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＜（ｉ）＞：ドイツ国防軍の車両接尾記号で、イタリア製（itaienisch）のこと。参考：ジャーマンタンクス

＜Ｉ＞：戦闘機（Istrebitel）のロシア語略。参考：月刊JWings4,’20

＜−Ｉ＞：焼夷弾頭を表す接尾記号。

＜Ｉ０１＞：イギリス海軍マーシャル・ソールト級砲艦マーシャル・ソールト（Marshal Soult）。1915年就役。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ１Ｐ＞：ISシリーズ（衛星）を参照。

＜Ｉ０２＞：イギリス海軍エレバス級砲艦エレバス（Erebus）。1916年就役。1943年7月、シシリー島上陸ハスキー作戦に参加。1944年6月、オーバーロード作戦に参加。1944年11月、オランダのワルヘレ島上陸作戦に参加。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ２Ｍ＞：ISシリーズ（衛星）を参照。

＜Ｉ２Ｐ＞：ISシリーズ（衛星）を参照。

＜Ｉ２Ｒ＞：画像赤外線（Imaging Infra Red）の略。IIRともいう。

＜Ｉ０３＞：イギリス海軍エレバス級砲艦テラー（Terror）。1916年就役。1941年2月22日にベンガジ湾でドイツ空軍急降下爆撃機の攻撃を受けて損傷した。曳航されてアレキサンドリアに向かったが、2月23日にダルナ沖で沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ｉ３ＦＩＧＨＴＥＲ＞：防衛省が2010年8月に発表した第６世代戦闘機コンセプトで、情報優越（Imfprmed）、知能化（Intelligent）、瞬間撃破力（Instantaneous）の頭文字を取っており、アイスリー・ファイターと読む。高度なステルス性と、対ステルス能力を併せ持つ機体で、高出力レーダーを搭載、重量がかさみウェポンベイなどに圧迫されて機体スペースも限定されるステルス機に必須の高出力低容積（ハイパワー・スリム）エンジンを装備し、クラウド技術により高度にネットワーク化されており、フライ・バイ・ライトにより電磁波攻撃にも耐えられ、光速兵器（レーザーやマイクロ波など）により敵を逃さず、編隊前方に無人機を配置して戦闘機の機能の一部を補完させる。2011年度に23DMU（将来戦闘機平成23年度デジタルモックアップ）と呼ばれる前方ステルス重視型戦闘機（F-22Aの主尾翼後縁前進角を無くした感じ）の三次元デジタルモックアップを作り、シミュレーションでは現時点で開発中の他国ステルス機と同等の性能を発揮したらしい。2012年度には24DMUという側方ステルス重視型戦闘機（側方ステルスも重視したためYF-23のような扁平形状に変更、後方用レーダー装備のためテイルコーンを持つ）の三次元デジタルモックアップを製作、戦術シミュレーションでF-22Aと同等の戦闘能力を持つと評価された。ただF-22Aのような第５世代戦闘機を圧倒するには、編隊全機で情報を共有し、最適位置にいる機が如何なる状況でも確実に命中する能力を持つ兵装を発射するという、クラウドシューティング技術の実現が必要であることも判明している。23DMUと24DMUを比較した結果、側方ステルス重視の24DMUの方が高い評価を得た。2013年度には23DMUをベースに機体を大型化し、水平尾翼を菱形翼、垂直尾翼を前後縁共に後退角を持つF-35類似の形状に変更、側方ステルス性を持たせ、燃料容量増加により行動半径を拡大し、ウェポンベイ内兵装を縦列から並列に変更して装弾数を増やした25DMUを製作してテストした。26DMU以降は秘匿のため非公開だが、ウェポンベイからの兵装投下時の気流を観測するため全機縮小模型を作っての風洞試験（ウエポン内装化空力技術の研究、2010-15年度。ウエポンリリース・ステルス化の研究、2013-19年度）などを行い、研究開発を進めている。2010-19年度、先進統合センサ・システムの研究を実施。2012-21年度、戦闘機用統合火器管制技術の研究を実施。2013-18年度、先進RF（高周波電磁波）自己防御シミュレーションの研究を実施。機体一体化ステルスアンテナ式広帯域ESMと連動ECMのシミュレーションを行った。2014-18年度、ステルスインテークダクトの研究を実施。2014-22年度、機体構造軽量化技術の研究を実施。2015-17年度、三菱重工がステルス戦闘機用レドームの研究試作を契約。機首レドーム、機首アンテナ、主翼前縁レドーム、主翼前縁アンテナなどの細部設計を行う。2015-19年度、電動アクチュエーション技術の研究、将来HMDシステムに関する研究、戦闘機用エンジンシステムに関する研究を実施。2016-20年度、三菱重工が将来戦闘機用小型熱移送システムの研究試作を実施。レーダーなど高性能アビオニクスからの発生熱量増大に対してRCS局限のため冷却空気用インテイクの開口部が限られる将来ステルス機において、十分な放熱能力を持つヴェイパー・サイクル放熱システム（液体蒸発と気体凝縮による熱移送システム）を開発する。2016-20年度、IHIが推力変向ノズルの研究試作を実施。2017年3月16日、防衛装備庁がイギリス国防省と将来戦闘機共同研究に関する取り決めを締結した。2019-24年度、戦闘機等のミッションシステム・インテグレーションに関する研究を実施。参考：月刊軍事研究4,’14、3,’11、月刊航空ファン4,’16、5,’16、5,’17、6,’17、8,’17、月刊JWings8,’19、2,’17

＜Ｉ０５＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第５グループ、キャメロン（Cameron）。1919年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−５シリーズ＞：ソ連空軍複葉戦闘機。1934年までに各型計803機が製造された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＶＴ−１１＞：原型機。グリゴルビッチ技師とポリカルポフ技師が1927年から開発したが、1929年になっても完成しなかったので10月に逮捕・収監されて刑務所内で開発を続行させられ、1930年に完成して4月29日（30日？）に初飛行した。エンジンはフランス製ノーム・ローン・ジュピター�Z（450馬力）をライセンス生産したM-22、最大速度287km、実用上昇限度8000m。7月にスターリンの前で飛行し、結果が良好だったので量産が決まると共に、開発者は全員釈放されている。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｉ−５＞：VT-11の生産型。主脚はスパッツ付き。無線を標準装備する。全長6.78m、全幅10.24m、重量1355kg。エンジンはM-22（480馬力）単発、最大速度278km、航続距離660km。固定武装は7.62mm機銃PV-1（600発ベルトリンク）２丁（後に４丁）。両主翼下にRS-82ロケット弾３発ずつを搭載可能。乗員１名。80機が製作され、1930年10月からソ連空軍に引き渡された。1937年から練習機に回され、独ソ戦時には訓練学校に配備されていたが、緒戦で前線機が壊滅したため、再び第一線に復帰、攻撃機や急降下爆撃機として1941年（？）2月まで使用された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＴｓＫＢ−７＞：武装強化試作機。I-5の主翼下面に76mm無反動砲を搭載したもので、胴体後部はアルミ合金製モノコック構造に換え、主翼も全金属単葉に変更、バックブラストを避けるため水平尾翼の位置を高くした。1931年末までテストされ、I-Zとして採用された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−Ｚ＞：TsKB-7の生産型。最大速度300kmで、運動性も良く、1932年に70機が生産された。1933-34年、TB-2爆撃機に積まれて寄生戦闘機のテストを受けた。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＤＧ−５２＞：I-ZのエンジンをM-25（750馬力）に換装したもので、PI-1ともいう。無反動砲の装弾数は片側５発ずつで、自衛用に7.62mm機銃２丁を装備する。1935-36年に80機が製作された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−６＞：ポリカルポフ技師がI-5設計前に製作した複葉戦闘機。エンジンはM-15（525-625馬力）。固定武装は7.62mm機銃２丁。I-5よりも性能が良く、少数が生産された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ０７＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第４グループ、ロックスボー（Rowburgh）。1918年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−７＞：ポリカルポフ技師が試作した複葉戦闘機。I-5のエンジンをM-22（480馬力）とし、機銃を４丁に増やした。1934年に開発されたが、採用されなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−７＞：ソ連空軍複葉戦闘機。ドイツのハインケル社が開発したHD37及びHD38をライセンス生産したものである。参考：歴史群像2,’08付録

＜Ｉ０８＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第４グループ、ブライトン（Brighton）。1918年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−９＞：ポリカルポフ技師が試作した複葉戦闘機。I-7の機銃を２丁にしたもので、1934年に開発されたが、採用されなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１０＞：ポリカルポフ技師が試作した複葉戦闘機。I-7のエンジンをM-25（600馬力）に換えたもので、1934年に開発されたが、採用されなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１１＞：ポリカルポフ技師が試作した複葉戦闘機。I-5の改良型で、エンジンをAM-34直列12気筒（820馬力）に換装した。固定武装は7.62mm機銃２丁。12kg爆弾４発を搭載できる。採用されず。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ１２＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第４グループ、セント・メアリーズ（St.Mary’s）。1918年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ１４＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第５グループ、クレア（Clare）。1920年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ１５＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第４グループ、セント・アルバンス（St.Albans）。1918年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−１５シリーズ＞：ソ連空軍複葉戦闘機、ニックネームはチャイカ（カモメ。上翼がガル翼なので）。小型の機体、抗力低減に務めた複葉主翼、大出力エンジンを組み合わせて高性能を発揮した。ポリカルポフが設計して1933年10月に初飛行し、各型合わせて6578機（I-15が733機、I-152が2408機、I-153が3437機）が生産され、1944年まで前線で使用された。1937年にはI-152とI-153が中国に供与された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、図解世界の軍用機史、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＴｓＫＢ−３＞：原型機。I-5の改良型で、視界確保のため上翼はガル翼になっている。主脚にはショックアブソーバーを装着した。エンジンはアメリカのライト製サイクロンをライセンス生産したM-25空冷星形（700馬力）、プロペラは２翅固定ピッチ。機首上下に7.62mm機銃PV-1を２丁ずつ装備する。1934年にI-15として採用された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１５＞：量産型。胴体は鋼管骨組み羽布張りで、操縦席よりも前方は金属外板である。操縦席の後ろに装甲板が張られている。主翼、垂直尾翼、方向舵は木製骨組み羽布張り。主脚はスパッツ無しの固定脚。後期型からプロペラが金属製可変ピッチになり、前期型も全て換装された。全長6.1m、全幅9.75m、全高2.2m、重量1489kg。エンジンはM-25空冷星形（700馬力）単発、最大速度367km、航続距離510km。乗員１名。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１５２＞：I-15の改良型で、I-15bisともいう。カウリングを長くし、エンジンを強化、主翼を延長し、上翼をガル翼でなく普通のタイプに変更、下翼に60リットル入り補助燃料タンク２個を増設した。固定武装を7.62mm機銃ShKAS ４丁に換装し、OP-1射撃照準装置を搭載している。全長6.27m、全幅10.2m、全高3m、全備重量1735kg（1830kg？）。エンジンはM-25B（750馬力）単発、最大速度371km、航続距離340km。下翼下面に50kg爆弾２発または25kg爆弾４発またはRS-82ロケット弾６発を装備可能。乗員１名。1936年から生産された。参考：図解世界の軍用機史、第２次大戦ソ連軍用機写真集、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜Ｉ−１５２ＴＫ＞：試作型。I-152にTK-3ターボチャージャーを装着し、スピナーをやや尖ったものに換装したもの。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１５３＞：ノモンハン事件で日本陸軍九七式戦闘機に苦戦したため、高速化を図ったもので、複葉戦闘機中最高速を誇った。I-152の主脚を引き込み式に変更、上翼をガル翼に戻し、翼幅を短縮、エンジンをM-62Rに換えている。主脚引き込みは手動で、90度捻って後方に引き込む。全長6.17m、全幅10m、全高2.8m、全備重量2110kg（1765kg？）。エンジンはシュベツォフM-62R空冷星型９気筒ガソリン（1000馬力。800馬力？）単発、最大速度440km／425km（高度5000m）、実用上昇限度10700m、航続距離470km（740km？560km？）。固定武装は7.62mm機銃４丁。爆弾150kg（15kg爆弾４発？）またはロケット弾６発（８発？）を搭載できる。乗員１名。1938年8月に初飛行した。1940年からはエンジンをM-63R（1100馬力）に換装し、最大速度が440kmになった。1941年までに3437機が生産された。第２次大戦でも対地攻撃機として1943年まで使用されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、ウォーマシン・レポートNo.67、第２次大戦ソ連軍用機写真集、月刊JWings10,’20

　＜Ｉ−１５３ＢＳ＞：重武装型。武装を12.7mmベレジン機銃の連装に換えた。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１５３（ＤＭ−２装備型）＞：DM-2ターボジェットエンジンを両翼下に１基ずつ搭載したもの。最大速度が430kmまで増加したが、排気口が地面すれすれなので地上で始動させると土砂が大量に撒き上がり、実用的でなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１５３（ＤＭ−４装備型）＞：試作型。DM-4ラムジェットエンジンを下翼に左右１基ずつ吊り下げている。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１５３ＧＫ＞：高々度戦闘機型。I-153のエンジンをターボチャージャー付きのM-63TKに換え、与圧キャビンを装備、コクピット後方を視界確保のため窓にした。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１５３Ｐ＞：武装を20mm機関砲ShVAK２門に換えたもの。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１９０＞：試作型。I-153のエンジンをM-88空冷星形14気筒（1000馬力）に換えたものである。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１９０ＧＫ＞：試作型。I-153GKのエンジンをM-88空冷星形14気筒（1000馬力）に換装したものである。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１５ファミリー＞

　＜Ｉ−１５２ＤＩＴ−２＞：複座練習機型。コクピットをタンデム複座にし、照準器をPAK-1に換装した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１６シリーズ＞：ソ連空軍戦闘機、ニックネームはヤストレボク（鷹）またはイシァク（小ロバ）。世界初の低翼単葉機、引き込み脚装備機である。運動性の高い複葉戦闘機と速度性能に優れる単葉戦闘機を併用するというソ連空軍の方針に基づき、1933年にI-15と並行してポリカルポフ技師が設計し、1933年12月に初飛行、1942年までに10292機が生産された。スペイン内戦でスペイン共和国軍に247機が供与され、スペイン共和国軍からはモスカ（ハエ）、スペイン国家主義軍からはラタ（ネズミ）というニックネームが付けられている。当初はCR32やHe51を圧倒したが、Bf109に負け始めたところでソ連が介入を止めて本土に引き揚げられた。次いで日華事変とノモンハン事件に参加し、初めは九七式戦闘機に圧倒されたものの、ドッグファイトを避けたり兵装を強化したりと改良を加えて対抗している。後継機の開発が遅れたため、独ソ戦勃発時にも主力だったが、さすがに時代遅れであり、モスカ（蝿）やラタ（鼠）などと呼ばれてしまい、1943年までに前線から引き揚げられた。参考：月刊JWings10,’13、4,’01、第２次大戦ソ連軍用機写真集、図解世界の軍用機史、月刊航空ファン6,’17、月刊丸1,'15増刊、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＴｓＫＢ−１２＞：試作機。フランスのノーム・ローン・ジュピターをライセンス生産したM-22エンジンを搭載していた。1933年12月30日（31日？）に初飛行し、試験飛行の結果が良好だったため、直ちに生産準備に移された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１６　１型＞：生産型で、最初はTsKB-12bisと呼ばれた。胴体は寸詰まりで安定性が低く、��翼面荷重で、速度性能に優れるが旋回性能に劣った。ジュラルミン不足に対応するため、機首周り、主翼前半外板、尾翼の骨組みだけをジュラルミンとし、胴体は全木製、主翼後半と尾翼外皮は羽布張りにしている。胴体はセミモノコック構造で、強化縦通材４本、縦通材８本、フレーム11本、合板製外板からなり、外板の表面を羽布で覆って滑らかにした。主翼は鋼製の主桁２本を持ち、ローリングの反応を速くするため上反角は付けていない。主脚は車輪だが、ソリの装備も可能。尾脚は元からソリである。コクピットは密閉式。全長6.07m、全幅9m、全高2.56m。エンジンはライトサイクロン９をライセンス生産したM-25B空冷９気筒星形（775馬力）単発、最大速度456km、航続距離800km。武装は7.62mm機銃ShKASが２丁。乗員１名。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、月刊JWings3,’17、4,’01

　＜Ｉ−１６　４型＞：小改良型。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１６　５型＞：I-16 Tip5。エルロンを改修し、操縦席に厚さ9mmの装甲板を付けたもの。全長5.99m、全幅9m、全高3.25m、全備重量1508kg。エンジンはM-25A空冷星型９気筒ガソリン（730馬力。640馬力？）単発、最大速度390km（445km？）、航続距離540km。固定武装は7.62mm機銃２丁。乗員１名。参考：月刊JWings10,’13、3,’17、第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１６　６型＞：エンジンをM-25（730馬力）に換装し、発射速度の速い機銃を装備したもの。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１６　１０型＞：I-16 Tip10。機首に7.62mm機銃ShKASを２丁追加し、キャノピーを撤去してコクピットを開放式としたもので、1938年1月から配備された。一部にRS-82対空ロケット用RO-82ランチャー６基を主翼下に装着したものがある。全長6.07m、全幅9m、全高3.25m、全備重量1716kg。翼面積14.54平方メートル。エンジンはM-25V（775馬力。755馬力？）単発、最大速度448km、実用上昇限度8500m、航続距離800km（525km？）。固定武装は7.62mm機銃４丁。爆弾200kgまたはロケット弾６発を搭載可能。乗員１名。1937年から中国国民政府向けの機体が生産された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸1,'15増刊

＜Ｉ−１６Ｐ＞：Ｐはプシュカ（機関砲）の略。機首に20mm機関砲２門を搭載したもの。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１６　１７型＞：主翼に20mm機関砲１門ずつを搭載したもの。機首は7.62mmのままである。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１６　１８型＞：エンジンをM-62（1000馬力）に換装したもの。スピナー形状が丸みの強いものとなり、カウリング上部中央にインテイクが付いた。12.7mmベレジン機銃、PV-1機銃、爆弾架などを取り付け、武装試験に供された他、実戦配備にも就いている。後期型からは尾ソリが尾輪に換えられた。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１６　２４型＞：エンジンをM-62またはM-62R（1000馬力）またはM-63（1100馬力）とし、主翼外板を金属製に変更、武装を主翼の20mmShVAK機関砲１門ずつ及び胴体の7.62mmShKAS機銃２丁としたもの。翼下にロケット弾、爆弾、増槽を搭載可能である。全長6.2m、全幅9m、全高2.6m、重量1900kg。最大速度525km。乗員１名。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、図解世界の軍用機史

＜Ｉ−１６　２９型＞：攻撃機型。ガンパックやロケット弾などを搭載可能。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１６ＳＰＢ＞：戦闘爆撃機型。胴体内に92リットル入り燃料タンクを追加して航続距離を伸ばし、左右翼下パイロンに250kg爆弾を搭載可能とした。参考：月刊軍事研究10,’02

＜Ｉ−１６ファミリー＞

　＜Ｉ−１６ＴＫ＞：ターボチャージャー実験機。I-16 10型から１機が改造され、試験を繰り返した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１６ＵＴＩ−４＞：練習機型。I-16 4型ベースで、教官用の後席を設け、燃料タンク容量を減らし、武装を撤去、主脚を固定式にしている。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１６ＵＴＩ−１０＞：練習機型。I-16 10型ベースで、教官用の後席を設け、その分燃料タンク容量を減らした。武装や引き込み式主脚はそのまま。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＴｓＫＢ−１９＞：試作機。イスパノスイザ製液冷エンジンを搭載した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ＴｓＫＢ−３３＞：TsKB-19のエンジンを国産のM-100A（860馬力）に換装したもの。1935年5月に最大速度500kmを記録した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜ズベノ＞：寄生戦闘機型。TB-3爆撃機の主翼下に懸垂する。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ１７＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第４グループ、バス（Bath）。1918年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−１７＞：ソ連空軍戦闘機。TsKB-33の制式化型で、1936年のパリ・サロンに出展された。全長7.37m（8.8m？）、全幅10.2m、全高2.55m、全備重量1655kg（1917kg？）。エンジンはイスパノスイザ12Ybrs（760馬力。２号機以降はライセンス生産したM-100、750馬力）単発、最大速度424km（485km？）、実用上昇限度9260m、航続距離800km。固定武装は20mm機関砲２門、7.62mm機銃２丁。乗員１名。生産されたのは３機のみだが、バルバロッサ作戦にも投入されたようだ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｉ２０＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第３グループ、コールドウェル（Caldwell）。1919年進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−２１＞：Su-57シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ２１＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第４グループ、チャールズタウン（Charlestown）。1918年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−２１＞：ソ連のパシーニンが開発した戦闘機。コクピットは胴体やや後方にある。エンジンはクリモフM-105P単発。1940年7月に初飛行したが、採用されなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２２＞：LaGG-1（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−２２＞：イギリス海軍アルバトロス級水上機母艦アルバトロス（Albatross）。1928年竣工、オーストラリア海軍に就役した。1938年、イギリス海軍に引き渡された。1942年、工作艦に改造された。1945年に予備役に編入され、1946年に除籍された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船11,’00

＜ｉ２２＞：インドネシアのインフォグローバル社が発表した第4.5世代戦闘機コンセプト、別名Sikatan。Cimana Litbang & Rekayasa社（航空宇宙設計会社）との共同設計で、2022年11月2-5日にジャカルタで開催されたインドゥ・ディフェンス2022にコンセプトモデルと実物大モックアップを展示した。機体はステルス設計で、極力小型化しており、外側に傾けた双垂直尾翼を持つ。インドネシアが資金提供しているKFX/KF-21とは違い、エアインテイクはダイバーターレス・スーパーインレットである。インドネシアが独力で戦闘機を開発できることを国民に示すというのが第一義で、実用化の予定は無い。参考：月刊JWings1,’23

＜Ｉ−２２＞：ポーランドのPZLがTS-11イスクラの後継として開発した練習／軽攻撃機、別名イリド（Iryd）。主翼は肩翼配置の後退翼で、左右２カ所ずつのハードポイントを持つ。コクピットは段差付きタンデム複座。胴体下部中央に23mm機関砲ポッドを装備できる。全長13.22m、全幅9.6m、全高4.3m、自重3.96トン、最大離陸重量7.49トン。エンジンはSO-3W-22ターボジェット（推力1.1トン）双発、最大速度マッハ0.85、実用上昇限度12800m。乗員２名。1985年3月3日に初飛行し、1986年10月に公開された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ｉ２３＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第３グループ、キャッスルトン（Castleton）。1919年進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−２６＞：Yak-1シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ２８＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第５グループ、チェスターフィールド（Chesterfield）。1920年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−２８＞：ソ連の試作全木製戦闘機。1938年からウラジミール・ヤツェンコが設計し、1939年6月に飛行テストを開始したが、1941年に開発中止となった。全長8.54m、全幅9.6m、全備重量2780kg。エンジンはシュベツォフM-87A空冷レシプロ（950馬力）単発、最大速度545km、実用上昇限度10400m、航続距離450km。武装は7.62mm機銃ShKASが４丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ３０＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦ディスパッチ（Dispatch）。1919年（1922年？）竣工。1946年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ３５＞：イギリス海軍ペガサス級水上機母艦ペガサス（Pegasus）。元は1914年に就役した航空機運用艦アーク・ロイヤルである。1934年12月21日に空母91アーク・ロイヤルの出現でこの名称に変更され、カタパルトや水上機揚収用ハインマットの実験船として使用され、予備役に編入された。第２次大戦勃発後に現役復帰、本国艦隊所属となり、カタパルトとシーハリケーン戦闘機１機を搭載した。1944年に宿泊船となり、1946年に民間に売却されて商船のアニタ�T世となり、1949年に解体された。参考：月刊世界の艦船11,’00、第２次大戦のイギリス軍艦、歴史群像4,’16

＜Ｉ３５＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第３グループ、チェルシー（Chelsea）。1919年進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ３６＞：イギリス海軍改バーミンガム級軽巡洋艦ヴィンディクティブ（Vindictive）。1916年4月に発注されたが、途中でフューリアス級第１次改装と同様の改造を施され、空母として竣工した。ただし回廊は左舷のみである。その時の諸元は排水量9750トン、速力29ノット。搭載機数６機だった。1925年に飛行甲板を撤去して練習艦になり、第２次大戦では工作艦として使用された。1946年に売却された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜Ｉ４０＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第４グループ、ジョージタウン（Georgetown）。1918年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ４１＞：イギリス海軍シアリーズ級軽巡洋艦キュラソー（Curacoa）。1918年竣工。1942年10月2日、大型高速客船クイーンメリー号（徴用されて兵員輸送に従事中）の護衛に就いていたところ、アイルランド北西部ドネガル沖でクイーンメリー号に舷側から衝突され、船体を切断されて沈没した。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船5,’15

＜Ｉ４２＞：イギリス海軍シアリーズ級軽巡洋艦カーリュー（Curlew）。1917年就役。1940年5月26日、ノルウェー撤退戦でドイツ軍機の爆撃を受け沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ４２＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第３グループ、キャンベルタウン（Campbeitown）。元は1919年に進水したアメリカ海軍平甲板型駆逐艦DD-131ブキャナンで、1940年にイギリス海軍に引き渡された。1942年3月28日、チャリオット作戦に参加。サン・ナゼール港ノルマンディー・ドックのゲートに突入して自爆した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船9,'23、月刊軍事研究1,’15、1,’17

＜Ｉ４３＞：イギリス海軍シアリーズ級軽巡洋艦コベントリー（Coventry）。1918年就役。1938年、６インチ（152mm）砲を全て撤去して４インチ（102mm）高角砲10門と40mm機関砲16門を搭載、世界初の防空巡洋艦となった。1942年9月14日、トブルク上陸作戦参加中にドイツ急降下爆撃機の爆撃を受け、沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、連合艦隊巡洋艦

＜Ｉ４４＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦ダナエ（Danae）。1918年6月竣工。1944年10月、ポーランドに貸与されてコンラッドになった。1946年9月、ポーランドから返還された。1947年に除籍され、1948年1月に売却されてスクラップになった。参考：月刊世界の艦船7,’13、近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ４５＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦ドーントレス（Dauntless）。1918年11月竣工。1928年に座礁して大破したが、修理で復旧した。1946年2月に除籍され、3月に売却されてスクラップになった。参考：月刊世界の艦船7,’13、近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ４５＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第５グループ、チャーチル（Churchill）。1919年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ４６＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦ドラゴン（Dragon）。1918年竣工。1944年、防波堤として使用するため沈められた。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ４９＞：イギリス海軍アーガス級空母Argus。元は1914年起工のイタリア客船で、第１次大戦勃発でイギリス海軍が購入して空母に改造し、1918年9月16日竣工。1925-26年に改装工事を受け、バルジなどを追加した。低速のため練習用として使用されていたが、第２次大戦勃発後は地中海艦隊や本国艦隊に所属して作戦に従事。航空機輸送が主だったが、1941年11月14日に空母91アーク・ロイヤルが沈められて稼働空母がいなくなった際には防空任務にも就いている。1942年に練習空母に戻った。1944年、予備役に編入され、宿泊艦として使用された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船11,’15、3,'21

＜Ｉ５２＞：イギリス海軍Ｅ級軽巡洋艦エンタープライズ（Enterprise）。1926年竣工。1940年7月2日、Ｈ部隊の一員としてカタパルト作戦のためフランス領アルジェリアのメルス・エル・ケビール軍港に向け出撃。1946年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船2,’18

＜Ｉ５２＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第３グループ、サリスバリー（Salisbury）。1919年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ５３＞：イギリス海軍カレドン級軽巡洋艦１番艦カレドン（Caledon）。1917年3月6日竣工。1942年9月、防空巡洋艦に改装するためチャタム工廠に入った。主兵装が10.2cm連装高角砲３基、40mm連装機関砲２基となり、1943年12月に改装を終了。船団護衛に活躍した。1945年、予備役に編入。1948年1月に除籍されて売却された。参考：月刊世界の艦船6,’05、第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜Ｉ５８＞：イギリス海軍シアリーズ級軽巡洋艦カーディフ（Cardiff）。1917年竣工。1946年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ５９＞：イギリス海軍シアリーズ級軽巡洋艦シアリーズ（Ceres）。1917年竣工。1946年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ６０＞：イギリス海軍カレドン級軽巡洋艦カラドク（Caradoc）。1917年就役。1946年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ６１＞：イギリス海軍カレドン級軽巡洋艦カリプソ（Calypso）。1917年竣工。1940年に戦没した。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ６６＞：イギリス海軍Ｅ級軽巡洋艦エメラルド（Emerald）。1926年竣工。1948年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ６７＞：イギリス海軍ケープタウン級軽巡洋艦カーライル（Carlisle）。1918年竣工。1948年に売却された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ７２＞：イギリス海軍ユニコーン級航空機工作母艦ユニコーン（Unicorn）。1943年3月12日竣工・就役。就役後は地中海に展開し、その後太平洋方面で作戦に就いた。朝鮮戦争にも参加している。1958年に除籍された。1959年、スクラップとして売却された。参考：月刊世界の艦船8,’17、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ７３＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第５グループ、スタンリー（Stamley）。1919年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。1941年に戦没。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ７４＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦デリー（Delhi）。1919年5月（6月？）竣工。1923年11月27日から1924年9月28日、特別任務戦隊（Special Service Squadron）の一員として、戦隊次席指揮官兼第１軽巡洋艦戦隊司令官を乗せ、フッド級巡洋戦艦51フッド、レパルス級巡洋戦艦34レパルス、第１軽巡洋艦戦隊軽巡洋艦４隻と共に、東回り世界一周航海（アフリカ南端・パナマ運河経由。航程38152海里）を行った。1924年3月17-25日、メルボルンに寄港。1941-42年にアメリカで改造を受け、兵装を12.7cm両用砲５基、２ポンド４連装高射機関砲２基などに換装した。1947年に除籍され、1948年1月に売却されてスクラップになった。参考：月刊世界の艦船7,’13、7,'22、第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜Ｉ８０＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第５グループ、スターウッド（Sterwood）。1919年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ８１＞：イギリス海軍改バーミンガム級軽巡洋艦フロビッシャー（Frobisher）。1924年竣工。1949年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ８２＞：イギリス海軍ケープタウン級軽巡洋艦カルカッタ（Calcutta）。1919年竣工。1941年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ８６＞：イギリス海軍改バーミンガム級軽巡洋艦ホーキンス（Hawkins）。1919年竣工。1929年、主缶を専焼缶８基に換装した。第２次大戦中、２ポンド砲やレーダーを増強した。1947年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ８７＞：イギリス海軍ケープタウン級軽巡洋艦カイロ（Cairo）。1919年就役。1942年8月、ペデスタル作戦で戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ８８＞：イギリス海軍ケープタウン級軽巡洋艦ケープタウン（Capetown）。1922年竣工。1946年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ８９＞：イギリス海軍ケープタウン級軽巡洋艦コロンボ（Colombo）。1919年竣工。1948年に売却された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−９０＞：MFI（将来戦闘機）を参照。

＜Ｉ９２＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦ディオミード（Diomede）。1922年10月竣工。1925-35年、ニュージーランド海軍に貸与された。1946年4月に売却されてスクラップになった。参考：月刊世界の艦船7,’13、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ９３＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦ダーニディン（Danedin）。1919年10月竣工。1924-37年、ニュージーランド海軍に貸与された。1941年11月24日、ブラジルのペルナンブコ北方でドイツ潜水艦U-124の雷撃により沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’13、近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ９５＞：イギリス海軍タウン級駆逐艦第３グループ、ウェルズ（Wells）。1919年にアメリカで進水。1940年にイギリス海軍に引き渡された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ９５＞：イギリス海軍ハーミーズ級空母（初代）１番艦ハーミーズ（Hermes）。1918年1月起工、1919年進水、1924年2月18日竣工。1942年4月9日、日本軍のセイロン島攻撃の際に空襲を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’20、3,'21、第２次大戦日本海軍作戦年誌、第２次大戦のイギリス軍艦、歴史群像4,’16

＜Ｉ９８＞：イギリス海軍改バーミンガム級軽巡洋艦エフィンガム（Effingham）。1925年竣工。1937-38年に主砲を15.2cm単装砲９門に換装し、煙突を１本に統一した。1940年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜Ｉ９９＞：イギリス海軍Ｄ級軽巡洋艦ダーバン（Durban）。1919年（1921年？）竣工。1944年6月、オーバーロード作戦の際にマルベリー人工港の防波堤として沈められた。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ−１０７＞：Su-5（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−１５２＞：I-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−１５３＞：I-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−１８０シリーズ＞：ソ連空軍試作戦闘機。I-16の改良型で、1938年12月15日に初飛行した。I-185に劣ると判断され、量産化はされていない。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｉ−１８０−１＞：I-16のエンジンをM-87A空冷星形14気筒（950馬力）に換え、カウリングを延長、尾ソリの代わりに尾輪を装着したもの。当初は全金属製にする予定だったが、製作技術に不安があり、没になっている。あまり性能が上がらなかったので、I-180-2が引き続き開発された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｉ−１８０−２＞：I-180-1の機体を拡大、外翼の上反角を大きくし、主脚などを改良した。1938年12月15日に初飛行したが、この時着陸に失敗してパイロットが死亡。２号機も初飛行で錐揉みに陥り、パイロットが死亡した。それでも改良型の製作が決定した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉ−１８０Ｓ＞：I-180シリーズの先行量産型。10機が生産されたものの、初号機と４号機がテスト飛行時に墜落して失われた。残る８機は実戦部隊に引き渡され、バルバロッサ作戦でドイツ軍と交戦している。全長6.88m、全幅10.09m、全備重量2460kg。エンジンはツマンスキーM87B（1000馬力）単発、最大速度585km。固定武装は7.62mm機銃４丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１８５＞：ソ連空軍試作戦闘機。I-180のエンジン強化型である。1941年1月1日に初飛行し、I-180より高性能になる筈だったため量産化に移行する予定だったが、テスト中に事故を起こし、エンジン量産の目途も立たず、機体の製造工場も割り当てが困難で、不採用となった。全長7.68m、全幅9.8m、全高2.5m、全備重量3740kg（3500kg？）。エンジンはシュベツォフM-71（1900馬力）単発、最大速度630km、航続距離835km。固定武装は12.7mm機銃２丁、7.62mm機銃２丁。乗員１名。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−１９０＞：I-15シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−２００＞：MiG-1シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−２０７＞：ソ連のボロフコフとフロロフが開発した複葉戦闘機。胴体前部は金属製、後部は木製、主翼は全金属製である。抗力を小さくするため、上翼は胴体との支柱だけで支え、上下翼間支柱を廃した。降着装置は尾輪式のスパッツ付き固定脚だったが、後に主脚を胴体側面に引き込むようにしている。全長6.7m、全幅7m、全高2.85m、重量1850kg。エンジンはM-63空冷星型14気筒レシプロ（945馬力）単発、プロペラは２翅、最大速度486km、航続距離640km。武装は7.62mm機銃４丁。乗員１名。1937年末に原型機が完成し、３機が製造されたが、量産には至らなかった。うち２機がフィンランド戦に投入されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｉ−２１１Ｙｅ＞：ソ連空軍試作戦闘機。MiG-3にM-82FN空冷エンジンを搭載したもので、1942年12月から1943年8月に10機が試作されたが、La-5FNに負けて採用されなかった。全長7.95m、全幅10.2m、全備重量3100kg。エンジンはシュベツォフM82FN（1850馬力）単発、最大速度670km、実用上昇限度11300m、航続距離1140km。固定武装は12.7mm機銃５丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２２０＞：ロシアのNPK SPP社が開発した目標指示ポッド。TVカメラ、中波赤外線センサー、レーザー・スポット・トラッカーなどを内蔵している。同時追尾目標数４。参考：月刊JWings4,’17

