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＜水圧感応機雷＞：機雷を参照。

＜水圧システム＞：水タンクに水を入れておき、ポンプで圧力をかけて押し出し、制御弁で力の大きさ・速度・向きを制御、シリンダーなどに伝えて作動させるシステムのこと。流体（水）を使い、パスカルの原理で力を増幅・伝達するのが基本原理である。作動圧力2-14MPa、操作力100トンまで、操作速度毎秒１メートル。清浄性が高く、半導体関連装置や食品加工機械に使用される。機器が錆びないよう、素材にステンレス鋼を使う必要がある。水は粘度が低いため、漏れ対策が必要で、作動圧力もあまり高くできない。16世紀末にポンプの仕組みが考案されたが、製造技術が無く、水圧プレス機として実用化されたのは1795年になってからだった。1889年にはエッフェル塔に水圧エレベーターが設置されたが、同じ頃に発展した電動モーターに押されるようになり、20世紀前半には油圧システムに主役を奪われている。参考：トコトンやさしい油圧の本

＜水圧信管＞：信管を参照。

＜ズィーニア＞：AKA-51（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜スイーパー＞：航空自衛隊の除雪車両。３軸トラックの前面にメインプロー（除雪用排土板）、後方にブラシとブロアーを装着したもので、メインプローにより雪を脇にどけ、残った雪をブラシでかき出し、ブロアーで吹っ飛ばす。参考：MAMOR vol.124

＜スイーパバキューム自走中形＞：自衛隊の機器。英和が受注している。参考：月刊軍事研究2,’13

＜ズィーピ＞：R-27（SLBM）を参照。

＜スイープ・スルー・ジャミング＞：ジャミングを参照。

＜瑞雲一一型＞：日本海軍水上偵察機、略符号E16A1、連合軍コードはポール（Paul）。昭和12年に海軍は航空機種ならびに性能標準の一部を改訂し、巡洋艦搭載の複座水上偵察機に対して洋上の漸減作戦の一翼を担わせることを決定、艦隊決戦時に250kg爆弾１発を積んで急降下爆撃を行い敵艦隊に予め損害を与える任務を追加し、更に速度250ノット以上で格闘戦闘も行えるという要求まで付与して十二試二座水上偵察機の開発に入ったが、欲張りすぎて上手くいかなかった。そこで十四試水上偵察機（十四試二座水上偵察機？）に改称して要目を変更し、昭和14年に愛知航空機へと試作を命じたが、偵察＋急降下爆撃＋対戦闘機戦闘という主任務は変わらなかったため開発は難航し、十六試水上偵察機に改称されたところで太平洋戦争が始まり、開発ペースが落とされて初飛行は昭和17年5月になった。直後のミッドウェイ海戦で正規空母４隻が沈められたため、旧式戦艦を航空戦艦に改造して艦爆を積む案が浮上。伊勢型戦艦は本格的改造で彗星を積むが、扶桑型戦艦は小規模改造で水上機を搭載して艦爆代わりに使うことになり、優先的に開発が進んで昭和18年8月に制式採用され瑞雲一一型の名称が付き、昭和19年2月から就役した。計画時には対戦闘機戦闘のため7.7mm機銃を積む予定だったが、計画変更に伴い戦闘機以外との空戦をメインに据えて20mm機関砲を搭載している。全長10.84m、全幅12.8m、全高4.74m、全備重量3800kg（4500kg？）。翼面積28平方メートル。エンジンは三菱製火星五四型空冷星型14気筒レシプロ（1300馬力）単発、最大速度448km、実用上昇限度10280m、航続距離2535km（1100km？）。固定武装は20mm機関砲２門（主翼内）、13mm旋回機銃１丁（後部座席）。250kg爆弾１発または60kg爆弾2-3発を搭載できる。乗員２名。愛知航空機と日本飛行機で256機が生産された。第634航空隊に配備されて第４航空戦隊に搭載されたが、最早艦隊決戦が行える状況ではなく、陸上基地に展開して台湾沖航空戦に参加。その後はフィリピンや沖縄に配備され、夜間緩降下爆撃や魚雷艇攻撃に投入された。参考：月刊JWings8,’06、第二次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、7,’14

＜瑞雲丸＞：岡田汽船2TL型油槽船。総トン数10045トン。昭和19年10月21日起工、12月17日進水、昭和20年1月18日竣工。参考：戦時標準船入門

＜水泳能力検定＞：海上自衛隊の体力検査。50m自由形と50m平泳ぎで、到達基準は６級以上。参考：朝雲

＜誰何＞：敵味方が不明な人物に対し、身元を問いただすこと。日本陸軍（歩兵操典、作戦要務令）でも陸上自衛隊（緑本）でも、３回誰何を行って反応しない場合には捕獲するか、最悪撃っても良いことになっている。ただ実際の戦場では緊張のあまり１度誰何しただけで撃ってしまったり、味方なのにとっさに返事ができず撃たれたりすることもあったらしい。参考：スピアヘッドNo.13、新兵サンよもやま物語

＜垂下曳航爆弾＞：日本海軍試作対航空機用爆弾。昭和7年頃に開発した。飛行機に太さ10-18mm・長さ25-30mのワイヤーを装着し、その先に2-5kgの爆弾を括り付けてぶら下げ、敵爆撃機に接触させて爆発させる。機速が150ノットを超えると爆弾がほぼ真後ろに引っ張られる形になり、敵機に当てられなくなるため、採用されなかった。参考：日本海軍の爆弾

＜瑞鶴＞：日本海軍翔鶴型空母２番艦Zuikaku。昭和13年5月25日起工、昭和14年11月27日進水。昭和16年8月14日、神戸を出港し、最終艤装を行う呉に向かった。途中の四国南方で台風に遭遇、船体が28度傾斜し、閉め忘れた艦首の舷窓から海水が入り込んで沈没しかけている。9月25日竣工、第１航空艦隊第５航空戦隊に編入された。11月19日0000、別府湾を出港。11月23日、択捉島単冠湾に入港。11月26日、単冠湾を出港。12月8日、太平洋戦争開戦時は第５航空戦隊所属で、真珠湾攻撃に参加。12月24日、瀬戸内海に帰投。昭和17年1月5日、呉を出港、飛行隊を収容してトラック環礁に向かった。1月20日、ラバウルを空襲。1月21日、ラエとサラモアを空襲。1月29日、ポート・ダーウィンを爆撃。3月15日、横須賀に帰港。3月17日、横須賀を出港。3月24日、ケンダリーに入港。3月26日、ケンダリーを出港し、インド洋作戦に参加。4月5日、セイロン島攻撃に参加。4月下旬、MO作戦に参加。5月6日、第５航空戦隊所属で珊瑚海海戦に参加。この時は零戦20機、九七式艦攻21機、九九式艦爆22機を搭載していた。5月15日、トラックに帰還。5月16日、トラックを出港。5月21日、呉に帰還。6月15日、ミッドウェイ海戦で敗退した機動部隊の撤退を援護するために航空隊を南九州に残して瀬戸内海西部を出撃、千島南方海域に展開した。6月25日、大湊に帰港、その後瀬戸内海に戻った。7月14日、第３艦隊第１航空戦隊に転属し、第３艦隊旗艦となった。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。8月28日から9月4日、ブカ島に進出し、ガダルカナル島攻撃に参加。9月10日、トラックを出撃、ガダルカナル島北方で陸軍の総攻撃を支援した。9月23日、トラックに帰投。10月11日、トラックからガダルカナル島北方に向け出撃。10月26日、南太平洋海戦で損傷した。11月9日、呉に帰投。昭和18年1月17日、瀬戸内海を出港してトラックに向かった。1月29日、ガダルカナル島撤退支援のため艦戦部隊をラバウルとブインに進出させた。2月17日、トラックに帰投。4月2-18日、飛行隊がい号作戦に参加。5月8日、瀬戸内海に帰投。7月15日、翔鶴、瑞鳳と共にトラックに進出。9月20日、翔鶴、瑞鳳と共にブラウン環礁に移動し、マーシャル諸島海域で訓練と索敵を行った。11月1日から飛行隊がろ号作戦参加のためラバウルに進出。12月12日、トラックを発って本土に帰投。昭和19年2月15日、固有の航空隊は削除され、第601航空隊として再編された。6月19日、マリアナ沖海戦に参加。6月20日、艦上機の攻撃を受けて損傷した。8月10日、第３艦隊第３航空戦隊に転属。10月20日、比島沖海戦に参加。10月25日、エンガノ岬沖で艦上機の攻撃を受けて沈没した。11月15日に連合艦隊付属となり、昭和20年8月26日に除籍された。参考：第２次世界大戦日本海軍作戦年誌、図解日本の空母、日本海軍艦隊総覧、日本海軍戦闘機隊、日本航空母艦史、月刊丸5,’07、月刊世界の艦船12,’10、4,’12、9,’14

＜瑞鶴戦闘機隊＞：真珠湾攻撃第１次攻撃で零戦６機が出撃し、32機以上を地上撃破した。第２次攻撃時には母艦上空直掩にあたった。昭和17年4月9日、ツリンコマリ攻撃で10機が出撃、20機を撃墜したが、２機を喪失した。5月8日、珊瑚海海戦で９機が出撃、29機を撃墜（不確実３機含む）した。直掩の10機も24機を撃墜（不確実２機含む）し、損害は不時着水１機のみだった。8月24日、第２次ソロモン海戦で６機が出撃し、６機を撃墜したが、３機を喪失した。8月28日から9月4日、15機がブカ島に進出し、ガダルカナル島攻撃に就いた。10月26日、南太平洋海戦の第１次攻撃に８機が出撃し、14機を撃墜。第２次攻撃には４機が出撃し、９機を撃墜した。母艦直掩は延べ27機で実施し、艦爆６機を撃墜した。損害は計５機だった。昭和18年1月29日、ガダルカナル島撤退支援のため36機がラバウル次いでブイン基地に進出し、40機を撃墜した。4月2日からラバウルに進出し、い号作戦に参加。13機を撃墜（不確実５機含む）し、３機を喪失した。11月1日、ろ号作戦に参加するため24機がラバウルに進出。11月13日までに47機を撃墜（不確実19機含む）したが、パイロット８名を失った。11月26日、ルオット島に進出。12月5日、アメリカ海軍VF-2/-16所属艦戦の空襲で大損害を受けたため、12月7日にトラックに戻った。12月10日（15日説あり）、パイロット20名が瑞鶴戦闘機隊ラバウル派遣隊としてラバウルのトベラ飛行場に派遣され、第253航空隊の指揮下で戦闘に参加した。12月16日、ニューブリテン島マーカス岬に上陸したアメリカ軍に対し、機銃掃射や九七式六番陸用爆弾による緩降下爆撃を実施。昭和19年2月15日、第601航空隊として再編された。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊航空ファン11,’17

＜吸殻入れ＞：日本陸軍用語で、灰皿のこと。空き缶を黒く塗り、白字で班名を記しただけのもので、官給品ではないので員数を気にしなくても良い。各内務班に2-3個用意してあり、落下による火災を防ぐため必ず机の真ん中に置き、1m以内で喫煙する。日夕点呼前に洗浄して中隊当番室の箱に返納する。参考：新兵サンよもやま物語、帝国陸海軍事典

＜水管缶＞：主缶の１つ。煙管缶とは逆に、高温燃焼ガス（の渦巻くボイラー内）にドラム（胴）を置き、下のドラムと上のドラムを多数の水管で結合、下のドラムに缶水を入れて沸騰させ、上のドラムから高温高圧蒸気を取り出す方式のものを指す。水の量に比べて水管の表面積が大きく、加熱が速いので、エクスプレス缶（Express boiler）とも呼ばれる。水管はボイラーの壁沿いに並べてあり、壁面の過熱を防ぐ役割もある。管の太さにより大管式と小管式に分かれ、後者の方が表面積が大きいので効率が良いが、析出した缶水の不純物により管が詰まりやすい。蒸気ドラムと水ドラムの数で二胴式と三胴式に分類される。参考：月刊世界の艦船10,’11、月刊軍事研究1,’16

＜隋級＞：095型（攻撃原潜）を参照。

＜水牛作戦＞：第２次大戦独ソ戦で1943年3月1日にドイツ軍が開始した、ルジェフ突出部からの撤退作戦。ツィタデレ作戦発動に備え、モスクワ方面突出部の戦線を330kmほど縮小して部隊を節約し、余った分をクルスクに向けるためのものである。3月1日1900、最前線の部隊が後退を開始。3月2日1800、主陣地の部隊が後退を開始。後には地雷やブービートラップを多数設置してソ連軍の追撃に備えた。3月3日、ルジェフ市街からの撤退を開始。トーチカ、火点、ボルガ河に架かる橋などを全て爆破した。3月5日、グシャツクからの撤退を完了。これに気づいたソ連軍は追撃を開始したが、ドイツ軍の仕掛けた障害に足を取られて追いつけなかった。3月12日、ヴィヤジマから撤退。3月25日、水牛陣地への撤退を完了し、ルジェフ突出部は消滅した。ルジェフ市街はタイフーン作戦でドイツに占領されてからの攻防で完全に破壊され、建物は一つ残らず崩壊し、市民9000人が市内に設置された強制収容所で死亡、残った市民も食糧不足などで悲惨な状態に置かれた。ソ連・ドイツ双方がルジェフ付近で払った損害は計130万名にのぼるという。参考：月刊軍事研究5,’09

＜炊具車＞：航空自衛隊の牽引式調理器材。１軸２輪トレーラーに調理器を載せたもので、3・1/2トントラックで牽引する。炊飯、汁物、焼き物、煮物、炒め物、揚げ物など250名分を45分以内に調理できる。全長4.595m、全幅2.31m、重量2.5トン以下。伸誠商事などが受注している。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜水原＞：752（コルベット）を参照。

＜水轟５＞：SH-5（飛行艇）を参照。

＜水際障害中隊＞：陸上自衛隊の施設科部隊。94式水際地雷敷設装置を装備し、海岸線に水際地雷原を構築するのが主任務である。他にもドーザー、油圧ショベル、大型クレーンなどの施設科器材を備えており、鋼矢板（鋼鉄製の杭）による水際障害設営や海岸陣地構築も担任する。参考：スピアヘッドNo.17、MAMOR vol.151

＜スイサン＞：AVP-53（飛行艇支援艦）を参照。

＜炊事競技会＞：陸上自衛隊が部隊ごとに行っている料理コンテスト。野外炊事で行われる事もある。参考：MAMOR vol.70

＜出師準備＞：すいしじゅんび、と読む。日本海軍の諸機関や戦闘部隊を戦時状態に移行させ、その状態を維持し戦闘活動を行わせるのに必要な準備作業のこと。軍令部が毎年策定する戦時計画に基づいて海軍大臣が年度出師準備計画を作成し、いざという時にはこれに基づいて出師準備作業を行う。出師準備作業は、戦時編制の主要艦船・部隊・機関が戦争初期の活動を行うのに必要な整備編成、船舶徴用、将兵徴収などを行う第１着作業と、未成艦建造推進・戦時計画艦建造など第１着作業で着手していなかった作業を開始する第２着作業に分かれる。戦争に必要な軍需品は、軍需品整備規定で別に定められており、第一種額として臨戦時搭載額（戦時定数のこと）、第二種額として戦争第１年所要額、第三種額として戦争第２年所要額を整備することになっていた。第２次大戦勃発とその後の国際情勢に鑑み、昭和15年11月5日に臨戦準備を開始、11月15日に出師準備第１着作業を発動し、第１−第４期に分けて戦争初期に必要な準備作業を行った。昭和16年8月15日には出師準備第２着作業の一部を発令、11月5日には第２着作業へ全面移行され、太平洋戦争の開戦を迎えた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊世界の艦船9,’13増刊、帝国陸海軍事典

＜炊事兵（日本陸軍）＞：何故か出来の悪い兵のたまり場となることが多く、進級も遅い。５年目の上等兵などという猛者もいる。0400に起床して朝食の準備にかかり、遅くに内務班に戻ってくるため、日朝・日夕点呼は免除された。食事の準備と片付けが終われば後はヒマなので昼寝タイムとなり、つまみ食いし放題なのでメタボ体型になる。普通に進級していく食事当番に対する嫉妬心は凄まじく、何かと因縁を付けてはステンレス製のバッカンを食事当番の頭に被せて擂り粉木で殴りつけるという制裁を喰らわす。参考：新兵サンよもやま物語

＜随州＞：624（コルベット）を参照。

＜水準器＞：方位角などの測定の基準として水平をとるために使用する器具。円形と管形の２種があり、後者の方が正確。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜水上艦管制システム＞：SSCS（艦載戦闘システム）を参照。

＜水上艦魚雷防御計画＞：アメリカ海軍の水上艦用対魚雷防御装置SSTD（Surface Ship Torpedo Defence）開発計画。戦術管制グループTCG、魚雷警報装置TWS（Torpedo Warning System）、目標照準グループTAG（AN/SLQ-25など）、対魚雷装置CAT（Countermeasure Anti-Torpedo）、CAT収容搭載グループRSGで構成され、TAGで魚雷を探知、TCGで識別追尾し、TWSで搭載艦に回避行動を取らせると共に、RSGからCATを射出して魚雷を迎撃する。CATとしては対魚雷用魚雷ATTを開発中。2013年3月にプロトタイプがCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュでテストされ、2014年2-11月に改良型をCVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュに搭載、2014年11月にはCVN-71セオドア・ルーズベルトに仮設置型を積んで試験を行った。他にもCVN-68ニミッツ、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワー、CVN-75ハリー・Ｓ・トルーマンにも搭載され、それなりの成績を収めたが、テストの想定が甘かったらしく、より厳格な試験に入っている。制式化されればAN/WSQ-11ATTDS（Anti-Torpedo Defense System）になる筈だったが、性能不足で2018年秋に開発が打ち切られた。搭載済みのものは2023年度頃から外す予定。参考：月刊軍事研究6,’15、9,’15、月刊世界の艦船3,’21、10,’22

＜水上艦航海術科訓練装置＞：海上自衛隊の操艦シミュレータ、略称NAT。1987年に導入計画が出され、1990年3月に第１術科学校で完成し、4月から運用された。艦橋内部、スクリーン、CIC（航海関連機能のみ）、指導室、ブリーフィングルーム、電算機室で構成され、航海模擬用コンピュータ14台、電子補助器材用コンピュータ20台、視界模擬用プロジェクター７台、ブリーフィング用プロジェクター１台が配置されている。はつゆき型護衛艦、しらね型護衛艦、たちかぜ型護衛艦、ちくご型護衛艦の操艦をシミュレートすることができ、外洋や日本各地の海峡・水道、海自基地などの状況を周囲のスクリーンに映し出す。2008年度から改良が加えられており、たかなみ型護衛艦もシミュレートできるようになった他、スクリーンの情景もリアルになったため、揺れが再現されないにも関わらず周りの景色を見ているだけで船酔いになる者もいるという。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜水上観測機＞：艦砲の着弾観測や索敵を主任務とする水上機。遠距離砲戦を行う戦艦や巡洋艦に搭載される。対艦ミサイルの登場で遠距離砲戦が廃れたことや、艦のFCSやヘリコプターが発達したことにより、絶滅した。参考：月刊JWings3,’15

＜水上艦艇徽章＞：海上自衛隊の徽章。艦艇の正面図、錨２本、桜、波などをあしらったデザインである。自衛艦の乗艦経歴が10年を超える者、運航または機関の資格を有し、自衛艦の乗艦経験が４年を超えていて、海上幕僚長が定める者、これと同等の技能を持つと海上幕僚長が認めた者が付ける水上艦艇徽章（銀）と、幹部自衛官として自衛艦の乗艦経歴が４年を超える者が付ける水上艦艇徽章（金）がある。参考：MAMOR vol.62、vol.55、vol.86

＜水上艦艇指揮課程＞：海上自衛隊の教育。艦艇長として必要な知識を教育するもので、海上訓練指導隊が実施する。基礎知識を教える共通課程、大型・小型艦に分かれて操艦実習を行う運航課程、戦闘指揮官としての知識を学ぶ護衛艦課程・機雷艦艇課程の順で２週間ずつ受講する。参考：MAMOR vol.139

＜水上艦用海軍レーザー兵器システム＞：SNLWS（レーザー砲開発計画）を参照。

＜水上艦用機関銃架３形＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜水上艦用ソーナーシステム用初期化プログラムボックス＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜水上艦用手投げ式欺まん体（試験用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究5,’17

＜水上機＞：Seaplane。水上から発着できる飛行機のことで、降着装置兼浮力獲得装置としてフロートを装備するため、下駄履き機とも呼ばれる。理論上は離水滑走距離を無限に取れるため、高ピッチプロペラと高翼面荷重の高速飛行セッティングでも延々滑水して空中に飛び上がることができ、1934年10月23日にイタリアのマッキMC72が最大速度709.209kmを記録した。波の高い外洋では転覆する可能性があるので、海面滑走でなくカタパルトで飛び立ち、着水は収容艦艇の波間で行う。悪天候どころか多少波が荒い程度でも着水不能で運用できなくなるという致命的な欠点があり、1939年には陸上機に最大速度記録を抜かれて性能面でも太刀打ちできなくなり、第２次大戦末期あたりからヘリコプターに役目を譲った。参考：歴史群像2,’05、飛行機のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録、9,’20、11,'22、月刊航空ファン5,’18

＜水上機打撃部隊＞：アメリカ海軍が第２次大戦後に計画した戦略水上機部隊で、SSF（Seaplane Striking Force）と略す。水上機母艦にF2Y水上戦闘機、P6M戦略核爆撃飛行艇、R3Y輸送飛行艇を載せて運用する。SLBMの実用化でお蔵入りになった。参考：月刊JWings10,’15

＜水上機母艦＞：Seaplane Tender。水上機を洋上で支援する艦船のこと。水上機のみならず飛行艇や飛行船を支援することもあり、支援の内容も洋上作戦、移動航空基地、補給・修理・休養、輸送など多岐にわたるため、任務ごとにSeaplane Carrier、Seaplane Depot Ship、Seaplane Transport / Aircraft Carrierなどと呼ばれることもある。黎明は1848年にオーストリア＝ハンガリー帝国で開発された気球搭載艦で、1911年にアメリカ海軍が実用水上機カーチスA-1を採用、イギリス海軍が発艦実験に成功すると各国海軍が開発に乗り出した。1912年、世界初の水上機母艦としてフランス海軍がフードル（水雷母艦からの改造）を完成させた。1914年、イギリスがアーク・ロイヤル（実質的に新造）を就役させた。同年、日本海軍水上機母艦若宮が第１次大戦青島攻略戦に参加し、水上機母艦として初めて実戦参加している。第１次大戦ではイギリス、イタリア、ドイツ、日本、フランス、ロシアが水上機母艦を実戦使用したが、水上機の能力が低く、あまり活躍はできなかった。それでも1915年8月12日にイギリス海軍のベイ・マイ・クリー搭載機が水上機母艦による史上初の撃沈（トルコ商船）を記録している。悪天候時は水上機の離着水ができず役に立たない、水上機の発進・揚収に手間が掛かり脆弱になるといった欠点があり、第１次大戦後は空母の発達で価値が低下したが、島嶼の散在する広海域では有効で、カタパルトも開発され、太平洋戦争では日米両国が多用した。第２次大戦後はアメリカがP5M飛行艇用として使用した他は水上機の衰退と共に廃れ、アメリカでもジェット水上機の開発に失敗して水上機母艦は無くなった。参考：月刊世界の艦船11,’00、日本航空母艦史

　＜水上機母艦（アメリカ海軍）＞：飛行甲板が要らないことや、カタパルトの発明により、積極的に建造すべきとの意見も出たが、第１次大戦に参戦してイギリス海軍の運用状況を分析してみると、発進や収容に時間が掛かる、少しでも海が荒れると着水できないという欠点が露呈しており、水上機母艦は建造せず、第１次大戦では水上機を専ら海岸沿いの基地で運用した。1919年からショームト級敷設艦を改造し、艦隊所属水上機・飛行艇の母艦任務にも使えるようにしたのが始まりで、1923年に気球搭載艦AZ-1ライトを改造して着弾観測用水上機母艦AV-1ライトとしたのがアメリカ初の水上機母艦である。1931年から給炭艦AC-12ジェーソンを水上機母艦に改造。この頃、艦隊給油艦AO-9パトカを洋上哨戒用飛行船母艦（水上機母艦施設も持つ）に改造したこともあったが、飛行船の使用中止で給油艦に戻された。対日戦が現実味を帯びてくると、太平洋の島嶼に水上機や飛行艇の基地を設置することが必要と考えられ、哨戒飛行隊２隊24機を運用できる大型水上機母艦と、１隊12機を運用できる吃水の浅い小型水上機母艦の整備を開始。前者として1936年にAV-3ラングレイが水上機母艦に改造され、1940年にカーティス級が竣工、1944-45年にカリタック級４隻が就役した。また、C-3型戦時標準船の船体を利用した廉価版のタンジャー級（1940-42年４隻就役）とケネス・ホワイティング級も建造した。小型水上機母艦としてはバード級掃海艇改造のラプウイング級、フラッシュ・デッキ型駆逐艦改造のチャイルズ級（1938-40年14隻改造）、新造のバーネガット級（1941-45年31隻竣工）を建造している。参考：月刊世界の艦船11,’00、10,’22

　＜水上機母艦（イギリス海軍）＞：1913年、巡洋艦ハーミーズを水上機母艦に改造してテストを行い、第１次大戦中に水上機母艦アーク・ロイヤルを就役させ、海峡連絡船改造の水上機母艦８隻（カンパニア級など）、拿捕貨物船改造の水上機母艦２隻と共に運用した。第１次大戦終結後は空母建造にシフト。1928年竣工のアルバトロス級水上機母艦はオーストラリア海軍で就役した。第２次大戦勃発後に対潜水上機母艦アセネ級２隻を建造したが、これも護衛空母に任務を取られて航空機輸送にのみ使用された。参考：月刊世界の艦船11,’00

　＜水上機母艦（イタリア海軍）＞：第１次大戦時、貨物船改造のエウローパと巡洋艦改造のエルバを使用した。第１次大戦後は中型客船改造のジュゼッペ・ミラーリア（1927年竣工）を建造し、第２次大戦では戦艦や巡洋艦に搭載する水上機の母艦役を務めた。参考：月刊世界の艦船11,’00

　＜水上機母艦（ドイツ海軍）＞：第１次大戦時に貨客船を改造したアンスヴァルト、サンタ・エレナ、グリントヴルの３隻を投入したが、速力が10-11ノットしかなく、バルト海で沿岸哨戒などに使用した。1918年、貨物船を改造したオスヴァルトが完成したが、こちらも速力10ノットで、潜水艦の護衛などに使われた。軽巡を改造して1918年に竣工したシュツットガルトは24ノットを出せたため、北海で機雷を敷設する艦隊に随伴して航空支援を行った。他に水上機３機を給炭船アデーリネ・フーゴ・シュティネス３に載せ、水上機母艦として使用している。参考：月刊世界の艦船11,’00

　＜水上機母艦（日本海軍）＞：大正2年、運送艦若宮丸に水上機を臨時搭載して演習に使用したのが始まりである。ただ水上機母艦という艦種は無く、二等海防艦扱いのままで、非公式名称は航空母艦または飛行機母艦だった。その後、若宮丸は水上機母艦若宮に改造され、第１次大戦青島攻略戦に参加、世界初の水上機母艦実戦使用国となっている。同時期に運送艦高崎丸も水上機母艦高崎に改造したが、こちらは実戦使用されていない。艦種（類別）は大正9年4月1日に制定された航空母艦に含まれており、大正末期には新造艦が航空母艦でなく特務艦に分類されるようになり、正式に水上機母艦という類別が誕生したのは昭和9年6月1日のことで、軍艦に含まれる。昭和7-8年に神威を給油艦から改造し、若宮・高崎と共に上海事変や日華事変に投入した。また、太平洋で移動航空基地として使えるよう、高速貨物船改造の特設水上機母艦（神川丸級、香久丸級、神奈川丸級、相良丸級、山陽丸級）を配備し、艦隊決戦用として千歳型（昭和13年２隻竣工）、瑞穂型、日進型（昭和17年１隻竣工）を建造した。大型飛行艇母艦としては神威（水上機母艦から昭和14年に改造）、秋津州を就役させ、太平洋戦争を戦っている。戦時中に千歳型が空母に改造された。参考：月刊世界の艦船11,’00、日本航空母艦史、月刊丸3,’14

　＜水上機母艦（フランス海軍）＞：世界初の水上機母艦として1912年にフードルを就役させた。第１次大戦では陸戦に集中したため、1915年にカンピナを改造したに止まり、フードルと共に地中海などに投入している。ただし沿岸哨戒用として水上機2-3機を搭載できる補助水上機母艦を数隻建造した。第１次大戦後はコマンダン・テストを就役させたが第２次大戦ではあまり活躍の場が無く、サン・スースィ級小型水上機母艦４隻は建造中にドイツ軍に接収されてしまった。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜水上機母艦（ロシア海軍）＞：小型飛行艇を搭載して第１次大戦に投入し、貨客船改造のアリツァをバルト海に、巡洋艦改造のアルマーズ、貨物船改造のインペラトール・アレクサンドル�T世級２隻、商船改造のルーミニア級３隻とレゲレ・カロル�T世を黒海に配備、偵察や攻撃任務を実施した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜水上減圧システム＞：SRDRSを参照。

＜水上降下訓練（第１空挺団）＞：第１空挺団が毎年夏に千葉県保田海岸で行っている、海上へのパラシュート降下訓練。CH-47Jヘリからパラシュート降下して海面に着水（直前にパラシュートを切り離して救命胴衣を膨らませる）し、海岸に上陸する。万が一に備えて海上には空挺隊員の乗ったゴムボートが待機している。パラシュートは後で回収して水で洗浄し、再使用する。招待者、住民、海水浴客などが見物しており、地元にとってはイベントの１つである。参考：月刊軍事研究11,’12

＜水上行動群＞：SAGを参照。

＜水上作戦＞：水面（海面・湖面）における水陸両用作戦・機動作戦、河川・運河における渡河・遡江作戦がある。参考：工兵入門

＜水上戦術開発指導隊＞：海上自衛隊の部隊。2020年10月1日、海上訓練指導隊群隷下に新編された。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜水上対機雷戦水中無人艇＞：ナイフフィッシュを参照。

＜水上偵察機（日本海軍）＞：戦艦や重巡の艦載機として偵察や弾着観測を行うのが主任務で、近距離偵察用・弾着観測用の２座と遠距離偵察用の３座がある。大正15年1月、初の３座水偵である一四式水上偵察機を制式化。昭和7年1月、潜水艦搭載用の九一式水上偵察機を制式化。昭和9年5月、九四式水上偵察機を制式採用。昭和10年9月、九五式水上偵察機を制式化。昭和11年、潜水艦用の九六式小型水上偵察機を制式化。夜間触接用の九六式夜間水上偵察機を制式化したが、航続時間が短く量産には至らなかった。昭和12年に航空機種及性能標準が改訂され、洋上の漸減戦法で敵補助艦艇撃破に使えるよう、２座水偵は250kg爆弾による急降下爆撃能力、３座水偵は250kg爆弾による水平爆撃能力を付与することになった。更に九五式水上偵察機が日華事変で空対空戦闘に活躍したのを踏まえ、２座水偵は敵の水上偵察機と空戦ができるよう、固定武装と運動性も付与することになった。しかし要求性能を欲張りすぎたため、後継機（九六式、九八式）の開発が難航し、九五式水上偵察機を延々使う羽目になっている。また、重巡には２座水偵３機と３座水偵１機しか積めないので、対艦攻撃の際に中隊として運用するには１個戦隊４隻分の搭載機を集めて統一指揮官が指揮する方式を取る必要があり、この新たな運用方式の経験を積むのも機体が無いので出来なかった。その上、爆装した水上機を射出できるカタパルトの開発も追いつかなかった。昭和15年、零式三座水上偵察機と零式水上観測機を制式化。12月、潜水艦用の零式小型水上偵察機一一型を制式化。太平洋戦争では艦隊決戦が廃れたため、本来任務よりも対潜哨戒や基地防空などで活躍した。昭和18年、瑞雲を制式化したが、爆装した状態で射出できるのは伊勢型航空戦艦の一式二号射出機一一型だけだった。参考：歴史群像8,’17、月刊JWings8,’06、月刊丸3,'18別冊

＜水上排水量＞：潜水艦が浮上状態にある時の排水量で、吃水線下の総容量に相当する海水重量を示す。参考：現代の潜水艦

＜水上標的予備品＞：自衛隊の機器。ワイマックス製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜水上輸卒隊＞：日本陸軍の輸送部隊。大型輸送船で運ばれてきた弾薬や食糧などを陸揚げしたり、小型船舶に移して更に輸送したりするのが主任務である。参考：陸海軍学校と教育

＜推進効率＞：Propulsive efficiency。プロペラが吸収するエンジン出力のうち、何パーセントが有効な仕事（推力と飛行速度の積）に変換されたかを表す値。推力はプロペラを機体に取り付けた状態で測り、プロペラ後流による機体抵抗増加を差し引いて計算する。よって、プロペラだけを気流中に置いて測定したプロペラ効率よりは数パーセントから十数パーセント低くなる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜推進式プロペラ＞：プッシャー・プロペラを参照。

＜推進軸＞：プロペラシャフトを参照。

＜推進薬＞：ロケット弾などの推進に用いる火薬。発射薬よりも圧力は低く（20MPa以下）、燃焼時間は長く（秒単位以上）、燃焼速度は遅い（毎秒数mmから100mm程度）。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜推進用電源装置（２７ＤＤＧ用）＞：自衛隊の機器。東芝三菱電機産業システム製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜推進用電動装置（５０００トン型護衛艦用）（２５ＤＤ用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究12,’15

＜推進用電動装置（８２００トン型護衛艦用）（２８ＤＤＧ用）＞：自衛隊の機器。東芝三菱電機産業システム機器製。参考：月刊軍事研究7,’18

＜スイスガード＞：バチカン市国を護る、スイス軍傭兵部隊。参考：月刊PANZER9,’04

＜スイス銀行＞：スイスに本拠地のある銀行の総称で、スイス銀行という名前の銀行が実際にある訳ではない。徹底した秘密主義であり、国際金融経済のダークサイドを担っており、顧客名すら表に出ない。ユダヤ人からナチスドイツが没収した金のマネーロンダリングにも利用されたといわれる。参考：月刊PANZER9,’04

＜スイス軍＞：1815年11月20日にパリで署名されたスイス国の永世中立及びその領域の不可侵の承認及び保障に関する議定書（スイス永世中立議定書）で永世中立となった。第２次大戦後はアーミー61を制定、総合国家防衛体制を敷いた。冷戦終結後はアーミー95を制定し、拡張地域防衛に移行、48時間以内に召集される初期動員兵力を60万名から39万6300名に減少させて兵役負担を減らした。軍の他に民間防衛部隊38万人が存在する。2012年、国家サイバー防衛戦略を発行。2015年9月、地上配備防空システムBODLUV2020の主契約社としてタレス・スイス社を選定した。2016年4月18日、計画策定段階で残念な行為があったとして、確認のためBODLUV2020の計画調達準備が中断された。参考：月刊軍事研究3,’97、9,’16、ベーシック条約集2018

　＜スイス軍（１９８９年）＞：職業軍人は3500名。徴兵対象者は18000名ずつ２回に分けて17週間の新兵徴集訓練を受ける。予備役は625000名。陸軍の隷下に水上部隊と航空軍団が置かれている。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜スイス軍（２０１５年）＞：現役総兵力20800名（全て統合軍。職業軍人3350名、徴兵17450名）、予備役148250名（陸軍96900名、空軍23050名、軍兵站組織13400名、司令部支援組織14900名）。軍外組織として民間防衛部隊72900名を擁する。ボスニア・ヘルツェゴヴィナにアルテア作戦要員20名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員３名、インド・パキスタンにUNMOGIPオブザーバー３名、韓国にNNSC士官５名、マリにMINUSMA要員３名、中東にUNTSOオブザーバー15名、モルドバにOSCE要員１名、セルビアにKFOR要員218名・歩兵中隊１個、コソボにOSCE要員１名、南スーダンにUNMISS要員２名とオブザーバー１名、ウクライナにOSCE要員１名、西サハラにMINURSOオブザーバー２名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スイス航空・防空軍＞：国土が狭いので騒音には気を使うが、基地の傍に訓練空域があるので訓練時間は長く取ることができ、練度に問題は無い。1938年、Bf108練習機15機を導入。1939年、Bf109E戦闘機80機、D3800戦闘機、Ju52/3輸送機３機を導入。第二次大戦中には国境を越えてくるドイツ軍機の迎撃にあたっている。1940年5月10日、Bf109戦闘機でドイツ空軍Ju88爆撃機とHe111爆撃機を迎撃。その後１ヶ月でHe111爆撃機２機を撃墜した。6月、Bf110駆逐機の援護を受けたHe111爆撃機が侵入してきたため、Bf109戦闘機で迎撃してBf110駆逐機２機とHe111爆撃機１機を撃墜したが、Bf109C戦闘機１機が撃墜された。また、Bf110駆逐機が32機で国境付近を遊弋したため、Bf109戦闘機22機で迎撃し、３機を撃墜した。1942年、C-3603戦闘機の配備を開始。1943年頃からは被弾損傷したアメリカ爆撃機が不時着しようと飛来するようになったため、スイス空軍は護衛としてBf109戦闘機を飛ばしたが、1944年9月5日にはドイツ機と間違えられてP-51戦闘機に２機が撃墜されてしまった。第二次大戦中にスイスに抑留または撃墜・破壊された機体は、アメリカ軍機が165-167機、ドイツ軍機が29機である。イギリス軍機なども不時着した。抑留されたアメリカ軍パイロットは1516名で、1945年2月17日から5月8日に釈放されたが、1945年2月に376名がヴァウヴィラモース懲罰収容所に送り込まれて酷い扱いを受けている。1948年、P-51D戦闘機130機を配備。1953年、DH112FB.4戦闘機の導入を開始。1958年、ハンターF.58戦闘機の配備を開始。1967年、ミラージュ�VＳ戦闘機36機の導入を開始。1978年、F-5E/F戦闘機の導入を開始。1996年10月、F/A-18戦闘機の導入を開始。2010年から退役が始まるF-5E/F戦闘機の代替として、2008年にF/A-18E/F、JAS39、EF2000、ラファールなどから後継機を選定し、2010-12年に配備する予定だった。しかし軍からのレポート提出が遅れ、2009年10月には政府が後継機導入計画の継続を明らかにしたものの、連邦国防・国民保護・スポーツ省が調達を中止して予算を陸軍に回すと提案するなど混乱し、更に世界同時不況で戦闘機どころではなくなり、後継機選定は先延ばしされた。2011年11月30日にJAS39を22機導入すると発表したが、ダッソーが異議申し立てを行っており、議会で承認されるかも微妙で、国民投票まで行くかも知れない。2012年8月21日、JAS39導入が議会で承認された。2014年2月17日、ハイジャックされたエチオピア航空機がイタリア空軍タイフーン戦闘機とフランス空軍ミラージュ2000戦闘機によりジュネーブ空港に強制着陸させられた際、肝心のスイス空軍機は月曜未明（0400）で業務時間外だったとして、領空に侵入されているのにスクランブル発進しなかった。5月18日、JAS39購入に必要な国債が国民投票で発行できなくなり、導入中止となった。2015年、F-5戦闘機の一部にコクピット付近の亀裂が発見されたため、10機が退役を余儀無くされ、６機が補修を受ける羽目になった。2018年2月14日、F-5E/F戦闘機53機のうち27機を海外に売却することにした。残りはそのまま配備を続ける。2019年1月1日、戦闘機によるアラート任務の時間帯を毎日0600-2200に拡大した。2020年9月27日、F-5E/F戦闘機の後継となる次期戦闘機を選定するAir2030計画が国民投票で承認された。JAS39E、F/A-18E/F、F-35A、ラファール、タイフーンが候補で、30-40機を導入する予定。2021年6月、Air2030計画でF-35A戦闘機36機の導入が決定した。参考：月刊軍事研究11,’08、6,’10、3,’13、8,’14、月刊JWings11,’10、8,’14、11,’14、5,’18、9,’18、12,'20、9,’21、月刊丸12,’10、月刊航空ファン7,’11、2,’12、6,’18、4,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜スイス航空・防空軍（１９７７年）＞：陸軍隷下で、動員時兵力45000名。ハンターF58戦闘攻撃機140機、ベノムFB50戦闘攻撃機150機、ミラージュ�VＳ迎撃機39機、ミラージュ�VRS偵察機16機、Ju52/3m輸送機３機、Do27軽飛行機６機、PC-6ポーター軽飛行機12機、PC-6Bターボポーター軽飛行機６機、ボナンザ軽飛行機３機、アルエート�U／�Vヘリ100機、ピラタスP2練習機49機、ピラタスP3練習機70機、バンパイアFB6戦闘機65機、バンパイアT55練習機35機、ミラージュ�VBS練習機２機、C3605標的曳航機23機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スイス航空・防空軍（１９８９年）＞：陸軍隷下で、動員時兵力60000名（航空基地守備隊含む）。航空旅団１個、飛行連隊３個からなる。ハンターF.58戦闘攻撃機127機、ハンターT.68戦闘攻撃機７機、F-5E戦闘機92機、F-5F戦闘機12機、ミラージュ�VＳ戦闘機30機、ミラージュ�VRS偵察機18機、リアジェット36連絡・救難機２機、PC-6連絡・救難機18機、SA-315ヘリ26機、SA-316ヘリ70機、AS-332ヘリ３機、PC-7練習機40機、バンパイアT.55練習機32機、バンパイアMk6練習機20機（＋保管中40機）、ミラージュ�VBS練習機４機、ピラタスP-3練習機64機、PC-9練習機４機、航空基地旅団１個、スカイガード射撃指揮レーダー＋20mm/35mm高射機関砲、防空旅団１個、ブラッドハウンド地対空ミサイル64基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スイス航空・防空軍（１９９６年）＞：陸軍隷下で、動員時兵力32500名、作戦機153機。隷下に作戦機を運用する第31航空戦闘旅団、航空基地運用及び航空機整備を担当する第32航空基地旅団、防空を担当する第33防空旅団、指揮統制を担当する第34指揮情報旅団、兵器やパイロット支援を実施するFFP35部隊を置く。戦闘序列は旅団、航空連隊、航空団、飛行隊で、戦闘飛行隊の定数は10機である。現役パイロットの飛行時間は年間200-300時間、全パイロットの75%の平均飛行時間は50時間。参考：月刊軍事研究3,’97

＜スイス航空・防空軍（２０１５年）＞：動員時兵力23050名。年間飛行時間200-250時間。F-5E戦闘機42機、F-5F戦闘機12機、F/A-18C戦闘機25機、F/A-18D戦闘機６機、ビーチ350キングエア軽輸送機21機、ビーチ1900D軽輸送機１機、セスナ560XLサイテーション軽輸送機１機、DHC-6軽輸送機１機、PC-6軽輸送機15機、PC-6軽輸送機（民間籍）１機、PC-12軽輸送機（民間籍）１機、ファルコン900EX要人輸送機１機、PC-7CH練習機28機、PC-9練習機９機、PC-21練習機８機、H135M多用途ヘリ20機、AS332M輸送ヘリ15機、AS532UL輸送ヘリ11機、ADS95レンジャー無人偵察機システム４セット16機、AIM-9P/-9X/-120B空対空ミサイル、レイピア牽引式地対空ミサイル、FIM-92A携帯地対空ミサイル、35mm高射機関砲、スカイガード防空レーダーを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スイス陸軍＞：1935年、M1934軽戦車６両を輸入。1938年8月、PzW.39軽戦車の量産を開始。1961年3月、Pz61戦車を発注。1967年、RB53対戦車ミサイルを採用。1971年、Pz68戦車の量産を開始。1970年代にNKPz戦車の開発に入ったが、1979年12月に中止され、M-1とレオパルト２をテストした結果、1983年にレオパルト２（Pz87）の導入を決めた。2011年、政府が兵力を16万名から半分の８万名に削減するとの案を出したが、国民議会が反対して10万名への削減となった。2018年2月14日、要塞砲の廃止が決まった。参考：月刊軍事研究1,’10、3,’12、月刊JWings5,’18

　＜スイス陸軍（１９７７年）＞：動員時兵力58万名で、機械化師団１個、歩兵師団２個、山岳歩兵師団３個、独立歩兵旅団、要塞旅団を編成する。センチュリオン中戦車320両、Pz61中戦車150両、Pz68中戦車170両、AMX13軽戦車200両、M113装甲兵員輸送車1250両、105mm砲、105mm/155mm自走榴弾砲、M109U自走榴弾砲150門、120mm迫撃砲、80mm多連装ロケット、75mm/90mm/105mm対戦車砲、83mm/106mm無反動砲、バンタム対戦車ミサイル、哨戒艇10隻を装備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スイス陸軍（１９８９年）＞：動員時兵力565000名。軍団（機械化師団１個、歩兵師団２個、歩兵連隊１個、自転車連隊１個、地対空ミサイル連隊1個、工兵連隊１個、砲兵大隊１個、ヘリ飛行隊１個、軽飛行機飛行小隊１個からなる）３個、山岳軍団（山岳師団３個、山岳大隊１個、歩兵大隊７個、工兵大隊１個、騎馬輸送大隊５個、ヘリ飛行隊１個からなる）１個、軍団直轄部隊（地域部隊６個、国境旅団11個）、軍直轄部隊（歩兵連隊１個、工兵連隊３個、通信／電子戦大隊３個、空港守備連隊１個、独立空港大隊１個、要塞守備中隊20個）からなる。Pz87レオパルト２戦車130両、Pz55/57センチュリオン戦車150両、Pz61戦車150両、Pz68戦車380両、M-113装甲兵員輸送車1350両、105mm牽引砲モデル35を360門、105mm牽引砲モデル46を468門、M-109U自走砲473門、30連装81mmロケット弾発射機RWK-014、81mm迫撃砲M-33/M-72を2640門、120mm迫撃砲M-64/M-74を110門、ピラーニャ対戦車ミサイル車両（TOW2搭載）６両、B/B-65バンタム対戦車ミサイルランチャー800基、B/B-77ドラゴン対戦車ミサイル、83mmロケットランチャーM-80を5500基、106mm無反動砲M-58を600門、90mm対戦車砲モデル50/57を850門、20mm高射機関砲1700門、35mm機関砲GDF-002を260門、B/L-84レイピア地対空ミサイル60基、アクエイリアス級哨戒ボート11隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スイス陸軍（１９９６年）＞：野戦軍団３個、山岳軍団１個、航空・防空軍で構成されており、北西に第１野戦軍団、北部中央に第２野戦軍団、北東に第４野戦軍団、南に第３山岳軍団が配置されている。野戦軍団隷下には野戦師団（歩兵連隊３個、機甲任務部隊、砲兵連隊。Pz68戦車、M109自走砲を装備し、歩兵連隊の一部にはピラーニャ装甲車が配備されている）２個、機甲旅団（戦車大隊２個、機械化大隊、砲兵大隊、軽防空大隊、工兵大隊。Pz87戦車、M63/89歩兵戦闘車、TOW搭載ピラーニャ、イーグル偵察装甲車、M109自走砲などを装備）、自転車連隊、砲兵連隊、工兵連隊、要塞連隊、通信連隊、地域管区師団（山岳担当。移動用にラバを飼っている）が編成されている。山岳軍団隷下には山岳師団（歩兵連隊２個、砲兵連隊。105mm牽引砲M46/90などを装備）３個、要塞旅団３個、山岳歩兵連隊２個、要塞連隊２個、工兵連隊、地域管区師団、地域管区旅団２個を置く。装備はPz87戦車380両、Pz68戦車186両、Pz68/88戦車186両、Pz61戦車117両、M63/73歩兵戦闘車192両、M63/89歩兵戦闘車315両、M113装甲兵員輸送車836両、ピラーニャ装甲車205両、イーグル偵察装甲車、TOW搭載ピラーニャ装甲車310両、83mm/106mm無反動砲13800門、90mm対戦車砲850門、ドラゴン対戦車ミサイル2700基、105mm牽引式榴弾砲M46が216門、M109A1自走砲393両、M109A1B自走砲165両、アルエート�Vヘリ60機、スカウト／レンジャーUAV、アクエリアス級哨戒艇11隻、バイソン要塞砲システム８基。参考：月刊軍事研究3,’97

＜スイス陸軍（２０１５年）＞：動員時兵力96900名。地域司令部４個、第１旅団（機甲旅団。偵察大隊１個、機甲大隊２個、機甲歩兵大隊２個、自走砲大隊１個、工兵大隊２個、通信大隊１個）、第11旅団（機甲旅団。偵察大隊１個、機甲大隊２個、機甲歩兵大隊２個、歩兵大隊１個、自走砲大隊２個、工兵大隊１個、信号大隊１個）、第２旅団（軽旅団。偵察大隊１個、歩兵大隊４個、自走砲大隊２個、工兵大隊１個、通信大隊１個）、第５旅団（軽旅団。偵察大隊１個、歩兵大隊３個、自走砲大隊２個、工兵大隊１個、通信大隊１個）、第７予備旅団（軽旅団。偵察大隊３個、歩兵大隊３個、山岳歩兵大隊２個、信号大隊１個）、第９旅団（山岳旅団。山岳歩兵大隊５個、自走砲大隊１個、通信大隊１個）、第12旅団（山岳旅団。歩兵大隊２個、山岳歩兵大隊３個、要塞砲兵大隊１個、通信大隊１個）、第10予備旅団（山岳旅団。偵察大隊１個、機甲大隊２個、歩兵大隊３個、山岳歩兵大隊２個、自走砲大隊２個、通信大隊２個）、保安旅団１個、機甲・砲兵訓練ユニット１個、歩兵訓練ユニット１個、工兵・救難訓練ユニット１個、兵站訓練ユニット１個からなる。Pz87戦車134両、イーグル�U偵察車443両、ピラーニャ�VＣ　CBRN偵察車12両、CV9030歩兵戦闘車154両、CV9030CP歩兵戦闘車32両、M113A2装甲車238両、ピラーニャ�U装甲車346両、ピラーニャ�T／�U／�V／�VＣ　CP装甲車330両、155mm自走榴弾砲M109を133両、81mm迫撃砲M72/91を250門、TOW2搭載ピラーニャ�T対戦車車両110両、FIM-92A携帯地対空ミサイル、コディアック装甲工兵車12両、ビュッフェル戦車回収車25両、地雷原処理システム26基、M113A2地雷原処理車20両、哨戒艇11隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スイス連邦＞：面積は４万平方キロメートル。フランス、ドイツ、オーストリアと国境を接し、イタリア遠征路の途中にある。1815年に永世中立国を宣言した。1995年の人口は711万人で、65%以上がドイツ系、18%がフランス系、10%がイタリア系、1%がロマンシュ系である。参考：月刊軍事研究3,’97

＜彗星シリーズ＞：日本海軍複座艦上爆撃機、略符号D4Y、連合軍コードはジュディ（Judy）。蒼龍に搭載され、艦隊決戦に先立って敵艦上機の行動範囲外から侵入（航続距離800海里）し、敵戦闘機よりも速く飛んで（速度280ノット）敵空母をアウトレンジ攻撃するのがコンセプトで、昭和10年度に計画され、ハインケル社に設計を依頼することにした。ただドイツ再軍備の時期に重なって余裕が無さそうだったため、He118の輸入に変更したものの、性能が悪く艦爆として使うのには無理があったため、He118を参考にして国産機を作ることにし、海軍航空技術廠が昭和13年から十三試艦上爆撃機として試作、昭和15年11月15日に初飛行した。日華事変で高速偵察機の必要性が認識されたため、本機を流用することにし、昭和17年7月に二式艦上偵察機として一足先に制式化している。本来の艦爆の方は昭和17年9月に量産型初号機が完成し、11月以降海軍に引き渡され、昭和18年12月21日にD4Y1として制式採用された。本格的な実戦参加はマリアナ沖海戦だが、待ち伏せにあって活躍できずに終わっている。陸上基地に配備されていたものもあったが、整備能力不足によるエンジン不調や電気系統不具合などで稼働率が低下しており、動けるものもアメリカ軍機の空襲で撃破されてしまった。沖縄戦からは特攻にも使用されている。総生産数は2247機（2253機？）で、海軍では零戦、一式陸攻に次ぐ生産数を誇った。小型空母では運用が困難だったため、そちらでは零戦に急降下爆撃用爆弾投下装置を付けたものを使用している。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings5,’03、3,’09、図解日本の空母、月刊丸3,’18別冊、7,’14

　＜十三試艦上爆撃機＞：試作型で、昭和13年から開発された。戦闘機以上の高速を出せるように液冷エンジンを搭載し、主翼を小さく纏め、発着艦の際にはファウラー・フラップとフラッペロンを使用することにした。ダイブブレーキを別に取り付けると抗力が増えるので、フラップ直前の主翼下面にパネル状にして３分割で取り付けている。フラップを下げるとダイブブレーキは上方に引き上げられ、気流を主翼上面にスムーズに流して剥離を防ぐ。油圧装置は当時の日本の技術では油漏れなどの問題があったため、フラップ、ダイブブレーキ、主脚、爆弾倉ドアなどは全て電動にしている。初号機はライセンス生産権取得済みのDB600Gを積み、２号機以降はライセンス交渉が纏まったDB601A（熱田二一型）を搭載して機首形状を変更した。昭和15年11月15日に初飛行し、その後のテストでは高度4750mで時速552kmを記録、爆弾250kgを積んで2590kmを飛行した。国際情勢が逼迫してきたため、九九式艦爆の後継として早期の量産化が望まれたが、性能第一で戦時量産を考えておらず、エンジンの生産体制の整備や、生産性を考慮した細部の設計変更などに手間取り、昭和17年7月に二式艦上偵察機として採用した後、昭和18年12月に漸く彗星一一型としての生産が決定している。テスト飛行での好成績を見て前線から欲しいと言われたため、空技廠が試作４号機を急遽セレベス島のケンダリーに送ったが、液冷エンジンの整備が上手くいかず椰子の木に繋がれた状態になってしまい、本土に送り返すため一式陸攻で空技廠に取りに来て貰う羽目になった。参考：月刊JWings3,’09、7,’19、月刊丸3,'18別冊、陸海軍学校と教育、図解世界の軍用機史

　＜彗星一一型＞：最初の量産型、略符号D4Y1。エンジンの別名AE1Aからワンエーとも呼ばれた。熱田二一型液冷エンジン（DB601Aエンジンのライセンス生産型）を機首に搭載し、高速性及び航続性能に優れたスマートな外形を持つ。プロペラは３翅。主翼をエレベーターぎりぎりの幅とし、折り畳み機構を省略して軽量化した。ただ急降下爆撃に必要な強度を確保すべく主翼外板の内側に波板状の縦通材を取り付ける方式を採用したため、生産に手間が掛かる構造になってしまっている。翼面積は小さいが、翼型を改良して大型のファウラー・フラップを装着し、着艦速度を抑えた。また、３枚分割のダイブブレーキをフラップのヒンジ部分下面を塞ぐように取り付けた。ダイブブレーキを作動させると機首下げモーメントが発生するため、昇降舵のトリム・タブは機首上げになるよう偏向させてある。翼内にはセミインテグラルタンクを設け、燃料搭載スペースを確保。外部兵装を爆弾倉内に搭載することで空気抵抗を増やさないようにしている。エンジン下面のラジエーター後部は機体と一体化するように設計されており、これも空気抵抗を減らす工夫である。左主翼端近くにピトー管を持つ。フラップと車輪の操作は電動式で、油漏れの心配は無くなったが、製造に手がかかり故障が多かった。尾輪は完全引き込み式。全長10.22m、全幅11.5m、全高3.675m、自重2635kg、全備重量3650kg。エンジンは熱田二一型液冷倒立Ｖ型12気筒ガソリン（1200馬力）単発、最大速度552km、実用上昇限度9900m、航続距離1400km。武装は機首上面の7.7mm固定機銃２丁、コクピット後席の7.7mm旋回機銃１丁。爆弾倉内に250kgまたは500kg爆弾１発を、主翼爆弾架に30kgまたは60kg爆弾１発ずつを搭載できる。500kg爆弾は二式五〇番通常爆弾一型を使用するが、特攻に出撃する時には炸薬量の多い五〇番通常爆弾二型を積んでいった。乗員２名（タンデム複座）。愛知航空機で660機が生産された（うち少数が二式艦上偵察機に改造）。参考：月刊JWings5,’03、3,’09、日本海軍の爆弾、月刊丸3,'18別冊、月刊航空ファン2,’20

　＜彗星一二型＞：エンジン強化型、略符号D4Y2。エンジンの別名AE1Pからワンピーとも呼ばれた。彗星一一型のエンジンを熱田三二型に換装したもので、昭和19年10月に制式化された。風防ガラスを変更し、15mm厚防弾ガラスを追加、テレスコピック型二式一号射爆照準器一型を装備している。尾輪は固定式とされた。全長10.22m、全幅11.493m、全高3.63m、自重2635kg（2548kg？）、正規全備重量3835kg（3742kg？）、過荷時総重量4353kg。翼面荷重１平方メートルあたり163kg。エンジンは熱田三二型（離昇出力1400馬力、二速公称1280馬力／高度5000m）単発、最大速度580km、上昇力5000mまで７分40秒、燃料搭載量1540リットル＋300リットル増槽２本、航続距離1517km（正規）／2391km（爆撃時）／3426km（第２過荷重。250kg爆弾１発＋増槽２本）。固定武装は7.7mm機銃２丁。爆弾500kgを搭載可能。乗員２名。参考：月刊丸3,'18別冊、月刊JWings5,’03、月刊航空ファン2,’20

　＜彗星一二甲型＞：武装強化型、略符号D4Y2a。彗星一二型の後方旋回機銃を二式十三粍旋回機銃に換えたもの。参考：月刊JWings5,’03

　＜彗星一二戊型＞：対爆撃機用夜間戦闘機型、略符号D4Y2-S。胴体後上方に九九式二〇粍二号固定機銃四型を斜め銃として追加搭載し、後方旋回機銃を廃止した。キャノピー後部は金属板で覆い、着艦フックは外している。高々度性能が低かったため、あまり活躍できなかったが、敵機９機を撃墜破した機もあった。参考：月刊JWings5,’03

　＜彗星二一型＞：略符号D4Y1改。彗星一一型をカタパルト射出可能としたもので、伊勢型航空戦艦の搭載機として開発され、昭和19年3月に制式採用された。フラップを二段式として射出後の沈下を防いでいる。改造の際にエンジンも熱田三二型に換装したため、実質的に彗星二二型と同じ仕様で完成した。参考：月刊JWings5,’03、月刊丸5,’13

　＜彗星二二型＞：略符号D4Y2改。彗星一二型をカタパルト射出可能としたもの。伊勢型航空戦艦の搭載機として開発され、昭和19年10月に制式化された。参考：月刊JWings5,’03、月刊丸7,’14

　＜彗星二二甲型＞：武装強化型、略符号D4Y2a改。彗星二二型の後方旋回機銃を13mmに強化したもの。参考：月刊JWings5,’03

　＜彗星三三型＞：略符号D4Y3。液冷エンジンの生産遅延・整備困難を受け、エンジンを空冷の金星六二型に換装したもの。最大速度が少し低下したが、信頼性と生産性が向上したため、昭和19年12月に制式採用された。機首形状を変更し、垂直尾翼を大型化、アレスティング・フックを撤去し、後方旋回機銃を一式七粍九旋回機銃に換装した。全長10.237m、全幅11.5m、全高3.74m、自重2470kg、最大重量3750kg。エンジンは金星六二型（1190馬力）単発、最大速度574km、航続距離2889km（1520km？）。両主翼パイロンに250kg爆弾各１発を搭載可能。乗員２名。量産は昭和19年8月に始まっており、愛知航空機だけで彗星三三甲型含め536機が生産され、主に基地航空隊に配備された。参考：月刊JWings5,’03、第二次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本航空母艦史

　＜彗星三三甲型＞：略符号D4Y3a。彗星三三型の旋回機銃を二式十三粍旋回機銃に換装したもの。旋回機銃の代わりに20mm機関砲を斜め銃として搭載した夜間戦闘機型も存在する（制式名は付けられず）。参考：月刊JWings5,’03

　＜彗星四三型＞：略符号D4Y4。神風特攻用として爆弾倉内に800kg爆弾を搭載できるようにしたもので、その際には爆弾倉扉を外す。旋回機銃と帰投方位測定器は廃止され、操縦席と燃料タンクに防弾鋼板が追加された。機首下面に離陸促進用噴進器２基、後部胴体下面に加速退避用噴進器（特攻時に追撃機を振り切る）３基を装備可能となった。一部に単座のもの、退避用噴進器を２基に減らしたもの、射爆照準器を単純なものに換えたもの、固定機銃も廃止したものなどがある。愛知航空機で296機が生産され、ほぼ特攻に使用された。参考：月刊JWings5,’03、3,’09、月刊丸3,'18別冊

＜彗星ファミリー＞

　＜二式艦上偵察機一一型＞：艦上偵察機型、略符号D4Y1-C。前線部隊では彗星と呼ばれる事も多かった。日華事変で強行偵察が行える高速偵察機の必要性が判明したため、艦爆型より先に開発・配備を進めたものである。二式陸上偵察機と区別するため艦上偵察機の名称が付いているが、空母航空隊だけでなく基地航空隊での運用も当初から見込んでいた。形状は艦爆そのままで、胴体下面に航空カメラを装備しており、艦爆にも転用できる。主要下面に330リットル増槽を搭載可能。全長10.22m、全幅11.493m、自重2440kg、過荷時総重量3870kg。エンジンは熱田二一型（離昇出力1200馬力）単発、最大速度580km、上昇力3000mまで５分45秒、航続距離1519km、航続時間８時間（増槽あり）。武装は7.7mm固定機銃２丁（機首）、7.7mm旋回機銃１丁。照準器は九八式射爆照準器（二式一号一型に換装したものもある）。乗員２名（操縦員、偵察員）。彗星の試作型と初期量産型の少数が改造された。彗星試作２号機（４号機？）を改造したものは昭和17年に南方戦線に送られ第３航空隊に配備されたが、冷却液漏れやインテグラル・タンクからの燃料漏れで活躍できなかった。彗星試作３・４号機（２・３号機？）を改造したものはミッドウェイ海戦に参加したが、母艦の蒼龍が撃沈されて失われた。昭和17年7月に制式化され、昭和17年末に横須賀航空隊に５機が送られてテストが行われ、最初の３機は瑞鶴に配備された。昭和18年4月からは第151航空隊を皮切りに基地航空隊への配備が始まっている。参考：月刊JWings5,’03、月刊航空ファン6,’16、月刊丸3,'18別冊

　＜二式艦上偵察機一二型＞：略符号D4Y2-C（後にD4Y2-R）。彗星一二型を偵察機に改造したもので、昭和19年11月に制式採用された。エンジンは熱田三二型、最大速度313ノット・580km。参考：月刊JWings5,’03、月刊丸3,'18別冊

　＜二式艦上偵察機一二甲型＞：略符号D4Y2-Ca（後にD4Y2-Ra）。二式艦上偵察機一二型の後方旋回機銃を13mmに強化したもの。参考：月刊JWings5,’03

＜瑞星シリーズ＞：日本海軍の航空機用エンジン、略号MK2。金星四型のストロークを20mm短縮した小型版で、三菱重工が開発し、昭和11年7月に初号基が完成、各型計12795基が量産され、昭和13年から搭載された。陸軍も九九式九〇〇馬力発動機ハ二六として採用した。参考：月刊丸3,'18別冊、10,’93、1,’17別冊、月刊JWings7,’23

　＜瑞星一一型＞：空冷複列星形14気筒ガソリンエンジン。全長1.392m、直径1.118m、重量526kg。ボア140mm、ストローク130mm、圧縮比７、総排気量28020cc。減速比0.688。離昇出力940馬力（回転数2650rpm、ブースト圧160mmHg）、公称出力950馬力（回転数2600rpm、ブースト圧120mmHg、高度2300m）。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜瑞星一二型＞：出力870馬力。九四式二号水上偵察機に搭載された。参考：月刊JWings7,’23

　＜瑞星一三型＞：出力875馬力。零式水上観測機シリーズに搭載された。参考：月刊丸3,'18別冊

　＜瑞星二一型＞：全長1.46m、直径1.118m、重量565kg。ボア140mm、ストローク130mm、圧縮比７。減速比0.625。離昇出力1080馬力（回転数2700rpm、ブースト圧270mmHg）、公称出力1055馬力（回転数2600rpm、ブースト圧180mmHg、高度2800m）。参考：月刊丸3,'18別冊

＜すいせん＞：LSSL-449（警備艇）を参照。

＜水船＞：水船を参照。

＜垂線間長＞：船首垂線（満載吃水線と船首材前面の交点）から船尾垂線（舵軸）までの水平距離のこと。参考：図解雑学　船のしくみ

＜水戦教＞：西部方面普通科連隊教育隊を参照。

＜水線長＞：吃水線が船首と船尾で交わる位置の水平距離のこと。参考：図解船の科学、図解雑学　船のしくみ

＜水素＞：重量当たりのエネルギーはジェット燃料の３倍だが、密度が低いため容積当たりのエネルギーは低く、ジェット燃料と同じ航続距離を出すのに４倍の容積の燃料タンクが要る。また、液体水素の沸点はマイナス252.6度と極端に低いため貯蔵が難しく、燃料タンク形状を表面積の少ない球形にする必要性があるので主翼内に燃料タンクを搭載できず、燃料タンクそのものも水素と反応して脆弱化してしまう。ただ漏れた場合には瞬時に拡散するため、爆発の危険性はそれほど大きくないといわれる。参考：月刊軍事研究3,’08

＜水葬＞：Burial at sea、Buriakl service at sea。西洋の風習で、遺体に悪魔が乗り移って船を沈めるという迷信があったことから、陸まで持ち帰らずに船上ですぐ葬礼を行ったものである。霊魂が戻ってこないよう遺体は足を先にして運び、悪魔を追い払うために銃を撃つ。参考：海軍こぼれ話

　＜水葬（海上自衛隊）＞：隊員の分限、服務等に関する訓令第21条に規定がある。艦船が公海にあり、死亡後24時間を経過し（伝染病による場合を除く）、衛生上死体を艦船内に保存することができず（死体を乗せた艦船の入港を禁じた港に緊急入港しなければならないといった正当な事由がある場合は保存可能でも水葬可）、医師が乗艦している場合は死亡診断書または死体検案書を作成済みで、伝染病による場合は十分な消毒を行った場合に、艦船の長が水葬を行う事ができる。その場合には死体が浮上しないよう適当な処置を講じ、遺族のためなるべく本人の写真を撮影、遺髪など遺品となるものを保管し、相当の儀礼を行う。参考：隊員の分限、服務等に関する訓令

＜水葬（日本海軍）＞：棺を軍艦旗で覆い、錘として錨鎖を取り付け、ラッパ譜と弔銃３斉射の後に「柩を淵に送れ」の号令詞で辷り板に載せ、海中に辷り落とす。遺体を運ぶ時や柩を投入する際は、足を先にする。航海日誌には水葬の日時と柩の投入点の緯度経度を記入する。参考：海軍こぼれ話

＜水槽付消防自動車＞：航空自衛隊の基地内施設用消防車U-FF3HJAA（改）。４輪消防車に放水銃や梯子を追加したものである。全長7.275m、全幅2.45m、全高3.1m、車重6.99トン。エンジンはHO7D型直列６気筒ディーゼル（総排気量7412cc、出力195馬力）、トランスミッションはDDM型（前進６段、後進１段）、最大速度105km、燃料タンク容量115リットル。最大積載量2.5トン。水槽容量1500リットル。乗員７名。ジーエムいちはら工業製。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究12,’09

＜水槽付消防自動車１形＞：自衛隊の車両。ジーエムいちはら工業製。参考：月刊軍事研究5,’13

＜水槽付消防自動車用シャシ＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜水槽付消防自動車用シャシ３ｍ級＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究9,’13

＜水槽付消防自動車用シャシ（１６００Ｌ積載用）＞：自衛隊の車両。日野自動車または三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究9,’10、10,’10

＜水素エンジン＞：ガソリンの代わりに水素を利用するエンジンで、基本構造は２サイクルエンジンである。資源が尽きる心配が無く、燃やしても水になるだけのクリーンエネルギーだが、水素を得るための電気分解・熱分解コストが高いこと、液体水素貯蔵用の断熱タンクも高価なことが欠点。同じ重量ならジェット燃料の３倍の出力を出せるため、極超音速機として液体水素航空機（Liquid Hydrogen aircraft）が検討されたが、コスト、極低温貯蔵、ハイドロジェン・アタック（水素による材料破壊現象）といった問題があり、実用化されていない。石油代替燃料としても合成石油かバイオ燃料を使う方が楽。参考：自動車メカニズム図鑑、航空用語事典増補改訂版

＜水素缶車＞：日本陸軍の気球器材。参考：工兵入門

＜水測員（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の砲雷科員。ソナーを運用するのが主任務である。参考：MAMOR vol.148

＜推測航法＞：Dead-reckoning navigation。自速、風速、偏流、気圧などを計算して自位置を割り出し、航行すること。目印の無い洋上や、悪天候で地文航法が行えない時に使用する。敵機に遭遇して逃げ回っている間もある程度きちんと計算しておかないと、せっかく逃げ切れても基地に戻れず燃料切れになってしまう。単座艦上機パイロットの場合、頭の中で自機の飛行経路に加えて空母の位置も計算しておく必要があった。精度の高い慣性航法装置の登場で、かなり誤差の少ない推測航法が可能となっている。参考：海軍よもやま物語、月刊世界の艦船9,’12増刊、月刊軍事研究7,’14、航空用語事典増補改訂版

＜水素爆弾＞：重水素・三重水素の核融合反応を利用した爆弾で、核融合兵器（Fusion weapon）とも呼ばれ、超高熱により反応を起こさせるので熱核兵器（Thermonuclear weapon）や熱核融合兵器とも称される。まず原爆を炸裂させ、そのエネルギーを重水素化リチウムにぶつけて核融合反応を起こす。最初は液体水素を使った重水素＋三重水素の湿式水爆を使ったが、装置が大がかりになりすぎるのと液体水素の保存管理が面倒なので、リチウム６（核融合の際に中性子を吸収してリチウム７になる）を重水素や三重水素と化合させて固体化（白色粉末結晶）した乾式水爆が開発された。重量あたりの発生エネルギーは原爆の6.5倍あり、原爆のような臨界量が無いので、かつてソ連が実験した58メガトンなどという凄まじい破壊力を持たせることができる。参考：戦争がやってくる、月刊軍事研究3,’16、核兵器図鑑

　＜古典的水爆＞：古典的スーパーともいう。原爆の中や周囲に核融合燃料を配置して核融合を起こさせようとするタイプの水素爆弾。高温高圧状態を保つためタンパーを分厚く作ってあるが、原爆の威力にはとても対抗できるものではなく、核融合が起こる温度や圧力に達する前に核融合燃料が吹き飛んでしまうので、実際にはこの方法で水素爆弾を作ることはできず、単にブースターの役目を果たすのみである。参考：月刊軍事研究8,’99、核兵器事典、アメリカの核兵器

　＜段階的放射線爆縮爆弾＞：アメリカのエドワード・テラー博士（ハンガリー生まれ）とスタニスラフ・ユーラム博士（ポーランド生まれ）が発見した理論により完成した水爆で、開発者の名前をとってテラー・ユーラム配置（Teller-Ulam design）ともいう。メカニズムから3F（フィッション・フュージョン・フィッション）爆弾とも呼ばれ、1951年3月に理論が完成し、アメリカのハワード・モーランド氏がプログレッシブ誌の1979年2月号と12月号に掲載した。ブースター型原爆と核融合燃料を１本の円筒状鋼鉄製爆弾ケースの両端に離して配置し、原爆が超臨界に達した100万分の１秒後（まだ炸裂はしていない）に光の速度で発せられる強烈なγ線をフォグバンクと呼ばれる発泡スチロール様の充填剤に吸収させて超高温高圧（１兆気圧）の炭素／水素プラズマ・ガスを発生させ、これで核融合燃料を爆縮する。この原爆部分をプライマリーという。核融合燃料は天然ウランU238の円筒内に入っており、中心にはスパーク・プラグと名付けられた細長い円筒状のプルトニウムPu239が挿入されている。爆縮を受けると、核融合燃料中央のプルトニウムも核分裂連鎖反応を起こし、核融合燃料が外と中から圧縮加熱され、核融合に必要なローソン条件（温度１億度、密度と閉じこめ時間の積が100兆以上）を超え、熱核融合反応を引き起こす。この核融合部分をセカンダリーという。核融合燃料は重水素化リチウム６で、まずリチウム６にスパーク・プラグから発生した中性子が衝突してヘリウム４と三重水素が発生、その三重水素と重水素が核融合を起こす。セカンダリーをウラン235やウラン238で囲んでおく（プッシャーという）と、核融合によって生じる高速中性子により核分裂反応が起き、更に強力なエネルギーが放出される。ただしプッシャーが大量の放射性物質を生じるため、後に別材料に変更した。セカンダリーを何段も設けることが可能で、威力に制限は無い。プログレッシブ誌ではプライマリー部分はインプローシブ型原爆を使用すると解説されているが、爆縮用炸薬の炸裂により発生したガスがγ線を吸収してしまうため、ガンバレル式を使って水爆装置の外からウラン235の片割れを撃ち込む方が確実であり、実際プライマリーの核分裂物質としてはウラン235しか使われていないらしい。また、爆弾ケースも鋼鉄でなくウラン238製とし、核融合で生じた高速中性子によりウラン238も核分裂させて威力を増大させているとみられる。このように炸裂には複雑なメカニズムが必要なため、外部から衝撃や爆薬などで誘爆させたりすることは不可能。威力の技術的限界は重量１トンあたり16メガトンといわれ、アメリカでは1960年代初めに１トンあたり４メガトン、1980年代半ばに１トンあたり8-10メガトンの威力があった。威力を大きくしても効果は正比例しないので、威力は数百キロトンから数メガトンに抑え、軽量化と小型化を図っている。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究3,’16、8,’99、5,’13、8,‘05、10,’09、核兵器事典

＜水素爆弾の威力＞：核兵器の威力を参照。

＜帥第三四二一三＞：飛行第244戦隊を参照。

＜帥第三四二一七＞：飛行第111戦隊を参照。

＜帥第三四二一八＞：飛行第112戦隊を参照。

＜吹田事件＞：朝鮮戦争中の1952年夏、大阪府吹田市及び豊中市で共産党及び在日朝鮮人組織が主導して発生したアメリカ軍軍需品輸送阻止闘争で、900人がアメリカ軍施設や車両を火炎瓶で攻撃した。参考：月刊軍事研究3,’09

＜水中音響信号＞：SUSを参照。

＜水中貫通ミサイル発射機＞：WPMLを参照。

＜水中機雷１型改２＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究3,’12

＜水中グライダー型無人航走体＞：技術研究本部艦艇装備研究所動力推進研究室が開発しているUUV。海に投下されると本体内に海水を注入し、自重により前進しつつ潜航を開始する。ある程度まで潜ったら今度は排水を行い、浮上しながら水中航行を続ける。旋回は内蔵された錘を移動して本体を傾けることにより行う。これを繰り返すことにより、プロペラなどの推進装置を使わずにエネルギーの消費を抑えつつ数週間から数ヶ月に亘り水中航行することが可能で、センサーを搭載して潜水艦の音響情報を獲得し、適宜海面に浮上してデータを送信する。音波発信装置を積んでおけば、アクティブ音源として使用可能。本体はFRPや人工木材など安価な素材で作る。まず全長0.72m、幅0.96m、高さ0.259mの全翼機形状で後部に高さ0.16mの垂直尾翼を持つ模型を製作し、水槽での滑走試験を行い、成功裏に終了した。同様の形状で一回り大きい海面試験機は全長1.2m、全幅1.6m、重量95kgで、2012年度に完成し、駿河湾でテストを実施、最大潜航深度50m・巡航深度5-15mを記録した。巡航速力は1.5ノットの予定。翼面に太陽光電池パネルを張り付けて航続時間を更に延伸する計画も進行中。参考：朝雲、月刊軍事研究4,’14、5,’15、MAMOR vol.91

＜水中航走体＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜水中作戦＞：水中で行われる戦闘や作戦行動のことで、フロッグマン（特殊作戦ダイバー）が偵察、破壊工作、機雷掃討、沿岸障害物除去などを行うものである。参考：歴史群像10,’04

＜水中雑音分析装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜水中充電装置＞：日本海軍のシュノーケル。４ノット前後で低速航行しながら充電できる。ただし元々の充電能力が低い艦では航走困難だった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜水中処分員＞：海上自衛隊の水中爆発物処理員、略称EOD（Explosive Ordnance Disposal diver）。掃海艇や水中処分隊に配属され、機雷掃討などを行う。志願制であり、学生の身体適性検査では鼻腔・副鼻腔疾患検査が追加されており、呼吸停止時間50秒以上、耐圧能力50ポンド／平方インチ（3.52kg／平方センチ）、肺活量3500cc以上、通常泳ぎ300m以上、潜水泳ぎ23m以上、４回以内の浮上呼吸で38m以上、水深3mから水中重量10ポンド（4.54kg）の錘引き揚げ可能、ヒレを使用して水中重量10ポンド（4.54kg）の錘を付けて23m以上泳げる、といった条件をクリアしなければならない。教育は第１術科学校で実施され、1972年当時はスキューバ課程５週間（深度20mでのスキューバ水中作業）、潜水課程14週間（深度40mでのスキューバ潜水作業、深度55mでの軟式潜水器作業）、水中処分課程10週間の教育、2009年では開式スキューバ課程７週間、潜水課程14週間、水中処分課程12週間の教育を終えて処分員となり、掃海艇第１分隊や水中処分隊に配属される。開式スキューバ（市販品。感応機雷に反応しないようアルミタンクを使う。水中で素早く動けるよう、浮力ジャケットは着けない）や、半閉式スキューバ（SCA2型、後にSIVA VIPER。重量23kg。呼気から炭酸ガスを除去して酸素と窒素を加えて吸気に回す。呼気時に泡や音があまり出ない）を装備し、支援船、ボート、ヘリコプターから海に降り、ハンドソナーの音を水中ヘッドホンで聴き、磁気探知機も併用しながら機雷を探す。発見した機雷は爆薬を取り付けて誘爆させたり、起爆装置のみを吹き飛ばして本体を回収したりする。掃海艇には処分士以下４名が配員されており、２名ずつ２チームを構成、掃海艇のセンサーで機雷らしきものを発見すると１チームが潜って確認と敷設状況などの情報収集を行い、もう１チームが爆破器材を持って処分を行う。波で海岸近くに上がってくる不発弾や日本軍遺棄弾薬を回収する作業も担当する。陸上でEOD-8防爆衣を着用して任務にあたることもある。参考：MORIBITO Vol.3、月刊丸11,’72、月刊世界の艦船10,’15、ペルシャ湾の軍艦旗、MAMOR vol.151

＜水中処分隊＞：海上自衛隊の水中爆発物処理部隊。大湊（1977年新編）、舞鶴（1977年新編）、横須賀（1961年新編）、呉（1967年新編）、佐世保（1977年新編）、沖縄水中処分隊（1977年新編）がある。主任務は機雷その他海上における危険物の探知処分、水中爆発物や不発弾の処理、水中器材調査、水中処分隊に配属される支援船の管理運用、海難事故救難協力など。トップは水中処分隊長である。1966年2月の羽田空港沖航空機事故、11月の松山空港沖航空機事故では民生協力を行い、犠牲者引き揚げなどを実施した。参考：MORIBITO Vol.3、基地隊の編制に関する訓令、月刊丸11,’09、MAMOR Vol.42

＜水中処分母船＞：海上自衛隊第２種支援船、船種記号YDT（Yard Diving Tenders）。掃海艇改造の特務船で済ませていた水中処分母船（YAS）を代替する新造船である。EOD支援室、水中処分具格納スペース、処分艇、潜水器材、ダイバーステージなどを持つ。参考：月刊世界の艦船1,’11、3,’00、MAMOR vol.160

＜水中処分母船１号＞：YDT01を参照。

＜水中処分母船１号型＞：海上自衛隊水中処分母船、別名300トン型。主任務は潜水作業と爆発物揚収作業の支援である。鋼製で、船型は長船首楼型、ナックルラインとビルジ・キールを持つ。船内配置は潜水支援作業を効率的に行えるよう工夫されており、潜水病治療用の再圧タンクも持つ。艦橋は全周回廊式として作業時の視界を十分確保できるようにした。後部作業甲板には２トン中折式クレーンを持つ。科員居住区は男女別。全長46m、幅8.6m、吃水2.2m、基準排水量309トン。主機は新潟6NSDL型ディーゼル２基、出力1500馬力、３翅固定ピッチプロペラ２軸推進、速力15ノット。航海レーダー、OXX-1B海底調査装置、水中処分隊支援設備を搭載する。乗員15名＋水中処分員15名。YDT01水中処分母船１号、YDT02水中処分母船２号、YDT03水中処分母船３号などが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’00、6,’01、MAMOR vol.42、vol.160

＜水中処分母船２号＞：YDT02を参照。

＜水中処分母船３号＞：YDT03を参照。

＜水中処分母船４号＞：YDT04を参照。

＜水中処分母船５号＞：YDT05を参照。

＜水中処分母船６号＞：YDT06を参照。

＜水中騒音＞：ノイズを参照。

＜水中弾＞：海上砲撃戦で、目標の手前に落下して安定弾道で水中を進む弾丸のこと。装甲の薄い舷側水線下を直撃するため、大きな損害を与えることができる。大正13年（1924年）に日本海軍が戦艦土佐を標的とした射撃実験で発見し、この事実を厳重に秘匿、水中弾防御用の装甲や、水中弾となるように設計された砲弾（平頭弾）を開発した。アメリカ海軍もサウス・ダコタ級から水中弾に対する装甲を装甲している。参考：近代戦艦史

＜水中探信儀＞：アクティブソナーを参照。

＜水中聴音機＞：パッシブソナーを参照。

＜水中聴音装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜水中聴音装置（水中局）＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜水中聴音装置（陸上局）＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜水中出入り室＞：LOLICを参照。

＜水中電界＞：UEP（Underwater Electric Potential）と略す。海水（電解質）と船体・プロペラ（金属）の間で発生する電流や、艦船内部の異なる金属間で発生する電流、艦船の防蝕装置の電流により、水中に発生する電界のこと。電界機雷の信管や、浅海域での潜水艦探知法として注目されている。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜水中電界機雷＞：電界機雷を参照。

＜水中電話＞：潜水艦と潜水艦・水上艦・航空機（水中電話ブイなどを介する）との水中通信に使用される手段。音声信号を搬送音波に乗せて水中に送信し、受信者が音声信号に戻して通話する。音声信号にノイズが多かったりする場合にはモールス信号を使う。搬送波の波長が短めなので送受信アレイは小型で済み、船体による死角をカバーするため船体上下に設置したり、潜舵に仕込んだりする。使用周波数は西側諸国では搬送波8-42kHz、音声バンド幅0.3-3kHz。参考：月刊世界の艦船1,’17

＜水中特攻＞：特攻を参照。

＜水中排水量＞：潜水艦が潜航状態の総容量に相当する海水重量。参考：現代の潜水艦

＜水中破壊筒＞：日本陸軍の爆破器材。水陸両用作戦や渡河作戦で敵の敷設した水際障害物を破壊するための爆薬搭載無人ボートである。本体はブリキ製で、底部に爆薬が装着されている。推進は噴進筒２基で、電気点火装置により点火すると秒速6mで200mほど一気に直進し、船底の止棒により障害の地点で停止、爆発して通路を開設する。昭和13年頃から開発し、応急機材として完成、制式化に向け改良型を開発中に終戦となった。参考：工兵入門

＜水中爆破大隊＞：台湾海軍の機雷処理部隊兼特殊部隊。本部は左営海軍基地にあり、隷下に機雷処理中隊と爆破中隊を置く。主任務は機雷処理中隊が上陸作戦時の海中障害処理（水深6mまでの機雷などを処理する）、爆破中隊が潜水艦から敵地に侵入しての破壊工作であり、SEALに似た性格を持つ。参考：月刊軍事研究4,’07

＜水中発音弾＞：自衛隊の火工品。中国化薬製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜水中発射管システム＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜水中発射長射程ミサイルシステム＞：トライデント・シリーズ（SLBM）を参照。

＜水中発進無人機＞：UL-UAVを参照。

＜水中溶断器＞：日本陸軍の器材。参考：工兵入門

＜水中翼船＞：Hydrofoile。水面下の翼で揚力（動的浮力）を発生させ、船体を水面上に持ち上げて航行する船。水中翼や支柱部分にしか抵抗がかからないので、高速航行が可能となる。水の密度は空気の800倍あるので、小型の水中翼でも大きな揚力を発生させることができる。船体航行時には低速しか出せず、速力域に差がありすぎて運用しづらいという欠点がある。また、水中翼から発生するキャビテーションの問題から速力は50ノット強が限界だが、これを解決できれば80ノットくらいまで行ける。1881年に最初の実験が行われたが、二乗三乗の法則に耐えうる船体の軽量化（1970年代の技術でも排水量300トンくらいが限界）や、補助翼の制御技術に難があり、実用化は1960年代以降となった。参考：図解船の科学、図解雑学　船のしくみ、日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船7,’11

　＜水面貫通翼型水中翼船＞：Surface piercing foil type。船底左右に水面を斜めに切る形で水中翼を設けたもの。船体が傾くと、そちらの水中翼が水中に沈み込むので揚力が増え、姿勢が元に戻る。波の影響をもろに喰らうという欠点があり、軍用としては使われていない。参考：日本の防衛戦力Part3、図解雑学　船のしくみ

　＜全没翼型水中翼船＞：Fully submerged foil type。水中翼全体を水中に沈めたタイプ。抵抗が殆ど発生せず、波からの力も受けにくく、荒れた海での安定した高速航行が可能である。しかし船体が傾いても復元力が発生しないので、コンピュータ制御の補助翼により姿勢を制御して倒れなくする必要がある。参考：日本の防衛戦力Part3、図解雑学　船のしくみ

＜水中雷管１型改２型＞：自衛隊の雷管。石川製作所製。参考：月刊軍事研究11,’07

＜垂直安定板＞：Vertical stabilizer。ローリングとヨーイングを抑制して機体を進行方向と水平に保つ（方向安定・風見安定）ための安定板で、垂直尾翼を構成することが多い。風見鶏の尾の部分である。機体が傾くと片側に風圧がかかり、機体を水平方向に戻そうとするモーメントを発生させる。ラダー（時に後部胴体）にも方向安定作用があるので、垂直安定板を廃止した機も登場したが、フラットスピンに陥りやすいといった欠点が判明し、以降は垂直安定板が大型化、更にドーサルフィンも追加するようになった。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録、5,’18

＜垂直鎖栓式閉鎖機＞：閉鎖機を参照。

＜垂直ジャイロ＞：Vertical gyro。回転軸が垂直な自由ジャイロ。ジンバル２個の直交電解液水準器でトルク電動機を作動させて歳差運動を起こし、ジャイロ回転軸の変位を検知して常に垂直位置に戻すようにしている。航空機の縦揺れ角・横揺れ角の検出に使用する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜垂直衝撃波＞：Normal shock wave。流れに直行する波面を形成する衝撃波のこと。流れの速さは衝撃波前方では超音速だが、後方では減速して常に亜音速になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜垂直速度計＞：昇降計を参照。

＜垂直発射型アスロック＞：アスロック・シリーズ（対潜ロケット）を参照。

＜垂直発射型シースパロー＞：RIM-7シリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜垂直発射システム＞：VLSを参照。

＜垂直発射用プログラム＞：自衛隊の機器。米海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜垂直反転＞：機体を垂直上昇させ、速度がゼロになったところでラダーを切って急降下に移る機動。水平面で殆ど機を移動させずに飛行方向を変えられるが、失速後機動能力に優れる機体でないと操縦不能になる。参考：図解現代の航空戦

＜垂直尾翼＞：Vertical tail、Fin and rudder。航空機の方向安定性を制御し、方向操縦を行うため、機体尾部に垂直方向に取り付けられた翼で、垂直安定板と方向舵からなる。２枚に分けたり（双垂直尾翼）、傾けて取り付けたり（Ｖ型尾翼）することもある。参考：月刊JWings12,’06、航空用語事典増補改訂版

＜垂直尾翼容積＞：Vertical tail volume（Vv）。垂直尾翼面積と全機重心位置から垂直尾翼空力中心までの距離の積を、主翼面積と主翼空力平均翼弦の積で割ったもので、方向安定の目安となる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜垂直風洞＞：風洞を参照。

＜垂直偏波＞：偏波を参照。

＜垂直補給＞：VERTREPを参照。

＜垂直面覆域図＞：Vertical coverage chart。レーダー覆域を示す図の１つで、縦軸に高度、横軸に距離を取って二次元表示したものである。横軸には計算が簡単なスラントレンジを取ることが多い。参考：レーダの基礎

＜垂直離着陸機＞：VTOL機を参照。

＜垂直離着陸先進型無人機システム＞：VARIOUSを参照。

＜スイッチブレード＞：Kh-35（艦対艦ミサイル）を参照。

＜スイッチブレード＞：アメリカ海兵隊試作無人機Switchblade（飛び出しナイフ）。エアロバイロンメント社が開発した。重量2kg。推進は電動モーター。兵士が背負える手軽さで、アフガニスタン戦に投入された。潜水艦から使い捨て発射容器に詰めて潜望鏡深度で射出する試験が2010年に実施されており、2013年1月には複数の水上目標の追尾に成功、ブラックウイングとして実用化された。少量の爆薬を積んで対人攻撃用カミカゼ・ドローンにする戦術を検討中。参考：月刊世界の艦船6,’13、5,’18、朝雲

＜スイッチブレード無人機・海外シリーズ＞

＜スイッチブレード３００（ウクライナ軍）＞：ウクライナ軍徘徊型兵器。ウクライナ戦争勃発を受け、2022年3月にアメリカが供与を決定した。参考：月刊JWings7,’22

＜スイッチブレード６００（ウクライナ軍）＞：ウクライナ軍徘徊型兵器。ウクライナ戦争勃発を受け、2022年3月にアメリカが供与を決定した。機首下面に電子光学センサー、機首下面に矩形翼、機内にタンデム成型炸薬弾頭、尾部に矩形水平尾翼２枚と垂直尾翼１枚があり、主尾翼は折り畳み式である。短い迫撃砲のような筒型発射機に収容されており、バイポッドと射手の手で仰角をかけて地面に固定し、圧縮ガスで射出されると、上空で主尾翼を展開して巡航を開始、操縦手が手持ち操縦装置で目標に突入させる。無人機は全長1.3m、重量15kg。推進は電動モーターによるプッシャー・プロペラ単発、最大速度185km、航続距離40km、滞空時間40分。運用要員２名（操縦手、射手）。参考：朝雲、月刊JWings7,’22

＜遂寧＞：551（コルベット）を参照。

＜水爆＞：水素爆弾を参照。

＜スイフト＞：P243（哨戒艇）を参照。

＜スイフト＞：日本海軍艦上攻撃機。ブラックバーン社が開発したもので、大正10年に輸入し、カックー艦上攻撃機共々使用した。参考：図解日本の空母

＜スイフト＞：ラジオ・コントロール・スペシャリスツ社が開発した小型RPV。ペイロード0.9kg。参考：スパイ機

＜スイフトシュア＞：08（軽巡）またはS126（原潜）を参照。

＜スイフトシュア級＞：イギリス海軍第３世代攻撃型原子力潜水艦Swiftsure Class。艦名の頭文字が全てＳなので、Ｓ級ともいう。船体は単殻構造葉巻型で、艦首部に引き込み式潜舵を持つ。原潜として初めてポンプ・ジェット推進を採用しているが、長期に亘り機密事項となっていた。西側潜水艦として初めて船体とセイルに無反響タイルを貼り付けたが、接着法に問題があったらしく、航海の度にあちこちが剥げ落ちている。全長82.9m、全幅9.8m、吃水8.5m、軽荷排水量4000トン、水上排水量4400トン、水中排水量4900トン。主機は原子力蒸気タービン方式、PWR1原子炉１基・蒸気タービン２基、出力15000馬力、推進はポンプ・ジェット、水上速力20ノット、水中速力30ノット以上。兵装は533mm魚雷発射管５門（Mk24長魚雷・ハープーン潜対艦ミサイル計20発）。乗員116名（士官12名＋下士官・兵85名？）。S104セプター、S105スパータン、S106スプレンディド、S108ソブリン、S109シュパーブ、S126スイフトシュアの６隻が1973-81年に就役した。うち３隻にはCUP改修（トマホーク巡航ミサイル搭載など）が行われている。参考：月刊軍事研究5,’01、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’10、5,’83、6,’01、ミリタリー・バランス1989-1990

＜スイフト・フリーダム作戦＞：アメリカ軍が不朽の自由作戦アフガニスタンで発動したカンダハル強襲侵攻作戦「速やかな自由（Operation Swift Freedom）」。アメリカ海軍揚陸即応群とアメリカ海兵隊が、カンダハルに立て籠もるタリバンを掃討するために実施した。2001年11月25日、北アラビア海に進出した海兵タスクフォース58（第15・第26海兵遠征隊からなる）は、強襲揚陸艦LHA-5ペリリューから第15海兵遠征隊300名を乗せたCH-53E強襲ヘリ６機を出撃させた。CH-53E強襲ヘリは途中でKC-130J空中給油輸送機から空中給油を受け、カンダハル南西90kmのドランギ飛行場（沿岸から640kmの距離にある）を強襲。重砲や装甲車は何一つ持って行けなかったが、タリバン側の抵抗は微弱で、飛行場を占領すると長さ1900mの未舗装滑走路を完成させた。そこにKC-130J空中給油輸送機やC-17輸送機で資材を送り込み、11月29日には飛行場周辺を前方作戦基地ライノとして整備。MEU本隊はLCACとLCUでパキスタンに揚陸した後で輸送機に積み替え、順次ライノに海兵隊員1500名、M1A1戦車、LAV-25などの装甲車、攻撃へリ部隊を進出させてタリバンに圧力を掛け、12月7日にタリバンにカンダハル明け渡しを認めさせた。12月12日、カンダハルからタリバンが撤退開始。12月14日、カンダハル国際空港を占領。12月17日、カブールのアメリカ大使館に海兵隊員の手により星条旗が再び翻った。参考：月刊軍事研究5,’13、2,’04、7,’04、9,’06

＜スイフト・レスキュー＞：シンガポール海軍潜水艦救難艦Swift Rescue。シンガポール海軍軍人とスイフト・パシフィック・オフシェア社の社員が共同で運用している。2009年4月就役。2011年3月25日、第４回西太平洋対機雷戦・潜水演習に参加。5月18-20日、シンガポールのチャンギ海軍基地でIMDEXに参加。2021年4月21日に行方不明になったインドネシア海軍潜水艦402ナンガラの捜索活動に参加。参考：JShips VOL.44、月刊世界の艦船8,’11、7,’21

＜スイフト・レスポンス１５＞：2015年8月17日から9月13日にルーマニアとブルガリアで行われた多国間空挺部隊演習Swift Response 15。アメリカ、イギリス、イタリア、オランダ、ギリシャ、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガルが参加した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スイフト・レスポンス１６＞：2016年5月27日から6月26日までポーランドで実施された多国間演習。アメリカ（第82空挺師団第１旅団戦闘団、第173空挺旅団、第２騎兵連隊第４騎兵大隊）、イギリス（第16空中強襲旅団）、イタリア、オランダ、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギー、ポーランド（第６空挺旅団）、ポルトガルから5000名以上が参加し、対ロシアを想定した即応展開訓練などを行った。参考：月刊軍事研究12,’16

＜水平２連式散弾銃＞：散弾銃を参照。

＜水平安定板＞：Horizontal stabilizer。機体を水平に保つための安定板で、水平尾翼を構成する。飛行機の重心は主翼よりも前にあるため、飛行機が空中に浮かんでいる間は機首が下がる方向にモーメントが作用するが、これを防ぐために機体尾部に設置される。主翼とは反対の取り付け角が付いており、機体尾部を地面方向に押しつけて水平を保つ。機体が下からの風に煽られて機首が上を向くと、水平安定板も上を向き、揚力が発生するため、モーメントが働いて機首が下がり、元の姿勢に戻る。発生揚力が大きすぎると、利きの変動も大きくなって安定性や操縦性が悪くなるので注意。離陸時など機首上げの姿勢を保ちたい場合に備え、取り付け角を変更する可動機構が用意されている。主翼よりも後ろに下げるほど安定性が増すが、安定しすぎると機動性能が悪化するので、上手くバランスをとるのが設計者の腕の見せ所である。わざと不安定にして（静安定緩和）、機動性能を高めたりもする。遷音速時にエレベーター前縁で衝撃波が発生して舵の効きが悪化するのを防ぐため、エレベーターと連動して取り付け角を変更する機構を持つタイプもある。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、丸メカニック別冊１

＜水平安定板保持器材＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜水平錐揉み＞：フラット・スピンを参照。

＜水平鎖栓式閉鎖機＞：閉鎖機を参照。

＜水平状況表示装置＞：HSIを参照。

＜水平線以遠モード＞：AN/APY-2（レーダー）を参照。

＜水平対向エンジン＞：Horizontal Opposed Engine。レシプロ・エンジンのシリンダ配列の１つで、水平に設置されたクランク軸を左右両側から挟むようにシリンダを配置している。向かい合ったピストンがそれぞれ逆位相のクランクを持っているので、バンク角180度のＶ型エンジンとは違い、双方が同じ動きをする。向かいのピストンと同じタイミングで殴り合っている感じ（クロスカウンター？）なので、ボクサー・エンジンとも呼ばれる。構造が単純で部品数も少なく、シリンダ数に比べてエンジン前面面積が小さくなり、慣性力の釣り合いが良好で、振動も抑えられる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究6,’16

＜水平・直角・一直線＞：自衛隊の整頓法。参考：MAMOR vol.116

＜水平灯（２６ＤＤ用）＞：自衛隊の機器。大石電機工業製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜水平爆撃＞：水平飛行中に爆撃を行うこと。命中率が低いので、大型爆弾を大量に投下するようになり、戦略爆撃に発展した。参考：飛行機のしくみ

＜水平尾翼＞：Tail plane、Horizontal tail。航空機の縦の釣り合い、安定、操縦をコントロールする尾翼で、機体後部から水平方向に出ている。水平安定板と昇降舵から構成されるが、一体化して全遊動式水平安定板とすることもある。当初は主翼後流を受けないよう主翼より高い位置に付いており、Ｔ字尾翼も登場したが、大迎え角飛行をした際に主翼後流が直撃して不具合を生じるため、超音速戦闘機では主翼より低い位置に装着したり、下反角を付けたりして、大迎え角飛行時にも主翼後流に入らないようにするようになった。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’06、9,’16

＜水平尾翼容積＞：Horizontal tail volume（Vh）。水平尾翼面積と全機重心位置から水平尾翼空力中心までの距離の積を、主翼面積と主翼空力平均翼弦の積で割ったもので、縦安定の目安となる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜水平偏波＞：偏波を参照。

＜スイベル＞：銃に背負い紐を取り付ける金属製リングのこと。参考：GUN用語事典

＜ズィペンス＞：ラトビア海軍ストルム級高速哨戒艇。元はノルウェー海軍高速哨戒艇イエルヴである。参考：月刊軍事研究3,’12

＜瑞鳳＞：日本海軍瑞鳳型空母１番艦（祥鳳型空母２番艦？）Zuiho。元は給油艦高崎で、昭和10年6月20日に起工され、昭和13年9月15日に潜水母艦に設計変更されて建造が続けられ、昭和15年1月に空母としての艤装を開始した。12月15日に瑞鳳と命名されて空母に類別変更され、12月27日竣工、佐世保鎮守府警備艦となった。12月29日に横須賀を出港。12月31日、佐世保に到着、第12連合飛行隊の着艦訓練を行った。昭和16年3月11日、佐世保を出港して乗員の慣熟訓練に入った。3月22日、佐世保に帰港。4月10日、第１艦隊第３航空戦隊所属となった。4月21日から28日まで佐伯沖で訓練を実施。10月12日、佐世保を出港。10月14日、台湾の高雄に入港。11月6日、高雄を出港。11月9日、佐世保に帰港。11月15日、修理のためドックイン。11月25日、修理を終えてドックを出た。11月28日、佐世保を出港。11月29日、柱島に錨泊。12月8日、太平洋戦争開戦時は第３航空戦隊に所属していた。同日、柱島を出航。12月13日、柱島に帰投。昭和17年2月13日、柱島を出航。2月14日、横須賀に入港。2月17日、零戦を積んで横須賀を出航。2月22日、ダバオに到着して零戦を降ろした。2月25日、ダバオを出航。3月2日、柱島に錨泊。4月1日、第３航空戦隊解隊に伴い第１艦隊付属となった。4月18日、呉を出航し、日本本土奇襲攻撃を行ったアメリカ機動部隊の邀撃に向かったが、会敵できずに引き返した。4月23日、呉に入港。4月29日、ミッドウェイ攻略戦に参加するため、九六式艦戦12機、九七式艦攻12機を搭載して出撃。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。6月20日、第１航空艦隊第５航空戦隊に転属。7月13日、佐世保に帰投、整備に入った。7月14日、第３艦隊第１航空戦隊に転属。艦戦21機と艦攻６機を搭載することになった。8月25日、佐世保を出航。8月26日、柱島に到着。9月1日、呉を出航。9月6日、トラック環礁に到着。10日、ソロモン海で警備行動に就くため、トラックを出撃。9月23日、トラックに帰投。9月25日、トラックを出航、横須賀に入港。10月1日、横須賀を出航してラバウルへの輸送任務に就いた。10月8日、ラバウルに到着。10月26日、南太平洋海戦に参加、爆弾１発が命中して発着艦不能となり、トラックに回航された。10月28日、トラックに到着。応急修理を終えて11月2日にトラックを出港。11月7日、佐世保に入港。11月29日、修理のためドックイン。12月16日、修理を終えてドックを出た。12月21日、佐世保を出港して柱島に到着。昭和18年1月18日、岩国沖を出航。1月23日、トラックに入港。1月31日、トラックを出港し、ガダルカナル撤退作戦を支援。2月7日、作戦を終了し、トラックに向かった。2月9日、トラックに入港。2月18-28日、艦上機がウエワクに派遣された。3月2-13日、艦上機がガビエンに派遣された。その後ラバウルに向かい、4月2日にい号作戦に参加。4月18日、トラックに入港。5月3日、トラックを出港。5月9日、佐世保に入港。5月16日、アッツ島救援作戦に備えるため佐世保を出港して東京湾に向かった。5月21日、横須賀に入港。アッツ島救援作戦は中止となったため、6月2日に佐世保に帰港。7月9日、佐世保を出港。7月15日、翔鶴、瑞鶴と共にトラックに入港。7月19日からトラック−ブラウン（横須賀？）間の物品輸送任務を行い、艦上機はガビエンで戦闘任務に就いた。9月20日、翔鶴、瑞鶴と共にブラウン環礁に移動し、マーシャル諸島海域で訓練と索敵を行った。11月1日、ろ号作戦に参加、飛行隊がラバウルに進出。11月5日から飛行隊がブーゲンビル島沖航空戦に参加。11月30日、輸送任務のため冲鷹、雲鷹、鳥海、摩耶、駆逐艦３隻と共にトラックを出港。12月1日、飛行機を削除された。12月4日、横須賀に入港。12月12日、横須賀を出港。12月17日、トラックに入港。昭和19年1月4日、横須賀を出港。1月9日、トラックに入港。2月16日まで計４回の輸送任務を行った。2月1日、第３艦隊第３航空戦隊に転属。2月10日、トラックを出港。2月15日、第653航空隊が配属された。2月16日、呉に入港。2月22日、相生に回航されてドックイン。3月10日、相生を出港。3月11日、呉に入港。3月18日、呉を出港。3月22日、横須賀に入港。3月29日、横須賀を出港。4月1日、輸送任務のためグアムに入港。5月11日、あ号作戦参加のため佐伯湾を出港。5月16日、タウイタウイに到着。6月13日、タウイタウイを出撃。6月19日、マリアナ沖海戦に参加。6月22日、沖縄の中城湾に入港。6月23日、中城湾を出港。6月24日、柱島に錨泊。7月22日、柱島を出港。7月26日、横須賀に入港。7月29日、横須賀を出港。父島への輸送や訓練を行った。8月4日、呉に入港。8月19日、修理のためドックイン。8月28日、ドックを出た。8月30日、呉を出港し、瀬戸内海で訓練を行った。10月20日、捷一号作戦のため呉を出撃。10月25日、比島沖海戦において、エンガノ岬沖で艦上機の攻撃を受け、魚雷２本、直撃弾２発、至近弾82発を喰らい沈没した。11月15日に連合艦隊付属となり、12月20日に除籍された。参考：図解日本の空母、JShips Vol.24、日本海軍戦闘機隊、第２次大戦日本海軍作戦年誌、護衛空母入門、日本海軍艦隊総覧

＜瑞鳳型＞：日本海軍空母Zuiho型。剣埼型潜水母艦から改造された。当初は戦時に２ヶ月程度で改造できる予定で設計された機動部隊用高速改造空母（搭載機は艦戦と艦爆のみの予定）だが、実際には不調のディーゼルを換装したのと兵装関連の設計変更とで１年以上かかり、速力も落ちてしまった。船体はそのままで、艦首には強いシアとフレアを持つ。潜水母艦時の羅針艦橋を撤去して平甲板型にし、艦首甲板室上に支柱２組を立てて飛行甲板を設置、この一層下にある機銃甲板前方にあった操舵室を改造して新たな羅針艦橋を製作した。この後ろに伝令所、作戦室兼海図室、無線電話室などを設置し、両舷に補助艦橋（右舷側が予備艦橋、左舷側が戦闘艦橋）と防空指揮所を設けている。右舷防空指揮所後方には発着艦指揮所を設置した。戦闘指揮関連施設の外側には張り出しを設け、九四式高射装置や起倒式信号マスト（左舷のみ）を装備している。飛行甲板は全長180m、前端幅12m、中央部幅23m、後端幅16mで、木板張り。前後にエレベーターが１基ずつあり、大きさは前が13m×12m、後ろが長さ12m×10.8mで、前部エレベーター直前に起倒式遮風柵を持つ。制動装置は呉式四型着艦制動装置６基で、アレスティング・ワイヤーは６本。固定式制止索は空廠式三型滑走制止装置１基で、前部エレベーターを後ろ寄りに設けたため、その直前に搭載されており、着艦作業と機体の艦内収容作業が同時には行えないという欠点があった。格納庫は２段式で、舷側外板はブロウ・オフ・パネルになっている。強度甲板が上部格納庫甲板のため、飛行甲板と格納庫側壁には伸縮継手が取り付けられた。主機は潜水母艦時代のディーゼルが不調でしばしば重大な事故を起こしたため、陽炎型駆逐艦と同じ蒸気タービンに換えており、フルカン・ギアを介して推進軸２軸を回転させる。煙突は右舷中央の斜め下向き１本で、艦尾にも補助缶用の起倒式煙突を持つ。艦尾形状はクルーザー・スターンで、オーバーハング部中間に外側に20度傾斜した平衡式２枚舵を装備する。後甲板には短艇格納庫とホイストクレーンがある。全長205.5m、最大幅18m、平均吃水6.64m、基準排水量11200トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気性状2.94MPa・350℃）４基、出力52000馬力、２軸推進、最大速力28ノット、重油搭載量2320トン、航続距離7800海里（18ノット）。兵装は四〇口径八九式十二糎七連装高角砲４基（飛行甲板前後エレベーター両舷に１基ずつ）、九六式二五ミリ連装機銃（瑞鳳）／九六式二五ミリ三連装機銃（祥鳳）４基（飛行甲板中央信号マスト間両舷に２基ずつ）。射撃統制装置は九四式高射装置２基（前部高角砲の前）、機銃射撃指揮装置（両舷に１基ずつ）。右舷３番高角砲と右舷機銃には煤煙避けのシールドが付く。搭載機は零戦21機（全て常用）、十四試艦攻９機（うち補用３機）の予定で、７機を甲板繋止とした。乗員792名（瑞鳳）／785名（祥鳳）。潜水母艦高崎が瑞鳳に、剣埼が祥鳳に改造された。珊瑚海海戦で沈没した時の祥鳳は、零戦６機、九六式艦戦10機、九七式艦攻12機を搭載していた。参考：日本航空母艦史、図解日本の空母、JShips Vol.24、月刊丸2,’12別冊付録、月刊世界の艦船7,'20、9,’14

＜瑞鳳型（改装）＞：昭和17年後半、飛行甲板前部支柱前方の上甲板室両舷に九六式二五ミリ三連装機銃（を１基ずつ装備。後方両舷にも１基ずつ追加し、中央の連装機銃を３連装に換装、更に１基ずつを追加した。隠顕式探照灯のうち１基を撤去して二一号電探を設置、左舷側マストに一三号電探を増設。昭和18年後半、飛行甲板前部を艦首近くまで15mほど延長して支柱を１組増設し、羅針艦橋前方の最上甲板両舷に25mm３連装機銃や25mm単装機銃を多数装備した。昭和19年、あ号作戦参加時の瑞鳳は25mm機銃計42門を装備していた。捷一号作戦時の瑞鳳は25mm機銃計68門と十二サンチ二八連装噴進砲８門を装備し、零戦12機、天山３機、九七式艦攻３機を搭載した。参考：図解日本の空母、JShips Vol.24

＜瑞鳳戦闘機隊＞：昭和17年10月26日、南太平洋海戦に参加。第１次攻撃には９機が出撃し、攻撃機14機を撃墜したが、帰路に道に迷い、４機を喪失した。第２次攻撃には14機が出撃し、４機を撃墜、２機を失った。昭和18年2月18日から28日までウエワクに展開。3月2-13日、カビエンに展開。4月2日、い号作戦のためラバウルに展開。18機を撃墜し、4月18日に母艦に復帰した。8月29日から9月3日までカビエンに展開。11月1日からろ号作戦参加のためラバウルに展開。撃墜35機（不確実10機含む）の戦果を挙げたが、パイロット８名を失った。昭和19年2月15日、第653航空隊に再編された。参考：日本海軍戦闘機隊

＜瑞鳳丸＞：昭和19年8月8日、ヒ七一船団の一員として六連島泊地を出港。参考：輸送船入門

＜水密空気室＞：DDSを参照。

＜水密区画＞：水密隔壁で仕切られた、水を漏らさない区画のこと。多く作れば浸水時の安全性が確保できるが、隔壁が多くなって重量が増え、運用もしにくくなる。下手に区切ると浸水時の自由水の影響で復元力が下がり、かえって転覆しやすくなるので注意。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜スイミングプール＞：GRB-36D（空中母機）を参照。

＜スイム・アウト＞：Swim-out。魚雷発射管内で魚雷の推進機を作動させて射出するもので、空気圧や水圧を利用するものよりも発射音が小さい。魚雷発射管からの射出速度が遅く、射出後の魚雷の沈み込みが大きいため、浅深度で発射する必要があるなら魚雷の舵がプロペラ後方にあって低速でも舵の効くタイプを使用するといった工夫を要する。魚雷発射管と魚雷が同じ太さだと、魚雷が魚雷発射管を出るまでの間に魚雷後方で陰圧が発生し、スイム・アウトできないため、魚雷発射管を魚雷よりも一回り大きくする必要があり、魚雷はサボーやライナーで魚雷発射管内に固定する。魚雷の不具合で射出不能となった時に備え、高圧空気などで強制的に魚雷発射管外に射出する装置が必要である。参考：月刊軍事研究4,’97、月刊世界の艦船11,’16、9,’10、5,’18

＜水面貫通翼型水中翼船＞：水中翼船を参照。

＜水門飛行場＞：中国空軍の軍用飛行場。所在地は福建省寧徳市霞浦県水門郷で、東シナ海の海岸線から2.6k、台湾馬祖列島東引島から80km、台北から246km、尖閣諸島から380kmの位置にある。滑走路は長さ2km以上のものが２本で、耐爆シェルター19基を持つ。Su-30MKK戦闘機、殲撃10型戦闘機、S-300防空ミサイルが配備されており、短距離弾道ミサイル用発射陣地が併設されているともいわれる。2006年頃に建設が許可されたとみられ、2009年から実際の建設に入り、2011年には滑走路が衛星写真で判別できるようになった。参考：月刊軍事研究8,’13、8,’14

＜水雷＞：水雷兵器を参照。

＜水雷科（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の科で、発射、小火器の射撃、運用に関する業務を行う。潜水艦では第１分隊に配置される。トップは水雷長。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、8,’11増刊

＜水雷機雷一型＞：日本軍の機雷。浅い砂浜に敷設する。参考：日本戦車隊戦史

＜水雷士＞：海上自衛隊の職名で、略号はスシ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜水雷戦隊＞：駆逐艦４隻で構成される駆逐隊を、更に3-4個集結させたもの。航空戦隊や戦艦戦隊の駆逐艦版である。欧米では嚮同駆逐艦、日本海軍では軽巡洋艦を旗艦に据えていた。参考：連合艦隊巡洋艦

　＜水雷戦隊（日本海軍）＞：駆逐隊２連隊（４隊）と、指揮官搭乗の巡洋艦（旗艦）１隻からなる。元は明治39年に誕生した駆逐連隊（駆逐隊４個からなる）で、大正2年に水雷隊（駆逐隊数個からなる）と改称されて年度後半に艦隊附属で訓練を行うようになり、大正3年に水雷戦隊になった。大正4年からは年度を通じて編成されている。大正8年から昼夜間魚雷戦闘発射（実戦的な発射訓練）を開始した。参考：帝国陸海軍事典、歴史群像2,’08

＜水雷船第１号型＞：日本海軍初の水雷艇。明治12年度計画でイギリスに発注し、ヤーロー社から日本に部品を送ってもらって横須賀造船所で組み立てた。小型で外洋航海には向かないため、夜間悪天候時の泊地攻撃に使用する。操舵室前方には左右に１本ずつ煙突が立っており、艇長がその間から前方海面を監視して舵を取る。主兵装が外装水雷で、戦闘艦船というより消耗品という扱いを受けたらしく、組み立てがゆっくり進められた結果、竣工時にはやや時代遅れになっていた。垂線間長29.41m、最大幅3.81m、吃水0.94m、常備排水量40トン。主機は直立式２気筒２段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼汽車缶１基、計画出力430馬力、公試時出力280馬力、１軸推進、計画速力17ノット、公試時速力14.38ノット、石炭搭載量３トン、航続距離1000海里（12ノット）。兵装は船首の外装水雷１本、諾式４連装25mm機砲１基（後甲板）。第１号水雷艇、第２号水雷艇、第３号水雷艇、第４号水雷艇の４隻が明治14-17年に竣工した。明治18年に改装を受け、前甲板に36cm単装水上発射管旋回式１基を搭載した。参考：日本海軍特務艦船史、歴史群像2,’08

＜水雷長（日本海軍潜水艦）＞：先任将校が兼務する。参考：日本潜水艦物語

＜水雷調整所（海上自衛隊地方隊）＞：海上自衛隊地方隊隷下の部隊。魚雷、機雷、爆雷などを調整するのが主任務である。参考：日本の防衛戦力Part3

＜水雷艇＞：Torpedo boat。敵の戦艦に雷撃を行う艦艇のこと。南北戦争で南軍が使用した、スパー・トーピード装着半潜水艇が始まりである。水雷艇として完成したのはノルウェー海軍水雷艇ラスプ（1873年竣工、ソーニクロフト社製）が初で、これは外装水雷と曳航水雷を装備していた。イギリス初の水雷艇はライトニングで、1877年に竣工し、1879年から魚雷を搭載して世界初の魚雷搭載水雷艇となっている。当初は夜間襲撃に有利な小型主機を装備し、速力は8-10ノットくらいだったが、1890年代初期には23-24ノットの高速を誇るようになった。魚雷の発達でフランス海軍を中心に各国海軍が装備したが、次第に駆逐艦に任務を奪われてしまい、第１次大戦頃には戦艦に近づく前に駆逐艦にやられる存在と考えられており、1930年頃には軍縮条約をすり抜けるために建造した日本とドイツとフランス、小艦艇中心だったイタリア以外では存在しなくなった。参考：小艦艇入門、月刊丸8,’95、5,’07、月刊世界の艦船7,’11、4,’18、日本海軍特務艦船史

　＜水雷艇（日本海軍）＞：明治12年度計画で日本海軍初の水雷艇である水雷船第１号型をイギリスに発注した。明治13年11月13日、水雷船の艦種を制定。従来の艦載水雷艇は二等水雷艇に分類した。明治18年、水雷艇第５号型をフランスに発注。明治21年10月10日、小鷹型１隻が竣工。明治22年7月6日、鋼製水雷艇は水雷船も二等水雷艇も全て水雷艇という名称に統合した。明治23年8月13日、海軍艦船籍条例で水雷艇を海軍艦船第二種に区分し、独立した艦種とした。明治26年、水雷艇第22号型19隻が竣工開始。明治26年10月19日、第二種（水雷艇）を一等から三等までに細分した。明治27年、水雷艇第21号型２隻が竣工開始。明治27年の日清戦争で水雷艇隊を編成し、明治28年2月4-5日に夜間泊地攻撃を実施して戦果を挙げている。明治28年2月、日清戦争で水雷艇第26号型・第28号型計３隻と福龍型水雷艇１隻を鹵獲した。明治31年3月21日、水雷艇を独立した艦種とし、一等から四等までの水雷艇類別等級を付けた。ただし四等水雷艇に分類されたのは第28号水雷艇のみで、明治34年には廃艇処分となっている。この時点では駆逐艇（後の駆逐艦にあたる）を含んでいた。明治33年、水雷艇第29号型２隻と白鷹型１隻が竣工。明治33年、水雷艇第50号型10隻と隼型15隻が竣工開始。明治33年6月22日、駆逐艇が駆逐艦に改称されて軍艦の類別に移された。日露戦争でも夜間肉薄攻撃を実施している。明治34年、水雷艇第39号型が竣工開始。明治36年、水雷艇第67号型が竣工開始。明治38年1月13日、水雷艇の１つとして潜水艇を追加。12月12日、潜水艇が水雷艇を離れ、独立した艦種となった。大正元年8月28日、三等水雷艇と四等水雷艇を廃止。小型で外洋作戦が困難なことから、大正12年までに全て雑役船や廃船とされ、大正13年1月15日（12月1日？）に一旦廃止された。昭和6年6月1日、ロンドン軍縮条約適用外の千鳥型を建造するため復活した。艦種としては種別の１つであり、軍艦には含まれない。吹雪型駆逐艦の半分の兵装を積み２隻で駆逐艦１隻分を補うことにしたが、友鶴事件を起こすなど兵装の詰め込みに無理があり、昭和8年から４隻が竣工したに留まった。改良型の鴻型を昭和11年から８隻作ったものの、そこで建造終了となっている。参考：日本海軍特務艦艇史、日本駆逐艦史、歴史群像2,’08、小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊、月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊丸3,’14

　＜水雷艇（フランス海軍）＞：1870-1910年に300隻以上を配備した。1936年、ロンドン条約逃れのラ・メルポメーヌ級12隻が竣工開始。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船4,’18

＜水雷艇第１号＞：日本海軍水雷船第１号型、第１号水雷艇。明治14年5月2日竣工。明治32年5月31日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２号＞：日本海軍水雷船第１号型、第２号水雷艇。明治17年2月26日竣工。明治32年5月31日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３号＞：日本海軍水雷船第１号型、第３号水雷艇。明治17年10月10日竣工。明治32年5月31日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第４号＞：日本海軍水雷船第１号型、第４号水雷艇。明治17年10月10日竣工。明治32年5月31日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第５号水雷艇。明治25年3月26日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治40年9月28日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第５号型＞：日本海軍水雷艇。フランスの水雷艇を導入したもので、明治18年度計画で16隻を建造することにした。シュナイダー社に発注したが、ベースとなったフランス海軍水雷艇第75号型に安定性不良からくる転覆事故が多発、大幅な設計変更を余儀無くされたため、２隻をノルマン社に振り分けている。参考：日本海軍特務艦船史

　＜クルーゾー型＞：シュナイダー社クルーゾー造船所が担当したもの。水雷船第１号型と同じく左右並列の煙突を持つが、煙突の前にも操舵室を設けたので、視界が良好になった。垂線間長33.75m、最大幅3.35m、吃水0.9m、常備排水量54トン。主機は直立式２気筒２段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼汽車缶１基、出力525馬力、１軸推進、速力20ノット、石炭搭載量8.45トン、航続距離1030海里（10ノット）。兵装は36cm単装水上発射管旋回式１門（後甲板）、36cm単装水上発射管固定式１門（艇首）、保式47mm単装軽速射砲１門。第５号水雷艇、第６号、第７号、第８号、第９号はフランスで、第10号は呉鎮守府所管の小野浜造船所（神戸にある）で、第11号、第12号、第13号、第14号、第16号、第17号、第18号、第19号は呉造船支部で建造され、第10号は初の国内建造水雷艇となった。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船4,’19

　＜ノルマン型＞：ノルマン社が担当したもので、機関系が異なっており、煙突は１本である。垂線間長34m、最大幅3.51m、吃水0.89m、常備排水量54トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶はジェンタブル式石炭専焼水管缶１基、出力657馬力、１軸推進、速力20ノット、石炭搭載量8.2トン、航続距離1030海里（10ノット）。兵装は36cm単装水上発射管旋回式１門、36cm単装水上発射管固定式１門、諾式４連装25mm機砲１基。第15号水雷艇はフランスで、第20号は呉造船支部で建造された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第６号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第６号水雷艇。明治25年3月26日竣工。明治28年2月3日、威海衛港東口の防材を破壊した。2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第７号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第７号水雷艇。明治25年4月2日竣工。明治28年2月6日、威海衛第２次夜襲に参加。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第８号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第８号水雷艇。明治25年4月7日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治41年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第９号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型））、第９号水雷艇。明治25年4月11日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。定遠の左舷後部に魚雷１本を命中させて擱座させた。明治41年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊、4,’19

＜水雷艇第１０号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第10号水雷艇。明治25年4月17日、日本国内初建造の水雷艇として神戸の小野浜造船所で竣工。明治28年2月3日、威海衛港東口の防材を破壊した。2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第１１号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第11号水雷艇。明治27年3月31日竣工。明治28年2月6日、威海衛第２次夜襲に参加。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第１２号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第12号水雷艇。明治26年10月11日竣工。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第１３号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第13号水雷艇。明治26年10月11日竣工。明治28年2月6日、威海衛第２次夜襲に参加。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第１４号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第14号水雷艇。明治26年10月18日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治41年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第１５号＞：日本海軍水雷艇第５号型（ノルマン型）、第15号水雷艇。明治26年11月1日竣工。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第１６号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第16号水雷艇。明治26年11月29日竣工。明治28年5月11日に沈没した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第１７号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第17号水雷艇。明治26年11月29日竣工。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第１８号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第18号水雷艇。明治26年11月1日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第１９号＞：日本海軍水雷艇第５号型（クルーゾー型）、第19号水雷艇。明治27年2月17日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第２０号＞：日本海軍水雷艇第５号型（ノルマン型）、第20号水雷艇。明治26年10月18日竣工。明治43年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２１号＞：日本海軍水雷艇第21号型、第21号水雷艇。明治27年6月27日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。明治44年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第２１号型＞：日本海軍水雷艇。フランス海軍水雷艇第145号型がベースで、１隻をフランスのノルマン社に発注し、設計図をもらって呉造船支部でもう１隻建造した。垂線間長36m、最大幅4.01m、吃水1.19m、常備排水量80トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶はノルマン式石炭専焼水管缶１基、計画出力1050馬力、公試出力1018馬力、１軸推進、計画速力20.25ノット、公試速力19.84ノット、石炭搭載量15.8トン。兵装は36cm単装水上発射管旋回式２門、36cm単装水上発射管固定式１門、保式47mm単装軽速射砲１門。第21号水雷艇と第24号水雷艇が明治27-28年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２２号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第22号水雷艇。明治26年8月5日竣工。明治28年2月5日、威海衛第１次夜襲に参加。雷撃後に反撃の砲火を受けて大破し、放棄された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第２２号型＞：日本海軍水雷艇。ドイツのシーヒャウ社が建造したオーストリア＝ハンガリー帝国海軍ラーベ級がベースで、３番艇第25号水雷艇のみ呉造船支部で作り、残りはシーヒャウ社に発注した。最初の３隻は計画速力に達しなかったため、４隻目（第31号水雷艇）以降は主缶を換装してほぼ計画を達成した。それに伴い、４番艇以降は操舵室と煙突の間の距離が長くなっている。垂線間長39m、最大幅4.81m、吃水1.07m、常備排水量85トン（1-3番艇）／83トン（４番艇以降）。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼汽車缶１基（1-3番艇）／ソーニクロフト式石炭専焼水管缶２基（４番艇以降）、計画出力1200馬力、公試出力926馬力、１軸推進、計画速力24ノット、公試速力18.84ノット（1-3番艇）・／24ノット（４番艇以降）、石炭搭載量17トン。兵装は36cm単装水上発射管旋回式２門、36cm単装水上発射管固定式１門、保式47mm単装軽速射砲２門。第22号水雷艇、第23号、第25号、第31号、第32号、第33号、第34号、第35号、第36号、第37号、第38号、第44号、第45号、第46号、第47号、第48号、第49号、第60号、第61号の19隻が明治26-34年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２３号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第23号水雷艇。明治26年8月5日竣工。明治28年2月6日、威海衛第２次夜襲に参加。明治31年7月20日に沈没した。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜水雷艇第２４号＞：日本海軍水雷艇第21号型、第24号水雷艇。明治28年1月25日竣工。明治44年4月1日に除籍された。5月、商船学校練習艇となり、二四丸と改称された。明治丸係船ポンドで機関科学生実習に使われたが、7月26日に台風の高波で陸に乗り上げてしまい、船体を損傷した。8月1日、プロペラを外して修理を行い、係留練習艇として使用された。大正6年10月1日、台風で損傷し、そのまま処分された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船6,’19

＜水雷艇第２５号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第25号水雷艇。明治28年2月28日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２６号＞：日本海軍水雷艇第26号型、第26号水雷艇。元は明治27年に竣工した清国北洋水師水雷艇右隊第１号で、明治28年2月7日に鹵獲した。明治41年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２６号型＞：日本海軍水雷艇。元は清国北洋水師の水雷艇で、日清戦争の威海衛陥落時に脱出して近くの海岸に擱座していたのを、鹵獲したものである。状態が悪く、日露戦争では呉水雷団で内地警備に使用されていた。水線長33.53m（１番艇）／33.68m（２番艇）、最大幅4.09m（１番艇）／4.27m（２番艇）、吃水1.22m（１番艇）／1.07m（２番艇）、常備排水量66トン（１番艇）／74トン（２番艇）。主機は直立式２気筒２段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼汽車缶１基、出力338馬力（１番艇）／443馬力（２番艇）、１軸推進、速力14ノット（１番艇）／16ノット（２番艇）、石炭搭載量7.23トン（１番艇）／10.3トン（２番艇）。兵装は36cm水上発射管固定式２基（艇首左右）、保式37mm単装軽速射砲２門。水雷艇第26号と水雷艇第27号が就役した。明治30年半ばまでに改装を行い、煙突を短縮、マストを前部に移動し、魚雷発射管を艇首上甲板の36cm水上発射管固定式１基＋後部の36cm水上発射管旋回式１基とした。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２７号＞：日本海軍水雷艇第26号型、第27号水雷艇。元は明治27年に竣工した清国北洋水師水雷艇右隊第３号で、明治28年2月7日に鹵獲した。明治41年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２８号＞：日本海軍水雷艇第28号型、第28号水雷艇。元は清国北洋水師所属の清国軍艦鎮遠付属第２号で、明治28年2月に鹵獲した。明治31年、四等水雷艇に類別された。明治34年5月14日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２８号型＞：日本海軍水雷艇。元は清国軍艦鎮遠に搭載されていた艦載水雷艇で、日清戦争時に威海衛で鹵獲した。長さ19.74m、最大幅2.69m、吃水0.36m、常備排水量16トン。主機はレシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼缶１基、出力90馬力、１軸推進、速力11ノット。兵装は艇首の36cm水上発射管固定式１門、保式37mm単装軽速射砲１門。第28号水雷艇が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２９号＞：日本海軍水雷艇第29号型、第29号水雷艇。明治33年3月23日竣工。大正5年7月1日に除籍され、雑役船公称第405号になった。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第２９号型＞：日本海軍水雷艇。フランス海軍水雷艇第201号型がベースで、機関出力を向上させて速力を強化している。ノルマン社で建造したのを一旦分解して船で輸送、呉造船廠で組み立て直し、横須賀水雷団に配備した。水線長37m、最大幅4.19m、吃水1.22m、常備排水量89トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶はノルマン式石炭専焼水管缶２基、出力2000馬力、１軸推進、速力26ノット、石炭搭載量11.7トン。兵装は36cm単装水上発射管旋回式２門、36cm単装水上発射管固定式１門、山内式57mm単装速射砲１門。第29号水雷艇と第30号水雷艇が明治33年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３０号＞：日本海軍水雷艇第29号型、第30号水雷艇。明治33年3月30日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３１号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第31号水雷艇。明治33年1月22日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３２号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第32号水雷艇。明治33年3月7日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３３号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第33号水雷艇。明治33年2月14日竣工。大正3年11月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３４号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第34号水雷艇。明治33年3月7日竣工。明治38年5月27日に戦没した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３５号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第35号水雷艇。明治33年3月22日竣工。明治38年5月27日に戦没した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３６号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第36号水雷艇。明治33年4月9日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３７号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第37号水雷艇。明治33年3月23日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３８号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第38号水雷艇。明治33年3月23日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第３９号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第39号水雷艇。明治34年2月18日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第３９号型＞：日本海軍水雷艇。明治29年度の第１期拡張計画でヤーロー社に発注したもので、横須賀造船廠・佐世保造船廠で組み立てた。水雷艇駆逐艦に対抗するため、艦を大型化して航洋力を増大させている。第66号水雷艇は蒸気タービン試作艇にする計画もあった。長さ46.81m、最大幅4.65m、吃水1.07m、常備排水量110トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶はヤーロー式石炭専焼水管缶２基、出力2000馬力、１軸推進、速力27ノット、石炭搭載量36トン。兵装は36cm単装水上発射管旋回式２門、36cm単装水上発射管固定式１門、山内式57mm速射砲１門。第39号水雷艇、第40号、第41号、第42号、第43号、第62号、第63号、第64号、第65号、第66号の10隻が明治34-35年に竣工した。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第４０号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第40号水雷艇。明治34年3月4日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第４１号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第41号水雷艇。明治34年3月7日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第４２号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第42号水雷艇。明治34年4月29日竣工。明治37年12月15日に被弾沈没した。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第４３号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第43号水雷艇。明治34年4月29日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第４４号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第44号水雷艇。明治33年8月17日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第４５号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第45号水雷艇。明治33年8月21日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第４６号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第46号水雷艇。明治33年8月21日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第４７号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第47号水雷艇。明治33年10月1日竣工。大正元年10月11日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第４８号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第48号水雷艇。明治33年10月14日竣工。明治37年5月12日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第４９号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第49号水雷艇。明治33年11月2日竣工。大正3年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５０号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第50号水雷艇。明治33年11月3日竣工。明治45年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５０号型＞：日本海軍水雷艇。水雷艇第５号型（ノルマン型）の改良型で、波を被りやすい艦首発射管を外し、代わりに後部発射管を連装としている。船体材料は海外のものだが、建造は全て海軍造船廠（横須賀と呉）で行い、主機も国産とした。垂線間長34m、最大幅3.51m、吃水0.89m、常備排水量53トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶はノルマン式石炭専焼水管缶１基、出力657馬力、１軸推進、速力20ノット、石炭搭載量4.4トン。兵装は36cm連装水上発射管旋回式１基、山内式47mm単装速射砲１門。乗員16名。第50号水雷艇、第51号、第52号、第53号、第54号、第55号、第56号、第57号、第58号、第59号が明治33-35年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５１号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第51号水雷艇。明治33年11月3日竣工。明治37年6月28日に戦没した。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５２号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第52号水雷艇。明治34年2月18日竣工。明治45年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５３号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第53号水雷艇。明治34年4月22日竣工。明治37年12月14日、ロシア戦艦セヴァストーポリ襲撃に出撃したまま行方不明となり、喪失認定された。旅順沖で触雷沈没したとみられる。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５４号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第54号水雷艇。明治34年4月22日竣工。大正3年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５５号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第55号水雷艇。明治34年5月16日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５６号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第56号水雷艇。明治35年8月25日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５７号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第57号水雷艇。明治34年11月20日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５８号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第58号水雷艇。明治35年1月27日竣工。大正4年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第５９号＞：日本海軍水雷艇第50号型、第59号水雷艇。明治35年4月8日竣工。大正4年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第６０号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第60号水雷艇。明治34年10月20日竣工。大正4年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第６０号型（フランス海軍）＞：フランス海軍水雷艇。排水量45トン。速力20ノット、兵装は383mmまたは450mm魚雷発射管２門（前甲板両舷）。14隻が1880-83年に発注された。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜水雷艇第６１号＞：日本海軍水雷艇第22号型、第61号水雷艇。明治34年12月16日竣工。大正4年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜水雷艇第６２号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第62号水雷艇。明治35年3月16日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６３号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第63号水雷艇。明治35年2月26日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６４号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第64号水雷艇。明治35年3月25日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６５号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第65号水雷艇。明治35年3月15日竣工。大正2年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６６号＞：日本海軍水雷艇第39号型、第66号水雷艇。明治35年4月1日竣工。大正5年7月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６７号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第67号水雷艇。明治36年6月20日竣工。大正11年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６７号型＞：日本海軍水雷艇。水雷艇第22号型の改良型で、主機と主缶を強化して高速性能を発揮できるようにしている。垂線間長40.1m、最大幅4.99m、吃水1.03m、常備排水量89トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は艦本式石炭専焼水管缶２基、出力1200馬力、１軸推進、速力23ノット、石炭搭載量27トン。兵装は36cm単装水上発射管旋回式２門、36cm単装水上発射管固定式１門、山内式57mm単装速射砲２門。乗員23名。第67号水雷艇、第68号、第69号、第70号、第71号、第72号、第73号、第74号、第75号の９隻が明治36-37年に竣工した。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６８号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第68号水雷艇。明治36年6月20日竣工。大正11年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第６９号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第69号水雷艇。明治36年9月26日竣工。明治38年5月27日に戦没した。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第７０号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第70号水雷艇。明治36年11月10日竣工。大正11年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第７１号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第71号水雷艇。明治36年12月9日竣工。大正11年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第７２号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第72号水雷艇。明治36年9月8日竣工。大正11年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第７３号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第73号水雷艇。明治36年9月2日竣工。大正12年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第７４号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第74号水雷艇。明治37年1月14日竣工。大正12年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷艇第７５号＞：日本海軍水雷艇第67号型、第75号水雷艇。明治37年1月23日竣工。大正12年4月1日に除籍され、鹿児島商船学校で使用された。昭和9年に陸揚げされ、東郷元帥墓地付近で保管された。参考：日本海軍特務艦艇史

＜水雷兵器＞：Torpedo（シビレエイ）。魚雷、発射管、機雷、爆雷、防潜網といった水中兵器の総称で、単に水雷ともいう。タートル潜水艇の搭載していた爆薬を開発者のデビッド・ブッシュネルがTorpedoと名付けたのが始まりで、南北戦争において南軍がスパー・トーピード（外装水雷。棒の先に爆薬を付けたもの）を開発、この頃から船や筏に爆発物を括り付けて敵船に突入させるものや、水中兵器一般をトーピードと称するようになった。ちなみにこの当時は機械水雷（機雷）もシーマインでなくトーピードと呼んでいた。他にタウド・トーピード（曳航水雷）という小艇の後ろや横に曳航して敵艦にぶつけるタイプのトーピードも登場している。その後、1866年にホワイトヘッド機械技師が開発した自走式水雷にはフィッシュ・トーピード（魚型水雷、魚雷）という名称が付けられた。1880年代には魚雷が実用の域に達し、トーピードの代名詞も魚雷となり、動力を持たない機雷の方はシーマインになっている。参考：月刊丸8,’95、帝国陸海軍事典、歴史群像2,’08、月刊世界の艦船10,’15

＜水雷砲艦（日本海軍）＞：日本海軍の艦種。小型通報艦にあたり、龍田（明治27年）と千早（明治34年）の２隻のみ竣工した。参考：小艦艇入門

＜水雷防御縦壁＞：魚雷や機雷の爆発エネルギーを吸収するため、船体舷側に設けられる防御壁。19世紀末にフランスで開発され、燃料が石炭から重油になって舷側燃料庫の防御力が低下したことや、第１次大戦時に魚雷や機雷による被害が拡大したことを受け、各国で採用された。舷側外板から数メートル（4-5m以上が効果的）の距離を置いて装甲板を設置し、爆発力を食い止める。ただ大型艦でも船体内部に両舷からそれぞれ数メートルの空間を置くのは難しく、バルジを装着したり、多層式水中防御方式を採用したりしてカバーした。参考：近代戦艦史

＜水雷防御網＞：魚雷攻撃から艦船を守るための鉄の網で、舷側に取り付けたブームから海中に垂らして使用する。ジュットランド海戦で砲撃により切れた防御網がスクリューに絡まる事故が相次ぎ、また停泊地での対潜水艦防御法も発達したため、第１次大戦以降は廃れた。参考：戦艦入門

＜水雷母艦（日本海軍）＞：明治31年3月、軍艦の下の類別として艦種が制定された。豊橋（明治31年艦種変更）、韓崎、千代田、迅鯨型が建造されている。大正13年12月1日の艦船令改訂で廃止（大正元年廃止？）された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、月刊丸3,’14

＜水雷用電気雷管＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究6,’16

＜水雷用電機雷管３型＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜水陸機動教育隊＞：陸上自衛隊の教育部隊。着上陸作戦に必要な水路潜入、ボート操舵、AAV7操縦などの教育を行うのが主任務である。2017年3月27日、西部方面隊隷下に相浦駐屯地で新編された。2018年3月27日、水陸機動団の隷下に入った。2021年1月27日から3月10日、第16期水陸両用基本訓練課程（Ｗ）を実施。55名が修了し、うち２名が女性初の本課程修了者となった。参考：朝雲、水陸機動団ホームページ、月刊軍事研究12,’18

　＜水陸機動教育隊（２０２０年）＞：水陸機動団隷下で、相浦駐屯地に置かれている。第１教育科（水路特技教育担当。水陸両用基本訓練課程、洋上活動集合教育、艇長課程、洋上潜入課程など）、第２教育科（AAV7教育担当。操縦士養成の陸士特技課程、車長養成の上級陸曹特技課程、小隊長養成の幹部集合教育など）、研究科、総務科からなる。参考：MAMOR vol.158

＜水陸機動団＞：陸上自衛隊の島嶼防衛・奪回部隊、略称ARDB（Amphibious Rapid Deployment Brigade）。自衛隊初の本格的な水陸両用戦部隊で、平成26年度以降に係る防衛計画の大綱で創設が決まった。予定定員3000名、トップは団長（陸将補）で、団司令部、水陸機動連隊（700-900名）３個、戦闘上陸大隊（AAV7水陸両用車46-52両、AAV7指揮通信車６両、AAV7回収車６両装備）、特科大隊（120mm迫撃砲RT装備。西部方面特科隊第112特科大隊から改編）、偵察部隊、施設科部隊、通信中隊、後方支援部隊、教育部隊からなる。敵の侵攻に対する三次展開（増援）部隊で、十分なISRを行い、航空・海上優勢を確保した後に水陸両用作戦を行うのが主任務である。３正面に初動部隊３個を同時投入するのが目標だが、おおすみ型輸送艦では３隻合わせて１個水陸機動連隊を運ぶのがやっとなので、更に大型輸送艦を追加する必要がある。第１水陸機動連隊は西部方面普通科連隊からの改編、第２水陸機動連隊は新編で相浦駐屯地に配置され、第３水陸機動連隊はキャンプ・ハンセンに置かれるかもしれない。戦闘上陸中隊は１個を佐世保の崎辺西地区、１個を玖珠駐屯地に配置し、崎辺東地区にはAAV水陸両用車を輸送艦に搭載するための岸壁を整備する。2015年3月26日、相浦駐屯地で水陸機動準備隊（要員10名）の編成完結式が行われた。2018年3月27日、相浦駐屯地で陸上総隊隷下に新編された。隷下の水陸機動連隊は２個で、総隊員数2100名だが、将来的に３個3000名に増やす予定。4月7日、相浦駐屯地で水陸機動団新編行事を実施。防衛副大臣から団長に水陸機動団旗、水陸機動連隊長２名に水陸機動連隊旗が授与された。展示訓練も行い、UH-1J多用途ヘリから偵察隊員を降ろして発見した敵をAH-1S対戦車ヘリで制圧、CH-47輸送ヘリとアメリカ海兵隊CH-53強襲ヘリがファストロープ降下で隊員を降着させ、AAV-7水陸両用車10両が沖合から上陸、施設中隊が70式地雷原爆破装置で進路を啓開し、特科大隊の120mm迫撃砲RTや対戦車中隊の中距離多目的誘導弾の支援を受けて水陸機動連隊普通科中隊が敵陣地に突入奪取した。4月28-29日、ニコニコ超会議2018でAAV7水陸両用車を展示した。5月8-24日、九州西方海域、種子島、種子島周辺海域で水陸機動団演習を実施。第１ヘリコプター団、西部方面航空隊、DDH-181ひゅうが、LST-4002しもきた、LCAC２隻も参加し、5月8-14日に第１フェーズとして九州西方海域を被占領島嶼沖に見立てた訓練、5月17-24日に第２フェーズとして種子島を被占領離島に見立てた大量傷者後送訓練MASSEVACを行った。第２フェーズではLCACで後方支援大隊や通信中隊を上陸させ、設営した沿岸支援地域で衛生隊員が負傷者の救護を実施、ヘリでDDH-181ひゅうがに後送している。6月27日から8月2日、リムパック2018に第２水陸機動連隊が参加。8月4-5日、させぼシーサイドフェスティバルにAAV7水陸両用車を展示。AAV7水陸両用車は相浦駐屯地から夜間自走して会場入りしており、沿道は噂を聞いた市民や通りがかりの人による撮影会状態だった。9月1日、長崎県佐世保市主催の防災訓練に参加。LST-4002しもきたからAAV7水陸両用車２両（戦闘上陸大隊から１両、水陸機動教育隊から１両。もう１両載っていたが不調で不参加）と戦闘強襲偵察用舟艇CRRCで発進し、宇久島に上陸して孤立島民救出訓練を行った。帰路はAAV7水陸両用車と戦闘強襲偵察用舟艇をLCACに載せてLST-4002しもきたまで運んでいる（前日訓練ではAAV7水陸両用車２両と戦闘強襲偵察用舟艇４隻をLCAC１隻に載せていた）。9月8日から10月23日、米比共同訓練カマンダグ2018に参加。10月2日1250（現地時間）／1350（日本時間）頃、カマンダグ2018に参加中の隊員１名が、中央輸送業務隊の隊員１名と共に、フィリピン人男性の運転する役務契約車両でスービック海軍基地近くを移動中、大型車両と衝突して死亡した。10月5-19日、アメリカ海兵隊との日米共同離島奪還実動訓練ブルー・クロマイトに本部と第２水陸機動連隊が参加。10月15-24日、種子島周辺海域で統合水陸両用作戦訓練に参加。10月29日から11月8日、キーン・ソード19に参加。11月9-11日、みちのくALART2018に参加。2019年1月7日から2月16日、アイアンフィスト19に参加。1月13日、戦闘上陸大隊が第１空挺団平成31年降下訓練始めに参加。2月11日、海上自衛隊佐世保音楽隊、佐世保教育隊と共に、長崎県佐世保市四ヶ町商店街で建国記念の日奉祝パレードに参加。3月26日、崎辺分屯地が開設され、戦闘上陸大隊本部／本部管理中隊と第１戦闘上陸大隊が移駐した。4月30日から7月10日、海自平成31年度インド太平洋方面派遣訓練に30名で参加。DDH-183いずもに搭乗し、統合機動防衛力の観点から見た海自艦艇運用法の学習、各寄航地に於ける各国軍との交流などを行った。6月3日から8月21日、タリスマン・セイバー2019に参加。10月6-23日、カマンダグ2019に参加。2020年1月25日から2月13日、アメリカ海兵隊との実動訓練に参加。2月5-27日、第２水陸機動連隊がアイアン・フィスト2020に参加。8月24日から9月10日、令和2年度方面隊実動演習（北部方面隊）に参加。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。

