目次に戻る　　　トップページに戻る　　一番下へ

＜フ＞：日本海軍／海上自衛隊用語で、副長の略。参考：月刊軍事研究10,’13

＜ファーガス＞：APA-82（攻撃輸送艦）を参照。

＜ファークハー＞：DE-139（護衛駆逐艦）を参照。

＜ファーゴ＞：CL-85（クリーブランド級軽巡洋艦）またはCL-106（クリーブランド級軽巡洋艦）またはMiG-9（戦闘機）を参照。

＜ファーゴ級＞：クリーブランド級（軽巡洋艦）を参照。

＜ファース＞：DD-882（駆逐艦）を参照。

＜ファース・スプラット条項＞：アメリカの1994年度国防権限法に記載されていた条項で、アメリカ国内での５キロトン以下の低威力核兵器の研究開発を禁止していた。2003年に廃止された。参考：月刊軍事研究7,’05

＜ファースト・イン・ラスト・アウト＞：アメリカ軍SEAD部隊、アメリカ空軍特殊部隊、工兵隊、VAW-115のモットー。参考：月刊軍事研究8,’04、4,’03、月刊航空ファン11,’15

＜ファーストエイド・ポーチ＞：アメリカ陸軍救急キット。ガーゼ、包帯、消毒剤、軟膏、体温計などが入っており、重量785g。1943年頃から支給されたジャングル戦用のものには次硝酸ビスマス、軟膏、浄化剤、殺菌パッドなどが入っていた。IFAKに進化した。参考：コンバット・バイブル２、ミリタリー・イラストレイテッド17

＜ファースト・スチール・カット＞：艦船に使う鋼材を初めて切り出すこと。船体の組み立てを開始する起工式に先立って式典が行われ、こちらを事実上の起工とする場合もある。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜ファースト・ストライク＞：戦争に向かう最初の攻撃的行動。参考：月刊軍事研究9,’03

＜ファースト・チーム＞：第１騎兵師団（アメリカ陸軍）を参照。

＜ファースト・デイ・ステルス＞：開戦初日にステルス機やレーダーに映りにくい巡航ミサイルなどを大量に使用し、敵の指揮統制システムや防空施設を重点的に攻撃・破壊、以後の戦闘で非ステルス機が跋扈できる環境を整えて戦争を有利に進めること。参考：月刊軍事研究9,’12

＜ファースト・テンポ＞：アメリカ海軍沖合燃料分配システムFast Tempo。全長160フィート（48.8m）、幅30フィート（9.1m）、排水量610.6トン。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ファースト・ドロウ＞：早撃ちのこと。狭義には空包を使用した早撃ちを指す。参考：GUN用語事典

＜ファースト・ピース＞：デフコン�Uを参照。

＜ファースト・ユーズ＞：戦時に各種戦力を相手に先んじて用いる行動（在来兵器の戦闘間における最初の核兵器使用など）。参考：月刊軍事研究9,’03

＜ファースト・ライト＞：2004年11月10日にYAL-1Aが行った、初のレーザー照射試験。参考：月刊JWings2,’05

＜ファーストルック１１０＞：アイロボット社が2011年11月から生産している小型ロボット。パックボット510の小型化バージョンで、フリッパーが角を丸くした三角形の板になっている。4.8mの高さからコンクリートの地面に落としても壊れず、逆さに墜ちてもフリッパーが自動的に車体を元に戻す。センサーは車体前後左右に１基ずつ内蔵されていて、通常は光学カメラだが、赤外線カメラやCBRNセンサーに変更することも可能。全長254mm、最大幅229mm、最大高101mm、重量2.3kg以下。参考：月刊軍事研究7,’12、2,’17

＜ファーストルック・ファーストファイア・ファーストキル＞：ステルス戦闘機対通常戦闘機の戦闘におけるステルス戦闘機側の立場を示す言葉。敵戦闘機のレーダーに探知される前に相手を見つけ、先に攻撃して撃墜できるということである。これを実現するためには、ステルス戦闘機に加え、中・長距離の撃ちっ放し式空対空ミサイルの開発が重要となる。参考：月刊軍事研究6,’01

＜ファーターパ＞：42（機雷掃討艇）を参照。

＜ファード・シリーズ＞：エジプト陸軍４輪装甲車。ドイツのティッセン・ヘンシェルが開発し、1985年からエジプトで生産され、1986年から引き渡された。クウェート、オマーン、スーダン、ザイールも採用している。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ファード＞：シャシーは民間トラックをベースにしており、装甲車体を載せている。車体前部左が操縦手席、右が車長席で、その後ろが機関室、最後部が兵員室（10名乗り）である。前方乗員席周囲には防弾ガラスが巡らされており、視界は良好。兵員室後面にドアがあり、ドアと兵員室側面にはビジョンブロック付きガンポートが装着されている。兵員室上面には7.62mm機関銃塔BTM208Kなどを搭載可能。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ファード３０＞：1991年に公表された歩兵戦闘車型で、兵員室上面にBMP-2歩兵戦闘車の砲塔を搭載したものである。30mm機関砲弾500発、7.62mm機銃弾2000発、コンクールス対戦車ミサイル５発を収容する。参考：世界の軍用車両(4)

＜ファーニー＞：L11（護衛駆逐艦）を参照。

＜ファーラリック＞：ベルギーのCMIインターナショナル社とウクライナのルッチ・デザイン・ビューローが共同開発した腔内発射型対戦車ミサイル。CT-CV用の105mm戦車砲から発射でき、射程5km、装甲貫徹力550mm。誘導はセミアクティブレーザー。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ファーリオン＞：FFG-22（フリゲート）を参照。

＜ファールウインド＞：PC-11（哨戒艇）を参照。

＜ファーレンホルト＞：DD-491（駆逐艦）を参照。

＜ファーロン＞：APA-81（攻撃輸送艦）を参照。

＜ファーンデイル＞：L70（駆逐艦）を参照。

＜ファーンハム・キャッスル＞：K413（コルベット）を参照。

＜ファーンボロー・エアショー＞：1948年から西暦偶数年（パリ国際航空宇宙ショーの行われない年）、エアタトゥーの翌週に開催されているエアショー。ロンドン南西40マイルのハンプシャー州ファーンボロー飛行場で開催される。売買契約を目的としており、軍用・民間問わず最新鋭機が勢揃いする。2012年は7月9-15日に開催された。2014年は7月14-20日に開催された。F-35Bも飛ぶ予定だったが、直前のエンジン火災による飛行停止処分で中止され、モックアップのみの展示となった。2016年は7月11-18日に開催され、52カ国から1500以上の企業・団体が出展した。F-35BやKC-390が初参加している。日本からはUH-XやUS-2の模型などが出展された。2018年は7月16-22日に開催され、テンペストの模型、MAGMA無人機、サン・オブ・ブラックバードの模型、新明和工業製VTOL型UAV技術実証機などが出展された。MRJ90飛行試験３号機は7月16日午前に地上展示、午後に飛行展示を行い、その日の閉場後に地上展示の場所へとトーイングされたが、その際に地上支援車両と機首部が接触、レドームの塗装が剥がれた。パッチを貼って応急処置を行い、念のため7月17日の飛行展示はキャンセルしたが、18-19日には再び飛行展示を行っている。2020年は7月20-24日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大で史上初の中止に追い込まれ、オンライン上でのバーチャル・エアショーになった。2022年は7月18-24日に開催予定。参考：月刊JWings7,’02、10,’14、6,’20、9,'20、月刊軍事研究10,’08、11,’17、10,’18、月刊航空ファン5,’13、10,’16、10,’18

＜ファイア＞：発艦を表す語。「ゴー」ではない。参考：月刊JWings1,’02

＜ファイアＸ＞：MQ-8C（無人機）を参照。

＜ファイアアント＞：アメリカが開発したUGV。ディキシーを元に改良を加えたもので、車体上に自己鍛造弾を備える。これと赤外線センサーを組み合わせることで、射程内に入ったところで自動発射させることができる。半自爆兵器のようなもので、爆発の衝撃で自分もおおかた破壊される。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ファイア・アンド・フォーゲット＞：Fire-and-forget、「撃ったらほっといても当たる」という意味。ローンチ・アンド・リーブともいう。ミサイルを発射後、発射母体がミサイルを目標に向けて誘導してやる必要が無く、ミサイル自身が目標を追尾して飛翔方向を修正していくものである。発射母体が目標追尾のため運動を制限されることが無く、撃ったらすぐ離脱できるので目標から反撃を喰らっても逃げやすい。日本語では「撃ちっ放し式」と訳すが、もう少し良い訳は無いのだろうか。参考：月刊丸10,’97、攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊航空情報4,’18

＜ファイアキャット＞：S-2対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜ファイアキャット＞：アメリカ海軍が計画したカタパルトで、EMALSの開発が長引いたため、代替として提案された。スチーム・カタパルトの高圧蒸気の代わりに燃焼ガスを使うもので、シリンダー内に燃料を噴射して燃焼させ、更に水を吹き付けることで水蒸気を加え、燃焼ガスと高圧水蒸気によりピストンを加速する。加速度は2Gに抑えて機体や乗員への負荷を軽減する。蒸気配管や大電力供給システムが要らず、容積・重量共にEMALSより小さい。EMALSが実用化されそうなので、こちらは提案の状態に止まっている。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜ファイア・キャン＞：ソ連軍57mm/85mm高射砲用追尾レーダー。使用周波数は2700-2900MHz。参考：ザ・マーチ17号

＜ファイアクラッカー＞：ノーマン社が開発した初等練習機、Firecracker。機体重量2150ポンド（975kg）でプラス９からマイナス６G、2650ポンド（1202kg）でプラス６からマイナス３Gの機動が可能である。主翼下に４カ所のハードポイントを持ち、1000kgまでの武装搭載が可能。胴体下にはダイブブレーキも付いている。全長7.7m、全幅7.9m、全高2.98m、自重0.875トン、最大離陸重量1288kg、最大着陸重量1224kg。エンジンはライカミングAEIO-540レシプロ（260馬力）単発で、最大速度170ノット、上昇限度6020m、航続距離1220海里。乗員２名。参考：世界の軍用機1979

＜ファイアクレスト＞：AMS-10（掃海艇）またはS.28/43（試作機）を参照。

＜ファイア・コントロール＞：射撃統制を参照。

＜ファイア・コントロール・システム＞：射撃統制装置を参照。

＜ファイア・ジェット＞：MQM-178（標的機）を参照。

＜ファイア・スカウト・シリーズ＞：アメリカ海軍海兵隊のUAV、Fire Scout。RQ-2の後継で、127mm速射砲Mk45Mod4（射程63海里）のみならず、次世代127mm砲（射程100海里）の着弾観測に用いることができる艦載垂直離着陸UAV（ペイロード200ポンド／90.7kg、航続距離180海里）という要求が出され、ベル社、シコルスキー社、ライアン・エアロノーティカル社（ノースロップ・グラマン傘下）＋シュワイザー・エアクラフト社が応募し、ライアン＋シュワイザーの案が採用された。2000年1月に初飛行し、2001年5月から初期生産に入って2002年にはRQ-8Aという制式名称が付いたが、性能不足でアメリカ海軍は2001年に資金提供を中止し、一旦採用を見送った。しかしその後もノースロップ・グラマン社で売り込みを継続し、2003年に陸軍がRQ-8Bを７機購入してテストすることを決定、開発を再開し、海軍も８機を試験導入することになった。2006年にMQ-8A/Bと改称されている。海軍海兵隊でMQ-8BとしてIOCを獲得するのは2009年、陸軍への配備は2015年頃になる予定だったが、陸軍は採用を見送った。また、海軍で運用してみるとペイロード不足が著しく、MQ-8BはLCSのみで使うことにし、MQ-8Cの開発に移っている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’12、7,’03、5,’03、4,’14、月刊JWings3,’09、月刊世界の艦船1,’10、10,’24

＜ＲＱ−８Ａ＞：民間のシュワイザーTH330の動力系をそのまま使った小型ヘリで、メインローター（３翅）とテイルローターに改修が加えられており、テイルシャフト・テイルブームは艦内収容のため折り畳み式とされた。胴体長7m、ローター直径8.4m、最大離陸重量1157kg、ペイロード90.7kg、最大燃料搭載量385kg。エンジンはライカミングHIO360-D1Aレシプロ単発で、最大速度232km 、上昇限度6100m、航続距離410km、最大滞空時間６時間以上、飛行索敵半径205km、横風離着陸限度秒速12.9m以下。マルチミッションペイロードはRQ-1プレデターに搭載されているバーサトロン・スカイボール光学ターレットと同じもので、機首下に装備されている。撮影した画像はKuバンドのデータリンクで送信する。更にレーザー照準器も組み込まれていて、レーザー誘導兵器の発射・誘導機となれる。高度な人工知能とGPSによるオートパイロット能力を備え、管制ステーションのコンソール１台（遠隔パイロット１名）で３台のファイアースカウトをコントロールできる。2000年1月に初飛行し、５機が製作されてテストに使用された。2006年にMQ-8Aに改称されている。2006年1月にLPD-13ナッシュビルで初の自律飛行とUCARSによる自動着艦を行った。参考：月刊軍事研究7,’03、11,’13、9,’12、3,’05、10,’06、8,'15、12,’16、月刊世界の艦船1,’10、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＲＱ−８Ｂ＞：兵装用スタブウイングを追加した多用途型。シュワイザー333がベースで、メインローターを４翅にして飛行能力を強化し、燃料タンク容量を720リットルに向上させ、機銃、ロケットランチャー、対地ミサイル、小型誘導爆弾などの搭載可能とする。多用途化に伴い、2006年12月18日にMQ-8Bに名称変更された。参考：月刊軍事研究9,’12、7,’05、3,’05

＜ＭＱ−８Ｂ＞：別名ファイアー・スカウト（Fire Scout）またはシー・スカウト（Sea Scout）。沿海戦闘艦LCSやDD-21ズムウォルト級（開発中止になったがCG(X)級にも）への搭載を予定したタイプで、2006年12月18日にRQ-8Bから改称された。主任務は目標探知・識別・追尾、目標指示、損害評価、通信中継で、母艦に搭載した戦術統制システムソフトウェアと戦術共通データリンクにより運用される。RQ-8Aの機体が能力不足で、ガソリンエンジンを使用するので燃料の共用性に問題があったため、ベース機体をターボシャフトエンジン装備のシュワイザー333に変更している。コクピットが要らないので胴体を細くし、機首下にEO/IRセンサー、AN/AAQ-22Dブライトスター�Uレーザー測距照準装置などを内蔵するモジュラー・ミッション・ペイロード（MMP）を装備する。センサーのデジタル化などに伴い、MQ-8Aで３つあった機器室は胴体前部の１つで済むようになった。AN/DVS-1COBRAシステム（2020年頃）やテレフォニクス製AN/ZPY-4(V)1マルチモードレーダー（2018年頃）の搭載も検討されている。胴体中央がエンジンスペースで、その上にローターマストを囲む大型フェアリングが用意されており、トランスミッションや燃料タンクを収容する。胴体下部両側面にスポンソンがあり、ユニバーサル・ウェポンパイロンを介してAGM-114、バイパー・ストライク、APKWSといった攻撃兵装を搭載する計画もあったが、ペイロードが小さいため、実際に運用するのは無理がある（一応APKWS用３連装ランチャーは作った）。メインローターは４翅で、後方に折り畳むことができ、MH-60Rヘリ１機の収容スペースに３機収まる。胴体前部上面と後部下面に戦術管制データリンクの筒状アンテナがあり、艦の戦術管制ステーションとデータ通信を行う。着艦作業を確実容易にするため、UCARS（UAV共通自動回収システム）と呼ばれる自動着艦装置を備えており、機首下部にUCARSアンテナを装備する。胴体下にはライトハープーン着艦拘束システム（LHLRS）の伸縮式プローブが装着されていて、飛行甲板動揺時の着艦ではこのプローブで飛行甲板のタイダウン用ホールに固定したヘリコプター着艦グリッドを掴む。BAEシステムズ製AN/APX-118IFFを装備する。全長9.7m、ローター折り畳み時9.2m、胴体長7.3m、メインローター直径8.4m、胴体幅1.9m、全高2.96m、空虚重量907kg、最大離陸重量1428.8kg、ペイロード242kg。エンジンはロールスロイス250C-20Wターボシャフト（235軸馬力。417馬力？460軸馬力？）で、巡航速度110km（148km？）、最大速度125ノット以上（157km？）、運用高度6100m（実用上昇限度3810m？）、航続時間５時間以上（最大ペイロード）、８時間以上（ペイロード55kg）、戦闘行動半径110海里、最大航続距離618海里。2006年12月18日に初飛行し、2007年から発注された。2009年にFFG-8マッキナニーで運用テストが行われ、ペイロード不足でキャンセルされかけたものの、小型でありLCSでの運用には向いているとのことで30機を導入することにし、MQ-8Cの開発に移っている。後に70mm誘導ロケット弾APKWSの運用能力を付与された。2012年3月30日にアフリカ西岸で不時着水し、4月6日にはアフガニスタンで墜落したため、4月24日に飛行停止となった。参考：月刊軍事研究12,’16、9,’12、11,’13、5,’08、7,’12、8,'15、月刊世界の艦船1,’10、4,’12、月刊JWings7,’12、8,’12、12,’14、3,’18、月刊航空ファン11,’16、2,’15

＜ＭＱ−８Ｂ（陸軍モデル）＞：空中捜索・目標捕捉・地雷原探知システムASTAMIDを搭載する予定で、戦術共用データリンクアンテナを持たない。2003年8月に７機が発注されたが、調達優先順位が低いので、初飛行は2011年2月になった。2015年に配備される予定。他に大隊と旅団を繋ぐネットワークを担うクラス�WUASとしても採用される予定だったが、シャドーで間に合うとしてキャンセルされた。参考：月刊JWings3,’09、月刊軍事研究7,’10

＜ＭＱ−８Ｃ＞：別名ファイアＸ。MQ-8Bの後継で、ノースロップ・グラマンとベル・ヘリコプターが開発した。ベースをベル407（ARH-70）に大型化しており、見た目は窓を塞いだベル407で、MQ-8Bよりペイロードを増大、貨物の機外スリングを可能とし、滞空時間を延長した。コクピットは電子機器室に改造されており、前部に飛行制御装置、後部（元の座席部分）に電子機器ラックが収容されていて、ドアを開ければ電子機器ラックを簡単に交換できる。キャビンは追加燃料タンクに変更された。センサーはテレフォニック社製AN/ZPY-4スターライト多目的合成開口レーダー、レオナルド製AN/ZPY-8オスプレイ30AESAレーダー、AN/AAQ-22Dブライトスター�UEO/IRセンサー、AN/DVS-1COBRAなど。ノースロップ・グラマン製LN-251GPS/INS、BAEシステムズ製AN/APX-123IFF、ロックウェルコリンズ製AN/ARC-210無線機を装備する。AN/AAQ-22Dセンサー基部にUCARSアンテナが付く。運用システムはMQ-8Bと共通である。全長12.61m（ローター折り畳み時10.58m）、ローター直径10.7m、胴体幅2.4m（2.7m？）、全高3.3m、空虚重量1.452トン、最大離陸重量2.722トン。エンジンはロールスロイス製250-C47Bターボシャフト（606kW。250-C47E、700軸馬力？）単発で、巡航速度115ノット／213km、最大速度250-260km、最大運用高度5182m、実用上昇限度6096m（4877m？）、最大航続距離1227海里、最大航続時間12時間（15時間？50時間？）。シーステート４での運用が可能。ペイロード0.454トン（700ポンド・0.317トン？）、機外最大吊り下げ重量1.202トン。対地兵装を搭載できるが、対潜兵装は運用できず、対潜戦能力も無い。MH-60Rヘリ１機分のスペースに２機を収容できる。2010年12月23日（15日？）に技術実証機が初の無人飛行を行った。試作機９機含め70機（40機？）を導入する予定で、2011年9月23日にアメリカ海軍との量産開発契約が締結され、2012年4月23日に試験機２機がアメリカ海軍から発注され、初号機は2013年10月31日、２号機は2014年2月13日に初飛行、ポイントマグー海軍航空基地第30評価試験飛行隊（VX-30）に配備された。量産初号機は2014年12月3日に海軍、2015年9月4日にVX-30に引き渡されている。12月14-19日、DDG-109ジェイソン・ダンハムに搭載され、バージニア沖で艦上テストを行った。2015年11月20日、陸上での運用評価（OA）を完了した。2018年6月15-29日、LCS-4コロナドに搭載してサンディエゴ沖でMH-60Sとの共同運用を想定した運用評価試験をVX-1が実施。リムパック2018にはAN/AES-1機雷探知機とAN/ASQ-235機雷処分具を搭載した機体が参加している。2019年6月28日、IOCを達成した。その後、後部キャビンドアを改修してAPKWS�U、ヘルファイア、短魚雷（もしかしたらGBU-44/Bバイパー・ストライクも）といった各種攻撃兵装を搭載できるようにする改修契約をアメリカ海軍とベル社が締結している。2021年5月24日、LPD-23アンカレジで行っていた艦上適合性試験を成功裏に終了したとノースロップ・グラマン社が発表した。2021年夏にAN/ZPY-8レーダーを搭載して初度運用能力IOCを獲得する予定で、MQ-8Bの後継として60機（38機？）を調達し、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦、コンステレーション級フリゲート、LCSに積む予定。2021年12月14日、LCS-5ミルウォーキー搭載HSC-22det.5が実任務体制を達成した。2022年5月、HSC-22det.5が実運用を開始した。海上自衛隊もひゅうが型といずも型で運用できるか基礎的な情報収集を行っている。参考：月刊軍事研究12,’16、11,’13、8,’13、8,'15、9,’12、10,’12、12,’13、2,’14、4,’14、月刊世界の艦船4,’12、9,’17、10,’18、4,’19、8,'21、4,'22、10,'22、10,’24、月刊JWings12,’14、7,’12、11,’13、3,’15、5,’18、10,’19、3,’20、月刊航空ファン11,’16、3,’11、2,’15、2,’16、10,’19

＜ファイア・スカウト・システム（アメリカ海軍）＞：ファイア・スカウト３機、S-788管制ステーション１基（CG/DDGではイージス戦闘CICのQ-70ワークステーションに、DDでは戦術コントロールシステムTCSに組み込まれ、ヘリ格納庫に収容する機動ミッションコントロールステーションMMCSによる後付けも可能。地上ベースシステムではS-280トレーラーに搭載される）、リモートデータリンク端末RDT１基、無人機汎用自動着艦（回収）システムUCARS１基からなる。参考：月刊軍事研究7,’03、11,’13、12,’16

＜ファイア・スカウト・システム（アメリカ海兵隊）＞：３機のファイア・スカウト、２基のS-788移動式シェルター搭載GCS管制ステーション、２基の移動式トレーラー搭載RDT（リモートデータリンク端末）、２基の移動式ディーゼル発電機から成る陸上仕様を基本的に運用する。また、強襲揚陸艦に艦載システムを搭載する。参考：月刊軍事研究7,’03

＜ファイアストライク＞：ノースロップ・グラマン社が開発中のソリッドステート・レーザーFIRESTRIKE。レーザー・ユニットはビルディング・ブロックと呼ばれ、大きさ23インチ×40インチ×12インチ（564mm×1016mm×305mm）、重量400ポンド（18.1kg）で、15kWのレーザーを射出でき、これを列線交換ユニット（LRU）に組み立てる。複数のLRUを繋げれば出力を向上させることが可能。これに目標捕捉用EO/IRセンサー、電源、冷却装置を統合することで、冷却が追いついている限り連射できる。2012年4月にガンマと呼ばれるプロトタイプでテストが行われ、BQM-74標的機（模擬対艦ミサイル役）の外板を貫通して内部重要コンポーネントを破壊した。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ファイアストリーク＞：イギリス空海軍赤外線誘導式空対空ミサイル。開発名称はブルージェイ。全長3.16m、発射重量136kg。推進は固体燃料ロケット１段で、最大射程４海里。参考：空軍、月刊JWings9,’14

＜ファイア・ドーム＞：9A310（地対空ミサイルランチャー）を参照。

＜ファイアドレイク＞：H79（駆逐艦）を参照。

＜ファイアバー＞：Yak-28P（戦闘機）を参照。

＜ファイアバーズ＞：VAQ-33（電子戦飛行隊）を参照。

＜ファイアバード＞：殲撃10型シリーズを参照。

＜ファイアバード・シリーズ＞：ノースロップ・グラマン社傘下のスケールド・コンポジッツ社が2009年から開発している中高度長時間滞空型ISR機Firebird。無人機版と有人機版があり、安価が売りである。2021年3月、実証試験を行い、有人機型の機首コクピットモジュールをUAV制御モジュールに換装してのデモンストレーション、洋上運用試験、9000マイル有人飛行試験などを実施した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’13、6,'21

　＜ファイアバードＤＦ＞：試作初号機で、有人単座型である。ツイテールブーム機で、胴体中央上面に短い支柱付き円盤状ドーム、後部にエンジン、後部上面にエアインテイク、尾部にプッシャー・プロペラを持つ。主翼は肩翼配置の直線テーパー翼でアスペクト比が高く、内翼部に軽い下反角、外翼部に上反角、翼端部に下反角を有する逆ガル翼で、内外翼境界部からテイルブームが伸びていて、テイルブーム前端は主翼前縁から前に突き出している。降着装置は三車輪式引き込み脚。胴体・テイルブーム下面にはＬ字アンテナが多数装着され、機首や前部胴体下面にはボール状センサーがある。2011年2月9日に初飛行し、2011年5月のアメリカ陸軍多国籍演習エンパイア・チャレンジに投入されて高い性能を発揮した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファイアバードＰＲＦ＞：試作２号機で、有人複座型である。機首を拡大して並列複座とし、翼端の下反角を廃止して主翼折り畳み機構を付けた。全長10.3m、全幅19.8m、全高3m、総重量2270kg。エンジンはライカミングTEO-540（出力350馬力）単発、最大巡航速度370km、実用上昇限度9100m。最大ISRペイロード560kg。乗員２名。2012年11月11日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファイアバード無人型＞：UAVバージョン。航続時間40時間以上。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファイアバード有人型＞：有人バージョン。機体はツインテイルブーム。全幅20m、総重量2.27トン、センサーペイロード0.56トン。エンジンはライカミングTEO-540水平対向６気筒ターボチャージド・ガソリン（300馬力）１基、推進はプッシャー・プロペラ、最大速度370km。発注元は不明だが、複座型10機を生産中らしい。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’13、月刊軍事研究8,’15

＜ファイアバラーズ＞：VAH-8（重攻撃飛行隊）を参照。

＜ファイア・パワー＞：火力を参照。

＜ファイアビー＞：APQ-34（無人標的機）またはBQM-34（無人標的機）を参照。

＜ファイアファインダー＞：AN/TPQ-36（対迫レーダー）またはAN/TPQ-37（対砲レーダー）を参照。

＜ファイアフライ＞：AQM-91（無人機）またはT67シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜ファイアフライ戦車シリーズ＞：イギリス陸軍17ポンド砲搭載シャーマン戦車Firefly（Sherman Firefly）。北アフリカ戦で遭遇したドイツ重戦車に対抗すべく、既存の戦車に17ポンド砲を搭載することになったため、鉄道輸送の関係で車幅とターレットリング径に制限があるイギリス戦車に代わり、余裕のあるシャーマン戦車を使うことを1943年6月に王立砲術学校ブライティ少佐が提案。一旦はA30チャレンジャーで済むということで軍需省から破棄されかけたが、実用性に難があったのと、王立砲術学校ウィザリッジ少佐がアメリカで17ポンド砲よりも砲尾の長い76mm戦車砲M1A2を積んだM4中戦車をテストしているのを知って開発続行を主張、陸軍省で設計を進めて1943年10月31日にはモックアップが完成し、12月26日（1944年1月6日？）にウーリッチ造兵廠で試作車が出来上がり、量産車の生産も開始、1944年5月末までに342両、1944年7月までに699両、1944年12月までに1783両、1945年5月末までに2139両が完成した。オーバーロード作戦時には戦車中隊あたり1-2両の配備に止まり、上陸後もボカージュでの近接戦車戦ではあまり活躍できなかったが、量産が進んで戦車小隊あたり1-2両ずつが配備されるようになると、反撃してくるドイツ軍を逆に待ち伏せする場面ではドイツ戦車隊の天敵となり、最優先破壊目標に指定されたため、防御力の弱い本車両は砲身にカウンターシェード迷彩を施したり、砲塔後部に短いパイプを付けたり（こちらはあまり実施されなかったようだ）して75mm砲型に見せかけていた。アメリカ軍からも100両が発注されたが、第２次大戦終結でキャンセルされている。センチュリオンに後を譲って退役し、ヨーロッパ、中東、アジア諸国に輸出された。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊グランドパワー2,’04、月刊丸7,’09別冊、British and American tanks of World War Two

　＜ファイアフライＭｋ．�TＣ＞：シャーマン�T（圧延鋼板溶接車体）を使用したタイプで、1944年秋に供与されたM4再生型を含め、イギリスに供与されたシャーマン�Tの全てがこれに改造された。車体前部右側の副操縦手／通信手席を外し、14発の砲弾ラックを搭載、車体前面の機銃を撤去して開口部を装甲栓で塞いでいる。これにより乗員は４名に減った。副操縦手用ハッチは弾薬搬入ハッチとして残されている。他の主砲弾収容位置は砲塔バスケット床下に立てて５発、砲手席下方の床下に寝かせて20発、装填手席床下に40度に傾けて18発、砲塔前方床上に20発。車体前面にトラベリング・クランプが装備されているが、機関室後方に増設して前部のものを外した車両も多い。機関室後方のものは初期には中央に付けられていたが、砲塔の無線機ラックが邪魔で操縦手が脱出できなくなるので、すぐ左側に移設されている。車体後面には投下式煙幕発生器と火砲牽引用ピントルフックを追加した。17ポンド砲は後座量が大きく、シャーマンの75mm砲用砲塔にそのまま搭載すると砲塔後部の無線機と緩衝するため、砲塔後面を切り取ってその外側に装甲ボックス（側面51mm、後面63.5mm、上下面25.4mm）を設置、そこに無線機を移した。この装甲ボックスはカウンターウェイトも兼ねており、無線機整備交換に備えて上面がボルト止めとなっている。17ポンド砲は砲尾も大きく、装填手が車長用ハッチから出られなくなったため、角形の装填手ハッチを砲塔左上面に設置した。一部に楕円形の装填手ハッチを持つ75mm砲用最後期型砲塔を使用したものもある。砲塔左側面の空薬莢排出ハッチは、当初防御上の弱点となるとして溶接されたが、空薬莢が砲塔床に積み重なって戦闘の邪魔になるため、後に復活した。車体後部にはイギリス独自の発煙装置を持っていたが、使い捨てのため、砲塔上面にもイギリス製の発煙弾発射機M3を搭載した。それに加えて砲塔右側面に４インチ（101.6mm）連装発煙弾発射機を装備している車両もある。主砲は17ポンド砲の車載型であるMk�Zで、駐退復座管を右上と左下にずらして配置し、ダブルバッフル式マズルブレーキを装着（孔は丸いのと角張ったのがある）して後座量を抑えた。砲架はM34A1をそのまま使っているが、閉鎖器は横倒しにして水平鎖栓式とし、防楯をストアゼット＆ピット製に換装している。同軸機銃は7.7mm機銃No2Mk�Tで、主砲左に装備した。俯仰角はマイナス５度からプラス20度、ジャイロ・スタビライザーは使用不能。発射速度は毎分７発前後。直接照準器はイギリス製のNo43Mk�V/1（倍率３倍／６倍）に変更され、オリジナルのベーン・サイトは後に取り外された。ペリスコープ式照準器はM38、間接照準器はM19。装甲防御力はシャーマンと変わらないので、砲塔・車体前側面に予備履帯をびっしりと貼り付けているものが多い。コールドストリーム機甲連隊所属の車両は、1945年4月頃、航空用ロケットランチャーを砲塔両側面に１発ずつ装備していた。参考：月刊グランドパワー2,’04、月刊アーマーモデリング1,’13、ウォーマシン・レポートNo.17

　＜ファイアフライＭｋ．�TＣハイブリッド型＞：Sherman Hybrid Firefly�TＣ。シャーマン・ハイブリッド�T（M4ハイブリッド型）の車体を使用したタイプ。車体弾薬庫側面にアップリケアーマーを持ち、砲塔右前部装甲が強化された後期型砲塔を装備する。履帯はイギリス製T48。後期型は装填手ハッチが追加されたハイバスル砲塔を持ち、一部はT54E2履帯を使用している。シャーマン・ハイブリッド�T1500両の殆どがこれに改造された。参考：月刊アーマーモデリング1,’13、月刊グランドパワー2,’04、British and American tanks of World War Two

　＜ファイアフライＭｋ．�UＣ＞：Sherman �UC(Firefly）。シャーマン�U（M4A1）の車体を使用したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ファイアフライＭｋ．�WＣ＞：Sherman �WC(Firefly)。シャーマン�W（M4A3）の車体を使用したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ファイアフライＭｋ．�XＣ＞：Sherman �XC(Firefly)。シャーマン�X（M4A4）の車体を使用したもの。最初に量産されたタイプで、全生産数の３分の２を占める。初期型はM4A4中期型ベースで、砲塔後部の無線機収容部上面に円形蓋が３つ付いており、車体弾薬庫側面と砲塔右前部にアップリケアーマーを装備するものが半数を占める。極初期の数両は車体側面にハウスボート擬装具装着架が取り付けられていて、フレームとキャンバスによりトラックに見せかけることができた。後期型では無線機収容部上面の円形蓋が無くなった（吊り上げ用の鋼製リングが付いていたりする）。1944年末にイギリスに供給されたM4A4再生型の一部もファイアフライMk.�XＣに改造されており、これはディファレンシャルカバーが３分割で、操縦手用直視ビジョンバイザーを持つ。全長7.85m、車体長6.45m、全幅2.67m、全高2.74m、車両重量30.8トン、戦闘重量32.7トン。主砲は17ポンド砲（77発。俯仰角マイナス５度からプラス25度）、副武装は12.7mm機銃M2（1170発）１丁、7.62mm機銃２丁（5000発）。直接照準器はMk3/1望遠鏡、M4潜望鏡、M38望遠鏡。間接照準器はM19方位角指示器、傾斜計、測遠機。装甲厚は車体前面上部50.8mm56度、前面下部50.8mm0-45度。側面38.1mm０度、後面38.1mm0-20度、上面19mm83-90度、下面12.7-25.4mm90度、防楯可動部38.1mm、防楯固定部88.9mm、砲塔前面76.2mm30度、側面50.8mm５度、後面63.5mm０度、上面25.4mm90度。エンジンはクライスラー社製A57水冷30気筒ガソリン（370馬力）、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度40km、燃料搭載量727リットル、航続距離161km。乗員４名。参考：ウォーマシン・レポートNo.17、月刊アーマーモデリング1,’13、月刊グランドパワー2,’04

　＜ファイアフライＭｋ．�XＣ（ロケット弾搭載）＞：タイフーン戦闘機用60ポンド空対地ロケット弾をファイアフライMk.�XＣの砲塔側面に搭載したもの。シャーマン�X（ロケット弾搭載）と同時期に試作されたが、実戦では使われなかった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ファイアフライ現地改造型＞：撃破されたファイアフライの砲塔をM4A1/M4A2の車体に搭載したタイプ。参考：月刊グランドパワー2,’04

＜ファイアフライ海外バージョン＞

　＜ドイツ軍鹵獲型＞：ドイツ軍に鹵獲されて使用されたタイプ。誤射を防ぐため、砲塔などに十字マークを大書きしている。マズルブレーキを7.5cmPaKのものに変更している車両もある。参考：月刊グランドパワー2,’04

＜ファイアフライ戦闘機シリーズ＞：イギリス海軍複座艦上戦闘機兼観測機兼対潜哨戒機Firefly。フルマーの後継としてフェアリー社が1939年から開発し、1941年12月22日に初飛行した。1943年10月から配備され、ティルピッツ攻撃、対日戦、朝鮮戦争に投入されている。1957年に退役した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、イギリス航空母艦史

　＜ファイアフライＦ．１＞：全長11.46m、全幅13.57m、全備重量6317kg。エンジンはロールスロイス社製グリフォン2B（1730馬力）単発で、最大速度507km、実用上昇限度8530m、航続距離1720km。固定武装は20mm機関砲４門。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ファイアフライＦ．４＞：全長11.6m、全幅12.6m、全備重量6317kg。エンジンはロールスロイス社製グリフォン74（2245馬力）単発、最大速度621km、航続距離2091km。固定武装は20mm機関砲４門。454kg爆弾４発、ロケット弾８発を搭載可能。乗員２名。参考：イギリス航空母艦史

＜ファイアフライ戦闘機・海外シリーズ＞

　＜ファイアフライ（ベルギー空軍）＞：ベルギー空軍戦闘機。1931年に配備した。参考：月刊航空ファン5,’18

＜ファイアフライ戦闘機・海外ファミリー＞

　＜ファイアフライＴＴ．１（インド海軍）＞：インド海軍の標的曳航機型。1955年から５機を使用した。参考：月刊航空ファン5,’16

　＜ファイアフライＴＴ．４（インド海軍）＞：インド海軍の標的曳航機型。固定武装として機関砲を装備しており、爆装も出来る。1955年から５機を使用した。参考：月刊航空ファン5,’16

＜ファイアフラッシュ＞：イギリスのフェアリー社が1949年から開発した空対空ミサイル。本体（無動力）の前方上下に固体燃料ロケットブースターが２本取り付けてあり、発射後15秒でブースターが燃焼を終えて切り離される。誘導方式が空対空戦闘に向かないという欠点があった。本体全長2.83m、発射重量150kg。誘導はレーダー・ビーム・ライディング方式で、最大速度マッハ２、射程3km。1955-58年に300発が生産された。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ファイアブランド・シリーズ＞：イギリス海軍艦上戦闘機／艦上雷撃戦闘機Firebland（松明）。フルマー艦戦の後継として1940年にイギリス航空省がN.11/40仕様書を発出し、ブラックバーン社がB-37、ホーカー社がP.1009（艦戦型タイフーン）を提案、6月に前者が採用され、1941年1月に試作機３機が発注された。試作初号機（セイバー�Uエンジン搭載）は1942年2月27日、２号機は7月に初飛行し、量産機50機が発注されたが、エンジン換装とシーファイアの完成で1943年にイギリス航空省がS.8/43仕様書を発出して雷撃戦闘機TF（Torpedo Fighter）に設計変更され、実戦部隊向け量産機の引き渡しは対ドイツ戦終結後にずれこんだ。最初の飛行隊が編成されたのは第２次大戦終結後の1945年9月で、コクピットが後ろ過ぎて前下方視界が悪く着艦が困難という欠点があり、1953年2月に実戦部隊を離れている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings10,'22、1,’22

　＜ファイアブランドＦ．Ｍｋ�T＞：最初の量産型。12機が生産された。参考：月刊JWings10,’22

　＜ファイアブラントＴＦ．Ｍｋ�U＞：戦闘機型のテストでロール率が低く格闘戦に向かないとされたため、胴体下面中央に2000ポンド魚雷１本、主翼下にRP-3ロケット弾16発を搭載できるようにして雷撃戦闘機としたもの。着陸事故で損傷した試作２号機を直すついでに雷撃戦闘機型プロトタイプに改修してテストを行い、12機が生産された。参考：月刊JWings10,’22

　＜ファイアブランドＴＦ．Ｍｋ�V＞：社内名称B-45。セイバー液冷エンジンを全てタイフーン戦闘機に割り当てる事になったため、セントーラス空冷エンジンに換装したもの。試作機はTF.Mk�Uから２機が改造されて1943年12月に初飛行し、量産機27機が製作された。参考：月刊JWings10,’22

　＜ファイアブランドＴＦ．Ｍｋ�W＞：主翼は低翼単葉。全長11.91m、全幅15.63m、全備重量7110kg。エンジンはブリストル社製セントーラス�\（2520馬力）単発、最大速度563km、実用上昇限度8690m、航続距離1200km（雷装時）。固定武装は20mm機関砲４門（主翼に２門ずつ）。45cm840kg魚雷１発または454kg爆弾２発とロケット弾８発を搭載できる。乗員１名。103機が生産され、1945年9月から第813海軍飛行隊に引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings1,’22、10,’22、イギリス航空母艦史

　＜ファイアブランドＴＦ．Ｍｋ５＞:社内名称B-46。1947年7月までに67機が引き渡され、更にTF.Mk�Wから63機が改修された。1947年5月から第813海軍飛行隊、1950年12月から第827海軍飛行隊に配備された。参考：月刊JWings10,’22

　＜ファイアブランドＴＦ．Ｍｋ５Ａ＞：TF.Mk�WとTF.Mk5から７機が改修され、1950年12月から第827海軍飛行隊に配備された。参考：月刊JWings10,’22

＜ファイアホーク＞：UH-60ファミリー（消防ヘリ）を参照。

＜ファイアボール＞：FRシリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜ファイア・ボール・エクスプレス＞：レッド・ボール・エクスプレス（輸送トラック隊）を参照。

＜ファイア・ボス＞：AT-802FA（クロアチア空軍）を参照。

＜ファイアボルト＞：PC-10（哨戒艇）を参照。

＜ファイアリング・ピン＞：撃針を参照。

＜ファイアロック＞：フリントロックを参照。

＜ファイティング・イーグル＞：F/A-50（戦闘攻撃機）を参照。

＜ファイティング・イーグルス＞：第27戦闘飛行隊を参照。

＜ファイティング・オマース＞：VFC-12（戦闘混成飛行隊）を参照。

＜ファイティング・グリフィンズ＞：VMM-266（海兵中型ティルトローター飛行隊）を参照。

＜ファイティング・ゲームコックス＞：第19戦闘飛行隊を参照。

＜ファイティング・ソーズメン＞：VFA-32（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ファイティング・チェックメイツ＞：VFA-211（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ファイティング・ナイフ（アメリカ海兵隊）＞：アメリカ海兵隊が第２次大戦時から配備したコンバットナイフ。全長304mm、刀身長177mm。海軍でもMk2として採用している。参考：コンバット・バイブル

＜ファイティング・ファルコン＞：F-16シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ファイティング・フェニックス＞：VAQ-128（電子戦飛行隊）を参照。

＜ファイティング・ホーク＞：A-4AR（艦上攻撃機）を参照。

＜ファイティング・ホール＞：掩体を参照。

＜ファイティング・ラバー＞：アメリカ海兵隊のスラングで、コンドームのこと。参考：月刊丸12,’90

＜ファイティング・レッドコックス＞：VFA-22（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ファイティング・レッドテイルス＞：VS-21（制海飛行隊）を参照。

＜ファイナル・アプローチ＞：場周経路を参照。

＜ファイナルギア＞：最終減速装置を参照。

＜ファイバー・レーザー＞：Fiber Solid State Laser。固体レーザーの１つ。半導体ダイオードから励起光を発生させ、コアにイッテルビウムなどを添加した光ファイバーを通して増幅、これを多数集めてシグナル・コンバイナ（出力光結合部）で１本に束ね、高出力レーザーにする。励起光源の段階で出力が高いので最終的な出力も高くでき、細長いファイバーを使うので冷却効率が良く、巻けば小型化が可能で、装置を構成する半導体や光ファイバーは信頼性に優れ、ミラー、レンズ、可動機構などを持たないので整備性も高い。参考：月刊軍事研究3,’18、4,’18

＜ファイフ＞：D20（カウンティ級駆逐艦）またはDD-991（スプルーアンス級駆逐艦）を参照。

＜ファイブＳルール＞：捕虜取り扱いの基本。Search（身体検査）、segregate（士官と兵卒。指揮系統の分離）、silence（会話をさせない）、speed（迅速に移動させる）、safeguard（民衆から捕虜を守る）である。参考：コンバット・バイブル

＜ファイブ・イン・ワン・レーション＞：スモール・デタッチメント・レーションを参照。

＜ファイブ・イン・ワン・レーダー＞：サーチマスター（多機能レーダー）を参照。

＜ファイブ・カード・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ、Five Card。前から２機、１機、２機と並んで（トランプの５のマーク位置）航過する。参考：月刊JWings6,’09

＜ファイラカ島＞：クウェート市北東のペルシャ湾に浮かぶ島。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ファイルサーバーユニット＞：自衛隊の機器。TC-90に搭載されている。シマヅプレシジョンインスツルメンツインク製。参考：月刊軍事研究9,’11

＜ファインダーＵＡＶ＞：アメリカ軍が開発中の無人機搭載無人機。MQ-1プレデターから発射され、プレデター地上管制局からのコントロールで大気中のサンプルを採取し、NBC兵器使用の有無を即座に検知する。使い捨て式。重量25.8kg。参考：月刊軍事研究10,’04

＜ファインドイーグル＞：ネクセター社が開発した偵察システム。６×６輪装甲車タイタスの上部にヘリコプター型UAV用プラットフォーム、車体右側面第２・第３軸間にUGV搭載スペースを設け、専用インターフェースによりUAVやUGVを使用した戦術偵察・観測任務に投入できるようにしたものである。UAVやUGVは専用のものは無く、ユーザーが選択可能。ユーロサトリ2018で発表された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ファインドホーン＞：K301（フリゲート）を参照。

＜ファウド３０＞：エジプト陸軍４×４輪歩兵戦闘車。エジプト国産で、1992年から配備された。装甲車体は箱形で、後部兵員室側面に軽い避弾経始が付いており、前面は大型窓になっていて視界は良好。兵員室上部にBMP-2の砲塔がそのまま載っている。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

＜ファウラー・フラップ＞：フラップを参照。

＜ファウリング＞：火薬の燃焼滓が銃身や機関部などに溜まる現象のこと。黒色火薬を発射薬として使用していた時代には発射後にいちいち掃除しなければならず、速射には限界があった。参考：グラフィックアクション２

＜ファウル・ライン＞：Foul line。空母の着艦エリアと駐機エリアを分けるラインのこと。参考：月刊航空ファン4,’72

＜フア級＞：LSM-1級中型揚陸艦（中国海軍）を参照。

＜ファクトリー１０＞：バグダッドの北西にある火砲工場で、ガス遠心分離装置の部品製造を行っていたとされる。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ファゴット＞：AT-4（対戦車ミサイル）またはMiG-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ファサル＞：北朝鮮軍陸上発射型巡航ミサイル。１型と２型があり、胴体下エアインテイク形状などが違う。火山31戦術核弾頭を搭載可能。射程2000kmとされ、テストではファサル１が1500km、ファサル２が1800km飛んだ。2023年3月、ファサル用小型核弾頭と思われる映像を公表した。8月21日、水上艦発射型をアムノク型フリゲートに搭載して発射する試験を金正恩総書記が視察したと、北朝鮮国営メディアが発表した。参考：月刊世界の艦船11,'23、2,’24

＜ファシリティ＞：アメリカ海軍掃海艇。1945年4月6日、沖縄付近で菊水一号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ファジル１＞：イラン陸軍107mm多連装ロケットFadir 1。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ファジル３＞：イラン軍の国産無誘導地対地ロケットFadjr3。北朝鮮のM1985をコピーしたものとされており、ロケット弾全長5.2m、直径240mm、重量407kg、弾頭重量90kg、炸薬重量45kg。最大射程43km。発射筒は６列２段の12連装。ランチャーの旋回角は左90度、右100度で、俯仰角は0-57度。1996年に公表され、この時はいすゞの６輪駆動トラックに搭載されていた。生産型ではメルセデス・ベンツ2624シリーズ改６×６輪トラックに搭載しており、連装のランチャーも確認されている。キャビンには発射時に装甲シャッターがかけられる。また、単装の地上設置型もある。一部はヒズボラに提供されたといわれ、1990年代以降イスラエルとの国境線に多数が配備された。参考：月刊軍事研究11,’06、3,’03、9,’00、4,’07、3,’97

＜ファジル３＞：イラン軍が2006年3月31日から開始した軍事演習で発射したとする新型弾道ミサイル。機動能力を持つ多目的弾頭を装備していると発表されたが、イランの技術力からいって無理だと考えられている。実際に試射されたのはシャハブ２らしい。参考：月刊軍事研究6,’08

＜ファジル５＞：イラン軍の国産地対地ロケットFadir 5。Fadjr3と同じ車体に333mm（330mm？）ロケット弾（全長6.485m、重量915kg、弾頭重量175kg）４列１段４連装チューブランチャーを搭載する。ランチャー旋回角は左右45度ずつ、俯仰角は0-57度。ロケット弾は発射されるとファウンドアップフィンを展開して飛翔し、最大射程75km。連装ランチャー搭載型もあり、ヒズボラにも引き渡されて南レバノン侵攻の際に使用された。参考：月刊軍事研究11,’06、3,’03、9,’00、4,’07、9,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ファジル５改＞：イラン軍の国産地対地ロケット。航空産業共同体（AIO）が開発したファジル５の改良型で、ランチャーはそのままだが、車体を新型トラックに変更しており、４ヵ所に油圧式スタビライザーを持つ。射撃指揮装置を装備し、指揮車からの指令によりランチャー４両を同時に管制することができる。また、リモコンで1000m先からランチャーを操作したり、指揮車で20km先からコントロールしたりすることも可能で、レーダーと組み合わせて海上目標を攻撃することもできるという。小隊指揮車１両とランチャー４両、予備弾輸送装填車両２両、装填車両２両で１個小隊を、小隊２個と気象観測ユニット搭載中隊指揮車１両などで１個中隊を、中隊２個と大隊指揮車などで１個大隊を構成する。

＜ファジル・エ・ダルヤ＞：シーキラー海外シリーズ（艦対艦ミサイル）を参照。

＜ファスト４０＞：コンパクト40シリーズ（40mm機関砲塔）を参照。

＜ファストＦＡＣ＞：高速前線航空統制官の略。前線航空統制官を参照。

＜ファストフィン・システム＞：アメリカのBLRエアロスペースが開発したベル412EP向け改修キットFastFin System。尾部垂直安定板後縁を切り欠いてテイルローターによる空気流量を増やし、DTS（Dual Tailboom Strakes）と呼ばれるストレーキをテイルブーム左舷上下に取り付けてメインローターブレードのダウンウォッシュを受け止めテイルブームに右向き揚力を発生させるもので、テイルローターに回す出力を減らすことができ、ペイロードが0.567トン増加、ホバリング性能や高温高地運用能力も向上する。トランスミッションや垂直安定板付け根に掛かる負担が減り、フットペダルのマージンが増えるので操縦性改善・ワークロード低減効果もある。二次構造部材に対する改修なので追加形式証明STCの取得のみで済み、他のベル412シリーズやベル204/205シリーズにも適用可能。ベル412シリーズ2012年2月以降新造機には標準装備された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ファスト・フォース＞：自衛隊の災害初動対応部隊FAST-Force（First Action SupporT-Force）。自衛隊では以前から災害などに備えて隊員、車両、艦艇、航空機などを待機状態に置いているが、これらの初動対処部隊に名称を付けて国民に分かりやすくしたもので、2013年9月1日、防災の日に合わせて命名された。陸自は全国158駐屯地・分屯地に隊員3870名、車両1100両、航空機36機を１時間待機（航空部隊は勤務時間内は30分待機、外は１時間待機）させ、海自は各地方総監部に初動対応艦１隻ずつを置き、各航空基地に計20機を15-120分待機させていて、空自はスクランブル機の他に全国で救難機・輸送機20機を航空救難・緊急輸送用に15-120分待機させる態勢を取っている。主に情報収集、人命救助、現場への経路確認を行う。参考：月刊JWings12,’18、MAMOR vol.144、vol.82、vol.104、月刊軍事研究1,’14、月刊航空ファン7,’16

＜ファストラック＞：X-34（デモンストレーター機）を参照。

＜ファストロープ＞：陸上自衛隊の高速ラペリング用ロープ。ヘリコプターからの降下に使用される太いロープで、ラペリングのように降下器具を使わず手足のみで降下する。短時間での連続降下が可能だが、専用の手袋（着けたまま銃が撃てる）が必要で、手が滑ると落ちる。卸下（しゃか）用意、卸下の号令で地上に降下していく。参考：月刊JWings11,’06、JGround Vol.11、月刊丸1,’07

＜ファスレーン基地＞：イギリス海軍戦略ミサイル原潜母港の１つ、Faslane。接岸岸壁、整備工場などが建設されており、陸揚げ用のインクライン式リフトも用意されている。参考：月刊軍事研究5,’01

＜ファセット構造＞：切り子面（Facet）構造。対レーダー・ステルス技術の１つで、潰れた三角錐を組み合わせて機体形状を設計し、電波の反射方向（スパイク）を一定に限るものである。スパイクがキャッチされると比較的遠距離から探知されてしまうが、機体角度が少しでも変化すればスパイクが捉えられなくなる。F-117に採用された。スーパーコンピュータの登場で、ステルス機ではコンティニュアス・カバーチャー技術に取って代わられたが、ステルス艦では多用されている。参考：月刊JWings5,’05、月刊世界の艦船8,’13

＜ファゾトロンＮＰＯ＞：ロシアの設計局。大元は旧ソ連のOKB-339/NIIR（ラジオストロエニア科学研究所）で、1970年代後半にファゾトロンNIIRと改称し、2006年にNPKイルクート傘下となってこの名称になった。ファゾトロンNIIR時代にはチホミーロフNIIPと共同でMiG-29及びSu-27の武器システムを開発、ズーク・レーダーなどを完成させた。2008年に連合航空機製造会社（OAK）に統合される予定。参考：月刊軍事研究9,’08

＜ファソン５号＞：スカッド海外シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜ファソン６号＞：スカッド海外シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜ファソン７号＞：スカッド海外シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜ファソン１０号＞：BM25（弾道ミサイル）を参照。

＜ファソン１３＞：KN-08（弾道ミサイル）を参照。

＜ファタハ１１０＞：イラン軍の弾道ミサイルで、ゼルザル３の改良型である。直径0.616m、発射重量3600kg、弾頭重量450kg。射程250km（弾頭付き）、300km（弾頭無し）。2010年に登場した。参考：月刊軍事研究4,’17、3,’17

＜ファタハ３１３＞：イラン軍の弾道ミサイルで、ファタハ110の射程延伸型。射程500km（弾頭無し）。2015年に登場した。参考：月刊軍事研究4,’17、3,’17

＜ファタハ革命評議会＞：アブ・ニダル派を参照。

＜ファタヒラー＞：インドネシア海軍ファタヒラー級フリゲートFatahillah。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ファタヒラー級＞：インドネシア海軍フリゲート（コルベット？）、Fatahillah級。オランダに発注した。全長84m、幅11.1m、吃水3.3m、満載排水量1450トン。主機はCODOG方式で、２軸推進、速力30ノット。兵装はMM38エグゾセ連装発射筒２基（単装発射筒４基？）、120mm単装砲TAK120が１門、40mm単装砲1-2門、20mm単装機関砲１門、ボフォース対潜ロケット連装発射機１基、324mm３連装短魚雷発射管B515ILAS-3またはMk32が２基（A244またはMk46短魚雷。1-2番艦のみ）。ワスプ・ヘリコプター１機を搭載できる。ファタヒラー、マラハヤティなど３隻が1979-80年に就役した。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’96、1,'15増刊、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ファチョン＞：AOE-59（補給艦）を参照。

＜ファッション・プレート型船首＞：満載吃水線より上の船首材に装着する、上方に広がった化粧外板（ファッション・プレート）を装備した船首で、ドイツ客船ブレーメンが最初に採用した。客船ベースの隼鷹型、飛鷹型の船首もこのタイプである。参考：図解日本の空母

＜ファッター＞：イラン軍短距離空対空ミサイルで、AIM-9Pをベースに開発された。全長3.1m、重量77.8kg。最大射程12km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ファット・アルバート＞：ブルーエンジェルス（アクロバットチーム）を参照。

＜ファットマン＞：Mk.�V（核爆弾）を参照。

＜ファテー級＞：ファテフ級かも。イラン海軍沿海潜水艦Fateh級。2008年に計画が公表された。潜望鏡は電子光学式らしい。全長48m、全幅6m、排水量500-600トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力41ノット、行動期間５週間。潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管４門（USMや機雷も運用可能らしい）。10隻を建造予定で、１番艦ファテーは2019年1月17日に就役した。参考：月刊世界の艦船4,'20、5,'22、11,’16、月刊軍事研究6,’14

＜ファテフ／Ａ１１０シリーズ＞：イラン革命防衛隊空軍の短距離弾道ミサイルFateh。以前メルシャドと呼ばれていた。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ファテフ／Ａ１１０＞：ミサイルはゼルザル２に似ているが、頭部にデルタ型コントロールフィン２枚、後部翼のすぐ前にデルタ型コントロール翼４枚を付けている。誘導は慣性航法とGPSで、１段式固体燃料ロケット推進、最大射程200km以上、CEP100m程度とみられる。装輪式の発射車両も開発されているらしい。2014年5月11日にバルシと呼ばれるクラスター弾頭が公開された。参考：月刊軍事研究5,’03、3,’03、10,’14

＜ファテフ２／Ａ１１０Ａ＞：改良型。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ファテフ３／Ａ１１０Ｂ＞：射程延伸型。最大射程300km、CEP100m。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ファテフ級＞：ファテー級（潜水艦）を参照。

＜ファニー・ウォー＞：第２次大戦で1939年9月3日にイギリス・フランスがドイツに宣戦布告した後、散発的な軍事行動（ヘルゴラント湾沿岸への爆撃など）や兵力派遣が行われたのみで、黄作戦発動まで表向きは殆ど平静を保っていたことからこう呼ばれる。フランスではドロール・ド・ゲール（奇妙な戦争）、イギリスではトワイライト・ウォー（黄昏の戦争）、ドイツではジッツクリーク（座り込み戦争）と称した。連合軍はヨーロッパ大陸の戦力強化に務め、フランスのサン・ナゼール港に将兵と物資を送り込んで増強を図った。参考：月刊丸3,’01、世界の傑作機No.157、月刊軍事研究1,’17

＜ファニング＞：DD-385（駆逐艦）またはFF-1076（ノックス級護衛艦）を参照。

＜ファニング級＞：マハン級（駆逐艦）を参照。

＜ファニング射撃＞：シングル・アクション式リボルバーで使用される射撃テクニック。片手で銃を保持し、もう一方の手でハンマーを起こしては撃ち、起こしては撃つ方法である。手動で連発が可能だが、命中率が非常に低い。参考：GUN用語事典

＜ファハド地対地ミサイル＞：イラク軍の地対地ミサイルで、SA-1をベースにしている。射程30km。参考：月刊丸4,’99

＜ファハド装輪装甲車＞：エジプト陸軍４×４輪装甲兵員輸送車Fahd。参考：月刊PANZER2,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ファハド装輪装甲車ファミリー＞

＜ファハド３０＞：装輪装甲戦闘車型Fahd-30。車体後部にBMP-2の砲塔を載せている。参考：月刊PANZER11,’01、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ファビラント＞：ヴォート社の開発した素材で、バルサ材をアルミニウム合金で挟み込んだものである。参考：月刊エアワールド8,’05

＜フア・ヒン級＞：タイ海軍哨戒艇Hua Hin級。兵装は76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜プアマウ＞：フィジー軍ガーディアン級哨戒艇２番艇Puamau。オースタル社ヘンダーソン造船所で建造され、2024年3月20日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船6,’24

＜ファマス＞：FAMAS（突撃銃）を参照。

＜ファミリー化＞：同一の基本車体・機体から用途の違う車両や機種を開発すること。ベースが同じなので生産効率が上がり、生産コストや整備コストが低下する。重量などに大差が無ければ、機動力なども似たり寄ったりになるので、運用が楽。ただしベースの限界以上の性能は発揮できず、単体で見ると能力に劣ることもある。参考：月刊PANZER7,’11

＜ファラガット＞：DD-348（駆逐艦）またはDDG-99（イージス駆逐艦）またはDLG-6（ミサイル・フリゲート）を参照。

＜ファラガット級＞：クーンツ級（フリゲート）を参照。

＜ファラガット級＞：アメリカ海軍駆逐艦Farragut級。ロンドン条約制限下で建造された駆逐艦で、第１次大戦後にアメリカが初めて建造した駆逐艦でもある。船型は船首楼型。全長104.1m、幅10.4m、吃水2.7m、基準排水量1395トン（DD-348は1365トン、DD-349は1345トン、DD-355は1375トン）。主機は蒸気タービン、主缶蒸気性状は28.2気圧・343℃、出力42800馬力、２軸推進、速力36.5ノット。兵装は12.7cm単装両用砲５門、533mm４連装魚雷発射管２基。乗員250名。DD-348ファラガット、DD-349デューイ、DD-350ハル、DD-351マクドノー、DD-352ウォーデン、DD-353デイル、DD-354モナガン、DD-355エールウィンの８隻が1934-35年に竣工した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船5,’11

＜ファラジ２型＞：UAE海軍ミサイル艇Faiaj ２型、別名ガンソート（Ganthoot。Ghantut？）級。イタリアのフィンカンティエーリ造船所が建造した。艦橋後方に上構側面と連続する太短いタワーマストがあり、その上に円錐形のレドームが載っていて、クロノス三次元レーダーを装備する。ヘリ甲板を持つ。全長55.7m、満載排水量550トン。主機はディーゼル、速力28ノット。兵装は76mm単装砲１門、エグゾセMM40ブロック�V艦対艦ミサイル２連装ないし４連装発射筒２基、VLミカ艦対空ミサイル３連装発射機２基。１番艦ガンソートとサラーラの２隻が2013年に就役した。オプションでもう２隻をUAEで建造するかもしれない。参考：月刊世界の艦船10,’17、4,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ファラロン・デ・メディニラ射爆場＞：アメリカ軍の射爆場。グアムの北240kmにある北マリアナ諸島連邦の無人島を射爆場にしたもので、実弾による空対地射爆撃訓練などが行える。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ファランクス・シリーズ＞：アメリカ海軍の近接防御兵器Phalanx（密集方形陣）、制式名称Close In Weapon System Mk15、通称バルカン・ファランクス（Vulcan Phalanx。バルカン砲を使っているので）、外見からR2D2（スターウォーズのロボット。R2D2 with attitude、やさぐれR2D2と呼ばれることも）、ダーレク（BBC番組ドクター・フーの宇宙人）とも称される。ジェネラル・ダイナミックス社製で、イスラエルのエイラート撃沈事件を機に急遽開発され、1970年にホワイト・サンズ射場で目標自動探知追尾システムとクローズド・ループ方式の試験を実施、1973年8月から1974年3月にDLG-10/DDG-41キングに試作型を搭載してテストを行い、1974年4月に実運用型６セットをジェネラル・ダイナミックス社に発注、1977年にDD-942ビゲローで量産型のテストを実施、7月に制式化され、1978年から量産に入り、1979年8月に量産初号機が完成してCV-43コーラル・シー（CV-66アメリカ？）に最初の３基が搭載され、1980年4月から運用された。使用弾は劣化ウラン弾だったが、1988年にほぼ同威力のタングステン弾を開発している。実用性が高く既存艦への追加も容易だが、口径が小さく威力と射程に劣り、複数目標同時対処能力が無いのが欠点。参考：月刊世界の艦船12,’14、11,’14、4,’04増刊、12,’18、10,'22、丸スペシャルNo.75

　＜ファランクス・ブロック０＞：シースキミング・ミサイル迎撃用の初期型。レーダーの俯仰捜索範囲は0-5度で、亜音速シースキミング・ミサイル専用である。全備重量5.67トン。機関砲は油圧駆動で、口径20mm、砲身長76口径、発射速度毎分3000発。砲弾重量100-150g、初速毎秒1113m、有効射程1500m、最大射程5500m。ベルト給弾で、装弾数990発（989発？）。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、2,'21、11,’14、12,’14

　＜ファランクス・ブロック�Tベースライン０＞：1988年に導入された改良型。AN/VPS-2捜索レーダー・アンテナを１面から２面に増やして背中合わせに取り付け、俯仰捜索範囲も0-70度に拡大、信号処理能力を強化し、砲塔俯仰角をマイナス20度からプラス80度（俯仰速度毎秒115度）に広げ、小型ミサイルや超音速ハイダイブ・ミサイルにも対応できるようにした。全備重量6.17トン。装弾数1550発。参考：月刊世界の艦船2,'21、11,’14、1,'15増刊、12,’14

　＜ファランクス・ブロック�Tベースライン１＞：機関砲を空気圧駆動に変更し、発射速度を毎分4500発に向上させた。参考：月刊世界の艦船2,'21、11,’14

　＜ファランクス・ブロック�Tベースライン２＞：

＜ファランクス・ブロック�TＡベースライン２Ｂ＞：1995年に登場した改良型で、32ビット型コンピュータに新型追尾アルゴリズムを搭載しており、高機動目標への対処能力を持つ。砲制御ユニット、電源、油圧ポンプ、海水循環式冷却装置を内蔵している台座にMk72三軸制御マウントが載っていて、その上にサーボ機構、Kuバンド捜索レーダー（横長アンテナ。上段）とKuバンド・パルス・ドップラー式追尾レーダー（縦長楕円形アンテナ。下段）を内蔵した筒状のレドーム、76口径20mm６銃身M61A1バルカン砲、ドラム弾倉（1550発）を搭載している。台座の後ろに電子機器収容部があり、艦内にCIC内制御盤、艦橋内表示装置、砲側制御板が収容される。砲身長1520mm。使用電源440V/60Hz（三相交流）、使用電力18kW（捜索時）／70kW（追尾時）。使用弾は20mm×102劣化ウランAPDS弾Mk86または劣化ウラン／タングステン合金APDS弾Mk149（重量70g、弾芯直径12.75mm）で、砲口初速毎秒1113m、有効射程1500m、最大射程5500m。発射速度毎分4500発。全高5m、マウント重量5.4トン。旋回角左右150度ずつ（全周旋回可能？）、旋回速度毎秒100度、俯仰角マイナス20度からプラス80度で、俯仰速度毎秒86度。完全自動迎撃が可能で、捜索レーダーが扇形ビームで目標を捜索し、自動的に識別、脅威度が一定以上と判断されると追尾レーダーが皿形ペンシルビームにより精密追尾を行い、追尾レーダーと同軸のバルカン砲が自動的に射撃を開始する。探知から射撃開始までの時間は２秒。発射された弾丸もレーダーで追尾し、目標との誤差が無くなるように射撃修正が加えられる（クローズド・ループ方式）。撃破後は射撃を停止し、次の目標の捜索に入る。攻撃判断を手動で行うことも可能。テストではRCS0.5平方メートルの目標を100%捕捉し、２秒間で平均10発の命中弾を得た。毎分400発の再装填システムを持つ。システムは完全自律式で、電力ケーブルと冷却用海水パイプを繋げば甲板上に載せるだけで後付けできる。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、11,’14、1,'15増刊、2,'21、3,’10、艦船メカニズム図鑑、月刊軍事研究6,’01、6,’93別冊、5,’13、月刊PANZER12,’02、1,’03、月刊丸3,’90

　＜ファランクス・ブロック�TＢベースライン２Ｃ＞：別名PSUM（Phalanx SUrface Mode）。1999年2月にFFG-36アンダーウッドでの技術評価試験を終了、4月に運用評価試験を終え、2000年から搭載された。低高度低速飛行・ホバリング目標や、工作船・不審船など小型水上目標への対処のため、8-12ミクロン（8-13ミクロン？）帯赤外線撮像装置を追加し、水上目標追尾誤差を2-3ミリラジアンから0.05-0.1ミリラジアンに向上させた。操作員が赤外線画像を見て目標をロックすれば、自動で追尾してくれる。また、砲身を457mm延伸（23口径増えて99口径になった。471mm延伸して1981mm？）し、中央部に支持架を設けたOGB（Optimized Gun Barrels）として射弾撒布界を狭くした。使用弾はニッケル・コバルト・タングステン合金弾芯を持つELC（Enhanced Lethality Cartridge）弾Mk244で、サボーを小型化することにより弾丸重量を80グラムから105グラムに増やしており、運動エネルギー増大により目標撃墜確率が50%上昇したという。発射速度も毎分3000/4500発としており、再装填無しに水上目標8-10個を撃破できるらしい。マウント重量6.1トン。旋回角プラスマイナス150度、旋回速度毎秒115度、俯仰角マイナス25度からプラス85度、俯仰速度毎秒115度。参考：月刊軍事研究9,’07、6,’01、月刊世界の艦船1,'15増刊、2,'21、5,’19、月刊PANZER12,’02、日米イージス艦とミサイル防衛

　＜ファランクス・ブロック�UＡ＞：電子光学センサーを付加して水上目標への攻撃も可能としたタイプ。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜ファランクス海外シリーズ＞

　＜高性能２０ミリ機関砲＞：海上自衛隊CIWS。箱形の駆動機構（電源、トランス、油圧ポンプ、発振器、空調装置）、その後ろの電子装置、上に載った門型砲座、バルカン砲、射撃指揮レーダー（捜索レーダーと追尾レーダー）からなり、艦橋内に表示装置、CIC内に制御板がある。捜索レーダーが目標を探知するとコンピュータがドップラー解析を行って目標を識別、脅威と判断されれば機関砲が目標の方を向き、追尾レーダーが目標をロック、機関砲が射撃を開始する。クローズド・ループ方式で射撃修正を行いつつ目標を撃墜するまで射撃を続け、撃墜すると自動的に射撃を停止、捜索レーダーが次の目標を捜索する。全備重量６トン（1.3トン？）。旋回俯仰は電動油圧式で、俯仰速度毎秒100度、旋回速度毎秒86度。砲口初速毎秒1100m、発射速度毎分3000-4500発。世論に配慮して、弾丸は劣化ウランでなくM61バルカン砲用の弾丸を使用しており、1979年頃からニッケル・クロム・タングステン合金を使用した弾丸の開発に入った。昭和51年度計画のDDH-144くらまに初搭載し、その後２年は予算の関係で後日装備になり、昭和54年度計画艦から再び竣工時搭載されている。参考：丸スペシャルNo.75、MAMOR vol.84、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、世紀の失敗物語、月刊世界の艦船12,’14

＜ファランダ＞：3M11（対戦車ミサイル）を参照。

＜ファランダＭ＞：3M11M（対戦車ミサイル）を参照。

＜ファランダＰ＞：3M11P（対戦車ミサイル）を参照。

＜ファリス＞：FF-1094（フリゲート）を参照。

＜ファリンティル＞：Forcas Armados para Libertacao National de Timor Leste（東ティモール民族解放軍）の略。24年間、独立のためにインドネシア政府とゲリラ戦を続けた。東ティモール独立後、メンバーの40%弱が国軍に雇われ、他は市民生活に戻った。しかし失業率70%といわれる同国では生活が成り立たず、中には国家内国家を目指して活動をするメンバーもいる。参考：月刊軍事研究12,’02

＜ファル＞：K266（フリゲート）を参照。

＜ファルージャ＞：LHA-9（強襲揚陸艦）を参照。

＜ファルージャ＞：バクダッドの西方にあり、イスラム教スンニ派の有力部族、ドレイミ族とジュメイリ族の居住地域である。イラク戦争後、占領軍への抵抗活動が最も激しい地域でもある。湾岸戦争以降に独自の武装委員会と武装勢力を維持する権限が与えられており、フセイン体制を支えていた。2004年4月25日の占領後、アメリカ軍が日夜厳しい警戒監視活動を行ったため、プライバシー侵害として反感を買った上、4月28日にはアメリカ軍が小学校を勝手に駐屯地にしたことに対するデモにアメリカ軍が発砲、15人の死者が出たため、あっという間に住民が反米武装勢力と化した。更に活動資金が国内外からモスクを通じて寄進されるようになり、失業者（失業率は50-70%）も加わって大規模な武装勢力に発展した。これに対し、アメリカ軍は厳しい家宅捜索を行い、家長の頭に袋を被せて刑務所に連れて行ったり、銀行が機能しなくなってタンス預金していた財産をテロ資金として根こそぎ持って行ったりしたため、更に反感を買って治安の安定など程遠い状況となっている。参考：月刊軍事研究7,’04

＜ファルカン＞：A-4U（攻撃機）を参照。

＜ファルク＞：ノルウェー海軍ハウク級ミサイル哨戒艇。1980年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ファルケ＞：Sd.Kfz.251シリーズ（ハーフトラック）またはT�W（魚雷）を参照。

＜ファルケ＞：ドイツ海軍メーヴェ級水雷艇Falke。1927年就役。1944年6月6日夜と7日夜、ル・アーブルから出撃し、オーバーロード作戦中の連合軍艦艇を攻撃。6月14日（15日？）、ル・アーブルでイギリス空軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、月刊世界の艦船9,’23

＜ファルケ＞：ドイツ海軍カタパルト艦。第２次大戦終結後はソ連に引き渡された。参考：グラフィックアクション44

＜ファルゲン＞：スウェーデン海軍ドラケン級（２代目）潜水艦３番艦。1958年起工、1960年5月20日進水、1961年11月15日竣工。1971年に近代化改修を受けた。1981年に更に近代化改修を受け、1980年代末まで使用された。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ファルコ＞：BPDロケット弾（122mm）またはCR42（複葉戦闘機）を参照。

＜ファルコ＞：パキスタン空軍戦術偵察UAV。イタリアのメテオール社が要求に基づいて2002年3月に開発した。後部双胴型のプッシャー式プロペラ機である。全長5.25m、翼スパン7.2m、全高1.8m、最大離陸重量420kg、ペイロード70kg以上。エンジンは65馬力のガソリンエンジンで、運用高度5000m、滞空時間8-14時間。昼夜間TV、レーザー測距・指示器、合成開口レーダー、赤外線ライン走査機、ELINTなどを搭載できる。サウジアラビア、トルクメニスタン、ヨルダン、リビア、国連も導入した。参考：月刊軍事研究1,’04、8,’02、月刊JWings11,’09、8,’11、月刊航空ファン5,’16

＜ファルコ１＞：Re2000セリエ�T（戦闘機）を参照。

＜ファルコ２＞：Re2001セリエ�T（戦闘機）を参照。

＜ファルコ・エクスプローラー＞：レオナルド社のUAV。STANAG4671準拠で、地上管制ステーションのソフトウェアは他のファルコUAVシリーズと共通である。機首上面が膨らんでおり（多分衛星通信アンテナ内蔵）、胴体中央下面にセンサーフェアリングがあり、高翼配置の翼スパンが長い主翼とＶ字尾翼を持ち、機体尾部に推進装置があり、降着装置は前輪式。最大離陸重量13トン。最大上昇限度24000フィート、最大連続飛行時間24時間。ペイロード0.35トン。2020年度から製造予定。参考：月刊JWings9,’19

＜ファルゴート＞：DE-324（護衛駆逐艦）を参照。

＜ファルコーネ＞：イタリア海軍スパルビエロ級ミサイル艇。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ファルコン＞：AIM-4シリーズ（空対空ミサイル）またはAB9C4（戦車）またはASR-2（潜水艦救難艦）またはEL/W-2085（レーダー）またはFV433ファミリー（自走高射機関砲）またはHTV-2（実験機）またはMHC-59（機雷掃討艇）またはMiG-15シリーズ（戦闘機）または練15シリーズ（練習機）を参照。

＜ファルコン極超音速攻撃機＞：アメリカ空軍が2003年に計画したCPGS用極超音速攻撃機FALCON（アメリカ本土からの兵力使用・投射の略）。スカンクワークスとDARPAが開発した。B-52と同サイズの機体にラムジェット／スクラムジェットエンジンを搭載し、マッハ３で飛行する。総重量50万ポンド（226.8トン）、ペイロード12000ポンド（5.4トン）。航続距離10000海里、滞空時間12時間。HTV-2技術実証機によりテスト中である。参考：月刊軍事研究2,’08、5,’15

＜ファルコン早期警戒管制システム＞：PHased Array L-band CONformal radarの略。IAI社と、その傘下のエルク社が開発したAWACSシステムである。搭載するレーダーはＬバンドのフェイズド・アレイ・レーダーで、８基のベルギー・ベルコ社製20インチ（508mm）液晶ディスプレイを搭載する多機能コンソールと、２つの電子妨害・電子情報収集機能を持っている。インド空軍がIl-76MDに搭載する予定。参考：月刊JWing11,’03、月刊軍事研究2,’07

＜ファルコン防空システム＞：ロッキード・マーチン社、ディール・ディフェンス社、サーブ社が開発している機動防空システム。ロッキード・マーチン製スカイキーパー指揮管制システム搭載車両１両、サーブ社製ジラフ4A捜索レーダー搭載車両１両、ディール・ディフェンス社製IRIS-T地対空ミサイル８連装発射機搭載車両３両からなる。参考：月刊航空ファン5,’19

＜ファルコン無人機＞：ラジオ・コントロール・スペシャリスツ社が開発した小型RPV。無尾翼デルタ翼機で、重量16.3kg。航続時間は速度204kmで45分。参考：スパイ機

＜ファルコン�U＞：PRC-117F(c)通信装置を参照。

＜ファルコン２＞：ヨルダンのKADDB社がアル・フセインと並行開発した無人戦車砲塔。50口径120mm滑腔砲RUAG120CTGを背負い式に搭載し、車長・砲手は車体内に位置する。FHL社製の自動装填装置付きで、装弾数10発、発射速度毎分８発。車内に17発の予備弾を収容する。砲塔上面には車長と砲手それぞれに照準捜索装置が用意されている。砲塔幅1.4m。参考：月刊軍事研究2,’10、月刊PANZER6,’04、JGround VOL.4

＜ファルコン５Ｘ＞：ダッソー社が開発していた双発ビジネスジェット機Falcon 5X。翼胴フェアリングは炭素繊維複合材製である。ハニウェル社製イージー�Uコクピットを採用しており、カラーMFD４基、HUD、タブレット端末２基（取り外し可能）、サイドスティック式操縦桿、スマートビュー合成視野システムなどを備え、FLIRによる視野強化システムも追加できる。操縦系統はフライ・バイ・ワイヤ、油圧系統は34.34MHzの高圧系。全長25.17m、全幅25.94m、基本運航自重17.31トン、最大零燃料重量19.73トン、最大着陸重量29.98トン、最大離陸重量31.57トン。エンジンはサフラン社製シルバークレスト（推力50.9kN。ファン直径1.88m、バイパス比5.9）双発で、巡航速度マッハ0.8、使用可能燃料重量12.79トン、航続距離5200海里。キャビン長11.79m、キャビン幅2.18m、キャビン高1.98m、客席数12-14席。エンジンの開発が遅れ、代わりのエンジンを積んで2017年7月5日に初飛行したが、エンジン完成の見込みが無いので12月に開発打ち切りを発表した。代わりにプラット＆ホイットニー・カナダ社製エンジンを積んだファルコン６Ｘを開発する。参考：月刊軍事研究1,’15、4,’18、世界航空機年鑑2018-2019

＜ファルコン６Ｘ＞：ダッソー社の双発ビジネスジェット機Falcon 6X。エンジン開発遅延でファルコン5Xが没になったため、プラット＆ホイットニー・カナダ社製PW8-12Dエンジンに積み替えたものである。2022年から就航予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ファルコン７Ｘ＞：ダッソー社の３発ビジネスジェット機で、ビジネスジェット機初の完全フライ・バイ・ワイヤ機である。2001年6月のパリ航空ショーでファルコンNXTの名称で発表され、ファルコンFNXを経て2001年10月にファルコン7Xになった。ファルコン900シリーズを大型化し、エンジンを強化、航続距離を伸ばしている。エンジンは胴体後部両側と垂直尾翼付け根前縁に付く。主翼は後退角を増し（内翼34度・外翼30度）、翼型を変更、翼端を延長して遷音速巡航を可能とした。油圧システムは34.34MPaの高圧系。ハニウェル社製イージー・コクピットを採用しており、カラー液晶多機能ディスプレイ４基とHUDを装備、操縦桿はサイドスティック方式である。機首先端状部のFLIRなどからなる強化視野システムを追加することが可能。全長23.19m、全幅26.21m、全高7.83m、基本運航自重15.564トン、最大零燃料重量18.598トン、最大離陸重量31.752トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW307Aターボファン（推力28.48kN）３基、航続距離5950海里（乗客８人時）。乗員２名。客席数12-19。2005年5月5日に初飛行し、2007年4月27日に欧州航空安全局とアメリカ連邦航空局の型式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’15、10,’14

＜ファルコン７Ｘ海外ファミリー＞

　＜ファルコン７Ｘ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍要人輸送機。ボンバルディア600要人輸送機の後継で、ダッソ・アビエーションから３機をリースし、第34飛行隊に配備する。2019年4月16日に初号機がキャンベラに到着した。2021年7月14日、羽田空港に飛来し、7月16日に神戸空港へと往復、7月17日に離陸して韓国に向かった。参考：月刊JWings7,’19、10,’21

　＜ファルコン７Ｘ（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍要人輸送機。2023年1月28日、ミツォタキス首相を乗せ関西空港に飛来。参考：月刊JWings4,’23

　＜ファルコン７Ｘ（ハンガリー空軍）＞：ハンガリー空軍要人輸送機。2018年7月（9月？）と2019年4月に１機ずつ配備された。ケチケメート基地の第59航空基地第３空輸飛行隊が運用する。2019年11月6日、茂木外務大臣と外相級会議を行う外務貿易大臣を乗せて羽田空港に飛来した。11月20日、羽田空港に飛来。12月5日、オルバーン首相を乗せて羽田空港に着陸。12月7日、羽田空港を離陸。参考：月刊JWings1,’20、2,’20、月刊航空ファン1,’19、2,’20、3,’20

　＜ファルコン７Ｘ（フランス空軍）＞：フランス空軍要人輸送機。2019年6月26日、マクロン大統領搭乗A330-223特別機の随伴機として羽田空港に着陸した。2021年7月23日、マクロン大統領搭乗A330-223特別機の随伴機として羽田空港に着陸した。参考：月刊JWings9,’19、10,’21、月刊航空ファン9,’19

＜ファルコン８Ｘ＞：ダッソー社が開発中の３発ビジネスジェット機。ファルコン7Xの改良型で、主翼とウイングレットを新設計とし、胴体を延長してキャビンを広げ（キャビン長13.01m、幅3.34m、高さ1.88m。幅2.34m？）、燃料を増やしてエンジンを強化し、速度性能や航続性能を向上させた。降着装置も強化している。コクピットはイージー�Uを採用した。全長24.46m、全幅26.29m、全高7.94m、基本運航自重16.375トン、最大零燃料重量18.598トン、最大着陸重量28.305トン、最大離陸重量33.113トン。エンジンはPW307Dターボファン（推力29.9kN）３基、巡航速度マッハ0.8、最大運用速度マッハ0.9・980km、最大運用高度15545m、航続距離6450海里（乗客８名時）。乗員２名。客席数19。2015年2月6日に初飛行、2016年6月24日にFAAとEASAの型式証明を取得した。参考：月刊航空情報3,’18、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’15、10,’14、月刊航空ファン9,’18

＜ファルコン８Ｘファミリー＞

　＜ＡＲＣＨＡＮＧＥ＞：フランス空軍のELINT/SIGINT機で、Avions de Renseignement a CHArge utile de Nouvelle GEnerationの略。ファルコン8Xにタレス社製ELINT/SIGINTシステムを搭載したもので、電子戦訓練機も兼ねる。2025年から３機を配備予定。参考：月刊JWings2,’20、4,’20

＜ファルコン９＞：スペースＸ社が開発したドラゴン有人宇宙機打ち上げ用液体燃料２段式ロケット。全長54.9m、直径3.6m、離昇重量333トン、低軌道ペイロード10.45トン。2010年6月4日に初試射され、ペイロードの軌道投入に成功した。2010年12月8日、２回目の試射でドラゴンのプロトタイプを軌道に投入した。参考：月刊軍事研究5,’11

＜ファルコン１０＞：ダッソー社の双発ビジネスジェット機Falcon 10。ファルコン20の縮小版（最大８席）としてミステール10の名称で開発が開始され、1970年12月1日に初飛行、1971年から量産された。エンジンはギャレットTFE731-2ターボファン双発。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ファルコン２０シリーズ＞：ダッソー社の双発ビジネスジェット機Falcon 20。1961年12月からミステール20の名称で開発し、1963年5月4日に初飛行、1965年6月にフランスとアメリカで型式証明を取得した。各型合わせて500機が生産されている。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０＞：試作機で、１機が製作された。8-10人乗りのリアジェット機で、エンジンはJT12Aターボファン。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０Ｃ＞：量産型。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０ＣＣ＞：ファルコン20Cを低圧タイヤに換装したタイプ。１機が製作された。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０Ｄ＞：ファルコン20CのエンジンをGEシャシCF700-2Dターボファンに換装したタイプ。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０Ｅ＞：ファルコン20Dの重量増加型。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０Ｆ＞：ファルコン20Eの主翼前縁にフルスパンのスラットを装着して離着陸性能を向上させると共に、燃料搭載量を増やして航続力も強化したタイプ。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０ＦＨ＞：ファルコン200の試作型。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０Ｇ＞：エンジンをギャレット・エアリサーチATF3-6-2Cターボファンに換装したタイプ。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン２０Ｈ＞：ファルコン200を参照。

＜ファルコン２０海外シリーズ＞

　＜ファルコン２０Ｅ（イラン空軍）＞：イラン空軍輸送機。ファルコン20Fと合わせて６機を保有する。5-で始まるシリアルナンバーが付く。参考：月刊航空ファン8,’19

　＜ファルコン２０Ｅ（イラン革命防衛隊）＞：イラン革命防衛隊輸送機。15-で始まるシリアルナンバーが付く。参考：月刊航空ファン8,’19

　＜ファルコン２０Ｆ（イラン空軍）＞：イラン空軍輸送機。ファルコン20Eと合わせて６機を保有する。5-で始まるシリアルナンバーが付く。参考：月刊航空ファン8,’19

＜ファルコン２０海外ファミリー＞

＜ファルコン２０Ｃ−５＞：ノルウェー空軍要人輸送／飛行点検機。ファルコン20を改造したもので、ノルウェー王族や国務大臣を乗せての輸送飛行や、ノルウェーに15カ所あるTACANと３カ所ある方向探知器の検査を行う。飛行点検の際には座席１つを外して検査器材を搭載する。また、飛行場の離着陸手順設計も実施する。第717飛行隊に１機が配備された。参考：月刊JWings4,’12

＜ファルコン２０ＥＣＭ＞：ノルウェー空軍電子戦機。ファルコン20に電子戦器材を搭載したもので、VHF無線機３基、UHF無線機３基、ESM５基、ECM９基、UHF/VHF無線妨害装置３基などを装備する。ノルウェー軍やNATO軍のECM訓練支援やELINT任務に就く。ミッション高度9140m、ミッション航続時間3-5時間。要員は操縦士、副操縦士、クルーチーフ、電子戦士官2-3名。1972年に導入され、第717飛行隊にフギンとムニン（どちらも北欧神話オーディン神の従者のカラス）の２機が配備されている。2000年に最後の改修を行った後、10年以上そのままになっており、旧式化しているのが悩みの種である。参考：月刊JWings4,’12

＜ファルコン５０＞：ダッソー社の３発ビジネスジェット機Falcon 50。ファルコン20の大型化バージョンとしてミステール30（客席数30席）を検討したが、双発ではエンジンのパワー不足が懸念され、長距離洋上飛行ができず需要も無さそうだったため、これは１機だけの試作とし、1970年代前半から３発機として作ることを決めた。胴体後部両側に１基ずつと胴体内後部に１基のTFE731ターボファンエンジンを配置し、胴体内エンジンには垂直尾翼付け根のエアインテイクから空気を導入する。翼面積46.8平方メートル。全長18.52m、全幅18.86m、全高6.98m、最大離陸重量17.6トン。航続距離3500海里。1976年11月7日に試作初号機が初飛行し、1979年2月に型式証明を取得した。1996年に航続距離延伸型のファルコン50EXが初飛行している。参考：月刊軍事研究1,’15、10,’14、世界航空機年鑑2018-2019

＜ファルコン５０ファミリー＞

　＜ＶＣ−５０＞：イタリア空軍要人輸送機。第31航空団第306航空群に２機が配備されている。参考：月刊航空ファン9,’19

　＜ファルコン５０Ｍ＞：フランス海軍捜索機。捜索レーダーと観測窓を装備する。救難器材は積んでいないが、2019-20年に３機に対して救難ハッチを装着する予定である。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜ファルコン５０Ｍｉ＞：フランス海軍捜索救難機。ファルコン50Mにマーカーブイや救難器材を積んだものである。参考：月刊航空ファン3,’19

＜ファルコン５０ＭＳ＞：フランス軍の洋上哨戒機。フランス空軍のファルコン50Bにタレス社製オーシャンマスター洋上レーダーを搭載したもので、４機が改造され、初号機は2014年9月6日に納入された。参考：月刊JWings1,’14

＜ファルコン５０ＳＵＲＭＡＲ＞：ファルコン50を洋上監視機に改修したもの。参考：月刊航空ファン3,’99

＜ファルコン２００＞：ダッソー社が試作した双発ビジネスジェット。ファルコン20シリーズの発展型で、機体を大型化して居住性を改善、航続距離を延伸したものである。エンジンはギャレット・エアリサーチATF3-6-2Cターボファン双発。当初はファルコン20Hとして計画され、試作機としてファルコン20FHが開発されたが、ファルコン20の生産に集中するため量産化は先送りし、ファルコン2000へと進んだ。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ファルコン７０７＞：イスラエル航空工業と、子会社のエルタ社が開発したAWACS。ボーイング707を母体に開発されており、エルタEL/2075フェイズド・アレイ・レーダーを搭載している。レーダーアンテナは機首前面、機首両側面、後部胴体下部にあり、前二者には巨大なフェアリングが設けられている。このフェアリングに押しのけられる形で、２本のピトー管は機首上部に移設された。空気抵抗が大きいため速度は低下したが、滞空時間はさほど低下していない。後部胴体のアンテナを搭載しないバージョンも製作されているが、これだとカバー範囲が前方260度に限られる。運用周波数はＬバンドで、探知距離は戦闘機サイズで400km台、同時処理可能な目標数は100機前後とされる。また、レーダービームを絞り込んで走査頻度を増加させることもでき、2-4秒で目標の追尾開始が可能である（従来のAEW機の10分の１程度）。メインレーダーアンテナにはAIFFが組み込まれ、両者は完全に同調している。パッシブ・センサーとして、先進型戦術ESM/Elintセットが搭載されており、そのアンテナは後部胴体と翼端にある。ナローバンドのスーパーヘテロダイン受信装置と、ワイドバンド高速周波数測定技術を組み合わせ、到達時間差方向探知を行うことでレーダー発信源を精密に特定できる。また、エルタEL/K-7031CSM/Comintセットも搭載されており、短波、超短波、極超短波を受信して放射源の位置を特定できる。傍受対象通信はコンピュータにより選別され、オペレーターに表示される。コンソールは機内前後に分かれて配置されており、中央部は休憩設備となっている。参考：月刊エアコマンド10,’94

＜ファルコン９００シリーズ＞：ダッソー社の３発ビジネスジェット機Falcon900。ファルコン50の近代化型で、1984年9月21日に原型機が初飛行し、1996年3月にフランス・アメリカ・イギリスで形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン９００＞：ファルコン50の胴体を一回り太くして座席数を19に増やし、エンジンを強化した。後部胴体左右と垂直尾翼前縁にエンジンが付く。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファルコン９００Ｂ＞：ファルコン900のエンジン強化型。全長20.21m、全幅20.33m、全高7.55m、最大離陸重量22.225トン。翼面積49平方メートル。航続距離3500海里。客席数19。参考：月刊軍事研究1,’15、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファルコン９００Ｃ＞：ファルコン900Bのアビオニクスをプリムス2000に改良したもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン９００ＤＸ＞：中距離型で、エンジンをTFE731-60に換装した。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜ファルコン９００ＥＸ＞：ファルコン900Bの航続距離延伸型。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ファルコン９００ＬＸ＞：航続距離延伸型で、2008年5月に開発を発表し、2010年7月にFAAとEASAの形式証明を取得した。ウイングレットを装着し、翼スパンを2mほど延長している。全長20.21m、全幅21.38m、全高7.55m、基本運航自重11.71トン、最大零燃料重量14トン、最大離陸重量22.225トン。エンジンはハニウェルTFE731-60（推力22.24kN・2.268トン）３発、最大巡航速度マッハ0.87、最大運用高度15545m、燃料搭載量9.48トン、航続距離4750海里・8800km。乗員２名。客席数12-19。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究10,’14

＜ファルコン９００海外ファミリー＞

　＜Ｔ．１８＞：スペイン空軍が導入したファルコン900B。参考：月刊JWings6,’17

　＜ＶＣ−９００Ａ＞：イタリア空軍が導入したファルコン900EX。2020年6月28日1730過ぎ、ローマからノボシビルスクを経て羽田空港に着陸。目的は不明（政府関係者または患者移送説あり）で、6月29日1100過ぎに離陸してノボシビルスク経由でイタリアに戻った。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊JWings9,’20

　＜ＶＣ−９００Ｂ＞：VC-900Aにハニウェル社製イージー・コクピットを適応したもの。イタリア空軍が採用した。参考：月刊軍事研究1,’15

　＜エンボイ�WＣＣ．１＞：イギリス空軍要人輸送機Envoy�W CC.1。BAe146要人輸送機の後継である。２機をリースし、2022年5月からセンターライン・アビエーションで委託運用しており、2024年にイギリス空軍に移管する予定。参考：月刊JWings1,’24

　＜ダッソー・ブレゲー式ミステール・ファルコン９００型＞：海上保安庁大型洋上監視機。1986年に締結された日米捜索救難協定に基づいて配備した広域監視捜索機で、ファルコン900に捜索レーダー、発光・発煙筒透過装置、救難器材投下口、見張り窓などを追加したものである。全長20.3m、全幅19.3m、全高7.6m、自重10.235トン、最大離陸重量20.64トン。エンジンはターボファン（出力4500ポンド）３基、巡航速度428ノット、最大速度502ノット、実用航続距離4170海里。最大搭乗者数18名。1989年9月27日に２機が就役した。21世紀に入り、捜索レーダーを新型に換装している。ファルコン2000に後を譲って2019年に２番機、2020年2月6日に１番機が退役した。参考：月刊世界の艦船7,’18、4,'20、月刊JWings4,’20

　＜ファルコン９００Ｂ（スペイン空軍）＞：スペイン空軍要人輸送機。第45航空群第451飛行隊に５機が配備された。2019年6月、G20大阪サミットに参加するカステホン首相の随伴機として来日。10月21日、即位礼正殿の儀に出席する要人を乗せたA310-300の随行機として羽田に着陸。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings1,’20

　＜ファルコン９００ＥＸ（イラン空軍）＞：イラン空軍政府専用機。2004年に製造されたものを中古で購入し、2018年6月から政府専用機として配備した。2019年5月15日、ザリーフ外相特別機として羽田空港に飛来し、17日に離陸して北京国際空港に向かった。参考：月刊JWings8,’19、月刊航空ファン8,’19

　＜ファルコン９００ＥＸ（スイス空軍）＞：スイス空軍要人輸送機。連邦航空輸送サービスLTDB（LuftTransportDienst des Bundes）に配備されている。2019年6月8日、G20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席するマウラー大統領を乗せ福岡空港に到着。6月10日、福岡空港から羽田空港に移動。10月19日、即位礼正殿の儀に出席するアムヘルト国防大臣を乗せて羽田に着陸。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings9,’19、1,’20

＜ファルコン２０００シリーズ＞：ダッソー社の双発ビジネスジェット機。ファルコン20の近代化型で、双発機による長距離洋上飛行制限ETOPSが緩和されたのを受けて1989年6月にファルコンＸとして計画が公表され、1990年10月4日から開発し、ファルコン2000に改称、1993年3月4日（24日？）に試作初号機、1994年5月10日に量産型が初飛行し、11月30日に欧州合同型式証明を取得した。標準客席数は全て８席である。参考：月刊軍事研究1,’15、10,’14、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファルコン２０００＞：基本型。ファルコン900の垂直尾翼前縁エンジンを外し、胴体長を少し短くした。エンジンはGE社製CFE738-1-1Bターボファン双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’15、10,’14

　＜ファルコン２０００ＥＸ＞：ファルコン2000の航続距離延伸型。エンジンをプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW308に換装した。初飛行は2001年10月10日、型式証明取得は2003年3月である。参考：月刊軍事研究10,’14、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファルコン２０００ＥＸイージー＞：ファルコン2000EXにハニウェル社製イージー（EASy）コクピットを搭載したもの。2003年1月に完成した。参考：月刊軍事研究10,’14、1,’15、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファルコン２０００ＤＸ＞：ファルコン2000EXイージーの軽量短距離型。離着陸性能と上昇性能は向上した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’15、10,’14

　＜ファルコン２０００Ｓ＞：ファルコン2000DXのSTOL能力向上型で、主翼前縁スラットを内翼部まで拡大した。2013年3月に型式証明を取得した。参考：月刊軍事研究1,’15、10,’14

　＜ファルコン２０００ＬＸ＞：ファルコン2000EXイージーの航続距離延伸型。2007年5月に開発を発表し、2009年春に形式証明を取得した。翼端にウイングレットを装着している。最大離陸重量19.414トン。航続距離4000海里（マッハ0.8、乗客６名）。参考：月刊軍事研究1,’15、10,’14、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ファルコン２０００ＬＸＳ＞：ファルコン2000LXの改良型。アビオニクスをイージー�Uに更新し、計器板をグラスコクピット化、前縁スラットをフルスパンに拡大して離着陸性能を強化している。機体前方のギャレーには旅客機並の設備を備え、フルコース料理を提供可能。機体後部にはトイレと洗面台がある。2012年10月に発表され、2013年3月に型式証明を取得した。全長20.23m、全幅21.38m、全高7.06m、自重10.698トン、最大離陸重量19.414トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW308Cターボファン（出力3.175トン。FADEC付）双発、最大速度マッハ0.862、最大運用高度14325m、航続距離4000海里・7408km。乗員２名。客席数8-19。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’15、10,’14、月刊世界の艦船7,’18、月刊航空ファン12,’18

＜ファルコン２０００海外ファミリー＞

　＜ダッソー・アビエーション式ファルコン２０００ＥＸ型（海上保安庁）＞：海上保安庁中型洋上監視機、公式略称ファルコン2000型。ファルコン900型の後継で、海保正式名にファルコン2000EXと入っているが、ベースはファルコン2000LXSである。機首下面ドームに捜索レーダーを搭載し、胴体後部下面に引き込み式赤外線監視装置ターレットを装着するなどしたものである。計器板にMFD４枚を装備する。コクピット後方右舷側にトイレと簡易キッチンがあり、左舷側は搭乗口で、その後方がキャビンになっている。キャビン前部両舷が監視員席と通信／レーダー／赤外線捜索監視装置オペレーター席、中央から後ろにかけての両舷が同乗者席で、座席を外してストレッチャーを乗せることが可能。キャビンの後ろは貨物室で、マーカーなどの連装投下装置、マーカーなどのラック、物件投下口（SARドア。左舷側壁）がある。全長20.23m、全幅21.38m、全高7.18m、自重10.7トン、最大離陸重量19.4トン。エンジンはターボファン（推力3.175トン）双発（合計推力14000ポンド）、最大速度484ノット・マッハ0.86、航続距離4000海里。最大搭乗者数19名。2019年から６機を配備予定で、2019年8月8日に２番機が配備されて9月12日に就役式典が実施された。１番機は2019年9月25日、３番機は2020年2月6日、４番機は2020年2月26日に引き渡されている。５番機は2021年3月24日に羽田空港に到着した。６番機は2022年4月15日に就役した。1-3番機は那覇航空基地に配備されて尖閣諸島周辺24時間監視に使用され、4-6番機は北九州航空機基地に配備されている。参考：月刊世界の艦船10,'20、12,’19、7,’18、10,’19、4,’20、5,'20、7,’22、月刊JWings6,’21

　＜ファルコン２０００ＥＸ電子偵察機（韓国空軍）＞：韓国空軍のELINT/IMINT機で、RC-800の後継らしい。ファルコン2000EXに各種器材を搭載しており、胴体前部下面にフェアリングを設けて前部にボール型偵察ターレットを装着、胴体下面に多数のブレードアンテナを追加している。改造はL3COM社インテグレイテッドシステムズ部門が担当した。参考：月刊航空ファン1,’17

＜ファルコンイーグル＞：殲撃31型（戦闘機）を参照。

＜ファルコン・エア・ミート＞：FAMと略す。ヨルダン空軍が主催するF-16運用国間戦術競技会で、2006年から毎年実施されている。2009年は10月18日から11月3日まで開催され、ヨルダン空軍第１飛行隊F-16AM、アメリカ州兵サウスカロライナ州航空隊第169戦闘航空団F-16C、ベルギー空軍第349飛行隊F-16AMが参加し、他に11カ国がオブザーバーを派遣した。2010年は10月19日から11月2日まで開催され、ヨルダン空軍のF-16AM、アメリカ空軍のF-16C、UAE空軍のF-16Eに加え、他機種であるパキスタン空軍のミラージュ�V、アメリカ海軍のF/A-18C/Eが参加した。オブザーバーはイギリス、イタリア、エジプト、オマーン、オランダ、ギリシャ、クウェート、サウジアラビア、トルコ、バーレーン、ベルギーの11カ国。参考：JWings5,’10、月刊航空ファン3,’11

＜ファルコンシールド＞：セレックスES社が開発した対無人機システム。レーダーでUAVを探知し、電子光学／赤外線センサーで追尾、誘導信号を解析し、ECMをかけて飛行不能にしたり、コントロールを乗っ取ったりする。マイクロ波による電子攻撃でUAVの電子回路を焼き切る装置がオプションで用意されている。DSEi2015で発表された。参考：月刊軍事研究3,’16

＜ファルコン・ストライク２０１５＞：タイ空軍と中国空軍の共同訓練Falcon Strike 2015。2015年6月にタイのコラート、8月に北京で開催に関する会議を開き、11月16-27日にタイのコラート空軍基地で実施した。タイ空軍からスラタニ空軍基地の第７航空団第701飛行隊JAS-39C/D戦闘機５機、中国空軍から広州基地の第６戦闘航空群殲撃11型戦闘機６機（単座４機、複座２機）が参加し、103ソーティの訓練を行った。中国空軍隊員はIl-76で現地入りしている。また、11月26-27日には中国空軍八一飛行表演隊が中タイ外交関係樹立40周年記念で展示飛行を実施した。参考：月刊航空ファン4,’16

＜ファルシ級＞：イラン海軍中型揚陸艦Farsi級。戦車９両、兵員140名を乗せられる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ファルスター級＞：デンマーク海軍敷設艦。機雷400個を搭載できる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ファルマス＞：F113（フリゲート）またはL34（スループ）を参照。

＜ファレーズ包囲戦＞：第２次大戦時、ドイツ軍のリュティヒ作戦を食い止めた連合軍は、1944年8月7日深夜にトータライズ作戦を開始。ヒトラーユーゲント師団に食い止められたが、8月10日にはアメリカ第15軍団が北上してアルジャンタンに向かい、ドイツ西方軍主力を包囲にかかった。8月13日、アルジャンタン周辺でアメリカ第15軍団とドイツ４個師団との間で激戦となるが、この時のドイツ機甲総戦力は１個戦車大隊程度しか無かった。8月14日、カナダ第１軍がトラクタブル作戦を開始し、ファレーズに向かい再進撃したが、ドイツ軍により阻止された。8月15日、ドイツ西方軍元帥フォン・クールゲ元帥が12時間にわたり行方不明になった。この時連合軍と降伏交渉を行っていたともいわれるが、詳細は不明。8月17日、カナダ軍がファレーズを確保。幅20kmの袋の口を残してドイツ軍４個機甲軍団・３個歩兵軍団合計約11万名が閉じこめられた。同日、クールゲ元帥が西方軍司令官を解任され、モーデル元帥が後任となった。8月18日、クールゲ元帥が服毒自殺。ファレーズ南東のトルン、アルジャンタン北東のシャンボアが連合軍に占領され、包囲網は更に狭まり、包囲網の中で動くものは全て連合軍の猛砲爆撃を受けた。包囲下のドイツ軍は間隙を縫って東方への撤退を行い、8月19日夜から22日早朝にかけて完了したが、重装備の殆どを失い、ドイツ西方軍は壊滅した。ドイツ軍の損害は戦死１万名、捕虜５万名、戦車220両、野砲860門、対戦車砲130門、車両7130両、軍馬2000頭。これにより、セーヌ川西岸のドイツ守備隊は崩壊した。8月19日には既にアメリカ第15軍団はセーヌ川に達しており、パリ解放戦が開始された。参考：月刊PANZER8,’01

＜ファレン＞：スウェーデン海軍ファレン級潜水艦１番艦。カールスクローナ海軍造船所で1923年起工、1925年5月5日進水、9月4日就役。1944年10月6日に退役した。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ファレン（２代目）＞：スウェーデン海軍ハヤン級（３代目）潜水艦３番艦。1953年起工、1955年4月21日進水、1957年3月4日竣工。1980年7月1日に除籍された。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ファレン級＞：スウェーデン海軍機雷敷設潜水艦で、クジラの意。全長57.1m、全幅7.1m、全高3.1m、水上排水量548トン、水中排水量730トン。主機はアトラスディーゼル（670馬力）２基・電動機（350馬力）２基２軸、水上速力14.8ノット、水中速力7.4ノット。兵装は457mm魚雷発射管４門（艦首）、75mm高角砲１門、25mm高射機関砲１門で、ノルマンド・フェナユ式機雷敷設装置を装備し、機雷20発を搭載できる。乗員31名。1925年にファレンが就役した。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ファロス＞：タレス社が開発したレーダー方位盤Pharos。角張ったアンテナフェアリング内にプラナー・アレイ・アンテナを仰角固定で収容しており、フェアリングは全周旋回できるが、脅威方向に固定した状態で使用する。使用周波数はKaバンド、電波ビーム幅は最小0.8度で、俯仰・左右70度ずつを走査して３目標を追尾、口径30-76mmの砲を管制する。ストラレスの誘導システムとしても使用でき、この場合は76mm砲の脇にパラボラアンテナを付ける必要が無くなる。最大追尾距離36km、対亜音速／超音速ミサイルで4km。参考：月刊軍事研究2,’15

＜ファロン海軍航空基地＞：アメリカ海軍の航空基地Nacal Air Station Fallon。ネバダ州にある。滑走路は長さ4367m・ランウェイ13R/31L、長さ3376m・ランウェイ13L/31R、長さ2134m・ランウェイ7/25の３本。E-28アレスティングギア計６基が設置されており、模擬空母着艦が行える。1996年5月、海軍戦闘機兵器学校NFWSトップガンがミラマー海軍航空基地から移駐した。参考：月刊JWings11,’22

＜ファン＞：ターボファンエンジンの構造の１つ。低圧圧縮機の前方に付けられた１段の羽根で、エアインテイクから取り込んだ空気をある程度圧縮し、一部を圧縮機に、一部をエンジン周辺のバイパス路に送り込む。普通は低圧圧縮機とは別扱いでファン１段＋低圧圧縮機○段＋高圧圧縮機○段という表記だが、GE社では低圧圧縮機１段目という扱いをしている。回転数は低圧圧縮機よりも低い方が効率が良い。参考：月刊軍事研究4,’12

＜ファン・アムステル＞：オランダ海軍フリゲートVan Amstel。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜ファン・イン・フィン＞：フェネストロンを参照。

＜ファン・カルロス�T世＞：L-61（戦略的戦力投入艦）を参照。

＜ファン・カルロス�T世級＞：スペイン海軍戦略的戦力投入艦（Buque de Proyección Estratégica）Juan Carlos �T級。エルナン・コルテス級揚陸艦の後継として設計が始まり、当初は単なる揚陸艦だったが、最終的に本国から離れた海域で長期にわたり多任務（水陸両用作戦、航空強襲作戦、制海権確保、対潜戦、パワー・プロジェクション、人道支援など）に投入できる全通甲板型強襲揚陸艦になった。空母プリンシペ・デ・アストュリアスよりも長い全長202.3m（201.9m？）、最大幅32mの全通型飛行甲板（02甲板レベル）を持ち、艦首左舷に傾斜12度のスキージャンプ台が用意されており、容量27トンの航空機用エレベーター２基（アイランド前部がインボード式、飛行甲板後端中央がデッキエンド式）を装備する。発着艦スポットはAB-212なら８カ所、NH90なら６ヵ所、CH-47なら４ヵ所で、他に救難ヘリ用スポット１カ所を持つ。EAV-8B、CH-53、V-22も運用できる。アイランドは右舷にあり、艦橋と飛行管制所から構成される。飛行甲板下には航空機格納庫兼軽車両・軽貨物集積所（長さ138.5m、幅22.5m、床面積3000平方メートル、高さ２甲板分、第１・01甲板。EAV-8B 7-10機とCH-47ヘリ12機を収容可能）があり、その下に乗員居住区、更に下に重車両・重貨物集積所（床面積1400平方メートル、高さ２甲板分、第３・第４甲板）が設けられ、重車両・重貨物集積所の後方が長さ69.3m・幅18.6m（16.8m？）・床面積975平方メートル・高さ３甲板分（第３−第５甲板）のウエル・ドックとなっていて、LCM-1E機動揚陸艇４隻またはLCU２隻またはLCAC１隻を収容できる。ドックとして使わない時は車両搭載スペースになる。ウエル・ドック扉は主扉が上部ヒンジ、副扉が下部ヒンジで開く。船体右舷に重車両・重貨物集積所に通じるサイドランプ２基があり、車両や貨物の搭載に便利である。艦首底部はバルバス・バウで、水線下に出力1.5MWのバウ・スラスターを２基装備する。フィン・スタビライザーも持つ。格納庫の１甲板下である第２甲板に一般医療室、歯科治療室、手術室２室、集中治療室、Ｘ線室、病室（ベッド22床）、薬局などの医療施設を完備する。機関室はウェル・ドック前方にあたる車両甲板下にあり、ディーゼル収容前部機械室（第５・第６甲板）とガスタービン収容後部機関室（第６甲板）に分かれている。全長230.8m、幅32m、吃水7m、満載排水量27079-27514トン（揚陸作戦時）／24660トン（航空強襲作戦時）。主機は統合電気推進のCODAGE方式、GE社製LM2500ガスタービン発電機（出力19.75MW）１基＋MAN社製16V32/40Sディーゼル発電機（7.86MW）２基、推進はジーメンス・ショッテル社製アジマス・ポッド（出力11MW・14750馬力。ポッド前後に３翅プロペラが１基ずつ付く）２基、最大速力19.5ノット（水陸両用作戦時）／21ノット（航空強襲作戦時）、航続距離9000海里（15ノット）。搭載機は固定翼機（EAV-8B/-8B+またはTAV-8B）と回転翼機（H135MまたはSH-3または陸軍TTH-90またはCH-47）で、標準では固定翼機11機＋ヘリ12機だが、軽車両・軽貨物集積所も使って中型ヘリだけ収容すれば30機以上積める。搭載車輌は主力戦車46両（ウェル・ドック内含む）、戦闘車両80両。標準ISOコンテナなら144個を収容できる。戦闘システムはSCOMBA。搭載電子機器はインドラ社製ランザＮ三次元Ｌバンド広域捜索レーダー、アリエス水上捜索・航海・航空管制用ＸバンドLPIレーダー、着艦誘導レーダー、電子光学警戒装置、電波探知器、電波妨害機、IFF、リンク11、リンク16、リンク22、衛星通信装置。兵装は20mm機関砲（25mm機関砲？）４門、12.7mm機銃２丁（３丁？）。ESSMまたはRAMの装備スペースが用意されている。乗員243名、航空要員172名、司令部要員103名。揚陸部隊900-1200名、戦車46両または各種車両144両を収容可能。2010年にL-61ファン・カルロス�T世が就役した。後に兵装を12.7mm機銃４丁のみとしている。EAV-8Bの後継としてF-35B戦闘機15-20機を導入する予定で、本艦もそれに合わせた設計を施したが、財政難により2016年にF-35Bの導入計画が凍結されてしまい、取り敢えずEAV-8B改を2025年以降まで延命させることにしている。参考：月刊軍事研究9,’13、10,’08、3,’10、2,’11、月刊世界の艦船4,’19、12,'23、1,’17、5,’17、10,’17、9,’12、8,’11、4,’10、10,’11、12,’12、2,’14、10,’14、6,’18

＜ファン・カルロス�T世級・海外シリーズ＞

　＜キャンベラ級＞：キャンベラ級を参照。

　＜ファン・カルロス�T世級（トルコ海軍）＞：トルコ海軍強襲揚陸艦、別名アナドル（Anadolu）級。独島級揚陸艦や071型揚陸艦に勝って2013年12月27日に同型艦をトルコのSEDEF造船所で建造すると決定した。トルコのエルドアン大統領が空母としても使うと明言しており、F-35Bを運用できる。飛行甲板は面積5440平方メートルで、全通式ではなく、艦尾から少しだけ引っ込んでいる。発着艦スポットは６ヵ所（全て左舷側）、右舷中央にアイランドがあり、アイランド前方に内舷式エレベーター１基（力量27トン）、その右舷側にクレーン、飛行甲板後端にエレベーター１基（力量27トン）、艦首左舷側に傾斜12度のスキー・ジャンプ台を持つ。艦首右舷側には背の高い台座を設けてファランクスを積み、スキー・ジャンプ台越しに左舷側を撃てるようにした。アイランド上面前部タワーマストにタレス社製SMART-S Mk2レーダーがある。艦首水線下にバウ・スラスター（2000馬力）２基、船体水線下にフィン・スタビライザーを装備する。航空機格納庫は床面積990平方メートルで、中型ヘリなら12機、CH-47なら８機を搭載可能。軽車両甲板にAAV27両など、航空機格納庫の１層下にある床面積1410平方メートルの重車両甲板に戦車29両（戦車13両＋水陸両用装甲車27両＋装甲兵員輸送車６両？）などを積むことができ、車両の代わりに中型ヘリ13機を積載できる。ウエル・ドックは長さ69.3m・幅16.8m・床面積975平方メートル（1165平方メートル？）で、LCMなら４隻、LCACやLCVPなら２隻を収容可能。主機は統合電気推進を採用した。電子機器や戦闘システム（GENESIS-ADVENT）はトルコ国産のものを使う。全長230.8m、幅32m、高さ58m、吃水6.8m、満載排水量27514トン。主機は統合電気推進のディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機５基、出力22MW、アジマス・スラスター（旋回ポッド・プロペラ）２軸推進（舵は無い）、速力21.5ノット（軽空母任務）／29ノット（揚陸艦任務）、航続距離9000海里（16ノット）。兵装はシーRAM艦対空ミサイル11連装発射機１基、20mmCIWSファランクス・ブロック�TＢ２基（飛行甲板右舷前端砲座上など）、アセルサン社製遠隔操作式25mm機関砲STOP５門（４門？）、12.7mm機銃３丁。乗員261名（士官30名、下士官・兵231名。計296名？）。航空要員や兵員など850名を搭載可能。STOVL空母として運用する際はF-35B戦闘機12機＋ヘリ4-6機、強襲揚陸艦として運用する際はF-35B戦闘機６機＋ヘリ14機を積む。ただS-400地対空ミサイル導入問題でF-35B戦闘機が輸入できない状況なので、代わりに国産のバイラクタルTB3無人機やクズルエルマ無人機を配備し、ヘリ20機＋無人機30機といった構成にする予定。LCVP４隻と水陸両用戦闘車も導入する。１番艦L400アナドルは2021年就役予定だったが、2023年4月10日になった。参考：月刊世界の艦船12,'23、7,'23、5,’16、5,’17、10,’17、6,’18、12,’20、2,'23、10,'24、月刊JWings4,’14

＜ファング＞：La-11（戦闘機）を参照。

＜ファン・グ・ラオ級＞：バーネガット級フリゲート（ベトナム海軍）を参照。

＜ファンゲルト＞：オランダ海軍駆逐艦。1942年2月4日、ジャワ沖海戦に参加。参考：日本海軍艦隊総覧

＜ファンコム＞：SSG-74（潜水艦）を参照。

＜ファンシー・ドリル＞Fancy drill。軍事教練の錬成度を幻想的に披露するもので、小銃を自在に操りつつ行進や隊列変換を行う。自衛隊では高等工科学校ドリル部、防衛大学校儀仗隊、第44普通科連隊ドリル隊（2006年結成）が編成されており、2008年3月までは第305保安中隊にもチームがあった。木銃床の方が見栄えが良く、激しい演技にも耐えられるようで、M1ガーランドや64式小銃を使っている。演技途中で全員揃って空包を１発発射するので、大音響に注意。参考：月刊PANZER6,’14

＜ファン式リバーサー＞：逆噴射装置を参照。

＜ファン・ジェット＞：レシプロ・エンジンでエンジン前方に取り付けられた圧縮機を作動させ、圧縮した空気を後方に噴射して推進する方式のこと。参照：月刊エアワールド8,’05

＜ファンシャン＞：570（フリゲート）を参照。

＜ファンショウ・ベイ＞：CVE-70（護衛空母）を参照。

＜ファン・セバスティアン・デ・エルカノ＞：スペイン海軍帆走練習艦Juan Sebastián de Elcano（マゼラン世界周航でマゼランの死後に船団を指揮してスペインに帰投した人物）。満載排水量3715トン。1976年7月4日、アメリカ建国200周年記念国際観艦式に参加。2019年1月13日、遠洋練習航海のためカディス基地を出港。2020年8月24日、乗員・士官候補生計172名を乗せ、世界一周練習航海兼マゼラン世界周航500周年記念航海のためスペインを出港。2021年2月26日、グアム周辺海空域で海自外洋練習航海部隊DD-153ゆうぎりと親善訓練（通信、戦術運動）を行い、同日にグアムに入港した。参考：月刊世界の艦船4,’19、5,’21、6,’22

＜ファン・ソング＞：RSN-75（射撃指揮レーダー）を参照。

＜ファンタズマ＞：AC-47T（ガンシップ）を参照。

＜ファンタンＡ＞：強撃５型シリーズ（攻撃機）を参照。

＜不安定の弧＞：中東、南アジア、東南アジア、東アジアを結ぶ円弧状の地域で、大小の地域紛争や軍事的緊張が続いている場所である。アメリカ政府が2001年10月の４カ年国防戦略見直しで使用した。参考：月刊JWings4,’05、JShips Vol.24

＜ファンテイル＞：La-15（戦闘機）を参照。

＜ファントム＞：FD-1（戦闘機）を参照。

＜ファントム＞：アメリカ陸軍第９装甲師団の愛称。アルデンヌ攻勢の期間中、ドイツ軍が宣伝放送で２回も第９装甲師団殲滅を報じたことからこのニックネームを付けた。参考：月刊PANZER9,’97

＜ファントム＞：ウクライナのウクロボロンプロム社傘下にあるスペッツテクノエクスポート社が開発した武装UGV。６×６輪ハイブリッド無人車に兵装ターレットを積んだもので、サスペンションは独立懸架式を採用し、不整地踏破能力が高い。12.7mm機銃を搭載してのテストに成功しており、対戦車ミサイルも積める。遠隔操作距離は有線で5km、無線で10km。2016年にキエフの展示会、2017年にIDEX2017で展示された。参考：月刊PANZER4・5,’17

＜ファントム�U＞：F-4シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ファントムアイ＞：ボーイング社が自主開発している無人偵察機で、赤外線監視装置を搭載して弾道ミサイルを探知するのに使用される。胴体はオタマジャクシ型で、内部に液体水素燃料タンク２基を収容する。主翼は高翼配置で、内翼部前縁上面にエンジンが付く。垂直尾翼は１枚で、水平尾翼は下反角を持つ。全幅150フィート（45.7m）、自重3.4トン、最大ペイロード600ポンド（0.27トン）＋通信機器500ポンド（0.23トン）、離陸総重量4.24トン。エンジンはフォード社製F2水素燃料レシプロエンジン（フォード社フュージョン用自動車エンジンの改造型で、ターボソリューションズ・エンジニアリング社製３速ターボチャージャー付き。４気筒、排気量2300cc、600馬力）２基、推進は４翅プルプロペラ（直径2.4m）２基、巡航速度150ノット、最大速度200ノット。ペイロード203kg搭載で高度65000フィート（19812m）を４日間（改良型では10日間に延長する予定）滞空できる。実証機は2010年7月12日に公開された。2011年夏に初飛行予定だったが遅れており、2012年3月10日にカリフォルニア州エドワーズ空軍基地で初の中速地上走行試験を実施、6月1日0622-0650（アメリカ太平洋時間）、エドワーズ空軍基地の隣にあるNASAドライデン飛行研究センターで初自律飛行（最大到達速度62ノット、最高到達高度4080フィート／1244m、飛行時間28分間）を行った。この際、着陸時に滑走路を外れて干魃湖に入ってしまい、前脚や機体・主翼底部を破損したため、修理ついでに着陸システムを改良している。2013年2月26日、NASAドライデン飛行研究センターで２回目の飛行（最大到達速度62ノット、.高度8000フィート／2438m以上、飛行時間66分間）を実施し、着陸も無事にこなした。2015年現在、その後の音沙汰が無い。2017年になっても音沙汰が無い。2019年も音沙汰が無い。参考：月刊軍事研究11,’15、2,’18、9,’10、2,’11、8,’11、5,’12、8,’12、4,’13、9,’13、7,’19、月刊JWings10,’10、12,’10、月刊丸4,’13、月刊航空情報8,’12、月刊航空ファン5,’13

＜ファントムスイフト＞：ボーイング社が開発中のVTOLで、2014年3月19日にDARPAが要求したVTOL計画の候補である。リフトファン式で、胴体前後に大型リフトファンを１基ずつ搭載しており、主翼端にもダクテッドファン（VTOL・推進兼用）を持つ。最大速度740kmの予定。参考：月刊JWings6,’14

＜ファントム・ストライク＞：レイセオン・インテリジェンス＆スペース社の小型アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー。小型無人機向けとヘリ・小型有人機向けの２サイズがあり、2017年から省スペース省電力高出力AESAレーダーとして開発した。窒化ガリウム半導体を使用した高出力アレイ、完全空冷式冷却装置、小型高信頼性の統合型受信機／送信機プロセッサCHIRPなどを搭載しており、デジタル・ビーム・フォーミング、マルチモード、地上・空中交互ターゲッティングなどの機能を有し、AN/APG-83並の性能を保ちつつ、重量を８割減の68kg、消費電力を6.5割減、コストを半分にしている。2023年5月15日、レイセオン社が韓国空軍F/A-50戦闘機用に採用されたと発表した。DCSで輸出して2025年から搭載される予定。参考：月刊JWings6,’23、8,’23、朝雲

＜ファントム・バジャー＞：ボーイング社ファントム・ワークスが開発した４×４輪オープントップ不整地踏破車両。車体後部はモジュラー構造で、任務モジュールを積み替えることにより、偵察、捜索救難、負傷者後送、爆発物処理といった多任務に対応できる。全長4.57m、全幅1.52m、高さ1.65m（キャビン収容時1.52m）、自重1815kg、全備重量3402kg、ペイロード1587kg。エンジンはターボチャージドディーゼル（240馬力）、最大速度134km、燃料搭載量83.3リットル、航続距離725km。乗員９名（キャビン２名、荷台銃座１名、荷台シート６名）。C-17、C-130、V-22、CH-47に搭載可能で、C-17からの空中投下試験も成功した。アメリカ陸軍陸上機動車GMVに提案中。参考：月刊軍事研究12,’16、7,’14、8,’14

＜ファントム・フェニックス作戦＞：ポスト・イラク戦争において、アメリカ軍が2008年1月8日から実施した掃討作戦。B-1B爆撃機２機とF-16戦闘機４機（GBU-38装備）が38発18トンの爆弾をArab Jabour市街に投下した他、AH-64なども投入し、アルカイダを含む武装勢力を攻撃した。Diyala市街では建物内のブービートラップで兵士６名が死亡している。参考：月刊軍事研究12,’08

＜ファントム・フューリー作戦＞：ポスト・イラク戦争においてアメリカ軍が実施した第２次ファルージャ掃討作戦で、アル・ファジル（夜明けの意）作戦ともいう。ファルージャを拠点とするザルカウィ側武装勢力4500人の掃討のため、アメリカ軍第１海兵師団、第１歩兵師団第２歩兵連隊第２大隊、第１騎兵師団第７騎兵連隊第２大隊及びイラク軍16000名が2004年11月8日1900に開始した。ただし爆撃は11月6日から始まっている。まずファルージャを完全包囲し、戦闘を予告して市民25万人を退避させ、無人偵察機の赤外線センサーで武装勢力の動きを24時間監視し、AC-130及び精密誘導爆弾により重要施設を破壊、イラク全土に非常事態宣言を出してファルージャ外での武装勢力の動きを封じた上で総攻撃に入った。市街は６区画に縦割りされ、17000棟の建物に対して虱潰しに掃討が行われた。真っ先に病院を占領もしくは破壊して負傷者の映像が外部に漏れないようにし、夜間戦闘を主として武装勢力側の反撃を低減した。医薬品や物資を積んだ赤新月社のトラックは立ち入りを禁止されたため、脱出できなかった市民は相当悲惨なことになった筈だが、少なくとも日本ではあまり報道されていないので、よく分からない。11月10日までに市街の70%を制圧。11月12日、80%を制圧。11月13日、90%を制圧。無抵抗の民兵を海兵隊員が射殺する事件が起きた。11月14日までに大規模な戦闘は終結し、1200-1600人の武装勢力要員を殺害、1052人を拘束した。しかし包囲が遅れたため、数千人の武装勢力とザルカウィを取り逃がしてしまった。反米武装勢力の武器弾薬貯蔵庫313カ所、IED製造工場26カ所が摘発され、36カ所から366人の人質とみられる遺体が発見された。アメリカ軍の損害は戦死37名、負傷320名。イラク軍の戦死者は６名、負傷者28名。この作戦でファルージャ市街はほぼ完全に破壊されたとみられるが、住民への補償は１人あたりたったの2500ドルで、安定化には程遠い結果になった。参考：月刊軍事研究12,’14、3,’05、月刊JWings1,’05、月刊グランドパワー3,’05

＜ファントム・レイ＞：アメリカ空海軍とDARPAが研究中のJ-UCAS用として、ボーイング社ファントム・ワークスがX-45Cをベースに自主開発した無人作戦機。2008年6月（2007年？）から開発されており、社内計画名称はラーブルー（リブルー？）計画だった。機体は中央が膨らんだブーメラン型で、X-45Cよりも大型化しており、主翼後退角は浅い。ウェポンベイに2000ポンドJDAM２発を搭載可能。任務として、対地攻撃、ISR（情報監視偵察）、SEAD、電子攻撃、空中給油が考えられている。全長10.9m、全幅15.4m、最大離陸重量16.556トン。エンジンはF404-GE-102Dターボファン（推力47kN。A/B無し）単発、巡航速度988km・マッハ0.85、最大速度1040km、実用上昇限度12192m、航続距離1500海里。2010年5月10日のロールアウト時に初公開されており、11月に低速タキシング試験を行い、12月13日にB747-123SCAの背中に載せられてフェリー試験を実施、そのままエドワーズ空軍基地に運ばれ、2011年4月27日に初飛行した。ただ自主開発なので、資金難で開発中止になるかもしれない。5月5日に２回目の飛行を行ったが、その後の情報は無く、計画中止になったようである。参考：月刊航空ファン8,’09、8,’10、2,’11、3,’11、7,’11、月刊軍事研究5,’15、11,’10、7,’10、月刊JWings8,’11、世界航空機年鑑2018-2019、朝雲

＜ファントム・ワークス＞：マクダネル・ダグラス社／ボーイング社（1997年8月1日にマクダネル・ダグラス社を吸収合併）の先端技術部門で、セントルイス工場内にある。ロッキード・マーチン社でいうスカンク・ワークスだが、秘匿性の高い軍事関連技術専門ではなく、社内他部署や、NASA・FAA・他社との共同開発における先端技術の開発・原型製造も担当する。参考：月刊JWings7,’19、月刊軍事研究9,’07

＜ファントレーナー＞：ライン航空機工業が開発した練習機Fantrainer。西ドイツ空軍P.149D練習機の後継を目指してファンライナーをベースに1975年3月から開発された。ファントレーナー400、ファントレーナー600がタイ空軍に採用された。参考：世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＷＩ−２＞：原型初号機。エンジンはロータリーエンジンとダクテッドファン推進方式を組み合わせてあり、ジェット機と似た飛行特性を持たせつつ運用コストを抑えている。主翼は前進角６度の中翼。胴体外板はグラスファイバーを多用しており、前半部はタンデム複座のコクピットとその後方にエンジンを持つ通常航空機型だが、後半部は十字型断面のブーム状となっており、その境目にダクテッドファンが付いている。尾翼はＴ字型。全長8.95m、全幅9.6m、全高2.9m、自重0.915トン、最大離陸重量1.48トン。エンジンはアウディNSU/RFB製EA871-L（150馬力）双発で、最大巡航速度172ノット、最大速度191ノット、航続距離998海里、航続時間５時間。乗員２名。1977年10月27日に初飛行し、1978年に西ドイツ空軍に引き渡されてテストを受けたとされる。後にエンジンをアリソン250-C20Bに換装し、ファントレーナー400量産型原型機となった。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＴＩ−２＞：原型２号機。エンジンをアリソン250単発に変更している。全長9m、全幅9.7m、全高2.9m、自重0.925トン、最大離陸重量1.58トン。エンジンはアリソン250-C20B（420軸馬力）単発で、最大巡航速度178ノット、最大速度195ノット、実用上昇限度6100m、燃料容量310リットル、航続距離950海里。乗員２名。1978年5月31日に初飛行した。参考：世界の軍用機1982

＜ファントレーナー６００＞：ファントレーナー400のエンジン強化型。前部胴体は構造材が金属製、外皮が複合材製で、胴体中央やや後ろにファンが収まっており、その後ろに金属製十字断面の後部胴体があり、最後部に金属製Ｔ字尾翼が付く。主翼は複合材製だが、タイ空軍が採用してタイで生産されたものは金属製である。コクピットはタンデム複座で、緊急時にはコクピットごとロケットで射出される。オプションで射出座席の搭載も可能。ファンダクトの外側にエアブレーキがある。全長9.48m、全幅9.37m、全高3.0m、自重1160kg、ペイロード390kg、総重量2300kg。エンジンはアリソン250-C30（650軸馬力）単発で、巡航速度333km、最大速度430km、実用上昇限度6500m、燃料搭載量420リットル、航続距離1390km、航続時間4.8時間。乗員２名。参考：世界軍用機年鑑1990-91、ザ・マーチ18号

＜ファンビーム＞：Fan beam。方位・俯仰方向のうち、一方が狭く、一方が広い、平たい扇形をした電波ビームのこと。参考：レーダの基礎

＜ファンフェア＞：T-Mk6（魚雷防御装置）を参照。

＜ファンフェン型ミサイル艇＞：オサ型ミサイル艇（中国海軍）を参照。

＜ファン・ブレイク＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Fan Breake。1-4番機の４機が菱形（ダイヤモンド隊形）に位置し、最小距離0.9-1mの密集隊形をとり、左後方から進入、右旋回して背中を見せながら会場正面を左から右に通過し、機を戻して右後方に抜ける。参考：JWings8,'24、7,’12、6,’09

＜武夷＞：530（補給艦）を参照。

＜武夷級＞：台湾海軍補給艦ウーイ級。アメリカの設計会社の協力の下に開発された台湾国産の補給艦で、液体貨物（ステーション４基装備）とドライカーゴ（ステーション２基装備）両方を補給できる。後部甲板にはヘリ発着甲板があり、CH-47・S-70クラスのヘリによるVERTREPが可能だが、格納庫は無い。全長162.1m、全幅22m、吃水8.6m、満載排水量17000トン。搭載能力は燃料・真水が9300トン、弾薬600トン。主機はディーゼル２軸25000馬力、速力21ノット。兵装はシーチャパラル４連装発射機１基、40mm単装機銃２丁、20mm単装機銃２丁、12.7mm単装機銃４丁。乗員164名。艦番号530武夷が1990年に就役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜フィアット＞：イタリアの自動車会社FIAT（Fabbrica Italiana Automobili Torino）。1899年、ジョヴァンニ・アニェーリらが創設した。1908年、航空機部門フィアット・アヴィアツィオーネを創設した。1969年、航空機部門がアエルフェル社と合併してイタリア国有航空機製造会社アエリタリアになった。2014年、クライスラー社と合併し、フィアット・クライスラー・オートモービルズ（FCA）になった。参考：月刊JWings3,’16

＜フィアット３０００モデル１９２１＞：イタリア陸軍戦車。ルノーFTのイタリア版で、制式名称はカルロ・ダサルト・フィアット3000Mod21（突撃戦車フィアット3000モデル1921）である。当初はノックダウン生産する予定だったが、第１次大戦の最中であり、フランスからの部品供給が滞ったため、コピーすることにして1920年6月に試作車の製作を開始、1923年からフィアット社で生産した。見た目はルノーFTにそっくりだが、エンジンを横置きとし、少し小型にして最大速度を増していた。全長3.74m、全幅1.67m、全高2.2m、重量６トン。エンジンはフィアット水冷４気筒ガソリン（45馬力）で、最大速度24km、燃料85リットル、航続距離95km。兵装はフィアット14年式SIA双連6.5mm機銃。装甲厚は車体全周16mm、上面8mm、下面6mm。砲塔は全周16mm、上面8mm。100両が生産された。1930年代後半に、L5/21と名称変更されている。また、90両は後に兵装を8mmフィアット35または37機銃連装に換装した。第２次大戦でも使用され、ドイツ軍に鹵獲されたものは大戦末期まで後方警戒用に使用された。参考：月刊PANZER9,’01、4,’04

＜フィアット３０００モデル１９２１海外シリーズ＞

　＜フィアット３０００モデル１９２１（日本陸軍）＞：日本陸軍戦車。6.5mm弾を使用できるように機銃を改良し、車体前面にライト２個を装備、識別用の星マークを付けた。試験的に購入し、済南事変に投入している。参考：月刊PANZER4,’04

＜フィアット３０００モデル１９３０＞：イタリア陸軍戦車。モデル1921の武装強化バージョンで、機銃のかわりに40口径37mm砲37/40（68発）１門を搭載する。40もしくは52両が生産された。1930年代後半に、L5/30と改称されている。エンジン出力は63馬力に上がったが、最大速度は21km、航続距離は88kmに低下した。参考：月刊PANZER9,’01、4,’04

＜フィアット・レベリー３５＞：イタリアの機関銃で、フィアット・レベリー1914の改良型である。冷却を空冷に変更し、給弾をベルトリンクに変更、薬室に溝を切って排莢しやすくしている。ただ空薬室固着がしばしば起こったようで、一部はオイルポンプを復活させた。作動がクローズドボルトから開始されるため、射撃終了時には薬室に弾薬が入った状態になるが、銃身過熱状態だとそのまま暴発してしまうことがあり、危険だった。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜フィアット・レベリー３７＞：イタリアの機関銃で、フィアット・レベリー35を8mmにボアアップし、作動をガス圧式に変更したものである。給弾は保弾板方式に変更され、抽筒不全を防ぐため、オイルポンプが復活した。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜フィアット・レベリー１９１４＞：イタリアの機関銃。水冷式で、作動は遅延ブローバックである。口径6.5mm。弾倉は５区画に10発ずつを収めており、オイルポンプで潤滑する必要もあって連射には向いていなかった。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜フィアティナ＞：T-155（自走榴弾砲）を参照。

＜フィアレス＞：H67（駆逐艦）またはL10（強襲艦）を参照。

＜フィアレス＞：イギリス海軍軽巡洋艦Fearless。1918年1月31日、Ｋ級潜水艦集団事故でK17潜水艦に衝突し、大破した。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜フィアレス＞：シンガポール海軍フィアレス級哨戒艇Fearless。2019年8月27日に退役した。参考：月刊世界の艦船11,’19

＜フィアレス級＞：イギリス海軍強襲艦（Assault Ship）Fearless級。実質ドック型輸送揚陸艦LPDで、アメリカ海軍のローリー級を参考としており、上部構造物の形状以外はほぼローリー級である。艦内にドックウェルを持ち、LCM(9)型またはLCUを４隻収容する。また、上構両舷ダビットにLCVPを４隻搭載している。後部甲板にシーキング５機の発着艦スペースがあるが、格納庫は無く、固有のヘリも無いので、セントー級コマンドー空母と共に運用する。全長158.5m、幅24.4m、吃水6.2m、基準排水量11060トン、満載排水量12120トン。主機は蒸気タービン、出力22000馬力、速力21ノット。兵装はシーキャット艦対空ミサイル４連装発射機４基、40mm機関砲２門。海兵隊380-400名（短期間なら700名）、戦車15両＋トラック30両、火砲などの輸送が可能。L10フィアレスとL11イントレピッドの２隻が1965-67年に竣工した。国防費削減のため1982年と1985年に退役する予定だったが、フォークランド紛争で活躍したので延期され、1999-2002年に退役した。参考：月刊世界の艦船5,’83、12,'20、11,’19、12,'23、月刊丸12,’90

＜フィアレス級＞：シンガポール海軍哨戒艇Fearless級。兵装は76mm砲１門、ミストラル艦対空ミサイル用６連装発射機サドラル２基。フィアレス、ブレイブ、ドーントレス、デアリング、リジリエンス、ガラント、フリーダムなど12隻が就役した。ブレイブとガラントをブルネイ海軍に無償供与する予定。参考：月刊世界の艦船10,’18、11,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィアレス級・海外シリーズ＞

　＜フィアレス級（ブルネイ海軍）＞：ブルネイ海軍哨戒艇Fearless級。シンガポール海軍で退役したガラントとブレイブを無償で受領し、アス・シディーク（As-Siddiq）とアル・ファラク（Al-Faruq）として就役させる予定。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ブイ・アンテナ＞：潜水艦がUHF衛星通信などに使用する浮きアンテナ。長さ数百メートルのワイヤーの先にアンテナ入りのブイが付いており、これを海面上から深度10mくらいにまで浮かせて曳航しながら通信する。速力を４ノットくらいにしないとアンテナが潜って使えなくなるので注意。ブイを曳航せず定位置に浮かせ、ワイヤーを繰り出しながら使用するタイプもあり、ワイヤーが伸びきるまでは高速潜航が行える。使用後はワイヤーを巻き取ってブイを回収する。参考：月刊世界の艦船4,’17、兵器メカニズム図鑑

＜フィーディング＞：給弾のこと。

＜フィート＞：長さの単位で、１フィートは304.8mm。12インチに等しい。参考：月刊JWings4,’02

＜フィードラー＞：Tu-28P（戦闘機）を参照。

＜フィーバーリング＞：DE-640（護衛駆逐艦）を参照。

＜フィービ＞：43（軽巡洋艦）またはF42（リアンダー級フリゲート）を参照。

＜フィールドガード＞：LARS用射撃統制車。車体はMAN社製の４輪駆動５トントラックで、後部にコンテナを搭載し、FERA射撃統制レーダーシステムを収容する。戦闘時にはリアフェンダーを横に展開してプラットフォームにし、コンテナ上にパラボラアンテナを引き出す。レーダーの使用周波数はＪバンドで、半径20km以内の索敵や気象観測が行える。参考：月刊グランドパワー10,’94

＜フィールド・ストリップ＞：射撃後のクリーニングに必要な最小段階の分解のこと。軍用銃では大抵工具無しで分解できるようになっている。参考：GUN用語事典

＜フィールド・レーションＡ＞：Ａレーション（戦闘糧食）を参照。

＜フィールド・レーションＢ＞：Ｂレーション（戦闘糧食）を参照。

＜フィールド・レーションＣ＞：Ｃレーション（戦闘糧食）を参照。

＜フィールド・レーションＤ＞：Ｄレーション（戦闘糧食）を参照。

＜フィールド・レーションＫ＞：Ｋレーション（戦闘糧食）を参照。

＜フィオーナ＞：A148（曳船）を参照。

＜フィギュア・オブ・メリット＞：Figure of merit。メインローター効率のこと。プロペラ効率は推力と前進速度の積を利用馬力で割ったものだが、ホバリング中のヘリコプターのローターにこれを適用すると、前進速度がゼロなのでプロペラ（ローター）効率がゼロということになってしまう。そこで前進速度の代わりに誘導速度を適用したのがフィギュア・オブ・メリット（Ｍ）で、推力と誘導速度の積を利用馬力で割った値、つまり理想的な条件でホバリングする際にローターが必要とする出力を、実際にホバリングしている際にローターが消費しているパワーで割った値である。ローターに供給されるパワーのうち、30%はローターブレードの形状抵抗、6%はローター回転面内における誘導速度不均衡、3%はブレード先端部における揚力不発生、0.2%はダウンウォッシュの回転で失われ、フィギュア・オブ・メリットの値はだいたい0.65-0.75くらいになる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜武夷山基地＞：中国軍航空基地。2300m滑走路と耐爆シェルター24基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜フィジー＞：58（軽巡）を参照。

＜フィジー海軍＞

＜フィジー海軍（１９８９年）＞：兵力300名。スバに基地がある。キカウ級沿岸哨戒艇３隻、ラウトカ級内海哨戒艇２隻、測量艇２隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜フィジー海軍（２０１５年）＞：現役兵力300名。クラ級（パシフィック級）哨戒艇３隻、Levuka級哨戒艇２隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィジー級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Fiji級。艦名が植民地名なので、クラウン・コロニー（大英帝国植民地）級とも呼ばれる。第２次ロンドン条約下で建造された軽巡で、サウザンプトン級とほぼ同じ兵装を持ちつつ、缶の搭載数を半分に減らして（１基あたり出力は強化）船体を制限内の8000トンクラスに小型化した。ただ小型化しすぎて性能に余裕が無くなったため、艦番号30セイロンなど後期艦３隻は船体幅を広げ、３番砲塔とカタパルトを撤去、対空兵器を増強しており、セイロン級として別クラスに分けることもある。船型は長船首楼型。全長169.4m、全幅18.9m、吃水6.0m（5m？）、基準排水量8000トン（セイロンなどは8800トン）。主機は蒸気タービン、出力72500馬力、４軸推進、最大速力33ノット（31.5ノット？）、航続距離は12ノットで10200海里。兵装は15.2cm３連装砲４基（最大射程23.3km、発射速度毎分６発。セイロン、ニューファンドランド、ウガンダは３基）、10.2cm連装高角砲４基、２ポンド４連装ポンポン砲２基（セイロン、ニューファンドランド、ウガンダは３基）、533mm３連装魚雷発射管２基。装甲厚は舷側89mm、甲板51mm。艦番号58フィジー、52バミューダ、30セイロン、48ガンビア、44ジャマイカ、14ケニア、80モーリシャス、59ニューファンドランド、60ナイジェリア、46トリニダード、66ウガンダの11隻が1940-43年に就役した。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸4,’17

＜フィジーク１＞：UGST（魚雷）を参照。

＜フィジーク２＞：ロシア海軍長魚雷Fizik 2、別名フツリャール（Futlyar）。UGSTフィジーク１の改良型で、2015年4月に発表された。最大雷速60ノット、航走距離50km。最大深度500m。2018年頃に運用可能となったらしく、ボレイ級戦略原潜とヤーセン型攻撃原潜に搭載予定。参考：月刊世界の艦船6,'21、2,’17、月刊軍事研究11,’15

＜フィジー軍＞：1980年代以降、度々クーデターを起こしていて、軍民関係に一抹の不安がある。2007年にクーデターを起こした後は中露に接近したが、2014年末からオーストラリア、ニュージーランド、アメリカとの防衛協力関係を再構築している。2020年、ガーディアン級哨戒艇の引き渡しが開始された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船6,’24

＜フィジー軍（１９８９年）＞：兵力3500名、予備役5000名。国連アフガン・パキスタン仲介ミッションに４名、シナイ多国籍軍に歩兵大隊１個400名、レバノン国連暫定軍に歩兵大隊１個700名を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜フィジー軍（２０１５年）＞：現役総兵力3500名（陸軍3200名、海軍300名）、予備役6000名。エジプトにMFO要員338名、歩兵大隊１個、イラクにUNAMI要員160名、保安ユニット２個、レバノンにUNIFIL要員144名、歩兵中隊１個、中東にUNTSOオブザーバー２名、南スーダンにUNMISS要員４名とオブザーバー２名、シリア・イスラエルにUNDOF要員300名、歩兵中隊１個、兵站大隊エレメント１個を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィジー陸軍＞：

＜フィジー陸軍（１９８９年）＞：兵力3200名。歩兵大隊４個、工兵中隊１個からなる。予備役は歩兵大隊２個からなる。81mm迫撃砲12門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜フィジー陸軍（２０１５年）＞：現役兵力3200名（招集予備役300名含む）、予備役6000名。特殊作戦中隊１個、歩兵大隊３個、砲兵隊１個、工兵大隊１個、兵站大隊１個、予備役歩兵大隊３個からなる。81mm迫撃砲12門、儀仗用25ポンド砲４門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィスク＞：DD-842（駆逐艦）またはDE-143（護衛駆逐艦）を参照。

＜フィスク式測距器＞：Fisk’s Stadimeter。艦首と艦尾から同一目標の方位角を測定し、三角関数により目標までの距離を出すものである。1891年にアメリカ海軍のフィスク大尉により開発された。参考：月刊軍事研究4,’97

＜フィスト・オブ・ザ・フリート＞：VFA-25（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜フィズル＞：Fizzle。爆縮型原爆の爆縮が上手くいかず、核分裂連鎖反応が途中で止まってしまうこと。プルトニウム239の濃縮が足りなくても発生する。参考：月刊軍事研究12,’06

＜ブイソトゥニキ＞：スペツナズ（特殊部隊）を参照。

＜フィッシャー＞：T-AKR-301（輸送艦）を参照。

＜フィッシャー＞：ハロルド・Ｅ・フィッシャー。アメリカ空軍第51戦闘迎撃航空団第３戦闘迎撃飛行隊に所属して朝鮮戦争に参加。1953年1月24日に通算５機撃墜でエースとなり、朝鮮戦争では計10機を撃墜した。参考：世界の傑作機No.39

＜フィッシャー・トロプシュ法＞：合成石油を参照。

＜フィッシュ＞：日本海軍士官のスラングで、横須賀の料亭魚勝のこと。雑魚寝のこともこう称する。参考：帝国陸海軍事典

＜フィッシュガード＞：Y59（スループ）を参照。

＜フィッシュ・ファング作戦＞：シングル作戦を参照。

＜フィッシュベッド＞：MiG-21シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フィッシュホーク＞：レイセオン（ボーイング？）がP-8対潜哨戒機向けに開発している滑空式魚雷。Mk54短魚雷に、折り畳み翼、GPS/INS誘導装置、双方向データリンクからなるHAAWC/ALA（High Altitude Anti-submarine Warfare weapon Capability/ Air Launch Accessory、高高度対潜戦兵器能力／空中発射アクセサリー）を取り付けたもので、高度30000フィート（9144m）で投下すると50km、高度4600mで投下すると20kmほど滑空し、高度100フィート（30.5m）で短魚雷を切り離す。目標の最新位置は発射母機から滑空中のフィッシュホークにリアルタイムで伝達でき、攻撃を中止する場合には自沈命令も出せる。2017年から投下試験に入っている。参考：月刊航空ファン8,’16、月刊世界の艦船5,’12、月刊軍事研究11,’14、月刊JWings6,’17

＜フィッシュポット＞：Su-9シリーズ（戦闘機）またはSu-11シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フィッター＞：M113装甲車ファミリーまたはSu-7シリーズ（戦闘機）またはSu-17シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フィッチ＞：DD-462（駆逐艦）を参照。

＜フィッツジェラルド＞：DDG-62（駆逐艦）を参照。

＜フィッツジェラルド衝突事故＞：2017年6月17日、アメリカ海軍アーレイ・バーク級イージス駆逐艦DDG-62フィッツジェラルド（総トン数8261トン。艦長、当直士官３名、甲板手など乗員288名）と、日本郵船運航フィリピン船籍コンテナ船ACXクリスタル（ACX Crystal。全長222m、総トン数29060トン。船長、二等航海士、甲板手など乗員17人）が伊豆半島沖で衝突した事故。2017年6月16日1130頃、DDG-62フィッツジェラルドは横須賀港を出港し、フィリピンのスービックベイ港に向かった。1648頃、ACXクリスタルは名古屋港を出港し、京浜港東京区大井コンテナ埠頭に向かった。2200頃、当直士官３名が艦橋当直に就いた。2300、艦長は夜間当直中は当初16ノットで航行する予定を立てていたが、機関訓練の時間を作るため、20ノットで４時間航行することにし、予定航路からの変更許可範囲を500ヤードから1000ヤードに広げる指示を夜間当直命令簿に記して艦橋を降りた。これにより、DDG-62フィッツジェラルドは相模湾沖から針路230度（南西）・速力20ノットで航行した。また、当直命令には他船との最接近距離が３海里未満になったら艦長に報告せよと規定されていた。船舶自動識別装置AISは使用していなかった。2332、月の出を迎えた（月齢21.8）。6月17日、現場付近は薄曇りで月明かりがあり視界は良好、風向は東北東、風力４、海上は平穏で波高0.6-1.2m、海流は東向き0.1-0.7ノットだった。0022頃、DDG-62は針路を230度から220度に変更。0030頃、DDG-62のレーダーが6000ヤード・３海里以内を右舷側から左舷側に通過する船舶４隻を捉えたため、当直士官は艦長に報告。特に指示は無かった。0033頃、DDG-62が針路を215度に変更。0052頃、DDG-62は針路を190度に変針。0058頃、DDG-62のレーダーが6000ヤード・３海里以内を通過する船舶３隻を捉えたが、当直士官は艦長に報告しなかった。0105頃、DDG-62のレーダーが右舷船首に捉えた２隻のうち、近い方の１隻（外航コンテナ船）は艦前方1500ヤード・0.7海里を通過する見込みと判明した。遠い方のもう１隻（ACXクリスタル）はレーダー映像が途切れ途切れのため、最接近位置の情報が得られなかったが、クラッター除去などの方策は採らなかった。0109頃、DDG-62の前方0.6-0.7海里を内航セメントタンカーが右舷対右舷で通過した。その10-30分前に内航セメントタンカーは変針したDDG-62を避けるため転舵しつつ探照灯を照射しているが、DDG-62から反応は無かった。0117頃、ACXクリスタルの航海士は自動操舵の針路を88度（東）から69度（東北東）に変更し、速力18ノットで航行した。No.1レーダー（Ｘバンド）は測定レンジ12海里・ガードリング３海里（この距離を切ると警報が鳴る）、No.2レーダー（Ｓバンド）は測定レンジ６海里に設定していた。DDG-62側は相変わらずレーダー映像が途切れ途切れで、この変針に気付かなかった。0120頃、DDG-62の当直士官１名が目視でACXクリスタルを確認、衝突の恐れがあるとしてリーダーの当直士官に報告し、減速を進言したが、リーダーの当直士官は周辺船舶が混乱すると考えて速力を20ノットのままにした。0125頃、ACXクリスタルの航海士は、左舷船首40度・３海里に、AISに表示されない船舶（DDG-62フィッツジェラルド）をレーダーと目視で確認。右舷灯を視認し、南に航行していたため、自船が保持船で相手が避けると判断し、船長には接近を報告しなかった。0125-0127頃、DDG-62では、レーダーの調整不十分によりACXクリスタル周辺2-3海里がクラッターに覆われてしまい、状況確認が困難になった。また、ACXクリスタルのAIS情報もモニターには表示されていなかった。0127頃、リーダーの当直士官はACXクリスタルと外航コンテナ船の間を抜けようと針路240度への変針指示を出したが、すぐに撤回。今度はACXクリスタルの前方をすり抜けようとしたらしく、左転舵と25ノットへの増速指示を出したものの、こちらも実行されなかった。艦橋当直士官とCIC当直との間でACXクリスタルに関する相互連絡も行われなかった。ACXクリスタルの航海士は、DDG-62との相対方位が変わらないため、DDG-62が回避操艦をしていないと判断し、昼間信号灯（到達距離は最低２海里）を照射することにした。午前１時27分35秒、ACXクリスタルが昼間信号灯を1.5海里先のDDG-62に１回点灯。0128頃、DDG-62と外航コンテナ船が距離1.2海里ですれ違った。0129頃、DDG-62のリーダー当直士官が左舵一杯を指示。午前１時29分２秒、ACXクリスタルの船橋で自動衝突予防援助装置ARPAの警報音が鳴った。ACXクリスタルの航海士は、DDG-62が左舷船首10度・距離1000mに迫ったところで、軍艦であることを確認。衝突を避けようと右への転舵を指示したとみられ、午前１時29分13秒にACXクリスタルの舵角指示器が右舵15度を表示した。午前１時29分25秒、ACXクリスタルが昼間信号灯をDDG-62に数回点灯。午前１時29分48秒、ACXクリスタルが昼間信号灯をDDG-62に１回点灯。しかしDDG-62の当直士官３名以下航海艦橋要員はいずれも昼間信号灯に気付かず、DDG-62からVHF無線電話などによる返答は何も無かった。午前１時29分55秒、ACXクリスタルの舵角指示器が右舵30度を表示。午前１時30分16秒、ACXクリスタルの航海士が右舵一杯を指示し、甲板手が復唱。午前１時30分18秒、舵角指示器が右舵一杯（35度）を表示。午前１時30分34秒頃、静岡県南伊豆町石廊埼南東沖・石廊埼灯台から真方位113度・12.3海里付近で、左舵一杯をとったものの舵が利き始めておらずやや西寄りにほぼ南進するフィッツジェラルドの右舷中央付近に、右転舵により南東方向へと針路が変わっていたACXクリスタルが角度45度前後で艦首から衝突し、ACXクリスタルの左舷船首部がフィッツジェラルドの艦体右舷中央前部、ACXクリスタルのバルバスバウがフィッツジェラルドの第２居住区付近に突っ込み、フィッツジェラルドの艦橋構造物右舷側AN/SPY-1レーダーアンテナ下方が第１甲板まで大破、艦長室で休息中の艦長を含む３名が負傷し、水線下ではバルバス・バウによって第１補機室と第２兵員居住区昇降口に縦4m・横5mの大穴を開けられ、急速な浸水により第２居住区で休息中の乗員35名（第２居住区の配員は40名だが５名は当直中だった）のうち７名が行方不明となり、艦は右舷側に5-7度傾斜した。ACXクリスタルは船首バウチョックに破孔が生じ、船首左舷側ブルワークが内側に大きく凹み、バルバスバウにも凹みが生じ、左舷錨シャンクが曲がったが、死傷者は無かった。0225頃、第３管区海上保安本部運用司令センターがACXクリスタルとVHF無線で交信を開始。DDG-62が救助要請を出していると判明したため、0234に第３管区海上保安本部運用司令センターがDDG-62に対してVHF無線で呼び出しを開始し、損傷状況と救助要請内容などを聴取した。0625、第３管区海上保安本部長から横須賀地方総監に災害派遣要請が出され、0646に第73航空隊UH-60Jヘリが離陸。第４航空群P-3C哨戒機、同P-1哨戒機、DD-111おおなみ、DD-155はまぎり、MSC-604えのしま、AMS-4305えんしゅうも現場に向かい乗員の捜索を開始した。0754、UH-60Jヘリがフィッツジェラルドから負傷した乗員１名を救出し、付き添いの１名と共にアメリカ海軍横須賀基地に搬送。フィッツジェラルドは排水を続けつつ曳船２隻に曳航されて横須賀基地に向かい、夕方に帰港した。ACXクリスタルは東京でコンテナを降ろして福山市の常石造船で修理に入った。6月18日、引き続き第73航空隊UH-60J、DD-111おおなみ、DD-153ゆうぎり、MSC-604えのしまが捜索を行い、1515に撤収要請が出された。延べ巡視船艇10隻、海保航空機５機、特殊救難隊、海自艦艇７隻、自衛隊航空機６機、警察航空機２機が捜索に参加している。その後の艦内捜索で、フィッツジェラルド右舷水線下第２居住区から死亡した７名が発見された。第２居住区は衝突後２分で満水になり、救出は不可能だった模様。衝突は回避可能だったが、シーマンシップの欠如による見張りや状況把握の不手際によりぶつかったとして、第７艦隊司令部が8月17日に艦長、副長、最先任上等上級兵曹を更迭している。11月1日に公表されたアメリカ海軍事故調査報告書では、事故が回避可能で、航海における慣行を遵守せず連絡管理に関して確立されている手順を無視したこと、艦の首脳部が指導力を欠いていたことが指摘され、艦内に衝突警報も鳴らされていなかった。フィッツジェラルドは横須賀基地で応急修理に入り、本格的な修理は2018年1月にミシシッピ州パスカグーラにあるハンチントン・インガルス工業の造船所に回航してから実施している。2018年3月15日、下田海上保安部が当時の操船責任者であるフィッツジェラルドの甲板士官とACXクリスタルの二等航海士を業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の罪で静岡地方検察庁に書類送検した。2019年、アメリカ海軍長官が元艦長と乗員だった大尉を譴責処分とし、他の士官２名は訴追取り下げになった。8月7日、運輸安全委員会が船舶事故調査報告書を公表。原因はフィッツジェラルドとACXクリスタルが衝突コースを取っていたのに、フィッツジェラルド側はACXクリスタルの北を併走していた外航コンテナに気を取られたのとACXクリスタルのレーダー情報を確実に入手できなかったのとでACXクリスタルを適切に見張っておらず、ACXクリスタル側は自船が針路・速力を保つ側の船舶であったこととフィッツジェラルドに昼間信号灯を照射したので相手側が避けると思い込んでしまい、両船ともそのまま衝突コースを突き進んでしまったためとした。同様の事故を防止するため、レーダーにクラッターが入ったらちゃんと調整して除去する、相手船に衝突の恐れを警告する場合には海上衝突予防法に従い汽笛を使ったり、無線や強力なサーチライトといった他の手段を併用したりして確実に知らせる、針路保持船であっても衝突の恐れがあれば海上衝突予防法の規定通り回避行動（協力動作）を実行する、艦長・船長以下各乗員や各部署の情報共有を十分に行う、といった事項を挙げた。アメリカ海軍は、日本に前方展開する艦船の乗員訓練時間を十分に取れるような運用計画修正、混雑する航路でも確実に運航できる能力を持つ乗員の配置、ニアミスの報告・評価から教訓を得る方策の実施、艦橋での責任・権限整理統合、脅威警戒態勢時以外のAISの使用といった再発防止策を講じた。ACXクリスタルの運航会社や管理会社は、乗員に対する訪船指導、船橋航海当直手順や引き継ぎの見直し、事故当時の航海士に対する再教育などを行っている。2020年9月3日、アメリカ国家交通安全委員会が安全勧告を発出。フィッツジェラルド側の問題点として、乗員の訓練不足及び疲労、船舶自動識別装置の送信停止、海上衝突防止のための国際規定に基づく行動の不実施、航路の危険性に関する指揮艦の認識不足、見張り強化の怠慢、艦橋と戦闘情報センター間のコミュニケーション不良を指摘し、アメリカ海軍に改善を勧告した。参考：運輸安全委員会ホームページ、月刊世界の艦船11,’19、9,’17、11,’17、12,’17、1,’18、6,’18、7,’19、12,'20、月刊JWings9,’17、月刊軍事研究9,’18、朝雲

＜フィッツロイ＞：K553（フリゲート）を参照。

＜フィド＞：1943年6月に連合軍が開発した対潜ホーミング魚雷Fido。参考：月刊丸5,’07

＜ブイ・トゥー・ブイ＞：日本海軍用語で、母港が同じ艦船に転勤になること。旅行日や旅費がつかない。参考：帝国陸海軍事典

＜ブイニイ＞：ロシア海軍プロジェクト20385フリゲートBuyny。2021年8月23日、アドミラルティ造船所で起工式を実施。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜フィニク型測量艦＞：ロシア海軍測量艦Finik型。ポーランドのノルトヴェルフト造船所が建造した。満載排水量1219トン。1979年からGS-47、GS-84、GS-296、GS-397、GS-404が就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83、9,’12、10,’13

＜フィニク型・海外シリーズ＞

　＜ドルンブッシュ級＞：東ドイツ水路部観測船Dornbusch級。全長61.3m、垂線間長56.7m、最大幅11.8m、水線幅10.8m、深さ7.5m、吃水3.27m、満載排水量1200トン。主機はCogielski-Sulzerディーゼル２基２軸1920馬力、速力13ノット、航続距離は13ノットで3000海里。補助推進モーター（100馬力）２基も搭載しており、こちらを使用すると６ノットで航行できる。ドルンブッシュが1982年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

　＜フィニク型測量艦（ポーランド）＞：ポーランド海軍測量艦。１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜フィネガン＞：DE-307（護衛駆逐艦）を参照。

＜フィフティー・キャリバー＞：M2（重機関銃）を参照。

＜フィブレックス＞：PHIBLEX（共同演習）を参照。

＜フィラデルフィア＞：CL-41（軽巡洋艦）またはLPD-32（ドック型輸送揚陸艦）またはSSN-690（潜水艦）を参照。

＜フィラデルフィア海軍工廠＞：アメリカ海軍の海軍工廠。ペンシルヴェニア州にある。1995年に閉鎖された。参考：月刊世界の艦船8,’22

＜フィラメル＞：ニュージーランド海軍小型防護巡洋艦Philomel。元はイギリス海軍で1891年に竣工した艦で、1914年7月15日に貸与された。8月、第１次大戦勃発に伴い、イギリスに返却された。1921年、再びニュージーランド海軍に配備され、定係練習艦となった。1924年、缶と主機が外された。1947年に売却され、1949年8月に海没処分となった。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ブイリーナ＞：ロシア軍の電子戦指揮装置。ザーパド2017演習ではロシア軍とベラルーシ軍の電子戦部隊を統合指揮した。参考：月刊軍事研究12,’17

＜フィリップ＞：DD-498（駆逐艦）を参照。

＜フィリップ＞：ハンス・フィリップ（Hans Philipp）。ドイツ空軍エースで、1943年1月に200機撃墜を達成した。10月8日に戦死した。総撃墜機数206機。最終階級は大尉。参考：グラフィックアクション36

＜フィリピン沖海戦＞：比島沖海戦を参照。

＜フィリピン海海戦＞：マリアナ沖海戦を参照。

＜フィリピン海軍＞：1970年代、パゴロド・シティ級戦車揚陸艦２隻が就役。1979年、PF-11ラジャフマボンが就役。1993年、車両輸送艦パゴロド・シティが就役。2010年現在、主力はピーコック級コルベット３隻で、旗艦はフリゲートのラジャフマボンであり、沿岸警備程度の戦力しか無かった。2011年8月23日、グレゴリオ・デル・ピラルを艦籍に編入した。2012年9月22日、イタリアからマエストラーレ級フリゲート２隻を購入し、グレゴリオ・デル・ピラル級カッター２隻の装備をフリゲート並みにする予算が認められた。2013年8月6日、グレゴリオ・デル・ビラル級２番艦がスービック湾に到着。2014年6月5日、韓国海軍から浦項級コルベット１隻の供与を受けると外務省が発表した。6月27日からカラット2014演習に参加。グレゴリオ・デル・ピラルとラモン・アルカラスがアメリカ海軍DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン、LSD-48アシュランドと二国間共同訓練を行った。2015年5月23日、フィリピン海軍初の給油艦カリラヤが就役した。2016年3月、C90哨戒機（元海自TC-90練習機）の配備を開始。6月、ドック型輸送揚陸艦601タルラックが就役。2017年5月、ドック型輸送揚陸艦602ダバオ・デル・スルが就役。2018年5月8日、C90哨戒機１機と哨戒艇が海自第51航空隊P-1哨戒機２機とパラワン島周辺の南シナ海とスールー海で捜索救難訓練を実施。5月22日、創設120周年記念式典を実施。2020年、ホセ・リサール級フリゲートの配備を開始。2023年11月10-20日、令和5年度海上自衛隊演習（実動演習（共同演習））に初めてオブザーバー参加した。ミゲル・マルヴァール級フリゲートを建造中。参考：MOLIBITO Vol.3、月刊世界の艦船11,’11、12,’12、11,’13、8,’14、9,’14、8,’15、8,’18、9,'22、2,'24、9,’24、月刊軍事研究5,’18、朝雲

　＜フィリピン海軍（１９７７年）＞：兵力20000名（海兵隊・海軍工兵隊7000名含む）、予備役12000名。フリゲート７隻、護衛駆逐艦３隻、哨戒艇22隻、内海哨戒艇24隻、掃海艇４隻、指揮艦２隻、戦車揚陸艦22隻、中型揚陸艦５隻、上陸用舟艇６隻、アイランダー捜索救難機10機、海兵大隊６個を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜フィリピン海軍（１９８９年）＞：兵力28000名（うち海兵隊10000名、沿岸警備隊2000名）。海軍管区６個からなり、サングレイ・ポイントとザンボアンガに基地がある。サベージ級フリゲート１隻、カノン級フリゲート２隻、オーク級哨戒艇２隻、PCE-827型ミゲル・マルバル級哨戒艇５隻、MSF型マガト・サラマート級哨戒艇１隻、PC-461型オリエンタル級沿岸哨戒艇２隻、LSS-1型カマリネス・スル級沿岸哨戒艇２隻、カギティンガン級内海哨戒艇４隻、PGM-39/-71型バシラン級内海哨戒艇５隻、小型内海哨戒艇30隻、LST-1型戦車揚陸艦14隻、LSM-1級中型揚陸艦４隻、戦車揚陸艇１隻、機械化揚陸艇60隻、汎用揚陸艇３隻、車両兵員揚陸艇６隻、給油艦２隻、工作船３隻、ヨット／捜索救難艇２隻、輸送艦１隻、BN-2A哨戒機５機、アイランダー哨戒機１機、Bo105ヘリ12機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィリピン海軍（２０１５年）＞：現役兵力24000名（うち海兵隊8300名）、予備役15000名。ラジャー・フマボン級フリゲート１隻、グレゴリオ・デル・ピラル級哨戒艇２隻、ジェネラル・マリアーノ・アルヴァレス級（サイクロン級）哨戒艇１隻、エミリオ・ジャシント級哨戒艇３隻、ミグエル・マルヴァー級哨戒艇６隻、リザル級哨戒艇２隻、哨戒艇54隻、バコロド・シティ級（２代目）戦車揚陸艦２隻、ザンボアンガ・デル・スル級戦車揚陸艦３隻、揚陸艇32隻、兵站支援船18隻、BN-2A軽輸送機４機、セスナ177軽輸送機２機、Mi-171Sh輸送ヘリ４機、AW109軽輸送ヘリ３機、AW109E軽輸送ヘリ２機、Bo105軽輸送ヘリ４機を保有する。海軍特殊作戦群としてSEALユニット１個、ダイバー・ユニット１個、海軍特殊作戦ユニット10個、特殊ボートユニット１個、EODユニット１個が編成されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィリピン海兵隊＞：フィリピン海軍隷下に編成されており、LVTP-5、LVTP-7、M-101榴弾砲などを装備する。主任務は島嶼奪還で、毎年アメリカ海兵隊との合同訓練を実施している。陸軍と共にテロ組織に対する制圧作戦を実施中。1950年に新編された。参考：月刊丸12,’90、MOLIBITO Vol.3、月刊世界の艦船12,’23

　＜フィリピン海兵隊（１９８９年）＞：兵力10000名。旅団４個からなる。LVTP-5水陸両用車30両、LVTP-7水陸両用車55両、105mm砲M-101を150門、4.2インチ（107mm）迫撃砲M-30を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィリピン海兵隊（２０１５年）＞：現役兵力8300名。海兵旅団４個、戦闘支援旅団１個からなる。LAV-150装甲車19両、LAV-300装甲車23両、LVTH-6水陸両用車４両、LVTP-7水陸両用車55両、105mm牽引砲M101を23門、105mm牽引砲M-26を８両、107mm迫撃砲M30を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィリピン共産党新人民軍＞：フィリピン共産党（CPP）の軍事部門で、NPAと略す。農村の貧困地域が基盤で、活動資金はフィリピンとヨーロッパの支持者からの寄付、事業、革命税などである。フィリピンの治安部隊、政治家、行政、司法、アメリカ軍、アメリカ大使館員が標的で、2002年1月にはフィリピン在住アメリカ人も標的とすると発表した。2003年現在、勢力は１万名以上とみられる。参考：月刊丸9,’03

＜フィリピン空軍＞：1978-79年、F-8H戦闘機を配備。2005年、F-5A/B戦闘機が全て退役し、要撃機（というかジェット作戦機全て）が無くなったため、防空にはガンポッド搭載のS211COIN機を充てている。ただ南シナ海で中国が跋扈しているため、2012年にT/A-50練習機を12機発注し、F-16C/Dを中古で１個飛行隊分購入する計画を立てた。2015年11月28日、F/A-50PH戦闘機の最初の２機がクラーク基地に到着。2016年、アメリカ空軍との共同訓練BACE-Pが始まった。2016年10月4-11日、PHIBLEX2016に参加。2018年3月13日、スキャンイーグル無人機が引き渡された。2019年1月、第７回BACE-Pを実施。2020年、C-130H輸送機２機を導入した。G280輸送機の配備を開始。8月28日、警戒管制レーダー４基（固定式３基、移動式１基）を三菱電機が受注した。2021年7月4日1130頃、パイロット３名・乗員５名・対テロ作戦参加フィリピン陸軍人員90名以上を乗せたC-130H輸送機１機がホロ空港で着陸再試行ゴーアラウンドに失敗して墜落し、47名が死亡、49名が負傷した。地上で,巻き添えとなった民間人３人が死亡、４人が負傷している。9月2日、フィリピン防空統制センターがパンガシナン州ボリナオ北西120海里の防空識別圏内の高度21000フィート・6401mを北東に向け時速491kmで飛行するアンノウンを発見したため、FA-50PH戦闘機２機がスクランブル発進した。飛行体は警告に応答せず飛行を続け、４分ほどで防空識別圏を抜けたために追跡を中止している。写真家が撮影した写真にエイのような形の機体が偶然写り込んでおり、アメリカ軍RQ-180ステルス無人偵察機だったらしいが、中国のCH-7またはスターシャドー説も出ている。2022年11月27日から12月１1日、航空自衛隊第５航空団F-15戦闘機２機及び隊員60名とクラーク空軍基地で部隊間交流を実施。参考：MOLIBITO Vol.3、月刊航空ファン9,’11、1,’17、4,’19、世界の傑作機No.1、月刊JWings3,’12、11,’12、11,'20、9,'21、11,'21、1,'24、8,'24、月刊軍事研究8,’18、朝雲

　＜フィリピン空軍（１９７７年）＞：兵力16000名、予備役16000名。F-5A/B戦闘機20機、F-86F戦闘練習機20機、SF260WP対ゲリラ戦機16機、T-28A/D対ゲリラ戦機36機、AC-47ガンシップ12機、HU-16捜索救難機６機、SH-34Gヘリ３機、UH-1Hヘリ30機、H-13ヘリ、ヒューズ300ヘリ、C-130H輸送機９機、C-47輸送機30機、F27輸送機９機、L-100-20輸送機４機、YS-11輸送機４機、C-123K輸送機15機、ノーマッド12機、O-1E、セスナ310K、セスナ180、U-17A/B、ビーバー連絡機21機、UH-1Dヘリ12機、FH1100ヘリ８機、UH-19ヘリ５機、H34ヘリ２機、S-62ヘリ２機、F-5B練習機３機、T-28A練習機12機、T-33練習機12機、T-34練習機17機、T-41D練習機10機、SF260MP練習機32機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜フィリピン空軍（１９８０年）＞：F-8Hを35機、F-5E、F-5Bを３機、F-86Fを15機、T-28Dを25機、SF260WPを16機、C-123Kを15機、F-27Mk100を10機、YS-11を４機、N-22Bを12機、L-382E/C-130Mを８機、DHC-2を18機、C-47を18機、ワンイレブン、B707を１機、UH-1Hを24機、H-13ヘリ、UH-34を４機、S-62Aを２機、Bo105を12機、ヒューズ500M、FH-1100を８機、SF-260WP／ウォーリアを48機、T-34Aを20機、T-41Dを10機、T-28A、T-33Aを10機、HU-16Bを８機、アイランダーを12機保有している。参考：ザ・マーチ18号

　＜フィリピン空軍（１９８９年）＞：兵力16000名。F-5A戦闘機14機、F-5B戦闘機４機、T-28D対ゲリラ戦機18機、UH-1H/Mヘリ55機、AUH-76ヘリ（S-76ヘリ武装型）16機、F-27M洋上哨戒機２機、HU-16捜索救難機４機、Bo-105C救難ヘリ10機、F-27大統領専用機１機、F-28大統領専用機１機、ベル212ヘリ１機、S-70Aヘリ２機、SA330ヘリ２機、C-130H輸送機３機、L-100-20輸送機３機、C-47輸送機３機、F-27輸送機８機、BN-2輸送機10機、N-22B輸送機９機、ベル205ヘリ15機、UH-1Hヘリ17機、セスナ180連絡機６機、セスナ210連絡機２機、セスナ310連絡機１機、DHC-2連絡機５機、U-17A/B連絡機15機、T-33練習機６機、RT-33練習機３機、T-41D練習機20機、SF-260MP練習機14機、SF-260WP練習機９機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィリピン空軍（２０１５年）＞：現役兵力15000名、予備役16000名。F-27-200洋上哨戒機１機、N-22SL洋上哨戒機１機、OV-10A/C観測機10機、C-130B輸送機１機、C-130H輸送機３機、L-100-20輸送機１機、C-295輸送機２機、F-27-500輸送機１機、N-22B輸送機１機、ターボコマンダー690A輸送機１機、F-28要人輸送機１機、S-211練習機12機、SF-260F練習機７機、SF-260TP練習機10機、T-41B/D/K練習機10機、W-3汎用ヘリ８機、AUH-76汎用ヘリ３機、ベル412EP汎用ヘリ８機、ベル412HP汎用ヘリ２機、MD-520MG汎用ヘリ11機、S-70A-5輸送ヘリ１機、AW109E輸送ヘリ２機、ベル205／UH-1H輸送ヘリ45機、ブルー・ホライゾン�U無人機２機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィリピン軍＞：陸海空軍からなり、別に警察軍があって対テロ・対ゲリラ戦に従事している。1989年12月、クーデターに関連して特殊部隊の偵察レンジャーが解隊された。1992年にフィリピン議会が外国軍のフィリピン駐留反対を議決、フィリピン駐留米軍が撤退してスービックベイ海軍基地は自由貿易港に、キュービーポイント海軍航空基地は国際空港になったが、自前の軍事力では十分な防衛力を発揮できず、南沙諸島などの領土防衛に困難を来している。1992年、シンバ装輪装甲車を採用。2002年1月、アメリカ軍による支援（不朽の自由作戦−フィリピン）を受け、対テロ戦を強化。2002-03年、統合特殊作戦群（司令部はマニラのキャンプ・アギナルド）を新編し、陸軍軽対処中隊、海軍第８海軍特殊作戦隊、空軍第723特殊作戦飛行隊などを隷下に収めた。2011年、フィリピン・アメリカ両政府が協議した結果、アメリカ海軍艦船がフィリピンに再展開することになり、スービックベイへのローテーション展開が始まった。2012年4月16日、パラワン島周辺でアメリカ軍との合同軍事演習を開始した。2013年度予算でT/A-50練習攻撃機12機、EMB-314スーパーツカノ６機、軽輸送機６機、捜索救難機４機、攻撃ヘリ12機、輸送ヘリ25機、対潜多目的ヘリ４機、特殊作戦用長距離ヘリ３機、マエストラーレ級フリゲート２隻、レーザーデジグネータ、JDAMキットなどを購入、グレゴリオ・デル・ピラル級カッター２隻をフリゲートにアップグレードし、空海域監視システムを整備する予定。2014年4月、比米防衛協力強化協定EDCAが締結され、アメリカ軍のフィリピン展開（フィリピン上院議会の承認が無いと外国軍は駐留できないので、一時立ち寄りと称する）増大やアメリカ軍用施設建設などが認められた。クラークやスービックなど５箇所を指定し、小規模施設で補給や中継支援に使っている。2012-17年のホライゾン１、2018-2022年のホライゾン２、2023-2027年のホライゾン３で段階的近代化を成し遂げる予定。参考：月刊丸12,’90、月刊JWings7,’12、1,’13、9,’18、6,'23、月刊軍事研究5,’13、4,’15、MAMOR vol.100

　＜フィリピン軍（１９８９年）＞：兵力112000名、予備役108000名。アメリカ陸軍600名、アメリカ空軍9200名、航空師団１個48機、アメリカ海軍5500名、アメリカ海兵隊2000名が駐留する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィリピン軍（２０１５年）＞：現役総兵力125000名（陸軍86000名、海軍24000名、空軍15000名）、予備役131000名（陸軍100000名、海軍15000名、空軍16000名）、準軍事組織現役40500名（フィリピン国家警察、沿岸警備隊）、予備役50000名（市民武装軍）。ハイチにMINUSTAH要員137名、司令部中隊１個、インド・パキスタンにUNMOGIPオブザーバー６名を派遣している。ブルネイ軍IMT要員６名、インドネシア軍IMT要員６名、マレーシアIMT要員11名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィリピン航空宇宙開発＞：PADC（Philipine Aerospace Development Corporation）と略す。フィリピンの国営航空機開発会社で、1973年に創設された。軍民機や航空部品のライセンス生産と定期整備を行っている。国産機としてデファイアント300単発レシプロ練習機とハミングバード多用途ヘリを開発しようとしたが、費用の問題などでどちらもキャンセルされた。参考：月刊JWings9,’14

＜フィリピン攻略作戦＞：太平洋戦争開戦直後、真珠湾攻撃及びマレー攻略と同時に開始された。南方作戦の側面とシーレーンを安全化するのに必須の作戦で、アメリカ航空部隊の主要基地があるルソン島南部が台湾から550海里離れていて制空権確保の問題があったが、昭和16年秋に零戦パイロットの技量向上により500海里以上のエアカバーが可能となり、基地航空隊のみで制空権を押さえる目処が立って主要空母は全て真珠湾攻撃に回した。陸軍部隊は第14軍で、海軍の第３艦隊重巡５隻、軽巡５隻、駆逐艦29隻、空母１隻、水上機母艦２隻などが輸送船の護衛に就く。アメリカ側は巡洋艦や駆逐艦などの戦闘艦艇も南部仏印進駐以降フィリピン南部に移動させており、日本軍の上陸地点には魚雷艇と潜水艦しか残っていなかった。昭和16年12月7日午後、ルソン島アバリに上陸する歩兵第48師団台湾歩兵第２連隊（田中支隊）が輸送船雄山丸、ありぞな丸、和浦丸、鞍馬丸、松川丸に搭乗、ルソン島ビガンに上陸する歩兵第48師団台湾歩兵第２連隊第１大隊（菅野支隊）が輸送船はわい丸、ぶりすべん丸、三興丸、春幸丸、大井川丸、高井丸に乗り込み、馬公を出港してルソン島に向かった。護衛には第３艦隊第１・第２根拠地隊の艦艇が付いた。2100過ぎ、第１航空隊の天候偵察機３機がマニラ方面に出撃し、この時点では天候は良好だった。12月8日、台湾の基地には日本陸軍第５飛行集団と海軍第11航空艦隊所属の航空機計500機が集結。第11航空艦隊では日本時間0230（現地時間0130）に出撃して５時間後に目標へ到達、高雄空第１飛行隊と鹿屋空と第３航空隊がニコルス基地を、高雄空第２飛行隊と第１航空隊と台南空がクラーク基地を攻撃することになっていたが、0100頃から急に出撃基地周辺に濃霧が発生、出撃できなくなってしまった。霧が晴れるのを待つ間にアメリカ軍がイバ飛行場と盛んに連絡を取り合っているという情報が入り、ニコルス基地ではなくイバ飛行場を攻撃することに決定。0320に真珠湾攻撃成功の報を高雄通信隊が傍受し、0400過ぎにはアメリカ太平洋艦隊司令長官が開戦を平文で全軍に指示、0430にはキャビテ軍港が戦闘警戒に入っていたが、濃霧が晴れず出撃は更に遅れ、乗員は戦闘準備を整えた敵中への突入を覚悟（退避してもぬけの空になっている可能性もあった）し、台湾南部の基地ではB-17による反撃を喰らう可能性まで出てきた。0850、漸く霧が晴れてきたため、第１航空隊が天候偵察機１機を台南基地から出撃させたところ、バシー海峡は快晴になっていることが判明。キャッチボールで暇潰しをしていた乗員らに搭乗員整列の号令がかけられ、0918から台南基地の第１航空隊九六式陸攻27機が60kg爆弾12発ずつを搭載して離陸を開始。１機が離陸時にタイヤがパンクし、滑走路外で爆発炎上して５名戦死・２名重傷となったが、残る26機は飛行場上空で編隊を組み、0935にクラークフィールドに向かった。1000、フィリピンに空襲警報が発令され、クラーク飛行場、ニコルス飛行場、イバ飛行場のP-40戦闘機やB-17爆撃機が次々と離陸した。1038、高雄飛行場の高雄空一式陸攻54機と鹿屋空一式陸攻27機が、護衛の第３航空隊零戦50機及び台南航空隊零戦37機と共にフィリピンに向かった。1335、第２攻撃隊（台南空零戦36機、高雄空一式陸攻27機、第１航空隊九六式陸攻26機がクラーク飛行場に爆撃を行った。1340、第１攻撃隊（高雄航空隊一式陸攻27機、鹿屋航空隊一式陸攻27機、第３航空隊零戦50機）がイバ飛行場に到達し、零戦隊が敵戦闘機を蹴散らして攻撃隊が250kg爆弾26発と60kg爆弾486個を投下。アメリカ軍は日の出直後に迎撃に上がっていたが、給油のため着陸したところに日本軍が来襲したため、イバ飛行場で60機、クラーク飛行場でB-17を含む50機が地上撃破され、イバ飛行場で慌てて反撃に出たP-40戦闘機も零戦に25機を撃墜されてしまい、制空権を奪われた。日本側の損害は陸攻２機と零戦７機だった。1545、第１航空隊九六式陸攻26機が台南基地に帰投。12月9日、日本軍はニコルス飛行場を爆撃する予定だったが、濃霧のため延期された。12月10日、高雄空の攻撃隊が第３航空隊の零戦の護衛を受けてニコルス飛行場を爆撃、10機を地上撃破した。第２飛行隊はマニラ港を爆撃して輸送船４隻に命中弾を与えた。0300に田中支隊がアパリ沖に到着。悪天候とアメリカ軍機による反撃により軽巡名取が損傷、掃海艇１隻が撃破される中、上陸作戦を敢行して午後にはアパリ飛行場とムルニーガン飛行場を占領した。菅野支隊はビガンの上陸地点でアメリカ軍機の反撃により輸送船高雄丸、大井川丸が被弾したものの、海岸に擱座させて将兵と軍需品を陸揚げした。また、はわい丸も炎上したが、消火に成功した。これを受けて第14軍本隊42000名は84隻の輸送船に乗り込み、馬公を出港してリンガエン湾に向かった。1000、第１航空隊九六式陸攻27機が台南基地を離陸、途中で機体不良により１機が引き返し、1400に第１・第２中隊17機がキャビテ軍港、第３中隊９機がマニラ湾の施設及び艦艇を爆撃した。12月11日夜、第14軍本隊がリンガエン湾に到着。しかし悪天候で夜間上陸は行えず、夜明けからアメリカ軍機の反撃を排除して上陸を開始した。12月12日、マッカーサーはフィリピン大統領にマニラ放棄を通告。高雄空がバダンガス飛行場に60kg爆弾612発を投下し、航空機と格納庫を粉砕した。陸軍第５飛行集団戦闘機42機がフィリピンに進出。レガスピーに第16師団歩兵第33連隊基幹の木村支隊と呉大１特別陸戦隊が上陸。0630、第１航空隊九六式陸攻36機が台南基地を出撃。0710、鹿屋空一式陸攻27機が台南基地を出撃。1030、第１航空隊がクラーク上空に到達したが、天候が悪く大編隊の進入路を確保できず、第１・第２中隊18機のみでクラーク飛行場を爆撃、第３・第４中隊18機はイバ飛行場爆撃に回った。クラーク飛行場爆撃隊は雲の下に出るべく高度300mで爆撃したが、鈍足の陸攻が対空砲火に掴まり、第２中隊第３小隊３番機がアラヤット山北西に不時着し、９機が被弾した。不時着機の乗員８名は現地人に捕らえられてマニラに送られ、アメリカ軍施設で尋問を受けている。12月13日、高雄空第１飛行隊の一式陸攻26機が出撃。クラーク飛行場を爆撃する予定だったが、上空の天候が悪く、第１・第２中隊がオロンガポの駆潜艇基地を、第３中隊がイバ飛行場を爆撃した。12月17日朝、第16師団主力7000名を乗せた輸送船20隻（北野丸、会名丸、富山丸、遼河丸、長門丸、大日丸、神盛丸、東福丸、日蓮丸、べんがる丸、興福丸、りすぼん丸、だあばん丸、豊橋丸、大安丸、第五多聞丸、�髣m丸、華洋丸、神州丸、龍野丸）が第３艦隊の護衛を受けて奄美大島を出発、ラモン湾に向かった。第48師団主力第３梯団の輸送船21隻が基�驍�出港。12月18日、第48師団主力第１梯団の輸送船27隻が高雄を出港し、護衛の第５水雷戦隊と共にリンガエン湾に向かった。12月20日、第16師団歩兵第33連隊第１大隊基幹の三浦支隊と蘭印部隊坂口支隊がミンダナオ島ダバオに上陸。12月22日（21日？）、アバリとビガンから離陸した陸軍機の掩護を受け、第48師団第１・第２・第３梯団がリンガエン湾に上陸。戦車第４連隊（九五式軽戦車主力）、戦車第７連隊（八九式中戦車主力）も上陸し、第48師団の隷下に入った。12月24日0100、第16師団主力が敵に発見されることなくマニラ南東にあるラモン湾に上陸。第11航空戦隊水上機が上空掩護にあたった。アメリカ軍はバターン半島への後退を開始。12月27日、マニラが非武装都市を宣言。昭和17年1月2日、第16・第48師団がマニラを無血占領。この時アメリカ軍はデ・ジーザス機関をマニラに残し、日本軍占領後の情報収集に当たらせた。1月3日、日本軍がマニラに軍政を敷いた。1月10日、バターン攻略戦開始。バターン半島にはオレンジ３計画に基づき、15000名のアメリカ軍が６ヶ月戦えるだけの備蓄が行われていたが、実際に撤退してきたのはフィリピン軍や市民を含めて10万人おり、備蓄はせいぜい１ヶ月しか持たなくなった。アメリカ軍は西を防衛する第１軍団と東を防衛する第２軍団を編成し、残存砲兵を集めて野砲連隊を新編、バターン半島南端の飛行場に残存機を集めた。日本軍は敵兵力を４万名とみて第65旅団（7300名）に攻略を命令。1月10日、サマル河畔で両軍が接触し、1月12日の未明に歩兵第141連隊第２大隊が夜襲をかけたが、猛烈な砲撃と機銃掃射にあって大隊長が戦死するなど多大な損害を出し、阻止された。1月18日、日本軍はマニラの第16師団木村支隊（5000名）をバターン戦に投入。1月23日、軍政監部の下に比島行政府が発足。1月24日、バターンで総攻撃を実施して要衝の１つを落としたが、損害が30%に達する全滅状態で作戦継続が困難となり、2月8日に戦線を整理して増援を待ち、第16師団と第65旅団に山岳戦訓練を施すことにした。これを受けて日本軍は第４師団と永野支隊の4500名を増派し、火砲190門を集めて攻撃準備を整えた。参加砲兵は野砲兵第４連隊及び野砲兵第22連隊（改造三八式野砲計40門、九一式十糎榴弾砲20門）、独立山砲兵第３連隊（四一式山砲24門）、野戦重砲兵第１連隊（九六式十五糎榴弾砲24門）、野戦重砲兵第８連隊（九二式十糎加農16門）、重砲兵第１連隊（四五式二十四糎榴弾砲８門）、独立重砲兵第９連隊（八九式十五糎加農８門）、独立重砲兵第２中隊（九六式十五糎加農２門、九六式二十四糎榴弾砲２門）、独立臼砲第２大隊（十五糎臼砲12門）、独立臼砲第14・第15大隊（九八式臼砲計24門）、独立気球第１中隊、砲兵情報第５連隊、第３牽引自動車隊である。2月初め、ルーズベルト大統領がマッカーサーに潜水艦での脱出を下命したが、マッカーサーは拒否した。その後、再度の下命でオーストラリアへの脱出に応じ、潜水艦で脱出する予定だったが、日本軍が増援の到着待ちで攻勢を控えていたため、在フィリピン第３魚雷艇隊で脱出することになった。3月11日1900過ぎ、第３魚雷艇隊の配備全魚雷艇４隻がフォート・ミルズ南桟橋に到着。PT-41にマッカーサー、家族・家政婦、サザーランド参謀長、PT-35にロックウェル少将、レイ参謀長、PT-32とPT-34にマッカーサー麾下の他の幕僚（通称バターン・ギャング）が搭乗し、2045に出港、2115にマニラ湾口から洋上に出た。ガソリンが足りずオクタン価の低い車両用を入れていたため数時間ごとに停船してキャブレターを掃除しつつ、強い東風の中を灯火管制して航行したため、3月12日0330には全艇バラバラになってしまったが、事前に決めていたタガナヤン島の集合点に向かい、午前中にPT-34、午後にPT-32とPT-41が到着した。ただPT-32は船体が損傷して浸水し主機２基が故障、ガソリンも尽きており、タガナヤン島に残ってPT-35の到着を待ちつつ修理を行うことにしている。夜、PT-34とPT-41が出港。3月13日0700頃、PT-34とPT-41がミンダナオ島北部カガヤンに到着し、マッカーサーらを降ろした。3月31日、マッカーサーはフィリピンを脱出、オーストラリアに向かった。4月3日、日本陸軍開闢以来の猛砲撃と共に攻撃前進を開始。食糧や弾薬が尽きかけていたアメリカ・フィリピン軍の抵抗は軽微で、4月9日にバターン東部地区隊が、4月11日に西部地区隊が降伏した。ジャングル内に逃げ込んだ市民も含めると捕虜が10万名にも達したが、日本軍には養う食糧も運ぶトラックも無かったため、取り敢えず鉄道駅のあるサンフェルナンドまで60kmを１日15km歩かせることにした。ちなみに1929年7月27日のジュネーブ第３条約（捕虜の待遇に関する条約）第３篇第１款第７条で捕虜を徒歩後送させる際の通常距離は１日20kmであり、日本陸軍は30kgの荷物を背負って強行軍で１時間あたり6km歩くので、十分配慮しているつもりだったが、元々飢餓状態にあった捕虜を炎天下で歩かせたために18000名以上の犠牲者が出てしまい、バターン死の行進と呼ばれることになった。4月14日、コレヒドール島攻略を開始。ここにはアメリカ軍が30cmカノン砲８門、30cm榴弾砲12門、25cmカノン砲２門、20cmカノン砲１門、15cmカノン砲20門などを設置して要塞化しており、バターン半島南端の日本軍砲兵と撃ち合いになった。独立工兵第21連隊がフィリピン各地への上陸作戦に使用した舟艇の回航を開始。4月19日、日本軍の24cm重砲がコレヒドール島の弾薬庫に命中。4月29日からは爆撃機も加わり、5月2日に再び弾薬庫を破壊した。5月3日、独立工兵第21連隊が大発35隻、特大発５隻、装甲艇３隻、小発22隻などの集結を完了。5月5日から第１海上作業隊（独立工兵第３連隊）が大発24隻、特大発５隻、小発22隻、折畳舟60隻、高速艇甲１隻などを運用し、第２海上作業隊（独立工兵第21連隊）の装甲艇１隻、砲艦15隻、民間漁船35隻、海上トラック４隻による支援の下、日本軍第４師団3000名をコレヒドール島に上陸させたが、アメリカ魚雷艇が急速敷設した爆雷や岩場に隠された火点からの反撃で900名の死者を出した。それでも日本軍は攻撃を続け、5月6日正午にアメリカ軍防衛隊15000名が降伏、フィリピン戦は終了した。参加輸送船は138隻。コレヒドール作戦で日本軍が撃ち込んだ重砲弾は、九二式十糎加農が7246発、九六式十五糎榴弾砲が8793発、八九式及び九六式十五糎加農が3513発、四五式及び九六式二十四糎榴弾砲が2915発である。アメリカ軍司令部は全軍に降伏を指示したが、一部はジャングルや山岳地帯に隠れてゲリラ部隊を編成した。オーストラリアに撤退した南西太平洋方面連合軍司令部との連絡は無線１回線だけで保たれていたが、昭和17年8月22日に日本軍に襲撃されて連絡が絶たれた。しかし昭和17年11月にパナイ島でマカリオ・ペラルタ大佐が率いていたフィリピン駐留アメリカ軍人からなるゲリラと交信が可能となり、12月には南西太平洋方面連合軍が極東アメリカ陸軍（USAFFE）ゲリラを組織して昭和18年1月初めにはSS-211ガジョンでネグロス島に情報連絡員を送り込み、続いてミンダナオ島にも潜水艦タンバーで要員を派遣、各現地ゲリラ部隊の統括や連合軍司令部との通信にあたった。昭和17年3月にはフィリピン共産党の抗日人民軍フクバラハップとその拠点となる村落統一防衛団、5月にはフィリピン華僑左派の菲律浜華僑抗日遊撃支隊フワチが結成され、最盛期には34万人のゲリラがおり、中にはラウレル政権幹部や占領軍司令部要員となって重要情報を得る者もいた。日本占領下のフィリピンでは欧米との貿易が途絶え、元々サトウキビとマニラ麻の栽培しか産業が無かった上に、日本は砂糖を買う必要が薄かったため、輸入も輸出も止まって経済が崩壊。食料増産や綿花への転換にも失敗して慢性的な食糧・衣料不足に陥った上、日本軍の徴発も加わって悲惨な状況となった。昭和17年12月、全政党が解散させられ、新比島奉仕団カリバピとなった。また、フィリピン版隣組のダナスが編成されて住民に連帯責任が負わされた。更に日本軍将兵がフィリピン文化では屈辱的行為であるお辞儀をさせたり、頭部・顔面への暴力行為を行ったりしたため、対日感情は日に日に悪化していった。昭和18年秋、アメリカ海軍が潜水艦ナーワルやノーチラスでフィリピンへの物資・工作員輸送を開始。10月14日、フィリピンが独立を宣言し、ホセ・ラウレルが大統領に就任した。昭和18年末から日本軍がゲリラへの対応を心理戦・宣伝工作から掃討作戦にスイッチ。しかしゲリラと一般人の区別が難しいため、一緒くたに殺害したり、村ごと壊滅させたりしてますます反日感情を造成する結果となってしまった。参考：激闘！太平洋戦争地上戦、太平洋海戦史、比島決戦、帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊丸8,’11、月刊航空ファン2,’12、11,’18、太平洋戦争情報戦、大砲入門、写真集日本の小艦艇、日本戦車隊戦史、輸送船入門、月刊世界の艦船8,'20、日本赤十字社社史稿第５巻

