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＜Ａ＞：アグレガート（集合体）の頭文字。ドイツ軍が機密保持のためロケット兵器に付けたコードネームである。参考：歴史群像6,’04

＜／Ａ＞：アメリカ軍の兵装の接尾記号。固定式ユニットを指す。参考：月刊軍事研究6,’03

＜（ａ）＞：ドイツ陸軍車両の接尾記号で、アメリカ製（amerikanisch）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜Ａ００＞：イギリス海軍ブリタニア級王室ヨット、ブリタニア（Britannia）。1954年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ−１＞：ADシリーズ（艦上攻撃機）またはSS-2（潜水艦）を参照。

＜Ａ１＞：フランス初の人工衛星で、ディアマン３段ロケットにより1965年11月26日に打ち上げられた。参考：月刊軍事研究2,’01

＜Ａ１音響信管＞：ドイツ軍の沈底機雷用音響信管。可聴周波数帯域で作動するもので、特定の条件に合致した音圧上昇波でのみ炸裂する。爆発音に対しては作動しない。参考：ナチスＵボート

＜Ａ１水上機＞：アメリカ海軍初の水上機。グレン・カーチスが開発し、1911年7月に採用された。日本海軍も採用しており、初の日本海軍機でもある。参考：月刊丸3,’90

＜Ａ−１フライトジャケット＞：アメリカ陸軍のフライトジャケット。表はバッファロー革で、フロントはボタン留め。1927年に採用された。参考：月刊JWings11,’00

＜Ａ１ロケット＞：ドイツが1933年に開発したロケット推進装置で、地上試験用。液体酸素とアルコールを使用しており、ベルサイユ条約でロケットの保有が禁止されていなかったことから、将来的に重砲の代用として使用することを目標として開発に着手した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、歴史群像6,’04

＜Ａ−１Ａ＞：AMXシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−１Ｂ＞：AMXシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ１Ｂ＞：アメリカ海軍ジェラルド・Ｒ・フォード級空母用原子炉。ベクテル・マリン・プロパルジョン・コーポレーション社が1998年から開発した。炉心のエネルギー密度を向上させることでニミッツ級のA4Wよりも小型化しており、冷却水関連の設備をA4Wの半分で済ませ、運転要員も半分（３分の２？）に省力化した。燃料効率はA4Wの３倍で、電力供給量は2.8倍あり、高エネルギー原子炉（High Energy Reactor）と呼ばれる。推進軸に供給する軸出力はA4Wと同じくらい（２基で260MW・35万馬力）で、残り（２基で125MW・168000馬力）は電磁カタパルトを初めとする艦内電力供給に回す。炉心寿命は50年あり、就役中に交換する必要が無く、ライフサイクルコストが低い。熱出力700MWth、電気出力300MWe（140MWe？）。参考：月刊世界の艦船12,’16、12,’17、8,'23、10,’14、9,’19、月刊軍事研究4,’14、7,’09

＜Ａ−１Ｄ＞：AD-4NA（攻撃機）を参照。

＜Ａ−１Ｅ＞：AD-5（攻撃機）を参照。

＜Ａ１Ｅ１＞：インディペンデント重戦車を参照。

＜Ａ−１Ｇ＞：AD-5N（攻撃機）を参照。

＜Ａ−１Ｈ＞：AD-6（攻撃機）を参照。

＜Ａ−１Ｊ＞：AD-7（攻撃機）を参照。

＜Ａ１／ＬＷＴ＞：4K4F装甲車ファミリーを参照。

＜Ａ１Ｎ＞：三式艦上戦闘機を参照。

＜Ａ１ｓｔ＞：ドイツ軍の機雷用音響信管。A1の感度を低くしたもので、船首前方に搭載するタイプの音響掃海具で爆発しないようにしてある。参考：ナチスＵボート

＜Ａ１Ｗ＞：アメリカ海軍の空母用試作原子炉。ウェスティングハウス・エレクトリック社が開発し、アイダホ・フォールズにある海軍原子炉施設に設置した。1952年の見積もりでは開発費用が通常動力型空母１隻分とほぼ同じ１億5000万ドル掛かると見込まれている。エンタープライズ級用A2Wが実用型で、これと準同型であるロングビーチ級用C1W原子炉のプロトタイプも兼ねていたらしい。A2W実用化後はCVN-65エンタープライズ機関要員の訓練炉として使用され、1994年に退役した。参考：月刊世界の艦船10,’14、12,’16、10,’23