2021年1月21日、アメリカ第31海兵遠征隊との共同水陸両用戦訓練に参加。5月11-17日、アメリカ海兵隊及びフランス陸軍との共同実動訓練ARC21に参加。5月20日、団長平田将補がアメリカ太平洋海兵隊主催の太平洋水陸両用戦指揮官シンポジウムPALS2021にリモートで参加した。5月30日から6月3日、第１水陸機動連隊基幹230名が瀬戸内海で艇長集合訓練に参加。LST-4001おおすみの支援を受け、偵察ボートによる発進・収容の要領を演練した。6月9-19日、第２水陸機動連隊基幹310名が、第１ヘリコプター団CH-47JAヘリと共に、九州西方海域などでLST-4002しもきた、LCAC-2105エアクッション艇５号、LCAC-2106エアクッション艇６号との水陸両用作戦協同訓練に参加。6月25日から8月7日、第２水陸機動連隊がタリスマン・セイバー2021に参加。9月28日から10月8日、隊員30名がカマンダグ21に参加。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。2022年1月10日から2月16日、アイアンフィスト22に参加。2月6日、第１ヘリコプター団と共に、沖縄周辺海域で日米共同訓練に参加。相浦駐屯地でCH-47輸送ヘリに搭乗し、沖縄周辺海域でLHA-6アメリカへの発着艦訓練を行った。2月28日から3月4日、関東南方からグアム北方の海空域で日米共同訓練に参加し、DDH-181ひゅうがとDD-120しらぬい、DDG-52バリー、DDG-69ミリウス、DDG-76ヒギンズ、DDG-105デューイ、T-AKE-4リチャード・Ｅ・バード、アメリカ海兵隊第３海兵遠征軍第５航空艦砲連絡中隊と、対地射撃や対水上戦などの訓練を行った。3月4-25日、第１水陸機動連隊が沼津海浜訓練場と東富士演習場で日米共同水陸両用作戦訓練に参加。7月25-27日、高遊原分屯地に展開した輸送航空隊V-22輸送機２機と協同訓練に参加。8月21-29日、グアム島周辺で日米豪韓加共同訓練パシフィック・ヴァンガード22に参加。11月10-19日、キーン・ソード23に参加。2023年2月16日から3月12日、アイアンフィスト23に参加。8月27日から9月13日、多国間演習スーパー・ガルーダ・シールド23に参加。11月9-20日、カマンダグ23に参加。2024年1月9-31日、令和5年度北海道訓練センター第４回実動対抗演習等に参加。AAV7水陸両用車、AH-64D戦闘ヘリ、CH-47JA輸送ヘリが、日出生台演習場への機動展開訓練、日出生台演習場での準備訓練、第13旅団との実動対抗演習、補備訓練、駐屯地への機動展開訓練を行った。2月25日から3月17日、アイアン・フィスト24に参加。

参考：月刊世界の艦船1,’16、12,’14、6,’18、1,’19、8,’19、12,’19、5,'20、11,'20、10,'21、5,'22、6,'22、11,'22、月刊PANZER6,’18、月刊JWings5,’15、2,’18、6,’18、7,’18、12,’18、5,’19、10,’19、4,’20、11,'20、4,'21、7,'21、9,'21、10,'22、2,'23、5,'23、月刊軍事研究2,’18、6,’18、10,’18、11,’18、12,’18、MAMOR vol.139、vol.144、vol.158、朝雲

　＜水陸機動団（２０１８年３月２７日新編時）＞：隊員数2100名。陸上総隊隷下で、団本部／本部付隊、第１水陸機動連隊、第２水陸機動連隊、戦闘上陸大隊（本部、第１戦闘上陸中隊、第２戦闘上陸中隊）、特科大隊（本部中隊、火力誘導中隊、第１中隊）、偵察中隊、施設中隊（主任務は水際障害対処）、通信中隊、後方支援大隊、水陸機動教育隊からなる。主な装備はAAV7水陸両用装甲車15両（戦闘上陸大隊）、戦闘強襲偵察用舟艇CRRC（戦闘上陸大隊）、高機動車、中距離多目的誘導弾、120mm迫撃砲RT（特科大隊）、81mm迫撃砲L16、70式地雷原爆破装置（施設中隊）、通信ネットワーク連接装置アクセスノード車（通信中隊）、浄水セット（後方支援大隊）、燃料補給車（後方支援大隊）。部隊の大部分は相浦駐屯地に所在し、戦闘上陸大隊本部と第１戦闘上陸中隊も崎辺分屯地が完成していないので相浦駐屯地で新編された。戦闘上陸大隊第２戦闘上陸中隊は玖珠駐屯地、特科大隊は湯布院駐屯地、後方支援大隊の一部と通信中隊の一部は玖珠駐屯地と湯布院駐屯地に所在する。参考：水陸機動団ホームページ、月刊PANZER6,’18、月刊軍事研究6,’18、月刊世界の艦船3,’19、朝雲

　＜水陸機動団（２０２０年）＞：陸上総隊隷下で、相浦駐屯地にある。参考：月刊JWings6,’20

＜水陸両用機＞：水上機に車輪を付け、陸上からも発着できるようにしたもの。参考：飛行機のしくみ

＜水陸両用徽章＞：陸上自衛隊の徽章。正面から見た波をかき分けるゴムボートの艇首に桜花をあしらい、持ち手先端がＴ字のオール２本をクロスさせ、桜花の下に取り付けたデザインである。西部方面普通科連隊教育隊／水陸機動教育隊で水陸両用基本訓練課程を修了すると授与される。参考：月刊軍事研究5,’15、月刊世界の艦船10,’15、MAMOR vol.158

＜水陸両用基本訓練課程＞：陸上自衛隊の教育。西部方面普通科連隊教育隊／水陸機動教育隊が担任し、西部方面普通科連隊／水陸機動連隊の隊員は全員修了する必要がある。教官や助教は赤シャツを着ており赤鬼、学生は黄シャツを着ておりヒヨコと呼ばれる。期間は５週間。内容は３km地上走・1km水泳・3km地上走のラン・スイム・ラン、フィンを履いて50mを１分で泳ぐフィン泳、防弾ベスト・鉄帽・小銃・半長靴装備で100m泳ぐ生存泳、偵察ボートと同じ重さ（150kg）の丸太を８名で担ぎ障害走を行うボート障害走、同じ丸太を担いで行うボート体操、不時着水を想定した脱出訓練（１名用座席の付いた骨組みをプールに浮かべ、学生がシートベルトを付けて座り、教官がひっくり返す）など。参考：朝雲、MAMOR vol.158

＜水陸両用作戦＞：Amphibious Operation。海上部隊及び海上輸送された上陸部隊が、海上から敵支配域の海岸に向けて実施する攻撃行動のことで、水陸両用強襲作戦（強襲上陸）、水陸両用襲撃作戦、奇襲上陸がある。広義には水陸両用撤収作戦やMOOTW関連水陸両用作戦（示威行為、非戦闘員撤収、人道支援・災害救援など）を含む。計画を立案し、部隊を船積みし、予行演習を行い、洋上目標区域に移動し、上陸を行い、橋頭堡・海岸堡を確保する。作戦海域の制海権を得る必要があるので、脅威となる敵戦力を撃滅して恒久的な制海権を得たり、拘束または陽動により一時的な制海権を獲得したりする。航空機が発達してからは制空権を得ることも重要になり（無いとダンピールの二の舞になる）、ほぼ全艦種・全兵種を使用して防空戦・航空撃滅戦から対潜戦・対機雷戦に至るまで広範囲の作戦を実施する。命令系統が陸海空で別々だと成功は覚束ないので、統合指揮官による統合作戦となり、揚陸艦艇は統合作戦能力を備える必要がある。作戦指揮専任の揚陸指揮艦を用意したりもする。大量の負傷者が出ることを想定し、病院船を同行させることもある。船積みは最後に上陸させるものを最初、最初に上陸させるものを最後に積み、順番に手際良く降ろせるようにしておく。１隻の船に部隊を丸ごと乗せると全滅の危険があるし、バラバラにしすぎると上陸後の集結に手間取るので、加減が重要である。対機雷戦に関しては、まず上陸部隊を積んだ艦艇と上陸支援艦艇が停泊する海域から始め、上陸用舟艇やLCACの通る水路を啓開し、上陸地点周辺に移行するが、海岸線に近づくほど敵の妨害を受けやすく作業が困難になり、上陸開始までに取れる作業時間も限定されていることから、対機雷戦部隊や上陸部隊にある程度の損害が出るのを覚悟して作戦を練らなければならない。ヘリを使えば機雷や水際防御陣地は飛び越せるが、対空砲火に弱いのでそちらを潰しておく必要がある。上陸第一波を揚陸させた後は増援と補給物資を送り続け、重傷者を回収後送する必要があるので、強行接岸可能な揚陸部隊を投入して近くの港を占領するか、人工桟橋を建設する。防御側が対艦ミサイルなどで沿岸防御を固め出したため、ビーチングではなく水平線以遠からの水陸両用作戦を行う必要が出てきているが、１個機甲旅団6000名を強襲上陸させるには大型・中型ヘリ200機以上とLCAC40隻以上が必要で、これらを運用するための大型揚陸艦（排水量2-3万トンクラス）は40隻に達し、この護衛及び着上陸支援のために水上艦や潜水艦を合わせて同数くらい投入しなければならず、相当大がかりな作戦となる。この規模の艦艇を保有できる国はアメリカくらいしか無いので、他の国は1-2個大隊規模の兵力を奇襲上陸・ヘリボーンさせ、小規模軍事介入、島嶼防衛、治安維持、人道支援などに投入できる程度の作戦戦力を整備している。参考：月刊丸12,’90、世界大海戦史考、月刊世界の艦船12,'23、12,’12、8,’82増刊、4,’18、2,’19、2,’14、10,'15、月刊軍事研究7,’18、6,’10、5,’14、9,’16

　＜水陸両用作戦（アメリカ軍）＞：強襲、襲撃、撤退、陽動、その他作戦支援の一般的機能を有し、敵対的または潜在的に敵対的な海岸に対する洋上からの戦力投射を含み、奇襲の要素を生み出し敵の弱点に付け込むため、戦闘能力を最も優位な地点と時期に正確に投射適応する。第１次大戦でミクロネシアが日本の統治下に入ったことを受け、対日戦オレンジ計画でミクロネシア攻略が課題となり、急速展開水陸両用戦部隊の必要性が高まった。これに対し、アメリカ海兵隊E.H.エリス少佐が海兵隊をこれに充てることを提唱し、それに基づいて1921年にアメリカ海兵隊作戦計画712Dを策定、同年に対日戦部隊の東海岸遠征部隊を新編している。その後海兵隊は1934年に上陸作戦マニュアル草案（Tentative Manual for Landing Operations）、1937年に上陸作戦ドクトリンを策定し、陸軍でもこれを参考にして敵対海岸への上陸作戦を策定したが、揚陸艦艇などの建造は進まなかった。第２次大戦勃発で漸く具体化が始まったが、太平洋戦争開戦後の1942年春でも太平洋艦隊に配備されていた両用戦艦艇は兵員輸送船６隻、貨物輸送船２隻、高速兵員輸送艦３隻だけだった。1942年8月、ガダルカナル上陸作戦を実施。11月8日、艦船500隻を集めて北アフリカ上陸作戦を実施。1943年6月30日からのカートホイール作戦では上陸後24時間で重砲が砲撃を始められるくらいの揚陸スピードとなった。7月、ハスキー作戦を実施。アメリカ、イギリス、カナダの陸海空部隊が多国籍統合作戦を行い、戦車揚陸艦LST、兵員揚陸艇LCI、戦車揚陸艇LCTといった揚陸艦艇を大量に使用した。11月、中部太平洋のマキン島とタラワ島で水陸両用作戦を実施し、占領には成功したが、日本軍の激烈な抵抗で新兵器のLVT水陸両用車を含め大損害を出した。この反省から、1944年からの水陸両用作戦では徹甲弾も使用した大規模な艦砲射撃と爆撃で敵陣地を徹底的に叩き、装甲化LVTも製作している。1944年1月、イタリアのアンツィオに上陸。クェゼリン上陸フリントロック作戦を実施。6月6日、オーバーロード作戦では戦闘艦艇1200隻、両用戦艦艇・舟艇4100隻以上を投入し、５個師団をノルマンディに上陸させた。6月15日、サイパンに上陸。制空権・制海権を確保して事前砲爆撃をかけ、LVTを投入し、通信と兵站を絶やさないという水陸両用作戦戦術のひな形が完成したが、事前砲撃を２時間しか行わなかったのがたたり、進撃を阻まれている。10月20日、フィリピンのレイテ島に上陸。12月、ミンドロ島に上陸。1945年1月、ルソン島リンガエン湾に上陸。2-4月、日本軍を掃討するため、フィリピン中南部に38回の水陸両用作戦を行った。2月19日、硫黄島上陸作戦を実施。入念な爆撃と３日間の事前砲撃を行ったが、洞窟陣地を撃破できず、大損害を出している。4月1日、沖縄上陸作戦では航空機延べ3000機による爆撃と5000トンの艦砲射撃を行い、両用戦艦艇・舟艇2300隻で７個師団18万名を沖縄に投入した。太平洋戦争終結時には陸軍３個師団と３個航空団を揚陸させることが可能な両用戦艦艇を保有していた。朝鮮戦争の仁川上陸作戦では戦車揚陸艦50隻を投入するなどして４万名を上陸させている。その後の冷戦下では大兵力の強襲上陸よりも小規模部隊を迅速に投入する必要性が高まり、揚陸艦隊の規模は徐々に縮小された。ソ連崩壊時の両用戦艦艇は60隻。湾岸戦争ではそのうち43隻をペルシャ湾に投入したが、本格的な水陸両用作戦は行われなかった。以降もMOOTWでの小規模兵力投入に止まり、強襲上陸の機会はほぼ皆無で、1990-2010年に行われた水陸両用作戦は５回のみ、上陸部隊を迎えるのは敵兵や砲火どころか支援を待つ民衆や報道陣だったりする。2012年現在、現役の揚陸艦は27隻で、海兵遠征旅団2.5個25000名を乗せられる。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船12,’12、4,’18、1,’18、1,’19、山本五十六と米内光政、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜水陸両用作戦（アメリカ軍、１９８０年代半ば）＞：投入兵力を決定し、上陸地点を選定する。部隊が展開するのに十分な地積を持ち、船団が8-10海里沖に錨泊可能で、早期に港湾が奪取でき、市街地から離れていて、複数の内陸部への経路を持ち、干満の差が無い所が望ましいが、裏をかくこともある。上陸時間は潮の満ち引きや月齢などから判断する。これらが決定すると上陸地域の綿密な偵察を行い、上陸日の数日前から砲爆撃を開始する。上陸前夜には偵察大隊の選抜チームが上陸地点に潜入し、誘導準備に入る他、海軍水中処分隊が機雷や上陸障害を掃討して航路を確保する。上陸の日、戦闘機により確保された進入路から輸送ヘリコプターが海岸線の3-4km内陸側に進出、攻撃ヘリと攻撃機が確保した降着地点にCH-46輸送ヘリが海兵隊員を、CH-53強襲ヘリが車両や牽引砲を輸送する。同時にLVTP-7水陸両用車が海岸線に向かって突撃。第１波が海岸線に到達する15秒前、距離50ヤード（45.7m）の所まで支援砲爆撃が継続され、上陸したLVTP-7水陸両用車はそのままO-1ライン（上陸点が小火器の射程に入らなくなるライン）まで進撃する。O-1ラインを確保すると、LCVPやLCUが重装備を揚陸させ、LVTP-7水陸両用車と共に内陸部に進撃、ヘリコプターで輸送された部隊と連絡をとる。橋頭堡を固めるのに掛かる時間は半日以内で、後は港湾設備やVTOL離着陸場を整備し、兵站路を確保すると共に、内陸部への進撃を開始する。参考：兵器最先端５、月刊世界の艦船12,’23

＜水陸両用作戦（アメリカ軍、２０１３年）＞：艦船や航空機に搭載した水陸両用部隊を海上から沿岸部に投射する作戦。水陸両用強襲作戦、水陸両用襲撃作戦、水陸両用陽動作戦、水陸両用撤収作戦、危機対応支援・その他の５種類がある。作戦指揮官は水陸両用部隊指揮官で、その下に水陸両用任務部隊指揮官と上陸部隊指揮官が並列で置かれている。まず作戦構想・計画立案を行い、部隊が乗艦し、予行を行い、作戦海域に移動、作戦を実施する。海兵隊F/A-18C/D戦闘機が陸上基地や空母から発進し、上陸地点の防空や対地支援を行う。強襲揚陸艦LHA/LHDからはAV-8B攻撃機が発艦して対地支援を実施。AH-1Z攻撃ヘリとUH-1Y汎用ヘリはそれぞれ1-2機ずつの少数編隊で運用し、対地支援と上空からの作戦統制に投入する。海岸にはAAV-7水陸両用車、内陸にはMV-22B輸送機で海兵隊員を送り込み、CH-53E強襲ヘリがLAV-25装甲車などの車両やM198/M777牽引砲を輸送、上陸地点の敵に包囲攻撃を仕掛ける。MV-22B輸送機は高速で、CH-53E強襲ヘリが飛行甲板上でスリング輸送準備をしている間に第１波の輸送を終えて戻ってきてしまうため、時間調整が要る。また、敵地での航空救難TRAPの際はMV-22B輸送機にフル装備の海兵隊員を載せて救出に向かうが、AH-1Z攻撃ヘリでは付いてこれないため、固定翼機を掩護に使う。戦車は上陸第一波には含まれず、敵機甲部隊は航空支援で壊滅させ、海岸堡を確保してからLPD/LSDのLCACや揚陸艇で戦車と重装備を運び込み、陸上に仮設飛行場を設営して内陸へと侵攻する。状況に応じて水陸両用任務部隊指揮官と上陸部隊指揮官が作戦統制権を委譲しつつ作戦を進めるので、平時からの連携訓練が重要である。参考：月刊世界の艦船3,’19、2,’14、12,'23、月刊軍事研究5,’14

＜水陸両用作戦（自衛隊）＞：水陸両用統合任務部隊が編成され、陸自指揮官をトップとし水陸機動団などからなる上陸部隊と、海自指揮官をトップとする水陸両用任務部隊を隷下に置く。空自は統合任務部隊の隷下には入らず、部隊の要請で近接航空支援を行う。要請する権限を持つのが水陸両用統合任務部隊指揮官や上陸部隊指揮官といった上級部隊指揮官のみだとキメ細かい支援を行えないが、どの程度の指揮官まで権限があるのかは不明。上陸部隊には、空自の火力誘導員や、アメリカ海兵隊ANGLICOに相当する陸自要員が統合火力誘導要員として付随し、上空に飛来した空自機と通信して具体的な目標を指示する。水陸両用統合任務部隊指揮官はまず上陸予定地域周辺に水陸両用目標地域AOA（Amphibious Objective Area）を設定し、掩護作戦（対機雷戦、偵察、指揮通信施設破壊、脅威となる火器制圧など）を開始、水陸機動団の洋上斥候員を隠密裏に上陸させて詳細な偵察を行い、タイミングを計って上陸に移る。制空権と制海権を確保していれば、反撃は陸上のみで、敵の増援も無いので、作戦は順調に推移する筈である。確保が中途半端だと、陸海空からの強力な反撃や敵の増援を受けて苦戦する可能性が高い。攻撃ヘリなど敵陸上戦力を減殺する火力に難があるが、ドーンブリッツ2017でアメリカ軍が試した方法に倣い、おおすみ型輸送艦の露天甲板にMLRSを並べてM31誘導ロケットを水平線外から叩き込むといった工夫で多少は補えるかも。長年三自衛隊が独自の通信系を発展させてきたため、統合作戦に必要な指揮通信能力に問題があり、再構築が必須である。2012年に尖閣諸島を国有化すると中国も対抗して軍艦や公船を周辺に送り込んだため、島嶼防衛・奪還を旨とする水陸両用作戦に備える必要性が高まった。2013年、アメリカ海軍の島嶼侵攻対処訓練ドーン・ブリッツに初参加。春、DDH-181ひゅうがで水陸両用作戦の実証テストを行うなど水陸両用作戦部隊の編成準備を開始。水陸両用作戦担当部隊としては護衛隊群と掃海隊群が挙げられていたが、アメリカ第７艦隊の水陸両用作戦担当任務部隊CTF76が対機雷戦スコードロンと水陸両用スコードロンで構成されていること、CTF76にあたる海自部隊が掃海隊群だったこと、島嶼防衛・奪還の際に機雷戦や対機雷戦が実施されること、掃海隊群が水路調査などにより沿岸部の詳細な情報を把握していること、護衛隊群には整備から即応段階までの錬成ローテーションがあるため１個護衛隊群に専任させるのは難しく、かといって４個護衛隊群が持ち回りで担当するのは訓練成果の共有などに困難を伴うことから、掃海隊群を水陸両用作戦基幹部隊とし、第１輸送隊を掃海隊群の隷下に入れることにした。2016年7月1日、掃海隊群を大規模改編して第１輸送隊を隷下に収め、水陸両用作戦対応にした。ただ水陸両用作戦訓練では陸自指揮官が第１輸送隊おおすみ型輸送艦、海自指揮官が自衛艦隊ひゅうが型ヘリコプター護衛艦に座乗する場合が多く、陸海指揮官が同居できる強襲揚陸艦クラスの水陸両用作戦艦が求められる。2018年3月27日、陸自水陸機動団が新編された。参考：月刊軍事研究2,’18、月刊世界の艦船1,’18、3,’20、1,’21

＜水陸両用作戦（日本軍）＞：島国なので、対外戦争の際には必ず水陸両用作戦を行う必要があり、日清戦争以来、数々の水陸両用作戦を実施した。日清・日露戦争では海軍陸戦隊が海岸堡を確保し、その後陸軍兵が上陸している。太平洋戦争でも東南アジア各地で水陸両用作戦を行った。参考：世界大海戦史考、工兵入門

＜水陸両用作戦（日本陸軍）＞：日清戦争では海軍陸戦隊が占領した海岸堡に上陸する形態で、運送船から木製の馬舟や団平舟に兵員や兵器を移し、小蒸気船で海岸近くまで曳航、切り離して上陸した。日露戦争後に陸軍運輸部が新編され、資材の整備が進められたが、上陸形式は変わらなかった。大正5年から上陸用舟艇の機械化に着手したが、４馬力エンジンを積んだ指揮連絡用の伝令艇が完成した程度だった。大正9年、鉄製上陸用舟艇の開発を開始。大正14年、伊勢湾での陸海軍協同上陸演習において、鉄製平底船にエンジンを搭載した自走舟艇を投入したが、波浪に耐えきれず故障が続出し、数十名が死亡した。このため耐波性の高いＶ字船体を使用した小発を開発。次いで戦車も揚陸できる大発を完成させた。これらは渡洋能力が無いので、母船となる宇品丸と靖州丸を建造している。上陸用舟艇の運用は運輸部軍属の小蒸汽船員が担当したが、前線で運用させるのは無理があるので、工兵第５大隊第３中隊に操船訓練を施し、海岸堡の確保を同中隊が担当、その後の輸送を沖仲仕に任せることとし、揚子江の敵前上陸をこの方式で行って成功した。昭和4年、第一回上陸特別工兵演習で船舶工兵の必要性が認識され、昭和７年に工兵第11・第18大隊に丁中隊が１個ずつ新編されて船舶工兵が誕生した。昭和12年12月、船舶輸送司令部は輸送船600隻150万トン、海上トラック100隻、機帆船・漁船・ヤンマー船3000隻を保有しており、日華事変拡大により大発と小発を600隻ずつ配備することになった。昭和15年、九七式中戦車を載せられる特大発を開発。昭和16年、日華事変の長期化と河川遡江作戦の必要性から、上陸・河川作戦担当の独立工兵第26連隊を創設した。太平洋戦争では沖合に輸送船を泊め、大発や小発を海面に降ろして将兵や貨物を移乗させ、全ての舟艇が揃ったら横隊を組んで海岸に乗り上げ強襲上陸を実施、貨物を揚陸した。輸送船からの移乗に最も時間がかかったため、輸送船内で移乗しておいて船尾から上陸用舟艇を降ろすタイプのMT船（神州丸、摩耶山丸、にぎつ丸、玉津丸、吉備津丸、秋津丸など）を建造している。大発や小発からの貨物揚陸は手作業で、これにも時間を要し、降ろし終わったらまた輸送船に戻って将兵や貨物を積み、とやっている間に敵襲を受けて沈められる事態が多発した。輸送船を１隻沈められても部隊が崩壊しないよう、各船に小分けにしたが、分けすぎて上陸後の集結や部隊把握に不便だったため、１個中隊規模の諸兵科連合を丸ごと運べる機動艇（SS艇）を開発し、15隻で海上機動旅団を輸送する予定とした。昭和18年4月には海洋師団の編制が提示されている。参考：工兵入門、月刊軍事研究11,’16、輸送船入門

＜水陸両用自動貨車＞：日本陸軍水陸両用トラック、別名スキ車。太平洋戦争南方作戦の戦訓を基にトヨタ自動車に開発させたもので、トヨタ四輪駆動自動貨車（４輪駆動２トントラックKCY）をベースに舟型の車体を取り付けている。遠浅の泥沼では車輪もスクリューも効かずに立ち往生するという欠点があったが、他は概ね良好な性能を発揮した。ただ背が高いので、貨物の積み降ろしには難渋しそうである。全長7.7m、全幅2.21m、全高2.42m、自重４トン、全備重量6.4トン。エンジンはガソリン（総排気量3389cc）、最大速度65km、燃料搭載量78リットル。ペイロード２トン。昭和18年6月に試作車が完成し、昭和18年11月から昭和19年8月に198両が生産された。参考：機甲入門、丸エキストラ版No.71、工兵入門、日本戦車隊戦史

＜水陸両用車＞：94式水際地雷敷設装置ファミリーを参照。

＜水陸両用車技術資料等＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜水陸両用車整備教育用教材＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究5,’17

＜水陸両用車米兵隊試験役務＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜水陸両用襲撃作戦＞：水陸両用作戦の１つ、Amphibious Raid。小規模部隊を隠密理に敵支配海岸へと上陸させ、施設破壊、暗殺・捕獲、側面攻撃・後方撹乱、情報収集、陽動などを実施し、すぐ撤収させるものである。参考：月刊軍事研究7,’18、月刊世界の艦船2,’19

＜水陸両用戦車＞：Amphibious Tank。中国語では両棲突撃車。水上浮航能力を持つ戦車のこと。カニングタワーやシュノーケルを取り付けて水中を進むものは水陸両用戦車とは言わず、渡渉能力を持つ只の戦車である。参考：軍事力バランス78年版、月刊軍事研究12,’15

＜水陸両用戦・機雷戦戦術支援隊＞：海上自衛隊の部隊。掃海業務支援、水陸両用戦戦術開発、LCAC操縦士育成、もがみ型護衛艦乗員に対する機雷戦教育訓練などを主任務とする。もがみ型護衛艦の艦橋シミュレータを装備する。2020年10月1日、掃海隊群隷下に新編された。参考：月刊世界の艦船12,’20、9,’22

　＜水陸両用戦・機雷戦戦術支援隊（２０２０年１０月１日新編時）＞：掃海隊群隷下で、隊司令は１等海佐、隊員数93名。横須賀基地船越地区に本部、戦術支援部（水陸両用戦支援科、機雷戦支援科、戦術海洋データ処理科）、教育訓練部（教育科、訓練科）、呉基地に呉水陸両用戦・機雷戦戦術支援分遣隊を置く。参考：朝雲

＜水陸両用撤収作戦＞：水陸両用作戦の１つ、Amphibious Withdrawals。海岸堡に追い詰められた味方部隊を洋上撤収船団に収容するものである。撤収に必要な部隊を洋上から海岸堡に送り込み、敵を食い止めつつ味方部隊を陸上から洋上や空中（ヘリなどを使う）へと脱出させ、艦船に収容していく。参考：月刊軍事研究7,’18

＜水陸両用突撃師団（ワルシャワ条約軍、１９７９年）＞：ポーランド軍のみに編成されている師団。強襲渡河作戦が主任務で、海上運用はされない。３個自動車化狙撃連隊に水陸両用車両を配備し、両用戦工兵連隊を配属している。参考：月刊PANZER5,’79

＜水陸両用任務部隊＞：スウェーデン軍とフィンランド軍の共同国際危機管理部隊、略称ATU。沿岸・島嶼・港内での水陸両用作戦、対機雷戦、道路封鎖・臨検、PKO、危機管理（警備・警戒）などを主任務とする。2001年、スウェーデンで二国間共同演習に参加。2002年、ノルディック・ピース02演習に参加。2003年、フィンランドで二国間共同演習に参加。2004年、SAMMARIN04演習に参加。2005年、PLANEXに参加。2006年、ストロング・リゾルブ演習に参加。参考：月刊軍事研究8,’14

＜ずいりゅう＞：SS-505（潜水艦）を参照。

＜推力＞：Thrust。エンジン、ロケット、プロペラなどが発生させる推進力のこと。ジェットエンジンやロケットでは出力を推力（静止推力）で表す。噴出する燃焼ガスの反作用なので、噴出ガス重量を増やす（圧縮機を高性能化して大量の空気を取り入れたり、圧縮機入り口付近で水噴射したりする）か、噴出ガス速度を増す（タービン通過後に燃料を吹き付けて燃やし増速する）ことで推力が増やせる。エアインテイクやダクトの形状を工夫して飛行中の動圧により大量の空気を取り込めるようにすれば、ジェットエンジン単体での最大静止推力を上回る最大推力（ネット推力）を発揮できる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、月刊航空ファン11,’92

＜推力荷重＞：Thrust loading。飛行機の総重量をジェットエンジンの離昇推力で割ったもので、単位はkg p/kg。小さいほど加速性能、上昇性能、離陸性能が良くなる。１より小さいと理論上は垂直上昇できる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜推力計測リグ＞：フライング・ベッドステッドを参照。

＜推力式単排気管＞：航空機用レシプロ・エンジンの排気を後方に噴射し、ロケット効果により機体を加速させる効果を持つ排気管のこと。エンジンの背圧も無くなる。参考：続日本海軍よもやま物語

＜推力重量比＞：Thrust to weight ratio。ジェットエンジン推力を機体重量で割ったもの。大きいほど運動性が高く、1.0を超える（エンジン推力のみで機体を支えられる）と高性能機と判断される。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、戦闘機のしくみ

＜推力線＞：Thrust line。プロペラ中心線やジェットエンジン軸線など、パワープラントが発生する推力の方向を表すラインのこと。機軸や重心から離れていると、特に推力を増減した際に運動性が大きな影響を受け、片発停止で一気に推力線がずれて大事故になったりするので注意。参考：航空用語事典増補改訂版

＜推力・馬力換算＞：揚力係数を抗力係数で割った揚抗比で機体重量（kg）を割ると、水平飛行に必要な推力（kgf）が出る。これをkNに直し、水平飛行速度（メートル毎秒）を掛けて735.5（１馬力＝735.5W）で割ると、その速度を維持するのに必要な推力を馬力に換算できる。kNに直さないなら推力（kgf）に水平飛行速度（メートル毎秒）を掛けて75（１馬力＝75kgf・m/s）で割る。仮定水平飛行速度による近似値なので注意。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings1,’03

＜推力偏向エンジン＞：ジェット排気の噴出する方向を変化させることが出来るエンジンのこと。空中機動性能が向上する他、舵面を補佐できるので、空気の薄い高々度でも運動性能が低下しない。ただし推力の一部を横向き分力に振り分けるので、使用時の運動エネルギー損失が大きい。垂直離着陸や短距離離着陸にも使用される。参考：月刊JWings3,’09、10,’09別冊付録、4,'23、戦闘機のしくみ

＜推力偏向機構を有する水中航走体の操縦性能の研究＞：技術研究本部艦艇装備研究所水上艦艇システム研究室が2011-13年度に研究したUUV用推力偏向機構。舵を廃止し、２軸ジンバルで保持したシュラウド付きプロペラ（首振り型推進器）自体を動かして進行方向を変える。全長2.5m・直径0.34mの小型潜水艦型UUVを製作してテストを行い、低速での操舵力の良さを確認した。舵が無いため魚雷発射管からの射出も楽で、障害物にも強く、航走時の雑音も抑えられる。参考：朝雲

＜推力偏向ノズルの研究試作＞：自衛隊の研究試作。IHIが受注している。参考：月刊軍事研究2,’19

＜すいれん＞：LSSL-432（警備艇）を参照。

＜水路潜入徽章＞：陸上自衛隊の徽章。洋上潜入課程と艇長課程をクリアした者に授与される。SS（スカウトースイマー）の文字が刻まれている。参考：月刊軍事研究5,’15

＜水路部＞：日本海軍の組織。国内外の水路保安が主任務である。明治2年に兵部省内で新編され、明治19年に海軍大臣直属となって海軍水路部に改称され、明治21年に水路部になった。参考：帝国陸海軍図鑑

＜スインギングビーム・オフィサー＞：日本海軍用語で、上陸になると急に元気が出る士官のこと。スインギングビームは係船桁のことで、停泊中だけ使用する。参考：帝国陸海軍事典

＜スイングアウト式回転式拳銃＞：回転式拳銃を参照。

＜スイングアクスル式サスペンション＞：独立懸架式サスペンションの１つ。左右の車輪にそれぞれ車軸があり、車体中央付近で結合されて上下に可動するようになっていて、その車軸の両端部（両輪の近く）にコイル・スプリングとショック・アブソーバーが付いている。構造が単純で軽量・低コストだが、旋回時の横加速度によって外輪のキャンバー角が変わってしまい、ステアリング特性が変化するので、操縦しにくい。参照：自動車のサスペンション

＜スイングファイア・シリーズ＞：イギリス陸軍第２世代対戦車ミサイル。1969年から配備された。参考：ザ・マーチ５号

＜スイングファイア＞：発射機と誘導装置を最大100m離すことができる。全長1.06m、弾頭直径0.17m、翼スパン0.39m、重量27.3kg、弾頭重量7kg（成型炸薬）。推進はIMIシングルチャンバーブースター＋サステナー、最大飛翔速度毎秒185m、最小射程150m、最大射程4000m、最大射程までの所要秒時26秒。誘導はCLOS。参考：世界の軍用車両(2)、兵器最先端５、ザ・マーチ５号

　＜ホークスイング＞：ヘリコプター発射型Hawkswing。全長1160mm、直径170mm、重量26kg。誘導は目視有線式、飛翔速度毎秒170m、射程150-4000m。装甲貫徹力600mm。参考：ザ・マーチ５号

＜スイングロール・ファイター＞：EF-2000シリーズ（戦闘機）を参照。

＜スィンマン＞：アメリカが初めて開発した核爆弾、Thin man（やせ男）。プルトニウムを使用したガンバレル式原爆で、1944年3月から実験したが、爆弾の投下機構に問題があって開発が難航しているうちに、プルトニウムがガンバレル式では起爆できないと分かり、1944年夏に開発中止となった。参考：核兵器事典

＜スー＞：H-13シリーズ（ヘリコプター）またはT-ATF-171（曳船）を参照。

＜ズー＞：イギリス陸軍第79機甲師団の別名Zoo（動物園）。ノルマンディー上陸作戦時、シャーマン・クラブ、シャーマンBARVシーライオン、チャーチル・クロコダイル、カンガルーなど、動物名の付いた特殊車両を統括していたため、こう呼ばれた。参考：月刊PANZER7,’04

＜ズヴァールヴィス改級＞：オランダの潜水艦Zwaardvis（メカジキ）改級。参考：月刊世界の艦船11,’20

＜ズヴァールヴィス改級・海外シリーズ＞

　＜海龍級＞：台湾海軍潜水艦、ハイルン（Hai Lung）級。台湾海軍初の新造潜水艦である。1980年暮れにオランダに発注され、中国の反対と建造所の資金難に悩まされながらも２隻が引き渡された。回航の際には中国の拿捕を避けるため、ドック型貨物船に搭載して運んでいる。あと2-4隻輸入する予定だったが、中国の圧力で断念した。船体はマッコウクジラ型の部分複殻式で、セイルやセイル・プレーンの形状を変更している。ソナーはバウ・ソナーのみで、VDSやTASSは無い。司令塔に装備されているマストは前方から哨戒用第１潜望鏡、攻撃用第２潜望鏡（測距レーダー付き）、シュノーケル・マスト、ESM・通信マスト、レーダー・マストである。FCSは潜水艦統合戦闘情報システムＭ型S-NBADS-Mで、８目標同時追尾能力を持つ。慣性航法システムはスベリー社製Mk29Mod2A。全長66.9m（66.6m？67.9m？）、全幅8.4m、吃水6.7m、水上排水量2300トン、水中排水量2600-2703トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、120RUB215型ディーゼル発電機３基・電動モーター１基、出力5100馬力、１軸推進、水上速力11ノット、水中速力20ノット。潜航深度240m。兵装は魚雷発射管６門（SUT長魚雷。雄風�U潜対艦ミサイルも搭載しているらしい）。乗員77名（士官11名＋下士官・兵66名）。SS793海龍とSS794海虎が1987-88年に引き渡された。2013年、UGM-84Lハープーン・ブロック�U潜対艦ミサイルを搭載した。2016年8月、15年間の艦令延長工事を含む近代化改装を決定した。アメリカからMk48長魚雷も供与してもらう予定。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究7,’05、4,’10、月刊丸1,’98、2,’01、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,’14、11,’16、12,’16、4,'20、2,'23、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ズヴァールヴィス級＞：オランダ海軍潜水艦Zwaardvis級。Mk37長魚雷、ハープーン潜対艦ミサイルを搭載する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スヴァウキ・ギャップ＞：Suwalki Gap。スヴァウキはポーランド北東部の都市で、ベラルーシとカリーニングラード州に挟まれた所にあり、ポーランドやNATOの安全保障上の弱点となっている。参考：月刊軍事研究1,'19

＜スヴァルナ＞：P52（哨戒艦）を参照。

＜スウィアラー＞：DE-186（護衛駆逐艦）を参照。

＜スウィートブリアー＞：K209（コルベット）を参照。

＜スウィクカット＞：F-267（フリゲート）を参照。

＜スウィフト＞：G46（S級駆逐艦）またはHSV-2（機雷戦指揮艦）またはRQ-14B（無人機）またはZT-3（対戦車ミサイル）を参照。

＜スウィフト戦闘機シリーズ＞：イギリス空軍戦闘機Swift（アマツバメ）。イギリス空軍初の後退翼戦闘機である。朝鮮戦争でMiG-15戦闘機に対抗できる（と喧伝できる）後退翼ジェット戦闘機が必要になり、スーパーマリン社が試作していた後退翼版アタッカー艦上戦闘機を急遽採用したもので、ハンター戦闘機が完成すると用無しになり、各型計197機で生産が打ち切られた。参考：月刊JWings2,'21

　＜タイプ５１０＞：アタッカー艦戦の機首を鋭く尖らせ、主翼を前縁後退角44度の後退翼にし、尾翼も前縁後退角45度としたもの。１機が製作され、1948年12月29日に初飛行した。ドーサルフィンは無く、テスト中に方向安定性不良を指摘されている。参考：月刊JWings2,'21

　＜タイプ５２８＞：タイプ510のエンジンをアフターバーナー付きニーンに換装したもの。タイプ510の２号機として製作され、タイプ528に改称後の1949年3月27日に初飛行した。その後すぐにタイプ535への改修が始まっている。参考：月刊JWings2,'21

　＜タイプ５３５＞：主翼内翼部後縁の後退角を浅くして翼面積を広げ、機首を延長して先端を丸め、アフターバーナーに対応してエアインテイクを拡大（実際に積んだエンジンはアフターバーナー無しのニーン）、垂直尾翼付け根前縁にドーサルフィンを付けた。タイプ528から改修されて1950年8月23日に初飛行した。参考：月刊JWings2,'21

　＜タイプ５４１＞：エンジンをロールスロイス社製エイボンに換装したもの。スウィフトとして採用された。参考：月刊JWings2,'21

　＜スウィフトＦ．１＞：

　＜スウィフトＦ．２＞：

　＜スウィフトＦ．３＞：

　＜スウィフトＦ．４＞：

　＜スウィフトＦ．７＞：機首にレーダーを装備しており、主翼下にファイアフラッシュ空対空ミサイルを搭載できる。参考：月刊JWings2,'21

＜スウィフト戦闘機ファミリー＞

　＜スウィフトＦＲ．５＞：偵察機型。参考：月刊JWings2,'21

＜スウィフトシップ級哨戒艇＞：イラク海軍哨戒艇。2009年9月25日にアメリカのスウィフトシップ社に９隻が発注された。船体と上部構造物はアルミ合金製で、艦尾にRIB用ランプを持つ。全長35m、幅7.3m、吃水2.6m。主機はMTU社製ディーゼル、出力7200馬力、速力30ノット。兵装は30mm機関砲１門。乗員25名。１番艇P-301は2011年1月24日から任務に就いている。参考：月刊世界の艦船4,’11

＜スヴィム＞： フランス軍爆薬処理車SOUVIM。南アフリカ製で、IED処理部隊用に導入した。車体底部はＶ字型の対地雷構造で、操縦席は後方に寄せられている。参考：月刊PANZER9,’10

＜スヴィリ＞：9M120（対戦車ミサイル）を参照。

＜スヴィレピイ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートScirepy。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜スウィンガー＞：9M120ヴィキール（対戦車ミサイル）を参照。

＜スーウォン＞：752（コルベット）を参照。

＜スウーズ・グース＞：XP-54（試作戦闘機）を参照。

＜スウェイゼイ＞：DE-248（護衛駆逐艦）を参照。

＜スウェイル＞：K217（フリゲート）を参照。

＜スウェイング＞：Swaying、左右揺れ。左右方向の直線往復運動のこと。参考：図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜スウェーデン王立ミリタリーアカデミー＞：スウェーデン軍の学校。将校に軍事教育を行う学校で、1792年に創設された。1796年、ストックホルムのカールベリ城を改装した校舎が竣工した。2010年現在、218期生が授業を受けている。オープンデーにはスウェーデン軍による戦闘訓練展示が行われ、外国人も見学可能。参考：月刊軍事研究11,’10

＜スウェーデン海軍＞：1904年、ハヤン級潜水艦１隻が就役。1909年、潜水艦ヘパレンが進水。1914年、潜水艦デルフィネンとスヴォルドフィスケン級潜水艦が進水。ラクセン級潜水艦２隻が進水開始。1917年、ハヤン級潜水艦（２代目）３隻が進水開始。1921年、ヴォベルン級潜水艦３隻が進水。1925年、ファレン級敷設潜水艦１隻が就役。1929年、ドラケン級潜水艦（初代）３隻が就役開始。1929-30年頃、水上機母艦ドゥリスティグヘーテンが就役。1935年、ショーレヨネット級潜水艦９隻が竣工開始。1936年、デルフィネン級敷設潜水艦３隻が竣工開始。1940年、ゴトランド級航空巡洋艦１隻が就役。1942年、ネプチューン級敷設潜水艦３隻が進水。1947年、トレ・クロノール級巡洋艦２隻が竣工。1955年、ハランド級駆逐艦２隻が竣工開始。1957年、ハヤン級潜水艦（３代目）６隻が竣工開始。1962年、ドラケン級潜水艦（２代目）６隻が竣工。1968年、ショーオルメン級潜水艦５隻が竣工開始。1971年、エルブスボルイ級敷設艦１隻が竣工。1970年代後半、フギン級ミサイル艇16隻が竣工開始。1980年、ネッケン級潜水艦３隻が就役開始。1982年、カールスクローナ級敷設艦１隻が就役。1984年、情報収集艦オリオンが就役。1984年、ストックホルム級哨戒艇２隻が就役開始。1987年、ヴェステルイェトラント級潜水艦４隻が就役開始。1989年、イェーテボリ級ミサイル艇４隻が竣工開始。1996年、ゴトランド級潜水艦３隻が就役開始。2015年2月、ソマリア沖海賊対処EU海上部隊に90H型襲撃艇２隻を派遣した。2017年、Strib90HSM戦闘艇18隻の配備を開始。参考：月刊世界の艦船5,’15、7,’17、1,’18、月刊軍事研究2,’03、1,’03

　＜スウェーデン海軍（１９７７年）＞：兵力12000名（うち徴兵7100名）。潜水艦17隻、駆逐艦６隻、フリゲート６隻、ミサイル艇１隻、大型魚雷艇29隻、魚雷艇12隻、哨戒艇22隻、敷設艇12隻、掃海艇12隻、上陸用舟艇86隻、75mm/105mm/120mm/152mm/210mm沿岸砲、Rb52地対艦ミサイル、HKP2アルエート�U汎用ヘリ５機、HKP4Bバートル輸送ヘリ３機、HKP4バートル輸送ヘリ７機、HKP6ジェットレンジャー汎用ヘリ10機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スウェーデン海軍（１９８９年）＞：兵力12000名（うち徴兵6300名）、予備役102000名。カールスクローナ、ムスケ、ハルネサンドに基地、ゲテボルクには支援艦艇用基地がある。ヴェステルイェトランド級潜水艦３隻、ネッケン級潜水艦（近代化改装後）１隻、ネッケン級潜水艦（近代化改装前）２隻、ショーオルメン級潜水艦５隻、ストックホルム級ミサイル艇２隻、ヒューギン級ミサイル艇16隻、ノールケピン級ミサイル艇12隻、沿岸高速哨戒艇１隻、沿岸哨戒艇３隻、内海哨戒艇11隻、カールスクローナ級敷設艦１隻、アルプスボルグ級敷設艦２隻、ランドソルト級掃海艇６隻、アルコ級掃海艇４隻、内海掃海艇18隻、機械化揚陸艇12隻、情報収集艦１隻、サルベージ船１隻、調査船１隻、砕氷艦６隻、曳船２隻、掃海支援艦１隻を保有する。沿岸防衛隊は兵力2650名（うち徴兵1700名）で、砲兵旅団５個からなる。40mm機関砲、70口径40mm高射機関砲、75mm砲、120mm砲CD-80カリン、固定式75mm砲、固定式120mm砲、RBS-17ヘルファイア対艦ミサイル、RBS-08A対地ミサイル、RB-52対地ミサイル、沿岸型敷設艇９隻、内海型敷設艇16隻、内海哨戒艇18隻、機械化揚陸艇９隻、汎用揚陸艇80隻、強襲揚陸艇55隻を保有する。海軍航空隊はC-212対潜哨戒機１機、Hkp4B/C対潜ヘリ（KV-107）14機、Hkp6連絡ヘリ（AB206）９機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スウェーデン海軍（１９９５年）＞：兵力9000名（うち徴兵4100名）。管区は東西南北方面の４つに分かれ、隷下に潜水艦艦隊、水上艦艦隊３個、掃海船隊３個、ヘリコプター飛行隊３個を置く。ヴェステルイェトラント級潜水艦４隻、ショーオルメン級潜水艦５隻、ネッケン級潜水艦３隻、イェーテボリ級ミサイル艇４隻、ストックホルム級ミサイル艇２隻、ヒューギン級ミサイル艇16隻、ノールケピン級ミサイル艇12隻、機雷敷設艦艇24隻、スティルセ級など掃海艦艇21隻、上陸用舟艇192隻、支援艦艇12隻、75mm・120mm沿岸砲、沿岸防衛ミサイル、各種ヘリコプターを保有する。参考：月刊軍事研究4,’97

＜スウェーデン海軍（２０１３年）＞：兵力6070名。潜水艦５隻、コルベット９隻、哨戒艇13隻、指揮艇２隻、揚陸艇９隻、ホバークラフト３隻、掃海艇９隻、情報収集艦１隻、練習艇２隻、輸送艦１隻、支援艦３隻、救難艦１隻、救難艇１隻、艦載ヘリ20機、陸上ヘリ29機を保有する。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜スウェーデン海軍（２０１５年）＞：現役兵力1250名（＋水陸両用部隊850名）。ゴトランド級潜水艦３隻、改ヴェステルイェトラント級潜水艦２隻、スピッゲン�U級小型潜水艦１隻、ヴィスビー級コルベット５隻、イェーテボリ級ミサイル艇２隻、ストックホルム級ミサイル艇２隻、哨戒艇12隻、掃海艇10隻、揚陸艇・上陸用舟艇140隻、兵站支援船38隻、水陸両用大隊１個、81mm迫撃砲12門、RBS-17ヘルファイア対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スウェーデン空軍＞：1937年4月にサーブ社が創設されると、B3爆撃機（ユンカースJu86）とB5爆撃機（ノースロップN-8A-1）をライセンス生産して配備した。イタリアからCa311爆撃機も導入したが、冬の寒さが激烈で木製機体が劣化してしまい、急降下から引き起こした際に主翼が折れる事故を多発して空飛ぶ棺桶というニックネームを付けられている。戦闘機はアメリカにJ9（セバスキー・リパブリックEP-1）とJ10（バルティー48Cヴァンガード）を発注したが、第２次大戦勃発で禁輸措置を喰らいJ10は輸入できず、イタリアからJ11（CR42bis）とJ20（Re2000）を導入した。1939年6月、飛行場20箇所（1945年には40箇所に増）の整備を開始。1941年、B17爆撃機の配備を開始。1943年、J22A戦闘機の配備を開始。1944年、B18爆撃機の配備を開始。1945年7月、J21戦闘機の配備を開始。戦後にはJ23戦闘機も配備している。1951年、J29戦闘機の引き渡しが開始された。1955年、サーブ32戦闘機の配備を開始。1958年、BAS60コンセプトを採用。1959年、J34戦闘機の配備を開始。1960年、サーブ35戦闘機の配備を開始。1966年、Sk60練習機の配備を開始。1970年代、BAS90コンセプトを採用。1971年、サーブ37戦闘機の配備を開始。1993年、JAS39戦闘機の配備を開始。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。2018年8月21日、訓練飛行中のJAS39戦闘機１機がバードストライクで墜落した。人的被害は無かった。参考：月刊軍事研究1,’16、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings11,’16、11,’18、8,’20

　＜スウェーデン空軍（１９７７年）＞：兵力10500名（うち徴兵5700名）。A32A攻撃機37機、AJ37攻撃機72機、SK60C戦闘攻撃機18機、J35F戦闘機234機、J35D戦闘機72機、S32C偵察機18機、S35E偵察機36機、SH37偵察機18機、C-130E/H輸送機３機、カラベル輸送機３機、C47輸送機７機、ペンブローク輸送機６機、SK60A/B連絡機110機、SK61ブルドッグ連絡機57機、SK60練習機150機、SK61練習機78機、SK35Cドラケン練習機20機、SK50サフィル練習機40機、SK37ビゲン練習機17機、HKP2アルエート�Uヘリ１機、HKP3ヘリ６機、HKP4Bヘリ10機、ブラッドハウンド�U地対空ミサイル中隊２個を有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スウェーデン空軍（１９８９年）＞：兵力8000名（うち徴兵5000名）、予備役57000名。攻撃グループ１個、防空管区４個、航空団９個からなる。AJ-37攻撃機82機、SK-37転換練習機18機、J-35F/J戦闘機68機、SK-35C戦闘機４機、JA-37ビゲン戦闘機139機、SH/SF-37偵察機48機、カラベルELINT機２機、C-130E/H輸送機８機、SK-60通信機、キングエア200通信機３機、メトロ�V要人用通信機２機、サーブ91サフィール連絡機42機、SK-60A/B/C練習機106機、SK-61練習機50機、J-32D標的曳航機８機、J-32E電子戦訓練機14機、HKP-4捜索救難ヘリ６機、HKP-9B捜索救難ヘリ４機、HKP-10捜索救難ヘリ２機、HKP-3多用途ヘリ６機、ストリル60半自動防空システムを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スウェーデン空軍（１９９５年）＞：兵力11500名（うち徴兵5500名）。防衛管区は陸軍に合わせた３区で、空軍基地は平時は11箇所だが、戦時には岩盤をくり抜いた格納庫と高速道路を使用した戦時基地50箇所が稼働する。JA37戦闘飛行隊９個、AJ37攻撃飛行隊６個、SH/SF37偵察哨戒飛行隊３個、J35戦闘飛行隊３個、C-130/キングエア200/SK60輸送飛行隊１個からなる。作戦機393機、保管機51機。JA37戦闘機110機、AJ37攻撃機149機、SF37偵察機26機、SH37哨戒機26機、SK37練習機18機、カラベル電子戦機２機、サーブ32電子戦機13機、SK60多用途機150機を保有する。参考：月刊軍事研究4,’97

＜スウェーデン空軍（２０１５年）＞：現役兵力2700名。年間飛行時間100-150時間。JAS39C/D戦闘機97機、S-102B電子情報収集機２機、S-100B早期警戒機１機、S-100D早期警戒機２機、KC-130H空中給油輸送機１機、Tp-84（C-130H）輸送機５機、Tp-100C（サーブ340）輸送機２機、Tp-102D要人輸送機１機、Sk-60W練習機67機、AUV3無人偵察機８機、Hkp-16ヘリ15機、Hkp-14（NH90TTH）ヘリ14機、Hkp-15Aヘリ12機、Hkp-15Bヘリ８機、RB-75空対地ミサイル、RB-15F空対艦ミサイル、RB-74空対空ミサイル、RB-98空対空ミサイル、RB-99空対空ミサイル、GBU-12/B誘導爆弾、GBU-39/B誘導爆弾を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スウェーデン空軍ヒストリックフライト＞：SwAFHF（Swedich Air Force Historic Flight）と略す。スウェーデン民間航空局隷下に1998年に創設された組織で、スウェーデン空軍使用機のうち歴史的に価値がある航空機を飛行状態で保存している。また、関連技術や修理施設なども保管してある。参考：月刊航空ファン2,’11

＜スウェーデン軍＞：９世紀頃に国家を形成し、ヨーロッパ諸国が傭兵主体の軍隊を作っていた13世紀には自由民による郷土防衛を定めた法律が制定され、国民軍による防衛体制を築いていた。1526年にグスタフ王が国軍を創設し、1619年にグスタフ２世が選抜徴兵制度を定め、1682年には平時の軍隊維持のためインデルニング制を導入した。1812年、戦時動員をより確実にした新徴兵制を施行。沿岸や国境線が長いため、一歩下がったところに防衛線を敷くことになり、1819年から要塞の建設に入った。1901年、インデルニング制を廃止して新たな徴兵制を施行、スウェーデン国防軍が誕生した。また、人口が限られているため、兵役終了後の壮年をテリトリアルディフェンス（国土全てを縦深として全国民で守る防衛戦略）部隊として現役世代の不足を補った。当時は陸海軍の２軍編成で、後に空軍が加わっている。スレースヴィヒ戦争以降は国内の嫌戦世論や装備の近代化の遅れなどから中立の立場をとるようになり（スイスと違い、条約で定められた永世中立国ではない）、第１次大戦でも準戦時態勢には移ったものの、中立を維持した、というか北欧自体が戦場になっていない。第１次大戦後は国内での兵器開発を禁じられたドイツがスウェーデンで開発したため、戦車、航空機、潜水艦を国産できるようになったが、自軍に十分な兵器を揃えるだけの予算が無かった。第２次大戦でも中立を維持したが、フィンランドがソ連に、ノルウェーとデンマークがドイツに侵略を受け、イギリスやフランスもフィンランド援助を名目にスウェーデン北部の鉱山に食指を伸ばすなど安穏としていられる状況ではなく、準戦時態勢を敷き、1939年7月から1940年10月にスカンジナビア半島南岸にパー・アルビン線（名前の由来は当時の首相）と呼ばれる1063箇所のトーチカを建設、国産兵器を開発・生産して対抗した。ただ戦力では圧倒的に劣るため、スウェーデン領内を通ってのドイツ軍傷病兵や民間人・民需物資（武器弾薬も紛れていた）の輸送、ノルウェー降伏後はドイツ軍兵士の領内通過を認めざるを得なかった。ドイツでは鉄鉱石などの資源確保のため一時スウェーデン侵攻作戦が検討されたが、ツィタデレ作戦失敗によりノルウェーの第25装甲師団が引き抜かれて実行されずに済んでいる。連合軍の方でもドイツへの鉄鉱石輸出阻止のためスウェーデン攻略を検討していたが、ドイツがノルウェー駐留部隊を削減したため、スウェーデンの方から連合国側に接近、1943年夏には木材製品などのドイツへの輸出を制限し、ドイツ軍部隊の領内通過を拒否すると共に、ノルウェー亡命政府と協力して警察部隊訓練の名目でノルウェー人に対する軍事訓練を開始した。戦時中には16000機から領空侵犯を受けたが、対抗できる戦闘機は1943年から量産されたJ22くらいしか無く、撃墜したのは20機だけである。また、343機が不時着し、搭乗員と引き替えにイギリスからレーダーセット50基、アメリカからB-17爆撃機９機（全て不時着したもの）、P-51戦闘機50機（うち不時着したもの４機）を譲り受けた。戦後は冷戦下でも中立を保てるように強力な軍事力整備に乗り出し、各種国産兵器を配備、一時は核兵器の開発まで行っていた。ノルウェーとデンマークはNATOに加盟したため、フィンランドとの国境沿いに陣地線３線からなる北方防衛線を建設し、各地に山腹をくり抜いて航空基地を作っている。1945年、M45サブマシンガンを制式化。1952年6月、カタリナ事件が発生。1981年10月27日、ウイスキー・オン・ザ・ロック事件が発生。冷戦崩壊と、フィンランド（ソ連と友好協力相互援助条約を結んでいた）のEU加盟で脅威が減少したため、1993年にテリトリアルディフェンスを放棄、侵略に対抗する兵力ではなく地域安定に寄与する兵力を維持することを決定し、動員兵力をピークの630000名から３分の１強の225000名（野戦軍110000名、地域防衛部隊35000名、郷土警備隊80000名）に減らした。また、中立ではなく軍事的非同盟という言葉を使用するようになった。1996年、陸海空３軍制度が廃止され、スウェーデン国防軍に統一された。1990年代、沿岸砲兵隊を廃止。2000年、水陸両用戦軍団（いわゆる海兵隊）が創設された。2002年、永世中立から方針転換し、NATOとの協調をとり、兵器の国際共同開発や輸出にも積極的に乗り出すようになった。2010年7月、国際部隊の任務に適合できる精強な軍隊を編成するため、徴兵制を廃止して志願制とした。2014年10月16日、緊急用無線周波数でロシア語の会話を傍受したため、ロシアの潜水艦が領海に侵入してトラブルを起こした可能性があるとして、翌日からストックホルム沖の群島に艦艇とヘリを展開、少なくとも１隻の外国艦船を探知したが、国籍などは不明で、10月24日に捜索を終了した。2017年、ゴトランド島の基地を復活させた。2月28日、徴兵制の復活を決定した。2018年1月、徴兵制を再開した。参考：月刊軍事研究1,’16、2,’16、8,’08、9,’06、7,’99、3,’10、11,’10、3,’11、月刊航空ファン6,’11、8,’16、月刊PANZER4・5,’17、朝雲、MAMOR vol.136

　＜スウェーデン軍（１９８９年）＞：現役兵力64500名（うち徴兵49000名）、予備役709000名。630万人を収容できるシェルターを有する。アフガニスタン国連監視団に６名、国連レバノン暫定軍に補給大隊・医療部隊計770名、国連イラン・イラク軍事監視団にオブザーバーを派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜スウェーデン軍（１９９５年）＞：現役兵力64000名（うち徴兵31600名）、予備役12000名、動員時兵力65万名。他に地方防衛隊と郷土警備部隊29万名がおり、戦時動員では16-70歳の総ての国民が何らかの防衛義務を果たす。戦時には陸海空軍指揮下部隊がクリスティアンシュタツ、ストレンクネース、ボーデンの３軍管区司令部隷下の統合軍となる。参考：月刊軍事研究4,’97

　＜スウェーデン軍（２０１５年）＞：現役総兵力29750名（陸軍6850名、海軍2100名、空軍2700名、その他18100名）、沿岸警備隊750名、志願制軍補助組織21200名。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員32名、アルメニア・アゼルバイジャンにOSCE要員１名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにアルテア作戦要員２名、中央アフリカ共和国にEUMAM RCA要員２名、コンゴ民主共和国にMONUSCOオブザーバー２名、インド・パキスタンにUNMOGIPオブザーバー５名、韓国にNNSCオブザーバー５名、マリにEUTMマリ要員10名とMINUSMA要員210名・歩兵中隊１個、中東にUNTSOオブザーバー６名、モルドヴァにOSCE要員３名、セルビアにKFOR要員５名、コソボにOSCE要員３名、南スーダンにUNMISS要員１名とオブザーバー１名、ウガンダにEUTMソマリア要員10名、ウクライナにOSCE要員19名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スウェーデン陸軍＞：第１次大戦後に初の戦車としてStrv.m/21を採用。1936年、戦車大隊を強化する計画を立てたが、予算が減額されて自国製L-60軽戦車を買えず、代わりにStrv.m/37豆戦車を導入した。しかし貧弱すぎて訓練にしか使えない代物で、1939年にL-60CをStrv.m/38軽戦車として制式化し、Strv.m/41戦車をライセンス生産している。1942年、リュングマン・モデルAG42小銃を採用。1943年、SKPF m/42装甲車の量産を開始。1944年、Strv.m/42戦車の量産を開始。1946年、Pvkv m/43突撃砲の引き渡しが開始された。1948年、カールグスタフ無反動砲を制式化。1958年、Strv.74軽戦車の配備を開始。1963年、RB53対戦車ミサイルを採用。1965年、Strv.103戦車とバンドカノン自走砲を制式化。1966年、Pbv302装甲兵員輸送車の配備を開始。1974年、Ikv91軽戦車の配備を開始。1975年、RBS70地対空ミサイルの配備を開始。1980年、Hkp5B観測・練習ヘリの配備を開始。1980年代半ばからStrv.2000戦車の開発に入ったが、頓挫したため、1994年にStrv.121戦車、1995年にStrv.122戦車の配備を開始した。1991年、CV90歩兵戦闘車を制式化。2004年、RG-32M対地雷型装甲車を発注。2007年6月、TTH-90汎用ヘリの配備を開始。参考：月刊軍事研究1,’16、1,’18、スピアヘッドNo.3、月刊JWings11,’16

　＜スウェーデン陸軍（１９７７年）＞：兵力46000名（うち徴兵36500名）。平時は訓練連隊49個のみだが、有事には機甲旅団５個、歩兵旅団20個、ノーランド旅団４個、独立歩兵／砲兵／高射砲大隊50個、独立大隊100個、独立中隊400-500個を編成する。Strv101/102センチュリオン中戦車350両、Strv103B中戦車300両、Strv74軽戦車、Ikv91軽戦車、Pbv302A装甲兵員輸送車、105mm/150mm/155mm榴弾砲、105mm自走砲Ikv102/103、50口径155mm自走砲Bk1A、81mm/120mm迫撃砲、90mm対戦車砲、カールグスタフ無反動砲、ミニマン無反動砲、SS11／バンタム対戦車ミサイル、20mm/40mm高射機関砲、57mm高射砲、レッドアイ／RBS70／ホーク地対空ミサイル、Sk61ブルドッグ観測機20機、スーパーカブ軽飛行機12機、Do27輸送機５機、HKP3汎用ヘリ15機、HKP6汎用ヘリ19機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スウェーデン陸軍（１９８９年）＞：兵力44500名（うち徴兵37700名）、予備役55万名（地方防衛隊、郷土警備隊含む）。軍コマンド６個・防衛管区26個に平時は機甲連隊、騎兵連隊、歩兵連隊、砲兵連隊、高射砲連隊、工兵連隊、通信連隊、支援連隊を計44個配置しており、徴兵対象者や予備役の訓練を行っている。戦時には動員により野戦軍が30万名となり、機甲旅団４個、機械化旅団１個、歩兵旅団18個、ノールランド旅団５個、ゴトランド旅団１個、独立機甲大隊・歩兵大隊・砲兵大隊、高射砲大隊計100個、航空大隊１個、砲兵防空小隊９個の編成になる。また、地方防衛隊30万名・独立大隊90個・独立中隊400-500個と郷土警備隊125000名が加わる。Strv101戦車340両、Strv102/104戦車110両、Strv103B戦車335両、Ikv91軽戦車200両、Pbv302装甲兵員輸送車600両、105mm砲タイプ40を550門、150mm砲M-39を140門、155mm砲FH77A/Bを300門、155mm自走砲BK-1Aを30門、81mm迫撃砲1000門、120mm迫撃砲500門、Rb-53バンタム対戦車ミサイル、Rb-55TOW対戦車ミサイル（Pvrbv551自走対戦車ミサイル含む）、74mm無反動砲ミニマン、84mm無反動砲カールグスタフ、84mm対戦車ロケットAT-4、90mm無反動砲PV-1110、20mm高射機関砲114門、40mm高射機関砲600門、Rb-69レッドアイ携帯式地対空ミサイル、RBS70携帯地対空ミサイル、Rb-77改ホーク地対空ミサイル、Sk61C観測機（BAe社製ブルドッグ）17機、Do27輸送機２機、HKP-9A対戦車ヘリ20機、HKP-3汎用ヘリ14機、HKP-5B練習ヘリ26機、HKP-6A多用途ヘリ19機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スウェーデン陸軍（１９９５年）＞：現役兵43500名（うち徴兵27000名）。戦闘部隊は機甲旅団２個、機械化旅団４個、歩兵旅団６個、ノールラント旅団４個、砲兵大隊７個で、師団６個に複数個ずつ配属される。歩兵旅団２個とノールラント旅団を機械化旅団に改編中で、機甲旅団と機械化旅団は砲兵大隊１個などを増強中。他に連隊規模の防衛管区部隊22個（機械化部隊４個、歩兵部隊18個）が編成されている。Strv104戦車290両、Strv103戦車270両、Strv121戦車160両、Ikv91軽戦車210両、Pbv302装甲兵員輸送車510両、Pbv401装甲車450両、CV90歩兵戦闘車50両強、BMP-1歩兵戦闘車300両、FH77A/B榴弾砲153門、バンドカノン自走砲26両、ボフォース4140榴弾砲455門、ボフォース40mm単装機関砲600門、CV90自走対空機関砲、Rb77地対空ミサイル、RBS70携帯地対空ミサイル、RBS90地対空ミサイル、Pvrbv551自走TOW対戦車ミサイルを57両、Rb56ビル対戦車ミサイルを保有する。参考：月刊軍事研究4,’97

＜スウェーデン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力6850名。旅団司令部２個、偵察大隊１個、機甲中隊３個、機械化大隊５個、自動車化歩兵大隊１個、軽歩兵大隊１個、空挺大隊１個、保安大隊１個、砲兵大隊２個、防空大隊２個、工兵大隊２個、憲兵中隊２個、CBRN中隊１個、輸送中隊１個、予備役ホームガード大隊40個からなる。Strv121（レオパルト2A4）戦車129両、Strv122（レオパルト2A5）戦車120両、Strf9040（CV9040）歩兵戦闘車354両、Pbv302装甲車281両、BvS10Mk�U装甲車150両、Patgb180（XA-180）装甲車34両、Patgb202（XA-202）装甲車20両、Patgb203（XA-203）装甲車148両、Patgb360（XA-360）装甲車113両、RG-32M装甲車360両、155mm自走砲アーチャー５両、80mm迫撃砲212門、120mm迫撃砲84門、RB-55対戦車ミサイル、84mm無反動砲カールグスタフ、RBS-97地対空ミサイル、RBS-70携帯地対空ミサイル、Strv90LV自走高射機関砲30両、アーサー対砲レーダー、コディアック装甲工兵車６両、Bgbv120戦車回収車14両、CV90装甲回収車26両、アードヴァークMk2地雷原処理車、地雷原処理システム33基を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ズヴェズダＭ１＞：MGK-365（ソナー）を参照。

＜ズヴェズダＭ２＞：ロシア海軍水上艦用バウソナー。ウダロイ�U型ミサイル駆逐艦に搭載されている。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ズヴェズドチカ級給兵艦＞：プロジェクト20180TV（多用途砕氷タグ）を参照。

＜スヴェトラーナ＞：ロシア海軍スヴェトラーナ級軽巡洋艦Svetlana。1913年11月24日起工。実際に建造が始まったのは1914年4月1日で、資材不足や第１次大戦勃発で工事が遅れ、1915年11月28日に進水した。1917年10月11日、予算不足で建造が中断された。11月、ドイツがリガを占領したため、ペトログラードに疎開。1924年、漸く建造が再開された。1925年2月5日、プロフィンテルンと改称された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スヴェトラーナ級軽巡洋艦＞：ロシア海軍軽巡洋艦Svetlana級。1907年にロシア海軍で軽巡の任務が拡大されたのに伴い建造された。二等巡洋艦ノヴィックをベースに設計案が練られたが、計画変更が繰り返され、平均吃水5.6m、排水量6800トン、最大速力28ノットの最終設計案が纏まったのは1913年11月になってからである。全長158.4m、幅15.4m（1-2番艦）／15.3m（3-4番艦）、吃水5.7m（1-2番艦）／5.6m（3-4番艦）、排水量6800トン（1-2番艦）／6700トン（3-4番艦）。主機は蒸気タービン４基、主缶は９基、出力50000馬力、巡航速力14ノット、最大速力29.5ノット、常備燃料搭載量498トン、最大燃料搭載量1167トン、航続距離1200海里（14ノット）／470海里（29.5ノット）。ディーゼル発電機２基とターボ発電機２基を搭載する。兵装は55口径130mm単装砲（射程９海里、発射速度毎分15発）15門、6.4cm高角砲４門、7.62mm機銃４丁、450mm水中魚雷発射管２門（魚雷６本）、機雷100個。100cm探照灯と90cm探照灯を４基ずつ装備する。装甲厚は舷側25-75mm、機関室天蓋20mm、揚弾薬機25mm、上甲板20mm、下甲板20mm、司令塔75mm、防楯25mm。1913年11月にスヴェトラーナ、アドミラル・グレイグ、アドミラル・ブタコフ、アドミラル・スピリドフが起工されたが、資材不足、第１次大戦とその後の革命により建造は全く進まず、軽巡として竣工したのはスヴェトラーナのみ（プロフィンテルンと改称され1928年竣工）だった。更に1939年にクラスニイ・クリムと改称され、独ソ戦に参加している。1944年の諸元は以下の通り。全長158.4m、幅15.4m、吃水9.7m、基準排水量6830トン、満載排水量8000トン。主機は蒸気タービン、出力46300馬力、４軸推進、巡航速力14ノット、最大速力29.5ノット（常備時）／22ノット（満載時）、燃料搭載量950トン、航続距離1230海里（14ノット）。兵装は130mm単装砲15門（2625発）、100mm連装砲３基（1621発）、45mm単装砲４門（3050発）、37mm単装砲10門（10440発）、12.7mm機銃６丁、３連装魚雷533mm発射管２基（魚雷６本）、機雷100個。探照灯５基を装備する。装甲厚は舷側75mm、上甲板20mm、下甲板20mm、艦尾50mm、司令塔125mm、砲塔25mm。乗員852名。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スヴェトリャク級＞：ロシア国境警備隊哨戒艇Svetljak級、西側名称Svetlyak級。兵装は9M32ストレラ２（SA-N-5）艦対空ミサイル４連装発射機１基、406mm魚雷単装発射管２門、AK630CIWS１基、76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スヴェトリャク級・海外シリーズ＞

＜スヴェトリャク級（スロベニア海軍）＞：スロベニア海軍哨戒艇10412型Svetlyak級。満載排水量381トン。兵装はポイント・ディフェンス用艦対空ミサイルなど。2010年にトリグラフが竣工した。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜スヴェトリャク級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍哨戒艇10412型Svetlyak級。2001年からロシアに６隻を発注、2002年に２隻が竣工し、最後の２隻は2009年7月に起工された。兵装は76mm単装砲１門、AK630CIWS１基。参考：月刊世界の艦船2,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スウェニング＞：DE-394（護衛駆逐艦）を参照。

＜ズヴェノー６＞：TB-3ファミリー（寄生戦闘機母機）を参照。

＜スウェプト・フォワード・エアインテイク＞：F-105戦闘機のエアインテイクで、内側に向かって楔形に切れ込んだ形状をしている。超音速時にはエアインテイク外側壁のダクトプラグによりスロートの圧力を調節すると共にエンジン直前の抽気ドアが開き、衝撃波で圧縮された空気を確実に取り入れることができる。参考：月刊JWings5,’06

＜スヴェルドルフ＞：ソ連海軍チャパエフ級巡洋艦Sverdlov。1941年9月に起工したが、独ソ戦勃発でドイツ軍に接収され、1941-44年に解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スヴェルドルフ＞：ソ連海軍スヴェルドルフ級軽巡洋艦Sverdlov。1949年10月15日起工、1950年7月5日進水、1951年4月公試開始、1952年5月15日竣工。8月31日、第４艦隊に配属された。1953年6月、イギリスのスピットヘッドでエリザベス２世戴冠記念観艦式に参加。この際、イギリス海軍諜報部の工作員が水中に潜って舵とプロペラを調査しようとしたが、ソ連側も予めダイバーを潜ませており、工作員を隠密裏に殺害したらしい。帰国後、乗員には遠洋航海章が授与された。1955年10月、イギリスを訪問。12月24日、バルチック艦隊に配備された。1956年7月、オランダを訪問。1960年12月から1961年7月、大改装を受けた。1966年2-4月、大改装を受けた後に予備役に入った。1972年2月11日、現役に復帰。1973年10月、ポーランドを訪問。1974年4月、アルジェリアを訪問。6月、フランスを訪問。1975年6-7月、ポーランドを訪問。1976年6月、フランスを訪問。10月、東ドイツを訪問。1977年2月、大改装を受けた。1978年2月14日、予備役に編入されてリエパヤ海軍基地で保存された。1989年5月30日に除籍され、1990年にスクラップとしてインドに売却された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜スヴェルドルフ級軽巡洋艦シリーズ＞：ソ連海軍軽巡洋艦。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スヴェルドルフ級軽巡洋艦＞：68bis型Sverdlov級。第２次大戦終結後、アメリカ海軍の巡洋艦陣に対抗するため、152mm砲装備の軽巡として７隻を建造することにしたが、同時に18隻建造される筈だった180mm砲装備の65型軽巡がスターリンの重巡建造優先方針により開発中止になったため、建造予定数が25隻に増やされた。チャパエフ級の拡大型で、主任務は艦隊随伴、駆逐艦・魚雷艇の嚮導、偵察部隊援護などである。船体はソ連軍艦として初めて全溶接構造を採用した。使用した鋼板はSHL-4高張力鋼（抗張力１平方ミリメートルあたり40kg）だが、初期のものは品質が悪く、建造中の全面交換を余儀無くされている。主砲用射撃指揮装置は1949年完成の新型レーダーに対応したモルニアATs-68bisA。全長210m、全幅22m、吃水7.5m、基準排水量13230トン、満載排水量16340トン。主機は蒸気タービン、常用出力111400馬力、最大出力121700馬力、２軸推進、戦術速力32.7ノット、最大速力33ノット、航続距離9000海里（18ノット）、連続航海日数30日。兵装は15.2cm３連装砲塔Mk5bis４基（艦前後に背負い式で２基ずつ）、10cm連装高角砲６基（艦中央部両舷に３基ずつ）、37mm連装機関砲V11Mが16門（艦橋・前部煙突周囲）、533mm魚雷５連装発射管２基（中央部上甲板舷側）。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、主砲塔175mm、司令塔130mm。乗員1270名。25隻を建造する予定だったが、起工されたのは20隻で、1951年から17隻が進水し、スヴェルドルフ、ジュダノフ、アドミラル・ラザレフ、アドミラル・ウシャコフ、アドミラル・セニャーウィン、ドミトリイ・ポザールスキー、オルジョニキーゼ、アレクサンドル・スウォロフ、アレクサンドル・ネフスキー、オクチャブルスカヤ・レヴォルチア、ムルマンスク、ジェルジンスキー、アドミラル・ナヒモフ、ミハイル・クトゥーゾフの14隻が1952年から竣工した。竣工後間も無く魚雷発射管が取り外されている。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

　＜６８ｂｉｓ−ＺＩＦ型＞：ZIFはフルンゼ記念工場（Zavod Imeni Frunze）の略。フルンゼ記念機械工場が開発した45mm４連装機関砲ZIF-68-1型を搭載したタイプである。全長210m、全幅22m、吃水7.4m、基準排水量13720トン、満載排水量16790トン。機関常用出力110000馬力、最大出力126500馬力、戦術速力31.5ノット、最大速力33.2ノット、航続距離7000海里（17ノット）。兵装は152mm３連装砲４基、100mm連装高角砲６基、45mm４連装機関砲ZIF-68-1型６基、533mm魚雷５連装発射管２基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、主砲塔175mm、司令塔130mm。乗員1224名。68bis型のうち７隻をこのタイプにし、更に６隻を新造、13隻を配備する予定で、クロンシュタット、タリン、ワリャーグ、Shcherbakov、Kozma Minin、ドミトリー・ドンスコイ、アドミラル・コルニロフ、アルハンゲリスク、ウラジオストクが起工されたが、民間用タンカー急造のあおりを受けて全て建造中止になり、ドミトリー・ドンスコイとKozma Mininの船体は68bis型に再利用された。既にZIF-68-1型は30基が製造されていたが、駆動が直流電源だったため、交流電源を使用する他艦には搭載できず、倉庫にしまわれて1991年にスクラップにされている。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜６８Ａ型＞：近接防空能力強化型。1962年に完成した30mm連装機関砲AK-230を搭載したもので、電子機器も最新型に更新、魚雷発射管は撤去した。後期型はAK-630CIWSを積んでいる。全長210.1m、全幅22m、吃水7.8m、基準排水量14600トン、満載排水量18090トン。主機は蒸気タービン２基、機関常用出力114300馬力、最大出力125000馬力、２軸推進、戦術速力32ノット、最大速力32.3ノット、航続距離7650海里（17ノット）、連続航海日数30日。兵装は152mm３連装砲４基、100mm連装高角砲６基、37mm連装機関砲16基、30mm連装機関砲AK-230が８基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、主砲塔175mm、司令塔130mm。乗員1300名。アドミラル・ウシャコフ、アレクサンドル・スウォロフ、オクチャブルスカヤ・レヴォルチア、ミハイル・クトゥーゾフの４隻に改装が施された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船10,’20

　＜６８Ｕ型＞：指揮艦型。1961年に潜水艦隊・対潜艦隊旗艦として第17中央設計局で改装案が出され、1963年10月に艦隊指揮艦に役割が変更されて海軍総司令官が開発を了承、1965年3月に設計案が承認された。３番砲塔を撤去してオーサＭ艦対空ミサイル連装発射機や居住区を収容する上構を設置し、第２煙突後方に３番目のマストを追加、ツィクロン衛星航法装置や暗号通信装置などを搭載し、航続距離を延伸している。新設上構とヘリ甲板の間に４番砲塔が残ったままだと邪魔なので、これを撤去して新設上構左舷側をヘリ格納庫にする案を第17中央設計局で追加し、1967年7月に海軍総司令部と造船省で承認された。黒海艦隊移動司令部・地中海作戦艦隊指揮艦としてジュダノフ、太平洋艦隊指揮艦としてアドミラル・セニャーウィンの改装が開始されたが、ジュダノフの改装に関して黒海艦隊司令部兵器局が４番砲塔の撤去を拒んだため、ジュダノフは４番砲塔を残し、ヘリを露天係止することになり、更に対空兵装強化が決定してジュダノフは68U1型、アドミラル・セニャーウィンは68U2型に改装された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜６８Ｕ１型＞：68U型ジュダノフの対空兵装強化案で、1967年にネブスコエ設計局（1966年10月に第17中央設計局を改称）が設計を提出し、1968年5月に承認された。30mm連装機関砲AK-230を４基と、MR104型射撃指揮レーダー２基を追加している。全長210m、全幅22m、吃水7.8m、基準排水量14340トン、満載排水量17890トン。機関常用出力114300馬力、最大出力124100馬力、戦術速力32ノット、最大速力32.3ノット、航続距離5800海里（17ノット）、連続航海日数30日。兵装は152mm３連装砲３基、100mm連装高角砲６基、37mm連装機関砲16基、30mm連装機関砲AK-230が４基、オーサＭ艦対空ミサイル連装発射機１基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、主砲塔175mm、司令塔130mm。Ka-25ヘリ１機をヘリ甲板に露天係止する。乗員1083名。ジュダノフが改装を受けた。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜６８Ｕ２型＞：68U型アドミラル・セニャーウィンの対空兵装強化案で、1967年にネブスコエ設計局が案を提出し、1968年5月に承認された。30mm連装機関砲AK-230を８基と、MR104型射撃指揮レーダー４基を追加している。全長210m、全幅22m、吃水7.8m、基準排水量14350トン、満載排水量17890トン。機関常用出力114300馬力、最大出力126000馬力、戦術速力32.4ノット、最大速力32.9ノット、航続距離6940海里（17ノット）、連続航海日数30日。兵装は152mm３連装砲２基、100mm連装高角砲６基、37mm連装機関砲16基、30mm連装機関砲AK-230が８基、オーサＭ艦対空ミサイル連装発射機１基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、主砲塔175mm、司令塔130mm。ヘリ格納庫を持ち、Ka-25ヘリ１機を搭載できる。乗員856名。アドミラル・セニャーウィンが改装を受けた。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜６７型＞：計画艦対艦ミサイル搭載型。クズネツォフ海軍総司令官が提出したミサイル艦艇設計・建造案に基づく艦で、1954年10月に政府が承認した。12月には68bis-ZIF型のうち４隻を67型として建造することを決定し、１番艦アドミラル・コルニロフを1959年に竣工させる予定となった。全長210m、幅22m、吃水7.4m、基準排水量13140トン、満載排水量16050トン。機関常用出力110000馬力、戦術速力31.5ノット、連続航海日数30日。兵装は100mm連装高角砲４基、57mm４連装砲６基、ストレラ艦対艦ミサイル連装発射機２基（前後甲板に１基ずつ。弾数は前部11発、後部８発）。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、司令塔20mm、ミサイル弾庫20mm、ミサイル発射機20mm。乗員980名。開発にあたった第17中央設計局では設計を段階的に進めることにし、まずはアドミラル・ナヒモフを67EP型実験艦に改造してテストを行っている。更に67SI型を経て67型の設計に進む予定で、1960年までに68型から１隻、68bis-ZIF型から５隻を改装することになったが、1955年12月に海軍総司令官がゴルシコフに交代すると開発が中止された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜６７ｂｉｓ型＞：計画艦対艦ミサイル搭載型。67型の後継として1956年2月に計画が承認された。P-6艦対艦ミサイル５連装発射機４基を装備する。68bis-ZIF型４隻が改装を受ける予定だったが、開発中止になった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜７０Ｅ型＞：防空型試験艦。M-2艦対空ミサイルシステム搭載型で、1955年8月から第16設計局が開発した。３番主砲塔、後部高射機関砲８基、魚雷発射管、レーダーを撤去してM-2艦対空ミサイルシステムを搭載している。全長210m、幅22m、吃水7.2m、基準排水量12970トン、満載排水量16070トン。機関出力110000馬力、戦術速力32ノット、航続距離7400海里（17ノット）。兵装はV-753艦対空ミサイル連装発射機SM-64が１基、152mm３連装砲３基、100mm連装高角砲６基、37mm連装機関砲８基、533mm魚雷５連装発射管２基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、主砲塔175mm、司令塔130mm。乗員1266名。ジェルジンスキーが1957年6-9月に改装された。テストの結果、より大規模な改装が必要と判断され、実用型は70型として設計されている。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜７０型＞：計画防空艦型。70E型の実用型で、M-2艦対空ミサイルシステムの発射速度の遅さをカバーするため主砲塔を全て撤去して連装発射機４基を搭載し、弾薬庫をミサイル弾庫に変更してミサイル計44発を収容する。100mm砲は水上射撃が可能な両用砲に換装した。全長210m、幅22m、吃水7.4m、基準排水量13450トン、満載排水量16610トン。機関出力110000馬力、戦術速力31.5ノット、航続距離5300海里（17ノット）。兵装はV-679艦対空ミサイル連装発射機SM-64が４基、100mm連装両用砲６基、57mm４連装砲６基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、司令塔130mm。Ka-15ヘリ２機を搭載できる。乗員1012名。艦対空ミサイルのみだと兵装のバランスが悪いということで開発中止になり、64型／71型が設計されることになった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜６４型＞：艦対空ミサイルと艦対艦ミサイルを装備したバランス型で、防空と水上戦の両方を行える。全長210m、幅22m、吃水7.4m、満載排水量16400トン。機関常用出力110000馬力、戦術速力31.5ノット、航続距離4700海里（17ノット）、連続航海日数30日。兵装は76mm連装砲４門、P-6艦対艦ミサイル４連装発射機３基、M-3艦対空ミサイル連装発射機２基、M-1艦対空ミサイル連装発射機２基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm。1960-62年に68bis-ZIF型から７隻を改装する予定だったが、艦対空ミサイルの開発に失敗し、58型キンダ級巡洋艦の開発も始まっていたため、1957年9月に計画中止となった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜７１型＞：計画艦隊防空型。艦対空ミサイルと152mm砲を装備する。全長210m、幅22m、吃水7.4m、基準排水量13410トン、満載排水量16590トン。機関出力110000馬力、戦術速力31.3ノット、航続距離5500海里（17ノット）。兵装はM-2艦対空ミサイル連装発射機２基、152mm３連装砲２基、100mm連装高角砲４基、57mm４連装機関砲４基。装甲厚は舷側100mm、下甲板50mm、主砲塔175mm、司令塔130mm。Ka-25ヘリ１機を搭載できる。乗員1035名。1957年9月に68bis-ZIF型のうち５隻をこれに改装することになったが、58型キンダ級巡洋艦の開発を進めることになり、1958年12月に計画中止となった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜１１３１型＞：71型の57mm４連装機関砲４基を37mm連装機関砲16基に換装したもの。廃案になった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スヴェルドルフ級ファミリー＞

　＜６７ＥＰ型＞：試験艦型。67型のテスト用で、１番主砲塔の砲身を撤去して後ろ向きに溶接固定し、その前方の錨甲板に仰角15度でKSS艦対艦ミサイル発射機を搭載した。２番主砲塔両舷にミサイル格納庫（２発収容）を１基ずつ設置しており、発射機までレールが延びている。２番主砲塔は砲身がそのまま残っているが、ミサイル格納庫に挟まれて旋回不能になった。FCSとしてコルチャン型射撃指揮装置を搭載する。アドミラル・ナヒモフが1955年に改造された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜救難艦＞：計画潜水艦救難艦型。沈没艦艇・潜水艦の救難引き揚げを主任務とするタイプで、潜水母艦や工作艦としても使える。兵装はM-1型艦対空ミサイル連装発射機２基、76mm連装砲ZIF-67が６基など。計画のみ。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜攻勢対潜防空艦＞：計画対潜空母型。ゴルシコフ元帥が空母という艦種名を使わせなかったため、ややこしい名称になった。主任務は対潜護衛、戦略原潜撃沈、攻撃原潜阻止、艦載ヘリによる対艦ミサイル誘導など。搭載機数は固定翼機18機＋ヘリ２機という案と、ヘリのみ22機という案があった。兵装はM-1型艦対空ミサイル連装発射機２基、76mm連装砲ZIF-67が４基、RBU6000対潜ロケット発射機２基。計画のみ。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜実験艦＞：計画実験艦型。ミサイルや砲のテストに使用するもので、基本兵装として57mm４連装砲ZIF-75を２基装備する。計画のみ。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜戦時徴用型＞：計画徴用船型。平時は客船で、有事に兵員輸送艦兼病院船として徴用する。他に貨物船やタンカーとする案があった。計画のみ。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜潜水母艦＞：計画潜水母艦型。大型潜水艦なら４隻、中型潜水艦なら７隻を同時に支援できる。兵装はM-1型艦対空ミサイル連装発射機２基、76mm連装砲ZIF-67が４基。計画のみ。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜長距離対潜艦＞：計画ヘリ空母型。戦略原潜捜索追尾攻撃が主任務で、艦載ヘリによる対艦ミサイル誘導も行う。ヘリ23機を搭載する。兵装はM-1型艦対空ミサイル連装発射機２基、76mm連装砲ZIF-67が４基、RBU6000対潜ロケット発射機２基、533mm対潜魚雷３連装発射管２基。計画のみに終わったが、モスクワ級巡洋艦の設計に活かされた。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜兵員輸送艦＞：計画兵員輸送艦型。人員2500名（士官170名、下士官340名、兵1990名）の居住設備を設け、兵装として57mm４連装砲ZIF-75を４基装備する。計画のみ。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜練習艦＞：計画練習艦型。士官候補生300名の居住設備を設け、57mm４連装砲ZIF-75を３基搭載する。計画のみ。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スヴェルドルフ級・海外シリーズ＞

　＜イリアン級＞：インドネシア海軍巡洋艦Irian級。元はオルジョニキーゼで、1961年2月から1962年6月に熱帯地仕様への改装を受け、1963年1月29日にイリアンとして就役した。気温40度、湿度95%、海水温30度でも運用できるようにする予定だったが、予算の都合上、気温35度、湿度90%、海水温29度で妥協している。塗料を直射日光に耐えられる素材に変更、発電機容量を増大し、冷却器を強化して数も３基から５基に増加、冷却能力を５倍に高めた。造水機も乗員１名あたり50リットルの水を５日間供給できるタイプに変更している。食料庫は床面積を４倍に拡大して冷凍機を追加した。魚雷発射管や通信機を撤去し、砲塔内には椅子を設置している。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スヴェルドロフスク炭疽菌事故＞：スヴェルドロフスク郊外にはソ連最大の生物戦兵器研究所があり、炭疽菌芽胞の大量生産を24時間態勢で行っていた。1979年3月30日夜、第19区炭疽菌乾燥プラントの防護フィルターが目詰まりを起こしたため、技術主任はプラントを停止してこれを取り外し、新しいフィルターを取り付けてからプラントを動かすよう引き継ぎのメモを残して帰宅。しかし夜勤の主任がメモに気付かずそのままプラントを稼働させたため、炭疽菌芽胞の粉末が換気システムから外部に漏れ出した。5-6時間後にフィルターが外れていることに気付いて付け直したが、既に数キログラムが放出されており、風に乗ってスヴェルドロフスク市街に流れ出し、その日の内に感染患者が大量発生し始めた。このことは市当局や国防省にも報告されず、当初原因は不明だったが、死者の病理解剖で肺炭疽と判明。当時、スヴェルドロフスク州共産党第一書記を務めていたエリツィン元大統領が除洗を命じたが、芽胞が粉塵と共に舞い上がって更に被害者を増やす結果となり、40日以上にわたって1000人にのぼる死傷者（死者100人以上）を出す大惨事になった。事件はKGBが隠蔽し、真相が明らかになったのは1993年になってからである。参考：図解雑学生物・化学兵器、化学・生物兵器概論

＜スウェル・フェスタ＞：海上自衛隊小月航空基地の一般公開イベント名称。地元との共催である。参考：月刊JWings1,’01

＜ズヴェロボウイ＞：SU-152（自走砲）を参照。

＜スヴェンナー＞：S309（潜水艦）を参照。

＜スーオウ＞：蘇澳（駆逐艦）を参照。

＜スウォーム＞：ボーイング社とジョンズホプキンス大学応用物理研究所が開発した無人機制御システムで、群れの意。複数の無人機同士が相互に通信を行いつつ自律行動することで、効率的な任務達成を図る技術である。参考：月刊軍事研究10,’12

＜スウォーム戦術＞：Swarm、群れ戦術。昆虫や海棲生物の群れのように、それぞれは比較的単純な本能的行動しか行っていないが、集団としてはリーダー無しでも統制の取れた知的な行動となり、目標を達成するものである。無人兵器に単純なアルゴリズムや人工知能AIを組み込んでスウォーム化すると、防衛困難な飽和攻撃兵器が安価に作れるので、テロ組織も含めて開発が進んでいる。参考：月刊世界の艦船5,’20

＜スウォーム飛行＞：群れ飛行。多数の無人機を群れのように同時協同行動させること。2019年9月に発生したサウジアラビアの石油施設に対する攻撃は、無人機18機がスウォーム飛行して実施したとみられる。参考：月刊世界の艦船12,’19

＜スウォッシュ・プレート＞：Swash plate。作動中の様子からワブル・プレート（Wobble plate）ともいう。ヘリコプターのローターのピッチ角を変化させ、水平飛行に必要な周期的ピッチ制御や、垂直飛行に必要な同時ピッチ制御を行うために使用される部品で、ローターヘッドに取り付けられている。上の回転スター（ローターシャフトと一緒に回る）と下の固定スター（機体側や非回転構造ローターマストに固定されていて回らない）からなり、両者はボールベアリングを介して結合され、一体で前後左右に傾くようになっているため、纏めてスター装置とも呼ばれる。固定スターには操縦桿（サイクリック・スティック）からのリンクとコレクティブ・ピッチ・レバーからのリンクが別々に連結されていて、操縦桿の操作により固定スターが傾き、コレクティブ・ピッチ・レバーの操作により固定スターが上下し、この動きは一体化された回転スターへと伝達される。回転スターはピッチ変更リンク（ピッチ制御ロッド）を介してローターブレード（とハブを繋ぐピッチハウジング部）と連結しており、回転スターが傾くと、その傾きに応じてローターブレードのピッチが周期的に変化し、回転スターが上下に動くと、全ローターブレードのピッチが同時に変化する。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings8,'20、10,’09別冊付録、世界の傑作機No34

＜スヴォボードナヤ・ロシア＞：エカテリーナ２世（戦艦）を参照。

＜スヴォルドフィスケン＞：スウェーデン海軍スヴォルドフィスケン級潜水艦１番艦。1914年進水。1936年に退役し、カールスクローナで対空砲台として使用された。1946年、スクラップにされた。参考：月刊軍事研究1,’03

＜スヴォルドフィスケン級＞：スウェーデン海軍潜水艦で、メカジキの意。スウェーデンのコックムス機械工業が1910年にフィアット社から購入した潜水艦製造権に基づいて建造された。全長45.1m、全幅4.2m、水上排水量252トン、水中排水量370トン。主機は水上がハッセルマン６気筒ディーゼル（500馬力）２基、水中がラス＆ロッセン電動機（150馬力）２基、２軸推進、水上速力14.2ノット、水中速力8.5ノット。兵装は艦首の457mm魚雷発射管２門（魚雷４本）と甲板上の37mm砲（後に57mm砲に換装）。乗員21名。1914年にスヴォルドフィスケンとトゥムラレンが進水し、第１次大戦後に就役した。1936年に退役し、カールスクローナで対空砲台として使用された後、1946年にスクラップにされた。参考：月刊軍事研究1,’03

＜スーカ＞：SU-76M（自走砲）を参照。

＜ズーク＞：Zhuk。ロシア軍戦闘機用火器管制レーダーの名称で、ファゾトロンNPOまたはチホミーロフNIIPが開発したものに付けられている。参考：月刊軍事研究9,’08

＜ズーク＞：N010（レーダー）を参照。

＜ズーク２７＞：N001（レーダー）またはN011（レーダー）を参照。

＜ズークＡ＞：ロシア空軍MiG-35戦闘機用火器管制レーダー。ズークMFSの改良型で、試験中である。参考：月刊軍事研究9,’08

＜ズークＡＥ＞：ロシア軍戦闘機用AESA式多機能レーダー。ズークＡの輸出型で、空対空モード（ルックアップ、ルックダウン、単一目標追跡、トラック・ワイル・スキャンなど）と空対地モード（地上マッピング、合成開口、海洋、静止目標探知、移動目標探知）を持つ。アンテナ直径575mm、使用周波数Ｘバンド。アンテナ視野は上下左右60度ずつで、走査範囲はプラスマイナス10度・30度・60度の設定が可能。対空目標探知能力はRCS５平方メートルの目標に対してルックアップ・ヘッドオン130km、同テイルオン60km、ルックダウン・ヘッドオン120km、同テイルオン50km、同時追尾目標数30、同時攻撃目標数６。地上解像度は低解像度で300メートル四方（距離80km）、高解像度で３メートル四方（距離20km）、超高解像度で１メートル四方（距離20km）、探知距離は駆逐艦クラスで200km、哨戒艇クラスで80km、鉄橋で120km、移動中の戦車隊で30km。参考：月刊軍事研究9,’09

＜ズークＭ＞：N010M（レーダー）を参照。

＜ズークＭ１ＳＥ＞：FGM129S（レーダー）を参照。

＜ズークＭＦ＞：ロシア軍戦闘機用火器管制レーダー。N010Mの改良型で、アンテナをフェイズド・アレイ化し、RO（観測性低減）目標でも100km以上先から探知できる。同時探知目標数20、同時交戦目標数４。参考：月刊軍事研究9,’08

＜ズークＭＦＳ＞：ロシア軍戦闘機用火器管制レーダー。ズークMFの改良型で、30目標を同時に探知し、６目標と交戦できる。参考：月刊軍事研究9,’08

＜ズークＭＳＥ＞：N011VE（レーダー）を参照。

＜ズークＭＳＦ＞：N031（レーダー）を参照。

＜ズークＭＳＦＥ＞：N031（レーダー）を参照。

＜ズークＰＨ＞：N011（レーダー）を参照。

＜スーサイド・クリフ＞：サイパン戦またはテニアン戦を参照。

＜スーサイド・スペシャル＞：超安物拳銃のこと。安全装置が甘いので、この名がある。サタデイ・ナイト・スペシャルともいう。参考：GUN用語事典

＜スーザ級＞：リビア海軍ミサイル艇。兵装はSS-12M艦対艦ミサイル発射筒８基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スージー＞：九六式艦上爆撃機を参照。

＜枢軸国＞：The axis。第２次大戦時に日独伊側に付いた国の総称。1936年のドイツ・イタリア友好条約締結の際、ムッソリーニが演説の中で「ローマ・ベルリン枢軸」という表現を使ったのが最初である。参考：WW�U欧州戦線シリーズVol.4

＜スー・シティ＞：LCS-11（沿海戦闘艦）を参照。

＜スーダン＞：アラビア語で黒人の国を意味する。1956年1月1日に独立した。スンニ派イスラム教徒が70%を占め、キリスト教徒が5%、伝統宗教が25%である。1969年、1986年、1989年にクーデターが発生した。1993年、アメリカからテロ支援国家に指定された。1995年、エチオピアで起こったエジプトのムバラク大統領暗殺未遂事件にスーダンの関与が示唆され、安保理決議で容疑者の引き渡しを要求されたが、拒否し続けている。石油やクロムなど資源が豊富で、中国との関係が深い。内戦が続き、国土も広いため、国連スーダン派遣団UNMISと国連・アフリカ連合ダルフール派遣団UNAMIDと２つのPKOが派遣されていた。2011年7月9日、南スーダン共和国が独立し、国連スーダン派遣団UNMISが終結した。2021年10月、クーデターが発生。民政への移管中にスーダン軍と迅速支援部隊RSF（準軍事組織）が対立して危険な状態となり、12月には日本の外務省が渡航中止・国外退避勧告を出した。2023年4月15日、首都ハルツームでスーダン軍と迅速支援部隊RSFの大規模な衝突が発生し、内戦に発展。4月18日、フランス軍がA400M輸送機３機とC-130輸送機１機をジブチに派遣。4月20日、防衛省が在スーダン共和国邦人等輸送統合任務部隊による在外邦人等輸送を開始し、4月28日までに退避希望在留邦人全員がスーダンから脱出した。4月21日、韓国軍がC-130J輸送機１機をジブチに派遣。4月22日、アメリカ軍がMH-47輸送ヘリ３機で政府関係者ら100人を退避させた。民間人はほったらかしになったため、批判が出ている。4月23-25日、フランス軍が538人（うちフランス人209人、日本人少数）をスーダンから退避させた。4月24日、韓国軍がC-130J輸送機でポートスーダンからサウジアラビアのジェッダに韓国人28人を退避させた。4月25日から5月1日、イギリス軍がC-17輸送機、A400M輸送機、C-130J輸送機で2197人（うち外国人20カ国1087人）をスーダンから退避させた。4月27-30日、カナダ軍C-130輸送機２機がフライト計６回で日本人含む550人をスーダンから脱出させた。4月29日、ハルツームからポートスーダンに退避するアメリカ人300人をアメリカ軍が武装無人機で護衛した。5月3日、ハルツームからポートスーダンに退避するアメリカ人車列２グループをアメリカ軍が武装無人機で護衛した。参考：月刊軍事研究3,’10、月刊JWings7,’23、朝雲

＜スーダン海軍＞：

＜スーダン海軍（１９７７年）＞：兵力600名。大型哨戒艇６隻、哨戒艇３隻、小型哨戒艇６隻、上陸用舟艇２隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜スーダン海軍（１９８９年）＞：兵力1800名。ポート・スーダンに基地がある。ジハド級内海哨戒艇３隻、小型内海哨戒艇３隻、ソバト級戦車揚陸艇２隻を保有する。ただし稼動しているかは不明。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スーダン海軍（２０１５年）＞：現役兵力1300名。哨戒艇４隻、ソバト級戦車揚陸艇２隻、LCVP５隻、兵站支援船２隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーダン空軍＞：1987年、MiG-23戦闘機を配備。2008年、ベラルーシ空軍からSu-25攻撃機を輸入。2018年10月3日、訓練飛行を終えハルツーム国際空港に着陸したAn-32輸送機がタキシング中のAn-26輸送機に追突した。参考：月刊JWings12,’13、月刊エアコマンド8,’93、月刊航空ファン1,’19

＜スーダン空軍（１９７７年）＞：兵力1500名。MiG-21MF戦闘機10機、MiG-17戦闘機17機、BAC145対ゲリラ戦機５機、ジェット・プロボストMk55対ゲリラ戦機６機、ペンブロークを３機（格納中）、An-24輸送機５機、F27輸送機４機、DHC-6輸送機１機、Mi-8輸送ヘリ10機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜スーダン空軍（１９８９年）＞：兵力6000名（防空部隊含む）。F-5E戦闘機１機、F-5F戦闘機２機、J-5戦闘機10機、MiG-21戦闘機８機、MiG-23戦闘機４機、J-6戦闘機６機、BAC-167対ゲリラ戦機３機、ジェット・プロボストMk55対ゲリラ戦機３機、C-212洋上哨戒機２機、C-130H輸送機４機、C-212輸送機４機、F-27輸送機１機、ファルコン20輸送機２機、DHC-5D輸送機２機、EMB-110輸送機６機、SA-330汎用ヘリ15機、Mi-8輸送ヘリ10機、Bo-105汎用ヘリ９機、Mi-4汎用ヘリ10機、AB212汎用ヘリ11機、MiG-15UTI練習機４機、MiG-21U練習機４機、JJ-5練習機２機、JJ-6練習機２機、SA-2地対空ミサイル中隊５個を保有する。ただし稼動しているかは不明。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スーダン空軍（２０１５年）＞：現役兵力3000名。MiG-29SE戦闘機20機、MiG-29UB戦闘機２機、Su-24戦闘機４機、A-5ファンタン攻撃機15機、Su-25攻撃機９機、Su-25UB攻撃機２機、An-30偵察機２機、Il-76輸送機１機、C-130H輸送機４機、Y-8輸送機２機、An-26輸送機１機（爆撃も可能）、An-32輸送機２機、An-72輸送機２機、An-74TK-200輸送機４機、An-74TK-300輸送機２機、F-27要人輸送機１機、ファルコン20F要人輸送機１機、ファルコン50要人輸送機１機、ファルコン900要人輸送機１機、Il-62M要人輸送機１機、K-8練習機12機、UTVA-75練習機３機、Mi-24攻撃ヘリ25機、Mi-24P攻撃ヘリ２機、Mi-24V攻撃ヘリ７機、Mi-35P攻撃ヘリ６機、Mi-17汎用ヘリ５機、Mi-8汎用ヘリ21機、Mi-171汎用ヘリ２機、ベル205汎用ヘリ１機、S-75地対空ミサイル90基、R-3/-23/-24/-60/-73/-77空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーダン軍＞：1977年1月、エジプトと防衛条約を締結。1989年6月、無血クーデターを起こした。2015年、サウジ主導イエメン攻撃に参加。2021年10月、クーデターを起こした。参考：軍事力バランス78年版、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊JWings7,’23

　＜スーダン軍（２０１５年）＞：現役総兵力244300名（陸軍240000名、海軍1300名、空軍3000名）、予備役85000名、準軍事組織（人民防衛軍）20000名。サウジアラビアにレストアリング・ホープ作戦でSu-24戦闘機３機、イエメンにレストアリング・ホープ作戦で950名、機械化戦闘群１個、BTR-70Mコブラ２装甲兵員輸送車を派遣している。バングラデシュ軍UNAMID要員370名、歩兵中隊１個、オブザーバー７名、ベニン軍UNISFAオブザーバー２名、ブータン軍UNISFA要員１名、ボリビア軍UNAMIDオブザーバー２名、ブルキナファソ軍UNAMID要員806名、歩兵大隊１個、オブザーバー５名、UNISFAオブザーバー１名、ブルンジ軍UNAMID要員１名とオブザーバー５名、カンボジア軍UNAMIDオブザーバー２名とUNISFAオブザーバー３名、中国軍UNAMID要員231名、工兵中隊１個、エクアドル軍UNAMID要員１名とオブザーバ−２名、UNISFAオブザーバー１名、エジプト軍UNAMID要員865名、歩兵大隊1個、オブザーバー19名、エチオピア軍UNAMID要員2522名、歩兵大隊３個、オブザーバー11名、UNISFA要員4367名、偵察中隊１個、機甲中隊１個、機械化歩兵大隊１個、歩兵大隊２個、ヘリ飛行隊１個、砲兵中隊２個、工兵中隊１個、通信中隊１個、野戦病院１個、オブザーバー79名、ガンビア軍UNAMID要員213名、歩兵中隊１個、ドイツ連邦軍UNAMID要員８名、ガーナ軍UNAMID要員19名とオブザーバー４名、UNISFA要員３名とオブザーバ−２名、グアテマラ軍UNISFA要員１名とオブザーバー1名、インド軍UNISFA要員１名とオブザーバー２名、インドネシア軍UNAMID要員810名、歩兵大隊１個、オブザーバー７名、UNISFA要員１名とオブザーバー１名、イラン軍UNAMIDオブザーバ−４名、ヨルダン軍UNAMID要員15名とオブザーバ−４名、ケニア軍UNAMID要員112名、憲兵中隊１個、オブザーバー４名、韓国軍UNAMID要員２名、キルギスタン軍UNAMIDオブザーバー２名とUNISFAオブザーバー１名、レソト軍UNAMIDオブザーバー２名、マレーシア軍UNAMID要員11名とUNISFAオブザーバー１名、マラウィ軍UNISFA要員１名、マリ軍UNAMIDオブザーバー１名、モンゴル軍UNAMID要員70名、野戦病院１個、ナミビア軍UNAMID要員６名とオブザーバー３名、UNISFA要員２名とオブザーバー２名、ネパール軍UNAMID要員365名、特殊作戦中隊１個、歩兵中隊１個、オブザーバー９名、ナイジェリア軍UNAMID要員928名、歩兵大隊１個、オブザーバー5名、UNISFA要員１名、パキスタン軍UNAMID要員2121名、歩兵大隊２個、工兵中隊２個、医療小隊１個、オブザーバー９名、ペルー軍UNAMID要員１名とオブザーバー２名、UNISFAオブザーバー１名、ロシア軍UNISFA要員１名、ルワンダ軍UNAMID要員2443名、歩兵大隊３個、オブザーバー５名、UNISFA要員１名とオブザーバー１名、セネガル軍UNAMID要員805名、歩兵大隊１個、シエラレオネ軍UNAMID要員２名、オブザーバー８名、UNISFAオブザーバー１名、南アフリカ軍UNAMID要員798名、歩兵大隊１個、オブザーバー10名、スリランカ軍UNISFA要員１名とオブザーバー５名、タンザニア軍UNAMID要員813名、歩兵大隊１個、オブザーバー２名、UNISFAオブザーバー２名、タイ軍UNAMID要員９名とオブザーバー４名、トーゴ軍UNAMID要員３名とオブザーバー４名、イエメン軍UNAMID要員20名とオブザーバー23名、UNISFA要員２名とオブザーバー４名、ザンビア軍UNAMID要員７名とオブザーバー５名、UNISFA要員１名、ジンバブエ軍UNAMID要員２名とオブザーバー４名、UNISFA要員１名とオブザーバー２名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーダン人民解放軍＞

＜スーダン人民解放軍（１９８９年）＞：スーダン南部で活動する反政府組織。兵力30000名。小火器の他、14.5mm対空機銃、60mm迫撃砲、SA-7地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スーダン人民解放軍・反体制派＞：SPLA-IO（Sudan People’s Liberation Army-In Opposition）と略す。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜スーダン人民解放軍・反体制派（２０１５年）＞：T-55戦車、タイフーン装輪装甲兵員輸送車、122mm砲M30(M1938)、122mm多連装ロケットBM-21、63式107mm多連装ロケット、見た感じ55式120mm迫撃砲、57mm無反動砲M18（を保有しているという報告あり）、73mm無反動砲SPG-9、82mm無反動砲B-10（を保有しているという報告あり）、23mm高射機関砲ZU-23-2搭載トラックを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーダン内戦＞：アラブ民族・イスラム教徒の政府側をサウジアラビアやエジプトなどのアラブ諸国が、ディンカ民族・キリスト教徒の反政府組織スーダン人民解放運動SPLM（軍事部門はスーダン人民解放軍SPLAと称する）をエチオピアなどのアフリカ諸国がそれぞれ支援している。参考：月刊軍事研究8,’07

　＜第１次スーダン内戦＞：1955年、南部駐留のディンカ民族部隊が待遇に不満を訴えて反乱を起こし、分離独立運動へと発展。独立派はアニャニャ（毒虫）と呼ばれる武装組織を形成し、イスラエルの軍事援助を受けて内戦となった。1968年にクーデターで成立したヌメイリ政権が話し合いによる解決を開始し、1972年にアジスアベバ協定を締結、内戦は終結したが、50万人にも及ぶ死者を出した。南部には自治権が与えられたものの、財政の問題や、ディンカ民族と中小民族との間の権力闘争が続き、政府軍に吸収されたアニャニャの兵士も1975-76年に反乱を起こすなど不安定な状態が持続した。反乱鎮圧の際には一部がエチオピアに逃走し、同国の支援の下でアニャニャ�Uと呼ばれる組織を形成、南部の分離独立を目指して1980年頃からスーダンに攻撃を仕掛けるようになった。参考：月刊軍事研究8,’07

　＜第２次スーダン内戦＞：1983年4月、大統領が南部州を３つに分割したため、南部住民の不満が高まり、5月にはアニャニャの元メンバーで構成されていた政府軍１個大隊が反乱を起こしてエチオピアに逃走、アニャニャ�Uと合流し、スーダン人民解放運動SPLMを結成した。9月、政府がイスラム法を導入したため、南部のキリスト教徒が反発して第２次スーダン内戦が勃発、エチオピアの支援を受けたSPLM（と、軍事部門のスーダン人民解放軍SPLA）が戦車や携帯式地対空ミサイルまで装備して政府軍との戦闘を繰り広げた。1988年11月、アジスアベバでイスラム法導入凍結を含む和平協定が調印されたが、スーダン政府の連立与党にイスラム原理主義派がいたため発効せず、内戦が続いた。1989年6月、イスラム原理主義勢力が無血クーデターを起こし、バシール大統領をトップとする軍事政権が誕生した。1991年5月、冷戦終結の煽りを受けてエチオピア政権が崩壊し、SPLMは後ろ盾を失った上、体制に不満を持つグループが離脱したため、SPLMが３つに分裂した。これにより政府軍、SPLM（の軍事部門SPLA）、分裂した２派、各民族武装組織が入り乱れて収拾がつかなくなった。1993年8月、アメリカがスーダンをテロ支援国家に指定。1995年3月、アメリカのカーター元大統領の仲介で停戦に合意。1996年末、SPLAがエリトリアに本拠地を置くスーダン反政府組織の国民民主同盟と結託し、スーダン北部にも内戦が拡大。1996年、スーダン政府がオサマ・ビン・ラディンをアフガニスタンに出国させた。1997年4月、SPLAを除く反政府勢力が政府と和平協定に調印。1998年、国連安保理決議でスーダンに対する兵器禁輸措置を決定。しかしロシア、中国、ウクライナが1000億円にも達する違反輸出を行っている。5月、政府とSPLAがナイロビで和平交渉を再開。8月、在ケニア・在タンザニア米大使館同時爆破テロの際に出撃基地になったとして、化学工場にアメリカが巡航ミサイルを撃ち込んだ。2002年1月、アメリカが特使を派遣。7月、スーダン南部で住民投票を行い、帰属を決定することに合意。8月、SPLAが南部のトリトを制圧したため、和平交渉が中断。2003年1月、政府とSPLAの和平交渉が再開された。2月、ダルフール紛争が勃発。9月、南部からの政府軍撤退などを定めた治安協定に署名。2004年1月、内戦終了後に政府とSPLAが石油収入を均等に分け合うことで合意。6月、ダルフール紛争激化を受け、スーダンにPKO部隊の派遣を決定。12月31日、政府とSPLAが停戦合意協定に署名。2005年1月9日、ケニアのナイロビで包括和平合意調印式が開かれ、SPLMに６年間の暫定自治を認めた後、2011年に住民投票で独立するかどうかを決定することとなった。7月、副大統領となったSPLA最高司令官の乗ったヘリが墜落、副大統領が事故死したため、２日間に亘り南部で黒人系住民による暴動が起きたが、SPLAは和平合意を堅持すると声明を発表し、沈静化させた。2006年5月、ダルフールで和平合意が成立。10月14日、国民民主同盟との間で和平合意が成立。2011年5月、スーダン政府軍とSPLAとの間で軍事衝突が起こり、6月に国連アビエ暫定治安部隊UNISFAが創設された。7月9日、南スーダンが独立。2012年10月、ハルツームの軍事工場が国籍不明の航空機に爆撃を受けた。2013年4月、北コルドファン州で反政府武装勢力が政府軍を攻撃。参考：月刊軍事研究8,’07、3,’13、MAMOR Vol.81

＜スーダン陸軍＞：

＜スーダン陸軍（１９７７年）＞：兵力50000名。機甲旅団２個、歩兵旅団７個、空挺旅団１個、砲兵連隊３個、高射砲連隊３個、工兵連隊１個からなる。T-54戦車70両、T-55戦車60両、62式軽戦車30両、FV601サラディン装甲車30両、コマンド装甲車45両、フェレット偵察車60両、BTR-40/-50/-152装甲兵員輸送車100両、OT64装甲兵員輸送車60両、FV603サラセン装甲兵員輸送車49両、25ポンド砲55門、100mm砲40門、105mm砲20門、122mm砲18門、120mm迫撃砲30門、85mm対戦車砲30門、ボフォース40mm高射機関砲80門、37mm高射機関砲、85mm高射砲80門を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜スーダン陸軍（１９８９年）＞：兵力65000名。軍管区１個、地方コマンド５個、機甲師団司令部１個、共和国警備隊旅団１個、機甲旅団２個、機械化歩兵旅団１個、歩兵旅団12個、空挺旅団１個、空中強襲旅団１個、砲兵連隊３個、工兵連隊１個、高射砲旅団２個からなる。T-54/-55戦車155両、M-60A3戦車20両、62式軽戦車70両、AML-90偵察車６両、FV601サラディン偵察車15両、フェレット偵察車50両、BRDM-1/-2偵察車、BTR-50/-152装甲兵員輸送車40両、OT-62/-64装甲兵員輸送車30両、M-113装甲兵員輸送車36両、V-100/-150装甲車80両、ワリド装甲車100両、100mm砲M-1944を20門、105mm砲M-101を18門、60式122mm砲26門、122mm砲M-1938を24門、122mm砲54型／D-30を12門、130mm砲M-46/59式１型を36門、155mm砲MkF3を11門、155mm砲M-114A1を12門、122mm多連装ロケット発射機アル・サクル30を６基、122mm多連装ロケット発射機BM-21を４両、81mm/82mm迫撃砲、120mm迫撃砲RT-61を50門、120mm迫撃砲M-38/-43を50門、スイングファイア対戦車ミサイルランチャー18基、76mm対戦車砲M-1942を18門、100mm対戦車砲M-1944、M-167高射機関砲、M-163自走高射機関砲、ZU-23-2高射機関砲、37mm高射機関砲M-1939/63型120門、60口径40mm高射機関砲60門、85mm高射砲KS-12、100mm高射砲KS-19、SA-7地対空ミサイルを保有する。ただし稼動しているかは不明。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スーダン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力240000名。特殊作戦中隊５個、独立偵察旅団１個、機甲師団１個、機械化歩兵師団１個、独立機械化歩兵旅団１個、歩兵師団11個以上、独立歩兵旅団６個、空挺師団１個、国境警備保安旅団１個、独立砲兵旅団３個、工兵師団（工兵大隊９個）１個からなる。M60A3戦車20両、59式／59D式戦車60両、T-54/-55戦車305両、T-72M1戦車70両、アル・バシール（85式�UＭ型）戦車10両、62式軽戦車70両、63式軽戦車45両、AML-90偵察車６両、BRDM-1/-2偵察車70両、フェレット偵察車50-80両、M1114HMMWV42両、FV601サラディン偵察車30-50両、BMP-1/-2歩兵戦闘車135両、BTR-3歩兵戦闘車10両、BTR-80A歩兵戦闘車７両、BTR-50装甲兵員輸送車20-30両、M113装甲兵員輸送車36両、BTR-70Mコブラ２装甲兵員輸送車10両、BTR-152装甲兵員輸送車50-80両、OT-62装甲兵員輸送車20両、OT-64装甲兵員輸送車50両、92式装甲兵員輸送車10両（を保有しているという報告あり）、V-150装甲兵員輸送車55-80両、ワリド装甲兵員輸送車96両、122mm自走砲2S1を56両、155mm砲Mk-F3を10両、105mm砲M-101を20門、122mm砲D-30を21門、122mm砲D-74、122mm砲M-30、130mm砲M-46/59式�T型130mm砲75門、155mm砲M114A1を12門、63式107mm多連装ロケット477基、122mm多連装ロケットBM-21を120両、122mm多連装ロケット砲サクル50両、81式122mm多連装ロケット18両、302mm多連装ロケットWS-1を１両以上、81mm/82mm迫撃砲、120mm迫撃砲AM-49、120mm迫撃砲M-43、スイングファイア対戦車ミサイル、9K11対戦車ミサイル、紅箭８型対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1を40門、76mm砲ZIS-3／100mm砲M-1944を40門、85mm砲D-44、9K32携帯地対空ミサイル、20mm自走高射機関砲M163を８両、20mm自走高射砲M3VDAAを12両、対空火器（14.5mm対空機銃ZPU-2/ZPU-4、63式37mm高射機関砲、57mm高射機関砲S-60、85mm高射砲M-1944）740門以上、20mm高射機関砲M167を16基、23mm高射機関砲ZU-23-2を50基、37mm高射機関砲M-1939を80門（＋非稼動30門）、40mm高射機関砲60門、RASIT対車両・対砲レーダーを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜数値流体力学＞：流体の動きをコンピュータシミュレーションにより解析するもので、CFDと略す。最初から模型を作って風洞実験を繰り返す必要が無くなり、基本形状をCFDの解析により設計し、風洞実験で細部を調整すれば完成できるようになった。参考：月刊航空ファン8,’17

＜ズーニー＞：アメリカ軍５インチ（127mm）空対地ロケット弾の通称。弾頭は榴弾、徹甲弾、焼夷榴弾、フレア弾、目標指示用白燐弾、訓練弾など９種類。ロケットモーターはMk16や射程延伸型のMk71Mod0/Mod1を使用し、尾部に折り畳み式フィンが付く。全長2.44-2.93m。LAU-10/AランチャーやLAU-97/Aランチャーなら４発、LAU-33/Aランチャーなら２発搭載できる。ベトナム戦争では対地制圧に活躍し、湾岸戦争ではクラスター弾に押されて出番は減ったが、前線航空統制官FACの搭乗したF/A-18D戦闘機が白燐弾頭付ズーニーを搭載し、目標指示に使用した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、世界の傑作機No.45

＜ズーニー海外シリーズ＞

　＜ズーニー（ベルギー）＞：ベルギー軍空対地ロケット弾。Mk16/Mk71Mod0/Mk71Mod1ロケットモーターを全て導入している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜スーパー７＞：殲撃７シリーズ（戦闘機）を参照。

＜スーパー３０＞：AMX-30シリーズ（戦車）を参照。

＜スーパーＡＭＸ＞：AMXシリーズ（攻撃機）を参照。

＜スーパーＡＭＸ−３０＞：AMX-30シリーズ（戦車）を参照。

＜スーパーＡＶ＞：イタリアのイベコ・ディフェンス・ビークルが開発した８×８輪水陸両用装甲車。装甲レベルは耐地雷でレベル１、全周耐弾でレベル１だが、増加装甲や地雷・IED防御を追加できる。車体後面に観音開きのドアがあり、オプションでランプドアに変更可能。シー・ステート２までなら水上航行できる。NBC防護装置、エアコン、自動消火装置、レーザー検知器、全周監視カメラを標準装備する。全長7.92m、全幅3m、全高2.31m、戦闘重量23トン（浮航しないなら25トン）。エンジンはイベコ社製クルソア13ディーゼル（500馬力）、トランスミッションはZF社製HP902オートマチック（前進７速）、最大速度105km、航続距離800km、水上速力10km、水上航続距離64km。ペイロード８トン（浮航しないなら10トン）。乗員１名＋乗車歩兵12名。各種派性型も計画中。アメリカ海兵隊ACVに応募した。参考：月刊軍事研究9,’10、5,’16、12,’13、5,’13、3,’16

＜スーパーＣ−４７＞：YC-129（試作輸送機）を参照。

＜スーパーＤＣ−３＞：DC-3シリーズ（旅客機）を参照。

＜スーパーＭ４８＞：M48海外シリーズ（戦車）を参照。

＜スーパーＰＢＤ＞：DARPAがサイレント・ファルコン社へ2018年8月2日に発注した、レーザーによるソーラー充電研究で、PBDはパワー・ビーミング・デモの略。サイレント・ファルコンUAV（全長2.1m、全幅4.3m、ペイロード3kg）の垂直尾翼にソーラーパネルを貼り付け、10km先の地上や空中からレーザーを照射して電力を供給、無限に飛べるようにする。参考：月刊JWings11,’18

＜スーパー・アルバトロス＞：L-59（練習機）を参照。

＜スーパー・イージス�T＞：韓国のドーダム・システムズ社が開発した無人遠隔操作ターレット。12.7mm機銃K6に倍率20倍のCCDカメラとレーザー測距器を組み合わせたもので、監視距離は昼間3km・夜間2km。参考：月刊軍事研究7,’07

＜スーパー・ヴィタ級＞：ギリシャ海軍ミサイル哨戒艇、別名Roussen級。イギリスのヴォスパー・ソーニクロフト社が生産した。全長203フィート（61.9m）。主機はディーゼル、最大速力34.2ノット。兵装はエグゾセMM40ブロック２艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、Mk31Mod1RAM自艦防御ミサイルシステム、RAM艦対空ミサイル用21連装発射機Mk49が１基、オットー・ブレダ社製76mm単装砲１門、30mm連装機関砲１基、533mm有線誘導魚雷発射管２基。ブリッジマスターＥ航法レーダー、スカウトMk2水上捜索レーダー、MW08対空捜索レーダー、スティング砲射撃管制レーダー、TACTICOS戦闘データ・システムを搭載する。参考：月刊軍事研究6,’01、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーパーうぐいす嬢作戦＞：自衛隊が海外派遣の際に行っている、車両移動の際に現地の人々に対して手を振りまくり親近感をアピールする作戦のこと。2003年のイラク人道復興支援活動で初めて行われ、2010年のハイチ国際救援でも実施された。参考：MAMOR vol.123

＜スーパー・エネルガ＞：スイスの試作対戦車小銃てき弾。1950年代後半に開発された。エネルガにロケット推進システムを取り付けて射程を延伸したものである。ロケット推進のため命中率が悪い、発射時に射手が爆風から身を守るため頭を伏せて手を一杯に伸ばす必要があるのでますます命中しないという欠点があり、採用されなかった。参考：手榴弾・迫撃砲

＜スーパーカーゴマスター＞：セスナ208B（多用途機）を参照。

＜スーパーカーゴマスターＥＸ＞：セスナ208シリーズ（貨物機）を参照。

＜スーパー・ガルーダ・シールド２３＞：陸上自衛隊の多国間共同訓練。2023年8月27日から9月13日、インドネシアのジャワ島アセンバグス演習場やグラディ降下場など、習志野演習場などで実施され、第１空挺団や水陸機動団などが、アメリカ第25歩兵師団、第11空挺師団、第31海兵遠征隊など、インドネシア陸軍第２師団など、オーストラリア陸軍第９旅団、イギリス陸軍第16空中強襲旅団、シンガポール軍緊急即応連隊GUARDSなどと、島嶼奪回における空挺作戦（第１空挺団、アメリカ軍、イギリス軍、インドネシア軍）、水陸両用作戦（水陸機動団、アメリカ軍、インドネシア軍、シンガポール軍）、戦闘射撃訓練（陸自、アメリカ軍、インドネシア軍、オーストラリア軍、シンガポール軍）を共同演練した。参考：陸上自衛隊ホームページ

＜スーパーガレブ＞：G-4（練習機）を参照。

＜スーパー・キャビテーション＞：水中を高速で進む航走体から発生するキャビテーションの泡が潰れる前に、その泡の中にガスを噴射することで、水中航走体そのものを包み込む巨大な泡（シリンドリカル・キャビティー）を形成する現象。航走体は先端部のみ水に触れている状態でガス・トンネルを走り抜けることになり、抵抗が非常に軽減され、超高速水中航行が可能となる。アメリカ海軍が1997年に行った実験で、水中音速（毎秒1495.4m）を上回る毎秒1549mを記録した。参考：月刊軍事研究9,’01

＜スーパー・キャビテーティング・プロペラ＞：プロペラ翼面全体が気泡で覆われるように断面形状を工夫したプロペラのこと。鋭い前端でキャビテーションを発生させ、厚くカットされた後端で気泡を潰すようにしてある。キャビテーションの心配が無く、推進効率が良い。参考：図解雑学　船のしくみ

＜スーパーキャブ＞：アメリカ海軍水中戦闘センターNUWCが1990年代初めから開発中の魚雷防御用超高速魚雷Supercav。スーパー・キャビテーション現象を利用したもので、円錐形の魚雷先端部に目標探知用ソナーを持ち、先端側面の操舵翼４枚と後部のベクタード・スラスト・ノズルで針路を変更、敵魚雷に200ノット強で突進する。有効射程3km。2015年現在、まだ実用化されていない。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究4,’07、6,’15

＜スーパー・ギャラクシー＞：C-5M（輸送機）を参照。

＜スーパー・キャリア＞：フォレスタル級（空母）を参照。

＜スーパー・クリティカル翼＞：Super critical wing、超臨界翼型、遷音速翼型。飛行速度が臨界マッハ数に達した際の衝撃波や剥離の影響を最小限にする工夫をした翼型のことで、1960年代後半から開発された。ピーキー翼とリア・ローディングを組み合わせており、翼上面中央を後ろの方まで平坦に近い断面形状にし、翼下面後部を上に凸の断面形とすることで、衝撃波の発生を遅らせると共に相対的に小さくし、衝撃波の発生位置を翼後縁に下げることで抗力の増加を抑えた。巡航速度をマッハ0.95くらいまで上げられる、主翼後退角を減らして主翼のアスペクト比を増やせるので誘導抗力が減少し燃料消費量を減らせるという利点がある。1971-72年にNASAが主要各国で技術特許を出願したが、イギリスのピーキー翼研究者も対抗して1975-76年に特許を出願。それまでは翼型で特許を取ることはあまり無かったので国際問題になり、1974年8月にNASAが初めてスーパークリティカル翼型の座標の一部と性能を公表したのと同じ会議において、遷音速翼という名称でスーパークリティカル翼の研究発表を行った日本や、ドイツにオランダなどもNASAの特許主張に反対している。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings5,’20

＜スーパー・クルーズ＞：超音速巡航Supersonic cruise。アフターバーナー無しの経済飛行でも超音速に達することができる能力のこと。マッハ1.7以上の巡航速度があれば空戦などでも優位性を発揮でき、発射するミサイルに運動エネルギーを上乗せして高い機動力を持たせたり、対地兵装の射程を延伸したりすることが可能となるが、それ未満だと単に遷音速巡航よりちょっと速いだけといった感じになる。参考：月刊軍事研究1,’09、月刊JWings3,’09、1,’14

＜スーパー・コブラ＞：AH-1W（攻撃ヘリ）を参照。

＜スーパーサーチモード＞：AN/APG-63レーダーの作動モードの１つ。空戦時に使用し、アンテナ正面10海里を捜索、最初に発見した目標をロックオンする。参考：月刊JWings9,’00

＜スーパー・サヴェジ＞：XA2J（試作艦上攻撃機）を参照。

＜スーパーサンダー＞：JF-17（戦闘機）を参照。

＜スーパー・シースプライト＞：SH-2G（対潜ヘリ）またはSH-2G(I)対潜ヘリを参照。

＜スーパー・シーリンクスＭｋ８８Ａ＞：ドイツ海軍哨戒ヘリ。マルコーニ社製シースプレー300レーダー、FLIR付き多目的ターレットを装備する。エンジンはロールスロイス製GEM42。兵装はマトラBAeダイナミクス社製シースクア空対艦ミサイルなど。1996年に発注した。参考：月刊軍事研究1,’00

＜スーパー・ジニー＞：AIR-2B（空対空ロケット）を参照。

＜スーパーシャーマン＞：M50（戦車）を参照。

＜スーパー・ジョリーグリーン・ジャイアント＞：HH-53B（救難ヘリ）を参照。

＜スーパー・スカイホーク＞：A-4SU（攻撃機）またはTA-4SU（攻撃機）を参照。

＜スーパースカイマスター＞：O-2シリーズ（前線航空統制機）またはセスナ337を参照。

＜スーパースタリオン＞：CH-53E（ヘリ）を参照。

＜スーパースピットファイア＞：スピットファイアMk.21（戦闘機）を参照。

＜スーパーセイバー＞：F-100シリーズ（戦闘機）を参照。

＜スーパータイガー＞：F-5X（計画戦闘機）またはF11F-1F（戦闘機）を参照。

＜スーパーダンボ＞：B-29爆撃機ファミリーを参照。

＜スーパーチャージャー＞：Supercharger、過給機。空気を圧縮して排気量以上の空気量をエンジンに供給する装置で、同じ排気量・同じ回転数のエンジンなら容積あたりの性能を向上でき、高々度などで外気圧が下がっても性能を維持できる。航空機が離陸する際、一時的に出力を増大させるためにも使用される。圧縮した空気は高温になるので、インタークーラーで冷やして密度を上げると更に出力を高めることができる。圧縮機の駆動方式でメカニカル・スーパーチャージャーとターボ・スーパーチャージャーの２種に分類され、圧縮機の形式で遠心式、ルーツ式、ベーン式などに分類される。狭義には、メカニカル・スーパーチャージャーをいう。参考：自動車エンジンの技術、航空用語事典増補改訂版、クルマのすべてがわかる事典、月刊JWings6,’03

　＜二速式スーパーチャージャー＞：飛行高度に応じて圧縮翼の速度をギア切り替えで変化させるもの。低空では低回転比を使用してエンジン側の背圧を低くすると共に吸気温度を低下させ、出力低下を防ぐ。参考：月刊丸9,’97、10,’93

　＜二段式スーパーチャージャー＞：２つのスーパーチャージャーを組み合わせて使用するもの。同じ方式を２つ使うタイプと、メカニカルとターボを１つずつ使うタイプがある。１つ目で圧縮された高温空気をそのまま２つ目に送ると効率が落ちるので、その中間に冷却器を設置する必要がある。GE社ではB-36爆撃機用に２段式ターボチャージャーを試作したことがあるが、実用化はされなかった。参考：月刊丸9,’97、10,’93、月刊航空ファン8,’09、月刊軍事研究9,’16

　＜遠心式スーパーチャージャー＞：インペラーを毎分1-2万回転させ、その遠心力を利用して空気を圧縮するもの。太平洋戦争時の日本では高回転・高温（700度以上）に耐えられる素材の開発に難渋した。参考：月刊丸10,’93

＜スーパー・チャーチル＞：A43（歩兵戦車）を参照。

＜スーパー・ツカノ＞：EMB-314シリーズ（攻撃機）を参照。

＜スーパーデルフィン＞：L-29海外シリーズ（練習機）を参照。

＜スーパーデルマーターゲット（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の曳航標的。FRP製で、高速曳航に耐えられるよう細長い爆弾型をしている。先端に直径3mm・長さ1500mのワイヤーが結ばれていて、曳航装置を介してF-104DJ戦闘機などに搭載し、コクピットのスイッチ操作でリーリングマシンからワイヤーを繰り出し曳航する。ワイヤーの繰り出し速度は、曳航装置に付属する駆動用ラムエアタービンの風車羽根ピッチ角を変化させることで調整可能。参考：世界の傑作機No.104

＜スーパー・ドヴォラＭｋ�T＞：イスラエル海軍哨戒艇Super Dvora Mk�T。兵装は324mm短魚雷Mk46用単装発射管２門。AGM-114ヘルファイアミサイル（対艦用）も搭載できる。参考：月刊世界の艦船11,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーパー・ドヴォラＭｋ�U＞：イスラエル海軍哨戒艇Super Dvora Mk�U。兵装は324mm短魚雷Mk46用単装発射管２門。AGM-114ヘルファイアミサイル（対艦用）も搭載できる。参考：月刊世界の艦船11,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーパー・ドヴォラＭｋ�V＞：イスラエル海軍多任務高速哨戒艇。IAI社ラムタ部が建造した。船体はアルミ製。全長27.4m、排水量64-72トン。主機は12V4000MTUディーゼル２基・ツインディスク社製モデルASD16アーネソン・サーフィス・ドライブ２基、最大速力45ノット、航続距離1000海里。兵装は25mm機関砲タイフーン１門（艦橋前部）、20mm機関砲１門（後甲板）、7.62mm機関銃２丁（後甲板）。25mm機関砲はマストのEL-OP製マルチセンサー安定式統合システムにより管制を受ける。艦橋後部甲板には艦対艦ミサイルや短魚雷発射管などの搭載スペースがある。2004年11月に１番艇が就役し、2015年現在10隻が配備されている。参考：月刊軍事研究10,’05、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スーパー・ドリー・パートン砲塔＞：T-72B（戦車）を参照。

＜スーパードローン＞：X-47B（無人機）を参照。

＜スーパーハーキュリーズ＞：C-130J（輸送機）を参照。

＜スーパーバード衛星通信システム＞：自衛隊のＸバンド衛星通信システム。民間のスーパーバードB2/C2/Ｄ衛星を使用する。三自衛隊間・各衛星間での情報共有が困難なのが欠点。2015年度にB2とＤが寿命を迎えるので、2011年度から民間と協力して次期Ｘバンド衛星通信システムを構築しており、2017年から新型Ｘバンド通信衛星きらめきを打ち上げている。参考：月刊軍事研究1,’12、3,’17、月刊世界の艦船9,’11

＜スーパー・バイパー＞：F-16戦闘機（インド）を参照。

＜スーパーハインドＭｋ�U＞：Mi-24攻撃ヘリ向上型（Mk�U）を参照。

＜スーパーハインドＭｋ�V＞：Mi-24攻撃ヘリ向上型（Mk�V）を参照。

＜スーパーハインドＭｋ�W＞：Mi-24攻撃ヘリ向上型（Mk�W）を参照。

＜スーパーハインドＭｋ�X＞：Mi-24攻撃ヘリ向上型（Mk�X）を参照。

＜スーパーバズーカ＞：M20（ロケットランチャー）を参照。

＜スーパービー＞：P-3A/B TACNAVMOD（哨戒機）を参照。

＜スーパー・ヒューイ＞：UH-1Y（ヘリ）を参照。

＜スーパーピューマ２２５型＞：エアバス・ヘリコプターズ式EC225LP型またはユーロコプター式EC225LP型を参照。

＜スーパーピューマ３３２型＞：AS332ヘリ海外シリーズを参照。

＜スーパーファイブ＞：Bo-105CBS-5（ヘリ）を参照。

＜スーパーファルコン＞：AIM-4シリーズ（空対空ミサイル）またはAIM-26シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜スーパー・ファントム＞：F-4シリーズ（戦闘機）を参照。

＜スーパーフォートレス＞：B-29シリーズ（爆撃機）を参照。

＜スーパーブレイザー＞：スロベニアの爆発性反応装甲。イスラエルの技術で開発した。RPG-7対戦車ロケットには弾着角40度、TOW対戦車ミサイルなら弾着角70度まで耐えられる。参考：月刊PANZER1,’00

＜スーパー・フレイター＞：ロッキード・マーチン社が開発中の空中給油機兼輸送機Super Freighter。ボックス・ウイングを採用しており、上翼にエンジン４基をポッド式に装備、下翼の翼端にフライング・ブームを１基ずつ設置することにより同時に２機の給油が行える。また、上翼の翼端にはHDUを装備しており、プローブ・アンド・ドローグ方式での給油も可能。機体後部には輸送任務用の貨物搭載ランプを設けるか、フライング・ブーム式給油装置を取り付ける。貨物搭載ランプ付きなら戦車も積め、空挺隊員150名以上や27トンパッケージ２個の空中投下が可能となる。航続距離6000海里（91トン積載）。最大貨物搭載量159トン。参考：月刊軍事研究12,’07

＜スーパー・フレーダーマウス＞：スイスのコントラヴェス社が開発した射撃統制装置Super-Fledermaus。GDF-001機関砲用で、レーダーと射撃計算機からなる。レーダー使用周波数9000MC帯、探知距離0.3-50km、自動追随距離40kmまで。照準にはJMPG-W1射撃統制装置と対地対空兼用計算照準具を用い、距離9.5km・時速1710kmまでの目標に対処できる。XABASHIGT光学照準具だと、時速1200kmまで対処可能。参考：月刊PANZER9,’02、自衛隊装備年鑑1996

＜スーパーフロッグ＞：ATT（先進戦域輸送機）を参照。

＜スーパーヘテロダイン方式＞：第２世代レーダー警戒装置の受信機に使用されている技術。ヘテロダインは唸りという意味で、真空管内に唸りを生じさせ、受信した数波の周波数を中波数信号に変換、フィルター・増幅処理して抽出する。複数受信信号処理能力を持ち、周波数弁別能力と受信感度に優れるが、反応時間が長く、デジタル式クリスタル・ビデオ受信方式に換えられた。参考：月刊エアワールド1,’00

＜スーパーホーク＞：H-92（ヘリ）またはS-92A（ヘリ）を参照。

＜スーパーホーネット＞：F/A-18E/F（艦上戦闘攻撃機）を参照。

＜スーパーホーネット・インターナショナル＞：F/A-18シリーズ（艦上戦闘攻撃機）を参照。

＜スーパーポッド＞：アメリカ空軍外装型センサー収納ポッド。TR-1（U-2R再生産型）・U-2S戦略偵察機の主翼に搭載可能。長さ7.26m、直径0.81mの円筒形で、ペイロード800ポンド（362.9kg）。標準的組み合わせはシニア・グラス・パッケージ（Senior Glass。後にRSA-1A）で、ポッド下面のカヌー型アンテナ前部にシニア・ルビーELINT装置、後部にシニア・スピアCOMINT装置のアンテナが付いている。シニア・スパー用衛星中継システム用アンテナを収容していることもある。参考：月刊軍事研究11,’18、5,’02、5,’05、月刊航空ファン9,’17

＜スーパーボマーク＞：ボマークＢ（防空ミサイル）を参照。

＜スーパーマリン社＞：イギリスの航空機会社。1916年に創設された。当初は水上機を主に製作しており、レジナルド・Ｊ・ミッチェル主任設計技師が設計した水上機は1927年・1929年・1931年とシュナイダー・トロフィー・エアレース３連覇を成し遂げている。1930年のイギリス空軍戦闘機開発要求に応えてタイプ224を開発したが、これは採用されず、改良してスピットファイアを完成させた。1950年代末、ヴィッカーズ社に吸収合併された。参考：スピットファイア、月刊JWings9,’18

＜スーパーマルチヒットアーマーテクノロジー＞：スマート・アーマー（複合装甲）を参照。

＜スーパー・ムシュシャク＞：MFI-395（練習機）を参照。

＜スーパー・ラピッド砲シリーズ＞：OTOメララ社の62口径76mm単装砲Super-Rapid。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜スーパー・ラピッド砲＞：コンパクト砲の改良型で、ミサイルも迎撃できるよう、給弾機構を変更して発射速度を毎分120発に上昇させた。砲身冷却は海水による液冷式。甲板下に給弾装置とそれを取り巻く回転式弾倉があり、装弾数は弾倉１巻きなら44発、２巻きなら80発、３巻きなら115発。マウント重量８トン。全周旋回可能、旋回速度毎秒60度、俯仰角マイナス15度からプラス85度、俯仰速度毎秒35度。砲弾重量6kg。砲口初速毎秒925m、有効射程8000m（対水上）、最大射程16000m（通常弾、対水上）／20000m（SAPOMER無誘導射程延伸弾、対水上）。10点バーストでの射弾撒布は、距離1000mで0.3ミリラジアン（0.3m）。ステルス砲塔や、デジタル管制盤を備えた改良型もある。６ヵ国で40基が採用された。ちなみに海自は採用していない。参考：月刊世界の艦船11,’14、1,'15増刊、12,’18、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90、月刊JWings5,’04、月刊軍事研究11,’06、1,’07、月刊コンバットマガジン11,’03

　＜ＡＤ型＞：Above-Deck型の略。CIWS版で、甲板下の回転式弾倉を省略して即応弾40発のみとしている。初速毎秒910m、最大射程15000m。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜スーパーリフター＞：Bo105ファミリー（ヘリ）を参照。

＜スーパーリンクス＞：リンクスHMA.8（ヘリ）を参照。

＜スーパールージュ＞：ロイテック社の艦載／車載20mm機関砲装備遠隔操作兵装ステーション。GI-2機関砲またはM693F2機関砲と、砲安定化装置、自動追尾装置、レーザー測距器を組み合わせている。本体重量500kg（弾薬200発）、モニター／コントローラー重量10kg。俯仰角マイナス10度からプラス40度。LMMを追加搭載することも可能。参考：月刊軍事研究3,’11、12,’12

＜ズービン＞：AGM-379/20（空対地ミサイル）を参照。

＜ズーフ装置＞：ドイツ海軍Ｕボート用アクティブ式攻撃ソナーSoff Gerat。バルコンにより探知した船団に5-6海里まで接近した所で短時間音波を発信し、目標の距離と方位を測定、魚雷にデータを送る。参考：月刊丸5,’07