＜Ｉ−２２０（Ａ）シリーズ＞：ソ連空軍試作高々度戦闘機。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２２０（Ａ）＞：MiG-3の高々度迎撃機型、別名MiG-11。採用されず。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２２１（２Ａ）＞：I-220の主翼を2m延長したもの。採用されず。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２２２（３Ａ）＞：高々度戦闘機型。I-221のエンジンをAM-39B-1に換え、プロペラを４翅にした。全長9.6m、全幅13m、全備重量3790kg。エンジンはTK-2Bターボチャージャー付きAM-39B-1、最大速度690km、実用上昇限度14000m、航続距離1000km。乗員１名。1944年4月に完成したが、相手がいないので量産されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２２４＞：MiG設計局の高々度研究機、別名MiG-7。コクピットには与圧を備える。全長9.51m、全幅13m、全高3.6m、重量3921kg。エンジンはターボチャージャー付きのAM39B-1（1750馬力）単発、プロペラは４翅（直径3.5m）、最大速度693km、航続距離1000m。固定武装は20mm機関砲２門。乗員１名。1944年10月20日に初飛行し、テストでは高度14100mに到達してソ連レシプロ戦闘機最高到達高度記録を樹立した。その後の距離飛行テストでターボチャージャーから発火して墜落してしまい、ピッチング安定性不良とエンジン不具合も指摘されていたため、そのまま開発中止になった。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｉ−２２５＞：ソ連の高速戦闘機で、ミコヤンとグレビッチが開発した。エンジンはクリモフVK-107液冷（1700馬力）。高度9700mで最大速度729kmを出し、ソ連のレシプロ機速度記録を打ち立てた。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２３０＞：ソ連空軍試作戦闘機。MiG-3の性能向上型で、AM-35Aエンジンを搭載し、空力的改善を施している。1943年2月に初飛行したが、量産はされなかった。全長8.62m、全幅10.2m、全備重量3260kg。エンジンはAM35A（1350馬力）単発、最大速度660km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２３１＞：ソ連空軍試作戦闘機。I-230のエンジンをAM-39Aに換えたもので、性能は良好だったが、生産ラインを切り替える余裕が無く、量産には至らなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−２５０＞：MiG-13（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−２５０＞：アメリカの小型精密誘導爆弾、略称SSB（小型スマート爆弾）。JDAMの派生型誘導システムを搭載した250ポンド爆弾で、CEP3m、対コンクリート貫徹力1.6mを目指している。全長1.83m、直径0.152m。SDBとして実用化された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究9,’18

＜Ｉ−２５０（Ｎ）＞：ソ連空軍試作戦闘機。I-225の胴体後部にVDRKロケットエンジンを装備したものである。16機が製作されて試験に賦され、1945年5月に最大速度829kmを記録した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉ−３０１＞：LaGG-3シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−３３０＞：Su-1（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−３５０＞：MiG-19シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−３６０＞：Su-3（戦闘機）を参照。

＜Ｉ−５００＞：フランス軍の500ポンド貫徹爆弾。キットを付ければレーザー誘導爆弾にもなる。全長1.58m、直径0.218m、重量256kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＩＡ−３５＞：アルゼンチンのFMAが開発した航空機、別名ウアンキュエロ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＩＡ−５０＞：アルゼンチンのFMAが開発した航空機、別名グアラニ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＩＡ−５８シリーズ＞：アルゼンチン空軍COIN機、別名プカラ（Pucará。要塞を意味するケチュア語Pukaraのスペイン語表記）。アルゼンチンのFMAが開発し、試作初号機はギャレット・エアリサーチTPE331（840軸馬力）を装備して1969年8月20日に初飛行、試作２号機はチュルボメカ製アスタズー16G（1022軸馬力）に換装し、以降試作５号機まで製造してテストを行った。量産初号機は1974年11月に完成し、翌年からアルゼンチン空軍に71機が引き渡され、ウルグアイ、コロンビア、スリランカに輸出されている。頑丈さには定評があり、フォークランド紛争ではシーハリアーから30mm機関砲弾20発以上を喰らっても暫く耐えていた。量産ペースが遅いため、機体ごとにパーツや仕様が違っており、ウルグアイでエンジンを換装しようとしたが手間と資金が掛かりすぎて無理だった。機体よりも先にエンジンの予備パーツが生産終了となり、アルゼンチンではサフランと交渉して20機分のオーバーホールと予備パーツ確保に成功、2025年頃まで運用する。参考：世界の軍用機1982、月刊航空ファン11,’16、月刊航空ファン10,’17

＜ＩＡ−５８Ａ＞：胴体はジュラルミン中心の全金属製セミモノコック構造で、幅を狭くして抗力を抑えた。主翼は低翼配置で、矩形の内翼と上反角及び後縁に７度の前進角を付けた台形外翼を組み合わせており、内翼の半ばに主脚格納部兼エンジンナセル、内翼後縁と外翼内側後縁に隙間フラップを持つ。尾翼はＴ型。コクピットはタンデム複座で、後席が一段高くなっており、対ゲリラ戦では後席員が地上の監視を担当する。後席にも操縦装置が付いているが、操縦要員が後席に乗るのは訓練の時くらいである。降着装置は前輪式で、不整地飛行場での運用を考慮して主脚は低圧ダブルタイヤにしている。前輪はシングルタイヤで、主翼や胴体下に兵装を取り付けても地上との十分なクリアランスを確保するため前脚が長く、トラブルも多いらしい。全長14.1m、全幅14.5m、全高5.36m、自重4.037トン、最大離陸重量6.486トン。翼面積30.3平方メートル。エンジンはチュルボメカ製アスタズー16Gターボプロップ（1022軸馬力）双発、プロペラはラティアフォレスト23LF（３翅）、経済巡航速度232ノット、最大巡航速度261ノット、最大速度281ノット、失速速度77.5ノット、実用上昇限度8280m、燃料搭載量1422リットル、航続距離1640海里（300リットル増槽２基）。固定武装は20mm機関砲イスパノスイザHS.804が２門（機首下面左右）、7.62mm機銃ブローニングFNM2-30が４丁（機首両側面２丁ずつ）。胴体下面及び内外翼結合部（エンジンナセル外側）にある計３カ所のハードポイントに1.5トンまでの爆弾、ロケット弾、330リットル増槽を搭載できる。乗員２名。60機が生産された。参考：世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91、ザ・マーチ５号、空軍

＜ＩＡ−５８Ｂ＞：機首の固定武装を30mm機関砲DEFA553に換装し、アビオニクスを強化したもの。全長14.25m、全幅14.5m、全高5.36m、自重4.03トン、最大総重量6.8トン。エンジンはチュルボメカ製アスタズー�]�WＧ（988軸馬力）双発、最大速度252ノット、実用上昇限度7400m、燃料容量782リットル＋330リットル増槽２本、航続距離782海里（機内燃料のみ）／1620海里（最大燃料）。固定武装は30mm機関砲２門＋7.62mm機銃２丁。３カ所のハードポイントに125kg爆弾なら12発、アルカン530ロケットランチャーなら６基、増槽なら３基を搭載できる。30mmガンポッド１基＋アルカン530ロケットランチャーや、増槽２基＋アルカン530ロケットランチャー４基という混載も可能。乗員２名。1979年5月15日に初号機が初飛行し、40機が生産された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982

＜ＩＡ−５８Ｃ＞：Ａ型を単座にして燃料タンクを大型にしたもの。アルゼンチン空軍が15機を配備する予定だったが、予算不足でキャンセルされた。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン11,’16

＜ＩＡ−５８海外シリーズ＞

　＜ＩＡ−５８（ウルグアイ空軍）＞：ウルグアイ空軍COIN機。６機を発注して1981年5月から受領し、後に２機をアルゼンチン空軍からリースして全機第２航空旅団第１航空（攻撃）群（1989年に第１飛行隊に改称）に配備した。兵装搭載能力向上のため、機体構造を強化している。NVG対応計器を採用し、リットンLTN211-218INSとGPSオメガ航法システムを追加、L3製WX-500ストームスコープやサンデルSN3500広報用LEDディスプレイを搭載した。当初はP-51D用の500ポンド爆弾を使っていたが、後にMk82スネークアイ、Mk83スネークアイ、LAU-68/Aをアメリカから購入した。1000リットル増槽も装備可能。極左武装ゲリラの掃討や、麻薬密輸監視に就いている。アスタズー・エンジンの予備パーツが生産終了となってしまい、装備機数が少なすぎてメーカーのサフランが要求する最低生産数をクリアできる見込みは無く、エンジンをプラット＆ホイットニー社製PT6A-62に換装する計画も予算不足で見送られ、2017年3月17日に最後の１機が退役するが、後継機が決まっていない。参考：月刊航空ファン11,’16

　＜ＩＡ−５８Ａ（スリランカ空軍）＞：スリランカ空軍COIN機。本当はA-10攻撃機を導入したかったが、アメリカ政府から輸出許可が下りなかったため、代わりとして1992-94年に５機を導入した。スリランカ内戦に投入したが、MANPADSで３機を撃墜され、1997年に除籍された。参考：月刊航空ファン10,’17

＜ＩＡ６３シリーズ＞：アルゼンチン空軍中等練習・軽攻撃機、別名パンパ（Pampa）。MS.760練習機の後継で、アルゼンチンのFMAがドルニエ社の協力で開発し、1984年10月6日に原型初号機が初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、月刊航空ファン6,’10、月刊JWings4,’20

　＜ＩＡ６３＞：主翼はドルニエ社設計のスーパークリティカル翼で、肩翼配置の直線翼、アスペクト比４、翼厚比は付け根14.5%・翼端12.5%。コクピットはタンデム複座で、HUDを装備しており、後席（教官席）の方が高い。キャノピーは一体型で、後方ヒンジにより上に開く。ハードポイントは胴体下面１カ所と翼下計４カ所で、訓練爆弾や30mmDEFA機関砲ポッド（胴体下面のみ）の搭載も可能である。全長10.93m、全幅9.69m、全高4.29m、自重2.821トン（2.627トン？）、総重量3.43トン（クリーン）／3.5トン（標準）／3.7トン（機内タンク）／５トン（最大）。エンジンはギャレット・エアリサーチTFE731-2C-2N（推力1.56トン。TFE731-2-2N・推力1.68トン？）単発、巡航速度403ノット、最大速度マッハ0.73／741km（海面高度）、制限マッハ数0.8、実用上昇限度12900m、海面上昇率毎分1420m、燃料容量968リットル、フェリー航続距離809海里／1500km（高度4000m）。乗員２名。1987年12月に量産初号機が完成し、1988年から配備された。19号機からエンジンをTFE731-3G（推力2.041トン）に強化している。ブラジル空軍も採用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982

　＜パンパＮＧ＞：1997年に発表された改良計画で、NGはNew Generationの略。エンジンとアビオニクスを更新し、増槽を搭載可能とする。練習機型パンパNGAと攻撃機型パンパNGBに分かれる。2001年にIA63シリーズ２に改称された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＡ６３シリーズ２＞：攻撃機型。機体構造を強化し、ロッキード・マーチン社製AN/APG-67レーダーやHUDを追加している。アルゼンチン空軍が採用した。参考：月刊航空ファン6,’10、世界航空機年鑑2018-2019

　＜パンパ�U＞：2006年から６機が生産された。参考：月刊JWings1,’14

　＜パンパ�V＞：練習機型。エンジンを強化し、射出座席をロシア製に変更、計器板をグラスコクピット化し、HMDを導入した。18機を生産予定で、2013年10月10日に初号機が完成している。2018-20年に第１次生産分として６機が配備され、2022年4月22日に第２次６機の納入が始まった。参考：月刊JWings1,’14、7,’22

　＜ＩＡ−６３ＧＴ＞：パンパ�Vの軽攻撃機兼兵装訓練機型。エルビット社製ミッションコンピュータ・暗視装置・カラーMFD３枚によるグラスコクピットを搭載し、エルビット社製タルゴ外装式HMDに対応している。ガンポッド、ロケット弾、250kgまでの爆弾を搭載可能。初号機は2018年9月21日に初飛行した。20機を生産予定で、2019年2月から配備中。参考：月刊JWings1,’14、2,’19、3,’20、4,’20

＜ＩＡ−６６＞：アルゼンチンのFMAが開発したCOIN機で、IA-58のエンジンをギャレットTPE331に変更したものである。試作のみ。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＩＡ−１００＞：アルゼンチンのFAdeA社が開発中の初等練習機。参考：月刊軍事研究1,’16

＜ＩＡＣ＞：MAN社とクラウス・マッファイ・ヴェクマン社が開発したHX・SXトラック用装甲キャビンで、インテグレイテッド・アーマー・キャビンの略。APK（アダプティブ・プロテクション・キット）を装着することでNATOレベルN2（7.62mm通常弾防御）の全周防御力とレベル１の耐地雷防御力を持たせることができる。ドイツ、オーストリア、デンマーク、ノルウェーで採用を検討中。参考：月刊軍事研究9,’06

＜ＩＡＣ−１＞：ヴィクラント級空母（２代目）を参照。

＜ＩＡＣ−２＞：ヴィシャール級（空母）を参照。

＜ＩＡＤＥ＞：チュニジア国際航空宇宙防衛展示会を参照。

＜Ｉ．Ａｅ．２７＞：アルゼンチン空軍試作ジェット戦闘機、別名プルキー（Pulqui、矢）�T。I.AeはInstituto Aerotecnico（航空技術研究所）の略である。第２次大戦終戦後にドイツへの協力嫌疑を掛けられてアルゼンチンに逃れていたフランスのデヴォワティーヌ技師がアルゼンチン航空工廠で開発した。機首にエアインテイクがあり、切れ上がった機体尾部下面から筒状の排気ノズルが真後ろに突き出している。主翼は低翼配置の直線翼。降着装置は前輪式。エンジンはロールスロイス社製ダーウェント５（推力1.633トン）単発。1947年8月に初飛行し、1951年2月8日にはブエノスアイレス空港でI.Ae.33と共に一般公開展示飛行を行ったが、性能不足で採用されず、アルゼンチン空軍博物館送りになった。参考：月刊JWings9,’21

＜Ｉ．Ａｅ．３３シリーズ＞：アルゼンチン空軍試作ジェット戦闘機。I.AeはInstituto Aerotecnico（航空技術研究所）の略である。第２次大戦終戦後にアルゼンチンに逃れていたドイツのクルト・タンク技師と元フォッケウルフ社技術者がアルゼンチン航空工廠でTa183をベースに開発し、飛行試験初号機は1950年6月27日に初飛行した。開発中の1951年2月8日にはブエノスアイレス空港でI.Ae.27と共に一般公開展示飛行を行っている。参考：月刊JWings9,’21

　＜Ｉ．Ａｅ．３３＞：別名プルキー（Pulqui、矢）�U。エンジンはロールスロイス社製ニーン�U遠心式ターボジェット（推力2.313トン）単発。飛行試験初号機の２回目の飛行で高速飛行時の横安定性不良が指摘され、翼端失速が疑われたため、主翼平面形とラダーを改良し、1950年10月23日から飛行試験に戻った。この時は高々度試験で失速したため、機首にバラストを積んで重心を調整している。1951年5月31日、速度1000km超でバフェッティングを起こしたため、タンク技師が飛行停止措置を執ったが、午後に何故か飛行試験が継続され、主翼取り付け部の溶接不良により主翼が脱落、射出座席で脱出したパイロットがパラシュート開傘前に地面に衝突して死亡した。1952年9月23日、スピードブレーキを追加し、ラダーを拡大、機内燃料容量を1060リットル増しの3090リットルとした飛行試験２号機が初飛行したが、10月9日に低空飛行中に失速して墜落、パイロットも死亡した。飛行試験３号機は境界層板と胴体後下部左右ストレーキを追加し、イスパノ20mm機関砲４門を装備して1953年8月20日に初飛行したが、航空産業の遅れと予算不足などで開発が進まないうちに1955年9月のクーデターでクーデター派に接収され、大統領派に対するミッションに投入された（内容は不明）。1956年、飛行試験３号機が仮想地上掃射デモンストレーションを行ったが、酸素マスクが故障して操縦困難になり着陸に失敗、降着装置が破損した（パイロットは一時的な酸欠だけで無事）。参考：月刊JWings9,’21

　＜プルキー�Uｅ＞：飛行試験４号機。量産仕様で、クーデター前に12機が発注され、クーデター後には100機に増やす計画もあったが、クーデターでタンク技師らをクビにしてしまったため開発が停止、予備部品をかき集めて初飛行したのは1959年9月18日で、輸入が決まったF-86Fで十分なため開発中止となり、アルゼンチン空軍博物館行きになった。参考：月刊JWings9,’21

＜ＩＡＥＡ＞：国際原子力機関（International Atomic Energy Agency）の略。1953年の第８回国連総会で設置が決まり、1956年10月26日にIAEA憲章が作成されて1957年7月29日に発効、IAEAが発足した。全世界における平和・保健・繁栄に対する原子力の貢献を促進・増大する機関で、原子力安全基準の策定、放射性廃棄物の安全基準の策定、放射線防護基準の策定、放射性物質安全輸送規則・原子力安全に関する専門家会合の開催、特殊核分裂性物質（プルトニウム239、ウラン233、ウラン235またはウラン233の濃縮ウラン、前記のものの１つまたは２以上を含有している物質、IAEA理事会が随時決定する他の核分裂性物質。ただし原料物質を除く）その他の物質・役務・設備・施設・情報が軍事的目的を助長するような方法で利用されないことを確保するための保障措置の設定・実施などを行う。参考：ベーシック条約集2018、放射線健康科学

＜ＩＡＧＣ＞：瞬間自動ゲインコントロールの略。レーダー受信機のゲインを数マイクロ秒で自動調節できるもので、ECMによるレーダー飽和攻撃がかけられてもすぐに対応できる。参考：月刊エアワールド4,’00

＜ＩＡＩ−２０１＞：アラバ・シリーズ（輸送機）を参照。

＜ＩＡＩ−２０２＞：アラバ・シリーズ（輸送機）を参照。

＜ＩＡＩ１１２４＞：IAI社のビジネスジェット、別名ウエストウインド。ロックウエル社製ジェットコマンダーの製造権を譲渡されたものである。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＩＡＩ１１２４ファミリー＞

　＜シースキャン＞：イスラエル空軍洋上哨戒機Seascan。IAI社が開発した。リアジェット機で、主翼は直線翼、翼端増槽を持つ。機首にAN/ASP-504レーダーを収容したレドームがあり、胴体中央側面に追加したパイロンにフレア・ディスペンサーを搭載する。IFF、FLIR、LLLTV、MAD、ソノブイなどの追加装備も可能。航法装置はVLF／オメガ。全長16.80m、全幅13.65m、全高4.81m、自重5.578トン、最大離陸重量10.364トン。エンジンはギャレット・エアリサーチTFE731-3-1G（推力1.678トン）双発、経済巡航速度400ノット、最大速度471ノット、燃料容量4920リットル。乗員4-6名。参考：世界の軍用機1982、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＩＡＩ１１２５シリーズ＞：IAI社のビジネスジェット、別名アストラ（Astra）。IAI1124の改良型で、1979年に発表され、1984年3月19日に初号機が初飛行し、1985年8月29日に形式証明を取得した。2001年6月、IAI社がガルフストリームの傘下に入ったため、G100に改称された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＡＩ１１２５＞：最初の量産型。IAI1124の前部胴体を改良してキャビンを長さ5.23m・高さ1.7mに拡大、主翼をシグマ２翼型のスーパークリティカル翼とし、アスペクト比も９近くに大きくした。計器板にはCRTディスプレイを積み、GPS航法装置を備える。31機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＡＩ１１２５ＳＰ＞：

　＜ＩＡＩ１１２５ＳＰＸ＞：ウイングレットを装着したタイプ。アメリカ空軍がC-38として採用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＩＡＩ１１２６＞：ギャラクシー・エアロスペース社のビジネスジェット、別名ギャラクシー。IAI1125アストラの改良型で、胴体を拡大してIAI1125SPXの主翼を取り付け、燃料容量を拡大してニューヨーク−パリ無着陸飛行ができるようにしたものである。当初はIAI社製アストラ４になる予定だったが、改良が広範囲になるので改称し、開発販売担当のギャラクシー・エアロスペース社も創設し、1998年12月にアメリカとヨーロッパで形式証明を取得した。IAI1125のキャビン天井高を0.2m増しの1.9m、幅を0.7m増しの2.18mとし、胴体断面を円形に変更している。主翼はIAI1125SPXを少し拡大したもので、ウイングレットとクルーガー・フラップを持つ。主翼キャリースルーは胴体下方に置き、キャビンを邪魔しないようにした。1999年から引き渡された。2001年6月、IAI社がガルフストリームの傘下に入ったため、G200に改称された。後継改良型G250/G280の完成に伴い、生産を終えた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＩＡＩ社＞：Israel Aerospace Industries（イスラエル航空工業）社の略。イスラエルの国営航空宇宙防衛企業で、1953年にイスラエル国防省が設立した。フランスのコピーから始まり、ネシェルやクフィールを開発。ラヴィの開発には失敗したが、F-15やF-16のライセンス生産を行っている。無人機の開発も進めており、1970年代からスカウトを生産、パイオニアは湾岸戦争でアメリカ軍も使用した。2001年6月、ガルフストリームに買収されて傘下に入った。参考：月刊JWings1,’14、月刊軍事研究1,’09、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＩＡＭＤ＞：統合防空ミサイル防衛を参照。

＜ＩＡＭＤ　ＤＤＧ＞：イージスシステム・ベースライン9Cを参照。

＜ＩＡＰ＞：国際空港（International Air Port）の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＩＡＰ＞：NATO軍がアイスランドに戦闘機を派遣して実施しているスクランブル・ミッションで、Icelandic Air Policing（アイスランド領空警備）の略。2008年、NATO軍JRC-B（ブリュンスム連合統合軍。アメリカ、カナダ、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー）が参加して開始された。2012年、リスボン連合統合軍JFC-L（要するにポルトガル）が参加。2013年、ナポリ連合統合軍JFC-N（要するにイタリア）が参加。2019年3月11日、イタリア空軍F/TF-2000Aタイフーン戦闘機４機（第37航空団第18航空群から２機、第４航空団第９航空群から１機、第36航空団第12航空群から１機）がアイスランドのケフラビク国際空港に展開し、航空任務部隊第37航空団として4月11日までスクランブルに就き、3月18日と3月28-29日にロシア海軍Tu-142MK哨戒機にスクランブル発進した。9月26日、イタリア空軍F-35A戦闘機６機がアイスランドのキエブラヴィーク基地に展開し、10月から１ヶ月のスクランブル任務に就いた。2020年2月20日、ノルウェー空軍第332飛行隊F-35A戦闘機４機がキエブラヴィーク基地に到着し、３月から３週間のスクランブル任務に就いた。この間、うち３機がアメリカ空軍B-2A爆撃機２機と共同訓練を行っている。6月、イタリア空軍F-35A戦闘機６機と人員135名がキエブラヴィーク基地に展開し、任務に就いた。7月3日、ロシア機が接近したため、イタリア空軍F-35A戦闘機がキエブラヴィーク基地からスクランブル発進した。2021年2月22日、ノルウェー空軍第332飛行隊F-35A戦闘機４機と人員130名がキエブラヴィーク基地に到着し、２日間の資格認定試験の後、スクランブル任務に就いた。3月末、ノルウェー空軍第332飛行隊F-35戦闘機４機が任務を終えて帰国。2022年4-6月、イタリア空軍がキエブラヴィーク基地にF-35A戦闘機４機と人員130名を派遣。2023年1月20日、ノルウェー空軍F-35A戦闘機がキエブラヴィーク基地への展開を開始。参考：月刊航空ファン7,’19、11,’15、12,’19、月刊JWings5,’20、6,’20、8,’20、10,’20、6,’21、7,’22、9,’22、4,’23

＜ＩＡＰＯ＞：イルクーツク航空機製造共同体の略。

＜ＩＡＲ＞：M27（自動小銃）を参照。

＜ＩＡＲ＞：インダストリア・アエロノーティカ・ロマーナル（Indastria Aeronautica Romana S.A.Brasov、ルーマニア航空機工業）の略。1925年に創設された。1939年春、IAR80戦闘機／IAR81急降下爆撃機が初飛行。1973年、IAR823練習機が初飛行。参考：月刊JWings4,’15、月刊エアワールド8,’05

＜ＩＡＲ１５＞：ルーマニアの試作戦闘機。IAR14練習機がベースで、機体は鋼管骨組み羽布張り、主翼は低翼配置、降着装置はスパッツ付き固定脚。試作止まりで量産はされなかった。全長7.76m、全幅11m、全備重量1650kg。エンジンはノームローン・ミストラル9Kers（600馬力）単発、最大速度375km、実用上昇限度10500m。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＩＡＲ３７＞：ルーマニアの複葉偵察爆撃機。全長9.5m、全幅12.22m、全備重量3460kg。エンジンはIARK-14（870馬力）、最大速度335km、実用上昇限度8000m。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＩＡＲ３９＞：ルーマニアの複葉戦闘・軽爆撃機。機体は全金属製で、前線飛行場でも使用可能なように頑丈な固定脚を持っている。エンジンはIAR14K11C32単発。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＩＡＲ．８０シリーズ＞：ルーマニア軍単葉戦闘機。IAR社がPZL製P.11f/P.24Eのライセンス生産の経験を元に開発した。各型計485機が生産された。参考：月刊エアワールド8,’05、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊航空ファン11,’11、月刊丸2,’12

＜ＩＡＲ．８０＞：1939年4月に初飛行し、1941年2月に量産機がロールアウトした。エンジンマウントやカウリングはP24Eのコンポーネントを流用している。全長8.17m、全幅10m、全備重量2290kg。エンジンはIAR社製ノームローン14K（940馬力）単発、最大速度550km、実用上昇限度10500m、航続距離590km。武装は20mm機関砲１門と7.92mm機銃４丁で、1941年5月から7.7mm機銃を６丁に強化した。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊エアワールド8,’05

＜ＩＡＲ．８１＞：戦闘爆撃機型。爆弾架を装着しており、爆弾200kgを搭載可能である。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊エアワールド8,’05

＜ＩＡＲ．８１＞：IAR.80シリーズ（戦闘爆撃機）を参照。

＜ＩＡＲ．９３シリーズ＞：ルーマニア空軍攻撃機、別名ヴァルトゥル（Vultur、禿鷹）。ルーマニアとユーゴスラビアの国際共同開発機構JUROMが開発した攻撃機で、ユーゴスラビア空軍も採用しており、こちらは制式名称J-22（Ｊは攻撃機Jurnilの略）、別名オラオ（Orao、鷹）。量産はルーマニアがAvioane Craiova社、ユーゴスラビアがSOKO社。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＩＡＲ．９３＞：試作型。ルーマニアとユーゴスラビアが材料的・技術的に背伸びせず量産でき、不整地滑走路でも運用できるよう設計された。エンジンは単発で済ます予定だったが、ワルシャワ条約機構に加盟しているルーマニアに対してイギリスが強力なエンジンを輸出しなかったため、アフターバーナー無しのロールスロイス社製バイパー（推力17.8kN）をライセンス生産し、双発機にした。1974年10月31日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＩＡＲ．９３Ｂ＞：量産型、オラオ２（Orao 2）。外見はジャギュアやアルファジェット（ついでに三菱F-1）に類似している。エンジンはアフターバーナー付きに換装して垂直尾翼を増積し、パワーダイブでの超音速飛行（水平飛行では無理）も可能となった。主翼は高翼配置で、胴体側面エアインテイク頂部から下反角付きで取り付けられている。胴体下面に垂直フィン２枚を有し、大迎え角でも方向安定性を保てるようにした。降着装置は前輪式で、前脚（シングルタイヤ）は機首内、主脚（ダブルタイヤ）は胴体内に、両方とも前方に向かって引き込まれる。電子装備はイギリスやフランス製。全長14.88m／13.99m（プローブ無し。13.02m？）、全幅9.63m（9.3m？）、全高4.55m、自重5.55トン、総重量8.6-10.5トン。翼面積26平方メートル。エンジンはロールスロイス社製バイパーMk.633-41/-47（ミリタリー推力1.814トン、A/B時推力2.267トン）双発、最大速度1130km（水平飛行）／マッハ1.01（降下時）、実用上昇限度13000m、燃料搭載量2.7トン、航続距離1320km、戦闘行動半径195海里（Hi-Lo-Hi、兵装２トン搭載）／162海里（Lo-Lo-Lo、兵装２トン搭載）。固定武装は23mm機関砲NR-23/GSh-23L２門（機首左右１門ずつ）。ハードポイントは翼下２カ所ずつ、胴体下面中心線上に１カ所。兵装搭載量2.5トン（各ハードポイント0.5トンずつ。計2.8トン？）。爆弾、ロケット弾、K-13/R-3/R-60空対空ミサイル、偵察ポッド、増槽を搭載可能。乗員１名。J-22はグロム１対地ミサイル（Kh-23の改良型）とAGM-65B対地ミサイルを運用可能。1974年9月に初飛行し、1978年から量産・配備された。参考：月刊航空情報2,’10、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊エアワールド8,’05、世界の軍用機1982、1979、月刊JWings5,’11

＜ＩＡＲ．９３ファミリー＞

　＜ＮＪ−２２Ａ＞：複座型で、1986年7月に初飛行した。胴体中心線下パイロンに光学・赤外線センサーポッドを搭載できる。ユーゴスラビア空軍にNJ-22Bと合わせて35機が配備された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＮＪ−２２Ｂ＞：NJ-22Aのエンジンをアフターバーナー付きに換装したもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＩＡＲ−９９＞：ルーマニア空軍高等練習機、別名ソイム（Soim）。ルーマニアICAが開発し、1985年12月に初飛行した。主翼は低翼配置の直線翼で、ドーサルフィン付きの垂直尾翼を持つ。胴体は全金属製セミモノコック構造、座席は後席が一段高いタンデムである。全長11.01m、全幅10.16m、全高3.9m、空虚自重3.364トン、最大離陸重量5.641トン、最大着陸重量3.985トン。エンジンはロールスロイス社製バイパー632-41ターボジェット（推力1.814トン）単発、最大速度865km、超過禁止速度マッハ0.76、実用上昇限度12600m、燃料容量1.08トン＋0.36トン（増槽）、航続距離967km。ハードポイントは胴体下１カ所と主翼下片側２カ所ずつで、増槽、ロケットポッド、爆弾など計１トンを搭載可能。乗員２名。50機が配備された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊軍事研究12,’98、月刊JWings11,’14

＜ＩＡＲ−９９ファミリー＞

　＜ＩＡＲ−９９ＴＤ＞：ルーマニア航空宇宙開発拠点が開発している新型練習機用技術実証機型。レオナルド社製ビクセン500Eアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを搭載する。参考：月刊JWings11,’17

＜ＩＡＲ−３１６Ｂ＞：アルエート�V海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＩＡＲ−３１７＞：ルーマニアの攻撃ヘリコプター、別名エアフォックス。1970年代半ばから開発され、1984年4月に初飛行した。SA316Bアルエート�Vの後部胴体、機関系、テイルブームを流用して製作している。前部胴体は新設計で、コクピットはタンデム複座。胴体側面にスタブウイングを搭載し、9M14対戦車ミサイル３発ずつとUV-12-57箱形ロケット弾ポッド２基ずつを装備できる。機首左右に7.62mm機銃収容ゴンドラを装着可能。安価なことがセールスポイントだが、汎用ヘリの武装型で代用できなくもないため、売れていない。参考：月刊PANZER1,’90、週刊エアクラフトNo.97

＜ＩＡＲ３３０＞：SA330海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＩＡＲ８２５ＴＰ＞：ルーマニア空軍練習機、別名トリンフ（Triumf）。1982年6月12日に初飛行し、同年のファーンボロ航空ショーで初公開された。IAR-823がベースで、主翼は動翼（フラップとエルロン）外板が金属製になったこと以外は同じものを使っている。胴体は全金属製セミモノコック構造、コクピットはタンデム複座。全長8.99m、全幅10m、全高3.2m、自重1.25トン、最大離陸重量1.7-2.3トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-15AG（680軸馬力）単発、最大巡航速度210ノット、最大速度226ノット、超過禁止速度296ノット、実用上昇限度9000m、最大航続距離647海里＋30分。乗員２名。1973年に15機が引き渡された。あと85機装備する計画だったが、1990年になっても生産されていない。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＩＡＲ８３１＞：ルーマニアの練習機、別名ペリカン（Pelican）。IAR-825TPのエンジンをIAR-823と同じライカミングIO-540-GID5レシプロ（290軸馬力）に換装したもので、1983年のパリ航空ショーで初公開された。発注は得られていない。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＩＡＳ＞：指示対気速度の略。

＜ＩＡＶ＞：ストライカー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＩＡＶ＞：Infantry Assault Vehicle（歩兵強襲車）の略。イスラエル軍用語で、戦車ベースの重装甲兵員輸送車のことである。参考：月刊PANZER6,’14

＜ＩＡＷＳ＞：XM25（グレネードランチャー）を参照。

＜ＩＢＡ＞：インターセプターボディアーマー（破片防止ジャケット）を参照。

＜ＩＢＡＴ＞：BATシリーズ（誘導弾）を参照。

＜ＩＢＣＳ＞：アメリカ陸軍の防空指揮管制システムで、Integrated Air and Missile Defence Battle Command Systemの略。ノースロップ・グラマン社製。2019年、F-35戦闘機のセンサーによる探知追尾情報を受領するテストに成功した。直接情報をやりとり出来ないので、F-35戦闘機用地上局の接続キットを介している。同年、PAC-3で巡航ミサイル模擬標的を撃墜する訓練を行い、成功した。2021年、巡航ミサイル迎撃試験を実施。巡航ミサイル模擬標的２発をアメリカ海兵隊AN/TPS-80対空捜索レーダーとF-35戦闘機で探知してCECと連接したIBCSにデータを送り、PAC-3で迎撃した。参考：月刊航空ファン11,’19、月刊JWings11,’19、10,’21

＜ＩＢＣＴ＞：ストライカー旅団戦闘団または歩兵旅団戦闘団を参照。

＜ＩＢＤＳ＞：イギリス陸軍がテスト中の統合細菌探知システム。リーランド４輪駆動トラックに搭載され、空気遮断室や除染室区域などの安全装備を持ち、高度に自動化されている。参考：月刊軍事研究12,’02

＜ＩＢＩＳ＞：イギリス陸軍とデルコ社が共同開発している戦術インターネットで、統合戦場情報システムの略。陸軍の全車両・全航空機に装備し、互いにデータをやりとりすることで、車長や機長が敵味方の配置、地形、障害物状況などを確認し、火力支援、射撃要求、医療支援、後送要請、指揮所との通信、命令授受などをリアルタイムで実施することが可能となる。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＩＢＳ＞：アメリカ軍のデータ通信システムで、Integrated Broadcast Systemの略。ミサイル防衛関連データ通信用で、端末はJTTと呼ばれる。参考：日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＩＢＳ−１Ｂ＞：自衛隊の艦橋情報表示装置。24DDHに搭載されている。古野電気製。参考：月刊軍事研究5,’15

＜ＩＣ＞：国家情報共同体を参照。

＜ＩＣＡＭ＞：アメリカ軍の改良型化学剤モニター。CAMの改良型である。参考：月刊軍事研究8,’02

＜ＩＣＡＯ＞：国際民間航空機構（International Civil Aviation Organization）の略。国際航空の安全と発展を確保するための機構で、1947年4月に国際民間航空条約に基づく国連専門機関として創設され、モントリオールに本部を置いた。日本は1953年10月に加盟している。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ＩＣＡＳ＞：オランダ海軍ホラント級哨戒艦が装備する統合通信アンテナシステムIntegrated Communications Antenna System。VHF/UHF通信機器、リンク16、通信電波探知装置、イリジウム、ワイマックスなどのアンテナを平面アンテナに統合し、アイマスト400の四周に取り付けたものである。参考：月刊軍事研究1,’14