＜Ａ１ヤママ＞：イラクが1989年のバグダッド武器展示会で発表したUAV。参考：軍事分析湾岸戦争

＜Ａ−２＞：SS-3（潜水艦）を参照。

＜Ａ−２フライトジャケット＞：アメリカ陸空軍フライトジャケットで、サマー・パイロットジャケットともいわれる。表は馬革、裏はコットンで、薄地であり、手首と腰回りをジャージで閉鎖する。襟は革のシャツカラーで、前下部両側にフラップ・ポケットを持つ。色はブラウン系。1938年に採用され、1945年まで（空軍独立まで？）まで支給されて一旦廃制となったが、素材をゴードスキンに変更し、体格変化に合わせて胴回りを拡大するなどの改良を加えられて1988年から再支給された。フロントはジッパー式。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17、月刊JWings11,’00、2,’11

＜Ａ２ロケット＞：ドイツが1934年12月に打ち上げ成功したロケット。参考：歴史群像6,’04

＜Ａ２／ＡＤ＞：Anti Access/ Area Denial（近接阻止／区域拒否、対アクセス／地域拒否など）の略で、対干渉作戦（Counter-Intervention Operation）ともいう。敵戦力が味方作戦戦域に容易に入れないようにし、作戦戦域への敵の展開を遅らせ、作戦戦域内での敵の行動の自由を一定期間失わせること。優勢な敵に対して行う防御行動であり、機雷、地対艦ミサイル、航空攻撃、精密誘導砲弾、小型潜水艦、高速艇といった戦術レベルのものから、対艦弾道ミサイル、大型静粛潜水艦、海空軍攻撃機といった戦域レベルのもの、ISRネットワークやサイバー攻撃といった電子空間的なものまで様々なものが存在する。同様の戦略は大昔から存在するが、A2/ADとして纏められたのは、冷戦時代のソ連がアメリカ空母機動艦隊に対抗すべく、領土から200海里にSea Control Line（ソ連海軍や航空戦力で制圧可能なライン）、1250海里にSea Denial Line（敵の作戦行動を困難にして追い払うライン）を設定したのが始まりらしい。2007年にアメリカ空軍系シンクタンクのRANDが出した報告書のタイトルにはAnti-access Strategiesの語があり、中国が台湾有事の際にアメリカが支援に駆けつけるのを妨害するための戦略をこう命名していて、中国では第一列島線の中を区域拒否、第二列島線の中を近接阻止に設定している。新冷戦下のロシアではA2を行えるだけの戦力投射能力が無く、長射程地対空ミサイル、長射程地対艦ミサイル、戦術弾道ミサイルによるADがメインになった。イランのホルムズ海峡封鎖もこれにあたるようだ。参考：月刊世界の艦船1,’11、9,’11、月刊軍事研究2,’17、4,’15、5,’11、月刊航空ファン2,’11、朝雲

　＜Ａ２／ＡＤ（アメリカ軍）＞：近接阻止は、アメリカ軍の戦域への展開を遅らせたり、紛争の発生地点から遙か遠くでの作戦を強いたりすることを指す。つまり戦域外から戦域内への機動妨害で、アメリカ本土や軍事インフラ、海外基地、同盟軍などに対する不正規戦、サイバー攻撃、宇宙攻撃、戦域弾道ミサイル・対艦弾道ミサイル・巡航ミサイル・航空機・水上艦・潜水艦などによる攻撃が行われる。同盟国に大打撃を与えると脅すことにより、同盟国にあるアメリカ軍基地の使用を妨害したりもする。区域拒否は、アメリカ軍の作戦を敵支配下にある領域内で妨害しようとすることを指す。つまり戦域内での作戦行動妨害で、UAV、沿岸展開兵力、機雷、陸上兵力、地雷などにより行われる。これに対抗すべく、分散攻撃（ディストリビューテッド・リーサリティ）による攻勢的制海などの戦術を開発中。2016年10月3日、実際の複雑な状況を正確に表していない、攻撃的要素を含んでいないかのように取られる、今始まった概念でもないとして、アメリカ海軍作戦総長がアメリカ海軍内での使用自粛を表明した。参考：月刊軍事研究9,’13、1,’16、2,’17