＜フィリピン・シー＞：CG-58（巡洋艦）またはCV-43（空母）またはCV-47（空母）を参照。

＜フィリピン上陸作戦＞：捷一号作戦を参照。

＜フィリピンズ＞：CB-4（巡洋艦）を参照。

＜フィリピン台風３０号被害＞：2013年11月8日0440、フィリピンのサマール島に猛烈な台風30号が上陸。中心気圧は895hPaで、最大風速84.7m・最大瞬間風速102.7mの凄まじい暴風と高潮を伴っており、時速33kmでレイテ島、セブ島、パナイ島、パラワン州を通過、11月9日1530頃に南シナ海へと抜けた。被害は死者6190人、行方不明者1785人、負傷者28626人に達し、家を流された住民は200万人、被災者は900万人、総額869億円のインフラ・産業損害が発生、フィリピン政府は各国に救援を要請した。自衛隊はフィリピン国際緊急援助統合任務部隊を編成して国際緊急援助活動を開始。アメリカ軍もダマヤン作戦を発動し、イギリス海軍は空母イラストリアスとD32デアリングを派遣して救助にあたった。フィリピン国防省のあるアギナルド基地には多国籍運用調整所が開設され、各国が連絡幹部を派遣したが、陸自主催のアジア太平洋地域多国間協力プログラムに参加経験のある各国メンバーが揃っており、スムーズに調整が薦められている。12月2日、アメリカ軍が救援部隊の撤収を完了。パナイ島では発電バージが座礁し、重油850キロリットルが流出して周囲に被害を及ぼしたため、フィリピン政府の要請に基づいて海上保安庁機動防除隊員ら５名が12月6日に現地に入り、油防除の技術指導を実施した。12月9日、オーストラリア海軍輸送艦が現地を離れた。12月10日、中国海軍病院船が撤収。12月12日、イギリス海軍部隊が現地を離れた。12月18日、自衛隊が全活動を終了。参考：月刊JWings2,’14、月刊丸3,’14、月刊世界の艦船3,’14、2,’14、朝雲

＜フィリピン台風３０号被害に対する国際緊急援助活動＞：2013年11月22日にサンカイ（SANGKAY。ワライ語で友達の意）作戦と命名された。2013年11月8日、台風30号により甚大な被害を受けたフィリピン政府の要請に基づき、防衛大臣が国際緊急援助活動の実施に関する自衛隊行動命令を発出し、医官数名を含む50名の国際緊急援助隊を派遣した。しかし被害は予想以上に甚大で、11月12日に政府が派遣規模の拡大を決定。陸自は10月からアメリカ太平洋海兵隊司令部に連絡幹部を常駐させており、11月10日には陸上幕僚長がキャンプ・ハンセンを視察した際にウィスラー第３海兵師団長から海兵隊人道復興支援チーム派遣を伝達されたこともあって被害規模を既に把握、統合幕僚監部で準備に入っていて、その日のうちに隊長以下２名を民間機で現地入りさせると共に、鎮西演習に参加中のDDH-182いせを呉に帰投させ、国際活動待機中の第６師団部隊を海田市駐屯地へと出発させた。11月13日、先遣隊50名がKC-767とC-130Hで現地に運ばれ、タクロバンとセブで情報収集や医療活動を開始。11月15日、フィリピン国際緊急援助統合任務部隊（1170名）を編成。他に現地運用調整所要員10名の派遣も決定した。医療チームがレイテ島タクロバンとセブ島北部ダアンバンタヤン町で医療活動を開始。11月17日、補給艦とわだが呉を出港。医薬品などを搭載した第１輸送航空隊のC-130H輸送機２機が現地に到着。セブ島北部タボゴン村で医療活動を開始。11月18日、LST-4001おおすみ（UH-1Jヘリ３機搭載）とDDH-182いせ（CH-47JA輸送ヘリ３機搭載）が呉を出港。空輸隊が被災地への救援物資輸送を開始。11月22日、海上派遣部隊がレイテ島沖に到着し、救援任務を開始した。統合任務部隊司令部はいせ艦上に置かれている。現地の多国間運用調整所は殆ど機能しておらず、アメリカ軍やフィリピン政府が把握している被害情報をアメリカ海兵隊経由で受領してカバーした。11月26日、レイテ島沖のおおすみからLCACが発進し、タクロバン市の海岸に初の揚陸作業を実施。11月27日、アメリカ海兵隊MV-22輸送機が物資搬送などのためいせに着艦。12月2日、医療チームがダアンバンタヤン町での診療活動を終了し、同町の子供に対するワクチン接種を開始。12月5日、医療チームがワクチン接種を終了。12月6日、ダアンバンタヤン町で住民200人が参加し、医療チーム活動終了に伴うお別れ会が開かれた。12月7日、日豪物品役務相互提供協定に基づき、AOE-422とわだがオーストラリア海軍トブルクに洋上補給を実施。12月12日までに延べ2640人を診察し、11924人に予防接種を行い、95600平方メートルに防疫活動を実施、540トンの物資と2327人の被災者を空輸した。12月13日、フィリピン政府との協議に基づき、防衛大臣が国際緊急援助活動の終結に関する自衛隊行動命令を発出。多国籍調整所に派遣されていた陸上幕僚監部防衛部国際防衛協力室土屋二等陸佐に、フィリピン中央軍司令官から軍民協力勲章（Military Civic Action Medal）と表彰状が授与された。12月14日、タクロバンでクリスマスプレゼントを配った。12月18日、空自C-130Hが最後の輸送任務を実施。この日までに被災者2768人、軍関係者やJICAスタッフ2879人、物資630トンを輸送した。12月20日、C-130Hが小牧基地に帰投。いせ、おおすみ、とわだが呉に帰港。12月21日、全部隊が原隊に復帰。12月24日、国際緊急援助統合任務部隊に対し、防衛大臣から一級賞状が授与された。12月26日、指揮官４名に対し、統幕長から２級賞詞が授与された。参考：月刊世界の艦船3,’14、2,’14、6,’16、月刊丸3,’14、月刊JWings3,’14、MAMOR vol.87、朝雲

＜フィリピン陸軍＞：2001年、対テロ部隊の軽対処中隊（Light Reaction Company）を創設。アメリカ第１特殊部隊群第１大隊から移動訓練チームを派遣してもらい、訓練を開始した。7月にはスールー諸島バシラン島で発生したアブサヤフによるアメリカ人２人誘拐事件に早速参加している。2002-03年、軽対処中隊が統合特殊作戦群の隷下に移った。2009年現在、兵力は11万名で、FV101スコーピオン軽戦車42両などを装備している。テロ組織の制圧作戦を実施中。参考：月刊軍事研究4,’15、MOLIBITO Vol.3

　＜フィリピン陸軍（１９７７年）＞：兵力63000名、予備役17000名。軽歩兵師団４個、独立歩兵旅団１個からなる。スコーピオン軽戦車21両、M41軽戦車７両、M113装甲兵員輸送車35両、105mm榴弾砲100門、155mm榴弾砲５門、4.2インチ迫撃砲40門、75mm/106mm無反動砲、ホーク地対空ミサイルを配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜フィリピン陸軍（１９８９年）＞：兵力68000名、予備役80000名。地域統合コマンド６個、歩兵師団８個、軽機甲旅団１個、偵察レンジャー連隊１個、工兵旅団３個、砲兵大隊８個、特殊任務旅団１個、大統領親衛隊１個からなる。スコーピオン軽戦車41両、YPR-765PRI歩兵戦闘車85両、M-113装甲兵員輸送車100両、シャイミテ装甲兵員輸送車20両、V-150装甲兵員輸送車165両、105mm砲M-101/-102/-26/-56を230門、155mm砲M-114/-68を12門、82mm迫撃砲M-29、107mm迫撃砲M-30を40門、75mm無反動砲M-20、90mm無反動砲M-67、106mm無反動砲M-40A1を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィリピン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力86000名、予備役100000名。地域統合司令部５個、首都コマンド１個、特殊作戦コマンド（斥候レンジャー連隊１個、特殊作戦連隊１個、軽即応大隊１個）１個、軽機械化師団１個、軽師団10個、大統領警護群１個、砲兵連隊司令部１個、工兵旅団５個からなる。スコーピオン軽戦車７両、YPR-765歩兵戦闘車２両、M113A1FSV歩兵戦闘車34両、ACV300装甲兵員輸送車６両、M113装甲兵員輸送車70両、LAV-150コマンドー装甲兵員輸送車77両、シンバ装甲兵員輸送車146両、105mm牽引砲M101/M102/M-26/M-56を204門、155mm牽引砲M114/M-68を10門、81mm迫撃砲M29、107mm迫撃砲M30を40門、75mm無反動砲M20、90mm無反動砲M67、106mm無反動砲M40A1、ビーチ80クイーンエア軽輸送機１機、セスナ170軽輸送機１機、セスナ172軽輸送機１機、セスナP206A軽輸送機１機、ブルー・ホライズン無人偵察機、ACV-300装甲回収車、サムソン装甲回収車、M578装甲回収車を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィリプス・ヴァン・アルモンデ＞：F823（フリゲート）を参照。

＜フィリブス・ウニーティス＞：オーストリア＝ハンガリー帝国海軍フィリブス・ウニーティス級戦艦１番艦Viribus Unitis（力を合わせて、という意味のラテン語。皇帝兼国王のモットー）。1912年10月6日竣工。1918年11月1日、イタリア海軍が人間魚雷で仕掛けたリンペット機雷により沈没した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船4,’98、4,’17

＜フィリブス・ウニーティス級＞：オーストリア＝ハンガリー帝国海軍戦艦Viribus Unitis級。竣工順でなく１番艦の名前（１番艦の当初予定艦名がテゲトフだった？）からテゲトフ級と呼ばれることもある。イタリア海軍が建造することになったド級戦艦に対抗して建造した。砲塔は３連装を採用したが、揚弾器は各砲塔に２つしか用意されておらず、片方が２門分給弾した。舷側装甲帯に加え、艦底にも装甲を施してある。全長152.2m、幅27.3m、吃水8.3m、公試排水量20008-20014トン、常備排水量21730トン（20014トン？）。主機は蒸気タービン２基４軸（シュツェント・イストファンは２軸）26400馬力、速力20.3ノット、航続距離は10ノットで4200海里。兵装は45口径305mm３連装砲塔４基（艦前後に背負い式。最大射程20km）、50口径150mm単装砲12門、50口径66mm単装砲18門、47mm単装砲２門、533mm水中発射管４門。装甲厚は水線部280mm、甲板48mm。乗員1087名。１番艦フィリブス・ウニーティス、２番艦テゲトフ、３番艦プリンツ・オイゲン、４番艦シュツェント・イストファンの４隻が1912-15年に竣工した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,'24、4,’98、1,’12、5,’17

＜フィリブス・ウニーティス撃沈＞：第１次大戦末期、ポーラ軍港には３隻のド級戦艦が停泊しており、イタリア北部で最後の攻勢を行おうとしている連合軍にとって脅威となっていた。1918年10月31日1300、イタリア海軍のラファエレ・ロッセッチ造船少佐とラファエレ・パオルッチ軍医中尉がベニスで魚雷艇PN65に搭載された人間魚雷ミニャッタに乗り込み、ポーラ軍港に向かった。10月31日夜、防波堤に到着したところで人間魚雷が発進し、防御材と防潜網を潜り抜け、11月1日0300に灯火を点したままのオーストラリア艦隊を発見した。ただ港内に侵入するのに予想以上の時間がかかり、圧縮空気の大半を使ってしまったため、帰還するのは諦めて一番奥に停泊していた旗艦のフィリブス・ウニーティスに時限装置付きの機雷１個を仕掛けた。しかし直後に発見されてしまい、もう１個の機雷を投棄した後に２名は艦内に連行された。この時既にオーストラリア艦隊は連合国側のユーゴスラビア国民議会の手に落ちており、ユーゴスラビア海軍の水兵しか乗っていないことが分かったため、人間魚雷乗員は艦長に対して総員退去するよう勧めて海に飛び込み、総員退艦中の0640に爆薬が炸裂してフィリブス・ウニーティスは横倒しになり沈没した。11月1日、イタリアが戦果を発表し、乗員２名は名誉の戦死を遂げたとしたが、実際には生存しており、11月6日にヴェニスに帰還した。ちなみに投棄した方の機雷も海流に流されて11月2日にオーストラリア最大の汽船であるヴィーンにぶつかり炸裂、これを撃沈している。参考：日本潜水艦物語、月刊丸11,’72

＜フィリン＞：5P42（光学照射装置）を参照。

＜フィリン＞：ソ連軍のミサイルシステムで、フィリンはワシミミズクのこと。西側名称はフロッグ１。1955年に完成した。3R-2ミサイルと2P4ランチャーで構成される。試験的装備らしく、ランチャーは数両しか製作されていない。参考：月刊PANZER8,’02

＜フィリン１＞：ロシアのツポレフ設計局が開発したUAVで、フィリンはワシミミズクのこと。ウラル375トラックに搭載され、固体燃料ブースターにより射出、ターボジェットで巡航する。重量３トン。最大速度950km、滞空時間１時間。TVカメラ、赤外線センサー、側視レーダー、ELINTシステムなどを搭載する予定。参考：月刊軍事研究1,’00

＜フィリン２＞：ロシアのツポレフ設計局が開発した通信中継用UAV。フィリン１のデータ通信を中継することで、行動半径を200-300kmに増大できる。時速500-600km、滞空時間２時間。参考：月刊軍事研究1,’00

＜フィルキン＞：Su-47（技術試験機）を参照。

＜フィルタ＞：レーダーのバックエンド構造の１つで、信号対雑音比や分解能の向上などを図るため、レーダー受信信号に対して各種計算処理を行うものである。参考：レーダの基礎

　＜Ｗｉｅｎｅｒフィルタ＞：1940年代にN.Wienerが考案したのでこう呼ばれる。原信号とフィルタ出力信号の平均二乗誤差を最小化するよう伝達関数を設定したフィルタで、信号対雑音比が高いと逆フィルタ、低いと整合フィルタに近い応答となり、雑音環境下でも近接目標を分離して捉えることができる。ただ信号雑音比の異なる複数の信号が存在する場合、最適な伝達関数を設定するのが難しくなる。参考：レーダの基礎

　＜逆フィルタ＞：整合フィルタの欠点であるサイドローブや距離分解能の特性を改善するフィルタで、フィルタ伝達関数を送信信号フーリエスペクトルの逆数としたものである。各目標に対する遅延時間分だけシフトをかけたデルタ関数を重ね合わせて時間応答を算出することにより、サイドローブは存在せず、距離分解能も無限小になるので、近接複数目標を分離して捉えることができる。信号振幅が小さい周波数領域では雑音を増幅させてしまう特性があるので、信号対雑音比が低いと雑音が目標からの信号並に増幅されてしまい、サイドローブ局限や距離分解能向上といった利点が著しく劣化して最悪目標を探知できなくなるという欠点を持つ。雑音存在下でも利点を発揮できるよう、超分解手法（Capon法、MUSIC法、圧縮センシングなど）が開発されているが、分離すべき信号が非常に強い相関性を有していると通用しないので、更に相関性を低減する手法を組み込んでおく必要がある。参考：レーダの基礎

　＜整合フィルタ＞：信号対雑音比を最大にすることを目的としたフィルタ。レーダー受信機の電気抵抗で発生する熱による熱雑音は、無限の周波数帯域で一定の電力を有しているので、受信信号の帯域幅を絞れば混入する雑音電力を減らす事ができる。ただし帯域を絞りすぎるとレーダー波も受信できなくなるので、信号対雑音比が最大になるよう設計したのが整合フィルタである。フィルタに入力された信号に対し、遅延をかけて時間反転させ出力するもので、受信信号の立ち上がりを検出するだけでなく、フィルタ出力が最大になる点や極大応答を抽出することにより目標を分離でき、雑音環境下でも精度を保てる。ただし距離分解能が低め、距離分解能内に複数目標があると分離が困難で１つの目標として捉えてしまう、サイドローブが大きい、といった欠点がある。参考：レーダの基礎

＜フィルター室＞：イギリス空軍が第二次大戦時に使用した防空管制システム。テーブルの上に大きな地図が設置してあり、各チェーン・ホーム・レーダー・ステーションからの情報に基づいて探知した機体を婦人補助空軍（WAAF）の女性隊員が駒を使って地図上にプロットしていく。これにより、各チェーン・ホーム・レーダーで探知した目標がどの位置にいるか、同一目標なのか違う目標なのかを判断する。時間が経過すると当然ながら目標の位置が変化するので、長い棒を使って駒を動かし、目標がどこに向かっているのかを表示する。これにより敵の位置を把握し、味方の戦闘機基地に迎撃命令と会合地点を伝達した。参考：月刊軍事研究9,’12

＜フィルター・ラーゲリ＞：ロシアの選別収容所。捕らえてきたチェチェン人がゲリラかどうかフィルターに掛けて選別する収容所で、拷問が行われ、裁判無しに処刑が執行されているという。参考：月刊軍事研究5,’04

＜フィルタ（遠空）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜フィルタ（近空）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜フィルモアー＞：APA-83（攻撃輸送艦）を参照。

＜フィレット＞：Fillet。主翼と胴体の接続部、主翼とエンジンナセルの接続部といった鋭角状の隅部に設けられた整形のことで、接続部を滑らかにして渦の発生を減らすことにより、干渉抗力を減少させることができる。低速大迎え角で発生する主翼後縁付け根付近の圧力上昇を抑制して渦を発生させない、低翼配置機が大迎え角で飛行した際の翼根部後縁近くの翼上面で発生する境界層剥離を防ぐ、といった効果もある。高速水平飛行（遷音速付近）では、フィレット表面から生じる摩擦抗力が干渉抗力減少量より大きくなってしまうので、ジェット戦闘機では付けないことも多く、付ける際には胴体を絞り込んでエリアルールを適応するなどの工夫をする。大型機ではフィレットの容積が大きいので、中にAPU、油圧装置、空調装置などを収容してスペースを有効利用する。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、飛行機のしくみ

＜フィロス−２５＞：UAE陸軍122mm多連装ロケットFiros-25。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィン＞：La-7（戦闘機）を参照。

＜フィンガー＞：ネシェル海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フィン・スタビライザー＞：ビルジキール付近に設けられる装置で、船体の横揺れに応じて作動させ動揺を抑える。小型の翼状をしており、制御用のジャイロ・スタビライザーで迎角を調整、揚力を発生させて横揺れに対抗する。後部にはフラップも付いている。10ノット以下の低速航行時や停泊中には十分な揚力が発生せず効果が無いので、その際は船体内に格納してビルジキールに頼る。発明したのは三菱造船（現三菱重工）の造船技術者で、大正9年に開発し、大正12年には商船に装備された。ただコンピュータも無い時代なので制御装置が不十分であり、思った程の効果が無く、戦後に特許はイギリスに売却された。その後、コンピュータの発達を受け、現在では横揺れ運動を8-9割も減少させる効果を発揮できるようになった。入港の際にぶつからないようフィン・スタビライザーを引っ込めた途端に激しい横揺れが船体を襲い、一気に荷崩れを起こすこともあるので注意。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学、艦船メカニズム図鑑、月刊JWings2,’00、月刊軍事研究12,’03

＜フィン・スタビライザ（２４ＤＤＨ用）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜フィンスタビライザ（２６ＤＤ用）＞：自衛隊の機器。三菱重工船舶用機械エンジン機器製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜フィンスタビライザ（２７ＤＤＧ用）＞：自衛隊の機器。三菱重工舶用機械エンジン機器製。参考：月刊軍事研究6,’18

＜フィンチ＞：AM-9（掃海艇）またはDE-328（護衛駆逐艦）を参照。

＜フィンチ＞：カナダ軍の初等練習機で、コンソリデーテッド社製のものをライセンス生産し、改良を加えている。水上機バージョン含めてバリエーションが10種類弱あり、総計600機以上が生産された。全長6.64m、全幅8.48m、全備重量837kg。エンジンはキンナーK5（100馬力）単発で、最大速度170km、実用上昇限度3500m。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜フィンツィ＞：イタリア海軍フィンツィ級潜水艦。輸送潜水艦に改造され、アジアに向かう予定だったが、イタリア降伏で1943年6月末にドイツに接収された。参考：月刊丸11,’09

＜フィントリー＞：A394（通船）を参照。

＜フィンバック＞：SS-230（潜水艦）またはSSN-670（スタージョン級攻撃原潜）または殲撃８型シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フィンバンド＞：アメリカ空海軍機の垂直尾翼端に塗られているカラーバンド。色は所属飛行隊のユニットカラーで、航空軍／航空団司令機など複数飛行隊を隷下に収める場合には複数色で塗る。ステルス機の登場などでグレー系ロービジ塗装厳守の時代に入り、次第に塗られなくなっている。参考：月刊JWings1,’20

＜フィンメカニカ＞：イタリアの複合企業体Finmeccanica。イタリアのIRI（Istituto per la Ricostruzione Industriale。戦後の製造業再建を主目的とする）が1948年3月に創設した企業である。造船、自動車、鉄道、工作機械などの各部門を立ち上げ、1969年にはフィアットと共同でアエリタリアを設立した。しかし広範囲に手を伸ばしすぎたため、事業再編も進めている。1992年、傘下のアエリタリアとセレニアを合併させてアレニア・アエロナウティカを創設。1992年、アグスタを傘下に入れた。1994年、オットー・メララ社が傘下に入った（この際オットー・ブレダ社に社名変更）。2000年、イギリスGKNとヘリ部門を統合することになり、アグスタ・ウェストランドを創設した。2001年、傘下のアレニア・マルコーニ・システムズがMBDAを設立。2003年7月、アエルマッキが傘下に入り、アレニア・アエルマッキに社名変更した。2013年2月、インド警察向けヘリの契約に関する贈賄容疑でCEOが逮捕された。2016年1月1日、全グループ企業を統合し、アレニア・アエルマッキがフィンメカニカ・アエロナウティカ、アグスタ・ウェストランドがフィンメカニカ・ヘリコプターズに改称された。ただしヘリのブランド名はアグスタ・ウェストランドのままで、機番号の頭２文字もAWのままとなる。2017年1月1日、レオナルド（レオナルド・ダ・ヴィンチが由来）に改称した。参考：月刊JWings10,’13、3,'16、10,’16、月刊航空ファン7,’16

＜フィンメカニカ・アエロナウティカ＞：2016年1月1日、アレニア・アエルマッキから改称されて創設された。参考：月刊JWings3,’16

＜フィンメカニカ・ヘリコプターズ＞：2016年1月1日、アグスタ・ウェストランドから改称されて創設された。2017年1月1日、レオナルド・ヘリコプターズに改称された。参考：月刊航空ファン10,’16

＜フィンランド海軍＞：1930年、潜水艦ザウコが竣工。冬戦争ではフィンランド湾に機雷を敷設し、ソ連の海上行動を妨害した。1937年、アフヴェン級掃海艇６隻が竣工。1940年、フィンランド湾入り口のハンコ半島にソ連軍基地が設けられたため、湾外を沿岸艦隊、湾内を分遣戦隊が担当することになった。1941-46年、クハ級掃海艇（初代）18隻が竣工。1957-59年、ライシオ級掃海艇５隻が竣工。1970年代、クハ級掃海艇（２代目）６隻が竣工。1981-86年、ヘルシンキ級ミサイル艇４隻が就役。1990年からラウマ級ミサイル艇５隻が就役。1991-92年、パンシオ級輸送艦３隻が就役。1992年、ハメンマー級敷設艦２隻が就役。2012-14年、カタンパー級掃海艇３隻が就役。2014年からU700型沿岸揚陸艇12隻が竣工予定。2022年11月22日から12月2日、バルト海北部でフリージング・ウインズ2022演習を実施。参考：月刊軍事研究9,’14、2,’09、月刊世界の艦船3,’14、2,’23

　＜フィンランド海軍（１９７７年）＞：兵力2500名（うち沿岸警備隊500名）。リガ級フリゲート２隻、コルベット２隻、砲艇15隻、オーサ�U型ミサイル艇４隻、大型哨戒艇５隻、沿岸哨戒艇12隻、沿岸機雷敷設艇１隻、内海掃海艇６隻、小型上陸用舟艇／輸送艇17隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜フィンランド海軍（１９８９年）＞：兵力1400名（うち徴兵600名）。ウピンニエミとトゥルクに基地がある。砲艇戦隊、ミサイル艇戦隊、哨戒艇戦隊、機雷戦戦隊１個ずつからなる。ツルンマー級コルベット２隻、ヘルシンキ�T級ミサイル艇８隻、オサ�U級ミサイル艇４隻、リトリエミ級哨戒艇２隻、ルイサロ級哨戒艇３隻、ヌオリ級高速艇６隻、ポフヨンマー級敷設艦１隻、ケイハサルミ級敷設艦１隻、クハ級掃海艇６隻、カンペラ級汎用揚陸艇輸送艦３隻、カラ級汎用揚陸艇６隻、カベ級汎用揚陸艇５隻、バラス級沿岸輸送艦５隻、砕氷船９隻（航海管理委員会所有）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィンランド海軍（２０１２年）＞：司令部はトゥルクにあり、ウピンニエミにフィンランド湾海軍司令部が置かれている。兵力は平時6700名、戦時動員で31500名。戦時編成は高速ミサイル艇２個戦隊、機雷戦３個戦隊、機雷敷設艦３隻、特設機雷敷設艦３隻、沿岸猟兵２個大隊、沿岸ミサイル２個中隊、沿岸砲兵（固定砲台）４個隊、沿岸砲兵（機動沿岸砲）12個隊である。配備艦艇はハメンマー級機雷敷設艦２隻、ポフヨンマー級機雷敷設艦１隻、パンシオ級LST３隻、ハミナ級ミサイル艇４隻、ラウマ級ミサイル艇４隻、クハ級掃海艇６隻、カタンパー級掃海艇１隻、練習艇４隻、油防除艦１隻、輸送艇９隻、試験艇１隻、電纜敷設艇１隻など。固定翼陸上機２機、陸上ヘリ７機を保有する。参考：月刊軍事研究8,’12、月刊世界の艦船3,’14

　＜フィンランド海軍（２０１５年）＞：現役兵力3500名（うち徴兵1900名）、予備役31000名。司令部がトゥルク、下位司令部がフィンランド湾と多島海域に置かれている。ラウマ級ミサイル艇６隻、ハミナ級ミサイル艇４隻、カタンパー級掃海艇３隻、キースキ級掃海艇４隻、クハ級掃海艇３隻、ハメンマー級敷設艇２隻、パンシオ級敷設艇３隻、カンペラ級LCU１隻、LCP54隻、兵站・支援船28隻を保有する。沿岸防衛部隊は海兵旅団１個、戦闘支援旅団１個からなり、130mm沿岸砲K-53tkを30門、スパイク対戦車ミサイル（対艦ミサイルとして使用）、RBS-15K対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィンランド空軍＞：1918年3月6日に陸軍航空隊として創設され、5月に独立してウッティに空軍基地が作られた。当時の国籍マークは青の鈎十字（ハカリスチ）で、スウェーデンのエリック・フォン・ローゼン伯爵がフィンランド白衛軍を支援するために贈ったスウェーデン製ツーリンＤ航空機に描かれていたマーク（ローゼン家の幸運のシンボル）を拝借したものであり、第２次大戦終戦まで使用されている。創設当初はドイツのアドバイスを受けてフィンランドの国情に合わせた水上機を装備。第１次大戦後はフランスの助言を元に陸上機を配備した。ただ飛行場などを整備する必要があり費用がかさむため、ドイツのW33水上戦闘機をIVL22ハンザとしてライセンス生産した。１920年代にはイギリス軍事顧問団の助言により水上機メインの編成に戻した。1930年代に参謀本部が空軍改革に乗り出し、陸上機中心の編成に変更。1935年2月、ブルドッグ�Wａを17機配備した。1937年11月、フォッカーＤ�]�]�Tを７機輸入し、1941年6月までに90機をライセンス生産した。冬戦争ではブレニム�T／�WとフォッカーＤ�]�]�Tが主力だったが、外国から多種多様な機体の援助を受け、民間保有の機体まで購入して配備した。1940年1-2月、グラディエイター�Uを30機導入した。2月、フランスからMS406を30機供与された。2-5月、ブリュースター239（F2A戦闘機）を44機輸入した。6月までにフィアットG.50を33機導入した。1941年、MS406を57機追加導入した。1943年、Bf109G戦闘機の輸入を開始。継続戦争では更にソ連から鹵獲した機体やドイツからの援助機も加わり、国産機としてミルスキ、ピョレミルスキ、フムを開発した。終戦後は資金不足でBf109などのドイツ機を使っていたが、1953年に初のジェット戦闘機としてバンパイアを導入。1956年、ナットを配備。1960年代、MiG-21を配備したが、全天候性が無いなど能力不足だったため、ドラケンも採用した。1961年、Mi-1とMi-4を導入。1966年、SE3130アルエート�Uを導入。1968年、AB206Aを導入。1972年、ドラケンの調達を開始。1973年、北極圏の警戒防空のため、ハメ航空コマンドがラップランドのロバニエミに移った。Mi-8Pの導入を開始。1974年、ハメ航空コマンドがラップランド航空コマンドに改称された。1975年、ヒューズ500Cを導入。1980年2月、L70練習機の配備を開始。1983年、ヒューズ500Dを導入。1997年、ヘリコプター部隊が全て陸軍に移管された。2000年、F/A-18戦闘機の配備を開始。2007年、CN-295M輸送機の引き渡しが始まった。2015年、フィンランド西部担当のサタクンタ航空コマンドが防空任務から外れ、北部担当のラップランド航空コマンドと東部担当のカレリア航空コマンドでフィンランド全土の防空を担うことになった。12月、F-18C/D戦闘機の後継機HX-FRPのRFIを発出した。ボーイングがF/A-18E/F、ロッキード・マーチンがF-35A、BAEシステムズがEF2000タイフーン、ダッソーがラファール、サーブがJAS39Eで応じており、2019年初めに入札して2020年代後半から運用する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れ、2021年12月10日にF-35Aに決定した。2024年9月4日、バーナ24演習の一環として、ラップランド県の高速道路で戦闘機運用訓練を実施。アメリカ空軍F-35A戦闘機（F-35AF-373/AF-383など）も参加している。参考：月刊軍事研究11,’11、2,’14、10,'15、月刊航空ファン10,’15、4,’19、月刊JWings2,’17、7,’18、9,’18、3,’22、11,’24

　＜フィンランド空軍（１９７７年）＞：兵力3000名。MiG-21F戦闘機24機、J35Sドラケン24機、C-47輸送機８機、セスナ402輸送機１機、チェロキー・アロー輸送機５機、マジステール練習機60機、サーブ・サフィル練習機30機、MiG-15UTI練習機３機、MiG-21UTI練習機４機、J35C練習機３機、Mi-4ヘリ３機、Mi-8ヘリ４機、ヒューズ500ヘリ２機、AB206Aヘリ１機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜フィンランド空軍（１９８９年）＞：兵力1800名（うち徴兵800名）。防空管区３個、戦闘航空団３個からなる。MiG-21bis戦闘飛行隊１個25機、サーブJ35戦闘飛行隊２個41機、MiG-21U/UM転換訓練機５機、サーブSK-35C転換訓練機４機、ホークMk51偵察飛行小隊１個８機、リアジェット35A監視／電子戦訓練／標的曳航機３機、F-27輸送飛行隊１個３機、ヘリ飛行小隊１個（Mi-8ヘリ７機、ヒューズ500ヘリ２機）、ホークMk51練習機38機、L-70ビンカ練習機30機、CM-170マジステール連絡機６機、チェロキーアロー連絡機９機、チーフテン連絡機６機を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィンランド空軍（２０１２年）＞：司令部はティッカコスキにあり、北部、東部、西部の３個コマンド編成である。兵力は平時3100名、戦時動員で38000名。戦時戦力は３個戦闘航空隊、１個戦闘訓練航空隊、１個支援航空隊。空軍基地は６カ所だが、戦時には民間飛行場や高速道路も使用する。保有機はF-18戦闘機、ホーク練習機、ヴィンカ練習機、F27輸送機、C-295輸送機、PC-12連絡機。参考：月刊軍事研究8,’12

　＜フィンランド空軍（２０１５年）＞：現役兵力2700名（うち徴兵750名）、予備役38000名。西部コマンド（サタクンタ）、東部コマンド（カレリア）、北部コマンド（ラップランド）で編成される。年間飛行時間90-140時間。F/A-18C/D戦闘飛行隊３個、リアジェット35A情報監視偵察飛行隊１個、C-295M輸送飛行隊１個、PC-12NG要人輸送飛行隊４個、ホーク練習飛行隊１個、L-70練習隊１個からなる。F/A-18C戦闘機55機、F/A-18D戦闘機７機、F-27-400M哨戒機１機、C-295M電子情報収集機１機、C-295M輸送機２機、リアジェット35A捜索／ECM訓練／標的曳航機３機、PC-12NG軽輸送機６機、ホークMk50/51A練習機29機、ホークMk66練習機16機、L-70練習機28機、AIM-9/-9X/-120空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィンランド国防軍＞：1917年12月6日の独立直後に内戦に突入、その最中の1918年1月13日に新政府軍（白衛軍）をベースに誕生した。軍事委員会委員長だったグスタフ・マンネルヘイムは人員確保のため2月18日に徴兵法（ロシア支配下の1878年制定、1901年廃制）を復活させ、参謀部は元ロシア軍所属のフィンランド人将校と、スウェーデン軍の義勇将校で構成し、徴兵された兵士の教育は第１次大戦中にドイツ軍第27イエーガー大隊に所属していた隊員が行った。新政府軍が内戦に勝利すると晴れてフィンランド国防軍となったが、内戦後の嫌戦ムードや第１次大戦後の軍縮ムードに巻き込まれ、予算は不足しがちで、小銃も鹵獲品ばかり、中には三八式歩兵銃まで混ざっていた。1919年2月、新しい徴兵法を制定し、ハミナに士官学校が設立された。1920年、予備役将校への教育を開始。1924年、ヘルシンキに軍大学校を設置。1928年、下士官教育施設を設置。1928年、初の大規模演習を実施。1930年半ばになりヨーロッパに戦雲が漂い始めると軍備強化に乗り出し、1936年にイギリスやオランダから航空機を購入、ライセンス生産も行った。冬戦争、継続戦争を経て1944年9月にソ連と休戦。1944年12月までにフィンランド軍を37000名に縮小し、民兵組織を解体した。1945年5月、国防改革委員会を設立。1947年、パリ講和条約を締結。常備軍が極端に制限されたが、抵抗できずに国が消滅したバルト３国を目の当たりにしているフィンランドはソ連に対抗できる軍事力を保持する必要に迫られており、平時は条約内の戦力に収め、戦時に条約対象外となっている大量の予備役を動員して間に合わせることにした。グスタフ・マンネルヘイム大統領（フィンランド独立戦争、冬戦争、継続戦争、ラップランド戦争全てに参加し、軍の元帥を経て戦後大統領職に就いた）曰く、「自分の国を自ら守れない国を助けてくれる国など存在しない」「大国の力をあてにしたり、利用したりすることは、大国に逆らうのと同じくらい危険である」。1949年、戦争に巻き込まれないためには他国の攻撃から身を守る意志と能力を持っているということを他国に認めさせなければならないという報告書が提出された。1950年、兵卒240日・下士官及び士官330日の徴兵と、終了後60歳までの予備役期間中の40-100日間補充訓練を行うことを定めた国家徴兵法を制定。また、国防軍司令部の防衛ドクトリン研究の結果、核兵器により固定陣地による防衛が不可能になったとし、縦深防衛による地域防衛システムを採用した。また、各地に核シェルターを建設した。この頃、戦時のパイロット消耗に備え、サファイア初等練習機30機とマジステール練習機80機を購入している（前線戦闘機はバンパイア６機とナット12機だけだった）。1950年代からPKO活動に参加。1957年、防衛委員会を大統領諮問機関として設立。1961年、防衛教育を開始。1980年代に地域防衛システムとモッティ戦術を統合した新戦術を確立。1980年代末、兵役期間を兵卒180日、下士官270日、特殊技能下士官・士官362日に変更した。1990年代に冷戦が崩壊したが、軍事力の真空状態は危険な不安定効果をもたらすとして軍縮の動きは起こらず、東ドイツの装備を破格で買い、余った予算で新型装備を開発し、軍の近代化を進めた。2000年代、テロへの脅威が高まり、即応性を向上させる必要が出たため、動員を２段階に分け、平時に３万名、非正規戦時に10万名（即応旅団３個。東コマンドにカレリア旅団、西コマンドにポリ旅団、北コマンドにカヤーニ旅団）、戦時動員で35万名（戦車旅団１個、即応旅団３個、猟兵４個、歩兵７個）を集める態勢を整えた。軍に対する国民の支持は高く、信頼できる組織として警察と常に１・２を争っている。また、徴兵制も国民の6-8割に支持されている。少子化と国家予算不足で2012-15年に国防予算の縮小が行われており、６個旅団と１個航空団・１個訓練航空団を廃止する予定。徴兵制は維持して人的資源は確保する。2013年、サイバー防衛戦略を策定。2020年8月、タルヴァイネン陸軍大佐が75年振りに専任駐日フィンランド大使館付国防武官として日本に着任した。2023年4月4日、NATOに加盟した。参考：月刊軍事研究4,’08、4,’97、11,’08、12,’08、10,’11、1,’14、MAMOR Vol.50、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜フィンランド国防軍（１９８９年）＞：総兵力31000名（うち徴兵23700名）、予備役70万名（通常部隊30万名、地方防衛部隊20万名、補充兵力など配置指定無し20万名）。アフガニスタン国連仲介監視団に３名、国連キプロス平和維持軍に８名、国連インド・パキスタン軍事監視団に４名、国連イラン・イラク軍事監視団に15名、国連レバノン暫定軍に１個大隊550名、国連パレスチナ休戦監視機構に23名、ナミビア国連独立移行援助グループに１個大隊890名、シリア国連兵力引き離し監視軍に１個大隊410名を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィンランド国防軍（２０１２年）＞：最高司令官は大統領で、国防大臣（文民）は軍政、国防軍司令官（軍人）は軍令上のトップである。司令部はヘルシンキにあり、陸海空軍が同列で隷属する。有事には準軍事組織の国境警備隊（対ゲリラ戦に長ける）を指揮下に組み込む。参考：月刊軍事研究8,’12

　＜フィンランド国防軍（２０１５年）＞：現役総兵力22200名（陸軍16000名、海軍3500名、空軍2700名）、準軍事組織2800名、予備役354000名（陸軍285000名、海軍31000名、空軍38000名、準軍事組織11500名）。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員80名、ボスニア・ヘルツェゴビナにEUFORのアルテア作戦要員８名、インド・パキスタンにUNMGIPオブザーバー６名、イラクにインヒアラント・リゾルブ作戦要員49名、レバノンにUNIFIL要員308名、１個機械化歩兵大隊、リベリアにUNMIL要員１名、マリにEUTMマリ要員10名、MINUSMA要員５名、中東にUNTSPオブザーバー17名、セルビアにKFOR要員21名、コソボにOSCE要員２名、ウガンダにEUTMソマリア要員７名、ウクライナにOSCE要員27名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィンランド国境警備隊＞

＜フィンランド国境警備隊（１９８９年）＞：内務省隷下で、隊員数4400人、動員時24000人。国境警備管区４個、沿岸警備管区３個、航空司令部１個からなる。外洋哨戒艇５隻、沿岸哨戒艇１隻、内海哨戒艇９隻、Mi-8捜索救難ヘリ３機、AS-332ヘリ２機、AB-412ヘリ３機、AB-206ヘリ７機、軽航空機４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜フィンランド国境警備隊（２０１５年）＞：内務省隷下で、現役隊員数2800名、予備役11500名。哨戒艇４隻、哨戒ボート48隻、上陸用ホバークラフト７隻、Do-228軽輸送機２隻、AB-412ヘリ４機、AB-412EPヘリ１機、AS332ヘリ３機、AW119KEヘリ４機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フィンランド戦役＞：冬戦争を参照。

＜フィンランド陸軍＞：1938年、ヴィッカーズ６トン戦車を購入。1942年2月10日、戦車旅団の編成を開始した。6月28日、戦車旅団に第１猟兵旅団などを加えて戦車師団の編成を開始し、10月26日に完結した。1943年、�V号突撃砲Ｇ型を購入。1944年半ば、�W号戦車Ｊ型15両を購入。1983年、155mm榴弾砲M83の量産を開始。1990年代、７個軍管区を３個コマンド（北部、西部、西部）に再編した。1996年、ITPSV90自走高射機関砲を配備。1997年、空軍からヘリ部隊が移管された。2007年、AMV装輪装甲車の配備を開始。2008年、南部コマンドが新編されて４個コマンド体制になった。また、即応特殊作戦空挺部隊のウッティ猟兵連隊が陸軍司令部直属に変更された。NH90ヘリ20機を導入。2009年、NASAMS�U地対空ミサイルを採用。2015年、レオパルト2A6の配備を開始。2016年末、K9自走砲の配備を決定。参考：月刊軍事研究8,’12、2,’14、月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER4,’04、4・5,’17

　＜フィンランド陸軍（１９７７年）＞：兵力34400名。機甲旅団１個、歩兵旅団６個、独立歩兵大隊８個、野砲連隊３個、独立野砲大隊２個、沿岸砲兵連隊２個、独立沿岸砲兵大隊３個、高射砲連隊１個、独立高射砲大隊４個からなる。装備はT-54/55戦車、PT-76軽戦車、BTR-50P/-60装甲兵員輸送車、76mm/105mm/122mm/130mm/150mm/152mm/155mm砲、60mm/81mm/120mm/160mm迫撃砲、55mm/95mm無反動砲、SS-11対戦車ミサイル、23mm/30mm/35mm/40mm高射機関砲、57mm高射砲、ZSU-57-2自走高射機関砲。参考：軍事力バランス78年版

　＜フィンランド陸軍（１９８９年）＞：兵力27800名（うち徴兵22300名）。軍管区７個、軍区23個、機甲旅団１個、歩兵訓練旅団７個、独立歩兵大隊５個（うちコマンドー大隊１個、パラシュート大隊１個）、野戦砲兵連隊３個、独立野戦砲兵大隊３個、高射砲連隊３個、独立高射砲大隊１個、工兵大隊２個からなる。予備役は装甲旅団２個、90型歩兵旅団11個、80型歩兵旅団14個、独立大隊50個、地方防衛部隊200個からなる。T-54/-55戦車100両、T-72戦車80両、PT-76軽戦車15両、BMP-1歩兵戦闘車30両、BMP-2歩兵戦闘車６両、BTR-50P装甲兵員輸送車90両、BTR-60装甲兵員輸送車60両、XA-180装甲兵員輸送車80両、MT-LB装甲兵員輸送車10両、105mm牽引砲M-37/-61を70門、122mm牽引砲M-38/D-30、130mm牽引砲M-46を170門、150mm牽引砲M-40、152mm牽引砲M-38を240門、155mm牽引砲K-83を12門、100mm沿岸砲（戦車砲塔流用）、122mm沿岸砲M-60、130mm沿岸砲K-87を170門、152mm沿岸砲240門、RBS-15地対艦ミサイル、81mm迫撃砲880門、120mm迫撃砲550門、AT-4スピゴット24基、BGM-71C対戦車ミサイル12基、AT-5スパンドレル、112mmロケット発射機アピラス、55mm無反動砲M-55、74mm無反動砲ミニマン、95mm無反動砲SM-58-61を100門、20mm高射機関砲、23mm高射機関砲ZU-23、30mm高射機関砲、35mm高射機関砲GDF-002、60口径／70口径40mm機関砲100門以上、57mm高射機関砲S-60を12門、ZSU-57-2自走高射砲12門、S-125地対空ミサイル、SA-7地対空ミサイル、SA-14地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フィンランド陸軍（２０１５年）＞：現役兵力16000名（うち徴兵11000名）、予備役285000名（機動部隊60000名、地域部隊225000名）。パロラ戦車旅団（ハメ装甲群、イエーガー砲兵群、ヘルシンキ防空砲兵連隊、パロラ旅団兵站群、通信隊、旅団後方支援隊）、カレリア機械化歩兵旅団、ポリ歩兵旅団、カイヌー歩兵旅団、イエーガー歩兵旅団、訓練機甲旅団などからなる。戦時にはパロラ戦車旅団にカレリア機械化旅団と訓練機甲旅団を加えて機甲師団にする。レオパルト2A4戦車100両、レオパルト2A6戦車20両、BMP-2歩兵戦闘車110両、CV90歩兵戦闘車102両、MT-LBu装甲兵員輸送車40両、MT-LBV装甲兵員輸送車102両、XA-180/185装甲兵員輸送車260両、XA-202装甲兵員輸送車101両、XA-203装甲兵員輸送車48両、AMV装甲兵員輸送車62両、122mm自走砲2S1を36両、122mm榴弾砲D-30を234門、130mmカノン砲K54を36門、155mmカノン砲K83/K98を54門、MLRS22両、120mm迫撃砲KRH92を261門、120mm自走迫撃砲XA-361AMOSを４両、スパイク対戦車ミサイル、TOW2対戦車ミサイル、500Dヘリ５機、500Eヘリ２機、NH90TTHヘリ20機、ADS-95レンジャー無人機11機、ITO05ASRAD自走地対空ミサイル16両、ITO90クロタルNG自走地対空ミサイル20両、ITO12NASAMS�UFIN自走地対空ミサイル24両、ITO96ブークM1自走地対空ミサイル、ITO15（FIM-92A）地対空ミサイル、ITO05/05M（RBS70）地対空ミサイル、23mm/35mm高射機関砲、レオパルト2R CEV装甲工兵車６両、MTP-LB戦車回収車15両、VT-55A戦車回収車12両、BLG-60M2戦車橋、レオパルト2L戦車橋６両、レグアン戦車橋９両、アードヴァークMk2地雷除去車両、KMT T-55地雷除去車両、RA-140DS地雷除去車両を保有する。参考：月刊PANZER4・5,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜プー＞：イギリスのワンストン砲台２番砲。戦艦アイアン・デュークの14インチ（355.6mm）主砲を流用し、1941年2月に設置された。参考：歴史群像12,’03

＜風圧中心＞：圧力中心を参照。

＜ブーアン＞：フランス海軍潜水艦Bouan。元はドイツ海軍Ｕボート�\Ｃ型潜水艦U510である。後にQ176と改称された。1959年5月1日に除籍され、1960年に解体された。参考：ナチスＵボート

＜ブーヴェ＞：フランス海軍前ド級戦艦Bouvet。全長122.6m、常備排水量12200トン。主機はレシプロ蒸気機関３基３軸14000馬力、速力18ノット。兵装は30.5cm単装砲２門、27.4cm単装砲２門、13.78cm単装砲８門、10cm単装砲８門、4.7cm単装砲14門、45cm魚雷発射管４基。1898年10月8日竣工。1903年1月29日、地中海でフランス戦艦ゴーロアと衝突した。1915年3月18日、ダータネルス作戦中に触雷し、缶室縦隔壁のせいで浸水が片側に寄ってしまい、２分で転覆沈没した。戦死者643名。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜フーガ９０＞：フーガ・マジステール練習機の後継としてアエロスパシアル社が開発したジェット練習機。Ｖ字尾翼などの機体構造を引き継ぎつつ、エンジン強化とコクピット周囲の再設計を行っている。全長9.34m、全幅11.83m、全高2.78m、自重2.41トン、最大総重量3.5トン。エンジンはチュルボメカ・アスタファン�UＧ（推力0.69トン）２基で、巡航速度325ノット、航続距離595海里。乗員２名。参考：世界の軍用機1979

＜フーカル＞：M21（掃海艇）を参照。

＜フーカル級＞：スペイン海軍掃海艇Jucar級。アメリカから購入した木造掃海艇である。M21フーカルなど８隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜風紀衛兵＞：日本陸軍の衛兵。兵営ごとに置かれ、週番司令の指揮を受けて営内や兵営周辺にある自隊所属建造物などの取締や警戒を行い、営門を出入りする者を監視するのが主任務である。服装は軍装で、服務中は基本的に背嚢を背負わず、携帯天幕、飯盒、携帯器具、手旗、水筒、雑嚢なども適宜省略できる。また、各隊それぞれの規定もある。風紀衛兵司令、営舎係、歩哨係、歩哨、喇叭手からなり、通常の哨所は軍旗、営門、営倉、弾薬庫である。風紀衛兵司令は下士官、営舎係と歩哨係はそれぞれ上等兵を充てるが、人員が少ない時は営舎係と歩哨係の兼務が可能。哨所には兵３名を配置して単哨とするが、連隊長が必要に応じて兵や哨所の数を増やしたり、複哨や分哨とすることができる。服務は軍隊内務書の規定及び衛戌衛兵の服務に準じる。連隊長の許可で仮眠を取ることができ、枕、毛布、蚊帳を使用できる。風紀衛兵は連隊長の指定する書籍（通常は連隊内務規定に提示）以外は閲読してはならない。兵器の使用は衛戌衛兵に準じる。衛兵所には必要な場合に限り弾薬を備え付ける。また、やむを得ない場合に限り、弾薬を封鎖した上で一時的に風紀衛兵司令の監視に託すことができる。帰営遅刻者を発見したら、隊号、官等級、氏名、入門時刻を記入して週番司令に報告し、遅刻者が所属する部隊の週番下士官に通報する。参考：衛兵勤務必携

＜風紀衛兵司令＞：週番司令の命を受け衛兵を指揮し、営倉の警守、日課の諸号音の吹奏、衛兵所・哨舎・営倉・面会所と備品の清潔保存に責任を負う。週番司令から命じられた時刻と、それ以外にも時々、自ら巡察するか部下を巡察させ、歩哨の勤惰を監視すると共に、営内の取締警戒と火災予防を行う。点呼の際には衛兵を整列させ、人員検査と営倉巡視を行い、異常の有無を週番司令に報告する。傷病者が出たら、週番副官に報告して所属中隊に交代者を請求する。火災が発生したら、直ちに衛兵を整列させ、週番司令に急報して指示を受け、消防中隊、週番士官、週番副官、発火場所に近い中隊に通報する。必要なら営倉入りの者を移送し、監視者を付けるなど必要な措置を執る。営門を閉鎖するか歩哨を複哨とし、巡察を絶やさず外来人の侵入と盗難を防ぎ、特に機密図書の散逸に注意する。民間消防員が駆け付けたら、週番司令の指示を仰ぐ。軍旗、御真影、勅諭に延焼の恐れがあり、上官の指示を受けている暇が無い時は、歩哨や付近の者により安全な場所に移し、警護する。厩付近で火災が起きたら、機関銃隊か最寄りの中隊に急報し、馬を営門外に出さないよう努める。参考：衛兵勤務必携

＜プーキン・ドッグス＞：VF-143（戦闘飛行隊）またはVFA-143（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ブーク＞：9K37（地対空ミサイルシステム）または9M38（地対空ミサイル）を参照。

＜ブークＭ１＞：9M38-M1（地対空ミサイル）を参照。

＜ブークＭ２＞：9M38-M2（地対空ミサイル）を参照。

＜ブークＭ３＞：9M38-M3（地対空ミサイル）を参照。

＜フーグー＞：フランス海軍ラドロア級駆逐艦Dougueux。1930年竣工。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ブークリエ＞：フランス海軍ラ・メルポメーヌ級水雷艇Bouclier。1938年竣工。1950年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜プーケット＞：333（哨戒艇）を参照。

＜ブーゲンビル＞：A622（哨戒艦）またはCVE-100（護衛空母）またはLHA-8（揚陸艦）を参照。

＜ブーゲンビル＞：フランス海軍ブーゲンビル級植民地通報艦Bougainville。第２次大戦ではフランス政府軍に参加した。1940年11月9日、アフリカのガボンを攻撃した自由フランス軍所属の姉妹艦、サヴォルナン・ド・ブラザと交戦し、沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ブーゲンビル＞：フランス海軍ブーゲンビル級輸送支援艦。参考：月刊丸12,’90

＜ブーゲンビル級＞：フランス海軍植民地通報艦Bougainville級。植民地権益を防衛するために保有していた通報艦（アヴィゾ。スループに相当する）が老朽化したため、ワシントン条約制限外の大きさで建造したものである。1927-38年度計画で10隻の建造が承認され、ブーゲンビル、リゴー・ド・ジュヌイリーなど７隻（８隻？）が就役した。全長103.7m、幅12.7m、吃水4.5m、基準排水量1969トン。主機はディーゼル２基２軸3200馬力、速力15.5ノット（実際には17ノット）。兵装は13.8cm単装砲３門、20mm機関砲、40mm機関砲、機雷投下軌条（機雷50個）など。水上偵察機１機を搭載可能。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船5,’12

＜ブーゲンビル級＞：フランス海軍輸送支援艦。主任務はムルロア環礁にある核実験場（南太平洋DIRCEN核実験センター）への物資輸送で、LCUやLCMを搭載しており、AS332ヘリ２機を運用できる。有事には兵員500名や戦車６両、物資1000トンを搭載する。排水量4870トン。ブーゲンビルが就役した。参考：月刊丸12,’90、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブーゲンビル島沖海戦＞：太平洋戦争時の昭和18年10月27日、アメリカ軍がブーゲンビル島南のモノ島に上陸を開始。ここはラバウルに２時間で到達できる距離であり、戦闘機基地を建設されるとラバウルが防衛できなくなるので、10月28日に連合艦隊司令部はアメリカ軍を撃退するための「ろ号作戦」を発動した。10月31日、ブーゲンビル島タロキナを目指し航行中のアメリカ軍上陸部隊を日本軍が発見。第５戦隊（重巡妙高、羽黒）、第１警戒隊（軽巡川内、駆逐艦時雨、五月雨、白露）、第２警戒隊（軽巡阿賀野、駆逐艦長波、初風、若月）、輸送隊（天霧、文月、卯月、夕凪、水無月。陸軍930名搭乗）がラバウルを出撃した。11月1日、タロキナにアメリカ軍が上陸。瑞鶴の偵察機が巡洋艦８隻、駆逐艦17隻、その他艦船20隻、上陸兵力10000名と伝えてきた。これに対し、第５戦隊以下で輸送隊搭乗陸軍将兵による逆上陸を試みたが、敵索敵機の爆撃で羽黒が損傷、更にアメリカ海軍第39任務部隊（軽巡モントペリア、クリーブランド、コロンビア、デンバー、駆逐艦チャールス・オズバーン、ダイスン、クラクストン、スペンス、サッチャー、コンヴァース、フート、スタンリー）と遭遇したため、輸送隊を北に反転避退させ、第５戦隊と第１・第２警戒隊で第39任務部隊へと向かった。日付が11月2日に変わる頃、第５戦隊と第１・第２警戒隊がアメリカ海軍第39任務部隊と交戦を開始。これがブーゲンビル島沖海戦（アメリカ軍呼称はエンプレス・オーガスタ湾海戦）で、アメリカ側は日本海軍側より18分先に相手を見付けると、アメリカ第３海兵師団が搭乗する輸送船４隻を退避させ、タロキナ湾口を軽巡４隻で閉塞、砲撃で日本艦隊を沖合に釘付けにし、その間に駆逐艦を２群に分けて側面に回り込ませ、包囲撃滅する作戦を立てた。アメリカ艦隊は夜間にも関わらず30kmの距離でレーダーにより日本艦隊を捉え、作戦通りの行動を展開、川内を軽巡４隻の集中砲雷撃で撃沈し、白露の艦尾に至近弾を浴びせて操舵不能に陥らせた。白露はそのまま五月雨に突っ込んでしまい、五月雨も損傷している。0245、日本艦隊は状況を把握するため照明弾を発射したが、初風が艦位を見失って本体前方に飛び出してしまい、妙高と衝突して艦首を切断され（妙高は小破）、隊列から取り残された。羽黒がカバーに入ってアメリカ巡洋艦の砲撃６発を被弾したがさほどの被害は無く、妙高と共に反撃を開始、デンバーに３発を命中させた。更にフートが雷撃、スペンスが衝突で損傷を受けたため、アメリカ艦隊は北へと退避しながら初風を砲撃で撃沈。日本艦隊もラバウルへと引き返し、1410までに帰港した。アメリカ第３海兵師団を乗せた輸送船４隻は戦闘終了後すぐ呼び戻され、夕方にタロキナ岬オーガスタ湾に上陸している。参考：日本海軍艦隊総覧、激闘太平洋戦記、太平洋海戦史、連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ブーゲンビル島沖航空戦＞：太平洋戦争ろ号作戦の航空戦。昭和18年11月4日、ブーゲンビル島タロキナに上陸したアメリカ軍を迎撃するため、第５戦隊の遊撃部隊がラバウルに進出した。これをアメリカ軍の索敵機が発見し、上陸作戦後に燃料補給のため後退していた第38任務部隊空母サラトガ及びプリンストンがラバウルへと引き返し、11月5日午前に艦上機97機でラバウルを空襲。ラバウル湾口付近で重巡愛宕、高雄、摩耶、最上、筑摩、軽巡阿賀野、能代、駆逐艦藤波、若月が損傷してトラック環礁に引き返すことを余儀無くされた。これに対し、ラバウルの航空隊は索敵機を飛ばして空母部隊を発見し、第１航空戦隊飛行機隊の艦上攻撃機14機が1515に発進。以降も11月8日、10-11日と３次にわたって攻撃を加えたが、軽巡洋艦バーミンガムと輸送艦フラー、プレジデント・ジャクソンに損傷を与えたのみだった。最終的に12月3日まで６次の航空戦を行ったが、日本の攻撃隊はレーダー誘導による迎撃とVT信管により第１航空戦隊の173機中121機が失われ、飛行隊長・分隊長も半数以上が戦死し、対アメリカ海軍機動部隊用の航空戦力が壊滅してしまった。この時、戦果誤認も多発し、大本営発表では空母２隻、戦艦４隻、巡洋艦７隻、駆逐艦３隻、輸送艦４隻を撃沈したことになっていた。誤認に気付いたのは戦後のことで、アメリカ軍の記録を見て唖然としたという。戦後の回想録では大本営が誤認に気付いて以降の連合艦隊の戦果を半分から３分の１程度に見積もったという記述もあるが、台湾沖航空戦を見る限り、そういった動きは実際には無かったようである。参考：歴史群像8,’15、激闘太平洋戦記、月刊軍事研究7,’95、太平洋海戦史

　＜第１次ブーゲンビル島沖航空戦＞：11月5日の戦闘で、早朝にアメリカ艦上機が支援の艦隊を爆撃したのを受け、空母瑞鶴が薄暮攻撃を仕掛けるべく艦上偵察機を出撃させ、ラバウル南東260海里・タロキナ沖40海里で空母２隻、防空巡洋艦２隻、駆逐艦10隻からなる機動部隊を発見したため、瑞鶴の分隊長が指揮する艦上攻撃機14機による雷撃を行った。日本海軍側は大型空母１隻・中型空母１隻（サラトガとプリンストン）、巡洋艦２隻、駆逐艦２隻の撃沈を報じたが、実際には艦攻部隊がトリジャリーへと補給に向かう魚雷艇、上陸用舟艇、戦車揚陸艇を機動部隊と誤認しており、戦果はLCTなど３隻のみだった。艦攻隊は指揮官機含む４機を失っている。参考：日本海軍艦隊総覧、歴史群像8,’15、第２次大戦日本海軍作戦年誌

　＜第２次ブーゲンビル島沖航空戦＞：11月8日の戦闘。タロキナ沖で輸送船団16隻を発見したため、瑞鶴飛行隊の零戦10機と九九式艦爆10機、翔鶴飛行隊の零戦15機と九九式艦爆16機、瑞鳳飛行隊の零戦15機、基地航空隊零戦31機が0800にラバウルを出撃し、1000から攻撃を開始して輸送船２隻に火災を発生させて損傷させたが、VF-17所属F4U戦闘機、VF-33所属F6F戦闘機、VMF-212所属F4U戦闘機、第13航空軍第339戦闘飛行隊P-38戦闘機、第44・第70戦闘飛行隊P-40戦闘機計28機の迎撃と対空砲火を浴びて零戦５機と九九式艦爆10機を失った。アメリカ側の損害はF4U戦闘機１機、F6F戦闘機２機、P-38戦闘機１機、P-40戦闘機２機だった。その後ムッピナ岬西50海里に戦艦部隊発見の報があり、翔鶴艦攻９機、第751航空隊陸攻12機、第702航空隊陸攻６機によりモノ島付近のアメリカ艦隊を攻撃したが、実際には軽巡部隊で、軽巡洋艦バーミンガム（魚雷２本、爆弾１発）、上陸作戦輸送艦フラー、プレジデント・ジャクソンを雷爆撃で損傷させた。艦攻４機と陸攻５機を失っている。日本海軍側は戦艦３隻撃沈、巡洋艦・駆逐艦１隻ずつ撃破を報じた。この後、11月10日午後に瑞鶴の艦攻17機がモノ島北西20海里の輸送船団に対する薄暮攻撃に向かったが目標を発見できず、代わりにタロキナ沖で見付けたアメリカ艦艇を雷撃、指揮官機以下４機が未帰還となった。日本海軍では駆逐艦などを撃沈したとしているが、アメリカ側に被害の報告は無い。参考：歴史群像8,’15、日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌、太平洋海戦史、月刊航空ファン11,’17

＜第３次ブーゲンビル島沖航空戦＞：11月11日に行われた戦闘。アメリカ側は11月5日のラバウル空襲直後に空母の増援を得て第２次空襲を行う予定だったが、護衛艦が揃わなかったため、この日にずれこんだ。増援のアメリカ機動部隊は第50.3任務部隊（CV-3サラトガ、CV-9エセックス、CV-17バンカー・ヒル、軽空母２隻）で、11月11日午前にラバウルの索敵機がこのうち３隻を発見。1000に基地航空隊（零戦32機、彗星４機）、瑞鶴飛行隊（零戦９機、艦爆７機、艦攻５機）、翔鶴飛行隊（零戦15機、艦爆16機、艦攻５機）、瑞鳳飛行隊（零戦９機、艦攻４機）、艦偵２機がラバウルから出撃したが、基地航空隊零戦は攻撃隊に会同できず引き返し、戦果も空母への至近弾のみで、零戦２機、艦攻14機、艦爆17機、彗星２機、艦偵２機の計35機が未帰還という大損害を被った。逆に機動部隊艦上機239機（艦上機70機＋P-38戦闘機・B-24爆撃機70機？）が２波に分かれラバウルに来襲し、第１航空戦隊零戦39機と第201・第204航空隊零戦68機が迎撃したが、停泊中の艦船が空襲を受け、涼波が被雷沈没、阿賀野と長波が被爆大破、夕張が機銃掃射で小破、浦風と若月が軽微損傷する損害を受けた。何とか帰り着いた艦爆隊の報告で、空母１隻炎上、巡洋艦または駆逐艦１隻撃沈、巡洋艦または駆逐艦３隻炎上と判断されたため、日本海軍航空部隊は夜間攻撃を実施。第751航空隊陸攻６機、第702航空隊陸攻５機、第582航空隊艦攻６機、第１航空戦隊艦攻４機が魚雷を積んで出撃したが、天候不順で第702航空隊陸攻５機のみの攻撃となった。日本海軍側はノースカロライナ型戦艦１隻の艦尾付近に魚雷１本命中、大型巡洋艦１隻火災、駆逐艦１隻沈没確実の戦果を報じたが、実際には戦果は無かった。第１航空戦隊の航空戦力はろ号作戦開始前の173機から零戦39機、艦爆７機、艦攻６機の計52機にまで減少し、飛行隊長・分隊長18名のうち10名が戦死したため、11月13日にろ号作戦を中止して艦上機部隊を引き揚げざるを得なくなった。アメリカ側もギルバート攻略を控えて機動部隊を引っ込めたため、ラバウルへの再攻撃は行われなかった。参考：歴史群像8,’15、日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌、ラバウル航空戦、月刊世界の艦船6,’12、太平洋海戦史、月刊航空ファン11,’17

＜第４次ブーゲンビル島沖航空戦＞：11月13日に行われた戦闘で、空母発見の誤報に基づき基地航空隊陸攻11機が出撃。タロキナ岬付近のアメリカ軍艦船を攻撃し、軽巡デンヴァーを雷撃して損傷させた。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’15

＜第５次ブーゲンビル島沖航空戦＞：11月17日に行われた戦闘で、基地航空隊陸攻３機と艦攻５機がタロキナ岬の輸送船団を攻撃し、上陸用高速輸送艦マキーンを雷撃により撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、太平洋海戦史

＜第６次ブーゲンビル島沖航空戦＞：12月3日に行われた戦闘で、基地航空隊の陸攻４機、艦攻11機、艦爆15機がブーゲンビル島西の機動部隊攻撃に出撃したが、10機が未帰還となった。夜間攻撃では第582航空隊に編入された第531航空隊所属天山艦攻６機が九一式航空魚雷改三強を搭載して出撃し、天山の初陣を飾っている。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、太平洋海戦史月刊丸3,'18別冊

＜ブーゲンビル島上陸作戦＞：太平洋戦争において、昭和17年8月のガダルカナル島上陸以降、中部ソロモンのニュージョージア島、コロンバンガラ島を制圧したアメリカ軍は、次にブーゲンビル島を攻略して飛行場を建設し、ラバウルをP-38の行動範囲内に収めることとした。参加部隊指揮官は第１海兵軍団長アレキサンダー・バンデクリフト中将で、第３海兵師団と陸軍第37師団を隷下に置く。海兵師団はガダルカナル島上陸作戦以来の水陸両用戦参加で、M1ガーランド、BAR、61mm迫撃砲M2などに装備を更新し、戦車も１個戦車大隊隷下３個中隊のうち１個にM4中戦車を配備した。ブーゲンビル島の南にあるショートランド島には日本軍の泊地があり、対岸のブインにも海軍第１根拠地隊が配置されていたため、ここを避けて西岸中央部のタロキナに上陸することになった。日本軍のソロモン防衛担当は第８方面軍第17軍で、ブーゲンビル島には南部に第６師団、北東部に第17師団の一部が配置されていた。アメリカ軍の攻勢に対応するため、昭和18年7月に南海第４守備隊が水上機母艦日進（八九式中戦車22両搭載）や輸送船数隻と共にトラックを出港してブーゲンビル島に向かったが、7月22日に日進が空襲を受けて沈没してしまい、第１戦車中隊の八九式中戦車10両のみが南海第４守備隊主力と共にブーゲンビル島に到着し、9月にショートランド島に配備された。タロキナは司令部から離れていたため補給が困難で、四一式山砲１門を有する歩兵１個中隊200名のみ展開させていたが、10月31日に撤収命令が出された。その翌日の11月1日、第３海兵師団がタロキナ岬に上陸を開始。日本軍は四一式山砲で86発を撃ち込むなどして反撃したが、多勢に無勢、海兵隊員7500名が海岸堡を構築した。日本軍はろ号作戦航空兵力をこちらに振り向け、ブーゲンビル島沖海戦及びブーゲンビル島沖航空戦が勃発。11月7日にラバウルの第17師団１個大隊1000名を駆逐艦で逆上陸させると同時に、第６師団第23連隊が反撃をかけたが、失敗に終わった。11月13日、第23連隊が再度阻止戦闘を実施。翌日にはM4中戦車２両を速射砲で破壊するなどして第３海兵師団の前進を阻止した。11月下旬、アメリカ軍は陸軍第37師団を投入。日本軍は第６師団の他に第17軍直轄砲兵を大発や運砲筒で集結させ、昭和19年3月8日に第２次タロキナ総攻撃を行うこととした。昭和19年3月8日未明、第６師団の九四式山砲12門と、第17軍直轄砲兵の九六式十五糎榴弾砲２門、九一式十糎榴弾砲２門が攻撃準備射撃を開始。しかし肝心の弾薬が１門あたり75mm砲弾100-120発、10cm砲弾40発、15cm砲弾20発しかなく、十分な打撃を与えられなかった。第６師団は３方向からアメリカ軍に包囲攻撃をかけたが、アメリカ軍の105mm榴弾砲、155mm榴弾砲２個中隊、90mm高射砲８個中隊の阻止砲火と、M3軽戦車などによる反撃で3月12日には攻勢が頓挫。3月15日にはアメリカ軍が軍団予備のM4中戦車を投入して逆襲に出た。日本兵はタテ器／タ弾と九三式対戦車地雷による肉弾攻撃で対抗したが、タ弾は威力不足で効果が無く、地雷も柔らかすぎる地面に沈み信管が作動せず、蹂躙されてしまった。3月25日、第６師団は総攻撃を中止して持久戦に移行。アメリカ軍もそれ以上の追撃は行わず、他の島の制圧に移り、敵中に孤立した第６師団は終戦まで飢餓に苦しめられることとなった。参考：月刊PANZER11,’86

＜風向標識＞：第２次大戦中の空母にみられた標識で、中心から吹き出した蒸気の流れを見て風向きを判定する。参考：月刊JWings2,’00

＜封鎖機雷原＞：機雷原を参照。

＜封鎖突破船＞：第２次大戦時にドイツが日本や南米との戦略物資輸送のため使用した船舶、ブロッカーデ・ブレッヒャー。日本海軍では日本行きの船に柳船、ドイツ行きの船に逆柳船というコード名を付けている。海軍特殊補給部の監督下に置かれており、船長や船員は民間人だが、指揮は海軍士官が執るため、軍艦扱いになっていた。１万トン前後の貨物船やタンカーが中心で、中立国船舶を装って封鎖線を突破する。1941年4月から1942年5月までにアジアからドイツに向かった16隻のうち、12隻がドイツに到着して物資75000トンを輸送した。しかしイギリスがエニグマ暗号を解読して封鎖突破船の行動が読めるようになると被害が激増し、1942年8月から1943年4月までにドイツに向かった15隻のうち、ドイツに付いたのは４隻30000トンであった。1943年11月からはイギリスがアゾレス諸島を拠点として石垣作戦を展開、以降に出発した５隻のうちドイツに到着したのは１隻のみであった。日本から出られなくなった封鎖突破船は日本政府が物資輸送に使用したが、アメリカのシーレーン攻撃で多数が撃沈されている。参考：月刊丸11,’09

＜封鎖突破船章＞：Abzeichen fur Blockadebrecher。ヒトラーが1941年6月1日に制定した勲章で、連合軍の封鎖を突破してドイツやドイツの支配下にある港湾に入港した商船または敵の拿捕を免れた商船の乗員に授与される。舳先に鷲の付いた商船を鎖で囲んだデザインとなっている。参考：グラフィックアクション44

＜フーシ＞：イエメンのイスラム教シーア派武装組織。イランやヒズボラの支援を受けている。2013年、シリア内戦に参加。2015年、イエメンに政権を樹立した。2017年1月30日、サウジアラビア海軍フリゲートのアル・マディナをシャーク33無人自爆艇３隻で攻撃した。2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃に同調・それに対するイスラエル軍ガザ侵攻に反発し、イスラエルへの攻撃を開始した。紅海に展開するアメリカ機動部隊にも対艦弾道ミサイル（射程300-450kmくらい）を撃ち込んだが、イージスBMDに完封されてしまい、民間船攻撃・拿捕に切り替えている。参考：月刊JWings1,’24、3,’24、月刊世界の艦船4,’24、月刊軍事研究3,’19、朝雲

＜封じ込め政策＞：Containment。アメリカが共産主義に直面する自由諸国と軍事同盟を結び、それと対抗するという政策。トルーマン・ドクトリンを理論づけたものである。アメリカ国務省政策企画本部長ジョージ・Ｆ・ケナンが1947年7月にペンネームで発表した。ソ連に対しては、北でカナダ、東で日本、南でイラン・トルコ、西で西欧という包囲網を敷いたが、1979年のイラン革命で南面が崩れ、同年にはアフガニスタン侵攻が起こり、ソ連が中東方面に進出する恐れが出てきたため、1980年のイラン・イラク戦争ではイラク側を支援した。参考：戦争がやってくる、月刊軍事研究6,’09

＜風車状態＞：ウインドミル状態を参照。

＜風車発電機＞：飛行中の空気流によって風車が回転し、これにより発電を行うもの。全数検査が可能で、温度の影響を受けず、安価である。発射衝撃で壊れる恐れがあり、激しい旋転を行うものには向かない。空気抵抗で射程が減るという欠点がある。翼安定弾の信管用電源として使用される。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ブージャム＞：MX-775B（計画巡航ミサイル）を参照。

＜フーシュン級＞：撫順級（掃海艇）を参照。

＜風信儀２型＞：海上自衛隊の護衛艦搭載用風向風速観測機。マストの両舷に風向風速発信器が装備されており、観測された信号は処理装置に送られ、艦速度・針路による修正を行い、航行中でも対地真風速／風向を表示できる。艦橋などに設置した受信機による遠隔指示も可能。全幅680mm、全高710mm。最大指示風速毎秒60m。参考：MAMOR vol.90、自衛隊装備年鑑1996

＜風信儀２型Ｃ＞：自衛隊の機器。光進電気工業製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜フージン級＞：中国海軍のミサイル哨戒艇。マスト頂部に敵艦索敵用のスケア・タイ・レーダー（のコピー）を装備する。兵装は鷹撃１型／C801対艦ミサイル連装発射機（艦尾両舷）、37mm連装機関砲２基、14.5mm連装対空機銃。1991年から建造が開始された。参考：月刊軍事研究2,’98

＜ブース＞：DE-170（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブーズ・アレン・ハミルトン社＞：Booz Allen Hamilton社。1914年に設立されたコンサルタント会社で、1940年にアメリカ陸海軍から軍備の運用や終戦後の復興などに関するコンサルタント業務を受注し、アメリカ国防総省や情報機関との関係が始まった。CIA、NSAなどからも受注しており、共産組織や海外地元有力者などの調査も行っていて、影の情報機関とも呼ばれる。FBCB2戦術インターネットのコンセプトを開発したのもこの会社である。2008年7月31日、政府担当部門をカーライルグループに売却し、残りは一般企業向けコンサルタント会社のブーズ＆カンパニーに改称したが、ブーズ・アレン・ハミルトンの社名は政府担当部門の方が引き継いで活動を続けている。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ブースター（核分裂）＞：ブースト型核分裂兵器のピットに注入して威力を増すための核融合燃料のことで、重水素、三重水素、重水素化リチウムなどを使用する。核分裂時のエネルギーで小規模な核融合を起こし、大量の中性子を放出することで核分裂反応を促進する。参考：核兵器事典、月刊軍事研究5,’13

＜ブースター・フェーズ＞：弾道ミサイルの加速・上昇段階。時間にして2-5分、最終速度は秒速3-5km。ICBMの場合、到達高度は200-300km。最も攻撃しやすく、推進剤を満載しているので破壊もしやすいが、弾道ミサイルは敵国の内部で発射されるので、射程が長い兵器でないと届かない。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊JWings12,’03、月刊軍事研究10,’03、7,’08

＜ブースター・ロケット＞：飛翔体を短時間で所定の速度に加速するためのロケットで、短時間に一気に燃焼して大推力を出す。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ブースト圧＞：Boost pressure。レシプロエンジンの吸気圧力をスーパーチャージャーによって高めた時の、標準大気圧力760mmHgを超えた分の圧力のこと。航空機用エンジンでは単位をインチ水銀柱（inHg）で表示するので、吸気圧力から標準大気圧力29.92inHgを引いた値がブースト圧になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ブースト型核分裂兵器＞：Boosted Fisson Weapon。ブースターにより威力を増強させるタイプの原爆である。原爆の核分裂装置外部にブースター（気体の重水素と三重水素）を収容した高圧タンクを配置し、ピット内部への注入装置を取り付けてある。爆縮直前にピット内部の中空部分に少量の重水素と三重水素が注入され、両者が核融合してヘリウム４と14.1MeVのエネルギーを持つ高速中性子を発生する。この高速中性子が核分裂を促進し、更に外殻などに使用されているウラン238をも核分裂させ、威力を増大する。注入する重水素・三重水素の量を調節する機構を組み込んで威力可変式とすることも可能。半減期の短い三重水素は定期的に補充が必要だが、高圧タンクは装置外に置かれているので、補充や交換が容易である。重水素化リチウムを使えば定期的な補充が不要だが、威力可変式にできないので不便。参考：月刊軍事研究5,’13、3,’16

＜ブースト計＞：吸入圧力計、吸気圧力計（Manifold pressure gauge）ともいう。動力計の１つで、シリンダーに供給される混合気の圧力（吸気圧力）を示す。航空機では飛行高度によって大気圧が変化するので、大気圧を基準とするゲージ圧力ではなく、絶対真空を基準とする絶対圧力で表す。混合気は大気圧とシリンダー内の負圧の差で吸い込まれていくので、スロー運転では混合気量が少なく負圧が大きいままとなり、フルスロットルでは混合気が目一杯供給されるので大気圧とシリンダー内の圧力差がゼロになる。スーパーチャージャーが付いていると、ブースト圧がかかって正圧になり、混合気がシリンダー内に押し込まれる状態になる。参考：丸メカニック別冊１、航空用語事典増補改訂版

＜ブースト計（日本海軍）＞：大気圧に対してマイナスの範囲は黒、プラスの範囲は赤で表示されており、目盛りは10mmHg刻み（目盛り10がマイナスまたはプラス100mmHgを示す）である。スロットルを開いていくと、混合気圧が大気圧に近くなり、針がゼロに近づいていく。普通のエンジンでは黒ブースト０で最大出力となるが、過給器が付いている場合、大気圧以上に混合気を押し込むことができ、赤ブースト側に目盛りが振れる。参考：丸メカニック別冊１

＜ブースト制御＞：Boost control。スーパーチャージャー付きレシプロエンジンを積んだ航空機が上昇する際、高度の増加に伴って吸気圧力が低下するので、これを補正すべく気化器のスロットルを開いて吸気圧力を一定に保つこと。自動的に制御してくれる装置もある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜プーゼマンの後退翼理論＞：後退角Ｘ度の主翼において音の壁が発生する速度（空気の圧縮性による抵抗急増速度）は、直線翼機のそれをコサインＸ度で割ったものになる、という理論。風洞実験ではコサインＸ^2/3で割ったものになることが判明している。参考：世界の傑作機No.120

＜風船爆弾攻撃＞：太平洋戦争時に日本本土奇襲攻撃に対する反撃として日本軍が考案・実行した作戦。風船爆弾自体は、満州事変の際にウラジオストクを攻撃するため、射程100kmのものが開発されていた。日本上空10000mには10-3月にかけて風速50-70mの偏西風が吹いており、日本本土北部から気球を放ってこの気流に乗せれば30-100時間（平均60時間）でアメリカに到達することが判明したため、これを利用したものである。中央気象台と東京大学気象研究者からアイディアが出され、陸軍では和紙をこんにゃく糊でかためて直径10mの気球を造り、水素ガスを充填して放出、上空では気圧信管と高度保持装置により排気弁とバラスト（砂袋）を調節して自動的に高度を維持し、15kg爆弾１発と5kg焼夷弾２発を搭載することとした。海軍は絹布羽二重２枚をゴム糊で貼り合わせた直径6mのものを開発したが、陸軍のものが採用され、ふ号兵器の秘匿名で日本劇場、宝塚劇場、国技館、国際劇場、有楽座などの娯楽施設で女子挺身隊員により製作された。昭和18年4月、高度維持装置のテストを実施。直径6mの気球を高度10000mに33時間滞空させることに成功した。8月に兵器行政本部から第９研究所に正式な研究命令が出され、11月に試作気球が完成。昭和19年2-3月のテストで千葉県一宮海岸から2000個の級を放った結果に基づいてバラスト投下装置を改良し、滞空時間30時間以上を達成できるようになった。中央気象台では太平洋上の高層気流を研究し、地上の月平均気圧や気温などに基づいて上空10-12kmの月平均気圧を推算した。成層圏の隷下50度の気温と低圧に耐えられる気球の設計に苦労しつつ、気球本体75-80kg、高度保持装置25kg、バラスト64kg、投下弾35kgという重量配分にし、5月に１万個の製作命令が出された。試作時には気球の表面紙に埼玉県小川町の手すき和紙を使ったが、とても間に合わないので全国から和紙職人を動員。千葉に本部と３個大隊からなる気球連隊が創設され、千葉県一宮、茨城県大津、福島県勿来海岸地帯に１個大隊ずつが配備された。一宮の放出施設は研究施設をそのまま使用したが、風で気球が揺れるので高さ20mの防風壁を設置している。他の２施設は海岸沿いの山間に設置して風を防いだ。生物兵器を搭載してアメリカに撒布する案も出されたが、報復を恐れて東條英機参謀総長が7月の離任の際に厳禁の方針を伝え、11月上旬に攻撃開始を天皇に奏上した際も、天皇、小磯首相、杉山陸軍大臣が生物兵器不使用を決議している。11月7日から放出が開始され、11月に700個、12月に1200個、昭和20年1月に2000個が放たれた。2月19日にB-29の爆撃で風船爆弾用水素ガス製造施設が破壊されたため、水素発生装置がある茨城県大津から放出されるようになり、2月中に2500個、3月に2000個、4月に400個が放たれたところで川崎市の昭和電工の水素製造施設が空襲で壊滅したため作戦を中止、残った700個は焼却処分とされた。アメリカには900-1000個が到達したとみられ、目撃、爆発、山火事、不発弾捕獲件数は287件（完全な形で地上に落ちたもの200個、上空爆発100個、破片確認75個）で、爆弾による混乱が28回、それに準ずる事態が85回、山火事が３回生じた。昭和20年5月5日には、オレゴン州の森林公園にピクニックに来ていた家族が風船爆弾に触れたため爆発が起き、12-13歳の子供５人を含む６人が死亡した。現在ここには「この地は第２次大戦の最中、アメリカ大陸で敵の攻撃のため死者を生じた唯一の場所である」と刻まれた碑が建っている。アメリカでは西海岸山岳地帯で原因不明の山火事が発生していて、付近に漢字の書かれた気球の破片が落ちていたことから、昭和19年11月20日に高層気象の専門家である工学博士のジョン・Ｊ・サリバン博士を中心とする調査チームを現地に派遣し、４日間の調査で完全な気球を含む多数の資料を採取、11月末に日本が紙製の大型気球を飛ばしていると中間報告を出した。一部はアメリカ中部のネブラスカ州、アイオワ州、イリノイ州にまで飛んできており、化学兵器や細菌兵器が搭載されていれば大事になるため、パニックを恐れたアメリカ政府は報道管制を敷き、飛行機による空襲対策を装ってアメリカ本土防衛軍に防火隊や防毒隊を組織させた。また、バラストの砂を培養して生物兵器の有無を確かめた。アメリカ国民に存在が公表されたのは昭和20年2月中旬で、連邦検察局が発表している。その内容は、2月11日にモンタナ州カリスペル付近の山地に日本語の記入された巨大気球が落下しており、気球は迷彩塗装の良質な紙製で、直径33フィート（1.01m）、容積18000立方フィート（509.7立方メートル）、搭載能力800ポンド（362.9kg）であり、周囲にアルミニウムと酸化物からなる６インチ（0.15m）爆弾が装着されていて、自動的に気球を爆破するためと思われ、気象観測用ではなく他のことを目的とした気球であるというものだった。解析の結果、高度維持装置や紙質に改良が加えられていることが判明し、細菌の繁殖しやすい時期に生物弾（植物の病気を媒介する病原体を撒かれると広大な農地が壊滅する）を使うのではと警戒したが、結局4月下旬以降は全く飛来しなくなり、杞憂に終わった。戦後、昭和20年9月15日にサリバン博士らの調査チームが来日し、偏西風を利用した気球爆弾であることを確認した。参考：丸エキストラ版No.71、激闘太平洋戦記、戦時用語の基礎知識、月刊丸5,’07、歴史群像10,’10、日本海軍の爆弾、軍医サンよもやま物語

＜フーチョアン級＞：滬川級（魚雷艇）を参照。

＜フーチョウ＞：137（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜フーチョン＞：775（コルベット）を参照。

＜フーチン級＞：福清級（補給艦）を参照。

＜プーティエン＞：523（フリゲート）を参照。

＜フーティ型＞：312型（無人掃海艇）を参照。

＜フート＞：DD-511（駆逐艦）またはシクヴァル海外シリーズ（魚雷）を参照。

＜ブート＞：Tu-91（試作艦攻）を参照。

＜フート・アウル＞：RVAH-9（偵察攻撃飛行隊）を参照。

＜風洞＞：Wind tonnel。物体と気流との相互作用を調べるための実験装置で、プロペラなどにより一様な人工気流を作り出し、測定部に置いた物体に吹き付ける構造になっている。物体を保持する方式として、ピアノ線で吊り下げるワイヤー・サスペンション方式、下から支柱で支えるストラット方式（カット模型を風路壁に貼り付ける方式もある）、後ろから支柱で支えるスティング方式がある。本格的な風洞は1909年にドイツとフランスで製作された。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜ＮＰＬ型風洞＞：NPL type。ほぼ筒型をしたタイプで、後端にプロペラがあり、ここから空気を排出することで内部を陰圧にし、前方の吸込み口から空気を取り入れ、筒中央の測定部に置いた模型にぶつける。吸込み口から測定部までは同じ断面形状をしていて、測定部より後方ではだんだん広がる構造をとる。構造は単純だが、気流が風路壁の影響を受けやすい、測定部の流れを一様にするのが難しい、模型セット時に吸込み口から入っていかないといけないので面倒といった欠点があり、あまり使われない。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜エッフェル型風洞＞：Eiffel type。ラッパ状に広がった吸込み口から空気を吸入し、流路を狭くしていくことで気流を加速、測定部に吹き付け、だんだん広がっていく拡散筒に気流を流して減速するタイプで、最終的に拡散筒後端のプロペラにより外に排出される。殆どが開放路風洞で、構造が比較的単純なため建造費用が安い。測定部の圧力が大気圧より低くなる（陰圧で外の空気を吸い込む）ので、測定部は気密式の別構造にする必要があるが、測定部に直接入れるようにしておけば模型のセットは楽。プロペラにより加速した空気をそのまま外に捨てる方式なので、効率は悪い。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜開放路風洞＞：Open-circuit wind tunnel。測定部を通り抜けた気流がそのまま外に吹き抜けていくタイプ。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜錐揉み風洞＞：垂直風洞を参照。

　＜ゲッチンゲン型風洞＞：Göttingen type。閉回路風洞の１つで、気流のエネルギーが失われやすい所では風路断面積を大きくして風速を遅くし、吹き出し口の所で断面積を小さくして加速することにより、効率を上げている。測定部が開放されている開放型と、固定壁で覆った閉鎖型がある。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜煙風洞＞：Smoke tunnel。煙により空気流を可視化するタイプ。煙にはケロシンの加熱蒸気を使い、模型の前に櫛状ノズルを置いて煙を出し、送風することで煙の流線を観測する。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜高圧風洞＞：High pressure wind tunnel。空気を圧縮して密度を増やすことによりレイノルズ数を大きくし、寸法効果の影響を減らしたタイプ。3-20気圧くらいに加圧する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜極超音速風洞＞：Hyper sonic wind tunnel。風速マッハ12以上を出せる風洞のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜実物風洞＞：Full scale wind tunnel。実機を入れて測定できる風洞のこと。寸法効果を無くすことができるが、装置が大がかりすぎて装置容積も建造費もかさむので、あまり使われない。参考：航空用語事典増補改訂版

＜自由飛行風洞＞：Free flight wind tunnel。気流の角度を自由に変えられるタイプで、安定性の試験に使用される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜遷音速風洞＞：Transonic wind tunnel。風速マッハ１前後の風洞で、遷音速機の試験に使用される。風洞壁や模型から出る衝撃波、空気の圧縮や摩擦による発熱などへの対策が必要になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜垂直風洞＞：Vertical wind tunnel。錐揉み風洞（Spinning tunnel）や突風風洞（Gust tunnel）とも呼ばれる。測定部に下から上へ向かって気流を流すタイプで、主として錐揉み試験やヘリ・VTOL機の垂直飛行試験に使用される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜低速風洞＞：Low speed wind tunnel。風速毎秒60mくらいの風洞。ジェット機が一般化して航空機が高速化し、標準的な風洞も風速が高速となったため、ヘリコプターや軽飛行機のような低速機の試験を行う風洞を示す用語として登場した。主にゲッチンゲン型風洞が使われている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜超音速風洞＞：Super sonic wind tunnel。測定部風速がマッハ１を超える（マッハ1-12くらい）風洞のこと。圧縮空気タンクから空気を吹き出す方式と、真空タンクで空気を吸い込む方式、両者を併用する方式がある。数秒間から数十秒間しか超音速の流れを持続できないので、高速度カメラを使って記録する。吹き出した空気が膨張する際に温度が急激に下がり、空気中の水分が凍結して測定に悪影響を及ぼすため、空気乾燥機が要る。参考：航空用語事典増補改訂版

＜突風風洞＞：垂直風洞を参照。

＜閉回路風洞＞：Close-circuit / Closed circuit wind tunnel。測定部を通り抜けた気流が帰路を通って元に戻り、また測定部へと連続的に流れていくタイプ。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ブードゥー＞：F-101シリーズ（戦闘機）を参照。

＜風洞試験＞：Wind tunnel testing。風洞の中に精密模型または実物を置いて気流を流し、相互作用を研究する試験のこと。異なる風洞では、支持方法の違いや、風洞そのものの特性の違いなどにより、同じ模型を使っても違う結果が出る。縮小模型を使った場合、寸法効果により、風洞試験の結果と実際の状況が一致しないので注意。揚力や抗力などを調べる空気力試験、気流や境界層の状態を調べる気流試験、模型を動かして動安定性を調べる動安定微係数測定試験、圧力分布を調べる風圧分布測定試験、プロペラ推力や後流が機体に与える影響を調べるプロペラ後流試験、滑走路の模型を下に敷いて離着陸時の地面効果を調べる地面効果試験、物料投下時の影響を調べる物料投下試験、フラッターの発生状況を見るフラッター試験、衝撃波を調べるシュリーレン試験など、様々な試験を行う。航空機に限らず、自動車など各種交通機関の空気抵抗や安定性を調べたり、ビルなど大型構造物が受ける風の影響を研究したり、工場排煙やスモッグの流れを調査したり、山岳地での乱気流を調べたり、スキーのジャンプ競技でどういう姿勢を取ったら遠くまで飛べるか解明したりもする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜風洞天秤＞：Wind tunnel balance。風洞の測定部内で模型を支える支柱やピアノ線を測定器に繋ぎ、模型に働く空気力を測定できるようにしたもの。測定器は当初機械天秤を使っていたが、電気式歪計をコンピュータに接続して計測結果を自動的に算出するようになった。揚力、抗力、ピッチング・モーメントを計測できる３分力天秤や、揚力、抗力、横力、ピッチング・モーメント、ローリング・モーメント、ヨーイング・モーメントを計測できる６分力天秤がある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜フート・オウルズ＞：VAH-9（重攻撃飛行隊）を参照。

＜ブート作戦＞：イギリスMI6によるイランのモサデク政権転覆作戦で、イギリス情報機関最後の成功といわれる。イランにはイギリスのアングロ・イラニアン石油会社が操業しており、イラン政府に土地の賃貸料と税金を納めていたが、イギリスに払う税金の方が多く、イラン人労働者への賃金支払いも安いものであった。1950年、アメリカ系石油会社のアラムコがサウジアラビア政府と利益折半協定を締結。これを機にアングロ・イラニアン石油会社はイランの利益を搾取しているという反イギリス・反イラン政府勢力の糾弾が激しくなり、1951年3月7日にはアングロ・イラニアン石油会社の国有化を拒否した親英派のラマンザ首相が暗殺されたため、パーレビ国王は反英・反政府勢力である国民戦線のトップ、モサデクを首相に任命した。5月2日、イランはアングロ・イラニアン石油会社を国有化。また、共産主義を掲げるトゥーデ党がソ連の支援を受けてイラン国内での活動を活発化させており、国民戦線と共闘して共産革命に至る恐れもあったため、イギリス政府はモサデク政権の転覆を画策した。まずは外務省が軍事介入を検討し、アングロ・イラニアン石油会社の製油所があるアバダンのイギリス人を避難させ（ミジェット作戦）、イギリス海軍海兵隊がアバダンに上陸作戦を実施、７万名の兵力でイラン内陸部の前油田を制圧するというプランＹ作戦を立案した。しかし予算が足らないとしてアバダンの製油所のみを半分の兵力で占領するバッカニア作戦に変更され、実際にイギリス海軍がペルシャ湾に展開し、首相による作戦開始命令を待つのみの段階まで進行した。ただ首相は穏健派であり、アメリカの賛同も得られず、作戦を延期。1951年10月には政権交代があり、MI6による秘密工作でモサデク政権を転覆させることになった。アングロ・イラニアン石油会社の全イギリス職員がイランを脱出。これにより未熟なイラン労働者が油田や製油所の操業を行うようになったため、事故や操業停止が多発、イランの石油ビジネスが機能停止に陥って経済が崩壊し、国内が大混乱になった。これに乗じてMI6は反モサデク政権活動を活発化させ、トゥーデ党を名乗ってモスクなどを破壊するといった工作活動を行った。また、ソ連がトゥーデ党を通じて共産主義政権を樹立させたり、可能性は低いが直接侵攻したりした際に備え、クルド人など少数民族に対して武器や通信機材をイラクから密輸した。1952年半ば、MI6が転覆工作の草案を作成。7月16日、モサデク首相が国防大臣を兼任するとパーレビ国王に申し出たが、国王は拒否したため、モサデクは首相を辞任。かわりに国王は反モサデク派のカヴァームを首相に任命したが、モサデク支持派と国王による政治への介入を嫌う民衆がテヘランなどで暴動を起こしたため、カヴァーム首相は軍隊で鎮圧。市民29人が死亡し、数百人が負傷する惨事となった。これによりパーレビ国王に対する反発が更に強まったため、7月21日にカヴァームは辞任に追い込まれ、モサデクが再び首相に就任し、国防大臣も兼務、パーレビ国王が持っていた統帥権を事実上掌握した。しかしパーレビ国王の権力を制限することに反発する勢力が国民戦線内部で秘密委員会を結成、MI6も接触を図ったが、モサデクに感づかれてしまい、1952年10月にイランはイギリスとの国交を断絶した。この国交断絶情報は9月17日にMI6が掴んでおり、イラン国内のアセットに無線機を渡し、国交断絶後はイギリスの一般ビジネスマンやテヘラン在住のCIA要員を介してアセットとの接触を図ることにした。この国交断絶を受けて練り直されたモサデク政権転覆作戦がブート作戦である。まず反モサデク派ネットワークを構築してプロパガンダを実施、政権基盤を不安定にしてクーデターを発生させ、パーレビ国王を引き込んでモサデクの首相解任と新首相任命を行うこととした。また、政権転覆後の地盤固めに必要な経済支援も準備する。イギリス単独ではこれを成功させるだけの予算が無いので、CIAの支援を取り付けることにし、1952年11月下旬にCIA本部で会談を行い、トゥーデ党とモサデクの政策が一致していることから共産主義の脅威を煽ってアメリカ国務省の興味も引き、ルーズベルト大統領の孫であるCIA要員のカーミット・ルーズベルトをイギリス外務省に呼んでアメリカとの交渉への協力をとりつけ、1953年1月に大統領となったアイゼンハワーの対ソ戦略の積極転換も手伝い、1953年3月中旬にCIAとの共同作戦が決定した。4月、イラン警察長官が誘拐されて殺害されたが、これはMI6のアセットと反モサデク派による犯行とみられている。モサデクは反政府活動家の弾圧で応じ、民衆が反発して内政が更なる混乱に陥った。4月4日、CIA工作員がキプロスでMI6と合流。6月19日、CIAが本作戦をアジャックス作戦として承認、実際の作戦もCIA主導で行われた。参考：月刊軍事研究8,’11、9,’11

＜ブートストラップ・キット＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜フー・ドッグズ＞：VRC-50（艦隊兵站支援飛行隊）を参照。

＜ブートパンツァーカンプヴァーゲン�W＞：Mk�W海外シリーズ（菱形戦車）を参照。

＜フードラム＞：Ka-26（ヘリ）またはKa-126（ヘリ）またはKa-226シリーズ（ヘリ）を参照。

＜フードル＞：L-9011（ドック型揚陸艦）を参照。

＜フードル＞：フランス海軍水上機母艦Foudre。元は水雷母艦フードルで、艦首に発進甲板を設置、第３煙突後方に格納庫を設けるなどの改造を受けて1912年に就役し、世界初の水上機母艦となった。常備排水量5971トン。速力19.6ノット。水上機4-8機を搭載する。後に発進甲板は撤去された。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜フードル＞：フランス海軍ドック型揚陸艦Foudre。元はイギリス海軍ドック型揚陸艦オーシャンウェイで、1952年から運用した。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜フードル級＞：フランス海軍ドック型揚陸艦Foudre級。緊急上陸、後方支援、人道支援が主任務である。船体前部端にはヘリ格納庫があり、クーガーヘリまたはシュペル・ピューマなら４機、シュペル・フルロンなら２機を収容できる。ヘリ発着スポットは船体中央の飛行甲板に２ヵ所、後部ウエル・ドック上の可動式飛行甲板に１ヵ所用意されていて、シュペル・ピューマ７機の駐機が可能。長さ400フィート（122m）のウエル・ドックにはCDIC汎用揚陸艇２隻またはLCM(8)／CTM型揚陸艇10隻またはLCM４隻＋LSM１隻または車両50両（非注水時）を収容できる。戦闘車両の駐車場は1360平方メートルの広さがあり、150両を積載する。エレベーター能力52トン、クレーン能力37トン。バウ・スラスター、コンピュータ化戦闘データシステム、ARBB-36A電子戦装置、フランス製シラキュース衛星通信システムを持つ。手術室２部屋、ベッド55床も用意されている。全長168m、幅23.5m、吃水5.2m、満載排水量12013トン。主機はディーゼル２基、推進は可変ピッチプロペラ２軸、速力21ノット、航続距離は15ノットで11000海里。兵装はミストラル熱線追尾ミサイル用連装発射機２基、オットー・ブレダ社製マウザー30mm機関砲Mk30モデルＦ３門、12.7mm機銃２丁。乗員238名（226名？）。兵員470名（467名？）を輸送可能。L9011フードルとL9012シロッコが1990年と1998年に就役した。参考：月刊軍事研究11,’98、11,’08、月刊世界の艦船2,’14、1,'15増刊、4,’17

＜フードル級・海外シリーズ＞

　＜フードル級（チリ海軍）＞：チリ海軍ドック型揚陸艦。退役したフードルを購入して2011年12月に受領したもので、搭載する揚陸艇も同時に購入した。全長168m、満載排水量12599トン。主機はディーゼルで、速力21ノット。兵装はミストラル艦対空ミサイル連装発射機シンバド３基。CDIC汎用揚陸艇１隻、LCM２隻（４隻？）、戦車22両または車両150両、ヘリ４機、兵員470名を搭載可能。LSDH-91サルヘント・アルデアが2012年に就役した。参考：月刊世界の艦船12,’12、2,’14、3,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜フードル級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍ドック型揚陸艦。退役したシロッコを2015年8月に購入し、G40バイーアとして2016年に就役させた。シロッコ時代に装備していたARBB-36A電子戦装置は外されている。全長168m、満載排水量12599トン。主機はディーゼルで、速力21ノット。兵装は艦対空ミサイル連装発射機シンバドなど。兵員470名と車両150両を搭載可能。ドック・ウェルにはCDICなら２隻、CTMなら10隻を収容できるが、シロッコと同時購入したCDICは１隻のみである。参考：月刊世界の艦船4,’17、6,’16

＜フードロアイヤン＞：フルーレー（ル・アルディ級駆逐艦）を参照。

＜フードロアイヤン＞：フランス海軍ラドロア級駆逐艦Foudroyant。1930年竣工。1940年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フードン作戦＞：インドシナ紛争でフランス軍が実施した空挺作戦。1952年10月、ベトミン軍は資金源となるアヘン獲得のためイェンバイからラオス国境に向けて攻勢を開始。11月1日には国境を越えてソンラへの攻撃を開始した。これを阻止するため、補給物資の集積所になっていたフードン地区を壊滅させるのがこの作戦の目的である。フランス第１・第２外人落下傘大隊、第３植民地落下傘大隊、75mm無反動砲小隊２個（それぞれ３門ずつ装備）、工兵小隊２個（渡河工作及び破壊工作）の2354名がC-47輸送機53機に分乗し、ハノイを11月9日に出撃。0930に２個大隊が２ヵ所に降下、後続も1230に降下し、B-26及び戦闘機の支援の下、空挺堡の確保に成功。1700には地上を進撃した機械化部隊との連絡が付き、物資集積所、兵器工場、食糧倉庫を１週間にわたり破壊して11月16日に帰還した。参考：現代の空挺作戦

＜フーバー＞：DE-1026（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブービートラップ＞：特定通常兵器条約での定義は、「外見上無害な物を何人かが動かし若しくはこれに接近し又は一見安全と思われる行為を行ったとき突然に機能する装置又は物質で、殺傷を目的として設計され、組み立てられ又は用いられるもの」。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜フープ＞：Ka-22（試作機）を参照。

＜ブーフェンバルト強制収容所＞：1936年6月、ナチスがリヒテンブルク収容所の収容者を動員して建設を始めた強制収容所で、1937年7月から稼働した。収容区画と武装親衛隊区画の間の門には「人それぞれ分相応に（イェーデム・ダス・ザイネ）」と刻まれている。最初は共産党、社会民主主義者、反社会分子、一般囚人が収容され、次いでドイツ占領国の捕虜などが加わった。ここを基幹として100以上の外部強制労働キャンプに人員を送り出していた。収容人数は1945年3月には８万人を超え、収容者は連日の重労働を強いられた。看守の暴力、チフスの治療法研究などの人体実験、劣悪な衛生環境、捕虜の大量虐殺（特にソ連兵に対して）により、延べ収容人数23万４千人のうち５万人が死亡した。1945年4月から収容所は撤収されたが、完全撤収前の4月11日にアメリカ軍が解放した。参考：月刊軍事研究8,’04

＜プーボ＞：ボクサーRCT（歩兵戦闘車）を参照。

＜風防＞：Wind sield。操縦席正面を覆う窓のこと。後方を覆う部分はキャノピーという。参考：月刊JWings1,’05、7,’15

＜風防付き徹甲弾＞：APBCを参照。

＜プーマ＞：RQ-20A（無人機）またはSd.Kfz.234/2（装甲車）またはセンチュリオン戦車・海外ファミリーを参照。

＜プーマ・シリーズ＞：イタリアのイヴェコ社が開発した装甲車で、４輪と６輪の２タイプがある。イタリア陸軍向けに2002年から生産中で、６×６輪型が380両、４×４輪が180両配備される予定。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊PANZER11,’00、月刊軍事研究10,’08

　＜プーマ６×６輪＞：標準型は12.7mm機銃を装備したAPC型で、兵員８名を輸送できる。全長5.526m、全幅2.3m、戦闘重量7.5トン。エンジンはイヴェコ社製のタイプ8042TCA（180馬力）、トランスミッションはレンク製RECOオートマチックで、前５段・後進１段、最大速度100km、航続距離700km。機関銃塔、迫撃砲、対戦車ミサイルを搭載したファミリー車両もある。軽歩兵連隊、山岳部隊、空挺部隊、水陸両用部隊への配備を予定。車体上にリモコン式の12.7mm機関銃塔を装備し、前側面に装甲板を追加した改良型も試作されている。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊PANZER11,’00、月刊軍事研究10,’08

＜プーマ４×４輪＞：６輪型の車体長を短縮して４輪とし、兵員搭載数を６名に減らしたタイプ。動力系統は同じなので、機動性能は高い。６輪型よりも後に製作された。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊PANZER11,’00

＜プーマ＞：クラウス・マッファイ社とディール社が自主開発した歩兵戦闘車で、1983年からコンセプト研究を開始、1984年から開発が始まり、1986年に軟鋼製原型車が完成した。車体は装甲鋼板の全溶接製で、前面で20mm機関砲、側面で14.5mm弾の直撃に耐えられ、増加装甲も装備可能。車体前部左が操縦室、右が機関室、中央が戦闘室、後部が兵員室。転輪４組の軽量型（16-22トン）、５組の基本型（23-28トン）、６組の重量型（34トン）の３種類が考えられている。パワーパックは、MAN社製D2840LXEディーゼル（750馬力）とZF製もしくはレンク社製自動変速機の組み合わせか、MAN社製D2866KEディーゼル（440馬力）とZF製HP600/STV600自動変速機の組み合わせ。足回りはレオパルト１／２の流用である。NBC防護装置、冷房はオプション。砲塔は20-40mm機関砲装備のものが考えられ、各種バリエーションも提案されている。基本車体のスペックは全長5.8m、全幅3.25m、全高1.71m、重量25トン。最大速度65km、行動距離650km。1989-90年に２両が西ドイツ陸軍に引き渡されて試験された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜プーマ・ファミリー＞

　＜プーマ自走迫撃砲＞：基本型の車体後部に120mm迫撃砲塔を搭載したもの。迫撃砲の諸元は砲身長1.8m、最大仰角45度、最大射程はDM11A4砲弾で6.9km、発射速度毎分15発。弾薬は砲塔に20発、車体に60発を搭載する。副武装は7.62mm機銃MG3で、弾数550発。戦闘重量22トン。原型車を改造して1986年4月に発射テストが行われた。参考：月刊PANZER11,’86

＜プーマ＞：ドイツ陸軍が開発中の歩兵戦闘車Puma。シュッツェンパンツァー３に替わってマルダー１の後継となる予定で、製作はKMW社とラインメタル社が2002年に対等出資で設立したPSM社（Project Systems and Management、プロジェクトシステム調整室）が行っている。1983年に両社がレオパルトの足回りを流用してプライベート・ベンチャーで製作した汎用装甲車が大元で、レオパルト２に随伴して機甲戦力の根幹をなす車両を目指していたが、冷戦終結などでお蔵入りしかけた。その後国際貢献任務で戦車よりも歩兵戦闘車の重要性が認識されたため、マルダー１の後継として単独で非正規戦に対応できる車両として再設計され、2006年5月にシステム・デモンストレーターが公開され、2008年にドイツ陸軍での評価試験が開始され、2009年7月に405両の契約が締結された。モジュラー構造を採用しており、車体、動力系、走行系、砲塔系からなる。車体前部が機関室で、パワーパック化されたエンジンとトランスミッションを収容し、車体前部右側面に吸気ルーバーがある。排気ガスは冷却された後に車体右後部から排出されるため、赤外線を探知されにくい。車体中央前部左に操縦手席、車体中央右に車長、左に砲手が座る。車長用ハッチには視察用ペリスコープ５個が付く。車体後部前方左が砲塔スペース、残りの部分が兵員室で、６名の兵士を収容でき、乗降には後面の動力式ランプを使う（一応上面右にハッチが２つある）。歩兵用シートは耐地雷能力を持ち、ランプドアの内側は収容スペースを兼ねる。車体後面には左右に３ヵ所ずつ後方監視カメラが装備されており、兵員室にも後部監視用ビジョンブロックが備え付けられ、視界を確保した。車体後面左には斜め上向きに遠隔操作式６連装76mmてき弾発射機が装着されており、有効射程50mのてき弾を撃ち出して肉薄攻撃を仕掛けるゲリラなどを粉砕する。走行系は下部転輪（ダブルタイプ片側５組）、起動輪、誘導輪、上部転輪、サスペンション（ハイドロニューマチック・スプリングを使用した独立懸架ハイドロップ方式）、燃料タンクなどから構成され、これらを装甲化コンポーネントに一体化したディカップルド・ドライブ・アッセンブリと呼ばれるモジュラー式ユニットを車体と分離して装着している。これにより車内への騒音・振動の伝達を抑え、足回りへの被害が車体にまで及ぶのを防ぎ、整備性を向上させた。また、従来の騒音を120デシベルから95デシベルへと90%ほど低下させている。下部転輪は試作車では片側６組だったが、量産車では５組に減り、前３軸が前方に寄せられ、後２軸が転輪間隔を空けて設置されており、重量バランスに配慮したようだ。使用履帯はディール社製の軽量化型トラック464で、１メートルあたり30kgほどの軽量化を実現した。砲塔は車体中央やや左に搭載されており、電動駆動の遠隔操作式無人砲塔で、有人砲塔よりも軽い。武装は砲塔正面やや右に装備されたMK30-2/ABM30mm機関砲（即応200発、予備200発、APFSDS弾とプログラム信管付き空中炸裂弾KEFT/ABM弾のダブルフィード方式）と同軸5.56mm機銃MG4（即応1000発、予備1000発）で、俯仰角はマイナス10度からプラス45度。砲塔右側面に空薬莢・リンク放出口が開いている。砲塔左にスパイク対戦車ミサイル（ユーロスパイクLR）連装発射機を装備する構想もある。FCSは車長が目標捕捉、砲手が攻撃を分担するハンター・キラーで、砲塔前面中央に熱線暗視装置、レーザー測距器、テレビカメラなどを組み込んだ砲手用サイトが、上面中央に車長用パノラミックサイトが用意されており、両者とも安定化されている。自衛装置はMUSSと呼ばれるソフトキル方式アクティブ防御装置で、砲塔前面左、左側面前部、右側面、後面に１基ずつ装着したMILTASミサイル警戒装置（１基あたりカバー範囲は方位95度・俯仰70度）で対戦車ミサイル照準用レーザーまたは対戦車ミサイル推進ロケットの紫外線を探知し、車内に警報を出すと同時に、砲塔上面車長用パノラミックサイトの上に配置した赤外線妨害装置（IRJH）から強力な赤外線を放射して対戦車ミサイルのシーカーを潰したり、砲塔後部両側面に１基ずつ装備された縦４連装76mm擲弾筒発射機から発煙弾、赤外線画像装置妨害用金属粉弾、催涙弾などを発射したりする。リアクションタイムは1-1.5秒。砲塔後面には76mm発煙弾発射機８基が横一列に並ぶ。FinfoSys戦術インターネット用端末を搭載しており、通信システムはIFIS統合式通信システムで、FCSと車内・車外通信装置が統合されている。被空輸性と高い防御力を両立させるため、追加装甲により防御レベルを３段階に調節する方式を採用しており、防御レベル１（基本車体のみ）では全周で14.5mm徹甲弾、前面で携行対戦車兵器及び30mmAPFSDS弾に耐えられ、レベルＡ（車体下面装甲追加）ではレベル１の前面・全周防御に加えて車体下部で10kgまでの地雷に耐えられるようになり、レベルＣ（最大防御）では分厚い装甲スカートと車体上面・砲塔追加装甲を付加して全周で携行対戦車火器及び30mmAPFSDS弾による攻撃、トップアタック攻撃に抗堪できる。車体上面追加装甲は重量軽減のため無数の小さな突起が突き出た構造となっている。レベルＣでは重量が1.5倍くらいになるが、サスペンションは十分耐えられる能力を持つ。NBC防護装置として、ドラガー・セフティ社製のSBL 100Mを搭載、兵員室にカートリッジ式フィルター２個を装備する。全長7.33m、全幅3.71m、全高3.05m、戦闘重量はレベル１で29.4トン、レベルＡで31.45トン、レベルＣで43トン。エンジンはMTU社製892HPDディーゼル（800kW・1088馬力）、トランスミッションはレンク社製HSWL256（HSWL284C？）オートマチックで、、最大速度70km、路上航続距離500km（600km？）。乗員３名（操縦手、車長、砲手）、乗車兵員６名。レベルＡ仕様ならA400Mで空輸でき、レベルＣ仕様を運ぶ際にはプーマ３両あたりA400Mを４機用意し、A400M３機に車体３両を乗せ、３両分の追加装甲を残り１機で運ぶ。価格は１両740万ユーロ（９億6000万円）で、89式装甲戦闘車の1.6倍に達する。2010-20年に342両を配備予定だったが、予算不足で計画が遅れまくっており、2024年のマルダー退役予定に間に合わないどころか、初号車の完成が2029年にずれこむ予定である。参考：月刊軍事研究11,’08、10,’06、8,’06、8,’08、2,’09、10,’10、7,’13、8,’14、月刊PANZER12,’13、11,’04、7,’11、4・5,’17、8,’18

　＜プーマ不正規戦仕様＞：下部転輪を片側６組とし、スカートを下に延長して下部転輪の車軸あたりまでカバー、砲塔上面にIED探知装置を搭載し、30mm機関砲に大型マズルブレーキと孔空き角型防熱カバーを追加している。参考：月刊軍事研究8,’14

＜プーマＡＥ＞：AEは全天候対応の略。Aero Vironment社がFQM-151Aポインターをベースに開発した無人航空機システムで、SOCOMが2008年から少数を調達した。UAVは手投げ式で、全周監視可能なEO/IRカメラや赤外線カメラを搭載でき、自律飛行可能で、15kmの通信能力を持つ。完全防水で、不時着水しても支障が無いため、ゴムボートで潜入する特殊部隊が使用することもできる。全長1.4m、全幅2.8m、最大離陸重量5.9kg。推進は電動モーターで、速度37-83km、常用運用高度152m、滞空時間２時間。システムはUAV３機と地上制御ステーション２基で構成される。参考：月刊軍事研究11,’12、2,’11、月刊JWings8,’11

＜プーマＭ３６Ｍｋ５＞：南アフリカのOTTテクノロジーズ社が開発した４×４輪地雷防護車両。車体は全溶接で、STANAG4565レベル３の耐弾能力とSTANAG4569bレベル４の耐地雷能力を持つ。エンジンはアショク・レイランドHA57L165液冷６気筒ターボチャージド・ディーゼル、トランスミッションはZF6S850GBマニュアル。参考：月刊軍事研究4,’13

＜ブーマー＞：Boomer。アメリカ戦略原潜の通称。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ブーマー＞：ブーム・オペレーター（フライング・ブーム操作員）の通称。参考：月刊JWings5,’23

＜ブーマーリング・ウォーリア＞：アメリカのBNNテクノロジー社が開発した着用型狙撃探知機。両肩にマイクが仕込んであり、狙撃音のした方向を探知して手首のモニターに表示する。ネットワーク化できる改良型も検討中。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ブーメラン＞：CA-12シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ブーメラン＞：BBNテクノロジーズ社が開発した音響式狙撃探知装置Boomerang。マストの上に集音マイクが取り付けられており、発射音を探知して発射源の距離、方位、俯仰角を示す。また、過去10回分の探知データを保存することが出来る。アメリカ陸軍が採用してポスト・イラク戦争に投入した。参考：月刊グランドパワー3,’11

＜ブーヤ＞：La-350（巡航ミサイル）を参照。

＜フーヤン＞：907（駆逐艦）を参照。

＜風雷＞：中国のZ-9ヘリ／WZ-10攻撃ヘリ・デモチーム。参考：月刊航空ファン11,’15

＜ブーラスク＞：フランス海軍ブーラスク級駆逐艦Bourrasque。1926年竣工。1940年5月30日、ダンケルク撤退作戦においてベルギー沖で機雷に触れ、沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ブーラスク級＞：フランス海軍駆逐艦で、シャカル級と同時期に建造された。シャカル級を一回り小さくしたような設計で、船型は船首楼型、煙突も３本で、兵装の配置もほぼ同じである。３番煙突後方に３連装魚雷発射管が２基あり、その間に7.5cm単装高角砲を持つ。全長105.8m、幅9.6m、吃水4m、基準排水量1319トン。主機は蒸気タービンで、出力31000馬力、速力33ノット。兵装は13cm単装砲４門、7.5cm単装砲１門、55cm３連装魚雷発射管２基。第２次大戦中に対空・対潜兵装強化、レーダー追加などが施された。ブーラスク、シクローヌ、ミストラル、オラージュ、ウーラガン、シムーン、シロコ、タンペート、トルナード、トラモンターヌ、トロンブ、ティフォンの12隻が1926-28年に就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜プーラン＞：インド海軍プラダヤク級支援給油艦Puran。1977年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜プール＞：DE-151（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブールギバ大統領級＞：サベージ級フリゲート（チュニジア海軍）を参照。

＜プール・ラ・メリート＞：プロイセン帝国の士官用最高勲章で、勲章という意味のフランス語である。通称ブルー・マックス。第１次大戦では687名に授与された。参考：グラフィックアクション39、武装親衛隊

＜ブーロネー＞：フランス海軍ラドロア級駆逐艦Boulonnais。1928年竣工。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ブーン＞：FFG-28（フリゲート）を参照。

＜フェア＞：DE-35（護衛駆逐艦）を参照。

＜フェアチャイルド社＞：1956年、フォッカー社と提携し、F27フレンドシップをライセンス生産した。1964年、ヒラー社を買収してフェアチャイルド・ヒラー社となった。1965年9月、リパブリック社を吸収合併してフェアチャイルド・ヒラー・リパブリック社となった。1972年、スウィアリンジェン社を買収。1973年、ヒラー部門を売却してフェアチャイルド・リパブリック社となった。1982年、スウィアリンジェン社を売却。その後フェアチャイルド・インダストリーズ社の航空機部門（フェアチャイルド・エアクラフト社）となった。1996年にダイムラー・ベンツ社からドルニエ社を買収（フェアチャイルド・ドルニエ社と改称）したが、Do328、328ジェット、JET728シリーズが売れず、フェアチャイルド・インダストリーズ社も1999年に経営破綻、航空機部門はドイツの保険会社に買収された。2003年、航空機部門はM7エアロスペースとなった。参考：月刊軍事研究9,’07、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings12,’11

＜フェアチャイルド・リパブリック社＞：1973年にフェアチャイルド・ヒラー・リパブリック社がヒラー部門を売却してこの名称となった。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜フェア・デ・ブルノ＞：イタリア海軍モニター。第１次大戦末期にベニス防衛のため建造したもので、陸上移動が困難な大口径砲を船に乗せたものである。排水量2800トン。速力３ノット。兵装は38cm連装砲１基。参考：小艦艇入門

＜フェアファックス・カウンティ＞：LST-1193（戦車揚陸艦）を参照。

＜フェアマイルＡ型＞：イギリス海軍駆潜艇で、フェアマイル社が機動艇として第２次大戦直前に提案していたものにアスディック及び爆雷などの対潜兵装を施したものである。1940年に12隻が建造された。1942年に全て機動敷設艇に改造されており、改造後の諸元は全長33.5m、満載排水量57トン、速力25ノットである。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜フェアマイルＢ型＞：イギリス海軍機動艇。フェアマイルＡ型の改良型で、船型をハード・チャイン型から丸型に変更して大型化、居住性や凌波性を向上し、燃料搭載量を増加させたものである。全長34.1m、満載排水量67-85トン。速力20ノット。兵装は３ポンド単装砲１門、7.7mm単装機銃２丁、爆雷12個。船体が木製のため、家具メーカーが部品を作ってヨットメーカーが生産、1940-44年に650隻が作られた。海外でも多数が生産されている。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜フェアマイルＤ型＞：イギリスのフェアマイル社が建造した魚雷艇・機動砲艇で、武装の組み合わせによりどちらにも艤装が可能である。船体は木造で生産性に優れ、1942-44年に200隻余りが完成したが、魚雷発射管の生産が間に合わず、半分が魚雷艇、半分が機動砲艇として完成した。全長35.1m、満載排水量90-105トン。速力は機動砲艇が29-31ノット、魚雷艇が26-27.5ノット。兵装は２ポンド単装砲１門、20mm連装機関砲１基、12.7mm連装機銃２基で、魚雷艇は53cm魚雷発射管２門も装備する。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜フェアリー１７＞：ガネット・シリーズ（対潜哨戒機）を参照。

＜フェアリー社＞：イギリスの航空機会社Fairey Aviation。チャールズ・リチャード・フェアリー氏が1915年7月に創設した。ソードフィッシュ艦攻、アルバコア艦攻、バラクーダ艦攻、スピアフィッシュ試作艦攻を制作。1960年3月、イギリス政府の方針でイギリスのヘリ会社をウエストランド社に統合することになり、ヘリコプター部門を開発中のロートダインと共に分離した。1977年に倒産した。参考：月刊JWings2,'24、8,’11、4,’20

＜フェアリーダー＞：船体付属物で、僚艦に曳航してもらう時に係船用ロープを通すものである。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊JWings2,’00

＜フェアリー・デルタ＞：フェアリー社が開発した無尾翼デルタ高速実験機。全長15.92m、全幅8.18m。エンジンはロールスロイス社製エイボン。1954年10月7日に初飛行し、1956年3月10日に時速1822kmを出した。参考：月刊航空ファン11,’92

＜フェアリング＞：Fairing。航空機に装着される整形覆いのこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜フェアレス級＞：シンガポール海軍高速艇で、シンガポール・テクノロジーズ・シップビルディング・アンド・エンジニアリング社が設計から建造までを行った。全長55m、吃水2.6m（満載時）、排水量500トン。主機はMTU社製のディーゼルで、ウォータージェット推進、速力20ノット。兵装はOTOメララ社製３インチ砲１門、ホワイトヘッド社製３連装短魚雷発射管２基、ミストラル対空ミサイル連装発射機１基。対艦ミサイルを搭載する対艦型もあり、対潜型６隻と対艦型６隻を建造予定。参考：月刊軍事研究7,’97

＜フェイエット＞：APA-43（攻撃輸送艦）を参照。

＜フェイズド・アレイ・レーダー＞：Phased array radar（PAR）、位相制御アレイ・レーダー。多数のアンテナ素子により１つのレーダーを構成しており、この素子に送信機から電波を送り、コンピュータ制御のデジタル移相器で０−２πの位相遅延を付与して発信、各アンテナから出る電波の同位相波面を任意の方向に傾けることにより、任意の方向へ瞬時に電波ビームを偏向する。更にコンピュータ制御の電力減衰・増幅器を仕込んで送受信電力を瞬時に制御している。これらにより、機械式にレーダーアンテナを振る必要が無くなり、一瞬で走査方向を任意に変更でき、複数目標の予測位置へと瞬時に電波ビームを照射して同時に追尾を行う事が可能となる。また、特定の方向に長く電波ビームを送り続けたり、特定の方面や特定の目標のみを高頻度で走査したりする事により、目標探知性能の向上、新規目標の早期発見、目標追尾の高精度化・高信頼性化を図れる。旋回俯仰機構のメンテナンスの手間も無い。ビーム形状を目標捜索用と追尾用で切り替えて使うこともできるが、ペンシルビーム以外の形状を使用するとアンテナ利得が下がる事が多いので、必要に応じて採用を決める。多数のアンテナ素子と移相器を使うため複雑高価で、民間用としても応用範囲が広いものの、普及しにくい。開口面はアンテナ素子の集合体であり連続的ではないこと、デジタル制御を使用していることから、グレーティング・ローブやアレイ面上表面波の発生、アンテナ素子間相互結合、量子化位相誤差、アレイ動作周波数帯域幅制約といった問題点が生じる。一次元走査式、二次元走査式、パッシブ、アクティブといった分類がある。また、アンテナ配列でリニア・アレイ・アンテナ、プラナー・アレイ・アンテナ、コンフォーマル・アレイ・アンテナなどに分かれる。早くも1905年にドイツの物理学者ブラウンがフェイズド・アレイ・アンテナを開発しており、第２次大戦時に半機械式のイーグルスキャン方式が実用化された。全電子式のものは1960年代にフェライトやダイオードによる移相器が誕生したのに伴い実用化に至っている。全電子式フェイズド・アレイ・レーダーを航空機で初めて搭載したのはMiG-31である。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊軍事研究9,’14、2,’02、月刊JWings4,’04、10,’14、月刊航空ファン6,’02、レーダの基礎

　＜一次元走査式＞：俯仰方向だけフェイズド・アレイ方式にして方位方向はアンテナを機械的に一定速度で旋回させるタイプ。測角が容易で、ペンシルビームを使うためアンテナ利得も高い。初期には方位方向だけを走査するタイプがあり、ペンシルビームではなくファンビームを使って俯仰方向の覆域を持たせ、アンテナを複数用意して全周をカバーしていたが、ほぼ使われなくなった。参考：レーダシステムの基礎理論

　＜二次元走査式＞：俯仰と方位の両方をフェイズド・アレイ方式にしたタイプ。ペンシルビームで俯仰と方位を電子走査するので、基本的に三次元レーダーとしての距離・方位・仰角（高度）測定機能を持つ。アンテナ１枚では全周をカバーできないので、機械的にアンテナを旋回させるか、固定アンテナを複数用意するか、アンテナ１枚でカバーできる範囲で我慢する。機械駆動アンテナを使うタイプでは、電波ビームをアンテナの方向よりも先行させたり遅らせたりでき、追尾ビームを捜索ビームとは独立に形成して回転速度よりも高いレートで目標を追尾することも可能となるが、電波の往復時間の総和に時間的制約があり、遠距離レーダーには向かない。参考：レーダシステムの基礎理論

　＜ＶＥＢ方式＞：イギリスが第２次大戦時に開発した方式で、VEBはVariable Elevation Beamの略。電子制御式移相器が無い時代なので、機械式移相器を使ってアンテナ素子の励振位相を変化させるという方法を用いている。ダイポール・アレイ・アンテナをアンテナ素子とするリニア・フェイズド・アレイ・アンテナと組み合わせて測高レーダー（アンテナ高さ70m、使用周波数200MHz、ビーム幅垂直１度・水平60度、仰角測定精度プラスマイナス0.15度）に使用された。参考：レーダシステムの基礎理論

　＜イーグルスキャン方式＞：全長数メートルに及ぶ直線導波管の側面に100個以上のアンテナ素子を取り付け、導波管の管壁を機械的に高速移動させて管幅を変更、周波数を変えずに管内波長を変化させることにより、アンテナ素子の励起位相を一気に変化させ、電波ビームを走査する方式。第２次大戦中に実用化され、AN/MPN-1精測進入レーダーに使用された。参考：レーダシステムの基礎理論

＜パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダー＞：PESA（Passive Electronically Scanned Array、パッシブ電子走査アレイ）とも呼ばれる。アンテナ部にアンテナ素子、フェライト移相器、電力分配器などの受動素子のみを搭載したタイプで、通常のレーダーと同じく送信機で送信用高周波電力を発生させ、全アンテナ素子に分配給電する方式であり、アンテナ素子への電力伝達後に増幅などのアクティブ処理を行わないのでこう呼ばれる。アンテナ外に設けられた電力増幅部で増幅した電力を、導波管経由でフェライト移相器に伝え、コンピュータ制御で位相を調節してアンテナ素子ごとに分配する。移相器への電力分配方式により、透過型空間給電方式、反射型空間給電方式、給電回路方式に細分される。アンテナ素子を半波長ごと（10GHzでは20mm間隔）に敷き詰めていくのが最も走査能力に優れるが、移相器が素子分必要なため、コストパフォーマンスを考えて間引きしたりしている。大電力を伝達する導波管は電力損失が大きく、構造も複雑なため、アクティブ方式に換わりつつある。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊軍事研究9,’14、2,’02、12,’03、月刊JWings3,’14

＜給電回路方式パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダー＞：移相器・アンテナ素子に電力を分配するための給電回路を有するタイプ。単純なものとしては全アンテナ素子を直列に並べた直列給電回路方式や、並列にした並列給電回路方式があるが、素子数が多くなると回路が複雑怪奇になるため、アンテナ素子を何分の一かに分けて直列に繋ぎ、それらを並列で纏めた直並列給電回路方式や、アンテナ素子を数個ずつサブアレイに纏めて並列にしたサブアレイ並列給電回路方式にする。空間給電方式のようなスペースの無駄が無いので、機載・艦載用として広く使用されている。アレイ開口の励振電力分布の設定自由度が高く、指向性の最適化が容易。追尾レーダー機能を付ける際には差パターンの形成回路を追加する必要があり、更に回路が複雑になってしまう。参考：レーダシステムの基礎理論

＜透過型空間給電方式パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダー＞：アンテナ背面に空間を空けて一次放射器を設置し、アンテナ素子に向けて送信電力を電波として放射するタイプ。アンテナ素子に入った送信電力は各アンテナ素子に用意されている移相器を通過してアンテナ素子に送られ、送信電波となってアンテナ表面から放射される。移相器での位相量設定は、一次放射器からアンテナ素子までの球面状波面伝搬距離を考慮に入れて設定するので、位相誤差が不規則となり、量子化サイドローブの解決が容易。一次放射器に追尾レーダー用和差パターン電波ビームを形成するアンテナを使うことにより、フェイズド・アレイ・レーダーの追尾用ビームを簡単に形成することができる。一次放射器とアンテナ素子の間に給電回路を設ける必要が無いが、一定の空間が必要なので体積はかさばる。アンテナの電力分布は一次放射器の位置や放射パターンにより固定されるため、設計の自由度は小さい。参考：レーダシステムの基礎理論

＜反射型空間給電方式パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダー＞：アンテナ前面に空間を空けて一次放射器を設置し、アンテナ前面に向け送信電力を放射するタイプ。アンテナ素子に入った送信電力は移相器を通過して終端部で完全反射され、もう一度移相器を通ってアンテナ素子から送信電波として放射される。透過型と同じく、一次放射器からアンテナ素子までは球面状の波面伝搬となる。参考：レーダシステムの基礎理論

＜アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー＞：AESA（Active Electronically Scanned Array、アクティブ電子走査アレイ）とも呼ばれる。電力増幅器までアンテナ素子に内蔵したタイプで、送信基準信号発生器から小電力信号を各アンテナ素子に送り、素子内の半導体移相器で位相を調節、電力増幅器で増幅し、その電力を直接アンテナ素子から送信して空間で合成、大出力レーダー波を構成する。いわばミニ・レーダーをアンテナ素子分纏めて大レーダーを形成しているとも言える。アンテナ素子には送信回路だけでなく、受信信号を増幅する低雑音増幅器の付いた受信回路も仕込んであり、スイッチで切り替えて送受信両方に使うので、送受信モジュールと呼ばれる。送信用電力分配器が不要で、伝送損失が少なく、各モジュールで位相とアンテナ利得を制御できるためサイドローブを抑えることができ、ビームパターンが多種にできるためジャミングに強いなどの利点がある。また、一部分が故障しても他で代替が効く。各モジュールを別々のモードで運用するインターリーブ（Interleave）機能を持たせることもできる。単体の送信機では発揮できないような大電力を出せるため、マイクロ波を目標に集中照射して回路を焼き切ることも可能。電力増幅器には初期には電子管を使ったが、その後半導体増幅器が使用されるようになった。ただ発生電力が電子管より小さいので、パルス幅を長くして探知距離を延ばしている。多数のアンテナ素子に電力を供給するための大容量電源と強力な冷却系統を必要とし、高性能アンテナ素子を大量に揃えるので価格が高くなる。1960年代に高周波送信機として電子管を使用するAN/FPS-85が開発された。半導体を使うタイプは1980年代後半から実用化されるようになり、J/FPS-3、OPS-24、FCS-3、J/APG-1を次々完成させた日本が開発の先陣を切っている。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊軍事研究9,’14、8,’06、2,’02、12,’03、11,’07、6,’10、6,’13、月刊世界の艦船1,’15、1,'15増刊

＜フェイスナイス＞：日本海軍士官のスラングで、美人のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜フェイスブック革命＞：チュニジア革命を参照。

＜フェイスフル・アニー＞：アンソン・シリーズ（多用途機）を参照。

＜フェイス・プレイト＞：Ye-2A（試作機）を参照。

＜フェイスレス＞：モデル23-01（実験機）を参照。

＜フェイド・アウト＞：デフコン�Xを参照。

＜フェイム＞：H78（駆逐艦）を参照。

＜フェイルセーフ構造＞：Fail-safe structure。セーフライフ構造だけで損傷に耐えるのは無理があるので、万が一損傷しても定期点検で発見されるまでは安全性に支障が無いように設計を工夫した構造のこと。縦通材やフレームが多少折れても隣接する構造材で強度を保てるようにしたり、外板が割れても一定以上拡大しないように構造材で裏打ちしたり、窓を二重にしてどちらかが割れてももう一方で気密を保てるようにしたりする。疲労破壊だけでなく、被弾損傷時にも有効な構造設計である。あくまでも一時しのぎであり、定期点検で発見して修復するのが前提なので、損傷・破壊が生じやすい場所は点検しやすい設計にもしておき、ちゃんと定期的に検査をするのも重要。参考：航空用語事典増補改訂版

＜フェーア＞：アメリカ海軍護衛駆逐艦。1944年2月4日、ウォッゼ東方でアメリカ駆逐艦シャーレッドと共に呂39潜水艦を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜フェージングアナライザ＞：自衛隊の機器。大井電気または日本テクニカル・サービス製。参考：月刊軍事研究9,’15、2,’17

＜フェートン＞：シドニー（軽巡洋艦）を参照。

＜フェートン＞：イギリス海軍アリシューザ級（初代）軽巡洋艦Pheaton。1915年竣工。1923年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜フェーマルン＞：A1458（砕氷曳船）を参照。

＜フェーン・ゲラート＞：ドイツ軍の73mm対空ロケット弾で、1944年末に開発された。3.7cmFlak18の砲架に35連装で搭載し、低空飛行してくる対空目標に向けて斉射、重量280gのRDX/TNT炸薬を炸裂させて撃墜する。自爆信管付きなので、外れても安全。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜フェクテラー＞：DD-870（駆逐艦）またはDE-157（護衛駆逐艦）を参照。

＜フェザー＞：Yak-15（戦闘機）またはYak-17（戦闘機）を参照。

＜フェザリング＞：Feathering。参考：航空用語事典増補改訂版

＜フェザリング（プロペラ）＞：プロペラの75%半径におけるピッチ角を90度（気流と平行）にし、エンジン停止時に抵抗を生じないようにすること。この機構が無いと、風車のようにプロペラが空転してエンジンを損傷し、主翼や部材と共振して墜落の原因になり、多発機ではエンジン分だけ事故の確率が増えてしまう。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン4,’72、月刊軍事研究9,’07

＜フェザリング（ローター）＞：回転しているローターブレードのピッチ角を動かすこと。全ブレードのピッチ角が同時に変わるコレクティブ・フェザリングと、ブレードの回転につれてピッチ角が周期的に変化するサイクリック・フェザリングがある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン4,’72、月刊軍事研究9,’07

＜フェザリング軸＞：フェザリング・ヒンジを参照。

＜フェザリング・ヒンジ＞：Feathering hinge。トーション・ヒンジ、フェザリング軸ともいう。ヘリコプターのローターブレードの迎え角（ピッチ角）を変更し、進行方向左右の揚力を一致させたり、パイロットの操舵に応じて変化させたりするために設けられたヒンジ。角度変更機構に特殊なベアリング装置を仕込んでいるが、ブレードの遠心力で損傷しやすいため、ベアリングの代わりに適度に弾力を持つ板を重ねたテンション・トーションバーを使用したものもある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン10,’98

＜フェザリング・プロペラ＞：Feathering propeller。可変ピッチプロペラの一種で、プロペラをフェザリングにできるものを指す。可変ピッチプロペラが登場した頃はピッチ変更機構が定回転型で、20度くらいしか変えられなかったが、1930年代にアメリカのハミルトン・スタンダード社がハイドロマチックという商標で開発したものは、ピストンの前後運動をカムで回転運動に転換して傘歯車でピッチ変更機構に伝える方式で、70-75度くらいピッチを変えられるようになり、フェザリングが可能となった。ハイドロマチックには、飛行中に勝手にフェザリングに入らないよう、パイロットが油圧ポンプの圧力を増やさないとフェザリング範囲までピッチを変更できない仕組みも組み込まれている。日本はハイドロマチックの工作機械を輸入禁止にされてしまったので、陸軍はドイツのユンカースやラチエ、海軍はドイツのVDMからフェザリング・プロペラの技術導入を行った。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のはなし

＜フェッセンデン＞：DE-142（護衛駆逐艦）を参照。

＜フェッレ＞：ペルー海軍コルベット。2023年7月14-15日、カヤオ沖で日ペルー親善訓練に参加。フリゲート・パラシオス、潜水艦と共に、海自遠洋練習航海部隊TV-3508かしま及びTV-3520はたかぜと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。参考：月刊世界の艦船10,’23

＜フェデラシオン級＞：コンスティテュシオン級（哨戒艇）を参照。

＜フェデリコ・マルティネンゴ＞：F-596（フリゲート）を参照。

＜フェデリコ・マルティル＞：フィリピン海軍哨戒艇Federico Martir。2019年5月15日、DD-106さみだれと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船8,’19

＜フェニクス級＞：フランス海軍潜水艦Phenix級。オーロール級を一回り大型にしたもので、1939年度計画で建造が認められたが、第２次大戦開戦とフランス占領により、起工もされなかった。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フェニックス＞：A330-200MRTT（フランス空軍）またはAH-6S（ヘリ）またはAIM-54シリーズ（ミサイル）またはCL-46（軽巡洋艦）またはM60海外シリーズ（戦車）またはN96（Ｐ級潜水艦）またはRQ-4D（無人偵察機）またはSSN-702（ロサンゼルス級潜水艦）を参照。

＜フェニックス＞：ソ連海軍潜水艦用船底ソナーのNATOコード。パッシブ式で、探知距離3.8km。リビアに輸出されたフォックストロット型に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜フェニックスＵＡＶ＞：イギリス軍UAV。1985年からイギリス国防省の予算でGECアビオニクス社が開発に入り、BAE社が生産、当初は1989年から運用する予定だったが、1998年までずれ込んだ。リアルタイムの戦況監視・標的観測を任務とする戦場砲兵目標交戦システムで、任務終了後は機体を裏返しにして下部のセンサーポッドを保護しつつ、エアバッグ付きのパラシュートで降下、回収される。コソボ紛争で使用された。アフガニスタン戦争及びその後の掃討作戦にも投入されたが、環境が厳しく能力不足を指摘されており、MQ-9プレデターＢの導入を検討している。参考：月刊PANZER12,’00、月刊JWings11,’06、スパイ機

＜フェニックスゴースト（ウクライナ軍）＞：ウクライナ軍徘徊型兵器。AEVEXエアロスペース社が開発し、ウクライナ戦争勃発を受けて2022年4月21日にアメリカ政府が121機の供与を表明した。参考：月刊JWings7,’22

＜フェニックス・ループ＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ。災害からの復興を祈念する課目で、2016年から加わった。デルタ・ループのフェニックス隊形版で、６機がフェニックス隊形で会場正面から進入し、隊形を維持したままバレル・ロールを行う。参考：月刊JWings8,’24、1,’17、6,’19

＜フェニックス・ロール＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つで、2016年から課目に加わった。デルタ・ロールのフェニックス隊形版で、６機がフェニックス隊形で会場右奥から進入し、隊形を維持したまま宙返りを行い、会場左手前に抜ける。参考：月刊JWings1,’17

＜フェネク・シリーズ＞：オランダ陸軍／ドイツ陸軍軽装甲偵察車Fennek。元はオランダのSPエアロスペース＆ヴィークルシステムズ社がプライベートベンチャーで開発していた４輪装甲車で、1992年にプロトタイプ、1996年に試作車が完成、ドイツのKMW社が開発した偵察装備を組み合わせて2001年12月12日にドイツ・オランダ共同開発軽偵察車の車体として選定され、612両が発注された。生産にあたってはフェネック開発共同企業体という合弁企業を設立している。参考：月刊PANZER 6,’13

＜フェネク＞：軽偵察車といいながらと大柄で、車体は防弾アルミの上に防弾鋼板を貼り付けてあり、7.62mm徹甲弾に対抗できる他、対地雷用の追加装甲を装着できる。車体前部中央に操縦席があり、中央に並列で車長と偵察員の２名が座り、後部は機関室である。ドライブシャフトはＨ型で、車体中央を通らないようにして車高を極力低くし、地雷にも強くした。サスペンションはコイル・スプリングの４輪独立懸架。タイヤ圧中央制御装置を備え、オプションでウォータージェットも積める。タイヤはミシュラン12.00×20XML。車体上には操縦手用ハッチ、車長用視察ハッチ、偵察員用大型ハッチがあり、車長用ハッチの後ろにセンサーが、偵察員用ハッチに遠隔操作式自衛武装が搭載される。車長の座席を上昇させて視察ハッチから全周視界を得ることができるが、緊急時にはすぐに車内に収納してハッチが閉まるようになっている。偵察員ハッチにはオプションで自衛用のリモコン機銃を搭載可能。視察システムとして、４倍ズームのPERI17を搭載する。センサーシステムはBAA社製で、普段は車内に収容されているが、1.5m伸張でき、ジェノプティックCCDカメラ（視野12.5度から1.25度の10倍ズーム、捜索範囲6000m、識別範囲2800-4000m以内）、オファリオス第２世代FLIR（視野9.4×12.5度と2.7×3.6度の２モードが用意されている。有効距離7km）、レーザー測距機（有効距離10km）、ゴニオメーターを持ち、40mの遠隔操作ケーブルを繋げばマストから取り外して三脚に載せて使うこともできる。センサー視界は左右計220度、俯仰角30度ずつ。車外との連絡・位置確認用に、TCCS（Tank Command and Control System）を装備。1.5トンのペイロードを活かして５日間の単独行動（主に仮想敵第二梯団の偵察）ができる。３連装発煙弾発射機２基、５トンウインチ、NBC防護装置、後方監視カメラ、自動消火装置、エアコン、GPS付き。C-130やC-160で空輸できる。全長5.58m、全幅2.55m、全高2.18m、車体高1.79m、戦闘重量9.7トン（追加装甲無し）、11トン（あり）。エンジンはデウツ社製BF6M2013C直列６気筒４サイクルターボディーゼル（237馬力）、トランスミッションはRECO606オートマチック（前進６速、後進１速）で、最大速度は路上110km、路外80km、燃料タンク容量230リットル、航続距離は整地1000km、不整地460km。乗員３名で、更に偵察要員２名を乗せられる。参考：月刊軍事研究4,’07、9,’00、10,’02、月刊PANZER 6,’13、12,’02、11,’98、2,’02

＜フェネクＡ２＞：車体下部に耐地雷用装甲を追加し、車体前面に大型フレームガードを追加、FLW200遠隔操作銃塔を搭載したタイプ。参考：月刊PANZER 6,’13

＜フェネク２＞：プライベート・ベンチャーで開発した非正規戦対応型。車体を大型化して装甲を強化、エンジンを２基搭載してそれぞれ前後軸を動かすようにした。全長6.4m、戦闘重量24トン。参考：月刊PANZER 6,’13

　＜フェネク（オランダ）＞：自衛武装は車体中央の FNハーステル12.7mm機銃（オランダの標準装備）搭載遠隔操作ターレットで、旋回角360度、俯仰角はマイナス10度からプラス30度である。データリンクシステムはTRC9500超短波無線システムとファルコン／ファルコン２短波無線システム。中距離偵察型202両、スパイクMR対戦車ミサイル４連装ランチャー搭載の中距離対戦車型130両、汎用型78両を導入した。他にSLS対空ミサイルターレットを装備した対空型もある。参考：月刊軍事研究4,’07、7,’07、月刊PANZER 6,’13、12,’02

　＜フェネク（ドイツ）＞：自衛武装はH&K社製40mmグレネードランチャー（ドイツの偵察車用）もしくはH&K社製MG3機銃（ドイツの標準装備）搭載遠隔操作ターレット（俯仰角・旋回角はオランダ仕様と同じ）。データリンクシステムはHRM7400HF無線システムで、SEM80/90VHF無線システム２セットも装備する。偵察型178両、戦闘工兵用24両、砲兵前進観測車型20両を導入し、更にフェネクA2を80両追加発注した。アフガニスタンに派遣されたものは増加装甲型となっている。参考：月刊軍事研究4,’07、月刊PANZER 6,’13、12,’02

＜フェネストロン＞：Fenestron。SA341のテイルファンの別名で、小窓の意。シュラウド式テイルローター、ファン・イン・フィン（Fan in fin）とも呼ばれる。当初は巡航速度で飛行中にテイルローターを停止する予定だったため、停止中にテイルローターが気流に曝されないよう、垂直安定板の中に埋め込んでファン状にしたものである。実際に飛行してみるとテイルファン周囲に乱気流が生じて操縦反応が鈍くなるという欠点があり、巡航中もテイルファンを回転させることが必要になった。また、ホバリング中のフェネストロン消費パワーが覆いの無いテイルローターに比べて3%ほど多いという欠点もあったが、飛行中の消費パワーは5%ほど少ない、抗力が小さく速度性能に優れる、飛行安全性が高いという利点があり、採用された。既に特許は切れたので、様々なヘリで使用されている。参考：週刊エアクラフトNo.72、航空用語事典増補改訂版、世界の軍用機1979、月刊JWings10,’09別冊付録

＜フェネック＞：AS550海外シリーズ（ヘリ）またはAS555シリーズ（ヘリ）またはH125シリーズ（ヘリ）またはT-28練習機・海外ファミリーを参照。

＜フェネロン＞：DUUX-5（ソナー）を参照。

＜ぶえのすあいれす丸＞：日本の病院船。昭和18年4月24日1545頃、香港沖で潜水艦の雷撃を受け、７人が負傷した。日本赤十字社が赤十字国際委員会に抗議文書を送付している。11月27日0810、傷病兵1130名、衛生班員103人、船員128人、看護婦50人を乗せてニューアイルランド島カビエン北西200海里を航行中にB-24爆撃機の空襲を受け沈没した。漂流中の人員に対しても機銃掃射が加えられ、日本赤十字社女性看護師含む174人が死亡・行方不明となっている。日本赤十字社が赤十字国際委員会に抗議文書を送付し、赤十字国際委員会からは会誌に掲載して全世界赤十字に通報するとの回答を得た。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

＜フェノム１００シリーズ＞：エンブラエルの小型ビジネスジェット機Phenom 100。原型機は2007年7月26日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜フェノム１００＞：リアジェット形式で、主翼はキャビン下のバルジから出る低翼配置のテーパー翼、尾翼はＴ字。降着装置は完全引き込み前輪式。2008年12月9日にブラジル航空局、12月12日にFAA、2009年4月24日にEASAの形式証明を取得し、2008年末から量産機の引き渡しが始まった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜フェノム１００ＥＶ＞：改良型。フライトシステムをガーミンG3000に換装するなどしている。全長12.82m、全幅12.3m、全高4.35m。最大速度マッハ0.7、実用上昇限度12500m、航続距離1178km。乗員２名。客席数4-7。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜フェノム３００シリーズ＞：エンブラエルのビジネスジェットPhenom 300。フェノム100を販売した結果、一回り大きい方が売れそうだったために開発し、2008年4月29日に初飛行、2009年12月14日にFAAの形式証明を取得した。2013-16年にビジネスジェット出荷機数ナンバー１を記録している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜フェノム３００＞：フェノム100の胴体を1.8m延長して客席数を増やし、主翼端にウイングレットを装着した。機体は複合材を18%ほど使用している。リアジェット形式で、主翼はキャビン下面のフェアリングから出る低翼配置、尾翼はＴ字。降着装置は前輪式引き込み脚。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW535E双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜フェノム３００Ｅ＞：全長15.64m、全幅15.91m、全高5.1m。最大速度マッハ0.78、実用上昇限度13720m、航続距離3650km。乗員２名。客席数6-10。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜プエブロ＞：AGER-2（情報収集艦）またはPF-13（フリゲート）を参照。

＜プエブロ拿捕事件＞：1968年1月23日、元山沖16マイル付近でアメリカの情報収集艦AGER-2プエブロが北朝鮮に拿捕された事件。1330にSO-1型哨戒艇１隻と魚雷艇４隻の追尾を受けて拿捕されたが、その際乗員１名が死亡、３名が負傷し、負傷者含め83名（82名？）が抑留された。ジョンソン大統領は空母エンタープライズと35隻の艦艇を派遣し威圧、海軍と空軍の予備役15000名を召集し、1968年7月から1969年4月まで板付基地に州空軍RF-101G偵察機17機を派遣した。ソ連は対抗して巡洋艦など18隻を日本海に投入。当時ベトナム戦争の最中で、北朝鮮で戦争を起こしてソ連まで相手にする余裕が無かったアメリカが折れ、スパイ活動を認める謝罪文書に調印、11ヶ月後に乗員は解放された。船体は返還されず、未だに平壌で反米活動に利用されている。参考：月刊丸1,’07、8,’95、月刊軍事研究4,’04、月刊世界の艦船8,’10、月刊航空ファン11,’92

＜フェライト移相器＞：マグネシウム・マンガン・アルミニウム・フェライト合金製のバーを導波管内に収容した移相器のこと。参考：月刊軍事研究9,’14

＜フェラン＞：フランスが開発中の将来歩兵システム、FELIN（Fantassin a Equipements et Liaisons INtegrees）。フランス兵器総局が1993年から研究し、2004年にSagem社に発注、2006年に初期生産モデル1089ユニットが注文され、2008年4月に5045ユニットが追加され、7月に３個連隊でのテストを開始した。ジブチの砂漠、ギニアのジャングル、フレンチアルプスの山岳、南フランスの市街地で３週間ずつテストした結果、2009年6月末に実戦配備が決まった。光量増大型夜間暗視システム、ビデオカメラ、モノアイ型モニターを内蔵したヘルメット、小型無線機、骨伝導式通信機、OSとしてリナックスを搭載する電源一体型携帯パソコン２基（ポータブル・エレクトリック・プラットフォーム。ボディアーマーに内蔵）、GPS航法装置、軽量対榴弾弾片防護ベスト（防弾用プレートを追加可能）、オーディンミニUAV、20mmグレネードランチャー付き小銃（FAMAS、FAMAS05、FAMASフェランと段階的にパワーアップ予定）などを装備し、歩兵間情報共有システム（RIF）と戦略情報ネットワークシステム（SITEL）を有し、分隊・小隊単位で運用される。指揮官は強化型無線機、熱線暗視装置・レーザー測距器内蔵双眼鏡JIM MRなども携帯する。戦闘服には止血コードが内蔵された。当初予定していたシステム重量は24時間稼働バッテリーを含めて23kgだったが、後に26kgに増やされた。バッテリー充電のため、VAB装甲車にCSM（Chargeur de Source Multiple）充電器を追加する。2017年（2014年？）までに歩兵27個（20個？）連隊22588セット分と、その他の部隊に9000セット分が配備される予定で、改良型のバージョン２も2015年に開発して2020年までに配備する計画である。フランス国家憲兵隊にも売り込みを図っている他、小銃をG36Cに、通信機やデジタルマップなどを警察用に変更したフランス国家警察特殊部隊バージョンも製作されている。参考：月刊軍事研究2,’10、6,’05、11,’06、6,’07、12,’07、4,’12、5,’15

＜フェランタ＞：875（輸送艦）を参照。

＜フェランド＞：APA-11（攻撃兵員輸送艦）を参照。

＜フェリー航続距離＞：兵装を搭載せず、外部増槽も含め燃料を最大限積み、最適高度を最良速度で飛んだ時の最大航続距離。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings2,’04

＜フェリシティ＞：A112（曳船）を参照。

＜フェリシティ級＞：イギリス海軍港内曳船Felicity級。排水量80トン。機関出力600馬力、推進はフォイト・シュナイダー・プロペラ１基、速力10ノット。A112フェリシティ、A147フランセズ、A148フィオーナ、A149フローレンス、A150ジェネヴィエーヴ、A152ジョージナ、A196グウェンドリン、A198ヘレンの８隻が1973-80年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜フェルゼンネスト＞：岸壁の巣という意味のドイツ語。オランダ・ベルギー国境から48kmの山中に作られた地下壕で、ヒトラーが1940年5月10日0425に到着、ここから黄作戦第１段階の指揮を執った。参考：月刊軍事研究3,’07

＜フェルディナンド・シリーズ＞：ドイツ軍重駆逐戦車、Sd.Kfz.184。名前の由来は開発者のフェルディナンド・ポルシェ博士から。制式名称は8.8cm43/2 L/71 Ausf Panzerjager Tiger (P) Elefant fruer Ferdinandである。VK4501（P）が一旦制式化されかかって中止されたため、試作車や切り出してあった部品の処理に困り、丁度開発指令が出されていた重駆逐戦車用に転用することにして1942年9月22日に開発が決定した。初陣はクルスクで、その後改修を受けてエレファントになり、イタリア戦線及び東部戦線に投入された。参考：月刊グランドパワー1,’01、月刊PANZER6,’05、6,’98

　＜フェルディナンド＞：VK4501（P）の車体をそのまま利用し、後部にクローム・モリブデン鋼製の戦闘室を増設、機関室を車体中央にして後部にモーターを置いている。車体前方には操縦手と通信手が並んで座る。転輪はゴム内蔵式ダブルタイプ片側６輪で、サスペンションは片側の前後２輪を短いトーションバーで繋いだ合体縦軸型シングルトーションバー式。起動輪は後部にあるが、前部の誘導輪も同じ形状である。履帯はKgS62/640/130、片側109枚。車体前面には100mmの増加装甲が装着されたため、機銃用ボールマウントを新規開発せねばならなかったが、開発期間短縮のため省略された。かわりに戦闘室側後面にピストルポートが設けられている。また、主砲砲身を通して車内から機関銃を射撃したりもしている。戦闘室後面には緊急脱出用着脱ハッチを持ち、その中央に薬莢排出用小型ハッチがある。上面には右に車長用角形ハッチ、左に砲手用円形ハッチ、中央にベンチレーター、最後部左右に回転式ペリスコープ用小型ハッチが設けられた。戦闘室には車長、砲手、装填手２名が位置する。主砲は71口径8.8cm戦車砲StuK43（50発。PaK43/2？）で、主砲防盾は球形の内装式のものが用いられていたが、防御に難があるため、防盾前方の砲身部に厚さ25mmの四角い装甲板を装着した。俯仰角はマイナス８度からプラス14度、旋回角14度ずつ。照準器はSfl.ZF1a双眼式直接照準眼鏡で、Rblf36パノラマ式間接照準器の使用も可能。車体右側面に工具箱を持つが、小火器や弾片ですぐぼろぼろになるため、車体後部に現地で付け替えられることが多かった。全長8.14m、車体長6.8m、全幅3.38m、全高2.97m、戦闘重量68トン。装甲厚は車体前面下部200mm35度、上部200mm12度、上部構造前面200mm25度、車体側面80mm０度、後面80mm０度、底面前部50mm90度、底面後部20mm90度、戦闘室前面200mm7025、側面80mm30度、後面80mm20度、上面30mm86度。エンジンはマイバッハHL120TRM（300馬力）２基で、aGV型発電機を駆動し、D1495a型モーター（230kW）を作動させる。トランスミッションは前進３段・後進３段。最大速度20km、航続距離153km。Fu5無線機とFu2無線機を持つ。車内にMG34機銃２丁（3000発）とMP38短機関銃２丁（384発）が用意されている。生産数90両で、1942年11月から車体の製作に入り、1943年5月12日までに全車引き渡されて第653・第654重戦車駆逐大隊に配備された。１両は1943年12月まで試験に用いられたため、クルスク戦参加は89両。クルスク戦投入時から既に兵士の間でその外観からエレファントと呼ばれており、誰もフェルディナンドとは呼ばなかった。初陣では地雷と歩兵肉薄攻撃にあって大損害を出し、しかも重すぎて回収できず、20両以上がソ連の手に落ちた。この戦訓から、歩兵防御のためブルムベアや�V号戦車などを随伴（砲撃目標になりやすいので、歩兵の随伴はほぼ自殺行為）させて補うこととした。また重量過大のため平均800kmでエンジンが故障し、履帯や転輪内蔵ゴムの摩耗が早いという欠点もあった。機関室上面グリルから砲弾破片や泥が入って故障を引き起こしたり、その部の装甲厚が30mmしか無かったので重砲弾により撃ち抜かれたりもした。その他、発電機による無線機へのノイズ混入や、薬莢排出不良などのトラブルも出た。その後は後退戦を演じ、42両が本国に帰還してエレファントに改修された。参考：月刊グランドパワー1,’01、7,’98、月刊PANZER6,’98、ジャーマンタンクス、月刊軍事研究11,’13

＜エレファント＞：1944年1月10日までに本国に帰還した42両のフェルディナンドの無線手席前面に7.92mm機銃（600発）を追加し、車長用キューポラを装備、新型履帯採用、機関室左右ルーバー形状変更、ツィメリット・コーティング塗布、工具箱・ハンマーの車体後部への移動、操縦手・無線手用側面ペリスコープ廃止（視察用スリットは溶接で埋められた）などを行ったタイプで、クルスク戦で判明した歩兵肉薄に弱いという点を改良している。また、４両のみ戦闘室後面の脱出ハッチが開閉可能な両開き式になった。制式名も1944年2月頃からエレファントに変わった（1943年3月には既に公式名称になっていたともいわれる）。参考：月刊PANZER6,’05、6,’98、月刊グランドパワー7,’98、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)

＜指揮戦車＞：戦闘室後面右に増加アンテナを搭載している。アンテナ基部は全ての生産車に装着されており、広い車内スペースを活かしてどの車両でも指揮戦車に変換が可能であった。予備履帯止めの位置が通常よりも上になっているという資料もあるが、通常車両でも上に付いているものが多く、こちらはあまり判別に使えない。参考：月刊PANZER6,’98

＜フェルディナンド・ファミリー＞

＜ベルゲフェルディナンド＞：VK4501(P)をベースとして製作された戦車回収車バージョン。VK4501(P)の機関部を前に移動し、後部に小さな戦闘室を設置、車体機銃を廃止し、戦闘室前面にボールマウント式機銃を装備した。増加装甲のボルト止めなどはされておらず、追加された回収用器材は小型組み立て式クレーン程度である。1943年8月に３両が生産され、9月に配備された。1943年末から1944年初めに改修を受け、ツィメリット・コーティングが施され、戦闘室上部にリモコン式機銃が追加された。参考：月刊グランドパワー7,’98、月刊PANZER6,’98、ジャーマンタンクス

＜フェルディナント・ジャケ＞：ジャケ（ベルギー空軍エース）を参照。

＜フェルディナンド・フォン・ツェッペリン伯爵＞：ツェッペリン伯爵を参照。

＜フェルデジャンダルムリ＞：憲兵（ドイツ軍）を参照。

＜フェルドイェーガー＞憲兵（ドイツ軍）を参照。

＜フェルトヘルンハレ重戦車大隊＞：ドイツ国防軍の重戦車大隊で、フェルトヘルンハレはミュンヘンにある将軍廟のこと。1944年12月21日に第503重戦車大隊から名称変更された。バラトン湖北東で戦闘を行っていたが、1945年2月11日にドナウ河畔のソ連軍橋頭堡に対する反撃のため鉄道で北に移動。2月17日から攻撃を開始し、ソ連軍を撃退した。3月、定数31両の中隊２個の編成に改編された。3月末からソ連軍に押される形で撤退戦を演じ、5月10日に降伏した。参考：月刊グランドパワー3,’02

＜プエルト・リコ＞：CB-5（巡洋艦）またはHST-2（高速輸送艦）またはT-EPF-11（高速輸送艦）を参照。

＜フェルステッド＞：A348（通船）を参照。

＜フェルス・フラッグ＞：偽の国籍や身分を使用して社会に浸透し、対外諜報活動を実施すること。参考：月刊軍事研究7,’09

＜フェルプス＞：DD-360（駆逐艦）を参照。

＜フェルンフォイア＞：Fi-103（巡航ミサイル）を参照。

＜フェレ＞：CM-27（コルベット）またはDM-74（駆逐艦）を参照。

＜フェレット＞：アメリカ陸海軍海兵隊の要請を受けてノースロップ・グラマン社が開発した、ヘリ搭載巡航ミサイルFerret（白イタチ）。全長1.9m、直径0.33m、翼スパン1.82m、重量65.7kg。誘導はテレビ映像による半自動式で、弾頭重量9kg、小目標破壊用である。エンジンはTJ-50ミニチュア・ターボジェットで、最大速度540-600km。参考：月刊軍事研究10,’05、4,’03

＜フェレット＞：イギリス空軍が第２次大戦時に配備した対ドイツ用電子戦専用飛行隊で、部隊名は第192飛行隊と第214飛行隊である。ハリファックスとB-17にバッグフル電波受信機とブロンド電波情報収集機材、電波妨害機材を積み込み、爆撃機編隊と一緒に飛行した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜フェレット＞：カナダのMDA社が開発した車載式狙撃探知システムで、発射音により探知を行う他、GPS、FCS、カメラ・航法システムとリンクさせることが可能である。カナダ軍のコヨーテ歩兵戦闘車などに搭載されている他、自衛隊もトライアルを行っており、2010年頃に採用の可否を決定する予定。参考：月刊軍事研究7,’07

＜フェレット・シリーズ＞：イギリス陸軍の４輪軽装甲車、FV701Ferret。ディンゴの後継として1947年から開発され、ダイムラー社が製作して1950年に採用された。1971年までに各型合わせて4409両が生産され、湾岸戦争にも参加している。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER1,’05、12,’13

＜フェレットＭｋ．�T＞：車体は全溶接で、最大装甲厚16mm。全周で7.62mm弾から防御できる。車体前部中央に操縦手が座り、左右に３連装発煙弾発射機が装備された。操縦席上部に7.62mm機銃１丁を搭載し、乗員の自衛用に9mmサブマシンガンも収容されていた。機関室は後部にある。サスペンションはコイル・スプリングの独立懸架である。車体長3.835m、全幅1.905m、全高1.879m、重量4.4トン。エンジンはロールス・ロイスB60Mk6A水冷６気筒ガソリンで、最大速度93km、燃料96リットル、航続距離306km。参考：月刊PANZER1,’05、世界の軍用車両(4)

　＜フェレットＭｋ．�U＞：人力操作の銃塔を車体上部に搭載したタイプ。後に装甲が強化され、1991年初めからは70両に対して機関系を換装するなどの改良が実施された。全長3.83m、全幅1.9m、全高1.87m、重量4.4トン。エンジンは６気筒液冷ガソリン（129馬力）で、最大速度93km、航続距離300km。乗員２名。参考：世界の軍用車両(4)

＜フェレット対戦車型＞：銃塔を外し、スイングファイア対戦車ミサイル搭載ターレットを装備したもの。参考：月刊PANZER1,’05

＜フェレット海外シリーズ＞

　＜フェレット（ヨルダン軍）＞：ヨルダン軍軽装甲車。一旦除籍されたが、エンジンを４気筒190馬力ディーゼルに換えるなどの改良を施して再就役した。参考：月刊軍事研究7,’08

　＜スタリオン＞：ヨルダンの軽装甲車。フェレットの改造型で、車体を改良し、12.7mm機銃を搭載、エンジンを146馬力ディーゼルに換装している。IDEX07で発表された。参考：月刊軍事研究7,’08

＜フェロ＞：イタリア海軍フルット級潜水艦Ferro。1943年9月10日、建造中にドイツ軍に接収され、UIT12となった。参考：ナチスＵボート

＜フェロー諸島沖海戦＞：第２次大戦時の1939年11月、ドイツ海軍戦艦シャルンホルストが整備改修を完了。大西洋で通商破壊任務に就いていたドイッチュラントが11月15日に帰投したのを受け、入れ替わりでグナイゼナウと共に出撃させ、通商破壊作戦を行う事になった。11月21日1330、グナイゼナウ（ドイツ艦隊司令長官ヴィルヘルム・マルシャル中将座乗）、シャルンホルスト、ケルン、ライプチヒ、Z11ベルント・フォン・アルニム、Z12エーリヒ・ギーゼ、Z20カール・ガルスターがヴィルヘルムスハーフェンを出撃。ドーバー海峡の強行突破は無謀なので、大西洋で通商破壊任務中のアドミラル・グラーフ・シュペーに気を取られて手薄な筈の北海へと向かった。11月22日未明、スカゲラク海峡での通商破壊を行わせるため軽巡と駆逐艦を分離。海が荒れていたため、グナイゼナウとシャルンホルストは12ノットで北上を続けた。11月23日午後、アイスランドとフェロー諸島に挟まれた海域に到達、グナイゼナウとシャルンホルストは左右に20km離れてグナイゼナウの右後方にシャルンホルストが付き、大西洋に向け西へと航行していた。1607、シャルンホルストが右舷側に並走する特設巡洋艦ラワルピンディを発見し、北へと転針。シャルンホルストから報告の入ったグナイゼナウも続いた。ラワルピンディも敵味方不明の大型水上戦闘艦を発見、無線で通報すると共に、味方識別符号FAMを発光信号で送りつつ全速で東に逃げたが、たちまち接近されてシャルンホルストから発光信号で停船命令を受けた。ラワルピンディはこれを無視して逃走を続けたが、シャルンホルストから艦前方に威嚇射撃を喰らい、逃げ切れないと悟るとドイッチュラントから砲撃を受けていると打電して1703に砲撃を開始した。1706、シャルンホルストの主砲弾数発がラワルピンディを直撃し、幹部多数が死亡、発電機と無線室などが破壊された。艦長は軽傷で済み戦闘を継続したが、1711にグナイゼナウが戦列に加わると滅多打ちを喰らって行動不能に陥り、1716にグナイゼナウが射撃を停止、ラワルピンディは沈没した。艦長以下23名が戦死し、ドイツ艦に27名、イギリス特設巡洋艦チトラルに11名が救助されている。グナイゼナウとシャルンホルストは存在を通報されたため大西洋への進出を諦め、ノルウェー北方を迂回してドイツに戻った。参考：月刊世界の艦船9,’17、月刊丸4,’17

＜フェロン＞：Su-57（戦闘機）を参照。

＜フェンサー＞：D64（護衛空母）またはSu-24シリーズ（戦闘爆撃機）を参照。

＜フェンス＞：境界層板を参照。

＜フェントウシーハオ＞：奮闘４号（海洋調査船）を参照。

＜フェントウチーハオ＞：奮闘７号（海洋調査船）を参照。

＜フェンネル＞：K194（コルベット）を参照。

＜フェンヤン＞：FF934（フリゲート）を参照。

＜フォアエンド＞：先台。ライフルや散弾銃の銃身下部に付いた木床のこと。参考：GUN用語事典

＜フォアサイト＞：H68（駆逐艦）を参照。

＜フォアザッツ＞：ドイツ軍が第２次大戦時に使用した小銃用曲射アタッチメントで、ラインメタル社傘下のウンテルラス社が1944年末に開発した。プリズム式の照準器とセットになっている。歩兵用のフォアザッツＪ（曲射角30度）及びＶ（40度）、車両用のＰ（90度）の３種類が500セット前後生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜フォアスター＞：DE-334（護衛駆逐艦）を参照。

＜フォアマン＞：DE-633（護衛駆逐艦）を参照。

＜フォアモー＞：DE-58（バックレイ型護衛駆逐艦）またはDE-509（ジョン・Ｃ・バトラー級護衛駆逐艦）を参照。

＜フォイエルリリー＞：F55（地対空ミサイル）を参照。

＜フォウドロヤント＞：イギリス海軍練習艦Foundoroyant。元はイギリス海軍レダ級フリゲート12番艦で、1817年の就役である。1897年に練習艦として個人に売却されてこの名称になり、1932年に海事研究協会に提供されて訓練員用の宿泊施設となった。第２次大戦中は補給艦になり、戦後は練習艦に改造されて1986年に退役した。1987年、ハートルプールに曳航されて1990年から修復され、現在もそこで展示されている。参考：月刊軍事研究9,’05

＜フォウラー＞：DE-222（護衛駆逐艦）を参照。

＜フォーウィー＞：L15（スループ）を参照。

＜フォー・カード・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ。４機が長方形の頂点の位置（トランプの４のマークの位置）をとって航過する。参考：月刊JWings6,’09

＜フォーカス・レンズ演習＞：1968年10月から韓国で行われた国連軍指揮所演習。演習自体は1954年から（1957年に国連軍司令部がソウルに移るまでは東京で実施していた）行われており、この名称が付いたのが1968年10月である。１974年9月に韓国の乙支演習との合併が決まり、乙支・フォーカス・レンズ演習となった。参考：月刊軍事研究10,’10

＜フォーカル・プレーン・アレイ型赤外線シーカー＞：小型高感度の赤外線シーカー。多数配列することで画像赤外線誘導装置として使用できる。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜フォークストーン＞：L22（スループ）を参照。

＜フォークナー＞：H62（嚮導駆逐艦）を参照。

＜フォークランド沖海戦＞：1914年の第１次大戦勃発により、演習のため南太平洋に出港していたドイツ東洋艦隊は仏印フランス海軍艦隊を撃滅して仏印を攻略する予定だったが、8月4日にイギリスがドイツに宣戦布告したため、イギリスの同盟国である日本から攻撃を受ける可能性が発生し、ドイツ本国への帰投を決定。装甲巡洋艦シャルンホルスト、グナイゼナウ、軽巡洋艦エムデン、ライプチヒ、ニュルンベルク、ドレスデン、仮装巡洋艦チタニア、プリンツ・アイテル・フリードリッヒがマーシャル諸島から南米ホーン岬を回ってドイツへと向かった。途中でエムデンがインド洋で通商破壊作戦に就き、11月9日にオーストラリア海軍重巡シドニーと交戦して座礁したが、残る５隻は11月1日にチリ沖でイギリス海軍グッドホープとマンモスを撃沈（コロネル沖海戦）して大西洋に向かった。これを受けてイギリス海軍はシーレーン維持のため巡洋戦艦２隻を基幹とする艦隊の派遣を決定。デボンポートを出撃したイギリス艦隊はフォークランド島に向かった。11月21日、ドイツ艦隊はチリ沿岸のサン・カンタン湾に投錨し、機関を損耗し尽くした仮装巡洋艦チタニアを海没処分とした。11月26日、ドイツ艦隊はサン・カンタン湾を出撃してドイツに向かい、仮装巡洋艦プリンツ・アイテル・フリードリッヒのみ太平洋に残って通商破壊作戦を行うこととなった。12月2日、イギリスの帆走石炭輸送船ドラムイヤを発見。早速捕獲してピクトン島に寄り、積み荷のカージフ炭を艦隊に補給したが、チリの軍艦に発見されてしまった。ピクトン島を出発する直前、シュペー東洋艦隊提督は艦長らを集めて会議を開き、フォークランド島を襲撃して無線基地や需品倉庫を破壊し、フォークランド総督を捕虜とすることにした。12月8日、東フォークランド島のポート・スタンリーにある無線基地を破壊しようとグナイゼナウとニュルンベルクが接近したところ、1030にポート・スタンレーを出撃したイギリス海軍艦隊と鉢合わせになった。これがフォークランド沖海戦で、イギリス海軍側は巡洋戦艦インビンシブル、インフレキシブルなど８隻からなる強力な艦隊であり、グナイゼナウとニュルンベルクは反転して本隊に合流したが、本隊ごと捕捉され、1255から砲撃戦となり、1617にシャルンホルスト、1802にグナイゼナウ、1927にニュルンベルク、2123にライプチヒが沈没、シャルンホルストに座乗していたシュペー提督も戦死した。脱出に成功したのはドレスデンだけだった。参考：月刊世界の艦船1,’12、月刊軍事研究7,’07、月刊丸11,’09

＜フォークランド紛争＞：アルゼンチン本土東方500km、イギリスから13000km離れているフォークランド諸島は、東西フォークランド島など770の島からなる12000平方キロメートルの島嶼で、更に東1000kmにはサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島という面積3900平方キロメートルの島嶼がある。1494年にスペインとポルトガルが締結したトルデリシャス条約（植民地分割条約）でスペインが周辺地域（まだ未発見だったフォークランド諸島含む）の支配権を獲得したとされる。フォークランド諸島の発見は1502年のスペイン説と1592年のイギリス説があり、確定はしていないが、前記条約によりスペインが支配権を持っていたようで、1764年に一時フランスが領有したが、1767年にスペインが領有権を得た。1816年のアルゼンチン独立に伴い、スペインから領有権を継承したとして、1820年にアルゼンチンがフリゲートを派遣して占領。イギリスは1771年のスペインとの和平交渉で支配権を得たと主張し、1833年にイギリス艦隊が島を強襲占領、以降イギリス領となっていた。その後、アルゼンチンとイギリスの間で領有権を巡る争いが絶えない状態で、1965年にはフォークランド諸島の帰属が平和的に解決すべき植民地問題であるという国連決議が出されている。人口は1800名で、半分は東フォークランド島スタンリーに居住していた。1976年、アルゼンチンに軍事政権が誕生し、フォークランド諸島（アルゼンチン名称はマルビナス諸島）の領有を主張。1980年代に政権への不満が強まると、はけ口としてフォークランド島の軍事占領を検討し始めた。1982年1月、アルゼンチンが本格的にフォークランド諸島占領計画の立案を開始。3月、アルゼンチンはオペラシオン・アズル（青作戦）を発動。ウルグアイとの合同演習を装い、アルゼンチン艦隊がフォークランド諸島に向かった。3月11日、アルゼンチンの軍用機がフォークランド島のスタンリー空港に緊急着陸した。3月18日、アルゼンチン海兵隊員がくず鉄改修作業員を装い、フォークランド諸島の南1300kmにある南ジョージア島に補給艦で無許可上陸し、アルゼンチン国旗を掲揚した。これを受けて3月20日にイギリスはアルゼンチンに抗議し、3月21日には実力排除を警告したが、3月26日には南ジョージア島に再びアルゼンチン軍の補給艦が寄港して補給物資を降ろした。アルゼンチン側はイギリスの対応が不十分なのを見て、フォークランド占領作戦開始を9月予定から前倒しして一気に行うことにした。3月28日、アルゼンチンがイギリスに主権交渉を要求したため、イギリスは3月29日と30日に１隻ずつの原潜派遣を決定。3月31日、アルゼンチン海軍空母ペインデシンコ・デ・マヨが航路を変更。イギリス国防省には２日後にアルゼンチン軍がフォークランド諸島に侵攻するという情報が入ったため、フォークランド総督は島民にラジオで警告を発し、4月1日にイギリスはアメリカに仲介を要請、レーガン大統領がアルゼンチンのガルチェリ大統領に武力行使の中止を要請した。この時、フォークランドに配備されていたイギリス軍は王立海兵分遣隊NP8901に所属する81名（海兵69名、水兵11名、徴募兵１名）のみであった。現地時間2130、アルゼンチン海軍42型駆逐艦サンティッシマ・トリニダードからスターリングMk5短機関銃で武装した水陸両用戦コマンドー（コンパニア・デ・コマンドー・アンフィビオス）中隊92名が20隻のゴムボートで出撃、先頭の隊員は2300にスタンリー南方のレイク・ポイントに上陸した。しかし後続のゴムボートが海草に絡まって進めなくなり、やむを得ずエンジンを全開にして騒音をまき散らす羽目になった。上陸したコマンドーは総督府とイギリス海兵隊庁舎に向け進撃。4月2日0400、アルゼンチン海軍ガピー級潜水艦サンタフェからアルゼンチン特殊部隊ブゾ・タクティコ（戦術潜水士）12名がアクアラングを付けて出撃し、空港北西のヨークベイに上陸。0600、アルゼンチン軍コマンドー76名がイギリス海兵隊庁舎に到達。しかしイギリス海兵隊は既に要所への展開を終了しており、中はもぬけの殻だった。総督府に向かった16名は中庭に迷い込んでしまい、イギリス海兵隊42名と戦闘になって４名が負傷、３名が捕虜となり、海兵大隊の到着を待つことになった。アルゼンチン揚陸艦カボ・サン・アントニオからLVTP-7装甲車22両とLARC-V指揮車５両が第２海兵大隊600-700名を乗せて出撃。上陸した隊員は空港周辺に到達し、守備に当たっていたイギリス海兵隊員数名はGPMG程度では反撃不能と判断して撤退した。アルゼンチン第２海兵大隊はスタンリーへと進撃したが、郊外でイギリス海兵隊の反撃を受けてLVTP-7少なくとも１両を破壊されている。スタンリー市街での戦闘は総督が禁止していたため、アルゼンチン第２海兵大隊は0800にスタンリーを占領。海岸には輸送船や砕氷船アルミランテ・イリザールが到着、105mm榴弾砲や物資を揚陸し、空港にはアルゼンチン独立第25連隊1000名を乗せた航空機部隊が着陸した。総督府にもアルゼンチン軍が到達し、0925にフォークランド総督は降伏、イギリス軍81名は武装解除されてイギリスに送還された。イギリスはアルゼンチンと国交を断絶し、国連安保理に提訴した。イギリス海兵隊第３海兵コマンドー旅団が出動準備を開始。4月3日、アルゼンチン軍がフリゲートのグェリーコ、砕氷船バイア・パライソを伴ってフォークランド諸島東860海里（1000km？）の南ジョージア島に上陸。この島を守っていたイギリス海兵隊員22名はカール・グスタフとLAWを岸から200ヤード（183m）の距離にいたグェリーコの吃水線下に命中させて戦闘不能にし、カール・グスタフによりピューマ２機を撃墜したが、多勢に無勢、アルゼンチン軍は南ジョージア島を占領し、フォークランド諸島など占領地域を軍政下に置いた。これを受けて国連安保理はフォークランド諸島に関する決議502号を採択。南ジョージア島の入り江にはイギリスの砕氷哨戒艦エンデュアランスがワスプ・ヘリコプター２機と共に潜んでおり、適宜偵察飛行を行ってアルゼンチン側の動静を伝えていた。4月5日、イギリスは武力によるフォークランド奪回作戦「コーポレート」を発動。空母ハーミーズ（シーハリアー12機、シーキング９機搭載）を旗艦とし、空母インビンシブル（シーハリアー８機）、巡洋艦アントリム、グラモーガン、駆逐艦シェフィールド、コベントリー、D88グラスゴー、D108カーディフ、ブリストル、D89エグゼター、フリゲートのアーデント、F173アロー、F174アラクリティ、アンテロープ、F172アンバスケード、F171アクティブ、F185アベンジャー、ヤーマス、プリマス、F90ブリリアント、F88ブロードソード、F56アーゴノート、アンドロメダ、F45ミネルバ、ペネロープ、強襲揚陸艦フィアレス、イントレピッドで編成されたイギリス海軍機動部隊（第317機動部隊と１個水陸両用師団）がポーツマス軍港からフォークランド諸島（8000km離れたアセンション島で補給を行い、更に5860km離れたフォークランド諸島に向かう）へ出撃。また、原潜や民間徴用船（客船キャンベラ、貨物船エルク、ノーランドなど）も加わった。イギリス軍航空戦力は空母２隻に搭載されたシーハリアー20機、対潜ヘリ25機、輸送ヘリ13機、汎用ヘリ15機で、後に増援のハリアー20機が加わった。また、本土からバルカン爆撃機が空襲を行っている。当時のアルゼンチン空軍航空戦力はミラージュ及びダガー43機、A-4攻撃機68機、キャンベラ９機、海軍航空隊航空戦力はA-4攻撃機11機、シュペール・エタンダール12機。フランスからエグゾセミサイル５発を購入しており、フランスやイスラエルの技術者が戦争中も支援に当たった。アルゼンチン海軍戦力は空母１隻、巡洋艦１隻、駆逐艦８隻、フリゲート３隻、潜水艦４隻であった。4月7日、イギリスがフォークランド諸島周辺200海里を航行封鎖海域に指定。4月8日、アルゼンチンが領土周辺200海里を南大西洋作戦水域に指定、予備役の一部を動員。アルゼンチン軍はコマンドー部隊と第２海兵大隊を本土に帰還させ、かわりに陸軍２個旅団13000名、パナールAML-90戦闘偵察車、ヘリコプター20機以上、プカラCOIN機25-28機を配備して守りを固めた。4月12日、イギリス海軍が原潜６隻でフォークランド諸島周辺200海里の封鎖を開始。4月14日、イギリス海軍機動部隊の先遣隊がアセンション島を出港して南下。4月16日、イギリス海軍機動部隊主力がアセンション島に到着。アメリカが第２回の調停を行った。4月18日、イギリス海軍機動部隊主力がアセンション島を出港して南下。4月21日、アルゼンチン軍の偵察機がイギリス海軍機動部隊を偵察。イギリス軍の空挺部隊及び機動部隊第２陣が出撃。4月22日、SBS（イギリス特殊舟艇部隊）が南ジョージア島に上陸して偵察を実施した。SASも15名が上陸したが、風速40m以上の暴風下で南極圏の極寒に晒されて遭難しかけたため撤退を決定。給油艦タイドスプリングからウェセックス５型輸送ヘリ１機が送られたが、SAS隊員を収容して離陸した直後に悪天候で墜落。更に１機が送られたがこれも同様に墜落し、巡洋艦アントリムから離艦したウェセックスHAS.3が７回飛行して墜落ヘリの乗員共々全員を救出した。4月23日、イギリス海軍機動部隊が警戒態勢に入り、アルゼンチン艦艇・航空機の接近に対し「適切な処置」を取ると警告。4月25日、イギリス海兵隊250名が南ジョージア島に上陸、アルゼンチン守備隊152名と民間人39名は抵抗せず降伏したため、その日のうちに制圧した。南ジョージア島の入り江に潜み続けていたエンデュアランスがアルゼンチン潜水艦サンタフェを発見し、リンクス対潜ヘリ２機がミサイルにより損傷させ、サンタフェはグリトビケン港内に逃げ込んで座礁、イギリス軍に鹵獲された。4月26日、イギリス軍が空挺部隊、フリゲート４隻、潜水艦１隻、掃海艇１隻を増派。4月27日、イギリス軍が強襲揚陸艦イントレピッドを増派。4月28日、イギリスがアルゼンチンに対して最後通告を発した。4月29日、アルゼンチンがアメリカの調停案を拒否し、フォークランド諸島から200海里を戦争区域に指定した。ソ連が偵察衛星コスモス1355号を打ち上げた。イギリス空軍はブラック・バック作戦を発動。4月30日、イギリスによるフォークランド諸島周辺200海里の海空全面封鎖が発効し、イギリスは戦時内閣を召集した。アメリカは調停を断念し、イギリスの支持を表明した。イギリス軍はフォークランド奪回作戦「サットン」の準備行動として、SASのＧ中隊とSBSの合同チームがシーキングに乗り込んで空母ハーミーズから発艦、東フォークランド島北部の偵察を行った。5月1日、イギリスがポート・スタンレー飛行場に艦砲射撃を加え、更にバルカン爆撃機１機が爆撃した。イギリス機動艦隊がフォークランド沖145kmに到達し、空母ハーミーズからシーハリアー12機が出撃、グースグリーン飛行場とスタンリー飛行場を爆撃した。模擬上陸作戦も実施したため、慌てたアルゼンチン軍は兵力を移動、防御態勢を暴露してしまった。21型フリゲートF173アローがポートスタンレー港外でキャンベラの爆撃を受けて小破した。5月2日、イギリス原潜コンカラーがフエゴ島の沖55kmでアルゼンチン巡洋艦ヘネラル・ベルグラーノを発見。左舷前方から接近する巡洋艦に対して炸薬量が多く信頼性の高いMk8長魚雷（タイガーフィッシュ魚雷？）２本を発射した。ヘネラル・ベルグラーノは左に転舵したが、２本とも左舷に命中して撃沈、乗員321名が戦死した。以降、アルゼンチン空母ペインデシンコ・デ・マヨ以下水上艦部隊は母港に退避したまま出撃することは無かった。5月3日、イギリスが豪華客船クイーン・エリザベス�U世号を徴用。5月3-4日、バルカン爆撃機１機がポート・スタンレー飛行場を爆撃。5月4日、シェフィールド撃沈。シーハリアーがポート・スタンレー飛行場とグースグリーン飛行場を攻撃。5月5日、アルゼンチンが国連総長の調停案を受諾。5月6日、イギリスが国連総長の調停案を条件付きで受諾。5月7日、イギリスが全面封鎖海域をアルゼンチン沿岸12海里まで拡大、アルゼンチンは国連安保理と米州機構に提訴。5月8日、アセンション島にイギリス軍増援のハリアー20機が到着。夜、イギリス艦隊がポート・スタンレーを砲撃。5月9日、イギリス軍がポート・スタンリー周辺に砲爆撃を実施した。イギリス機動部隊を追尾していたトロール船ナーワルをイギリスのシーハリアー２機が撃沈。5月11日、アルゼンチンが戦争水域を南太平洋まで拡大。徴用船キャンベラ（兵員2500名乗船）などを含むイギリス増援部隊が到着。フォークランド水道でF174アラクリティがアルゼンチン補給船サボ・ド・ロス・エスタドスを撃沈した。5月12日、42型駆逐艦グラスゴーがポートスタンレー北方で爆撃を受けて弾庫を貫通されたが、不発弾だったため難を逃れた。徴用兵員輸送船クイーン・エリザベス�U世が兵員3000名を乗せてサウサンプトンを出港。5月13日、アメリカ大統領がアルゼンチンに特使を派遣。5月14日、イギリスはサットン作戦の上陸地点として、防備が薄く海岸堡の設営に適したポート・サンカルロスを選択。ここは丘に囲まれていてエグゾセの攻撃を受けにくく、泊地にも適していた。まずは脅威となるペブル島の飛行場を制圧することにし、1400にSASのＤスコードロン45名がシーキング３機でペブル島に上陸した。5月15日、ソ連が偵察衛星コスモス1365号を打ち上げた。0300、イギリス巡洋艦グラモーガンの照明弾を合図に、ペブル島のSASが飛行場に突入。グラモーガンも砲撃を行い、配備されていた航空機11機、燃料弾薬、レーダー、滑走路を全壊させた。SASは２名が負傷しただけで、シーキングに搭乗して引き上げた。5月17日、国連の調停が再開された。5月18日、NATO外相会談でイギリスの支持を決定。5月19日、国連事務総長が最終案を提示。空母ハーミーズから揚陸艦イントレピッドに向かっていたシーキングがバードストライクで墜落、乗っていたSAS隊員18名が死亡した。5月20日、国連事務総長が調停を断念。5月21日、0340、イギリスSBS隊員35名がポート・サンカルロスのある湾口にあたるファニング・ヘッドにヘリで降下。アルゼンチン守備兵に12名の戦死者と９名の捕虜を出して後退させ、制圧した。その後東フォークランド島ポート・サンカルロスと、その南側のエイジャックス・ベイ、サンカルロスにスコーピオン軽戦車やレイピア地対空ミサイルを含む５個大隊（第３コマンド旅団及び空挺２個大隊）3000名が上陸、アルゼンチン軍司令部のある東部のスタンリーを目指し南北から進撃した。アルゼンチン軍はグース・グリーン飛行場からプカラ６機を離陸させようとしたが、SASの観測員がアーデントに艦砲射撃を要請して５機を破壊、残る１機も離陸直後にスティンガーで撃墜した。イギリス機動部隊泊地及び海岸堡付近には厳重な対空防御態勢が取られており、最外層でシーハリアーがCAPを行い、その内側には42型駆逐艦１隻と22型フリゲート１隻が陣取り、更に内側のフォークランド水道内部は3-4隻の艦船が遊弋、陸上のレイピアと泊地内の艦船が最終防御ラインを構成した。ただフォークランド水道は島影にあって狭いため回避行動が取れず、レーダーも効かず、かえって不利に働いてしまい、アルゼンチン本土から超低空飛行で接近したアルゼンチン機の爆撃を受けてアーデントが250ポンド爆弾10発（ロケット弾14発？）を被弾し沈没（死傷者59名）した。また、泊地内には肉薄攻撃を行うアルゼンチン機の爆弾やロケット弾が雨あられと降り注ぎ、爆弾横町（ボム・アレイ）の異名で呼ばれることとなった。ただ信管が古いためか、超低空で衝撃が少なかったためか、不発がやたらと多く、カウンティ級駆逐艦D18アントリムとリアンダー級フリゲートF56アーゴノートがサンカルロス泊地で被弾して後者は一時航行不能に陥ったものの、どちらも不発弾処理に成功して沈没は免れた。他に22型フリゲートF90ブリリアントとF88ブロードソードがフォークランド水道北西口で小破している。アルゼンチン機は60機以上が出撃し、15機が撃墜された。5月22日、上陸部隊が5000名となった。5月23日、イギリス海軍21型フリゲートのアンテロープがアルゼンチン空軍ミラージュ�V戦闘機やA-4スカイホーク攻撃機の攻撃を受け、爆弾１発が命中したが、不発だった。アルゼンチン機も10機が撃墜された。5月24日、アンテロープが不発弾処理に失敗して沈没。アルゼンチン機が３波にわたり攻撃を仕掛け、サンカルロス泊地で補給揚陸艦L3029サー・ランスロットを小破させた（不発弾だった）が、ハリアーの迎撃に遭って18機が撃墜された。5月25日、アルゼンチン軍A-4の爆撃により駆逐艦コベントリーが撃沈され、シュペル・エタンダールの発射したエグゾセによりアトランティック・コンベアが大破し、搭載されていたCH-47ヘリ３機を含むヘリ９機と、装軌車両多数、ハリアー用仮設滑走路、野営装備4500名分の揚陸が不可能となり、東フォークランド島の部隊は徒歩行軍と小規模のヘリボーン作戦しか出来なくなった。他に22型フリゲートF88ブロードソードがフォークランド水道北西口で爆弾に艦尾を貫通されたが、不発弾だったため難を逃れた。アルゼンチン機は８機が撃墜された。5月26日、国連安保理が調停工作再開要請決議案を採択。5月27日、東フォークランド島のイギリス軍が橋頭堡から前進を開始。第２パラシュート大隊はカミラクリークを占領。5月28日、アトランティック・コンベアが沈没。東フォークランド島のイギリス軍がポート・スタンリーまで60kmの地点に進出。イギリス陸軍第２パラシュート大隊がダーウィンを占領。ダーウィンとグースグリーンを結ぶ地峡で機関銃陣地と迫撃砲陣地から猛射を浴びて大隊長と副官が戦死したが、ミラン対戦車ミサイル、LAW、ハリアーのBL755クラスター爆弾で陣地を破砕して進撃した。ローマ法王がロンドンに到着。5月29日、第２パラシュート大隊はグースグリーンを占領。更にフィッツロイに向かい、第２パラシュート大隊に同行していた第５コマンド旅団長が50km手前で公衆電話の手回し式電話機で集落管理人に電話を掛けたところ、アルゼンチン軍が既に撤退したとの情報が得られたため、ヘリコプターをかき集めて一気に占領した。5月30日、イギリス軍がポート・スタンリーから15マイルの地点まで前進。第３パラシュート大隊の先遣隊はディールインレットを、第45コマンド大隊の先遣隊はダグラスを占領した。バルカン爆撃機１機がレーダーサイトを爆撃。２機のアルゼンチン軍ミラージュが３発のエグゾセを放ったが、F185アベンジャーの砲撃で１発を撃墜し、チャフで２発を妨害して事無きを得た。アルゼンチン参謀本部がイギリス空母の撃破を発表したが、後に誤報と判明。アメリカ大統領がイギリス首相に公平な解決を要請。5月31日、第42コマンド大隊がケント山を占領。6月1日、イギリス首相がアルゼンチンに最後通告。イギリス第５歩兵旅団がサンカルロスに上陸した。6月2日、D108カーディフがシーダート艦対空ミサイルでガゼル小型ヘリコプターを誤射撃墜。イギリス軍がポート・スタンリーへの砲撃を開始。第45コマンド大隊がダグラスへの集結を完了。6月2-3日、バルカン爆撃機１機がレーダーサイトを爆撃。6月3日、イギリス軍が降伏勧告ビラを空中から散布。アメリカとフランスの大統領が国連安保理決議502号の枠内での紛争解決で一致。6月4日、国連安保理で即時停戦決議が出されたが、アメリカとイギリスが拒否権を発動。第３パラシュート大隊がティールインレットへの集結を完了。6月7日、イギリス上陸部隊司令官がアルゼンチン守備隊に降伏を勧告。アルゼンチンは国連の撤退案を拒否。6月8日、イギリス第５歩兵旅団ウェールズ大隊はポートスタンリー南西部のフィッツロイ湾に敵前上陸。護衛無しだったため、1250にアルゼンチン空軍のミラージュ２機及びA-4スカイホーク３機の攻撃を受けて輸送艦サー・ガラハドが爆弾３発を被弾し沈没（48名が死亡、87名が負傷）、L3505サー・トリストラムが機銃掃射とロケット弾、爆弾の至近弾を浴びて大炎上、12型フリゲートのブリマスがフォークランド水道で爆撃を受けて大破した。夕方にはLCU型上陸用舟艇F4がアルゼンチン軍の爆撃を受けて撃沈され、６名が死亡した。アルゼンチン軍機は10機が撃墜された。第５歩兵旅団は２個中隊を失ったが、アルゼンチン側が過大評価してスタンリーへの攻撃開始時期・規模を誤認するのを期待し、死傷者数を明らかにしなかった。思惑通りアルゼンチンはイギリス側の損害を見誤り、スタンリー周辺の防御態勢の構築が遅れた。6月10日深夜、ポート・スタンリーを包囲したイギリス第３コマンド旅団第３パラシュート大隊、第42コマンド大隊、第45コマンド大隊が総攻撃を開始。ロングドン山ではアメリカ製夜間暗視装置を持つアルゼンチン軍に対し、イギリス第３パラシュート大隊が陣地に突入して銃剣戦闘を展開、制圧した。ローマ法王がブエノスアイレスに到着。6月12日、バルカン爆撃機１機がポート・スタンレー飛行場を爆撃。カウンティ級駆逐艦D19グラモーガンが、対地支援射撃を終えて機動部隊に復帰しようとした際、ペンブローク岬付近からエグゾセ地対艦ミサイル（水上艦から外したランチャーを据え付けてあった）による攻撃を受けた。レーダーや逆探では探知できず、0636に目視で発見した時にはエグゾセが３海里先まで迫っていたが、何とかシーキャット艦対空ミサイル１発が間に合い、至近炸裂により軌道が逸れたエグゾセは左舷側シーキャット発射機を貫通してヘリ格納庫内で爆発。ガスタービンと非常用電源系統が損傷し、シースラグ弾庫の主消火システムが作動不能に陥ったが、主電源系が無傷だったためダメージ・コントロールに成功している。6月13日、イギリス第３コマンドー旅団は第３パラシュート大隊、第42コマンドー大隊、第45コマンドー大隊を予備に回し、第２パラシュート大隊、スコットランド大隊、グルカ兵大隊をポートスタンレー攻略に投入。6月14日、イギリス軍はポートスタンレー市街の外郭に到達し、市街戦での民間人の犠牲を防ぐために前進を停止した。アルゼンチン軍守備隊は降伏し、16時に停戦が発効した。6月15日、アルゼンチン大統領が戦闘終結を認めた。6月16日、アルゼンチン守備隊は武装解除された。アルゼンチン統合参謀本部は、停戦は東フォークランドの守備隊にのみ適用されると発表した。6月17日、アルゼンチンのガルチェリ大統領が退陣した。6月20日、イギリス軍が南サンドイッチ島を占領し、イギリスが停戦を宣言した。6月25日、フォークランド総督がポートスタンレーに帰還した。イギリスはアルゼンチンの対艦ミサイル攻撃に対してチャフを大量使用し、アメリカから緊急輸入する事態にもなったが、アルゼンチン軍機はレーダー照準を使用しなかったため、あまり効果が無かった。また、アルゼンチン軍攻撃機に対処するため、巡洋艦や駆逐艦をレーダー哨戒に使用していたが、かえって攻撃目標にされてしまい損害が続出した。この戦訓から、CIWSの装備や、早期警戒型シーキングの配備を進めることになった。参考：月刊軍事研究7,’07、2,’09、1,’13、月刊世界の艦船5,’83、4,’18、11,’19、9,'22、スピアヘッドNo.5、No.6、No.7、No.8、ザ・マーチ23号、世紀の失敗物語、JShips Vol.20、現代の空挺作戦、週刊エアクラフトNo.48、月刊丸12,’92