＜ＩＣＢＭ＞：Inter-Continental Ballistic Missile（大陸間弾道ミサイル）の略。射程5500km以上のものを呼ぶ、と米ソ戦略核兵器削減交渉で定義されている。これは北極海を挟んだソ連とアメリカ本土の最短距離で、実際には10000kmくらい必要になる。発射から着弾まで30-40分、最大射程・最小エネルギー弾道（Minimum Energy Trajectory）での最高到達高度は1000-1500km、最大速度秒速6-7km。再突入時は弾速マッハ24、弾頭温度数千度になるので、耐熱システムの開発が必須である。地上配備なので24時間365日の即時発射態勢を整えるのがSLBMや戦略爆撃機より容易だが、固定サイロ配備だと脆弱性が高く、大型のミサイルに換装する際にはサイロを掘り直さなければならず、ロシアでは列車搭載型を開発した。参考：月刊JWings12,’03、月刊軍事研究9,’05、6,’17、8,’17、7,’18、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊世界の艦船2,’18、核兵器図鑑

　＜第１世代ＩＣＢＭ＞：発射直前に推進剤や酸化剤の注入が必要なタイプ。発射するまで15分くらいかかるので、早期警戒レーダーが警報を出してから報復発射準備に入ると、完了する頃に敵弾道ミサイルが降ってきて破壊されてしまう。参考：アメリカの核兵器

　＜第２世代ＩＣＢＭ＞：ミサイル内に貯蔵可能な推進剤と酸化剤を搭載し、地下サイロから直接発射できるタイプ。参考：アメリカの核兵器

＜ＩＣＣ＞：国際士官候補生会議を参照。

＜ＩＣＣＳ＞：Integrated Catapult Control Station（統合カタパルト管制所）の略で、通称バブル（Bubble）。アメリカ海軍ニミッツ級空母の第１・第２カタパルト間と第４カタパルト左にあるカタパルト管制施設で、飛行甲板に埋め込まれており、使用時に上昇して飛行甲板上に顔を出す。中にはカタパルト士官（Catapult Officer）が陣取り、窓からカタパルトの状況を監視しつつ、高圧蒸気供給などの操作を行う。ただ視界が狭いので、好天時にはカタパルト士官は飛行甲板上で管制を実施、悪天候の際などにのみICCSを使用する。また、使用時には飛行甲板の安全要員を１名増員する。参考：月刊世界の艦船2,’16、月刊軍事研究4,’16、月刊JWings1,’17

＜ＩＣＤ＞：Interface Control Documentの略。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ＩＣＥ＞：指揮所訓練統裁システムを参照。

＜ＩＣＥＣＳ＞：イスラエルのキネティックス社が開発した車両用冷却システムで、Individual Crew and Equipment Cooling Systemの略。電子機器を個別に冷却し、乗員もスーツ内に冷却空気を送って冷房を行う方式を採用、車内全体を冷却するよりも最大７割の省電力を可能とした。メルカヴァMk�Wに搭載された。参考：月刊軍事研究11,’09

＜ＩＣＥＸ＞：アメリカ海軍とイギリス海軍の共同演習。北極海で原潜が氷海作戦行動を演練するものである。ICEX2018は2018年3月7日から５週間行われ、SSN-22コネチカット、SSN-768ハートフォード、S-91トレンチャントが参加し、分厚い氷を叩き割っての浮上などを実施した。参考：月刊世界の艦船6,’18

＜ＩＣ−Ｆ３Ｓ−２＞：アメリカ軍の個人用無線機で、1997年に日本のアイコム社に発注された。本体は専用のポーチに収容し、マイクシステムはヘルメットに固定する。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜ＩＣＨ−４７Ｆ＞：CH-47海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＩＣＬＳ＞：AN/SPN-41または計器空母着艦装置を参照。

＜ＩＣＭ＞：イラク従軍章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＩＣＭ＞：榴弾砲用クラスター弾で、Improved Conventional Munitionsの略。対人兼対装甲子弾と、それを収容する弾殻、放出薬、信管からなる。目標上空で信管が作動し、放出薬に点火して子弾が空中に散布される。子弾にはナイロンリボンが付いており、空中での姿勢制御を行うと共に、安全解除スクリューを巻き上げて子弾の信管作動させる。子弾が地上に落下すると起爆して兵士・車両を損壊する。155mm榴弾砲用M483A1（M42子弾88発内蔵）などがある。子弾の不発が多いのが問題。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＩＣＲＰ＞：国際放射線防護委員会（International Comission on Radiological Protection）の略。1950年に国際Ｘ線ラジウム防護委員会を改名したものである。それまでは防護対象がＸ線・ラジウム取扱者のみだったが、放射線の種類や被曝の恐れのある人員の拡大に伴い改称した。最新の科学情報技術に基づき、放射線防護関連の勧告などを行っている。参考：放射線健康科学

　＜ＩＣＲＰ勧告（１９９０年）＞：公衆の被曝は年に実効線量限度1mSv以内、職業被曝は年に50mSvかつ５年で100mSv以内と勧告された。参考：放射線健康科学

＜ＩＣＳ＞：AN/ALQ-135（電子戦装置）を参照。

＜ＩＣＷＩ＞：Interrupted Continuous Wave Illuminationの略。参考：月刊軍事研究6,’18

＜ＩＣＷＩ＞：タレス社のＸバンド艦載アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、Interrupted Continuous Wave Illuminatorの略。レーダー波を断続的に切り替えて照射することにより、複数目標同時攻撃が行える。海自FCS-3/FCS-3A用目標照射レーダーとして採用された。参考：月刊世界の艦船8,’12

＜ＩＣカード立入証等発行管理システム＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究7,’18

＜ＩＣカード身分証管理システム＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＩＤ−１＞：ソ連空軍の単葉戦闘機で、1934年に開発された。主翼付け根に20mm機関砲を１門ずつ、主翼下に75mm無反動砲AUK-4を１門ずつ搭載する予定だったが、量産型では無反動砲を搭載せず、20mm機関砲６門を装備した。90機が生産された。参考：月刊丸6,’01

＜ＩＤ−１３９５＞：アメリカ海軍特設運送船ナンズモンド（Nansemond）。大元はドイツのハンブルク・アメリカ・ライン所属大西洋航路船ペンシルヴェニアで、1897年1月に竣工した。全長176.5m、幅18.9m、総トン数12891トン。主機は四連成汽機２基２軸5400馬力、航海速力13ノット。船客定員一等162人、二等180人、三等2382人。1900年、改装で総トン数が13333トンに増えた。1910年、船尾に航空機発進用ランプを設置。11月5日に世界で初めて航空機を発艦させる予定だったが、悪天候で中止され、11月14日にCL-2バーミンガムに先を越された。1914年8月、第１次大戦勃発によりニューヨークで抑留され、1917年4月6日のアメリカ参戦で拿捕されてアメリカ船舶院所属輸送船ナンズモンドに改称され、アメリカ陸軍の物資や兵員を輸送した。1919年1月20日、アメリカ海軍特設運送船となり、帰還兵の輸送任務に就いた。9月退役、アメリカ船舶院に返還されて係船状態とされた。1924年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船11,’20

＜ＩＤ−４０４０＞：アメリカ海軍輸送船。元は1899年3月18日に竣工したハンブルク・アメリカ・ライン所属北大西洋航路船グラーフ・ヴァルデルゼーで、1919年3月に第１次大戦の賠償艦として引き渡された。全長178.6m、幅18.9m、深さ12.5m、総トン数12830トン。主機は四連成汽機２基２軸5400馬力、航海速力13ノット。船客定員一等162人、二等184人、スティアリッジ2200人。アメリカ海軍では復員輸送に使用された。1919年12月、イギリス船舶管理局に移った。1921年8月、オークションで売却され、1922年にドイツでスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜ＩＤＡ＞：アメリカ軍の対磁気地雷装置。参考：月刊PANZER10,’01

＜ＩＤＡＳ＞：ドイツのディール社を中心に開発中の潜対空ミサイルInteractive Defense and Armament（Attack system） for Submarine、読みはアイダス。誘導はIRIS-Tベースの赤外線画像シーカーで取得した映像を使用する有線式で、533mm魚雷発射管に４連装キャニスターで装填され、ピストンで発射されると数メートル進んだところで固体ロケットモーターに点火し、水面から飛び出して空中を飛翔、対潜ヘリをシーカーでロックオンして命中する。空中の攻撃目標を水中からどのように探知するかは不明だが、ディッピング・ソナーの発信音を逆探知してそちらに発射するらしい。地上目標や水上目標も攻撃でき、これらは時間の余裕があるので、潜水艦内の操作員が光ファイバー経由で送られてきたシーカー映像を見てロックオンするマン・イン・ザ・ループ方式を使用、バイタルパートを狙い撃ちすることが可能で、フレアやデコイにも対抗できる。全長2.5m、直径0.18m、発射重量120kg、弾頭重量20kg。推進は固体燃料ロケット、飛翔速度毎秒200-240m、最大射程20km。2006年11月に水中施設から初実射を行い、2008年5月29日にU-33からの実用発射試験に成功した。2010年にドイツ政府からの資金が途絶えたが開発を継続、2012年にディール・ディフェンス社とティッセンクルップ社でIDASコンソーシアムを立ち上げている。2014年頃に実用化してポルトガル海軍209PN型トリデンテ級潜水艦に搭載する予定だったが、最終テストは2017年にずれ込み、配備は2022年頃となる予定。参考：月刊軍事研究2,’07、1,’09、9,’09、12,’09、月刊世界の艦船1,'15増刊、2,’20、9,’12増刊、11,’16、4,’18、朝雲

＜ＩＤＡＳ／ＭＡＴＴ＞：MH-53M特殊作戦ヘリに搭載されている地形情報表示器材で、インターアクティブ防衛航空電子システム／複製任務先進戦術ターミナルの略。地形や人工構造物、水平線以遠に及ぶ脅威火器の配置などを表示する。ディスプレイはNVG対応。参考：月刊ミリタリーエアクラフト4,’02

＜ＩＤＢ＞：オランダ政府の海外情報収集・分析担当部門で、海外情報局の略。冷戦終結とほぼ同時期にスキャンダルが発覚し、1994年に解散した。その結果、ボスニア内戦で現地情報を入手することができずに目の前でスレブレニツァの大虐殺を起こされてしまったため、2002年に総合情報保安局AVIDの一部門（海外情報本部DIB）として復活した。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＩＤＤＮ＞：防衛統合デジタル通信網を参照。

＜ＩＤＥＦ＞：トルコで隔年開催されている軍事フェアで、International Defense Industry Fairの略。第10回は2011年5月10-13日に実施された。第11回は2013年5月7-10日にイスタンブール近郊で実施された。参考：月刊軍事研究8,’11、7,’13

＜ＩＤＥＴ＞：国際防衛製品見本市の略。チェコとスロバキアで1989年から交互開催されている。参考：月刊丸10,’97

＜ＩＤＥＸ＞：UAEのアブダビで隔年開催される兵器展示会で、International Defence Exhibition (and conference)の略。初開催は1993年で、2011年に第10回を迎えた。2015年は2月22-26日に開催され、55の国と地域から1200以上の企業と組織が参加し、日本政府代表団が初参加した。2017年は2月19-23日に行われ、川崎重工が画像式地雷探知装置（陸自制式名は地雷探知器画像型）と空対空用小型標的（模型）、NECが車載型浄水装置の模型と見通し線外通信システム、NTTデータがセキュリティ関連システムを展示している。2023年は2月20-23日に開催された。参考：月刊軍事研究5,’11、5,’15、11,’15、5,’17、6,’17、月刊JWings5,’15、5,’17、5,’23

＜ＩＤＦ＞：イスラエル国防軍を参照。

＜ＩＤＧオイル補給用器材＞：自衛隊の機器。川重明石エンジニアリング機器製。参考：月刊軍事研究7,’17

＜ＩＤＭ＞：改良型データモデムを参照。

＜ＩＤＲＣ＞：国際防衛ラグビー競技会を参照。

＜ＩＤＳ３００＞：イギリス海軍45型駆逐艦が搭載するデコイ発射機。発射機は円筒状で、内部にFDS-3デコイを収容する。アメリカ海軍もMk59としてアーレイ・バーク級イージス艦の後部煙突両舷に４基ずつ搭載した。参考：月刊世界の艦船8,’18、月刊軍事研究8,’18

＜ＩＤＳＣＰ衛星＞：アメリカ空軍の通信衛星で、初期国防衛星通信計画の略。重量45kg。使用周波数Ｘバンド（SHF）。近地点34000km、遠地点37000kmの地球周回軌道に乗っている。1966年6月16日に７基がいっぺんに打ち上げられ、1968年6月までに34基が打ち上げられた。後にDSCS1衛星に改称された。参考：月刊軍事研究1,’07

＜ＩＤＳ型＞：海鯤型（潜水艦）を参照。

＜ＩｄＺ−ＢＳ＞：ドイツ連邦軍の将来型歩兵システムで、IdZはInfanterist der Zukunft、BSはBasicSystemの略。EAD社製。アフガニスタン派遣部隊の一部に装備されている。参考：月刊軍事研究12,’08、2,’10

＜ＩｄＺ−ＥＳ＞：ドイツ連邦軍が開発中の将来型歩兵システム。IdZ-BSより20kg軽量化されていて、プーマ歩兵戦闘車やボクサー装甲車との連接が可能である。装備する小銃はG36IdZ、分隊火器はMG4IdZで、AIM社製FCS・レーザー測距器付き暗視装置（重量3kg、最大探知距離1.7km）を搭載できるが、重いので改良中である。通信システムはNATO標準を予定している多角的相互運用計画に適合する。通信機器やコンピュータのソフトウエアは適宜アップデートできる他、防護プレートの交換などによる改良が可能。2007年7月31日に実証モデルが完成し、9月からテストに入った。10月31日に中枢システム、11月15日に防弾ベスト、防弾ヘルメット、顔面・眼球防護装具、通信システム、2008年1月に兵装と光学システムが完成し、2月に実証モデルのテストを完了している。３軍に1000セットが配備され、2010年末から軽歩兵、機械化歩兵、山岳歩兵、空挺隊、警備部隊が使用する予定。2017年9月19日、ラインメタル社が実証テストを行い、ボクサー装甲車や対戦車ミサイル搭載ミュール無人車との共同作戦などを検証した。参考：月刊軍事研究12,’08、2,’10、3,’18

＜ＩＥＣ＞：J47-GE-27ジェットエンジンの燃料送付システムで、総合電子燃料管制方式（Integrated Electronic Engine Control System）の略。エンジン回転数や排気温度などのデータ変化を電圧変化に転換して分析し、最適量の燃料をエンジンに送付するシステムで、急激なスロットル変化にも対応でき、コンプレッサーストールを予防できる。参考：ジェット戦闘機

＜ＩＥＤ＞：Improvised Explosive Devices（即製爆発装置）の略。アメリカ軍の定義は「自家製のあらゆる材料を使用した爆発装置で、爆発により死傷者をもたらすもの」で、梱包型、自動車仕掛け爆弾型（Vehicle Borne IED、VBIED。荷車やロバに積むこともある）、自爆型（Person Borne IED、PBIED）の３種類に分類されている。無線起爆式、車載式、受動式（ブービートラップ式）の３種類に分けることもある。大量の爆薬（軍用爆薬から民間用TNT火薬に自作の火薬まで）、砲弾、爆弾、地雷などに起爆装置（電熱線や即製導火線から軍用信管まで）、点火装置、電源を取り付けたもので、携帯電話による遠隔爆破装置などを装着することもある。イラク戦争でイラク正規軍が崩壊した際に大量の武器弾薬が流出したため、ポスト・イラク戦争では122-152mmクラスの砲弾、大口径ロケット弾、対戦車地雷などを数個連ねた大威力のIEDによりM-1A2戦車まで吹き飛ばされる有様で、アメリカ軍はMRAPを採用し、道路啓開戦闘パトロール部隊を編成する羽目になった。人間が喰らえばひとたまりも無く、顔の皮まで引き剥がされての即死はもちろんのこと、両脚はおろか腕（銃のグリップを握る利き腕側が多い）まで吹き飛ばされたり、腹部内臓を下支えしている骨盤底筋群がもぎ取られて腸が外に抜け落ちたり、破片と肉骨片が横隔膜を突き抜けて肺に刺さったり、泌尿生殖器が使い物にならなくなり救命蘇生を拒んだりと相当悲惨なことになるが、対人地雷と違ってその辺に対する報道はあまりなされない。更には大型トラックやダンプに数十トンの爆薬（重量だけで比較するならMOABより多い）を積み、装甲板を溶接して機銃弾を弾き返しつつ目標に自爆攻撃を仕掛け、半径数百メートルを吹っ飛ばすタイプも出現している。イギリス調査団体の報告では、2011-15年に75カ国で爆発物による攻撃（軍民問わず）により死傷した188325人（民間人146000人、軍人・戦闘員43000名）のうち、105000人（民間人88000人、軍人・戦闘員17000人）がIEDによるものだった。携帯電話を使用した遠隔爆破装置に対してはウォーロックと呼ばれる電波妨害装置を使用しているが、これに対抗するため有線式起爆装置の装着が増加している。また、軍車両の防御力強化に対応し、簡単な自己鍛造弾頭を取り付けた地雷型IEDが2005年末から出現、2006年頃から急増しているという。アメリカ政府はイランの技術提供によるものとしているが、詳細は不明である。これらに対抗するため、マイクロ波によりあらゆる電子部品を無力化するNIRFを開発し、試験投入している。参考：月刊軍事研究10,’17、11,’17、11,’07、12,’04、3,’08、8,’16、ストライク・アンド・タクティカル・マガジン3,’12

＜ＩＥＤ対処システム＞：技術研究本部／防衛装備庁陸上装備研究所が2007年度から研究中のIED探知無力化システム。マイクロ波合成開口地中探査レーダー、ミリ波レーダー、赤外線カメラを組み合わせたセンサーを民間用トラック荷台前部のマスト上部（地上高4m）に設置しており、これで地中の不審物を発見し、形状識別用レーザー装置LIDARと爆発物検知識別装置によりIEDを識別、電磁パルス放射装置を発射してIEDを無力化する。探知識別装置は2011-13年度に試作品のテストを実施、有効性を確認したが、実用化にはサイズ縮小と走行時の振動対処などの課題もあり、更なる研究を行っていく予定である。2018年には高機動車に搭載されて一般公開された。参考：月刊軍事研究11,’11、朝雲、月刊JWings1,’19

＜ＩＥＤ探知犬＞：爆薬の臭いを覚えさせてIED捜索任務に投入される犬。閉所などにも適応でき、ゴミの中からでも臭いを嗅ぎ分けられ、発砲音にも驚かないような適性が必要とされる。猛暑のアフガニスタンでは肩の皮下脂肪に食塩水を注入して脱水を防いでいる。参考：月刊軍事研究1,’11

＜ＩＥＤ無力化無線電波＞：NIRFを参照。

＜ＩＥＭ＞：AN/BSD-2（統合マスト）を参照。

＜ＩＥＰ＞：統合電気推進を参照。

＜ＩＥＷＳ＞：F-15J近代化改修機（IEWS搭載型）が搭載する統合電子戦システム。F-2が装備するJ/APQ-2をF-15J用に再アレンジしたもので、レーダー警戒装置（RWR）、電子妨害装置（ECM）、機械的妨害装置（チャフ・フレアディスペンサー）を専用の電子戦コントローラEWCで統合し、脅威電波の受信から識別・脅威度評価を経て対抗策実施までをシステム的に実施する。装備機は機体左尾部に黒いフェアリングが付く。F-15J近代化第２段階試作機でテストされて採用されたが、量産ペースは遅く、2012年度までに試作機１機＋７機分で予算が止まっており、この８機については2016年度で改修が完了する。参考：月刊軍事研究5,’03、月刊JWings7,’16、10,’16、3,’18

＜ＩＦ＞：アイアンフィスト訓練を参照。

＜ＩＦＡＫ＞：アメリカ陸軍の応急処置具で、Improved First Aid Kitの略。止血帯、４インチ（102mm）救急包帯、伸縮性ガーゼ包帯、絆創膏、経鼻エアウェイ、胸腔減圧用脱気針、消毒用アルコールパッド２個、駆血帯、静脈路確保用留置針、針固定用テープ、手袋からなる。参考：月刊軍事研究10,'15

＜ＩＦＡＫ�U＞：アメリカ陸軍の応急処置具。IFAKに止血帯（専用ポーチ付き）、眼球保護用カップ、衣服用安全カッター、負傷者記録カード、記録用ペンを追加したものである。コンバット・ピル・パック（鎮痛剤、止血剤、抗菌剤のセット）用収納ポケットも付いている。負傷時にバックルの解放は難しく、ファスナーは被弾で壊れる恐れがあるため、収納袋はベルトを引っ張るだけで開く方式にした。止血帯ポーチは防弾ベストの背部左右に取り付け、被弾や爆発の際に無くならないようにする。2012年12月から配備された。参考：月刊軍事研究10,'15、8,’16

＜ＩＦＡＶ＞：アメリカ海兵隊の偵察部隊用４×４輪車両で、Interim Fast Attack Vehicle（暫定型高速攻撃車両）の略。ベンツ290がベースで、オープントップにしてロールバーを装着し、12.7mm機銃M2や40mmてき弾発射機Mk19を装備できるようにしている。1999年11月から150両以上を調達した。参考：月刊PANZER1,’13

＜ＩＦＣＳ＞：イギリス陸軍チーフテンMk.9戦車から搭載されたFCSで、改良型射撃統制装置の略。マルコーニ・コマンド・アンド・コントロール・システムズ社が開発した。データ処理サブシステム（12-12Pデジタルコンピュータ、インターフェイス・ユニット、砲手用射撃ハンドル、車長用射撃ハンドル、車長用コントロール、車長用モーターユニット）、照準サブシステム（レーザー測距器、車長用照準器、砲手用照準器、電子ユニット）、センサー・サブシステム（目標移動角速度、風向、気圧、気温、砲耳傾斜、砲身摩擦、装薬温度、弾種などのデータをコンピュータに送る）、FV/GCE No.10/No.11砲制御機構からなる。車長の命により砲手が武装／弾種選択スイッチを指示されたものに合わせ、照準器の視野内に表示されている逆三角形マークを目標に重ね、TLSで測距する。すると楕円形の弾道照準マークが表示されるので、砲手が射撃ハンドルのオートレイ・スイッチを押すか、目標を５秒以上追跡すると、距離とリード角に応じて楕円照準マークが移動、砲塔と砲が自動的に動いて楕円照準マークが目標を捉えるので、後は発砲すればよい。参考：ウォーマシン・レポート11

＜ＩＦＤＬ＞：F-22戦闘機の機体間データリンクで、Intra-Flight Data Link（飛行間編隊内データリンク）の略。F-35の多機能先進データリンクMADLとは互換性が無いので、ゲートウェイ・ワンを使ってデータ交換できるようにするテストを行っている。参考：月刊JWings3,’21

＜ＩＦＥ＞：初期の核爆弾は挿入されている核物質の一部を外すことで安全装置の代わりにしているが、IFIでアーミング状態にした核爆弾を再度安全化するため、その核物質を外す作業を飛行中に行うこと。参考：世界の傑作機No.125

＜ＩＦＥＰ＞：統合電気推進を参照。

＜ＩＦＦ＞：敵味方識別（Identification of Friend or Foe）の略。または敵味方識別装置のこと。特定周波数の電波信号に反応するかどうかで敵味方を識別する装置で、特定の航空機にのみIFFを行うタイプは選別識別装置SIF（Selective Identification Feature system）という。自衛隊では、敵という言葉が使えないので、味方識別機という。「山」と言われたら「川」と答える合い言葉の電子装置版である。味方機に予めインタロゲーター（質問機）兼用の距離情報提供装置DMEとトランスポンダー（応答機）を積んでおき、不明機を発見したらDMEで周波数987.25MHzのUHF電波によるレーダー測距を行うと、不明機が味方ならトランスポンダーから1187.25MHzの応答電波が帰ってくる。敵が同じパターンの応答電波を返してくると識別ができなくなるので、使用する電波コードを見破られないように頻繁に変更する必要があり、同盟国各軍間でも使用できるようにしなければならない。敵機以外全てに装着するのが理想だが、自国以外の軍用機や民間機から個人所有の小型機に至るまで全機に付けてもらうのは無理があるので、領空付近を飛ぶ場合には飛行計画を出してもらってレーダーの機影と突き合わせたり、空中回廊（エア・コリドー）を設定してそこを通ってもらったりする。ドイツ空軍が開発したFuG25が世界初のIFFである。捜索レーダーで見つけた不明機を識別するため、捜索レーダー用アンテナに併設されることが多い。捜索レーダーが旋回しないフェイズド・アレイ式の場合、IFFもフェイズド・アレイ式にしたり、リング状アレイを採用して全周対応にしたりする。参考：月刊JWings4,’04、6,’05、10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No.157、空軍、月刊世界の艦船5,’19

　＜ＩＦＦ（ＮＡＴＯ）＞：インテロゲータで1030MHzパルス波による質問電波を送り、トランスポンダから1090MHzパルス波の応答電波を受け取って敵味方識別を行う。相手や機密性などによりモード１、モード２、モード３、モード４、モード５、モードＣ、モードＳといった種類が用意されている。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＩＦＦ規約配送器＞：自衛隊の機器。アメリカ陸軍省に発注した。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＩＦＦ送受信機＞：自衛隊の機器。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＩＦＦ板＞：アメリカ軍が湾岸戦争後に車両に貼っている敵味方識別用四角いボードで、正式名称はCIP（敵味方識別パネル）らしい。熱線暗視装置用IFFといわれ、波形に加工されたものや、ブラインド状のものもある。主に戦車砲塔前面に張ってあるプレート状のものは航空機向けらしいが、演習時の識別用パネルのベース用ともいわれる。イラク戦争ではイギリス軍などアメリカの友軍車両にも貼り付けられていた。参考：月刊軍事研究5,’03、月刊グランドパワー8,’04、10,’03、月刊PANZER1,’05

＜ＩＦＦモード１＞：NATO用IFFのモードの１つ。0-7と0-3の２桁32種類のミッション・コードを設定して軍用敵味方識別を行う。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＩＦＦモード２＞：NATO用IFFのモードの１つ。４桁のミッション・コードを設定する固有識別モードである。戦闘機は地上でプリセットするが、輸送機は機上での設定が可能。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＩＦＦモード３＞：NATO用IFFのモードの１つで、民間機用モードＡと同じものである。それぞれ0-7の数字からなる４桁4096種類のミッション・コードを設定し、トラフィック識別に使う。緊急モード7700など、いくつか固定されたコードがあるらしい。参考：月刊軍事研究10,’12、3,’14

＜ＩＦＦモード４＞：NATO用IFFのモードの１つ。KY-58秘話装置などにより暗号化した通信モードである。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＩＦＦモード５＞：NATO用IFFのモードの１つ。モードＳと位置情報発信機能ADS-Bに暗号化機能を追加して軍用にしたもので、目標のGPS位置情報も取得できる。IFFモード４と同様の暗号化を施すレベル１と、それに位置情報などを追加して秘匿性を高めたレベル２がある。参考：月刊軍事研究10,’12、月刊世界の艦船9,’20

＜ＩＦＦモードＣ＞：NATO用IFFのモードの１つ。軍民両用で、４桁のミッション・コードを設定し、高度情報を送る。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＩＦＦモードＳ＞：NATO用IFFのモードの１つ。民間機用で、24ビット16777216通りのアドレスを使う。補助的な衝突防止装置としても使える。参考：月刊軍事研究10,’12、月刊世界の艦船9,’20

＜ＩＦＦモジュール（Ｐ−１用）＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注した。参考：月刊軍事研究7,’16

＜ＩＦＩ＞：In Flight Insertionの略。初期の核爆弾は核物質の一部を外すことで安全装置の代わりにしていたが、これを飛行中に取り付ける作業のことである。参考：世界の傑作機No.125

＜ＩＦＩＣＳ＞：Inflight Interceptor Communication System（迎撃ミサイル飛翔中通信システム）の略。NMD迎撃システムにおいて、EKV及びGBIに搭載されているテレビの映像をBM/C3に中継するシステムである。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＩＦＬＯＬＳ＞：アメリカ海軍の空母用着艦誘導装置で、改良型フレネルレンズ光学着艦装置（Improved Fresnel Lens Optical Landing System）の略。FLOLSの改良型である。参考：月刊世界の艦船2,’16

　＜ＩＦＬＯＬＳ（ニミッツ級空母）＞：ニミッツ級空母に搭載されているタイプ、Mk13Mod0。FLOLSでは５個だった縦配置光源を12個に増やし、視認距離を倍の2.8kmに延伸した。６番艦からFLOLSの代わりに装備しており、５番艦までにも後日搭載された。参考：月刊世界の艦船2,’16、月刊軍事研究4,’16

＜ＩＦＯＲ＞：ボスニア仲裁軍の略。1995年11月に締結されたボスニア紛争の和平合意であるデイトン合意を監視するため、国連安保理の承認を受けてNATO軍中心に編成された停戦監視部隊である。作戦、部隊指揮、交戦規定はNATO軍が一元管理し、ロシア軍もNATO欧州連合軍司令官の指揮下に入っている。また、ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国軍、クロアチア評議会、スルブスカ共和国軍もIFORに合同司令部を創設した。まずは合意に基づき、30日以内に停戦ラインを中心とする幅2kmの範囲を非武装化し、45日以内に武装勢力を合意に基づく展開地域まで移動させ、120日以内に重火器（戦車、装甲車、口径75mm以上の火砲、口径81mm以上の迫撃砲、口径20mm以上の高射砲）を各基地・駐屯地に格納するという任務を実施。ボスニアには300万個とも600万個ともいわれる地雷が埋設されており、30日以内の非武装化には地雷除去も含まれるため、かなりの突貫作業をこなさなければならなかった。また、地方にいる部隊の武装解除も行うことになり、小火器は90日以内、重火器は180日以内に回収することとした。他にも各国部隊の代表からなる統合軍事協議会が設立され、停戦ラインから10km以内の兵員や武装を常時把握し、アメリカを初めとする情報機関は民兵やインフラ施設などの状況に目を光らせた。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

＜ＩＦＲ＞：空中給油または計器飛行方式を参照。

＜ＩＦＳ＞：統合計器表示を参照。

＜ＩＦＳ−１＞：アメリカ海軍キャロネード級内水火力支援艦キャロネード（Carronade）。1955年5月竣工。1969年1月、上陸火力支援艦LFR-1に艦種変更された。1973年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＩＦＳＤＲ＞：インフライト・シャットダウン・レートを参照。

＜ＩＦＴ＞：クェゼリン・ミサイル試験場で行われたNMD迎撃実験で、Integrated Flight Test（総合飛翔テスト）の略。カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から発射された模擬弾頭付きLGM-30Gミニットマン�VをDSP衛星で探知、更にクェゼリンのGBR-Pレーダーで探知・追跡し、GBIミサイルで破壊するという内容で、1999-2002年に７回行われ、５回成功した。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＩＦＴＳ＞：AN/ASQ-28（目標捜索指示装置）または国際飛行訓練学校を参照。

＜ＩＦＶ＞：歩兵戦闘車を参照。

＜ＩＦＶ２５シリーズ＞：シンガポールが国産開発した歩兵戦闘車。東南アジアで初めて開発された歩兵戦闘車である。参考：月刊PANZER1,’98

　＜ＩＦＶ２５＞：車体前部が機関室、その後ろに操縦室と戦闘室があり、後部が兵員室である。下部転輪は片側６枚、サスペンションは油気圧式。機関系はM2ブラッドレイと同じ組み合わせである。砲塔は２名用で、25mm機関砲M242ブッシュマスター１門を搭載し、砲塔側面に発煙弾発射機３基ずつを装備する。全長5.9m、全幅2.7m、全高2.6m、重量22.9トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製6V92TAディーゼル（475馬力）、トランスミッションはGEディフェンス・システム製HMPT-500-3、最大速度70km。乗員３名＋搭乗兵員７名。参考：月刊PANZER5,’98、1,’98

　＜ＩＦＶ４０／５０＞：砲塔の武装を40mmてき弾発射機と12.7mm機銃の組み合わせにしたもので、砲塔内乗員は１名に減った。重量21.5トン。搭乗兵員９名。参考：月刊PANZER5,’98、1,’98

＜ＩＦＶ４０／５０＞：IFV25シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜ＩＦＶ　ＣＣＶ＞：マルダー１シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜ＩＧ＞：Infanteriegeschutz（歩兵砲）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＩＧ１３＞：ラインメタル社の輸出用歩兵砲。口径75mm、砲身長13口径。使用弾は榴弾（重量4.5kgまたは6kg）で、砲口初速毎秒305m、最大射程5100m。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＩＧ３７＞：ドイツ陸軍歩兵砲。フランスから鹵獲した24口径75mm砲にマズルブレーキとPaK35/36の砲架を取り付けたものである。戦闘重量510kg。使用弾はleIG18と同じ榴弾で、重量5.45kg、砲口初速毎秒280m、最大射程5150m。成形炸薬弾も用意されている。1944年に2279門が生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ＩＧ４２＞：ドイツ陸軍歩兵砲。フランスから鹵獲した24口径75mm砲を8cmPAW600の砲架に載せたものである。戦闘重量590kg。1944-45年に527門が生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜Ｉｇ　ＢｒＫ（Ｅ）＞：ブルノ・シリーズ（列車砲）を参照。

＜ＩＧＥ＞：地面効果内（In Ground Effect）の略。参考：月刊JWings11,’03

＜ＩＧＥ＞：MQ-1C IGE（無人機）を参照。

＜ＩＧＬ８＞：イギリスの６×４輪３トントラックで、クロスレイ社製。リーフスプリング式サスペンションを持つ。全長6.629m、全幅2.184m、全高3.353m、重量9.349トン。エンジン出力75馬力。３トンクレーンを搭載したものもある。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜ＩＧＭ−１０＞：ドイツ連邦軍の沈底機雷。クルップ・アトラス社が開発し、1986年から配備された。円筒形をしており、高速艇や潜水艦による敷設が可能である。炸薬重量500kg。信管は磁気・音響・水圧。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’18

＜ＩＧｒ３３＞：sIG33B歩兵砲用榴弾。重量38kg。

＜ＩＧｒ３８Ｎｂ＞：sIG33B歩兵砲用榴弾。重量40kg。

＜ＩＧｒ３９Ｈ１／Ａ＞：sIG33B歩兵砲用成型炸薬弾。重量25.25kg。

＜ＩＧＳ−Ｏシリーズ＞：日本の光学センサー搭載情報収集衛星。設計寿命は５年程度。参考：月刊JWings5,’17

＜ＩＧＳ−Ｏ１＞：情報収集衛星・光学１号機。初号機で、地球観測衛星だいちの光学カメラをベースに開発した。太陽電池パネル展張時の全幅は16.5m。昼間の可視光線パンクロマチック立体視センサー（白黒画像）での解像度は1m、マルチスペクトラムセンサー（カラー画像用）での解像度は3-5mとされる。ただしセンサー直径が0.45mと小さいこと（民間画像サービス衛星イコノスは直径0.71mで解像度0.8m）、太陽電池パネルが姿勢変更時に本体に振動を与えて画像がぶれることから、実際の可視光での解像度は2-3m程度らしい。2003年3月28日に打ち上げられ、2008年に設計寿命に達して運用を終了した。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究8,’03、1,’12、10,’07