＜Ａ２Ｃ２＞：アメリカ陸軍戦術インターネットを構成するシステムの１つで、Army Airborne Command and Control System（陸軍空中指揮統制システム）の略。航空任務の指示を含む空中指揮所で、地上の作戦指揮所や指揮統制車に情報を提供する。端末５基と大型ディスプレイ２基から成り、UH-60L、UH-60M、MCS、ASAS、AMPS、FBCB2などに搭載して運用され、旅団指揮官以上の上級空中機動指揮所として師団・軍団司令部に配備されている。参考：月刊軍事研究4,’03

＜Ａ２Ｄ＞：アメリカ海軍ターボプロップ単発艦上攻撃機、別名スカイシャーク。アリソンXT40-A-6ターボプロップエンジン（5100馬力）で二重反転プロペラ（３翅×２）を駆動、搭載量はA-1スカイレイダーの２倍を誇る。1950年5月26日に初飛行し、試作機２機を含め12機が製作されたが、テスト中の事故により1954年夏に開発は中止された。参考：月刊JWings4,’07、週刊エアクラフトNo.137

＜Ａ２Ｆ−１Ｑ＞：EA-6A（電子戦機）を参照。

＜Ａ２Ｊ＞：AJシリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜Ａ２ＳＭ＞：AASM（空対地ミサイル）を参照。

＜Ａ２Ｕ−１＞：F7Uファミリー（攻撃機）を参照。

＜Ａ２Ｗ＞：アメリカ海軍エンタープライズ級空母用原子炉。A1Wの実用型で、ウェスティングハウス・エレクトリック社製。出力35000馬力。２基を１つのパワープラントに収め、４組８基を搭載している。参考：月刊軍事研究6,’07、月刊世界の艦船10,’14

＜Ａ−３＞：B-3（フライトジャケット）またはSS-4（潜水艦）を参照。

＜Ａ−３カタパルト＞：アメリカ海軍空母AV-3ラングレイに搭載された圧縮空気式カタパルト。全長28.6m。重量6000ポンド（2.72トン）の航空機を55ノットで射出できる。参考：丸スペシャルNo.83

＜Ａ３軽４輪駆動車＞：フランスのオーヴェルラン社が開発した軽４輪車両で、1988年にフランス軍用・民間用として発表された。キャンパストップやハードトップ、２ドアや４ドアなど、各種バリエーションが用意されている。対戦車ミサイルや106mm無反動砲などを搭載したものもある。全長3.85m、全幅1.54m、全高1.7m、車体重量1230kg。積載量500-800kg。エンジン出力54-110馬力。乗員2-9名。参考：月刊PANZER7,’00

＜Ａ−３攻撃機シリーズ＞：アメリカ海軍艦上重攻撃機、別名スカイウォーリア（Skywarrior）、通称ホエール（Whale）。１962年9月18日の名称変更まではA3Dと呼ばれた。AJ攻撃機の後継として1948年8月にアメリカ海軍が設計要求を出し、1949年7月に14社の中からダグラス社の案が採用され、初飛行前の1951年2月10日に量産型12機の契約が結ばれた。当時の空母の能力では運用がギリギリで、配備当初の運用可能空母は大西洋艦隊のフォレスタル級２隻（CV-59、CV-60）と太平洋艦隊のSCB-27C/-125改装エセックス級空母３隻（CV-16、CV-31、CV-38）だけだった。フォレスタル級には１個飛行隊12機が配備された。改装エセックス級には１個分遣隊６機が配備されたが、機体サイズが大きすぎて運用に無理があり、最終的に１個分遣隊が３機に減らされた。各型計282機が生産された。参考：世界の傑作機No.118、月刊JWings11,’24