＜フォークランド紛争・データ集＞：イギリス海軍の参加艦船は原潜がコンカラー、S50カレイジャス、S105スパルタン、S106スプレンディッド、S102ヴァリアント、通常潜水艦がオベロン級オニックス、空母がインヴィンシブルとハーミーズ、強襲揚陸艦がフィアレスとイントレピッド、ミサイル駆逐艦がカウンティ級アントリム、グラモーガン、ブリストル級ブリストル、42型D108カーディフ、コベントリー、D89エグゼター、D88グラスゴー、シェフィールド、フリゲートがリアンダー級アンドロメダ、F56アーゴノート、F45ミナーヴァ、ペネロープ、一二型プリマス、ヤーマス、21型F171アクティブ、F174アラクリティ、F172アンバスケイド、アンテロープ、アーデント、F173アロー、F185アベンジャー、22型F90ブリリアント、F88ブロードソード、哨戒艦がキャッスル級P265ダンバートン・キャッスル、P258リーズ・キャッスル、氷海哨戒艦がエンデュアランス。また、観測艦A133ヘクラ、A138ヘラルド、A144ハイドラを傷病者運搬船として使用した。民間から徴用したコルデラ、ファネラ、ジェネラ、ノーセラ、ピクトは海軍軍人が乗り込んで現役イギリス海軍艦艇（掃海トロール船）扱いとした。RMASからは深海繋留・サルベージ船のグーサンダーと曳船タイフーンが参加。王国艦隊補助部隊RFA所属艦船からは大型艦隊用タンカーのA124オルメダ、A123オルナ、タイドプール、A75タイドスプリング、小型艦隊用タンカーのA270ブルー・ローバー、支援用タンカーのアップル・リーフ、A109ベイ・リーフ、A81ブランブル・リーフ、パール・リーフ、A78プラム・リーフ、艦隊補給艦フォート・オースチン、フォート・グランジ、A480リソース、A486リージェント、物品補給艦A344ストロムネス、ヘリコプター支援艦K08エンガディン、兵站揚陸艦サー・ペディヴィア、サー・ガラハト、L3027サー・ゲライント、L3029サー・ランスロット、L3036サー・パーシバル、L3505サー・トリストラムが参加した。民間徴用船舶は定期船のキャンベラ、クイーン・エリザベス�U世、ウガンダ、タンカーのアルベガ、アンコ・チャージャー、バルダ・ロンドン、ブリティッシュ・エイボン、ブリティッシュ・ダート、ブリティッシュ・エスク、ブリティッシュ・タマー、ブリティッシュ・テェイ、ブリティッシュ・テスト、ブリティッシュ・トレント、ブリティッシュ・ワイ、フォート・トロント、G.A.ウォーカー、スコティッシュ・イーグル、シエラ・エバーナ、Ro/Ro貨物船のアトランティック・コーズウェイ、アトランティック・コンベア、バルチック・フェリー、コンテンダー・ベザント、エルク、ヨーロピック・フェリー、ノルディック・フェリー、トー・カレドニア、コンテナ船のアストロノーマー、貨客船のノーランド、ランガティラ、セント・エドモント、セント・ヘレナ、貨物船のアベローナ・スター、ギースポート、ラエーテス、ライキャオン、サキソニア、ストラスウィー、外洋支援船のブリティッシュ・エンタープライズ�V世、ステナ・インスペクタ、ステナ・シースプレッド、ウインピー・シーホース、曳船のアイリッシュマン、サルベージマン、ヨークシャーマン、電纜敷設船のC.S.アイリス。参加した海軍航空隊は第737飛行隊（ウェセックスHAS.Mk3。カウンティ級駆逐艦搭載）、第800飛行隊（シーハリアー。ハーミーズ搭載）、第801飛行隊（シーハリアー。インヴィンシブル搭載）、第809飛行隊（シーハリアー。ハーミーズ及びインヴィンシブル搭載）、第815飛行隊（リンクスMk3。ハーミーズ、インヴィンシブル、42型駆逐艦、リアンダー級、F171アクティブ以外の21型フリゲート、22型フリゲート搭載）、第820飛行隊（シーキングMk5。インヴィンシブル搭載）、第824飛行隊（シーキングMk2。フォートグランジ、A124オルメダ搭載）、第825飛行隊（シーキングMk2。アトランティック・コーズウェイ、クイーン・エリザベス�U世搭載）、第826飛行隊（シーキングMk5。ハーミーズ、フォート・オースチン搭載）、第829飛行隊（ワスプ。F171アクティブ、エンデュアランス、プリムス、ヤーマス、コンテンダー・ベザント、観測船搭載）、第845飛行隊（ウェセックスMk5。インヴィンシブル、フォート・オースチン、イントレピッド、A480リソース、タイドプール、A75タイドスプリング搭載）、第846飛行隊（シーキングMk4。ハーミーズ、フィアレス、イントレピッド、キャンベラ、エルク搭載）、第847飛行隊（ウェセックスMk5。K08エンガディン、アトランティック・コーズウェイ搭載）、第848飛行隊（オルナ。リージェント、アトランティック・コンベア搭載）、第899飛行隊（シーハリアー。ハーミーズ及びインヴィンシブル搭載）である。陸軍参加部隊は第５歩兵旅団司令部、近衛騎兵隊２個中隊、近衛スコットランド連隊第２大隊、近衛ウエールズ連隊第１大隊、エジンバラ公爵第７グルカライフル連隊第１大隊、パラシュート連隊第２大隊、同第３大隊、第22特殊空挺連隊、第656陸軍航空隊、第４野戦砲兵連隊、第２防空砲兵連隊、第29コマンド砲兵連隊、第32誘導武器連隊第43防空中隊、第49野戦砲兵連隊、砲兵支援技術学校、第33工兵連隊、第36工兵連隊、第38工兵連隊、第59独立コマンド工兵隊、工兵第２郵便連隊、第14通信連隊、第20通信連隊、第602通信中隊、輸送第17港湾連隊、輸送第29輸送連隊、輸送第47航空隊、輸送第407部隊、衛生第16野戦隊、衛生第19野戦隊、砲兵第９武器大隊、砲兵第81武器中隊、機電工兵第10野戦整備隊、機電工兵第70航空整備隊、憲兵第160憲兵中隊、経理第６野戦隊、第601戦術航空管制隊、第602戦術航空管制隊、第603戦術航空管制員。海兵隊参加部隊は第３コマンド旅団司令部、第40コマンド大隊、第42コマンド大隊、第45コマンド大隊、第３コマンド旅団飛行隊、コマンド兵站連隊、SBS、防空中隊、第１急襲隊、山岳極地戦教導隊、Ｙ小隊、派遣隊、イギリス海兵コマンド部隊軍楽隊、第３艦隊軍楽隊、前線記録隊。陸上部隊は海兵隊第３コマンド旅団と陸軍第５歩兵旅団に分かれており、もともと第５歩兵旅団隷下だったパラシュート２個大隊は第３コマンド旅団の指揮下に入っている。空軍参加部隊は第１飛行隊（ハリアーGR.3）、第10飛行隊（VC-10C.Mk1）、第18飛行隊（チヌークHC.Mk1）、第24飛行隊（ハーキュリーズC.Mk1）、第29飛行隊（ファントムFGR.Mk2）、第30飛行隊（ハーキュリーズC.Mk1）、第42飛行隊（ニムロッドMk.1）、第44飛行隊（バルカンB.Mk2）、第47飛行隊（ハーキュリーズC.Mk1）、第50飛行隊（バルカンB.Mk2）、第55飛行隊（ビクターK.Mk2）、第57飛行隊（ビクターK.Mk2）、第70飛行隊（ハーキュリーズC.Mk1）、第101飛行隊（バルカンB.Mk2）、第120飛行隊（ニムロッドMk2）、第201飛行隊（ニムロッドMk2）、第202飛行隊（シーキング）、第206飛行隊（ニムロッドMk2）、第３航空連隊（航空団司令部組織）、第15航空連隊（野戦派遣隊）、第63航空連隊（レイピア対空ミサイル部隊）、戦術航空通信団、戦術航空補給団、爆発物処理隊。スコーピオンとシミターは平均で350海里を踏破。砲兵中隊の30門の105mm砲は17500発の砲弾を撃ち込み、艦艇は8000発の4.5インチ（114.3mm）砲弾を発射した。徴用船舶は兵員9000名、貨物10万トン、その他燃料40万トン、航空機95機を輸送した。イギリス側の損害は死者253名。戦費は4200億円。撃墜されたり喪失したりしたイギリス軍機はシーハリアー６機、ハリアーGR.3が４機、リンクス３機、ガゼル３機、ウェセックス５が11機、チヌークが３機、スカウトが１機、シーキングMk4が１機、シーキングMk5が４機。イギリスが失った艦船はシェフィールド、アンテロープ、アーデント、コベントリー、アトランティック・コンベア、サー・ガラハド。アルゼンチン側の損害は、死者・行方不明691名、捕虜12000名。戦費は2300億円。イギリス側が撃墜したとするアルゼンチン軍機は117機で、A-4スカイホークが45機、ミラージュ／ダガーが27機、プカラが21機、メンターが４機、アエロマッキが３機、キャンベラが３機、スカイバンが１機、C-130が１機、リアジェットが１機、ピューマが６機、ヒューイが２機、チヌークが２機。撃墜した兵器はハリアー／シーハリアーのAIM-9L（26発発射）が確実16機・不確実１機（ミラージュ�VEA１機、ダガー９機、A-4P/Q攻撃機６機、キャンベラ１機、C-130E輸送機１機の計18機？）、ハリアー／シーハリアーの30mmアデン砲が確実４機・不確実２機（A-4P/Q攻撃機２機、プカラ１機の計３機？）、シーウルフが確実５機、シーダートが確実８機、シーキャットが確実８機・不確実２機、レイピアが確実14機・不確実６機、ブローパイプが確実９機・不確実２機、スティンガーが確実１機、対空砲火が確実７機・不確実１機である。アルゼンチン側は戦闘損失49機＋事故損失30機と発表している。アルゼンチンが失った艦船は巡洋艦１隻と潜水艦１隻。参考：ザ・マーチ23号、スピアヘッドNo.8、月刊世界の艦船5,’83、月刊JWings10,’18

＜フォークリフト１トン＞：自衛隊のフォークリフト。三菱重工またはニチユMHI東京またはユニキャリア製。参考：月刊軍事研究6,’08、1,’14、3,’17

＜フォークリフト１トン（�T型）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト１トン（�U型）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト１トン（ディーゼル式・サイドシフト付）＞：自衛隊の車両。ニチユMHI東京製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜フォークリフト１．５トン＞：自衛隊の車両。コマツリフト製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜フォークリフト１．５トン（蓄電気式）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト１．５トン野外用＞：自衛隊のフォークリフト。TCM製。参考：月刊軍事研究11,’08

＜フォークリフト１．５トン（バッテリー式）�T型＞：自衛隊の車両。日本輸送機製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト１．５トン（バッテリー式・�U型）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト２トン＞：自衛隊のフォークリフト。日産自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜フォークリフト２トン（�T型）＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト２トン�U型＞：自衛隊の車両。コマツユーティリティ製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト２トン�V型＞：自衛隊の車両。コマツユーティリティ製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト２トン（ガソリン式・ドラムクランプ付）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト２トン（サイド式）＞：自衛隊の車両。シンフォニアエンジニアリング製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト２トン（ディーゼル式）＞：自衛隊の車両。三菱重工またはニチユMHI東京製。参考：月刊軍事研究8,’10、9,’14

＜フォークリフト２トン（電気式）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京またはニチユMHI東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10、2,’17

＜フォークリフト２．５トン＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究9,’15

＜フォークリフト２．５トン弾薬庫用＞：自衛隊の車両。TCM製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜フォークリフト２．５トン（電気式・サイド式）＞：自衛隊の車両。シンフォニアエンジニアリング車輌製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜フォークリフト３トン＞：自衛隊の車両。三菱重工またはトヨタエルアンドエフ東京またはTCMまたはニチユMHI東京またはユニキャリアが受注している。参考：月刊軍事研究7,’10、11,’12、1,’14、2,’17

＜フォークリフト３トン�T型＞：自衛隊の車両。東京TCM製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト３トン�U型＞：自衛隊の車両。東京TCM製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト３トン（Ｂ７４７用）＞：自衛隊の車両。東京TCM製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト３トン（ガソリン式・フルフリーマスト付）＞：自衛隊の車両。住友ナコマテリアルハンドリング販売が受注している。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト３トン（ディーゼル式・サイドシフト付）＞：自衛隊の車両。ニチユMHI東京または住友ナコマテリアルハンドリング販売が受注している。参考：月刊軍事研究9,’14、2,’17

＜フォークリフト３トン（電気式）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト３トン（フロント式）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京または東京TCMが受注している。参考：月刊軍事研究7,’10、8,’10

＜フォークリフト３．５トン（教習車）ダブル＞：自衛隊の車両。TCM製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜フォークリフト３．５トン（教習用）＞：自衛隊の車両。TCM製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜フォークリフト４．５トン＞：自衛隊の車両。シンフォニアエンジニアリング製。参考：月刊軍事研究10,’11

＜フォークリフト５トン＞：航空自衛隊の５トンフォークリフトFD-50-1。全長5.2m、全幅1.8m、全高2.7m、重量7.5トン、最大積載量５トン。エンジンはDA220液冷４気筒（総排気量4.084リットル）、トランスミッションは常時咬合式前進２段・後進２段、最大速度22km、タイヤ数６。乗員１名。小松製作所製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜フォークリフト５トン＞：自衛隊のフォークリフト。三菱重工または東京TCMまたはTCMまたはニチユMHI東京またはニチユMHIまたはユニキャリア製。参考：月刊軍事研究6,’09、8,’10、10,’11、1,’13、3,’17

＜フォークリフト５トン�U型＞：航空自衛隊のフォークリフト31-FD50PA�V。全長5.42m、全幅1.97m、全高2.49m、車重8.58トン、最大積載量2.7トン。エンジンはW06D直列６気筒ディーゼル（5759cc、59馬力）で、トランスミッションはトルクコンバータ付き３要素１段１相型前進２段・後進２段、最大速度24.5km、燃料タンク容量110リットル。乗員１名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜フォークリフト５トン（Ｂ７４７用）＞：自衛隊の車両。トヨタエルアンドエフ東京が受注している。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォークリフト５トン（ＧＭ用）＞：自衛隊の車両。東京TCMが受注している。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト５トン（ディーゼル式）＞：自衛隊の車両。ユニキャリア製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜フォークリフト５トン（ディーゼル式・サイドシフト付）＞：自衛隊の車両。コマツリフトまたはTCMまたはニチユMHI東京製。参考：月刊軍事研究11,’11、1,’14、2,’17

＜フォークリフト５トン（電気式・サイドシフト付）＞：自衛隊の車両。ユニキャリア製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜フォークリフト１０トン＞：自衛隊のフォークリフト。コマツユーティリティまたはユニキャリア製。参考：月刊軍事研究6,’08、12,’15

＜フォークリフト１１トン＞：自衛隊の車両。コマツユーティリティ製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜フォークリフト（蓄電池式）＞：自衛隊の車両。日本輸送機製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜フォークリフト（蓄電池式）１．５トン＞：自衛隊のフォークリフト。トヨタエルアンドエフ東京または日本輸送機製。参考：月刊軍事研究6,’09、10,’09

＜フォークリフト（野外用）＞：自衛隊のフォークリフト。東京TCMまたはTCMまたはユニキャリア製。参考：月刊軍事研究10,’10、10,’11、8,’15

＜フォークリフト（野外用）１．５トン＞：自衛隊の車両。TCM製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜フォーサイス＞：PF-102（フリゲート）を参照。

＜フォーサイス＞：アレキサンダー・ジョン・フォーサイス。雷こうを使ったパーカッション・キャップを開発した牧師である。参考：GUN用語事典

＜フォー・シップ・インバート＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Four Ship Invert。４機（1-4番機）が会場右手から高度100mの密集ダイヤモンド隊形で進入し、２機ずつ（１・４番機、２・３番機の順）が右180度ロールを行って背面飛行に移行、その後全機が右180度ロールを行って会場左手に抜ける。参考：月刊JWings6,’09、7,’12、6,’10、6,’10別冊付録、8,’15、8,’24

＜フォージャー＞：Yak-38シリーズ（VTOL機）を参照。

＜フォース＞：P222（哨戒艦）またはRPL06（揚陸艇）を参照。

＜フォース１７＞：PLOのアラファト議長警護部隊。元々はファタハの精鋭部隊だが、完全に私兵化している。参考：月刊軍事研究6,’01

＜フォース２１＞：アメリカ陸軍訓練教義コマンドの1994年8月1日付けパンフレット525-5に登場した概念。21世紀初頭の世界に対応できる軍隊を目指している。指揮系統を非階層的に組み替えているのが特徴で、戦闘情報を指揮系統の上下を問わず得ることができる。１個師団の作戦担当域は120km×200kmに達する。ちなみに湾岸戦争時は100km四方、朝鮮戦争時は21km四方、第２次大戦時は7km×21kmであった。参考：月刊PANZER7,’00、月刊軍事研究4,’02

＜フォース４５６＞：Ｄ部（工作部隊）を参照。

＜フォース級＞：リバー級バッチ２（哨戒艦）を参照。

＜フォース・スティック＞：操縦桿に加わった力をセンサーで感知し、操縦コンピュータに伝達するタイプの操縦桿のこと。コンピュータはセンサーデータやエアデータ、フライトデータなどを統合してアクチュエータの作動量を決め、舵を動かす。フライ・バイ・ワイヤの登場により、操縦桿で操縦索を動かす必要が無くなったために誕生した。操縦桿はサイドコンソールに配置されていることが多く、姿勢が楽だが、操作する腕を負傷した際に逆の手で操作するのが難しい。操縦桿が完全に固定されているタイプと、少し動くタイプがある。参考：月刊軍事研究6,’15

＜フォースする＞：日本海軍士官のスラングで、無理矢理女性をものにすること。参考：帝国陸海軍事典

＜フォース・プロテクション・コンディション＞：FPCON（警戒レベル）を参照。

＜フォース・プロテクション社＞：アメリカの装甲車メーカーで、1997年に設立された。南アメリカのデネル社傘下のメカム社社長だったジョイント博士が部下と共に設計陣として参加している。バッファローとクーガーがアメリカで、マスティフがイギリスで採用された。2008年には売り上げが13億ドルに達したが、その後はMRAP需要の落ち込みで2010年の売り上げは６億5500万ドルと半減、2011年11月にジェネラル・ダイナミクス社に買収された。参考：月刊軍事研究9,’07、5,’12

＜フォース・プロバイダー＞：フォース・ユーザーに出来るだけ多くの人・物・金を提供し、訓練を欠かさず、実任務での作戦運用を容易たらしめる組織・指揮官のこと。参考：月刊軍事研究10,’14

＜フォース・プロバイダー（海上自衛隊）＞：主に部隊の錬成を行う指揮官のことで、育て上げた戦力と指揮官をフォース・ユーザーに提供し、作戦運用を補佐する。隷下部隊がすべき役割を完璧にこなせるよう最高の練度に保つと共に、能力以上の無理を押しつけられて崩壊を招かないようフォース・ユーザーに隷下部隊のできる役割を進言する。護衛艦隊司令官、航空集団司令官、潜水艦隊司令官、掃海隊群司令がこれにあたる。2007年度末に内部規則で規定された。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、月刊航空情報5,’18

＜フォースホーク＞：UH-60シリーズ（ヘリ）を参照。

＜フォースミックス＞：アメリカ空軍の主力機運用構想で、対空任務専門のF-22、対地任務戦用のB-2A、両用のF-35を組み合わせて運用するものである。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォース・ユーザー＞：フォース・プロバイダーから提供された人・物・金を最大限に活用し、錬成度を見極め、実任務で可能な限り高い戦力を発揮させる組織・指揮官のこと。参考：月刊軍事研究10,’14

＜フォース・ユーザー（海上自衛隊）＞：主に高い練度の部隊を指揮し、作戦運用を行う指揮官のこと。自衛艦隊司令官と地方総監がこれにあたる。即応能力と運用柔軟性を高める目的で2007年度末に内部規則で規定された。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、8,’12

＜フォース・リコン＞：アメリカ海兵隊の部隊。水陸両用作戦時に上陸地点に事前潜入して偵察を行う。参考：月刊JWings5,’22

＜フォーチュン＞：H70（駆逐艦）を参照。

＜フォーチュン・ガード１４＞：PSI宣言に基づく海上阻止訓練で、アメリカが主催し、2014年8月4-7日にハワイで行われた。防衛省、自衛隊、外務省、警察庁、財務省、海上保安庁から人員300名、海自からDDH-182いせが参加している。参考：朝雲

＜フォーティ・クリロフ＞：ロシアのバクラザン型救難曳船Fotiy Krylov。民間船籍である。全長97.6m、5250総トン、満載排水量8128トン。速力18.2ノット。2009年10月30日0600頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ドゥブナ級給油艦ペチェンガと共に、下対馬南南東26kmを南西に航行するのを、DD-104きりさめが確認した。その後これらは対馬海峡を南下している。11月30日、東南アジア諸国訪問を終えたスラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ドゥブナ級給油艦ペチェンガと共に下対馬の南東28kmを航行しているのをDE-232せんだいが発見した。2010年7月12日、巡洋艦ワリヤーグ、補給艦ボリス・ブトマと共に尻屋崎の北北東30kmを航行しているのをDE-233ちくまが発見した。11月19日、デルタ�V型戦略原潜と共に宗谷岬の東150kmを航行しているのを第２航空群P-3Cが発見した。2011年5月5日1100、上対馬の東45kmを南西に航行しているのをDD-127いそゆきが発見した。6月10日1800頃、下対馬の南西100kmを北東に航行しているのをこんごうが発見した。2012年2月9日0900-1100頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマと共に下対馬の南西120kmを北上していくのをDD-154あまぎりが発見した。その後対馬海峡を北上している。6月13日、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマと共にウラジオストクを出港。6月14日1700頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマと共に竜飛崎の西北西350kmの日本海を東に航行しているのを第２航空群のP-3Cが発見した。その後津軽海峡を東に進んでいる。6月29日から8月3日までリムパック2012に参加。8月24日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマと共に、尻屋崎の東50kmを航行するのを、DE-231おおよどが確認した。2013年3月21日1400頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ロプーチャ�T型揚陸艦BDK-98、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェートと共に、上対馬の北東170kmを南西に航行するのを第４航空群P-3Cが確認した。その後、地中海で長期行動に入っている。12月22日、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスヴェート、ドゥブナ級補給艦ペチェンガと共に、下対馬の南西70kmを北に航行しているのを、第４航空群P-3Cが発見した。12月24日、ウラジオストクに入港。2014年10月25日1300頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマと共に、上対馬の北東220kmを南西に航行するのを第４航空群P-3Cが発見した。その後対馬海峡を南下して太平洋に抜けている。12月11日2300頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマと共に、下対馬南西110kmを北東に航行するのを、第１航空群P-3Cが発見した。2016年3月28日0430頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ドゥブナ級補給艦イルクートと共に、上対馬北東74kmを南西に航行するのを、第４航空群P-3CとMSC-685とよしまが発見した。その後対馬海峡を南下している。4月12-16日、インドネシアの多国間人道支援・災害救難訓練コモド2016に参加。2017年11月7日0200頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、アリゲーター�W級揚陸艦ニコライ・ヴィルコフと共に、下対馬南西120kmを北東に航行するのを、PG-829しらたかと第１航空群P-3Cが確認した。その後対馬海峡を北上して日本海に向かっている。2018年8月29日0200-0330頃、プロジェクト20381ステレグシュチイ級フリゲートのソブエルシェンヌイ、グリシャ�X型警備艦メテル、同MPK221、タランタル�V級ミサイル艇R11、同R14、同R18、同R19、同R20、同R79、ドゥブナ級補給艦１隻、イングル級救難曳船マシューク、オビ級病院船イルティシュと共に、礼文島北西110kmを東に航行するのを、DD-155はまぎりと第２航空群P-3Cが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に航行している。参考：月刊世界の艦船3,’10、2,’10、4,’11、9,’11、9,’12、4,’13、6,’13、3,’14、1,’15、3,’15、6,’16、1,’18、3,’19、朝雲

＜フォーティチュード作戦＞：オーバーロード作戦を秘匿するために実施された欺瞞作戦。上陸地点をパ・ド・カレーと思いこませるスターキー作戦、フランスに撹乱情報員を送り込むサセックス作戦、モントゴメリーが地中海・中東方面に止まっていると思わせるカッパーヘッド作戦などが行われた。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜フォーティテュード級＞：スピアヘッド級（輸送艦）を参照。

＜フォーティチュード・サウス＞：ボディガード作戦を参照。

＜フォーティチュード・ノース＞：ボディガード作戦を参照。

＜フォート＞：S-300F（艦対空ミサイルシステム）を参照。

＜フォート＞：アメリカ陸軍用語で、国内に設置されている大規模な恒久基地を指す。参考：月刊軍事研究5,’09

＜フォート＞：カナダ軍高等練習機。主翼は低翼単葉の片持ち翼。全長7.94m、全幅10.9m、全備重量1.755トン。エンジンはヤコブスL-6（330馬力。250馬力エンジン搭載型もある）単発で、最大速度304km、実用上昇限度12000m。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜フォード＞：F4Dシリーズ（戦闘機）またはFFG-54（フリゲート）を参照。

＜フォード３トン戦車＞：アメリカ陸軍が貨物牽引用に採用した装甲車で、1918年にフォード社に発注された。エンジンはＴ型フォードのものを２台積んでいる。壕を超えられるよう、車体後部に尾体が付いている。15000両以上が発注されたが、第１次大戦が終結したため、15両のみ作られた。参考：月刊PANZER7,’09

＜フォートＭ＞：S-300FM（艦対空ミサイル）を参照。

＜フォート・オースチン＞：A386（補給艦）を参照。

＜フォート・カニング＞：シンガポール南部にあるブキ・ラランガン丘に建設された要塞陣地で、1859年5月に完成した。備砲は68ポンド砲７門で、後に17門に増やされた。19世紀末になるとフランスやロシアの脅威が高まったため、要塞を他の地域に分散強化することになり、1892年までに砲を撤去して通信所となった。参考：月刊軍事研究6,’08

＜フォート級＞：エンパイア級・海外シリーズ（戦時標準大型貨物船）を参照。

＜フォード級＞：ジェラルド・Ｒ・フォード級（空母）を参照。

＜フォード級＞：イギリス海軍哨戒艦Ford級。全長35.7m、幅6.1m、吃水2m、基準排水量120トン。主機はディーゼルで、出力1100馬力、速力18ノット。兵装は爆雷投下軌条２条。P3113ドロックスフォードが1954年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜フォート・グランジ＞：A385（補給艦）を参照。

＜フォート・グランジ級＞：イギリス海軍給兵艦Fort Grange級。AEFS（Ammunition, Explosives, Food, Stores）ともいう。船倉は13000立方メートルの広さがあり、艦前部・中央部に補給装置、後部にVERTREP用ヘリ甲板を持つ。ヘリ格納庫には４機を収容でき、通常は輸送ヘリ１機でVERTREPを行うが、緊急時にはヘリ格納庫の天井をヘリ発着甲板として利用、対潜ヘリ４機を運用して対潜戦にも投入できる。全長183.9m、幅24.1m、吃水9m、満載排水量23600トン。主機はディーゼルで、出力23300馬力、速力22ノット（20ノット？）。弾薬1500トン、食料1500トン、予備品・消耗品500トンを搭載できる。1978-79年にA385フォート・グランジとA386フォート・オースチンが就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83、8,’82増刊

＜フォート・グリーリー＞：アメリカのGBMD配備基地の１つ。アラスカ州中央部にあり、北朝鮮及び中国のICBMがアメリカ西海岸を狙うとちょうどこのあたりを通るので、ここにGBIが配備されることとなった。参考：月刊軍事研究1,’05

＜フォード社＞：アメリカの自動車会社。1942年2月、アメリカ大統領・政府の要請で民需生産を停止し、軍需生産に切り換えた。太平洋戦争中にGPWジープ28万両、GPA水陸両用車、４×４輪野戦トラック、M20装輪装甲車、M8装輪装甲車、ブレンガン・キャリア、M4中戦車用Ｖ型８気筒エンジン、プラット＆ホイットニー航空エンジン、艦載40mm機関砲とFCS、魚雷、爆弾、機銃、M1カービン、B24爆撃機6500機以上、連合国向け航空機ノックダウン生産キット2000機分などを生産している。参考：THE JEEP

＜フォート・シャフター＞：アメリカ陸軍の基地で、ハワイのオアフ島（ホノルル近郊）にある。面積1909エーカー。参考：月刊軍事研究2,’17

　＜フォート・シャフター（２０１６年）＞：太平洋陸軍司令部、第８戦域継戦コマンド司令部、第196歩兵旅団、第94陸軍防空・ミサイル防衛コマンド司令部、第517通信旅団、第311通信コマンド、第500軍事情報旅団第205軍事情報大隊、第18医療コマンド、第413契約支援旅団が置かれている。参考：月刊軍事研究2,’17

＜フォート・スティキーン爆発事故＞：1944年2月24日、イギリスのフォート級戦時標準大型貨物船フォート・スティキーンが、ビルマに展開するイギリス軍向けのスピットファイア、グライダー、TNT火薬、弾薬、地雷、焼夷弾など爆発物1395トンなどを搭載してイギリスのバーケンヘッドを出港。3月末、カラチに入港して航空機を降ろし、代わりに肥料の魚粕、材木、くず鉄、潤滑油、綿花などを積んでボンベイに向かったが、５つの船倉のうち３つで綿花と潤滑油と爆発物が混載されていた。３日後にボンベイに到着、ヴィクトリア・ドックに入って貨物を降ろし始めたものの、爆撃や破壊工作の目標になるのを避けるため赤旗は表示しなかった。また、爆発物の荷下ろしも艀が遅れたのと作業員が2-3人しか割り当てられなかったため、全く進まなかった。4月14日1230頃、昼休みから戻った作業員が第２船倉で火災が発生しているのを発見。見張りは船員２人と民間人６人が担当していたが、当日は昼休み中の分担を双方で誤解しており、誰も見張っていなかった。消防隊が駆け付けたものの、火元の特定に時間がかかった上に爆発物の存在に気付くのも遅れ、キングストン弁を開いたとしてもドックが浅く船倉を満水にはできず、外洋に引っ張り出す曳船の手配も間に合わず、1606の小規模爆発に続いて1645に大爆発が発生、周辺の商船11隻が全損、９隻が大破し、半径800m以内にあった市街地の建物も崩壊・延焼して死者1376名と重傷者数千名を出した。原因は綿花の自然発火、ドラム缶から漏れた潤滑油への煙草の引火、インド独立派工作員の破壊工作などが疑われているが、真相は闇の中である。参考：歴史群像8,’17、月刊世界の艦船6,’83

＜フォート・スネリング＞：LSD-23（アシュランド級揚陸艦）またはLSD-30（トーマストン級揚陸艦）を参照。

＜フォード偵察六輪車＞：日本陸軍の６輪偵察車両。シベリア出兵で不整地走行が可能な指揮連絡・偵察伝令用装輪車の必要性が認識され、適した車両を探していたところ、昭和2年にフォード社が４輪軍用偵察車をプライベートベンチャーで開発、売り込みに来た。日本陸軍では不整地踏破能力向上のため６輪とすることを求め、設計変更を加えたのが本車である。後部座席は折り畳み式で、将校の送迎に使ったり、通信機器を置いたり、畳んで貨物スペースにしたりと様々な使い方ができたため、好評だったが、値段が予想以上に高かったらしく、数両のみの導入に止まった。参考：月刊丸7,’14

＜フォート・ノックス＞：アメリカ中央部に位置し、戦車学校、戦車教導団、戦車師団、騎兵師団や演習場が配置されていて、アメリカ軍の機甲センターとも呼ばれる。戦車や装甲車の実用試験はほぼ全てここで実施される。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜フォート・ビクトリア＞：A387（補給艦）を参照。

＜フォート・ビクトリア級＞：イギリス海軍艦隊補給艦Fort Victria級。前後に分割された上構を持ち、その間に門型補給ポスト２基がある。後部上構にはシーキングを５機収容する。後甲板はヘリ甲板で、02甲板レベルにある。全長203.5m、満載排水量36580-37167トン。速力20ノット。液体貨物12505立方メートル（うち燃料７万バレル）、ドライカーゴ6234立方メートル（3000立方メートル？）を搭載する。乗員134名。1993-94年にA387フォート・ビクトリアなど２隻が竣工した。参考：月刊軍事研究1,’07、月刊世界の艦船11,’00、7,’21

＜フォート・フィッシャー＞：LSD-40（揚陸艦）を参照。

＜フォート・ヘンリー＞：LSD-43（揚陸艦）を参照。

＜フォート・マクヘンリー＞：LCU-2020（揚陸艇）を参照。

＜フォート・マリオン＞：LSD-22（揚陸艦）を参照。

＜フォート・マンダン＞：LSD-21（揚陸艦）を参照。

＜フォード木炭自動車＞：昭和7-8年頃、将来の石油不足への対応が世界的流行となったが、これに合わせて日本陸軍が木炭や薪を代用燃料とする木炭自動車として試作した。ベースはフォード製４輪トラックで、キャビンと荷台の間に円筒型の木炭燃焼室兼ガス発生器を搭載している。自重２トン、ペイロード1.5トン。エンジン出力40馬力、最大速度46km。参考：月刊PANZER11,’86

＜フォートレス�T＞：B-17海外シリーズ（爆撃機）を参照。

＜フォートレス�U＞：B-17海外シリーズ（爆撃機）を参照。

＜フォート・ローダーデール＞：LPD-28（揚陸艦）を参照。

＜フォート・ワース＞：LCS-3（沿海戦闘艦）を参照。

＜フォーファー＞：イギリス海軍特設巡洋艦Forfar。元はカナディアン・パシフィックの北大西洋航路船モントローズ（Montrose）で、第２次大戦勃発に伴い改造された。全長175.3m、幅21.4m、深さ12.3m、総トン数16402トン。主機はブラウン・カーチス・フェアフィールド式蒸気タービン４基２軸14000馬力、航海速力16ノット、最大速力17ノット。モントモレンシー（Montmorency）という船名で起工し、モントローズに改称されて進水、1922年3月竣工。5月5日、リバプール−モントリオール航路に就航。1929年、ハンブルク−モントリオール航路に就航。1931年、主機を換装した。1939年、15.2cm砲や高角砲を搭載して特設巡洋艦に改造され、フォーファーと改称された。1940年12月2日、アイルランド西でU-99の雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’16

＜フォー・ブレード・ウイスキー＞：AH-1Z（攻撃ヘリ）を参照。

＜フォー・ブレード・ノヴェンバー＞：UH-1Y（汎用ヘリ）を参照。

＜フォー・ポイント・ロール＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Four Point Roll。会場左から単機で進入し、90度ずつの右ロールを４回行って会場右手に抜ける。参考：JWings8,'24、7,’12、6,’09、6,’10別冊付録

＜フォーミダブル＞：67（空母）または68（フリゲート）を参照。

＜フォーミダブル級＞：シンガポール海軍フリゲートFormidable級。デルタ計画として建造が決定し、フランスのDCN工廠に発注され、１番艦はフランスで、２番艦以降は技術支援下にシンガポールで建造された。当初はコルベットだったが、設計の見直しで大型化したためフリゲートになっている。ベースはラファイエット級で、徹底的なステルス形状を採用しており、赤外線、音響、電磁気に対するステルス性にも気を遣った。艦橋上部にはヘラクレス多機能フェイズド・アレイ・レーダーの四角錐台状アンテナフェアリング（上半分が旋回する）が搭載されており、長距離目標捜索及びアスター15／アスター30艦対空ミサイルの管制を行う。他にテルマ社製スキャンター2001航海レーダー２基（メインマスト下部右舷側など）、サジェム社製ナジール2000電子光学方位盤（ヘリ格納庫頂部。76mm砲用）、STIR1.2EO Mk2方位盤（76mm砲とアスター管制用）を装備する。搭載ソナーは980ALOFTSアクティブ低周波ソナー（VDSで曳航するアクティブ・パッシブソナーのみ？）。全長114.8m、全幅16m、吃水5m、満載排水量3251トン。主機はCODAD方式、ディーゼル４基、出力48276馬力、固定ピッチプロペラ２軸推進、速力27ノット、航続距離7000km（18ノット）。兵装はアスター15／アスター30艦対空ミサイル用A34シルベールVLS（８セル）４基（前甲板。主砲の後ろ）、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（上構中央部）、62口径76mm単装砲スーパーラピッド１門（前甲板）、20mm単装機関砲２門、324mm短魚雷３連装発射管２基（A244S短魚雷。ハープーン発射筒後方）。10トン級の中型ヘリ（S-70BやNH90など）１機の搭載も可能で、2009-11年にS-70Bヘリを計６機導入している。デコイ発射機は12連装NGDS３基（VLS両脇に１基ずつ、後部に１基）。乗員86名。2007-09年に１番艦艦番号68フォーミダブル、２番艦69イントレピッド、３番艦70ステッドファスト、４番艦71テネイシャス、５番艦72ストルワート、６番艦73シュープリームの６隻が就役した。参考：月刊軍事研究9,’09、6,’05、月刊世界の艦船8,’13、6,’05、3,’07、4,’09、9,’11、4,’12、10,’11、4,'22、11,'22、JShips Vol.20

＜フォーミダブル・シールド＞：

＜フォーミダブル・シールド２０１７＞：多国間統合防空・ミサイル防衛演習Formidable Shield 2017。2017年9月24日から10月18日までイギリス西方のヘブリデスで実施された。アメリカ、イギリス、イタリア、オランダ、カナダ、スペイン、ドイツ、フランスから人員3300名、艦艇14隻、航空機10機が参加し、対艦ミサイルと弾道ミサイルの探知追尾迎撃演習を行っている。9月、FS-17イベント１（Formidable Shield 2017 Event 1）でSM-3ブロック�TＢ TUによる遠隔交戦を実施。10月7日、アメリカ海軍DDG-74マクファウルがSM CTV-03（Stantard Missile Controlled Test Vehicle 03）でSM-6デュアル�Tの実射試験を実施。アメリカ海軍DDG-57ミッチャーがSM-2艦対空ミサイル、カナダ海軍FFH336モントリオールがESSM艦対空ミサイルの実射訓練を実施。10月15日、FS-17イベント２でDDG-75ドナルド・クック（イージスBMD4.0.3搭載）がSM-3ブロック�TＢにより弾道ミサイル標的テリア・オリオールを撃墜。この際、オランダ海軍F804デ・ロイテル搭載SMART-L MMレーダーの目標探知追尾データを使用したらしい。スペイン海軍F101アルヴァロ・デ・バサンはESSM艦対空ミサイルで対艦ミサイル１発、オランダ海軍F803トロンプはESSM艦対空ミサイルで対艦ミサイル２発を撃墜した。参考：月刊世界の艦船1,’18、月刊軍事研究12,’18

＜フォーミダブル・シールド２０２１＞：NATO10カ国による総合防空演習Formidable Shield 2021。2021年5月15日から6月3日、大西洋東部海域で行われ、アメリカ海軍DDG-80ルーズベルト、DDG-117ポール・イグナティウス、T-AOE-6サプライ、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D35ドラゴン、フリゲートF231アーガイル、オランダ海軍フリゲートF802デ・ゼーベン・プロビンシェン、スペイン海軍フリゲートF105クリストバール・コロン、ノルウェー海軍フリゲートF310フリチョフ・ナンセン、ドイツ海軍フリゲートF220ハンブルク、フランス海軍フリゲートD620フォルバンなど10カ国15隻が参加し、艦対空ミサイル実射訓練を行った。F802デ・ゼーベン・プロビンシェンはSMART-L-MM/Nレーダーによる弾道ミサイル防衛テストを行い、弾道ミサイル模擬標的を捕捉追尾し、情報を受けたDDG-117ポール・イグナティウスがランチ・オン・リモートでSM-3艦対空ミサイル２発を発射、撃墜に成功した。D620フォルバンは時速3000km以上で飛翔するノースロップ・グラマン社製GQM-163超音速シースキミング標的をアスター30艦対空ミサイルで撃墜している。D35ドラゴンはアスター30艦対空ミサイル、F231アーガイルはCAMM艦対空ミサイル（超音速対艦ミサイル迎撃訓練）、F310フリチョフ・ナンセンはESSM艦対空ミサイルを発射した。参考：月刊世界の艦船8,’21

＜フォーメーション・テイクオフ＞：編隊長と僚機が編隊を組んだ状態で同時に離陸すること。離陸滑走の際は僚機が風上側に位置して横風の影響を受けにくくする。また、隊形を維持できるよう、編隊長はエンジン出力を絞り気味にして離陸を行う。参考：月刊JWings2,’13

＜フォーメーション・ランディング＞：編隊長と僚機が編隊を組んだ状態で同時に着陸すること。僚機は風上側もしくはアプローチ旋回の外側に位置する。参考：月刊JWings2,’13

＜フォーランナーズ＞：VAH-4（重攻撃飛行隊）を参照。

＜フォーリジャー作戦＞：サイパン島上陸作戦を参照。

＜フォー・リバー造船所＞：アメリカの造船会社で、1884年に設立された。1900年代から戦艦や潜水艦の建造を行っていたが、1913年にベスレヘム・スティール社に買収され、クインシー造船所となった。参考：月刊軍事研究9,’07

＜フォーリング・ブロック・アクション＞：シングル・ショット・アクションともいう。レシーバー内のブリーチ・ブロックが垂直に動き、この時に排莢や撃鉄のコッキングなどを行うものである。参考：GUN用語事典

＜フォールアウト＞：核爆発による放射性降下物のこと。核分裂に伴い生成される放射性物質は、ニッケル、銅、亜鉛、銀、スズ、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、クリプトン、キセノン、ジスプロシウムなど多岐にわたり、約40種類が一次生成物となる。これが壊変して更なる放射性同位体を作り出すが、半減期の短いものが多く、放射能は核爆発４日後に１千分の１、４ヶ月で１万分の１に減少する。大気圏内核実験の結果、セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム239・240などが地中に残存しており、年間12マイクロシーベルトの被曝がある。フォールアウトによるγ線被曝を避けるにはコンクリート建造物の中に逃げて窓や扉から離れるのが一番で、被曝線量を20%以下に減らせる。石造りの建物内部なら60%、同地下室なら40%、木造家屋の建物内部なら90%、同地下室なら60%に減る。自動車内だと屋外と変わらない。吸入・経口摂取による内部被曝の予防にはマスクが有効で、無ければハンカチを４回畳んで口と鼻を覆えば直径1-5ミクロンの粒子の94.2%、トイレットペーパーを３枚重ねにすれば91.4%を摂取せずに済む。参考：放射線健康科学、月刊軍事研究6,’11、1,’07

＜フォール・イーグル＞：巣離れ前の鷹（Foal Eagle）という意味で、韓国軍名称は禿鷲（トクスリ）。1961年から毎年行われている朝鮮半島有事を想定した米韓合同実動軍事演習である。韓国軍、在韓米軍、在日米軍が、韓国内各地で北朝鮮軍の侵攻を想定した個別訓練を行う。アメリカ本土から増援部隊を呼んで行う場合にはチーム・スピリットになる。昼夜分かたず実施され、住宅地の目と鼻の先で一晩中照明弾を打ち上げたりする。1975年3月に米韓の様々な連合演習を組み込み、全軍の統合演習に拡大した。1994年のチーム・スピリット休止に伴い、アメリカ本土から増援を呼ぶ場合にもこの名称で行われるようになった。2002年に指揮所演習であるRSOIに組み込まれたが、また復活し、キー・リザルブ演習と同時開催されている。2019年3月2日に韓国国防相とアメリカ国防長官代行が電話で協議し、2019年から演習を行わないことになった。参考：月刊JWings6,’03、5,’19、月刊軍事研究10,’10、4,’07

　＜フォール・イーグル２００９＞：2009年3月9-20日に実施され、在韓米軍、在日米軍、アメリカ本土のアメリカ軍26000名（基幹は第３歩兵師団機械化）と、韓国軍（規模は未公開）が韓国全土で合同演習を行った。参考：月刊軍事研究10,’10

　＜フォール・イーグル２０１２＞：2012年3月1日から4月30日まで、韓国とその周辺海域で実施された。アメリカ海軍LCC-19ブルーリッジ、韓国海軍セジョン・デワン、チュンムゴン・イースンシンなどが参加した。3月16日、京畿道抱川市の実弾射撃場でアメリカ・ユタ州兵第145砲兵連隊第１大隊（M109A6）と韓国陸軍第628砲兵大隊（K55）が実弾射撃演習を実施。参考：月刊世界の艦船5,’12、月刊PANZER9,’12

　＜フォール・イーグル２０１３＞：2013年3月1日から4月30日まで実施した。参加兵力は韓国軍20万名、アメリカ軍１万名。アメリカ海軍からDDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン、DDG-82ラッセン、DDG-85マッキャンベル、T-AO-197ペコス、韓国海軍から978ワン・ゲオン、993ユ・ソンリョン、775プーチョンが参加した。3月8日、グアムからB-52爆撃機が飛来し、韓国上空で訓練飛行を実施。3月19日、グアムからB-52が飛来し、江原道の射爆訓練場で爆撃訓練を実施。3月20日、韓国の主要放送局と金融機関がサイバー攻撃を受けて多数のコンピュータがダウンした。3月28日、ミズーリ州ホワイトマン空軍基地からB-2A爆撃機２機が韓国のジクド射爆場に飛来し、訓練弾を投下してアメリカに戻った。北朝鮮は朝鮮戦争休戦協定破棄（3月5日に宣言、3月11日に実施）、朝鮮人民軍板門店代表部の活動停止とホットライン遮断（3月5日に宣言、3月11日に実施）、国内への戦闘動員態勢指示（3月5日）、南北不可侵合意の前面破棄（3月8日）、KN-02短距離弾道ミサイル発射（3月15日）、日本と在日米軍基地への攻撃示唆（3月17日、労働新聞記事）、グアムへの攻撃示唆（3月21日）、野戦砲兵軍の一号戦闘勤務態勢（具体的にどういう態勢なのかは不明）への移行（3月26日）、核先制攻撃示唆（3月27日）、戦略ミサイル部隊への射撃待機状態指示（3月29日）、開城工業団地閉鎖（4月3日に韓国関係者立ち入り禁止を通告、4月8日に操業中段を通告）、ムスダンの日本海側への展開（4月4日）といった挑発行為で対抗し、外国大使館員や国際機関職員への国外退去を要請しているが、本気で戦争が起こると思った（煽った？）のは日本のマスコミくらいで、大使館員や国際機関職員は誰も退去せず、アメリカ軍と韓国軍は北朝鮮の局地的挑発に対し韓国軍のみでなくアメリカ軍と共同で挑発の拠点や指揮組織への攻撃も含めて対応すると発表（3月24日）、演習も全項目をこなして終了した。参考：月刊JWings6,’13、7,’13、月刊世界の艦船6,’13、月刊軍事研究7,’13、5,’13、6,’13

　＜フォール・イーグル２０１４＞：2014年2月24日から4月18日に実施された。イージス駆逐艦991セジョンデワン、ミサイル駆逐艦978ワン・ゲオン、フリゲート958チェジュ、揚陸艦6111独島、682ビロボン、683ヒャンロボン、LHD-4ボクサー揚陸即応群、LHD-6ボノム・リシャール揚陸即応群、CG-70レイク・エリーを含む艦艇20隻と兵員14000名が参加している。3月27日から4月5日、米韓合同揚陸作戦演習ツインドラゴン2014（韓国側名称サン・ヨン2014）を実施。北朝鮮は2月21日から3月26日にノドン、スカッドER、スカッドＣ、スカッドＢ、フロッグ７、300mm多連装ロケットKN-09などを発射して威嚇、3月31日には黄海NLL全区域での海上射撃訓練を行い、100mm沿岸砲、122mmロケット弾、240mmロケット弾計500発を発射、うち100発がNLLを越えており、韓国軍は155mm自走榴弾砲K9による300発の砲撃で応えた。また、3月24日と4月6日には韓国国内で北朝鮮のものと見られる無人偵察機が発見されている。参考：月刊軍事研究6,’14、月刊世界の艦船6,’14

　＜フォール・イーグル２０１５＞：2015年3月2日から4月24日に実施された。潜水艦068リースンシン、揚陸艦6111独島、戦車揚陸艦685ソンインボン、同683ヒャンロボン、LHD-6ボノム・リシャール、LPD-20グリーン・ベイ、LSD-48アシュランド、LCS-3フォート・ワースなどが参加している。北朝鮮は反発して日本海に対艦ミサイルや短距離弾道ミサイルを発射した。参考：月刊世界の艦船6,’15

　＜フォール・イーグル２０１６＞：2016年3月7日から4月30日まで実施された。韓国軍は将兵300000名、アメリカ軍は将兵17000名、CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、CG-67シャイロー、DDG-93チャンフーン、第３海兵遠征旅団、VMM-265(Rein)及び第31海兵遠征隊搭載LHD-6ボノム・リシャール、VMM-166(Rein)及び第13海兵遠征隊搭載LHD-4ボクサー、LSD-48アシュランド、LCAC、T-ESD-1モントフォード・ポイント、T-AK-3017フレッド・Ｆ・ストックハム一等軍曹、MCM-7ペイトリオット、RDB型河川制圧艇、AAV7水陸両用車、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機、B-2A爆撃機、MV-22B輸送機、MH-60S多用途ヘリ、MH-53E掃海ヘリ、Mk18Mod2機雷捜索用UUV、ミサイル駆逐艦ガン・ガンチャン、駆逐艦クアンゲト・デワン、揚陸艦独島などが参加している。2015年に策定されたばかりの作戦計画（OPLAN）5015に基づいて計画され、北朝鮮指導部と核関連施設に対する先制攻撃も演練したとされる。参考：月刊JWings5,’16、月刊軍事研究8,’16、月刊世界の艦船6,’16、月刊航空ファン7,’16

　＜フォール・イーグル２０１７＞：2017年3月1日から4月30日まで実施された。韓国軍30万名以上、971クアンゲト・デワン、978ワン・ゲオン、インチョン級フリゲート、アメリカ軍17000名（うち韓国外3500名）、B-1B爆撃機１機、CVN-70カール・ビンソン／CVW-2、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-63ステザム、DDG-108ウエイン・Ｅ・メイヤー、DDG-112マイケル・マーフィー、SSN-757アレクサンドリア、VMFA-121のF-35B戦闘機、SEALチーム６、グリーンベレー、レンジャー、デルタフォースなどが参加している。3月19-25日、米韓60隻が参加して海上演習を実施。3月22-23日、韓国ロドリゲス射爆場でウォリアー・ストライク６演習を実施。北朝鮮化学兵器実験場急襲を想定し、アメリカ第２歩兵師団第１機甲旅団戦闘団がUH-60ヘリやCH-46ヘリでヘリボーンして実験場を制圧、化学兵器除去部隊が化学兵器の無力化を行っている。3月27日から4月5日、浦項沿岸部で水陸両用作戦演習を実施。参考：月刊JWings5,’17、月刊世界の艦船6,’17、5,’17、月刊軍事研究8,’17、3,’18

　＜フォール・イーグル２０１８＞：2018年4月1-26日に実施された。平昌冬季オリンピック・パラリンピック、南北朝鮮首脳会談、米朝首脳会談との兼ね合いで期間と規模が大幅に縮小されている。参考：月刊JWings6,’18、月刊軍事研究9,’18

＜フォールス・キャノピー＞：機首の下面に風防とキャノピーを模した塗装を施すこと。透明部分を黒く塗り潰し、フレーム部分は地の塗装を残す。乗員のヘルメット部分を白丸で描くこともある。格闘戦において、機体の上下を錯覚させて機動判断を誤らせる効果が期待され、カナダ空軍がCF-188Aに施したのが初である。飛行教導隊でも1984年頃に導入し、T-2に描き込んだが、騙された訓練相手が事故を起こす可能性があるとのことで廃止されたらしい。参考：月刊JWings10,'20、6,’05

＜フォールディング・ストック＞：折り畳み式銃床を参照。

＜フォール・リバー＞：CA-131（重巡洋艦）またはJHSV-4（統合高速輸送艦）またはT-EPF-4（遠征用高速輸送艦）を参照。

＜フォーン＞：A325（沿岸測量艦）を参照。

＜フォクサー＞：ツァーンケーニッヒ音響誘導魚雷に対抗するため連合軍が製作した牽引式ノイズ発生装置Foxer。参考：Ｕボート入門、月刊丸5,’07

＜フォグバンク＞：水爆のケーシング内部に充填される充填剤。内部構造を固定する役目を持つ他、プライマリーの炸裂でプラズマ化し、セカンダリーを圧縮する。核軍縮による長期製造中断で製造法が失われてしまっているらしい。参考：月刊軍事研究10,’09

＜フォザビー＞：A341（通船）を参照。

＜フォグ・ランプ＞：342型（レーダー）を参照。

＜フォス＞：DE-59（護衛駆逐艦）を参照。

＜フォス＞：ジョセフ・Ｊ・フォス。アメリカ海兵隊エース。サウスダコタ州スー・フォール生まれ。1937年、計器飛行資格を取得。1939年、サウスダコタ大学飛行学科に入学。1940年、海兵隊に入隊してパイロットコースに進んだ。1942年10月9日、ガダルカナルに赴任した。11月7日、３機を撃墜して初戦果を挙げたが、乗機が被弾損傷して不時着水した。1943年2月、通算26機撃墜を達成し、アメリカ海兵隊最高撃墜記録となった。5月18日、ホワイトハウスで勲章が授与された。以降はパイロット訓練視察任務に就き、1944年2月に前線に復帰。1945年12月に大尉で海兵隊を除隊となり、サウスダコタ州航空隊に転籍。1953年に准将となり、1954年にはサウスダコタ州議会議員に選出され、州知事も務めた。参考：月刊丸8,’11

＜フォスター＞：シシル・Ｇ・フォスター。テキサス州サンアントニオ生まれ。朝鮮戦争中の1952年11月22日に通算５機撃墜でエースとなった。朝鮮戦争では計９機を撃墜した。参考：世界の傑作機No.39

＜フォッカー５０＞：オランダのフォッカー社が開発した双発ターボプロップ・コミューター機。F27フレンドシップの改良型で、1985年12月28日に初飛行し、1987年5月15日に形式証明を取得した。機体に複合材を多用、窓を長方形にして数も増やし、エンジンとプロペラを換装、主翼前縁の除氷装置を改良して薄くすることにより翼型はそのままに抗力を減らし、翼端にフォックレットと称する翼端板を付けた。戦術輸送機としても使用できる。全長25.25m、全幅29m、全高8.32m、運航自重12.52トン、最大離陸重量19.95トン。エンジンはPW125B（2500軸馬力）またはPW127B（2750軸馬力）双発、プロペラは複合材製６翅（直径3.66m）、巡航速度522km、実用上昇限度7620m、航続距離2843km。乗員２名。客席数50-58。1987年8月から量産型が引き渡された。フォッカー社が倒産したため、生産が打ち切られている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

＜フォッカー５０ファミリー＞

　＜フォッカー５０マリタイム＞：非武装洋上監視型。胴体下面に全周捜索レーダーを搭載する。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜フォッカー５０マリタイム・エンフォーサー２＞：武装洋上哨戒型。AN/APS-140もしくはAN/APS-504(V)5全周捜索レーダーを搭載し、胴体下部に２カ所と主翼に３カ所ずつのハードポイント計８カ所に魚雷、対潜爆弾、対艦ミサイル、対地ミサイル、938リットル増槽（最大２基）などを装備する。全長25.25m、全幅29m、全高8.32m、最大離陸重量21.545トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW125Bターボプロップ（2500軸馬力）双発で、哨戒速度150ノット、巡航速度259ノット、実用上昇限度7620m、燃料容量9322リットル（増槽あり）、最大行動半径1200海里、最大航続距離3680海里、最大哨戒時間14時間42分。乗員７名。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜フォッカー５０海外シリーズ＞

　＜フォッカー５０（ペルー海軍）＞：ペルー海軍輸送機Fokker 50。2014年にオランダ空軍の中古機２機を導入した。参考：月刊JWings12,’14

＜フォッカー６０＞：オランダのフォッカー社が開発した双発ターボプロップ多用途機。フォッカー50の胴体延長（1.62m長い）型で、1995年に初飛行した。エンジンはPW127B（2750軸馬力）双発。貨物搭載量7.8トン。客席数58-68。フォッカー社が倒産したため、生産が打ち切られた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜フォッカー６０海外シリーズ＞

　＜フォッカー６０（ペルー海軍）＞：ペルー海軍洋上哨戒機兼輸送機Fokker 60。2010年にオランダから４機を購入した。参考：月刊JWings3,’11

＜フォッカー７０＞：フォッカー社の旅客機Fokker 70。フォッカー100の胴体を4.62m短縮したもので、1992年11月から開発され、1994年10月14日に形式証明を取得した。全長35.53m、全幅28.8m、全高8.5m、運航自重25.5トン、最大離陸重量47.4トン。翼面積93.5平方メートル。エンジンはロールス・ロイス社製Tay Mk620（推力6.292トン）双発、巡航速度856km、航続距離3111km。乗員２名。乗客122名。1995年3月、インドネシアのセンパチ航空で初就航した。1996年のフォッカー社倒産で1997年初めに47機で生産打ち切りとなった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜フォッカー１００＞：フォッカー社の旅客機Fokker 100。1981年にマクダネル・ダグラス社が旅客機の共同開発を持ちかけてきたが、1982年に消滅したため、1983年11月に100席級ローカル線用リアジェット機として開発を発表し、1986年11月に初号機が初飛行、1987年11月に形式証明を取得した。機体には複合材を多用している。主翼はスーパークリティカル翼並の性能を持つ新形状の翼断面形を採用し、前縁の捩りを減らした。後縁にはファウラー・フラップがある。計器板はCRT６基でグラスコクピット化した。1987年12月からスイス航空で初就航した。1996年にフォッカー社が倒産したため、1997年初めに283機で生産が打ち切られている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜フォッカー１００海外ファミリー＞

　＜ＡＢＥ−ＮＧ＞：フランス空軍のテストベッド型。ラファールのアビオニクス試験用で、民間機を2013年3月に取得して改造した。機首にラファールと同様のレドームを装着してRBE2またはRBE2AAレーダーを搭載できるようにし、その直上にOSF収容部を設け、胴体下（容量1000kg）と主翼下にハードポイントを追加してキャプティブ弾や計測ポッドを搭載できるようにした。副操縦士席右のコンソールにはラファールと同様の操縦グリップがあり、キャビン左にオペレーター用コンソール４基、キャビン最後部に要員座席15席が用意されている。2016年初めからIFF-NGと新型通信システムの試験を行う予定。参考：月刊軍事研究9,’15

＜フォッカーＤ．�Zシリーズ＞：ドイツ陸軍航空軍複葉戦闘機。第１次大戦中の1917年に登場したS.E.5、キャメル、スパッド�]�Vなどの連合軍新鋭機に対抗すべく1917年末に要求が出され、フォッカー社のV.11が1918年1-2月の比較審査に勝って採用された。参考：月刊JWings6,’20

＜フォッカーＤ．�Z＞：胴体は鋼管溶接構造。主翼は上下翼共に左右通しの二本桁構造で、頑丈なため上下翼を翼間支柱のみで繋いでおり、補強張線は無い。翼厚は翼端に向かって薄くなっており、速度・上昇性能に優れ、後縁翼端部の小さなエルロンでも良好な操縦性を発揮した。全長7m、全幅8.9m、全高2.75m、全備重量850kg。エンジンはメルセデス液冷直列６気筒（160-180馬力）単発、最大速度189km、航続時間1.5時間。固定武装は7.92mm機銃２丁。乗員１名。フォッカー社、アルバトロス社、東独アルバトロス社で1000機が生産された。1918年4月から配備されて第１次大戦に投入され、連合軍は第１次大戦で最良のドイツ戦闘機と評している。参考：月刊JWings6,’20、図解世界の軍用機史

＜フォッカーＤ．�ZＦ＞：エンジンをBMW�VＡ（185馬力）としたもの。参考：月刊JWings6,’20

＜フォッカーＤｒ．１シリーズ＞：ドイツ陸軍航空軍三葉戦闘機で、DrはDreidecker（三葉）の略。ソッピーズ・トリプレーン三葉戦闘機に対抗して開発したもので、フォッカー社のプラッツ技師が設計した。参考：月刊JWings1,’17、週刊エアクラフトNo.21

　＜Ｄ．�Y＞：原型機で、間違ってV3と呼ばれることもある。主翼端は互いにＩ字の支柱で繋がれており、上翼にのみ補助翼が付く。全長5.75m、全幅6.20m。エンジンはオーバー・ウルゼルUr.11回転式９気筒（110馬力）。武装は7.92mmLMG08/15機銃２丁。後に上翼の幅が7.2mに広げられた。参考：週刊エアクラフトNo.21

　＜Ｖ４＞：前生産型で、1917年7月11日に発注され、２機が製作された。8月30日には２号機が実戦投入され、１機を撃墜。9月1日にはリヒトフォーヘン男爵が１号機に乗り込み、彼の通算60機目となる撃墜を記録した。原型機２機はその後もリヒトフォーヘン率いる第１戦闘機隊に配備され、リヒトフォーヘンが２号機を独占使用し、24日間で20機を撃墜したが、9月23日に空戦で失われた。1917年7-8月にはD.�Vエンジンを搭載したバージョンも１機製作されたが、機体に大がかりな改造が必要となった上、操縦性や視野が悪いといった欠点が生じ、採用されなかった。参考：週刊エアクラフトNo.21

＜フォッカーＤｒ．１＞：胴体は鋼管溶接骨組みに木製整形板を取り付け、羽布を張ったもので、前部にエンジンを収容する。その後ろに91リットル入り燃料タンクがあり、胴体上に7.92mmLMG08/15が２丁載っていて、更に後ろに開放式の座席があって操縦手が座る。弾薬ベルトを収容した弾薬箱は燃料タンクの後ろに搭載された。主翼は木製骨格で、前縁が合板、他部位が羽布張り。下翼は低翼配置、中翼は高翼配置、上翼はＶ型支柱２本に支持されるパラソル翼で、翼端が支柱で互いに連結されている。主桁は二本桁で、前後桁を近づけて上下を合板で繋ぎ強度を高めており、翼間張り線を無くす事ができた。上翼両端後縁にはエルロンを持つ。胴体前方下部にはゴム紐緩衝装置を持つ主降着装置がＶ字支柱を介して取り付けられており、左右の空気タイヤは成型された車軸箱桁で繋がれる。胴体後方左右には鋼管骨組み羽布張りの水平尾翼、下部には尾ソリがあり、後端上方には鋼管骨組み羽布張りの円形方向舵がある（垂直安定板は無い）。全長5.77m、上翼幅7.19m、中翼幅6.23m、下翼幅5.70m、全高2.95m、自重406kg、最大離陸重量586kg。エンジンはオーバー・ウルゼルUr.�U空冷回転式９気筒ガソリン（110馬力）単発で、プロペラはアキシャル社製木製２翅、最大速度185km（165km？）、上昇限度6100m、航続距離300km、航続時間1.5時間。兵装はLMG08/15機銃２丁（500発ずつ）。乗員１名。318機が生産され、1917年10月12日から実戦配備されたが、初期不良で翼桁を改修する必要があり、戦力化したのは11月末だった。上昇率や旋回性に優れていたものの、速度や航続時間に劣り、性能的には目立つところは無く1918年5月には生産終了となったが、マンフレート・フォン・リヒトホーヘン男爵の愛機となり、一躍有名になった。参考：週刊エアクラフトNo.21、月刊JWings1,’17、戦闘機のしくみ、図解世界の軍用機史

＜フォッカーＥ�V＞：ドイツの単葉戦闘機で、1915年に開発された。モラーヌ・ソルニエＨ型のコピーで、フレームを木製から鋼管に変更している。全長7.3m、全幅9.52m、全高2.79m、重量635kg。エンジンはオペルウーゼルU1空冷星型９気筒ロータリー（100馬力）単発で、最大速度133km。固定武装は7.92mm機銃１丁。乗員１名。参考：図解世界の軍用機史、戦闘機のしくみ

＜フォッカーＥ．�W＞：１機は機首上にシュパンダウ同調式固定機銃３丁を装備する重武装機に改造され、1916年2月6日から第１次大戦に実戦投入されたが、重量過大で実用性に欠けていた。参考：月刊丸6,’01

＜フォッカーＧ１ａ＞：オランダ軍双発ツインテール戦闘機。オランダのフォッカー社が開発し、1936年のパリ航空サロンに出品した。機首に7.9mm機銃８丁、胴体尾部に7.9mm機銃１丁を装備する。第２次大戦時にはオランダ軍に23機が前線配備されていたが、戦闘で全機失われた。参考：月刊丸6,’01

＜フォッカー・エアロスペース＞：2019年3月5日、ベルギーSABCAの保有全株式（43.57%分）をダッソー・アビアシオンに売却した。参考：月刊航空ファン6,’19

＜フォッカー式陸上偵察機＞：C2N。日本海軍の陸上偵察機で、中島飛行機がライセンス生産した旅客機を改造したものである。偵察機といいながら、主に輸送任務に就いた他、フロートを付けて水上偵察機としても使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜フォック＞：フランス海軍ルカン級潜水艦Phoque。1927年竣工。1943年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フォッグ＞：DE-57（護衛駆逐艦）を参照。

＜フォックス＞：A320（沿岸測量艦）またはCG-33（ベルナップ級巡洋艦）またはDD-234（駆逐艦）またはF-4ファミリー（ドローン操縦機）またはFV721（装甲車）またはM93シリーズ（偵察車）またはハンバー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜フォックス＞：イギリスのジャンケル社が開発したRRV（Rapid Reaction Vehicle）。トヨタのランドクルーザー79がベースで、モジュラー装甲を追加可能。全長5.1-5.6m、全幅1.8m、全高1.87m。エンジンは排気量４リットル級の各種ディーゼル・ガソリンから選択でき、トランスミッションは５速マニュアル式、航続距離1200km以上。乗員2-6名。DSEi2015で発表された。参考：月刊軍事研究12,’15、1,’18

＜フォックス＞：南アフリカのアーマーテック社が開発した軽装甲車。日産NP300またはトヨタのランドクルーザーの足回りを流用してアメリカ司法省規格B4-B6レベルの防弾装甲車体を取り付けている。乗員4-6名。参考：月刊軍事研究3,’11

＜フォックス＞：ベルギー軍複座複葉戦闘機。フェアリー社が開発し、第２次大戦開戦時に使用されていた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜フォックスＡ７＞：ドイツの装甲板溶接用オーステナイト系ステンレスで、1941年の第２次大戦冬季東部戦線で溶接部分の割れが多発したことから、低温でも粘りが衰えない溶接材としてベーラー社が生産した。18%のクロム、8%のニッケル、6%のマンガンを含む。参考：月刊丸4,’07

＜フォックスＲＲＶ−ｘ＞：ベルギー軍の軽偵察車両で、RRV-xはRapid Reaction Vehicle-xの略。イギリスのジャンケル社が開発した。ベースはトヨタのハイラックスで、ロールバーに12.7mm機銃や40mmてき弾発射機などを装備でき、車長席にもピントルマウントがある。CH-47に搭載可能。航続距離900km（オプションで1300kmに延伸可）。乗員４名。参考：月刊軍事研究1,’18

＜フォックス・エーブル＞：戦略航空コマンド及び戦術航空コマンドが1954年から開始した、ヨーロッパへの定期的部隊派遣。目的は海外兵力の増強、部隊訓練、示威行為または親善訪問で、航空団単位で半年間のローテーションを行う。1956年から飛行隊単位になり、1958年から４ヶ月ローテーションになった。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜フォックスグローブ＞：L26（スループ）またはMiG1.44（試作戦闘機）を参照。

＜フォックス・スリー＞：長射程空対空ミサイル（フェニックス）発射を示すアメリカ軍符丁FOX 3。参考：月刊JWings3,’00

＜フォックス・ツー＞：中射程空対空ミサイル（スパロー）発射を示すアメリカ軍符丁FOX 2。航空自衛隊では赤外線受動誘導式ミサイルの発射を示す。参考：月刊JWings3,’00、4,'23、U.S.ウェポン・ハンドブック

＜フォックストロット級＞：641型（潜水艦）を参照。

＜フォックスハウンド＞：A326（曳船）またはH69（Ｆ級駆逐艦）またはMiG-31シリーズ（要撃機）を参照。

＜フォックスハウンド＞：イギリス陸軍４×４輪装甲車Foxhound。スナッチ・ランドローバーがIEDで損害を受けまくったため、フォース・プロテクション社が開発したオクレット耐地雷防護車両を導入したものである。車体底部はＶ字型で、IEDの爆風を逃がすよう設計されている。全長5.32m、全幅2.1m、全高2.35m、全備重量7.5トン。エンジンはディーゼルで、出力210馬力。乗員２名、乗車兵員４名。2011年に採用し、2012年から2016年4月までに399両を配備した。参考：月刊軍事研究10,’17、1,’12

＜フォックスバット＞：MiG-25シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フォックスハンター＞：トーネードADVに搭載されている要撃レーダー。空対空捜索、探知、追尾、地上マッピング、空対地測距、セミアクティブレーダー誘導ミサイル用ホーミング電波照射の各モードを持つ。探知距離100海里。参考：ザ・マーチ40号

＜フォックスファイア＞：RP-25（レーダー）を参照。

＜フォックス・ベーカー＞：戦略航空コマンド及び戦術航空コマンドが1954年から開始した、アジアへの定期的部隊派遣。目的は海外兵力の増強、部隊訓練、示威行為または親善訪問で、航空団単位で半年間のローテーションを行う。1956年から飛行隊単位になり、1958年から４ヶ月ローテーションになった。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜フォックス・ホール＞：タコツボを参照。

＜フォックスレイ作戦＞：第２次大戦時にイギリスSOEのセクションＸ（ドイツ・オーストリア担当）が計画した、ヒトラー暗殺計画。1941年半ばに承認されたが、エンスラポイド作戦で大規模な報復が行われたことや、ドイツ・オーストリアにおける地下活動が実質的に不可能だったことから、実行は延期された。1944年6月にオーバーロード作戦が行われると、戦争終結を早めるために検討が再開され、連合軍の諜報機関を総動員してヒトラーの同行をキャッチし、ヒトラーの別荘で狙撃する案（失敗したらバックアップ班が別荘ごとPIATやバズーカで吹き飛ばす）、ヒトラーの別荘をSASの空挺部隊が強襲する案、別荘から出たヒトラーの車をPIATやバズーカで攻撃する案、ヒトラー専用列車を爆破する案などが出された。武力による第２次大戦終結の見込みが立った1945年4月に中止された。1993年の政府資料機密解除で明らかとなった。参考：月刊軍事研究3,’10

＜フォックスレイ�U作戦＞：フォックスレイ作戦に付随するヒトラー側近・ナチス首脳部暗殺作戦で、ヒムラーSS長官、オットー・スコルツェニー、ゲッベルス宣伝大臣、ボルマン党官房長、カルテンブルンナー国家保安本部長官などが標的となった。フォックスレイ作戦共々1945年4月に中止された。参考：月刊軍事研究3,’10

＜フォックス・ワン＞：短射程空対空ミサイル（サイドワインダー）発射を示すアメリカ軍符丁FOX 1。航空自衛隊ではレーダー誘導式空対空ミサイル発射を示す符丁である。参考：月刊JWings3,’00、6,’23

＜フォッケウルフ航空機製造有限会社＞：1924年1月にハインリッヒ・フォッケとゲオルグ・ウルフが設立した。主に旅客機や練習機の生産を行ったが、1927年にウルフがテスト中に事故死している。1931年6月（1932年？）にクルト・タンク博士が技術部長として入社し、フォッケに代わり会社の主導権を握り、数々の名機を設計・生産した。第２次大戦終戦後の1946年末にタンク博士と技術者ら数十名がアルゼンチンに脱出してIAe33を設計、アルゼンチンでクーデターが起きると1956年8月にインドのHALに移ってHF-24を開発している。参考：月刊丸8,’87、歴史群像2,’08付録、月刊JWings9,’21

＜フォッシュ＞：フランス海軍クレマンソー級空母Foch、艦番号R-99（R.997？）。1957年2月起工、1960年7月28日進水、1963年8月15日就役。2000年にブラジルに売却されてサンパウロとなった。参考：世界の傑作機No.1、月刊JWings9,’03、月刊軍事研究4,’17、4,’18

＜フォッシュ＞：フランス海軍シュフラン級重巡洋艦Foch。1931年竣工。1940年6月13日からヴァード作戦に参加。1942年11月にツーロンで自沈した。1943年に浮揚され、解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船2,’18

＜フォテックス＞：写真撮影訓練（Photo Exercise）の略。参考：MAMOR vol.164

＜フォドデンドロン＞：K78（コルベット）を参照。

＜フォトナ社＞：スロベニアの兵器会社。1964年にユーゴスラビアで設立されたイスクラ研究所光学研究部門が大元で、1975年にイスクラ・テレコム工業TOZD電子光学となり、1981年にはDOイスクラ・センター電子光学に改名、1990年にイスクラ電子光学となり、スロベニア独立後の1994年にフォトナ社となった。レーザー機器や光ファイバーなどを使用した精密機器を軍民用問わず開発・生産している。参考：月刊PANZER3,’02

＜フォトロス＞：イラン軍が開発したUAVで、2013年11月18日に公開された。機体はツインテイルブーム機で、対戦車ミサイルを装備できるらしい。推進はプッシャープロペラ、最大高度7600m、作戦行動半径2000km、滞空時間16-30時間。性能的に革命防衛隊のシャヘド129と被っている。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ブオナ・ビスタ砲台＞：シンガポール南西のブオナ・ビスタに建設された沿岸砲台で、15インチ（381mm）Mk.�T艦砲２門が据え付けられた。参考：月刊軍事研究7,’08

＜フォネティック・アルファベット＞：音標文字。通信の際、相手に文字を正確に伝えるために用いる方法で、文字に単語を当てはめている。参考：コンバット・バイブル２

　＜アメリカ軍、朝鮮戦争まで＞：Ａから順に、エーブル、ベーカー、チャーリー、ドッグ、イージー、フォックス、ジョージ、ハウ、アイテム、ジーグ、キング、ラブ、マイク、ナン、オーボー、ピーター、クイーン、ロジャー、シュガー、ティー、アンクル、ビクター、ウィリアム、エックスレイ、ヨーク、ゼブラ。参考：コンバット・バイブル２

＜アメリカ軍、ベトナム戦争以降＞：Ａから順に、Alfa（アルファ）、Blavo（ブラボー）、Charlie（チャーリー）、Delta（デルタ）、Echo（エコー）、Foxtrot（フォックストロット）、Golf（ゴルフ）、Hotel（ホテル）、India（インディア）、Juliett（ジュリエット）、Kilo（キロ）、Lima（リマ）、Mike（マイク）、November（ノベンバー）、Oscar（オスカー）、Papa（パパ）、Qiebec（ケベック）、Romeo（ロメオ）、Sierra（シエラ）、Tango（タンゴ）、Uniform（ユニフォーム）、Victor（ビクター）、Whiskey（ウィスキー）、X-ray（エックスレイ）、Yankee（ヤンキー）、Zulu（ズールー）。参考：MAMOR vol.116、コンバット・バイブル２

　＜航空管制用＞：無線局運用規則により定められており、固有名詞、業務略号、紛らわしい語を伝達する際に使用する。Ａから順にAlfa（アルファ）、Bravo（ブラボー）、Charlie（チャーリー）、Delta（デルタ）、Echo（エコー）、Foxtrot（フォックストロット）、Golf（ゴルフ）、Hotel（ホーテル）、India（インディア）、Juliett（ジュリエット）、Kilo（キーロウ）、Lima（リーマー）、Mike（マイク）、November（ノーベンバー）、Oscar（オスカー）、Papa（パーパー）、Quebec（ケベック）、Romeo（ローミオウ）、Sierra（シーエラー）、Tango（タンゴ）、Uniform（ユーニフォーム）、Victor（ビクター）、Whisky（ウィスキー）、X-ray（エクスレイ）、Yankee（ヤンキー）、Zulu（ズールー）。参考：航空管制のはなし

　＜航空管制用、数字＞：聞き違えが起きないよう、通常の英語発音とは異なる。０から９はZero（ジーロウ）、Wun（ワン）、Too（ツー）、Tree（ツリー）、Fower（フォウアー）、Fife（ファイフ）、Six（シックス）、Seven（セブン）、Ait（エイト）、Niner（ナイナー）となる。小数点はDay-see-mal（デイシマル）、100はHundred（ハンドレッド）、1000はTousand（タウザンド）である。100、1000以外の数字は１つずつ区切って発音する（13はワン・ツリー）。参考：航空管制のはなし

＜フォボス＞：スロバキア軍の滑走路破壊弾で、投下すると後部の制動パラシュートにより姿勢制御を行い、ロケットモーターに点火して加速、400mmのコンクリートを貫通した後、炸裂する。９発の同時投下で30-50平方メートルの範囲を破壊できる。全長1.7m、直径0.137m、翼スパン0.22m、重量50kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜フォリアント計画＞：ノヴィチョーク（化学兵器）を参照。

＜フォリジャー作戦＞：アメリカ軍が太平洋戦争で実施したマリアナ・グアム攻略作戦Forager（略奪者）。作戦参加部隊は統合遠征軍（第51任務部隊）で、これをサイパン・テニアン攻略の第52任務部隊とグアム攻略の第53任務部隊に分けた。総戦力は、揚陸艦隊535隻（うち揚陸専門艦艇185隻。LSD８隻、LST91隻、LCT36隻、LCI50隻）、陸戦部隊５個師団127000名。1944年5月27日、ビアク島上陸作戦を実施。日本軍は渾作戦で対抗を試みたが、損害が大きく中止に追い込まれた。6月15日、アメリカ軍がサイパン島に上陸。日本軍はあ号作戦を発動した。6月19日、マリアナ沖海戦。7月21日、アメリカ軍がグアム島上陸スティーブドール作戦を実施。参考：月刊軍事研究8,’01、月刊世界の艦船4,’19

＜フォルクスイェーガー＞：He162シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フォルクスイェーガー（フォッケウルフ社）＞：フォッケウルフ社が第２次大戦末期に設計したロケット戦闘機で、Ta183のエンジンをヴァルターHWK109-509（推力1700kg）に換装し、機体を小型化している。実用化はされなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜フォルクスヴァーゲン＞：国民車。ドイツの４×２輪乗用車で、1933年にヒトラーがポルシェ博士に打診して製作された。要求は時速100kmでの連続運転、燃料７リットルでの100km走行、厳しい気象に強い空冷エンジン開発、大人３名と子供２名の乗車、価格1000ライヒスマルクというもので、1935年から試作に入り、武装親衛隊にも引き渡されて各種テストが念入りに行われた。軍用にも転用でき、実際VW82の元となっている。全長4.07m、重量730kg。エンジンは空冷４気筒（排気量985cc、23.5馬力）。乗員４名と貨物60kgを積める。価格は１台1000ライヒスマルク（30-40万円）で、1938年から生産に入り、1940年までに25万人が購入を希望した。しかし民間車は軍用車両の供給が十分に行われてからとされたため、第２次大戦中は引き渡されずに終わったが、終戦後にビートルとしてちゃんと渡されている（西ドイツだけ）。参照：歴史群像10,’08、月刊PANZER2,’05

＜フォルクスシュトゥルム＞：国民突撃隊を参照。

＜フォルゴーレ＞：MC202（戦闘機）を参照。

＜フォルスターゾンデ＞：SG113A「森林の探針」。ドイツ軍の空対地連装無反動砲で、主翼付け根の上下を貫く形で装備する。敵戦車の真上を通過すると電磁波でそれをキャッチ、真下に向けた口径77mm、弾丸直径45mmの口径漸減無反動砲を自動的に発射する。1944年秋にFw190F-8で試験され、T-34の上面装甲を貫通したが、実用化前に終戦となった。参考：月刊PANZER10,’03、フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜フォルバン＞：D620（駆逐艦）を参照。

＜フォルバン＞：フランス海軍ラドロア級駆逐艦１番艦Forbin。1930年竣工。1952年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フォルバン級＞：ホライズン型（駆逐艦）を参照。

＜フォルボート＞：FolboatまたはFolbot。折り畳み小型ボートのこと。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜フォルポスト＞：サーチャー海外シリーズ（無人機）を参照。

＜フォレイ＞：K474（フリゲート）を参照。

＜フォレスター＞：H74（駆逐艦）を参照。

＜フォレスター＞：アメリカが開発中の監視レーダーで、木の葉貫通偵察・捜索・追尾・交戦レーダーの略。ジャングル内に潜む敵を探知することが可能で、A-160Tハミングバード無人ヘリに搭載してテスト中である。参考：月刊軍事研究5,’09

＜フォレスタル級＞：アメリカ海軍攻撃空母Forrestal級。竣工時点では空母信濃を抜いて史上最大の空母で、スーパー・キャリアとも呼ばれる。朝鮮戦争勃発で空母の重要性が再認識され、建造中止になったユナイテッド・ステイツに準じた空母として完成した。最初からジェット機の運用を想定して建造されたアメリカ初の空母で、設計当初は大型ジェット攻撃機（A-3艦攻）に対応するため艦橋を昇降式にし、飛行甲板左右を張り出させてカタパルトを装着していたが、１番艦起工後の1953年にアングルドデッキ付きに改設計し、アイランドも通常型に変更、大型機対応の強力なスチーム・カタパルトを積むことになり、竣工時から三種の神器（アングルド・デッキ、スチーム・カタパルト、FLOLS）を装備するアメリカ初（FLOLSは就役直後？）の空母になった。クロスロード作戦の実験結果に基づき、核攻撃に対抗できるよう、強度甲板を従来の格納庫甲板から飛行甲板に変更し、飛行甲板を装甲化、水線下にも装甲を張り、多層防御も施した。艦首はエンクローズド・バウで、飛行甲板は全通式、被害防止のため飛行甲板幅を狭くしていた従来の方針を転換して右舷と左舷に大きな張り出しを設け、右舷側にアイランド（艦橋＋煙突）を装着、左舷側に開度10.5度（８度？）のアングルド・デッキを設置している。格納庫（長さ225.6m、幅30.8m、高さ7.62m）は閉鎖式で、NBC防護対応であり、散水による除染装置を備える。カタパルトはC-7スチームカタパルト４基またはC-7カタパルト２基＋C-11カタパルト２基で、艦首とアングルド・デッキ前部に２基ずつ搭載し、艦首のものにはブライドル・リトリーバーが付く。着艦拘束装置は６本で、後にMk7Mod1着艦拘束装置４本（＋バリケード）に換装した。エレベーターは右舷に３基（アイランド前方に１基、後方に２基）、左舷アングルド・デッキ最前部に１基の計４基で、全て外舷式。左舷エレベーターがアングルド・デッキと被るので、着艦作業中は左舷エレベーターを使えない。アイランド上に1-2番艦はマスト２本、3-4番艦はマスト１本があり、後に1-2番艦も後部マストを撤去した。全長316.7m、飛行甲板長310.3m、飛行甲板幅72.2m（76.8m？76.2m？）、基準排水量59650-61163トン、満載排水量75900-76614トン。主機はギヤード蒸気タービン、速力33-34ノット。搭載機数80-95機。通常兵器搭載量1650トン、核兵器搭載量160-200トン。兵装は54口径127mm単装砲Mk42が８門（前部両舷・艦尾両舷スポンソン上に各２門）。1955-59年にCV-59フォレスタル、CV-60サラトガ、CV-61レンジャー、CV-62インディペンデンスが竣工した。後にMk42を全て撤去し、シースパロー発射機とファランクスを装備している。CV-61はMk42用スポンソンを残したが、それ以外はMk42用スポンソンも撤去してシースパロー発射機・ファランクス用の小型スポンソンを設けた。1993-98年に退役した。参考：世界の傑作機No.118、月刊世界の艦船11,’15、12,'22、2,'22、12,’13、8,’11、12,’16、4,’18、3,'21、アメリカの核兵器、月刊軍事研究5,’03、歴史群像10,’18

＜フォレスタル爆発事故＞：ベトナム戦争時の1967年7月29日、トンキン湾で北爆に参加していたCV-59フォレスタルの艦上で、F-4艦上戦闘機に搭載されていたズーニー・ロケット弾が電磁波の影響による異常電流で勝手に発射され、発艦準備中のA-4艦上攻撃機に命中、燃料に引火して火災が発生した。出撃７分前で、付近にはJP-5燃料と弾薬を満載した艦上機が並んでおり、1000ポンド爆弾7-8発と500ポンド爆弾２発が爆発、装甲化飛行甲板７ヵ所に孔が開き、火の付いたJP-5燃料150キロリットルが艦内に流れ込んで延焼し、飛行甲板の消火に２時間、艦内の火災制圧に24時間以上かかっている。134名が死亡、161名が負傷し、F-4艦戦７機、A-4艦攻11機、RA-5艦偵３機が全損、40機が損傷した。CV-59フォレスタルはスービックで12日間の応急修理を受け、ノーフォーク海軍工廠での本格修理に４ヶ月を要している。事故の教訓に基づく空母側の問題は既存空母の改装とニミッツ級の設計変更で解決し、ダメージ・コントロール教育や器材の改善なども行った。また、アメリカ本土以外でこの規模の本格修理を行える場所として横須賀SRFがあり、横須賀基地への空母前方展開を始める一因ともなっている。参考：月刊世界の艦船6,’24、世紀の失敗物語

＜フォレスト＞：DD-461（駆逐艦）を参照。

＜フォレスト・Ｐ・シャーマン＞：シャーマン提督を参照。

＜フォレスト・シャーマン＞：DD-931（駆逐艦）またはDDG-98（イージス駆逐艦）を参照。

＜フォレスト・シャーマン級シリーズ＞：アメリカ海軍駆逐艦Forrest Sherman級。1955-59年に18隻が就役し、1967-68年に４隻がミサイル駆逐艦に改装され、1983-90年に退役した。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜フォレスト・シャーマン級駆逐艦＞：空母直衛が主任務で、Mk42両用砲を初搭載し、対潜兵装を充実させた。船型は平甲板型。全長114.7m（127.6m？）、幅12.1m（13.7m？）、吃水4.2m（4.6m？）、基準排水量2750トン、満載排水量3920トン（4220トン？）。主機はギヤード・タービン２基、主缶（蒸気温度454度、圧力１平方センチあたり43.3kg）４基、出力60000軸馬力、２軸推進、速力37ノット（34ノット？）、航続距離6500海里（15ノット）／4500海里（20ノット）。兵装は54口径５インチ単装両用砲Mk42が３門、50口径３インチ連装砲Mk33が２基、40mm機関砲、20mm機関砲、21インチ（533.4mm）５連装魚雷発射管２基、ヘッジホッグ２基、Ｋ砲６基、爆雷投下軌条２条、爆雷26個。射撃指揮装置は５インチ砲用がMk68、３インチ砲用がMk56で、１基ずつ装備する。1955-59年にDD-931フォレスト・シャーマン、DD-933バリー、DD-949パーソンズなど18隻が就役した。1960年代後半に８隻が３連装短魚雷発射管Mk32を搭載した。また、1967-68年に４隻がミサイル駆逐艦に改装された。参考：月刊世界の艦船3,’13、6,’13、11,’13、12,’13、10,’02、5,’86、8,’16、6,’24、月刊軍事研究5,’03

　＜フォレスト・シャーマン級ミサイル駆逐艦＞：後部砲塔を撤去してMk13ターター単装発射機１基とAN/SPG-51イルミネーター・レーダー１基を搭載し、ミサイル駆逐艦（当初はミサイル・フリゲート、1975年に艦種変更）としたもの。全長127.6m、満載排水量4916トン。主機は蒸気タービンで、速力33ノット。全艦を改装する予定だったが、艦型が小さくイルミネーター・レーダー１基しか積めないので能力に限界があり、1967-68年に４隻のみ改装を受けてDDG31-34となった。参考：月刊世界の艦船3,’13、6,’13、10,’02、5,’86、月刊軍事研究5,’03

＜フォレスト・ペネトレーター＞：海上自衛隊のレスキュー用吊り上げ装備品。浮力のある円筒形クッション（スリング付き）の下方に折り畳み座面、上部にスリングを取り付けたもので、ある程度体の自由の効く要救助者の体にスリングを通し、クッションを抱きかかえてもらい、ホイスト・ケーブルで吊り上げる。参考：MAMOR vol.116、vol.103

＜フォレスト・ライト９９＞：1998年11月2日から11月14日まで九州で実施された、日米共同実動訓練。参加部隊はアメリカ海兵隊第３海兵師団第３連隊第３大隊600名と、陸上自衛隊第８師団第24普通科連隊800名である。11月5日に訓練開始式を実施。11月6-9日まで、機能別訓練として小銃小隊戦闘射撃訓練、監視訓練、偵察訓練、通信訓練、地雷原処理訓練、爆破基礎訓練、負傷者収容所開設訓練、第一線救護訓練、班・小隊攻撃訓練、特殊武器（化学兵器）防護訓練、迫撃砲訓練を実施。11月11-14日まで、総合訓練を実施した。参考：月刊軍事研究3,’99

＜フォレスト・ライト２０１３＞：陸上自衛隊とアメリカ海兵隊との共同訓練で、2013年10月8-18日に饗庭野演習場で実施された。参加部隊は陸上自衛隊第３師団第37普通科連隊430名、アメリカ海兵隊第３海兵連隊90名。10月8-11日、機能別訓練を実施。第一線救護、IED対処、障害処理、爆破、狙撃、迫撃砲射撃、ヘリボーン、市街地戦闘などの各種訓練を行った。10月14-16日、総合訓練を実施。10月14日、強固な敵陣地への攻撃を想定した訓練を実施。10月15日、ビルに立て籠もる敵を掃討する訓練や、敵警戒部隊を排除しつつ前進する訓練を実施。10月16日、饗庭野演習場でMV-22Bオスプレイによるヘリボーン訓練を実施。第37普通科連隊と第３海兵連隊の40名が参加し、台風26号接近で暴風警報が発令される中、MV-22Bオスプレイ２機が饗庭野演習場に着陸して日米隊員を収容し、離着陸・要点確保訓練を行った。参考：朝雲

＜フォレスト・ライト２０１３−０２＞：25 Forest Light 02。陸上自衛隊とアメリカ海兵隊との共同訓練で、2014年2月25日から3月8日に関山演習場と相馬原演習場で実施された。参加部隊は第12旅団第２普通科連隊、第４海兵連隊第２大隊などで、積雪機動訓練、積雪地露営訓練、狙撃訓練、CH-53ヘリ２機によるヘリボーン訓練、総合訓練などを行った。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊丸6,’14

＜フォレスト・ライト２０１４−０１＞：26 Forest Light 01。陸上自衛隊とアメリカ海兵隊との共同訓練で、2014年12月1-12日に大矢野原演習場で実施された。第８師団第42普通科連隊、西部方面ヘリコプター隊（CH-47JA）など250名、第９海兵連隊第２海兵大隊、VMM-265（MV-22B）、HMH-465（CH-53E）など250名が参加し、ヘリボーン訓練などを行っている。参考：月刊JWings3,’15、月刊軍事研究4,’15、朝雲

＜フォレスト・ライト２０１４−０２＞：26 Forest Light 02。陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練で、2015年1月28日から2月8日に岩手山演習場で実施された。第９師団第21普通科連隊など250名、第３海兵機動展開部隊（�VMEF）第３海兵師団第４海兵連隊など270名が参加し、積雪寒冷地における日米共同要領を演練し、1月28日から2月1日までの機能別訓練でスキー機動、市街地戦闘訓練、バリケートシューティング訓練など、2月4-6日の総合訓練でCH-53Eによるヘリボーン訓練、バトラーを使用した陣地攻撃訓練などを行っている。参考：月刊軍事研究4,’15、月刊JWings4,’15、朝雲

＜フォレスト・ライト２０１５−０１＞：陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練で、2015年9月6-18日、饗庭野演習場と日本原演習場で実施された。第14旅団第50普通科連隊基幹の350名、司令部要員190名、第３海兵機動展開部隊第３海兵師団第２海兵連隊第１大隊１個海兵中隊200名が参加し、9月7-11日に機能別訓練（至近距離射撃、狙撃、格闘、第一線救護、共同ヘリボーン、対ゲリコマ訓練など）、9月14-16日に総合訓練（空中機動、超越交代、攻撃戦闘など）を行った。参考：朝雲

＜フォレスト・ライト２０１５−０２＞：陸上自衛隊とアメリカ海兵隊との共同訓練で、2016年1月26日から2月6日まで、矢臼別演習場や然別演習場などで実施された。第５旅団第27普通科連隊400名とアメリカ第３海兵遠征軍第３海兵師団第５海兵連隊第３大隊340名が参加し、機能別訓練（指揮機関、実弾射撃、応用射撃、市街地戦闘、ヘリボーン、バトラー�Uを使用した日米対抗小隊戦闘訓練、車列警護、第一線救護、IED教育など）と総合訓練（２夜３日連続状況下の敵陣地制圧）を実施した。参考：朝雲、月刊軍事研究4,’16

＜フォレスト・ライト２０１６−０１＞：陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同実動訓練で、2016年8月29日から9月8日まで、王城寺原演習場で実施された。第６師団第22普通科連隊主力400名とアメリカ海兵隊第３海兵連隊第３大隊１個中隊200名が参加し、8月30日から9月3日まで機能別訓練（ヘリボーン訓練、市街戦訓練、実弾射撃、負傷者救護後送、指揮所訓練）、9月5-7日に総合訓練（敵機械化１個中隊が占領する地域の奪還）を行っている。海兵隊CH-53Eは直前になってキャンセルし、台風10号被害対応のためUH-1Jが駆り出され、第１ヘリコプター団第１輸送ヘリコプター群第103飛行隊CH-47Jヘリ２機のみのヘリボーン訓練となった。参考：朝雲、月刊航空ファン11,’16

＜フォレスト・ライト２０１６−０２＞：陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同実動訓練。2017年3月6-17日、関山演習場、相馬原演習場、相馬原駐屯地で実施され、第12旅団第30普通科連隊基幹300名とアメリカ海兵隊第３海兵遠征軍第３海兵師団第４海兵連隊１個中隊基幹450名が訓練を行った。第４対戦車ヘリコプター隊からAH-1S対戦車ヘリ２機、第12ヘリコプター隊からCH-47Jヘリ３機とUH-60JAヘリ３機、VMM-265からMV-22B輸送機６機が参加している。3月6日に訓練開始式、3月7-10日に機能別訓練（ファストロープ降下、ヘリボーン、小火器実弾射撃、救護、指揮機関など）、3月12-13日に史跡研修、ホームビジット、3月13-15日に総合訓練（敵地攻撃訓練）、3月16日に研究会、3月17日に訓練終了式を行った。参考：月刊JWings6,’17、月刊航空ファン5,’17、朝雲

＜フォレスト・ライト２０１７−０１＞：陸上自衛隊とアメリカ海兵隊との国内における実動訓練で、アメリカ名称Forest Light 17-1。同時に米軍再編に係る訓練移転（ティルトローター機の沖縄県外への訓練移転）を行い、2017年12月8-20日に大矢野原演習場、高遊原分屯地などで実施された。第８師団第43普通科連隊基幹の350名、UH-60JAヘリ２機、第３海兵師団第４海兵連隊第2-1大隊基幹の400名、VMM-262のMV-22B輸送機４機が参加している。参考：月刊航空ファン1,’18、月刊JWings3,’18、朝雲

＜フォレスト・ライト２０１７−０２＞：陸上自衛隊とアメリカ海兵隊との国内における実動訓練。同時に米軍再編に係る訓練移転（回転翼機およびティルトローター機等の沖縄県外への訓練移転）を行い、2018年2月15日から3月2日、VMM-265を含む第31海兵遠征隊Ｃ中隊基幹の人員300名、第３海兵師団第４海兵連隊第１大隊第２中隊基幹の人員250名、MV-22B輸送機４機、第９師団第39普通科連隊基幹の隊員600名、CH-47J/JAヘリ３機、UH-1Jヘリ２機が参加し、王城寺原演習場や霞目駐屯地などで実施された。2月18-23日が機能別訓練で、総合戦闘射撃訓練、小火器射撃訓練、ヘリボーン訓練、MV-22Bによる空中機動訓練、雪上機動訓練などを行っている。2月27日から3月1日が総合訓練で、防衛に入っている敵部隊主陣地の敵情を第39普通科連隊第１中隊が解明し、第39普通科連隊第４中隊と海兵隊１個中隊が攻撃、UH-1による共同ヘリボーンで回り込み、敵を撃破して被占領地を奪取した。参考：月刊航空ファン4,’18、5,’18、月刊軍事研究5,’18、月刊JWings5,’18、朝雲

＜フォレスト・ライト２０１８−０１＞：2018年12月7-19日に日出生台演習場で実施。第４師団第41普通科連隊基幹の750名とアメリカ第３海兵師団第４海兵連隊第2-23大隊基幹の250名、MV-22B輸送機４機が参加し、12月9日から機能別訓練（小火器・対戦車火器戦闘射撃、MV-22Bによる空中機動など）、12月15日から総合訓練（日米共同攻撃・拠点防衛）を行った。参考：朝雲

＜フォレスト・ライト２０１８−０２＞：2019年1月28日から2月17日（2月4-15日？）、饗庭野演習場で実施。第３師団第７普通科連隊基幹600名、AH-1S攻撃ヘリ２機、CH-47JAヘリ１機、UH-1Jヘリ２機、第４海兵連隊第2-23大隊基幹230名、第31海兵遠征隊110名などが参加し、VMM-262所属MV-22B輸送機４機も明野駐屯地を整備拠点として参加した。2月4-8日に機能別訓練（MV-22Bによる空中機動、第一線救護、各種射撃、特殊武器防護、偵察、海兵隊マイクロUAV運用展示など）、2月12-14日に総合訓練（日米共同陣地攻撃・逆襲対処）を行っている。参考：月刊航空ファン4,’19、月刊JWings4,’19、朝雲

＜フォレスト・ライトＭＡ＞：2019年12月1-13日、饗庭野演習場や国分台演習場で行われ、第13旅団第８普通科連隊基幹450名、AH-1S攻撃ヘリ２機、UH-1Jヘリ３機、第１海兵航空団第36海兵航空群VMM-262所属MV-22B輸送機４機、人員80名、第３海兵師団第４海兵連隊第1-25大隊基幹220名（300名？）が参加した。VMM-262は米軍再編に係る訓練移転（回転翼機およびティルト・ローター機等の沖縄県外への訓練移転）として参加し、機体整備などのため明野駐屯地を使用している。12月1日、訓練開始式を実施。12月2-6日、機能別訓練（空中機動、射撃、市街戦、第一線救護など）を実施。12月9-12日、総合訓練（国分台演習場から饗庭野演習場への空中機動、日米共同攻撃訓練など）を実施。参考：月刊航空ファン2,’20、朝雲

＜フォレスト・ライトＷＡ＞：2020年1月18-30日、大矢野原演習場、霧島演習場、高遊原分屯地で行われ、第８師団第12普通科連隊基幹の部隊とアメリカ第31海兵遠征隊第１大隊が、指揮機関訓練（小隊長による図上調整など）、機能別訓練（各種射撃・空中機動訓練など）、総合訓練（MV-22Bからの空中機動、日米連携攻撃前進・展開、日米共同攻撃による目標奪取）を実施した。参考：朝雲

＜フォレスト・ライト（２０２０年）＞：2020年12月7-18日、関山演習場や相馬原演習場などで行われ、第12旅団第30普通科連隊基幹400名、CH-47ヘリ４機、AH-1Sヘリ２機、UH-60JAヘリ２機、第３海兵師団第４海兵連隊第3-8大隊500名、第１海兵航空団第36海兵航空群VMM-265所属MV-22B輸送機６機が参加した。VMM-262は米軍再編に係る訓練移転（回転翼機およびティルト・ローター機等の沖縄県外への訓練移転）として参加している。前半は機能別訓練（近距離射撃、格闘、ファストロープ降下など）、後半は総合訓練（島嶼防衛）を行った。期間中に陸自隊員７名の新型コロナウイルス感染が判明したが、訓練内容には変更無く終了している。参考：月刊JWings3,'21、2,’21、朝雲

＜フォレスト・ロイヤル＞：DD-872（駆逐艦）を参照。

＜フォレル＞：クルップ社が1902年に製作した潜水艦で、フォレルは樽の意。フランスの潜水艦ジムノートをベースに開発され、魚雷発射管２門を搭載しており、敵艦近くで水上艦艇から発進、攻撃する。全長13.1m、水中排水量17トン。速力5.5ノット、航続距離9km。兵装は46cm外装魚雷発射管２門。1903年6月8日に完成し、プロシア海軍に売り込んだが採用されず、1904年にロシア海軍が１隻を試験用に購入した。日露戦争勃発でウラジオストクに鉄道で運ばれたが、実戦には使用されなかった。参考：月刊世界の艦船10,’13、Ｕボート入門

＜フォレレン＞：スウェーデン海軍アヴォレン級（２代目）潜水艦１番艦。元はU1級潜水艦U4である。1970年7月1日退役。参考：月刊軍事研究2,’03、1,’03

＜フォワーダー＞：UC-61シリーズ（輸送機）またはGK-1（軽輸送機）を参照。

＜フォワード・インテリジェンス・センター＞：FICと略す。イギリスがインドに設置した防諜機関で、入国監査によりスパイを摘発するのが主任務である。摘発したスパイは速やかに収容所に送り、敵国に摘発されたと気づかれる前に尋問を終えて二重スパイに仕立て上げる。参考：月刊軍事研究7,’10

＜フォワード・コントロール＞：ランドローバー輸送車ファミリーを参照。

＜フォンク＞：ルネ・フォンク。フランス空軍エース。21歳でフランス空軍偵察機隊に配属された。Ｇ�W偵察機に機銃を取り付けて敵機を撃墜したのをきっかけに、戦闘機隊へと転属。第１次大戦で75機を撃墜した。参考：戦闘機のしくみ

＜フォンジャン＞：607（哨戒艇）を参照。

＜フォン・ステューベン＞：SSBN-632（ジェームズ・マディソン級戦略原潜）を参照。

＜フォンツァン＞：東運615（補給艦）を参照。

＜フォン・デア・タン＞：ドイツ海軍フォン・デア・タン級戦艦Von Der Tann。1910年竣工。1916年5月31日、第１偵察戦隊所属でジュットランド海戦に参加。イギリスの巡洋戦艦インデファティガブルを撃沈したが、命中弾４発を受けて主砲全門が１時間発射不能になり、２番砲塔は使用できなくなった。1919年に自沈した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’16

＜フォン・デア・タン級＞：ドイツ海軍巡洋戦艦Von Der Tann級。イギリスのインヴィンシブル級に対抗して建造したものだが、ティルピッツ提督の方針で装甲防御力を重視、装甲重量は排水量比32.7%もあってイギリスの巡洋戦艦どころか弩級戦艦より比率が高い。その分乾舷が低くなり荒天時の行動力に劣った。全長171.7m、幅26.6m、吃水8.1m、常備排水量19064-19370トン。主機はパーソンズ式高低圧並列直結蒸気タービン２基、主缶はシュルツ・ソーニクロフト石炭専焼缶（16気圧、飽和蒸気）18基で、出力79000馬力、４軸推進、推進軸回転数毎分280、プロペラ直径3.6m、速力27ノット（24.8ノット？）。兵装は28.3cm連装砲４基（艦首の船首楼甲板、右舷中央やや前方、左舷中央やや後方、後甲板）、14.9cm単装砲10門、8.8cm単装砲16門、45cm水中発射管４門。装甲厚は水線部250mm、甲板50mm。乗員923名。フォン・デア・タンが1910年に竣工した。船首楼前部の8.8cm砲２門ずつは波を被るので後に撤去された。1916年、8.8cm砲を全て高角砲に換装して後部上構上に４門を設置し、前部マストに着弾観測用フラットを設けた。参考：近代戦艦史、月刊丸11,’09、月刊世界の艦船1,’12、9,’17

＜フォンド・デュ・ラク＞：APA-166（攻撃輸送艦）を参照。

＜フォン・フォースター効果＞：ノイマン効果を参照。

＜フォンヤン＞：FF933（フリゲート）を参照。

＜フカ＞：海上自衛隊の略号で、副官のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜普外＞：外出（自衛隊）を参照。

＜部外技能教育＞：自衛隊の教育。50代半ばで退職する若年定年制自衛官と、20-30代半ばで退職する任期自衛官が対象で、退職後の生活基盤を確保するため、再就職に必要な職業訓練を部外研修施設で行うものである。参考：朝雲

＜プカキ＞：ニュージーランド海軍レイク級内水哨戒艇Pukaki。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜不可逆式操縦装置＞：Non-reversible control system。操縦桿からは動かせるが、舵面の方からは動かせない操縦系統のこと。タブ、カム、特殊リンク機構、油圧系統などを介する操縦系統は不可逆式になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜富嶽＞：中島飛行機製作所の創業者である中島知久平が、昭和18年4月1日に軍令部総長に対して構想を発表した６発戦略爆撃機G10N。戦局挽回策を独自に10個ほど考えたが実現不可能と判断、11番目にＺ戦策として考案したのがこれである。アメリカ軍が開発中とされる爆弾搭載量20トン・行動半径7000kmの2500馬力級エンジン６発大型爆撃機（B-36と思われる）が完成すると、インドやアメリカから出撃して日本を爆撃することが可能となるため、その出撃基地を叩けるだけの能力を持たせている。ついでにフランスにも派遣してアメリカ東部やソ連の工業地帯を壊滅させたり、魚雷を20本積んで空母機動艦隊を一網打尽にしたりすることも考えていた。コクピットは与圧式で、俵型をしており、リベット止めして隙間を接着剤で埋める方式とした。これを機首にそのまま埋め込むため、機首は段無し形状となっている。後部銃座も与圧室にする予定だった。主翼はテーパー翼で、トーションボックス構造を取り、左右２枚ずつの二重隙間フラップと１枚ずつのエルロンを持つ。エンジンは相手の性能を凌駕するため、出力は倍の5000馬力を予定し、社内名称BHとして開発していた2500馬力級ハ219をタンデムに並べたハ505（社内名称BHダブル）を積むことにした。降着装置は前輪式。全長45m、全幅65m、全高12m、自重67.3トン、全備重量160トン。翼面積350平方メートル、翼面荷重１平方メートルあたり457kg。エンジンはハ505空冷４列星型36気筒ガソリン（離昇出力5000馬力、公称出力4600馬力）６発、プロペラは３翅二重反転式定速（直径4.8m）、最大速度680km（高度7000m）、実用上昇限度12480m、燃料搭載量42720リットル（胴体内）＋57000リットル（翼内）、航続距離は兵装20トン搭載で16000km。防御武装は機首20mm動力機関砲、コクピット下部左右20mm動力機関砲、コクピット後上方20mm動力機関砲、後部上方・左右20mm動力機関砲、後下方遠隔操作式20mm動力機関砲、尾部20mm動力機関砲。兵装搭載量20トン。照準器は十七式爆撃照準器または九〇式爆撃照準器。中島知久平はアメリカ本土を攻略するには爆撃機型4000機、掃射機型2000機、輸送機型5000機、陸軍兵士300万名が必要と見積もったが、さすがに無理があり、当座は昭和20年6月までに400機を生産することとした。昭和18年4月26日には陸軍航空本部にも説明が行われ、9月には富嶽と命名されて陸海軍共同で研究が開始され、12月には中島知久平をトップとする富嶽委員会も設立されたが、エンジン完成の見込みが立たず、ハ219エンジン６発に変更されてしまい、航続距離を維持し最大速度を700kmとする代わりに爆弾搭載量が５トンに減ってしまった。エンジンのみならず、二乗三乗の法則に打ち勝てる高効率プロペラ、機体軽量化、空力抵抗局限、高々度飛行に必要な与圧といった技術が何一つ無い状態であり、ハ505が完成していたとしても実用化できたかは怪しい。軍需省（旧企画院）が川西航空機に命じて輸送機という秘匿名称で開発させていたアメリカ本土爆撃用長距離爆撃機（誉またはハ43エンジン４発。爆弾搭載量2-6トン）の方が開発リスクが少ないと判断され、昭和19年3月に陸軍大臣から富嶽委員会に活動停止が命じられた。以降は中島飛行機製作所三鷹研究所で自主研究が続けられたが、戦局悪化で開発中止となった。参考：月刊丸3,'18別冊、5,’13、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、世界の傑作機No.125、月刊航空情報4,’18

＜富嶽ファミリー＞

　＜富嶽（掃射機）＞：胴体下面に20mm機関砲96門を搭載し、敵爆撃機編隊上空を最大速度で航過しつつ斉射を行い、一網打尽にする。7.7mm機銃400丁を積み、敵艦露天甲板の対空兵装と人員を制圧するタイプも考案された。参考：月刊丸5,’13、3,'18別冊

　＜富嶽（輸送機）＞：エンジンを４基に減らし、空挺隊員200名を乗せるタイプで、アメリカ西海岸への侵攻に使用する。参考：月刊丸3,'18別冊、5,’13

　＜富嶽（旅客機型）＞：爆撃機型を一回り小さくして内部に縦25列・横４列の座席を設けたもの。戦後に就航させる予定だった。参考：月刊航空ファン2,’12

＜深さ（艦船）＞：Deapth、Ｄ。船の長さの中央部の、キール下面から舷側上甲板までの垂直距離をいう。キールと上甲板の厚さを含まない、型深さという測り方もある。参考：図解雑学　船のしくみ、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船10,'24

＜フガス地雷＞：ナパーム剤を缶に詰めた急造地雷の通称。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜プガチョフコブラ＞：Su-27が1989年（1988年？）のパリエアショーで披露した機動。当初はテストパイロットのエフゲニー・プガチョフだけが出来るとされたためにこの名が付いたが、ロシア空軍に派遣された自衛隊員もやっていたらしく、単にコブラとも呼ばれる。水平飛行から急激に機首上げを行い、殆ど機体を上昇させずに迎え角約120度まで機体を傾け、空気抵抗を受けてそのまま前に倒れて水平飛行を続ける。機体迎え角が90度以上になっても機首下げに入れるSu-27の特性を発見したプガチョフが1989年4月28日にジュコウスキー飛行場でロシア空軍高官らに披露し、航空ショーでの採用が決定した。実戦では使えないと言われているが、Su-27の高い失速後機動性能や、エンジンの優秀さを示す機動とされる。横向きで行うとフックになる。ちなみに、F-22Aでも行える。MiG-29でも真似はできるが、機首上げの途中で機体が明らかに上昇してしまうため、技のキレが悪い。珠海エアショー2018では殲撃10B型が披露した。参考：月刊JWings10,’02、4,’07、12,’11、1,’19、月刊航空ファン11,’92

＜ブカニア＞：原子砲を参照。

＜深谷通信所＞：在日米軍の通信所で、横浜市泉区にある。面積77ヘクタール。元は日本海軍通信本部で、1945年にアメリカ軍が接収し、在日米海軍厚木基地の管理下に置かれた。2014年6月30日に全て日本に返還された。市民が畑や野球場として使用している部分は2015年3月末まで利用可能で、利用者が原状回復して返還した後に南関東防衛局で埋設物などの調査を実施、財務省に引き渡し、財務省で処分方法の検討に入る。参考：MAMOR vol.98、朝雲

＜プカラ＞：IA58シリーズ（COIN機）を参照。

＜武漢＞：169（駆逐艦）を参照。

＜武漢三鎮＞：湖北省東部の武漢にある武昌、漢陽、漢口のことで、日華事変で昭和12年12月に南京を日本軍に占領された後、重慶に遷都するまでの繋ぎとして蒋介石政権が首都を置いたため、日本軍が次の攻略目標に設定し、昭和13年10月に占領した。または鹿屋飛行場から鹿屋市街に降りる途中にあった３軒の料理屋の通称。参考：月刊航空ファン7,’17、続日本海軍よもやま物語

＜不関旗＞：「われ行動の自由を失い、旗艦に続行不可能」という意味を示す旗。参考：日本海軍史

＜不関旗をあげる＞：日本海軍スラングで、上官の命令をわざと聞かないこと。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典

＜武漢軍区＞：中国軍の大軍区。1955年3月7日に創設され、湖北軍区を兼務した。1985年6月の改編で廃止された。参考：月刊航空ファン5,’16

＜不感帯＞：シャドー・ゾーンを参照。

＜武器（自衛隊法）＞：火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、または武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置等。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜武器（武器輸出三原則）＞：軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの。また、本来的に火器を搭載し、それ自体が直接人を殺傷または武力闘争の手段として破壊を目的として行動する護衛艦、戦闘機、戦車など。輸出貿易管理令別表第197-205項に掲げるもので、この定義に該当するものがそれにあたる。参考：軍縮条約・資料集第２版、月刊PANZER12,’11

＜武技＞：日本海軍が実施したスポーツで、剣道、柔道、相撲、銃剣術、水泳などがある。練習生教程から正式の教科として義務づけられ、部隊配属後も各艦で試合を行った。剣道と銃剣術の異種対決もあったようである。鎮守府から段位や級の認定を受けることができ、鎮守府５段などと称した。参考：海軍よもやま物語、続日本海軍よもやま物語

＜武器科＞：陸上自衛隊の職種の１つ。火器、車両、誘導火器（ミサイル）、弾薬類の補給、整備（車検含む）、回収、不発弾処理を行うことで各部隊を支援するのが主任務である。職種学校として武器学校、教育支援部隊として武器教導隊がある。以前は方面隊に方面武器隊（武器野整備中隊と武器直接支援隊からなる）、師団後方支援連隊に武器大隊、高射特科群に高射直接支援隊があったが、2000年代の改編で無くなり、武器科隊員は全般支援大隊／隊や後方支援連隊整備大隊／中隊、補給処に配属されている。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、スピアヘッドNo.16、月刊軍事研究3,’10、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1

＜武器学校＞：陸上自衛隊の職種学校で、武器科の教育（装備品整備修理、火薬や火工品の取り扱い、不発弾処理など）を行う。職種色は萌黄色。第１教育部（定員約170名）で幹部向けの運用面教育、第２教育部（定員約470名）で幹部から陸士までを対象にした集合教育や技術教育を実施しており、火器科（15課程）、誘導武器科（８課程）、車両工作科（17課程）、弾薬科（７課程）がある（他に共通課程２課程）。装備品は多種多様なので、主要なものとその他に分け、重点教育を行っていく。他に教育支援を行う武器教導隊と研究部、総務部、企画室が設けられている。1952年1月21日、警察予備隊総隊武器学校として立川駐屯地（初代）で創設された。当時の教育内容は装軌車と自動車の整備である。1952年9月25日、土浦駐屯地に移駐。1954年7月1日、陸上自衛隊創設に伴い、陸上自衛隊武器学校となった。1959年8月13日、武器教導隊が新編された。1998年、幹部特修課程（兵站）の教育を開始。2007年、組織を改編し、第１・第２教育部による教育体制とした。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2015年9月10日から関東・東北豪雨の災害派遣に参加。2017年2月9日、陸自入隊予定者15人が学校を見学した。2018年4月3日、兵站に関する運用研究、共通教育の統制、部隊訓練支援などを担当する陸自初の職種横断的組織である兵站センターの運営開始式を実施。2019年1月13日、AAV7水陸両用装甲車１両で第１空挺団平成31年降下訓練始めに参加。2020年9月23・25・28日、総務部運営要員３名が茨城県阿見町にある保育所を研修し、緊急登庁支援でのキッズサポートセンター運営ノウハウを習得した。

2021年2月2日、茨城県城里町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの災害派遣に参加。3月24日、防衛監察本部がコンプライアンス講習会を実施。4月1日、第２教育部生徒教育隊が第８期生徒陸曹候補生課程58名の３曹昇任行事を実施し、90式戦車人力回収を行った。9月9日から10月中旬、東ティモール軍に対する能力構築支援事業に参加。2022年11月4-7日、茨城県かすみがうら市で発生した鳥インフルエンザの災害派遣に参加。2023年1月8-14日、茨城県城里町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの災害派遣に参加。2月3-8日、茨城県八千代町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの災害派遣に参加。2月10-14日、茨城県坂東市の養鶏場で発生した鳥インフルエンザの災害派遣に参加。8月28日から9月27日、東ティモール国軍に対する能力構築支援事業に参加。2024年1月23-31日、ソロモン諸島に対する不発弾処理分野の能力構築支援事業に４名が参加。

参考：武器学校ホームページ、スピアヘッドNo.16、月刊軍事研究3,’10、11,’11、MAMOR vol.81、vol.52、vol.100、陸海軍学校と教育、月刊JWings8,’12、朝雲

　＜武器学校（２０１５年）＞：土浦駐屯地に置かれている。企画室、総務部（駐屯地司令や駐屯地業務隊が行う業務を担当）、第１教育部（兵站部隊指揮官・幕僚養成）、第２教育部（装備品整備要員・不発弾処理技術者養成）、研究部、武器教導隊（教育訓練・調査研究支援）からなる。参考：武器学校ホームページ

＜武器学校安全３訓＞：整理・整頓、作業規律の維持、点検・確認の確行。参考：朝雲

＜武器教導隊＞：陸上自衛隊の教導隊で、武器学校の隷下にある。故障車両回収などを含む武器全般に関する教育支援を行う。1959年8月13日に新編された。参考：MAMOR vol.117、武器学校ホームページ

＜武器グレード・ウラン＞：ウラン235を90-93.5%の濃度にまで高めたウラン。オークリッジ合金、略してオーラロイ（Oralloy）とも呼ばれる。核兵器に使用される超高濃縮ウランであり、アメリカ軍では可燃性毒物と混合して軍用原子炉燃料としても使用しているらしい。イエローケーキの粉末とフッ素を混ぜ、オートクレーブにかけて６フッ化ウランのガスとし、ガス遠心分離器に送ってウラン238を排除、ウラン235を濃縮し、再びオートクレーブにかけてウラン金属粉に戻して完成する。原子爆弾１発を製造するにはガス遠心分離器1000基を配備する同位体分離工場を１年間稼働させる必要がある。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究10,’04、6,’07、核兵器事典

＜武器グレード・プルトニウム＞：プルトニウム240を6%以下しか含まないように精製したプルトニウム239。参考：核兵器事典

＜武器指示装置＞：WDSシリーズを参照。

＜武器使用＞：自己防護等のために武器を使うこと。自衛官の場合、警察官職務執行法第７条に基づく正当防衛や緊急避難、自衛隊法95条に基づく武器等の防護などに限って危害要件が認められている。よって、警護出動中の自衛官に拳銃を持った不審者が近づいてきても、銃口が自衛官に向けられるまでは武器を使用できない。空自のスクランブル発進でも同じ基準である。海上警備行動発令時には海上自衛官に海上保安官の権限が付与されて海上保安庁法が適用されるため、こちら（第20条が武器の使用に関する条文）に基づく危害要件が認められる。2023年2月16日、アメリカによる中国偵察気球撃墜を受け、領空侵犯した気球や無人機が日本のものでないと認定された場合、正当防衛と緊急避難に該当せずとも撃墜が可能であるという新たな武器使用基準を定め、運用を開始した。参考：月刊世界の艦船5,’16、5,'23、朝雲、ベーシック条約集2018

＜武器使用判断訓練器材＞：北部方面警務隊本部企画訓練科が開発した訓練器材。警察が使っているような本格的なシミュレーターは高いので、２室にそれぞれ紙製スクリーンとスピーカーを設置し、一方に訓練を受ける警務官、もう一方に凶悪犯役を置いて、互いの様子や音声をスクリーンで確認できるようにしたものである。警務官は凶悪犯役に向かって説得や警告などを行い、武器使用可能と判断したらスクリーンに向かってエアガンを撃つ。参考：朝雲

＜武器隊＞：方面隊や師団の隷下にあり、規模によっては武器大隊になっていたりする。2000年代の後方支援業務再編で方面武器隊が方面後方支援隊全般支援大隊／隊に、師団武器大隊が師団後方支援連隊整備大隊または旅団後方支援隊整備中隊に改編され、武器隊の名称は無くなった。参考：スピアヘッドNo.16

　＜武器隊（陸自、１９７７年）＞：師団隷下で、弾薬補給（認証業務）、後方地域での補給・整備施設開設運営、火器や車両の修理整備などを行う。前線部隊に同伴して直接支援を実施することもある。参考：日本の防衛戦力Part1

＜武器隊（陸自、１９８０年代半ば）＞：師団隷下で、武器や車両の整備・修理、弾薬補給、不発弾処理を行う。参考：兵器最先端５

＜武器貸与法＞：レンドリース法を参照。

＜吹き出しフラップ＞：フラップを参照。

＜不規弾＞：射弾散布を推定するための射撃試験を行った際に異常な弾着を示し、正しい射弾散布推定を妨げるため統計学的に棄却すべき弾のこと。異常な弾着となった原因を追及した上で統計処理から省く。参考：朝雲

＜武器電子修理車用シェルタ＞：自衛隊の機器。北村製作所製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜武器等製造法＞：1953年に公布された法律で、自衛隊装備の国産が可能となった。参考：月刊軍事研究5,’08

＜武器等防護＞：自衛隊法第95条で、自衛官が武器を使用して自衛隊の武器等（武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備、液体燃料）を防護することが認められている。ただし、武器を使用できるのは、職務上武器等を警護する自衛官で、武器等を退避させても防護できないなど他の適当な手段が無い場合に警察比例の原則に基づいて必要最小限度に限定され、また刑法第36条・第37条（正当防衛または緊急避難）以外で人に危害を与えてはならない。武器等が破壊されたり、相手が襲撃を止めたり逃げたりした場合には、武器の使用を停止する。平和安全法制の制定を受けて自衛隊法第95条２、合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護のための武器の使用が追加され、アメリカ軍など他国軍隊やそれに類する組織で、自衛隊と連携して日本を防衛する活動（共同訓練含む。戦闘行為実施中の現場で行われるもの除く）に現に従事しているものの武器等（基本的に第95条に掲げるものと同じ）を職務上警護するにあたっても、その国から要請があり、防衛大臣が必要と認めた場合には、自衛官による同様の武器使用が可能となった。核兵器を搭載した武器等の警護に関しては、アメリカ軍の核兵器に対するスタンスを鑑みた場合、自衛隊に核搭載アセットの警護を要請することは想定されないとしている。想定しているのはテロ攻撃、攻撃相手やその意図が不明な攻撃、誤射や単なるロックオンなどグレーゾーン事態における武器等防護であり、第三国の軍隊から合衆国軍隊等が攻撃を受けた場合は「戦闘行為」に入るので、自衛隊法第95条２の対象外になる。自衛隊法第95条の２の運用指針は2016年12月22日に国家安全保障会議で決定され、同日から運用可能となった。2017年5月1-3日、自衛隊法第95条の２に基づき、房総半島沖から補給艦リチャード・Ｅ・バードを護衛艦DDHいずもとDDさざなみで防護した。ただ防衛省・自衛隊は米艦との共同訓練としており、個別具体的な警護の要領や実施の状況等は事柄の性質上答えられないとして正式には公表していない。また、朝鮮半島情勢が悪化していたが防護したのは太平洋側航行時のみで、北朝鮮軍がどうにかして攻撃してきたとしても戦闘行為ということで法的根拠が無くなるし、担当護衛艦の性質からして対潜・対水上護衛であるから、アメリカが何を脅威と考えてわざわざ要請してきたのかは不明で、ただの連携アピールらしい。2018年2月5日、自衛隊法95条の２に基づき2017年に実施した武器等防護の実績が２件（共同訓練時に艦艇と航空機に対し１件ずつ。日時や場所は非公表）だったと、防衛省が発表した。2019年2月27日、自衛隊法95条の２に基づき2018年に実施した武器等防護の実績が16件だったと防衛省が発表した。内訳は弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視活動中の艦艇防護３件、共同訓練中の艦艇防護３件、共同訓練中の航空機防護10件で、日時や場所などの詳細は非公表である。2020年2月14日、自衛隊法95条の２に基づき2019年に実施した武器等防護の実績が14件だったと、防衛省が発表した。内訳は、弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視活動中の艦艇防護４件、共同訓練中の艦艇防護１件、共同訓練中の航空機防護９件で、日時や場所などの詳細は非公表である。2021年2月19日、自衛隊法95条の２に基づき2020年に実施した武器等防護の実績が25件だったと、防衛省が発表した。内訳は、弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視中の艦艇防護が４件、共同訓練中の航空機防護が21件で、日時や場所などの詳細は非公表である。6月9日、日豪外務・防衛担当閣僚協議（日豪２＋２）で、オーストラリア軍に対する武器等防護の実施準備・体制が整った事を確認した。11月10-12日、DD-105いなづまとFFH-152ワラムンガが日豪共同訓練トライデントを行った際、オーストラリアからの要請に基づき、アメリカ軍以外で初となる武器等防護を行った。2022年1月28日、自衛隊法95条の２に基づき2021年に実施した武器等防護の実績が22件（アメリカ軍21件、オーストラリア軍１件）だったと、防衛省が発表した。内訳は、弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視中のアメリカ艦防護４件、共同訓練中のアメリカ艦防護10件、共同訓練中のアメリカ航空機防護７件、共同訓練中のオーストラリア艦防護１件で、11月10-12日の日豪共同訓練トライデントにおけるオーストラリア艦防護以外の詳細は非公表である。6月11日、シンガポールで行われた日米豪防衛相会談の声明で、米豪両軍の艦船や航空機に対して同時に実施する方針を明記した。11月19-20日、関東南方から四国南方で行われた日米豪共同訓練で、DD-156せとぎりが、アメリカ軍及びオーストラリア軍からの要請で、両国艦艇に対する武器等防護を実施。日米豪３カ国の連携による武器等防護はこれが初である。2023年3月31日、自衛隊法95条の２に基づき、2022年に実施した武器等防護の実績が31件（2022年11月公表の日米豪３カ国連携による初の防護は、アメリカ・オーストラリアそれぞれ１件に計上）だったと、防衛省が発表した。内訳は、弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視でアメリカ艦艇に対し４件、共同訓練でアメリカ艦艇に対し18件・アメリカ航空機に対し５件・オーストラリア艦艇に対し４件である。2024年3月18日、自衛隊法第95条の２に基づき、2023年に実施した武器等防護の実績が27件だったと、防衛省が発表した。内訳は、弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視でアメリカ艦艇に対し４件、共同訓練（日米豪３カ国連携警備はアメリカ艦艇とオーストラリア艦艇に２件ずつ計上）でアメリカ艦艇に対し13件、アメリカ航空機に対し５件、オーストラリア艦艇に対し４件、オーストラリア航空機に対し１件である。参考：月刊軍事研究9,’17、3,’18、月刊世界の艦船2,'22、朝雲、防衛省ホームページ

＜武器補給処＞：陸上自衛隊の補給処。1954年1月、立川駐屯地から霞ヶ浦駐屯地に移駐した。参考：JGround Vol.23、霞ヶ浦駐屯地ホームページ

＜武器補給処（陸自、１９７７年）＞：中央補給処の隷下で、霞ヶ浦駐屯地にある。大宮支処、十条支処、吉井弾薬支処、富士弾薬出張所を隷下に置く。参考：日本の防衛戦力Part1

＜吹き戻し式＞：ブローバックを参照。

＜ブキャナン＞：DD-484（駆逐艦）またはDDG-14（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜武技・遊技許す＞：日本海軍の号令。平時、半舷上陸で残った者に対して午後あたりに発せられる。甲板上や室内で武技や遊技（囲碁、将棋、レコード鑑賞など）が自由に行われるが、新兵は手紙を書いたり、服を繕ったりした。参考：続日本海軍よもやま物語

＜不朽の絆２０１５＞：集団安全保障条約機構の合同平和維持部隊が2016年9月30日から10月4日に行った演習。アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ベラルーシの計600名とヘリ４機に、ロシアの第15旅団100名、BTR-82A装甲車８両、82mm迫撃砲などを加え、アルメニアのマルシャル・バグラミャン演習場で対テロ作戦、暴徒鎮圧、人道援助などの訓練を行った。参考：月刊軍事研究12,’15

＜不朽の自由作戦＞：アメリカ軍が2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを受けて全世界的に発動した対テロ作戦Operation Enduring Freedom。狭義には、同時多発テロの首謀者とされたオサマ・ビンラディンの引き渡し要求を拒絶したタリバンに対して2001年9月25日に発動された、アフガニスタンにおけるアルカイダ・タリバン掃討作戦Operation Enduring Freedom-Afghanistanを指す。当初はInfinite Justice（無限の正義）作戦と呼ばれていた。参考：月刊軍事研究5,’09

＜不朽の自由作戦（アフガニスタン）＞：70ヵ国が支援を表明し、21ヵ国が実際に部隊を派遣した。多国籍軍の指揮を執るのはアメリカ中央軍。イギリス名称はヴェリタス（真理という意味のラテン語）作戦。オーストラリア名称はスリッパ作戦。カナダではアポロ作戦。自衛隊もPKO法に基づいてパキスタンにC-130を派遣した他、テロ対策特別措置法によりインド洋上に海上自衛隊艦艇を派遣、補給任務などを行った。日本周辺でも航空自衛隊がアメリカ軍に対する輸送任務を行っている。2001年9月11日、同時多発テロが発生。1530、ネブラスカ州オファット空軍基地の緊急時大統領指揮所にいたブッシュ大統領らがテロ後初の国家安全保障会議を開催。2130、ホワイトハウスの地下でブッシュ大統領やペルーから緊急帰国したパウエル国務長官らが国家安全保障会議を開き、アフガニスタンとパキスタンに対してアルカイダとタリバン要員の引き渡しを迫ることに決定。インド洋・ペルシャ湾にはCVN-65エンタープライズとCVN-70カール・ビンソンがいた。アメリカ陸軍第５特殊作戦群、第160特殊作戦航空連隊、アメリカ空軍特殊戦術隊が統合特殊作戦任務部隊（JSTOF）タスクフォース・ダガーを編成。9月12日朝、アメリカの攻撃第一目標をオサマ・ビンラディンとすることが決まったが、アフガニスタンで軍事作戦を行うための拠点が周辺に存在しなかったため、中央アジア諸国と交渉してウズベキスタン空軍カルシ・ハナバード空軍基地とキルギスタンのマナス国際空港を借りることになった。カルシ・ハナバード航空基地には統合特殊作戦任務部隊・北部（JSOTF-N）司令部が置かれている。9月13日、パウエル国務長官がパキスタンのムシャラフ大統領にアメリカ軍の領空通過許可やアルカイダ・タリバンへの支援停止など７項目の要求を行い、受け入れさせた。9月14日、B-52H爆撃機10機がディエゴガルシアに展開。アメリカ補給艦２隻が235000バレルの燃料を搭載してディエゴガルシアに向け出港。スペインのモロン航空基地にも28000ガロンの空中給油用航空燃料を運び込むことにした。9月中旬、CIA特殊部隊の特別軍事行動部門要員と、デルタフォース隊員、イギリスSAS隊員がタジキスタン経由でアフガンに潜入。9月20日、ブッシュ大統領がタリバンに対し、オサマ・ビンラディンとアルカイダ指導者の身柄を直ちに引き渡さない限り、テロリストと見なして攻撃すると議会で演説。タリバンは直ちに拒否した。デルタフォースと第75レンジャー連隊で構成される部隊がワシントン州カスケード山脈で戦闘訓練を開始。9月21日、CV-63キティ・ホークが試験航海のため大島沖に出港。海自DDH-143しらね、DD-154あまぎり、海上保安庁巡視船37隻、航空機４機が警備にあたった。CVN-71セオドア・ルーズベルトがノーフォークを出港。9月26日、CIA秘密工作部局幹部が北部同盟支配下のパンジシール渓谷にヘリで潜入した。10月1日、CV-63キティ・ホークが第５空母航空団Ａ分遣隊CVW-5Det.A（VFA-192所属F/A-18C戦闘機４機、VFA-105所属F/A-18C戦闘機４機、VS-21所属S-3B哨戒機３機、HS-14所属SH-60Fヘリ１機・HH-60Hヘリ１機、VRC-30所属C-2A輸送機２機）を積み直してに再出港、DDG-54カーティス・ウィルバーやFFG-51ゲアリーと空母打撃群を形成してインド洋に向かった。アフガニスタン時間2001年10月7日2130、トマホーク50発（CG-58フィリピン・シー、DD-975オブライエン、DDG-74マクファウル、DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズ、SSN-719プロビデンス、イギリス潜水艦１隻から発射）、B-52/B-1/B-2爆撃機計15機、CVN-70カール・ビンソン艦上機25機により31カ所の攻撃目標に対する爆撃が開始され、制空権も３日間で確保した。10月7日夜、CIAの運用する武装プレデターが、カブールから脱出するオマル師の専用車両をキャッチしたが、攻撃命令は出されなかった。10月12日、CV-63キティ・ホークがオマーン沖で第160特殊作戦航空連隊MH-47特殊作戦ヘリ、MH-60特殊作戦ヘリ、A/MH-6J特殊作戦ヘリ計20機とデルタフォースを搭載。10月19日、グリンベレー作戦分遣隊アルファ555がMH-47特殊作戦ヘリでCV-63キティ・ホークを発艦、パンジシール渓谷に降下し、北部同盟ビスムッラーとの接触に向かった。また、作戦分遣隊アルファ595もMH-47でCV-63キティ・ホークを発艦してアフガン北部に降下し、ドスタムと接触している。2300、MC-130特殊作戦輸送機から降下した第75レンジャー連隊200名がカンダハル南西96kmのドランギ飛行場（目標ライノ）を空挺強襲し、タリバン守備隊40人を殺害して飛行場を制圧、２時間で悠々と引き上げた。これは陽動作戦で、同時にオサマ・ビンラディンが潜伏しているとみられたカンダハル南西のババサブ丘陵をデルタフォースと第75レンジャー連隊の170名がヘリで急襲、タリバン最高指導者オマル師の司令室を発見したが、オマル師もオサマ・ビンラディンも脱出した後で、帰投時に待ち伏せ攻撃まで受けたため第160特殊作戦航空連隊の火力支援で切り抜けた。同日、カンダハル空中強襲作戦も実行されたが、失敗した。10月20日、アメリカが協力者とする予定だったパシュトゥン人のアブドゥル・ハク軍閥司令官がタリバンに襲撃されて殺害され、北部同盟に協力的なタリバン要員のリストまでタリバンの手に渡ってしまった。10月25日頃からは反タリバン勢力への支援を増強し、タリバン政権崩壊を優先する作戦に移行。10月25日、第５特殊部隊群グリンベレー第３大隊の作戦分遣隊アルファ585に所属する12名がパシュトゥン人反タリバン勢力のカルザイ（後のアフガン暫定政権議長）率いる勢力を訓練し、カンダハルに向けて南下を開始。10月30日頃から絨毯爆撃を開始。10月31日、グリンベレー作戦分遣隊アルファ553がアフガンに進入、カリム・カリリと接触した。11月4日（5日？）、マザリシャリフ周辺のタリバン陣地に対し、AC-130攻撃機がBLU-82/B２発を投下。11月8日、グリンベレー作戦分遣隊アルファ594が北部同盟の部隊援護に投入された。11月9日、北部同盟がマザリ・シャリフを占領。11月11日、北部同盟がタロカンを占領。11月12日、カブールからタリバン兵が撤退。11月13日、北部同盟がカブールを占領。11月17日にはカンダハルの北112kmのタリン・コートを占領。SADの武装プレデターがアルカイダ最高幹部のムハマド・アテフをヘルファイアで殺害。11月22日、統合特殊作戦任務部隊タスクフォースK-BAR（アメリカ海軍SEALチーム３、アメリカ空軍第720特殊戦術群、アメリカ陸軍第５特殊部隊群第１大隊Ａ中隊、オーストラリア、カナダ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー特殊部隊からなる）がアフガニスタン南部キャンプ・リノに前線司令部を設置。11月25日、カンダハルに立て籠もるタリバンに手を焼いたアメリカ軍は海兵遠征隊を投入（スイフト・フリーダム作戦）。11月26日、北部主要都市クンドゥズを制圧。11月27日、タリバン以外のアフガン政治勢力がドイツのボンで和平会議を開始。国連は安保理決議1386に基づいてISAFを派遣。12月2日、オサマ・ビンラディンが隠れているとされるアフガン東部山岳地帯トラボラへの本格攻撃を開始。12月4日、AGM-142ハブ・ナップでトラボラの洞窟を粉砕。12月5日、ドイツのボンで行われていた会議で、暫定行政機構議長にカルザイ氏を選出することで合意（ボン合意）が成立。カルザイ軍がカンダハルの北30kmに迫ったが、アメリカ兵の測位システム誤操作により、B-52の投下した2000ポンド級JDAMが100mのところに命中してアルファ作戦分遣隊の３名とカルザイ勢力６人が死亡、カルザイも軽傷を負った。12月7日、タリバンがカンダハル明け渡しに同意。12月8日、特殊部隊タスクフォース11の50名がトラボラでの戦闘に参加。12月12日にはカンダハルに立て籠もっていた主要なタリバンが降伏し、12月14日までにカンダハル空港がアメリカ海兵隊に占領された。多国籍軍航空基地はパキスタンやウズベキスタン、タジキスタンの他、クウェート、サウジ、オマーン、バーレーンの基地も使用され、4000km離れたディエゴ・ガルシアも使用された。心理戦として、EC-130Eコマンドーソロ�Tによるラジオ放送を行っている（0500-1000と1700-2200、864/1107/8700kHz）。全爆弾投下数のうち、40%はB-1Bからのものである。ちなみに、B-1Bが全飛行回数に占める割合は5%。12月15日、タスクフォースK-BAR前線司令部がカンダハルに移動。12月20日、国連安保理決議1386号が採択され、ISAFが設立されることになった。12月21日、キルギスタンのマナス国際空港にあるマナス・トランジットセンターにアメリカ空軍第376遠征航空団が創設され、KC-135空中給油機による空中給油などを開始した。12月22日、カルザイ氏を議長とするアフガン暫定行政機構が発足した。しかしアフガン独特の多民族性などから影響力が十分に発揮できず、ボン合意に基づく安保理決議1386号によるISAFの派遣など、各国の支援の元に軍閥の武装解除と国軍・警察の組織化が進められた。2002年1月3日、アルカイダ残党がいるとされるザワル・キリへの航空攻撃を開始。1月6日、タスクフォースK-BARがザワル・キリで掃討作戦を開始。1月7日、トラボラ地区での捜索打ち切り。1月14日、ザワル・キリへの大規模航空攻撃を実施。2月、タスクフォース・ダガーとタスクフォースK-BARが統合されてCJSOTF-A（アフガン連合統合特殊作戦任務部隊）になり、隷下の第31前方作戦大隊がアフガン軍・警察への教育訓練を開始した。3月2日、アナコンダ作戦を開始。6月、緊急ロヤ・ジルガ（国民大会議）が開催され、政権要職者が選任された。6月19日、カルザイ政権がスタートした。12月1日、アフガニスタン国軍が創設されることになった。2003年、アフガン南東部でマングース作戦を実施。AH-64、第82空挺師団第１旅団第504パラシュート歩兵連隊、特殊部隊などを投入し、タリバンの掃討を行った。3月、カンダハルで第82空挺師団第１旅団第504パラシュート歩兵連隊がヴァリアント・ストライク作戦を実施。タリバンやアルカイダを掃討し、小銃50丁、重機関銃２丁、82mm迫撃砲弾400発、107mmロケット弾170発を回収した。6月、ジャララバード近郊を中心にユニファイド・リゾルブ作戦を実施。パキスタンから越境攻撃してくるテロリストを掃討する筈だったが、戦果は得られなかった。8月、ウォリアー・スイーブ作戦を実施。山岳地帯をF-16やA-10で攻撃し、ゲリラ14人を殺害した。2004年4月、CJSOTF-Aがパキスタンからのテロリスト・物資流入阻止作戦を開始。10月9日、アフガン初の民主選挙を実施、カルザイ氏が大統領に選出された。2004年中のテロ事件は151件、死者は289人だった。2005年4月、CJSOTF-Aの協力の下、アフガン軍がアフガン南部平定作戦オペレーション・ナムドンを実施。7月、６万人の武装解除を達成し、国連主導の武装解除は終了したが、数十万人がまだ武器を持ったままで、各地で部族同士の戦闘が継続しており、タリバンの掃討も不十分で、アメリカ軍とISAFにより本作戦は継続中である。また、土地のやせている南部では2002年以降に麻薬栽培が激増しており、この売り上げがタリバンに流れていて、南部を中心に自爆テロなどの事件が多発し、2005年頃から激化している他、東部でも2002年2月にイランが解放したヘクマチアル元首相を中心とするイスラム党がテロを活発化させている。2005年8月、広島の中学校教諭２人がカンダハル郊外で他殺体となって発見された。11月、多国籍軍補給路の１つだったウズベキスタンのカルシー・ハナバード基地が閉鎖された。2005年中のテロ事件は494件、死者は688名だった。2006年、警察組織の本格的な再建が漸く開始されたが、識字率25%が壁となっている。4-5月、CJSOTF-Aがアフガン南部でマウンテン・スラスト作戦を実施。タリバン構成員など数百名を殺害した。2006年中のテロ事件は968件、死者は1253名だった。2007年には1225件のテロ攻撃が発生、1955名が死亡した。ケシ畑の面積は193000ヘクタールにもなり、全アフガン耕作面積の約９割がケシ栽培に使われる事態に至っている。対テロ作戦の激化と爆撃への依存度増加に伴い、2008年1-8月には1445名のアフガニスタン市民が戦闘に巻き込まれて死亡しており、2007年の同時期（1040名）より40%増しとなった。ヒューマン・ライツ・ウォッチは９つの提案を行い、アメリカとNATOは9月8日までに７つを実施、犠牲者を減少させる努力をしている。2008年4月、ロシアとNATOとの間でアフガニスタンへの陸路輸送に対する協定が結ばれ、非軍事物資に限ってロシア領内の通行が認められた。4月27日、カブールで行われた国軍記念式典で、タリバンとヘクマチアル元首相派によるカルザイ大統領暗殺未遂事件が発生。8月、日本のNGOペシャワール会のスタッフがジャララバード近郊で誘拐され、殺害された。8月18-19日、フランス軍１個小隊、アフガン軍２個小隊、アメリカ軍特殊部隊員からなる共同偵察部隊がタリバン100名の待ち伏せ攻撃に遭い、フランス兵10名とアフガニスタン軍通訳１名が死亡し、フランス兵21名とアフガン兵２名が負傷した。11月、アフガニスタン国境に近いパキスタン北西辺境州で、HMMWV４両とトラック25両が武装勢力の攻撃で奪われた。11月10日、ロシアが、ロシア経由でのISAFへの補給物資輸送をドイツ軍に限り認めた。12月時点での兵力は17100名（他にISAFが56420名）。12月7-8日、パキスタンのペシャワルにあったアフガン向け補給物資トラックターミナル２カ所が襲撃され、計140両以上のトラックが破壊された。2008年中のテロ事件は1221件、死者は1989人だった。2009年1月24日、ロシアが、ISAFへのロシア経由での補給物資輸送を全面的に認めた。2月、アメリカが夏までに17000名を増派すると決定。キルギスタンがマナス空軍基地の閉鎖を宣言し、中央アジアで多国籍軍が使用可能な空軍基地が夏までに消滅することになった。名古屋港と横浜港のアフガン向け貨物にヘロイン精製用の無水酢酸を紛れ込ませていた愛知県の中古車輸出会社勤務のパキスタン人が日本で逮捕された。3月10日までのアメリカ軍死者は590名。7月2日から8月20日、第２海兵遠征旅団がカンジャール作戦を実施。9月13日、MQ-9が通信系統の異常で制御不能となり、タジキスタンの領空へと向かっていったため、F-15E戦闘機がAIM-9で撃墜した。9月26日、レッド・サンダー作戦。10月3日、アメリカ陸軍第４歩兵師団増強小銃小隊60名が配置されていた戦闘外哨キーティング（COP Keating）をタリバン300名が襲撃。小銃小隊は航空支援を受けて反撃したが、８名が戦死、27名が負傷した。12月、コブラズ・アンガー作戦。2009年末のアフガニスタン国軍・警察要員は計18万名。2010年2月、アメリカが17000名の増派を発表。第２海兵遠征旅団がモシュタラク作戦を実施。中旬、南部のマルジャでアメリカ軍HIMARSの着弾点がずれ、民間人12人が誤爆で死亡した。GPSの不具合とも言われているが、詳細は不明である。6月23日、副大統領や大統領補佐官に対する政権批判を行ったとして、オバマ大統領がアフガニスタン駐留軍司令官兼ISAF司令官を解任した。8月16日、アフガンのカルザイ大統領が全ての民間軍事会社に対して年内に撤収するよう要求したが、アメリカの圧力で先延ばしされた。12月、アメリカがアフガンに３万名規模の増派を決定、治安を一気に回復させた後で2011年7月から撤退に移るとした。2011年1月、アメリカ海兵隊がM-1A1戦車15両を南部ヘルマンド州に展開。8月、ブラック・サンド作戦。8月15日、アメリカ空軍C-130輸送機とアメリカ陸軍RQ-7Bが空中衝突し、RQ-7Bが全損、C-130が損傷した（乗員は死傷無し）。10月、イースタン・ストーム作戦。11月26日、ISAFがパキスタン軍の検問所を誤爆し、パキスタン兵24名が死亡した。これによりアメリカとパキスタンの関係が悪化し、パキスタンがカラチとアフガンを結ぶ補給路を閉鎖、駐留米軍の退去を求める事態となった。2011年までのアメリカ軍死者は1863名、負傷者は15204名だった。2012年1月10日、アメリカ空軍がパキスタンでのUAVによる攻撃作戦を再開。RQ-1またはMQ-9がパキスタンのミランシャー近郊の基地を離陸し、武装勢力拠点にミサイル２発を撃ち込んで４名を殺害した。2月からジョーズ作戦を開始。9月14日2200、アフガン南部のヘルマンド州にあるバスチョン基地がタリバン19人に襲撃され、アメリカ兵２名が死亡、AV-8B攻撃機６機が全損し、２機が大破した。他に給油所３箇所と航空機ハンガー６箇所が損傷している。タリバンは18人が射殺され、１人が捕虜になった。11月21日時点でアメリカ軍の累計損害は戦死1704名、戦傷17992名。2014年2月、ルーマニアのミハイル・コガルニチャヌ空軍基地を空輸中継拠点として使用するようになった。6月3日、アメリカ空軍第376遠征航空団が閉隊され、アメリカ空軍がキルギスタンのマナス国際空港マナス・トランジットセンターから撤退した。8月、アフガニスタン陸軍士官学校でISAF副司令官のアメリカ陸軍少将が現地の兵士により射殺される事件が起こった。9月21日、NATOがE-3A早期警戒管制機による最終ミッションを完了。2015年1月1日、作戦を終了し、アフガニスタン軍への訓練を主任務とする自由の番人作戦（Operation Freedom’s Sentinel）に入った。不朽の自由作戦アフガン開始以来のアメリカ軍総死者は2345名（陸軍1661名、海軍127名、海兵隊458名、空軍99名）、戦死者1843名（陸軍1328名、海軍83名、海兵隊378名、空軍54名）、事故死304名（陸軍194名、海軍24名、海兵隊52名、空軍34名）、戦病死61名（陸軍39名、海軍12名、海兵隊５名、空軍５名）、殺人13名（陸軍10名、海兵隊３名）、自殺114名（陸軍83名、海軍７名、海兵隊19名、空軍５名）、不明10名（陸軍７名、海軍１名、海兵隊１名、空軍１名）で、文民も４名が死亡（うち２名が戦死）している。負傷者は20071名（陸軍14204名、海軍418名、海兵隊4946名、空軍503名）だった。トマホークは90発を発射している。参考：月刊軍事研究2,’04、12,’03、7,’14、3,’02、5,’04、7,’04、5,’05、8,’07、7,’08、3,’09、4,’09、5,’09、6,’09、3,’10、6,’10、12,’10、4,’12、9,’12、10,’12、1,’13、3,’13、4,’13、2,’14、10,’14、3,’15、5,’15、4,’16、9,’16、12,’16、1,’17、5,’18、歴史群像10,’11、月刊JWings11,’02、3,’12、8,’14、11,’14、12,'15、10,’19、2,'24、月刊エアワールド10,’03、月刊ミリタリーエアクラフト4,’02、月刊PANZER8,’10、1,’11、月刊世界の艦船12,’12、ストライク・アンド・タクティカル・マガジン3,’12、朝雲

＜不朽の自由作戦−カリブ海・中米＞：南方特殊作戦コマンド（SOCSOUTH）が2008年から行っている対テロ作戦・麻薬密輸防止作戦Operation Enduring Freedom Caribbean, Central America。アメリカ陸軍第20特殊部隊群第２大隊Ｃ中隊、グリンベレー作戦分遣隊アルファ、民軍活動支援エレメント、軍事情報支援作戦チーム、第160特殊作戦航空連隊第３大隊、アメリカ海軍特殊部隊輸送用ボートチームなどを中米諸国に派遣し、関係国との会談による関係強化から始め、教育訓練や情報提供による関係国治安部隊の間接支援や共同演習を行っている。参考：月刊丸4,’13、月刊軍事研究4,’15

＜不朽の自由作戦−フィリピン＞：Operation Enduring Freedom-Philippines。2002年1月15日から開始されたバリカタン02-1演習を嚆矢とする、アメリカ軍のフィリピンにおける対テロ作戦である。アメリカ太平洋軍特殊作戦コマンドが統合任務部隊510を編成してミンダナオ島ザンボアンガに派遣し、フィリピン軍のアブ・サヤフ掃討を支援した。戦闘の主役はフィリピン軍で、アメリカ軍は自衛戦闘のみということになっている。2002年2-7月、アメリカ陸軍第１特殊部隊群と同群第１大隊から作戦分遣隊ブラボー３個が派遣され、フィリピン歩兵大隊15個への訓練を開始。第96民事大隊や第４心理戦大隊も民生支援や心理戦を行っている。2002年夏、バシラン島からアブ・サヤフを駆逐した。その後、統合任務部隊510が改編を受けて統合特殊作戦任務部隊フィリピンとなり、マニラのキャンプ・アギナルドに司令部を設置。2003-04年、アメリカ陸軍第１特殊部隊群が作戦分遣隊ブラボーをフィリピンに３回派遣し、フィリピン陸軍大隊５個とフィリピン海兵隊大隊１個に訓練を行った。第１特殊部隊群第１大隊はフィリピン陸軍軽対処中隊２個の増強を支援し、フィリピン軍統合特殊作戦軍の創設支援と訓練も実施している。アメリカ空軍特殊部隊コマンド第６特殊作戦飛行隊、アメリカ海軍第１海軍特殊戦任務隊、アメリカ太平洋軍特殊作戦コマンドも部隊を派遣して教育訓練を行った。2005年夏、特殊統合作戦任務部隊フィリピンの本部がザンボアンガのキャンプ・ナバロに移され、統合部隊ミンダナオ、統合部隊スールー、統合部隊群島を編成してフィリピン軍への対テロ作戦訓練支援を継続した。2009年8月12日、フィリピン軍・警察によるバシラン島でのアブ・サヤフ制圧作戦を支援。2012年2月2日、無人偵察機によりアブ・サヤフの位置を特定し、フィリピン空軍OV-10による攻撃を支援した。2015年5月、アブ・サヤフがほぼ壊滅したため、統合特殊作戦任務部隊フィリピンが解隊された。参考：月刊軍事研究4,’17、4,’15

＜武器輸出三原則＞：共産国向けの場合、国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合、国際紛争中の当事国またその恐れのある国向けの場合には武器の輸出をしないという日本政府の方針。朝鮮戦争勃発後、日本はアメリカ軍や東南アジア諸国軍向けに小火器などの生産を行っており、朝鮮戦争中には軍用トラックなど車両10493両を量産した。東南アジア向けには、1958年8月にアメリカが同方面向け供与車両を域外調達品とすることを決定してから軍用トラックなどが輸出されるようになり、南ベトナム軍が装備したものはベトナム戦争で使用された。1967年4月21日の衆議院決算委員会で社会党議員が東大ペンシルロケットの輸出は武器転用の恐れがあるので止めるべきではないかと質問したのに対し、佐藤内閣総理大臣が輸出貿易管理令にある上記条項を答弁したのが端緒だが、同時にこれ以外の防衛装備なら輸出しても差し支えないとも述べている。これに対して社会党議員はそれ以上の規制を求めたが、首相は外国が輸出を求めればそれを断ることは無いと答弁した。実際、軍用ヘリ（H-13、KV-107）や固定翼機（T-34）、F-104J/DJ戦闘機（アメリカが資金援助した分を書類上返却したことにし、アメリカが台湾空軍に引き渡した）も輸出していた。1976年2月27日の衆議院予算委員会で三木内閣総理大臣が、政府方針として、武器輸出三原則に加え、その対象地域以外の地域には憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神に則り武器輸出を慎むと答弁（区別のため武器輸出三原則「等」と表現したりする）し、武器輸出を全面的に自粛することになった。この時に武器の定義も定めたが、これの範疇に入らない非武装車両、通信装置、施設器材などは対象になっておらず、各国軍や武装組織に日本車が大人気で、チャド紛争ではトヨタ車が使われまくってトヨタ戦争という通称まで付いた。日本車のシャシーに装甲ボディを載せた簡易装輪装甲車も世界各国で開発されている。また、民間向けの輸出は対象外であり、2004年の民間小型武器（猟銃、スポーツライフル、大型ナイフ、刀剣など）輸出額は世界第９位である。1981年3月、韓国向けに砲身用の鋼管などを輸出していたことが判明、大問題となり、衆参両院で武器輸出問題等に関する決議が採択され、武器輸出に関しては慎重に対応（実質全面禁輸）することになった。1983年1月14日、アメリカへの武器技術供与を日米相互防衛援助協定に基づくものとして例外化した。2004年12月10日、厳密な管理を行う前提でBMDの共同開発・共同生産・アメリカへの構成品輸出を例外化した。また、テロ・海賊対策に関する輸出も個別に検討することになり、インドネシアに巡視船３隻が供与された。21世紀に入り、防衛技術の全体を国産化するのが難しくなっていることや、F-4EJ後継F-XにおけるF-35導入案に関し、武器輸出三原則に抵触することから開発に参加できず、導入時期や内容に制限が加えられると見込まれることから、見直しの機運が高まった。2011年12月27日、安全保障会議で防衛装備品等の海外移転に関する基準を決定。平和貢献・交際協力に伴う装備品の海外移転と、安全保障面での協力がある国との国際共同開発・生産には、武器輸出三原則等を適用しないことになり、PKOなどで使用した建設用重機、ヘルメットや防弾ベストなどの防衛的装備品などを派遣国に供与できるようになった。また、戦闘機などの国際共同開発生産にも参画可能となった。2012年4月10日、日英首脳会談において、防衛装備品の共同開発・生産で合意した。2013年3月1日、安全保障会議でF-35を武器輸出三原則の例外とすることを決定した。7月4日、日英両政府がロンドンで防衛装備品共同開発協定を締結。7月23日、防衛省とイギリス国防省が東京で化学防護服の開発に向けた取り決めを締結した。12月23日、緊急性・人道性が極めて高いとして、南スーダンの韓国軍に弾薬10000発を武器輸出三原則の例外として無償提供した。2014年4月1日、防衛装備移転三原則（武器輸出新原則）が閣議決定された。参考：月刊軍事研究3,’17、月刊航空ファン3,’11、5,’13、月刊世界の艦船3,’10、軍縮条約・資料集第２版、月刊PANZER12,’11、朝雲

＜武器輸出新原則＞：防衛装備移転三原則を参照。

＜浮橋＞：水の浮力を利用して橋梁を支える橋。参考：月刊PANZER6,’01

＜フギン＞：フィンランド海軍自律型無人水中艇HUGIN。機雷捜索・識別用で、サイド・スキャン方式マルチビーム合成開口ソナーを装備する。全長4m、自重800kg。カタンパー級機雷掃討艦に搭載された。参考：朝雲

＜フギン級＞：スウェーデン海軍ミサイル哨戒艇Hugin級。ノルウェー海軍スネッグ級ミサイル哨戒艇をベースとしており、ノルウェーで建造された。全長36.5m、排水量140トン。主機はディーゼルで、最大速力34ノット。兵装は70口径40mm機関砲（57mm単装砲？）１門、ペンギン対艦ミサイル連装発射筒2-6基、対潜ロケット発射機、機雷敷設軌条を装備する。1970年代後期から1980年代初期に16隻が竣工した。参考：月刊軍事研究3,’02、月刊世界の艦船8,’82増刊

＜福井義男＞：大正2年、香川県生まれ。昭和6年、佐世保海兵団に入隊し、整備兵となった。昭和10年3月、操縦練習生を卒業してパイロットとなり、大村航空隊に配属された。その後、鹿屋航空隊に転属し、龍驤戦闘機隊に移ったところで日華事変が勃発、8月22日にカーチス・ホーク３機を撃墜した。9月21日、広東上空で２機を撃墜。12月、横須賀航空隊に転属。昭和11年4月、加賀戦闘機隊に転属した。9月13日、柳州攻撃でカーチス・ホーク１機を撃墜。12月、赤城戦闘機隊に転属。その後は谷田部航空隊、鹿屋航空隊、百里原航空隊、大分航空隊の教員を経て昭和18年6月に瑞鳳戦闘機隊に配属された。11月1日、ラバウルに進出。昭和19年2月。第601航空隊に転属となり、瑞鶴搭乗員となった。6月19日、あ号作戦で１機を不確実撃墜。7月、第653航空隊に転属。10月24日、比島沖海戦に参加。11月、戦闘第304飛行隊に配属され、フィリピンに進出。昭和20年1月、本土に帰還。終戦時は第352航空隊に配属されていた。総撃墜数11機（不確実４機含む）。最終階級は大尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜復員＞：召集を解除されること。参考：戦時用語の基礎知識

　＜復員（日本軍、太平洋戦争）＞：昭和20年8月23日から開始。日本陸軍は昭和20年10月15日までに内地部隊の復員を完結する予定とし、武装解除、兵員・兵器などの処理、留守業務整理、編成解除を行った。日本海軍内地部隊は昭和20年9月1日、9月15日、11月30日の３回に分けて実施した。日本海軍外地部隊は部隊長が復員業務を行うが、戦闘の結果部隊機能を喪失している場合も多く、引揚船で内地に戻ってきた際に引揚援護局支局長が代行できるようにしている。本土決戦に備えて大量に備蓄していた軍需物資の処理に関しては、ポツダム宣言受諾前日の昭和20年8月14日に政府が前もって「軍その他の保有する軍需用物資素材の緊急処分の件」を定めており、占領軍が接収する前に地方自治体に無料譲渡したり、民間に代金後払いで払い下げたり、復員兵に支給したりした。ただ終戦に伴う混乱に紛れて物資を勝手に持ち帰ったり売りさばいたりといった事態が続出し、憲兵が摘発に追われる羽目になっている。8月20日、連合軍が日本政府に対して軍需品放出の中止を命じたため、8月28日に放出中止と回収を閣議決定したが、既に陸軍保有軍需品の３分の１、海軍保有軍需品の1000億円相当が民間に流れており、隠匿物資となった。9月、韓国・台湾の陸軍部隊とメレオン島の海軍部隊が復員。10月、中国とフィリピンの復員を開始。昭和21年1-2月、ブーゲンビル島に収容されていたナウル・オーシャン島守備隊が復員。炎天下での収容所間徒歩移動やマラリアにより、昭和20年9月20日にブーゲンビル島に移送されたナウル・オーシャン島守備隊4400名のうち、ナウル島守備隊600名以上とオーシャン島守備隊78名が復員前に死亡していた。昭和25年4月、旧満州とソ連地区を除く復員を完了。この時点で日本政府は旧満州に軍民60312人が在留・抑留されているとしたが、うち日本軍人30000名前後が主に林彪軍に加わっているとの報道もあった。ソ連地区は311914人だったが、同月を以てソ連からの引揚が停止され、昭和29年4月21日にソ連側は戦犯関係者や病人など2467人の捕虜を残すのみと発表、連合軍総司令部ではソ連地区に309070人の日本人が残っていると反論している。参考：月刊丸6,’14、月刊世界の艦船9,’13増刊、歴史群像8,’17、日本赤十字社社史稿第６巻

＜ふくえ＞：MSC-645（掃海艇）またはMST-476（掃海母艇）を参照。

＜福江＞：日本海軍択捉型海防艦Hukue。昭和18年6月28日竣工、横須賀防備戦隊に編入された。7月15日、第２海上護衛隊に転じた。7月24日から横須賀−トラックの船団護衛に就いた。昭和19年4月1日から横須賀−パラオ・マニラの船団護衛に就いた。7月18日、大湊警備府部隊に移った。11月5日、小樽港で肥前丸と衝突した。昭和20年7月15日、八戸港外でアメリカ艦上機の攻撃を受けて損傷し、除籍された。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜福榮丸＞：東亜貿易貨物船Fukuei maru。垂線間長82.8m、幅12.2m、深さ6.2m、吃水5.38m、総トン数1843トン、重量トン数2762トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1400馬力、航海速力10ノット、最大速力12.419ノット。昭和13年6月竣工。昭和16年、親会社の合併で日東鉱業汽船（昭和18年から日東汽船）に移籍。太平洋戦争中は海軍の輸送に従事した。昭和20年5月24日、小豆島妙見崎沖で触雷して沈没した。昭和22年から浮揚作業に入り、昭和23年に浮揚され、昭和24年から日東商船が運航した。昭和38年、日東近海（昭和39年からジャパン近海）に売却された。昭和43年、大阪で解体された。参考：月刊世界の艦船2,’20

＜ふくえ型＞：海上自衛隊掃海管制艇。たかみ型掃海艇16番艇を1992年度に改装したものである。掃海用発電機を撤去し、居住区を増設した。係維・磁気機雷掃海具を撤去し、音響掃海具を搭載している。全長52m、全幅9.4m、深さ4m、吃水2.3m、基準排水量380トン。主機は三菱12ZC15/20I型ディーゼル２基２軸1440馬力で、速力14ノット。機雷爆破用に20mm多銃身機関砲１門を装備。遠隔操縦式SAM掃海具操縦装置を搭載する。乗員28名（38名？）で、更に掃海要員30名を収容できる。MST-476ふくえ１隻のみ1993年に就役した。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’95、月刊JWings1,’99

＜福江島分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第15警戒隊が駐屯している。所在地は長崎県五島市三井楽町獄770-1。2006年3月、F-1戦闘機が広報展示された。2014年に対中国・朝鮮半島用SIGINT施設が開設される予定。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、朝雲

＜服延＞：日本海軍用語で、服務延期組の略。日華事変が長引いて服役年限が延長されてしまい、満期除隊が１年延期となったグループである。その恨みを上官や部下に向ける者が続出して一時はパニック状態になりかけたが、最終的には観念して経験を活かした働きをするようになり、普通科練習生を卒業しなくても働きに免じて下士官に任官される者も現れた。参考：海軍よもやま物語

＜福岡海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、福岡県糸島郡にある。飛行予科練習生教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜福岡駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は福岡県春日市大和町5-12。JR南福岡駅から徒歩１分。西鉄春日原駅から徒歩15分。創立記念行事では両駅からシャトルバスが出る。元は九州飛行機製作所で、1950年の警察予備隊発足により第４管区総監部の駐屯地として開設された。1982年、防衛省共済組合直営隊員クラブが開設された。2010年1月12日、新成人隊員60名の成人式を実施。11月16日、地元消防署の協力を得て消防訓練を実施。2013年3月26日、西部方面後方支援隊第304普通科直接支援中隊が新編された。2014年1月10日、新成人隊員40名の成人式を実施。2月28日、防衛省共済組合直営隊員クラブ（全国の部隊で最後まで残っていた）が営業を終了した。3月26日、第４特殊武器防護隊が編成完結式を実施。4月、民間委託の隊員クラブが営業を開始した。7月6日、福岡地方協力本部が平成26年度予備自衛官補の辞令書交付式と説明会を実施。2015年5月24日、玖珠駐屯地モニター４人に第４師団創立記念行事研修を実施。2017年6月16日、第２高射群がPAC-3機動展開訓練を実施。2018年10月2日、広報史料館の来館者が5000人に達し、記念セレモニーを実施。11月22日、大野幼稚園園児32人が訪問し、駐屯地業務隊長に感謝状と花束を手渡した。2019年3月、第４偵察隊が廃止され、第４偵察戦闘大隊が新編された。7月、福岡地本が第１回援護キャンペーンを実施。2020年9月24日、PAC-3機動展開訓練が行われ、第２高射群が春日基地からPAC-3MSEを展開した。2021年3月14日、福岡地本が福岡県警との合同募集説明会を実施。2023年10月5日、令和5年度大分県総合防災訓練（図上訓練）に参加。参考：第４師団ホームページ、JGround Vol.23、月刊航空ファン9,’17、西部方面後方支援隊ホームページ、月刊JWings12,’20、6,'23、朝雲

　＜福岡駐屯地（２０１５年）＞：第４師団司令部、第４師団司令部付隊、第４偵察隊、第４後方支援連隊、第４通信大隊、第４特殊武器防護隊、第４音楽隊、西部方面混成団第19普通科連隊、西部方面後方支援隊第304普通科直接支援中隊、福岡駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、西部方面後方支援隊ホームページ

＜福岡駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2016年12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。2022年7月15日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして、吉田陸幕長から２級賞状と副賞の盾を授与された。2023年7月14日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、森下陸幕長から第２級賞状と副賞の盾を授与された。参考：朝雲

＜福岡飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜複殻構造＞：潜水艦の船体構造の１つで、耐圧船殻（内殻）を非耐圧の外殻で覆ったものである。外殻と内殻の間はメインバラストタンクや燃料タンクなどとして使用する。予備浮力が大きく、外側に被弾しても耐圧船殻が守られるため防御力が高いが、船体が太く抵抗が大きくなり、主機を大出力にする必要から騒音も大きくなる。また、衝突事故などではメインタンクが大きく破損する危険が大きい。フランクアレイソナーの採用により、ソナーアレイを張り付ける側面部分を単殻にした部分複殻構造を取ることも多くなった。乗員が艦内に入る際の梯子が長くなり、しかも内殻貫通部で一旦途切れさせなければならないので、乗り込む際は転落に注意。参考：月刊軍事研究8,’06、月刊世界の艦船10,’16、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、ソ連／ロシア原潜建造史、現代の潜水艦、続潜水艦気質よもやま物語、朝雲

＜複眼型レーダー＞：多数の電波輻射器を面状に貼り付けたレーダー。最初はパラボラアンテナのように電波を絞るだけだったが、位相器を組み込むことで電子走査が可能となり、プラナー・アレイ・アンテナが誕生した。参考：月刊軍事研究2,’04、レーダシステムの基礎理論

＜複眼式暗視装置＞：自衛隊の機器。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究7,’16

＜複桁構造＞：主脚、燃料タンク、翼内機銃などを装備する関係で、主翼の桁を前後２本にしたもの。２本あるから曲げに対して２倍強くなる訳では無く、背の高い方の桁に曲げ力が集中する傾向があり、どちらにどの程度の曲げ力がかかるか推定するのは難しい。前後桁間は燃料タンクなどに使用する。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法

＜復元性能＞：艦船が左右に傾斜した時、元の水平位置に戻ろうとする能力のこと。これが悪いと転覆しやすくなる。参考：歴史群像10,’06

＜復原力＞：艦船の姿勢が元に戻ろうとする力のこと。普通は横倒しに転覆するので、横復原力が重要である。船が傾くと、傾いた方が大きく沈み、浮力の中心と船の重心にずれが生じる。この時、メタセンタ高さが正なら、船を起こす方向にモーメントが働いて元の姿勢に戻る。復原力が大きいと転覆しにくいが、揺れの周期が短くなり、乗り心地が悪くなる。傾斜角が大きくなると復原力も大きくなり、一定の角度でピークを迎えて減少に転じ、復原力消失角でゼロになり、これを超えると転覆する。船内に流動性のある液体（液体貨物や浸水など）や貨物があり、傾斜したり荷崩れを起こしたりして一方に偏ると、復原力が低下する。火災を起こした船に散水すると、甲板に溜まった自由水で消火どころか転覆に至ることがあるので注意。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜復原力消失角＞：それ以上傾くと船が転覆する限界の角度のこと。一般的な船舶では50-60度である。外洋航海用ヨットでは170度に達するものもあり、ひっくり返ってもすぐ元に戻せる。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜複合型作業艇（４．９メートル型）＞：自衛隊の作業艇。えのしま型掃海艇に搭載されている。アキレス製。参考：月刊軍事研究7,’08、6,’13

＜複合型作業艇（６．３ｍ型）＞：自衛隊の舟艇。25MSOに搭載されている。アキレス製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜複合型作業艇（７．５メートル型）＞：自衛隊の舟艇。26DDなどに搭載されている。日産マリーンまたはニシエフまたはニュージャパンマリン製。参考：月刊軍事研究11,’11、1,’13、6,’14、3,’17、8,’18

＜複合型作業艇（艇体）＞：自衛隊の舟艇。アキレス製。参考：月刊軍事研究11,’10

＜複合機関＞：ガスタービンやディーゼルなど、複数の機関を組み合わせて使用するもの。主に艦船用として使用される。参考：月刊JWings2,’00

＜複合系推進薬＞：コンポジット推進薬を参照。

＜複合コア＞：プルトニウム239をウラン235の中に配置した核分裂コアのこと。中性子利用率が向上するので、プルトニウム239の量を減らすことができる。参考：核兵器事典

＜複合効果ボムレット＞：BLU-97/Bシリーズを参照。

＜複合効果ミュニッション＞：CBU-87/Bを参照。

＜複合材＞：Composite Material。異質の材料を組み合わせて性質の改善を図った素材のこと。特に、カーボン、ボロン、セラミック、有機合成剤などの繊維骨格に、エポキシやポリエステルといった樹脂を固着成形母材（マトリクス）として組み合わせたものを指し、FRP、CRP、GRP、炭化ケイ素繊維複合材などがある。アルミニウム合金より比強度、比弾性、比剛性が大きく、疲労破壊が極めて生じにくい。繊維配交角やプライ数を調整すると、特定軸方向の剛性や強度を特に大きくする異方性を持たせることが可能で、空力弾性特性を任意の値に調整することができる。航空機では当初舵面や脚ドアなど強度がさほど必要無い部分に使用されていたが、使用実績が蓄積し、製造法も進歩して外板などの一次構造にも使われるようになった。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究10,’07

＜複合材統合強襲橋＞：CJABを参照。

＜複合シーカ信号処理部模擬装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究11,’12

＜複合掃海＞：掃海（感応掃海）を参照。

＜複合装甲＞：Composite Armor。装甲鋼板の間にセラミックやグラスファイバーなどを挟み込んだ装甲で、ラミネート・アーマーともいう。HEATのジェットがセラミック中に生じさせる衝撃波が金属面で跳ね返り、侵徹孔近傍で装甲が剥離し、ジェット側面に衝突してその流れを乱すため、防御効果が高い。また、セラミックやグラスファイバーはHEATによる貫徹孔の大きさを鋼板よりもかなり小さく抑える効果がある。高張力鋼が侵徹孔からのセラミック微粉末流出を防ぐ役割も持つため、リバウンディング効果を維持増強させることができる。また、最近はセラミックやグラスファイバーをチタンなどで圧縮密閉する方法（拘束セラミック）が採られており、各層衝突初期フェーズで徹甲弾のエネルギーを大きく削ぐ他、セラミックの粉砕を防いで抵抗を増すことで運動エネルギー弾に対しても高い防御効果を持つ。アメリカのM-1A1HAなどは更に劣化ウランのメッシュ材を用いることで防御力を増している。アルミ合金の上に高硬度鋼板をボルト締めしたフェネクや、防弾鋼の上にセラミック・タイルを貼り付けたピラーニャ�Vといった例もある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊グランドパワー7,’03、月刊PANZER1,’03、月刊軍事研究3,’09、6,’09

＜複合デルタ翼＞：タンデムデルタ翼を参照。

＜複合ヘリコプター＞：Compound helicopter。メインローターだけだとヘリコプターの前進速度に限界（400kmくらい）があるため、プロペラやジェットエンジンなどの補助推進装置と、揚力の一部を負担する固定翼を装着して高速性能を発揮できるようにしたもので、有翼ヘリコプター＋ジャイロダインである。高速飛行時にメインローターが負担する揚力と推進力を両方とも軽減でき（何なら回転を止めても良い）、前進側ローターブレード速度による機速制約を無くせるため、最大速度450km超を発揮できる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜複合領域センサーシステム＞：アメリカ陸軍将来コマンドが計画するISRシステム、略称MDSS。アメリカ空軍がE-8C後継機計画から抜け、射程500kmに達する精密攻撃ミサイルPrSMや長距離精密火器LRPFの運用に必要な目標情報を自力で取得しターゲッティングする必要が出たため、開発が必要になった。陸軍版RQ-4無人偵察機とビジネスジェット流用電子偵察機を組み合わせ、2035年までに完成させる予定。電子偵察機のデモンストレーターはLEIDOS社に発注し、CL-600-2B16チャレンジャーに各種センサーを搭載したアルテミス（ARTEMIS。空中偵察及びターゲッティング・マルチミッション情報システムの略）が完成、2020年8月には嘉手納基地や横田基地に飛来してテストを行っている。参考：月刊JWings1,’21

＜復座緩衝機＞：砲身部の復座の最終段階を制御し、砲身部が発砲位置に戻る時の衝撃を緩和する装置。液圧式、液気圧式、気圧式、バネ式がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜複座機＞：２人乗り航空機のこと。コクピット内で前後に位置するタンデム複座機、左右に位置するサイド・バイ・サイド複座機がある。場合によっては離れて位置することもある。ミッションを手分けしたり、訓練生と教官の２人で乗ったりする。２人分のスペースと器材を用意する必要があり、その分飛行性能は低下する。参考：月刊JWings8,’16

＜復座機＞：砲身部を後座位置から発砲位置に戻し、その位置に保持する装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜液気圧式復座機＞：砲身部の後座時に一緒に後退した復座ピストンが作動油をガス復座管に押し込み、浮動ピストンを介して窒素ガスを圧縮、この圧力を利用して砲を複座させるものである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜気圧式復座機＞：バネ式復座機のバネのかわりに圧縮気体の圧力を利用して砲の復座を行う装置。復座管前後に潤滑油室があり、圧縮気体の外部への漏れを防ぐ。フランスの近代火砲では腐食しないよう窒素ガスを使用し、日本は現地修理の便を考えて圧縮空気を使用した。参考：火器弾薬技術ハンドブック、大砲入門

　＜バネ式復座機＞：後座時に圧縮されたバネの力で砲を復座させるもの。重いという欠点がある。独立している場合と、駐退復座装置に一体化している場合がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、大砲入門

＜復座バネ＞：recoil spring。発射時の燃焼ガスの圧力または反動などで後座した後座体を、元の位置に復帰させるバネのこと。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜福島三姉妹＞：福島地方協力本部のマスコットキャラ。背の高さからして年齢は空・陸・海の順らしい。参考：朝雲

＜福島駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は福島県福島市荒井字原宿１。最寄り駅は南福島駅。創立記念行事では福島駅からシャトルバスが出る。1953年11月15日に開設された。1954年8月30日、練馬駐屯地から第６管区総監部と管区段列が移駐した。同年中に第６管区総監部は多賀城駐屯地に移駐している。9月10日、第28会計隊第２分遣隊が第387会計隊に改編された。9月25日、第６管区警務隊第361福島分遣隊が移駐。保安隊中央通信所福島支所が固定通信群第303固定通信中隊第359固定無線隊に改編された。12月22日、南古河駐屯地から第６施設大隊が移駐した。1956年1月26日、第359固定無線隊が固定通信群第106固定通信大隊第359重無線隊に改編された。3月、第６戦車大隊が大和駐屯地に移駐した。1959年1月14日、第359重無線隊が東北方面通信隊第105基地通信大隊第359基地通信隊に、第361福島分遣隊が東北方面警務隊第359福島分遣隊に改編された。1960年8月12日、第５施設大隊が第105施設大隊に改称された。1961年8月16日、第２施設団第105施設大隊の編成を完結。1963年8月10日、朝霞駐屯地から第302ダンプ中隊が移駐。1970年3月10日、第44普通科連隊が新編された。1973年3月27日、東北方面警務隊第359福島分遣隊が第110地区警務隊福島派遣隊に改編された。1974年3月26日、第105施設大隊が第11施設群に改編された。1975年3月26日、東北方面通信群第105基地通信大隊第359基地通信隊が第315基地通信中隊福島派遣隊に改編された。1983年3月23日、第302ダンプ車両中隊が廃止された。2006年、神町駐屯地から第６後方支援連隊第２整備大隊第３普通科直接支援中隊が移駐。2008年、第110地区警務隊福島派遣隊が第124地区警務隊福島派遣隊に改編された。2010年4月9日、第44普通科連隊新隊員35名に対し、新隊員前期入隊式を実施。2011年3月11日午前、炊事競技会を実施。4月15日、自衛官候補生36名の入隊式が行われた。中には東日本大震災の避難所から入隊した候補生もいた。2012年5月17日、地元福祉会の20人が駐屯地陶芸室を訪れ、作品作りに挑戦した。5月26日、福島青年会議所主催わらしっ子塾の参加児童48人による部隊見学に協力。2014年2月14-21日、豪雪により通学路に危険箇所が発生した荒井小学校の依頼を受け、駐屯地の一部を通学路として開放した。9月3日、相馬市立玉野中学校の総合学習支援に協力した。2015年5月11日、ミニストップが開店した。2016年1月24日、駐屯地音楽隊が福島県文化センターで第38回福島自衛隊音楽祭に参加。2017年1月20-24日、予備自衛官延べ137名に第３次予備自衛官５日間招集訓練を実施。8月26日、駐屯地音楽隊がバルセいいざかで第40回福島自衛隊音楽祭に参加。12月8-12日、予備自衛官招集訓練を実施。2018年1月12日、新成人隊員62名の新成人記念行事を実施。8月31日、郡山駐屯地と共に、福島地本、福島県自衛隊家族会、隊友会と、大規模災害時等における派遣隊員の留守家族支援に関する協定を締結した。9月19日、向陽中学校２年生11人の職場体験学習を支援した。2019年8月18日、福島駅東口前さんかく広場で行われたVoiceふくしま納涼祭でオートバイや軽装甲機動車などの装備品を展示した。2020年2月13日、女性隊員が女性自衛隊協力会「花ももの会」との交流会に参加。2022年1月17日、新成人隊員72名の成人記念式を実施。4月22日、福島地本が令和4年度自衛隊福島地方協力本部団結式を実施。2023年3月6-7日、福島地本が採用予定者12名に営内生活体験入隊を実施。6月14日、福島地本が任期制退職予定隊員など14名を対象に第１回即応予備自衛官雇用企業研修を実施。8月8日、夏休みちびっこ大会を開催。11月16日、福島地本相双地域事務所が行った相馬農業高校２年生４人に対するインターンシップを支援し、整備工場・防衛館見学や救急法体験を行った。参考：福島駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、月刊軍事研究7,’11、10,’11、朝雲、大和駐屯地ホームページ

　＜福島駐屯地（２０１５年）＞：第６師団第44普通科連隊、第６後方支援連隊第２整備大隊第３普通科直接支援中隊、第11施設群、第105施設直接支援大隊第２直接支援中隊、第315基地通信中隊福島派遣隊、第124地区警務隊福島派遣隊、第387会計隊、福島駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜福島駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2019年8月6日、家族支援施策の一環で、移動図書館を開設し、親子で作るサンドイッチ教室を開催した。参考：朝雲

＜福島の光明作戦＞：東日本大震災災害派遣の第13旅団作戦名。参考：MAMOR vol.123

＜福州＞：137（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜服従＞：指揮官の命令意図を部隊全体に徹底し、隷下将兵が命令の趣旨を忠実に体現実行すること。部隊の規律維持の基本である。一貫した合理性と合法性に基づく権威に依るものであり、単なる隷属ではない。将兵が勝手に自己判断して命令に逆らう部隊は論外だが、機械的に盲従するのも駄目で、命令と異なる状況となった場合には発令者の意図を汲んで積極的の状況を判断し、発令者の意図を具現するよう適切な方策をとる（独断専行）。参考：月刊丸6,’14、月刊軍事研究4,’18

＜福州基地＞：中国軍航空基地。2250m滑走路と耐爆シェルター25基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜福州軍区＞：中国軍の大軍区。1956年7月1日、福建軍区から改編されて創設された。1985年6月の改編で廃止された。参考：月刊航空ファン5,’16

＜復讐作戦＞：山本五十六連合艦隊長官機撃墜を参照。

＜復讐戦艦＞：Revengers。真珠湾攻撃で大破したが、修理して戦列に復帰した戦艦群のこと。参考：月刊世界の艦船4,’20

＜福州丸＞：日本陸軍運送船Fukushu maru。大元は明治37年に竣工したノルウェー貨客船スタンダールで、明治38年3月に大阪商船が購入して福州丸に改称、大正時代に入って貨物船となり、第１次大戦中は一時期日本海軍が徴用し、昭和6年に北日本汽船に売却され、昭和12年に日本海軍が徴用し、太平洋戦争勃発直前に日本陸軍に移った。垂線間長70.71m、幅10.7m、深さ6.55m、総トン数1455トン、重量トン数2187トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸730馬力、航海速力８ノット、最大速力９ノット。昭和17年3月11日、門司を出港して基�驍ﾉ向かう途中、鹿児島県草垣群島西290kmでSS-180ポラックの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜�ｚ謚ﾛ＞：岡田商船貨物船Fukuju maru。大元はカナダ国営商船会社カナディアン・スピナーで、大正8年12月に進水し、数度の転籍・改称を経て昭和15年に岡田組が購入して�ｚ謚ﾛになり、昭和17年に岡田組が岡田商船に改称した。垂線間長121.7m、幅15.8m、深さ9.36m、満載吃水7.58m、総トン数5291トン、重量トン数8507トン。主機は三連成レシプロ蒸気機械１基１軸2800馬力、航海速力10ノット、最大速力11ノット。太平洋戦争中は船舶運営会が運航した。昭和19年11月23日、タモ29船団の一員として基�驍ｩら門司に向かっていたところ、韓国南海島沖・対馬西100kmでSS-382ピキュダの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜複哨（日本陸軍、駐軍警戒時）＞：歩哨の１つ。歩哨掛たる下士官または上等兵の指揮下に所要の兵員を配し、2-4名ずつ交代勤務させる。この際、２人哨は小哨に近い場所か、警戒が容易な地点に配置する。小哨から複哨を出す距離は、通常400m以内とする。歩哨掛は任務を受けたら部下を率いて所要の警戒を行いつつ、速やかに担当哨所に至り、遮蔽して取り敢えず監視を開始、小哨長が来るのを待つ。この際、小哨長を誘導する案内者を出すのが望ましいこともある。歩哨掛が特別守則を受領した場合、部下に十分徹底させ、歩哨のために所要の設備を施し、地形を認識させる。その後、歩哨掛は交代兵を率いて小哨の位置に帰還する。交代の際には歩哨掛が立ち会い、下番者は見聞した事件と、前方に出た味方斥候がいる場合にはその任務・経路・帰来地点・時刻などを上番者に申し送る。この際、監視を中絶しないことと、交代の往復などに際して敵に見つからないことを心がける。交代の際は旧歩哨掛が新歩哨掛に守則や特に知っておくべき事項を申し送る。参考：作戦要務令

＜フクス＞：P6146（哨戒艇）を参照。

＜フクス＞：ドイツ海軍砲術練習艦。元は第１次大戦時に使用していた掃海艇M130で、1928年に改造された。常備排水量525トン。主機はレシプロ蒸気機関、出力1850馬力、速力16ノット。兵装は10.5cm砲２基。1940年、M530に艦名変更された。終戦後はドイツ港湾の掃海を行い、ソ連に引き渡された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜フクス・シリーズ＞：西ドイツ軍６×６輪装甲車Fuchs（狐）、制式名称Tpz.1（トランスポルトパンツァ１、装甲兵員輸送車１型）。当時装備していたアメリカ、フランス、スイスなどで製作された多種多様な装輪軽装甲車両・ソフトスキンを統一する目的で1962年から計画され、当初は４×４輪型や８×８輪型も開発されたが、1977年に６×６輪型に絞ってダイムラーベンツ社案が採用された。ラインシュタール・ヘンシェル社（後にティッセン・ヘンシェル社）が生産して1979-86年に1175両が引き渡され、支援任務に幅広く使用されている。また、PKF任務にも適しており、アメリカ軍、イギリス、オランダ、サウジ、ベネズエラなどに200両以上が輸出された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER5,’10、2,’04、11,’99、3,’10、月刊グランドパワー10,’94

　＜Ｔｐｚ．１＞：車体は装甲鋼板の溶接式で、前面はスペースドアーマーになっている。車体前部右は車長席、左は操縦席で、その後方中央から左が機関室、右が通路、車体後部が兵員室である。操縦室前側面には装甲シャッター（前面は跳ね上げ式、側面は下方スライド式）付きの防弾ガラスが填め込まれており、シャッターを閉めた際には４基の操縦手用ペリスコープで視界を得る。上面の車長用ハッチには自衛用の7.62mm機銃を装備可能。機関室にはダイムラーベンツ社製OMA402A液冷８気筒Ｖ型ターボチャージドディーゼル（12760cc、320馬力）とZF社製6HP-500オートマチックトランスミッション（前進６段・後進１段）を組み合わせたパワーパックが収容されていて、10分で交換できる。兵員室には５席ずつ向かい合わせの座席があり、１席ずつ折り畳むことができ、全て折り畳めば最大４トン、水上航行時2.6トンの貨物を搭載可能。後面に左右開きのドア、上面にハッチ２枚（円形武装搭載ハッチ１枚が追加されていることもある）を持つ。走行機構はルクス装甲偵察車と共通化されており、複雑高級なものである。サスペンションはコイルスプリングで、油圧式ショックアブソーバーを持ち、タイヤは14.00×20ランフラット、前方２軸がステアリングする。兵員用乗降ハッチは車体後部にあり、ドアは両開きで右のドアに視察窓が付いている。車体後部のスクリューにより水上航行も可能で、その際は車体前部のトリムベーンを立てる。６連装発煙弾発射機も車体中央部両側に装備している。全長6.83m、全幅2.98m、全高2.30m、車体重量14.4トン、戦闘重量17トン。最大速度105km、燃料搭載量430リットル、航続距離800km。浮航速度10.5km。乗員２名、乗車兵員10名。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER5,’10、2,’04、11,’99、月刊丸3,’13

　＜Ｔｐｚ．１Ａ１＞：電子戦車両型で、15kW発電機を車内に追加している。スクリューは廃止されているが浮航能力は残されており、タイヤで水をかいて進む。参考：月刊PANZER5,’10

　＜Ｔｐｚ．１Ａ２＞：指揮車両型で、5kW発電機を車内に追加している。参考：月刊PANZER5,’10

　＜Ｔｐｚ．１Ａ３＞：フクスNBC偵察車を参照。

　＜Ｔｐｚ．１Ａ４＞：Tpz.1にSEM80/90無線機を追加したもの。参考：月刊PANZER5,’10

　＜Ｔｐｚ．１Ａ５＞：Tpz.1A2にSEM80/90無線機を追加したもの。参考：月刊PANZER5,’10

　＜Ｔｐｚ．１Ａ６＞：フクスNBC偵察車を参照。

　＜Ｔｐｚ．１Ａ７＞：海外派遣の経験を元に、MEXAS増加装甲や冷房を追加したもの。操縦手席右上部の機銃には防楯が付けられた。参考：月刊PANZER5,’10

　＜Ｔｐｚ．１Ａ８＞：ISAFの経験に基づく改良型で、車体下面に地雷防御プレートを装着し、兵員室シートを吊り下げ式に変更、ホイールガードとサスペンションを強化して耐地雷能力を強化した。また、ハッチやドア、防弾ガラスも強化されており、車体側面には雑具入れ兼増加装甲を装着している。操縦室と兵員室にはエアコンが追加された。重量24トン。ラインメタル社が改修を担当し、2008年3月から引き渡されており、各型合わせて124両がこの規格になる予定。参考：月刊PANZER3,’10、5,’10

　＜Ｔｐｚ．１Ａ８　ＭＯＵＴ＞：MOUTは市街地作戦の略。ラインメタル社が独自に開発したもので、A8に障害物処理ドーザー、遠隔操作式銃塔、レーザー検知器、テレビカメラなどを装備している。輸出市場に提案中。参考：月刊PANZER3,’10

＜フクス・ファミリー＞

＜ＥｌｏＫＡ＞：電子戦車両バージョンの総称（EK33電子戦ジャマーキットと15kW発電機を搭載した電子戦車両？）。参考：月刊PANZER5,’10、世界の軍用車両(4) 、月刊グランドパワー10,’94

＜Ｆｕ／ｆｕ＞：Tpz.1またはTpz.1A4ベースの偵察部隊用装甲指揮車。内部に無線やマップボードなどを積み、車体側面に拡張アンテナ、車体上面にケーブルリール、車体後面ドア左に5kW発電機を装備する。参考：月刊PANZER5,’10、月刊グランドパワー10,’94

＜Ｆｕ／ｆｕ＞：Tpz.1A2またはTpz.1A5ベースの対空部隊用大隊本部車両。車体右後方にアンテナマストを持つ。参考：月刊PANZER5,’10、月刊グランドパワー10,’94

＜ＰｉＧｒｐＦｚ＞：Tpz.1またはTpz.1A4ベースの工兵車両。地雷や地雷原処理装置を搭載でき、車体上面後部に鉄条網リールを収容する円筒形ケースを装備しているものもある。220両が生産された。参考：月刊PANZER5,’10