＜ＩＧＳ−Ｏ２＞：情報収集衛星・光学２号機。IGS-O1と同型である。2003年11月29日に打ち上げに失敗して失われ、2006年9月11日に打ち上げに成功した。2013年11月に運用を終了した。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｏ３＞：情報収集衛星・光学３号機。解像度が0.6mに向上しており、姿勢制御機能も強化して傾斜角を取っての撮影も柔軟性が増した。2009年11月28日に打ち上げられた。設計寿命の５年を越えて７年９ヶ月以上運用されたが、電源系の劣化による異常が発生、復旧を試みたものの電力を完全に喪失し、2017年9月15日に運用を終了した。参考：月刊JWings5,’17、内閣衛星情報センターホームページ、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｏ４＞：情報収集衛星・光学４号機。IGS-O3の姿勢制御装置を更に改良し、撮像時間を向上させた。2011年9月23日に打ち上げられ、設計寿命を過ぎた2018年に退役した。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｏ５＞：情報収集衛星・光学５号機。解像度をモノクロ0.3-0.4m、赤外線／赤緑青マルチスペクトルセンサー数メートル（モノクロ画像と合成すればそれ以上）に向上させた。2015年3月26日に打ち上げられた。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｏ６＞：情報収集衛星・光学６号機。解像度0.3m。2018年2月27日1334、H-�UＡロケット38号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。参考：月刊航空ファン5,’18、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｏ７＞：情報収集衛星・光学７号機。姿勢制御装置の搭載台数を増やして撮影対象に素早く方向転換できるようにし、転換後の姿勢安定も確実に行えるようにする。解像度0.3m。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｏ８＞：情報収集衛星・光学８号機。光学センサーを改良して画質を高める。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳＭ＞：AN/TSQ-132（通信装置）を参照。

＜ＩＧＳ−Ｒシリーズ＞：日本の合成開口レーダー搭載情報収集衛星。設計寿命は５年程度。参考：月刊JWings5,’17

＜ＩＧＳ−Ｒ１＞：情報収集衛星・レーダ１号機。地球観測衛星だいちの合成開口レーダーをベースに開発した。太陽電池パネル展張時の全幅は22.5m。使用周波数Ｌバンド、解像度1-3mで、悪天候でも画像収集可能。2003年3月28日に打ち上げられ、2007年3月に電源系の故障で運用を終了した。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究8,’03、1,’12、10,’07、11,’18

＜ＩＧＳ−Ｒ２＞：情報収集衛星・レーダ２号機。IGS-R1と同型である。2003年11月29日に打ち上げに失敗して失われ、2007年2月24日に打ち上げに成功、2010年8月に電源系の故障で運用を終了した。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｒ３＞：情報収集衛星・レーダ３号機。IGS-R1の電源を改良したもので、解像度1m。2011年12月12日に打ち上げられた。2018年になっても運用中。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｒ４＞：情報収集衛星・レーダ４号機。IGS-R3と同型で、2013年1月27日に打ち上げられた。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜情報収集衛星・レーダ予備機＞：IGS-R3/-R4が早期に故障する事態に備えて2015年2月1日に打ち上げられた。参考：月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｒ５＞：情報収集衛星・レーダ５号機。IGS-R3の解像度を0.5mに強化したタイプで、2017年3月17日にH-�UＡロケット33号機で打ち上げられた。参考：月刊航空ファン9,’18、月刊JWings5,’17、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｒ６＞：情報収集衛星・レーダ６号機。IGS-R5と同型で、2018年6月12日にH-�UＡロケット39号機で打ち上げられた。参考：月刊航空ファン9,’18、月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＳ−Ｒ７＞：情報収集衛星・レーダ７号機。受信アンテナを複数搭載して撮影範囲を増やし、送信波を強化して画質を良くする。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＩＧＺ＞：スーダンがIDEX2013で展示したロケット砲・榴弾砲用デジタルFCS、別名カラリー。指揮ユニット（GPS内蔵ノートパソコン、ディスプレイ、通信機など）と観測ユニット（GPS内蔵ノートパソコン、レーザー測距機、通信機など）から構成される。参考：月刊軍事研究6,’13

＜ＩＧファルベン社＞：合成石油製作法のベルギウス法を開発したＣ・ボッシュが1925年に設立した化学工業会社で、合成石油の生産も行った。1927年に実験プラントを建設、1933年にはナチスの保護を受け、その後ナチスの支配下に置かれて第２次大戦中の合成石油生産を支えた。参考：月刊軍事研究2,’08

＜ＩＨ＞：改良ホーク（地対空ミサイル）を参照。

＜ＩＨ−６Ｂ＞：ベル206海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＩＨＡＤＳＳ＞：エルビット・システムズが開発したヘルメット装着照準装置Integrated Helmet And Display Sight System（統合型ヘルメット・表示照準装置）、もう少し略してIHDSともいう。ヘルメットに直径１インチ（25.4mm）のコンバイナーレンズ（右目用片メガネ）が付属しており、速度や方位などの飛行データが投影される。PNVSやTADSなどの電子光学／赤外線センサーや照準システムとも連動しており、進路前方の赤外線画像が単色で投影されるのに加え、視準線照準器とボアサイト照準器ユニットの照準情報を複合レンズで重ね合わせて赤外線地形画像と同時に表示するので、ロケット弾及び機関砲の照準も可能。AH-64攻撃ヘリやA-129攻撃ヘリも搭載され、ガンナーとパイロット各々が装備する。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界の傑作機No34、月刊軍事研究8,’12、月刊JWings6,’19、9,’18

＜ＩＨＤＳ＞：IHADSS（ヘルメット装着照準器）を参照。

＜ＩＨＩ＞：2011年3月11日の東日本大震災で相馬第一工場と相馬第二工場が被災し、操業停止に陥っていたが、5月13日までに完全普及した。2019年7月1日、航空機転用型ガスタービン事業とディーゼルユナイテッド（100%子会社）を新潟電動機（これも100%子会社）に吸収合併させ、新潟電動機を（株）IHI原動機に社名変更した。参考：月刊軍事研究8,’11、月刊世界の艦船4,’19、9,’19

＜ＩＨＩマリンユナイテッド＞：石川島播磨重工業海洋船舶事業部門とマリンユナイテッドが2002年に統合したもの。浦賀工場閉鎖後は横浜工場で護衛艦建造を行うようになった。2013年1月1日、ユニバーサル造船と合併してジャパンマリンユナイテッドになった。参考：月刊世界の艦船9,’10、6,’11、12,’12、月刊軍事研究3,’13

＜ＩＨＩマリンユナイテッド浦賀工場＞：マリンユナイテッド浦賀工場がIHIマリンユナイテッド創設に伴い改称されたもの。建造していたたかなみ型護衛艦１番艦が竣工した後で閉鎖された。参考：月刊世界の艦船6,’11

＜ＩＨＩマリンユナイテッド横浜工場＞：IHIマリンユナイテッドの造船所。たかなみ型護衛艦DD-112まきなみ、DD-114すずなみ、ひゅうが型護衛艦DDH-181ひゅうが、DDH-182いせを建造した。2013年1月1日、親会社の統合でジャパンマリンユナイテッド横浜磯子工場になった。参考：月刊世界の艦船6,’11、8,’11増刊、JShips VOL.70

＜ＩＨＭＥＥ＞：アメリカ軍の装輪式工兵工作車両で、暫定高機動工兵作業車の略。時速100kmで移動でき、機動力が高い。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＩＩＦＳ＞：アメリカ陸軍の個人装備で、統合型歩兵用戦闘システムの略。PASGT（地上部隊個人防護システム）アーマーベスト、PASGTヘルメット、ITLBV（個人用戦術物資携帯ベスト）、FRLIF（フレーム内蔵大型野戦パック）、ガスマスクケース、新型コンバットブーツなどからなる。1987年に完成したが、高価なため全軍への支給はできなかった。後継としてMOLLEが開発された。参考：コンバット・バイブル、歴史群像6,’08

＜ＩＩＦＳギア＞：ITLBV（個人用戦術物資携帯ベスト）とベルト、FRLIF（フレーム内蔵大型野戦パック）を合わせてこう呼ぶ。参考：コンバット・バイブル

＜ＩＩＲ＞：画像赤外線（Imaging Infra Red）の略。I2Rともいう。

＜ＩＩＳ＞：統合計器表示を参照。

＜ＩＩＳＳ＞：国際戦略研究所を参照。

＜ＩＫシリーズ＞：ユーゴスラビア空軍の国産戦闘機。1934年からイカルス社が開発した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＩＫ−１＞：試作機で、1935年4月に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＩＫ−２＞：量産型で、1936年6月に初飛行し、12機が生産された。固定脚と支柱付きの高翼配置単葉主翼を持つ。ドイツ戦で８機が出撃し、対地攻撃を行った。全長7.9m、全幅11.4m、全備重量1930kg。エンジンはイスパノスイザ12Ycrs（860馬力）単発、最大速度428km、実用上昇限度10500m、航続距離400km。固定武装は20mm機関砲１門、7.92mm機銃２丁。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＩＫ−３＞：機体形状を近代化、構造を木金混合とし、主翼を低翼単葉に変更、引き込み脚を採用した。1938年に初飛行し、すぐに生産に入った。ドイツ戦時には10機が配備されていた。全長8.35m、全幅10.28m、全備重量2400kg。エンジンはイスパノスイザ12Ycrs（860馬力）単発、最大速度520km、実用上昇限度8000m。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｉｋｖ．７３＞：Strv.m/42EH型が戦後に歩兵支援戦車として名称変更されたもの。参考：月刊PANZER3,’02

＜Ｉｋｖ．９１＞：スウェーデン陸軍の歩兵支援用軽戦車。ヘグルンド＆セーネル社がPbv.302のシャシーをベースに開発し、1968-70年に試作車５両を製作して1972年に採用され、1974年から先行量産車が配備された。砲塔・車体共に前方に絞り込まれるような形を取っていて、前面装甲は20mmAP弾に耐える。側後面は切り立っているが、車体側面は二重装甲を採用し、車体下部に脱出用ハッチを設けた。浮航能力を確保するため車体は大柄で、簡単なスクリーンを張り、機関室正面に浮航用アダプターを設置、車体前部上面のトリムベーンを立てれば履帯により時速7kmで水上浮航でき、車内への浸水は車体底部のウォーターポンプ４基で排水する。車内配置は前部左が操縦席で操縦手が位置し、中央が戦闘室で砲塔が載り、後部が機関室でエンジンなどを収容する。室内暖房用電気ヒーターによりマイナス30℃でもエンジンが始動でき、氷結路面対策として履帯に長さ50mmの円錐形スパイクを付けられる。下部転輪はダブルタイプ片側６組、サスペンションは独立懸架式トーションバーで、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、短めの波形スカートを装備する。履帯はゴムブッシュ付シングルピンで、接地面積を大きくして接地圧を軽減し、歩兵との十分な協同行動がとれるよう工夫した。主砲はボフォース製54口径90mm低圧滑腔砲KV90S74で、砲身中央に砲口排煙器を有し、発射速度の速さ、砲煙の小ささ、車体軽量化による高い機動力を活かして一撃離脱を行う。HEATとHEの２種を計59発（装填手横に16発、車体右前方に18発、左後方に25発）搭載する。最大射程1200m。副武装は主砲左の7.62mm同軸機銃Ksp53（主砲照準用）と装填手用キューポラ上の接近戦・対空射撃用7.62mm機銃Ksp53で、装弾数は合計4500発。砲塔両側後部には発煙弾発射機６基ずつを装備し、車長席で操作する。アナログ式弾道コンピュータとネオディウム・ドープ・グラス・レーザー照準器（複数目標を映した時は近い方に自動的に照準する）を装備しており、砲塔の油圧式旋回・俯仰（プラス15度からマイナス10度）を砲手の照準線と共に自動制御する。また、緊急時や必要時には砲手または車長が手動で砲塔を駆動することもできる。車長用キューポラは砲塔左側にあって視界６度・10倍のM111双眼鏡とM17ペリスコープが付いており、独立操作可能。車長が装填することもでき、車長用照準器には弾道イメージを映し出せる。砲手用10倍ペリスコープ式照準器には主砲の俯仰・弾道選択が表示される。砲塔上面にリラン照明弾発射機を装着可能。NBCフィルターを搭載する。全長8.835m、全幅3m、全高2.35m、全備重量16.3トン（15.5トン？）。エンジンはボルボ社製ペンタTD120A液冷直列６気筒４サイクルターボチャージドディーゼル（出力330馬力／回転数2200rpm、総排気量12000cc。民間バスなどにも搭載）、トランスミッションはアリソン製HT740Dトルコン付き油圧式（前進４速）、最大速度65km、航続距離550km。登坂力60%。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。1975-78年に210両が生産された。1980年代にレーザー測距器を追加した。更なる火力強化型として105mm低圧砲を搭載するIkv.105も試作されたが制式化には至らず、Strv121/122とCV9040に後を譲って2000年に退役した。参考：月刊PANZER8,’18、6,’03、月刊軍事研究4,’97

＜Ｉｋｖ１０２＞：スウェーデン陸軍の突撃砲。Ikv72に固定式戦闘室を設けて105mm砲を搭載したものである。参考：月刊丸10,’10

＜Ｉｋｖ１０３＞：スウェーデン陸軍の突撃砲。Ikv102のエンジンを強化したものである。参考：月刊丸10,’10

＜Ｉｋｖ．１０５＞：Ikv.91（軽戦車）を参照。

＜Ｉｌ−２シリーズ＞：ソ連空軍攻撃機、別名シュツルモビク（Sturmovik。嵐を起こすもの、襲撃機、攻撃機）。1938年からイリューシン設計局がTsKB55として開発し、改良型のTsKB57が1940年10月12日に初飛行、1941年3月に量産型がロールアウトした。スターリンが赤軍にとって空気やパンと同等の必要性があると電報を送って工場にハッパを掛けたこともあり、各種合計36136機（36163機？36183機？）が量産され、第２次大戦中の軍用機として最大の生産数を誇った。別名のシュツルモビクも襲撃機・攻撃機一般に対する用語だが、シュツルモビクといえばIl-2、ということでIl-2専用ニックネームのようになっている。参考：月刊JWings10,’03、10,'20、第２次大戦ソ連軍用機写真集、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、図解世界の軍用機史、月刊航空ファン11,’17、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｉｌ−２＞：エンジン周囲とコクピット前部を6mm、機体下面のラジエーターを8mm、エンジン前面とコクピット後部を13mm、キャノピー上・側面を8mm、座席後方に7mmのニッケルモリブデン装甲板（計700kg）で覆っており、コクピットの防弾ガラスも55mm厚と非常に防御力が高い。コクピット内の計器は、AGP-1水平儀、TE-22回転計、TVE-41水温計、BE-400燃料系、KI-11コンパス、RPK-10ラジオコンパスなど。主脚は半引き込み式。エンジンはミクーリンAM38液冷Ｖ型12気筒ガソリン（1550馬力）単発、プロペラは３翅。固定武装は7.62mm機銃ShKASが２門（主翼）、20mm機関砲VYa-23が２門（7.62mm機銃の外側）。外翼下面にRS82ロケット弾計８発またはRS132ロケット弾計４発または100kg爆弾FAB-100計２発、内翼爆弾倉に100kg爆弾FAB-100計４発を搭載可能で、爆弾倉に何も積まなければ内翼下面に250kg爆弾計２個を積める。後にPTAB成型炸薬ロケット弾も搭載するようになった。後部銃座が無く、機首下面に脆いラジエーターが露出していたが、装甲が強力なため口径15mm以上の火器でないと撃墜困難で、ドイツ国防軍からは黒死病（ペスト）と呼ばれた。後期生産型では主翼と胴体後部が木製になっており、キャノピーに装甲を追加、補助翼マスバランスを廃止し、胴体後部に補強リブを外付けしている。コクピットの後ろに寝そべった状態で１名を収容でき、主脚を降ろしたままなら主脚収容部に１名ずつを収容できたため、人員輸送にも使用された。参考：月刊JWings10,’03、7,’17、第２次大戦ソ連軍用機写真集、歴史群像10,’06

　＜Ｉｌ−２Ｍ＞：Il-2後期型をタンデム複座にし、後部に12.7mm機銃を搭載したもの。後部キャノピーを付けたものもあるが、視界の妨げになるので外された方が多く、射手は上半身が無防備の状態だった。重量増加のためロケット弾搭載数が４発に減った。全長11.6m、全幅14.6m、全高4.11m、自重4525kg、全備重量6060kg。エンジンはミクーリンAM-38F（1720馬力）単発、最大速度370km、実用上昇限度6000m、航続距離685km。固定武装は23mm機関砲２門、12.7mm機銃１丁、7.62mm機銃２丁。乗員２名。参考：月刊JWings10,’03、歴史群像10,’06

　＜Ｉｌ−２Ｍ２＞：Il-2のエンジンを出力強化型AM-38F（1750馬力）に、機関砲を23mmに換装したもの。1942年秋から前線投入された。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

　＜Ｉｌ−２Ｍ３＞：Il-2タイプ３（Il-2 Tip3）やIl-2後退翼型ともいわれる。Il-2MのエンジンをAM-38Fに換装し、主翼後退角を５度から15度に増したもので、ロケットランチャーをフェアリング付きのものに変更した。スターリングラード戦から実戦参加している。1944年からは主翼が金属製になり、最後期には胴体後部も金属製になった。全長11.6m、全幅14.6m、全高4.11m、自重4530kg、全備重量6360kg（6160kg？）。エンジンはミクーリンAM-38F液冷Ｖ型12気筒ガソリン（1750馬力）単発、最大速度404km（414km？）、実用上昇限度6000m、航続距離764km（685km？800km？）。固定武装は23mm機関砲２門、7.62mm機銃２丁、12.7mm後方旋回機銃１丁。ロケット弾４発または600kg爆弾１発または100kg爆弾６発を搭載できる。乗員２名。参考：月刊JWings10,’03、7,’17、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｉｌ−２タイプ３Ｍ＞：ティーガー戦車に対抗するため、37mm機関砲NS-37を主翼下に搭載したタイプ。降下角40度で発射すると、射距離500mで50mm厚の装甲を貫徹でき、パンター・ティーガー戦車の上面装甲を貫通できた。クルスク戦に投入され、20分間の集中攻撃でドイツ戦車340両を破壊したという記録を持つが、これは過大報告らしい。参考：月刊JWings10,’03、第２次大戦ソ連軍用機写真集、歴史群像10,’06

＜Ｉｌ−２ファミリー＞

　＜Ｉｌ−２Ｉ＞：対爆撃機用戦闘機。試作のみ。参考：月刊JWings10,’03

　＜Ｉｌ−２ＫＲ＞：観測機。参考：月刊JWings10,’03

　＜Ｉｌ−２Ｔ＞：海軍向け雷撃機。参考：月刊JWings10,’03

　＜Ｉｌ−２Ｕ＞：練習機。後席にも操縦装置を追加した。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、月刊JWings10,’03

＜Ｉｌ−４＞：DB-3F（爆撃機）を参照。

＜ＩＬ４＞：FFARの１つで、Mk40ロケットモーターに遠隔セット信管付き照明弾弾頭を搭載したタイプ。参考：月刊軍事研究6,’03

＜Ｉｌ−８＞：ソ連空軍試作攻撃機。Il-2の改良型で、機体を空力学的に洗練し、主脚を完全引き込み式に変更、武装を23mm機関砲VYaを２門、20mm機関砲ShVAKを２門、後上方の12.7mm旋回機銃UBKを１丁に強化した。1944年4月からテストされたが、操縦性が悪く、採用されなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜Ｉｌ−１０シリーズ＞：ソ連空軍攻撃機。Il-2の発展型で、イリューシン設計局が開発して1944年4月に初飛行し、8月から生産され、1945年2月から第２次大戦に参加、日本侵攻や朝鮮戦争にも参加した。総生産数4966機。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｉｌ−１０＞：エンジンを AM-42に換装、機体を全金属製とし、胴体後部を延長した。主脚は完全引き込み式（90度回転して内側に引き込む）で、尾輪も引き込み式に変更、主翼・水平尾翼形状も再設計している。全長11.12m、全幅13.4m、全高4.18m、全備重量6535kg。エンジンはミクーリンAM-42（2000馬力）単発、最大速度551km、実用上昇限度7250m、航続距離800km（1000km？）。武装は20mm/23mm機関砲４門（主翼）、12.7mm/20mm旋回機銃１丁（後席）。爆弾またはロケット弾1000kg（爆弾500kgまたはロケット弾４発？）を搭載できる。乗員２名。参考：月刊JWings10,’03、第２次大戦ソ連軍用機写真集、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｉｌ−１０Ｍ＞：第２次大戦後に登場した改良型で、主翼を再設計している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｉｌ−１０海外ファミリー＞

　＜Ｂ／ＳＢ−３３＞：複座練習機型。1949年からチェコのアビア社で1200機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ｉｌ−１２＞：ソ連空軍輸送機、NATOコードはCoach（大型４輪馬車）。与圧は無い。降着装置は前輪式で、前輪が大きい。エンジンは星型レシプロ双発。機体上部に銃座を持つ。1946年1月9日に初飛行し、1946年から633機が生産された。参考：月刊JWings10,’02

＜Ｉｌ−１４シリーズ＞：ソ連空軍輸送機、NATOコードはクレート（Crate、おんぼろ飛行機）。参考：月刊JWings10,’02、スパイ機、軍事力バランス78年版

＜Ｉｌ−１４＞：Il-12の胴体、降着装置、主翼などを再設計したものである。Il-12よりも垂直尾翼が直線的になった。1950年に初飛行し、1954年から部隊に引き渡された。全長21.31m、全幅31.69m、全高7.9m、自重12500kg、全備重量17500kg。エンジンはシュヴェツォフAsh-82T星形空冷18気筒（1400kW）双発、巡航速度310km、最大速度430km（高度2400m）、実用上昇限度7000m、最大航続距離1300km／400km（5000kg積載）。最大積載量5000kg。乗員４名。輸送人員26-32名。空挺部隊用のD-30、哨戒機型、気象観測機型など種々の派生型が開発され、総生産数839機。更にチェコスロバキアのアビアで203機、東ドイツのVEBで80機がライセンス生産された。参考：月刊JWings10,’02

＜Ｉｌ−１４Ｍ＞：全長22.3m、全幅31.69m、自重12680kg、全備重量18000kg。エンジンはシュヴェツォフASh-82T空冷星形18気筒レシプロ（1900馬力）双発、巡航速度310km、最大速度417km。参考：スパイ機

＜Ｉｌ−１４ファミリー＞

　＜Ｉｌ−１４（ＥＣＭ／ＥＬＩＮＴ型）＞：ECM/ELINT型。前部胴体左に大型のバルジを設け、胴体上下に多数のアンテナを追加しており、An-12のELINT型（カブＢ）と同じELINT装置を搭載しているらしい。1979年から数機が配備された。参考：スパイ機

＜Ｉｌ−１４海外シリーズ＞

　＜Ｉｌ−１４（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍輸送機。Il-14PS要人輸送機、Il-14T貨物輸送機、チェコスロバキア製Av-14P輸送機を1958年から計21機導入した。参考：月刊航空ファン2,’19

　＜Ｉｌ−１４Ｔ（ベトナム空軍）＞：ベトナム空軍輸送機。1958年から45機が供与された。うち３機は要人輸送機として使用されている。参考：月刊航空ファン6,’18

　＜伊爾１４＞：中国空軍輸送機。ソ連から1955年以降49機を輸入し、数機が毛沢東主席含む要人輸送機として使用されている。参考：月刊航空ファン10,’16

＜Ｉｌ−１８シリーズ＞：ソ連の民間旅客機。1957年7月4日に原型機が初飛行し、アエロフロートが採用した。1960年代までに約600機が生産され、軍用としても使用された。参考：週刊エアクラフトNo.49、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１８＞：全長35.9m、全幅37.4m、全高10.17m。エンジンはイフチェンコAl-20Mターボプロップ４基、巡航速度675km、航続距離3700km。乗員５名、乗客110名。参考：週刊エアクラフトNo.49、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１８Ｄ＞：全長35.9m、全幅37.42m、全高10.17m、最大離陸重量64トン。翼面積140平方メートル。エンジンはプログレス製Al-20Mターボプロップ（4250ehp）４基、経済巡航速度650km、最大速度685km（高度8000m）、燃料容量30000リットル、航続距離4300km（最大ペイロード）。最大ペイロード13.5トン。乗員５名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１８ファミリー＞

　＜Ｉｌ−１８Ｄ−３６＞：ソ連空軍空中コマンドポスト機、別名ビゾーン。胴体下面に細長いフェアリング、垂直尾翼端に砲弾型フェアリングを追加している。12機が製作された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｉｌ−１８ＳＩＰ＞：ソ連空軍試作衛星通信・ミサイルテレメトリー中継機。Il-18Dの胴体上面にフェアリングを設けて受信アンテナを収容し、尾部を延長して送信アンテナを搭載した。1970年代初めに１機のみ製作され、Il-20RTのベースとなった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−１８Ｖ＞：ソ連空軍特殊任務機。胴体上面にブレードアンテナを追加した。後に輸送機に変更されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｉｌ−１８海外シリーズ＞

　＜伊爾１８＞：中国空軍輸送機。参考：月刊航空ファン10,’16

＜Ｉｌ−２０＞：イリューシン設計局の試作攻撃機。Il-2/Il-10の後継として1947年3月から開発され、1948年12月5日に初飛行した。全金属製モノコック構造で、エンジンとコクピットは厚さ6-9mmの装甲板で固めた。無線手兼後方銃手席は従来のコクピットの位置にあるが、前下方視界を確保しようと操縦席をエンジンの上に置いたため、機首部分がやたら背の高い不格好な外見となり、ゴルブーン（せむし男）のニックネームを付けられた。操縦手席と無線手兼後方銃手席の間の重心位置に燃料タンクがあり、燃料消費による重心のずれを無くしている。降着装置は尾輪式。無線手兼後方銃手席の後ろに遠隔操作式23mm連装（単装？）機関砲装備動力砲塔、その真下あたりの胴体下面に23度下向きで23mm機関砲４門を装備する。全長13.58m（12.59m？）、全幅15.43m（17m？）、自重7500kg、総重量9800kg。翼面積44平方メートル。エンジンはミクーリンAM-47F液冷Ｖ型12気筒レシプロ（3100馬力）単発、最大速度515km（海面高度）、航続距離1680km。乗員２名。飛行性能は良好だったが、エンジンの整備性が悪いなどの欠点があり、試作機１機が作られたのみで採用されなかった。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings10,’20

＜Ｉｌ−２０シリーズ＞：ソ連空軍の電子情報収集・レーダー偵察・スタンドオフジャミング機。イリューシン設計局が開発し、1968年3月21日に原型機が初飛行した。参考：スパイ機、月刊JWings10,’05、世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91、月刊軍事研究12,’16

＜Ｉｌ−２０＞：NATOコードはクートＡ（Coot A）。Il-18民間旅客機の前部胴体下面に棒状ポッド（長さ10.25m、幅1.15m）を装着しており、内部に長波長SLARが収容されているとみられる。前部胴体両側面に窓付きフェアリング（長さ4.4m、幅0.88m）、胴体下面に受信アンテナ８本、胴体上面にドーム（衛星通信アンテナ収容らしい）２基を持つ。全長35.9m、全幅37.42m、全高10.17m、自重35.2トン、最大離陸重量64トン。エンジンはイフチェンコAl-20Mターボプロップ（4250ehp。Al-22M？）４発、通常巡航速度625km、最大巡航速度675km、燃料容量30000リットル、航続距離3700km（最大兵装、予備燃料１時間）／6500km（最大燃料、予備燃料１時間）。乗員20名。1977年頃に部隊に引き渡されたとみられ、西側は1978年に確認した。参考：スパイ機、月刊JWings10,’05、世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｉｌ−２０Ｍ＞：NATOコードはクートＡ（Coot A）。Il-18D旅客機がベースで、胴体前部両側面フェアリング前部にA-87P長距離斜めカメラ（焦点距離1200mm）と垂直カメラ、後部にSIGINTシステムRomb-4、胴体上面にCOMINTシステムVishnya用ブレードアンテナ２枚、長さ10mくらいの胴体下面葉巻型ポッドにフェイズド・アレイ式Kuバンド側視レーダーIgla-1、胴体後部斜め下方にSIGINTシステムKvadraht-4用パネルアンテナ左右３枚ずつ、胴体下面の複数のバルジにELINTアンテナを収めている。1968年3月25日に初飛行し、20機（12機？）が生産された。後にモニトール、アナグラマ、レツェデントと呼ばれる３種類の改装を行った。参考：月刊航空ファン7,’17、3,’13、月刊軍事研究1,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｉｌ−２０ＭＳ＞：Il-20Mレツェデントを参照。

　＜Ｉｌ−２０Ｍアナグラマ＞：Il-20Mの改良型Anagramma。後部胴体にキューブ状のESMアンテナ、その後ろにRomb-4アンテナ収容バー状フェアリングを追加している。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜Ｉｌ−２０Ｍモニトール＞：Il-20Mの改良型Monitor。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜Ｉｌ−２０Ｍレツェデント＞：Il-20Mの改良型Retsenzent、別名Il-20MS。参考：月刊航空ファン7,’17

　＜Ｉｌ−２０ＲＴ＞：衛星通信・ミサイルテレメトリー中継機。Il-18SIPの量産型で、RTS-9及びBRS-4テレメトリー受信機を搭載する。1973年から４機が製作され、バイコヌール宇宙基地周辺で任務に就いた。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｉｌ−２２＞：ソ連の試作爆撃機。イリューシン設計局がAr234の設計を取り入れて開発した。エンジンはリューリカTR-1（推力1.3トン）４基。1947年7月に初飛行したが、開発中止となり、Il-28に進んだ。参考：月刊航空ファン11,’16

＜Ｉｌ−２２シリーズ＞：ソ連空軍の空中コマンドポスト。国家指導部、参謀本部、各軍司令部の空中指揮に使用する機体で、1970年代から1980年代に計30機（1977年から95機？）が生産された。参考：月刊軍事研究7,’18、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｉｌ−２２＞：NATOコードはクートＢ（Coot B）。Il-18民間旅客機の垂直尾翼上端に円筒形のポッドを搭載し、機体上下面に多数のアンテナを追加している。全長35.9m、全幅37.42m、全高10.17m、重量61.4トン。エンジンはAl-20Mターボプロップ（4250馬力）４基、最大速度685km、航続距離6500km。乗員13名。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings10,’05

＜Ｉｌ−２２Ｍ＞：Il-22の改良型、NATOコードはクートＢ（Coot B）。参考：月刊軍事研究7,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｉｌ−２２Ｍ−１１＞：別名ゼーブラ。胴体下面にフェアリングを持つ。18機が生産された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｉｌ−２４Ｎ＞：ソ連の漁業用魚群探知機。Il-20Mの胴体下面に側視レーダーを搭載している。1980年に製作され、1994年に旅客機に戻されたらしい。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｉｌ−２８シリーズ＞：ソ連空軍ジェット爆撃機、NATOコードはビーグル（Beagle）。イリューシン設計局がTu-2の後継として1947年12月からIl-22試作爆撃機をベースに開発し、1948年7月8日に初飛行、10月にTu-81に勝って採用され、1950年9月から配備された。1950-56年に6318機（6316機？）が生産され、うち1100機が東側諸国、500機が中国に供与されている。参考：月刊エアコマンド6,’94、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊航空ファン11,’16

＜Ｉｌ−２８＞：胴体は円筒形で、機首はガラス張りになっている。操縦士は戦闘機型キャノピーに位置し、爆撃照準手兼航法士はその前方右寄りにある航法士席に座る。座席はどちらもKM-1射出座席。航法士席の真上には出入り用ハッチがあり、緊急脱出の際には予めハッチが吹き飛ばされる。爆撃照準または精密地文航法が必要な際には爆撃照準手兼航法士はガラス張りの機首部分に移動し、OPB-5光学式爆撃照準器を使う。前部胴体下部のバルジ内に爆撃航法レーダーがある。燃料は全て胴体内（主翼前後）に収容する。機首下方左右にはNR-23機関砲（100発）が１門ずつ搭載されており、操縦士が操作する。胴体中央の主翼桁の真下に爆弾倉（容量３トン）があり、１トンまでの爆弾を搭載できるカセット型爆弾架４基または1-3トンの爆弾を搭載できるガードル型爆弾架を使用し、FAB-250爆弾なら12発搭載可能。爆弾の外装はできない。主翼は高翼配置、アスペクト比の大きい直線翼で、前縁には後退角が無く、後縁に僅かな前進角が付けられている。エンジン直径が大きいため、主翼の半ばに胴体と同じ太さの大型エンジンナセルを装備しており、空気抵抗を減らすためナセルを長くした。胴体尾部に自衛用NR-23機関砲２門（900発）を搭載するIl-K6与圧ターレットがあり、射手兼通信手が位置する。ターレットへの出入りは機体下面のハッチを使用するが、このハッチは緊急脱出時には風除けの役目も果たす。機関砲の駆動は電気油圧式遠隔制御駆動で、射界は左右70度ずつ、仰角60度、俯角40度、作動速度は毎秒36度。このターレットと釣り合いを取るために機体後部を短くする必要があり、安定性を保つため水平尾翼と垂直尾翼には35度の後退角を付けた。ターレット後部にVHF/HF通信機を持つ。降着装置は前輪式で、不整地での運用に耐える強度があり、主脚はエンジンナセルに引き込まれる。PSR-1500ロケットポッド（推力1.5トン）によるRATOが可能。全長17.65m、全幅21.45m、全高6.7m、自重12.89トン、標準離陸重量18.4トン、最大離陸重量21.2トン。エンジンはクリモフVK-1遠心式ターボジェット（推力2.74トン）双発、巡航速度770km、最大速度876km（906km？）、実用上昇限度12300m、燃料搭載量９トン、航続距離2400km。自衛武装は23mm機関砲NR23が４門（機首下部両側、尾部連装）。爆弾搭載量３トン（全て爆弾倉内）。乗員３名。参考：月刊エアコマンド6,’94、月刊エアワールド8,’05、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｉｌ−２８Ｎ＞：核爆弾を運用できるタイプ。参考：月刊航空ファン11,’16

＜Ｉｌ−２８Ｒ＞：翼端増槽を装備できるようにしたタイプ。機首はガラス張りで、爆撃照準器が搭載されている。その後ろ右寄りに爆撃手兼航法士用射出座席があり、周囲には折り畳み式航空図テーブル、航法用計器板などが並ぶ。その後ろが操縦席で、キャノピーは右開きである。操縦席の下が前脚収容部で、前脚はダブルタイヤであり、後方に引き込まれる。キャノピー後部は方向探知装置アンテナフェアリングを兼ねる。その後ろに前部燃料タンクがあり、更に後ろは上部が燃料タンク、下部が爆弾倉で、主翼桁取り付け部を挟んで上部は引き続き燃料タンクになっている。燃料タンクの後方、垂直尾翼取り付け部中央の真下あたりが通信機・電子機器室で、尾部は与圧構造となっており、射手・通信手席と遠隔操作式NR-23機関砲連装ターレットが用意されている。尾部下面には前開きの出入りハッチを持つ。主翼は高翼配置の直線翼で、やや内寄りに巨大なクリモフVK-1遠心式ターボジェットエンジンが取り付けられている。主脚は前方引き込み式で、エンジンナセルに収容される。内翼部と外翼内側後縁にフラップ、外翼外側後縁にエルロンを持つ。主翼前縁には温風式防氷装置が装備されているが、翼端増槽を装着した際には作動しないようになっている。RATOを使用する場合には主翼付け根下方の胴体側面に装着する。垂直尾翼付け根には小さなフィレットがあり、垂直尾翼前縁には温風式防氷装置、翼端には航法アンテナや静電気除去アンテナが付く。キャノピーから垂直尾翼前縁上部までJFアンテナケーブルが延びている。水平尾翼は垂直尾翼付け根付近から出ている。燃料搭載量9.55トン。参考：月刊エアコマンド6,’94