　＜ＸＡ３Ｄ−１＞：試作機で、２機が製作された。当初は量産機共々J40エンジンを搭載する予定だったが、開発トラブルが生じたため、量産型ではJ57を積むことにした。ただ試作機初飛行を急ぐ関係上、こちらには試作品のXJ40-WE-3（推力3.175トン）を搭載していた。エアインテイクは初号機は斜めにカットされていたが、２号機は垂直とされた。エンジンに信頼性が無く、墜落するかも知れなかったため、工場のあるエルセガンド飛行場（ロサンゼルス近郊）ではなく、エドワーズ空軍基地に運ばれて1952年10月28日（2日？）に初飛行した。ただ高圧空気駆動モーター（ATM）と呼ばれる、エンジン圧縮空気を電力・油圧供給に使用するシステムに不具合が起き、離陸後20分で機体から煙が出たため、30分で着陸せざるを得なかった。また、完全自動式のスラットも、故障を恐れて開状態で固定してあった。1953年3-7月にJ40エンジン装備機の飛行停止命令が出たためテストが中断、6月頃（11月？）にJ57-P-1エンジンへの換装が行われたが、飛行は1954年1月まで遅れた。1953年10月2日には２号機が初飛行したが、量産型初号機の初飛行の方が早かった。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＹＡ３Ｄ−１＞：先行量産型１機で、後にA3D-1/A-3Aと改称された。エンジンはJ57を搭載しており、キャノピーフレームを視界の広いタイプに変更、垂直尾翼上端にピトー管を装備した。初飛行は1953年9月16日。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ａ＞：1962年9月18日の名称変更まではA3D-1と呼ばれた。主翼は翼型がNACA63系（翼根部NACA63-009.05Mod、翼端部NACA63-008.25Mod）で、25%翼弦後退角36度、アスペクト比6.75、上反角０度、取り付け角は翼根部・翼端部共に４度。主翼と垂直尾翼には油圧式の自動折り畳み装置が付いており、フォレスタル級以降の空母なら垂直尾翼を畳まなくても格納庫に収容できる。コクピットは最大3.3psiの与圧能力を持ち、高度17000フィート（5182m）までは酸素マスクの必要が無い。複操縦装置は無く、操縦士がずっと操縦を担当しなければならないため、スペリーS-5ジャイロ操縦システムが装備されており、自動操縦に切り換えることができた。トイレは爆撃航法士席背部と第４乗員席下にあるリリーフチューブを使用するか、第４乗員席のシートを上げると出てくる便座を使う。緊急脱出装置はシューター方式で、射出座席は無く、低空で脱出が必要になったら諦めるしかない。乗員はNB-8パラシュートを背負って着席、パラシュートのランヤード（長さ1.3m）を座席のＯリングに引っかけておけば、シュートを滑っている時にランヤードが引っ張られて開傘アクチュエーターが作動、高度10000フィート（3048m）以上では高度10000フィートまで落下した時点で、それ未満ではランヤード牽引３秒後にパラシュートが開く。離着陸・発着艦の際にはキャノピー天井にある脱出ハッチを開いたままにしていたが、脱出が間に合わない事も多く、A3DはAll-3-Deadの略だなどと揶揄された。降着装置には油圧式ステアリング装置が付いている。故障などで片発停止となった場合、ウインドミリングによるエンジン損傷を防ぐため、停止エンジンの回転数が25%を超えた場合には１時間に３分の割合でスロットルをアイドル位置に入れ（エンジンは切ったままで良い）、エンジン燃料ポンプを冷却する必要がある。燃料タンクは爆弾倉前後の胴体内セルフシーリングタンク（前部4459リットル、後部7226リットル）と主翼内翼内インテグラルタンク（左右2456リットルずつ）からなり、胴体後部タンクに集められて燃料ブーストポンプでエンジンに供給される。前後の胴体内タンクは自動燃料移送装置で結ばれていて、燃料消費による重心移動を一定以内に抑える。爆弾倉には中心線上にシングル・シャックル、両側面にU-2シャックルが取り付けられており、前者は8700ポンド（3.95トン）、後者にスリングチェーンを巻き付ければ12800ポンド（5.81トン）までの大型核爆弾を搭載できるが、実際に運用した大型核爆弾のMk6、Mk15Mod0/1、Mk18、B39は全て重量8700ポンド以下だったので、専らシングル・シャックルを使用した。ただ直径が大きくて飛行甲板上で搭載しようとするとクリアランスが足りなくなるため、核兵器用エレベーターの真上に爆弾倉が来るよう駐機して直接爆弾倉内まで核爆弾を持ち上げる必要があった。Mk6核爆弾は起爆装置の取り付けや着艦・着陸前の取り外しを飛行中に手動で行わなければならないので、爆撃手がコクピット後下方のステップを降りて燃料タンク下方のコンパニオン・ウェイを這って進み、爆弾倉前部の隔壁ドアを開いて起爆装置の操作を行ったが、コクピットのドアを開放しないといけないので、与圧していない間に操作を済ませる必要があった。ちなみにこのコンパニオン・ウェイは、シューター方式非常脱出口が使えなくなった際の代替緊急脱出にも使用できる。