レベルに合わせた改良を施したものである。船体はタンブルホーム型で、水線部付近に二重の魚雷防御隔壁を持つ。機関系や砲熕兵装をロシア式に換装し、副砲も全て砲塔砲架を採用したが、ケースメート式7.5cm単装砲の装甲を追加したため重心が上昇し、復原性に問題が生じた。全長121m、全幅23.2m、常備排水量13516トン。主機は直立型三段膨張式レシプロ蒸気機械２基２軸16378馬力、最大速力17.6-17.8ノット、石炭搭載量1235トン、航続距離は10ノットで5000海里。兵装は40口径30.5cm連装砲２基、45口径15.2cm連装砲６基、50口径7.5cm単装砲20門、バラノフスキー6.35cm野砲２門、オチキス43.5口径4.7cm単装砲20門、マキシム7.62mm機銃４丁、38.1cm魚雷発射管水上２門・水中２門、機雷50個。装甲厚は水線部194-102mm、甲板最大75mm、砲塔前盾254mm、砲塔上面63mm。乗員835名。1904-05年にボロジノ、インペラトール・アレクサンドル�V世、オリョール、クニャージ・スウォロフ、スラヴァの５隻が竣工した。日本海海戦で３隻が転覆沈没、第１次大戦で１隻が大破自沈している。参考：歴史群像6,’14、月刊世界の艦船10,’18

＜ボロジノ級＞：ロシア海軍計画巡洋戦艦Borodino級。1913-30年に戦艦20隻、巡洋戦艦12隻、軽巡洋艦24隻、駆逐艦108隻、潜水艦36隻を整備する建艦計画に基づいて最初に建造に着手したもので、1911年8月に国際コンペを開催し、国内工廠の設計案を採用した。主砲は14インチ（35.6cm）砲３連装砲塔４基とし、金剛型やデアフリンガー級を上回る高性能を持たせる予定だった。全長223.85m、全幅30.5m、吃水8.8m、常備排水量32500トン。主機はタービン４基、主缶はヤーロー式混焼缶24基、出力66000軸馬力、速力26.5ノット、石炭搭載量1974トン、重油搭載量2280トン、航続距離は26.5ノットで2280海里。兵装は35.6cm３連装砲塔４基（連装４基？）、13cm砲24門、6.4cm高角砲４門、45cm水中発射管６門。装甲厚は主甲帯238mm、司令塔400mm、砲塔前楯300mm、バーベット248mm、水線部305mm、中甲板50+20mm。バルト海艦隊用にボロジノ（Borodino）、イズメイル（Izmail）、ナワリン（Navarin）、キンブリン（Kinburn）の４隻の建造を予定し、1913年（1914年？）に起工、1915-16年に進水させたが、第１次大戦勃発でイギリスやドイツから機関部の部品が輸入できなくなり、1917年に工事が中断。ロシア革命で完成の見込みは絶たれ1923年に３隻が解体され、改設計での建造続行を検討した２番艦イズメイルも1931年に解体された。参考：月刊丸2,’08、月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史

＜ボロジノ作戦＞：ソ連が1945年8月から開始した、原爆開発に関する情報収集作戦で、名前の由来は1812年のボロジノの戦い。同月の広島・長崎原爆投下を受け、全諜報機関の諜報活動を原爆開発に関する事項に集中させるものである。参考：月刊軍事研究11,’09

＜ポロニウム２１０＞：放射性元素の１つで、元ロシア連邦保安庁情報部員不審死事件で使用された。半減期が短く、放射能はウランの100億倍、致死量はポロニウム塩化物で10マイクログラムとされる。ほぼα線のみを出しγ線を殆ど放出しないため、簡単な容器で放射線を遮蔽でき、人間の体内に取り込ませることで急性放射線症候群を引き起こす。参考：日本医事新報No.4620

＜ボロネシ＞：DD-70（駆逐艦）を参照。

＜ボロネシ級＞：フリースラント級駆逐艦（ペルー海軍）を参照。

＜ポロネズ＞：ベラルーシ陸軍の301mm自走多連装ロケットPolonez。MZKT-7930に中国製300mmロケット弾A200用８連装ランチャーを積んだものらしい。INS/GPS誘導弾はCEP30-50mを誇る。射程200km以上。2016年から量産を始める予定。参考：月刊軍事研究5,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ボロネツ＞：ロシアの弾道ミサイル監視用戦略レーダーで、アルマビルに設置され、2009年4月6日から稼働した。有効探知距離4000kmで、ICBMや宇宙機も探知できる。ヴォロネジと同じ？参考：月刊軍事研究9,’09

＜ボロフスク＞：ロシア海軍マトカ型ミサイル艇Borovsk。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜幌別駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は北海道登別市緑町3-1。JR幌別駅から徒歩20分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。2020年7月26日、駐屯地曹友会がクリーン作戦を行い、駐屯地外周の道路沿い4kmを清掃した。2022年2月18日、登別市と、大津波警報発表時における一時的な緊急避難経路としての幌別駐屯地内の通行に関する協定を締結した。参考：JGround Vol.23、朝雲

　＜幌別駐屯地（２０１５年）＞：北部方面施設隊第13施設隊、北部方面施設隊第302水際障害中隊、第101施設直接支援大隊第３直接支援中隊、北部方面会計隊第331会計隊（3月26日から第323会計隊幌別派遣隊）、幌別駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜幌別駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2014年12月8日、特定健康診査受診率向上の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜ポロポフシチコフ装甲自動車＞：ロシアのオープントップ装甲車。フォード乗用車を装甲化したもので、1915年に試作され、防楯付きマウントにマキシム機関銃を搭載する予定だった。装甲厚3.5-4.5mm。エンジンは10.8馬力ガソリン。乗員３名。試作のみ。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜ホロマン空軍基地＞：アメリカ空軍の航空基地で、ニューメキシコ州にある。ホワイトサンズ・ミサイル射場に囲まれており、機密保持や空対空ミサイル実射訓練には事欠かないため、F-22A戦闘機飛行隊や空中標的飛行隊が配備されている。滑走路はメインがランウェイ07/25（3900m級）と16/34（3600m級）、フルスケール空中標的専用がランウェイ04/22（3200m級、幅90m）である。参考：月刊航空ファン3,’17

＜ボロン複合材＞：BRPを参照。

＜ホワールウインド＞：D30（旧Ｗ級駆逐艦）またはPC-11（哨戒艇）またはR87（Ｗ級駆逐艦）を参照。

＜ホワールウインド・シリーズ＞：イギリス軍のヘリコプター。シコルスキー製S-55ヘリをウエストランド社でライセンス生産したものである。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、月刊JWings4,’20

　＜ホワールウインドＨＡＳ．７＞：イギリス海軍艦載対潜ヘリ。参考：月刊JWings11,’19

＜ホワールウインドＭｋ．１＞：イギリス空軍双発単座戦闘機Whirlwind。1937年からイギリスのウェストランド社で高々度迎撃戦闘機として開発され、1938年10月11日に初飛行、1940年6月に就役した。エンジン不調と高々度性能の不足により112機の生産に止まり、主に対地攻撃機として使用され、戦闘よりも事故で失われた数の方が多いという散々な戦績を残している。全長9.98m、全幅13.72m、全備重量4.63トン。エンジンはロールスロイス社製ペリグリン１（960馬力）２基で、最大速度480km、実用上昇限度9150m、航続距離1800km。固定武装は20mm機関砲４門。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊航空ファン1,’15

＜ホワイティング＞：SS-433（潜水艦）を参照。

＜ホワイト＞：アメリカ軍の遠距離用緩燃性榴弾用装薬。

＜ホワイト＞：日本海軍士官のスラングで、舞鶴の料亭白糸の通称。または素人女性のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ホワイト・アローズ＞：海上自衛隊小月教育航空群第201教育航空隊T-5練習機４機と教官（搭乗者８名＋予備の第２クルー。2020年現在は計14名）によるアクロバットチームWhite Arrows。コールサインはルーキー。展示飛行はKINGパターン（全13課目）、QUEENパターン（水平系のみ10課目）、JACKパターン（編隊航過のみ）の３種があり、天候に応じて使い分ける。元は1998年に創設された第201教育航空隊飛行技術研究班で、2001年に非公式展示チームのルーキーフライト／ブランエールとなり、2018年10月に海自公式チームとなって改称された。2019年9月7-8日に幕張海浜公園で開催されたレッドブル・エアレース千葉2019で展示飛行を行った。これが初の自衛隊外イベント展示飛行である。参考：月刊航空ファン1,’19、1,’20、月刊JWings8,'23、1,’19、11,’19、1,’20、朝雲