＜Ｉｌ−２８Ｓ＞：後退翼を採用したもの。計画のみ。参考：月刊エアコマンド6,’94

＜Ｉｌ−２８Ｓｈ＞：主翼下パイロンを内翼部に片側１基ずつ、外翼部に片側５基ずつ装着し、UB-16-57ロケット弾ポッド計12基を搭載できるようにしたタイプ。参考：月刊航空ファン11,’16

＜Ｉｌ−２８Ｔ＞：海軍型。爆弾倉内に魚雷２発を並列搭載できるようにし、機首に特殊な照準器を装着、海上作戦用レーダーを装備した。バルト海方面で運用された。参考：月刊エアコマンド6,’94、月刊航空ファン11,’16

＜Ｉｌ−２８ファミリー＞

　＜Ｉｌ−２８（偵察機型）＞：戦術偵察機型。爆弾倉にカメラと電子センサーを搭載した。爆弾倉をレドームに改造したものも数機ある。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜Ｉｌ−２８ＲＭ＞：戦術偵察機型。参考：月刊航空ファン11,’16

　＜Ｉｌ−２８Ｕ＞：機種転換練習機型、NATOコードはマスコット。機首の爆撃照準手席を撤去し、従来の操縦席の前方に訓練生用操縦席を設け、レーダーと機関砲は外した。燃料搭載量８トン。参考：月刊航空ファン11,’16、月刊エアコマンド6,’94

＜Ｉｌ−２８海外シリーズ＞

　＜Ｂ−２２８＞：チェコスロバキア生産型で、1950年代末に少数が製造された。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜Ｉｌ−２８（インドネシア）＞：インドネシア空海軍爆撃機。チェコスロバキアから導入し、空海軍でB-228を32機とBS-228を８機使用した。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜Ｉｌ−２８（ナイジェリア空軍）＞：ナイジェリア空軍爆撃機。５機を導入し、1966-1970年のビアフラ戦争に投入した。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜Ｉｌ−２８（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍爆撃機。100機以上を導入した。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜轟炸５型＞：轟炸５型シリーズを参照。

＜Ｉｌ−２８海外ファミリー＞

　＜ＢＳ−２２８＞：チェコスロバキアが生産したIl-28U。参考：月刊エアコマンド6,’94

　＜Ｉｌ−２８（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍標的曳航機。Il-28Rを６機配備して標的曳航に使用した。参考：月刊エアコマンド6,’94

＜Ｉｌ−３０＞：ソ連軍試作双発爆撃機。主翼は後退翼だが、設計が上手くいっておらず、初飛行前にテスト中止となった。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｉｌ−３８シリーズ＞：ソ連海軍航空隊対潜／洋上哨戒機、NATOコードはメイ（May）。1959年に出した要求に基づいてイリューシン航空機会社が開発し、1961年9月28日（27日？）に原型機が初飛行したが、搭載システムの開発が遅れて1968年から前量産型１機と量産型57機が納入され（1965-68年に100機、インド海軍向け60機と合わせて176機という説もある）、1970年初期（1967年？）から配備されたとみられる。参考：週刊ワールドウェポン17、世界の軍用機1979、ウォーマシン・レポートNo.67、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−３８＞：NATOコードはメイＡ。機体のベースはIl-18D旅客機で、重量のある対潜機器装備に伴い胴体を4m延長、重心変化に対応するため主翼を2.75m前方に移し、主翼の胴体貫通構造の前後に１つずつウェポンベイを設け、窓を殆ど取り除いて主翼形状や降着装置を改造している。従来のドアは廃止され、キャビン後方右に新たにドアが設けられた。対潜システムはベルクート38で、機首に気象レーダー、機首下面に捜索能力100海里以上とみられるレニネッツ製2BS1ベルクート捜索レーダー（NATOコードはウェット・アイ）のフェアリング、尾部にAPM-60オルシャ（Orsha）MADブームを装備し、情報をプラーミャ機上コンピュータで処理する。垂直安定板取り付け部から胴体中央部に達する長いドーサルスパインを装着し、内部にアンテナを収容した。胴体中央上下面には通信アンテナやECMアンテナを追加している。主翼下面に４カ所のハードポイントがあり、ロケット弾や空対艦ミサイルを搭載可能。全長40.19m、全幅37.42m、全高10.17m、空虚重量35.5トン、自重36.3トン、総重量61-63.5トン、最大離陸重量66トン。翼面積140平方メートル。エンジンはイフチェンコAI-20Mターボプロップ（4250ehp）４基、哨戒速度210-250ノット、巡航速度320ノット、最大巡航速度350ノット／648km（高度8230m）、最大速度722km（高度6400m）、実用上昇限度11000m、燃料容量30000リットル・26.5トン、航続距離3900海里（機内燃料最大）、最大哨戒時間12時間。RGB-1ソノブイ216発またはRGB-2ソノブイ144発を搭載できる。最大兵装搭載量8.4トン。ウェポンベイにAT-1魚雷２発または核爆雷１発またはPLAB-250-120爆雷10発またはAMD-2-500機雷８発を収容可能。乗員７名（標準。正操縦士、副操縦士、航空機関士、航法士、通信士、ソノブイ・MAD操作員、戦術統制員）／12名（最大）。後にGB-100対潜爆弾、UDM-500機雷、RGB-3ソノブイなどを搭載できるようになった。参考：週刊ワールドウェポン17、世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1979、1982、世界軍用機年鑑1990-91、空軍、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜メイＢ＞：Il-38の機首下面にKAS救難器具を収容するバルジを設けた機体のNATOコード。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−３８Ｒ＞：Il-38の改良型で、対潜システムをベルクート38からエメラルドに換装した。少数のみ改修を受けている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−３８Ｎ＞：Il-38の近代化改修型。インド海軍向けIl-38SDに準ずるもので、対潜システムをベルクート38からノベーラ（Novella）P-38に換装しており、コクピット上方に支柱を介してNV9電子情報収集装置用箱型（平たい六角柱）アンテナ、機首下面にNV5電子光学／FLIRターレット、胴体下面に1NV1捜索レーダー、胴体尾部にNV3MADを装備、1NV2ソノブイシステム、水中音響システム、ラナールＡ赤外線画像システム、磁気探知システム、電子偵察システム、指揮戦術システムを搭載し、320km先までの水上目標、90km先の空中目標、30-35km先の潜望鏡を探知して32の水上・水中目標を同時追尾できる。2006年から試験飛行が行われ、2012年3月に試作型が就役し、2014年7月15日に量産初号機がロシア海軍に引き渡された。2020年までに保有全機（配備16機＋保管12機）に対する改修を終える予定。参考：月刊航空ファン7,’17、9,’16、月刊世界の艦船4,’13、月刊JWings10,’14、10,’01、月刊軍事研究12,’18、1,’15、3,’09

＜Ｉｌ−３８海外シリーズ＞

　＜Ｉｌ−３８ＭＲＡ（インド海軍）＞：インド海軍洋上哨戒機。６機が配備されたが、2002年に２機が空中衝突して失われた。残りはIl-38SDに近代化改修される予定。参考：月刊軍事研究3,’08、月刊世界の艦船2,’16

　＜Ｉｌ−３８ＳＤ（インド海軍）＞：インド海軍洋上哨戒機で、SDはSea Dragonの略。Il-38MRAの近代化型で、レーダーをモルスコイ・ズメイ（シードラゴン）レーダーシステムに換装しており、機首上部に巨大なレドームを搭載、機首下面のレドーム内にもレーダー（洋上目標捜索距離300km以上）を収容し、シードラゴン監視システム（IRSTやテレビカメラも内蔵するようである）を構成する。水中音響処理装置も新型にした。機体尾部にはMADブームを持つ。Kh-35空対地ミサイルを装備可能。2002年3月から改修が始まり、初号機は2003年に初飛行、２号機の改造も2004年に発注された。更にブラーモスＡ空対艦ミサイル２発を搭載できるように改修が加えられる予定である。参考：月刊JWings5,’07、5,’04、月刊軍事研究9,’11、月刊世界の艦船2,’16、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−４０シリーズ＞：イリューシン設計局の試作攻撃機、NATOコードはブラウニー（Brawny）。Il-2のジェット機版で、７機が製作されて一旦は制式採用されたが、戦術核ミサイルの登場で出番が無いと考えられたため、1956年4月に取り消された。同年6月にクビンカでアメリカ使節団にIl-40-�Uが公開されたため、NATOコードが付いている。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings10,’20

　＜Ｉｌ−４０−�T＞：機体は全金属製で、操縦士、銃手、燃料タンク、無線機は装甲キャビンに収容して防御した。主翼は低翼配置で浅い後退角付き、翼厚比17%（付け根）。主翼付け根にエンジンナセルが刺さっている。水平尾翼は垂直尾翼半ばから出る。降着装置は前輪式引き込み脚で、前脚は後方、主脚は90度捻って前方に引き込む。全長17.22m、全幅17m、全高5.76m、重量16.6トン。エンジンはミクーリンRD-9V/AM-5F（ドライ推力2.15トン、A/B時推力2.7トン）双発、最大速度993km、航続距離1300km。武装は胴体下面の23mm機関砲NR-23が４門、尾部遠隔砲塔の23mm機関砲NR-23が２門。ハードポイントは主翼内爆弾倉４ヵ所、主翼下面６ヵ所。爆弾搭載量1.5トン。乗員２名（タンデム）。1953年3月7日に初飛行した。機首機関砲の発射ガスを吸い込んでエンジンが止まるという欠点があり、Il-40-�Uに進んだ。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings10,’20

　＜Ｉｌ−４０−�U＞：Il-40-�Tの改良型で、IL-40Pともいう。機関砲発射ガスを吸い込まないよう、エンジン位置はそのままにエアインテイクを機首先端まで延ばしたもので、マレーバクがツチブタみたいな鼻先になった。1955年2月14日に初飛行した。参考：月刊JWings10,’20

　＜IＩｌ−４０Ｐ＞：Il-40-�Uを参照。

＜Ｉｌ−４２＞：Il-102（試作攻撃機）を参照。

＜Ｉｌ−４６＞：ソ連の計画爆撃機。Il-28の改良型で、Tu-16と採用を争って敗れた。参考：世界の傑作機No.113

＜Ｉｌ−５４＞：ソ連軍試作爆撃機、NATOコードはブロウランプ。参考：月刊JWings9,’23

＜Ｉｌ−６２シリーズ＞：ソ連の国際線用ジェット旅客機、NATOコードはクラシック（Classic）。B707やDC-8に対抗するもので、1963年1月に初飛行し、1967年にアエロフロートで就航した。ソ連空軍も連絡機などとして使用している。各型計276機が生産され、1993年に就航したIl-96に後を譲った。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

　＜Ｉｌ−６２＞：エンジンはサイドバイサイドに２基ずつ纏めて胴体後部左右に取り付けており、胴体が長いこともあって重量バランスが悪く、尾部を滑走路に擦らないよう、後部胴体下面切れ上がり部分に補助輪が付いている。尾翼はＴ型。自動操縦装置や計器着陸装置を装備する。エンジンはクズネツォフNK-8ジェット４基。客席数は168-186席で、長距離では114席に減らして座席間隔を空ける。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

＜Ｉｌ−６２Ｍ＞：エンジンを燃費の良いD-30KUに換装し、垂直安定板にも燃料タンクを設けて航続距離を延ばしたもので、1970年に登場した。ソ連／ロシアの政府専用機としても使用されており、塗装が１機ごとに違う。全長53.12m、全幅43.2m、全高12.35m、運航自重70.5トン（72.6トン？）、最大離陸重量165トン。翼面積279.55平方メートル。エンジンはPNPPアビアドビガテルD-30KU（推力107.87kN）４発、巡航速度442-486ノット・850-870km、燃料搭載量105000リットル、航続距離4210海里（5.1トン搭載時）。最大ペイロード23トン。乗員５名。客席数168。1985年には航法装置を新型に換え、エンジンとポッドを改修して騒音を低減した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、4,’02

＜Ｉｌ−６２ＭＫ＞：Il-62Mの最大離陸重量を増加させ、アビオニクスを改良したもので、1978年に登場した。1985年に航法装置を新型に換え、エンジンとポッドを騒音低減型に変えた。参考：月刊JWings10,’05、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−６２海外シリーズ＞

　＜Ｉｌ−６２Ｍ（北朝鮮）＞：北朝鮮旅客機。高麗航空（エア・コリョ）のIl-62Mのうち１機が政府専用機としても使用されているが、騒音や排気ガスの基準がクリアできず、EUや中国に乗り入れることができない。ただ殆ど外遊の機会が無い（故・金正日氏に至っては飛行機嫌いで乗りもしていない）ので、問題無いようである。参考：月刊JWings9,’14

＜Ｉｌ−７６シリーズ＞：ソ連空軍大型輸送機、NATOコードはキャンディッド（Candid、ぶっちゃけ）。An-12の後継となる積載量40-50トン級・航続距離5000km級輸送機として1960年代半ばからイリューシン設計局が開発し、1971年3月25日に初飛行、1974年（1975年？）に就役した。1975年から960機が量産され、軍だけでなく民間でも使用されている。参考：月刊JWings10,’05、6,’00、世界航空機年鑑2018-2019、世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｉｌ−７６＞：最初の軍用量産型。機首先端に気象レーダーを搭載、機首下面はガラス張りの航法士席になっており、その下のレドームに航法用マッピングレーダーを収容し、自動航法装置や自動着陸装置などを備え、全天候能力を持つ。胴体後部にクラムシェル式貨物扉とランプがあり、自走搭載や空中投下が可能。貨物室は長さ20m／24.5m（ランプ含む）、幅3.45m、高さ3.4mで、天井に３トンウインチ２基または2.5トンウインチ４基を装備でき、3m×2.44m×2.44mのコンテナ６個、6m×2.44m×2.44mのクイックチェンジ・モジュール３個を積める。主翼は高翼配置で、後退角25度、後縁に最大45度下がる三段フラップ、前縁に最大25度下がるフルスパンのスラットがある。エンジンはポッド式で、パイロンに吊り下げた。外翼部に500kg爆弾を懸吊可能。尾翼はＴ字。与圧システム付き。前脚と４本の主脚に空気圧調整装置付き低圧タイヤが４個ずつ取り付けられており、不整地飛行場でも運用可能。主脚は90度ひねって胴体中央下面左右のバルジに引き込まれる。全長46.59m、全幅50.5m、全高14.76m、自重61トン、最大離陸重量170トン。翼面積300平方メートル。エンジンはソロビヨフD-30KP（推力12トン）４発、巡航速度405-430ノット、最大速度460ノット、燃料容量82000リットル、航続距離3620海里（標準ペイロード）／2700海里（最大ペイロード）。ペイロード40トン。自衛武装は胴体尾部の23mm機関砲GSh-23Lが２門。乗員５名。参考：世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings10,’05、ウォーマシン・レポートNo.67

　＜Ｉｌ−７６Ｍ＞：Il-76Tの軍用型で、NATOコードはキャンディッドＢ。中央翼に燃料タンクを増設して航続距離を延ばし、電子戦機材とフレア・ディスペンサーを搭載しており、尾部銃塔が無い。全長46.59m、全幅50.5m、全高14.76m、自重61トン、最大離陸重量170トン。エンジンはPNPPアビアドビガテルD-30KP（推力117.68kN）４発、巡航速度405-432ノット、最大速度459ノット、実用上昇限度15500m、航続距離2698海里（最大ペイロード）／3617海里（最大燃料）。乗員５名。参考：月刊JWings10,’05、6,’00、月刊エアワールド7,’04、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｉｌ−７６ＭＤ＞：Ｍ型の改良型。Il-76TDの軍用型でもあり、ペイロードと燃料容量を増大させた。全長46.6m、全幅50.5m、全高14.8m、運用重量89トン、最大離陸重量190トン。エンジンはソロビヨフD-30KP（推力12トン）４発、最大巡航速度850km（750-780km？）、航続距離7300km。最大ペイロード48トン。乗員７名。搭乗兵員140名。参考：月刊JWings6,’00、月刊軍事研究8,'18、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６ＭＤ−９０＞：Il-76MDの近代化改修型で、機体寿命を2020年以降まで延ばす。エンジンはP-90A-76（推力14.5トン）に換装して最大ペイロードを50トンに拡大、最大速度を800-830kmに増やし、航続距離を最大ペイロード時4100km・40トン搭載時5400kmに延伸した。2003年にまず４機の改修を開始、エンジンを換装するなどテストを行っている。2006年にはもう１機の改修が始まっており、2010年までに10機の改修を完了し、配備しているIl-76MD274機中100機をこの規格にする予定。参考：月刊軍事研究3,’09、3,’11

　＜Ｉｌ−７６ＭＤ−９０Ａ＞：Il-76の近代化型、別名Il-476。Il-76の生産工場であるTAPOiCh（タシケント航空機工場）がソ連崩壊後にウズベキスタンの管轄下に入ってしまい、同国がロシアと距離を置き始めたため、ロシア国内（ウリャノフスク州）に生産拠点を移すついでに改良を施したものである。エンジンを換装して主翼形状も変更、速度・燃費・航続性能を改善し、アビオニクスをデジタル化した。全長46.59m、全幅50.5m、全高14.76m、最大離陸重量210トン。エンジンはPS-90A-76ターボファン（推力16トン）、巡航速度750-850km、最大速度900km、航続距離5000km（ペイロード52トン）。最大ペイロード60トン。原型初号機は2012年9月22日に初飛行した。生産はロシアのアヴィアスタル−SPで、ロシア空軍が2012年に第１バッチ39機の調達契約を結んだが、2015年に30機に減らされた。最終的に100機を調達予定だが、１機あたり価格が35億ルーブルを予定していたところ50億ルーブルになってしまい、予定通りの数を揃えられるかは不明。空中給油機型Il-78M-90Aも開発予定である。参考：月刊軍事研究8,’18、3,’11、11,’13、月刊JWings1,’13、5,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｉｌ−７６ＭＤＭ＞：Il-76MDの近代化改修型。エンジンの寿命を延長し、Il-76MD-90Aと共通化したアビオニクスを搭載、運用期間を15年ほど延ばす。ロシア空軍軍事空輸隊のIl-76MD輸送機41機を改修する予定で、MTA整備施設イリューシン部門が設計を担当する。参考：月刊JWings3,’15

　＜Ｉｌ−７６ＭＦ＞：Il-76MD-90の胴体延長型。胴体を6.6m延長して貨物室容積を３割増しとしている。エンジンはPS-90A-76（推力16トン）。ペイロード52トン。1995年8月1日に初飛行したが、ロシア空軍への配備は2009年になった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６Ｔ＞：民間貨物輸送機型で、1977年にアエロフロートに就航した。全長46.59m、全幅50.5m、全高14.76m、重量170トン。エンジンはPS-90-76（推力14.5トン）４基、最大速度900km、航続距離4000km。乗員５名。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６ＴＤ＞：Il-76Tのペイロードを50トンに増やし、燃料搭載量も増加させたもの。全長46.59m、全幅50.5m、全高14.76m、運航自重89トン、総重量190トン。翼面積300平方メートル。エンジンはソロビヨフD-30KP（推力12トン）４基、巡航速度750-780km、最大速度850km、燃料搭載量109480リットル、航続距離3800km（最大ペイロード）／7300km（ペイロード20トン）。最大ペイロード50トン（47トン？）。乗員７名。1982年から量産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６ＴＤ−９０ＶＤ＞：Il-76TDのエンジンをPS-90A-76（推力16トン）に換装したもの。2005年8月に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−７６ファミリー＞

　＜Ａ−５０＞：A-50（AWACS）を参照。

　＜Ａ−６０＞：空中発射型レーザー砲実験機。胴体前部上面にガス・ダイナミック・レーザー砲（出力1MW級）を積んだもので、アメリカ軍事衛星の破壊を狙っているらしい。1981年8月19日に初号機1Aが初飛行し、1984年に初の発射テストを実施した。1991年8月29日に２号機1A2が初飛行したが、直後にソ連が崩壊して計画がストップした。2009年頃からタガンログ飛行場で搭載レーザー砲を1LK222ソコル・エシュロンに換装し、テスト飛行を再開している。参考：月刊軍事研究2,’18、月刊JWings11,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ａ−９０＞：電子戦機型。2011年に名称が報じられたが、その後は動きが無い。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ａ−１００＞：A-100（AWACS）を参照。

　＜Ｉｌ−７６Ｋ＞：宇宙飛行士訓練機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６ＬＬ＞：エンジン・テストベッド機。D-30KP、NK-86、PS-90A、D-18T、D-236などのテストに使用された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６ＭＦ＞：Il-76Fベースの空中給油機。ウリャノフスクに建設中の工場で生産予定。参考：月刊軍事研究3,’09

　＜Ｉｌ−７６ＳＫＩＰ（９７６）＞：監視機型。胴体上部に円盤状レドームを追加しており、試験機や試験用ミサイルを監視する。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６ＶＰＫ＞：通信中継機、別名Il-82。前部胴体上面にカヌー状の大型フェアリングを持ち、Il-80空中指揮機の通信を中継する。参考：月刊軍事研究7,’18、月刊JWings10,’05

　＜Ｉｌ−７６早期警戒機型＞：早期警戒機型。主翼後方の機体上面に２本の支柱を介してロートドームを取り付け、主翼前方の機体上面にバルジを追加した。A-50との違いは、空中給油受油プローブが無い、機首下面のガラス窓がそのまま、主脚収容バルジ後方の水平フィンが無い、塗装がアエロフロート版など。参考：月刊航空ファン11,’92

　＜Ｉｌ−７８＞：Il-78M空中給油機のエンジン非強化型で、NATOコードはマイダス（Midas）。1970年半ばから開発され、1987年頃に就役した。胴体下にPAZ-1給油ポッドを搭載し、戦略爆撃機への空中給油を専門に行う。後に主翼下にUPAZ-1サハリン給油ポッドを１基ずつ装着できるようにし、戦闘機にも空中給油を行うようになった。参考：月刊JWings4,'23、11,’05、11,’19、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ｉｌ−７８Ｔ＞：空中給油輸送機型、NATOコードはマイダス（Midas）。1983年6月26日に初飛行した。貨物室内に円筒形燃料タンク２個を搭載し、空中給油用燃料28トンを収容、胴体後方左にUPAZ-1A給油ポッド（送油速度毎分900-2200リットル）を１基装着している。追加燃料タンクを外せば輸送機として使える。機首の航法・気象レーダーはそのままで、胴体尾部下面に測距レーダーを追加、クーポル航法装置やRSBNヴストレチャー短距離航法装置などを備え、300km先の受油機を捜索誘導できる。1987年に遠距離航空部隊に配備され、戦略爆撃機への空中給油に使用された。その後両主翼下面にも給油ポッドを追加し、Su-24/-27、MiG-31、Tu-126、A-50などへの空中給油も行うようになった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７８Ｍ＞：空中給油機専用型、NATOコードはマイダス（Midas）。1987年3月7日に初飛行した。貨物室に大型の追加燃料タンクを固定装備したもので、エンジン出力も強化して最大離陸重量を増大、自重は減少したので、追加燃料タンク容量は36トンに増えたが、輸送機への転用は不能となり、胴体後部扉は閉鎖している。主翼内燃料を追加燃料タンクに送って給油に回すことも可能。胴体尾部銃座を廃止して空中給油観測員席（観測するだけ。給油操作は別の人員が行う）とし、主翼端と胴体後部左の計３箇所にPAE空中給油ポッド（UPAZ-1A？胴体下がPAZ-1M、主翼下がUPAZ？）を搭載した。給油方式はプローブ＆ドローグ方式で、給油能力は毎分2500リットル。空虚重量98トン、最大離陸重量210トン。空中給油時飛行速度430-590km、巡航速度750km、空中給油時高度2000-9000m、総燃料搭載量112.84トン（うち翼内84.84トン）、行動半径1000km（60-65トン給油）／2500km（32-36トン給油）。ロシア空軍に1989年12月から20機が配備されており、ウクライナ空軍も少数を保有する。参考：月刊JWings11,’05、10,’05、10,’01、6,’00、11,’19、月刊軍事研究3,’08、3,’09、11,’15

　＜Ｉｌ−７８Ｍ−９０Ａ＞：空中給油機型。Il-76MD-90Aベースで、UPAZ-1M空中給油ステーションを胴体尾部と両翼下に計３基搭載し、爆撃機や輸送機に対しては胴体尾部のものを使用して１機へ、戦術航空機に対しては両翼下のものを使用して同時に２機への空中給油を行える。空中給油操作は遠隔式で、胴体尾部に給油手席は無い。地上では戦術航空機４機に同時給油できる。初号機は2017年11月30日に完成し、2018年1月25日に初飛行した。2019年初めまで飛行試験を行う予定。参考：月刊軍事研究8,’18、月刊航空ファン4,’18、月刊JWings3,’18

　＜Ｉｌ−７８ＭＫ＞：Il-78Mの輸出向けダウングレード版。参考：月刊JWings4,’23

＜Ｉｌ−７６海外シリーズ＞

　＜Ｉｌ−７６（インド空軍）＞：インド空軍輸送機、別名ガジラジ。参考：月刊軍事研究9,’11

　＜Ｉｌ−７６ＭＤ（中国空軍）＞：中国空軍輸送機。1990年代にIl-76MDを14機導入した。更に2007年に34機を発注したが、価格面で折り合いが付かず、Il-76の生産も終了しており、Il-76MD-90Aに切り換えるかもしれない。2012年11月に中古10機の購入計画が結ばれ、2013年初め頃に全機引き渡された。参考：月刊軍事研究12,’09、8,’10、月刊JWings5,’13

　＜Ｉｌ−７６ＴＤ（アルジェリア空軍）＞：アルジェリア空軍輸送機。2018年4月11日、１機が墜落して乗員乗客257名が死亡した。参考：月刊航空ファン5,’19

＜Ｉｌ−７６海外ファミリー＞

　＜Ｉｌ−７６ＭＤ　ＡＥＷ＆Ｃ＞：A-50EhIを参照。

　＜Ｉｌ−７８ＭＫＩ＞：インド空軍空中給油機。2003年に発注、2004年に６機調達して１個飛行隊に配備した。Il-78MKの機体にイスラエル製給油システムとコバム製Mk32空中給油ポッド（送油能力毎分1.2トン）を搭載している。全長46.59m、全幅50.5m、全高14.76m、自重98トン、最大離陸重量190トン。エンジンはアフィアドヴィガーテリ製PS-90A-76（推力142kN）４発、空中給油時飛行速度500km、最大速度750km（850km？）、実用上昇限度12000m、行動半径1000km（給油燃料65トン）／2500km（36トン）、航続距離7300名。乗員６名。６機の追加調達も検討中だが、ウズベキスタンにあるIl-76/Il-78生産工場がロシアとウズベキスタンとの利権争いで操業停止になってしまい、A330-200MRTTに切り換えるかもしれない。参考：月刊JWings4,’23、月刊軍事研究9,’11、5,’09

　＜Ｉｌ−７８ＭＰ＞：パキスタン空軍空中給油機。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−７６ＴＤ＞：A-50EhIを参照。

　＜Ｉｌ−７８（アルジェリア空軍）＞：アルジェリア空軍空中給油機。６機を使用中。参考：月刊軍事研究10,’09

　＜Ｉｌ−７８（ウクライナ空軍）＞：ウクライナ空軍空中給油機。18機を発注した。参考：月刊軍事研究10,’09

　＜Ｉｌ−７８（中国空軍）＞：中国空軍空中給油機。８機（４機？３機？）を2007年にウクライナへ発注したが、価格面が折り合わず導入が遅れ、2011-12年に３機が引き渡された。2014年10月、武漢の空軍基地に１機が駐機しているのをアメリカのデジタルグローブ社が衛星画像でキャッチ、配備が開始されたとみられる。2017年8月31日にもウクライナから輸入したという報道が出た。2018年現在、２機が配備されていると推定されている。参考：月刊軍事研究10,’09、12,’09、4,’15、月刊航空ファン11,’17、4,’18、朝雲

＜アドナン１＞：イラク空軍早期警戒管制機。Il-76MD輸送機にトムソンCSF社製TRS-2106レーダー（イラク軍名称タイガーＳ）を搭載したもので、３機（２機？）が生産された。ただし元々地上設置用レーダーなので、グラウンド・クラッターなどをどこまで解決できたかは不明。レーダーは直径9mのロートドームに内蔵され、ビームで胴体上4mに固定されている。横安定性向上のため、胴体後部にストレーキ２枚を追加した。湾岸戦争で１機が破壊され、残り２機は行方不明。参考：月刊軍事研究2,’03、軍事分析湾岸戦争、月刊JWings11,’19

＜アドナン２＞：イラク空軍早期警戒管制機。Il-76MD輸送機にトムソンCSF社製TRS-2105レーダーを搭載したもので、１機（２機？）が生産された。湾岸戦争後は行方不明である。参考：月刊軍事研究2,’03、月刊JWings11,’19

＜バグダッド＞：イラク軍早期警戒管制機。1989年のバグダッド武器展示会で発表された。胴体後部のカーゴ・ランプの換わりに固定式レドームを設けている。搭載するレーダーはトムソンCSF社製タイガーＧ（基はレーダーサイト用）といわれる。アドナン１のベースになったようだ。参考：軍事分析湾岸戦争

＜Ｉｌ−７８＞：Il-76輸送機ファミリーを参照。

＜Ｉｌ−７８Ｍ＞：Il-76輸送機ファミリーを参照。

＜Ｉｌ−７８Ｍ−９０Ａ＞：Il-76輸送機ファミリーを参照。

＜Ｉｌ−８０＞：Il-86ファミリー（空中コマンドポスト）を参照。

＜Ｉｌ−８２＞：Il-76VPK（空中コマンドポスト）を参照。

＜Ｉｌ−８６＞：ソ連の中距離旅客機、NATOコードはキャンバー（Camber）。ソ連初のワイドボディ機で、1973年に基本計画が公表され、1976年12月22日に原型機が初飛行し、1977年10月24日に量産初号機が初飛行、1980年12月26日に国内線に就航した。胴体はセミモノコック構造全金属製だが、内装にハニカム材とCRPを使っている。設備の不十分な空港でも運用できるよう、胴体下面にエア・ステアを３カ所設け、ここからも乗客が乗降できるようにしたが、床下貨物室が狭くなるという欠点があり、後に廃止された。降着装置は前輪式で、主脚は胴体下にもボギー脚を持つ４脚式である。全長59.54m、全幅48.06m、全高15.81m、最大離陸重量208トン。翼面積320平方メートル。エンジンはクイビシェフNK-86ターボファン（推力13トン）４基、最大巡航速度950km、最大燃料容量88350リットル、航続距離4600km（最大燃料）／3600km（ペイロード40トン）。最大ペイロード40トン。乗員3-4名。客席数234-350。エンジンのバイパス比が1.6と低く、航続性能、経済性、静粛性に劣り、150機を量産する予定が1995年12月までの104機で打ち切られた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−８６ファミリ−＞

　＜Ｉｌ−８０＞：ロシア空軍空中コマンドポスト機、ロシア通称「審判の日の飛行機」、NATOコードはマックスドーム（Maxdome）。Il-22シリーズの後継で、1990年代に西側が確認し、当初Il-86VKPまたはIl-87の推定名を付けていた。Il-86のキャビン窓を全廃し、機体前部上面に巨大な衛星通信システム収容フェアリングを搭載、内翼部分に発電用ポッドを装備しており、機体後部から長さ4kmのVLF通信用アンテナを展張する。緊急時に大統領以下政府要人と参謀本部を収容して国家機能を継続させ、必要に応じてIl-76VPKにより通信中継を行い、ズヴェノー非常事態用通信システムの中核となって国家指揮を執る。1992年に制式化され、４機（５機？）が製作されたが、ソ連崩壊の煽りで実運用は2005年からになった。ベース機体Il-86にエンジン性能不足などの欠点があって2012年には国防相の命により退役が検討される有様で、2014年の稼働率は20-25%しか無かったらしく、Il-96-400ベースの新型機を検討中。取り敢えず積んでいる通信システムをズヴェノー２新型非常事態用通信システム対応の83T120に更新中で、改修初号機は2015年12月に引き渡された。参考：月刊軍事研究7,’18、7,’10、月刊航空ファン2,’16、月刊JWings11,’12

＜Ｉｌ−８６ＶＫＰ＞：Il-80（空中コマンドポスト）を参照。

＜Ｉｌ−８７＞：Il-80（空中コマンドポスト）を参照。

＜Ｉｌ−９６シリーズ＞：ソ連の４発ジェット旅客機。Il-86の長距離型で、航続距離倍増を目指して1980年代初めから開発され、原型機は1988年9月28日に初飛行した。30機が生産され、ソ連空軍でも連絡機などとして使用されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

＜Ｉｌ−９６−３００＞：基本型。Il-86の胴体を4mほど短くし、主翼スパンを延長してウイングレットを追加、垂直尾翼の翼スパンも拡大して大型化した。軽量化を狙って主用構造材は高純度アルミ合金及び複合材としている。床下貨物室にLD3コンテナ16個を搭載可能で、胴体下面エア・ステアは無い。降着装置はIl-86と同様で、主脚は４脚式である。計器板はCRT６基を配し、アビオニクスには飛行制御装置・飛行管理装置やINS／オメガ／衛星航法装置を採用、操縦系統はソ連旅客機初のフライバイワイヤ（三重冗長）である。全長55.35m、全幅60.11m、全高17.55m、運用自重117トン、最大離陸重量250トン（216トン？）。翼面積350平方メートル。エンジンはアビアドビガテルPS-90A（推力156.9kN・16トン）４基、巡航速度459-486ノット・850-900km、燃料搭載量148260リットル、航続距離4050海里（最大ペイロード時）／5940海里（15トン積載時）。最大ペイロード40トン。乗員３名。客席数235-300（312-375？）。1992年12月29日に形式証明を取得し、1993年から定期運航された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、1,’01

＜Ｉｌ−９６−３００Ｖ＞：航続距離延伸型で、2200km延びた。ブヌコヴォ航空が運用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−９６Ｍ＞：輸出型。Il-96-300の胴体を延長し、エンジンをプラット＆ホイットニー社製PW2337に変更した。キューバのクバーナ航空が運用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

　＜Ｉｌ−９６ＰＵ＞：ロシア大統領府の大統領専用機で、ロシア連邦輸送会社が運航する。１機しかないので、バックアップとして旧型のIl-62Mも引き続き整備運航されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、1,’01

　＜Ｉｌ−９６ＰＵ（Ｍ）＞：ロシア大統領府のコマンドポスト機。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−９６−３００（要人輸送機）＞：ロシア大統領府の要人輸送機。Il-96-300をVIP仕様にしたもので、ロシア航空特別飛行分遣隊に配備された。2019年6-7日、G20大阪サミットに出席するプーチン大統領搭乗Il-96-300PUの随行機として関西空港に滞在した。参考：月刊航空ファン9,’19

　＜Ｉｌ−９６−３００ＰＵ＞：ロシア大統領府の要人輸送機。緊急事態時に本国と連絡が取れるよう通信システムを追加しており、胴体背部中央から垂直尾翼前縁にある細長いフェアリングに通信アンテナを内蔵する。ロシア航空特別飛行分遣隊に配備された。2019年6-7月、G20大阪サミットに出席するプーチン大統領を乗せて関西空港に滞在した。参考：月刊航空ファン9,’19、月刊JWings9,’19

　＜Ｉｌ−９６−３００ＰＵ（Ｍ１）＞：ロシア大統領府のコマンドポスト機。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−９６−４００Ｍ＞：Il-96-400Tの旅客機型。計画中。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−９６−４００Ｔ＞：Il-96-300の貨物輸送機型で、1997年5月16日に初飛行した。ペイロード92トン。2008年にアエロフロートに納入された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