＜ＰｉＰｕ＞：PiFuかも。Tpz.1またはTpz.1A4ベースの工兵指揮車。車内に発電機を追加し、車体上面に４本のロッドアンテナを装備している。参考：月刊PANZER5,’10

＜ＳＡＮ＞：Tpz.1またはTpz.1A4ベースの装甲救急車。後部兵員室に片側２床ずつ担架を収容できるようにしてあり、シートを展開すれば担架のかわりに片側４名ずつの負傷兵を収容できる。参考：月刊PANZER5,’10

＜Ｔｐｚ．１　ＰＡＲＡ＞：レーダー搭載車バージョンで、ランドナビゲーションシステムと、車体上部にフランスのLMT社製RASIT戦場監視レーダー（探知距離20km）を持つ。レーダーは車内に収容されており、使用時に1.8mほど上昇させる。車体はTpz.1A2もしくはTpz.1A5で、右側面にケーブルがあって、30m離れた場所からレーダーを遠隔操作できる。参考：月刊PANZER5,’10、9,’03、世界の軍用車両(4)

　＜ＴＰｚ１Ａ２　ＡＣＣＣ＞：装甲指揮通信車バージョン。収納式テーブルや地図ボードなどを備え、車体上面に４本のアンテナ、後面左側にSEA発電機（5kW）を持つ。参考：月刊PANZER11,’02、7,’02

　＜イェーガーグルッペ＞：Jagergruppe。ミラン対戦車ミサイルを車体上面の架台に据え付けたもので、取り外して地上発射もできる。参考：月刊PANZER5,’10

　＜オイコプ＞：電子偵察／電子妨害型、EUKOP（電子支援コンポーネントの略）。指揮車２両とセンサー車２両からなり、センサー車には先端に円盤形センサーを装着した伸縮式マストを搭載している。ベースはTpz.1A1。参考：月刊PANZER5,’10

　＜パイラー＞：Peiler（測定者）。Tpz.1A1にAEGテレフンケン社製VHF測定機材を搭載したもので、電子偵察・通信を主任務とする。車体上面後部に折り畳み式のアンテナマストを持ち、先端には８本の垂直アンテナが円周上に配置されている。参考：月刊PANZER5,’10

　＜フクスＮＢＣ偵察車＞：Tpz.1A3、ABC Erkundgruppe（ABC-ErkdGrp）。車体の密閉性を向上させて与圧システムを追加し、車内に自動放射能検知ユニット、神経ガス警報システム、生物剤収集機、γ線検知器などを搭載する。車体上面と両側に自動大気サンプル収集装置が装備されており、車体後部には汚染土壌採取装置とマジックハンド、汚染地域表示マーカーが付いている。車体上面には遠隔監視用TVカメラも装備。検査手は外に出ずに簡単な採取作業が可能であるが、詳しい検査のためには車外に出る必要があるため、防護服が車内に搭載されている。乗員は車長、操縦手、検査手２名。通常は2-3両で行動し、戦車や装甲車の護衛下で作業を行う。SEM80/90無線機を搭載したものはTpz.1A6と呼ばれる。140両が生産された。参考：月刊PANZER5,’10、5,’02、月刊グランドパワー10,’94

　＜フクス爆発物処理車両＞：ドイツ空軍の爆弾処理班向けにラインメタル・ランドシステムズ社が開発したもので、基地や滑走路に散布された地雷を処理するのが主任務である。Tpz.1またはTpz.1A4の車内に爆発物処理機材を搭載し、TS15砲塔に装備した20mm機関砲とMG3機銃で爆発物を撃ち抜いて誘爆させる。平時には武装を活かして警備任務に就く。採用されなかった。参考：月刊PANZER5,’10

　＜フンメル＞：電子妨害車両Hunmel（マルハナバチ）。Tpz.1またはTpz.1A1の車体上面にAEGテレフンケン社製VHF妨害アンテナを12本立てており、16目標への同時妨害が可能。車内に5kW発電機、後部ドアに冷却用クーラーを追加している。参考：月刊PANZER5,’10

　＜ミュッケ＞：フンメルの改良型Mucke（虻）。Tpz.1A1の車体上面に伸縮式アンテナマスト（最大高13.38m）を装着、その先端にVHF/UHFアンテナを搭載している。10目標への同時妨害が可能である。参考：月刊PANZER5,’10

＜フクス海外ファミリー＞

　＜Ｍ９３フォックス・シリーズ＞：M93シリーズ（NBC偵察車）を参照。

　＜フクスＮＢＣ偵察車（イギリス）＞：イギリス陸軍NBC偵察車。フクスNBC偵察車の無線をイギリス陸軍標準とし、7.62mm機関銃を搭載、発煙弾発射機を追加したもので、湾岸戦争に派遣されて活躍した。2003年に探知分析機・最新式気象局マスト搭載、コンピュータ改良、ウインチ装備などの向上化を受けた。参考：月刊軍事研究4,’05、月刊PANZER7,’05

　＜フクス８×８輪型＞：オランダ軍向けの試作型で、1981年に製作された。車体を延長して８×８輪にし、車体上面にエリコン25mm機関砲搭載のFMC社製砲塔を装備する。重量17.2トン。乗員13名。採用されなかった。参考：月刊PANZER5,’10

　＜ワイルドキャット＞：エンジンを車体後部に移して浮航装備を廃止し、マウザー30mm機関砲MK-Fを２門、捜索レーダー、光学追尾装置、レーザー測距器を装備する対空砲塔を搭載した廉価自走高射機関砲型。砲塔左右に機関砲（焼夷榴弾500発。オプションで徹甲焼夷弾20発を追加可能）を１門ずつ、前面に光学追尾装置（昼間用TVカメラと自動ビデオ装置）／レーザー測距器（使用波長1.06ミクロン、有効距離1.2-1.5マイル）、後部に捜索レーダー（Xバンド、出力200kW、有効距離18km）のバーアンテナを装備する。FCSコンピュータは24ビットで、リアクションタイムは６秒。V1（目視ペリスコープのみの昼間型）、V2（光学追尾装置とレーザー測距器のみの昼間型）、V3（捜索レーダー、光学追尾装置、レーザー測距器装備の昼間型）、V4（V3に赤外線追尾装置を追加した全天候型）、V5（V3の光学追尾装置のかわりに追尾レーダーを搭載した全天候型）といったバリエーションがあり、機関砲の代わりに携SAMを装備して自走SAM車両にすることもできる。全長6.88m、全幅2.98m、全高2.74m（捜索レーダー収容時）、戦闘重量17.5トン。エンジンはターボチャージドディーゼル（320馬力）で、トランスミッションは６速オートマチック、タイヤは14.00×20で、最大速度100km、航続距離800km。乗員３名（車長、操縦手、レーダー操作手兼砲手）。オプションでNBC防護装置や航法装置の装着が可能。クラウス・マッファイ・ヴェクマン社がプライベート・ベンチャーで提案したが、どこも採用しなかった。参考：ザ・マーチ18号、月刊PANZER5,’10

＜フクス２シリーズ＞：ラインメタル・ランドシステム社の６輪駆動装輪装甲車Fuchs 2。フクスの改良型で、2002年初めに試作初号車が完成した。参考：月刊軍事研究2,’02、月刊PANZER5,’10

＜フクス２＞：兵員室の天井を1.45mと高くしており、CAN社製のスタンダードSAEJ1938デジタル電動システムにより車両の状態をリアルタイムで把握できる。タイヤ圧調整装置付きランフラット式タイヤを装着し、１本が損傷しても走行可能。水陸両用で、車体後部に水上航行用プロペラ２基を持つ。基本装甲では7.62mm徹甲弾に全周で抗堪でき、IBD社の増加装甲パッケージで12.7mm、14.5mm弾、榴弾弾片、地雷などを適宜防御可能。また、車体前面を30mm徹甲弾から防御するパッシブ装甲を装着できる。車体後部に兵員乗降用ドアがあるが、ランプを搭載することも検討している。最大戦闘重量20トン。エンジンはMTU社製6V199TE20ターボチャージド（315kW）で、トランスミッションはZF社製6HP602オートマチック（前進６段）、最大速度96km、航続距離700km。スクリュー２基による浮上航行が可能。搭載兵器は12.7mm機銃、RLS609車外兵器システム（40mm擲弾発射機搭載）、E8砲塔（30mm砲と7.62mm機銃）、対戦車ミサイルなどで、多彩な兵装に対応できる。NBC防護装置、エアコンが標準装備され、GPS、APUなどをオプションで追加できる。参考：月刊軍事研究2,’02、月刊PANZER5,’10

＜フクス２ファミリー＞

　＜フクス２ＢＩＯ−ＲＳ＞：生物偵察車バージョンで、UAE陸軍が採用した。参考：月刊軍事研究6,’11

＜フクス２海外シリーズ＞

　＜フクス２（アルジェリア陸軍）＞：アルジェリア陸軍装甲車。2014年に採用し、980両をライセンス生産する予定で、初号車は2015年に引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜複数個別目標再突入体＞：MIRVを参照。

＜複数弾頭＞：MRVを参照。

＜福清型補給艦＞：中国海軍905型補給艦のNATOコード、フーチン（Fuqing）型。船型は船首尾楼型で、前部上構は凹甲板前部、後部上構は船尾楼前部にあり、前後上構間は１甲板分かさ上げされていて、門型補給ステーション３基（前２基が液体貨物用、後１基がドライカーゴ用）が立っている。燃料10550トン、ディーゼル燃料1000トン、養缶水200トン、清水200トンの搭載が可能で、ドライカーゴはあまり積めない。後部上構後方に煙突がある。後甲板（03甲板レベル）はヘリ甲板で、格納庫は無い。全長168.2m、全幅21.8m、吃水9.4m、満載排水量22099トン（21750トン？）。主機はディーゼル、出力15000馬力、１軸推進、速力18ノット。兵装は37mm連装機関砲４基。乗員130名。艦番号881洪澤湖、882鄱陽湖など４隻が1979-85年に就役し、後に３番艦は商業用タンカーに改造され、４番艦はパキスタンに売却された。西側が存在を知ったのは1980年に南太平洋に向けてのICBM実験支援のため出動した時である。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,'21、2,’20、2,’19、5,’15、6,’14、9,’09、3,’13、8,’82増刊、8,’11、9,’11

＜福清型補給艦・海外シリーズ＞

　＜福清型（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍補給艦、別名ナスル級。中国の大連で建造された。満載排水量21750トン。補給用燃料など11550トンを搭載可能。1987年に艦番号47ナスルが就役した。参考：月刊世界の艦船1,'23、ミリタリー・バランス1989-1990

＜副操縦士（日本海軍）＞：離陸の時は椅子から立ち上がって天蓋から前方地面を見張り、障害物の有無などから滑走コースを判断して右掌を左右に動かし、操縦士に伝える。機体にワイパーという便利なものは付いていないので、雨でも雪でも同じ事をしなければならない。参考：続日本海軍よもやま物語

＜福田澄夫＞：大正8年、徳島県生まれ。昭和16年3月、海軍兵学校を卒業し、昭和18年2月に飛行学生教程を修了、隼鷹に搭乗し、4月からい号作戦参加のためラバウルに展開した。9月1日、第204航空隊に転属。11月4日、第252航空隊に転属。昭和19年1月末、本土に帰還。3月、大尉に昇進して神ノ池航空隊の教官となった。7月、第634航空隊戦闘163飛行隊長となり、徳島基地に移った。10月、フィリピンのクラーク基地に進出。10月24日、ルソン島東に出撃して消息不明となり、戦死認定された。総撃墜数11機。最終階級は少佐。参考：日本海軍戦闘機隊

＜福田徳郎＞：明治45年、広島県生まれ。昭和11年10月、特志将校として熊谷陸軍飛行学校に入学し、昭和12年3月に操縦学生教程を修了、飛行第11連隊に配属されてハルビンに赴任した、昭和14年6月24日、ノモンハン事件で初陣を飾った。7月13日、空戦中に負傷して入院した。昭和16年3月、大刀洗飛行学校に転属。その後明野飛行学校に転属し、第一線を退いて大刀洗飛行学校に赴任、終戦時は第30戦闘飛行集団司令部所属だった。総撃墜数11機。最終階級は少佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜福池級補給艦＞：中国海軍補給艦（中国の艦種呼称は綜合補給艦）903型（Type-903。３番艦以降は903A型／Type-903A）Fuchi級。船型は平甲板型で、前後上構間に門型補給ポスト２基（前部が液体貨物、後部がドライカーゴ）と補給ステーション６基（給油用４基、ドライカーゴ用２基）を持つ。後甲板はヘリ甲板で、格納庫もある。医療設備や工作設備も有している。３番艦以降は一部改設計を加えた。全長178.5m、満載排水量23369トン。主機はディーゼル、速力19ノット。燃料10500トン、清水250トン、ドライカーゴ680トンを搭載できる。兵装は76F型37mm連装機関砲４基または30mm単装機関砲４門。ヘリ１機を搭載可能。2004年に艦番号886千島湖と艦番号887微山湖、2013年に艦番号889太湖と艦番号890巣湖、2015年に艦番号960東平湖と艦番号963洪湖、2016年に艦番号964駱馬湖と艦番号966高郵湖、2019年に艦番号968可可西里湖の計９隻が就役し、北海・東海・南海艦隊に３隻ずつ配備された。ソマリア沖海賊対処の際、PJ-15機関砲を搭載している。参考：月刊世界の艦船4,'21、2,’20、2,’19、5,’15、6,’14、3,’13、9,’11、1,'15増刊、4,’16、6,’16、8,’16、3,’18、6,'20、月刊軍事研究8,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜福知山駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。屋外に61式戦車とHU-1Bヘリが、史料館の垣将集館にM1狙撃銃、60mm迫撃砲M20、三八式歩兵銃、九九式短小銃、四四式騎兵銃、三〇年式銃剣、陸軍複葉機の部品などが展示されている。所在地は京都府福知山市天田堀無番地で、JR福知山駅からタクシー５分、徒歩10分。大元は明治31年に開設された日本陸軍歩兵第20連隊の駐屯地で、昭和13年に歩兵第120連隊が新編され、太平洋戦争終戦に伴い国鉄福知山分教所になり、警察予備隊創設に伴い1950年12月に警察予備隊福知山駐屯部隊が編成されて駐屯地が開設され、第504施設大隊などが駐屯した。1952年、保安隊第７連隊が岡山から移駐した。1966年、旧歩兵第20連隊将校集会所（明治31年竣工）を史料館として整備した。2010年8月6日1800過ぎ、駐屯地夏祭りの開演直後に正門で交通整理中の隊員が東200mのところに炎と黒煙が上がっているのを発見した。駐屯地当直司令は駐屯地消防ポンプ班と初動対処部隊に出動を命じ、両部隊は直ちに現場で消火活動を開始。消防や近隣住民も加わり、２時間で鎮火した。2011年9月12-16日、私立成美大学学生２名の給食管理実習を支援。2014年1月6日、訓練始めを実施。1月9日、100リットル献血運動を実施。300名が123.2リットルを献血して新記録を樹立した。8月25-29日、豪雨災害で市街地が冠水した福知山市の瓦礫撤去作業などを手伝うため、駐屯地隊員200名が休日・代休を利用しボランティア活動を実施。9月29日、防衛フォーラムに参加する京大生６人に対する見学会を実施。2015年1月9日、新成人隊員41名の成人式を実施。1月11日、福知山市消防出初め式を支援。2016年1月8日、駐屯地曹友会が100リットル献血運動を行い、隊員406名が162.4リットルを献血した。2017年1月9日、駐屯地太鼓隊が兵庫県立芸術文化センターで平成28年度中部方面隊音楽まつりに参加。1月17日、駐屯地曹友会が100リットル献血運動を行い、357名が142リットルを献血した。7月21-28日、平和墓地公園の清掃を実施。7月22日、第３師団第３飛行隊UH-1Jヘリの協力で、周辺住民ら44人に航空機体験搭乗を実施。7月29日、駐屯地司令以下駐屯地所属隊員、隊友会、修親会、曹友会の100人が平和墓地公園忠霊塔前で慰霊行事を実施。8月5日、京都府福知山市御霊公園で市制施行80周年記念〜未来の力祭典〜に参加し、炊事支援などを実施。9月3日、福知山市地域防災訓練に参加。2018年4月14-15日、福知山お城まつりを支援した。9月4-5日、新隊員後期課程35キロ夜間行進訓練を実施。2019年8月22日、広報室長が中学生教師17人に歴史講話を行った。10月19-20日、福知山産業フェアで子供への職業体験などを実施。12月18日、曹友会が第15回100リットル献血を行い、271名が計108.4リットルを提供した。2020年3月22日、駐屯地修親会が橋架けのボランティア活動を実施。2021年5月3日、自衛官候補生が福知山射撃場で25m射撃訓練を実施。8月27日、福知山自衛隊協力会と共に、福知山コラッジョ花火を開催した。2022年3月12日、大久保駐屯地、宇治駐屯地、桂駐屯地、京都地本、京都府自衛隊家族会、京都府隊友会が、隊員の支援に対する協力に関する協定書を締結した。4月1日から施行される。6月4日、隊員と家族ら140人が福知山自衛隊家族会運営の絆農園で春の収穫祭に参加。2023年4月15-16日、第34回福知山お城まつりを支援した。6月9日、福知山市成仁小学校で防災学習を実施。５年生70人に防災講話、人命救助システム・車両展示、給食支援展示（野外炊具１号によるカレー調理・試食）を行った。8月8日、４年振りに一般開放で夏祭りを実施。参考：福知山駐屯地ホームページ、月刊丸12,’90、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、朝雲

　＜福知山駐屯地（２０１５年）＞：第３師団第７普通科連隊、第３後方支援連隊第２整備大隊第１普通科直接支援中隊、第131地区警務隊福知山派遣隊、第318基地通信中隊福知山派遣隊、中部方面情報保全隊、中部方面会計隊第349会計隊（3月26日から第352会計隊福知山派遣隊）、福知山駐屯地業務隊が駐屯している。参考：福知山駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜福知山駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2011年6月1日、業務隊機動訓練を実施。29名が７グループに分かれて10kmの山地機動を行った。2013年12月9日、緊急登庁支援マニュアル作成の功績で、陸幕長から２級賞状を授与された。2014年8月16-17日の豪雨災害により福知山駐屯地の隊員41世帯が被災（床上浸水15世帯、床下浸水11世帯など）したため、５世帯を隊員宿舎の空き部屋に受け入れた。2015年11月7日、福知山自衛隊父兄会と連携した家族支援の一環として、サツマイモ掘り大会を実施。参考：朝雲

＜副長＞：軍艦のナンバー２。艦長の方針に基づき、実務にあたるのが主任務である。艦長の手足となって朝から晩まで働き通しのため、艦長が副長を呼ぶ時には「副長に敬意を表し、もしご足労頂ければ幸いです」と丁寧に言う。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜副長（海上自衛隊）＞：略号はフ。潜水艦では航海長が兼ねる。0800、自衛艦旗掲揚に参加し、分隊整列で訓示を行う。停泊時には艦長が帰艦するので、舷門で出迎えて艦長室まで送り、昨夜の状況と本日の予定を報告する。その後、艦内を巡回して指導点検にあたり、勤務評定会議で実質的な取り纏め役を務め、艦長の決裁を受ける。士官公室で昼食を取り、午後の課業整列を実施。停泊中は関係先への連絡調整なども行う。夕食後、停泊時には艦長が上陸するので舷門まで見送る。事務処理を片付けたら、停泊時は上陸、航海中は1930からの巡検に参加する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、日本の防衛戦力Part3

＜副直将校（日本海軍）＞：当直将校の補佐が主任務である。階級は中尉、少尉、兵曹長あたり。常に肩から弾火薬庫鍵入鍵箱鍵入鞄を提げている。参考：続海軍よもやま物語

＜複動型エンジン＞：レシプロエンジンの１つで、ピストンの下部にもシリンダーを持ち、ピストン両側で交互に燃料を燃焼させて動力を得る。レシプロ蒸気機関ならピストン両側に交互に高圧蒸気を注入する。単動型の1.8倍の出力を発揮でき、小型高出力を目指す事ができるが、２つの作動機構を１つの気筒に内蔵させるため構造が複雑で、ピストン下部のシリンダーは真ん中をコネクティングロッドが貫通しているため、高温高圧の作動ガスを密閉しつつコネクティングロッドの上下運動は妨げないという難問をクリアしなければならない。参考：月刊軍事研究8,’16、日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜複動信管＞：二動信管を参照。

＜福留繁＞：海軍兵学校40期卒。昭和14年11月5日から昭和15年4月10日、第１艦隊参謀長を務めた。太平洋戦争開戦時は軍令部第１部長で、真珠湾攻撃に向かう同期の草鹿参謀長に成功したら全員２階級特進と話したが、実行はされなかった。その後連合艦隊参謀長に就任。古賀連合艦隊司令長官行方不明事件でセブ島に泳ぎ着いた後、一時ゲリラに拘束された。昭和19年6月15日、第２航空艦隊司令長官となった。昭和20年1月13日、第２航空艦隊司令長官を退いて第13航空艦隊兼第１南遣艦隊司令長官となり、2月1日に第10方面艦隊司令長官を兼務、シンガポールで終戦を迎えた。イギリス軍に戦犯として捕らえられ、禁錮３年の刑を受け服役、昭和25年に復員している。昭和46年2月6日、80歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜副錨＞：大型艦の艦尾などに装備されている錨。参考：月刊JWings2,’00

＜服務指導准尉徽章＞：陸上自衛隊の徽章。中隊付准尉、隊付准尉、専任陸曹の職務を命ぜられている者が付ける。参考：MAMOR vol.62

＜福山演習場＞：陸上自衛隊の演習場。2010年2月3日、第12普通科連隊250名が野焼きを実施した。参考：朝雲

＜福山市人権平和資料館＞：広島県福山市にある、平和と人権の資料館。所在地は広島県福山市丸之内1-1-1。開館時間は0930-1700（最終入館1630）。休館日は12月28日から1月3日。入館料は大人100円。参考：MAMOR vol.58

＜福山丸＞：日本海軍特設運送艦。元は会陽汽船の中型貨物船である。垂線間長102.11m、幅14.63m、深さ7.92m、満載吃水6.63m、総トン数3581トン、重量トン数5293トン。主機は連成汽機１基、１軸推進、連続最大出力2782馬力、航海速力11.5ノット、最大速力15.511ノット。昭和12年1月20日竣工。太平洋戦争で日本海軍に徴用されて特設砲艦兼敷設艦となり、その後特設運送艦に種別変更された。昭和19年2月22日、サイパン南西60海里でアメリカ潜水艦タングの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’13

＜福山米助＞：日本陸軍エース。明治37年、和歌山県生まれ。大正15年、陸軍に入隊。昭和4年5月、所沢飛行学校を卒業し、飛行第３連隊に配属された。飛行第５連隊に転属した後、昭和9年1月には八丈島まで往復し、戦闘機の海上初飛行を行った。4月、京城・立川間の往復飛行に成功。6月、立川・台湾間の往復飛行に成功。昭和9年末、陸軍士官学校に入校。昭和10年、卒業して少尉となった。日華事変勃発で飛行第２大隊に配属され、昭和13年3月8日に西安攻撃でI-15を撃墜し、初戦果を挙げた。４月10日、３機を撃墜したが、被弾して右肘と左膝に負傷し、操縦桿にハンカチを結び口にくわえて基地まで帰還した。4月15日、出血多量のため戦死し、死後に航空兵団司令官から個人感状が授与されている。公認撃墜機数７機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜福裕型＞：901型（補給艦）を参照。

＜複葉機＞：主翼が上下に２枚並んでいる固定翼機。単葉機よりも翼面荷重が少ないので、上昇力、旋回力、運動性能に優れる。重量がかさむ、上下の翼の間で気流が干渉するので揚力が減るのが欠点。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、飛行機のしくみ

＜福龍＞：日本海軍福龍型水雷艇Fukuryu。元は明治19年に竣工し、日清戦争で明治28年2月7日に鹵獲した福龍（Fulung）で、2月27日に日本海軍籍に編入され、竹敷要港部で韓国沿岸警備に使用された。明治30年前半、マストを１本に減らした。明治35年、主缶を水管缶に換装し、煙突を２本に増やした。明治41年4月に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船6,’11

＜福龍型＞：日本海軍水雷艇Fukuryu型。元は清国水雷艇福龍（Fulung）で、日清戦争時に鹵獲したものである。艦前後に司令塔型の操舵室があり、マストは３本、煙突は１本。垂線間長42.75m、最大幅5m、吃水1.2m、常備排水量115トン。主機は直立式２気筒２段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼汽車缶１基、出力1016馬力、１軸推進、速力20ノット、石炭搭載量18トン。兵装は36cm連装水上発射管旋回式１基、36cm単装水上発射管固定式２門、保式47mm単装軽速射砲２門。福龍が就役した。明治30年前半にマストを１本に減らし、明治35年には主缶を水管缶に換装して煙突を２本に増やしている。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船6,’11

＜伏龍＞：日本軍の水中特攻兵器で、昭和20年5月に制式化された。先端に仮称五式撃雷（重量15kgの成形炸薬弾）を付けた長さ5m（3.3m？）の竹竿を持って海中に潜み、敵の上陸用舟艇の底部を突いて破壊するもので、アクアラングという便利なものは無いため、五式簡易潜水具（ヘルメット式のゴム製潜水服）を着て150気圧気蓄器（圧縮空気ボンベ。戦闘機パイロット用酸素瓶を流用）２本と清浄缶（潜水艦用二酸化炭素吸収剤入り）を背負い、海中に5mおきに配置された。まず海岸で事業服の上にセーターと股引を履き、潜水服ズボンを付け、鉛で出来た潜水靴（ワラジ型をしている）を履き、潜水服上着を付け、接ぎ手バンドでズボンと接着、潜水服上着の前後を防護する帆布を肩から掛け、清浄缶と気蓄器を背負い、鉛のオモリとコンパスを胸に装着、筒型潜水兜を被って６箇所のボルトで固定し、点検を終えた後に厚さ15mmの面ガラスをねじ込む。海岸線付近の隠蔽陣地や個人用掩体から60kgの潜水具・ボンベを身に付け30kgの仮称五式撃雷付き竹竿を引きずって海に入る。走ったり伏せたりはできないので、この時に上陸前砲爆撃が始まってしまったら跡形も無くなる。呼吸の際はボンベの吸気弁を少し開き、息は鼻で吸って口の排気パイプから吐く。これを逆にすると清浄缶の苛性ソーダが逆流して死ぬので注意。呼気はヘルメット前面の呼吸ゴム管（防毒面用の流用）から左腰の露滴溜に送られて水分を取り除かれ、別の呼吸ゴム管経由で清浄缶上部から中に入り二酸化炭素が除去され、清浄缶下部の呼吸ゴム管から出てヘルメット後面に送られる。筒型潜水兜の左後部に排気弁が付いており、軽く頭突きすると潜水服内の空気が抜けて沈むようになるので、歩いて海底を進む。背中から転倒するとアルミ製の空気清浄機が破損して死ぬので、前に45度体を倒して前進する。最大潜水時間８時間強。浮上する際は吸気弁を少しずつ開き、排気弁も調整しながらゆっくりと浮上する。訓練部隊として第71・第81・川棚突撃隊が編成されて神奈川県の由比ヶ浜で訓練が行われ、昭和20年10月までに10個大隊を配備して実戦投入する予定だったが、その前に終戦を迎えた。棒付き爆雷が炸裂すれば自分も命は無いし、上陸前にアメリカ軍が行う猛烈な砲爆撃が付近の海中で炸裂しても命は無い。というかそれ以前の訓練段階で空気清浄機が破損したり酸素残量の計算を間違えたりして死者が絶えず、毎日数名が命を落としていたという。そもそも誘導装置や移動能力の必要性が薄い機雷になぜ人間を付けたのか。参考：特別攻撃隊、月刊丸8,'15別冊、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜複列弾倉＞：ダブル・カラム・マガジンを参照。

＜複列ローター＞：交差ローターを参照。

＜ふくろう部隊＞：飛行第53戦隊を参照。

＜蕪滬＞：536（フリゲート）を参照。

＜蕪湖＞：539（フリゲート）を参照。

＜符号誤り測定器＞：自衛隊の機器。NECネッツエスアイ製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜符号化変調方式＞：電波の送信周波数を高速デジタル信号で変調すること。逆探知されにくい。参考：月刊軍事研究3,’99

＜ふ号作戦＞：南部仏印進駐を参照。

＜ふ号兵器＞：風船爆弾攻撃を参照。

＜符号変更機＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究5,’12

＜蕪湖基地＞：中国軍航空基地。2400m滑走路、シェルター26基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜ブコベルＡＤ＞：ウクライナ軍車載ECM装置。参考：朝雲

＜ブザー・シリーズ＞：イギリスの遠隔通信研究所（TRE）が開発したレーダー警戒装置で、1943年から爆撃機に搭載して運用された。英語ではBoozerと書き、酒場・酒好きという意味である（Buzzerではない）。ブザー1-3型の３種類を組み合わせて使用する。表示部分は黄色の表示灯１つと赤の表示灯２つで構成され、黄色はFuG202/212リヒテンシュタイン・レーダーを、赤はウルツブルグGCI用送信レーダーもしくはFuMG62(39T)ウルツブルグ砲照準用レーダーの受信を表していた。システムは精巧だったが、脅威度の選定がなされていないため、自分が追尾されているのか隣の機体なのかは分からない。参考：月刊エアワールド1,’00

　＜ブザー�T型＞：イギリス空軍指定番号AR5538。FuG202/212リヒテンシュタイン・レーダー用の警戒装置。受信能力が330mしかないのが欠点。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ブザー�U型＞：イギリス空軍指定番号AR5538。FuMG62(39)Tウルツブルグ・レーダー用の警戒装置である。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ブザー�V型＞：イギリス空軍指定番号AR5557。重爆撃機に搭載する490MHz用のタイプ338と、モスキートに搭載する530-560MHz用のタイプ338Aがある。受信能力は1830mで、何とか回避能力が取れるくらいの余裕があった。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ブサイヤ市街掃討作戦＞：湾岸戦争デザート・セイバー作戦において、1991年2月26日0900に第１機甲師団はブサイヤ市街周辺の掃討を終了し、主力は前進を継続することにした。ただ市街地にはイラク軍コマンドーが立て籠もっており、放置すると後方の兵站部隊が攻撃を受ける恐れがあったため、１個歩兵支隊が掃討を担当した。構成は、２個戦車中隊、２個歩兵中隊、１個増強工兵中隊で、兵力800名以上、M-1A1戦車28両、M-3ブラッドレイ６両、M-2ブラッドレイ28両、M-106自走迫撃砲６両を装備する。後方では第１旅団の１個野戦砲兵大隊が支援にあたった。ブサイヤはＬ字の道路沿いに建物が集まる構造だったため、戦車中隊と歩兵中隊で道路を封鎖し、M728戦闘工兵車１両、M9装甲ドーザー２両、M-2ブラッドレイ５両で破壊チームを構成、M728の臼砲でビルごとコマンドーを吹き飛ばし、M9のドーザーでコマンドーを埋めることにした。市街地に接近するとイラク軍は銃撃を浴びせてきたため、M-2が25mm機関砲で制圧。T-55とカスカベルも１両ずつ隠れており、M-1A1が破壊した。外郭を制圧すると砲兵隊が遅延信管付き榴弾を撃ち込んでビルを粉砕。戦車隊とM-2/3の援護射撃の下、破壊チームが南から突入し、粘着榴弾とドーザーで抵抗拠点を破壊した。1400までに掃討と再補給を終え、本隊を追いかけた。周囲には大量の物資集積所があったため、3月1日に工兵隊が破壊した。参考：月刊軍事研究4,’09

＜フサ・エル・フセール級＞：アサド級（コルベット）を参照。

＜塞ぎ止め噴流推進装置＞：ラムジェットエンジンを参照。

＜ブサッシュ・カッター＞：ヘッジロウ・カッターを参照。

＜プサラ＞：F-454（フリゲート）を参照。

＜釜山＞：959（フリゲート）を参照。

＜プサン＞：959（フリゲート）を参照。

＜ふじ＞：LSSL-405（警備艇）またはAGB-5001（砕氷艦）を参照。

＜藤＞：日本海軍樅型駆逐艦13番艦Fuji。大正10年5月31日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和10年6月11日、天津での親日中国人連続暗殺事件に対処するため天津に到着。昭和15年4月1日に哨戒艇に転籍となり、第36号哨戒艇に改称された。参考：日本駆逐艦史

＜富士＞：日本海軍富士型戦艦。明治27年8月1日起工、明治29年3月31日進水。明治30年6月19日、工事は未完だったが日本海軍に引き渡された。6月20日、造船所を出港。6月21日、ポーツマス港外スピットヘッドに到着し、Ａ列14番錨地に投錨した。6月22日、ヴィクトリア女王即位60周年記念式典に合わせ、1200に礼砲を発射した。6月26日、ヴィクトリア女王即位60周年記念観艦式に参加。イギリスから招待状が届いたのは5月4日で、常備艦隊司令官有栖川宮威仁親王（海軍少将）は巡洋艦吉野の派遣を希望したが、手続きや準備の期間を考えると間に合わないので、海軍省の判断でイギリスで建造中であり艤装長・艤装員も渡英済みの本艦を参列させている。招待状に将官旗を掲げるよう書かれていたため、本艦は常備艦隊旗艦に指定された。有栖川宮威仁親王はフランス郵便船で伊藤博文元首相と共に渡英し、ウェールズ皇太子の御召艦ヴィクトリア・アンド・アルバートに乗艦して観艦式に参加している。2130にもウェールズ皇太子が御召艦アルバータに乗艦して観閲したため、2200頃に総員が上甲板に整列、軍歌を合唱した。7月1日、スピットヘッドを抜錨してポートランドに入港し、残工事に入った。8月17日に竣工し、ポートランドを出発。10月31日（30日？）に横須賀に到着した。大正元年8月28日、一等海防艦に艦種変更された。大正4年10月、大正4年度特別大演習に第３艦隊第８戦隊所属で参加。大正11年、運送艦に艦種変更された。年末に練習特務艦富士となった。参考：月刊世界の艦船2,’14、9,'22、4,’09、9,’13増刊、10,’24

＜富士＞：日本海軍練習特務艦。排水量9179トン。元は明治30年に竣工した戦艦富士で、大正11年に運送艦となり、年末に練習特務艦となった。横須賀の吉倉海岸に係留され、航海学校練習艦として航海術及び運用術の訓練に使用された。太平洋戦争後に解体された。参考：小艦艇入門、日本海軍艦隊総覧

＜フジ８０＞：海上自衛隊とイギリス海軍の共同訓練FUJI80。1980年9月13-15日に開催され、DDH-141はるな、DDH-142ひえい、DDG-163あまつかぜ、DDG-169あさかぜ、イギリス海軍第１戦隊（旗艦D18アントリムなど駆逐艦２隻、F18ガラティアとF174アラクテリティなどフリゲート３隻、給油艦２隻、給糧艦１隻）と、プレセイル・カンファランス（出航前会議）、停泊訓練、戦術運動訓練MICEX1、対潜訓練を行った。MICEX1では縦列から開始して複縦列制形、方向変換、方位列制形、一斉回頭、再度の方位列制形などを行い、イギリス海軍の方が一枚上手だったという。対潜訓練では補給艦を中心に置き、内周3000ヤード・外周7000ヤードの円周を40度ずつ９ブロックに分けて海自・イギリス海軍９隻がそれぞれ哨戒するスクリーンＫ陣形を取り、針路120度・速力12ノットで進撃した。直後に哨戒機が180度14海里に潜水艦を探知したため、F18ガラティア、F174アラクリティ、DDG-163あまつかぜを派出。海自ではダイレクト・アプローチで潜水艦に直行するが、指揮を執るイギリス海軍F18ガラティア艦長は秘匿・欺瞞のため最初に針路240度を取り途中で170度に変針するオフセット・アプローチを選択した。１時間後に潜在海面に到着すると、海自では横隊による一航過捜索の後に所要の捜索パターンに入るところ内周3000ヤード・外周8000ヤードを４等分して３隻とイギリス対潜ヘリ３機で哨戒するスクリーンＫ陣形を再度展開し、F174アラクリティが5700ヤード先に潜水艦を探知してアイカラで攻撃を掛け、DDG-163あまつかぜも3000ヤード先で探知したためアスロックを発射、両方とも有効で撃沈判定を得た。参考：朝雲

＜フジ・ヴァイパー２０２１＞：在日米海兵隊と在日米陸軍の統合強襲上陸訓練Fuji Viper 2021。2021年4月6日に実施され、在日米陸軍航空大隊UH-60L汎用ヘリ２機がキャンプ座間を離陸し、キャンプ富士で第３海兵師団先遣小隊を乗せ、沼津市今沢海岸の沼津海浜訓練場に着陸、先遣小隊を降ろすと、再度キャンプ富士まで往復して第３海兵師団小銃分隊を運び、先遣小隊と小銃分隊が一帯を制圧した。訓練終了後はUH-60Lヘリ２機が２往復して海兵隊員をキャンプ富士に運んでいる。参考：月刊JWings7,’21

＜藤永田造船所＞：1689年（元禄2年）に大阪で創業した船大工兵庫屋が大元で、大正8年に海軍省指定工場となった。太平洋戦争終結までに駆逐艦37隻、砲艦３隻、水雷艇、掃海艇などを建造した。参考：月刊世界の艦船5,’11

＜藤枝飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和19年1月に開設された。戦後はアメリカ軍の接収を経て静浜基地となった。参考：月刊JWings11,’18

＜富士演習場＞：陸上自衛隊の演習場で、北富士演習場と東富士演習場からなる。面積は１億3382万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。参考：月刊軍事研究4,’10

＜藤岡飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和20年、栃木県下都賀郡南犬飼村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜富士型＞：日本海軍初の近代戦艦（前ド級戦艦）。ロイヤル・ソブリン級をベースにイギリスで建造され、装甲板は当時最新のハーヴェイ甲鈑を使用した。垂線間長114m、常備排水量12553トン。主機はレシプロで、速力18.25ノット。主砲は40口径30.5cm連装砲Mk.B�U（最大仰角20度）２基。明治30年から富士など２隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船2,’14、4,’09

＜ふじ型＞：海上自衛隊砕氷艦で、海上保安庁砕氷船宗谷の代替艦として文部省予算で建造された。ノルウェーの砕氷艦用NV規則、アメリカ海軍砕氷艦AGB-4グレイシャーを参考に商船方式の構造で設計されている。船体は長船首楼型で、第２甲板以下の船体は二重構造となっており、水線部に20-45mmの高張力鋼を使用、速力２ノットの連続砕氷なら厚さ2.8m、チャージングなら厚さ6mの氷を叩き割ることができる。断面型はお椀形で、周囲から氷が迫ってきても船体が上に逃げるだけで潰されない。ビルジ・キールなどが無いため、船体動揺を抑える必要性から減揺タンクを搭載した。船体前部に４層、後部に２層の船倉があり、400トンの貨物を搭載可能で、積み降ろしのため艦橋前部にクレーン２基（８トンと10トン）とハッチ、格納庫後端に６トンクレーン２基を設置してある。艦首には長距離通信用ログペリ・アンテナ、ヘリ格納庫上には気象観測用レーウィン・ゾンデを収容した大型球形ドームを持つ。電子装備はマスト上のOPS-1対水上レーダー、OPS-4D航海レーダー、ORN-6タカンで、障害物探知用にAN/SQS-11A船底ソナーも装備する。観測関係室は上構内前部、第１甲板上後部などに用意され、観測員居住区や公室は動揺の少ない主船体中央部に位置している。艦橋構造物から煙突にかけての右舷に10m作業艇を搭載する。主機は４基のディーゼルエンジンが2420kWの直流発電機に１基ずつ繋がれており、発電された電気（電圧850ボルト・電流2850アンペア）が出力2250kWの主電動機４基に伝達され、主電動機２基ずつが推進軸１軸ずつを駆動する。主電動機は直流型で、低速でもトルクが大きく、プロペラが氷に接触した際に急停止しても対応できる。運転方式は推進軸当たりディーゼルエンジン、発電機、電動機を１基ずつ動かす減機２運転（1G-1M）、ディーゼルエンジンと発動機を１基ずつと電動機を２基動かす減機１運転（1G-2M）、ディーゼルエンジン、発電機、電動機を２基ずつ動かす全機運転（2G-2M）があり、1G-1Mは巡航時、1G-2Mは氷海巡航でアイストルク必要時、2G-2Mは全力運転砕氷時などに使用される。主機制御はワードレオナード方式。艦後部は広いヘリ甲板で、前方の格納庫にヘリ３機（S-61A、ベル47G-2A）を収容可能で、格納庫扉は幅15m、シャッターはステンレス製で風速60mの暴風にも耐えられ、２本の支柱により３分割されているが、シャッターを巻き上げて支柱を跳ね上げることにより、扉を全通させることができる。格納庫内部は暖房完備。ヘリ甲板は長さ38m、幅22mで、スリップ防止用塗料が塗られていて、S-61Aヘリ１機の発着艦が可能であり、1.5m間隔でヘリ繋止用アイプレートが設置されている。全長100m、幅22m、深さ11.8m、吃水8.1m、基準排水量5250トン、満載排水量8600トン、物資輸送能力500トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、三菱横浜MAN製V8V30/42ALディーゼル（3500馬力）４基・主直流発電機（2420kW）４基・主直流電動機（2250kW）４基、出力12000馬力、２軸推進、速力16ノット。乗員200名＋観測員35名。1965年にAGB-5001ふじが就役し、1984年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊、8,’11増刊、月刊丸1,’10別冊、丸スペシャルNo.78、No.77

＜富士学校＞：陸上自衛隊の職種学校で、富士駐屯地にある。所在地は静岡県小山町須走。普通科部、特科部、機甲科部における普通科、野戦特科、機甲科の下級・中級幹部候補生に対する教育訓練（曹士向けの教育は各職種部隊で行う）と、調査研究が主任務である。他に東富士演習場管理、装備品実用試験・技術性能試験（総合研究開発部が担当）などを行う。以前は装備開発実験隊も隷下に置いていたが、技本発足でそちらに移った。モットーは「明朗闊達和楽の間に進んで難局に当る」。普通科学校（久留米）、特科学校（習志野）、機甲教育隊（相馬原）を合併して1954年8月に開設された。1954年度に本部庁舎（３階建て・延べ床面積5748平方メートルで各教育部が入る18号庁舎と、３階建て・延べ床面積5259平方メートルで学校長など本部中枢が入る19号庁舎）を建設。1958年、機械化実験隊が発足。1970年、機械化実験隊が装備開発実験隊に改称された。2001年、装備開発実験隊が開発実験団に改編され、陸幕研究所直轄に転出した。2009年9月、地上６階地下１階・延べ床面積14800平方メートルの新本部庁舎が竣工した。2012年1月10日、機甲科部が実習場で10式戦車量産初号車に対する10式戦車入魂式を実施。学校長と機甲科部長が砲塔左右のマーキングを施した。2013年3月12日、陸幕長から２級賞状を授与された。2014年4月、バトラー２が配備された。8月27日、東ティモール能力構築支援事業派遣隊員壮行会を実施。11月12-13日、第９回富士調査研究会同を開催。企業120社から関係者1200人、自衛隊から技本・補統など14機関・部隊が参加し、防衛関連品展示や企業プレゼンテーションなどを行った。2015年1月6日、豪州における射撃訓練（AASAM15）に向けた集合訓練を実施。指導部18名、選手候補者53名により訓練部が編成され、編成完結式が行われた。1月6-10日、第16期幹部特修課程（FOC）学生34名への教育課目「普通科中隊等訓練検閲統裁法」で、富士学校の基本教育として初めてバトラー２を使用した。1月27日、北富士演習場で第94期幹部初級課程学生（BU）78名に攻撃総合訓練を実施。学生は増強普通科中隊１個を編成し、気温マイナス10度の中、敵戦車２両を撃破する同課程過去最高の戦果を挙げた。3月1-5日、普通科教導連隊の訓練検閲を支援した。6月25日、第64期普通科３尉候補者課程学生68名が富士浅間神社、須走護国神社、鎌倉往還の清掃奉仕を実施。12月7日、総務部が福利厚生の功績で陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。2016年6月10日、機甲科部長が田熊三等陸佐殉職の地で安全祈願行事を実施。学校長以下160名が参加し、1968年に戦車跨上指導をしていて学生の操縦する戦車が転覆、殉職した田熊三佐の慰霊碑前で献酒、事故現場で焼香を行った。2017年3月4日、音楽隊が静岡県小山町で定期演奏会を実施。10月12日、統合火力誘導シミュレーターを備えた統合火力教育訓練センターを開設した。10月23日、統合火力教育訓練センターで火力誘導班要員第１期生の教育を開始。11月28-29日に来日したロシア地上軍総司令官サリュコフ地上軍大将の視察を受けた。2018年1月27日、音楽隊が静岡市グランシップ静岡で第37回静岡音楽祭に参加。2018年3月27日、諸職種協同センターが新編された。センター長は副校長が兼任する。4月28-29日、ニコニコ超会議2018で12式地対艦誘導弾システム（発射機）を展示した。6月2日、静岡県小山町の富士スピードウェイで開催されたピレリスーパー耐久シリーズ第３戦のスタート前セレモニーで、音楽隊が国歌を吹奏した。2019年1月13日、MLRS１両（乗員は北部方面隊第129特科連隊所属）で第１空挺団平成31年降下訓練始めに参加。7月23日、ブラジル陸軍司令官ブジョウ大将が視察した。2020年6月16-19日、幹部初級課程全15職種計179名と３等陸尉候補者課程普通科・機甲科・特科計91名に対し、令和2年度第１回近迫射撃研修（Ｄゾーン射撃、近迫射撃、着弾地、陣地、装備品の各研修）を実施。8月21-28日、令和2年度幹部上級課程（前期）合同兵棋演習を行い、施設学校第91期幹部上級課程学生などが参加した。9月5-6日、富士スピードウェイで開催された富士スーパーテック24時間レースで募集広報を行い、16式機動戦闘車や96式装輪装甲車などを展示した。2021年8月11日から11月19日、第91期幹部レンジャー(A)課程を実施。2022年5月14-15日、第60回静岡ホビーショーで機甲科部が16式機動戦闘車と大型トラックを展示した。5月18日、演習場の環境保全に係る取り組みがSDGs優秀賞に選ばれ、防衛省で岸防衛相から表彰状を授与された。8月22日から11月25日、第92期幹部レンジャー（Ａ）課程教育を実施。2023年5月12-14日、静岡地本が第61回静岡ホビーショーで行った広報に協力し、16式機動戦闘車を展示した。7月24日、ドイツ陸軍総監マイス中将が森下陸幕長と共に学校を訪問した。9月26-28日、ドイツ陸軍大尉３名が研修を行った。11月9-20日、カマンダグ23に参加。2024年10月15-25日、カマンダグ24に参加。参考：自衛隊装備カタログ1981、陸海軍学校と教育、月刊スピアヘッドNo.5、月刊軍事研究1,’13、3,’12、3,’18、月刊JWings8,’12、4,’19、朝雲

　＜富士学校（２０１０年）＞：トップは富士学校長。隷下に学校本部（企画室、総務部、管理部、普通科部、特科部、機甲科部）、富士教導団、部隊訓練評価隊、評価支援隊がある。各部では幹部初級課程（BOC、Basic Officers Coarse。幹部候補生学校卒業の初級尉官に対して行う必修課程）、幹部上級課程（上級尉官に対して行う必修課程。修了すると幹部学校への入校試験受験資格が得られる）、幹部特修課程（幹部上級課程修了後数年の者を選抜入校させ、将来の高級指揮官・幕僚要員として教育を行う）といった教育が行われる。参考：月刊スピアヘッドNo.5、戦車隊長

　＜富士学校（２０１５年）＞：トップは富士学校長（陸将）。副校長、学校本部（企画室、総務部、管理部、普通科部、特科部、機甲科部）、富士教導団、部隊訓練評価隊からなる。企画室では業務計画の策定実施改善や普通科・特科・機甲科の相互協同に関する調査研究を行う。総務部は総務課、人事課、学生課、厚生課、会計課からなる。管理部は管理課、営繕課、輸送課、教材課、演習場管理課からなる。普通科部と機甲科部は教育課と研究課、特科部は教育課、研究課、訓練評価室（地対艦ミサイル部隊の訓練評価支援事務担当）からなる。参考：陸上自衛隊富士学校組織規則、富士学校ホームページ

＜富士学校機甲科部＞：富士学校の機甲科教育部門で、教育課（幹部教育担当）と研究課（訓練基準や教範の編纂、各種研究担当）がある。教育課は戦術班（戦術担当）、車両班（車両工学・電子工学、操縦知識、整備知識といった車両関連担当）、砲術班（射撃担当）、通信電子班（無線担当）、訓練班（機甲科車両を使用しての実地訓練担当）からなる。参考：戦車隊長

＜藤ヶ谷飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和19年、千葉県東葛飾郡鎌ケ谷村に開設された。戦後は下総航空基地になった。参考：首都防空網と空都多摩、月刊JWings11,’18

＜富士川丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第22航空戦隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜プシキノ・レーダー＞：ドン2Nを参照。

＜富士教導団＞：陸上自衛隊の教育支援部隊。全国の陸自部隊の指標となり、富士学校の教育訓練活動を支援する他、隷下の装備開発実験隊は装備品の実用試験を実施している。平時の教育訓練支援では富士学校学生（小隊長・中隊長役）の部隊・部下として指示通り正確に動き、有事の際には独立混成団となって出撃する。富士総合火力演習の主体も富士教導団である。1965年8月3日に新編された。2009年5月29日から6月3日、東富士演習場で統裁訓練・訓練検閲を実施。9月22-26日、東富士・北富士演習場で平成21年度第２次訓練検閲を実施。2011年1月17日、静岡県が主催する東海大地震対処図上演習の地震対策オペレーション2011に参加。早朝に第３種非常呼集をかけて訓練を開始し、沼津市の静岡県東部総合庁舎に急行して指揮所を開設、関係機関と協同で演練を行った。2012年4月11-13日と16-18日、富士教導団教育隊が防衛省�T・�U種採用事務官184名の初任研修を実施。4月20日、東海大地震への対処を目的とした機動展開・指揮所開設訓練を実施。新東名高速道（4月14日開通）を使用して車両部隊が移動し、沼津市に指揮所を開設した。2014年2月15-23日、関東甲信大雪災害の災害派遣に参加。9月27日から御嶽山噴火の災害派遣に参加。2018年5月10-21日、富士教導団教育隊が防衛省管理職候補者・係長級事務官計47人に部隊体験訓練を実施。6月2日、静岡県小山町の富士スピードウェイで開催されたピレリスーパー耐久シリーズ第３戦のイベント広場に16式機動戦闘車などを展示した。9月30日から10月12日、偵察教導隊がイギリス陸軍との実動訓練に参加。2019年3月25日、戦車教導隊・偵察教導隊廃止行事を実施。3月26日、機甲教導連隊が駒門駐屯地で新編された。5月8-10日、教育隊が防衛省若手職員（管理職候補者・本省係長級事務官等）45名に防衛省係員級選抜研修を実施。参考：MAMOR vol.71、vol.149、自衛隊装備カタログ1981、朝雲、月刊JWings4,’12、12,’14、6,’19、月刊PANZER9,’12、月刊軍事研究12,’18

　＜富士教導団（１９７７年）＞：隊員3190名。富士学校隷下で、本部／本部付隊、普通科教導連隊、特科教導隊、戦車教導隊、偵察教導隊、施設大隊からなる。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜富士教導団（２０１０年）＞：富士学校隷下で、富士教導団本部、教導団本部付隊（隷下に対舟艇対戦車隊、通信隊などを置く）、普通科教導連隊、特科教導隊、戦車教導隊、偵察教導隊、教育支援施設隊からなる。参考：月刊スピアヘッドNo.5

　＜富士教導団（２０１５年）＞：富士学校隷下で、富士教導団本部、教導団本部付隊、普通科教導連隊、特科教導隊、戦車教導隊、偵察教導隊、教育支援施設隊からなる。参考：富士学校ホームページ

＜ふじ君＞：山梨地方協力本部のマスコット。2021年5月15日、小瀬スポーツ公園陸上競技場で、かえでちゃんと共に広報活動を実施。6月26日、都留うぐいすホールで行われた中部航空音楽隊ふれあいコンサートで、かえでちゃんと共に広報を実施。参考：朝雲

＜藤沢海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。神奈川県藤沢市にある。兵器整備教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜藤沢飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和19年、神奈川県藤沢市に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜富士作戦＞：東京オリンピック支援（1964年）を参照。

＜富士山交流センター＞：自衛隊の広報施設で、愛称は樹空の森。防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づいて2008年度から着工され、2011年4月27日にオープンした。UH-1ヘリが展示されている。所在地は静岡県御殿場市印野1380-15。JR御殿場線御殿場駅からバスで20分。参考：朝雲

＜富士山丸＞：日本海軍特設運送船Fujisan maru。元は飯野商事大型タンカーで、昭和6年8月27日に竣工した。垂線間長149.35m、幅19.8m、深さ11.28m、満載吃水8.964m、総トン数9524トン、重量トン数13586トン。主機はMANディーゼル１基、出力9390馬力、１軸推進、航海速力15.5ノット、最大速力18.797ノット。太平洋戦争勃発で特設運送船（給油船）として日本海軍に徴用された。昭和19年2月18日、トラック大空襲を受け春島南東沖で沈没した。参考：月刊世界の艦船8,’14

＜富士山丸＞：日本の2TL型タンカー。昭和20年2月22日、ヒ九六船団としてシンガポールを出港。参考：月刊軍事研究12,’07

＜富士重工業株式会社＞：元は中島飛行機製作所で、太平洋戦争終結直後の1945年8月17日に富士産業株式会社に社名変更、11月のGHQによる財閥解体命令で1950年夏に解散し、企業再建整備法により12社に分かれていたのを、1953年7月に５社（富士工業、富士自動車工業、大宮富士工業、宇都宮車輌、東京富士産業）の資本出資で富士重工業を設立し、1955年に出資５社を富士重工業に吸収合併させるという形で再編され、本社を群馬県太田市に置いた。武蔵製作所は空襲で壊滅していたため、閉鎖後にアメリカ軍が接収し、更に民間に払い下げられている。スバル360を初めとする民間向け乗用車などに加え、ベル204DヘリやFA200エアロスバル軽飛行機を生産し、自衛隊向けにはT-34練習機、LM-1連絡機、KM-2練習機、L-19E連絡機、T-1A/Bジェット練習機、UH-1B汎用ヘリ、UH-1H汎用ヘリなどを作っている。2017年4月1日、株式会社SUBARUに社名変更した。参考：月刊JWings7,'16、5,’16、7,’05、月刊軍事研究12,’73、首都防空網と空都多摩、月刊航空ファン8,’16

＜富士総合火力演習＞：陸上自衛隊富士学校の教育演習として1961年から実施されている演習で、総火演と略す。当初は総合展示演習という名称で、1971年（1972年？）に総合火力演習に改称されている。期間は２週間くらいで、富士学校学生への展示を行う教育演習だったが、1966年から最終日が一般公開されるようになった。陸上自衛隊以上の実弾射撃訓練を行っている軍はいくらでもあるが、この規模の訓練を毎年公開しているのは陸自くらいである。1987年から一般公募を開始したが、当初は見学者が集まらず、そこら中でチケットを配りまくり、軍事雑誌の読者プレゼント用にも回される状況だったが、抽選倍率は年々高くなった。マスコミの取材も過熱気味で、予行でも朝の５時くらいに行かないと最前列を取れないらしい。在日武官団も招待されており、国外への抑止力も兼ねる。対抗演習ではなく展示演習なので、実弾を使って一方的に攻撃を展示する内容となっている。国内では永らく使用弾量（2014年は44トン）とその値段くらいしか話題にされなかったが、2010年頃から漸く内容に関しても報道されるようになった。実施場所は東富士演習場で、JR御殿場駅から有料シャトルバスが出る。御殿場駅はJR東海の駅なので、JR東日本管内の駅でSuica、JR西日本管内の駅でICOCAを利用して乗った場合にはエリアを跨って乗車することになり、そのまま降りることができず改札で精算しなければならないので注意。小雨なら決行されるが、傘は禁止なのでポンチョかレインコートが要る。現地での一般公開は2019年が最後で、2020年以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりインターネット中継のみとなり、2023年以降もインターネット公開のみとなった。観覧席から3000mのところに特科火砲が着弾する二段山と三段山、1000-1800mのところに戦車砲が着弾する2-6の台、800mのところに機関砲などが着弾するオレンジの台と紫の台、500-800mのところに機関銃などが着弾する青・赤・黒・黄の台がある。また、青の台の左に左の台、白の台の右に右の台があり、対戦車ミサイルが着弾する。1966年、航空自衛隊が参加。初の一般公開で2500人が来場した。1974年、防衛庁長官が初めて視察した。1979年は75式105mm戦車砲用粘着榴弾の腔内暴発事故の影響により1980年5月に延期され、この弾薬での事故は起きなかったが、榴弾砲のVT信管が異常電波を拾って飛翔中に炸裂してしまい、破片が見学に来ていた防衛医大事務官の頭に当たって軽傷を負った。1982年、学生教育用として夜間演習を開始。1987年、見学者が50000人を超えたため、公開演習を２日間に分けた。2010年、インターネットでのライブ配信を開始。2012年、海上自衛隊が初参加。2015年（第57回）は応募数149083通（はがき＋インターネット）で、倍率29倍。8月23日に公開演習が実施（8月18日と20日に学校予行、8月22日に教育演習を実施）されたが、8月18日の点検射の際に74式戦車の履帯が外れ、22日の教育演習では10式戦車が発射した10式APFSDSのサボーが地面で跳ね返ったのか観覧席に飛び込み、２名が軽傷を負った（かすり傷程度で、救護所で手当を受け見学を続行）。これにより当日は10式戦車が空包、90式戦車がJM12A1HEAT-MPで射撃を行っている。また、当日の状況終了後に退場しようとした10式戦車の履帯が外れてしまい、90式戦車回収車で牽引する羽目になった。規模は隊員2300名、戦車・装甲車80両、火砲60門、航空機20機で、8月23日に砲弾36トン（３億9000万円分）を使用した。2016年は8月28日が一般公開で、倍率28倍。規模は隊員2400名、戦車・装甲車80両、火砲60門、航空機20機、その他車両700両。2017年は8月27日が一般公開で、倍率29倍。隊員2400名、戦車・装甲車80両、火砲60門、航空機24機（第３対戦車ヘリコプター隊AH-64Dヘリ２機、第４対戦車ヘリコプター隊AH-1Sヘリ５機、教育支援飛行隊UH-1Jヘリ５機、第１ヘリコプター団第104飛行隊CH-47JAヘリ５機、教育支援飛行隊・西部方面ヘリコプター隊UH-60JAヘリ計４機、東北方面ヘリコプター隊・第５対戦車ヘリコプター隊・第10飛行隊OH-6Dヘリ１機ずつ計３機）、その他車両700両が参加した。空自第８航空団F-2A戦闘機２機（＋予備１機）もJDAM模擬投下展示で参加している。8月17日、参加予定だった第４対戦車ヘリコプター隊AH-1Sヘリが東富士演習場での夜間射撃訓練中に不時着した。2018年は8月19日が富士教導団総合予行、8月23日が学校予行、8月25日が教育演習、8月26日が一般公開で、一般公開の倍率は28倍、見学者24000人。規模は隊員2400名、戦闘車両80両、火砲60門、AH-1Sヘリ３機、OH-6Dヘリ２機、UH-60JAヘリ３機、CH-47JAヘリ３機、P-1哨戒機１機、F-2A戦闘機３機（うち予備１機）だった。2019年は8月18日が富士教導団総合予行、8月22日が学校予行、8月24日が教育演習、8月25日が一般公開で、一般公開は倍率27倍、見学者24000名、規模は隊員2400名、戦闘車両80両、火砲60門、航空機20機だった。夜間演習を除く使用弾重量と金額は、富士教導団総合予行が38トン４億円、学校予行が38トン２億9000万円、教育演習が38トン３億9000万円、一般公開が35トン５億5000万円だった。2020年は5月24日の一般公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により一般公開は行わず（24日の演習自体は実施）、5月23日の学生向け教育演習をインターネットでライブ配信した。規模は隊員1800名、戦車・装甲車30両、火砲40門で、航空部隊は参加せず、現地で見学したのは自衛隊学生1000名のみで、ライブ配信視聴数は17万人だった。夏の猛暑に鑑み、実施時期を来年以降も5月にするとしている。2021年は新型コロナウイルスの影響により5月22日に無観客で教育演習を行った。規模は隊員3100名、戦車・装甲車45両、火砲54門、AH-64D、AH-1S、CH-47JA、UH-60JA、スキャンイーグル中域用無人偵察機（初参加）、スカイレンジャーUAV、汎用軽機動車などだった。2022年（第64回）は新型コロナウイルスの影響により5月28日に無観客で行った。規模は人員3300名、戦車・装甲車36両、火砲53門、航空機12機で、新領域／領域横断作戦を念頭に、ネットワーク電子戦システムNEWSを利用した訓練展示も実施している。20式小銃、19式装輪自走155mm榴弾砲量産車（初実弾射撃も実施）、V-22輸送機（水陸機動連隊搭乗）、P-1哨戒機が初参加した。2023年は5月27日に一般公開無しのライブ配信のみで行われ、以降もこの方式になった。規模は人員2500名（演習部隊のみ）／3400名（統裁部含む）、戦車・装甲車68両、火砲71門、航空機25機で、学生や教官など4200名が見学している。UH-2多用途ヘリが初参加した。F-2A戦闘機はMk82汎用爆弾の訓練弾を三段山に投下している。74式戦車は最後の参加となった。2024年は5月26日に行われ、人員2100名、戦車・装甲車53両、火砲38門、航空機12機（UH-2多用途ヘリ、V-22輸送機、UAV含む）が参加した。募集対象者など3000人、各国武官、自衛隊学生5200名などが見学したが、一般公開もライブ配信も無く、編集後の映像が後日公開されている。参考：MAMOR vol.55、vol.71、自衛隊図鑑2002、日本の防衛戦力Part1、月刊軍事研究10,’12、10,'15、11,’17、11,’18、月刊JWings11,’14、11,’16、11,’19、3,’20、6,’20、8,'20、8,'21、8,'22、6,'23、8,'23、8,’24、戦車隊長、月刊航空ファン11,’15、11,’17、11,’18、11,’19、月刊世界の艦船11,’19、8,'21、8,'22、8,'23、8,’24、朝雲

＜藤田怡与蔵＞：ふじたいよぞう。日本海軍エース。大正6年、中国山東省生まれ。昭和13年9月、海軍兵学校を卒業し、昭和15年6月に飛行学生教程を終了、昭和16年9月に蒼龍飛行隊に配属された。12月8日、真珠湾攻撃に参加、P-36戦闘機１機を撃墜した。本土に帰投して大尉に昇進し、ダーウィン攻撃、インド洋攻撃に参加。昭和17年6月4日、ミッドウェイ海戦で３機を撃墜し、７機を共同撃墜した。内地に戻った後に飛鷹戦闘機隊分隊長となり、10月から12月までソロモンに展開。昭和18年4月からい号作戦に参加するためラバウルに展開。6月、築城航空隊に転属となった。11月、第301航空隊飛行隊長となった。昭和19年7月、戦闘402飛行隊長となり、第341航空隊に転属した。10月、台湾沖航空戦に参加。その後はフィリピンで戦闘を行い、昭和20年1月に本土に帰還。終戦時は福知山基地に配置されており、戦後は日本航空でパイロットを務めた。2006年12月1日に死去した。総撃墜機数11機。最終階級は少佐。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊丸2,’07、1,'15増刊

＜富士弾薬出張所＞：陸上自衛隊の弾薬出張所。関東補給処隷下で、富士駐屯地に置かれている。弾薬の補給保管整備を担当する。参考：霞ヶ浦駐屯地ホームページ

＜不時着＞：Forced landing。事故などで滑走路以外の場所にやむを得ず着陸すること。または予定地以外の飛行場にやむを得ず着陸すること。戦前は一度は不時着しないと一人前のパイロットとは言われなかったらしい。参考：飛行機のしくみ、月刊軍事研究4,’11、続日本海軍よもやま物語

＜不時着水＞：水面上や海面上にやむを得ず着水すること。水上機や飛行艇も、着水時に事故を起こしたり、予定着水域以外の所に着水したりすると、不時着水と呼ばれる。エンジン故障で不時着水するのはディッチングという。参考：続日本海軍よもやま物語、飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版

＜不時着糧食＞：航空糧食を参照。

＜富士駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。資料館には普・特・機の史料が展示されている。所在地は静岡県駿東郡小山町須走481-27（東富士演習場と北富士演習場の境目）。JR御殿場駅からバスで25分（「富士学校」下車）。2011年3月17日、厚生施設の和楽館に託児所が開設された。2017年5月30日、市町募集事務担当課長等連絡会議を実施。2018年2月5日、山梨地本が入隊予定者13名に部隊研修を実施。3月27日、情報学校が新編された。4月1日、情報学校新編行事を実施。2019年、情報教導隊が新編された。3月25日、戦車教導隊と偵察教導隊の廃止行事を実施。2022年7月1日、防衛省共済組合富士支部が地元カーディーラーと依託契約を締結し、陸自初のカーシェアリングを導入した。参考：JGround Vol.23、月刊軍事研究1,’13、MAMOR vol.91、朝雲、陸上自衛隊ホームページ、月刊JWings6,’19

　＜富士駐屯地（２０１５年）＞：富士学校、富士教導団本部、富士教導団本部付隊、戦車教導隊、特科教導隊、偵察教導隊、富士教育直接支援大隊、開発実験団本部、第128地区警務隊本部、関東補給処富士弾薬出張所、自衛隊富士病院が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜武士道ガーディアン１８＞：航空自衛隊とオーストラリア空軍との共同訓練Bushido Guardian 18。2018年9月5日に開始されたが、9月6日の胆振東部地震でオーストラリア空軍F/A-18戦闘機本隊到着前に中止になった。参考：月刊航空ファン12,’19

＜武士道ガーディアン１９＞：航空自衛隊とオーストラリア空軍との共同訓練Bushido Guardian 19。2019年9月24日から10月4日まで、千歳基地・三沢基地とその周辺空域で実施され、北部航空方面隊第201・第203飛行隊F-15J/DJ戦闘機10機、第３飛行隊F-2A/B戦闘機３機、オーストラリア空軍第81航空団第77飛行隊（訓練指揮官は第77飛行隊長ジェイソン・イーストホープ中佐）主力のF/A-18A/B戦闘機６機（７機の予定だったが１機がトラブルで引き返し、Ａ型・Ｂ型３機ずつになった）、第33飛行隊KC-30A空中給油輸送機１機、人員150名が参加し、要撃戦闘訓練、防空戦闘訓練、戦術攻撃訓練を行った。整備員や管制官の訓練交流、日豪交流ラグビー大会なども開かれている。物資・人員輸送のため、オーストラリア空軍第36飛行隊C-17A輸送機と第37飛行隊C-130J-30輸送機が千歳基地に飛来した。9月20日、F/A-18A/B戦闘機６機が千歳基地に到着。9月25日の開催記念式典VIP DAYには河野防衛大臣、丸茂空幕長、ハプフェルド豪空軍本部長、空自隊員80名、オーストラリア空軍40名が出席し、河野防衛大臣搭乗のU-4多用途支援機がF/A-18A/B戦闘機と編隊を組んだ（フレンドリーインターセプト）。交歓体験搭乗エクスチェンジライドでは丸茂空幕長がF/A-18B、ハプフェルド空軍本部長がF-15DJに搭乗している。9月30日から10月1日、KC-30Aが小牧基地に滞在し、第404飛行隊と部隊間交流を行った。参考：月刊JWings12,’19、11,’19、月刊航空ファン12,’19、朝雲

＜武士道ガーディアン２３＞：航空自衛隊とオーストラリア空軍との共同訓練Bushido Guardian 23。8月23日から9月15日、小松基地と周辺空域で行われ、第３航空団F-35A戦闘機６機、第６航空団F-15戦闘機10機、第７航空団F-2戦闘機４機、航空戦術教導団F-15戦闘機６機、第１輸送航空隊KC-767空中給油輸送機１機、中部航空警戒管制団が、オーストラリア空軍第81航空団F-35A戦闘機６機、第86航空団KC-30空中給油輸送機１機・C-130J輸送機１機、C-17輸送機１機と、各種戦術訓練や部隊間交流を行い、第301飛行隊とオーストラリア空軍第75飛行隊が姉妹飛行隊となった。国内で初めて日豪円滑化協定RAAを適用している。参考：朝雲、月刊JWings11,’23

＜富士登山駅伝競争＞：毎年８月上旬に行われている駅伝で、御殿場市陸上競技場と富士山頂を往復（全長46.76-47.93km、標高差3199-3258m）する。元は大正13年に開始された富士登山競争（マラソン形式）で、1976年に駅伝形式で復活した。区間は11だが、出走者は１チーム６人で、第1-5区で登ったランナーが第7-11区で同じコースを下ってくる（第６区は山頂折り返し）。自衛隊チームも参加するが、一般チームとの実力差がありすぎるので、現役自衛官を１名以上含むチームは自衛隊の部として2005年（第30回）から表彰を分けて行うようになった。2015年（第40回）は8月2日に行われ、滝ヶ原が１位、国分が２位、第１空挺団が３位だった。2019年（第44回）は8月4日に行われ、自衛隊30チームと一般102チームが参加、自衛隊の部で御殿場滝ヶ原自衛隊チームが優勝した。2020-21年（第45・第46回）は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。2022年（第47回）は8月7日に行われ、自衛隊の部で御殿場・滝ヶ原自衛隊チームが優勝した。2023年（第48回）は8月6日に行われ、自衛隊の部で御殿場・滝ヶ原自衛隊チームが７連覇を飾った。参考：MAMOR vol.58、vol.128、朝雲

＜藤波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦12番艦。昭和18年7月31日竣工。昭和18年11月5日、ラバウルで爆撃を受けて損傷した。昭和19年8月17日からヒ71船団の護衛に参加。10月22日、比島沖海戦に参加。10月27日、パナイ島の北で艦上機の攻撃を受けて沈没し、乗員（10月25日に救助した重巡鳥海乗員も含む）全員が戦死した。12月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、輸送船入門、月刊世界の艦船1,’20

＜富士燃料出張所＞：陸上自衛隊の燃料出張所。関東補給処隷下で、駒門駐屯地に置かれている。燃料の補給保管整備を担当する。参考：霞ヶ浦駐屯地ホームページ

＜富士飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜富士丸＞：MS-6（掃海艇）またはMS-67（掃海艇）を参照。

＜ふしみ＞：ASR-402（潜水艦救難艦）を参照。

＜伏見（初代）＞：日本海軍伏見型河用砲艦Fushimi（初代）。明治36年、イギリスで竣工。解体されて上海に向かったが、途中で日露戦争が勃発したため佐世保に避難し、戦争終結後に上海へ運んで明治39年10月1日に組み上げ、二等砲艦に類別した。明治40年4月、日本軍艦として初めて重慶に入った。第１次大戦時は中国の中立表明に伴い武装解除されて上海で抑留された。昭和6年6月1日、単なる砲艦に類別変更された。昭和10年3月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜伏見（２代目）＞：日本海軍伏見型河用砲艦Fushimi（２代目）。昭和14年7月15日竣工、砲艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第１遣支艦隊所属だった。昭和19年11月25日（26日？）、揚子江上流の安慶で爆撃を受けて擱座した。昭和20年9月、国府海軍に接収されて江凰（Chiangfeng）と改称された。昭和22年5月3日、日本の艦籍から除かれた。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、日本海軍艦隊総覧

＜伏見型（初代）＞：日本海軍河用砲艦Fushimi型。イギリスのヤーロー社で建造された。隅田型と同時に計画され、船体を一回り大きくして煙突を２本にしてある。垂線間長48.77m、最大幅7.47m、吃水0.69m、常備排水量180トン。主機は直立式２気筒２段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶はヤーロー式石炭専焼水管缶２基、出力900馬力、２軸推進、速力14ノット、石炭搭載量38トン。兵装は一号6cm単装砲２門、陸式単装機銃１丁、麻式6.5mm単装機銃４丁。乗員46名。伏見が明治36年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜伏見型（２代目）＞：日本海軍河用砲艦Fushimi型。隅田（初代）と伏見（初代）の後継で、臨時旗艦として使えるよう船体を大型にしたが、幅広船型を採用して吃水を抑えている。船体中央の吃水線付近舷側に厚さ5mmのデュコール鋼によるスプリンター防御を施した。砲艦として初めて専焼缶を採用、缶室は２つあるが、煙突は１本に纏めている。水線長48.50m、最大幅9.80m、吃水1.20m、基準排水量304トン、公試排水量350トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン２基、主缶はホ号艦本式重油専焼水管缶２基、出力2200馬力、２軸推進、速力17.0ノット、重油搭載量54トン、航続距離は14ノットで1400海里。兵装は五年式短８サンチ高角砲または40口径三年式８サンチ高角砲１門（前甲板）、九六式25mm単装機銃１丁（上構後部上面）、留式／九二式7.7mm単装機銃２丁（上構中央やや後方上面）。乗員61名。昭和14-15年に伏見（２代目）と隅田（２代目）が竣工した。後に艦尾を角形から波の立ちにくい丸型に変更している。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊、日本海軍艦隊総覧

＜ふしみ型＞：海上自衛隊潜水艦救難艦。横須賀に潜水艦基地を配備するにあたって建造したものだが、予算不足のため能力を削らざるを得なかったらしい。ちはや型がベースで、艦尾左舷に国産のレスキュー・チャンバーを持ち、デッキクレーンで揚収を行う。係留装置は４点式で、減揺タンクも装備しており、沈没した潜水艦の真上に停止できる。再圧タンクは川崎重工製のものが２基搭載されており、最大圧力14気圧、外室容積1.2立方メートル、内室容積10.4立方メートル、重量６トン。ソナーはAN/SQS-11を搭載。魚雷収容能力を持ち、潜水艦補給物資なども搭載できる。艦載艇は11メートル作業艇（FRP製）で、ボート・ダビットを有する。全長76m、全幅12.5m、深さ6.7m、吃水3.8m、基準排水量1430トン、満載排水量1900トン。主機は川崎MAN社製V6V22/30ATLディーゼル２基１軸3000馬力で、速力16ノット。乗員100名。ASR-402ふしみが1970年に就役し、2000年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’95、5,’02増刊、3,’10、自衛隊装備カタログ1981

＜伏見宮博恭王＞：皇族で、貞親親王第１王子である。明治22年1月、海軍兵学校16期入学。同年から明治28年、ドイツに留学し、キール海軍兵学校にも入校している。日露戦争では戦艦三笠後部砲台指揮官を務め、明治37年8月10日に砲塔が被弾した際、階段に胸を打ち付けて右肋骨負傷の戦傷を負った。日露戦争後は高千穂艦長、旭艦長、伊吹艦長、海軍大学校校長、第２戦隊司令などを歴任し、大正8年12月1日から大正9年12月1日まで第２艦隊司令長官を務めた。昭和7年2月、海軍軍令部長に就任。軍令部条例と省部事務互渉規定を改正して軍令部の権限を強化し、軍令部総長となった。日独伊三国同盟も強力に推進している。昭和16年4月、軍令部総長を退いた。昭和21年8月16日、71歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜伏見丸＞：船舶運営会輸送船Fushimi maru。大元は明治35年10月に竣工したオーストラリアのメルボルン汽船所属ホバートで、大正12年に日本人が購入して改称した。全長96.62m、幅13.44m、深さ6.845m、満載吃水5.796m、総トン数2542トン、重量トン数3960トン。主機は三連成レシプロ１基１軸1100馬力、航海速力8.5ノット、最大速力9.5ノット。太平洋戦争では船舶運営会が運用した。昭和19年8月、東洋海運に移籍した。10月14日、門司からマニラに向かう途中、ルソン島ポリナオ岬南南西20kmでSS-223ボーンフィッシュの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’18

＜ブシャール＞：51（哨戒艦）を参照。

＜浮舟型掃海具＞：海上自衛隊の磁気掃海具で、元は第２次大戦中にドイツで開発されたHohlstabFernraumGerat（HFG）である。フロートにコイルを巻いて木材で覆い、安定曳航用のフィンを取り付けたもので、掃海艇の発電機から電力を供給して磁力を発生させる。全長は12mから24mまでいろいろな種類があり、24mのものでは水深20mに敷設された感度５ミリガウスの磁気機雷を幅200mにわたり掃海できる。1952-54年にHFG-17など複数を購入して使用したが、図体が大きくて小型掃海艇では運用できず、制式化はされなかった。参考：丸スペシャルNo.76

＜浮舟本体（ＭＫ−４Ａ）＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜浮舟本体（ＭＫ−１２Ｂ）＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜浮舟本体（ＰＫ−２Ａ）＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究6,’13

＜浮舟本体二人用＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜浮舟本体二〇人用＞：自衛隊の舟艇。藤倉ゴム工業製。参考：月刊軍事研究12,’11

＜撫順＞：591（コルベット）を参照。

＜撫順級＞：中国海軍6610型掃海艇のNATOコード、フーシュン（Fushun）級。ソ連海軍T-43型掃海艇がベースで、掃海艇としては強力な兵装を備え、機雷敷設任務や哨戒任務もこなせるらしい。タミル�Uハルソナー、MPT-1パラベーン、MPT-3係維掃海具、音響掃海具、磁気掃海具を装備する。全長60m、全幅8.8m、吃水2.3m、満載排水量590-599トン。主機はディーゼル、出力2000馬力、２軸推進、速力14ノット。兵装は37mm連装機関砲1-2基、25mm連装機関砲２基、14.5mm連装機銃２基、爆雷投射機２基、爆雷20個、機雷12-16個。乗員70名。1956年から1980年代後半に艦番号831、832、833当塗、834建徳など40隻くらいが建造された。2015年現在、15隻が現役、22隻が予備役である。2019年現在、３隻が現役。2020-23年現在、１隻が現役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,'22、4,'21、2,’20、5,’15、6,’14、9,’11、2,’19、3,’18、5,’23

＜部署＞：自衛艦乗員が行動中の各事態に応じて行う任務を定めたもので、用語は日本海軍時代から使用しているものを引き継いでいる。護衛艦部署標準に定められていて、護衛艦以外の艦船にも適応されるが、当然ながら艦の規模や定員などにより配員が違ってくるので、各艦個別に制定される。戦闘部署、緊急部署、作業部署の３つがあり、原直員のみで済むもの、増員されるもの、総員配置になるものがある。艦長含む乗員の固有番号別にどの部署で何をするかが細かく決められており、総員配置表が艦内に掲示され、個人には固有番号による配置票が配布されて部署ごとの役割が明示される。参考：月刊世界の艦船9,’17、8,’11増刊、9,’12増刊、日本の防衛戦力Part3

＜武昌＞：FF1207（フリゲート）を参照。

＜浮上＞：潜水艦が潜航状態から水上に浮き上がり、浮上状態に移ること。ソナーで全周精密走査を行い、周辺に障害物や船舶が無いことを確かめ、潜望鏡深度まで上がって周囲海面や空中に脅威が無いか再度確認した後に実施する。メインバラストタンクにある海水を艦内の高圧空気で押し出して（ブロー）、必要な浮力を得る。前部トリムタンクもブローして艦首を上げ、潜舵と横舵を上げ舵にとって上昇姿勢を保つ。横舵だけ下げ舵にすると、艦首の上げ角が増すので浮上速度が上がる。海面に近くなったら後部トリムタンクもブローし、潜舵と横舵を元に戻し、水平に浮上する。空気が取り入れられるようになったらエンジンをディーゼルに切り替える。ソナーによる全周捜索から浮上完了までには15分以上の時間がかかる。気象や海流などの関係でメインバラストタンクをブローしきる前に艦が海面に浮き上がってしまうことがあり、この場合は十分な浮力が無い状態なので、波に揉まれて揺れたり再潜入してしまったりと非常に危険な状態になる。ブローの際には高圧気蓄器内の高圧空気を大量に消費し、高圧圧縮機による補充には長時間を要するので、短時間に何度も浮上と潜航を繰り返すことは物理的に不可能で、時間が掛かるのを忍びつつ高圧空気の代わりにディーゼル排気を送り込むといった工夫が必要だが、第２次大戦後は水中行動が基本となり浮上する機会が減ったので、あまり問題は無いと思われる。参考：潜水艦気質よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語、Ｕボート入門、月刊世界の艦船8,’11増刊、5,'22、月刊丸6,’01

　＜浮上（日本海軍）＞：水中聴音機で周囲に音源が無いか探り、浮上するの号令で潜望鏡深度まで上昇する。海上に敵がいないのを確認した後、メインタンクブローの号令でメインタンクに圧縮空気を注入し、内部の水を外に排出、浮力を得て浮上する。完全浮上の状態になったらハッチ開けの号令で信号長が艦橋のハッチを開けて見張り員と共に配置に付き、望遠鏡の防水蓋を外して全周を捜索、敵がいないのを確かめる。また、主機のディーゼルを作動させて水上航行を開始する。ディーゼルを作動させるまでは目立つ水上で殆ど身動きが取れない状態なので、浮上前の潜望鏡による周囲確認が非常に重要。参考：潜水艦気質よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語

＜浮上状態＞：潜水艦が水上航行に適した状態をとっていること。各種水上作業も行うことができる。潜望鏡や通信マストなど装備品の一部、セイルや縦舵の上半分くらいが海面上に顔を出していても、潜水艦自体は水上航行に適した状態ではないので、浮上状態とは言わない。参考：月刊世界の艦船10,’16

＜浮上掃海電線２型改１＞：自衛隊の掃海電線。フジクラ製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜不承認主義＞：スチムソン主義を参照。

＜プジョー軽野戦車＞：ギリシャ軍の４輪車両。車体後部にミラン対戦車ミサイルを搭載したものもある。参考：月刊PANZER2,’04

＜プジョー戦車＞：フランスのプジョーが1918年に開発した戦車。ルノーFT17に似た車体の前部にエンジンを収容、中央に固定式戦闘室を設け、前面ボールマウントに75mm砲、後面銃架に機銃１丁を装備している。参考：月刊PANZER10,’85

＜ブジョンノフスク市市民病院占拠事件＞：1995年5月14日、チェチェン人武装集団100名がロシア南西部のプジョンノフスク市に大型トラック２台で突入して市庁舎や電話局を襲撃、治安部隊と交戦し、武装集団６名、治安部隊25名、市民17名が死亡した。その後、武装集団は市民病院を占拠し、800名を人質に取って立て籠もった。これに対し、ロシアの治安部隊であるアルファが出動。BMP-1装甲車やBTR-70装甲車で乗り付け、自動小銃から機関銃、RPG18対戦車ロケットまで持ち込んで包囲した。5月17日早朝、病院に向け射撃を行い、合間を縫って60人を救出。1400から強行突入し、人質90人を解放したが、完全には制圧できず、人質に死傷者が出た。その後チェルノムイジン首相とチェチェン人ゲリラのバサエフ司令官が交渉し、5月18日に500名、5月19日に764人を解放。5月21日、武装集団はロシア議員など139人の人質と共に大型バス７台でチェチェンに撤退した。参考：月刊軍事研究8,’95、7,’97

＜藤原機関＞：日本軍の秘密機関で、バンコクを拠点にマレー及びインド、シンガポール、スマトラでの反英工作を担当した。昭和16年9月18日に創設され、藤原岩一少佐、将校３名、下士官１名、通訳１名が配置された。太平洋戦争開戦時には下士官８名（うち６名が中野学校出身）がおり、マレー半島電撃戦に際してはイギリスに連行されたケダ州のサルタン（王）であるトンク・アブドラ氏の捜索を行い、次男のラーマン王子らと共に救出、反英闘争を呼びかけさせた。後にラーマン王子は民族運動を指揮してマレー独立を勝ち取り、初代首相となったが、後に「英印軍のただ中を丸腰で救出に来た日本の青年士官の勇気を困難の度に思い出し、マレーの独立を勝ち取った」と述べている。インド工作ではインド独立同盟と共同し、Ｆ機関（Ｆはフリーダム、フレンドシップ、フジワラのＦ）という名称でインド国民軍を創設、シンガポール陥落で得た捕虜を加えて45000名もの兵力に育て上げた。昭和17年8月にインド独立の志士であるチャンドラ・ボースを亡命先のドイツから招聘し、インド国民軍司令官としている。その後インド国民軍は光機関の隷下に置かれた。参考：太平洋戦争情報戦、歴史群像8,’02、8,’17

＜婦人自衛官＞：保安隊が1952年11月に57名の看護婦を採用して保安官に任命したのが始まりで、自衛隊発足後も陸上自衛隊のみ1958年から衛生学校で看護婦人自衛官を採用（1959年から自衛隊中央病院高等看護学院）していたが、1963年に福田防衛庁長官が一般婦人自衛官制度を提案し、看護婦から一般自衛官に転任した４名がアメリカ陸軍婦人部隊（Women’s Army Corps）に留学、1968年に陸上自衛隊で武官としての婦人自衛官制度が始められ、3月に第一期幹部候補生11名（大卒）、9月に第一期陸曹候補生24名（短大卒）が採用され、12月に朝霞駐屯地に婦人自衛官教育隊が創設された。1969年1月には第一期陸士55名が入隊している。当初の任務は文書、有線通信、無線通信、会計の４種で、教育終了後は方面総監部の部課室や会計部隊に配属された。海上・航空自衛隊では1974年5月に誕生し、陸自から３名ずつ婦人自衛官が移籍した。海自は横須賀教育隊第二部、空自は航空教育隊第２教育群婦人自衛官教育隊／婦人自衛官教育大隊／女性自衛官教育大隊／航空教育隊第１教育群が婦人自衛官の教育を担当する。1976年度、空自一般幹部候補生に女性が初入隊。1978年度、医官・歯科医官で婦人自衛官の採用を開始。1982年からは総務的な業務に加え、普通科、特科、機甲科以外の部隊での会計、通信、補給、施設など後方任務も行うようになった。1986年4月、男女雇用機会均等法施行に伴い、採用数が500名から1000名に倍増となり、業務も陸自航空管制・機体整備、海自乗艦・航空機操縦・機上整備・機上通信・操縦、空自要撃管制・ナイキ部隊などが加えられて自衛隊全体での勤務可能職域が39%から75%になった。横須賀と呉の支援船に女性が配置された。1990年、海上自衛隊初（日本海軍を通じても初）の艦艇勤務女性士官（訓練支援艦くろべ通信士、三尉）が誕生した。1992年、防衛大学校が女子学生の受け入れを開始。第40期が女子第１期で、対番は特別に３年生が付いた。1993年6月、基本的に全ての職種／職域を婦人自衛官に開放。1994年3月23日、海自第46期航空学生に婦人自衛官が入隊。3月24日、空自第50期航空学生に婦人自衛官が入隊。4月（1月？）、海自初（自衛隊初でもある）の女性パイロット（第41期幹部航空基礎課程修了、P-3C副操縦士）が誕生した。1997年、空自初の女性パイロットが誕生した。1998年、陸自初の女性パイロットが誕生した。1999年、初の陸曹航空操縦学生出身女性パイロットが誕生。（当初はV-107を操縦、１年後にCH-47J乗りとなった）。2001年3月27日、自衛隊中央病院リハビリテーション科部長の婦人自衛官が海将補に昇任し、自衛隊初の女性将官が誕生した。2002年から開始された東ティモールPKOで、個人として初めて婦人自衛官が派遣された。2003年、女性自衛官に名称変更された。教育部隊は女性自衛官教育隊に改称されている。参考：日本の戦力、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1、Part3、Part8、MAMOR vol.140、vol.100、vol.111、vol.57、vol.60、vol.84、vol.93、vol.109、vol.128、vol.143、vol.158、月刊世界の艦船1,’79増刊、6,’01、1,’10、8,’14、5,’16、5,’18、月刊丸3,’14、6,’14、12,’90、月刊JWings10,’09、6,’10、10,’10、3,’13、6,’13、9,’13、4,’16、6,’16、7,’17、11,’18、6,’19、月刊航空ファン4,’10、2,'16、6,’16、11,’18、朝雲、スピアヘッドNo.14、教育航空集団司令部ホームページ

＜婦人自衛官教育隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の婦人自衛官教育部隊で、新隊員（女子）課程（３ヶ月間）の教育訓練を担当する。教育修了後は術科学校での術科教育を受ける。1975年10月、入間基地で第２航空教育隊隷下に創設された。1990年3月、婦人自衛官教育大隊に改編されて第１教育群の隷下に入り、防府南基地に移った。参考：防府南基地ホームページ、日本の防衛戦力Part8

＜婦人自衛官教育隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の婦人自衛官教育部隊で、朝霞駐屯地に置かれている。新隊員課程前期教育（９週間。修了後は各科に分かれての後期教育のため全国各地に散らばる）や陸曹候補生課程教育を行う。新隊員は12-13名の班に分けられ、３個班で１個区隊を編成する。班長は陸曹（助教）、区隊長は2-3等陸尉。1968年4月、陸自輸送学校隷下に婦人自衛官学生隊という名称で創設され、12月に婦人自衛官教育隊に改称されて第１教育団の隷下になった。教官はアメリカ陸軍婦人部隊（Women’s Army Corps）に留学した４名、学生は第一期公募婦人幹部11名である。1979年、「強く・明るく・麗しく」のモットーを制定。2003年4月、女性自衛官教育隊に改称された。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、スピアヘッドNo.13、MAMOR vol.60、日本の防衛戦力Part8

＜婦人自衛官教育大隊＞：航空自衛隊の婦人自衛官教育部隊。1990年3月、婦人自衛官教育隊から改編されて第１教育群隷下に防府南基地で新編された。2003年4月、女性自衛官教育大隊に名称変更された。参考：防府南基地ホームページ

＜不審船撃沈＞：2001年12月18日、アメリカ軍から偵察衛星で捉えた北朝鮮偽装工作船の情報が防衛庁に入り、喜界島の電波傍受施設で朝鮮労働党のものと思われる暗号電波をキャッチした。しかし何故か首相官邸には報告されなかった。アメリカ軍嘉手納基地所属のEP-3Eが捜索を開始。12月19日、海上自衛隊P-3Cによる捜索が開始された。12月21日1632、奄美大島北北西約150kmで不審船らしき船影を発見。この時漸く官邸に情報が入ったが、海上保安庁には伝えられなかった。しかも現場にはアメリカ軍からの情報が届いておらず、防衛庁に船の写真を送信するのに３時間もかかった。その後も情報のやりとりに手間取り、12月22日0030頃に漸く1999年の不審船と似たタイプであると判断された。0110、防衛庁より海上保安庁に奄美大島沖の不審船の情報が入った。0200、海上保安庁は巡視船・航空機に出動を命じた。0400、囮である可能性を考え、一部の巡視船は日本海で不審船の警戒にあたるよう命令が変更された。0620、中型警備救難機MA861（サーブ340B。胴体下面に水上捜索レーダーと自動追尾式赤外線カメラを搭載）が奄美大島北西約240kmで不審船を発見。1248、巡視船いなさが不審船を発見。この時、日中中間線まで40kmであった。1312、漁船法に基づき停戦命令を出すも不審船は逃走、1400過ぎには体当たりまでしてきた。しかし当日は北西の風風速20m・波高4mとうねりが高く、逃走時の速力は15ノットしか出ていなかった。1415、海上保安庁長官が射撃もやむなしと判断。1500頃、不審船は日中中間線を越えようと西進。1536、いなさが20mm機関砲で上空に威嚇射撃。その後不審船は中国旗を振ったが停止せず、いなさは45分間に５回の威嚇射撃を実施、1613から船体への威嚇射撃に移り、1616に船体尾部に機関砲を命中させた（これは正当防衛射撃でないので、海上保安庁法の規定上、本来領海内でないと行えない）。この頃巡視船きりしま、あまみ、みずきが現場に到着して追跡を開始。みずきも船体と船尾に威嚇射撃を行った。1658、赤外線カメラでエンジンが船体前部にあることを確認し、巡視船みずきが威嚇射撃の後船体に射撃。1724、不審船に火災発生。1800ごろ、不審船は鎮火し、逃走を再開。1852、きりしまが不審船左舷に接舷。乗り込もうとしたが、乗員は鉄パイプを振り回し抵抗したため、応援の巡視船の到着を待った。2122、機関を復旧した不審船が再び逃走を開始。2135、みずきが再度機関砲を発射して停船させるも2142にまた逃走。2200、きりしまが左舷に、あまみが右舷に接舷し、船体にロープを取り付けようとしたところで不審船から自動小銃と機関銃による射撃を受け、両艦は全速で離脱、あまみの乗員３名が負傷した。工作船乗員は14mm連装機銃も引き出して射撃しようとしたが、すぐにジャミングを起こして使用不能になってしまった。2209、不審船からRPGロケットがいなさ・あまみに向け発射されたが、命中しなかった。いなさが不審船のブリッジに向けて機関砲を連射し、2211頃、不審船は自爆と思われる爆発を起こし、2213に沈没した。乗員のうち何人かが漂流したが、自爆する可能性があるので救助できず、その後海中に沈んでいる。翌日に乗員２名の遺体が発見されたが、他の乗員は発見されなかった。事件発生当初は威嚇射撃と船体射撃に対してやりすぎという批判も出されたが、銃弾を撃ち込まれロケット弾まで発射される映像を公開して黙らせている。2002年9月14日、不審船と搭載物の引き上げが完了、10月4日に不審船は北朝鮮の工作船と断定された。不審船及び搭載物は横浜の海上保安資料館横浜館、銃撃を受けたあまみの船橋は呉市海上大学校内の海上保安資料館に展示されている。この事件をきっかけに海上保安庁法第20条が改正され、船体射撃により乗員に危害を加えても海上保安官が違法性に問われないようになった。また、不審船が保有する強力な武装に対抗できる射撃指揮装置付40mm機関砲装備高速巡視船を建造し、不審船対応ユニットとして運用した。参考：月刊軍事研究3,’02、月刊JWings1,’03、月刊世界の艦船3,’05、5,’16、2,'22、JShips VOL.70

＜プスコフ＞：K-336（潜水艦）を参照。

＜フズル・レイス＞：S331（214TN型潜水艦）またはS342（タング級潜水艦）を参照。

＜フズル・レイス級＞：タング級潜水艦（トルコ海軍）を参照。

＜不正アクセス分析・検出装置＞：自衛隊の機器。新日鉄住金ソリューションズ製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜不正規戦＞：

　＜不正規戦（ＮＡＴＯ用語２０００年）＞：幅広い範囲にわたる軍事行動及び準軍事行動が伴う戦争様相を指す。通常、外部の手段により組織されて訓練、装備、支援及び指令を受ける国内またはその支持武装勢力が長期間にわたり実行する。不正規戦にはゲリラ戦、直接攻撃、隠密行動、非公然活動、秘密活動、体制の転覆、破壊活動、情報活動、脱出及び逃避が含まれる。参考：月刊軍事研究4,’03

＜フセイン大統領＞：サダム・フセイン・アル・タクリティ。1937年、イラクのティクリット生まれ。1941年のラシード・アリの反乱に叔父が参加して軍籍を剥奪され、これが元で反英感情が生まれたという。1956年、バース党に入党。1959年10月、首相暗殺に失敗して脚に負傷、イラクを脱出。シリア経由でカイロに向かい、1962年2月まで留まった。帰国後、1966年にバース党秘密警察を設立。1969年11月、革命評議会副議長に就任。1979年7月、大統領、革命評議会議長、首相、バース党書記長、陸海空軍統帥者となった。側近は血縁者で固め、ナンバー・ツーは逐次粛正した。2003年12月13日、赤い夜明け作戦で米軍に捕らえられ、イラク政府に引き渡された。住民虐殺の罪でイラクの裁判にかけられて死刑が確定し、2006年12月30日、絞首刑が執行された。参考：軍事分析湾岸戦争

＜敷設艦＞：Mine Layer。機雷を敷設する艦のこと。日本海軍では急設網艦を含むが、米英仏などは別の独立した艦種となっている。参考：小艦艇入門

　＜敷設艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。水中聴音監視装置の敷設を主任務とし、これに必要な海洋調査機器や航法装置も備えている。警備隊時代に補給工作船の名称で建造計画が立てられ、1954年7月1日の海自創設で敷設艦に改称され、自衛艦の種別として制定された。1955年、つがる型１隻が就役。1956年8月、ARCの艦種記号が付与され、1957年9月1日に公式制定された。この時点では同型艦１隻のみの場合は艦番号を付けない規則だったため、艦番号は付与されていない。1960年10月1日、区分・自衛艦−大分類・警備艦−中分類・機雷艦艇の下の種別となり、481以降の艦番号が付いた。1970年頃、MMCの艦種記号が追加された。艦番号は951以降である。1977年1月12日、区分・自衛艦−大分類・特務艦−中分類・特務艦艇の下の種別となった。MMCは機雷敷設艦の艦種記号に変更され、艦種記号はARCのみとなっている。1979年7月1日、区分・自衛艦−大分類・補助艦−中分類・補助艦艇の下の種別となった。1980年、むろと型１隻が就役。2013年3月、むろと型（２代目）１隻が就役。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’18、8,'11増刊、海上自衛隊全艦艇史

　＜敷設艦（日本海軍）＞：排水量1000トン以上のものを指す。艦内に機雷庫があり、機雷敷設軌条は後部甲板上と機雷庫内に敷かれていて、機雷庫内敷設軌条からの敷設は艦尾に左右１個ずつ以上開口した機雷投下口から行った。艦尾は後方に張り出しており、機雷敷設時にスクリューや舵を傷つけないようになっている。敵勢力圏内で強行敷設を行う際の自衛用に、12-14cm砲を積んでいた。明治42年に巡洋艦浪速と高千穂が機雷敷設任務艦に改造されたが、この時はまだ敷設艦という艦種が無く、大正9年4月1日の艦船令改訂で軍艦の１つとして類別が制定された。編入されたのは日露戦争での鹵獲巡洋艦を改造した阿蘇と津軽、大正6年度計画で新造した勝力丸である。大正11年、常磐が類別変更された。昭和2年度計画で5000トン型２隻（＋5000トン型急設網艦１隻）、1200トン型12隻を軍令部で要求したが、予算が通らず、八重山１隻のみの建造となった。昭和3年、軍備制限研究委員会が5000トン型敷設艦２隻を建造するよう報告。昭和4年、厳島と白鷹が竣工し、常磐が編入された。昭和4年3月23日、急設網艦の艦種を吸収した。昭和5年に締結したロンドン条約の中で、基準排水量5000トン・速力20ノット以内の敷設艦２隻の建造が認められたため、昭和6年度計画で２隻を要求、１隻が通って沖島が建造されることになった。昭和7年、八重山が竣工。昭和9年度計画で5000トン型敷設艦１隻、2000トン型敷設艦１隻、2000トン型急設網艦（計画番号H-8）１隻を要求したが、予算が通らなかった。昭和11年、沖島が竣工。同年に巡洋艦球磨または多摩を機雷300個搭載の敷設艦に改造する計画が出たが、ロンドン条約破棄で没になっている。昭和12年度計画で11600トン型敷設艦１隻（日進。途中で水上機母艦に艦種変更）、5000トン型敷設艦１隻（津軽）、2000トン型急設網艦２隻（初鷹、蒼鷹）が認められた。昭和14年度計画で若鷹が建造され、勝力、常磐、厳島、八重山、沖島、津軽（昭和14年竣工）、初鷹（昭和14年竣工）、蒼鷹（昭和15年竣工）、若鷹（昭和16年竣工）の９隻で太平洋戦争を迎えたが、主任務としていた敵制空・制海権下での強行敷設は実施に無理があり、機雷庫を倉庫に転用しての輸送や船団護衛に投入され、全艦喪失した。通常の機雷敷設任務は特務艦艇や特設艦船が行っている。改マル五計画で予定していた朝鳥型は建造中止になったが、太平洋戦争末期に本土周辺への機雷敷設が必要となったため、箕面型２隻の建造に入り、１隻が竣工したところで終戦となった。参考：日本海軍特務艦船史、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜敷設船＞：海上自衛隊第２種支援船YAL。水中機器（機雷、海底ケーブル、沈定式水中聴音機など）の実験などに従事するため、試供品の敷設・揚収装置を持つ。雑務にも使用される。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜敷設船１号型＞：海上自衛隊敷設船。船体は鋼製で、後部に５トンクレーン、大出力ウインチ、水中電線巻き上げ用シーブ、機雷投下軌条を持つ。必要時には照明や無線などを作動させたまま船内を無音化できる。全長37m、全幅8m、深さ3.6m、吃水1.9m、基準排水量240トン。主機はディーゼル（800馬力）、可変ピッチプロペラ２軸推進、速力12ノット。乗員16名、実験要員10名。１隻（YAL-01）が建造され、装備実験隊に配備されて装備品の海上試験を行っている。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊

＜敷設船２号型＞：海上自衛隊敷設船。元はアメリカ海軍LCT-6型で、1955年3月に輸送艇LCU1602-1607として自衛隊に供与されたもののうち、状態の良い３隻（LCU-2001、LCU-2004、LCU-2006）を1974年に船種変更したものである。車両甲板に機雷を搭載し、前部ランプから海面に敷設できるが、主任務は輸送のようだ。全長32m、幅11.6m、深さ1.m、吃水1.2m、基準排水量187トン。主機はディーゼル（670馬力）、３軸推進、速力９ノット。YAL-02、YAL-03、YAL-04の３隻が就役した。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船1,’79増刊

＜敷設艇＞：Light Mine Layer。参考：月刊モデルアート9,’15増刊

＜敷設艇（海上自衛隊）＞：1954年12月1日、自衛艦の種別として定められた。えりも型が唯一の敷設艇である。1956年8月、AMCの艦種記号が定められ、1957年9月1日に公式制定された。1960年10月1日、区分・自衛艦−大分類・警備艦−中分類・機雷艦艇の下の種別となり、491以降の艦番号が付けられた。えりも型退役に伴い、1977年1月12日に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’13

＜敷設艇（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。小型の敷設艦で、排水量1000トン未満のものを指す。任務は港湾周辺や海峡における機雷、防潜網、捕獲網の敷設で、一四式防潜網、一四式捕獲網、九六式防潜網を12組または五号機雷80-120個を搭載する。機雷の移動に支障が生じないよう船体にシーアは付けず、敷設作業用として艦首に小型デリックが用意されている。前線で敷設中に付近を警戒中の敵駆逐艦と鉢合わせても対抗できるよう、12cm砲を装備した。明治時代には雑役船に含まれていたが、大正9年4月の艦船令改訂で特務艇の１つになった。ワシントン条約やロンドン条約で制限対象にならなかったため、根拠地防衛用として建造を続けている。昭和4年3月に制定された艦艇特務艦艇類別標準では大分類の特務艇に類別されていて、排水量別に一等、二等、三等に分かれていた。昭和6年5月、等級が廃止された。昭和19年2月、特務艇の下から外れ、独立艦種（艦艇の下の種別）となった。燕型（昭和4年２隻竣工）、夏島型（昭和8-9年３隻竣工）、測天型（昭和13-19年15隻竣工）、神島型（昭和20年１隻竣工）が建造された。参考：月刊モデルアート9,’15増刊、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊世界の艦船9,’13増刊、11,’13、月刊丸3,’14

＜敷設特務艇（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。特務艇の下の類別として艦種が制定された。大正9年4月、戸島型が雑役船から類別変更された。昭和17年、敷設特務艇第１号型４隻が竣工し、敷設特務艇第101号が艦籍に編入された。参考：月刊モデルアート9,'15増刊、月刊丸3,’14

＜敷設特務艇第１号＞：日本海軍敷設特務艇第１号型、第１号敷設特務艇。昭和17年2月28日就役。昭和20年3月27日、メダン沖で触雷して沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門

＜敷設特務艇第１号型＞：日本海軍敷設特務艇。船体は木造の漁船型である。戸島型の代替として建造されたが、排水量は半分弱で、能力も数も不足していた。全長35.1m、水線長30.30m、最大幅6.16m（6.5m？）、吃水2.4m、基準排水量215トン、公試排水量288トン。主機はディーゼルで、出力400馬力、速力9.5ノット。兵装は８サンチ高射砲１門（船首楼甲板）、13mm連装機銃１基（後部上構上）で、機雷400個（爆雷40個？爆雷16個？）を搭載する。13mm機銃は後に25mm機銃に換装されたという説もある。昭和17年に４隻が竣工した。参考：小艦艇入門、写真集日本の小艦艇、月刊モデルアート9,’15増刊

＜敷設特務艇第２号＞：日本海軍敷設特務艇第１号型、第２号敷設特務艇。昭和17年4月10日就役。昭和17年12月31日、スラバヤ北水道で触雷して沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜敷設特務艇第３号＞：日本海軍敷設特務艇第１号型、第３号敷設特務艇。昭和17年6月30日竣工。昭和19年9月18日、カロリン諸島エンダービ島付近で爆撃を受けて小破した。終戦時はトラック環礁にいた。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜敷設特務艇第４号＞：日本海軍敷設特務艇第１号型、第４号敷設と特務艇。昭和17年8月20日竣工。昭和19年11月20日、ニコバル諸島南端でイギリス潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、小艦艇入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜敷設特務艇第１０１号＞：日本海軍敷設特務艇、第101号敷設特務艇。元はイギリス海軍防材敷設艇バーライトで、太平洋戦争緒戦の香港占領時に鹵獲して浦賀ドックで改造した。全長45.72m、最大幅9.82m、基準排水量830トン。機関出力850馬力、速力10.0ノット。兵装は8cm高角砲１門。昭和17年9月20日に艦籍に編入され、10月20日に竣工した。昭和19年6月2日、サイパンに入港。6月15日（16日？）、サイパンで艦砲射撃を受けて大破したため、浅瀬に擱座させた。乗員はサイパンに上陸してサイパン戦に参加している。参考：写真集日本の小艦艇、海軍操舵員よもやま物語

＜富川＞：775（コルベット）を参照。

＜撫仙湖＞：888（補給艦）を参照。

＜不戦条約＞：戦争抛棄に関する条約。1928年8月27日にパリで署名され、1929年7月24日に発効した。日本は1929年6月27日に批准し、7月24日に批准書を寄託して発効、7月25日に公布された。第１次大戦の反省を元に、多数国間での戦争放棄を謳ったもので、締約国は、国際紛争解決のため戦争に訴えることを非とし、その相互関係において国家の政策の手段としての戦争を放棄、一切の紛争や紛議は平和的手段のみで解決する。元々15ヵ国（ドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、イギリス、アイルランド、イギリス連邦諸国、インド、イタリア、日本、ポーランド、チェコスロバキア）が加盟したが、1929年末には当時の独立国の８割、57ヵ国が調印した。しかし禁止の対象は侵略戦争とされ、自衛のための戦争は禁止されておらず、制裁措置も無い。自衛権を条約で明確に定義すると、抜け道を探して自衛のための戦争と称した侵略戦争を仕掛ける輩が出てくるということで、自衛権に関することは一言も書かれていない。宣戦布告しての戦争が条約違反にあたるため、以降は宣戦を布告しなくなった。1931年に日本が自衛のためと称して満州に侵攻、更にイタリアとドイツが続き、この３ヵ国の行為は第２次大戦後に人類の平和に対する犯罪として裁かれ、戦争犯罪人は絞首刑にされている。ちなみに、本条約は今も有効である。参考：月刊軍事研究2,’05、月刊PANZER8,’99、ベーシック条約集2018、軍縮条約・資料集第２版、歴史群像8,’15、戦争がやってくる

＜扶桑＞：扶桑艦を参照。

＜扶桑＞：日本海軍扶桑型戦艦Fuso。大正元年3月11日、第３号戦艦として呉海軍工廠で起工。大正3年3月28日、進水、扶桑と命名された。大正4年8月29日、全力公試で排水量30662トン、出力46313馬力、速力23ノットを記録した。11月8日竣工。大正4年12月13日、第１艦隊第１戦隊に配属された。大正5年9月1日から10月14日、連合艦隊旗艦を務めた。大正6年10月1-22日、連合艦隊旗艦を務めた。大正7年12月1日、第１艦隊第１戦隊から退いた。大正8年8月1日、第１艦隊第１戦隊に配属された。大正10年8月23日、演習中にプロペラを損傷した長門に替わって連合艦隊臨時旗艦となった。9月18日、連合艦隊臨時旗艦を退いた。12月1日、第１艦隊第１戦隊を退いた。大正13年12月1日、第１艦隊第１戦隊に配属された。大正15年12月1日、第１艦隊第１戦隊を退いた。昭和2年1月14日、呉に入港したアルゼンチン海軍帆走練習艦サルミエントの礼砲に対応した。12月1日、第１艦隊第１戦隊に配属された。昭和3年12月10日、第１艦隊第１戦隊を退いた。昭和5年4月から昭和8年5月、呉海軍工廠で第１次近代化改装を実施。昭和8年11月15日、第１艦隊第１戦隊に配属された。昭和9年9月から昭和10年2月、呉海軍工廠で第２次近代化改装を実施。昭和11年12月1日、第１艦隊第１戦隊を退いた。昭和13年12月15日、第１艦隊第１戦隊に配属された。昭和14年11月15日、第１艦隊第１戦隊を退いた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には第１艦隊第２戦隊に所属していた。昭和17年4月10日、第１艦隊第２戦隊に配属された。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。昭和19年2月25日、第１艦隊第２戦隊を退き連合艦隊付属となった。9月10日、第２艦隊第２戦隊に配属された。10月22日、比島沖海戦に参加。10月24日、スリガオ海峡海戦に参加。10月25日、スリガオ海峡で雷撃を受け、0310に魚雷数本を右舷中央に被雷、行動不能となり、弾火薬庫が誘爆し船体が２つに折れて沈没した。乗員全員が戦死（10名くらい生存説あり）している。11月15日、第２艦隊第２戦隊を退いた。参考：図解日本の戦艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船8,'23、12,’10、9,’14、4,’17、9,’17、1,’18、日本海軍艦隊総覧

＜武装（航空自衛隊職域）＞：航空自衛隊の職域の１つで、武器弾薬、火器管制装置整備、計測器整備の各職種からなる。航空機の武器弾薬やFCSなどの整備搭載を行うのが主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜武装ＳＳ第１３山岳師団＞：SS第13山岳師団を参照。

＜武装ＳＳ第１４擲弾兵師団＞：SS第14擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第１５擲弾兵師団＞：SS第15擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第２０擲弾兵師団＞：SS第20義勇擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第２１山岳師団＞：SS第21山岳師団を参照。

＜武装ＳＳ第２４山岳猟兵師団＞：SS第24山岳猟兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第２５擲弾兵師団＞：SS第25擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第２９擲弾兵師団＞：SS第29擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第３０擲弾兵師団＞：SS第30擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第３３擲弾兵師団＞：SS第33擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第３４擲弾兵師団＞：SS第34擲弾兵師団を参照。

＜武装ＳＳ第３６擲弾兵師団＞：SS第36擲弾兵師団を参照。

＜武装ＵＡＶ＞：ISR用UAVに武装を搭載できるようにしたもの。主に精密誘導兵器を搭載し、自前のセンサーで発見した目標を即座に精密爆撃して撃破する。撃墜されても機体が壊れるだけなので、敵味方識別をじっくり行う余裕もできる筈だが、実際には誤爆による民間人犠牲者が出まくっており、2013年10月18日に国連総会第３委員会に提出された国連人権理事会中間報告によると、アメリカの武装UAV（MQ-1/MQ-9など）がパキスタンで1600人の武装勢力要員を400-600人の民間人・非戦闘員ごと吹っ飛ばしているという。元がISR用なので人間が粉微塵になる映像もリアルタイムで克明に送付されてくるため、オペレーターの心理的負担が大きい。能力的にはCOIN機程度であり、空戦機動性は無きに等しく、レーダー付き高射砲程度でも確実に撃墜されてしまうので、正規戦用にはUCAVを開発している。参考：月刊軍事研究6,’15

＜扶桑型戦艦＞：日本海軍超弩級戦艦Fuso型。日本海軍初の超弩級戦艦で、金剛型超弩級巡洋戦艦の建造に伴って計画された国産艦である。艦首はクリッパー型で、両舷にフレアを持つ。船型は長船首楼型で、前甲板が最上甲板、副砲のある甲板が上甲板にあたる。前甲板両舷側面は副砲の射界を確保するため細くなっていた。主錨は左右に１基ずつあり、右に副錨１基を持つ。最上甲板は厚さ76mm・幅229mmのチーク材張りで、錨鎖導板は鋼板である。水平防御は上甲板が34mm、下甲板が30mmで、NVNC鋼（竣工時はニッケル鋼）を使用した。舷側防御は水線部が305mm、その上部が203mm、上甲板から最上甲板にかけてが152mm、水線部の下は102mmで、いずれもVC鋼板を使用している。魚雷防御用として舷側に二層の隔壁による水中防御区画一層を持っていたが、区画が大きめで、防御力は不十分だった。前檣は三脚式で、上部に射撃観測所があり、その上に高いトップマストを持つ。射撃観測所の下には探照灯台が２段あり、上段に２基、下段に４基のシーメルト・シュッケルト式110cm探照灯が装備されている。基部には羅針艦橋（露天式のため雨ざらし）や司令塔（厚さ302mmのVC鋼板で囲まれている。山城は356mm）が設置された。羅針艦橋には航海用の武式1.5m測距儀を２基、司令塔には副砲用の武式3.5m測距儀を２基（山城は前方に3.5m１基、後方に2.7m２基）、射撃観測所直下に主砲用のクック・ポーレン式2.5m測距儀を１基搭載した。山城は射撃観測所に新造時から方位盤照準装置を搭載している。艦橋構造は、扶桑は２番砲塔バーベットと分離していたが、山城は01甲板で一体だった。主砲は四一式四五口径三六サンチ砲で、連装砲塔を前甲板に背負い式に２基、１・２番煙突間に１基、２番煙突と後部マスト間に１基、後甲板に背負い式に２基を装備した。しかし設計に問題があり、第３・第４砲塔（の弾火薬庫）で缶室が分離されてしまっていて出力発揮に不自由が出た他、主砲を一斉射撃すると爆風で上部構造物が損傷しかねず、実際機器の損傷が起こったらしい。砲塔装甲厚は防楯280mm30度、上面115mm、バーベット305mm。主砲仰角は0-30度、最大射程28000m前後、装填角度は５度固定。2-5番砲塔には武式4.5m測距儀（山城は6m測距儀）が搭載されていた。主機はブラウン・カーチス蒸気タービンで、高圧タービンはディスク構造、中低圧タービンはドラム構造をしており、内舷軸には高圧タービンと低圧タービンを串型に、外舷軸には中圧タービンを直結している。主缶は宮原缶で、第１・第２缶室に両面缶を４基ずつ、第３・第４缶室に片面缶を８基ずつ置いた。煙突は２本で、第１煙突の方が少し高くなっている。後部マストは三脚式で、３基（山城は４基）のシーメンス・シュッケルト式110cm探照灯が装備されていた。後部艦橋は全周がオープンで、必要に応じて天幕や側幕を張る。艦尾には山城のみスタン・ウォークが装備された。舵は釣り合い舵を２枚搭載しており、外舷に向かって10度傾けてある。舷側全体に魚雷防御網展張ブームを持つ。全長205.13m、水線幅（全幅？）28.65m、平均吃水8.69m、基準排水量29326トン、常備排水量30600トン。主機はブラウン・カーチス式高中低圧直結蒸気タービン２組、主缶は宮原式混焼水管缶24基（蒸気圧１平方インチあたり275ポンド・1.89MPa、過熱。両面缶８缶、片面缶16缶）、出力48000馬力、３翅プロペラ４軸推進、推進軸回転数280rpm、速力22.5ノット、燃料搭載量は重油1026トン＋石炭5022トン、航続距離8000海里（14ノット）。主砲は四五口径四一式三六サンチ連装砲塔６基、副砲は両舷の五〇口径四一式一五サンチ砲16門。山城は四〇口径三年式八サンチ高角砲４門（艦橋構造物両舷に１基ずつなど）を新造時から装備した。他に短八サンチ単装砲12門、533mm魚雷水中発射管６門（六年式魚雷使用）を搭載する。装甲厚は舷側305mm、甲板16mm×２＋17.5mm×２、砲塔前楯280mm、砲塔側面280mm、砲塔天蓋115mm、司令塔302mm（扶桑）／356mm（山城）。乗員1193名。４隻を建造する予定だったが、扶桑が大正4年に、山城が大正6年に竣工し、残る２隻は改設計を加えて伊勢型戦艦となった。参考：図解日本の戦艦、戦艦入門、近代戦艦史、続・日本海軍製鋼技術物語、月刊丸11,’09、7,’14、月刊世界の艦船3,’15、8,'23、1,’12、12,’10

＜扶桑型戦艦（改装）＞：大正6年（扶桑）、前檣上部の射撃観測所に方位盤照準装置を設置。大正7年（扶桑）、艦橋両側に8cm単装高角砲を１門ずつ配置。２番煙突下部両舷01甲板レベルにも１門ずつ配置し、そこにあった110cm探照灯２基が後部マストのプラットフォームに移された。大正8年（扶桑、山城）、前檣の下部探照灯台の上にフラットを付加、発射指揮所と探照灯追尾式管制装置を追加。大正9-11年（山城）、２番主砲塔用に飛行機滑走台を設けて戦闘機発艦実験を実施。大正12年（扶桑、山城）、観測用のカックー式係留気球を装備。大正12年（扶桑）、2-5番主砲塔測距儀を4.5mから8mに換装。大正13年（扶桑）、飛行機滑走台を砲塔上に一時的に設置。大正13年（扶桑）、昭和2年（山城）、前檣を檣楼化し、主砲測的所、主砲指揮所、高所測的所を新設もしくは改造、羅針艦橋に天井を付けた。無線通信能力を強化するため、後部マストを延長。大正14年（扶桑、山城）、１番煙突の排煙が前檣楼に逆流しないように１番煙突にフードを設置。大正15年（扶桑、山城）、八サンチ単装高角砲を４門（艦橋構造物両舷など）追加。昭和2年（扶桑、山城）、副砲指揮所のフラットを拡大して上部見張り所や高所測的所を設置し、檣楼中段に戦闘艦橋と下部見張り所を増設、前檣トップマストを廃止し、探照灯のうち４基を２番煙突前面の探照灯台に移した。舷側の魚雷防御網展張用ブームを撤去。昭和2年（扶桑）、檣楼司令所を設置。昭和2年（山城）、無線通信能力強化のため、後部マストを延長。後部艦橋支柱背面に後部見張り所を新設。昭和4年（扶桑、山城）、４番砲塔上に一四式二号水偵を搭載。昭和5年4月から8年5月（扶桑）、昭和5年12月から9年11月（山城）にかけて第１次大改装を実施。主砲仰角を30度から43度に引き上げ、最大射程を30km超に延長。使用弾を八八式から九一式に換えたのに伴い、揚弾・装填装置を改良した。砲塔動力を水圧式から空気圧式に変更、砲塔上面装甲厚を150mmに強化した。水平防御甲板を強化、バルジを装着。前檣楼の頂部には武式八メートル二重測距儀（当初は十メートルの予定だったが、生産が間に合わなかった。まず六メートルを搭載し、次に八メートルに換えたという説もある）を搭載した。これにより、前檣楼は上から測距塔、主砲射撃所（水線から37.3mのところにある）、主砲指揮所、上部見張り所、照射指揮所及び副砲射撃所、戦闘艦橋、前部探照灯台、信号所及び下部見張り所、高角砲指揮所、高角測的フラット（両舷に4.5m測距儀、九一式高射装置、高角見張り方向盤装備）、羅針艦橋及び通信指揮室、副砲予備指揮所、司令塔という並びになった。主砲方位盤は九四式を装備した。また、司令塔上に近接防御用として13mm４連装機銃１基を搭載した。扶桑は第３砲塔にカタパルトを搭載、艦尾向きだったのを艦首向きに変えた（山城はそのまま）。主機は艦本式高中低圧オールギヤードタービン４基４軸に、主缶は空気予熱機付きロ号艦本式重油専焼缶４基とハ号艦本式重油専焼缶２基（どちらも20気圧、飽和温度）に換装され、煙突は艦中央部の一本に纏められた。また、煙突に防雨装置が付けられた。主缶は全て旧後部缶室に収容されたため、前部缶室は燃料タンクに換装している。出力は主缶の総力量不足から同じ主機を搭載する伊勢型（第二期大改装）よりも１万軸馬力少ない７万軸馬力である。煙突下部両舷には13mm４連装機銃（山城は40mm連装機銃）２基が配置され、前檣楼の110cm探照灯６基が煙突周囲に移された。後部マストが塔式になり、両舷に12.7cm連装高角砲を装備、探照灯を全て撤去した。後部艦橋にはスプリンター防御を施し、主砲予備指揮所１つと副砲予備指揮所２つ、予備指揮所１つを追加、九四式方位盤照準装置と12cm観測鏡を搭載した。気球装備は撤去され、扶桑のみ後部マスト基部のデリックを撤去している。高角砲は12.7cm連装砲（前檣楼下部両舷に１基ずつなど計４門）に換えた。山城のみ艦尾を7.62m延長して２番砲塔上に呉式二号五型射出機１基を装備、前部缶室を飛行機格納庫に改造して水上偵察機３機を搭載できるようにした。エレベーターは油圧式で、昇降速度が遅いという欠点があった。３番砲塔左舷には水偵待機用軌条が用意され、前檣楼背面基部に揚収用デリックを装備する。水偵は露天繋止だったので、後部主砲発射時には水上か上空に退避させておかないと爆風でバラバラになるという欠点があった。山城はここでスタン・ウォークを撤去した。この時の諸元は、基準排水量34500トン、戦備排水量40000トン以上。出力70000軸馬力、速力24.5ノット、燃料搭載量は重油5465トン、航続距離は16ノットで11800海里。発電容量1350kW。昭和9年9月から昭和10年3月、扶桑のみ第２次改装を実施。ここで艦尾を7.31m延長して呉式二号四型射出機１基を３番砲塔上に装備、前部缶室を飛行機格納庫に改造して水上偵察機３機を搭載できるようにするなど、航空兵装を改良した。諸元は以下の通り。全長212.75m、水線長210m、最大幅3.08m、水線幅30.64m、平均吃水9.69m、基準排水量34700トン。主機は艦本式高中低圧ギヤード・タービン４基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶４基＋イ号艦本式重油専焼水管缶２基、４軸推進、出力75000馬力、速力24.7ノット、重油搭載量5465トン、航続距離11800海里（16ノット）。兵装は45口径35.6cm連装砲６基、50口径15.2cm単装砲16門、40口径12.7cm連装高角砲４基、短８サンチ単装砲12門、13mm４連装機銃４基。装甲厚は舷側305mm（VC甲鈑）、甲板134mm（２番砲塔部。32mmNS＋67mmNVNC＋35mmHT）、司令塔305mm（VC甲鈑）、砲塔前楯280mm（VC甲鈑）、砲塔側面229mm（VC甲鈑）、砲塔天蓋152mm（VC甲鈑）。カタパルト１基と水偵３機を搭載する。乗員1396名。昭和11年頃（扶桑、山城）、副錨を撤去。昭和12-13年（扶桑、山城）、荒天時に波を被って使用不能になる１・２番副砲を撤去。昭和12年頃（扶桑）・昭和13年（山城）、司令塔上の機銃を25mm連装機銃２基に変更。前檣楼背面中部に25mm連装機銃２基を搭載。前檣楼中段の探照灯２基を撤去。煙突下部両舷の13mm４連装機銃（山城は40mm連装機銃）２基を25mm連装機銃４基に換装し、機銃用射撃装置を煙突両舷に１基ずつ搭載。昭和12年（山城）・昭和13年（扶桑）、前檣楼頂部の測距儀を九四式十メートル二重測距儀に変更。時期は不明だが、昭和14年以降、九八式発砲装置を搭載。昭和14年（山城）・昭和15年（扶桑）、檣楼頂部付近に防空指揮所（高角双眼望遠鏡６基と機銃射撃装置２基搭載）を新設。昭和15年（扶桑）、３番砲塔周辺の航空兵装を撤去し、艦尾右舷に呉式二号五型射出機を、左舷に電動式クレーンを搭載。搭載機は九〇式二号水偵、九五式水偵、零観と移っている。昭和16年（扶桑、山城）、舷外電路を装着。昭和18年（扶桑、山城）、測距塔上に二一号電探を装備。昭和19年（扶桑、山城）、防空指揮所両側に二二号電探を、煙突上部両舷（山城は後檣楼両舷の副砲方位盤照準装置付近）に一三号対空電探を搭載。前檣楼には25mm三連装機銃２基、連装機銃２基、単装機銃６基が装備されていた。煙突周囲の25mm連装機銃のうち、煙突真横にあった２基は３連装に交換された。捷一号作戦時には25mm機銃３連装８基、連装17基、単装34丁、13mm機銃連装３基、単装13丁を搭載して対空能力を向上させた。ただ改装はしたものの速力を始めとする全般性能に劣り、太平洋戦争でも概ね訓練に使用されるか後方で待機しており、ほぼ初実戦参加の捷一号作戦で両艦共沈められてしまった。参考：図解日本の戦艦、戦艦入門、月刊世界の艦船8,'23、1,’12、9,’14、7,’17

＜武装型プレデター＞：MQ-1L（無人機）を参照。

＜扶桑艦＞：日本海軍甲鉄巡洋艦Fuso kan。艦種は巡航甲鉄艦や甲鉄巡航艦などとも呼ばれた。明治8年にイギリスに発注された３檣シップ型帆汽両用装甲コルベットである。排水量3700トン。明治11年1月竣工。金剛、比叡と共にイギリスから日本に向かった。明治21年9月、扶桑に改称された。明治26-27年、近代化改装を行い、２檣型汽走艦となった。明治30年10月、伊予長浜沖で荒天により海防艦松島の艦種に衝突し、海防艦厳島の右舷側にも接触、擱座した。明治31年3月、二等戦艦に艦種変更された（ちなみにまだ擱座中）。明治33年4月、浮揚と修理改装を終えて艦隊に復帰。明治38年12月、海防艦に艦種変更された。明治41年4月、除籍された。参考：月刊世界の艦船12,’21、5,’23

＜武装監視機＞：アメリカ特殊作戦コマンドUSSOCOMが導入予定のISR・軽攻撃機Armed Overwatch。2020年2月に要求が出され、テキストロン社がAT-6E、L-3コミュニケーション社がAT-802、シエラネバダ社がMC-145B、パラマウント／レイドス社がブロンコ�U（OV-10ベース）、MAGエアロスペース社がMC-208で応募した。2021年7月9日、ブロンコ�Uが駐機中に主脚を破損し機体を損傷する事故を起こし、候補から外れた。MC-208も要因は不明だが落選している。参考：月刊JWings12,’21

＜武装空中偵察ヘリコプター計画＞：AASヘリコプター計画を参照。

＜武装親衛隊＞：Waffen-SS。SS戦闘部隊で、徴募や訓練はSSが行っていたが、実戦での作戦指揮は国防軍が執った。組織はドイツ陸軍に類似しており、序列は軍集団、軍、軍団、師団、連隊、大隊、中隊、小隊、分隊（他に適宜編成される戦闘団など）だが、初期には連隊までの編成であり、軍集団が創設されたのは1944年になってからである。大元はヒトラー及びナチス党本部防衛部隊として1933年3月17日に創設されたSSベルリン警護隊（隊長はヨゼフ・ディートリッヒ。隊員113名）である。5月にSS特務部隊が編成に加わって護衛大隊となり、ベルリンの旧士官学校に移動。9月のニュルンベルグ党大会でライプシュタンダルテ・アドルフ・ヒトラー（アドルフ・ヒトラー親衛連隊、LAH）の名誉称号を与えられた。隊員は志願制で、その後も勢力を拡大したが、国防軍の後ろ盾が必要だったヒトラーは、軍を刺激しないよう支援部隊を持たない３個連隊までに止め、師団は編成させないことにしている。1934年12月14日のSS戦闘部隊（SS-VT）創立当時の服装はM16もしくはM18ヘルメットにアースグレイの制服であり、M1935制帽（アース・グレイ）やM1937制帽（フィールド・グレイ）、M1937野戦帽、アースグレイのオーバーコートも支給された。訓練は当初国防軍が施していたが、後にSS士官学校、SS下士官学校、SS砲兵学校、SS医官学校、SS行政指導者学校などが設置されている。1934年9月、国防大臣指令においてSS-VTはSSの一組織で、平時は国防軍による訓練を受け、戦時のみ動員されると定義され、国防軍総司令部もSS-VTの主任務は国家治安維持であると通達した。1935年6月1日、SS将校に非ユダヤ人証明書提出を義務づけた。1936年5月、M35ヘルメットの支給を開始。7月、戦車小隊の保有が許可された。ドイッチュラント連隊長に就任したフェリクス・マルチン・ユリウス・シュタイナーSS中佐が組織や戦術、装備の改革を開始。短機関銃や迷彩戦闘服を採用した。1938年2月の入隊規定では、身長はアドルフヒトラー親衛連隊で178cm以上、SS第１護衛連隊ドイッチュラント及びSS第２護衛連隊ゲルマニアで174cm以上、工兵・通信部隊などでは172cm以上が必要であった。1938年3月、オーストリア併合のため国防軍と共にウィーンに進駐。その後ズデーテンラント進駐にも参加した。8月、総統命令でSS-VTが常設軍に格上げされた。ただヒトラーの私兵という扱いで、SS-VT将校の理想とする革新的軍隊とは程遠く、反発を和らげるためヒムラーが将校以外の戦闘服をドイツ陸軍と同じものにし、国防軍との一体化を図っている。1939年、オーバーコートの色がフィールド・グレイになった。8月19日、ヒトラーがSS-VTを陸軍総司令部の指揮下に入れる命令を出した。これにより国防軍に徴兵権や補充権を握られてしまったが、勢力拡大を狙うヒムラーはSS本部徴募部ベルガーの意見を取り入れ、強制収容所担当のSS髑髏部隊や組織警察、戦時強化部隊をSS-VT隷下に移した。9月1日、白作戦開始。親衛連隊アドルフ・ヒトラー、SS第１護衛連隊ドイッチュラント、SS第２護衛連隊ゲルマニアが参加した。第２次大戦初期にはフィールドグレイのM1937制服を着用していたが、絶対量が足りず、陸軍の制服も着ている。髑髏部隊はもともと強制収容所の管理部隊であり、前線でも同じ調子で捕虜殺害や残虐行為を繰り返した。白作戦終了後の9月末、初の師団となる警察師団を組織警察予備隊員から編成。10月、ドイッチュラント、ゲルマニア、デア・フューラーの３個連隊でSS-VT師団を編成。11月、SS髑髏部隊を再編してトーテンコープフ師団を編成。1940年、M1940略帽の支給を開始。戦闘部隊に限り迷彩スモックの供給を開始。3月、髑髏部隊や組織警察などが編入されたことを受け、ヒトラーがSS-VTを武装親衛隊に改称したが、ヒムラーが発令したのは1941年4月22日になった。国防軍も1940年3月8日に親衛連隊アドルフ・ヒトラー、SS-VT師団、警察師団、トーテンコープフ師団、補充部隊、SS士官学校を武装親衛隊に編入することを認めている。ただしヒトラーとしては武装親衛隊がエリート政治警察であるという立場を崩さず、兵力は平時国防軍戦力の10%以内とし、SS軍団は編成しないよう下命した。SS-VT兵監部は武装親衛隊作戦本部に改編された。1940年春から国防軍徴兵の管轄外となるドイツ国外のドイツ系青年志願者（実際には半強制）の徴募を開始。戦争の長期化で兵員が足りなくなると、人種・政治・思想を無視して募集対象を広げ、徴募範囲はドイツ系でない外国人にも広がっていった。1940年6月から黄作戦に参加。トーテンコープフ師団第２連隊中隊長がフランス西部でイギリス人捕虜100名を射殺する戦争犯罪を起こしている。黄作戦終了後、SS-VT師団ゲルマニア連隊とSS砲兵隊でゲルマニア師団（後にヴィーキング師団）を編成。SS-VT師団の残りと第４髑髏連隊でドイッチュラント師団（後にライヒ師団）を編成。8月15日、SS作戦本部を新編。部隊や学校の運営、訓練を担当したが、戦場での指揮権は国防軍が握ったままだった。1941年5月、バルカン作戦に参加。SS国家長官司令部を設置。6月、親衛連隊アドルフ・ヒトラーが師団になった。バルバロッサ作戦開始時には親衛師団アドルフ・ヒトラー、ダスライヒ師団、トーテンコープフ師団、警察師団、ヴィーキング師団が参加。ソ連占領地でのユダヤ人捜索のため、武装親衛隊から数千名が特別行動隊（アインザッツグルッペ）に派遣されている。1942年、募集対象者の基準を20才以上から17才以上、身長170cm以上から168cm以上などに引き下げ、ヒトラーユーゲント修了者の徴募を容易にした。1942年春、SS義勇第７山岳師団とSS第８騎兵師団が新編された。また、ヒトラーの命令により、最新兵器の供給も進められた（それまでは国防軍のお下がりだった）。ただ激しい戦闘で犠牲も大きく、兵士の補充が間に合わなくなり、取り敢えずかき集めたドイツ系外国人を送り込んだため補充兵の質が低下した。徴兵権は国防軍が握ったままだったので、徴兵検査前のヒトラーユーゲントや国家労働奉仕隊を半分脅して入隊させることも行っている。また、ヒトラーのスラブ人種劣等論を無視してウクライナ人やロシア人の部隊を編成した。9月、親衛師団アドルフ・ヒトラー、ダスライヒ師団、トーテンコープフ師団が自動車化歩兵師団編成から装甲てき弾兵師団編成に改編された。軍団の編成制限も撤廃され、これらでSS装甲軍団が編成されている。12月31日、SS第９・第10装甲師団を新編した。補充兵の不足が深刻になり、国家労働奉仕隊から半強制的に兵士を調達するようになったが、反発が強まったため、18才になって武装親衛隊で２ヶ月間の軍事訓練義務を修了した後に選択制で入隊を決めることとした。ただ実際には入隊しなければ家族に危害を加えるといった脅迫をかけて半強制的に加入させている。1943年、師団にナンバーが付けられるようになった。7月、SS第２装甲軍団が新編された。1944年、総兵力は60万名（うち野戦兵力37万名）であった。ただ急速な増員に将校や下士官の供給が追いつかず、欠員が4-5割に達する部隊もあった。6月、連合軍のオーバーロード作戦を受け、SS第１・第２装甲軍団の６個装甲師団が西部戦線に回された。1945年1月、徴募事務所がドイツ国防軍軍管区徴募センターに統合された。終戦までに38個師団が編成され、うち25個が外国人師団で、残る大部分もドイツ系外国人との混成師団だった。他にインドSS義勇軍、イギリス自由軍団、SS従軍記者連隊、アドルフ・ヒトラー護衛大隊、SS要塞第１連隊、SS防衛500部隊、SS猟兵部隊ミッテ、SSパラシュート大隊、武装SSオスツルキッシャー戦闘団、武装SSコーカサス部隊、SS義勇セルビア部隊、SSコサック騎兵師団、武装SS山岳旅団タタール第１、SSノルウェー・スキー猟兵大隊、カミンスキー旅団、特別行動隊アインザッツグルッペ、SS第500・第600降下兵大隊などが編成されている。動員総兵力は91万名（オランダ人50000名、ベルギー人38000名、フランス人15000名、デンマーク人6500名、ノルウェー人5500名）で、第２次大戦中に253000名が戦死・行方不明となり、15万名が戦傷を負った。参考：武装親衛隊、グラフィックアクション２、歴史群像8,’15

＜武装ヘリコプター＞：汎用ヘリコプターに武装を搭載したもの。平時には武装を外して輸送任務などにも使えるが、戦闘専門でないのでFCSが不完全（特に照準の軸線合わせが困難）であり、装甲も薄く生残性が低い。また、各部隊で各種任務に引っ張りだこになり、数が足らなくなる可能性がある。参考：月刊JWings9,’01、攻撃ヘリコブラ&アパッチ

＜扶桑丸＞：日本の病院船。昭和18年4月15日夜、ラバウル方面で３度の空襲を受けた。4月16日夕方、機銃掃射２回と爆撃４回を受け、船体が損傷した。日本赤十字社が赤十字国際委員会に抗議文書を送付している。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

＜部隊医学実験隊＞：陸上自衛隊の研究開発試験評価部隊で、開発実験団の隷下にある。2001年3月27日に三宿駐屯地で新編された。2015年3月12日、平成27年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。2016年3月12日、平成27年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。参考：朝雲、MAMOR vol.113

＜部隊運用シミュレーションソフトウェア（その２）＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜部隊衛兵（宿営時）＞：日本陸軍の衛兵で、宿営の際に大隊やこれに準じる部隊（輜重兵は中隊）にあたり１個を設ける。部隊日直将校／下士官の指揮を受け、必要に応じて軍旗、司令部、本部、銃廠、砲廠、馬繋場、叉銃線、行李などに哨兵を配置し、直接警戒にあたるのが主任務で、勤務は小哨の要領に準じる。時により各部隊長は対空班を設けず任務を部隊衛兵に兼務させたり、部隊衛兵を設けず任務を舎営・露営衛兵に兼務させたりすることもある。参考：作戦要務令

＜部隊格闘指導官＞：陸上自衛隊の格闘指導官。上級格闘指導官の指導を受けて任じられ、各部隊で格闘を指導する。参考：MAMOR vol.150

＜部隊感状（アメリカ陸軍）＞：部隊の勲功に対して授与され、所属する兵員が右胸ポケットの上に付ける。所属している間に授与された場合、転属しても引き続き付けることができる。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

　＜大統領部隊感状＞：PUC（Presidential Unit Citation）と略す。武装した敵との戦闘で英雄的行為を行った部隊に対し、大統領から授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜統合任務勲功部隊感状＞：JMUA（Joint Meritorious Unit Award）と略す。統合任務における戦闘や困難な状況において勲功を上げた部隊に対し、国防長官から授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜武勇部隊感状＞：VUA（Valorous Unit Award）と略す。武装した敵との戦闘で勇敢な行為を行った部隊に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜陸軍勲功部隊賞賛章＞：AMUC（Army Meritorious Unit Commendation）と略す。少なくとも６ヶ月間、武装した敵と戦闘し、顕著な功績を挙げた部隊に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜陸軍優秀部隊感状＞：ASUA（Army Superior Unit Award）と略す。平時の困難な状況下で功績を挙げた部隊に授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜部隊教練＞：基本教練を参照。

＜部隊訓練評価隊＞：陸上自衛隊の訓練対抗部隊で、使用する訓練場に因んでFTC（Fuji Training Center）と略される。隊本部（統裁科、評価分析科、機材管理科）と評価支援隊からなり、富士学校に所属し、北富士駐屯地に置かれている。評価支援隊は滝ヶ原駐屯地にあり、年に２度の自隊錬成訓練で自らを鍛え上げ、第１機械化大隊として全国から派遣された部隊の対抗部隊を務める。なお鍛えすぎて2017年現在負けたことは一度も無い模様。2009年4月13-17日、北富士演習場で自隊錬成訓練を実施。2014年1月13日から2月9日、カリフォルニア州フォート・アーウィン演習場のNTC（National Training Center）で平成25年度米陸軍戦闘訓練センター（Combat Training Center）における訓練（アメリカ側名称はCTC14-03）に参加。アメリカ陸軍第１軍団第２歩兵師団第３ストライカー旅団戦闘団と共に、長期間に渡る作戦行動を演練した。2015年2月17-19日、翌年度に富士訓練センター訓練に参加を予定している中隊長を対象に、集合訓練（中隊長の指揮、情報と火力に関する教訓、基本・基礎に係わる教訓）を実施。2017年4月28日、在日米陸軍司令部５部長以下８名の研修を受け入れ、意見交換を実施。2017年度、FTC訓練参加予定部隊に対し、訓練３ヶ月前に分析官と評価支援隊１個分隊などを派遣して任務達成部隊の戦い方を教える派遣型教育と、FTC入り後に参加部隊に自隊隊員を送り込んで戦い方を教育する受入型教育を開始した。2020年1月7日、北富士演習場で訓練始め（ハチモク銃剣格闘）を実施。1月17日、北富士駐屯地体育館で創隊20周年記念式典を実施。3月31日、北富士演習場で、戦車による鉄条網の蹂躙検証を実施。機甲科教範の装軌車操縦にある「鉄条網の通過要領」が実効性を検証しないまま記載され続けていたため、90式戦車を使って実証したものである。柵型、屋根型、１段蛇腹、２段蛇腹の４パターンで鉄条網を構築し、90式戦車を突入させたところ、1500馬力のエンジンパワーで全て突破することに成功、車体の排雪板が蛇腹鉄条網の巻き込み防止に有効なことなども判明した。また、蹂躙法によっては各部に絡まりまくって爾後の整備が面倒になることや、対人障害用の鉄条網も張り方の工夫次第では応急対戦車障害を兼用できることも判明している。6月8日、令和2年度FTC第１次運営（対抗戦）を実施。部隊訓練評価隊の自己練成訓練だが、出稽古制度として全国から６個部隊が加わり、第２師団第３普通科連隊２個分隊、第３師団第36普通科連隊増強中隊、第４師団第16普通科連隊、第８師団第12普通科連隊が攻撃側機械化大隊、第８師団第42即応機動連隊情報小隊、第10師団第35普通科連隊が防御側機械化中隊の一員として参加、激戦を繰り広げた。7月1日、服務事故なし1000日・500日を達成した大隊本部、第１中隊、第２中隊、戦車中隊を表彰した。8月19日から11月9日、幹部自衛官４名と陸曹38名に第100期研修分析官教育を実施。8月25-29日、FTC第６次運営を実施。自己練成訓練に出稽古制度で第９師団第５普通科連隊、第12旅団第13連隊、第８師団第42即応機動連隊、第１空挺団、中部方面混成団第49普通科連隊（常備自衛官２名と即応予備自衛官２名）が加わり、機械化大隊対機械化中隊の対抗戦を繰り広げた。9月16日、キャンプ富士司令官ボウディッシュ大佐が部隊を訪問し、対抗演習を要望した。11月6日、永年勤続10年・25年の隊員を表彰した。2021年1月12日、東富士演習場双子台地区で訓練始めを実施。7月11-14日、訓練部隊に対する防御運営を行い、訓練部隊を壊滅させた。7月19-23日、北富士演習場と東富士演習場で初の拡大運営を実施。運営に参加する戦闘団・増強普通科部隊等に配属される特科部隊は、北富士演習場の前線部隊を支援するため東富士演習場に展開するが、予算不足で北富士演習場と東富士演習場が光ファイバー回線で繋がれておらず、部隊訓練評価隊が北富士演習場で使用する機動訓練評価装置を東富士演習場に拡張できないため、特科部隊を東富士演習場に実設することができず、機動訓練評価装置上に仮想展開していた。よって特科部隊の指揮機関FDCと観測機関FO/OSは訓練が行えるが、火砲運用要員は参加できないという欠点があったため、2020年度から光ファイバー回線無しでも両演習場を連接できるようにする研究を行い、民生用ルーターを使用して北富士演習場の機動訓練評価装置と東富士演習場のBATRA�Uを連接、両演習場の部隊を北富士演習場のFTC統裁運用室で一元制御できるようにして実施したものである。これに基づき、評価支援隊第２中隊基幹の防御側機械化中隊と、評価支援隊長率いる攻撃側機械化大隊が北富士演習場に展開すると共に、機械化大隊の火力掩護を行う野戦特科部隊として東富士演習場に第10師団第10特科連隊第１大隊FH70射撃中隊が実際に展開し、隠密陣地進入、空包射撃、陣地転換、自衛警戒戦闘、兵站部隊による弾薬大量補給といった行動を演練した。11月22-27日、本格的特科実設運営を実施。第１師団第32普通科連隊増強５個中隊が訓練部隊、第１特科隊集成１個中隊（155mm榴弾砲FH70）が支援部隊を務め、第５旅団第４普通科連隊３等陸尉１名が出稽古として参加し、東富士・北富士演習場で夜間戦闘訓練を行った。12月3日、最先任上級曹長交代式を実施。2022年3月30日、首相官邸で岸田首相から令和3年度内閣総理大臣特別賞状を授与された。参考：スピアヘッドNo.20、月刊軍事研究5,’14、4,’14、朝雲

＜部隊功績貢献章＞：自衛隊の表彰。特別賞状または第１級賞状を授与された部隊で、該当業務を行った隊員に授与される。2015年に制定された。参考：MAMOR vol.156

　＜特別部隊功績貢献章＞：桜花５個を葉で囲んだデザインの金メダルである。表彰権者は内閣総理大臣。参考：MAMOR vol.156

　＜第１級部隊功績貢献章＞：桜花５個を葉で囲んだデザインの銀メダルである。表彰権者は防衛大臣。参考：MAMOR vol.156

＜部隊行動基準＞：ROE（自衛隊）を参照。

＜部隊功労徽章（アメリカ陸軍）＞：Meritorious Service Unit Insignia。高水準の整備業務を長期間実施した兵站部隊の隊員に授与される徽章で、四角形の布に縁取りと月桂冠をあしらっており、制服とシャツの右袖口に縫いつける。ちなみに部隊にはプラークと呼ばれる盾が授与される。1944年8月23日に制定されたが、短期間で廃止された。参考：コンバットマガジン11,’03

＜部隊支援武器システム＞：CSWSを参照。

＜部隊実験個人用端末＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜部隊実験用空空連接装置＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜部隊章（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の自衛官が所属する部隊を示す章。金属製で、中央に円形の部隊シンボルを置き、両側に翼が伸びたデザインとなっている。参考：MAMOR vol.86

＜部隊章（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の自衛官と自衛官候補生が所属する部隊を示す章で、部隊新編・編合時、転属を命じられて異動が完了するまで、海外出張中を除き常に着用する。布製盾型で、上下70mm、幅60mm。上部12mmの部分は隊種標識と呼び、色により隊種を示す。普通科は赤、機甲科は橙、特科は濃黄、情報科は水、航空科は浅黄、施設科はえび茶、通信科は青、武器科は緑、需品科は茶、輸送科は紫、化学科は金茶、衛生科は濃緑、それ以外（陸幕、方面総監部、師団・旅団・中央即応集団司令部、団本部など）は藍である。隊種標識の中央には銀色金属製の隊号標識が付けられている。隊号標識は冠称番号、部隊標識（方面総監部／師団・旅団司令部／中央即応集団司令部／空挺団本部はＨ、方面混成団本部はCB、群はＧ、方面普通科連隊／中央即応連隊はＲ、高射特科団／高射特科連隊／高射特科群／高射特科大隊はＡ、後方支援連隊／後方支援隊はＬ、教育大隊／機構教育隊／女性自衛官教育隊はＴ、空挺教育隊はAB、警備隊はASF、警務隊はＰ、会計隊はＦ、音楽隊はＢ、幹部学校はSC、幹部候補生学校はＯ、富士学校はＦ、高射学校はＡ、小平学校はＫ、高等工科学校はHT、体育学校はPT、研究本部はGRD、補給統制本部はGMC、学校はＳ、補給処はＤ、病院はＨ）の順に並ぶ。下部58mmは師団等標識で、陸上幕僚監部、各方面隊（隷下師団・旅団除く）、各師団、各旅団、中央即応集団（隷下空挺団除く）、空挺団、防衛大臣直轄部隊・機関ごとに陸上幕僚長が定めたシンボルマークが描かれている。参考：陸上自衛官及び陸上自衛隊の自衛官候補生の部隊章に関する訓令、MAMOR vol.86

＜付帯損害最小化兵器＞：MCDWを参照。

＜部隊統合軽量スタンドオフ化学剤探知器＞：JSLCADを参照。

＜部隊ナンバー（陸上自衛隊）＞：師団、団、群は１からの連番。普通科連隊は編成順の連番。師団隷下の普通科連隊以外の部隊は基本１個ずつなので師団と同番号。ただし第７師団の戦車連隊は３個あるので70番台の連番。独立部隊や長官／大臣・方面直轄部隊は大隊規模が100番台、中隊規模が300番台。参考：日本の防衛戦力Part1

＜部隊符号＞：地図上などに書き込む、部隊の種類・規模などを表す記号。長方形の中に部隊の種類を表す記号を、上に規模を表す記号を書く。右に上級所属部隊を入れ、左に部隊名を記入する。参考：月刊JWings5,’02

＜部隊用線量計＞：陸上自衛隊のγ線計測器で、中隊などに配備されている。パナソニックSN九州またはパナソニックシステムネットワークス製。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究3,’12、1,’17

＜部隊用防護装置＞：陸上自衛隊のNBC防護テント。10-20名用。重松製作所製。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究1,’18

＜普陀山＞：939（揚陸艦）を参照。

＜豚の鼻＞：ザウコップ型防楯またはT-54戦車モデル1949を参照。

＜ブダペスト＞：オーストリア・ハンガリー海軍モナルヒ級海防戦艦３番艦Budapest。参考：月刊世界の艦船4,’20

＜ブダペスト包囲戦＞：第２次大戦中の1944年10月15日、ハンガリーのホルティ提督がドイツとの同盟を破棄、ソ連との休戦を宣言した。これによりハンガリー第２戦車師団が後退してしまい、戦線に穴が開いてしまった。更にハンガリー政府が連合軍とソ連に単独講和を申し入れたため、ドイツ軍は第503重戦車大隊をブダペストに向かわせると共に特殊部隊を使ってホルティを翻意させ、翌日にはハンガリーに親独派の摂政が誕生した。その後第503重戦車大隊は穴から突破を図るソ連親衛騎兵師団とルーマニア歩兵師団を迎撃に向かった。11月1日、ソ連軍の先鋒がケスケメト市街に迫った。11月上旬にはソ連軍がブダペスト市の周囲を完全に包囲した。1944年12月29日、ソ連軍の降伏勧告特使が説得に失敗してソ連側に引き返す途中、車が爆破されて使節全員が死亡した。原因は地雷とも誤射とも言われている。この頃市街を包囲するソ連軍は250000名、立て籠もるドイツ軍・ハンガリー軍は33000+37000名と兵力差は明らかだった。1945年1月1日、ドイツ軍３個装甲師団を基幹とする救出部隊が出撃したが、あと21kmのところで中止命令が出された。1月16日、ドイツ軍はペスト地区を放棄してブダ地区に撤収、空輸による補給を頼りに何とか持ちこたえていた。1月18日にSS第４装甲軍団が救出作戦を開始したが、これも10日で頓挫した。1月29日には負傷者が戦闘可能兵を上回り、配給も１日に5gのラードとパン１切れ（ただしワインは大量にあったらしい）に減少。2月3日からソ連軍の攻勢が開始されてブダ地区の鷲の丘が占領され、2月11日にドイツ軍・ハンガリー軍は決死の包囲突破を図ったものの、脱出できたのは800名に満たなかった。ドイツ軍死者25000名、ブダペスト市民死者60000人といわれている。参考：月刊PANZER4,’04、月刊戦車マガジン8,’78

＜ふたみ＞：AGS-5102（海洋観測艦）を参照。

＜二見＞：日本海軍熱海型河用砲艦Hutami。昭和5年2月28日竣工、二等砲艦に類別された。昭和6年6月1日、単なる砲艦に類別変更された。昭和8年6月、揚子江で座礁し、そのまま減水期になってしまい、数ヶ月間にわたり河辺に乗り上げていた。昭和12年7月7日、日華事変勃発時は第11戦隊に所属していた。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第１遣支艦隊所属だった。昭和20年9月、国府海軍に接収され、永安（Yungan）と改称された。9月30日、日本の艦籍から除かれた。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、日本海軍艦隊総覧

＜ふたみ型＞：海上自衛隊海洋観測艦。対潜作戦に必要な水質や潮流などの各種海洋データや音響データを収集するのが主任務で、あかし型よりも音響観測機能を強化している。船型は長船首楼型で、艦首にはケーブル取り扱い用のバウ・シーブを設け、ケーブル・エンジンやケーブル・タンク（艦内２箇所）も搭載しており、音響測定ケーブルの敷設が可能。管制室や観測室は艦橋直下の甲板にある。艦橋直前右舷側に機材揚降用のガントリー・クレーンを持つ。長期行動のための居住性も考慮されており、音響観測のため静粛性も高く設計されている。ロランＣを搭載し、2-3ノットの低速航行で精密測量を行う。減揺タンクも搭載しており、荒天でも観測が可能。全長97m、全幅15m、深さ7.6m、吃水4.3m（わかさは4.2m）、基準排水量2050トン、満載排水量3200トン。主機は川崎MAN社製V6V22/30ATL型ディーゼル（V8V22/30ATL？）２基２軸4400馬力（わかさは富士ディーゼル社製8L27.5XF型ディーゼル２基２軸4500馬力）、速力16ノット。バウ・スラスターと可変ピッチ・プロペラにより作業時の艦位を保持する。艦載艇は11メートル型作業艇（FRP製）など。乗員95名（わかさは105名）。1979年にAGS-5102ふたみ、1986年にAGS-5104わかさの２隻が竣工した。建造時期が離れていたため、２番艦ではクレーンをコンパクト化するなどの性能向上が行われている。AGS-5102ふたみはAGS-5106しょうなんに後を譲って2010年に退役した。AGS-5104わかさは財政状況に鑑み後継艦が作れず、2015年度予算で艦齢延長工事を受けており、2022年度計画3500トン型海洋観測艦に後を譲って退役予定。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’04、1,’14、1,’16、1,’19、1,’95、5,’86、1,’79増刊、1,’13、1,'24、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史、自衛隊装備カタログ1981

＜布置＞：各種装置に適した場所を陣地に選定して配置すること。参考：MAMOR vol.151

＜プチェラ・シリーズ＞：ロシア陸軍無人機Pchela（ミツバチ）。南オセチア紛争で６機が実戦投入されたが、１機が操縦ミスで離陸直後に墜落して失われた。飛行性能も低く山岳地帯では運用できず、センサーも解像度が低すぎてBTR装甲兵員輸送車10両が縦列で走行していても識別不可能で、グルジア／ジョージア軍防空システムのカバー外からの偵察が行えず、全く役に立たなかったらしい。参考：月刊軍事研究10,’17

＜プチェラ＞：制式番号Yak-060。ストロイＰ偵察システムを構成する。高翼の直線翼機で、尾翼はリング状。P020ピストンエンジン（15馬力）を搭載し、プッシャー式プロペラを尾翼内側に装備する。離陸時にはロケットブースター２基を装着し、着陸時はパラシュートとスプリング式着陸装置を使用する。作戦行動半径50km程度。偵察装備は機首下面の回転型ジャイロ安定ターレットに装備された昼間用TVカメラで、VHFジャミング装置を搭載することもできる。参考：月刊軍事研究1,’00、2,’98、2,’00

＜プチェラ１ＴＭ＞：実用型で、制式番号Yak-060S。燃料搭載量を増やし、エンジンを20馬力に強化している。偵察装備は昼間用TVカメラ。偵察システム全体の名称はストロイPMである。1987年から生産された。参考：月刊軍事研究1,’00

＜プチェラ１ＰＭ＞：プチェラ1TMの偵察システムを通信妨害装置に換装したもの。参考：月刊軍事研究1,’00

＜プチェルカ＞：An-14（輸送機）を参照。

＜淵田美津雄＞：明治35年12月3日、奈良県磐城村生まれ。大正10年、海軍兵学校52期で入学。洋上勤務を経て昭和3年に霞ヶ浦海軍航空隊偵察科学生となった。大和型戦艦建造に際して反対意見を述べ、空母への変更を訴えている。昭和16年8月25日、赤城飛行長兼艦隊幕僚事務補佐となった。真珠湾攻撃では作戦参加全飛行隊の指揮官を務め、総隊長と呼ばれている。ミッドウェイ開戦時は虫垂炎で赤城に留まっており、離艦時に脚を負傷した。昭和18年7月、第１航空艦隊作戦参謀となった。昭和19年4月、連合艦隊航空甲参謀となった。8月、南方軍参謀を兼任。昭和20年4月、海軍総隊兼連合艦隊航空参謀となった。最終階級は大佐。終戦後はキリスト教の洗礼を受けてアメリカでの伝道活動も行い、昭和41年にアメリカの市民権を取得している。昭和51年5月30日、糖尿病により73歳で死去した。参考：月刊世界の艦船10,’18

＜ブチャ＞：ウクライナ海軍ギュルザＭ型砲艇Bucha。2023年5月26日就役。ウクライナ戦争でドニプロ川を航行してキーウ防衛に就いている。参考：月刊世界の艦船3,’24

＜府中基地＞：航空自衛隊の基地。以前は航空総隊司令部などが所在し、日本の防空作戦の指揮中枢だったため、構造は一切機密になっている。滑走路は無い。所在地は東京都府中市浅間町1-5-5。大元は1940年（昭和15年）7月31日に開設された陸軍燃料廠で、太平洋戦争終戦により1945年9月からアメリカ軍が駐留、1957年8月1日に航空集団司令部と航空保安管制気象群本部が新編されて航空自衛隊府中基地が開設された。1958年8月、航空集団司令部が航空総隊司令部に改編され、府中基地隊が新編された。1961年7月、航空保安管制気象群本部が廃止され、航空保安管制気象団と団司令部が新編された。1967年10月、府中基地隊が防空指揮群に改編された。1969年7月、調査隊本部府中派遣班が新編された。1975年6月、アメリカ軍が横田基地に移駐し、基地が全面返還された。7月、調達実施本部府中調達管理事務所が開設された。2007年2月、F-1支援戦闘機が展示機として設置された。2012年3月26日、航空総隊司令部、作戦情報隊、防空指揮群などが横田基地に移転した。航空支援集団司令部、航空気象群本部などは府中基地に残っている。航空気象群の部隊改編行事が実施され、気象業務隊と気象通信隊を統合した中枢気象隊を新編、防空指揮群から基地業務隊が編入された。7月24日、F-1戦闘機展示機の再塗装完了行事を実施。2013年、航空保安管制群本部と電子開発実験群が入間基地から移駐した。2014年8月1日、航空開発実験集団が入間基地から移転してきた。2015年9月1日、首都直下地震を想定した９都県市防災訓練に参加。2016年3月28日、計測支援隊が入間基地から移駐した。6月1-3日、航空気象群監理部が府中市役所職員48人に対する体験入隊（衛生教育、人命救助システム教育、基本教練、消防訓練、気象情報作成、中枢気象隊見学）を実施。これが府中基地で初となる体験入隊である。6月18日、府中第２小学校の防災イベントで車両展示やパネル展示などを実施。2017年7月5日、航空自衛隊QCサークル第３回大会を実施。2018年3月、無人機研究システム４号機がゲートガードとして展示に加わった。2020年5月18日、宇宙作戦隊が新編された。10月15日、東京地本代々木募集案内所が一般曹候補生として入隊予定の高校生ら９人を引率し、研修を行った。2022年3月17日、宇宙作戦群が新編された。8月31日から9月7日、令和4年度在外邦人等輸送訓練が行われた。12月、航空中央音楽隊新庁舎（鉄筋コンクリート３階建て、延床面積3000平方メートル）が竣工した。2023年3月、航空中央音楽隊が立川分屯基地から移駐した。3月16日、宇宙システム管理隊が新編され、宇宙作戦隊が第１宇宙作戦隊に改編された。9月22日、アメリカ宇宙軍作戦部長サルツマン大将が基地を訪問し、航空開発実験集団司令官、航空支援集団司令官、宇宙作戦群司令と意見交換を行った。参考：府中基地パンフレット、月刊JWings2,’00、6,’10別冊付録、6,’12、7,’18、10,'20、11,’22、朝雲

　＜府中基地（２００７年度）＞：航空総隊、航空支援集団、航空気象群などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

　＜府中基地（２０１５年）＞：航空支援集団司令部、航空開発実験集団司令部、航空保安管制群本部、同群飛行情報隊、航空気象群本部、中枢気象隊、電子開発実験群、基地業務群、北関東防衛局装備部装備第２課、東京地方協力本部三多摩地区隊府中分駐所が置かれている。参考：府中基地パンフレット、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings8,’14

＜府中基地隊＞：航空自衛隊の基地隊。1958年8月、府中基地で新編された。1967年10月、防空指揮群に改編された。参考：府中基地ホームページ

＜武直９＞：ドーファン２ヘリ海外ファミリーを参照。

＜武直１０＞：Z-10（攻撃ヘリ）を参照。

＜武直１９＞：Z-19（攻撃ヘリ）を参照。

＜プチロフ・ガルフォルド装甲自動車＞：1914年に帝政ロシアで開発された４輪装甲車。アメリカのガーフォード４トン貨物自動車をリベット止め装甲板（6.5-13mm）で装甲化し、操縦室後部の車体両側面にマキシム7.62mm機銃用銃塔各１基、その後ろの荷台に230度限定旋回の76.2mm野砲・マキシム7.62mm機銃を搭載した密閉砲塔を積んでいる。全長5.7m、全幅2.3m、全高2.5m、重量8.6トン。エンジンは35馬力でやや重量過大であり、路外性能は悪かった。最大速度20km。乗員は８名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜仏印＞：フランス領インドシナのこと。今のベトナム、ラオス、カンボジアにあたる。参考：月刊PANZER5,’81

＜仏印戦争＞：1946年12月19日、北ベトナムが独立宣言を行ったが、これに対してフランスが軍事介入して発生した戦争。フランス軍はアメリカから大戦中に供与された各種戦闘車両を投入して鎮圧を図ったが、ゲリラ戦に手を焼いて敗退、撤退した。参考：月刊PANZER5,’02

＜普通科＞：日本海軍術科学校の技能教育課程で、兵が練習生として受講する。参考：日本海軍艦隊総覧

＜普通科＞：陸上自衛隊の職種の１つで、要するに歩兵部隊。職種徽章は小銃をクロスさせ、月桂樹で囲み、頂部に桜花を配したデザインである。職種色は赤。地上戦闘の骨幹部隊で、個人の戦闘能力と短距離火力を武器とし、機動力と近接戦闘（突撃）により敵部隊を捕捉・撃破、必要な地域を占領確保して戦闘に最終の決を与える。師団輸送隊で１個普通科連隊、方面航空隊で１個普通科中隊しか運べず、殆どが軽歩兵という状態が永らく続いたが、第７師団の機甲師団化に伴って第11普通科連隊が完全機械化歩兵となり、21世紀に入って高機動車と軽装甲機動車の登場により全普通科連隊の完全自動車化に成功した。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊図鑑2002、MAMOR vol.62、vol.86、vol.115、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜普通外出＞：外出（自衛隊）を参照。

＜普通科教導連隊＞：陸上自衛隊の教導部隊で、富士教導団の隷下にあり、滝ヶ原駐屯地に置かれている。富士学校の普通科教育支援を主任務とし、編成は装備車両ごとに分かれている。1956年1月25日、第13普通科連隊第３大隊を基幹として新編された。本部中隊、管理中隊、第１大隊、第２大隊、重迫撃砲中隊からなる。1960年4月、滝ヶ原分屯地に移駐。1968年3月、装甲輸送隊が新編された。1988年3月、装甲輸送隊が第４・第５中隊に編入された。1991年6月19日、第34期部隊集合教育レンジャーの行動訓練第８想定５日目、長距離水路・山地潜入の際に学生１名が熱中症で殉職した。1994年3月、対戦車中隊が新編された。2007年、第５中隊が廃止されて４個中隊編成となり、第１中隊が89式装甲戦闘車に更新された。2009年1月6-8日、東富士演習場で第３中隊と衛生小隊の訓練検閲を実施。評価は優良だった。2月2日、東富士演習場で射撃競技会を実施。89式小銃による伏撃ち９課題と中間姿勢10課題を行い、中隊対抗では第２中隊が優勝した。2月24-27日、東富士演習場で情報小隊の訓練検閲を実施。4月9日、第３中隊迫撃砲小隊が1994年のL16迫撃砲導入以来の81mm迫撃砲無事故射撃5000発を達成。6月29日、平成21年度連隊らっぱ競技会を実施。9月7-9日、東富士演習場で重迫撃砲中隊と対戦車中隊に対する平成21年度訓練検閲を実施。9月24日、第194次新隊員課程後期・第２期一般曹候補生課程後期隊員計55名の修了式を実施。2010年1月18-19日、東富士演習場で連隊射撃競技会（対人狙撃銃）を実施。初めてM24対人狙撃銃を使用して各中隊によるトーナメント方式での射撃を行い、第２中隊が優勝した。2014年2月14-15日、静岡県が大雪に見舞われたため、県知事から災害派遣要請があり、バケット１台、ダンプカー６両、作業隊３個を派遣して静岡県小山町の道路啓開を行った。2月18日午後に県知事から撤収要請があり撤収した。4月1日、第49期レンジャー学生24名への教育を開始。4月24日、21家族65人に家族オリエンテーションを実施。隊員の活動や福利厚生事業を紹介し、体験試乗なども行った。6月27日0300、第49期レンジャー学生16名に最終想定訓練を開始。伊豆山頂の電波塔を爆破（仮想）して6月30日0930に石廊崎に到着した。肋骨骨折などで応急処置が必要な５名を除く11名がCH-47に乗り込み、東富士演習場に到着。応急処置を終えた５名と合流し、7月1日0600から兵站拠点への攻撃を開始、0615に襲撃を終えると富士山５合目の太郎坊まで離脱した。16名は装輪装甲車で滝ヶ原駐屯地近くまで運ばれ、隊旗を掲げて駐屯地に帰隊、連隊長からレンジャー徽章が授与された。2015年1月5日、滝ヶ原駐屯地で訓練始め（駆け足）を実施。3月1-5日、東富士演習場で第１・第３中隊、対戦車中隊、情報小隊、衛生小隊に対する訓練検閲を実施。第１師団、第12旅団、第１空挺団、富士学校、教育支援飛行隊富士飛行班などの支援を受け、隊員640名・車両162両・携帯型無人機などが参加し、敵陣地攻撃における各中隊・小隊の行動を演練した。10月15日、東富士演習場で分隊等総合戦技競技会を実施。11月2日、東富士演習場で分隊等総合戦技競技会を実施。2016年2月3日、重迫撃砲中隊が北富士演習場で第１師団重迫撃砲競技会に参加。5月10-17日、東富士演習場春季定期整備に参加。終了後、隊員８名に第１施設団長などから褒賞状が授与されている。2017年2月8-9日、第２中隊50名が静岡県下田市で徒歩行進訓練と炊事訓練を実施。災害派遣を想定し、徒歩行進能力の向上、発災時に使用する機動路の確認徹底、関係機関との連携強化、野外炊事能力向上を目的に、市街地を含む経路での徒歩行進などの訓練を行った。3月6-10日、東富士演習場で第１中隊（陣地防御に任ずる警戒部隊および予備中隊の行動）、第３中隊（主戦闘地域守備部隊の行動）、衛生小隊（陣地防御における衛生小隊の行動）に対する中隊等訓練検閲を実施。5月18-19日、滝ヶ原駐屯地総合グラウンドで平成29年度第１回車両競技会を実施。小型トラック、大型トラック、高機動車で車両操縦の部と整備点検の部の競技を行い、中隊対抗では第３中隊が優勝した。7月10-11日、東富士演習場などで前期分隊長等集合訓練を実施。第１中隊長が担任官で、各中隊から15名が参加し、命令下達や戦闘指導などの訓練を行った。2018年1月20日、本部管理中隊が中隊家族の日を開催し、隊員138名と27家族65人が参加した。5月24日、南海トラフ地震を想定した応急出動準備訓練レディネス・チェックを実施。第３種非常勤務態勢に移行して１時間以内に先遣隊が出動準備を終え、本隊も準備を完了したところで状況を終了した。2022年4月24日、全日本銃剣道優勝大会防衛省１部で優勝した。2023年4月7-20日、春期東富士演習場整備や、それに連携した炊事訓練などに参加。8月25-29日、予備自衛官招集訓練を実施。参考：滝ヶ原駐屯地ホームページ、月刊PANZER9,’12、MAMOR Vol.71、朝雲

　＜普通科教導連隊（２０１５年）＞：富士教導団隷下で、滝ヶ原駐屯地に置かれている。本部管理中隊、第１中隊（89式装甲戦闘車）、第２中隊（軽装甲機動車）、第３中隊（高機動車）、第４中隊（96式装輪装甲車）、対戦車中隊（中距離多目的誘導弾）、重迫撃砲中隊（120mm迫撃砲RT）、新隊員教育隊からなる。参考：滝ヶ原駐屯地ホームページ

＜普通科中隊＞：陸上自衛隊の歩兵中隊のこと。中隊長は３等陸佐。普通科連隊は三単位編制だが、こちらは隷下に小銃小隊４個を置き、重火器小隊も有し、中隊本部には運用訓練幹部を配置、更に師団特科部隊から前進観測幹部や連絡幹部も送り込まれ、標準的な外国軍歩兵中隊以上の戦力を有している。参考：月刊軍事研究5,’16、自衛隊装備カタログ1981

　＜普通科中隊（１９６２年、師団改編後）＞：本部、小銃小隊４個（小銃班３個ずつ）、中迫撃砲小隊（81mm迫撃砲４門）、無反動砲小隊（75mm無反動砲４門）からなる。参考：月刊軍事研究4,’10

　＜普通科中隊（１９７７年）＞：普通科連隊隷下で、中隊本部、小銃小隊４個、無反動砲小隊（106mm無反動砲搭載73式小型トラックまたは60式自走無反動砲）、迫撃砲小隊（81mm迫撃砲）からなる。中隊は軽対戦車火器としてM20バズーカも装備する。小銃小隊は小銃班３個からなり、小銃班は11名で、小銃の他に機関銃１丁を装備する。参考：日本の防衛戦力Part1

＜普通科中隊（１９８０年代半ば）＞：隊員数200名。中隊本部、４個小銃小隊、迫撃砲小隊（81mm迫撃砲４門）、無反動砲小隊（106mm無反動砲４門または60式自走無反動砲２両）から編成される。7.62mm機関銃12丁、12.7mm重機関銃３丁、84mm無反動砲12門を有する。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、兵器最先端５

＜普通科中隊（軽装甲機動車装備、２０１０年）＞：中隊本部（20名弱。軽装甲機動車１両、新73式小型トラック2-3両、73式大型トラック装備。73式中型トラックも装備することあり）、小銃小隊４個（１個小隊は隊員27名。小隊本部、小銃班、機銃班、対戦車班からなり、軽装甲機動車７両を装備する）、対戦車小隊１個（隊員18-20名。新73式小型トラック６両、87式対戦車ミサイル４基装備）、迫撃砲小隊１個（隊員22-24名。新73式小型トラック６両、81mmL16迫撃砲４門）からなり、隊員数170名。ただし人員不足で小銃小隊が３個だったり、対戦車小隊が無かったりする。参考：月刊PANZER7,’10

＜普通科部隊戦闘射撃シミュレータ＞：陸上自衛隊の射撃シミュレータ。普通科部隊の戦闘射撃訓練を実戦的かつ効率的に行うことにより、小部隊指揮官の射撃指揮能力や、隊員の射撃練度を向上させるのが主任務である。内部に幅16m・奥行き15m・高さ2mの空間があり、正面にスクリーンが配置されていて、模擬銃砲から赤外線レーザーで射撃訓練を行う。模擬銃砲は射撃音や反動も再現され、体の傾きといった個人の癖や、銃砲弾命中箇所による被害状況の違いも表示できる。小銃・機関銃基本射撃、照準至近距離射撃、84mm無反動砲基本射撃、小銃班戦闘射撃訓練、迫撃砲観測訓練などを行うことが可能で、基本射撃なら８名、戦闘訓練なら10名が同時に訓練でき、各方面隊や、射場確保が困難な離島などにも配備されている。参考：MAMOR vol.135

＜普通科部隊戦闘射撃訓練シミュレータ�U型＞：自衛隊の機器。マリックス製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜普通科連隊＞：陸上自衛隊の歩兵連隊のことで、番号の末尾にi（infantry regimentの略）を付けて25iなどと略す。連隊長は一等陸佐である。ちなみに日本陸軍歩兵連隊と同一番号で同一郷土なのは第１、第５、第33、第34、第37の５つ。地形や気象を克服して戦闘を実施でき、各種輸送手段に順応できるが、長射程火力に乏しく、移動速度・距離に限界がある。隷下主力部隊は大隊でなく普通科中隊だが、それを補うべく中隊の規模を大きくした。他職種部隊と編合されて連隊戦闘団の基幹となったり、一部が機甲科部隊に派遣されたり、ヘリボーン作戦に投入されたりする。冷戦たけなわの頃は第11普通科連隊以外は同一編成を取っていて、どこの師団に増援に行ってもすぐに運用できたが、冷戦終結で任務別連隊の編成となった。同時多発テロ以降は対テロ用の市街戦訓練を実施していたが、そちらに偏りすぎて野戦能力が低下したため、野戦を基本に据えて叩き直している。参考：月刊軍事研究1,’10、5,’12、5,’16、スピアヘッドNo.3、自衛隊装備カタログ1981、日本の防衛戦力Part1

　＜普通科連隊（管区隊）＞：本部中隊、３個普通科大隊、重迫撃砲中隊（107mm迫撃砲12門）、特車中隊（M24またはM4A3を22両）、管理中隊、衛生中隊からなる。中隊は職種で呼ばれることはなく、通し番号がふられており、３個普通科大隊隷下の９個小銃中隊が第1-9中隊、３個重火器中隊が第10-12中隊、重迫撃砲中隊が第13中隊、特車中隊が第14中隊という名称だった。定数3200名。参考：月刊軍事研究8,’04、4,’10

　＜普通科連隊（混成団・１９５４年）＞：４個大隊編成で、本部中隊、４個普通科大隊、重迫撃砲中隊、戦車中隊、管理中隊、衛生中隊からなる。定数3200名。参考：月刊軍事研究8,’04

　＜普通科連隊（混成団・甲）＞：連隊本部、本部管理中隊、普通科中隊４個、迫撃砲中隊からなる。定数1000名で、一般混成団に比べて戦闘力が大幅に劣る。参考：月刊軍事研究8,’04

　＜普通科連隊（１９６２年、師団改編後）＞：連隊本部、本部管理中隊、４個普通科中隊、重迫撃砲中隊からなる。参考：月刊軍事研究4,’10

　＜普通科連隊（１９７７年）＞：定数1200名。連隊本部、本部管理中隊、４個普通科中隊、重迫撃砲中隊（107mm迫撃砲）からなる。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜普通科連隊（１９８０年、第７師団第１１普通科連隊）＞：陸上自衛隊唯一の完全装甲化普通科連隊である。隷下に６個普通科中隊を置き、第７師団の３個普通科連隊に１個中隊ずつ配属しても残りの３個中隊で１個戦闘団を編成できる。また、１個装甲重迫撃砲中隊により戦車連隊戦闘団への直接支援も可能。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜普通科連隊（１９８０年代半ば）＞：隊員1200名で、連隊本部、本部管理中隊、４個普通科中隊、重迫撃砲中隊（本部及び４個小隊、隊員150名、107mm迫撃砲12門）を隷下に置く。連隊本部は連隊長、副連隊長、部隊幕僚（総務人事担当第一係主任S-1、情報担当第二係主任S-2、作戦担当第三係主任S-3、広報担当第四係主任S-4）、部隊特別幕僚（通信系幹部、車両系幹部、衛生係幹部）からなる。本部管理中隊は中隊本部、連隊本部班、人事班、情報小隊、通信小隊、作業小隊、管理整備小隊、衛生小隊、対射撃分隊（敵迫撃砲の位置標定を担当）からなる。自動車化されているのは重迫撃砲中隊のみで、師団輸送隊に配備されている大型トラック40両全てを使用して漸く１個連隊の車両による機動が可能となる。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、兵器最先端５

　＜普通科連隊（平成８年度大綱、第６・第８・第１０師団）＞：師団２型の普通科連隊。連隊本部・本部管理中隊、普通科中隊４個、重迫撃砲中隊、対戦車中隊からなる。参考：月刊軍事研究6,’04

＜普通科連隊（平成８年度大綱、第４・第９師団）＞：師団１型（内地）の普通科連隊。連隊本部、本部管理中隊（中隊本部、情報小隊、通信小隊、施設作業小隊、管理整備小隊、衛生小隊、対射撃分隊２個）、普通科中隊（中隊本部、小銃小隊４個、迫撃砲小隊、対戦車小隊）４個、重迫撃砲中隊（中隊本部、重迫撃砲小隊４個）からなる。参考：月刊軍事研究6,’04、9,’04

＜普通科連隊（平成８年度大綱、第７師団）＞：連隊本部・本部管理中隊、普通科中隊５個、重迫撃砲中隊１個からなる。参考：月刊軍事研究6,’04

＜普通科連隊（平成８年度大綱、第１・第３師団）＞：師団３型（政経中枢防衛師団）の普通科連隊。連隊本部・本部管理中隊、普通科中隊５個からなる。参考：月刊軍事研究6,’04

＜普通科連隊（平成８年度大綱、第１２・第１３旅団）＞：旅団２型・３型の普通科連隊。連隊本部、本部管理中隊（中隊本部、情報小隊、重迫撃砲小隊、通信小隊、管理整備小隊、施設小隊、衛生小隊）、普通科中隊（中隊本部、小銃小隊４個、迫撃砲小隊、対戦車小隊）３個からなる。参考：月刊軍事研究6,’04

＜普通科連隊（平成８年度大綱、第５・第１１旅団）＞：旅団１型の普通科連隊。基本的には第12・第13旅団と同じだが、装輪装甲化される。参考：月刊軍事研究6,’04

＜西部方面普通科連隊＞：WAiRを参照。

＜普通科連隊（２０１５年）＞：師団隷下（第７師団除く）は隊員数1000名で、本部管理中隊、普通科中隊４個、重迫撃砲中隊（120mm迫撃砲RT16門）からなる。第７師団第11普通科連隊は本部管理中隊、普通科中隊６個、重迫撃砲中隊（96式自走120mm迫撃砲24両）からなる。旅団隷下は隊員数650名で、本部管理中隊（隷下に重迫撃砲小隊あり）、普通科中隊３個からなる。参考：月刊軍事研究9,’18、1,’19

＜普通善行章＞：善行章（日本海軍）を参照。

＜普通弾＞：Ball。人員などの軟目標に対して用いる小火器弾薬。硬鉛または硬鉛と軟鋼の弾芯を丹銅または丹銅被覆甲で覆った軍用弾薬である。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜普通爆弾＞：自衛隊用語で、汎用爆弾のこと。参考：月刊JWings11,’12、月刊軍事研究3,’11

＜普通爆雷＞：水上艦から投下・投射される爆雷。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜物干場＞：ブッカンバと読む。日本陸軍用語で、洗濯する場所のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜物乾場＞：ブッカンバと読む。自衛隊用語で、洗濯物を乾かす場所のこと。居住区に乾燥室が設けられていたり、屋上を干し場に使ったりする。参考：MAMOR vol.123

＜フック＞：Mi-6シリーズ（ヘリ）を参照。

＜フック＞：Su-35が行った、水平旋回中にプガチョフコブラを行う機動。参考：月刊JWing6,’00、10,’02

＜ブック＞：日本海軍士官のスラングで、本牧のチャブ屋の通称。参考：帝国陸海軍事典

＜フック１１２Ｂ＞：PRC-112B（通信機）を参照。

＜フックする＞：日本海軍士官のスラングで、女性の体に触れること。参考：帝国陸海軍事典

＜フッケバイン＞：Ta183（戦闘機）を参照。

＜福建基地＞：中国海軍基地。元は福建水警区の軍港で、2003年に福建保障基地になり、2012年に福建水警区に戻り、2017年に福建基地になった。2019年現在、東海艦隊護衛艦第13支隊（056型コルベット６隻）が配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’20、2,’19

＜復興丸＞：播磨造船所特殊貨物船。垂線間長106.68m、幅15.24m、深さ8.23m、満載吃水6.83m、総トン数3835トン、重量トン数6139トン。主機はスルザー・ディーゼル２基2343馬力、航海速力10ノット、最大速力10.877ノット。大正13年12月25日竣工。昭和3年、太洋海運に売却された。太平洋戦争勃発後は陸軍部隊の輸送任務に就いた。1944年5月17日、サイパンからパラオに向かう途中、グアム島北西でSS-381サンド・ランスの雷撃を受けて5月18日に沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜福生飛行場＞：日本陸軍の飛行場。戦後は横田基地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜ブッサルト＞：ドイツ海軍ブッサルト級カタパルト艦１番艦Bussard。1942年竣工。第２次大戦終結後はオランダに引き渡され、アホイとなった。参考：月刊世界の艦船8,’16、グラフィックアクション44

＜ブッサルト級＞：ドイツ海軍カタパルト艦Bussard級。大型飛行艇をカタパルト発進させるのが主任務で、カタパルトは力量20トンあり、艦尾から前甲板まで加速レールが延びている。カタパルト後端には飛行艇を載せるための大型クレーンがある。全長98.3m、基準排水量2040トン。速力12ノット。1942年にブッサルトなど２隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜仏山＞：559（フリゲート）または563（フリゲート）を参照。

＜物資投下用衝撃緩衝袋＞：シバタ工業が開発中の物料投下用エアバッグ。長さ0.7m・直径0.5mの円筒形ゴムバッグの両側に幅0.7m・直径1mのゴム製エアバッグをくっつけた構造をしており、円筒形ゴムバッグに60kgまでに荷物を収容する。パラシュート降下時の衝撃でも内部の精密機器は壊れず、海面に落下しても浸水せずに浮き上がる。100回以上の再使用にも耐える。2014年の陸自需品学校QMフェアで公開された。参考：朝雲

＜プッシャー＞：タンパーを参照。

＜プッシャー・プロペラ＞：推進式プロペラ。機体の後ろに付けたプロペラで機体を押し進めるタイプの推進装置である。プロペラ後流が空中に抜けるので、プル・プロペラのようにエンジンナセルや胴体の空気抵抗が増えず、効率が良い。ただし、プロペラには機体表面の境界層の影響を受けた気流が入ってくるので、プロペラ効率自体は悪い。エンジンも胴体後部に配置するため、機体重心位置に注意が必要で、空冷だとエンジンの冷却が難しいという欠点がある。また、脱出の際にパイロットが巻き込まれる恐れがあり危険。参考：飛行機のはなし、航空機設計法

＜ブッシュ＞：DD-529（駆逐艦）を参照。

＜ブッシュウェッカー作戦＞：アメリカ軍が1993年6月26日に実施した、イラク情報本部へのトマホーク攻撃作戦Operation Bushwacker。イラクによるブッシュ元大統領暗殺計画阻止を目的とし、北部アラビア湾からCG-62チャンセラーズビルが９発、DD-969ピーターソンが14発のトマホークを発射した。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ブッシュ・バッシング＞：G6（自走砲）を参照。

＜ブッシュマスター＞：LVT-3シリーズ（水陸両用車）またはM242（機関砲）またはMk38（機関砲）を参照。

＜ブッシュマスター＞：オーストラリア陸軍歩兵機動車PMV（Protected Mobility Vehicle）、Bushmaster。ADI社（後にタレス・オーストラリア社）製で、ブッシュマスターは中南米に棲む毒蛇である。主任務は後方から戦闘地域に歩兵を迅速に輸送することであり、航続距離と食糧・飲料水積載能力を重視し、武装や防御にはさほど力を入れていない。アメリカ陸軍FMTVのシャシーを流用した４×４輪装甲兵員輸送車で、車体前部に乗員２名、後部兵員室に７名（左３名、右４名の向かい合わせ）が乗る。出入り口は車体後面のドアのみで、キャビン左右にはドアが無い。床下に270リットル入り飲料水タンクを持ち、３日間の独立行動が可能。サスペンションはコイル・スプリングとダブルウィッシュボーンで、油圧式ショック・アブソーバーとタイヤ圧調整装置（道路、砂漠、雪、緊急時の４段階）も装備する。後部兵員室側面には３個ずつの視察窓が開けられ、兵員室上面には４個のハッチがある。エアコンとウインチを標準装備している。車体はモノコック構造で、防御力は7.62mm弾の直撃や81mm迫撃砲弾片に耐えられる程度である。底面は舟形（Ｖ字型）をしており、地雷（TNT9.5kg）の爆風から身を守る。兵装は兵員室ルーフのリングマウントに装備する自衛用機銃程度だが、プロテクター遠隔操作銃塔を搭載した車両もある。全長7.18m、車体長6.6m、全幅2.48m、全高2.65m、戦闘重量15トン。エンジンはキャタピラー社製3116ATAAC空冷ターボ付きディーゼル（330馬力）、トランスミッションはアリソン製MD3070PT前進７速・後進１速オートマチックで、最大速度120km、航続距離1000km。乗員２＋７名（１＋９名？）。オーストラリア陸軍が1999年に737両を発注した他、オランダ軍が46両を採用し、イギリス軍も採用した。装甲強化・周辺監視カメラ搭載型や貨物輸送型などのバリエーションも開発されている。参考：月刊PANZER6,’00、5,’99、2,’02、7,’11、月刊軍事研究10,’07、9,’08、7,’11、月刊JWings7,’15、3,’16、朝雲

　＜ブッシュマスターＭＲ６＞：装甲強化などの改良を加えたタイプで、MR6はMulti Role 6の略。在来型からの改良も可能である。エンジンはディーゼル（300-330馬力）、トランスミッションは６速オートマチック。乗員２名、乗車兵員10名。指揮車、修理整備車、自走迫撃砲、爆発物処理車、装甲野戦救急車など12種類のバリエーションが用意されている。ユーロサトリ2018で装甲野戦救急車型が展示された。参考：月刊軍事研究10,’18

＜ブッシュマスター海外シリーズ＞

　＜ブッシュマスター（ジャマイカ軍）＞：ジャマイカ軍装甲車。2013年に12両を発注し、2015年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜輸送防護車＞：陸上自衛隊装甲兵員輸送車。アルジェリア人質事件の教訓を元に、自衛隊法改正で在外邦人等輸送の手段として車両による陸路輸送を追加することになったため、C-130Hに積んで海外展開できる装甲兵員輸送車として2014年4月に４両を発注し、2016年度予算で４両をタレスジャパンに追加発注した。全長7.18m、全幅2.48m、全高2.65m、重量14.5トン。エンジンはディーゼル（330馬力）で、最大速度100km、航続距離1000km。自衛用に機銃３丁を搭載可能。乗員１名＋搭乗隊員９名。ちなみにイメージCGでは６輪装甲車だったが、C-130Hに入らなかったらしく、右ハンドルで公道を走れるサイズの本車が選ばれたようだ。2015年3月13日に中央即応連隊に４両が配備された。12月17-18日の在外邦人等輸送訓練に登場し、操縦席のルーフにMINIMIを搭載していた。参考：月刊JWings7,’15、3,’15、3,’16、月刊軍事研究2,’16、12,’18、朝雲

＜ブッシュマスター�U＞：Mk44（機関砲）を参照。

＜ブッシュマスター�V＞：マクダネル・ダグラス社が開発したチェインガン。Mk38機関砲の威力強化型で、砲身などの換装により口径を35mmと50mmに交換できる。単発、管制連発、自動連射（発射速度毎分200-300発）が可能。給弾はリンクレスで、35mmAPFSDS弾の砲口初速は毎秒1400m、50mm弾では1600m。1997年にはM2ブラッドレイに搭載して試験が行われたが、採用されていない。参考：月刊軍事研究7,’97、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ブッシュマスター�W＞：ボーイング社が開発したチェインガンで、口径40mm。CV9040に搭載されている40mm砲と同じ弾丸を使用でき、大きさは更にコンパクトに纏めている。2001年に最初の試射が行われた。参考：月刊軍事研究9,’01

＜ブッシュ・ランク＞：戦場での残忍さや勇敢さのみを基準にして階級を決定すること。戦闘知識に乏しいため、戦闘能力が低くなる。参考：月刊軍事研究7,’08

＜ブッション点火装置＞：アメリカ陸軍が第１次大戦時に開発した手榴弾用点火装置で、現在でも主流となっている。弾体中央部に起爆薬、信管、撃発雷管を重ね、弾体頭部に撃針の付いた金属棒があってレバーにより引き上げられており、レバーは安全ピンで固定されている。安全ピンを抜いてもレバーを握っている限り炸裂しないが、手を離すとレバーがバネによって跳ね飛ばされ、撃針が雷管を叩き、信管次いで起爆薬が作動、炸裂する。撃針が落ちる様子から、ねずみ取り式点火装置とも呼ばれた。参考：手榴弾・迫撃砲

＜仏ソ核兵器偶発使用防止協定＞：1976年7月16日にフランスとソ連の間で結ばれた協定で、正式名称は核兵器の偶発あるいは無許可の使用の防止に関するフランス外相とソビエト社会主義共和国連邦外相との間の交換公文。両国は核兵器の偶発使用・無許可使用を防止するために必要な措置を講じ、もしそういった事態が生じた場合には互いに直ちにクレムリンとエリゼー宮の間の直通通信線で通知することとしている。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜プッチ＞：一揆を参照。

＜ブッテ＞：APA-68（攻撃輸送艦）を参照。

＜フッド＞：51（巡洋戦艦）を参照。

＜沸騰水型原子炉＞：軽水炉を参照。

＜プットゥ・ヤトファ・チュラロク＞：タイ海軍ノックス級フリゲートPhuttha Yotfa Chulalok。元はアメリカ海軍ノックス級フリゲートのトルーエトである。1994年就役。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜フッド級＞：イギリス海軍巡洋戦艦Hood級。ドイツ海軍マッケンゼン級巡洋戦艦に対抗して４隻を建造する予定で、提督に由来する艦名も決まってアドミラル級になる筈だったが、マッケンゼン級が建造中止になったため１番艦だけ第１次大戦後に完成し、イギリス海軍最後の巡洋戦艦となった。ジュットランド海戦の戦訓から防御力を強化し、排水量のうち３分の１を装甲重量が占めていたものの、集中防御方式は採っておらず、甲板装甲厚は最上甲板中央が1.25インチで両側が1.5-2インチ、上甲板が１インチ（25.4mm）、中甲板が1.5-2インチ（38.1-50.4mm）、下甲板が1.5インチ（38.1mm）と、戦艦よりも薄かった。船体舷側装甲厚は最上甲板から中甲板までが２インチ（50.4mm）、中甲板から艦底までが1.5インチ（38.1mm）で、更に下甲板の少し下方から最上甲板まで装甲帯が張られており、水線部は12インチ（305mm）と長門型戦艦レベルの厚さを有していたが、その範囲は下甲板から中甲板の少し上あたりまでと狭く、上甲板までは７インチ（177.8mm）、最上甲板までは５インチ（127mm）、下甲板より下方は３インチ（76.2mm）しか無かった。その他、缶室側面上方の中甲板から上甲板の間に厚さ１インチ（25.4mm）、下甲板から中甲板の舷側すぐ内側に厚さ２インチ（50.4mm。舷側とは逆傾斜）、バルジ内に厚さ0.5インチ（12.7mm）、缶室側面に0.75インチ（19.1mm）の装甲が張られている。ワシントン条約の制限（基準排水量35000トン）を超えているが、例外で保有が認められた。全長262.1m、幅31.7m、吃水8.7m、基準排水量42100トン、常備排水量42670トン（うち防御重量13870トン、機関重量5969トン）。主機はブラウン・カーチス高低圧並列オールギヤード蒸気タービン（高圧タービンは２列式カーチス段２段＋衝動翼８段で毎分1500回転、低圧タービンは前進用衝動翼８段＋後進用３列式カーチス段２段で毎分1100回転、減速歯車は１段）４基、主缶はヤーロー式重油専焼水管缶（蒸気性状1.617MPa、飽和温度）24基、出力144000馬力、４軸推進、推進軸回転数210rpm、速力31ノット、航続距離4000海里（10ノット）。兵装は38.1cm連装砲塔Mk�U４基、50口径14cm単装砲12門、45口径10.2cm連装高角砲４基、4.7cm単装砲４門、533mm水上発射管４門、533mm水中発射管２門。FCSはドライヤー・テーブルＭｋ�X改。装甲厚は水線部舷側305mm、甲板76mm、バーベット305mm、砲塔前楯381mm、司令塔279mm。乗員1477名。艦番号51フッドが1920年に就役した。ちなみに2-4番艦はアンソン（1917年11月9日起工）、ハウ（1916年10月16日起工）、ロドネイ（1916年10月9日起工）で、全て1918年に建造中止となっている。1929-30年に改装を実施、FCSをAFCT Mk�Zに換装し、対空火器の増設などを行った。1931年、後甲板にカタパルトを装備したが、後で外されている。後に284型射撃指揮レーダーを搭載した。1940年、最上甲板の14cm砲を撤去して10.2cm連装高角砲に換装、対空ロケットランチャーを追加している。参考：近代戦艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸11,’09、月刊世界の艦船2,’20、7,’11、11,’11、1,’12、4,’17

＜フットバー＞：ラダーペダルを参照。

＜フットペダル＞：ラダーペダルを参照。

＜フットペダル＞：Foot pedal。ヘリコプターの座席足下にあるペダルで、機首を左右に振る（ヨーイング）時に使う。テイルローターのピッチ角を変更し、反トルク力を調節する。参考：JWings5,’03、月刊軍事研究6,’15