＜ホワイト・イーグル＞：NATO軍によるポーランド第22空軍基地からのNATO北東側空域（バルト海周辺など）警備任務White Eagle。ウクライナ戦争を受け、2022年7月末から開始した。参考：月刊JWings12,’22

＜ホワイト・クラウド＞：NOSS（衛星）を参照。

＜ホワイトサイド＞：AKA-90（攻撃貨物輸送艦）またはVH-3D（ヘリ）を参照。

＜ホワイトサンズ・ミサイル実験場＞：アメリカ陸軍のミサイル実験場。ニューメキシコ州にあり、広さは南北160km、東西60kmに及ぶ。ホロマン空軍基地を取り囲む位置にあり、イージスシステム試験用デザートシップも配置されていて、陸軍地対空ミサイルだけでなく、空軍空対空ミサイルや海軍艦対空／艦対艦ミサイルの射撃試験も行える。参考：月刊航空ファン3,’17

＜ホワイトサンド・ベイ＞：K633（フリゲート）を参照。

＜ホワイト・シャーク＞：K731（長魚雷）を参照。

＜ホワイト・ジャージ＞：アメリカ海軍空母のデッキクルーのうち、ランディング・シグナル・オフィサー（着艦機誘導係）、エア・トランスファー・オフィサー（輸送機調整係）、メディカル（医療係）、セーフティー（安全係）、広報担当、ゲストなどで、ジャージの上着が白いためこう呼ばれる。クレニアル・ヘルメットとライフ・プリザーバ・ベストMk1も白だが、スコードロン・プレーン・インスペクターとカタパルト・アレスティング・クオリティ・アシュアランスはヘルメットが緑色、オードナンス・クオリティ・アシュアランスはベストが赤色である。参考：月刊JWings1,’02、7,’22

＜ホワイト・トップ＞：アメリカ軍要人輸送機の通称。直射日光でキャビン内が蒸し焼きにならないよう、上面を白塗装にしているのでこう呼ばれる。エアコン完備後も伝統を継承して上面白塗装のままである。参考：月刊航空ファン7,’16、8,’19

＜ホワイト・ナイツ＞：VMM-165（海兵中型ティルトローター飛行隊）を参照。

＜ホワイトハースト＞：DE-634（護衛駆逐艦）を参照。

＜ホワイト・ハット作戦＞：朝鮮戦争中にアメリカ空軍がH-19ヘリコプターで行った、航空機搭乗員救難作戦。第2157航空救難サービスが実施した。参考：月刊ミリタリーエアクラフト4,’02

＜ホワイトビーチ＞：沖縄県うるま市にある在日米軍港湾施設。面積156万８千平方メートルで、中城湾に面しており、長さ850m・幅24mのＡ桟橋（海軍桟橋と呼ばれる）、長さ450m・幅24mのＢ桟橋、将校宿舎、消防舎、修理工場、ヘリパッドなどが用意されている。アメリカ陸海軍の管理下にあり、第７艦隊第76任務部隊第１両用作戦群の母港で、アメリカ陸軍第505補給大隊の物資搬入、アメリカ海軍揚陸艦の兵員輸送・物資補給、原子力潜水艦の寄港、アメリカ海兵隊員の揚陸艦への乗艦などが行われる。参考:月刊軍事研究4,’10、月刊世界の艦船3,’12

＜ホワイトフィッシュ＞：SS-432（潜水艦）を参照。

＜ホワイト・プレーンズ＞：AFS-4（戦闘給糧艦）またはCVE-66（護衛空母）を参照。

＜ホワイト・プロパガンダ＞：プロパガンダを参照。

＜ホワイトヘッド＞：A184（魚雷）またはA364（試験艦）を参照。

＜ホワイトヘッド級＞：イギリス海軍試験艦Whitehead級。全長97.3m、幅14.6m、吃水5.2m、満載排水量3040トン。主機はディーゼルで、出力3400馬力、速力15.5ノット。A364ホワイトヘッドが1971年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ホワイトホーク＞：VH-60N（要人輸送ヘリ）を参照。

＜ホワイトホール＞：D94（護衛艦）を参照。

＜ホワイト・マーシュ＞：LSD-8（ドック型揚陸艦）を参照。

＜ホワイトマン空軍基地＞：アメリカ空軍の航空基地。ミズーリ州にある。滑走路は長さ3780m・幅61m、ランウェイ01/19の１本。1995年、ミニットマン運用部隊の第351戦略ミサイル航空団が解隊された。参考：月刊JWings4,’22

　＜ホワイトマン空軍基地（２０２２年）＞：第509爆撃航空団（ホストユニット。B-2A）、ミズーリ州空軍第131爆撃航空団（アソシエート部隊）、第432航空団第20攻撃飛行隊（MQ-9A）、空軍予備役軍団第303戦闘飛行隊（A-10C）、同第358戦闘飛行隊（A-10C）、ミズーリ陸軍州兵第135航空連隊第１大隊（UH-60L）が駐屯している。参考：月刊JWings4,’22

＜ホワイト・リッジ＞：DDH-143（護衛艦）を参照。

＜ボン＞：A1413（補給艦）を参照。

＜ポン６＞：カタパルト発進（日本海軍）を参照。

＜ボンカー＞：イギリスで特許が取得された艦砲用誘導砲弾、Bonker。弾丸先端にCCDカメラが内蔵されており、目標を捕捉するとボンカーと呼ばれる小型ロケットを噴射して軌道を修正し、目標に命中する。CIWSとしての使用が考えられている。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜ホンカー２０００＞：ポーランド軍が使用している全地形対応汎用車両で、スコーピオン３の装甲化バージョンである。車体両側に装甲板を備え、車体底部にLim-3ラミネートと呼ばれる装甲を追加した。窓とエンジン周囲は非装甲のままである。武装は防楯付きの7.62mmPK機銃で、PCS-5暗視装置の取り付けも可能。ワイヤー・カッターも付いている。これらの改造で重量が2575kgとなり、収容兵員数が９名から５名に減った。参考：月刊PANZER1,’05

＜ボング＞：リチャード・Ｉ・ボング。第２次大戦時のアメリカ陸軍航空隊トップエースである。1920年9月24日、ウィスコンシン州ボプラー生まれ。1941年6月、アメリカ陸軍航空隊に入隊した。1942年1月、基本操縦訓練を終えて少尉となり、5月6日、第14追撃航空群第49追撃飛行隊配属となった。6月11日、乗機のP-38に惚れ込んだ挙げ句、サンフランシスコ市の金門橋をくぐり抜けて飛行したため、第４航空軍司令官から呼び出しを喰らって説教された。9月、第５航空軍第49戦闘航空群第９戦闘飛行隊に配属され、ポートモレスビー基地に到着した。11月15日、第39戦闘飛行隊に移った。12月27日、ブナ上空で零戦１機と九九式艦爆１機を撃墜。1943年1月、第９戦闘飛行隊に戻った。1月7日、一式戦闘機２機を撃墜。1月8日、一式戦闘機１機を撃墜してエースになった。3月、一式戦闘機３機を含む４機を撃墜。4月、一式陸攻１機を撃墜してダブルエースになった。中尉に昇進。6月、一式戦闘機１機を撃墜。7月26日、三式戦闘機２機と一式戦闘機２機を撃墜してトリプルエースになった。7月中にもう１機撃墜している。8月、大尉に昇進。10月、３機を撃墜。11月5日、零戦２機を撃墜。一時休暇を与えられてアメリカに帰国した。1944年2月上旬、第５航空軍戦闘機集団司令部付となり、ニューギニア戦線に復帰。4月中旬までに一式戦闘機３機など計７機を撃墜し、エディ・リッケンバッカーの記録を抜いてアメリカのトップエースとなった。少佐に進級してアメリカに帰国、凱旋ツアーを実施。その後戦闘機射撃学校で射撃の腕を磨いた。9月中旬、フィリピンに展開した。10月10日、月光１機と零戦１機を撃墜。12月8日（12日？）、タクロバンでダグラス・マッカーサー大将から名誉勲章を授与された。12月17日、40機撃墜を達成。アメリカに呼び戻され、1945年にテストパイロットに転向、P-80のテストを実施した。1945年8月6日1400過ぎ、11回目のテスト飛行で離陸直後にエンジントラブルで墜落、パラシュートが開ききらず地面に激突し、死亡した。総撃墜機数40機。最終階級は少佐。参考：月刊JWings7,’11、10,’09、戦闘機のしくみ