　＜Ｉｌ−９６−４００ＴＺ＞：空中給油機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−９６−４００ＶＰＵ＞：ロシア連邦保安局が運用している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１０２＞：イリューシン設計局の試作地上支援機。ソ連空軍が1969年（1967年？）に発出した地上攻撃機要求に提案したもので、この時はIl-42（Il-2？）という名称であり、Il-40の改良型として設計した。しかしスホーイ設計局が提案した対抗馬はSu-25で、本機の設計が遡ればIl-2であることを鑑みるまでもなく不採用となったが、Il-102と改称して開発を継続している。Il-2の双発ジェット版といった機体で、前下方視界確保のためコクピットは高い位置にあり、機首上面は急角度で下に向かっている。コクピット前部に操縦士席、後部に後ろ向きの機銃手席があり、機銃手は尾部のリモコン式23mm連装機関砲を操作する。操縦士用キャノピーは後方ヒンジ、機銃手用キャノピーは前方ヒンジ。射出座席は操縦士用がK-36L、機銃手用がK-36L-102で、機銃手席は操縦士の操作で射出する。操縦士席と機銃手席の間にポリウレタン・フォーム充填燃料タンクがある。エンジンは胴体両側に付き、エンジンの中央から主翼が出ている（胴体全体でみると低翼配置）。主翼は前縁後退角30度の後退翼だが、凄まじく厚く翼弦長も長く（アスペクト比4.5、翼厚比12%）、内翼部（主脚収容バルジ外側）に爆弾１発を収容できる爆弾倉を片側３つずつ並列配置している。外翼部にはハードポイントが片側３カ所ずつ用意されていて、UB-4ロケット弾ポッド、UB-20ロケット弾ポッド、UB-32ロケット弾ポッド、R-60空対空ミサイル、R-73空対空ミサイルなどを装備できるが、主翼が低翼配置なので大型爆弾は積めない。胴体下面にもハードポイントが２カ所あり、1930リットル増槽２本などを装備可能。内翼部後縁に隙間フラップ、外翼部後縁にエルロン、フラップ直前の主翼上面にスポイラー片側２枚ずつを持つ。降着装置は前輪式引き込み脚。前脚はシングルタイヤで後方に、主脚はダブルタイヤで主翼内翼部下面バルジへと前方に引き込まれる。全長17.75m、全幅16.9m、全高5.08m、自重13トン、総重量18-22トン。翼面積63.5平方メートル。エンジンはRD-33Iターボファン（静止推力5.32トン。アフターバーナー無し）双発、最大速度950km、燃料タンク容量3.7トン、戦闘行動半径400-500km、フェリー航続距離3000km。固定武装は胴体下面の30mm連装機関砲GSh-30/�U（15度まで下に向けられる）と尾部遠隔操作砲塔の23mm連装機関砲GSh-23L。最大兵装搭載量7.2トン。乗員２名。1982年9月25日に初飛行し、一応試作機２機で1982-83年に360回・320時間（1987年末までに370回250時間？）のテスト飛行を行ったものの、既にSu-25の量産が始まっており、1984年に開発中止となった。参考：月刊JWings10,'20、月刊戦車マガジン11,’92、月刊航空ファン11,’92、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究1,’16

＜ＩＬ−１０３シリーズ＞：ロシア国防スポーツ技術機構の練習機。ソ連陸海空軍協力協会の要求にイリューシンが応じたもので、1990年のモスクワ航空ショーで模型が公開され、1994年5月17日に原型初号機が初飛行し、1996年2月15日にロシア、1998年12月9日にアメリカの耐空証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＬ−１０３＞：機体はアルミ合金・チタン合金・グラスファイバー複合材製。キャビンは前方が並列複座、後方が並列2-3席で、後席を外せば220kgまでの貨物を搭載できる。主翼は低翼単葉、降着装置は前輪式固定脚。全長8m、全幅10.56m、全高3.14m、自重900kg、最大離陸重量1310kg。翼面積14.71平方メートル。エンジンはテレダイン・コンチネンタルIO-360-ES2B（210馬力）単発、巡航速度180km（高度3000m）、最大速度220km（高度3000m）、失速速度110km（フラップ下げ）／117km（フラップ上げ）、実用上昇限度3000m、海面上昇率毎分190m、航続距離800km（ペイロード最大）。最大ペイロード270kg。乗員１名。客席数４。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＬ−１０３−０１＞：ロシア国内標準型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＬ−１０３−１０＞：輸出型で、国際標準化アビオニクスを搭載している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＬ−１０３−１１＞：輸出型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＬ−１０３Ｐ＞：内水哨戒機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＩＬ−１０３ＳＫｈ＞：農薬撒布機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＩＬ−１０３海外シリーズ＞

　＜Ｔ−１０３＞：韓国空軍練習機。2004年から23機を１機２億ウォンで導入した。2015年、KT-100練習機に後を譲って退役した。参考：月刊航空ファン3,’19、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１１２Ｖ＞：ロシア空軍小型輸送機。An-26の後継としてイリューシンが開発した。エンジンはターボプロップ双発、航続距離6000km（２トン搭載）。最大ペイロード５トン（６トン？）。搭乗人員34-35名。３機を試作する予定だったが、ペイロードが小さすぎるとしてロシア国防省は開発費用の支払いを停止、開発が中断されていた。その後空海軍で100機以上を装備することになり、2019年3月31日に初飛行した。参考：月刊軍事研究3,’11、8,’18、月刊航空ファン6,’17、6,’19

＜Ｉｌ−１１２ＶＴ＞：ロシア空軍小型輸送機。An-26の後継として採用された。2009年に初飛行予定。参考：月刊軍事研究3,’09

＜Ｉｌ−１１４シリーズ＞：イリューシンの旅客機。An-24/-26の後継として開発され、1990年3月29日（25日？）に原型初号機、1992年8月7日に量産初号機が初飛行した。1993年7月5日に２号機が墜落し、エンジン開発遅延も重なって耐空証明取得は1997年4月26日となり、1998年8月27日から運航されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−１１４＞：基本型。主翼は低翼配置で、ダブルスロッテッドフラップを持つ。計器板にはCRT５基を装備し、デジタル式アビオニクスやTsNPKO-114自動操縦装置を搭載する。降着装置は前輪式、全てダブルタイヤで、無舗装滑走路でも離着陸可能。全長26.88m、全幅30m、全高9.32m、運航自重15トン、総重量23.5トン。翼面積81.9平方メートル。エンジンはクリモフTV7-117Sターボプロップ（2500軸馬力）双発、巡航速度500km、燃料搭載量8360リットル、航続距離1000km（乗客64名＋手荷物）／2850km（ペイロード3.6トン）／4800km（ペイロード1.5トン）。最大ペイロード6.5トン。乗員２名。座席数64。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−１１４Ｔ＞：Il-114の貨物型。1996年9月14日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−１１４−１００＞：Il-114の輸出型。アビオニクスを西側のものに換装し、エンジンをPW127Cに変更している。1999年1月26日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｉｌ−１１４−３００＞：計画中の短距離型で、エンジンをTV7-117SMに換装する予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１１４ファミリー＞

　＜Ｉｌ−１１４ＬＬ＞：テストベッド機。MMSカサートカ−Ｓ洋上哨戒レーダーの試験に使用された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１１４Ｍ＞：海洋監視・捜索救難機型。イリューシン設計局で計画を出しているが、実際の開発にはまだ着手していない模様。参考：月刊軍事研究3,’08

＜Ｉｌ−１１４ＭＰ＞：計画中の洋上哨戒機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−１１４Ｐ＞：計画中の洋上哨戒機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ｉｌ−２１４＞：ロシアのイリューシン設計局が開発中の多目的輸送機。MTAとしてインドとの共同開発を狙っていたが、搭載エンジンで揉めて2016年1月13日に単独開発が決まった。全長37.7m、全幅35.5m、全高13m、最大離陸重量68トン。エンジンはPD-14ターボファン（推力34392ポンド・15.6トン）双発、航続距離3000km以上（ペイロード20トン時）。搭載人員100名。ペイロード20トン。2012年に初飛行予定だったが、2017年予定に遅れている。参考：月刊航空ファン6,’17、月刊JWings4,’16、月刊軍事研究3,’09

＜ＩＬ−２１９＞：ロシア陸軍の砲兵支援用多用途レーダーシステム、別名ゾーパルク（ZOOPARK、動物園）。MT-LBの車体に平面レーダーを搭載する。2S19の支援用として開発され、1991年から生産されているようだ。輸出用に、各種コンピュータや観測システムを追加できるという。参考：月刊PANZER7,’00

＜Ｉｌ−４７６＞：Il-76MD-90A（輸送機）を参照。

＜ＩＬＡ＞：ベルリン国際航空宇宙ショーを参照。

＜ＩＬＡＲＴＳ＞：統合発着艦テレビ監視装置を参照。

＜ＩＬＬ＞：照明弾の略。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＩＬＳ＞：航空保安無線施設の１つで、Instrument Landing System（計器着陸装置）の略。着陸進入中の航空機に対して指向性の電波を発し、航空機の計器（HUDや水平位置指示器HSI）に着陸コースを指示する装置で、悪天候でも安全な着陸進入を可能とする。水平方向の進入路を指示するローカライザー（LOC）、垂直方向の進入路を示すグライドスロープ（GS）／グライドパス、滑走路からの距離を知らせるマーカービーコン装置からなり、補助装置として滑走路端からの距離を送るターミナルDME（T-DME）アンテナや、長波／中波ロケーター・ビーコンなどが設置されることもあって、航空機はこれらの受信機や指示器を備える必要がある。ローカライザーは周波数108-112MHz・出力200Wの超短波を使用し、着陸する方とは逆の滑走路端から1000フィート（304.8m）先に設置したアンテナから左右幅2.5度ずつの変調電波を放出する。航空機がアンテナに向かって左にずれると90Hz、右にずれると150Hzの変調をキャッチするので、これに基づいて水平方向の修正をかける。グライドパスは328.6-335.4MHz・出力10-20Wの極超短波を使用し、滑走路の接地点脇400-600フィート（122-183m）に設置されたアンテナから上下幅0.7度ずつの変調電波を放出する。航空機が上にずれると90Hz、下にずれると150Hzの変調をキャッチするので、これに基づいて上下方向の修正を行う。マーカービーコンは滑走路端から75-450mの位置にインナーマーカー（変調3000Hz、毎秒６ドットの連続ドット）、900-1200mにミドルマーカー（変調1300Hz、毎秒６ドット＋毎秒２ダッシュ）、6500-11100mにアウターマーカー（変調400Hz、毎秒２ダッシュの連続ダッシュ）が設置されていて、識別符号の入った周波数75MHz・出力2-5Wの扇形垂直指向性超短波を真上に発信する。着陸可能な最低気象条件により、カテゴリー�T、�U、�VＡ、�VＢ、�VＣの５つに分類される。これを有する飛行場には精密進入経路指示灯（PAPI）の設置も義務づけられている。日本の民間空港では概ねGCAからこれに換えられた。将来的にはGPSと交替する見込みである。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、航空管制のはなし、月刊JWings3,’16

＜ＩＭ−９９＞：ボマーク・シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜ＩＭ１００＞：アイ・マスト100を参照。

＜ＩＭ３００＞：防衛庁技術研究本部と石川島播磨重工が1967年から開発し、11月に完成させた艦船用ガスタービンエンジン。ベースはP-2J及びPS-1に搭載されていたGE社製T64ターボプロップエンジン（石川島播磨重工がライセンス生産）である。重量1.6トン（減速装置込み）。出力2200馬力（30分定格）／2000馬力（連続定格）。魚雷艇７号に搭載されてテストされ、魚雷艇11号型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.78

＜ＩＭ４００＞：アイ・マスト400を参照。

＜ＩＭ４００−Ｋ３４＞：自衛隊のガスタービン発電装置機側操作盤。IHI製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＩＭ５００＞：アイ・マスト500を参照。

＜Ｉ−ＭＡＥ＞：ナット750-45（無人機）を参照。

＜Ｉ−ＭＡＳＴ＞：アイ・マストを参照。

＜Ｉ−ＭＡＳＴＥＲ＞：タレス社が開発した全天候地上監視用合成開口レーダー。移動目標捕捉追尾能力を持ち、軽量なのでヘリやUAVにも搭載できる。重量30kg。参考：月刊軍事研究8,’15

＜ＩＭＣ＞：計器気象状態を参照。

＜ＩＭＣ＞：映像移動補正機構の略。

＜ＩＭＣＭＥＸ＞：アメリカ海軍多国籍対機雷戦演習International Mine Countermeasures Exerciseの略。イランによるホルムズ海峡封鎖に備え、ペルシャ湾で同盟諸国海軍と共同で行っている。参考：月刊世界の艦船8,’13

＜ＩＭＣＭＥＸ１２＞：アメリカ第５艦隊が主催し、2012年9月16-27日にアラビア半島周辺海域で行われた。参加したのはアメリカ（AFSB(I)-15ポンス、LSD-44ガンストン・ホール、MCM-3セントリー、MCM-6デヴァステイター、MCM-9パイオニア、MCM-10ウォーリア、MCM-12アーデント）、イエメン、イギリス（D34ダイアモンド、掃海艇アザーストーン、M112ショアハムなど）、イタリア、エストニア、オーストラリア、オランダ、カナダ、海上自衛隊（MST-463うらが、MSO-303はちじょう、掃海隊群潜水員４名、リーマス100UUV）、ニュージーランド、フランス、ヨルダンなど30カ国以上である。19日までの前半はバーレーンのミナサルマン港において情報交換やスポーツ交歓による協力関係強化、20日以降の後半はペルシャ湾内などの訓練海域における掃海・掃討訓練を実施した。AFSB(I)-15ポンスは掃海艇を含む水上艦艇への支援、ヘリ及び小型舟艇の運用などを行っている。参考：月刊軍事研究1,’13、朝雲、月刊世界の艦船12,’12

＜ＩＭＣＭＥＸ１３＞：対機雷戦、船団護衛、海上施設護衛などの内容で2013年5月6-30日に実施された。参加したのはアメリカ（AFSB(I)-15ポンス、LSD-50カーター・ホール、MCM-3セントリー、MCM-11グラディエイター、PC-10ファイアボルト）、イギリス（L-3009カーディガン・ベイ、D35ドラゴン、M112ショアハム）、海上自衛隊（幕僚２名、潜水員４名）、クウェート（アル・ファハヒール）、フランス（M650サジテール）など41カ国6500名35隻。参考：月刊世界の艦船8,’13

＜ＩＭＣＭＥＸ１４＞：2014年10月27日から11月13日に実施され、対機雷戦、船団護衛、港湾・石油掘削施設防衛などを訓練した。参加したのはアメリカ（AFSB(I)-15ポンス、DDG-57ミッチャー、DDG-104ステレット、MCM-6デバステーター、MCM-13デクストラス）、イギリス（L15ブルワーク、サンダウン級掃海艇、ハント級掃海艇、掃海艇チディングフォールド、掃海艇ペンザンス）、海自（MST-464ぶんご、MSO-301やえやま）、パキスタン（F-265アスラット、アルエート�Vヘリ）など44カ国6500名38隻。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜ＩＭＣＭＥＸ２０１６＞：第４回目で、2016年4月4-16日に実施された。アメリカ（AFSB(I)-15ポンス、MCM-3セントリー）、イギリス（L-3009カーディガン・ベイ、D36ディフェンダー、M34ミドルトン）、海自（MST-463うらが、MSC-603たかしま）、カタール（バルザン級ミサイル艇）など30カ国が参加している。民間船警護訓練では客船クイーン・メリー２など商船延べ11隻も加わった。参考：月刊世界の艦船7,’16

＜ＩＭＤＥＸ＞：International Maritime and Defence EXhibition（国際海洋防衛装備展示会。International Maritime Defence EXhibition　and conference？）の略。シンガポールで隔年開催されている海軍展示会である。2011年は5月18-20日に開催された。第13回のIMDEX Asia 2019は2019年5月14-16日にチャンギ・エキシビジョンセンターで開催され、DDH-183いずもとDD-101むらさめが参加し、5月14日には海幕長が国際海上安全保障会議に出席して海洋共有における平和維持をテーマにスピーチを行った。第14回のIMDEX ASIA 2023は2023年5月3-5日にチャンギ・エキシビション・センターで開催され、海上自衛隊FFM-2くまの、オーストラリア海軍FFH156ツゥーウムバ、アメリカ海軍LCS-26モービル、イタリア海軍P431フランチェスコ・モロジーニなどが参加した。参考：月刊世界の艦船8,’11、7,’19、8,’19、9,’19、8,'23、月刊軍事研究4,’17、朝雲

＜ＩＭＤＳ＞：International Maritime Defence Show（国際海洋防衛展示会）の略。ロシアで2003年から隔年開催されている海軍関連の兵器展示会である。参考：月刊軍事研究10,’13、10,’09

　＜ＩＭＤＳ２００９＞：サンクトペテルブルグで2009年6月24-28日に開催された。ロシア海軍、イギリス海軍、オランダ海軍、フランス海軍の艦船が公開され、ロシア製中心の各種兵装類も展示された。参考：月刊軍事研究10,’09

　＜ＩＭＤＳ２０１１＞：サンクトペテルブルグで2011年6月29日から7月3日に開催され、ロシア海軍・沿岸警備隊、オランダ海軍（F831ヴァン・アムステル）、ドイツ海軍（F220ハンブルク）、アメリカ海軍（FFG52カー）の艦船が公開された。参考：月刊軍事研究9,’11

　＜ＩＭＤＳ２０１３＞：サンクトペテルブルクで2013年7月3-7日に開催された。実艦展示はプロジェクト20381改ステレグシシイ級コルベット２番艦532ボイキィ、プロジェクト21630ブヤン級コルベット３番艦マハチェカーラ、オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビシェン級フリゲートF805エイヴェルツェン、オランダ海軍ワルラス級潜水艦S-808ドルフィンのみだった。参考：月刊軍事研究10,’13

　＜ＩＭＤＳ２０１５＞：サンクトペテルブルクで2015年7月1-5日に開催された。ウクライナ情勢に鑑み、実艦展示はロシア海軍のみとなっている。プロジェクト20381ステレグシュチイ級コルベット・ソブエルシェンヌイ、プロジェクト636.3改キロ級潜水艦B262スタールイ・オスコル、プロジェクト12322ズブル級エアクッション揚陸艇エヴゲーニィ・コチェシュコフ、プロジェクト11770セルナ級揚陸艇、プロジェクト12700アレクサンドリット級掃海艦１番艦アレクサンドル・オブホフ、プロジェクト03160高速哨戒艇、プロジェクト23370捜索救難艇CMK-2098が展示された。参考：月刊軍事研究10,'15、9,’15

　＜ＩＭＤＳ２０１７＞：第８回で、サンクトペテルブルクにおいて2017年6月28日から7月2日まで開催された。実艦展示はロシア海軍のみで、アドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲート３番艦アドミラル・マカロフ、プロジェクト20380ステレグシシィ級コルベット５番艦ストイキィ、プロジェクト21631ブヤンＭ級コルベット５番艦セルプホフ、ズブル級エアクッション揚陸艇エヴゲーニィ・コチェシュコフ、プロジェクト12700アレクサンドリット級掃海艦１番艦アレクサンドル・オブホフなど20隻弱が展示された。参考：月刊軍事研究10,’17

＜ＩＭＥＴＳ＞：アメリカ陸軍戦術インターネットを構成するシステムの１つで、Integrated METeorogical System（統合気象システム）の略。大隊以上の指揮所に配備され、航空気象機関（AWS、Air Wheather Survice）からの情報を元に、戦域の気象情報を自動的に提供する。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＩＭＩ＞：イスラエルの半官半民の陸上兵器メーカーで、Israel Military Industriesの略。第２次大戦終結直後にチェコから脱出したユダヤ人が持ち込んだ小火器製造機械や設計図などを使用して生産した。小火器部門は2005年にIWIとして独立した。参考：GUN用語事典、JGround Vol.11

＜ＩＭＩ−１２０＞：06単兵即食食品を参照。

＜ＩＭＩＮＴ＞：IMage INTelligence（画像情報）の略。光学カメラによる写真偵察や、赤外線ラインスキャナー・合成開口レーダーなどの電子画像の情報を指す。地下施設などに隠蔽されると情報収集が難しくなる。参考：月刊軍事研究4,’04、9,’05、7,’97

＜ＩＭＩＮＴ＞：IMagery INTelligence（画像精密偵察衛星）の略。KH-11ケンナンまたはKH-12イコンを参照。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ＩＭＭ＞：タレス・ネーデルランド社のタワーマストで、Integrated Modular Mast（統合モジュラーマスト）の略。内部に電子機器を収容し、アンテナは外表に貼り付ける。衛星通信アンテナは回転型で、タワーマスト頂部の球形ドーム内に装備。他に可視光／赤外線センサー、レーザー照射器などの追加も可能である。オランダ海軍ホランド級外洋哨戒艦にアイ・マスト400として搭載された。参考：月刊軍事研究1,’09、8,’09

＜ＩＭＰＡＣＴ＞：THeMISシリーズ（UGV）を参照。

＜ＩｍＰＡＣＴ＞：革新的研究開発推進プログラムを参照。

＜ＩＭＲ＞：T-55戦車ファミリーを参照。

＜ＩＭＲ−２＞：T-72戦車ファミリーを参照。

＜ＩＭＲ−３Ｍ＞：T-90戦車ファミリーを参照。

＜ＩＭＳ＞：国際監視制度（International Monitoring System）の略。CTBT条約発効前に立ち上げる制度で、世界321カ所の監視観測所で核実験を24時間監視する。日本には施設10カ所を作る予定で、2002年に建設を開始した。参考：核兵器事典

＜ＩＭＳ＞：アメリカのハリス社が開発したアビオニクス・システムで、統合型マルチプレックスシステムの略。ヘリコプターとしてはA-129マングスタ攻撃ヘリに初めて搭載された。互いにインターフェース機能を持つセントラルコンピュータ２基により、飛行関係と攻撃関係のアビオニクスを集中かつ統合した形で制御し、CRTスクリーンへのデータ表示を行う。オートパイロットを含む航法・通信、フライバイワイヤ型操縦系、エンジン状態のモニタ、燃料系・電気系モニタ、飛行状態のモニタと安定保持、警報発令、照準装置とPNVSのインターフェース、TOW以外の兵装制御を統括する機能を持ち、各種センサーやアビオニクスからのアウトプットデータは、デジタル装置を通りセントラルコンピュータに送られてリアルタイム処理される。コンピュータは１基でもシステム制御が可能。処理済みデータは、ガンナー席とパイロット席に各々装備されたMFDに表示される。付属のキーボードでコンピュータへの入力操作が可能。表示される情報は、航法用ウェイポイント・コンピュータ・グラフィック型マップ、兵器状態表示と選択、通信装置のチューニングとモード選択、警報、飛行状態などで、セントラルコンピュータには最大100箇所のウェイポイントまたは平均10カ所のウェイポイント・パスを含むフライト10種、周波数プリセット100種とそのモードを記憶させることができる。これにより、乗員のワークロードは従来に比べ３分の２に、電子・電気系整備時間は４分の３に、任務生残性は３倍になり、重量は45-70kg軽くなり、信頼性とライフサイクルコストは２割ずつ向上した。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ＩＭＵ＞：ウズベキスタン・イスラム運動を参照。

＜ＩＭＵ＞：慣性計測ユニットの略。JDAMなどに使用されているINSで、リングレーザージャイロと組み合わされている。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＩＭＶ＞：Infantry Mobility Vehicle（歩兵機動車）の略。参考：月刊軍事研究7,’16

＜ＩＭＸ−１０１＞：BAEシステムズ社の炸薬で、IMXはInsensitive Munition Explosive（低鋭敏性弾薬用炸薬）の略らしい。TNTの代わりとしてアメリカ陸軍が採用し、M795榴弾に収容する予定。参考：月刊丸10,’10

＜Ｉｎ＞：Inspectorate（検閲部）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＩＮ＞：アメリカ軍の内装式核爆弾の接尾記号。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＩＮ８２７＞：フランス海軍のバディ・ポッド。フランスのインターテクニーク社が開発した。全長3.3m。ラファールＭやシュペル・エタンダールが搭載している。参考：月刊JWings10,’13

＜ＩＮＣＳＥＡ＞：米ソ海上事故防止協定を参照。

＜ＩＮＥＷＳ＞：航空自衛隊F-2支援戦闘機に搭載されている電子戦装置で、統合電子戦システムの略。パッシブ電子支援手段（ESM）ではC-Jバンドの周波数帯、アクティブ電子対抗手段（ECM）ではE-Jバンドの周波数帯に対抗できる。脅威警戒・識別機能、目標・脅威評価機能、脅威対抗実施機能などを持つ。参考：月刊JWings11,’04

＜Ｉｎｆ＞：Infantry/Infanterie（歩兵）の略。参考：ジャーマンタンクス、軍事力バランス78年版

＜ＩＮＦ＞：Intermediate-range Nuclear Forces（中距離核戦力または中距離核兵器）の略。射程500-1000kmの短射程ミサイル（SRINF）、射程1000-5500kmの長射程ミサイル（LRINF）に分かれ、地上発射型弾道ミサイルと地上発射型巡航ミサイルの双方を含む。参考：月刊航空ファン7,’99、月刊丸1,’98、戦争がやってくる、月刊軍事研究5,’17

＜ＩＮＦ条約＞：INFはIntermediate-range Nuclear Forcesの略。正式名称は、中距離及び準中距離ミサイルの廃棄に関するアメリカ合衆国とソビエト社会主義共和国連邦との間の条約。1977年からソ連がピオニール（SS-20）を東ヨーロッパに配備したのが締結のきっかけである。NATOは柔軟反応戦略を取っていたが、NATOが戦術核を使うと東欧からピオニールが飛んでくる可能性が高く、当時のNATOには中距離核戦力が存在せず、アメリカ本土のICBMに報復を頼るとしても、ソ連からの報復ICBMによりアメリカ本土を壊滅させられる恐れが高いのに西ヨーロッパのためだけにICBMを使ってくれるか確証が得られなかった。また、中距離核戦力INFはSALT�T／�Uの削減対象ではなく、ソ連に大量配備されると一方的に核攻撃を喰らう恐れも出てきた。1979年10月にソ連のブレジネフ書記長がNATO領内にピオニールに対抗する兵器を配備しなければ、これ以上ピオニールを東ヨーロッパに展開しない、と声明を発したが、その時点でピオニールは130基（弾頭390発）が配備済みで、相変わらずNATOにはピオニールと同様のINFは存在しておらず、12月12日にNATOは二重決議で1983年12月からのINFの配備を決定。これによりモスクワが西側INFの射程内に置かれることとなり、米ソ共に相手のINFの脅威を取り除く必要性が大きくなったことから、1981年11月に米ソがヨーロッパ配備核兵器に関する制限・全廃交渉を開始した。アメリカは長射程INFを対象としたグローバル・ゼロ・オプションを提案したが、同月に西ドイツがパーシング�UとGLCMの配備を受け入れたため、ソ連が交渉を中断。1985年3月に戦略核・宇宙兵器と共に交渉が再開された。1986年1月にソ連のゴルバチョフ大統領はヨーロッパ配備のINFに限った全廃を提案。10月にレーガン・ゴルバチョフ両大統領がレイキャビクで会談し、それに関して合意した。1987年4月、ゴルバチョフ書記長は短射程INFの全廃（ダブル・ゼロ）を提案、7月には極東ソ連とアメリカ本土のINF全廃（グローバル・ダブル・ゼロ）を提案した。8月、西ドイツのコール首相がパーシング�Taの廃棄を表明、核弾頭をアメリカが、ミサイル本体を西ドイツが保有することとなった。12月8日、ワシントンで米ソ首脳会談が開かれ、INF全廃条約に双方が署名した。効力発生は1988年6月1日。対象は地上発射型（海上・空中発射は対象外）の中距離・準中距離ミサイル（地上発射型弾道・巡航ミサイルで、射程500-1000kmの短射程INFと射程1000-5500kmの長射程INF）であるパーシング�Ta（170発）、パーシング�U（247発。うち実戦配備120発）、GLCM（BGM-109G、442発。うち実戦配備309発）、R12（SS-4、170発。うち実戦配備65発）、R14（SS-5。６発）、9K76/TR-1（SS-12、726発。うち実戦配備220発）、ピオニール（SS-20、650発。うち実戦配備405発）、9K714（SS-23、200発。うち実戦配備167発）で、ミサイル本体、ランチャー、付属部品、関連施設全てを廃棄する。生産、飛行実験もできない。ただし核弾頭は保管可能。また、発射能力を除去すれば教育・展示用として米ソそれぞれ15基ずつ保有できる。廃棄期間は長射程INFが条約発効後３年以内、短射程が１年（18ヶ月？）以内。査察に関しても厳密に決められており（Trust, but Verify）、現地査察や抜き打ち査察も規定されている。有効期限は無期限。スケジュール通りに廃棄が進められ、1991年6月に2692基を廃棄して全対象兵器の破棄を終え、2003年に査察を終了、陸上配備型中距離核戦力は姿を消した。のは米ソの話で、中国は東風21や東風25などの中距離核戦力を配備しており、他にもイスラエル、イラン、インド、韓国、北朝鮮、パキスタンなどが当該射程の弾道／巡航ミサイル（ペイロード的に核も積める）を保有していて、これらの射程下に入っているロシアでは対抗するためINF条約を破棄すべきという議論も出されており、2007年2月10日のミュンヘン国際会議ではプーチン大統領自ら条約への不満を表明し、2月14日にはロシア参謀総長が脱退を示唆した。2008年頃からロシアがINF条約違反のミサイルを開発中との指摘があり、2012年11月27日のアメリカ上院軍事委員会秘密公聴会でロシアのINF条約違反疑惑が報告されたといわれ、2014年7月28日にアメリカが報告書を発表し、ロシアが本条約に違反する巡航ミサイルの発射テストを行ったとした。イスカンデルＭ、イスカンデルＫ（R-500）を念頭に置いたとみられる。ロシア側もアメリカのLV-2標的用中距離弾道ミサイルの射程がINF条約の範囲内にある、イージス・アショア用VLSはトマホークを発射できるので条約に違反している、攻撃能力を持つ長距離UAVも地上発射型巡航ミサイルの範疇に入るとして批判している。アメリカもロシアによる隠密開発に加えて中国・北朝鮮・イランの脅威度拡大により対抗手段確保の必要に迫られるようになり、2017年4月にハリス米太平洋軍司令官が議会公聴会で中国などの巡航ミサイル・地上発射型ミサイルへの対抗力に制限が課せられているとして条約再考を主張、ロシアがINF条約に基づく特別検証委員会による査察を拒否したため、2018年10月20日にトランプ大統領がロシアによるINF違反を理由として離脱の方針を表明した。2019年8月2日に失効した。アメリカ軍では早速8月18日にトレーラー搭載Mk41VLSからトマホークを発射するテストを行っている。参考：月刊丸1,’98、軍縮条約・資料集第２版、月刊軍事研究10,'15、5,’17、4,’12、4,’13、月刊航空ファン10,’14、7,’99、11,’19、朝雲

＜ＩＮＩＯＣＨＯＳ＞：ラインメタル社が開発した旅団規模部隊用C4Iシステム。旅団・大隊司令部にINIOCHOS C、車両にINIOCHOS V、歩兵にINIOCHOS Sを装備し、それぞれをネットワークで繋いでいる。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ＩＮＳ＞：慣性航法装置（Inertial Navigation System）の略。直交２加速度計（ジャイロ）、加速度計用安定化プラットフォーム、デジタル計算機などで構成される。ジャイロで機体の加速度を測って積分して速度と方向を算出し、更に積分して出発地からの移動距離と方位を割り出し、現在位置を推定する。航空機などでは加速度から対地速度を割り出すので、地表に対して常に平行に保たれた安定化プラットフォームの上に直交２加速度計を載せる。高度変化は移動距離の1%以下なので、高度計で測った値を使用する。宇宙船では恒星空間（慣性空間）に対する速度を割り出すため、恒星空間に対して固定した安定化プラットフォームの上に載せたジャイロを使用し、直交３軸に沿って計測した速度・距離を得る。外部から情報を得ずに航法を行うことができ、外部から妨害を受けることは無く、無線航法施設の無い海洋でも飛行誤差が少なく済み、自動操縦装置と組み合わせることも可能。最初に出発地や目標の緯度・経度の情報を入力しておく必要があり、これに誤差があると航法精度に影響する。出発時にジャイロをジャイロコンパスとして使い、20分程かけて真北を算出しておくと飛行中に磁気コンパスが必要なくなるので便利。移動距離が伸びるほど加速度検出誤差が積算されて航法誤差が大きくなる（ドリフト）ので、長距離飛行の際には2-3台積んでいったり、他の航法システムと併用したりすることもある。安定化プラットフォームに高精度ジャイロを積む必要があり、値段が高い。A4弾道ミサイルの誘導用など軍用慣性誘導装置として開発され、民間航空用などにも使用されるようになった。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings5,’04、月刊軍事研究7,’99、月刊世界の艦船2,’18、9,’12増刊、11,’17

＜ＩｎＳＡＲ＞：干渉合成開口レーダーを参照。

＜ＩＮＳＡＳ＞：インド国産の突撃銃で、インド小火器システムの略。作動はガス圧式で、使用弾はNATO標準5.56mm×45弾SS109。1980年代半ばから開発がしたが、完成が遅れ、1995年には繋ぎとしてルーマニアの7.62mm突撃銃AKMを購入する羽目になった。1997年頃に一応完成したものの生産は進まず、更に氷点下では機関部が氷結して作動不能になるという欠点が見つかっている。軽機関銃やカービンといったファミリーも計画されているが、基本型の欠点が克服されていないこともあり開発は遅々として進まない。全長960mm、銃身長464mm、重量3.2kg。ライフリングは６条右回り。装弾数20発。2010年にインド国防研究開発局が実用的でないとの判断を下し、2011年から銃身と弾倉の交換で5.56mm×45弾と7.62mm×39弾を使える後継突撃銃の選定に入り、ベレッタ社製ARX160、チェコ兵器廠国営会社製805BREN、IWI社製ACEモデル、コルト社製コルトコンバットライフルが参加したが、2014年10月のテストで全て蹴られ、2015年6月に計画が打ち切られた。2016年4月になって漸く5.56mm×45弾使用国産突撃銃の採用に傾いているようだが、部隊では既に深刻な銃不足に陥っているらしい。参考：月刊軍事研究2,’02、2,’04、10,’16、最新軍用ライフル図鑑

＜ＩＮＳＣＯＭ＞：情報保全コマンドを参照。

＜ＩＮＳ／ＧＰＳ＞：GAINS（航法装置）を参照。

＜ＩＮＴｅＡＣＴ＞：イギリス海軍が開発している艦載戦闘管制システム。DNA(2)とCMS-1をベースに人工知能AIと拡張現実ARなどを加味したもので、空母から哨戒艦まで各種艦艇に対応できる。26型フリゲートに搭載予定。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜ＩＮＴＥＲＦＥＴ＞：東ティモール国際軍の略。ティモール独立に伴う混乱を収拾するため、1999年夏にオーストラリア軍を主体として派遣された。参考：月刊JGround Vol.11

＜ＩＯＣ＞：初期作戦能力（Initial Operational Capability）の略。実用段階に達し、実戦部隊が編成されて最低限の実任務を開始できるようになったことを示す。その後も試験運用、訓練・演習、実任務などをこなして全規模運用能力FOCに持って行く。参考：月刊世界の艦船1,’10、月刊JWings7,’15、3,’11

＜ＩＯＭＡＸ＞：アメリカのノースカロライナに本社を置くベンチャー企業。アメリカ陸軍第160特殊作戦航空連隊でパイロットを務めていたロン・ハワード氏が創設した。参考：月刊航空ファン5,’16