他に運用可能な核爆弾はMk5、Mk7、Mk8、Mk12、Mk27Mod0/1、Mk28Mod0/1（B28IN）、Mk43Mod0、Mk57Mod0、Mk91、Mk105Mod1で、いずれも重量4000ポンド（1.81トン）以下であり、爆弾倉の梁に装着したAero7Aエジェクターラックに最大４個搭載できる。また、直径も小さいので、運搬用ドリーに載せて飛行甲板上で爆弾倉に積むことができた。Mk6以外の核兵器は起爆装置の安全装置解除・挿入を爆撃手席のスイッチで行えるようになったが、着艦・着陸時には安全を図るためエジェクターラックに安全ピンを差し込む必要があり、与圧が要らない低空に降りた段階で爆撃手が這って行って差し込んでいた。搭載したまま着艦できる核爆弾は、Mk27、Mk28、Mk39、Mk91、Mk105Mod1（これのみ３個まで）である。核兵器コントロールモニターは爆撃航法手席右のコンソールに搭載された。Aero7Aには通常爆弾も搭載可能で、500ポンド爆弾AN-M64A1なら前後２列の梁に４基ずつAero7Aを装着して８発積める。爆撃航法装置はAN/ASB-1A。爆弾倉両側の胴体下部両側面に引き込み式のカタパルト・フック、爆弾倉後方の胴体下面中心線上にカタパルト・ホールドバックがあり、C.11スチームカタパルト以上の能力を持つカタパルトからブライドル方式（カタパルト・フックにブライドルを取り付け、ホールドバックを連結）で射出される。停泊中など、カタパルトが使用不能な場合は5KS4500Mk7Mod2JATOを12本装着して発艦するが、ブラストによる危険帯が幅85.8mもあり、飛行甲板上の他機はおろかアイランドやアンテナマストまで吹っ飛ばしてしまうため、テストすら行われず、1950年代後半に使用禁止にされた。AJシリーズよりも最大着艦重量が７割増しで、エセックス級空母はSCB-125改装、ミッドウェイ級空母はSCB-110/110A改装による甲板強化とエレベーター大型化を要し、着艦時にアレスティングワイヤが切れて海に落ちる事故も起きた。ジェットブラストは後方60mでも温度37度・速度35ノットあり、発艦時に風上へ全速航行している艦上では合成風速35-40mに達して甲板要員が吹っ飛ばされるため、艦首アングルドデッキ側またはアングルドデッキ上のカタパルトを使用し、ジェット・ブラスト・デフレクターをオーバーホール時に大型のものに換装した。エセックス級空母も改装時に大型ジェット・ブラスト・デフレクターを装備したが、ちょっと無理があったらしく、大西洋艦隊に配備されたSCB-27C/-125改装エセックス空母は基本的にA-3シリーズを搭載しなかった。自衛武装は尾部のAero21B機関砲塔で、20mm連装機関砲M3またはMk16Mod1を装備している。弾倉は重心移動を最小限にするためスピードブレーキ前方の胴体内に左右３箱ずつ積まれており、砲弾は長さ3m強の給弾シュートを通って砲塔に送られる。装弾数は１門あたり500発で、うち給弾シュート内に168発が位置する。照準は砲塔直上のレーダーで行い、機首の与圧区画に後ろ向きで座っている銃手兼航法士がＢスコープとＣスコープの映像を見ながら射つ。レーダーは目標を自動でロックオンしてＢスコープに距離、Ｃスコープに目標方位と俯仰角を表示するので、銃手兼航法士はIFFにより敵味方識別を行い、味方ならコントロールハンドルのターゲット・リジェクト・スイッチを押してロックオンを解除、グリップを操作して別の目標をロックオンさせてIFFを行う。敵だったらコントロールハンドルのターゲット・アクセプト・スイッチを押してそのまま追尾させると、砲塔が自動的にリードを取ってくれるので、射程内に入ったらトリガーを引けば良い。目視照準は行わないので、曳光弾は積まない。搭載電子機器はAN/ART-13短波送信機、AN/ARR-15短波受信機、AN/ARC-27A極超短波送受信器またはAN/ARC-1超短波送受信器、AN/AIC-4Aインターコム、AN/ARN-6LF方向探知器、AN/ARR-2A超短波受信装置、AN/APN-1またはAN/APN-22電波高度計、S-5自動操縦装置、AN/APX-6B敵味方識別装置、AN/APA-89コーダ。全長74フィート５インチ（22.7m）／主尾翼折り畳み時74フィート３インチ（22.6m）、全幅72フィート６インチ（22.1m）／主尾翼折り畳み時49フィート２インチ（15m）、全高23フィート（7m）／主尾翼折り畳み時15フィート２インチ（4.6m）、自重35899ポンド（16.28トン）、最大着艦重量20.43トン、最大発艦重量33.1トン。エンジンはJ57-P-6B（離昇推力9500ポンド／4.31トン）双発、最大速度509ノット、実用上昇限度39000フィート（11887m）、燃料搭載量4385ガロン（16599リットル）、戦闘行動半径1000海里（兵装搭載量7600ポンド／3.45トン）。乗員は操縦士（Pilot）、爆撃手（Bombardier/ Assistant Pilot。ただし複操縦装置は無いので、操縦士のアシストは殆どできない）、銃手兼航法士（Gunner/Navigator）の３名。