＜香港航空ショー＞：アジアン・エアロスペースの通称で、シンガポール航空ショーに代わり2007年9月から２年ごとに開催されることとなった。一般公開はしない。参考：月刊JWings5,’06

＜香港攻略戦＞：香港島は日華事変勃発後も中華民国政府の連絡・通商窓口となっており、外国要人との会談や、戦略物資の輸出入に使用されていた。イギリスはワシントン条約締結後も密かに香港周辺に設置した要塞の強化を続け、昭和10年から香港島対岸の九龍半島に半永久築城陣地を構築。ジン・ドリンカーズ・ラインと呼ばれる東西20km・縦深6kmの範囲に287個の砲台とトーチカを設置した。昭和15年6月、日本軍は国境の川を封鎖して阻止しようとしたが、あまり効果が無く、ドイツがイギリスを無力化したら攻略しようと南支派遣軍主力の第38師団に第１砲兵隊を増強したが、イギリスが予想以上に粘るため、一旦棚上げされた。太平洋戦争開戦が近づくと再度作戦準備が実施され、南支派遣軍を第23軍に改編、九龍半島を南下してヴィクトリア湾を渡り、香港島を一気に攻略する計画を立てた。香港島は要塞化されていると予想され、第23軍はトーチカ攻略訓練を重点的に行い、砲兵隊は渡河準備や道路の建設に入った。マレー半島上陸を確認してから攻略を開始し、攻略予定日数は九龍半島制圧に10日間、香港島の制圧に３日間であり、その後第38師団は蘭印攻略作戦に回されることになっていた。参加した砲兵部隊は山砲兵第38連隊（四一式山砲36門）、独立山砲兵第10連隊（四一式山砲24門）、独立山砲兵第20大隊（ボ式山砲９門）、野戦重砲兵第14連隊（四年式十五糎榴弾砲24門）、独立重砲兵第２大隊（八九式十五糎加農８門）、独立重砲兵第３大隊（八九式十五糎加農８門）、独立臼砲第２大隊（十五糎臼砲12門）、砲兵情報第６連隊、第３牽引自動車隊。イギリスは昭和16年10月にカナダ軍２個歩兵大隊を増強するなど防備を固めており、総兵力は12000名で、香港歩兵旅団、カナダ旅団、砲兵隊、香港義勇軍に加え、駆逐艦３隻、砲艦４隻、魚雷艇８隻、武装哨戒艇15隻、雷撃機３機、水陸両用機２機を有していた。12月8日未明、香港守備隊に日本がマレー半島に上陸したとの情報が入ったため、守備隊は配置に付き、国境警備隊は鉄道や橋梁、道路を破壊して九龍陣地に後退した。0340、第23軍は参謀本部から「ハナサク　ハナサク」の開戦命令を受領し、司令官が全部隊に鷹命令を伝達、攻略作戦が開始された。0720、53機の軍飛行隊が宝安飛行場を離陸し、爆撃に向かった。0830、啓徳空港に空襲警報が発令された。日本の飛行隊は飛行場や港湾を爆撃し、飛行機や艦船を破壊した。陸上部隊も国境を越えて進撃したが、付近にイギリス軍はおらず、先鋒は軽微な抵抗を排除しつつ夜までに10kmほど進撃した。しかし後続の師団主力と砲兵隊は数日前の豪雨で泥濘と化した道路に足を取られ、国境付近を流れる川を渡った後の再進撃にも手間取っていた。12月9日、第23軍はジン・ドリンカーズ・ライン北方の貯水池付近にある砲兵観測所の攻略にかかったが、山岳地帯でトーチカ攻略用速射砲の人力運搬に手間取り、反撃の砲火も激しく、一旦態勢を整えることにして隷下部隊に偵察以外の行動を禁止した。夕方、ジン・ドリンカーズ・ラインを偵察していた第38師団歩兵第228連隊第３大隊第10中隊が、255高地から341高地にかけてのイギリス軍陣地帯内に兵士の姿が見えないことに気付いた。中隊長は大隊長に対して夜襲を具申、連隊長もこれを許可し、2030から第10中隊が静粛夜襲を仕掛けて翌日0100までに255高地から341高地を占領した。これを聞いた第23軍司令部は直ちに後退せよと命じたが、歩兵第228連隊は拒否して死守を続けた。第23軍司令と第38師団長は激怒して中隊長を軍法会議にかけろとまで発言したが、参謀長らがとりなしている。12月10日、ジン・ドリンカーズ・ラインからイギリス軍が後退を開始。夕方から第38師団は隷下部隊に夜襲を命じ、12月11日午後までかかって第366高地と第256高地を占領し、イギリス軍の退路が遮断されかけた。12月11日1230、イギリス軍は九龍半島からの退却を決定。1700、第23軍司令官は九龍市の占領を第38師団に命令。12月12日0730、第38師団は九龍市市外に突入し、0900までに市を完全に掌握、12月13日には九龍半島の主要部分を掃討した。日本軍は香港守備隊に降伏勧告の軍使を送ったが、守備隊はこれを拒否した。香港島からの砲撃が衰えないことを見た第23軍は、十分な準備の後に香港島攻略を行うことにし、12月14日から第１砲兵隊重砲の砲撃や爆撃で沿岸砲台を沈黙させた。12月17日、ヴィクトリア市街に砲爆撃を行い、再度軍使が降伏勧告を行ったが、拒否された。日本軍は独立工兵第20連隊と独立工兵第14連隊の九五式折畳舟200隻、操舟機15基、大発19隻、小発15隻を集めて上陸作戦準備を行い、第一波は手漕ぎで隠密上陸を行うことにした。12月18日2040、第23軍の上陸第一波が九龍半島を出撃。ヴィクトリア市街東方4kmの北角、ブレーマー角、水牛湾に上陸し、2140から上陸成功の信号弾が打ち上げられた。次いで第二波が上陸を開始したが、未明からイギリス軍の反撃を受け、30名以上が死傷した。1000、イギリスの魚雷艇が反撃に出たが、集中砲火を浴びて１隻が沈没、１隻が拿捕された。上陸部隊はイギリス軍の銃座、トーチカ、装甲車などによる必死の抵抗に遭って進撃できなくなり、12月23日になって漸く香港島西部のヴィクトリア・ピーク付近に立て籠もる香港守備隊攻撃のための戦線整理や補給に入った。12月24日、第23軍は攻撃を再開。12月25日未明、イギリス軍陣地前方のベンネッツ山を制圧。大本営は第38師団のジャワ侵攻作戦への転用を急いでいたため、朝に第23軍はイギリス軍に降伏勧告を行ったが、拒否された。午後、重砲弾300発を撃ち込んだところ、1700にイギリス軍は降伏を受け入れ（九龍半島からの水の供給が絶たれていた）、1900にペニンシュラ・ホテルで降伏文書が調印された。第23軍の死傷者は2096名。参考：歴史群像6,’01、大砲入門、月刊丸8,’11、7,’14