＜フットボール＞：EA-6B（電子戦機）を参照。

＜フッドラム＞：Ka-26（ヘリコプター）を参照。

＜物品役務相互提供協定＞：正式には「日本国の自衛隊と○○国の軍隊との間における物品または役務の相互の提供に関する日本国政府と○○国政府との間の協定」で、ACSA（アクサと読む）と略す。自衛隊と他国軍が、弾薬・燃料含む物品（武器は含まない）や、補給作業・輸送などのサービスを、平時（PKOや国際緊急援助活動など）から相互に提供するための協定である。1996年4月15日、アメリカと締結した。2010年5月、オーストラリアと締結した。2017年2月26日、イギリスと締結した。2018年4月21日、カナダと締結した。2018年7月14日、フランスと締結した。2020年9月9日、インドと締結した。2024年1月29日、ドイツと締結した。参考：月刊JWings4,'21、4,'24、朝雲

＜物品販売所（日本陸軍）＞：酒保（日本陸軍）を参照。

＜物品販売所委員（日本陸軍）＞：日本陸軍の委員。委員首座は兵科佐官または大尉で、尉官若干名（１名は経理部将校）を置く。物品販売所に係る業務を行うが、売り上げ当日を除く金銭と有価証券の保管出納に係る業務は共有金保管委員が担当する。物品の調弁は首座の購入命令か、その契約によって行う。参考：軍隊内務令

＜ブッフェル＞：南アフリカ陸軍４輪装甲兵員輸送車Buffel。車体前部が機関室、その上部左が操縦手席、右がスペアタイヤ収容部、後部が10名乗りのオープントップ兵員室になっている。操縦手席周囲には防弾ガラス３枚が填め込まれており、兵員室底部はＶ字になっていて地雷の爆風を逃がす。TM57地雷の炸裂にも耐えられる。兵員室側面は高い壁で囲まれているが、乗降用ドアが無いので側面装甲板を外側に倒して乗り降りする。兵員室側壁のマウントに防楯付き7.62mm機銃を装備することが可能。足回りはウニモグ多用途トラックの流用。1978年から配備された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊軍事研究3,’97

＜物理光学的解析理論＞：PTD理論を参照。

＜フツリャール＞：フィジーク２（魚雷）を参照。

＜物料傘＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜物料傘１号＞：陸上自衛隊の重量物投下用パラシュート。プラットホームに重量物を載せて投下する際に使用する。傘１枚あたり最大投下容量２トン。参考：MAMOR vol.124

＜物料傘２号＞：陸上自衛隊の重量物投下用パラシュート。大型投下容器に小型装備品や補給品を収容して投下する際に使用する。傘１枚あたり最大投下容量１トン。参考：MAMOR vol.124

＜ブディテルヌイ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートBditelny。1970年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ぷてロンくん＞：教育航空集団のマスコットキャラ。名前の由来はギリシャ語の羽（Pteron）。双子のえるちゃんと共に制定された。頭にひよこを乗せ、七つボタンのマントを着ていて、頭の左右に羽が付いている。てるてる坊主にアクセサリーを付けた感じで、作画コストはかなり低い。参考：朝雲

＜普天間基地＞：MCAS Futenma（普天間海兵航空基地）。在日米海兵隊基地で、沖縄県宜野湾市にある。太平洋戦争中にアメリカ陸軍が日本本土爆撃用の航空基地として中頭郡宜野湾村付近の丘陵地にある農地を接収して2400m滑走路などを造成したもので、地主は収容所に収容されていたため接収と建設は比較的スムーズ（皮肉）だった。戦後の空軍発足でアメリカ空軍の管理下に置かれ、後に数十戸を強制立ち退きさせて滑走路を2700mに拡張、1960年に空軍基地機能が嘉手納に移されるとアメリカ海兵隊が管理するようになった。敷地の９割が民有地であり、約3000名の地権者に賃借料（2010年で61億円）が支払われている。建設時は周辺に集落が点在する程度だったが、終戦で強制収容が解除された市民が基地周辺に住居を建設していったため、基地全体がフェンスぎりぎりまで住宅街に取り囲まれる危険な状況となった。滑走路はランウェイ06/24、全長2743m（9000フィート）、幅45.7m（150フィート）で、06エンドの1000フィート（304.8m）がコンクリート製、その他はアスファルト製であり、大型機の離着陸が可能である。24エンドから1150フィート（350.5m）のところにE-28(B)アレスティングギアが２つ設置されていて、10分あればアレスティングワイヤを展張できる。Ｄ誘導路とＥ誘導路に計３カ所のヘリパッドを持つ。ヘリコプター航空基地で、緊急時以外のジェット機の離着陸は制限されているが、海兵隊ジェット機がしばしば使用、嘉手納基地の滑走路工事中にはF-15も度々飛んでくる。アーミングゾーンを設ける場所が無いため、弾薬類を積み降ろしすることはできず、他の基地で行う。計器着陸装置（ILS）が無いので、ILSアプローチ訓練は嘉手納基地で実施される。フライトラインフェアと呼ばれる一般開放が実施されているが、セキュリティが凄まじく厳重で、写真付き身分証明書の提示が求められ、2009年には一眼レフカメラやビデオカメラの持ち込みが禁止された。実施日前に基地周辺で撮影していてマークされていたスポッターが当日に拘束される一幕もあったらしい。1969年11月4日から第36海兵航空群（MAG-36）が駐屯している。1972年、OV-10の燃料タンクが建設中の沖縄国際大学の敷地内に落ちた。1973年、所属のCH-46が西原村の工事現場に墜落し、救助にあたった民間人１人が負傷した。1982年、所属のUH-1Nが離陸に失敗し、普天間第二小学校から200mしか離れていない基地内に墜落した。1992年、所属のCH-46が小学校から500mの基地内に墜落した。1995年のアメリカ兵による少女暴行事件をきっかけに発足した、沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会の会合により、1996年に返還が決まったが、移設先で揉めまくっている。また、1996年には2200-0600までの飛行と地上での活動は運用上必要と考えられるものに制限するという規定が日米政府間で結ばれたが、2300頃までの訓練が続いている。1999年4月19日2145頃、HMH-361のCH-53Eヘリ１機が沖縄県国頭村の北部訓練場東沖1kmの海上に墜落し、乗員４名全員が死亡した。2002年、国と在日米軍を相手に爆音訴訟が起こされ、2006年の一審判決では損害賠償の一部が認められ、2010年の控訴審判決では賠償金額が引き上げられたが、飛行差し止めは認められなかった。2004年8月、所属のCH-53Dヘリが沖縄国際大学構内に墜落し、乗員１名が重傷、２名が軽傷を負ったが、奇跡的に乗員以外に負傷者は出なかった。一部で劣化ウラン弾を搭載していたとする報道もなされたが、普天間基地では弾薬を搭載できないので、これは勇み足である。この事故を受け、離陸時には市街地上空の通過が短いランウェイ06側を優先使用すること、住宅密集地の飛行場南側は迂回するか最短距離で通過することなどが日米両政府間で決められた。2011年7月1日、普天間基地に配備される予定のMV-22B輸送機12機が民間船に積まれてサンディエゴを出港。7月8日、HMM-262所属のCH-46Eヘリ４機が厚木基地に到着。この４機は富士演習場で最後の訓練を行った後に退役し、解体される。9月7日、HMM-265がMV-22B輸送機運用部隊VMM-265に改編された。10月1日、岩国基地から６機のMV-22Bが飛来。10月2日、岩国基地から３機のMV-22Bが飛来。この際、近くの森川公園で配備反対派が凧を揚げて飛行を妨害したため、パイロットはファイナルアプローチの経路を変更して着陸した。これにより市街地上空にかかるコースになったため、マスコミが経緯を省略して結果だけを批判する記事を載せている。凧がエンジンに吸い込まれて事故になれば場合によっては沖縄県民にも多数の死傷者が出る事態になるため、沖縄県知事や普天間基地司令官の要請で中止させた。10月6日、岩国基地から３機のMV-22Bが飛来。計12機のMV-22Bは第36航空群VMM-265で運用される。2013年8月3日、VMM-262のMV-22B２機が岩国基地から飛来。8月31日、第152海兵空中給油輸送隊とKC-130空中給油輸送機15機が岩国基地への移駐を完了した。12月7日、基地上空を飛行する海兵隊ヘリに緑色レーザーポインターを照射したとして、沖縄県警が男を威力業務妨害容疑で逮捕した。男は容疑を認めている。2015年5月から半年間、HMH-465とHMLA-269がローテーション展開。2016年9月1日、日米合同委員会で、普天間飛行場に所在するヘリ及びティルトローター機などの訓練活動を県外に移転することで合意した。9月12日から10月5日、米軍再編に係る訓練移転（回転翼機及びティルトローター機等の沖縄県外への訓練移転）（単独訓練）を実施。VMM-265などのMV-22輸送機16機と人員800名がアンダーセン飛行場とテニアン島の訓練場などで航空強襲支援訓練などを行った。11月、HMLA-267がローテーション配備され、AH-1Zが初展開した。12月13日2130頃、VMM-265のMV-22Bが空中給油訓練中にローターブレードがKC-130Jのドローグホースとぶつかり損傷、MV-22Bは名護市東海岸に不時着して大破した。乗員５名は無事だった。2017年1月20日1920頃、普天間基地を離陸して訓練をしていたHMLA-267のAH-1Zでトランスミッション異常の警告灯が点いたため、うるま市与那城伊計島の農道に予防着陸させた。死傷者や損害は無く、整備の上で1月21日1114に離陸し、普天間基地に戻っている。5月、HMLA-267がUDP展開を終え、HMLA-169と交替した。6月、HMH-465がUDP展開を終え、HMH-462と交替した。10月11日、HMH-462のCH-53Eが沖縄県東村の民間牧草地に不時着して炎上、全損した。乗員７名は無事。11月、HMLA-169がUDP展開を終え、HMLA-369に交代した。12月13日、普天間基地を離陸して訓練飛行中のCH-53Eヘリで操縦席右の非常脱出用窓が窓枠ごと（930mm×850mm、重量7.7kg）脱落し、普天間第２小学校校庭に落ちた。落下時に跳ねた小石で小学生１人が怪我をしている。開閉用レバーの安全ワイヤーを適切に留めなかった上に飛行前点検で見逃し、誤操作または不注意で緊急脱出の位置にレバーを動かしたのが原因で、第１開閉航空団司令部では安全教育を行うと共に、学校など配慮を要する地域上空の飛行を可能な限り避ける指示を出している。2018年1月6日1615、普天間基地を離陸したHMLA-369のUH-1Yでメインローター回転速度超過を示す警告灯が点灯したため、予防措置として伊計島東海岸に不時着した。1月8日1700頃、普天間基地を離陸したHMLA-369のAH-1Zで警告灯が点灯したため、予防措置として読谷村廃棄物処分場に緊急着陸した。5月、HMLA-369がHMLA-469と交代した。8月14日1722頃、MV-22Bが奄美空港に緊急着陸した。1919頃に離陸して普天間に戻っている。1750頃、MV-22Bが嘉手納基地に緊急着陸した。9月5日1545頃、普天間基地を離陸して鳥島射爆場に向かっていたUH-1Yが燃料系統にトラブルを起こして久米島空港西の草地に緊急着陸した。1715頃に離陸し、普天間基地に戻っている。9月13日1645頃、普天間を離陸して韓国に向かっていたHMH-361所属CH-53Eヘリ２機が天候不良で燃料不足になり、対馬空港に緊急着陸した。9月14日にVMGR-152所属KC-130Jが対馬空港に飛来して燃料を給油し、天候回復後の9月15日1100に１機が離陸したが機体トラブルで引き返し、点検後の1400頃に２機で離陸して韓国に向かった。9月15日1640頃、通常訓練中のHMH-361所属CH-53Eのコクピットで警告灯が点いたため、長崎空港に予防着陸した。整備と安全点検を行い、9月16日1225頃に離陸して普天間基地に戻っている。11月、HMH-465とHMLA-267が半年間の予定でUDP配備された。2019年5月、HMLA-267がUDP配備を終え、HMLA-169と交代した。8月27日1730頃、CH-53Eヘリが、沖縄本島東海岸沖8kmの洋上で、縦580mm・横470mm・重量1kgのプラスチック窓を落とした。11月、HMLA-169がUDP配備を終え、HMLA-369と交代した。2020年5月、HMLA-369がUDP配備を終え、HMLA-469と交代した。11月、HMLA-469がUDP配備を終え、HMLA-267と交代した。2021年5月、HMLA-267がUDP配備を終え、HMLA-169と交代した。HMH-462がUDP配備された。10月中旬から11月上旬、フランス海軍第25飛行隊ファルコン200哨戒機が北朝鮮の瀬取り監視を実施。11月、HMH-462がUDP配備を終えた。HMLA-169がUDP配備を終え、HMLA-369と交代した。2022年1月22日、CVN-72エイブラハム・リンカーン搭載VRM-30Det.2所属CMV-22B輸送機２機が飛来した。10月17日、フランス海軍第25飛行隊ファルコン200哨戒機が飛来し、11月上旬まで北朝鮮の瀬取り監視を行った。2023年5月、HMH-462がUDP配備を開始。2024年8月3日、オメガエアKC-707空中給油機が飛来し、アメリカ海兵隊機への空中給油支援を開始した。参考：月刊JWings3,’09、5,’10、9,’12、12,’12、2,’13、10,’13、11,’15、2,'16、4,’17、8,’17、2,’18、3,’18、9,’18、5,’19、7,’19、2,'21、8,'21、1,'22、2,'22、5,’22、1,'23、8,'23、11,'24、月刊軍事研究12,’09、6,’10、12,’12、月刊航空ファン7,’99、4,’10、6,’10、11,’16、3,’17、4,’17、1,’18、3,’18、11,’18、12,’18、11,’19、2,’20、月刊航空情報2,’10、3,’18、月刊世界の艦船4,’10、3,’12、MAMOR vol.91、朝雲

＜普天間基地（２００７年度）＞：アメリカ海兵隊第36海兵航空群、第262・第265海兵中型ヘリコプター隊、同海兵重ヘリコプター隊１個（CH-53E）、同海兵軽攻撃ヘリコプター隊１個、同第152海兵空中給油輸送隊（KC-130F/R）、同司令部飛行隊（UC-35B）、第１海兵航空団司令部飛行隊、普天間基地飛行班（UC-12F）が所在している。参考：月刊JWings6,’07、月刊軍事研究2,’08

＜普天間基地（２０１０年）＞：アメリカ海兵隊第36海兵航空群第152海兵空中給油輸送隊（KC-130J11機など）、同第262・第265海兵中型ヘリコプター隊（CH-46E）、同海兵重ヘリコプター隊のCH-53E４機、同海兵軽攻撃ヘリコプター隊のAH-1W４機及びUH-1N２機、同司令部／司令部飛行隊（UC-12F、UC-35D）、第18海兵航空管制群が所在している。参考：月刊航空ファン6,’10

＜普天間基地（２０１２年度）＞：アメリカ海兵隊第１海兵航空団司令部飛行隊（UC-35D）、普天間航空基地飛行隊（UC-12F）、第152海兵空中給油輸送隊（KC-130J）、第262海兵中型ヘリコプター飛行隊（CH-46E）、第265海兵中型ティルトローター飛行隊（MV-22B）、海兵軽攻撃ヘリコプター隊１個（AH-1W、UH-1N）、海兵重ヘリコプター隊１個（CH-53E）が所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜普天間基地（２０２０年）＞：アメリカ海兵隊第36海兵航空群司令部飛行隊（UC-12W、UC-35D）、同群VMM-262（MV-22B）、同群VMM-265（MV-22B）、HMLA１個（AH-1Z、UH-1Y。ローテーション配備）、HMH１個（CH-53E。ローテーション配備）が所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜普天間基地移設問題＞：住宅地のど真ん中にあるため、騒音被害と墜落への懸念が絶えず、1996年12月の日米首脳会談（4月12日？）で全面返還が決定した。1999年11月に代替基地の建設が決定、辺野古沖合を埋め立てて2000メートル滑走路を作ることになったが、沖縄県知事がこの飛行場を軍民共用にして15年後にアメリカ軍が使用できなくすることを公約にしたため、2500m以上の滑走路が必要となり、大規模飛行場に向かない埋め立て案は破棄された。ラムズフェルド国防長官は普天間基地を視察して住宅地の真ん中にあることに驚き、こんな酷い所は他に無いから早く何とかしろと叱りつけたといわれ、2005年2月に日本側が嘉手納基地との統合案を出したが、安全・訓練管理上ジェット戦闘機とヘリを同一基地に置かないという原則を貫くアメリカが拒否（アメリカ側が提案したが、利権争いがあったらしく日本側が拒否？）した。替わってキャンプ・シュワブ沿岸部を利用してＬ字型の滑走路を造ることにしたが、2005年10月の日米安全保障協議委員会で日米両政府が沖縄県の頭越しに決めてしまったため、地元の反発が大きくなった。2006年5月、日米協議委員会でキャンプ・シュワブ沿岸に1800mのＶ字滑走路を建設する案が決まったが、地元住民は飛行ルートが住宅の上にかかることから、基地ごと数百メートル沖合に移動させるように要求、防衛事務次官も2007年11月に収賄容疑で逮捕されてしまい、話は振り出しに戻りかけた。その後、騒音を避けるためキャンプ・シュワブの200m沖に1600m（＋オーバーラン100mずつ）滑走路２本をＶ字型（海側07/25または06/24、陸側05/23または04/22）に建設する案で固まり、総面積180ヘクタールのうち140ヘクタールを埋め立て地でまかなうことになった。離陸時にＶ字に開いた右の滑走路を使うことで集落上空の飛行を避け、着陸時に左を使用して騒音を避けるという計画である。また、同時に大浦湾に港湾施設を建設することも決定した。しかし2009年の政権交代で話が振り出しに戻り、日米両政府が同意した2014年までの普天間飛行場移転は先行き不透明である。各閣僚間で発言がバラバラだった上、鳩山首相も2009年11月13日の日米首脳会談で現行計画を進める（Trust me）と発言しながら翌日にはそれ以外の地域を検討すると言い出し、12月15日の基本政策閣僚委員会で移設先を再検討することになって纏まりが付かなくなった。普天間のヘリ部隊は2013-14年度にV-22を装備することになっており、普天間基地の代替施設はV-22やこれを運用する佐世保の強襲揚陸艦との兼ね合いもあり、ヘリ部隊だけでなく海兵隊戦闘部隊や演習場（ヘリ基地から50km以内）も一緒に動かさなければならないので、適当に人の少ない所を選んでおけば良いというものでもない。日本政府（民主党）ではキャンプ・シュワブ陸上部に1500m級滑走路と500m四方のヘリパッドを設け、その後勝連半島沖に3000m滑走路を複数設置した人工島を作るという案を検討、人工島建設に13年以上かかるので、それまで徳之島にヘリ基地機能の一部を移転することにした。しかし費用が１兆円以上かかるという試算もあり、弾薬庫、訓練場、空母や強襲揚陸艦が接岸できる岸壁などが隣接する現行案からは運用面から大幅に後退しており、徳之島から200km以上飛行して沖縄で弾薬と兵士を載せて訓練に向かうのは非現実的で、徳之島自体も基地機能を受け入れるインフラが整備されておらず、アメリカ側は実質的に拒否。連立を組む国民新党も反対し、沖縄県議会と名護市議会では県内移設反対の意見書が出され、2010年1月の名護市長選挙では移設反対派の市長が当選、国外移設を強硬に主張していた社民党は連立を離脱し、にっちもさっちもいかなくなってしまった。2010年5月23日、鳩山総理が沖縄を訪問し、普天間飛行場の移設先を辺野古付近とすることを正式表明した。これに対し、沖縄県知事や名護市長らは、公約違反であり大変遺憾であると猛反発した。5月28日、日米両政府は普天間飛行場の移設先を名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部及び隣接水域とすることで合意した。8月17-19日、アメリカ国防総省で日米専門家協議が開催され、辺野古沿岸に代替施設を建設する際の位置と工法を話し合い、8月23日には防衛省で防衛大臣とアメリカ大使が会談したが、地元に対する飛行ルートの説明に関して、ヘリコプターのルートしか説明していない日本側と、V-22の配備を前提として説明をするよう要求するアメリカ側とで亀裂が生じた。8月31日、日米両政府が普天間飛行場代替施設の配置や工法を協議した日米専門家会合の報告書を公表。Ｉ字滑走路（ランウェイ05/23）案とＶ字滑走路（ランウェイ05/23、07/25）案の両者を検討し、安全性と運用能力は両者とも水準を満たしており、Ｉ字だと埋め立て面積が40ヘクタール少なく費用も3%安い、Ｖ字だと離着陸時の陸地上空飛行時間が少なく工期が９ヶ月短いという結論を得た。2011年6月21日、ワシントンで日米安全保障協議委員会が開催され、名護市辺野古にＶ字型滑走路を持つ代替施設を出来る限り早く建設することで一致した。12月28日、普天間飛行場移設のための環境影響評価（アセスメント）評価書を沖縄県に提出。2012年2月8日、在日米軍再編ロードマップを見直し、海兵隊のグアム移転と嘉手納以南の土地の返還を普天間飛行場代替施設に関する進展から切り離すことで日米両政府が合意した。2013年3月22日、日本政府が沖縄県に辺野古沿岸部の埋め立てを申請。12月27日（26日？）、沖縄県知事が政府の辺野古埋め立て申請を承認。2014年1月4日、防衛大臣とアメリカ国防長官が電話会談を行い、防衛大臣は沖縄負担軽減策に全力を挙げて対応すると説明、国防長官はこれまでの取り組みに謝意を表明した。1月6日、防衛省が基地負担軽減策具体化のための特別作業チームを設置。8月18日、沖縄防衛局が埋め立て海域のボーリング調査を開始。8月20日、防衛大臣が沖縄県経済団体会議議長らと防衛省で会談し、移設工事の沖縄県内企業への優先発注と沖縄県産資材の活用を求める養成所を受け取った。8月22日、防衛副大臣とアメリカ国防副長官が防衛省で会談し、沖縄の基地負担軽減のため具体的な協力を進めることで一致。国防副長官は移設に向けた進展を歓迎すると述べた。11月16日、沖縄県知事選で移設反対派の翁長氏が当選。2015年4月8日、防衛省で防衛大臣と宜野湾市長が会談し、市長が普天間飛行場の早期閉鎖と返還を求める要望書を提出した。5月9日、中谷防衛大臣が翁長沖縄県知事と初めて会談し、移設協議を継続することで一致した。10月13日、前知事による辺野古埋め立てが公有水面埋立法に照らして瑕疵があるとして、翁長知事が承認を取り消した。10月15日、防衛省が国交相に対して行政不服審査法に基づく審査請求を実施。10月27日、閣議において、翁長知事による承認取り消しは違法であり、著しく公益を害するとして、地方自治法に基づき国交相が代執行手続きに着手することを了解した。11月27日、防衛省が名護市辺野古周辺の久辺３区（辺野古、豊原、久志）に対し、１区あたり毎年度1300万円を上限に直接補助金を交付（移設反対の名護市を通さない）する新制度を発足させた。2016年1月24日、宜野湾市長選で与党支援の現職が再選され、防衛大臣は翌日の会見で辺野古移設を早期着実に進める考えを示した。3月4日、日本政府が福岡高裁那覇支部の和解案を受け入れて国交相代執行による埋め立て工事を中止。翁長沖縄県知事が防衛省を訪問し、普天間飛行場の５年以内の運用停止・早期返還、嘉手納基地以南の米軍基地・区域返還推進、MV-22B県外配備と県外訓練移転推進、在沖米海兵隊国外移転などを求める要請書を提出。3月7日、防衛省で中谷防衛大臣とデビッド・シアー国防次官補が会談し、普天間飛行場の返還に向け緊密に連携し協議することで一致した。4月8日、中谷防衛大臣とアメリカ太平洋海兵隊司令官トゥーラン中将が防衛省で会談し、辺野古への移設を着実に進めることで一致した。9月23日、辺野古移設に関する訴訟で福岡高裁那覇支部の国側全面勝訴判決を不服として沖縄県が最高裁に上告。12月27日、辺野古移設に向けた工事を再開。2017年4月25日、埋め立て工事を開始し、護岸造成に着手した。8月17日、日米安全保障協議委員会で、普天間飛行場のキャンプ・シュワブ辺野古崎地区への移設が、普天間飛行場の継続的使用を回避するための唯一の解決策であることを再確認し、移設と普天間飛行場早期返還への決意を強調した。2018年11月10日、岩屋防衛大臣が就任後初めて沖縄を訪問して玉城知事と会談し、大臣は移設工事続行、知事は移設反対を表明した。2019年9月29日、河野防衛大臣が就任後初めて沖縄を訪問し玉城知事と会談したが、相変わらず大臣は移設工事続行、知事は反対で物別れに終わった。2020年10月8日、岸防衛大臣と山崎統幕長らが在日米軍横田基地を訪問し、在日米軍司令官兼第５航空軍司令官シュナイダー中将と会談、普天間飛行場の辺野古への移設が唯一の解決策との認識で一致した。10月22日、岸防衛大臣が沖縄県知事と会談し、移設が唯一の解決策であるとの認識を示し、工事の継続を伝えた。参考：月刊JWings3,’09、5,’10、6,’10、11,’10、3,’14、1,'16、2,’17、月刊軍事研究12,’09、6,’10、4,’17、月刊航空ファン4,’10、6,’10、5,’18、月刊航空情報2,’10、6,’10、月刊世界の艦船4,’10、朝雲

＜浮動撃針＞：撃針を参照。

＜武当山＞：990（揚陸艦）を参照。

＜ブドウ弾銃＞：ミトライェーズを参照。

＜ぶどう農園�T＞：ドイツが第２次大戦中にミュールドルフに建設したMe262生産地下工場。屋根は厚さ3mの基礎コンクリート上に2mの鉄筋コンクリートを張る予定で、その上には土を持って木を植え、完全に隠蔽することになっていた。周囲の労働者施設などもコンクリートで固められ、鉄道や飛行場も併設する予定だったが、1945年4月下旬に建造半ばで放棄された。参考：月刊軍事研究10,’04

＜不動の姿勢＞：日本軍人と自衛隊員の基本姿勢。参考：続海軍よもやま物語、MAMOR Vol.76

　＜不動の姿勢（自衛隊）＞：基本姿勢であると共に、敬礼の一種でもある。気を付けの号令でこの姿勢を取る。頭は真っ直ぐ、やや胸を張る感じで背筋を伸ばし、両肩は水平、腋を締めて手首を体幹に付け、手の甲は真横向き、親指を外に出して拳を適切な力で握り、両膝を閉じ、両踵を付け、爪先を男性は60度、女性は55度に開く。小銃を持っている場合は立て銃を参照。参考：MAMOR vol.109、vol.76、vol.152

＜不動の姿勢（日本海軍）＞：次の号令を待てという命令であり、気を付けの号令でこの姿勢を取る。両かかとを付け、爪先を60度に開き、重心を足が作る三角形の頂点におく。手は自然に下げ、中指の先端をズボンの縫い目にあて、指先を伸ばす。目は正しく前方やや高い位置に向け、瞬目はしない。顎は引く。講義や訓示などで皇室の話題が出る時は、言われなくても不動の姿勢を取る必要があり、「恐れ多くも…」の枕詞が聞こえた瞬間にこの姿勢になった。参考：続海軍よもやま物語

＜不動の姿勢（日本陸軍）＞：軍人精神を内に充溢し、外見は厳粛端正でなければならない。気を付けの号令で両踵を一線上に揃えて付け、両脚は約60度開いて斉しく外に向け、両膝は凝らずして伸ばし、上体を正しく腰の上に落ち着け、背を伸ばし少し前に傾け、両肩をやや後ろに引き一様に下げ右手にて銃を握り、左臂を自然に垂れ指は軽く伸ばして並べ、手指を概ね袴の縫目に当て頚及び頭を真直に保ち、口を閉じ目を正しく開き前方を直視する。姿勢を取るだけでなく、上記典範令を暗記しなければならない。参考：新兵サンよもやま物語

＜普・特・機＞：陸上自衛隊用語で、普通科、特科、機甲科を纏めてこう称する。前線部隊を意味することもある。参考：MAMOR Vol.71

＜巫毒式偵査機＞：F-101戦闘機・海外ファミリーを参照。

＜布団爆雷＞：日本陸軍の対戦車兵器で、ゴム引き布の中に7-10kgの黄色薬または茶褐薬を詰め、麻袋で包んだもので、戦車上面に設置する。M4中戦車を撃破する威力があるという。フィリピン戦で使用された。参考：月刊丸1,’07、工兵入門

＜ぶな＞：PF-294（警備艦）を参照。

＜船足＞：船の速力のこと。参考：図解船の科学

＜フナイン＞：パキスタン海軍哨戒艇Hunain。ダーメン社製OPV2600型を導入したもので、ダーメン造船所で建造された。2023年9月12日進水。参考：月刊世界の艦戦12,’23

＜船岡駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。防衛館には駐屯地の歴史などが展示されている。所在地は宮城県柴田郡柴田町大字船岡字大沼端1-1。JR船岡駅から徒歩20分。創立記念行事ではシャトルバスが出る。また、創立記念行事に合わせて１週間程度、桜祭りで駐屯地が開放される。大元は1939年（昭和14年）8月に開設された海軍火薬本廠船岡支廠で、1941年4月に第１海軍火薬廠となり、太平洋戦争終結でアメリカ軍に接収され、1950年10月に警察予備隊船岡部隊の駐屯地として開設された。1955年9月、第18普通科連隊第２大隊が倶知安駐屯地に移駐した。1958年3月、第６偵察隊が大和駐屯地に移駐した。6月、アメリカ軍から全面返還されると共に部隊が仙台に移動し、閉鎖された。1960年3月、再度開設され、豊川から第103建設大隊が移駐した。1962年7月、東北地区補給処船岡弾薬支処が開設された。1963年8月、第２施設団本部が仙台から移駐した。2011年10月16日、東日本大震災の影響で公認コースが使えなくなったため、全国高校駅伝競走大会宮城県予選会が本駐屯地内道路で開催された。2012年4月21日、駐屯地内で６年ぶりとなる柴田さくらマラソンを実施。2000人のランナーが1.5-10kmのコースを駆け抜けた。2018年3月24-25日、駐屯地司令以下有志18名が白石川と阿武隈川で河川清掃活動を実施。4月25日、防衛研究所製作シミュレーション室主任教官を迎え、最近の朝鮮半島情勢をテーマとした防衛講話を実施。2022年8月4日、海幕防衛課海上防衛戦略室長を招いて防衛講話「ミッション・コマンド」「アートとしての作戦術」を聴講した。2023年1月12日、新成人隊員18名の令和5年駐屯地成人行事を実施。8月14日から9月12日、ラグビー部指導部４名と選手18名がフランスのブルターニュ地方で第４回国際防衛ラグビー競技会2023に参加。9月23日、船岡さくら太鼓が東北方面隊創隊63周年記念コンサートに参加。12月6日、第63回全自衛隊ラグビー大会Ａブロック決勝戦で船岡駐屯地チームが19連覇した。参考：船岡駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、朝雲、倶知安駐屯地ホームページ、大和駐屯地ホームページ

　＜船岡駐屯地（２０１５年）＞：第２施設団本部、第２施設団本部付隊、第10施設群、第104施設機材隊、第312ダンプ車両中隊、第105施設直接支援大隊第１直接支援中隊船岡派遣隊、第303基地システム通信中隊船岡派遣隊、第124地区警務隊船岡連絡班、東北補給処船岡弾薬支処、船岡駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜船岡駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。船岡駐屯地に置かれている。2020年8月1日、駐屯地売店会長と、厚生センター売店の非常時における時間外営業に関する覚書を締結した。参考：朝雲

＜舟型潜水艦＞：潜水艦を参照。

＜船越基地業務分遣隊＞：海上自衛隊の部隊。2010年、厚生労働大臣表彰を受賞した。2022年12月21日、献血協力40年以上の功績により、日本赤十字社社長から感謝状を贈呈された。参考：朝雲

＜船橋飛行場＞：日本陸軍の飛行場。太平洋戦争末期に千葉県船橋市で開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜浮嚢靴＞：日本陸軍の特殊交通器材。参考：工兵入門

＜浮嚢橋＞：陸上自衛隊の施設器材で、ゴムボートの上にアルミ合金製の桁を持つ橋床を渡したものである。全長88.9mの35トン浮橋、全長84.3mの50トン浮橋があり、縁材の内側間隔は両方とも3.98m。浮嚢橋輸送用トラックで運ぶ。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜浮嚢橋輸送用トラック＞：陸上自衛隊のトラックで、浮嚢橋を輸送するために使用する。全長9.22m、全幅2.50m、全高3m、車両自重11.38トン、最大積載量7.25トン、車両総重量18.87トン。最大速度85km。三菱自動車工業製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜不発弾＞：UXOと略す。撃針が雷管を突いても撃発しないこと。信管が作動しなかったり、信管が作動しても爆発しなかったりすること。時々遅発だったりするので注意。参考：GUN用語事典

＜不発弾回収車＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜不発弾処理（海上自衛隊）＞：不発機雷や海底に沈む不発弾の他、台風による高波などで海岸に揚がった不発弾などを集めて海中に沈め、水中処分母船と水中処分隊が処理する。年月が経って牡蠣などがびっしり付着しており、誘爆しない可能性があるので、信管を叩かないように注意しながらある程度ノミとハンマーで叩き落とす。処理の際にはC4爆薬を導爆線で繋いで不発弾周囲に巻き付け、電気雷管を取り付けて爆破するが、悪天候で付近の海面に雷が落ちると電気雷管が誤作動する恐れがあるので、慎重な作業が求められる。参考：月刊丸5,’07

＜不発弾処理（自衛隊）＞：災害派遣の１つ。1958年頃に火薬取り締まり担当の通産省から所管を引き継いだ。1995年度に海上で処理された爆発性危険物は1074トンで、阪神・淡路大震災の港湾復旧工事の際に見つかった大量の砲弾を処理したため、記録の残る1975年度以降で最大の処理量となった。2006年度に海上で処理された爆発性危険物は94448個で、舞鶴西港浚渫工事において発見された大量の日本軍小火器弾を処理したため、記録の残る1975年度以降で最大の処理個数となった（処理量は200トン台）。2008年度に陸上で発見された不発弾など火薬類は1416件42.1トンで、うち沖縄が825件23.7トンだった。海上で発見された爆発性危険物は、機雷が２個1.8トン、その他が1905個18.1トンだった。2009年度、陸上で発見された不発弾など火薬類は1633件（1668件？）65.6トンで、うち沖縄が860件24.4トンであった。海上で発見された爆発性危険物は、機雷０個、その他3994個23.7トンであった。2010年度、陸上で発見された不発弾など火薬類は1589件49.7トンで、うち沖縄が817件27.0トンであった。海上で発見された爆発性危険物は、機雷３個1.86トン、その他4872個43.6トンであった。2011年度は1578件38.2トンで、沖縄が877件22.9トンだった。海上で発見・処理されたのは機雷１個0.49トン、その他2879件24.7トンだった。2012年度、陸上で発見された不発弾など火薬類は1430件46.1トンで、沖縄が746件18.9トンだった。海上で発見・処理されたのは機雷１個0.84トン、その他1522件13.7トン（うち沖縄284件7.7トン）だった。2013年度、陸上での処理件数は1560件57.1トン。海上で発見・処理されたのは機雷１個（重量不明）、その他151個（1.7トン）だった。2014年度、陸上での処理件数は1379件57.2トン（うち沖縄625件16.9トン）、海上で発見・処理されたのは機雷１個0.5トン、その他763個6.6トンだった。2015年度、陸上での処理件数は1392件43トン（うち沖縄575件20.2トン）だった。2016年度、陸上での処理件数は1379件42.1トン（うち沖縄607件25.6トン）、海上で発見・処理されたのは機雷１個0.08トン、その他23597個4.1トン（横須賀港の港湾工事で発見された砲弾26037個を処理したので数が急増）だった。2017年度、陸上での処理件数は1611件49.5トン（うち沖縄554件）、海上で発見・処理されたのは機雷12個、その他爆発性危険物15488個６トンだった。2018年度、陸上は1480件53トン（うち沖縄675件）、海上は4456個2.8トンだった。2019年度、陸上は1441件33トン（うち沖縄529件18トン）、海上は509個3.5トン（機雷はゼロ）だった。2020年度、陸上は1194件22トン、海上は機雷２個、その他爆発性危険物466個2.6トンだった。2021年度、陸上は1255件32トン、洋上は機雷ゼロ、爆発性危険物2646個４トンだった。参考：月刊JWings8,’11、9,’13、朝雲、日本の防衛戦力Part1

＜不発弾処理（陸上自衛隊）＞：武器科の担当であり（施設科は地雷処理担当）、武器学校第１・第２教育部弾薬科で教育が行われていて、担当隊員は不発弾処理徽章を付けている。陸上で見つかると警視庁や道府県警察本部長から担当の師団・旅団に災害派遣要請が入るので、第15旅団第101不発弾処理隊、東部方面後方支援隊第102不発弾処理隊、中部方面後方支援隊第103不発弾処理隊、西部方面後方支援隊第104不発弾処理隊、各師団・旅団後方支援連隊（北部／東北方面隊管内）が出動する。信管を外して砲爆弾を無力化するのが基本で、最初は慎重に４分の１回転から始め、２分の１、１回転と進めていく。ロケット（空包？）付きのレンチで一気に外すこともある。また、錆び付いて動かせないような時は弾体を電動のこぎりで切断し、信管ごと取り除く（のこぎりカット法。主に弾底信管に使う）。弾体に詰めてある炸薬は衝撃・摩擦・火花で誘爆しない鈍感なタイプが使用されており、信管に対する振動も信管そのものを外す方法より小さいので、安全性は高いが、更なる安全確保のため、遠隔操作で研磨剤入りの水を高圧で吹き付け、信管を切断する処理方法も導入した。処理中は絶対に走らないのが鉄則で、電気雷管などを作動させないよう、度々手の甲を地面に付けて静電気を逃がす（アースよし、と発声する）など、安全な処理のための様々なノウハウがある。隊員には特殊勤務手当が出るが、2013年における額は爆発の危険が無いものの撤去が時給110円、危険があるものの撤去が１回5200円である。1958年から2009年までに12万3000件5800トンの不発弾を処理しているが、太平洋戦争時に大量の砲爆弾が降り注いだので、東部方面隊管内だけで21世紀に入っても年間300件近い不発弾処理が行われており、2008年度の全国処理数は1400件42トンに及ぶ。沖縄では1974年に４人、1987年に１人、1989年に１人の死者が出る不発弾爆発事故が起き、2009年1月14日には糸満市の水道管敷設工事現場で重機が不発弾を引っかけて１人が重傷を負った。1972年の本土復帰から2013年までに３万件1600トン、2017年までに35711件1743トンを処理しているが、沖縄の不発弾処理が完了するのは2090年頃といわれる。参考：月刊軍事研究3,’10、月刊丸1,’07、5,’07、スピアヘッドNo.16、MAMOR vol.81、vol.116、朝雲

＜不発弾処理徽章（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の徽章で、不発弾処理に関する教育訓練を受けた航空自衛官や、それと同等以上の技能を持つと航空幕僚長が認めた航空自衛官が付ける。参考：MAMOR vol.56

＜不発弾処理徽章（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の徽章。集合教育で撤去・安全化など不発弾の処理に関する教育訓練を陸上幕僚長が定める期間受けた者や、これと同等以上の技能を持つと陸上幕僚長が認める者が付ける。参考：MAMOR Vol.62

＜不発弾等の処分（Ｃ−１２）＞：自衛隊の作業。北海道日油が受注している。参考：月刊軍事研究8,’16

＜不発弾等の処分（Ｃ−１５）＞：自衛隊の業務。日興技科が受注している。参考：月刊軍事研究1,’18

＜不発弾等の処分（Ｃ−１６）＞：自衛隊の業務。北海道日油が受注している。参考：月刊軍事研究3,’18

＜不発弾等の処分（Ｃ−１７）＞：自衛隊の業務。日興技科が受注している。参考：月刊軍事研究9,’18

＜プファイル＞：Do335シリーズ（戦闘機）を参照。

＜吹雪（初代）＞：日本海軍春雨型駆逐艦６番艦。明治38年2月28日竣工、軍艦（駆逐艦）に類別された。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更され、大正元年8月28日に三等駆逐艦となり、大正13年12月1日に除籍された。大正15年5月5日に売却。参考：日本駆逐艦史

＜吹雪（２代目）＞：日本海軍吹雪型駆逐艦１番艦Hubuki。昭和3年8月10日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第11駆逐隊に所属していた。昭和17年3月1日、バタビア沖海戦に参加。4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。9月12日夜、ルンガ泊地に突入して砲撃を実施。10月11日、サボ島沖海戦で沈没し、11月15日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像12,’09、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜吹雪型＞：日本海軍駆逐艦で、艦政本部特型駆逐艦対策委員会が計画したので特型とも呼ばれる。大正12年から昭和2年に予算化され、計画番号はF43。フランスの大型駆逐艦シャカル級の開発を受け、アメリカ・イギリスもこれに匹敵する駆逐艦を揃えると予想されたため、これらを凌駕し、洋上の漸減戦法にも使える強武装の駆逐艦として計画された。船型は長船首楼型で、艦首に強いシアとフレアを持ち、船体中央にもフレアが設けられ、航洋駆逐艦としての使用に耐える凌波性を持つ。また、艦橋や砲塔を密閉式にしてあり、波をかぶりながらの戦闘も可能だった。荒天時の航洋性は5500トン型軽巡洋艦に勝るともいわれた。船体の組み立ては横肋骨方式（大部分がリベット止め）で、肋骨数171本、フレームスペースは艦中央が1.5-2m、前後が1m。船体中央1/2の部分を縦強度範囲に設定、艦前後1/4ずつの範囲は極力構造材を薄くしてある。主機関室は中心に隔壁があり、左右に１基ずつタービンを置いていたが、浸水時に傾斜が増大する欠点があった。また、強力な武装を搭載しつつ排水量を増やさないために船体構造にかなりのしわ寄せが来ており、船体前後吃水線付近の装甲厚は4.5-6mm程度、中には2.9mmという薄板が使用されていた。このため第４艦隊事件では船体前部が切断され、実戦では至近弾で船体が穴だらけになってしまった。艦橋頂部に主砲方位盤、羅針艦橋側方の張り出しに水雷方位盤、主砲方位盤後方に第１測距儀、第２魚雷発射管後方に第２測距儀があり、測距儀の基線長はどちらも2m。機関区画は前方から缶室３室、前部機械室、後部機械室の順になっており、缶室外側には重油タンクがあって、外板が損傷しても缶室に直接浸水しないようになっている。前部機械室には被弾に備えて当初縦隔壁が装備されていたが、浸水時にバランスが取れなくなるため、後に撤去された（後期艦は最初から外された）。艦橋、缶室通風筒、マストはジュラルミンを使用しており、重心上昇を抑えている。前部マストには三脚マストを採用した。艦橋は船首楼甲板上にあり、内部は２層の甲板で区切られている。一番下には駆逐艦長室、司令室があり、その上には前部電信室、無線電話室、海図室が設けられ、一番上が羅針艦橋である。羅針艦橋には固定式の屋根があるが、後方の信号所との間に壁が無いので、後ろから風雨が吹き込んでくることがあった。操舵方式はテレモーター式で、舵輪の角度を伝導軸で舵取り機械に伝える方式である。羅針艦橋での操舵が不可能となった場合、第２・第３魚雷発射管の間にある2m測距儀支筒内部の後部舵取り所で操舵を行う。また、舵取り機室前方の第６兵員室後部に応急操舵用人力操舵機が用意されていた。操舵命令や主機停発指示などは伝声管または電話機、速力通信機で発せられる。発電機は蒸気タービン（出力33kW）が２基、ディーゼル（出力40kW）が１基。艦内空気の交換は機動吸気及び排気通風機を用い、暖房は電熱器と石炭ストーブで行うが、自動温度調整は出来ない。全長118m、水線幅10.4m、吃水3.2m、基準排水量1680トン。主機は艦本式衝動型オール・ギヤード・タービン（高圧タービン、低圧タービン、後進タービン付き単式タービン、減速歯車を介して単式タービンと結合された巡航タービンからなる。18ノットまでは巡航と単式、18-24ノットは単式タービン、24ノット以上は全タービンを使用）２基２軸、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気圧力20気圧、飽和温度）４基で、出力50000馬力、速力38ノット、航続距離は14ノットで4500海里。兵装はの三年式五〇口径12.7サンチ連装砲塔Ａ型または同Ｂ型３基（艦首１基、艦後部背負い式２基）、留式7.7ミリ単装機銃２丁（第２煙突前面フラットに並列装備）、十二年式水上装発射管改一３基（使用魚雷は八年式二号）。乗員219名。初期の艦には他艦と協同で係維機雷の係維索を切断する対艦式大掃海具が搭載されていた。吹雪（２代目）、白雪（２代目）、初雪（２代目）、深雪、叢雲（２代目）、東雲（２代目）、薄雲（２代目）、白雲（２代目）、磯波（２代目）、浦波（２代目）、綾波（２代目）、敷波（２代目）、朝霧（２代目）、夕霧（２代目）、天霧、狭霧、朧（２代目）、曙（２代目）、漣（２代目）、潮（２代目）の20隻が昭和3-7年に就役した。このうち浦波は缶室吸気筒をキセル型から椀型に換えて特型�T改とも呼ばれ、綾波以降は高角射撃兼用のＢ型砲に変更し、艦橋を大型化しており、特型�Uとも呼ばれる。通常は更に暁型（２代目）４隻も吹雪型に含めることが多い。漣（２代目）は主缶に空気予熱器を追加してテストを実施、燃費を10-15%改善する成果を得た。これに基づいて暁型（２代目）に空気予熱器付き缶が搭載され、本型の搭載缶の半分にも空気予熱器が追加された。後に主砲を五〇口径三年式12.7サンチ連装砲塔Ｂ型改に換装している。第４艦隊事件の後、下部外板を二重にし、固定バラストを搭載するなどの改装を受けた。太平洋戦争終戦時は潮（２代目）のみ残存している。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船10,’06、5,’11、9,’14、2,'24、歴史群像10,’06、月刊モデルアート9,’15増刊

＜負浮力タンク＞：ネガティブタンクともいう。艦の中央部やや前方にある小さな海水タンク（司令塔容積と同じくらいで、概ね10-30トン。おやしお型は容量10トンくらい）で、中に海水を入れて潜水艦の重量を増し、潜入を速くするために使用され、全没水直前か、所要の深度に達したら海水を排出する。潜航中の深度微調整にも使われる。参考：続潜水艦気質よもやま物語、月刊世界の艦船6,’01、日本潜水艦物語

＜部分エアクッション双胴船＞：PACSCATを参照。

＜部分貫通＞：砲弾が装甲板にめり込むこと。装甲板内面に剥離を生じて内部に破壊をもたらす場合、完全貫通に定義するという意見もある。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜部分軌道爆撃システム＞：FOBSを参照。

＜部分減速タービン＞：パーシャル・ギヤード・タービンを参照。

＜部分的核実験禁止条約＞：大気圏内、宇宙空間および水中における核兵器実験を禁止する条約。1963年10月10日効力発生。日本は1963年8月14日署名、1965年5月25日国会承認、同年6月15日効力発生・公布。締結国は、大気圏内、宇宙空間を含む大気圏外、領水及び公海を含む水中での核兵器の実験的爆発及び他の核爆発を禁止、防止する。有効期間は無期限。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜部分偏波＞：偏波を参照。

＜不忘平和記念公園＞：宮城県七ヶ宿町にある平和記念公園。昭和20年3月10日未明に宮城県不忘山で墜落したB-29爆撃機３機に搭乗していた34名を慰霊し、平和を祈念する公園で、2015年8月2日に開園記念式典が行われた。参考：朝雲

＜フマイタ＞：S-41（ブラジル潜水艦）を参照。

＜文月（初代）＞：日本海軍山彦型駆逐艦２番艦。元はロシア海軍駆逐艦シールヌイで、明治38年1月に鹵獲、竹敷に回航して整備を行った。明治38年9月2日に文月と命名され、12月12日に艦籍に編入されて駆逐艦に類別された。明治41年に整備が完了。大正元年8月28日に三等駆逐艦に類別変更された。大正2年4月1日除籍され、大正3年8月23日に雑役船に編入され、大正4年6月28日に廃船となり、大正5年5月30日に筥崎宮に寄贈された。参考：日本駆逐艦史

＜文月（２代目）＞：日本海軍睦月型駆逐艦７番艦。大正15年7月3日竣工、第29号駆逐艦という名称で一等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日、文月に改称。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第22駆逐隊に所属していた。昭和17年9月15日、台湾海峡で勝鬨丸と衝突し、１番砲塔付近に亀裂が出来た。昭和18年2月1日からイサベル島沖海戦に参加。3月30日、カビエン付近で爆撃を受けて小破した。4月3日、カビエン付近で至近弾を受けて小破した。10月6日、ベラ・ラベラ島沖夜戦に参加。11月2日、ラバウルで爆撃を受けて損傷した。12月4日、ラバウルで爆撃を受けて損傷した。昭和19年1月4日、カビエン港外で爆撃を受けて小破した。1月30日、ラバウルで爆撃を受けて小破した。2月18日、トラック空襲で沈没し、3月31日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜プミポン・アドゥンヤデート＞：471（フリゲート）を参照。

＜プミポン・アドゥンヤデート級＞：DW3000F（フリゲート）を参照。

＜普民＞：満州国海軍恩民型砲艇Pumin。1933年7月22日就役。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜フム＞：F2A海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜不名誉負傷＞：日本陸軍用語で、性病に感染すること。完治した後に重営倉５日の処分を受ける。参考：帝国陸海軍事典

＜ブメラーング＞：ロシア陸軍の８×８輪プラットフォームBumerang。BTR-80/-82Aの後継としてロシア国防省が2011年に要求仕様を出し、軍需産業カンパニーVPKが開発、2013年の国際陸軍兵器展で試作車が展示された。製造はゴルコフスキー自動車工場（MIC社？）。車体は前面にのみ避弾経始の付いた箱形で、かなり背が高い。セラミックと特殊鋼による軽量複合装甲により、14.5mm徹甲弾や152mm榴弾弾片に耐えられる。正面や主要部は30mm機関砲弾にも抗堪できるという説もある。底面装甲はＶ字にして耐地雷製を向上させた。車体前部が機関室、車体後部が兵員室で、兵員室には対面式の耐衝撃シートが用意されている。車体後面に下開きのランプがある。ESU-TZ戦場情報システム、NBC防護装置付き。装甲板やアクティブ防御装置アフガニトの追加が可能。K-16装甲兵員輸送車とK-17歩兵戦闘車のベースとなる車体で、10年間で2000両を調達予定。指揮通信車、装甲救急車、偵察車、125mm戦車砲装備駆逐戦車、自走対戦車ミサイル、自走榴弾砲、120mm自走迫撃砲、自走地対空ミサイルといったファミリー化も検討されているらしい。参考：朝雲、月刊軍事研究10,’18、7,’16、8,'15、4,’13、7,’15、3,’17、7,’17、月刊PANZER10,’12、8,’18

＜プヤラップ＞：YT-806（曳船）を参照。

＜ブヤン級＞：プロジェクト21630（コルベット）を参照。

＜ブヤンＭ級＞：プロジェクト21631（コルベット）を参照。

＜浮遊機雷＞：機雷を参照。

＜武勇勲章（イスラエル）＞：イスラエル国防軍最高勲章イトゥール・ハグヴラ。1970年に制定され、イスラエル独立戦争以降に遡って授与されている。ゲットーで黄色いダビデの星を強制的に着用させられた歴史を忘れないよう、リボンの色は黄色である。受賞者はイスラエル独立戦争で12名、第２次中東戦争で４名、第３次中東戦争で12名、第４次中東戦争で８名など。参考：月刊軍事研究12,’13

＜浮遊時間＞：ハングタイムを参照。

＜フュー式着艦制動装置＞：フランスのシュナイダー社が開発した横張り式の着艦制動装置で、昭和5年に日本海軍が購入、空母赤城に搭載して実用試験を終えた後、空母加賀に搭載された。ワイヤーを摩擦片付きドラムに装着してあり、着艦の際にはワイヤーをゴムタイヤで持ち上げて固定する。制動力は摩擦片の緊張度でコントロールした。参考：図解日本の空母

＜フュージリア海兵コマンドー＞：フランス海兵隊の特殊部隊で、FORFUSCO（FORce maritime des FUsilierS marins et COmmandos）と略す。フランス海軍海兵フュージリアと海兵コマンドーを統合して高度特殊作戦部隊としたものである。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜フューチャーＸ＞：X-37シリーズ（試験機）を参照。

＜フューチャー・フォース・ウォーリア＞：アメリカ軍がランド・ウォーリアの後継として開発中の歩兵用戦闘システム。エアコン付きの赤外線輻射抑制戦闘服・ボディーアーマーを装着し、XM29OICW、XM8小銃、MINIMIなどを携行。装輪式UGVのRISSと共に行動し、迫撃砲や偵察装置、予備バッテリーなどはそちらに搭載する。2007年2月のランド・ウォーリア開発中止を受けて、こちらも計画中止となった。参考：月刊軍事研究6,’05、6,’07

＜フューチャー・リンクス＞：AW159（ヘリ）を参照。

＜フューム・エキストラクター＞：砲口排煙機を参照。

＜フューメ＞：イタリア海軍ザラ級重巡洋艦Fiume。1931年竣工。1941年3月、マタパン沖海戦で沈没した。参考：近代巡洋艦史

＜フューラー＞：APA-7（攻撃輸送艦）を参照。

＜フューリアス＞：47（空母）を参照。

＜フューリアス級＞：イギリス海軍空母Furious級。当初はバルト海上陸作戦支援用45.7cm単装砲２門装備ハッシュ・ハッシュ巡洋艦として1915年6月に起工されたが、バルト海上陸作戦が中止されたため、高速性能を活かして発展著しい航空機を洋上から発艦できる航空巡洋艦（空母）に改造することとなり、1917年から空母としての工事を実施した。船型は長船首楼型で、艦前部の45.7cm単装砲塔を撤去し、船首楼甲板を上構直前から２甲板分かさ上げして長さ69.5m（160フィート・48.8m？）・幅15.2mの発艦甲板を設けており、その下に格納庫（長さ36.6m、幅18.3m）があって水上機を収容する。エレベーターは上構直前に装備した。発艦甲板は下向きに傾斜し、ランチング・トロリーと呼ばれる滑車も付いており、この上で水上機を滑らせて加速、発艦させる。発艦甲板後部と後部三脚マストにクレーンが用意されている。陸上機を艦と同じくらいのスピードまで減速させ、発艦甲板に横滑りで着艦させるという曲芸まがいの案が採用されて陸上機も積んだが、さすがに無理があったので、陸上基地に帰投するか、不時着水してパイロットだけ回収した。艦後部には45.7cm単装砲１門が搭載されたままである。全長239.7m、幅26.8m、吃水6.9m、常備排水量19513トン、満載排水量22405トン。主機はブラウン・カーチス式高低圧オール・ギヤード・タービン４基、主缶はヤーロー式重油専焼水管缶（蒸気圧力1.617MPa、飽和蒸気）18基、出力90000軸馬力、速力31.5ノット、重油搭載量3400トン、航続距離6000海里（20ノット）。兵装は40口径45.7cm単装砲Mk�Tが１門、50口径14cm単装砲Mk�Tが11門、7.6cm単装高角砲２門、３ポンド単装砲４門、533mm魚雷３連装水上発射管４基、533mm魚雷連装水上発射管２基、533mm魚雷水中発射管２門。装甲厚は水線部51-76mm、水中防御隔壁25mm、甲板76mm、バーベット103-178mm、砲塔229mm、司令塔254mm。格納庫内にショート184水上機3-4機、キャメルまたはパップ艦上機5-6機の収容が可能で、１・1/2ストラッター戦闘偵察爆撃機なども搭載した。乗員880名。艦番号47フューリアスが1917年7月4日（6月26日？9月16日？）に竣工した。第１次大戦に投入されたが、短い発艦甲板だけでは運用に無理があり、４ヶ月後に改装を行う羽目になっている。参考：イギリス航空母艦史、月刊世界の艦船1,'23、1,’12、8,’16、3,’21、月刊丸10,’93

＜フューリアス級（第１次改装）＞：陸上機用着艦甲板を追加する改装で、1917年11月から実施された。後部45.7cm砲及び後檣を撤去し、着艦甲板（長さ86.6m、幅21.3m）と格納庫（長さ35.4m、幅10m）を設け、艦橋両舷に幅3.4mの回廊を造って発艦甲板と連絡している。着艦制動装置や大型のクラッシュ・バリア（通称ゴール・ポスト）なども装備した。搭載機数16-20機。1918年2月に工事を終え、3月15日に再就役した。参考：イギリス航空母艦史、月刊丸10,’93

＜フューリアス級（第２次改装）＞：全通飛行甲板を持つ二段式平甲板空母への改装で、1922年6月から実施された。前部に発艦甲板、後部に着艦甲板を別々に設けるのでは不便で、上構や煙突からの乱気流や排煙により後部甲板への着艦が危険なため、上構と煙突を撤去し、艦尾排煙に改造、一段高い場所に飛行甲板（全長175.6m、有効長161m、幅27.9m）を設けている。飛行甲板前部になだらかな坂があり、ここに縦索式着艦拘束装置を取り付けた。前方の発艦甲板（長さ61m）は残されており、二段式空母となっていて、全通飛行甲板は着艦と艦攻の発艦、発艦甲板は艦戦の発艦に使用する。格納庫は上部が長さ159m、下部が長さ168mで、幅がどちらも15m程度。格納庫後面は開放されており、両側にクレーンが用意されていて、水上偵察機や搭載機を揚収できる。飛行甲板前端中央に昇降式航海艦橋を設けたが、後に飛行甲板前端右舷に航海艦橋を設置した。全長239.7m、最大幅32.6m、水線幅27.4m、吃水7.9m、基準排水量22450トン。主機はブラウン・カーチス式オール・ギヤード・タービン４基、主缶はヤーロー式重油専焼水管缶18基、出力90000馬力、４軸推進、速力29.5ノット、重油搭載量4010トン、航続距離4300海里（16ノット）。兵装は50口径14cm単装砲Mk�Tが10門、45口径10.2cm連装高角砲Mk�Xが４基。装甲は水線部76mm、甲板51mm。搭載機数36機。航空燃料95トンを搭載できる。乗員1168名。1925年8月に再々就役した。1931年、連装高角砲を３基に減らした。1932年、10.2cm高角砲と40mm８連装ポンポン砲を装備した。1939年、飛行甲板右舷側に航空管制指揮用アイランドを設け（航海艦橋は飛行甲板前端右舷にそのまま残した）、アイランド上面にメインマスト、その後方に高射装置を設置。発艦甲板を廃止して対空兵装を強化し、50口径14cm単装砲Mk1を総て撤去、上部格納庫前面の開口部を閉鎖した。第２次大戦中にアイランド上面高射装置の上に285型射撃レーダーを搭載した。1943年、飛行甲板を181.7mに延長した。最終兵装は45口径10.2cm連装高角砲Mk�]�Yが６基、２ポンド８連装ポンポン砲４基、20mm連装機関砲８基、20mm単装機関砲７門。1948年に除籍された。参考：イギリス航空母艦史、月刊世界の艦船1,'23、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸10,’93

＜フューリー＞：FJシリーズ（戦闘機）またはH76（Ｆ級駆逐艦）またはPG-69（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜フューリー・シリーズ＞：イギリス空軍複葉戦闘機。イギリスのホーカー社が開発し、1931年5月から配備された。230機以上生産され、1939年6月まで第一線に配備されており、第２次大戦中は訓練機として使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜フューリー１＞：最初の量産型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜フューリー２＞：全長8.15m、全幅9.14m、全備重量1630kg。エンジンはロールスロイス製ケストレル６液冷（640馬力）単発、最大速度359km、実用上昇限度8990m、航続距離420km。武装は7.7mm機銃２丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊航空ファン7,’19

＜武勇部隊感状＞：部隊感状（アメリカ陸軍）を参照。

＜フユ型＞：901型（補給艦）を参照。

＜ふゆしお＞：SS-524（なつしお型潜水艦）またはSS-588（はるしお型潜水艦）を参照。

＜ふゆしお型＞：海上自衛隊練習潜水艦。全長77m、幅10m、吃水7.7m、基準排水量2450トン、水中排水量3200トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、ディーゼル２基・主電動機１基、１軸推進、水中出力7200馬力、水中速力20ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門。乗員75名。TSS-3607ふゆしおが2011年にSS-588から艦種変更された。参考：月刊世界の艦船2,’12

＜フュジル・エ・ダルヤ＞：イランが開発した短距離対艦ミサイル。SH-3Dヘリに搭載できる。射程25km。参考：月刊軍事研究4,’07

＜冬戦争＞：1939年11月30日から始まった、ソ連・フィンランド戦争。ソ連ではフィンランド戦役という。レニングラードの戦略的利益のため、近くのフィンランド領カレリア地峡などを北部国境の不毛地帯と交換することをソ連がフィンランドに迫り、これに応じないことを口実にソ連が先制攻撃して始まった。10月、両国の緊張が高まったため、フィンランドは領海内への機雷敷設を許可、機雷敷設を行える艦艇が沿岸に待機した。11月30日0650、ソ連軍が国境の全長に亘り攻撃準備射撃を開始。ソ連側兵力は30個師団45万、戦車2000両、火砲2000門、航空機3300機である。対するフィンランド軍は12個師団29.5万、戦車40両、航空機150機で、弾薬は20日分、航空機燃料は30日分、銃器用潤滑油は60日分のストックしかなかった。海軍戦力は海防戦艦２隻、潜水艦５隻、魚雷艇６隻、砲艇４隻、機雷敷設艦１隻、機雷敷設艇５隻、掃海艇12隻で、沿岸警備隊の哨戒艇14隻とその他３隻、大統領ヨット１隻を海軍に組み込み、特設掃海艇４隻と武装砕氷船４隻、砕氷船３隻を徴用し、これらに機雷を積み込んで機雷戦を仕掛けた。0925、ヘルシンキにソ連軍が宣伝ビラを投下。1430、ソ連軍がヘルシンキを爆撃。2000、フィンランド国防委員会議長マンネルヘイム元帥がフィンランド国軍総司令官に任命された。12月、国際連盟理事会でソ連がフィンランドを侵略したと認定され、国際連盟からソ連が除名された。12月6日、ソ連軍がマンネルヘイム・ラインへの総攻撃を開始。しかし各部隊の統率が取れておらず、各個撃破されて多大な損害を出した。12月18日、ソ連の戦艦オクチャブルスカヤ・レヴォルチャと駆逐艦５隻がコイビスト島ザーレンペー砲台を砲撃。12月19日、ソ連の戦艦マラートと嚮導駆逐艦1隻、駆逐艦６隻、哨戒艇５隻、砲艦２隻がコイビスト島ザーレンペー砲台を砲撃。1940年初めまでにラドガ湖よりも北側のソ連軍は駆逐され、カレリア地峡が主要な戦場となった。1月12日、フィンランド南西からフィンランド湾東方、エストニア沿岸への機雷敷設が終了。ただ敷設数は係維機雷が予定の90%にあたる1600個で、管制機雷は予定の10%にあたる20個のみであった。1月末から和平交渉が開始されたが、フィンランドはスウェーデンの鉄鋼権益を狙う英仏の動きに振り回されて交渉が進まなかった。2月6日、ソ連軍はマンネルヘイム・ラインに対して再度の総攻撃を開始、空地一体の攻撃によりフィンランド軍は粉砕され、2月14日に主防衛線を撤退した。その後もソ連の猛攻が続き、2月27日には中間防衛線が突破され、2月28日に最終防衛ラインまで後退せざるを得なくなった。同日、マンネルヘイム元帥は戦えるうちに講和すべきであると主張し、3月13日1100、戦争は終結した。ソ連の損害は戦死50000名、戦車1600両。フィンランドの損害は戦死25000名。参考：JGround　Vol.19、月刊グランドパワー7,’02、月刊軍事研究2,’09、6,’09、月刊丸8,’87、11,’09

＜ふゆづき＞：DD-118（護衛艦）を参照。

＜冬月＞：日本海軍秋月型駆逐艦８番艦。昭和19年5月25日竣工。昭和19年10月14日、八丈島の西でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて船体前部を切断、大破した。昭和20年4月6日、沖縄特攻作戦に参加。4月7日、奄美大島北西で艦上機の攻撃を受けて損傷した。8月20日、門司で触雷し、船体後部を切断した。11月20日除籍。昭和23年に解体され、福岡県若松港の防波堤になった。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ブユックアダ＞：F-512（コルベット）を参照。

＜冬の嵐作戦＞：第２次大戦時にスターリングラードで包囲されたドイツ第６軍の救出作戦。マンシュタイン元帥率いるドン軍集団が12月12日に開始した。参加兵力は第６装甲師団と第57機甲軍団を主力とするもので、北東に向かい一気に進撃。12月20日にはスターリングラードから50kmの地点に到達した。しかしソ連軍の反撃にあって前進できなくなり、更にルーマニア第８軍の西に伸びるイタリア第８軍がソ連南西方面軍とヴォロネジ方面軍の攻勢にあって壊滅、こちらの防衛にも手を回さねばならなくなった。12月19日には第６軍に自力での脱出を要請したが拒否され、12月23日の最終意思決定でも覆らなかったため、12月24日にドン軍集団も退却を決定、救出作戦は失敗した。参考：月刊PANZER2,’99

＜フュルスト・ビスマルク＞：ドイツ海軍装甲巡洋艦Fürst Bismarck。満載排水量11461トン。主機は４気筒３段膨張レシプロ蒸気機関２基13623馬力、速力18.7ノット。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜ふよう＞：LSSL-412（警備艇）を参照。

＜芙蓉＞：日本海軍若竹型駆逐艦７番艦Fuyo。大正12年3月16日竣工、第16駆逐艦という名称で二等駆逐艦に類別された。大正13年4月24日、第16号駆逐艦に改称された。昭和3年8月1日、芙蓉に改称された。昭和18年12月20日、ルソン島スビック湾沖でSS-268パファーの雷撃を受けて沈没し、昭和19年2月5日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜浮揚式前線策定基地＞：AFSBを参照。

＜浮揚対テロリスト・ボート・バリアー＞：ダンロップ・ファブリケーション社が開発した、対自爆ボート用防御機材。全長25m、直径2.4mで、ゴムで覆われており、空気を入れて水面に浮かべる。ボートが突入すると、内蔵された鋼製のケーブルがボートを破壊する。アメリカ海軍でテストを受けた。参考：月刊軍事研究3,’05

＜不要反射波＞：クラッターを参照。

＜芙蓉部隊＞：第131航空隊を参照。

＜浮揚翼＞：ドイツのリヒャルト・フォークト博士が考案した延長翼。自身の重量を支えられるだけの揚力を持つ延長翼を従来機の翼端に装着するもので、地上では車輪などにより重量を支える必要があるが、在空時は揚力で相殺されるので、主翼構造材を強化する必要は無く、アスペクト比が増大して航続距離が延びる。ペイロード分の揚力も出せるようにしておけば、延長翼にハードポイントを設けて機外搭載も可能。参考：月刊JWings12,’20

＜フラー＞：アメリカ海軍上陸作戦輸送艦。1943年11月8日、第２次ブーゲンビル島沖航空戦において、タロキナ岬付近で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜プラーイチュンポーン＞：タイ海軍マッチャーヌ級潜水艦４番艦Phleichumphon。1951年に退役した。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜フラー作戦＞：ケルベロス作戦を参照。

＜ブラート＞：T-64海外シリーズ（戦車）を参照。

＜ブラード＞：アメリカ海軍駆逐艦。1945年4月11日、沖縄付近で特攻及び基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ブラービ＞：ソ連海軍コトリン級駆逐艦。1970年11月、地中海でイギリス空母R09アーク・ロイヤルと衝突し、乗員２名が行方不明になった。参考：月刊航空ファン7,’16

＜プラーミャ＞：AGS-17シリーズ（自動てき弾発射機）を参照。

＜ブラームス＞：PJ10（対艦ミサイル）を参照。

＜フラールディンゲン＞：M863（掃海艇）を参照。

＜ブラーン＞：M40（巡航ミサイル）を参照。

＜ブラーンＰＡ＞：TPN4-49-23（暗視装置）を参照。

＜ブライ＞：K467（フリゲート）を参照。

＜フライア＞：FuMGシリーズ（早期警戒レーダー）またはSS-250（潜水艦）を参照。

＜フライア＞：ドイツ軍が第２次大戦時に使用した暗号。ドイツ国防軍最高司令部と沿岸防衛司令部を繋ぐ無線用暗号である。参考：Ｕボート入門

＜フライアウェイ・コスト＞：Fly-away cost。航空機に標準装備品を搭載し、飛んでいける状態になった時の価格で、工場引き渡し価格といった感じである。参考：航空用語事典増補改訂版

＜フライアブル・ダミー＞：航空機に搭載して使用する模擬弾。寸法、重量、慣性能率といった各スペックが実弾と同じに設定されており、実弾同様の飛行特性が得られる。参考：月刊航空ファン7,’11

＜ブライアン・Ｌ・ローシー＞：ローシーを参照。

＜ブライアント＞：DD-665（駆逐艦）を参照。

＜フライ・イン＞：艦上機が入港する空母から発艦して陸上基地に向かうこと。参考：月刊JWings4,’14

＜フライ・オフ＞：艦上機が陸上基地から離陸して空母に戻ること。参考：月刊JWings4,’14

＜フライ・オフ・コンペティション＞：Fly-Off Competition、競合飛行試験。複数のメーカーに同一要求仕様の試作機を作らせ、飛行試験で性能を比べてどれを採用するか決めること。アメリカ陸軍航空軍航空物資本部が1944年11月に発出したジェット中型爆撃機要求が初で、XB-45、XB-46、XB-47、XB-48が作られ、XB-47がB-47として採用された。パーツの競争試作でも使われる用語である。参考：月刊航空ファン3,’17、航空用語事典増補改訂版

＜フライキャッチャー＞：イギリス海軍艦上戦闘機。主翼は複葉、降着装置は尾ソリ式固定脚。全長7m、全幅8.8m、全備重量1373kg。エンジンはアームストロング・シドレー製ジャガー�W（410馬力）単発、最大速度214km、航続距離500km。固定武装は7.7mm機銃２丁。9kg爆弾４発を搭載可能。乗員１名。1923-33年に運用された。カタパルト対応の水上機型もある。参考：イギリス航空母艦史

＜ブライザ＞：M-28B（洋上哨戒機）を参照。

＜プライス＞：DE-332（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブライス＞：イギリス海軍サンダウン級機雷掃討艇Blyth。2021年8月4日、ロシスで退役式典が行われた。総航程185000海里。参考：月刊世界の艦船10,’21

＜ブライターＢ３０３＞：イギリスのプレックステック社が開発した小型監視レーダー。FM-CWドップラー方式で、覆域上下20度・左右90度のアンテナ２枚を組み合わせて左右180度をカバーする。幅645mm、奥行き410mm、高さ490mm、重量22kg。使用周波数Kuバンド、送信出力1W、最小探知距離10m、最大探知距離1.5km（低速移動人間）、3.3km（歩行人間）、8km（移動車両・船舶）。12-24Vのバッテリーで駆動可能。参考：月刊軍事研究1,’12

＜フライト＞：Flight。４機編隊のこと。参考：月刊軍事研究3,’99

＜ブライト＞：DE-747（護衛駆逐艦）を参照。

＜プライド＞：DE-323（護衛駆逐艦）を参照。

＜フライト・エンベロープ＞：飛行包絡線、飛行包括線図。縦軸に高度、横軸に速度をとり、各高度で水平飛行（機体にかかる加速度は1G）した際の最大速度と失速速度をプロットしたもので、飛行機の飛行可能領域を示す。右端（高速側）はエンジン推力や構造制限、左端（低速側）は失速速度、上端（高高度側）は揚力で決定され、面積が広いほど性能が高い。兵装や増槽を搭載したり、Ｇがかかったりしたとの仮定で書き直すと、面積が減り、飛行可能領域が制限される事が一目瞭然となる。まずは要求性能に基づくフライト・エンベロープを達成できるよう機体を設計し、実機が出来上がると飛行試験を繰り返してフライト・エンベロープを確定、飛行性能が決まる。参考：月刊JWings11,’16、戦闘機のしくみ、月刊軍事研究3,’12、6,’13

＜ブライトカイル＞：ドイツ軍戦車隊の基本戦術隊形で、逆楔型の意味。前衛に中隊または小隊２個を並列配置して敵を火力により拘束、その隙に後方の予備部隊が側面や後方に回り込んだり、戦線の隙間に突撃したりする。臨機応変な機動戦に適した隊形である。参考：ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

＜ブライトクラウド＞：レオナルド社（元セレックスES社）とサーブ社が開発した自衛用電子戦器材。チャフ・フレアディスペンサーから撒布する使い捨て式小型デコイEAD（Expendable Active Decoy）で、円筒形をしており、標準型55mmフレアカートリッジに収まる大きさで、射出されると尾部の安定翼４枚を展張、強力な電波を10秒程度発信し、レーダー誘導式ミサイルの妨害を行う。2024年7月、アメリカ海軍がF-35への搭載を決定し、2025-27年度に毎年2000個ずつ購入することにした。JAS-39グリペンのオプション用として採用される予定。イギリス空軍もタイフーン用として検討中。参考：月刊JWings8,’17、1,’18、6,’18、10,'24、月刊丸3,’14、月刊航空ファン4,’19、8,’19

　＜ブライトクラウド５５＞：55mmフレア・ディスペンサー対応。イギリス空軍がトーネードGR4でテストして採用し、2018年3月28日から引き渡された。2019年4月からタイフーンGR.4への搭載試験を行っている。参考：月刊JWings8,’19

　＜ブライトクラウド５５−Ｔ＞：C-130/A400Mクラスの大型機向け。ブライトクラウド55より妨害電波の出力が大きい。参考：月刊JWings8,’19

　＜ブライトクラウド２１８＞：欺瞞用送信機、アンテナ、バッテリーなどからなり、形状は角柱型、大きさは２インチ（50.8mm）×１インチ（25.4mm）×８インチ（203.2mm）で、AN/ALE-40/-45/-47チャフ・フレアディスペンサーに収容できる。2017年3月、デンマーク空軍F-16でテストを行った。2019年、アメリカ空軍が州航空隊F-16戦闘機に搭載してテストすると発表した。採用されればAN/ALQ-260(V)1になる予定。2021年2月17日、ドイツ空軍が無人標的機RPATSでテストを行い、セミアクティブ・レーダー誘導式ミサイルの回避に成功したと、レオナルドが発表した。参考：月刊航空ファン9,’17、8,’19、月刊JWings1,’18、5,’21、2,’23

＜フライト・コントロール・システム・テスト・セット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜フライトコントロールコンピュータ＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究8,’16

＜フライト・シミュレーター＞：航空機の運動を地上で模擬再現する装置で、計器飛行訓練装置として誕生した。実機ではリスクが大きすぎて体験できないような状況を繰り返し訓練することも可能である。固定式で視覚だけ再現するFBS（Fixed Base Simulator）や、動きのシミュレートも可能なFFS（Full Flight Simulator）またはFMS（Full Mission Simulator）があり、前後左右上下の加速度の他、ピッチ・ロール・ヨーの角速度を体感させる装置もある。空港での出発から到着までをシミュレートするものもあり、LOFT（Line Oriented Flight Training）と呼ばれる。高価かつ大型なので、小規模航空会社は大手から借りて訓練を行う。そのため、小規模航空会社の使用機はシミュレーターを借りている大手と同じものになる傾向がある。操作訓練だけ行うなら、コクピットのみ再現して視覚や動作のシミュレート装置を持たないCPT（Cockpit Procedure Trainer）、操縦装置や計器板の一部だけを再現して特定操作の訓練だけを行うPTT（Part Task Trainer）などを使う。参考：飛行機のしくみ、月刊JWings7,'22、月刊丸5,’07

＜ブライトスター＞：AN/AAQ-22C（センサーターレット）を参照。

＜ブライトスター�U＞：AN/AAQ-22E（センサーターレット）を参照。

＜フライト・データ・レコーダー＞：Flight Data Recorder、FDRと略す。航空機事故の原因究明に必要な飛行状態や操作状況を記録するための装置で、高度（毎秒１回）、対気速度（毎秒１回）、機首方位（毎秒１回）、垂直加速度（毎秒10回）、時刻をアナログ方式で薄いステンレスのテープ（長さ200フィート）にダイヤモンド針で刻んでいく。片面で400時間の記録が可能。航空機の発達で、この５種類のデータだけでは原因究明が困難になったため、デジタル・フライト・データ・レコーダー（DFDR）を搭載するようになった。参考：航空用語事典増補改訂版

＜フライトデッキ＞：飛行甲板を参照。

＜フライトデッキ・コントロール・ルーム＞：空母飛行甲板の情報を纏め、艦上機の移動指示を出す指揮所。フライトデッキ・チーフを長とする4-5名のデッキクルーがおり、部屋の中央にあるウィジャ・ボード（飛行甲板と格納庫を模ったアクリル板）上に並べられた模擬艦上機プレートを動かして飛行甲板上の動きをシミュレートできる。参考：月刊JWings1,’02

＜フライトナース＞：アメリカ陸軍航空隊が1942年10月に創設した航空衛生救急大隊に所属する看護婦の通称。参考：歴史群像12,’10

＜ブライトナイト＞：エルビット・システムズ社の暗視装置。複数の電子光学／赤外線ターレットからの高解像度画像と、事前入力の地形データなどをコンピュータで統合し、HMDに立体画像として表示する。障害物を立体シンボルとして表示することも可能。2019年5月22日、NATO加盟国空軍AS330ヘリ用に納入したとメーカーが発表した。参考：月刊JWings8,’19

＜フライトヘルメット＞：航空機乗員用のヘルメット。第２次大戦終結後からグラスファイバー製の硬質ヘルメットが使用されているが、衝撃の弱いので、普段はヘルメットバッグに入れて持ち運ぶ。参考：月刊丸12,’92

＜ブライドポート＞：イギリス海軍サンダウン級掃海艇５番艇。後にエストニア海軍に売却されてウガンディになった。参考：月刊軍事研究1,’12

＜フライト・マネージメント・システム＞：Flight Management System、FMSと略す。コンピュータが事前入力された航空機の性能やその時の飛行状態を判断し、燃料効率を最大にしたり、精密な航法を行ったりすることを可能とする装置である。モニターに表示された経済巡航速度や高度をパイロットが見て操縦するタイプ、コンピュータと自動操縦装置や自動スロットルが連動していて自動で操縦してくれるタイプ、燃料効率や航法のみならずフライト全体をコントロールしてくれるタイプ、と進化している。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ

＜フライト・リーダー＞：４機編隊長のこと。略称FL。出撃した編隊構成機全機を無事に帰投させるのが主任務である。参考：月刊JWings8,’24、10,’24

＜ブライトリング・ジェット・チーム＞：スイスの航空時計メーカーであるブライトリングが保有する民間アクロバットチーム。フランスのディジョンが拠点で、L-39C練習機７機を装備し、元フランス空軍パイロットらが運営する。2013年、11ヶ月にわたる結成10周年記念ユーラシア大陸横断ツアーを実施。5月から初の日本ツアーを行い、神戸空港を拠点として日本各地でフライトを行った。ただ東日本大震災被災地支援目的で実施予定だった小名浜港でのフライトは悪天候で中止になったため、8月に再来日してアクロバット飛行と追悼フォーメーション飛行を行っている。12月12日、ファウストA.G.アワード2013でファウスト社会貢献活動賞を受賞した。参考：日本経済新聞、月刊JWings8,’13、10,’13、月刊航空ファン2,’16

＜ブライドル＞：ブライドル方式でのカタパルト射出に使用される、機体固定用のワイヤー。両端を機体のフックに取り付け、中央をカタパルトのシャトルに引っ掛ける。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊世界の艦船2,’22

＜ブライドル・キャッチャー＞：ブライドル・リトリーバーを参照。

＜ブライドル方式＞：カタパルト・ランチを参照。

＜ブライドル・リトリーバー＞：ブライドル・キャッチャー（Bridle Catcher）ともいう。ブライドル方式のカタパルト射出時に使用するワイヤー（ブライドル）を回収する張り出しで、カタパルトの延長上に角のように突き出しているのでホーンとも呼ばれる。F-4時代に使用された。ブライドルでなくカタパルト・ランチバーで航空機をカタパルトに固定するようになると用無しとなり、撤去されている。参考：月刊JWings11,’99、月刊世界の艦船2,’22

＜フライトレベル＞：Flight Level、略称FL。100フィートを１単位とする飛行高度の表し方のことで、高度18000フィート以上の時に使用する。フライトレベル230（FL230）は高度23000フィートを指す。参考：航空機設計法、月刊JWings5,’04

＜ブライトン＞：F106（ロスシー級フリゲート）またはI08（駆逐艦）を参照。

＜フライバーガー＞：DE-705（護衛駆逐艦）を参照。

＜フライ・バイ・ファイバー＞：フライ・バイ・ライトを参照。

＜フライ・バイ・ライト＞：FBL（Fly By Light）と略す。なじみの無い時代には太陽帆船のような光の照射を受けて推進する方式と混同されたらしく、そちらと区別するためフライ・バイ・ファイバー（Fly By Fiber）とも呼ばれていた。パイロットの操縦操作をデジタル信号に変換し、光ファイバーでアクチュエータ（モーター）に伝え、機体をコントロールする飛行制御システム。フライ・バイ・ワイヤよりも電磁波環境に強く、周辺機器からの漏洩信号や空電の影響を受けず、周辺機器に電磁波の影響を及ぼさない。また、防火性や耐腐食性も高い。小型軽量低電力で高速大容量通信にも耐えるが、航空機の操縦系統程度ではあまり重量に差は無く、容量的にも余裕がありすぎるようである。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究9,’10、月刊JWings3,’00、10,’09別冊付録

＜フライ・バイ・ワイヤ＞：FBW（Fly By Wire）と略す。航空自衛隊では電気式操縦系統という訳語を一応作ったが、カタカナ語の方が通りが良い。航空機パイロットの操縦操作を電気信号に変換して電線（Wire）でアクチュエータ（モーター）に伝え、それで基本三舵などを動かして機体をコントロールする飛行制御システムのこと。最も重要なのは間に飛行制御コンピュータを介在させられる事で、レートジャイロ、加速度計、迎え角検知器などと連動しており、パイロットが無理な操作をしても、コンピュータが機体姿勢などを判断し、適切な作動範囲に抑えることができる。また、飛行制御プログラムに基づいて操舵を最適化し、その時々で異なる飛行条件に対応してパイロットが飛ばしたいように機体を動かす。アクチュエータの作動には従来通りの油圧システムが使用されていることが多いが、電線に替えた部分は軽く、油漏れの心配も無く、配線がフレキシブルでスペースも取らないため二重どころか四重にして冗長性と信頼性を確保できる。初期には機械式の操縦系統をバックアップに持っていたが、現在ではフライ・バイ・ワイヤのみでバックアップも構成しており、故障率は飛行10000000時間あたり１回以下である。電源が切れると即墜落に繋がるため、発電機やバッテリーを複数系統用意して万全の態勢を敷く必要がある。A-5攻撃機が初めて採用した。参考：航空用語事典増補改訂版、JWings5,’03、10,’01、5,’16、8,'22、日本の防衛戦力Part8、戦闘機のしくみ、飛行機のしくみ、月刊軍事研究6,’13

＜フライパス＞：航過飛行のこと。参考：月刊JWings7,’11

＜フライパスト＞：Fly Past。儀礼飛行、閲兵飛行のこと。参考：月刊JWings7,’11

＜プライバティア＞：PB4Y-2（対潜哨戒機）を参照。

＜プライバティア無人爆撃機＞：B-24爆撃機ファミリーを参照。

＜ブライフェン・ロープ＞：イギリスのブライドン社が開発した車輌突破防止用ワイヤーで、数十本のカーボン・スチール製ワイヤーを束ねて作られている。ヨーロッパでは高速道路の分離帯や両端にガードレール替わりに設置されており、20年以上切断された事例は無く、38トントラックが激突しても弾き返した。参考：月刊軍事研究4,’97

＜プライ・フライ＞：Pri-Fly。主飛行管制所（Primary Flight Control Station）のアメリカ海軍名称。艦橋の飛行甲板全体を見渡せる位置にあり、ニミッツ級空母やジェラルド・Ｒ・フォード級空母では航海艦橋より１甲板上の左舷側に設けられている。エアボスがデッキオペレーションの管制を行ったりする。参考：月刊JWings1,’02、月刊世界の艦船2,’16、2,’22

　＜プライ・フライ（ニミッツ級空母）＞：アイランド最上階前部に設けられている。航空管制士官（エアボス）や航空管制士官補（ミニボス）が配置され、飛行甲板上と空母から半径５マイル（8km）圏内の航空管制を行う。着艦してくる航空機が空母から1.2km以内に入ると、飛行甲板上の着艦信号士官（LSO）が具体的な指示を行う。参考：月刊軍事研究4,’16

＜フライホイール・モーター＞：一定容積を持つ回転体を超高速で回転させ、慣性エネルギーを取り出して動力に換えるモーター。半径0.5m・重量98kgの回転体を毎分５万回転で回転させると、普通乗用車でガソリン50リットル相当の走行距離が得られる。燃料タンクが不要で、排ガスも全く出ないが、遠心力に耐えられる素材が必要なこと、回転が止まった時に再加速する装置を各地に用意しておかねばならないことが欠点。参考：自動車メカニズム図鑑

＜プライマー＞：火管。イニシエータの１つ。出力の比較的小さい、感度の高い起爆薬で、機械的または電気的エネルギーで容易に起爆する。出力が小さいため、高性能炸薬を爆轟させることは難しく、薬莢の中央に設置して発射薬の燃焼に用いる。多数の孔の開いた金属管内に起爆薬を詰め込むことが多いが、ニトロセルロースを管状に成形した焼尽火管を用いることもある。拳銃・小銃弾などのプライマーは雷管という。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜プライム・チャンス作戦＞：アメリカ陸軍がアーネスト・ウィル作戦に協力するため1987年から実施した、イラン高速艇撃退作戦。海軍艦艇や艀を拠点として第160特殊作戦任務部隊のAH-6武装ヘリを出撃させ、タンカーを攻撃するイラン高速艇に対抗した。後にOH-58Dを武装ヘリに改造して1988年から第18空挺軍団第159航空旅団第１大隊に配備、ペルシャ湾のアメリカ陸軍第118任務部隊に人員と器材を派遣する形で投入している。参考：月刊エアコマンド6,’94

＜フライヤー＞：ALSV（軽攻撃車両）を参照。

＜フライヤー＞：シンガポール・テクノロジー・カイネティック社製の軽戦闘車。パイプを組み合わせた軽量車体を持つ４×４輪バギーで、座席は４つ。後部に110馬力のディーゼルエンジンとセミオートマチック・トランスミッションを収容する。自重1.25トン、ペイロード１トン。路上最大速度110km。シンガポールで35両が採用された。参考：月刊PANZER4,’03

＜フライヤー６０＞：ジェネラル・ダイナミクス・ランドシステムズ社が開発した特殊部隊向け４×４輪多用途車両。車体の８割が民生品で、安価に仕上げている。V-22やCH-53で空輸できる。参考：月刊PANZER4・5,’17

＜フライヤー７２＞：ジェネラル・ダイナミクス社の４×４輪高機動車Flyer 72。キャビンはパイプフレームで、ドアは下半分だけ、ウインドシールドや窓は無い。全長4.9m、全幅2.16m、全高1.74m、自重2315kg、全備重量4815kg、ペイロード2500kg。エンジンはターボチャージドディーゼル（195馬力）で、最大速度160km、燃料搭載量145リットル、航続距離1046km。乗員９名（キャビン前列３名、中央ルーフ機銃手１名、後列３名、荷台２名）。アメリカ特殊作戦群にGMV1.1として採用された。アメリカ陸軍陸上機動車GMVにも提案中。参考：月刊軍事研究12,’16

＜プライリアル＞：F731（フリゲート）を参照。

＜フライング・イーグルス＞：VFA-122（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜フライング・カン・オープナー＞：イギリス空軍第６飛行中隊のニックネームで、ハリケーンMk�UＤ受領後に地上攻撃に大活躍し、この名が付いた。参考：月刊PANZER1,’05

＜フライング・サーカス＞：第１次大戦時、マンフレート・フォン・リヒトフォーヘン率いる戦闘機中隊に英仏連合軍が付けたニックネーム。リヒトフォーヘンのレッドバロンを初めとして、迷彩色を一切使用しなかったためこう呼ばれた。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜フライング・ジープ＞：アメリカ陸軍小型垂直離着陸機開発計画。ジープの代わりに地形障害をものともせずに観測、連絡、軽輸送、攻撃を行える機体として1957年から開発された。最大速度80km、飛翔高度1.5-4m。ペイロード454kg。乗員１名。ベンセンがB-10、ベルがD-230、クライスラーがVZ-6、カーチス・ライトがVZ-7AP、パイアセッキがVZ-8エアジープを試作したが、実用性に難があり、1960年代に開発中止となった。参考：月刊丸2,’12、月刊JWings8,’13

＜フライング・シガー＞：XB-51（試作爆撃機）を参照。

＜フライング・スワンズ＞：ウシャンクーラ（アクロバットチーム）を参照。

＜フライング・タイガース＞：HMM-262（海兵中型ヘリ飛行隊）またはVMA-542（海兵攻撃飛行隊）またはVMFA-542（海兵戦闘攻撃飛行隊）またはVMM-262（海兵中型ティルトローター飛行隊）を参照。

＜フライング・タイガース＞：アメリカ義勇兵航空団の通称。蒋介石の依頼で1940年9月にクレア・Ｌ・シェンノートが創設した。P-40B/C戦闘機が主力で、日本陸軍九七式戦闘機と九七式重爆相手に一撃離脱戦法を徹底、1941年12月20日の初出撃から1942年7月の解隊までに100機強を撃墜（日本側記録）した。隊の記録では300機近く撃墜したことになっているが、これは水増しである。解隊後の組織はいくつかの改編を経て1943年3月にアメリカ陸軍航空軍第14航空軍となった。参考：月刊JWings12,’99、零式艦上戦闘機、月刊航空ファン6,’18

＜フライング・ダストビン＞：ピタード臼砲を参照。

＜フライング・ダンプ・トラック＞：ADシリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜フライング・チェックメイツ＞：VF-211（戦闘飛行隊）を参照。

＜フライングテイル＞：全遊動式水平安定板を参照。

＜フライング・ドリトス＞：A-12（試作艦上攻撃機）を参照。

＜フライング・バズーカ＞：M8（ロケット弾）を参照。

＜フライング・バナナ＞：H-21シリーズ（ヘリ）またはHRP-1（ヘリ）を参照。

＜フライング・フィッシュ＞：SS-229（ガトー級潜水艦）またはSSN-673（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜フライング・ブーム方式＞：空中給油方式の１つ。給油機の後部から遠隔操作式の給油パイプ（フライング・ブーム、Fling boom）を伸ばし、受油機の受油口（リセプタクル）に差し込んで給油するものである。受油機側が動かずに済むため、大型機やステルス機（給油パイプがぶつかるとRAMが破損する）に向いており、戦略爆撃機を擁するアメリカ空軍戦略航空軍団で採用され、給油機がアメリカ空軍全体でKC-135空中給油輸送機に一本化されたのに合わせてアメリカ空軍固定翼機全機がこの方式になった（機体上面でローターが回っている空軍特殊作戦軍団のV-22は除く）。給油機の機体下面には受油機が正しい位置に付くためのパイロット・ダイレクター・ライトが装着される。ブームは防氷シールドで覆われており、ブーム操作用のラダーベーターと呼ばれる小翼が付いている。受油機と給油機のランデブーは、受油機が戦闘機など機動性の高いものでは戦闘機ターンオンFTO（受油機が給油機の後方に回り込む）、大型爆撃機など動きの鈍いものではポイントパラレルPP（給油機が受油機の前方に回り込む）を使う。送油量が大きく、プローブ・アンド・ドローグ方式の送油器を取り付けることも可能。ただし、給油機にはこれらの機材を受け入れるだけの大きさが必要で、２機以上への同時給油ができず、受油口の構造が複雑なため、受油機側に新設するのが難しい。また、ヘリコプターではローターにぶつかるため使えず、当初はボーイング社の独占技術だった（後にEADS-CASAが同様のシステムを開発した）こともあり、アメリカ海軍・海兵隊や他国では全てプローブ・アンド・ドローグ方式（アメリカ空軍機を輸入している場合は除く）である。参考：月刊JWings10,’01、2,’03、5,’07、10,’09、12,’23

＜フライングフォートレス＞：B-17シリーズ（爆撃機）を参照。

＜フライング・プラットフォーム＞：1950年代後半から1960年代にかけて開発が進められたVTOL。乗員1-2名を搭載し、低空を飛行して地形障害をものともせずに偵察を行う。フライング・ジープなどが計画されたが、装置が大がかりな割に有効性に欠け、廃れた。参考：月刊JWings3,’09

＜フライング・ベッドステッド＞：ロールスロイス社が製作したリフトエンジン開発用推力計測リグTMR（Thrust Measuring Rig）の通称Flying Bedstead（空飛ぶベッド骨組）。パイロット座席の付いた骨組みを組んで、排気口を下に向けたロールスロイス・ニーン101�Wターボジェットエンジン（推力18kN）２基を背中合わせに搭載し、十字に機体制御用圧縮空気噴射パイプ（合計推力299kg）を突き出している。最大離陸重量3402kg。２機が製作され、1953年に地上試験が開始され、1954年8月3日に初自由浮上し、高度3mに達した。２号機は1957年11月28日に墜落して失われ（パイロットも死亡）、初号機は試験終了後にロンドン科学博物館で展示されている。参考：JWings5,’16、月刊軍事研究7,’11、世界の傑作機No.162

＜フライング・ヘリテイジ・コレクション＞：マイクロソフト共同創業者ポール・アレン氏の私設軍事博物館で、ワシントン州エバレット・ペイン飛行場にある。MiG-29UB戦闘機（ウクライナ空軍中古）、Fw190D-13戦闘機、Me163Bロケット戦闘機（再生産レプリカモデル）、Bf109E-3戦闘機（オリジナルDB601エンジン付き飛行可能２機のうち１機）、Fw190A-5戦闘機（世界で唯一飛行可能）、Il-2M3攻撃機（世界で唯一飛行可能）、一式戦闘機一型乙（世界唯一）、零戦二二型（レプリカ、複座改造。飛行可能）、M4A1中戦車、T-34/85戦車などを所蔵しており、時々飛行展示や走行展示が行われる。参考：月刊JWings3,’16

＜フライング・ベンガルズ＞：VMFA(AW)-224（飛行隊）を参照。

＜フライング・ペンシル＞：Do17シリーズ（爆撃機）を参照。

＜フライングライノ演習＞：2010年5月1-21日にチェコが実施した合同軍事演習で、チェコ、アメリカ空軍欧州航空作戦学校、イギリス、スロバキア、デンマーク、ドイツ、リトアニアが参加した。輸送機前線航空管制と戦術前線航空管制を中心に実施され、地上部隊はイギリス第１機甲師団がメインで、ボウマンコミュニケーションシステムVer.5.4とスカイネット通信衛星システムにより空陸部隊の通信や味方軍位置標定などを行った。参考：月刊軍事研究12,’10

＜フライング・ラム＞：XP-79シリーズ（試作機）を参照。

＜フライング・レオパルド＞：殲轟７型シリーズ（戦闘爆撃機）を参照。

＜フライング・レザーネックス＞：VMFA-122（海兵戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ブラインダー＞：Tu-22シリーズ（爆撃機）またはTu-28P（戦闘機）を参照。

＜ブラインド・ボックス・マガジン＞：ボルトアクション式ライフルなどの固定式マガジンのうち、取り外し可能な底板が無いもの。エジェクションポートからのみ装填・排莢が行える。参考：GUN用語事典

＜ブラヴァ＞：R-30（SLBM）を参照。

＜ブラヴィ＞：ソ連海軍コトリン級駆逐艦。1960年5-8月、56K型への改装工事を受けた。1961年1-3月と1962年3-4月にM-1艦対空ミサイルシステムの射撃試験を実施。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜フラウエンロプ（２代目）＞：ドイツ海軍ケルン級軽巡洋艦Frauenlob。起工されたが建造中止となり、1921年に解体された。参考：近代巡洋艦史

＜ブラウ作戦＞：第２次大戦時、1942年4月5日のヒトラー総統命令41号に基づいて1942年6月末に発動された、ドイツ軍のカフカス地方バクー油田占領作戦「青」。第１段階の主目標は中央ロシアのヴォロネジである。作戦命令は口頭でのみ伝達される筈だったが、第40装甲軍団では師団参謀と作戦主任にメモを取らせてしまっていた。この直前、ドイツ軍のフリデリクス作戦でハリコフ奪回に失敗したソ連軍は南西方面軍が壊滅しており、ここを防衛する兵力は残されていなかったが、6月19日に不時着したドイツ軍連絡機（第40装甲軍団第23装甲師団作戦主任搭乗）にあったメモからドイツ第６軍の主目標がモスクワでなくカフカス地方と判明し、予備兵力をかき集めて防衛にあたらせた。6月28日、ドイツ第２軍、第４機甲軍、ハンガリー第２軍からなるワイクス軍集団がヴォロネジ目掛けて進撃を開始。第８航空軍団はソ連空軍を圧倒し、完全制空権下で進撃が行われた。対するソ連軍は第60軍、第６軍、第５戦車軍であったが、少数の決死隊を残して主力は戦闘を回避、ドン川の東にまで一気に後退し、ヴォロネジ市周囲の防衛を強化した。もともとドイツ軍は、ヴォロネジを補助攻撃で軽く抑えるつもりであったが、この兵力強化により無視するわけにいかなくなり、機甲部隊に突入を命じた。7月4日には尖兵が市内に入ったが、強化されたヴォロネジ方面軍により撃退された。これを聞いたヒトラーはヴォロネジの強行占領を命じ、ソ連軍の時間稼ぎの罠に嵌まった。7月6日、再度市内に突入したドイツ軍に対し、ソ連軍は退却するふりをして市内に引き込み、第40軍を投入して防衛戦闘を行った。ソ連側の損害は死者44000名、負傷者32000名に上ったが、ドイツ軍のヴォロネジ完全占領を阻止することに成功した。この間に南部方面軍はドン川河口のロストフ市まで退却、北カフカス方面軍に統合され、スターリングラード前面では市民を動員して野戦陣地を構築した。7月12日、スターリングラード方面軍が創設された。7月13日、ドイツ軍はスターリングラード攻略戦を開始。ヒトラーの命により、ドン川下流のロストフでソ連軍を包囲することとした。また、ドイツ南方軍集団をＡ軍集団（第１・第４機甲軍）とＢ軍集団（第６軍）に分け、ロシア南部戦区の北翼と南翼を分担し、スターリングラードとカフカスを同時攻略することになってしまった。7月17日、ドイツ第17軍先鋒がロストフに突入。しかし主力は既に離脱した後だった。ロストフでもドイツ軍の総攻撃が開始され、建物１つ１つを制圧する死闘を行った。7月23日、南方軍集団をＡとＢに分けてカフカスとスターリングラードを同時攻略する正式な総統命令45号が出た。ロストフがドイツ軍により制圧された。7月28日、スターリンは命令第227号を発した。7月31日、ドン川南岸でドイツ第４機甲軍が第51軍を撃破してロストフ・スターリングラード鉄道線に到達したが、第64軍司令官がその場にいた兵力をかき集めてチェイコフ特別作戦集団を構成して防衛戦を張り、スターリングラードへの進出を阻止した。8月10日、ロストフを突破したドイツ軍はマイコプを占領。8月11日、ドイツ軍はマイコプからクラスノダールに到達。更に奥へと進撃したが、戦線が伸び続けてＡ軍集団の密度は薄くなっていった。8月以降は燃料不足と山岳地帯でＡ軍集団の進撃が停止、1943年1月にはカフカスから撤退を開始した。Ｂ軍集団も2月初めにはスターリングラードで包囲された第６軍が降伏、ブラウ作戦は失敗した。参考：歴史群像12,’03、月刊PANZER7,’99、11,’02、2,’99

＜プラウド・ウォリアーズ＞：HSM-72（ヘリコプター飛行隊）を参照。

＜プラウド・マンタ演習＞：NATO軍の対潜演習。ノーブル・マンタから改称され、2011年に開始された。参考：JShips Vol.44

　＜プラウド・マンタ２０１１＞：2011年2月4-17日に実施された。アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ギリシャ、スペイン、ドイツ、トルコ、フランス、ベルギーの10カ国から航空機19機、水上艦８隻、潜水艦６隻（アメリカ海軍アーレイバーク級ミサイル駆逐艦DDG-55スタウト、ロサンゼルス級原子力攻撃型潜水艦SSN-691メンフィス、イタリア海軍ホライゾン型駆逐艦D554カイオ・デュイリオ、マエストラーレ級フリゲートF575エウロ、補給艦エトナ、ポンツァ級補給船レヴァンツォ、改サウロ級潜水艦S524プリモ・ロンゴバルド、ギリシャ海軍209/1200型潜水艦S113プロテウス、スペイン海軍アゴスタ級潜水艦S73ミストラル、ドイツ海軍F122ブレーメン級フリゲートF214リューベック、トルコ海軍209/1400型潜水艦S354サカルヤ、209/1200型潜水艦S349バトゥライ、フランス海軍ジョルジュ・レイグ級駆逐艦D641デュプレなど）が参加し、演習に加え、新戦術や新装備のテストも行っている。参考：JShips Vol.44

＜ブラウニー＞：Il-40（試作攻撃機）を参照。

＜プラウ・ファニ＞：731（掃海艇）を参照。

＜プラウ・ファニ級＞：インドネシア海軍掃海艇Pulau Fani級。ドイツのアベキング＆ラスムッセン社に発注した。ドイツ海軍フランケンタール級掃海艇がベースらしいが、外見は大幅に変更されており、主機もハイブリッド推進システムにして掃海時の静粛性を高めている。全長62m、満載排水利用700トン。主機はディーゼル（航行時）／蓄電池による電気推進（掃海時）、速力18ノット。兵装は20mm単装機関砲１門、12.7mm単装機銃２丁。１番艇艇番号731プラウ・ファニなど２隻を建造し、2023年3月から受領する予定。参考：月刊世界の艦船5,’23

＜プラウラー＞：EA-6B（電子戦機）を参照。

＜プラウ・ルパト＞：インドネシア海軍掃海艇Pulau Rupat。2001年6月11-22日、南シナ海で西太平洋掃海訓練に参加。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜ブラウン＞：DD-546（駆逐艦）を参照。

＜ブラウンアウト＞：ヘリコプターが離着陸時や低空ホバリング時に巻き上げた砂塵により、乗員の視界が遮られ、空間識失調に陥ること。機体内部には砂塵がたまり、性能を悪化させる他、ローターやエンジンがすり減って機体寿命も短くなる。これを防止するためのマット（ヘリマット）も開発されているが、事前に敷く場所の安全を確保しておく必要がある。参考：月刊軍事研究4,’09、3,’10

＜ブラウン・ウォーター・ネイヴィー＞：BWN（河川哨戒部隊）を参照。

＜ブラウン・ウォーター・ネイヴィー＞：沿岸海軍のことで、陸地に近い濁った海域での活動を主とする海軍のことを指す。アメリカ海軍ではベトナム戦争時に河川哨戒部隊をこう呼んだため、沿岸海軍はグリーン・ウォーター・ネイヴィーと呼ぶ。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ブラウン・カーチス・タービン＞：イギリスのジョン・ブラウン社が製造したカーチス・タービンのこと。パーソンズ式よりも小型高出力で、イギリス海軍巡洋戦艦フッドに搭載されている。参考：月刊世界の艦船11,’11、月刊丸11,’09

＜ブラウン管＞：CRTを参照。

＜ブラウン・ジャージ＞：アメリカ海軍のデッキクルーのうち、スコードロン・プレーン・キャプテン、ヘリコプター・プレーン・キャプテンなどの機付長やリーディング・ペティ・オフィサーズ（別名ラインまたはチェーン・ギャング。機体のタイダウン担当）のことで、着ているジャージの上着が茶色なので、こう呼ばれる。クレニアル・ヘルメットとライフ・プリザーバー・ベストMk1も茶色だが、ヘリコプター・プレーン・キャプテンはヘルメットが赤、リーディング・ペティ・オフィサーズはヘルメットが緑。参考：月刊JWings7,'22、1,’02

＜ブラウンシュヴァイク＞：F260（フリゲート）を参照。

＜ブラウンシュヴァイク＞：ドイツ海軍ケルン級フリゲートBraunschweig。1964年就役。1989年にトルコに売却され、ゲムリク（２代目）となった。参考：月刊世界の艦船9,'96

＜ブラウンシュヴァイク級シリーズ＞：ドイツ海軍多任務コルベット、K-130型Braunschweig級。ブロム・ウント・フォス社が主導し、フリードリヒ・リュルセン造船とティッセン・ノルトゼーウエルケの２社も参加して開発された。2019年8月8日、ラインメタル社がMBDAドイッチュラントと共同でのブラウンシュヴァイク級搭載用レーザー砲開発を発表した。参考：月刊世界の艦船3,’07、11,’19

＜ブラウンシュヴァイク級バッチ１＞：通算1-5番艦。主任務はバルト海などの哨戒で、海洋状態５の海を15ノットで航海でき、海上補給が可能で、補給無しでも７日、有りで21日間の航続力を持ち、沿岸海域から敵領海内で戦闘・偵察・海上監視行動が可能で、非対称戦、個艦防空、大型艦船との共同作戦もできる艦として設計された。船体はMEKO A-100型ベースの中央船楼型で、ステルス性が考慮されていて、艦橋、前部・後部マスト、CIC機器室、電子機器室などのモジュールを組み合わせて構成してある。統合艦橋システム（IBS、Integrated Bridge System）を持ち、艦橋からの推進・操舵操作が可能。これに加え、推進系、発給電、空調、ダメコン、艦内閉鎖状況、補給状況、排水システムを含めた情報を統合管理するシステム（IMCS、Integrated Monitoring and Control System）が搭載されている。煙突は無く、排気は船体内の海水冷却式排気管を通過した後に船体中央舷側下方の排出口から排出されるため、排出口付近の舷側には黒い塗装が施された。艦載戦闘システムはSEWACO-FDで、戦闘指揮システム（CDS）は多機能コンソール（21インチ／533.4mmモニター２台装備）７基、ワークステーション４基、二重戦闘システムデータバスをベースとする配分処理機４基からなり、CICの壁には大型ディスプレイ１基が装着されている。前部タワーマストの頂部にはTRS-3D/16MS対空・対水上レーダーを装備。他にMSSR2000�T敵味方識別装置、ミラドール電子光学指示機２基（前後マストに１基ずつ）、SPS-N5000電子支援システム（ESM。KJS-5000ECMを統合し、2-18GHzに対応）１基（前部マスト）などを搭載する。MASSソフトキル・デコイ・システムも船体左舷前部と右舷後部に１基ずつ装備する。通信装置は統合通信処理システム（IMUS、Integrated Message Using and Handling System）、デジタル通信ネットワーク、UHF衛星通信、リンク11、リンク16。航法装置は慣性航法装置、電子海図、気象衛星システム、自動操艦システム、船舶自動識別システム。全長88,8m（89.1m？）、全幅13.3m、吃水3.4m、満載排水量1840-1914トン。主機はMTU社製20V1163TB93ディーゼル（7400kW）２基、可変ピッチプロペラ２軸推進、最大速力26ノット、航続距離4000海里（15ノット）。兵装はポリフェム用４セル垂直発射システム２基、RBS15Mk3対艦ミサイル連装発射筒２基（前後煙突間両舷）、RAM21セル発射機Mk49（RIM116Bブロック１ミサイル搭載）２基（船体前後）、オットー・ブレダ社製62口径76mmコンパクト砲１門（前甲板。非ステルス砲塔、発射速度毎分100発）、マウザーMLG27機関砲２門（両舷）。船体後部にヘリ甲板があるが、格納庫は無い。UAV（カムコプターS100またはスケルダーV-200B）２機を搭載でき、NH90など12トン級ヘリの着艦・給油も可能。また、ヘリ甲板に機雷敷設軌条４基を設置して敷設任務も行える。F260ブラウンシュヴァイク、F261マグデブルグ、F262エアフルト、F263オルデンブルク、F264ルートヴィヒスハーフェンの５隻が竣工した。1-2番艦は2008年に就役し、同年には回転翼型無人機の運用テストも行われている。残る３艦は公試中に減速歯車の不具合が見つかり、修理を行った上で2013年までに就役した。2016年6月、RBS15Mk3を対地攻撃に使用可能となった。更なる改装でミラドールをミラドールMk2に換装する予定で、MBDA社製HELWSレーザー砲も積むかもしれない。対空・対艦能力を重視しすぎて汎用性に欠けるのが欠点と見なされたようで、143A型ゲパルト級ミサイル艇の後継として別の汎用艦を建造するらしいといわれていたが、2017年に第２バッチ５隻が発注された。参考：月刊世界の艦船3,’07、8,’13、3,’14、4,’10、10,’11、9,’13、9,’16、12,’17、7,’18、11,’18、7,’19、8,’19、11,’19、4,'20、8,'20、11,'20、1,'21、5,'21、7,’22、8,'23、月刊軍事研究3,’17、12,'15、12,’11、8,’02、3,’10

＜ブラウンシュヴァイク級バッチ２＞：通算6-10番艦。仕様は第１バッチとほぼ同じだが、対空捜索レーダーをTRS-3D/16からTRS-4Dに換装し、76mm単装砲をステルス防楯型スーパーラピッドに変更、全て第１コルベット戦隊に配備する。全長89.1m、満載排水量1840トン。主機はディーゼル、速力26ノット。兵装は76mm単装砲スーパーラピッド１門、RBS15Mk3艦対艦ミサイル連装発射筒２基、RAM艦対空ミサイル用21連装発射機２基。１番艦F265ケルン（Köln）は2019年4月25日に起工式を実施した。２番艦F266エムデンは2023年5月5日に就役した。３番艦はF267カールスルーエ。４番艦はアウグスブルク（Augsburg）、５番艦はリュベック（Lübeck）。参考：月刊世界の艦船11,’18、4,'20、8,'20、11,'20、1,'21、5,'21、7,’22、8,'23、8,’24

＜ブラウンシュヴァイク級＞：ドイツ海軍前ド級戦艦。全長126.0m（127.7m？）、幅22.2m、吃水8.1m、常備排水量13208トン。主機は３気筒３段膨張レシプロ機関３基３軸16000指示馬力、主缶はシュルツ・ソーニクロフト缶８基と円缶６基で、速力18ノット。兵装は28cm連装砲２基、17cm単装砲14門。装甲厚は水線部225mm、甲板75mm。1900-01年度予算でヘッセンなど５隻を建造した。ベルサイユ条約で第１次大戦後も５隻の保有を許可された。参考：月刊丸2,’08、4,’17、月刊世界の艦船6,’16

＜ブラウンスビル＞：PF-10（フリゲート）を参照。

＜ブラウンソン＞：DD-518（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-868（ギアリング級駆逐艦）を参照。

＜フラウンダー＞：SS-251（潜水艦）を参照。

＜ブラウン・ボヴェリ式蒸気タービン（シャルンホルスト）＞：ドイツ海軍戦艦シャルンホルストの主機で、ブラウン・ボヴェリ社が製造した。改良パーソンズ式高中低圧オールギヤードタービンで、前進は高圧１段目がカーチス式衝動、高圧２段目以降と中圧と低圧が反動、後進は高圧がカーチス式衝動１段、低圧が反動である。毎分回転数は前進が高圧5100回転、中圧3150回転、低圧3160回転、プロペラ265回転、後進が高圧2375回転、低圧2385回転、プロペラ200回転。参考：月刊丸4,’17

＜ブラウン・ボヴェリ式蒸気タービン（ティルピッツ）＞：ドイツ海軍戦艦ティルピッツの主機で、ブラウン・ボヴェリ社製。改良パーソンズ式高中低圧オールギヤードタービンで、前進高圧が１段目カーチス衝動＋２段目以降反動、中圧が反動、低圧が双流反動、後進高圧がカーチス衝動１段、低圧が双流反動である。毎分回転数は前進高圧2825回転、中圧2825回転、低圧2390回転、プロペラ265回転、後進高圧2025回転、低圧1715回転、プロペラ190回転。参考：月刊丸4,’17

＜ブラウン・リーフ＞：アメリカ軍の４色迷彩戦闘服で、ERDLリーフ・パターンを元に色調を暗くし、山岳地帯や森林でも適応するようにしてある。BDUの迷彩パターンのベースになった。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜プラガ自走高射機関砲＞：チェコ軍自走高射機関砲。６輪トラックの後部に30mm連装機関砲を搭載している。砲架は電動式ターンテーブルに搭載されており、砲手はシールドで囲まれた場所に座って照準する。参考：月刊PANZER8,’97

＜プラガティ＞：インド陸軍戦術弾道ミサイル。プラハール地対地ミサイルの発展型であり、タタ社が生産する。推進は単段固体燃料ロケットで、射程60-170km。CEPは10m。TELやキャニスターはプラハールと共通。参考：月刊軍事研究4,’14

＜フラカン級＞：メキシコ海軍ミサイル艇Huracan級。イスラエルのアリヤ級を導入したものである。兵装はガブリエル�U艦対艦ミサイル単装発射筒４基、ファランクス１基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブラク級＞：デティエンヌ・ドーヴ級・海外シリーズ（通報艦）を参照。

＜プラグ状成型＞：プラッギングともいう。徹甲弾による装甲破壊モードの１つで、弾速毎秒1000m以下、装甲厚と弾丸直径の比が中程度の時に生じる。徹甲弾が装甲にめり込む過程で弾丸進行方向に剪断力を生じ、弾丸直径と同じくらいの割れを生じて装甲板が撃ち抜けてしまう現象である。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜フラグスタッフ＞：PGH-1（水中翼実験艇）を参照。

＜ブラクストン＞：APA-138（攻撃輸送艦）を参照。

＜プラグドロール＞：ニュージーランド空軍のA-4Kスカイホークが行ったアクロバット飛行。バディ・ポッドを搭載し、２機が給油ホースで連結されたまま宙返りをする。現在は退役したため、見ることは出来ない。参考：月刊軍事研究11,’04

＜フラグメント＞：DE-677（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブラクレイス＞：S359（潜水艦）を参照。

＜ブラクレイス級＞：ガピー�UＡ級潜水艦（トルコ）を参照。

＜ブラケット＞：DE-41（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブラケット水道海戦＞：日本軍側名称無し。太平洋戦争時にソロモン諸島コロンバンガラ島への輸送作戦を行っていた駆逐艦村雨と峯雲が昭和18年3月5日夜にアメリカの軽巡３隻、駆逐艦３隻に捕捉され、レーダー測距による砲撃と雷撃を受けて２隻とも沈没した。参考：歴史群像2,’08

＜ブラゴヴェスト＞：14F149（衛星）を参照。

＜フラゴン＞：Su-15（戦闘機）を参照。

＜ブラザーフッド式空気圧縮機＞：日本海軍が三二式魚雷への圧縮空気充填用に輸入した空気圧縮機。120馬力の蒸気機関により120気圧の圧縮空気を作ることが出来る。初期の輸入駆逐艦に搭載された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ブラジリア＞：EMB-120シリーズ（コミューター機）を参照。

＜ブラジル＞：U27（練習艦）を参照。

＜ブラジル海軍＞：1907-10年、ミーナ・ジェライス級戦艦２隻が就役。1927年、ウマイタ級潜水艦１隻が竣工。1939年、ハンディ級駆逐艦６隻が進水。1943年、マルシーリオ・ジーアス級駆逐艦３隻が竣工。1957年、イギリスから空母ヴェンジャンスを購入してミーナ・ジェライスと命名、就役させた。1969年からオベロン級潜水艦３隻が就役。1970-71年、ピラティニ級河川哨戒艇６隻が就役。1973年、ギアリング級駆逐艦２隻とアレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦５隻が就役。1973年からペトロ・テイシェイラ級河川哨戒艦２隻が就役。1975年からロライマ級河川哨戒艦３隻が就役。1976-80年、ニテロイ級フリゲート６隻が竣工。1989-90年、トーマストン級ドック型輸送揚陸艦２隻を貸与された。1989年、ガーシア級フリゲート４隻を貸与された。1989年、パラ級４隻、インハウマ級コルベット４隻、209/1400型潜水艦が就役開始。1994年、ニューポート級戦車揚陸艦１隻が就役。1997年、A-4U攻撃機23機を配備。2000年、フランスから空母フォッシュを購入し、サン・パウロと命名して就役させた。帆走練習艦シズネ・ブランコが就役。2005年、209/1400改型潜水艦１隻が就役。2007年、サー・ガラハド級戦車揚陸艦１隻が就役。2008年、国産フリゲートのバロッソが竣工。2009年、バロッソ級コルベット１隻とサー・ランスロット級揚陸艦１隻が就役。2010年、C-1AをアメリカからFMSで８機購入。2012年、アマゾナス級哨戒艦３隻、MH-16ヘリが就役開始。2013年からLPR-40級河川哨戒艇が就役。2016年3月、フランスから購入した揚陸艦G40バイーアが就役。6月、イギリスから購入した揚陸ヘリ母艦アツランチコが就役。新しい海洋防衛コンセプトとして海洋拒否、制海、戦力投射を掲げていて、2008年9月26日に原子力潜水艦の建造を表明、SN-BR計画として2012年7月6日から開発しており、フランスのDCNS社と協力して6000トン級攻撃型原潜を2016年から建造、2021年頃に配備する予定としたが、遅れて2019年2月11日に詳細設計への移行を発表した（艦名アルヴァロ・アルベルト、2030年就役予定）。2020年7月17日、原潜アルヴァロ・アルベルト及びスコルペヌ級潜水艦４隻の基地となるマデイラ潜水艦基地を開設した。2021年、H22Mヘリが就役開始。2022年、スコルペヌ級潜水艦４隻が就役開始。9月10日、リオ・デ・ジャネイロ沖でブラジル独立・海軍創設200周年記念国際観艦式を実施。ブラジル海軍から11隻（大統領座乗観閲艦の哨戒艦P121アパ、揚陸ヘリ母艦A140アツランチコ、揚陸艦G40バイーア、揚陸艦G25アルミランテ・サボイア、フリゲートF43リベラウ、潜水艦S-40リアシュエロなど）、外国から12隻（アメリカ海軍LPD-19メーサ・ヴァード、アルゼンチン海軍練習帆船リベルタなど）が参加し、停泊式で行われた。参考：月刊軍事研究4,’09、6,’10、月刊世界の艦船10,’12、8,’11、3,’15、3,’16、6,’16、4,’17、9,’18、5,’19、10,’20、12,'20、11,'22、12,'22、月刊JWings2,’22

　＜ブラジル海軍（１９７７年）＞：兵力49000名（うち徴兵3000名。海軍航空隊、海兵隊、補助部隊13500名含む）。オベロン級潜水艦２隻、ガピー�U／�V級潜水艦７隻、空母１隻、駆逐艦12隻、フリゲート２隻、コルベット10隻、河川哨戒艦５隻、河川警備艇１隻、砲艇６隻、沿岸掃海艇６隻、沿岸補助艇２隻、戦車揚陸艇２隻、小型上陸用舟艇39隻、SH-3Dシーキング５機、ホワールウインド５機、ワスプ４機、FH1100ヘリ４機、ベル47Gヘリ２機、AB206Bヘリ18機、ヒューズ269/300練習ヘリ10機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ブラジル海軍（１９８９年）＞：兵力50300名（うち徴兵2200名、海軍航空隊700名、海兵隊15000名）。海洋海軍管区６個と河川海軍管区１個からなり、リオデジャネイロに第１海軍管区司令部、サルバドールに第２海軍管区司令部、ナタールに第３海軍管区司令部、ベレンに第４海軍管区司令部、リオ・グランデに第５海軍管区司令部、ラダリオに第６海軍管区司令部、マナウスとコルンバに河川部隊基地がある。209/1400級潜水艦１隻、オベロン級潜水艦３隻、ガピー�U／�V級潜水艦３隻、ミーナ・ジェライス級軽空母１隻、ギアリング級駆逐艦２隻、アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦５隻、フレッチャー級駆逐艦２隻、ニテロイ級フリゲート６隻、インハウマ級フリゲート１隻、インペリアル・マリネイロ級外洋哨戒艦９隻、ピラチーニ級内海哨戒艇６隻、アスピランテ・ナシメント級内海哨戒艇３隻、河川哨戒艇６隻、アラツ級内海掃海艇６隻、サフォーク・カウンティ級戦車揚陸艦１隻、LST-1級戦車揚陸艦１隻、汎用揚陸艇３隻、機械化揚陸艇３隻、車両兵員揚陸艇30隻、マラホ級洋上給油修理艦１隻、工作船１隻、輸送艦４隻、測量／海洋観測艦５隻、ニテロイ改級練習フリゲート１隻、外洋曳船５隻、ASH-3H対潜ヘリ10機、リンクスHS21攻撃ヘリ８機、AS350武装ヘリ８機、ワスプHAS-1ヘリ７機、HB315ヘリ３機、AS-332多用途ヘリ３機、TH-57練習ヘリ10機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブラジル海軍（２０１５年）＞：現役兵力69000名（うち海軍航空隊2100名、海兵隊16000名）。第１海軍区司令部はリオデジャネイロ、第２海軍区司令部はサルバドール、第３海軍区司令部はナタール、第４海軍区司令部はベレム、第５海軍区司令部はリオ・グランデ、第６海軍区司令部はラダリオ、第７海軍区司令部はブラジリア、第８海軍区司令部はサン・パウロ、第９海軍区司令部はマナウスにある。水中処分員部隊１個、209/1400型潜水艦４隻、209/1400改型潜水艦１隻、サン・パウロ級空母１隻、22型ブロードソード級駆逐艦３隻、ニテロイ級フリゲート６隻、インハウマ級フリゲート３隻、バロッソ級フリゲート１隻、哨戒艇48隻、掃海艇５隻、トーマストン級LSD１隻、ニューポート級戦車揚陸艦１隻、サー・ガラハド級戦車揚陸艦１隻、サー・ランスロット級戦車揚陸艦１隻、LCU３隻、LCVP８隻、LCM21隻、兵站支援船100隻以上、A-4/4M（AF-1/-1B）艦攻９機、TA-4/4M（AF-1A）艦攻３機、スーパーリンクスMk21A対潜ヘリ12機、SH-3G/H対潜ヘリ４機、S-70B（MH-16）対潜ヘリ６機、H225M（UH-15）輸送ヘリ６機、AS332ヘリ５機、AS532（UH-14）ヘリ２機、AS350武装ヘリ15機、AS355武装ヘリ８機、ベル206B3（IH-6B）汎用ヘリ15機、AM39空対艦ミサイル、シースキュア空対艦ミサイル、AGM-119ペンギン空対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブラジル海兵隊＞

＜ブラジル海兵隊（１９８９年）＞：兵力15000名。両用戦師団１個、砲兵大隊１個、増援コマンド大隊５個、地域グループ６個、特殊作戦グループ１個からなる。EE-9Mk�W偵察車６両、M-113装甲兵員輸送車16両、EE-11装甲兵員輸送車６両、LVTP-7A1装甲兵員輸送車12両、105mm砲M-102を８門、155mm砲M-114を８門、108mm多連装ロケットSS-06、3.5インチ（89mm）バズーカM-20、106mm無反動砲M-40、40mm高射機関砲M-1を８門保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブラジル海兵隊（２０１５年）＞：現役兵力16000名。特殊作戦大隊１個、水陸両用師団（軽機甲大隊１個、海兵大隊３個、砲兵大隊１個）１個、水陸両用強襲大隊１個、地域海兵群７個、河川大隊１個、工兵大隊１個、兵站大隊１個からなる。SK-105軽戦車18両、M113A1装甲兵員輸送車30両、ピラーニャ�VＣ装甲兵員輸送車30両、AAV-7A1装甲車13両、LVTP-7装甲車12両、105mm軽砲L118を18門、105mm砲M101を15門、155mm砲M114を８門、127mm多連装ロケット砲アストロス�UMk6少数、81mm迫撃砲M29を18門、RB-56ビル対戦車ミサイル、MSS-1.2AC対戦車ミサイル、70口径40mm高射機関砲６門（BOFIと運用）、AAVR7装甲工兵車１両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブラジル空軍＞：FAB（Força Aérea Brasileira）と略す。1958年12月、P-15対潜哨戒機の導入を開始。1971年、T-25練習機の受領を開始。1973年、EMB-110輸送機の配備を開始。1975年からF-5戦闘機を導入。1978年、EMB-111哨戒機の配備を開始。1982年、EMB-312練習機の受領を開始。1987年、カワナミ少将が日系人初のブラジル軍将官となった。1989年、AMXの導入を開始。2001年からF-5戦闘機の後継となる次期戦闘機F-X導入計画を進めていたが、財政難で中止された。2002年、EMB-145SA早期警戒機の配備を開始。2003年、A-29攻撃機の配備を開始。2005年、次期戦闘機配備までの繋ぎとしてミラージュ2000を導入。次期戦闘機F-X2（F-5戦闘機の後継）を36機導入する予定で、ラファール、グリペン、F/A-18Eから選定を行っていた。2007年、空軍司令官に日系人のサイトウ空軍大将が就任した。2009年9月にフランス大統領との会談を終えたブラジル大統領がラファールF3に決まったような発言をしたが、頭越しに決められた空軍が猛反発、11月にグリペンNGを推薦した。結局任期中に最終決定できず、次の大統領は財政面を理由に機種選定を2012年末に遅らせており、導入数も18機に減らすかもしれない。2011年9月、P-3AM哨戒機の配備を開始。2012年12月11日、F-X2の契約締結を2014-15年に先延ばしすることを発表した。繋ぎとしてF-5E/FとAMX製A-1Mの改良を検討している。その後F/A-18Eに決まりかけたが、アメリカがブラジル大統領の電話を盗聴していた疑惑が浮上したこともあって取り消され、2013年12月28日にJAS39E/Fを36機導入することに決定した。2019年9月4日、KC-390空中給油輸送機初号機が納入された。2020年9月10日、JAS39E初号機が引き渡された。2022年12月19日、アナポリス空軍基地でF-39E/Fグリペン戦闘機の運用開始式典を実施。参考：月刊JWings4,’10、5,’11、1,’12、10,’12、3,’13、3,’14、11,’19、12,'20、3,'23、月刊航空ファン2,’11、MAMOR vol.152

　＜ブラジル空軍（１９７７年）＞：兵力42800名。ミラージュ�VEBR戦闘機11機、ミラージュ�VDBR戦闘機４機、F-5E戦闘機33機、AT26サバンテ60機、UH-1Dヘリ５機、ベル206ヘリ４機、OH-6Aヘリ４機、S-2A対潜哨戒機８機、S-2E対潜哨戒機８機、P-2E対潜哨戒機７機、SA16アルバトロス12機、RC-130E捜索救難機３機、SH-1Dヘリ５機、UH-1Hヘリ36機、B737輸送機２機、C-130E/H輸送機13機、KC-130H輸送機２機、BAC111輸送機２機、HS125輸送機10機、HS748輸送機12機、DHC-5輸送機21機、C-47輸送機35機、カタリナ６機、C-95輸送機60機、C-119輸送機、ポーター輸送機５機、ベル47ヘリ60機、ベル206Aヘリ11機、OH-4ヘリ４機、F-5B練習機６機、T-23練習機100機、T25練習機150機、T-37C練習機25機、TC-45T練習機８機、AT26練習機50機、H-13J練習ヘリ34機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ブラジル空軍（１９８９年）＞：兵力50700名。ミラージュ�VEBR戦闘機15機、ミラージュ�VDBR戦闘機５機、F-5E戦闘機26機、F-5B戦闘機４機、AT-26対ゲリラ戦機48機、EMB-312対ゲリラ戦機30機、RC-95偵察機８機、RT-26偵察機12機、リアジェット35偵察機３機、T-27連絡観測機８機、SA330連絡観測ヘリ５機、UH-1H連絡観測ヘリ30機、OH-13連絡観測ヘリ３機、EMB-810連絡機、S-2E対潜哨戒機12機、EMB-110B哨戒機14機、EMB-111哨戒機10機、UH-1D哨戒ヘリ８機、C-130E輸送機９機、C-130H輸送機５機、KC-130H空中輸送機２機、KC-137空中給油機４機、C-91輸送機12機、C-95A/B輸送機108機、C-115輸送機27機、VC-91要人輸送機１機、VC/VU-93要人輸送機10機、VC-96輸送機２機、VC-97輸送機５機、VU-9輸送機５機、VH-4ヘリ３機、EC-9輸送機６機、AS332汎用ヘリ10機、SA330汎用ヘリ６機、UH-1D汎用ヘリ８機、UH-1H汎用ヘリ30機、C-42連絡機50機、L-42連絡機30機、T-27ツカノ練習機79機、AT-26練習機50機、EMB-110練習機70機、OH-13練習ヘリ25機、OH-6A練習ヘリ４機、C-95較正機２機、EC-93較正機１機、EC-95較正機４機、U-93較正機１機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブラジル空軍（２０１５年）＞：現役兵力67500名。７個空軍区からなる。作戦部隊は第１・第２・第３・第４・第５航空軍だが、第４航空軍は一時的に作戦能力の無い状態に置かれている。F-5E戦闘機６機、F-5EM/FM戦闘機51機、AMX（A-1）攻撃機38機、AMX-T（A-1B）攻撃機11機、P-3AM対潜哨戒機９機、EMB-111(P-95A)洋上哨戒機10機、EMB-111(P-95B)洋上哨戒機８機、EMB-111(P-95M)洋上哨戒機１機、AMX-R(RA-1)偵察機４機、EMB-110B(R-95)偵察機４機、EMB-145RS(R-99)電子情報収集機３機、リアジェット35A(R-35A)電子情報収集機３機、EMB-145SA(E-99)早期警戒管制機５機、C-295M(SC-105)捜索救難機２機、EMB-110(SC-95B)捜索救難機４機、SC-130E捜索救難機１機、KC-130H空中給油輸送機２機、C-130E輸送機４機、C-130H輸送機16機、C-295M(C-105A)輸送機10機、セスナ208(C-98)軽輸送機７機、セスナ208B(C-98)軽輸送機９機、セスナ208-G1000(C-98A)軽輸送機13機、EMB-110(C-95A/B/C/M)軽輸送機52機、EMB-120(C-97)軽輸送機16機、EMB-120RT(VC-97)軽輸送機４機、EMB-121(VU-9)軽輸送機５機、EMB-135BJ(VC-99B)軽輸送機７機、EMB-201R(G-19)軽輸送機３機、EMB-202A(G-19A)軽輸送機２機、ERJ-135LR(VC-99C)軽輸送機２機、ERJ-145(C-99A)軽輸送機７機、ERJ-145LR(VC-99A)軽輸送機１機、リアジェット35A(VU-35)軽輸送機９機、リアジェット55C(VU-55)軽輸送機１機、PA-34(U-7)軽輸送機９機、U-42軽輸送機12機、A319(VC-1A)要人輸送機１機、EMB-190(VC-2)要人輸送機３機、ホーカー800XP(EU-93A)較正機４機、EMB-312(T-27)練習機101機、EMB-314(A-29A)練習機39機、EMB-314(A-29B)練習機44機、T-25A/C練習機81機、Mi-35M(AH-2)攻撃ヘリ12機、H135M(VH-35)汎用ヘリ２機、H225M(H-36)輸送ヘリ４機、H225M(VH-36)輸送ヘリ２機、H225M輸送ヘリ１機、AS332M(H-34/VH-34)ヘリ10機、UH-60L(H-60L)汎用ヘリ16機、AS350B(H-50)ヘリ24機、AS355(H-55/VH-55)ヘリ４機、ベル205(H-1H)ヘリ24機、ヘルメス450無人偵察機４機、ヘルメス900無人偵察機１機、MAA-1空対空ミサイル、マジック２空対空ミサイル、パイソン�V空対空ミサイル、パイソン�W空対空ミサイル、シュペル530F空対空ミサイル、ダービー空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブラジル軍＞：陸海空軍からなる。1964-85年は軍事政権だった。参考：MAMOR vol.111、vol.152

　＜ブラジル軍（１９８９年）＞：総兵力324000名（うち徴兵145200名）、第一線予備役1115000名、第二線予備役225000名。アンゴラ国連監視団にオブザーバーを派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブラジル軍（２０１５年）＞：現役総兵力334500名（陸軍198000名、海軍69000名、空軍67500名）、予備役1340000名、準軍事組織395000名（治安部隊。陸軍隷下の警察部隊だが、陸軍から各州へと移管中。アマゾンと国境警備用にヘロン無人機３機を保有）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員３名とオブザーバー１名、コートジボアールにUNOCI要員３名とオブザーバー４名、キプロスにUNFICYP要員１名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員５名とオブザーバー１名、配置にMINUSTAH要員982名、歩兵大隊１個、工兵中隊１個、レバノンにUNIFIL要員201名とフリゲート１隻、リベリアにUNMIL要員２名とオブザーバー２名、南スーダンにUNMISS要員４名とオブザーバー５名、西サハラにMINURSOオブザーバー９名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブラジル陸軍＞：1956年、陸軍士官学校に日系人が初入港した。1960年、M41軽戦車を供与された。1985年、陸軍航空隊が創設され、第１陸軍航空大隊と陸軍航空資材軍団が新編された。使用機はHA-1エスクィーロ／フェネックとHM-1である。1993年、第２・第３陸軍航空大隊が新編された。1995年、第４陸軍航空大隊が新編された。1997年からHM-2ヘリを配備。2009-30年にブラコ・フォルト計画と呼ばれる近代化を行う予定で、リオデジャネイロに軽歩兵旅団を創設、マナウスに密林歩兵旅団、アナポリスに空挺部隊を再配置し、59000名の増員兵のうち22000名をアマゾン流域に配置して国境監視能力を強化する。兵器も改善し、戦車はレオパルト１をドイツから調達するが、他はなるべく国産のものを採用する。装甲兵員輸送車はM113BRを改良する計画だったが、中止されたため、マーダー1A3またはM-2歩兵戦闘車が導入されるかもしれない。2012年、VBTP-MRグアラニ装輪装甲車とアストロス�UMk6自走ロケット砲の配備を開始。2014年、国境警備・越境犯罪組織撲滅Ágata8作戦を全陸上国境17000kmに渡り実施。AAVP-7A1RAM/RS水陸両用車を発注。2015年7月、国境警備・越境犯罪組織撲滅Ágata9作戦をボリビアとパラグアイ国境4000kmで実施。10月、国境警備・越境犯罪組織撲滅Ágata10作戦をボリビア・ペルー・コロンビア・ベネズエラ・ガイアナ・スリナム・フランス領ギアナとの国境11400kmで実施。また、3月と9月には第１ジャングル歩兵旅団がCurare作戦と称して北部・北西部国境で３回の作戦行動を実施した。参考：月刊軍事研究1,’10、月刊航空ファン10,’16、月刊PANZER2,’11、MAMOR vol.153、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ブラジル陸軍（１９７７年）＞：兵力18万名（うち徴兵11万名）。師団８個、独立歩兵旅団２個、独立空挺旅団１個、ジャングル用軽歩兵大隊５個からなる。M4中戦車60両、M3A1軽戦車220両、M41軽戦車250両、X1軽戦車25両、カスカベル／M8装甲車120両、ウルツ／M59/M113装甲兵員輸送車600両、75mm分解式榴弾砲500門、105mm榴弾砲450門、155mm榴弾砲90門、108R/114mmロケット砲、106mm無反動砲、コブラ対戦車ミサイル、40mm高射機関砲、90mm高射砲、L42レヘンテ軽飛行機、O-1E軽飛行機40機、AB206Aヘリ10機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ブラジル陸軍（１９８９年）＞：兵力223000名（うち徴兵143000名）。軍コマンド司令部７個、軍管区12個、師団８個、装甲騎兵旅団１個、装甲歩兵旅団３個、機械化騎兵旅団４個、自動車化歩兵旅団12個、ジャングル旅団２個、辺境旅団１個、空挺旅団１個、沿岸砲・高射砲旅団２個、騎兵親衛連隊３個、砲兵グループ28個、工兵グループ２個、工兵大隊10個からなる。M-3軽戦車140両、X-1A軽戦車80両、X-1A2軽戦車30両、M-41C軽戦車380両、EE-9偵察車160両、M-8偵察車30両、EE-11装甲兵員輸送車150両、M-59装甲兵員輸送車20両、M-113装甲兵員輸送車600両、105mm砲M-101/-102を420門、56式105mm砲、155mm砲M-114を150門、105mm自走砲M-7/-108を６両、57mm/75mm/120mm/150mm/152mm/305mm沿岸砲240門、108mm多連装ロケットランチャーSS-06、180mm多連装ロケットランチャーSS-40、300mm多連装ロケットランチャーSS-60、81mm/107mm/120mm迫撃砲、コブラ対戦車ミサイル300基、60mmロケットランチャー、57mm無反動砲M-18A1を240門、75mm無反動砲20門、105mm無反動砲、106mm無反動砲M-40A1、４連装12.7mm対空機銃M-55、35mm高射機関砲30門、40mm高射機関砲60門、57mm高射機関砲180門、ローランド�U地対空ミサイル４基、BOF�T防空システム（RBS-70地対空ミサイル＋70口径40mm高射機関砲）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブラジル陸軍（２０１５年）＞：現役兵力198000名（うち徴兵70000名）。軍司令部８個、地域軍司令部12個、師団司令部７個、特殊作戦旅団（特殊作戦大隊１個、コマンドー大隊１個）１個、特殊作戦中隊１個、機械化騎兵連隊３個、第１・第２・第４機械化騎兵旅団（機甲騎兵大隊１個、機械化騎兵大隊３個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第３機械化騎兵旅団（機甲騎兵大隊１個、機械化騎兵大隊２個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第５機甲旅団（機械化騎兵隊１個、機甲大隊２個、機甲歩兵大隊２個、自走砲大隊１個、工兵大隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第６機甲旅団（機械化騎兵隊１個、機甲大隊２個、機甲歩兵大隊２個、自走砲大隊１個、防空隊１個、工兵大隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第15機械化歩兵旅団（機械化歩兵大隊３個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、兵站大隊１個）、第３機械化歩兵旅団（機械化騎兵隊１個、自動車化歩兵大隊２個、歩兵大隊１個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第４機械化歩兵旅団（機械化騎兵隊１個、自動車化歩兵大隊１個、歩兵大隊１個、山岳歩兵大隊１個、砲兵大隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第７機械化歩兵旅団（自動車化歩兵大隊３個、砲兵大隊１個）、第８自動車化歩兵旅団（機械化騎兵隊１個、自動車化歩兵大隊３個、砲兵大隊１個、兵站大隊１個）、第10自動車化歩兵旅団（機械化騎兵隊１個、自動車化歩兵大隊４個、歩兵中隊１個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個）、第13自動車化歩兵旅団（自動車化歩兵大隊１個、歩兵大隊２個、歩兵中隊１個、砲兵大隊１個）、第14自動車化歩兵旅団（機械化騎兵隊１個、歩兵大隊３個、砲兵大隊１個）、第11軽歩兵旅団（機械化騎兵連隊１個、歩兵大隊３個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個、憲兵中隊１個、兵站大隊１個）、歩兵大隊11個、空挺旅団（騎兵隊１個、空挺大隊３個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）１個、第12空中機動旅団（騎兵隊１個、空中機動大隊３個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第１ジャングル歩兵旅団（機械化騎兵隊１個、ジャングル歩兵大隊２個、砲兵大隊１個）、第２・第16・第17ジャングル歩兵旅団（ジャングル歩兵大隊３個）、第23ジャングル歩兵旅団（騎兵隊１個、ジャングル歩兵大隊４個、砲兵大隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、ジャングル歩兵大隊２個、第９自動車化訓練旅団（自動車化歩兵大隊３個、砲兵大隊１個、兵站大隊１個）、第18保安旅団（保安大隊２個、保安中隊２個）、保安大隊１個、保安中隊７個、親衛騎兵連隊３個、親衛歩兵大隊１個、航空旅団（ヘリ大隊３個、整備大隊１個）１個、ヘリ大隊１個、自走砲兵大隊３個、野戦砲兵大隊６個、多連装ロケット大隊１個、STA隊１個、防空砲兵旅団（防空砲兵大隊５個）１個、工兵大隊６個、電子戦中隊１個、情報中隊１個、憲兵大隊６個、憲兵中隊３個、通信大隊４個、通信中隊２個、工兵群（工兵大隊１個、建設大隊４個）１個、工兵群（建設大隊４個、建設中隊１個）、建設大隊２個、兵站大隊５個、訓練大隊１個、支援大隊４個からなる。レオパルト1A1BE戦車128両、レオパルト1A5BR戦車220両、M60A3/TTS戦車45両、M41C軽戦車50両、EE-9偵察車408両、M113装甲兵員輸送車584両、EE-11装甲兵員輸送車223両、VBTP-MRグアラニ６×６輪装甲兵員輸送車128両、105mm自走砲M7/108を72両、155mm自走砲M109A3を37両、155mm自走砲M109A5を36両、105mm砲M101/M102を233門、105mm砲L118を40門、105mm砲モデル56パックハウザー63門、155mm砲M114を95門、127mm多連装ロケット砲アストロス�UMk3を20両、127mm多連装ロケット砲アストロス�UMk6を６両、81mm迫撃砲L16を453門、81mm迫撃砲M936AGRを715門、120mm迫撃砲M2を77門、エリックス対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、MSS-1.2AC対戦車ミサイル、84mm無反動砲カール・グスタフ、106mm無反動砲M40A1を194門、AS565(HM-1)汎用ヘリ32機、AS550U2（HA-1）武装ヘリ17機、H225M(HM-4)汎用ヘリ５機、AS532(HM-3)汎用ヘリ８機、S-70A-36(HM-2)汎用ヘリ４機、AS350L1(HA-1)汎用ヘリ15機、RBS-70携帯地対空ミサイル、9K38携帯地対空ミサイル、ゲパルト1A2自走高射機関砲、35mm高射機関砲GDF-001を39門（少数はスーパーフレーダーマウスと運用）、70口径40mm高射機関砲27門（少数はBOFIと運用）、セイバーM60レーダー５基、グライフ装甲工兵車、HART装甲回収車、レオパルト１装甲工兵車４両以上、M578装甲工兵車、レオパルト１戦車回収車、XLP-10戦車橋、レオパルト１戦車橋４両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブラス＞：真鍮または黄銅のこと。これで出来た空薬莢をいうこともある。参考：GUN用語事典

＜ブラスク＞：ノルウェー海軍ストルム級高速攻撃艇。1967年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜プラスチックソノブイランチコンテナ＞：自衛隊の火工品。ミネベア製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜プラスチック爆弾＞：コンポジッションＣを参照。

＜ブラス・デフレクター＞：空薬莢を排出する向きを変えるための板。過熱した薬莢が射手に当たるのを防いだり、狭い車両内でそこら中に薬莢が飛び散るのを防いだりする。参考：GUN用語事典

＜ブラス・デ・レソ＞：スペイン海軍メンデス・ヌネス級巡洋艦Blas de Lezo。1925年竣工。1932年7月、フィニステル岬沖でメンデス・ヌネスと共に座礁し、沈没した。参考：近代巡洋艦史

＜ブラス・デ・レッソ＞：F109（フリゲート）を参照。

＜ブラス・デ・レッツォ＞：D-65（駆逐艦）を参照。

＜ブラスト・デフレクター＞：ジェット・ブラスト・デフレクターを参照。

＜ブラスト・デフレクター＞：爆風偏向器。砲口に取り付けられ、噴出する発射ガスの一部を側方に逃がし、塵が撒き上がるのを防ぐ。砲口制退器を兼ねることもできる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ブラストテストミサイル９０式艦対艦誘導弾形＞：自衛隊の火工品。三菱重工またはエムエイチアイロジテック製。参考：月刊軍事研究1,’16、4,’19

＜ブラストボクサー＞：IEDによる泌尿生殖器損傷を防ぐために開発された防爆スパッツ。分厚いケブラー繊維で会陰部を覆ってあり、ボディアーマーで防護できない下腹部を守る。参考：ストライク・アンド・タクティカル・マガジン3,’12

＜プラズマステルスアンテナ＞：防衛装備庁が開発しているアンテナ低被観測化（ステルス化）技術。アンテナの電波反射率を変化させてステルス化するものである。参考：月刊JWings2,’18

＜プラズマ溶接＞：溶接を参照。

＜ブラダー・セル＞：バグ・タンク（燃料タンク）を参照。

＜ブラダー・タンク＞：バグ・タンク（燃料タンク）を参照。

＜プラタプ＞：K92（ミサイル艇）を参照。

＜プラダヤク＞：インド海軍プラダヤク級支援給油船Pradhayak。1978年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜プラダヤク級＞：インド海軍支援給油船Pradhayak級。排水量376トン。主機はディーゼルで、速力９ノット。1977年からプラダヤク、プーランなど３隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜プラチナ＞：MGK-335（ソナーシステム）を参照。

＜プラチナＭＳ＞：MGK-335MS（ソナー）を参照。

＜プラチナ・ピッグ計画＞：A-10C（攻撃機）を参照。

＜ブラチノ＞：TOS1（ロケットシステム）を参照。

＜プラチャンダ＞：LCH（攻撃ヘリ）を参照。

＜プラチャンド＞：K90（ミサイル艇）を参照。

＜プラチャンド級＞：インド海軍ミサイル艇Prachand級。基準排水量160トン。主機はディーゼルで、速力40ノット。兵装は艦対艦ミサイル４基、30mm連装機関砲２門。K90プラチャンド、K91プララヤ、K92プラタップ、K93プラバル、K94チャパル、K95チャマク、K96チャタク、K97チャラグの８隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜プラッギング＞：プラグ状成型を参照。

＜ブラツク＞：K-391（原潜）を参照。

＜ブラック＞：DD-666（駆逐艦）を参照。

＜ブラック＞：日本海軍士官のスラングで、玄人女性のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜ブラックアイ＞：87式偵察警戒車を参照。

＜ブラック・アイリス＞：AB3（汎用車両）を参照。

＜ブラックアウト＞：人体にプラスＧ（一般には5-6Ｇ程度）がかかって脳血流が低下し、最終的に失神してしまうことで、失神直前に目の前が真っ暗になるのでこう呼ばれる。グレイアウトを経て生じるので、その段階でＧを緩めれば予防できる。参考：月刊丸8,’87、月刊JWings9,’00、月刊航空ファン7,’16

＜ブラックアウト爆弾＞：BLU-114/B（子爆弾）を参照。

＜ブラックアロー＞：セルビアのユーゴインポートSDPR社が開発した対物狙撃銃。NATO標準の12.7mm×99弾バージョンと、ロシア制式の12.7mm×108弾バージョンの２種がある。作動はボルトアクション式、装弾数５発。有効射程1600mで、８倍のスコープを標準装備する。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ブラック・アロー＞：レオナルド社が開発した短魚雷Black Arrow。電池を充電式にしてあり、訓練で発射した後に回収して再利用できる。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ブラック・イーグルス＞：VAW-113（飛行隊）を参照。

＜ブラック・イーグルス＞：韓国空軍のアクロバットチーム、第53特殊飛行戦隊（後に第239特殊飛行大隊）Black Eagles（韓国語でイヌワシを意味する黒鷲の英語直訳。ちなみにBlack eagleを日本語にそのまま訳すとカザノワシ、イヌワシをそのまま英訳するとGolden eagle）。1953年（1967年？）に新編され、1978年に一旦解散した。1994年に国産練習戦闘機T-50のセールスを兼ねて再編され、まだ開発中だったので取り敢えずA-37Bを使用（６機チーム＋予備４機）した。ブランクを埋めるため、ブルーインパルスを皮切りに、毎年海外チームへパイロットを派遣して研修を行っている。2007年のソウルエアショーでA-37Bの使用を終え、T-50Bへの改編に入った。当初はA-37B時代と同じチーム編成にする予定だったが、政府の監査で機体が10機もあるなら８機以上でチームを組めと言われ、８機チーム＋予備２機になった。2009年、T-50Bへの改編を終了。2011年4月1日、フェンソン基地再結成記念イベントを行い、飛行展示を再開した。2012年のRIATで最優秀賞を受賞した。2012年11月15日、T-50B練習機１機がホームベースのウォンジュ基地を離陸後にソウルの東90kmの山岳地帯に墜落し、パイロットが死亡した。2014年11月11-16日開催のエアショー・チャイナ（珠海航空ショー、中国国際航空航天博覧会）に参加する予定だったが、アメリカの圧力で潰された。2016年2月16-21日、シンガポール・エアショー2016に参加。2017年3月21-25日、LIMA'17で展示飛行を実施。2018年2月6日午後、シンガポール航空ショーでチャンギ国際空港を離陸しようとしたT-50B練習機１機が離陸できずランウェイ02L/20R脇で転覆して炎上し、パイロットが軽傷を負い、滑走路が５時間半閉鎖された。2022年6-8月、海外ツアーを実施。7月9-10日、イギリスでサウスポート航空ショーに参加。7月16-17日、エアタトゥーに参加し、デモ飛行最優秀賞と人気賞を受賞した。7月18-22日、ファーンボロー航空ショーに参加。7月27日、ポーランドのデンブリン空軍基地でアクロバット飛行を実施。8月3日、エジプトでピラミッド・エアショーに参加。8月12-15日、フィリピンで親善飛行などを実施。8月20日に帰国した。2023年2月28日から3月5日、オーストラリアのアバロン・エアショーに参加。5月23-27日、LIMA'23に参加。参考：月刊軍事研究1,’08、6,’08、3,’18、月刊航空ファン1,’18、6,’11、5,’13、10,’14、1,’15、月刊JWings9,'24、6,’14、1,’13、5,’16、6,’17、10,’22、11,’22、5,’23、8,’23

＜ブラックウィドウ＞：P-61夜間戦闘機シリーズ（夜間戦闘機）またはYF-23A（試作ステルス戦闘機）を参照。

＜ブラックウィドウ＞：DARPAとエアロ・ヴァイオロンメント社が開発したマイクロUAV。両手に載るくらいの板にプロペラと自律飛行システムを取り付けたものである。1990年代末にテスト飛行を行い、高度244m、飛翔距離1800m、滞空時間30分を記録した。参考：月刊軍事研究11,’12

＜ブラックウイング＞：アメリカ海軍の潜水艦用小型UAV、Blackwing。AWESUMを構成する無人機で、エアロヴァイロンメント社製スイッチブレードUAVの改良型である。リンク16（JREAP-C）を装備しており、幅３インチ（76.2mm）の耐水性キャニスターに収容されて魚雷発射管またはデコイ発射機（直径76mm）から射出され、主翼と垂直尾翼２枚を展開、GPS/INSで航法を行いながら電子光学／赤外線センサーで収集した情報をデジタル・データリンクで潜水艦（OE-538多機能アンテナ）、陸上施設、攻撃機に送信する。全長20インチ（508mm）、重量４ポンド（1.8kg）。推進は電動モーター駆動プッシャー・プロペラで、滞空時間１時間。2013年から開発され、AEWSAM（Advanced Weapons Enhanced by Submarine UAS against Mobile）の統合能力技術実証JCTD（Joint Capabilities Technology Demonstration）に成功して2015年9月に開発を完了した。2016年8月にアメリカ海軍水中戦センター・ニューポート部門が行ったANTX（Annual Naval Technology Exercise）で、潜水艦とUUVとの通信を中継する実験を実施している。2017年10月に量産契約が結ばれ、2018年5-11月に150セットが引き渡される予定である。参考：月刊世界の艦船5,’18、11,’16、6,’16、8,’16、8,’18

＜ブラック・ウォーター・ワールドワイド社＞：アメリカの民間軍事会社（PMC）で、軍事戦闘訓練の提供を行う会社として1997年にアメリカで創設された。2001年10月のイージス艦コール爆破事件を期に2002年にアメリカ海軍から3570万ドルの教育業務を受注した。2004年3月31日にファルージャで惨殺された民間人はこの社員である。4月4日、イラクのナジャフにあるアメリカ国務省連合暫定施政局本部が数百名の武装民衆から攻撃を受けた際には８人の社員が数名の海兵隊員と共に応戦、自前のヘリで弾薬補充を行い、軍が到着するまでの数時間を持ちこたえた。2005年2月には同時多発テロ事件当時のCIA対テロ局局長を務めていた人物が副社長に就任、情報戦にも進出した。8月のルイジアナ州におけるハリケーン災害では災害発生36時間後に50人の完全武装社員を送り込んで治安維持にあたり、9月初めに国土安全保障省と正式な契約を結んだ。アメリカ国務省など自前の警備組織を持たない政府機関が主要な取引先で、各国大使館職員の警備や要人警護を行っている。イラクでは国務省から直接仕事を請け負うなど独占的な立場にあったが、急速な事業拡大などから人材の質が落ち、2006年には酔っぱらった社員がイラク副大統領のボディガードを射殺。2007年9月16日にはイラクのバグダッドで警護車列に近づいてきた民間人車両に対して銃を乱射し、警備任務での使用が禁止されているグレネードランチャーまで使ったため民間人を含む17人が死亡し20人以上が負傷、イラク政府がイラク国内での活動禁止命令を出し、マリキ首相も非難声明を出すなど大問題になった。その後の調査では死傷者に武器を持っていた者は１人もおらず、ブラック・ウォーター社が主張する武装集団を目撃した者も誰１人無く、社員の先制発砲による事件であることが判明した。10月、社名をブラック・ウォーター・USA社からブラック・ウォーター・ワールドワイド社に変更。2009年2月13日、社名をXe（ズィーと読む）に変更すると発表し、要人警護部門を縮小して、訓練指導部門の充実を図るとした。更にACADEMI社に社名を変更したが、アメリカ政府からは完全に乾され、2010年に全事業を売却して会社を整理した。参考：月刊軍事研究7,’08、9,’08、7,’09、8,’14、12,’17

＜ブラックウッド＞：K313（キャプテン級フリゲート）を参照。

＜ブラックウッド級＞：イギリス海軍フリゲート14型Blackwood級。ホイットビー級と同時期に竣工した廉価版対潜フリゲートで、船首楼とブルワークを海面から高く設けている。推進を１軸にして排水量を抑え、兵装も限局して建造コストを削減した。全長94.5m、満載排水量1535トン。主機は蒸気タービン（15000馬力）で、速力27ノット。主兵装はリンボー２基。F84エクスマウスなど12隻が1956-58年に就役した。1985年までに全て除籍された。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’07

＜ブラック・エイセス＞：VF-41（戦闘飛行隊）またはVFA-41（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ブラック・カーテン計画＞：クフィール（戦闘機）を参照。

＜ブラック・キャット＞：PBY-5A（飛行艇）を参照。

＜ブラックキャット・スコードロン＞：Ｈ分遣隊（偵察機部隊）を参照。

＜ブラック・ギャップ＞：第２次大戦における、大西洋での連合軍哨戒機行動圏外域のこと。航空機の発達などで徐々に縮小し、1943年9月に建設されたアゾレス諸島の航空基地により、1944年6月に消失した。参考：歴史群像6,’01

＜ブラッククロウ＞：AC-130Aペイブ・プロント改修型の機首側面に搭載されている追跡センサー。参考：月刊軍事研究3,’04

＜ブラック・サンド作戦＞：アメリカ海兵隊が不朽の自由作戦（アフガン）で2011年8月に行った、ヘルマンド州シュクバニ県ラダル・バザール村のIED施設掃討作戦Operation Black Sand。付近の住民を避難させた後、ABV強襲突破車が35発のM58導爆索を施設と思われる建物群に撃ち込み爆砕、付近には厚さ360mmの砂塵が降り積もったという。その後ドーザー付きABVと装甲ドーザーが残った土壁や建物を破壊し、MRAPに搭乗した機動強襲中隊経路啓開小隊の兵員が残敵を掃討した。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ブラックシープ＞：VMA-214（飛行隊）を参照。

＜ブラック・シールド作戦＞：CIAのA-12戦略偵察機による嘉手納基地からの偵察飛行作戦。1967年5月22日から３機が配備され、5月31日から北ベトナムの偵察を開始した。1968年にプエブロ号拿捕事件が発生すると1月25日（この時は機体故障で引き返したので実質的には1月26日）から北朝鮮の偵察を行っている。5月8日に２回目の北朝鮮偵察飛行を行い、任務を終了。6月4日に沖縄南部で１機が墜落（空軍SR-71Aと発表された）したため、残る２機が6月21日までに本土に帰投した。参考：月刊JWings7,’12

＜ブラック・シャーク＞：Ka-50（攻撃ヘリ）を参照。

＜ブラック・シャーク＞：イタリアのホワイトヘッド・アレニア（WASS）社などがDCNS社の技術支援を受けて開発した潜水艦用長魚雷Black Shark。1997年からイタリア海軍の要求で開発が始まり、2004年に就役した。ソナーは円盤状で、先進ソナー送受信アーキテクチャーASTRA（Advanced Sonar Transmitting and Receiving Architecture）が適応されており、マルチ周波数によるアクティブ・パッシブ作動、デジタル・パルス圧縮を施したマルチビーム走査、各ビーム・各周波数での独立信号処理などが可能である。捜索範囲は上下左右60度ずつで、複数目標の探知が可能。誘導電纜は光ファイバーで、双方向データリンクを持つ。浅海で発射した際に海底にぶつからないよう、深度計を備えている。全長6.3m、直径0.533m。動力はブラシレス電動機、動力源はアルミ酸化銀電池、推進は炭素繊維製二重反転スキュードプロペラ（８翅と10翅）、最大雷速52ノット、航走距離50km。誘導は慣性誘導装置（レーザージャイロ３基・加速度計３基）＋有線（魚雷側50km、艦側10km）＋アクティブ（30kHz）・パッシブ音響＋航跡追尾。212A型潜水艦に搭載された。チリ海軍、マレーシア海軍、インド海軍、ブラジル海軍、ポルトガル海軍、シンガポール海軍も採用している。2010年から改良型ブラック・シャーク・アドバンスドBSA（Black Shark Advanced）を開発している。参考：月刊軍事研究9,’10、月刊世界の艦船1,'15増刊、4,'20、11,’17、9,’12増刊、11,’16、1,’17、6,’21

＜フラック・ジャケット＞：破片防護用ジャケットを参照。

＜フラック・ジャケット＞：アメリカ陸軍航空軍及びイギリス空軍が爆撃機搭乗員を対空砲弾弾片から防御するために開発した破片防護用ジャケット。考案したのはアメリカ第８航空軍首席航空医官で、イギリスのウィルキンスン刀剣社が試作し、アメリカで量産された。布製のジャケットにスチールプレートを挟み込んだもので、機内姿勢に合わせて数種類が用意されている。1942年後半から配備され、ヘルメットと併用すれば搭乗員の負傷率を３分の１に抑えることができた。参考：歴史群像6,’08、月刊軍事研究6,’07

＜ブラックジャック＞：RQ-21A（無人機）またはTu-160シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ブラックジャック＞：アメリカ国防高等研究計画局DARPAの小型衛星群計画。低軌道に小型衛星を200基くらい展開して監視網を張り巡らし、極超音速兵器の早期警戒探知を目指している。参考：朝雲

＜ブラックジャックス＞：HX-21（飛行隊）を参照。

＜ブラックジャックフライト＞：第21航空隊を参照。

＜ブラック・シャヒーン＞：ストーム・シャドー海外シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜フラックス＞：K284（改フラワー級コルベット）またはPG-89（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜ブラック・スイフト＞：アメリカ空軍とDARPAが開発している極超音速偵察機。SR-71の後継で、新開発エンジンを搭載し、マッハ５以上で飛行しつつ地上偵察を行う。制式化されればSR-72となる予定。参考：月刊JWings6,’08

＜フラックスゲート型磁気検知器＞：磁気信管・磁気感応式地雷などに使用される磁気検知器。高透磁率磁芯に励振コイルと検出コイルを巻いてあり、磁芯は励振コイルに交流電流が流れているために振動している。電磁誘導や外部磁気が付加されると検出コイルに誘起電圧が生じるので、これを検知することで磁気を探知する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ブラック・スコーピオン＞：レオナルド社の小型魚雷ＢラックScorpion。直径127mmと小型なので、ソノブイ・ランチャーから投下できる。威力は小さいので、専ら浅海・沿海域に潜む通常動力潜水艦に対して使用する。最大雷速15ノット以上、運用深度30-200m。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ブラック・スネーク＞：イタリアのWASS社が開発した曳航パッシブソナーで、C310魚雷防御システムを構成する。曳航体は全長5m、直径60mmで、尾部に４枚の安定翼を持ち、全長600m、直径16mmのケーブルで曳航される。内部に三重複合受波器を収容しており、自艦針路変更による音波源方位測定（方位アンビギュイティー）が不要。魚雷航走音を探知すると自動で警報を出す他、操作員が信号解析を行った後に警報を発する手動モードもある。参考：月刊軍事研究3,’13

＜ブラック・スワン＞：L57（スループ）を参照。

＜ブラック・スワン級＞：イギリス海軍護衛スループ、Black Swan級。第１次大戦型対潜スループの後継となる船団護衛用スループで、当初は対潜・掃海・沿岸哨戒と任務別にクラス分けすべきという意見もあったが、既存艦の設計を流用した汎用スループに落ち着き、1937年に設計が承認された。イーグレット級の船体にグリムスビー級の兵装を組み合わせたもので、ついでに対空兵装を強化している。船型は長船首楼型で、艦首に軽いシーアが付き、水線下にフィン・スタビライザーを持つ。全長91.3m、幅11.4m、吃水3.3-3.5m（2.6m？）、基準排水量1250トン（U29は1300トン）、満載排水量1770-1945トン。主機はパーソンズ式オール・ギヤード・タービン、主缶はアドミラルティ式重油専焼３胴水管缶２基、出力4300馬力（3600馬力？）、速力19.75ノット、重油搭載量403-428トン。兵装は45口径10.2cm連装両用砲３基（船首楼甲板と上構前端に背負い式で２基、後部01甲板１基）、２ポンド４連装ポンポン砲１基（U29は40mm連装機関砲２基）、20mm単装機関砲６門、爆雷40個（第２次大戦開戦後は110個）。乗員180名。L57/U57ブラック・スワン、L18フラミンゴ、U03エルン、U99アイビス、U29ウィンブレル、U45ワイルド・グース、U90ウッドクック、U08ウッドペッカー、U28ウレンの９隻が1939-43年に竣工し、更にインド向けに４隻が建造された。1940年には10隻が追加発注されたが、建造に手間がかかるので戦時向けでなく、ハント級護衛艦や改ブラック・スワン級に振り替えられている。参考：月刊世界の艦船3,’24、第２次大戦のイギリス軍艦、輸送船入門

＜ブラック・スワン級スループ海外シリーズ＞

　＜ブラック・スワン級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍フリゲートで、タリク級ともいう。兵装は102mm連装砲３基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブラック・タイガーの日＞：1987年2月5日。タミル・イーラム解放の虎（LTTE）が爆弾トラックによりスリランカ政府軍兵士40名を殺害した日で、LTTEが命名した。参考・月刊軍事研究6,’07

＜ブラック・タイガー部隊＞：タミル・イーラム解放の虎の自爆志願者部隊。参考・月刊軍事研究6,’07

＜ブラック・タロン＞：ウィンチェスター社が開発したホロー・ポイント弾で、被銅に切れ目が入れられており、命中時には弾芯がマッシュルーム状に変形すると共に被銅が爪のように開く。対人用として高い威力を持っている。参考：GUN用語事典

＜ブラック・チェンバー＞：MI-8（暗号解読組織）を参照。

＜フラックツルム＞：ドイツ軍が第２次大戦時に開発したベルリン防衛用高射砲塔。1940年9月9日からヒトラーの命で建設が決定された。塔の高さは40-50mで、全周射撃を可能としている。高射砲を搭載したＧ塔と、レーダー（FuMG65など）を搭載したＬ塔からなる。塔は厚さ2-2.5mのコンクリートで作られ、内部には電源や弾薬庫、兵員居住区などが設けられており、Ｇ塔には12.8cm連装高射砲と10.5cm高射砲が２門ずつ４隅に配置された。他に20mm高射機関砲16門なども設置されている。１個高射砲塔大隊が運用に当たる。先ずベルリン動物園、フリードリヒ・シャシンシュタット、フンボルトハイムに建設され、続いてハンブルクに２基、ウィーンに３基が建設された。参考：月刊グランドパワー12,’04、歴史群像4,’11

＜ブラック・ドラゴン＞：BB-62（戦艦）を参照。

＜ブラック・ナイツ＞：HSC-4（ヘリコプター飛行隊）またはVF-154（戦闘飛行隊）またはVFA-154（戦闘攻撃飛行隊）またはVMFA-314（海兵戦闘攻撃飛行隊）またはVMM-264（中型ティルトローター飛行隊）またはチャレンジャー２ファミリー（戦車）を参照。

＜ブラック・ナイツ＞：シンガポール空軍のアクロバットチームBlack Knights。1973年に４機のハンターFGA74Sからなるオスプレイ・レッド（チーム母体の第140飛行隊ニックネームが由来）という名称で創設され、1974年にブラック・ナイツ（第140飛行隊ホームベースのテンガ基地にあるクレストに描かれた黒いナイトのチェス駒が由来）に改称、機体はF-5E、A-4SUを経てF-16Cに更新した。チームは６機で編成されるが、６機で活動した翌年は１年間休み、次の１年は1-2機で活動し、また１年間休み、次の年に６機に戻るというパターンをとっており、隔年開催のシンガポール航空ショーで６機編隊と1-2機アクロバットを交互に繰り返す。飛ぶのは基本的にシンガポール航空ショーとその年の国家記念日（8月9日）だけで、費用や政治状況によってはそれもキャンセルされるという、非常にレアな存在となっている。機体塗装は1990年からナショナルカラーの赤と白を主用するものに変更された（当時の使用機はA-4SU）。2014年にはシンガポール建国50周年に向けシンガポール国旗をモチーフとした紅白のカラーリングを採用しており、F-16Cブロック52の胴体背部中央に白い月とシンガポールの国是である進歩、正義、平等、平和、民主主義を象徴する５つの白い星、垂直尾翼に黒いチェスのナイトの駒を描いている。有事の際には戦闘任務に戻されるので、レーダーや機関砲などは積んだまま、スモーク発生装置は完全外付けで、300ガロン増槽を改造したポッドに収容して胴体中央パイロンに吊し、排気ノズル下部まで伸びたパイプからスモークオイルを噴射、白煙を発生させる。機首レドームは赤一色で塗られているが、レーダー波に影響しない塗料や塗装法を開発するため、わざわざロッキード・マーチン社にレドームを１個送ってテストしている。この１個はロッキード・マーチン社で、残りはシンガポールで塗装したので、微妙に色合いが違う。建国50周年に合わせ、2014-2015年は２年間にわたり６機（＋予備２機）編成でチームを組むことになった。2015年8月9日、シンガポール建国50周年記念ナショナルデー・パレードでフライトを実施。参考：月刊JWings12,’14、月刊航空ファン11,’15、月刊丸7,’14

＜ブラック・ナイト＞：BAEシステムズ社が開発した自律式無人戦闘車（ARCV）。装軌式で、車体中央に機関砲塔が載る。下部転輪はダブルタイプ片側５組で、スカート付き。砲塔前面にカラーTV、LIDAR、上面にGPS、赤外線カメラ、偵察センサー、データ・アンテナなどが装着されており、自律走行も遠隔操縦も可能。兵装は25mm/30mm機関砲１門と7.62mm同軸連装機銃である。全長5m、総重量12トン。エンジンはディーゼル（300馬力）で、路外自律走行速度24km、最大速度77km。C-130などで空輸できる。参考：月刊軍事研究2,’17、月刊PANZER4・5,’17

＜ブラックバード＞：SR-71シリーズ（偵察機）を参照。

＜ブラックバーン社＞：イギリスの航空機会社。1910年、ロバート・ブラックバーンがヨークシャー州リーズでブラックバーン・エアロプレーン社として創設した。1914年、ブラックバーン飛行機＆発動機社に改称した。1949年、GALと合併してブラックバーン＆GALに改称した。1958年、ブラックバーン社に戻った。1960年、航空機部門がホーカー・シドレー社、エンジン部門がブリストル・シドレー社に吸収された。参考：月刊JWings6,’18、6,’22

＜ブラック・パウダー＞：T-AGSE-1（支援艦）を参照。

＜ブラック・バック作戦＞：フォークランド紛争の武力行使作戦「コーポレート」のうち、バルカン爆撃機が担当した爆撃作戦。５機のバルカンが専用機に改造され、乗員は1982年4月14日から空中給油訓練を開始、4月20日から演習爆弾及び通常爆弾による爆撃訓練が実施された。4月27日、作戦に関するブリーフィングが行われ、アスンション島のワイドアウェーク基地からフォークランド諸島まで片道6254kmの長距離爆撃任務を行うことになった。4月29日、紛争の政治的解決が不可能となったため、1000ポンド爆弾21発を積んだ２機がリンカーンシャー州ワディントン基地からアスンション島に向かった。また、爆撃行を支援するため、バルカン１機あたり11機のヴィクター空中給油機（予備１機含む）が付き添った。アスンション島時間4月30日2250（ポートスタンレー時間1950）、バルカン爆撃機２機とヴィクター空中給油機がワイドアウェーク基地を離陸。バルカン１機が与圧不調、ヴィクター１機が給油ホース不調で引き返したため、バルカン１機とヴィクター10機でフォークランド諸島に向かった。１時間45分後、２時間半後、４時間後、５時間後に給油を実施。予定よりも燃料消費量が大きかったため、最後に給油したヴィクターは自身が帰投するのに十分な燃料を残せず、帰投途中で給油を受けることになった。バルカンは目標の470km手前で高度を落とし、地形レーダーを作動させてコースを確認した。ポートスタンレー時間4月31日0400過ぎ、目標から74kmの地点に到達。高度3000mまで上昇し、ポートスタンレー空港の滑走路を30度の角度で横切る爆撃コースに乗り、目標から16km手前で爆弾倉を開いた。この時アルゼンチンの射撃管制レーダーがバルカンを捉えようとしていたが、ECMにより妨害に成功。21発の爆弾を投下し、１発が滑走路の真ん中に命中して大穴を空けた。爆撃を終えたバルカンは全行程16時間以上の飛行を終えて無事に帰投した。初回爆撃の経過に基づいて作戦は修正され、十分な燃料を確保するために予備を含めてヴィクター15機を用意することになった。5月4日未明、第２次爆撃をかけたが、風に流されて爆弾は滑走路を外れた。5月13日にも出撃する予定だったが、天候悪化により断念された。その後、ポートスタンレー空港近傍にあるレーダー施設攻撃に任務を切り替えることになり、5月27日に出撃したが、ヴィクター１機が故障したために断念した。5月31日に改めて出撃し、シュライクによりレーダー施設を破壊した。6月3日、シュライクを搭載して出撃したが、アルゼンチン軍のレーダー操作員が攻撃直前にレーダーを停止させたため、40分間付近を滞空した後、再び作動させたところでシュライクを発射して破壊した。帰投する途中で空中給油を受けた際、受油プローブが折れてしまい、機密文書にオモリを入れて海中投棄した後でリオデジャネイロ空港に不時着し、９日後に帰還した。6月12日、レーダー近接信管付き1000ポンドクラスター爆弾によりフォークランド諸島の兵員集結地点を爆撃し、作戦を終了した。アルゼンチン軍はアルゼンチン本土へのバルカンの来襲を恐れ、フォークランド諸島に近い基地に派遣していたミラージュ�V部隊を北方に再配置したため、フォークランド諸島付近の制空権はイギリス軍の手に落ちた。参考：週刊エアクラフトNo.48、月刊軍事研究2,’09

＜ブラック・ハット作戦＞：朝鮮戦争中にアメリカ空軍が行った、H-19Aヘリコプターによる特殊部隊輸送作戦で、第581航空再補給中隊が担当した。参考：月刊ミリタリーエアクラフト4,’02

＜ブラックフィッシュ＞：SS-221（潜水艦）を参照。

＜ブラックフィン＞：SS-322（潜水艦）を参照。

＜ブラック・フォックス＞：イスラエルのエルティクス社が開発中の赤外線偽装パネルBlack fox。大型パネルをヘリコプターや車両に装着し、パネル温度を変更することで赤外線ステルスを獲得する。参考：朝雲

＜ブラック・フォックス＞：韓国の大宇重工が開発している装輪車両Black Fox。戦闘重量16トン。乗員２＋10名の６×６輪型と、大型の８×８輪型がある。参考：月刊軍事研究8,’05

＜ブラック・プリンス＞：81（軽巡洋艦）またはA43（歩兵戦車）またはレイモンド・コリショー（エース）を参照。

＜ブラック・プリンス＞：イギリス海軍デューク・オブ・エジンバラ級装甲巡洋艦。1916年、ジュットランド沖海戦にジェリコー本隊前衛として参加したが、低速の上に黒煙が酷く、邪魔者扱いされた。同夜戦でドイツ戦艦チューリンゲンなどの大口径砲弾15発を被弾して爆沈した。参考：月刊丸4,’07

＜ブラック・ブレット＞：XP-56（試作戦闘機）を参照。

＜ブラック・プロパガンダ＞：プロパガンダを参照。

＜ブラックベレー（アメリカ陸軍）＞：グリーンベレー、レンジャー・タン・ベレー、マルーン・ベレーを持つ者以外に与えられるベレー帽。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜ブラックベレー（韓国陸軍）＞：韓国陸軍が1960年に創設した空輸団のこと。全斗煥を含め４名の大尉がアメリカ軍で訓練を受けて創設要員となった。1969年、第１空輸旅団を母体に空輸特戦団司令部が新編されている。特戦団も参照。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ブラック・ホーク＞：MHC-58（機雷掃討艇）またはUH-60シリーズ（ヘリ）またはXF-87（試作迎撃戦闘機）を参照。

＜フラック・ボート＞：ドイツ海軍が第２次大戦時に使用した対空用Ｕボートで、Ｕボート艦隊のエリア・ディフェンスに使用された。対空艦橋を３段にし、前方・後方プラットフォームに４連装20mm対空機関砲２門と単装37mm対空機関砲１門を搭載している。対空装備を強化した分、魚雷搭載数が減らされ、予備魚雷無しとなった。U-256、U-441、U-211、U-263、U-271、U-621、U-953がこれに改装されたが、魚雷だけでなく燃料搭載量まで減らされたため運用に支障を来し、1943年11月から元通りの艦橋に戻されて通常任務に就いた。参考：Ｕボート入門

＜ブラック・ホーネット＞：PD-100（偵察システム）を参照。

＜ブラック・ホーネット３＞：ウクライナ軍マイクロUAV。2023年にノルウェー国防省がテレダイン・フリアディフェンス社に1000機以上を発注して供与した。ISR用で、可視光・赤外線ビデオカメラを搭載しており、GPSの支援無しに運用できる。全長168mm、重量33g。飛行時間25分。参考：月刊JWings10,’23

＜ブラックホール・オカリナ＞：AH-64のエンジン排気部に搭載されている赤外線放射抑制装置。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ブラックボックス＞：ナイトウォッチ（警戒装置）を参照。

＜ブラックボックス＞：ベルギーのFNハースタル社が開発した銃管理システム。グリップやストックに内蔵することができ、コッキング回数や実弾・空包射撃回数などを記録する。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ブラックモア＞：L43（駆逐艦）を参照。

＜ブラック・ライオンズ＞：VF-213（戦闘飛行隊）またはVFA-213（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ブラック・ライフル＞：軍用に開発されたライフルの総称。参考：ストライクアンドタクティカルマガジン7,’11

＜ブラック・レイブンズ＞：VAQ-135（電子戦飛行隊）を参照。

＜ブラック・ローヴァー＞：A273（給油艦）を参照。

＜ブラッケン＞：APA-64（攻撃輸送艦）を参照。

＜ブラッコム１＞：スラヴァ級（巡洋艦）を参照。

＜フラッサー＞：DD-20（スミス級駆逐艦）またはDD-368（マハン級駆逐艦）を参照。

＜フラッシャー＞：SS-249（潜水艦）またはSSN-613（スレッシャー級攻撃原潜）を参照。

＜フラッシャー・ポッド（ＲＡ−５Ｃ用）＞：RA-5CのSta9（主翼内側パイロン基部）に搭載される夜間照明装置。ポッド下部に３個のリフレクターがあり、リチャージ間隔１秒ならそれぞれ46500カンデラ、0.3秒なら5150カンデラのフラッシュを焚くことができ、左右６個全てを使用すれば279000カンデラを発揮できるが、有効照射対地高度は2500-3000フィート（762-914.4m）程度である。また、250フィート（76.2m）未満ではフィルムのオーバーラップに隙間が生じる。照射範囲は中心角86度の円錐状。シャッター作動と連動（右ポッドが主連動、左が隷属）する。後端にはラムエアタービンが搭載されており、2600Vキャパシタで必要な電力を供給するため発光回数に制限が無い。最大制限速度1200km。緊急時にはポッドを投棄することができる。参考：A-5ビジランティ

＜フラッシュ＞：FLASH（ソナー）を参照。

＜ブラッシュ＞：DD-745（駆逐艦）を参照。

＜フラッシュサプレッサ＞：銃口炎を減少させる装置。銃口に取り付ける装置で、縦割りの溝を先端まで数本入れて空気との接触面積を増やし、燃焼を促進させて銃口炎を減少させる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜フラッシュ・デッキ型＞：アメリカ海軍駆逐艦Flash Deck（平甲板）型、通称Flash Decker（フラッシュ・デッカー）。第１次大戦勃発で駆逐艦の急速増勢が必要となり、船型を従来の船首楼型から量産向けの平甲板型にしたもので、煙突の本数から４本煙突型とも呼ばれ、艦名クラスとしてはコールドウェル級、ウィックス級、クレムソン級である。1915-19年度計画で建造され、コールドウェル級６隻、ウィックス級111隻、クレムソン級156隻の計273隻が1916-22年に就役した。全長95.9m、幅9.7m、吃水2.7m、基準排水量1090-1190トン。主機は蒸気タービン、出力26000馬力、２軸推進、速力35ノット。兵装は10.2cm単装砲Mk9が４門、7.6cm単装高角砲１門、533mm３連装魚雷発射管４基（使用魚雷はMk8）、爆雷投下軌条２条、Ｙ砲１基。乗員150名。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船9,'24、10,’06、3,’07、5,’12、4,’18、6,’22

＜フラッシュ・デッキ型空母＞：平甲板型空母を参照。

＜フラッシュハイダー＞：消炎器。銃口炎を消滅させる装置。空洞の円錐形をしており、銃口に取り付けて使用する。弾丸が銃口を通過した後に噴出する燃焼ガスを内部で完全燃焼させることで、銃口炎を無くす。夜間射撃時に被発見率を下げる他、射手の目を眩まさない役目もある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜フラッシュ・ブラック＞：イタリアのWASS社が開発した短魚雷Flash Black。頭部形状に工夫を加えており、全速力域で水中雑音が生じにくい。尾部の独立可動式フィン４枚により機動力も高く、海底に沿って進みつつ目標に向かうことができる。対水上艦・対潜水艦用だけでなく、対魚雷用魚雷としても使用可能。動力源はリチウム・ポリマー電池、主機は高速回転ブラシレス電動機、推進はポンプジェットで、最大雷速50ノット以上、最大航走距離20km以上。弾頭は成型炸薬式で、二重船殻も貫通できる。信管は触発式。参考：月刊軍事研究3,’13

＜フラッシュ・ホール＞：伝火孔を参照。

＜フラッシュボム＞：スタン・グレネードを参照。

＜フラッシュライト＞：Yak-25（戦闘機）を参照。

＜フラッター＞：Flutter。流れの中に置かれた物体が不安定な弾性振動を起こすことで、流れから供給されるエネルギーにより振幅が増大し、遂には物体を破壊する。走る車や船に付けた旗がバタバタと強烈にはためくのもフラッターで、これが車や船より高速で飛行する航空機に発生すると、速い流れから供給される強大なエネルギーにより機体はひとたまりも無く粉々になってしまう。零戦開発時には高速時の主翼曲げ＋主翼捻れに起因するフラッターによる空中分解事故が２回起きている。２つ以上の自由度を持つ運動が連成振動するのが原因であることが多く、航空機では主翼の曲げ＋エルロン回転、主翼の捩り＋エルロン回転、主翼の曲げ＋主翼の捩り、胴体の左右曲げ＋方向舵回転、胴体の捩り＋方向舵回転、胴体の上下＋昇降舵回転といったものがある。振動が一定でリズミカルなうちは良いが、多方向の振動が重なって複合振動が生じた場合は要注意。航空機で発生した場合、機体に凄まじい加速度がかかって一気に空中分解するため、パイロットは失神した上で破片に巻き込まれてほぼ助からず、フラッターの発生をパイロットから聞き出すのは無理である。防止するにはマスバランスなどの重量物を取り付けて重心を弾性軸（捩り中心）より前方に移す必要がある。マスバランスは不必要な重量であり、舵のヒンジ中心よりも前方に長い腕を付けて重量を軽減すると良い。亜音速でのフラッター速度は高い精度で推定できるようになっており、超音速では風圧中心の後退によりフラッターが生じにくくなるので比較的安全だが、遷音速領域では推定が難しく、揚力傾斜（迎え角変化１度あたりの揚力係数変化）が急増するためフラッターも発生しやすいので要注意である。参考：航空用語事典増補改訂版、丸メカニック別冊１、陸海軍学校と教育、世界の傑作機No.113、No.172

＜フラッター試験＞：テストパイロットが最も緊張する試験の１つ。飛行限界付近の速度で飛行し、弾性振動が生じるのを確認、それが発散して複合振動になる前に速度を緩めて限界領域を定める。油断してフラッターに陥れば即死する。参考：月刊JWings6,’14

＜フラッター・モード制御＞：ACTの１つで、FMCと略す。電子制御により舵面を自動的に操作し、フラッターを打ち消す制御技術のこと。参考：日本の防衛戦力Part8

＜ブラッディ・リッジ＞：川口支隊飛行場攻撃を参照。

＜フラット＞：ビルジの上に取り付けられた作業用・歩行用足場。船体や上構、煙突などの側面に付けられた平面スペース。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜プラット＞：01（巡洋艦）または11（駆逐艦）またはDE-363（護衛駆逐艦）を参照。

＜プラット＞：アメリカ海軍給油艦。1942年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜プラット＆ホイットニー社＞：Pratt and Whitney。プラット技師とホイットニー技師が1860年に創設した工具会社。第１次大戦終結で軍向けの受注が減ると予想されたため、カーチス・ライト航空機の元社長を迎えてプラット＆ホイットニー航空機会社という子会社を1925年8月8日に立ち上げた。早速空冷星型エンジンの設計を始めて同年にR-1340ワスプエンジンを開発、アメリカ海軍に採用された。その後ボーイング社の誘いを受けてユナイテッド・エアクラフト＆トランスポートのエンジン部門となり、ホーネットエンジンを開発したが、これは失敗作に終わり、R-1830/R-2000ツインワスプとR-2800ダブルワスプで成功を収めた。ちなみに親会社が1934年に分割されたため、ボーイング社とは分離され、ユナイテッド・エアクラフト社の傘下に移っている。ジェットエンジン時代を迎えるとロールスロイス社からニーンのライセンス生産権を獲得し、ターボジェットエンジンとターボファンエンジンの自力開発に進んだ。1975年に親会社の名称変更があったため、ユナイテッド・テクノロジーズの傘下となっている。参考：月刊JWings10,’12、5,’13、月刊丸10,’93、世界の傑作機No.155

＜プラット級＞：カウンティ級ミサイル駆逐艦（チリ海軍）を参照。

＜フラット・スクリーン＞：MR-700（レーダー）を参照。

＜フラット・スパイラル型アンテナ＞：内部が空洞の絶縁体円盤上に金属箔を渦巻き状に巻き付けたアンテナ。参考：図解現代の航空機

＜フラット・スピン＞：Flat spin。水平錐揉み（Horizontal spin）ともいう。水平状態で錐揉みに陥ることで、機首を下げずに水平面では比較的ゆっくりと旋転しながら垂直面では急速に落下する。機体ピッチ角は30度くらい、迎え角は60-70度にも達し、水平方向の速度が出ないので主翼だけでなく水平・垂直尾翼も失速して基本三舵が全て効かなくなり、比較的ゆっくり旋転すると言ってもパイロットは遠心力でコクピットの壁に押しつけられて身動きが取れず、旋転を止めることも機首を下げて加速することも不可能で、回復はほぼ無理である。現代の航空機はフラット・スピンに陥る直前まで水平尾翼とエレベーターが効くように設計してあり、気付いて頭下げに入り増速すれば回避できるが、一旦フラット・スピンに陥ってしまえばどうしようもない。遠心力に耐えエンジン出力を最大にして操縦桿とラダーペダルを動かしまくり、偶然姿勢が変われば脱出できるかもしれない。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、月刊JWings10,’09別冊付録

＜フラット・スプリング＞：板バネのこと。参考：GUN用語事典

＜フラット・ソフト・ポイント＞：ソフト・ポイント（銃弾）を参照。

＜ブラッドチット＞：兵の身分や救助要請などを戦場の現地語の文章で紙や布に記したもの。不時着などの際に現地人に見せる。参考：戦闘機のしくみ

＜フラット・ツイン＞：ロシアの53T6ミサイル用誘導レーダー。フェイズ・シフターを内蔵する２基の平面アンテナを持ち、弾道ミサイルの大気圏再突入時における最終的な追尾を行うとされる。参考：月刊軍事研究11,’00

＜フラット・ノーズ＞：平頭弾のこと。昔はトランケイテッド・ブレットと称した。参考：GUN用語事典

＜ブラッド・ハウンズ＞：VX-30（飛行隊）を参照。

＜ブラッドハウンド・シリーズ＞：イギリス陸軍の地対空ミサイルで、ブリストル社が開発した。固定式発射機4-8基、目標照射レーダー、ランチャーコントロールポストで１群を構成する。参考：月刊丸12,’10、ザ・マーチ18号

　＜ブラッドハウンドＭｋ１＞：ミサイルは単段式ラムジェット推進で、後部周囲に４本の固体ロケットブースターを持つ。誘導はセミアクティブレーダー。全長8.46m、直径0.546m、翼スパン2.83m、重量2.27トン。射程85km。発射機は202型と呼ばれる固定サイト式のもので、装填されたミサイル１発と、予備ミサイル１発が配備される。射撃指揮レーダーは捜索レーダーと目標照射レーダーで構成され、モニターや管制盤は地上固定施設に収容する。1958年から配備された。参考：月刊丸12,’10

　＜ブラッドハウンドＭｋ２＞：射程延伸・ECCM強化型。1964年から配備された。参考：月刊丸12,’10

＜ブラッドハウンド海外シリーズ＞

　＜ＢＬ６４＞：スイス軍地対空ミサイル。ブラッドハウンドMk2を採用したもので、1999年まで現役にあった。参考：月刊丸12,’10

＜フラットパック＞：MiG1.44（試作戦闘機）を参照。

＜フラット・フェイス＞：P-15（レーダー）を参照。

＜ブラッドフォード＞：DD-545（フレッチャー級駆逐艦）またはH72（タウン級駆逐艦第５グループ）を参照。

＜プラットフォームＯ＞：ロシア戦略ロケット軍の重装輪輸送車。JSCカマズが設計を行い、JSCレムディゼルプラントが試作して採用された。８×８輪車両（最大ペイロード25トン）、８×８輪セミトレーラー（最大ペイロード16.5トン、牽引力400トン）、12×12輪車両（最大積載量50トン）、16×16輪車両（最大積載量85トン）があり、８×８輪は輸送車両、12×12輪と16×16輪はトーポルＭ及びヤルス大陸間弾道ミサイル用TELとして使用する。ベラルーシにあるミンスク装輪トラクタープラント（MZKDヴォート）が量産し、2018年から引き渡された。参考：月刊軍事研究3,’19

＜プラットフォーム投下方式＞：貨物をアルミニウム製のプラットフォームに固定して空中投下する方式のこと。まず抽出傘を機外に放出し、それによりプラットフォームと貨物を機外に引き出し、物量傘を展開させて投下させる。直径30mの物量傘１個あたり1.6トンの貨物を投下させることができる。参考：現代の空挺作戦

＜プラットフォーム・ナビゲーション＞：BAEシステムズ社がクイーン・エリザベス級空母の乗員向けに開発した艦内案内ソフトウェア。各区画の入り口にあるQRコードをスマートフォンなどのカメラで撮影すると現在位置が表示され、行きたい区画を入力すると最短経路を教えてくれる。参考：月刊丸7,’14

＜プラットフォーム認証＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究1,’19

＜フラッド弁＞：潜水艦のメイン・バラスト・タンク底部にある弁で、以前はキングストン弁と呼ばれていた。メイン・バラスト・タンクへの海水流出入を制御する。参考：日本潜水艦物語

＜フラットレイ＞：FFG-21（フリゲート）を参照。

＜ブラッドレイ＞：DE-1041（護衛駆逐艦）またはM-2シリーズ（歩兵戦闘車）またはM-3シリーズ（騎兵戦闘車）を参照。

＜ブラッドレイＡ３共通車体ファミリー車＞：BAE社がアメリカ陸軍AMPVに提案した装軌ファミリー車両BCCFoV（Bradley A3 Common Chassis Family of Vehicles）。M-2A3ブラッドレイの砲塔を外して上面を塞ぎ、バリエーション車両の基本車台として使用できるようにしたものである。車内スペース確保のため、燃料タンクを車体後部両側スポンソンに移設し、兵員室の天井をかさ上げした。車体底部にベリー装甲キット（Belly Armor Kit）、前側面に爆発反応装甲、車内にスポールライナーが装着されており、耐爆・衝撃緩衝座席を装備する。全長6.96m、全幅3.33m、全高2.29-2.84m、戦闘重量34-36.3トン。エンジンはVTA-903-T600水冷Ｖ型８気筒ターボチャージド・ディーゼル（600馬力）で、最大速度55-61km、航続距離362km。乗員２名（車長、操縦手）。2014年12月23日に採用されてEMD契約が結ばれ、2016年12月15日に試作初号車が公開された。参考：月刊軍事研究8,’13、4,’17

　＜ＸＭ１２８３＞：基本の汎用型（General Purpose、GP）。車体前部左に操縦席、右に機関室、中央から後部に９名用兵員室という配置で、機関室後方上面に車長用キューポラが用意されている。兵員室は担架１床＋兵６名という収容方式に変更できるので、負傷者後送にも使える。JTRS-HMSソフトウェア無線機２基、VIC-3車内通話機、FBCB2/BFT戦術インターネット端末、操縦手用夜間映像装置、DUKEバージョン３起爆妨害装置を備える。参考：月刊軍事研究4,’17、8,’13

　＜ＸＭ１２８４＞：医務後送車（Medical Evacuation、ME）。XM1286のAPUを外し、指揮所を負傷者収容スペースに変更したタイプで、軽傷者なら６名、担架なら４床を乗せられる。軽傷者３名＋担架２床の組み合わせも可。医務装備セットとエアコンを積んでいる。乗員３名（車長、操縦手、衛生兵）。参考：月刊軍事研究4,’17、8,’13

　＜ＸＭ１２８５＞：医務治療車（Medical Treatment、MT）。XM1286の指揮所を機動治療室に改装したもので、戦場救護所や大隊救護所となる。内部に治療台が設置されていて、担架１床を収容でき、外科手術を行うことも可能である。戦闘重量29.1トン（ERA無し）。乗員４名。参考：月刊軍事研究4,’17、8,’13

　＜ＸＭ１２８６＞：任務指揮型（Mission Command、MCmd）で、M557/M1068A3の後継。XM1283の兵員室部分を１段かさ上げして立ったまま作業できるようにしてあり、機関室上面にAPU、車長用キューポラに自衛用遠隔操作式銃塔、車体後部上面に衛星通信アンテナを装備する。M95迫撃砲射撃統制システム、AFATDSやDCGSAなど陸軍戦闘指揮システムなども搭載する。指揮所要員は個別の耐爆座席に位置し、PC端末を操作して指揮を行う。必要に応じて車体後面に天幕を張り、仮設指揮所として使用する。乗員２名、ワークステーション操作員２名。参考：月刊軍事研究4,’17、8,’13

　＜ＸＭ１２８７＞：自走迫撃砲型（Mortar Carrier、MC）で、M1064A3の後継。XM1283の兵員室に120mm迫撃砲M121（69発）とM95迫撃砲射撃統制システムを搭載したもの。乗員２名、砲要員２名。参考：月刊軍事研究4,’17、8,’13

＜ブラッドレイ戦闘車両システム＞：BFVSを参照。

＜フラッピング＞：Flapping。ローターブレードが回転面に対して垂直方向に上下運動すること。回転翼機が前進飛行すると、前進側ブレードは対気速度が大きいので揚力も大きくなってブレードが上に持ち上げられ、後退側ブレードは対気速度が小さいため揚力も小さくブレードが下がり、ブレードが回転しながらフラッピングすることになる。このままだとブレード回転面が横に傾斜して機体が横転してしまうため、フラッピング・ヒンジによりブレードの運動を許容してやる必要がある。また、サイクリック・ピッチ・コントロールにより、メインローター回転面の前半分ではブレードのピッチが次第に増加し、後ろ半分では次第に減少するので、これまたフラッピングを生じる。ローター・コーンは前方後退ブレード側に傾くことになり、これをローター・コーンがその方向にフラップしたと表現する。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings3,’17、月刊軍事研究9,’07