＜スーブラ湾上陸作戦＞：第１次世界大戦でガリポリに上陸した後に戦線が膠着したため、新たに立てられた作戦。ガリポリ上陸作戦の上陸地点の北にあるスーブラ湾に上陸し、傍にある２つの高地を確保、半島を遮断するものである。ガリポリ上陸作戦で、将兵を搭載した艀やボート、それを曳航する木製舟艇が砲撃により大損害を受けたため、新たに300名乗り鉄製自走艇を配備した。8月6-7日、アンザック軍団がスーブラ湾に上陸。トルコ軍の反撃は殆ど無く、橋頭堡を確保したが、司令官が上陸後の進撃命令を出し忘れたため、内陸への侵攻が行われないまま２週間が過ぎた。8月21日、１個師団が増強されて漸く高地への進撃が開始されたが、トルコ軍防御陣地に正面攻撃をかけたために大損害を出して失敗。その後は陣地戦に移行したが、英仏連合軍勝利の機会は失われており、1916年1月にガリポリ半島の部隊共々撤退した。ガリポリ上陸作戦と併せてトルコ軍・英仏連合軍とも死傷者25万名ずつを出したとされる。この失敗により、イギリスのチャーチル海相とフィッシャー海軍軍令部長が解任されたが、教訓はオーバーロード作戦に活かされた。参考；月刊PANZER7,’05、朝鮮戦争（上）、月刊軍事研究9,’07、工兵入門

＜スーフルール＞：フランス海軍ルカン級潜水艦Souffleur。1926年竣工。1941年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜スーマール＞：イランが2015年3月8日に公開した地上発射型巡航ミサイルで、2014年に議会で発表された際にはMeshkatという名称だった。Kh-55のコピーという説もある。射程2500km／3000km（増槽あり）。ただ長射程の実現に必要な小型ターボファン・エンジンを独力で生産するのは困難で、海外からこっそり輸入した説、実はターボジェット・エンジンで射程が半分くらい説（それでもイスラエルには十分届く）などが流布されている。参考：月刊軍事研究8,’15、9,’15

＜スーマム＞：アルジェリア海軍練習艦Soummam。上海で建造されており、大興型練習艦とだいだい同じ構造である。満載排水量5558トン。乗員400名（うち教官30名、練習生170名）。2006年竣工。2014年8月15日、コート・ダジュール沖でドラグーン作戦70周年記念国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜ズーム上昇＞：Zuum up。減速度上昇の１つで、水平飛行あるいは緩降下で最大速度に加速し、エンジン出力最大のまま急上昇すること。飛行中の運動エネルギーを位置エネルギーに転換して高度を獲得する。最大上昇限度を大きく上回る上昇（F-104戦闘機なら23000-30000mくらい）が可能だが、頂部に近づくと空気が薄くなりアフターバーナーが消え、高度20000mを越えるとジェットエンジンも停止し、舵も効かなくなる。頂部に達してからはそのまま自由落下していくことになるが、空気が濃くなればエンジン再始動や機体コントロールも可能となる。同じ速さなら重い機体の方が運動エネルギーが大きいので、先に上昇できる。高々度を飛行する敵機に一気に近づけるが、接敵の機会はほぼ１回だけなので、地上管制迎撃GCIによる完全誘導が必須。参考：月刊JWings9,’03、図解現代の航空戦、航空用語事典増補改訂版

＜崇明島＞：862（潜水艦救難艦）を参照。

＜スヴャティテル・ニコライ＞：ロシア海軍955A型ボレイ級原潜４番艦Svyatitel Nikolay。2010年3月に起工したらしい。参考：月刊軍事研究9,’11

＜スーヤン＞：926（駆逐艦）を参照。

＜スール＞：P325（潜水艦）を参照。

＜ズールー＞：AH-1Z（攻撃ヘリ）またはF18（駆逐艦）またはF124（フリゲート）またはＺ（グリニッジ標準時）を参照。

＜ズールー＞：イギリス海軍Ｆ級駆逐艦Zulu。ホーソン・レスリー社が建造した。1916年11月8日、ダンケルク沖で触雷して艦尾を喪失した。その後チャタム海軍工廠に運ばれ、艦首部分がヌビアンの後半と繋ぎ合わされて駆逐艦D99ズビアンになった。参考：月刊丸4,’17

＜ズールー型＞：611型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜スエズ運河トン数＞：純トン数にスエズ運河公社が定める基準を加えたもの。これに基づいて通航料が決定される。参考：図解船の科学

＜スエズ動乱＞：第２次中東戦争を参照。

＜末田利行＞：日本海軍エース。大正3年、福岡県生まれ。昭和8年、海軍に入隊し、昭和11年7月に操縦練習生を卒業、大村航空隊に配属された。日華事変勃発で第13航空隊に転属し、上海の公大基地に配置された。昭和12年9月19日、第１次南京空襲で２機を撃墜。11月、本土に帰還。昭和15年5月、第12航空隊に転属、漢口に配置された。その後第14航空隊に転属し、11月に大分航空隊所属となって本土に帰還した。昭和17年10月、飛曹長に昇進し、第252航空隊所属となった。12月27日、ムンダ上空で２機を撃墜。昭和18年3月からウエーク島防空に就いた。10月6日の迎撃戦で行方不明になり、戦死認定された。公認撃墜数９機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜末次信正＞：海軍兵学校第27期卒。ロンドン会議の時は軍令部次長で、軍縮反対派であり、ロンドン条約締結後に辞表を出した。昭和6年12月1日、第２艦隊司令長官となった。昭和8年11月15日、第２艦隊司令長官を退き、第１艦隊司令長官となった。昭和9年3月、友鶴事件が起きた。6月、駆逐艦深雪と雷が衝突して深雪が沈没した。11月15日、第１艦隊司令長官を退き、横須賀鎮守府司令長官、軍事参議官を歴任し、昭和12年に予備役となった。第１次近衛内閣で内務大臣を務めたが、対米・対中で超強硬姿勢を貫き、近衛首相が持て余す程だった。晩年は大政翼賛会中央協力会議議長と内閣顧問を務め、昭和19年12月29日、64歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜スエファ＞：F-16I（戦闘機）を参照。

＜スエファ２＞：イスラエル国防軍の装輪車両。2002年から配備された。参考：月刊軍事研究2,’12

＜スエファ３＞：イスラエル国防軍の装輪車両。オートモーティブ・インダストリー社製。ラングラーJKアンリミテッド４輪駆動車を改造したもので、砂地や泥を走破できる。エンジンはディーゼル（総排気量2800cc、出力158馬力）、トランスミッションはオートマチック。ペイロード1.2トン。スエファ２の後継として2010年から歩兵・機甲・砲兵部隊の中隊・大隊指揮官用に配備されており、2012年末までに250両、総計530両が引き渡される予定。参考：月刊軍事研究2,’12

＜すおう＞：AMS-4302（多用途支援艦）を参照。

＜スオミ＞：フィンランド軍短機関銃。兵器設計課のラーテが1931年に開発したのでM1931とも呼ばれる。木銃床の上に銃身と機関部を載せ、孔開き被筒で銃身をカバーした。重いが、安定した射撃が可能。全長865mm、重量5.45kg。使用弾口径7.62mm。弾倉は20発・50発箱型または40発・71発入りドラム型。冬戦争で活躍した。参考：拳銃・小銃・機関銃、世界の軍用銃

＜スオムッサルミの戦い＞：冬戦争で、フィンランド軍が数で優勢なソ連軍を撃滅した戦い。スオムッサルミに２個師団を投入してフィンランドの南北分断を図るソ連軍に対し、フィンランドは１個連隊で対抗。湿地帯、森林、湖という地形を活かし、神出鬼没のスキー兵によりソ連軍の補給線を分断するというモッティ（孤立した敵）戦術をとった。ソ連軍は零下40度の寒さと補給途絶のため衰弱し、各個撃破されて壊滅している。参考：月刊軍事研究11,’03

＜スカ＞：日本海軍用語で、横須賀のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜スカート＞：サイドスカートともいう。車体側面及び走行装置を防御する構造で、装甲板（この場合、装甲スカートとも呼ばれる）や硬質ゴムなどで製作される。車体側面装甲板とかなりの距離が開いているので、スペースド・アーマーと同様の効果があり、特に成形炸薬弾に対して有効な防御機能を示す。走行時の砂煙を抑える効果もあり、水上航行時には履帯回転による水流を制御する働きもある。防御力を重視しすぎて重くなると不整地走行で脱落するので、兼ね合いが難しい。参考：M1A1戦車とM2/3戦闘車

＜スカートシステム及びエアコン＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究2,’17

＜スカーニャ＞：インド海軍哨戒艦。2022年7月21日、日印共同訓練に参加。インド洋でDD-106さみだれと戦術運動・PHOTEXなどを行った。2022年9月11-17日、アンダマン海からベンガル湾で日印共同訓練JIMEX2022に参加。駆逐艦D-55ランヴィジェイ、フリゲートF49サヒャドリ、コルベットP-29カドマット、P-31カヴァラッティ、補給艦A58ジョティ、潜水艦、P-8I哨戒機、MiG-29K戦闘機、ドルニエ228哨戒機などと共に、DDH-183いずも及びDD-110たかなみと、各種戦術訓練（対空射撃、対水上射撃、対潜戦、防空戦、洋上補給など）を行った。参考：月刊世界の艦船10,’22、12,’22

＜スカーニャ級＞：インド海軍外洋哨戒艦Sukanya級。韓国のタコマ社が設計しており、最初の３隻は輸入、残りはヒンダスタン造船所の建造である。全長101.9m、幅11.5m、吃水3.4-3.5m、満載排水量1890-1920トン。主機はディーゼル２基、出力12100-12800馬力、２軸推進、最大速力21ノット。兵装は40mm連装機関砲１基（40mm単装機関砲１門？）、RBU2500対潜ロケット発射機４基、25mm機関砲２門、12.7mm機銃４丁。ヘリ格納庫とヘリ甲板を持ち、SA316アルーエト�V／チェタック・ヘリ１機を搭載できる。P50、２番艦P51スバドラ、３番艦P52スヴァルナ、P53、P54、P55、P56の７隻が1989-93年に就役した。P51スバドラにはテスト用としてプリトゥビ３が２基搭載されている。参考：月刊軍事研究4,’11、月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’16、7,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スカーミッシュ＞：アメリカ海軍敷設艦。1945年3月26日、沖縄方面で基地航空隊と特攻隊の攻撃を受けて損傷した。4月1日、沖縄方面で基地航空隊と特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜スカイＸ＞：イタリアのアリエナ社が開発した技術実証用UAV。胴体はステルス性を考慮して逆三角形断面になっており、後部に高翼配置の後退翼、尾部にＶ字の垂直尾翼を持ち、水平尾翼は無い。垂直尾翼の間にエンジンがある。完全自動操縦または無線制御が可能。全長7.84m、全幅5.77m、最大離陸重量1.2トン。エンジンはマイクロターボ社製TR160-5ターボジェット（推力4.4kN）単発、最大巡航速度480km、最大速度800km、最大到達高度10000m。ペイロード0.15-0.2トン。2005年5月29日に初飛行した。胴体のモジュール部分にセンサーを搭載しての偵察任務の他、武装の搭載も検討されている。参考：月刊軍事研究2,’07、10,’05

＜スカイアイ＞：GTS7901（無人機）を参照。

＜スカイアイ＞：ディベロップメント・サイエンシズ社のRPV。翼スパン3.78m。推進はプッシャー・プロペラ、航続時間６時間。ペイロード36kg。参考：スパイ機

＜スカイウォーデン＞：OA-1K武装監視機（アメリカ空軍）を参照。

＜スカイウォーリア＞：YMQ-1C（無人機）を参照。

＜スカイ・ウォッチ＞：マルス・パッサート（多機能レーダー）を参照。

＜スカイ・ウォッチ−Ｕ＞：JY-26（レーダー）を参照。

＜スカイ・ウォッチ−Ｖ＞：JY-27（レーダー）を参照。

＜スカイカー＞：XC-65（試作輸送機）を参照。

＜スカイガーディアン＞：MQ-9B（無人機）を参照。

＜スカイガード＞：スイスのコントラベス社が開発した地対空射撃指揮装置Skyguard。牽引式シェルターに作動室とAPUを作り付けてあり、シェルター上に円形の追尾レーダーアンテナ、楕円形のIFF一体式捜索レーダーアンテナ、TVカメラを装備したターレットが載っている。全天候下で高度数十メートルを飛行する低空目標を探知追尾でき、地対空ミサイルや高射砲に撃墜指令を出せる。参考：ザ・マーチ５号

＜スカイガード＞：ノースロップ・グラマン社が開発中のレーザー砲。MTHELシステムをベースに1995年から開発しており、出力100kWのフッ化重水素レーザーでミサイル、砲弾、短距離弾道弾を迎撃する。システムは発射機、射撃指揮レーダー、射撃指揮装置からなり、大型トレーラー３台で移動できる。システム価格30億円以上、１回あたり照射コスト1000ドル、防御半径10km。戦場配備型として提案されている他、アメリカ国土安全省が航空基地及び空港に配備を検討している。参考：月刊軍事研究3,’07、2,’08

＜スカイクリーナー＞：An-30（輸送機）を参照。

＜スカイクレーン＞：XH-18（ヘリ）を参照。

＜スカイコブラ＞：陸上自衛隊第４対戦車ヘリコプター隊飛行チーム。OH-1観測ヘリ２機とAH-1S対戦車ヘリ６機からなり、2013年の第41回木更津航空祭で初登場した。参考：スピアヘッドNo.17

＜スカイサーバントＤ２＞：ドルニエ社のSTOL双発多用途機Skyservant D2。スカイサーバント・シリーズの軍用型である。エンジンはライカミング社製、出力380馬力。イスラエル空軍、エチオピア空軍、ザンビア空軍、トルコ空軍、ナイジェリア空軍が採用した。参考：ザ・マーチ５号

＜スカイシールド＞：イスラエルのエルビット・システムズ社が開発したマルチスペクトラル赤外線妨害ミサイル防御システム。航空機をMANPADSから守る装置で、赤外線・紫外線・レーザーを検知するミサイル警報装置MWSと、ミサイルにレーザーを発射するレーザー照射装置を、ポッド内に収容している。全長2.7m、全幅0.6m、全高0.5m。2013年1月16日、イスラエル南部でボーイングB707（ボーイングB737？）テストベッド機に装着して飛行テストを実施したと発表された。2014年、MANPADSの発射を想定したテストを実施。2月26日にイスラエル政府が民間向けの配備を承認し、C-MUSICとして販売された。参考：月刊軍事研究8,’14、5,’17

＜スカイシールド＞：ロッキード・マーチン社の35mm防空機関砲システム。エリコン・コントラベス社製35mm単装機関砲35/1000を２門（装弾数228発）、無人の監視追尾レーダー、操作員２名の位置する指令ユニットからなり、122mmロケット弾の迎撃も可能とされる。参考：月刊軍事研究10,’07

＜スカイシャーク＞：A2D（艦上攻撃機）を参照。

＜スカイシューター＞：87式自走高射機関砲を参照

＜スカイ・スイーパー＞：M51（高射砲）を参照。

＜スカイスター＞：イスラエルのRT社が開発した定点監視用繋留型気球。気球、ヘリウムガスボンベ、係留用ワイヤー、ウインチ、雷検知器、可搬型制御ステーションなどからなる。気球外側にスカートが装着されており、風が吹くと風上側に気球を寄せることで、風速20mでも運用できる。係留装置は重量1.5トンで、運搬用トレーラーとアンカーを兼ねる。運用要員2-3名で、到着後30分あれば展開可能。スカイスター180（気球直径6m、ペイロード18kg、展開高度300m、連続運用時間72時間）はイスラエルで監視カメラを吊り下げて国境警備に使用されている。2014年にはアメリカ陸軍が採用し、カメラによる定点監視に加え、無線中継、レーザー照準、レーダー母機などとしても使っている。参考：朝雲

＜スカイストライカー＞：エルビット・システムズ社の自爆無人機。主翼は低翼配置の直線翼で、矩形の垂直尾翼と水平尾翼を持つ。付随被害を抑えるため、小型弾頭を装備しており、４×４輪車両で牽引されるランチャーから射出して低高度を飛行し、自律航法で上空に待機、電子光学センサーで操作員が目標を見つけて突入指示を出す。その後でも攻撃を中止することが可能である。攻撃の機会が無かった場合は帰還させ、パラシュートで回収する。弾頭重量5kgまたは10kg。推進は電動モーター、最大速度185km、急降下時最大速度500km以上、滞空時間１時間（10kg弾頭）／２時間（5kg弾頭）。参考：月刊軍事研究4,’17

＜スカイスナイパー＞：IAI社の空対地ミサイル。地対地ミサイルがベースで、着弾時の速度が速く、通常弾頭ながら高い貫徹力を持つ。誘導はGPS/INS。全長4m。推進はロケット、射程150km。F-16やクフィールなどに４発以上搭載できる。参考：月刊JWings6,’16

＜スカイスパイ＞：ショート・ブラザーズ社のRPV。ダクテッド・ファンによるVTOLや推力偏向が可能。重量130kg。エンジン出力65馬力、作戦高度1830m、航続時間90分。ペイロード20kg。参考：スパイ機

＜スカイ・スポット＞：AN/TPQ-10（レーダー）を参照。

＜スカイ・ソード・シリーズ＞：台湾空軍ミサイルSky Sword。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜スカイ・ソード�T＞：赤外線受動誘導式空対空ミサイルSky Sword �T。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜スカイ・ソード�U＞：アクティブ・レーダー誘導式空対空ミサイルSky Sword �U。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜スカイ・ソード�UＡ＞：対レーダーミサイルSky Sword �UＡ。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スカイソニック＞：イスラエルのラファエル社が開発している極超音速ミサイル迎撃用ミサイルSkySonic。発射されるとブースターで加速、高々度でブースターを切り離してサステナーに切り替え、操舵翼も使用して高い機動力を発揮し、マッハ10までの極超音速ミサイルを直撃破壊する。参考：月刊JWings9,’23

＜スカイ・ドラゴン５０＞：中国の地対空ミサイルシステムSky Dragon 50。2010年代に開発された。PL-12空対空ミサイルにブースターを付けて陸上発射型にした地対空ミサイルを使用する。参考：月刊世界の艦船2,’20

＜スカイ・ドラゴンズ＞：第18空挺軍団を参照。

＜スカイトラック＞：M-28 05（輸送機）を参照。

＜スカイトルーパー＞：C-53シリーズ（輸送機）を参照。

＜スカイトレイン＞：C-47シリーズ（輸送機）またはC-117（輸送機）を参照。

＜スカイトレイン�U＞：C-9B（輸送機）を参照。

＜スカイナイト＞：F3Dシリーズ（夜間戦闘機）を参照。

＜スカイパイレーツ＞：XTB2D1（試作艦上攻撃機）を参照。

＜スカイバン＞：SC-7-3M（輸送機）を参照。

＜スカイビュー＞：スイス軍の次期防空用対空監視システム。Ralusレーダーシステム及びLunas情報表示システムの後継である。タレス社製。参考：月刊航空ファン12,’19

＜スカイファイア７０＞：ブラジルの航空機発射用70mmロケット弾。ロケットは３種類、弾頭は９種類あり、適宜組み合わせて使用する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜スカイフォール＞：9M730（原子力巡航ミサイル）を参照。

＜スカイフック＞：フルトンSTAR回収システムを参照。

＜スカイフラッシュ＞：BAeダイナミックス社の空対空ミサイル。1973年から開発され、1978年から配備された。AIM-7E-2に低空目標迎撃能力（シュートダウン能力）を付加したもので、シーカーをジャミングに強いマルコーニ・ディフェンス・システムズ社製インバース・モノパルス方式Ｊバンド連続波セミアクティブ・レーダー・シーカーに換えてある。誘導装置は小型化したが、ロケットモーターの大きさは変わらない。EMI社製レーダー近接信管を採用し、目標から一定距離以外では炸裂しないようにして地表・海面近くでの運用も可能とした。全長3.66m、直径0.203m、翼スパン1.02m、重量195kg、弾頭重量35kg。推進はエアロジェットMk52Mod2固体ロケット、飛翔速度マッハ４、射程40km。1985年からはスウェーデンと共同でスカイフラッシュ90というアクティブ・レーダー誘導型を開発したが、翌年に中止された。その後トムソン社製アクティブ・レーダー・シーカーと組み合わせたアクティブ・スカイフラッシュ、同じシーカーを使ってラムジェット推進により射程を100海里に延伸したS225Xが計画されたが、これらも開発中止になっている。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97、世界の軍用機1979、ザ・マーチ５号、17号、40号、月刊航空ファン11,’92

＜スカイフラッシュ海外シリーズ＞

　＜Ｒｂ７１＞：スウェーデン空軍中射程空対空ミサイル。サーブ37ビゲン戦闘機用に導入した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜スカイブレイザーズ＞：在欧州米空軍USAFEのアクロバットチーム。参考：月刊JWings6,’07

＜スカイボウ＞：イスラエル軍の腔内発射型レーザー誘導対戦車ミサイル。105mm/120mm砲から発射できる。ハンター無人機への搭載も研究中。直径104.5mm、重量70kg。最大射程8km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜スカイホーク＞：A-4シリーズ（攻撃機）またはセスナ172シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜スカイホーク＞：イラン空軍空対空ミサイル。F-14A戦闘機用で、MIM-23Bホーク地対空ミサイルを改造したものである。AIM-54空対空ミサイルより1mほど長いので、胴体下埋め込みでは搭載できず、装備は主翼グローブ下パイロンに限定されるらしい。全長5.08m、直径0.37m、重量590kg。参考：月刊軍事研究1,’12

＜スカイホーク＞：カナダ軍の公式パラシュート・デモチーム。参考：月刊JWings12,’17

＜スカイボーグ＞：アメリカ空軍の無人機制御用人工知能ソフトウェアSkyborg（Sky＋Cyborg）。2019年3月27日に計画が明らかとなり、2020年5月15日にRFI(RFP？)を発出した。ロイヤルウイングマン有人−無人チーム計画向けで、有人機の１名が無人機編隊を管理下に置くための高度な自律制御を可能とする。RFIに応じた18案のうち、ボーイング、GA-ASI、クラトスUAS（XQ-58A）、ノースロップ・グラマンが選定され、原型開発に入った。2021年6月14日、自律操縦シミュレーションシステムSACSをNF-16D試験機に搭載することになったのに伴い、NF-16DをX-62Aに改称した。参考：月刊JWings8,'20、10,'20、4,'21、10,'21、月刊航空ファン6,’19

＜スカイホーク�U＞：A-4攻撃機ファミリーを参照。

＜スカイホークＳＰ＞：セスナ172シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜スカイ・ホーネット＞：陸上自衛隊航空学校宇都宮校の操縦教官で編成された飛行チーム。OH-6Dヘリを使用しており、メンバーは毎年違う。2014年度末にOH-6Dヘリが航空学校宇都宮校から姿を消すため、2014年5月25日の宇都宮駐屯地開設41周年記念行事がラストフライトとなった。2015年2月23日の航空学校宇都宮校OH-6D操縦教育修了セレモニーで限定復活している。以降はTH-480B練習ヘリによるブルー・ホーネットに後を譲った。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊軍事研究8,’14、月刊JWings5,’15、8,’15

＜スカイボルト＞：GAM-87A（弾道ミサイル）または殲撃７型・海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜スカイマスター＞：C-54シリーズ（輸送機）またはO-2B（心理戦機）を参照。

＜スカイラーク＞：アメリカ海軍大型掃海艇。昭和20年3月、沖縄付近で第27魚雷艇隊の攻撃を受けて沈没した。参考：小艦艇入門

＜スカイラーク＞：イスラエル軍無人偵察機。エルビット・システムズ社製。単発プロペラ機で、胴体下部にミッション用ポッドを搭載し、戦場情報収集を行う。兵士１名で発進・制御可能。全長2.2m、全幅2.9m、最大離陸重量6.5kg。推進は電動モーター、運用高度4572m、航続距離10km、滞空時間３時間。コマンドー旅団に配備された。参考：月刊JWings8,’11、5,’04、月刊軍事研究8,’16

＜スカイラーク�TＬＥ＞：エルビット・システムズ社製小型無人機。胴体下部にミッション用ポッドを搭載しており、ポッド底部には着地のショックを軽減するエアバッグが装備されている。全長2.2m、全幅2.9m、機体重量7.5kg。飛翔速度37-83km、実用上昇限度4572m、飛行半径20-40km、滞空時間３時間。ペイロード1.1kg。参考：月刊軍事研究11,’12

＜スカイラーク�U＞：韓国軍の無人機。エルビット・システムズ社が開発した。発進はカタパルト、着陸はパラシュートで行う。全幅6.5m、重量65kg。推進は電動モーター、運用高度4572m、進出可能距離60km、航続時間４時間。参考：月刊JWings8,’11、月刊軍事研究11,’12

＜スカイライト＞：MIRACLEのレーザーを目標に指向させるダイレクター。直径1.8mの凹面鏡を旋回俯仰マウントに載せたもので、中央の直径1.5mの部分でレーザーを照射し、周囲0.3mの部分で目標を追跡する。参考：月刊軍事研究9,’00

＜スカイランサー＞：F5D-1（戦闘機）を参照。

＜スカイレイ＞：F4Dシリーズ（戦闘機）を参照。

＜スカイレイダー＞：ADシリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜スカイレーダーＶ−１５０＞：サーブ・エアロシステム社のヘリコプター型UAV。軍用だけでなく民間用としても売り込みを図っている。胴体長3.2m、ローター直径3.3m、最大離陸重量150kg。最大速度100km、行動半径100km、滞空時間4-5時間。モジュラー式地上センターから距離100kmでの遠隔操作を目指している。参考：月刊軍事研究11,’06

＜スカイレーン＞：セスナ182シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜スカイレンジャー機動防空ユニット＞：エリコン・コントラバス社の自走式防空システム。ユーロサトリ2004ではピラーニャ�V装甲車に、ユーロサトリ2008ではGTKボクサー８輪装甲車に搭載されて展示された。レーダー車１両がガン・システム２両とミサイルランチャー・システム１両を管制する。参考：月刊PANZER9,’04、月刊軍事研究10,’08

　＜スカイレンジャー・ガン・システム＞：自走高射機関砲。35/1000リボルバー機関砲（220発）装備遠隔操作砲塔を搭載する。エリア目標に20-24発のバースト射撃を行う。オプションのデュアル・フィード・システムを使えば対地用徹甲弾（最大射程5000m）との撃ち分けが可能。追尾システムはX-TAR三次元Ｉバンド捜索追尾レーダー、赤外線カメラ、テレビカメラ、レーザー測距器。参考：月刊PANZER9,’04、月刊軍事研究9,’08

　＜スカイレンジャー・ミサイルランチャー・システム＞：自走地対空ミサイル。ASRADシステムを旋回式ランチャーに搭載しており、ミサイルはサーブ・ボフォース・ダイナミクス社製ボリド地対空ミサイルやミストラル地対空ミサイルを使う。参考：月刊PANZER9,’04

　＜スカイレンジャー・レーダー統合管制システム＞：エリコン・コントラバス社製三次元捜索・目標捕捉レーダーを搭載したもので、目標識別、脅威分析、迎撃兵装割り当てなどを行う。最大探知距離25km。参考：月刊PANZER9,’04

＜スカイレンジャー無人機シリーズ＞：カナダのエリヨン社が開発した軍・警察向け無人機SkyRanger。日本の代理店はネクシス光洋である。参考：月刊JWings8,’15、9,’17、12,’21

＜スカイレンジャーＲ６０＞：偵察監視用。胴体下面に球形センサーターレットを搭載し、斜め四方に突き出したバーの先端下面に２翅プロペラが付いていて、降着装置はプロペラバー下方から下向きに延びる４本の棒である。センサーターレットには安定化装置付デュアル電子光学センサー（可視光／赤外線）、３軸安定化カメラ、３軸安定化ズームカメラのどれかを搭載可能。操作はプロポ不要で、タッチ式タブレットに目標と飛行ルートを入力すると、GPS/IMUによる自律飛行で飛んでいく。ホームボタンをタッチすると自動で帰還し、トラブル発生時には離陸地点に戻ってくる。自重1.2kg、重量2.4kg（バッテリー含む）。最大連続飛行時間50分。30カ国以上が採用した。参考：月刊JWings8,’15、9,’17

＜スカイレンジャーＲ７０＞：偵察監視・軽輸送用。スカイレンジャーR60の後継で、形状はだいたい同じだが、機体素材を炭素繊維とマグネシウム合金に変更して耐久性を向上させ、電子光学センサーを胴体前部に移し、胴体下面にオスプレイ貨物搭載・投下装置を装着、2kgまでの貨物をスリング輸送できるようにした。胴体にはNVIDIA TX2プロセッサを複数埋め込んであり、センサーで探知した物体を自力で分析できる。電池切れやトラブルなどで任務続行不能に陥った場合、近くの僚機に自動で任務を引き継ぐ機能を追加した。最大風速18m・最大瞬間風速25m、気温マイナス30度からプラス50度まで運用可能。幅1.27m、高さ0.41m、重量4.9kg（ペイロード無し）。バッテリーはリチウムイオン電池（3400mAh）４基、最大速度50km、最大飛行時間40分以上。ペイロード3kg。最大通信距離5-6km（周波数2.489GHz）。東京ビッグサイトで行われたテロ対策特殊装備展2020に出展された。参考：月刊JWings12,'21、1,’21

＜スカイレンジャー海外シリーズ＞

　＜スカイレンジャーＲ６０（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊狭域監視偵察用UAV、別名UAV（狭域用）。スカイレンジャーR60UAV本体、三脚に載せた基地局、操作用タブレット（パナソニック製タフパッド）、30倍ズーム光学デジタルカメラ、赤外線カメラ、機動格納ケースなどで構成され、UAVのセンサーは必要に応じて付け替える。UAV本体は折り畳んで角錐台型の機動格納ケースに収容し、背嚢に入れて背負う。光学カメラはトランクケースに収容可能。第２師団が試験運用し、2017年から配備して同年の第２師団創立67周年・旭川駐屯地開設65周年記念行事で登場、即応機動連隊偵察小隊に２機ずつ配備した。水陸機動団も装備する。参考：月刊PANZER8,’18、月刊JWings11,’19、12,’21、8,’22

＜スカイロケット＞：XF5F-1（試作戦闘機）を参照。

＜スカイワーズ計画＞：フリープ（試作特殊車両）を参照。

＜スカウツ＞：VS-24（対潜／制海飛行隊）を参照。

＜スカウト＞：H51（駆逐艦）またはMCM-8（掃海艦）を参照。

＜スカウト気象観測砲弾＞：オットー・メララ社が開発中の127mm気象観測砲弾。ヴルカーノでの精密射撃に必要な弾道上の気象データを得るための砲弾で、発射されると飛翔経路上の気象データを集めて艦に送信する。参考：月刊軍事研究2,’14

＜スカウト無人機＞：IAIの小型RPV。胴体はアルミ合金製、その他の部分は複合材製で、ツイン・テールブームを持ち、推進はプッシャー式プロペラで行う。大型トラック上のカタパルトから空気圧で射出され、ネットで回収される。胴体中央下面に自動安定式TVカメラや側方撮影パノラマカメラなどのセンサーが取り付けられている。TVカメラの俯仰範囲はマイナス3.4度からマイナス47.5度。赤外線撮像装置、レーザー照射測距装置、レーザー受光器などの装備も可能である。主任務は地対空ミサイル陣地の偵察、戦場・攻撃部隊統制、目標識別、砲兵観測、監視、被害評価など。全長3.68m、全幅3.6m、重量118kg。エンジンは２気筒ガソリン（18馬力）、巡航速度100km、最大速度157km、滞空時間４時間。機体4-6機、発射機、回収ネット、地上管制ステーション、要員12名で構成される。参考：スパイ機、兵器メカニズム図鑑

＜スカウト無人機＞：アメリカのデイトロン社が開発した小型無人機Scout。本体から延びた４本のアーム上に２翅プロペラが１基ずつセットされており、これで垂直離着陸と移動を行う。本体下部に可視光や赤外線などの撮像装置を搭載する。長さ0.8m、幅0.8m、高さ0.2m、重量1.3kg。動力はリチウム電池駆動の電動モーター、最大速度50km、最大高度500m、航続時間25分、運用時間20分。無線誘導で、GPSにより現在位置を把握でき、最大遠隔操作可能距離は3000m（500m？）。運用可能風速毎秒14mまで。参考：月刊軍事研究8,’13、1,’12

＜スカウト・レーダー＞：オランダ海軍デ・ゼーベン・プロビンシェン級フリゲート用対水上／航海レーダー。常時作動させる必要があるため、ESMに探知されないようFM-CWレーダーによるLPI技術を導入した。使用周波数Ｘバンド、アンテナ回転数24rpm。ピーク出力1W、平均出力1W、探知距離9km（RCS１平方メートル）／16km（10平方メートル）／28km（100平方メートル）。感度マイナス60デシベルのESMを使われると、他の同性能パルスレーダーでは389km先で探知されてしまうが、本レーダーでは2.3kmまで近づかないと探知できない。更に探知を防ぐため出力を10分の１ずつ絞ることができ、最低出力の１mWではRCS100平方メートルの目標の探知距離は5kmになるが、敵による逆探は殆ど不可能になる。参考：月刊軍事研究10,’06、3,’99

　＜スカウトＭｋ３＞：二次元対空・対水上捜索追尾レーダー。アンテナはスロット導波管式、回転数10/20/40rpm。使用周波数Ｘバンド、探知距離44km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜スカウトＳＶ＞：イギリス陸軍装軌式装甲車。スコーピオン偵察戦車シリーズの後継で、CV90ベースのBAEシステムズ社とASCOD2ベースのジェネラル・ダイナミックス・ヨーロピアン・ランドシステムズ社が争い、後者が採用された。車体は装甲を強化し、MTU社製ディーゼル、レンク社製トランスミッション、ディール社製履帯を搭載。砲塔はロッキード・マーチンUK社製EDU（Experimental Demonstration Unit）で、40mm機関砲CTAS、砲手用照準器、車長用全周パノラミックサイトを装備する。また、砲塔でなくコングスバーグ社製プロテクター遠隔操作兵装ステーションを積んだ移動式偵察支援PMRS型もある。戦闘重量38トン、最大重量42トン。2017-24年に589両（砲塔型の偵察／打撃型198両、統合火器管制型23両、監視型24両、PMRS型の装甲兵員輸送車型59両、指揮統制型112両、Formation Reconnaissance Overwatch型34両、工作偵察型51両、電気機械工兵隊用改修型38両、電気機械工兵隊用修理型50両）を配備する予定。制式名はアジャックスになった。参考：月刊軍事研究2,’15、1,’12、3,’16

＜スカウト・キャリアー＞：ブレンガンキャリアー・シリーズ（装甲車）を参照。

＜スカウト訓練（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の訓練。狙撃班が最終射撃地点（Final Firing Point）に長距離潜入するもので、指揮官などの高価値目標が通るポイントを選定し、最終射撃地点への侵入経路と離脱経路を計画、実際に潜入・離脱する。潜入の際には敵に見つからないよう１回数ミリメートル、１日１メートルという超微速前進を行い、排泄物の臭いを嗅ぎ付かれないように飲食も制限せねばならない。参考：MAMOR vol.90

＜スカウト・システム＞：IAI社製スカウトRPVの運用システム。スカウトRPV4-6機、地上管制ステーション、発射用ランチャー・回収ネット搭載の離着陸装置、運用要員12名からなる。全てトラックで移動するため機動力が高い。参考：兵器メカニズム図鑑

＜スカギト＞：AKA-105（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜スカゲラック沖海戦＞：ジュットランド海戦を参照。

＜すがしま＞：MSC-681（掃海艇）を参照。

＜すがしま型＞：海上自衛隊掃海艇。湾岸の夜明け作戦の教訓に基づき、浅海域での機雷掃討能力を強化している。船型は長船首楼型、船体は木製（舷側外板は米松）で、後ろの方まで船首楼部を伸ばした。上構２層目01甲板レベルの艦橋は後ろにずらして船体中央付近に配置している。マストは三脚式１本で、下段フラットにOPS-39対水上レーダーを装備する。上構後方の煙突はFRP製で、掃海時の後方視界改善のため２本に分けて並列に装備したが、思った程のメリットは無く、トップヘビーを助長するなど欠点の方が多かった。左右煙突間後方には艦載艇が２段重ねに収容してあり、上段が水中処分隊用、下段が自艦用で、揚収は右舷側に装備したクレーンで行う。対機雷戦システムは湾岸の夜明け作戦の教訓から対機雷戦情報処理装置の導入を図り、国産開発では間に合わないので外国産を検討、イギリス海軍サンダウン級に準じる装備が最適と判断して1993年3月に調査団３名をイギリスに送り、実際にサンダウン級に乗艇して性能を確認し、装備品ライセンス生産の合意も取り付けた。海自掃海艇初の対機雷戦情報処理装置MCDSとしてGECマルコーニ社製中深度掃海・掃討装置NAUTIS-Mを採用、掃海具及び掃海艇の操作などを一元化しており、艦橋前方の上構内にイギリス製2093型ソナー（ウインチで艦底から降ろして使用する。最大深度300m）、船首楼最後部左舷側にフランス製PAP104処分具、後甲板に53式繋維掃海具（これだけ国産）を搭載し、PAP104は艦尾の誘導ケーブル繰り出し装置付きクレーンで揚収する。艦内スペースに余裕が無く、上構内に艦内電源用主発電機（出力200kW）を４基積んでおり、掃海発電機は無いので、必要に応じて母艦または陸上基地から永久磁石式のオーストラリア製DYAD曳航式磁気・音響掃海具を受け取って運用する。ちなみにDYADを採用したのは船体小型化と装備品艇外配備による価格低減で建艦予算を通す（1994年度予算で一旦蹴られた）ためでもあり、掃海隊１個３隻あたりDYAD２組を用意した。主発電機を水線上（船首楼内）に置いたので水中放射雑音は小さくなったが、トップヘビー気味になり、動揺性能は悪化したらしい。エンジン音が水中に伝わらないよう、機関室は第１甲板に設けた。バウ・スラスター、シリング舵、掃海時低速航行用補助電気推進装置（出力130kW、各軸１基ずつ計２基。電源は主発電機）を艦位保持装置により統括制御することで、掃海作業中の定点保持や微妙な操艦が可能。CICは艦橋下の船首楼甲板に設けてある。NAUTIS-Mの導入で水路や対機雷戦情報の部隊間共有が可能となったため、データ取扱組織として掃海業務支援隊を新編した。全長54m、全幅9.4m、深さ4.2m、吃水3m、基準排水量510トン、満載排水量590トン。主機は三菱6NM-TA(B)�Tディーゼル（6NMU-TA�T？）２基、出力1800馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、速力14ノット。兵装は20mm多砲身機関砲１門（前甲板）。乗員45名。1999-2007年にMSC-681すがしま、MSC-682のとじま、MSC-683つのしま、MSC-684なおしま、MSC-685とよしま、MSC-686うくしま、MSC-687いずしま、MSC-688あいしま、MSC-689あおしま、MSC-690みやじま、MSC-691ししじま、MSC-692くろしまの12隻が就役した。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、12,'22、1,’14、10,'15、1,’19、1,’04、8,’12、1,’02、3,’10、1,’11、1,’13、1,’15、1,’18、1,’21、1,'22、月刊JWings1,’99、月刊軍事研究2,’98、4,’05、月刊丸1,’10別冊

＜すかす＞：日本陸軍用語で、楽をする、さぼること。参考：帝国陸海軍事典

＜スカタン＞：スウェーデン国立防衛研究所の昼間偵察用RPV。操縦は無線または事前プログラムである。自重4.4kg、最大離陸重量7.4kg。エンジン出力1.6馬力、飛行速度100km、行動半径5km以上、行動時間10分。参考：スパイ機

＜スカッター＞：イスラエルのラファエル社が開発した潜水艦用音響デコイScutter。全長1020mm、直径101mm、重量7.3kg（7.8kg？）。周波数17-85kHz、作動深度10-200m（300m？）、作動時間10分。参考：月刊世界の艦船8,’21、月刊軍事研究6,’15

＜スカットＭ型＞：670M型（潜水艦）を参照。

＜スカット型＞：670型（潜水艦）を参照。

＜スカッド・シリーズ＞：ソ連軍弾道ミサイルのNATOコードScud（にわか雨）。A4弾道ミサイルを参考に第２次大戦直後から開発した。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊PANZER7,’03

　＜スカッドＡ＞：ソ連名称R-11、システム名称8K11、米軍コードSS-1b。全長10.7m、直径0.85m、発射重量4.4トン、弾頭重量0.95トン。推進は液体燃料（TM-185+AK27I）ロケット１段式、最大射程130-150km。8U218ランチャーに搭載され、発射位置に進入してミサイルを起立してから燃料を注入するため、発射までには１時間程度かかる。発射後は気象観測用レーダー（NATOコードはエンド・トレイ）で追跡し、一定高度でロケットを停止、後は自由落下で弾着するという簡易型慣性誘導のため、CEPが大きく（3-4km）、核弾頭（50キロトン）でカバーした。化学・通常弾頭も搭載できる。1955年から配備され、1957年に公表された。参考：月刊PANZER7,’03、9,’02、軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究6,’09

　＜スカッドＢ＞：ソ連名称R-17、後にR-300を経て9M72と改称された。システム名称9K72、輸出名称R-17E、米軍コードSS-1c。射程の調整はロケットに推進剤と酸化剤を送るパイプを時限式爆薬で切断することにより行う。誘導はジャイロ・スコープ４基を使用した慣性誘導方式で、この信号によりロケットモーター排気口内の制御翼５枚を動かして目標に向かう。ロケットモーターの燃焼が終わると誘導も終わってしまうので、CEPは1km程度とされ、やはり基本的に核弾頭を搭載する。最初は威力50キロトンだったが、後に50-70キロトンの威力選択式弾頭を搭載した。高性能炸薬、化学弾頭、地中貫徹弾頭、爆風破片弾、子弾搭載弾頭も積める。化学弾頭は、信管が作動すると小炸薬が爆発してエアインテイクが開き、化学剤555kgがエアロゾルになって散布される。燃料を入れたままでTELに載せて動かすと爆発する恐れがあるので、発射直前に１時間かけて準備しなければならない。平時には推進剤、酸化剤、弾頭を全て外して保管し、２年ごとに点検整備を行う。全長11.4m、直径0.85m、発射重量6.37トン、弾頭重量0.95トン。推進は非対称メチルヒドラジンと反応抑制剤型赤色発煙硝酸による液体燃料ロケット、飛翔速度マッハ６、最大射程280km。最大射程時ロケット燃焼時間68秒、飛翔時間313秒、最大到達高度86km。装軌式自走発射機2P19または８×８輪自走式起立発射機9P113に搭載される。輸出向けと合わせて5000発が生産され、1965年から配備された。エジプト、シリア、リビア、イラクなどに輸出され、更にシリア・リビア経由でイランに渡ったものが北朝鮮に送られてコピーされ、1987年からイランに輸出されてイラン・イラク戦争で使用されている。1979-80年にエジプトと北朝鮮が戦術弾道ミサイルに関する情報と技術者を交換して技術を高め合い、1980年にはスカッドＢミサイル２基がエジプトから北朝鮮に輸出された。参考：月刊PANZER7,’03、月刊軍事研究3,’02、6,’14、軍事分析湾岸戦争

　＜スカッドＣ＞：ソ連名称不明、米軍コードSS-1d。弾頭重量を減らして最大射程を延伸した。スカッドＡ・Ｂでは大気圏再突入時にロケット本体が千切れて命中率が下がることがあったため、ロケット燃焼終了後に弾頭部分を切り離すようにしている。発射重量6.4トン、弾頭重量0.6トン。弾頭は通常弾頭のみ。最大射程550km。北朝鮮はイランの協力で1990年6月に発射実験に成功。年間150基の量産体制を確立し、1991年5月からイランに、1994年からシリアに輸出した。参考：月刊PANZER7,’03、月刊軍事研究3,’02、軍事分析湾岸戦争、月刊丸4,’99

　＜スカッドＤ＞：ソ連名称不明、米軍コードSS-1e。ソ連が設計したらしいスカッドＢの命中率向上型で、9M714弾道ミサイルと同じくアクティブ・レーダー式終末誘導装置を追加し、CEPを50m前後に向上させているという。射程300km。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊丸4,’99

　＜スカッドＥ＞：ソ連が設計したらしい射程900km型。ソ連崩壊や財政危機で開発が頓挫したらしく、生産はされていない。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊丸4,’99

＜スカッド海外シリーズ＞

　＜Ｊｕｌａｎ３＞：シリア軍弾道ミサイル。火星７号を導入したもので、ヒズボラにも提供されているとみられる。参考：月刊軍事研究8,’15

　＜アル・アッバス＞：イラク軍弾道ミサイルAl Abbas（イスラム王朝の名前）。スカッドＢの改良で、燃料タンクを増設して射程を850kmに延ばした。ただしCEPは3.2-4.8kmもある。アル・フセイン（スカッドＢ？）３基から２基の割合で作った。全長13.75m、直径0.88m、発射重量８トン。弾頭重量0.125トン（0.3トンとも、0.95トンのままともいわれる）で、化学弾頭も搭載可能。湾岸戦争時には実用段階に無く、使用されなかった。参考：月刊丸1,’98、12,’90、月刊軍事研究3,’03、軍事分析湾岸戦争

　＜アル・ヒジャラ＞：

　＜アル・フセイン＞：イラク軍弾道ミサイルAl Hussein（フセイン大統領）。スカッドＢの改良型で、国境から500km離れたイランの首都テヘランを攻撃するため、弾頭重量を0.18トン（0.25-0.5トン？）に減らし、射程を600-650kmに延ばしている。高度150kmに達して落下を始め、時速8000kmで大気圏に突入、抗力で時速7000kmに減速して命中する。製造が粗いため、大気圏に再突入した段階で燃料消費後の重心バランスの変化も手伝って激しい振動を起こし、高度15-30kmで弾頭部と弾体部が分解して弾道が不安定に変化してしまう。よって命中精度が悪く、CEPは1-2kmになったが、迎撃を難しくする結果ともなっている。全長12.2m、直径0.88m、発射重量７トン。固定発射機またはTEL・MEL移動発射機（計66両あるとされる）に搭載される。イラン・イラク戦争で361発（190発？）、湾岸戦争で88発（サウジアラビアに43発、イスラエルに42発、バーレーンに３発）が発射された。参考：月刊軍事研究11,’98、3,’03、3,’02、月刊丸1,’98、12,’90、軍事分析湾岸戦争

　＜火星５号＞：北朝鮮軍弾道ミサイル、ファソン５号。別名スカッドMod BまたはスカッドＢ改、西側コードKN-03。北朝鮮が1983年にイランから輸入した（エジプトから1976年または1981年に譲り受けたとも）スカッドＢを元に、弾頭を0.75トンに減らして重量を5.86トンとし（減らさずロケットモーターや誘導装置を改良したともいわれる）、射程を320km（380km？）に延伸している。1984年に発射テストが行われ、1985年から平壌の傍の第125工場で生産された。黄海北道沙里院にこれを配備した弾道ミサイル連隊を新設し、韓国の群山基地までを射程に収めている。総生産数は300発で、うち120発が中東（イランなど）に輸出された。参考：月刊PANZER7,’03、月刊軍事研究7,’09、4,’04、12,’10、6,’17、月刊丸12,’11

　＜火星６号＞：北朝鮮軍弾道ミサイル、ファソン６号（Hwasong-6）。別名スカッドMod CまたはスカッドＣ改、西側コードKN-04。火星５号の改良型で、1984年から北朝鮮が開発し、1987-91年に発射実験を行い、1992年から量産された。火星５号の弾頭を0.5トンに軽量化（0.985トンから0.77トンに軽量化？）して発射重量を5.93トンに抑え、射程を500kmに延伸している。北緯39度以南から韓国全土を射程に収めるが、移動直立発射車両が50両くらいしかないので、固定サイロも作ってあるかもしれない。弾道ミサイル本体は200発生産されたとされる。参考：月刊PANZER7,’03、月刊軍事研究7,’09、4,’04、6,’17

　＜火星７号＞：ノドン・シリーズを参照。

　＜シャハブ１＞：イラン革命防衛隊空軍弾道ミサイルShahab-1。イラン製（シリア・リビア・北朝鮮から購入？）で、スカッドＢの完全コピーである。1998年から生産された。参考：月刊軍事研究3,’03、11,’11、4,’04、4,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜シャハブ２＞：イラン革命防衛隊空軍弾道ミサイルShahab-2。要するにスカッドＣで、北朝鮮から60基前後が輸入された。また、北朝鮮の支援で170基前後が製造されたといわれる。参考：月刊軍事研究4,’04、11,’11、4,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜スカッドＥＲ＞：北朝鮮軍弾道ミサイル。2006年のミサイル連続発射の際に何発か発射したとされるタイプで、西側呼称KN-05。北朝鮮名は火星７号という説があるが、ノドンと被るので本当かは不明である。スカッドＣの長さを延ばして推進剤と酸化剤のタンクを拡大し、弾頭を軽量化、最大射程を700-1000kmに延伸した。全長13.5m、直径0.88m、弾頭重量0.3トン。４軸８輪TELに搭載される。2014年3月3日に発射されて500km強飛翔した弾道ミサイルがこれともいわれる。2016年9月5日に３発発射したのはこれの改良型らしい。参考：月刊丸2,’12、月刊軍事研究6,’14、6,’17、10,’17、月刊航空ファン11,’16

＜スカッドＡシステム＞：8K11（弾道ミサイルシステム）を参照。

＜スカッパー＞：Scupper。ブルワークにある排水口のこと。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜スカッパー＞：日本海軍用語で、廃棄物投棄筒のこと。後甲板に取り付けられており、筒の先端は吃水線近くに開口していて、根元の漏斗部分からゴミでも残飯でも廃油でも何でも投げ入れて海に流す（レッコする）。このため、食い意地の張っている人のこともスカッパーと称した。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜スカッパードフィッシュ＞：SS-397（潜水艦）を参照。

＜スカト＞：ロシア空軍試作無人攻撃機で、マンタ（トランプゲームの一種？）の意。ロシアのRSK MiGが2005年から開発し、2007年のモスクワ航空ショーでモックアップを公表した。全翼機で、胴体内にウェポンベイを持ち、ISRと対地攻撃（レーダー破壊など）を主任務とする。機首上面にエアインテイクを持つ。全長10.25m、全幅11.5m、全高2.7m、最大離陸重量10トン（20トン？）。エンジンはクリモフRD-5000Bターボファン（推力94.4kN。A/B無し）単発、最大速度マッハ0.8（マッハ１？）、戦闘行動半径1200km（4000km？）、航続距離4000km。兵装ペイロード２トン（６トン？）。Kh-31A/P対地ミサイルなどを搭載できる。2008年8月24日にロシア空軍が試験飛行から２年以内の実戦配備を表明したが、具体的な開発進捗状況については不明だった。双垂直尾翼を持つ有人型も開発していたらしいが、無人機共々研究機に留まることとなった。参考：月刊軍事研究11,’10、10,’17、3,’09、ウォーマシン・レポートNo.67

＜スカト３＞：MGK-540（ソナー）を参照。

＜スカトＢＲＤＭ＞：MGK-520（ソナー）を参照。

＜スカトＫＳ＞：MGK-500（ソナー）を参照。

＜スカニア＞：AKA-40（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜スカパフローの牡牛＞：U47（潜水艦）を参照。

＜スカパフロー泊地攻撃＞：ドイツ海軍Ｕボートによるイギリス海軍スカパフロー泊地隠密攻撃作戦。第２次大戦開戦を受け、潜水艦隊総司令官カール・デーニッツ代将は、イギリスのスカパフロー泊地に対するＵボートによる攻撃計画を練り始めた。スカパフローへの侵入路は南のホクサ水道、その西のスィザ水道、西岸のホイ水道、東岸のカーク水道で、最も適していたのはホクサ水道だったが、防潜網、ソナー、管制機雷原により封鎖されていた。他に潜航侵入できるのはスィザ水道とホイ水道だったが、こちらも封鎖されていたため、潜航できる深さが無く対潜封鎖網が敷かれていないカーク水道を水上突破することに決め、潮流の収まる時期に攻撃を仕掛けることにした。参加艦の志願を募り、1939年10月1日にデーニッツ代将は第７潜水戦隊U47潜水艦の艦長を司令部に呼んで作戦を説明。艦長は参加を決め、出撃準備にかかった。実行日時は大潮と新月が重なる1939年10月13日深夜から14日未明にかけてである。10月8日、U47がキール港を出港。10月11日、ドイツ軍による航空偵察の結果、スカパフロー泊地には戦艦、空母、巡洋艦など大型艦多数が停泊している事が確認された。10月13日1900、U47はスカパフローへの侵入を開始。途中で警戒艦艇に遭遇したが見つからずに済み、2338にスコットランドのオークニー諸島メインランド島カーク水道に繋がるホルム水道に達した。その後、間違えてスカリー水道に入ってしまい、座礁しかけたが、カーク水道に戻って10月14日0047（0027？）にスカパフロー泊地へと侵入。しかし停泊している筈の大型艦は大部分が13日日中に出撃しており、西に航行して湾内を捜索したU47は主錨地北方最奥部にロイヤル・サブリン級戦艦１隻（戦艦08ロイヤル・オーク）と巡洋戦艦34レパルス（実際は水上機母艦I35ペガサスまたは駆逐艦２隻だった）を発見。0058に艦首発射管４門からG7e魚雷を斉射したが、３本しか射出されず、１本が早期爆発し、１本がロイヤル・オークの錨鎖をかすめたものの不発で、１本は外れた。イギリス側は不審艦艇や雷跡を確認できず、何かの事故と勘違いして対潜捜索などを行わなかったため、U47は艦尾発射管からG7e魚雷１本を発射したが、これも不発だった。一旦離れて艦首発射管に魚雷２本を再装填し、0116に再装填を終えた艦首発射管２門からG7e魚雷２本を発射。今度は２本ともロイヤル・オーク右舷に命中して艦底で炸裂し、ロイヤル・オークは本国に停泊中ということで防水扉を殆ど閉めていなかったため一気に浸水、0122には弾火薬庫が誘爆して転覆し、0129に沈没した。833名（士官24名、下士官・兵809名）が戦死し、386名が救助され、乗艦していた第２戦艦戦隊司令官ヘンリー・イブリン・チャールズ・ブラグローブ少将が遺体としても発見されず行方不明扱いとなっている。イギリス側は潜水艦による雷撃が原因とは考えず、追跡するイギリス艦は無く、U47はスカパフローからの脱出に成功。１時間後にカーク水道を抜け、ヴィルムスハーフェンへと向かった。ドイツに戻る途中で先任士官エンゲルベルト・エントラス中尉がチャージングをかける牡牛のイラストを艦橋に描いてスカパフローの牡牛と名付け、艦長に贈っている。10月17日、U47がヴィルムスハーフェンに帰投。ギュンター・プリーン艦長には10月18日に騎士鉄十字章が授与され、乗員はベルリンでヒトラーと会見した。ゲッペルス宣伝相は第１次世界大戦後にスカパフローで自沈したドイツ大艦隊の雪辱としてプロパガンダをかけ、スカパフローの牡牛はプリーン艦長とU47のニックネームとなり、イラストはプリーン艦長のパーソナル・マーキングを経て1941年3月7日の戦死後に第７潜水戦隊部隊マークとなった。ただデーニッツ代将が考えていたイギリス主力艦戦力の大幅減殺は果たせず、各泊地の対潜警戒も厳重となり、更なる泊地奇襲は不可能になっている。2016年3月1日、U47が発射した魚雷の内１本をイギリス海軍爆発物処理班がスカパフロー水深35mの海底で爆破処理し、浮上した弾頭部分も再度爆薬を仕掛けて爆砕した。魚雷の後ろ半分だけ海底に残っている。参考：月刊世界の艦船7,'17、6,’09、7,’16

＜スカフル＞：アメリカ海軍掃海艇。昭和20年6月5日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜スカボロー＞：L25（スループ）を参照。

＜スカラアナライザ＞：自衛隊の機器。菊水電子工業製。参考：月刊軍事研究11,’16

＜スカラブ＞：9K79シリーズ（弾道ミサイル）またはA272（通船）を参照。

＜スカラブ装甲車シリーズ＞：イギリスのアルビス社がアコーンを元に開発した装甲車。参考：月刊PANZER6,’03、月刊軍事研究7,’97

＜スカラブ装甲車＞：モノコック構造で、前部に操縦席、中央に戦闘室、後部に動力装置室がある。サスペンションはコイル・スプリングによる独立懸架式で、外径の大きい車輪と短いホイールベースにより高い不整地踏破能力を持つ。最大装甲厚は15mmで、全面に亘り7.62mmNATO標準弾を防御でき、前方30度と乗員室側面は射距離30mの12.7mmAP弾、射距離600mの14.5mmAP弾に耐えられ、正面はRPG対戦車ロケットにも耐える。更に爆風解放用Ｖ字型底板と特殊材（1.5トンのセラミック材）底板によりTMPR-6地雷にも耐える。地雷の爆圧が大きすぎる場合には特殊加工された車輪のハブが車輪を吹き飛ばし、転覆を防ぐ。ステルス性を考慮した車体には赤外線吸収塗料が使用され、車内の光も外には漏れない。C-130輸送機に２両搭載でき、低高度パラシュート降下LAPESが可能である。エンジンとトランスミッションの後方にトランスファーケースがあり、後輪駆動と４輪駆動の切り替えができ、デフロックも可能。動力伝達系はウニモグU-1600のものを流用している。タイヤは外径1.2mの365/85R20ミシュランX2Lランフラットタイヤで、被弾してもランフラット用コアにより走行継続が可能。タイヤ圧変更も可能。偵察警戒装置としてBMSとSWARMを装備し、自動消火装置、空調、NBCフィルター、ウインチなども積んでおり、これらの駆動のため12V蓄電池４個（うち２個はエンジン始動用）と発電機２機を搭載している。全長5.24m、全幅2.4m、全高2m、地上高0.48m、総重量11.1トン。エンジンはメルセデスベンツ製LM906水冷６気筒ディーゼル（245馬力）、トランスミッションはアリソン社製MD3560トルクコンバータ付き６速オートマチック、最大速度110km、燃料搭載量150リットル、航続距離600km。ペイロード2.5トン。登坂能力60%、超堤能力0.35m、最大渡渉水深1m。乗員2-3名（車長、操縦手、観測手）。参考：月刊PANZER6,’03、月刊軍事研究7,’97

　＜スカラブＤ１＞：ベルギー軍仕様の試作車両。参考：月刊PANZER6,’03

　＜スカラブＤ２＞：イギリス軍仕様の試作車両。RAPTOR搭載で、乗員が５名に増え、側面扉が拡大された。参考：月刊PANZER6,’03

　＜スカラブＤ３＞：耐弾試験用車両。参考：月刊PANZER6,’03

＜スカラフォーネ＞：BAV5（装甲車）を参照。

＜スカラベ＞：9K79シリーズ（弾道ミサイル）を参照。

＜スカルヴ＞：ノルウェー海軍ハウク級ミサイル哨戒艇。1979年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜スカルヴィス＞：M53（掃海艇）を参照。

＜スカルピン＞：SS-191（新Ｓ級潜水艦）またはSS-494（テンチ級潜水艦）またはSSN-590（スキップジャック級原潜）を参照。

＜スカルプ＞：R-36（ICBM）を参照。

＜スカルプ・シリーズ＞：フランス軍滑空式スタンドオフ巡航ミサイルSCALP。参考：月刊軍事研究2,’09

＜スカルプ＞：アパッシュの射程延伸型で、中間誘導をリング・レーザー・ジャイロ式INS+GPS、終末誘導を画像赤外線に変更している。1991年から量産された。参考：月刊軍事研究2,’09

＜スカルプＥＧ＞：スカルプの長射程型で、ステルス性も高めた。誘導は中間INS+GPS、終末画像赤外線。射程250km以上。価格は１発100万ユーロ。1994年から開発され、1990年代後半からミラージュ2000D戦闘機、ミラージュ2000-5Mk2戦闘機、ミラージュ2000N戦闘機、ラファールF3戦闘機に搭載された。実戦初使用はアルマッタン作戦（2011年3月23日、空海軍ラファールとミラージュ2000が計８発）。イギリス空軍もストーム・シャドーとして改良型を採用した。参考：月刊軍事研究2,’09、7,’12、月刊JWings5,’11

＜スカルプ・ナヴァール＞：フランス海軍水上艦／潜水艦発射巡航ミサイルScalp Naval、略称MdCN（Missile de Croisière Naval、海軍巡航ミサイル）またはNCM（Naval Cruise Missile）。ヨーロッパ初の水上艦・潜水艦発射型長距離巡航ミサイルで、フランス海軍の要求に基づいてMBDAシステムズ社が開発した。ストーム・シャドー巡航ミサイルがベースで、魚雷発射管に合わせ本体全長を5.5mに延長して断面を円形に変更、燃料搭載量を増やすと共に、エンジンをターボファンに換装して射程を延ばした。カタログデータ上の最大射程は水上艦発射1400km／潜水艦発射1000kmだが、そこまでは延びなかったらしい。発射されると本体中央から前翼を左右に展開して飛行する。誘導は中間がINS/GPS＋電波高度計＋TERCOM（指令誘導？）、終末が中波赤外線画像シーカー。全長5.5m（本体のみ）／6.5m（ブースター込み）、本体直径0.53m、発射重量1.4トン、弾頭重量0.4トン（HE）、炸薬重量0.3トン。推進は固体燃料ブースター＋ミクロチュルボ社製TR50ターボジェット（推力3-3.5kN）、最大速度マッハ0.8、最大射程1400km（艦対地）／1000km（潜対地）。水上発射型はシルベール垂直発射機シリーズで最も大型の８連装発射機A70を使用する。水中発射型はカプセルに収容して魚雷発射管から射出する。2010年5月28日にシルベールA70垂直発射機からの陸上発射テストに成功した。2011年7月8日（6月？）、潜水艦からの水中発射テストに初成功した。フランスで水上発射型（FREMM用）は2011年、水中発射型（シュフラン級攻撃原潜用）は2015年の運用開始を目指していたが、開発が遅れ、2014年10月27日に最終性能確認射撃テストを完了した。水上艦発射型200発、潜水艦発射型50発を配備する予定で、2017年にフランス海軍が就役を宣言している。2018年4月14日、シリア化学兵器関連施設に向けアキテーヌ級フリゲートから３発が発射され、初実戦使用された。イタリア、ドイツ、オランダ、スペイン、デンマークなども採用を考えているという。参考：月刊軍事研究4,’15、1,’17、3,’08、2,’07、12,’10、1,’11、2,’13、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、2,’18、5,’16、10,’11、5,’13、7,'20、9,'22、月刊航空ファン9,’17、7,'18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スカルプ海外シリーズ＞

　＜スカルプＥＧ（ウクライナ空軍）＞：ウクライナ空軍スタンドオフ巡航ミサイル。ウクライナ戦争で2023年7月にフランスからの供与が始まった。参考：月刊JWings1,’24

＜スカルペル＞：RS-22（ICBM）を参照。

＜菅原正夫＞：日本海軍エース。大正13年、秋田県生まれ。昭和15年12月、乙種飛行予科練習生となり土浦航空隊に入隊した。昭和18年9月に飛行練習生課程を修了し、昭和19年1月に第252航空隊に配属され、三沢で訓練を行った。昭和19年6月21日、あ号作戦参加のため硫黄島に前進。6月24日、F6F戦闘機３機を撃墜。7月3日、F6F戦闘機１機を撃墜。7月4日、２機を撃墜。7月6日、輸送機で本土に帰還。その後第601航空隊に転属して沖縄戦に参加、奈良の大和基地で終戦を迎えた。公認撃墜機数７機。最終階級は上飛曹。参考：日本海軍戦闘機隊

＜スカンク爆弾＞：イスラエルの兵器開発部門が開発した群衆制圧兵器。炸裂すると悪臭を発する合成薬剤を撒き散らし、服に染み込むと５年間は取れないらしい。参考：月刊PANZER11,’04

＜スカンク・ワークス＞：ロッキード社アドバンスド・ディベロップメント・プログジェクト部門のコード名Skunk Works。名称の由来は1935年に連載が始まった人気漫画リル・アブナーに登場する闇鍋・謎汁製造小屋「スコンクワークス」で、研究施設がカリフォルニア州バーバンク工場の風洞施設の脇に急造されたバラック工場にあり、隣に悪臭を放つプラスチック工場があったため、所属エンジニアが名付けた。当初は漫画そのままのスコンクワークスだったが、1960年に作者から抗議されてスカンク・ワークスに改称、1973年に名称とトレードマークのスカンクを特許登録している。第２次大戦中の1943年にP-80戦闘機を開発するため新設された。チーフはケリー・ジョンソンで、６部門の主任エンジニア６人、幹部エンジニア23人、製図工・工員105人を集め、P-80戦闘機の機体製作にあたっている。完成後は暫く休眠したが、1954年にF-104戦闘機とU-2戦略偵察機の開発で復活。1957年からA-12戦闘機／SR-71戦略偵察機の開発に入った。1975年、ケリー・ジョンソンが定年を迎え、ベン・リッチに後を譲った。その後F-117ステルス爆撃機を開発。1990年5月にロッキード先進開発社として別会社化された。現在は秘密組織でも何でもなく、ホームページまで持っており、カリフォルニアの砂漠地帯にあるパームデールで活動を行っていて、専用のプラント42という工場もここにある。参考：世界の傑作機No.104、月刊JWings3,’99、7,’01、月刊軍事研究9,’07、月刊丸9,’03、月刊航空ファン5,’18

＜スカンメイル１０Ｋ＞：郵便爆弾探知機で、過去に使用された全ての郵便爆弾の回路が記憶されており、クリップなどの文房具を排除して爆破装置のみを探知する。厚さ60mmまでの郵便物を１時間で１万通チェックできる。二次電池を内蔵しているので、停電しても数時間は使用可能。参考：月刊軍事研究4,’97

＜スカンヤ級＞：スカーニャ級（哨戒艦）を参照。

＜すぎ＞：PF-285（警備船）を参照。

＜杉（初代）＞：日本海軍樺型駆逐艦９番艦。大正4年4月7日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正6年3月11日、第２特務艦隊第11駆逐隊の一員としてシンガポールを出撃して地中海に向かい、海上護衛作戦を行った。昭和7年4月1日除籍。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜杉（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦７番艦。昭和19年8月25日竣工。10月20日、比島沖海戦に参加。12月26日、礼号作戦に第43駆逐隊所属で参加、軽微な損傷を受けた。昭和20年1月21日、高雄港内でアメリカ機動部隊の攻撃を受けて小破した。10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年7月31日に賠償艦として中国に引き渡され、国府海軍所属の恵陽となった。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’98

＜スキー１型＞：自衛隊のスキー。板は木製。ちなみに、滑走面に塗るワックスは、自前で購入する。参考：月刊軍事研究4,’08

＜スキー２型＞：自衛隊のスキー。板がプラスチック製になった。クロスカントリー型で、踵が浮くようになっている。「気をつけ」は足を揃え、肘を曲げてストックを地面に突き立てる。「敬礼」は右手袋を脱ぎ、右ストックの紐を手首に掛けて挙手の敬礼を行う。「回れ右」は右足でキックターン（180度展開）する。参考：月刊軍事研究4,’08

＜スキー徽章＞：陸上自衛隊の徽章。雪の結晶とスキー板２本を月桂冠が囲むデザインで、スキー技能検定で陸上幕僚長が定める基準以上の成績を修めた者が付ける。上級スキー指導官用のスキー徽章（金）と部隊スキー指導官用のスキー徽章（銀）があり、（金）では雪の結晶が金色になる。参考：MAMOR vol.62、vol.55、vol.86、vol.100

＜スキー・ジャンプ台＞：Ski Jamp Ramp、Ski-jump method。STOVL空母やSTOBAR空母に用いられている飛行甲板構造で、イギリス海軍Ｄ・Ｒ・テーラー少佐が1973年に発明、イギリス王立航空研究所とBAeなどが共同研究し、1977年8月に最初の実験がベッドフォード飛行場で行われ、インヴィンシブル級空母に採用された。飛行甲板前端に上向きの円弧曲線を付け、航空機を斜め上に自走発艦させるようにしたもので、発艦時の機体の上向き速度を増加させることで、低速でも発艦可能となるのに加え、発艦重量を20%以上（25%くらい）増やせるとされ、ペイロードが一定なら発艦滑走距離を65%も短縮できる。また、発艦後に機体が沈み込んで海面に接近することが無いので、海が荒れていてもパイロットの心理的負担が少ない。当初の勾配は6.5-7.5度程度だったが、後に12-13度くらいが標準となっている。ハリアー攻撃機の場合、ノズル軸線を０度にして加速し、スキー・ジャンプ台に差し掛かったところで50度下向きに変更、発艦と同時にノズルをゆっくりと０度に戻していく。結局は艦上機のエンジン推力を頼りにする発艦方式なので、完全外部動力依存のカタパルトよりは発艦重量を軽くせざるを得ず、早期警戒機などはスキー・ジャンプ台を使っても発艦できなかったりする。スキー・ジャンプ台の部分には駐機スポットやヘリ発着艦スポットを設けられないので、ヘリの運用を主とするアメリカ強襲揚陸艦はSTOVL機を搭載するがスキー・ジャンプ台を付けていない。陸上基地の滑走路が破壊された時に備え、誘導路にスキージャンプ台を設置して滑走路代わりにするテストがアメリカ空海軍で1982-86年に行われたが、実用には至らなかった。参考：月刊世界の艦船11,’15、9,’02、3,'22、月刊軍事研究7,’11、航空用語事典増補改訂版

＜スキーター＞：BQM-167A（無人標的機）を参照。

＜スキーター＞：イギリス陸軍観測／練習ヘリコプター。シェルバ社ヘリコプター部門（後にサロ社が買収）がW14として開発した。シングルローター・ヘリコプターで、背の高い並列複座コクピット、細長いテイルブーム、３翅メインローター、２翅テイルローター、前輪式降着装置を備える。最大離陸重量１トン。ドイツにも輸出された。参考：月刊JWings5,’20

＜スキーダム＞：M860（掃海艇）を参照。

＜スキート＞：アメリカ軍の自己鍛造型対戦車子弾Skeet。BLU-108/B子爆弾に４発収容されており、空中に放出されるとパラシュートで姿勢を安定させて弾体下面の２色赤外線センサーとレーザー・センサーを作動させ、赤外線放出目標を探知するとレーザーで形を見分け、最適位置に自己鍛造弾頭を発射する。センサー作動後２分以内に命中しない場合、自爆する。参考：月刊軍事研究5,’04、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜スキーバード＞：LC-130H（極地輸送機）を参照。

＜スキーン＞：R-14（弾道ミサイル）を参照。

＜杉浦式自動拳銃＞：日本陸軍将校用オートマチック・ピストル。第２次大戦開戦後、外国製拳銃の輸入が止まったため、国内で開発した。撃鉄は内蔵式。作動はブローバック。装弾数８発。.25ACP弾使用モデルが300丁、.35ACP弾使用モデルが3000丁製造され、終戦後も暫く中国（旧満州地域）で製造されたらしい。参考：GUN用語事典

＜杉尾茂雄＞：日本海軍エース。宮崎県生まれ。昭和9年、乙種飛行予科練習生に合格、昭和13年3月、飛行練習生課程を修了。昭和14年9月、第12航空隊に配属された。昭和15年、本土に帰還。昭和16年4月、漢口基地に進出。6月22日、輸送機１機を撃墜した。10月、第３航空隊に転属となり、小隊長に任命された。12月8日、ルソン島攻撃に参加、対空砲火で被弾した。12月12日、バタンガス上空で２機を撃墜。昭和17年2月3日、スラバヤ上空で小隊３機により９機を撃墜。4月、チモール島に進出、ダーウィン攻撃に参加。9月、ラバウルに進出し、ガダルカナル島上空で空戦を行った。11月、南西方面に移り、飛曹長に昇進、ダーウィン攻撃に参加。昭和18年4月、本土に帰投。10月、海口航空隊に転属となった。昭和19年春、南寧攻撃に参加。5月、神ノ池航空隊に転属となり、本土に帰還。9月、第201航空隊に転属。昭和20年5月、筑波航空隊に転属、紫電の教官となり、終戦となった。総撃墜機数20機以上、最終階級は中尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜杉工作＞：日本が中国に対して行った、通貨偽造工作。陸軍登戸研究所で紙幣の偽造を行ったが、内閣印刷局は犯罪行為への荷担を拒み、昭和12年頃から試作紙幣を作ったものの昭和15年夏に漸く巷で通用するレベルのものが完成した。度々一般人に見破られているが。太平洋戦争開戦後は、占領地域から本物の印刷機材を集めて偽造技術が向上し、昭和17-18年頃からかなり精巧なものになった。この偽札は直ちに中国側にばらまかれたが、既に中国では戦時ハイパーインフレ状態になっており、殆ど意味をなさなかったようである。参考：歴史群像2,’05

＜スキ車＞：水陸両用自動貨車を参照。

＜杉田主馬＞：すぎたかずま。昭和5年に東大法学部を卒業し、海軍省書記官（中尉待遇）となった。昭和6年、イギリスのケンブリッジ大学に留学。横浜を出港する日、海軍大臣安保清種大将に挨拶に行き、訓令に英語、国際法、軍事行政を研究せよとあったと言ったところ、そんなのは何もしなくていいから、イギリス人がどういう物の考え方をするかだけ身に付けてきてくれと返された。その通り３年間の留学中にゴルフと自動車の運転を身に付け、昭和9年の帰国後も土曜日の半ドン後にフォードの新車でゴルフ場に直行という生活をしていたため、各部局の少佐・中佐級からかなりの反感を買ったらしいが、それより上のクラスや直属上司は何も言わないどころか、昭和9年秋に艦上で大演習を見学した後、別府に入港した際には連合艦隊参謀長からゴルフに誘われている。これは軍人とは全く違う考え方や物の見方をする人物を必要としていたからで、太平洋戦争終結後も早速マニラ派遣使節団の一員に加えられて敗戦処理に奮闘した。海軍が無くなると三菱に就職したが、民間会社の方が封建的で驚かされたという。参考：海軍こぼれ話

＜杉田庄一＞：日本海軍エース。ニックネームは闘魂の鬼。首に巻く紫色のマフラーには「ニッコリ笑えば必ず墜とす」と刺繍されていた。大正13年7月1日、新潟県生まれ。昭和15年、日本海軍に入隊し、昭和17年3月に第３期丙種飛行予科練習生を修了し、第６航空隊に配属された。ミッドウェイ海戦に参加した後、10月からソロモン方面で任務に就き、ブインから出撃を繰り返した。11月、所属部隊が第204航空隊に改編された。昭和17年12月1日、B-17爆撃機と空中接触して垂直尾翼で右翼端を切断撃墜し、初撃墜を記録、垂直尾翼端と方向舵を喪失したが何とか帰還した。第204航空隊初のB-17爆撃機撃墜戦果だったが、空中接触は恥と教育されていたため恐縮至極であったという。昭和18年4月18日、山本五十六長官の護衛に就き、襲撃してきたP-38戦闘機のうち２機を墜としたが、長官機を撃墜されてしまった。7月、21回出撃。8月、16回出撃。8月26日、被弾して機体が炎上し、落下傘降下したが、全身火傷を負い、ラバウル第８海軍病院で治療を受け、日本に送還されて横須賀・舞鶴海軍病院に入院し、大村航空隊に復帰した。昭和19年3月、第263航空隊に配属され、マリアナ諸島及びカロリン諸島で空戦任務に就いた。7月、ダバオの第201航空隊に配属され、フィリピンで任務に就いた。昭和20年1月、第343航空隊戦闘301飛行隊に編入された。4月15日、鹿屋基地にF6F戦闘機が接近してきたため、紫電改で離陸に入った。司令部は襲撃が近いとして離陸中止を命じたが、そのまま離陸。直後にF6F戦闘機に攻撃され、僚機の笠井智一機は整備員が退避しており車輪止めが掛かったままで離陸できなかったためカバーできず、鹿屋基地から50m先に墜落して戦死、二階級特進で少尉となった。公認個人撃墜は70機、共同撃墜40機だが、実際には30機前後とされている。参考：月刊丸1,'15増刊、日本海軍戦闘機隊

＜スキッド＞：Skid。降着装置の１つで、前後に細長い棒または板状をしている。構造が単純で軽量、軟弱地への着陸に関しては車輪式より有利である。サスペンションなどを付けられないので、平面上でないと着陸が難しく、機体が大重量だと折れる。着陸後の移動も面倒。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、2,’13、7,’15、8,’16

＜スキッド＞：Skid。最適な旋回コースよりも外側に滑ってしまうこと。ロールが足りないと発生する。参考：月刊JWings11,’00

＜スキッド＞：イギリス海軍が開発した対潜水艦用爆雷前方投射兵器。発射機には口径305mmの迫撃砲が縦に３つ並んでおり（取り付け角が微妙に違う）、発射機を横倒しにして重量177kg・炸薬量94kgの対潜弾を砲口から装填、ソナーからのデータで時限信管が自動的に調整されて発射され、１辺40mの三角形パターンで着弾する。威力が大きいので、ヘッジホッグのように船体を直撃しなくても衝撃波でダメージを与えられる。最大射程250m。再装填が手動なので、荒れた海では危険が伴う。第２次大戦中に水上艦70隻に搭載されて50回使用され、潜水艦17隻を撃沈した。初撃沈は1944年7月で、U333を沈めている。イギリス海軍では1977年に退役した。海上自衛隊もむらさめ型護衛艦（初代）に搭載しようとしたが、アメリカ海軍が難色を示したため、ヘッジホッグMk15を装備している。参考：月刊世界の艦船3,’07、5,’12、月刊丸5,’07、丸スペシャルNo.76

＜スキッパー＞：隊長指定機のこと。参考：月刊JWings5,’15

＜スキッパー�U＞：AGM-123A（空対地ミサイル）を参照。

＜スキッピング＞：高角不安定。飛行艇の艇体が水面上で上下動を繰り返すこと。機首が上下しないのがポーポイジングとの違いである。参考：月刊航空ファン7,’11

＜スキップジャック＞：SS-24（Ｅ級潜水艦）またはSS-184（新Ｓ級潜水艦）またはSSN-585（スキップジャック級原潜）またはクイックストライクＪ（航空機雷）を参照。

＜スキップジャック級＞：Ｅ級（潜水艦）を参照。

＜スキップジャック級＞：アメリカ海軍攻撃型原子力潜水艦Skipjack級。実験潜水艦AGSS-569アルバコアの成果を元に、涙滴型船体（長さ・幅比7.9）を原潜として初めて採用し、水中速力29ノットを誇った。最大で35ノットを発揮したという説もある。耐圧船殻は部分複殻式で、原子炉区画後方に複殻構造部分があり、ここに後部バラストタンクを設けている（前部バラストタンクは耐圧船殻前方の艦首部）。艦内配置は前方からソナー・魚雷発射管、魚雷区画、発令所・二次電池、原子炉区画、補機室、原子炉管制室・機械室と並んでおり、一部は４層構造にして艦内容積を確保した。機械室には非常用推進電動機も置かれている。水中高速航行時の安定性が高いのと、艦首ソナーに雑音が入りにくいということで、潜舵はセイル・プレーンとした。静粛性向上のため注水用ベントを削減しており、水中速度性能向上のためフリーフラッドホール／スリットといった船体開口部を殆ど設けておらず、急速潜航能力が犠牲になったが、基本的に入出港時以外は潜航したままなので問題無い。ダイヤル式計器だと水中機動時にデータが見にくいので、ブラウン管式操艦計器コナログを初めて採用している。全長76.7m、幅9.7m、吃水7.7m、水上排水量3070トン、水中排水量3500トン。主機は原子力蒸気タービン方式、S5W原子炉１基・２段減速歯車付WH式高低圧２胴型蒸気タービン（２番艦以降はGE式）２基、出力15000馬力、５翅プロペラ（直径4.9m）１軸推進、水上速力15.5ノット、水中速力29ノット。安全潜航深度213m。兵装は533mm魚雷発射管６門（艦首中央３列２段。魚雷24本または機雷）。水中射撃指揮装置はMk101、ソナーはAN/BQR-2BとAN/SQS-4。乗員85名（士官９名、CPO11名、下士官・兵65名）。1956-57年度計画で建造され、SSN-585スキップジャック、SSN-588スキャンプ、SSN-589スコーピオン、SSN-590スカルピン、SSN-591シャーク、SSN-592スヌークの６隻が1959-61年に就役した。高速で旋回すると、セイル・プレーンに発生する動的浮力で艦が急速に傾斜するスナップロールを起こすという欠点があった。速力に応じて騒音も凄まじく、艦隊のマセラティ（イタリア製スポーツカー）というニックネームを冠され、1957年度計画艦では機関系などを改良したが不十分で、以降は静粛化に勤しむことになった。1968年にSSN-589スコーピオンが事故で沈没している。1990年までに退役した。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船2,’10、10,'23、6,’13、8,’18、6,’01、月刊軍事研究5,’17、5,’03、9,’06、現代の潜水艦、ザ・マーチ17号

＜スキップ戦略＞：蛙跳び戦略、蛙跳び作戦ともいう。太平洋戦争中の昭和18年8月に連合軍が開催したケベック会議で、アメリカ・イギリス統合参謀本部が採用した戦略である。太平洋方面で日本の拠点を順番に潰していくと時間がかかりすぎる（実際ガダルカナル反攻から１年経ってもラバウルに辿り着けなかった）ので、防備の堅い所は迂回して先に進み、日本の海上交通破壊や日本本土爆撃を優先させて早期の勝利を目指すものである。迂回して先に進むといっても、単に敵中に戦力を放り込むだけでは孤立して殲滅されるだけなので、制空権と制海権の確保が前提となる。ニューギニア戦など局地戦略にも応用され、制空権や制海権の確保が不十分だった日本軍は占領地全ての陸の守りを固める訳にもいかず苦境に立たされた。参考：歴史群像4,’16、8,’15

＜スキップ・ボミング＞：反跳爆撃（アメリカ軍）を参照。

＜杉野計雄＞：日本海軍エース。大正10年、山口県生まれ。昭和14年6月、海軍に入隊。昭和16年2月、丙種飛行予科練習生となり、昭和17年3月に修了、4月に第６航空隊配属となった。6月、空母赤城に搭乗してミッドウェイ海戦に参加。空戦を行う機会は無く、7月から春日丸に搭乗した。10月、大村航空隊の教員となった。昭和18年2月、空母翔鶴に搭乗し、トラック環礁で訓練を積んだ。11月、翔鶴と共にラバウルに進出。11月2日に初陣を飾り、３機を撃墜した。翔鶴が帰還した後も第253航空隊配属となってラバウルに残り、昭和19年3月に内地に帰還。教員として勤務した後、昭和19年8月に第634航空隊に配属され、台湾沖航空戦、比島作戦に参加。昭和20年2月、台湾に引き揚げた。その後は博多航空隊の特攻教員となり、終戦を迎えた。総飛行時間1994時間、戦闘飛行495回、空戦100回、総撃墜数32機。最終階級は飛曹長。戦後は海上自衛隊に入隊した。参考：日本海軍戦闘機隊

＜スキフ＞：R-29RM（SLBM）を参照。

＜スキマー＞：XF5U（試作戦闘機）を参照。

＜隙間フラップ＞：フラップを参照。

＜スキャナー＞：R-1（弾道ミサイル）を参照。

＜杉山輝男＞：日本海軍エース。大正9年、山口県生まれ。昭和11年6月、乙種飛行予科練習生となり、昭和14年3月に飛行練習生課程を卒業、鈴鹿航空隊に配属された。大村航空隊、元山航空隊を転属し、太平洋戦争開戦後は龍驤戦闘機隊に所属、昭和17年6月にアリューシャン作戦に参加した。8月24日、ガダルカナル攻撃で艦爆２機を撃墜。昭和18年秋、第201航空隊に転属してラバウルに進出。昭和19年1月、第204航空隊に転属。その後第253航空隊に転属した。2月4日に戦死した。公認総撃墜数10機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜杉山六蔵＞：海軍兵学校38期卒。大正11年、海軍大学校を卒業し、第６号駆逐艇長となった。大正14年から昭和3年、軍務局第１課に勤務。その後第１艦隊兼連合艦隊参謀となり、昭和5-8年に海軍大学校教官を務め、由良、青葉、八雲、日向艦長を経て昭和11年11月16日に第３艦隊参謀長となった。昭和12年10月20日、支那方面艦隊新設に伴い、支那方面艦隊参謀長を兼任。昭和13年4月25日、支那方面艦隊参謀長兼第３艦隊参謀長から第11戦隊司令官に転任。横須賀警備戦隊司令官、第18戦隊司令を経て昭和16年4月に機雷学校長、7月5日に第３遣支艦隊司令長官となり、12月26日に第３遣支艦隊司令長官を退き出仕。昭和17年1月3日、第３南遣艦隊司令長官となった。12月1日、第３南遣艦隊司令長官を退いた。昭和18年4月、艦政本部長に就任。昭和19年8月、電波部長を兼任。11月、佐世保鎮守府司令長官に就任。昭和20年8月15日の終戦時は佐世保鎮守府司令長官だった。昭和22年6月6日、57歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜スキャルプ＞：スカルプ・シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜スキャン・イーグル・シリーズ＞：アメリカ軍の無人偵察機Scan Eagle。参考：月刊航空ファン2,’12

＜スキャン・イーグル＞：元は魚群を上空から発見するためにアメリカのインシツ社（2008年にボーイングの傘下に入った）が開発したもので、2002年6月に初飛行し、アメリカ海兵隊とアメリカ海軍が軍用に採用、2004年から実戦投入した。複合材製で、機首、胴体、左主翼、右主翼、アビオニクス、燃料タンク、推進モジュールの７パーツで構成される。胴体はポッド状で細長い。主翼はアスペクト比が大きい後退翼で、ウイングレットが付く。機体は組み立て式で、主翼を外してコンテナ（魚雷発射管に収容可能なサイズ。２名で持ち運べる）に収容できる。全天候性があり、遠隔操縦に加え、GPS/INSによる完全自律飛行も可能。ソリに載せてスーパーウェッジと呼ばれるランチャーから空気圧で射出し、スカイフックと呼ばれる回収装置（長さ15mのワイヤーを上下方向に張ってある）に主翼端のフックを引っかけて回収する。落ちた機体を拾ったり、絡まった回収ネットを外したりする手間が無いので、艦上での運用も容易。操作管制は移動式地上管制ステーション（電波到達半径100km）で行うが、時速100km近い速度で飛行するスキャン・イーグルの翼端を遠隔操作でスカイフックのワイヤーに上手いこと引っかけるのは至難の業なので、ワイヤー支柱がGPS基準局のアンテナを兼ねており、帰投の際はスキャン・イーグルがディファレンシャルGPSによる精密誘導により自動的にワイヤーに引っかかるよう飛んでくる。予定の帰投航路を大幅に逸脱した場合は、自動的にエンジンを停止して旋回しつつ不時着する。全長1.37m（1.98m？1.55m？）、胴体直径0.178m、全幅3.12m、機体構造重量16kg、通常運用重量20kg、最大離陸重量22kg。エンジンは２サイクル１気筒レシプロ（1.9馬力）、推進は２翅プッシャー・プロペラ、燃料はガソリン（JP-5も可）、巡航速度毎秒25m（時速50ノット）、最大速度毎秒36m（時速80ノット・150km）、最大重量時上昇限度4900m、運用高度5944m、行動半径100km、航続距離1500km、滞空時間24時間以上（15時間？19時間？）。ペイロード0.9kg（センサーのみ）／6.8kg（燃料含む）。機首下面センサーとして電子光学センサーや赤外線センサーが用意されており、中波赤外線センサー搭載型はナイト・イーグルとも呼ばれる。自動衝突防止機能や船舶自動識別装置データ受信機能を追加可能。また、ナノSAR合成開口レーダー（重量２ポンド・907g）や通信中継装置も開発中である。2004年7月からイラクに投入された。2009年3月16日、ボーイング社がオーストラリア空軍向けB737AEW&Cを管制母機として３機を同時に制御することに成功した。2010年、アメリカ統合戦力軍のエンパイア・チャレンジ2010演習で、AWACSにより遠隔制御され、海賊船追跡を想定した演習を実施した。6月、ナローバンド・リレー無線中継システムを搭載し、小部隊用無線機による長距離通信の中継に成功した。イギリス国防省もテストを行う予定である。2012年12月4日にイラン革命防衛隊が１機を鹵獲したとして映像を出したが、アメリカ海軍・海兵隊・空軍特殊作戦軍団では未回収機は無いとしており、輸出先の他国のものかもしれない。参考：月刊航空ファン2,’12、月刊JWings2,’05、6,’09、11,’09、8,’11、3,’13、10,'22、月刊軍事研究9,’10、1,’08、3,’05、10,’10、4,’11、4,’18、月刊世界の艦船8,’10、朝雲

　＜スキャン・イーグル・デュアルベイ＞：機首センサー後方のアビオニクス・モジュールに重量物を搭載できるよう、後部胴体上部に垂直尾翼を設置したもの。参考：月刊航空ファン2,’12

　＜ナイト・イーグル＞：夜間悪天候でもISR能力を発揮できるようにしたもの。機体はスキャン・イーグル・デュアルベイと同じ垂直尾翼を持つタイプで、機首先端のセンサー収容部を形状変更して中波赤外線センサー（使用波長3-5ミクロン、光学ズーム1-13倍、視野25.5-2度、デジタルズーム1-4倍）を搭載する。滞空時間18時間以上。2009年1月から飛行試験が行われ、4月にカナダ軍が発注（アフガニスタンに投入予定）、5月にアメリカ特殊作戦軍が採用した。参考：月刊航空ファン2,’12

＜スキャン・イーグル海外シリーズ＞

　＜スキャン・イーグル（オーストラリア陸軍）＞：オーストラリア陸軍無人機。2006年11月に６ヶ月のリース契約を結び、イラクで運用を開始、2007年1月に採用を決定した。参考：月刊軍事研究9,’10

　＜スキャン・イーグル（カナダ）＞：2008年5月に採用を決定した。参考：月刊軍事研究9,’10

　＜スキャン・イーグル（フィリピン空軍）＞：フィリピン空軍無人機。FMSで６機を導入し、2018年3月13日に引き渡されて第300情報飛行隊に配備した。参考：月刊航空ファン6,’18、月刊軍事研究8,’18

　＜スキャン・イーグル（ベトナム軍）＞：ベトナム軍無人機。2019年6月、アメリカ政府が６機の売却を決めた。参考：月刊JWings12,’19

　＜スキャン・イーグル（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊無人機、別名UAV（中域用）。東日本大震災の福島原発事故を受け、２機の導入を決定し、2012年7月にインシツ・パシフィック社と三菱重工／双日との間で契約が結ばれた。全長1.37m、全幅3.11m、重量13.1kg。2013年に引き渡され、１年間の試験評価を行った。１機が墜落大破したという説がある。運用試験終了後、西部方面無人偵察機隊に配備された。2019年3月には第８師団第８情報隊に配備されている。その後第６師団第６情報隊と第15旅団第15情報隊（2020年3月26日新編）にも配備された。2021年5月22日、富士総合火力演習に初登場した。11月23日2036頃、情報教導隊の使用機が自衛隊統合実動演習中に種子島空港南東25kmで通信途絶に陥り、行方不明になった。捜索を行ったものの機体は見つからず、強風の中を自動帰投中にプログラム設定の関係でバンク角が足らず航路を逸脱したため自動で不時着水し水没したと推定されている。再発防止策として機体のソフトウェア更新と確認・点検を行い、2022年8月5日に陸幕が飛行訓練再開を発表した。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊JWings12,’11、8,’15、6,’19、8,'21、8,'22、10,'22、朝雲

＜スキャン・イーグル評価用器材＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜スキャンター２００２＞：南アフリカ海軍209/1400M型潜水艦の捜索レーダー。デンマークのテルマ社が開発した。アンテナは縦0.3m・横1.2m、使用周波数Ｘバンド。参考：月刊軍事研究12,’08

＜スキャンター６０００＞：デンマークのテルマ社が2007年から開発した航海・状況認識レーダー。アダプティブ・ムービング・ターゲット・インディケーション技術によりクラッターに強く、パルス圧縮、周波数・時間ダイバーシティ、周波数アジリティといった技術を駆使している。アンテナは横長棒状で、全長1.5-6m、１分間に60回転し、使用周波数Ｘバンド（9.0-9.5GHz）、ピーク出力200W。2010年末に量産型が生産される予定。参考：月刊軍事研究12,’09

＜スキャンプ＞：RT-15（弾道ミサイル）またはSS-277（潜水艦）またはSSN-588（原潜）を参照。

＜スキュード・プロペラ＞：強いスキューバックを付けて、キャビテーションによるノイズやロスを最小限に収める形状をしたプロペラ。羽根が前後に重なり合う部分が出来るので、推力の圧縮差が小さくなってノイズが少なくなる。また、水切りがなだらかになるのでキャビテーションが起きにくく、キャビテーションの発生と消滅が円周方向にずれて均一化されるため衝撃圧力も減少する。日本では網を切りにくい漁船用プロペラとして昔から使用されており、風切り音が静かな事から最近では扇風機や換気扇もこの形状になっている。参考：ザ・マーチ40号、月刊JWings2,’00、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、図解雑学　船のしくみ、図解船の科学

＜スキューバ＞：水中呼吸装置のことで、Self Contained Underwater Breathing Apparatusの略。高圧空気ボンベから、潜水深度に応じた圧力に減圧した空気を送る仕組みになっている。参考：月刊丸11,’72

　＜開回路式スキューバ＞：ボンベからレギュレーター経由で圧力を調整した空気を吸い、呼気はそのまま水中に吐き出すタイプ。参考：月刊丸11,’72

　＜閉回路式スキューバ＞：酸素ボンベと空気袋を用意し、空気袋の空気を吸い、呼気を炭酸ガス吸収剤入りキャニスター経由で空気袋に戻し、消費した分の酸素をボンベから空気袋に追加していくタイプ。気泡が出ないという利点がある。参考：月刊丸11,’72

　＜半閉回路式スキューバ＞：窒素の麻酔作用を減らすため、空気よりも窒素量を減らしたり、窒素の代わりにヘリウムを入れたりした混合ガスを供給するタイプのスキューバで、構造自体は閉回路式スキューバに準ずる。余剰ガスはガス袋から排出されるようになっている。参考：月刊丸11,’72

＜スキューバック＞：プロペラの中心線が、プロペラの回転方向と逆の方向に曲がっていること。参考：艦船メカニズム図鑑

＜スキョル級＞：ショルド級シリーズ（高速攻撃艇）を参照。

＜スキンク＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜スキンペイント・モード＞：航空自衛隊C-130H輸送機16号機に搭載されている新型レーダーのモードの１つ。ドップラー効果を利用し、上空20海里以内の移動物体を表示できる。参考：月刊JWings3,’04

＜スクア＞：イギリス海軍急降下爆撃機Skua。イギリス海軍航空隊初の単葉機で、初の急降下爆撃機である。ブラックバーン社が開発して1937年に初飛行した。全長10.84m、全幅14.07m、全備重量3745kg。エンジンはブリストル製パーシウス12（905馬力）単発、最大速度365km、実用上昇限度6150m、航続距離1200km。固定武装は7.7mm機銃２丁。225kg爆弾１発を搭載できる。乗員２名。1938年11月（10月？）に空母91アークロイヤルに配備され、190機が生産されて1941年まで前線任務にあり、以降は練習機や標的曳航機になった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊世界の艦船11,’15

＜スクアラス＞：SS-192（潜水艦）を参照。

＜スクイーズド・ボア＞：減口径銃（砲）、口径漸減砲、漸減口径砲、Taper-bore gunともいう。薬室から銃口・砲口に向けて口径が小さくなっているもので、ゲルリッヒ砲などを指す。参考：GUN用語事典

＜スクイーズ・ボックス＞：AK130（艦砲）を参照。

＜スクイブ＞：電気的に作動するプライマー。ブリッジワイヤ周辺の点火薬と出力薬で構成される。出力薬は黒色火薬類で、高熱ガス、高熱粒子、圧力パルス、熱放射を出力する。ミサイルやロケットの点火装置に使用する。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜スクウェア・タイ＞：352型（レーダー）またはMR-331（射撃指揮レーダー）を参照。

＜スクーター＞：A-4シリーズ（攻撃機）を参照。

＜スクエア・ノッチ＞：リアサイトが四角いもの。参考：GUN用語事典

＜スクッド＞：ノルウェー海軍ストルム級高速哨戒艇。1966年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜スクッド＞：ノルウェー海軍ショルド級高速艇２番艇Skudd。2007年5月3日進水、2010年10月28日就役。2011年9月9-23日、ノーザン・コースト2011演習に参加。参考：JShips Vol.46、月刊世界の艦船4,’11

＜スクラ＞：イタリア海軍多目的ロケットシステムSclar。旋回俯仰架台にセットされた20連装（５列４段）発射機と、多目的ロケット制御装置UCLARで構成され、チャフ・ロケット弾や夜間射撃用照明ロケット弾の射撃が行える。参考：ザ・マーチ42号

＜スクラッパー・ボール＞：M9（装甲ドーザー）を参照。

＜スクラバー＞：P-1（巡航ミサイル）を参照。

＜スクラバースイーパー＞：自衛隊の車両。テスコまたはＮＳＩまたは双信商事が受注している。参考：月刊軍事研究12,’12、11,’15、5,’17

＜スクラブブラッシュ＞：SY-1（艦対艦ミサイル）を参照。

＜スクラムキャップ＞：イギリス海軍２連装／４連装ヴィッカーズ12.7mm機銃。機銃は縦一列に並んでおり、ドラム・マガジンを使用している関係で下に行くほど機銃が前にずらされている。第２次大戦時に艦船防御用として配備した。参考：月刊丸8,’95

＜スクラムジェット・エンジン＞：Supersonic Combustion RAMJet Engine、SJEと略す。超音速の高圧空気を吸入し、液体水素を噴射して超音速燃焼を持続させることにより、強力な推進力を得るジェットエンジンである。ラムジェットエンジンの一種だが、吸入空気を亜音速に減速させず、燃焼室内の流れを超音速に保つのが特徴で、低温・希薄な高層大気でも作動でき、理論的にはマッハ15を達成できる。ただし超音速まで加速させるための別のエンジンやロケットを積む必要がある。HSSP計画機に搭載予定。防衛省でも極超音速ミサイル用に開発しており、目標速度をマッハ５に落として燃料を扱いやすいジェット燃料にした。参考：月刊軍事研究7,’04、9,’07、月刊JWings5,’20、航空用語事典増補改訂版

＜スクラントン＞：CA-138（重巡洋艦）またはPF-63（タコマ級パトロールフリゲート）またはSSN-756（潜水艦）を参照。

＜スクランブル＞：国家が排他的主権を有する領域に侵入したり、侵入しようとしたりする正体不明機・船舶・車両・人員などに対し、待機している航空機・船舶・車両・人員などが緊急出動すること。軍事活動でなく警察活動という位置付けである。下命されると一気に慌ただしくなり、担当セクションの要員がどったんばったん大騒ぎする様子が調理中のスクランブルエッグみたいなので、こう呼ばれる。参考：月刊JWings4,’04、4,'23、月刊航空ファン7,’17、MAMOR vol.100

　＜スクランブル（アメリカ空軍）＞：ソ連から飛来する爆撃機及び弾道ミサイルに対して行うのが主任務だった。相手が攻撃に有利な態勢を取った場合には交戦規則に基づいて撃墜する。1946年3月21日に防空指揮を執るアメリカ陸軍防空軍団が編成された。1948年、空軍独立と共にアメリカ空軍大陸航空軍団の隷下となったが、朝鮮戦争で冷戦が決定的になると軍団に復帰している。その後戦略ミサイル監視も行う航空宇宙防衛軍団がスクランブル指揮となり、1985年には戦術航空軍団が指揮、隷下の防空部隊がスクランブル担当となった。冷戦終結後の1992年6月1日、戦術航空軍団は航空戦闘軍団となり、防空戦闘部隊は州兵航空隊に移行、就く戦闘機は全米で20機にまで減少していた。しかし同時多発テロ勃発によりノーブル・イーグル作戦を発動、警戒を強化している。参考：月刊軍事研究3,’07、月刊丸3,’14

　＜スクランブル（海上自衛隊）＞：平時の不明船舶は基本的に海上保安庁が対処する。海自が護衛任務中の航路に国籍不明機や不明船舶が接近してきた場合、護衛艦にスクランブルがかかる。通信士が不明機・不明船舶に対して無線で警告し、聞き入れられなければ威嚇射撃や攻撃が行われることとなる。また、ミサイルも対処する。日本近海に国籍不明船舶などが接近した場合には哨戒機のスクランブル発進や護衛艦・ミサイル艇・掃海艇2-3隻からなる基地隊・防備隊の応急出動（スクランブルとは言わない）となる。この時出動準備をしている艦は応急出動艦といい、マストにＲ旗を掲げていて、命令後１時間以内に出港し（以前は２時間だった）、対処にあたる。応急出動艦でなくても、４時間以内に出撃できる体制がとられている。1980年8月19日、防衛庁が艦艇や対潜哨戒機に魚雷の実弾を搭載すると発表した。参考：月刊JWings4,’04、4,'23、自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船8,’11増刊

　＜スクランブル（航空自衛隊）＞：国籍不明機に対して実施する。警察活動ではあるが、作戦行動に該当するため、オペレーション・レディ資格を持つ隊員及びエレメント・リーダー資格を持つ編隊長が出撃する。領空を侵犯し、警告射撃にも従わない航空機に対してどのような処置を取るかは法律の規定も政府の統一見解も無い（一応、正当防衛と緊急避難が成立すれば攻撃できる）ため、現場の判断で戦争の引き金が引かれる可能性がある。1958年4月26日に防衛庁長官から空自に領空侵犯に対する出動命令が出され、4月27日0000に対領空侵犯措置任務を開始、4月28日から第２航空団第３・第４飛行隊がアラート待機に入ったが、要員不足で平日1000-1400に限定され、在日米空軍が主にスクランブル対応を行っていた。第３・第４飛行隊のカバー地域以外も当然ながら在日米軍の担当で、首都圏は横田基地のアメリカ空軍第40戦闘迎撃飛行隊と厚木基地のアメリカ海兵隊MAG-11所属機が担任している。12月12日には日の出30分前から日没までに拡大されたが、F-86F戦闘機に全天候性が無く夜間スクランブルは無理で、F-86D戦闘機が実戦化された後の1960年5月31日に一部で24時間態勢に移行、F-104J戦闘機の配備に伴い1964年10月に全航空方面隊で24時間態勢となり、1965年6月に在日米空軍がスクランブルを終了した。1969年3月26日、BADGEシステムの運用を開始。2007年時点では千歳基地の第201・第203飛行隊、三沢基地の第３・第８飛行隊、百里基地の第204・第305飛行隊、小松基地の第303・第306飛行隊、築城基地の第６・第304飛行隊、新田原基地の第301飛行隊、那覇基地の第302飛行隊が任務に就いている。参考：月刊JWings11,’07、9,'21、4,'23、月刊丸3,’14、月刊航空ファン1,’15

　＜スクランブル（自衛隊）＞：2006年3月の統合運用開始で、単一自衛隊が行うスクランブル任務も統合幕僚監部の担当になった。2020年9月14日、河野防衛大臣が、日本の防衛及び警備に影響を及ぼす恐れのある未確認飛行物体UFOなどの識別不能飛行物体を確認した場合の措置を指示。情報収集・警戒監視または自衛隊法第８条による領空侵犯措置任務に従事する自衛隊員は、識別不能の物体を確認した場合、各種命令による報告に万全を期し、写真撮影を行うなど可能な限り記録に努め、必要な分析を行い、同任務に従事しない自衛隊員も当該情報の分析を実施することになった。UFOといっても宇宙人が地球に来た訳では無く、ドローンなど従来の航空機とは異なる飛び方をする飛行物体を踏まえた指示である。参考：月刊軍事研究1,’18、月刊JWings12,’20

　＜スクランブル（陸上自衛隊）＞：平時の不法入国は警察庁（都道府県警察）が対応する。特殊部隊が本土に侵入して突如活動しない限りは準備の余裕がある。強力な武装を持つ侵入者に対し、治安出動して対処する時は、合理的な限度内なら武器の使用が許可される。侵入者の国籍・所属が明確で所属国の侵略意思が明瞭ならば防衛出動で対処することもありうる。参考：月刊JWings4,’04、4,’23

＜スクランブル発進＞：Scramble departure。国籍不明機がスクランブル・ラインを越えてきた際、領空内に立ち入らせないために取られる緊急発進措置。実弾を積んで基本的な点検と発進準備の整った機体がパイロット・整備士と共にアラートハンガーに24時間態勢で待機しており（警戒待機・アラートと称する）、発進命令が下ると最低限のチェックのみ行って離陸する。ラスト・チャンスは無く、事前に決めておいたSARPに従い、滑走路使用許可も最優先で下りる。スクランブル発令後５分以内で発進するのが標準で、５分待機とも呼ばれる。ただしマッハ0.95で巡航する国籍不明機はこの間にも100km進んでしまうため、緊急時にはパイロットを乗せた状態で滑走路端に待機する即時待機（Battle station）を行ったり、戦闘空中哨戒に入ったりする。普通２機（エレメント）が離陸し、離陸後は計器飛行方式で飛行、防空指揮所の管轄に入ったらレーダーサイトの誘導を受け、目標を視認できる位置（機長席のある左側、距離1000フィート・304.8m）まで近づいて無線警告（地上基地から民間機には国際緊急周波数の121.5MHz、軍用機には243.0MHｚで変針を呼びかける）や機体信号（我に従え・機体を左右に振る）を送る。変針しなければ１機が目標の右に回り込んで挟み込み、曳光弾を含む弾丸を目標に当たらないよう進行方向と平行に発射し、警告射撃を行う。それでも駄目なら強制着陸させるか、最悪撃墜する。律儀に全力対応していると相手にこちらの能力を読まれるため、わざと対応を遅らせたり、他部隊への引き継ぎの時間を調整したりすることもある。参考：JWings8,’03、11,’10、月刊軍事研究6,’01、戦闘機のしくみ、空軍、MAMOR vol.100

　＜スクランブル発進（アメリカ海軍）＞：艦隊防空は機動部隊配属ミサイル艦の役目だが、平時は不明機を目視で確認する必要があるため、スクランブル発進を行い、複座機の後席搭乗員が写真や動画を撮る。イージス艦登場前は空母で艦上戦闘機が５分以内に発進できる態勢の５分待機（ALT5）に就いていたが、登場後は監視距離が伸びたため、15分待機（ALT15）または30分待機（ALT30）を行うようになった。参考：月刊JWings8,’21

　＜スクランブル発進（イギリス空軍）＞：防空識別圏北部は第43・第111航空隊、南部は第３・第11航空隊が担当する。2006年は８回だったが、新冷戦の影響でロシア空軍戦略爆撃機の出動が冷戦末期よりも増加し、2007年には33回に増えた。参考：月刊軍事研究12,’08

　＜スクランブル発進（海上自衛隊）＞：日本近海に不審船が出現した時に備え、P-3C哨戒機が30分待機と１時間待機に就いており、対潜爆弾を搭載して出撃し、不審船の前方に投下して航行を妨害する。P-3C哨戒機にはハープーン空対艦ミサイルも搭載可能だが、不審船が木っ端微塵になって事後の調査が困難になるので、普通は積まない。参考：月刊JWings4,’04

　＜スクランブル発進（航空自衛隊）＞：根拠は自衛隊法第84条で、防衛庁／防衛省用語では「領空侵犯に対する措置」「対領空侵犯措置」。各基地では２機が５分待機、２機が１時間待機でアラート待機を行っている。ただし１時間待機の第２編隊に対して第１編隊離陸直後にスクランブル命令が出ることもある。また、３時間・30分・15分・１分待機、コクピット待機というのもあり、戦時にはバトル待機態勢に入る。アラート待機している機体が４機、予備機が４機、前日アラート待機の要員は休ませる、ということでアラート関連パイロットは最低12名必要になる。複座でどちらもパイロットが乗るF-4EJ/EJ改では倍の24名取られてしまうため、ローテーションを組むのが大変だった。パイロットは耐Ｇ服を着込みアラート待機室で発進指令ベルが鳴るのに備えているが、待機中ずっと緊張していると精神的疲労が蓄積して肝心の時に集中力を発揮できないので、カードゲームや読書をしてリラックスし、ベルが鳴った瞬間に気持ちを一気に切り替える。機体はすぐエンジン始動できる態勢で待機しており、航空機整備員と武器弾薬整備員がパイロットと共にすぐに発進準備を整える。フライトプランに合致しない航跡の航空機を探知すると、防空指揮所が国際緊急周波数を使って無線で航路変更を呼びかけるが、反応が無くそのまま日本の領空に近づいてくる場合、スクランブル発進を下命する。防空指揮所からスクランブル発進が下命されると、アラート待機室の直通電話のベルが鳴り、ディスパッチャーが受話器を取ってスクランブル発進命令を受令、スクランブルと叫んでアラートベルのボタンを押す。ベルの音でパイロットは機体にダッシュし、コクピットに飛び込んでエンジンを始動しつつ管制塔とコンタクト、整備員はアーミングを完了して発進準備を終える。すぐさま通常よりスピードを上げてタキシングし滑走路に進入、そのままローリング・テイクオフで発進したら所定の高度に上昇し、防空監視所の要撃管制官による誘導でアンノウンに近づき、編隊長は横、僚機は後ろに付いて目標の識別を行う。航空自衛隊の内規で目標への接近距離は2000フィート（609.6m）までと決められており、2000フィート（609.6m）以内に近づくには防空指揮所の許可が要るが、領空侵犯の恐れが強い場合には500フィート（152.4m）にまで接近したこともある。編隊長は片手で望遠レンズ付き一眼レフを持って目標を撮影し、121.5MHzの国際緊急周波数で警告、針路変更を呼びかける。2014年11月頃からは試験的に動画撮影も行っているらしい。相手は真っ直ぐ飛んでくれる訳では無く、銃座を向けてきたりするので注意。ただし防空識別圏内といっても公海上空なので、いきなり兵装を使用する権利は国際法上どこにも無く、警告を繰り返して変針させるしかない。領空侵犯したら警告を強めると共に主翼を振って「我に従え」のサインを送り、針路を遮るような警告飛行を行い、曳光弾による警告射撃を実施、退去させるか強制着陸させるかする。自衛隊法第84条にあるのはここまでで、領空侵犯時には国際法上では場合により武器使用（撃墜）が認められているが、自衛隊法では武器使用が明文化されておらず、自衛隊法第95条に基づく武器等防護のための武器使用か、刑法第36条に基づく正当防衛、刑法第37条に基づく緊急避難を根拠にしてパイロットが判断するしかなく、責任が国ではなく個人に負わされてしまう。武装は開始当初が機関砲で、1980年8月18日から短距離空対空ミサイル／WVRAAM（AIM-4、AIM-9、AAM-3、AAM-5）の実弾２発を積むようになった。北朝鮮ミサイル発射予告が出ていた2013年4月12日のスクランブル発進では中距離空対空ミサイル／BVRAAMのAIM-7やAAM-4を搭載しており、その後は部隊に関わらずBVRAAMをしょっちゅう積んでいる。防衛出動以外での武器使用は正当防衛時に限られていたが、2023年2月16日、2023年2月4日のアメリカによる中国偵察気球撃墜を受け、2月16日に武器使用基準を変更し、領空侵犯した気球や無人機が日本のものでないと認定された場合には撃墜できるようになった。５分待機といっても実際にはもっと早く発進でき、1986年4月4日にアメリカ国防長官が模擬スクランブルを行った際にはF-1支援戦闘機が３分40秒で発進準備を整えている。というか５分以上かかると任務不履行となり、場合によっては処罰されてしまう。飛行計画を出さないアメリカ軍機にスクランブル発進することも多く、有事の際に相当困る事態に陥るため、1989年に第７艦隊司令官に話を付けるなどして航空情報を入れてもらうようにした。領空侵犯は2013年までに36回（MiG-25亡命事件含む）で、ほぼ北海道周辺で起こっており、34回がロシア機（礼文島領海上空16回、対馬及び沖ノ島領海上空５回、五島列島及び男女群島領海上空３回など）とみられ、１回が台湾機（1994年3月、ビーチクラフトB-350による尖閣諸島領海上空侵犯）、１回が中国機（2012年12月13日、Y12による尖閣諸島上空）。スクランブル発進回数は戦闘機編隊の離陸を１回と数えるので、同一機に対して複数の編隊が交代で離陸すると複数回でカウントされる。1958年5月13日に第３飛行隊が初の緊急発進を実施。1958年度のスクランブル発進は25回だった。1959年度は119回。1960年5月からF-86D全天候戦闘機による24時間待機を開始した。1960年度は150回。1961年度は192回。1962年度は235回。1963年度は197回。1964年度は305回。1965年、アメリカ軍が日本でのスクランブル任務を終了。1965年度は387回。1966年度は356回。1967年度は426回。1968年度は368回。1969年度は377回。1970年度は370回。1971年度は345回。1972年度は306回。1973年度は257回。1974年度は323回。1975年度は305回。1976年度は528回。1977年度は496回。1978年度は798回。1979年度は636回。1980年7月までは警告用の機関砲弾のみ搭載していたが、1980年8月18日の防衛庁発表で短距離空対空ミサイル（この時点ではAIM-4やAIM-9L）も搭載するようになった。初搭載は8月20日に三沢基地からスクランブル発進したF-1支援戦闘機で、２機のうち１機にAIM-9Lを２発搭載している。1980年度は783回。1980年代にはF-4戦闘機のスクランブル発進１回にかかる費用は１機あたり40万円、F-15戦闘機では100万円以上だった。1981年度は939回。1982年度は929回。1983年2月、累計発進回数が１万回に達した。1983年度は675回。1984年度は冷戦中最高の944回。夜間に防空監視所目掛けて模擬ミサイル攻撃を仕掛けるTu-22M爆撃機２個飛行隊二十数機に対してスクランブル発進し続け、パイロット１名が一日に2-3回出動することもしばしばだったという。1985年度は898回。1986年度は825回。1987年12月9日、沖縄の領空を侵犯したTu-16（高度10200m、速度780km）に対し、初めての警告射撃を実施。1987年度は848回。1988年度は879回。1989年度は812回。1990年度は604回。1991年度は488回。冷戦終結後は激減し、防空識別圏の関係で台湾機へのスクランブル発進がロシアに次いで２番目に多かったが、1998年頃からは中国軍機への出動が増え、2005年には半分近くが中国軍機となった。1992年度は331回。1993年度は311回。1994年度は263回。1995年度は166回。1996年度は234回。1997年度は160回。1998年度は220回で、北部航空方面隊87回、中部航空方面隊30回、西部航空方面隊67回、南西航空混成団36回だった。1999年度は154回。2000年度は155回。2001年度は151回。2002年度は188回。2003年度は159回。2004年度は141回。2005年度は前年比62%増しの229回（ロシア116回で51%増し、中国107回で800%増し、台湾２回、その他４回）。2006年4月、通算２万回に到達。2006年度は239回（ロシア196回、中国22回、台湾８回、その他13回）。2007年度は307回と14年ぶりに300回を超え、内訳はロシア253回、中国43回、台湾３回、その他８回であり、北部航空方面隊が173回、中部航空方面隊が54回、西部航空方面隊が36回、南西航空混成団が44回だった。2008年度は237回で、内訳はロシア193回、台湾７回、中国31回、その他６回、北部航空方面隊が121回、中部航空方面隊が46回、西部航空方面隊が28回、南西航空混成団が42回だった。2009年、テポドン２号発射に関連して北朝鮮機への10年振りとなるスクランブル発進を行った。2009年度は299回で、ロシア197回、中国38回、台湾25回、北朝鮮８回、その他が31回であり、北部航空方面隊が111回、中部航空方面隊が55回、西部航空方面隊が32回、南西航空混成団が101回だった。台湾へのスクランブル発進が多いのは、新設された中台民間航路が日本の防空識別圏内・飛行情報区外にあり、飛行情報が不明な民間機に対しても緊急発進したためである。2010年度は386回で、ロシアが264回（68%）、中国が96回（25%）、台湾が７回（2%）、その他が19回（5%）であり、北部航空方面隊が151回、中部航空方面隊が80回、西部航空方面隊が40回、南西航空混成団が115回だった。2011年度は425回で、ロシアが247回58%、中国が156回37%（領空侵犯１回）、台湾が５回1%、その他17回4%であり、北部航空方面隊が158回、西部航空方面隊が47回、中部航空方面隊が54回、南西航空混成団が166回であった。2012年度は567回（500回超は22年ぶり）で、ロシアが248回、中国が306回、台湾が１回、その他が12回であり、北部航空方面隊が139回、中部航空方面隊が65回、西部航空方面隊が45回、南西航空混成団が318回だった。2013年度は810回（800回超は1989年以来）で、ロシア44%（359回）、中国51%（415回）、北朝鮮など5%であり、北部航空方面隊が222回、中部航空方面隊が86回、西部航空方面隊が100回、南西航空混成団が402回だった。2014年度は943回で、ロシア473回、中国464回、台湾１回、北部航空方面隊286回、中部航空方面隊102回、西部航空方面隊87回、南西航空混成団468回だった。2015年度は873回で、中国571回、ロシア288回、台湾２回、その他12回、北部航空方面隊205回、中部航空方面隊50回、西部航空方面隊87回、南西航空混成団531回だった。2016年度は1168回で、初めて1000回を超えた。中国851回、ロシア301回、台湾８回、その他８回、北部航空方面隊265回、中部航空方面隊34回、西部航空方面隊66回、南西航空混成団803回だった。ちなみにNATO全体でも2016年は807回（2015年は500回くらい、2014年は480回）で、世界一のスクランブル発進大国となっている。中国軍機が危険な戦闘機動を仕掛けてくる場面もあるとみられており、現状で空対空戦闘の実戦経験が世界一豊富な空軍と言っても過言では無い。2017年度は904回で、中国500回（55%）、ロシア390回（43%）、台湾３回、その他11回、北部航空方面隊330回、中部航空方面隊56回、西部航空方面隊41回、南西航空方面隊477回だった。2018年度は999回で、中国638回、ロシア343回、その他18回、北部航空方面隊277回、中部航空方面隊52回、西部航空方面隊74回、南西航空方面隊596回だった。2019年度は947回で、中国675回（71%）、ロシア268回（28%。領空侵犯３回）、その他４回、北部航空方面隊198回、中部航空方面隊35回、西部航空方面隊133回、南西航空方面隊581回だった。2020年度は725回で、中国458回（63%）、ロシア258回（36%。領空侵犯１回）、その他９回、北部航空方面隊206回、中部航空方面隊36回、西部航空方面隊79回、南西航空方面隊404回だった。2021年7月19日、通算３万回に到達した。2021年度は1004回で、中国722回（72%）、ロシア266回（26%。領空侵犯２回）、台湾３回、その他13回、北部航空方面隊217回、中部航空方面隊31回、西部航空方面隊104回、南西航空方面隊652回だった。2022年度は778回で、中国575回、ロシア150回、その他53回だった。

参考：月刊JWings2,’15、12,’18、1,’04、4,’04、8,’06、11,’07、10,’09、7,’10、10,’11、7,’12、10,’12、7,’13、10,’13、12,’13、7,’14、9,’14、2,’15、7,’15、10,’15、11,’15、7,'16、7,’17、1,’18、4,’18、7,’18、1,’19、7,’19、1,’20、6,’20、1,'21、6,'21、10,'21、7,'22、7,'23、月刊軍事研究8,’14、7,’05、11,’06、4,’10、9,’11、6,’14、12,’15、8,’17、日本の戦力、月刊航空ファン7,’99、4,’10、7,’11、7,’15、7,'16、9,’16、7,’17、10,’17、1,’18、7,’18、10,’18、月刊丸12,’10、自衛隊装備カタログ1981、朝雲

　＜スクランブル発進（ドイツ空軍）＞：2001年9月11日の同時多発テロ以降は態勢が強化され、４機が15分待機している。必要に応じて２分待機をとることもある。スクランブル発進任務に就くユーロファイターは、機関砲とIRIS-T空対空ミサイルを装備しており、目視確認の必要性からBVRAAMは装備しない。2008年頃には年間30-40回のスクランブル発進があった。参考：月刊軍事研究4,’09

＜スクランブル発進（実例）＞

　＜スクランブル発進（対中国）＞：2010年3月12日、中国のY-8早期警戒型（初目視確認）が沖縄本島北西の東シナ海を東に進んで領空に接近した。

2011年3月2日、中国海軍Y-8哨戒機型及びY-8情報収集機型が１機ずつ、日中中間線を越えて尖閣諸島の北30海里まで接近した。90分後に防空識別圏を抜けている。7月4日、中国海軍Y-8情報収集機型１機が尖閣諸島付近の日本領海まで200kmに接近した。7月7日、中国海軍Y-8情報収集機型１機が尖閣諸島付近の領海100kmに接近した。7月30日、中国海軍Y-8情報収集機型１機が尖閣諸島に接近した。9月8日、中国海軍Y-8情報収集機型が防空識別圏を越えて尖閣諸島に接近した。9月21日、中国海軍Y-8情報収集機型が防空識別圏を越えて尖閣諸島に接近した。2012年12月13日1106頃、中国国家海洋局Y-12�Uプロペラ機が魚釣島の南15kmの日本領空を侵犯しているのを海上保安庁巡視船が発見し、空自第83航空隊F-15J戦闘機８機と、那覇に展開していた警戒航空隊飛行警戒監視隊E-2C早期警戒機１機がスクランブルした。これが中国による初領空侵犯である。12月24日、Y-12�Uが尖閣諸島周辺を飛行したため、空自F-15J戦闘機がスクランブルした。12月25日、Y-12�Uが尖閣諸島周辺を飛行した。12月26日、Y-12�Uが尖閣諸島周辺を飛行した。

2013年1月5日、Y-12�Uが魚釣島の北120kmに接近。1月10日、中国軍の複数（十数機ともいわれる）の戦闘機が尖閣諸島付近の防空識別圏に接近した。1月11日、Y-12が魚釣島北120kmに接近。1月15日、Y-12が魚釣島の北120kmに接近。2月28日、中国国家海洋局Y-12が尖閣諸島付近の防空識別圏に飛来した。4月23日午前、中国軍戦闘機を主体とする軍用機延べ40機以上が尖閣諸島周辺に飛来。7月24日、Y-8早期警戒型１機が沖縄本島と宮古島の間の公海上空を通過して太平洋に進出。中国軍機として初めて第１列島線越えの飛行を行った。9月8日、中国海軍東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機が沖縄と宮古島の間の公海上空を通過して太平洋に進出した。9月9日、国籍不明の無人機（中国の翼龍またはBZK-005と推定）が尖閣諸島北東の公海上空を数時間飛行した。10月1日（2日？）、中国国家海洋局所属Y-12輸送機１機が東シナ海から日本の領空に接近。10月25日、中国海軍Y-8J早期警戒機２機と轟炸６型Ｇ爆撃機２機が沖縄本島と宮古島の間の公海を抜けて沖縄本島南南東600kmの太平洋に進出。10月26日、中国海軍Y-8J早期警戒機１機と東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機が東シナ海から日本の領空に接近。10月27日、中国海軍Y-8J早期警戒機１機と東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機が東シナ海から日本の領空に接近。11月16日、中国空軍Tu-154電子情報収集機１機が東シナ海から尖閣諸島大正島の北200km付近に進出。11月17日、中国空軍Tu-154電子情報収集機１機が東シナ海から日本の領空に接近。11月23日、中国空軍Tu-154電子情報収集機１機と中国海軍Y-8情報収集機１機が東シナ海を中国発表の防空識別圏沿いに飛行した。

2014年1月7日、中国国家海洋局Y-12輸送機が尖閣諸島付近の防空識別圏に飛来。久場島や大正島などの北160km付近まで接近した。2月21日、中国海軍Tu-154偵察機１機と国家海洋局Y-12輸送機１機が東シナ海に飛来。3月9日、中国海軍Y-8JB電子偵察機１機と東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機が沖縄本島と宮古島の間の空域を往復。3月14日、Tu-154電子情報収集機１機が東シナ海から飛来し、九州西方沖から南西諸島沖を周回した。10月3日、Y-9電子偵察機が尖閣諸島方面の領空に接近。12月6日、中国海軍東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機、Y-9JB情報収集機１機、Y-8J早期警戒機１機が沖縄と宮古島の間の公海上を通って太平洋まで往復した。12月7日、中国海軍東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機、Y-9JB情報収集機１機、Y-8J早期警戒機２機が沖縄と宮古島の間の公海上を通って太平洋まで往復した。中国側も５機で飛行したと発表している。12月10日、中国海軍東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機、Y-9JB情報収集機１機、Y-8J早期警戒機２機が沖縄と宮古島の間の公海上を通って太平洋まで往復した。12月11日、中国海軍東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機、Y-9JB情報収集機１機、Y-8J早期警戒機２機が沖縄と宮古島の間の公海上を通って太平洋まで往復した。

2015年．2月14日、Y-9情報収集機が上海方面から尖閣諸島沖の東シナ海に飛来し、宮古海峡を経て太平洋に進出、楕円を描いて飛行し、逆ルートで上海方面に戻った。2月15日、Y-9情報収集機が上海方面から尖閣諸島沖の東シナ海に飛来し、宮古海峡を経て太平洋に進出、楕円を描いて飛行し、逆ルートで上海方面に戻った。5月21日、中国空軍轟炸６型Ｋ爆撃機２機（安徽省の第10轟炸機師第28航空団所属）が沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡（公海上）を往復した。7月29-30日、中国海軍東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機、Y-8J早期警戒機１機、Y-9JB情報収集機１機が宮古海峡を往復飛行した。11月27日、中国空軍轟炸６型Ｋ爆撃機８機（安徽省の第10轟炸機師第28航空団所属）、Tu-154M/D電子偵察機１機、Y-8CB情報収集機１機、KJ-200早期警戒機１機が中国大陸から沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡に接近。轟炸６型Ｋ爆撃機４機、Tu-154M/D電子偵察機１機、Y-8CB情報収集機１機は太平洋に進出し、同じコースで中国大陸に戻った。KJ-200早期警戒機は尖閣諸島付近を旋回。轟炸６型Ｋ爆撃機４機は宮古海峡手前で北東に変針し、東シナ海を九州に向かった後、中国大陸に戻った。中国空軍は第１列島線から1000km以上離れた西太平洋で遠海訓練を行い、東シナ海で洋上警察活動も実施したと発表している。

2016年1月31日、中国海軍高新８号（Y-9JB）電子情報収集機１機とKJ-200早期警戒機１機が対馬海峡を抜け日本海に進出、隠岐島と竹島の間に到達して戻った。北朝鮮のミサイル発射を受けての自衛隊防備態勢をチェックしにきたとみられ、これが中国軍機初の対馬海峡通峡である。4月20日、Y-8早期警戒機１機が尖閣諸島沖の東シナ海から沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡（公海上）を通過して太平洋に進出、フィリピン方面に向かい、Ｕターンして同コースを通り中国に戻った。6月28日、元空将がインターネット上で、6月17日に東シナ海上空で自衛隊機が中国軍機から攻撃動作（ドッグファイト）を仕掛けられ、フレアを射出して緊急回避したと発表。6月29日、内閣官房副長官が6月17日に中国軍機（殲撃11型戦闘機２機？）に対するスクランブルを行った事を認めたが、ドッグファイトを仕掛けられたりロックオンされたりミサイルを撃たれたりした事は無いと発表。フレア射出の有無は明らかにしなかった。駐日中国大使館の公使も日本政府の発表を追認している。7月1日付環球時報（中国共産党機関紙人民日報社の国際系新聞）は6月30日の統合幕僚長による2016年度第１四半期スクランブル発進における対中国軍機急増への言及に触れ、尖閣列島と周辺島嶼は中国固有の領土であり、通常哨戒中の中国機に対するスクランブル発進により、日本が地域の平和と安定を乱していると論じた。ドッグファイトの件は日本政府・防衛省（統合幕僚長）の見解をそのまま載せるに止まっている。7月4日、自衛隊機により中国軍機がドッグファイトを仕掛けられてロックオンされたと、中国国防部が元空将のパクリのような主張をしたため、7月5日に内閣官房副長官が否定した。8月18日、中国海軍Y-8J早期警戒機１機と東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機が東シナ海から対馬海峡を通って日本海に抜け、駆逐艦などと訓練を行い、Ｕターンして戻った。8月19日、中国海軍Y-8J早期警戒機１機と東海艦隊海軍航空兵第６師第17航空団所属轟炸６型Ｇ爆撃機２機が東シナ海から対馬海峡を通って日本海に抜け、駆逐艦などと訓練を行い、Ｕターンして戻った。9月25日、中国空軍轟炸６型爆撃機４機、Tu-154情報収集機１機、Y-8情報収集機１機、戦闘機と推定される２機が宮古海峡上空を通過して東シナ海から太平洋に向かった。宮古海峡を中国空軍戦闘機が通過するのは初である。中国空軍報道官は戦闘機など40機で西太平洋に向かう遠洋訓練を行い、その際に宮古海峡を通過したと発表した。西太平洋上では偵察、哨戒、空中給油などの訓練を行っている。10月27日、中国海軍Y-8早期警戒機１機とY-9情報収集機１機が東シナ海方面から沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を南下。宮古島南で反転し、宮古水道を通って東シナ海方面に戻った。11月25日、中国軍轟炸６型爆撃機１機、Tu-154情報収集機１機、Y-8情報収集機１機が太平洋から宮古海峡上空を通過して東シナ海に入り、尖閣諸島沖を北西に飛行して中国に向かった。また、Su-30戦闘機２機が東シナ海から宮古海峡を通って太平洋に入り、Ｕターンして同じコースで中国に戻っている。12月10日、Su-30戦闘機２機、轟炸６型爆撃機２機、Tu-154M電子偵察機１機、Y-8情報収集機１機が宮古海峡を通り西太平洋方面に向かった。同日夜、中国国防部報道官は空自F-15戦闘機が近距離で「干擾弾」を発射したと発表。翌日に防衛省は記者会見で「妨害弾」の発射や針路妨害を否定した。妨害弾が具体的に何なのかは不明（防衛省の発表に対する記者からの質問も本件と全く関係無い南スーダンや辺野古の話ばかり）だが、グーグル先生に聞くと”干擾弾発射機”でMk36SRBOCの画像がヒットするので、チャフかフレアかデコイ（空自F-15戦闘機は装備しないが）あたりと推定される。F-15戦闘機が射出したチャフ／フレアで針路が妨害されたとなると中国軍機はF-15戦闘機の後下方至近距離にピッタリ付けていたことになるが、その辺も突っ込む人は居なかったようである。12月25日午後、空母遼寧機動部隊の054A型フリゲート538煙台からZ-9ヘリ１機が発艦し、宮古島領空南東10-30kmを飛行した。

2017年1月9日、中国海軍（中国空軍？）Y-8早期警戒機１機、Y-9情報収集機１機、轟炸６型爆撃機６機が東シナ海から対馬海峡上空を北上して日本海に入り、隠岐島沖で反転して元のコースで戻った。済州島沖で韓国の防空識別圏に入ったため、韓国空軍もスクランブル発進している。3月2日、Y-8早期警戒機１機、爆撃機６機、戦闘機６機が東シナ海から沖縄本島と宮古島の間を通り、その後反転して引き返していった。同日にDD-158うみぎりや第５航空群P-3C哨戒機が付近の海域で中国艦艇計３隻を確認しており、中国国防省は艦隊との合同演習を行ったと発表している。7月13日、轟炸６型爆撃機２機が上海方面から尖閣諸島沖の東シナ海に飛来し、宮古海峡から太平洋に抜け、逆ルートで戻った。轟炸６型爆撃機４機がバシー海峡方面から太平洋に進出し、先島諸島沖を北東に飛行、北西に針路を変えて宮古海峡を抜け、東シナ海に入った。7月20日、轟炸６型爆撃機４機、Y-8電子戦機１機、Y-8情報収集機１機がバシー海峡方面から太平洋に進出し、先島諸島沖を北東に進み、針路を北西に変えて宮古海峡上空を通過、東シナ海に入った。轟炸６型爆撃機４機が尖閣諸島沖の東シナ海に飛来し、南東に飛行して宮古海峡から太平洋に抜け、南西に変針して日本の領空から離れた。7月24日、轟炸６型爆撃機４機がバシー海峡方面から飛来し、太平洋から宮古海峡上空を通過して東シナ海に向かった。8月9日、Y-8電子戦機１機がバシー海峡方面から太平洋に飛来し、先島諸島沖を北東に進み、北西に変針して宮古海峡上空を通過、東シナ海に入った。8月12日、東シナ海上空にY-8電子戦機１機と轟炸６型爆撃機２機が飛来。8月13日、東シナ海上空にY-8が２機飛来。8月14日、東シナ海上空にY-8が１機飛来。8月24日、中国空軍轟炸６型爆撃機６機が上海方面から飛来し、宮古海峡の公海上を通過、南西諸島東方を北上して初めて紀伊半島沖に進出し、Ｕターンして往路と同じコースで帰投した。11月18日、中国空軍Tu-154情報収集機１機が宮古海峡上空を通過して太平洋に進出した。11月19日、中国空軍轟炸６型爆撃機４機、Tu-154情報収集機１機、Y-8電子戦機１機が上海方面から尖閣諸島沖の東シナ海に飛来し、宮古海峡上空を通過して太平洋に進出、逆ルートで戻った。11月23日、轟炸６型爆撃機４機が宮古海峡上空を通過して東シナ海から太平洋に進出。Y-8早期警戒機１機がバシー海峡方面から太平洋に進出し、先島諸島沖を北東に進み、宮古海峡を通過して東シナ海方面に戻った。12月7日、中国空軍Y-8早期警戒機１機、轟炸６型爆撃機４機が上海方面から尖閣諸島沖に飛来し、宮古海峡上空を通過して太平洋に進出。Y-8は南西に変針して去り、轟炸６型爆撃機は南西から北に針路を変更して三角形を描き宮古海峡を北上して自国に戻った。12月9日、中国空軍轟炸６型爆撃機４機（主翼下パイロンに大型ミサイル１発ずつを搭載）、Y-8電子戦機１機が宮古海峡上空を通過して太平洋に進出。12月11日、中国空軍轟炸６型爆撃機２機（主翼下パイロンに大型ミサイル１発ずつを搭載）、Y-8電子戦機１機、Tu-154情報収集機１機、戦闘機２機が宮古海峡上空を通過して太平洋に進出。12月17日、Y-8情報収集機１機とY-8電子戦機２機がバシー海峡方面から太平洋に飛来し、宮古海峡を通過。12月18日、轟炸６型爆撃機２機、Su-30戦闘機２機、Tu-154情報収集機１機が対馬海峡の公海上空を通過して東シナ海と日本海を往復。Su-30戦闘機は対馬海峡通過後に反転、轟炸６型爆撃機とTu-154情報収集機は隠岐島と竹島の間を通った後で反転した。中国軍戦闘機が対馬海峡を通るのは初めてである。Y-8電子戦機１機がバシー海峡方面から太平洋に飛来し、宮古海峡上空を通過した。12月20日、Y-8電子戦機１機が上海方面から東シナ海に飛来し、東に飛行した後北西に変針、Ｕターンして元来た経路を辿り、自国方面に去った。Y-8電子戦機１機がバシー海峡方面から太平洋に進出し、先島諸島沖を北東に飛行、進路を北西に変えて宮古海峡を抜け、東シナ海に入った。Tu-154情報収集機１機が上海方面から尖閣諸島沖に飛来し、宮古海峡を通過して太平洋に進出、逆ルートで帰った。

2018年1月29日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海から飛来し、対馬海峡被害水道を通って日本海に抜け、西に変針して同コースを逆に辿り東シナ海に戻った。2月27日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海から壱岐水道を通過して日本海へ抜け、西に変針して東シナ海に戻った。3月23日、轟炸６型爆撃機４機、Tu-154情報収集機１機、Y-8電子戦機１機が上海方面から尖閣諸島沖を経て沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡公海上空を通過して太平洋に進出し、同じコースで上海方面に戻った。同じ頃、戦闘機と推定される２機が上海方面から飛来し、宮古海峡手前でＵターンして上海方面に戻った。統幕からの発表に写真が付いておらず、戦闘機動を仕掛けてきたため空自パイロットが写真を撮れなかった説が流れているが、詳細不明。4月10日、BZK-005無人偵察機１機が数時間に亘り尖閣諸島北方の東シナ海を飛行。4月18日、中国空軍轟炸６型爆撃機２機が宮古海峡の公海上空を通過して太平洋に進出した。4月19日、轟炸６型爆撃機２機、Y-8電子戦機１機、Tu-154情報収集機１機、戦闘機と推定される２機が宮古海峡の公海上空を通過して太平洋に進出した。4月20日、轟炸６型爆撃機２機が宮古海峡の公海上空を通過して太平洋に進出した。4月26日、轟炸６型爆撃機２機、Y-8電子戦機１機、Tu-154情報収集機１機、戦闘機と推定される２機が上海方面から飛来し、宮古海峡の公海上空を通過して太平洋に進出した。戦闘機２機は反転して戻り、他は台湾南方バシー海峡方面に向かっている。4月28日、Y-9情報収集機１機が東シナ海から北東進し、朝鮮半島と対馬の間の対馬西水道上空を通り日本海に進出、反転して元のルートを戻った。5月11日、中国空軍轟炸６型爆撃機２機（ミサイル搭載）と戦闘機と推定される２機が尖閣諸島沖に飛来し、宮古海峡を通り太平洋に進出、戦闘機２機は反転して中国方面に戻り、轟炸６型爆撃機２機はバシー海峡方面に向かった。中国空軍轟炸６型爆撃機２機（ミサイル搭載）、Y-8電子戦機１機、Tu-154情報収集機１機がバシー海峡方面から飛来し、宮古海峡を通過して東シナ海に入った。5月25日、轟炸６型爆撃機２機がバシー海峡方面から飛来し、宮古海峡を通過。6月4日、Y-9情報収集機１機が上海方面から飛来し、宮古海峡を往復。7月27日、Y-9情報収集機１機が東シナ海から北東に進んで対馬西水道上空を通過して日本海に進出、同じルートで上海方面に戻った。8月29日、Y-9情報収集機１機が東シナ海から対馬西水道の公海上空を通過し、朝鮮半島東の日本海に達して反転逆ルートで東シナ海に戻った。10月29日、Y-9情報収集機１機が済州島方面から飛来し、壱岐水道を通って日本海に抜け、朝鮮半島東岸まで北上、Ｕターンして元来た道を辿り、東シナ海に去った。11月26日、Y-9情報収集機１機が東シナ海から飛来し、壱岐水道上空を通り日本海に入り、朝鮮半島東岸でＵターンして元来た道を辿り、東シナ海に戻った。12月12日午前から午後にかけ、Y-9情報収集機１機が上海方面から飛来し、南東に進んで宮古海峡の公海上を通過、北東に変針して奄美諸島沖に達し反転して同ルートを自国領に戻った。12月14日、Y-9情報収集機１機が上海方面から飛来し、南東に進んで宮古海峡の公海上を通過、北東に変針して奄美諸島沖に達し反転して同ルートを自国領に戻った。12月27日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から飛来し、壱岐水道上空から日本海に入り北上、朝鮮半島東岸でＵターンして同ルートを東シナ海に戻った。

2019年2月23日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海から壱岐水道上空を通過して日本海に入り、朝鮮半島東岸まで北上して逆ルートを戻った。3月19日、中国海軍Y-9哨戒機２機が上海方面から飛来し、尖閣諸島北方海域を周回して中国方面に戻った。尾部にMADブームがあり、高新６号の目視初確認とみられる。3月30日午後、中国空軍轟炸６型爆撃機４機、Tu-154情報収集機１機、戦闘機（推定）２機が上海方面から飛来し、宮古水道上空を通過して太平洋に進出、反転して同ルートを戻った。4月1日午前から午後、中国空軍轟炸６型爆撃機２機とY-9情報収集機１機が上海方面から飛来し、宮古水道上空を通過して太平洋に進出、反転して同ルートを戻った。4月15日、中国軍轟炸６型爆撃機４機とY-8電子戦機１機がバシー海峡方面から飛来し、太平洋に進出、先島諸島沖を北東に進んで針路を北西に変え、宮古海峡から東シナ海に入った。5月29日、中国空軍Y-8電子戦機１機が東シナ海方面から対馬海峡・長崎付近まで飛行。Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から宮古海峡の公海上を通過し、東シナ海と太平洋を往復した。6月16日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海から南下し、沖縄本島と宮古島の間を抜けて沖縄本島南に向かい、西に変針して元のルートを戻った。7月23日、中国空軍轟炸６型爆撃機２機が東シナ海方面から飛来。10月29日、中国海軍Y-9情報収集機１機が済州島西の東シナ海に飛来し、南東に進んで北東に変針、対馬海峡東水道を通過して日本海に進出し、反転して同ルートを自国領に戻った。11月29日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から飛来し、対馬海峡東水道を通って日本海に進出、ほぼ同ルートで東シナ海に戻った。12月27日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から飛来し、対馬海峡を通過、朝鮮半島沖の日本海で変針して対馬海峡から東シナ海に戻った。

2020年1月20日、Tu-154情報収集機１機が大陸方面から済州島南方の東シナ海に入り南下、南西に変針して尖閣諸島北方に進出し、海上を周回して大陸方面に戻った。2月9日、空対艦ミサイルを吊した轟炸６型爆撃機４機がバシー海峡方面から２機編隊２組で飛来し、先島諸島南方を北東に進み、針路を北西に変えて宮古海峡を通過、東シナ海に入って北西に進み、日本から離れた。3月23日、中国空軍Y-8早期警戒機が尖閣諸島方面に飛来。3月25日、中国空軍Y-9情報収集機が朝鮮半島東岸方面から飛来し、対馬海峡を通って東シナ海に抜けた。6月22日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から飛来し、対馬海峡を通って日本海上空で変針、対馬海峡経由で東シナ海方面に戻った。6月28日、中国空軍轟炸６型爆撃機（長射程空対地ミサイルとみられる兵装を両主翼下に１発ずつ搭載）２機が東シナ海方面から飛来し、宮古海峡上空を通って竹富島南方に進出、東に変針して宮古海峡経由で東シナ海に戻った。9月25日、中国空軍Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を南東に抜け、南西に変針して与那国島南に達し、Ｕターンして同じ経路を辿り沖縄本島と宮古島の間を北西に抜け、東シナ海方面に戻った。12月22日、中国空軍轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から対馬海峡を抜けて日本海に進出、北東に飛行して竹島の北に至り、ロシア航空宇宙軍Tu-95爆撃機２機と合流して南東に向かい、竹島東で南西に変針、竹島と隠岐島の間を通り、対馬海峡を抜けて東シナ海に入った。五島列島西で別の中国空軍轟炸６型爆撃機２機と合流し、それまで編隊を組んでいた轟炸６型爆撃機２機は西に変針して中国に戻り、Tu-95爆撃機２機と轟炸６型爆撃機２機の編隊は南南西に飛行して宮古海峡を通峡、太平洋に抜けるとＵターンし、元の経路を辿って轟炸６型爆撃機は五島列島西で中国に戻り、Tu-95爆撃機は対馬海峡を抜け、竹島と隠岐島の間を通過後に北西に変針、ロシアに戻った。飛行コースが韓国の防空識別圏にも掛かっており、韓国空軍がスクランブル発進している。ロシア国防省は中露による共同パトロールで、Su-35戦闘機とA-50早期警戒管制機が支援したと発表した。