＜香港返還＞：1984年12月19日、北京で香港問題に関するイギリス政府と中国政府との間の共同声明が署名され、1985年5月28日に発効した。1995年、王立グルカ歩兵連隊第１大隊駐屯地のカジノライン軍営、九龍半島先端のガンクラブヒル軍営などが閉鎖された。九龍キングスパークの英軍病院が閉鎖され、香港政庁に引き渡された。1996年秋、石崗軍営が閉鎖され、駐屯していたグルカ野戦工兵第68中隊、香港第50工作廠が解隊された。空軍第28飛行中隊が啓徳国際空港に移動。1997年4月11日、ストーンカッターズ島海軍タマー基地が閉鎖され、イギリス海軍の極東の海軍基地は皆無となった。4月21日、中国人民解放軍駐港部隊先遣隊40名が香港に到着。6月上旬、九龍のオズボーン軍営が閉鎖され、空軍第28飛行中隊がイギリス本土に帰還した。最後に残るのは近衛ハイランド歩兵連隊ブラック・ワッチ第１大隊である。イギリス軍は6月30日1800に総司令部撤退閉鎖式を行い、全て撤退し、7月1日、主権がイギリスから中国に返還された。中国政府とイギリス政府の共同声明に基づき、50年間は香港に高度な自治権を認めるとして一国二制度が開始されている。2017年、中国がイギリスとの共同声明を歴史の遺物であり拘束力が無いと一方的に主張し始めた。2020年、中国が香港国家安全法を制定し、一国二制度は形骸化した。参考：月刊軍事研究7,’97、ベーシック条約集2018、朝雲

＜香港問題に関するイギリス政府と中国政府との間の共同声明＞：1984年12月19日に北京で署名され、1985年5月28日に発効した。中国政府は香港地域（香港島、九龍、新界）に対する主権の行使を1997年7月1日以降に再開し、イギリス政府は1997年7月1日に香港を中国に返還する。中国政府は香港を中国憲法第31条に基づく特別行政区とし、中国政府の直接の権威の下に置くが、外交と防衛を除いて高度の自治を享受し、行政権、立法権、終審の権利を含む独立した司法権を付与され、香港に於ける現行法は基本的に不変とする。香港特別行政区政府は現地住民により構成され、主席行政官は現地の選挙又は協議の結果に基づいて中国政府が任命し、主要職員は主席行政官が指名して中国政府が任命する。香港特別行政区では、人身、言論、出版、集会、結社、旅行、移動、通信、ストライキ、職業選択、学術研究、宗教上の信仰などの権利と自由は、法により保障される。香港に関する基本政策や詳細は、全国人民代表大会により香港特別行政区基本法に規定され、50年間は不変とする。参考：ベーシック条約集2018

＜ボンサイ・ツリー＞：不朽の自由作戦アナコンダ作戦で、撃墜されたヘリを救出する際に攻撃参照点とした、タクル・ガル山山頂の松の木に付けられたコード名。参考：月刊軍事研究5,’03

＜ホンサンオ＞：K-ASROC（対潜ロケット）を参照。

＜ホン・シウク＞：韓国海軍尹永夏級ミサイル艇11番艇Hong Siuk。2013年10月10日就役。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜本地原飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜ホンジュラス海軍＞：

＜ホンジュラス海軍（１９８９年）＞：兵力1200名（海兵隊600名含む。うち徴兵900名）。プエルト・コルテスとアマパラに基地がある。ガイムラス級内海哨戒艇３隻、コパン級内海哨戒艇２隻、小型内海哨戒艇６隻、プンタ・カジナス級戦車揚陸艇１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ホンジュラス海軍（２０１５年）＞：現役兵力1100名（海兵隊830名含む）。哨戒艇17隻、プンタ・カジナス級戦車揚陸艇１隻、LCM２隻を保有する。海兵隊は海兵大隊１個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホンジュラス空軍＞：2014年、EMB-314練習機２機をエンブラエルに発注した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホンジュラス空軍（１９７７年）＞：兵力1200名。F4U戦闘機９機、F-86K戦闘機４機、B-26爆撃機１機、シュペル・ミステールB2爆撃機８機、C-54輸送機１機、C-45輸送機、アラバ輸送機３機、ウエストウインド１機、セスナ180輸送機２機、T-6G練習機、T-28E練習機４機、T-41練習機９機、AT-37B練習機６機、RT-33A練習機１機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ホンジュラス空軍（１９８９年）＞：兵力2100名（うち徴兵800名）。A-37B攻撃機13機、F-5E戦闘機10機、F-5F戦闘機２機、シュペル・ミステールB2戦闘機８機、C-47輸送機９機、C-123輸送機１機、C-130A輸送機２機、コマンダー輸送機４機、DHC-5輸送機２機、L-188輸送機１機、IAI-201輸送機２機、IAI-1123輸送機１機、IAI-1124輸送機１機、S-76要人輸送ヘリ１機、バロン連絡機１機、セスナ172連絡機３機、セスナ180連絡機２機、セスナ185連絡機２機、PA-24連絡機１機、PA-31連絡機１機、ベル47ヘリ１機、ベル412ヘリ10機、ヒューズ500ヘリ４機、TH-55ヘリ５機、UH-1Bヘリ８機、UH-1Hヘリ11機、T-33練習機２機、C-101BB練習機４機、EMB-312練習機12機、T-41A練習機５機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ホンジュラス空軍（２０１５年）＞：現役兵力2300名。F-5E戦闘機９機、F-5F戦闘機２機、A-37B攻撃機６機、C-130A輸送機１機、ビーチ200キングエア輸送機１機、セスナ182輸送機２機、セスナ185輸送機１機、セスナ208B輸送機１機、セスナ210輸送機２機、EMB-135レガシー600輸送機１機、IAI-201アラバ輸送機１機、L-410輸送機２機、PA-31輸送機１機、PA-42輸送機１機、ターボコマンダー690輸送機１機、EMB-312練習機９機、MXT-7-180スターロケット練習機７機、ベル412EP要人輸送ヘリ１機、ベル412SP汎用ヘリ５機、ヒューイ500汎用ヘリ２機、ベル205（UH-1H）汎用ヘリ６機、H125汎用ヘリ１機、シャフリル空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホンジュラス軍＞：2011年、警察と合同で組織犯罪や麻薬密輸の取り締まりを開始。2012年、洋上特殊作戦ユニットを編成。2014年、新しい治安維持組織として治安維持憲兵とTIGRESを編成。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホンジュラス軍（１９８９年）＞：現役19200名（うち徴兵13200名）、予備役50000名。アメリカ陸軍1500名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ホンジュラス軍（２０１５年）＞：現役総兵力10700名（陸軍7300名、海軍1100名、空軍2300名）、予備役60000名、準軍事組織（治安維持省治安維持軍）8000名。ハイチにMINUSTAH要員37名、西サハラにMINURSOオブザーバー12名を派遣している。USSOUTHCOM370名、航空大隊（CH-47とUH-60装備）１個が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ホンジュラス国際緊急援助医療隊派遣＞：自衛隊の海外派遣。ハリケーン被害への国際緊急援助活動として1998年11月13日から12月9日まで実施された。11月13日1146-1322、航空自衛隊C-130H６機が陸上自衛隊要員を乗せて小松基地を離陸。グアム島アンダーセン空軍基地、クェゼリン島バグホルム陸軍航空基地、ハワイ州ヒッカム空軍基地、カリフォルニア州トラビス空軍基地、テキサス州ケリー空軍基地を経て11月16日にホンジュラスのカンコンティン空港に着いた。4000人を治療し、33000平方メートルの防疫を実施、12月9日に帰国した。参考：月刊軍事研究7,’99、5,’12、月刊航空ファン1,’15