＜フラッピング・アングル＞：Flapping angle。スオッシュ・プレートとローターブレードがなす角のこと。スオッシュ・プレートを基準にするのは、サイクリック・ピッチ・コントロールの影響を除くためで、ローターの動力学を研究する際の理論式を単純化できる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜フラッピング・ヒンジ＞：Flapping hinge、羽ばたきヒンジ。フラップ・ヒンジ（Flap hinge）ともいう。デルタ・ヒンジのうち、ローター回転軸に垂直な面内にあるヒンジのことで、ローター・ブレードの翼弦方向に平行に取り付けられている。前進飛行するヘリのローター・ブレードはこのヒンジによりフラッピングを起こし、揚力が均一化される。これを操作することで、ヘリコプターのメインローターの角度を変え、飛行方向を変更したり、トリムを確保したりすることが可能。スペイン人のファン・ド・ラ・シエルヴァが世界初のオートジャイロに採用したのが始まりである。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン10,’98、ザ・マーチ40号

＜フラップ（艦船）＞：トリムタブともいう。船尾トランサムの最下点に取り付ける板状の部品で、水流を受けて船尾を持ち上げ、船首が上がりすぎるのを抑えて速力を出せるようにする。フィンスタビライザーやＴフォイルのような抵抗増は殆ど生じない。水圧を上昇させて船舶を後方に引っ張る力を弱める、造波抵抗を低減するといった効果もあり、燃費が5%くらい向上するとされる。固定式と可変式があり、コンピュータ制御で船体の縦揺れや横揺れまで抑えてくれるタイプ（ライド・コントロール・システム）もある。アメリカ海軍ではオリヴァー・ハザード・ペリー級から装備した。海自ではイギリスから購入して1957年に就役したPT-809魚雷艇９号に付いていたが、それから暫く間が開き、2005年度から技本で研究を開始、あきづき型で採用した。参考：朝雲、図解船の科学、海上自衛隊全艦艇史

＜フラップ（航空機）＞：Flap。航空機の翼に付いている高揚力装置。翼のキャンバーと翼面積を増すことで最大揚力係数を増大させ、揚力を増やす。ただし抗力も増えるので、離着陸時や低速飛行時など必要時にスライドして出るようになっている。また、気流が大きく弓なりになるので、気流が剥がれやすく失速を起こしやすく、形状をいろいろと工夫してそれを防いでいる。使用時に揚抗比が大幅に低下するため、着陸時にはフルに展開して失速速度を低下させつつ十分な降下率を確保するが、離陸時にフル展開すると加速が鈍くなって離陸滑走距離が無駄に伸びるので、後縁フラップの折り曲げを加減して抗力を減らす。参考：航空機設計法、月刊JWings5,’04、12,’06、2,’13、航空用語事典増補改訂版

　＜外部吹き出しフラップ＞：EBF（Externally Blown Flap）と略し、パワード・リフトともいう。エンジン排気を直接フラップ下面にぶつけ、周辺の気流も巻き込んで推力を下向きに偏向させることで揚力を増大させる方式で、USBより最大揚力係数に劣るが、巡航時の抗力は小さい。フラップが直接熱に曝されるため、耐熱合金で作らないと損傷するし、音響疲労でクラックが生じるので、作動機構も含めて耐震構造にしておく必要がある。YC-15やC-17に採用された。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究8,’95、月刊JWings5,’13

　＜機動フラップ＞：空戦フラップを参照。

　＜空戦フラップ＞：前縁フラップの１つで、機動フラップともいう。離着陸時のみならず、空中戦時に運動性能を向上させる目的で使用できるものを指す。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、日本の防衛戦力Part8

＜クルーガーフラップ＞：Krueger flap。主翼前縁下面を前ヒンジで前方に回転させて振り出すタイプで、キャンバーと共に翼弦長も増大させ、前縁フラップと同様に最大揚力を増やす。B747のように２段に畳まれて大きく突き出すものもある。失速時の縦安定性を考慮し、主翼内舷側前縁にクルーガーフラップを配置、外舷側はスラットにする。ただ使用時に抗力が大きく増える欠点があり、特に離陸時に問題となるため、スラットのみにすることが多くなった。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、月刊JWings5,’04、10,’09別冊付録

＜後縁フラップ＞：Trailing edge flap。主翼後縁近くの部分を後下方に折り曲げるタイプ。作動させるとフラップ上で揚力が増大し、機体には頭下げのモーメントが発生する。と同時に、主翼からの吹き下ろしが更に下方に押し曲げられるので、水平尾翼の設計を工夫して頭上げモーメントも同じくらい発生するようにしておけば、トリム変化を相殺できる。ファウラーフラップなど高性能後縁フラップでは設計の工夫だけで相殺するのが難しいので、エレベーターを連動させる機構を設けたりする。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法

＜ザップ・フラップ＞：Zap flap。スプリット・フラップを下げると同時にフラップ前縁を後ろに移動させるタイプで、ファウラー・フラップほどは後ろに下がらない。構造が複雑な割に効果が少なく、廃れた。参考：航空用語事典増補改訂版

＜隙間フラップ＞：スロッテッド・フラップ（Slotted flap、Single slotted flap）ともいう。単純フラップと構造は似ているが、下に折れ曲がると同時に後ろに移動（翼弦長は不変）して主翼との間に隙間（スロット）が出来るようにしてある。この隙間から主翼下面の気流がフラップ上面に吹き付けられるため、フラップ上面の境界層の流れにエネルギーが供給されて剥がれにくくなり、単純フラップより大きく下に折り曲げることができ効果が高くなる。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、月刊JWings5,’04

＜二重隙間フラップ＞：ダブル・スロッテッド・フラップ（Double slotted flap）。隙間フラップのフラップ（ファウラー・フラップ形式にすることが多い）前方にキャンバーの大きいベーン（小翼）を設け、２カ所に隙間が出来るようにしたもの。最大揚力係数を２倍にできる。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、月刊JWings5,’04、飛行機のしくみ

　＜三重隙間フラップ＞：トリプル・スロッテッド・フラップ（Triple slotted flap）。隙間フラップのフラップがベーン３枚に分かれ、３カ所に隙間が出来る。参考：航空機設計法、月刊JWings5,’04、飛行機のしくみ

　＜三重隙間ファウラーフラップ＞：ファウラーフラップと三重隙間フラップを組み合わせたもの。B747旅客機など大重量の機体が装備したが、機構が複雑で整備に難点があり、廃れた。参考：飛行機のしくみ、航空機設計法

　＜四重隙間フラップ＞：Quadruple Slotted Flap。隙間フラップのフラップがベーン４つに分かれ、４カ所に隙間が出来る。C-1が採用した。参考：月刊JWings5,’04

＜スプリットフラップ＞：Split flap。主翼後縁部下面のみ下に折れ曲がるタイプ。最大揚力係数を66%増しにできるが、抗力も大きく増加する。揚抗比の低下により着陸進入角が大きくなるので、滑走距離短縮に使える。参考：月刊JWings5,’04、航空用語事典増補改訂版

＜セミファウラー・フラップ＞：隙間フラップの回転中心を下方に置き、後ろにスライドする量を大きくしたもの。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜前縁フラップ＞：Leading edge flap。主翼前縁が下に折れ曲がるタイプで、主翼のキャンバーを増して揚力を増加させるので、ヴァリアブル・キャンバー・システムとも呼ばれる。単独で使用した場合、主翼前縁部のキャンバーが増えるので失速迎え角が増大し、最大揚力は増えるが、主翼全体での揚力は減少してしまうので、後縁フラップや境界層制御BLCと併用する。また、大迎え角では主翼前縁で剥離が生じてしまうため、主翼との間に隙間を作るようにしたスラットが開発された。参考：航空機設計法、航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊JWings5,’04

＜単純フラップ＞：Plane flap。主翼後端全体が下に折れ曲がって曲率を増加させるタイプ。最大揚力係数を60%増加できる。構造が単純で軽量だが、折り曲げすぎるとフラップ上面で気流が剥離して逆効果になる。参考：航空機設計法、月刊JWings5,’04、航空用語事典増補改訂版

＜蝶型下げ翼＞：中島飛行機が開発した空戦フラップの通称で、蝶型フラップとも呼ばれる。実質的にはファウラー・フラップで、操縦桿頂部のボタンを押せば最大15度まで下げることができ、作動の様子からこの通称が付いた。日本陸軍一式戦闘機、二式単座戦闘機、四式戦闘機が装備した。参考：歴史群像4,’17

＜蝶型フラップ＞：蝶型下げ翼を参照。

＜ファウラー・フラップ＞：Fowler flap。スプリットフラップを後方に引き出した後に折り曲げるもので、キャンバー増加に加えて翼弦長増大による翼面積増大効果が生まれる。最大下げ位置では主翼との間に隙間が出来るようにしてあり、隙間フラップと同じ効果が得られる。揚力向上効果が高く、最大揚力係数を80%増しにできる。離陸時には後ろに引き出した状態に止めて翼面積増大効果だけを発揮させ抗力増加を最小限にし、着陸時には最大下げ位置にして揚力を大きくしつつ抗力も増加させて減速、揚抗比を小さくして着陸角度を深くする。作動機構が複雑なのが欠点。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法、飛行機のしくみ、月刊JWings5,’04

　＜吹き出しフラップ＞：Blown flap。ブローイング・フラップ（Blowing flap）ともいう。前縁フラップの後方や後縁フラップの上面に向けて高速の空気を噴射し、境界層にエネルギーを与える（境界層制御）ことで気流が剥がれるのを防ぐもの。ジェットエンジンの圧縮機から高圧空気（ブリードエア）を持ってくるので、低速時でもエンジン出力を落とせない。翼が薄すぎて翼内に機構の複雑なフラップを設けられない場合に使われることが多く、F-104やF-4が採用した。機構が複雑で被弾に弱く整備も面倒という欠点がある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings5,’04、1,’16

　＜ベネシャンブラインド・フラップ＞：三重・四重隙間フラップなど、隙間が多数できるマルチスロッテッド・フラップの別名。窓のブラインドに似ているので。参考：航空用語事典増補改訂版

　＜マルチスロッテッド・フラップ＞：Multi slotted flap。三重・四重隙間フラップなど、隙間が多数できるフラップのことで、ベネシャンブラインド・フラップともいう。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ヤングマン・フラップ＞：ダイブブレーキ兼用フラップで、バラクーダに装備されている。参考：月刊JWings3,’03

＜フラップ舵＞：舵の後方にフラップが付いている舵のことで、ベッカー舵ともいう。フラップを独立して動かし、揚力を増すことができる。参考：図解雑学　船のしくみ

＜フラップ・ヒンジ＞：フラッピング・ヒンジを参照。

＜フラップ・ホイール＞：SON-9（射撃指揮レーダー）を参照。

＜フラップ・リッド＞：30N6（レーダー）を参照。

＜フラップ・リッドＢ＞：30N6E（レーダー）を参照。

＜フラップ・レバー操作力測定ツール＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜フラッペロン＞：Flaperon。エルロンとフラップを一体化させ、両方の機能を持つようにしたもので、Flap+Aileronの合成語。エルロン・リバーサルを防ぐため、高速飛行時には翼端エルロンではなく内側に設けた別のエルロンを使うが、これをフラップと兼用にしており、エルロンとして使用する時は左右で上下反対の動きをし、フラップとして使用する時には左右一緒に下がる。グラマン社では片方だけ作動させてエルロンの代替になるスポイラーのことをフラッペロンと称しているので注意（A-6、F-9など）。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’06

＜ブラティスラビア・ブルノ作戦＞：第２次大戦時にソ連第２・第３ウクライナ方面軍が行ったウィーン侵攻作戦で、1945年2月14日から準備に入った。ブダペスト攻略後に第２ウクライナ方面軍がドイツ南方軍集団第８軍、ハンガリー第３軍を撃破してウィーンに進撃し、第３ウクライナ方面軍はドイツ第６軍、第２装甲軍を撃破する予定としたが、作戦開始直前にドイツ軍による春の目覚め作戦が始まったため、まずはこちらに対応した。3月16日、第３ウクライナ方面軍がSS第６装甲軍を阻止する間に第２ウクライナ方面軍が第８軍と戦闘を開始。3月20日までに春の目覚め作戦を頓挫させると3月25日には第２ウクライナ方面軍がドイツ第６軍、SS第６装甲軍、第２装甲軍の追撃に入った。4月4日、オーストリア国境を越えて進撃を継続。4月14日にウィーン攻略とオーストリア東部の制圧を終了した。ソ連軍は捕虜13万名を獲得、戦車・装甲車両1345両と火砲2250門を破壊・鹵獲した。参考：激闘東部戦線(2)

＜フラテリ・バンディエラ＞：イタリア海軍バンディエラ級潜水艦Fratelli Bandiera。1930年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’09

＜ブラ・デ・レソ＞：F103（フリゲート）を参照。

＜ブラデン＞：APA-63（攻撃輸送艦）を参照。

＜ブラトリュボフ・ネクラソフ・レノ装甲自動車＞：ロシアがルノー乗用車をベースに開発した装甲自動車。1915年に１両だけ製作されて第11自動車中隊に配備され、護衛任務に就いた。武装は37mm砲１門、7.62mmマキシム機銃１丁。装甲厚4mm。乗員４名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜ブラトリュボフ・ルッソ・バルト装甲自動車シリーズ＞：ロシアが1915年に開発した重装甲自動車。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜モデルＤ＞：通常型。３両製作されて西部戦線で使用された。重量3.7トン。40馬力のガソリンエンジンを搭載し、最大速度37km。武装は37mm機関砲１門と7.62mmマキシム機銃３丁。装甲厚6.5mm。乗員６名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜モデルＳ＞：鉄道軌道上も走れるタイプ。１両が製作されてカザン鉄道警備隊に配備された。武装は37mmオチキス砲２門、マキシム機銃３丁。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜プラナー・アレイ・アンテナ＞：Planar array antenna、平面アレイ・アンテナ。ダイポールアンテナやスロッテッド・ウェーブガイド・アンテナなどの放射素子を平面上に多数配置し、各素子から放射される電波の振幅と位相を独立制御できるようにしたアンテナのこと。アンテナは放射電波の波長に応じて一定間隔で配置されており、アンテナ数が増えればアンテナ・ゲインが上がり、電波ビーム幅を細くできる。お椀型のパラボラアンテナと同様の性能を持たせつつ占有スペースを少なくでき、軽量になる。空間を走査するにはパラボラアンテナを機械的に指向させるのと同じく、電波ビームの放射方向を偏向させる必要があるが、アンテナは動かさずに電波ビームだけを電子的に偏向させるので、電子走査アンテナとも呼ばれる。アンテナ自体を動かす必要が無いので、機械的慣性力に縛られず、走査方向を瞬時に大きく移動させることができ、可動機構が省けるので故障や整備の手間に悩まされることも無い。各アンテナの電波の位相を変化させるのがフェイズド・アレイ・レーダー、給電回路の周波数を変化させるのがフレスキャン、給電回路とビーム指向方向を１対１対応させ電波ビームを送りたい方向の給電回路にビーム切換スイッチで電気を送るのがビーム切換方式である。電波ビームを偏向させるほどビーム幅が広がり、アンテナ・ゲインが低下するため、偏向角は上下左右60度ずつくらいが限度。よって、アンテナ旋回機構を省ける壁面固定アンテナで全周を監視する場合、最低でも３面、ゲイン低下を防ぐなら４面のアンテナが必要になり、高性能ではあるが、旋回機構以上に重量と容積がかさむ。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊世界の艦船1,'15増刊、4,'24、月刊軍事研究9,’14、8,’06、9,’08、月刊JWings2,’01、10,’19

＜プラネットＸ作戦＞：アメリカ陸軍第４歩兵師団がポスト・イラク戦争中の2003年5月15日に実施した、ティクリート一帯の掃討作戦。バース党地方議長のマハディ・アル・ファリ将軍はじめ260人を勾留（翌日に230人を保釈）した。参考：月刊軍事研究9,’04

＜プラハール＞：インド陸軍短射程弾道ミサイル。プリトヴィ１の後継らしい。全長7.3m、直径0.42m、重量1.28トン、弾頭重量0.2トン（通常弾頭、核弾頭）。射程140km。６連装キャニスターに収容されて装輪式TELに搭載される。参考：月刊軍事研究4,’14、10,’17

＜プラハ作戦＞：第２次大戦時の1945年5月8日、ベルリン作戦終結後もプラハ周囲のボヘミア地域に残存していたドイツ中央軍集団第17軍とハインリッヒ作戦集団を掃討するため、ソ連第１−第４ウクライナ方面軍が攻撃を開始した。5月11日までにドイツ軍はプラハ東方で包囲殲滅され、5月12日にソ連軍とアメリカ軍が接触、戦闘を終了した。参考：激闘　東部戦線(2)

＜フラハティ＞：DE-135（護衛駆逐艦）を参照。

＜プラハの春＞：ダニューブ作戦を参照。

＜プラバル＞：K92（ヴィール級ミサイル艇）またはK93（プラチャンド級ミサイル艇）を参照。

＜プラバル級＞：ヴィール級ミサイル艇シリーズ（２代目）を参照。

＜ブラビイ＞：ロシア海軍プロジェクト20380/20381ステレグシュチイ級フリゲート通算12番艦Bravy。2021年9月29日、アムール造船所で起工式を実施。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜フラビオンの戦い＞：第２次大戦時、ドイツ軍のベルギー侵攻を受け、フランス軍は第１戦車師団（戦車158両）を1940年5月12日にベルギーに向かわせた。この頃ドイツ軍はジョンブルー・ギャップに達しており、ベルギーの避難民が道路を塞いでいて第１戦車師団の進撃が遅れ、補給部隊とも分離されてしまい、5月15日の未明にフラビオン付近で合流に成功して燃料補給にとりかかった。そこをドイツＢ軍集団の第５・第７機甲師団が急襲。フランス軍にはシャールB1とオチキスH39が配備されていたが、履帯を狙い撃たれたり、零距離射撃で側後面を撃ち抜かれたりして次々破壊され、シャールB1戦車19両とオチキスH39戦車14両を含む戦車100両余りが撃破または鹵獲された。残存戦車は西へと脱出を試みたが、補給の完了していないものも多く、5月16日には燃料切れと故障で17両にまで減少し、夜までに全て撃破されてしまった。参考：月刊軍事研究3,’07

＜ブラフ＞：DE-148（護衛駆逐艦）を参照。

＜プラブニック級＞：685型（原潜）を参照。

＜プラプパラパク級＞：タイ海軍ミサイル艇Prabparapak級。西ドイツのラーセン45m級を導入したものである。兵装は57mm単装砲１門、ガブリエル�T艦対艦ミサイル３連装発射筒１基、同単装発射筒２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜フラブリ＞：ブルガリア海軍フラブリ級哨戒艇Hrabri。2022年6月17日、ブルガリアのMTGドルフィンAD造船所で起工式が行われた。2023年8月4日進水。2025年に引き渡される予定。参考：月刊世界の艦船9,’22、10,’23

＜フラブリ級＞：ブルガリア海軍多用途哨戒艦MMPV（Multipurpose Modular Patrol Vessel）Hrabri級。ドイツのNVLグループが開発したOPV-90がベースで、サーブ社製射撃指揮装置を装備する。全長90m、幅13.5m、吃水3.5m、排水量2300トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、最大速力24ノット。兵装は76mm砲１門、艦対艦ミサイル４基、VL-MICA用８セルVLS１基、ミレニアム機銃、短魚雷発射管。2021年11月にNVLグループに２隻を発注しており、ブルガリアのMTGドルフィンで建造、2025-26年にフラブリとスメリが引き渡される予定。参考：月刊世界の艦船3,'23、9,’22、3,’21

＜ブラボー＞：AS202シリーズ（練習機）またはBRV-O（装甲車）を参照。

＜ブラボー＞：２機ディスプレイチームのこと。参考：月刊JWings7,’14

＜ブラボー型＞：690型（潜水艦）を参照。

＜ブラボー・ショット＞：キャッスル作戦を参照。

＜ブラマプトラ＞：F31（初代ブラマプトラ級フリゲート）またはF31（２代目ブラマプトラ級フリゲート）を参照。

＜ブラマプトラ級（初代）＞：インド海軍フリゲートBrahmaputra級。基準排水量2251トン。主機はディーゼルで、速力24ノット。兵装は114mm連装砲１基、40mm単装機関砲２門、スキッド１基。F31ブラマプトラ、F37ベアス、F39ベトワの３隻が1958-60年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ブラマプトラ級（２代目）＞：インド海軍フリゲート、プロジェクト16A型Brahmaputra級。ゴダヴァリ級の艦対艦ミサイル近代化型で、改ゴダヴァリ級ともいう。全長126.4m、満載排水量4450-4521トン。主機は蒸気タービン、最大速力27ノット。兵装はバラク１／トリシュル艦対空ミサイル８連装発射機１基、Kh35艦対艦ミサイル４連装発射機４基、オットー・メララ社製62口径76mm単装砲１基、30mm機関砲AK630が４基、324mm３連装魚雷発射管２基（A244短魚雷）。シーキングMk42またはSA316Bアルーエト�V／チェタックを２機（対潜用と連絡用１機ずつ）搭載可能。F31ブラマプトラ、F39ベトワ、F37ベアスの３隻が2000-05年に就役したが、対空ミサイルの輸入が遅れたため、１番艦は対空ミサイル無しで就役した。参考：月刊軍事研究6,’05、1,’11、4,’11、月刊世界の艦船6,’12、10,’12、7,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

＜フラマン級＞：フランス海軍哨戒艇Framant級。全長54m、排水量477トン。速力23ノット。３隻が1997年に就役した。参考：月刊軍事研究4,’19

＜フラミング＞：621（掃海艇）を参照。

＜フラミンゴ＞：�U号火炎放射戦車またはL18（ブラック・スワン級スループ）を参照。

＜フラミンゴ＞：イギリス空軍のVIP機Flamingo。デハビラント社製双発旅客機を王室用に採用したもので、1940年9月に６機が引き渡された。全長15.72m、全幅21.34m、全備重量7.98トン。エンジンはブリストル・パーシウス16（930馬力）双発で、最大速度385km、実用上昇限度6370m、航続距離1950km。乗員３名。12-17名を乗せられる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜フラミンゴ＞：オーストリア陸軍ミストラル防空ミサイルシステムを構成する指揮統制用レーダー車。６輪トラックに伸縮式のアームを装備、その先にレーダーを搭載する。参考：月刊PANZER8,’03

＜フラム＞：DD-474（駆逐艦）を参照。

＜プラム＞：日本海軍士官のスラングで、梅毒のこと。梅の英訳。参考：帝国陸海軍事典

＜プラムバット作戦＞：イスラエルのモサドが核物質入手のために1968年に実行した作戦。西ドイツの小さな化学会社アスマラ・ケミーを隠れ蓑にしてヨーロッパ原子力共同体から酸化ウラン209トンを購入、プラムバットと書かれたドラム缶560本に分けて、イスラエルが設立したリベリア籍の船会社BTSCに所属する中古貨物船シェールスベルグに積載してイスラエルに輸送した。参考：月刊軍事研究5,’02

＜プラムリーフ＞：A78（給油艦）を参照。

＜プラムリーフ級＞：イギリス海軍補助給油艦Plumleaf級。全長170.8m、幅22m、吃水9.2m、満載排水量26480トン。主機はディーゼルで、出力9500馬力、速力15.5ノット。A78プラムリーフが1960年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜プラメン＞：チェコの航空機搭載用機関砲ポッド。L-159発達型軽戦闘航空機用として開発された。20mm機関砲GSh-20を２連装で収容しており、228発の弾薬を内蔵する。全長2.56m、重量200kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜プラメン−Ｓ＞：セルビアの多連装ロケットシステム。６×６輪トラックの後部荷台に128mmロケット弾32連装（８列４段）旋回式ランチャーを搭載したもので、ランチャーとキャビンの間に予備弾32発を搭載できる。最大射程8.5-12.5km。参考：月刊軍事研究9,’11

＜フラメント＞：APD-77（高速輸送艦）またはDE-677（護衛駆逐艦）を参照。

＜プララヤ＞：K91（プラチャンド級ミサイル艇）またはK91（ヴィール級ミサイル艇）を参照。

＜ブラワＭ＞：RSM-56（SLBM）を参照。

＜フラワー＞：日本海軍士官のスラングで、呉の料亭華山のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜フラワー級＞：トリパルタイト級シリーズ（掃海艇）を参照。

＜フラワー級コルベット＞：イギリス海軍コルベット、Flower級。戦時大量生産を考慮した近海用護衛艦で、1939年5月3日に性能要求仕様書をスミス造船所に送り、6月に設計図が提出された。艦艇建造を行ったことの無い造船所でも短期間で製作できるよう、捕鯨船と同様の構造を持たせ、木材を多用するなど極力簡易化を図っている。装備は最新のもので、タイプ123アスディックやレーダーなどを搭載した。全長62.5m、幅10.1m、吃水3.5-4.1m、基準排水量925トン。主機はレシプロ蒸気機関１基、主缶はスコッチ・マリン式重油専焼円缶２基、出力2750-2788馬力、１軸推進、速力16.5ノット。兵装は45口径10.2cm単装砲１基、7.6cm単装砲１門、２ポンド単装砲１門または12.7mm４連装機銃１基、7.7mm連装機銃２基、爆雷投射機（Ｙ砲）２基、爆雷投下軌条２条、爆雷40個。乗員85-109名。後にスキッド１基や20mm高射機関砲５門などを追加している。K00カーネーション、K01アカンサス、K03ヘリオトロープ−K05ロベリア、K07ディアネラ−K12オーリキュラ、K14プリムラ−K20スターワート、K22グロキシニア−K25アザレア、K27ハニーサックル−K29チューリップ、K31カメリア−K41サンフラワー、K43フリージア−K51ロックローズ、K53ウッドラフ−K61ペントステモン、K63ピコティー−K69ヘザー、K71ピンパーネル、K72バルサム、K72ゴデチア、K73アラビス−K88クラーキア、K90ジェンティアン、K91プリムローズ、K93ロータス−K100アリサム、K102ローズ、K105ルーズストライフェ、K107ナスターティウム、K108カンピオン、K111ペニーウォート、K114ベルワート、K117パナンクルス、K120ボレイジ、K122フロー・デ・リス、K123オックスリップ、K126バードック、K128サンフィア、K130ロータス、K132ヴェッチ、K134クローバー、K137ピンク、K140コルツフット、K142ストーンクロップ、K144メドウスイート、K145アローヘッド、K150アイブライト、K155ウインドフラワー、K159ヘパティカ、K166スノーベリー、K172トリリウム、K182ビタースイート−K200ゲニスタ、K207モンクシュード−K214ポテンティラ、K216タマリスク、K226ゴデチアなど184隻が1940-42年に竣工した。アメリカ（テンプトレス級）やフランスへと引き渡された艦を合わせると建造数は269隻にもなる。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船3,'22、3,’07、アメリカ護衛艦史、輸送船入門

＜フラワー級コルベット海外シリーズ＞

　＜フラワー級コルベット（アメリカ）＞：テンプトレス級を参照。

＜フラワー級コルベット（フランス）＞：フランス海軍コルベット。イギリスなどで大量に建造されたフラワー級コルベットを導入したものである。第２次大戦直前に22隻が発注されたが、第２次大戦開戦によりイギリスやドイツに全て接収されてしまったため、1941-43年にミモザなど８隻が改めて引き渡された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フラワー級スループ＞：イギリス海軍護衛スループ。第１次大戦時に掃海艇不足を補うため建造したもので、急造できるように商船の構造を適用している。対潜哨戒・護衛任務にも広く使用され、海外植民地警備や海上交通護衛にかり出された。全長80.1m（L19は81.7m）、幅10.1m（L19は10.2m）、吃水3.4m、基準排水量1165トン（L19は1175トン）。主機はレシプロで、出力1800馬力（L19は2000馬力）、速力16ノット。兵装は10.2cm単装砲２門。第２次大戦時にもL14ローズマリー、L19ルパン、L26フォックスグローブなど４隻が在籍していた。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ブラン＞：RSS40（巡航ミサイル）を参照。

＜ブラン＞：ノルウェー海軍ストルム級高速攻撃艇。1967年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜プラン１９１９＞：イギリス陸軍参謀のジョン・Ｆ・Ｃ・フラー大佐が第１次大戦中の1918年5月に策定した作戦計画で、1919年春に実行される予定だった。Mk.D快速中戦車2400両とMk�[菱形重戦車2952両、Mk�\装甲装軌兵員輸送車両を用意し、まず快速中戦車部隊が敵戦線を幅145kmにわたり突破、そのまま32kmほど進み、後方の司令部や通信施設を破壊して前線を混乱に陥れ、そこに歩兵及び重戦車が幅80kmにわたり突入して前線部隊を壊滅させ、その孔から快速中戦車と自動車化歩兵部隊が突入し、先遣中戦車部隊と合流して更に前進、航空機部隊も加えて追撃を行うというものである。実行前に第１次大戦が終結したものの、その後も構想を膨らませており、イギリスでは巡航・歩兵戦車２本立て開発のベースとなり、各国の戦車運用にも大きな影響を与えた。参考：歴史群像10,’08、月刊PANZER3,’10、月刊グランドパワー3,’11、月刊軍事研究5,’16

＜プランＹ作戦＞：ブート作戦を参照。

＜ブランエール＞：ルーキー・フライトを参照。

＜フランカー＞：Su-27シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フランカーＢ＞：Su-27P（戦闘機）またはSu-27S（戦闘機）またはSu-27SM（戦闘機）またはSu-27SM3（戦闘機）を参照。

＜フランカーＣ＞：Su-27UB（練習機）を参照。

＜フランカーＤ＞：Su-27K（艦上戦闘機）またはSu-33（艦上戦闘機）または殲撃15シリーズ（艦上戦闘機）を参照。

＜フランカーＥ＞：Su-35S（戦闘機）を参照。

＜フランカーＥ１＞：Su-27MまたはSu-35（戦闘機）を参照。

＜フランカーＥ２＞：Su-37（試作機）を参照。

＜フランカーＦ１＞：Su-30（戦闘機）を参照。

＜フランカーＧ＞：Su-30MKK（戦闘機）を参照。

＜フランカーＨ＞：Su-30MKI（戦闘機）を参照。

＜フランク＞：Yak-9シリーズ（戦闘機）または四式戦闘機シリーズを参照。

＜フランク・E・エヴァンス＞：DD-754（駆逐艦）を参照。

＜フランク・Ｅ・ピーターソンＪｒ．＞：DDG-121（駆逐艦）を参照。

＜フランク・Ｓ・ベッソン・ジュニア大将級＞：ジェネラル・フランク・Ｓ・ベッソン・Jr.級（兵站支援艦）を参照。

＜フランク・アレイ・ソナー＞：Flank Array Sonar、側面アレイ・ソナー。潜水艦側面の複数箇所に取り付けて使用するコンフォーマル・アレイ・ソナーのこと。中・短距離用のパッシブ聴音ソナーで、数十メートルの長さと数メートルの高さを確保できるためアレイゲインに優れ、低周波音の探知もある程度可能で、TASSのように折れ曲がらないので使用中の自艦運動を制限されることも無く、浅海や低速でも使用でき、音源方位も解るので敵潜水艦が発射した魚雷の追尾・回避やデコイ分離聴音にも有効である。方位探知のみならず、複数箇所で音をキャッチし、三角測量の原理で測距を行うこともできる。TASSと同じくらいの長さを取るのは無理なので、低周波音探知に関してTASSを完全に代替することはできず、両者を併用する。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊世界の艦船12,’16、1,’19、9,’12増刊、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ブランク・カートリッジ＞：空包を参照。

＜フランク・ケーブル＞：AS-40（潜水艦母艦）を参照。

＜プランク・シェイブ＞：ガルプン（レーダー）を参照。

＜プランク・シェーブ＞：SSC-3の発射機に搭載されている捜索・誘導レーダー。最大探知距離35km。参考：月刊PANZER4,’98

＜フランクス＞：DD-554（駆逐艦）を参照。

＜フランクス＞：フレデリック・Ｍ・フランクス。1959年、ウエストポイント陸軍士官学校卒。ベトナム戦争に第11機甲騎兵連隊で参加。カンボジアで左膝から下を切断する重傷を負ったが、義足で戦闘部隊に復帰した。その後第１機甲師団長を務め、湾岸戦争には第７軍団長として参加。湾岸戦争終結後に大将に昇任し、1994年まで陸軍訓練教義軍団司令官を務めている。参考：月刊軍事研究3,’16

＜フランクチャー＞：Tu-214Rの胴体下面フェアリングに搭載されている電子光学画像システムで、リンコスが開発した。焦点距離1750mmのデジタルカメラ、373mmレンズ付きテレビカメラ、10-100mmレンズ付き広域探査用テレビカメラを備えており、可視光から赤外線領域までをカバーする。飛行方向にプラスマイナス15度、横方向にプラスマイナス80度動かすことが可能。参考：月刊航空ファン3,’13

＜フランクトン作戦＞：第２次大戦中の1942年12月にイギリス海軍のH.G.ハスラー少佐率いる10名の挺進隊員が行った、ボルドー港襲撃作戦Operation Frankton。潜水艦N94ツナから５隻のコックルMk.�Xカヌーに分乗してビスケー湾ジロンド河口から発進した隊員がボルドー港まで遡航し、停泊中のドイツ軍封鎖突破船にリンペット爆薬を仕掛けて４隻を行動不能に陥れ、港を数ヶ月にわたり封鎖することに成功した。挺進隊員のうち、生還したのは２名だけで、1955年に生き残った二人（Cockshell Heroes/ Survivors Two）という題名の映画になった。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、歴史群像2,’05、グラフィックアクション44

＜ブランクニー＞：L30（駆逐艦）を参照。

＜フランク・ノックス＞：DD-742（駆逐艦）を参照。

＜ブランク・パウダー＞：空包用の無煙火薬。ニトロセルロースを主成分とする燃焼速度の速い火薬を使用しているため、弾丸を付けて発射したりすると銃が壊れる。参考：GUN用語事典

＜フランクフォード＞：DD-497（駆逐艦）を参照。

＜フランクフルト＞：ドイツ海軍ヴィースバーデン級軽巡洋艦Frankfurt。1915年竣工。1919年、スカパフローで自沈しようとしたが失敗。その後アメリカ海軍に引き渡された。1921年、爆撃標的となり、沈没した。参考：近代巡洋艦史

＜フランクフルト・アム・マイン＞：A1412（戦闘支援艦）を参照。

＜フランク・ベッソン級＞：アメリカ陸軍水陸両用艦艇Frank Besson級。M-1戦車15両を搭載できる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フランクリン＞：CV-13（空母）を参照。

＜フランクリン・Ｄ・ルーズベルト＞：CV-42（空母）を参照。

＜プランケット＞：DD-431（駆逐艦）を参照。

＜フランケンタール級＞：ドイツ海軍沿岸掃討艇332型Frankenthal級。ピングインB3機雷処分具を運用するための掃海艇で、非磁性鋼により船体を製作している。兵装は前甲板の70口径40mm機関砲１基とスティンガー４連装発射機２基で、スティンガー・ミサイルの発射スペース（直径1mくらいの囲いがある）も持つ。全長54.5m、満載排水量645-660トン。主機はディーゼル、速力18ノット。M1059ヴァイルハイム、M1063バート・ベヴェンセン、M1065ディリンゲン、ホンブルクなど12隻が1992-98年に就役した。後に機関砲を27mm単装機関砲１門に換装し、５隻が機雷処分具をシーフォックスＣに変更している。21世紀に入り、３隻がゼーフント無人掃海艇管制機能追加改修を受けたらしい。2024年度予算から機雷捜索用にシーキャット自律型UUVを調達して搭載する予定。参考：月刊世界の艦船3,’07、8,'20、1,’24、月刊軍事研究1,’98

＜フランケンタール級・海外シリーズ＞

　＜フランケンタール級（ＵＡＥ海軍）＞：UAE海軍掃海艇で、Al Murjan級ともいう。1-2番艇を購入した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船9,’23

＜フランコヴィッチ＞：APD-116（高速輸送艦）またはDE-379（ジョン・Ｃ・バトラー級護衛駆逐艦）またはDE-606（ラッデロウ級護衛駆逐艦）を参照。

＜ブランコ・エンカラダ＞：15（カウンティ級ミサイル駆逐艦）を参照。

＜フランコニア＞イギリスの海運会社キュナードの客船Franconia。全長190.5m、幅21.7m、深さ12.32m、総トン数18150トン。主機は四連成汽機２基２軸18000馬力、航海速力17ノット、最大速力18ノット。船客定員一等300名、二等350名、三等2200名。1911年1月23日竣工、2月25日就航。第１次大戦で兵員輸送任務に就いた。1916年10月4日、マルタ東360kmでドイツ海軍潜水艦UB-47の雷撃を受け沈没した。兵員輸送中ではなく、乗員314名のうち12名が死亡している。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜フランコニア＞：イギリスの海運会社キュナードの客船Franconia。全長190m、幅22.3m、深さ12.34m、吃水9.55m、総トン数20158トン。主機は蒸気タービン２基２軸13500馬力、航海速力16ノット。1923年6月竣工。第２次大戦では兵員輸送を行い、1945年のヤルタ会談ではチャーチル代表団の司令部船を務めた。1949年6月、リバプール−ケベック航路に就航。1956年に運航を終了して解体された。参考：月刊世界の艦船2,’12

＜ブランシェ＞：H47（駆逐艦）を参照。

＜プランシェット＞：ソ連海軍艦載戦闘管制システムPlanshet。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜フランシズ＞：A147（曳船）を参照。

＜フランシス・Ｍ・ロビンソン＞：DE-220（護衛駆逐艦）を参照。

＜フランシス・Ｓ・ガブレスキ＞：ガブレスキ（アメリカ陸軍エース）を参照。

＜フランシスアグウィ＞：パプアニューギニア海軍哨戒艇。2023年7月11日、珊瑚海で日パプアニューギニア親善訓練に参加。DDH-183いずもと通信訓練や戦術運動などを行った。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜フランシス・ガルニエ＞：フランス海軍フランシス・ガルニエ級河用砲艦Francis Garnier。1931年就役。1945年3月9日、メコン川で日本軍の攻撃を受けて自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フランシス・ガルニエ＞フランス海軍戦車揚陸艦Francis Ganier。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。月刊世界の艦船4,’10

＜フランシス・ガルニエ級＞：フランス海軍揚子江用砲艦Francis Garnier級。全長62.5m、幅10.3m、吃水2.2m、基準排水量639トン。主機はレシプロで、出力3200馬力、速力15ノット。兵装は10cm単装砲１門、7.5cm単装砲１門、37mm機関砲２門、機関銃２丁。フランシス・ガルニエが1931年に就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フランシス・スコット・キイ＞：SSBN-657（ラファイエット改級戦略原潜）を参照。

＜フランシス・ハモンド＞：FF-1067（フリゲート）を参照。

＜フランシス・マリオン＞：APA-249（攻撃輸送艦）を参照。

＜フランシセラ・ツラレンシス＞：ツラレミア菌を参照。

＜フランジブル弾＞：目標にダメージを与えることなく、命中時に粉砕する弾丸。参考：GUN用語事典

＜フランジブル徹甲弾＞：FAP（Frangible Armor Piercing）と略す。装甲を貫徹すると砕けた弾体が内部ダメージを与えるタイプの徹甲弾。参考：月刊JWings5,’15

＜プランジャー＞：SS-2（潜水艦）またはSS-179（潜水艦）またはSSN-595（スレッシャー級攻撃原潜）を参照。

＜プランジャー級＞：Ａ級潜水艦（アメリカ）を参照。

＜フランス＞：フランス海軍クールベ級戦艦２番艦France。1914年竣工。第１次大戦開戦時には第１艦隊第１戦隊旗艦だった。1922年8月、ビスケー湾北部で座礁して沈没した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船4,’17

＜ブランズウィック＞：ATS-3（救難艦）またはJHSV-6（統合高速輸送艦）またはPF-68（タコマ級フリゲート）またはT-EPF-6（遠征用高速輸送艦）またはWAL-509（灯台船）を参照。

＜フランス海軍＞：1895年、初の近代戦艦である前弩級戦艦ブレニュスが就役。1917年、航空隊を新編。1918年、空母ベアルンに搭載する航空団を編成。1936年、ラ・メルポメーヌ級水雷艇が就役開始。1939年、LN-400艦爆の配備を開始。5月23日、第１戦艦戦隊（ダンケルク、ストラスブール）、第４巡洋艦戦隊、第２軽艦隊が、イギリス沖で英仏合同演習に参加。1942年、MTB-90級魚雷艇８隻が就役。1943年、ラヴェンチャー級フリゲートが就役開始。1944年、YMS-1級掃海艇を配備。第２次大戦後は、正規空母、SSBN、ポルタビオンを中核とした、海外領土に対するパワー・プロジェクションを行っている。第２次大戦終結後、イギリスからコロッサス級軽空母ロマンシュを貸与され、F4U、F6F、TBM、SB2Cを搭載して運用した。1951年、アメリカからインディペンデンス級軽空母CVL-27ラングレーを供与され、軽空母ラファイエットとして就役させた。1953年、P-2対潜哨戒機の配備を開始。9月、アメリカからインディペンデンス級軽空母CVL-24ベロー・ウッドを供与され、軽空母ボア・ベローとして就役させた。1950年代半ば、シュルクーフ級艦隊護衛艦を建造。1955年、ル・コルス級対潜フリゲート４隻が竣工開始。1961-63年、クレマンソー級空母２隻が就役。1961-65年、デュプティ・トアール級ミサイル駆逐艦４隻が就役。1962-70年、コマンダン・リヴィエル級フリゲート９隻が就役。1962年、ラ・ガリソニエール級駆逐艦１隻が竣工。エタンダール�WＭ戦闘攻撃機を配備。1964年からF-8E(FN)を配備。エタンダール�WＭを更新するため、ジャギュアＭを検討したが、没になった。代わりにA-4MやA-7E、ミラージュF1艦載型なども検討されたが、空母のカタパルトや飛行甲板を強化する必要があり、1973年1月にシュペルエタンダールを開発することになった。1966年、SA321G対潜ヘリの引き渡しが始まった。1967-70年、シュフラン級ミサイル駆逐艦２隻が就役。1971-80年、ル・ルドゥタブル級SSBN５隻が就役。1973年、アコニト級対潜駆逐艦１隻が竣工。1974-77年、トゥールヴィル級駆逐艦３隻が就役。1976年からデティエンヌ・ドーヴ級通報艦17隻が就役。1977-78年、アゴスタ級潜水艦４隻が就役。1979-90年、ジョルジュ・レイグ級対潜コルベット７隻が竣工。1980-90年、デュランス級指揮補給艦５隻が就役。1983-93年、リュビ級SSN６隻が就役。1984年、エリダン級掃海艇13隻が就役開始。1985年、ランフレクシブル級SSBN１隻が就役。1988-90年、カサール級ミサイル駆逐艦２隻が就役。1990-98年、フードル級ドック型揚陸艦２隻が就役。湾岸戦争ではクレマンソー機動部隊を派遣。しかし旧式化が進んでおり、クレマンソーはヘリの輸送のみ行って引きあげた。1992-94年、フロレアル級フリゲート６隻が就役。1996-2001年、ラ・ファイエット級フリゲート５隻が就役。1997-2010年、ル・トリオンファン級SSBN４隻が就役。2000年、ラファールＭ戦闘機を配備。2001年、シャルル・ド・ゴール級空母１隻が就役。ラファールＭの納入が開始された。2006年からミストラル級戦力投入・指揮艦が就役。2010-11年、ホライゾン級駆逐艦２隻が就役。2011年3月、アルマッタン作戦に参加。シャルル・ド・ゴール級空母の次の空母としてPA2の建造を計画したが、2013年に中止された。2014年からFREMMが就役。2015年、ストラスブールとアドゥールにある司令部を閉鎖し、ブレストとツーロンに集約する予定。2016年、ダントルカストー級多任務艦３隻が就役予定。2017年からシュフラン級SSN６隻が就役予定。2018年4月9日から5月27日、派米訓練チェサピーク・ディプロイメントを実施。空母シャルル・ド・ゴールが2017-19年に核燃料交換・整備を行うため、ラファールＭ戦闘機12機、E-2C早期警戒機１機、人員350名（うちパイロット27名）をノーフォークに派遣し、第１フェーズでオシアナ海軍航空基地での陸上訓練、5月8日からの第２フェーズでCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗブッシュでの洋上訓練を行った。2022年、H160救難ヘリの配備を開始。参考：月刊丸12,’92、月刊軍事研究3,’10、月刊航空ファン4,’10、6,’11、6,’18、9,’18、世界の傑作機No.1、月刊世界の艦船1,’15、11,’15、5,’16、6,’17、8,’18、月刊JWings12,’22

　＜フランス海軍（１９７７年）＞：兵力68500名（うち徴兵18500名、航空隊13000名）、予備役50000名。SSBN４隻、潜水艦21隻、軽攻撃空母２隻、巡洋艦２隻、駆逐艦20隻、フリゲート22隻、哨戒艇26隻、ミサイル艇６隻、掃海艇38隻、揚陸艦２隻、戦車揚陸艇５隻、上陸用舟艇46隻、エタンダール�WＭ戦闘爆撃機24機、F-8E(FN)戦闘機20機、アリーゼ対潜哨戒機24機、アトランティック�T対潜哨戒機25機、SP-2H対潜哨戒機10機、エタンダール�WＰ偵察機８機、シュペル・フルロン対潜ヘリ12機、HSS-1対潜ヘリ12機、アルエート�V対潜ヘリ８機、HSS-1強襲ヘリ12機、アルエート�U捜索救難ヘリ９機、アルエート�V捜索救難ヘリ11機、アルエート�U輸送ヘリ４機、シュペル・フルロン輸送ヘリ２機、DC-6連絡機、C-47連絡機、HSS-1連絡ヘリ、アルエート�U連絡ヘリ、アルエート�V連絡ヘリ、シュペル・フルロン連絡ヘリ、ノール262練習機、C-47練習機、フーガーCM175練習機、エタンダール練習機、アリーゼ練習機、ラリー練習機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜フランス海軍（１９８１年）＞：兵力７万名、予備役５万名。ル・ルドゥタブル級原潜５隻、リュビ級原潜１隻、実験潜水艦ジムノト級１隻、アゴスタ級潜水艦４隻、ダフネ級潜水艦９隻、アレチューズ級潜水艦１隻、ナルヴァル級潜水艦６隻、クレマンソー級空母２隻、ジャンヌ・ダルク級巡洋艦１隻、コルベール級巡洋艦１隻、シュフラン級フリゲート２隻、トゥールヴィル級巡洋艦３隻、ケルサン級護衛艦４隻、ラ・ガリソニエール級護衛艦１隻、デュプレ級護衛艦１隻、メイユ・ブレゼ級護衛艦５隻、ジョルジュ・レイグ級コルベット２隻、アコニト級コルベット１隻、コマンダン・リヴィエル級護衛艦９隻、ル・ノルマン級護衛艦２隻、デティエンヌ・ドルヴ級通報艦10隻、ウラガン級輸送艦２隻、シャンプレン級揚陸艦２隻、アルジェ級揚陸艦５隻、L9070級揚陸艇12隻、エリダン級機雷掃討艇１隻、シルセ級機雷掃討艇５隻、ナルヴィク級機雷掃討艇10隻、シリウス級沿岸掃海艇５隻、ペルヴァン級沿岸掃海艇12隻、ダントルカストー級測量艦１隻、エスペランス級測量艦２隻、ラ・ルシェルシュ級測量艦１隻、ラ・デュランス級補給艦２隻、ラ・シャラント級給油艦１隻、イゼール級給油艦１隻、アベール・ヴラシュ級給油艦１隻、パプノー級給油艦２隻、ジュール・ヴェルヌ級工作艦１隻、ラーン級兵站支援艦５隻を配備する。航空兵力は固定翼機237機、回転翼機100機。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

　＜フランス海軍（１９８９年）＞：兵力65500名（うち徴兵19200名、海軍航空隊11000名、海兵隊2600名）、動員対象予備役28000名、潜在的予備役96000名。ブレスト、ツーロン、シェルブール、ロリアンに基地がある。海外にはパペーテ、ラ・レユニオン、ヌーメア、フォルト・ド・フランスに基地を持つ。大西洋艦隊はブレストに司令部があり、戦略原潜６隻、潜水艦７隻、巡洋艦１隻、駆逐艦・フリゲート18隻、対機雷戦艦艇10隻、両用戦艦艇３隻を有する。英仏海峡小艦隊はシェルブールに司令部があり、フリゲート３隻、対機雷戦艦艇６隻を有する。地中海艦隊はツーロンに司令部があり、原潜４隻、潜水艦４隻、空母２隻、ミサイル巡洋艦１隻、駆逐艦・フリゲート13隻、対機雷戦艦艇８隻を有する。ランフレクシブル級戦略原潜１隻、ル・ルドゥタブル級戦略原潜５隻（うち２隻はM-4、３隻はM-20弾道ミサイル装備）、リュビ級攻撃原潜４隻、アゴスタ級潜水艦４隻、ダフネ級潜水艦６隻、ナバール級潜水艦１隻、クレマンソー級空母２隻、コルベール級ミサイル巡洋艦１隻、ジャンヌ・ダルク級ヘリ巡洋艦１隻、カサール級ミサイル駆逐艦１隻、シュフラン級ミサイル駆逐艦２隻、ドシャイラ級ミサイル駆逐艦１隻、ジョルジュ・レイグ級フリゲート６隻、トゥールヴィル級フリゲート３隻、T-56/T-53級フリゲート２隻、アコニト級フリゲート１隻、デティエンヌ・ドーヴ級フリゲート17隻、アルバトロス級外洋哨戒艇１隻、ラウダシューズ級沿岸哨戒艇10隻、レオパール級沿岸哨戒艇８隻、シュテルヌ級沿岸哨戒艇２隻、メルキュール級沿岸哨戒艇１隻、アトス級内海哨戒艇２隻、エリダン級掃海艇10隻、シルセ級掃海艇５隻、ウイストレーアム級掃海艦４隻、カントー級掃海艦１隻、ビュルケーン級対機雷戦潜水支援艦４隻、ウラガン級ドック型揚陸艦２隻、ブーゲンビル級ドック型揚陸艦１隻、シャンプレーン級中型揚陸艦５隻、戦車揚陸艇８隻、機械化揚陸艇20隻、デュランス級洋上給油工作艦５隻、洋上給油艦２隻、タンカー１隻、小型タンカー２隻、ジュール・ヴェルヌ級整備支援艦１隻、ライン級整備支援艦５隻、輸送艦３隻、曳船７隻、ミサイル試験艦２隻、ソナー試験艦１隻、機雷戦試験艦１隻、水中試験艦１隻、水路調査艦５隻、海洋観測艦２隻、シュペル・エタンダール40機（＋保管中24機。AN-52核爆弾）、エタンダール�WＰ偵察機８機（＋保管中３機）、エタンダール�WＭ12機（＋保管中９機）、F-8E(FN)戦闘機８機（＋保管中３機）、アリーゼ28機（＋保管中６機）、アトランティック28機、アトランティックNG２機（試験中）、ガルディアン哨戒機５機、ゼフィール練習機12機、ノルド262多用途機22機、ナバホ多用途機12機、シング多用途機18機、ラリエ880多用途機16機、CAP-10多用途機10機、MS-760練習機８機、ファルコン10MER多用途機８機、リンクス対潜ヘリ24機、リンクス捜索救難機14機、SA-321ヘリ16機、SA-313多用途ヘリ10機、SA-316/319多用途ヘリ38機を装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フランス海軍（２０１３年）＞：兵力38000名、予備役5500名、市民予備役4800名。指揮系統には作戦系統と管理系統があり、前者は大西洋海域司令部、太平洋海域司令部、地中海海域司令部、北海・英仏海峡海域司令部、インド洋海域司令部が、後者は海軍行動部隊（水上艦担当）、戦略海洋部隊（潜水艦担当）、航空部隊が統括する。また、海兵隊組織として海軍歩兵とコマンドー部隊を置き、他に海洋憲兵隊やマルセイユ海軍消防大隊（マルセイユ市長が指揮を執る）が編成されている。ル・トリオファン級原潜４隻、リュビ級原潜６隻、空母シャルル・ド・ゴール、トゥールヴィル級駆逐艦１隻、ジョルジュ・レイグ級駆逐艦７隻、カサール級ミサイル駆逐艦２隻、ホライズン級ミサイル駆逐艦２隻、ラファイエット級フリゲート５隻、フロレアル級フリゲート６隻、デティエンヌ・ドーブ級９隻、コルベット１隻、哨戒艦３隻、哨戒艇８隻、ミストラル級強襲揚陸艦３隻、フードル級ドック型揚陸艦１隻、戦車揚陸艦５隻、揚陸艇19隻、航路警戒艇３隻、トリパルタイト級掃海艇11隻、アンタレス級機雷捜索ソナー曳航艇３隻、水中作業母艇４隻、測量・調査・情報収集・海洋観測艦９隻、練習艦艇15隻、デュランス級給油艦４隻、放射能測定艇１隻、支援母艦１隻、支援母艇４隻、輸送艇１隻、防材敷設艦１隻、航洋曳船２隻、艦上固定翼機57機、艦載ヘリ182機、陸上固定翼機64機を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’14

　＜フランス海軍（２０１５年）＞：現役兵力36050名（海軍航空隊6500名、海兵隊2000名）、予備役5500名。ル・トリオファン級戦略原潜４隻（M51SLBM搭載３隻、M45SLBM装備１隻）、リュビ級攻撃原潜６隻、空母シャルル・ド・ゴール、カサール級ミサイル駆逐艦２隻、フォルバン級ミサイル駆逐艦２隻、ジョルジュ・レイグ級ミサイル駆逐艦６隻、アキテーヌ級ミサイル駆逐艦１隻、フロレアル級フリゲート６隻、ラファイエット級フリゲート５隻、デティエンヌ・ドーブ級哨戒艇９隻、ルダシューズ級哨戒艇４隻、フラム級哨戒艇３隻、ラピローズ級哨戒艇１隻、ル・メラン級哨戒艇１隻、フルマー級哨戒艇１隻、アンタレス級機雷捜索ソナー曳航艇３隻、ブルキャン級水中作業母艇４隻、エリダン級掃海艇11隻、ミストラル級強襲揚陸艦３隻、バトラル級戦車揚陸艦２隻、EDA-R級戦車揚陸艇４隻、CTM級中型揚陸艇11隻、LCVP25隻、兵站・支援船145隻を保有する。海軍航空隊はラファールＭ F3戦闘機飛行隊２個、シュペル・エタンダール攻撃機（近代化型）飛行隊１個、AS565SA対艦ヘリ飛行隊１個、NFH90対潜ヘリ飛行隊（編成中）２個、リンクスMk4対潜ヘリ飛行隊１個、アトランティック２対潜哨戒機飛行隊２個、ファルコン20Hガーディアン哨戒機飛行隊１個、ファルコン50MI哨戒機飛行隊１個、E-2C早期警戒機飛行隊１個、AS365N/F捜索救難ヘリ飛行隊１個、H225捜索救難ヘリ飛行隊１個、SA319B練習ヘリ飛行隊１個、ファルコン10M練習機隊１個、CAP10/EMB121/MS-880練習機隊１個からなり、打撃／戦闘攻撃飛行隊パイロットの年間飛行時間は180-220時間。ラファールＭ　F3戦闘機39機、シュペル・エタンダール（近代化型）21機、アトランテック２哨戒機12機（＋保管中10機以上）、E-2C３機、ファルコン50MS３機、EMB-121軽輸送機11機、ファルコン10MER多用途機６機、ファルコン20H多用途機５機、ファルコン50MI多用途機４機、CAP10練習機７機、MS-880練習機７機、リンクスMk4ヘリ20機、NFH90ヘリ15機、AS365N/F/SPヘリ９機、AS365N3ヘリ２機、AS565SAヘリ16機、SA319Bヘリ22機、H225輸送ヘリ２機、R-550空対空ミサイル、MICA IR/RF空対空ミサイル、エグゾセAM-39空対艦ミサイル、ASMP-A空対地ミサイル、AS-30空対地ミサイル、AASM空対地ミサイル、GBU-12レーザー誘導爆弾を保有する。海兵隊はコマンドー部隊550名（偵察群１個、強襲群２個、攻撃泳者群１個、襲撃群１個、戦闘支援群１個、支援群１個）と海兵ライフルマン部隊（マリン・フュージリエ）1450名（警備群２個、警備中隊７個）からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船12,’23

＜フランス海軍航空隊＞：Aéronautique Navale。1926年、飛行隊の名称をAviation d’Escadre（航空中隊）からFlottille（小艦隊）に変更した。参考：月刊航空ファン1,’20

＜フランス外人部隊＞：軍隊の一組織なので、当然ながら規律正しい生活と基本教練からスタートする。関連本がブームになったり、海外で大きい戦争が起きたりする度に日本人を含む入隊希望者が殺到するが、興味本位で長続きするほど軍隊生活は甘くなく、逃げ帰る者が続出して迷惑を掛けているらしい。戦闘を期待して入隊し、基本教練の段階で飽きて去って行く者もいるが、いきなり実戦に出したところで規律違反と国際法違反を繰り返した挙げ句に味方を巻き添えにして戦死するだけである。参考：月刊軍事研究12,’14、朝雲

　＜フランス外人部隊（１９８９年）＞：兵力8500名。機甲連隊１個、パラシュート連隊１個、歩兵連隊４個、工兵連隊２個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜フランス海兵隊＞：1622年、フランス海軍隷下にトループ・ド・マリンの名称で創設された。1900年、フランス陸軍の隷下に入り、植民地警備を主任務とした。その後海軍隷下のマリン・フュージリエ（海軍小銃隊）及びコマンドー（第２次大戦中に新編）と陸軍隷下のトループ・ド・マリンに分かれ、マリン・フュージリエは乗艦しての艦艇・施設警備や臨検時の増援、コマンドーは特殊作戦、トループ・ド・マリンは水陸両用作戦や海外基地警備が主任務になった。参考：月刊世界の艦船12,'23、1,’18、月刊丸12,’90

　＜フランス海兵隊（１９７７年）＞：海軍隷下は１個大隊規模。参考：軍事力バランス78年版

　＜フランス海兵隊（１９９０年）＞：海軍隷下の海兵隊は海軍基地警備隊2000名、コマンドー隊（４個強襲群と１個攻撃泳者隊）600名。陸軍隷下の海兵隊は12個海兵歩兵連隊で、ギアナ、タヒチ、ニューカレドニア、セネガル、コートジボワール、ガボンなどに配置されている。参考：月刊丸12,’90、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フランス海兵隊（２０１３年）＞：陸軍隷下の海兵隊は兵力18000名。第１海兵連隊（900名、AMX-10RC装甲車48両）、第２海兵連隊（900名、VAB装甲車）、第３海兵連隊（1250名、VAB、VAB HOT）、第９海兵連隊（ギアナ駐留）、第21海兵連隊（1200名、VAB）、第33海兵連隊（カリブ海アンティル諸島、600名）、ニューカレドニア海兵連隊（仏領ニューカレドニア、1490名、ERC-90）、ポリネシア海兵連隊（仏領ポリネシア、900名）、第１海兵パラシュート連隊（400名）、第２海兵パラシュート連隊（仏領レユニオン、600名、VAB）、第３海兵パラシュート連隊（1000名、VAB）、第８海兵パラシュート連隊（VAB）、海兵戦車連隊（AMX-10RC48両、VBL32両、VAB30両）、チャド辺境連隊（AMX-10P70両、VBCI）、第１海兵砲兵連隊（1000名、AUF-1、カエザール）、第３海兵砲兵連隊（カエザール８両、155mm榴弾砲TRF-1を８門、120mm重迫16門）、第11海兵砲兵連隊（155mm榴弾砲TRF-1を24門、120mm重迫16門、VAB）、第５海兵混成連隊（ジブチ、900名、AMX-10RC12両、155mm榴弾砲TRF-1を４門、120mm重迫４門）、第６海兵大隊（ガボン、400名、ERC-90装甲車12両）、第22海兵大隊（140名）、第23海兵大隊（セネガル、400名、ERC-90装甲車）、第41海兵大隊（カリブ海アンティル諸島、200名）、第72海兵大隊からなる。海軍隷下にはフュージリア海兵コマンドー部隊６個と艦船防護中隊７個計2500名が配されている。参考：月刊PANZER12,’13、月刊世界の艦船3,’19

＜フランス空軍＞：2020年9月11日からフランス航空宇宙軍Armée de l’Air et de ｌ‘Espace Française。1928年に陸軍航空隊が独立したものである。当時は艦隊航空隊、海軍陸上基地航空隊の指揮権も持っていたが、1933年に海軍に戻された。1933年、フランス空軍士官学校を創設。1937年、MB210爆撃機を配備。1938年、MB131爆撃偵察機を配備。12月、MS406戦闘機が就役。1939年9月、LeO451双発爆撃機の配備を開始。12月26日、D.520戦闘機の引き渡しが開始された。1953年、ミステール戦闘機の量産を開始。1958年、S.O.4050戦闘爆撃機が就役。1960年、ミラージュ�Vの配備を開始。1967年4月、C-160F輸送機が初飛行。1975年12月、将来戦闘機計画（ACF）が中止された。1983年、TB30練習機の引き渡しを開始。4月、ミラージュ2000の納入が開始された。1990年、E-3F早期警戒管制機の運用を開始。1998年12月、ラファールB/Cの納入が開始された。2009年、ハーファンUAVの実運用を開始。ラファール・ソロディスプレイが新編された。2011年3月、アルマッタン作戦に参加。2013年9月、A400M輸送機の配備を開始。2018年7月29日、インドネシアのロンボク島で大地震が発生したため、東南アジアに派遣していたA400M輸送機によりジャカルタから人道支援物資を輸送した。11月17日、MQ-9A無人機がニジェールのディオリ・ハマニ空港付近で墜落した。2019年1月9日、第133ナンシー＝オシェエ空軍基地所属ミラージュ2000D戦闘機が低空飛行訓練中にミニヨビラール付近で墜落した。9月、航空宇宙軍に改称され、隷下の統合宇宙コマンドが宇宙コマンドになった。9月19日、KC-130J初号機が納入された。2020年9月11日（第１次大戦エースパイロットのジョルジュ・ギンウメールの命日）、フランス航空宇宙軍の発足式典を実施。2023年7月24日から8月3日、ラファール戦闘機10機、A330MRTT空中給油輸送機５機、A400M輸送機４機でUAE・シンガポール・マレーシア・グアム・韓国・日本・インドネシア・カタール・ジブチを回るインド太平洋方面大規模展開ペガース2023（Pégase 2023）を実施。7月26-29日、新田原基地・同周辺空域・関東周辺空域で日仏共同訓練PEGASE23を実施。第４航空団第１・第２飛行隊ラファール戦闘機２機、第31航空団第１飛行隊A330-200MRTT空中給油輸送機１機、第61航空団第１飛行隊A400M輸送機１機が、空自第５航空団F-15戦闘機３機、第８航空団F-2戦闘機２機、第１輸送航空隊KC-767空中給油輸送機１機、第２輸送航空隊C-2輸送機１機、中部航空警戒管制団、西部航空警戒管制団と、各種戦術訓練を行った。2024年6-8月、インド太平洋展開ミッションのペガース24（PEGASE 24）の一環として、ドイツ空軍多国籍訓練プログラムのパシフィック・スカイズ2024に参加。6月28日、ベルサイユ宮殿上空でフランス航空宇宙軍創設90周年記念の展示飛行を実施。参考：第２次大戦のフランス軍艦、週刊ワールドウェポン17、月刊エアコマンド6,’94、月刊航空ファン6,’11、4,’18、11,’18、4,’19、3,’20、月刊JWings1,’15、3,’19、12,'20、9,'23、10,'23、9,'24、MAMOR vol.142、朝雲

　＜フランス空軍（１９７７年）＞：兵力103600名（うち徴兵40800名）。ミラージュ�WＡ戦略爆撃機６機（＋予備役18機）、KC-135F空中給油機11機、ミラージュ�WＡ偵察機４機、ミラージュ�VＣ要撃機15機、ミラージュF1要撃機90機、シュペル・ミステールB2要撃機15機、ミラージュ�VＥ戦闘爆撃機140機、ミラージュ�XＦ戦闘爆撃機48機、F-100D戦闘爆撃機10機、ジャガーA/E戦闘爆撃機120機、ボートゥール�UB/N軽爆撃機16機、ミラージュ�VR/RD偵察機58機、ミラージュ�VB/BE/C転換訓練機30機、ジャガーA/E転換訓練機15機、トランザールC160輸送機47機、ノラトラ輸送機72機、DC-8F輸送機５機、フレガト輸送機18機、ミステール10/20輸送機８機、カラベル１機、アルエート�Uヘリ３機、ピューマ・ヘリ２機、パリ連絡機24機、ブルサード連絡機12機、ラリー連絡機１機、アルエート�U／�Vヘリ130機、ピューマ・ヘリ20機、マジステール練習機／T-33練習機／ミステール�W練習機計300機、クロタル地対空ミサイル10個大隊、ストライダ�U自動防空システムを配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜フランス空軍（１９８９年）＞：兵力94100名（うち徴兵35900名）、動員対象予備役58000名、潜在的予備役179500名。戦略部隊、防空軍、戦術空軍、輸送空軍、訓練コマンドからなる。防空管制システムはSTRIDA�U。ミラージュF1B転換訓練機14機、ミラージュF1C戦闘機121機、ミラージュF1CR偵察機45機、ミラージュ�VＥ戦闘爆撃機45機、ミラージュ�VB/BE練習機15機、ミラージュ�XＦ戦闘爆撃機30機、ミラージュ2000B戦闘機15機、ミラージュ2000C戦闘機60機、ジャギュアＡ戦闘攻撃機57機、ジャギュアＡ練習機２機、ジャギュアＥ練習機20機、アルファジェット練習機106機、DC-8練習機５機、DC-8電子戦機１機、C-130H輸送機３機、C-130H-30輸送機５機、C-135F/FR空中給油機11機、C-160ガブリエルELINT機４機、C-160アスタルト通信機２機、C-160輸送機35機、C-160作戦転換機８機、C-160NG輸送機22機、N-262軽輸送機20機、N-262練習機２機、N-262試験機１機、C-212支援機５機、ファルコン20多用途機15基、ファルコン50多用途機２機、MS-760多用途機25機、DHC-6輸送機10機、EMB-121輸送機６機、EMB-121多用途機２機、EMB-312軽輸送機６機、EMB-312練習機17機、EMB-312多用途機２機、CM-170連絡練習機188機、TB-30練習機98機、CAP-10B/20練習機55機、SA-313ヘリ29機、SA-316ヘリ33機、SA-330ヘリ23機、AS-332ヘリ５機、SA-365ヘリ３機、AS-350ヘリ19機、クロタル地対空ミサイル中隊24個、20mm高射機関砲中隊300個を保有する。戦略部隊はサーブS-3D中距離弾道ミサイル（TN-61核弾頭）18基、ミラージュ�WＰ戦略爆撃機16機（＋保管中２機）、ミラージュ�VＢ訓練機７機、ファルコン20P練習機１機、KC-135F/FR空中給油機11機、C-160空中通信機２機、ミラージュ�WＡ戦略偵察機６機（全て保管中）、ジャギュア攻撃機43機、ミラージュ�VＥ戦闘機15機、ミラージュ2000N戦闘機30機を装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フランス空軍（２０１５年）＞：現役兵力43600名、予備役4750名。年間飛行時間180時間。シラキューズ３通信衛星２基、エリオス2A/2B偵察衛星２基、プレアデス偵察衛星２基、スピラール早期警戒衛星２基、ミラージュ2000-5/2000C戦闘機34機、ミラージュ2000B戦闘機６機、ミラージュ2000D戦闘機58機、ミラージュ2000N戦闘機23機、ラファールＢ戦闘機50機、ラファールＣ戦闘機46機、C-160G電子情報収集機２機、E-3F早期警戒管制機４機、KC-135空中給油機３機、C-135FR空中給油輸送機11機、C-160R空中給油輸送機20機、A400M輸送機７機、C-130H輸送機５機、C-130H-30輸送機９機、C-160輸送機11機、CN-235M-100輸送機19機、CN-235M-300輸送機８機、DHC-6-300輸送機５機、EMB-121輸送機23機、TBM-700輸送機15機、A310-300要人輸送機３機、A330要人輸送機１機、A340-200要人輸送機２機（リース）、ファルコン7X要人輸送機２機、ファルコン900要人輸送機２機、ファルコン2000要人輸送機２機、アルファジェット練習機64機、G120A-F練習機18機、TB-30練習機25機（大部分が保管中）、AS555ヘリ37機、H225Mヘリ11機、AS332Cヘリ３機、AS332Lヘリ４機、AS532ULヘリ３機、SA330Bヘリ22機、Harfang無人機４機、MQ-9A無人機５機、クロタルNG地対空ミサイル12基、SAMP/T地対空ミサイル８基、20mm高射機関砲T2を76基、R-550空対空ミサイル、シュペール530D空対空ミサイル、MICA IR/RF空対空ミサイル、ASMP-A空対地ミサイル、AS-30L空対地ミサイル、アパシュ空対地ミサイル、AASM空対地ミサイル、SCALP EG巡航ミサイル、GBU-12レーザー誘導爆弾を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フランス軍＞：EEZの面積は世界第二位で、太平洋上に点在する自国領に軍を駐留させている。2009年5月、UAEと安全保障協定を締結し、アブダビに常駐基地を建設することとなった。2008年、防衛白書でサイバー戦の脅威を指摘し、サイバー攻撃・防衛戦能力構築計画を打ち出した。2010年11月2日、イギリス軍との軍事協力協定に合意。2011年7月、統合サイバー防衛コンセプトを策定。10月、陸軍と軍医療部隊で使用されていた給与支払いシステムのルーボォワを空海軍でも使うようになったが、大規模なシステム障害が発生して数千名単位の給与遅配・不払いが発生しており、１年経っても解決していない。2014年9月、対イスラム国シャマル作戦を実施。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船4,’10、1,’11、月刊航空ファン1,’15、朝雲

　＜フランス軍（１９８９年）＞：陸海空軍現役兵力466300名（うち徴兵240100名）、動員対象予備役353000名、潜在的予備役1190500名。在外兵力は西ドイツに52700名、機甲師団３個、戦車570両、155mm自走砲150門、対戦車ミサイル180基。ベルリンに2700名、機甲連隊１個、歩兵連隊１個。仏領ギアナに8200名、海兵隊歩兵連隊３個、外人部隊連隊１個、艦艇３隻、アトランティック哨戒機１機、輸送機・輸送ヘリ部隊１個。インド洋のマイヨットとラ・レユニオンに3300名、海兵隊歩兵連隊３個、外人部隊中隊１個、輸送機・輸送ヘリ部隊１個。インド洋派遣艦隊（司令部は洋上）に兵力1500名、フリゲート３隻、哨戒艦４隻、揚陸艦艇１隻、支援艦３隻。ニューカレドニアに9500名、海兵隊歩兵連隊１個、歩兵グループ２個、歩兵中隊３個、輸送機・輸送ヘリ部隊１個、憲兵隊3200名。ポリネシアに5400名、海兵隊連隊１個、外人部隊連隊１個、輸送機・輸送ヘリ部隊１個、憲兵隊。太平洋派遣艦隊（司令部はヌーメア）に1300名、フリゲート３隻、哨戒・沿岸戦闘艦４隻、揚陸艦艇３隻、支援艦艇６隻、ガルデアン哨戒機４機。中央アフリカ共和国に1200名、大隊グループ１個、AML装甲車小隊１個６両、支援中隊（O-1E観測機、120mm迫撃砲、ミラン対戦車ミサイル）、フランス本国からの派遣部隊（AML装甲車大隊１個、AML装甲車中隊１個、歩兵中隊２個、砲兵中隊１個、航空分遣隊１個、航空部隊）。チャドに1700名、歩兵中隊３個、高射砲部隊、航空部隊。ジブチに3650名、海兵隊歩兵連隊１個、外人部隊連隊１個、飛行隊１個（ミラージュ�VＣ戦闘機11機、C-160輸送機１機、アルエート�Uヘリ２機、アルエート�Vヘリ１機）。ガボンに兵力550名、海兵隊歩兵連隊１個、ジャギュア、C-160輸送機１機、アトランティック、アルエート�Vヘリ１機。コートジボアールに920名、海兵隊歩兵連隊１個、AS-350ヘリ１機。セネガルに1150名、海兵隊歩兵連隊１個、アトランティック、輸送機・輸送ヘリ部隊。レバノン（530名）とエジプト（40名）に国連平和維持軍を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フランス軍（２０１５年）＞：現役総兵力208950名（陸軍111650名、海軍36050名、空軍43600名、その他17650名）、予備役27650名（陸軍15400名、海軍4850名、空軍4350名、その他3050名）、フランス憲兵隊（準軍事組織）現役103400名・予備役40000名。アラビア海・アデン湾にシャマル作戦でミサイル駆逐艦１隻、ボスニア・ヘルツェゴビナにアルテア作戦で１名、ブルキナファソにBarkhane作戦で220名、中央アフリカ共和国にSangaris作戦で900名、機械化旅団１個、ヘリ分遣隊１個（AS555ヘリ２機、SA330ヘリ２機）、EUMAM RCA要員20名、MINUSCA要員８名、チャドにBarkhane作戦で1250名、１個機械化歩兵旅団、１個航空ユニット（ラファールF3戦闘機４機、C-130H輸送機１機、C-160輸送機１機、C-135FR輸送機１機）、１個ヘリ分遣隊（H225Mヘリ２機、SA330ヘリ２機）、コート・ジボアールに600名、１個機甲旅団、C-160輸送機１機、AS555ヘリ１機、UNOCI要員４名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員５名、ジブチに1700名、１個海兵機甲連隊戦闘団（偵察隊２個、歩兵中隊２個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個）、１個ヘリ分遣隊（SA330ヘリ４機、SA342ヘリ２機）、LCM１隻、１個戦闘攻撃飛行隊（ミラージュ2000C/D戦闘機７機）、１個輸送機飛行隊（C-160輸送機１機、ファルコン50MI輸送機１機、AS555ヘリ１機、SA330ヘリ２機）、エジプトにMFO要員２名、フランス領ギアナに2100名、外人部隊歩兵連隊１個、海兵歩兵連隊１個、SMA連隊１個、哨戒艇２隻、CN-235M輸送機１機、SA330ヘリ６機、AS555ヘリ３機、憲兵中隊３個、AS350BAヘリ１機、フランス領ポリネシアに900名、SAM中隊１個、海軍司令部、フリゲート１隻、哨戒艇１隻、兵站船３隻、ファルコン200を３機、CN-235Mを３機、AS332ヘリ１機、AS555ヘリ１機、フランス領西インド諸島に1000名、海兵歩兵中隊１個、SMA連隊２個、フリゲート２隻、哨戒艇１隻、LST１隻、海軍基地１箇所、憲兵中隊４個、AS350BAヘリ２機、ガボンに450名、空挺大隊１個、CN-235Mを１機、SA330ヘリ１機、ドイツに2000名、独仏合同機械化旅団１個、ギニア湾にCorymbe作戦でLHD１隻、インド洋に1650名、海兵空挺連隊１個、外人部隊歩兵中隊１個、SMA連隊１個、SMA中隊１個、フリゲート２隻、LST１隻、LCM１隻、海軍司令部１個、海軍基地１個、C-160輸送機２機、AS555ヘリ２機、憲兵中隊５個、SA319ヘリ１機、イラクにシャマル作戦要員95名、ヨルダンにシャマル作戦でミラージュ2000D戦闘機３機とミラージュ2000N戦闘機３機、レバノンにUNIFIL要員825名、歩兵戦闘群１個、ルクレール、AMX-10P、VBCI、VAB、カエサル、AU-F1、ミストラルMANPADS、マリにBarkhane作戦要員1680名、機械化歩兵戦闘群１個、兵站大隊１個、ヘリコプターユニット１個、ティグル２機、AS532ヘリ２機、NH90TTHヘリ２機、SA330ヘリ２機、SA342ヘリ２機、EUTMマリ要員15名、MINUSMA要員24名、地中海にEU NAVFOR MEDでフリゲート１隻、中東にUNTSOオブザーバー１名、モルドバにOSCE要員１名、ニューカレドニアに1400名、海兵機械化歩兵連隊１個、SMA中隊１個、ERC-90F1装甲車６両、フリゲート１隻、哨戒艇１隻、ファルコン200を２機、CN-235MPAを３機、SA330ヘリ４機、AS555ヘリ１機、憲兵中隊４個、AS350BAヘリ２機、ニジェールにBarkhane作戦で350名、ミラージュ2000C戦闘機２機、ミラージュ2000D戦闘機２機、ハーファング無人機２機、MQ-9A無人機３機、北海にミサイル駆逐艦１隻、セネガルに350名、ファルコン50MIを１機、C-160輸送機１機、セルビアにKFOR要員２名、コソボにOSCE要員４名、ウクライナにOSCE要員12名、UAEに750名、外人部隊旅団１個、ラファールF3戦闘機６機、アトランティック２哨戒機１機、KC-135F空中給油輸送機１機、西サハラにMINURSOオブザーバー７名を派遣している。ベルギー軍アルファジェット訓練部隊、アルファジェット練習機28機、ドイツ軍ユーロコープ部隊400名、シンガポール軍M-346訓練部隊１個200名、M-346練習機12機が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フランス憲兵隊＞：Gendarmerie。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フランス憲兵隊（１９８９年）＞：隊員87200名（うち徴兵10100名、文官1000名）、予備役130000名。AML装甲車121両、VBC-90装甲車28両、AMX-VTT装甲兵員輸送車33両、VBRG-170装甲兵員輸送車155両、81mm迫撃砲288門、内海哨戒艇15隻、セスナ206C航空機６機、アルエート�Uヘリ８機、アルエート�Vヘリ12機、AS-350ヘリ22機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜フランス憲兵隊（２０１５年）＞：現役隊員103400名、予備役40000名、VBC-90軽戦車28両、VBRG-170装甲車153両、81mm迫撃砲、哨戒艇39隻、AS350BAヘリ25機、H135ヘリ20機、H145ヘリ15機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フランス第１＞：武装SS第33擲弾兵師団を参照。

＜フランス特殊航空機器研究製作所＞：SFECMASを参照。

＜フランス馬力＞：馬力を参照。

＜フランス陸軍＞：1909年、初めて飛行機を購入。1910年、軍事航空学校を創設。観測に使う砲兵科と偵察などに使う工兵科で別々に航空機を配備したが、後に砲兵科に統一され、航空部隊の主任務は砲兵観測となった。1913年、徹底攻勢主義を採用。第１次大戦ではイギリスとほぼ同時期に戦車を投入。1917年、Mle1917自動小銃を採用。1月、FT17軽戦車の量産を開始。1921年、2C重戦車を配備。1928年、空軍が独立した。1930年代に大規模な装備更新計画を実施し、新型戦車を開発・配備した。1931年、軽機械化師団用装甲車として偵察用装甲車AMR、索敵用装甲車AMD、戦闘用装甲車AMCの開発を開始。1933年、AMR33装甲車を採用。1935年、AMC34装甲車の配備を開始。1936年、H35軽戦車200両を発注。S35騎兵戦車を採用。第２次大戦後、機械化部隊としてタイプ59師団を編成。AMX-13（1952年生産開始）とAMX-VTTを主力とした。1950年代初め、155mm自走砲Mk.F3を配備。1950年、EBR装甲車の量産を開始。1952年、AMX-105Mle50を開発。1956年、AMX-13VCI装甲兵員輸送車を採用。1958年、105m自走榴弾砲Mk61を制式化。1961年、AML装甲車の配備を開始。戦術核兵器の登場に伴い、核戦争遂行能力を持つタイプ67師団を編成した。1966年、AMX-30戦車の量産を開始。MleF3自走砲を実用化。1968年、AMX-13DCA自走対空機関砲の量産を開始。1969年、SA330輸送ヘリの配備を開始。1972年、AMX-10Pの量産を開始。1973年、SA341Fヘリを配備。1977年、FAMAS突撃銃を制式化。ローランド�T／�U地対空ミサイルシステムの導入を開始。1978年9月、SA341M武装ヘリを配備。1979年、AUF1自走榴弾砲を採用。1980年2月、SA342Mヘリを配備。1981年、AMX-10RCの配備を開始。1988年6月、VBL装甲車の引き渡しを開始。1992年、ルクレール戦車の引き渡しが始まった。1998年、軍団レベルに陸上作戦集団を創設。2003年、ティグール攻撃ヘリ、TMD3小型UAVの配備を開始。2008年、軍団を廃止し、師団を全て旅団に改編した。2009年、VBCI-VCI歩兵戦闘車の配備を開始。2016年9月、HK416Fカービン銃を採用。2022年、ジャグア装輪装甲戦闘車の配備を開始。2024年9月8-20日、第６軽機甲旅団がブリュネ・タカモリ24に参加。参考：月刊PANZER5,’79、7,’10、12,’13、6,’18、月刊軍事研究1,’16、3,’16、6,’17、朝雲、陸上自衛隊ホームページ

　＜フランス陸軍（黄作戦時）＞：1940年5月の編成は以下の通り。４個装甲師団、３個軽機械化師団、５個軽騎兵師団、32個独立戦車大隊などからなる。装甲師団は４ないし６個戦車大隊編成で、１個大隊あたり戦車45両が配備されていた。軽機械化師団のうち２個はH35戦車80両、１個はH35戦車60両とH39戦車80両装備である。軽騎兵師団のうち４個にはH35戦車12両、１個にはH39戦車12両が配備された。独立戦車大隊のうち７個はルノーFT17を装備している。参考：月刊PANZER7,’10

　＜フランス陸軍（１９７７年）＞：兵力330000名（うち徴兵214300名）、予備役400000名。S2中距離弾道ミサイル18基、プリュトン24基、ホーク54基、AMX30戦車1060両、AMX13軽戦車1120両、パナールEBR装甲車、AML軽装甲車720両、AMX-10/AMX-VCI装甲兵員輸送車442両、105mm分解式榴弾砲モデル56、155mm榴弾砲、105mm自走榴弾砲、155mm自走榴弾砲、122mm迫撃砲、105mm無反動砲、106mm無反動砲、SS-11/-12対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、エンタック対戦車ミサイル、40mm高射機関砲、30mm自走高射機関砲、固定翼機200機、アルエート�Uヘリ190機、アルエート�Vヘリ72機、SA330ピューマ150機、SA341ガゼル140機を配備する。フランス領ギアナ、西アフリカ、ジブチ、南インド洋、ニューカレドニア、ポリネシア、コートジボアールに海外部隊を派遣している。参考：軍事力バランス78年版

　＜フランス陸軍（１９８９年）＞：兵力292500名（うち徴兵183000名）、動員対象予備役267000名、潜在的予備役915000名。軍１個・軍団３個・機甲師団６個・歩兵師団２個、軍／軍団直轄部隊（装甲偵察連隊３個、特殊作戦連隊１個、パラシュート連隊１個、歩兵連隊２個、重砲兵連隊１個、プリュトン連隊５個、ローランド連隊５個、ホーク連隊３個、戦闘ヘリ連隊３個、工兵連隊５個）、緊急行動部隊、パラシュート師団１個、空中機動海兵師団１個、軽機甲師団１個、山岳師団１個、空中機動師団１個、独立パラシュート連隊１個、独立砲兵連隊６個、独立工兵連隊４個、独立電子戦連隊１個、外人部隊、海兵隊歩兵連隊12個からなる。予備役部隊は歩兵学校と機甲学校の軽機甲師団１個ずつ、地域師団１個、国土防衛軍軍管区６個の防衛地域旅団（機甲連隊１個、歩兵連隊２個。AML-90、ミラン対戦車ミサイル、120mm迫撃砲装備）計６個、軍事地域師団22個。AMX-30戦車1340両（うちAMX-30B2戦車475両）、AMX-13軽戦車230両（うち保管中140両）、AMX-10RC偵察車284両、ERC-90F4偵察車147両、AML-60/-90偵察車640両（＋300両保管中）、VBLM-11偵察車36両、AMX-10P/PC歩兵戦闘車960両、AMX-13VTT装甲兵員輸送車150両、VAB装甲兵員輸送車3125両、105mm砲HM-2を159門、105mm砲AU-50を50門（＋保管中140門）、155mm砲BF-50を130門、155mm砲TR-F-1を12門、155mm砲F-3を205門（＋保管中80門）、AU-F-1自走砲208両、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲RT-F1を370門、120mm迫撃砲M-51を260門（全て保管中）、プリュトン地対地ミサイルランチャー32基、AMX-13/SS-11対戦車ミサイル発射機113基、ミラン対戦車ミサイル発射機1440基、VAB-HOT自走対戦車ミサイル135両、HOT発射機、89mmロケットランチャー11575門、112mmロケット発射機アピラス、20mm高射機関砲53T1を140門、20mm高射機関砲53T3を706門、30mm牽引式高射機関砲390門、AMX-13DCA自走対空機関砲69両、ホーク69基、ローランド�T／�U183基、ミストラル20基、SA-313/-318ヘリ135機、SA-316/-319ヘリ59機、SA-330ヘリ113機、SA-341F/Mヘリ143機（うちHOT搭載12機、機関砲搭載65機、偵察用27機、多用途39機）、SA-342Mヘリ160機（うちHOT搭載144機）、L-19を２機、MH-1521を10機、レイム・セスナ406を２機装備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フランス陸軍（２０１５年）＞：現役兵力111650名（＋特殊部隊2200名）、予備役16000名。連隊や戦闘群は一般にいう大隊規模である。任務部隊司令部２個、偵察旅団（偵察連隊１個、UAV連隊１個、電子戦連隊２個、歩兵大隊１個）１個、第２機甲旅団（機甲連隊２個、機甲歩兵連隊２個、自走砲連隊１個、工兵連隊１個）、第７機甲旅団（機甲連隊１個、機甲歩兵連隊３個、多連装ロケットシステム連隊１個、防空連隊１個、工兵連隊１個）、第３軽機甲旅団（機甲騎兵連隊１個、機甲歩兵連隊１個、機械化歩兵連隊１個、自走砲兵連隊１個、工兵連隊１個）、第６軽機甲旅団（機甲騎兵連隊２個、機械化歩兵連隊２個、自走砲兵連隊１個、工兵連隊１個）、仏独合同機械化旅団（機甲騎兵連隊１個、機械化歩兵連隊１個）、在UAE機械化戦闘群、在ジブチ機械化連隊、在フランス領ギアナ軽連隊２個、在ニューカレドニア軽連隊、在マヨット軽中隊１個、第11空挺旅団（機甲騎兵連隊１個、空挺連隊４個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個、支援連隊１個）、在レユニオン空挺連隊１個、在ガボン空挺大隊１個、第９水陸両用旅団（機甲騎兵連隊１個、機械化歩兵連隊２個、自走砲連隊１個、工兵連隊１個）、第27山岳旅団（機甲騎兵連隊１個、機械化歩兵連隊３個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個）、航空連隊３個、SMA連隊４個（フランス領ギアナ、フランス領西インド諸島、インド洋）、SMA中隊３個（フランス領ポリネシア、インド洋、ニューカレドニア）、CBRN連隊１個、工兵連隊１個、通信旅団１個、兵站旅団１個、訓練連隊３個、特殊部隊連隊２個、特殊部隊航空連隊１個からなる。ルクレール戦車200両、AMX-10RC偵察車248両、ERC-90F4偵察車100両、VAB核生物化学偵察車40両、VBL M-ll偵察車1470両、VBCI歩兵戦闘車630両（VCP歩兵戦闘車110両含む）、BvS-10装甲車53両、VAB装甲車2500両、VAB BOA装甲車60両、VAB NBC装甲車26両、アラビス装甲車14両、バッファロー装甲車４両、155mm自走砲AU-F-1を37両、155mm自走砲カエサル77両、155mm榴弾砲TR-F-1を43両、227mm多連装ロケット発射機M270を13両、81mm迫撃砲LRR、120mm迫撃砲RT-F1を128門、VAB HOT自走対戦車ミサイル30両、VABミラン自走対戦車ミサイル110両、VABエリックス自走対戦車ミサイル185両、ジャベリン対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、PC-6B軽輸送機５機、TBM-700軽輸送機５機、TBM-700B軽輸送機３機、ティグルHAP攻撃ヘリ39機、ティグルHAD攻撃ヘリ12機、AS555UN多用途ヘリ18機、SA341F/342M多用途ヘリ110機、H225M捜索救難ヘリ８機、AS532UL輸送ヘリ26機、TTH90輸送ヘリ15機、SA330輸送ヘリ75機、H120軽輸送ヘリ35機（リース）、SDTIスペルヴェル偵察用無人機20機、ミストラルMANPADS、コブラ・レーダー10基、RASIT/RATACレーダー56機、AMX-30EBG装甲工兵車54両、AMX-30D戦車回収車30両、ルクレールDNG戦車回収車18両、VAB-EHC装甲回収車、EFA戦車橋39両、PTA戦車橋18両、SPRAT戦車橋10両、AMX-30B/B2地雷処理車、ミノトール地雷処理車を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フランス陸軍航空隊＞：第１次大戦時、日本人飛行家８人がパイロットとして従軍し、３人が戦死、３人にレジオン・ド・ヌール勲章が授与されている。1928年にフランス空軍として独立した。参考：朝雲

＜フランセズ＞：銀河シリーズ（陸上爆撃機）を参照。

＜ブランセ・バーブリッジ＞：バーブリッジ（イギリス空軍エース）を参照。

＜ブランタ＞：TAVシリーズ（汎用機）を参照。

＜フランチェスコ・カラッチオロ＞：イタリア海軍フランチェスコ・カラッチオロ級戦艦Francesco Caracciolo。1914年10月起工。1916年3月、資材不足や建造優先順位の関係で工事が中断された。アンサルド社から平甲板型空母への改造案が出されたものの、第１次大戦後の経済危機で費用捻出の見込みが立たず、1919年10月から工事を再開して1920年5月30日に進水にはこぎ着けたが、改造はおろか元の戦艦としての建造費も出せなくなり、アンサルド社が出した改造規模の小さい水上機母艦案も虚しく、10月25日に民間会社に売却された。大型貨物船になる予定だったが、それも中止になり、結局解体されている。参考：月刊丸7,’14

＜フランチェスコ・カラッチオロ級＞：イタリア海軍計画戦艦Francesco Caracciolo級。オーストリア・ハンガリーが建造を計画したモナーク代艦級に対抗して1914年度計画で建造した高速戦艦である。常備排水量34000トン（31400トン？）。主機はギヤード・タービン、出力105000馬力、４軸推進、速力28ノット（30ノット？）。兵装は38.1cm連装砲塔４基、15.2cm砲12門、10.2cm砲８門、45cmまたは53.3cm魚雷発射管８門。装甲厚は水線部300mm、甲板35mm。フランチェスコ・カラッチオロ、クリストフォロ・コロンボ、マーカントニオ・コロナ、フランチェスコ・モロシニの４隻の建造を予定し、1914年に１隻、1915年に３隻が起工されたが、1916年3月に建造中止となり、第１次大戦後にフランチェスコ・カラッチオロのみ進水したが、竣工には至らなかった。参考：月刊丸7,’14、月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史

＜フランチェスコ・ミンベリ＞：D-561（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜フランチェスコ・モロジーニ＞：P431（哨戒艦）を参照。

＜ブランチデヴィディアン事件＞：新興宗教団体ブランチデヴィディアンが大量の武器を隠しているとして、1993年2月18日にテキサス州の捜査当局が強制捜査を行ったところ、信者との間で銃撃戦となり、双方合わせて10人以上が死傷した。そのため、捜査当局が周辺を封鎖、睨み合いが続いていた。4月19日、戦車及び装甲車を先頭にしてFBIが突入を開始、本部の壁や窓を破って催涙ガスを流し込んだ。1307、信者が灯油を撒いて火を付けたため建物の２階など３ヵ所から火の手が上がり、瞬く間に建物は全焼、指導者と信者80人以上が死亡し、生存者は９人のみだった。参考：月刊軍事研究8,’95

＜フランツ・シャール＞：ドイツ空軍エース。当初は対空射撃射手だったが、戦闘機パイロットに転向し、1943-44年に東部戦線で106機を撃墜した。1945年、パーチム空軍基地に緊急着陸した際、滑走路の陥没部分に突っ込んでしまい、死亡した。総撃墜機数133機（レシプロで123機＋Me262で14機の計137機？）。参考：月刊丸12,’10

＜フランティック作戦＞：第２次大戦中の1943年11月末、ルーズベルト大統領とチャーチル首相、スターリン首相がテヘランで会談し、イギリスもしくはイタリアから爆撃機を出撃させ、爆撃終了後にウクライナの航空基地に着陸、再出撃して爆撃を行い、出撃基地に戻るという作戦を行うことになり、本名称が付けられた。これによりドイツ本国や東ヨーロッパ方面への爆撃が行えるようになり、ドイツの迎撃機を分散させる効果も得られる予定だった。ウクライナには６カ所の航空基地を建設する筈だったが、戦闘機用１カ所と爆撃機用２カ所しか整備されず、施設や防空装備も貧弱で、アメリカが夜間戦闘機や高射砲の配備を申し出たがスターリンに蹴られた。1944年4月、米ヨーロッパ航空軍司令部が派遣司令部を創設。P-51、P-38、B-17も各基地に配備された。6月6日、P-51戦闘機42機とB-17爆撃機104機がウクライナから出撃し、ルーマニアのガラチ飛行場を爆撃してウクライナに帰還した。6月11日、P-51戦闘機60機とB-17爆撃機126機がウクライナを出撃し、ルーマニアのフォクサニ飛行場を爆撃してイタリアに着陸した。6月21日、戦闘機167機とB-17爆撃機145機がルール地方の合成石油工場を爆撃してウクライナに着陸したが、He111が送り狼となって追尾しているのに気付かず、政治的理由でアメリカ軍機による基地上空での迎撃戦も許可されておらず、爆撃機基地１カ所がドイツ爆撃機75機の爆撃を受けてB-17爆撃機47機が地上で破壊された。6月22日、ウクライナの戦闘機基地と残る１カ所の爆撃機基地もドイツの空襲を受けたが、機体を避難させていたので難を逃れた。ただし続いて爆撃を受ける危険は残っており、残存機に爆弾を積み込んでポーランドのドロホヴィチ列車操車場を爆撃、イタリアのフォッジァに着陸させた。6月29日、フォッジァからP-51戦闘機70機とB-17爆撃機1300機が出撃、ハンガリーのデブレッセン操車場を爆撃してウクライナに着陸した。7月2日、B-17爆撃機509機と護衛のP-51戦闘機が出撃し、ブダペストを爆撃した。7月5日、B-17爆撃機とB-24爆撃機計172機がイギリスを出撃、ウクライナに着陸し、ウクライナから再出撃してイタリアに着陸、再々出撃してフランスのベジェ操車場を爆撃、イギリスに戻った。アメリカはウクライナにP-61夜間戦闘機を装備する夜間戦闘飛行隊を配備させてほしいと提案したが、スターリンに蹴られたため、爆撃機の常駐計画と出撃を中断した。7月22日、P-51戦闘機58機とP-38戦闘機76機が出撃し、ルーマニアの飛行場を攻撃してウクライナに着陸した。7月25日、P-51戦闘機34機とP-38戦闘機33機がポーランドのミエレツ飛行場を攻撃してウクライナに着陸した。7月26日、P-51戦闘機とP-38戦闘機がウクライナを出撃し、ルーマニアのプロエステ油田を攻撃してイタリアに着陸した。8月4日、イタリアからP-51とP-38計70機が出撃し、ドイツ軍の補給線であるルーマニアのフォクサニを攻撃、ウクライナに着陸した。8月6日、戦闘機60機がウクライナを出撃し、ルーマニアのクラオーバル鉄道操車場とプロエステ油田を攻撃してイタリアに着陸した。フランスに連合軍が航空基地を確保したため、この日で戦闘機による攻撃は終了したが、爆撃機による空襲は再開され、B-17爆撃機75機がポーランドの航空機工場を爆撃してウクライナに着陸した。8月12-13日、イギリス、ウクライナ、イタリア、イギリスの経路でB-17爆撃機が空襲を実施。9月11日、B-17爆撃機75機がイギリスを出撃し、ドイツのケムニッツの製油所を爆撃、ウクライナに着陸した。9月13日、P-51戦闘機64機とB-17爆撃機1173機がイギリス、ウクライナ、イタリアの経路で空襲を行い、ハンガリーのベイヘロフスキーで製鉄所と軍需工場を爆撃した。9月18日、イギリス、ウクライナ、イタリア、イギリスの経路で爆撃機を飛行させ、ワルシャワ蜂起部隊に1148個の支援物資コンテナを投下した。9月19日、ウクライナからP-51戦闘機61機とB-17爆撃機100機が出撃し、ハンガリーのソルノク鉄道操車場を爆撃してイタリアに着陸、9月23日にイギリスに戻った。これが最後の爆撃で、戦局の推移によりこの作戦の価値が低下したため、11月に正式に打ち切られた。アメリカがウクライナから資材を撤収し終わったのは1945年6月である。参考：月刊丸12,’11

＜ブランデンブルク＞：F215（フリゲート）を参照。

＜ブランデンブルク級＞：F123型（フリゲート）を参照。

＜ブランデンブルク級＞：ドイツ海軍前弩級戦艦Brandenburg級。ドイツ海軍初の近代戦艦（前弩級戦艦）である。主砲を３基にした分、副砲が減った。常備排水量10013トン。速力16ノット。兵装は280mm連装砲３基、105mm単装砲６門。クルフュルスト・フリードリッヒ・ヴィルヘルムなど４隻が1893-94年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ブランデンブルク特殊部隊＞：ドイツ第800特殊任務建設教導大隊の別名。ドイツ情報機関アプヴェーアが創設した特殊部隊である。ノルウェー侵攻作戦で初陣を飾り、デンマークでは民間人を装って重要地点の占領任務に就いた。黄作戦ではオランダ軍の制服を着て各地の橋梁の確保を行っている。1940年6月1日、大隊から連隊に拡大されることになった。バルバロッサ作戦時には第17中隊まで編成されており、緒戦では各軍集団に中隊単位で配備され、30-50名単位で行動して橋梁占領任務を行った。装備は冬戦争でソ連軍の兵装を鹵獲したフィンランドから供給されており、ロシア語もペラペラで、疑われることなく任務を遂行している。戦況が悪化するとパルチザン狩りも行った。参考：月刊PANZER12,’11、2,’12

＜ブランド＞：APA-134（攻撃輸送艦）を参照。

＜ブランドＸ＞：特別戦術部隊を参照。

＜ブラントタウハー＞：ドイツ初の国産潜水艦Brandtaucher。ヴィルヘルム・バウアーが設計し、1850年に竣工した。1851年2月1日にキール港で潜航実験中に沈没したが、乗り込んでいた設計者と助手２人は深さ18mの海底から脱出に成功している。1857年に引き揚げられ、ドイツで展示中。参考：Ｕボート入門、月刊世界の艦船9,’12増刊

＜プラントル・グロワート・シンギュラリティ＞：Prandtl-Glauert Singularity。プラントル・グロワート・コンデンセーション・クラウドともいう。音速付近（遷音速）で飛行する航空機の周囲に発生する円盤状−球状の雲で、空気が機体により圧縮され、再膨張する際に断熱膨張で温度が低下し、空気に溶けきれなくなった水蒸気が細かい水滴となり、雲として見える。円錐状の場合はベイパーコーンとも呼ばれる。高気圧・高湿度の海面上などで発生しやすい。参考：飛行機のしくみ、月刊世界の艦船1,’12、月刊JWings7,’22

＜ブランドン＞：710（哨戒艇）を参照。

＜ブランハム＞：L51（駆逐艦）を参照。

＜ブランビー＞：DE-1044（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブランルバー＞：フランス海軍ラ・メルポメーヌ級水雷艇Branlebas。1938年竣工。フランス降伏後はイギリス海軍に接収されたが、1940年に荒天に遭って転覆沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ブランレバス＞：イギリス海軍ポモン級駆逐艦Branlebas。1937年進水。1940年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜フリーヴェフィスケン＞：P550（哨戒艇）を参照。

＜フリーヴェフィスケン級＞：デンマーク海軍哨戒艇Flyvefisken級。スタンダードフレックス（Standardflex、SF）300とも呼ばれ、GFRP製船体に各種モジュールを搭載することで多任務（対水上／対潜戦、機雷戦、哨戒）に対応する。モジュールは長さ3m・幅3.5m・高さ2.5mのコンテナになっており、12.7mm機銃２丁、62口径76mm単装砲１基、ハープーン連装発射筒２基、シースパロー６セル垂直発射機Mk48またはESSM12セル垂直発射機Mk56（2002年から）を１基、533mm魚雷発射管（613型魚雷）２基、機雷投下軌条（機雷60個）などを自由に組み合わせることができる。TMS2640可変深度ソナー、2045型対機雷サイドスキャンソナー、掃海具、予備弾薬、海洋調査機器、オイルフェンスなどもコンテナ式に搭載可能。搭載スペースは前部甲板に１カ所、後部甲板に３カ所である。船体スペースの関係でCIC機能は艦橋にあり、２系統のデータバスを制御する3-6台の標準コンソールが設置されている。バウ・スラスターを持つ。対空・対水上捜索レーダーは1-7番艦が二次元レーダーAWS-6、8-14番艦が小型三次元レーダーTRS-3D/16、対水上レーダーはテルマ・スキャンターMil、航海レーダーはフルノ、射撃指揮方位盤はサーブ9LV Mk3、ソナーはサーブCTS36。全長54m、全幅9m、吃水2.5m、排水量320トン、満載排水量480トン。主機はCODAG方式、MTU16V396TB94ディーゼル２基・LM500ガスタービン１基、３軸推進、最大速力30ノット（35ノット？）。P550フリーヴェフィスケン、P557グレンテンなど14隻が1989-96年に就役した。老朽化に伴い、リトアニア海軍などに転売され、14番艦は水中処分母艇に改造されてY311スルヴェとなっている。参考：月刊軍事研究2,’09、1,’98、3,’02、月刊世界の艦船9,’10、12,’21

＜フリーヴェフィスケン級・海外シリーズ＞

　＜フリーヴェフィスケン級（リトアニア海軍）＞：リトアニア海軍哨戒艇。全長54m、全幅9m、排水量450トン。速力20ノット。兵装は76.2mm砲２門など。ジュマイティス、ドズーカス、アウクシュタイティスが就役した。参考：月刊軍事研究6,’12

＜フリーガーファウスト＞：フリーゲルファウストを参照。

＜フリーガー・ペルツシュティーフ＞：ドイツ空軍が第２次大戦時に使用した、パイロット用ブーツの通称で、飛行士用毛皮靴の意。内側に羊の毛皮が張られているのでこう呼ばれた。靴紐ではなくストラップとジッパーが付いており、位置は内側、外側、両側の３タイプがある。飛行服のズボン裾は中に入れる。大戦中にはだんだん扱いがラフになり、ズボン裾を外に出したり、このブーツではなく乗馬ブーツを履いたりすることもあった。参考：グラフィックアクション36

＜フリークエント・ウインド作戦＞：ベトナム戦争末期の南ベトナム政府崩壊に伴う南ベトナム在住アメリカ人の撤退・救出・支援作戦Operation Frequent Wind。1975年3月10日に北ベトナム軍がサイゴン攻略作戦を開始し、南ベトナムの敗北が必至となったため、アメリカ空軍輸送機・輸送ヘリ及び海兵隊輸送ヘリでサイゴンからアメリカ人とベトナム人を撤収させることになり、1975年4月11日から実施された。旅客機まで総動員して唯一使用可能なサイゴンのタンソンニャット国際空港から５万人が脱出。4月28日、北ベトナム軍が迫ったためタンソンニャット国際空港が使用不能になり、ヘリコプターのみの輸送が開始された。4月29日までにヘリで640回の輸送が行われ、7000人が空母に脱出。一部の南ベトナム軍兵士は自軍のヘリで空母に向かい、中には定員オーバーで海上に不時着したり、機体にぶら下がったものの力尽きて海上に落下したりする兵士もいた。4月29日には南ベトナム空軍パイロットとその家族計７名を乗せた南ベトナム空軍O-1連絡機が空母CV-41ミッドウェイに着艦している。最後には空母上に駐機スペースすら無くなり、へり46機を海上投棄しなければならなかった。この間VF-1とVF-2所属のF-14がCAP任務に就いたが、戦闘は起こっていない。参考：F-14トムキャット、月刊JWings3’,11、月刊丸12,’11、月刊世界の艦船6,’25

＜フリーゲ＞：FuMB7（電波探知機）またはFuMB24（電波探知機）を参照。

＜フリーゲルファウスト＞：ドイツ軍が第２次大戦末期に開発した個人携行地対空ロケット９連装ランチャー。口径20mmのロケットランチャーを９本纏めてあり、20mmカノン砲用焼夷榴弾の底部に固形推進薬を取り付けた簡易ロケット弾を装填、電磁発火式トリガーを引くと４発が射出され、干渉しないように少し遅れて５発が射出され、毎分26000回転して弾道を安定させながら目標に向かう。再装填用に９発一纏めの装弾クリップが用意されていた。最大速度毎秒305m、有効射程450m（低空飛行目標）、最大射程1830m。1945年3月から生産に入り、町工場などで10000基を量産したが、輸送手段が無く、ごく少数のみ前線に配備された。参考：手榴弾・迫撃砲、月刊軍事研究5,’17

＜フリージア＞：K43（コルベット）を参照。

＜フリージング・ウインズ２０２２＞：フィンランド海軍主催多国籍演習Freezing Winds 2022。11月22日から12月2日にバルト海北部で行われ、12カ国から人員5000名と艦艇23隻（オランダ海軍ミサイル・フリゲートF803トロンプ、スウェーデン海軍コルベットK22イェーブレ、デンマーク海軍フリゲートL17エスバーン・スネール、ドイツ海軍支援母艦A512モーゼル、ノルウェー海軍補給艦A530モード、フィンランド海軍掃海艇42ファーターパ、ユルモ型揚陸艇、フランス海軍ミサイル駆逐艦D621シュヴァリエ・ポールなど）が参加し、極寒環境下での対水上戦、対機雷戦、水陸両用戦などを訓練した。参考：月刊世界の艦船2,’23

＜ブリース＞：M111（サンダウン級掃海艇）を参照。

＜ブリーズ＞：ニュージーランド海軍特設掃海艇Breeze。元はニュージーランドのカンタベリー汽船が保有していた沿岸貨物船で、太平洋戦争勃発に伴い徴用した。長さ53.4m、総トン数622トン。主機はディーゼル１基１軸725馬力、速力11ノット。兵装は10.2cm単装砲１門（艦首）、20mm単装機銃４丁、爆雷投下軌条１条。繋維掃海具を装備する。前部マストトップにはランタン対水上レーダーを搭載した。1933年11月進水。1942年3月3日に徴用され、10月24日にニュージーランド海軍に就役した。ソロモン海域で護衛任務を行ったが、船主から返還要請があったため1944年12月8日に解役され、1945年5月に船主に戻された。商船に復帰した後はフィリピンに売却され、1980年代まで使用されたらしい。参考：月刊世界の艦船8,’11

＜フリー・スイマー・シリーズ＞：アメリカ海軍のAUV。1980年代に開発された、実験用の航走体である。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜フリー・スイマー�T型＞：海底敷設パイプラインや海底ケーブルなどを電磁誘導を利用して探査するもの。直径533mmの魚雷型で、魚雷発射管から発射できる。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜フリー・スイマー�U型＞：高速型で、音響ナビゲーションシステムと光ファイバーケーブル・リンクに繋がるドッキング・コネクターを持つ。探査ミッションを行った後、海中のドッキング・ステーションの音響ビーコン信号をナビゲーションシステムによりホーミングし、光リンクのコネクターにドッキングしてステーションにデータを渡す。この時に次の指令を受け取って、そのままミッションに出ることもできる。参考：月刊軍事研究4,’03

＜フリースタイル＞：Yak-141（戦闘機）を参照。

＜ブリースデイル＞：L50（駆逐艦）を参照。

＜プリースト＞：M7シリーズ（自走榴弾砲）を参照。

＜フリーストーン＞：APA-167（攻撃輸送艦）を参照。

＜フリースラント＞：D812（駆逐艦）またはP842（外洋哨戒艦）を参照。

＜フリースラント級＞：オランダ海軍駆逐艦Friesland級。ホラント級の改良型で、船体を大型化し、主機と対空兵装を強化した。全長112.8m（116m？）、満載排水量3070トン。主機はGE製２段減速式蒸気タービン２基、主缶（蒸気温度454℃、圧力１平方センチあたり39.8kg）４基、出力60000馬力、２軸推進、速力36ノット。兵装はボフォース120mm連装砲２基、ボフォース40mm単装機関砲６門、ボフォース375mm対潜ロケット４連装発射機２基、爆雷投下軌条２条。1956-58年にD812フリースラント、D818ロッテルダムなど８隻が就役した。1979-82年に退役し、D812フリースラント以外の７隻はペルーに売却されている。参考：月刊世界の艦船3,'23、12,'21、3,’92増刊

＜フリースラント級・海外シリーズ＞

　＜フリースラント級（ペルー）＞：ペルー海軍駆逐艦で、ボロネシ級ともいう。1980-82年に７隻が引き渡された。近代化改装計画があったが、効果が少ないとみられたため中止になっている。全長116m、幅11.7m、吃水5.2m、基準排水量2497トン、満載排水量3070トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力で、速力36ノット。兵装は120mm連装砲２基、40mm単装機銃４基、375mm４連装対潜ロケット発射機１基、爆雷投下軌条２条。乗員284名。DD-70ボロネシ、DD-71Castilla、DD-72 Guise、DD-76クイノネス、DD-77ヴィラー、DD-78ガルベズ、DD-79ディエズ・カンセコが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’86、ミリタリー・バランス1989-1990

＜プリーター・シリーズ＞：エンブラエル社の中型ビジネスジェットPraetor（古代ローマの執政官）。2018年10月に計画が発表された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings9,’19

　＜プリーター５００＞：レガシー450の改良型。エンジンが胴体後部側面に付くリアジェット機で、翼端にウイングレットを持ち、尾翼はＴ字。計器板はMFD４基（正面に横並び３基、ペデスタル１基）でグラスコクピット化され、機長席にHUDを備える。全長19.68m、全幅21.5m、全高6.42m。エンジンはハニウェル製HTF7500E双発、巡航速度855km、最大速度1015km・マッハ0.83、実用上昇限度13716m、航続距離6019km。ペイロード1.325トン。乗員２名。客席数7-9。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜プリーター６００＞：レガシー500の改良型で、キャビン床下に燃料タンク２基を追加して航続距離を伸ばした。計器はロックウェル・コリンズ製プロライン・フュージョン電子飛行計器システムで、計器板にはカラーMFD４基を備え、機長席にHGS-3500HUDが付く。オプションでHUDにEVS-3000赤外線カメラを使用した強化飛行視野システムEFVSを追加可能。計画発表前の2018年3月31日に原型初号機が初飛行し、2019年4月18日にブラジル民間航空局、5月20日にFAAとEASAの形式証明を取得した。全長20.74m、全幅21.5m、全高6.44m、基本運航自重11.503トン、最大離陸重量19.44トン。翼面積44.9平方メートル。エンジンはハニウェル製HTF7500E（定格出力33.5kN、最大出力33.9kN）双発、巡航速度863km・466ノット、最大速度1015km・マッハ0.83、上昇限度13716m、燃料搭載量7.32トン、航続距離7233km。最大ペイロード1.815トン（1.597トン？）。乗員２名。客席数8-12。2019年6月28日に最初の１機が顧客に引き渡された。参考：月刊JWings9,’19、世界航空機年鑑2018-2019

＜フリー・タービン・エンジン＞：Free turbine engine。ターボプロップ・エンジンの１つで、圧縮機に繋がるタービンの後ろにもう１セットのタービン（フリー・タービン。プロペラ駆動専用タービン）を取り付け、中空のタービン軸にフリー・タービン軸を通し、圧縮機前方の減速装置を介してプロペラを回転させるようにしたもの。参考：航空用語事典増補改訂版

＜フリーダム＞：LCS-1（沿海戦闘艦）を参照。

＜フリーダム＞：シンガポール海軍フィアレス級哨戒艇Freedom。参考：月刊世界の艦船11,’19

＜フリーダム５５０＞：ノースロップ・グラマン社が開発した通信データ変換・中継装置。F-22Aの編隊内データリンクIFDL、F-35の多機能先進データリンクMADL、F-15/F-16のデータリンクからの情報を互いに利用できる形式に変換して中継するものである。グローバルホークへの搭載改修を実施中。参考：月刊JWings11,’17

＜フリーダム級＞：LCS（沿海戦闘艦）を参照。

＜フリーダム・シールド２０２４＞：米韓合同軍事演習で、2024年3月4日から行われた。参考：月刊JWings5,’24

＜フリーダムトレーナー＞：シエラネバダ社とトルコ航空宇宙産業がT-38練習機後継計画に提案した練習機。主翼は高翼配置で、浅い後退角付き。垂直尾翼は双尾翼で、外側に傾けてある。コクピットやセンサーは第５世代戦闘機対応で、操縦装置はフライバイワイヤ、アビオニクスはオープン・アーキテクチャーとした。エンジンはFJ44-4M（推力3600ポンド）双発。乗員２名（タンデム複座）。BTX-1に負けて採用されなかった。参考：月刊軍事研究5,’17、月刊JWings12,’18

＜ブリーチ＞：機関部のこと。

＜ブリーチ・ブロック＞：閉鎖機を参照。

＜ブリーチ・ボルト＞：遊底を参照。

＜フリーデッキ・ランディング＞：ヘリコプターの着艦方式の１つ。飛行甲板にそのまま着艦する。広い飛行甲板を持つ艦船で可能な方法である。参考：艦船メカニズム図鑑

＜フリートウッド＞：L47（スループ）を参照。

＜フリート級＞：アメリカのAAI社が開発したUSV、Fleet級。11mRHIBをベースにしており、フリーダム級LCS用としてアメリカ海軍が2008年5月に２隻を購入した。曳航ソナーを搭載しての対潜任務に就く他、機雷捜索任務、対テロリスト任務もこなすようだ。最大ペイロード2.5トン（1.95トン？）。最大速力35ノット（28ノット？）、作戦可能時間24時間。参考：月刊軍事研究8,’09、8,’10、月刊世界の艦船4,’10

＜フリードリッヒ＞：Bf109F（戦闘機）を参照。

＜フリードリッヒ・イーン＞：Z-14（駆逐艦）を参照。

＜フリードリッヒ・エッコルト＞：Z-16（駆逐艦）を参照。

＜フリードリッヒ・カール・ミューラー＞：ドイツ空軍エース。1943年7月4日、ヴィルデ・ザウ戦法による最初の撃墜を記録した。1944年7月27日、22機夜間撃墜により騎士鉄十字章を受章した。出撃回数52回、総撃墜機数30機。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜フリートリヒ・コールナー＞：コールナー（ドイツ空軍エース）を参照。

＜フリードリヒ・デア・グローセ＞：ドイツ海軍カイザー級戦艦Friedrich der Grosse。1913年竣工。同級の中で本艦のみ後部マストの近くに後部艦橋（司令部施設）を持つ。1月から大海艦隊旗艦となった。1916年5月31日、ドイツ大海艦隊旗艦として大海艦隊司令長官シェーア中将が座乗しジュットランド沖海戦に参加。第１次大戦終結後にスカパフローに集められ、抑留された。1919年6月21日、スカパフローのイギリス艦隊が水雷教練に出動した隙に、ドイツ艦隊司令官の「状態Ｚとなせ」の指令の下、自沈した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’16

＜フリーハンド＞：Yak-36（VTOL機）を参照。

＜フリープ＞：XV-8（STOL実験機）を参照。

＜フリープ＞：オーストラリア陸軍試作特殊車両Fleep（Flying Jeepの略）。日本陸軍のポートモレスビー攻略作戦を受け、ジープをニューギニアのジャングルに精密降下できるよう改造したもので、1943年3月にスカイワーズ計画の名称で開発が開始された。ジープに骨組みと外板を取り付けて飛行に適した形状とし、シェルバC.30Aオートジャイロのローター部分をルーフに装着、機体後部に水平尾翼と尾部にラダーを取り付けてある。水平尾翼端には垂直安定板が装備された。機首に長さ100m・直径17.5mmのケーブルを取り付けてC-47で牽引し、目標上空で切り離された後は運転手が操縦して目的地にピンポイント降下する予定だったが、モックアップが完成したところで戦局の推移から不必要になり、開発中止となった。参考：月刊丸2,’12

＜ブリーマン＞：DE-104（護衛駆逐艦）を参照。

＜フリーマントル＞：オーストラリア海軍フリーマントル級哨戒艇Fremantle。1980年就役。参考：月刊世界の艦船6,’05

＜フリーマントル級＞：オーストラリア海軍哨戒艇Fremantle級。設計はイギリスのブルク・マリーン社が行い、最初の１隻はイギリスで、残りはオーストラリアで建造された。全長41.8m、満載排水量245トン。主機はディーゼルで、出力6140馬力、２軸推進（就役当初は３軸だったが、後に中央機と中央軸を撤去）、速力30ノット。兵装は40mm単装機関砲１丁、81mm迫撃砲１門、12.7mm機銃３丁（うち１丁は迫撃砲と同一砲架に装備）。1980-84年にフリーマントル、グラッドストーンなど15隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’05、11,’00

＜ブリーム＞：SS-243（潜水艦）を参照。

＜ブリーランド＞：FF-1068（フリゲート）を参照。

＜ブリーン＞：L47（駆逐艦）を参照。

＜プリヴィト＞：K291（改フラワー級コルベット）またはPG-96（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜プリエーゼ式水雷防御装置＞：イタリア海軍の水中防御装置。ウンベルト・プリエーゼ海軍造船技官が考案し、第２次大戦直前に採用した。液体層に囲まれた円筒状の構造物を船体水線下両舷内部に装着するもので、魚雷などの水中爆発による爆圧を吸収し、孔が開いて浸水した場合にはその水を反対舷に送り込む事で船体の傾斜を防止する。実用試験では上手く作動したが、実戦でどの程度効果があったかは不明で、普通の多層式水雷防御にした方が良かったといわれる。参考：月刊世界の艦船11,'20、近代戦艦史

＜ブリオニー＞：K192（コルベット）を参照。

＜ブリカ＞：ガーナ海軍スネーク級哨戒艇Blika。参考：月刊世界の艦船2,’12

＜ブリガンドＭｋ．�T＞：イギリス空軍の双発雷撃機Brigand。ブリストル社がボーファイターの後継として製作し、1944年12月4日に初飛行した。就役は第２次大戦終結後。全長14.15m、全幅22.05m、全備重量11.89トン。エンジンはブリストル社製セントーラス57（1470馬力）双発で、最大速度576km、実用上昇限度7920m、航続距離4500km。固定武装は20mm機関砲４門で、爆弾・ロケット弾など0.9トンを搭載できる。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブリガンド級＞：イギリス海軍艦隊曳船Brigand級。全長53m、基準排水量840トン。速力15.5ノット。兵装は7.6cm砲１門。1930年代後期から1940年代初めに５隻が建造された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ブリキ缶＞：駆逐艦を参照。

＜フリクションディスク・ダンパー＞：ショック・アブソーバーの１つ。皿バネを何枚も縦に並べており、互いの摩擦により衝撃を吸収する。構造が単純で、メンテナンスが楽。参考：月刊グランドパワー2,’05

＜フリゲート＞：Frigate。古代地中海で運用されていた小型快速のガレー船（櫂でこぐ）が、帆船のカラック・ガレオンに発展、更に櫂＋帆船のガレアスになり、16-17世紀に３本マストの快速船が登場した。これが最初のフリゲートで、イタリアではフレガータ（Fregata）と称している。同じ頃、フランスでは２層甲板艦のうち、波を被ると使用不能になる下の甲板には砲を搭載せず、上の甲板にのみ砲を積んだものをフレガット（Frégate）と称して使用した。イギリス海軍初のフリゲートは1646年に進水したコンスタント・ワーウィックで、フランスの私掠船をベースに製作されたという。1740年代のイギリス海軍では戦列艦とフリゲートの区別をしておらず、砲門数のみで1-6等に分けており、20-31門の砲を搭載する５等艦・６等艦がフリゲートに相当する艦だった。速力が速く、商船攻撃や偵察に使用されていた。アメリカでは海軍創設時にフリゲート６隻を建造している。19世紀には帆船から汽船に変更され、外輪船を経てスクリュー推進船が登場し、装甲化もされて高速重武装の最強戦闘艦となったが、フリゲートより重武装の戦艦や高速の巡洋艦が出現すると、19世紀後半にはクルーザー（商船護衛に使用しない艦）のカテゴリーに入り、更にクルーザー（巡洋艦）と紛らわしいのでコルベット・砲艦・海防艦に分けられ、フリゲートという名称が一時消滅した。第２次大戦において、イギリスがリバー級護衛艦を建造した際に、フラワー級コルベットよりも大型の艦ということでフリゲートの名称を復活させた。主任務は船団護衛である。アメリカも同クラスのタコマ級をパトロール・フリゲートと名付けて建造。日本海軍はフリゲートという名称は使用しなかったが、クラス的には丁型駆逐艦がこれに当たる。第２次大戦終結後は潜水艦が高速化したために対潜護衛任務を駆逐艦に譲ったが、高価になる傾向のあった汎用駆逐艦を補佐する安価な戦闘艦として建造が続けられた。アメリカは1954年に大型の嚮同駆逐艦をフリゲートに分類し、続いてフランスも6000トンクラスの駆逐艦をフリゲートに分類したため、駆逐艦より一回り小型の2000-3000トン級航洋型対潜艦をフリゲートとするイギリスなどと、名称は同じでも中身が違う状況になった。アメリカは1975年に分類を他のNATO諸国に合わせる形で変更、従来のフリゲートは巡洋艦及び駆逐艦とし、パトロール・フリゲート及び護衛駆逐艦をフリゲートに分類し直している。これにより、大半の国では高速で駆逐艦よりも小さく（排水量1000-4000トン）、艦隊護衛任務やシーレーン防衛任務に就く戦闘艦という感じになったが、相変わらずフランスでは駆逐艦より大型の軍艦をフリゲートに分類し続けた。冷戦終結後はどんどん大型化・多任務化し、台湾海軍ギアリング級駆逐艦が満載排水量3500トンに対し、スペイン海軍F100級フリゲートが5900トン、ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級フリゲートが5100トン、イギリス海軍26型フリゲートが6900トン、ドイツ海軍MKS180型／F126型フリゲートに至っては9000トン（もしかしたら10000トン超えで巡洋艦を凌ぐかも）だったりするので、配備している国がフリゲートと言っているのがフリゲート、としか言いようがない。2022年に就役した海自初のフリゲートであるもがみ型は基準排水量3900トンである。参考：月刊世界の艦船9,’96、12,’10、2,'21、12,'21、巡洋艦入門、月刊JWings2,’00、月刊軍事研究9,’04、海上自衛隊全艦艇史、日本の防衛戦力Part3

＜フリゲート（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍では創設直後に帆走フリゲート６隻を建造して主力艦とした。1853年にペリー提督が乗艦して浦賀に来たのは外輪・帆走併用のフリゲートである。19世紀後半に一旦艦種が消滅したが、1943年4月にアッシュビル級コルベットがパトロール・フリゲートに艦種変更されてフリゲートが復活した。艦種記号はPFである。主任務は対潜護衛だった。1943-44年、タコマ級フリゲート96隻が就役。第２次大戦後は対潜部隊や空母直衛部隊の旗艦をフリゲート（艦種記号DL）に類別し、1953年にノーフォーク級フリゲート１隻が就役した。1953-54年、ミッチャー級フリゲート４隻が就役。1960年前後にミサイル・フリゲートの艦種が創設された。1975年6月30日、従来のフリゲートは巡洋艦または駆逐艦に類別変更され、従来の護衛艦（艦種記号DE）がフリゲート（艦種記号FF）に変更された。これに伴い、ノックス級がフリゲートに類別変更されている。1995年にノックス級が退役するとフリゲートが無くなり、2015年にオリヴァー・ハザード・ペリー級が退役するとミサイル・フリゲートも消滅したが、沿海戦闘艦LCSの代替となるコンステレーション級ミサイル・フリゲートを建造中である。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船12,'22、2,’21

＜フリゲート（イギリス海軍）＞：イギリス海軍は1877年にフリゲートを巡洋艦に改称し、艦種が消滅したが、第２次大戦時に対潜護衛を主任務とする艦としてフリゲートの名称を復活させた。1943-44年、コロニー級21隻とキャプテン級78隻が竣工。第２次大戦後もソ連潜水艦からの護衛を主任務とするフリゲートを整備した。1956-58年、12型ホイッドビー級６隻と14型ブラックウッド級12隻が就役。対空フリゲートの41型レオパルド級と61型ソールズベリー級も建造したが、カウンティ級ミサイル駆逐艦誕生後は艦隊防空を主任務とする艦を駆逐艦に類別している。1960-61年、ロスシー級９隻が就役。1961-64年、トライバル級７隻が就役。1963-73年、12I型リアンダー級26隻が就役。1974-78年、21型フリゲート８隻が就役。1979-90年、22型フリゲート14隻が就役。1990-2002年、23型フリゲート16隻が竣工。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船3,’92増刊、2,’21、12,’22

＜ブリザ＞：M-28シリーズ（輸送機）を参照。

＜プリザーヴァー＞：カナダ海軍プロテクター級補給艦２番艦Preserver。1970年7月就役。2012年9月17-28日、ユニタス2012演習に参加。2015年に退役予定。参考：月刊世界の艦船12,’12、7,’15

＜フリザンテマ＞：9K123（対戦車ミサイルシステム）を参照。

＜フリザンテマ＞：KBM工学設計局が中心となって開発したBMP-3ベースの対戦車ミサイル車両。試作車は1990年に完成した。BMP-3の砲塔と車体銃を外し、車体前部右に起倒式の9M123コンコース対戦車ミサイル連装ランチャーを搭載する。乗員は車長兼射手と操縦手の２名。車体後部に予備ミサイル15発を搭載する。誘導方式はミリ波レーダーとレーザーの２種類で、前者の場合はランチャー左にレーダー照射器を、後者の場合は車体前部左側面にレーザー照射器を搭載している。試作のみで生産はされていないようだ。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜フリザンテマＳ＞：ロシア陸軍の自走対戦車システム9P157-2 Khrisantema S。BMP-3の砲塔と車体銃を外して車体上面中央に9K123フリザンテマ対戦車ミサイル連装発射機を搭載し、即応弾２発と自動装填装置内に予備弾15発を収容する。弾頭はタンデム式HEATとHE弾片化弾頭の２種（9M123タンデム式HEATと9M123F燃料気化弾頭の２種？）がある。誘導方式はミリ波レーダーの自動式と、レーザーの半自動式の２種。射程6000m。参考：月刊軍事研究7,’03、2,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

＜フリザンテマＳ海外シリーズ＞

　＜フリザンテマＳ（リビア）＞：2011年9月に３両、2013年9月24日に10両が引き渡されたことが明らかとなった。参考：月刊軍事研究2,’14

＜フリジアン・フラッグ＞：オランダで実施されるNATO年次演習「フリースランドの旗」。参考：月刊JWings8,’12、7,’10

　＜フリジアン・フラッグ２０１０＞：2010年4月12-23日に実施された。７カ国から54機が参加したが、4月14日のエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山噴火で火山灰がオランダ上空を覆い、風向きの変わった21日まで訓練が行えなかった。参考：月刊JWings7,’10

　＜フリジアン・フラッグ２０１１＞：リビア内戦への介入の関係で中止された。参考：月刊JWings8,’12

　＜フリジアン・フラッグ２０１２＞：2012年4月16-27日、オランダのレーワルデン航空基地と周辺空域で開催された。参加したのはNATO軍E-3A、在英アメリカ空軍F-15C、イギリス空軍EF2000、オランダ空軍F-16AM、KDC-10、フォッカー50、AB-412、スウェーデン空軍JAS39、ドイツ空軍EF2000、ノルウェー空軍F-16AM、ベルギー空軍F-16AM/BM、フィンランド空軍F/A-18C、ポーランド空軍F-16C/D。参考：月刊JWings8,’12

＜フリジアン・フラッグ２０１８＞：2018年4月9-20日にレーワルデン基地で行われ、オランダ空軍F-16戦闘機、アメリカ空軍F-15C/D戦闘機、スペイン空軍C.15/CE.15戦闘機、ドイツ空軍ユーロファイター、フランス空軍ラファールＢ戦闘機、ラファールＣ戦闘機、ミラージュ2000戦闘機、E-3F早期警戒管制機、ポーランド空軍MiG-29A戦闘機、F-16C/Dブロック52戦闘機、NATO軍E-3A早期警戒管制機、ディスカバリー・エアディフェンス社A-4攻撃機などが参加した。参考：月刊航空ファン8,’18

＜ブリジェット＞：A323（曳船）またはDE-1024（護衛駆逐艦）を参照。

＜フリシンゲン＞：M840（掃海艦）を参照。

＜フリシンゲン級＞：オランダ海軍掃海艦Vlissingen級。トリパルタイト級の後継で、ベルギー海軍オーステンデ級掃海艦のオランダ海軍版であり、両海軍で計12隻を調達し、KERSHI社で建造する。MIDS無人掃海システムとスケルダーV-200無人ヘリを運用しての機雷捜索・掃討が主任務である。船型は長船首楼型。上構02甲板レベルに艦橋があり、艦橋後方上面にタワーマストを持つ。上構後部03甲板レベルがヘリ甲板で、その下が３層ぶち抜き（床が第１甲板）のUSV・UUV搭載スペースになっていて、側壁シャッターを上に開いてネイヴァル・グループ／ECAグループ製LARS（Launch and Recovery System）無人水上艇発進・揚収システム用クレーンをせり出し、USVを揚収する。全長82.6m、幅17m、満載排水量2800トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、速力15.3ノット、航続距離3500海里以上。兵装は40mm単装機関砲１門。スケルダーV-200無人ヘリ、インスペクター125機雷捜索・掃討用USV、A-18M機雷捜索UUV、T18-M曳航ソナー、SEASCAN機雷識別用UUV、K-STER機雷掃討用UUVを運用可能。乗員33名（最小）／63名。１番艦M840フリシンゲンは2022年6月に起工された。２番艦はスヘーヴェニンゲン（Scheveningen）。参考：月刊世界の艦船9,’23、5,’24、10,’24

＜ブリスカヴィカ＞：ポーランド海軍グロム級駆逐艦２番艦Błyskawica。1937年11月就役。1944年6月、ブルターニュ沖海戦に参加。1976年5月からグディニア海軍博物館で記念艦として展示されている。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ブリスク＞：PG-89（コルベット）を参照。

＜ブリスコー＞：APA-65（攻撃輸送艦）またはDD-977（駆逐艦）を参照。

＜ブリスター＞：DE-327（護衛駆逐艦）またはバルジを参照。

＜ブリスター＞：直訳すれば水疱。ガラス張り涙滴状機銃座のことである。参考：月刊航空ファン9,’17

＜ブリストル＞：D23（ブリストル級駆逐艦）またはDD-453（リバモア級駆逐艦）またはDD-857（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）を参照。

＜ブリストル１４８＞：イギリス軍の試作直協機で、1937年に初飛行したが、低翼式だったので下方視界が悪く、爆弾搭載方式も面倒で、ライサンダーに負けて採用されなかった。全長9.2m、全幅12.2m、全備重量2.4トン。エンジンはブリストル・マーキュリー９（880馬力）単発で、最大速度409km、実用上昇限度9500m。固定武装は7.7mm機銃３丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブリストル１７１＞：シカモア（ヘリ）を参照。

＜ブリストル１７３＞：ベルヴェディア・シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ブリストル１８８＞：イギリスの超音速持続飛行実験機。1952年にイギリス供給省がマッハ２で持続飛行できる研究機を要求、これに応じて製作したものである。機体はステンレススチールにして超音速時の耐熱を確保、細長い機体に小さな主翼を持ち、主翼の半ばに細長いデハビラント社製ジャイロン・ジュニアエンジンを搭載する。尾翼はＴ字で、F-104を更に細長くしてエンジンを主翼にくっつけた、という感じである。1960年5月に完成し、1962年4月に初飛行、２機が製作された。しかしエンジンの燃費が悪い上に推力が足らず、最大速度がマッハ1.88しか出ない上に２分しか超音速を維持できず、1964年に試験飛行は打ち切られた。参考：月刊JWings10,’04

＜ブリストル１９２＞：ベルヴェディアHC.1（ヘリコプター）を参照。

＜ブリストル・エアクラフト社＞：イギリスの航空機会社。1958年7月、ブリストル192ベルヴェディア・ヘリが初飛行。1960年3月、ヘリ事業部がウエストランド社に統合され、ベルヴェディアの開発もそちらに移った。参考：月刊JWings4,’20

＜ブリストル・カウンティ＞：LST-1198（戦車揚陸艦）を参照。

＜ブリストル級＞：リバモア級（駆逐艦）を参照。

＜ブリストル級＞：イギリス海軍巡洋艦Bristol級。偵察巡洋艦の火力・航洋力強化型で、軽巡洋艦の嚆矢である。常備排水量4800トン。速力25ノット。兵装は152mm単装砲２門、102mm単装砲10門。グロスターなど５隻が1910-12年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ブリストル級＞：イギリス海軍ミサイル駆逐艦82型Bristol級。当時計画されていた空母CVA-01の直衛艦として建造された大型駆逐艦である。後部煙突が左右に分かれているため、３本煙突となっている。戦闘システムはADAWS Mk2。艦橋前方と後部煙突後方に909型SAM管制レーダーを収容した大型レドームを持ち、全周をカバーしている。全長154.5m（149.3m？）、幅16.8m、吃水5.2m、基準排水量6100トン、満載排水量7700トン。主機はCOSAG方式、蒸気タービン＋オリンパス・ガスタービン３基（44000馬力）、出力60000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装はシーダート連装発射機１基（艦後部）、アイカラ単装発射機１基（主砲後方）、114mm単装砲Mk8が１門（前甲板）、30mm連装機関砲２基、20mm単装機関砲４門。ヘリ１機を搭載可能。４隻を建造する予定だったが、高価だったことに加えて1966年に空母開発が中止されてしまい、1973年にD23ブリストルが就役したのみに止まった。オランダと共同開発するCF299レーダーの実験にも使用される予定だったが、レーダーが開発費高騰で計画中止となったため、搭載されていない。2020年に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’05、10,’11、5,’86、5,’83、12,'21、12,’17

＜ブリストル・シドレー社＞：アームストロング・シドレー社とブリストル・エンジン社が1959年に合併して創設された。1960年、ブラックバーン飛行機＆発動機社のエンジン部門を吸収した。参考：月刊JWings5,’18、6,’18

＜ブリスベーン＞：41（パース級ミサイル駆逐艦）または41（ホバート級イージス艦）を参照。

＜ブリスベーン＞：オーストラリア海軍チャタム級軽巡洋艦３番艦Brisbane。1916年竣工。1917年、7.6cm単装高角砲１門を搭載した。1935年9月退役。1936年6月、除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜プリズム＞：NSAが開発したインターネット個人情報追跡プログラムPRISM。ターゲットのIPアドレスを入力すると、マイクロソフト、アップル、グーグル、ヤフー、フェイスブック、スカイプ、ユーチューブ、パルトーク、アメリカ・オンラインのサーバーに自動的にアクセスし、ターゲットのネット活動データ（ネット通話時間、端末情報、電子メール、チャット、ファイル転送履歴、登録情報など）を収集する。これらの情報はX KEY SCOREと呼ばれる自動整理プログラム・検索エンジンに纏められ、メールアドレスなどを入力すればネットの検索履歴やアクセスサイト、メールなどがずらりと出てくる。対テロ用だが、NSA職員が個人的に情報が欲しい場合との区別はザルらしい。通信が同軸ケーブルに電流を流す方式から光ファイバー方式に移行するに伴い、アイヴィー・ベルのような電磁誘導を使用する盗聴が行えなくなったことから開発され、2007年頃から稼働しているとみられる。スノーデン氏が存在を暴露し、各企業のサーバーにNSAがバックドアを設けていたとしたが、アメリカ政府や各企業は全否定し、外国諜報監視裁判所（秘密裁判所）の許可を得てNSAが発行する国家安全保証書簡に基づいて情報を提供していると主張した。ただ外国諜報監視裁判所の許可自体が無制限に行われているので、事実上同じ感じである。また、スノーデン氏はアメリカ国民も対象にしているとしたが、アメリカ政府は国外に限定していると主張する。参考：月刊軍事研究9,’13、11,’13

＜プリズム２００＞：イギリスのケンブリッジ・コンサルタント社が開発した壁面透視レーダー。1.6-2.2GHzの電波を使用し、解像度0.3m、20m先までの人間を探知して二次元もしくは三次元ディスプレイに表示する。高さ4.5m、幅0.305m、厚さ0.21m、重量5.7kg。参考：月刊軍事研究2,’10

＜プリズム式双眼鏡＞：内部に２個のプリズムレンズを入れて光線を1.5往復させ、３倍の筒長を持つ望遠鏡と同じ性能を持たせた双眼鏡。高性能だが重くなる。参考：日本陸軍兵器資料集

＜プリズム爆弾＞：SB800RSを参照。

＜ブリタニア＞：A00（王室ヨット）を参照。

＜ブリタニア級＞：イギリス海軍王室ヨットBritannia級。有事には病院船として使用可能。全長125.7m、幅16.8m、吃水5.2m、満載排水量4961トン。主機は蒸気タービンで、出力12000馬力、速力21ノット。A00ブリタニアが1954年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜プリチェット＞：DD-561（駆逐艦）を参照。

＜プリチェット弾＞：イギリス軍がエンフィールドP1853前装式ライフル銃用として1853年に制式採用した弾丸。弾底部に栓の無いミニェー弾で、発射薬の圧力だけで底部が広がってライフリングに喰い込むようにしてある。参考：月刊軍事研究7,’15

＜フリチョフ・ナンセン＞：F310（フリゲート）を参照。

＜フリチョフ・ナンセン級＞：ノルウェー海軍イージス・フリゲート、F310型（F85型？）Fridtjof Nansen級。アメリカ、海自、スペインに次いで採用したイージスシステム搭載艦で、F100アルヴァロ・デ・バサン級を導入して改良を施したものである。オスロ級フリゲートの後継として1997年3月から計画され、スペインのイサル社（バサン社を経て現ナヴァンティア社）の案が2000年3月に採用された。主任務は対潜水艦戦で、それなりの対空戦能力も持たせた多目的フリゲートにするということでイージスシステムを積んだ。船体はステルス性を考慮しており、甲板は５層で、13の水密隔壁を持ち、首尾線方向にボックス・ガーダーを採用して防御力を強化した。錨は船体内引き込み式で、係留装置も艦内に置いてステルス性を高めた。上部構造物は船体と同じ幅で、航海艦橋後方に太い８角多角柱マストが載っている。煙突は２本で、前部煙突は前後上構間にあり、AN/SPY-1Fレーダー塔とは一体化しておらず、間に艦対艦ミサイル発射筒を挟んでいる。前部煙突両側に内火艇が搭載されているが、剥き出しになっているので、ここはステルス性に欠ける。艦首下部にソナードームを持ち、その後方に引き込み式のバウ・スラスター（1360馬力・1MW）１基を装備する。船体安定用アクティブ・フィン・スタビライザーも装着されている。各種センサーと搭載兵器はイージスシステムにノルウェーのコングスベルグ社製MSI-2005F対艦・対潜システムを組み込んだIWS（Integrated Weapon System、統合武器システム）により管制され、コンピュータはAN/UYK-43が３基とAN/UYK-44で、CICにはコングスベルグ社製SC3100/SC3200オペレーターコンソールが装備されている。対空レーダーはSPY-1Dの縮小版SPY-1Fで、８面多角柱マストの斜め４面にアンテナを装備する。対水上レーダーはリットン・マリーン・システムズ社製RSR-210Nレーダー（使用周波数Ｓバンド）１基（８面マスト上面前部）、航海レーダーは同社製Ｘバンドレーダー２基で、コングスベルグ・マリタイム社製のIBS（統合艦橋システム）にデータを送り、ジャイロコンパスやGPS受信機のデータと統合され、電子海図装置、操舵装置などに出力される。敵味方識別装置はMk12。ESSMによるポイント・ディフェンス能力を持ち、誘導用としてMk82連続波イルミネーター（使用周波数Ｘバンド。８面マスト前方と後部上構上）２基を装備している。光学電子センサーとして、サジェム社製VIGY20（赤外線暗視、レーザー測距、砲管制が可能）を１基搭載。CS-3701コンドルESM/RWR（マストトップ）、タレス社製MRS2000スフェリオン艦首ソナー（作動周波数5-8kHz）、タレス社製UMS4229CAPTAS Mk2(V)1低周波アクティブ・パッシブ曳航ソナー（作動周波数1-2kHz）を装備する。データリンクはリンク11で、将来的にリンク16やリンク22の搭載も考慮されている。全長133.25m（132m？）、幅16.8m、吃水4.9m、基準排水量4681トン、満載排水量5375トン（5121トン？）。主機はCODAG方式（ディーゼル１基、ディーゼル２基、ガスタービン２基、CODAGの４方式が可能）、バサン社製BRAVO12Vディーゼル（6120馬力・4.5MW）２基・GE社製LM2500ガスタービン（26112馬力・21.5MW）１基、出力38352馬力、５翅可変ピッチプロペラ（直径4.2m）２軸推進、巡航速力18ノット、最大速力26ノット、航続距離は16ノットで4500海里。艦内電源用にMTU製12V396ディーゼル発電機（出力0.9MW）４基を搭載。兵装はステルス・シールド付62口径76mmスーパーラピッド単装砲１門、発展型シースパロー用Mk41VLS８セル（1-4番艦、主砲後方右舷寄り。Mk25キャニスターを使用し、装填数32発。左舷寄りにもう８セル32発追加可能）／16セル（５番艦、主砲後方。64発）、NSM対艦ミサイル４連装発射筒２基（８面マスト後方。2009年に搭載）、324mm短魚雷連装発射管（固定式、上下積み）２基（スティング・レイMod1短魚雷）、爆雷、12.7mm遠隔操作機銃シー・プロテクター２丁（後に２丁を追加装備）。ヘリ格納庫上には70口径40mm機関砲の装備スペースが用意されている。CIWSは搭載されていない。パッシブ防御システムはデルマ社製SKWS（ソフトキル武器システム）で、DL-12Tデコイ発射機２基及びロキ対魚雷デコイを装備する。NH-90対潜ヘリコプター（FLASHディッピングソナー装備）１機を搭載できる。乗員120名（130名？）＋予備居住区26名分。2006-11年にF310フリチョフ・ナンセン、F311ロアール・アムンゼン、F312オットー・スヴェルドルップ、F313ヘルゲ・イングスタッド、F314トール・ヘイエルダールの５隻が就役した。参考：月刊軍事研究6,’07、1,’98、9,’04、2,’07、4,’07、日米イージス艦とミサイル防衛、JShips Vol.20、月刊世界の艦船12,’19、11,'24、9,’16、8,’13、3,’14、3,’10、10,’11、1,'15増刊

＜フリッカー＞：イスラエルのラファエル・アドバンス・ディフェンス・システムズ社が開発中のヘリコプター用アクティブ防御システムFliker。ロケット弾や携SAMを探知するとインターセプターを発射、インターセプターはヘリから十分に離れた位置で炸裂して爆発ロッドを撒布し、ロケット弾やミサイルを叩き落とす。参考：月刊軍事研究10,’12

＜フリック・ラミング＞：FH70（榴弾砲）を参照。

＜ブリッジ＞：AOE-10（高速戦闘支援艦）またはT-AOE-10（高速戦闘支援艦）または艦橋を参照。

＜ブリッジウォーター＞：L01（スループ）を参照。

＜ブリッジウォーター級＞：イギリス海軍護衛スループ、Bridgewater級。全長81.1m、幅10.4m、吃水2.5m（L32とL34は2.7m）、基準排水量1045トン（L32は1105トン、L34は1060トン）。主機は蒸気タービンで、出力2000馬力、速力16ノット。兵装は10.2cm単装砲２門。L01ブリッジウォーター、L12サンドイッチ、L15フォーリー、L22フォークストーン、L25スカボロー、L27ヘイスティングス、L28ペンザンス、L32ショアハム、L34ファルマウス、L43バイドフォード、L50ロチェスター、L51ミルフォード、L72ウェストン、L84ダンディーなどが竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ブリッジの戦い＞：湾岸戦争時の1990年8月2日0030、クウェート陸軍第35シャヒード機甲旅団に、気球を使用した早期警戒レーダーがイラク軍の越境を探知したという連絡が入った。警戒態勢を解いていた機甲旅団は戦力の集結に手間取り、0600にチーフテン戦車37両、装甲車８両、M109自走榴弾砲７両などで出撃、途中で戦車１両が故障したものの、残りはジャハラ西部の６号環状線立体交差付近に布陣した。0645、ハムラビ戦車師団主力が北から接近してきたため、第７戦車大隊のチーフテン26両と第８戦車大隊第３中隊のチーフテン７両が側面から次々と射撃を行い、遮二無二前進してくるイラク軍機甲部隊を壊滅させ、歩兵部隊は第51砲兵大隊のM109 で沈黙させた。1100頃には西側からメディナ戦車師団が接近してきたため、再び立体交差付近で待ち伏せ攻撃を行い、サレム航空基地のA-4攻撃機と共同で大損害を与えた。しかし戦力差は如何ともし難く、包囲される恐れが出てきたため、シャヒード機甲旅団は南に離脱、サウジアラビアに脱出した。参考：月刊軍事研究4,’08

＜ブリッジポート＞：CA-127（重巡）またはPF-58（タコマ級パトロールフリゲート）を参照。

＜ブリッジマスター�U＞：デッカ社が開発した航海用兼ヘリコプター管制レーダーで、近距離目標捜索探知にも使用される。使用周波数はＸバンド。参考：月刊軍事研究12,’08

＜フリッシュ＝パイエルス覚書＞：世界初の原子爆弾に関する理論報告書。1940年1月にイギリスのバーミンガム大学物理学教室の助手、オットー・フリッシュとルドルフ・パイエルスが纏めたもので、ウラン235の高速中性子に対する核分裂断面積（確率）の考察から、原子爆弾が実用可能であると結論づけている。また、ドイツが原爆開発を進める前に開発を行うことも提言している。参考：月刊軍事研究5,’01、核兵器事典

＜フリッシンゲン＞：オランダ海軍掃海艦Vlissingen（Vlissingenntended？）。2022年6月14日、ネイヴァル・グループのロリアン造船所で起工式を実施。参考：月刊世界の艦船9,’22

＜ブリッセンデン＞：L79（駆逐艦）を参照。

＜フリッツ＞：Bf109Fシリーズ（戦闘機）を参照。

＜ブリッツ＞：Ar234（爆撃機）またはLa-9（戦闘機）を参照。

＜フリッツＸ＞：SD-1400X（誘導爆弾）を参照。

＜フリッツァー＞：FW�Z（戦闘機）を参照。

＜ブリッツァー・レールガン・システム＞：ジェネラル・アトミクス社が自主開発している電磁砲、Blitzer Railgun System。砲身は加速用レールをCFRP/GFRPといった複合材製外筒で包んだもので、実証実験用器材のため水平に固定されている。全長5m。初速毎秒2000-2500m、砲口エネルギー3-10MJを目指しており、2009年秋の発射テストではボーイング社製の安定翼付き砲弾を使用して砲口初速毎秒2000m、砲口エネルギー2MJを達成した。直線弾道をとるため命中率が高く、CIWSとしての使用が考えられており、至近距離でのファランクス20mm弾24発分または射距離100mでのAHEAD弾５発分に匹敵する撃墜確率を射距離10kmでの１発で達成できるという。ネイビー・リーグ・ショー2011ではCIWSとしての使用のみならず、高度30000mを飛翔する目標（発射後40秒以内に弾丸が到達する）への射撃や、射距離50-100マイル（80-160km）での対水上／対陸上射撃も行えると宣伝された。アーレイ・バーク級への搭載を狙って砲口エネルギー20MJ型も開発するらしい。アメリカ陸軍が砲口エネルギー3MJ型を戦車砲として注目しており、2016年からオクラホマ州フォート・シルで３軸６輪トレーラーに載せて実射テストに入り、10月にはユタ州ダグウエイ試験場でもテストを行った。電源はHEPPC（High Energy Pulsed Power Container、高エネルギーパルス電源コンテナ）と呼ばれるキャパシタ・バンクで、6.5フィート・コンテナ（2.4m×2.4m×2m）に収容され、蓄電量3MJ、瞬間電流2MA。ただこの大きさだと戦車内部に収まらず、電源コンテナを牽引しなければならないので、電力を超伝導コイル式フライホイールに運動エネルギーとして蓄えるコンパルセータを使って小型化する案が出ている。また、ジェネラル・アトミクス社では砲口エネルギー10MJ型を弾道ミサイル含む経空脅威用機動防空システム（兼長射程自走砲）として売り込んでおり、レールガン車両１両と電源収容10フィート・コンテナ搭載車２両で運用する。こちらの試作型は2017年7月に完成しており、2018年からユタ州ダグウエイ試験場で実射試験に入る予定。参考：月刊世界の艦船8,’10、月刊軍事研究2,’14、8,’11、8,’10、1,’18、2,’18

＜フリッツヘルメット＞：PASGTヘルメットを参照。

＜ブリッティン＞：T-AKR-305（車両輸送艦）を参照。

＜フリッパー＞：Ye-152A（試作機）を参照。

＜フリティラリー＞：K199（コルベット）を参照。

＜プリデーター＞：ローイカット戦車駆逐車を参照。

＜ブリティッシュ・エアロスペース＞：BAe（航空機会社）を参照。

＜フリデリクス作戦＞：第２次大戦時の1942年5月17日にドイツ軍が発動した、ソ連のハリコフ突出部殲滅作戦。1942年4月5日にブラウ作戦が下令されていたが、攻撃発起点の障害となっていたハリコフ突出部にいるソ連軍を予め壊滅させるために企画されたものである。南の第１機甲軍、北の第６軍で挟撃する予定だったが、作戦発動前の5月12日にロシア南西方面軍が第６・第57軍をドイツ第６軍の北から突破させる攻勢に出た。そのため、当初5月18日に発動する予定だった本作戦を前倒しで発動、進撃するロシア南西方面軍の横っ腹を第１機甲軍と第17軍の一部が突いた。これによりソ連軍は逆包囲され、24万名が捕虜となり、戦車50両と野砲2026門を失った。参考：月刊PANZER2,’99

＜プリトヴィ・シリーズ＞：インド軍地対地ミサイルPrithvi。参考：月刊軍事研究12,’02

＜プリトヴィ�T＞：インド陸軍地対地ミサイルSS-150 Prithvi �T。1980年代から国産開発された。S-75地対空ミサイルのロケットを２基流用しており、弾体中央の４枚の三角翼で滑空飛行を行うともいわれる。全長9m、直径1.1m、重量４トン、弾頭重量１トン。推進は液体燃料ロケットで、最大射程150km。誘導方式はストラップ・ダウン慣性誘導で、CEPは最大射程で15m。弾頭は単一の破片効果弾、クラスター弾、焼夷子弾、FAEなど。タトラ８×８輪トラックをベースにしたTELに搭載される。1994年から第333陸軍ミサイル群に、2002年から第444陸軍ミサイル群に配備された。１個群には75発のミサイルと４両（12両？）のTEL、再装填車、燃料タンカー、発射指令車が装備されている。参考：月刊軍事研究12,’02、6,’05、9,’10、月刊丸4,’99

＜プリトヴィ�U＞：インド陸軍地対地ミサイルSS-250 Prithvi �U。1992年から空軍用に国産開発されたが、実際の配備は陸軍となった。プリトヴィ�Tの弾頭重量を500kgに減らして最大射程を250kmに延伸している。弾体中央に大きな翼が付いており、これで水平飛行する。後部にも小さな安定翼が付く。全長9m、発射重量4.6トン。CEP50m。パキスタンの主要都市はほぼ射程内に収める。2004年から配備された。参考：月刊軍事研究11,’03、9,’10、月刊航空ファン9,’02

＜プリトヴィ�U改＞：プリトヴィ�Uの弾頭重量を１トンに増やしたタイプ。参考：月刊軍事研究6,’05

＜プリトヴィ３５０＞：インド海軍国産地対地ミサイル。弾頭重量１トン。射程350km。2001年9月に初飛翔試験に成功した。参考：月刊軍事研究6,’05

＜ブリヌイ＞：ロシア海軍ソブレメンヌイ級駆逐艦、旧名称ソブラジテルヌイ。1988年11月4日起工、1994年5月23日進水。1999年現在、竣工目指して建造中。参考：月刊軍事研究11,’99

＜ブリネル硬度＞：鋼板の硬さを示す値。ダイヤモンドなどで圧力をかけてできた凹みを比較して決定する。この数値が大きいほど硬く（強度が高く）なり、粘りが弱く（シャルピー値が小さく）なる。400以下だと粘りで弾丸を受け止め、500以上だと弾丸を弾き返すことになる。参考：月刊PANZER9,’03、2,’99

＜プリバルチカ＞：ロシア海軍バルザム型情報収集艦Pribaltika。2006年7月23日以降、沖縄東方で情報収集活動にあたっていた。2018年9月1日2130頃から9月2日1600頃、イーゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフ、ソーニャ級沿岸掃海艇艇番号553、同593、同BT256、ロプーチャ�U級戦車揚陸艦ペレスウェート、ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、プロジェクト20381型ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、グリシャ�X型警備艦メテル、同MPK221、同ウスト・イリムスク、同コレーツ、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、タランタル�V級ミサイル艇７隻、バクラザン級救難曳船１隻、改アルタイ級補給艦１隻、トプリボ級給油艦１隻、カシュタン級設標艦１隻、オビ級病院船１隻と共に、宗谷岬北東210kmを西に航行するのを、DD-103ゆうだち、PG-825わかたか、第２航空群P-3Cが確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進み、日本海に向かっている。2022年5月18日0500頃、宗谷岬120kmを東に航行するのを、PG-825わかたかと第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。6月7日0700頃、宗谷岬北15kmを西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷岬を西に進んでいる。6月9日0500頃、奥尻島南南西90kmを南東に航行するのを、AMS-4302すおう、PG-825わかたか、第２航空群P-3Cが確認した。その後津軽海峡を東に進んでいる。6月12日0700頃、宗谷岬東50kmを西に航行するのを、PG-825わかたかと第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を西に進んでいる。10月28日1000頃、龍飛崎西160kmを西に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機とMSC-687いずしまが確認した。その後10月29日に津軽海峡に向け南東に進み、龍飛崎80kmで反転、北西に航行して日本海に向かっている。参考：月刊世界の艦船10,’06、3,’19、3,’23

＜プリピャト級＞：ソ連海軍敷設艦。機雷300個を搭載する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜プリフェクトＴ１＞：イギリス空軍初等練習機。チューターT1の改良型G120TPを採用したもので、2018年までに23機を受領し、MFTS（Military Flying Training System）の初等操縦訓練に使用する。参考：月刊航空ファン12,’17

＜プリボイ級シリーズ＞：ロシア海軍計画大型汎用揚陸艦Priboy級。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜プリボイ級＞：クリロフ国立研究センターが基本設計を行い、ネフスキー設計局が開発しており、船体は水線下だけ三胴船という半三胴型で、ヘリ発着スポット６ヵ所付き全通甲板を持ち、右にアイランドがある。IMDS2017で模型が展示された際には以下の諸元が発表された。全長200m、全幅34m、吃水7.5m、満載排水量23000トン。主機はガスタービンで、２軸推進、最大速力20ノット、航続距離は14ノットで6000海里、後続日数30日。兵装は76mm単装砲１門、CIWS２基、機関砲２基など。乗員400名。プロジェクト11770Mセルナ級揚陸艇６隻、ボート・ダビットに収容する小型揚陸艇６隻、Ka-27/Ka-29/Ka-52Kヘリ12機、戦車なら10両、装甲車なら50両、海軍歩兵500-900名を搭載可能。GPV-2025で２隻分の予算を付け、2025年までに１番艦が引き渡される予定。参考：月刊軍事研究10,’15、10,’17、月刊世界の艦船8,’16、5,’16、9,’17

　＜プリボイ級（小型版）＞：輸入できなかったミストラル級の代替として、一回り小型にしたタイプ。全長165m、全幅25m、吃水5m、満載排水量14000トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式で、最大速力20ノット、航続距離6000海里、行動日数60日。プロジェクト11770Mセルナ級揚陸艇４隻またはプロジェクト12061ムレナ級LCAC２隻、ヘリ８機、車両40-60両、兵員500名を搭載可能。兵装はパンツィールCIWSなど。2015年に計画されたが、こちらは没になった。参考：月刊軍事研究10,’15、10,’17、月刊世界の艦船8,’16、5,’16、9,’17

＜プリマ＞：9K59（多連装ロケット）を参照。

＜プリマス＞：F126（フリゲート）を参照。

＜プリマス＞：シンガポール陸軍155mm自走榴弾砲SSPH-1(SSPH?) Primus。シンガポール軍とアメリカのユナイテッド・ディフェンスLP社が開発した。パワーパックや足回りはバイオニクスの流用である。39口径155mm榴弾砲（最大射程30km）を搭載し、自動弾薬取り扱いシステムにより20秒に３発のバースト射撃や毎分２発の持続射撃が可能。FCSはデジタル化されており、リング・レーザー・ジャイロ航法システムと連携して迅速な射撃を可能とする。戦闘重量28.3トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル製（550馬力）で、最大速度50km、航続距離350km。参考：月刊PANZER3,’04、4,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

＜プリマス・ロック＞：LSD-29（トーマストン級LSD）を参照。

＜プリム＞：K271（フリゲート）を参照。

＜ブリムストーン・シリーズ＞：イギリス空軍空中発射対装甲ミサイルBrimstone。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ブリムストーン＞：アレニア・マルコーニ・システムズ社が開発し、2001年10月に就役した（2006年配備？）。中間誘導は慣性誘導とオートパイロット、終末誘導はAGM-114ヘルファイア対戦車ミサイルを元に開発したミリ波ARH。弾頭はタンデムHEAT。全長1.803m、直径177.8mm、重量49kg。最大射程8km（32km？）。３連装ランチャーに搭載できる。最初にトーネードGR4AとハリアーGR7/T10部隊に装備される。当初は実戦使用が遅れたことからシーカー性能などに不安が持たれていたが、アフガニスタンでソフトスキンに対して、エラミー作戦で装甲車に対して初使用され、高い命中精度と威力を発揮した。2013年12月にはアメリカ海軍チャイナレイク兵器試験場でMQ-9リーパーに搭載しての実射テストが行われ、7-12km先を時速130kmで走る車両に対し６発を発射、全弾直撃させている。参考：月刊軍事研究6,’02、3,’00、6,’08、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings7,’11、6,’14

＜ブリムストーン�U＞：MBDAが開発したブリムストーンの改良型で、DMB（Dual-Mode Brimstone）と略す。炸薬と推進薬を低感度化して安全性を高めると共に付随被害を低減し、シーカーをミリ波ARH＋セミアクティブレーザーに改良して高速移動目標の追尾能力を強化、射程を２倍以上に延伸している。全長1.8m、直径0.3m、重量49kg。誘導モードはセミアクティブレーザーのみのモード１と、近接にセミアクティブレーザーを使い、終末誘導はミリ波ARHに切り替えて高速移動目標に対応するモード２の２種類。2014年から生産に入っており、2016年5月にイギリス空軍トーネードGR.4戦闘攻撃機がイスラム国爆撃作戦で使用した。イギリス空軍タイフーンも運用しており、イギリス陸軍が導入する予定のAH-64Eにも搭載する。参考：月刊軍事研究10,'15、12,’16、月刊JWings5,’15、10,’16

＜ブリムストーン３＞：ブリムストーン�Uの改良型で、MBDAが開発中。安全性向上のため低鋭敏性炸薬既定に対応した弾頭とロケットモーターを採用する。シーカーは94GHzのミリ波ARH＋セミアクティブレーザー。2019年に初試射を実施した。参考：月刊航空ファン6,’18、6,’19

＜ブリムストーン・シースピア＞：艦対艦ミサイル型で、MBDA社が開発した。誘導方式をミリ波ARHに変更している。各国に売り込み中。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜プリムラ＞：K14（コルベット）またはM924（掃海艇）を参照。

＜プリムローズ＞：K91（コルベット）を参照。

＜プリメロＤＰＣ＞：スイスのフォナックス社が開発した無線通信装置。フルフェイスヘルメットを付けていても周辺の音が聞き取れるよう、イヤピース部分に小型マイクが仕込まれていて、82dB以上の音はボリュームを下げて伝える。また、イヤピース部分には使用者の声を外耳道からキャッチするためのマイクも搭載されており、声がくぐもらない。参考：月刊軍事研究2,’13

＜プリモ級＞：イタリア海軍潜水艦。サルバトーラ・ペルシ級を大型にしたものである。全長66.35m、幅6.83m、吃水6.00m、水上排水量1580トン、水中排水量1862トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル３基１軸推進で、水上速力11ノット、水中速力20ノット。潜航深度250m、最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門。乗員は士官７名、下士官・兵43名。２隻が就役した。参考：現代の潜水艦

＜プリモゲ＞：D644（駆逐艦）を参照。

＜プリモゲ＞：フランス海軍デュゲイ・トルーアン級軽巡洋艦２番艦Primauguet。1923年8月起工、1926年10月竣工。1940年6月、カサブランカに移動して作戦行動を行った。1942年11月、連合軍の北アフリカ上陸作戦に対して反撃を行い、アメリカ海軍第34任務部隊と交戦して沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜プリモ・ロンゴバルド＞：S-524（潜水艦）を参照。

＜ブリャンスク＞：K-117（戦略原潜）を参照。

＜ブリャンスク攻略＞：第２次大戦タイフーン作戦中の1941年10月6日、グデーリアン率いる第２戦車集団のグラードル戦闘団がオリョール・カラチェフ・ブリャンスク街道の要所である237高地を占領。その日のうちにカラチェフを占領し、更にブリャンスク・サレウォ間の森を突破してソ連軍のブリャンスク防御陣地を迂回、一気にブリャンスク市街とデスナ川にかかる橋を確保した。10月7日、ソ連軍が反撃に出たが撃退され、ブリャンスクは１日で占領された。参考：月刊軍事研究8,’05

＜フリュアーズ＞：RVAH-6（飛行隊）を参照。

＜ブリュイ＞：フランス海軍アミラル・シャルネ級装甲巡洋艦２番艦Bruix。1896年竣工。1920年に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜浮流機雷＞：機雷を参照。

＜ブリュートン＞：FF-1086（フリゲート）を参照。

＜フリューリングス・ヴァッヘン作戦＞：春の目覚め作戦を参照。

＜ブリュッヘル＞：ドイツ海軍アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦２番艦Blucher(プロイセン軍総司令官)。1939年9月30日竣工。1940年4月9日、ヴェーゼル川演習作戦で装甲艦リュッツオと共にオスロ攻撃に向かったが、ドレーバク水道で28cm砲弾２発と魚雷２本を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史、グラフィックアクション44

＜プリュトン・ミサイル車両＞：AMX-30戦車ファミリーを参照。

＜プリュトン・ミサイル＞：フランス軍戦術核ミサイル。全長7.6m、直径0.55m、翼スパン1.415m、重量2.35トン。誘導はサジェム社製プラットフォーム、シェナ社製ジャイロ、アエロスパシアル社製コンピュータを使用した慣性誘導方式で、CEPは150-300m。推進はEN/SNPEスタックス固体燃料ロケット（燃焼時間ブースト５秒、サステナー18秒）、最小射程10km、最大射程120km。弾頭はAN-51で、威力25キロトン。1974年に就役した。参考：世界の軍用車両(2)、核兵器事典、ザ・マーチ17号、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブリュネ・タカモリ２４＞：令和6年度フランス陸軍との実動訓練。陸上自衛隊とフランス陸軍による日本国内初の共同訓練で、2024年9月8-20日に王城寺原演習場と岩手山演習場で実施された。対ゲリラ・コマンドー作戦に係る戦術技量向上を目的とし、第９師団第39普通科連隊などが、フランス陸軍第６軽機甲旅団と、中隊規模以下の戦術行動・実弾射撃訓練を行っている。参考：陸上自衛隊ホームページ

＜プリュフシュタント�]�U＞：Ｕボートで曳航した水密コンテナからA4ロケットをニューヨークに向け発射する計画の秘匿名称で、実験発射台12の意。1943年からペーネミュンデで開発に入った。水密コンテナはラフェレンツ・カプセルと呼ばれ、上段がA4ロケット１基の収容スペース、中段が制御室、下段が推進用燃料タンクとなっていて、全長32m・排水量500トン。Ｕボート�]�]�T型でコンテナ３個（うち１個はＵボート用燃料とA4用燃料だけを積む）を曳航し、ニューヨークから300kmのところで浮上、要員１名ずつがコンテナに移ってバラストタンクの弁を開き、コンテナを垂直に立てる。その後要員は制御室に移り、ジャイロ誘導装置をセット、Ｕボートに戻って遠隔操作でA4ロケットをホットランチで射出する。コンテナのロケット発射炎放出口は海面上に出る設計となっていて、発射ガスは大気中に放出される。1944年12月から３種類のコンテナの試作に入って少なくとも１種類が完成、1945年2月には曳航試験を行ったが、実用化されずに終わった。参考：Ｕボート入門、ナチスＵボート

＜ブリュワー＞：Yak-28シリーズ（爆撃機）を参照。

＜浮梁基地＞：中国軍航空基地。2400m滑走路を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜武力攻撃（日本）＞：一国に対する組織的・計画的な武力行使のこと。参考：月刊軍事研究9,’17

＜武力攻撃事態対処法＞：日本で武力攻撃事態等が発生した際の対処に関する法律。基本方針、国と地方公共団体の責務などを規定している。武力攻撃等（武力攻撃事態または武力攻撃予測事態）が発生した際には、総理が国家安全保障会議に対処方針を諮問し、国家安全保障会議が答申、内閣官房長官を委員長として各省庁の局長級幹部が委員を務める事態対処専門委員会が対処基本方針案を作成し、国家安全保障会議で審議、対処基本方針を閣議決定し、国会で承認を得て対処措置を進める。内閣には総理を本部長とする武力攻撃事態等対策本部が設置される。武力攻撃予測事態が発生した際には、即応予備自衛官・予備自衛官の招集と、防衛施設の構築を行うことができ、武力攻撃事態では国会の承認を得て総理が自衛隊に防衛出動を命じることが可能。参考：月刊軍事研究4,’14、MAMOR Vol.71

＜武力攻撃事態等における国民の保護のための法律＞：国民保護法を参照。

＜武力行使＞：武器を使用して破壊殺傷を行うこと。参考：月刊世界の艦船5,’16

　＜武力行使（国際連合）＞：国連憲章第２条４項に武力不行使の原則が規定されている。国連全加盟国は、国際関係に於いて、武力による威嚇または武力行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものや、国連の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも、慎まなければならない。ただし国連憲章第51条により、国連加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安保理が必要な措置を執るまでの間、個別的または集団的自衛権に基づいて武力行使が可能である。参考：月刊軍事研究9,’17

　＜武力行使（日本）＞：国家の物的・人的組織体による、国際的武力紛争の一環としての戦闘行為のこと。ある国家が明らかに日本に対して攻撃意志を示し、TELのミサイルを発射態勢に入れるなど兵器の使用準備に入った時は、武力攻撃が発生したと評価することもありうる（2004年2月26日衆院安保委の石破防衛庁長官答弁）。国内で破壊行為が発生したとしても、国内治安問題で済む範囲のテロ行為、散発的発砲、小規模襲撃など、国家や国家に準ずる組織体の意志に基づくとは認められない場合は、戦闘行為にはあたらない（2003年7月2日衆院イラク特委の石破防衛庁長官答弁）。参考：月刊軍事研究9,’17

＜浮力タンク＞：旧来の潜水艦は水上を高速航行すると艦首が下を向く傾向にあったため、これを補正する目的で艦前方に装備されたタンクで、必要に応じブローして艦首に浮力を持たせる。前部区画に浸水した際の補正にも使用された。参考：日本潜水艦物語

＜武力紛争の際の文化財の保護のための条約＞：1954年5月14日に署名され、1956年8月7日に発効した。日本は1954年9月6日に署名したが、批准されていない。各国民が受け継ぐべき文化的資産にとって多大の重要性を有する動産または不動産を文化財とし、武力紛争時になるべく攻撃対象としないことを定めている。また、横領や略奪も禁止。軍事目標から離れており、軍事目的に使用されていない文化財を、特別保護として国際登録簿に登録し、不可侵とすることができる。文化財を表示する標識は、下方が尖り、かつ青と白とで斜め十字に４分された盾の形をしているもので、特別保護文化財には３つ、文化財には１つを並べて表示する。参考：軍縮条約・資料集

＜武力紛争法に関するシニア・ワークショップ＞：赤十字国際委員会が毎年１回開催しているワークショップで、各国軍の指揮官、法務幕僚、作戦幕僚が出席し、武力紛争法について討議する。2015年は11月にアルジェリア共和国で開催され、日本を含む62カ国78名が参加した。参考：朝雲

＜プリラー＞：ヨーゼフ・プリラー（Josef Priller）。ドイツ空軍エース。1915年7月27日、バイエルンのインゴルシュタット生まれ。ドイツ陸軍に士官候補生として入隊したが、1936年に空軍に転属した。1939年10月、第51戦闘航空団第６飛行中隊に配属された。黄作戦とバトル・オブ・ブリテンで20機以上を撃墜し、騎士鉄十字章を受章。1940年11月、第26戦闘航空団第１中隊長に転任となった。その後第26戦闘航空団第３飛行隊長となり、1943年6月、第26戦闘航空団司令となった。1944年6月6日、オーバーロード作戦当日に僚機と共に連合軍上陸部隊に対して機銃掃射を実施。7月2日、100機撃墜を達成し、剣付柏葉騎士鉄十字章（73番目）を受章。1945年1月27日、西部昼間戦闘機総監となった。1961年、心臓病で死去した。総撃墜機数101機（うち４発重爆11機）。最終階級は大佐。参考：グラフィックアクション36

＜ブリリアント＞：BATシリーズ（対戦車子弾）またはF90（22型フリゲート）またはH84（駆逐艦）を参照。

＜ブリリアント・アイズ＞：TMD構想に基づきDSP赤外線探知早期警戒衛星の後継として開発されていた新型早期警戒衛星。広角と望遠の赤外線及び光学センサーを搭載する重量450kg級の衛星で、探知精度を高めるため、DSP衛星よりも低い高度1850kmの周回軌道上に24-32機打ち上げる予定。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ブリリアント・ペブルス＞：SDIからG-PALSに引き継がれた唯一の宇宙配備迎撃兵器Brilliant Pebbles（輝く小石）。超小型の衛星で、低軌道上に数千機配備され、弾道ミサイルを感知すると小型ロケットを作動させて体当たりで破壊する。ローレンス・リバモア国立研究所が開発し、重量6kgの試作型がレイセオンとヒューズで2000年に完成した。最終的に計画は放棄されたが、システムはスタンダード�VのLEAPに流用された。参考：月刊軍事研究10,’03、4,’11、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブリリアント・マリナー０６＞：2006年度NRF（NATO即応軍）共同演習。NATO加盟17カ国、NATOパートナー３カ国（スウェーデン、フィンランド、ウクライナ）から艦船64隻、潜水艦５隻、航空機30機が参加した。参考：JShips Vol.24

＜ブリリアント・マリナー２０１７＞：NATO軍が2017年9月29日から10月13日に地中海西部で実施した共同演習Brilliant Mariner 2017。フランス（ホスト国。L-9013ミストラル、M648リール、A608ヴァール）、ギリシャ（F451リムノス）、スペイン（L-61ファン・カルロス�T世、F103ブラス・デ・レッソ）、デンマーク（L-17エスベアン・スナーレ）、トルコ（F244バルバロス）、ノルウェー（F312オットー・スヴェルドラップ）など12カ国27隻が参加し、現代の海上作戦における種々の戦術局面での各国の緊密な連携を確認した。参考：月刊世界の艦船1,’18

＜ブリル＞：SS-330（潜水艦）を参照。

＜ブリンク＞：ノルウェー海軍ストルム級高速攻撃艇。1965年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ブリングバック・ペイロード＞：空母着艦時に搭載できるペイロード。これを超える分は途中で投棄しないといけないので、スマート爆弾などでは無視できない（費用とか）。参考：月刊航空ファン11,’02

＜ブリンクリー・バス＞：DD-887（駆逐艦）を参照。

＜プリングル＞：DD-477（駆逐艦）を参照。

＜プリンシペ・アルフォンソ＞：スペイン海軍アルフォンソ級軽巡洋艦Principe Alfonso。1925年竣工。1931年、艦名がリベルター（Libertad）に変更された。1939年、艦名がガリシア（Galicia）に変更された。1940年代前半に改装を受け、３番砲を撤去してカタパルトを設置、１・５番砲を連装にした。主砲仰角を15度から35度に引き上げており、射程は18kmから20km以上となった。1970年（1972年説あり）に除籍されて解体された。参考：月刊世界の艦船10,’13、近代巡洋艦史

＜プリンシペ・デ・アストゥリアス＞：R11（空母）を参照。

＜プリンシペ・デ・アストゥリアス級＞：スペイン海軍VTOL軽空母Principe de Asturias級。アメリカ海軍が1970年代に検討した低コスト空母SCSをベースとし、12度のスキー・ジャンプ台を持たせてVTOL運用能力を追加、旗艦設備を搭載するなどしたもので、デダロ級の後継として建造された。飛行甲板は前部はエンクローズドで艦首まで繋がっているが、後部は艦尾手前で終わっている。エレベーターは飛行甲板後端に１基が用意された。格納庫床面積は2300平方メートル。SCSに倣って１軸推進を採用、コストを低く抑えた。アイランド右舷に洋上給油装置２基を搭載しており、僚艦への洋上給油が可能である。戦闘システムはTRITANの改良型。搭載電子兵装はAN/SPS-52C三次元レーダー、AN/SPN-35航空管制レーダーなど。全長195.5m、飛行甲板長175.3m、全幅24.3m、飛行甲板最大幅29m、吃水9.4m、満載排水量16700-17464トン。主機はCOGAG方式、ガスタービン２基１軸46400馬力、速力25-26ノット。EAV-8Bを6-10機、SH-60B/SH-3D/SH-3Wを6-10機、AB-212EWを2-4機搭載するのが標準で、最大合計27機（固定翼機12機、回転翼機15機）積める。防御兵装は20mmCIWSメロカ４基のみで、基本的にはイージス・フリゲートが防空を担う。乗員555名、航空要員201名、司令部要員７名。R11プリンシペ・デ・アストゥリアスが1988年に就役した。2013年に退役した。参考：月刊世界の艦船8,’11、8,'15、9,’12、9,’02、2,’87、10,’11、月刊軍事研究6,’01、7,’11、4,’18、月刊JWings11,’05、5,’14、丸スペシャルNo.90

＜プリンス・ウィリアム＞：ACV-31（護衛空母）を参照。

＜プリンス・ウィリアム級＞：ボーグ級（護衛空母）を参照。

＜プリンス・エグモンド・オブ・リッペ・ウエルセンヘルド＞：ウエルセンヘルド（ドイツ空軍エース）を参照。

＜プリンス・オブ・ウェールズ＞：53（戦艦）またはR-09（空母）を参照。

＜プリンス・サルタン基地＞：サウジアラビアの航空基地で、リヤド南東のアル・カージにある。滑走路はランウェイ17/35（4006m）。サウジアラビア空軍第18飛行隊（E-3A/KE-3A）、第32飛行隊（KC-130H）、第33飛行隊（ベル412）、第71飛行隊（RE-3）が根拠地とする。湾岸戦争時にはアメリカ空軍の戦術戦闘飛行隊や戦術空輸飛行隊が展開し、サザン・ウォッチ作戦やイラク戦争でもアメリカ海軍海兵隊のEA-6B、イギリス空軍のトーネードF3、フランス空軍のミラージュ2000やKC-135FRが展開した。参考：月刊軍事研究4,’10

＜プリンス・チャールズ＞：イギリス海軍特設兵員揚陸艦Prince Charles。元は1930年に建造されたベルギーの海峡連絡船で、1941年に小型兵員揚陸艦に改造された。全長109.6m、総トン数2950トン。速力24ノット。兵装は12ポンド高角砲２門、２ポンド砲２門など。LCA８隻と兵員250名を搭載できる。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜プリンス・デービッド＞：イギリス海軍特設兵員揚陸艦Prince David。カナダの特設巡洋艦を1943年に中型兵員揚陸艦に改造したものである。全長117.4m、総トン数6890トン。速力22.3ノット。兵装は10cm連装高角砲１基、40mm単装機銃１門など。兵員444名、LCM２隻、LCA６隻を搭載できる。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜プリンストン＞：CV-37（空母）またはCVL-23（軽空母）またはCG-59（ミサイル巡洋艦）またはLPH-5（揚陸艦）を参照。

＜プリンストン触雷＞：1991年2月18日0716、湾岸戦争に参加し、クウェート沿岸のイラク軍陣地に艦砲射撃を行っていたイージス巡洋艦CG-59プリンストンの艦尾の16m下でイタリア製の沈底機雷が炸裂。キールがねじ曲がり、後甲板が引き裂かれ、船体が3mほど持ち上げられ、上部構造が歪んで10%が甲板から剥がれた。その２秒後に右舷から100m離れたところでもう１個の機雷が誘爆。これにより艦尾の127mm砲とMk41VLSが作動不能となり、右舷のプロペラシャフトと舵、左舷側のプロペラシャフトが損傷し、主機も停止せざるを得なくなった。負傷者は３名で済んだため消火や防水作業も速やかに行え、ATS-2ボーフォートに曳航されて一時現場を離れた。SPY-1レーダーの冷却管を修復するなどして２時間後には任務に復帰、CG-50バレー・フォージが交替に来るまで30時間に渡り任務を継続している。交替後はドバイで５週間の応急修理を受けてアメリカに帰投、ロングビーチ海軍工廠で修理を受けた。参考：月刊軍事研究11,’06、軍事分析湾岸戦争

＜プリンス・ハインリッヒ・オブ・サイン・ヴィッロゲンシュタイン＞：ヴィットゲンシュタイン（ドイツ空軍エース）を参照。

＜プリンス・ファン・オラーニエ＞：オランダ海軍敷設艦。1942年1月12日、タラカンで駆逐艦山風（２代目）と哨戒艇第38号の攻撃を受け、沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜プリンセス・ベアトリックス＞：イギリス海軍特設兵員揚陸艦Princess Beatrix。元はオランダの海峡連絡船で、1942年に改造された。上部構造物をほぼ全て撤去し、８基の重力ダビッド（２基がLCM用、６基がLCA用）を装備している。全長116m、総トン数4136トン。速力22ノット。兵装は12ポンド高角砲２門、２ポンド砲２門など。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜プリンセス・ロイアル＞：イギリス海軍ライオン級巡洋戦艦Princess Royal。1912年11月14日竣工。1916年5月31日、第１巡洋戦艦戦隊所属でジュットランド海戦に参加。1922年に除籍され、12月に売却されて解体された。参考：参考：月刊世界の艦船1,’12、6,’16、近代戦艦史

＜プリンツ・オイゲン＞：SS第７義勇山岳兵師団を参照。

＜プリンツ・オイゲン＞：オーストリア＝ハンガリー海軍フィリブス・ウニーティス級戦艦３番艦Prinz Eugen。1912年11月30日進水、1914年7月17日（8日？）竣工。1918年に除籍されてユーゴスラビアに移管され、賠償艦として1920年8月25日（1919年？）にフランスに引き渡された。1922年6月28日、ツーロン沖で標的艦となり、フランス戦艦ブルターニュなど４隻の砲撃を受けて沈没した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,'24、4,’98

＜プリンツ・オイゲン＞：ドイツ海軍プリンツ・オイゲン級重巡洋艦Prinz Eugen（オーストリア帝国の将軍）。ドイツ最後の重巡である。元はオーストリア海軍で使用されていた名称だが、ドイツとオーストリアの永遠の統合を狙ってヒトラーが命名したとされる。1936年4月23日仮称艦名Ｉとして起工、直後にＩと�Tと１が紛らわしいのでＪに改称され、1938年8月22日にプリンツ・オイゲンと命名されて進水した。1940年7月1日夜、キールでイギリス空軍の小型爆弾２発を受けて損傷した。8月1日竣工。1941年4月23日、バルト海でイギリス空軍が敷設した磁気機雷に触雷して損傷し、5月11日に修理を終えた。5月18日、グディニアを出撃。5月21日、ライン・ユーブング作戦で被弾。機関も故障したため、6月1日にブレストに帰港した。7月1日夜、ブレストでイギリス空軍の爆撃を受け、船体前部に爆弾１発が命中して60名が死亡、32名が負傷した。1942年2月11日、ケルベロス作戦に参加。2月13日、ブルンスビュッテルに入港。2月23日0700、ノルウェーのトロンヘイム港に入港する直前、イギリス潜水艦N52トライデントの雷撃を艦尾に受けて大破、７名が死亡し、26名が負傷した。トロンヘイム港で艦尾を切断して応急舵を取り付け、キール軍港に帰投し、修理に８ヶ月を要した。10月27日、修理を終えて練習艦隊に編入された。1943年9月、スピッツビルゲンを砲撃。1944年6月から海上移動砲台としての任務に就き、バルト海沿岸で砲撃を行った。10月15日、バルト海で行動中にヘラ半島北方で軽巡ライプチッヒと衝突、ライプチッヒの煙突と艦橋の間に艦首を突っ込んだ。1945年4月20日、コペンハーゲンに向けて脱出。5月6日、オランダの守備陣地を砲撃。5月9日、コペンハーゲン沖で連合軍に降伏し、コペンハーゲン港で武装解除された。その後ウィルヘルムスハーフェンに移され、イギリスに引き渡された。後にアメリカに引き渡され、1946年1月5日にIX-300プリンツ・オイゲンとなった。7月1日、クロスロードＡ作戦の標的艦となった。7月25日にクロスロードＢ作戦の標的艦とされたが、沈没は免れ、9月にクェゼリンに曳航された。放射能汚染が酷く放置されていたところ、1947年12月22日に座礁して転覆沈没した。2018年、アメリカ海軍潜水・サルベージ部門が燃料抜き取り作業を実施。T-ARS-52サルヴァーが艦の上に占位して173カ所の燃料タンクから燃料油226000ガロン／858800リットルを抜き取り、チャーターした民間タンカーのハンバーで搬出した。参考：歴史群像10,’10、月刊丸3,’90、4,’07、写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション44、月刊世界の艦船2,’19

＜プリンツ・オイゲン級＞：ドイツ海軍重巡洋艦Prinz Eugen級。アドミラル・ヒッパー級の小改装型で、アドミラル・ヒッパー級に類別されることもある。艦首は直立型で建造されたが、途中でクリッパー型に変更され、前部シアも強くされた。艦首水線下は小さなバルバス・バウで、先端にパラベーン曳航索の船体貫通部が突き出している。舷側には２層の舷窓を持つ。煙突には排煙逆流防止キャップが取り付けられており、後部クレーン基部に水上機用カタパルト、その後ろに格納庫がある。水線部には舷外電路が設置されており、水線部から艦底にかけてバルジが装着されている。上構両舷前後に10.2cm連装高角砲用SL-8高射装置の半球状ドームがあり、艦橋頂部にFuMO-26レーダーを装備する。ソナーも搭載した。全長207.7m、幅21.7m、吃水5.9m／6.37m（平均）、基準排水量14680トン、満載排水量18200トン（19800トン？）。主機は海軍型ギヤード蒸気タービン３基、主缶はラ・モント式重油専焼水管缶12基、出力137500馬力、３軸推進、プロペラ直径3.15m、舵は艦尾中央１枚、速力32.2ノット、重油搭載量1460トン、航続距離6800海里（20ノット）。兵装は60口径20.3cm連装砲４基（船体前後に背負い式に２基ずつ装備。発射速度毎分３発、最大射程36km）、65口径10.5cm連装高角砲６基、37mm連装機関砲６基、連装20mm機関砲８基（４連装20mm機関砲６基？）、533mm魚雷３連装水上発射管４基。装甲厚は舷側水線部中央80mm、舷側艦首尾70mm、上甲板30mm、主砲塔前面160mm、側面70-105mm、天蓋70mm、司令塔側面150mm、天蓋50mm。水偵格納庫とカタパルト１基を持ち、Ar196水上偵察機３機を搭載できる。乗員1382-1599名。１番艦（アドミラル・ヒッパー級３番艦）プリンツ・オイゲンが1940年に竣工し、２番艦ザイドリッツは途中で空母に改造され、３番艦リュッツオはソ連に売却された。参考：月刊世界の艦船3,’20、3,’19、写真集ドイツの巡洋艦、歴史群像10,’10

＜プリンツレゲント・ルイトポルト＞：ドイツ海軍カイザー級戦艦Prinzregent Luitpold。1913年竣工。1916年5月31日、第３戦艦戦隊第６小隊所属でジュットランド海戦に参加。1917年8月2日、乗員350名が待遇改善を求めてウィルヘルムスハーフェン市内でデモを行った。第１次大戦終結後にスカパフローに集められ、抑留された。1919年6月21日、スカパフローのイギリス艦隊が水雷教練に出動した隙に、ドイツ艦隊司令官の「状態Ｚとなせ」の指令の下、自沈した。参考：近代戦艦史、歴史群像6,’16

＜フリント＞：CL-97（軽巡洋艦）またはT-AE-32（給兵艦）を参照。

＜フリント・キャッスル＞：K383（コルベット）を参照。

＜フリントロック作戦＞：太平洋戦争時にアメリカ軍が行った、マーシャル諸島占領作戦Operation Flintlock。クェゼリン（世界最大の環礁。島数97、総面積６平方キロメートル。日本から4050km）、ルオット、メジュロなどの島からなるマーシャル諸島は、第１次大戦時に日本が占領して委任統治領となり、太平洋戦争時には第６根拠地隊がクェゼリン島にあって防衛を担当していた。昭和18年7月、アメリカ統合参謀本部が昭和19年初頭の占領を目指して太平洋艦隊司令長官に作戦を下令した。攻略担当は第５艦隊第58機動部隊の空母19隻、戦艦15隻、重巡12隻、軽巡６隻、駆逐艦92隻、護衛駆逐艦21隻、掃海艇、上陸用艦艇など合計300隻以上・航空機700機で、ギルバート諸島から1200機の航空機が増援を行った。地上兵力は第４海兵師団及び陸軍第７師団合わせて21342名。当時、日本はマーシャル諸島東部へのアメリカ軍侵攻を予想しており、ミレ島に5320名、クサイ島に4600名、ウォッゼ島に3990名などを置いていたが、西に位置するルオット島には1900名の海軍陸戦隊（第61警備隊ルオット派遣隊）と1000名の設営要員、752空の一式陸攻、281空の零戦を配置し、クェゼリン島には第６根拠地隊司令部と海軍陸戦隊（第61警備隊本隊）計5000名、952空の水上機、陸軍の第１海上機動旅団1030名を置いていた。ラバウル航空戦で海軍航空部隊は消耗し、マーシャル諸島への防御航空兵力は殆ど無くなっており、更にアメリカ軍のマーシャル侵攻は3月頃と判断、連合艦隊主力はトラック環礁からウルシー泊地に訓練のため後退していた。昭和18年12月5日、アメリカ機動部隊がマーシャル群島に航空攻撃をかけたため、日本軍も反撃し、マーシャル諸島沖海戦となった。12月9日、アメリカ機動部隊がナウルを攻撃。昭和19年1月中旬、海軍軍令部特務班はホノルルの放送通信系呼出符号が激増したのをキャッチ。1月22日、クェゼリンの海軍第６通信隊敵信班は通信状況から敵の有力基地航空部隊指揮官がタラワに進出した可能性が大きい、という情報を軍令部特務班に送付した。特務班では各種通信解析の結果、１週間以内にマーシャル諸島に対するアメリカ軍の侵攻が開始されると判断したが、増援を送る余力は最早残されていなかった。1月29日、第58機動部隊がマーシャル諸島の日本軍飛行場に爆撃を開始。1月30日、アメリカ軍マーシャル諸島攻略部隊が機動部隊の護衛の下、マーシャル諸島に接近した。0320からクェゼリン島に200機、ルオット島に120機のアメリカ軍機が来襲し、ルオット島の一式陸攻は離陸する間も無く破壊され、零戦も空中戦で撃墜され、通信施設が壊滅して0630から通信が途絶した。午後からは艦砲射撃も開始され、クェゼリン島の水上機も壊滅した。夕方、エニウェトク島の752空・753空が一式陸攻７機で機動部隊の攻撃に向かったが、悪天候で発見できず２機が未帰還となった。1月31日も爆撃及び艦砲射撃が続き、ルオット、マロエラップ、ウォッゼの航空隊が壊滅し、飛行場はほぼ全て使用不能になってしまった。2月1日、アメリカ第25海兵連隊がルオット島南西の離島に重砲を陸揚げして砲撃準備を整えた。クェゼリン島には0730に上陸を試みたが、守備隊の抵抗が激しいために一旦後退、北西3kmのエヌブ島に第７海兵師団が48門の火砲を揚陸した。2月2日0300、タラワ島からのB-24がクェゼリン島に爆撃を開始、艦砲射撃及びエヌブ島からの砲撃も始まった。0345、初出動となるアメリカ海軍水中処分隊がクェゼリン環礁に侵入し、機雷及び障害物の除去に入った。0630、クェゼリン島に第７歩兵師団21000名が上陸を開始。0900、ルオット島に戦車隊を含む第23・第24海兵連隊の20000名が上陸。上陸支援艦によるロケット砲一斉射撃で天蓋の無い水際防御施設は全て吹き飛ばされた。上陸を完了したアメリカ軍は内陸への進撃を開始したが、トーチカからの反撃に遭ったため、携帯式火焔放射器を水陸両用車両の車内からトーチカ目掛けて放射、１つ１つ潰していった。2月3日0400、ルオット島の日本軍が最後の突撃を行い、ルオットでの抵抗は終了した。2月4日1000、クェゼリン島の日本軍は玉砕を決意、残存将兵はアメリカ軍陣地に突撃した。2月5日1200、アメリカ軍はクェゼリン島全域を制圧。戦闘は終了した。アメリカ側の損害は、ルオット島が戦死195-313名、負傷者540名で、クェゼリン島が死傷者1780名。日本側は両島共玉砕で、ルオット島守備隊の生存者は僅か11名だった。ブラウン、ウォッゼ、マロエラップの航空乗員120名が航空機で脱出に成功。2月6日、アメリカ軍がクェゼリン環礁全体を制圧した。2月12日1630、トラック環礁から801空・802空の二式大艇６機が離陸。2300にルオット島上空に達し、チャフをばらまきながら夜間爆撃を行い、補給物資の80%を焼失させ、死傷者155名の損害を与えた。しかし大局には影響無く、以降マーシャル諸島はアメリカ海軍機動部隊の泊地として使用されることとなり、連合艦隊司令部はトラック環礁からパラオに撤退した。2月17日にはエニウェトク環礁にもアメリカ海兵隊第22海兵連隊の１個大隊とアメリカ陸軍第106連隊の２個大隊が上陸、九五式軽戦車１個中隊９両などを蹴散らして2月23日に制圧している。参考：激闘太平洋戦記、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊世界の艦船9,’01、4,’18、日本戦車隊戦史

＜フリント・ロック式＞：銃の発射薬への点火方法の１つで、火打ち石を使用する。撃鉄先端に火打ち石が付いており、火皿に打撃板が設けられている。撃鉄が落ちると火花が飛び、点火薬に着火、発射薬に点火される。点火用火薬を雨などから保護できるため、17世紀に登場するとたちまち主流となった。有効射程は命中精度的にも球形弾丸の威力的にも100mくらい。発射速度は最大毎分６発、実用上は毎分４発、持続毎分2-3発。ただし連発すると火打ち石が劣化し、銃身も過熱、黒色火薬の発射煙で前が見えなくなるどころか、指揮所から部隊の姿を捉える事すらできなくなる。それでも100年以上に渡り歩兵用小火器の主役を務め、19世紀にパーカッション・ロックが発明されて廃れた。参考：GUN用語事典、最新軍用ライフル図鑑、歴史群像4,’16

＜ブリントン＞：M1114（トン級機雷掃討艇）を参照。

＜ブル＞：APD-78（高速輸送艦）またはDE-52（バックレイ型護衛駆逐艦）またはDE-693（バックレイ級護衛駆逐艦）またはTu-4（爆撃機）を参照。

＜ブルインヴィス＞：S-810（潜水艦）を参照。

＜ブルー＞：DD-387（クレイブン級駆逐艦）またはDD-744（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）を参照。

＜ブルーアロー９＞：中国の空対地ミサイル。全備重量26.5kg。誘導はセミアクティブレーザー。推進は固体燃料ロケットで、最大射程6km。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ブルーイーグル＞：EC-135J（空中指揮機）を参照。