2021年3月29日、中国海軍Y-9情報収集機１機とY-9哨戒機１機が東シナ海に飛来し、沖縄本島と宮古島の間の海域を南東に抜けて太平洋に達し、Y-9哨戒機はそこで周回飛行を行い、Y-9情報収集機は南西に変針した後で与那国島に向かい北上、Ｕターンして同じコースを辿り、東シナ海に戻った。4月4日、中国海軍Y-9哨戒機１機が東シナ海に飛来し、沖縄本島と宮古島の間の海域を南東に抜けて太平洋に達し、周回飛行を行ってＵターン、もう１度周回飛行して沖縄本島と宮古島の間の海域を北西に通過、東シナ海に戻っていった。4月27日午前、遼寧級空母16遼寧から発艦したZ-18早期警戒ヘリ１機が尖閣諸島大正島領空北東50-100kmを飛行した。4月30日、Y-9情報収集機１機とY-9哨戒機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を南東に抜け太平洋に進出、すぐ南西に変針し、Y-9哨戒機は宮古島の南で周回飛行を行い、Y-9情報収集機は与那国島南で北に変針した後にＵターン、それぞれ元来たコースを辿って沖縄本島と宮古島の間を北西に抜け、東シナ海に戻った。8月24日午前、TB-001偵察・攻撃無人機（推定）１機が上海市南東沖に飛来し、ジグザグ飛行で東シナ海を南下、尖閣諸島北で北西に変針して中国に戻った。8月25日、Y-9情報収集機１機、Y-9哨戒機１機、BZK-005無人偵察機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を南東に抜け太平洋に進出、Y-9情報収集機とY-9哨戒機は周回飛行を行い、その後北西に変針して元のコースを東シナ海に戻った。R08クイーン・エリザベス空母打撃群などによる日英米蘭共同訓練を偵察しに来たとみられる。8月26日、Y-9情報収集機１機、Y-9哨戒機１機、TB-001偵察・攻撃無人機（推定）１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を南東に抜け太平洋に進出、周回飛行を行い、北西に変針して元のコースを東シナ海に戻った。R08クイーン・エリザベス空母打撃群などによる日英米蘭共同訓練を偵察しに来たとみられる。10月21日0400頃、共同訓練を終えて日本列島を周回中の中露海軍艦艇が、小笠原諸島須美寿島南西50-100kmで054A級フリゲート１隻からKa-28ヘリ、ステレグシュチイ級フリゲート１隻からKa-27ヘリを発着艦させた。10月23日1000頃には長崎県男女群島南南東130kmで055型ミサイル駆逐艦101南昌からZ-9ヘリを発着艦させている。10月31日、中国海軍Y-9情報収集機１機とY-9哨戒機２機が東シナ海から南東に進み、沖縄本島と宮古島の間を通って南南西に変針し太平洋に進出、宮古島南方で周回飛行し、元のルートを辿って東シナ海に戻った。11月1日、中国海軍Y-9哨戒機２機が東シナ海から南東に進み、沖縄本島と宮古島の間を通って南南西に変針し太平洋に進出、宮古島南方で周回飛行し、元のルートを辿って東シナ海に戻った。11月19日、轟炸６型爆撃機２機がロシア軍Tu-95爆撃機２機と共に竹島北方から南東に飛来し、隠岐島北で南西に変針、対馬海峡を通り東シナ海に出た後、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に進出、Ｕターンして東シナ海に戻り、轟炸６型爆撃機は中国本土に向かい、Tu-95爆撃機は対馬海峡を通って日本海に抜け、元のルートでロシアへと戻った。11月24日、Y-9情報収集機１機とY-9哨戒機１機が東シナ海から南東に飛来し、沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に進出、沖縄本島南南東で周回し、元のルートを戻った。11月25日、Y-9情報収集機１機とY-9哨戒機１機が東シナ海から南東に飛来し、沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に進出、沖縄本島南南東で周回し、元のルートを戻った。12月19日0800頃に北大東島東300kmを航行していた遼寧級空母16遼寧が、2100頃までに殲撃15戦闘機やZ-18ヘリを発着艦させた。12月20日0800頃に沖大東島南東315kmを航行していた遼寧級空母16遼寧が、1900頃までに殲撃15戦闘機やZ-18ヘリを発着艦させた。

2022年2月15日、Y-9情報収集機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を南東に抜け、沖縄本島南方の太平洋で周回飛行を行い、沖縄本島と宮古島の間を北西に抜けて東シナ海に戻った。2月16日、Y-9情報収集機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を南東に抜け、沖縄本島南方の太平洋で周回飛行（前日より大回り）を行い、沖縄本島と宮古島の間を北西に抜けて東シナ海に戻った。2月28日午前から午後にかけ、Y-9哨戒機１機が東シナ海で周回飛行した後、沖縄本島と宮古島の間を南東に抜け、沖縄本島南方の太平洋で周回飛行を行い、反転して沖縄本島と宮古島の間を北西に抜け、東シナ海に戻った。3月16日午後、BZK-007無人偵察機１機が沖縄西方の東シナ海上空を周回した。4月7日、Y-9電子戦機（空自スクランブル発進で初確認）１機が与那国島南方の太平洋を東に飛行し、宮古島南方でＵターンして元のルートを台湾方面に去った。5月24日、轟炸６型爆撃機２機が五島列島西の東シナ海から対馬海峡を抜けて竹島の西側から竹島北方に達し、ロシア軍Tu-95爆撃機２機と合流して南に転じ竹島と隠岐島の間を抜け、対馬海峡を通って東シナ海に入り、沖縄西方で別の轟炸６型爆撃機２機と交代、沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に達し、Ｕターンして元のルートを辿り、五島列島西でTu-95爆撃機と分かれ中国に戻った。ロシア空軍が中国空軍との合同偵察飛行であると発表している。6月23日午後、轟炸６型爆撃機３機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に抜け、太平洋上で旋回した後、元のルートを戻った。6月24日午前、Y-9情報収集機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に入り、旋回して元のルートを戻った。7月25日、TB-001無人機１機が東シナ海方面から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に抜け、西に変針して先島諸島南で旋回を行い、バシー海峡方面に向かった。8月4日、BZK-005無人機１機とTB-001無人機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に抜け、南西に変針して先島諸島南で旋回し、元のルートを戻って東シナ海に向かった。また無人機と推定される１機が東シナ海から南に飛来し、台湾北東沖の公海上で旋回、元のルートを戻った。8月30日午後、TB-001無人機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に抜け、先島諸島南の太平洋上で旋回し、元のルートを戻った。11月10日、無人機と推定される１機が東シナ海に飛来した。11月14日午前から午後にかけ、BZK-005無人機１機、Y-9JB情報収集機１機、Y-8Q哨戒機１機が東シナ海方面から沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に入り、沖縄本島東の太平洋上で反転、元のルートを戻った。キーン・ソード23を偵察しにきたとみられる。11月30日午前、轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から対馬海峡を通って日本海に進出し、北北西に進んで竹島西を通過し大陸方面へと北上した。同時刻にロシア機と推定される２機が日本海を南に進み、竹島北で旋回飛行を行った後、北上して大陸方面に向かっている。午後、轟炸６型爆撃機２機がロシア軍Tu-95爆撃機２機と共に竹島北から飛来し、竹島南東で南西に変針して対馬海峡を通過、五島列島沖で中国軍戦闘機と推定される２機と合流した。その後戦闘機と推定される２機は済州島南西で離れ、轟炸６型爆撃機とTu-95爆撃機は南南西に飛行し、沖縄北西で殲撃16型戦闘機と推定される２機と合流、南東に変針して沖縄本島と宮古島の間を通り太平洋に進出し、Ｕターンして東シナ海に戻り、北西に進んで中国方面に向かっている。同日、嘉手納基地からはAIM-9X/-120空対空ミサイル実弾とスナイパー目標指示ポッドを搭載した第18航空団F-15C戦闘機や、第525戦闘飛行隊F-22A戦闘機（レーダー・リフレクター付き。ウェポンベイ内兵装は不明）が離陸した。12月17日以降、空母16遼寧が沖縄周辺の太平洋で艦上機や艦載ヘリを発着艦させたため、スクランブル発進で対応した。12月19日午後、轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に入り、沖大東島南東で反転、元のルートを戻った。

2023年1月1日、WZ-7無人偵察機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に入り、先島諸島南の太平洋上で反転、元のルートを戻った。1月2日、WZ-7無人偵察機１機が前日と同じルートで飛行した。1月19日午後、BZK-005無人偵察機１機が東シナ海方面から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に入り、沖縄本島南で反転、元のルートを戻った。1月20日午前、Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋上で旋回、反転して元のルートを戻った。4月7-24日、002型空母17山東から艦上戦闘機と艦載ヘリが計620回発着艦したため、空自がスクランブル発進するなどの対応を行った。4月21日、轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋上を南東に進み、Ｕターンして東シナ海に戻った。4月22日、轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋上を南東に進み、Ｕターンして東シナ海に戻った。4月27日午後、中国のものと推定される無人機１機が太平洋から飛来し、与那国島と台湾の間を通って東シナ海に抜けた。5月2日、中国のものと推定される無人機１機が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾の間を通って太平洋に抜け、台湾東の太平洋上を飛行、バシー海峡方面に向かった。5月15日、BZK-005無人偵察機１機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間の方向へ飛行、東シナ海上で反転して戻った。6月6日、轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から日本海に入り、ロシアTu-95爆撃機２機と合流して東シナ海に向かい、東シナ海で中国のものと推定される戦闘機２機と合流、共同飛行を行った。6月7日、轟炸６型爆撃機２機がTu-95爆撃機２機と共に中国方面から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に進出、Ｕターンして同じルートを東シナ海に戻り、轟炸６型爆撃機２機は中国方面に向かい、Tu-95爆撃機２機は対馬海峡から日本海に入った。この際、東シナ海で中国の戦闘機と推定される延べ15機が合流している。6月8日、Y-9情報収集機１機（これまで確認されていたものとは異なる新型）が太平洋上空を飛行した。6月29日午後、草垣群島南40kmでZ-9ヘリが飛行し、052D級ミサイル駆逐艦133包頭に着艦した。8月25日、轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に抜け、Ｕターンして東シナ海に戻った。BZK-005無人偵察機１機と、中国のものと推定される無人機１機が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾の間を通って太平洋に出た後、台湾東の太平洋上を飛行、反転して元のルートを辿り、東シナ海に戻った。8月28日、BZK-005無人偵察機１機が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾の間を通って太平洋に出た後、先島諸島南で旋回し、バシー海峡方面に向かった。10月26日、中国のものと推定される無人機１機が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾の間を通って太平洋に抜け、先島諸島南西の太平洋上で旋回した後、バシー海峡方面に向かった。10月27日、Y-9情報収集機１機が東シナ海方面から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に抜け、Ｕターンして東シナ海に戻った。12月14日、轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から対馬海峡に向かい、その間Y-8電子戦機と推定中国戦闘機２機が合流した。その後轟炸６型爆撃機２機は日本海に進出し、ロシア軍Tu-95爆撃機２機と合流、東シナ海にかけて長距離共同飛行を実施。日本海を共同飛行中に推定ロシア軍戦闘機２機が、東シナ海を共同飛行中に中国軍殲撃16型戦闘機２機と推定中国戦闘機３機が合流した。

参考：月刊軍事研究11,’16、4,’10、8,’10、11,’10、9,’11、10,’12、8,’13、8,’14、10,’14、12,’14、4,’16、8,’16、4,’18、月刊世界の艦船6,’17、7,’18、4,’10、12,’10、1,’11、4,’11、5,’11、9,’11、10,’11、11,’11、12,’11、2,’12、5,’12、9,’12、10,’12、12,’12、1,’13、2,’13、4,’13、5,’13、7,’13、8,’13、9,’13、10,’13、11,’13、12,’13、2,’14、6,’14、7,’14、12,’14、1,’15、3,’15、4,’15、5,’15、9,’15、12,'15、2,'16、3,'16、4,'16、7,'16、8,’16、9,’16、10,’16、1,’17、2,’17、3,’17、4,’17、5,’17、8,’17、10,’17、11,’17、12,’17、2,’18、3,’18、4,’18、6,’18、11,’18、12,’18、1,’19、2,’19、7,’19、6,'21、7,'21、11,'21、1,'22、2,'22、3,'22、5,'22、6,'22、8,'22、9,'22、10,'22、11,'22、2,'23、3,'23、月刊丸12,’10、月刊航空ファン5,’11、3,’13、8,’15、2,'16、4,'16、7,'16、9,’16、11,’16、12,’16、2,’17、3,’17、5,’17、10,’17、11,’17、2,’18、3,’18、5,’18、6,’18、7,’18、10,’18、6,’19、月刊JWings3,’13、4,’13、5,’13、10,’13、11,’13、12,’13、1,’14、2,’14、3,’14、5,’14、6,’14、8,’14、12,’14、2,’15、10,’15、8,’16、9,’16、11,’16、1,’17、5,’17、10,’17、2,’18、4,’18、5,’18、7,’18、8,’18、11,’18、1,’19、2,’19、4,’19、5,’19、6,’19、8,’19、9,’19、10,’19、2,’20、3,’20、4,’20、6,’20、9,'20、12,'20、3,'21、6,'21、2,'23、3,'23、4,'23、6,'23、7,'23、8,’23、9,'23、11,'23、1,'24、2,'24、MAMOR vol.89、朝雲

　＜スクランブル発進（対ロシア）＞：2008年2月9日、Tu-95が伊豆諸島南部で日本の領空を侵犯。3月21日、Tu-142哨戒機が沖縄方面を飛行。10月8日、ロシア空軍Su-27戦闘機２機とTu-22M3爆撃機２機が日本海上空を飛行した。

2009年3月3日、Tu-142哨戒機２機が北方領土から太平洋を南下し、伊豆諸島南部から沖縄方面を周回した。3月17日、Tu-95爆撃機２機とIl-20電子偵察機１機が北海道から山陰まで日本海側に沿って南下し、朝鮮半島に接近して米韓合同演習を偵察した後、沿海州方面に去った。3月20日、Il-20電子偵察機１機が北海道から山陰沖までの日本海上空を飛行した。4月23日、Tu-142哨戒機２機が北海道から能登半島沖までの日本海上空を飛行。9月4日、Tu-142哨戒機２機が北方領土−三陸沖−房総半島の東京急行コースで飛行した。9月16日、Il-20電子偵察機１機とIl-38哨戒機２機が北海道から山陰沖の日本海を南下。9月18日、Il-20電子偵察機１機とIl-38哨戒機２機が北海道から山陰沖の日本海を南下。10月16日、Tu-142哨戒機２機が北海道の日本海側から対馬海峡上空を通過（2002年以来７年振り）する長距離飛行を行った。10月21日、Tu-95爆撃機２機が北方領土から日本の太平洋側を南下し、薩南諸島東方沖でＵターンしてサハリンに戻った。11月11日、Tu-95爆撃機２機が北方領土から道東を経て沖縄と宮古列島との間まで南下し、Ｕターンして太平洋側からサハリンに戻った。12月22日、Il-20電子偵察機１機が北海道から山陰沖まで日本海側を南下し、北北西に変針してロシアに戻った。

2010年1月28日、Tu-95MS爆撃機２機が太平洋上を日本列島沿いに南下し、伊豆諸島を横切って南西諸島に向かい、尖閣諸島付近まで進出して戻った。この際、Tu-95爆撃機としては初めて台湾と与那国島の間を通過している。1月29日、Il-20M電子情報収集機１機が日本海を日本列島沿いに飛行。J/FPS-3改やJ/FPS-5の電子情報を収集したとみられる。3月17日、Tu-95爆撃機２機が朝鮮半島から山陰沖に向かい、北東に転じて北海道まで進み、反転して男鹿半島沖で西に転じ、朝鮮半島沿いに南下して対馬の北東沖に達し、再び北海道まで進んでハバロフスク州に抜けた。Il-20電子偵察機１機がハバロフスク州から北海道に進み、山陰沖まで南下、北西に転じてロシアに戻った。4月15日、Tu-95爆撃機２機が北海道東から本州太平洋側を通過し、伊豆諸島付近に達するコースを往復した。4月16日、Il-20電子偵察機１機がウラジオストク方面から日本海を東進、山陰沖で北に転じ、北海道沖からロシアに帰った。5月12日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島沖を南下して日本の防空識別圏に侵入、東に転じて隠岐島と竹島の間を通り、日本列島に沿って飛行した後、稚内沖から北方領土を抜けて太平洋に入り、茨城県沖でＵターンして北方領土から稚内沖を抜け、ハバロフスク州に飛び去った。6月10日、Tu-160爆撃機２機（６号機イリヤ・ムロウメツと16号機アレクセイ・プロホフ）が北方領土南方から北海道方面に向かい、宗谷海峡方面に抜けた。両機は軍事演習の一環として6月9日11時にボルガ河畔のエンゲリス基地を離陸、北極海を経由して空中給油を２回行い、23時間18000kmほど行動して帰投したとみられる。6月24日、Tu-95爆撃機２機が北海道東岸から宮城県沖を飛行。7月3日、Il-38対潜哨戒機２機が北海道東北沿岸部を飛行。7月4-5日、Tu-95爆撃機２機が日本周辺を飛行。7月7日、Il-20電子偵察機１機が日本海周辺を飛行。7月16日、Il-20電子偵察機１機が北海道沖から能登半島沖まで日本海を飛行した。7月23日、Il-20電子偵察機１機が山陰見島沖を対馬に向け飛行した。7月28日、Il-38対潜哨戒機２機がウラジオストクから山陰沖に向かい、隠岐島と竹島の間を南西に飛行して竹島沖でＵターンし、日本海側を北上して積丹半島沖から西に変針、ウラジオストクに戻った。7月29日、Il-38対潜哨戒機１機がウラジオストクから秋田沖に向かい、南下して能登半島沖で北西に針路を変え、ロシアに戻った。8月5日、Tu-95爆撃機２機が朝鮮半島沖から対馬沖に南下し、日本列島を日本海側沿いに北上、宗谷海峡と国後水道を通って太平洋側に抜け、房総半島沖まで南下してＵターン、国後水道と宗谷海峡を通過してロシアに戻った。9月16日、Tu-95爆撃機２機がハバロフスクから宗谷海峡を通ってオホーツク海を抜け、国後水道から太平洋側に進出、百里沖でＵターンして日本海側まで戻り、日本列島に沿って南下し隠岐島と竹島の間を通過、北東に変針してロシアに戻った。10月5日、Tu-95爆撃機２機が朝鮮半島沖の日本海を南下し、見島沖から隠岐島と竹島の間を通り日本列島沿いに北上、宗谷海峡からオホーツク海に入り、国後水道を抜けて太平洋に抜け、三沢沖を周回して国後水道に戻り、宗谷海峡からハバロフスク方面に戻った。Il-20電子偵察機１機がハバロフスク方面から北海道の日本海側に進み、日本列島沿いに山陰まで南下してロシアに戻った。10月6日、Il-20電子偵察機１機がハバロフスクから宗谷海峡と国後水道を通って太平洋側に抜け、松島沖を周回して同ルートをハバロフスクに戻った。11月12日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島東岸沖を南下して対馬海峡を抜け、沖縄まで南下したところで北に切り返し、日本を反時計回りに周回して宗谷海峡を通過、沿海州に去った。12月6日、キーン・ソード2011の訓練空域にIl-38対潜哨戒機２機が出現し、空域中央を含む飛行コースをとってロシアへと戻った。航空自衛隊F-15戦闘機とアメリカ空軍F-16戦闘機による空戦訓練や、DDG-175みょうこうとCG-67シャイローによる弾道ミサイル対処訓練を行っている最中であり、Il-38対潜哨戒機は電波情報収集にあたっていたとみられる。12月8日、Il-20電子偵察機１機が北海道の北西から本州沿いに日本海を南下し、若狭湾沖で北西にコースを変えて沿海州に向かった。12月14日、Tu-95MS爆撃機２機が千島列島に沿って南下し、北海道沖の太平洋沖から伊豆諸島沖を回って根室沖に戻り、国後水道からハバロフスクに抜けた。12月15日、Il-20電子偵察機１機がハバロフスクから北海道日本海側に向かい、能登半島沖まで南下した後、北西に去った。

2011年2月2日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク州方面から飛来し、北海道沖の日本海を南下して山陰沖に達し、北西に針路を変えて自国に戻った。2月16日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島東部を南下し、日本列島の日本海側を北上し、北海道を四分の三周して太平洋側でＵターンし、ハバロフスクに去った。2月21日、ハバロフスク方面からIl-20M電子偵察機が飛来、北海道沖から福井沖まで日本海を南下し、北北西に去った。3月9日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から北海道沖の日本海側を南下、山陰沖を対馬に向け直進し、海栗島レーダーサイトの北東90kmで反転して隠岐の島と竹島の間を抜け、ウラジオストクに去った。3月21日、Su-27UB戦闘機１機とAn-12電子戦機（An-12BK-PPS。An-12RR？）１機が集塵ポッドを装着して日本海側から領空の手前60kmまで接近。3月29日、Il-20M電子偵察機１機がウラジオストク方面から山陰沖に飛来、隠岐島と竹島の間を抜けて南西に向かい、海栗島レーダーサイトの北東50kmで反転、日本海沿岸を稚内沖まで北上し、北西に去った。5月26日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスクから北海道沖に達して日本海側を南下、山陰沖に達して北西に去った。6月1日、Il-20電子偵察機がハバロフスクから北海道沖の日本海を南下、山陰沖に達して北西に抜けた。7月8日、Tu-95MS爆撃機２機が竹島付近から舞鶴沖に進出、日本海沿いに北海道まで北上し、宗谷海峡から国後水道を抜けて太平洋に出た後、宮城県沖で反転し、国後水道から宗谷海峡を抜けてハバロフスクに去った。8月12日、Il-20M電子偵察機１機がウラジオストク方面から小松沖に飛来。礼文島沖まで領空に沿って北上した。8月24日、Tu-22M爆撃機２機が礼文島沖から日本海側を能登半島沖まで南下し、ウラジオストク方面に去った。8月25日、Tu-22M爆撃機２機がハバロフスク方面から宗谷海峡と北方領土上空を横切り、岩手県沖でＵターンしてハバロフスク方面に戻った。8月29日、Tu-22M爆撃機２機が礼文島沖から日本海側を能登半島沖まで南下し、ウラジオストク方面に去った。8月30日、Tu-22M爆撃機２機がハバロフスク方面から宗谷海峡と北方領土上空を横切り、岩手県沖でＵターンしてハバロフスク方面に戻った。9月8日、Tu-95MS爆撃機２機がウラジオストク方面から対馬海峡を南下、沖縄の南を回って太平洋に入り、北海道まで北上した後北方領土を横切ってオホーツク海でIl-78空中給油機２機から空中給油を受け、宗谷海峡を横断して日本海側を南下、竹島を一周して北上し、択捉島沖で反転して沿海州方面に去った。日本を周回する飛行コースであり、9月9日に日本政府はロシアに対して懸念を表明した。9月21日、Il-20M電子偵察機が沿海州方面から北海道沖の日本海に接近、能登半島沖まで南下した。10月31日、Il-20M電子偵察機が北海道沖から能登半島沖にかけての日本海上空を南下した。11月2日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島東側から日本海を南下し、壱岐・対馬間の東水道から五島列島沖を経て東シナ海に抜け、済州島沖に達し、同ルートを逆戻りして自国領に入った。11月16日、Il-20M電子偵察機が北海道沖から舞鶴沖にかけての日本海上空を南下した。11月29日、Il-20M電子偵察機が竹島から礼文島沖にかけての日本海上空を北上した。12月15日、Il-20M電子偵察機が北海道沖から能登半島沖にかけての日本海上空を南下した。12月27日、Il-20M電子偵察機が北海道沖から能登半島沖にかけての日本海上空を南下し、山陰沖で北西に針路を変えてロシアに戻った。

2012年1月31日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から飛来し、北海道沖から能登半島沖までの日本海を南下して北西に去った。2月6日、Il-20M電子偵察機１機が沿海州から飛来し、日本海を北海道沖から能登半島まで南下して北西に去った。2月8日0900頃、A-50M早期警戒管制機１機とTu-95MS爆撃機２機が沿海州方面から山陰沖に飛来。自衛隊機が初めてA-50早期警戒管制機を目視確認した。A-50M早期警戒管制機は1800頃まで竹島北東海域を周回し、Tu-95MS爆撃機は竹島と隠岐島の間を東に進んで北陸から北海道にかけての日本海沿岸を進み、宗谷海峡と国後水道を抜けて太平洋に進出、房総半島沖から三宅島沖に達して反転し、国後水道と宗谷海峡を通って秋田沖に戻り北上、2100頃に礼文島付近から沿海州へと戻っている。また、正午を挟んで数時間に亘りSu-24MR偵察機２機が沿海州から飛来し、１機は能登半島から奥尻島沖まで飛行、もう１機は奥尻島沖から礼文島沖まで飛行して沿海州方面に戻った。2月29日、Il-20M電子偵察機１機が沿海州方面から飛来し、北海道沖から能登半島沖までの日本海を南下した。3月22日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が山陰沖に飛来し、竹島と隠岐島の間を抜けて見島沖に進み、鬱陵島付近を周回、東に転じて舞鶴沖から能登半島に沿って北上し、ウラジオストク方面に去った。3月27日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がサハリン方面から択捉島上空を抜けて太平洋に達し、根室沖から南下、鳥島の北を抜けて南西に向かい、四国の南で反転して逆のルートを辿り、サハリン方面に戻った。3月29日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が山陰沖に飛来した。4月6日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が佐渡島沖の日本海に進出、隠岐島で反転して秋田沖からウラジオストクに戻った。4月10日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が竹島沖の日本海に進出、佐渡島沖から能登半島沖に戻り、奥尻島沖まで北上してウラジオストクに戻った。4月12日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機が沿海州方面から尖閣諸島沖まで南下し、山陰沖に戻って沿海州方面に抜けた。4月16日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島東岸沿いに南下し、日本海を北上して利尻島沖からハバロフスク州に戻った。6月14日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機が竹島付近に飛来し、奥尻島沖まで北上した。7月23日、Il-20M電子偵察機１機が舞鶴沖に飛来し、日本海沿いに北上、ハバロフスク方面に戻った。8月23日、Tu-95MS爆撃機２機が隠岐島から飛来し、日本海沿岸沿いに北海道まで飛び、また南に戻った。9月20・22・24日、Il-20M電子偵察機１機ずつが沿海州方面から竹島と隠岐島の間を通って山口県沖に達し、Ｕターンして日本海沿岸沿いに北上、カムチャッカ方面に抜けた。10月26日、Il-20M電子偵察機がハバロフスクから北海道沖に飛来し、日本海側を山陰沖まで南下、見島沖で周回して隠岐島と竹島の間を抜け、北北西に針路をとってウラジオストクに戻った。11月2日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスクから北海道沖に飛来し、日本海側を山陰沖まで南下、見島沖で周回して隠岐島と竹島の間を抜け、北北西に針路をとってウラジオストクに戻った。11月14日、Il-20M電子偵察機１機が北海道北西から日本海側を南下し、ウラジオストク方面に抜けた。11月15日、Il-20M電子偵察機１機が宗谷海峡上空から北方領土上空を通過し、北緯40度あたりまで南下して同一ルートを戻った。12月17日、Tu-214R電子偵察機１機が北海道沖の日本海を南下し、竹島付近の山陰沖からロシアに向かった。空自スクランブル機がTu-214R電子偵察機を確認したのは初めてである。12月18日、Tu-214R電子偵察機１機がハバロフスクから奥尻沖を回り、サハリン南端と国後水道を経て太平洋に進出、伊豆諸島沖まで南下して同じルートを逆に辿り、ロシアに戻った。12月27日、Il-20M電子偵察機がハバロフスクから飛来し、北海道沖から舞鶴沖の日本海を飛行し、山陰沖から北西に変針してロシアに戻った。

2013年2月7日（北方領土の日）14時59分29秒から15時00分40秒まで、Su-27SM戦闘機２機が北海道利尻島南西沖の領空を侵犯した。三沢基地所属F-2戦闘機４機がスクランブル発進して通告と警告を行っている。2月9日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が日本海に飛来。3月15日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島東側から南下して対馬海峡を通過、朝鮮半島西側に抜けた後、再び南下して日本を一周し、山陰沖を北上してロシアに戻った。3月22日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がウラジオストク方面から日本海を南下し、竹島と隠岐島の間を通って対馬海峡を抜け、五島列島沿いに東シナ海に進出、逆のルートで戻った。4月27日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がハバロフスク方面から北海道沖に飛来し、日本海を南下して対馬沖を周回、逆ルートで北海道沖からハバロフスクに戻った。5月16日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機がウラジオストク方面から秋田沖に飛来し、日本海を南下、隠岐島沖で北北西に針路を変えてロシアに戻った。5月31日、Il-20M電子偵察機がハバロフスク方面から北海道沖の日本海に飛来し、山陰沖まで南下、北西に変針してロシアに戻った。7月4日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が竹島から秋田沖にかけての日本海を飛行。7月12日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から北海道沖の日本海に飛来し、奥尻島沖まで南下して日本を離れた。7月14日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から北海道に飛来し、国後水道を抜けて太平洋に進出、根室沖と襟裳岬沖を通過し、逆のルートでロシアに戻った。7月15日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島東部から見島分屯基地沖に飛来し、利尻島沖まで日本海を北上、ハバロフスクに抜けた。Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から宗谷海峡と国後水道を通って太平洋に進出、根室沖と襟裳岬沖を通過して逆のルートを辿り、サハリン沖から奥尻島沖まで南下、Ｕターンして利尻島沖からハバロフスクに戻った。8月22日12時9分31秒から12時11分10秒まで、Tu-95爆撃機２機が福岡県沖ノ島北西の領海上空を侵犯した。8月25日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が秋田沖から佐渡沖にかけての日本海を飛行。10月3日、ロシア海軍Il-38対潜哨戒機２機が竹島付近に飛来、秋田沖まで日本海を北上し、ウラジオストク方面に戻った。10月9日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機とロシア空軍Il-20M電子偵察機１機がウラジオストク方面から南下。10月12日、Il-20Mアングラマ電子偵察機１機がウラジオストク方面から山陰沖に飛来、対馬沖でＵターンしてウラジオストク方面に戻った。10月21日、Tu-95MS爆撃機２機が北方領土沖から日本海側に進み、隠岐島と竹島の間を周回、朝鮮半島に抜けた。10月28日、Il-20Mアングラマ電子偵察機１機がウラジオストクから山陰沖に飛来し、竹島と隠岐島の間を抜けて対馬沖に到達、Ｕターンして戻った。11月1日、Il-20Mアングラマ電子偵察機１機がウラジオストクから山陰沖に飛来し、竹島と隠岐島の間を抜けて対馬沖に到達、Ｕターンして戻った。11月16日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がサハリンから国後水道を抜け太平洋上を伊豆諸島沖経由で沖縄本島まで飛行、Ｕターンして小笠原諸島沖を通りサハリン方面に戻った。11月17日、Tu-95MS爆撃機２機が太平洋上を飛行して伊豆諸島沖から沖縄本島の南東100kmに進出、Ｕターンしてサハリン方面に戻った。12月5日、Tu-95MS爆撃機２機が太平洋側から国後水道を抜けオホーツク海に進出、宗谷海峡を抜け日本海側に出た後、秋田沖と舞鶴沖でループを描き、隠岐島北東で北北西に針路を変えてロシアに戻った。12月19日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機が沿海州方面から飛来し、北海道から沖縄まで日本列島を反時計回りに周回した。

2014年1月28日、Tu-95MS爆撃機２機が北太平洋方面から飛来し、国後水道上空を通過して宗谷海峡で南に向かい、日本海を南下、山陰沖に達し、竹島と隠岐島の間で周回飛行を行い、北に向かった。2月13日、Il-20M電子偵察機がハバロフスク州方面から北海道沖の日本海に飛来し、舞鶴沖まで南下して北西に転じ、ウラジオストク方面に戻った。2月24日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島から山陰沖に飛来、北海道西方沖でＵターンして対馬東水道を抜け、東シナ海に入った。A-50U早期警戒管制機１機が沿海州から秋田沖を周回した。2月26日、Il-20M電子偵察機１機が山陰沖から北海道西方沖へと北上。2月28日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面からオホーツク海と国後水道を抜け、太平洋を宮城県沖まで南下し、同じルートでハバロフスク方面に戻った。3月12日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から北海道沖に飛来し、山陰沖まで南下して針路を北西に変更、ロシアに戻った。3月26日、Il-20M電子偵察機１機が山陰沖に飛来。3月27日、Il-20M電子偵察機１機が山口県沖を周回。3月29日、Il-20M電子偵察機１機が山口県沖を周回。3月31日、ロシア海軍Il-38哨戒機２機が日本海に飛来。4月2日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がウラジオストク方面から山陰沖に飛来し、竹島と隠岐島の間を抜けて円を描き、北海道沖まで北上、ロシアに戻った。4月4日、Il-20M電子偵察機１機が山陰沖に飛来し、竹島と隠岐島の間を抜け、山口県見島沖で楕円を描き、同じルートでロシアに戻った。4月5日、ロシア海軍Il-38哨戒機２機がウラジオストク方面から山陰沖に飛来し、竹島と隠岐島の間を抜けて円を描き、北海道沖まで北上、奥尻島沖で楕円を描き、ウラジオストク方面に戻った。4月6日、Il-20M電子偵察機１機が山陰沖に飛来し、竹島と隠岐島の間を抜け、山口県見島沖で楕円を描き、同じルートでロシアに戻った。4月7日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機が飛来。4月10日、Il-20M電子偵察機２機が日本海に飛来。4月11日、Il-20偵察機２機が日本海に飛来。4月13日、Il-20偵察機１機が日本海に飛来。4月14日、Il-20偵察機２機が東京急行ルートで飛行し、Tu-95爆撃機２機が日本を周回。4月15日、Tu-95MS爆撃機６機が日本列島を周回。4月16日、Il-20M電子偵察機２機が東京急行ルートで飛行。4月17日、Tu-95MS爆撃機４機が日本を周回し、Il-20M電子偵察機１機が東京急行ルートで飛行。4月18日、Tu-95MS爆撃機６機が日本を周回。4月19日、Il-20M電子偵察機２機が東京急行ルートで飛行。5月21日、ロシア海軍Il-38哨戒機２機がウラジオストク方面から日本海を南下、舞鶴沖でＵターンし、能登半島沖や佐渡島沖で楕円を描きつつ北海道礼文沖に達し、南西に針路を変更してウラジオストク方面に戻った。ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がハバロフスク方面から日本海を南下、対馬海峡東水道から五島列島沖の南シナ海に出て円を描き、同じルートでハバロフスクに戻った。8月21日、Tu-95MS爆撃機１機が朝鮮半島東側から南下して対馬海峡を西に飛行した。Tu-95MS爆撃機１機が沖縄から伊豆大島まで飛行し、更に北に向かった。10月6日、Su-24MR偵察機１機が北海道沖の日本海から能登半島沖に南下、北西に変針してロシア方面に戻った。12月16日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島東から南下し、対馬海峡から東シナ海に入り、沖縄本島と宮古島の間から太平洋に抜けた。

2015年2月5日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から北海道沖の日本海を南下し、山陰三島沖で反転、ハバロフスクに戻った。ロシア海軍Il-38哨戒機２機がウラジオストク方面から奥尻島沖に飛来し、宗谷海峡を通りオホーツク海から国後水道に達して反転、ウラジオストクに戻った。2月7日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から飛来し、宗谷海峡、国後水道を通り太平洋に抜け、三陸沖まで南下して反転、逆ルートでハバロフスクに戻った。3月20日、Tu-95MS爆撃機２機が朝鮮半島を南下して対馬海峡から黄海に向かい、東シナ海から太平洋に抜け、北上して国後水道からサハリンに戻った。3月26日、Il-20M電子偵察機がハバロフスク方面から北海道沖の日本海に飛来し、日本に沿って南下、舞鶴沖で北西に変針してロシアに戻った。4月2日、偵察ポッドを主翼下に搭載したSu-24MR偵察機１機がウラジオストク方面から北海道奥尻島沖に飛来し、能登半島沖まで南下して北北西に変針、ロシアに戻った。4月6日、Su-24偵察機が沿海州から日本に接近。7月3日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から宗谷海峡と国後水道を抜け三陸沖に到達、Ｕターンして逆ルートを通りハバロフスクに戻った。7月7日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から北海道沖に飛来し、日本海を南下、舞鶴沖からロシアに戻った。7月8日、Il-20M電子偵察機１機がハバロフスク方面から宗谷海峡、オホーツク海、国後水道を通り太平洋に進出、三陸沖まで南下し、反転して逆ルートでハバロフスク方面に戻った。9月15日、ロシア軍機が根室半島沖の日本領空を侵犯した。10月27日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がハバロフスク方面から奥尻島沖、秋田沖と南下し、能登半島沖で真円を描いた後に竹島沖へ進出、西に変針して去った。12月21日、Tu-95MS爆撃機２機とA-50M早期警戒管制機１機が沿海州方面から日本に接近し、A-50M早期警戒管制機は能登半島まで南下して北に変針、Tu-95MS爆撃機は日本海を北上して日本列島を時計回りに一周した。Tu-95MS爆撃機に対してスクランブル発進する空自機をA-50M早期警戒管制機で監視していたとみられる。

2016年1月26日、Tu-95MS爆撃機２機が沿海州方面から舞鶴方面に向かい、宮古水道、伊豆諸島、国後水道と日本列島を反時計回りに１周して沿海州方面に去った。2月6日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機が沿海州方面から山形県沖に飛来し、小さく周回した後、日本列島沿いに北上して礼文島沖からロシアに戻った。テポドン２号改発射を受けて日本海に展開した日米艦艇を偵察しにきたとみられる。6月27日、ロシア海軍Il-38N哨戒機２機がオホーツク海方面から国後島上空を通って北海道東の太平洋を南下、宮城沖でＵターンして同じコースを戻った。6月28日、ロシア海軍Il-38N哨戒機２機が千島列島南方から南西に飛行しつつ北海道東沖から宮城沖に達し、Ｕターンして同じコースを戻った。7月15日、Su-24攻撃機（Su-24MR偵察機？）１機が主翼下に偵察ポッドを装着してウラジオストク方面から奥尻島沖に飛来し、秋田沖と佐渡島沖を経て能登半島沖で北北西に変針、ロシア方面に戻った。8月19日、Tu-95MS爆撃機４機が沿海州方面から飛来、佐渡島沖から日本海を北上して宗谷海峡を抜け、国後水道を通過して太平洋を南下した。9月21日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機が沿海州方面から竹島沖に飛来し、日本海を北上、利尻島沖で円を描き、逆ルートで竹島沖から沿海州に戻った。11月3日、ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がサハリン方面から北海道沖のオホーツク海を経て北方領土上空を通過、太平洋方面に出て関東沖まで南下し、１機は福島沖、もう１機は銚子沖でＵターンして元のコースを辿り沿海州方面に戻った。

2017年1月24日、Tu-95MS爆撃機３機がサハリン方面から日本海を南西に進み、その後２機が朝鮮半島東岸に出現、対馬海峡を通過して沖縄本島と宮古島の間を抜け太平洋に進出し、日本列島沿いに北上して国後水道と宗谷海峡を通過、日本海に入って日本を一周し、ロシアに戻った。3月3日、Su-24MR偵察機１機が沿海州方面から日本海に飛来、能登半島付近まで南下して折り返し、沿海州方面に去った。4月11日、ロシア空軍Tu-95MS爆撃機２機が沿海州方面から北海道沖を南下し、男鹿半島沖に進出、能登半島沖まで周回飛行を行い、北上してロシアに戻った。ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がサハリン方面から国後水道を抜け、伊豆諸島三宅島沖まで往復する東京急行ルートで飛来。ロシア海軍Il-38哨戒機２機が能登半島沖に飛来し、奥尻島沖まで北上、西に向かいロシアに戻った。4月12日、ロシア空軍Tu-95MS爆撃機２機がサハリン方面から東京急行ルートで飛来。ロシア空軍Il-20M電子偵察機１機が沿海州方面から飛来し、北海道から山陰沖に達し、北に転じてロシアに戻った。4月14日、ロシア空軍Su-24MR偵察機１機が奥尻島沖に飛来し、能登半島沖まで南下、ロシアに戻った。Il-20M電子偵察機１機が隠岐島沖に飛来し、対馬沖で反転して利尻島沖まで北上、ロシアに戻った。ロシア海軍Il-38哨戒機２機が沿海州方面から能登半島沖に飛来し、礼文島沖まで北上、南西に折り返してロシアに戻った。ロシア海軍Tu-142MZ哨戒機２機がサハリン方面から国後海道を抜け伊豆諸島三宅島沖まで往復した。4月18日、ロシア海軍Il-38N哨戒機２機がサハリン方面から日本海に飛来し、奥尻島、男鹿半島、佐渡島、隠岐島沖へと南下、北に反転してウラジオストク方面に戻った。6月9日、Su-24偵察機１機が秋田沖の日本海に飛来し、南南西に変針して能登半島沖に達し、北西に変針してロシアに戻った。8月22日、日本海上空にロシア海軍Il-38哨戒機１機が飛来し、能登半島沖から礼文島沖まで北上した。8月23日、ロシア空軍Tu-95爆撃機２機が朝鮮半島東部から飛来し、対馬海峡（東水道）を抜けて東シナ海に入り、宮古海峡から太平洋に進出、北上して国後水道を通り、オホーツク海からサハリン上空を通過してロシアに戻った。10月3日、ロシア海軍Il-38N哨戒機１機が丹後半島沖から北海道西側にかけて飛行。ロシア空軍Su-24MR偵察機１機が偵察用とみられるポッドを主翼下に装着して沿海州方面から北海道奥尻沖から能登半島まで南下し、北に変針してロシアに戻った。10月5日、ロシア空軍Su-24MR偵察機１機が沿海州方面から南下し、能登半島沖で北に変針してロシアに戻った。この際、0822に千歳基地からスクランブル発進した第２航空団F-15戦闘機に積んでいたミサイル（AIM-7らしい）のウイング１枚が紛失しているのが帰投後の点検で確認されている。10月30日、ロシア空軍Tu-95MS爆撃機２機が能登半島沖に飛来し、日本列島に沿って北上、間宮海峡と択捉海峡を通って太平洋に抜け南下し、銚子沖で反転して元のルートを間宮海峡まで戻り、沿海州方面に去った。途中で日本海に展開していたCVN-76ロナルド・レーガンから140kmに接近したため、F/A-18E戦闘機が緊急発進している。

2018年1月6日、ロシア海軍Il-38哨戒機１機が能登半島方面から日本海を北上して北海道積丹半島沖に達した。1月19日、ロシア空軍Su-24偵察機１機が沿海州から飛来し、奥尻沖から能登半島へと南下、北に変針してウラジオストク方面に戻った。2月20日、ロシア空軍Tu-95爆撃機が国後水道から太平洋に出て沖縄県沖大東島まで南下し、沖縄本島東方沖で北東に変針、日本列島沿いに飛行して国後水道を抜けオホーツク海から樺太をかすめ日本海へと進み、南に変針して津軽半島西で自国領へと戻った。2月27日、ロシア空軍Su-24MR偵察機１機が沿海州方面から能登半島沖に飛来し、北に変針して日本海方面から自国方面に戻った。4月7日、ロシア空軍Su-24偵察機２機が沿海州方面から能登半島沖に飛来し、北に針路を変えて日本海方面に去った。4月13日、ロシア海軍Il-38哨戒機１機が沿海州方面から飛来し、ジグザグに飛びつつ日本海を南下、丹後半島と隠岐諸島の中間で北に変針し、ロシアに戻った。4月17日、ロシア海軍Tu-142哨戒機１機がウラジオストク方面から飛来し、日本海を南東に進んで佐渡島沖で南西に変針、能登半島沖を経て壱岐島沖に達した。5月11日、ロシア海軍Tu-142哨戒機２機（１機？）が沿海州方面から飛来し、日本海を能登半島沖まで南下、西に変針して隠岐島沖に達し、楕円を描いて飛行した。5月15日、ロシア海軍Il-38哨戒機１機が沿海州から日本海を南下、隠岐島沖までジグザグに飛行した。5月23日、Tu-142哨戒機１機がサハリン方面から日本海を南下し、礼文島沖の領空に3.7kmまで接近、積丹半島沖から奥尻島沖にかけて再度領空に接近し、津軽半島沖から能登半島沖を長径とする楕円形を描き、秋田沖から西に去った。7月13日、Tu-95爆撃機２機が韓国東方の日本海に飛来し、南西に進んで対馬東海道上空を通過、東シナ海から逆ルートで日本海に戻った。9月1日、Tu-142哨戒機２機が沿海州方面から飛来して日本海を南下、対馬南岸上空を通過して東シナ海に入り、沖縄本島南岸上空で東に変針、伊豆諸島から北に向かい、国後海峡上空を通過してサハリンに去った。Su-24偵察機１機が沿海州方面から飛来し、能登半島沖で北東に変針、秋田沖で北西に向かい、ロシアに去った。9月19日、Su-35戦闘機１機、Su-24偵察機１機、ロシア航空機１機（機種不明）が沿海州方面から日本海を南下し、能登半島沖で北東、男鹿半島沖で北西に変針して沿海州方面に戻った。Su-35戦闘機は初確認である。10月18日、ロシア海軍Il-38哨戒機２機が日本海を南下して能登半島沖で東に変針し、秋田沖で北に向かい、青森県西岸沖で西に針路を変えて沿海州に去った。11月8日、Il-38N哨戒機が竹島と隠岐島の間の日本海に飛来し、上対馬沖まで南西に進み、反転して奥尻島沖まで北上、北西に変針してロシアに戻った。12月19日、ロシア空軍Su-24偵察機１機が沿海州方面から南下し、能登半島北方で北に変針して沿海州方面に戻った。

2019年1月16日、沿海州方面と大和堆方面からロシア空軍Su-24戦術偵察機１機ずつが日本海を南下し、前者は北海道江刺沖で北西に変針、後者は能登半島沖で北に向かい男鹿半島沖で北西に変針して去った。1月17日、ロシア海軍Il-38哨戒機１機が大和堆方面から南下し、能登半島沖で旋回して北上、日本海方面に去った。2月15日、サハリン方面からロシア軍Tu-95爆撃機２機が飛来し、国後水道を通り日本列島沿いに高知沖まで南下、逆ルートで戻った。ロシア軍Tu-95爆撃機２機が竹島北方から飛来し、西南西に進んで能登半島西方沖で変針し日本列島沿いに北上、樺太方面に去った。Su-35戦闘機２機が竹島北方から飛来し、西南西に進み能登半島西方沖で北東に変針、能登半島北で北西に変針してロシア方面に去った。Su-35戦闘機２機が日本海方面から飛来し、佐渡島北方で北に変針して日本列島沿いに北上、知床手前でＵターンしてロシア方面に去った。3月27日、ロシア海軍Il-38哨戒機１機が東シナ海方面から島根県沖の日本海に飛来し、竹島と隠岐島の間を通り日本列島沿いに北上、男鹿半島沖で西に変針し、渡島半島沖で東に変針して日本海を北上、積丹半島沖で西に変針して沿海州方面に去った。4月5日、ロシア海軍Il-38哨戒機１機が山陰沖から飛来、竹島と隠岐島の間を南西に抜けて対馬と隠岐島の間の海域を２周し、北東に変針して竹島と隠岐島の間を北東に抜け隠岐島東沖で北に変針して日本から離れた。5月3日、ロシア海軍Tu-142哨戒機２機が東シナ海方面から飛来し、壱岐水道を抜けて日本海に入り、沿海州方面に去った。6月20日、ロシア空軍Tu-95爆撃機２機が領空を２回侵犯した。7月23日、ロシア空軍Tu-95爆撃機２機が日本海方面から飛来。A-50早期警戒管制機１機が竹島周辺の領空を侵犯。8月8日、Tu-142哨戒機２機がウラジオストク方面から日本海に飛来し、南西に進路を変えて竹島と隠岐島の間を通過、対馬海峡東水道も抜けて東シナ海に達し、逆ルートでロシア方面に戻った。10月22日、Tu-95爆撃機２機が竹島沖の日本海に飛来し、南西に進んで対馬海峡東水道を抜け東シナ海に進出、逆ルートでロシア方面に戻った。11月27日午前から午後、Tu-95MS爆撃機２機が竹島北方の日本海に飛来し、対馬海峡東水道を抜けて東シナ海に進出、沖縄本島北方で北東に変針し、対馬海峡東水道と竹島・隠岐島間を通り日本海に戻って日本列島沿いを北上、礼文島沖から自国領に戻った。

2020年1月27日、ロシア空軍Tu-95爆撃機２機が日本海方面から飛来し、対馬海峡を通って東シナ海に進出、対馬海峡から沿海州に戻った。2月27日午前、ロシア空軍Su-34戦闘爆撃機（空自初確認）２機がサハリン方面から飛来し、オホーツク沿岸を南下、北に変針してサハリン方面に戻った。3月24日、ロシア空軍Su-35戦闘機２機とTu-95爆撃機２機が隠岐島北方、機種不明２機が能登半島北方から飛来。Su-35戦闘機とTu-95爆撃機は南南東に進んだ後東に針路を変え、能登半島北西で北北東に変針し、佐渡島北方でSu-35戦闘機は北に進路を変え沿海州方面に戻った。代わりに能登半島北方から南東に進んだ機種不明２機がTu-95爆撃機と合流し、日本列島沿いに北上、稚内西方で機種不明２機はそのまま北上してロシアに戻り、Tu-95爆撃機のみ東北東に変針してサハリン上空で南東に針路を変え、北方領土を通り過ぎてＵターンし、サハリン方面に戻った。4月9日、ロシア海軍Il-38N哨戒機が択捉島東方沖の太平洋上に飛来し、択捉島と国後島の間を抜けてオホーツク海を西に進み、宗谷海峡を通過して礼文島西で南に変針、能登半島沖に達して日本から離れた。6月10日、ロシア空軍Il-20情報収集機１機がサハリン方面から日本海を南下し、能登半島北方で北に変針、沿海州方面に戻った。8月14日、ロシア海軍Il-20情報収集機１機が沿海州方面から南下し、能登半島沖で北に変針してウラジオストク方面に戻った。8月19日、ロシア空軍Tu-95爆撃機２機と推定ロシア機２機が竹島西を南下し、隠岐島で東に変針、能登半島北で推定ロシア機２機が北に変針してウラジオストク方面に戻り、代わりに南下してきた推定ロシア機２機がTu-95爆撃機と共に北上し、北海道名寄西で推定ロシア機２機が西に変針してウラジオストク方面に戻り、代わりに北から推定ロシア機２機がTu-95爆撃機と共に北上してサハリン方面に向かった。8月28日、ロシア海軍Il-38哨戒機２機が竹島西を南下し、竹島と隠岐島の間を西に抜けて隠岐島西沖を反時計回りに周回、竹島と隠岐の島の間を東に抜けて日本列島沿いに北上し、北海道西で西に変針してロシアに戻った。10月2日1223頃、知床岬領海上空でロシアMi-8輸送ヘリが領空を侵犯した。11月6日、ロシア空軍A-50早期警戒管制機１機が隠岐島沖から飛来し、日本海を北上してオホーツク海方面に抜けた。推定ロシア機８機も２機ずつの編隊で飛来し同じルートを飛行、うち４機は礼文島沖を抜けて国後島上空を飛んでいる。11月21日ロシア空軍Il-20情報収集機１機が択捉島方面から飛来し、日本海を能登半島沖まで南下、北に変針して朝鮮半島方面に去った。12月22日、ロシア空軍Tu-95爆撃機２機が隠岐島北西に出現。東シナ海から対馬海峡を抜けて日本海に進出した中国空軍轟炸６型爆撃機２機と合流して南東に飛行し、竹島東で南西に変針、竹島と隠岐島の間を通り、対馬海峡を抜けて東シナ海に入った。五島列島西で別の中国空軍轟炸６型爆撃機２機と合流し、それまで編隊を組んでいた轟炸６型爆撃機２機は西に変針して中国に戻り、Tu-95爆撃機２機と轟炸６型爆撃機２機の編隊は南々西に飛行して宮古海峡を通峡、太平洋に抜けるとＵターンし、元の経路を辿って轟炸６型爆撃機は五島列島西で中国に戻り、Tu-95爆撃機は対馬海峡を抜け、竹島と隠岐島の間を通過後に北西に変針、ロシアに戻った。飛行コースが韓国の防空識別圏にも掛かっており、韓国空軍がスクランブル発進している。ロシア国防省は中露による共同パトロールで、Su-35戦闘機とA-50早期警戒管制機が支援したと発表した。

2021年3月11日、ロシア空軍A-50早期警戒管制機１機が日本海に飛来し、日本海中央部で一周した後、北西に針路を変えて樺太に向かった。これに合わせ、推定ロシア機２機編隊２個が隠岐島北方に飛来して能登半島に向かい、日本列島沿いに北上、うち２機は北海道渡島半島西方で西に変針してロシアに戻った。代わりに推定ロシア機２機が北海道渡島半島西方から東に飛来して合流、北海道沿いに北上して樺太に達し、合流した２機はそこで南西に変針してロシアに戻った。代わりに推定ロシア機２機が樺太から飛来して２機に合流、南西に飛行して北方領土でＵターンし、４機とも樺太に戻った。3月29日、ロシア海軍Il-38哨戒機２機が日本海上空に飛来、北緯40度付近で北西に針路を変えて沿海州に去った。6月25日、Su-25攻撃機（空自初確認）１機が北方領土の北のオホーツク海を西に飛行し、宗谷海峡を通り日本海に抜けた。9月12日0937頃と0958頃、ロシア民間企業An-26輸送機１機が北海道知床岬の領海上空で領空を侵犯した。外務省ロシア課長が駐日ロシア大使館参事官に、在ロシア日本大使館公使がロシア外務省担当局次長レベルに抗議している。10月24日1000、日本海での中露共同訓練を終え日本を時計回りに周回し、長崎県男女群島沖で中国海軍艦艇と分離したロシア海軍艦艇が、対馬北東60kmでステレグシュチイ級フリゲート１隻から艦載ヘリを発着艦させた。11月19日、Tu-95爆撃機２機が中国軍轟炸６型爆撃機２機と共に竹島北方から南東に飛来し、隠岐島北で南西に変針、対馬海峡を通り東シナ海に出た後、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に進出、Ｕターンして東シナ海に戻り、轟炸６型爆撃機は中国本土に向かい、Tu-95爆撃機は対馬海峡を通って日本海に抜け、元のルートでロシアへと戻った。12月14日、Il-20電子情報収集機１機が日本海北部から南東に飛来し、宗谷海峡を抜け、択捉島南部で南に変針し太平洋に入り、日本列島沿いを福島県沖まで南下、Ｕターンして元のコースを戻った。12月15日、Il-20電子情報収集機１機が日本海北部から南東に飛来し、宗谷海峡を抜け、択捉島南部で南に変針し太平洋に入り、日本列島沿いを福島県沖まで南下、Ｕターンして元のコースを戻った。推定ロシア機１機が樺太から南東に飛来し、択捉島南部で南に変針、すぐＵターンして元のコースを戻った。推定ロシア機２機が樺太から南東に飛来し、択捉島南部で南に変針、すぐＵターンして元のコースを樺太まで戻り、南西に変針して日本海に入り、日本列島沿いを南下、隠岐島北方で北に変針し、ロシアに戻った。推定ロシア機１機が日本海北部を東北東に飛来し、樺太でＵターンすると日本列島沿いを南下、北海道奥尻島沖で北北西に変針し、ロシアに戻った。推定ロシア機１機が日本海北部を東北東に飛来し、樺太でＵターンすると日本列島沿いを南下、隠岐島北方で北に変針し、ロシアに戻った。推定ロシア機２機が日本海を島南東に飛来し、奥尻島沖で南に変針、日本列島沿いを南下して隠岐島北方で北に転じ、ロシアに戻った。推定ロシア機１機が奥尻島沖から秋田県男鹿半島沖にかけての日本海を周回した。

2022年2月2日、Il-38哨戒機２機が日本海から隠岐島へと南下し、南西に変針して竹島との間を抜け、Ｕターンして日本列島沿いに北上、礼文島西方で西北西に針路を変えてロシアに戻った。2月4日、Il-38哨戒機２機が2月2日と同じコースで飛来。3月2日1023頃、ロシア軍ヘリコプターと推定される１機が北海道根室半島沖の領空を侵犯した。5月24日、Il-20電子情報収集機１機が北海道礼文島沖から能登半島沖まで飛行し、北西に変針してロシアに戻った。Tu-95爆撃機２機が竹島北方から飛来し、中国軍轟炸６型爆撃機２機と合流して竹島と隠岐島の間を抜け、対馬海峡を通って東シナ海に入り、沖縄西方で別の轟炸６型爆撃機２機と交代、沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に達し、Ｕターンして元のルートを戻った。ロシア空軍が中国空軍との合同偵察飛行であると発表している。6月7日、ロシア機と推定される４機が北海道西の日本海に飛来し、２機は北海道西方で旋回飛行を行い元のルートを戻り、もう２機は樺太方面に向かった。NATO軍事委員長のオランダ海軍ロブ・バウアー大将が訪日しており、これに関連があるともみられている。11月30日午前、ロシア機と推定される２機が日本海を南に進み、竹島北で旋回飛行を行った後、北上して大陸方面に向かった。午後、Tu-95爆撃機２機が中国軍轟炸６型爆撃機２機と共に竹島北から飛来し、竹島南東で南西に変針して対馬海峡を通過、五島列島沖で中国軍戦闘機と推定される２機と合流した。その後戦闘機と推定される２機は済州島南西で離れ、Tu-95爆撃機と轟炸６型爆撃機は南南西に飛行し、沖縄北西でJ-16戦闘機と推定される２機と合流、南東に変針して沖縄本島と宮古島の間を通り太平洋に進出し、Ｕターンして東シナ海に戻り、北西に進んで中国方面に向かっている。11月30日夜、Tu-95爆撃機２機が東シナ海から飛来し、北東に進んで対馬海峡を通過、隠岐島と竹島の間を抜けて隠岐島北で北北西に針路を変え、更に北に変針してロシアに戻った。12月14日午前、Tu-95爆撃機２機と戦闘機２機が大陸方面から飛来し、日本海上空を南に進み、能登半島沖で反転して大陸方面に戻った。

2023年4月14日、Il-20電子情報収集機１機が大陸方面から飛来し、日本海を南に進み、能登半島沖で反転して大陸方面に戻った。4月18日、Il-20電子情報収集機１機が大陸方面から飛来し、日本海を南に進んで島根県隠岐諸島沖でＵターン、大陸方面に戻った。5月25日、Il-20電子情報収集機１機が大陸方面から飛来し、オホーツク海経由で太平洋に進出、反転してオホーツク海経由で日本海に入った。また、別のIl-20電子情報収集機１機が大陸方面から飛来し、日本海上空を南に進み佐渡島沖で北西に変針、大陸方面に戻っている。6月6日、Tu-95爆撃機２機が日本海で轟炸６型爆撃機２機と合流して東シナ海に進み、中国軍と推定される戦闘機２機とも合流して共同飛行を行った。6月7日、Tu-95爆撃機２機が轟炸６型爆撃機２機と共に中国方面から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に進出、Ｕターンして同じルートを東シナ海に戻り、轟炸６型爆撃機２機は中国方面に向かい、Tu-95爆撃機２機は対馬海峡から日本海に入って隠岐島北方で北に変針し、ロシアに戻った。この際、東シナ海で中国の戦闘機と推定される延べ15機が、日本海でロシア戦闘機と推定される２機及びロシア機と推定される１機が合流している。6月14日、Il-20電子情報収集機１機が大陸方面から飛来して日本海を南に進み、佐渡島沖で北西に変針して大陸方面に戻った。8月18日、Il-38哨戒機２機が日本海から飛来し、対馬海峡を通過して東シナ海に抜け、南進した後反転して同じルートを戻った。9月15日、Il-20情報収集機１機が大陸方面から飛来し、オホーツク海を通って太平洋に抜け、Ｕターンしてオホーツク海から日本海に入った。同日、Il-20情報収集機１機が大陸方面から飛来し、日本海上空を南に進み、佐渡島沖で北西に変針して大陸方面に戻った。10月10日、Il-20情報収集機１機が大陸方面から飛来して日本海を南に進み、能登半島沖で北西に変針して大陸方面に戻った。10月17日、Tu-95爆撃機２機と戦闘機２機が日本海から南東に飛来し、能登半島沖で東に変針して領空に沿い北上、北海道大島沖で西に向きを変え、北西に進んで大陸方面に戻った。その後Tu-95爆撃機２機と戦闘機２機が再度北海道西の日本海から東に飛来し、奥尻島沖で北に変針して領空に沿い北上、留萌沖で西に向かい大陸方面に戻った。10月24日、Il-20情報収集機１機が大陸方面から飛来し、オホーツク海を経て太平洋に進出、Ｕターンして大陸方面に戻った。10月31日1244頃、ロシアのものと推定されるヘリコプター１機が北海道根室半島沖の領海上空を侵犯した。12月14日、東シナ海から日本海に進出した中国軍轟炸６型爆撃機２機に、ロシア軍Tu-95爆撃機２機が日本海で合流し、東シナ海にかけて長距離共同飛行を実施。日本海を共同飛行中に推定ロシア戦闘機２機が、日本海をロシア単独飛行時にSu-35戦闘機２機が、東シナ海を共同飛行中に中国軍殲撃16型戦闘機２機と推定中国戦闘機３機が合流した。また、Tu-95爆撃機が活動中に、ロシア海軍Tu-142哨戒機１機が日本海の公海上で周回飛行している。

2024年2月9日午後、ロシア軍Il-20情報収集機１機が大陸方面から北海道西の日本海に飛来し、日本列島沿いに南下、能登半島西で北西に変針し、大陸方面に戻った。2月14日午後、ロシア軍Il-20情報収集機１機が大陸方面から飛来し、日本海を南下、佐渡島沖で北西に変針して大陸方面に戻った。

参考：月刊軍事研究12,’08、1,’09、2,’09、3,’09、4,’09、7,’09、1,’10、7,’10、9,’10、12,’10、3,’14、3,’15、月刊世界の艦船6,’09、9,’10、11,’11、12,’11、1,’12、2,’12、3,’12、4,’12、5,’12、9,’12、1,’13、2,’13、3,’13、7,’13、11,’13、12,’13、3,’14、12,'15、1,'16、3,'16、4,'16、10,’16、5,’17、7,’17、11,’17、12,’17、3,’18、4,’18、10,’18、1,’19、2,’20、6,'21、9,'21、1,'22、2,'22、3,'22、4,'22、5,'22、8,'22、2,'23、3,'23、月刊JWings11,’09、9,’10、12,’12、2,’13、4,’13、6,’13、8,’13、9,’13、11,’13、12,’13、1,’14、2,’14、4,’14、6,’14、7,’14、8,’14、11,’14、12,’14、3,’15、4,’15、6,’15、9,’15、3,'16、4,'16、7,'16、11,’16、12,’16、5,’17、7,’17、8,’17、11,’17、12,’17、1,’18、3,’18、4,’18、5,’18、6,’18、7,’18、8,’18、10,’18、11,’18、12,’18、1,'19、3,’19、4,’19、5,’19、6,’19、7,’19、9,’19、10,’19、1,’20、2,’20、5,’20、6,’20、9,'20、11,'20、12,'20、1,'21、2,'21、3,'21、6,'21、12,'21、3,'23、6,'23、7,’23、8,'23、11,'23、12,'23、1,'24、2,'24、4,'24、5,'24、月刊航空ファン7,’17、4,’10、6,’10、8,’10、2,’11、3,’11、5,’11、11,’11、2,’12、11,’12、3,’13、5,’13、4,’14、1,’15、4,'16、7,’16、9,’16、11,’16、12,’16、1,’17、4,’17、12,’17、1,’18、5,’18、7,’18、12,’18、1,’19、2,’20、月刊PANZER6,’14、月刊航空情報4,’18、朝雲

＜スクランブル発進手順＞

　＜スクランブル発進手順（航空自衛隊）＞：航空方面隊作戦指揮所のホットラインから連絡が入るとディスパッチャー（Dispatcher）がスクランブルを下命、アラートハンガーの開放ボタンを押し、スクランブル・ベルを鳴らし、パイロット、整備員、アラート待機所、アラートハンガーにスクランブルを伝達する。ディスパッチャーを経由せずにいきなりスクランブルを知らせるスクランブル・ベルが鳴ったり、防空指揮所からホットラインで指令を受けた飛行管理員がスクランブルと叫んだりするパターンもある。その後、基地全体にサイレンが鳴り、アラート機以外の航空機は飛行禁止になり、着陸予定の航空機は上空待機となる。アラートハンガー隣のパイロット・オペレーションに詰めているパイロット、整備員、アーマメント要員はアラートハンガーに向かい、機体の最終セッティングを終了してエンジンをスタートさせる。アラートハンガー内には地上電源と始動用空気圧縮機が備え付けてあるため、双発機の両エンジンを相次いでスタートさせることが可能である。ほぼ同時にアーマメントはミサイルのピンを抜き、パイロットはINSの設定を終了し、滑走路に出て管制塔と短い交信（不明機の方位と自機の飛行高度が告げられる）の後に２機同時に離陸。アラート待機所では第２編隊が１時間待機から５分待機に繰り上げられる。離陸後はコントロールタワー、次いでレーダーサイトの指示により目標にコンタクトする。参考：月刊JWings11,’07、日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981

＜スクリ＞：EE-18（装甲車）を参照。

＜スクリーミン・インディアンズ＞：HSC-6（ヘリコプター飛行隊）を参照。

＜スクリーミング・アロー＞：アメリカ海軍計画極超音速空対艦ミサイル。F/A-18E/F戦闘機に４発搭載でき、スクラムジェットで極超音速巡航する。2021年3月2日に提案要求をオンラインで発出したが、何故か直後の3月5日にキャンセルされた。参考：月刊JWings5,’21

＜スクリーミング・イーグル＞：名誉除隊章（アメリカ陸軍）を参照。

＜スクリーミング・イーグルス＞：第101空挺師団を参照。

＜スクリーミング・デーモンズ＞：第７戦闘飛行隊を参照。

＜スクリナイジ＞：アメリカ海軍掃海艇。1945年1月5日、マニラ西方で神風特攻を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜スクリブナー＞：APD-122（高速輸送艦）またはDE-689（護衛駆逐艦）を参照。

＜スクリュープロペラ＞：プロペラを参照。

＜スクルージ＞：RT-20（弾道ミサイル）を参照。

＜スクルンダ＞：ラトビア海軍スクルンダ級哨戒艇Skrunda。2011年3月31日、ドイツのアベキング・ラスムッセン造船所で引き渡された。4月18日、ラトビアに回航されて就役。9月9-23日、ノーザン・コースト2011演習に参加。参考：月刊世界の艦船7,’11、JShips Vol.46

＜スクルンダ級＞：ラトビア海軍哨戒艇Skrunda級。船型はSWATH型で、任務に応じて哨戒、機雷掃討、測量などの各種モジュールを搭載する。全長25.7m、幅14.3m、吃水2.7m、満載排水量125トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基・電動機２基、出力2170馬力、２軸推進、速力20ノット。必要に応じて前甲板に76mm砲や35mm機関砲を搭載可能。乗員10名。１番艇スクルンダと２番艇ツェースイスはドイツのアベキング・ラスムッセン造船所で、３番艇ヴィエシーテ、４番艇P-08ヤルガヴァ、５番艇レーゼクネはラトビアのリガ造船所で建造され、2011-14年に就役した。参考：月刊世界の艦船7,’11、12,’13、9,’14、月刊軍事研究3,’12、JShips Vol.46

＜スクロギンス＞：DE-799（護衛駆逐艦）を参照。

＜スクワイア＞：エジプト陸軍携帯式地上捜索レーダー。タレス社が開発した。歩行中の兵士を10km先から探知できる。砲兵観測の補助に使用することも可能。参考：月刊軍事研究10,’16

＜スクワット・アイ＞：P-15M（レーダー）を参照。

＜スケイト＞：H39（駆逐艦）またはSS-305（潜水艦）を参照。

＜スケイト＞：コンベア社の計画ジェット戦闘飛行艇Skate（ガンギエイ）。当初は直線翼の主翼にＶ字尾翼を組み合わせたタンデム複座双発機だったが、後に主翼が25%翼弦後退角40度の後退翼、尾翼が垂直尾翼の半ばに水平尾翼が付くタイプ、コクピットがサイド・バイ・サイドに変更されている。全長21.3m、離陸総重量17.7トン。エンジンはウェスティングハウスXJ40ターボジェット双発。模型実験が行われたが、結局計画のみに終わった。参考：月刊JWings7,’14

＜スケート＞：SS-23（Ｆ級潜水艦）またはSSN-578（スケート級潜水艦）を参照。

＜スケート＞：MiGが開発中の無人攻撃機UCAV、Skat。参考：月刊軍事研究3,’09

＜スケート＞：オーロラ・フライトサイエンス社が開発した小型無人航空システム（SUAS）SKATE。翼断面をした矩形の板の前縁中央に機首（ペイロードポッド）、両脇にプロペラ、後縁に垂直安定板２枚を取り付けている。機首とその後ろのバッテリーポッド、プロペラ、垂直安定板を外し、機体を半分に折り畳めばラップトップ式操縦装置と合わせてケースに収容でき、１名で持ち運べる。手投げで飛ばし、大迎え角による失速で地面に落として回収する（垂直安定板が衝撃吸収装置を兼ねる）。全長480mm、全幅610mm、機体重量1kg。飛翔速度37-93km、常用運用高度122m、上昇限度3962m、滞空時間60分／90分（延長キットあり）、飛行範囲3km／5km（指向アンテナ装備時）。ペイロード0.2kg。参考：月刊軍事研究11,’12

＜スケート級＞：アメリカ海軍攻撃型原子力潜水艦Skete級。ノーチラス級の実用型で、タング級の原潜版というコンセプトであり、コスト削減のため船体を小型化した。原子炉も小型化しており、機関区画の脇に交通筒を設けて前後の区画を連絡、機関部を通らずに行き来できるようにしている。兵装やセンサーはタング級とほぼ同じもの（AN/BQR-2ソナーやAN/SQS-2ソナーなど）を積んだ。全長81.6m、最大幅7.6m、吃水6.3m、水上排水量2550トン、水中排水量2848トン。主機は原子力蒸気タービン方式、S3W原子炉（１・３番艦）／S4W原子炉（２・４番艦）１基・WH式ギヤード蒸気タービン２基、出力6600馬力、２軸推進、水上速力15.5ノット、水中速力18ノット。安全潜航深度213m。兵装は魚雷発射管８門（艦首６門、艦尾スイムアウト式２門。魚雷22本または機雷）。乗員84名。SSN-578スケート、SSN-579ソードフィッシュ、SSN-583サーゴ、SSN-584シードラゴンの４隻が1957-59年に竣工した。放射線遮蔽材の重量がかさみ、原子炉を船体以上に小型化せねばならず、ノーチラス級より排水量は３割減だが機関出力が半分になってしまい、水中速力も低下、原潜の小型化は実用性に難があることが実証される結果となっている。1986-89年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船6,’13、8,’18、2,’10、月刊軍事研究5,’17、9,’06、ザ・マーチ17号

＜スケーナ＞：DDE-207（駆逐艦）を参照。

＜スケープゴート＞：RT-15（弾道ミサイル）を参照。

＜スケール＞：日本海軍士官のスラングで、酌婦のこと。酌を尺に換え、これを英訳した。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典

＜スケールボード＞：TR-1（弾道ミサイル）を参照。

＜スケグ＞：ドックインした時に船体を支える構造物で、船尾船底中央に設けられている。参考：月刊JWings2,’00、艦船メカニズム図鑑

＜スケジュールドＣＡＳ＞：近接航空支援を参照。

＜スケネクタディ＞：LST-1185（戦車揚陸艦）を参照。

＜スケルダー・シリーズ＞：サーブ・エアロシステムズ社が開発した無人ヘリSkeldar。参考：月刊軍事研究3,’09

＜スケルダー＞：機体は炭素繊維・チタン・アルミニウム複合材製である。GPS/IMU、エアデータセンサー、磁気針路装置を搭載しており、管制飛行の他、完全自律飛行も可能である。燃料として石油を使用するものと重油を使用するものの２種が用意されている。全長4.1m、全高1.3m、最大発艦重量200kg。エンジンは２サイクル（55馬力）、最大速度130km、最大高度3500m、滞空時間4.5時間（飛翔速度130km）、航続距離200km、最大遠隔操作距離100km以上。ペイロード30kg。電子光学センサー、ピコ合成開口レーダー、電子戦機器、サーブ・エレクトロニクス社製ESP電子監視ペイロードなどを搭載可能。2006年3月から試験飛行に入った。エンジンを性能向上型に換装する計画もある。参考：月刊軍事研究3,’09、12,’07

　＜スケルダーＶ−１５０＞：最大離陸重量150kg。参考：月刊世界の艦船10,’20

　＜スケルダーＶ−２００＞：最大離陸重量200kg。航続時間2.5時間（ペイロード12kg）。2020年3月3日に発表され、7月にオランダ・ベルギー向け掃海艦への搭載が決まった。参考：月刊世界の艦船10,’20

＜スケルトン・ストック＞：骨組みだけで出来ているストックのこと。参考：GUN用語事典

＜スケルトン・タンク＞：アメリカのパイオニア・トラクター社が試作した菱形戦車。軽量化に主眼を置いており、外壁を外してパイプで支え、車体中央部分に小型の装甲ボックスを設けて必要なシステムを収容している。１両のみ製作された。参考：月刊PANZER2,’11

＜スコアリングセンサ＞：自衛隊の機器。エーティーエーが受注している。参考：月刊軍事研究9,’16

＜スコータイ＞：タイ海軍ラタナコシン級コルベット２番艦Sukhothai。1987年就役。2018年2月23日、海自外洋練習航海部隊DD-152やまぎり、DD-157さわぎり、TV-3519やまゆきと親善訓練（戦術運動など）を実施。2022年12月18日夜、荒天の中を航行中に高波を喰らい、艦内に浸水して電気系統が使用不能となり、艦が制御不能に陥り注排水もできず、プラチュアップキリカン県バンサパン地区沖37kmで左舷側に大傾斜して転覆沈没した。艦番号471プミポン・アドゥンヤデート、クラブリー、艦番号791アントンが救援に向かったが、荒天のためクラブリーしか現場に到達できず、12月25日時点で76名が救出されたが、12名が死亡、17名が行方不明となっている。参考：月刊世界の艦船5,’18、3,’23

＜スコーチャー＞：P258（潜水艦）を参照。

＜スコード＞：分隊を参照。

＜スコード＞：オットー・メララ社のアクティブ防御システム。縦長の長方形アンテナを持つＸバンド探知レーダーと爆発タイルを組み合わせたもので、対戦車ミサイルや対戦車ロケットを探知すると30-100m先で迎撃する。2010年のユーロサトリでチェンタウロに装着されて展示された。参考：月刊軍事研究10,’10

＜スコードロン２０００＞：フィンランド海軍のステルス・コルベット艦隊計画。R2000コルベット２隻とT2000ホバークラフト４隻を主力とする高速化・機動化部隊で、多島海での海上打撃を主任務とし、稼働率向上、結氷環境下での行動率上昇、省人化が図られている。R2000コルベットは順調に建造されたが、T2000ホバークラフトは１隻の建造に留まり、計画はキャンセルされた。詳しい理由は不明。参考：月刊軍事研究8,’03、9,’06

＜スコードロン２０２０＞：ポーヤンマー級（コルベット）を参照。

＜スコーピオー６＞：EADS社のヘリコプター型自律式UAV。直径1.7m。ペイロード6kg。データリンク距離10km。参考：月刊軍事研究11,’06

＜スコーピオー３０＞：EADS社のヘリコプター型自律式UAV、Scorpio 30。スコーピオー６のペイロード15kg版である。全長2m、メインローター直径2.2m、高さ0.75m、最大発艦重量38kg。最大飛行高度2000m、航続時間２時間（時速50km）。最大リアルタイム伝送距離10km。偵察、戦場被害評価、目標捜索探知識別追尾、レーザー照射、海洋・沿岸・都市・国境監視、対テロ作戦、タンカー防護、通信中継、NBCサンプル採取などの任務が実施できる。参考：月刊軍事研究3,’09、11,’06

＜スコーピオン＞：DUKW水陸両用トラック・ファミリーまたはF-89シリーズ（戦闘機）またはK-300P（地対艦ミサイル）またはKW-1（装輪装甲車）またはM4火炎放射戦車（E1対人放射器搭載）またはM56（榴弾砲）またはSS-278（潜水艦）またはSS-N-24（巡航ミサイル）またはSSN-589（スキップジャック級攻撃原潜）またはSSN-598（スキップジャック級攻撃原潜）またはSu-25K（攻撃機）またはVz61（サブマシンガン）またはガブリエル海外シリーズ（対艦ミサイル）またはグリフォン（装甲兵員輸送車）を参照。

＜スコーピオンＨＭＳ＞：アメリカ空軍試作ヘルメット・マウンテッド・サイト。従来のヘルメットに512ラインのフルカラー表示ディスプレイ・バイザーを装着してHMS化するものである。F-22A戦闘機でテストがされたが、高機動時の首への負荷が大きすぎるという欠点があり、採用されなかった。参考：月刊JWings10,’12、月刊航空ファン9,’16

＜スコーピオン軽戦車シリーズ＞：イギリス陸軍軽戦車CVR(T)シリーズ、FV101 Scorpion。FV601サラディン６輪装甲車の後継という位置づけで、1960年に計画された。参考：月刊PANZER4,’04、3,’98、月刊軍事研究1,’09

　＜スコーピオン＞：HS681輸送機で空輸できるよう、車体をアルミ合金製として軽量化した。キャンバス・スクリーンを使用して浮航も可能。全周旋回砲塔に第２世代微光暗視装置を備え、主砲は23口径76mm低圧砲L23（42発）、副武装は7.62mm同軸機銃（3000発）で、歩兵支援を主任務とする。全長4.9m、車体長4.79m、全幅2.2m、全高2.1m、自重6.5トン、戦闘重量8.07トン。エンジンはジャガー製J60ガソリン（195馬力）、最大速度90km（80km？）、燃料搭載量423リットル、航続距離644km。乗員３名。1969年から2000両以上が生産された。参考：月刊PANZER4,’04、月刊軍事研究1,’09、8,’01

　＜スコーピオンＳＰＩＲＥ＞：ボスニアPKF向けの臨時改修型。アビモ社製SPIREシステム（レーザー測距器、火器管制コンピュータ、熱線暗視装置からなる）を追加したもので、66セットを調達して改修した。参考：月刊PANZER3,’98

　＜シミター＞：FV107 Scimitar（三日月刀）。対装甲威力が劣る76mm低圧砲に換えて30mm自動砲を搭載したもの。APDS弾で射距離1000m以内なら、装甲兵員輸送車の正面装甲を貫徹できる。1970年代に開発され、スコーピオンからもかなりの数が改造された。参考：月刊PANZER4,’04、月刊軍事研究7,’97、1,’09

　＜セイバー＞：砲塔を退役したフォックス装輪式偵察装甲車のものに換え、武装を30mmラーデン砲と7.62mm同軸機銃（ボーイング社製チェインガン）としたもの。エンジンと夜間暗視装置は退役したチーフテン戦車のものと換装し、新型発煙弾発射機を装備、操縦手視察装置を改良している。1994年から138両が改造された。参考：月刊PANZER2,’00、3,’98、月刊軍事研究7,’97

　＜スコーピオン２＞：1990年代初期にアルビス社が発表した近代化型。エンジンとトランスミッションを強化し、熱線暗視装置とレーザー測遠機などを導入している。参考：月刊PANZER4,’04

　＜スコーピオン２（９０ｍｍ砲搭載型）＞：スコーピオン２の主砲をベルギー製コッカリル90mm砲に換装したもの。弾薬は化学エネルギー弾３種とHE。三重の砲口制退機を持ち、リコイル長を短縮している。参考：月刊PANZER4,’04

　＜スコーピオンＵＯＲ＞：UORは環境影響軽減操作改造の略で、CVR(T)-2ともいう。車体をアルミニウム製の新型に変更、エンジンをカミンズ製ディーゼルに換装し、トランスミッションをオートマチックに変更、ラジエーター、空調を更新しており、操縦手席が高くなって地雷やIEDに対する防御力が上がった。燃料タンクは再設計し、砲塔駆動は油圧から電動に変更して火災を防止している。ゴム製履帯、ガレー社製EM UORエンジン冷却システム、スラット装甲、ワイヤーカッター、照準器用メッシュ防御装置を装備し、耐弾性を強化、操縦手用暗視装置を改良した。対IED用電子装備を装着したものもある。シミターの他、スパータン装甲車、サムソン回収車、サマリタン救急車なども改造を受け、2011年8月からアフガニスタンに配備された。参考：月刊軍事研究6,’09、3,’12

＜スコーピオン軽戦車ファミリー＞

　＜サマリタン＞：スパータン装甲車の装甲救急車型FV104 Samaritan。車体後部をかさ上げし、担架なら４床、軽傷者なら５名を収容する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究1,’09

　＜サムソン＞：スパータン装甲車の装甲回収車型FV106 Samson。車体後面に駐鋤２基、車内に牽引力12トンのウインチを備える。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究1,’09

　＜サルタン＞：スパータン装甲車の指揮車型FV105 Sultan。車体後部を0.3mかさ上げし、内部に無線機２基と地図板を搭載した。乗員は車長、無線手、本部スタッフ2-3名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究1,’09

　＜スパータン＞：偵察要員用軽装甲車型FV103 Spartan。スコーピオン軽戦車の砲塔を外し、車体後部を偵察員室としているが、狭いという欠点がある。車体前部左に操縦手、その後ろに車長、その右横に無線通信手が座り、車長用キューポラとしてビジョン・ブロック８個付きのNo16キューポラが用意されていて、遠隔操作式7.62mm機関銃が付く。偵察員室には左２個・右１個のペリスコープがあり、偵察員室後面には１枚板式の乗降ドアを持つ。ZB298偵察レーダーを搭載し、戦場偵察や着弾観測員・前線航空管制官移動用などに使用できる。車体周囲のスクリーンを展開すれば水上航行も可能だが、あまり使わないので、スクリーン自体外してしまった車両も多い。全長5.12m、全幅2.24m、全高2.13m、重量8.17トン。エンジンはジャガーJ60No.1Mk100B液冷６気筒ガソリン（190馬力）、最大速度80km、航続距離483km。乗員３名（車長、操縦手、無線通信手）＋偵察員４名（５名？）。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER5,’01、月刊軍事研究1,’09

　＜スパータンＭＣＴ＞：スパータン装甲車の戦車駆逐車型。ミラン対戦車ミサイルを搭載する。1986年から配備された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜スパータン偵察装甲車＞：スパータン装甲車の偵察車型。車長用キューポラに投光器と暗視装置を追加した。参考：月刊PANZER12,’04

　＜スパータン改＞：スパータン装甲車の改良型。車体中央にL7A2機銃装備の箱形銃塔を搭載し、銃塔右側面にセンサーボックスを装着した。センサーボックスには光学カメラ、熱線暗視装置、レーザー測距器などを収容しているらしい。不朽の自由作戦に投入されており、車体側後面にスラット装甲を装着したり、IED妨害装置を取り付けたりしている。参考：月刊PANZER5,’10

　＜ミーアキャット＞：イギリスのOVIK社が開発した近代化型。車体にモジュラー式コンポジット装甲、車内にスポールライナー、底部に耐地雷装甲を追加し、操縦席後方を増高して容積を拡大、操縦席には防弾ガラスを装着したフロントウインドウを取り付けた。エンジンはカミンズ社製の新型で、ディール社製履帯を履いている。フィリピン軍が採用した。参考：月刊軍事研究1,’12

＜スコーピオン軽戦車・海外シリーズ＞

　＜スコーピオン近代化型（ヨルダン陸軍）＞：ヨルダン陸軍戦闘車両。主砲を30mm機関砲2A72に換装、同軸機銃を外し、砲塔上に遠隔操作式7.62mm機銃FN-MAGを搭載、砲塔左右に9M133コルネット対戦車ミサイル連装ランチャーと81mm発煙弾発射機６基を装備し、砲塔後部に予備ミサイルを積み、赤外線暗視装置、ナイトビジョン、デジタルFCS、砲安定化装置を追加、エンジンを235馬力ディーゼルに換装し、トランスミッション、サスペンション、ヴェトロニクスを改良した。100両が改修される予定である。参考：月刊軍事研究7,’08

＜スコーピオン軽装甲車＞：トルコのオトカル社が開発した４輪装甲車。見た目はVBL装甲車の車体前面を垂直にした感じである。ルーフ上にサーチライトや赤外線スコープ付きの7.62mmMAG機銃２連装マウントを装備。参考：月刊PANZER8,’02

＜スコーピオン自動迫撃砲ロケット火力制御システム＞：タレス社の射撃統制装置、別名AMRFCS（Automated Mortar and Rocket Fire Control System）。口径60-80mmの迫撃砲や107mm多連装ロケットランチャー用で、火器管制モジュール、観測システム、航法モジュール、電源に加え、火器搭載用ターンテーブルも備えている。牽引式トレーラーに載せることができ、軽車両に搭載して自走化することも可能。参考：月刊軍事研究3,’11

＜スコーピオン地雷撒布車＞：ドイツ陸軍地雷撒布車両Skorpion。M5貨物輸送車後部のカーゴ部分に地雷撒布装置を搭載したもので、キャビン上部には機銃マウントを装備する。参考：月刊PANZER11,’02

＜スコーピオン精密誘導兵器＞：ロッキード・マーチン社の小型精密誘導兵器。投下後に主翼とＶ字フィンを展開し、GPS/INSとセミアクティブ・レーザーで誘導されつつ最大16km飛翔して目標に命中する。弾頭は周辺被害を局限する仕組みが採用されており、施設、軽装甲車両、兵員などを攻撃可能。2010年6月17日に試射に成功した。参考：月刊JWings9,’10

＜スコーピオン地雷処理装置＞：イギリス軍のフレイル式地雷処理装置。先端に短いチェーンを組み合わせたケーブルをローターに取り付け、格子状のサイドアームにより戦車前面に突き出して装着、動力源のフォード輸送トラック用エンジンを戦車内に搭載する。参考：月刊戦車マガジン8,’78

＜スコーピオン短機関銃＞：チェコのCZ社が開発したサブマシンガン。本体とマガジンはポリマー製で、折り畳み可能な伸縮式銃床を持つ。本体上部とハンド・ガード下部にレールマウントがある。グリップを前後に動かして調節可能。全長660mm／410mm（銃床折り畳み時）、重量2.77kg。装弾数20発または30発、発射速度毎分1150発。セミオート、３点バースト、フルオートが可能。参考：月刊軍事研究8,’10

＜スコーピオンてき弾＞：アメリカ陸軍が開発中の高命中率グレネードで、Self CORrecting Projectile for Infantry OperatioNsの略。弾丸から空気を噴射して軌道を変更、風などによるずれを修正する。有効射程250mを目指している。参考：月刊PANZER10,’05

＜スコーピオン練習機＞：アメリカのテキストロン・エアランド社がプライベート・ベンチャーで開発しているCAS／COIN／偵察（ISR）／高等練習機Scorpion。2011年10月に軍用複合材ベンチャーのエアランド・エンタープライゼズ社が攻撃機開発案をテキストロン社に持ち込み、テキストロン・エアランド社を合弁で立ち上げて2012年1月から開発し、4月から実機製作に入った。機体には製作担当のセスナ社製サイテーション・シリーズのコンポーネントを流用してコストを削減、複合材も多用している。機首下部ターレットに電子光学センサーやレーザー測距器を搭載可能。主翼は肩翼配置の直線翼で、内翼後縁にファウラー・フラップ、翼下に左右３カ所（内舷0.794トン、中央0.431トン、外舷0.181トン）ずつのハードポイントを持つ。ウェット・ステーションは中央のみで、増槽はここに装着する。動翼はサイテーションの流用である。モジュラー構造を取っているため、主翼だけを交換してグレードアップすることも可能。エンジンは双発で、胴体後部に左右離して搭載しており、被弾時に両方破壊される危険性を低減した。エンジンの間はペイロードベイ（無誘導兵器、電子機器、偵察機器を収容。最大ペイロード1.361トン）のスペースに充てられている。エアインテイクは両主翼付け根に潜るように設置した。外側に傾けた双垂直尾翼を持つ。水平尾翼は水平安定板とエレベーターからなる通常型である。計器板はカラーMFDでグラス・コクピット化されていて、高等練習機として使用した際の最新戦闘機への移行も容易。操縦装置はフライ・バイ・ワイヤでなく機械式である。全長13.26m、全幅14.43m、全高4.27m、自重5.352トン、最大離陸重量9.639トン。エンジンはハネウェル社製TFE731ターボファン（推力18kN、アフターバーナー無し。15.57kN？）双発、最大速度450ノット・833km、実用上昇限度13716m、内部燃料搭載量2.72トン、フェリー航続距離2400海里。固定武装は無い。最大搭載量2.767トン（機外のみ）／2.822トン（ウェポンベイ＋機外）。乗員２名（タンデム複座。１名でも運用可）。価格は2000万ドル以下、サービスライフは20000時間、１時間あたり運用コストは3000ドル以下と、安さを売りにしており、F-16戦闘機やF-35戦闘機に手を出せず、かといってターボプロップCOIN機や攻撃ヘリでは物足りない国向けに売り込む予定。2013年12月12日に初号機が初飛行した。2016年10月10-14日に初の兵装実射試験を行い、ハイドラ70ロケット弾、AGR-20A誘導ロケット弾、AGM-114対戦車ミサイルを発射、後二者はスコーピオン搭載MX-15Diで誘導用レーザーを照射し、高い命中精度を得た。2016年12月22日に２号機が初飛行した。主翼に４度の後退角を付け、水平尾翼を改良、降着装置を簡易版とし、アビオニクスをガーミンG3000ベースの新型に変更、コクピットにHUDとHOTASを追加し、計器板をタッチスクリーン式にしている。ナイジェリアが対ボコ・ハラム用COIN機として食指を伸ばしている。T-38練習機後継にも提案したが、要求されている高機動能力とフライ・バイ・ワイヤが無いため、採用は微妙で、2017年3月16日に辞退した。アメリカ空軍次期攻撃機OA-Xにも提案したが、採用されなかった。参考：月刊JWings3,’16、5,’14、12,’13、4,’14、11,’14、2,’15、1,’17、3,’17、4,’18、世界航空機年鑑2018-2019、月刊丸3,’14、月刊軍事研究10,’14、1,’15、5,’17、7,’17、月刊航空ファン10,’14、10,’17

＜スコーピオン�U＞：IED処理用のマイクロ波照射器で、遠隔起爆装置の回路を焼き切る。参考：月刊軍事研究11,’06

＜スコーピオンＨＭＣＳ＞：SHMCS（ヘルメット装着サイト）を参照。

＜スコーピオン級＞：プロジェクト12300（高速艇）を参照。

＜スコーピオン近代化計画＞：フランス陸軍AFV調達・近代化計画SCORPION（Synergie du COntact Reforcee par la Polycalence et l’Infocalorisation）。コンソシアムGME（ネクセター、ルノー・トラック・ディフェンス、タレス）が2014年末からジャグア装甲戦闘車やグリフォン装甲兵員輸送車などを開発中。ベルギー軍もピラーニャ装甲車とディンゴ装甲車の後継としてジャグア装甲戦闘車60両とグリフォン装甲兵員輸送車417両を2025-30年に配備することになった。参考：月刊軍事研究11,’17

＜スコーピオンズ＞：HSM-49（ヘリコプター飛行隊）またはVAQ-132（電子戦飛行隊）を参照。

＜スコーピオン沈没事故＞：1968年5月、アメリカ海軍スキップジャック型攻撃型原子力潜水艦SSN-589スコーピオンは地中海への展開とNATO軍演習を終え、ノーフォーク海軍基地に向かった。5月16日、ジブラルタル海峡を通過。カナリア諸島方面でソ連艦隊を監視した後、5月21日1954（ノーフォーク時間）に、現在位置アゾレス群島南西250海里、5月27日1300ノーフォーク入港予定と報告した。その後定時連絡に応答しなくなり、5月22日2000頃にSOSUSと民間海中聴音システムが海中爆発音と船体圧壊音を３分以上に亘りキャッチした。5月24日、アメリカ海軍が秘密裏に捜索を開始。6月5日、査問委員会がスコーピオンの沈没と乗員の殉職を正式に発表した。10月28日、アゾレス群島南西400海里・水深3300mの海底でスコーピオンの残骸が発見され、海洋観測艦T-AGOR-11ミザールの無人潜水艇が数千枚の写真を撮影したが、沈没原因は確定できなかった。1969年6月2日から8月2日、深海潜航艇トリエステが残骸の撮影を行った。沈没原因としてソ連の攻撃、乗員のサボタージュ、海底山脈への衝突、原子炉事故、構造的欠陥、火災、魚雷の事故などを検討。写真を分析した結果、第２潜望鏡、ループ・アンテナ、ヘリカル・ホイップ・アンテナが上昇位置にあり、船体の残骸や電池の破片が発令所から外側に向かっていて、爆発の痕跡は電池の電槽外に残っており艦首部分は無事、発令所付近の船体が吹き飛んで行方不明になっていることなどが判明した。原因は確定していないが、ソ連艦隊監視任務を終えた後、潜望鏡深度に上昇して厨房（発令所と同じ区画にある）の生ゴミ廃棄装置からゴミを廃棄した際に海水が浸入、下方にある電池室が浸水して電池が大爆発を起こし、船体が破壊されて沈没したと推定されている。1963年のスレッシャー沈没事故を受けてアメリカ海軍では潜水艦安全システムSUBSAFE（Submarine Safety）計画と称する海水管・油圧系不良箇所交換及び不良ジョイント再溶接改修を行っていたが、スコーピオンはオーバーホールの時期が合わずに未実施だった。未だに112名（99名？）の乗員とMk45核魚雷少なくとも２本を載せたまま、海底に沈んでいる。参考：月刊世界の艦船6,’01、世紀の失敗物語、月刊軍事研究8,’11、11,’00、月刊丸6,’01、アメリカの核兵器

＜スコープ＞：照準眼鏡を参照。

＜スコーフィールド・バラックス＞：アメリカ陸軍の基地。ハワイ州オアフ島西部にあり、面積55651エーカー。参考：月刊軍事研究2,’17

　＜スコーフィールド・バラックス（２０１６年）＞：第25歩兵師団司令部、同師団第２ストライカー旅団戦闘団、同師団第３歩兵旅団戦闘団、同師団第25継戦旅団、第500軍事情報旅団司令部、同旅団第715軍事情報大隊本部、第８憲兵旅団、第130工兵旅団が駐屯している。参考：月刊軍事研究2,’17

＜スコープ・サイト＞：照準眼鏡を参照。

＜スコーリイ＞：ソ連海軍プロジェクト61ME型カシン級ミサイル駆逐艦Skory。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜スコーリイ級駆逐艦＞：ソ連海軍駆逐艦30bis型Skory級。ソ連海軍初の戦後計画駆逐艦で、オグネヴォイ級駆逐艦をベースに対空・対水上戦能力を重視した。船型は船首楼型で、船首楼後部に艦橋と前部マスト、前部マスト直後の上甲板に前部煙突、少し離れて後部マストと後部煙突がある。全長120.5m、満載排水量3066トン。主機は蒸気タービン２基、主缶（蒸気圧力2.73MPa、温度350℃）４基、速力35.5ノット。兵装は130mm連装砲２基（船首楼甲板前部、後甲板）、85mm連装砲１基、37mm連装砲４基、533mm魚雷５連装発射管２基。70隻（85隻？）が1949-53年に就役した。1965-84年に退役した。参考：月刊世界の艦船12,'21、5,’86、ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スコーリング＞：エロージョンの１つ。弾帯またはオブチュレータ・バンドと砲腔面の間から高速で噴出する燃焼ガスにより生じる、局所的な金属の融解現象のこと。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜スコール＞：PC-7（哨戒艇）を参照。

＜スコシ・タイガー＞：F-5C（戦闘機）を参照。

＜スコダ３０５ｍｍ臼砲＞：チェコのスコダ社が開発した305mm臼砲。分解してトラクターで牽引でき、１時間程度で射撃準備を整えられる。弾丸重量320kg。最大射程12.3km。第１次大戦時にドイツ軍がリエージュ要塞攻略戦で使用した。参考：歴史群像8,’98

＜スコッツマン＞：P243（潜水艦）を参照。

＜スコット＞：DDG-995（駆逐艦）またはDE-214（護衛駆逐艦）を参照。

＜スコット級＞：イギリス海軍駆逐艦Scott級。全長101.4m、幅9.7m、吃水2.8m、基準排水量1530トン、常備排水量1810トン。主機は蒸気タービン、出力40000馬力、速力36.5ノット、航続距離4300海里（15ノット）。兵装は45口径12cm単装砲Mk1（防楯付き）５門、３連装魚雷発射管２基（Mk�W魚雷）。D81ブルース、D60キャンベル、D70マッケイ、D90ダグラス、D19マルコム、D01モントローズなど７隻が竣工した。第２次大戦時には５隻が短距離護衛艦に改造され、従来の兵装を殆ど外して10.2cm連装高角砲２門、２ポンド４連装砲１基、ヘッジホッグなどを搭載している。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船10,’06

＜スコップ＞：グラインダーで刃を付けておくと、白兵戦時に有効である。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜スコフィールド＞：FFG-3（フリゲート）を参照。

＜スコフィールド装輪装軌戦車＞：ニュージーランド軍装輪・装軌併用式軽戦車Schofield wheel-and-truck tank / Light Tank, Wheel-and-Truck (Schofield)。1940年、ニュージーランドはオーストラリアと同様の立場に置かれており、日本との戦争や、場合によっては日本による直接侵攻も考え得る状況だった。しかし当時のイギリスには戦車を供給する余力が無く、ニュージーランド政府は自国で戦車を開発せねばならなくなり、唯一試作車の製作まで至ったのが、ニュージーランドで生産されていたGMC6cwt（672ポンド・304.8kg）民間用トラックをベースにジェネラル・モータース・ウェリントンのE.J.スコフィールドが開発した本車である。装軌式走行装置はニュージーランドで製造されていたユニバーサル・キャリアのものを流用し、6cwtトラックの機関系及び車輪と組み合わせた。下部転輪は片側４枚で、２枚ずつボギーに取り付けられてコイルスプリングで緩衝される。上部転輪は片側２枚で、ボギー上部に１枚ずつ装着されている。車輪の車軸は起動輪及び誘導輪と同軸で、前輪は誘導輪の内側、後輪は起動輪の外側に付いており、車内操作で車輪の接地・引き上げによる装輪・装軌の切り替えを行う。装輪走行時には下部履帯の前後２ヵ所をワイヤーでボギーに、中央２ヵ所を鎖で車体に固定し、地面に触れないようにした。装軌走行時には車輪を外してフェンダー側面に固定する。装甲板はハル・ヴァリー・ワークスのニュージーランド鉄道製。砲塔は円筒形オープントップで、２ポンド砲と7.92mmベサ同軸機銃を装備する。全長13フィート１インチ（3.99m）、全幅８フィート6.5インチ（2.6m）、全高６フィート7.5インチ（2.02m。装軌時）／６フィート10.5インチ（2.1m。装輪時）、戦闘重量11680ポンド（5.3トン）。装甲厚6-10mm。エンジンはチェヴロレット６気筒ペトレル民間用（29.5馬力）、路上最大速度25.7マイル（41.4km。装軌時）／45.6マイル（73.4km。装輪時）。乗員３名（車長、操縦手、砲手）。1940年8月に試作車が完成したが、実用性に欠けて量産されなかった。1943年半ばに試作車がイギリスでテストに附されている。参考：British and American tanks of World War Two

＜スコルツェニー＞：オットー・スコルツェニー（Otto Skorzeny）。1908年12月6日、ウィーン生まれ。1939年、SSに入隊。1941年、SS第２師団デア・フューラー連隊技術将校として東部戦線で戦闘中に負傷した。1943年、SS特殊部隊指揮官となり、ムッソリーニ救出作戦に参加。1944年、パンツァーファウスト作戦、ミッキーマウス作戦、グライフ作戦などに参加。第２次大戦終結で連合軍の捕虜となった。最終階級はSS少将。1948年に脱走し、スペインに亡命、実業家となった。1975年7月5日、戦傷後遺症のため死亡した。参考：グラフィックアクション２

＜スコルピオン＞：�X号戦車ファミリーまたはM548輸送車・海外ファミリーを参照。

＜スコルペヌ級＞：フランスのDCN社とスペインのバサン社が共同開発した輸出用通常型潜水艦Scorpene級。耐圧船殻は単殻式。戦闘システムはSUBTICS、ソナーシステムはDMUX20Mk2、潜望鏡はシリーズ30。TASSは装備していない。MESMAエンジン式AIPを追加可能。全長63.5m（AIP無し）／74m（あり）、耐圧船殻径6.2m、吃水5.8m、水上排水量1450トン、水中排水量1650トン（AIP無し）／1900トン（あり）。水上最大速力12ノット、水中最大速力20ノット、最大深度300m以上（350m）。潜航時間120時間（４ノット蓄電池）／360時間（４ノットAIP）。兵装は533mm魚雷発射管６門（SUTまたはタイガーシャークA184Mod3またはブラックシャーク魚雷18本。２門はエグゾセSM39潜対艦ミサイルを発射可能）。乗員31名。インド海軍に６隻、インドネシア海軍に２隻、チリ海軍に２隻、ブラジル海軍に４隻、マレーシア海軍に２隻が輸出された。参考：月刊軍事研究4,’00、2,’04、7,’05、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船10,’13、5,’18、12,’21

＜スコルペヌ級・海外シリーズ＞

　＜オ・ヒギンス級＞：チリ海軍潜水艦O’Higgins級。船体前部はDCN、後部はバサンが建造し、１番艦はフランス、２番艦はスペインで前後部を結合した。AIPは採用していない。全長66.4m、幅6.2m、吃水5.8m、水中排水量1668-1717トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基、出力3800馬力、１軸推進、水上速力12ノット、水中速力20ノット（23ノット？）、潜航深度350m、連続行動日数50日。兵装は533mm魚雷発射管６門（A184／ブラックシャーク長魚雷、SM39エグゾセ・ブロック�U潜対艦ミサイル）。乗員31名。１番艦オ・ヒギンズは2005年3月に配備された。２番艦カレラは2006年12月13日にチリに到着した。参考：月刊世界の艦船3,’07、3,’05、10,’12、11,’16、11,'20、2,'23、JShips Vol.24、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜スコルペヌ級（インド海軍）＞：インド海軍潜水艦、別名プロジェクト75型カルヴァリ（Kalvari）級。パキスタン海軍がアゴスタ90B潜水艦を取得したことを受け、1997年にプロジェクト75の名称で潜水艦24隻を配備する計画を立てた。その後1998年のカルギル紛争を受けてプロジェクト75で６隻とプロジェクト75Iで６隻という計画に変更し、前者用として2002年に６隻のライセンス生産交渉を開始、2005年10月6日に契約を交わしてマザゴン・ドックで建造することになった。ソナーシステムはタレス社製PFAS。MOAS機雷探知ソナーを装備する。４番艦（３番艦？）以降にはAM-2000型MESMA方式AIPを搭載する予定である。5-6番艦にはインド国防研究開発局製リン酸型燃料電池を積む計画だったが、開発が遅れて６番艦のみになるかもしれない。もう３隻追加する計画もある。全長67.6m（66.4m？）、幅6.2m、吃水5.8m、水中排水量1775トン（1732トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、MTU16V396SEディーゼル発電機４基・ジュモンシュナイダーモーター１基、出力3808馬力、１軸推進、水中速力20ノット、潜航深度300m以上、水上航続距離6500海里（８ノット）、水中航続距離550海里（４ノット）。兵装は533mm魚雷発射管６門（SUT長魚雷／エグゾセSM39潜対艦ミサイル計18発または機雷30発）。乗員31名（士官６名、下士官・兵25名）。2012-18年に就役する予定だったが、インドの生産技術が未熟で、官給品調達にも問題があるらしく、５年ほど遅れており、１番艦カルヴァリは2017年12月14日、２番艦カンデリは2019年9月、３番艦カランジは2021年3月10日、４番艦ヴェラは2021年11月25日、５番艦ヴァギルは2023年1月23日に就役した。６番艦ヴァグシール（Vagsheer）は2022年4月進水。魚雷はブラックシャーク長魚雷98本を輸入する予定だったが、AW101ヘリ導入に関連する贈収賄事件に伴う武器輸入停止でキャンセルされてしまい、2017年9月を期限とするRFIをフランスのネイヴァル・グループ、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システム、ロシアのロスボロンエクスポルト、スウェーデンのサーブに発出、150本を輸入とライセンス生産で調達することになった。それまではSUT長魚雷を使う。2016年8月、オーストラリアの新聞社オーストラリアンが、漏洩した本級に関する機密文書を入手したと発表。戦闘指揮システム4301ページ、魚雷発射装置493ページ、水上センサー4209ページ、水中センサー4457ページ、通信システム6841ページ、航法システム2138ページの計22400ページに及び、戦闘能力を完全に暴露する内容であるとしている。インド国防省は漏洩源がインドではなく外国であるとし、DCNS社はインドに責任があるとしている。2023年6月、インド国防研究開発機構艦載装備研究所が燃料電池式AIPの搭載契約を締結した。使用する水素は必要に応じて艦上で生成する。7月、３隻の追加建造を決めた。参考：月刊世界の艦船3,’18、3,’10、4,’12、7,’15、2,’16、4,'16、11,’16、4,’17、12,’17、4,’18、11,’18、8,’19、12,’19、4,'20、2,'21、2,'22、7,'22、3,'23、9,'23、10,'23、月刊軍事研究1,’11、4,’10、10,’16、2,’17、1,’18、3,’18

　＜改スコルペヌ級（インド海軍）＞：インド海軍次期潜水艦計画プロジェクト75I型に応募しているもの。インド海軍向けスコルペヌ級の改良型で、PJ-10ブラーモス潜対艦ミサイル用VLSとインド国産AIPを装備する。参考：月刊世界の艦船2,’16、1,’18

　＜スコルペヌ級（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍潜水艦。2022年2月10日、インドネシア国防大臣とフランス軍事大臣が２隻の輸出に関する基本合意書に署名し、同月にインドネシアのPT PAL造船所がフランスのネイヴァル・グループと２隻の建造に関する予備的合意を纏めた。インドネシアに共同研究開発拠点を新設する予定。参考：月刊世界の艦船5,’22、月刊JWings5,’22

　＜スコルペヌ級（スペイン海軍）＞：スペイン海軍潜水艦。全長61.7m、幅6.2m、水上排水量1425トン、水中排水量1565トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基、１軸推進、水上速力12ノット、水中速力20ノット。潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門。乗員32-35名。2-4隻が就役予定。参考：現代の潜水艦

　＜スコルペヌ級（チリ海軍）＞：オ・ヒギンス級を参照。

　＜スコルペヌ級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍潜水艦。行動日数80日と乗員31名分の寝台（とAIP？）を確保するため船体を延長している。戦闘システムはDCNS製SUBTICS、ソナーシステムはタレス社製Ｓキューブ・ソナー・スーツで、TASSを追加する予定。魚雷防御装置はコントラルトＳ。１番艦の第３・第４セクションのみフランスが作り、１番艦の残りのセクションと2-4番艦は全てブラジルで建造する。全長71.6m（75m？）、幅6.2m、吃水5.8m、水中排水量1870トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力2992馬力、水中速力20ノット。最大潜航深度350m。兵装は533mm魚雷発射管６門（F21長魚雷、ブラックシャーク長魚雷、エグゾセSM39ブロック�UMod2計18本）。乗員31名（うち士官６名）。2008年12月にAIP非搭載艦４隻を建造する契約を結び、１番艦S-40リアシュエロ、２番艦S-41フマイタ、３番艦S-42トネレロ、４番艦S-43アンゴスツラが2017-21年に引き渡される予定だったが、建造が遅れて１番艦は2023年9月1日に就役した。参考：月刊世界の艦船8,’10、3,’19、10,’11、10,’13、4,’18、2,'21、3,'21、8,'21、11,'22、7,'23、月刊軍事研究4,’10、12,’10

　＜スコルペヌ級（マレーシア海軍）＞：マレーシア海軍初の潜水艦。2002年にフランスとスペインに１隻ずつが発注され、艦前半部をフランスのDCNSが、後半部をスペインのナバンティアが建造し、１番艦をDCNSで、２番艦をナバンティアで組み立てた。AIPは採用していない。ESMはタレス社製DR3000U。全長67.6m、幅6.2m、水中排水量1758トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力4290馬力、１軸推進、水中速力20.5ノット、安全潜航深度300m、シュノーケル時航続距離6000海里（８ノット）、水中航続距離360海里（４ノット）。兵装は533mm魚雷発射管６門（ブラックシャーク長魚雷、エグゾセSM39潜対艦ミサイル計18本）。乗員31名（士官７名、下士官・兵24名）。2009年に１番艦トゥンク・アブダル・ラーマンと２番艦トゥン・ラザクが就役し、ボルネオ島の海軍基地に配備された。もう２隻作るかもしれない。参考：月刊世界の艦船2,’10、3,’10、10,’12、3,’17、4,’20、月刊軍事研究4,’10

＜スコンクワークス＞：スカンク・ワークスを参照。

＜ズザナ＞：ZUZANA（自走砲）を参照。

＜ズザナ２＞：ZUZANA2（自走砲）を参照。

＜スシ＞：海上自衛隊の略号で、水雷士のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ズ式二号ディーゼル＞：日本海軍の２サイクル６気筒ディーゼルエンジン。海軍工廠と神戸製鋼がドイツのズルツァー社から技術提供を受け開発した。出力1300馬力。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ズ式三号ディーゼル＞：日本海軍の２サイクル６気筒ディーゼルエンジン。海軍工廠と神戸製鋼がドイツのズルツァー社から技術提供を受け開発した。出力3400馬力。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ス式一三型戦闘機＞：スパッド�]�V海外シリーズを参照。

＜ス式百五十糎軽胴型照空灯＞：日本陸軍の探照灯。東京計器製作所が製作した。２軸４輪の台車に乗せられており、牽引での移動が可能。九三式百五十糎照空灯に後を譲って退役した。参考：大砲入門

＜図上演習＞：机上演習、指揮所演習（Command Post Exercise、CPX。自衛隊では指揮所訓練）、兵棋演習ともいう。英語ではWar game、ドイツ語ではクリークシュピール。ゲームの方法を使用して実施する演習のことで、戦場を想定した地図に種々の状況を記載、それに基づいて部隊指揮官や幕僚が意思を決定し兵棋を動かし、それが引き起こす事象の相互作用を状況に反映させることを繰り返して実戦をシミュレート、部隊指揮官や幕僚の意思決定を演練し、潜在能力を発揮させ、参加者に共通認識を醸成する。実際の部隊を行動させることはせず、その必要も無いので、実際には作れない状況下での演練を行うこともできる。大元を辿れば囲碁・将棋・チェスに行き着くが、1779年にイギリス海軍がスコットランドで海戦の再現のため船の模型を机上で動かす方式を取ったのが海軍での発端で、19世紀のプロイセンで本格的なものが開発され、普仏戦争での勝利に貢献した。1887年にはアメリカ海軍大学で海軍War game systemの講義が始まっている。統裁部、自部隊、対抗部隊に分かれ、統裁部では全状況を見られるが、部隊では相手の状況は前線に近い一部しか表示されない。部隊指揮官は状況図を見て部隊を動かし、コンピュータが各兵器や地形などを点数化して前進速度や損耗率をはじき出し、統裁官が戦果の最終判断を下す。対抗部隊は仮想敵国の軍を想定しており、仮想敵国の考え方で戦力を動かさなければならないが、その役を務めるのは自軍部隊なので、つい自軍の思考で動かしてしまわないよう、注意が要る。図上演習中に行われた意思決定は評価部で評価研究が行われ、各種軍事計画や実任務に反映される。部隊側が自由に演習を進行させる対抗型図上演習と、目的に沿って統裁部が介入する指導型図上演習がある。参考：海上自衛隊幹部学校ホームページ、歴史群像6,’01、日本の防衛戦力Part1、自衛隊装備カタログ1981、月刊軍事研究12,’13

＜鈴鹿海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。偵察を担当する練習航空隊である。参考：歴史群像4,’16

＜鈴鹿海軍工廠＞：日本海軍の工廠。三重県鈴鹿にある。航空機用機銃・弾薬を担当する。昭和18年6月に開設された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜涼風＞：日本海軍白露型駆逐艦10番艦Suzukaze。昭和12年8月31日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第24駆逐隊に所属していた。昭和17年2月4日、ケンダリー港外で雷撃を受けて中破した。9月12日夜、ルンガ泊地に突入して砲撃を実施。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月30日、ルンガ沖夜戦に参加。昭和18年1月2日、ガダルカナル島への輸送作戦中に爆撃を受けて中破した。7月5日、クラ湾夜戦に参加。谷風と共にCL-50ヘレナを撃沈したが、被弾して小破した。昭和19年1月16日、宮崎県沖40海里でSS-187スタージョンの雷撃を受けて大破した。1月25日、ブラウン諸島でSS-184スキップジャックの雷撃を受け沈没し、3月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像12,’09、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T、アメリカ潜水艦史

＜鈴鹿飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜すすき＞：LSSL-445（警備艇）を参照。

＜薄＞：日本海軍樅型駆逐艦12番艦。大正10年5月25日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年4月1日、哨戒艇に転籍し、第34号哨戒艇と改称された。参考：日本駆逐艦史

＜鈴木栄作＞：日本陸軍エース。大正4年、埼玉県生まれ。昭和9年1月、陸軍に入隊し、歩兵伍長となった。昭和12年6月、操縦学生として熊谷飛行学校に入学、明野で戦技教育を受け、昭和13年6月に飛行第11戦隊所属となった。昭和14年5月、ノモンハン事件に参加。5月27日、ハルハ河上空でI-16戦闘機１機を撃墜し、初戦果を挙げた。8月25日、将軍廟の南東4kmでI-15戦闘機の奇襲を受けて戦死した。総撃墜数11機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜鈴木貫太郎＞：慶応3年（1868年）12月、大阪府堺市生まれ。その後引っ越したので本籍地は千葉県野田市に移り、更に群馬県前橋市に引っ越している。海軍兵学校第14期卒。日清戦争の威海衛夜戦で水雷艇長として定遠を擱座させる武功を挙げ、鬼貫太郎と畏敬された。日露戦争の日本海海戦では第４駆逐隊司令を務め、戦艦３隻（ナハリン、シソイウェリーキーなど）を葬っている。海軍兵学校長になると、鉄拳制裁を廃止させた。大正6年9月1日から大正7年10月18日、練習艦隊司令官を務めた。大正9年12月1日、第２艦隊司令長官となった。大正10年12月1日から大正11年7月27日、第３艦隊司令長官を務めた。大正12年、大将に任じられた。大正13年1月27日、第１艦隊司令長官兼連合艦隊司令長官となった。大正14年4月15日、海軍軍令部長となった。昭和4年、昭和天皇の強い意向で侍従長となった。昭和11年、2.26事件で重傷を負ったが、かろうじて一命を取り留めた。その後枢密院副議長、枢密院議長に就任。昭和20年4月7日、首相を拝命。一旦は固辞しているが、この重大事にもう人はいない、頼むからどうか曲げて承知してもらいたいと昭和天皇から請われ、就任を決意した。7月26日に突きつけられたポツダム宣言受諾の是非に関し、すぐ受諾するとクーデターになるため、一旦は黙殺。広島・長崎原爆投下とソ連侵攻を受けた8月9日からの最高戦争指導会議と御前会議では受諾の是非が決まらず、通常の多数決ではやはり納得しない継戦派がクーデターを起こすと判断し、8月14日の御前会議で米内光政海軍大臣の助言により昭和天皇に直接御聖断を仰ぐという非常手段を断行、太平洋戦争に終止符を打った。首相辞任に際し、昭和天皇は本当に良くやってくれた、と２回繰り返したという。昭和23年4月17日、81歳で死去した。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、海軍こぼれ話、日本海軍艦隊総覧

＜鈴木清延＞：日本海軍エース。大正3年、福岡県生まれ。昭和8年5月に海軍に入隊し、機関兵となった。昭和10年8月、操縦練習生を卒業し、大村航空隊に配属された。鹿屋航空隊に転属した後に日華事変が勃発、台北に展開している。10月末、第13航空隊に転属し、上海に配置された。12月2日、南京空襲でI-16戦闘機２機（不確実１機含む）を撃墜して初戦果を挙げ、部隊感状を授与された。昭和11年2月25日、南昌攻撃で１機を撃墜。3月、第12航空隊に転属。9月、本土に帰還し、功五級金鵄勲章を受けた。佐伯航空隊と大分航空隊で教官を務め、昭和16年10月に加賀戦闘機隊に配属され、真珠湾攻撃とダーウィン攻撃に参加。昭和17年6月5日、ミッドウェイ海戦において中隊共同で12機、小隊共同で14機を撃墜し、不時着水した。本土に帰還した後、隼鷹戦闘機隊に転属。10月26日の南太平洋海戦で未帰還となり、戦死認定された。公認撃墜数９機以上。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍作戦年誌

＜鈴木昇一＞：日本陸軍エース。明治43年、広島市生まれ。徴兵で陸軍に入り、予備騎兵少尉となって除隊の後、昭和7年に名古屋飛行学校へ入学し、昭和9年に卒業して造兵廠勤務となった。昭和10年9月、特別志願将校となり、昭和11年8月に航空兵に転科。昭和12年12月、中尉に進級し、飛行第11戦隊所属となった。昭和13年8月、飛行第24戦隊に転属。昭和14年5月20日、ハルハ河付近でLZ型偵察機１機を撃墜し、ノモンハン事件での初撃墜を記録した。6月22日、ハルハ河上空で５機を撃墜した後、右手首を銃弾が貫通し、戦線を離脱しようとしたが、敵３機が追撃してきたためこれを総て墜として帰投した。7月21日、３機を撃墜。7月29日、着陸時に奇襲を受けて戦死した。総撃墜数17機。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜スズダレッツ＞：ソ連海軍グリシャ�V型フリゲートSuzdalets。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜すずつき＞：DD-117（護衛艦）を参照。

＜涼月＞：日本海軍秋月型駆逐艦３番艦。昭和17年12月29日竣工。昭和19年4月16日、宮崎県都井岬沖でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて中破した。昭和20年4月6日、沖縄海上特攻作戦に参加。4月7日、奄美大島北西で艦上機の攻撃を受けて大破した。佐世保で修理に入り、終戦時には相浦にあった。昭和20年11月20日除籍。昭和23年に解体され、福岡県若松港の防波堤になった。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜すずなみ＞：DD-114（護衛艦）を参照。

＜涼波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦11番艦。昭和18年7月31日竣工。昭和18年11月11日、ラバウル港外でアメリカ艦上機の雷撃を受けて沈没し、昭和19年1月5日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜鈴谷＞：日本海軍通報艦Suzuya。元はロシア海軍偵察巡洋艦ノーウィック（Novik）で、日露戦争の黄海海戦の後、ウラジオストクに向け単艦で落ち延びていたところ、樺太コルサコフ付近で日本海軍巡洋艦と交戦して大破着底していたのを引き揚げて鹵獲したものである。損傷が激しく機関の復旧は無理で、主缶を減らして３基３軸だったのを１基１軸にしたため、速力が６ノットほど低下した。元々３本の煙突も１本で済むようになったが、ダミーの前部煙突を取り付けて２本煙突にしている。兵装は日本海軍標準とした。排水量3000トン。明治39年8月20日、日本海軍艦籍に編入され、通報艦に類別された。明治41年10月、再就役工事を完工。明治42年11月、旅順の警備艦となった。大正元年8月、二等海防艦に類別変更された。大正2年4月1日に除籍され、売却された。参考：月刊世界の艦船6,’21、月刊丸6,’14、小艦艇入門

＜鈴谷＞：日本海軍最上型軽巡洋艦３番艦Suzuya。昭和8年12月11日起工、昭和12年10月31日竣工。昭和14年12月30日、主砲を20.3cm砲に換装。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制も兵力部署も第７戦隊に所属していた。昭和17年4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月26日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月14日、第３次ソロモン海戦に参加。昭和19年6月19日、マリアナ沖海戦に参加。10月22日、比島沖海戦に参加。サマール沖海戦で艦上機の雷撃を受けて大火災を発生し、沈没した。参考：連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸1,’77、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜すずらん＞：LSSL-438（警備艇）を参照。

＜スター＞：AKA-67（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜★十年式五十三サンチ二連装水上発射管＞：日本海軍の魚雷発射管で、★はスターと読む。十年式五十三サンチ二連装水上発射管の装填秒時を40秒に短縮したもので、神風型（２代目）駆逐艦追風、疾風、夕凪、若竹型駆逐艦夕顔、刈萱に搭載された。参考：日本駆逐艦史

＜スターウインド＞：イギリス空軍ニムロッドR1電子偵察機に搭載されているらしい通信傍受装置。傍受装置22基、広周波数帯域をカバーする方位測定器、周波数高速変換型無線機の傍受装置、信号分析装置を一体化したシステムとされる。参考：月刊軍事研究2,’02

＜スターウォーズ計画＞：アメリカ軍が計画していた弾道ミサイル防衛システム。早期警戒衛星でICBM/SLBMを探知し、情報を宇宙作戦本部や地上の作戦ステーションに送り、最適の兵装システムを選択してブースター・ミッドコース・ターミナルの各フェーズで迎撃する。宇宙作戦本部は低軌道上の宇宙ステーションで、作戦室、居住区、倉庫、サービス区画などで構成され、衛星運用や監視などを行う。兵装システムはＸ線レーザー衛星、化学レーザー衛星、スペース・レーザー・バトル・ステーション、レーザー・リレー・ミラー、粒子ビーム衛星、レールガン衛星、サテライト・ポッド（宇宙空間で弾頭に向けミサイルを発射する）、地上配備型迎撃ミサイル（上層誘導弾、Homing Overlay Experiment）など。参考：ザ・マーチ33号

＜スターウォーズ渓谷＞：STAR WARS CANYON。アメリカのデスバレー国立公園レインボー・キャニオンの通称で、航空交通管制機関からの呼出符号がスターウォーズやジェダイ・トランジッションのため、こう呼ばれる。幅1kmくらいの谷を左右に大きくバンクしながら軍用機が通過していくため、絶好の撮影ポイントである。参考：月刊航空ファン5,’16

＜スター・ウォリアーズ＞：VAQ-209（電子攻撃飛行隊）を参照。

＜スターウッド＞：I80（駆逐艦）を参照。

＜スターク＞：FFG-31（フリゲート）を参照。

＜スターク案＞：アメリカが1940年7月19日（アメリカ時間）／20日（日本時間）に成立させた海軍軍備増強案で、両洋艦隊法（Two-Ocean Navy Act）ともいう。第２次大戦のフランス降伏を受けて急遽製作されたもので、イギリスとドイツの講和や日本の参戦も視野に入れており、アイオワ級戦艦２隻（5-6番艦）、モンタナ級戦艦５隻、エセックス級空母７隻など艦艇260隻135万トン（昭和19年度までに日本海軍が保有する予定の全艦艇のトン数より多い）を建造、艦艇を70%増強し、海軍保有機数を15000機とすることにした。参考：月刊世界の艦船12,’11、9,’13増刊、6,’20

＜スターク被弾＞：イラン・イラク戦争中、アメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲートFFG-31スタークは1987年3月からペルシャ湾の哨戒任務を行っていた。ペルシャ湾内では戦闘待機の中間にあたるコンディション３で準戦時体制を取り、士官と下士官は３分の１が常時待機、乗員は４時間勤務と８時間の休養・睡眠を繰り返し、兵装は手動にセットしてあった。5月17日2000、サウジアラビアに展開していたE-3早期警戒管制機から、イラク空軍ミラージュF1戦闘機（エグゾセ空対艦ミサイル２発を積んだファルコン50ビジネスジェット改造機という説もある）がバスラ北のシャイバ航空基地を離陸し、ペルシャ湾内のバーレーン寄りのコースを南南東に向かっていると警報が発令された。これを受けてFFG-31スタークは取り舵で針路を東に向けている。2000過ぎ、FFG-31スタークのAN/SPS-49レーダーが距離320kmでミラージュF1戦闘機を探知。2140、190kmに接近。2200、70kmまで接近したため、警告を出した。2205、AN/SLQ-32(V)2逆探装置がミラージュF1戦闘機からの電波をキャッチ。2209、FFG-31スタークがミラージュF1戦闘機に向けて「こちら078度12マイルの米海軍艦、貴機を確認したい」と国際周波数で通信を試みたが、応答は無く、距離11マイルで再度意思確認の通信を送ったが、やはり応答は無かった。直後にE-3AWACSはミラージュF1戦闘機のレーダーが火器管制モードになり、FFG-31スタークを捕捉したのをキャッチ。2210、E-3AWACSとFFG-31スタークはミラージュF1戦闘機が激しい機動を行うのを探知。この時ミラージュF1戦闘機は距離35km（射程32kmのSM-1MR艦対空ミサイルの有効範囲外）でエグゾセ空対艦ミサイル１発を、35秒後に距離24kmでもう１発を発射し、機首を北に向けて基地に帰投していった。FFG-31スタークはレーダーではエグゾセ空対艦ミサイルを探知できず、AN/SLQ-32(V)2逆探装置がエグゾセ空対艦ミサイルのアクティブ・レーダー・シーカー電波を探知して警報を出したものの操作員が離席しており、E-3AWACSからの警告も届かず、左舷前方から突っ込んでくるエグゾセ空対艦ミサイルを最初に発見したのは艦橋で当直に就いていた見張り員で、CIWSを自動モードに切り替える間も無く、手動で射撃しようにも上部構造物が邪魔で撃てず、１発目が左舷艦橋直下水線上1.8m付近（第２甲板）に入射角35度で前方から速力600ノット以上で突入した。弾頭は不発で、左舷外板を貫通した後２つに割れ、通路にあった前部消防主管を破壊し、シャワー兼洗面所に飛び込み、その後ろにあった理髪室と郵便室にそれぞれ縦1m×横1.4mと縦1.1m×横0.7mの大穴を開け、CPO室右舷側前部の一角を貫通、ロケットノズルの残骸をCPO室に、弾頭を右舷通路に残し（被弾３日後に発見された）、172番フレーム前方0.5m・第２甲板上1mの右舷外板に縦0.66m・横0.9mの穴を開けて外に出て行った。ミサイルには推進薬が55kg残っており、1900℃以上の燃焼ガスにより大火災が発生。25秒後に２発目がほぼ同じ場所に入射角30-35度で突入し、艦内に1.5m入ったところで炸裂して左舷外板に径4.5mの大穴を開け、命中箇所から半径10mの第２甲板区域に大損害を与え（ただし爆風は殆どが艦外に抜けた）、左舷通路後部の隔壁を破壊し、乗員７名を海に吹き飛ばした（うち２名が死亡）。数分後にＺ閉鎖が下命され、ダメージ・コントロール・チームが現場に急行。既に被弾箇所付近は猛火に包まれており、艦内に煙が充満、応急用具庫３箇所のうち使えたのは１箇所だけだった。破壊された前部消防主管から溢れ出る水と消火用海水のため船体は左舷に16度傾斜し、メタセンタ高さが130-150mmまで減少、転覆の一歩手前まで達したが、波の静かなペルシャ湾で何とか持ちこたえている。死傷者は死者計37名を含む60名以上で、乗員164名の３分の１以上に達し、被弾２時間後には被弾箇所直上の上甲板を経て01甲板のCICも炎上。前部ミサイル弾庫にも高温の煙が充満したが、生き残った乗員が必死に放水を続けて誘爆を防いだ。5月18日0115、酸素呼吸装置の酸素ボンベが全て無くなり、窮地に陥ったが、0135に中東艦隊旗艦AGF-3ラ・サールがヘリで酸素ボンベと器材を運び込んでダメージ・コントロール作業を続行。0200、最後まで作動していたP-250可搬式ポンプの燃料が切れた。飲料水も枯渇したため、乗員が自動販売機を斧で叩き壊して水を確保している。0400過ぎ、チャールズ・Ｆ・アダムス級駆逐艦DDG-24ウォッデルとカニンガムから救援の消火チームが到着。1700、漸く消火に成功した。E-3AWACSの当直士官はサウジアラビア空軍F-15戦闘機にイラク軍機の撃墜を打診したが、司令官の許可を待つ内にF-15戦闘機の燃料が切れかかったため、諦めた。アメリカ海軍はペルシャ湾にいたミサイル駆逐艦カニンガムを急行させて護衛に付け、バーレーンのアメリカ海軍修理施設に向かわせている。イラク側はFFG-31スタークを位置と大きさからイランに入るタンカーと勘違いし、目視で確認せずにレーダーのみで攻撃していた。5月18日にフセイン大統領は親書を送り、事件を公式に認め、レーガン大統領と犠牲者に遺憾の意を伝えた。1989年3月、イラク政府は2700万ドルの賠償に応じた。FFG-31スタークは１年半後に復帰している。この戦訓に基づいてアメリカ海軍のダメージ・コントロール教範が改訂され、艦の抗堪性向上に関する各種勧告も出された。参考：月刊世界の艦船5,’91、9,'22、月刊丸8,’87、世紀の失敗物語、月刊軍事研究7,’99、5,’04、JWings Vol.20、ザ・マーチ40号

＜スター・クロス＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Star Cross。会場後方から５機がデルタ隊形で進入し、正面で急上昇して頂点で上向き空中開花を行って散開、スプリットＳで降下し、５方向から進入して会場上空に星を描く。参考：月刊JWings6,’09、7,’12、6,’10別冊付録

＜スターサファイア３８０ＨＤ＞：FLIR社の電子光学センサー・ターレット。ターレットは６軸安定式ジンバルに装着されており、全周旋回可能で、仰角30度・俯角120度の可動域を持つ。中波赤外線ビデオカメラを標準装備し、カラーCCD、カラーLLLTV、短波赤外線ビデオカメラ、レーザー測距照射装置を組み合わせ、オールデジタル・フルHDの画像を得ることが出来る。IMU/GPSと組み合わせ、目標の位置を特定することも可能。参考：月刊JWings5,’15

＜スダーシニ＞：インド海軍スダーシニ級帆走練習艦。2011年就役。参考：月刊世界の艦船4,’11

＜スダーシニ級＞：インド海軍帆走練習艦Sudarshini級。帆は18枚で、総面積1035平方メートル。行動日数20日。スダーシニが2011年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’11

＜スタージョン＞：N73（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはR-39（SLBM）またはSS-25（Ｅ級潜水艦）またはSS-187（新Ｓ級潜水艦）またはSSN-637（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜スタージョンＳ．１＞：イギリス海軍試作双発高速艦上攻撃機Sturgeon（チョウザメ） S.1。元は1943年にオーディシャス級大型空母用としてイギリス海軍が提示した艦上攻撃機要求S.6/43（総重量24000ポンド・10886kg以下、魚雷または500ポンド爆弾６発搭載）にショート社が自主参加したもので、他社の案を含め要求を満たすものが無かったためイギリス海軍が改めて双発艦攻兼艦偵兼敵艦隊触接機要求S.11/43を提示し（ちなみに同時に出された単発艦攻要求は後のスピアフィッシュ）、アームストロング・ホイットワース社、ブラックバーン社、フェアリー社、ウェストランド社に勝って10月にショート社の案が選定され、試作機３機の製作が決まった。機首は着艦時の視界確保のためプロペラ回転面よりも後ろに置き、対艦レーダーを収容している。コクピットには操縦士のみ位置し、航法士と無線士は中部胴体内に座る。エンジンはマーリン140液冷Ｖ型12気筒ガソリン（２段２速過給器付き、出力2080馬力）双発、推進は二重反転プロペラ。自衛武装は機首の12.7mm機銃２丁。爆弾倉に1000ポンド爆弾なら１発、500ポンド爆弾なら２発、250ポンド爆雷なら４発を収容し、外翼下にロケット弾16発を搭載可能。1946年6月7日に初号機が初飛行したが、第２次大戦終結で量産は見送られ、発注済みのものは標的曳航機に振り替えられた。参考：月刊JWings7,’18、月刊丸6,’14

＜スタージョン艦上爆撃機ファミリー＞

　＜スタージョンＴＴ．２＞：高速標的曳航機型。機首を延長して最前部をガラス張りにし、乗員を操縦士と航法士の２名に減らした。航法士は胴体後部に座って航法や無線操作を行う他、爆弾倉に収容した曳航標的を繰り出したり、機首に移動して機外を撮影したりする。艦上運用も可能だが、実際に艦載されることは無かった。エンジンはアームストロング・シドレー製マンバ・ターボプロップ（1475ehp）双発、最大速度515km。スタージョンS.1の３号機が原型機に改造され、23機が生産された。後に５機がスタージョンTT.3に改造されている。参考：月刊JWings7,’18、月刊丸6,’14

　＜スタージョンＴＴ．３＞：陸上専用高速標的曳航機型。スタージョンTT.2から艦上運用装備を外したもので、ついでに機首を元に戻している。スタージョンTT.2全機を改造する予定だったが、５機までで終了した。参考：月刊JWings7,’18

　＜Ｓ．Ｂ．３＞：試作艦上対潜哨戒機型。1945年に発出されたイギリス海軍艦上対潜機要求仕様GR17/45（アベンジャー後継候補、後のガネット）に独自に応募した機体の社内名称で、イギリス海軍ではM.6/49という仕様を出し直して審査に入った。ASV Mk.�\レーダーを搭載し、機首下面に大型レドーム、機首にレーダー操作員室を追加しており、外見から象の鼻というニックネームが付いている。プロペラは二重反転でなく普通の４翅になった。エンジンはアームストロング・シドレー社製マンバASM.3ターボプロップ（1475軸馬力）双発。初号機はスタージョンT.T.2最終機を改造して1950年8月12日に初飛行し、２号機も完成（90%完工？）したが、低速時の安定性が悪い、エンジン排気管（ターボプロップなので推力を発生する）を斜め下向きにしたせいでエンジン出力変更による推力変化に伴いピッチングを起こすという欠点があり、２号機初飛行前に不採用が決定、1951年にスクラップにされた。参考：月刊JWings7,’18、月刊丸6,’14

＜スタージョン級＞：アメリカ海軍攻撃型原子力潜水艦Sturgeon級、前期建造艦の設計記号はSCB-188A。スレッシャー級攻撃型原潜の後継となる戦後第３世代攻撃原潜である。船体形状は魚雷型で、艦内配置変更やスレッシャー沈没事故を受けた安全対策強化などによりスレッシャー級よりも大型になったが、主機が同じなので速力が下がった。スレッシャー級のセイルが低すぎたので大型化し、ついでに潜望鏡やシュノーケルの配置を改良、攻撃原潜の任務にELINTが加わったのでELINT用マストも追加している。船体構造はスレッシャー級と同様の部分複殻式。潜舵はセイル・プレーンで、氷海での浮上を考慮して90度上向きにできる。ソナーシステムは28番艦まではAN/BQQ-2、29番艦SSN-678以降はAN/BQQ-5で、ソナー改良ついでに船体を拡大するなどの改修を施している。全長89.1m（28番艦まで）／92.1m（29番艦以降）、最大幅9.65m、吃水7.4m、水上排水量4250トン（28番艦まで）／4460トン（29番艦以降）、水中排水量4780トン（28番艦まで）／4960トン（29番艦以降）。主機は原子力蒸気タービン方式、S5W原子炉１基・２段減速歯車付高低圧２胴型蒸気タービン２基、出力15000馬力、１軸推進、水上速力15ノット、水中速力25ノット。安全潜航深度396m。兵装は533mm魚雷発射管４門（セイル直下あたりの艦前下部両舷。魚雷23本または機雷）。乗員107名（179名？士官14名と下士官・兵133名？）。SSN-637スタージョン、SSN-638ホエール、SSN-639トートグ、SSN-646グレイリング、SSN-647ポーギ、SSN-648アスプロ、SSN-649サンフィッシュ、SSN-650パーゴ、SSN-651クイーンフィッシュ、SSN-652パファー、SSN-653レイ、SSN-660サンド・ランス、SSN-661レイポン、SSN-662ガーナード、SSN-663ハンマーヘッド、SSN-664シー・デビル、SSN-665ギタロ、SSN-666ホークビル、SSN-667バーゴール、SSN-668スペードフィッシュ、SSN-669シーホース、SSN-670フィンバック、SSN-672ピンタド、SSN-673フライング・フィッシュ、SSN-674トリパン、SSN-675ブルーフィッシュ、SSN-676ビルフィッシュ、SSN-677ドラム、SSN-678アーチャーフィッシュ、SSN-679シルバーサイズ、SSN-680レッドフィッシュ、SSN-681バットフィッシュ、SSN-682タニー、SSN-683パーチ、SSN-684カバラ、SSN-686Ｌ・メンデル・リバーズ、SSN-687リチャード・Ｂ・ラッセルの37隻が1967-75年に竣工した。１番艦就役直後に静粛性不足が問題となり、適宜改良を加えている。後にハープーン潜対艦ミサイルとトマホーク巡航ミサイルの運用能力を追加し、TASSを装備して上構左舷に鞘を設けた。2005年までに退役した。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船6,’13、8,’18、6,'21、月刊軍事研究5,’03、5,’17、9,’06、現代の潜水艦

＜スター・ストリーク＞：イギリス軍携帯式地対空ミサイルStar-Streak（Starstreak？）。イギリス軍の要求にSMS社の提案が採用され、1986年から開発された。１段目のブースターでランチャーチューブから射出され、その後２段目のTITUSサステナーにより一気にマッハ3.5まで加速、射手によるレーザー照準線指令方式で誘導されながら目標に接近し、弾頭先端のダーツ（俗称スティング）３本を発射して目標に命中させる。ダーツは直径20mm、長さ450mmで、内部にジャイロ、遅延信管、レーザー受信機、HE弾頭が収容されており、尾部に姿勢制御システムが組み込まれているらしく、最終コースの微調整が可能とされる。撃ちっ放し性は無く操作に熟練が要るが、妨害に強い。射程7km前後、射高4.5kmとされる。1997年に配備された。ストーマー車体に４連装ランチャー２基を搭載するターレットを載せたり、３連装ランチャー２基を搭載するマウントをソフトスキン車両の荷台に載せたり、縦３連装のものを携帯式として用いたり、と応用範囲が広い。オーストラリア軍とカナダ軍も配備した。タレス社がネクスター社製40mmCTA機関砲及びタレス社製SHIKRA-60レーダーFCSと組み合わせて装軌車両に搭載した機械化旅団防空用自走ガンミサイルシステムを開発中。参考：月刊PANZER9,’99、月刊軍事研究4,’04、12,’11

＜スターターエアタービン＞：自衛隊の機器。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究1,’19

＜スタータージェネレータ＞：Startergenerator。航空用ガスタービンエンジンの始動用直流電動機で、エンジンの始動が完了したら電動機の用が無くなるので、今度は発電機として動かし、機内電源や充電に使えるようにしたものである。参考：航空用語事典増補改訂版

＜スターディ＞：H28（駆逐艦）またはP248（潜水艦）を参照。

＜スターテヴァンド＞：DD-240（駆逐艦）またはDE-239（護衛駆逐艦）を参照。

＜スターテン・アイランド造船所＞：アメリカ海軍がスターテン島に19世紀末に建造した鉄工所・乾ドックを統合して誕生した会社で、1907年にこの名称になった。1930年代半ばから駆逐艦を建造。1938年、ベスレヘム・スティール社に買収された。1960年に大部分が閉鎖され、残った推進器製造部門も1971年に閉鎖された。参考：月刊軍事研究9,’07

＜スタート生産協会＞：ソ連の核関連施設。核兵器関連の電子部品を製造する。1955年4月から工場が建設され、1958年から稼働した。参考：核兵器事典

＜スターバースト＞：イギリス陸軍携帯地対空ミサイルStarburst。ジャベリンの後継として開発された。誘導がセミアクティブ・レーザー・ホーミングとなり、命中精度が向上した。弾頭はダーツ３本と炸薬。ストーマー装甲車に８連装で搭載することも可能で、目標の捕捉には熱線暗視装置を用いる。湾岸戦争時に配備されていたが、使用はされなかった。ストーマー装甲車搭載型は135両がイギリス陸軍防空連隊に配備された。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究7,’97

＜スターバスター＞：X-2（実験機）を参照。

＜スターファイア＞：F-94シリーズ（戦闘機）を参照。

＜スターファイター＞：F-104シリーズ（戦闘機）を参照。

＜スターファイターズ＞：カナダ空軍CF-104戦闘機デモチームThe Starfighters。西ドイツのバーデン・ゾーリンゲン基地に展開していたCF-104飛行隊が1970年代から独自に編成していたデモチームを1980年に一纏めにしたもので、CF-104戦闘機５機（編隊４機＋ソロ１機）編成である。1981年6月、エアタトゥーに参加。活動期間は短く、1983年前半に解散した。参考：月刊航空ファン10,’17

＜スターファイターズ・エアロスペース＞：アメリカの航空宇宙研究開発支援企業。元は1990年代にF-104戦闘機を使用した超音速ディスプレイチームとしてフロリダ州クリアウォーターで起業したスターファイターズInc.で、2007年にケープカナベラルのNASAケネディ宇宙センターに移動して研究開発飛行業務を行うようになり、2009年にNASAと正式契約を結んだ。ディスプレイチーム時代のF-104戦闘機３機（カナダの退役CF-104/CF-104D）に加え、イタリア空軍から退役TF-104G練習機３機とF-104S-ASAMを１機購入して業務に使用している。参考：月刊航空ファン11,’16

＜スターフィッシュ＞：90-RU（対潜ロケット）またはS19（潜水艦）を参照。

＜スターフィッシュ＞：パキスタン軍の機雷。有効探知距離150mの磁気センサー、1000mの音響センサー・水圧センサーを持つ。全長1.807m、直径533.4mm、重量767kg。有効深度50-1000m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜スターフィッシュ作戦＞：イギリスが第２次大戦時に実施した、欺瞞火災作戦。ドイツ爆撃機は少数のパスファインダーが発生させた火災を目印に投弾するため、目標から4.8-6.4km離れた田園地帯にわざと火災を発生させてそちらを爆撃させるものである。爆撃が始まった都市の司令部から電話連絡が入ると、550m離れた所にある集中管理所から電気着火装置で点火する。都市に見せかけるため、建物の形をした鉄＋石綿の構造物にガソリンの染み込んだフェルト、パラフィン、石炭などを燃焼剤として装着したものが多数用意されていて、ガソリンフェルトは急速に燃え広がって大規模火災を模し、パラフィンや石炭は様々な炎色や煙を作り出して持続的に燃焼する。1941年1月からガソリンを噴出させて遠隔操作で火災を発生させるシステムの設置を開始し、一定間隔で水を噴射して工場の爆発を欺瞞する装置も開発、1941年3月初めにはスターフィッシュ基地108カ所が稼動状態にあった。夜間の悪天候時にはかなりの効果を発揮しており、投下された爆弾の95%が偽火災に誘導されたこともあった。参考：世界の傑作機No.145、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜スターフィッシュ・プライム＞：1962年7月9日にアメリカが実施した核実験。1.45メガトンのW49核爆弾をPGM-17ソア中距離弾道ミサイルに搭載してハワイのジョンストン島から打ち上げ、高度400kmで炸裂させたところ、1455km離れたハワイで電話回線破壊、防犯警報器誤作動、300カ所の街路灯被害といったNEMP/HEMPの被害が発生した他、衛星も機能を喪失した。参考：月刊軍事研究7,’03、5,’14、5,’07、8,’18

＜スターブライト＞：P-70（巡航ミサイル）を参照。

＜スターブレイザー・ハブクイック�Uサターン＞：AN/ARC-232（無線機）を参照。

＜スターム・ルガー社＞：ルガー社を参照。

＜スター・モデルＺ８４＞：スペインのボニファシオ・エチェベリア社が開発したサブマシンガン。ウージーがモデルで、1984年に登場した。全長670mm（ストック展開時）／465mm（折り畳み時）、重量3kg。装弾数30発、発射速度毎分600発。1980年代に治安対テロ部隊GEOが採用し、スペイン軍特殊部隊も採用した。参考：月刊軍事研究4,’99

＜スターライト＞：リンクス�U（合成開口レーダー）を参照。

＜スターライトＳＵＶ２００＞：中国の山河科技が開発した無人ヘリ。見た目はファイアスカウトである。2012年初めに初飛行した。参考：月刊軍事研究9,’12

＜スターライト・スコープ＞：微光暗視装置を参照。

＜スターライト・ペリ＞：アメリカ陸軍M1A1戦車の操縦手用暗視ペリスコープの通称。第４世代暗視装置MCIIを搭載しているのでこう呼ばれる。参考：月刊軍事研究8,’01