＜ホンジュラス陸軍＞

＜ホンジュラス陸軍（１９７７年）＞：兵力13000名。歩兵大隊10個、大統領親衛大隊１個、砲兵中隊２個、工兵大隊１個、通信大隊１個からなる。75mm分解式榴弾砲12門,105mm榴弾砲８門、57mm無反動砲、81mm/120mm迫撃砲を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ホンジュラス陸軍（１９８９年）＞：兵力15400名（うち徴兵11000名）。軍管区10個、歩兵旅団４個、砲兵旅団１個、独立装甲騎兵連隊１個、独立歩兵大隊２個、特殊部隊大隊１個、工兵大隊１個、高射砲大隊１個からなる。スコーピオン軽戦車12両、スコーピオン・シミター軽戦車３両、サラディン偵察車72両、RBY Mk1偵察車10両、105mm砲M-101/-102を24門、155mm砲M-198を４門、60mm/81mm迫撃砲310門、120mm迫撃砲60門、ソルタム160mm迫撃砲30門、84mm無反動砲カールグスタフ120基、57mm無反動砲M-18、106mm無反動砲M-40A1を80門、20mm高射機関砲80門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ホンジュラス陸軍（２０１５年）＞：現役兵力7300名。軍管区６個、特殊作戦群（特殊作戦大隊１個、空挺歩兵大隊１個）１個、機甲騎兵連隊（偵察隊１個、軽戦車隊１個、機械化大隊２個、砲兵中隊１個、防空砲兵中隊１個）１個、歩兵旅団（歩兵大隊３個、砲兵大隊１個）３個、歩兵旅団（歩兵大隊３個）１個、大統領警護中隊１個、工兵大隊１個、予備役歩兵旅団１個からなる。スコーピオン軽戦車12両、RBY-1偵察車13両、サラディン偵察車40両、シミター偵察車３両、スルタン偵察車１両、105mm砲M102を24門、155mm砲M198を４門、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲FMK-2を60門、160mm迫撃砲M-66を30門、106mm無反動砲M40A1を50門、84mm無反動砲カールグスタフ120門、20mm高射機関砲M55A2を24門、20mm高射機関砲TCM-20を24門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ポンス＞：LPD-15（揚陸艦）またはAFSB(I)-15（洋上前方設置艦）を参照。

＜ポンス撃沈＞：2003年4月、オーストラリアのビクトリア州沖に停泊していた貨物船ポンスにヘロイン密輸の疑いがかかった。ポンスは北朝鮮と交信しながら逃走したため、オーストラリア軍はタータン作戦を発動し、アンザック級フリゲートFFH153スチュアートで追跡、陸軍特殊部隊SASR及び陸海軍合同特殊部隊TAG-EがS-70ヘリとRIBで強襲して拿捕した。北朝鮮国家による犯罪とは立証できなかったが、ポンスが密輸に使用されていたことは明らかだったため、2006年3月23日にシドニー沖まで曳航し、F-111Gの2000ポンドレーザー誘導爆弾２発で撃沈した。参考：JShips Vol.24

＜ポンスレ＞：フランス海軍ルドゥタブル級潜水艦Poncelet。1932年竣工。1940年に自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜誉田飛行場＞：日本陸軍の飛行場。太平洋戦争末期に千葉郡誉田村で開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜本田稔＞：大正12年、熊本県生まれ。昭和17年1月、海軍甲種飛行練習生を卒業し、第22航空戦隊司令部付戦闘機隊に配属された。4月、鹿屋航空隊に配属された。9月、ラバウルに進出。昭和18年5月、横須賀海軍航空隊に転属となり、零戦五二型のテストを実施。昭和19年4月、戦闘407飛行隊に転属となった。10月、フィリピンに進出。その後本土に戻り、昭和20年1月に新編された第343航空隊戦闘407飛行隊に転属、本土防空任務に就いた。8月6日、鳴尾の川西航空機で紫電改を受領し、大村基地に向け離陸。高度6000mで広島城上空を通過中に原爆の炸裂を受け、一気に200mも機体を持ち上げられて瀬戸内海方向に吹き飛ばされた後、今度は500mも急降下した。ふと広島市街地を見ると跡形も無くなっており、大村基地でその話をしたが誰も信じなかったという。8月8日、大分県宇佐方面に来襲したP-51編隊の迎撃戦に紫電改を駆って出撃。20mm機関砲で敵編隊指揮官機を撃墜し、追跡してきた僚機を空中機動で海面に衝突させ、帰投途中に久住山上空で８機のP-51に囲まれ被弾したが、超低空飛行で切り抜けて何とか大分基地に避難着陸した。8月9日、大村基地に帰投。早めの昼食をとっている最中に原爆の炸裂音を聞いた。夕方から救援隊を指揮して大村海軍病院で負傷者の搬送を支援したが、手の付けようも無い悲惨な状況であり、水が欲しいという負傷者の下にバケツで水を運んできたら既に死亡しているような有様で、その後何日も食事が喉を通らず、生涯残るトラウマとなった。終戦後は自衛隊に入り、MU-2のテストパイロットなどを務めている。総撃墜数17機、最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊丸1,’12

＜ポンツーン＞：浮き桟橋のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ポンディチェリ＞：M61（掃海艇）を参照。

＜ポンディチェリ級＞：ナチャ級・海外シリーズ（掃海艇）を参照。

＜ポンデラ＞：APA-191（攻撃輸送艦）を参照。

＜ポンド＞：重さの単位で、lbと略す。１ポンドは453.59g。参考：月刊JWings4,’02

＜本動員＞：日本陸軍用語で、動員により常設師団を野戦師団に充足させたり、特設師団を編成したりすること。２週間以内に編成を完結することが可能だった。平時計画に基づいて実施され、予算も通常予算から出される。参考：月刊軍事研究12,’06