＜ＩＯＴ＆Ｅ＞：Initial Operational Test and Evaluation（初期運用試験と評価）の略。装備品が実用に足るかどうかを、実際の作戦行動に即して設定したシナリオでテストし、評価を行うもので、所定の結果が達成されれば、マイルストーンＣ獲得ということで全規模量産FRPに移る。参考：月刊JWings3,’19、7,’04

＜ＩＯＴＶ＞：改良型アウタータクティカルベストを参照。

＜ＩＰ−５＞：ソ連軍の酸素呼吸器で、上陸や渡河の際に海底・川底で動けなくなった車両から脱出する際に使用する。ライフジャケット兼用のドーナツ型空気入れを肩に掛け、呼吸用マスクを被るもので、マスクと空気入れの間はフレキシブルチューブで接続されている。深さ7mまで呼吸可能。マスクは化学兵器にも耐えられる密閉性を持つ。参考：歴史群像12,’10

＜ＩＰＡＣＣ＞：Indo-Pacific Army Chiefs Conference（インド太平洋地域陸軍参謀総長等会議）の略。参考：朝雲

＜ＩＰＢＶ＞：弾道ミサイル用複数弾頭で、ポスト・ブースト機動弾頭の略。各弾頭に個別のバスを取り付け、それぞれ着弾軌道を変更できるようにしたものである。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＩＰＣＭＣＳ＞：国際平和協力活動民軍連携研究会を参照。

＜ＩＰＤ７０／Ｓ＞：イタリア海軍の潜水艦用アクティブ・パッシブソナー。ソナーアレイを艦首と側面に装備する。使用周波数0.22-15kHz、出力10kW。1018型サウロ級及び改サウロ級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＩＰＤＭＳ＞：シースパロー・システム（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＩＰＤ／ＴＡＳ＞：Mk23（目標捕捉システム）を参照。

＜ＩＰＬＳ＞：デネル社が開発したイングウエ対戦車ミサイル用携帯式単装ランチャーで、INGWE Portable Launch Systemの略。三脚上に簡易ランチャーを搭載しており、オプションで赤外線暗視装置やレーザー測距器を追加したり、連装化したりすることが可能。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ＩＰＭ−１＞：M-1シリーズ（戦車）を参照。

＜ＩＰＮ−１０＞：SADOCシリーズ（艦載戦闘システム）を参照。

＜ＩＰＮＣＳ＞：インド太平洋海軍大学セミナーを参照。

＜ＩＰＮ−Ｓ＞：SADOC3（艦載戦闘システム）を参照。

＜ＩＰＰ＞：Integrated Power Packageの略。参考：月刊軍事研究4,’17

＜ＩＰＴ＞：統合プロジェクトチーム（Integrated Project Team）の略。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＩＰ電話機４型＞：自衛隊の機器。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＩＰボタン電話機＞：自衛隊の機器。日立製作所またはリコー製。参考：月刊軍事研究11,’11、6,’13

＜ＩＲ＞：赤外線（Infra Red）の略。ドイツ語でも赤外線の略（Infrarot）。参考：ジャーマンタンクス

＜ＩＲ−１７＞：中国海軍の艦載赤外線捜索装置。目標探知精度３ミル、探知距離8km（対艦ミサイル）／20km（巡航ミサイル）／30km（航空機）。参考：月刊世界の艦船12,'21、6,’14、3,’13

＜ＩＲ−１３３＞：アプライド・テクノロジー社のパノラマ受信機。1965年にF-100Fワイルド・ウィーズル用として開発され、後に多くの機種に搭載された。S-75地対空ミサイル用RSN-75ファンソング管制レーダーが使用する2GHzから、機上火器管制レーダーの20GHzまでの周波数帯を捜索し、脅威電波波形をブラウン管に表示、電波諸元を分析する。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＩＲ−２３９４／Ａ＞：F-15E戦闘爆撃機シリーズに搭載されている広視野型ヘッドアップディスプレイ。視野角21度×28度で、画像表示が可能。操作パネルには昼間・夜間・自動の選択スイッチ、表示シンボルスイッチ、モード切替スイッチなどが装備される。参考：月刊軍事研究6,’09

＜ＩＲＡ＞：アイルランド共和国軍の略。1998年4月にベルファスト合意・聖金曜日条約が成立し、2005年に武装解除した。参考：朝雲、コンバット・バイブル２

＜ＩＲＡＭ＞：即製ロケット補助推進迫撃砲の略。

＜ＩＲＡＭＳ＞：統合型引き込み式航空機弾薬サブシステムの略。

＜ＩＲＡＮ＞：Inspection and Repair As Necessaryの略で、定期外注整備のこと。運用時間が規定に達した装備品を主契約企業に戻し、大規模整備を行うものである。ついでに改修を加えることもあるが、整備期間が長くなるので可動機数が減るという欠点がある。参考：月刊軍事研究11,’17

＜ＩＲＢ＞：改良リボン橋を参照。

＜ＩＲＢＭ＞：Intermediate Range Ballistic Missile（中距離弾道ミサイル）の略。射程2000-2500km以上5500km以下の弾道ミサイルのこと。INF条約では、射程1000-5500kmの弾道ミサイルを指す。飛翔時間10-20分、再突入速度毎秒3-7km。参考：月刊JWings12,’03、軍縮条約・資料集第２版、月刊軍事研究12,’10

＜ＩＲ−ＣＣＤ＞：赤外線荷電結合素子の略。

＜ＩＲＣＣＭ＞：対赤外線対抗の略。

＜ＩＲＣＭ＞：赤外線対抗手段を参照。

＜ＩＲＣＰＳ＞：アメリカ海軍が開発中の極超音速兵器Intermediate Range Conventional Prompt Strike。共通極超音速飛翔体CHGBに海軍独自のブースターを組み合わせる。参考：月刊航空ファン12,’19

＜ＩＲＤ＞：Information Reserch Department（情報調査局）の略。イギリスのプロパガンダ組織で、1948年に創設された。特殊作戦執行部プロパガンダ部門SO1の経験を受け継いでおり、グレー・プロパガンダによる工作を主任務としている。合同情報委員会やMI6第９セクション（対ソ諜報課）などと連携してソ連などの情報を入手し、これをグレー・プロパガンダに加工、イギリスの新聞や放送局に流して掲載してもらうことによりプロパガンダを行った他、反共産主義の文化人、宗教指導者、ミュージシャンなど社会的影響力のある人物とも関係を深め、秘密裏にプロパガンダ活動の支援を実施している。また、MI5を介してイギリス国内の共産主義者を把握し、プロパガンダを仕掛けた。活動は主に国内や西側諸国、旧植民地に対するもので、海外での活動はBBCの海外支局を介して行っていたが、ソ連のスパイがIRDの内部に紛れ込んでおり、活動内容はソ連に筒抜けだった。それでも東欧駐留ソ連軍に対してBBCのラジオ放送によるプロパガンダを仕掛け、多くの亡命兵士獲得に貢献している。1948年に実施されたイタリア総選挙に際しては、共産政権が政権を掌握しないよう、CIA共々反共プロパガンダを展開、反共参政権の樹立に成功した。日本に対してもプロパガンダを実施、放送や出版物を通して親英・反共・反ソ意識を高めるような活動を行っていた。1977年5月に閉鎖され、1978年にガーディアン紙とオブザーバー紙が存在をスクープしている。要員は海外情報局やMI6に異動した。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ＩＲＤＲＴＳ＞：AN/AAS-44（赤外線センサー）を参照。

＜ＩＲＥＭＢＡＳＳ＞：改良型遠隔監視戦場センサー・システムを参照。

＜ＩＲＦＮＡ＞：抑制赤煙硝酸を参照。

＜ＩＲＨ＞：赤外線追尾（Infra Red Homing）の略。

＜ＩＲＩＳ＞：ドイツのBGT社が開発していた短距離空対空ミサイル。サイドワインダーの弾体に、独自開発のシーカーを組み合わせている。テストの結果が悪く、代わりにIRIS-Tが開発されることとなった。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97

＜ＩＲＩＳ−Ｔ＞：ドイツのBGT社が開発した赤外線画像誘導式短距離空対空ミサイルで、InfraRed Imaging System-Tail/Thrust vector controlled（赤外線画像システム・尾部制御）の略。IRISと同じTELLシーカー（視野角左右90度）に新型の弾体を組み合わせ、R-73ミサイルに対抗できるよう設計された。胴体中央部に長いストレーキを持ち、機動は全遊動式制御翼と推力偏向装置で行い、発射後に180度向きを変えることもできる。発射後ロックオン能力、ヘルメット装着式照準装置によるオフ・ボアサイト能力を持つ。サイドワインダーのインターフェースを利用できる。全長3m、直径0.127m、翼スパン0.35m、発射重量89kg、弾頭重量11.4kg。最大射程12km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究6,’14、2,’09、月刊航空ファン9,’18

＜ＩＲＩＳ−Ｔ海外シリーズ＞

　＜ＩＲＩＳ−Ｔ（タイ空軍）＞：タイ空軍短距離空対空ミサイル。F-5E/F戦闘機用として2018年6月14日に契約した。参考：月刊航空ファン9,’18

　＜Ｒｂ９８＞：スウェーデン軍短距離空対空ミサイル。参考：月刊軍事研究11,’08

＜ＩＲＩＳ−Ｔ　ＳＬ＞：ドイツのディールBCTD社が開発した地対空ミサイル。IRIS-Tの地上発射型で、発射後ロックオン能力を持つ。射程30km。2009年10月9日に試射に成功した。参考：月刊軍事研究4,’10

＜ＩＲＬＳ＞：赤外線ラインスキャンを参照。

＜ＩＲＭＷＳ＞：AN/AAR-47シリーズ（ミサイル警報）を参照。

＜ＩＲ−ＯＰＶ＞：KM-2D（試験機）を参照。

＜ＩＲＳ＞：赤外線減衰装置の略。

＜ＩＲＳ＞：慣性基準装置（Inertial Reference System）の略。INSの機械式ジャイロをリング・レーザー・ジャイロに変更し、高精度化したものである。参考：月刊JWings5,’04、月刊JWings10,’09別冊付録

＜ＩＲＳシリーズ＞：インドの偵察衛星。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜ＩＲＳ−１Ａ＞：地上観測リモートセンシング衛星。地上分解能72m。1988年3月に初号機、2000年までに計７基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜ＩＲＳ−Ｐ５＞：リモートセンシング衛星、別名カルトサット１号。CCDカメラ搭載で地上分解能2.5m。2001年に打ち上げられた。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＩＲＳＡＷ＞：イラク復興支援派遣輸送航空隊の略。

＜ＩＲＳＣＡＮ＞：タレス・ネーデルランド社の赤外線暗視装置。長波赤外線撮像装置を旋回式ターレットに搭載している。1980年代末に開発した。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜ＩＲＳＴ＞：Infra-Red Search and Track system（赤外線捜索探知システム）の略。参考：月刊航空情報10,’05

＜ＩＲＳＴ（Ｅ−２Ｃ用）＞：アメリカ海軍のE-2C能力向上計画でE-2Cに搭載が計画されている赤外線望遠鏡捜索・追跡装置（Infra Red Search and Track system）。アメリカ空軍のEAGLE計画に類似のものである。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ＩＲＳＴ（航空自衛隊）＞：F-15J近代化第２段階で搭載が予定されたパッシブ赤外線捜索・追尾装置。電子戦下でレーダーの探知機能が低下したり、目標がドップラー効果を生じず探知困難な横行飛行中だったりしても有効である。センサーは球形で、F-15J/DJのコクピット前方中央に装着され、使わない時は180度後ろを向いてレンズ部分が後方のフェアリング内に収まる構造となっている。信号処理部、電源部、データ記録装置、多目的カラー表示装置画像記録装置といった他のシステムはレーダー換装で空いた部分に収容する。2003年度から開発され、IRST装置（F-15）の名称が付いて2012年度から量産予定だったが、視界が妨げられる、RCSと抗力が増えるといった欠点があり、予算が認められず量産化には至っていない。代わりに外付けの増槽改造IRSTポッドやUV/IR光学計測システムポッドを開発中である。参考：月刊JWings10,’13、月刊軍事研究5,’03、月刊航空ファン4,’16、6,’16

＜ＩＲＳＴ−２１＞：AN/ASG-34(V)1（赤外線探知装置）を参照。

＜ＩＲＳＴポッド（航空自衛隊）＞：航空自衛隊がテストしている増槽改造IRSTポッド。ポッド前上部に球形のIRSTセンサーを搭載する。2016年1月28日に飛行開発実験団F-15Jが搭載していたものにはポッド後部側面に窓が追加されており、紫外線／可視光カメラも収容したUV/IR光学計測システムポッドらしい。参考：月刊JWings4,’16、月刊航空ファン4,’16

＜ＩＲデコイ弾＞：自衛隊の火工品。IHIエアロスペース製。参考：月刊軍事研究7,’12

＜ＩＳ＞：イオシフ・スターリンの頭文字。

＜ＩＳ＞：イスラム国を参照。

＜ＩＳシリーズ＞：ソ連戦略ロケット軍の衛星破壊用衛星で、Istrebitel Sputnik（戦闘機衛星、衛星攻撃機）の略。目標の衛星の近傍で自爆して破壊するもので、当初は核弾頭を積む予定だったが、自国衛星にも被害が出るため、炸薬に変更した。重量1400kg、炸薬300kg。有効半径400m（正対）／2000m（後方追尾）。1960年からチェロメイ設計局（第52特別設計局OKB-52）で開発され、1964年にOKB-1へと計画が移された。打ち上げ機はOKB-52で開発中のUR-200ICBMを転用する予定だったが、UR-200が計画中止になったため、R-36ICBMを転用している。1968年には軌道上での衛星破壊に成功。1978年（1972年？）に配備された。1982年6月18日の実験を最後に打ち上げは休止状態となり、1983年にアンドロポフ書記長が非公式に実験停止を宣言、1986年にアメリカとの間で衛星破壊実験停止が合意された。ただし実験はしていないが開発は続けている。参考：月刊軍事研究2,’16、5,’07

　＜Ｉ１Ｐ＞：巡航／加速／姿勢制御ロケットと誘導システムの実証機バージョン。重量1959kg。1963年11月1日に初号機パリョート１、1964年4月12日に２号機パリョート２がR-7Aロケットで打ち上げられた。設計局変更後の1967年10月27日にR-36orb（R-36ICBMを改造した打ち上げロケット）で打ち上げられたコスモス185も本実証機とみられる。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜Ｉ２Ｍ＞：標的衛星型で、システム名称はIS-P。1968年4月24日に打ち上げられたが、失敗した。10月19日、コスモス248として打ち上げられた。1971年にDS-P1-Mに後を譲っている。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜Ｉ２Ｐ＞：キラー衛星型で、システム名称はIS-A。周回高度250-1000kmの衛星を攻撃可能。1968年4月24日に打ち上げ予定だったが、I2Mの打ち上げに失敗したため、中止された。10月20日、コスモス249として打ち上げられ、コスモス248を損傷させたが、破壊には至らなかった。11月1日にコスモス252として打ち上げられた２号機で標的衛星の破壊に成功している。1973年から試験配備、1978年から実戦配備された。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜ＩＳ−Ａ＞：I2P衛星による衛星攻撃システム。イルクーツクとバルハシに配備されている地上レーダーが目標衛星の情報をノギンスキーの指令センターに送り、ここでI2Pの発射時期と軌道を計算、バイコヌール宇宙基地に発射指示を出す。R36orb（後にツィクロン2A）ロケットで発射されたI2Pは目標と同じ軌道を周回しつつ接近（地球1-2周かかる）し、自身のレーダーで目標を捉えて至近距離で炸裂する。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜ＩＳ−Ｍ＞：IS-Aの改良型で、ＭはMedemizirovannyi（改良型）の略。キラー衛星を新型の14F11開発用のものに変更しており、1982年6月18日の最終実験は本システムで実施されたらしい。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜ＩＳ−ＭＤ＞：ナリャートを参照。

　＜ＩＳ−ＭＵ＞：IS-Aの改良型。キラー衛星を14F11に変更したもので、ノギンスキーに施設224Bと呼ばれる指令センター、バイコヌール宇宙基地に施設334Bと呼ばれる発射施設が作られて1991年から実戦配備された。1993年に退役したが、理由は不明。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜ＩＳ−Ｐ＞：I2Mを参照。

＜ＩＳ−１＞：ソ連陸軍重戦車、別名オブイェークト237またはIS-85。1943年1月に鹵獲したドイツ�Y号戦車ティーガー�Tに対抗できる戦車として開発された。各種火砲による実験の結果、対抗できる主砲は85mm高射砲改造ZIS-25と107mm戦車砲ZIS-26だったため、これらを搭載する予定になったが、開発が滞って量産体制に入れなかったので、85mm戦車砲D-5T85（59発）を搭載することにした。KV-1の鈍重さが実戦で問題となっていたため、重量は46トン以内に抑え、機動性能も重視するようスターリンから命令が出ており、クルスク戦における被弾損傷データも参考にしてKV-13やオブイェークト234ISベースの避弾経始を重視した車体（転輪１個分延長してある）及び３名用砲塔を開発した。トランスミッションはKV-1とは違う改良型で、履帯はKV-1sと同じものを使用している。全長8.56m、車体長6.77m、全幅3.07m、全高2.735m、重量44トン。装甲厚は車体前面100mm30度、側面90mm15度、後面60mm49度、上面30mm90度、砲塔前面100mm、側面100mm18度、後面100mm30度、上面30mm85度。エンジンはV-2ISディーゼル（520馬力）、最大速度40km、航続距離150km。乗員４名。1943年中に67両が生産されたが、�Y号戦車ティーガー�Tや�X号戦車パンターを正面から破壊するには500m前後まで近づかねばならず、その距離ではIS-1の正面装甲も撃ち抜かれてしまうため、より強力な主砲が求められ、IS-2が開発されることとなった。IS-1も後に全てIS-2に改造されている。車体の鋳造装甲は強度がかなり低く、2.8/2cm sPzB41ゲルリッヒ対戦車砲の至近発射で車体前面下部を撃ち抜かれたことがあったため、ここには予備履帯がくくりつけられるようになった。参考：月刊PANZER7,’98、9,’01、月刊グランドパワー9,’00、月刊軍事研究4,’13

＜ＩＳ−１戦闘機＞：ソ連空軍試作戦闘機。ニキーチンとシェフチェンコが開発した。I-153の胴体を利用した複葉機で、油圧により下翼の内側を胴体側面に、外側を上翼下面に折り畳むことができ、離陸したら下翼を折り畳んで単葉機になり高速で戦場に進出、空戦に入ったら下翼を展開して機動性を高める。降着装置は尾輪式引き込み脚で、主脚は下翼下面に引き込まれる。全長6.79m、全幅8.6m、全高2.74m、全備重量2300kg。エンジンはM-63空冷星型９気筒ガソリン（1100馬力。900馬力？）単発、最大速度453km、実用上昇限度8800m、航続距離600km。固定武装は7.62mm機銃ShKASが４丁。乗員１名。1940年11月6日に初飛行したが、戦闘中の下翼展開に無理がある、展開や折り畳みの途中で故障すると墜落するといった欠点があり、折り畳み機構を廃止して武装を12.7mm機銃２丁に変更したIS-2複葉戦闘機の開発に入ったが、既に単葉戦闘機の時代であり、計画中止になった。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＩＳ−２＞：IS-1（戦闘機）を参照。

＜ＩＳ−２シリーズ＞：ソ連陸軍重戦車。IS-1の後継で、IS-1には85mm砲を搭載したが、T-34にも85mm砲を搭載することとなったため、KV-1での反省を活かし、主砲を122mmカノン砲にスケールアップしたものである。独立親衛戦車連隊に集中配備されて軍直轄で運用され、生産が進むと１個戦車軍団につき１個連隊が配備されるようになった。参考：月刊丸7,’09別冊

＜ＩＳ−２＞：1943年11月からオブイェークト240として開発され、1943年12月31日にIS-122として制式化され、1944年1月にIS-2に改称され、 2月からロールアウトした。車体は前面から側面前部までが鋳造、他は圧延鋼板製。車体前部中央が操縦席で、前面に開閉式バイザーがあるが、このバイザー部分の装甲が切り立っているため、弱点になった。車体上面には操縦手用Mk4ペリスコープ２基がある。操縦手専用のハッチは無く、車体下面に緊急脱出用ハッチがある。操縦席両側はディーゼル燃料タンクで、容量520リットル。車体中央が戦闘室で、砲塔が載る。車体後部が機関室で、エンジン、トランスミッション、冷却装置などが収容され、機関室上面にはエンジン部両側前方に吸気グリル、後部に大きな排気グリルが設けられている。下部転輪はダブルタイプ片側６組、誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上部転輪は片側３個。サスペンションはトーションバーで、許容以上の負荷がかからないように各転輪のアームにはダンパーが設けられている。履帯はKV-1sと同じもので、幅650mm、シングルピン・シングルブロックのスケルトン式鋳造製で片側86枚。砲塔は天板のみ圧延鋼板、残りは鋳造製である。主砲は当初牽引式A-19カノン砲をそのまま載せていたが、後に戦車砲に改造したD-25Tを採用した。俯仰角はマイナス３度からプラス20度、全周旋回に25秒かかる。主砲搭載弾数は28発、発射速度は分離装薬のため毎分2-3発。主砲防楯は当初IS-1と同じだったが、85mm砲用に122mm砲を適合させるのはちょっと無理があり、1944年4月に防楯の幅を広げて10T17砲手用直接照準器の位置を少しずらした。主砲左にはTSh-17直接照準器がある。砲塔内には左前部に砲手、その後ろに車長、右に装填手が位置する。車長席左には10-RK-26無線機があり、車長が車外の交信や指揮に使用した。砲塔上面左に車長用キューポラがあり、そこにあるハッチには旋回式Mk4ペリスコープが装備されている。砲塔上面前部左には砲手用PT-4-15視察兼照準ペリスコープがあるが、後にMk4ペリスコープに換装された。砲塔上面右には装填手ハッチがあり、その前には装填手用Mk4ペリスコープがある。車内通話装置は有線式のTBU4bisF。全長9.85m、車体長6.77m、全幅3.07m、全高2.73m、重量46トン。副武装は車体前方右の7.62mm固定機銃DTが１丁、主砲右の7.62mm同軸機銃DTが１丁、車長席後面ボールマウントの7.62mm機銃DTが１丁で、車長用キューポラに対空用12.7mm重機関銃DShKを載せたものもある。装甲厚は車体前面上部120mm60度、前面中央60mm16度（後に70mm）、前面下部100mm60度、側面90mm75度、後面上部60mm41度、後面下部60mm49度、上面30mm、底面前部30mm、後部20mm、砲塔前面100mm、防楯160mm、側面90mm72度、後面90mm60度、上面30mm85度。エンジンはV-2-ISディーゼル（520馬力）、トランスミッションはシンクロメッシュ式（前進８段・後進２段）、最大速度37km、航続距離180km。乗員４名。１両で�W号戦車中隊に攻撃を仕掛け、射距離1500mから榴弾で７両を破壊した強者もいたらしい。参考：月刊PANZER9,’01、7,’98、9,’97、グランドパワー9,’00、月刊丸10,’97、7,’09別冊

＜ＩＳ−２ｍ＞：IS-2後期型とも呼ばれる。というか、IS-2mというのは一般的な名称では無かったらしい。車体前面のビジョンブロック部分がIS-2の弱点であり、狙い撃ちされて撃破されることが度々あったため、その部分の段差を消したもので、通称「ローマ人の鼻」と呼ばれた。車体前面下部装甲も120mm60度に強化している。また、車体前面装甲を圧延鋼板の溶接に換えたものも存在する。戦後に生産されたものは履帯をIS-3と同じものに変更した。参考：月刊PANZER7,’98、9,’97、9,’01、月刊アーマーモデリング7,’13

＜ＩＳ−２Ｍ＞：1954年前後に近代化改修を行ったもので、操縦手用暗視システム搭載とT-54/55とのエンジン共用化を図っている。エンジンをV-55ディーゼルとし、無線機をR-123に換え、車体側面上部に補助装甲を兼ねた雑具収納ボックスを追加、フェンダーも新型にし、短いスカートを装備した。砲塔後部の7.62mm機銃は廃止し、主砲搭載弾数を35発に増やしている。参考：月刊PANZER9,’01、7,’98、月刊グランドパワー10,’00

＜ＩＳ−２海外シリーズ＞

　＜ＩＳ−２（北朝鮮陸軍）＞：北朝鮮陸軍重戦車。朝鮮戦争後にIS-3と合わせて２個連隊分が供与された。参考：月刊グランドパワー10,’00

　＜ＩＳ−２（キューバ陸軍）＞：キューバ陸軍重戦車。1961年以降に２個連隊分が供与され、1980年代まで現役にあった。参考：月刊グランドパワー10,’00

　＜ＩＳ−２（中国陸軍）＞：中国陸軍重戦車。1950年前後にIS-2とIS-2m計20両が供与された。参考：月刊グランドパワー10,’00

＜ＩＳ−３シリーズ＞：ソ連陸軍重戦車、開発名称キロベツ１。ティーガーＢ型に対抗するため、IS-2の防御力を強化したタイプである。参考：月刊グランドパワー10,’00

＜ＩＳ−３＞：IS-2の砲塔前面ショットトラップを無くしてあり、車体は被弾経始に優れ、前面は中央に衝角を形成する独特のもの（後にシュチカ［口のとがった川魚］やシチュチー・ノス［カワカマスの鼻］と呼ばれた）で、側面は二重装甲になっていて、内側に傾いた主装甲を外に傾いた薄い鋼板で覆い、間を雑具入れとして使用する。重量はIS-2と同程度の46.5トンに抑えた。砲塔上面前部には主砲交換作業用の40mm厚天板がボルト止めされている。主砲はIS-2と同じ122mm砲D-25T（25発）。装填手は主砲の右に位置するので、作業がしにくい。照準器はTsh-17直接照準望遠鏡。副武装は同軸7.62mm機銃DTMが１丁、対空用12.7mm機銃DShKが１丁。車高を抑えるために車長用キューポラが無く、視察装置は車長用TPK-1照準器（倍率１倍と５倍）及び装填手用Mk4回転式ペリスコープだけで、外部視察能力に欠ける。生産初期は、分厚い装甲板の溶接技術が追いつかず、完成後に車体前面の溶接部が割れてしまう事故が多発した。車体後面の機関室左右に燃料タンクがあり、車内から投棄できる車外補助燃料タンクも搭載可能。履帯は全てセンターガイドを持ち、中央部に細かい滑り止めパターンがある。車内には10RT-26E無線機を装備する。全長9.73m、車体長6.77m、全幅3.15m、全高2.45m、戦闘重量46.5トン。装甲厚は車体前面150mm、前面下部100mm、側後面80mm、砲塔前面下部220mm、防楯及び砲塔上部全周110mm 。エンジンはV-11-IS-3水冷60度Ｖ型12気筒ディーゼル（520馬力）、最大速度40km、燃料搭載量900リットル、航続距離340km。1944年11-12月に増加試作車10両が製作され、1945年から生産されたが、ヨーロッパ戦線には間に合わず、極東方面軍が配備して満州侵攻に投入され、1945年9月7日のベルリン合同記念軍事パレードで披露された。生産数は1945年に1711両、1948-52年に2311両。ロシア軍での完全な退役は1993年頃らしい。参考：月刊グランドパワー10,’00、月刊PANZER7,’98、1,’05、月刊軍事研究6,’01、月刊アーマーモデリング7,’13

＜ＩＳ−３Ｍ＞：IS-3にT-54/-55とのエンジン共用化やTVN-2操縦手用暗視装置導入などを行ったもの。砲塔後部の機銃マウントを可動式の回転マウントにし、サイドスカートを追加、車体前部左右に格子状ガード付き前照灯を装着し、車体側面上部に対HEAT装甲兼用雑具箱を追加した。エンジンはV-54K-IS液冷60度Ｖ型12気筒ディーゼル。1960年代に改修を行い、転輪ハブ周囲のボルトを10個にし、車体側面雑具箱の蓋に補強用プレス加工を施行、無線機をR-113に換えた。参考：月刊PANZER7,’98、10,’02、月刊グランドパワー10,’00

＜ＩＳ−３海外シリーズ＞

　＜ＩＳ−３（エジプト陸軍）＞：エジプト陸軍重戦車。約100両が供与された。参考：月刊グランドパワー10,’00

　＜ＩＳ−３（北朝鮮陸軍）＞：北朝鮮陸軍重戦車。朝鮮戦争後にIS-2と合わせて２個連隊分が供与された。参考：月刊グランドパワー10,’00

＜ＩＳ−４＞：ソ連陸軍重戦車、オブイェークト701-6。IS-2の後継として1944年から開発された。主砲は122mm砲のままだが同軸機銃を12.7mm重機関銃DShKに強化、V12エンジン（750馬力）を搭載し、砲塔前面装甲厚250mm・車体前面装甲厚160mmという重装甲で固め、車体を延長して下部転輪を片側７組に増やしている。重量は60トンに達した。1947年から生産されたが、機動力不足のため200両（250両？）しか生産されなかった。朝鮮戦争に合わせて全両が極東に送られ、1960年代まで実戦配備された後、スクラップや標的となった。参考：月刊グランドパワー10,’00、月刊軍事研究6,’01

＜ＩＳ−５＞：ソ連の試作重戦車。1944年前半にコーチン技師が開発した。IS-2の砲塔に、パンターっぽくしたIS-2車体、大直径転輪、サイドスカートを装備したものである。参考：月刊グランドパワー10,’00

＜ＩＳ−６＞：ソ連陸軍試作重戦車、オブイェークト253。IS-5の機関系をディーゼル・電気駆動に改造したものである。エンジンはV-12Uディーゼル（700馬力）で、DK-305A発電機（285kW）を駆動させ、これでモーターを駆動する。冷却装置が不十分で爆発事故を起こした上、発電機の出力も低く、実用まで至らなかった。参考：月刊グランドパワー10,’00、月刊軍事研究6,’01

＜ＩＳ−７＞：ソ連軍重戦車、オブイェークト260。ティーガーＢ型を超える重戦車として陸海軍が共同開発した。主砲は130mm艦砲56SMを戦車砲に改造したS-70（25-28発）で、同軸に14.5mm機銃１丁と7.62mm機銃２丁、砲塔後部上面に14.5mm対空機銃１丁、車体右側に7.62mm機銃２丁、砲塔後部両側に7.62mm機銃各１丁を搭載する。車体長7.38m、全幅3.4m、全高2.48m、重量68トン。最大装甲厚は車体で150mm、砲塔で216mmあり、ヤクトティーガーの128mm砲にも有効な防御力を発揮したという。エンジンはM-50T船舶用ディーゼル（1050馬力）、最大速度55km、航続距離300km。乗員５名。1948年にプロトタイプが完成したが、武装が多すぎて車内スペースが狭く、重量が重すぎてソ連の道路を通れないという欠点があり、実用化はされなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究6,’01、月刊グランドパワー10,’00

＜ＩＳ−８＞：T-10（戦車）を参照。

＜ＩＳ−８５＞：IS-1（戦車）を参照。

＜ＩＳ−１２２＞：IS-2（戦車）を参照。

＜ＩＳ２００Ｇ＞：油圧ショベル（航空自衛隊）を参照。

＜ＩＳ−Ａ＞：ISシリーズ（衛星攻撃システム）を参照。

＜ＩＳＡ＞：国際標準大気表を参照。

＜ＩＳＡ＞：アメリカ陸軍の情報収集部隊で、情報支援活動部隊の略。在イラン・アメリカ大使館員人質救出イーグル・クロウ作戦に失敗した後、陸軍情報保安コマンド内に創設された。敵地に潜入して情報を収集するのが主任務である。1989年に特殊作戦コマンドに編入された後は情報が完全に隠されてしまい、現在の部隊名すら分からない。コロンビアの麻薬組織狩りや、ソマリア、ボスニア、アフガニスタンなどに投入されたらしい。2004年夏頃からはイランにも侵入しているようである。参考：月刊軍事研究3,’05

＜ＩＳＡＦ＞：International Seculity Assistance Force（国際治安支援軍）の略。アフガニスタンからアルカイダが駆逐された後、ボン合意に続いて2001年12月に採択された国連安保理決議1386に基づいて創設され、首都カブール及びバグラム空軍基地に展開して治安任務、警察・軍などの制度構築支援任務、経済復興支援任務に就いた。参加国はイギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、ブルガリア、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルーマニアで、総司令官はイギリス陸軍少将、総兵力5000名。指揮権は各国の半年交替であり、イギリスに次いでトルコ、ドイツ・オランダ合同軍が担当したが、負担が大きく、2003年8月からはNATOの担当になった。2003年10月、国連安保理決議1510に基づいてアフガン北部への展開を開始。2005年5月、アフガン西部への展開を開始。2006年7月、アフガン南部への展開を開始。10月、アフガン東部への展開を開始。アフガン南部・東部の指揮権がアメリカ軍から引き継がれ、不朽の自由作戦に従事していたアメリカ軍20000名のうち12000名がISAFに組み込まれた。2007年5月末の参加国は37ヵ国（アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、オランダ、イタリア、トルコ、ポーランド、フランス、ルーマニア、スペイン、ノルウェー、オーストラリア、デンマーク、ベルギー、スウェーデン、ハンガリー、クロアチア、ギリシャ、チェコ、ポルトガル、エストニア、リトアニア、マケドニア、ブルガリア、フィンランド、スロバキア、スロベニア、ラトビア、アルバニア、アゼルバイジャン、ルクセンブルグ、アイスランド、ニュージーランド、アイルランド、オーストリア、スイス）、兵員35500名。総司令部はカブールにあり、首都と東西南北の５ヵ所に地域司令部が置かれている。2007年6月、それまでは不朽の自由作戦の司令部と独立していたが、作戦に支障が出ることもあったため、一部の司令部機能を統合した。2007年後半、ポーランド（ポーランド任務軍、通称タスクフォース・ホワイトイーグル）は派遣人員を1200名から1600名に増やし、パトリア８輪装甲車、グロム特殊部隊、Mi-17-1Vヘリ４機、Mi-24Vヘリ４機を投入した。2007年11月1日に失効したテロ特措法に関する国会議論の中で、民主党の小沢党首は、憲法で謳われている世界平和の希求及び国際社会での名誉ある地位の獲得を根拠に、結果的に武力行使を含むとしても、国連決議で承認された平和活動への参加は憲法に抵触しないとし、ISAFへの参加を実現したい旨の発言を行った。それに対し政府は、国連決議があれば武力行使でも可能で、無ければ後方支援も不可能という憲法解釈はとっていないとして、ISAFへの参加には否定的である。2009年11月、フランス軍が参加兵力を再編し、２個大隊からなるタスクフォース・ラファイエットを編成。2009年末までの総死者数は1194名。2010年6月、アメリカ海兵隊を主力とする南西部地域コマンド（ヘルマンド州とニムロズ州を担当）を新設した。2012年5月10日現在、50カ国129469名（うちアメリカが90000名、イギリスが9600名、ドイツが4701名）が派遣されている。11月20日、フランス軍戦闘部隊タスクフォース・ラファイエットがカピサ州に開設していたニジラブ前線基地がアフガニスタンに引き渡され、部隊の戦闘任務が終了した。2014年末に任務を終了し、アフガニスタン政府に治安権限を委譲した。参考：月刊軍事研究8,’07、4,’05、6,’02、12,’07、1,’08、12,’08、9,’12、10,’13、2,’17、月刊航空ファン3,’13