＜スターリフター＞：C-141シリーズ（輸送機）を参照。

＜スターリン＞：RS-24（ICBM）を参照。

＜スターリン＞：本名はイオシフ・ヴィサリオノヴィッチ・ジュガシヴィリ。1879年、グルジア生まれ。レーニンのボルシェビキに入った後、テロなどを行って逮捕され、シベリア追放も喰らったが、1917年の２月革命で解放されてサンクトペテルブルクに戻った。4月末、ボルシェビキ中央委員会委員に選出された。10月革命で民族人民委員に選出され、次いで共産党政治局員として内戦の指導にあたった。1922年4月、中央委員会書記長となった。1924年1月のレーニン死去後、1929年までに有力者を党から追放して独裁体制を築いた。1934年12月、セルゲイ・キーロフ政治局員が暗殺されると、反革命分子及びスパイの摘発と称してスターリン反対派を粛清した。逆に自身の暗殺を極度に警戒し、食事は必ず毒味させ、車での移動の際にはダミーを数台用意、周囲にいる人間にはポケットに手を入れることすらさせなかった。ちなみにこれをパラノイアの疑いと診断した医師はその直後に謎の死を遂げたという。1935年春からスターリン警護要員、共産党員、コムソモールに対する粛正が始まり、1939年初めまで粛正の嵐が吹き荒れた。1941年6月22日にドイツがソ連に侵攻した際、あまりのショックに開戦演説をモロトフ外務人民委員に任せて別荘に１週間ほど引き籠もっている。1952年10月の第19回共産党大会で、1948年に死亡した腹心のジダーノフ最高評議会議長が毒殺だと告発する手紙を読み上げ、11月から自分の主治医のウラジミール・ヴィノグラドフ博士など医師を次々と逮捕。拷問を加えてジダーノフ暗殺の供述を引き出し、医師団陰謀事件として大々的に報道、ソ連医師の６分の１を占めていたユダヤ人に対する排斥運動にまで発展した。1953年3月2日、別荘で右片麻痺と発語不能に陥っているところを発見された。左脳出血だったが、専門医は全て粛正で牢獄の中におり、治療のため呼ばれた医師は後頭部と首にヒルを付けての吸血、ハッカやカフェインの投与といった中世まがいのトンチンカンな処置しかできず、3月5日に死亡した。4月4日、内務省は医師団陰謀事件が公安機関によるでっち上げであると発表し、ユダヤ人排斥運動も消え失せた。参考：月刊軍事研究6,’13、日本医事新報No.4610

＜スターリンク＞：スペースＸ社のブロードバンド衛星インターネット・サービス。通信衛星数千基を高度550kmで周回させ、低遅延（遅延秒時25ミリ秒）の衛星インターネット・サービスを提供する。2022年2月のウクライナ戦争勃発で、ウクライナに対して提供した。10月、日本でのサービスを開始。2023年3月、三自衛隊が実証実験を開始した。参考：月刊JWings9,’23

＜スターリング＞：U66（スループ）を参照。

＜スターリング＞：イギリス海軍ピーコック級哨戒艦Starling。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜スターリング重爆撃機シリーズ＞：イギリス空軍重爆撃機Stirling。イギリス初の４発重爆で、1936年7月に要求され、ショート・ブラザーズ社が開発したが、建設済みの格納庫に収まるようにと翼幅が制限されており、設計に苦労した。1939年5月14日に試作機が初飛行し、上昇性能不足と爆弾倉容量不足を指摘されたが、第２次大戦が始まったため量産に移され、1941年から配備されている。総生産数2383機（6176機？）。ドイツ本土爆撃での延べ出撃機数8221機、爆弾投下量27821トン。参考：月刊JWings9,’04、12,’12、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊軍事研究11,’17、10,’18

　＜スターリングＭｋ．�T＞：エンジンは1500馬力級のハーキュリーズ�U／�\などで、初期のみスピナーを付けていた。爆弾倉は胴体下と中央翼下にある。主脚は半引き込み式、尾脚は引き込み式である。最初は胴体下部銃塔が付いていたが、後に撤去された。全長26.59m、全幅30.2m、総重量33300kg。最大速度394km。防御武装は機首の7.7mm機銃２丁、後上方のFN7銃塔（7.7mm機銃２丁搭載、後にFN50に変更）、機体後部の7.7mm機銃４丁。爆弾搭載量6350kg。乗員７名。712機が生産された。参考：月刊JWings9,’04、ラバウル航空戦

　＜スターリングＭｋ．�U＞：エンジンをアメリカ製のライト・サイクロンに変更したもの。試作のみに終わった。参考：月刊JWings9,’04

　＜スターリングＭｋ．�V＞：エンジンをハーキュリーズ�]�W（1650馬力）に変更したもの。1047機が生産された。参考：月刊JWings9,’04

　＜スターリングＭｋ．�W＞：グライダー曳航機型で、1943年から開発された。スターリングMk.�Vの武装を全て外し、機体後下部にグライダー曳航装置を搭載している。尾部機銃は残したものもあった。空挺隊のG.A.L48ホットスパー練習用グライダーなら５機、A.S.51ホルサ空挺グライダーなら２機、G.A.L.49/58ハミルカー空挺グライダーなら１機を曳航でき、曳航器具を撤去すれば兵員輸送機になる。120機がスターリングMk.�Vから改造され、201機が新造された。参考：月刊JWings9,’04

　＜スターリングＭｋ．�X＞：輸送機型。スターリングMk.�Wの機首をドーム状風防とし、胴体右側面に積み降ろし用の扉を設けた。ジープなら２両、57mm対戦車砲やトレーラーも搭載可能となった。兵員なら40名、空挺隊員なら20名、傷病者なら14名を運搬可能。160機が生産された。1946年に退役した。参考：月刊JWings9,’04、6,’19

　＜スターリングＭｋ．�Y＞：爆撃機型。スターリングMk.�Vのエンジンをハーキュリーズ100に換え、燃料搭載量を増加させたものである。全長21.82m、全幅31.72m、全備重量31050kg。エンジンはハーキュリーズ100（1800馬力）４発、最大速度505km、実用上昇限度6700m、航続距離3860km。防御兵装は7.7mm機銃９丁。爆弾搭載量5900kg。乗員７名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜スターリングＭｋ．�Z＞：スターリングMk.�Yのエンジンをハーキュリーズ16に戻したもの。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜スターリングＭｋ．�W＞：L2A1（サブマシンガン）を参照。

＜スターリングＭｋ．�X＞：L34A1（サブマシンガン）を参照。

＜スターリング・エンジン＞：外燃機関の一種で、1816年にスコットランドのロバート・スターリング牧師が採石場排水ポンプの動力源として開発した熱空気エンジンが大元である。密閉空間に気体（作動流体）を閉じ込め、それを加熱冷却して膨張収縮させ、ピストンを動かして動力として取り出す。出力を上げるためには加熱冷却のスピードを速くする必要があり、分子量が小さいヘリウムなどの気体を使う。また、気体を加圧するのも出力向上に役立つが、密閉が難しくなる。通常のレシプロ・エンジンと同じ形状のピストン・シリンダーだと急速加熱冷却が困難なので、加熱専用ピストンと冷却専用ピストンを用意したり（α型スターリング機関）、１つのシリンダー内にピストンを２つ（ディスプレーサ・ピストンとパワー・ピストン）用意して加熱部（ディスプレーサ・ピストンとシリンダー天井の間）と冷却部（ディスプレーサ・ピストンとパワー・ピストンの間）に分けたり（β型スターリング機関）、β型のパワー・ピストンを別シリンダーに分けたり（γ型スターリング機関）、シリンダーの上下に加熱部と冷却部を設けたり（複動式スターリング機関）、ピストンを戻す際にバネの力を借りたり（ビール型スターリング機関）する。加熱部と冷却部は中の流体が行き来できるように繋いでおくが、加熱された流体をそのまま冷却部で冷やす（逆も同じ）と時間がかかるので、途中に再生器を噛ませておき、加熱流体から熱を奪って冷却部に送り、逆にその熱を冷却流体に与えて加熱部に戻すという工夫を施す。理論的には熱効率が熱機関の中で最大といわれるが、封入ガスの比熱容量と質量で出力が決まるため、体積当たりの出力が小さいという欠点があり、出力増大のため作動流体を詰め込んで装置を大型化すると、流体が加熱部と冷却部を行き来する際に無駄に熱を消費し、熱量損失が内燃機関の2-3倍になってしまう。酸素を必要とするものの、多種多様な燃料（燃えれば何でも）を使用でき、騒音や振動もディーゼルエンジンより抑制できるが、構造が複雑でコストが高いのが欠点。出力の増減は加熱部と冷却部の温度差を増減させるか、シリンダー容積を変更する必要があるが、温度差の増減には時間を要するのですぐに出力を変えられず、シリンダー容積可変機構は更に構造が複雑化して密閉性も損なわれる。低めの一定出力でずっと運転させておくには効率的で、潜水艦用AIPに向いているためスウェーデンのコックムス社がV4-275Rシリーズとして実用化し、A19型ゴトランド級潜水艦やそうりゅう型などに搭載された。中国も1991年から中国船舶工業集団第711研究所が開発し、2001年に出力75kWのものを完成させて元級に使用した。参考：月刊軍事研究5,’16、4,’00、4,’10、月刊世界の艦船8,’17、2,’15、自動車エンジンの技術、自動車メカニズム図鑑

＜スターリング・エンジンＭｋ２＞：V4-275R Mk2を参照。

＜スターリング・キャッスル＞：イギリス王国艦隊補助部隊RFA掃海母船Stirling Castle。元はアイランド・オフショア社所有洋上作業支援船アイランド・クラウンで、イギリス国防省が購入して改称した。機雷掃討用USV/UUV母船に改造して運用する予定。全長96.8m。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜スターリング・サブマシンガン＞：L2シリーズを参照。

＜スターリング発電機＞：自衛隊の機器。城南が受注している。参考：月刊軍事研究6,’18

＜スターリングラード＞：ソ連海軍スターリングラード級重巡洋艦１番艦スターリングラード（Stalingrad）。1951年12月31日起工。1953年11月6日（十月革命記念日）に進水させる予定だったが、建造が遅れた上にスターリンが死去、1953年4月18日に建造中止となった。6月、実艦的に改造されることになり、1954年に進水した。1956-57年に対艦ミサイル、魚雷、爆弾、砲弾のテストに使用され、その後解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スターリングラード・キエフ＞：第５親衛戦車軍団の称号。

＜スターリングラード級＞：ソ連海軍重巡洋艦82型Stalingrad級。実質的には巡洋戦艦である。83型重巡ベースの203mm砲搭載重巡として1941年3月に主要戦術・技術規則が承認されたのが始まりで、210-230mm３連装砲搭搭載重巡として第17中央設計局が原案を作成し、1944年11月に排水量25000-26000トン、220mm３連装砲搭３基と130mm連装両用砲８基を持つ重巡としてクズネツォフがスターリンに提案したが、この時は独ソ戦がたけなわだったので、開発には至らなかった。戦後の1947年1月にスターリンが主砲口径305mmまたは203mmの重巡の基本案を作成するよう命じ、主砲口径305mm・舷側装甲厚200mm、主砲口径305mm・舷側装甲厚150mm、主砲口径220mmの３案が検討され、1948年3月に主砲口径305mm・舷側装甲厚200mm案が採用された。1949年10月、新たに開設された第16中央設計局が開発を担当することになり、1951年6月に最終設計案が承認されて４隻を建造することになった。主砲弾として5219型長距離砲弾（弾頭重量230.5kg、初速毎秒1300m、射程127.4km）も開発している。全長273.5m、幅32m、吃水8.7m、基準排水量36500トン、常備排水量40980トン、満載排水量42300トン。機関出力280600馬力、速力35.2ノット、航続距離5000海里（18ノット）。兵装は305mm３連装砲搭３基、130mm連装両用砲６基、45mm４連装砲６基、25mm４連装機関砲10基。装甲厚は舷側180mm、中甲板70-75mm、主砲搭280mm、司令塔260mm。乗員1710名。スターリングラード、モスクワ、３番艦が1951年から起工されたが、1953年のスターリン死去後にミサイル兵装推進派のベリアが建造中止を決定、スターリングラードは進捗70%で実艦的に改造され、他は解体された。４番艦は起工もされていない。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’20

＜スターリングラード戦＞：第２次大戦中の1942年7月13日から翌年2月まで、ボルガ河西岸に沿って広がるスターリングラード市街で繰り広げられた市街戦。「スターリン」の名の付く市街を占領することで自己満足に浸るというヒトラーの個人的野望で立案されたともいわれるが、ボルガ河交通遮断、市街北部に存在する工場群の占領・破壊、鉄道操車場の占領、市中央部の高地の制圧など、達成するに足る重要な戦略・戦術目標も存在していた。1942年7月13日、ドイツ軍はスターリングラードに向かい侵攻を開始。ヒトラーの命により、ドン川下流のロストフでソ連軍を包囲することとした。また、ドイツ南方軍集団をＡ軍集団（第１・第４機甲軍）とＢ軍集団（第６軍）に分け、ロシア南部戦区の北翼と南翼を分担し、スターリングラードとカフカスを同時攻略することになってしまった。7月20日、ドイツ第６軍はスターリングラード前面のカラチ防衛ラインに激突。7月22-23日、スターリングラード方面を防衛するソ連第62軍に対して攻撃をかけ、大損害を与えたが、第64軍の援護もあって撃退された。ドン川彎曲部北から攻撃をかけるドイツ軍に対し、ソ連第１戦車軍と第４戦車軍が反撃に出たが、制空権が無かった事と、両戦車軍指揮官が歩兵将校で戦車運用法を知らなかった事から、8月初旬までに両戦車軍には戦車が１両も無くなってしまった。7月23日、南方軍集団をＡ軍集団とＢ軍集団に分けてカフカスとスターリングラードを同時攻略する正式な総統命令45号が出た。7月28日、スターリンは命令第227号を発した。8月8日、第６軍はスターリングラード前面のカラチ防衛ラインを突破、ソ連第62軍と第１戦車軍を壊滅させた。8月16日、Ｂ軍集団はカラチの大鉄橋を占領。8月21日、第51軍団がカラチ北の２箇所でドン川を渡った。8月22日、スターリングラード側面をイタリア第８軍に渡したドイツ第６軍の装甲師団２個、自動車化歩兵師団２個、歩兵師団７個がソ連第62軍狙撃師団６個、戦車軍団２個計６万名の防衛軍に攻撃を開始。第16機甲軍団がボルガ川西岸に達し、市の北部を閉鎖した。8月23日、ドイツ軍はスターリングラード北方10kmでボルガ川に到達。また、市街には2000機の爆撃機が襲来し、建物はほぼ全壊した。正午頃、市北部からドイツ軍が進入を開始。スターリングラード・トラクター工場では労働者200名と、工場にあった戦車30両を繰り出して必死に抵抗した。8月24日、スターリングラード市北部から攻撃を続けるドイツ軍に対し、第62軍第87狙撃師団を初めとする防衛隊は執拗な抵抗を続け、第1379連隊の１個小隊は対戦車ライフル、火炎瓶、収束手榴弾などで戦車70両を迎え撃ち、２日で27両を破壊するという戦果を上げた。8月25日、ドイツ軍はカラチ方面から進撃するが、増援部隊が反撃に出て撃退。8月30日、第４機甲軍がスターリングラード南部から背後のウォロポノウォに到達。しかし第６軍の南下が9月2日まで遅れたため、ソ連軍の包囲に失敗、この後熾烈な市街戦となった。スターリングラードでは民間人５万人を人民防衛軍として徴用、市民７万５千人が第62軍に編入され、13-16才の共産党青少年組織コムソモルも戦闘部隊に編成された。9月13日、ドイツ第51軍団がスターリングラード中心部まで到達。9月15日、ソ連軍に増援（10月3日までの間に６個師団）が送られた。9月22日、スターリングラード南部をドイツ軍が制圧。しかし、ソ連軍がバルカ（水の無い川底）に強力な防御陣地を構築していた市中央部の高地、通称「ママイの丘」の奪取に１ヶ月以上かかってしまい、ソ連軍に9月末から10月初めにかけて10個師団の増援を許した他、避難を禁止されて義勇兵となったスターリングラード市民の抵抗にもあって多大な出血を強いられた。また、ソ連軍は下水道を利用して兵を背後に送り込み、前線部隊の孤立を図った他、人民警察部隊NKVDを義勇兵後方に配置して逃亡兵を射殺している。10月中旬、中央港鉄道フェリー駅周辺とラルール化学工場の橋頭堡を除いてドイツ軍が市内を制圧。11月初め、ドイツ軍はスターリングラード市の９割を制圧した。11月18日、スターリングランド側面を守るルーマニア第３軍周辺にソ連軍が集結していることを受け、第６軍が最後の攻勢をかけた。11月19日、ソ連が冬季攻勢を開始し、第６軍に二重包囲をかけた。ルーマニア第３軍が突破され、11月22日には第６軍背後のカラチをソ連軍が占領。スターリングラードの第６軍は孤立した。11月24日、ヒトラーが第６軍にスターリングラード死守命令を出した。これを支えるために１日300トンの物資（本当に必要な量は食料700トンに燃料・弾薬300トン）を空輸しようとしたが、100トンがやっとで、周囲の飛行場がソ連軍に占拠されると空輸自体が不可能になった。11月26日、第６軍救出作戦「冬の嵐」発動。12月16日、スターリングラード北西のイタリア第８軍がソ連南西方面軍とボロネジ方面軍の大攻勢を受け、第６軍の救出はおろかＡ軍集団全体が包囲殲滅の危機に瀕した。12月19日、マンシュタインが第６軍パウルス司令官に包囲からの脱出を要請。12月23日、パウルスは燃料不足を理由に自力脱出を諦めた。12月24日、冬の嵐作戦が失敗、第４機甲軍は撤退してイタリア第８軍の穴埋めに向かった。1943年1月8日、ソ連から降伏ビラが撒かれたが、パウルスは拒否。1月9日、ソ連軍が第６軍に総攻撃をかけた。1月14日、スターリングラードでのドイツ軍唯一の連絡路であったピトムニク飛行場が占領された。2月2日、スターリングラードで最後まで抵抗を続けた第11軍団が戦闘停止。ブラウ作戦は失敗した。第６軍は、1942年12月18日には233000名が包囲されていたが、このうち43000名が空路で脱出、1943年2月3日までに捕虜になったのが91000名で、この時107800名が戦場におり、それ以降に80500名が捕虜になった。捕虜のうち、1960年代までにドイツ本国に帰還できたのは6000名くらいである。空輸作戦ではHe111爆撃機165機を失った。ソ連軍は将兵20万名と義勇兵40万人を失い、戦闘前に50万人いた市民は、10万人が疎開した他は殆ど義勇兵となって戦死し、戦闘終了時には１万人しか残っていなかった。参考：月刊PANZER2,’99、月刊軍事研究3,’06、月刊丸8,’87、4,’17、MAMOR vol.129

＜スターリングラードの白バラ＞：リトヴァック（ソ連空軍エース）を参照。

＜スターリングラードのマドンナ＞：スターリングラード包囲下のドイツ第６軍第16装甲師団付き外科医のクルト・ロイバー軍医が、看護所で描いた母子像。古いソ連の地図の裏に木炭で描かれ、クリスマス・イブに負傷兵に送られた。参考：月刊PANZER2,’99

＜スターリンのオルガン＞：カチューシャ自走ロケット発射機にドイツ兵がつけたニックネーム。参考：WW�U欧州戦史シリーズVol.4

＜スターリン・ライン＞：ソ連が1939年の国境線に沿って構築した防御陣地。黒海のオデッサ前面からエストニアまで続く塹壕・トーチカ陣地だったが、バルバロッサ作戦での機動戦に対応できず、突破されてしまった。参考：WW�U欧州戦線シリーズVol.4

＜スタールイ・オスコル＞：B-262（潜水艦）を参照。

＜スターレット＞：N22（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはSS-392（ガトー級潜水艦）を参照。

＜スターワート＞：K20（コルベット）を参照。

＜スターン＞：DE-187（護衛駆逐艦）を参照。

＜スターン＞：Stern。艦尾、艫のこと。参考：月刊JWings2,’00

＜スターン・ウォーク＞：艦尾に設けられた、司令長官・艦長用遊歩廊下のこと。参考：艦船メカニズム図鑑

＜スターンスラスター＞：船尾の幅の狭い部分に設けられたサイドスラスターのこと。参考：図解雑学　船のしくみ

＜スタイネイカー＞：DD-863（駆逐艦）またはDE-452（護衛駆逐艦）を参照。

＜スタイル＞：ノルウェー海軍ストルム級高速哨戒艇。1966年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜スタイル＞：ノルウェー海軍ショルド級ミサイル艇Steil。2016年3月3日からコールド・レスポンス2016演習に参加。2021年9月13-23日、ノーザン・コースト2021演習に参加。参考：月刊世界の艦船6,’16、12,’21

＜スタイン＞：FF-1065（フリゲート）を参照。

＜スタウト＞：DDG-55（駆逐艦）を参照。

＜スタガーＰＲＦ＞：Staggered PRF。パルス・レーダーのパルス繰り返し周波数PRFを一定のパターンで変更させる技法のこと。二次（多次）周回エコーによる目標誤認を防ぐためのもので、最大探知距離内の目標はPRFを変えても同じ位置で表示されるが、二次（多次）周回エコーはPRFが違うと位置も違ってくるので、区別が容易になる。同期型パルス・ジャマーの妨害も除去できる。参考：レーダの基礎、月刊エアワールド4,’00

＜スタガーＰＲＦ　ＭＴＩ方式＞：MTI（移動目標表示）を参照。

＜スタガード・カラム・マガジン＞：ダブル・カラム・マガジンを参照。

＜スタグネーション＞：ジェットエンジンの圧縮機（特に軸流式）の動翼が失速してしまい、エンジン回転数が上がらなくなること。圧縮機の一部で起こるのをコンプレッサー・ストール（Compressor stall）、圧縮機全体に広がるのをサージング（Surging）として区別することもあるが、どこまでが一部でどこまでが全体なのか、明確に分かれている訳では無い。航空機の急激な運動・気象変化による吸入空気流の乱れや、圧縮機内部での圧縮空気流の乱れ、供給燃料過多による燃焼室内圧力増大などで生じる。流入空気を圧縮できなくなり、スロットルを高推力にしても低推力・低回転に留まってしまい、そのまま運転し続けるとオーバーヒートしたり、タービンの羽根が熱で損傷して折れたりする。行き場を失った流入空気は排気ダクトやエアインテイクから大音響と共に一気に噴出し、時に炎を伴う。回復するにはエンジンを再始動させる必要がある。２軸・３軸式圧縮機の採用、圧縮機中途への圧縮空気抽出弁設置、可変ステーター・ブレード使用、航空機の急激な運動の回避といったことで予防する。参考：航空用語事典増補改訂版、F-15イーグル、月刊JWings10,’09別冊付録、月刊航空情報3,’18

＜スタジアメトリック式測遠照準器＞：照準レティクル内の目盛りと、目標物の見かけ上の大きさを比較して射距離を読み取る測遠照準器。1000-1500m程度までは比較的正確で、機構も単純だが、それ以遠では精度ががた落ちする。また、目標の実際の大きさが分かっていないと測距できない。参考：月刊PANZER2,’02

＜スタック＞：DD-406（駆逐艦）を参照。

＜スタック＞：Stack。艦船の煙突のこと。チムニー（chimney）とは言わない。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜スタックスネット＞：イスラエルが2010年にイランのブシェール原子力発電所とナタンツのウラン濃縮施設のコンピュータ・ネットワークに仕込んだサイバー攻撃用マルウェアStux.net。ウインドウズの脆弱性を利用したもので、東南アジアや中国でも感染が報告されている。複雑な原子炉・ウラン濃縮装置制御システムを誤作動させるため、綿密な諜報活動によりシステム全容を掴んだ上で設計されたとみられており、システムを設計したドイツのシーメンス社を利用して外部から侵入できない閉鎖ネットワーク内に入り込んだり、台湾企業のデジタル署名を使って正規ソフトであると見せかけたりしている。イラン側も閉鎖ネットワーク内で使用しているからと脆弱性修正プログラムのアップデートをサボっていたため、USBメモリにより直接送り込まれたスタックスネットの攻撃を受けてしまった。参考：朝雲、月刊軍事研究11,’13

＜スタッグハウンド・シリーズ＞：イギリス陸軍４輪装甲戦闘車。アメリカ陸軍がM6装甲車を持て余していたため、シボレー社製T17E1をイギリスで採用し、レンドリースで送ってもらったものである。参考：月刊PANZER1,’13、11,’02、世界の軍用車両(4)

　＜スタッグハウンドＭｋ．�T＞：車体はモノコック構造で、車体左前部にM1919A4機銃があり、車体両側面にドラム缶状の補助燃料タンク（車内操作で投棄可能）を装着できる。アメリカ製の駆動系は好評で、不整地踏破能力は６輪のM8装甲戦闘車より良かったらしい。タイヤはランフラット式。砲塔には37mm戦車砲M6（101発）とM1919A4機銃（砲塔上面後部。250発入り弾薬箱20個）を備える。全長5.38m、全幅2.69m、全高2.33m、重量13.9トン。装甲厚は車体前面22-16mm、側面19mm、後面9mm、上面13mm、砲塔前面45mm、側面32mm。エンジンはGMC製モデル270ガソリン（97馬力）２基で、それぞれのエンジンに４速オートマチック・トランスミッションと２速トランスファーが付いている。路上最大速度90km、航続距離720km。搭載無線機はNo.19無線機。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手）。主に本部付き車両として配備され、装甲車連隊本部と中隊本部に３両ずつ装備された。現地改造で砲塔左右に戦闘爆撃機用60ポンド（27kg）ロケット弾RP-3をランチャーごと２基ずつ装着したものがある。参考：月刊PANZER1,’13、11,’02、世界の軍用車両(4)

　＜スタッグハウンドＭｋ．�U＞：主砲をマチルダCSやチャーチル初期型が搭載していた３インチ榴弾砲に換装したもの。イタリア戦線で、現地改修により製作（イギリス本土で改造？）されて使用された。参考：月刊PANZER11,’02、1,’13

　＜スタッグハウンドＭｋ．�V＞：砲塔をクルセイダー�Vと同じものに変更し、イギリス製37.5口径75mm砲（６ポンド砲のまま？）を搭載したもの。通信手席と車体機銃は廃止した。100両前後が生産された。参考：月刊PANZER1,’13、11,’02、月刊丸2,’07

＜スタッグハウンド・ファミリー＞

　＜指揮装甲車＞：指揮装甲車型。砲塔を撤去して改造し、連隊本部に配備した。参考：月刊PANZER1,’13

　＜試作地雷処理車＞：試作地雷処理車型。車体前方に地雷原啓開トレーラーを装着した。試作のみに終わっている。参考：月刊PANZER1,’13

＜スタック・バレル＞：上下二連銃の銃身のこと。現在はオーバー・アンド・アンダーと呼ばれるのが普通。参考：GUN用語事典

＜スタットフェルト＞：DE-29（護衛駆逐艦）を参照。

＜スタッピ＞：日本海軍用語で、ビール小瓶のこと。参考：海軍よもやま物語

＜スタッフォード＞：DE-411（護衛駆逐艦）を参照。

＜スタティス＞：PG-99（コルベット）を参照。

＜スタティック・ランデブー＞：空中給油機との会合方法の１つ。空中給油機が長径46kmの楕円形コースを飛行しつつ受油機を待つ方法で、ビンゴ・フュエルの機体を救うためなどに使用される。参考：月刊軍事研究11,’04

＜スタトゥス６＞：ポセイドン（核魚雷）を参照。

＜スタナー＞：ダビデ・スリング武器システムを構成する対短距離弾道弾用迎撃ミサイルSTUNNER。イスラエルのラファエル社がレイセオン社と共同開発しており、THAAD対弾道ミサイルシステムの技術も入っているらしい。パイソン５空対空ミサイルを２段式マルチパルスロケットモーターに改造したもので、シーカーはパイソン５用の複周波数赤外線シーカー（周波数300-1000HzのCCD/IR複合シーカー）とダービー空対空ミサイル用のミリ波レーダーを組み合わせており、発射後にデータリンクで管制装置から目標の位置情報を修正することもできる。全長2.95m、直径0.33m（第１段）／0.16m（第２段）、弾頭は直撃破壊型、弾頭重量100kg。飛翔速度毎秒1000m、最大射程160km以上（200km？）。装輪式車両に搭載された16連装起立発射機から、安全を考慮して垂直よりも浅い角度で発射される。管制装置からの指示による多目標同時迎撃も可能。ヒズボラが配備しているイラン製ファジル３／５弾道ミサイルやゼルザル２弾道ミサイルなどを対象としている。海軍関連兵器展示会のIMDEX ASIA2009にも出品されており、将来的には海上配備型が登場するかもしれない。参考：月刊軍事研究9,’09、4,’07、月刊航空ファン6,’17、朝雲

＜スタビライ＞：BAeダイナミクス社のRPV。ファーンボロ国立航空研究所のフライバク計画を引き継いだものである。参考：スパイ機

　＜スタビライＭｋ１＞：1974年10月に初飛行した。エンジン出力４馬力、航続時間30分。ペイロード8kg。カメラ、電波高度計、ミサイル誘導部などを搭載できる。参考：スパイ機

　＜スタビライＭｋ２＞：球形の胴体を持つツインテールブーム機で、垂直尾翼も２枚付いている。エンジン出力7.5馬力、航続時間１時間。ペイロード15kg。参考：スパイ機

　＜スタビライＭｋ３＞：胴体が角張ったものに変更され、垂直尾翼は１枚になった。離陸は空気カタパルト、着陸はスキッドまたはパラシュートとエアバッグで行う。全長2.87m、全幅3.65m、発射重量60kg。エンジン出力７馬力、推進はプッシャー・プロペラ、飛行速度81-145km、航続時間２時間。ペイロード25kg。偵察用カメラ、テレビカメラ、赤外線ラインスキャナなどを装備可能。参考：スパイ機

＜スタビライザ＞：アンチロールバーともいう。両端を左右の車輪に連結し、両輪が逆位相で動く時のロール剛性を高める。懸架ばねとは独立して設定できるので、乗り心地を保ったままロール剛性を高められる。参考：自動車のサスペンション

＜スタビライザ・アクチュエータ・センサ位置測定器材＞：自衛隊の機器。島津製作所製。参考：月刊軍事研究5,’17

＜スタビライズド・モノハル＞：３胴船を参照。

＜スタビリノスチ２００８＞：ロシア軍が2008年に実施した演習。ロシア軍、ロシア内務省、ロシア連邦保安庁、MChS、ロシア運輸省などが参加した。また、この演習の一環として、ベラルーシと合同でオーセニ2008演習を実施している。参考：月刊軍事研究10,’10

＜スタビレータ＞：全遊動式水平安定板を参照。

＜スタビントン＞：M1204（沿岸掃海艇）を参照。

＜スタベーション作戦＞：太平洋戦争時の昭和20年3月27日にアメリカが開始した、日本港湾・海峡に対する機雷封鎖作戦Operation Starvation。アメリカ陸軍航空軍第21航空隊を主力とするB-29爆撃機延べ1500機が沈底機雷12953個（12135個？11820個？10700個？）を周辺海域にばらまいた。内訳は関門海峡4990個、周防灘666個、若狭湾611個、広島湾534個、富山湾425個、七尾湾333個、敦賀港周辺329個、その他（瀬戸内海、山陰地方港湾周辺、大阪湾、伊勢湾など）3932個である。更に日本も防御用に55347個（北海道・本州・四国14927個、九州10012個、朝鮮7640個、東海・南西諸島15474個、台湾7294個）の係維・浮遊機雷を敷設していたため、船が港湾に出入りすることが出来なくなり、内外海航路全てが途絶、漁業すら困難になった。また、東アジアから東南アジア、オセアニアの主要港湾も全て機雷封鎖されている。中には日本本土上陸作戦に備え、昭和20年8月以降に自動的に起爆装置を無力化する装置が取り付けられているものもあった。音響機雷、磁気機雷、磁気水圧複合機雷が使用され、二式・三式・五式掃海具のいずれも通用せず、終戦までに処理できたのは4000個に止まり、僅か４ヶ月間に662隻140万トン（うち海軍艦艇72隻）が沈没した。仕方無く蟻輸送で対抗したが、港に物資が届いても配る手段が無く、昭和20年の記録的冷夏の影響も加わって主食の米と雑穀すら足りなくなり、昭和20年の都市部成人住民平均摂取カロリーは１日あたり必要量2400kcalに対して1800kcal（うち配給1200-1400kcal）に落ち、昭和21年の端境期には飢饉が起こる予測（餓死者最大1000万人）となった。ちなみに平成16年の平均摂取カロリーは2000-2100kcalである。更に朝鮮半島や山東半島からの輸入に頼っていた塩も流通が止まり、家畜（と人間）が全滅する恐れまで生じた。当然ながら太平洋戦争が終わっても状況は変わらず、戦後も昭和20年9月2日のGHQ一般命令第１号に基づいて日本による機雷除去を継続、航路啓開隊員は公職追放の対象外とされ、海軍省軍務局掃海課（昭和20年9月18日、掃海部に改編。掃海船艇360隻、人員19000名）、第２復員省、復員庁第２復員局、運輸省海運総局掃海部、海上保安庁航路警戒本部、保安庁警備隊、海上自衛隊での掃海作業が続いたが、回数起爆装置が付いていたため掃海に難渋し、磁気水圧複合機雷はばらまいたアメリカ側にさえ有効な掃海具が無く、大阪−神戸航路で初の安全宣言が出たのが昭和23年5月、瀬戸内海の掃海が完了したのは昭和38年になってからで、最終的に航路啓開業務を終えたのは昭和60年のことだった。ただし機雷除去率は93.3%で、以降も港湾などで発見された機雷の処分は続いており、終戦直後から平成23年までに処分された機雷は感応機雷6248個、浮流機雷745個である。戦後の航路啓開業務で掃海船艇15隻が沈没、犠牲者は77名、負傷者は200名以上にのぼり、うち日本が敷設した係維機雷による沈没船艇は12隻、犠牲者は40名だった。また、終戦から航路啓開業務終了までに触雷した商船は139隻、死者は2000人以上に達した。昭和20年10月7日には関西−九州航路再開第１船の関西汽船室戸丸が大阪港出港30分後に触雷して沈没、乗員乗客478人のうち236人が死亡または行方不明となっている。参考：歴史群像12,’03、月刊軍事研究4,’05、2,’09、9,’10、5,’13、輸送船入門、MAMOR vol.151、兵器メカニズム図鑑、帝国陸海軍事典、ペルシャ湾の軍艦旗、海軍技術研究所、月刊世界の艦船10,'15、8,’82増刊、5,’83、9,’13、月刊丸11,’72

＜スタボーン＞：P238（潜水艦）を参照。

＜スタモウ級＞：ギリシャ海軍ミサイル艇。兵装はSS-12艦対艦ミサイル４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スタリオン＞：100-RU（対潜ロケット）またはフェレット海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜スタリオン�U＞：ヨルダンのJLVM社が開発した４×４輪装甲車。全長5.1m、全幅2.3m、全高2m、戦闘重量7.5トン。エンジンはシュタイアー社製ディーゼル（270馬力）、トランスミッションはアリソン製オートマチック、最大速度125km、航続距離500km。兵士４名や貨物を運ぶ兵站型、コルネットＥ対戦車ミサイルを搭載した対戦車型、イグラMANPADSを搭載した自走地対空ミサイル型、70mmクラスの多連装ロケットランチャーを搭載したカチューシャ型などのバリエーションがある。参考：月刊軍事研究9,’12

＜スタリネッツ６５＞：ソ連軍砲兵牽引車。農業用トラクターを軍用に改造したものである。重量11.2トン。エンジンは６気筒ディーゼル。152mm榴弾砲ML20などの牽引に使用された。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜スタレット＞：CG-31（巡洋艦）を参照。

＜スタロビルスク＞：P-191（哨戒艦）を参照。

＜スタン・アックス５００９＞：ベネズエラがオランダのダメン造船会社に発注した哨戒艇。全長49.5m、幅9m、吃水4.5m、排水量450トン。６隻を配備予定。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜スタンキー・フード＞：アメリカ海軍スタンキー大尉が1950年代末に開発した個人脱出装具Steinke Hood。潜水艦乗員が潜水艦から脱出する際に使用する特殊服で、膨張式救命胴衣と密閉フードを組み合わせており、海面に浮かぶまではフード内の空気で呼吸する。水深100mくらいが使用限度で、実験では深度137mからの脱出に成功した。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、現代の潜水艦

＜スタン・グレネード＞：特殊閃光手榴弾、別名フラッシュボム。SASが開発した手榴弾で、音薬配合薬を強靱な紙製筒体に収めてあり、強烈な閃光と爆圧及び100ホンを超える大音響により、相手を最大45秒間無力化する。初使用は1977年のルフトハンザ航空ボーイング737ハイジャック事件。参考：火器弾薬技術ハンドブック、コンバット・バイブル２、防衛技術ジャーナル1,’07、月刊軍事研究7,’97

＜スタンする＞：日本海軍士官のスラングで、勃起すること。Stand。参考：帝国陸海軍事典

＜スタンダード＞：AGM-78（対レーダーミサイル）を参照。

＜スタンダード艦対空ミサイル・シリーズ＞：アメリカ海軍艦対空ミサイルStandard（軍旗の意） Missile。RIM-2テリアとRIM-24ターターの後継となる艦対空ミサイルとしてジェネラル・ダイナミクス社ポモーナ事業部が1963年から開発し、タイフォン計画中止を受けてこの予算が振り向けられ、1965年に試作型YRIM-66Aの試射が行われ、1966年に制式化された。3Tミサイルの弱点だった信頼性の向上に重点が置かれていて、当初はターター信頼性改良計画TRIPとして計画されている。RIM-2テリアの後継がRIM-67/SM-1ER、RIM-24ターターの後継がRIM-66/SM-1MRで、搭載艦のFCSや発射機をそのまま使えるのでアップグレードも楽。ファミリーとして艦対艦ミサイル版（RGM-66シリーズ）や、対レーダー・ミサイル版（AGM-78シリーズ）もある。メーカーはジェネラル・ダイナミクス社ポモーナ事業部、ヒューズ・ミサイル・システム、レイセオン・モトローラ、エアロジェット・ジェネラルなど。ターター艦対空ミサイルから引き続いて西側諸国でも広く使用された。SM-1MR/ERのアメリカ海軍での運用は2003年で終了した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、3,’05、5,’86、6,’16、12,’18、アメリカ護衛艦史、月刊丸2,’08

　＜ＳＭ−１ＭＲ＞：Standard Missile-1 Medium Rangeの略で、SM-1MRブロック�W／RIM-66A、SM-1MRブロック�X／RIM-66B、SM-1MRブロック�Y／RIM-66Eがある。最初の量産型で、1967年から生産され、1970年（1968年？）から配備された。ターター艦対空ミサイルの後継で、RIM-24Cをベースとしており、外形はほぼ同じで弾体中央にストレーキ４枚、尾部に操縦翼４枚を持つ。操縦翼操作は銀亜鉛電池２個を動力源とする電動アクチュエータを採用し、ミサイル発射後に電力供給を開始するようにしてターターの油圧式よりも即応性を高めた。自動操縦装置はジェネラル・ダイナミクス社製Mk1。誘導はSARHまたはパッシブ・レーダーで、シーカーはコニカル・スキャン方式である。目標からの反射波を先端のアンテナ、イルミネーター・レーダーからの電波を参照用アンテナ２個で受信し、ドップラー偏移の違いから目標の方向を割り出してそちらに向かう。電子装置はトランジスタでソリッド・ステート化されており、アナログ･コンピュータを搭載、信頼性が高く発射前のウォームアップ時間も１秒（LSI採用後は15分の１秒）で済むようになり、３年間のメンテナンスフリー期間を得た。発射機や誘導システムはターターの改良型で、搭載艦の射撃統制装置はMk74射撃指揮装置＋AN/SPG-51イルミネーター・レーダーまたはMk76射撃指揮装置＋AN/SPG-55イルミネーター・レーダーの組み合わせであり、イルミネーター・レーダーは周波数帯19チャンネルを使用できる。推進は固体燃料ロケット１段。価格は402500ドル。参考：丸スペシャルNo.77、月刊丸2,’08、3,’90、自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船4,’04増刊、5,’86、8,’14、月刊軍事研究10,’18、6,’93別冊

　＜ＳＭ−１ＭＲブロック�T＞：試作型。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜ＳＭ−１ＭＲブロック�U＞：試作型その２。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜ＳＭ−１ＭＲブロック�V＞：前量産型。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜ＳＭ−１ＭＲブロック�W＞：量産型、RIM-66A。全長4.47m、直径0.342m、翼スパン1.07m、重量562kg。弾頭はMk51連続ロッド、弾頭重量64.4kg、炸薬重量38.7kg。信管はMk45mod0TDD（Target Detection Device）近接・着発式。推進はターターと同じMk27Mod0またはMk27mod3/mod4デュアル・スラスト式固体燃料ロケット、最大速度マッハ1.25、射程2.7-32km、最大射高19.8km。参考：月刊軍事研究10,’18、6,’93別冊、月刊世界の艦船8,’14

　＜ＳＭ−１ＭＲブロック�X＞：改良型、RIM-66B。ロケットモーターを新型に換装したもので、ロケット全長が0.365m延びた分、他のセクションを短縮した。自動操縦装置の処理を高速化し、シーカーに改良を加え、弾頭をMk90に、信管をMk45Mod0/Mod3としている。全長4.47m、直径0.342m、翼スパン1.07m、重量630kg（499kg？）、弾頭重量64.4kg。推進はエアロジェット社製Mk56Mod0固体燃料ロケット、最大速度マッハ２、射程46km（38km？）、最大射高22.4km（19.8km？）。参考：月刊世界の艦船8,’14、5,’91、月刊軍事研究10,’18

　＜ＳＭ−１ＭＲブロック�Y＞：RIM-66E。SM-2MRの技術をフィードバック適応したもので、1983年3月に実用化された。ブロック�Wよりも機動性が向上し、射程が45%、射高が25%延伸している。シーカーをモノパルス方式に変更し、誘導制御用コンピュータ、信管、弾頭を新型にした。全長4.47m、直径0.342m、翼スパン1.07m、重量630kg、弾頭重量62kg。推進はエアロジェット社製Mk56Mod0固体燃料ロケット、最大速度マッハ3.5、最大射程45.7km、最大射高24.3km。RIM-66E-1/-3/-7/-8に細分され、RIM-66E-2/-4もあるらしい。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、10,’18、月刊世界の艦船5,’86

　＜ＳＭ−１ＭＲブロック�Z＞：弾体をSM-2MRブロック�Uと同じ延長型に変更したもの。参考：月刊世界の艦船5,’86

　＜ＳＭ−１ＥＲ＞：Standard Missile-1 Extended Range、RIM-67A。SM-1MRブロック�Xにブースターを付けた射程延伸型で、テリアの後継として1968年に配備された。ブースター部にはMk31Mod0フィン・セットが付く。全長7.9m、直径0.457m、翼スパン1.57m、重量1341kg、弾頭重量62kg。推進はハーキュリーズ社製Mk12固体燃料ロケットブースター（全長4.051m、直径0.457m、重量822kg）＋固体燃料ロケットサステナー、飛翔速度マッハ2.5、水平射程55km以上（73km？）、垂直射程80000フィート（24.38km）。誘導はSARH。値段は409000ドル。ブロック13まで細分されるが、制式名は全てRIM-67Aである。参考：月刊丸2,’08、3,’90、月刊軍事研究10,’18、月刊世界の艦船4,’04増刊、5,’91、5,’14

　＜ＳＭ−２＞：第２世代で、INS＋指令誘導の中間誘導システムを付加した。イージス武器システムがINSへの座標入力と指令誘導による修正で目標近くまでミサイルを持っていってくれるので、セミアクティブ・レーダー誘導に必要なイルミネーター・レーダーの照射時間が短縮され、イルミネーターの数よりも多くの目標と同時交戦できるようになった。イルミネーターは目標捜索追尾機能を持たず目標へのレーダー波照射だけを行うAN/SPG-62従属イルミネーターを使う。Mk41VLSに搭載する際は、Mk13Mod0キャニスターに収容する。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊世界の艦船12,’18

　＜ＳＭ−２ＭＲブロック�T＞：RIM-66C/D。SM-1MRの改良型で、目標までの中間誘導にINS＋指令誘導を使用することにより、イルミネーターによる目標照射を終末誘導時のみで済ませることができるようになり、多数同時発射が可能となった。真っ直ぐ目標に向かわず、弾道飛行で射程を稼ぐこともできる。目標に接近するとコニカル・スキャン方式シーカーを作動させ、AN/SPG-62から照射されて目標から跳ね返った電波を捉えて命中する。信号処理にはデジタル・コンピュータによるデジタル高速フーリエ変換を使用し、高いECCM能力や妨害源追尾HOJ（Home On Jam）能力を有する。全長4.47m、直径0.343m、翼スパン1.07m、重量630kg、弾頭重量62kg。推進はMk.56デュアル・スラスト固体燃料ロケット、最大速度マッハ2.5、最大射程45km（70km？）、最大射高19.8km。誘導は中間がINS＋指令誘導、終末がSARH。価格は421400ドル。RIM-66C（C-1からC-5までのサブタイプあり）はイージス艦用で、Mk99ミサイル射撃指揮装置の管制を受け、Mk26発射機（とMk41VLS？）から発射される。RIM-66DはターターＤシステムNTU改修艦用で、Mk.74ミサイル射撃指揮装置の管制を受け、Mk13/Mk26発射機から発射される。1977年に就役し、1978年に配備された。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、10,’18、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船4,’04増刊、5,’86、5,’91

　＜ＳＭ−２ＥＲブロック�T＞：RIM-67B。SM-2MRブロック�T／RIM-66Dにブースターを付けた射程延伸型で、サステナーをデュアル・スラストにする必要が無くなったため、サステナーの方も別物に換えた。全長7.98m、直径0.343m、翼スパン1.57m、重量1507.8kg。推進はハーキュリーズ社製Mk.12Mod.1固体燃料ロケットブースター＋アトランティック・リサーチ社製Mk30Mod3固体燃料ロケットサステナー、最大速度マッハ2.5、最大射程120km、最大射高24.38m。誘導は中間INS＋指令誘導、終末SARH。価格は409000ドルで、1978年に配備（1980年就役？）された。参考：月刊丸2,’08、月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊軍事研究6,’93別冊、10,’18

　＜ＳＭ−２（Ｎ）＞：計画W81核弾頭搭載型RIM-67D。核搭載巡航ミサイル迎撃が主任務で、W81は1978年から、ミサイルは1981年から開発された。各弾頭付き空対空・地対空ミサイルの退役や減勢が続く中での新規開発だが、対艦ミサイル飽和攻撃に対抗する手段が乏しかったのか、炸裂するのが公海上空だから使用のハードルが低かったのかは不明である。全長8.1m、直径0.34m、翼スパン1.58m、発射重量1.36トン。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ2.5、最大射程105km。誘導は中間がINS＋指令誘導、終末がSARH。1987年に実用化を予定していたが、計画のみに終わった。参考：アメリカの核兵器、月刊丸3,’90、5,’83、月刊世界の艦船5,’86、核兵器図鑑

　＜ＳＭ−２ＭＲブロック�U＞：イージス・システム適合型。中間誘導の際にAN/SPY-1多機能レーダーの情報をWCS（Weapon Control System）で送信することにより目標位置をアップデートし、飛翔コースを適宜変更する。ロケットモーターは0.254m延伸した新型となり、最大速度が増すと共に、SM-1ERに匹敵する射程を持つようになった。また、Kh-22やKSR-5といったECM能力を持つハイダイブ式大型高速対艦ミサイルに対抗するため、弾頭破片形成能力と信管を改良して破壊力を増強しており、ECCM能力を強化した信号処理装置を搭載する。対艦用にも使用可能。全長4.72m、直径0.34m、翼スパン1.07m、発射重量708kg、弾頭名称Mk115、弾頭重量62kg超。推進はサイオコール社製Mk104Mod0デュアルスラスト固体燃料ロケット、最大速度マッハ2.5以上、最大射程74km、最大射高19.8km。誘導は中間INS＋指令誘導、終末SARH＋ホーム・オン・ジャミング。信管はMk45Mod5。1984年に就役した。制式名はMk.26発射機搭載イージス艦用がRIM-66G（Mk99ミサイル射撃指揮装置で管制）、Mk.41VLS搭載イージス艦用がRIM-66H（Mk99ミサイル射撃指揮装置で管制）、ターターＤシステムNTU改修艦用がRIM-66J（Mk74ミサイル射撃指揮装置で管制、Mk.13/Mk.26発射機から発射）である。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、3,’05、6,’16、5,’86、月刊丸2,’08、月刊軍事研究6,’93別冊、10,’18

　＜ＳＭ−２ＥＲブロック�U＞：RIM-67C。SM-2MRブロック�U／RIM-66Jの射程延伸型で、サステナーをアトランティック・リサーチ社製Mk.30Mod.3固体燃料ロケットに換装し、ハーキュリーズ社製Mk.70Mod.1固体燃料ロケットブースターを装着した。射程185km（175海里・324km？）。Mk.41VLSでは運用できない。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊世界の艦船3,’05、5,’86

　＜ＳＭ−２イージスＥＲ＞：SM-2MRにMk70ブースターを付加して射程を延長したもの。Mk41VLSに搭載できる。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

　＜ＳＭ−２ＭＲブロック�V＞：3M80などのシースキミング超音速対艦ミサイルが脅威となったため、SM-2MRブロック�Uの低空用信管をMk45Mod8に改良し、低空目標識別能力とシー・クラッター対抗能力を強化、ミサイル飛翔高度を変更して低空目標対処能力を強化したもので、サステナーをMk104Mod1固体燃料ロケットに換装して最大射程を160kmに延伸した。制式名はMk26発射機搭載イージス艦用がRIM-66L-1（Mk99ミサイル射撃指揮装置で管制）、Mk41VLS搭載イージス艦用がRIM-66M-1（Mk99ミサイル射撃指揮装置で管制）、ターターＤシステムNTU改修艦用がRIM-66K-1（Mk74ミサイル射撃指揮装置で管制、Mk13/Mk26発射機から発射）。1988年6月から全規模量産に入り、1990年に就役した（1997年に配備された？）。参考：月刊世界の艦船6,’16、3,’05、8,’14、2,’16、月刊丸2,’08、月刊軍事研究10,’18

　＜ＳＭ−２ＥＲブロック�V＞：RIM-67D。SM-2MRブロック�V（RIM-66K-1）の射程延伸型で、サステナーをアトランティック・リサーチ社製Mk.30Mod.4固体燃料ロケットに換装し、ハーキュリーズ社製Mk.70Mod.1固体燃料ロケットブースターを装着した。Mk41VLSには搭載できない。MRとの差異が小さくなったため、ブロック�VＡ以降はMRのみとなっている。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊世界の艦船3,’05

　＜ＳＭ−２ＭＲブロック�VＡ＞：SM-2MRブロック�Vの改良型で、目標探知装置と指向性弾頭により低空目標対処能力を更に向上させた。信管とロケットモーターも小改良を加えている。全長4.72m、直径0.343m、翼スパン0.915m、重量708kg。推進はMk104Mod2固体燃料デュアル・スラスト・ロケット、最大速度マッハ３以上、最大射程74-167km、最大射高20km以上。誘導は中間が慣性＋指令誘導、終末がセミアクティブ・レーダー。弾頭はMk125指向性榴弾、信管はMk45Mod9近接信管。Mk26発射機搭載イージス艦用RIM-66L-2（Mk99ミサイル射撃指揮装置で管制）、Mk41VLS搭載イージス艦用RIM-66M-2（Mk99ミサイル射撃指揮装置で管制）、ターターＤシステムNTU改修艦用RIM-66K-2（Mk74ミサイル射撃指揮装置で管制、Mk13/Mk26発射機から発射）があり、最大射程に大きい差があるのはイージス艦とNTU改修艦のミサイル誘導能力差による。1992年2月に量産開始承認が下り、1994年に実戦配備された。2000年、ドイツのディール社とダイムラー・クライスラー・エアロスペース社、スペインのインドラ社、オランダのトムソン・ネーデルランド社とストーク・フォッカー社が参加して国際共同プログラムになった。2015年7月18日、DDG-68ザ・サリヴァンズから発射した際にロケットモーターが爆発する事故を起こしたため、戦時以外は発射禁止にされたらしい。参考：月刊軍事研究10,’06、11,’06、5,’08、10,’18、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船8,’14、9,’20

　＜ＳＭ−２ＭＲブロック�VＢ＞：RIM-66M-5。ブロック�VＡにミサイル追尾改良プログラムMHIP（Missile Homing Improvement Program）を施したもので、1988年から開発され、1996年に評価試験を行い配備された。赤外線画像誘導に切り替えられるMk45Mod14シーカーを弾頭部に追加し、終末誘導を発射艦からの目標情報とシーカー画像のデュアルモードにしてECCM能力を向上させている。弾頭部にブリスターを追加して赤外線画像シーカーを仕込んだらしい。Mk41VLS搭載イージス艦用で、Mk99ミサイル射撃指揮装置の管制を受ける。新規生産とブロック�Uからの改修があり、メーカーのレイセオン社ではブロック�V／�VＡからの改修キットも生産している。2008年末からは海外向けの生産が始まり、海自も導入した。参考：月刊丸2,’08、月刊軍事研究10,’18、10,’06、9,’14、月刊世界の艦船9,’09、8,’14、12,’18

　＜ＳＭ−２ＭＲブロック�VＣ＞：計画中のアクティブ・レーダー誘導型。SM-2MRブロック�VＢのシーカーをARHに変更するもので、デュアルバンドICWIも導入するという話がある。ブロック�VＡ／�VＢからの改修で、2022年6月にレイセオン・テクノロジーズ社レイセオン・ミサイル＆ディフェンス部門が低率初期生産LRIPのオプション契約を受注した。参考：月刊世界の艦船3,’18、7,'21、9,'22、月刊軍事研究10,’18

　＜ＳＭ−２ＥＲブロック�W＞：RIM-156A。１段目にMk72mod0ベクタード・スラスト・コントロール・ブースター、２段目にMk104mod3デュアル・スラスト・サステナー・ロケットを搭載して射程を延伸した。１段目はフィンを無くして推力偏向機構を追加しており、全長も短縮してVLSに搭載できるようにした。誘導制御セクションはMk81mod0で、モトローラ社製MC68020マイクロプロセッサ２基により信号処理を行い、高機動目標対処能力や大気圏内弾道ミサイル迎撃能力を持つ。全長6.55m、直径0.34m、翼スパン1.07m、重量1.453トン。弾頭はMk125mod0/mod1、信管はMk45mod9TDD（Target Detection Device）。最大速度マッハ2.5以上、最大射程185-375km、最大射高20km以上。終末誘導はセミアクティブ・レーダー。アメリカ海軍で1995年からLRIPに入る予定だったが、ブロック�WＡの開発・量産を優先するため中止になり、SM-6配備までの繋ぎとして100発くらいしか配備されておらず、SBT（Sea Based Terminal）という名称で大気圏内弾道ミサイル迎撃を主任務としている。2006年5月、パシフィック・フェニックス試験で大気圏内弾道ミサイル迎撃に成功した。2008年6月、FTM-14で大気圏内弾道ミサイル迎撃に成功した。参考：月刊軍事研究6,’01、12,’18、9,’14、12,’98、5,’08、6,’93別冊、6,’16、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊世界の艦船3,’05、6,’16、8,’19

＜ＳＭ−２ＥＲブロック�WＡ＞：SM-2ERブロック�WＡ、RIM-156B。TMD構想に基づき開発が進められていた海軍向け下層迎撃（ターミナル段階迎撃）用ミサイルである。最大射程240km（168km？）のSM-2イージスERの改良型で、誘導方式に赤外線受動誘導を加え、弾頭部も対弾道ミサイル用に換装、TBMD区域防衛で大気圏内での迎撃に用いられる…予定で、ラインバッカー試験が行われて1997年に短距離弾道ミサイル迎撃に成功したが、2001年12月に費用高騰及び計画の２年以上の遅延を理由に開発中止となった。参考：月刊軍事研究11,’98、12,’18、10,’03、1,’05、11,’05、6,’16、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船2,’18

＜ＳＭ−２ＥＲブロック�WＢ＞：SM-3を参照。

＜ＳＭ−２ブロック�UＣ＞：アクティブ・レーダー・ホーミング型。シーカーをAIM-120空対空ミサイルから流用したアクティブ・レーダー・シーカーに換装したもので、2018年12月にレイセオン社がEMDフェーズ契約を受注した。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜ＳＭ−２ブロック�VＡＺ＞：ズムウォルト級ミサイル駆逐艦向けSM-2MRブロック�VＡ。ミサイル管制データリンクが統合汎用武器リンクJUWLに、指令誘導・セミアクティブレーダー誘導電波の周波数がＸバンドに変更されたため、これらに対応したものである。2019年にレイセオン社が搭載作業を受注した。2020年10月13日、DDG-1000ズムウォルトのMk57VLSから発射され、巡航ミサイル目標を撃墜した。参考：月刊世界の艦船2,'22、6,’19

＜ＳＭ−３＞：Standard Missile-3。TMD／TBMD／BMD構想に基づきレイセオン社が開発した海軍向け大気圏外上層迎撃用ミサイル（NTWD）で、当初はスタンダード２ＥＲブロック�WＢと呼ばれた。弾道ミサイルをミッドコース段階で迎撃するためのミサイルで、SM-2ERブロック�WのMk72ブースター＋Mk104スラスターに３段目ロケットMk136TSRMを追加して３段式にし射程を延伸、誘導を赤外線画像に、弾頭を直撃破壊型に変更している。参考：月刊軍事研究12,’18、月刊世界の艦船2,’18

＜ＳＭ−３ブロック０＞：SM-3ブロック�Tの能力試験型RIM-161。FM-1からFM-6まで６回のテストを行い、４回目標を直撃した。参考：日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＳＭ−３ブロック�T＞：RIM-161A。宇宙空間での弾道ミサイル迎撃専門で、大気圏内目標は迎撃できない。頭部からセラミック製ノーズコーン（全長0.635m）、誘導セクションTSGS（Third Stage Guidance Section）、Mk136デュアル・パルス式ロケット、ステージング・アッセンブリ、Mk104mod3デュアル・パルス式固体燃料ロケット・サステナー、Mk72mod0固体燃料ロケット・ブースターと並ぶ。１段目・２段目ロケットはSM-2ERブロック�Wと同じで、新開発の３段目Mk136デュアル・パルス式ロケット（全長0.965m、推力偏向ノズル式。燃焼室の中で推進薬が２つに分かれていて実質２段分）をSM-2ERブロック�Wの弾頭位置に置き、Mk142直撃弾頭KW（Kinetic Warhead）を収容したノーズコーンを取り付けた格好である。TSGSには前半部に指令誘導受信機、電子機器、パワー・プレート、後半部に回路基板アセンブリ10枚（飛翔停止装置、GPS/INS、ロケット制御コンピュータなど）が収容される。ステージング・アッセンブリには熱電池（160ボルト２個と28ボルト１個）、パワー・チェンジオーバー・ユニット、ステージング・リリース・アッセンブリがある。Mk142直撃弾頭は軽量型大気圏外投射体LEAP（Lightweight Exo-Atmospheric Projectile）とも呼ばれ、運動エネルギー迎撃体KKV（Kinetic Kill Vehicle）という自律誘導弾頭を使用する。発射時には発射位置をGPSで精密測定（発射艦でなく発射されたVLSのセルの位置というレベル）してミサイルに入力する必要があり、中間誘導ではミサイル側のGPS/INSと発射艦イージス・システムからの指令誘導を使い、第１段・第２段ロケットの燃焼で高度50-60kmに達し、第３段ロケットによる１度目の燃焼（パルス１）で大気圏を完全に離脱、ノーズコーンを首振り運動で外すと、第３段ロケットが２度目の燃焼（パルス２）を行い、完了するとガスジェットで明るい恒星や惑星が視野に入らない宇宙空間に弾頭を向けて赤外線センサーの校正を行い、完了したら３段目を切り離してMk142KWのみとなり、秒速4kmで飛翔しつつフォーカル・プレーン・アレイ長波長赤外線センサー（カドミウム・水銀・テルル素材、256×256ピクセル）と誘導装置により300km以上先で弾道ミサイルを探知、小型スラスターSDACS（Solid Divert and Attitude Control System）13基により軌道修正し、高度120km台で直撃、衝突エネルギー130MJ（TNT爆薬31kg相当）で破壊する。全長6.58m、直径0.533m（１段目）／0.343m（２・３段目）、翼スパン1.57m、重量1.5トン。Mk142KWは全長0.560m、直径0.254m、重量16.8-23kg。当然ながら性能は公表されていないが、最大射程は425km-600kmともいわれる。Mk21mod2キャニスターに収容してMk41VLSに搭載する。日本も赤外線センサーと、LEAP保護用のノーズコーン開発に関与している。発射試験は1992年からLEAPテリア（改良型テリア・ミサイル）を使用して行われ、ALIやNTWなどといった試験が行われた。2004年末に最初の５発を受領したという。2005年末までに計11発が引き渡され、２発がFTM04-1/-2試験に使用された。参考：月刊軍事研究12,’18、10,’03、6,’15、11,’98、12,’02、6,’01、1,’05、6,’09、6,’16、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船2,’18、3,’10

＜ＳＭ−３ブロック�TＡ＞：RIM-161B。射程1500km前後の準中距離弾道ミサイルMRBMに対応可能なタイプ。ブロック�Tのブースターやノズルを改良し、赤外線による目標識別能力の改善、艦上レーダーデータとシーカーデータの統合などが行われた。発射されると中間誘導されつつ燃料が切れ次第第１段と第２段を切り離し、第３段は大気圏外でロケットモーターを停止してノーズコーンを首振り運動により離脱、シーカーで目標を捕捉し、ロケットモーターを再噴射して加速、SDACSにより微調整して目標を直撃破壊する。全長6.58m、直径0.53m（１段目）／0.35m（2-3段目）、翼スパン1.1m、重量1.501トン。推進は固体燃料ロケットブースター＋２段式固体燃料ロケットサステナー、飛翔速度マッハ5.5以上、射程1200km。最大射高は不明だが、2008年2月の衛星迎撃では高度250kmの衛星を撃墜した。誘導は中間が慣性＋GPS＋指令誘導、終末が長波長赤外線センサーによる画像赤外線（赤外線センサー素子65000個以上）。2006年6月22日にFTM-10ステラ・プレデター、12月にFTM-11試験、2007年6月にステラ・アテナ／FTM-12試験、11月にFTM-13試験が実施された。2008年2月20日に衛星を破壊している。アメリカ海軍は150発を調達した。2007年から海上自衛隊にも年９発ずつ計36発がFMSで納入され、４発がこんごう型BMD改修後の各艦１発ずつの試射で射耗された。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究6,’15、12,’18、11,’07、5,’12、6,’09、1,’11、11,’17、月刊世界の艦船2,’12、8,’14、2,’18、月刊航空情報9,’17

＜ＳＭ−３ブロック�TＢ＞：RIM-161C。LEAPの軌道制御をSDACSから可変推力軌道姿勢制御装置TDACS（Throttleable Divert Attitude Control System）に改良して軌道変更範囲を広げ、２波長赤外線センサーを搭載、ASPプロセッサによりデータ処理を高度化したもの。最大速度マッハ10.2、最大射程2650km、迎撃高度225km。イージスBMD4.0.1以降で運用可能。2011年に配備予定で、2011年9月1日にCG-70レイク・エリーからの発射試験FTM-16E2が行われたが、弾道ミサイルの迎撃に失敗した。2012年5月9日のFTM-16E2a試験、6月26日のFTM-18試験、2013年5月15日のFTM-19試験では成功、9月18日のFTM-21試験では失敗、10月3日のFTM-22試験では成功している。失敗の原因は３段目ロケットのパルス噴射不具合で、後部ノズルに設計変更を加えることとなった。2014年11月6日のFTM-25試験で弾道ミサイル迎撃に成功した。2016年8月2日、ミサイル防衛局からレイセオン・ミサイルシステムズ社に47発が発注された。2018年7月17日、ミサイル防衛局からレイセオン社に44発が４億6690万ドルで発注された。参考：月刊航空情報11,’09、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究6,’16、12,’18、6,’09、11,’12、月刊世界の艦船11,’11、9,’12、8,’13、8,’14、6,’16、10,’18、5,'23、月刊航空ファン11,’16

＜ＳＭ−３ブロック�TＢ　ＴＵ＞：ブロック�TＢの改良型で、TUはThreat Upgradeの略。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＳＭ−３ブロック�U＞：RIM-161D。SM-3ブロック�TＢの改良型で、1999年8月から弾道ミサイル防衛に係る日米共同技術研究を行い、2006年6月から日米共同開発した。ノーズコーンを２分割クラムシェル型に改良して３段目ロケットによる首振り運動でノーズコーンを外す必要を無くし、２・３段目の弾体直径を0.533mに拡大（LEAPは0.343mのまま）、弾頭に２波長赤外線センサー（長波長に中波長または超長波長をプラスしたとみられる。ブロック�TＢより性能を強化）を積み、目標発見識別能力と破壊力を強化、射程を延伸する。射程延伸の肝である太いロケットモーター部分は全て日本が担当し、側面のストレーキは廃止して操縦翼４枚だけとする。射程3000km台の弾道ミサイルや、ロフテッド弾道にも対応できる。イージスBMDブロック5.1で運用可能。Mk29mod0キャニスターに収容してMk41VLSに搭載する。試験用であり、実戦配備はされない。参考：月刊軍事研究11,’05、12,’18、6,’09、6,’16、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊世界の艦船3,’10、6,’16

＜ＳＭ−３ブロック�UＡ＞：RIM-161D。ブロック�UのLEAPを0.533mmに拡大した威力強化・実戦配備型である。射程5000km未満の中距離弾道ミサイルに対応でき、ICBMの飛翔領域をもカバーしていて、飛翔コースや速度によっては撃ち落とせる。全長6.7m、直径0.533m、全備重量2.1トン。最大速度マッハ15.25。射程1000-2500km、最大迎撃高度1400-2000km。1999年8月に日米共同研究が始まり、2006年6月に開発段階に移行、レイセオン社がハードウエアとシステム機器の改良と統合、三菱重工が第２段推進薬・複合材製外殻、第３段推進薬・複合材製外殻・点火装置・バッテリー、軌道制御（第２段操舵部）、第２段・第３段分離機構、折り畳みフィン、アクチュエーター、ノーズコーンなどを担当することになった。予定性能に応じた超高価格が欠点である。2018年に引き渡し開始予定だったが遅延中。2015年6月7日1000（日本時間。現地時間6月6日）、カリフォルニア州ポイントマグー射場で初の実飛翔実験SCD CTV（Controlled Test Vehicle）-01が行われ、発射からノーズコーン分離を経て第３段ロケットモーターによる飛翔までのプロセスが正常に実施された。12月8日2300（日本時間。現地時間12月8日0600）、カリフォルニア州ポイントマグー射場で２回目の飛翔試験SCD CTV-02を行い、弾頭部（キル・ヴィークル）の射出及び作動までのプロセスが正常に実施された。2017年2月4日（日本時間。ハワイ時間2月3日2230）、SFTM-01試験で中距離弾道ミサイル模擬標的を撃墜した。3月、FTX-30試験で短距離弾道ミサイルの迎撃に成功した。6月22日、SFTM-02試験を行ったが、模擬標的の迎撃に失敗した。データリンク操作員が間違って標的を味方ミサイルに指定したため、SM-3ブロック�UＡが誤射を防ごうと自爆したのが原因らしい。2018年1月31日、ハワイの太平洋ミサイル射場でイージス・アショアからの試射を行ったが、標的迎撃に失敗した。10月26日、FTM-45試験でMRBM模擬標的を撃墜した。12月11日、FTI-03試験でハワイの太平洋ミサイル射場イージス・アショアから試射され、IRBM模擬標的の迎撃に成功した。2019年1月、2020年度中にICBM迎撃試験を行うことになった。8月27日、アメリカが日本への売却を承認した。2020年11月16日（日本時間17日）、FTM-44試験でICBM模擬標的を撃墜した。2023年3月、FMSで防衛省に納入された。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究12,’06、11,’17、1,’11、12,'11、11,'15、2,'16、6,’16、12,’18、月刊世界の艦船2,’18、9,’09、4,’17、5,’17、8,’17、1,’18、4,’18、11,’19、2,'21、5,'21、5,'23、月刊JWings8,’15、4,’16、4,’17、9,’17、月刊航空ファン8,’15、10,’17、4,’18、1,’19、8,'23、朝雲

＜ＳＭ−３ブロック�UＢ＞：MIRVを迎撃するため、複数化弾頭MKV（Multiple Kill Vehicle）を搭載するもの。１段目を直径23インチ・0.584m、２段目を直径27インチ・0.686mに拡大して射程も更に延伸する。2008年5月に日米共同開発が決定した。ただオバマ政権がMKVの予算を凍結し、2013年3月に計画中止となっている。2017年にMKVと同様のコンセプトでMOKVの開発が始まったため、復活するかもしれない。参考：月刊世界の艦船9,’09、月刊軍事研究6,’16、12,’18、月刊航空ファン6,’17

＜ＳＭ−５＞：Standard Missile-5。水平線以遠まで射程を延伸したタイプだが、計画のみに終わった。参考：月刊軍事研究10,’18

＜ＳＭ−６＞：Standard Missile-6、別名RIM-174ERAM（Extended Range Active Missile、射程延伸アクティブ誘導ミサイル）。2004年からレイセオン社で開発されたイージス艦用防空ミサイルで、2008年2月にRIM-174の制式名が付いた。SM-2の射程や誘導方式ではCECやNIFC-CAによるエンゲージ・オン・リモート能力を活かしきれないため、Mk72ロケットブースターにより長射程化すると共に、発射母艦からの誘導無しで目標に命中するようにしたものである。SM-2ERブロック�WＡと同じ弾体（ストレーキ形状のみ変更）にAIM-120C-7空対空ミサイルのＸバンドARHシーカーとパッシブレーダーシーカーを組み合わせて完全撃ちっ放し式とし、NIFC-CAに対応、CEC端末により他の艦や航空機などから得た目標情報とリンクして、水平線以遠の低空飛翔ミサイルや超音速巡航ミサイルを迎撃することも可能とした。副次的に短距離弾道ミサイルSRBMや準中距離弾道ミサイルMRBMのターミナル段階迎撃能力があり、対艦弾道ミサイルにも対応できるが、迎撃高度が低く破片弾頭を使うので、破壊しきれなかった弾道ミサイルがそのまま降ってくる恐れがある。限定的な艦対艦ミサイルとしての能力（NCC、Naval integrated fire Control Collateralの略）も有する。イージスシステム・ベースライン９に適合しており、イージスシステム・ベースライン７以前や非イージス艦でSM-2の後継としても使用できるよう、セミアクティブ・レーダー誘導も併用しているが、周波数が違うので非イージス艦では機材追加が必要となる。イージスシステム・ベースライン５各バージョンではNIFC-CAによる運用ができない。全長6.55m、直径0.533m、翼スパン1.57m（3.5フィート・1.07m？）、発射重量1497kg、弾頭重量64kg（135kg？）。推進はMk72固体燃料ロケットブースター＋Mk104固体燃料ロケットサステナー、最大速度マッハ3.5以上、射程は公式には130海里（240km）、実際には200-250海里（370-460km）に達するともいわれる。迎撃最大高度33-34km。誘導は中間がINS＋イージス艦からのＳバンド・アップリンク、終末がARH＋パッシブレーダー＋セミアクティブ・レーダー。Mk21Mod3キャニスターに収容してMk41VLSから発射する。2008年にホワイトサンズ射場で試射を行い、BQM-74標的機を直撃した。2010年から海上試験に入り、2011年には12回の試験で目標に７回命中している。2013年8月、NIFC-CA FTSにより目標情報を受け取ったCG-62チャンセラーズビルから発射され、水平線以遠の巡航ミサイル標的を撃墜した。11月、初度運用能力を獲得し、装備化が開始された。2014年6月18-20日、イージスシステム・ベースライン9C搭載DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズで迎撃試験NIFC-CA AS-02Aが行われ、超音速巡航ミサイルの遠距離迎撃（アメリカ海軍対空射撃史上最長射距離らしい）に成功した。2015年5月から量産体制に入った。6月19日、ホワイトサンズ・ミサイル射場LLS-1デザートシップから発射され、NIFC-CAを介して目標データを取得、水平線以遠の超音速標的を初撃墜した。GPS追加とソフトウェア改修で対艦攻撃能力を持たせる計画も進行中で、2016年1月18日にDDG-53ジョン・ポール・ジョーンズが発射してFFG-57ルーベン・ジェームスを撃沈した。目標情報はCECでなくリンク16で得たといわれ、NIFC-CAに含まれないプラットフォームからの情報でも攻撃できるとみられる。GPS誘導なので理論上は対地攻撃も可能だが、トマホークの方が安い。9月12日のNIFC-CA試験では、F-35B戦闘機からのMQM-107標的情報を多機能先進データリンクで受け取ったLLS-1デザートシップから発射され、AN/SPY-1の電波水平線の下に潜っていた標的を撃墜した。ただその後は進展が無く、E-2D早期警戒機や水上艦を絡めたNIFC-CA試験は2021年になっても未実施である。2021年、463km先の水上目標に対する射撃試験を行った。日本、韓国、オーストラリアを含む５カ国にアメリカ国防省から輸出承認が出されている。海自は2018年度予算でSM-6試験用弾薬を輸入する予定で、2022年度概算要求に207億円を計上しており、2022年10月に32発の輸出承認が出された。2026年に取得してまや型イージス護衛艦に配備する予定。参考：月刊軍事研究9,’16、4,’17、10,’18、6,’08、5,’15、11,’05、8,’10、7,’11、3,’13、11,’17、8,’18、月刊世界の艦船1,'15増刊、9,'20、7,’17、12,'18、9,’09、12,’13、9,’14、4,’15、9,’15、6,’16、9,’16、4,’17、11,’17、10,’19、5,'21、1,'22、4,'23、月刊航空ファン4,’16、9,’16

＜ＳＭ−６ブロック�T＞：最初の量産型で、艦対空専用。全長6.55m、ブースター直径0.533m、弾体直径0.343m、重量1497kg。推進はデュアル・スラスト固体燃料ロケットと固体燃料ロケットブースター。終末誘導はARH＋SARH。弾頭はHE。参考：月刊航空情報9,’17、月刊軍事研究10,’18

＜ＳＭ−６ブロック�TＡ＞：ブロック�Tの誘導装置改良型。試験中。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜ＳＭ−６ブロック�TＢ＞：ブロック�TＡの飛翔速度向上・射程延伸型。２段目と３段目も直径0.533mと一回り太くして強化型ロケットを積み、高速化（極超音速に達するらしい）と射程延伸を図り、極超音速兵器を迎撃可能とする。2018年から開発しており、2023会計年度にIOCを達成する予定。参考：月刊世界の艦船8,’19、2,'20、11,'21、1,'23、月刊航空ファン2,’20

＜ＳＭ−６ＳＢＴインクリメント１＞：SBTはSea Based Terminalの略。射程1300kmまでの弾道ミサイルをターミナル段階で迎撃できる。2015年頃に就役予定。参考：月刊軍事研究3,’14

＜ＳＭ−６デュアル�T＞：SM-6 Dual �T。ソフトウェア改修で弾道ミサイルと巡航ミサイル・航空機の両方を迎撃できるようにしたタイプ。2015年7月28日（6月28日？）にDDG-53ジョン・ポール・ジョーンズから発射試験MMWイベント１（MMW-E1）を行い、SRBM模擬標的１発、AQM-37C航空機模擬標的１機、AQM-74E巡航ミサイル模擬標的１機を撃墜または撃墜判定を得た。2016年8月、試射が行われた。12月14日、DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズから発射試験FTM-27イベント１を行い、複雑弾道型中距離弾道ミサイルを撃墜（１発目が外れ２発目が命中）し、IOCを達成した。2017年8月29日、FTM-27イベント２試験でDDG-53ジョン・ポール・ジョーンズから発射され、MRBMのターミナル段階迎撃に成功した。10月7日、フォーミダブル・シールド演習でSM CTV-03試験を行った。参考：月刊航空ファン11,’15、11,’17、月刊世界の艦船3,’17、7,’17、1,’18、月刊軍事研究8,’17、12,’18

＜ＳＭ−６デュアル�U＞：弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機、洋上目標を迎撃できるタイプ。2016年1月18日のFTR-31試験でDDG-53ジョン・ポール・ジョーンズがSM-6デュアル�Uを発射、DDG-101グリッドレイとのCECによるエンゲージ・オン・リモートでFFG-57ルーベン・ジェイムスを撃沈して対水上攻撃能力を証明し、3月に最終設計審査を終えた。2021年7月24日、FTM-33試験で短射程弾道ミサイルを迎撃した。参考：月刊軍事研究10,’18、月刊世界の艦船10,’21

＜ＳＭ−６デュアル�UＳＷＵＰ＞：SWUPはSoftWare UPgradeの略。2023年3月30日、FTM-31E1a試験でMRBMの迎撃に成功した。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜スタンダード艦対空ミサイル・ファミリー＞

　＜ＲＧＭ−６６Ｄ＞：艦対艦ミサイル型。SM-1MRブロック�Xのシーカーをパッシブ・レーダー式に変更したもので、Mk13単装発射機から発射される。1971年に試射に成功した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊軍事研究12,’18

　＜ＲＧＭ−６６Ｅ＞：艦対艦ミサイル型。RGM-66Dと同様のパッシブ・レーダー誘導式で、アスロック発射機Mk16からも発射できるようにしてある。ノックス級フリゲートに搭載された。参考：アメリカ護衛艦史、月刊軍事研究12,’18

　＜ＲＧＭ−６６Ｆ＞：試作艦対艦ミサイル型。RGM-66Eのシーカーをアクティブ・レーダー誘導に変更したものである。1973年に試射に成功したが、ハープーンで十分なので、実用化には至らなかった。参考：アメリカ護衛艦史、月刊軍事研究12,’18

　＜ＳＭ−４＞：艦対地ミサイル型RGM-156A、別名SMASHER（Standard Missile Autonomous Strike Homing Missile）。艦砲射撃とトマホークの間を埋める対地打撃兵器で、500ポンド級弾頭を搭載し、誘導を中間GPS/INS＋終末光学シーカーに変更した。1997-98年にSM-1ベースの試作ミサイルによる飛翔試験を３回行い、NTACMS（Navy TACMS。ATACMSの艦載版）に勝ってSM-2ベースの量産型開発に移ったが、2002年6月に開発中止となった。参考：月刊軍事研究12,’18

＜スタンダード・コンフィギュレーション・ロード＞：SCLと略す。アメリカ空軍が使用する航空機兵装搭載状態表示用略称で、同盟国の兵器にも対応している。Ａ（AIM-120空対空ミサイル）、Ｄ（R530D空対空ミサイル）、Ｆ（スカイフラッシュ空対空ミサイル）、Ｍ（R550マジック空対空ミサイル）、Ｓ（AIM-7空対空ミサイル）、Ｔ（FIM-92空対空ミサイル）、Ｗ（AIM-9空対空ミサイル）といった略語を使用し、その前に数字を置いて何発搭載しているかを示す。最後に増槽の本数を書くので、2A×2W1（AIM-120空対空ミサイル２発、AIM-9空対空ミサイル２発、増槽１本）といった記載になる。参考：月刊JWings7,’12

＜スタンダード・スチール社＞：アメリカの会社。金属プロペラをハブとブレードに分けて作る方式を編み出し、ピッチ調整を可能とした。ピッチを変更できるのは地上のみ、範囲もプラスマイナス5-6度くらいで、離陸重量により多少調整できる程度だったが、設計時の想定ピッチと実物制作時のずれを微調整できるので試作プロペラを丸ごと作り直す必要が無くなり、プロペラ設計者には大いに感謝された。1929年、ハミルトン社と合併してハミルトン・スタンダード社になった。参考：月刊航空ファン10,’19

＜スタンダードフレックス３００＞：フリーヴェフィスケン級（哨戒艇）を参照。

＜スタンダードミサイル用整備器材維持部品＞：自衛隊の機器。三菱商事が受注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜スタンディング・ポジション＞：立ち撃ち姿勢。

＜スタント＞：377（コルベット）またはアクロバット飛行を参照。

＜スタンドイン攻撃兵装＞：アメリカ空軍のF-35A戦闘機用対地兵装、略称SiAW。2020年1月8日に情報要求を発出したが、中身は不明である。参考：月刊JWings4,’20

＜スタンドイン・ジャミング＞：ジャミングを参照。

＜スタンドイン爆撃機＞：ペネトレイション爆撃機を参照。

＜スタンドオフ＞：Stand-off。装甲板と成型炸薬弾のライナーとの距離。メタルジェット形状が貫徹に最適な形状となるには一定の距離が必要で、近すぎると威力が低くなるし、遠すぎてもジェットが千切れて（ブレークアップ）威力が出なくなる。成型炸薬弾開発当初はスタンドオフ距離ゼロが最も装甲貫徹力が高かったが、1960年以降は3-5口径くらいの所で最も貫徹力が高くなった。よって、先端にスタンドオフ距離をとるためのプローブを付けた成型炸薬弾が開発されている。参考：火薬のはなし、月刊軍事研究11,’08

＜スタンドオフ・アーセナル・プレーン＞：アメリカ空軍が2016年5月31日に公表した航空優勢2030飛行計画（Air Superiority 2030 Flight Plan）にあるSEAD戦術。高いステルス性とセンサー能力を持つF-35A戦闘機を敵地深くに侵入させて目標を探知、脅威の射程外にいるアーセナル・プレーンにデータを送り、兵装を発射してもらう。空対空戦闘にも応用でき、F-22A戦闘機とF-15 2040C戦闘機を組み合わせるが、F-22A戦闘機専用ステルス通信である編隊内データリンクIFDLとのデータリンクシステムが必要で、ポッド型データリンクシステムを開発し、F-15 2040C戦闘機を通信ノードとしてIFDLとリンク16も結べるようにする予定。参考：月刊軍事研究8,’16

＜スタンドオフ・ウェポン＞：Stand-off weapon。敵兵器の射程外から攻撃できる兵器のこと。主に敵防空兵器の射程外から目標を攻撃できる空対地兵器を指す。射程数百km以上の空中発射巡航ミサイルはわざわざスタンドオフ・ウェポンと呼ばない事が多い。初期の核弾頭搭載空対地ミサイルも、防空網を避けるためというよりは発射母機が核爆発に巻き込まれないため投射距離を稼ぐのが目的であり、スタンドオフの対象が違う。参考：月刊JWings1,’16、戦争がやってくる、核兵器図鑑

＜スタンドオフ・ジャマー＞：敵対空ミサイルの射程外や敵レーダー覆域外から対空警戒レーダーに電子妨害（スタンドオフ・ジャミング）を行える電子戦機のこと。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、月刊軍事研究9,’17

＜スタンドオフ・ジャミング＞：Stand Off Jaming（遠距離電子妨害）、略称SOJ。電子戦機が攻撃部隊と目標付近まで同行した後、攻撃部隊と分かれ、敵地対空ミサイルシステム用捜索レーダー覆域外の安全空域を周回しながら電子妨害を行うこと。攻撃部隊のセルフ・プロテクション・ジャミングには限界があるため、輸送機などを改造した大型電子戦機に強力な妨害装置を積み、スタンドオフ・ジャミングを行ってカバーする。敵の正確なレーダー波諸元を入手出来ないので、専らノイズ・ジャミングをかけることになる。参考：月刊軍事研究2,’13、7,’14、7,’99、9,’17

＜スタンドオフ爆撃機＞：長射程空対地ミサイルや滑空誘導爆弾といったスタンドオフ・ウェポンにより、敵防空網の外側から爆撃を行える爆撃機。というか防空網の内側に入り込むと少なからず撃墜される恐れがあるので、損害を避けるにはスタンドオフ・ウェポンを使うしか無い。参考：月刊軍事研究2,’18

＜スタンド・オフ防衛能力＞：2022年の国家防衛戦略で定められた、自衛隊が反撃能力を発揮するために活用する能力の１つ。諸外国のレーダーやミサイルの性能向上により、脅威の及ぶ範囲が侵攻部隊周辺数百キロメートル以上に達しているのを受けたもので、スタンド・オフ・ミサイルを必要十分な量確保し、様々な場所やプラットフォームに重層的に配備することにより、平時には抑止力を発揮し、有事には自衛隊員の安全を可能な限り確保しつつ、相手の脅威圏外からできる限り早期・遠方で侵攻部隊を阻止排除する。参考：月刊世界の艦船4,’23

＜スタンドフォワード・ジャミング＞：ジャミングを参照。

＜スタントン＞：DE-247（護衛駆逐艦）を参照。

＜スタン・パトロール４１００＞：オランダ海軍アンティル・アルバ沿岸警備隊41m哨戒艇。ダメン造船所に発注した。シグナール社製スカウト周波数変調持続波装置、熱線暗視装置、映像増幅センサー、静止画カメラ、ビデオカメラ、自動録音テープなどを装備し、化学剤検知センサーや災害救助活動用消火装置なども搭載する。最大速力26ノット以上、航続日数７日間。自衛用に重機関銃や小火器を装備する。乗員11名＋法執行部隊７名。３隻が建造された。参考：月刊軍事研究7,’97

＜スタン・パトロール４２７０＞：ベネズエラがオランダのダメン造船所に発注した哨戒艇。全長42m、幅6.9m、吃水2.4m、排水量205トン。乗員16名。６隻を配備予定。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜スタン・パトロール６２１１＞：南アフリカ海軍哨戒艇STAN PATROL 6211、別名キング・セクフネ�T世（King Sekhukhune �T）級。オランダのダーメン社が開発したスタン・パトロール6211哨戒艇を導入したもので、ダーメン・シップヤード・ケープ・タウン社に３隻を発注した。主任務は排他的経済水域警備。船型は長船首楼型、艇首はアックス・バウで、ステルス性に配慮して上構を船体幅一杯にし、船首楼甲板側面に凌波性向上も兼ねてブルワークを設置、ナックルラインより上の舷側を船体と逆傾斜にしているが、艦橋上面にはラティスマストが立っている。船首楼後端両舷に臨検用RHIBを１隻ずつ搭載する。全長62.2m、幅11m、排水量600トン。主機はディーゼル４基、出力11520馬力、速力26.5ノット、航続距離4000海里。兵装は遠隔操作式機関砲１門（前甲板。口径25mmくらい？）。乗員40名＋居住区22名分（臨検隊員など）。１番艦P1571キング・セクフネ�T世は2022年5月18日に竣工した。参考：月刊世界の艦船8,'22、6,'21、5,’18

＜スタンプ＞：DD-978（駆逐艦）を参照。

＜スタンプ＞：STAMP（遠隔操作銃塔）を参照。

＜スタンフォード＞：PF-95（フリゲート）を参照。

＜スタンフォード・タック＞：タック（イギリス空軍エース）を参照。

＜スタン・フラッシュ＞：侵入者や強盗を撃退する装置で、2500ワットのストロボを１分間に15回発生させ、視力を30分間奪うことができる。警報装置との連動も可能。参考：月刊軍事研究4,’97

＜スタンフレックス・シリーズ＞：スタンフレックスはスタンダード・フレックスの略。デンマーク海軍が1980年代に計画した艦艇で、スタンフレックス・コンテナと呼ばれるモジュールに兵装や各種装備を収容し、艦艇上に予め用意してあるスペースに適宜装着して運用する。1990年代にSF100、SF300、SF3000の各型、21世紀にSF3500型２種が就役した。参考：月刊世界の艦船4,’10

　＜ＳＦ３００＞：セティス級（フリゲート）またはフリーヴェフィスケン級（哨戒艇）を参照。

　＜ＳＦ３５００型＞：イーヴァル・ヒュイトフェルト級（フリゲート）またはアプサロン級（フリゲート）を参照。

＜スタンリー＞：DD-478（フレッチャー級駆逐艦）またはI73（タウン級駆逐艦第５グループ）を参照。

＜スチーマー・ベイ＞：CVE-87（護衛空母）を参照。

＜スチーム・カタパルト＞：蒸気カタパルト。飛行甲板下のシリンダー内のピストンを蓄圧器（Accumulator）に蓄積した水蒸気の蒸気圧で進ませるカタパルトである。イギリスが1950年からコロッサス級軽空母パーシュースでテストして実用化し、アメリカも製造した。ピストンは飛行甲板上のシャトルと繋がっており、シャトルに航空機の脚を連結させる。ピストンとシャトルを繋ぐアームが通る隙間は、そのままだと蒸気が漏れるので、シーリング・ストップという柔らかい金属製の帯で隙間を塞いである。アームは前部でシーリング・ストップを開きつつ後部で閉じていくという、ファスナーのような方式で密閉を保つ。油圧式より強力なため、大重量でエンジン推力が不足がちのジェット機をカタパルト発艦させるには必須の装備である。蒸気タンクやパイプがかさばる、重い、脆弱、エネルギー効率が4-6%しかないのが欠点。フィードバック機構が無いので航空機に過大な負荷をかける可能性があり、通常でも射出時に航空機に掛かる力の最大値が平均値の25%増しくらいとムラが大きく、時に100%増しにも達して機体寿命を縮めてしまう。また、ガスタービン主機の艦船では専用のボイラーを積む必要がある。20-30トンの航空機を時速200kmくらいに加速する強力な高温高圧蒸気に耐え、それを密閉する構造を作るのが相当難しいらしく、イギリスとアメリカ以外の国では作れていない。参考：月刊世界の艦船9,’02、8,’11、11,’15、3,'21、2,'22、7,'22、月刊軍事研究7,’09、4,’14

＜スチール・ウォール＞：IMI社の軽車両向け対自己鍛造弾装甲Steel Wall。特殊複合金属製の軽量装甲で、自己鍛造弾の貫通を防ぐ。2008年3月に公開された。参考：月刊軍事研究4,’08

＜スチール・ジャケッテッド・ブレット＞：銅の代わりに鉄で被甲した弾丸のこと。第２次大戦時に銅不足で生産された。錆が怖いが、すぐ使うから良かったのだろうか。参考：GUN用語事典

＜スチェスカ級＞：ユーゴスラビア海軍沿岸潜水艦。兵装は533mm魚雷発射管。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スチェッキン自動拳銃＞：ソ連軍の自動式拳銃。将校・特殊部隊指揮官用として1950年代に開発された。セミオートだけでなくフルオート射撃もできる。装弾数は9mmマカロフ弾20発。ホルスターは樹脂製で、ショルダー・ストックとしても使用できるホルスター・ストックである。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜スチムソン主義＞：アメリカが日本の満州侵攻に対して表明した、不承認主義。不戦条約の規約と義務に反するいかなる事態、条約、協定をも承認しないというもので、国際連盟でも認められた。参考：月刊PANZER8,’99

＜スチュアート＞：FFH153（フリゲート）またはM3シリーズ（軽戦車）を参照。

＜スチュアート�T＞：M3海外シリーズ（軽戦車）を参照。

＜スチュアート�U＞：M3海外シリーズ（軽戦車）を参照。

＜スチュアート�V＞：M3海外シリーズ（軽戦車）を参照。

＜スチュアート�W＞：M3海外シリーズ（軽戦車）を参照。

＜スチュアート�X＞：M3海外シリーズ（軽戦車）を参照。

＜スチュアート�Y＞：M5海外シリーズ（軽戦車）を参照。

＜スチュアート・１８ポンド自走砲＞：M3軽戦車・海外ファミリーを参照。

＜スチュアート・カンガルー＞：M3軽戦車・海外ファミリーまたはM5軽戦車・海外ファミリーを参照。

＜スチュアート・コマンド＞：M3軽戦車・海外ファミリーまたはM5軽戦車・海外ファミリーを参照。

＜スチュアート・レキ＞：M3軽戦車・海外ファミリーまたはM5軽戦車・海外ファミリーを参照。

＜スチュワート＞：DD-224（駆逐艦）またはDE-238（護衛駆逐艦）を参照。

＜スツーカ＞：Ju87シリーズ（爆撃機）を参照。

＜スツーナー＞：スタナー（ミサイル）を参照。

＜ステアー社＞：オーストリアの大手銃器メーカーSteyr Mannlicher AG。1864年4月にJosef and Franz Werndl & Partner, Weapon factory and Sawmilとして設立され、Austrian Arms manufacturing Co.に再編され、次いでSteyr-Daimler Puch AGの傘下となり、1980年代末にSteyr Mannlicher AGとして独立した。第２次大戦後はFAL突撃銃のライセンス生産を行い、1960年代にはSSGシリーズを開発、1970年代にはAUG突撃銃がオーストリア陸軍に制式採用された。参考：GUN用語事典

＜ステアマン・エアクラフト社＞：アメリカの航空機会社。アメリカ軍向け複葉練習機を生産していた。1939年（1934年？）、ボーイング社の傘下に入った。参考：月刊JWings3,’20

＜スティア・ハイド＞：SSN-137（VDS）を参照。

＜スティーソ級＞：スウェーデン海軍掃海艇Styrsö級。満載排水量208トン。M14ストルコなど４隻が1996-98年に就役した。2004年に２隻が救難能力追加改装を受けてスパロ級になった。参考：月刊世界の艦船6,'22、9,’14

＜スティープ・アプローチ＞：着陸時の地上騒音を低減させるため、着陸進入角を通常（2.5-3度）よりも大きく取って（4-4.5度）高い所から一気に着陸する方法。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜スティーブドール作戦＞：太平洋戦争時にアメリカ軍が行ったグアム島奪回作戦。本来はサイパン上陸フォリジャー作戦開始３日後の昭和19年6月28日に始める筈だったが、日本海軍機動部隊が接近しており延期された。更にサイパンで出血が大きくなったため、ハワイから増援の陸軍第77歩兵師団が到着するまで再延期されている。7月8日、アメリカ軍がグアム上陸（W-day）を7月21日に決定した。グアム島の日本軍守備隊は昭和19年3月4日に上陸した第29師団（6987名）で、独立混成第48旅団（2800名）、独立混成第10連隊（1668名）、独立自動車第265中隊（183名。トラック47両装備）、野戦高射砲第52大隊（368名。八八式七糎野戦高射砲６門装備）、海軍第54警備隊（7995名）、第31軍直轄部隊など計20810名だった。また、4月に満州からサイパンに派遣された戦車第９連隊のうち、第１中隊（九五式軽戦車17両）、第２中隊（九七式中戦車・九七式中戦車改計11両）、整備小隊がグアムに展開した。主力は上陸予想地点の西海岸沿いに配置され、セメント不足に悩まされながらも、機関銃座300個以上、１門につき２個以上の予備陣地を持つ砲兵陣地、砲掩体70個以上、水中・水際障害物700個以上を設置して待ち構えた。戦車第９連隊第１中隊はアプラ港、同第２中隊はアガニャ海岸に配置されている。守備隊火力は20cm沿岸砲19門、15cm沿岸砲８門、八九式12.7cm高角砲22門、7.5cm艦砲６門、九一式十糎榴弾砲14門、7.5cm野砲18門、九四式七五粍山砲40門、九二式七〇粍歩兵砲９門、7.5cm高射砲８門、57mm速射砲（戦車から取り外したもの？）９門、一式四十七粍速射砲30門、九四式三十七粍速射砲47門、九六式二五粍機銃４門、九八式20mm高射機関砲６門、八九式五〇粍重擲弾筒540門、迫撃砲18門、7.7mm重機関銃231丁、7.7mm軽機関銃349丁、九七式中戦車10両、九七式中戦車改１両、九五式軽戦車29両。対するアメリカ軍はアメリカ第３海兵軍団隷下の第３海兵師団20328名、第１臨時編成海兵旅団9886名、陸軍第77歩兵師団17958名、第３水陸両用軍団6719名、合計54891名で、迫撃砲305門、口径155mm以上の榴弾砲32門、105mm榴弾砲42門、野砲・山砲90門、対戦車砲161門、4.5インチ（114.3mm）多連装ロケットランチャー、M4中戦車などを装備する。サイパンでは上陸準備射撃に無駄撃ちが多かったので、砲爆撃と損害評価を一元指揮した。6月からアメリカ軍による航空攻撃と艦砲射撃が散発的に開始された。6月21日、サイパン戦開始時にパラオ諸島の視察に出掛けていてサイパンに戻れなくなっていた第31軍司令官がグアム島オロテ半島に帰投。その後軍偵察機でサイパンへの帰還を図ったが、結局戻れずグアムに残った。アメリカ軍は7月8日から13日間に亘り系統的な砲爆撃を実施。上陸予定のグアム島西海岸に設置した水際野戦陣地は９割が壊滅したが、厚さ0.5mのコンクリートで補強した半永久陣地は直撃弾を受けたもののみが半壊以上の損害を受け、巧みに隠蔽された永久陣地（1m以上の厚さのコンクリートで補強）は全て生き残った。日本軍は兵力を速やかに縦深陣地に後退させたため、損害は100名以下で済んでいる。海岸砲は露天のものは全て破壊され、洞窟内のものも半分が使えなくなった。7月17日からは上陸地点となるグアム島西海岸の海岸線障害物をアメリカ軍潜水チームが４日かけて破壊し、干潮時にはLCVPの底が珊瑚礁に引っかかって進めなくなると報告した。海岸線は日本軍速射砲の射程内にあったが、下手に撃ち出すと艦砲射撃の激烈な反撃により吹き飛ばされることがサイパン戦で判明しており、上陸開始までは絶対に撃たないよう厳命されていた。7月21日、揚陸艦艇300隻がグアム島西岸南北２つの任務割り当て区域の海面に進出。0530から上陸支援のため艦砲射撃が開始され、0615には航空攻撃も始まった。0700、揚陸部隊が発進。0733、第３海兵師団先鋒部隊がアサン岬の海岸線付近に到達したところで生き残った日本軍防御陣地が反撃したが、火砲の位置を把握したアメリカ軍は先鋒部隊を一旦引き揚げさせると艦砲射撃と航空攻撃で叩き潰した。0822、突撃第１波が海岸から1200ヤード（1097m）に接近。0829、上陸地点北のアサン海岸に第３海兵師団が上陸を開始。0832、南のアガット海岸に第１臨時編成海兵旅団と第77歩兵師団が上陸を開始。第１臨時編成海兵旅団は第29師団歩兵第38連隊の猛射を受けてアムタンク24両を吹き飛ばされたが、上陸を完了し、夕方までに縦深1.6kmの海岸堡を設営した。これに対して日本軍は歩兵７個大隊と砲兵主力を投入して海岸堡の確立阻止にかかったが、他正面からの引き抜きで戦力逐次投入になってしまい、有効な反撃にはならなかった。2200、戦車第９連隊第１中隊の九五式軽戦車１個小隊５両が歩兵を伴って第１臨時編成海兵旅団に向け突撃を開始。海岸から300mの山砲陣地に達したが、2.37インチ・バズーカと迫撃砲により阻止された。7月23日、日本軍は兵力の大部分を消耗した。7月25日0000、日本軍残存部隊は玉砕突撃を敢行、戦死者が全兵力の70%に達した。虎の子の戦車第９連隊第２中隊も出撃したが、誘導将校が道を間違えてしまい、元の陣地に戻ってしまった。7月27日に大本営が第31軍司令部に持久戦を行うよう打電したが、既に戦力が尽き持久不可能な状態だった。7月28日、第３海兵師団が第29師団司令部を包囲。8月8日、日本軍戦車隊10両が高原山でM4中戦車と交戦、全滅した。8月11日には第31軍司令官が拳銃で自決し、組織的戦闘は早期に終了した。アメリカ軍は8月12日に勝利宣言を行っている。南部の山岳地帯には残存防衛部隊が取り残されることとなり、昭和20年9月15日にその主力が投降した。日本軍死者18376名、捕虜及び戦後の収容者1251名。昭和26年9月27日、日本兵５名が投降した。最後の収容者は、戦後27年目に救出された横井伍長である。在留邦人300人のうち男性は戦闘にかり出されて大半が戦死、憲兵隊に誘導された女性や老人はグアム島北部のサンサローサ山から飛び降りて死亡した。アメリカ軍死傷者7083名。参考：月刊軍事研究8,’01、9,’01、月刊PANZER10,’85、激闘太平洋戦記、激闘！太平洋戦争地上戦、月刊丸8,’87、日本赤十字社社史稿第６巻

＜スティーブン・Ｗ・グローブス＞：FFG-29（フリゲート）を参照。

＜スティーブンス＞：DD-479（駆逐艦）を参照。

＜スティーブンストーン＞：L16（駆逐艦）を参照。

＜スティーブンソン＞：DD-503（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-645（リバモア級駆逐艦）を参照。

＜スティール＞：DE-8（護衛駆逐艦）を参照。

＜スティール・タイガース＞：アメリカ陸軍第１歩兵師団第２旅団第77装甲連隊第１大隊のニックネーム。参考：月刊PANZER11,’04

＜スティールヘッド＞：SS-280（潜水艦）を参照。

＜ステイ・ウィズ・リーダー＞：航空自衛隊スラングで、上級者と一緒に二次会・三次会などに付き合うこと。参考：MAMOR vol.164

＜スティエル＞：ドイツ海軍特設巡洋艦。1942年5月12日、ロッテルダムを出撃。ドーバー海峡突破中に長射程砲の砲撃を受けたが、損害は無く、ブーローニュに入港。5月19日、ジロンドに入港。5月20日、中部大西洋に向け出撃。6月4日、赤道付近でイギリス船１隻を撃沈。6月6日、パナマ船を撃沈。9月27日、アメリカ商船スティーブン・ホプキンスの砲撃を受けて沈没した。スコアは４隻29000トンだった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜スティジアン＞：P249（潜水艦）を参照。

＜ステイショネア＞：セスナ206シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜スティッキー・ボム＞：No74（ST）てき弾を参照。

＜スティック・シェイカー＞：失速警報装置のこと。失速しかかると操縦桿や操縦輪を振動させてパイロットに伝えるので、こう呼ばれる。参考：戦闘機のしくみ

＜スティックス＞：P15シリーズ（対艦ミサイル）またはSSC-3（地対艦ミサイルシステム）を参照。

＜スティックライス＞：自衛隊のレーション。新潟県小千谷市の株式会社たかのが、2012年に雇用を開始した退職任期制自衛官から、レーションが不味いという話を聞いて１年掛け開発した。21種類の味付きご飯で、細長いきりたんぽ状をしており、パッケージを開けて片手で食べることができ、２つに割って分け合うことも可能。長さ240mm、幅90mm、厚さ15mm、重量180g。加温しても未開封なら２年間保存できる。参考：朝雲

＜スティックルバック＞：SS-415（潜水艦）を参照。

＜スティッケル＞：DD-888（駆逐艦）を参照。

＜ステイツマン＞：P246（潜水艦）を参照。

＜ステイタイス＞：K281（コルベット）を参照。

＜ステイト・ワン＞：VH-60N要人輸送ヘリに、アメリカ以外の国家元首が乗った時のコールサイン。

＜ステイナー＞：K573（フリゲート）を参照。

＜スティルセ級＞：スティーソ級（掃海艇）を参照。

＜スティルブリュー・アーマー＞：チーフテンMk.15（戦車）を参照。

＜スティレット＞：UR-100N（ICBM）またはX-3（高速試験機）を参照。

＜スティレット＞：アメリカ国防総省スティレット級実験艇Stiletto。2004年起工、2005年12月進水、2006年4月就役。2006年5月、ホウラー演習に参加し、UAVとUUVを駆使して機雷掃討任務の実験を行った。2008年、沿岸警備隊と協力し、コロンビア沖やフロリダ海峡で麻薬密輸阻止作戦を実施した。参考：月刊軍事研究11,’06、7,’10、3,’11、月刊世界の艦船1,’10

＜スティレット級＞：アメリカ国防総省（海軍、特殊作戦軍、沿岸警備隊も共同開発）の無人兵器母艦実験艇Stiletto級。Ｍシップ社が建造した。主任務はSEALsの揚陸と、搭載無人兵器での水平線外目標探知捜索による支援。船体は炭素強化繊維複合材で出来ており、ステルス性を考慮した平面構成とした。船底はダブルＭ型と呼ばれ、双胴船体に縦３枚のスカート部（小型没水体付き）を設けたもの（実質五胴船）である。これにより高速走行時に艦首から吸い込まれた空気と海水が螺旋状に回転して船体を浮き上がらせ、抵抗を減らすと共に安定性を増す。上部構造物前方中央がグラス・コクピット化された操縦席で乗員３名が位置し、その両脇に兵員が６名ずつ座る。シートは衝撃緩衝機能を持っており、急な操艦でもケガを防ぐ。操縦席の上にはマストがあり、長距離通信用短波アンテナ、短距離通信用VHFアンテナ、衛星通信用SATCOMアンテナ、航海レーダー、FLIR、電子光学カメラ、LLLTVなどが並ぶ。上部構造物後方は飛行甲板で、無人機を発着させることが可能。船体中央から後部は搭載艇用ドック・ウェル（11mRHIB、USV、UUVを収容）で、その両側に貨物スペースがあり、これらの下が燃料タンク及び機関室である。全長26.8m（24.6m？）、幅12.3m、吃水0.76m、基準排水量45トン、満載排水量61トン、最大排水量68トン（78トン？）。主機はキャタピラー社製C32ディーゼル４基４軸6608馬力、推進はサーフィス・プロペラ（直径0.914m６翅）、最大速力55ノット（空貨、シーステート０）／51ノット（軽荷、シーステート０）／47ノット（満載、シーステート０。51ノット？）／25ノット（満載、シーステート４）、燃料搭載量17トン、航続距離500海里（満載、シーステート４、巡航速力40ノット）。ペイロード15トン。11mRHIB哨戒ボート１隻、最大重量680kg以内・最大長6m以内のUAV（シルバーフォックスなど）、UUV（マンタ、ブルーフィンなど）を搭載できる。乗員35名（乗員３名＋兵員12名？）。スティレットが竣工した。参考：月刊軍事研究11,’06、7,’10、3,’11、月刊世界の艦船3,’13、4,’15、1,’10、7,’11

＜スティンガ＞：FIM-92海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜スティンガー＞：FIM-92シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜スティンガー�U＞：AC-130W（ガンシップ）を参照。

＜スティンガーズ＞：HMLA-267（海兵軽ヘリコプター攻撃飛行隊）またはVFA-113（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜スティンガー・スパイク・システム＞：暴走車阻止用スパイク装置。蛇腹にトゲの付いた構造をしており、普段はスーツケース大の容器に収容されている。必要時に取り出して暴走車前方の路面に展開すれば、時速190km以内ならいかなる車輌でも止められる。スパイクは現場で交換ができ、本体は1500回の使用に耐える。参考：月刊軍事研究4,’97

＜スティンガー・ブラッドレイ＞：M-2歩兵戦闘車ファミリーを参照。

＜スティング＞：スター・ストリーク（地対空ミサイル）を参照。

＜スティングレイ＞：A109海外シリーズ（汎用ヘリ）またはMQ-25A（無人機）またはR-29R（弾道ミサイル）またはSS-13（潜水艦）またはSS-186（潜水艦）を参照。

＜スティングレイ軽戦車シリーズ＞：キャデラック・ゲージ社製軽戦車Stingray。途上国向けや、輸送機による戦略機動用として、1983年1月から開発された。参考：ザ・マーチ33号、月刊PANZER9,’97

＜スティングレイ�T＞：車体と砲塔は共にCadloy鋼板の溶接製で、装甲は正面でも14.5mm徹甲弾に対抗できる程度、その他は7.62mm徹甲弾に耐えられる程度と薄く、自重をC-130輸送機に搭載できる程度に抑えた。車体前部に操縦席、その両側に予備弾庫、中央に戦闘室、後部に機関室がある。下部転輪はダブルタイプ片側６組、前方に誘導輪、後方に起動輪があり、上部転輪は片側３個。サスペンションはM109自走榴弾砲用ベースのトーションバー式。履帯はT136鋼製ダブルピンで、履帯ピッチ150mm、履帯幅380mm。主砲はロイヤル・オードナンス105mm低反動砲で、即応弾８発、予備弾28発、使用弾はL64APFSDS、L52APDS、L63DS Prac、L35HESH、L38SH Prac、L39Smoke BE。俯仰角はプラス18度からマイナス7.5度。副武装は7.62mm同軸機銃M240で、即応弾400発、予備弾2000発。対空機銃は7.62mm機銃または12.7mm機銃M2で、即応弾は前者が200発、後者が100発、予備弾は両者とも1000発ずつ。オプションで発煙弾発射機16発を装備可能。砲手用サイトはレーザー測距機付M36E1昼夜間照準器。車長用視察装置はペリスコープ７基で、NV52昼夜間ペリスコープの装備も可能。FCSはオプションでマルコーニ社製デジタルFCSを搭載でき、砲二軸安定化装置、砲手用熱線暗視装置、M13A1NBC防護装置、ハロン自動消火装置、排気による煙幕展張装置もオプションで追加可能。全長9.35m、車体長6.3m、全幅2.71m、全高2.55m、自重18.5トン。エンジンはデトロイト・ディーゼル社製8V92TAターボチャージド・ディーゼル（535馬力）、トランスミッションはXTG-411-2A、最大速度64km、燃料容量757リットル、航続距離483km（時速25マイル・40km）。アメリカ陸軍と海兵隊が進めていた装甲砲システムAGSに参加したが、採用されなかった。1986-90年にタイ陸軍に106両が輸出されたが、走行時に車体下面装甲にひびが入ったり、異常振動が生じたりしたらしい。参考：ザ・マーチ33号、月刊PANZER9,’97、世界AFV年鑑2002-2003

＜スティングレイ�U＞：テクストロン・マリーン＆ランドシステム社が開発した軽戦車。車体と砲塔は防弾鋼板全溶接製で、2001特殊高硬度鋼板の装甲パッケージが装着され、23mm機関砲弾の直撃に耐えられる。また、重量４トンの増加装甲パックを取り付けると、30mm機関砲弾やRPGにも抗堪可能。下部転輪は片側６組、前方に誘導輪、後方に起動輪があり、上部転輪は片側３個。サスペンションは改良型トレーリング・アーム独立懸架式。履帯は幅360mmで、増加装甲装着時は幅460mmのものと交換できる。防弾スカートを標準装備する。FCSはM1A1戦車と同じもので、砲手用サイトはレイセオン・システム社製HIRE昼夜間暗視安定化サイト（熱線暗視装置とレーザー測距機内蔵）、補助用に倍率6.2倍の望遠鏡を備える。車長用サイトはM36E1昼夜間兼用サイトで、HIREの夜間映像も見られる。車長用キューポラにはペリスコープ７基があり、全周視察が可能。主砲はロイヤル・オードナンス製105mm低反動砲で、マズル・ブレーキと後座長延長により従来砲の40%にまで反動を減らしている。俯仰角マイナス８度からプラス20度、搭載弾数32発（即用弾８発）。7.62mm同軸機銃M240と12.7mm対空機銃を装備する。LAV-105砲塔（自動装填装置付き105mm砲M35とラミネート装甲装備）の搭載も可能。全長9.35m、全幅2.8m、全高2.55m、基本重量22.2トン／25.5トン（LAV-105砲塔搭載時）。エンジンはデトロイト・ディーゼル製8V-92TA水冷ターボディーゼル（650馬力）、トランスミッションはアリソン製XRG-411オートマチック、巡航速度48km、最大速度71km、航続距離525km。軽戦車や空挺戦車としては大きすぎ、主力戦車としては軽すぎ、どこも採用していない。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’97、月刊軍事研究7,’97

＜スティング・レイ対潜魚雷シリーズ＞：イギリス空海軍の対潜魚雷STING RAY。Mk46短魚雷の後継として開発した。タイ海軍、ノルウェー海軍、ルーマニア海軍なども採用している。参考：月刊軍事研究6,’01、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船7,’21

　＜スティング・レイＭｏｄ０＞：初期型。1983年（1985年？）に実用化された。参考：月刊軍事研究6,’01、6,’07、月刊世界の艦船5,’12、7,’21

　＜スティング・レイＭｏｄ１＞：改良型。浅海海域を静かに航行する通常動力型潜水艦への対処という冷戦後の運用要求に合わせたもので、ハードウェアも85%を新型とし、ソフトウェアを交換、メンテナンス・フリー設計として維持整備コストの軽減を図っている。全長2.6m、直径324mm、重量267kg、炸薬重量45kg。動力源は塩化銀マグネシウム海水電池、動力は電動モーター、推進は二重反転プロペラによるポンプ・ジェット、雷速45ノット、航走距離8-11km。攻撃可能深度20-800m（600m？）。誘導はアクティブ・パッシブ音響。2004年（2006年？）から運用された。参考：月刊軍事研究6,’01、6,’07、月刊世界の艦船1,'15増刊、5,’12、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸3,’90

＜スティング・レイ無人水上艇＞：イスラエルのエルビット社が開発したUSV。全長3.2m。最大速力45ノット。ペイロード250kg。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ステーション＞：兵装ステーションを参照。

＜ステーション＞：航海艦橋が使用不能になった際に代替として使用する施設。通常は艦後方に位置する。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜ステーションワゴン車＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ステータス６＞：ポセイドン（核魚雷）を参照。

＜ズデーデンランド併合＞：ドイツとの国境地帯にあるチェコスロバキアのズデーデンランドは、第１次大戦まではドイツの領土で、ドイツ人が支配層となっていた。第１次大戦後はドイツ人が少数派になってしまい、不満が募っていたのをヒトラーが利用し、ズデーデン・ドイツ人党を使って扇動を開始。1938年9月2日にはズデーデン・ドイツ人党党首ヘンラインがヒトラーと協議し、チェコスロバキア政府に要求を突きつけた。これが認められたのをいい事に、ズデーデン地方の併合にまで言及。暴動も発生するようになり、ドイツ・チェコスロバキア双方が軍を派遣して一触即発の状態になったが、イギリス、フランス、イタリアの仲介が入り、9月29日にこの３ヵ国とドイツの間でズデーデン地方の併合が決められた。チェコスロバキアは会議に参加すらさせてもらえず、ただ要求を受け入れるしかなかった。ヒトラーはこれを最後にヨーロッパで領土は要求しないとしたが、翌年にはチェコスロバキアを併合してしまう。参考：月刊軍事研究7,’04

＜ステールメイト�U作戦＞：ペリリュー島上陸作戦を参照。

＜ステザム＞：DDG-63（駆逐艦）を参照。

＜ステッグ＞：ノルウェー海軍ハウク級ミサイル哨戒艇。1980年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ステッドファスト＞：70（フリゲート）を参照。

＜ステッドファスト・ディフェンダー２１＞：NATO軍増援急派演習Steadfast Defender 21。ヨーロッパ有事の際にアメリカから増援を急派するというシナリオで、2021年5月20-30日に東大西洋上で行われ、アメリカ海軍LCC-20マウント・ホイットニー、LHD-7イオー・ジマ、T-AOE-6サプライ、イギリス海軍空母R08クイーン・エリザベス、イタリア海軍駆逐艦D553アンドレア・ドリア、カナダ海軍フリゲートFFH330ハリファックス（NATO第１常設水上部隊SNMG1旗艦）、スペイン海軍フリゲートF104メンデス・ヌニェス（NATO第２常設水上部隊SNMG2旗艦）、デンマーク海軍フリゲートF341アプサロン、ドイツ海軍フリゲートF215ブランデンブルク、フランス海軍駆逐艦D-651ノルマンディ、ポルトガル海軍フリゲートF331アルヴァレス・カブラル、哨戒艦シネシュ、潜水艦トリデンテなど11カ国から19隻5000名が参加した。参考：月刊世界の艦船8,’21

＜ステップ・イーグル２０１５＞：カザフスタンが2015年4月6-17日に行った多国間・PKO演習Steppe Eagle 2015。カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルコ、イギリス、アメリカが参加した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ステップドＦＭドップラー・レーダー＞：ドップラー・レーダーを参照。

＜ステップ・バウ＞：艦首形状の１つ。艦底部から大きく前に突き出した艦首を吃水線直上で一旦引っ込めてまた前に突き出したもので、横から見ると艦首が２段のギザ状になっている。全長を抑えつつ水線長を長く取ることで、推進効率が向上するらしい。高速艇などに使用され、大型艦ではイタリア海軍外洋多用途警備艦が初めて採用した。参考：月刊世界の艦船9,’19

＜ステディ＞：AM-118（掃海艇）を参照。

＜ステナ・インスペクタ＞：イギリスの海洋油田基地支援船。総トン数6550トン。フォークランド紛争時、イギリス軍に徴用され、特設工作艦として使用された。紛争後はイギリス軍が買い取り、工作艦デリジェンスとなった。参考：月刊丸10,’93

＜ステナ・シースプレッド＞：イギリスの海洋油田基地支援船。総トン数6550トン。フォークランド紛争時、イギリス軍に徴用され、特設工作艦として使用された。参考：月刊丸10,’93

＜ステファン・Ｗ・プレス＞：T-AK-3007（輸送船）を参照。

＜ステファン・ポッター＞：DD-538（駆逐艦）を参照。

＜ステム＞：艦首構造材。参考：月刊JWings2,’00

＜ステラ＞：三式指揮連絡機を参照。

＜ステラ３＞：ロシア軍の携帯式地対空ミサイル。飛翔速度マッハ1.2、射程4100m、射高2300m。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ステラ・アイズ＞：FTM-20（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・アテナ＞：アメリカのイージスBMDシステム実証実験Stellar Athena。2007年6月22日にDDG-73ディケイター、CG-73ポート・ロイヤル、スペイン海軍F-104メンデス・ヌニェスが参加して行われ、DDG-73ディケイターのSM-2ブロック�VＡによる超音速対空目標迎撃試験、参加全艦船とTHAADシステムによる目標探知追尾、追尾信号伝達、模擬交戦、FTM-12試験を実施、全て成功した。参考：月刊軍事研究6,’09

＜ステラ・アラリス＞：FTM-45（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・イーグル＞：ALI（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・キジ＞：JFTM-1（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・シャロン＞：FTM-15（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・タカ＞：JFTM-4（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・ダガース＞：アメリカのイージスBMDシステム実証実験Stellar Daggers。2009年3月26日、DDG-65ベンフォールドがSM-2ブロック�VＡにより巡航ミサイルを、SM-2ブロック�W改良型によりランスSRBMを大気圏内で同時に撃墜した。参考：月刊軍事研究6,’09、6,’15、6,’16、12,’18

＜ステラ・ニオウ＞：JFTM-7（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・ニンジャ＞：FTM-21（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・ハヤブサ＞：JFTM-2（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・プレデター＞：FTM-10（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・ベンジャンス＞：FTM-16E2a（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラポラリス＞：1927年にスウェーデンのゴタバルケンにある造船所で竣工した豪華客船で、第２次大戦中の1941年にドイツ海軍兵営船となった。終戦後はクルーズ客船となり、1970年に海洋調査船として日本に売却されたが、安全基準などを満たせなかったため、スカンジナビアと改称されてフローティングホテルとなり、静岡県沼津市木負湾に繋留されている。参考：グラフィックアクション44

＜ステラ・ライチョウ＞：JFTM-3（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステラ・ワウエル＞：FTI-03（弾道ミサイル迎撃試験）を参照。

＜ステリャーク＞：ロシア海軍グリシャ�X型警備艦Stelyak。2013年7月13-14日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦ウスト・イリムスク、同メテル、タランタル�U型ミサイル艇R-79、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、同R-19、同R-20、ソーニャ型掃海艇BT-256、同艇番号553、ロプーチャ�T型揚陸艦オスラビア、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ドゥブナ級補給艦イルクート、フィニク型測量艦GS-397、ユグ型海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、オビ型病院船イルティシュ、ゴーリン型航洋曳船SB-522、ソルム型航洋曳船MB-99、中国海軍051C型ミサイル駆逐艦116石家荘、同115瀋陽、054A級フリゲート538煙台、同546塩城、福清型補給艦881洪澤湖と共に、宗谷海峡を東に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機が確認した。8月12日、グリシャ�X型警備艦ソヴェツカヤ・ガバニ、同ウスト・イリムスク、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、ソーニャ型掃海艇BT-256、同艇番号553、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマ、フィニク型測量艦GS-397と共に、宗谷岬の西南西250kmを北東に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機が確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。2014年6月15日0700頃、グリシャ�V型警備艦ホルムスクと共に宗谷岬北西120kmを航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機が確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。参考：月刊世界の艦船11,’13、9,’14

＜ステルク＞：Yak-061（UAV）を参照。

＜スデルザンヌイ＞：ソ連海軍プロジェクト61M級カシン改型ミサイル駆逐艦Sderzhanny。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ステルス＞：Stealth。低観測性LO（Low Observability）を簡単に言ったもので、可視光、赤外線、レーダー、音響、磁気などの各種センサーに探知・観測されにくいようにする技術である。狭義には対レーダー・ステルスのことを指す。イメージとしては、フィクションに良く出てくるような、闇夜に紛れて情報収集や暗殺を行う忍者が分かりやすい。逆探知されないよう自ら電磁波などを放射することも極力避けなければならない（暗闇だからといって忍者がカンテラを持っていたら台無しである）ので、目標情報を得るにはパッシブセンサーを使うか、データリンクを使用する。参考：月刊JWings3,’99

＜ステルス艦＞：レーダーによる被探知を防ぎ、レーダー誘導式対艦ミサイル攻撃から身を守るため、RCSをなるべく小さくした艦船のこと。ステルスには他にも光学（迷彩塗装）、赤外線（熱対策）、音響（ノイズ低減）、磁気（消磁所での消磁処理や消磁装置）、電波（ESM対策、ECCM、電波封止EMCON）などがあるが、迷彩塗装は以前から存在し、他は見た目であまり分からないので、特に外形を工夫して対レーダー・ステルスを備えた艦がこう呼ばれる。図体が大きいため完全にレーダーから見えなくするのは無理だし、完全に消えてしまうとシー・クラッターの中にシルエットが浮かび上がるのでかえって目立つが、ジャミングの有効性が高くなり、チャフやデコイで作り出す欺瞞RCSを小さく済ませることができる。これにより、小型軽量のチャフ・デコイ発射機を多数装備することが多くなった。ソ連では1980年就役のキーロフ級巡洋艦やウダロイ級駆逐艦からステルス性を考慮しており、西側ではフォークランド紛争以降にステルス性を考慮した設計がなされるようになり、1990年代からステルス艦が就役し始めた。参考：月刊軍事研究1,’08、月刊丸2,’07、月刊世界の艦船12,'21、10,’17、3,’05、8,’13

　＜第１世代ステルス艦＞：上構を簡素化し、側面を傾斜させてレーダー反射率を低下させたタイプ。アクティブ・レーダー誘導式シースキミング対艦ミサイルはほぼ真横から飛んでくるので、船体側面の傾斜をきつくしてレーダー波が真横に反射しないようにし、上構幅を船体幅と同じにして境目でのレーダー波乱反射（後方散乱）を防ぐのが基本で、上構側面を船体と逆傾斜にして上に行くほど内側に絞り込む型式や、船体舷側にナックルラインを付け、ナックルラインより上の船体と上構を上に行くほど内側に絞り込む型式がある。レーダーアンテナはフェイズド・アレイ式にして上構側面と一体化し、マストはタワー型や角型ポールマストを採用、ミサイルランチャーはVLSにして甲板に埋め込み、出っ張りを無くす。同クラスの従来艦よりもRCSを10分の１程度に減少させ、レーダー被探知距離を従来の56%程度に短縮している。船体舷側の傾斜が大きいため、復元性能上必要な水線幅を確保すると上甲板の幅が不必要に広くなり、それに合わせて上構幅も広げるので、排水量が大きくなる傾向がある。予備浮力と艦内スペースは増えるが、三角柱状の空間が出来るため使い勝手が悪く、岸壁係留の際にあまり岸に接近しすぎると潮位変化によって外板を擦る可能性もある。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,’98、3,’16、12,'21

　＜第２世代ステルス艦＞：第１世代に複合材などのRAMを適合させたタイプ。RCSを第１世代の10分の１に減らし、レーダー被探知距離を従来艦の32%程度に短縮している。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜第３世代ステルス艦＞：船体や武装も含めて徹底的に対レーダー・ステルス性を取り入れたタイプ。通信用アンテナもマスト内に収容したり、平板にしてマストや上構に埋め込んだりする。ズムウォルト級ミサイル駆逐艦のように、船体舷側を逆傾斜とするタンブルホーム型船体を採用したものもある。第２世代よりもRCSが10分の１程度となり、レーダー被探知距離は従来艦の18%前後にまで短縮する。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸2,’07

＜ステルス機＞：Stealth aircraft。RCSを小さくしてレーダー被探知性を低くした航空機のこと。逆探知されにくい捜索手段（パッシブセンサーやAWACSなどとのデータリンク）により目標を発見し、気付かれないうちに破壊するのが主任務である。防空レーダーによる被探知距離が短くなるので、レーダー網の隙間をすり抜けて目標に接近、目標を守る防空ミサイルの射撃指揮レーダーに見つからない距離からスタンドオフ兵器を投下・射出して目標を撃破する。気付かれないうちに敵支配地域に侵入し、偵察して帰ってくることもできる。レーダー波をレーダーアンテナに戻さないよう機体形状の直交構造や突起物を避け、胴体断面はチャイン形状（ソロバン玉状）とし、翼前後縁の角度を揃えるエッジマネージメントや外板の繋ぎ目を鋸歯状にするセレーション／ファセッテイングを適応、レーダー波の反射方向を斜め４方向に限定する。垂直尾翼は２枚に分けてＶ字に傾けるが、VHF/UHFレーダーで垂直尾翼全体を探知されてしまうので、可能なら全翼機にする。機体表面にRAMを貼ると共にコクピットで電波が乱反射しないようキャノピーに特殊コーティングを施し、エンジンのファンに直接レーダー波が当たらないようスネークダクトを使用する。これらの工夫でどうしても構造重量が増えるのが欠点。また、外部兵装や増槽を搭載するとステルスにならないので、兵装と燃料は全てウェポンベイや機内燃料タンクに収容する必要があり、兵装搭載量や航続距離でも不利となる。自機のレーダーアンテナなどレーダー波の反射面も上手いこと隠す必要がある。スクランブル発進などで敵に近づくと、相手にRCSを調べられる可能性があるので、レーダーリフレクターを装着したりして誤魔化す。うっかりレーダーの近くを通ると見つかってしまうこともあるので、ECMによる妨害、ELINTなどによる防空網の把握、SEADといった戦術との併用が必要である。なおヘリコプターの場合、多少の胴体断面積の違いなど「頭上でメインローターが回転している以上は同じこと」（陸自AH-1S対戦車ヘリ後継に武装型UH-60Mアームド・ブラックホークを推すシコルスキー社インターナショナル・ミリタリー・プログラムズ・ディレクター談）らしい。参考：月刊JWings4,’11、3,’14、1,’15、月刊軍事研究2,’16、3,’11、2,’18、月刊航空ファン7,’99、2,’19、航空用語事典増補改訂版

＜ステルス戦闘機用レドーム（その１）＞：自衛隊の研究試作。三菱重工が受注している。参考：月刊軍事研究6,'17

＜ステレオ式測遠照準器＞：基線長式測距器を参照。

＜ステレグシュチイ＞：ロシア海軍プロジェクト20380ステレグシュチイ級フリゲート１番艦Steregushchiy（守りに油断の無い）、艦番号530、後に550。2001年12月21日起工、2006年5月1日進水、2007年11月14日就役。2017年6月4日、バルティスク基地を出撃し、北大西洋に向かった。2019年7月28日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日海上パレードに参加。参考：月刊世界の艦船2,’17、9,’17、10,’19、月刊軍事研究2,’09、10,’09、11,’18

＜ステレグシュチイ＞：ソ連海軍プロジェクト61ME型カシン級ミサイル駆逐艦Steregushchy。1966年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ステレグシュチイ型＞：プロジェクト20380（コルベット）を参照。

＜ステレグシュチイ�U型＞：プロジェクト20385（コルベット）を参照。

＜ステレット＞：DD-407（駆逐艦）またはDDG-104（イージス駆逐艦）を参照。

＜ステン・シリーズ＞：イギリス軍のサブマシンガンで、開発したR.V.シェパード技師とH.J.ツーピン技師の頭文字、製造したエンフィールドの頭文字をとってStenと名付けられた。ダンケルク撤退後、ドイツ降下猟兵に対抗する小火器に窮したイギリスが急遽開発したもので、弾薬はそれまでのイギリス軍制式弾薬ではなく、エリトリア戦線で鹵獲した大量のイタリア軍9mm弾薬を使用することにした。1941年6月に制式採用され、1955年までにイギリス（BSA社とエンフィールド社）だけでも各型計420万丁が生産されている。弾倉を横から挿入する機構に問題があったらしく、また複列に並ぶ弾薬を弾倉上部で１列にして装填する機構も弾薬が詰まりやすく、弾倉が32発入りで長いため、装弾時に押し縮められた弾倉バネの反発力が強すぎ、遊底が装填のために復座力を使い切って復座不良を起こすといった事態が生じ、ジャミングに悩まされた。取り敢えず弾倉に詰める弾薬数を29-30発に抑えて解決している。また、町工場でも生産したために部品の摺り合わせが悪く、支給後に部品をヤスリがけして調整する一幕もあったという。ステンクガン（臭う銃）、ウールワースガン（ガラクタ銃）、鉛管工の好物、羊毛製の銃などというニックネームが冠された。参考：拳銃・小銃・機関銃、月刊PANZER9,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜ステンＭｋ．�T前期型＞：正式名称Mk.�Tマシン・カービン。大半はプレス加工と溶接で組み立てられ、木製折り畳み式フォアグリップを持つ。銃口にはフラッシュハイダーが付いており、弾倉は水平に挿入され、後部には残弾確認用の孔が開いている。全長794mm、銃身長190mm、重量3.3kg。作動はストレート・ブローバックでセミ・フルオート切り替え、発射速度毎分520発。使用弾は9mmパラベラム弾、装弾数32発。参考：月刊PANZER9,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

　＜ステンＭｋ．�T後期型＞：銃床のチーク・ピースが無く、鋼板プレス加工のスケルトン・ストックになっており、前床部の木部も無くなっている。参考：月刊PANZER9,’02

　＜ステンＭｋ．�U＞：弾倉装着部を回転させると開口部が覆われてダストカバー代わりになる機構を追加した。銃床がスケルトン・ストックから鋼管１本に鋼板を溶接したものに換わっている（いくつかバリエーションもある）。フラッシュハイダーと折り畳み式フォアグリップは廃止された。照準は90m先に固定されている。全長762mm、銃身長197mm、重量3kg。ライフリングは２条。発射速度毎分540発、装弾数32発。鉄パイプに鉄の棒をくっつけたような外観で、徹底的に省力化がなされており、１丁あたり7.6ドルしかかからず、大量生産された。参考：月刊PANZER9,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

　＜ステンＭｋ．�U（Ｓ）＞：特殊部隊向け。銃身にサイレンサーを追加し、発射速度を落として命中精度を向上させた。全長904mm、銃身長90mm、重量3.72kg／4.1kg（弾薬込み）。発射速度毎分450発。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊PANZER9,’02、拳銃・小銃・機関銃

　＜ステンＭｋ．�V＞：機関部から銃身被筒までの外装を一体化したもの。頂部の接合部が溶接で盛り上がっていて、この前端に照星、後端に照門が設けられており、照準距離は25ヤード（22.9m）から100ヤード（91.4m）の固定式である。Mk.�Uにあった弾倉装着部回転によるダストカバー機構は廃止された。全長762mm、銃身長197mm、重量3.18kg。発射速度毎分540発、装弾数32発。参考：月刊PANZER9,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊アーマーモデリング1,’13

　＜ステンＭｋ．�W＞：空挺部隊用ショートモデル。独立したグリップを持ち、ストックの違いでＡとＢの２種類がある。全長622mm／445mm（ストック折り畳み時445mm）、銃身長98mm、重量3.4kg。発射速度毎分575発、装弾数32発。ただ小さくしすぎて9mmパラベラム弾の発射に無理があり、試作のみに終わった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊PANZER9,’02

　＜ステンＭｋ．�X＞：ストックを木製に変更、リアグリップを木製の独立したものとし、木製フォアグリップを復活させたもの。No.4ライフルと同じ照星が銃身上に直接付けられており、単射で180mまでの狙撃を行うために装備したらしい。ストックを90度折り曲げられるようにし、物陰から射撃できるようにしたタイプもある。重量が0.7kg増えたため、取り扱いの面ではやや不便が生じた。参考：月刊PANZER9,’02、米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

　＜ステンＭｋ．�X（Ｓ）＞：特殊部隊向け。Mk.�Xにサイレンサーを取り付けたもので、少数のみ生産された。参考：月刊PANZER9,’02

　＜ステンＭｋ．�Y＞：Mk.�X(S)の量産型といえるモデル。照星がサイレンサー付け根に直付けになった。全長762mm、銃身長198mm、空虚重量3.85kg、弾薬込み重量4.2kg。発射速度毎分575発、装弾数32発。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、月刊PANZER9,’02

＜ステン海外シリーズ＞

　＜ＭＰ７４９（ｅ）＞：ドイツ国防軍サブマシンガン。レジスタンスなどから鹵獲したもので、フランスの警備部隊などに配備した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

　＜ＭＰ７５１（ｅ）＞：ドイツ国防軍サブマシンガン。ステンMk.�U(S)を鹵獲したものである。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜ステンカ級＞：ウクライナ沿岸警備隊哨戒艇Stenka級。兵装は406mm魚雷単装発射管４門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ステンブル＞：DD-644（駆逐艦）を参照。

＜ストアーズ・ベイ＞：B-1爆撃機の爆弾倉の通称。

＜ストア・キャリア模擬装置＞：自衛隊の機器。海洋電子工業製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ストア・キャリア・ローダー＞：自衛隊の機器。シンフォニアテクノロジー製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ストアラック＞：ラックを参照。

＜ストイキイ＞：ソ連海軍ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦Stoyky。1986年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ストイキイ＞：ロシア海軍ステレグシュチイ級コルベット５番艦（プロジェクト20381型４番艦）Stoiky。2006年6月30日起工、2012年5月30日進水、2014年7月（5月？）就役。2017年6月28日から7月2日、IMDS2017に参加。2019年7月28日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日海上パレードに参加。2021年7月25日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日祝賀行事（艦艇パレード）に参加。参考：月刊世界の艦船2,’17、6,’15、10,’19、10,'21、月刊軍事研究10,’17

＜ストイック＞：P231（潜水艦）を参照。

＜スドゥヴィス＞：M52（掃海艇）を参照。

＜ストゥージ＞：K-300P（地対艦ミサイルシステム）を参照。

＜ストゥージ＞：イギリスのフェアリー・アビエーション社が開発した無線操縦式艦対空ミサイルStooge。急降下爆撃機に対抗するため研究を行い、1944年に神風特攻隊に向けて発射され、1945年2月まで使用されたが、あまり効果が無く、開発中止となった。参考：月刊世界の艦船3,’05

＜須藤徳弥＞：日本陸軍エース。大正6年、東京生まれ。昭和9年2月、少年飛行兵として所沢陸軍飛行学校に入学し、明野陸軍飛行学校を経て飛行第４連隊配属となった。昭和12年7月、日華事変に参加、地上直協任務に就いた。昭和13年3月8日、西安攻撃で初空戦を実施。3月25日、第１次帰徳空戦でI-15戦闘機１機を撃墜し、初戦果を挙げた。4月10日、第２次帰徳空戦で２機を撃墜。5月20日、蘭封空戦で１機を撃墜。昭和14年8月、飛行第64戦隊に転属してノモンハン事件に参加。9月1日、野口飛行場上空で１機を撃墜したが、敵機の包囲攻撃を受けて戦死した。公認撃墜数10機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜ストーカー＞：D91（護衛空母）またはSLREOSS（電子光学センサー）を参照。

＜ストーカー＞：オーストラリア海軍潜水艦救難艦Stoker。LR5深海救助艇を運用可能。2019年11月4-15日、パシフィック・リーチ2019に参加。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜ストーカー・シリーズ＞：ロッキード・マーチン社が開発している小型無人機。参考：月刊軍事研究4,’18

　＜ストーカー＞：主翼は翼スパンの長い高翼配置の直線翼で、胴体先端にプル・プロペラがあり、胴体尾部から棒状のテイルブームが延び、テイルブーム端にＴ字尾翼が付く。胴体下部にセンサーを搭載する。推進は電動モーターで、2012年にはレーザーで電力を供給する実験に成功した。参考：月刊軍事研究4,’18

　＜ストーカーＸＥ＞：バッテリーとして固体酸化物形燃料電池SOFCを搭載したタイプ。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ストーク＞：L81（スループ）を参照。

＜ストークス＞：AKA-68（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ストークス型担架＞：Stokes Stretcher。アルミフレームに金網を張った担架で、アメリカ海軍などで使用されている。バスケット状をしているので、艦上で揺れたり、躓いて落としたりしても患者が外にこぼれない。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜ストークス迫撃砲＞：ランサムズ・アンド・ラピアー社専務、ウィルフレッド・ストークスが開発した迫撃砲。滑腔式砲身の砲尾を閉鎖して固定撃針を取り付け、底部を底板に据え付けて螺旋桿により射角を操作できるようにし、砲口付近に二脚を付けて砲身を支えている。弾丸は円筒形で、尾部に散弾銃の薬莢を入れたバリスタイト装薬が取り付けられており、弾頭には安全ピンと安全レバー付きの信管が用意されている。砲弾の安全ピンを抜いて砲口から入れると、砲弾は砲身を滑り落ちて散弾銃薬莢の雷管が固定撃針にぶつかり、装薬が燃焼、弾丸が前方に向かって加速する。すると安全レバーを固定していたプランジャーが外れ、砲口から弾丸が飛び出ると安全レバーが吹き飛び、時限信管が作動する。イギリス陸軍に提案された後、弾丸に安定翼を付けて飛翔姿勢を安定化させる、不発弾薬を取り出す際に撃針ごと砲尾を外せるようにするなどの改良が行われ、1915年に３インチ（76.2mm）型が採用された。その後問題無く使用され、４インチ（101.6mm）や６インチ（152.4mm）版なども完成。これにフランスのエドガー・ウィリアム・ブラントが改良を加えたストークス・ブラン式迫撃砲が現代でも踏襲されている。参考：手榴弾・迫撃砲、月刊軍事研究1,’16

＜ストークズ・リッター＞：アメリカ軍の救難用担架で、元の意味はコウノトリがぶら下げている赤ちゃんの入った袋のことである。パラレスキューマンと共に降下し、地上で人員を載せ、一緒に引き上げる。参考：月刊軍事研究2,’07

＜ストージ＞：Kh-35ミサイル（地対艦）を参照。

＜ストーブ・パイピング＞：通常プロセスからある工程を意図的に抜かして実行すること。誤謬の原因になる。参考：月刊軍事研究4,’09

＜ストーブ・パイプ・ジャム＞：スモーク・スタック（作動不良）を参照。

＜ストーマー＞：SB9（軽攻撃機）を参照。

＜ストーマー・シリーズ＞：イギリス陸軍装甲兵員輸送車FV4333 Stormer。スコーピオン軽戦車のファミリーで、1978年からボービントンの軍用車両研究所で開発され、1981年に完成、イギリスのアルビス社が生産した。マレーシア陸軍も採用している。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊丸3,’13

　＜ストーマー＞：スコーピオン軽戦車の車体を延長して下部転輪を１組増やし、砲塔を外して車長用にNo.16キューポラを搭載、その前面に照準器（１倍・10倍）を取り付けた。全長5.27m、全幅2.4m、全高2.27m、重量12.7トン。エンジンはパーキンス社製６気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル（250馬力）、最大速度80km、航続距離650km。スクリューなら時速10km、履帯なら時速5kmで水上航行できる。乗員３名＋乗車歩兵８名。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊丸3,’13

　＜ストーマー歩兵戦闘車＞：車体中央に20mm機関砲KAA・7.62mm同軸機銃装備１名用砲塔FVT900を搭載したもの。マレーシアに輸出された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ストーマー・ファミリー＞

　＜シールダー＞：シールダーを参照。

　＜ストーマー３０＞：偵察装甲車型。HITFIST砲塔を搭載し、エンジンを換装した。全長5.25m、全幅2.69m、全高2.72m、全備重量13トン。エンジンはカミンズ6B-275ディーゼル（250馬力）、最大速度80km、航続距離400km。乗員３名。軽いので、防御力にやや不安を持たれている。参考：月刊PANZER12,’97

　＜ストーマーＨＶＭ＞：ストーマー自走地対空ミサイルを参照。

　＜ストーマー架橋車＞：架橋車型。車体上にシザーズ式戦車橋を搭載している。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ストーマー回収車＞：装甲回収車型。車体上面左にクレーンを搭載している。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ストーマー自走地対空ミサイル＞：イギリス陸軍自走地対空ミサイルFV4333 ストーマーHVM（Stormer HVM）。兵員室上にスター・ストリーク地対空ミサイル８連装ランチャー（２×２キャニスター左右１基ずつ）を搭載し、車体中央上面右（車長用キューポラの反対側）に対空照準器、ランチャー上面に対空警戒装置を装備した。コソボ平和維持部隊などに配備されている。参考：ウォーマシン・レポートNo.26、月刊PANZER12,’02

＜ストーム＞：Mi-171SH（輸送ヘリ）またはP233（潜水艦）を参照。

＜ストームＳＤ＞：ベレッタ社の特殊部隊用拳銃で、SDはSpecial Dutyの略。P×４拳銃をSOCOMの要求に合わせて改良したもので、銃身を105mmから115mmに延長した。重量810g、装弾数9+1発。参考：月刊軍事研究12,’07

＜ストーム・シャドー＞：イギリス軍のスタンドオフ巡航ミサイルStorm Shadow。通常弾頭スタンドオフミサイルという名称でイギリス国防省から仕様が発表され、1996年7月に７社のうちからマトラ社の提案を採用した。スカルプEGがベースで、滑空翼を大型化し、ペイロードを増大している。弾体は四角柱状で、先端に円錐形の弾頭部が付く。弾体やや後ろ寄り上面に折り畳み式滑空翼、中央下面にエアインテイク、尾部に尾翼６枚（上下面２枚ずつ、左右１枚ずつ）を持つ。全長5.1m、胴体幅0.63m、胴体高さ0.48m、翼スパン3m（2.53m？）、重量1.230トン（1.3トン？）、弾頭重量0.4トン。推進はチュルボメカ製TRIGO-30ターボジェット、速度マッハ0.8、射程250km以上／650km（高々度発射。400km？）。弾頭は爆風破片型とBROACH（HEAT+HEの２段式貫徹型）の２種類。誘導方式は中間が地形誘導TERCOM（DSMAC？）＋GPS/INS、終末が赤外線画像による自動目標識別（目標は離陸前に入力しておく）。イギリス空軍トーネード攻撃機に搭載されてイラク戦争で初使用、20発以上が発射された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’09、6,’02、6,’03、9,’03、1,’98、5,’05、2,’07、3,’08、7,’99、月刊JWings10,’16、1,’24

＜ストーム・シャドー海外シリーズ＞

　＜ストーム・シャドー（イタリア軍）＞：イタリア軍スタンドオフ巡航ミサイル。2004年12月8日に採用した。参考：月刊軍事研究5,’05

　＜ストーム・シャドー（ウクライナ空軍）＞：ウクライナ空軍スタンドオフ巡航ミサイル。ウクライナ戦争でイギリス国防省が2023年5月11日に供与を公表した。モスクワまで届くとマズい（最短距離500km弱）ので、射程を制限しているとみられる。飛行中に目標データを発射母機とやりとりする必要は無いので、ポーランドでボムラックの改修だけ受けたSu-24M/MR戦闘機で運用している。参考：月刊JWings1,’24

　＜ブラック・シャヒーン＞：UAE軍スタンドオフ巡航ミサイルBlack Shaheen。ペイロードが小さく、射程が300kmないし420kmに減らされている。参考：月刊軍事研究2,’09、軍用機ウェポン・ハンドブック、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ストームズ＞：DD-780（駆逐艦）を参照。

＜ストームブレイカー＞：GBU-53/B（誘導爆弾）を参照。

＜ストール＞：失速を参照。

＜ストーレイ＞：ジャック・ストーレイ（Jack Storey）。オーストラリア空軍エース。太平洋戦争ではハリケーン戦闘機に搭乗してビルマ戦線で日本陸軍機８機を撃墜した。1943年3月5日には１日で３機を撃墜している。最終階級は飛行少佐。2015年2月2日、99歳で死去した。参考：月刊航空ファン5,’16