＜ブルーイーグル＞：インドネシア空軍アクロバットチーム。2015年12月20日、ジョグジャカルタのアジスチプト基地で行われた空軍飛行学校70周年記念行事でのエアショーでデモフライト中にT-50練習機１機が墜落し、パイロット２名が死亡した。旋転降下からの引き起こしが遅かったのが原因とみられる。参考：月刊JWings3,’16

＜ブルー・イーグルス＞：イギリス陸軍のヘリ・アクロバットチーム。参考：月刊軍事研究11,’02

＜ブルーインパルス＞：航空自衛隊第４航空団第11飛行隊のことで、アクロバットチームである。トップは飛行隊長で、その下に飛行隊長付、総括班、飛行班、整備小隊があり、全員がブルーインパルスのメンバーで、T-4のニックネームにちなんでパイロットはドルフィン・ライダー、整備員はドルフィン・キーパーと呼ばれる。パイロット及び地上クルーの任期は３年であり、パイロットは１年目を訓練、２年目を展示飛行、３年目を展示飛行＋後継者への教育期間として過ごす。TR（Training Readiness）として入隊、まず基礎訓練修了検定（ブラボー・チェック。ブラボーはBasicのＢ）を受け、先進訓練修了検定（アルファ・チェック。アルファはAdvanceのＡ）をクリアすると、OR（Operation Readiness）として展示飛行が可能なパイロットに認定される。天候偵察用の通常仕様機１機と、アクロバット仕様の９機が配備されており、展示飛行（曲技飛行、編隊連携機動飛行、航過飛行がある）は６機で行う。１番機がリーダー（Leader、編隊長機）、２番機がレフト・ウイング（Left Wing、左翼機）、３番機がライト・ウイング（Right Wing、右翼機）、４番機がスロット（Slot、後尾機）、５番機がリード・ソロ（Lead Solo、第１単独機）、６番機がオポージング・ソロ（Opposing Solo、第２単独機）と呼ばれ、パイロットはベテラン順に１番機、５番機、６番機、４番機、２番機、３番機を担当する。雲底高度10000フィート（3048m）以上なら第１区分、7000フィート（2133.6m）以上なら第２区分、5000フィート（1524m）以上なら第３区分、3000フィート（914.4m）以上なら第４区分の演技を実施する。雲底高度が3000フィート（914.4m）未満または視程8km未満の場合は、航過飛行またはキャンセルとなる。パイロットは洗濯機に放り込まれたような激しい展示飛行をこなした後、笑顔で滑走路に下りてファンサービスを行う。総括班長はパイロットの資格を持ちながらも地上でのサポート役に徹し、ネームタグには７番機の尾翼が描き込まれている。整備小隊の列線整備員は１機あたり３名（機付整備員１名、整備員２名）が配置され、機体の管理整備の他、展示飛行前のエンジンスタート・各種点検や終了後のエンジンカットに参加する。部隊で使用する車両（トヨタのランドクルーザー80とホンダのアクティ）にも2008年からブルーインパルス特別塗装が施された。訓練は松島基地上空と金華山沖で行う。アメリカに留学した航空自衛隊パイロットがサンダーバーズの演技に感銘を受けたのがそもそもの始まりとされる。1958年10月10日、伊良湖岬沖で編隊宙返り訓練を開始。この時のコールサインはチェッカー・ブルーだった。10月19日、浜松北基地開庁記念式典で第１航空団第１飛行隊のF-86F戦闘機３機（チェッカー・ブルー）が初の編隊曲技飛行を実施。一旦解散の後、1959年3月15日の防衛博覧会開会式、3月20日の防衛大卒業式で飛行展示を行うために復活し、更に4月26日の名古屋空港祭でも飛行して曲技飛行チームは解散したが、非公式に組織だけ残してあった。12月、サンダーバーズ来日で航空自衛隊上層部がアクロバットチーム創設を決定し、空幕が第１航空団に対して曲技飛行チームの編成を指示した。この時、サンダーバーズからアクロバット飛行のレクチャーを受け、スモーク発生装置のノウハウを得ている。1960年3月4日、第１回の公式展示飛行（航空団司令など幕僚の前でのチェックアウト・フライト）をF-86Fで実施、浜松北基地で16課目を展示した。この時のコールサインは第２飛行隊コールサイン「インパルス」に編隊カラーコード「ブルー」を合わせた「インパルス・ブルー」であった。4月12日、源田サーカスを率いていた源田実空幕長の前で飛行を実施。4月16日、空幕長令により、第１航空団第２飛行隊空中機動研究班として浜松基地に正式に発足。機体塗装は戦闘機型F-86Fと同様のシルバーフィニッシュで、第１航空団を示すブラック／イエローのチェッカーバンドを垂直尾翼に入れていた。5月21日、ジョンソン基地で初のスモーク使用展示飛行を実施。8月1日、特別飛行研究班に改称。秋、浜松基地の隊員から募集してチームニックネームを天龍（由来は天龍川）とするが、アメリカ人管制官が発音しにくいという交信上の理由から、ブルーインパルスに変更した。9月18日、羽田空港で開催された日本の航空50年記念航空ページェントでF-86F戦闘機４機の展示飛行を実施。事前案内では飛行チーム名として天龍が使われていたが、管制官との交信では天龍だったのか既にブルーインパルスだったのかは不明である。10月、実戦飛行隊の基本マーキングの上にブルーとピンクのマーキングを入れ（リーダーはブルーの部分がゴールド）、翼端に蛍光オレンジのテープを貼った初代ブルーマーキングを実施。1961年7月21日、伊良湖岬沖で訓練中に１機が墜落して１名が死亡、１ヶ月間飛行を自粛した。10月22日、部内公募で選定された専用塗装で浜松北基地開庁三周年記念式典に参加。1963年11月、東宝映画に協力した際、東宝映画デザイナーの協力を得て、機体上面に白をベースとしたブルーの塗装、下面にオレンジの塗装を施したマーキングで登場。1964年10月10日1513、東京オリンピックで国立競技場上空に五輪マークを描いた。11月20日、第１飛行隊戦技研究班に改称。1965年11月24日、訓練のため浜松基地を離陸直後にテイクオフ・ロールを行った５番機が墜落して１名が死亡。1969年、テイクオフ・ロールの際に墜落しかけたため、この演目はF-86Fでは実施しないことになった。1970年3月14日、大阪万博の開会式でEXPO’70の文字を描いた。1977年8月1日、訓練場が金華山の東沖に変更された。1978年8月23日、T-2で初展示飛行。1979年1月、第35飛行隊に所属が変更となった。1980年、T-2ブルーインパルスのマーキングが公募され、女子高生４人がデザインしたものを採用、松本零士氏の細部修正を経て決定した。1981年2月8日、F-86Fが入間基地で最終飛行展示（通算545回目）を実施。3月3日、ハチロクブルーでの最終アクロバット訓練を実施。12月27日、浜松の第35飛行隊戦技研究班が解散。1982年1月12日、松島の第４航空団第21飛行隊に戦技研究班を編成。1982年7月25日、第21飛行隊戦技研究班のT-2ブルーが初の公式展示飛行を松島基地で実施。1982年11月14日、浜松基地航空祭で展示飛行中に下向き空中開花での引き起こしが遅れて４番機が墜落、パイロット１名が死亡し、付近住民12名が負傷した。1983年2月、飛行訓練を再開。10月30日、観閲式で航過飛行を実施。1984年7月29日、松島基地航空祭でアクロバット飛行を再開。1991年6月、後継機としてT-4の採用が決定。7月4日、金華山沖で訓練中、シーフォッグに突入して２番機と４番機が海面に激突、パイロット２名が死亡。1992年8月3日、飛行訓練を再開。8月23日、松島基地航空祭で展示飛行を再開。11月、T-4ブルーのデザインを公募。精神科医の斉藤章二氏のデザインが採用された。1993年8月、６機体制でのアクロバット飛行を再開。1994年8月10日、三沢基地航空祭でサンダーバーズと共同展示を実施。10月1日、第４航空団隷下にT-4ブルーの飛行隊として臨時第11飛行隊を新編。1995年7月30日、研究飛行でT-2ブルーとT-4ブルーが競演した。11月12日、T-4ブルーが初の公式公開訓練を百里基地で実施し、T-2ブルーと競演した。12月3日（8日？）、T-2ブルーが公式ラストフライトを浜松基地で実施（通算175回目）。12月22日、第21飛行隊戦技研究班が解散、臨時第11飛行隊が第11飛行隊に改編され、飛行隊として独立した。これにより教官との兼務が無くなり、展示飛行に専念できるようになった。1996年4月5日、T-4ブルーが初フルアクロ展示。1997年4月25-26日、初の海外展示飛行を実施。アメリカのネリス空軍基地でアメリカ空軍創設50周年記念ゴールデン・エア・タトゥーに参加した。1998年、松島基地に専用ハンガーが竣工した。2月7日、長野オリンピックでレベル・オープナーを披露。1998年度、スピンドル油に染料を混ぜる方式のカラースモークでは染料の粒子が大きく地上に達してしまうという問題から、カラースモークの使用を終了。2000年7月4日、金華山沖での訓練後に松島基地の東約25kmの牡鹿半島で５・６番機が墜落、３名が死亡した。霧で視界が悪く、位置が認識できず山腹に激突したとみられている。2001年2月9日、訓練飛行を再開。8月26日、松島基地航空祭に於いて４機編隊で展示飛行を再開。2002年4月5日、防衛大学校入校式でT-4ブルーとして100回目の公式展示飛行を実施。6月4日、日韓共催ワールドカップで展示飛行（フライバイ）。12月1日、岐阜基地航空祭で６機による展示飛行を再開。2006年2月17-18日、第11飛行隊創設10周年記念式典を実施。2007年5月27日、美保基地航空祭でT-4ブルー通算200回目の公式展示飛行を実施。2009年6月2日、横浜開港博Y150で展示飛行を実施。2010年8月21日、松島基地でブルーインパルス創設50周年記念行事を実施。航空幕僚長から第二級賞状を授与された。9月11-12日にイタリアで開催されたフレッチェ・トリコローリ創設50周年記念航空祭に参加を要請されたが、予算やスケジュールの関係で参加出来なかった。

2011年1月6日、初飛行訓練を実施。1月23日、那覇基地のエアー・フェスタ2010でブルーインパルス通算1000回目の公式展示飛行を実施。3月11日1250から九州新幹線全線開通記念展示飛行の予行演習を実施。直後の東日本大震災でホームベースが壊滅したが、部隊は芦屋基地に展開しており、隊員と予備機２機を含む８機は難を逃れた。他に川崎重工で重整備作業中の２機も無事だったが、１機が松島基地に残っていて被災全損した。隊員は機体を芦屋基地に残して数日後に松島基地に戻り、災害派遣に向かった。5月下旬から芦屋基地を拠点に訓練飛行を再開。しかし芦屋基地周辺では訓練環境に制限があったため、8月26日から築城基地上空で本格的なフィールドアクロ訓練を開始した。震災後の航空祭中止に伴い行えずにいた飛行展示も8月の千歳航空祭から再開している。2012年1月9日、隊員はC-1輸送機で芦屋基地に向かった。1月10日、芦屋基地を拠点に2012年の訓練飛行を開始。11月3日、入間基地航空祭でT-4ブルー通算300回目の公式展示飛行を実施したが、アクロバット飛行中に２番機の機首左上部に鳥が衝突し、演技を中止した。2013年3月25日、芦屋基地でお別れフライトを実施。3月28日、芦屋基地を離陸して経由地の百里基地に移動。3月30日、松島基地に移動。3月31日、松島基地で帰還式典を実施。2014年1月6日、松島基地で３年振りとなる飛行始めを実施。1月29日1124頃、松島基地南東45kmの海上で編隊飛行訓練中にブルーインパルス１番機と２番機が空中で接触し、１番機は機首上部がへこんでピトー管が潰れ、２番機は左水平安定板の大部分を喪失したが、それぞれ1128と1134に松島基地に帰投した。訓練を中止して航空安全管理隊調査官20名による事故調査が行われ、事前検討不十分な状態で新課目の研究飛行を実施したことが原因と判明、3月12日以降段階的に飛行を再開している。3月31日、格納庫とエプロンのかさ上げ工事が完工し、運用を再開した。4月24日、空幕が1月29日の事故調査結果を発表。４機が右下がりに連なる隊形から１機ずつ右ロールして最後尾機の右に付くという新課目訓練中、１番機が４番機の右に占位しようとしたが上手くいかなかったため、１番機の３秒後にロールを開始して１番機の右に付こうとした２番機が移動先を把握できなかった。２番機は訓練中止をコールしようとしたが間に合わず、機体位置を所定の位置に修正しようとする１番機と接触してしまった。事故当日に各機のロール開始間隔を5-7秒から３秒に短縮したため難易度が上がったのが原因で、周到な準備計画、適切な訓練管理、危険要素の認識と対応、厳正な指揮監督指導の徹底を再発防止策に挙げている。4月24日、第４航空団司令による展示飛行能力点検を受け、問題が無いと確認された。4月27日、エアーメモリアルinかのや2014で一般公開での編隊曲技飛行を再開。2015年1月6日、飛行初めを実施。10月18日、観艦式で1973年以来42年振りに展示飛行を実施。2015年度に「T-4戦技研究仕様機による着色発煙の拡散と機体適合性に関する調査研究」が川崎重工に発注されており、カラースモーク復活が期待される。2016年1月6日、飛行初めを実施。2月6日、松島基地で創隊20周年記念行事を実施。20年間の展示飛行回数は359回である。2017年1月5日、初飛行訓練を実施。2018年1月9日、飛行始めを実施。2019年1月7日、ブルーインパルス５機で飛行はじめを実施。4月2日に発生した三沢基地所属T-4練習機エンジン異常により、飛行を停止してエンジン部品の交換が必要となったため、当分の展示飛行中止が決定した。6月、訓練を再開。7月21日、宮城県松島町の日本三景の日記念行事で展示飛行を再開する予定だったが、悪天候でキャンセルされた。7月27日、広島県尾道市の尾道港開港850年記念で２機による編隊連携機動飛行を行い、展示飛行を再開した。8月29-31日、スピンドル油に混ぜる染料の粒子を小さくして地上に達しないようにしたオリンピック仕様カラースモーク（赤、緑、黒、黄、青）の地上試験を実施。9月3-4日、カラースモークの飛行試験を実施。9月16日、小松基地航空祭で６機編隊での公式展示飛行を再開した。9月20日1700過ぎ、ラグビーワールドカップ日本大会開会式直前に展示飛行（フェニックス・ローパス、サクラ）を行った。2020年3月18日、聖火到着式における展示飛行の練習を実施。カラースモークでのオリンピックマーク、リーダーズベネフィット（先頭の編隊長機はスモーク無し、後続の５機が左から黒、赤、緑、青、黄のカラースモーク）、11機傘型編隊（先導機が白、両脇が順に赤、青、緑、黒、黄。ただ先導機から左２番目はトラブルからか青スモークが出なかった）を訓練した。3月19日、聖火到着式における展示飛行の予行を実施。3月20日、聖火到着式における展示飛行を実施。5月29日、東京で新型コロナウイルスと闘う医療従事者に敬意と感謝を示す航過飛行を実施。6月2日、河野防衛大臣が、ブルーインパルスを当面４機編成で運用すると発表した。T-4のエンジン交換が遅れているためで、ブルーインパルス機の交換済みエンジンを通常訓練任務機に回す。7月21日、山崎統幕長と在日米軍司令官シュナイダー空軍中将が松島基地を視察し、隊員を激励した。8月5日、新型コロナウイルス感染症拡大防止で人間の密集を避ける必要があることから、2020年末まで展示飛行を行わないことになった。12月14日、移動訓練のため新田原基地に展開。12月15-17日、新田原基地でフィールドアクロ訓練を計５回実施。12月17日、松島基地に戻った。

2021年1月6日、飛行はじめを実施。3月5日、松島基地でテレビ音楽番組向け東日本大震災慰霊特別ライブを収録した歌手のMISIAさんと競演し、デルタ・ローパス、スラント・キューピッド、フェニックス・ローパスを披露した。4月22日、富山県砺波市で行われた第70回となみチューリップフェアで展示飛行を実施。5月23日、山形県山形市の東北絆まつりで新型コロナウイルス対応医療従事者への感謝も込めた展示飛行を実施。10月3日、宮城県石巻市で行われた第40回全国豊かな海づくり大会で展示飛行を実施。10月11-14日、岐阜基地で移動展示飛行訓練を実施。10月23日、山形県庄内地域で、庄内空港開港30周年記念事業と新型コロナウイルス対応山形県医療従事者への敬意・感謝のフライバイを実施。11月21日、復興感謝・第１回東松島市産業祭で展示飛行を実施。2022年1月5日、飛行はじめを実施。3月25日、埼玉西武ライオンズ本拠地のベルーナドーム上空で展示飛行を実施。4月10日、高田城址公園観桜会で2022年度初の展示飛行を実施。9月22日（予行）／23日（本番）、西九州新幹線開業イベントで展示飛行を実施。初めて長崎市上空で展示飛行した。10月1日、第77回国民体育大会いちご一会とちぎ国体総合開会式で祝賀飛行を行った。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式で編隊連携機動飛行を行った。2023年1月5日、飛行初めを実施。3月30日、日本ハムファイターズ新球場エスコンフィールド北海道の開業記念で祝賀飛行を実施。7月14日、マリンメッセ福岡で行われた世界水泳選手権2023福岡大会で展示飛行を実施。7月21日、宮城県松島市で行われた日本三景の日記念行事で展示飛行を実施。10月7日、鹿児島国体開会式で展示飛行を実施。2024年1月5日、飛行はじめを実施。3月16日、北陸新幹線延伸開業記念で福井駅及び小松駅上空で展示飛行を実施。3月18日、能登半島地震被災者激励のため輪島市などの上空で航過飛行を行った。6月29日、川崎市市制100周年記念事業かわさき飛躍祭で展示飛行を行った。7月6日、秋田県能代市で行われた第30回のしろみなと祭り2024で編隊連携機動飛行を実施。7月21日、日本三景「天橋立」海の京都にぎわいフェスタで展示飛行を実施。8月5日、石巻川開き祭2024で展示飛行を実施。

参考：月刊JWings4,’00、9,’00、4,’05、3,’09、6,’09、10,’09、6,’10、6,’10別冊付録、11,’10、12,’10、4,’11、6,’11、12,’11、3,’12、5,’13、6,’13、3,’14、4,’14、5,’14、6,’14、3,’15、3,’16、4,’16、3,’18、9,’18、3,’19、7,’19、11,’19、12,’19、6,’20、8,'20、10,'20、3,’21、8,'21、12,'21、1,’22、2,'22、3,'22、6,'22、1,'23、3,'23、6,'23、10,'23、1,'24、3,'24、6,'24、9,’24、10,'24、月刊航空ファン8,’09、5,’11、5,’17、11,’92、6,’11、11,’11、1,’15、4,’16、3,’17、10,’19、11,’19、月刊航空情報3,’10、月刊世界の艦船6,’11、1,’16、8,'20、戦闘機のしくみ、月刊軍事研究7,’15、11,’16、朝雲

　＜ブルーインパルス（２００５年）＞：第４航空団隷下で、松島基地に置かれている。T-4ブルーインパルスを装備する。参考：月刊JWings7,’24

　＜ブルーインパルス（２０２０年）＞：第４航空団隷下で、松島基地にある。T-4ブルーインパルスを装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜ブルーインパルス・ジュニア＞：松島基地の整備隊員を中心に構成された同好会で、T-4ブルーインパルスを模した原付バイク６台を使用して展示走行を行う。T-4ブルーより１年早く1993年に公式デビューした。2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波でバイクが全滅、活動停止に追い込まれた。その後、屋根付き原付バイクを改造して復活し、2013年8月24日の東松島夏祭り2013で６台揃っての初走行を行っている。2014年8月26日、フジテレビのサマーイベントお台場新大陸2014に参加し、４台で展示走行を実施。9月24日、防衛省で行われた航空自衛隊創設60周年記念部内イベントに参加し、４台編成でアクロバット走行を披露した（自衛隊公式行事では震災後初）。2016年8月28日、松島基地・復興感謝イベントで震災後初の６台編成によるアクロバット走行を披露した。2019年、ナレーターが青色忍者のコスプレを始めた。参考：朝雲、月刊JWings11,’13、8,'15、12,’14、11,’16

＜ブルーインパルスミュージアム＞：航空自衛隊松島基地の隊舎内にある展示施設。見学の際は、希望日の２週間前までに予約が要る。個人・団体共見学可。参考：月刊JWings8,’05

＜ブルーウイング２０２０＞：ドイツ空軍とイスラエル空軍の共同演習。2020年8月17-27日にドイツで実施され、ドイツ空軍第31空軍戦術航空団ユーロファイター戦闘機とイスラエル空軍F-16C/D戦闘機６機、B707空中給油輸送機１機、G550早期警戒機２機が参加し、空対空・空対地戦闘訓練を行った。8月18日にはホロコーストとミュンヘンオリンピック・テロ事件の歴史を共有する合同フライト「未来への記憶」を実施し、ダッハウ強制収容所記念施設とフュルステンフェルトブルック空軍基地の上空を追悼飛行している。参考：月刊JWings11,’20

＜ブルー・ウォーターＵＡＳ＞：アメリカ海軍航空戦センター航空部門NAWS-ADが計画している、無人機による空母への貨物輸送の実証試験。空母に貨物を輸送する際はCOD機を使用しているが、実際に必要な貨物は50ポンド・22.7kg未満の電子部品が多く、効率が悪いため、荒れる外洋でも飛行できる無人機で肩代わりするものである。CVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードで試す予定。参考：月刊世界の艦船5,’21

＜ブルー・ウォーター・ネイヴィー＞：外洋海軍のこと。単に外洋に出られる艦船を持っているだけでなく、外洋で長期間の作戦を行える海軍を指す。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ブルーウォッチャー＞：タレス社が開発した低周波ハル・ソナーBlueWatcher。排水量300トン以上の艦艇なら装備できる小型ソナーで、フラッシュ吊下ソナーの折り畳み式送受波アレイをベースとする。使用周波数3.5-6.1kHz（アクティブ）／2-7.1kHz（パッシブ）、探知距離1000-75000ヤード（914-6858m。最大20000m？）。ソナードームは半球状で、幅1.2m、高さ0.85m、総重量1.7トン。シーステート６でも運用可能。参考：月刊軍事研究2,’15、月刊世界の艦船1,’22

＜ブルーエンジェルス＞：アメリカ海軍・海軍航空隊のアクロバットチームで、略称はブルース。チームは６機で編成され、うち２機がソロ担当。支援機として青を基調としたカラーリングのC-130「ファット・アルバート（Fat Albert）」を保有しており、要員・器材輸送に加えてアクロバット飛行の前座（以前はRATOによる短距離離陸展示も行っていた）も務める。伝統的に酸素マスクと耐Ｇスーツは身に付けず、体を鍛えて筋肉を耐Ｇスーツ代わりにしている。1946年4月24日にフロリダ州ジャクソンビル海軍航空基地で誕生した。名前の由来はナイトクラブの店名である。発足時はF6Fヘルキャットを使用しており、1946年6月7日の初展示飛行は３機編隊で実施した。1957年5月からF11F-1初期量産型を使用。1959年1月からF11F-1後期量産型を使用。1968年12月、F11Fの後継としてF-4Jファントム�Uを採用することにし、1969年1月から使用した。しかし事故が多発し、1973年7月26日にはレイクハースト海軍航空基地でリーダーとスロットの２機を失うなど計３機が墜落、A-4Fに機種変更した。1986年、A-4FからF/A-18A/Bに機種改変した。2008年、F/A-18C/Dに機種改変した。2011年9月1日、パタクセントリバー海軍基地で使用機全機にEnergy Securityのロゴマーク（海軍バイオ燃料実験機に貼られる）が付けられた。9月3-4日、メリーランド州パタクセントリバー海軍基地のエアエクスポでJP-5とバイオ燃料を半分ずつ混ぜた燃料を使用して展示飛行を行った（使用機はF/A-18C/D）。2016年6月2日1501頃、ザ・グレート・テネシー・エアショーでの展示飛行に向けテネシー州スミーマ空港で事前訓練を行っていた際、６番機のF/A-18Cが滑走路から3kmのところに墜落し、パイロットの海兵隊大尉が死亡した。2017年7月10日、海兵隊KC-130T墜落事故の煽りでC-130Tファット・アルバートが飛行停止になった。2018年3月23日、イギリス空軍が保管中のC-130Jを新ファット・アルバートとして導入することにし、交渉に入った。2019年、C-130Tファット・アルバートが退役した。後継はC-130Jファット・アルバート（ビューロナンバー170000）だが、この時点ではまだ配備されていなかったので、通常型C-130を輸送任務に充てている。1月22日、エルセントロ海軍航空基地で冬季訓練中の１機が訓練終了後に主脚トラブルを起こし、胴体着陸した。パイロットは無事だった。8月14日、ペンサコラでダイヤモンド360の訓練中に３番機のキャノピーと１番機の主翼下面が接触した。キャノピーに傷が付いた程度だったため、週末の展示飛行は予備機で予定通り行っている。2020年2月25-28日、史上初となるサンダーバーズとの協同訓練をエルセントロ海軍航空基地で実施。4月28日、全米で新型コロナウイルス感染症と闘う医療関係者らを表敬し市民を鼓舞する、サンダーバーズとの協同航過飛行オペレーション・アメリカ・ストロングを開始。6月3日、ブルーエンジェルス仕様F/A-18E戦闘機初号機を受領した。まだ通常塗装で、パタクセントリバー海軍航空基地に送りテストしている。11月5日、ペンサコラ海軍航空基地でF/A-18C/Dによるラストフライトを実施し、F/A-18E/Fへの機種転換を完了した。2021年8月、C-130Jファット・アルバートが公開イベントでの展示飛行を開始。2022年10月7日、サンフランシスコ・フリート・ウィークで展示飛行を実施。2023年10月2-10日、サンフランシスコ・フリート・ウィークで展示飛行を実施。参考：アメリカジェット戦闘機、月刊航空ファン11,’11、2,’12、8,’16、10,’16、4,’19、8,’19、11,’19、世界の傑作機No.3、月刊丸5,’13、7,’14、戦闘機のしくみ、月刊JWings7,’15、7,’16、8,’16、6,’18、11,’18、6,’20、7,’20、8,’20、12,’20、1,’21、12,’21、1,’23、月刊世界の艦船1,’24

＜ブルー・オン・ブルー＞：Blue on Blue。同士討ちのこと。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ブルーギル＞：SS-242（潜水艦）を参照。

＜ブルーグ＞：カタール海軍40m級揚陸艇LCM、Broog。フィンカンティエーリ社で建造され、2022年7月6日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜ブルー・グース＞：ゲーリングが乗車したメルセデス・ベンツ770W150グロッサー。薄い青で塗装されたため、この名がある。参考：歴史群像6,’04

＜ブルー・クロマイト＞：日米共同強襲上陸演習Blue Chromite。2015年10月21-28日に実施された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルーコート作戦＞：第２次大戦時の1944年7月30日にイギリス軍が実施したコモン攻勢作戦。コモンはサンローの東にあり、それまで攻勢を実施していなかったためドイツ軍の防御が薄く、カーン東に展開していた第８軍団から３個機甲師団を引き抜いて２日間でコモンに移動させ、第30軍団と共に進撃を開始した。ドイツは第21装甲師団など損耗した部隊しか展開させておらず、オルヌ川方面からSS第２装甲軍団を呼び寄せて防衛するのがやっとだった。参考：月刊丸7,’14

＜ブルーシャークス＞：VP-6（哨戒飛行隊）を参照。

＜ブルー・ジャージ＞：アメリカ軍のデッキクルーのうち、トラクター・ドライバー（車両運転係）、エアクラフト・ハンドリング・アンド・チョーク・クルー・メン（駐機位置で車輪にチョークをはめる係）、エレベーター・オペレーター、メッセンジャー・アンド・フォーン・トーカース（格納庫とのエレベーター作業に関する交話を担当）のことで、ジャージの上着が青色のためこう呼ばれる。クレニアル・ヘルメットとライフ・プリザーバー・ベストMk1も青だが、メッセンジャー・アンド・フォーン・トーカースはヘルメットが白。参考：月刊JWings7,'22、1,’02

＜ブルース＞：ブルーエンジェルス（アクロバットチーム）またはD81（駆逐艦）を参照。

＜ブルース・Ｃ・ヒーゼン＞：T-AGS-64（海洋観測艦）を参照。

＜ブルー・スチール・シリーズ＞：イギリス初の空対地核ミサイル、Blue steel。1954年9月にOR.1132仕様書が作成され、1956年5月にアブロ社が開発することが決定した。参考：月刊JWings6,’13

＜ブルー・スチール＞：全長10.7m、翼スパン4m、重量6.8トン。推進は過酸化水素とケロシンの液体燃料ロケットで、高度40000フィート（12192m）から投下され、自由落下で高度32000フィート（9754m）まで降下して超音速に達し、ブースターに点火して高度59000フィート（17983m）・マッハ2.3となり、サステナーに切り替えて高度70000フィート（21336m）に上昇、目標に達するとハイダイブで空中炸裂する。射程185km。弾頭は1.1メガトンのW28（イギリス秘匿名称レッド・スノー）といわれる。バルカン爆撃機とヴィクター爆撃機に搭載可能。開発が長引くうちにU-2撃墜事件が発生、高々度からの投下が無謀となったため低高度ポップアップ発射に切り替えて1962年に配備された。しかし戦略原潜とSLBMの発達でイギリスが核戦略を転換、ポラリスA-3搭載戦略原潜に戦略核抑止任務を全面依存することになったため、1970年に退役した。参考：月刊JWings6,’13、核兵器事典、月刊航空ファン4,’18、週刊エアクラフトNo.48

＜ブルー・スチールＭｋ�U＞：ブルー・スチールの高速長射程型。翼端にBRJ.822ラムジェットエンジンを取り付けて巡航速度をマッハ３に、射程を960kmに向上させる。イギリス軍空対地核ミサイル計画OR.1149の候補になったが、要求射程1850kmには達せず、没になった。参考：月刊JWings6,’13

＜ブルー・ストリーク＞：イギリス軍が計画したIRBM。液体ロケットで即応性に欠ける、開発コストが高騰したといった理由で1960年4月に開発中止となり、GAM-87スカイボルトを導入することにした。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ブルー・スピア＞：シンガポール海軍艦対艦ミサイル。STエンジニアリング社とIAI社が共同で設立したプロテュース・アドバンスド・システムズが開発した。射程290km。フォーミダブル級の改装で搭載予定。エストニア海軍も導入を決定した。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜ブルース砲＞：イギリスのワンストン砲台に２門設置された長射程砲。13.5インチ（343mm）砲身の中に８インチ（203mm）砲身を収めており、13.5インチ（343mm）砲の薬室を使用して８インチ（203mm）砲弾を飛ばす。最大射程99.2kmという超長射程砲であったが、30発程度で旋条が摩耗して精度が極度に悪化したため、ドーバー海峡砲撃戦ではあまり活躍しなかった。参考：歴史群像12,’03

＜ブルー・セイジ＞：イギリス空軍のレーダー警戒装置で、ヴィクター爆撃機とバルカン爆撃機に搭載された。AIレーダー、AAA照準用レーダー、ミサイル誘導用レーダーを検知・識別し、警報を表示する。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ブルー・ダイヤモンズ＞：VFA-146（飛行隊）を参照。

＜ブルー・ダイヤモンズ＞：フィリピン空軍アクロバットチームで、第６戦術戦闘飛行隊の隷下にある。当初はF-86を装備していたが、後にF-5Aに転換した。参考：世界の傑作機No.39

＜ブルータス＞：イギリス海軍が第２次大戦時に使用した囮船。元は商船のシティ・オブ・ダーバンである。総トン数5850トン。速力15ノット。兵装は10.2cm砲８門、12ポンド高角砲１門、２ポンド高角砲２門、533mm魚雷発射管４門、爆雷。参考：月刊丸2,’07

＜ブルー・ダニューブ＞：イギリス初の実戦用航空機搭載核爆弾Blue Danube（青きドナウ）。32個の爆縮レンズを持つ爆縮型原爆で、尾部の安定翼４枚は折り畳み式。使用直前に弾頭部分をケースに挿入する。全長7.32m、直径1.52m、重量10000ポンド（4.536トン）。弾頭威力10-12キロトン。1953年から20発が生産されたが、この時点では搭載できる爆撃機が無く3V爆撃機を開発し、第49飛行隊ヴァリアント爆撃機が1956年10月11日にオーストラリアのマラリンガで初の空中投下核実験を行い、威力３キロトンを記録した。1962年に退役した。参考：核兵器事典、月刊軍事研究5,’01、月刊JWings5,'22、6,'22、11,’18

＜ブルー・テイルス＞：VAW-121（飛行隊）を参照。

＜フルーテッド・チャンバー＞：薬室内面に縦に溝が切られているもの。発射ガスがこの溝に入り込み、薬莢が薬室にへばりつくのを防ぐ。参考：GUN用語事典

＜ブルーデント＞：PG-96（コルベット）を参照。

＜プルート＞：アメリカ軍の試作巡航ミサイル、Pluto（冥王）。トーリー原子力ラムジェットエンジンを搭載した超音速巡航ミサイルである。ミサイル胴体で揚力を発生させるリフティング・ボディ式で、機首に３枚の動翼と後部に３枚の固定フィンがある。弾体下部にショックコーン付きのエアインテイクがあり、ここから吸い込まれた空気はショックコーン直後で減速・圧縮され、原子炉の炉心に直接当たり、加熱されて吹き出る。発射時にはロケットブースターを使用してラムジェットエンジン作動に必要な超音速を得る。胴体中央には爆弾倉があり、14-26発の核爆弾を打ち上げながら（投下すると爆発に巻き込まれるので上に向かって発射する）、低空を飛行して放射能排気と衝撃波で地表にダメージを与え続け、最終的には空になったミサイルが原子炉ごと最終目標に突入する。全長26.8m、胴体直径1.5m、発射重量27.54トン。最大速度と航続距離は高度9000mでマッハ４・182000km、高度300mでマッハ３・21300km。誘導装置はTERCOMである。1957年1月に開発が開始されたが、放射能排気をまき散らすため適当な実験場が無く、1964年7月1日に計画中止となった。参考：月刊JWings1,’07

＜プルート＞：イタリア海軍の遠隔操作式機雷探知処分具。有線操作式で、ソナー、TVカメラ、照明装置を装備する。全長1.68m、幅0.6m、高さ0.63m、重量160kg、炸薬重量15kg。推進は電動推進器５基で、速力４ノット、最大潜航深度400m、航続時間1-2時間。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜プルート作戦＞：第２次大戦時のオーバーロード作戦で上陸した連合軍に、イギリス本土から延びるパイプラインによって燃料と潤滑油を供給する作戦で、プルートはPipeLine Under The Ocean（海底パイプライン）の略。1942年春、チャーチル首相が統合計画参謀部統合作戦実験局に命じて作戦計画が練られることになった。パイプラインの素材は王立物理学研究所による海水圧力研究の結果を基に電話ケーブル敷設の経験が豊富な郵政省の協力を得て開発を進め、ヘイス・パイプとハメル・パイプの２種類を完成させた。これを海底に敷設するため、コナン・ドラム５及びケーブル敷設船５隻を準備し、まずはイギリス国内の輸送ラインとしてスオンジーから海を挟んで向かいのウォーターマウスを結び、イギリス南端のワイト島まで送るラインと、ブリストルからドーバー海峡に面するダーンジネスまで送るラインの２本を整備、別荘やアイスクリーム屋などに偽装した中継ステーションを所々に設けた。オーバーロード作戦開始直後の6月14日からは、初期作戦としてノルマンディー沖に浮かぶ艦隊随伴タンカーからパイプを延ばして地上パイプラインに繋ぎ、燃料などを供給した。8月12日から本格的なプルート作戦を開始。ワイト島のセント・キャサリンス岬からはコタンタン半島先端のシェルブールまで、ダーンジネスからはドーバー海峡の向かい側のブローニュまで海底パイプラインが敷設された。前者は僅か10時間で100kmの敷設を終了し、海峡越えを達成している。最終的に、シェルブールからはカーンを経てセーヌ川対岸のルーアンまでの230km、ブローニュからはカレー、アントワープ、アイントホーフェンを経てライン川を越えたヴェーゼル方面まで700km以上も延長され、後者にはベルギーのオーステン港やアントワープ港からのパイプラインも接続された。第２次大戦終了までに７億8174万リットルの油類を送り込んでいる。参考：歴史群像10,’08

＜プルート・プラス＞：イタリア海軍の遠隔操作式機雷探知処分具で、プルートの改良型。大型化してDAMDICワンショットUUVを積めるようにしている。全長1.95m、重量250kg。最大速力７ノット、航続時間10時間。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ブルーノ・ハイネマン＞：Z-8（駆逐艦）を参照。

＜ブルーパー＞：M79（てき弾発射機）を参照。

＜ブルーバード級＞：アメリカ海軍掃海艇Bluebird級。全長43.2m、満載排水量270トン。主機はディーゼルで、速力13ノット。兵装は20mm連装機関砲１基。1952-56年にMSC-207ホイップアーウィルなど22隻が就役した。他に200隻以上が建造され、海上自衛隊含む国外に貸与・供与されている。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜ブルーバード作戦＞：1949年にCIAの科学情報局が開始した人間の意思のコントロール技術開発計画。1951年にアーティチョーク作戦と名称変更され、1953年にはMKウルトラとなった。参考：月刊軍事研究2,’02、5,’01

＜ブルーバック＞：SS-326（ガトー級潜水艦）またはSS-581（バーベル級潜水艦）を参照。

＜ブルーハンター＞：UMS4132（ソナー）を参照。

＜ブルービューＰ９００シリーズ＞：フランスのサブシー・テク社が開発した高分解能ソナーで、画像化できるためにメーカーでは音響カメラと称している。周波数900KHz、幅１度×20度の音響ビームを視野角45度（目標距離55m）なら256本、90度（目標距離100m）なら512本、130度（目標距離100m）なら768本送信し、角度分解能0.18度、距離分解能25mmの高解像度画像を得る。重量2-8kg。最大運用深度6000m。機雷探知、水中調査、ダイバー捜索などに使用可能。参考：月刊軍事研究1,’11

＜ブルーフィッシュ＞：SS-222（ガトー級潜水艦）またはSSN-675（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜ブルーフィン＞：アメリカ海軍の機雷探査用魚雷型UUV。全長3.25m、胴体直径533mm。推進は電動モーターで、速力３ノット、行動時間18時間、安全潜航深度200m。側方走査ソナーを搭載する。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ブルーフィンＵＵＶシリーズ＞：ブルーフィン・ロボティクス社が開発した魚雷型UUV、Bluefin。参考：月刊軍事研究11,’15

　＜ブルーフィン１２Ｄ＞：エッジテック2200サイドスキャンソナー（使用周波数120/410kHz）を装備する。全長4.32m、直径0.32m。最大速力５ノット、航続時間は速力３ノットで30時間。参考：月刊軍事研究11,’15

　＜ブルーフィン１２Ｓ＞：全長3.77m、直径0.32m。最大速力５ノット、航続時間は速力３ノットで26時間。参考：月刊軍事研究11,’15

　＜ブルーフィン２１＞：Bluefin-21。エッジテック2200サイドスキャンソナー（使用周波数120/410kHz）、エッジテックDW-216測深儀、レゾン7125エコー・サウンダーを装備する。全長4.93m、直径0.533m、重量750kg、ペイロード7.3kg。推進は耐圧リチウム・ポリマー電池によるダクテッド・プロペラで、最大速力4.5ノット、航続時間は速力３ノットで25時間。2016年の年次海軍技術演習に参加し、潜水艦から射出された後で小型UUVのブルーフィン・サンドシャークを射出して独立行動させたり、ブルーフィン21で集めた情報をサンドシャークに送ってサンドシャークを露頂させ上空のUAVを介して陸上の潜水艦戦闘制御システムに送ったりといった実験に成功した。参考：月刊軍事研究11,’15、月刊世界の艦船5,’18

　＜ブルーフィン・サンドシャーク＞：携帯型。センサーを積み替えることでISR、対機雷戦、海底マッピングを行える。自重6.8kg。参考：月刊世界の艦船5,’18

＜ブループ・ガン＞：M79（てき弾発射機）の愛称。

＜ブルー・フェニックス＞：タイ空軍アクロバットチーム。タイ航空100周年にあたる2012年にガムペーンセーン空軍基地で創設された。使用機はPC-9練習機５機で、第２訓練飛行隊の教官がパイロットを務める。スイス製純正スモーク発生装置は高いので、オーストラリア空軍アクロバットチームのルーレッツ用に開発されたものを導入した。2012年6月29日から7月2日、ドンムアン空港で開催されたタイ航空100周年記念イベントでフライトを実施。2013年は６機編隊になる予定だったが、４番機が民間航空に移籍してしまい、2013年中は展示飛行は行わず訓練に専念することとなった。2014年1月11日のドンムアン空軍基地オープンハウスで展示飛行を再開している。参考：月刊JWings10,’12、6,’13、4,’14

＜ブルー・フォース・トラック＞：アメリカ軍の味方位置確認システム。友軍と敵のGPS位置情報を共有できる。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ブルー・ブラスターズ＞：VFA-34（飛行隊）を参照。

＜ブルー・フラッグ演習＞：アメリカ空軍の指揮通信演習。参考：月刊JWings9,’00

＜ブルー・フラッグ演習＞：イスラエル空軍の多国間空対空戦闘演習Blue Flag。トルコとの関係悪化でNATO演習アナトリアン・イーグルに参加できなくなったため、代わりに開催したものである。全参加者がイスラエル空軍オブダ空軍基地に集結し、隣接するネゲブ砂漠にある12000平方キロメートルの演習場で世界一リアルな演習と称される複雑なシナリオをこなす。参考：月刊航空ファン3,’20、月刊JWings2,’20

＜ブルー・フラッグ２０１３＞：第１回で、2013年11月17-28日に実施した。イスラエル、アメリカ、イタリア、ギリシャが演習を行い、イギリスやドイツなどがオブザーバー参加している。参考：月刊JWings6,’14

＜ブルー・フラッグ２０１９＞：第４回で、2019年11月3-14日に実施された。イスラエル空軍F-15A/B/C/D戦闘機、F-16C/I戦闘機、F-35I戦闘機（多国間演習初参加）、G550CAEW、アメリカ空軍F-16CM戦闘機、イタリア空軍F-35A戦闘機、F2000A戦闘機、G550CAEW、ギリシャ空軍F-16C/Dブロック52プラス戦闘機、ドイツ空軍ユーロファイター戦闘機など５カ国から70機と1000名が参加し、仮想国家ブルー及びレッドに分かれて防勢的対空戦DCA、攻勢的対空戦OCA、小規模空軍運用SFE、合同航空作戦COMAO（SEAD/DEADなど）といった各種訓練を行っている。参考：月刊航空ファン3,’20、月刊JWings2,’20

＜ブルーベル＞：K80（コルベット）を参照。

＜ブルーホエール＞：C-2シリーズ（輸送機）を参照。

＜ブルー・ホークス＞：HSM-78（ヘリ飛行隊）を参照。

＜ブルー・ホーネット＞：航空学校宇都宮校飛行教官のアクロバットチーム。スカイ・ホーネットの後継で、TH-480B練習ヘリ６機とパイロット12名で編成され、５機編隊とソロで演技を行う。2015年5月24日の北宇都宮駐屯地開設42周年記念行事でフライトを初披露した。2024年6月1日、北宇都宮駐屯地開設51周年記念行事で５年振りの展示飛行を実施。新型コロナウイルスの影響で休止している間にリーダー経験者２名が定年退官するなど、練度に不安があったことから、４機編隊で展示飛行を行っている。参考：月刊JWings8,’15、8,'24、月刊軍事研究8,’16、MAMOR vol.127

＜ブルーボトル＞：オーストラリア海軍無人水上艇Bluebottle。オーストラリアのOCIUS社が開発した。船体中央に帆を持つヨット型で、船体上面と帆に太陽電池が張られており、艇尾にマストが１本立っている。メインは帆走で、太陽電池と波力を補助動力に使い、補給無しで長期行動が可能。キールから水中にセンサーを展開でき、海洋状況把握・海洋調査を主任務とする。巡航速度１ノット（風速５ノット）／4.5ノット（風速25ノット）。シー・ステート５まで作戦行動でき、シー・ステート７まで航行可能。ペイロード300kg以上。2023年7月までに５隻を配備した。日本の海洋研究開発機構も導入して小笠原諸島西之島周辺の調査に使用している。参考：月刊世界の艦船10,’24

＜ブルー・マックス＞：プール・ラ・メリート（勲章）を参照。

＜ブルーム＞：DD-210（駆逐艦）を参照。

＜ブルーム＞：散布されたチャフが時間と共に拡散すること。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ブルーム＞：日本海軍士官のスラングで、たくさんの女性と性交すること。参考：帝国陸海軍事典

＜ブルーム・タイム＞：チャフを散布してから拡散し始めるまでの時間。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ブルー・リッジ＞：AGC-2（アパレイチアン級揚陸指揮艦）またはLCC-19（ブルー・リッジ級揚陸指揮艦）を参照。

＜ブルー・リッジ級＞：アメリカ海軍揚陸指揮艦Blue Ridge級、基本計画番号SCB-400。イオージマ級LPHをベースに製作された揚陸作戦指揮艦で、最初からこの任務を目的として建造されたのはこのクラスが初である。ただ就役した両艦とも艦隊旗艦を務めているため、揚陸作戦指揮のみならず戦域指揮が可能であるようだ。フラットな上甲板は電波障害を防ぎ通信能力を確保するのに好都合で、アイランドを横に延ばしてほぼ甲板と同じ幅にしており、上甲板後部中央には太いアンテナマストが立っていて、甲板各所にアンテナや衛星通信用ドームが乱立している。艦尾はヘリ甲板で、格納庫が無いため露天繋止になる。指揮区画は戦術指揮所（画像情報を多機能ディスプレイに表示、指揮官や幕僚が作戦指揮を行う）、統合航空部隊洋上指揮所（戦域の４軍航空機を一元指揮する）、地域防空指揮所（戦域・艦隊防空担当で、航空機やミサイルの三次元追跡データを表示する）から構成される。艦内スペースを確保するため、船体左右に大きな張り出しを設け、ここにLCVP２隻やLCP３隻などを収容するようにした。全長188.5-193.2m、全幅32.9m、水線幅25.3m、吃水7.6-8.2m、軽荷排水量13077トン、満載排水量19290-19963トン（LCC-20は19760トン。17766トン？）。主機はGE社製蒸気タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー缶２基、出力22000馬力、１軸推進、速力23ノット、航続距離は16ノットで13000海里。兵装は50口径76mm連装速射砲２基で、竣工後にシースパロー８連装発射機２基を追加した。乗員842名（786名？732名？LCC-20は303名）、司令部要員688名（637名？253名？LCC-20は562名）。必要に応じて兵員輸送艦（700名収容可能）としても使用できる。1970-71年にLCC-19ブルー・リッジとLCC-20マウント・ホイットニーが就役し、前者は第７艦隊、後者は第６艦隊旗艦として運用されている。後に兵装を20mmCIWSファランクスMk15を２基と25mm単装機関砲２門に換装した。改装を繰り返し、衛星通信アンテナ用レドームなどを多数追加。2004年にはブルー・リッジが近代化改装を実施し、WSC-6(V)5・WSC-8(V)艦載衛星通信ターミナルを装備した。代艦建造予算が無いので、2039年頃まで運用される予定。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、4,’15、5,’14、2,’13、8,’82増刊、1,’10、10,’11、12,’12、アメリカ揚陸艦史、月刊軍事研究10,’06、8,’09

＜フルール＞：VAH-6（飛行隊）を参照。

＜ブルール＞：APA-66（攻撃輸送艦）を参照。

＜フルーレ＞：MS.755（練習機）を参照。

＜フルーレー＞：フランス海軍ル・アルディ級駆逐艦Flueret。1940年竣工。後にフードロアイヤンと改称した。1942年11月にツーロンで自沈。その後浮揚したが、1944年、ドイツ軍により自沈させられた。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ブルー・ローヴァー＞：A270（給油艦）を参照。

＜フルオート＞：全自動機構を参照。

＜フルオートマチック＞：全自動機構を参照。

＜プルガ−２＞：ロシア軍の車両用白燐発煙弾。参考：月刊PANZER10,’04

＜ブルカーノ＞：A5335（補給艦）を参照。

＜ブルカーノ級＞：イタリア海軍補給艦Vulcano級、計画名LSS（Logistic Support Ship）。船型は船首尾楼型、凹甲板が補給甲板で、船首楼両舷に大型クレーン１基ずつ、補給甲板前部両舷に液体用モノポール型補給ポスト１基ずつ、補給甲板後部両舷にドライカーゴ用モノポール型補給ポスト１基ずつを備え、前後補給ポスト間に監視用甲板室とボートダビット両舷１基ずつを持つ。船尾楼に大型の上構があり、航海艦橋は円形にして視界を確保した。上構後部はヘリ格納庫でEH-101ヘリを２機搭載でき、後甲板はヘリ甲板である。艦艇燃料9000立方メートル・6700キロリットル、航空燃料4500立方メートル・3700キロリットル、弾薬300トン、20フィート・コンテナ８個を搭載可能。医療用ベッド12床を備える。補給甲板にCB90型戦闘艇を積み、特殊部隊を乗せて非対称戦に投入することもできる。全長193m（194m？）、幅24m、満載排水量27200トン。主機はCODLAD方式、ディーゼル２基・ディーゼル発電機２基・電動モーター２基、出力36207馬力（26307馬力？）、速力20ノット。兵装は76mm単装砲１門。乗員167名＋予備居住施設33名分。２隻を建造予定で、１番艦A5335ブルカーノは2021年に就役した。２番艦アトランテ（Atlante）は2022年7月20日にファースト・スチール・カット、2023年6月に起工式が行われ、2024年5月18日に進水している。参考：月刊世界の艦船4,'21、3,’20、1,’19、10,’22、9,’23、8,’24

＜ブルガズアダ＞：F-513（コルベット）を参照。

＜ブルガリア海軍＞：1972年からロメオ級潜水艦を配備。2005年からウィーリンゲン級フリゲート３隻を取得。2011年11月、潜水艦スラヴァが退役し、潜水艦がいなくなった。2022年6月17日、フラブリ級コルベット１番艦が起工された。参考：月刊世界の艦船3,’14、1,’16、9,’22

＜ブルガリア海軍（１９７７年）＞：兵力8500名（うち徴兵5000名）、予備役15000名。ロメオ級潜水艦２隻、ウイスキー級潜水艦２隻、リガ級２隻、クロンシュタット級沿岸護衛艦２隻、ソイ級沿岸護衛艦６隻、オサ級ミサイル哨戒艇３隻、シェルシェン級魚雷艇４隻、P4級魚雷艇８隻、T43型掃海艇２隻、バンヤ級掃海艇４隻、PO2哨戒掃海艇24隻、ビドラ級揚陸艇10隻、MFP級揚陸艇９隻、Mi-1ヘリ２機、Mi-4ヘリ６機を装備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ブルガリア海軍（１９８９年）＞：兵力8800名（うち徴兵3000名）、予備役7500名。司令部はヴァルナとドナウ川沿岸のビディン、基地はヴァルナ、アチヤ、ソゾポール、バルチク、ビディンにある。ロメオ級潜水艦４隻、リガ級フリゲート３隻、ポチ級コルベット６隻、オサ級ミサイル艇６隻、シェルシェン級魚雷艇６隻、SO-1級内海哨戒艇３隻、T-43級掃海艇１隻、ソーニャ級掃海艇４隻、バーニャ級掃海艇６隻、エフゲーニャ級掃海艇４隻、小型掃海艇18隻、ポルノクニイ級揚陸艦２隻、ビドラ級機械化揚陸艇19隻、汎用揚陸艇４隻、油槽船２隻、海洋調査船２隻、情報収集艦１隻、練習艦１隻を装備する。海軍航空隊には武装ヘリ３機、捜索救難／対潜飛行隊１個（Mi-14ヘリ９機、Mi-4/-8ヘリ）を配備する。沿岸砲兵連隊２個・中隊20個を擁し、100mm砲150門と130mm砲SM-4-1を装備。海軍警備隊３個中隊を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブルガリア海軍（２０１３年）＞：兵力4002名。フリゲート４隻、コルベット３隻、ミサイル艇３隻、掃海艇13隻、中型揚陸艦１隻、揚陸艇２隻、測量艇２隻、給油艦３隻、消磁艦１隻、救難艦１隻、特務艦５隻、魚雷回収艇１隻、陸上ヘリ６機を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’14

　＜ブルガリア海軍（２０１５年）＞：現役兵力3450名、予備役7500名。ドラツキ／ウィーリンゲン級フリゲート３隻、スメリ／コニ級フリゲート１隻、ムルナヤ／タランタル�U級ミサイル艇１隻、レシテルニ／パウク�T級魚雷艇２隻、トリパルタイト級掃海艇１隻、ソーニャ級掃海艇３隻、オルヤ級沿海掃海艇２隻、ヴィドラ級LCU１隻、兵站・支援艦艇14隻、AS565MB対潜ヘリ３機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルガリア空軍＞：Bulgarski Voenno Vazdushni Sili。基地はカネメッツ基地、クルモボ基地、ソフィア国際空港、中央部のグラフ・イグナティボ空軍基地、東部のベツメル基地。運用基本単位は飛行隊（Avio Eskadrila）である。1960年代からMiG-21を200機以上配備した。1974-90年にMiG-21UBを33機導入。1977年、MiG-23戦闘機の配備を開始。1983年と1985年にMiG-21bisを30機強導入した。1985年、Mi-17-1Vを24機、Mi-17PPを４機導入した。1986-88年、Su-25Kを36機、Su-25UBKを４機導入し、２個飛行隊に配備した。1989-90年にMiG-29Aを18機、MiG-29UBを４機配備した。1998年、空軍基地を15カ所から５カ所（うち１カ所は国際空港と共用）に減らした。減らした基地の１つは海軍ヘリ運用拠点に転用されている。2004年からPC-9練習機を導入。2007年からC-27J輸送機を導入。MiG-21シリーズは2011年までに退役予定だったが、後継機が決まらず、2015年12月18日に漸く全機退役した。MiG-29シリーズは改修を加えて最大40年ほど使用する。Su-25は後継機種をユーロファイター、F-16C/D、F/A-18E/F、グリペン、ラファールの中から選定しているが、予算不足で遅れていて、2015年までの使用予定が2020年までに延びる。2015年8月25-27日、シャブラ射撃場で実弾射撃演習シャブラ2015を実施し、空対空戦闘、空対地攻撃、地対空ミサイル射撃訓練などを行った。2017年4月26日、MiG-29の後継としてJAS-39グリペンを採用した。2019年5月、スルキアンスター2019演習を実施。イタリア空軍F-2000タイフーン戦闘機も参加した。参考：月刊JWings3,’09、1,’15、5,’11、2,’16、3,’16、月刊航空ファン5,’11、8,’16、2,’20、月刊軍事研究6,’12、10,’17

　＜ブルガリア空軍（１９７７年）＞：兵力25000名（うち徴兵13000名）、予備役20000名。MiG-17戦闘機132機、MiG-27攻撃機少数、MiG-21戦闘機48機、MiG-19戦闘機19機、MiG-21偵察機型10機、MiG-15偵察機型24機、Il-14輸送機６機、An-24輸送機４機、Tu-134輸送機２機、Mi-4ヘリ30機、Mi-2ヘリ、Mi-8ヘリ、作戦練習用MiG-15戦闘機27機、作戦練習用MiG-21戦闘機10機、L-29/Yak-11/Yak-18練習機100機、MiG-15UTI/MiG-17UTI/MiG-21UTI練習機109機、SA-2、SA-3を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜ブルガリア空軍（１９８９年）＞：兵力26800名（うち徴兵18000名）、予備役45000名で、航空師団２個・戦闘連隊７個、防空師団１個からなる。Su-25戦闘攻撃連隊１個45機、戦闘機連隊４個（MiG-23MF40機、MiG-21PFM108機）、偵察機連隊１個（MiG-17/-21/-25偵察機35機、Su-22）、輸送機連隊１個（An-12輸送機５機、Il-14輸送機５機、An-24輸送機４機、An-2輸送機４機）、ヘリコプター連隊１個（Mi-2ヘリ10機、Mi-4ヘリ10機、Mi-8ヘリ20機、Mi-24ヘリ45機）、L-39練習機18機、L-29練習機80機、Yak-11/-18練習機、地対空ミサイルサイト30ヵ所、SA-2/-3/-4地対空ミサイル280基を有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブルガリア空軍（２０１０年）＞：MiG-29A12機、MiG-29UB４機、MiG-21bisSAU11機、MiG-21UM３機、Su-25K10機、Su-25UBK４機、L-39ZA13機、PC-9M６機、C-27J３機、An-26を２機、An-30を１機、An-2/2Mを１機、PC-12M１機、L-410UVP３機、Mi-17ヘリ４機、Mi-17PP２機、AS532AL11機、ベル206Bを３機、ベル206B3を３機保有している。参考：月刊JWings6,’10

　＜ブルガリア空軍（２０１５年）＞：MiG-29A戦闘機12機、MiG-29UB戦闘機４機、MiG-21bis戦闘機10機、MiG-21UM戦闘機２機（2014年末から退役中）、Su-25K攻撃機10機、SU-25UBK攻撃機４機（2014年末から退役中）、An-30ISR機１機、C-27J輸送機３機、An-2T輸送機１機、L-410UVP-E輸送機２機、PC-12M輸送機１機、L-39ZA練習機６機、PC-9M基本練習機６機、Mi-24D/V攻撃ヘリ６機、Mi-17輸送ヘリ６機、AS532AL輸送ヘリ12機、ベル206ヘリ６機、ヤストレブ2S無人電子戦機、S-300地対空ミサイル、S-75地対空ミサイル、S-125地対空ミサイル、S-200地対空ミサイル、2K12地対空ミサイル、R-3/-27R/-73空対空ミサイル、Kh-23/-25/-29空対地ミサイルを保有している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルガリア軍＞：第１次大戦で敗戦し、1919年11月27日に調印した講和条約ヌイイ条約でギリシャ国境及びトルコ国境には軍備を置けなくなった。1938年7月31日、ブルガリアとギリシャの首相が会談を行い、バルカン協商加盟国（ギリシャ、トルコ、ルーマニア、ユーゴスラビア）とブルガリアが相互不可侵条約を締結すると共に、ブルガリアがギリシャ国境に軍備を配置できるようになった。2015年、５カ年計画を発表。歩兵戦闘車、戦闘用航空機、哨戒艦艇を更新し、近隣諸国やNATO諸国との訓練を継続するが、旧ソ連兵器への依存度はまだまだ高いままである。参考：歴史群像4,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ブルガリア軍（２０１５年）＞：総現役兵力31300名（陸軍16300名、海軍3450名、空軍6700名、中央要員4850名）、準軍事組織16000名（国境警備隊12000名、保安警察4000名）。予備役303000名（陸軍250500名、海軍7500名、空軍45000名）。アフガンにNATOのResolute Support作戦要員110名、アルメニア／アゼルバイジャンにOSCE要員１名、ボスニア・ヘルツェゴビナにEUFORアルテア作戦要員10名とOSCE要員１名、リベリアにUNMILオブザーバー２名、マリにEUTMマリ要員４名、セルビアにKFOR要員12名、コソボにOSCE要員１名、ウクライナにOSCE要員17名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルガリア・スーツ＞：KSo/34（制服）を参照。

＜ブルガリア陸軍＞：1940年、35(t)式戦車36両を配備。1944年、�W号戦車Ｇ型と�V号突撃砲Ｇ型を供与された。人民共和国憲法施行で人民軍が編成されると、パリ条約の制限に合わせて国境警備隊を含め55000名で発足した。ソ連の援助を受け、1954年12月には総兵力200000名、３個軍管区、７個狙撃師団、３個戦車師団、１個自動車化狙撃師団、３個騎兵旅団、T-34/76戦車600両を擁した。1971年、BMP-23歩兵戦闘車を採用。参考：月刊PANZER5,’79、4,’04

　＜ブルガリア陸軍（１９７９年）＞：兵力115000名（うち徴兵75000名）、予備役200000名。８個自動車化狙撃師団、５個戦車旅団、１個空挺連隊、３個スカッド地対地ミサイル旅団、４個砲兵連隊、３個高射砲連隊、１個山岳大隊、２個偵察大隊からなる。戦時には３個機械化軍が編成される。主要装備はT-34/85戦車100-125両、T-54/55戦車1800両、BRDM1/2装甲車290両、BTR-60P装甲兵員輸送車1500両、OT-62装甲車35両、85mm砲200門、122mm榴弾砲400門、152mm榴弾砲95門、120mm迫撃砲350門、76mm/82mm無反動砲130門、フロッグ地対地ミサイル36基、スカッド20基。参考：軍事力バランス78年版、月刊PANZER5,’79

　＜ブルガリア陸軍（１９８９年）＞：兵力81900名（うち徴兵70000名）、予備役420000名。軍管区・軍司令部３個、戦車旅団５個、自動車化狙撃旅団５個からなる。また、軍直轄部隊としてスカッド旅団４個、地対空ミサイル旅団１個、砲兵連隊３個、高射砲連隊３個、コマンドー中隊１個を置く。空挺連隊１個も編成されているが、兵力は空軍から充足される。T-54/55戦車1200両、T-62戦車125両、T-72戦車200両、BRDM-1/2偵察車420両、BMP-1歩兵戦闘車280両、BTR-50/60装甲車1100両、OT-62装甲車35両、MT-LB装甲車500両、100mm牽引砲M1944を80門、122mm牽引砲M30を400門、D30牽引砲、M46牽引砲40門、152mm牽引砲M1937を170門、D20牽引砲、2S1自走砲120両、2S3自走砲20両、BM-21多連装ロケット130両、130mm多連装ロケットM-51を120両、120mm迫撃砲450門、フロッグ７地対地ミサイル36基、スカッド36基、AT-3サガー360基、76mm対戦車砲M1942を150門、100mm対戦車砲T-12を150門、ZU-23/ZSU-23-4/S-60/KS-12/KS-19高射砲400門、SA-4/-6/-13地対空ミサイル50基を配備する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブルガリア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力16300名、予備役250500名。特殊作戦旅団１個、機動偵察大隊１個、機械化旅団２個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個、NBC大隊１個、兵站連隊１個からなる。T-72戦車80両、マリッツァNBC偵察車、BMP-1歩兵戦闘車90両、BMP-23歩兵戦闘車70両、MT-LB装甲兵員輸送車100両、BTR-60装甲兵員輸送車20両、M1117ASV装甲兵員輸送車７両、122mm自走砲2S1を48両、152mm榴弾砲D-20を24門、122mm多連装ロケットBM-21を24両、120mm自走迫撃砲2S11を215両、9P148自走対戦車ミサイル24両、9K111対戦車ミサイル、9K113対戦車ミサイル、9K11対戦車ミサイル（保管中）、85mm対戦車砲D-44を150門（保管中）、100mm戦車砲MT-12を126門、9K33自走地対空ミサイル24両、9K32携帯地対空ミサイル、100mm高射砲KS-19、57mm高射機関砲S-60、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4、23mm高射機関砲ZU-23、GS-13ロングアイ車載レーダー、SNAR-1ロングトラフ砲兵レーダー、SNAR-10ビッグフレッド車載砲兵レーダー、SNAR-2/-6ポークトラフ砲兵レーダー、スモールフレッド／スモールヨーン車載砲兵レーダー、MT-LB装甲工兵車両、T-54/T-55戦車回収車、MTP-1装甲回収車、MT-LB装甲回収車、BLG67戦車橋、TMM戦車橋を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜フルカン＞：ドイツ海軍フルカン級潜水艦救難艦Vulkan。1908年竣工。第１次大戦で潜水艦２隻を救難している。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜ブルカン＞：P-1000（対艦ミサイル）を参照。

＜フルカン級＞：ドイツ海軍潜水艦救難艦Vulkan級。双胴船の中央部を跨ぐ形で吊り上げ能力500トンの大型クレーンを設置しており、沈没した潜水艦を引っ張り上げる。総トン数1595トン。速力12ノット。1908年にフルカンが竣工した。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜ブルガン油田の戦い＞：湾岸戦争デザート・セイバー作戦中の1991年2月25日早朝、第１海兵師団はブルガン油田南方に進出し、北上していた。この時、イラク第３軍団が朝靄と油田火災の黒煙に紛れて反撃を開始、パパ・ベア支隊の右翼から第５機械化師団第26戦車旅団が突っ込んできた。視程100m以下で航空攻撃の恐れが無いと判断しての攻撃とみられるが、パパ・ベア支隊はAH-1W（ヘルファイア・TOW装備）とTOW搭載HMMWVにより反撃し、暗視装置を活かしてT-55戦車やYW531装甲車を次々と撃破した。それでもイラク軍は数に任せて突撃を繰り返したため、AV-8Bハリアー攻撃機とM-60A1装備の戦車中隊を投入、戦車50両以上と装甲車25両を破壊して反撃を頓挫させた。参考：月刊軍事研究9,’09

＜プルキー�T＞：I.Ae.27（試作戦闘機）を参照。

＜プルキー�U＞：I.Ae.33（試作戦闘機）を参照。

＜プルキー�Uｅ＞：I.Ae.33シリーズ（試作戦闘機）を参照。

＜ブルキナファソ空軍＞：2010年代に唯一の輸送機であるNC235-220が飛行不能になり、空輸能力が皆無になってしまった。2019年に後継のC-295W輸送機１機を発注している。参考：月刊航空ファン3,’20

　＜ブルキナファソ空軍（２０１５年）＞：現役兵力600名。DA42M偵察機１機（を保有しているという報告あり）、AT-802輸送機１機、ビーチ200輸送機２機、CN-235-220輸送機１機、PA-34輸送機１機、テトラス輸送機３機、B727要人輸送機１機、EMB-314練習機３機、SF-260WL練習機２機、Mi-35攻撃ヘリ２機、Mi-17汎用ヘリ２機、Mi-8汎用ヘリ１機、AS350汎用ヘリ１機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルキナファソ軍＞：2015年9月、大統領警護連隊の一部がクーデターを起こしたが失敗し、その後就任したカファンド大統領が大統領警護連隊を解散させた。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ブルキナファソ軍（２０１５年）＞：現役総兵力11200名（陸軍6400名、空軍600名、憲兵4200名）、人民民兵（予備役）45000名、準軍事組織（保安中隊）250名。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員１名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員１名とオブザーバー７名、マリにMINUSMA要員1714名、歩兵大隊２個、スーダンにUNAMID要員806名、歩兵大隊１個、オブザーバー５名、UNISFAオブザーバー１名を派遣している。フランス軍Barkhane作戦要員220名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルキナファソ陸軍＞：2011年に大規模改編が行われ、多数の連隊が解散・再編された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルキナファソ陸軍（１９８９年）＞：航空部隊も憲兵も陸軍の一部である。陸上部隊兵力7000名、航空部隊兵力200名、憲兵隊兵力1500名。AML-60/-90偵察車15両、EE-9偵察車24両、M-8偵察車10両、M-20偵察車４両、フェレット偵察車30両、M-3装甲兵員輸送車13両、105mm砲M-101を８門、63式107mm多連装ロケット、81mm迫撃砲、M-20バズーカ、LRAC対戦車ロケット、52型75mm無反動砲、14.5mm対空機銃30丁、SA-7地対空ミサイル、MiG-21戦闘機８機、SF-260W対ゲリラ戦機４機、SF-260WP対ゲリラ戦機６機、C-47輸送機２機、コマンダー500B輸送機１機、HS-748輸送機２機、N-262輸送機２機、MH-1521M連絡機３機、SA-316Bヘリ２機、SA-365Nヘリ２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブルキナファソ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力6400名。軍管区３個からなる。諸兵科連合連隊（機械化）１個、諸兵科連合連隊（軽）１個、歩兵連隊６個、空挺連隊１個、砲兵大隊１個、工兵大隊１個からなる。AML-60/-90偵察車19両、バスチオン・パトサス偵察車８両以上、EE-9偵察車24両、フェレット偵察車30両、M20偵察車２両、M8偵察車８両、パナールM3装甲車13両、バスチオン装甲車数両、プーマM26-15装甲車31両、105mm砲M101を８門、122mm砲６門、63式107mm多連装ロケット４基、122mm多連装ロケットAPRA-40を５基、81mm迫撃砲ブラント、82mm迫撃砲15門、120mm迫撃砲12門、52式75mm無反動砲（M20）、84mm無反動砲カールグスタフ、9K32携帯地対空ミサイル、14.5mm対空機銃ZPUを30基、20mm高射機関砲TCM-20を12基保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルク＞：FFG-1（ミサイル護衛艦）を参照。

＜ブルク級＞：アメリカ海軍ミサイル護衛艦Brooke級。対潜護衛艦ガーシア級の主船体を流用し、２番砲のかわりにターターSAM発射機Mk22を搭載している。ミサイル搭載数は16発、管制レーダーはマック後方のSPG-51C１基。対空レーダーはSPS-39で、後にSPS-52に換装された。バウ・ソナーはDEG1-4がSQS-26AXR、DEG5/6がSQS-26BX。全長126.19m、幅13.41m、吃水（満載時）7.32m、軽荷排水量2710トン、満載排水量3426トン（3371トン？）。主機はウェスティングハウス式ギヤード・タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー式過給型水管缶２基で、出力35000馬力、１軸推進、速力27ノット、航続距離は20ノットで4000海里。兵装はターターSAM単装発射機Mk22が１基（上部構造物後方。後にスタンダードSM-1を装備）、12.7cm38口径単装両用砲Mk30が１門（前甲板。FCSはMk56）、アスロック８連装発射機１基（砲と艦橋の間。DEG4-6は次発装填装置付）、48.3cm固定式連装対潜魚雷発射管１基（艦尾、後に撤去）、32.4cm３連装対潜魚雷発射管２基。DASH運用能力を持つが、後に格納庫を拡大してLAMPS�Tヘリを搭載するようになった。乗員228名。当初19隻が建造される予定だったが、建造費が高いので、DEG-1ブルク、DEG-2ラムゼイ、DEG-3スコフィールド、DEG-4タルボット、DEG-5リチャード・Ｌ・ペイジ、DEG-6ジュリアス・Ａ・ファーラーの６隻が1966-68年に就役したのみに止まった。1975年6月に艦種をミサイル・フリゲート、艦種記号をDEGからFFGに変更した。オリヴァー・ハザード・ペリー級の完成に伴い、1988年に全て退役し、４隻がパキスタン海軍に貸与され、1993-94年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船10,’02、9,’96、3,’92増刊

＜ブルク級・海外シリーズ＞

　＜ブルク級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍ミサイル・フリゲートで、カイベル級ともいう。パキスタン海軍初の艦対空ミサイル搭載艦である。全長126.3m、幅13.5m、吃水4.6m、基準排水量2640トン、満載排水量3426トン。主機は蒸気タービン１基１軸35000馬力、速力27.2ノット。兵装はスタンダードSM-1MR単装発射機Mk22が１基（16発）、アスロック８連装発射機１基、127mm単装砲１門、324mm３連装短魚雷発射管２基、ファランクス１基（F-161のみ）。SH-2GヘリまたはSA-316Bヘリ１機を搭載できる。乗員277名。４隻が貸与され、F-159ターブーク、F-161バダル、F-163ハルバー、F-169ホーナーンとして就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜フルクス・シリーズ＞：トルコ空軍ターボプロップ初等練習機・近接航空支援機Hurkus（トルコ初の飛行士、ヴェシヒ・フルクスから）。トルコ航空宇宙工業（TAI）が2006年から開発した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings2,’11

＜フルクスＡ＞：試作機で、2013年8月29日に初飛行した。TAIで生産したKT-1練習機がベースらしく、エンジンを強化して対地作戦にも使えるようにした。主翼は低翼配置。エンジン強化による強烈なトルクに対抗するため、垂直尾翼前縁の半ばに達する大型のドーサルフィンを持つ。コクピットは与圧式、マーチンベイカー社製Mk T-16Nゼロゼロ射出座席のタンデム複座で、後席を0.4m高くして教官の視界を確保した。機上酸素発生装置も備えている。降着装置は前輪式。全長11.17m、全幅9.96m、全高3.7m、自重2.1トン、全備重量2.6トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-68Tターボプロップ（1600軸馬力）単発、巡航速度463km、最大速度574km、失速速度143km、実用上昇限度11000m、海面上昇率毎分1320m、航続距離1500km。乗員２名。2015年までテスト飛行を行う予定。欧州航空安全局の耐空証明を取得して民間市場に投入する計画もある。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings4,’14、2,’11、月刊軍事研究9,’17

＜フルクスＢ＞：軍用練習機型で、2013年12月26日にトルコ空軍から15機（＋オプション40機）を受注した。アセルサン社製国産アビオニクス（HUDやMFDなど）を搭載し、HOTASも導入する。緊急脱出装置はマーチン・ベイカー製ゼロゼロ射出座席を装備。2018年1月30日に初飛行しており、年内に引き渡しが始まる予定である。参考：月刊JWings4,’14、9,’16、4,’18、月刊軍事研究9,’17、世界航空機年鑑2018-2019

＜フルクスＣ＞：近接航空支援・偵察型で、FLIRを装備する。兵装ペイロード1.5トンで、L-UMTASレーザー誘導式対戦車ミサイル、シリット誘導ロケットなどを運用できる。開発中で、2017年4月7日にL-UMTASの発射試験を行い、地上目標に命中させた。参考：月刊JWings4,’14、9,’16、月刊軍事研究9,’17

＜フルクス（洋上哨戒型）＞：高性能FLIRを搭載し、後席搭乗員をFLIR専用オペレーターとするもの。トルコ沿岸警備隊に提案中。参考：月刊軍事研究9,’17

＜フルクラム＞：MiG-29シリーズ（戦闘機）を参照。

＜プルクワ・パ？＞：フランス海軍海洋観測船Pourquoi Pas ?（どうして？）。艦名はフランスの南極探検家が乗っていた船の名にちなんでいる。各種海洋観測機器を搭載し、6000m級の深海潜水艇ノティール、無人潜水艇ヴィクトル6000の装備も可能で、運用担当は研究教育省だが、年に150日ほどフランス国防省が各種海洋観測に使用している。バウ・スラスター片舷３基ずつを装備し、ダイナミック・ポジショニング・システム（高精度で自動的に艦位を保持する）を備えているとみられる。当初はヘリ甲板を設け、ヘリコプターを搭載する予定だったが、どちらも装備されていない。全長105m、満載排水量5000トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力4350馬力、２軸推進、速力13.5ノット。参考：月刊世界の艦船6,’05、THE MILITARY BALANCE 2016

＜フルケ＞：ガルプンＢ（レーダー）を参照。

＜フルケ２＞：5P-27M（捜索レーダー）を参照。

＜フルケ４＞：5P-27（捜索レーダー）を参照。

＜フルケＥ＞：5P-27シリーズ（捜索レーダー）を参照。

＜古郡吾郎＞：日本陸軍エース。大正4年、秋田県生まれ。昭和11年8月、熊谷陸軍飛行学校に入学。昭和12年1月、操縦学生課程を修了、明野で戦闘機操縦者戦技訓練を受けた。訓練を終えて飛行第11戦隊配属となり、ノモンハン事件では20機以上を撃墜した。この際、熊谷陸軍飛行学校時代に習得した三味線を持ち歩いて演奏したため、三味線の古郡というニックネームを付けられた。昭和15年末、内地に帰還。昭和16年9月、准尉に昇進し、航空士官学校助教となった。昭和18年末、飛行第22戦隊要員として飛行審査部付となり、昭和19年3月に飛行第22戦隊に配属された。8月、中国戦線に出動。8月30日、P-51戦闘機２機を撃墜。10月下旬、捷一号作戦参加のためにフィリピンのネグロス基地に進出。11月3日、タクロバン飛行場攻撃に参加、P-38戦闘機４機と空戦になり、２機を撃墜したが、被弾して戦死した。総撃墜数25機以上。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜フル・コック＞：撃鉄を一杯に起こした状態。参考：GUN用語事典

＜ブルサル＞：M89（掃海艇）を参照。

＜フルサン・アル・エマラート＞：UAE空軍アクロバットチームで、首長国の騎士の意。元はアル・フルサン／エミレーツナイツで、LIMA’15での展示飛行後に訓練航空団隷下から戦闘航空団隷下に移った際に改称した。MB339A/NATの７機編成で、カラーリングはブラックとゴールドを基調とし主翼下面に白と緑を加えている。スモークはUAE国旗にちなんで赤、緑、白、黒を使う。2023年5月、LIMA'23で展示飛行を行った。後継機としてM-346を配備する予定だったが政治的理由で取り消されたため、スコーピオン、練15、Yak-130から再度選定中。参考：月刊航空ファン2,’16、10,’17、月刊JWings8,'23

＜ブルズ＞：VFA-137（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜ブルズ・アイ＞：第１軍団（アメリカ陸軍）を参照。

＜フルスケール空中標的＞：実物戦闘機大の標的機で、FSAT（Full-Scale Aerial Target）と略す。新型機を作るのは面倒なので、退役した有人戦闘機を改造してあり、有人でも無人でも運用可能。無人での標的ミッションはNULLO（Not Under Live Local Operator）と呼ばれる。参考：月刊航空ファン3,’17

＜フルスケール訓練弾＞：実弾と同じ形状、重量、重心の訓練弾。実弾を正確に模した投下訓練が行え、テイル・アッセンブリ交換により低抵抗・高抵抗の変換なども可能。参考：月刊JWings5,’13

＜フル・スペクトラム・オペレーションズ＞：アメリカ陸軍が2001年版FM3-0 Operationsで採用したドクトリン。平時、限定介入、平和維持作戦、不正規戦、全面戦争の全領域において、攻撃、防御、安定化作戦、民生支援の４つの行動領域を、陸海空海兵隊統合部隊の一員として実施するというもので、対外的には安定化作戦、国内向けには民生支援が特に強調されている。これに対応するため、戦域軍、軍団、師団レベルのモジュラー・フォースを編成する。参考：月刊軍事研究8,’13

＜ブルセラ菌＞：クリミア戦争時にマルタのイギリス軍兵士の間で流行したマルタ熱の病原菌で、家畜が保菌しており、傷のある皮膚や粘膜から感染する。非加工乳製品の摂取でも感染を起こす。エアロゾルによる散布や食物への混入が可能で、第２次大戦中から大戦後にかけて米ソが生物兵器として研究した。潜伏期1-2ヶ月。致死率は5%以下と低いが、倦怠感が強いため、人員を無力化できる。参考：月刊軍事研究2,’01、図解雑学生物・化学兵器

＜ブルターニュ＞：D-655（フリゲート）またはSO30P-1（輸送機）を参照。

＜ブルターニュ＞：フランス海軍ブルターニュ級戦艦１番艦Bretagne。1912年起工、1915年9月竣工。1919年から順次改装を行った。第２次大戦では地中海艦隊として行動。1940年7月3日、北アフリカのメルス・エル・ケビール軍港で、カタパルト作戦のため出撃したイギリス海軍Ｈ部隊の砲撃を受けて沈没した。参考：近代戦艦史、第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、2,’18

＜ブルターニュ級＞：フランス海軍超弩級戦艦Bretagne級。クールベ級の強化型であり、主砲を34cm連装砲塔５基として全て船体中心線上に設け、副砲の配置を変えてある。全長166m、最大幅26.9m、吃水8.9m、基準排水量22189トン、常備排水量23230トン。主機はパーソンズ式直結蒸気タービン２基、主缶はニクローズ式（プロヴァンスはベルヴィール式、ロレーヌはギョ・ド・タンブル式）混焼水管缶24基（プロヴァンスは18基）、出力29000馬力、４軸推進、速力20ノット、航続距離は10ノットで4700海里。兵装は46口径34cm砲M1912連装砲塔５基、55口径13.9cm単装砲22門、4.7cm単装砲４門、45cm水中発射管４門、機雷30個。装甲厚は水線部270mm、甲板70mm、バーベット270mm、砲塔前楯400mm、司令塔314mm。乗員1124-1133名。1912年度計画でブルターニュ、プロヴァンス、ロレーヌの３隻が建造され、1915-16年に竣工した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12

＜ブルターニュ級（改装）＞：1919-20年に前部マストを三脚式に変更し、方位盤を設置、最前部の副砲を撤去した。1920年代後期には缶の一部を油焚きにし、1920年代前半に第１次改装を実施、主砲をノルマンディー級のものに換装して仰角12度から23度に引き上げ、防御力を強化、7.5cm単装高角砲を片舷２門ずつ設置し、副砲の一部（最前部両舷と上甲板下最後部両舷の計４門）と魚雷発射管を撤去した。ロレーヌは7.5cm単装砲のかわりに10cm連装砲４門を装備している。1920年代後半には第２次改装を実施、缶を重油混焼に変更して第１煙突を高くした。1930年代前半、缶を新型にして出力を43000馬力に強化、第２煙突を第１煙突と同じ高さに上げ、船首楼甲板に7.5cm高角砲を片舷２門ずつ増設した。1934-36年、ロレーヌの３番砲塔を撤去してカタパルト１基などの航空設備を搭載した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史

＜ブルタール級＞：ルーマニア海軍河川哨戒艇。兵装は100mm砲１門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブルタール�T級＞：ルーマニア海軍河川哨戒艇。兵装は100mm砲１門、BM-21多連装ロケットランチャー２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルタール�U級＞：ルーマニア海軍河川哨戒艇。兵装は100mm砲１門、BM-21多連装ロケットランチャー２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ふるたか＞：海上自衛隊ちよづる型掃海艇４番艇。元は駆潜特務艇第241号である。1952年8月1日に海上保安庁から移管され、掃海船MS-04となった。1954年7月1日に掃海艇に類別変更された。1956年4月1日、特務艇特務１号に種別変更された。1960年3月31日、特務雑船YAS-25に区分変更された。1962年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜古鷹＞：日本海軍古鷹型重巡洋艦１番艦Furutaka。大正11年12月5日起工、大正14年2月25日進水、大正15年3月31日竣工。4月1日、第２艦隊に編入された。昭和9年10月14日、第２艦隊第６戦隊３番艦として参加した大演習を終えて紀淡海峡に集結。10月15-21日、神戸沖に停泊。昭和12年4月、大改装に入った。昭和14年1月30日、大改装を完工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上は第１艦隊第６戦隊、兵力部署では南洋部隊グアム島攻略支援隊に所属していた。12月9日、グアム島攻略作戦に参加した。12月21日、ウェーク島攻略作戦に参加。昭和17年4月下旬からMO作戦に参加。5月6日、第６戦隊所属で珊瑚海海戦に参加。8月8日、第１次ソロモン海戦に参加。10月11日（12日？）、サボ島沖夜戦で沈没し、258名が戦死した。2019年2月25日、サボ島沖北西1400mの海底に沈んでいるのを、ポール・アレン氏の沈没艦船調査チーム調査船ペトレルが発見した。船体前部は主船体から分離し、艦橋構造物も主船体から600mほど離れて沈んでいた。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊丸2,’08、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船8,'24、9,’13増刊、4,’16、8,’19、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜古鷹型＞：日本海軍重巡洋艦Furutaka型。世界で初めて20cm級の砲を搭載した巡洋艦である。八八艦隊計画で、アメリカのオマハ型とイギリスのホーキンス型に対抗して建造された。元は単なる巡洋艦だったが、設計中にワシントン条約で軽巡と重巡が定義され、古鷹型は軽量級ながら備砲から重巡に分類されている。主砲は五〇口径三年式二〇サンチ単装砲６門で、艦首と艦尾に３門ずつピラミッド型に搭載した。給弾は砲塔３基あたり下部揚弾器１基で行うこととし、発射速度は１門当たり毎分４発と遅くなったが、連装砲３基とするよりも重量は軽い。四〇口径三年式八サンチ高角砲４門（２本の煙突の両側に左右２基ずつ）、61センチ固定式連装魚雷発射管６基（３番砲塔から艦橋の間の中甲板に左右１基ずつ、４番砲塔直前の中甲板に左右２基ずつ）を持つ。設計した平賀大佐は誘爆の危険から魚雷発射管を全廃する予定だったが、軍令部が復活させた。船体を長くして抵抗を減らし、構造材の一部に防御鋼板を使用して船殻重量を減少させ、機関出力を小さくして燃費を向上、燃料搭載量を減らして基準排水量7950トン（設計時は7100トンの予定だったが詳細設計者が勝手に変えた）と7000トン台に抑えており、9000トンは必要とされた世界の常識を覆した。艦型は平甲板型（各甲板で必要な乾舷を計算して連続ラインで結んだため、２箇所で盛り上がった波形船体になった）として縦強度を高くし、舷側鋼板を船体構造の一部として防御力を落とさずに排水量を低くしている。水線下防御用隔壁が無いため、水中防御は弱い。艦首の上端部は前方に突き出し、シーアを大きく取ってフレアーを大きく外舷に張り出し、凌波性を向上させている。ただ予定排水量をオーバーしたため吃水線が下がり、下部舷窓を常に閉じておかなければならず、荒天下ではずっと水中が見えるので水族館と呼ばれた。防御舷側下の艦底部をバルジ状に膨らませ、耐動揺性を高めた。艦橋は最上部に方位盤があり、直下に主砲射撃指揮所を設けており、戦艦のものに準じている。主罐は12基で、４基を１ブロックとして１本の煙突に誘導、前部の融合煙突及び後部の煙突から排煙する。第１から第10罐までは重油専焼罐で、２基ずつ１室（第１−第５罐室）に配され、11・12罐は重油と石炭の混焼罐で、１基ずつ１室（第６・第７罐室）に配された。罐室は第１罐室だけ左右両舷に跨がっており、その後方右舷側に第２・第４・第６罐室、左舷側に第３・第５・第７罐室と２列に並べ、間を中央縦隔壁で仕切って船体強度を向上させたが、被弾時に片方だけ浸水して傾斜転覆する恐れがあった（実際転覆した）。主機は罐室後方の前後左右４室に１基ずつ収められる。４番砲塔の上には全長27mのハインケル式滑走台（俯角５度）を設け、水上偵察機１機を搭載した。滑走時には砲塔天蓋の滑走台と砲塔前方の甲板上にある滑走台を繋ぎ合わせる（全長27mになる）必要があったが、なかなか苦労したらしい。格納庫は滑走台前方に設置された。ちなみにこの航空艤装のテストは大正14年（15年？）から戦艦長門で行われている。全長185.166m、水線長185.532m、垂線間長177.4m、最大幅16.55m、水線幅15.77m、深さ10.07m、平均吃水5.56m、予定基準排水量7100トン、実測基準排水量7954トン（古鷹）／7821トン（加古）、公試排水量8544トン。主機はパーソンズ式オール・ギヤード・タービン４基、主缶はロ号艦本式水管缶（重油専焼10基・混焼２基）、出力102000馬力、４軸推進、計画最大速力34.6ノット、公試最大速力35.22ノット、搭載燃料は重油1400トン＋石炭400トン、航続距離7000海里（14ノット）。兵装は三年式五〇口径二〇サンチ単装砲６門、三年式四〇口径八サンチ高角砲４門、一二年式舷側水上発射管連装６基12門（３番砲塔から艦橋の間の中甲板両舷に１基ずつ、４番砲塔直前の中甲板両舷に２基ずつ）。装甲厚は舷側76mm（９度傾斜、NVNC甲鈑）、中甲板36mm（NVNC甲鈑）、主砲弾火薬庫側面51mm、同上面35mm。乗員616名（627名？）。古鷹、加古の２隻が大正15年に竣工した。公称7100トン級の船体に20cm砲を搭載したことへの海外での反響は大きく、イギリスでは４隻でオマハ級10隻に対抗できると評論され、ジェーン年鑑編集者は20cm砲の搭載が信じられず19cm砲としている。昭和5年に航空機滑走台を撤去、昭和7-8年に呉式二号一型射出機を搭載した。参考：巡洋艦入門、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船12,’10、4,’12、8,’24、月刊丸2,’12

＜古鷹型（大改装）＞：昭和11-15年に大改装が行われた。主砲を三年式二号二〇サンチ砲連装砲塔３基（前甲板に２基、後甲板に１基）に換え、主砲方位盤も新型にして艦橋頂部（6m測距儀も置かれた）と後部煙突後方に設置した。十年式四五口径一二サンチ単装高角砲が艦橋後部と後部煙突の両側に計４基設置され、4.5m測距儀付きの指揮装置も艦橋両翼に装着された。後部煙突周囲には25mm連装機銃４基が搭載され、艦橋横のスポンソンに設けられた13mm連装機銃２基は残された。機銃射撃装置２基と、機銃管制室も追加されている。魚雷発射管も固定式から旋回式の九二式六一サンチ四連装発射管２基に変更し、前方に次発装填装置を置いた。特用空気圧縮機、魚雷調整所、発射発令所も新設されている。カタパルトを呉式二号三型に換え、九四式水上偵察機２機を搭載。混焼缶を廃止して缶数を10個に減らし、余ったスペースは重油タンク、機銃管制室などに充てた。これらの改装で船体重量が増えた分、大型のバルジを装着して浮力を確保し、魚雷防御も兼ねてバルジ下端に厚い鋼板を使用した。前部煙突は１段高くなり、後部煙突は細身に換わった。全長188.155m、水線長183.474m、最大幅16.926m、深さ10.07m、平均吃水5.61m、基準排水量8700トン、公試排水量10507トン。主機は高低圧反動タービン４基、主缶はロ号専焼缶10基で、出力103390馬力、速力32.95ノット、重油搭載量1858トン、航続距離は速力14ノットで7000海里。兵装は三年式二号二〇サンチ連装砲３基、十年式四五口径一二サンチ単装高角砲４基、25mm連装機銃４基、一三ミリ連装機銃２基、六一サンチ四連装発射管２基（次発装填装置付）。乗員635名。参考：巡洋艦入門、月刊世界の艦船12,’10、日本海軍艦隊総覧

＜フルチョーク＞：チョーク（散弾銃）を参照。

＜ブルッキングス＞：APA-140（攻撃輸送艦）を参照。

＜ブルックス＞：APD-10（高速輸送艦）またはDD-232（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜ブルックヘブン国立研究所＞：アメリカの核施設で、ニューヨーク州に1947年1月に創設された。核兵器や核廃棄物などに関する研究を行っている。参考：核兵器事典

＜ブルックリン＞：CL-40（軽巡）を参照。

＜ブルックリン級＞：アメリカ海軍軽巡洋艦Brooklin級。最上型に対抗すべく建造された軽巡で、ロンドン条約の制限一杯で建造されている。船体は縦肋骨方式の平甲板型で、後部船体内に水上機を格納する。構造重量を削減しすぎたため、波浪で船体を損傷することもあったらしい。当初は15.2cm砲12門を装備する予定だったが、最上型の情報が入ったため、15門に強化した。砲塔には3-5インチ（76.2-127mm）、中甲板に2.5-3インチ（63.5-76.2mm）、舷側に1.5-4インチ（38.1-101.6mm）、司令塔に6.5インチ（165.1mm）の防御装甲を施してあった。CL-49と50は機関部のシフト配置を採用し、後部マストと後部上構を第２煙突の直後に移し、兵装も高角砲を38口径に替えるなど少し変更されており、セント・ルイス級とも呼ばれた。全長185.53m、幅18.85m、吃水6.9m（5.92m？）、基準排水量10000トン（CL-40・41は9700トン、CL-42・43は9475トン、CL-48は9650トン）。主機は蒸気タービン、出力100000馬力、４軸推進、速力34ノット、燃料搭載量2200トン、航続距離は14ノットで14500海里。兵装は47口径15.2cm３連装砲塔５基（前部にピラミッド型に３基、後部にタンデムで２基）、25口径12.7cm単装両用砲８門（CL-49・50は38口径12.7cm連装砲塔４基）、4.7cm砲４門、12.7mm機銃８門。カタパルト２基と水上機４機（実際には６機らしい）を搭載する。乗員868名。CL-40ブルックリン、CL-41フィラデルフィア、CL-42サバンナ、CL-43ナッシュビル、CL-46フェニックス、CL-47ボイス、CL-48ホノルル、CL-49セント・ルイス、CL-50ヘレナの９隻が1937-39年に竣工した。1951年1月にチリに２隻、ブラジルに１隻、アルゼンチンに２隻が売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、連合艦隊巡洋艦、月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ブルックリン級・海外シリーズ＞

　＜ブルックリン級（チリ海軍）＞：チリ海軍巡洋艦。1951年1月にCL-40ブルックリンとCL-43ナッシュビルを購入し、艦番号01プラット及び02オヒギンズとして就役させた。1992年の諸元は以下の通り。全長185.4m、幅21m、吃水7.3m、基準排水量10000トン、満載排水量13500トン。主機は蒸気タービンで、出力100000馬力、４軸推進、速力32.5ノット。兵装は152mm３連装砲５基、127mm単装砲８門（連装砲４基？）、40mm４連装機銃４基、40mm連装機銃６基、20mm機銃24門。ベル206ヘリ１機を搭載できる。乗員888-975名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜フルット級シリーズ＞：イタリア海軍潜水艦Flutto級。初期型の�T型と後期型の�U型、計画型の�V型がある。イタリア降伏に伴い12隻がドイツ軍に接収され、UIT7型として使用された。参考：ナチスＵボート

＜フルット級・海外シリーズ＞

　＜ＵＩＴ７型＞：ドイツ軍が接収して使用したもの。12隻のうち４隻は就役済み、８隻は建造中だったが、就役済みのものは未整備のまま係留状態となっているうちに爆撃を受けて沈没し、建造中のものは進水までいったものの、爆撃を受けて沈没したり、未完成のまま終戦を迎えたりした。全長63.15m、最大幅6.96m、吃水4.87m（旧フルット級�T型）もしくは4.93m（旧�U型）、水上排水量905トン（旧�U型は928トン）、水中排水量1070トン（旧�U型は1131トン）。主機は水上がフィアット社製ディーゼル２基２軸2400馬力、水中が電動モーター２基２軸800馬力で、水上速力16.0ノット、水中速力8.0ノット。燃料搭載量82トン、航続距離は水上８ノットで5400海里、水中４ノットで80海里。兵装は艦首の533mm魚雷発射管６門、魚雷12本、20mm連装機関砲1-2基で、接収時に就役済みのものは10cm単装砲１門を搭載していた。乗員49名。UIT7、UIT8、UIT9、UIT10、UIT11、UIT12、UIT13、UIT14、UIT15、UIT16、UIT19、UIT20が建造された。参考：ナチスＵボート

＜ブルドーザ＞：自衛隊の車両。小松製作所製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ブルドーザＤ４用履帯＞：自衛隊の機器。キャタピラーイーストジャパン製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ブルドーザＤ−６型＞：自衛隊の車両。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜ブルドーザＤ−６型１号＞：自衛隊の車両。小松製作所またはキャタピラージャパン製。参考：月刊軍事研究7,’09、2,’13

＜ブルドーザＤ７＞：航空自衛隊の施設機材D6D-31X。土砂などの積み込み、排土などに使用される。全長5.495m、全幅3.865m、全高3.105m、車重15.57トン、総重量15.65トン。エンジンは3306型直列６気筒ディーゼル（10500cc、142馬力）、トランスミッションは遊星歯車式パワーシフト前進３段・後進３段で、最大速度10.2km。燃料タンク容量295リットル。乗員１名。小松製作所製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究2,’13

　＜ブルドーザＤ７＞：全長5.715m、全幅3.97m、全高2.995m、車両重量18.8トン。エンジン出力180馬力、最大速度10.6km。小松製作所製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ブルドーザＤ７用履帯＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜ブルドーザ大型（ＭＩＮＵＳＴＡＨ用）＞：自衛隊の車両。小松製作所製。参考：月刊軍事研究4,’11

＜ブルドーザ大型（ＵＮＭＩＳＳ用）＞：自衛隊の車両。小松製作所製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜ブルドーザ（中型）（ＵＮＭＩＳＳ用）＞：自衛隊の車両。小松製作所製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜ブルドーザ（無線操縦装置付）＞：自衛隊の車両。キャタピラージャパン製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ブルドーザ用履帯（一般用）＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜ブルドーザ用履帯（湿地用）＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜プルト型＞：ソ連海軍527M型救難曳船Prut型。潜水艦救難を主任務としており、レスキュー・チェンバー、再圧タンク、潜水鐘などを積んでいる。全長90.2m、満載排水量2845トン。主機はディーゼルで、速力20ノット。1959-63年（1959-64年？）にエプロンなど９隻（７隻？）が竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’15、7,’16

＜プルト・ジガス＞：イタリア海軍のUUV。全長3.4mで、前後に４基ずつの推進器が付いており、三次元姿勢制御を行える。事前のプログラムに従い、深度100mまでの機雷に接近して処理用爆薬を設置できる他、光ファイバー制御で深度1000mまで運用できるらしい。最大速力８ノット、最大航続時間12時間。2001年末に初号機が引き渡された筈。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ブルドッグ＞：A317（沿岸測量艦）またはBULLDOG（地雷除去システム）またはFV430シリーズ（装甲車）またはH91（Ｂ級駆逐艦）またはM38シリーズ（1/4トントラック）を参照。

＜ブルドッグ戦闘機シリーズ＞：イギリス空軍戦闘機Bulldog。フェアリー・フォックスと同等の性能を持つ爆撃機に対抗できる戦闘機という要求に基づき、ブリストル社の案が採用された。各型計312機（440機以上？）が生産され、1937年まで使用された他、オーストラリア、デンマーク、エストニア、フィンランド、ラトビア、タイ、スウェーデンに輸出された。中島飛行機も輸入して九〇式艦戦の参考としている。参考：週刊エアクラフトNo.49、月刊航空ファン12,’18

　＜ブルドッグＭｋ�T＞：試作型で、1927年5月17日に初飛行した。翼スパンの大きい主翼に交換するなどしてテストを繰り返した。参考：週刊エアクラフトNo.49

　＜ブルドッグＭｋ�U＞：量産型で、1929年6月から配備された。Mk�Tの胴体を延長したもので、機体は全金属製の基本構造に羽布張りである。全長7.62m、全幅10.34m、全高3.00m、自重998kg、離陸最大重量1583kg。エンジンはブリストル製ジュピター�Z星型（440馬力）で、最大速度280km、実用上昇限度8230m、航続距離443km。固定武装はプロペラ同調式の前方固定ビッカーズ7.7mm機銃２丁。翼下に9kg爆弾４発を搭載できる。参考：週刊エアクラフトNo.49

　＜ブルドッグＭｋ�UＡ＞：エンジンをブリストル製ジュピター�ZA（490馬力）に換装し、主脚間隔を広げ、構造を強化したもの。後期型は主車輪にブレーキが付き、尾ソリが尾輪になった。参考：週刊エアクラフトNo.49

　＜ブルドッグＭｋ�VＡ＞：エンジンをブリストル製マーキュリー�WS.2（560馬力）に換装したもので、２機が改修された。参考：週刊エアクラフトNo.49

　＜ブルドッグＭｋ�WＡ＞：最終生産型で、エンジンをブリストル製マーキュリー�WS.2（640馬力）に換装し、補助翼を補強したもの。参考：週刊エアクラフトNo.49

＜ブルドッグ戦闘機ファミリー＞

　＜ブルドッグＴＭ＞：複座練習機型で、取り外し式の操縦手席付き後部胴体を使用している。武装は外してあるが、後部胴体を換装して機銃を取り付ければ戦闘機型に早変わりする。参考：週刊エアクラフトNo.49

＜ブルドッグ練習機シリーズ＞：スコティッシュ・アビエーション社が開発した軍用練習機で、民間型のブルフィンチを転用したものである。参考：世界の軍用機1979

　＜ブルドッグ１２０シリーズ＞：イギリスなど８カ国で300機以上が使用された。参考：世界の軍用機1979

　＜ブルドッグ２００シリーズ＞：120シリーズを引き込み脚に変更し、座席数を４つに増やし、水平尾翼取り付け位置を上にずらすなどしたもの。全長7.59m、全幅10.29m、全高2.54m、自重0.82トン、最大離陸重量1.179トン、曲技飛行時1.045トン。エンジンはライカミングAEIO-360-A1/B6（200馬力）単発で、最大巡航速度140ノット、最大速度150ノット、実用上昇限度5640m、航続距離540海里、航続時間５時間。乗員４名。参考：世界の軍用機1979

＜ブルドッグ級＞：イギリス海軍沿岸測量艦Bulldog級。海外の沿岸で測量や観測を行うのが主任務で、２隻がペアで行動するのが基本である。後甲板が作業甲板になっており、右舷に測量艇１隻を搭載する。全長57.6m、幅11.2m、吃水3.7m、基準排水量800トン。主機はディーゼルで、出力2640馬力、速力15ノット。兵装は20mm機関砲２門。1968年にA317ブルドッグ、A319ビーグル、A320フォックス、A325フォーンの４隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ブルドッグス＞：VMA-223（飛行隊）または第525戦闘飛行隊を参照。

＜ブルドッグ・マンモス作戦＞：アメリカ陸軍第１機甲師団がポスト・イラク戦争時の2003年12月4日に実施した、バグダッド中心の掃討作戦。40人以上を拘留し、武器弾薬を押収した。参考：月刊軍事研究9,’04

＜プルトニウム＞：原子番号94の元素。質量数232-246の同位体があり、全て放射性同位体である。天然には存在しない物質で、原子炉内で生成され、再処理により得られる量は天然ウラン原子炉なら年間電力1000kWあたり0.5kg、濃縮ウラン原子炉なら0.2kg。煙探知機、研究施設用中性子源として使用される。プルトニウム239とプルトニウム241は核分裂を起こせるので、核分裂性プルトニウムと呼ばれ、これを濃縮して核兵器や原子炉燃料に使う。核実験により、大気中に約５トンが放出された。参考：核兵器事典、アメリカの核兵器

　＜プルトニウム２３８＞：心臓ペースメーカー用アイソトープ電池の原料として使用されている。参考：放射線健康科学

＜プルトニウム２３９＞：1940年にアメリカのシーボーグが発見し、1941年にバークレイ放射線研究所が核分裂物質であることを確認した。ウラン238が低エネルギーの中性子を吸収してウラン239になり、β崩壊を起こしてネプツニウム239になり、更にβ崩壊を起こしてプルトニウム239になる。半減期24000年。体内半減期は200年。濃縮率50-70%でも核分裂連鎖反応を起こせるので、原爆材料として使用される。臨界量は純度100%なら2.5kg、純度50%なら20kg弱。参考：アメリカの核兵器、核兵器事典、月刊軍事研究6,’11

＜プルトニウム２４０＞：プルトニウム239の生成過程で生じる同位体。自発性核分裂反応を起こし、不必要な中性子を放出するため、核兵器用のプルトニウムには6%以上混ざらないようにする。参考：核兵器事典

＜フルトレーリングアーム式サスペンション＞：トレーリングアーム式サスペンションを参照。

＜フルトンＳＴＡＲシステム＞：アメリカ軍の特殊部隊回収システム、通称スカイフック。STARは地対空回収の略で、フルトン回収システムをベースに開発した。脱出者は防寒服を身に付け、先端にヘリウム風船の付いた長さ130mのナイロン製ロープをハーネスに繋ぐ。このロープをC-130E-I/MC-130E-Cの機首先端に付いているヨーク（フォーク？）で引っかけ、カーゴランプからロープを引っかけて巻き上げれば脱出者を回収できる。特殊作戦ヘリで済むので実戦では殆ど使用されず、死亡事故が起きたので廃止されてしまった。参考：月刊軍事研究3,’04、月刊JWings3,’15、10,’19

＜フルトン回収システム＞：アメリカ軍の偵察衛星フィルム回収装置。HC-130H/N/Pに搭載されており、機首にＶ字に開くヨーク（フォーク？）、胴体前部上面にAN/ARD-17空中追跡レーダー用アンテナフェアリングを取り付け、パラシュート降下してくるフィルム箱をレーダーで発見し、ヨークでパラシュートケーブルを引っ掛けて回収する。パラシュートが主翼のプロペラに絡まないよう、機首から両翼端にはワイヤーを渡した。捜索救難装置にも転用され、要救助者が揚げた気球と要救助者を結ぶケーブルをヨークで引っ掛けて回収している。偵察衛星がフィルムを落とさなくなったのと、救難ヘリの発達で用無しになり、廃止された。参考：月刊JWings10,’19

＜プルトン＞：フランス海軍プルトン級敷設巡洋艦Pluton。1939年にラ・トゥール・ドーブルニュと改称された。参考：近代巡洋艦史

＜プルトン級＞：フランス海軍高速敷設巡洋艦Pluton級。機雷290個を上甲板舷側に搭載し、艦尾上甲板から敷設する。船首楼甲板は機雷搭載部分を覆うために後方まで延長された。全長152.5m、幅15.6m、吃水5.2m、基準排水量4773トン。主機は蒸気タービンで、出力57000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装は13.8cm単装砲４門、7.5cm単装高角砲４門、37mm機関砲２門、機雷290個。乗員424名。プルトンが1931年に就役した。1939年に候補生練習艦任務を負うことになり、ラ・トゥール・ドーブルニュ級と改称された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のフランス軍艦

＜ブルニュ＞：AMX-30B2（戦車）を参照。

＜ブルヌイ＞：ソ連海軍ソブレメンヌイ級駆逐艦Burny。1983年11月4日起工、1986年12月30日進水、1988年9月30日竣工。1999年9月28日、対馬の東南東40kmを航行しているのをDD-152やまぎりが発見した。参考：月刊軍事研究11,’99、月刊世界の艦船3,’00

＜ブルネイ海軍＞：2001年からナホド・ラガン級哨戒艇３隻が進水。2010年からイーチアド級哨戒艦が就役。2011-14年、ダルッサラム級哨戒艇４隻が竣工。参考：月刊世界の艦船9,’10、10,’17

　＜ブルネイ海軍（１９８９年）＞：兵力500名。ムアラに基地がある。ワスパダ級ミサイル艇３隻、ペルウィーラ級小型内海哨戒艇３隻、河川哨戒艇、機械化揚陸艇２隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜ブルネイ海軍（２０１５年）＞：現役兵力1000名。特殊部隊中隊１個、ダルッサラム級コルベット４隻、哨戒艇８隻、テラバン級LCU２隻、チェバートン・ロードマスター級LCU２隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルネイ空軍＞

＜ブルネイ空軍（１９８９年）＞：兵力300名。Bo105武装ヘリ７機、ベル212ヘリ10機、ベル214捜索救難ヘリ１機、S-70要人輸送ヘリ２機、SF260W練習機４機、ベル206B練習ヘリ２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブルネイ空軍（２０１５年）＞：現役兵力1100名。CN-235M洋上哨戒機１機、PC-7練習機４機、ベル214ヘリ５機、S-70iヘリ４機、ベル206Bヘリ２機、ベル212ヘリ10機、Bo-105武装ヘリ（81mmロケット弾）６機、レイピア地対空ミサイル、ミストラル地対空ミサイル12基を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルネイ軍＞

＜ブルネイ軍（１９８９年）＞：総兵力4200名。海軍も空軍も陸軍の一部である。イギリス陸軍900名、グルカ歩兵大隊１個、ヘリコプター飛行小隊１個、シンガポール軍500名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブルネイ軍（２０１５年）＞：現役総兵力7000名（陸軍4900名、海軍1000名、空軍1100名）、予備役700名（全て陸軍）、準軍事組織2250名（グルカ予備役ユニット400-500名・２個歩兵大隊、ブルネイ王国警察1750名、哨戒艇10隻）。レバノンにUNIFIL要員29名、フィリピンにIMT６名を派遣している。シンガポール軍訓練歩兵ユニット（ローテーション配備）、訓練学校１個、AS332ヘリ分遣隊１個、イギリス軍550名、グルカ大隊１個、訓練ユニット１個、ヘリ飛行隊１個・ヘリ３機が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルネイ国際防衛博覧会＞：BRIDEXを参照。

＜ブルネイ陸軍＞：

＜ブルネイ陸軍（１９７７年）＞：兵力2600名。歩兵大隊２個からなる。サンキー装甲兵員輸送車24両、81mm迫撃砲16門、沿岸哨戒艇６隻、河川哨戒艇３隻、上陸用舟艇２隻、HS748輸送機１機、ベル205ヘリ３機、ベル206ヘリ３機、ベル212ヘリ４機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ブルネイ陸軍（１９８９年）＞：兵力3400名。歩兵大隊２個、装甲偵察中隊１個、地対空ミサイル中隊１個、工兵中隊１個からなる。スコーピオン軽戦車16両、サンキーAT-104装甲兵員輸送車24両、81mm迫撃砲、レイピア地対空ミサイル12基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブルネイ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力4900名、予備役700名。歩兵大隊３個、戦闘支援大隊１個（機甲偵察隊１個、工兵隊１個）からなる。予備役部隊は歩兵大隊１個からなる。スコーピオン軽戦車20両（うちアップグレード予定16両）、VAB装甲車45両、81mm迫撃砲24門、サムソン装甲回収車２両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルノ・シリーズ＞：ドイツ陸軍の列車砲で、1933-34年の緊急計画に基づいて建造された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜クルツェ・ブルノ＞：kz Brk(E)、短ブルノ。４分割砲身の28.3cmSKL40を５軸ボギー車２両の間に搭載したものである。砲車長22.8m、砲身長11.2m、全備重量130トン、砲身重量45トン。最大仰角45度。使用弾重量240kg、初速毎秒820m、最大射程29.5km。1937-38年に８門が製造され、第690、第694-696列車砲中隊に配備された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜シュヴェア・ブルノ＞：sBrK(E)、重ブルノ。第１次大戦前に製造された28cm沿岸砲を５軸ボギー車２両の間に搭載したものである。砲車長22.8m、砲身長11.93m（42口径）、全備重量118トン。使用弾重量302kg、初速毎秒845m、射程29.4km（35.7km？）。1936-38年に２門が製造され、1941年には第721列車砲中隊に配備されていた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜セオドア・ブルノ＞：ヴィッテルスバッハ級戦艦の24cmSKL/35艦砲を８輪ボギー車２両の間に搭載したもの。砲車長20.7m、全備重量95トン。使用弾重量148.5kg、初速毎秒675m、射程20.2km。1938年までに６門が製造され、1941年には第722列車砲中隊で２門が使用されていた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜ランゲ・ブルノ＞：Ig BrK(E)、長ブルノ。28.3cmSKL45を５軸ボギー車２両の間に搭載したものである。クルツェ・ブルノよりも砲身は長いが、薄肉のため重量は軽い。砲車長22.8m、砲身長12.735m（45口径）、全備重量118トン、砲身重量39.8トン。使用弾重量302kg、初速毎秒865m、最大射程36.1km。1936-37年に３門が製造され、1941年2月には第688列車砲中隊で２門が使用されていた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜ブルノ・ノイエ＞：緊急計画で製造された各列車砲の運用成績をふまえ、クルップ社が開発した列車砲BrNK(E)。新型の砲架に58口径28cm砲を搭載している。砲車長24.88m、砲身長16.4m、全備重量150トン。使用弾はGr39榴弾で、弾丸重量255kg、装薬重量186kg、初速毎秒985m、最大射程46.6km。１門あたりの値段は300万RM。1940-42年に３門が製造された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ブル・ノーズ＞：MG-332（ソナー）またはMGK-335（ソナーシステム）を参照。

＜古野電気＞：1938年（昭和13年）、古野電気商会として長崎県口之町で設立された。1948年、世界初の魚群探知機を実用化。1967年、空自YS-11輸送機及び海自US-1救難飛行艇用ロラン航法装置を納入した。1969年、航機部を新設。1991年、湾岸の夜明け作戦で掃海艇に装備するGPS受信機を受注。1992年、海自からGPS受信機80基を受注した。2005年3月、航空・防衛事業部を新設。参考：朝雲

＜ブルノ・ノイエ＞：ブルノ・シリーズ（列車砲）を参照。

＜フルバック＞：Su-34（戦闘爆撃機）を参照。

＜ブルパップ＞：AGM-12シリーズ（ミサイル）を参照。

＜ブルパップＢ＞：AGM-12C（ミサイル）を参照。

＜ブルパップ式小銃＞：Bull-pup。銃床の機能である肩付け、頬付け、銃の保持を銃床以外の部位で代用させ、銃床を省略して銃の全長を大幅に短くしたもの。尾筒後端に床尾板を付け、保持には堤把を使用する。銃を構える関係上、引き金を床尾から30cm以上前方にする必要があり、弾倉よりも前方に持ってきて撃発機構と連結レバーで繋いである。コンパクトで車内でも邪魔にならず、薬室から床尾板までの距離が短いので銃の跳ね上がりが少ない（銃の重心が後方にあるので設計によっては逆に大きくなることあり）。欠点は、排莢孔が顔の横に来るので、左利きだと空薬莢が顔面（特に目のあたり）を直撃すること、銃口が近いので音がうるさいこと、機関部付近が頬に当たるので断熱が不十分だと火傷をすること、アイアンサイトの照準線長が短くなるので照準精度が低くなることである。よって、この方式の銃では、排莢孔が左右両方に設けられていたり、光学式照準具（スコープ）を標準装備したりすることが多い。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊PANZER10,’02、3,’10、朝雲

＜フル・ファースト・ストライク論＞：アメリカで1960年代前半に議論された核戦略。アメリカがソ連に先制攻撃をかけた場合に、ソ連の残存核戦力ではアメリカ側が耐えられる程度の損害しか与えられないような核戦力を整備する必要があるというものである。参考：アメリカの核兵器

＜ブルファイター＞：Bullfighter。チャフ・フレア複合ディスペンサーで、8-18GHz帯域対応のチャフと、3-14マイクロメートル波長対応のフレア（40秒燃焼）を射出する。参考：月刊軍事研究1,’08

＜プルファサル３−３１＞：北朝鮮海軍潜水艦発射巡航ミサイル。2024年1月28日に２発の発射試験を行い、日本海上を２時間ほど飛翔して目標の島に命中した。北朝鮮軍では戦略兵器実験と称しており、核弾頭を積む予定らしい。参考：月刊世界の艦船5,’24

＜フル部隊＞：陸上自衛隊用語で、常備自衛官のみで編成される部隊のこと。対義語はコア部隊。参考：MAMOR vol.167

＜プル・プロペラ＞：牽引式プロペラ。前方のプロペラで機体を引っ張るタイプのプロペラのこと。エンジンが気流に面しており、更にプロペラ後流も加わるので、空気供給や冷却には事欠かない。後方のエンジンナセルや胴体をプロペラ後流が直撃するので、空気抵抗が増える。主翼に取り付けた場合は翼表面の気流が乱れるので、層流翼の効果が薄くなる。参考：世界の傑作機No.125、飛行機のはなし

＜フルベック＞：A365（通船）を参照。

＜ブル・ホーン＞：MGK-335（ソナーシステム）を参照。

＜フルマー・シリーズ＞：イギリス海軍複座艦上戦闘機Fulmer。フェアリー社がイギリス空軍向け試作高速軽爆撃機をベースに開発し、1940年1月4日に初飛行、5月に就役し、6月から引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings10,’22、イギリス航空母艦史

　＜フルマーＭｋ．�T＞：マーリン８（1080馬力）装備型。250機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜フルマーＭｋ．�U＞：マーリン30装備型。全長12.25m、全幅14.12m、全備重量4694kg。エンジンはロールス・ロイス社製マーリン30（1300馬力）単発、最大速度417km、実用上昇限度8290m、航続距離1335km。固定武装は7.7mm機銃８丁。227kg爆弾１発を搭載可能。乗員２名。350機が生産された。参考：イギリス航空母艦史、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜フルマート＞：S-136（潜水艦）を参照。

＜プルミエ・メートル・レール＞：F792（通報艦）を参照。

＜ブルムベア＞：Mrs18（臼砲）または�W号突撃榴弾砲を参照。

＜フル・メタル・ジャケット＞：FMJと略す。銅をベースとした合金で先端から覆われた弾頭のこと。軍用弾は全てこれである。参考：GUN用語事典

＜ブルラク＞：ロシア陸軍がT-72/T-80/T-90の近代化改修用に開発していた戦車用砲塔。2010年4月に開発中止となった。参考：月刊軍事研究11,’14

＜プルレイス＞：S343（潜水艦）を参照。

＜フル連隊＞：陸上自衛隊用語で、常備自衛官のみで編成される連隊のこと。対義語はコア連隊。参考：MAMOR vol.167

＜フルロン＞：SE3200（ヘリ）を参照。

＜ブルワーク＞：L15（揚陸艦）またはR08（空母）を参照。

＜ブルワーク＞：艦船で、甲板や構造物に囲われた場所またはその囲いのこと。艦首においては実質乾舷を大きくし、凌波性を向上させる働きがある。甲板上の複雑な形状をした搭載物を覆い隠し、ステルス性を向上させるためにも使われる。参考：月刊JWings2,’00、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船6,’19

＜ブルンジ軍＞：

＜ブルンジ軍（１９７７年）＞：兵力7000名。歩兵大隊３個、空挺大隊１個、奇襲攻撃大隊１個、装甲車中隊１個からなる。AML装甲車、DC-3輸送機３機、ヘリ数機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜ブルンジ軍（１９８９年）＞：海上部隊、航空部隊、憲兵隊（1500名）は全て陸軍の一部を構成する。陸上部隊は兵力5500名、歩兵大隊２個、空挺大隊１個、コマンドー大隊１個、装甲車中隊１個からなる。AML-60偵察車６両、AML-90偵察車12両、ショーランド偵察車７両、M-3装甲兵員輸送車９両、BTR-40／ワリド装甲兵員輸送車20両、82mm迫撃砲18門、83mmロケット発射機ブラインディサイド、52式75mm無反動砲15門、14.5mm対空機銃ZPU-4を15門保有する。海上部隊は兵力50名で、ブジュンブラに基地があり、河川用小艇３隻を保有する。航空部隊は兵力150名で、SF-260W対ゲリラ戦機、C-47輸送機１機、SA-316Bヘリ３機、SA-342Lヘリ４機、セスナ150連絡機１機、Do27Q連絡機１機、SF-260C練習機３機、SF-260TP練習機４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ブルンジ軍（２０１５年）＞：現役兵力20000名、準軍事組織31000名（国家安全保障総局1000名、地方防衛民兵30000名）。軽機甲大隊２個、歩兵大隊７個、独立歩兵中隊数個、砲兵大隊１個、防空大隊１個、工兵大隊１個、海軍分遣隊、航空団からなる。AML-60偵察車６両、AML-90偵察車12両、BRDM-2偵察車30両、S52ショーランド偵察車７両、BTR-40装甲車20両、BTR-80装甲車10両、パナールM3装甲車９両、92式装輪装甲車15両、ワリド装輪装甲車６両、クーガー４×４輪装甲車15両、RG-31ニアラ装甲車12両、RG-33L装甲車10両、122mm砲D-30を18門、122mm多連装ロケットBM-21を12両、82mm迫撃砲M-43を15門、120mm迫撃砲75門、ミラン対戦車ミサイル（を保有しているという報告あり）、52式75mm無反動砲（M20）、9K32携帯地対空ミサイル、14.5m対空機銃ZPU-4を15基、23mm高射機関砲ZU-23と55式37mm高射機関砲（M-1939）を135門以上、LCT２隻、兵站支援船２隻、セスナ150L輸送機２機、DC-3要人輸送機２機、SF-260W練習機１機、Mi-24攻撃ヘリ２機、SA342L汎用ヘリ２機、Mi-8汎用ヘリ２機（作戦状態には無い）を保有する。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員856名、歩兵大隊１個、オブザーバー９名、ソマリアにAMISOM要員5450名、歩兵大隊６個、スーダンにUNAMID要員１名とオブザーバー５名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブルンジ内戦＞：1993年にツチ族政府軍とフツ族武装ゲリラとの間で内戦になり、双方が市民を虐殺、1996年までの３年間だけで15万人の死者を出した。1996年7月には軍によるクーデターが発生、諸外国からの経済封鎖を受けている。参考：月刊軍事研究4,’97

＜フルンズベルク＞：SS第10装甲師団を参照。

＜フルンゼ＞：ソ連海軍チャパエフ級巡洋艦Frunze。1939年8月29日起工、1940年12月30日進水、1950年12月19日竣工。1951年4月8日、黒海艦隊に編入された。1953年、ルーマニアとブルガリアを訪問。1958年4月18日、戦闘艦艇リストから除かれて練習巡洋艦に艦種変更された。1960年2月6日、兵装を撤去して除籍され、1961年に解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜フルンゼ＞：ソ連海軍キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦２番艦（11442型原子力ミサイル巡洋艦１番艦）Frunze。1978年7月26日起工、1981年5月26日進水、1984年10月31日竣工。12月7日、太平洋艦隊に編入された。1985年8月、バルト海を出港し、アンゴラ、イエメン、ベトナムを訪問して11月にウラジオストクに回航された。1992年、予備役に編入され、ストレロク湾で保管された。5月27日、アドミラル・ラザレフに改称された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’00

＜フルンテッド・チャンバー＞：遅延ブローバック式の銃で、発射時に薬莢が薬室にへばりつかないようにするための構造の１つ。薬室に多数の溝が刻んであり、発射ガスが溝に流れ込むことで薬莢との間に隙間を確保する。発射ガスが機関部に流れて汚染しやすいという欠点がある。G3などに採用されている。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜プルンパー＞：41（機雷掃討艇）を参照。

＜ブルンマー（初代）＞：ドイツ海軍ブルンマー級敷設巡洋艦Brummer。1916年竣工。1919年6月21日、スカパフローで自沈した。参考：近代巡洋艦史

＜ブルンマー（３代目）＞：ドイツ海軍ブルンマー級練習艦。1936年2月竣工。1940年4月14日、ノルウェー作戦に参加中、カテガット海峡でイギリス潜水艦の雷撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ブルンマー（４代目）＞：ドイツ海軍練習艦。常備排水量1596トン。主機はタービンで、出力6000馬力、速力21ノット。兵装は12.7cm単装砲４門、37mm連装機銃１基。元は1940年4月に鹵獲したノルウェー海軍敷設艦オラフ・トリグヴァンソンで、1940年秋にドイツ海軍で就役した。1941年9月、継続戦争のオーゼル島上陸作戦に参加。1945年3月、キール工廠のドックで爆撃を受けて大破した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ブルンマー級＞：ドイツ海軍敷設巡洋艦Brummer級。第１次大戦勃発に伴い、敷設能力を持つ巡洋艦や高速敷設艦よりも本格的な戦闘敷設艦として建造した。船型はグラウデンツ級と同様で、上甲板艦尾に機雷敷設装備を持つ。全長140.4m、幅13.2m、吃水6.0m、満載排水量5856トン。主機は蒸気タービン、出力33000馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装は15cm単装砲４門（中心線上）、8.8cm単装高角砲２門、50cm単装魚雷発射管２門（２番砲両舷上甲板上）、機雷200個（400個？）。乗員309名。1916年にブルンマー、ブレムゼの２隻が就役した。参考：近代巡洋艦史

＜ブルンマー級＞：ドイツ海軍練習艦。砲術練習艦だが、敷設艦としても使用できる。Z-1級駆逐艦搭載用機関の実用試験も兼ねていた。全長112.9m、幅13.5m、平均吃水3.22m、基準排水量2410トン。主機はヴァグナータービン、主缶はヴァグナー缶で、出力10000馬力、速力20ノット。兵装は10.5cm高角砲４門、8.8cm高角砲２門、37mm機関砲４門、機雷350個。1936年にブルンマー（３代目）が竣工した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜フレア＞：Flare。赤外線誘導ミサイルに対する妨害手段。マグネシウムとテトラフルオロエチレンの化合物で、空気中に放出されると発火し、大量の赤外線（航空機よりも強い）を発する。燃焼時間は数秒から数十秒で、発射タイミングが重要となる。また、ミサイルのシーカーから自機を外すため後下方に射出し、持続時間を長くするため連続的に多数放出するのが普通である。強烈な赤外線を発するといってもアフターバーナーには勝てないので、フレアを射出したらエンジンを絞る。赤外線シーカーの進歩で、複数波長を認識してロックオンすることが可能となったため、フレアも複数波長に対応するようになった。アメリカ軍の場合、航空機用としてはエンジンの排気口から出る2-2.5マイクロメートルと、ジェット排気の3-5マイクロメートルの波長を出すフレアを使用しているが、更に機体前部が空力加熱で発する7-11マイクロメートルの赤外線にも対応させていると思われる。艦船の場合、船体から8-14マイクロメートル、煙突から3-5マイクロメートル、排気ガスから4.1-4.5マイクロメートルの赤外線が出ているので、これらに対応するフレアを使用しないといけない。近年ではテロから防御するため空港や港湾の近くで発射することも多くなり、市街地に燃え残りが落下すると火災の原因にもなりかねないため、高酸化反応による無炎フレアなどの研究も行われている。参考：月刊JWings11,’03、9,'23、月刊軍事研究1,’08、4,’04

＜フレア＞：FlareまたはFlare out。着陸接地寸前に飛行機の機首を引き起こし、進入角や降下率、飛行速度を減少させること。低翼配置の機体では、地面効果による揚抗比上昇・沈下率低下が大きく、高翼配置より小さいフレア操作で済む。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、航空機設計法

＜フレア（赤外線誘導弾ミサイル標的用）＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ブレア＞：DE-147（護衛駆逐艦）を参照。

＜フレア０型＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜フレアＯ型＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究11,’14

＜フレア�T型＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究1,’16

＜フレアー＞：Flare、すそ広がり。船を正面から見た時に、吃水線より上の舷側が外側に開いていること。航行時にできる飛沫が露天甲板にかかるのを防ぐためと、艦首部の甲板面積を増大するために付けられる。また、艦首が波に潜った際、大きな浮力を生じるので、艦首乾舷を補う効果があり、凌波性が向上する。ただし波に突っ込んだ際に艦首部の浮力が急に変化するので、船体が大きくピッチングし、乗り心地は悪化する。フレアーを付けすぎると艦首甲板幅が広くなり過ぎ、ピッチングの時にスラミングを生じて受ける波の力が大きくなる（第４艦隊事件ではこれで船体を折られた）ため、ナックルラインを付けてこれを防止することもある。月刊世界の艦船4,’98、6,’19、艦船メカニズム図鑑、図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜フレア・エアクラフト＞：自衛隊の火工品。F-4用、F-15用、C-130用、C-130用・その２がある。理経または理計またはエーティーエーが受注している。参考：月刊軍事研究1,’11、8,’16、3,’18、7,’18

＜フレア・カートリッジ＞：自衛隊の機器。エーティーエーが受注している。参考：月刊軍事研究9,’16

＜フレア（赤外線誘導ミサイル標的用）＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜フレア弾＞：自衛隊の火工品。エーティーエーまたは理経が受注している。参考：月刊軍事研究1,’11、1,’19

＜フレアデコイ＞：自衛隊の機器。理経が受注している。参考：月刊軍事研究8,’15

＜プレアデス＞：カナダ軍の自動魚雷探知装置。計画名称はMSTDCL（Multisensor Torpedo Detection Classification and Localization）で、軍研究機関DRDCアトランティックとジェネラル・ダイナミクス・カナダ社が2006年から開発し、2011年7月にテストを完了した。マルチセンサー式の魚雷探知装置で、ハリファックス級フリゲートに搭載して1000回以上のテストを行っている。参考：月刊軍事研究4,’18

＜プレアデス・ネオ＞：エアバス・ディフェンス・アンド・スペース社の衛星コンステレーション。光学センサーを積んだ衛星４基からなり、うち２基にはレーザー通信装置を搭載し、電波妨害や電波干渉に影響されることなく高速で画像データを送信できる。解像度0.3m。衛星４基は2021-22年に打ち上げる予定。参考：月刊JWings1,’21

＜フレア・ピストル＞：信号拳銃を参照。

＜ブレイ＞：DE-709（護衛駆逐艦）を参照。

＜プレイ＞：日本海軍士官のスラングで、遊興すること。参考：帝国陸海軍事典

＜フレイア＞：FuMGシリーズ（早期警戒レーダー）を参照。

＜ブレイク＞：Break。空中戦機動の１つ。後方の射撃位置につこうとしている攻撃側機に対し、防御側が攻撃側に鋭く旋回する機動である。攻撃側は大きな見越し射撃をする必要が出て照準が困難となり、下手をするとオーバーシュートしてしまう。ブレイクをし続けるとかえって狙われるので、照準を外したらすぐに他の機動に切り替える。参考：図解現代の航空戦

＜ブレイク＞：イギリス海軍マイノトー級軽巡洋艦Blake。1941年に起工されたが、進水後の1946年に工事が中断され、設計変更を受けて工事を再開、1961年に竣工した。1969年、後部上構と兵装を撤去し、01甲板にヘリ４機分の格納庫とヘリ甲板を設け、指揮ヘリコプター巡洋艦になった。1979年に退役し、1982年に除籍された。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船8,'15

＜ブレイク・オープン式＞：回転式拳銃を参照。

＜ブレイク級＞：イギリス海軍一等防護巡洋艦Blake級。全長121.84m、常備排水量9150トン。速力22ノット。兵装は23.4cm単装砲２門。２番艦ブレニムなどが就役した。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜ブレイクニー＞：イギリス海軍アバードヴェイ級通船Blakeney。1970年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ブレイクリー＞：FF-1072（フリゲート）を参照。

＜ブレイクレイ＞：DD-150（駆逐艦）を参照。

＜ブレイザー＞：イスラエル陸軍リアクティブ・アーマー。第４次中東戦争で戦車がHEAT弾頭により大損害を受けたため、ラファエル社が1974年から開発し、1980年代初めからIMIが量産した。戦後第２世代戦車の正面装甲に貼り付けた場合は全角度でRPG-7を無力化でき、70%以上の確率で9M14（AT-3サガー）を無力化できる。車体側面に貼り付けると衝角30度で9M14を無力化できる。安全性は徹底的にテストされ、700度の火炎を２時間浴びても、アセチレンバーナーの炎を浴びても、23mm機関砲の射撃を受けても、榴弾の破片を喰らっても誘爆しない。センチュリオンに搭載すると850kg、M60A1／マガフ6Aでは1000kgの重量増となる。装備の際は戦車車体に溶接された固定用ボルトに止めていく。ラファエル社ではAPCやIFVなどに装着できるように爆発力を抑え、小銃弾の威力も削げるような改良を施したバージョンも開発したらしい。参考：月刊PANZER4,’04、6,’18

＜ブレイザー砲塔シリーズ＞：ジェネラル・エレクトリック社が開発した軽戦闘車両用対空砲塔。参考：月刊PANZER2,’12

　＜ブレイザー２５（１名用）＞：右に防弾ガラスに囲まれた砲手席、左に電子機器収容装甲ボックス、砲手席後方にAN/GVS-5レーザー測距器とAN/VSG-2FLIRを一体化したセンサーターレット、中央に25mmガトリング砲GAU-12/U（500発。発射速度毎分1000/2200発）とスティンガーSAM４連装発射機を搭載する。スティンガーのかわりにミストラル、ブローパイプ、RBS-70なども使用可能。砲塔駆動は電動式。参考：月刊PANZER2,’12

　＜ブレイザー２５（２名用）＞：砲塔両側に防弾ガラスで囲まれた座席が用意されており、左後方にセンサーターレット、中央に25mmガトリング砲GAU-12/Uを装備する。ガトリング砲の上と砲塔右後方に７連装ロケット弾発射機またはスティンガーSAM４連装発射機を１基ずつ搭載可能。LAV-AD用に採用され、自衛用として砲塔前面下部両側に４連装発煙弾発射機を１基ずつ装備している。参考：月刊PANZER2,’12

　＜ブレイザー３０＞：ブレイザー25（１名用）の機関砲を30mm機関砲GAU-13に換装したもの。ミサイルとしてジャベリンも搭載可能で、砲塔左後部にガーファルト二次元レーダーを装備できる。参考：月刊PANZER2,’12

＜フレイジア＞：DD-607（駆逐艦）を参照。

＜プレイス＞：SS-390（潜水艦）を参照。

＜ブレイスウェイト＞：K468（フリゲート）を参照。

＜ブレイズン＞：F91（フリゲート）を参照。

＜ブレイゼン＞：H80（駆逐艦）を参照。

＜ブレイド＞：K263（フリゲート）を参照。

＜ブレイド級＞：イギリス海軍水雷艇Blade級。元はオランダ海軍に配備されていた。全長58.6m、幅6.1m、吃水1.7m、基準排水量264トン。主機はレシプロで、出力3000馬力（Z6は5500馬力）、速力22ノット（Z6は27ノット）。兵装は7.6cm単装砲２門（Z6は45cm連装魚雷発射管１基、単装魚雷発射管２基も装備）。H97ブレイド、Z6、艦番号H93、艦番号H71の４隻が就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ブレイブ＞：F94（フリゲート）を参照。

＜ブレイブ＞：シンガポール海軍フィアレス級哨戒艇Brave。2001年6月11-22日、南シナ海で西太平洋掃海訓練に参加。2019年8月27日に退役した。ブルネイ海軍に無償譲渡されてアル・ファラクになる予定。参考：月刊世界の艦船9,’01、11,’19、7,’23

＜ブレイブ級＞：イギリス海軍哨戒艇Brave級。船型は滑走艇である。排水量100トン。主機は10Mプロテュース・ガスタービン（3500馬力）３基で、最大速力52ノット。２隻が1958年に進水した。参考：月刊世界の艦船4,’14、日本の防衛戦力Part3

＜ブレイブハート砲塔システム＞：BAEシステムズROディフェンス社製52口径155mm砲塔システム。イギリス陸軍AS90自走榴弾砲の射程延長を図るべく採用された。参考：月刊PANZER3,’03、ウォーマシン・レポートNo.26

＜ブレイブ・ライフルズ＞：第３機甲騎兵連隊のニックネーム。

＜プレイボーイズ＞：VMAQ-2（海兵戦術電子戦飛行隊）を参照。

＜プレイリー・ファイア計画＞：OP-35を参照。

＜プレイリー・ファイル作戦＞：アメリカが1986年3月にリビア沿岸で開始した演習。実際にはシドラ湾の占有を一方的に宣言していたリビアに対する威圧行動で、CV-43コーラル・シー、CV-60サラトガ、CV-66アメリカなどが参加した。3月24日、飛行中のF-14Aに対し６発のSA-5ミサイルが発射された（損害無し）。その後もミサイルが発射されたため、同日夜にA-7EとEA-6Bが出撃してHARMによりレーダー施設を破壊、A-6攻撃機がハープーンによりコンバタント�UＧ型ミサイル艇ワヒードを、ハープーンとロックアイ爆弾によりナヌチュカ級ミサイル艇アイン・マーラを撃沈し、ナヌチュカ級ミサイル艇１隻を爆撃で大破させた。ちなみにこれがハープーンの実戦初使用である。3月25日にもA-6攻撃機とCG-48ヨークタウンがレーダー基地、ナヌチュカ級ミサイル艇１隻（早朝、A-6攻撃機による）、コンバタント�UＧ型ミサイル艇１隻（夜間、ヨークタウンのハープーンによる）を破壊。これに対し、リビアは4月5日にテロで反撃したため、アメリカは引き続きエルドラド・キャニオン作戦を開始した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊世界の艦船9,'22、JShips Vol.20、月刊丸12,’92

＜フレイル装置＞：チェーンを取り付けたドラムを動力で回転させて地面に叩き付け、地雷を爆破処理する装置。最初に開発したのは第２次大戦時のイギリス軍である。参考：月刊戦車マガジン8,’78

＜ブレイン＞：DD-630（駆逐艦）を参照。

＜ブレイン＞：イスラエル空軍のミサイル防衛インターフェイス。アメリカの弾道ミサイル探知衛星やAN/TPY-2FBXRTレーダーにリンクしている。参考：月刊軍事研究7,’11

＜プレイング・マンティス＞：ブレン・キャリアー・シリーズ（機銃車）を参照。

＜プレイング・マンティス作戦＞：アメリカ海軍が1988年4月に実施した、イラン海軍艦艇攻撃作戦。4月14日にFFG-58サミュエル・Ｂ・ロバーツがイランの機雷ににより損傷したことに対する報復で、CVN-65搭載CVW-11/VA-95所属A-6E攻撃機がAGM-84ハープーンによりフリゲートのサハンドと哨戒艇ジューシャンを撃沈した。参考：月刊航空ファン10,’18

＜ブレヴェスニク＞：9M730（原子力巡航ミサイル）を参照。

＜プレヴェゼ＞：S353（潜水艦）を参照。

＜プレヴェゼ級＞：209/1400型潜水艦（トルコ海軍）を参照。

＜ブレヴェル＞：フランスのマトラ社とドイツのMBB社が1983年6月から開発した戦場偵察用RPVで、名前の由来は開発部署の所在地（ブレーメン＋ヴェリジー・ヴィラクーブレ）である。重量100-150kgのプロペラ機で、TVカメラ、FLIR、リアルタイム送信装置などを装備し、数時間滞空して偵察を行う。射出トラック、移動式管制ステーションなどでシステムを構成する。1989年頃に実用化を予定していた。参考：スパイ機

＜プレーア＞：フォード・エアロスペース社が開発したRPVで、レーザー目標照射装置を搭載する。参考：スパイ機

＜ブレーキ＞：Brake。運動エネルギーを摩擦による熱エネルギーに変換して大気中などに放散し、減速させる装置。航空機では地上滑走中の減速・停止、方向維持、タキシング中の針路変更、地上でエンジンを全開にした際の機体固定、パーキングなどの目的で使用され、一般には主車輪のみに取り付けられる。主にドラムブレーキかディスクブレーキが使われるが、エネルギー吸収量や確実性から後者が選ばれることが多い。車両では走行中に足で操作するフットブレーキと駐停車中に使用するパーキングブレーキがあり、前者は油圧式、後者は機械式または電動式で、方式としてはドラムブレーキとディスクブレーキに分かれる。船舶にはブレーキが無く、船体自体も抵抗の少ない形状をしているため、停止するのは一苦労である。空母飛龍が全速34ノットから停止するのにはクラッシュ・アスターンで2572mを要した。参考：自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典、航空用語事典増補改訂版、図解雑学　船のしくみ、月刊世界の艦船11,’11

＜ブレーキ＞：ドイツ海軍洋上補給艦。1943年2月26日、シンガポールを出港してバタビアに向かった。3月11日にモーリシャス南東1850kmでグルッペ・モンスーンのＵボート３隻（U168、U188、U532）と邂逅、U188とU532に補給を行った。その後U168への補給は悪天候のため中断し、南西の好天海域へと移動していたが、これら補給行動はイギリスがウルトラ情報でキャッチしており、1056に空母D18バトラー戦闘群（巡洋艦２隻、駆逐艦２隻）に襲撃され、駆逐艦の砲撃を受けて沈没した。参考：Ｕボート入門

＜ブレーク・アウト・フォース測定用アダプタ＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ブレーク・オープン＞：中折れ式の銃器を中折れさせた状態のこと。参考：GUN用語事典

＜フレーザー＞：233（駆逐艦）を参照。

＜フレーズレーター＞：不朽の自由作戦で特殊作戦部隊や医療支援部隊、人道支援活動などに使用された携帯式翻訳機。元は民需製品で、イラク海上封鎖に使用する目的で1998年7月に実用化された。同時多発テロ直後からアフガニスタン用に改良され１ヶ月で完成している。参考：月刊軍事研究3,’03

＜ブレード運搬用トレーラ＞：自衛隊の車両。加治金属工業製。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ブレード角＞：羽根角を参照。

＜プレート・キャリア＞：防弾ベストを参照。

＜プレート・キャリア・ベスト＞：アメリカ陸軍軽量ボディアーマー。KDHディフェンス社が開発した。改良型アウタータクティカルベスト（IOTV）よりもフルバージョンで4.5-6.8kg軽量化されているが、その分カバーする範囲が小さい。2010年3月までに57000着を配備し、アフガニスタン派遣部隊向けに供給する予定。参考：月刊軍事研究3,’10

＜プレート・スティア＞：MR-710M1（レーダー）またはMR-750M（レーダー）を参照。

＜ブレード・ツイスト＞：捩り下げ（回転翼）を参照。

＜ブレード翼型＞：Blade airfoil。ローター・ブレードの翼型のこと。失速角や臨界マッハ数が大きい、空力中心周囲のピッチング・モーメントがゼロに近い、中程度の揚力発生時にも適度な抗力がある、といった空気力学的特性が好ましく、生産性なども勘案して決定される。NACA00系列対称翼型（NACA0012、NACA0015など）やNAKA230系列上向きキャンバー翼型（NACA23012、NACA23015など）があり、空力中心周囲のピッチング・モーメントが小さく製造が楽な前者がよく使われる。高速ヘリ用には、高速飛行時に大きな揚力を得るため前縁を下向きに垂れ下がらせた翼型もある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ブレード・レート＞：プロペラ翼の数とプロペラ回転数により決定される、放射雑音周波数のこと。プロペラ翼数と１秒あたり回転数の積の整数倍（５翅プロペラが毎分120回転する場合、10Hz、20Hz、30Hz、…）となる。参考：ザ・マーチ42号

＜ブレーマー・シリーズ＞：イギリス空軍３葉重爆撃機Braemar。第１次大戦時にドイツを爆撃するためブリストルが開発し、1918年8月13日に初号機が初飛行した。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜ブレーマーＭｋ．�T＞：木製フレームに羽布張りで、角張った胴体と三葉の主翼を持つ。エンジンは２基をタンデムに並べてプッシャー及びプルプロペラを取り付けてあり、中央翼上面に左右１組ずつ取り付けられた。水平尾翼は複葉で、垂直尾翼は３葉である。降着装置はタンデム２輪を左右１組ずつ主翼付け根の胴体下面に装着した。エンジンは当初ロールスロイス社製イーグル（360馬力）を装備する予定だったが、アームストロング・シドレー社製ピューマ（230馬力）になったため、性能が低下し、テストに使用されたのみで1920年に廃制された。参考：週刊エアクラフトNo.48

　＜ブレーマーＭｋ．�U＞：原型２号機で、エンジンをリバティに換装したタイプ。全長15.70m、全幅24.89m、全高6.30m、自重5.084トン、最大離陸重量7.49トン。エンジンはリバティ（400馬力）４基で、最大速度196km、絶対上昇限度5180m。1919年2月18日に初飛行したが、爆撃機の必要性が薄れたため、テストにのみ使用されて1920年後半に事故で失われた。参考：週刊エアクラフトNo.48

＜フレーミング・カメラ＞：コマ撮りが行えるカメラのこと。画像の一部が重複するように撮影して合成すれば、広範囲の連続画像を得ることができる。参考：スパイ機

＜フレーミング・ダート作戦＞：ベトナム戦争において、1965年2月8日にアメリカ海軍が行った北ベトナム爆撃作戦で、2月7日にプレイクにあるアメリカ軍基地が南ベトナム民族解放戦線により攻撃されたことを受けて実施された。空母ハンコック、コーラル・シー、レンジャーから83機が出撃して爆撃を行った。参考：月刊丸12,’92

＜フレーミング・ダート�U作戦＞：ベトナム戦争時の1965年3月11日にアメリカ海軍が行った北ベトナム爆撃作戦で、フレーミング・ダート作戦と一連のものである。空母３隻から99機が出撃し、爆撃を行った。参考：月刊丸12,’92

＜フレームアウト＞：Flame out。運転中にガスタービンエンジン燃焼室の火が消えてしまうこと。燃料が供給されなくなるか、非常に少なくなると発生する。また、出力を急に減らすと、燃料供給量は急減するが、圧縮機の回転数はすぐには落ちないので空気だけが大量に供給され、火が吹き消されてしまう。出力がゼロになるため、航空機では墜落する危険があり、再度点火する再始動装置が搭載されている。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録

＜フレーム内蔵大型野戦パック＞：FRLIFを参照。

＜フレーム・ホルダー＞：Flame holder。アフターバーナーが安定的に燃焼できるよう、タービン出口の速い燃焼ガスの流れを妨げて高温燃焼ガス（火炎）の吹き溜まりを作る構造のこと。アフターバーナーの燃料をタービン出口の高速燃焼ガスに直接吹き付けると、燃料が十分に燃焼する前に吹っ飛ばされてしまい、場合によっては火すら付かないので、この構造を設けて継続的に火炎が残るようにし、燃料にきちんと着火させてアフターバーナーが所定の効果を発揮できるようにする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ブレーメン＞：F207（フリゲート）を参照。

＜ブレーメン級＞：F122型（フリゲート）を参照。

＜ブレーメン路外車両システム＞：Gelandewagen System Bremer。1915年にドイツ陸軍省がブレーメン設計所に命じて試作させた路外軌道車両で、４つのタイヤの代わりに４組の装軌走行装置を取り付けている。採用されなかった。参考：月刊PANZER8,’10

＜プレーリー＞：Prairie。艦船の推進プロペラのリーディング・エッジ（回転翼先端部）から微細な気泡を発し、プロペラのノイズを減少させる装置。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、10,’02

＜プレーン・キャプテン＞：アメリカ海軍のデッキ・クルーで、要するに機付長。艦上機の整備責任者である。タイダウン・チェーンの脱着も担当するので、チェーン・ギャングとも呼ばれる。ブラウン・ジャージを着用する。参考：月刊JWings1,’17

＜プレーン・ジェーン＞：AC-130A初期型（ガンシップ）を参照。

＜プレーンズ・オブ・フェイム航空博物館＞：Planes of Fame Museum。カリフォルニア州チノ空港にある航空博物館で、1957年1月にカリフォルニア州クレアモントで創設された。1965年にオンタリオ空港に移り、1969年にブエナパークの映画関連博物館に移動、短期間で提携を解消して1974年にチノ空港に落ち着いた。1996年にはアリゾナ州バリー空港に分館が設立されている。第１次大戦からベトナム戦争前後までの約140機（うち30機が飛行可能）を保有していて、零戦五二型、零戦二二型、雷電二一型、秋水、九九式艦爆、一式陸攻、B-50、P-26、P-12E、P-35、Me163、He162、Ba349など貴重な機体が保存されており、飛行可能状態のものも多いため、度々映画に実機を提供している。毎年5月に大規模なエアショーが開催される他、毎月第１土曜日（第３土・日曜日？）にはテーマを決めてエアショーが行われる。２週間前に予約を入れておけば、エアショーの日と日曜日を除き、体験飛行も可能である。開館時間は午前９時から午後５時までで、休館日はクリスマスと感謝祭の日。2016年8月19日、創設者のエド・マロニーが88歳で死去した。参考：月刊丸2,’08付録、月刊航空情報8,’02、月刊航空ファン5,’17

＜フレガット・シリーズ＞：ソ連のサリュート社が開発した艦載三次元対空／対水上捜索レーダーFregat、NATOコードはトップ・プレート（Top Plate）。追尾能力や敵味方識別能力も持っており、艦載戦闘システムなどとリンクできる。アンテナは初期のMR-710シリーズがディッシュ・パラボラ型、後期型が矩形状プラナー・アレイで、１面のものと、２面が背中合わせになっているタイプがあり、２面のものではそれぞれ異なる周波数のレーダー波を発振する。走査はフレスキャン方式。アンテナ頂部には敵味方識別装置用アンテナを持つ。参考：月刊軍事研究12,’17、6,’13、10,’11

＜フレガット＞：MR-710またはMR-750を参照。

＜フレガットＭ＞：MR-710MまたはMR-750Mを参照。

＜フレガットＭ１＞：MR-710M1を参照。

＜フレガットＭ２ＥＭ＞：アンテナ２面型で、重量2.5トン。毎分６または12回転して全周を捜索する。使用周波数はＳバンド、捜索距離300km。タルワル�T級、アドミラル・グリゴロヴィッチ級に搭載された。送信機を真空管から半導体化したバージョンでは捜索距離が400kmに延びた。参考：月刊軍事研究6,’13、10,’11、11,’13、10,’17、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜フレガットＭＡ＞：MR-760を参照。

＜フレガットＭＡ１＞：MR-755を参照。

＜フレガットＭＡＥ＞：アンテナ１面型で、重量2.2トン。毎分15回転して全周を捜索する。使用周波数はＳバンド、捜索距離150km。デリー級に搭載された。参考：月刊軍事研究6,’13、10,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜フレガットＭＡＥ−１＞：アンテナ１面型で、重量１トン。毎分15回転して全周を捜索する。使用周波数はＳバンド、捜索距離300km。参考：月刊軍事研究6,’13、10,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜フレガットＭＡＥ−２＞：アンテナ１面型で、重量2.25トン。毎分15回転して全周を捜索する。使用周波数はＳバンド、捜索距離300km。参考：月刊軍事研究6,’13、10,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜フレガットＭＡＥ−３＞：アンテナ２面型で、重量2.5トン。毎分６または12回転して全周を捜索する。使用周波数はＳバンド、捜索距離300km。参考：月刊軍事研究6,’13、10,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜フレガットＭＡＥ−４ｋ＞：アンテナ１面型で、重量0.39トン。毎分30回転して全周を捜索する。使用周波数はＣバンド、捜索距離150km。参考：月刊軍事研究6,’13、10,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜フレガットＭＡＥ−５＞：アンテナ２面型で、重量2.5トン。毎分６または12回転して全周を捜索する。使用周波数はＳバンド、捜索距離300km。中国に輸出したところ、382型として即コピーされた。参考：月刊軍事研究6,’13、10,’11、月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’17

＜フレガット級＞：ウダロイ�U級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プレキシグラス＞：アクリル樹脂を参照。

＜フレキシブルアンテナ装置＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究4,’13

＜フレキシブルアンテナ用ドライブユニット＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜フレキシブル基盤用送受信モジュール制御チップ＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ブレゲー１４＞：アメリカ陸軍航空隊の爆撃機。ブレゲー社が開発したものを採用した。全長8.9m、翼スパン14.4m、重量3400kg。エンジンは300馬力単発、最大速度190km、航続距離900km。爆弾搭載量300kg。乗員２名。600機以上を発注した。参考：月刊軍事研究1,’19

＜ブレゲー１９シリーズ＞：フランス空軍の多目的機で、偵察、軽爆撃、長距離連絡任務を行う。元は第１次大戦後に開発されたブレゲー19長距離飛行機で、1100機が生産された。参考：月刊丸12,’90

　＜ブレゲー１９Ｂ２＞：全長9.5m、全幅14.8m、総重量2.45トン。エンジンはロレーヌ（450馬力）で、最大速度200km。乗員２名。参考：月刊丸12,’90

＜ブレゲー７６１シリーズ＞：フランス空軍総２階建て輸送機、別名Deux-Ponts（ダブルデッキ）。1944年からフランスのブレゲー社が開発し、各型合わせて20機が生産され、1972年までに全機退役した。参考：月刊JWings5,’08

　＜ブレゲー７６１＞：試作型で、１機が製作され、1949年2月15日に初飛行した。主翼は中翼配置で、エンジンはSNECMA製ノームローン14R（1850馬力）４発、双垂直尾翼を持つ。後に対潜哨戒機型に改造されて試験を受けた。参考：月刊JWings5,’08

　＜ブレゲー７６１Ｓ＞：先行量産型で、３機が製作されて1955年にフランス空軍に引き渡された。エンジンをプラット＆ホイットニー社製R2800-B31（2200馬力）に換装し、水平尾翼中央にフィンを追加している。参考：月刊JWings5,’08

　＜ブレゲー７６３＞：旅客機型で、別名プロバンス。エールフランスが12機を導入、1952年から就航した。主翼構造及びエンジンを強化してある。1952年にアルジェリア、1953年にイギリスにリースされたものもあるが、短期間で運用を終えて返却された。1964年に６機がフランス空軍に売却され、残った６機は貨物機型「ユニバーサル」に改造されて1972年まで民間で使用された。参考：月刊JWings5,’08

　＜ブレゲー７６５＞：人員・貨物輸送型、別名サハラ。貨物ドアを装備したタイプで、４機が生産された。全長28.94m、全幅48.99m、全高9.55m。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R2800（2400馬力）４発、最大速度399km、航続距離2165km。兵員176名や、AMX-13を輸送できる。参考：月刊JWings5,’08、7,’21

　＜ブレゲー７６６＞：エンジンをブリストル・ハーキュリーズに換装したもの。計画のみ。参考：月刊JWings5,’08

　＜ブレゲー７６７＞：エンジンをターボプロップにしたもの。計画のみ。参考：月刊JWings5,’08

＜ブレゲー９４０シリーズ＞：ブレゲー社の超短距離離着陸USTOL（Ultra Short Take-Off and Landing）機。各国軍民に売り込んだが、どこにも採用されなかった。参考：月刊JWings7,’21

＜ブレゲー９４０＞：試作機。エンジンはターボプロップ４発。1958年5月に初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

＜ブレゲー９４１＞：量産原型機。1961年6月に初飛行した。参考：月刊JWings7,’21

＜ブレゲー９４０海外シリーズ＞

　＜マクダネル１８８Ｅ＞：マクダネル社がアメリカ軍に輸送機やCODなどとして提案したもの。採用されなかった。参考：月刊JWings7,’21

＜ブレゲー９６０＞：ヴォルトゥール（対潜哨戒機）を参照。

＜ブレゲー１０５０＞：アリーゼ（対潜哨戒機）を参照。

＜ブレゲー１１００＞：フランスのブレゲー社がフランス空海軍向けに開発した試作軽攻撃機。ブレゲー1001がベースで、機体を一回り大型にし、エンジンを双発に変更、主翼を低翼配置にしている。全長12.52m、全幅7.83m、総重量６トン。エンジンはチュルボメカ製ギャビゾ（推力1.1トン）双発。固定武装は30mm機関砲２門。１機が製作されたが、採用されなかった。参考：月刊JWings6,’14

＜ブレゲー社＞：フランスの航空機会社で、正式にはルイ・ブレゲー航空製作所（Societe des Ateliers d’Aviation Louis Bréguet）。1911年にルイ・ブレゲーが設立した。1966年、イギリスのBAC社と共同でSEPECATを設立した。1971年、ダッソー社と合併してダッソー・ブレゲーになった。参考：月刊JWings12,’18、6,’14

＜ブレゲーの公式＞：フランスのルイ・ブレゲー（Louis Breguet。ブレゲー社の創設者）が発見した、プロペラ機の航続距離に関する公式。航続率（燃料1kgあたりの飛行距離）はエンジン出力（イギリス馬力）と燃料消費率（エンジン１イギリス馬力・飛行時間１時間あたりの消費燃料kg）の積で飛行速度を割ったものである。エンジン馬力をプロペラ推力に換算するには、エンジン馬力にプロペラ効率を掛ければ良く、これは空気抵抗と飛行速度の積に等しい。また、水平飛行している時はプロペラ機の重量と揚力が等しくなる。１馬力は75kg×ｍ／秒なので、これらを航続率の式に代入すると、航続率はプロペラ効率と揚力の積を、燃料消費率と抵抗の積で割り、定数270kmを掛けたものとなる。航続率を離陸重量から着陸重量まで積分すれば航続距離となるから、航続距離はプロペラ効率と揚力と離陸重量に比例し、燃料消費率と抵抗と着陸重量に反比例するという式が導き出される。これがブレゲーの公式で、性能の良いプロペラと主翼を持ち、燃費に優れるエンジンを積んだ軽く空気抵抗の少ない機体に大量の燃料を載せれば、長く飛ぶことができるという結論になる。航空機の大きさや速度は変数に入らない。ちなみにジェット機の場合は、変数に速度が入り、航続距離は速度、装備効率（エンジンを機体に取り付けた場合の効率）、揚抗比、離陸重量に比例し、燃料消費率（単位推力あたり毎時消費燃料重量）、着陸重量に反比例する。参考：世界の傑作機No.125、航空機設計法

＜ブレコン＞：L76（駆逐艦）またはM29（掃海艇）を参照。

＜ブレコン級＞：ハント級（掃海艇）を参照。

＜プレザーヴァー＞：アメリカ海軍救難艦。1944年11月18日、レイテ島の東で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜フレシア＞：イタリア陸軍８×８輪歩兵戦闘車VBM８×８Freccia。チェンタウロ戦闘車をベースとしており、1999年の開発開始当初はチェンタウロVBC歩兵戦闘車と呼ばれていた。車体は装甲板の溶接製で、車内にはライナーが張ってある。車体下部の装甲を強化しており、全周に増加装甲の装着が可能で、6kgの地雷及び距離10mでの155mm砲弾の炸裂に耐えられる他、増加装甲を装着すれば8kgの地雷や30mm徹甲弾の正面への直撃に耐えられる。兵員室にはサスペンションとシートベルトが付いた３名用座席２つを搭載し、NBCフィルターなどの車内配置を変更してもう２つの座席を追加した。砲塔はHITFIST25をベースとしたもので、SICCONA C2デジタルFCS、GAlolep Avionica Lothar安定装置付砲手用サイト（最大仰角70度）、第２世代赤外線カメラ、全周監視用カラーTV、レーザー測距機（有効距離20km）、砲安定化装置、新型航法装置、映像安定化システム、自動警戒システム、自動追尾システムを装備する。兵装はKBA25mm機関砲と7.62mm同軸機銃、砲塔左右のスパイク対戦車ミサイル発射機１基ずつである。全長8.56m（7.988m？）、全幅2.99m（3.28m？）、全高2.698m、車体重量22トン、標準戦闘重量26トン、最大戦闘重量30トン。エンジンはイベコMTCAV-6ディーゼル（550馬力）で、トランスミッションはZF5HP1500オートマチック、最大速度110km、航続距離800km。乗員３名、乗車兵員７名。更に指揮官１名が乗ることもある。2009年2月17日に初号車が引き渡された。コマンドポスト型、155mm自走榴弾砲ポーキュパイン、自走迫撃砲型、自走対戦車ミサイル型、野戦救急車型、回収車型といったファミリー車両も開発されており、ピネロロ機械化旅団とアオスタ機械化旅団（各旅団は機械化歩兵連隊３個、騎兵偵察連隊１個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個からなる）に各型計249両をチェンタウロと共に配備予定。参考：月刊軍事研究6,’07、7,’16、8,’09、10,’08、11,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

＜フレシア・ファミリー＞

　＜指揮車＞：１個連隊あたり２両ずつが配備される。参考：月刊軍事研究8,’09

　＜自走迫撃砲型＞：１個連隊あたり４両ずつが配備される。参考：月刊軍事研究8,’09

　＜対戦車型＞：１個連隊あたり10両が配備される。参考：月刊軍事研究8,’09

　＜偵察型＞：１個連隊あたり３両ずつが配備される。参考：月刊軍事研究8,’09

＜フレシット＞：Flechette、小さな矢。矢のような形状をした金属片で、高速で射出され、運動エネルギーを利用して目標を貫徹し、内部に損害を与える。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜フレシット弾＞：フレシットを多数内蔵した弾丸のこと。参考：イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004

＜プレシディオ＞：APA-88（攻撃輸送艦）を参照。

＜プレジデンシャル・フライト＞：アメリカ空軍第89空輸航空団のニックネーム。

＜プレシデンテ・エロイ・アルファロ＞：DD-01（駆逐艦）を参照。

＜プレシデンテ・エロイ・アルファロ＞：エクアドル海軍リアンダー級フリゲートPresidente Eloy Alfaro。元はイギリス海軍リアンダー級フリゲートのペネロープで、1991年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜プレシデンテ・エロイ・アルファロ級＞：ギアリング級駆逐艦（エクアドル海軍）を参照。

＜プレジデント・アダムス＞：APA-19（攻撃輸送艦）を参照。

＜プレジデント級＞：アメリカ海軍輸送艦President級。C3型貨客船を改造したもので、非戦闘地域の港湾に兵員を輸送するのが任務である。全長149.9m、幅21.2m、吃水8.1m、満載排水量16725トン。主機は蒸気タービン、出力8500馬力、１軸推進、速力18.4ノット。乗員512名。AP-103プレジデント・ポークなどが就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜プレジデント・ジャクソン＞：APA-18（攻撃輸送艦）を参照。

＜プレジデント・ジャクソン級＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦President Jackson級。C3-P&C型標準貨客船を改造したもので、前後甲板にブリッジ付きと無しのキングポストを持ち、40トンデリック２基と10トンデリック14基を設置し、LCM(6)４隻、LCVP23隻、LCPL２隻、LCPR１隻を搭載、兵員1379名と貨物3500トンを積む込む。APA-20はブリッジ付きキングポストを前甲板に２基、後甲板に１基設置しており、ブリッジ無しのキングポストは持っていない。全長144.9m、幅21.2m、吃水8.41m、軽荷排水量10192トン、満載排水量14430トン。主機は蒸気タービン１基、主缶はバブコック＆ウィルコックス缶２基、出力8500馬力、１軸推進、速力17.5ノット、航続距離10700海里（15ノット）。兵装は50口径76mm単装両用砲４門、40mm連装機関砲２基、40mm単装機関砲１門、20mm単装機関砲２門。乗員537名。APA-18プレジデント・ジャクソン、APA-19プレジデント・アダムス、APA-20プレジデント・ヘイズ、APA-29トーマス・ストーン、APA-30トーマス・ジェファーソンの５隻が1941-42年に竣工した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜プレジデント・ヘイズ＞：APA-20（攻撃輸送艦）を参照。

＜プレジデント・ホーク＞：VH-60N（ヘリ）を参照。

＜プレジデント・ポーク＞：AP-103（輸送艦）を参照。

＜プレジデント・モンロー＞：AP-104（兵員輸送艦）を参照。

＜ブレジネフ・ドクトリン＞：制限主権論ともいう。チェコスロバキア侵攻に対する西側諸国の批判を受けて1968年11月にソ連のブレジネフ書記長が語ったもので、社会主義全体の利益は個別国の利益に優先するという論説である。参考：月刊軍事研究12,’08

＜プレスオン＞：アメリカの戦略航空コマンドが核戦争の時にとる行動基準。飛行に支障が無い限り、いくら故障があっても出撃するというもので、B-52爆撃機の場合、エンジンが２基止まっても航法システムや爆撃レーダーが故障しても任務が続行された。ラインバッカー�U作戦ではこの態勢がとられている。参考：月刊軍事研究2,’03

＜フレスキャン＞：周波数走査アレイ・レーダー（FREquency SCANned array radar）のこと。プラナー・アレイ・レーダーの１つで、各アンテナ素子間の給電回路における周波数特性を周波数分散遅延線路を用いて変化させることにより、送信周波数を制御し、各アンテナ素子から出る電波ビームの同位相波面の方向を変え、走査を行う。周波数分散遅延線路としてはスネーク導波管（Snake waveguide）と呼ばれる蛇のように曲がりくねった導波管を使用することが多く、導波管の曲がり角がアンテナ表面に来るようにして曲がり角ごとにアンテナ素子を設置してあり、導波管の入力端子から入力する信号の周波数によってアンテナ素子間の導波管距離に応じた遅延移相量が決まり、ビーム指向方向が決定される。移相器などが不要なのでアンテナ構成が簡単になり、動揺などによる修正が電子的に行えるので単純化と軽量化が図れるという利点がある。周波数とビーム指向方向が１対１対応になり、変更がきかないので、他の電子機器と干渉する場合に融通が利かず、ECCM性能も悪いのが欠点。また、高速でビームを振って空間を素早く走査するためにはパルス繰り返し周波数を高くしなければならず、目標からの反射波を受け取ることができる時間が短くなり、探知距離や移動目標指示能力が制限されるという欠点もある。1950年代に実用化され、アメリカ海軍などの三次元レーダーに採用された。当初は筒型アンテナを使い、フレスキャンを一次放射器として筒型反射器で水平方向ビーム幅を絞りペンシルビームに加工していたが、後にアンテナ素子として水平方向に長いスロット導波管を使いペンシルビームを形成、これをスネーク導波管に繋いで垂直面内のフレスキャンを行うタイプが開発されている（方位はアンテナを機械的に回転させて走査）。複数の周波数を使って継続的に複数パルスを送信するマルチビーム方式も開発され、走査時間不足によるパルス繰り返し周波数の制限にも対応できるようになった。参考：レーダシステムの基礎理論、月刊軍事研究9,’14、8,’06

＜フレスコ＞：MiG-17シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ブレスト＞：ソ連海軍グリシャ�X型フリゲートBrest。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜ブレストア＞：フランス海軍ラドロア級駆逐艦Brestois。1928年竣工。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜ブレスト・リトフスク要塞＞：ポーランド東部のブレスト・リトフスク町にある要塞で、元はロシアが18世紀に建造したものである。第１次大戦ではドイツに占領され、戦後はポーランド領になった。第２次大戦ではドイツ軍が白作戦で制圧したが、独ソ不可侵条約の秘密協定でソ連側領土に入っており、1939年9月22日にソ連が占領した。バルバロッサ作戦ではドイツ中央軍集団第４軍第45歩兵師団が攻略を担当。ソ連は守備隊が夏期演習で留守にしており、周辺の第６オルロフ赤旗師団と第42狙撃兵師団から２個連隊と火砲数門、戦車数両を派遣してもらったが、開戦当日の6月22日昼にはドイツ軍に包囲されてしまった。それでもドイツ軍による８度の襲撃を撃退したため、ドイツ軍はカール自走臼砲とJu87、突撃砲による砲爆撃を実施したが、厚さ900mmの鉄筋コンクリートに弾かれて制圧できなかった。6月28日、ドイツ空軍Ju88爆撃機７機が1.8トン爆弾を投下。２発が要塞に命中して大穴を開けた。6月30日、ドイツ軍は要塞中心部に突入。以降はソ連兵数名ずつによるゲリラ戦が続き、7月中旬に完全制圧した。ドイツ軍は戦死482名、戦傷1000名の損害を出している。ソ連側は7000名の捕虜を出したため、公刊戦史でもこの戦闘を無視していたが、1956年にジャーナリストのセルゲイ・スミルノフが出版したパンフレットをきっかけに名誉を回復した。1944年8月、ソ連軍が奪回した。参考：月刊PANZER5,’13

＜プレストン＞：DD-379（マハン級駆逐艦）またはDD-795（フレッチャー級駆逐艦）を参照。

＜プレストン＞：アメリカ海軍特設水上機母艦。1941年12月8日、龍驤の艦上機から攻撃された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜フレスノ＞：CL-121（軽巡洋艦）またはLST-1182（戦車揚陸艦）を参照。

＜ブレスマン＞：APD-48（高速輸送艦）またはDE-69（護衛駆逐艦）を参照。

＜プレスリー＞：DE-371（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブレゾン＞：フランス海軍潜水艦Blaison。元はドイツ海軍Ｕボート�\Ｂ型潜水艦で、1947年に就役した。後にQ165に改称した。1959年8月18日に売却された。参考：ナチスＵボート

＜ブレダ２５＞：イタリア軍複葉高等練習機。水上機型もある。全長7.8m、全幅10m、全備重量1040kg。エンジンはアルファロメオD2（240馬力）単発、最大速度220km、実用上昇限度7500m。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ２８＞：イタリア軍曲技飛行練習機。ブレダ25の機体構造を強化したものである。全長7.8m、全幅10m、全備重量1200kg。エンジンはピアッジオ・ステラ72（370馬力）単発、最大速度240km、実用上昇限度7500m。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ３０＞：イタリアの6.5mm軽機関銃。作動はブローバックで、銃身が後退するため、銃身は樋のようなガイドに収められている。弾倉は銃の右側に固定式で取り付けられていて、装弾は20発入りクリップで行う。やたらと出っ張りが多く、キャリングハンドルが無いため、持ち運びには不便だった。全長1.23m、重量10.3kg。参考：拳銃・小銃・機関銃、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜ブレダ３５＞：イタリアの20mm機関砲。発射速度最大毎分60発、実用毎分30発、有効射程800m、最大射程5500m。参考：月刊PANZER12,’02

＜ブレダ３８＞：イタリアの8mm機関銃。発射速度毎分350発、有効射程500m。弾種は徹甲弾と榴弾があるようだ。参考：月刊PANZER12,’02

＜ブレダ６５シリーズ＞：イタリア軍多用途機。ブレダ64の改良型で、1935年から生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ６５＞：単座型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ６５ｂｉｓ＞：複座型。全長9.6m、全幅12.1m、全備重量2950kg。エンジンはイソッタ・フラスキニK14（900馬力）またはフィアットA80（1030馬力）単発で、最大速度410km、実用上昇限度7900m、航続距離1100km。固定武装は12.7mm機銃２丁と7.7mm機銃２丁で、爆弾１トンを搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ７５＞：イタリア軍試作複座偵察攻撃機。ブレダ65を改造したもので、主翼を低翼配置から中翼配置にし、固定脚を採用、胴体下面に偵察窓を設けた。全長11.3m、全幅15.6m、全備重量3650kg。エンジンはイソッタ・フラスキニK14（900馬力）単発、最大速度375km、航続距離1700km。固定武装は12.7mm機銃２丁。乗員２名。性能低下が激しく、採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ８８シリーズ＞：イタリア軍高速爆撃機、別名リンチェ（Lince）。速度記録機をベースに開発された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ブレダ８８＞：爆撃機化したところ性能が低下し、整備性にも劣ったため、生産は105機に留まった。全長10.79m、全幅15.62m、全備重量6750kg。エンジンはピアッジオP11RC40（1000馬力）単発、最大速度490km、実用上昇限度8000m。防御武装は12.7mm機銃３丁と7.7mm機銃２丁。爆弾500kgを搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ブレダ８８Ｍ＞：試作急降下爆撃機型。３機が製作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ２０１＞：イタリア軍急降下爆撃機。Ju87に触発されて開発されたが、完成前に終戦となった。全長11.13m、全幅13m、全備重量4000kg。エンジンはダイムラーベンツ製DB601（1050馬力）単発。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレダ／ボフォース３５０Ｐ＞：ボフォース40mm機関砲・海外シリーズを参照。

＜フレチェット＞：フレシット（弾種）を参照。

＜ブレッキンリッジ＞：DD-148（駆逐艦）を参照。

＜フレックスＡＩ＞：航空阻止を参照。

＜フレックス・フェンス＞：イスラエルのプラサン社が開発したマット状増加装甲。赤外線放射抑制機能と成形炸薬弾防護能力を併せ持ち、重量は１平方メートルあたり10kg。参考：月刊軍事研究10,’12

＜プレッシャ・テスト・キット＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜プレッシャ・リーク・テスト・キット＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜フレッチア＞：G50シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フレッチェ・トリコローリ＞：イタリア空軍の公式アクロバットチームで、正式飛行隊名称は第313飛行隊。1961年にリボルト空軍基地で第313曲技飛行隊として新編された。使用機はF-86E（CL-13）で、６機編隊であった。1962年、９機編隊になり、カラースモークを使うようになった。1964年、機種をG.91PANに変更。1966年、10機編隊（５機編隊＋４機編隊＋ソロ）になった。リーダーは１番機、第２編隊長機は６番機で、ソロは10番機が務めるためディエチ（10の意）と呼ばれる。リーダーは２シーズン、第２編隊長とソロは４シーズン交替で、それぞれ交替時期が重ならないよう調整されている。リーダーを務めた後は司令官となって他部隊に移るが、適当な部隊が無いと３シーズン目に突入してしまうこともある。1982年、MB-339A/PANに機種変更した。2017年からM-345高効率練習機に機種変更する予定で、初ディスプレイは2019年以降となる。2020年5月25-29日と6月2日（イタリア共和国建国74周年記念日）、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けたイタリア国民を鼓舞することなどを目的に、全国ツアー「アブラッチオ・トリコローレ（三色の抱擁）」を実施。2023年11月13-17日、ドバイ・エアショー2023で展示飛行を行った。2024年6月29-30日、カナダ空軍トレントン基地で行われたクインテ・インターナショナル・エアショーで展示飛行を実施。7月13-14日、カリフォルニア州のサクラメント・メイサー空港で開催されたカリフォルニア・キャピタル・エアショー2024で展示飛行を実施。参考：月刊航空情報11,’10、月刊JWings10,’11、12,’10、8,'20、9,'20、2,'24、9,'24、10,'24、月刊航空ファン10,’14

＜ブレッチェリー・パーク＞：イギリスのブレッチェリー駅から歩いて５分の所にある、広大な館。元は荘園領主の住居として建造されたもので、第２次大戦直前にイギリス政府が買い上げてエニグマ暗号などの暗号解読拠点として使用、ウルトラ情報を発信した。戦後は博物館に改装され、エニグマ暗号機、エニグマ暗号解読器ボンブ（復元中）、真空管コンピュータのコロッサスなどが展示されている。2003年、アメリカ電気電子学会（IEEE）からIEEEマイルストーンの認定を受けた。参考：月刊丸12,’11

＜フレッチャー＞：DD-445（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-992（スプルーアンス級駆逐艦）を参照。

＜フレッチャー＞：アメリカのアーノルド・ディフェンス社がイギリスのスパキャット社及びノルウェーのNammo社などと共同開発している車載ロケット・システム。ITS（Integrated Targeting System）射撃管制装置、レーザー・デジグネーター、70mmロケット弾４連装ランチャーで構成され、Nammo製M282A1プログラム弾頭搭載70mm無誘導ロケット弾、APKWS誘導ロケット弾、タロン誘導ロケット弾などを運用する。システム重量59kg。最大射程5km。参考：月刊軍事研究1,’18

＜フレッチャー＞：フランク・ジャック・フレッチャー。1885年4月29日、アイオワ州生まれ。1902年、アナポリス海軍兵学校に入学、ブラック・ジャックのニックネームを付けられた。1914年4月21日、ベラクルス上陸作戦に参加し、指揮官の叔父と共に名誉勲章を受章した。1933-36年、海軍長官補佐官に就任。太平洋戦争では空母機動部隊指揮官となり、珊瑚海海戦、ミッドウェイ海戦、第２次ソロモン作戦に参加、日本海軍空母計６隻を葬っている。ただキング海軍作戦部長から積極性不足を指摘されて（嫉妬説あり）裏方に回され、第13海軍区司令官を経て北太平洋方面軍司令官となった。1973年4月25日、87歳で死去した。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜フレッチャー級＞：アメリカ海軍駆逐艦Fletcher級。1936年にワシントン・ロンドン軍縮条約が切れたのを受けて1939年9月から計画した艦隊駆逐艦で、軍縮条約下の船首楼型でなく兵装に見合った大きな平甲板型船体を採用し、缶機缶機のシフト配置が取れ、第２次大戦中の兵装強化も他の武装を撤去せず行えた。空母機動部隊に追随できる速力と航続性能を持つ。上構は１層で前後に長く、上面には前から２番主砲、艦橋、ポールマスト、前部煙突、前部魚雷発射管、後部煙突、後部魚雷発射管、３番主砲、甲板室、４番主砲と並ぶ。前部煙突直下の船体内に前部缶室があり、右舷用主缶２基を収容、その後ろが前部機械室で右舷用主機１基を収め、その後ろの後部煙突直下船体内が後部缶室で左舷用主缶２基を収容し、その後ろが後部機械室で左舷用主機１基を収める。全長114.7m、幅12.1m、吃水4.2m（5.4m？）、基準排水量2277トン、満載排水量2940-3040トン。主機はGE式またはウェスティングハウス式高低圧２胴型二段減速式オール・ギヤード・タービン（回転数は高圧が毎分6000回転、低圧が毎分5000回転。巡航タービンは減速歯車装置付きの直結式）２基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式またはフォスター・ホイーラー式重油専焼水管缶（蒸気圧力4.24MPa・温度454℃）４基、出力60000馬力、２軸推進、速力37.8ノット、航続距離6500海里（15ノット）。兵装は密閉砲塔式38口径12.7cm単装両用砲５門（前後甲板背負い式、後部魚雷発射管後方）、1.1インチ（27.9mm）４連装機関砲１基、12.7mm単装機銃６丁、533mm魚雷５連装発射管２基（後部煙突前後）、爆雷投射機６基、爆雷投下軌条２条。乗員336名。DD445-451、DD465-481、DD498-522、DD526-541、DD544-547、DD550-597、DD629-631、DD642-644、DD649-691、DD792-804が起工され、DD503-506が建造中止となり、計175隻が1942-44年に就役した。太平洋戦争の戦訓に基づいて対空兵装を強化しており、魚雷発射管１基を撤去してボフォース40mm４連装機関砲２基、ボフォース40mm連装機関砲３基、エリコン20mm連装機関砲４基、エリコン20mm単装機関砲３門を搭載している。また、ソナー、対空レーダー、対水上レーダー、射撃管制レーダーを装備した。DD-477プリングルなど３隻は1942年に後部煙突後方にデリックとカタパルトを設置してOS2U水偵１機を搭載したが、運用成績が芳しくなく、半年で撤去された。太平洋戦争では特攻で10隻が沈没（うち９隻がレーダー・ピケット任務中）、68隻が損傷した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船6,'22、9,’24、5,’11、4,’12、2,’15、9,’17、歴史群像8,’11

　＜フレッチャー級ＦＲＡＭ�U＞：FRAMはFleet Rehabilitation And Modernizationの略。５年程度の艦齢延長工事を行い、対潜兵装を強化している。127mm砲を連装３基に換装し、魚雷発射管を533mm魚雷固定式単装発射管とした。ソナーはAN/SQS-4で、一部にAN/SQA-10VDSを搭載した艦がある。レーダーはAN/SPS-10/-29。兵装は127mm連装砲Mk38が３基、533mm固定式単装魚雷発射管Mk25が２門（中部上構上両舷、開度45度。533mm対水上艦用無誘導魚雷Mk16、533mm対潜用音響誘導魚雷Mk35、19インチ・482.6mm対潜音響誘導魚雷Mk37を発射可能）。一部にヘッジホッグ２基を残した艦がある。QH-50D無人機２機を搭載可能。参考：月刊世界の艦船11,’13

＜フレッチャー級海外シリーズ＞

　＜ありあけ型＞：ありあけ型護衛艦を参照。

　＜フレッチャー級（韓国海軍）＞：韓国海軍駆逐艦、別名チュンム級。兵装は127mm砲５門、対潜魚雷３連装発射管２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フレッチャー級（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍駆逐艦、別名アスピス級。1959年に３隻、1962年に３隻が引き渡され、D-06アスピス、D-16ヴェロス、D-28バニティ、D-56ロンチ、D-63、D-85スフェンドニとして就役した。前部マストが改修され、兵装が多少変更されている他はほぼ原型のままである。全長114.7m、幅12m、吃水5.5m、基準排水量2050トン、満載排水量3050トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32ノット。兵装は127mm単装砲Mk30が４門、76mm連装砲３基、12.7mm単装機銃２丁、レッドアイ艦対空ミサイル発射機、324mm短魚雷３連装発射管２基、533mm魚雷５連装発射管１基、ヘッジホッグ２基、爆雷投下軌条１条。乗員250名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フレッチャー級（台湾海軍）＞：台湾海軍駆逐艦で、昆陽級ともいう。1967年に１隻、1968年に１隻、1971年に２隻が引き渡され、DD-908グェイヤン、DD-909チンヤン、DD-918アンヤン、DD-919クンヤンとして就役した。兵装は127mm単装砲５門、76mm連装砲３基、533mm魚雷５連装発射管１基。後にウーチン�T改修を実施し、艦対艦ミサイルを装備、煙突前後にマストを立ててAN/SPS-6レーダーとAN/SPS-10レーダーを搭載した。ウーチン�T改修後の諸元は以下の通り。全長114.8m、幅12m、吃水5.5m、基準排水量2100トン、満載排水量3050トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力35ノット。兵装は雄蜂艦対艦ミサイル発射筒５基、シーチャパラル艦対空ミサイル６連装発射機１基、127mm連装砲１基、76mm単装砲１門、324mm短魚雷３連装発射管２基、ヘッジホッグ２基、爆雷投下軌条１条。DD-919クンヤンは機雷敷設能力を持つ。乗員261名（DD-908）／279名（DD-909）／270名（DD-918・DD-919）。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フレッチャー級（ドイツ連邦海軍）＞：ドイツ連邦海軍駆逐艦。海軍再建時に６隻が供与され、Z1からZ6として就役した。参考：JShips VOL.70

　＜フレッチャー級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍駆逐艦、別名ビアウイ級。兵装は127mm砲５門、対潜魚雷３連装発射管２基。533mm魚雷発射管５門を装備する艦もある。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜フレッチャー級（メキシコ海軍）＞：メキシコ海軍駆逐艦。元はDD-574ジョン・ロジャースで、1970年8月に供与された。FRAM改装は受けていない。全長114.8m、幅12m、吃水5.5m、基準排水量2100トン、満載排水量3050トン。主機は蒸気タービン２基２軸60000馬力、速力32ノット。兵装は127mm単装砲５門、40mm連装機関砲５基、533mm魚雷５連装発射管１基。乗員197名。クィトラゥワクが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、歴史群像8,’11、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜レパント級＞：スペイン海軍駆逐艦Lepanto級。D21レパント、D22、D23、D24、D25の５隻が1957-60年に貸与され、1972年に購入した。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜フレッド＞：P-63戦闘機（ソ連空軍）を参照。

＜フレッド・Ｔ・ベリー＞：DD-858（駆逐艦）を参照。

＜フレッド・Ｗ・ストッカム＞：T-AK-3017（事前配備船）を参照。

＜フレットナー・ローター＞：マグナス力またはローター・セイルを参照。

＜プレデター＞：RQ-1L（無人機）を参照。

＜プレデター＞：アメリカ海兵隊の個人携行対戦車兵器Predator。ロッキード・マーチン製で、開発当初はSRAWと呼ばれ、2002年に採用された。撃ちっ放し式トップアタック型である。重量10kg。射程17-600m。参考：月刊PANZER8,’02、自衛隊装備年鑑1996

＜プレデターＢ＞：MQ-9（無人機）またはMQ-9A（無人機）を参照。

＜プレデターシステム＞：RQ-1シリーズ（無人機）を参照。

＜プレデターＢシステム＞：RQ-1B（無人機）を参照。

＜プレデターＣ＞：アメリカ空軍の無人機、別名アベンジャー。ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ社（GA-ASI）が開発した。ベースはMQ-9で、主翼後退角20度、エアインテイクは機体背面にあり、Ｖ字の双尾翼を持つ。主翼付け根を胴体と同じくらいの厚さにして滑らかに結合、エアインテイクも平べったい台形断面にし、ウェポンベイを設けることでステルス性能と高速飛行性能を改善しており、それらを気にしなくて良い任務なら主翼下４カ所のパイロンを使用できる。AN/APY-8リンクス２合成開口レーダー、EOTS（F-35と同じもの）、MS-177EO/IRセンサーを引き込み式で搭載する予定。艦載型の売り込みも考慮して主翼には折り畳み機構が付いており、アレスティングフックを持つ。全長13.41m、全幅20.12m、全高1.86m、空虚重量1.814トン、最大離陸重量8.255トン（7.257トン？）、総ペイロード1.36トン（2.948トン？）、ウェポンベイ内ペイロード0.9トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW545Bターボジェット（推力2.177トン。ターボファン？）単発で、巡航速度647km（740km以上？）、最大速度741km、作戦高度18288m（上昇限度15240m？）、滞空時間18時間（20時間？）。兵装はAGM-114ヘルファイア、GBU-24/Bペイブウェイ、GBU-31/B、GBU-39/Bなど。2009年4月4日に初飛行し、2012年度予算でアメリカ空軍が１機を発注しており、実戦テストを兼ねてアフガニスタンに投入予定。その後CIAがシリアで使ったらしいが、MQ-9で十分らしく量産発注はまだで、アメリカ海軍にも売り込み中である。同じくGA-ASI社が開発中のHELLADSレーザー砲を積む計画もある。参考：月刊軍事研究5,’12、5,’11、2,’18、月刊JWings4,’12、2,’17、月刊航空ファン9,’16

　＜インプルーブド・アベンジャー＞：MS-177をウェポンベイに半埋め込み式で装備し、センサー使用時も抗力やRCSが増大しないようにしたタイプ。2016年10月に初飛行した。参考：月刊軍事研究12,’17

　＜長距離型アベンジャー＞：翼スパンを23.1mに広げ、燃料搭載量を１トン増やして滞空時間を延長したタイプ。2017年10月27日に初飛行した。参考：月刊JWings2,’17

　＜ディフェンダー＞：GA-ASI社が独自研究中の無人護衛機型。主翼下面に空対空ミサイルランチャー４基以上、胴体下部にウェポンベイを備え、空中給油機やISR機を護衛する。参考：月刊JWings5,’20

＜プレデターＸＰ＞：RQ-1海外シリーズ（無人機）を参照。

＜フレデリクトン＞：FFH337（フリゲート）を参照。

＜フレデリック＞：LST-1184（戦車揚陸艦）を参照。

＜フレデリック・Ｃ・デービス＞：DE-136（護衛駆逐艦）を参照。

＜フレデリック・Ｍ・フランクス＞：フランクス（アメリカ陸軍大将）を参照。

＜フレデリック・クリステンセン＞：クリステンセン（アメリカ軍エース）を参照。

＜フレデリック・ファンストン＞：APA-89（攻撃輸送艦）を参照。

＜フレデリック・ファンストン級＞：アメリカ海軍攻撃輸送艦Frederick Funston級。C3-S1-A3型標準貨物船を陸軍輸送船（兵員2427名収容）に改造し、1943年に攻撃輸送艦としてアメリカ海軍に移管したものである。全長150m、幅21.2m、最大吃水8.23m、軽荷排水量10967トン、満載排水量14700トン。主機は蒸気タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー缶（36.6気圧、407℃）２基、出力8500馬力、１軸推進、速力16.5ノット、航続距離は15ノットで13000海里。兵装は38口径12.7cm単装両用砲１門、50口径7.6cm単装両用砲２門、40mm連装機関砲２基、20mm単装機関砲16門。兵員1593名など1500トンを搭載可能。乗員509名。APA-89フレデリック・ファンストンとAPA-90ジェームズ・オハラが1943年に就役した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜フレデリック・ロレット＞：カナダ海軍ハリー・デウォルフ級砕氷警備艦５番艦Frédérick Rollette。2024年8月29日、カナダ海軍に納入された。参考：月刊世界の艦船11,’23、11,’24

＜ブレトシュナイダー＞：クラウス・ブレトシュナイダー。ドイツ空軍エース。1944年11月、31機撃墜で騎士鉄十字章を授与された。1944年12月24日、カッセル市上空でP-51に撃墜されて戦死した。ヴィルデ・ザウ戦法で14機を夜間撃墜し、第300戦闘航空団突撃飛行隊員として４発重爆19機を撃墜している。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜プレトリア・キャッスル＞：イギリス海軍プレトリア・キャッスル級護衛空母Pretoria Castle。元は1938年10月12日に進水したユニオン・キャッスル・ラインのイギリス−ケープタウン航路客船プレトリア・キャッスルで、1939年11月にイギリス海軍に徴用され特設巡洋艦として就役、1942年から護衛空母への改造に入り、1943年4月9日に竣工した。10月から実戦に短期間参加したが、他は訓練や試験艦として使用されている。1947年から客船に復帰させる工事を開始し、1948年からイギリス−ケープタウン航路に復帰。1962年に解体された。参考：イギリス航空母艦史、護衛空母入門、月刊世界の艦船6,’18

＜プレトリア・キャッスル級＞：イギリス海軍護衛空母Pretoria Castle級。第２次大戦勃発に伴い特設巡洋艦として徴用していたユニオン・キャッスル・ライン客船プレトリア・キャッスルを護衛空母に改造したものである。一等プロムナード・デッキから上の部分をマストごと撤去して上甲板を強化し、艦中央から後部にかけて格納庫を設け、その上に長さ170.1m・幅23.2mの全通飛行甲板を載せている。飛行甲板前部中央にエレベーター、そこから前に向かって火薬式カタパルト１基（最大射出重量7.3トン）、飛行甲板前部右外舷にアイランドを持つ。全長181.2m、全幅23.3m、吃水8.9m、総トン数17392トン、基準排水量19650トン。主機はH&W-B&W式８気筒ディーゼル２基、出力16000馬力、最大速力17ノット、重油搭載量2430トン。搭載機数20機強、航空燃料搭載量337トン。兵装は45口径10.2cm連装両用砲２基、２ポンド４連装機銃４基、20mm連装機関砲10基。プレトリア・キャッスルが1943年4月に竣工した。元が優秀な大型客船で、航空艤装も充実しており、戦時中も戦後も主に艦上機（ジェット機含む）や空母向け艤装品の試験に使用されている。参考：イギリス航空母艦史、護衛空母入門、月刊世界の艦船6,’18

＜ブレトリアン計画＞：MC-27J（ガンシップ）を参照。

＜ブレトン＞：ACV-23（護衛空母）を参照。

＜ブレナン＞：DE-13（護衛駆逐艦）を参照。

＜ブレニー＞：SS-324（潜水艦）を参照。

＜ブレニム爆撃機シリーズ＞：イギリス空軍高速爆撃機Blenheim（スパニエル犬の一種）。大元はブリストル社が1934年のパリ航空サロンで胴体だけ展示した全金属製枕頭鋲使用双発高速輸送機ブリストル143で、これに注目したイギリスのローザー・メーア卿が個人的に改良版をブリストル142として発注、1935年4月12日に初飛行してその後のテストで最大速度494km（イギリス空軍主力戦闘機フューリーより160km増し）を叩き出し、イギリス空軍が1935年8月に仕様B.28/35で軽爆撃機型の要求を出したものである。原型機は1936年6月25日に初飛行し、11月に量産初号機がロールアウト、1937年3月から納入され、各型計5370機（＋カナダ量産機）が生産された。参考：月刊JWings1,'23、3,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、週刊エアクラフトNo.49、月刊軍事研究10,’18

　＜ブレニムＭｋ．�T＞：機首はかなり寸詰まりのガラス張り段無しで、機首下にピトー管を持つ。主脚は半引き込み式で、油圧によりエンジンナセル後部に引き込まれる。当時としては速度が速かったため、スピードを頼りに敵戦闘機を振り切る予定だった。エンジンはブリストル・マーキュリー�[（850馬力）双発、最大速度449km（418km？）、上昇限度7772m、最大航続距離1810km。防御兵装は左主翼と上部銃塔の7.7mmビッカーズＫ機銃１丁ずつで、胴体内爆弾倉に1000ポンドまでの爆弾を搭載できる。乗員は操縦士、爆撃手兼航法士、銃手兼無線士の３名。当初の発注数は150機で、1937年春から配備され、ヨーロッパ情勢が悪化したので最終的に1939年までに1134機（1457機？）が生産された。参考：月刊JWings1,'23、3,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、週刊エアクラフトNo.49

　＜ブレニムＭｋ．�TＦ＞：機体下に7.7mm機銃４丁を搭載したガンパックを装着した戦闘機型で、200機がMk.�Tから改造された。AI Mk.�VまたはMk.�Wレーダーを搭載した夜間戦闘機型も製作されたが、探知範囲が3.2kmしか無く、速度も450kmと遅く、戦果が挙げられなかった。参考：月刊JWings3,’04、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、週刊エアクラフトNo.49

　＜ブレニムＭｋ．�U＞：Mk.�Tの機体構造を強化し、翼内燃料タンクと爆弾搭載量を増加させたもの。参考：月刊JWings3,’04

　＜ブレニムＭｋ．�V＞：Mk.�Tの機首拡大型。参考：月刊JWings3,’04

　＜ブレニムＭｋ．�W＞：Mk.�Tは抗力低下を優先したため、操縦士席と爆撃手兼航法士席が近すぎて作業しにくかったため、機首を0.9mほど延長して段付きにし、そこに爆撃手兼航法士席を移した。機首延長部の上半分と前面下部はガラス張りで、上面左舷側は操縦士の視界確保のため凹んでいる。エンジンを強化し、燃料も増やして航続距離を2350kmに伸ばした。上部銃塔の機銃を２丁にし、機首下部に後下方射撃用の機銃を増設可能とし、主翼に爆弾架を装着できるようにしている。全長12.97m、全幅17.17m、全高3m、自重4441kg、最大離陸重量6532kg。エンジンはマーキュリー�]�X空冷９気筒ガソリン（920馬力、後に995馬力）双発、最大速度428km、実用上昇限度8310m、航続距離2350km。自衛装備は7.7mm機銃５丁（左翼に１丁、背面動力銃座に２丁、機首下に２丁）。爆弾搭載量454kg（機内）／145kg（機外）。乗員３名。4000機（3137機？）が生産された。加藤隼戦闘隊の加藤健夫中佐を撃墜したのはこの機体である。参考：月刊JWings1,'23、3,’04、週刊エアクラフトNo.49

　＜ブレニムＭｋ．�WＦ＞：機体下に7.7mm機銃４丁を搭載したガンパックを搭載した戦闘機タイプ。Mk.�TFのガンパックよりも大型になっている。Mk.�TFと同様の夜間戦闘機も製作された。参考：月刊JWings3,’04

　＜ブレニムＭｋ．�X＞：ブレニムの直協機型で、当初ビズレイと呼ばれた。車輪を完全引き込みにし、航続距離と上昇性能を改善。機首の左半分をガラス張りにし、その下部に後方射撃用の7.7mm機銃２丁を搭載、上部銃塔後部胴体に切り欠きを設けた。機体上部に方位探知アンテナを追加し、尾輪にはショック・アブソーバーを付けた。重量増加に対し、エンジンをマーキュリー�]�]�X（950馬力）に換えたが、飛行性能は芳しくなかった。1943年6月までに490機が生産された。参考：月刊JWings3,’04、1,'23、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ブレニム海外シリーズ＞