　＜ＩＳＡＦ（２００９年）＞：12月22日現在、総兵力84150名。総司令部はオランダのNATOブルンスム統合軍司令部にあり、作戦司令部はカブールに置かれている。陸上兵力は東西南北首都の５個方面軍に分かれていて、兵力は首都方面軍6150名、北部5750名、西部4400名、南部43900名。参加国は43カ国で、アイスランドが危機対応部隊機動軍事偵察チームの要員４名、アイルランドが８名、アゼルバイジャンが90名（２個小隊。トルコ軍に組み込まれている）、アメリカが45780名（第４機械化歩兵師団第４旅団戦闘団、同第３旅団第12歩兵連隊第１大隊、第２歩兵師団第５ストライカー旅団戦闘団、第10山岳師団第３歩兵旅団戦闘団、第82空挺師団航空戦闘旅団の４個大隊、第２海兵遠征軍第２海兵師団の３個大隊、第１海兵遠征軍第１海兵師団の３個大隊、インディアナ州兵第38歩兵師団、第25軽歩兵師団第４旅団の４個大隊など）、アルバニアが250名（イタリア軍に組み込まれている）、アルメニアが36名、イギリスが9500名（王室騎兵連隊、第１王立騎馬砲兵連隊、ザ・ライフルズ第３大隊、王立工兵第28工兵連隊、近衛師団の２個大隊、プリンス・オブ・ウェールズ師団の１個大隊、クイーンズ師団の１個大隊、キングス師団の１個大隊など。空軍はトーネードGR4、ハーキュリーズC.1/C.5、CH-47を配備）、イタリアが3150名（サッサリ機械化旅団の２個連隊、ガリバルディ機械化旅団の１個連隊）、ウクライナが10名、エストニアが155名（歩兵中隊、支援小隊、爆発物処理班、司令部要員、地上支援要員など）、オーストラリアが1550名（第１軍団第１旅団・第３旅団の支援部隊を中核とする第２訓練復興任務部隊、特殊空挺連隊からなる特殊作戦任務部隊、無人偵察機分隊、対IED任務部隊、CH-47Dなど）、オーストリアが３名、オランダが1950名（本部任務部隊、後方支援分遣隊、野戦病院群、AH-64、F-16、CH-47など）、カナダが2830名（プリンセス・パトリシア軽歩兵戦闘団第１大隊などからなるアフガニスタン統合任務部隊。CH-147、CH-146、Mi-8、C-130、ヘロンUAV、レオパルト2A6Mなどを配備）、ギリシャが15名（ギリシャ国防省発表では175名）、グルジアが175名（第２歩兵旅団第23大隊）、クロアチアが295名（作戦訓練チーム、軍警察タスクフォース、機動軍事偵察チーム）、シンガポールが40名（武器位置標定チームと医療チームなど）、スウェーデンが500名（CV90やORG-32を配備）、スペインが1045名（軽歩兵連隊３個、工兵大隊１個、機動ヘリコプター大隊１個、第81後方支援群など）、スロバキアが245名（警備と訓練を実施）、スロベニアが70名（警備と訓練を実施）、チェコが370名（第４緊急展開旅団、NBC対応要員、医療チーム要員、ヘリ部隊など）、デンマークが740名（機械化歩兵中隊２個、戦車小隊１個など。レオパルト2A5やM113などを配備）、ドイツが4280名（トーネード、C-160、CH-53、マルダー、TPz1A8などを配備。戦車は持ち込んでいない）、トルコが1755名（イスラム教徒が多数のため、戦闘部隊には参加していない）、ニュージーランドが220名（派遣部隊支援群、アフガン国軍訓練チーム）、ノルウェーが500名、ハンガリーが255名（空港警備）、フィンランドが90名（フィンランド国防省発表では120名）、フランスが3750名（タジキスタンの輸送支援部隊含む。ラファイエット任務部隊と国家憲兵隊など。ミラージュ2000、ミラージュF1、ティグール、カエザール自走榴弾砲などを装備）、ブルガリアが495名（ブルガリア国防省発表では600名。主力は機械化歩兵大隊）、ベルギーが545名（空港警備など。F-16を配備）、ボスニア・ヘルツェゴビナが10名、ポーランドが1955名、ポルトガルが105名、マケドニアが165名（第２機械化歩兵中隊）、ヨルダンが７名（医療要員）、ラトビアが175名、リトアニアが155名（非専従のボランティアからなる国家防衛志願軍ダイナヴァ軍管区第１地域大隊。リトアニア特殊作戦軍も派遣されているらしい）、ルクセンブルグが要員８名（ベルギー軍隷下で警備を行っている）、ルーマニアが900名。2009年の１年間に520名が死亡し、うち275名がIEDによる。参考：月刊軍事研究3,’10

＜ＩＳＡＰＯ＞：アメリカ陸軍の防弾ベストで、Interim Small Arms Protective Over-vest（一時使用小火器防御オーバーベスト）の略。セラミック・プレート入りの布袋２つを肩紐で繋げたような形状をしており、RBAやPASGTベストの上から着用して腹部・背部の防御力を強化することができる。ただし重量が7.48kgあるので、長時間着用には向かない。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＩＳＡＲ信号処理機能付加装置（搭載用キット）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究9,’13

＜ＩＳＤ＞：Initial Search Depthの略。対潜魚雷が潜水艦を探知し始める水深をいう。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＩＳＤＮ構内電子交換装置付加装置＞：自衛隊の機器。参考：月刊軍事研究9,’11

＜ＩＳＤＳ＞：AN/APQ-17（赤外線対抗装置）を参照。

＜ＩＳＦＣＳ−２１２＞：中国NORINCOが開発した戦車用映像安定式FCS。弾道コンピュータ、レーザーレンジファインダー、砲安定化装置、環境センサーなどで構成されている。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜ＩＳＩＬ＞：イスラム国を参照。

＜ＩＳＩＳ＞：イスラム国を参照。

＜ＩＳＩＳ＞：DARPAとスカンクワークスが開発中の飛行船で、統合センサー搭載偵察システム（Integrated Sensor ISR Structure）の略。高度10万フィート（30480m）を数ヶ月から年単位（最大10年）で滞空し、フェイズド・アレイ・レーダーによりE-3、E-8、RC-135と同様の監視任務を行う。船体は迷彩代わりに鏡面塗装が施されている。参考：月刊軍事研究2,’08、月刊JWings2,’13、8,’15

＜ＩＳＫ＞：イギリスがドイツ諜報機関アプヴェーアのエニグマ通信から得たSIGINTのことで、1941年12月から解読可能となった。参考：月刊軍事研究5,’10

＜Ｉ−ＳＬＭＭ＞：Mk76（機雷）を参照。

＜Ｉ−ＳＬＲＥＯＳＳ＞：AN/SAY-3（電子光学センサー）を参照。

＜ＩＳ−Ｍ＞：ISシリーズ（衛星攻撃システム）を参照。

＜ＩＳ−ＭＤ＞：ナリャート（衛星攻撃システム）を参照。

＜ＩＳ−ＭＵ＞：ISシリーズ（衛星攻撃システム）を参照。

＜ＩＳＮＳ＞：アメリカ海軍の艦内イントラネット（TCP/IPネットワーク）で、Integrated Shipboard Network Systemの略。後にCANESに統合された。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ＩＳＯＳ＞：イギリスがドイツ諜報機関アプヴェーア、SD、RSHAの無線交信傍受で得たSIGINTのこと。参考：月刊軍事研究5,’10

＜ＩＳ−Ｐ＞：I2M（衛星）を参照。

＜ＩＳＲ＞：Intelligence, Surveillance and Reconnaissance（情報・監視・偵察）の略。

＜ＩＳＲ＆Ｔ＞：Intelligence, Surveillance, Reconnaissance and Targeting（情報・監視・偵察・目標指示）の略。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜Ｉ−ＳＳＧＷ＞：イギリス海軍計画艦対艦ミサイルInterim Surface-to-Surface Guided Weapon。2023年に退役するハープーン・ブロック�TＣの後継として計画されたが、2022年に中止が決まり、フランスと共同でFC/ASW計画を進めることになった。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜ＩＳＴシリーズ＞：アゼルバイジャンが開発した対物狙撃銃。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＩＳＴ−１４．５＞：14.5mm弾バージョン。ヨルダン軍特殊部隊が採用した。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＩＳＴ−１２．７＞：12.7mm×108弾用にスケールダウンしたもの。全長1.8m、重量16kg。作動はガス圧式、初速毎秒845m、有効射程2000m。徹甲弾の装甲貫徹力は射距離100mで20mm以上。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＩＳＴＡＲ＞：Intelligence, Surveillance, Target Acquisition and Reconnaissanceの略。

＜ＩＳＵ−１２２＞：ISU-152駆逐戦車ファミリーを参照。

＜ＩＳＵ−１２２−２＞：ISU-152駆逐戦車ファミリーを参照。

＜ＩＳＵ−１２２ＢＭ＞：ISU-152駆逐戦車ファミリーを参照。

＜ＩＳＵ−１２２Ｓ＞：ISU-152駆逐戦車ファミリーを参照。

＜ＩＳＵ−１３０＞：ISU-152駆逐戦車ファミリーを参照。

＜ＩＳＵ−１３０＞：ソ連陸軍試作自走砲。ドイツ重戦車ティーガーＢの正面装甲を撃破できるよう、IS-3重戦車の車体に54.7口径130mm艦砲B-13（徹甲弾重量33.4kg、初速毎秒870m）を搭載したものである。発射速度は分離装薬式なので毎分２発程度だった。全長6.72m、全幅3.38m、全高2.24m、重量47トン。最大装甲厚120mm。エンジンはV-2-ISディーゼル（520馬力）、最大速度35-40km、航続距離150-200km。無線機は10-RT-26。乗員４名。1945年に開発されたが、砲身が長すぎて機動の際に不便が生じたのと、艦砲をそのまま載せたため操砲しにくく、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＩＳＵ−１５２シリーズ＞：ソ連陸軍重駆逐戦車。ISU-122共々重自走砲師団に配備され、陣地正面にはISU-152部隊を、機甲反撃の予想される側面にはISU-122部隊と対戦車駆逐旅団を配置してドイツ国防軍陣地を粉砕した。分厚い鋼板による放射線遮蔽効果を買われ、チェルノブイリ原発事故の処理にも参加している。生産数はISU-152/-122/-122S合わせて4075両。参考：月刊PANZER2,’01、世界の軍用車両(1) 、月刊世界の艦船6,’11

＜ＩＳＵ−１５２＞：完成当時はISU-249と呼ばれた。IS重戦車のシャシーにSU-152と同様の戦闘室（前面装甲厚を90mmに強化し、車体が低姿勢の分天井を高くした）を設けて152mm榴弾砲ML-20を搭載している。閉鎖機は隔螺式。俯仰角はマイナス５度からプラス20度、旋回角は左右10度ずつ。最大射程13km（間接照準）、発射速度毎分1-2発。戦闘室は六角柱状で、前半部は溶接としてリベットの飛散による損傷を防止している（後半部はリベット止め）。全長9.18m、全幅3.07m、全高2.48m、重量46トン。副武装はDShK機銃１丁。装甲厚は前面90mm、側面75mm、後面60mm。エンジンはV-2IS（600馬力）、最大速度37km、行動距離220km。乗員５名。分離装薬式のため、装填手２名を配している。1943年7月に試作車が完成し、9月4日に採用された。ただし、資材確保に時間がかかって生産は11月末までずれ込んだ上、主砲は牽引砲としても需要が高く、思ったほど生産ペースが上がらなかった。引き渡しは1944年2月からで、初陣はバグラチオン作戦。トーチカや市街地の防御拠点を直接照準で片っ端から吹き飛ばし、ケーニヒスベルクやベルリンでの市街戦で大きな戦果を挙げた。ソ連では1960年代まで使用され、エジプトなどにも輸出された。参考：月刊PANZER2,’01、4,’04、4,’93、世界の軍用車両(1)

＜ＩＳＵ−１５２−１＞：試作重駆逐戦車。主砲を152mmカノン砲BL-8に変更したもので、主砲以外は全く同じである。量産化はされなかった。参考：月刊PANZER2,’01

＜ＩＳＵ−１５２−２＞：試作重駆逐戦車。主砲を152mmカノン砲BL-10に変更したタイプ。徹甲榴弾（重量48.5kg）で初速毎秒900mを誇り、詳しいデータは不明だが対装甲威力はかなり強力であったとされる。量産化はされなかった。参考：月刊PANZER2,’01

＜ＩＳＵ−１５２ファミリー＞

　＜ＩＳＵ−１２２＞：ソ連陸軍の駆逐戦車。主砲生産の遅れからISU-152の量産も滞ったのを受けて、砲架が同じ122mmカノン砲A-19Sを代わりに搭載したもので、ISU-152と同時に量産に入った。外見上の違いは砲身の太さと多孔式マズルブレーキを持たないことだけである。牽引砲をそのまま載せているので、閉鎖機は隔螺式のまま。弾種はOF-471通常榴弾、BR-471徹甲榴弾、BR-471B被冒付徹甲榴弾。装甲貫徹力はBR-471で160mm（射距離1000m、弾着角90度）。最大射程15km（間接射撃）。発射速度毎分1-2発。全長9.85m、全幅3.07m、全高2.48m、重量45.5トン。副武装はDShK機銃１丁。装甲厚は前面90mm、側面75mm、後面60mm。エンジンはV-2IS（600馬力）、最大速度37km、行動距離220km。乗員５名で、分離装薬式のため、装填手２名を配しているのはISU-152と同じ。IS-2からは122mm砲を搭載することになったため、本車の存在意義が問われるところだが、装填手が２名いるので発射速度が速いなどの利点があったようで、改良型のISU-122Sも開発・生産されている。参考：月刊PANZER2,’01、4,’93、世界の軍用車両(1)

　＜ＩＳＵ−１２２ＢＭ＞：ソ連陸軍試作自走砲。長砲身122mmカノン砲BL-7を搭載したものである。徹甲榴弾（重量25kg）を初速毎秒1000mで発射できる。試作のみに終わった。参考：月刊PANZER2,’01

　＜ＩＳＵ−１２２Ｓ＞：ソ連陸軍駆逐戦車、別名ISU-122-2。主砲として122mm戦車砲D-25Sを搭載したもので、砲架も戦車用に変更し、防楯形状も半球状になった。砲身先端にダブルバッフル式マズルブレーキを持つ。1944年末から生産に入り、1945年2月頃から実戦投入され、1960年代頃まで使用された。ポーランドにも供与されている。参考：月刊PANZER2,’01

　＜ＩＳＵ−１３０＞：ソ連陸軍試作駆逐戦車。ISU-122Sに130mm艦砲S-26を搭載したものである。徹甲榴弾（重量58.3kg）を初速毎秒900mで発射できたというので、対装甲威力は相当なものになった筈だが、試作だけで終わった。参考：月刊PANZER2,’01

＜ＩＳＵ−１５２／１９４５年型＞：ソ連陸軍重自走砲。ISU-152の後継として1945年にオブイェークト704の名称で開発された。IS-3重戦車に152mm榴弾砲ML-20SM（20-22発）を搭載したもので、戦闘室は避弾経始に優れ、防楯形状も洗練されている。全長6.72m、全幅3.38m、全高2.24m、重量47.3トン。戦闘室上部に自衛用12.7mm重機関銃DShK（300-600発）を搭載する。最大装甲厚120mm。エンジンはV-2-ISディーゼル（520馬力）、最大速度35km、航続距離180km。無線機は10-RT-26。乗員５名。１両から数両が試験生産されたが、ISU-152自体が大量に生産されていたため採用するメリットが無く、制式化されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’01

＜ＩＳＵ−２４９＞：ISU-152（自走砲）を参照。

＜Ｉ−ＳＵＲＳＳ＞：RQ-14A（無人機）を参照。

＜ＩＳＵＳシリーズ＞：ドイツの潜水艦用戦闘システムで、Integrated Sensor Underwater Systemの略。輸出先のバリエーションに合わせた拡張性を持つ。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、5,’17

　＜ＩＳＵＳ８３＞：206A型や209型に搭載された。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

　＜ＩＳＵＳ９０＞：ISUS83の後継で、イスラエル海軍ドルフィン級潜水艦用にアトラス社が開発した。オープン・アーキテクチャを採用したモジュールシステムで、DBQS-40ソナーシステムを始めとする潜水艦の全センサーをLANで統合し、戦術情報処理や兵装管制を行える。ISUS-90/20、ISUS-90/40、ISUS-90/55、ISUS-90/61とグレードアップしているらしいが、既存の潜水艦に新バージョンをレトロフィットしたという話は聞かないので、ソフトウェアアップグレードに対応しているのかは不明。209型や212型に搭載された。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、5,’17

　＜ＩＳＵＳ１００＞：ISUS90の後継。ソナー情報処理を高度化し、DM2A4魚雷の運用を可能とした。参考：月刊世界の艦船5,’17

＜ＩＳＵＳ海外シリーズ＞

＜ＩＳＵＳ９０（南アフリカ海軍）＞：南アフリカ海軍209/1400M型潜水艦の統合潜水艦戦闘システム。CSU90ソナー、潜望鏡、レーダー、ESM、通信リンクなどからの情報を統合し、自艦を中心に敵艦などの立体的な位置情報を組み立て、脅威度を判断し、必要に応じて武器の管制や発射を行う。参考：月刊軍事研究12,’08

＜ＩＳＶ＞：アメリカ陸軍４×４輪高機動車Infantry Squad Vehicles（歩兵分隊車両）。GMディフェンス社が開発し、2020年に採用された。GM製シボレーコロラドZR2民間向けピックアップトラックをベースに、ボンネット以外の車体外板を外してパイプフレームのみとし機動性を向上、４列シートを装着して１個分隊９名を乗せられるようにした。CH-47ヘリへの機内搭載、UH-60ヘリでのスリング輸送、輸送機からのパラシュートによる物料投下が可能。車体重量2.3トン。2000両以上を配備予定。参考：朝雲

＜ＩＳＹＳＣＯＮ＞：アメリカ陸軍戦術インターネットを構成するシステムの１つで、Integrated SYStem CONtrol（統合システム統制）の略。通信大隊などの通信部隊に配備され、戦域全体にある多数の戦術通信システムを自動的に管理する。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＩＴ＞：ターター・シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＩＴ−１＞：ソ連陸軍のミサイル戦車。T-62の車体を使用し、平低な砲塔にドラゴン対戦車ミサイルランチャー（15発）と7.62mm機銃PKT（2000発）を備える。ミサイルの射程は300-3000mで、通常速度での移動目標に対する命中率は96.7%とされた。1968年に採用されたが、量産は1970年に打ち切られ、9K11対戦車ミサイルシステムの登場で存在意義も失われ、すぐに退役したようである。全長6.63m、全幅3.33m、全高2.2m、重量35トン。エンジンはV-55ディーゼル（580馬力）、最大速度50km、航続距離550km。最大装甲厚は砲塔206mm、車体100mm。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＩＴ−�U＞：AN/ALQ-231（電子戦ポッド）を参照。

＜ＩＴ−２８＞：T-28中戦車ファミリーを参照。

＜ＩＴ６０ＣＴＡ＞：イギリスが1930年頃に開発した戦車用浸炭鋼板。炭素0.3%、マンガン0.4-0.5%、ニッケル3-3.5%、クロム0.5-0.7%、モリブデン0.2-0.6%を含む。ブリネル硬度は表面が550-650、内部が350-450。参考：月刊丸4,’07

＜ＩＴ６０ＥＳＴＡ＞：イギリスが1938年に開発した戦車用浸炭鋼板。IT60CTAの改良型である。炭素0.2%、マンガン0.4%、ニッケル0.2%、クロム3%、モリブデン0.4%を含む。ブリネル硬度は表面が550-650、内部が350-450。参考：月刊丸4,’07

＜ＩＴ−１２２＞：ソ連陸軍駆逐戦車。1949年からSU-100を代替する目的で開発された。T-54の車体に固定式戦闘室を設け、122mmカノン砲D49Sを搭載している。1953年まで生産され、T-54/55を補助する駆逐戦車として配備された。参考：異形戦車ものしり大百科

＜ＩＴ−１３０＞：ソ連陸軍自走砲。IT-122の後継として開発された。T-62の車体に固定式戦闘室を設け、130mm砲を搭載している。1960年代初めに実戦配備されたといわれる。参考：異形戦車ものしり大百科

＜ＩＴ−１３０ファミリー＞

　＜戦車回収車＞：戦車回収車型。砲を撤去して戦車回収車として使用したもので、1995年の対独戦勝50周年パレードの際に行進車両の擱座に備えて待機していた。参考：月刊丸8,’95

＜ＩＴＡＬＤ＞：ADM-141C（デコイ）を参照。

＜ＩＴＡＲフリー＞：オシュコシュ・ディフェンス社の中型戦術車両トラック。アメリカ国際武器取引規則に引っかかる分の装甲を外した輸出型で、アメリカ標準型と比較すると重量が800ポンド（363kg）ほど軽い。DSEi2011で展示された。参考：月刊軍事研究3,’12

＜ＩＴＡＳＳ＞：AN/SQR-19B（曳航ソナー）を参照。

＜ＩＴＡＷＤＳ＞：アメリカ海軍の水陸両用作戦情報戦術統合装置で、統合戦術水陸両用作戦データ・システムの略。水陸両用作戦地域内の情報をユニパック社製AN/UYK-7(V)コンピュータ２基で自動的に処理し、艦内の各種指揮管制システムに情報や指示を送る。航海、敵味方識別、陸上目標評価分類、ヘリや艦載艇の発進・交通整理、航空機や支援艦艇への指揮管制、荷役管理、電子戦、射撃管制、各種情報分類整理記録、乗員給与計算などを行える。タラワ級強襲揚陸艦などに搭載された。参考：丸スペシャルNo.90

＜ＩＴＥＣ＞：U-2偵察機のＱベイに搭載される光学バーカメラOBC。タイプＢ／HR73B長距離斜めカメラ、Ｈカム66インチ・フレーミングカメラHR-329、24インチ・パノラマカメラIRIS（情報偵察画像システム）�Vを組み合わせ、長さ3000m以上のフィルムを使用して連続撮影する。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＩＴＥＰ＞：T901-GE-900（ターボシャフトエンジン）を参照。

＜ＩＴＬＢＶ＞：アメリカ陸軍の歩兵用個人装備で、個人用戦術物資携帯ベストの略。IIFSを構成する。弾薬ポーチ、手榴弾ポーチ、ファーストエイド・ポーチなどが縫いつけられているため、付け替えができず、運用の柔軟性に欠けるのが欠点。参考：コンバット・バイブル、歴史群像6,’08

＜ＩＴＯ０５ＣＭＡＤ＞：フィンランド陸軍地対空ミサイルシステム。ドイツのラインメタル・ディフェンス・エレクトロニクス社とスウェーデンのサーブ・ボフォース・ダイナミクス社が共同開発したアトラス短射程防空システムASRAD-Rがベースである。コンテナにボリデ地対空ミサイル４連装ランチャーとエリクソン・マイクロウェーブ・システムズ社製HARD三次元捜索レーダー、光学照準装置（TVカメラ、赤外線暗視装置、レーザー測距器、目標自動追尾装置）が全周旋回式に取り付けられており、コンテナ内に車長と射手が位置する。TAR87レーダーから目標情報を得ることも可能。コンテナは４×４輪トラックのウニモグ5000に搭載されており、載せたままでも降ろしても運用できる。到着から射撃準備が整うまでにかかる時間は30分以内、コンテナを降ろす場合には45分以内。運用要員は将校１名、下士官４名、兵10名。１個中隊にコンテナ１基が配備される。参考：月刊軍事研究12,’08

＜ＩＴＯ５ＭＡＮＰＡＤ＞：フィンランド陸軍の地対空ミサイル発射機。三脚に射手席とボリデミサイルを取り付けてあり、設置から１分で発射可能。参考：月刊軍事研究12,’08

＜Ｉ−ＴＯＷ＞：BGM-71B（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＩＴＰ＞：スペインの航空機エンジン会社Industria de Turbo Propulsores。スペインのセネル・アエロナウティカが主要株主だった時代に、EF2000用EJ200エンジンを担当するユーロジェット・ターボ社に参画。2016年夏、ロールスロイス社が53.1%の株式を取得して筆頭株主となり、その後ロールスロイス社の100%子会社になった。参考：月刊JWings8,’19

＜ＩＴＰＳカナダ＞：カナダの航空支援企業。軍民を対象とするテストパイロット養成や戦闘機戦術・電子戦訓練支援などが主な事業である。2020年11月2日、FA-50軽戦闘攻撃機の導入覚書に署名した。参考：月刊JWings1,’21

＜ＩＴＰＳＶ９０＞：マークスマン砲塔を参照。

＜ＩＴＲ＞：ターター・シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜ＩＴＶ＞：M1163（牽引車）を参照。

＜ＩＴＶ−ＬＳＶ＞：M1161（武装車両）を参照。

＜ＩＵＳＳ＞：アメリカ海軍の世界的潜水艦探知システムで、統合水中監視システムの略。SOSUSとSURTASSから得られた音響信号を海軍海洋信号処理施設NOPFで解析し、潜水艦を探知追尾するもので、1985年に完成した。冷戦終結と潜水艦の静粛化でSOSUSの有用性が減少したため、TAGOS艦のSURTASS及びLFAと、分散型ネットシステムNDS（SOSUS後継の固定音響センサーらしい）の組み合わせに変更したらしい。参考：月刊世界の艦船6,’18

＜ＩＵＷＧ＞：アメリカ海軍の特殊部隊で、近海水中作戦群の略。味方の港湾施設や海峡の防備が主任務である。参考：兵器最先端５

＜ＩＶ１２シリーズ＞：2S1自走砲ファミリーを参照。

＜ＩＶ２１シリーズ＞：2S1自走砲ファミリーを参照。

＜ＩＶＩＳ＞：アメリカ陸軍の情報交換システムで、InterVehicular Information System（車両間情報交換システム）の略。M-1A2SEPなどに搭載されており、探知した敵車両及び味方部隊の位置・行動データを戦車部隊全体にリアルタイムで配信する。58までの戦車や本部などと情報を共有できる。参考：月刊軍事研究7,’03、月刊PANZER1,’03

＜ＩＷＩ＞：イスラエル・ウェポン・インダストリーズの略。IMIの小火器部門が民営化されて2005年に独立したものである。ガリル、TAR21タボール、ネゲベなどの生産を行っている。参考：JGround Vol.11

＜ＩＷＳ２０００＞：オーストリアのステアー社が開発したブルパップ式対物ライフルで、IWSは歩兵兵器システムの略。ライフリングは無く、炭化タングステン製フレシェット弾を発射し、軽装甲車両の装甲板や建物の壁を貫徹する。セミオート射撃が可能で、10倍の光学スコープを標準装備する。全長1.8m、銃身長1.2m。口径15.2mm、装弾数５発。ペルー日本大使公邸占拠事件でSASが持ち込み、ペルー特殊部隊が装備していた。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究7,’97

＜ＩＷオプション＞：アメリカのエネルギー省国家核安全保障局が進めているICBM/SLBM再突入体・弾頭共通化計画で、IWは相互運用弾頭の略。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜ＩＷ−１＞：ミニットマン�V用Mk21再突入体とトライデント用Mk5再突入体の改良・共通化計画。2020年から開発し、2030-40年に量産する予定。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜ＩＷ−２＞：W87核弾頭とW88核弾頭の改良・共通化計画。2023年から開発し、2034年から配備する予定。参考：月刊軍事研究1,’18

　＜ＩＷ−３＞：W76-1核弾頭に近代化改修を施してトライデント�Uに載せる計画。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＩＸ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、非分類雑役艦（Unclassified Misxellaneous）を示す。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＩＸ−３９＞：CA-11（装甲巡洋艦）を参照。

＜ＩＸ−６４＞：アメリカ海軍ウォルバリン級練習空母１番艦ウォルバリン（Wolverine）。1942年就役。1947年に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＩＸ−８１＞：アメリカ海軍セイブル級練習空母１番艦セイブル（Sable）。1942年就役。1948年に除籍された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＩＸ−３０４＞：CL-104（軽巡洋艦）を参照。

＜ＩＸ−３１３＞：SS-313（潜水艦）を参照。

＜ＩＸ−５１５＞：アメリカ海軍高速実証艇シー・フライヤー（Sea Flyer）。元は表面効果船SES2000で、一旦コーストガードに移管された後、アメリカ海軍に戻ってこの名称になった。2003年に大改装を受け、エアクッションを撤去、船体後部中央に大型水中浮揚体を設置してHydrofoil Small Waterplane-area Catamaranと呼ばれる船型となり、推進システムも一新し、ハイドロフォイルの高速性とSWATHの安定性を併せ持つ実験船となった。速度が増加するにつれて艇体は浮き上がり、最大速力では船体は完全に海上に出る。高い安定性を誇り、シーステート５でも巡航速力を１ノットしか下げずに済む。全長51m、全幅13.1m、吃水5.63m、満載排水量340トン。主機はディーゼル２基、推進はウォータージェット２基、最大速力30ノット以上。2004年からテストを繰り返している。参考：月刊軍事研究3,’05、月刊世界の艦船7,’11

＜ＩＸ−５２９＞：アメリカ海軍対レーダー・ステルス技術研究用実験艦シー・シャドー（Sea Shadow）。ロッキード社が1980年代前半に設計し、ロッキード・ミサイルズ・アンド・スペース社が建造した。建造を秘匿するため、海軍の大型フローティング乾ドックをロッキード社の工場まで曳航し、その内部で製作した。当初はスカンク・ワークスが協力していたが、造船不況によるロッキード社海洋事業部の圧力で追い出されている。ヴィクトリアス級海洋調査船設計の参考とするためSWATH型船体を採用、レーダー偵察衛星に対するステルス性も考慮して水線上の船体を45度の傾斜平面で構成し、RAMを塗布した。艦上に突起物は無く、レーダーアンテナも引き込み式である。浮力ポンツーン前部内側にカナード翼、船体後部にフィンスタビライザーを装備しており、シーステート６でも安定航行が可能。ステルス性が高すぎるため、シークラッターの方がレーダー反射率が高く、レーダー画面上でスポット状に抜けてしまうのでかえって目立つという欠点があり、後に改修された。全長48.8m、全幅20.73m、吃水4.42m、満載排水量560トン。主機はディーゼル発電機２基・モーター２基、出力1600馬力、２軸推進、速力15.1ノット、連続最大速力13ノット。乗員12人＋同乗者12人（科学者など）。普段は支援パージHMB-1（ヒューズ海上採掘用パージ１号。元は救難艦グローマー・エクスプローラー）に収容されている。1985年に就役し、機密を守るため海軍の艦籍には編入されず、カリフォルニア南岸で夜間に限りテストが行われた。1986年に予算不足でテストが中止され、HMB-1格納庫で保管されていた。1993年に予算が付いて4月9日から実験を再開、4月11日に存在が公表され、その後は昼間も航行するようになり、1994年秋からは戦闘システムやデータリンクの試験を行い、1995年にテストを終了、保管船扱いになった。1999年3月にDD21／ズムウォルト級開発用ステルス・データ収集のため活動を再開し、2000年3月15日に電波反射低減試験実験艦（YAGE）IX-529として艦籍に登録された。2001年から光学迷彩やRAMのテストに投入された。2005年（2006年？）に除籍され、HMB-1格納庫で保管されている。本艦に関する資料などを盗み出した社員がFBIの囮捜査に引っかかって逮捕されるという事件も起きた。博物館に展示することも考慮されたが、2012年に結局スクラップとなることが決定した。参考：月刊軍事研究2,’04、9,’07、月刊世界の艦船4,’04増刊、9,’12、8,’13、8,’16、月刊JWings3,’99、月刊丸2,’07

＜ＩＸＳＳ＞：Unclassified Miscellaneous Submarine（保存潜水艦）の略。参考：現代の潜水艦

＜Ｉ−Ｚ＞：I-5シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＩＺＬＩＤ＞：赤外線ズームレーザー照射目標指示を参照。

＜Ｉウイング＞：SOFEX’04で展示された小型UAV。下向きのＶ型尾翼を持つ。プロペラはカーボンファイバー製。全幅1.25m。飛行高度100m。主翼を90度回転させ、尾翼を折り畳むと四角柱状になり、ヨルダン・アローの翼下に２機搭載できる。防水用のケースに入れて輸送し、２名で運用可能。制御装置はデザートアイリス４輪車両に搭載される。参考：月刊軍事研究12,’04

＜Ｉ級嚮同駆逐艦＞：イギリス海軍の嚮同駆逐艦。Ｉ級駆逐艦の嚮同艦で、船体を延長して主砲を１門増やし、司令部施設を追加して通信能力を強化した。全長102.8m、幅10.4m、吃水2.7m、基準排水量1530トン。主機は蒸気タービン、出力38000馬力、速力36ノット。兵装は12cm単装砲５門、533mm魚雷５連装発射管２基。D02イングルフィールドが1937年に竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ｉ級駆逐艦＞：イギリス海軍駆逐艦。全長98.5m、幅9.9m、吃水2.6m、基準排水量1370トン。主機は蒸気タービン、出力34000馬力、速力36ノット。兵装は12cm単装砲４門、533mm魚雷５連装発射管２基。D03イカルス、D61アイレックス、D44イモーゲン、D09インペリアル、D11インパルシブ、D10イントレピッド、D87アイシス、D16アイバンホーの８隻が1937-38年に竣工した。第２次大戦中に４隻が兵装の一部を外して機雷敷設装置を搭載し、高速敷設艦となった。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜ｉストーム２４＞：イギリスのブルーｉ社が開発したポータブルLED投光器。本体にバッテリーを内蔵しており、ポールの先に１ワットLED24個を収めた投光器を装着している。15時間の連続点灯が可能。赤外線照射型や最大照射距離500mのサーチライト型もある。参考：月刊軍事研究12,’07

＜Ｉナット・シリーズ＞：ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社の無人機で、ＩはInternationalの略。ナット750の改良型で、1997年から開発した。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｉナット＞：機体を一回り大きくし、エンジンをロタックス914ターボチャージャー付き（105馬力）に変更した。胴体背面に衛星通信用アンテナドーム、主翼下に外装品用パイロンがあり、合成開口レーダーと信号情報収集装置を搭載している。全長5.76m、全幅12.8m、最大離陸重量748kg。飛行高度30000フィート（9144m）以上、滞空時間40時間以上、100海里離れた地上の管制ステーションに収集したデータをリアルタイムで送信可能。積載量91kg（機内）／136kg（機外）。主翼下パイロンにAGM-114対戦車ミサイルやFIM-92空対空ミサイルを積める。CIAが偵察目的で運用した。参考：月刊軍事研究4,’07、1,’01、12,’17

＜ＩナットＥＲ＞： ERは偵察能力強化の意。RQ-1プレデターをベースとしており、GPS及びINSにより自律航法を行い、EO/IRセンサーを搭載して偵察を実施、UHF/VHF及びKuバンド衛星通信によりデータを送受信する。全長7.23m、全幅16.76m、最大離陸重量1043kg。最大運用高度25000フィート（7630m）、航続時間40時間。積載量204kg（機内）／136kg（機外）。トルコ軍向けに開発し、アメリカ陸軍も2003年に調達した。参考：月刊軍事研究4,’07、月刊JWings12,’21

＜ナットＸＰ＞：Ｉナットの改良型。ナット750-45の後継としてユーゴスラビア内戦での監視任務に就いたらしい。参考：月刊軍事研究12,’17

＜Ｉバンド＞

＜Ｉバンド（一般呼称）＞：100-150MHzの周波数帯を指す。参考：ロッキードF117ナイトホーク

＜Ｉバンド（新ＮＡＴＯ）＞：8-10GHzの周波数帯を指す。波長は3.8-3cm。参考：レーダの基礎、ロッキードF117ナイトホーク

＜Ｉ−ラアド＞：9M14海外シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜Ｉ−ラアドＴ＞：9M14海外シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

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