＜ストーン＞：イスカンデルＥ（弾道ミサイル）またはイスカンデルＭ（弾道ミサイル）を参照。

＜ストーンウォール・ジャクソン＞：SSBN-634（ジェームズ・マディソン級戦略原潜）を参照。

＜ストーンクロップ＞：K142（コルベット）を参照。

＜ストーンフィッシュ＞：イギリスのマルコーニ社が開発した対潜・対水上艦用沈底機雷Stonefish。円筒形で、航空機及び潜水艦からの敷設が可能。全長2.4m、直径0.533m、重量990kg。炸薬量は100kg-600kgまで100kgごとの可変式。最大敷設深度200m。磁気・音響（振動？）・水圧式信管を持つ。イギリス海軍には配備されておらず、輸出に回されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船1,'15増刊、9,’12増刊、11,’16

＜ストーンヘンジ＞：P232（潜水艦）を参照。

＜ストック＞：銃床を参照。

＜ストック７．６５ｍｍ＞：ドイツ国防軍の自動式拳銃。全長173mm、銃身長92mm、重量670g。口径7.65mm、装弾数８発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜ストックデイル＞：DDG-106（駆逐艦）またはDE-399（護衛駆逐艦）を参照。

＜ストックトン＞：DD-504（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-646（リバモア級駆逐艦）を参照。

＜ストック・パネル＞：ドイツ製ボル　　トアクション式ライフルに見られる構造、別名レイズド・パネル。ストックをスリムにしたため機関部両側面の補強の必要性が生じ、対応するストック部分を盛り上げたものである。参考：GUN用語事典

＜ストックハム＞：DD-683（駆逐艦）またはK562（フリゲート）を参照。

＜ストックホルム＞：K11（コルベット）を参照。

＜ストックホルム防災司令部＞：スウェーデンのストックホルム郊外にある対NBCシェルターで、防災司令部の人員200名を収容できる。山をくり抜いて内部にスプリングで支えられた鉄製の建物が収められており、核爆発時の振動から内部を保護する。自家発電設備、水濾過施設、空気清浄化設備も用意されている。参考：化学・生物兵器概論

＜ストックホルム級＞：スウェーデン海軍哨戒艇Stockholm。レーダーはシー・ジラフ50、ソナーはSS304。排水量310トン。最大速力32ノット。兵装は70口径57mm単装砲Mk2が１門、40mmシー・トリニティ１門、RBS15Mk2艦対艦ミサイル連装発射筒４基、533mm魚雷発射管２門または400mm魚雷発射管４門（Tp431短魚雷）、エルマ用LLS-920爆雷投射機。K11ストックホルムとK12マルメが1984-85年に就役した。後にLLS-920爆雷投射機をASW600(ASW601？)に換装している。参考：月刊軍事研究3,’02、10,’08、ザ・マーチ33号、月刊世界の艦船1,’15増刊、9,'20、THE MILITARY BALANCE 2016、ミリタリー・バランス1989-1990

＜ストックホルム・アピール＞：1950年3月19日に世界平和評議会で採択された、原子兵器の無条件禁止を要求する訴え。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜ストック・マイン＞：StoMi43（地雷）を参照。

＜ストッダード＞：DD-566（駆逐艦）を参照。

＜ストッパー＞：日本海軍用語で、カッターの揚降に使用する索のこと。ダビットに吊り下げられているカッターを人力で海に降ろす際、カッターに繋がるロープを繋柱から解いて全員で持ち、海面へとゆっくり降下させるが、カッターの重さが1.5トンもあるので、ロープを繋柱から解いた瞬間に人力で支えきれずロープが跳ねてしまい、危険な場合がある。そこで、予め繋柱にストッパーの端を繋ぎ、残りをロープに巻き付けておくと、荷重の一部をストッパーが分担してくれるので、一気にロープが走り出す恐れが無くなる。カッターを人力で揚げる際も、ロープでカッターの荷重を支えながらロープを繋柱に巻き付けるというのは至難の業なので、繋柱とロープをストッパーで固定した後にロープを繋柱に巻き付ける作業を行う。罰直でバッターの代わりに新兵を殴るのにも使用されるが、尻に当たった勢いで前にも回り込んで来るため、重傷を負う兵もいた。褌のこともこう言う。参考：海軍兵学校岩国分校物語、海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典、海軍兵学校よもやま物語

＜ストッパー２＞：ミルコー社の40mmグレネードランチャー。37mm弾や38mm弾も発射でき、ストック角度を調整すれば曲射も可能。全長690mm（ストック伸張時）、本体長330mm、総重量2.323kg、本体重量0.973kg。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ストッピングパワー＞：Stopping power。人間を行動不能にさせる能力のこと。参考：ストライク・アンド・タクティクスマガジン5,’11

＜ストップ＞：日本海軍士官のスラングで、泊まりに行くこと。主に女性と。参考：帝国陸海軍事典

＜ストップウォッチ作戦＞：イギリスMI6がアメリカCIAと共同で実施した、ベルリン地下トンネルによるドイツ駐留ソ連軍通信傍受作戦で、CIA名称はゴールド作戦である。MI6ベルリン支局長が発案し、ベルリンのアメリカ管理区域からソ連管理地区に地下トンネルを掘って陸上通信線に盗聴器を仕掛けた。1955年5月から傍受が始まったが、作戦に関与していたMI6のジョージ・ブレイクがKGBに通報しており、ソ連は二重スパイの存在を隠すため、11ヶ月経った1956年4月にトンネルを偶然発見したと発表した。それでもその間に443000回・４万時間の通話、600万時間のテレタイプ通信、1750通の情報報告を傍受し、核関連施設に関する情報や、フルシチョフのスターリン批判などを知ることができた。参考：月刊軍事研究11,’09

＜ストナー６３＞：アメリカ海兵隊とSEALSが少数装備した5.56mm分隊機銃で、1969年に制式化された。給弾はベルトリンク式。各部はモジュール式になっていて、小銃、カービン、遠隔操作式機銃などのバリエーションが存在する。参考：月刊コンバットマガジン11,’03、世界の軍用銃

＜ストライカー＞：D12（護衛空母）またはF/A-259（軽攻撃機）または撃針を参照。

＜ストライカー＞：イギリス陸軍自走対戦車ミサイル車両FV102Striker。スパータンの車体後部にスイングファイア対戦車ミサイル５連装ランチャーを搭載したもので、発射時にはランチャーに40度の仰角をかける。倍率１・10倍切り替え式照準器を装備しており、乗員が外して最大100m離れた地点から誘導することも可能。車体前部右が機関室、左が操縦室、車体中央部左が車長席、右がミサイル操作員席で、車長用キューポラの左に自衛用7.62mm機銃を搭載する。車内に予備ミサイル５発があり、車外で再装填を行う。全長4.83m、全幅2.28m、全高2.28m、全備重量8.35トン。エンジンは８気筒液冷ガソリン（190馬力）、最大速度80.5km、航続距離483km。乗員３名。1990年に改良計画が出され、1996年末までに改修を終えた。参考：世界の軍用車両(2)、月刊軍事研究1,’09

＜ストライカー・シリーズ＞：アメリカ陸軍８×８輪装甲車Stryker。ストライカー旅団構想に基づいて暫定装甲車IAV（Interim Armored Vehicle）の名称で開発された装甲車で、名前の由来は第２次大戦ヨーロッパ戦線で戦ったスチュワート・Ｓ・ストライカー上等兵及びベトナム戦争に参加したロバート・Ｆ・ストライカー四等特技下士官。1999年にストライカー旅団の創設が決まるとすぐに選定が始まり、12月から実車テストに入り、2000年11月に35車種からピラーニャ�Vが選定され、2002年4月12日に量産初号車が引き渡された。ジェネラルモーターズ・ディフェンス社の生産だが、2003年にジェネラル・ダイナミクス社に買収されたため、以降はジェネラルモーターズ・ディフェンス社とGDLS社の共同生産になっている。６個旅団戦闘団に2131両を配備する予定で、一時45個旅団戦闘団全てに導入する計画もあったが、対テロ戦費の増大やMRAPへの予算計上で没になり、2014年までに現役７個旅団と予備役１個旅団に4466両が配備された。2011年、ダブルＶ車体DVHを導入してIEDへの抗堪能力を強化した。改良キットの追加を続けた結果、搭載スペース、重量、電源容量が限界近くに達しており、2015年末までに機関や足回りを強化したタイプを量産する予定。2018年からは30mm機関砲を装備するM1296歩兵戦闘車の配備を予定している。参考：月刊軍事研究1,’04、5,’10、9,’11、4,’12、7,’16、月刊コンバットマガジン11,’03、月刊PANZER8,’10、6,’18

　＜Ｍ１１２６＞：歩兵輸送車ICV（Infantry Carrier Vehicle）型。操縦手席は車体前部左にあり、ペリスコープ付きのハッチが用意されている。車体前部右が機関室、車体中央右が車長席で、車体上面中央左に前後開きの搭乗用ハッチ、車体上面後部に外開きハッチ左右１個があり、車体後面は乗降用ドア付きランプである。車体後部の兵員室に歩兵分隊１個９名（兵員室前方左・車長のすぐ隣に左向きで分隊長、兵員室に向かい合わせに４名ずつ）が乗る。分隊長には専用のディスプレイがあり、戦闘情報や車外監視ビデオ画像を映す事が可能。装甲は厚さ14.5mmのベツレヘムLP製高硬化防弾鋼板にケブラー製ライナーと外部ボルト止めのMEXASセラミック積層板を追加したもので、射距離300mからの14.5mm弾や、空中炸裂した152mm砲弾弾片に対する防御能力を持つ。箱形爆発反応装甲を装着可能。サスペンションは独立懸架油気圧式（前２軸が垂直コイル・スプリング、後２軸がトーションバーという説も）。NBC防護装置、GPS、能力向上型方向・位置報告システムEPLRS、FBCB2戦闘指揮コンピュータなどを搭載する。タイヤは耐弾ランフラットで、タイヤ圧中央制御装置付き。全輪駆動と４輪駆動の切り替えが可能で、前の４輪がステアリングする。大型大重量なのでC-17輸送機に横２列で積めず、C-130輸送機の実用搭載重量ぎりぎりという欠点がある。また、イラク派遣車両にはスラット装甲（とCREWデュークIED無力化装置）が追加されているが、こうなるとC-130輸送機に積めなくなり、タイヤ圧中央制御装置も状況によっては使えず、M984HEMTT重レッカー車での回収も困難となる。C-17輸送機には通常２両を搭載し、ランプ部にHMMWV２両を積んでいくが、無理をすればランプ部に３両目も積める。全長6.88m（7.272m？）、全幅2.68m（2.957m？）、全高2.6m（2.876m？）、自重14.243トン、戦闘重量17.252トン。エンジンは車体前部右のキャタピラ製3126型ディーゼル（350馬力）、トランスミッションはアリソン製MD3066（前進６速、後進１速）、最大速度97km、燃料搭載量200リットル、航続距離531km（路上）／241km（路外）。水上浮航能力は無い。武装は車長用キューポラのコングスバーグ社製プロテクター遠隔操作兵器ステーションRWSに搭載された12.7mm機銃M2（M33普通弾1000発、M20徹甲弾900発、M903徹甲弾100発）またはMk19てき弾発射機（530発。430発？）。自衛用としてプロテクターRWS基部左右に４連装発煙弾発射機M6を２基ずつ装備する。プロテクターRWSの操作は車長が行う。車内にはジャベリン対戦車ミサイル１発とAT-4対戦車ロケット２発を収容する。乗員２名（車長、操縦手）＋搭乗歩兵９名（１個小銃分隊）。714両を生産予定。参考：月刊軍事研究1,’04、2,’04、8,’16、9,’04、9,’05、月刊コンバットマガジン11,’03、月刊PANZER7,’04、8,’10

　＜Ｍ１１２７＞：偵察車RV（Reconnaissance Vehicle）型。プロテクターRWSの換わりにLRAS3長距離先進斥候・監視システムセンサーを搭載したもので、第２世代FLIR（探知距離10km）、レーザー測距器、ビデオカメラ、GPSを装備する。車体後部には斥候班長と斥候チーム５名の計６名が乗る。戦闘重量18.2トン／22.3トン（増加装甲あり）。武装は車長用キューポラの12.7mm機銃M2または40mm擲弾発射機Mk19。318両を生産予定。後にLRAS3をeLARS3に更新した。参考：月刊軍事研究9,’16、1,’04、月刊PANZER10,’04、月刊コンバットマガジン11,’03

　＜Ｍ１１２８＞：機動砲システムMGS（Mobile Gun System）搭載型。車体後部を一段低くして小輪郭砲塔LPT（Low Profile Turret）を搭載し、低反動105mm戦車砲M68A1E4（M68A2？）を装備する。俯仰角マイナス10度からプラス18度。砲塔要員は主砲を挟んで右の車長と左の砲手で、車内の砲塔バスケットに位置する。このため視界が限られ、待ち伏せ攻撃が主任務となる。M900劣化ウランAPFSDSならT-72戦車クラスの正面装甲を撃ち抜けるが、対機甲戦闘は主任務では無く、主に歩兵支援用砲弾を使用する。搭載弾数18発（M393A2HEP-T10発、M456A2HEAT-T４発、M900APFSDS-T２発、M1040BEEHIVE曳光対人用キャニスター散弾２発）、うち即用弾は８発で、自動装填装置により６秒間に１発の発射速度を誇る。自動装填用ラマーは砲塔後部にあるが、８発収容のドラム弾倉（Ammunition Handing System）は砲塔バスケット底部にあり、ドラム弾倉最上部の弾薬が斜め後方に持ち上げられてラマー直前に位置し、ラマーで押し込まれて装填され、打殻薬莢は砲塔後部から外に放り出される。車体後部には５発入り低輪郭予備回転弾庫２基が左右に並んでおり、ドラム弾倉への給弾は両開き式に変更された車体後面ドアから乗員が手動で行う。砲塔基部左の砲手サイトは1.5世代FLIRとアイセーフ型レーザー測距器を内蔵している。砲塔後部には車長用全周旋回パノラマサイト（昼間TV＋夜間赤外線暗視装置）を装備する。FCSはM1戦車と同等で、環境センサーや二軸安定化装置を搭載しており、走行間射撃能力を持つ。主砲左上部に7.62mm同軸機銃M240（3600発）、砲塔右側面に防楯付き12.7mm機銃１丁（400発）、主砲防楯側面に66mm発煙弾４連装発射機左右２基ずつを装備する。C-130輸送機に積めるよう重量18トンを目指し砲塔を小型軽量化したが、結局重量増でC-17輸送機でないと空輸できなくなった。全長6.95m、全幅2.72m、全高2.64m、戦闘重量21.6トン、増加装甲（スラット装甲、車体防護キットHPK）装着時戦闘重量24.7トン。エンジンはキャタピラー3126ディーゼル（350馬力）、最大速度97km、航続距離531km。乗員３名。予定より１年遅れの2004年10月から先行量産が始まり、204両を生産する予定だったが、C-130輸送機搭載を達成すべく軽量化したため砲塔の防御力が低い、即用弾数と携行弾数が少なすぎる、砲塔の小型化に拘ったため乗員スペースが圧迫されていてハッチも小さく脱出に支障を来す、といった欠点を指摘されており、調達数は142両に止まっていて、対テロ戦で破壊された３両（2016年現在）の損耗補充の予定も無い。ストライカー旅団戦闘団歩兵大隊１個小銃中隊あたり１個MGS小隊３両の割合で2006年末から配備された。2007年半ばからイラクに送られ、スラット装甲を装備し、対空機銃に分厚い防弾ガラス付きのシールドを追加してパトロールを行っている。2010年1月21日、アフガニスタンで射撃テストを実施した。2012年10-11月のオリエント・シールド2012で日本に初上陸したが、３発で自動装填装置が故障して射撃不能になってしまった。参考：月刊軍事研究8,’16、1,’04、9,’13、3,’07、3,’10、1,’13、月刊PANZER8,’05、1,’13、月刊グランドパワー3,’11

　＜Ｍ１１２９＞：自走迫撃砲MC（Mortar Carrier）型。120mm車載型重迫撃砲M121（射程7200m。榴弾、照明弾、赤外線照明弾、発煙弾、子弾運搬砲弾などが発射可能）を車体後部に搭載する。M95迫撃砲管制システムを装備しており、目標位置情報などを交換することが可能。車内からの砲撃能力が無いＡ型と、発射用ハッチと強化型リコイルシステムを装備して車内からの発射を可能としたＢ型がある。中隊付迫撃砲小隊向けは60mm迫撃砲を、大隊付迫撃砲小隊向けは81mm迫撃砲を追加搭載し、偵察部隊向けは120mm砲弾を12発多く積む。241両を生産予定。参考：月刊軍事研究1,’04、月刊PANZER8,’05、6,’05、月刊コンバットマガジン11,’03

　＜Ｍ１１３０＞：指揮車CV（Commanders Vehicle）型。小隊指揮官向けで、車内にC4ISR装備を満載し、自衛用にコングスバーグ遠隔操作銃塔を装備する。252両を生産予定。順次改良が加えられており、徐々にアンテナが増えている。参考：月刊軍事研究1,’04、10,’16、月刊コンバットマガジン11,’03

　＜Ｍ１１３１＞：火力支援車FSV（Fire Support Vehicle）型。砲兵前進観測用で、車体後部のルーフ上に旋回式観測指示装置FS3を搭載しており、砲撃目標の監視、照準、目標識別などを行う。99両を生産予定。参考：月刊軍事研究9,’16、1,’04、月刊コンバットマガジン11,’03

　＜Ｍ１１３２＞：工兵分隊車ESV（Engineer Squad Vehicle）型。地雷原の掃討と道路障害の排除を行う。車体前部にマインプラウSMP（Surface Mine Plow）、マイングレーダーAMP（Angled Mine Plow）、マインローラーLWMR（Light Weight Mine Roller）、ドーザーブレードSOB（Straight Obstacle Blade）のどれかを装着し、車体後部両側に経路表示装置LMS用ポール設置装置（ポール50本入り）を１基ずつ装備、MICLIC３本またはボルケーノ地雷撒布装置を搭載したトレーラーを牽引する。SMPは小型ブレード21枚からなり、地中の地雷を掬って脇に避ける。幅4.5m、折り畳み時2.8m、重量1.3トン、除雷速度15km。AMPはグレーダーのような斜めブレードで地雷を脇に避ける。幅4.2m、重量1.435トン。LWMRはローラーで車両前方の地雷を踏み潰すもので、ローラー取り付け支柱には磁気信号複成器と呼ばれるポール４本が立っており、磁気信管付き地雷や遠隔操作式IEDを無力化させる。ボルケーノにはM87A1キャニスター120本・地雷720個を積む。幅3.14m、重量2.5トン、除雷速度15km。SOBは高張力低炭素鋼製のドーザーブレードで、幅3m、高さ1.15m、重量1.26トン。全長7.6m／10.5m（SMP装着時）、戦闘重量16.5トン／23.3トン（増加装甲・各種装置付）。自衛用にコングスバーグ遠隔操作銃塔を装備する。乗員２名＋工兵７名。73両を生産予定。参考：月刊軍事研究9,’16、1,’04、1,’13、月刊コンバットマガジン11,’03、月刊PANZER1,’13

　＜Ｍ１１３３＞：医務後送車MEV（Medical Evacuation Vehicle）型。装甲救急車型で、前線から中隊患者集結点、大隊収容所、野戦病院などに負傷兵を輸送するのを主任務とする。兵員室と乗降ランプが拡張され、担架なら４床（緊急時６床）、歩行可能者なら６名と衛生兵３名を搭載できる。軽傷者４名＋担架２床の混載も可能。酸素吸入器、点滴台、心電図モニター、緊急蘇生装置を備えており、医療機器用コンセント11カ所を持つ。車体正面及び側面には脱着可能な赤十字プレートを取り付ける。118両を生産予定。参考：月刊軍事研究1,’04、8,’16、月刊PANZER1,’13、月刊コンバットマガジン11,’03

　＜Ｍ１１３４＞：対戦車ミサイル車両ATGM（Anti Tank Guided Misssile）型。車体後部ルーフ上に昇降式（射撃時に0.3m上昇する）TOW2B/TOW2Bエアロ・ワイヤレス対戦車ミサイル連装発射機（Elevated TOW System、ETS。重量1.4トン）を備える。発射機には４連装発煙弾発射機数基が付く。ミサイル誘導手は車内に位置し、発射機のCCDカメラ、第２世代FLIR、レーザー測距器で目標を捕捉、正面の照準用ディスプレイを見ながら下の制御パネルと右のハンドグリップを操作してミサイルを目標に命中させる。乗員４名。75両を生産予定。参考：月刊軍事研究9,’16、1,’04

　＜Ｍ１１３５＞：NBC偵察車NBCRV（NBC Reconnaissance Vehicle）型。CBRN攻撃の早期探知と、汚染地域や使用されたCBRN兵器の特定を主任務とする。車体後部を改造してサンプル採取装備やマーカー投下装置を装着し、統合型軽量遠隔化学剤検知器、統合生物剤特定検知システム、自動化学剤警報器、化学剤質量分析装置ブロック�U、気象センサー、化学気相システム、AN/VDR-2放射線計、AN/UDR-13放射線計、慣性航法装置、ノートパソコン、レーザープリンターなどを搭載、旅団隷下部隊用フォース21も完備する。全長6.95m、全幅2.72m、全高2.64m、戦闘重量19,4トン。エンジンはディーゼル（350馬力）、最大速度100km、航続距離483km。自衛用に12.7mm遠隔操作銃塔を装備する。乗員４名（車長、操縦手、観測員２名）。37両を生産予定。完成が遅れ、繋ぎにM93A1フォックスNBC偵察車を配備していた時期もあった。ストライカー旅団だけでなく、歩兵旅団戦闘団や機甲旅団戦闘団にも配備される。参考：月刊軍事研究9,’16、6,’11、7,’16、1,’04、月刊コンバットマガジン11,’03

　＜ＷＩＮ−Ｔストライカー移動通信車＞：通信車型。戦闘員戦術情報ネットワークWIN-Tを搭載し、ストライカー旅団戦闘団司令部の他、軍団司令部、歩兵旅団戦闘団、機甲旅団戦闘団にも配備されている。車体後部上面に太い角柱状マストを２本横に並べ、左側の上面にNCW移動通信アンテナを収容する大型アンテナドーム、右側の上面にHNWハイバンド・ネットワーク無線アンテナを収容する平たい円筒形アンテナドームを装着した。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜ストライカーＦＳＥＰ＞：FSEPはFull Spectrum Effects Platformの略。シェリフ計画という名称で開発された非殺傷技術搭載車両で、照明装置、レーダー妨害装置、拡声器、狙撃手探知システム、IED起爆妨害装置を装備している。アクティブ防御装置トロフィーを積む計画もあったが、費用の面から搭載していない。2007年10月に３両がイラクに送られ、第２歩兵師団第４旅団が運用している。将来的にはレイセオン社製能動型拒絶システムADSを装備する計画もある。参考：月刊軍事研究11,’08

　＜ストライカー自走榴弾砲＞：計画自走榴弾砲型。遠隔操作銃塔を外して榴弾砲を搭載する。BAEシステムズ社は背負い式に155mm榴弾砲M777を搭載し、車内に自動装填装置を収容、射撃時に180度半回転させ後方へ向けて撃つLWSP155を計画。GDLS社はデネル社製52口径105mm榴弾砲（射程30km、装弾数57発、発射速度毎分６発）全周旋回砲塔を積んだ軽量型（17トン）を提案して試作車まで作ったが、開発費高騰などで採用されなかった。ストライカー旅団ではM777をトラックで牽引している。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜ストライカーＥＣＰ計画＞：ECPはEngineering Change Proposal（技術変更提案）の略。第１段階としてDVH改良を施し、第２段階としてエンジンをキャタピラー社製C9ディーゼル（450馬力）に換装、サスペンションを強化し、ネットワークを新型に更新、発電機を570アンペアから910アンペアに変更する。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜ストライカーＤＶＨ＞：車体底部装甲を強化してIEDへの抗堪力を向上させたタイプで、DVHはDoubke-V Hull（二重Ｖ型車体）の略。車体底面中央のドライブシャフトを挟んで左右にＶ字底面装甲を配置している。車体前端バンパー部分が上下に広がった。車重が４トン増えている。M1127偵察車、M1128機動砲システム、M1135NBC偵察車以外の７種が改良され、2011年からアフガニスタンに試験導入され、2012年から配備された。参考：月刊軍事研究10,’16、7,’16

　＜Ｍ１２５１ＦＳＶＶ＞：M1131火力支援車のDVH型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜Ｍ１２５２ＭＣＶＶ＞：M1129自走迫撃砲のDVH型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜Ｍ１２５３ＭＥＶＶ＞：M1133医務後送車のDVH型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜Ｍ１２５４ＡＴＶＶ＞：M1134戦車駆逐車のDVH型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜Ｍ１２５５ＣＶＶ＞：M1130指揮官車のDVH型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜Ｍ１２５６ＴＣＶＶ＞：M1126装甲兵員輸送車のDVH型。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜Ｍ１２５６ＩＣＶＶ−Ｓ＞：DVH型で、車内にLRAS3を積む。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜Ｍ１２５７ＥＳＶＶ＞：M1132工兵分隊車のDVH型。参考：月刊軍事研究7,’16

＜Ｍ１２９６＞：歩兵輸送車ICV（Infantry Carrier Vehicle）型。コングスベルグ社製無人砲塔に30mm機関砲Mk44ブッシュマスター�Uを搭載し、兵員室上部に載せた歩兵戦闘車型である。砲塔両側面後ろ寄りに発煙弾発射機を上下２段で搭載する。2017年12月8日、在欧米陸軍USAREUR第２騎兵連隊にXM1296が配備され、部隊運用試験が開始された。参考：月刊PANZER6,’18

　＜ストライカー歩兵戦闘車＞：GDLS社が提案している30mm無人砲塔搭載型。装甲兵員輸送車型の武装を30mm機関砲XM813搭載無人砲塔に換装しており、砲塔前面右に射撃統制装置、砲塔側面に４連装発煙弾発射機左右２基ずつを装備する。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜ストライカーＡＶＬＢ＞：GDLS社が提案している架橋装甲車型で、AVLBはArmored Vehicle Launched Bridgeの略。M1132工兵分隊車の車体上にPearson Engineering社製の橋体（橋体長11.58m、有効長10.05m、幅4m、重量３トン）を搭載したもので、車体前端の油圧アームで前方に展開する。橋体は見た感じ折り畳み式ではなさそうで、上下逆にして車体上に載せられており、アーム前端を支点に180度回転させて設置する感じらしい。すごく目立ちそう。設置も回収も２分未満で可能。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜ストライカーＭＲＶ＞：GDLS社が提案している整備回収車型。車体左上面にマグナム210Mクレーン（容量7.48トン）、車体前面にウインチとドーザーを取り付けている。ドーザーブレードは車体前端にあり、長い油圧ジャッキで接地させて使用する。最大戦闘重量25トン。参考：月刊軍事研究10,’16

＜ストライカー＞：南アフリカのベクター社が開発した40mm自動てき弾発射機。ARAMリミテッド社製40mmオートマチック・グレネード・ランチャーAS88を改良して1999年から生産したものである。全長861mm、全幅300mm、全高250mm、重量29kg。使用弾は53×40mm弾、最大射程2176m。作動は反動利用式、給弾はベルト式。発射速度毎分360-425発（マズル・ブースターの調整で操作）。参考：月刊PANZER11,’02

＜ストライカー�U＞：SEI社の偵察システム。M1114HMMWV用で、ルーフ上に360度旋回するマストを載せ、カラーCCD、熱線映像装置、レーザー測距器、レーザー照射・指示装置、捜索レーダー、LLLTV、音響センサーなどを搭載する。右前席にはオペレーション・ステーションを設け、モニターに映像が映される他、GPS/INSからの自己位置も表示される。後席にはオペレーター・ステーションがあり、タッチスクリーン式ディスプレイなどを装備する。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ストライカー�U＞：BAEシステムズ社が開発中のヘルメット・マウント・ディスプレイ。NVG能力が統合されており、仕様変更無しに昼夜間運用が可能。参考：月刊軍事研究12,’14

＜ストライカー／ＣＧ−４０＞：GDLS社とユナイテッド・ディフェンス社、コンピューティング・デバイス・カナダ社が共同開発した40mm自動てき弾発射機。有線式インターフェースで弾薬に情報を入力し、信管調定を行って最適な発火時期を設定できる。反動軽減用特殊バッフルにより、連射でも精度が低下しにくい。使用弾は40×53mm弾。給弾はベルト式で、左側から装填し、下から排莢する。FCSはHUD式で、第３世代画像補正装置が組み込まれ、目標の距離を自動測定して射角を指示、信管を設定（空中破裂、着発、瞬発、最大20秒までの遅延）する。全長930mm、全幅280mm、全高210mm、本体重量18kg。有効射程2000m、発射速度毎分250-300発。アメリカではストライカー（Mk47？）、ヨーロッパではCG-40の名称で販売されている。参考：月刊PANZER10,’02

＜ストライカーＧＲＦ中隊＞：アメリカ陸軍の緊急対応部隊で、GRFはGlobal Response Forceの略。世界各地で有事が発生した際、GRF指定部隊の第82空挺師団が先ず派遣されるが、歩兵旅団戦闘団なので相手が重装備だと対応力に限界があるため、続いて派遣される緊急展開用ストライカー部隊である。ストライカー小銃中隊にストライカー旅団支援大隊の派遣後方部隊を加えたもので、ストライカーM1126歩兵輸送車14両、ストライカーM1128MGS３両、ストライカーM1129迫撃砲車２両、ストライカーM1133医務後送車１両、ストライカーM1131火力支援車１両、HEMTT重機動トラック５両、中型トラック１両、HMMWV１両、フォークリフト１両からなり、C-17輸送機15便で運べる。第１・第２便はM1126歩兵輸送車２両ずつと第１小銃小隊を運び、これが初期反応小隊となる。第３便はM1126歩兵輸送車１両（中隊長車）とM1131火力支援車、第４便はM1128MGSとM1129迫撃砲車、第５・第６便はM1126歩兵輸送車２両ずつと第２小銃小隊、第７便はM984重機動レッカーとM978重機動タンカー、第８便はM1126歩兵輸送車（副中隊長車）とM1128MGS、第９・第10便はM1126歩兵輸送車２両ずつと第３小銃小隊、第11便はM1128MGSとM1129迫撃砲車、第12便はM1128MGS、HMMWV、フォークリフト、第13便はM984重機動レッカーと中型トラック、第14便はM1120A4重機動トラック＋トレーラー、第15便は前進修理システムFRSコンテナ搭載M1120A4重機動トラック＋タイヤ８本・交換用パワーパック搭載トレーラーを積む。参考：月刊軍事研究10,’16

＜ストライカー機動砲システム小隊（２０１６年）＞：ストライカー小銃中隊隷下に１個が編成されている。兵力９名。M1128機動砲システム３両を装備する。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー小銃小隊（２０１６年）＞：ストライカー小銃中隊隷下に３個が編成されている。兵力43名。小隊本部（小隊長／中尉、小隊軍曹、無線手、配属前進観測下士官、配属医務兵。M1126歩兵輸送車１両）、小銃分隊３個（M1126歩兵輸送車１両ずつ計３両。１両は40mm自動てき弾発射機Mk19、２両は12.7mm機銃M2装備）、兵器分隊（M4小銃・弾薬210発装備の分隊長、M240機関銃・弾薬825発装備の機関銃手２名、M4小銃・弾薬210発装備の補助射手２名。小隊本部車に便乗）からなる。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー小銃中隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団歩兵大隊隷下に３個が編成されている。兵力163名、うち士官６名。中隊本部（中隊長／大尉以下12名。M1126歩兵輸送車２両、M1083中型トラック２両＋800ガロン水タンク・トレーラー２両、M1165A1HMMWV＋3/4トントレーラー１両。M1083は１両が12.7mm重機関銃M2、１両が40mm自動てき弾発射機Mk19を装備）、小銃小隊３個、機動砲システム小隊１個、迫撃砲班、狙撃チーム（狙撃兵、観測兵、保安兵。12.7mm狙撃銃M107と7.62mm狙撃銃M110を１丁ずつ、M1152A1HMMWV１両装備）からなる。作戦時にはストライカー旅団歩兵大隊から火力支援チーム（４名とM1131火力支援車１両）、医務後送チーム（３名とM1133医務後送車１両）、中隊情報アナリストが配属される。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー小銃分隊（２０１６年）＞：ストライカー小銃小隊隷下に３個が編成されている。兵力９名で、M1126歩兵輸送車１両に全員乗れる。分隊長、アルファチーム（班長、てき弾手、自動小銃手、選抜射手）、ブラボー・チーム（班長、てき弾手、自動小銃手、対戦車特技兵）からなり、分隊長、班長、選抜射手は5.56mm小銃M4（210発）、てき弾手は5.56mm小銃M4（210発）＋40mmてき弾発射機M320（21発）、自動小銃手は5.56mm軽機関銃M249（625発）、対戦者特技兵は5.56mm小銃M4（210発）とジャベリン対戦車ミサイルを装備する。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー戦闘工兵中隊（２０１６年）＞：旅団工兵大隊隷下に、前線での戦闘工兵任務を主体とするＡ中隊と、地雷やIEDの処理を主体とするＢ中隊が１個ずつ置かれている。Ａ中隊は兵力95名（中隊長の大尉以下士官４名、下士官兵91名）で、中隊本部、戦闘機動小隊、戦闘工兵分隊６個、水平化建設分隊、橋梁班からなる。中隊本部はM1126歩兵輸送車１両（中隊長以下４名。12.7mm重機関銃M2）、M1152A1HMMWV（１名）、M1097A2HMMWV（副中隊長以下２名）、M1083トラック（２名）＋800ガロン水タンク・トレーラーを装備する。戦闘機動小隊はM1132ESV（小隊長以下４名）＋MICLICトレーラー１両、M1132ESV（４名）＋MICLICトレーラー１両、M1151A1HMMWV（３名。40mm自動てき弾発射機Mk19）＋軽トレーラー２両、M1120重機動トラック（１名）＋M1076トレーラー１両、M1157ダンプトラック（１名）１両からなる。戦闘工兵分隊はそれぞれM1132ESV（１個工兵分隊９名。12.7mm重機関銃M2）１両ずつを装備する。水平化建設分隊は兵力12名で、M1157ダンプトラック＋M1095貨物トレーラー２両、M1088トラクター＋セミトレーラー（D7ドーザー搭載）１両、M1088トラクター＋セミトレーラー（M105ドーザー搭載）２両、HMEE掘削機２両、NW24Cバケットローダー１両、CCE130Gグレーダー１両、S150作業車１両を装備する。橋梁班は兵力４名で、M1977橋梁システム（２名。12.7mm重機関銃M2）１両、M1977橋梁システム（２名。12.7mm重機関銃M2）＋M1076トレーラー（橋梁搭載）１両からなる。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ストライカー迫撃砲班（２０１６年）＞：ストライカー小銃小隊隷下に１個が編成されている。兵力10名で、M1129A1迫撃砲車２両に５名ずつ乗る。固有の120mm迫撃砲M121に加え、下車戦闘用に60mm迫撃砲M224（77発）をM1129A1迫撃砲車に１門ずつ積む。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー旅団騎兵大隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団戦闘団隷下に１個が編成されている。兵力438名。大隊本部／本部付中隊（123名）、騎兵中隊３個からなる。M1127偵察車39両、M1130指揮官車９両、M1129迫撃砲車６両、M1133医務後送車４両、M1131火力支援車３両、HMMWV21両、中型トラック12両を装備する。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー旅団騎兵中隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団騎兵大隊隷下に３個が編成されている。兵力92名（中隊長の大尉以下士官５名、下士官兵87名）で、中隊本部、第１斥候小隊、第２斥候小隊、第３斥候小隊、迫撃砲班からなる。中隊本部はM1127偵察車１両（中隊長以下３名。12.7mm重機関銃M2）、M1126歩兵輸送車１両（副中隊長以下５名。12.7mm重機関銃M2）、M1083中型トラック（２名。12.7mm重機関銃M2）＋800ガロン水タンク・トレーラー１両、M1165A1HMMWV（１名）＋3/4トントレーラー１両を装備する。斥候小隊にはM1127偵察車４両が配備され、小隊長車は12.7mm重機関銃M2装備で、小隊長以下４名が乗る。偵察班用M1127偵察車は１両に12.7mm重機関銃M2、もう１両に40mm自動てき弾発射機Mk19を装備し、それぞれ乗員２名、班長、斥候チーム長、斥候兵４名の計８名が搭乗する。もう１両のM1127偵察車は40mm自動てき弾発射機Mk19装備で、３名が乗る。迫撃砲班は威力偵察担当で、M1129A1迫撃砲車２両に５名ずつと60mm迫撃砲M224を１門ずつ、M1084中型トラック＋M1095貨物トレーラーに２名と12.7mm重機関銃M2を１丁配備する。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ストライカー旅団司令部（２０１６年）＞：ストライカー旅団戦闘団の司令部。兵力164名（旅団長以下将校57名、下士官兵107名）。M1130指揮官車４両（旅団長車含む）、HMMWV35両、中型トラック６両、その他車両４両を装備する。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー旅団戦闘団＞：SBCT（Stryker Brigade Combat Team）と略す。迅速機動旅団戦闘団ともいう。強力だが緊急展開能力の無い重師団と、緊急展開可能だが戦闘能力に欠ける空挺・山岳師団の間を埋める部隊として、エリック・シンセキ陸軍参謀総長が創設した。最終的には将来型戦闘システムFCSを装備するが、開発に時間がかかりそうなので暫定的に装輪装甲車ファミリーを配備した部隊を作ることになり、暫定型旅団戦闘団IBCT（Interim Brigade Combat Team）という名称で誕生、装輪装甲車のニックネームがストライカーになったのと、FCSが開発に失敗して暫定部隊では無くなったため、ストライカー旅団戦闘団に改称された。アメリカ陸軍モジュラー師団を構成する旅団戦闘団の１つで、完全にデジタル化されており、世界のいかなる地域にも96時間以内に展開可能とされ、固有の兵站組織により72時間の独立した作戦を遂行できる。司令部／司令部付中隊、騎兵大隊（偵察監視大隊）１個、ストライカー大隊３個、対戦車中隊１個、工兵中隊１個、砲兵中隊１個、支援中隊１個からなり、兵力3614名、ストライカー300両（M1126ICV108両、M1128MGS27両、M1130CV27両、M1131FSV13両、M1133MEV16両、M1129MC36両、M1132ESV９両、M1134ATGM９両、M1135NBCRV３両、M1127RV48両？）、その他の装輪車両1000両で構成され、カバー作戦区域は50km四方に達する。正規軍と非正規軍の両方に対応でき、大規模戦争、小規模緊急事態、平時軍事衝突といった全レベルの紛争に対処できる。96時間以内の地球規模展開はC-17輸送機によるもので、軍事海上輸送コマンドMSCの大型輸送艦（アルゴール級なら２隻）と民間チャーター機による通常規模の運送だと１ヶ月くらいかかるため、現在戦域支援艦TSVによる高速海上輸送を研究中である。実戦では三次元偵察能力及び強力な打撃力を持つ攻撃・偵察ヘリ部隊と共同作戦を行う。最初のストライカー旅団は第２機械化歩兵師団第３旅団「アローヘッド」で、2003年7月31日に初の海外展開先となる韓国に到着し、10日間滞在しての訓練を実施、11月にイラクに派遣された。12月15日にティクリート南東のサマラで武装勢力の待ち伏せ攻撃に遭ったが、撃退している。2003-08年に毎年１個旅団ずつ（第25軽歩兵師団第１・第２旅団、第28機械化歩兵師団第56旅団、第２装甲騎兵連隊、第172歩兵旅団など）創設予定で、最終的に常備７個と予備役１個を揃える。2013年から強化改編に着手。工兵中隊、対戦車中隊、通信中隊、軍事情報中隊を旅団工兵大隊に纏め、旅団支援大隊に前方支援中隊６個を加えて師団からの兵站支援を不要とした。2014年、ストライカー歩兵大隊が２個から３個に増えた。参考：月刊軍事研究8,’16、9,’13、8,’13、10,’03、1,’04、2,’04、9,’05、7,’16、9,’16月刊コンバットマガジン11,’03、月刊PANZER10,’12、ストライクアンドタクティカルマガジン7,’11

　＜ストライカー旅団戦闘団（２００９年）＞：トップは旅団長（大佐）で、副旅団長はいない。兵力4224名、ストライカー各種311両、装輪車両665両を装備し、全車両の70%以上がFBCB2を搭載する。３単位編成で、隷下に旅団本部／本部管理中隊、ストライカー大隊（兵力700名、M1126/M1133/M1127/M1129/M1128計73両、装輪車両40両）３個、砲兵大隊（牽引式155mm榴弾砲18門、対砲レーダー２基、対迫レーダー５基）１個、機甲騎兵・偵察大隊（M1127、M1129、LRAS3、無人機）１個、旅団支援大隊１個、軍事情報中隊１個、通信中隊１個、工兵中隊（M1132）１個、対戦車中隊（M1134）１個を置く。参考：月刊軍事研究9,’13

　＜ストライカー旅団戦闘団（２０１６年）＞：兵力4509名（士官346名、准士官40名、下士官兵4123名）。トップは旅団長（大佐）、ナンバー２は副旅団長（中佐）で、司令部、ストライカー歩兵大隊３個、ストライカー騎兵大隊１個、砲兵大隊１個、ストライカー旅団工兵大隊１個、旅団支援大隊１個からなる。ストライカー10種類331両（M1126装甲兵員輸送車129両、M1127偵察車51両、M1128機動砲システム27両、M1129A1自走迫撃砲36両、M1130指揮官車33両、M1131火力支援車13両、M1132工兵分隊車12両、M1133医務後送車18両、M1134戦車駆逐車９両、M1135NBC偵察車３両）、155mm牽引榴弾砲M777を18門、60mm迫撃砲M224を18門、81mm迫撃砲M252を12門、各種車両870両、シャドー無人機４機を装備する。作戦時には１日あたり弾薬81トンを消費する。現役８個、州兵１個が編成されている。参考：月刊軍事研究8,’16、7,’16、10,’16

＜ストライカー旅団砲兵大隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団戦闘団隷下に１個が編成されている。兵力398名。大隊本部／本部付中隊（93名）、射撃中隊３個、目標捕捉小隊からなる。M1130指揮官車を１両、155mm榴弾砲M777を18門（１個射撃中隊６門ずつ）、対砲迫レーダー、HMMWVを64両、中型トラックを47両装備する。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー旅団砲兵大隊射撃中隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団砲兵大隊隷下に３個が編成されている。兵力90名（士官５名、下士官兵85名）で、射撃中隊本部、射撃小隊２個、補給班からなる。射撃中隊本部はM1165A1中隊長車＋１・1/4トン高機動トレーラーを装備する。射撃小隊は小隊本部（M1165A1HMMWV２両）、射撃指揮所（M1165A1HMMWV、M1097A2シェルター車＋１・1/4トン高機動トレーラー）、榴弾砲班（クレーン付きM1084中型トラック＋牽引式155mm榴弾砲M777、クレーン付きM1084中型トラック＋M1095貨物トレーラー）３個からなる。補給班はM1083中型トラック＋800ガロン水タンク・トレーラーを有する。参考：月刊軍事研究10,’16

＜ストライカー旅団歩兵大隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団戦闘団隷下に３個が編成されている。兵力699名。大隊本部／本部付中隊（205名）、小銃中隊３個からなる。M1126歩兵輸送車42両、M1128機動砲システム９両、M1129迫撃砲車10両、M1130指揮官車５両、M1127偵察車４両、M1133医務後送車４両、M1131火力支援車３両、HMMWV29両、中型トラック11両を装備する。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー旅団歩兵大隊本部付中隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団歩兵大隊隷下に１個が編成されている。兵力205名。指揮グループ、大隊幕僚班、中隊本部、火力支援小隊、斥候小隊、迫撃砲小隊、狙撃分隊、再送信班、医務治療小隊からなる。指揮グループは大隊長（中佐）以下４名が搭乗するM1130指揮官車１両と、副大隊長以下５名が搭乗するHMMWV２両を装備する。大隊幕僚班はS1／人事（９名。中型トラック１両）、S2／情報（11名。HMMWV１両）、S3／作戦（M1130指揮官車１両に４名、HMMWV２両＋中型トラック１両に13名）、S4／兵站（５名。HMMWV２両）、S6／通信（10名。HMMWV４両）、火力支援・指揮所（11名。M1130指揮官車１両、HMMWV２両）、連絡チーム（２名。HMMWV１両）、牧師チーム（２名。HMMWV１両）からなる。火力支援小隊はM1131火力支援車３両が配備され、ストライカー旅団砲兵大隊やストライカー小銃中隊に配属される。斥候小隊は24名で、M1127偵察車４両を装備する。迫撃砲小隊は本部と迫撃砲分隊からなり、固有の120mm迫撃砲M121に加えて81mm迫撃砲M252と81mm迫撃砲弾35発を追加で収容したM1129迫撃砲車４両を装備する。狙撃分隊は狙撃チーム２個６名からなり、HMMWV２両を装備する。再送信班はM1130指揮官車２両を装備する。医務治療小隊は本部（２名。HMMWV１両）、医務治療分隊（外科チームと内科チームの計８名。HMMWV１両、中型トラック２両）、医務後送分隊（M1133医務後送車４両）、戦闘医務班（14名。ストライカー小銃中隊とストライカー小銃小隊に医務兵を１名ずつ派遣）からなる。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ストライカー旅団・旅団工兵大隊＞：2013年、工兵中隊、対戦車中隊、通信中隊、軍事情報大隊を一纏めにして新設された。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ストライカー旅団・旅団工兵大隊（２０１６年）＞：ストライカー旅団戦闘団隷下に１個が編成されている。兵力467名。大隊本部／本部付中隊（88名）、Ａ戦闘工兵中隊、Ｂ戦闘工兵中隊、対戦車中隊、軍事情報中隊、通信中隊、無人機小隊からなる。M1132工兵分隊車12両、M1134対戦車ミサイル車９両、M1130指揮官車４両、M1126装甲兵員輸送車３両、M1135NBC偵察車３両、M1133医務後送車２両、M1131火力支援車１両、HMMWV76両、中型トラック27両、大型トラック６両、その他車両31両を装備する。参考：月刊軍事研究8,’16、9,’16

＜ストライカー旅団・旅団支援大隊＞：2013年に強化改編が行われ、前方支援中隊６個が創設された。それまでストライカー旅団隷下の各大隊には師団などの上級部隊から兵站支援部隊が配属されていたが、これを旅団の部隊で独自に行えるようにしたものである。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ストライカー旅団・旅団支援大隊（２０１６年）＞：兵力945名。HMMWV422両、中型トラック213両、大型トラック151両、その他車両84両を装備する。本部付中隊、旅団全体の支援を担当する配分中隊、野外整備中隊、医務中隊、旅団隷下の各大隊に配属して支援を行う前方支援中隊６個（歩兵大隊に計３個、騎兵大隊・砲兵大隊・工兵大隊に１個）からなる。配分中隊は兵力130名で、中隊本部、輸送小隊（小隊本部、トラック分隊４個）、補給小隊（小隊本部、全般補給・第９種補給品班、移送・待機位置班）、給油・給水小隊（小隊本部、第３種補給品班、給水班）からなり、M1120A4重機動トラック49両、M978A4重機動タンカー14両など車両88両を装備する。野外整備中隊は兵力102名で、M984重機動レッカー17両など車両67両を装備する。医務中隊は兵力88で、野外救急車15両含む車両30両を装備する。歩兵大隊向け前方支援中隊は兵力90名で、M1120重機動トラック14両、M978重機動タンカー２両、M984重機動レッカー３両を装備する。参考：月刊軍事研究10,’16、8,’16

＜ストライクＤｅｔ．＞：アメリカ海軍空母航空団CVWが空母戦闘航海前に行う仕上げの総合訓練の通称。厚木基地に配備されているCVW-5以外はネバダ州ファロン海軍航空基地で海軍航空攻撃開発センターNAWDCの仮想敵機相手に行う。期間は３週間で、統合訓練フェーズITP（Integrated Training Phases）と高等訓練フェーズATP（Advanced Training Phases）に分かれ、飛行隊単位から始めて週ごとに訓練レベルを上げていき、最終的に航空団単位での各種ミッション（作戦立案、部隊展開、他軍種・特殊作戦コマンドとの統合作戦、近接航空支援、航空阻止、ダイナミック・ターゲッティング、戦闘捜索救難、船団護衛、対水上戦、空中指揮管制、電磁機動戦など）を行えるレベルに仕上げる。参考：月刊航空ファン11,’19、11,’15

＜ストライクＵ＞：NSWC（海軍打撃戦センター）を参照。

＜ストライク・イーグル＞：F-15E（戦闘爆撃機）を参照。

＜ストライク・クルーザー＞：原子力打撃巡洋艦を参照。

＜ストライク作戦＞：第２次大戦北アフリカ戦で連合軍が行った、枢軸軍殲滅作戦。連合軍がチュニジア北東部に追い詰めた枢軸軍（ドイツ・アフリカ軍団、イタリア第１軍）の防衛線中央を突破してチュニス湾に面したチュニスを占領、枢軸軍を分断し、残存兵力を包囲殲滅するものである。5月6日0330、作戦を開始。イギリス第１軍がチュニス目指して東進を開始した。枢軸側は残存機甲戦力を総動員して対抗したが、数の差は如何ともし難く、5月7日1530に連合軍がチュニスに達した。最も北に位置していたアメリカ第２軍も東進してビゼルタを目指し、1615に到達した。チュニス占領後、イギリス第６機甲師団は南東に向かい、5月10日までにボン岬半島を封鎖。枢軸軍は各地で包囲された。5月11日、ヒトラーから最後の一発まで戦えという命令が届いたため、枢軸軍は敵戦車を撃破しうる最後の一発（近代戦における最後の一発）を使い切った後、装備を破壊。5月13日までに順次敵軍に降伏し、北アフリカ戦は終結した。参考：歴史群像10,’06

＜ストライク・シールド＞：Su-39（攻撃機）を参照。

＜ストライク・セクション＞：航空母艦の航空管制（アメリカ海軍）を参照。

＜ストライク・パッケージ＞：アメリカ空軍用語。攻撃隊、護衛戦闘機隊、SEAD隊などを組み合わせた戦爆・支援機連合の攻撃部隊で、数十機から百機単位で構成され、厳重に防御された優先順序の高い目標に対して攻撃を行う時に用いられる。アメリカ海軍ではアルファ・ストライクという。参考：月刊軍事研究12,’99、3,’99

＜ストライク・ホーク＞：MH-60R（ヘリ）を参照。

＜ストライクマスター＞：BAC167（攻撃機）を参照。

＜ストライク・ユニバーシティ＞：NSWC（海軍打撃戦センター）を参照。

＜ストライブリング＞：DD-867（駆逐艦）を参照。

＜ストラウス＞：DE-408（護衛駆逐艦）を参照。

＜ストラウブ＞：DE-77　（バックレイ型護衛駆逐艦）またはDE-181（カノン級護衛駆逐艦）を参照。

＜ストラグル作戦＞：太平洋戦争時にイギリス海軍が行った、Ｘクラフトによるセレター軍港襲撃作戦。太平洋戦争末期、セレター軍港に停泊中の重巡高雄・妙高が20cm砲でシンガポール全土を射程内に収めており、マレー半島奪回の障害になると考えられたために実行された。潜水艦P249ステージアがXE1とXE3を搭載してオーストラリアのクイーンズランドを出港。1945年7月31日、ジョホール水道でＸクラフトが切り離され、２隻は11時間かけてセレター軍港に入り、XE3が高雄の艦尾に１トン爆雷２発を取り付けた。XE1は妙高を発見したが、高雄の砲が旋回し始めたため、作戦を中止して引き返している。爆雷は高雄の３番砲塔付近右舷艦底で爆発、高雄は艦尾を吹き飛ばされて航行不能となった。日本側の警戒が緩かったこともあり、Ｘクラフトは２隻共無事に脱出した。XE3の艇長イアン・フレイザー大尉と潜水士ジェームズ・マゲニス二等兵曹がビクトリア・クロス勲章を授与されている。参考：月刊丸2,’08、月刊軍事研究1,’15

＜ストラスブール＞：フランス海軍ダンケルク級戦艦２番艦Strasbourg。1934年起工、1938年12月竣工。1940年6月、フランス降伏でヴィシー政権下フランス海軍の所属になった。7月3日、北アフリカのメルス・エル・ケビール軍港で、カタパルト作戦のため出撃したイギリス海軍Ｈ部隊の砲撃を受けて損傷したが、脱出してツーロンに回航され、ヴィシー政権下フランス海軍の旗艦となった。1942年11月27日、ドイツ軍進駐に伴い自沈し、1943年（1944年？）に一旦引き揚げられたが、1944年8月18日にアメリカB-25爆撃機の攻撃を受けて着底。1945年に再び浮揚され、1951年まで各種実験に使用され、その後は倉庫船になり、1955年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船4,'22、1,’12、4,’17、2,’18

＜ストラタジェム＞：P234（潜水艦）を参照。

＜ストラット＞：Strut、支柱。航空機では翼支柱や脚支柱などが使用される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ストラット式サスペンション＞：独立懸架式サスペンションの１つで、正式名称はマクファーソン・ストラット式サスペンション。ショック・アブソーバーをホイールの支柱として利用するサスペンションで、コイル・スプリングがその周囲に巻き付いているような感じになっていて、両方合わせてストラットと称する。上部はインシュレータと呼ばれるゴム製の部品で車体に固定され、下部はトランスバース・リンク（ロアアーム）を介して1-2カ所で車体に固定される。後輪に使用する場合は、ロアアームの代わりにリンクを使う。左右のロアアームはスタビライザーで連結し、左右車輪を連動させる。前後方向の力はロアアーム回転軸、横方向の力はロアアームとストラットが受け止める。支柱を省略できるので車内スペースが広く取れ、強度が高く、上下のストロークを大きくでき、構造が簡単でコストが安い。支柱の軸と重量の軸がずれているのでフリクションが増大し、スムーズに作動しにくくなる場合がある。また、急カーブの際に車輪が外側に傾いてアンダーステアになる傾向がある。参考：自動車のサスペンション、自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典

＜ストラット式ショック・アブソーバー＞：ショック・アブソーバーを参照。

＜ストラット・ペア＞：MR-320（レーダー）を参照。

＜ストラットマウント＞：ストラット式ショック・アブソーバーのロッド先端に取り付けられる構造で、車体ともボルト止めされる。車輪からの振動・衝撃を受け止める役目がある。参考：自動車のサスペンション

＜ストラトジェット＞：B-47シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ストラトスフェーラ＞：M-17（観測機）を参照。

＜ストラトタンカー＞：KC-135A（空中給油機）を参照。

＜ストラトバス＞：タレス社が開発している監視用無人飛行船。全長100m、直径33m。運用高度20000m、監視範囲200km。ペイロード250kg。参考：月刊航空ファン6,’17

＜ストラトフォートレス＞：B-52シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ストラトフレイター＞：C-97シリーズ（輸送機）を参照。

＜ストラトリフター＞：KC-135シリーズ（空中給油輸送機）を参照。

＜ストラレス＞：オットー・メララ社の砲弾誘導システムStrales。62口径76mm艦載砲スーパーラピッドにステルス型砲塔を取り付け、砲塔内部右側に誘導用パラボラ・アンテナを内蔵、砲制御装置に誘導信号処理ユニットを追加したものである。使用時にはカバーが開いてアンテナが露出し、誘導砲弾DARTに向けて誘導電波を発信する。ユーロネイヴァル2008で実機が展示された。2013年6月にイタリア海軍哨戒艇フォスカリでテストが行われ、5km先の球形目標（直径1.5m）に10発を発射、８発の有効弾を送り込んだ。また、高機動ミサイルに対して射距離3-5kmで射撃したところ、全弾が近接信管作動圏内を通過した。ホライズン級駆逐艦に搭載されている。参考：月刊軍事研究2,’14、2,’15、1,’09、2,’07、3,’08、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ストラングル作戦（第２次大戦）＞：第２次大戦時、イタリアに上陸した連合軍がドイツの防衛線「グスタフライン」突破のために行った、航空攻撃による兵站線分断作戦。アメリカ陸軍航空軍第12航空群とイギリス空軍がローマからグスタフラインに向かう鉄道と道路を爆撃して破壊、ドイツ軍の補給を20分の１まで低下させた。これによりドイツ軍は戦線を維持できなくなり、5月17日にはモンテ・カッシーノが陥落している。参考：月刊軍事研究3,’03

＜ストラングル作戦（朝鮮戦争）＞：朝鮮戦争で1951年7月30日に国連軍が開始した、北朝鮮に対する戦略爆撃作戦。7月30日に平壌を初めとする軍事目標を攻撃し、8月25日にはB-29爆撃機で羅津を爆撃した。主要工場を壊滅させた後は鉄道網の破壊に移行し、8月18日から本格的に実施、線路のみ成らず給水・給炭施設、信号所、操車場、駅など全てを破壊している。しかし補給を止めることは出来ず、戦闘能力を減殺したのみだったため、水力発電所（ダム）に対する爆撃を開始し、1953年中に電源施設の90%以上を破壊、大損害を与えた。参考：朝鮮戦争（下）

＜ストランレア＞：イギリス空軍沿岸警備用飛行艇Stranraer。スーパーマリン社が開発して1934年7月27日に初飛行し、1937年4月に就役した。全長16.71m、全幅25.91m、全備重量8620kg。エンジンはブリストル社製ペガサス10（920馬力）双発、巡航速度169km、最大速度266km、実用上昇限度5640m、航続距離1600km。固定武装は7.7mm機銃３丁。爆弾または爆雷450kgを搭載可能。乗員6-7名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ストリーカー＞：MQM-107（無人標的機）を参照。

＜ストリーク・イーグル＞：F-15戦闘機ファミリーを参照。

＜ストリージィ＞：ソ連空軍初のアクロバットチームStrizhi（岩燕）。正式名称はクビンカ戦闘航空団第234航空群第２飛行隊で、MiG-29戦闘機６機（全て初期型のMiG-29-12/MiG-29-13/MiG-29UB）による編隊飛行を披露するが、機体のやりくりやパイロットの個人的スキャンダルなどの関係で4-5機になってしまうことも多い。機体には武装ラックがそのまま搭載されており、有事には実戦参加する。デモフライトを担当していた第176航空群が朝鮮戦争に派遣されることになったため、その後釜として第234航空群が1951年にチョブリースタン基地に配属されてデモフライトも引き継いだのが始まりで、1952年にクビンカ基地に移動した。1960年、国内向け初展示飛行としてツシノ航空ショーに参加し、MiG-15戦闘機52機の大編隊飛行や、２機シンクロペア、５機フォーメーション、９機フォーメーションでのアクロバット飛行を披露した。1967年からフォーメーション・アクロバット飛行が任務に加えられ、MiG-21戦闘機12機でスウェーデン空軍ウプサラ基地を訪問した。西側はチーム名をクラスナヤ・ズベズデ（赤い星）と推定したが、実際には第234航空群という部隊名しか付いていなかった。1978年、フランスとフィンランドでMiG-23MLAによるアクロバット飛行を実施。1986年、MiG-29戦闘機５機でフィンランドのクオーピオ基地を訪問した。1991年6月1日にストリージィの名前が付くと同時にグレーとブルーのカラーリング（それまではソ連空軍標準塗装）となり、2003年から白、青、赤のカラーリングになった。2002年からパイロット養成などの都合でルスキーイェ・ヴィジャジとの混成展示飛行を行っている。参考：月刊JWings2,’13、月刊丸12,’92、月刊航空ファン8,’15

＜ストリート・ファイター計画＞：LCS（沿海戦闘艦）を参照。

＜ストリェールカ＞：La-160（試作戦闘機）を参照。

＜ストリオーネ級＞：アグレッシブ級掃海艇（イタリア海軍）を参照。

＜ストリクス＞：スウェーデンFFV社とサーブ・ミサイルAB社が開発した120mm迫撃砲用対戦車誘導弾STRIX（ふくろう）。誘導装置、炸薬（成型炸薬弾頭）、姿勢制御ロケットモーター、折り畳みフィン４枚からなる本体と、尾部ユニットからなり、射程延伸用ロケットモーターを追加できる。成型炸薬弾頭は装甲貫徹後の破壊力を高めたAT-4対戦車ロケットと同じタイプで、弾頭部のパッシブ赤外線シーカーが捉えた目標に突入して破壊する。まず前線観測員が目標の位置を測定して発射要員に送り、方位角・射角と炸薬量を決定。弾頭シーカー作動までの時間、目標選択基準などのデータを携帯式プログラムユニットでストリクス本体に入力する。次いで迫撃砲に尾部ユニットを装填、射程延伸用ロケットモーターを装填して本体を挿入し、発射する。尾部ユニットは発射後に砲身外に放出され、本体と射程延伸用ロケットモーターが飛んでいく。プログラム時間が過ぎるとシーカーが作動し始め、ロケットモーターが切り離され、本体は側面スラスターにより弾道を修正して自動的に目標に命中する。最大射程7-8km。1990年代から生産された。参考：月刊PANZER8,’03、月刊軍事研究3,’97

＜ストリズ＞：Tu-141（無人偵察機）を参照。

＜ストリックランド＞：DE-333（護衛駆逐艦）を参照。

＜ストリンガー＞：縦通材または船側縦材を参照。

＜ストリングバッグ＞：ソードフィッシュ・シリーズ（雷撃機）を参照。

＜ストリングハム＞：APD-6（高速輸送艦）またはDD-83（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜ストルーコフ社＞：アメリカの航空機会社。マイクル・ストルーコフが1954年に設立し、精算されたチェイス社のトレントン工場を購入した。設計機にはチェイス社から引き続いてMSで始まる社内設計番号を付けている。C-123輸送機ベースのSTOL・不整地運用型を設計し、XC-123D/MS-17、XC-123E/MS-18、YC-134/MS-8を開発したが、量産には至らず、1959年に精算された。参考：月刊JWings12,’22

＜ストルート・カーブ＞：MR302（レーダー）を参照。

＜ストルール＞：K258（フリゲート）を参照。

＜ストルコ＞：M14（掃海艇）を参照。

＜ストルム＞：P961（ショルド級高速艇）を参照。

＜ストルム＞：ノルウェー海軍ストルム級高速哨戒艇Storm。1965年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜ストルム級高速哨戒艇＞：ノルウェー海軍沿岸防備用高速哨戒艇Storm級。元は砲艇で、1970年から国産のペンギン艦対艦ミサイルを搭載する改装を受けた。レイカル・デッカ社製TM1226捜索レーダー、シグナール社製WM26射撃指揮レーダーを搭載する。全長36.5m、全幅6.1m、基準排水量100トン、満載排水量125トン。主機はマイバッハ・メルデス・ディーゼル２基２軸6000馬力、速力32ノット、航続距離885km（32ノット）。兵装はペンギンMk.1艦対艦ミサイル６基、76mm単装砲TAK76が１門、ボフォース40mm高射機関砲１門。乗員19名。ストルム、ブリンク、グリムト、ショル、トリュッグ、シェック、イエルヴ、スクッド、アリイ、スタイル、ブラン、トロス、P972ヴァス、トラウスト、ブロット、オッド、ブラスク、ロック、グニストの19隻が1965-68年（21隻が1965-70年？）に就役した。2000年までに全て退役し、ミサイルを外してエストニア海軍に１隻、ラトビア海軍に３隻、リトアニア海軍に３隻が譲渡されている。本級の船体をベースに計62隻の哨戒艇が建造された。参考：週刊ワールドウェポン17、月刊世界の艦船3,’05、1,'15増刊、9,'22、月刊軍事研究1,’00

＜ストルム級高速哨戒艇・海外シリーズ＞

　＜ストルム級高速哨戒艇（ラトビア海軍）＞：ラトビア海軍高速哨戒艇。イエルヴ、P972ヴァス、グニストを譲渡され、ズィベンス、ローデ、リンガとして就役させた。全長36.5m、全幅6.2m、排水量138トン。速力30ノット。兵装は76mm砲１門、40mm機関砲１門。参考：月刊軍事研究3,’12

　＜ストルム級高速哨戒艇（リトアニア海軍）＞：リトアニア海軍高速哨戒艇。全長36.5m、全幅6.2m、排水量142トン。速力30ノット以上。兵装は76mm砲１門、40mm機関砲１門。サリスなどが就役した。参考：月刊軍事研究6,’12

＜ストルワート＞：72（フリゲート）またはA304（補給艦）を参照。

＜ストルワート＞：イギリス陸軍６×６輪トラックStalwart。元はアルビス社がFV603サラセン／FV601サラディンの足回りを流用して自主開発したPV1トラックである。不整地踏破力が高く、前線への物資輸送に使用される。参考：月刊PANZER10,’85、11,’86

　＜ストルワートＭｋ．１＞：アルビス社名称PV2。PV1に浮航能力を追加したもので、イギリス陸軍がテストし、改良を加えたものがストルワートMk.2として採用された。参考：月刊PANZER10,’85

　＜ストルワートＭｋ．２＞：制式採用型FV622。FV603サラセン／FV601サラディンの足回りを流用、前部に３名用並列キャビンを架装し、後部を兵員・貨物輸送スペースに充てた。キャビン前面の２つ折りトリムベーンを立てればダウティ社製ウォータージェットによる水上航行が可能で、浸水を防ぐためキャビン側面にはドアが無く（乗員は上面ハッチ２カ所から乗降する）、車体後面の排気管は車体上面よりも上に伸びる。乗員３名。兵員38名または貨物５トンを搭載可能。1966-71年に量産された。参考：月刊PANZER10,’85、11,’86

＜ストルワート級＞：アメリカ海軍音響測定艦Stalwart級。長大な曳航ソナーを低速で引っ張り、SOSUSを補完する。18隻が1984-90年に竣工した。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜ストレイ・グース＞：C-130E-I（特殊作戦機）を参照。

＜ストレーキ（航空機）＞：Strake。船舶用語からの流用である。翼幅が短く、翼弦長が長い翼のこと。または主翼前縁付け根から胴体に沿って前方へと設けられる後退角の大きい張り出しのことで、主翼前縁延長LEX、主翼前縁付け根延長LERX、チャインとも呼ばれる。後者はダブルデルタ翼の内翼が発展したもので、F-5戦闘機の前縁フラップ作動部カバーが引き起こし時の空力性能改善効果を発揮するといった現象から研究が始まった。大迎え角を取ると主翼中央部付近に気流の淀み域が発生し、低エネルギーの渦流が主翼から分離して揚力が減少、方向安定性が低下するが、ストレーキを付けておけば、大迎え角時に強力な渦流を生み出して淀み域を吹き消し、垂直尾翼・補助翼の効きの低下や縦安定の弱化といった気流の淀みに関連する現象も無くなり、最大揚力とロール能力を上昇させ、方向安定不良、バフェット（振動）、ウイング・ロック（左右への揺れ）を抑制する。この強力な渦流は雲を生じて肉眼で観察できることもある。超音速飛行時にはストレーキが大きな前胴揚力を生み出して風圧中心の後退を防止するので、釣り合い抵抗（トリム抵抗）を減らすことができる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings12,’00、12,'21、F-16ファイティングファルコン

＜ストレーキ（船舶）＞：Strake。船首から船尾まで繋がる船体外板条列のこと。キールがセンター・ストレーキにあたり、その外側にあるのがＡストレーキ（竜翼板、Garboard）、更に外側がＢストレーキ…で、特にビルジ部分にあるのはビルジストレーキ、船体側面に付いているのはサイドストレーキ、最上部にあるのはシーアストレーキと呼ばれる。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜ストレート・イン＞：着陸する滑走路に対し、遠くから真っ直ぐに進入する方法。計器による精密進入や地上の管制官による着陸機誘導も可能で、編隊を保ったまま着陸することもできる。悪天候時の計器着陸にはこれが用いられる。参考：月刊JWings5,’04

＜ストレート・フラッシュ＞：1S91（レーダー）を参照。

＜ストレート・プル・アクション＞：ボルトアクション式を参照。

＜ストレート薬莢＞：薬莢を参照。

＜ストレート・ライン・ハンマー＞：撃鉄筒。棒状をした撃鉄で、コイル・スプリングで前進し、撃針を打撃する。64式小銃などに採用された。参考：GUN用語事典

＜ストレジ＞：F95（測量艦）を参照。

＜ストレジ級＞：インド海軍測量艦Sutlej級。基準排水量11300トン。主機は蒸気タービン、速力18ノット。兵装は40mm単装機関砲１門。F95ストレジとF11ジャムナが1941年に竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜ストレッジ＞：An-32輸送機（インド空軍）を参照。

＜ストレラ＞：P-1（艦対艦ミサイル）を参照。

＜ストレラ艦対艦ミサイル＞：ソ連海軍計画艦対艦ミサイル。MiG-15bis戦闘機をベースにしたS-2ソプカ沿岸防備用地対艦ミサイルの艦載型で、KSS艦対艦ミサイルの実用型である。射程80km。1956年8月に開発中止となった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜ストレラ１＞：9K31（自走地対空ミサイルシステム）または9M31（地対空ミサイル）を参照。

＜ストレラ２＞：9M32（携帯地対空ミサイル）を参照。

＜ストレラ２Ｍ＞：9M32M（携帯地対空ミサイル）を参照。

＜ストレラ３＞：9K34（携帯地対空ミサイル）または9K36（携帯地対空ミサイル）を参照。

＜ストレラ３＞：ロシアの通信衛星。2002年に２基、2003年に２基、2004年に２基、2008年に３基、2009年に２基、2010年に１基、2012年に１基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究5,’13

＜ストレラ−３Ｍ＞：ロシアの通信衛星。2009年に１基、2010年に１基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究5,’13

＜ストレラ−１０＞：9K35M3（自走地対空ミサイルシステム）を参照。

＜ストレラ−１０Ｍ３＞：9K35（自走地対空ミサイルシステム）を参照。

＜ストレラ−１０ＳＶ＞：9K35（自走地対空ミサイルシステム）を参照。

＜ストローバイル＞：3K55シリーズ（対艦ミサイルシステム）を参照。

＜ストロギイ＞：ソ連海軍プロジェクト61MEカシン型ミサイル駆逐艦Storogy。1968年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ストロギイ＞：ロシア海軍ステレグシュチイ級フリゲート10番艦（20385型２番艦）Strogiy。2015年7月22日起工。参考：月刊世界の艦船2,’17

＜ストロギイ＞：ロシアが国際海洋防衛展示会2011で発表したコンセプト・コルベット。船型は波浪貫通タンブルホーム型で、艦橋より前は単胴のステルス船体、後ろは左に副船体を持つ双胴船体となっており、双胴船体部分がヘリ甲板、VLS、CIWS装備スペースになっている。ヘリ格納庫は船体内にある。艦橋前方に中口径砲１門を装備する。参考：月刊軍事研究10,’11

＜ストロゼヴォイ＞：ソ連海軍クリヴァク�T型フリゲートStorozhevoy。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜ストロムネス＞：A344（給糧艦）を参照。

＜ストロング＞：DD-467（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-758（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）を参照。

＜ストロングハート作戦＞：イスラエル軍の対エジプト軍戦略。アリエル・シャロン少将（当時）が第４次中東戦争勃発以前に計画したもので、スエズ運河を渡河してカイロに直接打撃を与えるという内容である。第４次中東戦争勃発後の反撃計画に生かされた。参考：歴史群像2,’05

＜ストロング・ハイブリッドエンジン＞：ハイブリッドエンジンを参照。

＜ストロングボウ＞：P235（潜水艦）を参照。

＜ストロングホールド＞：H50（駆逐艦）を参照。

＜ストロング・リゾルブ＞：NATOが４年に１度行っている軍事演習。参考：月刊軍事研究10,’02

＜ストロンボリ＞：A5327（給油艦）を参照。

＜ストロンボリ級＞：イタリア海軍給油艦Stromboli級。各種燃料4700トンを搭載できる。全長129m、満載排水量8706-8846トン。主機はディーゼル、速力20ノット。兵装は76mm単装砲１門など。AW101またはNH90ヘリ１機を搭載できる。A5327ストロンボリとA5329ヴェスヴィオの２隻が1975-78年に竣工した。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、3,’18、6,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スナーク＞：SM-62シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜スナイダー＞：DE-745（護衛駆逐艦）を参照。

＜砂井戸試験＞：榴弾の破片生成能力を測定するための試験で、砂井戸の中に榴弾を入れて炸裂させ、破片を回収して生成状況を検証する。参考：大砲入門

＜スナイドル銃＞：Snider Rifle。イギリス軍が1866年に採用した、スナイダー・エンフィールドMk�T及び�Uの通称。後装銃の登場で前装式銃が全て旧式化してしまい、大量に余ったため、これを後装式にしたものである。エンフィールドP53を後装式に改めており、ボクサー・カートリッジを用いる。改造法は、銃身後端上部を削り、右横に跳ね上げるブリーチを付け、ブリーチ内に撃針や撃針スプリングを内蔵するというものだった。参考：GUN用語事典、月刊軍事研究11,’02

＜スナイナ＞：P57（哨戒艦）を参照。

＜スナイパー＞：9M120（対戦車ミサイル）またはM-84A4（戦車）またはM1903A4狙撃銃（陸上自衛隊）を参照。

＜スナイパー＞：狙撃手。指揮官を射殺して命令系統を遮断したり、無線手や伝令を狙って通信系統を混乱させたり、重要人物を暗殺したりと任務は多岐に亘り、敵軍に大きなプレッシャーをかけることができる。移動しながら敵の補給線や通信網を攻撃する場合（狙撃位置を晒さないよう初弾必中が必須）と、その場に止まって敵を待つ場合（位置が暴露しないよう念入りなカモフラージュを要する）があり、射撃技術の他にカモフラージュ能力、サバイバル能力、情報収集能力などが必要で、忍耐力と集中力を要する。また、スコープに大写しとなった人間を躊躇無く射殺する精神力も要る。単独行動では火力や観察能力に劣るため、倍率20倍くらいのスコープを装備する小銃手兼観測手１名と共に行動し（ツーマンセル）、背中を守ってもらう。更に機関銃手を組み合わせて互いに欠点をカバーする場合もある。セミオートマチック式でも精度の高い狙撃銃の登場と無線機の発達により、スナイパーのみ2-4名で行動し、１つの目標を多方向から狙い、初弾を外しても１秒以内に別の射手が狙撃することで確実に仕留めるようになった。1860年代から戦場に登場し、第１次大戦ではバット・ノッチャーと呼ばれる狙撃兵が塹壕から顔を出す敵兵を狙い撃ちしている。第２次大戦では連合軍により陣地が突破された後も残留したドイツ軍狙撃兵が弾切れになるまで後方の連合軍将兵を狙い撃ち、日本軍狙撃兵は念入りにカモフラージュを行って敵指揮官を狙撃した。このため、アメリカ軍指揮官は階級章を外して行動するようになったが、拳銃や双眼鏡などを持っていると、たちどころに銃弾が飛んできたという。参考：月刊コンバットマガジン5,’06、月刊軍事研究6,’14、GUN用語事典、歴史群像8,’08、世界の軍用銃、世界の軍用銃、MAMOR vol.90

＜スナイパー＞：デネル・ダイナミクス社の武装UAV。シーカー400UAVがベースで、カール・ツァイス・オプトロニクス社製光学偵察装置とデネル・ダイナミクス社製モコパ空対地ミサイルを搭載する。行動半径250km（見通し内データリンク）、滞空時間５時間。参考：月刊軍事研究9,’12

＜スナイパーＸＲシリーズ＞：アメリカ空軍第３世代ターゲッティング・ポッド、略称ATP（新型ターゲッティング・ポッド）。ロッキード・マーチン社が開発した。参考：月刊JWings11,’01

＜スナイパーＸＲ＞：制式名AN/AAQ-33。第３世代FLIR（中波赤外線帯）、レーザー誘導爆弾用二重モード・アイセーフ・レーザー、高画質CCDカメラ、自動追跡／照準レーザー照射器をワンセットにしている。AN/AAQ-14LTPにFLIRによる空対空パッシブ探知追跡機能（IRSTとして使える）を追加したような感じで、FLIRは10km以上離れた所にいる人間を個別に映し出すことが可能らしい。先端は平面ガラスを組み合わせた構造になっており、内部の赤外線センサーが動いてスキャニングを行う。ポッド下部には吸気口が本体からやや離して設置してある。レーザー照準機能、NVG対応レーザー・マーカー照射機能、レーザー・スポット・トラッキング機能を持ち、レーザーで地上の要員が失明しないよう低出力モードも有する。CCDカメラやパッシブ赤外線による目標探知追尾能力、高精度パッシブ測距能力、ビデオ・データリンク、赤外線ポインターも備えていて、目標の精密な位置情報を得る事ができ、GPS座標に転換してJDAMなどGPS誘導兵器の運用にも使える。全長2.52m（2.388m？）、直径0.35m（0.302m？）、重量199kg（180kg？）。運用高度12192m（15240m？）。FLIR探知距離100海里・185.2km（空対空）／52.5海里・97.2km（空対地）、レーザー・デジグネーター最大照準距離15海里・27.8km。2003年1月から引き渡されてF-16CM/DM戦闘機（2005年から運用）や州空軍F-16Cブロック30戦闘機に最初に配備され、次いでF-16Cブロック40戦闘機、F-15E戦闘機（2005年から）に搭載された。A-10攻撃機、B-52H爆撃機、B-1B爆撃機も運用可能。アメリカ以外にもエジプト（2011年10月6日）、ルーマニア、タイなど19カ国に採用されており、2015年4月末に納入数が1000基を超えた（うちアメリカ空軍575基）。参考：月刊JWings1,'24、11,’01、8,’14、8,’06、6,’07、4,’10、12,’11、1,’14、9,’14、8,’15、月刊軍事研究10,'15、10,’17、8,’16、12,’04、1,’09、11,’10、月刊航空ファン7,’15、3,’17

　＜スナイパーＸＲロット９＞：データリンクを新型にし、複数移動目標追尾能力と移動目標攻撃能力を強化、兵器被害範囲予測機能を搭載したもの。2009年9月から受注されている。参考：月刊JWings4,’10

　＜ＡＮ／ＡＡＱ−３３（Ｖ）２＞：ビデオ・データリンク機能を追加したもの。参考：月刊航空ファン10,’17

　＜ＡＴＰ−ＳＥ＞：センサー能力・目標処理能力強化型で、SEはセンサー強化型の略。双方向データリンク機能も持つ。2012年にフル生産を開始し、2014年3月17日にIOCを達成した。参考：月刊航空ファン7,’15、月刊JWings1,’24

＜スナイパーＸＲ海外シリーズ＞

　＜ＰＡＮＴＥＲＡ＞：精密攻撃航法／目標照準ポッドの略。スナイパーXRの輸出版で、先端が角張っている。ノルウェーとチリがF-16戦闘機用に採用した。後にスナイパーXRに名称統一された。参考：月刊航空ファン11,’02

　＜スナイパーＸＲ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊のターゲッティング・ポッド。F-2戦闘機でGBU-54/BレーザーJDAMを運用するためのターゲッティング・ポッドとしてAN/AAQ-28に勝って2013年8月2日に選定された。2014年度予算で１基が試験導入され、テストの結果、配備が決定している。2019年3月15日、飛行開発実験団F-2B戦闘機がエアインテイク右に装着して試験飛行を実施。5月頃から本格的な実運用試験に入った模様である。2021年4月20日1500頃、第８飛行隊F-2A戦闘機がエアインテイク左に装着し、JDAM２発、AAM-3空対空ミサイル２発、AAM-4空対空ミサイル２発（全て実弾らしい）を搭載して築城基地から離陸した。参考：月刊軍事研究10,’13、月刊JWings8,’14、6,’19、7,’21、月刊航空ファン10,’15、8,’19

＜スナイパーズ＞：VMFT-401（飛行隊）を参照。

＜スナイパー・ライフル＞：狙撃銃。中国語では狙撃歩槍、阻撃歩槍。遠距離から敵に命中させることができる、高い精度を持った銃のことである。専用銃は競技用に近いスペックを持ち、かつ野戦での使用に耐えられるデザインを施されているが、軍用制式小銃の精度の高いものにスコープを載せただけで済ますこともある。大口径のものは対物狙撃銃と呼ばれる。作動の確実性などからオートマチックよりもボルトアクション式が好まれることが多い。精度は0.15-0.30ミル（100m先で半径15-30mmの円内に着弾）が求められる。スナイパーが更にカスタム化することも多く、トリガー・プルを最小限まで軽くしたり、弾薬を自作したりする。参考：GUN用語事典、月刊軍事研究6,’07、歴史群像8,’08、世界の軍用銃

＜スナイピング・システム＞：狙撃システム。狙撃銃本体と、スコープやバイポッドなどの周辺機器を一纏めにしてシステム化したものである。参考：歴史群像8,’08

＜スナイプ＞：R-31（SLBM）を参照。

＜スナイプＭｋ�U＞：イギリス軍の４輪車両。市販のハンバー・スナイプを軍で採用したものである。エンジン出力85馬力。参考：月刊グランドパワー3,’02

＜砂地用器材運搬車（ＳＵＶ）＞：自衛隊の車両。トヨタ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜砂地用特殊車両＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バスが受注している。参考：月刊軍事研究8,’13

＜スナッチ・ミッション＞：捕虜捕獲作戦のこと。

＜スナッパー＞：2K15（対戦車ミサイルシステム）または2K16（対戦車ミサイルシステム）または3M6（対戦車ミサイル）またはN39（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはSS-16（Ｃ級潜水艦）またはSS-185（新Ｓ級潜水艦）を参照。

＜スナップ・シュート＞：銃口を目標に向けながら肩付けした瞬間に、リードをとって射撃する方法。猟師が木の隙間を駆け回る獲物を撃つ時に、ワンチャンスを逃さないためにとる射撃法である。参考：GUN用語事典

＜スナップドラゴン＞：K10（コルベット）を参照。

＜スナップ・アップ攻撃＞：高度差のある敵に対し、上昇しながら攻撃を掛ける方法のこと。参考：空軍

＜スナップ・ハンス式＞：発射薬の点火方法で、斜めのヤスリに火打ち石を打ち付けて火花を飛ばし、火を付ける。17世紀初頭に、ホイール・ロック式に換わって出現した。後にフリント・ロック式に発展した。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜スナブ・ノーズ＞：短銃身リボルバーのこと。参考：GUN用語事典

＜スニョグ級＞：ノルウェー海軍ミサイル艇。兵装はペンギン２艦対艦ミサイル４基、533mm魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スヌーク＞：SS-279（潜水艦）またはSSN-592（スキップジャック級原潜）を参照。

＜スヌーピー＞：B-58爆撃機ファミリーまたはEC-135N（アポロ計画支援機）または航空機用人検知器を参照。

＜スヌーピー・ダッシュ＞：ダッシュ無人機ファミリーを参照。

＜スヌープ・トレイ＞：MRK-50（レーダー）を参照。

＜スヌープ・ハーフ＞：MRKP-59（レーダー）を参照。

＜スヌープ・ペア＞：MRKP-58（レーダー）を参照。

＜スヌッグ級高速哨戒艇＞：ノルウェー海軍高速哨戒艇Snogg級。1952年に建造したラップ（RAPP）級高速哨戒艇の後継である。兵装は40mm対空砲１門、ペンギン艦対艦ミサイル４基。６隻が1971-72年に竣工した。参考：月刊軍事研究1,’00

＜スネーカ＞：BMP-3歩兵戦闘車・海外ファミリーを参照。

＜スネークアイ＞：Mk14スネークアイ（制動装置）またはMk15スネークアイ（制動装置）を参照。

＜スネーク級＞：ガーナ海軍哨戒艇Snake（蛇）級。建造したのは中国のPolu Technologies Incorporated社である。全長46m。ブリカ、ガリンガ、ケムル、エーワーの４隻が2011年10月24日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船2,’12

＜スネークダクト＞：ステルス機に使用される対レーダー・ステルス技術の１つ（ライン・オブ・サイト妨害）。エアインテイクから入ったレーダー波がそのままエンジンのファンブレードで反射して戻っていかないよう、ダクトを途中で曲げたものである。参考：月刊軍事研究2,’16、4,’16

＜スネークヘッド＞：アメリカ海軍が開発している大型無人潜水艇LDUUV（Large Displacement Unmanned Undersea Vehicle）Snakehead。対機雷戦、対潜戦、通信ネットワーク結節、ISRに投入可能。潜水艦からも運用できるが、魚雷発射管の倍くらい太いので、ドライ・デッキ・シェルターDDSを使う。直径48インチ・1.22m。参考：月刊世界の艦船7,’17、5,’22

＜スネクマ社＞：フランスの航空エンジンメーカーSNECMA（Societe Nationale d’Etude et de Construction de Mouteurs d’Aviation）。ノーム・ローヌ社を第２次大戦後にフランス政府が買収して設立した。1974年、GE社と合弁でCFMインターナショナルを創設した。2005年、サジェム社と合併してサフラン社になった。参考：月刊JWings2,’14、12,’05

＜スネシュノゴルスク＞：K-388（原潜）を参照。

＜スネシュノゴルスク＞：ソ連海軍グリシャ�X型フリゲートSneznogorsk。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜スネリウス＞：A802（測量船）を参照。

＜スネリウス級＞：オランダ海軍水路測量船Snellius級。ルーマニアで船体を建造し、オランダでサイド・スキャン・ソナーなど各種観測機器の艤装を行った。水路測量や海洋観測に加え、専管水域警備や救難などの任務もこなす。全長75m、全幅13.1m、吃水4m、満載排水量1875トン。主機はディーゼル発電機（700kW）３基と電動モーター（575kW）２基、１軸推進、最大速力12.5ノット。バウ・スラスター１基を装備する。乗員18名。A802スネリウスなど２隻が2003年から就役した。参考：月刊軍事研究12,’11、月刊世界の艦船9,’18、9,’23

＜スノウドン＞：DE-246（護衛駆逐艦）を参照。

＜スノーウルフ＞：中国人民武装警察対テロ部隊から編成された北京オリンピック専用対テロ部隊。北京公安所属で、2006年4月に存在が公表された。参考：月刊JGround　Vol.19

＜スノーカーズ＞：Snorkers。イギリス海軍スラングで、ソーセージのこと。第２次大戦時にはPalethorpe’s社製缶詰ソーセージの愛称にもなっている。参考：歴史群像4,’18

＜スノーグース＞：CQ-10A（無人機）を参照。

＜スノースイーパ２型＞：自衛隊の車両。実業または加藤製作所製。参考：月刊軍事研究9,’08、5,’13

＜スノータム＞：Snowtam。積雪、シャーベット状の雪（スラッシュ）、氷、これらの混ざった水溜まりなどにより、滑走路、誘導路、駐機場など航空機の移動経路が危険な状態になっている場合に、それを関係者へと通知するため発出される特別なノータムのこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜スノーデン＞：エドワード・スノーデン。1983年、ノースカロライナ州生まれ。高校を中退してコミュニティ・カレッジでコンピュータを勉強した。2004年、対テロ戦への参加を目指して20歳でアメリカ陸軍に入隊し、特殊部隊訓練課程に進んだが、訓練中に負傷して半年で除隊を余儀無くされ、NSAが運営するメリーランド大学言語研究センターの警備員になった。その間も独学でコンピュータ技能を磨いたらしく、IT専門家としてCIAにスカウトされ、コンピュータシステムの保安業務に就いた。2007年、在スイス米大使館に派遣され、システム保安を担当した。2008年、CIAを退職し、NSAと契約している民間企業のブーズ・アレン・ハミルトン社にITコンサルタントとして入社、そのままNSAに出向した。在日米軍NSA施設に派遣されたこともあり、ブーズ・アレン・ハミルトン社以外の民間企業数社（DELLなど）に転職したりもしたが、基本的にはNSAに出向しての仕事を続けていた。この中でNSAがアメリカ市民も監視対象としていることを問題視し、内部機密情報を取得するため、ブーズ・アレン・ハミルトン社を通じ、ハワイにあるNSAのクニア地域SIGINT作戦センター（３カ所あるNSA地域SIGINT作戦センターの１つで、アジア担当。NSAのSIGINT実務を統括しており、NSA最高機密情報にもアクセス可能）職員に応募、2013年2-3月からシステム管理者として勤務を開始した。5月、NSA出向中に入手した大量の機密資料を持ち出して香港に逃亡し、メディアにインターネット個人情報追跡プログラム「プリズム」、世界規模通信データ解析「データ・マイニング」、地域通信データ総ファイリング「リアルタイム・リージョナル・ゲートウェイ」、コンピュータ端末侵入作戦「テイラード・アクセス」、在米外国公館での盗聴工作（通信傍受やハッキング含む）などを暴露した。NSA関連だけでなく、イギリス政府通信本部GCHQによる秘密工作なども明らかにしている。アメリカ情報機関による拘束・暗殺や、他国情報機関による強制的な情報引き出しを避けるため、実名や身元を公表した。6月23日、ウィキリークスの手引でロシアに移動し、亡命を申請した。その後はロシアからアメリカ情報機関の内部情報を暴露しているが、身辺状況上ロシアに有利なものしか出していないと思われる。参考：月刊軍事研究9,’13、6,’18

＜スノート＞：シュノーケルを参照。

＜スノートラック�U型＞：自衛隊の車両。大原鉄工所製。参考：月刊軍事研究5,’09

＜スノー・ドリフト＞：9S18（レーダー）を参照。

＜スノードロップ＞：K67（コルベット）を参照。

＜スノーバーズ＞：カナダ空軍アクロバットチームSnowbirds。カナダ空軍では飛行隊ごとにアクロバットチームを持ち、空軍統一チームを編成しても政治的・民族的背景からすぐに解散に追い込まれていたが、連邦国家としての纏まりを示す統一チームとして1971年6月21日に新編され、1978年4月1日に第431（航空展示）飛行隊という名称の正式部隊になった。名前は公募で決まったもので、カナダの国民的歌手アン・マレーのヒット曲スノーバードに由来する。使用機は1967年に限定結成されたゴールデンセンティニアーズ用のスモーク付きCT-114チューター練習機で、同チームのリーダーだったオーウェン・Ｂ・フィリップ中佐が通常訓練に使用されていたのを見つけ出した。離着陸能力に優れ、地上支援もあまり要らないので、短い滑走路しか無い小さい飛行場でも展開できる。カラーリングは国旗の使用色と同じ赤と白である。当初は７機編成だったが、後に９機に拡大した。展示飛行はヨーロピアン・スタイルながらもダイナミックな演技が多く、そのためか墜落事故も20件近く起こしている。また、練習機としてCT-114を使わなくなり、2000年からはパイロット養成も民間委託となったので、メンバー確保が難しくなってきた。後継としてCF-188戦闘機が検討されたこともあったが、僻地の小飛行場に展開できず、展示飛行可能な航空ショーが半分以下に減るということで断念されている。2011年、リーダーの上に指揮官を配置するようになった。2018年夏、カナダ政府連邦化150周年記念マーキング機が登場した。機首上面と垂直尾翼にデザイン化されたカエデの葉とCANADA150のロゴ、機体下面に赤いカエデの葉150枚を描き込んでいる。2020年5月4日、新型コロナウイルス感染症と闘う医療従事者への感謝と国民の鼓舞を目的に、全国ツアーのインスピレーション作戦を開始。5月17日、インスピレーション作戦のためカムループス空港を編隊離陸した11番機（予備機）にバードストライクとみられるトラブルが発生しエンジンが停止、空中再点火できず住宅地に墜落し、住民に死傷者は無かったが同乗者の航法担当士官が殉職した。インスピレーション作戦は中止となり、民間機がバックアップ・インスピレーション作戦として引き継いでいる。2021年シーズンは追悼の意を込めて予備機２機は使わず、１機減の８機で展示飛行を行った。参考：月刊JWings2,’13、8,'20、9,'21、月刊航空ファン12,’18、2,’18

＜スノーバスターズ＞：陸上自衛隊東千歳駐屯地、北千歳駐屯地、航空自衛隊千歳基地、千歳青年会議所が構成する青空東北会が毎年3月に行っている、千歳市新富地区の除雪作業のこと。独居老人が多いため、2007年から千歳ボランティア部会からの依頼で開始された。参考：MAMOR Vol.43

＜スノーフレーク＞：K211（コルベット）を参照。

＜スノープロー＞：航空自衛隊の除雪車両。３軸トラックの前部にメインプロー（除雪用排土板）を取り付けたものである。全長13.4m、全幅4.9m、全高3.7m。エンジン出力261馬力、作業速度10-70km。参考：MAMOR vol.124

＜スノーベリー＞：K166（コルベット）を参照。

＜洲崎（初代）＞：日本海軍洲崎型給油艦（初代）Sunosaki。大正7年9月26日、特務船洲崎丸として竣工し、大阪商船に貸与されて民間船として蘭印からの石油運送任務に就いた。第１次大戦終結で海軍に戻り、洲崎と改称され、外地からの石油輸送任務に就いた。大正9年4月1日、運送艦に類別された。昭和13年、日華事変で出動した艦艇への燃料補給任務を実施。昭和15年4月1日に除籍され、廃艦第14号となった。船体が持ちそうだったので再利用が検討されたが、費用が300万円かかるということで昭和17年に解体された。参考：日本陸軍特務艦艇史

＜洲崎（２代目）＞：日本海軍洲崎型給油艦（２代目）。昭和18年5月15日竣工、運送艦に類別された。昭和19年8月1日、ボルネオ北東でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて中破した。9月21日、マニラ湾で艦上機の攻撃を受けて大破し、擱座放棄された。12月10日、除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜洲ノ埼海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。千葉県館山市にある。兵器整備教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜洲崎型給油艦（初代）＞：日本海軍給油艦Sunosaki型。志自岐丸型の拡大改良型で、速力も強化して艦隊随伴を可能とした。垂線間長121.92m、最大幅15.24m、吃水7.01m、基準排水量8800トン、常備排水量9767トン。主機は直立式３気筒３段膨張式レシプロ蒸気機械２基、主缶はロ号艦本式混焼缶６基、出力6000馬力、２軸推進、速力14ノット、石炭搭載量800トン、重油搭載量200トン。兵装は四五口径三年式一二サンチ単装砲２門、四〇口径三年式八サンチ単装高角砲２門。石油搭載量5000トン（10500トン？）。乗員139名。洲崎（初代）が大正7年に竣工した。参考：日本陸軍特務艦艇史、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜洲崎型給油艦（２代目）＞：日本海軍給油艦Sunozaki型、計画番号J-29。足摺型の半分の能力を持つ空母機動部隊用給油艦で、大型空母１隻分にあたるガソリン1080トンと弾薬・真水440トンを搭載できる。当初は重油も積めるようにし、主機を蒸気タービンにする予定だったが、計画変更されて足摺型の縮小型になった。前部の防舷用浮舟と20トンデリックは足摺型と同じだが、後部の５トンデリックは後部に１基のみとし、支柱も門型にしている。水線長106m、垂線間長102m、最大幅15m、吃水5m、基準排水量4465トン、公試排水量4700トン。主機は三菱MAN式ディーゼル２基２軸4500馬力、速力16ノット、重油搭載量240トン、航続距離4000海里（14ノット）。兵装は四五口径十年式十二サンチ単装高角砲２門、九六式連装25mm機銃２基。昭和14年計画で１隻、昭和16年度計画で４隻が建造され、後者のうち３隻が建造中止となり、昭和18年に洲崎（２代目）と高崎（２代目）が竣工した。空母機動部隊が行動できる時期ではなく、ガソリン輸送に使用されて戦没している。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜洲崎丸＞：洲崎（給油艦、初代）を参照。

＜スパー＞：P265（潜水艦）を参照。

＜スパーク＞：P236（潜水艦）を参照。

＜スパーダ＞：アスピーデ・ファミリー（地対空ミサイル）を参照。

＜スパータン＞：95（軽巡）またはS-105（潜水艦）またはXLIM-49A（核ミサイル）またはスコーピオン装甲車ファミリーを参照。

＜スパータンＭＣＴ＞：スコーピオン装甲車ファミリーを参照。

＜スパータン偵察装甲兵員輸送車＞：スコーピオン装甲車ファミリーを参照。

＜スパータンバーグ・カウンティ＞：LST-1192（戦車揚陸艦）を参照。

＜スパイク対戦車ミサイル＞：アメリカの歩兵用撃ちっ放し式対戦車ミサイル。小型軽量化すると共に、既製の部品を流用して価格を１発5000ドルに抑えたが、その分威力が小さく、トラックや軽車両に対して使用する。全長610mm、重量2.3kg。小型無人機やOH-58D武装ヘリへの搭載も計画されている。参考：月刊軍事研究8,’07、朝雲

＜スパイク対戦車ミサイル・シリーズ＞：イスラエル軍対戦車ミサイル。ラファエル社が航空機搭載用に開発し、1990年代後半から配備された。後に陸上・艦上運用も可能となっている。ヨーロッパ向け輸出窓口としてユーロスパイク社を作るなど輸出にも力を入れており、エストニア、オランダ、シンガポール、フィンランド、ポーランドなど2019年現在で32カ国が発注した。参考：月刊PANZER8,’04、月刊航空ファン9,’19

　＜スパイク＞：Gillの誘導をSACLOS方式に換えたもの。射程4000m。ユーザーの希望でGillと同じく赤外線シーカーの装備が可能である。参考：月刊軍事研究4,’01

　＜スパイクＥＲ＞：射程延伸型。弾頭はタンデム、射程8000m。参考：月刊PANZER8,’04

　＜スパイクＥＲ（ＰＢＦ弾頭）＞：PBFはPenetrating Blast Fragmentation（貫通後爆発型破片弾頭）の略。遮蔽物を撃ち抜いた後に内部で炸裂する新型弾頭を装備したものである。参考：月刊PANZER8,’04

　＜スパイクＬＲ＞：微光暗視装置と赤外線画像誘導シーカーを備えており、光ファイバーによる直接誘導モードと自動ロックオンによる撃ちっ放し方式のどちらかを選択できる。ランチャー重量11kg。ミサイル全長1.2m、ミサイル重量13kg。弾頭はタンデム式、炸薬重量3kg。推進は固体燃料ロケット、最大射程4000m。スペインがランチャー260基及びミサイル2600発の導入を決定しており、2007年から納入される予定。参考：月刊軍事研究1,’08、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜スパイクＭＲ＞：射程2500m。参考：月刊軍事研究3,’14

　＜スパイクＮＬＯＳ＞：NLOSは非直接照準（Non Line Of Sight）の略。別名タムズ５。UAVや他部隊からの情報を双方向無線データリンクで受け取ることにより、25km先まで撃ちっ放し攻撃できるようにしたタイプである。圧縮ガスによるコールド・ランチ方式で射出される。ミサイル重量70kg。弾頭は破片型、成型炸薬型、貫徹型など。重いので個人携行は無理になったが、４連装コンテナ／８連装ランチャーや直接照準用FLIRなどのミサイルシステムを丸ごと車載・艦載・ヘリ搭載できる。イスラエル軍がペレフ自走対戦車ミサイルに搭載したり、M113A2装甲兵員輸送車に６連装（３連装ランチャー２基）で装備したりして配備した。2023年1月26日、ロッキード・マーチン社がAH-64Eバージョン６攻撃ヘリからの試射に成功した。参考：月刊軍事研究11,’10、3,’12、3,’14、月刊PANZER6,’18、月刊JWings4,’23

＜スパイク対戦車ミサイル海外シリーズ＞

　＜ＭＥＬＬＳ＞：ドイツ陸軍対戦車ミサイルで、多目的軽対戦車ミサイルシステムの略。MILANの後継で、戦車含む装甲車、低空飛行ヘリ、バンカーなどを破壊でき、プーマ歩兵戦闘車や歩兵が装備し、暗視装置を標準装備、高い対妨害能力を持ち、閉鎖空間から発射でき、重量45kg以下、射程4000m以上、誘導は撃ちっ放しと照準監視下の両者、という要求が出され、スパイクLRがMILAN ADT-ERとジャベリンに勝って採用された。ユーロスパイク社でライセンス生産する。マルダー1A3/A5歩兵戦闘車のMILANとヴィーゼルTOW空挺戦闘車のBGM-71もこれに換装する。参考：月刊軍事研究10,’18、1,’09

　＜Ｘ−５＞：ルーマニア軍対戦車ミサイル。スパイクERを導入したものである。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜スパイク（エストニア軍）＞：エストニア軍対戦車ミサイル。2019年にランチャー18基とミサイル18発を発注した。2020年第３四半期に納入される予定。参考：月刊航空ファン9,’19

　＜スパイク（フィンランド）＞：フィンランド軍対戦車ミサイル。スパイクMRとスパイクERを採用した。参考：月刊軍事研究8,’14

　＜スパイクＥＲ（インド陸軍）＞：インド陸軍対戦車ミサイル。2014年10月25日にランチャー321基とミサイル8356発の調達予算が国防調達委員会で承認された。2016年半ばにランチャー275基とミサイル5500発を輸入している。インドのバラート・ダイナミクス・リミテッドでランチャー30000基とミサイル68000発を追加生産する計画もあり、2017年8月にはラファエル社とインドのカルヤニ・ステラテジック・リミテッドが共同出資したカルヤニ・ラファエル・アドバンスト・システムズ社が設立され、サブアッセンブリの国内生産が始まったが、12月にインドが新型第３世代対戦車ミサイルの開発を決めたため、スパイクの調達契約は打ち切られた。参考：月刊軍事研究4,’15、6,’18

　＜スパイクＮＬＯＳ（韓国）＞：韓国軍対戦車ミサイル。延坪島砲撃事件を受けて導入を決定した。67発以上を調達し、海兵隊ではプラサン製４×４輪車両サンドキャットに、海軍ではAW159ヘリに搭載する。参考：月刊軍事研究2,’14

＜スパイクナード＞：K198（コルベット）を参照。

＜スパイクノーズ＞：砲弾先端に棒状の構造物を飛び出させた形状のこと。HEAT-FS弾などに採用されている。飛翔時の気流を整流して安定翼を小型化できる、弾着角が浅くても滑らない、スタンドオフを確保できる、という利点があるが、空気抵抗が高くなり有効射程が短くなる欠点がある。参考：月刊グランドパワー2,’04、月刊軍事研究11,’08

＜スパイクフィッシュ＞：SS-404（潜水艦）を参照。

＜スパイス＞：SPICE（誘導爆弾キット）を参照。

＜スパイダー＞：9K714（弾道ミサイルシステム）またはM7（対人地雷）またはRSR940（レーダー）またはYF-23A（試作戦闘機）を参照。

＜スパイダー・シリーズ＞：L3テクノロジーズ社のISR機SPYDER。参考：月刊航空ファン9,’17

＜スパイダー＞：キングエア350ERの機首を延長して下面にMX-15HDI電子光学センサーターレットを装着し、オプションで機首先端に合成開口レーダーも搭載できるようにした。SIGINTシステム、衛星通信アンテナ、戦術共用データリンク、自衛用電子戦装置なども積める。機内には人員や貨物を搭載できるので、輸送機や連絡機としても使える。参考：月刊航空ファン9,’17

＜スパイダーＲＡＰＤＳ＞：RAPDSはRapid Aircraft Payload Deployment System（迅速航空機ペイロード配置システム）の略。胴体下面に着脱式ポッドを装着可能としたタイプで、ポッド内部に電子光学センサー、レーダー、データリンク、無線機などを積める。ポッドを付けないスリック状態にすれば、原型と同じ速度性能を持つ輸送機や連絡機として使える。参考：月刊航空ファン9,’17

＜スパイダー・スパイラル２＞：発展型で、用途の違う電子光学センサーを機首とポッドに搭載したり、AESAレーダーを運用できるようにする。関連会社社有機をマルチ・インテグレーション・デモンストレーターに改造してテスト中。参考：月刊航空ファン9,’17

＜スパイダー地対空ミサイル＞：イスラエルのIAI社とエルタ社が開発した地対空ミサイルで、Surface-to-air PYthon and DERbyの略。赤外線受動誘導式パイソン空対空ミサイルとアクティブ・レーダー誘導式ダービー空対空ミサイルを地上発射式に換え、６輪トラック後部荷台の並列４連装ランチャーに混載したものである。有効高度20-9000m、射程700-15000m。各ランチャー車にはFLIRが用意されており、ランチャー車４両とレーダー車１両でシステムを構成する。参考：月刊軍事研究10,’05

＜スパイダー地対空ミサイル海外シリーズ＞

　＜スパイダーＳＲ＞：シンガポール空軍地対空ミサイル。レイピアの後継として採用した。参考：月刊JWings8,’11

＜スパイダー＞：イギリスのチェス・ダイナミクス社が開発した電子光学方位盤。固定型撮像装置を８基または12基または16基円周上に配置して全周を監視し、その上部に旋回可能なセンサーヘッドを積んで目標を追尾できるようにしてある。センサーヘッドは俯仰角マイナス30度からプラス80度で、可視光カメラ、赤外線カメラ、レーザー測距器などを装着可能。参考：月刊軍事研究1,’08

＜スパイトフル＞：P227（潜水艦）を参照。

＜スパイトフル＞：イギリス空軍戦闘機Spiteful、スーパーマリン社内名称タイプ371。スピットファイアMk.20シリーズを開発中に生まれた新型層流翼を装備する戦闘機で、当初はスピットファイアMk.�]�Wでテストされたが、胴体とのマッチングが悪く重心もずれるということで胴体ごと作り直すことになり、名称も変更された。主翼桁は２本桁（主桁＋補助桁）に、平面形も楕円翼でなく直線テーパー翼にしている。内翼部下面にラジエーターが付き、そのすぐ外側の主翼内に20mm機関砲を２門装備する。主脚は内側引き込みで、スピットファイアよりホイール・トラックを広げており、主翼内に引き込まれる。胴体を太くしてグリフォン90エンジンとロートルR14/5F5/F2プロペラ（５翅）を装備、機首下の気化器エアインテイクをスピナー後端まで延ばし、垂直尾翼を大型化した。最大速度780kmが出せると計算されたため採用を決定、取り敢えずグリフォン65エンジン装備のスパイトフルＦ Mk.�]�Wが650機発注された。翼面積20平方メートル。本格量産ではエンジンをグリフォン69（2375馬力）に換装する予定だった。プロペラはロートル社製５翅。試作初号機はスピットファイアMk.�]�Wに新型主翼を取り付けて1944年6月30日に初飛行したが、低速大迎え角で外翼部が最初に失速してエルロンが効かなくなるという欠点が判明し、9月13日にはスピットファイアMk.�]�Wとの模擬空戦で墜落、パイロットが死亡した。胴体も変更した試作２号機は1945年1月8日に初飛行し、テスト中に尾翼面積不足が判明したため、垂直尾翼面積を28%・水平尾翼面積を27%拡大して6月24日から飛行を再開している。試作３号機は1946年3月27日に初飛行し、量産機（グリフォン69搭載）はそれより前の1945年3月31日（4月2日？）に初飛行したが、テスト中にジェット機時代を迎え、試作４号機以降と量産発注が取り消され、既に完成していた量産16機（＋試作３機）はスクラップにされた。参考：月刊JWings1,’21、スピットファイア

＜スパイラル＞：9K114（対戦車ミサイルシステム）または9M114シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜スパイラル２＞：9K120（対戦車ミサイルシステム）または9M114M1（対戦車ミサイル）または9M114M2（対戦車ミサイル）を参照。

＜スパイラル・アプローチ＞：着陸の際に滑走路上空の通常より高い高度からアプローチを開始し、急激に降下しつつ機体を切り返し、滑走路に進入すること。重要なのは携帯地対空ミサイルや機関銃の攻撃を受けにくい高い所から一気に降下して着陸する事で、旋回回数は最小限に止める。ちなみに離陸上昇時に無理に機体を旋回させようとすると失速するので、離陸の際には高度を取ることに集中する。参考：月刊軍事研究5,’09、4,’04、月刊JWings2,’04

＜スパイラル計画＞：50/50計画を参照。

＜スパイラル・ダイブ＞：空中戦機動の１つで、攻撃側を振り切るための最後の手段。防御側は急降下して速度を保ちながら最大旋回率で旋回し、攻撃側をその動きに追従させ、タイミングをみてスロットルを絞る。攻撃側は防御側がエンジン出力を絞った事に気付くのが困難なため、エンジン出力過大で追尾することになり、遂には追尾しきれなくなってオーバーシュートしてしまう。そこでロールをうって引き起こせば逆に攻撃側の背後につける。かなりのＧがかかるので、最終手段である。参考：図解現代の航空戦、戦闘機のしくみ

＜スパイリギング＞：ヘリコプターが着陸できない場所から陸上部隊を撤退させる際、部隊員をロープで吊り下げてそのまま離脱させること。参考：JGround Vol.11

＜スパイレンジャー＞：タレス社の手投げ式UAV。推進は電動モーター、滞空時間2.5時間。運用距離15-30km。スパイＣ自動指揮通信ソフトで運用する。参考：月刊軍事研究10,’16

＜スパキャット・シリーズ＞：

　＜スパキャットＭｋ３＞：イギリス陸軍６×６輪水陸両用車両。空挺部隊用汎用機動車両ATMP（All Terrain Mobility Platform）として導入した。エンジンはフォルクスワーゲン４気筒ディーゼル（78馬力）、トランスミッションはオートマチック、最大速度64km。車外モーターを取り付けて水上航行も可能。最大搭載量3.5トン。自衛用に7.62mm機銃、12.7mm機銃、ミラン対戦車ミサイルなどを装備できる。ROディフェンス社製105mm軽砲を牽引可能。参考：月刊軍事研究3,’02、10,’07

＜スパサーテリ＞：プロジェクト903（WIG機）を参照。

＜スバス・チャンドラ・ボース＞：ボースを参照。

＜スパダ＞：スペイン空軍の中射程地対空ミサイルシステムSPADA。１個中隊はレーダーシェルター（IFF付きＳバンド捜索レーダー装備）、運用管理センター、Ｘバンド追跡・照射レーダー２基、ミサイル発射機から構成される。使用ミサイルはアスピーデ2000（固体燃料ロケット推進、射程24km）で、６連装発射機（３列２段）に搭載される。1998年から引き渡された。参考：月刊軍事研究7,’99

＜スパダ岬沖海戦＞：第２次大戦中の1940年7月19日早朝、リビアのトリポリからエーゲ海のレロス島に向かっていたイタリア海軍軽巡ジョヴァンニ・デレ・バンデ・ネーレとバルトロメオ・コレオーニが、クレタ島とペロポネソス半島の中間付近で駆逐艦隊に遭遇した。夜が明けると軽巡洋艦シドニーの姿が見えたため、戦闘に入ったが、シドニーの砲撃がバルトロメオ・コレオーニの機関室に命中。動けなくなったバルトロメオ・コレオーニは、駆逐艦の雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ズバツカ＞：K-534（潜水艦）を参照。

＜スパッツ＞：Spats。脚柱覆いのことで、固定脚の抗力を減らすために取り付けられる。タイヤを覆う部分はホイール・フェアリングだが、スパッツと一体化したものもあり、境目が判断しにくい。幅が上から下まで同一のものはズボン型スパッツと呼ばれる。引き込み脚の進歩で廃れた。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン8,’17

＜スパッド＞：ADシリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜スパッド�X＞：スパッド社の複葉戦闘機。エンジンは液冷Ｖ型８気筒ガソリン（150馬力）単発。1916年4月に完成し、テストで良好な成績を収めたため、改良型のスパッド�ZC.1に進んだ。参考：月刊JWings10,’18

＜スパッド�Z．Ｃ．１＞：フランス陸軍航空隊複葉戦闘機。スパッド�Xの改良型で、スパッド社が開発した。武装はヴィッカーズ7.7mm機銃１丁。各型計5600機が生産された。参考：月刊JWings10,’18

＜スパッド�]�V．Ｃ．１＞：フランス陸軍航空隊複葉戦闘機。スパッド�Z.C.1の改良型で、主尾翼を改良、エンジンを強化し、機銃を２丁に増やした。ラジエーターを機首先端にプロペラ軸を取り囲むように配置している。胴体の爆弾倉にカメラを積めるようにした機体もある。全長6.3m、全幅8.2m、全高2.42m、全備重量820kg。エンジンはイスパノスイザ�[Be液冷Ｖ型８気筒ガソリン（235馬力）単発、プロペラは２翅、最大速度222km、航続時間２時間。武装は7.7mm機銃２丁。乗員１名。1917年4月に原型機が初飛行し、5月に就役、第１次大戦に投入された。第１次大戦終結で6000機がキャンセルされたが、それでも8472機が生産されている。イギリス、アメリカ派遣隊、イタリア、ベルギーも使用した。参考：図解世界の軍用機史、月刊JWings10,’18

＜スパッド�]�V海外シリーズ＞

　＜ス式一三型戦闘機＞：日本陸軍戦闘機。大正8年1月に採用を決定、大正9年に100機を輸入した。しかし前年12月に到着した部品梱包25梱を開けてみると、23梱に木材の剥離や腐食が発見され、イギリス保険業者ロイズ社の鑑定人による調査では元々不良品だったとのことだったが、フランス政府からは輸送中に海水に浸かったためという返答が来た。日仏関係を考慮してフランス政府の回答を受け入れ、代金をそのまま支払ったが、部品不足で運用できる機体が減り、機体自体もエンジンの故障が多く空中停止すると再始動できないといった欠点が認められ、甲式三型／四型戦闘機に急速に代替される結果となっている。一部にカメラ搭載改造機（胴体にPhoto/PhoTo/PHOTOと書かれている）があるが、実際写真偵察機として使ったかは不明。エンジンはイ式220馬力、プロペラはアンテグラルまたはル・バッサー木製２翅。大正10年10月に丙式一型戦闘機に改称された。参考：月刊航空ファン10,’15、8,’19

＜スパッド社＞：フランスの航空機会社で、航空機・関連製品株式会社（Société Pour Aviation et ses Derives）の略。元は1910年に創設されたドペエルデュッサン社で、1914年に倒産してブレリオ社に吸収され、この名称になった。参考：月刊航空ファン10,’15

＜スバドラ＞：P-51（哨戒艦）を参照。

＜スパニアン＞：日本海軍用語で、タールを染みこませた紐で編んだロープのこと。カッターの櫂が櫂座と擦れる部分に巻いて摩耗を防いだりする。見た目が似ているので、煮詰めた切り干し大根もこう呼んだ。参考：海軍兵学校岩国分校物語

＜スパニエル＞：A201（曳船）を参照。

＜スパリーデ＞：イタリア海軍フルット級潜水艦Sparide。1943年8月7日就役。9月9日に自沈した後ドイツ軍に接収され、UIT15となった。参考：ナチスＵボート

＜スパルタコ・スケルガト＞：F-598（フリゲート）を参照。

＜スパルタ人のサソリ作戦＞：砂漠のサソリ作戦を参照。

＜スパルタン＞：C-27J（輸送機）を参照。

＜スパルタン＞：ラディックス・マリーン社、ノースロップ・グラマン社、レイセオン社が開発した無人水上艇Spartan（Spartan Scout？）。アメリカ海軍の無人水上艇先進コンセプト技術実証艇計画ACTD（Advanced Concept Technology Demonstration）に基づくもので、RHIB哨戒ボートを利用して製作されており、ヘルファイア対戦車ミサイルやジャベリン対戦車ミサイルなどのランチャーを搭載して攻撃任務に就いたり、機関砲と複合センサーを装備して偵察及び部隊支援任務を実施したり、AN/AQS-14/-22曳航ソナーを搭載して対機雷戦を行ったりする。全長7-11m、重量２トン。2003年にアメリカ海軍がCG-64ゲティスバーグに搭載してイラク戦争での実用試験を行った他、2005年5月にシンガポール海軍で採用された。参考：月刊丸5,’07、月刊軍事研究11,’06、9,’05、4,’11

＜スパルタンズ＞：HSM-70（ヘリコプター飛行隊）を参照。

＜スパルタンス＞：アメリカ第３歩兵師団第２旅団の愛称。参考：月刊軍事研究9,’03

＜スパルティヴェント岬沖海戦＞：第２次大戦中の1940年11月11日、タラント空襲ジャッジメント作戦でイタリア戦艦３隻を大破させたイギリス海軍は、マルタ島とアレキサンドリアに増援を送ることにした。11月25日、イギリス海軍は商船３隻に護衛のＨ部隊（将兵1400名を乗せた巡洋艦２隻、巡洋戦艦72レナウンなど）を付けてジブラルタルから出撃させた。11月26日、アレキサンドリアから戦艦07ラミリーズなど地中海艦隊がＨ部隊に会合すべく出撃。しかし両部隊共イタリアの哨戒機に発見され、タラントからイタリア戦艦ヴィットリオ・ヴェネトとジュリオ・チェザーレを主力とする艦隊が出撃、11月27日にサルジニア島スパルティヴェント岬沖で戦闘となった。参加兵力はイギリスが戦艦07ラミリーズ、巡洋戦艦72レナウン、空母２隻、重巡１隻、軽巡６隻、駆逐艦14隻、イタリアが戦艦ヴィットリオ・ヴェネト、ジュリオ・チェザーレ、重巡６隻、駆逐艦14隻である。イギリス重巡65ベリックが被弾して小破するなどの損害が出たが、１時間ほどでイタリア側が退避、イギリスも輸送を優先して深追いせず、双方共戦果は乏しかった。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船1,’12、4,’17

＜スパルビエロ＞：P420（ミサイル艇）またはSM.79シリーズ（爆撃機）を参照。

＜スパルビエロ＞：イタリアの対戦車ミサイル。全長1.38m、直径0.13m、重量16.5kg、弾頭重量4kg（成型炸薬）。推進は固体ロケットブースター＋サステナー、最大速度毎秒140m、最小射程75m、最大射程3000m。最大射程までの所要秒時は10秒。誘導は赤外線ビームライディング。参考：ザ・マーチ17号

＜スパルビエロ級＞：イタリア海軍ミサイル艇Sparviero級。ボーイング・トゥーカムカリの設計で、アメリカ海軍に発注された。全没水型水中翼船型で、水中翼モードではガスタービンによりウォータージェットを作動させ、非水中翼モードでは後部両舷にある水中翼を水線上に跳ね上げてディーゼルにより引き込み式プロペラを駆動する。船体はアルミニウム製。全長24.6m、満載重量62.5トン。主機はCODOG方式、速力50ノット（40ノット？）。兵装はオットー・メララ社製76mm砲１門（前甲板）、オトマートMk1艦対艦ミサイル単装発射筒２基（艦後部両舷）。P420スパルビエロが1974年に就役し、ニッビオ、ファルコーネ、P423アストーレ、P424グリフォーネ、P425ゲッピオ、コンドーレはオトマートMk2艦対艦ミサイルを積むなど改良を施して1980-83年に竣工した。1999年までに全て退役した。参考：週刊ワールドウェポン17、月刊世界の艦船8,’82増刊、6,’83、月刊丸12,’92

＜スパロー＞：AIM-7シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜スパロー＞：セルビアが開発した完全自律式小型UAV。翼スパン2.8m、自重5.5kg。動力は電動モーター、推進は２翅プル・プロペラ、巡航速度61km、最大速度120km、滞空時間１時間。ペイロード1.5kg。データリンクの使用周波数はＳバンド。参考：月刊軍事研究9,’11

＜スパロー�T＞：AIM-7A（空対空ミサイル）を参照。

＜スパロー�U＞：AIM-7B（空対空ミサイル）を参照。

＜スパロー�V＞：AIM-7C（空対空ミサイル）を参照。

＜スパローホーク＞：F9Cシリーズ（戦闘機）を参照。

＜スパローホーク＞：ジェネラル・アトミックス・アエロノーティカル・システムズがプライベート・ベンチャーで開発中の無人機。MQ-1/-9などの無人機を母機とする小型UAVで、危険空域に進出してISR任務や攻撃任務を行い、安価なので使い捨てにもできる。重量91kg。エンジンはジェット、航続距離322km。ペイロード13.6kg。参考：月刊JWings2,’20

＜スパロー・ホーク＞：レイセオン社の地対空ミサイルシステム。MIM-23Bホーク改のシステムにRIM-7Mミサイルを組み合わせたもので、ランチャーには上段に５発、下段に左右２発ずつのミサイルをほぼ剥き出しで搭載する。1985年1月18日に初試射が行われ、F-86改造無人標的機に命中した。参考：ザ・マーチ33号

＜スパロ級＞：スウェーデン海軍掃海艇Såprö級。元はスティーソ級掃海艇で、救難能力追加改装を施したものである。2004年に２隻が改装を受けた。後にエルビット・システムズ製アルバトロス機雷戦管制装置（中核はE-CIXプラットフォーム）を搭載する予定。参考：月刊世界の艦船6,'22、4,’22

＜図版＞：陸上自衛隊用語で、バインダーのこと。参考：MAMOR vol.147

＜スパンカー＞：RS-16（ICBM）を参照。

＜スパングラー＞：DE-696（護衛駆逐艦）を参照。

＜スパンゲンバーグ＞：DE-223（護衛駆逐艦）を参照。

＜図板測量具＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜スパンドレル＞：9M113（対戦車ミサイル）を参照。

＜スピア＞：SPEAR（空対地ミサイル）を参照。

＜スピア＞：ロシアとドイツの共同企業体が開発した105mmライフル砲L7/M68用腔内発射レーザー誘導ミサイル。ロシアのレーザー誘導ミサイル・バスチオンを105mm戦車砲用に改造してあり、低初速で発射され、その後メイン・ロケットが始動し、後部フィン４枚が展張、回転する弾体を前部のカナード２枚で制御して目標に命中する。セミアクティブ・レーザー誘導なので、命中するまで照準し続ける必要がある。全長1.015m、重量25.4kg。弾頭はタンデム式成型炸薬、装甲貫徹力750mm。最大射程5500m。参考：月刊軍事研究3,’00

＜スピア・チップス＞：RVAH-12（偵察攻撃飛行隊）を参照。

＜スピアフィッシュ＞：N69（Ｓ級潜水艦第１グループ）またはSS-190（新Ｓ型潜水艦グループ２）を参照。

＜スピアフィッシュ艦上攻撃機＞：イギリス海軍艦上攻撃機Spearfish。元は1943年にバラクーダの後継となるオーディシャス級大型空母用艦攻としてイギリス海軍が提示したS.6/43要求（総重量24000ポンド・10886kg以下、魚雷または500ポンド爆弾６発搭載）で、これを満たす案が出なかったため単発艦攻要求O.5/43に変更して開発することになり（ちなみに双発艦攻版はスタージョンS.1）、フェアリー社の案が採用された。初飛行が第２次大戦末期の1945年7月5日にずれこみ、オーディシャス級大型空母の建造数も半減されてしまい、試作機３機と量産機１機のみの製作に終わった。全長13.57m、全幅18.37m、全備重量10030kg。エンジンはブリストル製セントーラス60（2320馬力）単発、最大速度470km、実用上昇限度7620m、航続距離1670km。固定武装は12.7mm機銃４丁（主翼２丁、後席旋回機銃２丁）。18インチ（457.2mm）730kg魚雷１本または爆弾907kgを搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings7,’18、月刊丸8,’87

＜スピアフィッシュ魚雷＞：イギリス海軍の潜水艦用魚雷Spearfish。タイガーフィッシュの後継となる対潜水艦・対水上艦両用魚雷として1979-80年にMk48ADCAP長魚雷との間で比較が行われて開発が決まり、GECマルコーニ社（後のBAEシステムズ社）が開発して1992年に就役した。ソ連の深々度高速潜水艦（705型アルファ級原潜など）にも対応できるよう、大出力タービンエンジンを積んで高速性能を持たせている。弾頭は大重量のHEATで、タイフーン級原潜でも一撃で破壊できるようにした。誘導はパッシブ音響が基本だが、相手が静粛な場合には高出力アクティブ・ソナーを使い、周波数アジリティにより複数魚雷同時アクティブ音響誘導を可能としている。全長8.5m（5.95m？7m？）、直径533mm、重量1850kg、炸薬重量300kg(PPX-104炸薬)。エンジンはオットー�U燃料とHAP（Hydroxyl Ammonium Perchlorate）酸化剤を使用するガスタービン（出力1000馬力）、推進はポンプジェット、最大雷速70ノット以上（80ノット超説あり）、航走距離26km（雷速65ノット。21km？）／32km（50ノット）。最大運用深度900m以上。誘導は有線（双方向通信可能）＋パッシブ・アクティブ音響式。逐次改良が施されており、ソナーの雑音識別能力や残響抑制能力を強化して浅海対応にしたり（先進スピアフィッシュ計画ASP）、誘導用ケーブルを金属製から光ファイバーに交換したりした。2003年にイギリス海軍への納入を完了したが、2025-50年頃までは現役に留まるため、SLUW（Submarine Launched Underwater Weapon）計画やSFU（Spearfish Upgrade）計画と称する改良計画が進行中だが、予算の関係でMk48Mod7になるかも知れない。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’17、1,'15増刊、9,’12増刊、11,’16、6,'21、2,'23、月刊軍事研究9,’10、月刊丸3,’90

＜スピアヘッド＞：JHSV-1（統合高速輸送艦）またはP263（Ｓ級潜水艦第２グループ）またはT-EPF-1（遠征用高速輸送艦）またはTSV-1X（戦域支援実験艦）または第３機甲師団（アメリカ陸軍）を参照。

＜スピアヘッド級シリーズ＞：アメリカ海軍統合高速輸送艦JHSV／遠征用高速輸送艦EPF。オーストラリアからリースした高速輸送艦HSV-4676ウエストパック・エクスプレスのイラク戦争・災害派遣・演習での使用実績に基づき、オースタルUSA社に発注した。当初は10隻作る予定だったがどんどん増え、2022年に16隻目が発注されている。2015年9月3日、艦種記号がJHSVからT-EPFへと変更され、JHSV-6以降は就役時からT-EPF-6以降になった。その後艦種記号はEPFに変更されている。参考：月刊世界の艦船1,’10、9,’11、5,’14、6,’18、8,’19、9,’23

＜スピアヘッド級フライト�T＞：船型は双胴船だが、ウェーブピアシング・カタマランではなく艦首（胴首？）はバルバス・バウを採用しており、船体中央底面もＭ字型ではなく平面である。水中船体内側前方にアクティブ・ライドコントロール（ピッチ自動制御）用のフィンが装着されていて、荒天時の揺れを軽減する。船体はアルミ合金製で、44個のブロックを船台上で溶接して組み立てる。船体後部に広さ1858平方メートル・天井高4.8mのミッションベイがあり、ここに貨物最大545トンを収容する。HMMWVなら100-110両を搭載可能。ミッションベイ後部右舷にM-1A2戦車が自走搭載できる折り畳み式車両ランプ（長さ18.4m、幅5.2m、耐荷重100トン）、後部左舷に伸縮式クレーン（最大長15m）を持つ。後甲板はヘリ甲板で、V-22輸送機やCH-53強襲ヘリの発着艦が可能。搭載兵員用に座席312席と寝台104基（46基増設可）が用意されている。全長103m、全幅28.5m、吃水3.83m、満載排水量2395トン。主機はMTU社製20V8000M71Lディーゼル（9.1MW）４基48800馬力、推進はヴァルチラ社製WLD1400SRウォータージェット４基、最大速力43ノット（無積載）／35ノット（満載）、航続距離1200海里（満載35ノット）。ペイロード544トン（600ショート・トン）。兵員312名（462名？）を搭載でき、海兵機械化中隊１個290名を重装備ごと、AH-1Z攻撃ヘリ２機のオマケ付きで輸送可能。乗員41名。JHSV-1スピアヘッド、JHSV-2チョクトー・カウンティ、JHSV-3ミリノケット、JHSV-4フォール・リバー、JHSV-5トレントン、JHSV-6ブランズウィック、JHSV-7カーソン・シティ、JHSV-8ユマ、JHSV-9ビスマーク、T-EPF-10バーリントン、T-EPF-11プエルト・リコ、T-EPF-12ニュ-ポート、T-EPF-13アパラチコラが竣工予定。運用開始後に中央船体の強度不足が判明し、補強工事を行ったため、船体重量が780kg増加し、燃料搭載量が250ガロン（946.4リットル）減り、改修後も最大速力での航行や荒天時の航行に支障を来しているらしい。2018年に海軍運用評価部門が試験したところ、満載時の実測で最大速力31ノット・航続距離769海里に過ぎず、波高1.5mの外洋でも後部ランプから他の艦艇に貨物を積み替えられる予定が波高0.3mでしか行えないことが判明、太平洋方面での運用に支障が出るとして改善要求が出された。参考：月刊世界の艦船1,’10、9,’11、5,’14、6,’18、8,’19、12,’11、7,’11、12,’13、10,’14、4,'16、7,’18、月刊軍事研究6,’13、3,’11、7,’10、3,’16

　＜スピアヘッド級フライト�U＞：14番艦以降。医療機能強化型で、手術室２室と41名分の病室を有し、機能は限定的だが集中治療室も備える。MV-22B輸送機と11メートルRHIBを運用可能。T-EPF-14コディ、EPF-15ポイント・ロマなどを建造中。参考：月刊世界の艦船5,'23、4,’22、9,’23

＜ズビアン＞：D99（駆逐艦）を参照。

＜スピーカー＞：D90（護衛空母）を参照。

＜スピーゲル・グローブ＞：LSD-32（トーマストン級LSD）を参照。

＜スピーディ＞：P296（哨戒艇）を参照。

＜スピード・ブレーキ＞：Speed brake。エア・ブレーキ（Air Break）ともいう。空気抵抗を利用して減速する装置で、元々ダイブブレーキとして急降下爆撃機に付いていたものを、ジェット機の着陸滑走距離短縮のため使用するようになり、名称も変更された。ドラッグ・シュートのように使用後の収容整備の手間が要らないのが利点。戦闘機など小型ジェット機では主翼スペースに限りがあり、作動機構や激しい機動に耐える構造を収容できないので、胴体に装備している。大型機では主翼のスポイラーがスピード・ブレーキを兼ねる。作動時に機体姿勢（トリム）が変化しないよう、取り付け位置には注意が要る。また、高速飛行時に作動させると抵抗が大きすぎて機体構造が耐えきれず、スピード・ブレーキの後流が尾翼に当たると振動の原因にもなるので、運用には制限が加えられる。参考：航空用語事典増補改訂版、戦闘機のしくみ、月刊JWings1,’05、10,’09別冊付録、世界の傑作機No.172

＜スピードホーク＞：X-49A（実験機）を参照。

＜スピード・ローダー＞：クイック・ローダー（装填器具）を参照。

＜スピオエンコプ＞：F-147（フリゲート）を参照。

＜スピカ＞：T-AFS-9（戦闘給糧艦）を参照。

＜スピカ�U級＞：ノルケピング級（魚雷艇）を参照。

＜スピゴット＞：AT-4（対戦車ミサイル）を参照。

＜スピゴット式てき弾発射機＞：てき弾発射機を参照。

＜スピゴット式迫撃砲＞：イギリスのブラッカー陸軍中佐が開発した外装式迫撃砲。砲身はただの鋼鉄棒で、弾薬底部には棒に差し込むための孔が開いている。弾薬の孔の大きさが同じならばどんな口径や形状をしていても発射可能で、砲の製作が非常に容易という利点がある。参考：手榴弾・迫撃砲

＜スピッゲン＞：スウェーデン軍小型潜水艇（ミジェットサブ）。元はイギリス海軍小型潜水艇X-51スティックバックで、1954年に竣工し、1958年7月15日に購入（貸与？）された。全長16.4m、全幅1.91m、排水量36トン。主機はパーキンス・ディーゼル（50馬力）。訓練用に使用された後、1970年1月27日に実験艇に艦種変更され、1975年にイギリスのインペリアルウォーミュージアムに寄付された。参考：月刊軍事研究2,’03

＜スピッゲン�U＞：スウェーデン海軍イントルーダーシミュレーター型潜水艇Spiggen�U。1990年5月進水。1996年に改装されて再就役した。参考：月刊軍事研究5,’02、現代の潜水艦

＜スピッツァー・ソフト・ポイント＞：ソフト・ポイント（銃弾）を参照。

＜スピットファイア・シリーズ＞：イギリス空軍戦闘機Spitfire（喧嘩っ早い女性）。スーパーマリン社の開発で、設計はレジナルド・Ｊ・ミッチェル技師であり、量産初号機の完成直前に急逝したが、引き継いだスタッフにより12年に亘り改良が続けられて主力戦闘機の座を占めた。第２次大戦が勃発すると、平時に準備していた計画に従って自動車会社が政府資金により予め建設していた工場も稼動して量産している。総生産数20455機で、スーパーマリンが7796機、キャッスル・ブロムウィッチが11974機、ウエストランドが685機を生産、総数のうち７割は自動車会社ナフィールド社が1930年代末に建設しておいた工場を使ったものだった。第２次大戦でのイギリス３大傑作機の１つである（残りはランカスター重爆とモスキート爆撃機）。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04、月刊JWings2,’00、英独航空決戦、月刊軍事研究11,’17、月刊航空ファン12,’18

　＜タイプ２２４＞：最初の試作機。イギリス空軍が1930年に発出した仕様書F.7/30に基づいて開発した。低翼単葉逆ガル翼のスパッツ付き固定脚機で、胴体は全金属セミモノコック構造、コクピットは開放式。エンジンはロールスロイス社製蒸気冷却式ゴスホーク液冷Ｖ型12気筒レシプロ（660馬力）単発。1934年に初飛行したが、低い離着陸速度や下方視界確保など、戦闘とは関係無い部分に力を入れすぎ、Ju87急降下爆撃機みたいなコンセプトの機体では戦闘機に必要な高速が出る筈も無く、グラディエーターに負けて採用されなかった。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04、月刊JWings1,’21

　＜タイプ３００＞：タイプ224の失敗を受け、スタイルを一新した試作機。イギリス空軍改訂仕様書F.37/34（ロールスロイスPV-12液冷エンジン搭載戦闘機）に基づいて設計され、K5054というシリアルナンバーが与えられている。全金属製で、胴体はセミモノコック構造、コクピットは密閉式である。主翼は翼厚比13%と薄い直線翼・楕円翼で、薄いラジエーターを主翼下面に半埋め込み式に搭載しており、小さい気化器エアインテイクが主翼付け根前縁付近の胴体下面に付いている。主脚は引き込み式で、外側に畳まれ、尾ソリを装備していた。エンジンはロールスロイスの新開発液冷エンジンであるマーリンを搭載し、プロペラは木製固定ピッチ２翅。武装は1935年初めにブローニング7.7mm機銃８丁となることが決定した。当初は自主開発で、1936年3月5日に初飛行（機銃・主脚カバー未搭載）し、4月に空軍でテストを受け、ハリケーンより55km速い最大速度565.7kmを叩き出して6月3日にスピットファイアとして採用された。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04

＜スピットファイアＡウイング＞：仕様記号ａ。ブローニング7.7mm機銃（350発）を片翼あたり４丁装備したもので、リブ8-9間、11-12間、12-13間、16-17間に１丁ずつ搭載しており、着脱・点検パネルは１丁ごとに用意されている。弾薬ベルトを収容した弾倉はNo.1とNo.2機銃がリブ9-12間（No.1用が前、No.2用が後）、No.3とNo.4機銃がリブ14-16間（No.3用が前、No.4用が後ろ）である。プロペラ回転圏外から発射するように設置したため、機体中心線からはかなり離れた位置に装備されていて、命中精度や空戦性能的にはあまり宜しくなかった。また、燃料タンクの装備スペースが機銃で潰されたため、航続距離が低下する原因にもなっている。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＢウイング＞：仕様記号ｂ。片翼あたりブローニング7.7mm機銃（350発）２丁とイスパノ20mm機関砲１門を装備したもので、リブ8-9間に20mm機関砲本体、リブ9-11間に60発入りドラム弾倉（Mk.�Yまでが装備したイスパノMk.�Tの場合）、リブ12-13間及び16-17間にブローニング7.7mm機銃、リブ14-16間に弾倉を搭載（内側機銃用が前、外側機銃用が後）した。ドラム弾倉は主翼内に収まりきれないため、上下を涙滴状のバルジで覆っており、着陸灯が主桁寄りに移動した。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＣウイング＞：仕様記号ｃ、通称ユニバーサルウイング。片翼あたり20mmイスパノMk.�U機関砲２門を装備し、爆弾を搭載可能としたものである。機関砲は並んで装備されており、機関部が重ならないよう内側が前方、外側が後方にずらされていて、上面にのみ給弾器をカバーする大型のバルジが付き、下面に排莢口がある。給弾は120発ベルトリンクに変更され、機関砲の外側に前後並べて収容された。外側の20mm機関砲を外して7.7mm機銃２丁をその外側に付け、武装をＢウイングと同様にすることも可能で、こちらの方が使用頻度が高かった。主翼弾倉上下と前方は防弾鋼板で覆われる。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＤウイング＞：偵察用で、仕様記号無し。武装を外して内翼前縁に302リットル入り燃料タンクを追加している。主脚付け根には前縁燃料タンク用電動ポンプを収容するバルジが設けられた。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＥウイング＞：仕様記号ｅ。両翼にブローニング12.7mm機銃１丁ずつ＋20mmイスパノMk.�U機関砲１丁ずつまたは20mmイスパノMk.�U機関砲２門ずつを装備する。12.7mm機銃は20mm機関砲の内側に付き、弾倉は20mm機関砲の外側に12.7mm用（250発）を前方、20mm用（120発）を後方に並べて配置している。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�T＞：社内名称はタイプ300のまま。胴体は細身の液冷エンジンに合わせた幅の狭い形状で、コクピット後方では更に絞り込みをかけてコンパクトに纏めている。エンジンマウント取り付け架にあたるNo.5フレームから最後部のNo.19フレームまで15本の楕円断面胴体枠、上下左右４本の強化縦通材、片側８本のＺ型断面縦通材を通した骨組み、凸リベットで固定される応力外皮からなるセミモノコック構造で、No.5からNo.11フレームまでが箱型構成になっていて、強度を保持している。No.5からNo.8フレームには上方に218.2リットル、下方に168.2リットル入り燃料タンクが収容されており、No.8からNo.11フレームの間がコクピットで、No.13からNo.14フレームが無線機搭載箇所、No.17からNo.18フレームが蓄電池収容箇所となっている。主翼平面形は楕円翼、翼断面はNACA2200シリーズで、翼厚比は付け根13.2%・翼端6%と薄くして高速性能を持たせた。取り付け角は付け根でプラス２度、翼端でマイナス0.5度、上反角６度、アスペクト比5.68。翼面積は22.3平方メートルと大きく、翼面荷重を抑えて旋回性能を向上させている。主翼の主桁は単桁式で、ジュラルミン・プレートを６枚重ねにしており、プレートの長さを調節すれば外翼部分にまで機銃を搭載しても荷重に耐えられる強靱さを持たせることができた。主桁の前はボックスビーム構造で、捩れに対する強度が高い。リブは21本で、間隔を置いて機銃を装備し、着脱点検パネルは１丁ごとに用意した。イスパノ機関砲を装備する必要が出ると、主脚外側の第8-11リブを装備部位に当てたが、ドラム弾倉が主翼からはみ出すため、バルジを設けなければならなかった。第12リブまでの後縁に全金属製油圧式スプリット・フラップ（最大開度85度）があり、開状態では第２リブ付近で縦に割れるようになっている。第12-21リブには金属骨組み羽布張りのフリーズ型エルロン（作動範囲プラス26度からマイナス19度）が装備された。もともとエルロンの効きがそれほど良くなく、高速飛行時や急降下時には更に悪化するのが欠点だった。左主翼付け根にはガンカメラが付き、前縁には丸い撮影窓がある。主脚は引き込み式で、外側に引き込む方式を採用したため、ホイール・トラックが1.74mと狭く、未整備飛行場では運用に不安があった。初期には手動で引き込んでいたが、すぐ油圧式に改良されている。タイヤはダンロップ製で、660mm×190mm。タイヤカバーはタイヤの半分ほどを覆うのみで、引き込まれても残り半分は露出したままである。キャノピーは平面ファスト・バック式だったが、かなり狭かったらしく、頭をぶつけるパイロットが続出した。射撃照準器は環状照門式。操縦桿は上部にリング状の握りが付いており、ブレーキレバー、ガンカメラスイッチ、機銃発射ボタンが設置されている。風防上中央には四角いバックミラーを装備した。キャノピーのすぐ下にあたる胴体左側面は下開きのドアになっていて、乗降の時に使用する他、内部に緊急脱出時にキャノピーを割るための手斧が装着されている。垂直安定板は胴体後端と一体になっていて、中央にNo.20フレームがあり、前縁に向かって主桁が延びていて、垂直安定板リブは５本である。方向舵は金属骨組み羽布張りで、垂直安定板後方に上下２本のヒンジで取り付けられており、上端金属外皮先端に1.58kgのバランス・ウェイトが付いている。作動範囲は左右28度ずつ。方向舵後縁中央にはトリム・タブがあり、右に操作槓桿が付く。水平安定板は胴体後端及び垂直安定板と一体になっていて、左右１本ずつの主桁と６本のリブに金属外皮を張り付けている。後縁は金属骨組み羽布張りの昇降舵で、後縁に槓桿操作のトリム・タブを持つ。昇降舵左右端にはホーン・バランスが付く。尾脚は固定式で、No.19フレームに取り付けられた緩衝筒に接続されている。尾輪ホイールハブはダンロップAH2184、タイヤはダンロップ製エクタ3-00-4。エンジンはマーリン�Uで、縦Ｖ型をしており、クランクシャフトの回転を上の減速歯車でプロペラシャフトに伝える方式のため、プロペラの位置が高くなって地上からのクリアランスを確保でき、主脚が短くて済んだ。また、胴体も細くなり、コクピットが後方に位置していても視界は確保できた。ラジエーターは右主翼内側下面に半埋め込み式に取り付けられていて、カバーで覆ってある。ラジエーターを小型にしたため能力に限界があり、地上での長時間エンジン運転は禁止されていた。左主翼下には右より小さい過給器エアインテイクが付く。機体下部のオイルクーラーは半円形、オイルタンクは機首下面にインテグラル式に収容されており、被弾時を考えて外皮は厚めにしてある。プロペラはウェイブリッジ製木製２翅固定ピッチだったが、エンジンとのマッチングが悪く、生産78号機からデハビランド製5/29金属２段ピッチ３翅になり、この時エンジンもマーリン�Vに変更された。プロペラは更に定速３翅に換えられている。初期生産機は垂直尾翼上部前縁にスピン・シュート使用時のガードパイプを装備した。全長9.124m、全幅11.234m、全高3.472m、自重1970kg、全備重量2814kg。エンジンはマーリン�U（1060馬力）またはマーリン�V（1060馬力）単発、プロペラはウェイブリッジ製木製２翅固定ピッチまたはデハビランド製5/29金属製２段ピッチ３翅（直径3.278m）または定速３翅、最大速度586km、実用上昇限度9729m、燃料容量386リットル、潤滑油容量26.3リットル、航続距離636km（巡航１時間40分、戦闘15分）。乗員１名。初号機は1938年5月15日に初飛行し、1938年6月から引き渡された。当初310機が発注されたが、ヨーロッパに戦雲が漂ってきたため、順次追加され、1942年1月までに1566機（スーパーマリン1516機、ウエストランド50機）が生産されている。1938年8月4日から実戦部隊に配備された。実戦部隊から上がってきた不良箇所の改修も順次行われ、主脚引き込み装置は手動から油圧に、頭がつかえる平面キャノピーは上面が膨らんだタイプになり、バックミラーに支柱が付いている。第２次大戦勃発時には９個飛行隊に配備されており、開戦後は風防前方に防弾ガラスが装備（1939年。1940年から更に厚くなった）され、照準器が環状照門式からGM-�U光像式射撃照準器に変更され、無線機がTR9DからT.R1133に更新されてキャノピー後方のアンテナ支柱が付け根の太い先細型になり、ピトー管先端が二叉から１本とされ、垂直尾翼との間に張られていたアンテナ線が無くなった。1940年末からは胴体後方両側面と両水平尾翼端の間にIFFアンテナ線を張っている。1941年以降、エルロンを金属外皮に変更した。一部にフィッシュテイル型排気管を搭載した機がある。水上機型もテスト用に１機作られたが、飛行はしていない。当初は１機当たり8783ポンドかかっていたが、最終発注では4250ポンドと半額になっている。Bf109E戦闘機とは加速・急降下性能に劣るものの旋回横転性能で勝り、総合的にはほぼ互角で、バトル・オブ・ブリテンでは死闘を繰り広げた。イギリスのヘンドン基地イギリス空軍博物館、インペリアル・ウォー・ミュージアムなどに保存されている。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04、月刊JWings8,’04、2,’17、2,’00、11,’07、5,’14、1,'21、英独航空決戦、丸メカニック別冊１、月刊丸1,’17別冊