＜ボリングブルック＞：カナダのフェアチャイルド・エアクラフト社でライセンス生産したもので、676機が生産された。参考：月刊JWings3,’05

＜ブレニム＞：イギリス海軍ブレイク級一等防護巡洋艦２番艦Blenheim。1894年就役。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜ブレニュス＞：フランス海軍ブレニュス級前弩級戦艦Brennus。1895年就役。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ブレニュス級＞：フランス海軍前弩級戦艦Brennus級。フランス海軍初の前弩級戦艦である。主砲に加え副砲の一部も砲塔形式にした。常備排水量11190トン。速力18ノット。兵装は343mm連装砲１基、343mm単装砲１門、160mm単装砲10門。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ブレヌス・モデルＦ１＞：フランス陸軍の採用した爆発反応装甲。HEATに対し、60度に傾けた400mm装甲板に匹敵する防御力を持つ。低感度装薬ムラートにより落下・火災・小銃弾直撃によっても爆発せず、反応装甲１個がやられても誘爆は最小限である。AMX-30B2に装備された。参考：月刊軍事研究3,’00

＜フレネル＞：フランス海軍ルドゥタブル級潜水艦Fresnel。1931年竣工。1944年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フレネルレンズ式光学着艦誘導装置＞：FLOLSを参照。

＜ブレビティ作戦＞：イギリス軍が第２次大戦時の北アフリカ戦で1941年5月15日に発動した、トブルク解囲のための攻撃発起陣地確保作戦で、5月10日に戦車240両とハリケーン43機を搭載したタイガー船団がアレキサンドリアに到着したのを受けて実施された。ハルファヤ峠沿いに進撃するイギリス軍は、防衛するドイツ・イタリア軍を蹂躙してフォート・カプッツォまで北上。昼過ぎにはここを奪取した。そのままリビア深く、シディ・アジズまで進撃しようとしたが、このイギリス軍攻勢を早々と察知したロンメルはすぐさまフォート・カプッツォに向け戦車大隊１個を派遣して逆襲し、ハルファヤ峠付近まで追い返した。そこでイギリス軍はハルファヤ峠に防衛陣地を構築、ここを確保することに成功した。参考：月刊PANZER10,’02、05,’81

＜プレプコン＞：Prepared Conditionの略。アメリカの国家非常事態準備段階で、�T（戦時）から�X（平時）の５段階に分かれる。デフコンと連動する。参考：月刊軍事研究6,’15

＜プレ・プランドＡＩ＞：航空阻止を参照。

＜プレ・プランドＣＡＳ＞：近接航空支援を参照。

＜プレブル＞：DM-20（軽敷設艦）またはDDG-46（クーンツ級駆逐艦）またはDDG-88（イージス駆逐艦）を参照。

＜ブレベストニク＞：ロシア軍が開発中の地対地巡航ミサイル。ステルス弾体に核弾頭を搭載する。エンジンは原子力で、巡航高度は低高度、射程17000km以上。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ブレマートン＞：CA-130（重巡洋艦）またはSSN-698（潜水艦）を参照。

＜ブレマートン海軍基地＞：Naval Station Bremerton。2004年、バンゴール海軍潜水艦基地と統合されてキットサップ海軍基地になった。参考：月刊世界の艦船9,’13

＜プレミア＞：D23（護衛空母）を参照。

＜フレミング＞：DE-32（エヴァーツ級護衛駆逐艦）またはDE-271（エヴァーツ級護衛駆逐艦）を参照。

＜ブレムゼ＞：ドイツ海軍ブルンマー級敷設巡洋艦Bremse。1916年竣工。1919年6月21日、スカパフローで自沈した。参考：近代巡洋艦史

＜ブレムゼ＞：ドイツ海軍ブレムゼ級練習艦。1932年7月竣工。1940年4月、ヴェーゼル川演習作戦で沿岸砲の射撃を受けて損傷した。1941年9月6日、第６山岳師団1500名を乗せた輸送船２隻を護衛中、ノルウェー北岬沖でイギリス軽巡洋艦オーロラ及びナイゼリアと交戦し、沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜ブレムゼ級＞：ドイツ海軍練習艦。ポケット戦艦ドイッチュラント用ディーゼルの実験にも使用するため、同じ機関を半量搭載して完成した。砲術練習の他、機雷敷設も行える。全長103.6m、幅9.5m、平均吃水2.85m、基準排水量1435トン。主機はディーゼルで、出力26000馬力、速力27ノット。兵装は12.7cm砲４門、20mm機関砲８門、機雷350個。1931年に１隻が竣工した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜プレメット・カラシニコバ＞：PKシリーズ（機関銃）を参照。

＜フレモント＞：APA-44（攻撃輸送艦）を参照。

＜プレリアル＞：F731（フリゲート）を参照。

＜ブレリオ�\＞：フランスのルイ・ブレリオが開発した単葉機。1909年7月25日、英仏海峡横断に成功し、フランス空軍が採用した。胴体は矩形断面の木製骨組み、主翼は胴体上下の支柱から張線で支える方式で、垂直尾翼と水平尾翼を備える。全長8m、全幅7.8m、全高2.6m、重量300kg。エンジンはアンザニ空冷３気筒ガソリン（25馬力）単発で、最大速度75km。乗員１名。参考：図解世界の軍用機史1903-45

＜ブレリオ１１−２ｂｉｓ＞：フランスの単葉機で、牽引式プロペラを持つ。全幅11m、全備重量550kg。エンジンはノーム50馬力、プロペラはショービエール式木製２翅、最大速度90km。日本陸軍が１機を輸入し、臨時軍用気球研究会などではブレリオ12型とも呼ばれて飛行を行っていたが、大正2年3月28日の所沢・代々木間往復野外飛行で空中分解して墜落し、パイロット２名が死亡、日本初の航空殉難者を出した。参考：月刊丸12,’92、月刊航空ファン8,’19

＜ブレレトン＞：M1113（トン級機雷掃討艇）を参照。

＜ブレン７３１（ｅ）＞：ブレン・キャリアー海外シリーズを参照。

＜ブレン・シリーズ＞：イギリス軍がルイスMk.�T軽機関銃の後継として採用した軽機関銃、Bren .303 cal light machine gun。チェコのブルーノ工廠製ZB26機関銃の情報を聞きつけた軍がその改良型のZB27を試験したところ、国産のヴィッカーズ・ベローチェ軽機関銃をぶっちぎって良好な成績であったため、口径を0.303インチ（7.7mm）に改めたZGB30を発注、エンフィールド工廠でZGB33・ZGB34と改良を施し、ZGB34を1935年5月（1937年9月？）にブレンとして採用した。ブレンは、ブルーノ工廠とエンフィールド工廠の頭文字（BR+EN）をとっている。当初は対空射撃用の三脚も１丁に１つずつ支給されていたが、Mk.�U以降はドラム弾倉が使えなくなって対空弾幕射撃の効果が薄れたため、３丁に１つに減った。車載機銃としても使用されている。参考：月刊PANZER11,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃、British and American tanks of World War Two

＜ブレンＭｋ．�T＞：ZB27の放熱用冷却フィンを外し、銃身を太くして過熱に強くしている。銃身は尾筒の固定ナットに付いているハンドルを４分の１回転すれば取り外しでき、銃身交換には6-7秒しかかからない。作動はガス圧式で、銃身の半分強の長さを持つガス筒が銃身の下に付いている。ガス漏孔には規正子が付いていて、連射速度を４段階に変更することができ、汚れで作動が悪くなった時もガス圧を高くしてカバーすることができる。二脚付きで、三脚も生産されたが、軽快な移動や臨機応変な射撃が不可能になるので、三脚の方は使用されなかった。全長1.156m、銃身長0.635m、重量10.15kg。初速毎秒739m、発射速度は毎分730発（500発？）で、単発も可能。給弾はバナナ弾倉（30発入り）もしくはドラム弾倉（100発入り）で、上方から差し込む。口径0.303インチ（7.7mm）で、リム付き薬莢の.303ブリティッシュを使用していたため、バナナ弾倉は29発詰めにしておかないとジャムる。1937年10月から生産され、1940年夏には３万丁を配備、第２次大戦に臨んだが、ダンケルク撤退で殆ど置いてきてしまったため、ルイス機関銃を倉庫から取り出す羽目になった。参考：月刊PANZER11,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

＜ブレンＭｋ．�U＞：戦時省力型。二脚の高低調節機構を無くし、照準装置を簡略化するなどしている。1941年6月に制式化。重量10.6kg。発射速度毎分540発、給弾はバナナ弾倉のみ。参考：月刊PANZER11,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜ブレンＭｋ．�V＞：Mk.�Tの小型化バージョンで、銃身が短縮され、銃身受部を軽量化した。全長1.08m、銃身長0.57m、重量9kg。発射速度毎分480発となり、給弾方式もバナナ弾倉のみとなった。参考：月刊PANZER11,’02

＜ブレンＭｋ．�W＞：Mk.�Uの小型化バージョンで、Mk.�Vと同様の改良が施された。性能諸元はMk.�Vとほぼ同じで、発射速度が毎分520発になっている。参考：月刊PANZER11,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜Ｌ４シリーズ＞：ブレン軽機関銃をNATO標準弾仕様に改良したもので、第２次大戦後の生産である。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ１＞：ブレンMk.�VをNATO標準弾用に改良したもの。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ２＞：A1の小改良型。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ３＞：A2の小改良型。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ４＞：A3の小改良型。L7A1採用後も生産された。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ５＞：ブレンMk.�UのNATO標準弾仕様。L7A1採用後も生産された。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ６＞：L4A1の改良型。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ７＞：ナンバーのみで、生産されていないらしい。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ８＞：ナンバーのみで、生産されていないらしい。参考：月刊PANZER11,’02

＜Ｌ４Ａ９＞：L4A4に対空・暗視照準器具の取り付け金具を追加したもの。参考：月刊PANZER11,’02

＜ブレン軽機関銃・海外シリーズ＞

　＜ｌｅＭＧ１３８（ｅ）＞：ドイツ軍が鹵獲して使用したもの。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜勃然七九＞：中国国民政府軍軽機関銃。カナダのＪ・イングリス社が生産し、レンドリースで配備した。使用弾はベースとなったプラガ軽機と同じリムレスの7.92×57弾で、直弾倉を使用しており、フルに弾薬を詰めてもジャミングは起こさなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜ブレンカスラ＞：L24（駆逐艦）を参照。

＜ブレン・キャリアー・シリーズ＞：イギリス軍の機銃搭載装軌式牽引車両。1934年からヴィッカーズ・アームストロング社が軽野砲牽引車兼機銃運搬車としてVAD50の名称で独自開発し、1935年にイギリス軍が２両をテスト、このうちカーデンロイドMk�Yガンキャリアーの後継として提案された機銃装備型が制式化された。当初は単にマシンガン・キャリアーという名称だったが、1938年からブレン機関銃を装備するようになったので、ブレン・ガン・キャリアーに改称されている。参考：月刊PANZER11,’86、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜実験型マシンガン・キャリアー＞：1935年に軍がテストした増加試作型。コンセプトは機銃を外して下車戦闘にも投入できる豆戦車といった感じである。装甲化車体の前部右に操縦手、左に機銃手が座り、機銃手前面には7.7mmヴィッカーズ水冷機関銃が搭載されている。車体後部中央が機関室で、両側に機関銃チーム用折り畳み兵員シートが用意された。イギリス軍のコンセプトから機関銃チームの同乗が外されたため、それに応じた改修を加えて採用された。参考：月刊PANZER11,’86

　＜マシンガン・キャリアーＮｏ．１Ｍｋ．�T＞：最初の制式化型。車体は装甲板の鋲止め構造で、オープントップ式。前部右に操縦席、左に機銃手席があり、後部左に兵員１名の同乗スペース、中央に機関室、右に貨物搭載スペース（オープン）が用意されている。エンジン両側にはエアダクトを追加し、前照灯は鋼板で囲んだ。武装は7.7mmヴィッカーズ水冷機関銃１丁。14両（登録ナンバーT1828-1840、T1921）が生産され、うち６両は後にマシンガン・キャリアーNo.2Mk.�T、キャバルリー・キャリアーMk.�T、スカウト・キャリアーMk.�Tの試作車に改造された。参考：月刊PANZER11,’86

　＜マシンガン・キャリアーＮｏ．２Ｍｋ．�T＞：1937年から量産された改良型。装甲板の形状を変更して防御力を強化、銃手の装甲コンパートメントを操縦手よりも前に張り出させ、エンジン両側のエアダクトと前照灯周囲の鋼板を廃止、貨物搭載スペースに雑具箱を設けた。ヴィッカーズ社で登録ナンバーT2294-2336が生産された後、ソーニクロフトでT2531-2621、モーリスでT2832-2982、アベリング・バルフォードでT3251-T3291、センチネル・ワゴンでT3716-T3915が量産された。参考：月刊PANZER11,’86

　＜ブレン・キャリアーＮｏ．２Ｍｋ．�T＞：マシンガン・キャリアーNo.2Mk.�Tの武装をブレン軽機関銃に変更したもので、機銃のかわりにボーイズ対戦車ライフルを搭載することもできる。1938年のブレン機関銃採用以降はこのタイプが量産され、マシンガン・キャリアーも機銃を積み替えてこう呼ばれた。全長3.6m、全幅2.1m、全高1.4m、重量４トン。エンジンは液冷ガソリン（65馬力）で、最大速度48km。乗員２名。オーストラリアとニュージーランドでも1941-43年に5501両が生産されており、こちらは溶接を多用していた。参考：月刊PANZER11,’86、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ブレン・キャリアーＮｏ．２Ｍｋ．�T／�U＞：装甲を強化し、ブレン機関銃用に銃座周囲を改修したもの。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜プレイング・マンティス＞：Praying Mantis。車体に油圧式の昇降アームを搭載し、端部に遠隔操作式ブレン機関銃連装銃塔を装着したもので、機銃手は昇降アーム内、操縦手は車体中央に座る。ヘッジロウなど背の高い障害物越しに敵を掃射するために開発されたもので、昇降アームにより最大11フィート（3.35m）まで銃塔を持ち上げて交戦、見つかったらアームを下げて障害物に隠れつつ逃げる。ドイツ軍がイギリスに上陸してきた時に備えて開発されたが、実用化には至らなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜ブレン・キャリアー・ファミリー＞

　＜キャバルリー・キャリアーＭｋ．�T＞：機甲師団軽騎兵戦車連隊の兵員を輸送するため開発されたもので、車体後部を非装甲とし、貨物スペースを排除して６名の座席を設けている。ナフィールド社で50両（登録ナンバーT3916-3965）が生産された。参考：月刊PANZER11,’86、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜スカウト・キャリアーＭｋ．�T＞：歩兵部隊偵察小隊や機甲師団騎兵連隊の偵察部隊への配備車両。車体はブレン･キャリアーで、車内に無線機を追加し、兵装を銃手席前面のボーイズ対戦車ライフル＋後部マウントのブレン機関銃に強化している。登録ナンバーT3966-4165、T4485-4514、T5255-5550、T5616-5756が生産された。参考：月刊PANZER11,’86、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜アーマード・オブザベーション・ポスト・キャリアーＮｏ．１Ｍｋ．�T＞：砲兵連隊用砲兵観測車型。ブレン･キャリアーの兵装を外して機銃貫通部をシャッターで塞ぎ、双眼鏡、無線機、ケーブルリールを追加している。参考：月刊PANZER11,’86、月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜自走スミス砲＞：Bren Carrier with Smith Gun。車体にスミス砲を搭載した自走砲型で、前面と側面に防楯を取り付けたタイプもある。ホームガード向けとして1940-41年に試作されたが、実戦投入はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜ブレン・キャリアー海外シリーズ＞

＜ブレン７３１（ｅ）＞：イギリス軍のブレン・キャリアーを鹵獲してドイツ軍で使用したもので、MG138(e)ともいう。

＜ブレン・キャリアー海外ファミリー＞

　＜２cmＦｌａｋ搭載型＞：ドイツ軍が鹵獲したブレンガン・キャリアーのエンジン上にFlak38を防楯ごと搭載した車両。参考：月刊PANZER5,’04

　＜２ポンド対戦車砲キャリアー＞：オーストラリア軍が製作した自走対戦車砲型。車体前部を延長して上部構造を改造、後方に２ポンド砲を防楯ごと搭載している。1942年10月までに200両が改造され、対日戦に使用予定だったが、ジャングルでは使いにくいという意見が出て訓練にのみ使用された。参考：月刊PANZER8,’10

＜３．７ｃｍＰａｋ３６搭載型＞：ドイツ軍が車体中央の機関室上面に特製の架台を装着してPaK36を搭載したもの。フランスで改造された。架台側面を木製に換えたものも少数存在する。参考：月刊グランドパワー9,’03

＜軽対戦車型＞：ドイツ軍が鹵獲したブレンガン・キャリアーの機関室上にラケーテンパンツァービュクセ56（54？）または43を３門俵積みにしたタイプ。車内にパンツァーファウスト30/60を数門搭載する。参考：ジャーマンタンクス、月刊丸12,’92

＜除雪機付きブレン・キャリアー＞：ドイツ軍が鹵獲したブレン・キャリアーの車体前面に除雪用ブレードを搭載したタイプ。参考：ジャーマンタンクス

＜フレンズブルグ＞：FuG227（逆探知装置）を参照。

＜ブレンダ＞：A335（曳船）を参照。

＜フレンチ＞：DE-367（護衛駆逐艦）を参照。

＜フレンチ７５＞：フランス製75mm砲（具体的には75mm野砲Mle1897）の意。ドライ・ジン45ml、レモンジュース20ml、砂糖スプーン１杯をシェークしてグラスに注ぎ、氷を加えたシャンパンで満たして軽くステアしたカクテルである。第１次大戦時にパリのアンリ・バーで生まれたカクテルで、戦勝を祈願して作られた。他にフレンチ95、フレンチ125などがある。参考：カクテルBOOK300

＜プレンティス＞：AKA-102（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜プレンティス＞：イギリス空軍練習機。パーシバル社が開発し、1946年3月に初飛行、1947年に採用された。1949年までに525機を生産している。参考：月刊JWings5,’23

＜ブレンデッド・ウイング・ボディ＞：Blended wing body、Blended-wing body。胴体と主翼付け根を滑らかに結合させた形態のこと。胴体と主翼を合わせた断面積分布をスムーズにして造波抵抗を局限する、というエリアルールを考慮したもので、旧来の主翼と胴体を別個に考えて主翼取り付け部の胴体を絞ったコーク・ボトル／マリリン・モンローと違い、ブレンデッド・ウイング・ボディでは胴体・主翼接合部を一体化し、干渉抗力もなるべく小さくなるような形状としている。主翼が失速するような大迎え角でも大きな揚力を発生して機体を支え、遷音速抵抗を最小にできる。主翼と胴体を滑らかに繋げるため、主翼が付け根に向かって徐々に厚くなっており、主翼取り付け部の構造重量を軽減でき、燃料・機関砲搭載スペースとして有効活用できるので胴体を短縮可能で、機内装備や燃料を重心近くに集められ、垂直尾翼も小さくできる。また、RCSも小さくなる。参考：航空用語事典増補改訂版、F-16ファイティングファルコン、歴史群像2,’05

＜風呂＞：浴室を参照。

＜フロアー＞：対潜魚雷が潜水艦捜索を行う下限の深度をいう。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜プロイェークト７００＞：RDS220（水爆）を参照。

＜プロイェクトＸ＞：Me163シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ブロイス・ヴァン・トレスロング＞：F824（フリゲート）を参照。

＜フロイズ・ベイ＞：AVP-40（飛行艇支援艦）を参照。

＜フロイ・デ・リス＞：K122（コルベット）を参照。

＜フロイド・Ｂ・バークス＞：DD-884（駆逐艦）を参照。

＜プロヴァンス＞：D652（フリゲート）を参照。

＜プロヴァンス＞：フランス海軍ブルターニュ級戦艦２番艦Provence。1912年起工、1915年6月竣工。1919年から順次改装工事を受けた。1940年7月3日、北アフリカのメルス・エル・ケビール軍港で、カタパルト作戦のため出撃したイギリス海軍Ｈ部隊の砲撃を受けて大破着底した。その後ツーロンに脱出したが、ドイツ軍進駐に伴い1942年11月27日に自沈。一旦引き揚げられたが、1943年7月に解体された。主砲２門などはツーロン陸上砲台に転用されている。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、2,’18

＜プロヴィデンス＞：CL-82（軽巡洋艦）またはSSN-719（潜水艦）を参照。

＜ブロウ・オフ・パネル＞：内部の弾薬などが誘爆した時に吹き飛んで爆風を逃がす役目をするパネルのこと。戦車の砲弾搭載スペース上面や空母の格納庫側面に使用されている。

＜プロヴォルヌイ＞：ソ連海軍プロジェクト61MEカシン型ミサイル駆逐艦５番艦Provorny。1965年竣工。1981年に改装を終え、S-125連装発射機２基を外して艦橋前に3K90垂直発射機２基、後部にSA-N-7単装発射機１基を装備してテストに使用された。参考：月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’92増刊

＜プロヴォルヌイ＞：ロシア海軍プロジェクト20385型ステレグシュチイ�U級フリゲート２番艦Provorny。2015年2月20日起工。2021年12月17日、火災事故を起こした。2024年6月18日進水。参考：月刊世界の艦船2,’17、6,’15、9,’24

＜ブロウ・ランプ＞：Il-54（試作爆撃機）を参照。

＜フロウンダー＞：クイックストライクER（航空機雷）を参照。

＜プロエクト４７＞：ドイツ海軍が1917年に設計した大型潜水艦。中央船体内に魚雷発射管２門が埋め込まれており、両舷どちらにも発射できる。排水量4000トン。兵装は15cm単装砲４門、魚雷発射管８門。計画のみで建造前に第１次大戦が終わった。参考：日本潜水艦物語

＜プロエスティ油田爆撃作戦＞：タイダル・ウェーブ作戦を参照。

＜ブロー＞：潜水艦のメインバラストタンクに圧縮空気を吹き込んで海水を排出すること。参考：Ｕボート入門、続潜水艦気質よもやま物語

＜プローヴァー＞：イギリス海軍ピーコック級哨戒艦Plover。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ブローク＞：D83（嚮導駆逐艦）を参照。

＜ブロークンアロー＞：核兵器重大事故発生を想定したアメリカ軍演習。1978年2月21日、嘉手納基地でも年４回実施されていることを認めた。参考：世界の軍用機1979

＜ブロークンアロー＞：核事故を示すアメリカ軍コードで、核弾頭の破壊、暴発、核搭載機墜落、核兵器盗難など核兵器に関連する事故が起こった際に発令される。参考：月刊軍事研究9,’08、8,’11

＜フローズン１尉＞：2016年2月4日に旭川地方協力本部長が旭川市の自衛官募集案内所１・９まもるんに配置を命じた１等尉官。迷彩服に水を浸し、ポーズを取らせた状態で凍らせ、透明人間が迷彩服を着ているようにしたもので、アメリカで流行しているジーンズを使用したフローズンパンツをベースにしている。極寒の屋外で広報任務に就いているが、日が差したりして少しでも暖かくなると透明人間が服を残して遊びに行ってしまうのが欠点。参考：朝雲

＜ブローチ＞：イギリス軍が開発したタンデム徹甲弾頭BROACH（Bomb Royal Ordnance Augmenting Charge）。ストーム・シャドー巡航ミサイルやAGM-154空対地ミサイルに搭載されている。先駆弾頭は重量100kgのHEAT、後続弾頭は540ポンド（244.9kg。146kg？）爆風・破片型弾頭で、先駆弾頭により構造物に孔を開け、後続弾頭をその孔に滑り込ませて内部で炸裂させる。テストでは厚さ2-4mのコンクリートを貫通した。参考：火器弾薬技術ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’09

＜ブローチング＞：艦船が追い波を受けた時、波の速度と艦船の速度が同じになって舵が効かなくなり、艦首が振られても修正できず、波に押されて急旋回してしまうこと。遠心力と波の勢いで転覆に至ることもある。船速が速く、波長が船の長さの1-2倍の時に起こりやすいので、国際海事機関が後方45度以内からの追い波を受けた場合には船速（ノット）を船長（メートル）の二乗根で割った値が1.8未満になるよう（要するに減速すれば良い）、指針を設けている。参考：図解船の科学

＜フローティング・アーマー＞：イギリス海軍・海兵隊の防弾ベスト兼ライフジャケットで、BCB社が開発した。首と両肩に浮き袋が仕込んであり、着用者が水に落ちると炭酸ガスボンベが開放され、３秒で浮き袋が膨らみ、３日間ほど浮いていられる。参考：朝雲

＜フローティング・アンテナ＞：潜水艦がVLF/ELF通信の受信用に装備するワイヤー状のアンテナ。長さ数百メートル以上で、浮力材により覆われていて、潜航中の潜水艦から繰り出し、海面に漂わせる。VLFでも海面下10mくらいまでなら受信可能なので、海が荒れていて多少波を被っても問題は無い。UHFによる衛星通信やリンク16の送受信に使えるタイプもある。参考：月刊世界の艦船4,’17、兵器メカニズム図鑑

＜フローティング・チェンバー＞：1936年にデビッド・Ｍ・ウィリアムズが開発したブローバック機構。コルト.45ガバメント・モデルを.22LRにダウンスケールしようとしたが、そのまま小口径化するとブローバックに十分なエネルギーが得られない。そこで発射ガスの一部を利用してピストン上のチェンバーを後方に突出させ、これでスライドを後退させるものである。M1/M2カービンにも使用された。参考：GUN用語事典

＜フローティング・バレル＞：銃床と銃身の接点を最小限に止め、振動などが銃身に伝わって照準がぶれる事がないようにしたもの。スナイパーライフルに使用される構造である。参考：歴史群像8,’08

＜フローテーション・プレート・キャリア・システム＞：アメリカ海兵隊の防弾ベスト兼ライフジャケットで、ファースト・スピアー社製。側腹部に浮き輪が仕込んであり、着用者が紐を引くと膨らんで防弾ヘルメットを被った着用者の肩から上を水面に浮上させる。そのまま小銃を撃つことも可能。参考：朝雲

＜ブロードウェイ＞：H90（駆逐艦）を参照。

＜ブロードウォーター＞：APA-139（攻撃輸送艦）またはH81（駆逐艦）を参照。

＜ブロード・キャスト＞：リンク11の通信モードの１つで、電波封止状況下で使用する。ある艦船・航空機が一方的にデータ送信を行い、他のネットワーク参加ユニットは受信のみに徹する。データを１回のみ送るショート・ブロード・キャストと連続送信するロング・ブロード・キャストの２種類がある。参考：月刊軍事研究3,’03

＜フロート式キャブレター＞：キャブレターを参照。

＜ブロードソード＞：F88（フリゲート）を参照。

＜ブロードソード級＞：22型シリーズ（フリゲート）または22型・海外シリーズ（フリゲート）を参照。

＜ブローニング＞：ジョン・Ｍ・ブローニング。1855年生まれ、1926年没。1879年に最初の製造・販売権を持つ銃を開発し、ウィンチェスターM1885を初めとするライフルを製作。1890年代から自動拳銃の開発を始め、コルト・ガバメントM1911などを製作した。更にショットガン、M1918ブローニング・オートマチック・ライフル、M1919機関銃、M2重機関銃などを次々に製作して名を馳せた。参考：GUN用語事典

＜ブローニング．３０機関銃＞：M1919シリーズ（機関銃）を参照。

＜ブローニング．５０機関銃＞：M2シリーズ（重機関銃）を参照。

＜ブローニング・ハイパワー＞：ジョン・ブローニングが開発した（遺作となった）自動拳銃、FN-M1935。撃発機構はダブルアクションで、作動はショート・リコイル・ブローバック。マガジンは13発を装弾できるダブルカラム式で、グリップがやや太めである。初期には450mまでの目盛りが付いたタンジェントタイプの照門と、銃床取り付け部が設けられていた。全長200mm、銃身長110mm、重量1kg。使用弾は9mm×19ルガー弾で、装弾数13+1発。第２次大戦末期にアメリカ軍制式となり、空挺部隊などに少数が配備された。終戦後はイギリス軍が採用した。参考：月刊PANZER8,’02、日本の防衛戦力Part8

＜ブローニング・ハイパワー海外シリーズ＞

　＜Ｌ９Ａ１＞：イギリス軍の自動式拳銃。照門はタンジェントタイプではなく単純なものである。初期には肩撃ち用銃床取り付け具と450m照尺が用意されていたが、銃床は最後まで交付されなかった。生産は全てベルギーのFN社が行った。参考：月刊PANZER8,’02、拳銃・小銃・機関銃

＜フローニンゲン＞：P843（哨戒艦）を参照。

＜ブローパイプ＞：イギリス軍無線誘導式個人携行地対空ミサイルBlowpipe。1960年からイギリスのショーツ社で開発され、1966年にイギリス陸軍・海兵隊・空軍に配備された。個人携行するには重い、誘導が照準線一致方式（CLOS）であり、撃ちっ放し式でないため射手に練度が要求されるという欠点がある。ミサイル全長1.39m、ミサイル直径0.076m、翼スパン0.275m、システム重量21kg、ミサイル重量11kg、弾頭重量2.2kg（1kg？1.8kg？）。固体燃料ロケット推進で、最大速度マッハ1.5、最大射程2.8km（6.5km？3.2km？）、最大射高2km。フォークランド紛争では海軍艦艇に臨時配備され、９機撃墜、２機不確実撃墜のスコアを挙げたため、以降は中東派遣艦艇に装備されるようになった。潜水艦搭載用のSLAMシステムも開発された。カナダ、オマーン、タイなどに輸出された他、アフガニスタン侵攻の際、ゲリラ側に供与されている。参考：兵器最先端５、ザ・マーチ17号、わかりやすいアフガニスタン戦争、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船8,’82増刊、5,’91

＜ブローバック式＞：吹き戻し式。薬莢に加わるガス圧によって直接遊底を後退させ、銃尾機関を作動させる方式のこと。ガスを逃がさないようにするため、円筒形の薬莢を使用する。構造が簡単だが、ガス圧が安全な程度に下がるまでは遊底の慣性と復座バネの力だけで遊底の閉鎖を保つので、強力な弾薬を発射する時はバネを強力にしたり、遊底を重くしたり、後座長を長くしたりしないといけないため、発射速度が遅い。基本的に高威力弾を使用する銃には向かないが、閉鎖機構を組み込んでこれを解決したものもある。参考：火器弾薬技術ハンドブック、兵器最先端５、拳銃・小銃・機関銃

＜純粋ブローバック式＞：主に小口径の拳銃に用いられる。独立した閉鎖機構を持たず、遊底の慣性と復座バネの力によって、弾丸が銃口を出るまでの間、薬室の閉鎖を保つ。弾丸が銃口を出たあたりで発射ガスにより遊底が後座を始め、薬室が開放される。通常、作動形式はクローズドボルトである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜前進撃発ブローバック式＞：引き金を引くと弾薬と遊底が前進し、その途中で撃発させる方式。遊底が後座するまでの時間を稼ぐことができ、後退運動量も減少できるので、比較的大型の弾薬でも使用できる。短機関銃や自動小銃の一部がこの方式をとっている。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜単純ブローバック式＞：主に短機関銃に用いられる方式。撃鉄が無く、撃針が遊底に組み込まれている。作動自体は純粋ブローバックと同じ。最も構造が単純で、短機関銃では拳銃よりも遊底質量を重くできるので、この方式が使用できる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜遅延ブローバック式＞：妨害ブローバック式、ショート・リコイル・ブローバック式ともいう。威力の高い弾薬でブローバック式を採用すると、弾丸が銃口を出る前に遊底が後座して薬室が開放されてしまうので、後座を遅延させる機構（リンクやローラを使ったり、前進する慣性体で遊底の後座に制動をかけたりする）を組み込んで弾丸が銃口を出た後に後座するようにしたもの。機関銃などにも使用できる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、世界の軍用銃

＜プローブ・アンド・ドローグ方式＞：Probe and drogue。空中給油方式の１つ。1934年にイギリスのフライト・フュエリング社が開発した方法で、給油機が空力安定ドローグ（漏斗）の付いた給油ホースをぶら下げ、そこに受油機がプローブ（探針）を差し込んで給油する。プローブ先端部側面にはラッチが付いていて、これがドローグ内部のローラーにより固定されると、プローブ先端がスプリングにより少し前に延び、ドローグ内部のコンタクトピストンを押して燃料路を開放する仕組みになっており、両者の固定前に燃料を誤って送付する事故を防ぐ。ホースを巻き取れるようにフレキシブルに作る必要があり、フライング・ブーム方式よりも給油速度が遅い。プローブが抜けなくなったり、ホースが絡んだりすることがあり、緊急時にはホースが千切れるか、機体側の操作でホースを投棄するようになっている。差し込む操作は主に受油機が行うので、鈍重な爆撃機などでは困難であり、ステルス機ではミスるとRAMが剥がれる恐れがある。プッシャー・プロペラ機ならともかく、普通のプロペラ機では給油ホースを切断する危険があるため、ジェット機が登場するまではほぼ不可能な方法だった。機構が単純で複数機に同時給油でき、機体を改造せず給油ポッドで空中給油機能だけ後付けすることも可能で、アメリカ空軍固定翼機とその輸出型以外は全てこの方式（最初はアメリカ空軍も本方式だった）をとっている。ヘリコプターの場合、ローターよりも前に突き出るプローブを用いる。参考：月刊JWings10,’13、12,'23、10,’01、2,’03、5,’07、10,’09、月刊軍事研究12,’09

＜ブロー・フォワード＞：自動機構の１つで、20世紀初頭に開発されたが、ブローバックの方が自然なので、すぐに使われなくなった。発射すると銃身が前進して排莢などの作動を行う。参考：GUN用語事典

＜フローム＞：K267（フリゲート）を参照。

＜フローラ＞：FLRAA（計画VTOL輸送機）またはYak-23（戦闘機）を参照。

＜フローレンス＞：A149（曳船）を参照。

＜フローロフ・チャクラ＞：クルビット（空中機動）を参照。

＜プローン・ポジション＞：伏せ撃ち姿勢。地面に伏せた状態で両肘を地面に付けて構えることをいう。参考：GUN用語事典

＜プログラマー＞：陸上自衛隊の職域。研究本部システム開発隊で情報システム開発や改良を行うのが主任務である。必要な資格や特技教育は特に無く、興味とやる気があれば良いらしい。参考：MAMOR vol.120

＜プログラム９＞：MiG-29シリーズ（戦闘機）を参照。

＜プログラム（航空自衛隊職域）＞：航空自衛隊の職域の１つで、プログラム、電算機処理の各職種からなる。空自で使用する全コンピュータシステムの構築やソフトの作成・保守が主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜プログラム維持管理用器材＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究1,’17

＜プログラム管理隊＞：航空自衛隊の部隊。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2014年、作戦システム管理群に改編された。参考：MAMOR vol.52、朝雲

　＜プログラム管理隊（１９７５年）＞：航空総隊隷下で、美保基地に置かれている。参考：月刊軍事研究10,’75

＜プログラム業務隊＞：海上自衛隊の部隊。SFシステムの開発と管理支援、新たに導入されるコンピュータのソフトウェアとプログラムの開発改良維持管理を主任務とする。1973年10月16日、自衛艦隊隷下に新編された。DDG-168たちかぜの建造に際し、艦艇戦闘指揮システムWESの設置とプログラム維持管理を行っている。参考：月刊軍事研究7,’18、日本の防衛戦力Part3

＜プログラム誘導方式＞：Program Guidance。ミサイル誘導方式の１つ。目標地点を予め入力しておき、ミサイルが自動的に目標目掛け飛翔、命中する。ミサイルはINS、TERCOM、GPS、天測などで現在位置を把握、コースを修正しつつ目標に向かう。参考：月刊JWings4,’02、月刊世界の艦船3,’05、8,’82増刊

＜プログレス＞：P-35（艦対艦ミサイル）を参照。

＜プロジェクト１５＞：デリー級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト１５Ａ＞：コルカタ級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト１５Ｂ＞：ヴィシャカパトナム級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト１６＞：ゴダヴァリ級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１６Ａ＞：ブラマプトラ級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１７＞：シヴァリク級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１７Ａ＞：シヴァリク�U級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト２５＞：ククリ級（コルベット）を参照。

＜プロジェクト２５Ａ＞：コラ級（コルベット）を参照。

＜プロジェクト２８＞：カモルタ級（コルベット）を参照。

＜プロジェクト０５２＞：ロシアが国際海洋防衛展示会2011で模型を展示したコルベット。船型は波浪貫通タンブルホーム型で、船体、マスト、砲塔などはステルス性を重視している。兵装は中口径砲１門（前甲板）、８セルVLS６基（船体前後に３基ずつ）、AK630M-2機関砲２基（船体前後に１基ずつ）。艦後部にヘリ甲板を持つ。参考：月刊軍事研究10,’11

＜プロジェクト６１Ｍ＞：カシン型シリーズ（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト６１ＭＥ＞：カシン型シリーズ（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト６１ＰＭ＞：カシン型シリーズ（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト６９＞：ソ連海軍計画巡洋戦艦。独ソ不可侵条約の締結により、ドイツからクルップ社製38cm連装砲塔を輸入して建造することを予定したものである。独ソ戦開始で砲塔が輸入できなくなり、建造中止になった。参考：月刊丸1,’10別冊

＜プロジェクト７５＞：スコルペヌ級潜水艦（インド）を参照。

＜プロジェクト７５Ｉ＞：インド海軍計画通常動力潜水艦。潜水艦24隻取得計画プロジェクト75を1999年に変更し、プロジェクト75とプロジェクト75Iで６隻ずつ建造する予定としたもので、2019年1月31日にインド国防調達会議が計画の実施を承認した。AIPと対地攻撃兵器を積む。フランスがスコルペヌ級潜水艦（改）、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズが214型、ロシアのロスオボロンエクスポルト／ルービン設計局がアムール型、スウェーデンのサーブ・コックムス社がA26型を提案している。提案を噂されていた日本の三菱重工・川崎重工、スペインのナバンティア社は応募しなかった。2021年6月4日、インド国防調達会議がAIP潜水艦６隻を61億4000万ドルで建造・取得する計画を承認した。インドのマザゴン・ドック、インドのラーセン＆トゥブロ、ロシアのルービン設計局、フランスのネイヴァル・グループ、スペインのナバンティア、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ、韓国の大宇造船海洋が候補に挙がっている。7月20日、インド国防省がRFPを発出した。参考：月刊世界の艦船1,’18、11,’18、5,’19、9,’21、10,’21

＜プロジェクト９２Ｍ＞：レーニン（原子力砕氷船）を参照。

＜プロジェクト１２２ｂｉｓ＞：クロンシュタット級 （警備艇）を参照。

＜プロジェクト１２４＞：イラクのバグダッド西方に位置するファルヤにあったミサイル関連工場で、スカッドＢをアル・フセインやアル・アッバスに改造していた。参考：軍事分析湾岸戦争

＜プロジェクト１５１＞：東ドイツ海軍ミサイル艇。主機はM520星型ディーゼル（5400軸馬力）３基で、速力37ノット。兵装は76mm砲、30mm機関砲。戦時にはKh-35艦対艦ミサイル８発を搭載する。サスニッツなどが竣工した。参考：月刊軍事研究7,’95

＜プロジェクト２０７＞：ゴプオ級（掃海艇）を参照。

＜プロジェクト２５８＞：コルモラン�U型（掃海艇）を参照。

＜プロジェクト２６４＞：T58型（掃海艇）を参照。

＜プロジェクト２６６ＭＥ＞：ナチャ級（掃海艇）を参照。

＜プロジェクト６１３Ｅ＞：ソ連海軍実験潜水艦。ウイスキー級潜水艦をカトラン計画で改造したもので、出力120kWの燃料電池を搭載して完成した。2.5ノットで４週間の潜航が可能。1987年秋に潜航試験を開始し、1989年まで実験が続けられたが、ソ連崩壊で実用化はされなかった。参考：月刊軍事研究2,’01

＜プロジェクト６１７＞：ソ連海軍が1950年代中期に開発したAIP潜水艦ホエール級。軽油と過酸化水素を使用し、８日間の連続潜航が可能とされ、1958年に完成したが、1959年に爆発事故を起こして試験は中止された。排水量950トン。参考：月刊軍事研究2,’01

＜プロジェクト６２１＞：ポーランド海軍コルベット、別名ガウロン�U級、またはシロンザク（Ślązak）級。MEKO A100の重武装型で、６隻建造する予定だった。排水量2035トン。兵装はオットー・メララ社製76mm単装砲１門、RBS15Mｋ3対艦ミサイル４連装発射機２基、レイセオン社製シースパロー艦対空ミサイル８連装発射機、ユーロトープ社製３連324mmMU90インパクト魚雷発射機２基、対潜兵器プラットフォーム（ボフォース社製ASW601）２基、RIM116Aシーラム先進近接防御兵器、国産ZMメスコ社製ヤストルザブ・チャフ／フレア発射システムを装備する。6-10トン級ヘリ１機を搭載可能。2001年に１番艦シロンザクが起工され、2009年9月に進水した後、2015年までに計６隻が引き渡される予定だったが、予算不足で工事がさっぱり進まず、2013年に哨戒艦として１番艦だけ復活、残りは計画中止となった。哨戒艦ということで軽武装だが、短距離艦対空ミサイル、艦対艦ミサイル、短魚雷などを後付けできる。全長95.2m、満載排水量2200トン。最大速力30ノット強、航続距離4000海里。兵装は76mm単装砲１門、グロム艦対空ミサイル４基、小火器。ヘリ甲板はあるが、格納庫は無い。艦番号241シロンザクが2019年に就役した。参考：月刊軍事研究3,’02、月刊世界の艦船3,’10、12,’15、9,’23

＜プロジェクト６４１＞：641型（潜水艦）を参照。

＜プロジェクト７７０＞：ポルノクニイＡ級（中型揚陸艦）を参照。

＜プロジェクト７７１＞：ポルノクニイＢ級（中型揚陸艦）を参照。

＜プロジェクト７７５＞：ロプーチャ級（戦車揚陸艦）を参照。

＜プロジェクト８６１Ｍ型＞：モマ型（情報収集艦）を参照。

＜プロジェクト９０３＞：ソ連の中央水中翼船研究所が開発した試作WIG機、別名ウートカ（鴨）、後にルーニ（Lun’、ハイイロチュウヒ。鴨は弱そうなので改称）、西側通称カスピ海の怪物。KMがベースで、垂直尾翼の推進用エンジンを撤去して機首小翼のエンジンを推進兼用に変更、胴体上面にP270対艦ミサイル用連装発射筒３基をタンデムで斜め上を向けて搭載し、機首先端、垂直尾翼前縁２カ所、垂直尾翼端（目標捜索レーダー収容）にレドームを装着、水平尾翼の上反角を無くした。全長73.8m、全幅44m、総重量380トン。エンジンはNK-87ターボファン（推力13トン）８基。1983年に１機がゴーリキー工場で起工し、1986年7月16日にヴォルガ川で進水、1987年3月から飛行試験に入り、1990年にソ連海軍に引き渡された。強襲輸送型や捜索救難型（別名スパサーテリ、救助者）も提案されたが、ソ連崩壊で計画中止になり、試作機はカスピイスクの陸上で放置され、2020年7月に曳船でデルベーントに運ばれた。軍事博物館で展示される予定。参考：月刊JWings8,’21

＜プロジェクト９５６＞：ソブレメンヌイ級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト９５６Ａ＞：ソブレメンヌイ級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト９５６Ｅ＞：ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦（中国海軍）を参照。

＜プロジェクト９５６ＥＭ＞：ソブレメンヌイ改級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト９５６Ｕ＞：ソブレメンヌイ級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト９７３＞：神龍（無人機）を参照。

＜プロジェクト０１０９０＞：カシン級シリーズ（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト１１３４Ａ＞：クレスタ�U級（ミサイル巡洋艦）を参照。

＜プロジェクト１１３４Ｂ＞：カーラ級（ミサイル巡洋艦）を参照。

＜プロジェクト１１３４ＢＫ型＞：カーラ型ミサイル巡洋艦改装案を参照。

＜プロジェクト１１３５・６＞：タルワル級シリーズ（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１４３＞：キエフ級（空母）を参照。

＜プロジェクト１１４３・３＞：キエフ級（空母）を参照。

＜プロジェクト１１４３・４＞：キエフ級（空母）を参照。

＜プロジェクト１１４３・５＞：アドミラル・クズネツォフ級（空母）を参照。

＜プロジェクト１１４３・６＞：ワリャーグ（空母）を参照。

＜プロジェクト１１４３・７＞：ソ連が建造していた原子力空母で、ウリャノフスク（Ulyanovsk）という名が付く筈だった。艦首はバルバス・バウで、船体水線下にビルジキールを装着している。飛行甲板はアングルド・デッキで、カタパルト２基とアレスティングギア４基を搭載し、70機の航空機を運用する。スキー・ジャンプ式のランプも設ける予定だったらしい。防空システムはアドミラル・クズネツォフと同じ。全長325m（332m？）、満載排水量75000トン（80000トン？85000トン？）。主機はKN-3-43型原子炉、最大速力30ノット。1988年11月25日に起工されたが、1991年11月に進捗率40%で工事中止となり、ソ連崩壊で1992年にスクラップにされた。設計図を中国が入手しているといわれる。参考：月刊軍事研究4,’99、9,’11、4,’13、月刊世界の艦船12,’12、9,’12、9,’19、10,’23

＜プロジェクト１１４３Ｍ＞：キエフ級（空母）を参照。

＜プロジェクト１１５３＞：ソ連が開発しようとした本格的空母で、キエフ級３番艦ノボロシスクの建造決定と同時に計画が決まった。排水量７万トンの原子力空母で、カタパルトを装備し、MiG-23K、Su-25Kなど50機のCTOL機を搭載する。グラニット（SS-N-19シップレック）対艦ミサイルを甲板下に20発装備し、新型の艦対空ミサイルも搭載予定だった。しかしキエフ級４番艦アドミラル・ゴルシコフの建造が先になり、こちらは建造されなかった。参考：月刊軍事研究4,’99

＜プロジェクト１１５４＞：ネウストラシムイ級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１５５＞：ウダロイ�T級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト１１５５．１＞：ウダロイ�U級（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜プロジェクト１１６０＞：ソ連が開発しようとした本格的空母で、1972年にネフスコイエ計画設計局で設計された。排水量８万トン超の原子力空母で、MiG-23K、Su-27Kを主力とする航空機60-70機を搭載する。しかし建設設備が無かったので、ニコラエフ海軍工廠を拡大することになり、それまでの繋ぎなのかキエフ級３番艦を建造して済ませたため、実際には建造されなかった。参考：月刊軍事研究4,’99

＜プロジェクト１１６４＞：スラヴァ型（ミサイル巡洋艦）を参照。

＜プロジェクト１１６６．１＞：ゲパルト3.9級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１７１＞：アリゲーター級（揚陸艦）を参照。

＜プロジェクト１１７１．１＞：プロジェクト1171Eまたは11711かも。ロシア海軍大型揚陸艦イワン・グレン（Ivan Gren）級。プロジェクト1171アリゲーター級揚陸艦の拡大改良型で、改アリゲーター級とも呼ばれるが、見た目は全く違う。艦首には顕著なシーアとナックルを持ち、前甲板にはブルワークが設置された。艦首に両開きのドアとランプを持つが、バルバス・バウなので擱座着岸はできず、沖合から水陸両用車両を発進させるか、内蔵するポンツーン橋を制圧済みの海岸に架けて戦車や重砲などの揚陸作業を行う。艦尾にもランプがあり、艦内のドック・ウエルから上陸用舟艇を発進させる。上部構造物は前部（艦橋）と後部（煙突とヘリ格納庫）に分かれており、その間の上甲板中央にISO標準コンテナ対応のハッチがあって、ここから16トンクレーンで車両甲板へと貨物を降ろすことができる。ハッチ上に車両を載せることも可能。後部上構後半部中央が入れ子式ヘリ格納庫になっていて、後甲板はヘリ甲板である。揚陸任務だけでなく、PKOや人道支援にも投入可能。全長120m、幅16.5m、吃水3.8m、基準排水量5000トン、満載排水量6600トン（5600トン？）。主機は10D49型ディーゼル（5000馬力）２基、２軸推進、最大速力18ノット、航続距離は16ノットで3500海里、連続航海日数30日。兵装は76mm単装砲（100mm単装砲？）１門、30mm近接防御兵器AK-630M2が１基、30mm近接防御兵器AK-630Mが２基、140mm多連装迫撃砲（122mm多連装ロケット？）２基。ヘリ格納庫にKa-29を２機（最大４機）収容できる。乗員100名以上。兵員300-380名と、60トン級戦車13両または装甲車（IFV/APC）36両または貨物1500トンを搭載する。５隻を18億ドルで建造予定で、１番艦イワン・グレンは2004年12月23日に起工され、2018年に就役した。後に６隻建造へと増やされたが、工期延長で１隻あたりの価格が５倍になってしまい、２隻建造して残りは運用結果次第となる予定。しかし予想以上の資金難で２番艦ピョートル・モルグノフの起工は2015年6月11日になった。また、２番艦の公試で後進時の操縦性に難があったため、主機の16ChN26/26ディーゼルを左右入れ替えることにした。3-4番艦は船体規模を7000-8000トンに拡大し、ヘリ格納庫とヘリ甲板を広げて４機収容・２機同時運用可能としており、３番艦は2019年4月に起工している。参考：月刊世界の艦船2,’17、6,’15、10,’17、12,'20、11,'21、12,’12、2,’14、3,’14、9,’13、8,’10、3,’05、6,’18、月刊軍事研究3,’09、10,’09、2,’07、3,’10、5,’11、10,'15、10,'17

＜プロジェクト１１７１．１・海外シリーズ＞

　＜プロジェクト１１７１．１Ｅ＞：輸出型で、プロジェクト11711Eかも。PU100FMバウスラスターを装備する。艦尾にヘリ甲板を持つ。全長135m、幅16.5m、吃水3.8m、排水量6600トン。主機はDRRA-3700ディーゼル（出力3.7MW）２基、巡航速力16ノット、最大速力18ノット、航続距離3500海里（16ノット）、連続行動日数30日。乗員100名。兵員300名と車両13-20両を搭載できる。参考：月刊世界の艦船10,’21

＜プロジェクト１１７４＞：イワン・ロゴフ級（揚陸艦）を参照。

＜プロジェクト１２３２．１＞：アイスト型（揚陸艇）を参照。

＜プロジェクト１２３２．２＞：ズブル級（揚陸艇）を参照。

＜プロジェクト１２３４．１＞：ナヌチュカ�V型（ミサイル艇）を参照。

＜プロジェクト１２３４．７＞：ナヌチュカ�W型（ミサイル艇）を参照。

＜プロジェクト１２４１・８＞：ヴィール級（ミサイル艇）またはタランタル�X級ミサイル艇（ベトナム海軍）を参照。

＜プロジェクト１２４１ＰＥ＞：アベイ級（コルベット）を参照。

＜プロジェクト１２４１ＲＥ＞：ヴィール級（ミサイル艇）を参照。

＜プロジェクト１２４４・１＞：ノーウィック型（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１２５８Ｅ＞：エフゲーニャ級（掃海艇）を参照。

＜プロジェクト１８８６＞：ウーグラ型（潜水母艦）を参照。

＜プロジェクト１９１４＞：マーシャル・ネデリン級（ミサイル追跡艦）を参照。

＜プロジェクト０３１６０＞：ロシア海軍高速哨戒艇ラプトル（Raptor）型。上陸作戦支援や捜索救難を主任務とする。兵装はウプラヴァ・コルド社製遠隔操作兵装ステーション（旋回部半径1.355m、全高1.1m、重量200kg。旋回角200度、俯仰角マイナス20度からプラス80度。14.5mm機銃KPVT、12.7mm機銃Kord、7.62mm機銃PKT、電子光学センサー装備）。１番艇は2014年に引き渡されており、2018年後半までに10隻を配備する予定。参考：月刊世界の艦船8,’16、11,’18、月刊軍事研究10,’15

＜プロジェクト０３１８２＞：ロシア海軍小型補給艦。全長75m、排水量3500トン。航続距離1500海里。貨物1560トンを搭載可能。３番艦ワシリー・ニキーチンは2017年3月に起工された。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜プロジェクト４２０２＞：イズジェリェ4202かも。ソ連／ロシアが1980年代から開発している極超音速兵器で、当初の計画名はアルバトロスであり、制式名はYu-71/Yu-74アヴァンガルド（Avangard）になるらしい。ICBMに搭載される機動可能な再突入体で、電子機器や管制システムは全てロシア国産である。UR-100N/UR-100UTTKh/RS-18B/RS-28弾道ミサイル（24発搭載）で打ち上げられた後、スクラムジェットエンジンで高度100km以下の大気圏内をマッハ20／時速24500kmで10000km以上滑空飛行し、コースを柔軟に変更しつつ目標に着弾する。核弾頭を搭載可能。1990年2月、バイコヌールからYu-70/102E実験飛翔体が打ち上げられた。2001年、UR-100NUTTHにYu-70/102Eを搭載して打ち上げた。その後、改良型のYu-71の実験に移行し、発射にはRS-18Bを改造したA35-71打ち上げ機を使用、ヤースヌィ宇宙基地ドンバロフスキー射場にRS-20用サイロを改造したオブイェークト370という発射施設を作っているといわれる。2011年11月27日にバイコヌール宇宙基地からYu-71の初試射を行い、成功した。その後2013年9月、2014年9月、2015年1月に発射試験が行われたが全て失敗したらしい。2016年10月25日、UR-100NUTTHにYu-71を搭載してヤースヌィ宇宙基地ドンバロフスキー射場から発射し、カムチャツカ半島クラ試験場に着弾させた。2018年12月26日、ウラル南部から試射し、最大速度マッハ27・飛翔距離6000kmを達成した。2019年12月17日、ウラル地区ヤースヌイICBM基地に配備・就役したとプーチン大統領が発表した。参考：月刊航空ファン1,’17、3,’19、3,’20、月刊軍事研究8,’18、5,’15、5,’18、7,’18、月刊世界の艦船2,'24、4,’17、朝雲

＜プロジェクト１００８１＞：セブモルプーチ（原子力砕氷船）を参照。

＜プロジェクト１０５１０＞：ロシアの原子力砕氷船。全長209m、幅47.7m、吃水13m、基準排水量71380トン。主機は原子力ターボ・エレクトリック方式、RITM-400原子炉（熱出力350MW）２基・蒸気タービン発電機４基・電動モーター（30MW）４基、出力160000軸馬力、４軸推進。連続砕氷能力2m（15ノット）／4.3m（２ノット）。2024年に竣工予定。参考：月刊軍事研究11,’18

＜プロジェクト１０５２０＞：アルクチカ級（原子力砕氷船）を参照。

＜プロジェクト１０５７０＞：ロシアの多目的原子力砕氷船。速力２ノットで厚さ2.3mの連続砕氷能力を持つ。全長152m、幅31m、吃水8.5m、排水量20700トン。機関出力53000軸馬力。参考：月刊軍事研究11,’18

＜プロジェクト１０５８０＞：タイミール級（原子力砕氷船）を参照。

＜プロジェクト１１３５６＞：タルワル級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１３５６Ｍ＞：アドミラル・グリゴロヴィッチ級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１４３０＞：ヴィクラマディチャ（空母）を参照。

＜プロジェクト１１５４０＞：ネウストラシムイ級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１５４１＞：ネウストラリムイ級シリーズ（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１６６１＞：ゲパルト３・９級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１６６１Ｅ型＞：ディン・ティエン・ホアン級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１１７７０＞：セルナ型（揚陸艇）を参照。

＜プロジェクト１１７１１＞：プロジェクト1171・１（揚陸艦）を参照。

＜プロジェクト１２０６１＞：ムレナ級（揚陸艇）を参照。

＜プロジェクト１２０６１Ｅ＞：ムレナＥ（揚陸艇）を参照。

＜プロジェクト１２１５０＞：ロシア海軍高速戦闘艇、別名マングース（Mangust）級。兵装はウプラヴァ・コルド社製遠隔操作兵装ステーション（旋回部半径1.355m、全高1.1m、重量200kg。旋回角200度、俯仰角マイナス20度からプラス80度。14.5mm機銃KPVT、12.7mm機銃Kord、7.62mm機銃PKT、電子光学センサー装備）。参考：月刊世界の艦船11,’18

＜プロジェクト１２３００＞：ロシア海軍高速艇、別名スコーピオン（Scorpion）級。タランタル級の後継として1990年代半ばからアルマズ中央海洋設計局で設計が開始され、2001年6月5日に１番艦が起工した。全長56m、排水量470トン。主機はガスタービンとディーゼル、推進はウォータージェットで、速力38ノット。兵装は100mm単装砲A190が１門、CADS-N-1近接防御システム１基、４連装艦対艦ミサイル（ヤホントらしい）発射筒２基。主砲管制用に5P-10レーダーを装備する。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜プロジェクト１２４１１Ｅ＞：ヴィール級（ミサイル艇）を参照。

＜プロジェクト１２４１８＞：プロジェクト12421海外シリーズ（ミサイル艇）を参照。

＜プロジェクト１２４２１＞：ロシア海軍のミサイル艇で、別名モルニヤ（Molniya、稲妻）級、NATOコードは付いていない（タランタル�V型に含む説あり）。タランタル�U型の改良型で、艦橋上の大型レドームにはモノリット目標捜索探知・対艦ミサイル管制レーダーを装備するとみられ、その後ろの一段高いところにバス・ティルト主砲管制用レーダー方位盤がある。その後方のマストにはデータリンクアンテナを収容した球形レドームが載っている。全長60m、全幅13m、満載排水量500トン。主機はCODAG方式、ディーゼル２基・ガスタービン２基２軸32000馬力、最大速力40ノット、航続距離は経済速力12ノットで1600海里。兵装は76mm単装砲AK-176が１門（前甲板）、AK-630Mが２基（艦後部両舷に１基ずつ）、モスキート対艦ミサイル単装発射筒４基（艦中央部両舷に２基ずつ）。自衛用に携SAMのイグラを持つとみられ、デコイ・チャフ発射機は16連装のPL-16（後甲板両舷に１基ずつ）。乗員40名。ロシア海軍に20隻以上が就役した他、輸出型はインドやポーランドなどに配備された。参考：月刊軍事研究10,’09

＜プロジェクト１２４２１海外シリーズ＞

　＜プロジェクト１２４１８＞：プロジェクト12421の輸出用で、レーダーがポジティフＥ（NATOコードはクロス・ドーム）またはポジティフME1（NATOコードはクロス・ラウンド）に換装されている。満載排水量550トン。速力38ノット。兵装は76mm砲１門、3M24EウランＥ対艦ミサイル４連装発射筒４基、9K32艦対空ミサイル４連装発射機（手動）１基、30mm機関砲AK630。トルクメニスタン海軍が配備した。中国も購入する予定。参考：月刊軍事研究10,’11、9,’09、4,’05、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜プロジェクト１２４２１（エジプト海軍）＞：エジプト海軍ミサイル艇Molnya級、NATOコードはTarantul �W級。兵装は3M80E艦対艦ミサイル連装発射筒２基、AK630CIWS２基、76mm砲１門。５番艦R-32が2016年7月に引き渡され、アフメド・ファデルとして就役した。参考：月刊世界の艦船10,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜プロジェクト１２４４１＞：ノーウィック級（フリゲート）を参照。

＜プロジェクト１２７００＞：ロシア海軍掃海艇プロジェクト12700アレクサンドライト（Alexandrit）型／アレクサンドル・オブホフ（Alexandre Obukhov）級。船体はGFRP製、船型は平甲板型で、前甲板両舷にブルワークを付け、高い乾舷を確保した。前部30mm機関砲搭載甲板室から後部14.5mm機銃装備スペースまでが上構で、上構中央前寄りに航海艦橋、後ろ寄りに煙突、その後ろに複合型作業艇搭載スペースを持ち、航海艦橋後部上面にラティスマストが立っている。上構後方で１甲板下がった艦尾甲板（上甲板レベル）が作業甲板。フランス製インスペクトルMk2無人潜水艇や機雷探知処分用自立式無人水中艇を装備し、掃討に重点を置く。ディーゼル発電機２種計４基（合計出力1500馬力）を搭載しており、掃討の際にはこれで主舵後方の電動アクティブ・ラダーを作動させる。全長61.6m（51.8m？）、幅10.2m、吃水2.68m、満載排水量890トン（800トン？）。主機はディーゼル２基２軸（１基１軸？）5000馬力、最大速力16.5ノット（15ノット？）、航続距離は10ノットで1500-1600海里。兵装は30mm多銃身機関砲AK-306が１基、14.5mm単装機銃が１丁。乗員41-44名。４隻を2018年までに配備する予定で、１番艦アレクサンドル・オブホフは2016年に就役したが、２番艦ゲオルギー・クルバトフは2021年就役（建造中の火災事故で３番艦より後になった）、３番艦イワン・アントノフは2019年就役、４番艦ウラジミール・イエメリャノフはまだ建造中である。更に2027年までに５番艦ヤコフ・バリャエフ、７番艦アナトーリー・シュリモフ、ピョートル・イリイチョフなど６隻を建造し、2035年までに30隻追加して計40隻（2050年までに計30隻？）作る予定で、輸出もするらしい。参考：月刊世界の艦船2,’17、9,’14、3,’17、6,’15、12,’16、3,’18、4,’19、11,'21、3,'23、3,'24、月刊軍事研究10,’17

＜プロジェクト１４３１０＞：ロシア海軍哨戒艇ミラーズ（Mirazh）級。全長35.5m、排水量120.3トン。最大速力50ノット。兵装は9M120アタカ用シュトルム・ミサイルシステム１基、イグラ１基、30mm機関砲AK306が１門、14.5mm機銃２丁。参考：月刊軍事研究1,’17

＜プロジェクト１８２８０＞：ロシア海軍電子情報収集艦（正式には第２級中型偵察艦）。電波傍受用に背の高いラティスマストを持ち、船体にも各種アンテナやアンテナドームを搭載、電子偵察に加え電子戦や通信中継にも使用される。全長95m、幅16m、満載排水量4100トン。最大速力20ノット、航続距離8000海里、航続日数40日。兵装は9K38イグラ、14.5mm機銃２丁。乗員120名。１番艦アドミラル・ユーリ・イワノフは2015年（2014年？）、２番艦イワン・フルスは2018年に就役した。もう２隻作る予定。参考：月刊世界の艦船6,’13、4,’15、11,’15、1,’16、11,’18、朝雲、月刊軍事研究1,’16

＜プロジェクト１８２９０＞：ロシア海軍弾道ミサイル・衛星監視艦。サンフラワーOTHレーダーを搭載する。2015年10月から設計中。参考：月刊軍事研究11,’18

＜プロジェクト１９１４１＞：マーシャル・ネデリン級（ミサイル追跡艦）を参照。

＜プロジェクト１９９１０＞：ロシア海軍海洋観測艦。全長60m、全幅11m。航続距離3500海里、連続行動日数25日。乗員22名。アレクサンドル・ロゴツキィ、ワシリィ・ブブノフを建造した。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜プロジェクト２０１８０シリーズ＞：ロシア海軍多用途砕氷タグ。参考：月刊軍事研究2,’12

　＜プロジェクト２０１８０＞：排水量5500トン。2010年に引き渡された。参考：月刊軍事研究2,’12

　＜プロジェクト２０１８０ＴＶ＞：別名ズヴェズドチカ（Zvezdochka）級給兵艦。船体を10m延長して955型戦略原潜の支援母船任務を行えるようにしたもので、サルベージや深海調査にも使用できる。船体前半に上構と煙突があり、中央から後部にかけてはフラットで、後ろ寄りに大型クレーン１基が搭載されている。艦尾甲板は一段低い。満載排水量6300トン。RSM-56ブラヴァSLBM８基を収容可能。アカデミーク・コワリョフが2015年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,'20、3,’16、6,’22、月刊軍事研究2,’12

　＜プロジェクト２０１８３＞：海洋観測、極地向け機材試験、特別貨物輸送などを主任務とする。アカデミク・アレクサンドロフが2020年3月に引き渡された。参考：月刊世界の艦船7,’20

　＜プロジェクト２０１８３ＴＶ＞：プロジェクト20180TVの改良型。アカデミーク・マケーエフが2015年7月に起工された。参考：月刊世界の艦船3,’16

＜プロジェクト２０３８０シリーズ＞：ロシア海軍多目的コルベット、ステレグシュチイ（Stereguschiy、守りに油断の無い）級。グリシャ型の後継で、ロシア沿岸での対水上・対潜戦を主任務とする。参考：月刊世界の艦船2,’17、6,’15

＜プロジェクト２０３８０＞：ステルス性と軽量化による高速性能獲得に配慮しており、主船体には新型高張力鋼、上部構造物には複合材を使用、RAMを塗布し、赤外線放出や騒音への対策も実施した。船型は中央船楼型で、上構側面は船体舷側と逆傾斜で繋がり、艦首には揚錨機などを覆うブルワークを持つ。船体内は９つの防水区画で構成される。上部構造物前部が艦橋となっており、その上に太いレーダータワーがそびえ、タワー後面から細身の前部マストが上に延びていて、前部マスト両舷にはECM/ESM装置が上下にずらりと並ぶ。煙突後方の後部マストは逆Ｙ字構造で、各種通信アンテナを装備する。全長104.5m、全幅11.1m、吃水3.7m、基準排水量1800トン、満載排水量2235トン。主機はCODAD方式、コロムナ16-D-49ディーゼル４基（巡航用２基＋ブースト用２基）、出力23664馬力、５翅固定ピッチプロペラ２軸推進、最大速力26-27ノット、航続距離は14-15ノットで3427海里、航続日数15日。兵装は100mm単装砲A190-01が１門（前甲板）、Kh-35U艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（前部マストと煙突の間の船体内）、カシュタンＭが１基（主砲の後方）、AK630Mが２基（後部マスト両側方）、14.5mm機銃２丁（カシュタンＭの後部両舷）、パケット対潜・対魚雷用魚雷システム用324mm４連装短魚雷発射管２基（上部構造物内に収容。RPK-9メドヴェトカVE艦対潜ミサイルも発射可能）、14.5mm機銃座２ヵ所。艦載戦闘システムはシグマＥ。電子装備として5P27Mフルケ２三次元対空捜索レーダー（レーダータワー上）、モニュメントまたは3Ts-25EガルプンＢ水上捜索・目標捕捉レーダー（レーダータワー内部）、5P-10-02ピューマ射撃統制レーダー（艦橋頂部レーダータワー直前）、MTK-201M電子光学目標捜索探知装置（フルケ２の両脇）、スフィア-02電子光学赤外線撮像装置（前部マスト背面）、TK-25E-5ECM/ESM（前部マスト下部）、KT-216デコイ発射機４基（甲板上）を装備する。ソナーはME-02ザリャ中周波バウソナーまたはザリャ２バウソナーと、ヴィニェトカ低周波アクティブ／パッシブVDSまたはミノターブルＭ可変深度ソナーで、VDSは艦尾中央のハッチから繰り出す。ヘリ格納庫を持ち、後部ヘリ甲板でKa-27へリックス１機の運用が可能である。格納庫左舷にヘリ管制所がある。将来的にはSS-N-29対潜ミサイルを搭載する計画があり、船体には3M24対艦ミサイル８基の追加搭載スペースも用意されている。乗員100名。１番艦艦番号530ステレグシュチイが2007年に就役した。２番艦以降は兵装などを改良したプロジェクト20381となる。参考：月刊軍事研究10,'15、9,’11、10,’09、2,’09、2,’04、3,’09、10,’09、10,’11、4,’12、月刊世界の艦船2,’17、6,’15、3,'16、10,’11、10,’13、1,'15増刊

＜プロジェクト２０３８１＞：プロジェクト20380の対空兵装が貧弱だと海軍から批判されたため、強化したタイプ。主砲背後のカシュタンＭを3K96リドゥート艦対空ミサイルシステム用12セルVLS（使用ミサイルは9M96E/9M96M/9M110のいずれからしい）に換装している。電子兵装はプロジェクト20380と同様である。全長104.5m、幅13m、基準排水量2000トン、満載排水量2235トン。主機はCODAD方式、ディーゼル４基で、推進は５翅固定ピッチプロペラ２軸、最大速力27ノット、航続距離は14ノットで3800海里。兵装は100mm単装砲A190-01が１門、3K96リドゥート艦対空ミサイル用12セルVLS１基、30mm近接防御兵器AK-630M２基、Kh-35ウラン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、パケートNK対潜魚雷４連装発射管２基。Ka-27ヘリ１機を搭載可能。艦番号531ソーブレジーツェルニイ、艦番号532ボイキィ、艦番号333ソブエルシェンヌイ、ストイキィ、グロームキィを建造する。グロームキィはプロジェクト20385になるかも。参考：月刊世界の艦船2,’17、7,’13、9,’13、4,’15、6,’15、月刊軍事研究10,'15、10,’13、1,’13

＜プロジェクト２０３８２＞：プロジェクト20381の輸出型で、別名ティグル（Tigr、虎）級。主機をCODAGに変更して速力を30ノット強にするオプションや、対艦ミサイルをヤホントやクラブＮに換装するオプションが用意されているという。船体がモジュラー構造なので、西側のセンサーや武装を搭載することもできる。全長100m、満載排水量2000トン。兵装は100mm単装砲A190-01が１門、艦対空ミサイルVLS12セル、６銃身30mm機関砲AK630M２基。FCSは5P-10-02。2011年、アルジェリア海軍が２隻の導入を決めた。参考：月刊軍事研究10,’09、10,’11、9,’11

＜プロジェクト２０３８５＞：プロジェクト20381の兵装強化型、ステレグシュチイ�U型。3K96リドゥート防空システムのVLSを８セル２基に増やしてヘリ甲板両舷に移し、カリブルNK巡航ミサイル用８セル垂直発射機3S14を上構前端甲板室に設置、後部マストを廃止して前部タワーマストを大型IBMK（Integrirovannaya Bashennaya Machtovaya Konstruktsiya）統合マストとし、ザスロンMF-RLKレーダーシステムを搭載したものである。三次元レーダーはフルケＥで、アンテナをタワーマスト側面斜め四方に装着する。対水上レーダーはグラニット・モニュメント、航海レーダーはゴリゾント25。ソナーはザリャ艦首ソナーとヴィニェトカLFAS。ECM/ESMはTK-25。全長106m（104.5m？）、幅13m（11.1m？）、吃水3.7m（7.95m？）、排水量2200トン、満載排水量2500トン。主機はCODAD方式、MTU製16V1163TB93ディーゼル（レンク社製減速装置付）、出力23664馬力、速力26ノット。兵装は100mm単装砲A-190が１門（前甲板）、30mm機関砲AK-630Mが２基（上構中央両舷）、9K96.2リドゥート用４セル垂直発射機４基（9M96艦対空ミサイル）、カリブルNK用８セル垂直発射機3S14が１基（91RTE2艦対潜ミサイルも発射可能）、パケートNK対潜魚雷４連装発射管２基。Ka-27ヘリ１機を搭載可能。１番艦グレムヤシチイは2018年に就役した。２番艦プロヴォルニィはウクライナ戦争の制裁でドイツ製主機や減速装置を入手できなくなり、プロジェクト20380と同じ国産16D49ディーゼルに切り替えている。他にメルクーリィ、ストロギイ、アルダー・チデヌサポフを建造中。ツィクロン極超音速ミサイルを運用可能とする予定。参考：月刊軍事研究10,'15、9,’11、10,’17、6,’18、月刊世界の艦船6,’19、11,’19、2,’17、1,’17、6,’15、4,’13、8,’13、4,’15、2,’20、7,’20、8,’23、9,’24

＜プロジェクト２０３８６＞：プロジェクト20385の改良型で、ステルス性と航洋性を向上させ、兵装をモジュール式として多任務化、UAVの運用能力を追加し、センサーや電子戦装置を新型に換装する。船体後部はモジュール区画となっていて、ヘリ運用器材、高速艇、掃海器材などを適宜積む。全長109m、幅15m、吃水4.3m、満載排水量3400トン。主機はCODLOG方式、巡航用ディーゼル発電機２基＋電動モーター（2200馬力）２基・高速用M90FRガスタービン（27500馬力）２基、出力55000馬力（59400馬力？）、２軸推進、最大速力30ノット。兵装は100mm砲A-190が１門（前甲板）、カリブルNK巡航ミサイル発射筒８基（上構内コンテナ式）、Kh-35艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（上構内）、リドゥート艦対空ミサイルシステム用16セルVLS１基（主砲前方。9M96艦対空ミサイル）、AK630Mが２基、324mm短魚雷４連装発射管２基。Ka-27ヘリ１機を搭載可能。乗員80名。10隻を建造予定で、2016年10月28日に１番艦メルクリイ（Merkuriy。デルツキィ？）が起工された。参考：月刊世界の艦船11,'21、5,’15、6,’15、1,’17、2,’17、6,’19、2,'21、月刊軍事研究6,’18、10,’17

＜プロジェクト２１１８０＞：ロシア海軍砕氷艦。最大砕氷能力0.9m。１番艦イリヤ・ムロウメツが2017年に就役予定。参考：月刊世界の艦船5,’17

＜プロジェクト２１３００Ｓ＞ロシア海軍潜水艦救難艦。無人潜水艇２隻を搭載する。１番艦ヴィクトル・ベロウソフは2005年に起工された。参考：月刊世界の艦船11,’13、10,’15

＜プロジェクト２１６３０シリーズ＞：ロシア海軍コルベット。参考：月刊軍事研究9,’11

＜プロジェクト２１６３０＞：ブヤン（Buyan）級ともいう。ロシアの分類は小型砲艦。主任務は沿岸域や河川の哨戒で、ソ連崩壊後にゼレノドルスク計画設計局が開発した。船型は長船首楼型で、ナックルラインより上の船体・上構側面を下部船体とは逆傾斜の一面構造とし、タワーマストやステルス砲塔を配置してステルス性に配慮している。上構は軽量化のため炭素繊維製とした。舷側排気なので煙突は無い。艦載戦闘システムはシグマＥ、電子装備はタワーマスト上レドームのポジティフME1・２、MR231航海レーダー、5P-10-03Eレーダー方位盤（砲・ロケット弾用）、ラスカＭ射撃指揮装置、バス・ティルト（艦橋上）など。艦尾中央に下開きのハッチがあり、内部の艦載艇をここから出し入れする。全長61.45m、全幅9.6m、吃水2.1m、満載排水量528トン（550トン？）。主機はCODAD方式、MTU製16V4000M90ディーゼル（3648馬力）４基、推進はウォータージェット２基、最大速力26ノット、航続距離1500海里（12ノット）。兵装は100mm単装砲A190が１門（前甲板）、30mm機関砲AK306を２基（艦中央両舷）、A215グラッドＭロケットシステム用40連装122mmロケット弾発射機MS-73Mが１基（艦後部引き込み式）、イグラ艦対空ミサイル６連装（４連装？）発射機3M-47ギプカ１基（艦後部）、14.5mm機銃座２基、7.62mm機銃座３基。自衛用に10連装デコイ発射機PK-10を２基（艦後部両舷）装備する。乗員26名。アストラハン、艦番号702ヴォルゴドンスク、艦番号015マハチェカーラの３隻が2006-12年に就役し、全てカスピ小艦隊に配備された。参考：月刊軍事研究9,’11、10,'15、10,’17、月刊世界の艦船6,’15、11,’13、2,’17、9,'24、朝雲

　＜プロジェクト２１６３１＞：ブヤンＭ（Buyan-M）級ともいう。ロシアの分類は小型ロケット艦。ブヤン級の拡大強化型で、122mmロケットランチャーを外してカリブルNK／オニクス用８セルVLSを搭載し、A215グラッドを撤去、対空兵装を強化した。ゴリゾント25統合艦橋システムを装備する。全長74.1m、全幅11m、吃水2.6m、満載排水量949トン。主機はCODAD方式、ディーゼル４基（２基？）、出力14584馬力、推進はウォータージェット２基、最大速力25ノット（26ノット？）、航続距離4300km（1500海里？）、行動日数10日間。兵装はカリブルNK／3M55オニクス用８セル（前後４×左右２）垂直発射装置ZR-13UKSK（3S14）１基（上構後部）、ステルス砲塔100mm単装砲A190-01が１門（前甲板）、AK-630M1-2ドゥエトCIWS１基（船首楼甲板後端）、イグラ1M艦対空ミサイル４連装発射機コマール２基（艦橋前方、船首楼甲板後部）、14.5mm機銃２丁（3S14両舷）。乗員52名。１番艦グラード・スビャージュスク、２番艦ウーグリチ、３番艦ヴェリキー・ウステューク、４番艦セプホフ、５番艦ゼリョーヌィ・ドル、６番艦ヴィシニイ・ヴォロチョーク、７番艦オリェーハヴォ・ズーエヴォ、９番艦グライヴォロン、10番艦グラード、11番艦セルプホフ、12番艦スタブロポリの12隻を建造し、カスピ小艦隊と黒海艦隊に６隻ずつ配備する予定で、2014年から就役中。2020年、沿岸防衛という主任務に鑑み、搭載兵装に機雷を加えた。参考：月刊軍事研究6,’18、10,'15、2,’17、10,’17、月刊世界の艦船2,’17、10,’17、6,’13、3,’15、4,'16、7,’14、8,’14、10,’14、2,’16、5,’16、8,’18、3,’19、6,’20、4,’21、3,'23、9,’24、朝雲

＜プロジェクト２１６３０海外シリーズ＞

　＜プロジェクト２１６３２＞：プロジェクト21630の輸出版で、別名トルネード（Tornado）級。カザフスタン海軍が導入する予定。参考：月刊軍事研究10,’13、10,’17

＜プロジェクト２１８２０＞：デュゴン型（揚陸艇）を参照。

＜プロジェクト２１９５６＞：ロシア海軍が建造予定の多目的大型ミサイル駆逐艦、別名リーデル（Lider）級／リーダー（Leader）級。セーヴェルノエ設計局が2007年12月に発表した。スラヴァ級／ソブレメンヌイ級／ウダロイ級の後継で、主任務は対艦戦闘、対潜戦、防空、ヘリ運用、水陸両用作戦支援、戦術状況収集分析などである。船体はステルス性を考慮している。前部マストにMAE-3レーダー、後部マストにMAE-4Kレーダー、艦橋頂部にミネラルMEレーダーと5P-10-02E射撃指揮レーダーを装備。船体後部に艦橋や煙突などとは独立したヘリ格納庫とヘリ甲板を持つ。ソナーはザルヤME-03とヴィニェトカEM曳航ソナー。主機はCOGAG方式、D090巡航用ガスタービン（14500馬力）２基・DT95ブースト用ガスタービン（22500馬力）２基（予定航続距離18ノットで5800海里）とする予定だったが、ウクライナ情勢によりガスタービン入荷の見込みが立たなくなったらしく、原子力推進に変更するようである。全長163-200m、全幅19-20m、吃水5.6m、満載排水量9000-17500トン。主機はRITM-200原子炉、出力120000馬力、２軸推進、巡航速力18ノット、最大速力30-32ノット。発電用に出力1250kWのディーゼルを４基搭載する。兵装は130mm連装砲AK130またはA-192を１基（前甲板）、リフＭ・S-500M・9M96D艦対空ミサイル／3M54・3M55艦対艦ミサイル／艦対潜ミサイル／3M14・ツィルコン巡航ミサイル用６または８セルVLS６基（主砲後方）、カシュタンまたはパンツィールME近接防御兵器２基（前部上構両舷）、534mm魚雷発射管（UGST長魚雷）。2017年の模型ではVLSが前甲板に大型４セル12基と中型８セル６基、ヘリ甲板前部両舷に大型４セル１基ずつ、小型４セル２基ずつ、最小型８セル１基ずつ搭載されていた。Ka-28またはKa-31ヘリ２機を搭載可能。2012年から建造して2023-25年に１番艦が就役、12隻作って北洋艦隊と太平洋艦隊に６隻ずつ配備する予定だったが延期され、セーヴェルノエ設計局が2019年版年次事業報告書で原型のプロジェクト23560を開発中止にすると発表している。参考：月刊軍事研究3,’12、9,’15、10,’15、10,’17、月刊世界の艦船6,’19、11,’17、7,’20

＜プロジェクト２１９８０＞：ロシア海軍対テロ哨戒艇グラチョーノク（Grachonok。グラチョノクGrachnok？）型。ソナーと潜水員支援装置を装備しており、海中のテロリストや水中工作員にも対抗できる。全長31m、幅7.4m、吃水1.8m、満載排水量138-139トン。主機はディーゼル、速力23ノット、航続距離200海里、連続航行日数５日間。兵装は14.5mm機銃１丁（艇首）、DP-65A及びDP-64迫撃砲、SA-N-10艦対空ミサイル６連装発射機3M47ギブカ１基。３番艇グラチョーノク、11番艇ユナルミーツ・ザポリャーリャ、ナヒモヴェッツ、P-468など24隻を建造中で、１番艇は2010年（2009年？）に就役した。２番艇は2016年夏、３番艇は2017年4月27日に進水した。参考：月刊世界の艦船7,’17、2,’17、10,’12、11,’17、10,'22、10,'23、THE MILITARY BALANCE 2016

＜プロジェクト２２０１０＞：ロシア海軍海洋調査艦／特殊任務艦。各種情報収集任務を行う艦とみられ、高性能レーダー、ヘリ甲板、小型潜水艇揚収設備などを備えている。全長107.8m、満載排水量5700トン。１番艦ヤンタルは2015年に就役した。２番艦アルマズは全長を11m延ばすなど艦を一回り大型化し、ヘリ甲板を廃止しており、2019年に就役予定。参考：月刊軍事研究11,’18

＜プロジェクト２２１００＞：ロシアがFSB国境局国境警備隊用に2012年から建造している警備艦。0.8mの砕氷能力を持つ。基準排水量27600トン。兵装は76mm単装砲AK176Mが１門、14.5mm機銃２丁。Ka-27PSヘリ１機を搭載できる。参考：月刊軍事研究3,’13

＜プロジェクト２２１２０＞：ロシアFSB国境局国境警備隊の沿岸警備艇。排水量1000トン。兵装は12.7mm機銃２丁。Ka-226小型ヘリ１機を搭載する。参考：月刊軍事研究3,’13

＜プロジェクト２２１６０＞：ロシア海軍哨戒艦ワシリー・ブィコフ級。排他的経済水域保護防衛、基地防衛、艦艇護衛、捜索救難、海賊対処が主任務で、北方艦船設計計画局が設計した。プロジェクト21631ブヤンＭ級の拡大改良型で、ステルス性を高め、ヘリ運用能力を追加し、主機を強化している。船型は長船首楼型で、上部構造物前面に大きく傾斜を付け、上構側面は船体幅一杯として艦尾まで続くナックルラインより上を逆傾斜にし、タワーマストを装備する。ただ上構後部のヘリ格納庫両側がヘリ格納庫上面より２甲板分くらい低いRHIB搭載スペースとなっており、段差が付いている上にRHIBや揚降装置が剥き出しで、ステルス的にはあまり宜しくない感じである。軽量化のため舷側排気を採用しており、艦後部左舷側の水線部直上にフェアリング付きの排気口がある。煙突が無いので、航海艦橋のすぐ後ろがヘリ格納庫になっていて、ヘリ甲板まで長い移送軌条が伸びている。主砲口径は１回り小さくした。全長94m、満載排水量1300-1700トン。主機はCODAD方式、最大速力30ノット、行動期間60日。兵装は76mm単装砲AK-176MAが１門（前甲板）とMANPADSで、対艦ミサイル発射機２基、カリブル巡航ミサイル発射機２基（８セル垂直発射機１基？）、魚雷発射管２門を追加できる。Ka-27PS救難ヘリ１機を搭載可能。乗員80名。６隻を黒海艦隊に配備する予定で、１番艦ワシリー・ブィコフは2018年、２番艦ドミトリー・ロガチョフは2019年に就役した。５番艦ヴィクトル・ヴェリーキーは2024年5月7日に進水した。６番艦ニコライ・シピャーギンは2018年に起工している。参考：月刊世界の艦船10,’19、7,’14、10,’17、7,'16、12,’14、12,’16、4,’18、3,’19、8,’24、月刊軍事研究6,’18

＜プロジェクト２２１６０海外シリーズ＞

　＜プロジェクト２２１６０Ｅ＞：輸出型。全長96m、幅14m、吃水3.4m、排水量2200トン。機関出力16MW、最大速力27ノット、航続距離4500海里、連続行動日数30日。兵装はカリブルNKE用４セルVLS２基、3K96-3E艦対空ミサイルシステム用８セルVLS２基（9M96Eなら計16発、9M100Eなら計32発）。57mm砲、機銃２丁、パケートE/NK対潜戦システム。艦対空ミサイル用８セルVLSをもう１基追加できる。12トン級ヘリを搭載可能。参考：月刊世界の艦船10,’21

＜プロジェクト２２２２０＞：ロシアの原子力砕氷船アルクティカ（Arktika）級。プロジェクト10520アルクティカ級及びプロジェクト10580タイミール級の後継である。浅海域や北極海西部での航路啓開（主にLNG船向け）を主任務とする。艦後部にヘリ格納庫とヘリ甲板を持つ。全長173.3m、幅34m（33.8m？33m？）、深さ15.2m（10.5m？）、吃水8.5m（河川航行時）／10.5m（海洋航行時。20.5m？）、総トン数28494トン、満載排水量33540トン。主機は原子力ターボ・エレクトリック方式、RITM-200型原子炉（発電出力55MW、熱出力175MW）２基、蒸気タービン発電機（出力36MW）２基、電動モーター３基、出力80000軸馬力・60MW（97892馬力・72MW？）、３軸推進、航海速力22ノット。連続砕氷能力3m（２ノット。2.9m？）。ヘリ１機を搭載可能。乗員75名（74名？）。アルクティカ、シビル、ウラルズ、４番艦ヤクーティアなど６隻が2020年から竣工予定。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船4,’22、12,'20、9,’16、2,’17、2,’23

＜プロジェクト２２３５０シリーズ＞：ロシア海軍ステルス・フリゲート。2020年までに15隻（20隻？12隻？10隻？６隻？）を建造する予定だったが、2021年現在、プロジェクト22350を４隻とプロジェクト22350Mを５隻建造している。参考：月刊世界の艦船12,’18、11,’22

＜プロジェクト２２３５０＞：1-4番艦で、アドミラル・ゴルシコフ（Admiral Gorshkov）級ともいう。ソ連崩壊後に初めて計画されたフリゲートで、当初はソブレメンヌイ級の後継となる8000トン級ミサイル駆逐艦を予定していたが、建造費の問題などからクリバック級フリゲートの大改良型（アドミラル・グリゴロビッチ級の対空能力強化型）兼クリバック級の後継艦になり、北方設計局が設計した。船体はステルス性を考慮した中央船楼型で、上甲板より上の舷側に船体と逆傾斜を付け、前甲板は丸ごとブルワークで覆って揚錨機、主砲付け根、3K96リドゥート用VLSなどをカバーし、艦橋後方にマストというより背の高い甲板室のような構造物（5P-20K-AモニュメントＡレーダー・コンプレックス）を置いている。上構には炭素繊維などを多用して軽量化を図っており、前からカリブルNK用VLS、艦橋、タワーマスト、煙突１本、ヘリ格納庫という配置で、煙突両舷に艦載艇を１隻ずつ搭載する。後甲板はヘリ甲板で、ヘリの運用を考慮して水線下にフィン・スタビライザーを装備する。全長135m、幅16.4m、吃水4.4-4.5m、基準排水量3900トン、満載排水量5400トン。主機はCODAG方式、巡航用10D49ディーゼル（5200馬力）２基＋高速用M90FRガスタービン（27500馬力）２基、出力65400馬力（64500馬力？）、２軸推進、最大速力29.5ノット、航続距離4000海里以上（14ノット）／4850海里（17ノット）、最大航続日数30日。兵装は130mm単装砲A192（ステルス砲塔）１門（前甲板）、3K96リドゥート用８セル垂直発射機3S96が４基（主砲後方。ハッチは左右に開く。48N6E2なら32発、9M96なら128発、9M100なら512発装填可。9M96なら32発、9M100なら128発？）、カリブルNK（3M55対艦ミサイル、91RTE2クラブＮ対潜ミサイル、ツィルコン極超音速兵器なども使用可）用８セル垂直発射機UKSK２基（艦橋前方01甲板。ハッチは前後に開く）、324mm魚雷４連装発射管（パケットE/NK対魚雷用魚雷、RPK-9メドヴェドカ２）２基（中央船楼両舷）、3M89パラシCIWS２基（ヘリ格納庫上面後端両舷）、14.5mm機銃KPVが２丁。これまでロシア戦闘艦の標準装備となっていたRBU-6000は積んでいない。艦載戦闘システムはシグマ22350、中距離艦対空ミサイルシステムはハリケーンで、ポリメント多機能フェイズド・アレイ・レーダー（5P-20K-A四周）、5P27フルケ４対空捜索レーダー（5P-20K-A頂部）、34K1モノリート（Monolit）／ミネラルME対水上レーダー（艦橋上球形レドーム）、MTK-201M電子光学センサー（上構左右張り出し部）、5P-10多用途射撃指揮装置（モノリートの後上方）、3R95レーダー方位盤、トレヴァーニエＭ戦術情報処理装置を装備する。対潜システムはメドヴェドカ２、搭載ソナーはザリャ３（ザリャＭ？）低周波アクティブ／パッシブ式バウソナーとヴィニェトカＭアクティブ／パッシブ式可変深度ソナー。航海レーダーはパルN1をマスト上段に３基積む。電子光学方位盤は5P-520（艦橋上）。自衛用にプロスウェートＭ自己防御システムを装備しており、KT-308デコイ発射機2-4基とKT-216デコイ発射機８基を搭載する。他にCT-308デコイ発射機や5P42光学照射装置２基を積む。ECM/ESMはTK-28/5P-28（マスト中段両舷）。衛星通信システムはヴィグスター・ツェンタウロNM。Ka-27PL/Ka-28/Ka-31/Ka-32ヘリ１機の搭載が可能。乗員180-210名（乗員180名＋海軍歩兵20名？）。北洋艦隊向けに１番艦アドミラル・ゴルシコフ、２番艦アドミラル・カサトノフ、３番艦アドミラル・ゴロフコ、４番艦アドミラル・イサコフが起工され、１番艦は2011年に就役する予定だったが、レーダーと戦闘システムの統合が上手くいかず、2018年になった。主機もウクライナ製なのでウクライナ紛争により３番艦以降の分が入手できなくなり、ロステック傘下ロシア統一エンジン会社製M55R主機セット（ディーゼル＋減速装置＋ガスタービン）に換装する予定。1-2番艦は2019年2月に5P42フィリン２基を搭載しており、3-4番艦は新造時から搭載する。参考：月刊世界の艦船2,'21、11,’18、3,’16、6,’15、8,’13、4,’13、3,'16、1,’15増刊、3,’17、5,'21、月刊軍事研究10,'15、1,’13、8,’07、2,’07、3,’09、10,’09、5,’11、9,’11、10,’11、6,’12、12,’17、6,’18、朝雲

　＜プロジェクト２２３５０Ｍ＞：５番艦以降で、排水量を8000トン級とし、艦対艦ミサイル用８セル垂直発射機UKSKを３基に増やすらしい。2018年9月26日現在、開発作業が始まっておらず、ロシア統一造船会社USC傘下のセーベルノエ設計局が2019年版年次事業報告書で開発中止を発表した。ただプロジェクト22350改として2020年7月20日にアドミラル・ユマシェフとアドミラル・スピリドノフが起工されており、2021年現在で他にアドミラル・アメルコ（Admiral Amelko）とアドミラル・チチャゴフ（Admiral Chichagov）ともう１隻を建造中。参考：月刊世界の艦船12,’18、7,’20、10,’20、11,’21、9,’22

＜プロジェクト２２３５０海外シリーズ＞

＜プロジェクト２２３５６＞：プロジェクト22350の輸出型で、国際海洋防衛展示会（IMDS）2011とIMDS2013に模型が展示された。三次元対空捜索レーダーはフレガットM2EMもしくは新型のアンテナ面回転型フェイズドアレイレーダーから選ぶことができ、両者でマスト形状が違ってくる。また、後者では艦対空ミサイル用目標照射レーダーが30N6からアンテナ固定式フェイズドアレイレーダーに換装される。兵装は130mm単装砲A192が１門、9M317/9M317M/9M317MEシュチル１艦対空ミサイル用VLS28セル、ヤホント／オニクス／クラブＮ用（オプションで91RTE2対潜ミサイル）VLS16セル、パルマCIWS２基。艦後部にヘリ格納庫とヘリ甲板を持つ。参考：月刊軍事研究10,’13、10,’11

＜プロジェクト２２４６０＞：ロシア海軍／ロシアFSB国境局国境警備隊哨戒艇ルビン（Rubin）級。全長62.5m、満載排水量630トン。速力30ノット。兵装はAK-630CIWS１基、12.7mm単装機銃２丁。ヘリ１機を搭載可能。４番艇イズムルードなど25隻を2020年までに配備する予定。参考：月刊世界の艦船11,’13、月刊軍事研究3,’13

＜プロジェクト２２８００＞：ロシア海軍コルベット、カラクルト（Karakurt）級。プロジェクト21631ブヤンＭ級の後継で、船型はステルス性を考慮している。全長67m（63m？）、幅11m、吃水2.8m、基準排水量800トン、満載排水量870トン。主機はM507D-1ディーゼル（出力7.36MW）２基・M70FRUガスタービン（出力8.83MW）１基（M507D-1ディーゼルのみ３基？）、出力30000馬力、３軸推進、経済巡航速力12ノット、最大速力30ノット（35ノット？）、航続距離2500海里（12ノット）、行動期間15日間。兵装は８セル垂直発射機3S14-U1（カリブルNK巡航ミサイル、オニクス艦対艦ミサイル）１基、76mm単装砲AK-176MAが１門、AK630Mが２基（1-3番艦）／パンツィールＭ（４番艦以降）、イグラMANPADS。航海艦橋上面に艦砲・CIWS管制用バス・ティルト射撃指揮装置を装備する。18隻（23隻？）を建造予定で、１番艦ウラガンと２番艦タイフーンが2018年に就役した。４番艦ツィクロンは2020年7月24日進水。５番艦アムールは2024年8月26日就役。６番艦アスコルドは2021年9月進水。11番艦トゥチャは2019年2月26日起工、16番艦は7月29日起工。ソヴィエツクは2019年10月12日に就役。ルジェフとウドムリャは2023年9月27日進水。参考：月刊世界の艦船6,’19、10,'20、7,'16、2,’17、9,’17、1,’18、3,’16、4,’16、8,’18、3,’19、5,’19、12,'21、10,'23、12,'23、8,’24、11,’24、月刊軍事研究1,’18

＜プロジェクト２３０００Ｅ＞：ロシア海軍将来型空母案シュトルム（Shtorm）級。クリロフ国立研究センターが設計してIMDS2015で模型を展示し（国際展示会なので輸出向けという名目でＥが付いている）、2025年までに２隻の建造を提案した。艦首にスキー・ジャンプ台、左舷側に傾いたアングルド・デッキに電磁カタパルト２基を装備し、発艦経路はそれぞれ２系統用意されている。アレスティング・ワイヤは４本。エレベーターは全て外舷式で、左舷後部に１基、右舷に３基用意されている。右舷側エレベーター間に前後に分かれたアイランドを持ち、前部アイランドにアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを装備する。シーステート6-7でも運用可能。全長330m、全幅40m、吃水11m、満載排水量95000-100000トン。主機は通常動力または原子力で、最大速力30ノット、航海日数は20ノットで120日。兵装は８セルVLS８基（スキー・ジャンプ台両舷２基ずつ、艦後部両舷２基ずつ）、CIWS４基。自衛用として魚雷防御装置を装備する。搭載機数80-90機（Su-57艦上戦闘機型、MiG-29K、AEW、Ka-27など）。乗員4000-5000名。想定運用期間50年。価格数十億ドル。あくまで案であり、実艦の設計はネフスキー計画設計局が担当する。ロシアには６万トン以上の艦船を作れる施設が無いので、まずそこから始める必要があり、相当の期間と費用がかかるため、当面はロシア海軍に建造する意向は無さそうだが、電磁カタパルトなど装備品の開発は実施中。早速インドに原子力推進型の売り込みをかけているらしい。参考：月刊世界の艦船11,’15、10,’16、10,’18、月刊軍事研究4,’18、10,’17、10,'15、9,’15

＜プロジェクト２３１２０＞：ロシア海軍耐氷型支援船。ARC4（北極耐氷度４）の船体を持ち、北極海での曳航や物資輸送、補給任務を行う。全長90m、幅22m、吃水8.65m、排水量3600トン。速力18ノット。厚さ0.6mの氷を２ノットで砕氷できる。１番艦エルブルスは2015年、２番艦カピタン・シェフチェンコは2016年、３番艦MB-75も2016年に引き渡される予定。参考：月刊世界の艦船9,’15、2,’15

＜プロジェクト２３１３０＞：ロシア海軍艦隊補給艦。船型は船首楼型で、上甲板前部にヘリパッド、その後ろにクレーン、中央両舷に補給ポスト１本ずつ、船尾にブリッジがある。全長130m、幅20m、吃水7m、満載排水量9000トン。最大速力16ノット、航続距離8000海里（9000海里？）。重油3000トン、ディーゼル燃料2500トン、ジェット燃料500トン、潤滑油150トン、水1000トン、食糧100トン、消耗品・予備部品100トンなどを搭載可能。乗員24名。北洋艦隊と太平洋艦隊に１隻ずつ配備する予定で、１番艦アカデミーク・パーシンは2014年4月26日に起工した。参考：月刊世界の艦船8,’16、8,’13、7,’14

＜プロジェクト２３１３１＞：ロシア海軍艦隊補給艦。プロジェクト23130の大型化バージョンである。満載排水量12000トン。２隻を建造中。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜プロジェクト２３３７０＞：ロシア海軍多目的カッター。任務モジュールを積み替えることで救難、消火、医療、水中作業など多目的に使用でき、水路だけでなく鉄路や道路で各地に展開することが可能。CMK-2098など12隻を配備予定で、１番艦は2013年8月31日に進水した。参考：月刊世界の艦船11,’13、月刊軍事研究10,’15

＜プロジェクト２３５５０＞：ロシア海軍砕氷哨戒艦。砕氷艦、哨戒艦、曳船として使用できる多目的艦艇で、艦尾貨物スペースにコンテナ式クラブＫ巡航ミサイルシステムを搭載すれば巡航ミサイル８発（４連装コンテナ２基）による攻撃任務にも使える。船型は長船首楼型で、上構と船体の幅を同一にし、船首楼より上の舷側を船体と逆傾斜にしてステルス性に配慮している。最大砕氷厚1.5m。全長114m、幅18m、吃水6m、満載排水量8500トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力20000軸馬力、推進はポッド・プロペラ２基、速力18ノット。最大自律航行期間60日。バウスラスター２基を持つ。兵装は76mm単装砲AK-176MA（100mm単装砲A-190？）が１門、14.5mm機銃２丁。レーザーCIWSを積むという噂もある。上構後方がヘリ甲板、上構後半がヘリ格納庫で、Ka-27ヘリを搭載可能。ヘリ甲板下にラプトル装甲哨戒艇２隻を積むこともできる。乗員49名。１番艦イワン・パパーニンは2017年4月19日に起工した。２番艦ニコライ・ズーボフは2018年起工予定。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船7,’17、7,'16、4,’16

＜プロジェクト２３５６０シリーズ＞：ロシア海軍将来型大型ミサイル駆逐艦。ロシア統一造船会社傘下のセーベルノエ設計局が2019年版年次事業報告書で開発中止を発表した。参考：月刊軍事研究10,’17、月刊世界の艦船7,’20

＜プロジェクト２３５６０＞：シクヴァル（Shkval）級。セーヴェルナヤ設計局が設計を担当し、IMDS2015で模型が展示された。船体はステルス性を考慮し、前甲板に130mm砲、その後ろに広いVLS甲板、艦中央やや後ろ寄りに艦橋と太い多面体タワーマスト、少し間を開けて後部上構と後部タワーマスト、後甲板にヘリ甲板（発着スポット並列２箇所）という配置になっている。全長200m、全幅23m、吃水6.6m、満載排水量15000-18000トン。主機はガスタービンまたは原子力で、巡航速力20ノット、最大速力32ノット、航海日数90日。シーステート７でも航行可能。兵装は130mm砲A-192（ステルス砲塔）１門、S-500艦対空ミサイル128発、リドゥート艦対空ミサイル、パンツィールＭ近接防空システム、カリブル／オニクス／3M22ツィルコンSSM60-70発、艦対潜ミサイル16-24発。ヘリ２機を搭載可能。乗員250-300名。就役期間50年以上。プロジェクト21956リーダー級として実用化予定。参考：月刊世界の艦船2,’17、3,’16、月刊軍事研究10,'15、9,’15

＜プロジェクト２３５６０Ｅ＞：プロジェクト23560の輸出型。全長200m、全幅23m、吃水6.6m、満載排水量15000-18000トン。主機はガスタービンで、巡航速力20ノット、最大速力32ノット、航海日数90日。兵装は130mm単装砲A-192Mが１門、S-500／リドゥート用VLS128セル、カリブル／オニクス／ツィルコン用VLS60セル、艦対潜ミサイル用VLS16-24セル、パンツィールＭ。Ka-27またはKa-32ヘリ２機を搭載可能。参考：月刊軍事研究10,’17

＜プロジェクト２３９００＞：ロシア海軍強襲揚陸艦。ミストラル級強襲揚陸艦が輸入できなくなったため、代わりに建造した。全通飛行甲板を備えるが、完成予想CGではアイランドがやたら大きく、飛行甲板面積の４分の１くらいを占めている。全長220m、最大幅42-47m、排水量25000-40000トン。速力22-24ノット。ステルスUAV４機、ヘリ16-20機、揚陸艇４隻、兵員900-1000名を搭載可能。イワン・ロゴフとミトロファン・モスカレンコが2020年7月20日に起工された。参考：月刊世界の艦船12,'23、12,'20、10,’20

＜プロジェクト５８２５０＞：ウクライナ海軍コルベットで、ヴォロディミル・ヴェリーキー（Volodymyr Velykyi）級ともいう。船型は平甲板型で、中央部に前後に長い上構を持ち、上構前端は高さ１甲板の甲板室となっている。ステルス性を考慮し、上構幅を船体一杯に広げ、前甲板と上構にはブルワークを設けた。装備には西側のものを採用、NATOとの共同作戦に投入できるようにしてある。上構前端甲板室には当初35mm単装機関砲塔を装備する予定だったが、アスター15用VLSに換装した模様。ソナーはハルソナーとVDS。全長112m、幅13m、満載排水量2500トン。主機はCODOG方式、Goryaガスタービン２基・キャタピラー製ディーゼル２基、２軸推進、最大速力32ノット、航続距離は12ノットで4000海里。兵装はOTOメララ社製76mm単装砲（ステルス・シールド付き）１門（前甲板）、ラインメタル社製35mm単装機関砲２門（上構後端両舷）、エグゾセMM40ブロック３対艦ミサイル４連装発射筒２基（上構中央。前が左舷向き、後ろが右舷向き）、アスター15用８セルVLS２基（上構前端甲板室）、３連装短魚雷発射管２基。Ka-27またはNH-90ヘリ１機を搭載可能。乗員100名。10隻前後を建造する予定だったが、４隻に減らされた。１番艦ヴォロディミル・ヴェリーキーは2011年に起工されたが、予算不足で工事がストップしており、2017年度に漸く予算が付いて建造を再開、2022-28年に４隻が引き渡される予定。参考：月刊世界の艦船6,’19、3,’14、6,’14

＜プロジェクト９０６００＞：RB-34型（曳船）を参照。

＜プロジェクトＡ６１５＞：A615級（潜水艦）を参照。

＜プロジェクト・エア６０００＞：F-35戦闘機（オーストラリア空軍）を参照。

＜プロジェクト・エア７００３＞：MQ-9B（オーストラリア軍）を参照。

＜プロジェクト・クーガー＞：ブリティッシュ・エアロスペースSEMA社が1998年のユーロネイヴァル展示会で発表したステルスコルベット／軽フリゲート。外見はヴィスビー級に似ている。参考：月刊軍事研究3,’99

　＜軽フリゲート型＞：全長118m、排水量2800トン。主機はCODAG方式で、ウォータージェット推進、速力30ノット。サンプソン多機能レーダーを搭載する。兵装はMk41垂直発射機32セル（スタンダードとシースパロー搭載）、127mm砲１門、ハープーン８発。参考：月刊軍事研究3,’99

　＜コルベット型＞：全長95m、排水量1500トン。主機はCODAG方式で、ウォータージェット推進、速力40ノット。スペクター多機能レーダーを搭載する。兵装はシーウルフ用VLS24セル、76mm砲１門、ハープーン８発。参考：月刊軍事研究3,’99

＜プロジェクト・ライオット＞：アメリカ空軍、ミサイル防衛局MDA、スカンクワークスが行った、F-35AとU-2Sによる長距離ミサイル早期探知実験。F-35Aが搭載センサーでミサイル発射を探知し、U-2Sで情報を中継して地上の防空司令部に送る。実験結果は良好で、敵がミサイルを発射した後、秒単位での迎撃対応が可能になるらしい。参考：月刊JWings12,’19

＜プロジェクト・ランプライト＞：アメリカ海軍が1954年から開発した艦対空戦闘データ処理システム。WDSの限界が見えたため、アメリカ空軍のSAGEを参考に新規開発された。トランジスタによるデジタル・コンピュータを機動部隊を構成する各艦船に搭載し、相互にデータリンクを張ることで、大型艦250目標、小型艦120目標など多種別飽和攻撃に耐えられる対処能力を持たせ、脅威判定能力、敵味方識別、交戦武器選定、迎撃指示などを行えるシステムを目指した。1955年にはNTDSと名前を変えて開発が続けられた。参考：月刊軍事研究6,’04

＜プロジェクト・リバティベル＞：RC-12（COMINT/ELINT機）を参照。

＜プロジェクト・ルビー＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜フロスト＞：DE-144（護衛駆逐艦）を参照。

＜フロストバイト・ロードレース＞：在日米軍横田基地で開催されているランニング大会で、ハーフマラソン、5km、2kmなどがあり、一般ランナーも多数参加する。主催は基地下士官が作る横田ストライダーズ・ランニングクラブで、空自連合准曹会もボランティアで運営に加わる。第31回は2012年1月15日に行われ、12000人が参加した。参考：朝雲

＜プロダクションＡＨ−１Ｓ＞：AH-1Sステップ�T（攻撃ヘリ）を参照。

＜プロダクト９＞：MiG-29シリーズ（戦闘機）を参照。

＜プロチーヴニク−ＧＥ＞：59N6E（レーダー）を参照。

＜フロッガー＞：MiG-23シリーズ（戦闘機）またはMiG-27シリーズ（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＡ＞：MiG-23S（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＢ＞：MiG-23M/MF（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＣ＞：MiG-23UB/UM（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＤ＞：MiG-27（戦闘機）またはMiG-27K（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＥ＞：MiG-23MS（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＦ＞：MiG-23B/BM（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＧ＞：MiG-23ML（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＨ＞：MiG-23BK/BN（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＪ＞：MiG-27D（戦闘機）またはMiG-27L（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＪ２＞：MiG-27M（戦闘機）を参照。

＜フロッガーＫ＞：MiG-23MLD（戦闘機）を参照。

＜ブロッカーデ・ブレッヒャー＞：封鎖突破船を参照。

＜ブロック＞：APD-93（高速輸送艦）またはDE-234（護衛駆逐艦）を参照。

＜フロッグ＞：CH-46シリーズ（輸送ヘリ）を参照。

＜フロッグ＞：ルナ地対地ロケット（誘導装置は付いていない）などのアメリカ軍情報部兵器及び宇宙システム情報委員会（WSSIC）名称で、Free Rocket Over Groundの略。参考：月刊PANZER8,’02、月刊軍事研究4,’04、3,’02

　＜フロッグ１＞：ソ連のシステム名称はフィリン。2P4チュリパン自走ランチャーに3R-2ミサイルを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’02

　＜フロッグ２＞：ソ連のシステム名称はマルス。2P2自走ランチャーに3R-1ミサイルを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’02

　＜フロッグ３＞：ソ連のシステム名称はルナ。2P16自走ランチャーに3R-9ミサイルを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’02

　＜フロッグ４＞：ソ連のシステム名称はルナ。2P16自走ランチャーにピトー管付きの3R-10ミサイルを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’02

＜フロッグ５＞：ソ連のシステム名称はルナ。2P16自走ランチャーに3R-10ミサイルを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’02

＜フロッグ６＞：ソ連のシステム名称は不明。ZIL-151ランチャーに、3R-10ミサイルに似た操作訓練用ミサイルを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’02

＜フロッグ７＞：200キロトン核弾頭を搭載可能。射程70km。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜フロッグ７ａ＞：ソ連のシステム名称はルナＭ。9P113ランチャーに3R-11ミサイル（後にR-65、次いで9M21と名称変更された）を搭載したもの。戦車師団／自動車化狙撃師団地対地ミサイル大隊に２個中隊計４両が配備されており、戦時には６両に増強される。参考：月刊PANZER8,’02、月刊戦車マガジン6,’89

＜フロッグ７ｂ＞：ソ連のシステム名称はルナＭ。9P113ランチャーにR-70ミサイルを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’02

＜フロッグ海外シリーズ＞

　＜フロッグ７（イラク）＞：ロケット大隊に１個あたり６基（３個中隊）が配備された。ロケットは全長9.4m、直径0.54m、重量2.5トン、弾頭重量0.457トン（化学弾頭搭載可能）。飛翔速度毎秒1200m、射程12-70km、CEP500-700m。自走発射機は８×８輪トラクターZIL135にランチャーを搭載したもので、全長10.69m、全幅2.8m、全高3.35m、車重17.56トン、全備重量20トン。エンジンはウラル375（180馬力）２基で、最大速度65km、航続距離400km。要員７名。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ブロック・アイランド＞：ACV-21（護衛空母）またはCVE-106（護衛空母）を参照。

＜ブロック建造方式＞：船体や上構をいくつかのブロックに分けて建造し、溶接して一体化、１つの船舶に仕上げる方式のこと。別々の所で組み立てたブロックを最終組立施設に運んで組み上げることにより、建造期間短縮、量産化、コスト削減に繋がる。溶接技術が必須で、不完全だと船体が折れたりするので注意。各ブロックは船台に載せて最終組立施設に運ぶが、そのままで浮くブロックは船台に乗せず直接海に浮かべて曳船で引っ張っていくこともあり、前部船体ブロック（船体前半３分の１くらい）などが曳航されていく図はかなりシュールである。参考：戦時標準船入門

＜フロックスフィールド＞：A354（通船）を参照。

＜フロッグマン＞：潜水具装備の特殊部隊員、潜水工作員のこと。任務は浅海での捜索・各種作業、潜水応急修理工事、水中爆弾・機雷処理、水中爆破工作など多岐にわたる。冷水や障害物から身を守る潜水衣とスキューバ（アクアラング）を身につけ、コンパス、時計、深度計、超音波通信装置、超音波探知機、各種工作用具、照明、溶接器具、推進具を装備して任務を行う。水中特殊工作部隊の歴史は古く、紀元前492年から始まったペルシャ戦争ではアテネの潜水部隊が停泊中のペルシャ海軍別動艦隊を襲撃して錨鎖を切断、嵐の直撃を受けたペルシャ艦隊は200隻の艦船を失って全滅した。ローマ時代、ローマ海軍は空気袋を使用する潜水部隊ユーリナトオーを配備。西暦196年のビザンチン包囲戦ではローマ軍潜水部隊が錨鎖を切断した。1565年、トルコの潜水部隊がマルタ島を攻撃した際、マルタの潜水部隊と水中格闘戦になった。第１次大戦時はほぼ素潜りだったが、戦後に水中呼吸具や脚ひれなどが発達し、第２次大戦時には本格的な潜水具を着用したフロッグマンが登場した。潜水すると水圧や低水温による影響を受け、窒素が血液に溶解して酔っぱらったようになり、潜水病に罹患することもあるため、こういった影響を事前に研究し、適性のある兵員を選ぶことが重要である。また、これらの影響を防止するような特殊器材やアクアラングの開発も必要となる。イタリア海軍はSLCマイアーレとの組み合わせで活用し、アレクサンドリア基地での襲撃などに使用した。参考：月刊世界の艦船6,’09、月刊丸11,’72

　＜フロッグマン（海上自衛隊）＞：５種類の潜水員がおり、各地方隊に水中処分隊、潜水艦救難艦に潜水艦救難隊（飽和潜水員）、各護衛艦に水中応急工作員が配置されている。訓練は第１術科学校で実施する。また、横須賀病院潜水医学実験部で運用や潜水病の研究などを行っている。2008年には６名の潜水員が豊後水道沖で水深450mでの海中作業訓練を行っており、かなり能力が高い。参考：月刊丸11,’72、1,’10別冊、

＜ブロックレスビー＞：L42（駆逐艦）またはM-33（ハント級掃海艇）を参照。

＜ブロッコリ王国＞：パセリちゃんの出身地で、パプリカ王国とゴーマ帝国に挟まれた国。両国とは永らく平和状態だったため、軍備を削減しすぎたところを付け込まれてゴーマ帝国に侵攻された。国土の縦深が無いところはクウェートのようであり、軍備がろくに無いところを一気に攻め込まれたというところは韓国（朝鮮戦争時）のようでもある。参考：ピクルス王子平和への旅

＜ブロッサム＞：ブルーム（チャフ散開）を参照。

＜フロッシュ�T型（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍揚陸艦Floch�T型。東ドイツ海軍の中古で、ドイツ統一により不要になったのを購入した。全長98m、排水量1900トン。テルク・ジャカルタが就役した。参考：月刊世界の艦船10,’20

＜プロッツェ＞：クルップ社が開発した６輪軽トラックのこと。L2H43またはL2H143を参照。

＜フロッセンブュルク強制収容所＞：ナチスが国外の反ナチス勢力収容のために建設した収容所で、花崗岩の採取を行った。入り口のゲートには「働けば自由になる（Albeit Macht Frei）」と書かれていた。ダッハウ強制収容所から1938年5月に収容者が連れてこられ、収容所の建設が開始された。1941年からはソ連人捕虜が大量に連れてこられ、1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件の逮捕者も抑留された（後に処刑）。収容人員は1945年4月の撤収時には46000人。1943年以降は軍需産業の労働に切り替わっている。人目につかない山間部に設けられていたため、強制収容所で脱走を試みるなどして死刑を言い渡された者、捕虜や一般市民、抵抗運動参加者などで処刑命令が出された者、連合軍捕虜などの拷問・処刑に用いられた。1945年4月初めから撤収され、4月23日にアメリカ軍により解放された時には僅かな病人のみが残されていた。参考：月刊軍事研究8,’04

＜プロッタシャ＞：バングラデシュ海軍056級コルベット４番艦Prottasha。2019年4月27日、チッタゴン海軍基地に回航された。2022年1月10-11日、ミサイル艇ニアムルと共に、チッタゴン周辺で日バングラデシュ親善訓練に参加し、MST-463うらが及びMSO-305ひらどと、戦術運動訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船7,’19、4,’22

＜プロッティング・ルーム＞：Plotting room。1910年代後半から1930年代にかけての艦載用FCSの発達に伴い設置されたFCS操作室である。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜ブロット＞：ノルウェー海軍ストルム級高速攻撃艇。1967年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜プロップ・アップ＞：銃身がロッキング・ブロックを介してスライドと閉鎖結合しているもの。ロッキング・ブロックが支点を持ち、振り子のように上下して薬室を開放・閉鎖するのでこう呼ばれる。ワルサーP38、南部式自動拳銃、十四年式拳銃などに採用された。参考：GUN用語事典

＜プロップ・ガン＞：映画の小道具などに使用される、空包専用の銃。実弾は発射できない。参考：GUN用語事典

＜プロップファンエンジン＞：1980年代に研究された航空機用エンジン。二重反転式の小直径多翅ファンにより推進するもので、ターボファン並みの速度とターボプロップ並みの燃費を持つ。NASAとロッキードが開発したものは、スキューバックを持つ８翅プロペラ（二重反転式ではない）で、高速回転時のプロペラ翼端失速を防ぐことにより速度性能と燃費性能を改善していた。渦流が複雑で騒音と振動が激しく、実用化できなかった。参考：月刊軍事研究3,’10、ザ・マーチ40号

＜プロテ＞：フランス海軍ルドゥタブル級潜水艦Protee。1932年竣工。1943年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜プロディガル計画＞：イギリス陸軍戦闘車両開発研究所が1960年に仕様9258号として開発命令を出した車両で、ジャンピング・ジープ計画（Jumping Jeep Project）とも呼ばれた。一時的に空中を飛べる（飛行高度3.05m、飛行距離9.14m）４輪車両で、地形障害を踏破して偵察を行うのが主任務である。フォーランド航空機社はダクテッド・ファンやローターを取り付け、ブリストル・シドレーはターボシャフトエンジンを搭載、BACは小型ファン13基を並べてジャンプさせようとしたが、飛行用装備が大がかりな割に有効性に疑問があり、ペイロードの限界から自衛武装やセンサーもろくに搭載できず、1966年11月に開発中止となった。参考：月刊JWings3,’09

＜ブロディ着艦装置＞：Brodie Landing SystemまたはBrodie Device。アメリカ陸運航空隊ジェームズ・Ｈ・ブロディ大尉が開発したSTOL連絡機発着艦装置である。艦の前後にスネア・ポール（Snare Pole）の俗称を持つ展張リグを設置して先端を舷外に振り出し、間にケーブルを張る。連絡機（L-4やL-5を使用）には先端にフックを付けた支柱を機体上面に取り付けておく。発艦の際はケーブル後端に吊り下げ金具をぶら下げて連絡機のフックを引っ掛け、連絡機は自力で加速し、ケーブル前端で吊り下げ金具がフックから外れて飛行に移る。着艦の際はケーブル後端の吊り下げ金具に連絡機のフックを上手いこと引っ掛け、減速停止する。LST-1型航空能力型戦車揚陸艦（ブロディ着艦装置搭載）が左舷側に装備した。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜ブロディック＞：イギリス海軍アバードヴェイ級通船Brodick。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜プロテウス＞：AC-9（給炭艦）またはN29（Ｐ級潜水艦）またはS-113（209/1200型潜水艦）を参照。

＜プロテウス＞：イギリス王立海軍補助部隊RFA海洋観測支援船Proteusu。元はトパーズ・エナジー＆マリンフォーの洋上作業支援船トパーズ・タンガロア（Topaz Tangaroa）で、多用途海洋監視MROS（Multi-Role Ocean Surveillance）計画により導入を決定し、2022年末にイギリス国防省が購入、2023年1月19日にキャメル・レアード造船所にドックインし、改装に入った。重要海底インフラ監視保護に使用する予定。2023年10月10日、ロンドンで就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船5,’23、1,’24

＜プロテウス＞：ブリストル社の艦船用ガスタービンProteus。重量1.41トン。常用出力3600馬力、最大出力4250馬力。燃料消費率285g/HPh。参考：月刊世界の艦船9,’24

＜プロテウス＞：ハンチントン・インガルス・インダストリー社（が2015年1月に買収したコロンビア・グループ傘下エンジニアリング・ソリューションズ・グループ）が開発したDMUV（Dual Mode Underwater Vehicle）、Proteus。魚雷状をしており、前後に垂直スラスターと水平スラスターを装備、細かい操船や姿勢制御が可能である。有人でも無人でも運用可能で、搭乗区画（無人運用時は機材収容区画になる）は水密構造ではないため、搭乗者は潜水服を着る必要がある。前端に障害物回避用マルチビーム・ソナー（使用周波数300kHz）を搭載しており、他にカメラ４台、GPS、フォトニック慣性航法装置も積んでいる。通信装備はVHF、イリジウム衛星、ベントス・モデム（Benthos modem。水中通信用）、OTS（Ocean Technology Systems）潜水者通信。全長7.82m、幅1.61m、高さ1.62m、排水量4.12トン。推進はリチウム・ポリマーによる電動モーター＋プロペラ１軸で、巡航速力８ノット、最大速力10ノット。運用深度は有人50m、無人70m。乗員２名で、特殊部隊４名を乗せられる。2012年に製作され、アメリカ海軍が試験艇として使用した。参考：月刊軍事研究8,’15

＜プロテウス級＞：アメリカ海軍給炭艦Proteus級。AC-9プロテウス、AC-10ネレウスが就役した。参考：月刊JWings7,’23

＜プロテクター＞：A173（氷海警備艦）またはAOE-509（補給艦）またはMQ-9海外シリーズ（UAV）を参照。

＜プロテクター＞：コングスバーグ社が開発した遠隔操作銃塔。機銃、FLIR、ビデオカメラ、４連装発煙弾発射機M6が４基、４軸安定化装置、目標自動追尾装置が付いており、車内でディスプレイを見ながら制御グリップで操作する。チャレンジャー２の砲手用と同じインターフェースを装備することも可能。M240機銃搭載時の重量は98kg。参考：月刊軍事研究8,’16、9,’06、9,’09

＜プロテクター海外シリーズ＞

　＜Ｍ１５１＞：アメリカ陸軍ストライカー装輪装甲車用で、12.7mm機銃M2または40mm自動てき弾発射機Mk19Mod3を装備する。全周旋回可能、俯仰角マイナス20度からプラス60度、旋回速度毎秒80度、俯仰速度毎秒80度。参考：月刊軍事研究8,’16

　＜Ｍ１５１Ａ２＞：M151の命中精度を向上させたタイプ。参考：月刊軍事研究8,’16

＜プロテクターＭＣ＞：コングスバーグ社が開発した遠隔操作砲塔で、MCはMedium Caliber（中口径）の略。25-50mmの機関砲を搭載でき、同軸に7.62mm機銃を備え、上面にプロテクター・ライト遠隔操作銃塔を、側面に対戦車ミサイルを装着可能。サーブ社製LEDS150アクティブ防御システムを装備して防御力強化も図れる。重量２トン。主砲俯仰角はマイナス10度からプラス60度。参考：月刊軍事研究9,’10

＜プロテクターＲＡＭ＞：コングスバーグ社が開発した遠隔操作砲塔で、プロテクターCROWSに12.7mm機銃とM72ロケットランチャー（ノルウェーのナモ社が開発した有効射程200mの汎用弾頭を装備）３基を搭載している。参考：月刊軍事研究10,’08

＜プロテクターＵＧＶシリーズ＞：アメリカ陸軍SMETにHDTグローバル社が提案している装軌式無人車両Protector。参考：月刊軍事研究2,’17

　＜プロテクターＭｋ１＞：車体上面全体がフラットな荷台になっている。下部転輪はダブルタイプ片側５組、前方に誘導輪、後方に起動輪がある。ペイロード227kgの専用トレーラーを牽引する。CH-47に８両載せたり、歩兵分隊２個18名と一緒に２両載せてそのまま分隊支援に投入したりできる。UAVとケーブルで繋いでUAVに電力を供給し、UAVは高度300mくらいでISR任務や通信中継を行うという用法も研究中。全長2m、全幅0.9m、全高1.1m、重量450kg。ペイロード227kg＋トレーラー227kg。エンジンはディーゼルで、速度8km、航続距離100km（フルペイロード）。参考：月刊軍事研究2,’17

　＜プロテクターＭｋ２＞：下部転輪はダブルタイプ片側５組、前方に誘導輪、後方に起動輪がある。全長2.3m、全幅1.4m、全高0.9m。ペイロード454kg。2017年に完成する予定。参考：月刊軍事研究2,’17

＜プロテクターＵＳＶシリーズ＞：イスラエル海軍無人艇Protector。参考：月刊丸5,’07

＜プロテクターＵＳＶ＞：イスラエルのラファエル社とエアロノーティクス・ディフェンス・システムズ社が共同開発し、2003年10月からイスラエル海軍がテストして採用された。RHIBをベースにしており、船型はディープＶ型で、底部はグラスファイバーもしくは強化プラスチック製、舷側部分に硬式浮嚢が付いている。船体上には水上センサーと兵器システムの両方を取り付けており、捜索レーダーとトップライト電子光学センサー・ターレットを持つ。GPSやジャイロレーダーを使用して自艦位置を把握できる他、半自動遠隔制御装置、航法装置、自動回避装置、自動安定化装置などが装備されており、遠隔操作時のオペレーターの負担を最小限に止める。兵器システムはラファエル社製ミニタイフーン遠隔操作式安定化7.62mm機関銃座をベースにしたものを搭載していて、12.7mm機関銃や40mmてき弾発射機に換装でき、夜間用サーチライト、トップライト電子光学方位盤、レーダー、レーザー測距器、FLIR、ビデオ録画装置、スピーカー、マイクロホンも装備する。船体長9m（硬式浮嚢を膨らませると11m）。主機はディーゼル、推進はウォータージェットで、最大速力40ノット。操作員は２名で、陸上または艦上の管制所に位置し、１名が航行を、もう１名が機関銃やミッションモジュールを制御する。最大遠隔操作距離16km。対反乱用、部隊援護、ISR、機雷戦、電子戦、精密攻撃などに使用できるとされる。シンガポール海軍も採用してポスト・イラク戦争でのペルシャ湾掃海任務に投入した。参考：月刊丸5,’07、月刊軍事研究2,’17、3,’09、11,’04、2,’07、12,’09、4,’11、月刊世界の艦船4,’10、4,'22、朝雲

　＜プロテクターＵＳＶ改＞：ユーロネイヴァル2012で展示された改良型。船体を一回り大型化し、推進系を２系統に増やして航続力を強化した。全長11m。最大速力38ノット、航続時間は８ノットで48時間。参考：月刊軍事研究3,’13

＜プロテクター４５型＞：バブコック・マーリン社の開発した外域哨戒艇で、エクアドルが採用した。全長45m、基準排水量300トン。主機はMTU16V4000M90が２基とMTU12V4000M90が１基で、最大速力25ノット以上。乗員27名。前甲板に砲を１門装備でき、5.2m高速艇１隻を搭載できる。参考：月刊軍事研究6,’04

＜プロテクターＲＧ．１＞：MQ-9海外シリーズ（無人機）を参照。

＜プロテクター級＞：イギリス海軍氷海警備艦Protector。元はノルウェー砕氷船ポーラービョルンで、イギリス海軍が2011年から３年の予定で借り上げ、2013年に購入したものである。ヘリコプター甲板を船橋上から後部甲板に移し、音響測深儀などを最新式に換装、艦載艇をLCVPに変更するなどの改装を施した。全長89.7m、満載排水量4985トン。主機はディーゼルで、出力9602馬力、速力14.5ノット。兵装は7.62mm機銃２丁。乗員88名。A173プロテクターが2011年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’16、2,’12

＜プロテクター級＞：カナダ海軍補給艦Protecteur級。全長171.9m、全幅23.2m、吃水10.5m、満載排水量24700トン。航続距離は20ノットで41000海里。自衛用に20mmCIWS２基と12.7mm機銃６丁を搭載する。AOE-509プロテクターとプリザーヴァーが1969-70年に就役した。海洋汚染防止の国際取り決めに基づき、2010年までで一重底のタンカーが使用できなくなるため、本クラスも運用不可となり、2014年に退役した。後継としてJSSの開発に入ったが、予算の関係でやり直しになり就役が遅れ、外国補給艦に頼ると共に、繋ぎの給油艦アステリクスを導入する羽目になっている。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊世界の艦船12,’12、4,’18

＜プロテクター・スーパー・ライト＞：コングスバーグ社とラインメタル社が共同開発した遠隔操作銃塔。5.56mmもしくは7.62mm機銃と、全天候センサー、安定化装置が組み込まれている。三脚に載せて設置することも可能。システム重量40kg以下。参考：月刊軍事研究6,’11

＜プロテクター・ライト＞：コングスバーグ社が開発した遠隔操作銃塔で、ストライカーに搭載されているプロテクターの軽量化型である。全周旋回可能な無人銃塔にCCDカメラ、赤外線カメラ、レーザー測距機（有効距離6km）、二軸安定化装置を組み込んであり、7.62mm以下の小火器を搭載できる。重量は火器無しで74kg、M240機銃搭載で90kg。また、M72ロケットランチャーを３基装備したタイプ（プロテクターRAMのことか？）も開発された。装甲化HMMWVなどに搭載できるとして売り込みを図っている。参考：月刊軍事研究9,’06

＜プロテクティブ・エッジ作戦＞：パレスチナ自治区を参照。

＜プロテクティブマスク＞：ガスマスクを参照。

＜プロテクテッド・パーソナル・トランスポーター＞：ダイムラー・クライスラー社と南アフリカのLMTプロダクツ社が開発した装輪装甲兵員輸送車。メルセデス・ベンツ社製６×６輪トラック、アクトロスをベースとしており、キャビンと兵員室（ISO規格の6.1mコンテナを使用。20名搭乗）は装甲化（NATOレベルN2・7.62mm通常弾防御）され、耐地雷能力（レベル3b）も持つ。兵員室左右に５ヵ所ずつ、後部に１ヵ所の防弾窓付きガンポートがある。南アフリカ陸軍で採用を争っている。参考：月刊軍事研究9,’06

＜プロトイ＞：バングラデシュ海軍コルベットProttoy。2019年10月8日、ダージョイ級哨戒艇ダージョイと共に、MST-464ぶんご、MSC-603たかしまと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船12,’19

＜ブロトニアク＞：ポーランド海軍小型潜水艇Błotniak。主機は電動モーター１軸、速力５ノット、航続距離50海里。1978年に開発され、グディニア港に配備された。グディニア海軍博物館の屋外に展示されている。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜ブロニントン＞：M1115（トン級機雷掃討艇）を参照。

＜プロヌンシアミエント＞：宣言を参照。

＜プロバイダー＞：C-123シリーズ（輸送機）を参照。

＜プロバイダーズ＞：VRC-30（飛行隊）を参照。

＜プロバイド・コンフォート作戦＞：湾岸戦争後、イラク北部のクルド人を支援するためにアメリカが行った作戦。1996年12月31日以降はノーザン・ウォッチ作戦と改称された。参考：月刊軍事研究5,’03

＜プロパガンダ＞：Propaganda。直接的または間接的に、スポンサーの利益達成のために、また国家目的を支援するために、ある特定の価値観を喧伝することによって、世論を含むあらゆる団体の感情・態度・行動を意図した方向に向けるよう企図された、組織的な宣伝活動。無意識的に扇動するのが目的のため、影響を受けたかどうかは本人も気付いておらず、効果を判定するのは困難である。出所が明らかな真実を流すホワイト・プロパガンダ、出所が不明もしくは秘匿された真実を流すグレー・プロパガンダ、内容が虚偽もしくは誇張のブラック・プロパガンダがある。参考：月刊軍事研究10,’10、月刊エアワールド10,’03

＜プロパガンダ放送（ヘリコプター）＞：20秒以内のメッセージ放送に止め、被撃墜を避ける。拡声器での放送に最適の高度は、ホバリングで900-1200m、旋回時は600-900m。湾岸戦争ではUH-1Nにより行われた。月刊エアワールド10,’03

＜プロバンス＞：ブレゲー763（旅客機）を参照。

＜フロビッシャー＞：I81（軽巡洋艦）を参照。

＜プロフィンテルン＞：ロシア海軍スヴェトラーナ級軽巡洋艦Profintern（国際赤色労働組合）。1925年2月5日、スヴェトラーナから改称された。1928年7月1日竣工、バルチック艦隊に配備された。1929年11月29日、黒海艦隊に配備され、クロンシュタットを出港、セヴァストポリに向かった。1930年1月18日、6269海里の航海を終えてセヴァストポリに到着。1935-36年、近代化改装を行い、新型高角砲を装備。1939年10月31日、クラスニイ・クリムに改称された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜プロフェッショナル・エアマンシップ・プログラム＞：防衛省・自衛隊が開催する空軍種間信頼醸成プログラムPAP。日・ASEAN防衛協力指針ビエンチャン・ビジョンに基づくもので、信頼醸成及び国際法認識共通化促進による地域安定への貢献を主目的とする。第１回は2019年7月8-11日に防衛省、入間基地、美保基地などで行われ、ASEAN事務局１名、シンガポール文官１名、全加盟国佐官級空軍パイロットら10名の計12名が参加、7月8-9日に航空分野の安全保障や国際航空法に関するシンポジウムを行い、7月10日に入間基地航空医学実験隊を訪問して訓練装置見学と空間識訓練体験を実施、7月11日に美保基地第３輸送航空隊で物量投下訓練や施設を視察、基地間移動の際はC-1及びC-2輸送機に体験搭乗した。参考：月刊航空ファン10,’19、月刊JWings9,’19、朝雲

＜プロフェッショナルズ＞：VAH-123（飛行隊）を参照。

＜プロフェット＞：アメリカ軍の電子情報車両で、レーダーや無線交信の傍受、電子妨害などを行う。システムはHMMWVに搭載され、高さ5mの伸縮式アンテナを使用する。参考：月刊軍事研究9,’05

＜プロペラ＞：Propeller、スクリュープロペラ、螺旋推進器。機関から発生した回転力を、回転軸に取り付けた数枚の羽根（プロペラブレード）の揚力によって推進力に変えるものである。船舶用推進器として1730年頃から開発され、当初は１枚の板をネジの歯のように推進軸に巻き付けていたが、推進効率が悪かった。1836年、イギリス人のフランシス・スミスとスウェーデン人のジョン・エリクセンが２回転の螺旋推進軸をテストしていた際、スクリューの一部が欠けてしまったが、かえって船のスピードが増すという出来事があり、推進軸に数枚のプロペラ翼を取り付けた形に変更されて1840年頃に実用化された。1842年、初のプロペラ推進軍艦であるイギリス海軍ラトラーが就役した。1845年4月3日、ラトラー号は同クラスの外輪船であるアレクト号と綱引きを行い勝利。砲撃や波浪の被害を受けにくいことなどもあり、これ以降イギリス海軍はスクリュープロペラ推進艦を採用することとなった。固定翼機ではライト兄弟のライトフライヤー時代からプロペラ推進を使用したプロペラ機である。回転方向は飛行・航行方向にみて右回り（右ねじ）・左回り（左ねじ）とする。羽根の形状で丸型、カプラン型、スキュー型（烏帽子型）、ハイスキュー型、ピッチ変更機構によって固定ピッチ、調整ピッチ、可変ピッチ（変更範囲によってフェザリング／フルフェザーとリバース・ピッチ／可逆ピッチ）、羽根列数で単一回転と二重反転に分類される。遅い流れの中で回転させる方が効率が良いため、船では船尾の境界層（ウェーク）の中に設置する。羽根の断面は飛行機の翼断面と同じ形状で、羽根の前後面の圧力差を推力にして推進する仕組みだが、回転速度が増すと推力が減少する（プロペラ効率が悪化する）という欠点があり、翼前面の圧力が飽和蒸気圧を下回るとキャビテーションが発生する他、プロペラ先端が音速に近づくと圧縮性の影響を受けて推力が極端に落ちたり、衝撃波でプロペラが破壊されたりするので、先端速度を音速の90%以内に抑えると良い。プロペラ機で高速を出せるよう、後退角付きの超音速プロペラが研究されたりもしたが、実用化には至らなかった。トルクの大きいエンジンでは羽根の枚数を増やせば効率を上げられるが、無闇に枚数を増やすと抵抗になってエンジン出力を無駄に消費するので、注意が要る。当初は木製だったが、耐久性に劣るという欠点があり、重量増や振動減衰力低下という短所を忍んで金属製に変わっていった。参考：図解雑学　船のしくみ、月刊防衛技術ジャーナル10,’06、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船9,’17、飛行機のはなし、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings8,’16、月刊航空ファン8,’19、10,’19

　＜プロペラ（日本海軍航空機）＞：大正末期に三菱内燃機がライセンス生産したリード式金属プロペラは性能がイマイチで、中島飛行機がハミルトン・スタンダード社からライセンス生産権を得た地上ピッチ変更可能なハブ・ブレード分離式金属プロペラを導入した。ただ軍民ともに木製プロペラが主力だったため、中島飛行機では金属プロペラの開発生産には積極的では無かった。昭和7年11月、海軍航空本部技術部長山本五十六少将がプロペラ用ジュラルミンを生産していた住友伸銅鋼管を訪れ、中島飛行機に代わって金属プロペラの量産を行うよう要請。住友伸銅鋼管では海軍施設での基礎共同研究と将来的な陸軍への納入を条件に受諾し、中島飛行機からハミルトン・スタンダード社の金属プロペラ製造権を譲渡され、昭和8年5月に住友伸銅鋼管製九〇式艦戦用固定ピッチ金属プロペラが初完成した。昭和8年頃、金属プロペラを住友伸銅鋼管及び日本楽器、木製プロペラを愛知時計及び川西航空機で製造することになった。昭和12年、住友金属工業がハミルトン・スタンダード社から定速プロペラのライセンス生産権を取得。昭和14年4月、ハミルトン・スタンダード式定速プロペラを装着した十二試艦戦（後の零戦）が初飛行した。昭和15年、日本国際航空工業がフランスのラチエ社から定速プロペラのライセンス製造権を取得したが、海軍機では使用されなかった。参考：月刊航空ファン10,’19

　＜プロペラ（日本陸軍航空機）＞：最初は推進機という名称で、大正7年頃に螺旋機になり、大正13-14年に「ぷろぺら」、直後に「プロペラ」になった。ただ大正13年の陸軍調達弁済書類では「ぷろぺら」だが、大正12年の航空用語調査委員会設置に関する件では既に「プロペラ」という用語が使われていて、多少の前後があるかもしれない。また、書類によっては「」無しで単にプロペラとなっている。プロペラブレードの枚数は翅でなく翼で数える。プロペラ直径は中径と称し、ピッチは羽角と表記されていることもある。木製プロペラの原木は、十分な硬度があり、油脂が少なく接着性が高いマホガニーやクルミを使用したが、国内産が少なく、ほぼ輸入していた。厚さ20mmの板に加工して加圧接着し、職人が鉋で削ってプロペラに仕上げる方式で、当初は陸軍が自作していたが、大正10年3月からは主にピアノ作りで木工作業に長けた日本楽器製造が製作している。木目は付け根から翼端の向きで、木目に沿って割れる縦割れが起きることもあった。ただ硬いといっても高速回転で雨に当たるうちに前縁がボロボロになってしまうため、大正14年10月に陸軍航空本部長が陸軍大臣にプロペラブレード前縁を金属でカバーしたい旨の上申書が出されて認可された。機種によってカバー範囲が異なっており、ブレード端部前後縁からブレード付け根付近まで覆っていたり、端部から中央あたりの前縁のみだったりする。大正14年、研究用に輸入したHD.19がリード式金属プロペラ（をフランスでライセンス生産したもの）を使用しており、三菱内燃機でライセンス生産して八七式軽爆と九二式偵察機に搭載した。昭和6年頃、川崎造船飛行機工場がドイツのシュワルツ社が開発した半硬化積層材方式マントルプロペラの製造権を獲得することになり、昭和7年3月に技師を派遣して技術を習得、プロペラに仕上げたら麻布を被せ、酢酸繊維系塗料皮膜（セルロイド）で覆ってゴム袋の中に入れ真空加熱し、全体を厚さ1mmのセルロイド被膜で覆うと共に麻布を通じてプロペラ木部にもセルロイドを浸透させる被包式プロペラ（甲型）として完成させた。これにより縦割れが３分の１に減ると共に、樅などの軟木も素材として使えるようになり、九二式戦闘機と九三式軽爆が採用した。マントルプロペラでは前縁に保護金具として黄銅の網を付けていたが、被包式プロペラ（甲型）では依然と同様の金属カバーを付けている。昭和8年頃、金属プロペラを住友伸銅鋼管と日本楽器、木製プロペラを日本楽器で生産することになった。昭和9年、日本陸軍が川崎造船飛行機工場に被包式プロペラ（甲）の製造権を日本楽器製造に譲渡するよう要請。川崎が断ったため、陸軍が日本楽器製造にコピーを打診、特許が製造法に関するものだったため、プロペラブレードを真鍮網で覆ってセルロイド溶液を何重にも塗布する方式を開発、甲型との比較試験で勝ち、甲型に代わって被包式プロペラ（乙型）として制式化された。秋、住友伸銅鋼管に初めてプロペラを発注した。昭和10年10月、初の住友金属工業製ハミルトン・スタンダード式可変ピッチプロペラ（九六式陸攻向け）が完成した。昭和12年、住友金属工業がハミルトン・スタンダード社から可変ピッチプロペラのライセンス生産権を取得し、昭和13年から住金プロペラ製造所で量産した。日本楽器製造も同社とライセンス交渉を行ったが、先を越されたため、カーチス社製電動モーター式の方を取得、その後の住友金属工業と日本楽器製造との交渉で両ライセンスを２社が共同所有する形にしている。昭和14年、住友金属工業がVDM（フェライニヒテ・ドイッチェ・メタル・ベルケ）社から可変ピッチプロペラのライセンス生産権を取得し、昭和18年から住友VDM式を量産した。昭和15年、日本国際航空工業がフランスのラチエ社から電動モーター式可変ピッチプロペラのライセンス生産権を取得し、陸軍向けに生産した。昭和18年11月頃、金属節約のため木製プロペラを使うことになり、昭和18年度には陸軍が九九式軍偵、四式重爆、キ105など向けの木製プロペラ生産指示を出した。この際、川崎航空機が日本楽器製造へと正式にシュワルツ式プロペラの製造権を譲渡している。これに先立ち、日本楽器製造では昭和15年頃にユンカース社の人工樹脂含浸木製薄板を高圧加熱接着する可変ピッチプロペラ用プロペラブレード製造法の特許を取得しており、太平洋戦争開戦で図面を取り寄せられなくなったが、独力で完成させている。素材は原型ではブナ材だが、日本楽器製造ではカバ材を使った。プロペラ（金属製・木製）製作会社は日本楽器製造含め14社あり、日本楽器製造以外にも数社が木製ブレードを作っていた模様。ブレード以外のハブや可変ピッチ機構は金属プロペラと同じものを使っており、プロペラの最終組立は住友金属工業が行った。参考：月刊航空ファン8,’19、9,’19、10,’19

＜プロペラ・ガード＞：艦船のスクリュープロペラを他艦船の接触から守るための鉄柵。艦尾水線上に取り付けられており、これがぶつからなければ水面下のプロペラもぶつからないようになっている。参考：月刊JWings2,’00、艦船メカニズム図鑑

＜プロペラ機＞：プロペラにより空気を後方に押しやって推進力を発生させる航空機のこと。プロペラがエンジンの前にあるプル・プロペラ機、後ろにあるプッシャー・プロペラ機、両方組み合わせたタンデム・プロペラ機がある。時速500km以下（対気速度400ノット以下？）くらいではジェット機より効率や安定性に勝り、空気の濃い低空でも有利である。プロペラやエンジンの性能限界から最大速度が制限されるという欠点があり、レシプロ機ではP-51改造機の時速803.1km、ターボプロップ機ではTu-142の時速900kmくらいが限度である。参考：飛行機のはなし、図解世界の軍用機史、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings8,’16、10,’17

＜プロペラ・キャビテーション＞：チップ・ボルテックス・キャビテーションを参照。

＜プロペラ効率＞：Propeller efficiency。プロペラ機やプロペラ推進艦船における、エンジンパワーからプロペラ推力への変換率。プロペラ推力Ｔと飛行速度・航行速力Ｖの積（有効な仕事）を、エンジン出力Ｐ（馬力）で割った比TV/Pである。推力係数CTと出力係数CPを用いれば（CT/CP）（V/nD）で、推力係数・出力係数の比と進行率V/nDの積となる。プロペラだけの時と機体や船体と組み合わせた時とで異なってくるが、普通はそこまで気にする必要は無い。通常の金属プロペラなら70-75%くらい、木製プロペラならそれより数％低く、二重反転プロペラだとそれより高くなり、大直径プロペラを低速で回した方が効率が良い。効率曲線は羽根角が一定なら進行率の関数になり、進行率ゼロで効率ゼロ、ある進行率で効率が最大になり、それを過ぎるとまた効率ゼロまで急激に低下する。羽根角が増えると効率曲線は進行率の大きい方に移動し、最大効率も増加するが、75%半径の羽根角が45度くらいを境に最大効率は減少に転じ、羽根角90度のフェザリング状態で最大効率ゼロになる。プロペラの羽根を薄くする（厚さと羽根幅の比を小さくする）と効率が上がるが、振動やフラッターが起きやすくなるので注意。飛行速度が速くなるほど低下し、プロペラ先端が音速に近づく（空中なら毎秒300mくらい）と、がた落ちになる。このため、プロペラ推進は低速機では有利な推進方法で、静止推力に優れる（3000馬力プロペラが推力4.5トンのジェットエンジンに相当する）が、スピードが上がるほど効率が落ちていき、最大速度は800-900kmしか出すことができない。艦船ではプロペラ回転速度が速くなるとキャビテーションが発生し、最悪プロペラが壊れる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings1,’03、図解雑学　船のしくみ

＜プロペラ後流＞：Propeller slipstream。プロペラで加速された管状の気流のこと。プロペラ各断面から後方に流出する螺旋状の渦糸で編まれた、プロペラ回転面よりも断面積が小さい円柱状の流れである。エネルギーが大きいので、この流れの中にフラップなどを置くと、気流が剥離しにくく高い効果を得られる（プロペラ後流効果）。ただし気流に捩れがあるため当たる角度次第で効果が薄れるのと、気流が脈動しているのでフラッターを起こす恐れがあるのが注意点である。プロペラ後流の中に垂直尾翼がある場合、後方から見て右回転するプロペラなら垂直尾翼の左側、左回転なら右側に螺旋状のプロペラ後流が当たるので、機首がその反対側を向こうとするため、注意が要る。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings8,’23

＜プロペラシャフト＞：推進軸ともいう。トランスミッションの回転力を車輪やプロペラに伝える回転軸のことである。車両の場合、前後方向に回転を伝える回転軸で、途中にフックジョイントが設けられていて、前後の車軸が上下に動いてプロペラシャフトが折れ曲がっても回転力を伝えられるようになっている。プロペラシャフトが長い場合、センターベアリングを設けてシャフトを支える。艦船の場合、機械室から船外に突き抜けているので、防水機構を備える必要があり、高い水圧のかかる潜水艦では多段型メカニカルシールにより浸水を防いでいる。プロペラで発生した推力はプロペラシャフトからスラスト軸受を介して船体に伝達されるが、推進力と軸方向にかかる水圧に耐え、更にプロペラが何かにぶつかっても主機に衝撃を伝えず、プロペラシャフトの雑音を外部に漏らさない軸受構造を要する。参考：自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典、月刊世界の艦船11,’16

＜プロペラ・シンクロナイザー＞：Propeller synchronizer。多発機のプロペラ回転数を同調させる装置のこと。各プロペラで回転数が違うと唸りや振動の原因となり、機体と共振を起こす事もあるので、それを防ぐために搭載される。初期は各プロペラの回転計を見ながら手動で制御していたが、第２次大戦後から自動化された。各プロペラに調速器が取り付けられており、プロペラ回転数に比例して調速器から発生する電流の差により電動モーターが作動し、主エンジンと回転数が同調するよう調速器の調速バネを制御する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜プロペラ・シンクロフェザー＞：Propeller Synchrophaser。多発機のプロペラ位相（ブレードの位置）を同調させたり、差を一定にしたりする機構。プロペラ・シンクロナイザーに追加され、機体振動を軽減する効果がある。ブレードの位置を電気的に検出し、調速器の調速バネを制御して位相を調整する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜プロペラ同調機銃＞：発射した弾丸がプロペラブレードに当たらないようにするための装置を搭載した機銃のこと。機首にプロペラを持つ航空機が機首に機関銃をそのまま搭載すると、自分のプロペラを弾丸で吹き飛ばしてしまうので、それを防ぐ機構が必要となる。1913年にスイス人のフランツ・シュナイダーが、クランクとカムにより銃口の前にプロペラが来た時だけ発射しなくなる機構を開発して特許を取った。これをオランダ人のアントニー・フォッカーが改良して第１次大戦時にフォッカーE1に搭載したが、特許争いになってシュナイダーが勝訴している。第１次大戦後はジョルジュ・コンスタンチネスコとC.C.コリーがC.C.同調装置を開発し、広く採用された。参考：グラフィックアクション36、月刊丸6,’01

＜プロペラの不均衡荷重＞：プル／プッシャー・プロペラに生じる推力の左右差のことで、Ｐファクターともいう。プロペラ・ブレードの迎え角が回転面の左右で異なるために生じ、後方から見て右回転するプロペラだと左方向へのヨーイングが発生し、特にピッチアップした際に強く影響する。参考：月刊JWings8,’23

＜プロペラ・ボス＞：プロペラシャフト先端部のこと。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜プロペルド・デコイ＞：ブラウンズウィック社が開発したデコイ用RPV。全長2.24m、重量136kg。推進はロケットモーター。参考：スパイ機

＜プロポロフカ大戦車戦＞：第２次大戦時のツィタデレ作戦において、1943年7月12日からクルスク南翼のオボヤン地区プロポロフカ村で行われた戦車戦。ここには鉄道が通っており、ソ連軍の増援拠点として機能していた。7月6日、ドイツSS第２装甲軍団はルチキ村、グレスノエ、テテロウィノを占領し、東からやってくるソ連軍予備の機甲部隊を食い止めるためプロポロフカ村へと向かうことになった。隷下３個SS師団のうち、正面にLAH師団（基幹戦力はヴィットマン率いる�Y号戦車４両、�W号戦車60数両、少数の�V号戦車とマルダー）を配し、右翼にSS第２装甲てき弾兵師団、左翼にSS第３装甲てき弾兵師団を置いて北東へと前進を開始。これを阻止するため、7月7日にソ連第５親衛戦車軍（戦力はチャーチルMk.�V21両、T-34戦車304両、軽戦車180両、自走砲など）が出撃してスターリィ・オスコルの南西に集結、7月9日早朝からプロポロフカ北方への進出を開始した。7月11日、ソ連第５親衛戦車軍がプロポロフカへの前進を開始。プロポロフカに向かっているドイツ軍には700両の戦車が配備されているという情報を得たため、第１梯団に全ての戦車を配置した。LAH師団はプロポロフカ前面への攻撃を開始。軽微な抵抗を排除してもぬけの殻の対戦車壕を突破し、プロポロフカ前面の高地を占領、隣接部隊の前進を待った。7月12日朝、第５親衛戦車軍は攻撃を開始。タンク・デサントを鈴なりに乗せて大量の戦車がLAH師団に殺到した。しかしLAH師団は地形を活かし、反斜面や対戦車豪の反対側に陣取って反撃。ソ連軍はドイツ軍重戦車に対して零距離での砲撃戦を仕掛けるように指導されていたらしく、外部視察装置を殆ど持たないT-34は無謀な突進を続け、次々と撃破された。SS第１戦車連隊第６中隊（�W号戦車Ｇ型７両装備）の前面には150両のT-34が押し寄せたが、ドイツ戦車がいることにすら気付かず、逆に零距離射撃で撃破される有様だった。7月14日まで続いた戦闘で、ソ連軍は256両の戦車・自走砲を失い、374両を維持したに過ぎなかったが、LAH師団は被弾戦車を復旧して戦車戦開始時と同じ戦力を保っていた。参考：月刊PANZER9,’00、8,’04、11,’99、月刊軍事研究10,’13

＜プロポーショナル・ナビゲーション・コース＞：比例航法コースを参照。

＜プロボスト・シリーズ＞：イギリス空軍基本練習機。パーシバル社が開発して1950年2月24日に初飛行し、1953年から配備された。主翼は低翼配置の直線テーパー翼。降着装置は尾輪式固定脚。エンジンはレシプロ単発。輸出用含め計461機が生産された。参考：月刊JWings5,’23

＜プロボスト海外シリーズ＞

＜プロボストＴ．５３（ビルマ空軍）＞：ビルマ空軍のCOIN機。1954年に40機を購入し、武装勢力掃討に投入した。1976年に退役した。参考：月刊航空ファン12,’16

＜ブロマイド作戦＞：第２次大戦時にイギリスが実施した、Ｘ装置妨害作戦。陸軍のレーダーを改造した波長4mの妨害装置を製作、1940年11月11日にＸ装置からの電波をキャッチして空襲に備えた。ただエニグマ暗号解読装置が故障して正確な爆撃目標が分からず、妨害電波を送ったものの送信したモールス信号音が不正確で、11月14-15日にコベントリーが499機のドイツ軍機による爆撃を受けて500人の死者を出し、工場群の３分の２と家屋の４分の３が破壊された。その後、11月6日に不時着したHe111から手に入れたＸ装置を解析し、妨害電波の波長を絞り込むなどの改良を加え、1940年12月までに17基の妨害装置がイギリス各地に配備された。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ブロム・ウント・フォス社＞：Blohm+Voss。1877年に造船技術者のヘルマン・ブロームと機械技術者のエルンスト・フォスがハンブルクのクーヴェルダー島に設立したブロム・ウント・フォス造船所（船台５基）がおおもとである。1880年に３本マストの鉄製帆船を引き渡したのが最初の造船で、２番目は外輪蒸気船（引き渡しは1979年と、１番目の船よりも早い）であった。1880年代から浮きドックの整備に入り、1908年までに５基を完成させている。最初に建造した軍用艦船は軽巡洋艦コンドルで、1892年11月15日にドイツ帝国海軍に引き渡された。1902年、初めて戦艦（カイザー・カール・デア・グロッセ）を建造して引き渡した。1908年、蒸気タービン艦の軽巡ドレスデンを引き渡した。第１次大戦前には巡洋戦艦を建造、大戦中は軽巡洋艦ケルン（２代目）や駆逐艦、潜水艦を造った。初めて建造したディーゼル艦は1914年3月竣工の貨物船である。第１次大戦後は民間船の建造を行い、ベルサイユ条約に適合した駆逐艦のうち３隻と、F-1級護送艦のうち２隻を作った。1933年、ハンブルガー航空機製造会社を設立。再軍備宣言後はアドミラル・ヒッパー、ビスマルクを建造。Ｚ計画でＨ級戦艦やＭ級戦艦を造る予定だったが、1939年にキャンセルされ、第２次大戦中は潜水艦を大量生産した。1943年7月末からのゴモラ作戦でハンブルク市街ごと壊滅したが、終戦まで潜水艦の建造を継続、1945年中にも21隻を作っている。第２次大戦終結後は暫く造艦を禁じられ、修理を行っていたが、1954年に竣工した浮きドックを皮切りに建艦を再開。1958年、西ドイツ海軍向けの帆船練習艦ゴルヒ・フォック（２代目）を建造。1960年代末、ポルトガル海軍向けコルベットで水上戦闘艦の建造を再開。次いでMEKOコンセプトを発表し、世界各国への輸出に成功した。ドイツ海軍向けとしてはF122級のうち２隻を1983-84年に建造。ドイツ統一後、F123級を１隻、F124級を１隻、K130級を２隻建造した。2005年1月5日、ティッセン・クルップ社マリン・システムズ・グループの子会社となった。UAEのアブダビMARグループの子会社になるという話もあったが、2011年にイギリス投資会社スター・キャピタル・パートナーズに買収された。2016年9月28日、リュールセン・ヴェルフトが買収したと発表した。参考：月刊軍事研究1,’10、月刊世界の艦船12,’16

＜ブロム・ウント・フォス式蒸気タービン（ビスマルク）＞：ドイツ海軍戦艦ビスマルクの主機で、ブロム・ウント・フォス社製。改良パーソンズ式高中低圧オールギヤードタービンで、前進高圧が１段目カーチス衝動＋２段目以降反動、中圧が反動、低圧が双流反動、後進高圧がカーチス衝動１段、低圧が双流反動である。毎分回転数は前進高圧2825回転、中圧2825回転、低圧2390回転、プロペラ265回転、後進高圧2025回転、低圧1715回転、プロペラ190回転。参考：月刊丸4,’17

＜ブロム・ウント・フォス社造船航空機製造部門＞：ブロム・ウント・フォス社の航空機製造部門で、1933年7月にハンブルガー航空機製造会社として誕生した。ハンブルクに工場を持ち、第２次大戦中は飛行艇の生産などを行った。参考：歴史群像2,’08付録、月刊軍事研究1,’10

＜フロム・ザ・シー戦略＞：アメリカ海軍が1992年に採用した戦略で、正確には「Forward…From the sea」。移動が自由で長期展開に堪えられる海上戦力により、海から戦力投射と補給を行って戦争を遂行するというものである。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜ブロムベンジルシアニド＞：催涙ガスの１種。常温では無色の液体で、芳香性の辛子臭を持つ。半数致死量は8000-11000mg・min／立方メートル。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜ブロメオ＞：UH-60ファミリー（ヘリ）を参照。

＜風呂飯＞：陸上自衛隊のスラングで、駐屯地居住隊員が、居室を出て入浴と食事を一気に済ませること。いちいち入浴セット（タオルなど）を居室に取りに行ったり戻したりする時間を節約できる。参考：MAMOR vol.164

＜プロメテーイ＞：S-500（防空システム）またはアンテイ（VLF通信システム）を参照。

＜フロリアン・ガイエル＞：SS第８騎兵師団を参照。

＜フロリダ＞：BB-30（フロリダ級戦艦）またはSSBN-728（弾道ミサイル原潜）またはSSGN-728（巡航ミサイル原潜）を参照。

＜フロリダ沖海戦＞：太平洋戦争時のい号作戦初日に行われた海戦で、連合軍呼称は無い。昭和18年4月7日、第３艦隊及びラバウル基地航空隊の零戦158機、九九艦爆69機がツラギ付近の敵艦船を攻撃に向かったが、連合軍はブイン基地への事前航空偵察で日本海軍航空戦力が急速に増強されていたのを掴んでおり、ブーゲンビル島周辺のコースト・ウォッチャーによる監視態勢を強化し、ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場への戦闘機増派を行っていて、飛来する日本軍機の動向を事前にキャッチすると、ヘンダーソン飛行場の戦闘機76機により迎撃した。日本海軍側戦果は、DD-483アーロン・ウォード撃沈、貨物輸送艦アドハラ及び給油艦タッパハノク損傷（駆逐艦・コルベット・大型油槽船１隻ずつ撃沈？）、戦闘機７機撃墜だった。日本海軍側の損害は零戦12機と九九艦爆９機である。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、ラバウル航空戦、日本海軍艦隊総覧

＜フロリダ級＞：アメリカ海軍戦艦Florida級。デラウエア級の改良型で、当初は35.6cm砲を搭載する予定だったが、開発が遅れ、結局30.5cm砲のままで完成した。第２煙突が後部マストの前に移り、副砲を最大仰角20度の51口径12.7cm砲に換装している。全長159.1m、幅26.9m、吃水8.6m、常備排水量21825トン。主機はパーソンズ式高低圧並列式直結蒸気タービン２組４基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式混焼缶12基（圧力14.1気圧、飽和温度）、出力28000馬力、４軸推進、速力20.75ノット。兵装は30.5cm連装砲５基、12.7cm単装砲16基、533mm水中発射管２門。装甲厚は水線部279mm、甲板76mm。乗員1001名。BB-30フロリダ、BB-31ユタの２隻が1911年に竣工した。第１次大戦中に探照灯の半数以上を撤去、デリック・ポストにプラットフォームを設けて7.6cm高角砲を搭載した。1920年代後半には後部マストを単脚に変更し、３番砲塔上にカタパルトを設置するなどの改装を受けた。ロンドン条約で廃棄対象となった。参考：近代戦艦史、月刊丸11,’09

＜フロル＞：スペイン海軍メテオロ級哨戒艦６番艦（バッチ２の２番艦）Furor。2017年9月進水。参考：月刊世界の艦船10,’18

＜フロレアル＞：F730（フリゲート）を参照。

＜フロレアル級＞：フランス海軍フリゲートFloréal級。主任務は海外領土警備など低脅威海域での長期行動である。建造コスト抑制のため商船構造を多用し、船型は航洋性重視の中央船楼型とした。戦闘管制システムはLYNCEA。主砲射撃指揮装置はナジールMM。艦尾にDRBN34A航海レーダーを搭載する。全長93.5m、幅14m、吃水4.3m、満載排水量2950-2997トン。主機はCODAD方式で、ディーゼル４基２軸（１軸？）8800馬力、速力20ノット、航続距離は15ノットで9000海里。兵装は100mm単装砲１門、エグゾセMM38単装発射筒２基（エグゾセMM40単装発射筒１基？）、20mm単装機関砲1-2門。後部にヘリ甲板とハープーン着艦拘束装置を持ち、ヘリコプター１機を搭載できる。乗員80-90名。海兵隊員35-37名を収容可能。F730フロレアル、F731プレリアル、F733ヴァントーズ、F734ヴァンデミエールなど６隻が1992-94年に就役した。近代化改装でナジールMMをEOMS-NGに換装している。2015年の兵装は、エグゾセMM38単装発射筒２基、ミストラル艦対空ミサイル連装発射機シンバド１基、100mm砲１門。AS565SAヘリ１機を搭載する。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’91、9,’96、1,’02、5,’12、8,’13、5,’18、3,'22、6,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜フロレアル級・海外シリーズ＞

　＜モハメッド５世級（モロッコ海軍）＞：モロッコ海軍フリゲートMohammed�X級。漁業監視用として1998年10月に２隻を発注した。主砲をオットー・メララ社製76mm単装砲に換装する以外はオリジナルとほぼ同じ。全長93.5m、満載排水量2950-2997トン。主機はディーゼル、速力20ノット。兵装は76mm単装砲１門（艦橋前方01甲板）、エグゾセMM38艦対艦ミサイル連装発射筒２基（煙突前方。単装発射筒２基？）。シンバド艦対空ミサイルを追加できる。上構後部がヘリ格納庫、01甲板後部がヘリ甲板で、AS565SAヘリ１機を搭載可能。１番艦モハメッド５世、２番艦612ハッサン２世が2002年に就役した。参考：月刊世界の艦船7,’19、9,’01、月刊軍事研究7,’99、JShips VOL.70、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ブロワー＞：SS-325（潜水艦）を参照。

＜ブロンクス＞：APA-236（攻撃輸送艦）を参照。

＜ブロンコ＞：ATTC（装甲車）またはOV-10シリーズ（COIN機）を参照。

＜ブロンコ３＞：シンガポールのSTキネティックス社が開発した連結式全地形対応装甲兵員輸送車。ウォートホッグ（ブロンコ２）の改良型で、車内容積を拡大しつつ軽量化を図った。全周で7.62mmNATO標準徹甲弾に抗堪でき、増加装甲によりNATOレベル４に強化可能で、対戦車ロケット防御システムも用意されている。車体下面はＶ字で、耐地雷装甲を追加可能。後車はモジュラー構造で、交換にかかる時間は30分。全周監視システムを装備する。全長8.6m、全幅2.26m、全高2.3m、戦闘重量10.2トン、ペイロード標準6.3トン／最大7.8トン。エンジンはMTU社製ディーゼル（325馬力）、トランスミッションはオートマチック（前進６速）、最大速度路上65km／水上5km、航続距離500km。乗員４名（前車）、乗車兵員８名（後車）。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ブロンコ３ファミリー＞

　＜自走迫撃砲＞：後車にSTキネティクス社製120mm迫撃砲SRAMS（Super Rapid Advanced Mortar System）を搭載した自走迫撃砲型。前車にはIAIエルタ社製EL/M-2138M対迫レーダーを装備する。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ブロンザ＞：MGK-345（VDS）を参照。

＜プロンジュール＞：シャルル・ブランが設計した潜水艦で、潜水艇の意。フランス海軍で採用され、1863年に進水した。バラストタンク内の水を圧搾空気で出し入れするシステムや、潜舵を装備しており、潜水艦としての機構はかなり発達したものだった。ただし武装は艦首の棒の先に取り付けた水雷で、爆発した時に自艇も巻き込まれて沈没する危険がある。航続距離や敵への接近方法なども問題があり、これ以上は発展しなかった。全長42.6m、幅6.1m、排水量420トン。動力源は圧縮空気で、出力84馬力、速力９ノット。参考：Ｕボート入門、月刊丸5,’07

＜ブロンズスター章（アメリカ陸軍）＞：Bronze Star（BS）。航空関連以外の戦闘における勇敢な行為、優秀な功績、職務に関して授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜ブロンスタイン＞：DE-189（カノン級護衛駆逐艦）またはDE-1037（ブロンスタイン級護衛艦）を参照。

＜ブロンスタイン級＞：アメリカ海軍護衛艦Bronstein級。ディーレイ級をベースに速力を増加させ、対潜戦闘システムを搭載して対潜掃討作戦に使用できるよう設計された。船型は長船首楼型で、艦首にSQS-26低周波バウソナーを搭載している。また、マストと煙突を統合したマックをアメリカ護衛艦として初めて採用し、排気筒はマック中段両側から突き出させ、本体頂部架台にWLR-6ECM/ESM装置、マストトップにSPS-10対水上レーダー、その下にSPS-40対空レーダーを装備した。砲射撃指揮装置はMk56が１基。全長113.39m、水線長106.7m、幅12.5m、型深さ8.78m、吃水4.11m／7.01m（満載時）、メタセンタ高さ0.95m、軽荷排水量1791トン、満載排水量2723トン。主機はド・ラヴァル式ギヤード・タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー式水管缶２基で、出力20000馬力、１軸推進、速力26ノット、航続距離は15ノットで4000海里。兵装は50口径76mm連装両用砲１基、50口径76mm単装両用砲１門、アスロック８連装発射機１基、483mm対潜魚雷連装発射管１基（固定式）、３連装短魚雷発射管２基。ダッシュ２機を運用できる施設も用意されたが、実際には積まれなかった。船型が小型で、速力も不十分と見なされたため、1963年にDE-1037ブロンスタインとDE-1038マックロイの２隻が就役したのみに留まった。1970年代半ばにSQR-15曳航ソナーアレイを搭載したが、後に外されている。ダッシュ運用中止後、ダッシュ甲板はヘリ甲板（ヘリ格納庫は無い）に改装された。1975年にフリゲートに艦種変更された。1990年に全艦除籍され、1993年にメキシコ海軍に引き渡された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船3,’07、12,’13、11,’24

＜ブロンスタイン級・海外シリーズ＞

　＜ブロンスタイン級（メキシコ海軍）＞：メキシコ海軍フリゲートで、Bravo級ともいう。ダッシュ甲板はそのまま残されている。1993年に２隻が引き渡され、エルメネヒルド・ガレアナとニコラス・ブラヴォとして1993年に就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。アスロック８連装発射機Mk112が１基、Mk46短魚雷用３連装発射艦Mk32が２基、76mm連装砲１基。ヘリ甲板を持つ。参考：月刊世界の艦船9,’96、THE MILITARY BALANCE 2016

＜プロント４＞：カイロス・オートノミ社が開発した車両自動運転装置Pronto4。駆動ボックスからハンドル操作用アーム、シフトレバー操作用アーム、アクセルペダル操作用アーム、ブレーキペダル操作用アームが突き出した構造で、これを普通の車両の運転席に設置してアームをセット、人間の代わりに操縦させる。車両に取り付けたビデオの映像を見て遠隔操作する方式と、GPSで目標地点を入力して自動運転させる方式の２モードが用意されている。４時間くらいかけてアームを調整すれば、小型車から重機まで各種車両に対応可能。参考：月刊軍事研究2,’14

＜フロンドゥール＞：フランス海軍ラドロア級駆逐艦Frondeur。1931年竣工。1942年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜フロント・サイト＞：照星を参照。

＜フロント・ドア＞：アーギュメント（レーダー）を参照。

＜フロント・ドーム＞：MR90（レーダー）を参照。

＜フロント・ピース＞：アーギュメント（レーダー）を参照。

＜フロント・ローダー＞：前装銃のこと。マズル・ローダーともいう。参考：GUN用語事典

＜フワイラット＞：カタール海軍80m級戦車揚陸艦Fuwairit。フィンカンティエーリ社が建造し、2022年7月6日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜ブンカーファウスト＞：パンツァーファウスト３シリーズ（対戦車ロケット）を参照。

＜分解式狭軌十五糎榴弾砲＞：日本陸軍の榴弾砲で、中国大陸奥地の狭い道でも通過できるよう、三八式十五糎榴弾砲を縦３頭曳きにしたものである。昭和16年に仮制式化された。参考：大砲入門

＜文化大革命＞：無産階級（プロレタリア）文化大革命。1958-61年の大躍進政策が大失敗に終わり国家主席を退任した毛沢東が、巻き返しを図って1966年5月16日に発動した。要するに毛沢東派の内部闘争だが、中ソ国境戦争や、ベトナム戦争へのアメリカ介入を受けての国内引き締めも発動理由の１つである。後任の劉国家主席と�ｹ小平総書記が行った政策を修正主義と批判し、精華大学付属高校生徒からなる紅衛兵を結成、反革命勢力と決めつけた者に対して有無を言わせぬ弾圧を加え、異議を唱える者は直ちに粛正した。1971年9月13日、毛沢東腹心の林副主席がトライデントDH121でソ連に亡命を図ったが、モンゴルに墜落して家族と共に全員死亡した。1973年、�ｹ小平が復権。暴走する紅衛兵は軍による軍事管制で抑え込んだ。1976年、周恩来死去で第１次天安門事件が起こり、9月に毛沢東も死去した。毛沢東夫人の江青、楊文元、張春喬、王洪文の４人組は文化大革命継続を主張したが10月6日に逮捕され、文化大革命は終息した。1978年12月18日の党中央委員会全体会議では死者40万人、被害者１億人と発表されている。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究4,’05、7,’18

＜ブンガ・マス・エナム６＞：マレーシア海軍ブンガ・マス・リマ５級支援艦Bunga Mas Enam 6。2011年就役。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。2015年3月18日、マレーシアのランカウイ島沖でLIMA2015国際海上レビューに参加。参考：月刊世界の艦船7,’13、7,’15

＜ブンガ・マス・リマ５級＞：マレーシア海軍支援艦Bunga Mas Lima 5級。コンテナ船にヘリ甲板や医療設備を追加したもので、ソマリア海賊対処支援などに使用されている。満載排水量9101トン。1997年に１番艦、2011年に２番艦ブンガ・マス・エナム６が就役した。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜分岐点＞：淀み点を参照。

＜フンクメスゲレート＞：直訳すれば電波計測装置。ドイツ国防軍ではレーダーをこう呼んだ。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜文芸工作団＞：中国軍の慰問・指揮鼓舞部隊で、文工団と略す。中央軍事委員会総政治部に話劇団・歌劇団、北京軍区政治部に戦友文工団、蘭州軍区政治部に戦闘文工団、南京軍区政治部に前線文工団、広州軍区政治部に戦士文工団、成都軍区政治部に戦旗文工団、瀋陽軍区に前進文工団、済南軍区に前衛文工団が編成された。2016年2月1日に軍区が戦区へと改編された際、兵力削減のため廃止されるともいわれたが、中央軍事委員会軍委政治工作部に話劇団・歌劇団、陸軍指導機構・戦略支援部隊・５大戦区陸軍に文工団１個ずつが編成され、８個全て残された。参考：月刊軍事研究5,’16

＜分遣隊＞：Det.（Detachment）と略す。参考：月刊航空ファン10,’16

＜ぶんご＞：MST-464（掃海母艦）を参照。

＜文庫委員（日本陸軍）＞：日本陸軍の委員。首座は兵科佐官または大尉で、他に尉官１名が委員となる。文庫図書の整備保管が主任務である。参考：軍隊内務令

＜分光光度計・紫外可視用２型＞：自衛隊の機器。島津製作所製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜文工団＞：文芸工作団を参照。

＜分光分析装置＞：自衛隊の機器。三洋貿易が受注している。参考：月刊軍事研究10,’14

＜文山＞：623（コルベット）を参照。

＜分散開口赤外線対抗＞：AN/AAQ-45（赤外線対抗装置）を参照。

＜分散型海上作戦＞：海上分散作戦を参照。

＜分散型攻撃力＞：ディストリビューテッド・リーサリティを参照。

＜分散型レーダー＞：複数の小型アンテナ（サブアレイ）で構成されるレーダーで、等価的に大開口アンテナを形成して必要な性能を得る。送受信兼用サブアレイを複数配置するタイプと、送信用・受信用それぞれを複数配置するタイプがある。サブアレイが小型なので移動が容易、複数配置するので抗堪性も高く、必要な性能に応じて最適な数を用意できるので消費電力や経費も抑えられる。参考：月刊軍事研究9,’16

＜噴射気化器＞：キャブレターを参照。

＜分哨（日本陸軍、駐軍警戒時）＞：歩哨の１つで、重要地点や交代不便な地点などに配置される。兵力は分哨長たる下士官または上等兵以下4-7名で、状況に応じ増員したり軽機関銃を装備させたりする。全員が銃を手にし、通常は人員の一部を監視任務に就け、残りは直接その近傍で待機し、なるべく遮蔽下に置くようにする。極寒時などは分哨といっても短時間内の交代を要することがある。分哨長は任務を受けたら部下を率いて所要の警戒を行いつつ、速やかに担当哨所に至り、遮蔽して取り敢えず監視を開始、小哨長が来るのを待つ。この際、小哨長を誘導する案内者を出すのが望ましいこともある。分哨長が特別守則を受領した場合、部下に十分徹底させ、歩哨のために所要の設備を施し、地形を認識させる。交代の際は旧分哨長が新分哨長に守則や特に知っておくべき事項を申し送る。監視兵を交代させる際には分哨長が立ち会い、下番者は見聞した事件と、前方に出た味方斥候がいる場合にはその任務・経路・帰来地点・時刻などを上番者に申し送る。この際、監視を中絶しないことと、交代の往復などに際して敵に見つからないことを心がける。参考：作戦要務令

＜粉飾棺桶＞：LaGG-3シリーズ（戦闘機）を参照。

＜文書の３群＞：第３護衛隊群を参照。

＜文書配布車（バン型）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜噴進銃＞：日本海軍が開発していた25mmロケット弾。小銃のかわりに簡単な発射機から25mm機銃弾改造のロケット弾を発射するものである。参考：月刊丸4,’99

　＜噴進銃（技研式）＞：発射機は竹槍型をしており、ロケット弾は推進部だけ鋼製で、弾頭部はガラスもしくは陶器製である。参考：月刊丸4,’99

　＜噴進銃（呉工廠式）＞：発射機には小型の銃剣が付けられる。ロケット弾は弾頭も鋼製。参考：月刊丸4,’99

＜噴進弾＞：ロケット・アシスト弾を参照。

＜粉塵マスタード＞：マスタードガスを参照。

＜分析官等に対する米国委託教育（その２）＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜分析官等に対する米国防情報局委託教育＞：防衛省がアメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜分析官等に対する米国防情報局委託教育（国際戦略）＞：防衛省がアメリカ空軍に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜分析官等に対する米国防情報局委託教育（情勢分析）＞：防衛省がアメリカ空軍に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜文世光事件＞：1974年8月15日、韓国独立記念日（光復節）祝賀行事に出席していた朴大統領が在日韓国人の文世光に狙撃された事件。弾丸は大統領夫人に命中し、夫人は亡くなっている。文世光は朝鮮労働党対外連絡部の指令（万景峰号船内で対外連絡部指導員から指示を受ける訪船指導）を受けており、拳銃は大阪の駐在所を襲って入手した。パスポートも当然ながら日本のものだったため、反日感情が高まって日本大使館にデモ隊が乱入、国旗を焼く事態になった。また、国葬に参列した田中角栄首相があまり礼儀正しくなかったため、大統領の心証を害したともいわれる。このため日韓関係が悪化し、北朝鮮情報も入らなくなり、1977年頃から日本人拉致が多発する一因になったという。参考：月刊軍事研究1,’05、5,’17

＜分隊＞：Squad。軍の最小構成単位。参考：コンバット・バイブル２

　＜分隊（海上自衛隊）＞：同系統の職種で隊員をグループ化したもの。艦内生活の基本単位であり、隊員の人事・身上管理、教育訓練服務指導、秩序のある生活環境の確立などが主目的である。トップは分隊長で、各科長が任命されるが、副長を兼務していたり、二等海佐だったりすると、次席幹部が任命される。その下が分隊士で、分隊長と共に分隊を統括する。その下が最上級海曹の分隊先任海曹で、分隊長や分隊士の指針に基づいて分隊員を直接指導監督する。分隊の下には班が置かれていて、分隊先任海曹の下が班長、一番下が分隊員である。人数はその時の主任務によって多少異なる。大型水上艦（護衛艦）なら第１分隊が砲雷科（水測員、魚雷員、射撃管制員、射撃員、運用員）、第２が航海科／船務科（電子整備員、電測員、通信員、気象員、航海員）、第３が機関科（応急工作員、ディーゼル員、ガスタービン員、電機員、艦上救難員）、第４が給養補給科／衛生科（衛生員、給養員、経理員、補給員）、第５が飛行科（航空武器整備員、航空電子整備員、航空機体整備員、航空電機計器整備員、航空発動機整備員）、掃海艇では第１が掃海科、第２が航海科や船務科や給養補給科員、第３が機関科、潜水艦では第１が水雷科（水雷長、魚雷員）、第２が船務科／航海科（船務長、航海員、水測員、通信員、電測員、電子整備員。測敵科と呼ばれていたこともある）、第３が機関科（機関長、ディーゼル員、電気員）、第４が補給科／衛生科（補給長、給養員、経理員、補給員、衛生員）という編成である。LST型輸送艦では荷役にかかる人手が多いので第２分隊の航海科から運用科が独立しており、第１分隊砲雷科に含まれる筈の射手も運用科に配属されている。潜水艦救難艦は第５分隊が潜水科で、護衛艦の第５分隊（飛行科）との対比で潜る５分隊と呼ばれる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊、MORIBITO Vol.3、日本の防衛戦力Part7、MAMOR vol.115、vol.148

　＜分隊（日本海軍）＞：海軍の基本組織単位である。トップは分隊長（特務大尉・特務中尉）で、その下が分隊士（兵曹長）、先任下士官（一等兵曹）と続き、隷下に小隊や班が編成されていて、一般の編制では中隊規模に相当する。海軍航空隊では１個分隊は３個小隊９機で編成された。海兵団の場合、１個分隊は４個小隊12教班168名から構成され、第１・第４・第７・第10教班長が小隊長（一等兵曹）を務める。艦船や部隊では規模がまちまちで、看護や主計は3-4名の１個班がそのまま１個分隊になることもあった。役割、従兵、衛兵、酒保係、厠番、短艇員、ギヤ当番といった役目の割り当てがあり、それ以外の者は両舷直と呼ばれて各分隊の任務に就いた。参考：海軍よもやま物語、月刊JWings9,’13、日本海軍艦隊総覧

　＜分隊（日本海軍戦艦大和）＞：昭和18年12月1日の改正艦船令施行で内務科が新編され、以下の編成となった。第1-3分隊が主砲砲台、第４が副砲砲台、第5-6が高角砲砲台、第7-8が機銃砲台、第９が主砲幹部、第10が副砲幹部、第11が測的、第12が通信、第13が航海、第14が運用、第15が工作、第16が電機、第17が補機、第18が飛行、第19が機械、第20が缶、第21が医務、第22が主計で、第1-10が砲術科、第12が通信科、第13が航海科、第14-17が内務科、第18が飛行科、第19-20が機関科、第21が医務科、第22が主計科である。参考：月刊丸4,’13

＜分隊機関銃＞：分隊支援火器ともいい、SAWと略す。中国軍では班用機槍と呼ぶ。分隊の前進を支援するために使用される機関銃で、他の分隊員が前進するタイミングで敵陣を掃射して敵の反撃を防ぎ、前進を支援する。目一杯連射して頭を上げさせないこともあるが、重要な時に弾薬が切れると意味が無いので、3-6点バーストを繰り返すことが多い。参考：月刊軍事研究6,’14、5,’09

　＜分隊機関銃（アメリカ海兵隊）＞：陸軍と同じく1984年（1982年？）にM249を採用した。アフガニスタンやイラクでは障害物が多く、敵がすぐに身を隠してしまうため、短時間に精密な射撃を送り込めるM27IARを2005年から開発し、配備を進めている。参考：月刊軍事研究6,’14

　＜分隊機関銃（アメリカ陸軍）＞：第１次大戦末期からBARを配備し、ベトナム戦争頃まで延々使用した。M16自動小銃の登場で装弾数の少なさによる連射能力不足が問題となり、M60汎用機関銃が代わりに配備されたが、大きく重いので分隊での運用に向かない、銃身交換に手間がかかり実用発射速度に劣るといった問題点があり、1984年（1982年？）にM249MINIMIを採用している。参考：月刊軍事研究6,’14

＜分隊先任海曹＞：海上自衛隊の先任海曹。分隊長や分隊士の指針に基づいて分隊員を直接指導監督するのが主任務である。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜分隊士（海上自衛隊）＞：通称サムライ（士）配置。分隊長を補佐する幹部で、2-3等海尉が充てられる。参考：JShips vol.48

＜分隊支援火器＞：分隊機関銃を参照。

＜分隊装具機動運搬システム＞：SMET（無人車両）を参照。

＜分隊多目的装備輸送＞：SMET（無人車両）を参照。

＜分隊長（海上自衛隊）＞：分隊のトップで、各科長が兼任することが多い。艦長の命を受け、直接もしくは分隊先任海曹を介して分隊の規律を維持し、分隊員を公私に関わらず指揮指導するのが主任務である。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’12増刊

＜分隊点検（日本海軍）＞：艦長と分隊長が分隊員全員の健康状態や容姿、服装を点検するもので、月１回くらいのペースで行われた。分隊員は髭を剃り爪を切り、正装に着替えて身だしなみを整える。参考：続日本海軍よもやま物語

＜ブン・タウ＞：ベトナム海軍636型潜水艦６番艦Vung Tau。2017年1月20日、重量物載荷船ローリングドック・シュトルムに積まれてカムラン湾に到着した。 2月28日、ベトナムのカン・ホア州にある海軍基地で就役式典が行われて就役し、第189潜水艦大隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’17、6,’17

＜プンタ・ソルダド級＞：コロンビア海軍哨戒艇。最初の２隻は韓国、以降はコロンビアで建造する。排水量284トン。14隻を建造予定らしい。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜フンダメントＭ＞：ロシア軍の移動式防空指揮システム。同時レーダー接続数16基、同時目標追尾数400、同時管制戦闘機数９機。2010年代から配備中で、2014年には西部軍管区に15セットが配備されたらしい。参考：月刊軍事研究12,’17

＜フンディンガ＞：シンガポール・キネティック・テクノロジー社が開発した４×４輪水陸両用車。水上航行時にはタイヤを水平にすることで高速性能を発揮する。ペイロード750kg。推進はウォータージェット、最大速力30マイル以上。参考：月刊軍事研究12,’13

＜奮闘４号＞：中国国務院国土資源部海洋調査船の艦番号で、フェントウシーハオと読む。制式名称は不明。平甲板型をしており、後甲板に大型のリールを持つ物理探査専用船である。全長68.4m、総トン数655トン。主機はディーゼルで、速力14ノット。1999年5月30日、沖縄県魚釣島北西80kmを航行しているのを第５航空群P-3Cが確認した。6月11日、沖縄県魚釣島北北西39海里を航行しているのを海上保安庁が確認した。6月16日、鹿児島県奄美大島北北西40kmを航行しているのを第５航空群P-3Cが確認した。7月15日、沖縄県魚釣島北北西170kmを航行しているのを第５航空群P-3Cが確認した。7月16日、沖縄県久場島北北西173kmを航行しているのを海上保安庁が確認した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’00

＜奮闘７号＞：中国国務院国土資源部海洋調査船の艦番号で、フェントウチーハオと読む。制式名称は不明。オイル・リグ支援船を改造したとみられる小型の物理探査船で、1999年に存在が確認された。全長50.3m、総トン数295トン。主機はディーゼル。1999年10月15日、長崎県福江島南西290kmを航行しているのを第５航空群P-3Cが確認した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’00

＜ブン・トモ＞：357（ミサイル・コルベット）を参照。

＜ブン・トモ級＞：インドネシア海軍ミサイル・コルベットBung Tomo級。ブルネイ海軍が1990年代にBAEシステムズ社に発注したが、ブルネイ海軍の能力では運用できる見込みが無く受領を断られてしまい、インドネシア海軍に８割引で売却されたものである。艦後部にヘリ甲板を持つが、格納庫は無い。全長95m（93.6m？）、満載排水量1940トン。主機はCODAD方式、速力30ノット。兵装は76mm単装砲１門、30mm単装機関砲DS30B、シーウルフ艦対空ミサイル18セル（16セル？）VLS１基、エグゾセMM40ブロック２艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、３連装324mm短魚雷発射管２基。１番艦艦番号357ブン・トモ、２番艦艦番号358ジョン・リー、３番艦ウスマーン・ハールーンが2014年に就役した。2020年からタレス社がTACTICOS指揮管制装置、エグゾセMM40ブロック３艦対艦ミサイル、SMART-S Mk2レーダー、STIR EO Mk2電子光学センサー、Vigr Mk2電子戦装置などの搭載改修を行う予定で、2023年に全艦の改修を終える。参考：月刊世界の艦船10,’17、3,’15、11,’15、5,'20、12,'20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜分屯基地＞：航空自衛隊の小規模基地。警戒隊、防空監視所（レーダー施設）、救難隊、防空部隊、補給処などが置かれている。参考：月刊JWings3,’20、MAMOR vol.77

＜分屯地＞：陸上自衛隊の小規模部隊や弾薬庫が所在する場所で、最寄りの駐屯地の一部である。参考：月刊JWings6,’11

＜フンナム型＞：北朝鮮海軍LCM、Hungnam型。排水量71トン。1980年代に建造された。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜文武大王＞：976（駆逐艦）を参照。

＜ブンブルー・ビー＞：セルビアのユーゴインポートSDPR社が開発した対戦車ミサイル。エリックス対戦車ミサイルの改良型で、タンデム弾頭を持つ。システム重量14kg。射程600m（1000mに延伸する計画あり）。射撃チームは２名で構成され、ランチャー１基とミサイル５発を運搬する。参考：月刊軍事研究6,’07

＜フンボルト＞：AVP-21（飛行艇支援艦）を参照。

＜粉末散布車＞：陸上自衛隊の化学消防車。車体は液体撒布車と同じで、２段式の荷台に粉末消火剤２トンを搭載し、化学火災や一般火災の消火に用いられる。全長8.6-8.885m、全幅2.5m、全高3.5m、全備重量15トン。最大速度115km。宮田工業またはいすゞ自動車またはジーエムいちはら工業製。化学防護隊や中央特殊武器防護隊に装備されている。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜粉末散布車（Ｂ）＞：自衛隊の車両。ジーエムいちはら工業製。参考：月刊軍事研究1,’16

＜文民条約＞：ジュネーブ第四条約を参照。

＜文民統制＞：シビリアン・コントロールを参照。

＜文民病院（ジュネーブ第４条約）＞：傷病者、虚弱者、妊産婦を看護するために設けられる病院。紛争当事国は、全ての文民病院に対し、それらの病院が文民病院であることと、それらの病院が使用する建物がジュネーブ第４条約第19条の規定に従って病院の保護を失うこととなるような目的（人道的任務から逸脱して敵に有害な行為を行い、合理的な期限を定めた警告も無視）に使用されていないことを示す証明書を発給しなければならない。国の許可がある場合に限り、ジュネーブ第１条約第38条に定める標章（赤十字、赤新月、赤のライオン及び太陽）によって表示される。紛争当事国は、軍事上の事情が許す限り、敵対的行為が行われる可能性を除くため、敵の陸海空軍が文民病院を表示する特殊標章を明白に識別できるよう、必要な措置を執らなければならない。軍事目標に近接していると危険なので、可能な限り離すことが望ましい。文民病院の運営管理に正規に専従する職員（傷病者たる文民、虚弱者、妊産婦の捜索、収容、輸送、看護に従事する者を含む）は、尊重し、かつ保護しなければならない。その職員は、占領地域と作戦地帯では身分証明書を携帯し、防水性腕章を左腕に付けて識別する。参考：日本赤十字社社史稿第６巻

＜文民保護条約＞：ジュネーブ第４条約を参照。

＜フンメル＞：フクス装甲車ファミリーを参照。

＜フンメル＞：ドイツ陸軍自走榴弾砲、Sd.Kfz.165 Hummel（マルハナバチ）、807号兵器器材（Gerät 807）。制式名称は15cm Schwere Panzerhaubitze auf Geschutzwagen �V/�W (Sf)（15センチ重榴弾砲搭載�V/�W号自走砲）。当初はヴェスペと同じ10.5cm砲を搭載する予定だったが、せっかく車体を大きくしたので搭載砲も大型にし、1942年7月から開発開始、10月に試作車が完成して採用された。車体は8.8cmPak43搭載対戦車自走砲ナースホルン用に開発された�V/�W号車体を改造したもので、前部が操縦室、中央が機関室、後部（少し延長してある）が戦闘室である。車体前部左に操縦室の突出部があったが、後期型では突出部が車幅一杯に拡大された。車体前部上面にガントラベリングロックが付いており、砲撃時には車外に出て取り外す。全長7.17m、全幅2.97m、全高2.81m、重量24トン。主砲は10cmカノン砲K118をスケールアップした30口径15cm榴弾砲sFH18（18発）。使用弾は榴弾（43.5kg）で、最大射程13.325km、発射速度毎分４発。旋回角は左右15度ずつ、俯仰角はマイナス３度からプラス42度。照準器はRblf36。副武装は車内のMG34機銃１丁（600発）。装甲厚は車体前面30mm20度、側面20mm０度、後面20mm10度、底面15mm90度、戦闘室前面10mm37度、側面10mm16度、後面10mm10度、上面オープン、防楯10mm37度。エンジンはマイバッハHL120TRMガソリン（300馬力）で、前進６速・後進１速、最大速度42km、航続距離215km。無線機はFuG Spr f。乗員６名。1943年5月までに100両が生産され、戦車師団の機甲砲兵大隊重自走砲中隊（フンメル６両、弾薬運搬車２両）に配備されてツィタデレ作戦に参加した他、終戦までに計714両が生産された。参考：ジャーマンタンクス、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1) 、月刊PANZER4,’11

＜フンメル・ファミリー＞

　＜フンメル弾薬運搬車＞：主砲を外して弾薬搭載スペースにしたもの。157両が製作された。参考：異形戦車ものしり大百科

＜フンヤディ＞：SS第25擲弾兵師団を参照。

＜汾陽＞：FF934（フリゲート）を参照。

＜分離装薬弾＞：弾丸と装薬（薬嚢や薬莢式）が別になっている砲弾のこと。榴弾砲の砲弾が代表である。装薬の号数と射角を調節することで、射距離を広い範囲で調節できる。装填は、弾丸挿入、装填、装薬挿入の３挙動となるため、速射には向かない。対義語は固定弾。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜奮龍シリーズ＞：日本海軍が太平洋戦争時に開発していたミサイル。昭和17-18年に艦政本部で構想が出されたが、無人兵器は信頼できないということで設計は進まず、ドイツがV-1ミサイルを使用していることが判明した昭和19年6月に開発許可が下りた。対艦用中距離の１型、対空用（対艦用遠距離？）の２型、対空用中高度の４型、対空用高々度の５型を考えていたらしい。完成前に終戦となった。参考：海軍技術研究所、月刊丸4,’99、8,’95

　＜奮龍１型＞：地対艦ミサイル型。十字の主翼と尾翼を持ち、無線操縦で敵艦に向かう。全長3m。推進は固体燃料ロケット。開発中止になった。参考：月刊丸5,’13

　＜奮龍２型＞：地対空ミサイルの実験型。高度１万メートルを飛行するB-29に対しては高射砲が届かないため、海軍技術研究所砲熕研究部が昭和20年初めから特型噴進弾として三式噴進弾をベースに開発を開始した。弾体中央に４枚の操縦翼、尾部のロケットノズル部分に４枚の安定翼を持つ。全長2.4m、直径0.3m、翼スパン0.96m、全備重量370kg。誘導は無線コマンドリンク方式、推進は固体ロケットで、棒状推進薬18本を燃焼させ、最大射程500m。素材のジュラルミンが調達できなかったため、空技廠の倉庫から２トンほど盗んできて間に合わせたらしい。昭和20年4月25日から発射実験を開始、7月に海軍技術研究所浅間山実験所で総合実験が行われ、所定の誘導能力を発揮して浅間山中腹の目標地点から20m以内に落下した。終戦までに10回のテストが行われた。参考：月刊丸8,’95、5,’13

　＜奮龍３型＞：名称のみで、開発されなかった。参考：月刊丸5,’13

　＜奮龍４型＞：地対空ミサイルの量産型で、機体は川崎航空機岐阜工場、ロケットと炸薬は三菱長崎兵器製作所、ジャイロと無線は東京航空計器が生産する予定だった。弾体最前部に信管と炸薬、その後ろに２基のジャイロと送受信ユニット、弾体中央に燃料タンク、圧力ポンプ、窒素ボンベ、４枚の操縦翼（方向舵付）とサーボモーター、管制弁、弾体後部に燃焼室、冷却配管、４枚の安定翼（内舵付）という配置である。全長4m、直径0.6m、翼スパン1.6m、全備重量1.9トン。誘導は無線コマンドリンク方式、推進はKR-20液体ロケット（推力1.5トン）で、燃料は水化ヒドラジン＋メチルアルコール（Ｚ液またはＣ液または乙液）、酸化剤は80%過酸化水素（甲液）、最大速度マッハ0.9、上昇限度25000m。信管は電波近接式。ロケットの地上燃焼テストは昭和20年8月16日に実施予定だったが、前日に終戦を迎えた。参考：月刊丸8,’95、5,’13

目次に戻る　　　トップページに戻る　　一番上へ