1953年9月16日に初飛行し、YA3D-1含め50機が生産された。1956年2-6月にエニウェトク環礁での核実験であるレッドウイング作戦に参加し、核爆発時に付近を飛行、核攻撃時の適合性をシミュレートした。1956年3月31日から大西洋艦隊、4月30日から太平洋艦隊隷下の飛行隊に配備されている。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ａグループ�T＞：A-3Aのうち最初の12機で、先行量産型にあたる。エンジンはJ57-P-1/-1A/-6/-6Aである。５機はA3D-1Q、１機はA3D-1Pに改造され、最後の１機はA3D-1Qとして1955年7月に引き渡された。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ａグループ�U＞：A-3Aの量産型38機で、1955年1月から1956年10月に引き渡された。アンチバフェット・フェンス、エルロン、スポイラーが生産当初から装備されている。乗員用酸素は液体酸素を使用しており、油圧系には冷却用熱交換器を装着した。エンジンはJ57-P-6B。当初はテイルバンパーに取り付けた尾輪を使用して発艦する予定だったが、生産時には通常の車輪だけを使用することになった。量産途中でドラッグシュートが追加され、初期の機体にも後付けされた。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ｂ＞：当初はA3D-2と呼ばれた。胴体下部爆弾倉に爆弾類3.6トンを搭載可能。爆弾倉の梁が３列に増えたため、500ポンド爆弾AN-M64A1を12発積める（小型核爆弾は４発のまま）。爆弾倉上部に2926リットル入り補助燃料タンクを装着可能で、B39核爆弾などの大型爆弾を搭載しない限りは常用された。爆弾倉前方にはスノコ状のエアブレーキがあり、爆弾倉扉と一緒に開いて爆弾倉内部でバフェッティングが発生しないようにする。空中給油受油プローブが胴体左側に追加され、先端部は機首から1mほど前に出ており、ここから供給された燃料は前部胴体タンクから各燃料タンクに送られる。空中給油機としても使用できるよう、燃料系統が改修された。カタパルト・フックの位置が爆弾倉前方の胴体両側面に移されている。制限Ｇが緩和された（重量56000ポンド・25.4トンではA-3Aの2.67Gから3.4Gに）ため、ロフト爆撃後に120度のバンクが取れるようになり、2.5Gロールに地球の引力0.5Gを足して実質3Gの引き起こしを行うことで安全性を増した（ちなみに小型機ではロフト核爆撃の際に4.5Gのハーフ・キューバン・エイトを行って離脱する）。A-3B最大の機動がこのロフト爆撃からの離脱であるため、パイロットは耐Ｇスーツを着る必要は無い。アビオニクスはAN/ARC-38HF送受信器、AN/ARC-27A極超短波送受信器またはAN/ARC-1VHF送受信器、AN/ARR-40UHF受信機、AN/AIC-4Aインターコム、AN/ARN-6またはAN/ARN-59LF方向探知器、AN/ARA-25UHF方向探知器、AN/ARN-14E VOR受信機、AN/ARN-21またはAN/ARN-21Bタカン、AN/APN-22電波高度計、S-5自動操縦装置、AN/APX-6B敵味方識別装置トランスポンダー、AN/APA-89敵味方識別装置コーダー、AN/APX-72(V)IFF/AIMS、AN/ASB-1A爆撃航法装置、AERO-21B火器管制装置。全長74フィート５インチ（22.7m）／主尾翼折り畳み時74フィート３インチ（22.6m）、全幅72フィート６インチ（22.1m）／主尾翼折り畳み時49フィート２インチ（15m）、全高23フィート（7m）／主尾翼折り畳み時15フィート２インチ（4.6m）、自重36963ポンド（16.8トン）、最大発艦重量73000ポンド（33.1トン。核爆弾２発＋燃料29000ポンド・13.2トン）、最大離陸重量78000ポンド（35.4トン。離陸時の機体疲労を考えなければ84000ポンド・38.1トンまで行ける）。エンジンはJ57-P-10（離昇推力10500ポンド・4.8トン）双発、最大速度508ノット、最大発艦重量時カタパルト射出速度135ノット、最大発艦重量時片発飛行可能速度145ノット、実用上昇限度40400フィート（12314m）、燃料搭載量5185ガロン（19627リットル）、戦闘行動半径1230海里（兵装6105ポンド・2.8トン搭載）。乗員３名。1961年1月まで生産され、164機が実戦配備された。ビューロナンバー142650以降はAN/ALQ-2後方警戒装置とMX-900A/Aチャフディスペンサーを搭載しており、以前のA-3BにもASC211改修で装備された。AFC284改修でAN/ALQ-35多目標反復装置とAN/ALQ-41Ｉバンド追尾レーダー欺まん装置を、AFC312改修でAN/ALQ-55通信データリンク妨害装置、AFC398改修でAN/ALQ-51E/Fバンド追尾レーダー欺まん装置を搭載した。参考：世界の傑作機No.118、丸スペシャルNo.83、A-5ビジランティ