　＜スピットファイアＭｋ．�Tａ＞：Mk.�TのＡウイング採用型。全機この規格で生産され、後に30機がMk�Tｂに改造された。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、月刊JWings2,’00

　＜スピットファイアＭｋ．�Tｂ＞：Mk.�TのＢウイング採用型。30機がMk�Tａから改造され、1940年6月から配備されたが、イスパノ機関砲に初期故障が多く、期待された程の威力は発揮できなかった。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�U＞：社内名称タイプ329。Mk.�Tのエンジンをマーリン�]�Uに換装し、プロペラをロートル製RX5/1金属３翅もしくはRX5/3bまたはRX5/24ロートル・ジャブロ木製３翅に換え、スピナーを丸みの強いものに変更、スピナー直後の機首右にコフマンL4型スターターの小さな膨らみを付けた。一部はマーリン�Vエンジン、デハビランド製5/29金属３翅プロペラ、尖ったスピナーを装備する。後に排気管をMk.�Xで採用されたフィッシュテイル型に変更したものが多い。全長9.124m、全幅11.234m、全高3.472m、自重2171kg、全備重量3010kg。エンジンはマーリン�]�U（1175馬力）単発、最大速度599km、実用上昇限度10000m（11132m？）、燃料容量386リットル、潤滑油容量26.3リットル、航続距離636km。1939年初めにMk.�Tから１機が改造されてテストを受け、1939年4月12日に1000機を受注した。生産は緊急量産工場であるキャッスル・ブロムウィッチ・エアクラフト・ファクトリー（普段は自動車生産を行っていた）に委託され、1940年6月27日から引き渡され、8月27日から就役し、1941年7月25日までにMk.�Uａ750機・Mk.�Uｂ170機の計920機（全機キャッスル・ブロムウィッチ生産）が生産され、残り80機の予算はMk.�Xに回されている。1941年以降、エルロンを金属製に変更した。一部にフィッシュテイル型排気管を搭載した機がある。生産機のうち、52機はMk.�Uｃに、79機はMk.�Xａ・Mk.�Xｂに改造された。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�Uａ＞：Mk.�UのＡウイング搭載型。750機が生産された。多くがMk.�Uｂに改造されている。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�Uｂ＞：Mk.�UのＢウイング搭載型。170機が生産された。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04

　＜スピットファイアＭｋ．�Uｃ＞：Mk.�UのＣウイング搭載型。�Uａ・�Uｂから52機が改造された。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�V＞：社内名称タイプ330。Mk.�Tにマーリン20（1265馬力。1360馬力？）を搭載、翼スパンを9.3mに短縮し、ラジエーターを大型化、冷却器を改修し、キャノピーを膨らみの大きいものに変更、主車輪カバーを車輪全体を覆うタイプにし、方向舵ホーン・バランス保護パイプを装着、尾脚を引き込み式にするなど改良したもの。Ｃウイングを装備する予定だったが、試作機は非武装主翼で完成した。1940年初めにMk.�Tから１機（２機？）が改造され、テストでは良好な結果を出し、1939年4月12日付けで1000機の量産発注も出されていたが、Mk.�Tの生産が予定より遅れており、改修箇所の多いMk.�Vに生産を移行すると混乱で更なる遅れも懸念されたため、1940年3月22日にキャンセルされ、Mk.�Xの量産に移っている。試作機は1941年3月にロールスロイス社に引き渡され、マーリン60系エンジンのテスト機となり、Mk.�\の原型となった。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�W＞：社内名称タイプ337。グリフォンエンジン搭載試作型で、グリフォンRG2SM�UＢ（1445馬力）を装備する。エンジンは正面面積がマーリンと殆ど同じで、全長だけ長いため、機首を延長するだけで搭載が可能であり、プロペラを直径3.35mのロートル製可変ピッチ４翅とし、キャノピーを防弾ガラス内蔵の新型に変更、気化器エアインテイクを大型化し、水冷却器も換装した。主翼は図面上では延長翼だったが、実機は非武装標準翼で完成し、初号機は後に20mm機関砲６門のモックアップが取り付けられている。1939年から開発され、1941年2月に軍から正式の試作発注が出され、1941年11月に初号機、12月に２号機が初飛行した。テスト飛行で最大速度701.8kmを出したが、グリフォンエンジンが試作段階だったため、量産には至っていない。試験機２機はMk.�WPRと番号が間違われないようにMk.�]�]と名称変更され、1942年9月からMk.�]�Uの原型機として試験飛行を行った。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�X＞：社内名称タイプ349。1940年11月に出現したBf109F戦闘機に対抗するため、12月24日に空軍戦闘機コマンド幹部が会合を開き、Mk.�TとMk.�Uの機体にマーリン45（1185馬力、１段１速過給機付き）を搭載することにしたのがMk.�Xである。マーリン45の大きさが殆ど変わらなかったため、胴体縦通材の補強のみで換装できた。プロペラはデハビランド5/29または5/39または45/1金属製３翅、ロートル・ジャブロRX5/10（直径3.12m）またはRX5/14（直径3.27m）木製３翅のいずれかである。外板を止めるリベットは平頭リベットになり、無線機をT.R1133に変更した機は空中線を廃止、キャノピー側面の小窓も無くなり、オイルクーラーインテイクの断面が円形となった。Mk.�Xａの初期型を除き、エンジン排気口を平べったくしたフィッシュ・テイル型に換装している。エルロンは羽布だと高速飛行時に後縁が膨らんで効きが悪くなったため、金属外皮に変更され、生産途中から作動範囲がプラス24度からマイナス18度に変更された。キャノピーは途中から防弾ガラスを内側に組み込み、中央スライド部を上に膨らませたものに換装されている。1941年1月13日にMk.�Tからの改造機が初飛行し、高度5978mで時速598kmを記録、直ちに量産に移された。発注済みのMk.�TとMk.�Uの一部も振り替えられている。発注数は12498機で、半分近くはMk.�Y以降に発注が移されたが、1943年9月までに各シリーズ6595機（スーパーマリン1448機、キャッスル・ブロムウィッチ4512機、ウェストランド635機）が生産された。航続距離が短いため、戦線拡大によりフェリー飛行にも支障を来すようになり、両主脚間に装備するスリッパ型増槽（容量は136リットル、409リットル、772リットルの３種。772リットルのものはコクピット後方に131.8リットル入りタンク併用）を開発したが、フェリー専用で、空戦任務時には使用できない。太平洋戦線にも登場したが、零戦に大敗した。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、月刊JWings2,’00

　＜スピットファイアＭｋ．�Xａ＞：Mk.�XのＡウイング搭載型。Mk.�X全体の20%がこのタイプである。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、月刊JWings2,’00

　＜スピットファイアＭｋ．�Xｂ＞：Mk.�XのＢウイング搭載型。Mk.�X全体の70%がこのタイプである。機首にはエンジン取り付け架があり、マーリンエンジンが載っていて、下には潤滑油タンクがある。その後ろが燃料タンクで、上下に分かれている。そのまた後ろがコクピットで、キャノピーの他、胴体左側が外に開いて乗降の補助を行う。全長9.124m、全幅11.234m、全高3.472m、自重2299kg、全備重量3010kg。エンジンはマーリン45（1185馬力）、プロペラはデハビランド金属製３翅またはロートル木製３翅、最大速度598km、燃料容量386リットル、実用上昇限度11132m、航続距離636km。固定武装は7.7mm機銃４丁と20mm機関砲２門。113kg爆弾１発を搭載可能。3911機が生産された。水上機型も３機製作され、テストされた。参考：スピットファイア、月刊JWings8,’04、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�Xｃ＞：Mk.�XのＣウイング搭載型。Mk.�X全体の10%がこのタイプである。給弾はベルトリンクで、主翼下の張り出しが無くなった。タイヤ設置位置が50mm前方に改められているのが本仕様特有である。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�X熱帯地仕様＞：Mk.�Xｂ・Mk.�Xｃの地中海・北アフリカ・中東戦域向け。胴体下面にある気化器エアインテイクをダクトで前方に延ばし、内部にエアフィルターを組み込んで砂塵が入らないようにしてある（通称ボークス・マルチ・ビー）。フィルター前方にはシャッターがあり、不要時にはフィルターを通さずに気化器に空気を流せる。一部にダクトを短縮して下に膨らませ、アボーキーにある第103整備補給廠が開発した簡易型フィルターを装備したタイプがある。フィルター装備により、最大速度が32kmほど低下した。ジョイント部には防砂対策が施され、タンク上部に不時着用の信号拳銃や信号鏡を収容したサバイバルキットが収容されている。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＬ．Ｆ　Ｍｋ．�X＞：1942年半ば以降は中高度戦闘が性能的に不十分となったため、低高度戦闘専用にしたもので、LFはLow-altitude Fighterの略。エンジンをマーリン45M（高度840mで1580馬力）または46/50/50A/50M/55/55M/56とし、プロペラはデハビランド5/29または5/39または45/1金属製３翅もしくはロートル・ジャブロRX5/10（直径3.12m）またはRX5/14（直径3.27m）木製３翅に換装した。主翼は21番リブから外側の翼端を外して木製フェアリングで覆った切断翼（クリップド・ウイング。翼スパン1.43m短縮）にしたが、そのままの機体もある。実戦では地上攻撃に使用された。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�Y＞：社内名称タイプ350。高度11000-13500mを侵入してくるJu86P/R爆撃機及び将来開発されるかもしれない高々度爆撃機に対抗するため開発された高々度戦闘機型である。Mk.�Xｂがベースで、１段２速過給機装備のマーリン47エンジンを搭載し、尖端型延長翼（21番リブ外側を交換して翼スパンを1.01m延長）を採用した。与圧式コクピットを導入したため、No.7からNo.8フレーム間、No.12からNo.13フレーム間に与圧隔壁を設け、No.15からNo.16、No.16からNo.17、No.17からNo.18フレーム間に補助枠を追加して強化してある。キャノピーはスライドしないボルト止め固定密封型二重ガラスで、後方固定部側面に補強用横枠が追加され、フレームにゴムが張られた。与圧用空気圧縮は機首右側に取り付けたマーシャルMk.�\Ａ与圧用過給器で行われ、右排気管下にある与圧用空気取り入れ口（防氷装置付）から空気を取り入れて圧縮、フィルターを通してコクピット内に供給した。気化器エアインテイクにも防氷装置を標準装備した。最初の15機はエンジンがマーリン45で、プロペラもやや幅広になっていて、胴体から水平尾翼前縁を結ぶIFFアンテナ線が取り付けられている。原型機は1941年7月4日に初飛行した。全幅12.25m、全高3.472m、自重2373kg、全備重量3085kg。エンジンはマーリン47（1415馬力）、プロペラはロートル・ジャブロR2/4F5/1木製４翅またはロートル・ジャブロR2/4F5/2金属製４翅（直径3.27m）、最大速度590km、実用上昇限度12200m、燃料容量386リットル、航続距離764km。主翼は全てＢウイングで、固定武装は7.7mm機銃４丁＋20mm機関砲２門。機体はMk.�Xからの流用で、1941年12月21日までに97機（全機スーパーマリン製。100機？）が生産された。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�Z＞：社内名称はタイプ360。本格的な高々度戦闘機型で、Mk.�Yの改良型であり、エンジンとして高々度用のマーリン61（1565馬力）を搭載し、それに伴って機首を延長、推力式単排気管が付いた。オイルタンク容量は34リットルに増やされ、コクピット後方に移されている。与圧システムはMk.�Yと同じで、キャノピーもMk.�Yと同様だが、途中から非常時投棄も可能なスライド式に換えられた。バックミラーは支柱付きの円形のものを装備している。インタークーラーを装備する関係で、ラジエーターを両主翼下に分け、右ラジエーター内側にインタークーラーを、左ラジエーター外側にオイルクーラーを搭載し、カバーで覆った。補助翼の幅がリブ１本分短いものに変更された。主翼中央下面にはIFF用ロッドアンテナが付き、後期生産型では胴体後方下面にビーム・アプローチ・アンテナを装備している。方向舵は後期型で面積を増大して方向安定性を改善した尖端型（後ろにも張り出している）に変更され、上部先端のマスバランス重量が2.5kgに増えた。水平安定板端がカットされてその部分に昇降舵ホーンバランスが張り出し、尾輪は引き込み式になっている。1942年7月からMk.�X改造の原型機がテストに入り、高度13411mで669kmを出せたが、ドイツ軍機があまり高々度侵入して来ないので用無しになり、140機（全機スーパーマリン製。H.F Mk.�Z含む）しか生産されなかった。納入は1942年9月5日からである。全長9.607m（大型方向舵装備機）、全幅12.25m、全高3.57m、自重2699kg、全備重量3599kg。エンジンはマーリン61（1565馬力）またはマーリン64（1710馬力）、プロペラはロートル・ジャブロR5/4F5/4またはR12/4F5/4木製４翅もしくはロートルR3/4F5/2またはR3/4F5/3金属製４翅、最大速度687km、実用上昇限度13755m、燃料容量552リットル、航続距離1062km。主翼は全てＣウイングで、武装は7.7mm機銃４丁＋20mm機関砲２門（こちらの武装が殆ど）または20mm機関砲４門。アメリカのNASM本館に展示されている。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＨ．Ｆ　Ｍｋ．�Z＞：Mk.�Z後期型のうちの２機で、エンジンをマーリン71に変更し、酸素噴射装置を装備した。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�[＞：社内名称タイプ359。Mk.�Zから与圧装備を外して中高度性能を上げようとしたもので、H.F Mk.�[、F Mk.�[、L.F Mk.�[に細分される。機首右の与圧システム用エアインテイクが無くなり、スピナー直後にコフマン・カートリッジスターター用バルジが復活した。キャノピー断面を球形にし、ノックアウトパネルを廃止、機首下面の気化器エアインテイクをボークス1943（C-9049？）防塵フィルター内蔵のユニバーサルタイプに変更している。方向舵は大型のものを付けることが多かった。全長9.607m（大型方向舵装備機）、全幅12.25m（延長翼端型）、全高3.57m、自重2635kg、全備重量3544kg。エンジンはマーリン61（1565馬力）など、プロペラはロートル・ジャブロR5/4F5/4またはR12/4F5/4木製４翅もしくはロートルR3/4F5/2またはR3/4F5/3金属製４翅、最大速度661km、実用上昇限度13115m、燃料容量563リットル、航続距離1062km。主翼は全てＣウイングで、標準翼、低高度用切断翼、高々度用延長翼が用意されていたが、高々度でも切断翼を付けたりと統一性は無かった。武装は7.7mm機銃４丁＋20mm機関砲２門または20mm機関砲４門。量産初号機のロールアウトは1942年11月20日でMk.�\より半年遅く、生産機数は1658機（全機スーパーマリン製）に止まり、うち405機がオーストラリア空軍に供与された。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＦ　Ｍｋ．�[＞：中高度戦闘機型。マーリン61（1565馬力）またはマーリン63（1650馬力）またはマーリン63A（1710馬力）を搭載する。主翼は標準翼だが、切断翼を付けた機もあった。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＨ．Ｆ　Ｍｋ．�[＞：高々度戦闘機型。マーリン70（1475馬力）を搭載する。主翼は先端延長翼の他、標準翼や切断翼を装備した機体もあった。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＬ．Ｆ　Ｍｋ．�[＞：低高度戦闘爆撃機型。マーリン66（1580馬力）を搭載する。主翼は切断翼だが、標準翼を装備した機体もあった。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�\＞：社内名称タイプ361。1941年9月初めから出現したドイツ空軍Fw190戦闘機シリーズに対抗するため開発されたタイプで、Mk.�Xにマーリン60系エンジンを急遽搭載したものである。機体の改造は胴体縦通材の強化とインタークーラー装備による翼下ラジエーター改修のみで、荷重安全率は低下したが、２段２速過給機を装着して高度8230mで最大速度669.4kmを発揮でき、高々度で性能の落ちるFw190に優位を保てた。主翼形状はMk.�[と同様に細分化されているが、運用高度に合わせて厳密に取り付けられていた訳ではない。尾輪は固定式に戻され、ホイール・ハブはダンロップAD2184、タイヤはダンロップTA12またはTA14を使用した。全長9.48m（通常方向舵）、全幅11.234m、全高3.494m、自重2633kg、全備重量3311kg。エンジンはマーリン61（1565馬力）やマーリン66（1580馬力）など、プロペラはロートル・ジャブロR5/4F5/4またはR12/4F5/4木製４翅もしくはロートルR3/4F5/2またはR3/4F5/3金属製４翅、巡航速度525km、最大速度674km、実用上昇限度13115m、燃料容量386リットル、航続距離698km／1577km（増槽あり）。武装は7.7mm機銃４丁＋20mm機関砲２門または20mm機関砲２門。爆弾340kg（454kg？）を搭載可能。10000機以上が発注され、1942年6月9日に量産初号機がロールアウトし、1945年6月25日までに各型計5674機（スーパーマリン557機、ヴィッカーズ・アームストロング5117機。スーパーマリン561機、キャッスル・ブロムウィッチ5104機の計5665機？）が生産された。最多生産型はL.F Mk.�\である。後期型は水滴型キャノピーを導入し、バックミラーを廃止、方向舵を大型にし、227.3リットル入り筒型増槽を使用可能とした。参考：スピットファイア、歴史群像6,’04、英独航空決戦、月刊丸1,’17別冊

　＜スピットファイアＭｋ．�\ｂ＞：１機が水上機型に改造され、テストされた。参考：月刊JWings8,’04

　＜スピットファイアＭｋ．�\ｅ＞：このタイプから初めてＥウイングを採用した。参考：月刊JWings2,’00

　＜スピットファイアＨ．Ｆ　Ｍｋ．�\＞：Mk.�\の高々度型。マーリン70と延長翼を装備する。Mk.�\の１割程度がこのタイプである。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＦ　Ｍｋ．�\＞：Mk.�\の中高度型。マーリン61またはマーリン63を搭載する。Mk.�\の２割強がこのタイプである。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＬ．Ｆ　Ｍｋ．�\＞：Mk.�\の低−中高度型。マーリン66（1580馬力）と切断翼を装備しており、高々度にもある程度対応でき、実質的には全高度対応型だった。最大速度654km。Mk.�\の７割程度がこのタイプである。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�]�U＞：社内名称タイプ366。1942年からドイツ軍がイギリス本土南部へのヒット・エンド・ラン爆撃を行うようになったため、低空性能が良いグリフォン�Vエンジンを搭載して低高度迎撃戦闘機として開発したものである。主翼は切断翼で、防火壁より前方の機首形状を変更してエンジンを収容した。スピナーは大型化しており、プロペラの回転はマーリンとは逆である。胴体はMk.�[の流用が55機、Mk.�\の流用が45機。気化器エアインテイクには防塵フィルターが無く、胴体中央やや後ろの下面には飛行場アプローチ・レシーバー用ビーム・アプローチ・アンテナがある。主翼下面の冷却器は左右非対称。尾翼は大型方向舵を持つタイプで、尾輪は引き込み式になった。全長9.709m、全幅9.81m、全高3.863m、自重2533kg、全備重量3305kg。エンジンはグリフォン�V（1735馬力）、プロペラはロートルR13/4F5/5金属製４翅またはロートル・ジャブロR13/4F5/6木製４翅（直径3.17m）、最大速度635km、実用上昇限度11391m、燃料容量386リットル、航続距離793km。主翼はＣウイングのみで、武装は7.7mm機銃４丁、20mm機関砲２門。原型機はMk.�W原型機の改造で、1942年9月にテスト飛行を開始、２個飛行隊100機分が発注され、100機全てスーパーマリンで生産され、1942年10月から1943年11月24日に引き渡された。1946年2月に全機退役し、スクラップにされている。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、月刊JWings2,’00、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�]�W＞：社内名称タイプ369または379。強力なグリフォン60系エンジンを搭載するスピットファイアMk.21を開発するため、最小限の改修でMk.�[にグリフォン65エンジンを搭載した試作機６機がタイプ369として製造されたが、テスト飛行で700km以上を出すなど高性能だったため、Mk.21完成までの繋ぎとして量産化することになった。これがMk.�]�Wで、社内名称はタイプ379に変更されている。エンジン強化に伴い、機首下面の気化器エアインテイクが大きくなり、主翼下の冷却器は上下幅が拡大され、左右対称系になった。タイプ369では垂直尾翼がMk.�[と同じ方向舵拡大型だったが、エンジン強化により方向安定性が保てなくなったため、垂直安定板と方向舵を拡大した新型垂直尾翼を装着している。補助翼はリブ１区画分短縮された。オイルタンクはコクピット前方に移り、容量も40.9リットルに増やしている。主翼は当初Ｃウイング（20mm機関砲１門ずつと7.7mm機銃２丁ずつ）を付けていたが、後にＥウイングに変更され、後期生産型では翼下にロケット弾を装備できるようになった。キャノピーも後にファストバック式から涙滴型に変更され、後部胴体が細くされている。胴体後方上面にホイップ・アンテナ、下面にビーム・アプローチ・アンテナ、右主翼中央下面にIFF用ホイップ・アンテナを持つ。全長9.963m、全幅11.234m、全高3.863m、全備重量3972kg。エンジンはグリフォン65（2035馬力）、プロペラはロートル・ジャブロR19/5F5/1木製５翅、巡航速度586km、最大速度711km、実用上昇限度13115m、燃料容量497.7リットル、航続距離740km（増槽無し）／1360km（増槽あり）。外部兵装ペイロード454kg。乗員１名。1944年1月から配備され、航続力が低いのでイギリス本土からヨーロッパ大陸への進出制空戦には使用できなかったが、速度及び低空性能が良く、Fi103巡航ミサイルの迎撃に使用された。1944年後半から射撃照準器をジャイロ式のMk.�UＤに換装。オーバーロード作戦後は大陸に渡り、ドイツ軍機が少なかったため主に対地支援を実施したが、1944年10月にはMe262ジェット戦闘機を撃墜している。1945年10月までに957機（全てスーパーマリン製）が生産され、うち半数近くはFR（戦闘偵察機）型とされた。参考：スピットファイア、月刊丸10,’93、月刊航空ファン8,’96、月刊JWings2,’00、英独航空決戦、図解世界の軍用機史

　＜スピットファイアＭｋ．�]�Wｅ＞：Ｅウイング装備型。プロペラはロートル・ジャブロ油圧定速式５翅（直径3.17m）で、スピナーが付く。エンジン後方上部には９ガロン入り潤滑油タンクと36ガロン入り燃料タンク、下部には48ガロン入り燃料タンクが収められ、その後方がコクピットで、後部装甲板付きの座席がある。後部胴体上面にはTR1143超短波無線機用アンテナが付く。主翼下面にラジエーター及び潤滑油冷却器がある。固定武装は12.7mmブローニング機銃（230発）２丁と20mm機関砲イスパノMk2（120発）門。爆弾454kgを搭載可能。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＦＲ　Ｍｋ．�]�W＞：戦闘偵察機型。Mk.�]�Wのうち430機がこのバージョンで引き渡された。胴体後部にF.24カメラ１基を右または左斜め下方向に搭載する。主翼はＥウイングで、一部に切断翼を装備した機体があった。イギリスのコスフォード基地にあるエアロスペース・ミュージアムなどに展示されている。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�]�Y＞：社内名称はタイプ361でMk.�\と同じ。ロールスロイス社製マーリン60系エンジンが足りなくなったため、Mk.�\にパッカード・マーリン266エンジン（マーリン66エンジンをP-51戦闘機用にパッカード社でライセンス生産したもの）を搭載したタイプで、切り落とし翼端のL.F型として完成した。主翼はＥウイングが多く、尾翼は方向舵大型化版で、尾輪は固定式。全長9.607m（大型方向舵装備）、全幅9.81m（L.F.）、全高3.57m、自重2675kg、全備重量3762kg。エンジンはパッカード・マーリン266（1372馬力）、プロペラはロートル・ジャブロR12/44F5/4定速木製４翅、巡航速度525km、最大速度654km、実用上昇限度12657m、燃料容量386リットル、航続距離698km。1944年9月からロールアウトし、1054機が全てキャッスル・ブロムウィッチで生産され、1944年10月から実戦配備され、低空性能の良さを活かして対地攻撃に使用された。1945年2月生産機からは涙滴型キャノピーを搭載している。最終生産機は1945年7月にロールアウトした。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�]�Yｅ＞：Ｅウイング装備型で、別名スピットファイアL.F.Mk.�]�Yｅ。固定武装は12.7mm機銃２丁、20mm機関砲２門。爆弾454kgを搭載できる。参考：スピットファイア、月刊航空ファン12,’18

　＜スピットファイアＭｋ．�]�[＞：社内名称タイプ394。Mk.X�Wの主翼を強化した改良型。主桁を押し出し型材の単桁とし、内翼に115リットル、後部胴体に300リットル入り燃料タンクを追加している。キャノピーは涙滴型で、方向舵が更に拡大された。主脚構造が強化され、ホイール・トラックがやや広げられたが、グリフォンエンジンのトルクには負け気味だった。尾輪は引き込み式である。全長10.147m、全幅11.234m、全高3.863m、自重3107kg、全備重量4022kg。エンジンはグリフォン65（2035馬力）、プロペラはロートル木製５翅、最大速度708km、実用上昇限度13115m、燃料容量797リットル。主翼はＥウイングで、武装は12.7mm機銃２丁、20mm機関砲２門。爆弾454kgを搭載可能。主桁の生産が遅れ、初号機の引き渡しは1945年5月28日になり、300機（全てスーパーマリン製）が生産され、うち100機はＦ仕様、200機はF.R仕様だったが、実戦部隊には殆ど配備されず、補給廠に留まっていた。参考：スピットファイア、英独航空決戦

　＜スピットファイアＦ．Ｒ　Ｍｋ．�]�[ｅ＞：武装偵察機型。胴体後部に垂直カメラや斜め下カメラを装備する。主翼はＥウイングで、武装はそのまま搭載した。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�]�]＞：Mk.�Wが後に改称されたもので、Mk.�]�Uの原型機として1942年9月から試験飛行を行った。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．２１＞：グリフォンエンジンに機体がついて行けるよう、設計を改めたタイプで、非公式名称スーパースピットファイア、社内名称タイプ356。形式名称はアラビア数字に変更された。改造が大がかりだったため、一時はスピットファイアでなくヴィクターへの改称も検討されている。主翼は緩い楕円テーパー翼で、主桁を押出型材使用の複桁に変更、箱形骨組みの集成とし、層流翼を採用、表面外皮を厚くしている。エルロンをトリム・タブ付きのフリーズ式として高速飛行・急降下時のエルロン・リバーサルを防止しており、リブ9-10A間と10A-11A間に20mm機関砲イスパノMk.�Uを搭載し、リブ11Aから15Aを弾倉スペースとした。エルロン改良により、切断翼の必要が無くなり、標準翼の翼幅はこれまでの延長翼と同じ程度に拡大されている。機関砲の機関部にあたる主翼上面にはバルジが設けられており、外側が後方にずらされた。また、下面には打殻薬莢排出口があり、外側排出口の外側にのみ排出ガイドが付けられた。重量増に対応して胴体各部を補強し、水平・垂直尾翼面積を拡大、方向舵・昇降舵を金属外皮とし、主脚構造も強化、主翼に主車輪カバーを追加してタイヤは引き込み時に完全にカバーされるようになっている。主脚ホイール・トラックを2mに拡大したが、やはりグリフォンエンジンのトルクには負けがちだった。気化器エアインテイクと主翼下面の冷却器は大型化している。尾輪は引き込み式。全長9.963m、全幅11.259m、全高3.602m、全備重量4494kg。エンジンはグリフォン61（2050馬力）、プロペラはロートル・ジャブロR14/5F5/2木製５翅（直径3.6m）、最大速度736km、実用上昇限度13115m、燃料容量545リットル、航続距離788km。兵装は20mm機関砲イスパノMk.�U４門。爆弾454kgまたはロケット弾を装備可能。原型機はMk.�Wに小改造を加えて1942年10月にテストを開始、1943年6月6日に1500機が発注され、1943年9月に新規生産原型機が初飛行して試験が始まった。しかし主翼の完成に手間取り、1944年1月末に生産初号機がロールアウトしたものの、部隊配備は1945年1月末からとなり、1945年12月までに122機が生産（全てキャッスル・ブロムウィッチ）されたに止まった。一部にグリフォン85を搭載し、ロートル・ジャブロ６翅二重反転プロペラ（直径3.17m）を付けたものもある。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．２２＞：社内名称タイプ356。Mk.21のキャノピーを涙滴型に変更し、それに合わせて胴体後部形状を変更、電気系統を12ボルトから24ボルトに強化し、スパイトフル用の大型垂直尾翼を搭載、水平尾翼も大型化した。1945年3月に800機が発注されたが、第２次大戦終結で多くがキャンセルされ、1946年1月までに278機（260機？）が生産（16機がスーパーマリン、262機がキャッスル・ブロムウィッチ）され、1947年から配備された。ジンバブエ、エジプト、シリアに輸出されている。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．２３＞：Mk.22の計画改良型。主翼形状を変更して速度を上昇させる予定だったが、計画のみで終了した。参考：月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．２４＞：最終生産型で、Mk.22の航続距離延長型。水平尾翼が大型化され、胴体後部に燃料タンクが増設された他、主翼下面にロケット弾を搭載可能となり、射撃装置が空気式から電気式となった。主翼下面のIFF用ロッドアンテナはMk.21よりも外側に移動している。全長10.039m、全幅11.259m、全高4.114m、自重3337kg、全備重量4586kg。エンジンはグリフォン61（2050馬力）、プロペラはロートル・ジャブロR14/5F5/2木製５翅（直径3.6m）、最大速度736km、実用上昇限度13115m、燃料容量1250リットル（最大）、航続距離1420km。固定武装は20mm機関砲４門。爆弾454kgまたはロケット弾を装備可能。1946年4月から1948年2月24日にMk.22の最終生産機27機（全てキャッスル・ブロムウィッチ製）がこの規格に改修され、54機（全てスーパーマリン製）が新規生産された。うち16機は1949-54年に香港の第80飛行隊に配備されている。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、12,’18

　＜シーファイア＞：シーファイア・シリーズを参照。

＜スピットファイア・ファミリー＞

　＜スピットファイアＰＲタイプＡ＞：偵察機型。スピットファイアMk.�Tの武装を撤去し、両主翼に５インチカメラF.24を搭載したもので、軽量化により最大速度は632.19kmとなった。1939年10月に２機が改造されて写真技術開発隊に移管され、11月18日から実戦投入されて高速性能を活かし活躍、以降もスピットファイア改造偵察機が製作されるようになった。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＰＲタイプＢ＞：偵察機型。タイプＡの座席下方に131.8リットル入り燃料タンクを追加したもの。スピットファイアMk.�Tから２機が改造された。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�UＣ＞：Mk.�Uの救難任務型。参考：月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�VＰＲ＞：偵察機型、別名PRタイプＣ。胴体後部に垂直カメラ２台、右主翼ブリスターに８インチカメラF24を２基、左主翼ブリスターに136.3リットル燃料タンク、パイロット座席下方に136.3リットル燃料タンクを追加した。風防とキャノピーはフレームの細い偵察専用型に交換されており、風防は防弾が外されて正面がカーブし、キャノピーはスライド両側に水滴型バルジを持つ。迷彩塗装テストにも使用されており、各種をテストした後、P.R.U.ブルーに統一されることになった。Mk.�Tから66機、Mk.�Xから７機が改造された。うち30機が後にマーリン45を搭載してMk.�XPRに改造されている。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�WＰＲ＞：Mk.�XPRを参照。参考：月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�Xｂ水上機型＞：Mk.�Xｂの水上機型、社内名称タイプ334。1941年5月14日に空軍省から発注され、1942年秋までにフォーランド航空機株式会社で３機が改造された。車輪式降着装置を外して双フロートを主翼下に装着、垂直尾翼を大型にして下面に方向安定フィンを追加、気化器エアインテイクを前方に延長している。エンジンはマーリン45、プロペラは４翅のロートルXH54D RM SS。高度5490mで513kmを出し、1943年10月にアレキサンドリアに配備され、地中海のドイツJu52輸送機を攻撃する予定となった。しかし水上機基地にする筈だった無人島をドイツ軍に占領されて出撃できなくなってしまい、結局実戦使用されていない。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�XＰＲ＞：Mk.�Xの偵察機型、別名PRタイプＤ。初のＤウイング搭載型で、風防は偵察専用型を採用、コクピット後方のNo.13からNo.15フレーム間に各種偵察カメラ（F8カメラ２基のＷ仕様、F24カメラ２基のＸ仕様、F52カメラ１基のＹ仕様がある）を収容可能とした。撮影窓は胴体後部下面（垂直用。５度20分から８度程度、左右に振ることができる）と胴体後部左上方（斜め用。俯角０度からマイナス13度まで）に設けられていて、どちらも厚さ6.3mmのガラスでカバーされる。カメラが曇らないよう、設置部分にはホットエアを供給するパイプが前方から延びていた。エンジンはマーリン45またはマーリン46で、プロペラはデハビランドまたはロートル３翅。229機が生産された（全てスーパーマリン）他、15機がMk.�Tから改造された。後にP.R.Mk.�Wと呼ばれた。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、歴史群像6,’04、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�YＰＲ＞：偵察機型、別名タイプＦ。Mk.�Tの後部胴体にF.8カメラ1-2基またはF.24カメラ２基またはF.24斜め下カメラ１基を搭載したもので、燃料タンクを座席下方（20ガロン）と両主翼下面（30ガロン）に追加し、機首下面の潤滑油タンクを大型化した。エンジンはマーリン45またはマーリン46で、プロペラはデハビランド製３翅のものが多い。ヘストン・エアクラフト社で14機が改造された。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�ZＰＲ＞：戦闘偵察機型、別名タイプＧ。胴体内に垂直用F.24カメラ２基と斜め下用F.24カメラ１基を搭載する。キャノピーには水滴状の張り出しがあり、正面に防弾ガラスも付いていて、主翼には7.7mm機銃８丁を装備する。Mk.�T及びMk.�Xから45機が改造された。参考：スピットファイア、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�\ｂ（水上機型）＞：水上機型。Mk.�\に双フロートを追加して垂直尾翼を大型化、下面に方向安定フィンを装備した。主翼は20mm機関砲のみ装備のＢウイングで、プロペラはロートル製４翅。1944年5月に１機が改造されてテストを受け、最大速度619kmを出したが、採用には至らなかった。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�\ＰＲ＞：偵察機型。Mk.�\ベースで、Mk.�]の後継として開発された。胴体後部下面にカメラ窓２つを持つ。尾輪は固定式。486機が生産された。Mk.�]�TPRのことか？参考：月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�\Ｔ＞：複座練習機型。参考：月刊JWings2,’00

　＜スピットファイアＭｋ．�]ＰＲ＞：高々度偵察機型、社内名称タイプ362。Mk.�Zの主翼をＤウイングに変更、機首下面の潤滑油タンクを大型化し、与圧キャビンを搭載した。胴体後部に垂直カメラ２基または斜め下カメラ１基を装備でき、F.8カメラ、F.20カメラ、F.24カメラ、F.52カメラのいずれかを取り付ける。胴体下面カメラ窓後方には飛行場アプローチ・レシーバー用アンテナが付く。方向舵は大型で、尾輪は引き込み式。プロペラはロートル・ジャブロR5/4F5/4またはR12/4F5/4木製４翅もしくはロートルR3/4F5/2またはR3/4F5/3金属製４翅。高々度型の必要性が薄かったので開発ペースが遅れ、Mk.�]�TPRに追い越されてしまい、量産初号機の完成は1944年4月4日にずれこみ、16機（全てスーパーマリン製）のみが生産され、1945年9月まで使用された。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�]�TＰＲ＞：偵察機型、社内名称タイプ365または374。Mk.�\にMk.�]PRと同様の改修を加えたもので、キャノピーはPR用の防弾ガラス無し版だが、側面の水滴状バルジは付かないものもある。胴体下面の垂直カメラ窓はタンデムに並んでおり、前方のものは右に８度、後方のものは左に８度外側に傾けられている。斜め下カメラ窓はコクピット左後方に付く。一部は両主翼下面にブリスターを追加し、F.24カメラを１基ずつ装備した。尾輪は引き込み式。全長9.607m（大型方向舵装備機）、全幅11.234m、全高3.57m、自重2531kg、全備重量3509kg。エンジンはマーリン61（1565馬力）、プロペラはロートル・ジャブロR5/4F5/4またはR12/4F5/4木製４翅もしくはロートルR3/4F5/2またはR3/4F5/3金属製４翅、巡航速度643km、最大速度676km、実用上昇限度13420m、燃料容量986リットル、航続距離2189km／3700km（772リットル増槽付き）。後期型211機はエンジンをマーリン70に換装して完成しており、社内名称はタイプ370である。476機（全てスーパーマリン製）が生産され、1942年11月17日から1945年2月20日までに引き渡された。参考：スピットファイア

　＜スピットファイアＭｋ．�]�VＰＲ＞：武装低高度偵察機型、社内名称タイプ367。Mk.�XPRのエンジンを低空用マーリン32に換装したもので、1942年暮れからヘストン航空機会社で製作され、1943年3月から試験飛行を行った。キャノピーは戦闘機型と同じ防弾ガラス付き。エンジンはマーリン32（1645馬力）、プロペラはデハビランド製5/29（5/39？）金属３翅。固定武装は7.7mm機銃４丁（主翼）。胴体後部にF.24垂直カメラ２基、F.24斜め下カメラ１基を搭載する。1943年5月までにヘストン航空機会社で26機がMk.�UとMk.�Xから改造され、12機は海軍に移管されている。1945年初めまでに26機全機が退役した。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、英独航空決戦

　＜スピットファイアＭｋ．�]�WＰＲ＞：Mk.�]�Wの偵察機型。胴体後部にF.24偵察カメラ１基を左右どちらかに向けて搭載できる。参考：月刊航空ファン8,’96

　＜スピットファイアＭｋ．�]�\ＰＲ＞：偵察機型、社内名称タイプ389。Mk.�]�Wの機体にMk.�]PRまたはMk.�]�TPRの偵察装備を搭載している。搭載カメラは36インチ垂直カメラF32などで、ドロップタンクの装備も可能である。任務上後方から襲撃される危険が少ないため、キャノピーはファストバック式で、風防には防弾ガラスが無い。アンテナ支柱は細いホイップ・アンテナになっている。与圧隔壁などはMk.�Yと同様だが、マーシャル・キャビン過給器がMk.�]�Wに改修され、装備場所も機首左に移った。コクピット後方には自動調圧弁が設けられ、その上にエア抜き孔が設置された。25号機まではグリフォン65搭載でコクピットは非与圧、26号機以降はグリフォン66搭載でサイドドア無しの与圧式コクピットを装備する。全長9.963m、全幅11.234m、全高3.863m、自重2973kg、全備重量4086kg。エンジンはグリフォン65（2035馬力。25号機まで）／グリフォン66（2035馬力。26号機以降）単発、プロペラはロートル・ジャブロR19/5F5/1木製５翅（直径3.17m）、巡航速度526-683km、最大速度721.3km、実用上昇限度13000m、燃料容量1154リットル、航続距離1626km／2254km（90ガロン増槽あり）。スーパーマリン社で225機が生産されて1944年9月30日から配備され、最終号機は1945年5月22日に引き渡された。偵察機型唯一のグリフォンエンジン搭載型で、高々度での速度性能に優れており、第２次大戦中はMe262戦闘機以外に捕捉される恐れは無かった。戦後には中国に越境偵察を行ったこともある。1954年に退役した。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96、月刊ミリタリーエアクラフト4,’02、英独航空決戦

　＜ハイスピード・スピットファイア＞：速度記録挑戦型、別名タイプ323。エンジンをマーリン�VＭ（2160馬力）に換え、プロペラをワッツ木製固定ピッチ４翅に交換、キャノピーを前に延ばして流線型とし、翼端を短縮、沈頭鋲を採用し、塗装をワックスでカバーするなどして最大速度660kmを目指した。1938年9月7日からMk.�T量産型48号機を使用して改造に入り、テストで664.6kmを記録したが、1939年4月26日にドイツのMe209V1が時速755.12km（754.98km？）を達成したため、開発が断念されてスピットファイアP.R.Mk.�V写真偵察機に改造され、その後ジョン・Ｎ・ブースマン准将の専用機になり、更に沿岸航空隊に転属して退役した。参考：スピットファイア、月刊航空ファン8,’96

　＜タイプ５０２＞：試作複座練習機型。Mk.�[ベースで、エンジンは低高度用のマーリン66を使用し、武装を撤去、コクピットを342mmほど前に移動し、後方に教官席と独立キャノピーを追加、内翼前縁に58リットル入り燃料タンクを左右１個ずつ増設したものである。後席後方にはホイップ・アンテナが付いており、大型方向舵を装備、引き込み式の尾輪を持つ。1946年8月に初飛行したが、ジェット時代の到来で採用されなかった。参考：スピットファイア

　＜タイプ５０９＞：複座練習機型。Mk.�\にタイプ502と同様の改修を施したものである。第２次大戦後にスピットファイアを供与されたオランダ空軍やインド空軍などに輸出された。参考：スピットファイア

＜スピットファイア海外シリーズ＞

　＜スピットファイアＭｋ．�T（ポルトガル軍）＞：ポルトガル軍戦闘機。1939年に15機を発注したが、イギリス空軍向けで手一杯であり、1943年1月になって漸く到着した。参考：月刊航空ファン11,’16

　＜スピットファイアＭｋ．�]�\ｅ（ビルマ空軍）＞：ビルマ空軍COIN機。1954年にイスラエル空軍の中古を30機購入し、COIN機として使用した。1957年に除籍された。参考：月刊航空ファン12,’16

＜スピナー＞：Spinner。プロペラブレード取り付け部の整形のこと。抗力減少、エンジン冷却、ハブ保護といった効果がある。ただし抗力減少効果を期待して大型化すると空冷が上手くいかなくなるといった難点を持つ。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、世界の傑作機No.155

＜スピナックス＞：SS-489（潜水艦）を参照。

＜スビャティーチェリ・ニコライ＞：クニャージ・ウラジミール（戦略原潜）を参照。

＜スピューワー・シリーズ＞：フランス軍の無人機。サジェム社が開発した。参考：月刊JWings8,’11

　＜スピューワーＡ＞：全長3.5m、全幅4.2m、最大離陸重量330kg。エンジンは２サイクルレシプロ（65馬力）、最大速度240km、運用高度4560m、進出可能距離200km、航続時間６時間。ペイロード50kg。参考：月刊JWings8,’11

　＜スピューワーＢ＞：全長3.5m、全幅6.8m。最大速度148km、運用高度4864-6080m、進出可能距離150km、航続時間5-12時間。ペイロード100kg。参考：月刊JWings8,’11

＜スピラ＞：SS304（ソナー）を参照。

＜スピラエア＞：K08（コルベット）を参照。

＜スピラル＞：M.D.410（COIN機）を参照。

＜スピリット＞：B-2シリーズ（爆撃機）またはP245（Ｓ級潜水艦第２グループ）を参照。

＜スピン＞：錐揉みを参照。

＜スピン・アップ＞：Spin up。飛行機が着陸した際、接地してから車輪が回り出すまでに一瞬のタイムラグがあるため、脚柱が衝撃的に後ろに曲げられること。着陸時の垂直荷重に加え、これとスプリング・バックによる前後荷重を考慮して設計しないと脚が折れる。降着装置に風車を付けて接地前に車輪を回転させる装置も考案されたが、重量増や振動で実用化には至らなかった。日本が最初にこの現象を発見し、一〇〇式司偵や一式陸攻の設計に取り入れている。アメリカは戦後に気付いた。参考：航空用語事典増補改訂版

＜スピン・リカバリー・シュート＞：航空機がテスト飛行などで錐揉みに陥り通常の操縦操作では回復不能になった際に使用するパラシュート。機体尾部に装着され、火薬で後方に射出して開傘、機体を気流に正対させてコントロールを取り戻す。参考：月刊JWings11,’17

＜スフ＞：ステープル・ファイバーの略。セルロース系再生繊維（レーヨン）のうち、レーヨンステープルを指すが、レーヨンフィラメント（人絹）もスフと呼ばれた。第１次大戦時にドイツが羊毛や綿の代用として使用したのが始まりで、昭和11年にオーストラリアに対して通商擁護法を発動してからは日本でも大量に生産されている。昭和12年には毛・綿織物に一定以上のスフを混ぜることが義務づけられ、昭和13年には内地向け綿製品を全てスフで代用することとなった。破れやすいという欠点がある。参考：戦時用語の基礎知識

＜スファクス＞：フランス海軍ルドゥタブル級潜水艦Sfax。1935年竣工。1940年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜スファルドフィスケン（２代目）＞：スウェーデン海軍ショーレヨネット級潜水艦４番艦。1939年起工、1940年5月18日進水、1941年4月26日就役。1959年5月15日退役。参考：月刊軍事研究

＜スフィア−０２＞：ロシア海軍の電子光学赤外線撮像装置Sphere-02。安定化架台に装着されており、電子光学センサーで目標を自動追尾する。俯仰角マイナス20度からプラス80度、旋回角左右160度ずつ。ステレグシュチイ級コルベット１番艦に搭載されたが、２番艦以降には無い。参考：月刊軍事研究11,’15、10,’11、月刊世界の艦船6,’15、12,’21

＜スフィンクス＞：ドイツの214型潜水艦用LPI方式対水上捜索・航海レーダー。アンテナはスロット導波管式、使用周波数Ｘバンド、探知距離65km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜スフィンクス＞：パナール社がフランス陸軍向けに2018年の実用化を目指して開発中の装輪偵察車。６輪装甲車体にロッキード・マーチン社製CTA40砲塔（40mmテレスコープ機関砲搭載）を組み合わせており、砲塔左右にスパイク対戦車ミサイルランチャー１基ずつの装備も可能。基本装甲に加えて増加装甲が用意されており、最大装甲防御レベルは全周耐弾でNATOレベル５、耐地雷でレベル3a/3b。戦闘重量16-18トン。エンジンはディーゼル（450-500馬力）、最大速度110km。参考：月刊軍事研究10,’12、10,’10

＜スプーキー＞：AC-47D（ガンシップ）またはAC-130U（ガンシップ）を参照。

＜スプーク＞：F-4戦闘機のマスコットキャラSPOOK。マクダネル社アーティストのトニー・ウォンがデザインした。黒い影にギョロ目を持つお化けで、胸に大きな�Uを書いた外套とマントを着け、とんがり帽を被りバスケットシューズを履いていて、スナフキンのコスプレをした銀河鉄道999の車掌のような感じである。F-4戦闘機の輸出国向けに各国の民族衣装を着たものも製作された。参考：月刊JWings1,’16

＜スプーン・バウ＞：艦首形状の１つ。日本海軍が一号連繋機雷の索を乗り越えるため（速力向上のためともいわれる）採用した。参考：月刊世界の艦船12,’15

＜スプーン・レスト＞：ソ連早期警戒レーダーのNATOコード。使用周波数147-161MHz。参考：ザ・マーチ17号

　＜スプーン・レストＡ＞：P-12を参照。

　＜スプーン・レストＤ＞：P-18を参照。

＜スフェリオンＢ＞：TSM2633（ソナーシステム）を参照。

＜スフェリカル・ケース＞：南北戦争で使用された炸裂弾。時限信管付きで、内部に鋳鉄球38個のを収容している。参考：GUN用語事典

＜スフェンドニ＞：D-85（駆逐艦）を参照。

＜スプラッシュ＞：ドック型揚陸艦から水陸両用車両を発進させる方式の１つ。航行したままドック・ウェルの扉を海面と水平に開き、水陸両用車両が扉の上を前進で走って海面に飛び込んでいく。短時間で多数の水陸両用車両を発進できる。参考：月刊世界の艦船12,’17、MAMOR vol.148

＜スプラッシュ・ライナー＞：ライナー（防御内張）を参照。

＜スプラヴェドリヴィ＞：ソ連海軍56K型コトリン級駆逐艦Spravedlivy。1970年にポーランドに引き渡され、艦番号275ワルシャワになった。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜スプラフ研究生産機構＞：ソ連の多連装ロケットシステム研究所。元は1945年に設立された第147研究所である。参考：月刊軍事研究9,’00

＜スプリー＞：PG-64（コルベット）を参照。

＜スプリーム＞：P252（潜水艦）を参照。

＜スプリガン＞：9K135（対戦車ミサイルシステム）を参照。

＜スプリットＳ＞：Split S。空中戦から離脱する時に使用される機動。戦術機動中に攻撃側（攻撃位置についていない）の下に位置して旋回し、同じように旋回してくる攻撃側を尻目に横転して垂直降下に移り増速、攻撃側の飛行方向と逆に引き起こして離脱する。地表が背景になるため、ルックダウン能力の無いレーダーから逃げやすい。垂直方向に大きく動くため、十分な高度を確保しておかないと地面に衝突する。イギリスではハーフロール、ドイツではアプシュブンクと呼ばれる。参考：図解現代の航空戦、月刊JWings10,’09別冊付録

＜スプリット型船体＞：船体前半は単胴型、中央にくびれがあり、後半は双胴型となっている船体のこと。各部の波が干渉し合うことで船体造波抵抗を減少でき、主機関の所要出力を30%程度まで削減できる。民間用船舶で1990年代から導入された。参考：月刊軍事研究1,’00

＜スプリットフラップ＞：フラップを参照。

＜スプリト級＞：コニ級フリゲート（ユーゴスラビア海軍）を参照。

＜スプリンガー＞：9K123（対戦車ミサイルシステム）またはP264（Ｓ級潜水艦第２グループ）またはSS-414（ガトー級潜水艦）を参照。

＜スプリンガー＞：イギリス陸軍LSV（Light Strike Vehicle）。イギリスのESPUK社が開発した軽量バギーを採用したもので、天井にIEDジャマー、助手席に7.62mm機銃を装備する。ドライウェイト0.85トン。エンジンはディーゼル（総排気量1400cc）。後部荷台ペイロード1.4トン、牽引力2.7トン。乗員1-2名。参考：月刊軍事研究9,’09

＜スプリンガレン（初代）＞：スウェーデン海軍デルフィネン級機雷敷設潜水艦３番艦で、追跡者の意。1933年起工、1935年4月27日進水、1937年8月3日竣工。1953年2月24日退役。参考：月刊軍事研究1,’03

＜スプリンガレン（２代目）＞：スウェーデン海軍ドラケン級（２代目）潜水艦６番艦。1960年起工、1961年8月31日進水、1962年11月7日竣工。1970年、近代化改修を受けた。1981年、近代化改修を受けた。1980年代末に退役した。参考：月刊軍事研究2,’03

＜スプリング作戦＞：第２次大戦時の1944年7月25日からカナダ軍が行った、カーン・ファレーズ街道攻勢作戦。この街道沿いにある122高地（ドイツ軍名称118高地）を占領し、ガルセール東にある森を制圧してドイツ軍東側側面を脅かすのが目的である。また、付近に配置されているドイツLAH師団とSS第９装甲師団をその場で釘付けにし、同時に発動されるコブラ作戦への救援に向かわせないという意味もあった。7月20日からカーン南方のカナダ第２軍団がドイツLAH師団に攻撃を仕掛けたが、撃退された。7月21日夜、ドイツ第272歩兵師団がLAH師団の支援を受けてサンマルタン・ド＝フォントネとサンタンドレ＝シュロルヌに攻撃を開始。一旦は奪還したものの、翌日夕方にはカナダ軍が市街に浸透し、周辺ドイツ軍陣地には猛砲撃が加えられたため、西方装甲集団はSS第９装甲師団をSS第１装甲軍団戦区に増援として送り込んだ。7月23日、カナダ第１軍が創設された。7月24日、スプリング作戦を開始する予定だったが、悪天候のため１日順延された。参加兵力はカナダ第２軍団で、イギリス第８軍団第７機甲師団の増強を受けていた。カーン・ファレーズ街道を守るドイツ軍はLAH師団と第272歩兵師団である。7月25日0330、ティイーをカナダ軍が東西から挟撃。ヴェリエールとメイ・シュロルヌにも攻勢を掛けた。カナダ軍はヴェリエールを占領したものの、ティイーは東の郊外に達したのみで、メイ・シュロルヌは奪い返され、戦死者450名と戦傷者1000名を出し、7月26日に作戦は中止された。それでもLAH師団とSS第９装甲師団を釘付けにするという目的は達成している。参考：月刊丸6,’14

＜スプリング・タブ＞：タブを参照。

＜スプリング・バック＞：Spring back。飛行機が着陸した際に脚柱がスピン・アップを起こした後、車輪の回転速度が飛行機の前進速度とほぼ同じになった際に、脚柱がバネのように前方に跳ね返ること。スプリング・バックを起こした後は、復元しようとする後ろ向きの力と、走行抵抗による後ろ向きの力で、再度後ろに曲がる力がかかり、これを繰り返して脚柱が前後方向への振動を起こす。１回の着陸で数十回の繰り返し曲げを起こすので、静強度だけでなく疲労破壊を考慮した設計が必要になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜スプリングフィールド＞：CL-66（軽巡洋艦）またはSSN-761（潜水艦）を参照。

＜スプリングフィールド工廠＞：アメリカのマサチューセッツ州スプリングフィールドにあった兵器工廠。1777年に設立された。1794年、銃の生産を本格的に開始。1968年4月に廃止され、一部が兵器博物館になった。参考：GUN用語辞典

＜スプリングフィールド・モーゼル＞：M1903シリーズ（小銃）を参照。

＜スプリングボック＞：南アフリカのドラケンバーグ・トラック・マニュファクチュアズ社が開発した４×４輪軽装甲車。耐弾防御はNIJ規格レベルB6-B7、耐地雷防御は車体下でTM57地雷１発、タイヤ下でTM57地雷２発。戦闘重量10トン。最大速度115km。ペイロード3.2トン。乗員１名＋搭乗歩兵10名。参考：月刊軍事研究3,’11

＜スプリンゲレン＞：S-324（潜水艦）を参照。

＜スプリンター防御＞：弾片防御のこと。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜スプリント＞：アメリカ陸軍対弾道ミサイル用地上発射核ミサイル。セーフガードABMを構成する大気圏内迎撃用ミサイルで、100G以上の加速により高度15kmまで10秒で上昇、敵弾道ミサイルを高度30kmで破壊する。弾頭はW66。射程50km。1968年2月28日、ホワイトサンズ射場第50発射台から試射が行われた。威力は数キロトンに抑えたとはいえ自国本土上空で核爆発が起きるので実用性に難があったのと、ABM条約の締結により、1974年に配備から外された。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜ズブル＞：LWS.4（爆撃機）を参照。

＜スプルーアンス＞：DD-963（スプルーアンス級駆逐艦）またはDDG-111（アーレイ・バーク級駆逐艦）を参照。

＜スプルーアンス＞：レイモンド・エイムズ・スプルーアンス（Raymond Ames Spruance）。1886年7月3日、メリーランド州ボルチモア生まれ。母方の実家と父が立て続けに破産したため、1903年に学費がタダのアナポリス海軍兵学校に入校した。1907年、アナポリス海軍兵学校を卒業。専門は砲術である。1908年、グレート・ホワイト・フリートに乗艦して来日し、東郷平八郎提督と面会した。その後ジェネラル・エレクトリック社に出向して１年間に亘り電気通信の研修を受け、1913年にDD-1ベインブリッジの駆逐艦長となった。第１次大戦中は海軍工廠で電気通信関連を担当し、終戦後は海軍技術局電気部長、在欧アメリカ海軍部隊参謀、作戦部情報局、戦艦BB-41ミシシッピの艦長を経て第10海軍区司令官となり、1941年に第16機動部隊第５巡洋艦戦隊司令官に就任、太平洋戦争開戦を迎えた。ミッドウェイ海戦直前に第16機動部隊司令（階級は少将）となり、入院したハルゼー提督の代わりに指揮を執ってミッドウェイ海戦で勝利を収めた。その後ニミッツ提督の参謀長を経て中部太平洋艦隊／第５艦隊司令長官となり、硫黄島戦と沖縄戦に参加、大和も沈めている。自己宣伝を嫌う傾向が強く、乗艦には取材陣を絶対乗せず、記者に会うことも無かった。日本の降伏調印式には出席しなかったが、直後に在日米海軍司令官に就任して来日している。退役後は駐フィリピン大使となり、退官後は田舎に退いて悠々自適の生活を送った。1969年12月13日、83歳で死去した。最終階級は大将。参考：月刊世界の艦船4,‘19、月刊丸12,’92

＜スプルーアンス級＞：アメリカ海軍対潜駆逐艦Spruance級。さすがに寿命が尽きてきたアレン・Ｍ・サムナー級／ギアリング級FRAM改装艦の代替として計画され、1959年に研究を開始、1967年末に構想が固まり、コスト削減ためインガルス社に30隻を一括発注した（後に１隻追加）。主任務は空母機動部隊の対潜護衛で、将来の事を考えて船体にはかなりの余裕を持たせる（初期には排水量に比べて兵装が貧弱すぎると批判されたくらい）と共にモジュール方式を採用しており、改装で各種装備を追加することが容易となった他、タイコンデロガ級イージス巡洋艦やキッド級ミサイル駆逐艦の船体としても用いられている。船型は長船首楼型で、煙突は前後に２本あり、主機の位置に合わせて前のものは左舷、後ろは右舷に寄せられた。主機は当初蒸気タービンを採用する予定で、主缶として8.23MPa・520℃の高温高圧缶を使用する筈だったが、安全面に懸念があり、ガスタービンを採用してアメリカ海軍初のオール・ガスタービン航洋型水上戦闘艦となっている。マストはラティス構造の大型のものが前後にある。ソナーはAN/SQS-53B/CバウソナーとAN/SQR-19TACTAS、魚雷システムはT-Mk6ファンファーレ、対潜FCSはMk116Mod5。船体の静粛化に力を入れており、マスカーとプレーリー装置を搭載、大直径の可変ピッチ式スキュード・プロペラを採用し、ガスタービンをエンクロージャー内に格納するなど防音・防振対策も施してある。これらにより、潜水艦を高速で追撃しながらソナー・オペレーションを行うことが可能となった。機関系はシフト配置を採用している。ヘリ格納庫は長さ16m・幅7mで、扉は左右に１枚ずつあり、中央に向けてスライドする方式である。全長171.7m（161.3m？）、全幅16.8m、吃水5.8m（キール）／8.8m（ソナー部）、満載排水量7800トン。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン４基、出力80000馬力（許容）／86000馬力（最大）、２軸推進、速力33ノット（30ノット？）、航続距離6000海里（20ノット）。兵装は127mm単装砲Mk45が２門（船体前後）、324mm短魚雷３連装発射管Mk32が２基、アスロック艦対潜ミサイル８連装発射機１基、12.7mm単装機銃M2が４丁。艦橋構造物上のアンテナマストには127mm砲管制用AN/SPG-60射撃レーダー及びAN/SPQ-9A射撃レーダー、後部マストにはトップにAN/URN-25TACAN、３段目にAN/SPS-40B対空レーダーアンテナが取り付けられている。SH-2D/SH-2F/SH-60Bヘリ２機を搭載可能。乗員319-339名。DD-963スプルーアンス、DD-964ポール・Ｆ・フォスター、DD-965キンケイド、DD-966ヒューイット、DD-967エリオット、DD-968アーサー・Ｗ・ラドフォード、DD-969パターソン、DD-970カロン、DD-971デイヴィッド・Ｒ・レイ、DD-972オルデンドルフ、DD-973ジョン・ヤング、DD-974コムト・ド・グラース、DD-975オブライエン、DD-976メリル、DD-977ブリスコー、DD-978スタンプ、DD-979コノリー、DD-980ムースブラッガー、DD-981ジョン・ハンコック、DD-982ニコルスン、DD-983ジョン・ロジャース、DD-984レフトウィッチ、DD-985クッシング、DD-986ハリー・Ｗ・ヒル、DD-987オバノン、DD-988ソーン、DD-989デヨ、DD-990インガソル、DD-991ファイフ、DD-992フレッチャー、DD-997ヘイラーの31隻が1975-80年に就役した。５番艦DD-967以降は新造時にシー・スパローBPDMS用RIM-7艦対空ミサイル８連装発射機Mk29をヘリ甲板後方に１基装備、ヘリ格納庫の後端上部にシー・スパロー用Mk95射撃指揮レーダーを搭載しており、1-4番艦も後に追加した。1980年代にハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒を前後煙突間に２基、ファランクスMk15を艦橋上部と後部煙突脇に１基ずつ追加し、後期艦は建造当初から装備した。７隻（DD-974、DD-976、DD-979、DD-983、DD-984、DD-989、DD-990）は後にトマホーク巡航ミサイル４連装装甲箱形発射機Mk143を２基、アスロック艦対潜ミサイル８連装発射機両側に搭載した。これらの艦はアスロック発射機の旋回がほぼ不能となったため、後にアスロック発射機を撤去している。残り（DD-986を除く）は後にアスロック発射機を撤去してMk41垂直発射機61セルを装備し、トマホーク巡航ミサイル（45発）と垂直発射式アスロック（16発）を搭載した。DD-974も後にMk143ABLを外してMk41VLSを装備している。1990年代、AN/AYQ-17個艦防空システムを搭載した。1992年時点の諸元は以下の通り。全長171.7m、幅16.8m、吃水5.8m、満載排水量8040トン。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン４基２軸80000馬力、速力33ノット。兵装はトマホーク巡航ミサイル４連装発射機２基及びアスロック艦対潜ミサイル８連装発射機１基またはMk41VLS61セル、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、シー・スパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、127mm単装砲１門、ファランクス２基、324mm短魚雷３連装発射管２基。SH-60Bヘリ１機を搭載する。乗員319-339名。冷戦終結後はロシア潜水艦の脅威がほぼ無くなったため、Mk41VLSにトマホーク巡航ミサイル57発と垂直発射式アスロック艦対潜ミサイル４発を積むようになった。2000年以降にも現役にある何隻かはRAM艦対空ミサイル21連装発射機１基を艦尾右舷に搭載している。1998-2005年（2006年？）に全艦退役した。参考：月刊世界の艦船6,’05、3,’07、3,’92増刊、4,’04増刊、12,’13、12,'21、5,’91、9,’10、4,’12、月刊軍事研究5,’03、7,’16、ザ・マーチ39号

＜スプルース＞：九五式一型練習機シリーズを参照。

＜スプルース・グース＞：H-4（試作飛行艇）を参照。

＜スプルート・ムッセン＞：ロシア海軍の艦対艦ミサイル用射撃指揮レーダー、NATOコードはアイ・ボール。4R60ヘッド・ライトの小型版である。アンテナは矩形プラナー・アレイ、使用周波数Ｓバンド、探知距離65km。ウダロイ級ミサイル駆逐艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ズブル級＞：ソ連海軍エアクッション揚陸艇プロジェクト1232.2または1232.2型（プロジェクト12322または12322型？）Zubr（野牛）級、NATOコードはポモルニク（Pomornik）級。世界最大のエアクッション揚陸艇で、シーステート４でも30-40ノットで航行でき、波高1.6mでも揚陸作戦を行え、高さ2mの障害物を乗り越えられる。船体はアルミ・マンガン合金製で、舷側には装甲板が張られており、揚陸作戦時の阻止砲火に対抗できる。船体中央が面積400平方メートルの車両甲板で、艦首ランプから積載物を搭載する。艦首ランプは艦首が下に開いて中央部からせり出す方式で、見た目はガマガエルが舌を出す感じである。また、艦尾にもランプがあるが、小型なので戦車などは出られない。車両甲板の両側は乗員・揚陸兵員区画と機関室である。上部構造物にはMR-123バス・ティルト１基、その前方に電子戦機器とチャフ・デコイ発射機、後方にMR-244対水上・航海レーダー用アンテナ、更に後上方にIFFアンテナが装備されている。戦闘指揮所や居住区画には冷暖房や換気システムを完備する。全長57.6m（オンクッション時）、全幅25.6m、基準排水量400トン、満載排水量550-559トン。主機はNK-12MVガスタービン（8.7MW・11836馬力）５基（２基がリフト用、３基が推進用）、浮上用リフトファン４基（直径2.5m。上構左右に２基ずつタンデム装備）・推進用４翅可変ピッチプロペラ３基（甲板最後部並列。直径5.5mで、それぞれ直径6mのリングシュラウドに収容）、最大速力63ノット／30-40ノット（シーステート４）、航続距離300海里（55ノット）。兵装はAK-630M近接防御兵器２基（上甲板両舷に１基ずつ）、22連装140mmロケットランチャーMS-227が２基（前甲板左右に１基ずつ。引き込み式で、旋回角160度、俯仰角マイナス10度からプラス65度）。必要に応じて9K310イグラ１艦対空ミサイル４基を運用でき、機雷30-80個を搭載しての敷設作業も可能。乗員27名（33名？）。戦車３両または歩兵戦闘車７両または装甲兵員輸送車10両＋人員130名または人員360名＋貨物25トンまたは人員140名＋貨物130トンを搭載できる。1986（1988？）-94年に10隻（13隻？）建造され、ロシア海軍に艦番号782モルドヴィア、艦番号770エヴゲーニィ・コチェシュコフなど６隻が、ウクライナに４隻が就役した。参考：月刊軍事研究10,’17、9,’11、1,’17、10,’09、4,’05、8,’07、1,’10、3,’11、10,'15、月刊世界の艦船6,’15、2,’17

＜ズブル級・海外シリーズ＞

＜ズブル級（ギリシャ海軍）＞：ケファリニーア級を参照。

＜ズブル級（中国海軍）＞：中国海軍エアクッション揚陸艇958型。台湾海峡を余裕で往復できるため、対台湾用に興味を示しており、10隻をロシアから輸入しようとしたが、交渉が決裂したため、2008年から国産化を含めてウクライナと交渉、ウクライナのフェオドシヤ造船で２隻を建造し、もう４隻を中国国内で竣工させた。搭載するレーダーや30mmCIWSの防楯形状などを変更している。全長57.6m（オンクッション時）、満載排水量559トン。速力63ノット、航続距離300海里（55ノット）。兵装は9M32艦対空ミサイル４連装発射機２基、30mmCIWS２基、22連装140mmロケットランチャー２基。戦車３両、装甲車10両＋人員230名（130名？）、貨物25トン＋兵員360名といった組み合わせで搭載可能。艇番号3325、３番艇艇番号3327など６隻が2015-19年に就役した。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊世界の艦船4,'21、2,’20、3,’18、5,’15、6,’14、2,’19

＜スプルト＞：2S25（対戦車自走砲）を参照。

＜スプルトＢ＞：2A45M（対戦車砲）を参照。

＜スプルトＤ＞：2A75（滑腔砲）を参照。

＜スプルトＳＤ＞：2S25（対戦車自走砲）を参照。

＜スプルトＳＤＭ１＞：2S25M（対戦車自走砲）を参照。

＜スプレイジ＞：K572（フリゲート）を参照。

＜スプレッド・スペクトラム通信＞：使用する電波をデータとスプレッド・スペクトラム符号により二重に変調する通信のこと。スペクトラムが広帯域に拡散するので、妨害や干渉を受けにくい。参考：ザ・マーチ５号

＜スプレッド・フォーメーション＞：コンバット・スプレッド（編隊隊形）を参照。

＜スプレンダー＞：PG-97（コルベット）を参照。

＜スプレンディド＞：P228（Ｓ級潜水艦第２グループ）またはS-106（スイフトシュア級原潜）を参照。

＜スプロストン＞：DD-577（駆逐艦）を参照。

＜スヘ３０＞：日本軍の下士官・兵用三等病客車。元は昭和5年に製造された三等客車スハ33900（昭和7年にスハ32550に改称）で、２両以外が改造された。車内の片側から中央にかけて床をかさ上げして畳を横に張っており、反対側がかさ上げ無しの通路になっている。窓は磨りガラスに換えられた。3015-3017は畳５枚を撤去して精神障害者用の保護室を設けており、監視窓を設置、飛び降り防止のため磨りガラス窓は16cmだけ開くようにして外には金網を設け、自傷防止のため釘やネジが飛び出ないような構造を取っている。参考：月刊軍事研究2,’17

＜スペア＞：兵食（海軍兵学校）を参照。

＜スペア＞：スペさんともいう。海軍兵学校生徒が海軍予備学生・海軍予備士官を指して言う蔑称。海軍予備学生・海軍予備士官の方では特務士官をこう称した。参考：海軍こぼれ話

＜スペイ＞：K246（フリゲート）またはP234（哨戒艦）を参照。

＜スペイＲＢ１６８シリーズ＞：ロールスロイス社のターボファン・エンジン。参考：世界の軍用機1979

　＜スペイＲＢ１６８−１Ｍｋ１０１＞：インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式で低圧４段・高圧12段、燃焼器はカニュラー式で燃焼室10個、タービンは高圧２段・低圧２段、アフターバーナーは無い。全長2.985m、直径0.825m、乾燥重量1.181トン。離昇推力5.003トン。バッカニア攻撃機に搭載された。参考：世界の軍用機1979

　＜スペイＲＢ１６８−２０Ｍｋ２５０＞：インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式で低圧５段・高圧12段、圧縮比20.2、燃焼器はカニュラー式で燃焼室10個、タービンは高圧２段・低圧２段、アフターバーナー無し。全長2.985m、直径0.825m、乾燥重量1.227トン。離昇推力5.441トン。ニムロッド対潜哨戒機に搭載された。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91

　＜スペイＲＢ１６８−２５Ｒ　Ｍｋ２０２＞：インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式で低圧５段・高圧12段、燃焼器はカニュラー式で燃焼室10個。タービンは高圧２段・低圧２段、アフターバーナー付き。全長5.204m、直径0.825m、乾燥重量1.857トン。離昇推力9.305トン。ファントムFG.Mk1戦闘機に搭載された。参考：世界の軍用機1979

　＜スペイＲＢ１６８−２５Ｒ　Ｍｋ２０３＞：諸元はMk202とほぼ同じ。ファントムFGR2戦闘機に搭載された。参考：世界の軍用機1979

　＜スペイＲＢ１６８Ｍｋ．８０７＞：圧縮機４＋12段、圧縮比16.8、燃焼器はカニュラー式で燃焼室10個、タービン段数２＋２段。全長96.7インチ（2.46m）、直径37.1インチ（0.94m）、重量2388ポンド（1.08トン）。離昇推力11243ポンド（5.1トン）。AMX攻撃機に搭載された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜スペイＲＢ１６８−６２＞：TF41-A1（ターボファンエンジン）を参照。

＜スペイＲＢ１６８−６６＞：TF41-A2（ターボファンエンジン）を参照。

＜スペイＲＢ４０１−０７＞：ロールスロイス社のターボファン・エンジン。ファン１段、圧縮機は軸流式８段、圧縮比4.2、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧１段・低圧２段、アフターバーナー無し。乾燥重量0.477トン。通常巡航推力0.513トン、離昇推力2.513トン。参考：世界の軍用機1979

＜スペイＳＭ１シリーズ＞：ロールスロイス社の艦船用ガスタービンエンジン。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜スペイＳＭ１Ａ＞：イギリス海軍向けF-4ファントム戦闘機に搭載されているスペイRB168ターボファンエンジンをガスジェネレーターとして使用した。全長8.5m、全幅2.3m、全高3.4m、重量24トン。連続定格出力17100馬力、最大出力18770馬力。参考：月刊世界の艦船4,’98、2,’15、丸スペシャルNo.78、月刊軍事研究4,’16

＜スペイＳＭ１Ｃ＞：スペイSM1Aの改良型。ガスジェネレーターを改良し、将来の改造にも留意した余裕ある配置をとっている。出力13500馬力。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜スペイＳＭ１海外シリーズ＞

　＜スペイＳＭ１Ａ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦船用ガスタービンエンジン。スペイSM1Aを川崎重工でライセンス生産したもので、出力を13500馬力に落とし、あさぎり型護衛艦などに搭載した。参考：月刊世界の艦船4,’98

　＜スペイＳＭ１Ｃ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦船用ガスタービンエンジン。川崎重工でライセンス生産している。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜スペイン海軍＞：Armada Espanola、通称Armada（無敵艦隊）。航空隊はFLOAN（Flotilla de Aeronaves）と略す。1479年にスペイン王国が誕生、イスラム海賊からの防衛のため都市や小王国に海軍が設けられていたが、コロンブスの新大陸発見を契機に、アメリカとの航路を守る目的でスペイン海軍が誕生した。1571年、トルコ・ギリシャ艦隊を破って地中海の制海権を確保、無敵艦隊と呼ばれる強大な海軍力を基に世界最大の帝国となった。1588年、無敵艦隊が壊滅。1700年代初めにスペイン継承戦争でオランダやベルギーなどのヨーロッパ領土を失った。1805年、トラファルガル海戦で敗北し、アメリカ大陸のスペイン領土が次々と独立。1898年の米西戦争でフィリピン及びラテンアメリカの領土を全て喪失した。第１次大戦では中立を維持。1913年、スペイン初の弩級戦艦であるエスパーニャ級３隻が就役開始。1922年、水上機母艦デダロが就役。1924年、メンデス・ヌネス級巡洋艦２隻が竣工開始。1925年、アルフォンソ級軽巡３隻が就役開始。1936年、カナリアス級重巡２隻が竣工開始。第２次大戦では中立を保持。戦後はフランコ政権が全体主義を取っていたために国連への加入ができなかった。1945年、ガリシア級ドック型揚陸艦が竣工。1950年、アラバ級駆逐艦が竣工開始。1951年、オケンド級駆逐艦３隻が就役。1952年、ヴェラスコ級戦車揚陸艦３隻が竣工開始。1953年、地中海の西の入り口という地政学的重要性を認識したアメリカと基地協定を締結。アウダス級駆逐艦９隻が就役開始。1953年、アメリカからガダレーテ級掃海艇４隻を購入開始。1956年、アメリカと艦艇近代化援助協定を締結。1957年、教育訓練をアメリカと共同で行うようになった。1956年、給油艦テイゼが竣工。1956年、アメリカからフーカル級掃海艇８隻を購入開始。1957年、アメリカからレパント級駆逐艦４隻の貸与が始まった。1958年、カスティーヤ級揚陸輸送艦２隻が竣工開始。1967年、アメリカから軽空母CVL-28カボットを貸与され（1972-73年に購入）、R01デダロと名付けて運用を開始した。1972年、アメリカからチュルカ級駆逐艦５隻の貸与が始まった。1973年、ダフネ級潜水艦４隻が就役開始。1973年、バレアレス級ミサイル・フリゲート５隻が竣工開始。1975年、ラサガ級ミサイル艇６隻が竣工開始。1976年、AV-8S攻撃機とTAV-8S練習機を導入し、R01デダロが空母に昇格、機動部隊を編成して本土以外の領土（カナリア諸島やモロッコなど）の防衛にあたった。バルセロ級ミサイル艇６隻が竣工開始。1978年、デスクビエルタ級コルベット６隻が竣工開始。1980年、アナガ級哨戒艇が竣工開始。カスティーヤ級戦車揚陸艦２隻が就役開始。1982年、NATOに加盟し、地中海中部のシシリー海峡から大西洋を担任することになり、艦隊の近代化（アルタマール計画）が進められた。これに基づいて空母R11プリンシペ・デ・アストゥリアスにはNATO艦隊とデータリンクできるリンク11とNTDSを搭載し、護衛フリゲートにはアメリカ海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級を選定、サンタ・マリア級として建造している。また、バレアレス級ミサイル・フリゲートにもリンク11と連接できるIPN10を搭載し、配備していたP-3A哨戒機とノルウェーから購入したP-3B哨戒機をP-3Cアップデート�V相当に改修した。1983年、アメリカとの基地協定を更新。アゴスタ級潜水艦４隻が就役開始。1986年、サンタ・マリア級フリゲート６隻が就役開始。1987年、第９飛行隊を新編し、EAV-8Bマタドール�U攻撃機の配備を開始。1988年、空母R11プリンシペ・デ・アストゥリアスが就役。1992年現在、ＡからＤまで４つの戦闘群（グルーポ・デ・コンバータ・ナバーレ）に分かれており、Ａが空母戦闘群（R11プリンシペ・デ・アストゥリアスに第41護衛隊のフリゲート４隻を加えたもの。任務に応じて第31護衛隊や第21護衛隊も加わる）、ＢとＣが任務に応じて編成される戦闘群、Ｄが両用戦機動部隊となっている。1995年、パティーニョ級補給艦１隻が就役。1996年、AV-8S/TAV-8Sの運用を終了し、第８飛行隊が解隊された。1998年、海軍航空隊がNVGの運用を開始。1998年、ガリシア級ドック型輸送揚陸艦２隻が就役開始。2002年、F100級フリゲート４隻が就役開始。2006年現在、空母R11プリンシペ・デ・アストゥリアス、ガリシア級ドック型輸送揚陸艦２隻、ピッツァロ級戦車揚陸艦、給油艦、洋上補給艦などからなる投射群、F100級フリゲート４隻、バレアレス級フリゲート２隻からなる第31護衛戦隊、F80フリゲート６隻からなる第41護衛戦隊、アゴスタ級潜水艦４隻からなる潜水隊群、セグラ級機雷掃海艇６隻からなる機雷掃海隊群などから構成される。2010年、ファン・カルロス�T世級強襲揚陸艦１隻が就役。2011年、メテオロ級哨戒艦４隻が竣工開始。2013年、空母R11プリンシペ・デ・アストゥリアスが退役した。2017年6月2日、海軍兵学校創立300周年記念式典を実施。8月8日、SH-60Fヘリの引き渡しが開始された。2021年、車両貨物輸送艦イサベルが就役。ハリアー攻撃機が2025-27年に退役するので、後継を導入するならF-35B戦闘機の一択だが、高価なので予算獲得の見込みが立っていない。BAM-ISポセイドン級潜水艦救難艦を建造中。参考：月刊世界の艦船2,’87、11,’15、9,’17、10,’17、12,'21、9,'23、10,'23、月刊軍事研究12,’06、3,’10、12,’10、10,’16、月刊丸3,’90、月刊航空ファン11,’17、4,’19

　＜スペイン海軍（１９７７年）＞：兵力48000名（うち海兵隊8000名、徴兵30000名）。ダフネ級潜水艦４隻、旧アメリカ製潜水艦４隻、ミゼットサブ２隻、ヘリ空母１隻、駆逐艦13隻、フリゲート／コルベット14隻、魚雷艇２隻、掃海艇22隻、哨戒艇23隻、大型上陸用艦８隻、戦車揚陸艇８隻、AV-8A攻撃機５機、TAV-8A練習機２機、コマンチ通信機４機、SH-3Dヘリ10機、500HMヘリ10機、AH-1Gヘリ６機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スペイン海軍（１９８７年）＞：国防大臣直属の海軍参謀総長がトップで、艦隊、海軍区、海兵隊などがその下にある。艦隊のトップは艦隊司令長官で、その下に航空群、護衛戦隊、両用戦部隊、掃海部隊、潜水戦隊がある。海軍区はカンタブリア海軍区（北部。鎮守府はエル・フェロル）、カナリア海軍区（アフリカ北西沖。鎮守府はラス・パルマス）、海峡海軍区（ジブラルタル海峡周辺。鎮守府はカディス）、地中海海軍区（南部地中海沿い。鎮守府はカルタヘナ）の４つで、NATOイベリア大西洋軍警備軍区と重なるカナリア海軍区は司令長官が、他の海軍区は司令官が指揮する。海軍航空基地はロタで、アメリカ第６艦隊の基地もある。海軍戦略（北アフリカ封鎖、太平洋・地中海防衛）の開発、シーレーン確保、海洋権益の保護を主任務とする。兵力45000名。空母はR01デダロを運用中。駆逐艦はD43マルケス・デ・ラ・エンセナダ及びチュルカ級５隻で第11護衛隊を編成しており、レパント級４隻は各鎮守府に１隻ずつ配備されている。フリゲートはバレアレス級５隻で第31護衛隊を編成、サンタ・マリア級の１番艦が1986年に竣工したばかりである。コルベットはデスクビエルタ級６隻で第21護衛隊を編成しており、カルタヘナを母港としている。ミサイル艇はラサガ級６隻とバルセロ級６隻を配備しており、主任務は経済水域の哨戒で、建造費は商務省が大部分を負担した。哨戒艇はアナガ級10隻の他、100トン以下の小型哨戒艇が70隻強配備されている。潜水戦隊は１個で、カルタヘナに基地があり、ダフネ級４隻とアゴスタ級４隻が所属する。潜水学校もカルタヘナにあり、両級の訓練装置が設けられた。哨戒艦はアトレヴィダ級４隻。掃海艇はアメリカから購入したフーカル級８隻及びガダレーテ級４隻で、全てマヨルカ島パルマに配備されている。本土以外の領土への逆上陸作戦用にヴェラスコ級戦車揚陸艦３隻、ガリシア級ドック型揚陸艦１隻、カスティーヤ級揚陸輸送艦２隻を配備しており、全て使用すれば海兵隊１個両用戦軽旅団3000名を輸送できる。他にアメリカから輸入したLCUとLCMを８隻、国産の戦車揚陸艇５隻、小型揚陸艇15隻を配備している。両用補助艦艇・支援艦艇は給油艦テイゼなど140隻以上。艦艇は基本的にライセンス権を得るか自主開発で国産する。海兵隊は兵力12000名。艦隊所属の両用戦、海軍施設警備、島嶼防衛などを主任務とする。参考：月刊世界の艦船2,’87

　＜スペイン海軍（１９８９年）＞：兵力39000名（うち徴兵24500名）、予備役135000名。艦隊、カンタブリア管区、地中海管区、海峡管区、カナリー諸島管区の５個コマンドからなり、司令部はそれぞれロタ、フェロル、カルタヘナ、カディス、ラス・パルマスにある。他にパルマ・デ・マヨルカとマホンに基地を置く。アゴスタ級潜水艦４隻、ダフネ級潜水艦４隻、空母R11プリンシペ・デ・アストリアス、チュルカ級駆逐艦４隻、サンタ・マリア級フリゲート３隻、バレアレス級フリゲート５隻、デスクビエルタ級コルベット６隻、アトレヴィダ級外洋哨戒艇４隻、ラサガ級沿岸哨戒艇６隻、アナガ級沿岸哨戒艇10隻、ナロン級沿岸哨戒艇２隻、バルセロ級高速艇６隻、サルボラ級内海哨戒艇１隻、小型内海哨戒艇30隻、ガダレーテ級掃海艇４隻、フーカル級掃海艇８隻、カスティーヤ級揚陸輸送艦２隻、ヴェラスコ級戦車揚陸艦３隻、戦車揚陸艇３隻、多用途揚陸艇２隻、機械化揚陸艇６隻、輸送艦１隻、外洋曳船５隻、王室ヨット１隻、給水艦４隻、水路調査船６隻、練習艦２隻を保有する。海軍航空隊はAV-8A攻撃機７機、AV-8B攻撃機12機、TAV-8A練習機４機、コマンチ単発連絡ヘリ２機、コマンチ双発連絡ヘリ２機、サイテーション�U連絡機２機、AB-212対潜・捜索救難ヘリ12機、シーキング対潜ヘリ10機、シーキング早期警戒ヘリ３機、ヒューズ500M対潜ヘリ11機、SH-60B対潜ヘリ６機、ベル47G練習ヘリ８機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜スペイン海軍（２０１３年）＞：国防大臣直属の海軍参謀総長がトップで、隷下に艦隊、海軍区、潜水隊、海兵隊などを置く。艦隊のトップは艦隊司令長官で、水上艦隊、海洋作戦群、潜水隊、海兵隊、艦隊航空隊群の指揮を執る。海軍区は４つで、フェロル、ラス・パルマス、カディス、カタルヘナに司令部が置かれている。兵力22627名。アゴスタ級潜水艦３隻、フリゲート11隻（アルヴァロ・デ・バサン級など）、哨戒艦15隻（メテオロ級４隻など）、哨戒艇７隻、ファン・カルロス級強襲揚陸艦１隻、ドック型輸送揚陸艦２隻、揚陸艇14隻、掃海艇６隻、測量・調査艇７隻、練習艦艇14隻、補給艦２隻、輸送艦３隻、補給支援艦２隻、航洋曳船２隻、固定翼艦上機17機、艦載ヘリ38機、固定翼陸上機28機、陸上ヘリ14機を保有する。参考：月刊世界の艦船3,’14

　＜スペイン海軍（２０１５年）＞：現役兵力22200名（海兵隊、航空部隊含む）、予備役2750名。アゴスタ級潜水艦３隻、アルヴァロ・デ・バサン級イージス艦５隻、サンタ・マリア級フリゲート６隻、ファン・カルロス�T世級強襲揚陸艦１隻、ガリシア級ドック型輸送揚陸艦２隻、LCM1E型揚陸艇14隻、メテオロ級哨戒艇４隻、アルボラン級哨戒艇３隻、デスクビエルタ級哨戒艇４隻、セルヴィオラ級哨戒艇４隻、アナガ級哨戒艇３隻、トララ級哨戒艇２隻、P-101/114/201級哨戒艇３隻、セグラ級掃海艇６隻、兵站支援船78隻を保有する。航空部隊は年間平均飛行時間150時間（AV-8B部隊）／200時間（ヘリ部隊）。AV-8Bハリアー�Uプラス攻撃機12機、TAV-8B攻撃機１機（アメリカ海兵隊にリース中）、セスナ550サイテーション�U軽輸送機３機、セスナ650サイテーション�Z軽輸送機１機、SH-3D対潜ヘリ７機、SH-60B対潜ヘリ12機、500MD多用途ヘリ９機、SH-3H早期警戒ヘリ３機、ベル212ヘリ（HU-18。HA-18？）７機、AIM-9L/-120空対空ミサイル、AGM-65G空対地ミサイル、AGM-119空対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スペイン海上監視隊（１９８９年）＞：スペイン運輸通信省の隷下にある。哨戒艇54隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スペイン海兵隊＞：1537年、世界初の海兵隊としてスペイン海軍隷下に創設された。2003年、ピラーニャ�VＣ装甲兵員輸送車の配備を開始。参考：月刊世界の艦船3,’19、月刊軍事研究10,’03

　＜スペイン海兵隊（１９７７年）＞：兵力8000名。軽歩兵連隊４個と独立グループ２個からなる。参考：軍事力バランス78年版

　＜スペイン海兵隊（１９８９年）＞：兵力8500名。海兵連隊１個（3500名）、海兵守備連隊５個からなる。M-48E戦車18両、スコーピオン軽戦車17両、LVTP-7水陸両用車19両、105mm駄載砲M-56を12門、M-52A1自走砲８両、M-109自走砲６両、TOW対戦車ミサイルランチャー18基、ドラゴン対戦車ミサイルランチャー18基、88mmロケットランチャーM-65、90mmロケットランチャーC-90C、106mm無反動砲66門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜スペイン海兵隊（２０１５年）＞：現役兵力5300名。特殊作戦大隊１個、海兵旅団（偵察ユニット１個、機械化歩兵大隊１個、歩兵大隊２個、砲兵大隊１個、兵站大隊１個）１個、保安旅団（海兵衛兵グループ５個）１個からなる。M60A3TTS戦車16両、ピラーニャ�VＣ装甲兵員輸送車32両、ピラーニャ�VＣ EW装甲車１両、AAV-7A1/AAVP-7A1装甲車16両、AAVC-7A1装甲車２両、M109A2自走砲６両、105mm榴弾砲M56を12門、スパイクLR対戦車ミサイル、TOW2対戦車ミサイル、90mmロケットランチャーC-90C、ミストラル携帯地対空ミサイル12基、ピラーニャ�VＣ装甲工兵車１両、AAVR-7A1装甲回収車１両、ピラーニャ�VＣ装甲回収車１両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スペイン風邪＞：1918年から大流行したインフルエンザのこと。最初に流行したのはアメリカだが、第１次大戦中なので情報統制がかけられており、スペインでの大流行が大きく報道されてスペイン風邪になった。全世界で５億人以上が感染して１億人が死亡、日本でも39万人（当時の人口は5500万人）が犠牲となっている。参考：朝雲

＜スペイン空軍＞：1939年1月、He112戦闘機の配備を開始。1953年、CASA2111爆撃機の量産を開始。1970年代、F-4C(S)戦闘機40機を導入。1970年、F-5戦闘機の配備を開始。1974年5月、C.212輸送機の引き渡しが開始された。1975年、ミラージュF1戦闘機の導入を開始。1977年6月、C-101練習機が初飛行。2004年、タイフーン戦闘機の配備を開始。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。2016年11月、A400M輸送機の引き渡しが開始された。2017年1月13-26日、イタリア空軍との共同異機種間戦闘訓練に第11・第14航空団C.16/CE.16タイフーン戦闘機11機と第12・第15・第46航空団C.15/CE.15ホーネット戦闘機18機で参加。4月28日、HD19救難ヘリが退役した。6月5-16日、タクティカル・ウェポン・ミート2017に参加。2019年12月13日、MQ-9無人機初号機を配備した。2021年12月14日、C.15/CE.15ホーネット戦闘機の後継として、ハルコン計画の名称でC.16/CE.16タイフーン戦闘機を追加導入することにした。参考：月刊航空ファン6,’11、9,’17、3,’20、月刊JWings4,’17、3,’18、9,’22

　＜スペイン空軍（１９７７年）＞：兵力41000名（うち徴兵9000名）。F-4C(S)戦闘機35機、ミラージュ�VＥ戦闘機24機、ミラージュ�VDE戦闘機６機、ミラージュF1CE戦闘機15機、F-5A戦闘機／RF-5A偵察機40機、HA220サエッタ25機、HU16Bアルバトロス哨戒機９機、P-3A哨戒機３機、AB205/206ヘリ17機、SA16捜索救難機５機、C-130H輸送機７機、CASA207輸送機12機、CASA212輸送機30機、DHC-4輸送機12機、C440輸送機３機、ファルコン20輸送機１機、Do27輸送機36機、キングエア輸送機８機、バロンを３機、KC-97空中給油機３機、F-5B練習機24機、T-33練習機40機、T-34練習機25機、パイパー／ビーチクラフト10機、T-6G練習機80機、HA200A/Bを40機、ボナンザ24機、AB47ヘリ28機、AB205ヘリ３機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スペイン空軍（１９８９年）＞：兵力36000名（うち徴兵21500名）、予備役35000名。戦闘航空コマンドに航空団４個・飛行隊８個、戦術航空コマンドに航空団３個・飛行隊６個、カナリー諸島航空コマンドに戦闘飛行隊・輸送飛行隊・捜索救難飛行隊１個ずつ、輸送コマンドに航空団３個・飛行隊６個、訓練コマンドに飛行隊13個、資材コマンドに航空団１個・飛行隊１個、空軍司令部グループに輸送飛行隊２個・捜索救難飛行隊３個・支援飛行隊２個を置く。EF-18A/B戦闘機55機、F-5A戦闘機14機、F-5B戦闘機25機、RF-5A偵察機12機（＋保管中12機）、ミラージュF-1CE戦闘機36機、ミラージュF-1BE戦闘機５機、ミラージュF-1EE戦闘機21機、ミラージュ�VEE戦闘機18機、ミラージュ�VDE戦闘機５機、F-4C戦闘機32機、RF-4C偵察機12機、P-3A哨戒機６機、B707空中給油輸送機２機、C-130H輸送機７機、KC-130H空中給油機５機、C-212輸送機27機、C-212捜索救難機11機、C-212連絡機５機、C-212練習機24機、C-212E練習機14機、TR-12D電子戦機２機、C-101練習機85機、CL-215支援機13機、DHC-4輸送機21機、ファルコン20要人輸送機５機、ファルコン50要人輸送機１機、ファルコン900要人輸送機１機、F-27捜索救難機３機、Do-27/CASA C-127連絡機58機、T-34練習機21機、アズテック６機、ナバホ２機、ボナンザ43機、バロン17機、AB-205/UH-1H練習ヘリ13機、AB206練習ヘリ４機、SA-319捜索救難ヘリ６機、SA-330輸送ヘリ６機、AS-332捜索救難ヘリ９機、AS-332輸送ヘリ２機、TH-55A練習ヘリ17機、ベル47／OH-13練習ヘリ25機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜スペイン空軍（２０１５年）＞：現役兵力20400名、予備役2300名。年間飛行時間は戦闘機180時間、輸送機・ヘリ120時間。タイフーン戦闘機41機、F-5B戦闘機19機、EF-18A（F/A-18A）戦闘機20機、EF-18A MLU戦闘機54機、EF-18B MLU戦闘機12機、P-3A哨戒機２機、P-3M哨戒機３機、CN-235VIGMA洋上哨戒機８機、TR-19A（CN-235）情報収集機２機、TM.12D（C-212アビオカー）電子戦機１機、ファルコン20D電子戦機２機、ファルコン20E電子戦機２機、KC-130H空中給油機５機、C-130H輸送機６機、C-130H-30輸送機１機、C90軽輸送機４機、F33Cボナンザ軽輸送機22機、C-212軽輸送機10機（うち練習機９機）、C-295軽輸送機13機、CN-235軽輸送機８機、セスナ550サイテーション�X軽輸送機３機、A310要人輸送機２機、B707要人輸送機１機、ファルコン900要人輸送機５機、C-101練習機66機、E-26（T-35ピラン）練習機37機、CL-215消防機14機、CL-415消防機３機、AS332B/B1輸送ヘリ９機、AS332M1輸送ヘリ４機、AS532UL要人輸送ヘリ２機、SA330J輸送ヘリ４機、SA330L輸送ヘリ２機、H120コリブリ軽輸送ヘリ15機、S-76C軽輸送ヘリ８機、ミストラル携帯地対空ミサイル、スカイガード／アスピーデ地対空ミサイル、AIM-9L/JULI空対空ミサイル、IRIS-T空対空ミサイル、AIM-7P空対空ミサイル、AIM-120B/C空対空ミサイル、AGM-88B対レーダーミサイル、AGM-65G空対地ミサイル、AGM-84D空対艦ミサイル、KEPD350巡航ミサイル、GBU-10/-12/-16/-24誘導爆弾、EGBU-16誘導爆弾、BPG-2000誘導爆弾を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スペイン軍＞：陸海空の三軍からなる。最高司令官は国王だが、有事の指揮官は首相、平時の指揮官は首相の委任を受けた国防大臣である。国防関連の諮問機関は国防会議（国王及び首相）、参謀総長会議（国防参謀総長、三軍の各参謀総長）。2013年、統合サイバーコマンドを新編した。参考：月刊世界の艦船2,’87

　＜スペイン軍（１９８９年）＞：総兵力285000名（うち徴兵210000名）、予備役240万名（うち５年以内の兵役経験者103万名）。国連ナミビア独立移管援助グループに85名とC-212輸送機８機を派遣している。アメリカ海軍3700名、アメリカ空軍4900名と戦術航空団１個（作戦機72機）が駐留する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜スペイン軍（２０１５年）＞：現役総兵力122000名（陸軍71000名、海軍20200名、空軍19500名、統合部隊11200名）、準軍事組織78000名、予備役16150名（陸軍10400名、海軍2750名、空軍2300名、その他700名）。スペインサット通信衛星１基、Xtar-Eur通信衛星１基を保有する。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員20名、アルバニアにOSCE要員１名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにアルテア作戦要員２名とOSCE要員２名、中央アフリカ共和国にEUMAM RCA要員22名、コート・ジボアールにUNOCI要員１名、ジブチにアタランタ作戦でCN-235輸送機１機、アデン湾とインド洋にアタランタ作戦でコルベット１隻、イラクにインヒアラント・リゾルブ作戦要員301名、レバノンにUNIFIL要員613名・機甲歩兵旅団司令部１個・機械化歩兵戦闘群１個、マリにEUTMマリ要員118名、地中海にEU NAVFOR MEDのフリゲート１隻とP-3M哨戒機１機・NATO海軍SNMCMG2の掃海艦１隻、北海にNATO海軍SNMG1のイージス艦１隻、コソボにOSCE要員１名、トルコにアクティブ・フェンス２作戦でパトリオットPAC-2防空部隊２個、ウガンダにEUTMソマリア要員13名、ウクライナにOSCE要員14名を派遣している。USEUCOM2100名が駐留しており、モロンに空軍基地、ロタに海軍基地がある。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スペイン国家警察（１９８９年）＞：人員47000人。歩兵大隊26個、騎兵大隊グループ２個、騎兵中隊３個、特殊作戦コマンドー・グループ１個、民間保安グループからなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スペイン十字章＞：ドイツの勲章。スペイン内乱にコンドル義勇軍として参加した将兵が対象で、剣付きデザイン４種類と剣無しデザイン２種類の計６種類あり、26117名に授与された。参考：Ｕボート入門

＜スペイン中央銀行支店占拠事件＞：1981年5月23日、自動小銃などで武装した極右組織24人がバルセロナにあるスペイン中央銀行の支店に押し入り、中にいた二百数十人を人質に取って立て籠もり、2月23日にスペイン国会を襲って逮捕された４人の釈放を求めた。スペイン軍特殊部隊GEOが出動し、5月24日に突入、首謀者１人を射殺し、10人を逮捕。残る13人は人質に紛れて逃走、人質に負傷者１人が出た。参考：月刊軍事研究7,’97

＜スペイン内乱＞：1931年4月、スペイン王政が打倒されて共和制となったが、次第に勢力を拡大する左派と、右派との間で武力闘争が発生。1936年2月の左派政権誕生で対立は決定的となり、7月18日にスペイン軍元参謀総長フランコらを中心とする右派が反乱軍を形成、スペイン本土と植民地の17か所で蜂起した。フランコ反乱軍をドイツとイタリアが、共和国政府軍をソ連とフランスが支援し、義勇部隊と称して正規軍を送り込んでいる。ドイツはコンドル軍団と呼ばれる空軍中心の大規模な義勇軍を派遣し、1936年にJu52/3m輸送機で現地の兵士1000名を空輸した他、第88飛行隊などの航空機部隊を投入した。当初、第88飛行隊にはHe51戦闘機が配備されていたが、ソ連のI-15戦闘機やI-16戦闘機に勝てなかったため、1937年3月からBf109B-2戦闘機を配備した。1938年春からHe51戦闘機は後方に下げられ、1938年7月からはBf109B-1戦闘機とBf109C-1戦闘機も加わり、新たな空戦戦法であるロッテ戦法を編み出して戦果を挙げている。年末からBf109D-0戦闘機を派遣した。1939年2月、国民党地上軍がフランス国境に到達し、3月28日に内乱は終結した。コンドル軍団第88飛行隊は314機を撃墜破する戦果を挙げている。ソ連はT-26戦車とBT-5戦車を計400両派遣したが、M1897野砲の直接照準射撃を喰らって大損害を出しており、T-34戦車では装甲強化を図った。直接支援国のみならず、イギリスやアメリカも航空戦を分析し、様々な情報を得ている。参考：月刊軍事研究5,’08、ミリタリーエアクラフト1,’97

＜スペイン民間防衛隊＞

＜スペイン民間防衛隊（１９８９年）＞：隊員64000人（＋補助要員3000人）。歩兵連隊20個、地方大隊56個、交通保安グループ６個、対テロ特殊グループ１個からなる。BLR装甲兵員輸送車、BK-117軽輸送ヘリ１機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スペイン民間防衛隊（２０１５年）＞：隊員75500人。17地域に54個地方コマンドを擁する。地方特殊作戦群８個、交通保安群15個、特殊保安大隊１個からなる。CN-235-300軽輸送機２機、Bo-105ATH多用途ヘリ18機、BK-117軽輸送ヘリ８機、H135軽輸送ヘリ13機を保有する。洋上部隊は隊員1250名。哨戒艇72隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スペイン陸軍＞：1943年、�W号戦車30両と�V号突撃砲30両を購入。1979年、BMR600装甲車を採用。1996年、ピッツァロ歩兵戦闘車の配備を開始。2005年、レオパルト2E戦車の配備を開始。2022年、CH-47F輸送ヘリの配備を開始。参考：月刊丸7,’09別冊、月刊PANZER4,’04、月刊JWings4,’22

＜スペイン陸軍（１９７７年）＞：兵力220000名（うち徴兵178000名）。機甲師団１個、機械化歩兵師団１個、自動車化歩兵師団１個、山岳師団２個、機甲騎兵旅団１個、独立歩兵旅団10個、山岳旅団１個、空輸旅団１個、空挺旅団１個、砲兵旅団２個、混成高射砲／沿岸砲連隊10個、外人連隊３個、地方軍正規連隊３個、地対空ミサイル大隊１個からなる。AMX-30戦車200両、M47/M48戦車475両、M41軽戦車200両、AML60/90装甲車75両、M113装甲兵員輸送車400両、105mm/122mm/155mm/203mm砲500門、105mm/155mm/175mm自走砲75門、216mm/300mm多連装ロケットランチャー、60mm/81mm/120mm迫撃砲、90mm/106mm無反動砲、ミラン／コブラ対戦車ミサイル、40mm高射機関砲/88mm/90mm高射砲400門、88mm/６インチ(152.4mm)/15インチ(381mm)沿岸砲、ナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイル、ホーク地対空ミサイル、セスナO1軽飛行機20機、Do27軽飛行機20機、UH-1B/H汎用ヘリ20機、AB206A汎用ヘリ16機、CH-47C輸送ヘリ６機、アルエート�V汎用ヘリ１機、ベル47G汎用ヘリ13機、ピューマ汎用ヘリ３機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜スペイン陸軍（１９８９年）＞：兵力210000名（うち徴兵164000名）、予備役82万名。地域作戦コマンド８個（うち海外２個）に機甲師団１個、機械化旅団１個、自動車化師団１個、山岳師団２個、装甲騎兵旅団２個、空中機動旅団１個、歩兵連隊１個、沿岸砲兵コマンド１個、特殊作戦大隊７個、地域工兵大隊５個、スペイン外人部隊１個を置く。総合予備部隊は空挺旅団１個、防空コマンド１個、野戦砲兵コマンド１個、近衛連隊からなる。航空隊は司令部、攻撃大隊１個、輸送大隊１個、多用途部隊３個という編成である。北アフリカ飛び地領土のセウタとメリリャに15800名、装甲騎兵連隊２個、スペイン外人部隊連隊２個、混成砲兵連隊２個、軽防空大隊２個、工兵大隊２個、沿岸砲兵群１個、バレアレス諸島に5600名、歩兵連隊１個、砲兵連隊１個、沿岸砲兵大隊１個、工兵大隊１個、特殊作戦中隊１個、カナリー諸島に10000名、歩兵大隊２個、スペイン外人部隊連隊１個、沿岸砲兵連隊２個、工兵大隊２個、特殊作戦中隊２個を展開している。AMX-30戦車299両、M-47E1戦車329両、M-47E2戦車46両、M-48A5E戦車164両、M-41軽戦車36両、VEC偵察車138両、M-113装甲兵員輸送車1195両、BTR-600装甲兵員輸送車1370両、105mm牽引砲M-26を359門（うち保管中215門）、56型駄載105mm砲150門、122mm砲390-1を85門、155mm砲M-114を84門、155mm砲M-44を６門、105mm自走砲M-108を48両、155mm榴弾砲M-109を96門、203mm自走榴弾砲203/25を24両、203mm自走砲M-110を12門、６インチ（152.4mm）沿岸砲113門、203mm沿岸砲24門、305mm沿岸砲14門、381mm沿岸砲７門、テルエル140mm多連装ロケットランチャー12基、81mm迫撃砲1200門（うち自走迫撃砲76門）、120mm迫撃砲M-40を400門（うち自走化190門）、ミラン対戦車ミサイルランチャー442基、HOT対戦車ミサイルランチャー28基、106mm無反動砲654門、20mm高射機関砲GA1-BO1を365門、35mm連装高射機関砲GDF-002を92基、70口径40mm高射機関砲を274門、ナイキ・ハーキュリーズ地対空ミサイル４基、改ホーク地対空ミサイル24基、ローランド自走地対空ミサイル16両、スカイガード／アスピーデ地対空ミサイル、UH-1B/H汎用ヘリ59機、HA-15武装ヘリ71機（うち19機は20mm機関砲、28機はHOT対戦車ミサイルを搭載）、AB-212汎用ヘリ６機、HR-12Bヘリ17機、HT-21ヘリ６機、HT-17輸送ヘリ18機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スペイン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力71100名、予備役10400名。軍司令部１個、師団司令部２個、特殊部隊（特殊作戦大隊３個、情報中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第２旅団（機動偵察部隊。軽機甲騎兵連隊３個、野戦砲兵連隊１個、防空中隊１個、工兵大隊１個、情報中隊１個、NBC中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第12旅団（機甲部隊。偵察スコードロン１個、機甲歩兵連隊１個、機械化歩兵連隊１個、自走砲大隊１個、防空中隊１個、工兵大隊１個、情報中隊１個、NBC中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第10旅団（機械化旅団。偵察スコードロン１個、機甲歩兵大隊１個、機械化歩兵連隊１個、自走砲大隊１個、対戦車中隊１個、防空中隊１個、工兵大隊１個、情報中隊１個、NBC中隊１個、信号中隊１個、兵站大隊１個）、第11旅団（第10旅団と同編成）、第２ラ・レギオン旅団（軽旅団。偵察大隊１個、歩兵連隊２個、野戦砲兵大隊１個、対戦車中隊１個、防空中隊１個、工兵大隊１個、情報中隊１個、NBC中隊１個、信号中隊１個、兵站大隊１個）、第７旅団（第２ラ・レギオン旅団と同編成）、第５旅団（軽旅団。軽歩兵連隊２個）、第６旅団（空中機動部隊。偵察中隊１個、空挺大隊３個、野戦砲兵大隊１個、対戦車中隊１個、防空中隊１個、工兵大隊１個、情報中隊１個、NBC中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第１山岳司令部（山岳歩兵連隊３個）、カナリア諸島コマンド（軽歩兵旅団１個、支援ヘリ大隊１個、防空連隊１個）、バレアレス諸島コマンド（歩兵連隊１個）、セウタ及びメリリャ・コマンド（騎兵連隊１個、歩兵連隊２個、砲兵連隊１個、工兵大隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、FAMET航空コマンド（攻撃ヘリ大隊１個、支援ヘリ大隊２個、輸送ヘリ大隊１個、通信大隊１個、兵站ユニット１個）、砲兵コマンド（砲兵連隊３個。うち沿岸砲兵連隊１個）１個、防空コマンド１個、工兵コマンド１個、電子戦・通信旅団１個、電子戦連隊１個、NBC連隊１個、鉄道連隊１個、通信連隊１個、民軍協力CIMIC大隊１個、兵站旅団１個、医療旅団１個からなる。レオパルト2A4戦車108両、レオパルト2A5E戦車223両、B-1チェンタウロ偵察車84両、BEC-3562MBR-VEC偵察車187両、ピッツァロ装甲兵員輸送車144両（うち指揮車21両）、M113装甲車453両、BMR-600/-600M1装甲車312両、RG-31装甲車110両、M109A5自走砲96両、105mm軽砲L117を56門、105mm軽砲モデル56パックハウザー167門、155mm砲SBT155/52APU SBT V07を19門、81mm迫撃砲887門、120mm迫撃砲461門、スパイクLR対戦車ミサイル、TOW対戦車ミサイル、ティーガーHAP-E攻撃ヘリ６機、ティーガーHAD-E攻撃ヘリ３機、Bo-105HOT多用途ヘリ17機、CH-47D（HT-17D）輸送ヘリ17機、AS332B（HU-21）輸送ヘリ15機、AS532UL輸送ヘリ12機、AS532AL輸送ヘリ６機、NH90TTH輸送ヘリ１機、ベル205（HU-10B）ヘリ６機、ベル212（HU.18）ヘリ５機、EC135T2（HE.26/HU.26）ヘリ20機、サーチャーMk�U-J無人機２機、サーチャーMk�V無人機４機、ローランド自走地対空ミサイル18両、MIM-23B改ホーク・フェーズ�V地対空ミサイル42基、スカイガード／アスピーデ地対空ミサイル13基、NASAMS地対空ミサイル８基、MIM-104CパトリオットPAC-2地対空ミサイル８基、ミストラル携帯地対空ミサイル、35mm高射機関砲GDF-005/GDF-007を91基、アーサー対砲レーダー４基、AN/TPQ-36対砲レーダー２基、CZ-10/25E装甲工兵車34両、レオパルトREC戦車回収車16両、AMX-30戦車回収車１両、BMR-REC装甲回収車５両、チェンタウロREC装甲回収車４両、M47-VR装甲回収車22両、M113装甲回収車12両、M47戦車橋１両、M60戦車橋15両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スペイン列車爆破事件＞：2004年3月11日にスペインのマドリードで起きた爆破テロ。事件直後にアブ・ハフス・アル・マスリ隊を名乗る組織から犯行声明が送られた。当初はバスク祖国と自由の犯行と政府が発表したが、実際はイスラム過激派の仕業と判明。特に犯人の１人であるモロッコ人のジャマル・ズガムは、スペインのアルカイダ系イスラム過激派のボスの側近であり、モロッコのアルカイダ系テロ組織サラフィヤ・ジハーディヤやモロッコ・イスラム戦闘団と繋がりがあったようだ。参考：月刊軍事研究5,’04

＜スペースジェットＭ９０＞：三菱スペースジェット・シリーズ（旅客機）を参照。

＜スペースジェットＭ１００＞：三菱スペースジェット・シリーズ（旅客機）を参照。

＜スペースジェットＭ２００＞：三菱スペースジェット・シリーズ（旅客機）を参照。

＜スペースシャトル＞：アメリカの宇宙船。オービターとブースターの再使用が可能で、毎週打ち上げることができ、コストが低減できるという触れ込みで1969年から開発され、1981年4月12日に実用化（コロンビア初打ち上げ）された。オービターの腹に液体燃料タンクを付け、タンク両脇に固体ロケットブースターを付けて発射する。赤道に対する傾斜角28.5-62度、軌道高度160km-640kmを飛行し、各種実験などを行う。開発当初は大気圏突入直前のソ連偵察やソ連の衛星捕獲も計画されており、実用化後は軍事衛星放出ミッションなども行っていたが、軍事専用ミッションは11回（10回？）しか実施されていない。打ち上げ・着陸は普通ケネディー宇宙センターで、時々エドワーズ空軍基地になる。打ち上げまでのカウントダウンはケネディー宇宙センターで行い、打ち上げ直前からジョンソン宇宙センターに管制を移行、着陸して機体が静止するとまたケネディー宇宙センターが指令を行う。地球に帰還してから再出発するまでにかかる時間は３ヶ月。初号機はOV-101エンタープライズで、これは飛行試験専用である。OV-102コロンビア、OV-103ディスカバリー、OV-104アトランティス、OV-099チャレンジャーの４機で運用していたが、1986年にチャレンジャーが爆発したため、OV-105エンデバーが建造された。2003年にコロンビアが帰還途中で空中分解してしまい、既に生産ラインも閉じられているので、以降は３機で運用している。コストが安いという触れ込みだったが、実際の打ち上げ費用はSTS-133で６億ドルに達しており、衛星は2-3基しか積めないので、H-�UＡロケット（衛星１基あたり100-120億円）よりも高い。コロンビアの事故を受けて2004年1月に退役の方針が決定された。2011年7月8日1129、アトランティスがSTS-135ミッションのため打ち上げられた。これが最後のミッション（135回目）で、7月21日にケネディー宇宙センターに着陸している。総航程は地球20000周、宇宙総滞在期間は３年半、宇宙に運んだペイロードは1593.8トンだった。以降はペイロード打ち上げには安価な使い捨てロケット、有人飛行にはソユーズまたは民間開発機を使用する予定。ディスカバリーはスミソニアン国立航空宇宙博物館別館（ダレス国際空港併設）、アトランティスはケネディー宇宙センターのビジターセンター、エンデバーはカリフォルニア科学センター（2012年10月30日から）、エンタープライズはニューヨークのイントレピッド博物館（2012年7月19日から公開予定）に展示される。また、地上試験用器材をオービター風にしたOV-098パスファインダーがアラバマ州ハンツビルにあるスペース＆ロケットセンターに展示予定。参考：月刊JWings4,’03、1,’18、2,’18、10,’05、7,’12、12,’12、月刊軍事研究5,’11、月刊航空ファン8’10、9,’11、11,’11

＜スペースド・アーマー＞：中空装甲、空間装甲、二重装甲ともいう。２枚以上の装甲板を、隙間を開けて重ねた装甲のこと。隙間に機銃弾、水、ディーゼル燃料などを入れておくメルカヴァ戦車のような例もある。HEATに対する防御力が高く、１枚目でHEATを炸裂させてスタンドオフ距離を狂わせ、２枚目以降を貫徹されないようにする。また、斜めに命中した場合は、個々の防御鋼板の貫徹孔が鋼板に垂直に開くため、後方のメタルジェットが貫徹孔縁をかすめる時に威力が削がれる。ただし高威力HEAT（ヘルファイア級）やタンデム弾頭などでは有効性が低くなる。また、HEATの発達でスタンドオフ距離が伸びているため、かえって最適距離になってしまう場合もある。徹甲弾の斜射に対しても効果があるが、これは１枚目を貫通する時に徹甲弾の進行方向が変わるため、大きくエネルギーを削がれることによる。銃弾に対する耐弾効力向上効果もあり、日本海軍が航空機用防弾鋼板で行った実験では、２枚以上の鋼板を離して取り付けた場合には、同一重量の１枚の鋼板よりも20%の防御力向上が図れることが分かった。参考：月刊グランドパワー7,’03、月刊戦車マガジン1,’88、火器弾薬技術ハンドブック、続・海軍製鋼技術物語

＜スペースド・ラミネイテッド・アーマー＞：中空装甲と複合装甲を組み合わせたもの。

＜スペース・フラッグ演習＞：アメリカ空軍の宇宙空間に於ける実動演習。レッド・フラッグの宇宙版として2017年4月中旬に初めて開催された。期間は数日間で、第527宇宙アグレッサー部隊が仮想敵役を務めたとされる。参考：月刊軍事研究12,’17

＜スペード＞：駐鋤を参照。

＜スペード＞：ソ連陸軍が第２次大戦時に使用した小隊用47mm迫撃砲の通称。砲身底部の駐鋤が塹壕を掘る時の鍬を兼ねたので、こう呼ばれた。使用弾重量780g、射程400m。参考：手榴弾・迫撃砲

＜スペードフィッシュ＞：SS-411（ガトー級潜水艦）またはSSN-668（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜スペクター＞：PC-12M（軽飛行機）またはYF4H-1（試作戦闘機）を参照。

＜スペクター＞：MBDAが2018年9月20日にコンセプトを発表した攻撃型UAV。電動式クワッドコプター型で、MMP対戦車ミサイル１発またはエンフォーサー対戦車ミサイル２発を搭載して攻撃任務に就き、兵装発射を人間が行うマン・イン・ザ・ループにより誤射を防ぐ。兵装の代わりにセンサー、補給物資、電子戦装置などを積むこともできる。巡航速度180km、巡航高度100m以下、航続距離10km、航続時間60分。ペイロード25kg。参考：JWings12,’18

＜スペクターＤＲ＞：エルカン社（レイセオン社の子会社）が開発した小火器用光学照準器。等倍と４倍の切り替え式で、６倍のものも用意されている。アメリカ陸軍が採用し、イギリス陸軍もFIST用として10835基を調達予定である。参考：月刊軍事研究12,’09

＜スペクタクル＞：アメリカ海軍掃海艇。1945年5月24日、菊水７号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜スペクトラ・シールド＞：アメリカのアライド・シグナル社が開発した超強力ポリエチレン線維。ケブラーよりも水に強く、同じ強度でも30%軽量で、シート状に加工したものを10枚重ねにしてレジンで接着し、防弾ベストやインサート・プレートの素材として広く使用されている。ただし、融点が60度強（135度？）なので、耐熱性が無い。参考：月刊軍事研究12,’04、8,’08

＜スペクトラムアナライザ＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジーまたはローデ・シュワルツ・ジャパンまたはアンリツまたはキーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究8,’10、9,’11、12,’12、5,’17

＜スペクトラムアナライザ１型＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究12,’11

＜スペクトラムアナライザ（２型）＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜スペクトラムアナライザ３型＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜スペクトラムアナライザ（４型）＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜スペクトラムアナライザ５型＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜スペクトラムアナライザ（８９式地雷探知機検査用）＞：自衛隊の機器。アンリツまたはキーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究8,’11、6,’18

＜スペクトラムアナライザ（衛星可搬局装置用）＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜スペクトラムアナライザ（衛星固定局装置用）＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜スペクトラムアナライザ（衛星通信固定局装置用）＞：自衛隊の機器。キーサイト・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜スペクトラム拡散＞：Spread Spectrum、SSと略す。対電子妨害機能とクラッター排除機能の強化を狙った方式である。振幅変調AMや周波数変調FMなどの変調帯域を通常の数百から数千倍に拡大するもので、拡散の幅が大きいため普通に受信しても雑音としか捉えることができず、送信側と同じ拡散符号で受信側が処理しないと元の情報に戻すことができない。また、疑似無作為コード符号による位相シフトを使用するなどしてサイドローブを極限することも可能である。参考：月刊軍事研究4,’08、火器弾薬技術ハンドブック

＜スペクトラル兵器＞：W71（核弾頭）を参照。

＜スペクトルＦ＞：ソ連の水上艦用レーザー警報装置、NATOコードはハーフ・カップ。レーザー照射探知、レーザー放射源測定、レーザー特性探査が可能。360度全周感知できる。感知部重量95kg、艦内システム重量125kg。最大消費電力は感知部・艦内システムそれぞれ300Wずつ。操作要員１名。参考：月刊軍事研究11,’99

＜スペさん＞：スペア（蔑称）を参照。

＜スペシャル・オペレーション・クラフト＞：Mk.�X特殊作戦艇（SEAL母船）を参照。

＜スペシャル・オリンピックス関東地区大会＞：在日米空軍横田基地で1980年から毎年開催されている、知的障害者によるスポーツ大会。最初は基地内の学校に通う生徒３人に対して開かれたが、その後隊員や地元住民も参加するようになった。他の在日米軍基地要員に加え、三自衛隊員もボランティアとして参加している。参考：朝雲

＜スペシャル・フォース＞：グリーンベレー（特殊部隊）を参照。

＜ズベ巡航＞：海軍兵学校用語で、巡航の際にちっとも帆走せず、海に浮かんで遊んでばかりいること。当直監事が水雷艇で巡視に来るので、見つからないようにサボるのがポイントである。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜スペック＞：Specification（諸元）の略。若干の揶揄も込めてカタログデータともいう。寸法、重量、性能などを表す数値である。軍用品の場合、重要なスペックほど正確な数値を隠す傾向にあるので、タイヤの数とか見た目で分かってさほど重要でもないもの以外はあまり頼りにならない。隠す場合でも、やたらと高性能をアピールしたり、目立たないよう低性能に抑えたりと様々なプロパガンダ戦略をとる。参考：月刊軍事研究10,’14、戦闘機のしくみ

＜スペックル＞：クラッターを参照。

＜スペックルド・トラウト＞：C-135C（輸送機）を参照。

＜スペツナズ＞：ソ連の特殊部隊Spetsnaz、別名ラズベドチキ（偵察隊）またはブイソトゥニキ（遊撃隊）。第２次大戦時の強行偵察歩兵部隊が前身で、1960年代の終わり頃に創設されたとみられ、1984年に仮名の亡命ソ連将校ビクトル・スヴォーロフにより存在が暴露された。平時の任務は対象国の政権転覆及び情報収集、戦時の任務は敵戦線後方での長期間の戦略偵察、サボタージュ、政治・軍事目標（司令部、核施設、飛行場、通信施設）への攻撃で、後方撹乱が主体だが、正規戦にも組み込まれた活動となっている。陸海空軍・海軍歩兵いずれにもあり、総兵力３万名。情報局直属の独立連隊は本部及び本部中隊１個、通信中隊１個、空挺大隊（250名）３個、支援中隊１個の計1300名で編成される。各軍大隊隷下のスペツナズ中隊は、本部、通信小隊１個、空挺小隊１個（落下傘小隊３個？）、支援小隊の計115名（将校９名、准将校11名、下士官・兵95名）で編成され、将校、准尉、下士官１名ずつと兵8-10名からなる１個班を戦闘行動基本単位とする。戦時には軍管区に１個旅団と１個情報センターが増設され、司令部、本部中隊、落下傘大隊４個、通信中隊１個、支援隊の兵力計1100-1300名が作戦にあたる。また、海軍各艦隊（太平洋、バルチック、北洋、黒海）直属として１個旅団（司令部、本部中隊、小型潜水艇大隊、フロッグマン大隊３個、落下傘大隊、通信中隊、支援隊）が配備されている。更に戦域軍が保有する連隊も存在し、サボタージュ中隊6-7個、700-800名が配置されており、オリンピック選手を含むスポーツ選手を中心に編成されているという。特殊な制服や部隊章などは存在せず、通常訓練時は空挺隊と同じ格好をしているため、ソ連軍兵士でも判別がつかないらしい。アフガニスタン侵攻で投入され、布の帽子にセーターとスニーカーを着用、ヘリでゲリラのキャンプ近くまで運ばれて夜間襲撃任務に従事した。参考：兵器最先端５、わかりやすいアフガニスタン戦争、月刊グランドパワー4,’98

　＜スペツナズ（１９８９年）＞：兵力27000-30000名。16個旅団と３個独立連隊からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スペディティオーレン＞：MHV909（哨戒艇）を参照。

＜スペトサイ＞：F-453（フリゲート）を参照。

＜ズベノ寄生戦闘機＞：I-16戦闘機ファミリーを参照。

＜スヘフ３０＞：日本軍の下士官兵用三等病客車。三等客車スハフ35250を改造したものである。車内の片側から中央にかけて床をかさ上げして畳を横に張っており、反対側がかさ上げ無しの通路になっている。窓は磨りガラスに換えられた。参考：月刊軍事研究2,’17

＜スペリン＞：イギリス空軍試作爆撃機Sperrin、イギリス航空工業会記号SA.4。1945年2月半ばから最大速度500マイル・805km、航続距離5000マイル・8047kmの対ソ連用ジェット爆撃機としてイギリス空軍省がショート社に設計を依頼、12月に全長39m、全幅47m、総重量72トンで、直線テーパー翼（外翼部前縁のみ後退角あり）の主翼付け根にロールスロイス社製AJ.65ターボジェットエンジン（推力6500ポンド・2.947トン）を３基ずつ横並びで埋め込み、高度15240mで最大速度764kmを出す機体を提案した。ただ大きすぎるとクレームが付いたため、1946年4月には全長37m、全幅34m、総重量52トンにしてエンジンを４基に減らし、高度12292mで最大速度748kmとした案を出している。これを受け、イギリス空軍参謀部は夏に重量10000ポンド・4.536トンの核爆弾を2000海里先に投下でき、高度15240mで速度500ノット・926kmまたはマッハ0.875を出せる次期戦略爆撃機の要求を出し、11月にイギリス供給省が重爆撃機仕様B.14/16を策定した。内容は巡航速度450マイル・724km、巡航高度35000-45000フィート・10688-13716m、最大兵装ペイロード20000ポンド・9.072トン、戦闘行動半径1500海里・2780km（10000ポンド・4.536トン核爆弾１発搭載時）で、当時本命としてB.35/46案（後の3Vボマー）も作っていたため、予備案として要求を控えめにしてある。これに応じてショート社では本格的な開発を開始。当時のジェットエンジンは燃費が悪いので、ブリストル社製プロテュース・ターボプロップエンジン８基を主翼に埋めてプロペラ４軸で推進する案も検討したが、エンジン自体の燃費は良いものの数が多いので重量が大幅に増え、逆に航続距離が1000マイル以上減ってしまうため、ジェットエンジン４発で設計を進めた。エンジンを主翼に埋め込むと分厚くなり、翼厚比を低く抑えるため翼弦長を長くするとアスペクト比が縮小、航続距離が短くなり高々度性能も出せないので、主翼下面にエンジンポッドを取り付ける型式や、B-47爆撃機のようにパイロンを介して吊り下げる方式を検討したが空力的に問題があると判断、最終的には主翼半ばの翼上下面に２基積み重ねて搭載することにした。カウリングは上下エンジンを纏めて覆っているが、エアインテイクと排気口は２つに分かれている。機首先端にはH2S Mk.�\対地レーダーを装備する。機首には乗員が位置する気密室があり、下部前方に航法士兼爆撃手、航法士、無線士が座り、上部のコクピットに機長と副操縦士がサイド・バイ・サイドで位置する。緊急脱出の際には機長以外の乗員が前脚室後方の乗降用ハッチから脱出し、最後に機長が射出座席を使う。胴体やや前寄りの下部が爆弾倉で、ブルー・ダニューブ核爆弾を搭載可能。主翼はやや高い位置にある中翼配置の直線テーパー翼で、翼面積176.2平方メートル。降着装置は前輪式で、前輪はダブルタイヤ、主輪はダブルタイヤのタンデムで、主脚は内側に折り畳んで主翼内に引き込まれる。油圧は4000psi・27.6MPa。全長33.96m、全幅33.25m、自重32.659トン、標準総重量52.164トン。1947年2月に試作機２機と地上試験機１機の生産が決定し、生産用治具を使用して製作され、試作初号機は1951年8月10日、２号機は1952年8月12日に初飛行した。ただ既に3Vボマーの開発が順調に進んでいて用済みの状態であり、初号機はデ・ハビラント社製ジャイロンGy1ターボジェットエンジン（推力15000ポンド・6.804トン）やGy.2（推力20000ポンド・9.072トン）、２号機はレーダーやブルー・ダニューブ核爆弾のテストベッド機として使用され、1957年に２号機、1958年に初号機が解体された。参考：月刊JWings11,’18

＜スペルヴェル＞：サジェム社の無人機Sperwer。中距離戦術無人機システムSDTI（System de Drone Tectique Intermediare）ともいう。胴体や翼下パイロン（容量30kg）に目標測定精度20mのサジェム社製FLIR、合成開口レーダー、ELINT/COMINT機器、通信中継装置、Ｊバンド（15GHz）デジタルデータリンク、IFFモード3Cの搭載が可能。発進はカタパルト、回収はパラシュートまたはエアバッグ着地で行う。全長3.6m、全幅4m。エンジンは単発、出力65馬力、推進はプロペラ、巡航速度180km、最大速度241km、運用高度3000m、最大高度4500m以上、航続距離180km、航続時間４時間。データリンク距離200km。ペイロード50kg。カナダ陸軍が採用し、アフガニスタンで目標捜索監視に使用した。ギリシャ陸軍も配備している。参考：朝雲、月刊軍事研究2,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

＜スペンサー・ライフル＞：アメリカのクリストファー・Ｍ・スペンサーが1860年に発明したレバー・アクション式ライフル。銃床内に７発入りチューブ・マガジンが設けられている。使用弾は.56口径で、ケースが短く威力は弱め。南北戦争で北軍が使ったが、戦争終結後はすぐに旧式化してしまったため、幕末の日本などに輸出された。坂本龍馬も手に入れている。参考：GUN用語事典

＜スペンス＞：DD-512（駆逐艦）を参照。

＜スポイラー＞：Spoiler（阻害するもの）。主翼上面に装着される板状の装置で、気流を阻害して揚力を減少させる働きがあり、普段は主翼と一体化していて、使用時は立てられる。飛行中に使用するものはフライト・スポイラー、地上で使用するものはグランド・スポイラーと呼ぶ。フライト・スポイラーを片方だけ開くと、機体がそちらにロールする。フライト・スポイラーを左右両方で開くと減速し、揚力が減少して機体は降下する。エンジン出力をある程度保ったままで機体を降下させることが可能なため、この方法は着陸時によく使用される。グランド・スポイラーを使うと揚力が減少して機体重量が車輪にのしかかるので、ブレーキの効きが良くなり、着陸滑走距離が短くなる。スピードブレーキ代わりに使用できるものはリフト・ダンパーとも呼ばれる。エルロン・リバーサル現象が無いので、初期の後退翼超音速機に装備されたが、小舵での操縦性に問題があって廃れた。自動車にもボディに発生する揚力を抑える目的で取り付けられることがあり、取り付ける場所によってリップスポイラー、チンスポイラー、サイドアンダースポイラー、リヤスポイラーなどと呼ばれる。参考：月刊JWings11,’00、飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No.172、クルマのすべてがわかる事典

＜スポイラー・スロッテッド・デフレクター＞：スポイラー内部を主翼下面まで開口し、下面開口部に後ろヒンジのデフレクターを装着したもの。スポイラーが作動するとデフレクターも開き、主翼下面の空気をスポイラー後方に逃がし、スピン時などでも操縦性を確保できる。A-5艦攻やA-7艦攻に搭載された。参考：月刊エアワールド8,’05

＜スポイラ固定治具（外舷スポイラ）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜周防元成＞：すほうもとなり。日本海軍エース。大正元年、鳥取県生まれ。昭和9年、海軍兵学校を卒業。昭和12年9月、飛行学生教程を修了し、佐伯航空隊と横須賀航空隊で教育を受けて中尉となり、昭和13年2月に第12航空隊に配属され、中国戦線で任務に就いた。4月29日、漢口空襲で初陣を飾り、１機を撃墜した。7月4日、南昌空戦で２機を撃墜。その後第15航空隊に転属、本土に帰還して霞ヶ浦航空隊、大分航空隊で教官となった。昭和14年10月、大尉に昇進し、第14航空隊分隊長に着任、中国戦線で任務に就いた。12月30日、柳州攻撃で２機を撃墜。昭和15年１月10日、桂林攻撃で２機を撃墜。秋、漢口で零戦に機種転換し、10月7日にハノイに着任、昆明攻撃で４機を撃墜した。11月、元山航空隊に転属。昭和16年4月、空技廠のテストパイロットとなった。昭和17年12月、第252航空隊飛行隊長となり、ソロモン群島ムンダ基地に着任した。昭和18年2月、ウエーク島派遣隊指揮官となった。10月6日に大空襲を受けて部隊が全滅し、ルオットに撤収した。11月24日、マキン島攻撃に出撃したが、燃料タンクに被弾してミレ島に引き返した。昭和19年3月、本土に帰還。5月、少佐に昇進し、元山航空隊に着任した。その後築城航空隊に赴任し、終戦を迎えた。総撃墜数15機。最終階級は少佐。戦後は航空自衛隊のパイロットとなり、空将で退役した。参考：日本海軍戦闘機隊

＜スホーイ＞：パベル・オシポヴィッチ・スホーイ。1895年7月22日、ロシア帝国ヴェテブスク近郊のフウィキカイェに生まれた。1916年、陸軍に徴兵され、機関銃チームの下士官として兵役に就いた。1920年に除隊。1925年にMVTUを卒業、3月からTsAGI（ツアギ）に設計者として勤務し、I-4のエンジン周囲の設計に参加した。1929年9月、ANT-12の設計を行った。1932年、TsAGIの第３設計グループリーダーとなり、ANT-25(RD)長距離記録機を設計。爆撃機型のDB-1及びDB-2、更に改良型のDB-3を開発した。同年からANT-29双発戦闘機の設計も行ったが、採用されずに終わっている。1939年9月、スホーイ設計局の局長となり、1936年から開発していた軽爆撃・偵察機がSu-2の名称で採用された。ターボチャージャー付きエンジンを搭載したSu-1/Su-3戦闘機を1939-41年にかけて開発したが、これは採用されなかった。1942年、Su-2の改良型、Su-4軽爆撃・偵察機が採用された。Su-6単座攻撃機とSu-8双発攻撃機はIl-2/Il-10に及ばず、Su-6に液体ロケットを搭載したSu-7試作戦闘機を開発したが、これも採用されていない。1944年、ハルシチョフニコス加速装置を搭載したSu-5試作戦闘機の設計を開始したが、ジェットエンジンに目処が付いたので1945年に開発を中止。1944年からSu-9双発ジェット戦闘機を設計し、1947年に採用されたが、量産されなかった。1946年、Su-10試作ジェット爆撃機の開発を開始したが、研究資金の減少で1948年に中止となった。1947年にSu-9の改良型、Su-11試作戦闘機が初飛行したが、エンジン不調で採用されなかった。Su-12試作観測機とSu-17試作ジェット戦闘機も初飛行したが、これも不採用となっている。1949年、Su-15試作戦闘機が初飛行したが、後に墜落して開発中止となった。同年11月1日、スターリンによりスホーイ設計局の閉鎖命令が出され、ツポレフ設計局の副設計官となった。1953年、スターリン死去後にOKB-1設計局のトップとなり、Su-7戦闘機を開発した。1956年6月、ツシノ航空ショーで名前が一般に公表された。1957年、Su-7開発の功績により社会主義勤労英雄を授賞した。その後もSu-9戦闘機、Su-11戦闘機、Su-15戦闘機を完成させ、1965年、再度社会主義勤労英雄を授賞した。更にSu-17戦闘機、Su-24戦闘機、Su-25攻撃機、Su-27戦闘機（の原型のT-10）を設計した他、T-4試作爆撃機の設計も行っている。1958-74年、ソ連最高会議代議員となった。ただしソ連科学アカデミー会員には選出されていない。1975年9月15日に81歳で死去した。12月25日、A.N.ツポレフ記念金メダルが授与された。1977年、OKB-1設計局がスホーイ設計局に改称された。参考：世界の傑作機No.120

＜スホーイ設計局＞：ソ連の航空機設計局。開発した航空機にはSu-○○という名称が付き、ロシアではスー○○と呼ぶ。ただ間抜けな感じがするらしく、国際航空ショーではNATOコードで呼称していたりする。ツポレフ設計局から独立して1939年9月に創設され、パベル・オシポヴィッチ・スホーイがトップとなった。第２次大戦開戦前後から戦闘機の設計を行い、1944年にポリカルポフが死去すると第51設計局OKB-51の名称と建物を引き継いだが、MiG設計局などと比較して優秀なものが完成せず、1949年に一旦閉鎖された。1953年2月、スホーイ設計局OKB-1として復活し、夏にアメリカのセンチュリー・シリーズに対抗する超音速戦闘機の開発を再開、MiG設計局よりも一回り大型の戦闘機の設計にあたった。ソ連崩壊でスホーイ機械製作工場（Mashinostroiteliniy Zavod imeni P. O. sukhogo）とスホーイ試作設計局航空化学産業複合企業（Aviatsionniy Nauchno-Proizvodstvenniy Kompleks OKB Sukhogo）に改称された。2006年、統一航空機会社OAKに統合された。参考：月刊軍事研究8,’08、月刊航空ファン11,’92、月刊JWings12,’15、5,'23、世界の傑作機No.172、ウォーマシン・レポートNo.67

＜スポーツ刈り＞：陸上自衛隊員の一般的な髪型。参考：MOLIBITO Vol.3

＜スポーツマン＞：P229（潜水艦）を参照。

＜スポーリング＞：スポール破壊を参照。

＜スボールカ＞：9S80-1（レーダー）を参照。

＜スポール破壊＞：徹甲弾の装甲貫徹モードの１つで、スポーリングともいう。弾丸が毎秒1000-1500mで装甲に衝突すると、弾丸よりも先に圧縮波が装甲板内部を伝わり、装甲板背面で反射して引っ張り力を生じ、ホプキンソン効果と同様の破壊を生じる。これにより実質的に装甲厚が減少し、弾丸直径よりもかなり大きい破片が内部に飛散する。不純物の多い装甲鋼では生じやすい。また、セラミックでは徹甲弾衝突時の曲げ応力により表面にもひび割れを生じるため、スポールと連結して破壊されることもある。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜スポール・ライナー＞：ライナー（防御内張）を参照。

＜スポケーン＞：CL-120（軽巡洋艦）を参照。

＜スポソブヌイ＞：ソ連海軍プロジェクト61ME型ミサイル駆逐艦Sposobny。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜スポッティング・ライフル＞：標定銃、測距銃。戦車砲や無反動砲などの大口径砲と弾道が一致するようにデザインされたセミオート式ライフル銃のこと。着弾点は白煙または火炎で示される。砲の照準を合わせたところでまずこれを発射し、命中したら砲を発射すれば確実に当てられる。ただし発射時に位置がばれることがある。参考：GUN用語事典

＜スポット＞：SS-413（潜水艦）を参照。

＜スポット＞：Spot。レーザー誘導爆弾を装備した攻撃機が、照準用レーザーを受信した際にコールする。参考：月刊航空ファン2,’02

＜スポット・ウェルド＞：瞬間溶接の意味。狙撃銃などを保持する際、銃床を頬にしっかりと固定すること。参考：コンバット・バイブル

＜スポット・ジャミング＞：ジャミングを参照。

＜スポット溶接＞：電気抵抗スポット溶接を参照。

＜スボルカＭ１＞：ロシア軍機動偵察・射撃指揮所MRCP。ZSU-23-4シルカ自走高射機関砲の支援用で、高射砲中隊に配備され、装軌車体の上に搭載した強力なレーダーで敵を捕捉、隷下のZSU-23-4にデータを送信して射撃統制を行う。参考：月刊軍事研究2,’00

＜ズボルル級＞：ルーマニア海軍ミサイル艇Zborul級。兵装はP-15M艦対艦ミサイル連装発射筒２基、AK630CIWS２基、76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ズボン型スパッツ＞：スパッツを参照。

＜スポンソン＞：Sponson。参考：月刊JWings2,’00

＜スポンソン（艦船）＞：艦船の舷側や上部構造物から張り出した部分。兵装などの設置場所で、甲板や上構内のスペースを圧迫せず、射界も広い。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜スポンソン（車両）＞：車両の車体や上部構造物から左右に張り出した部分。しばしば履帯やサスペンションに覆い被さるような形状となっている。参考： British and American tanks of World War Two

＜すま＞：ASR-431（特務艇）またはAGS-5103（海洋観測艦）を参照。

＜須磨＞：日本海軍須磨型巡洋艦１番艦Suma。明治29年12月竣工。明治31年3月、三等巡洋艦に類別された。明治32年、フィリピンで独立運動に伴う混乱が発生したため、マニラで邦人保護にあたった。明治33年、北清事変に参加。明治37年1月、三四式無線電信機を搭載。明治37-38年、日露戦争で旅順攻略、黄海海戦、日本海海戦、樺太攻略に参加。明治41年、大演習終了後に後部マストを撤去し、前部マストに長大な無線電信用アンテナを装着した。明治44年春、四三式一号無線電信機を搭載した。大正元年、二等巡洋艦に等級変更された。大正10年9月、二等海防艦に艦種変更された。大正12年4月に除籍され、大正14年に解体された。参考：月刊丸6,’14、月刊世界の艦船11,’22

＜須磨＞：日本海軍須磨型砲艦Suma。元は大正5年に竣工したイギリス海軍インセクト級河用砲艦モスで、昭和16年12月12日に香港の工廠ドックで自沈していたのを鹵獲し、第２工作部で整備したものである。昭和17年7月1日、須磨と命名され、砲艦に類別された。昭和20年3月19日、揚子江江陰上流50海里で触雷して沈没した。5月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜スマート＞：DE-257（護衛駆逐艦）を参照。

＜スマートＬ＞：SMART-L（レーダー）を参照。

＜スマートＳ＞：SMART-S（レーダー）を参照。

＜スマート・アーマー＞：イスラエルのプラサン・ササ社が開発したセラミック複合装甲、別名スーパー・マルチヒット・アーマー・テクノロジー。小さな球状セラミックを鱗状に嵌め込んでおり、被弾しても破損が全体に及ばず、複数回の被弾に抗堪できる。鱗１枚で14.5mmAP弾に耐えられるとされる。参考：月刊PANZER9,’03

＜スマート・クラスター爆弾＞：クラスター弾のディスペンサー（弾体）をGPS誘導式の風偏差修正ミュニッションディスペンサーWCMDに変更したもの。CBU-103/B、CBU-104/B、CBU-105/B、CBU-107/B、CBU-113/B、CBU-115/Bがある。参考：月刊軍事研究9,’03

＜スマート・スキン＞：航空機の機体外形に沿ってアンテナを設置するタイプのレーダーのこと。レドームのようなレーダーアンテナ収容スペースが要らず、機体各所に搭載できるので、探知能力が大幅に向上する。技術研究本部も2006-09年度に研究を行った。参考：月刊軍事研究6,’10

＜スマートで目先が利いて几帳面負けじ魂これぞ船乗り＞：日本海軍軍人にあるべき精神を和歌にしたもの。参考：陸海軍学校と教育

＜スマートファイター＞：JAS39E（戦闘機）を参照。

＜スマートフォース＞：エアバス・ディフェンス＆スペースとエアバス・ヘリコプターズが開発した軍用機用データ解析サービスSmartForce。民間機用データ解析サービスのスカイワイズを軍用に拡張したもので、運用データを収集解析して安全性と可動率を向上させ、経費を削減する。保全システムや同盟国とのデータ共有システムも備える。参考：月刊航空ファン10,’18

＜スマート兵器＞：爆弾に誘導能力を付加し、命中精度を高めた兵器のこと。ベトナム戦争から使用された言葉である。参考：月刊軍事研究6,’01

＜スマートボムラック＞：ラックを参照。

＜ズマイ＞：ユーゴスラビア海軍水上機母艦Zmaj。主任務はアドリア海の哨戒で、後甲板が水上機搭載スペースになっており、艦内にも機体を分解して搭載できる。発進や収容は艦中央のクレーンで行う。基準排水量1870トン。速力15ノット。水上機10機を搭載できる。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜スマイク＞：イギリス海軍オリヴァー・ツイスト級通船Smike。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜スマイター＞：D55（護衛空母）を参照。

＜スマイラックス＞：K280（コルベット）を参照。

＜須磨型巡洋艦＞：日本海軍三等巡洋艦Suma型。船型は船首尾楼型だが、明石は連絡通路甲板で前後を繋いだため、見た目は平甲板型である。排水量2675トン。兵装は15.2cm単装砲２門、12cm単装砲６門、4.7cm単装砲12門、45cm魚雷発射管２門。須磨と明石が明治29年と明治32年に竣工した。参考：月刊丸6,’14

＜須磨型砲艦＞：日本海軍砲艦Suma型。元はイギリス海軍インセクト級河用砲艦モス（Moth）で、香港で自沈していたのを鹵獲し、兵装を日本海軍式に換装するなどの改装を加えたものである。垂線間長70.1m、最大幅10.97m、吃水1.22m、常備排水量645トン。主機は直立式３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶はヤーロー式重油専焼水管缶２基、出力2000馬力、２軸推進、速力14ノット、重油搭載量65トン。兵装は12.7cm単装砲１門、九三式13mm単装機銃１丁、7.7mm単装機銃２丁。乗員55名。須磨が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜すま型＞：海上自衛隊海洋観測艦。海洋観測艇１号型の代替で、各種海洋データ収集艦の他、音響観測時の音源艦としての役割もあり、電子情報収集も可能で、後部マストにESMアンテナを装着している。船型は長船首楼型で、艦首に吊り下げ式の補助推進器を持ち、観測行動時の艦位を保持する。右舷後部から艦尾までが作業甲板で、機材揚降用Ａフレーム・クレーンや中折れ式クレーンを装備している。左舷には作業艇を搭載。任務上長期航海が多くなるため、船体に舷窓を設けて乗員のストレス解消に努めている。船型が小さすぎたらしく、１隻しか作られなかった。全長72m、全幅12.8m、深さ5.6m、吃水3.4m、基準排水量1180トン、満載排水量1700トン。主機は富士ディーゼル社製6L27.5XF型ディーゼル２基２軸3000馬力、速力15ノット。乗員64名（65名？）＋観測員５名。日立造船舞鶴工場で建造され、AGS-5103すまが1982年3月に就役した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’04、1,’95、1,’14、5,’02増刊、1,’11、海上自衛隊全艦艇史、月刊JWings1,’99、自衛隊装備年鑑1996