＜本土決戦＞：太平洋戦争時に日本軍が計画した、日本本土での決戦。昭和19年7月の時点で、日本本土には９個野戦師団と１個戦車師団（留守師団含む）があり、北海道の第７師団のみ動員が完了した状態だった。大本営は本格的な本土防衛を開始することになり、国土決戦教令を編纂。7月6日、内地師団の臨時動員を開始。7月20日、九州南岸に沿岸築城を開始。7月24日、関東防衛軍の第36軍を創立。昭和19年末、捷一号作戦航空・海上決戦及びレイテ地上決戦での敗北が決定的となり、南方資源地帯から軍需物資を安定的に還送できる見込みが消滅、もはや本土決戦以外に戦争継続を呼びかける手段が無くなった。昭和20年1月20日、大本営陸軍部は帝国陸海軍作戦計画大綱を上奏。新たに少なくとも師団44個、独立旅団22個（うち独立戦車旅団６個）、直属部隊要員など150万名を動員する必要に迫られたため、３次にわたり200万名を根こそぎ動員し、２会戦分の弾薬を備蓄する計画とした。ちなみに昭和19年11月末には639万人の在郷軍人がおり、召集可能な人数は469万人で、十分に余裕があるという計算である。他に自動車12000両、軍馬48万頭、輜重車７万両を徴用する予定とした。1月22日、内地に５個方面軍司令部（第11-13、第15、第16方面軍）を編成。トップは防衛総司令官の東久邇宮大将で、東北を第11方面軍、関東甲信越を第12方面軍、東海北陸を第13方面軍、関西・四国中国を第15方面軍、九州を第16方面軍が防備することとなった。また、総司令官直轄部隊として、東京を防衛する第36軍及び第６航空軍が配備された。北海道、朝鮮、台湾は内地防衛軍から切り離されており、それぞれ第５方面軍、第17方面軍、第10方面軍が防衛にあたった。2月28日、臨時動員が下命され、第１次根こそぎ動員（第一次兵備）を開始。32万名と馬匹６万頭が動員され、上陸地点に配備する張り付け師団14個（18個？）などが新たに編成された。3月23日、閣議で国民義勇隊組織に関する件が決定され、本土決戦用後方支援・民兵組織である国民義勇隊の編成が始まった。3月31日、方面軍司令部指揮下の第50-58軍を編成。4月2日、臨時動員が下命され、第２次根こそぎ動員（第二次兵備）を開始。上陸後のアメリカ軍を撃退する決戦師団（機動兵団）要員として師団８個、独立戦車旅団６個、戦車連隊５個、満州からの還送師団４個などを編成した。4月6日、作戦名が決号に決定。4月7日（4月25日？）、決戦時に本土が分断されて統一指揮が執れなくなる恐れがあったため、防衛総司令部が廃止され、第１総軍（東日本担当。隷下に東北軍管区第11方面軍、東部軍管区第12方面軍、東海軍管区第13方面軍）、第２総軍（西日本担当。隷下に中部軍管区第15方面軍、西部軍管区第16方面軍）、航空総軍（航空作戦統括。隷下に第１航空軍、第５航空軍、第６航空軍、第51教育飛行師団、第52教育飛行師団、第53教育飛行師団）を創設した。留守師団による動員も行われ、野戦師団の後方で治安維持や戦闘支援にあたり、予備戦力の役目も務める師団管区部隊（東北軍管区４個、東部15個、東海３個、中部４個、西部２個）が編成された。4月8日、大本営陸軍部が大本営に於ける本土作戦準備計画を発出。大本営陸軍部が決戦訓を示達。4月20日、大本営陸軍部が国土決戦教令を配布。5月、大本営の情勢判断では、アメリカは犠牲をいとわず合理的短期決戦による勝利を図り、イギリスや中国も追随、ソ連は8-9月頃に参戦する見込みで、対日戦のアメリカ海上兵力は8月末には空母26隻、特空母74隻、戦艦24隻、巡洋艦36隻、駆逐艦254隻、イギリス海上兵力は空母４隻、特空母８隻、戦艦６隻など、連合軍航空兵力は北部太平洋700機、中部太平洋3500機、フィリピン4100機、沖縄650機、ニューギニア・オーストラリア1150機、南太平洋700機、インド・ビルマ2000機、中国950機、中国・インド間輸送機400機、艦隊航空3800機で9月末には1500機くらい増加し、地上兵力は歩兵師団70個、機甲師団10個、空挺師団４個、騎兵師団１個、海兵師団８個で、9月以降の本土上陸では南九州に15-20個師団を投入して軍港と航空基地を確保し、次いで決戦方面の関東に30-40師団を投入するとみていた。日本陸軍では第１航空軍に1100機、第５航空軍に700機、第６航空軍に1400機の計3200機（うち特攻機2100機）に7-8月に生産予定の特攻機500-1000機を加え、日本海軍では戦闘1030機、対機動部隊用爆撃機330機、対輸送船団用爆撃機3725機、偵察機140機の計5225機（ただし2500機は練習機）を揃える予定とした。また、海軍では49個大隊78000名の陸上兵力と、水上特攻艇3030隻、水中特攻艇441隻、潜水艦46隻（＋燃料輸送用３隻）を準備した。残存する戦艦４隻、空母５隻、巡洋艦４隻、駆逐艦23隻は軍港防空用の対空砲台と化していた。5月8日、決号作戦準備要綱を示達。昭和20年秋以降に南九州及び関東に上陸してくると睨み、第12・第16方面軍の決戦準備を最優先で進めることとした。航空部隊は海軍、地上部隊は陸軍が統一指揮し、上陸予想地点の600海里沖に海軍偵察機140機、200-300海里に潜水艦を配置して敵発見に努め、予想泊地には中・小型潜水艦21隻と特攻艇を集中させ、大型潜水艦17隻は敵船団の後方遮断を行い、敵上陸部隊が現れたら輸送船と上陸用舟艇を主目標とする海空特攻をかけ、外洋では海軍実用機825機で特攻し、敵泊地は陸海軍戦闘機2000機で制空しつつ陸軍2500機と海軍練習機2900機で特攻を行い、上陸支援の機動部隊には海軍330機で特攻をかけ、上陸支援艦砲射撃部隊には海軍150機で夜間攻撃を実施、九州四国沿岸地域に迫ったら駆逐艦19隻の夜襲も加えて極力洋上で撃滅し、上陸してきたら水際陣地、前地地帯、主抵抗陣地の三線からなる沿岸拘束陣地帯で沿岸防御兵団が内陸への侵攻を阻止し、後方に控える機動打撃兵団が機動打撃を加えて壊滅させる。関東では相模湾と九十九里浜を第一線、青梅を第二線、松代を第三線に定めて陣地構築を行うこととした。5月23日、予定を繰り上げて第３次根こそぎ動員（第三次兵備）を下令。張り付け師団及び決戦師団19個（18個？）と独立混成旅団15個（13個？）、混成連隊５個を編成した。１個師団の人数はそれまでの３分の２程度で、装備も貧弱であり、動員150万に対して9月までに供給できる小銃は45万丁の見込みで、張り付け師団には小銃すら行き渡らなかった。また、指揮官も足らず、一部の師団長を中将から少将、歩兵連隊長を大佐から中佐にランクダウンして間に合わせた。これで動員率11.5%となり、農村の成人男子が悉く動員され、昭和20年度の米穀収穫量予測が立たなくなってしまい、収穫時期直後から飢餓に突入する恐れが生じてきた。更に国民義勇隊と国民義勇隊戦闘隊も編成され、15-60歳の男性と17-40歳の未婚女性が編入された。工業生産能力も人手不足などの影響を受け、5月末には重工業生産能力が平均40%、石油工業生産能力が平均65%、被空襲地域の工場出勤率が20-60%に低下。6月8日、御前会議で戦争指導基本要綱を決定。しかし軍令部総長と参謀次長による戦況説明では、4-9月の飛行機生産は計画16000機に対して10500機以下、高射砲弾薬月産10000発（１回の空襲で撃ち尽くす量）、航空燃料消費量毎月15000キロリットルで第２四半期以降は確保の見込みが立たず、普通鋼材生産量は第１四半期27万トンで年度計画は立案できず（昭和19年度は年間270万トンだった）、アルミニウム生産量は第１四半期9000トン（昭和19年度は年間11万トンだった）となっており、農相は主食2500万石が不足していて雑穀輸入も予定の半分しか達成していないとした。6月9日、満州と中国大陸を視察した参謀総長が天皇に結果を上奏。満州と大陸にある兵力はアメリカ軍４個師団程度、弾薬保有量は１会戦分しかないと述べたため、天皇は在満部隊よりも遙かに装備が劣るといわれる内地の部隊でどうやって本土決戦を行うのかと発言した。6月12日、内地師団にも武器が不足している旨を海軍大将及び東久邇宮が上奏。自動車の古いエンジンを取り付けた小舟艇が特攻艇として用意されており、隊員はそんな簡単な機械すら十分に扱えないほど訓練不足であり、動員計画も杜撰で、空襲により戦略機動力も日に日に低下、戦争遂行能力が失われているとした。6月20日、陸軍部は作戦を水際玉砕戦法に転換。7月、第31戦隊（旗艦駆逐艦花月、第41駆逐隊、第43駆逐隊、第52駆逐隊、軽巡北上、駆逐艦波風）で海上挺進部隊を編成。7月25日、各総軍・憲兵隊より食糧不足による離隊逃亡の多発、物欲・色欲に起因する犯罪多発、特攻隊員の悪質犯罪などの報告がなされた。8月、陸軍軍医学校の教育隊にゲリラ戦教育の命令が出されたが、内容の指示が無く、教官もゲリラ戦について教育した事もされた事も無く、取り敢えず8月下旬に学生を連れて蔵王山系の山中を歩いてみる予定にしたものの、予行として区隊長３名が出かけたら道に迷って遭難しかけた。8月15日、ポツダム宣言受諾。本土決戦は行われず、太平洋戦争は終結した。戦車は軽戦車446両、中戦車662両（うち57mm砲装備の九七式が74両、三式は数十両程度で殆どが九七式改または一式）、砲戦車300両（うち30両が二式砲戦車、残りは57mm砲装備の九七式で代用）、自走砲78両の合計1500両程度を揃える予定だった。本土決戦が行われていた場合、岡田啓介海軍大将の推定によれば、北海道がソ連、近畿から西がアメリカに占領され、軍は天皇陛下を連れて中部山岳地帯に立て籠もり実質的に国が崩壊する、高木惣吉海軍少将の試算によれば、日本の存立は2000-3000年後まで脅かされるということであるから、今頃は諏訪盆地に日本自治区どころか日本人保護区が設定されて細々と生活する事態になっていてもおかしくはなかった。日本軍が国土と国民の全てを犠牲にして何を守りたかったのかは永遠の謎である。参考：太平洋海戦史、歴史群像12,’03、月刊軍事研究8,’06、機甲入門、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊丸8,’95、8,'15増刊、月刊PANZER6,’13、比島決戦、海軍こぼれ話、軍医サンよもやま物語