＜すま型＞：海上自衛隊特務艇。大元は1954年に竣工したアメリカ海軍港内曳船で、1955年に供与されて当初は曳船に分類され、特務雑船を経て特務艇に区分変更され、すまの艦名が付き、掃海部隊が地方の港に進出する際の曳船として使用された。全長21m、最大幅5.9m、深さ2.9m、吃水2.2m、基準排水量110トン、満載排水量115トン。主機はディーゼル１基１軸600馬力、速力12ノット。乗員６名。ASR-431すまが就役した。後に特務船に類別変更された。1974年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船5,’02増刊

＜スマッシュ＞：トルコのアセルサン社が開発した遠隔操作式30mm機関砲SMASH。安定化砲座に30mm機関砲Mk44と電子光学照準器を搭載したもので、遠隔操作だけでなく砲側照準射撃も行える。フィリピン海軍HDF-3000型フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜スマディヤ＞：セルビアのユーゴインポート社が開発した８×８輪自走多連装ロケットランチャーSumadija。7.62mm×39弾に抗堪できる装甲キャビンを持つ。ロケットランチャーは400mmロケット弾R-400M15用連装ランチャー２基または267mmロケット弾（射程70km）６連装ランチャー２基を搭載可能。完全デジタル化・ネットワーク化されたFCSと航法装置を装備する。全長11.4m、全幅2.55m、全高3.9m、戦闘重量35トン。最大速度100km、航続距離600km。乗員３名。ユーロサトリ2018で展示された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜スマトラ＞：オランダ海軍スマトラ級巡洋艦Sumatra。1926年竣工。1944年6月、オーバーロード作戦時に人工港防波堤として沈められた。参考：近代巡洋艦史

＜スマトラ級＞：オランダ海軍巡洋艦Sumatra級。クルップ社の技術援助を受けたとされ、前後マストは単脚である。全長155.3m（1-2番艦）／158.3m（３番艦）、幅16m、吃水5.5m、常備排水量7050トン（1-2番艦）／7205トン（３番艦）。主機は蒸気タービン、出力72000馬力、３軸推進、速力31ノット。兵装は15cm単装砲10門、7.5cm単装高角砲４門。乗員480名。1915-16年計画で建造され、1916年に３隻が起工されたが、３番艦セレベスは1919年に建造中止となり、ジャワとスマトラが1925-26年に竣工した。就役後間も無く水上機２機を搭載している。1930年代半ばに前後マストを撤去した。参考：近代巡洋艦史

＜スミーエ＞：スミッゲ（実験艦）を参照。

＜澄川道男＞：海軍兵学校45期卒。大正8年、横須賀航空隊航空術学生となった。大正11-14年、フランスに駐在した。昭和5年、連合艦隊参謀となった。その後横須賀航空隊飛行長、第１航空戦隊参謀を経て昭和12-15年にフランス大使館付海軍武官を務め、太平洋戦争開戦時は海軍航空技術廠総務部長だった。昭和17年11月、飛鷹艦長となった。昭和19年1月6日、第４艦隊参謀長となった。3月30日、第22航空戦隊司令官となった。8月12日、第４艦隊参謀長となった。終戦時も第４艦隊参謀長（階級は少将）で、トラック環礁において降伏し、戦犯容疑者としてグアムに拘留された。昭和22年、ペリリュー島残存日本兵34名に降伏を勧告し、救出に成功。復員後、横須賀米軍基地技術顧問となった。昭和25年頃、栄光学園PTA会長を務めていた際、祝祭日の国旗掲揚と君が代斉唱などを断固として行った学園長フォス神父の姿勢に感銘を受け、キリスト教に入信している。昭和52年6月18日、81歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜スミシュレンヌイ＞：ソ連海軍プロジェクト61ME型ミサイル駆逐艦Smyshlenny。1968年竣工。1972年に近代化改装を受けてカシン改型となった。1975年6月16日、錨泊中にクレスタ�U型ミサイル巡洋艦クロンシュタットに接触された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スミス＞：DD-378（駆逐艦）を参照。

＜スミス＆ウエッソン社＞：S&W社と略す。ホーレス・スミスとダニエル・Ｂ・ウエッソンが1854年にコネチカット州ノーウエッチで設立したが、経営難からウインチェスター氏の手に渡った（後にウインチェスター・リピーティング・アームズ社となる）。1857年に再度スミス＆ウエッソン社をスプリングフィールドに設立、リボルバー銃の開発・製造を開始した。参考：GUN用語事典

＜スミス＆ウエッソン.３８／２００＞：イギリス軍回転式拳銃、別名ビクトリーモデル。第２次大戦時に調達し、エンフィールドNo.2よりも評判が良かった。全長260mm、銃身長130mm、重量0.9kg。口径0.38インチ（9.65mm）、装弾数６発。作動はシングル及びダブルアクション。参考：月刊PANZER8,’02

＜スミス＆ウエッソンＭｋ.�U＞：イギリス軍回転式拳銃。元はアメリカの民間用回転式拳銃ニューセンチュリーで、口径を11.4mm・0.455インチとしている。全長300mm、銃身長150mm、重量1kg。装弾数６発。作動はシングル及びダブルアクション。第１次大戦中に調達した。参考：月刊PANZER8,’02

＜スミス級＞：アメリカ海軍駆逐艦Smith級。アメリカ駆逐艦として初めて蒸気タービンを採用した。常備排水量700トン。主機はパーソンズ式直結蒸気タービン３基、主缶はモッシャー式石炭専焼水管缶４基、出力10000馬力、速力28ノット、航続距離2800海里（10ノット）。DD-20フラッサーなど５隻が1909-10年に就役した。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜スミス砲＞：イギリス軍76.2mm滑腔砲。ダンケルク撤退後に郷土防衛隊用として開発した。砲に車輪を２つ付けて人力移動できるようにしてあり、射撃時は横倒しにして一方の車輪をターンテーブルに、もう一方を申し訳程度の装甲天蓋に利用する。６ポンド砲や81mm迫撃砲の弾薬も撃てるが、有効射程が100mくらいしか無く、砲というより擲弾発射機に近い。砲の代わりに弾薬筒を取り付けた弾薬車とペアで運用する。参考：月刊PANZER10,’04、英独航空決戦、British and American tanks of World War Two

＜隅田（初代）＞：日本海軍隅田型砲艦Sumida。明治39年4月17日竣工、二等砲艦に類別された。第１次大戦時は中国の中立表明に伴い武装解除されて上海で抑留された。昭和6年6月1日、単なる砲艦に類別変更された。昭和10年3月1日に除籍され、解体された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜隅田（２代目）＞：日本海軍伏見型河用砲艦Sumida。昭和15年5月31日竣工、砲艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第１遣支艦隊所属だった。昭和17年6月22日、漢口の上流100海里で爆撃を受けて小破した。昭和19年11月25日、揚子江上流の安慶で爆撃を受けて損傷した。昭和20年9月、国府海軍に接収され、江犀（Chianghsi）と改称された。昭和22年5月3日、日本の艦籍から除かれた。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、日本海軍艦隊総覧

＜すみだＬ型自動貨車＞：全長5.47m、全幅1.9m、全高2.66m、自重2.6トン。最大速度60km、燃料搭載量70リットル。ペイロード２トン。参考：機甲入門

＜すみだＰ型六輪自動貨車＞：全長5.95m、全幅2m、全高2.7m、自重4.26トン。最大速度50km、燃料搭載量75リットル。ペイロード３トン。参考：機甲入門

＜スミダＲＳＷ型＞：石川島自動車製作所の試作４輪装甲牽引車。満州の広軌線路警備用として昭和4年に製作した。銃眼と簡易装甲板を装備する。エンジンはA6ガソリン。出力不足で能力も不十分であり、試製九〇式広軌牽引車が開発された。参考：月刊丸3,’13

＜隅田型砲艦＞：日本海軍砲艦Sumida型。日本海軍初の河用砲艦で、日本海軍最小の軍艦である。イギリスで建造され、一旦解体されて上海まで運ばれ、再度組み立てられた。ただし進水直後に日露戦争が勃発したため、竣工は戦後までかかっている。司令部から遠く離れた所で長期任務に就くため、無線通信用の高いマストを前後に持つ。機関出力が足りず、急流に逆らって遡上できないという欠点があった。垂線間長44.2m、最大幅7.32m、吃水0.61m、常備排水量126トン。主機は直立式２気筒２段膨張式レシプロ蒸気機械２基、主缶はソーニクロフト式石炭専焼水管缶２基、出力680馬力、２軸推進、速力13ノット、石炭搭載量25トン。兵装は一号6cm単装砲２門、陸式単装機銃１丁、麻式6.5mm単装機銃４丁。乗員44名。隅田が明治39年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜スミダ簡易装甲自動車＞：石川島自動車製作所の警備隊用装甲車。昭和3年の済南事件をきっかけに開発した。スミダ自動貨車のシャシーに、駆逐艦用高張力鋼を焼き入れした装甲板で作った車体を填め、軽機関銃１丁を装備した銃塔を搭載した。スターターが付いていなかったので、エンストを起こすと車外に出て再始動せねばならず、市街戦中に負傷者が出たこともあった。参考：機甲入門

＜スミッゲ＞：スウェーデン海軍ステルス技術確認実験艦SMYGE。船体は表面効果船SESの実験を兼ねた形状で、外形は傾斜平面により形成され、構造材には炭素繊維強化プラスチックによるサンドイッチ材を使用、開口部はドアで塞ぐかレーダー波吸収素材を適用した。データ収集のため、排気口の冷却方法を３種類用意している。全長30.4m、全幅11.4m、満載排水量140トン。主機は巡航用スカニアDSI14ディーゼル（796馬力）２基＋全速用MTU16V396TB94ディーゼル（5080馬力）２基、推進はカメワ63ウォータージェット２基、最大速力45ノット。1986年起工、1991年3月14日進水。1997年まで各種電子機器やステルス化武装のテストに使用され、この結果を参考にYS2000ヴィスビー級コルベットが開発された。参考：月刊軍事研究12,’07、5,’02

＜墨壺＞：日本陸軍の木工器材。参考：工兵入門

＜住友金属工業＞：昭和10年9月、住友伸銅鋼管と住友製鋼所が合併して創立した。10月、ハミルトン・スタンダード式定速プロペラが初完成し、九六式陸攻に装着された。昭和12年初め、アメリカ政府からハミルトン・スタンダード式定速プロペラの量産許可が下りた。11月、住友金属工業伸銅所の所属だったプロペラ工場が住友金属工業プロペラ製造所として独立部署になった。昭和13年、プロペラ製造所がハミルトン・スタンダード式定速プロペラの量産を開始。海軍からプロペラ生産数を３倍の月産600本にするよう能力拡充指示が出され、陸軍からも1.4倍の560本にするよう増産が下命された。昭和14年2月、ドイツのVDM（フェライニヒテ・ドイッチェ・メタル・ベルケ）社から定速プロペラのライセンス生産権を取得。7月、プロペラ製造所の全工場が日本陸海軍共同管理工場に指定された。昭和16年3月、初の４翅定速プロペラが完成し、天山に搭載された。昭和18年12月、住友VDM式定速プロペラの量産を開始。昭和19年、九九式軍偵用シュワルツ式木製プロペラを出荷。参考：月刊航空ファン10,’19

＜住友重機械浦賀造船所＞：浦賀重工が1969年に住友機械工業と合併して改称されたもの。DD-113やまぐも、みねぐも型護衛艦、はつゆき型護衛艦３隻、あさぎり型護衛艦２隻を建造した。1995年に住友重機械が石川島播磨重工と艦艇事業を合弁してマリンユナイテッドを創設したため、マリンユナイテッド浦賀工場になった。参考：月刊世界の艦船6,’11

＜住友重機械工業過大請求事件＞：防衛省に外部から工数水増し情報が入ったため、2012年5月下旬から調査したところ、昭和40年代から過大請求を行っていたことが判明。会計資料の残っていた2001年度以降の額は住友重機械工業で12億円、住友特機サービスで12億円だった。参考：朝雲

＜住友伸銅鋼管＞：大正15年7月、住友伸銅所から改称されて創立した。昭和3年8月、安治川工場でハブ・ブレード分離式金属プロペラ用鍛造ブレード素材の生産を開始。昭和7年11月、海軍航空本部技術部長山本五十六少将が来社し、海軍の要請で金属プロペラの製造を行うことになり、中島飛行機からハミルトン・スタンダード社のハブ・ブレード分離式金属プロペラ製造権の譲渡を受け、昭和8年4月から製作、5月には住友伸銅鋼管伸銅所第１製造部にプロペラ工場を建て、同月に住友伸銅鋼管初の金属プロペラである九〇式艦戦用固定ピッチプロペラが完成した。昭和9年、ハミルトン・スタンダード社から可変ピッチプロペラのライセンス生産権を取得。秋、陸軍から初めてプロペラを受注した。昭和10年9月、住友製鋼所と合併して住友金属工業になった。参考：月刊航空ファン10,’19

＜住友伸銅所＞：大正14年、リード式金属プロペラ用ジュラルミン素材の国内製作に成功した。大正15年7月、住友伸銅鋼管に改称された。参考：月刊航空ファン10,’19

＜スミトラ＞：インド海軍サリュー級哨戒艦４番艦Sumitra。2014年9月就役。2016年2月6日、インド海軍国際観艦式で観閲艦を務めた。11月16日、ニュージーランドのデヴォンポート海軍基地に入港。11月19日、ニュージーランド海軍創設75周年記念国際観艦式に参列。参考：月刊世界の艦船11,’13、5,’16、2,’17

＜スミネー・シャルダン効果＞：SFFを参照。

＜隅野五市＞：すみのごいち。日本陸軍エース。大正12年、兵庫県生まれ。昭和14年11月、陸軍航空士官学校に入学。昭和17年3月に卒業し、飛行第64戦隊に配属され、明野で戦技教育を受け、11月にビルマに着任した。昭和18年2月10日に初陣を飾り、3月にアキャブ上空でハリケーン戦闘機を撃墜して初戦果を挙げた。昭和19年2月14日、25機目を撃墜。5月15日、アラカン山脈上空でP-38戦闘機５機と単機で交戦し、１機を撃墜した。6月6日、P-38戦闘機と交戦して被弾、戦死した。総撃墜数27機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜隅之庄飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜住吉丸＞：日本海軍住吉丸型動力船。昭和11年竣工。参考：小艦艇入門

＜住吉丸＞：日之出汽船貨物船Sumiyoshi maru。垂線間長82.3m、幅12.2m、深さ6.2m、満載吃水5.37m、総トン数1921トン、重量トン数2846トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1500馬力、航海速力11ノット、最大速力13.44ノット。太平洋戦争勃発で陸軍の輸送を行った。昭和17年10月14日、佐伯からラバウルに向かっていたところ、ニュー・アイルランド島カビエン南西130kmでSS-191スカルピンの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜住吉丸型＞：日本海軍動力船。全長28.7m、最大幅7m、吃水2.7m、排水量292トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル（500馬力）２基・直流発電機（330kW）１基、出力700軸馬力、速力12ノット。作業時には右舷ディーゼルに空気圧縮機、左舷ディーゼルに400kVAの交流発電機を繋ぐ。住吉丸など10隻以上が昭和11-19年に竣工した。参考：小艦艇入門

＜スミラックス＞：PG-98（コルベット）を参照。

＜すみれ＞：LSSL-407（警備艇）を参照。

＜菫（初代）＞：日本海軍樅型駆逐艦17番艦。大正12年3月31日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和15年2月1日に除籍された。11月15日、雑役船（練習船）となった。昭和20年2月23日、三高に改称された。戦後に解体された。参考：日本駆逐艦史

＜菫（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦24番艦。昭和20年3月26日竣工。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年8月20日に賠償艦としてイギリスに引き渡され、その後標的として処分された。参考：日本駆逐艦史、日本海軍艦隊総覧

＜ズムウォルト＞：DDG-1000（駆逐艦）を参照。

＜ズムウォルト＞：エルモ・Ｒ・ズムウォルトJr（Elmo R. Zumwalt, Jr.）。1942年、アナポリス海軍兵学校卒。1968年、ベトナム派遣海軍部隊司令官兼海軍軍事援助顧問団長に就任。1970年7月、49歳で大将に昇任し、アメリカ海軍最年少で海軍作戦総長（第19代）となった。早速Z-Gramと称する改革に着手し、女性や黒人などの差別解消・積極登用に務め、休暇付与基準を緩和し、生活環境の改善にも取り組んでいる。ただセーラー服を廃止してダブルにしたり、長髪や口髭を容認したり、ハイラインの際に砂袋を投げる代わりにゴルフボールショットを行ったりと、首をかしげるような施策もあり、後に廃止されてしまった。軍艦ではニミッツ級の量産を確定させたが、制海艦やミサイル艇は計画倒れになっている。海上自衛隊とは人的交流を深め、アナポリス海軍兵学校と幹部候補生学校との連絡士官交換や、防大生のアナポリス海軍兵学校への短期派遣を開始した。参考：月刊世界の艦船8,’16、月刊軍事研究4,’16

＜ズムウォルト級＞：アメリカ海軍ミサイル駆逐艦Zumwalt級。元はSC-21計画でDD-21として開発されていたステルス対地攻撃艦で、DD(X)に改称され、ズムォルト級として完成した。建造は全てジェネラル・ダイナミクス社バス鉄工所が担当し、ノースロップ・グラマン社インガルス造船所／ハンチントン・インガルス工業はアーレイ・バーク級イージス駆逐艦に集中する。主任務は攻勢作戦における精密大火力による陸上目標破壊と沿岸地域での対水上・対空・対潜優勢確保で、汎用性の高い共通コンピュータシステムの装備や、高い生残性と共に、乗員数を減らす事も求められた。船型は波浪貫通タンブルホーム船型で、水線下第５甲板レベル中央より上の船体舷側を上に向かって絞り込み、艦尾も上に向かって絞り込んだトランサム・スターン形状として曲面や突出部を無くし、高い対レーダー・ステルス性を獲得しており、RCSはアーレイ・バーク級イージス駆逐艦の2%といわれ、１番艦公試時には民間漁船のレーダーに15m級の小舟と映ったらしい。揚錨・係留関連装置は全て船体内に収め、開口部はシャッターで塞ぐようにした。係留用の舫いは船体側面の小さな孔（これもシャッター閉鎖）から出す。船体側面が逆傾斜で、普通に錨を繰り出すと船体を擦ってしまうため、どこから錨を出して錨泊しているのかは不明。ついでに膨張式救命筏などの救命装置も見える場所には無く、船体内に隠し持っているようだ。洋上補給ポストは船体内のトランクに収容されていて、使う時に甲板上に引っ張り出す。シアやフレアが付けられないので、乾舷を高く取ると共に、鋭く突き出した艦首で波浪を切り裂くようにしている。船体形状と主機の性能確認のため、小型実験艇シー・ジェットを製作してテストを行った。艦首水線下にはバウソナー・ドームが突き出していて、AN/SQS-60中周波ソナーとAN/SQS-61高周波ソナーを上下に重ねて収容する。水線下中央にビルジ・キールが装着されているが、フィン・スタビライザーや艦尾フラップは無い。船体は艦底（第７甲板レベル）も含め二重船殻で、上甲板前部に主砲塔２基をタンデムで配置し、中央やや後方に上部構造物があり、後甲板は前甲板より１段低いヘリ甲板となっている。船体素材には耐弾性に優れるHSLA-80鋼を多用し、２番主砲塔付近とヘリ甲板前部の両舷にあたる船体二重船殻間に防御壁も兼ねてMk57VLSを配置、被弾時にVLS内のミサイルが爆発しないよう大容量注排水システムを搭載して抗堪力を高めた。上部構造物は統合複合材デッキハウス開口IDHA（Integrated composite DeckHouse and Apertuers）と呼ばれる台形断面の巨大なもので、３番艦は複合材でなく鋼製にして建造費を節約したが、略称はIDHAで変わらず、重量増は船体を軽量化して相殺する。IDHAはステルス性に配慮して突出部を無くし、電波吸収タイルで覆った。壁面各所に平面アンテナやセンサーを貼り付けており、前面と左右斜め前面の第２甲板レベルに航海艦橋の窓を持ち、窓の上には庇が付いている。上面に前後２本の煙突や排気管の四角い開口部があり、排気を水や空気で冷却するシステムを備え、対赤外線ステルスにも気を遣った。対空レーダーはAN/SPY-4広域捜索レーダーとAN/SPY-3多機能レーダーだが、AN/SPY-4の方は開発が難航し、AN/SPY-3に広域捜索用ソフトウェアを追加して済ませている。電子光学センサーも備えており、機雷やテロ用高速艇・低空飛行航空機などの全周監視追尾と攻撃武器管制を行えるらしいが、具体的にどこにどんなセンサーを積んでいるかは不明。小型角錐状のAN/SPS-73(V)18対水上・航海レーダー用レドームやX/Kaバンド通信アンテナ用ドームもIHDA上面に装備するが、１番艦は航海レーダーが剥き出し、通信アンテナが通常型アンテナドームで搭載されていた。マストも無いので、満艦飾の際は上構前面開口部から艦首上甲板伸縮式ポールに索を張って旗を下げる。内部は第１甲板から05甲板までの６層構造である。航海艦橋には操舵コンソールを備え、舵輪の代わりにトラックボールで操艦する。上構後部第１甲板と第２甲板がぶち抜きのヘリ格納庫で、後甲板第２甲板レベルのヘリ甲板に繋がる。ヘリ格納庫上面左右に30mm機関砲１門ずつを搭載し、ヘリ格納庫右舷側第１甲板レベルには航空管制室がある。ヘリ甲板には発着艦スポットが２ヵ所用意されており、着艦拘束装置とヘリ格納庫への移送レールを装備する。主砲は155mm単装砲AGSで、ステルス砲塔を備え、非使用時は砲身を砲塔と砲塔前方の固定防楯内に収容する。２門をタンデムに配置して砲塔の下に自動給弾・弾庫システム（１番砲が第６甲板レベル、２番砲が第７甲板レベル）を用意しており、中間区画を挟んで抗堪性を増した。弾薬は１門あたり304発用意されており、LRLAP８発を収めたパレット（弾薬込みで重量2.724トン）が弾庫に並んでいて、選択された弾種の揚弾、装填、発射まで全自動となっている。予備弾庫には320発を収容する。また、AGS艦内再補給システムAIRS（AGS Intra-Ship Rearmament System。別名無限弾薬庫）が用意されており、シーステート３までなら補給艦などからヘリ甲板に補給した弾薬パレットを自動で弾庫に送ることが可能で、他艦から弾薬を補給しつつ延々撃ち続けられる。主砲発射時には艦を安定化させるためバラストタンクに注水して重心を下げる。ガスタービン発電機は上構の真下の前後機械室に１基ずつ収容して間に中間区画を挟むシフト配置だが、推進用電動機は後部機械室直後の同一区画（ヘリ格納庫の下方）に並列で並べ、推進軸に直結させている。電動機をプロペラと同じ回転数の低速で回すため、騒音や振動が少ないが、大出力でトルクが大きいため電動機本体が大型になり、超伝導モーターや永久磁石モーターを開発しようとしたが断念、イギリス45型駆逐艦用AIM電動機を少し短縮して２個繋いだ交流同期電動機を装備した。これにより、1/2区分運転を行うことが可能となったため、低速時の効率が上昇している。電動機１基のみでも26-27ノット出せるらしい。インバーターは５相を３基組み合わせた15相インバーターがそれぞれの電動機に用意されており、１つのインバーターが損傷しても残る２つで8/10全力を発揮できる。全艦発電出力は80MWで、電圧は4160V/60Hz、統合電力システムIPS（Integrated Power System）により推進用電動機と艦内所要電力の両方に割り当てる統合電気推進方式である。舵は２枚。船体内最後部に7mRHIBまたは11mRHIBを２隻収容でき、艦尾には揚収用横開きスライドドアを持つ。艦尾にはAN/SQR-20多機能曳航ソナーやAN/SLQ-25魚雷防御装置を繰り出すための開口部がある。艦の全機能をコンピュータ制御するTSCEを備え、戦闘、機関、航海、ダメージ・コントロール、消火、整備、補給、訓練といった各種機能を自動化して統合管制することにより、乗員のワークロードを低減し、乗員数もアーレイ・バーク級イージス駆逐艦の４割に削減した。ダメージ・コントロールのうち問題箇所の発見、報告、損害拡大防止、消火・防水作業を全てTSCEに任せることにより、ダメージ・コントロール要員をアーレイ・バーク級の52名から修復作業に必要な10名のみとしている。ただ戦闘被害でTSCEやダメージ・コントロール系統が破壊された場合にどうするか不明で、予備浮力の小さいタンブルホーム船型と相俟ってダメージ・コントロール能力に不安を持たれている。従来のCICにあたるのが艦船ミッションセンターSMC（Ship’s Mission Center）で、２甲板ぶち抜きになっており、恐らく主船体内中央部付近に配置され、司令部機能も持っている。SMC要員にはそれぞれ大型タッチスクリーン（共通表示装置）３面が用意され、キーボードやトラックボールで作業したい時はUSBを差し込む。共通表示装置にはTSCEで管理する艦内全情報を表示できるので、戦闘関係のみならず、機関や通信などあらゆる分野の要員をSMCに集中させることが可能となり、電信室や砲管制室といった任務別の管制室を設けて人員を割く必要が無くなり、省力化を達成した。SMCが損傷した場合には、航海艦橋の共通表示装置を使用して任務を継続する。SMC内の一段高いところに将官用のエリアがあり、SMC前方の壁面にある大型スクリーン３枚や、SMC全体の状況を見ながら指揮を執ることが可能。将官用エリアの隣には将官と幕僚の会議スペースも用意されている。SMCの照明は通常の部屋と同じ明るさで、作業効率を高めている。ソナーシステムはAN/SQQ-90で、バウ・ソナーと曳航ソナーを統合したものだが、主に沿岸・浅海用で、低周波ソナーが無いため遠距離探知能力には劣る。また、当座の対潜兵装がMH-60Rヘリの短魚雷しか無いのも欠点。全長185.9m、幅24.6m、吃水8.4m、満載排水量15955トン。主機は統合電気推進、MT30ガスタービン発電機（36MW）２基・カーチス・ライト社製先進誘導電動機（34.6MW）２基、出力105270馬力、４翅固定ピッチ式スキュード・プロペラ２軸推進、速力30ノット、航続距離4500海里（13ノット。20ノット？）。補助発電機はRR4500ガスタービン（3.8MW。RR450？）２基、非常用ディーゼル発電機。兵装は４セル垂直発射機Mk57を20基（２番砲両舷とヘリ甲板前部両舷に５基ずつ、計80セル。RGM-109E巡航ミサイル72発、ESSMブロック�TJUWL艦対空ミサイル32発）、155mm単装砲AGS２門（300発ずつ。前甲板タンデム）、遠隔操作式30mm単装機関砲Mk46Mod2が２門（ヘリ格納庫上面両舷。１番艦は後日装備）。MH-60Rヘリ２機またはMH-60Rヘリ１機＋MQ-8C無人ヘリ３機を搭載できる。乗員148名（うち航空要員28名。147名？）。DDG-1000ズムウォルト、DDG-1001マイケル・モンサー、DDG-1002リンドン・Ｂ・ジョンソンの３隻を建造予定で、就役後は全て太平洋艦隊（サンディエゴ軍港）に配備する予定。新機軸が多く、１番艦は2016年10月の就役式典挙行後も艤装が続けられ、戦闘システムの搭載は2017年1月、IOC獲得は2019年度になるらしい。通信アンテナの平面化が間に合わなかったのか、１番艦は就役後に上構右側面に３カ所、左側面に２カ所の張り出しを設けてアンテナドームを載せた。2016年11月にLRLAPの採用中止が決まったため、155mm砲AGSが只の飾りになっている。艦対空ミサイルは当初ESSMのみの予定だったが、スタンダードSM-2艦対空ミサイルも積むことにし、2019年初めにSM-2ブロック�VAZ艦対空ミサイルの統合作業をレイセオン社に発注、2020年10月13日に初試射に成功した。VLSにはSM-3/-6艦対空ミサイルも積めるが、AN/SPY-4レーダーが完成して後日装備されないとミサイルの能力をフルに活かせない。短魚雷発射管はスペースのみ用意されていて装備予定は無く、VLAを積むかも情勢次第である。VLSの数もアーレイ・バーク級より少ないので、あまり多種多様なミサイルを積むと本来の対地攻撃任務に支障が出かねない。将来的には主砲をレールガンに換えるかもしれない。2019会計年度予算要求でSM-6艦対空ミサイルと対艦型トマホークの搭載費用が計上された。2022会計年度予算要求で、CPSM極超音速兵器を12発搭載する案が出された。ただCPSMの直径34.5インチ・880mmのブースターが幅27インチ・710mmのMk57VLSに収まらないので、155mm砲AGSの両舷にMAC（Multiple All-up-round Canister）を追加する説や、2022年になっても用無しの155mm砲AGSを外して空きスペースにLMVLSを積む説が出ていたが、後者に決まったようで、2023年からのDDG-1002リンドン・Ｂ・ジョンソン近代化改修時にLMVLSを12発分搭載し、2025年からCPSMの試射に入る予定。DDG-1000ズムォルトとDDG-1001マイケル・モンサーにも2023年12月までの契約期間で同様の搭載改修契約が発注されており、これらも2025年から実射試験を行う。参考：月刊世界の艦船8,’16、12,'22、8,’13、12,’13、11,’14、1,’15、5,’15、11,’15、3,'16、9,’17、10,’17、5,’18、6,’19、10,'20、1,'21、9,'21、12,'21、6,’22、1,'23、4,’23、月刊軍事研究12,’15、2,’14

＜スムース・ボア＞：滑腔砲を参照。

＜ズムプフ＞：タルンマッテ（電波吸収材）を参照。

＜ズムラク＞：南アフリカ陸軍自走対空機関砲Zumlac。サミル100装甲トラックの後部荷台に23mm連装対空機関砲ZU-23-2を搭載したものである。最大発射速度毎分2000発、有効射程2500m。乗員５名。機関砲を地上に降ろしての射撃も可能。参考：月刊軍事研究7,’97

＜スメーリ＞：ブルガリア海軍フリゲートSmeli。2021年11月26日、イギリス海軍哨戒艦P224トレント、ギリシャ海軍フリゲートF-453スペトサイと共に、NATO第２常設水上部隊SNMG2として地中海で訓練を実施。12月、SNMGへの派遣を解かれ、原隊に復帰した。参考：月刊世界の艦船4,’21

＜スメダー＞：インド海軍サリュー級哨戒艦３番艦Sumedha。2011年5月22日進水。参考：月刊世界の艦船8,’11

＜スメトリブイ＞：ソ連海軍プロジェクト61ME型ミサイル駆逐艦15番艦Smetlivy。1969年9月竣工・就役。1987-95年にKh-35艦対艦ミサイルを搭載するなどの改装を受け、01090型フリゲートに艦種変更された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’15、2,’17

＜皇戦隊＞：飛行第200戦隊を参照。

＜スメリ＞：ブルガリア海軍フラブリ級哨戒艦２番艦Smeli。2022年12月14日、ファースト・スチール・カットを実施。参考：月刊世界の艦船3,’23

＜スメリ級＞：コニ級フリゲート（ブルガリア海軍）を参照。

＜スメリチャク＞：1K113（ミサイル）を参照。

＜スメルシュ＞：ソ連の防諜機関で、SMERSHはスメールト・スピオナーム（スパイに死を）の略。元はチェカの軍監視機関で、NKVD創設後はそちらに移り、1943年に独立した。兵士として派遣されることもあれば住民を装うこともあり、スパイと疑われた者を片っ端から逮捕して拷問にかけ、シベリア送りにしている。その後ソ連軍00部門となり、太平洋戦争後はKGBに統合された。参考：グラフィックアクション39

＜スメルチ＞：9A52シリーズ（多連装ロケットシステム）または9K58（多連装ロケットシステム）またはRBU2500（対潜ロケット）を参照。

＜スメルチ＞：ロシア海軍ナヌチュカ�V級ミサイル艇。2019年7月15日1300頃、ソルム級航洋曳船MB-61と共に、宗谷岬東北東250kmを西に航行するのを、第２航空群P-3CとPG-827くまたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進み、日本海に向かっている。2019年10月1日0630頃、グリシャ�X型警備艦ホルムスク、ズヴェズドチカ級兵器輸送艦１隻と共に、宗谷岬北西65kmを東に航行するのを、PG-825わかたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に進んでいる。参考：月刊世界の艦船10,’19、3,’20

＜スメルチ２＞：ソ連海軍艦対潜ロケット・システムSmerch 2。RBU-6000対潜システム、RGB-60爆雷型対潜ロケット、ブルヤ発射指揮システムからなる。ブルヤ１基でRBU-6000対潜システム４基を射撃統制できる。参考：月刊軍事研究12,’98

＜スメルチ３＞：ソ連海軍艦対潜ロケット・システムSmerch 3。RBU-1000対潜システム、RGB-10対潜ロケットなどからなる。参考：月刊軍事研究12,’98

＜スメルチＡ＞：RP-25（レーダー）を参照。

＜スメルチＭ＞：9A52-2（多連装ロケットシステム）を参照。

＜スモーキー・バンディッツ＞：マレーシア空軍MiG-29戦闘機ディスプレイチームSmokey Bandits。1996年に編成された際はタウファンガナス（荒れ狂う台風）という名称で、2003年に改称された。MiG-29N戦闘機４機とMiG-29UB戦闘機１機の編成で、第17飛行隊の実戦用機をそのまま使用しており、スモークは装着しないが、エンジン排気が黒煙なので問題無い。2011年7月、BRIDEX2011に参加。12月6-10日、LIMA2011に参加。2012年2月14-19日、シンガポール航空ショー2012に参加。参考：月刊JWings3,’12、5,’12

＜スモーキン・タイガース＞：VAH-1（重攻撃飛行隊）を参照。

＜スモーク・エヴァキュエーター＞：砲口排煙器を参照。

＜スモーク・ジャム＞：スモーク・スタックを参照。

＜スモーク・スタック＞：自動式銃における作動不良の一種で、打殻薬莢がスライドと薬室後端に挟まれてしまい、上を向いて突き立っていることを指す。ストーブ・パイプ・ジャム、スモーク・ジャムともいう。打殻薬莢が挟まるのはどんな自動式銃でも発生するが、排莢孔が上を向いていないとスモーク・スタックは生じない。参考：GUN用語事典

＜スモークレス・パウダー＞：無煙火薬を参照。

＜スモーランド＞：J19（駆逐艦）を参照。

＜スモール＞：日本海軍スラングで、小便のこと。参考：月刊丸1,’77

＜スモール・アームズ＞：小火器を参照。

＜スモール・デタッチメント・レーション＞：アメリカ軍のレーション、別名ファイブ・イン・ワン・レーション（１箱５名分なので）。Ｂレーションの少人数向けで、携帯バーナーにより加熱して食べる。朝鮮戦争時に支給された。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜スモール・ハート・ウイング・ウイング＞：日本海軍士官のスラングで、小心翼々のこと。参考：海軍こぼれ話

＜スモール・フレッド＞：対車両・対砲レーダーのNATOコードSmall Fred。アゼルバイジャン陸軍やウクライナ陸軍などが配備している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スモール・ヨーン＞：対車両・対砲レーダーのNATOコードSmall Yawn。アゼルバイジャン陸軍やウクライナ陸軍などが配備している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スモールレス＞：日本海軍士官のスラングで、小料理屋のこと。スモールなレス。参考：帝国陸海軍事典

＜スモーレイ＞：DD-565（駆逐艦）を参照。

＜スモルヌイ＞：ソ連海軍スモルヌイ級練習艦Smolny。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜スモルヌイ級＞：ソ連海軍887型練習艦Smolny級。実習生用居住区を流用して人員輸送にも使用できる。全長138m、満載排水量9297トン。主機はディーゼル、速力20ノット。兵装は76mm連装砲２基。乗員125名＋実習生330名。スモルヌイなど３隻が1976-78年に１隻ずつ就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜スモレンスク＞：K-410（潜水艦）を参照。

＜スモレンスク占領＞：第２次大戦独ソ戦バルバロッサ作戦で、1941年7月10日にドニエプル川を渡河したドイツ中央軍集団第２装甲集団はスモレンスクに向け急進撃を開始。ソ連西方面軍は20個師団をかき集めて防衛にあたった。要塞化した市街にドイツ軍が６時間に亘る爆撃を加えた後、7月15日2000に第71歩兵連隊がスモレンスク南部から突入を開始した。この時市街を防衛したのは警察学校部隊と砲兵中隊４個のみであったが、３時間以上もドイツ軍部隊を食い止めた後、ドニエプル川を渡って北に逃れ、スモレンスク市内に架かる３本の橋のうち２本を爆破した。市の北部にはソ連第６軍が居座って抵抗を続け、7月21日にはソ連軍が反撃に出て7月28日にはドイツ軍が北部から完全に駆逐されている。このまま南部にまで進出を試みたが、ドイツ空軍の阻止攻撃に遭って市街北部に押し止められた。7月30日、ヒトラーから持久戦命令が出され、補給と退路を断たれたソ連軍は最終的に壊滅した。参考：月刊PANZER12,’03

＜スライディング・パッド・アイ＞：洋上補給装置のキングポストにあり、ハイライン作業の支援に使用する。参考：月刊JWings2,’00

＜スライド＞：揺底を参照。自動式拳銃では、遊底本体を指す。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜スライド・アクション＞：ポンプ・アクション式を参照。

＜スライド式戦車橋＞：戦車橋の一種、別名カンチレバー式。橋梁を二分割して上下に重ねて搭載し、架橋時には一方を前または後方にスライドさせてもう一方に接続する方式である。シザー式のように橋梁を立てる必要が無いので、隠密裏に架橋できる。参考：月刊PANZER12,’04、4,’11

＜スライド・ストップ＞：遊底止め。自動式銃で、薬室の点検や分解のためにスライドを引いたまま止めておく装置のこと。弾丸を撃ち尽くした時にもこれが作動し、弾切れを知らせる。マガジンを再装着し、スライド・ストップを解除すれば、スライドが前進して初弾が薬室に装填され、発射可能となる。参考：GUN用語事典

＜スライド・ロック＞：閉鎖機の閉鎖を解除するレバーまたはボタン。ポンプ・アクション式の銃で、薬室に装填した弾薬を発射せずに取り出す時に使用する。参考：GUN用語事典

＜スライプナー級＞：ノルウェー海軍コルベット。兵装はテルネ対潜ロケット６連装発射機１基、３連装短魚雷発射管２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スラヴァ＞：84（潜水艦）またはモロトフ（巡洋艦）を参照。

＜スラヴァ＞：ロシア海軍ボロジノ級戦艦５番艦。1905年10月就役。第１次大戦時に大破し、処分された。参考：歴史群像6,’14

＜スラヴァ＞：ソ連海軍スラヴァ級ミサイル巡洋艦Slava。1973年5月20日艦籍編入、1976年11月6日起工、1979年7月27日進水、1982年9月洋上公試開始、12月30日竣工、軍艦旗掲揚。1983年2月7日、黒海艦隊第30師団第150ミサイル艦旅団に配属された。10月から1984年7月、北洋艦隊セヴェトモルスク海軍基地に回航され、P-500艦対艦ミサイルの発射試験を実施。9月、黒海艦隊セヴァストーポリ海軍基地に配備され、功績艦となった。1985年、国防大臣表彰を受けた。9-12月、定期修理を実施。1986年1-2月、地中海で作戦任務を実施。6月から1987年1月、地中海で作戦任務を実施。1989年1-3月、サミット会議室を設置。12月、マルタサミットの公式会場艦となり、冷戦終結宣言の場となった。1990年、修理と近代化工事を開始し、サミット会議室を撤去した。1995年、予算不足で近代化工事を中断。5月16日、艦名がモスクワに変更された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船9,’09、3,’92増刊、8,’10、9,’10、4,’11

＜スラヴァ級シリーズ＞：ソ連海軍ミサイル巡洋艦のNATOコード。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜スラヴァ級＞：Slava級、ソ連名称1164型、ソ連プロジェクト名はアトラント（Atlant。ギリシャ神話の巨人アトラス）。NATOでは当初クラシナ（Krasina）型やニコラエフ（Nicolaev）級というコードを付け、建造中の１番艦はブラッコム１（Blackcom-1）と称していた。1960-70年代のソ連海軍は西側原潜を第一目標としており、水上部隊も対潜艦がメインだったが、対艦攻撃能力に欠け、ハープーン艦対艦ミサイルを装備し始めた西側の水上部隊に対しては脆弱だった。これに対応するため、1972年4月に軍事産業管理委員会が建造を決定したのがスラヴァ級で、主任務は外洋での艦隊護衛と、敵空母機動部隊及び大型水上艦の殲滅である。具体的には1144型キーロフ級原子力ミサイル巡洋艦１隻にスラヴァ級２隻を割り当て、アメリカ空母機動部隊のエアカバーをSA-N-6/S-300F艦対空ミサイルで突破し、空母機動部隊輪形陣外郭の外側から949型攻撃原潜部隊と共にP-700対艦ミサイル及びP-500対艦ミサイルを発射し、衛星誘導で対艦ミサイル飽和攻撃を仕掛けるのだが、衛星を無力化されると役に立たない、水上艦隊の防空力に限界があるといった問題点があった。1972年10月、海軍が設計局に要目を送付。満載排水量10000トン、P-500対艦ミサイル12発（６発２斉射分）、S-300F艦対空ミサイル用８セルVLS８基、オーサＭ艦対空ミサイル発射機２基、AK-100単装砲２門（前甲板背負い式）、５連装魚雷発射管２基、ヘリ１機搭載といった内容だったが、12月にゴルシコフ元帥がP-500対艦ミサイルの斉射数を１回８発に増やすことなどを命じたため、P-500対艦ミサイル16発を搭載し、主砲を130mm連装砲１基に換装することになった。この兵装変更で排水量が増加し、予定速力が34ノットから32.5ノットに低下したため、更なる排水量増は望めなくなり、耐用年数を延ばすため外板を8mm厚に増やすのが精一杯で装甲は省略せざるを得ず、ソナーも新型のMGK-355ポリノムではなく、小型で平均発見距離15kmのMGK-335プラチナにした。1973年4月にソ連政府が設計原案を承認した時には満載排水量が11300トンに増えている。1974年8月にソ連政府が技術案を承認したが、61コムーナ造船所（ニコライエフ）がカーラ級巡洋艦を建造中だったためと、P-500艦対艦ミサイル、S-300F艦対空ミサイル、AK-130艦砲の開発が遅れていたため、起工は1976年になった。カーラ型P-500搭載案がベースで、経費節減もあって模型試験を行わず船型をそのまま流用したため、出力の割に速力が出なくなった。船型は長船首楼型で、前後に長く後端に前部タワーマストを持つ前部上構、後部マスト基部甲板室と煙突からなる中央上構、トップドーム架台とヘリ格納庫で構成される後部上構が載っている。前部上構両舷にP-500艦対艦ミサイル連装発射筒が４基ずつ前方斜め上を向いて並んでいるのが特徴である。フィン・スタビライザーは翼面積６平方メートルのUK-134-6。主機はM-21型推進システムと呼ばれ、当初カーラ型と同様のオールガスタービンにする予定だったが、蒸気タービンも組み合わせた。機関室は前後左右に分割されており、左右前機室に２段減速装置付きM-70型逆転機能付巡航用ガスタービンと蒸気タービンが１基ずつ収容されていて、蒸気タービンはガスタービンの400℃の排気熱を利用して駆動する。左右後機室には１段減速装置付きM-8KF型逆転機能付ブースト用ガスタービンが２基ずつ収められている。発電機は1500kWと1250kWのガスターボ発電機３基ずつで、３カ所の発電ステーションに１基ずつ収容され、主機と発電機はM-21型自動化統合装置により制御される。後部マスト後方には煙突が２本横に並んでおり、煙突後方にはS-300F艦対空ミサイル用８連装円形垂直発射機B-204を装備していて、煙突間に再装填クレーンを持つ。艦載戦闘システムはレソループ。上構上にCIWS射撃指揮用MR-123-02バス・ティルト・レーダーがあり、艦橋構造物後方のピラミッド型マスト上にMR-710Mトップ・スティア（1-2番艦）／MR-750M三次元レーダー（3-4番艦）が載っている。前部マスト前面にP-500艦対艦ミサイル用アーギュメント目標捕捉レーダー、後部マストにMR-800トップベア対空／対水上捜索用レーダー、後部上構にS-300F艦対空ミサイル用3R41トップドーム誘導レーダーがある。3R41は目標捜索追尾能力を持つので、これを３基搭載して全周をカバーすれば他の対空レーダーが要らなくなるが、ミサイルシステムと各種レーダー統合システムを別々に開発したため、各種レーダーを満載することとなった。他にオーサＭ艦対空ミサイル用ポップ・グループ管制レーダー、MR-145ドラコン艦砲用射撃指揮レーダーも装備する。航海レーダーはMR-212ヴァイガチ２基。後部上構はヘリ格納庫、後甲板はヘリ甲板である。ソナーシステムはMGK-335プラチナ型で、船体ソナーとVDS（ブル・ホーン型とステアハイド型）を持ち、艦尾にVDSの発進ドアがある。電子戦システムはコルトソ型（1-3番艦）／カンタタＭ型（４番艦）、ESMはMP-401S/MS。全長186.4m、全幅20.8m、吃水8.4m（7.6m？）、基準排水量9300トン、満載排水量11300-11674トン。主機はCOGAG方式、巡航用M-70ガスタービン（10000馬力）２基（＋廃熱利用蒸気タービン２基12000馬力）・戦闘時高速航行用ガスタービン（27500馬力）４基、出力108000馬力（142000馬力？）、２軸推進、巡航速力18ノット、最大速力32ノット、航続距離7500海里（巡航速力）／2700海里（最大速力）。兵装はP-500艦対艦ミサイル（1-2番艦）／P-1000艦対艦ミサイル（3-4番艦）連装発射機８基（前部上構両舷に４基ずつ。固定式で、大型クレーンによりミサイルを吊り上げ、角度を合わせて装填レールに載せる必要があり、洋上再装填はできないらしい）、130mm連装砲AK-130が１門（前甲板）、30mm機関砲AK-630Mが６基（前部上構前部上面にタンデムで２基、後部マスト付け根両舷に前後２基ずつ）、S-300F艦対空ミサイルシステム用5V55RM艦対空ミサイル８連装円形垂直発射機B-204が８基（煙突後方に４基２列、64発）、オーサＭ艦対空ミサイル連装発射機２基（ヘリ格納庫扉両舷に１基ずつ、40発）、533mm魚雷５連装発射管DTA-53-1164型２基、RBU-6000対潜ロケット弾発射機２基。自衛用として140mm連装チャフ・フレアディスペンサーPK-2Mを２基と、122mm10連装チャフ・フレアディスペンサーPK-10を８基装備する。Ka-25TsヘリまたはKa-27TsホーモーンＢヘリ１機を搭載可能。自艦防御ラインは対空90km、対潜15km、対低空目標8km、対魚雷6km。乗員476-505名。10隻を建造して太平洋艦隊に４隻、北洋艦隊に４隻、黒海艦隊に旗艦として１隻、バルチック艦隊に旗艦として１隻を配備する予定だったが、スラヴァ／モスクワ、アドミラル・フロタ・ロボフ／マーシャル・ウスチノフ、チェルヴォナ・ウクライナ／ワリヤーグの３隻が1982-89年に竣工したところでソ連が崩壊し、４番艦コムソモレーツ／ウクライナは建造中止となってウクライナに譲渡された。3-4番艦は最初からP-500艦対艦ミサイルの代わりにP-1000艦対艦ミサイルを運用するよう設計されており、１番艦は1998年、２番艦は1997年に換装されている。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊軍事研究11,’98、12,98、JShips Vol.24、月刊世界の艦船6,’15、2,’87、3,’92増刊、9,’09、6,’09、6,’83、1,'15増刊、近代巡洋艦史

　＜１１６４１型＞：1164型の改良型で、1980年代から建造準備に入った。主機が複雑すぎたため、廃熱利用蒸気タービンは撤去している。全長192m、幅20.8m、吃水8.5m、基準排水量9750トン、満載排水量11670トン。機関出力130000馬力、２軸推進、巡航速力18ノット、最大速力32ノット、航続距離7500海里（18ノット）。兵装はP-1000艦対艦ミサイル用連装発射筒８基、S-300F艦対空ミサイルシステム用８連装円形VLS８基（64発）、オーサＭ艦対空ミサイル連装発射機２基（40発）、130mm連装砲AK-130が１基、30mm機関砲AK-630Mが６基、533mm魚雷５連装発射管DTA-53-1164が２基、RBU-6000対潜ロケット12連装発射機２基。対空レーダーはフォーラムＭ全周捜索レーダー、MR-750M三次元捜索レーダー、MR-212ヴァイガチ航海レーダー２基。艦対艦ミサイル用FCSはアルゴンＶ型、ソナーシステムはプラチナ型統合ソナー（VDSは装備しない）、電子戦システムはカンタタＭ型。自衛用として140mm連装チャフ・フレアディスペンサーPK-2Mを２基と、122mm10連装チャフ・フレアディスペンサーPK-10を８基装備する。Ka-27対潜ヘリ２機を搭載可能。ロシア、ゴルシコフ、クズネツォフ、ワリャーグ、セヴァストポルの５隻を建造予定だったが、１番艦が起工されたところでソ連が崩壊しかかり、1990年10月4日に予算不足で全艦建造中止・除籍となった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜スラヴァ級（改装）＞：前部マストのレーダーをMR-710フレガットＭからフレガットM2Mに、後部マストのレーダーをMR-600ヴォスホート捜索レーダーからMR-700ポドベレゾーヴィク三次元レーダーに換装している。２番艦マーシャル・ウスチノフが2016年に改装を終えた。参考：月刊世界の艦船2,’17

＜スラヴァンスク＞：P190（哨戒艇）を参照。

＜スラザク＞：241（哨戒艇）を参照。

＜スラシャン＞：D86（駆逐艦）を参照。

＜スラスト・リバーサー＞：逆噴射装置を参照。

＜スラスト・レバー＞：スロットル・レバーを参照。

＜スラッグ＞：ライフル・スラッグ（弾丸）を参照。

＜スラッシャー＞：N37（潜水艦）またはSS-26（G-4級潜水艦）を参照。

＜スラッシュ・システム＞：ソ連が1980年代に開発した、実験版戦車用アクティブ防御システムTHRUSH。砲塔両側にミリ波レーダーアンテナを装着し、敵弾の飛来方向と接近速度を探知、小型４連装てき弾発射機から破片弾頭型てき弾を発射して迎撃する。脅威レベルの判定と、てき弾破片による周囲（随伴歩兵）被害が問題となった。参考：月刊軍事研究5,’04

＜スラット＞：Slat。高揚力装置の１つで、前縁スラット（Leading edge slat）ともいう。主翼前縁に付いており、前下方にスライドして主翼の湾曲を大きくすると共に、主翼との間に隙間（スロット）を開ける。この隙間からは主翼下面の正圧で圧縮された空気が負圧の主翼上面に向かって流れ込み、気流に運動エネルギーが供給されるので、主翼上面気流の剥離が防がれ、揚力が増す。F-4ファントム戦闘機には水平尾翼にも付いている。低速時には安定性を高め、フラップよりも抗力の発生を抑えつつ揚力を増加させることが可能だが、高速時には抗力を発生させてしまう。よって低速時だけ前に出てきて隙間を作る可動スラットが大部分を占めており、油圧で動かすタイプや、主翼前縁の負圧を利用して自動的に出し入れさせるタイプ（小型機用）がある。参考：月刊JWings5,’04、飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版、戦闘機のしくみ、世界の傑作機No.39

＜スラット装甲＞：

＜スラット装甲キット（ストライカー用）＞：アメリカ陸軍のストライカー装甲兵員輸送車用装甲キット。鳥籠のような多数のスリットで構成されており、車体から18インチ（457.2mm）離して装着する。これによりRPGを車体に到達する前にスリットで引っかけるか、籠部分にぶつかって炸裂したとしても距離をとることで威力を削ぐ。イラクに派遣されたストライカー309両全てに搭載された。また、同様の装甲がイラクに派遣された各種装甲車両の弱点部分（エンジングリル周囲など）に装着されている。実戦でのRPGに対する有効性は50%程度で、全長や全幅が大きくなるため市街地での車両運用能力が低くなり、対人弾頭や金属弾発射弾頭型には効き目が無い。参考：月刊軍事研究1,’04、2,’04、5,’12、9,’04、4,’05、9,’05

＜スラップスティック作戦＞：第２次大戦時に連合軍が行ったタラント上陸作戦。イギリス第１空挺師団がアメリカ軽巡CL-47ボイス、イギリス軽巡12オーロラ、97ペネロープ、82シリウス、37ダイドー、敷設巡洋艦アブディールに分乗（速力優先のため低速の輸送船は使用しなかった）し、チュニジアのビゼルテを出港、1943年9月9日にイタリアのタラントに上陸した。アブディールが港内で触雷沈没したが、ドイツ軍防衛部隊がほぼゼロだったため他に目立った損害は無く、同地のイタリア艦隊を連合軍管理下に置き、付近を制圧、アドリア海に沿って北上を開始している。参考：歴史群像12,’10

＜スラニミラ＞：スリランカ海軍ミサイル艇Suranimila。2018年8月22日、トリンコマリー周辺海域でDD-107いかづちと親善訓練を実施。2020年1月21日、スリランカ西方海空域で、高速警備艇FAC-21と共に、第２航空隊P-3C哨戒機２機との共同訓練（捜索救難）に参加。参考：月刊世界の艦船11,’18、4,’20

＜スラバヤ沖海戦＞：連合軍呼称はジャワ海海戦。太平洋戦争時の昭和17年2月27日、ジャワ島スラバヤ北西100km沖のジャワ海において、日本軍のジャワ攻略部隊とオランダの防衛部隊との間で勃発した遭遇戦である。日本陸軍西部ジャワ攻略部隊の輸送船を援護する第３艦隊第５水雷戦隊第７駆逐隊第１小隊（駆逐艦潮・漣）、第４水雷戦隊第24駆逐隊（駆逐艦山風、江風）と、東部ジャワ攻略部隊の輸送船を援護する第５戦隊（重巡那智、羽黒）、第４水雷戦隊（旗艦軽巡那珂）、第４水雷戦隊第２駆逐隊（駆逐艦村雨、五月雨、春風、夕立）、同第９駆逐隊（朝雲、峯雲）、第２水雷戦隊（旗艦軽巡神通）、第２水雷戦隊第16駆逐隊（駆逐艦雪風、時津風、初風、天津風）が、オランダ（オランダ海軍カレル・ドールマン少将座乗の旗艦軽巡デ・ロイテル、ジャワ、駆逐艦ヴィテ・デ・ヴィット、コルテノール）・イギリス（重巡68エクゼター、駆逐艦H27エレクトラ、H10エンカウンター、F85ジュピター）・アメリカ（重巡CA-30ヒューストン、第58駆逐隊DD-230ポール・ジョーンズ、DD-619エドワーズ、第59駆逐隊DD-228ジョン・Ｄ・フォード、DD-211オールデン、DD-225ポープ）・オーストラリア（軽巡パース）の連合軍ABDA（America, British, Dutch, Australian）艦隊と交戦したものである。2月24日、アメリカ潜水艦SS-183シールとS38がジャワ攻略部隊を発見。2月25日、ジャワ攻略部隊を攻撃するため、オランダとアメリカの艦隊がスラバヤ軍港を出撃し、ジャワ西方で護衛を行っていたイギリス連邦艦隊（重巡68エクゼター、駆逐艦H27エレクトラ、H10エンカウンター、F85ジュピター、オーストラリア軽巡パース）と合流した。バタビア軍港からもオーストラリア海軍軽巡３隻と駆逐艦２隻が出撃し、２日間に亘り付近を捜索したが、ジャワ攻略部隊を発見できず、2月27日にABDA艦隊はスラバヤ軍港に帰投することにした。バタビア軍港が日本海軍航空隊一式陸攻の空襲を受けたため、オーストラリア海軍軽巡３隻と駆逐艦２隻はセイロン島に向かっている。1150（日本時間1230）、バリクパパンから離陸した日本海軍第２空襲部隊陸攻がABDA艦隊を発見し、敵巡洋艦５隻・駆逐艦６隻、スラバヤ310度63海里、針路80度、速力12ノットと打電。東部ジャワ攻略部隊の輸送船団の南60海里、第５戦隊から120海里の位置で、1245に第５水雷戦隊は輸送船団に護衛の第24駆逐隊海風、掃海艇、駆潜艇を付けて西に反転退避させ、残りのほぼ戦隊全力で雷撃戦準備の態勢に入り、第５戦隊は針路を連合軍部隊の方向に変針して増速、1315に那智から水上偵察機を発進させた。那智の水上偵察機は1405にABDA艦隊を発見して敵甲巡２隻、軽巡３隻、駆逐艦９隻、基点よりの方位194度、45海里、針路180度、速力24ノットと報告を入れ、1425には敵はスラバヤに向かうと打電、1455にも敵はスラバヤに入港しつつありと打電したため、東部ジャワ攻略部隊は再びジャワに向かった。1600頃、連合軍の偵察機がバウエアン島北西でジャワ攻略部隊船団２つを発見。近い方の船団は80海里先にいたため、スラバヤ外港に達していたABDA艦隊はこれを攻撃することとし、反転増速した。先頭は軽巡デ・ロイテルで、重巡68エクゼター、重巡CA-30ヒューストン、軽巡パース、軽巡ジャワと単縦陣で続き、イギリス駆逐艦３隻は右舷側、２隻は左舷側、アメリカ駆逐艦４隻は後方をカバーした。1630、那智の水上偵察機から、重巡２隻、軽巡３隻、駆逐艦９隻からなる敵艦隊は入港の気配無く反転、針路20度、速力18ノット、次いで進路315度、速力22ノットで接近中との報が入ったため、東部ジャワ攻略部隊は輸送船を再び反転退避させ、第５戦隊は第２・第４水雷戦隊に針路220度、速力21ノット、敵を誘導しつつ合同す、と伝えてABDA艦隊に向かわせた。1650、日本海軍各部隊が会同し、先頭に第２水雷戦隊、後ろに第５戦隊、右舷側に第４水雷戦隊が位置して進撃を開始。魚雷戦に備え、魚雷を深度4m・第１雷速に調整した。1659、神通見張り員が南の水平線にマストを発見。1747、射距離16800mで神通が砲撃を開始し、ABDA艦隊先頭のエレクトラを夾叉した。ABDA艦隊もエクゼター、ヒューストン、パース、駆逐艦群が次々と反撃の砲火を開いた。第５戦隊の重巡２隻は射距離22000-25000mで敵重巡と砲撃戦を開始。第２水雷戦隊は敵針路前方を押さえて丁字戦法に入ろうとしたが、近接につれて至近弾が多くなったため、1750に第２水雷戦隊は艦尾八八式発煙缶を焚いて煙幕を張り、針路を300度に変更して一時退避した。そこに第４水雷戦隊が到着して北方から30ノットで敵に突進、第２水雷戦隊前方を突っ切って敵艦隊に12000mまで接近し、1804-1815に左魚雷戦同航で魚雷27本を発射、直後に第２水雷戦隊神通も４本を発射したが、全て外れるか、信管が鋭敏すぎて自爆してしまった。ABDA艦隊側は日本海軍の魚雷が最大40000mの超長射程を誇るとは知らず（連合軍側魚雷は最大射程7000mくらい）、酸素魚雷なので雷跡も見えず、至近距離の潜水艦が撃ってきたと勘違いして混乱に陥った。日本海軍側も魚雷の自爆でなく連合軍が管制機雷を作動させて攻撃してきたと勘違いし、第５戦隊の那智と羽黒は敵に近接せず射距離20000m以上を保ちつつ50分間で主砲弾を1271発撃ったが、全て回避された。1837、第５戦隊司令は隷下艦に雷撃を命じて全軍に突撃を下命。1838、羽黒の主砲弾１発がエクゼターの対空砲架に命中、甲板を貫通して機関室で爆発し、10名が戦死、主缶６基が使用不能となった。速度が落ちたエクゼターは後続艦が衝突しないよう左旋回したが、ヒューストンが転針命令によるものと勘違いしてエクゼターに続き左に転針、パースとジャワもこれに従ったため、陣形が乱れた。その直前に羽黒は魚雷８本を20000m先の敵艦隊に発射しており、1845にコルテノールに１本が命中、船体をへし折って撃沈した。この雷撃も潜水艦によるものと勘違いしたABDA艦隊は煙幕を張って退避を開始。日本海軍側は追撃に移り、射距離12000mで那珂が魚雷４本を発射、射距離18000mで神通も雷撃をかけたが全て外れている。1915、陣形の右を行く那珂がABDA艦隊を発見。第５戦隊が射距離25000mで砲撃を開始したが命中しなかった。第２・第９駆逐隊は射距離6000-7000mで雷撃を開始。第９駆逐隊第１小隊朝雲・峯雲はABDA艦隊に突進し、他の駆逐艦が雷撃後に反転する中で5000mまで近づいて雷撃をかけ、更に接近すると3000m先で煙幕の切れ目からエレクトラとエンカウンターが飛び出してきたため、朝雲と峯雲は砲戦に入った。エンカウンターは反撃もそこそこに退避していったが、エレクトラが突っ込んできたため撃ち合いになり、朝雲が機関室に被弾して小破（電源故障）したが、人力操作で主砲を撃ち続け、1954にエレクトラを撃沈している。ABDA艦隊は陣形を整えると2000過ぎに反転し、先頭にジュピター、エンカウンター、１海里後ろにデ・ロイテル、パース、ヒューストン、ジャワ、その右舷側にアメリカ駆逐艦群を配して日本海軍艦隊へと向かった。2005、第５戦隊司令は日没により追撃中止を下命し、夜戦に備えて艦隊を集結させ、輸送船団を北に退避させた。第５戦隊は停止して那智の九五式水上偵察機３機と羽黒の九五式水上偵察機２機の収容に入り、第２水雷戦隊は神通から九八式夜間水上偵察機を発艦させている。2052、神通の水偵がABDA艦隊を発見して位置を打電、九〇式吊光弾で照らし出した。ABDA艦隊も第５戦隊を発見し、距離12000mで照明弾を発射。第５戦隊は間一髪で水偵の収容を終えると煙幕を張って北西に逃れ、第５戦隊目掛けて砲撃を開始したパースとヒューストンに対して第２水雷戦隊がカバーに入り、神通が射距離19000mで魚雷４本を発射し牽制する間に第５戦隊は最大戦速まで増速し、再び敵艦隊へと向かったが、既に闇の中に消えた後だった。ABDA艦隊は南に離脱してジャワ島沿岸に到着。ここで魚雷を撃ち尽くして燃料も少なくなったアメリカ駆逐艦４隻がスラバヤに退避したが、アメリカ駆逐艦隊司令のピンフォード大佐はドールマン少将に直接連絡する手段を持っておらず、地上無線局を介して知らせようとしたが、結局伝わらなかった。更に2255にはジュピターが数時間前にオランダが敷設した機雷（連絡不備でABDA艦隊に伝わっていなかった）に触れて沈没してしまい、機雷の存在を知らなかったABDA艦隊はジュピターの沈没を潜水艦によるものと勘違いして北上。途中でコルテノールの生存者が海上を漂っていたため、エンカウンターに救助させてスラバヤへと向かわせたため、ABDA艦隊から駆逐艦が消えてしまった。2月28日0033、スラバヤの北西100海里で第５戦隊とABDA艦隊が距離15000mでお互いを発見。第５戦隊は33ノットで同航戦に入り、ABDA艦隊はデ・ロイテル、パース、ヒューストン、ジャワの単縦陣で進撃し、0050（0040？）から射距離12000mで砲戦に入ったが、有効な打撃を与えることができず、0053に射距離8000m（3000-12000m？）で那智が８本、羽黒が４本の魚雷を発射した。0109、デ・ロイテルとジャワに魚雷が命中して沈没し、ドールマン少将はヒューストンとパースに戦没艦の生存者に構わず退避するよう命じると艦に残り戦死、救助されたのはデ・ロイテルの17名とジャワの２名だけだった。0135、第５戦隊はヒューストンとパースを見失い、日本海軍艦隊は船団護衛に戻った。ヒューストンとパースはバタビア湾タンジュンプリオーク港に帰港し、夕方にはジャワ南岸チラチャップに向け出港している。3月1日0037、ヒューストンとパースが日本軍輸送船団を襲撃したが、バタビア沖海戦で両艦とも沈められた。0235、日本軍輸送船団がジャワ島クラガン泊地に入港。直前に急降下爆撃機10機の襲撃を受けて輸送船２隻が被弾し、150名が死傷した。1103、チラチャップへ退避中のエクゼター、エンカウンター、ヴィテ・デ・ヴィット、ポープを第５戦隊が発見。主砲の残弾が少ないため、別働部隊（蘭印部隊主隊）妙高、足柄、曙、雷に応援を頼み、1200頃にセイロン島に向け出港した３隻をバウエアン島西90海里で捕捉、1330にエクゼターを雷撃で沈め、1335にエンカウンターを、1450にヴィテ・デ・ヴィットを砲撃で撃沈した。ポープはボルネオ南岸まで退避したが、龍驤の九七式艦攻６機と基地航空隊の爆撃で航行不能とし、妙高と足柄が砲撃で1540に撃沈した。第２次夜戦までに日本海軍側は九三式魚雷153本を発射したが、大半が信管過敏で自爆している。また、エクゼターを雷撃した際には吃水の浅い随伴駆逐艦に当たっても炸裂するよう深度調定を6m（巡洋艦用）から4m（駆逐艦用）にし、最大戦速34ノットで発射したところ、着水後の反動で空中に飛び上がってしまい、プロペラ過回転でエンジンが壊れ、敵艦に向かうどころか発射艦と併走する魚雷まであったという。遠距離砲撃も殆ど効果を挙げられず、高木少将の指揮が消極的すぎるとして問題になった。駆逐艦雷の工藤俊作艦長は沈没したエンカウンターの乗員の救助を命じ、422名を救出。この時の待遇に感動したエンカウンターの元乗員が1987年にイギリス誌に体験記を載せ、その日本語訳を目にした雷の元乗員との間で交流が始まり、両者は2003年10月26日の観艦式をDD-107いかづちに乗艦して見学した。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T、連合艦隊巡洋艦、激闘太平洋戦記、日本海軍艦隊総覧、JShips VOL.44、月刊世界の艦船1,’04、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像2,’08、朝雲

＜スラフ＞：A-7シリーズ（攻撃機）を参照。

＜スラブ固体レーザー＞：Slab Solid State Laser。固体レーザーの１つ。レーザー媒質をスラブ（平板）状にしたもので、表面積が広く、エネルギー取り出し効率、冷却効率、ビーム品質に優れる。参考：月刊軍事研究4,’18

＜スラブヌイ＞：ソ連海軍プロジェクト61MEカシン型ミサイル駆逐艦Slavny。1966年竣工。1972年に近代化改装を受けてカシン改型となった。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜スラブの絆２０１５＞：ロシア、セルビア、ベラルーシの合同演習で、2015年9月2-5日にロシアのノヴォシビルスク州ラエフスキー演習場で実施された。ロシア軍から第７親衛空挺師団増強１個大隊580名、ベラルーシ軍から特殊任務部隊２個70名、セルビア軍から独立空挺中隊１個50名、BMD-2装甲車９両含む装備品100点、Il-76輸送機12機含む航空機20機が参加し、テロリストに占拠された仮想国家のテロリスト訓練センターを包囲殲滅する訓練を行っている。参考：月刊軍事研究12,’15

＜スラミング＞：船舶の縦揺れ・上下揺れが大きくなって船首船底部が空中に飛び出し、その後落下した船首部が海面に衝突すること。大きなフレアーを持つ船舶が海面に突入する際にも生じる。大きな衝撃圧が加わるため、船首がねじ曲がったり、裂けたりし、最悪の場合には船体が真っ二つに折れる。時間差でホイッピングと呼ばれる船体振動が発生し、船全体が軋むこともある。参考：図解船の科学、図解雑学　船のしくみ

＜スラムイーグル＞：F-15K（戦闘爆撃機）を参照。

＜スラム・ファイア＞：オープン・ブリーチ・ファイアのうち、ファイアリング・ピンがボルトフェイスから突き出しているものを指す。サブマシンガンに広く採用された。参考：GUN用語事典

＜スラメット・リヤディ＞：インドネシア海軍ヴァン・スペイク級フリゲートSlamet Riyadi。元はオランダ海軍ヴァン・スペイク級フリゲートのヴァン・スペイクである。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜スラローム射撃＞：左右に車体を旋回させながら行う走行間射撃で、対戦車ミサイルなどの照準を外しながら敵を破砕することができる。2012年の富士総合火力演習で10式戦車が披露した。参考：MAMOR Vol.71

＜スラント・キューピッド＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ。ヴァーティカル・キューピッドの第３区分バージョンで、２機が描く斜めに傾けたハートをもう１機が貫く。参考：月刊JWings6,’10別冊付録

＜スラントレンジ＞：Slant-range。レーダーアンテナから目標までの電波伝搬経路に沿った距離のこと。電波伝搬速度（光の速さ）に目標までの伝搬遅延時間（パルス往復時間）を掛けて２で割ると求められる。レーダーアンテナが低仰角の領域ではグラウンドレンジに近くなる。高度による空気密度の差で、電波が屈折して伝搬するので、アンテナから目標までの直線距離とは微妙に違う値をとる。参考：レーダの基礎

＜スリー・イヤーズ・サービス・ストライプ＞：サービス・ストライプ（アメリカ陸軍）を参照。

＜スリー・クォーター＞：T214シリーズ（ウェポン・キャリア）を参照。

＜スリー・シックスティ・アンド・ループ＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Three-Sixty and Loop。会場左手から単機で進入し、360度6G水平旋回で直径900mの円を描いた後、最大高度1000mの宙返りを行って会場右手に抜ける。参考：月刊JWings9,’14、6,’09、7,’12、6,’10

＜スリー・シップ・インバート＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Three ship invert。フォー・シップ・インバートのバリエーションで、４機がダイヤモンド隊形で会場右から進入、１番機以外の３機が右180度ロールで背面となり、また右180度ロールを行って元に戻り、会場左に抜ける。参考：月刊JWings6,’10別冊付録

＜スリードブンス＞：日本海軍士官のスラングで、巨根のこと。入浴する時にドブンという音が３回（両足プラス中足）するので。参考：帝国陸海軍事典

＜ズリーニィ・シリーズ＞：ハンガリー軍突撃砲で、ズリーニィは17世紀のクロアチア太守ズリーニィ・ミクローシュにちなむ。枢軸軍に加わってソ連と戦闘を行った結果、砲兵直協用突撃砲の重要性が認識され、ドイツから突撃砲を輸入しようとしたが認められず、トゥラン戦車を改造して自作したものである。1942年7月に開発が決定し、設計期間短縮のため既存の戦車車体を使用、主砲も倉庫にしまってあった105mm榴弾砲を採用して間に合わせ、12月に軟鋼製試作車が完成した。しかしエンジン故障でテストが長引き、制式化は1943年5月1日にずれ込んでいる。1944年に突撃砲大隊３個（ズリーニィ�U計90両）、1945年に５個（ズリーニィ�T計110両とズリーニィ�U計50両）の編成を完結する予定で、1943年10月1日から第１−第８突撃砲大隊（更に訓練部隊の第10突撃砲大隊）が創設されたが、突撃砲定数を満たしたのは第１突撃砲大隊（と第10突撃砲大隊）のみで、1944年4月から実戦に参加した。参考：月刊グランドパワー11,’12、世界の軍用車両(1)

　＜ズリーニィ�T＞：対戦車戦闘用にトゥラン�Vと同じ43口径75mm戦車砲43M（ダブルバッフル式マズルブレーキ付き）を搭載したもの。砲尾が拡大しても俯仰角を確保できるよう、主砲装備位置をズリーニィ�Uより150mm下げた。戦闘室前面装甲厚は100mmに増大している。1944年2月に軟鋼製試作車（ズリーニィ�Uの軟鋼製試作初号車を改造したもの）が完成し、9月には110両の生産命令が出されたが、戦車砲の量産能力が無く、軟鋼製試作車１両しか作られなかった。参考：月刊グランドパワー11,’12、世界の軍用車両(1)

　＜ズリーニィ�U＞：43Mともいう。トゥランの車体幅を0.4m拡大し、装甲板をボルト止めした密閉式戦闘室を設けた。戦闘室後面に車長・操縦手用観音開きドア、上面左に砲手用後ろ開きハッチ、上面右に操縦手用後ろ開きハッチ、砲手用ハッチ前方に砲隊鏡用小型ハッチを持つ。戦闘室前部右に操縦手、左に砲手、中央後部に車長、その右に装填手が位置する。主砲はハンガリー製20.5口径105mm牽引式榴弾砲40M（多孔式マズルブレーキ付）で、スプリングに問題があって量産に至らず60門ほど倉庫にしまってあったのを持ち出し、戦闘室左にオフセット搭載した。俯仰角マイナス５度からプラス25度、射界左右11度ずつ。使用弾は薬莢式分離装薬弾で、42/M榴弾（重量17kg、初速毎秒444m、最大射程10400m）、38/33.M榴霰弾（重量15.04kg、初速毎秒471m）、発煙弾の３種があり、装弾数は52発（42/M榴弾30発、38/33.M榴霰弾16発、発煙弾６発）が標準だが、実戦では空きスペースも使用して90-95発を搭載した。発射速度毎分６発。照準の際には車体を敵の方向に向ける必要があるので、車長用43.mペリスコープが向いている方向を操縦手と砲手の時計型方向指示器に示す装置が用意されていた。砲手も操縦手に旋回指示を出せるよう、ダッシュボード上にボタンが２つ設けられていて、これを押すと操縦席に緑または赤のランプが灯るので、操縦手はそれを見て車体を左右に旋回させる。乗員同士の通信はR/5-a型無線機で行うが、主砲発射用電気回路をオンにすると電源が落ちて使えなくなるという欠点があり、戦闘中でも車長が操縦手に合図を送れるよう、車長の頭上にブザーボタン（頭で押す）が取り付けられていた。トランスミッションとブレーキには圧縮空気による補助装置が採用されていたが、故障が多く、機構が複雑すぎて後方に送らないと修理できなかった。車体側面にパンチングプレート製装甲スカートを持つ。全長5.55m、全幅2.9m、全高1.9m、戦闘重量21.6トン。装甲厚は車体前面上部75mm、前面下部50mm、側面25mm、後面25mm、変速機室上面25mm、機関室上面13mm、戦闘室前面75mm、側面25mm、後面25mm、上面13mm。エンジンはヴァイス・マンフレートV-8H液冷４サイクル８気筒ガソリン（総排気量14866cc、出力260馬力）、トランスミッションは前進６段・後進６段、最大速度43km、燃料タンク容量445リットル、航続距離220km。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。制式化前の1943年1月26日に40両が発注されたが、量産が遅れ、最初の３両は軟鋼製（装甲スカート無し）の訓練用戦車として9月に漸く引き渡された。残る37両は10月から1944年1月に引き渡されている。更に50両が二次発注され、1944年4-7月に26両が引き渡されたが、アメリカ軍の爆撃でヴァイス・マンフレート製作所が破壊されてしまった。この際に回収された部品を使用してガンズ製作所で9月までに６両が生産されている。その後この工場も疎開したが、疎開先で生産されたかは不明。参考：月刊グランドパワー11,’12、世界の軍用車両(1)

＜スリーブ型標的（輸入）＞：自衛隊の機器。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究8,’11

＜スリーブターゲット＞：自衛隊の機器。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究6,’13

＜スリーライン＞：日本海軍士官のスラングで、三味線のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜スリ・インデラ・サクティ＞：マレーシア海軍スリ・インデラ・サクティ級補給支援艦１番艦Sri Indera Sakti。ドイツで建造され、1980年に就役。2009年6月8-19日、カラット2009に参加。2009年12月1日、マレーシア海軍国際観艦式に参加。参考：月刊軍事研究12,’02、月刊世界の艦船9,’09、3,’10

＜スリ・インデラ・サクティ級＞：マレーシア海軍補給支援艦Sri Indera Sakti級。兵員輸送艦や母艦、指揮艦に練習艦としても使用できる。自衛用火器を備え、補給用輸送ヘリ、15トンクレーンなどを搭載する。満載排水量4900トン（4300トン？）。スリ・インデラ・サクティと艦番号1504マハワンサが1980年と1983年に就役した。参考：月刊軍事研究12,’02、月刊世界の艦船4,’12、7,’15

＜スリ・インデラ・プテラ＞：1505（揚陸艦）を参照。

＜スリヴァ型＞：ロシア海軍航洋曳船Sliva型。潜水救難能力もあり、深度60mまでの潜水支援設備と救難員10名を乗せられる。SB-408などが就役した。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜スリオン＞：KUH-1（ヘリ）を参照。

＜スリガオ海峡海戦＞：太平洋戦争時の比島沖海戦で発生した海戦の１つで、最後の戦艦同士による海戦である。昭和19年10月22日1530、西村祥治中将率いる第１遊撃部隊第３部隊（旗艦の戦艦山城、戦艦扶桑、重巡洋艦最上、駆逐艦満潮、山雲、朝雲、時雨）がブルネイを出撃。鈍足なので最短距離を進み、栗田艦隊と25日0900にスルアン島北東10海里で合流し、レイテ湾のアメリカ輸送艦泊地に殴り込みを掛ける予定だった。10月23日1030、パラワン島と北ボルネオの間にあるバラバク海峡を通過。1800、志摩中将率いる第２遊撃部隊（重巡那智、足柄、軽巡阿武隈、駆逐艦曙、潮、不知火、霞）がコロン湾に入港。燃料補給を受ける筈だったが、タンカーが来なかったため、巡洋艦から駆逐艦に燃料を補給した。10月24日0200、最上の零式水上偵察機２機が発進。志摩艦隊がコロン湾を出港し、西村艦隊の後を追った。0650、レイテ湾上空に達した零式水上偵察機から敵艦隊（戦艦４隻、巡洋艦２隻、駆逐艦２隻、別方面に駆逐艦12隻、など。実際には戦艦６隻、巡洋艦６隻、駆逐艦30隻以上）の情報が入った。水偵は最上に通信筒を投下して陸上基地に向かい、最上に搭載されていた残り３機の水偵も搭乗員を４名ずつ詰め込んで陸上基地へと避退している。0855、西村艦隊がアメリカ偵察機の触接を受けた。0940、アメリカ軍機の空襲を受け、扶桑と時雨が爆弾１発被弾、最上が機銃掃射被弾の被害が出たが、戦闘力に大きな影響は無く、そのまま13ノットで前進を続けた。この頃栗田艦隊が空襲を受けて一時反転したため、突入時間が狂い、西村艦隊は後続の志摩艦隊と共に先行突撃することになってしまった。しかも栗田艦隊の一時反転に慌てた連合艦隊司令部が「全軍突撃せよ」の命令を電信したため、突撃を遅らせることもできず、1900、最上、満潮、朝雲、山雲の４隻が先行し、パナオン島の索敵に向かった。アメリカ第３艦隊第38機動部隊は、栗田艦隊への攻撃と、付近にいる筈の日本海軍機動部隊の捜索に全力を傾けており、西村艦隊には南西太平洋方面軍隷下の第７艦隊を差し向けた。第７艦隊司令長官は偵察機からの触接情報と第３艦隊の通信傍受で状況を把握し、10月24日1200過ぎには隷下全艦艇に翌日未明以降の日本海軍艦隊レイテ湾襲撃の可能性を警告しており、1422に第77任務部隊第２群に対し、スリガオ海峡を抜けてレイテ湾に入ってくると推定される西村艦隊の迎撃を下命した。第77任務部隊第２群はスリガオ海峡での待ち伏せ作戦を計画し、戦艦BB-48ウェスト・ヴァージニア、BB-44カリフォルニア、BB-43テネシー、BB-46メリーランド、BB-38ペンシルヴァニア、BB-41ミシシッピをスリガオ海峡付近のレイテ湾に配置、その左右に重巡洋艦と軽巡洋艦を４隻ずつ置き、駆逐艦21隻（26隻？）で湾口を塞ぎ、更に魚雷艇39隻をスリガオ海峡の入り口に配置した。2236、アメリカ魚雷艇が西村艦隊を発見。2250、時雨がアメリカ魚雷艇を発見、戦闘に入った。先行する最上なども10月25日0000過ぎに魚雷艇を発見、続いて交戦したが、スコールが激しいため30分ほどして戦闘を中断し、本隊に合流しに向かった。0130、最上など４隻は本隊に合流、満潮と朝雲が単縦陣で先行し、4000m後方に山城、山城の右前方1500mに山雲、左前方1500mに時雨、後方1000mに扶桑、更に後方1000mに最上、という陣形でスリガオ海峡南口に入った。0202、西村艦隊は針路を北に変更し、レイテ湾に向け突入を開始。直後、魚雷艇30隻の波状攻撃を受けたが全て回避した。0253、アメリカ駆逐艦隊を発見。西村艦隊は前から満潮、朝雲、山城（側面警戒として右に山雲、左に時雨を配置）、扶桑、最上の単縦陣に組み替えて進撃した。距離7000-8000mでアメリカ駆逐艦が魚雷27本を西村艦隊に向けて発射し、煙幕を展張して離脱。扶桑の右舷中央部付近に魚雷2-5本が命中して電気系統が全損、航行不能となり、損害報告もできぬまま東へそれると弾火薬庫に誘爆して大爆発を起こし、真っ二つになって暫く海上を漂った後沈没した。生存者無し。0313、時雨がアメリカ駆逐艦隊を発見。西村艦隊は緊急右90度回頭を行い、敵に砲撃を開始。２分後に左90度回頭した後、更に２分後に左45度回頭を行った。直後、アメリカ駆逐艦から放たれた魚雷20本のうち１本ずつが満潮、朝雲、山雲に命中し、山雲が轟沈、満潮が航行不能、朝雲が艦首切断で戦場離脱の被害を受けた。また山城の左舷後部にも１発が命中し、速力が20ノットに低下した。0315、志摩艦隊がスリガオ海峡北方に発砲炎を確認。0321、志摩艦隊は針路を北北東に向けたが、魚雷艇の雷撃を受けて軽巡阿武隈が落伍した。0323、アメリカ駆逐艦隊が魚雷14本を発射、１本が山城の左舷に命中し、更に速力が低下した。また、航行不能の満潮に魚雷２本が命中して轟沈している。0340、西村中将が「われ魚雷攻撃を受く。各艦はわれをかえりみず前進し、敵を攻撃すべし」の電文を発したが、従うことができたのは最上と時雨のみだった。0350、第７艦隊の戦艦・巡洋艦群が砲撃を開始。戦艦のMk8射撃指揮レーダー（BB-46メリーランドとBB-41ミシシッピはMk3射撃指揮レーダーだったので目標を捕捉できなかった）によるレーダー測距夜間射撃（射距離20000-22000m）により、西村艦隊は18分間に40ｃｍ・36cm砲弾300発、20cm・15cm砲弾4000発の集中砲火を浴びた上、駆逐艦９隻の雷撃も受けることになった。山城は艦中央部に40cm砲弾２発を含む砲弾多数と魚雷４本を喰らい航行不能となり、扶桑が沈没したことを知らずにいた西村中将が「われ航行不能、各艦とも扶桑艦長の指揮の下、レイテ湾に突入せよ」の信号を発した後、大爆発を起こして0419に轟沈。生存者も多くが住民に殺害され、10名ほどしか残らなかった。最上は飛行甲板に被弾、更に艦橋を砲弾が直撃して防空指揮所の艦長、副長、航海長、水雷長、通信長らが即死し、砲術長が射撃指揮所から指揮を執ったが、速力は８ノットに落ち、舵機も故障していた。朝雲は戦線離脱のため12ノットで単艦航行中の所を巡洋艦２隻と駆逐艦３隻の追撃を受けて沈没した。0420、志摩艦隊が炎上する最上を右舷前方に発見し、左舷側の敵と思われる艦影に対して魚雷16本を発射した。最上は大破漂流中と判断したが、実際には舵が故障したまま微速南進していたため、旗艦那智が最上の第１砲塔左舷付近に衝突している。0425、志摩艦隊は南に反転して後退した。0500、最上の舵機が復旧し、曙と共にコロン湾へと退避。0700及び0900頃、後退する志摩艦隊、最上、時雨がアメリカ軍機の追撃を受けた。最上は0700の爆撃は回避したものの、0830に主機が停止してしまい、0930に爆弾２発を被弾して総員退避が下命され、生存者を曙に移して1230に曙が魚雷１本を最上に発射、1307に最上はパナオン島ビニト岬南東70kmで沈没した。西村艦隊では時雨のみが何とか戦線を離脱し、時雨以外の西村艦隊の生存者は、山城10名前後（扶桑も10名前後生存説あり）と、駆逐艦３隻計40名強のみだった。雷撃で損傷した志摩艦隊の阿武隈は潮の護衛で後退し、10月26日にミンダナオ北西ダピタン湾に到達、コロン湾に向かっていたが、アメリカ陸軍機の空襲を受けて1242に沈没した。日本海軍側の戦果は魚雷艇PT-493撃沈のみだった。参考：戦艦入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、比島決戦、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船9,’14、12,’15、4,’17、5,’19、山本五十六と米内光政、歴史群像4,’16

＜スリック＞：BDU-33/Bシリーズ（訓練爆弾）を参照。

＜スリックス＞：汎用・輸送ヘリコプターの総称。ベトナム戦争でUH-1ヘリ輸送型をこう呼んだのが始まりである。参考：月刊航空ファン7,’00、月刊丸12,’11

＜スリッパー作戦＞：アフガニスタンにおける対テロ戦闘支援作戦。ペルシャ湾・オマーン湾に面した飛行場に展開した哨戒機で付近のエリアを監視し、テロリストの脱出を阻止するRIO（Readership Interdiction Operation）で、アメリカ海軍P-3C(AIP)哨戒機、オーストラリア空軍P-3C哨戒機、AP-3C哨戒機などが参加している。参考：月刊JWings2,’04

＜スリッパ異動＞：自衛隊スラングで、同じ基地や駐屯地にある別部隊に異動すること。参考：MAMOR vol.164

＜スリッパ作戦＞：不朽の自由作戦のオーストラリア名称。

＜スリッピングバンド＞：スリッピング・オブチュレイター・バンド（滑動閉塞帯）ともいう。ライフル砲からHEATを発射する場合、旋転による遠心力でメタルジェットが拡散し、威力が弱まる。これを防ぐために弾体に巻く帯のことで、弾体を滑らせて回転しないようにする。ライフル砲からAPFSDS弾を発射する時にも使う。参考：月刊グランドパワー2,’04、月刊PANZER5,’79

＜スリップ＞：最適な旋回コースよりも内側に滑っていってしまうこと。ロールが大きすぎると生じる。参考：月刊JWings11,’00

＜スリナム軍＞：

＜スリナム軍（１９８９年）＞：全軍種は陸軍の一部である。陸軍兵力2700名。歩兵大隊１個、憲兵隊旅団１個からなる。EE-9偵察車６両、YP-408装甲兵員輸送車９両、EE-11装甲兵員輸送車15両、81mm迫撃砲６門、57mm無反動砲を保有する。海軍兵力250名。パラマリボに基地がある。S-401級内海哨戒艇３隻、小型内海哨戒艇３隻を保有する。空軍兵力100名。BN-2対ゲリラ戦機３機、PC-7対ゲリラ戦機２機、セスナU206連絡機１機、ベル205汎用ヘリ１機、SA316汎用ヘリ２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スリナム軍（２０１５年）＞：全軍種は陸軍の一部である。現役総兵力1840名（陸上部隊1400名、海上部隊240名、航空部隊200名）、準軍事組織（沿岸警備隊）100名。機械化騎兵隊１個、歩兵大隊１個、憲兵大隊１個からなる。EE-9偵察車６両、EE-11装甲兵員輸送車15両、81mm迫撃砲６門、106mm無反動砲M40A1、哨戒艇10隻、C-212-400洋上哨戒機１機、BN-2輸送機１機、セスナ182輸送機１機、PC-7練習機１機、SA316Bアルエート�V汎用ヘリ（チェタック）３機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スリバンギ級＞：LST-1級戦車揚陸艦（マレーシア海軍）を参照。

＜スリム＞：九六式小型水上偵察機を参照。

＜スリム橋梁確保＞：太平洋戦争マレー攻略戦で、トロラクを制圧した日本陸軍第25軍第３戦車団戦車第６連隊第４中隊は、昭和17年1月7日0810、安藤追撃支隊の進出を待たずにスリム橋梁に向けて前進を開始。途中でインド第11師団司令部を潰し、建設中の陣地を粉砕、予備の第28インド歩兵旅団を壊滅させて1030にスリム橋梁に到達した。オーバーヒートした戦車のエンジンを冷やしている間に橋梁を偵察。この間に友軍機が飛来し、通信筒を落としたが、この機に向かって敵の高射砲弾が集中した。この隙に第４中隊は北の橋梁に接近、上空を向いていた高射砲を榴弾で破壊し、機関銃陣地を制圧、スリム橋梁を爆破される前に占領することに成功している。更に周囲の安全を確保するため、南方の橋梁の確保に向かい、1530までにこちらも占領した。1630、第４中隊に向けて敵の重砲射撃が行われたため、南の橋梁を渡って掃討を実施。九七式中戦車１両が114mm榴弾の直撃を喰らって破壊されたが、重砲３門を破壊して制圧した。1850、夜間警戒態勢に移行。1月8日0000、安藤追撃支隊の第５師団歩兵第21旅団歩兵第42連隊第１大隊と合流して戦闘は終結した。この結果、連合軍はマレー防御戦力が不足し、クアラルンプールの放棄を余儀なくされている。参考：月刊丸3,’01、日本戦車隊戦史、月刊軍事研究4,’15

＜スリャ・キラン＞：インド空軍アクロバットチーム「輝ける日の光」または「旭光」、略称SKAT。1996年、インド空軍創設50周年記念でハイデラバード近くにあるバイダル空軍基地で編成された。使用機は国産練習機HJT-16キランMk�U４機で、更に２機が追加され、9月15日のインド空軍管理大学ゴールデンジュビリー・ショーでデビューした。1998年、９機編成となった。2006年5月1日、飛行隊に昇格した。MiG-21FL配備第52飛行隊の後継という扱いで、ニックネームのシャークスも引き継いでいる。インド空軍の練習機不足に対応するため、2011年2月のエアロ・インディア2011における展示飛行以降は使用機を訓練用に提供することになり、活動を停止した。2016年、ホークMk.132練習機で展示飛行を再開。ちなみに使用機は戦時には軽攻撃機として実戦投入される。2019年2月19日、エアロ・インディア2019のリハーサル中にホークMk.132練習機２機が空中衝突し、両機とも錐揉み状態で墜落、搭乗者３名の内１名が死亡して２名が負傷し、落下した破片で民間人１人が負傷した。エアロ・インディア2019では７機でシンプルな展示飛行を行っている。2021年11月14-19日、ドバイ・エアショーで展示飛行を実施。参考：月刊航空ファン5,’19、5,’11、5,’17、月刊JWings7,’01、5,’19、2,'22、月刊軍事研究11,’03

＜スリューウイング＞：斜め翼を参照。

＜スリュース＞：P261（潜水艦）を参照。

＜スリランカ海軍＞：1996年、074型揚陸艦１隻を導入。2008年、RABS（Rapid Action Boat Squadron）を編成し、沿岸哨戒艇によるLTTE船舶潰しを開始した。2010年12月11日、スリランカ海軍創設60周年国際観艦式を実施。2017年、サリュー級外洋哨戒艇２隻が就役開始。参考：JShips Vol.44、月刊世界の艦船2,’17、6,’19

　＜スリランカ海軍（１９７７年）＞：兵力2400名。リバー級フリゲート１隻、上海級砲艇５隻、沿岸哨戒艇23隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜スリランカ海軍（１９８９年）＞：兵力5500名。トリンコマリに司令部、カライナガル、コロンボ、タンガラ、カルピチヤに基地がある。ジャヤサガラ級哨戒艇２隻、上海�U級哨戒艇６隻、ドボラ級高速艇12隻、小型内海哨戒艇16隻、機械化揚陸艇２隻、アブヒータ級支援／指揮艦３隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜スリランカ海軍（２０１５年）＞：現役兵力15000名（うち招集予備役2400名）、予備役2400名。サヤラ級哨戒艇１隻、ナンディミスラ級哨戒艇２隻、哨戒艇128隻、シャクティ級中型揚陸艦１隻、LCM２隻、LCP３隻、LCU２隻、M10級LCAC１隻、兵站支援船２隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スリランカ空軍＞：1948年2月4日に自治領セイロンとしてイギリスから独立したのを受け、1951年3月9日（10月1日？）にセイロン空軍（Royal Ceylon Air Force、RCyAF）として創設された。1951年、イギリスからチップマンクT.1練習機12機の譲渡が開始された。同時にバンパイアT.55練習機も発注していたが、飛行速度が速すぎるとして一度も使わずイギリスに返却、代わりに1954年にP.108バリオルT2練習機を10機配備している。1955年、DH.104ダブ５輸送機６機とWS-51救難ヘリ３機を導入。1956年、パイオニアC.C.1を４機配備。1958年、ジェットプロボスト練習機12機を配備。1959年、DH.114輸送機４機を購入。1961年、UH-12Bヘリ１機を配備。1964年、ベル206Aヘリ10機の配備を開始。1971年、財政危機のため営利企業のヘリツアーズを設立し、商業運航を行って予算の足しにした。1971年4月5日にスリランカ人民解放戦線が武装蜂起したため、4月17日にOH-13Hヘリ６機、4月22日にMiG-17戦闘機５機、MiG-15UTI練習機１機、Ka-26ヘリ２機を輸入して対抗した。1972年にスリランカとして完全独立を果たし、スリランカ空軍（Sri Lanka Air Force、SLAF）になった。セスナ337Fスーパースカイマスターを導入。1975年、エアセイロンで余剰になったC-47輸送機を配備。1979年、アブロ748-222シリーズ２輸送機５機とSA365Cヘリ２機を購入。1981年、MiG-15UTI練習機とMiG-17戦闘機が退役し、ジェット戦闘機が無くなった。1985年、SF.260TP攻撃機11機の導入を開始。1991年、SF.260MP練習機12機を購入。中国からF-7BS戦闘機、F-7戦闘機、F-5S戦闘機、殲教５型練習機を導入し、ジェット戦闘機が復活した。1992年、IA-58A対ゲリラ戦機５機の導入を開始。1995年、Mi-24攻撃ヘリ26機とAn-32B輸送機10機の配備を開始。1996年1月、クフィールC2/TC2/C7/TC7戦闘機の配備を開始。2000年、MiG-27M戦闘機とMiG-23UB戦闘機を導入。2001年、初教６型練習機の配備を開始。2018年8月5日、海自P-3C哨戒機１機とスリランカ東方海域で親善訓練（捜索救難訓練）を実施。参考：月刊航空ファン9,’17、10,’17、月刊JWings9,’11、12,’11、月刊世界の艦船10,’18

　＜スリランカ空軍（１９７７年）＞：兵力2000名、予備役750名。MiG-17F戦闘機５機、MiG-15UTI練習機１機、ジェット・プロボストT.Mk51攻撃機４機、ライリー輸送機２機、ヘロン輸送機２機、DC-3輸送機２機、CV440輸送機１機、セスナ337連絡機４機、AB206ヘリ７機、Ka-26ヘリ２機、ベル47Gヘリ６機、セスナ150練習機３機、チップマンク練習機７機、ダブ練習機４機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜スリランカ空軍（１９８０年）＞：MiG-17F戦闘機５機、ジェット・プロボストT.Mk51攻撃機４機、コンベア440を１機、ダブ練習機５機、HS/リレー・ヘロンを４機、DC-3輸送機２機、セスナ337連絡機４機、ベル206Aヘリ７機、ベル47Gヘリ５機、Ka-26ヘリ２機、SA365ヘリ２機、チップマンクT.21練習機７機、セスナ150練習機５機、MiG-15UTI練習機１機を保有する。参考：ザ・マーチ18号

＜スリランカ空軍（１９８９年）＞：兵力3700名（予備役含む）。SF-260TP対ゲリラ戦機９機、ベル212ヘリ11機、ベル412ヘリ４機、セスナ337哨戒機３機、ダブ哨戒機３機、ヘロン哨戒機１機、SA-365ヘリ２機、BAe748輸送機２機、セスナ421C輸送機１機、スーパー・キングエア輸送機１機、Y-12輸送機10機、ベル206ヘリ12機、セスナ150/152練習機６機、チップマンク練習機５機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スリランカ空軍（２０１１年）＞：兵力28000名。クフィールC2戦闘機４機、クフィールC7戦闘機２機、クフィールTC2戦闘機２機、MiG-27M戦闘機７機、MiG-23UB戦闘機１機、F-7BS戦闘機３機、F-7GS戦闘機４機、FT-7戦闘機１機、K-8練習機７機、初教６型練習機８機、C-130K輸送機２機、An-32輸送機５機、Y-12（�U）輸送機７機、Y-12（�W）輸送機２機、ビーチ200輸送機１機、ビーチ200T輸送機１機、セスナ421C輸送機６機、セスナ150L輸送６機、Mi-24P攻撃ヘリ６機、Mi-24V攻撃ヘリ３機、Mi-35P攻撃ヘリ３機、Mi-35V攻撃ヘリ２機、Mi-17輸送ヘリ１機、Mi-17-1V輸送ヘリ２機、Mi-17V-5輸送ヘリ２機、Mi-171輸送ヘリ４機、ベル206A汎用ヘリ２機、ベル206B汎用ヘリ２機、ベル212汎用ヘリ８機、ベル412汎用ヘリ４機、ベル412EP汎用ヘリ２機を保有する。参考：月刊JWings12,’11

＜スリランカ空軍（２０１５年）＞：現役兵力28000名（空軍保安連隊含む）、予備役2000名。F-7BS戦闘機３機、F-7GS戦闘機４機、FT-7戦闘機１機、クフィールC2戦闘機４機、クフィールC7戦闘機２機、クフィールTC2戦闘機２機、MiG-27M戦闘機６機、MiG-23UB戦闘機１機（転換訓練用）、C-130K輸送機２機、An-32B輸送機３機、セスナ150L輸送機６機、セスナ421C輸送機１機、Y-12（�U）輸送機７機、Y-12（�W）輸送機２機、K-8練習機７機、初教６型練習機７機、Mi-24P攻撃ヘリ６機、Mi-24V攻撃ヘリ３機、Mi-35V攻撃ヘリ２機、ベル412要人輸送ヘリ６機、ベル412EP要人輸送ヘリ２機、Mi-17輸送ヘリ10機、Mi-171Sh輸送ヘリ４機、ベル206A汎用ヘリ２機、ベル206B汎用ヘリ２機、ベル212汎用ヘリ８機、ブルー・ホライズン２無人機数機、サーチャー�U無人機２機、40mm高射機関砲24門、94mm高射砲３門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スリランカ軍＞：タミル・イーラム解放の虎との内戦終結後、国内治安維持へと任務が変わった。取り敢えず軍の規模を縮小し、小規模ながらいくつかの国連ミッションに参加、海軍戦力を高速艇レベルから沿岸哨戒艇レベルに引き上げたが、全体の転換計画は不透明である。新兵器購入に充てられる予算は少ないが、軍事関係強化を図る中国から兵器が供給されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スリランカ軍（１９８９年）＞：兵力22000名、予備役25000名。インド平和維持軍のインド陸軍歩兵師団４個45000名とインド海空軍2000名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スリランカ軍（２０１５年）＞：現役総兵力243000名（陸軍200000名、海軍15000名、空軍28000名）、予備役5500名（陸軍1100名、海軍2400名、空軍2000名）、準軍事組織現役62200名（ホームガード13000名、国家防衛隊15000名、警察軍31200名、国防省対ゲリラ任務特殊任務軍3000名、沿岸警備隊）、予備役30400名（警察軍）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員127名、オブザーバー５名、ヘリ飛行隊１個、コンゴ民主共和国にMONUSCOオブザーバー４名、ハイチにMINUSTAH要員４名、レバノンにUNIFIL要員151名、歩兵中隊１個、南スーダンにUNMISS要員174名、オブザーバー４名、ヘリ飛行隊１個、野戦病院１個、スーダンにUNISFA要員１名、オブザーバー５名、西サハラにMINURSOオブザーバー３名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スリランカ内戦＞：イギリスの植民地だったセイロン島は、紅茶の栽培が盛んで、19世紀にはイギリスが労働力としてヒンズー教徒のタミル人を移住させた。1948年にイギリス連邦内自治領として独立。1956年4月の選挙で仏教徒のシンハラ人が支持する人民統一戦線が勝利してスリランカ自由党が政権を握り、タミル人の支持する連邦党が反対する中、シンハラ語公用語化法案を成立させた。このためタミル人が反発して抵抗運動を開始。1970年代にかけてシンハラ人左翼組織のスリランカ人民解放戦線が中国に接近し、1971年4月5日に武装蜂起を起こしたため、ソ連が政府に武器を供与して鎮圧させた。インドとパキスタンも軍を派遣して後方支援を行っている。米英も兵器を供与したが、親ソ政権に本格的に肩入れする気は無かったらしく、少数の旧式機のみに止まった。1972年5月、スリランカ共和国に国名を変更。これに伴い、タミル人が分離独立運動を開始した。1976年、タミル・イーラム解放の虎LTTEが結成された。1978年2月、新憲法を発布してスリランカ民主社会主義共和国に国名を変更した。1983年7月23日、タミル人過激派がシンハラ人兵士13名を殺害。これに対してシンハラ人が全土でタミル人に報復を開始、略奪、暴行、放火なとを行い、タミル人数百人を虐殺した。タミル人は7月24日を虐殺の日として心に刻み、本格的な内戦に発展している。1986年末、LTTEがジャフナ半島を制圧し、1987年1月1日に独立を宣言した。これに対してスリランカ政府が鉄道と国道を封鎖したところ、LTTEは爆弾テロで反撃。1987年2月5日には爆薬トラックで政府軍基地に自爆テロを行い、兵士40名を殺害した。スリランカ政府軍は1987年5月26日から２万名規模の兵力で制圧に乗り出したが、LTTEを制圧する一歩手前の段階でインドが介入、６万名弱の兵力を派遣してシンハラ人・タミル人両武装組織の武装解除を開始。当初は順調に進むかに見えたが、過激派同士の抗争が続き、インド軍も1200名の死者を出したため、1990年3月に撤退してLTTEへの支援を打ち切った。1991年3月、LTTEがコロンボでスリランカ産業相兼国防次官ら31名を自動車爆弾により殺害。5月、LTTEがインドのラジブ・ガンジー元首相を自爆テロで殺害。11月、LTTEがスリランカ北部方面司令官を地雷で殺害。1993年、LTTEがコロンボのメーデーでデモ行進中の大統領を自爆テロで殺害。1994年9月、LTTEが爆装ボートで警備艇２隻を撃沈。10月、LTTEが統一国民党大統領候補を女性による自爆テロで殺害。1995年4月、LTTEが停戦協定を破り砲艦２隻を自爆ボートで爆破。2001年7月4日、LTTE14人が空軍基地と国際空港を襲撃し、クフィール戦闘機３機、練習機３機、ヘリコプター２機、旅客機３機を破壊し、旅客機３機が損傷した。7月20日、LTTEが12才前後の子供をゲリラにしているとしてユニセフが非難。2002年2月22日、ノルウェーの仲介でスリランカ政府とLTTEの停戦が結ばれた。9月5日、スリランカ政府はLTTEの非合法措置を解除し、タイで第１回の和平交渉が行われた。2003年3月18日、第６回の和平交渉が箱根で行われ、LTTE支配地域での地方選挙を行うこととなった。4月、政府軍の撤退時期と規模に不満を示し、LTTEが第７回和平交渉をキャンセル。6月9日、東京でスリランカ復興支援会議が実施され、LTTEは和平交渉再開の意思を示したが、政府側が大統領と首相の不和により和平交渉の無期限延期を決定した。2005年11月19日、スリランカ大統領に強硬派が就任し、LTTEがこれに反発して2006年からテロを激化させると宣言。2006年2月22日、スリランカ政府とLTTEがジュネーブで停戦を確認。4月、LTTEが停戦に関する協議からの無期限離脱を宣言、テロを激化させた。2007年3月26日、LTTEがチェコ製Z-242-U軽飛行機改造の攻撃機２機でスリランカ空軍基地を爆撃した。7月11日、スリランカ政府軍がLTTEの東部拠点トッピバラを制圧して17年振りに奪回、LTTEはスリランカ北部に追いやられた。10月22日未明、ブラック・タイガーと呼ばれる決死隊21人がアヌラダブラ空軍基地を急襲し、クフィル戦闘機１機、PT-6練習機３機、Mi-24攻撃ヘリ１機、Mi-17輸送ヘリ１機、ベル206汎用ヘリ１機、B200T連絡機１機を破壊し、12名を殺害、20名を負傷させ、ブラック・タイガー隊員は全員死亡した。同時にZ-242-U軽飛行機２機が爆弾４発を投下したが、閉鎖されていた陸軍キャンプに落下したため、被害は出ていない。11月2日、スリランカ政府軍がMiG-27戦闘機２機でLTTE司令部を爆撃し、LTTE政治部門トップと側近ら６人が死亡した。この時点までに双方合わせて７万人が死亡、30万人の避難民が生じている。2009年1月、LTTE側勢力の事実上の首都であるKilinochchiを政府軍が制圧。これに引き続き、LTTE最後の拠点であるMullaitivuも政府軍が制圧し、スリランカ北東部の掃討戦に移った。ロンドンの３分の１程度といわれる狭い戦闘地域に市民10-25万人とLTTE 2000-4000人がいるとされており、これをスリランカ陸軍４個師団５万名が包囲しているとみられる。2月にLTTEは制圧され、5月19日にラージャバクサ大統領が内戦終結を宣言した。終結前日の5月18日、大統領府で日本の内閣府国際平和協力本部事務局が緊急空輸したテント560張、給水容器30000個、ビニールシート4000枚、スリーピングマット10000枚、蚊帳1000張（計4700万円相当）の引き渡し行事が行われている。参考：月刊軍事研究6,’07、1,’08、7,’09、月刊世界の艦船4,’10、朝雲

＜スリランカ陸軍＞：

＜スリランカ陸軍（１９７７年）＞：兵力8900名、予備役12000名。旅団１個、偵察連隊１個、砲兵連隊１個、工兵連隊１個、通信連隊１個、予備役大隊７個、予備役工兵隊からなる。サラディン偵察車６両、フェレット偵察車30両、BTR-152装甲兵員輸送車10両、76m/85mm/105mm榴弾砲を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜スリランカ陸軍（１９８９年）＞：兵力40000名（再呼集予備役含む）。師団司令部２個、任務部隊歩兵旅団規模）５個、偵察連隊２個、野砲連隊２個、高射砲連隊１個、野戦工兵連隊１個、工兵設備連隊１個からなる。サラディン偵察車18両、フェレット偵察車15両、ディンゴ偵察車12両、BTR-152装甲兵員輸送車10両、バッフェル、サラセンなど他の装甲兵員輸送車144両、76mm砲M-48を16門、56式85mm砲30門、25ポンド砲、105mm砲、122mm砲、4.2インチ（107mm）迫撃砲12門、120mm迫撃砲、82mm無反動砲M-60、106mm無反動砲M-40、40mm高射機関砲L-60を24門、3.7インチ（94mm）高射砲24門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スリランカ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力200000名（うち招集予備役60000名）、予備役1100名。地域司令部７個、師団司令部22個、独立特殊作戦旅団１個、機甲偵察連隊３個、機甲旅団１個、機械化歩兵旅団１個、歩兵旅団65個、コマンドー旅団１個、空中機動旅団１個、砲兵連隊７個、多連装ロケット連隊１個、工兵連隊８個、通信連隊６個からなる。T-55A/T-55AM2戦車62両、サラディン偵察車15両、BMP-1歩兵戦闘車13両、BMP-2歩兵戦闘車49両、63式装甲兵員輸送車数両、85式装甲兵員輸送車30両、89式装甲兵員輸送車数両、BTR-80/-80A装甲車25両、ブッフェル装輪装甲兵員輸送車31両、92式装輪装甲兵員輸送車20両、ユニコーン装輪装甲兵員輸送車105両、122mm砲20門、59式�T型130mm砲30門、66式152mm砲（D-20）46門、122mm多連装ロケットKRL-122を６両、122mm多連装ロケットRM-70を22両、81mm迫撃砲520門、82mm迫撃砲209門、120mm迫撃砲M-43を55門、105mm無反動砲M-65を10門、106mm無反動砲M40を30門、56式85mm対戦車砲（D-44）を８門、シーカー無人偵察機１機、AN/TPQ-36対砲レーダー４基、VT-55戦車回収車16両、MT-55戦車橋２両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スリン＞：タイ海軍シーチャン級戦車揚陸艦２番艦Surin。1988年就役。2011年2月7-18日、コブラ・ゴールド2011に参加。参考：月刊世界の艦船5,’11

＜スリンガー＞：D26（護衛空母）を参照。

＜スリング＞：背負い紐。銃を吊り下げる紐のこと。参考：GUN用語事典

＜スリング＞：自衛隊の機器。兼松が受注している。参考：月刊軍事研究5,’17

＜スリングＡ／Ｃ＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究7,’17

＜スリング・キット（空挺扉）＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜スリング・キット−ファン・ダクト・カウル＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜スリングショット＞：3M12（陸上発射式巡航ミサイル）を参照。

＜スリングセット＞：自衛隊の機器。JALUX製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜スリングネット＞：陸上自衛隊のヘリコプターが、機外に物資を吊り下げる時に使用する紐付きネット。ネットはビニロンロープ製で太さ12mm、大きさは4m四方で、ネット周囲スリングには炭素鋼のワイヤーを使用しており、最大荷重2.3トン。藤倉航装K.K.製。参考：自衛隊装備カタログ1981、自衛隊装備年鑑1996

＜スリングベルト＞：陸上自衛隊のヘリコプターが、機外に車両や砲を吊り下げる時に使用するベルト。長さ3.6mの吊下帯４本、1.2mの吊下帯６本、1.2mの集約吊下帯２本（１本？）、付属品から構成される。最大荷重３トン（4.5トン？）。藤倉航装K.K.製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜スリングベルト（ＣＨ−４７Ｊ機用）＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜スリングベルトＣＨ用＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜スリングベルトＵＨ−６０ＪＡ用＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜スリング輸送＞：ヘリコプターが兵器や物資を吊り下げて輸送すること。ヘリへの固定に技術が要るし、地上に降ろす際にも専門知識を持つ作業員や作業指導員が必要なので、大きすぎてキャビンに積めない、降着地を確保できないといった特別な理由がある際に使用される。参考：空軍

＜スルヴェ＞：Y311（水中処分母艇）を参照。

＜スルヴェ級＞：デンマーク海軍水中処分母艇Søløven級。元はフリーヴェフィスケン級14番艇で、ミッションモジュール搭載部分に潜水作業支援用装備を固定搭載した。Y311スルヴェが2012年に艦種変更された。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜スルー・キャノピー方式＞：射出座席を参照。

＜スルー・デッキ・クルーザー＞：インビンシブル級（軽空母）を参照。

＜スループ＞：大型砲艦。コルベットよりも小型の戦闘艦で、排水量1000トン以上の砲艦を指した。一時名称が廃れたが、第１次大戦時にイギリス海軍が植民地警護用護送艦をスループと名付けて復活させている。参考：小艦艇入門、巡洋艦入門

＜駿河丸＞：日本海軍特設運送船（給糧船）Suruga maru。元は昭和13年10月12日に竣工した日本水産トロール漁船兼冷凍工船で、日本海軍に徴用された。垂線間長62m、幅10.5m、深さ5.3m、吃水4.8m、総トン数991.75トン、重量トン数988トン。主機はディーゼル１基１軸1050馬力、航海速力11ノット、最大速力13.66ノット。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。昭和18年2月15日、ブイン北東50kmでSS-212ガトーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’17、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜スルタン・イスカンダル・ムダ＞：367（コルベット）を参照。

＜スルタン・オスマン�T世＞：トルコ海軍計画戦艦Sultan Osman �T。元はブラジル海軍がイギリスに発注した戦艦リオ・デ・ジャネイロで、超弩級戦艦配備への方針転換と財政難による建造継続困難のため、1914年1月にトルコに売却したもので、同年7月に竣工した。トルコへと回航する直前に第１次大戦が勃発し、トルコがイギリスの敵になると予想されたためイギリスが引き渡さず自国で徴発、エジンコートとしてイギリス海軍で就役させている。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜スルタン・クダラット＞：フィリピン海軍哨戒艦。満載排水量929トン。2017年1月6日、DD-105いなづま、DD-117すずつきと親善訓練（戦術訓練、通信訓練など）を実施。参考：月刊世界の艦船3,’17

＜スルタン・タハ・サイフディン＞：インドネシア海軍警備艦Sultan Tahak Syaifuddin。満載排水量781トン。2014年5月5日、インドネシア北方海域でソマリア海賊対処帰りのDD-106さみだれ、DD-113さざなみと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船8,’14、朝雲

＜スルタン・ヌク＞：インドネシア海軍パルヒム�T型コルベットSultan Nuku。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜スルタン・ハサヌディン＞：366（コルベット）を参照。

＜スルタン・ムーライ・イスマイル＞：614（コルベット）を参照。

＜スルタン・ムーライ・イスマイル級＞：モロッコ海軍コルベットSultan Moulay Ismail級。オランダのダーメン・シェルデ社が設計したシグマ型コルベット（シグマ9813）を導入したものである。船体はステルス性重視で、艦橋上部にタワーマストがあり、頂部にSMART-S Mk2レーダー、マスト前方にLIROD Mk2射撃指揮装置を装備する。全長97.9m、全幅13m、吃水4m、満載排水量2335トン（2075トン？）。主機はディーゼル２基２軸22030馬力、速力28ノット。兵装はVL-MICA艦対空ミサイル用６セルVLS２基、エグゾセMM40ブロック�U／�V艦対艦ミサイル連装（上下２連）発射筒２基、324mm短魚雷Mu-90用３連装発射管２基、76mm単装砲１門、20mm単装機関砲２門。ヘリ格納庫とヘリ甲板を持ち、AS565SAヘリ１機を運用可能。乗員91名。１番艦艦番号614スルタン・ムーライ・イスマイルと２番艦艦番号615アラル・ベン・アブダラーが2012年に竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’16、12,’12、12,’11、1,’12、10,’17、7,’19、月刊軍事研究1,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ズルフィカル＞：イラン陸軍戦車Zulfiqar。イラン国産で、1994年に存在が明らかとなり、1997年から量産された。詳しいデータは不明だが、T-72戦車のコンポーネントを流用しているらしく、外見はT-72戦車に複合装甲のカバーを被せた戦車、という感じである。車体と砲塔は溶接構造。主砲はロシア製125mm滑腔砲を自動装填装置ごと搭載しているとされるが、L7系105mmライフル砲（以前導入していたM60戦車が装備していたM68？）に換装しているという話もある。同軸機銃は無い。砲安定化装置、レーザー測距器、国産のレーザー検知器を搭載しているらしい。戦闘重量40トン。エンジンは1000馬力ディーゼルとされるが、M60A1と同じAVDS1790ガソリンエンジン（750馬力）という話もある。最大速度70km。プロトタイプのズルフィカル１、車体を延長して下部転輪を片側７組に増やした量産型とみられるズルフィカル２、スカートを追加するなど改良を施したズルフィカル３が確認されている。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究3,’03、4,’07

＜ズルフィクアール（初代）＞：パキスタン海軍ズルフィクアール級フリゲートZulfiquar。元はイギリス海軍リアンダー級フリゲートF70アポロである。1988年就役。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜ズルフィクアール＞：251（パキスタン海軍フリゲート、２代目）を参照。

＜ズルフィクアール級＞：江衛�U型フリゲート（パキスタン海軍）またはリアンダー級・海外シリーズ（フリゲート）を参照。

＜スルヤ＞：インドが計画中の長距離弾道ミサイルSurya。アグニ弾道ミサイルと極軌道打ち上げビークルPSLVを組み合わせる予定。弾頭重量８トン。射程12000km。どこに撃ち込みたいのかは不明。参考：月刊航空ファン9,’02

＜スレイター＞：DE-766（護衛駆逐艦）を参照。

＜スレイプナー暗号＞：ドイツ海軍が第２次大戦時に使用した暗号で、スレイプナーは北欧神話オーディン神の騎乗する８本脚の馬（スレイプニル）のこと。バルト海の魚雷実験センター所属部隊で使用された。参考：Ｕボート入門

＜スレッジハンマー＞：アメリカ陸軍第３歩兵師団第３旅団の愛称。参考：月刊軍事研究9,’03

＜スレッジハンマー作戦＞：第２次大戦時、ラウンドアップ作戦の補助として連合軍が策定した作戦。1942年秋までにドイツがソ連に降伏するか、ソ連がドイツに降伏するかとなった時に備え、ヨーロッパ大陸（シェルブール）に急速上陸を図るものである。しかし兵站などが間に合わず、想定された事態が生じる可能性も低かったため、立ち消えになった。参考：月刊PANZER6,’04

＜スレッシャー＞：SS-200（Ｔ型潜水艦）またはSSN-593（スレッシャー級原潜）を参照。

＜スレッシャー級＞：アメリカ海軍攻撃型原子力潜水艦Thresher級、設計名SCB188。１番艦SSN-593スレッシャーが1963年に事故で沈没したため、２番艦の名前をとってパーミット級とも呼ばれる。対水上戦と外洋対潜戦が主任務で、実験潜水艦SSN-597タリビーの成果を取り入れており、L/B比8.7の細長い涙滴型船体により水中速力28ノットを誇り、Mk113射撃指揮装置を搭載してサブロック潜対潜核ミサイルを運用できる初の潜水艦となった（ただしサブロックは後日装備）。耐圧船殻は部分複殻式で、艦前後と補機区画が複殻構造である。蒸気タービンと減速歯車は共通の台板に載せて主船体への振動伝播を防止するラフト構造とした。補機室とメイン・バラスト・タンクに引き込み式電動副推進器を備えており、45度ずつ旋回できるため、サイドスラスターにもなる。機械室には非常用電動機も積んでいる。ソナーシステムはAN/BQQ-2で、艦首にAN/BQS-6パッシブソナーの大型球形アレイを搭載しているため、魚雷発射管は船体中央前寄り両舷に首尾線から10度外側に傾けて装備している。船体側面水線下にはAN/BQG-1ソナー用アレイを両舷に２基ずつ装着しており、測距が可能。潜舵はセイル・プレーンで、氷海でも浮上できるよう、90度上に旋回できる。７番艦SSN-605ジャックは船体を5.2m延長し、静粛性向上のため減速歯車を省いて二重反転プロペラを蒸気タービンと直結させたが、推進軸貫通部からの水漏れが酷く、以降の艦では採用されていない。水中抵抗を抑えた船体設計を可能とすべく、予備浮力をスキップジャック級の40%から27%に減らしたが、余裕がなさ過ぎるということで、SSN-613・SSN-614・SSN-615は船体を延長して重量バランス調整と復元性強化を図っており、設計名がSCB188Mになっている。全長84.9m（SSN613-615は89.1m）、幅9.7m、吃水7.7m、水上排水量3705トン（SSN613-615は3930トン）、水中排水量4311トン（SSN613-615は4600トン）。主機は原子力蒸気タービン方式、S5W原子炉１基・２段減速歯車付GE式高低圧２胴型蒸気タービン（SSN-612のみド・ラヴァル式ギヤード蒸気タービン）２基、出力15000馬力、１軸推進（１番艦は５翅、２番艦以降は７翅スキュード、SSN-605は二重反転５翅×２）、水上速力15ノット、水中速力28ノット、副推進器使用時最大速力４ノット。安全潜航深度396m。兵装は533mm魚雷発射管４門（船体中央前寄り下方に両舷２門ずつ。セイルの真下あたりに発射口がある）で、魚雷23本、サブロック潜対潜核ミサイル、機雷を射出可能。乗員94名（120名？）。SSN-593スレッシャー、SSN-594パーミット、SSN-595プランジャー、SSN-596バーブ、SSN-603ポラック、SSN-604ハッド、SSN-605ジャック、SSN-606ティノサ、SSN-607デイス、SSN-612ガードフィッシュ、SSN-613フラッシャー、SSN-614グリーンリング、SSN-615ガトー、SSN-621ハダックの14隻が1961-68年に就役した。後にハープーン潜対艦ミサイルやMk48長魚雷を運用可能とし、ソナーを改良、TASSを追加して上甲板左舷側に鞘を設けている。１番艦は1963年に事故で沈没、２番艦以降は1989-96年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史、月刊軍事研究5,’03、5,’17、9,’06、月刊世界の艦船6,’13、10,'23、6,’01、2,’10、10,’13、10,'23、ザ・マーチ17号、現代の潜水艦

＜スレッシャー沈没事故＞：1963年4月9日、SSN-593スレッシャーは９ヶ月のオーバーホール工事を終えてポーツマスを出港し、浅深度試験を実施。特に問題無く終了したとポーツマス海軍工廠及び大西洋艦隊潜水艦基地司令に打電した。4月10日、安全潜航深度までの深々度潜航深度を行うため、潜水艦救難艦ASR-20スカイラークと共にポーツマス海軍工廠を出港。コッド岬の東220海里（海の深さは8400フィート・2560m）に到着し、0745からテストを開始した。0747、スレッシャーからスカイラークに、今から深々度潜航試験を開始すると連絡があった。0752、スレッシャーからスカイラークに対し、深度400フィート（121.9m）で艦内の漏洩の有無を調べていると連絡が入った。0754、スレッシャーからスカイラークに、本艦の深度を所定の試験深度を基準として通知すると連絡があった。0809、スレッシャーからスカイラークに、試験深度の２分の１に達したと連絡が入った。0835、スレッシャーからスカイラークに、マイナス300フィート（91.4m）と連絡があった。0853、スレッシャーからスカイラークに、試験深度（推定1200フィート・365.8m前後）に達しつつありと連絡が入った。0902、スレッシャーからスカイラークに、今の針路を知らされたしと連絡があった。0913、スレッシャーからスカイラークに、アップになった（姿勢が艦首上げ状態になった）、ブローする、という連絡が入った。スカイラークでは2-3秒間に亘り、高圧空気の音が聴取されている。0914、スカイラークからスレッシャーに、貴艦とコンタクトできない、方位と針路を知らせ、と連絡を入れたが、スレッシャーから応答は無かった。スカイラークは航海長に代わって艦長が水中電話に取りつき、”Are you in control ?”と何度も呼びかけたが、返事は来なかった。0917、スカイラークはスレッシャーから”…test depth（試験深度）.”という不明瞭な通信を受信。これを最後にスレッシャーからの通信が途絶え、直後にスカイラークの水中電話にスレッシャーの圧壊音が響いた。1058、スカイラークは海中に発音弾を投下し、スレッシャーからの応答を待ったが、反応は無かった。5月、スレッシャーの一部が海底から回収され、深海潜航艇トリエステが海底に散乱する残骸を撮影した。これらを分析した結果、船体を貫く海水配管系が破損して超高圧の海水が一気に流入し、艦首がアップトリムとなった際に異常に気付いたが、原子炉が停止してメイン・バラスト・タンクの排水に失敗、為す術無く沈没したと結論づけられた。試験地点は暖流のメキシコ湾海流と寒流のブラジル海流が交錯する場所で、メキシコ湾流の下には反対向きに流れる寒流層があり、4月上旬から吹き荒れた暴風（当日も風速20m、波高９フィート・2.7mだった）により海中嵐が発生していたといわれ、それに巻き込まれて安全潜航深度より数十メートル沈下、脆弱な箇所が破綻したとみられる。付近の海水から放射能汚染は検出されなかったが、未だ乗員104名・技術者ら25名（士官17名、下士官95名、軍属17名？）と共に水深2560mの海底に沈んだままである。スカイラーク艦長は遭難緊急信号を部隊長に発信するのが遅れたとして処罰された。参考：日本潜水艦物語、月刊世界の艦船6,’01、6,'21、世紀の失敗物語、月刊軍事研究11,’00、8,’06

＜スレットコン＞：アメリカ軍の基地警備に関する警戒区分。2001年7月、フォース・プロテクション・コンディションFPCONに改称された。参考：月刊軍事研究4,’16

＜スレットコン＞：USCENTCOM海軍部隊の船上脅威状況（Shipboard Threat Condition）のこと。アルファ（A）、ブラボー（B）、チャーリー（C）、デルタ（D）の４段階がある。94の対策項目が設けられており、Ａなら25まで、Ｂなら62まで、Ｃなら88まで、Ｄなら94全てを実施する。Ｂでは許可の無い船舶の接近に対して警告を発したり、歩哨を立てて巡回させたりする。数週間に亘り実施可能。Ｃでは船の出入りを最小限にし、要所に歩哨を立て、360度を監視する。船舶周囲に警戒ゾーンを設定し、ボートで哨戒したり、ヘリを飛ばしたりする。また、レーダーとソナーを作動状態とし、スクリューと舵も不定期に動かして水中からの攻撃を避ける。Ｄは現実にテロリストの攻撃が起きている場合にとられる態勢で、船の回りに機銃などを取り付けていつでも射撃できるようにしておく。ＣとＤは艦の平常業務を妨げるので、長時間は続けられない。参考：月刊軍事研究4,’04

＜スレッドフィン＞：SS-410（潜水艦）を参照。

＜スレペン級＞：ソ連国境警備隊哨戒艇Slepen級、NATOコードはYaz級。兵装は115mm砲２門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロイカ＞：ソ連の水爆用原爆ブースター。アメリカのもののコピーである。1953年8月に実験した。参考：月刊軍事研究8,’99

＜スロヴィアンスク＞：P-190（哨戒艦）を参照。

＜スロヴィアンスク級＞：ウクライナ海軍哨戒艦Sloviansk級。元はアメリカ沿岸警備隊アイランド級カッターである。P-190スロヴィアンスク、P-191スタロビルスクが引き渡された。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜スローウォーカー＞：JTAGS（弾道ミサイル監視地上局）を参照。

＜スローカムＧ３＞：アメリカ海軍グライダー型UUV、Slocum G3。魚雷型で、中央上部に後退角付き矩形翼が付いている。事前プログラムによる自律航行で最大50日間の海中データ収集が可能。全長1.5m。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜スロート＞：DE-245（護衛駆逐艦）を参照。

＜スローボットＸＴ＞：アメリカ陸軍手投げ式偵察ロボット。アメリカのレコン・ロボティクス社が開発した。太い車軸の両端に８本の突起を持つ車輪が付いており、車軸中央には細い棒が装着されている。車輪の突起がクッションの役目をするので、距離30m・落差9mの投擲が可能であり、この突起により多少の段差も踏破できる。騒音レベルは22デシベルと低く、隠密運用が可能。センサーは赤外線カメラ。長さ210mm、幅190mm、高さ110mm、重量540g。連続運用時間60分。参考：朝雲

＜スローモーション式サスペンション＞：”Slow Motion” Type suspension。大転輪１個と小転輪２個を１つのボギーに取り付け、それを１組のメイン・コイルスプリングとニュートン式油圧ショック・アブソーバーで支えて１ユニットとしたもの。ヴィッカーズ社が開発し、巡航戦車Mk�T（A9）とMk�U（A10）に装着した。時速30km前後までは有効だが、それ以上の速度域では有効性に劣る。参考：月刊PANZER11,’02、British and American tanks of World War Two

＜スロー・ロール＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Slow Roll。会場左手から６番機が高度300フィート（91.4m）を時速740kmで進入し、高度を維持しつつ10秒かけてゆっくりと右に360度ロールしながら右手に抜ける。エルロン操作だけだと右にロールしながら右旋回してしまうので左ラダー操作で機体を直進させ、背面飛行になったらラダー操作を逆転させると共にエレベーターのピッチ操作で高度を保ち、背面から戻ったら操作も戻すという複雑な技術を正確に行うことが求められる。参考：月刊JWings7,'20、7,’16、6,’09、7,’12、6,’10、6,’10別冊付録

＜スロスク＞：A379（給兵船）を参照。

＜スロスク級＞：イギリス海軍給兵船Throsk級。全長70.5m、幅11.9m、吃水4.6m、満載排水量1968トン。主機はディーゼル、出力3000馬力、速力14ノット。A378キンターバリー、A379スロスク、A382セント・ジョージが1977-81年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜スロッテッド・ウェーブガイド・アンテナ＞：スロット導波管アンテナ。導波管の側面に切れ目（スロット）を入れて電波を出せるようにしたもの。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究9,’14

＜スロッテッド・フラップ＞：フラップを参照。

＜スロット＞：Slot、隙間。主翼や水平安定板の前縁（ときに後縁）に設けられる隙間で、高揚力装置の１つであり、翼下面の空気を上面に導いて気流にエネルギーを与え、大迎え角時に翼上面から気流が剥がれるのを防ぐ。翼端失速を防ぐため翼端近くにスロットを設けることも多い。翼の前縁でスロットを作る構造の方はスラットという（紛らわしい）。フラップの手前にスロットを付けて最大揚力係数を増加させる手法もとられる（スロッテッドフラップ）。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録

＜スロット＞：後尾機。４機のダイヤモンド編隊で編隊長の真後ろにつく機体のこと。前に編隊長機、左右に２・３番機がいるので、低空で編隊飛行をしていると異常があった際に後ろにしか逃げられず、ヘル・ポジションとも呼ばれる。参考：月刊軍事研究9,’14

＜スロット導波管＞：スロッテッド・ウェーブガイド・アンテナを参照。

＜スロットバック１＞：N019（レーダー）を参照。

＜スロットバック２＞：N001（レーダー）を参照。

＜スロットル・バルブ＞：Throttle valve。内燃機関レシプロ・エンジンの吸気系（ガソリンエンジンなら気化器のベンチュリー部・最も狭い部分からややシリンダー寄り）に取り付けられている弁で、エンジンが吸い込む空気の量を調整することでシリンダーに供給する混合気の量を制御し、出力をコントロールする。開度が小さいとバルブから先の空気圧が低くなり、シリンダー内との圧差が減少、シリンダーへの空気流入が鈍くなってポンプ損失（ポンピング・ロス）が発生する。これを防ぐため、スロットル・バルブを廃止してシリンダー外の空気圧を大気圧と同じに保ち、吸気バルブに連続可変バルブリフトシステムを仕込んで空気流入量を制御する方式（バルブトロニック。メーカーによってバルブマチック、VVELなどとも呼ばれる）が開発された。アクセルペダルと索で繋がれていて、ペダルの踏み込み具合でバルブの開度を調節する。ペダルの踏み込みをセンサーで探知してエンジン制御コンピュータに送り、モーターでバルブの開度を調節する電子制御スロットルバルブもあり、制御方式をドライブ・バイ・ワイヤと称する。参考：クルマのすべてがわかる事典、航空用語事典増補改訂版

＜スロットル・レバー＞：Throttle lever。ガスタービンエンジンではパワー・レバー（Power lever）、スラスト・レバーともいう。エンジン出力を制御するためのレバーで、エンジン１基あたり１本用意されている。最も手前がエンジンオフ、その前がアイドル（エンジン始動及びタキシングで使用）、奥がミリタリー位置となっており、アフターバーナー付きのエンジンでは更に奥にアフターバーナー位置がある。要所にはロック機構が設けられており、うっかりエンジンを切ったりしないよう工夫されている。レバーを前進させるとエンジンに送られる燃料の量が増えて出力が上がるが、一気に前進させると燃料が濃くなり過ぎてチョークを起こしたり、ジェット排気温度が上がりすぎてエンジンにダメージを与えたりするので注意。ちなみに日本陸軍では操作が逆で、一番手前に引くとフル・スロットルになる。単座機では座席の左に付いていて左手で操作するが、サイド・バイ・サイド複座機では左右座席間に付いていて機長と副機長の両方が操作する。ただ機長は単座機とは逆の右手で扱うことになり、操縦桿を左手で操作すると細かい操縦に支障を来すこともあるため、FADECの導入などに伴ってそれぞれの座席左に取り付けた機体もある（B-1爆撃機、B-2爆撃機、V-22輸送機）。HOTAS導入機ではレーダーなどの各種操作スイッチも装備される。プロペラ機ではプロペラ回転を制御するプロップ・レバーが脇に付いている。スロットル・レバーの操作に連動してプロペラピッチを自動的に制御するタイプもあり、ベータ・コントロール・システムと称される。参考：月刊JWings5,’08、6,’11、10,’09別冊付録、月刊軍事研究11,’12、6,’15、航空用語事典増補改訂版

＜スロバキア空軍＞：チェコスロバキアがチェコ共和国とスロバキア共和国に分かれた1993年1月1日に創設された。2002年1月1日、名称がVelitelstvo Vzdusnych Silとなった。2004年4月、NATOに加盟したため、保有機のIFFや無線機などをNATO仕様に変更。この際、改修が面倒なMiG-21戦闘機、Su-22攻撃機、Su-25攻撃機を退役させている。2017年6月、UH-60M汎用ヘリの配備を開始。2018年、MiG-29戦闘機の後継としてF-16V戦闘機の採用を決めた。2022年8月27-28日のスロバキア・インターナショナル・エア・フェストでフライトを行った後、スロバキア国防省がF-16V戦闘機が運用可能となるまでMiG-29戦闘機配備12機全機の運用を停止すると発表した。整備士がロシアに帰国して整備が不可能になったためとのことだが、実際にはウクライナに供与するためらしい。F-16V戦闘機運用まではチェコとポーランドがスロバキアの防空を担任することになり、9月1日からポーランド空軍F-16C/D戦闘機とチェコ空軍JAS39戦闘機が任務に就いている。参考：月刊JWings9,’11、3,’18、11,'22、月刊航空ファン10,’18

　＜スロバキア空軍（２０１１年）＞：MiG-29AS戦闘機10機、MiG-29UBS戦闘機２機、L-39C練習機６機、L-39ZAM練習機５機、Tu-154M輸送機２機、Yak-40輸送機２機、An-26輸送機２機、L-410FG輸送機１機、L-410UVP-E輸送機４機、L-410UVP-T輸送機２機、Mi-24D/DU攻撃ヘリ２機、Mi-24V攻撃ヘリ２機、Mi-17輸送ヘリ14機、Mi-171輸送ヘリ４機、Mi-8P/PPA/PS輸送ヘリ１機、Mi-2汎用ヘリ４機を保有する。参考：月刊JWings9,’11

　＜スロバキア空軍（２０１５年）＞：現役兵力3950名。年間飛行時間90時間。MiG-29AS戦闘機10機、MiG-29UBS戦闘機２機、MiG-29A/UB戦闘機８機、An-26輸送機１機、L-410FG輸送機２機、L-410T輸送機４機、L-410UVP輸送機４機、L-39CM練習機６機、L-39ZA練習機５機、L-39ZAM練習機２機、Mi-24D攻撃ヘリ５機（全て保管中）、Mi-24V攻撃ヘリ10機（全て保管中）、Mi-17輸送ヘリ13機、Mi-8輸送ヘリ１機、Mi-2汎用ヘリ６機、S-300地対空ミサイル、2K12地対空ミサイル、9K32携帯地対空ミサイル、R-60/-73/-27R空対空ミサイル、57mm空対地ロケットS5K/S5KO、80mm空対地ロケットS8KP/S8KOMを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロバキア軍＞：

＜スロバキア軍（２０１５年）＞：現役総兵力15850名（陸軍6250名、空軍3950名、中央幕僚組織2550名、支援・訓練組織3100名）。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員39名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにアルテア作戦要員19名とOSCE要員１名、キプロスにUNFICYP要員159名、歩兵中隊エレメント１個、工兵小隊１個、中東にUNTSOオブザーバー２名、コソボにOSCE要員２名、ウクライナにOSCE要員７名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロバキア中央幕僚組織（２０１５年）＞：現役兵力2550名。第５特殊偵察連隊を隷下に置く。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロバキア陸軍＞：2011年7月19日、配備しているT-72M1戦車30両を全て退役させることが決定した。参考：月刊軍事研究2,’12

　＜スロバキア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力6250名。第１機械化旅団（機械化歩兵大隊３個、工兵中隊１個、支援大隊１個）、第２機械化旅団（偵察中隊１個、戦車大隊１個、機械化歩兵大隊２個、混成自走砲大隊１個、工兵中隊１個、支援大隊１個）、多連装ロケット大隊１個、工兵大隊１個、憲兵大隊１個、NBC大隊１個からなる。T-72M戦車30両、BMP-1歩兵戦闘車148両、BMP-2歩兵戦闘車91両、OT-90装甲兵員輸送車72両、OT-64装甲兵員輸送車７両、タトラパン６×６装甲兵員輸送車15両、RG-32M装甲車７両以上、152mm自走榴弾砲ダナ３両、155mm自走榴弾砲ズザナ16両、122mm榴弾砲D-30を19門、122mm多連装ロケットRM-70を４基、122/227mm多連装ロケットRM-70/85を26基、9K11マリュートカ対戦車ミサイル装備9S428搭載BMP-1、9P135搭載BMP-2、9P148搭載BRDM-2、9K11マリュートカ対戦車ミサイル、9K113コンクールス対戦車ミサイル、9K35自走地対空ミサイル、9K32携帯地対空ミサイル、9K310携帯地対空ミサイル、SNAR-10車載対砲レーダー、MT-55戦車回収車、VT-55A戦車回収車、VT-72B戦車回収車、WPT-TOPAS装甲回収車、AM-50戦車橋、MT-55A戦車橋、ボゼナ地雷処理車両、UOS-155地雷処理車両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロベニア海軍＞：2010年、スヴェトリャク級哨戒艇１隻が竣工。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜スロベニア海軍（２０１３年）＞：兵力56名。高速艇１隻、哨戒艇１隻を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜スロベニア陸軍海洋エレメント（２０１５年）＞：現役兵力170名。哨戒艇２隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロベニア軍＞

＜スロベニア軍（２０１５年）＞：陸軍の隷下に洋上哨戒部隊の海洋エレメントと航空部隊の航空エレメントがある。現役総兵力7600名（全て陸軍）、予備役1500名（全て陸軍）、準軍事組織（警察。一部が戦時に軍と共同行動をとる）現役5950名、予備役260名。アフガニスタンにレゾリュート・サポート作戦要員７名、アルバニアにOSCE要員１名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにアルテア作戦要員９名、レバノンにUNIFIL要員14名、マリにEUTMマリ要員３名、地中海にEU NAVFOR MED向け哨戒艇１隻、中東にUNTSOオブザーバー３名、セルビアにKFOR要員307名、自動車化歩兵中隊２個、ウクライナにOSCE要員２名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロベニア航空軍防空軍旅団＞：スロベニア国防軍の航空機運用部隊。2019年6月3-6日、イタリアのアビアノ空軍基地でアストラルナイト2019多国籍演習に参加。参考：月刊JWings4,’11、月刊航空ファン9,’19

　＜スロベニア航空軍防空軍旅団（２０１１年）＞：第15ヘリコプター大隊、第107飛行基地、第９防空大隊、第16航空管制大隊、飛行学校からなる。PC-9練習機２機、PC-9M練習機９機、Z143L練習機２機、Z242L練習機８機、L410UVP-E輸送機１機、PC-6/B2-H4輸送機２機、ベル412EPヘリ５機、ベル412HPヘリ２機、ベル412SPヘリ１機、ベル206B-3ヘリ４機、AS532ALヘリ４機を保有する。参考：月刊JWings4,’11

　＜スロベニア陸軍航空エレメント（２０１５年）＞：現役兵力650名。L-410輸送機１機、PC-6B輸送機２機、ファルコン2000EX要人輸送機１機、PC-9練習機２機、PC-9M練習機９機、Z-143L練習機２機、Z-242L練習機８機、ベル412EPヘリ５機、ベル412HPヘリ２機、ベル412SPヘリ１機、AS532ALヘリ４機、AB206ヘリ４機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スロベニア陸軍＞

＜スロベニア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力7600名（海洋エレメント・航空エレメント含む）、予備役1500名。特殊部隊ユニット１個、偵察大隊１個、第１機械化歩兵旅団（機械化歩兵連隊１個、山岳歩兵連隊１個、戦闘支援大隊１個）、第72機械化歩兵旅団（機械化歩兵連隊２個、戦闘支援大隊１個）、機甲訓練大隊１個、砲兵大隊１個、防空大隊１個、工兵大隊１個、電子戦中隊１個、憲兵大隊１個、CBRN大隊１個、通信大隊１個、兵站旅団１個、予備役山岳歩兵連隊２個からなる。M-84戦車14両（＋保管中32両以上）、コブラCBRN偵察車10両、パンドゥル６×６装甲車85両、パトリア８×８装甲車30両、155mm牽引砲TN-90を18門、120mm迫撃砲MN-9/M-74を50門、スパイクMR/LR対戦車ミサイル、VT-55A戦車回収車、MTU戦車橋、9K338携帯地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜スワイプ＞：キカプー・ジュース（密造酒）を参照。

＜スワジ＞：インド陸軍対砲迫レーダー（長射程目標標定レーダーWLR）。インド国防研究開発機構電子・レーダー開発部門とバハラート・エレクトリック・リミテッドが共同開発した。別の場所から発射された砲弾の発射地点を特定する事が可能。2017年3月2日に引き渡された。参考：月刊軍事研究7,’17

＜スワッシュ・プレート＞：スウォッシュ・プレートを参照。

＜スワッター＞：3M11シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜スワンソン＞：DD-443（駆逐艦）を参照。

＜スワニー＞：ACV-27（護衛空母）を参照。

＜スワロー＞：AMS-36（掃海艇）またはDH108（実験機）またはP242（哨戒艇）を参照。

＜スワロー型＞：韓国海軍沿岸機雷掃討艇Swallow型、別名SK5000型またはカンギョン（Kanbkyeong）型。イタリアのレリッチ級がベースで、イタリア製プルート・プラス遠隔操作型機雷探知処分システムを搭載する。船体はガラス繊維強化プラスチック製。全長50m、幅8.3m、吃水2.6m、満載排水量528トン。主機はディーゼル２基、出力2040馬力、推進はフォイト・シュナイダー・プロペラ２軸、速力15ノット。兵装は20mm単装機関砲１門、7.62mm機銃２丁。プルート・プラス機雷処分具２基を装備する。乗員48名。艦番号561江景、562カンジン、563コリョン、567クンワなど６隻が1986-94年に就役した。後継としてMSH-�U型掃海艦を2029年から配備する予定。参考：月刊世界の艦船4,’09、9,’17、10,'15、7,’13、9,’01、5,'23、月刊軍事研究5,’05、7,’05

＜スワン級＞：オーストラリア海軍フリゲート。兵装はアイカラ艦対潜ミサイル発射機１基、３連装短魚雷発射管２基、114mm砲２門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜スワンプ作戦＞：第２次大戦時に連合軍が行った対潜作戦Swamp Operation（浸水作戦）。1943年9月にイギリスの北西アフリカ沿岸空軍司令官が地中海艦隊司令長官充てに送った書簡をきっかけに計画されたもので、探知したＵボートを昼夜間に亘り航空機で触接し、水上艦を派遣して撃沈するまで航空機による追跡を続けさせるという空海共同作戦である。交替の航空機をすぐに派遣できる地中海で1943年10月から1944年5月までに19回実施され、Ｕボート７隻を撃沈した。参考：ナチスＵボート

＜スワン・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ、Swan。前から１機、１機、２機、２機と並び、最も後ろの２機はやや間隔を開けた隊形をとり、航過する。参考：月刊JWings6,’09

＜スンジン＞：韓国海軍スンジン級試験艦Sunjin。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜スンジン級試験艦＞：韓国海軍試験艦Sunjin級。船型はSWATH型である。満載排水量325トン。スンジンが就役した。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜スンズヴァール＞：K24（コルベット）を参照。

＜スンダ海峡海戦＞：バタビア沖海戦を参照。

＜スンチョン＞：767（コルベット）を参照。

＜スンニ派トライアングル＞：イラクのバグダッド、ティクリット、ファルージャ（ラマディ）を結ぶ三角地帯。反米武装勢力の活動が最も盛んな地域である。参考：月刊軍事研究6,’05、7,’04

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