＜本土最後の空戦＞：昭和20年8月15日、日本がポツダム宣言を受諾したことを受け、アメリカ陸軍航空軍は連合軍の進駐に備えて東京方面の偵察飛行を行うことになり、読谷飛行場の第６撮影航空群第20偵察飛行隊（B-24改造偵察機F-7装備）と第312爆撃航空群第386爆撃飛行隊（B-32爆撃機装備）が任に充てられた。B-32にのみ最新のK-22カメラが搭載されており、B-32の写真手は第20偵察飛行隊から派出していた。8月16日、第20偵察飛行隊のF-7偵察機３機と、第386爆撃飛行隊のB-32爆撃機２機が香取基地と神ノ池基地を中心に偵察飛行を行ったが、途中神奈川県南部でF-7が高射砲による射撃を受けた。8月17日、F-7偵察機１機とB-32爆撃機４機が香取基地、横須賀基地、羽田、印旛、松戸の撮影飛行を実施。途中、横須賀付近と千葉上空で高射砲による射撃を受けた上、.10機以上の陸軍機による迎撃を受けた。アメリカ側はTojo（二式単戦）とTony（三式戦）を１機ずつ撃墜し、Tonyを１機撃破したというが、日本に該当する損害記録は無い。8月18日0530、F-7偵察機４機が読谷飛行場を離陸。0700、B-32爆撃機４機が読谷飛行場を離陸したが、２機が装備品の不良により引き返した。残る２機（ホボ・クイーンとホボ・クイーン�U世）のうち、ホボ・クイーンにも銃塔などに問題があったため、搭乗員が機長に帰投するよう提案したが、蹴られた。1230、B-32爆撃機２機が千葉県北部を高度6000mで撮影開始。残り２航過という時にホボ・クイーンのカメラのシャッターが凍結してしまい、一旦高度を下げて解凍した後に元の高度に上がったが、僚機との距離が10km以上離れてしまった。撮影を終了した直後の1325、銚子の南方32kmを飛行中に、日本軍戦闘機が南からホボ・クイーン�U世に襲いかかってきた。３機が10航過して８回の射撃を行ったが、全て外れている。次いで東京湾上空においてホボ・クイーンが日本軍戦闘機の迎撃を受けた。３時下方と６時上方から襲撃され、前者からの射撃により機体左後部を撃ち抜かれて写真手が両脚に貫通銃創を負い、左後部バブルウインドウが破壊された。また、後者からの射撃で第３エンジンが損傷して停止した。攻撃は25航過にわたって続き、上部後方銃塔を撃ち抜かれて銃手が額に重傷を負った。また、写真手の手当をしていた別の銃手も背後から胸を撃ち抜かれ、1400に死亡した。方向舵トリムタブも破壊され、第３エンジンからは炎が上がったが、高度6000mから3000mまでフルスロットルで急降下して消火に成功、日本軍戦闘機も振り切った。B-32乗員の報告ではTojo（二式単戦）とZeke（零戦）14機に襲撃され、確実撃墜２機と不確実撃墜２機のスコアを挙げたとなっているが、日本側の記録では被撃墜戦闘機は無い。この事態を受け、東京方面の偵察飛行は中止された。参考：月刊丸9,’03

＜ポントス＞：S-119（潜水艦）を参照。

＜本土防空軍＞：ソ連本土及びワルシャワ条約国の防空に当たる組織で、司令部はモスクワに存在し、1954年に設立された。市民防空団（国防相直轄）を組み込んでおり、市民も防空訓練などを実施している。設立当初はMiG-15を主力としており、MiG-17やMiG-19も配備されていたが、全天候能力に欠けていた。それを補うために地対空ミサイルを次々と開発して防空システムを構築している。1970年代半ばには総兵力50万名、ワルシャワ条約諸国の兵力10万名、レーダーサイト５千ヵ所以上、地対空ミサイルサイト1650ヵ所（SA-2ガイドライン11000発及び少数のSA-1）、機動式地対空ミサイル（SA-3、SA-5など）、多数の高射砲部隊、迎撃機3500機（MiG-21、Su-9、Su-11、Su-15、Yak-28P、Tu-28）を擁していた。早期警戒レーダーはトールキングと呼ばれ、指揮所はこれのデータに基づいて戦闘機または地対空ミサイルに迎撃指示を出し、地対空ミサイルが迎撃する場合ならミサイルのFCSレーダーに目標情報を自動的に伝送する。モスクワ周辺には有効距離3000マイルのヘン・ハウス、1500マイルのドッグ・ハウス、A135ガロッシュ対弾道ミサイル管制用のトライアドといった各種レーダーが配備されており、弾道ミサイルが発射された場合にはモスクワ周辺に64基が配置されているA135ミサイルが迎撃にあたる。参考：月刊丸1,’77

＜本土ミサイル防衛＞：NMDを参照。

＜ボントン・ロール＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Bonton Roll。会場左手から６機がデルタ隊形で進入し、正面でスモークを切って一斉にエルロン・ロールを行い、右手に抜ける。参考：月刊JWings6,’09、7,’12、6,’10、6,’10別冊付録

＜ボン・ノム・リチャード＞：CV-31（空母）を参照。

＜ボンバードン＞：第２次大戦時に連合軍がオーバーロード作戦用として開発した巨大な浮き桟橋。海上で浮き桟橋を結合させるタイプだったが、実験が失敗して没になった。かわりに半没式の桟橋を開発し、海面上の並の影響を受けないようにしてオマハ海岸に設置した。上陸２週間目に来襲した大時化で破壊されてしまった。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ポンパノ＞：SS-181（Ｐ型潜水艦グループ３）またはSS-491（テンチ級潜水艦）を参照。

＜ボンバル３００型＞：DHC-8海外ファミリー（洋上哨戒機）を参照。

＜ボンバルディア式ＤＨＣ−８−３１５型＞：DHC-8海外ファミリー（洋上哨戒機）を参照。

＜ボンバルディア社＞：Bombardier。1936年、ジョセフ・アルマンド・ボンバルディアが自分で開発したボンバルディア大型雪上車を製造販売する会社として創設した。第２次大戦中には兵員輸送用の履帯装備型雪上車を製作している。戦後、ケベック州政府が冬季道路除雪を義務化したため売り上げが落ち、産業用の装軌車両やレジャー用小型スノーモービル（スキードゥ）を製作。パーツ供給会社を買収していったが、オイルショックで売り上げが急落し、1970年代からはM&Aによる事業多角化で乗り切った。1982年、ニューヨーク地下鉄の入札に成功。ヨーロッパにも進出して急成長し、1986年にカナデア社を買収。1989年にショート・ブラザーズを、1990年にアメリカのリアジェットを買収、更に1992年にはデ・ハビラント・カナダも買収して航空機産業に参入し、各種リージョナルジェットを開発。2000年にスカイジェットを買収し、世界第３位の航空機メーカーとなった。2018年11月8日、ターボプロップ機のDHC-8-Q400シリーズとデハビラント・カナダをロングビュー・アビエーション・キャピタルに、訓練業務事業をCAEに売却し、従業員5000名強を削減すると発表した。これで航空機事業はビジネスジェット機と構造材製造のみとなる。参考：月刊JWings4,’13、8,’12、月刊航空情報11,’09、月刊航空ファン2,’19

＜ボンバルド＞：フランス海軍ラ・メルポメーヌ級水雷艇Bombarde。1938年竣工。1942年にビゼルトでイタリアに接収されてFR.41と改称された。イタリア降伏後はドイツに引き渡されてTA.9となり、ツーロンに停泊中の1944年8月23日に連合軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ポンプ・アクション式＞：手動小銃の１つで、スライド・アクション式ともいう。被筒と一体となった作動レバーを前後にスライドさせることで、レバー上の遊底と給弾用キャリアを作動させ、送弾、閉鎖、開放、抽筒、蹴出などを行う形式。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜ポンプ・アクション式散弾銃＞：散弾銃を参照。

＜本部管理中隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の部隊。本部を有する部隊に編成されている中隊規模の支援部隊で、衛生や情報などの機能も有しており、本部だけでなく、部隊全体の支援も行う。参考：MAMOR vol.140

＜ポンプ・ジェット推進＞：プロペラをシュラウド（円環、円筒型カバー）で覆った構造。シュラウドとプロペラ翼端の距離を狭くすることで翼端渦を抑制でき、シュラウド内では水圧が高くなるのでキャビテーションも抑えられる。通常のプロペラではキャビテーションが発生するような高速航行時の静粛性に優れるが、艦尾重量が増えるのと、シュラウドが抵抗になるため推進効率は悪く、潜航時間低下にも繋がることから、大出力により力づくで高速を出せて潜航時間に制限も無い原子力潜水艦が使用している。低速時には大して効果が無く、オーストラリア海軍がSEA1000で通常動力潜水艦に導入する予定だが、推進効率低下などを上回る利点があるかは未知数。ロープや漁網など異物を吸い込んだ際のダメージが大きいという欠点もある。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’17、11,’16、2,’17、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ポンプ式ＦＣＧ＞：同軸型磁束圧縮型発電機を参照。

＜本部当直士官（アメリカ海軍）＞：Command Duty Officer、CDOと略す。海上勤務指揮資格を持っており、艦と基地の作業全般及び安全について当直士官を指揮監督する権限が艦長から与えられている。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜ボンブラック＞：ラックを参照。

＜ボンブラックＡＥＲＯ−１Ａ−１アダプター＞：自衛隊の機器。ミネベア製。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ボンブリフト（護衛艦用）＞：自衛隊の機器。新明和工業製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ホンブルク＞：ドイツ海軍332型掃海艇Homburg。1995年9月就役。2014年10月、ノーブル・ジャスティフィケーション演習に参加。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ポンフレット＞：SS-391（潜水艦）を参照。

＜ボンベイ＞：イギリス空軍爆撃輸送機Bombay。ビッカーズ・バレンシアの後継として航空省の要求によりブリストル社が開発し、1935年6月23日に試作機が初飛行した。採用後はブリストル社がブレニムの生産で忙しくなったため、ショートブラザーズ＆ハーランド社も生産に加わっている。主翼は高翼配置で、主脚はエンジンナセルと胴体からの支柱で保持される。前線飛行場での使用にも耐えられるため、中東地域に派遣されて爆撃・輸送任務に就いた。全長21.11m、全幅29.18m、全高5.94m、自重6.26トン、全備重量9.072トン。エンジンはブリストル社製ペガサス22星型レシプロ（890馬力。1010馬力？）双発で、最大速度309km、実用上昇限度7620m、航続距離1416km、胴体タンク追加時3589km。自衛用として7.7mmヴィッカーズＫ機銃を機首に１丁、尾部に１丁搭載する。乗員は輸送任務時３名、爆撃任務時４名。24名の人員を輸送でき、爆撃任務では0.907トンまでの爆弾を搭載可能。生産型は1939年3月に初飛行し、9月から実戦配備された。1940年のリビア戦役に参加した他、第２次大戦中にはクレタ島からギリシャ王室をエジプトに避難させるなど活躍を見せたが、1940年半ばには退役した。参考：週刊エアクラフトNo.49、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ポンペオ・マーノ＞：イタリア海軍カピタニ・ロマニ級軽巡洋艦Pompeo Magno。1943年竣工。1950年代半ばに改装を受け、兵装を更新して偵察艦サン・ジョルジョ（San Giorgio）に改称された。1965年、主機をCODAG方式に、兵装を12.7cm連装砲２基、7.6cm単装砲３門、対潜迫撃砲１門に変更し、候補生130名の収容区画を設けて練習艦となった。1980年に除籍された。参考：近代巡洋艦史

＜ホン・ボムド＞：韓国海軍214型潜水艦７番艦Hong Beom-do。2016年4月5日進水。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜ポンポン＞：SS-267（潜水艦）を参照。

＜ポンポン砲＞：イギリスのヴィッカーズ・アームストロング社が開発した２ポンド高射機関砲の通称で、発射音からこう呼ばれる。砲身はニッケル・クローム鋼製の水冷式で、フラッシュハイダーを装備する。作動は反動利用式内砲身後退方式で、射撃すると砲身が76mm後退、それに押されて発火装置が350mm下がり、排莢・装填や撃発準備が行われる。弾種は通常弾（対航空機用。着発または延期信管装備）、徹甲弾（対小艦艇・重装甲航空機用）、曳光弾（焼夷効果も持つ）の３種で、着発信管付き通常弾を直撃させれば航空機外板に直径0.5mの大穴を空けることが出来るが、延期信管による至近弾では複数の小孔に止まる。砲架には環状照準器と四角い網型照準器が１つずつ用意されており、片方で射角、もう片方で旋回角の照準を付ける。方位盤などを使用した管制射撃も可能。口径40mm、口径長40（50？）、砲重量281.2kg。俯仰角マイナス５度からプラス85度。弾丸重量910g（２ポンド）、弾薬総重量12.97kg、発射速度毎分200発（60発？）、初速毎秒600m（720m？）、有効射高1830m、最大射高3980m、最大射程5700m。給弾は20発または25発の保弾帯。単装、２連装、４連装、８連装バージョンがあり、単装と２連装では俯仰旋回を手動、４連装と８連装では機械動力で行う。給弾は左右両方から可能だが、マガジン配置の関係上、連装にする場合は１門を後ろにずらす必要があり、８連装では２門１組にして右上、右下、左上、左下に配置した。1918年にイギリス軍が導入し、艦艇や陣地の防衛用として使用した。ロシア、イタリア、ギリシャ、ポーランド、ベルギー、日本、中国、タイ、チリなどに輸出された。参考：月刊丸8,’95、4,’13、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜ポンポン砲Ｍｋ８＞：口径40mm、砲身長1.574m、口径長39.37。弾丸重量0.764kg、装薬重量0.127kg、初速毎秒732m、射程6220m、射高3960m。発射速度毎分140発。参考：月刊世界の艦船2,’87、12,’15

＜ポンポン砲・海外シリーズ＞

　＜毘式四〇ミリ単装機銃一型＞：日本海軍が昭和5年から輸入した単装バージョン。高雄型重巡、初春型駆逐艦、白露型駆逐艦に搭載された。参考：月刊丸4,’13

　＜毘式四〇ミリ単装機銃二型＞：一型のライセンス生産版で、呉海軍工廠で製造した。参考：月刊丸4,’13

　＜毘式四〇ミリ連装機銃一型＞：横須賀工廠機銃工場で設計した連装バージョンの試作型。参考：月刊丸4,’13

　＜毘式四〇ミリ連装機銃一型改一＞：一型の量産型。参考：月刊丸4,’13

　＜毘式四〇ミリ連装機銃二型＞：一型改一の改良型。参考：月刊丸4,’13

＜ボン岬沖海戦＞：1941年12月12日夕方、北アフリカ戦線向け物資を搭載したジユッサノ級軽巡アルベリコ・ダ・バルビアーノ（アントニーノ・トスカーノ少将座乗）、同軽巡アルベルト・ディ・ジユッサノ、水雷艇チーニョがイタリアのパレルモ港を出撃。しかしイギリス軍に作戦を読まれ、駆逐艦４隻からなる駆逐戦隊に先回りされた上、イギリス空軍ウェリントン爆撃機に発見された。イタリア海軍司令部は被発見時の撤収を厳命しており、３隻はパレルモに戻ろうとしたが、12月13日0323に急行したイギリス駆逐戦隊に追いつかれてしまい、砲雷撃を喰らってアルベリコ・ダ・バルビアーノが沈没。次いでアルベルト・ディ・ジユッサノも魚雷３本と砲撃で沈没し、283名が戦死した。水雷艇チーニョは何とか離脱している。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜ポンメルン＞：ドイツ海軍ドイッチュラント級戦艦Pommern。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第３小隊所属でジュットランド海戦に参加。イギリス駆逐艦の雷撃を受け轟沈し、840名が戦死した。参考：月刊世界の艦船6,’16、歴史群像6,’16

＜本牧飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和16年、神奈川県横浜市に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜ホンヤン＞：902（駆逐艦）を参照。

＜ボンリャルリャルスキー装甲自動車＞：ロシアの装甲車で、ルノー乗用車に避弾経始に優れた流線型の装甲車体を載せたものである。1915年に製作された。兵装は小砲塔と車体前後部に搭載されたマキシム機関銃計３丁。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

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