　＜Ａ−３Ｂグループ�V＞：A-3Bの初期生産型123機で、1956年5月から1958年12月に引き渡された。機体構造が強化され、ロフト爆撃が行えるようになっている。核爆弾が小型化されたため、Aero 7A爆弾架を４基に増設した。また、爆弾倉上部に空間が出来たため、補助燃料タンクを設置した。エンジンはJ57-P-10。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ｂグループ�W＞：A-3Bの後期生産型20機で、1958年12月から1959年6月に引き渡された。キャンバー付きの主翼を採用し、内翼前縁にもスラットを追加して失速速度を低下させてある。迎え角表示装置を搭載し、着艦時に使用できるようになった。爆撃航法装置にBomb Scoring Tone Deviceを追加しており、訓練弾を実際に投下しなくても演習場での命中判定が可能。空中給油受油装置を生産当初から装備した。S-5ジャイロ操縦システムにMA-1コンパスの方位信号を入力可能となり、自動操縦時の航法精度が上がっている。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ｂグループ�X＞：A-3Bの最終生産型21機で、1960年4月から1961年1月に引き渡された。Aero21B銃座を廃止してAN/ALQ-35、AN/ALQ-41、AN/ALQ-51からなるDECM（Defensive ECM、防御用ECM）を搭載し、BNSをAN/ASB-7に換装している。空中給油装置を搭載して空中給油母機となることが可能。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ｂ　ＡＳＣ２１１改修＞：未搭載のA-3BにAN/ALQ-2とMX-900A/Aを追加した。また、DECMも未搭載のA-3B、EA-3B、RA-3Bに装備した。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ−３Ｂパスファインダー＞：A-3Bに空中給油器材を搭載した攻撃／空中給油母機兼用型の通称、Pathfinder。上部補助爆弾倉タンクと下部爆弾倉タンクを追加し、下部爆弾倉タンク後方にA-12B-7ドローグ式空中給油ホース（長さ18.6m）のリールを装着、爆弾倉扉後端を切り欠いて設置した機外固定式ポッドにドローグを装備している。下部爆弾倉タンクを装備しなければ、その部分に爆弾（500ポンド爆弾AN-M64A1なら８発）を搭載できる。ただし空中給油制御パネルは爆撃航法士席の右コンソールにある核兵器関連パネルと交換で取り付けられるため、空中給油母機ミッションと核ミッションを同時に行うことはできない。後に殆どがKA-3BまたはEKA-3Bに改造された。参考：世界の傑作機No.118

＜Ａ−３攻撃機ファミリー＞

　＜ＥＡ−３Ａ＞：電子偵察機型で、1962年9月18日の名称変更まではA3D-1Qと呼ばれた。A3D-1先行量産型（A-3Aグループ�T）を改造したもので、1954年7月29日に初飛行してテストに投入された後、モロッコや岩国基地に実戦配備されて空母にも搭乗した。コクピット後方の胴体側面に卵形レドーム、爆弾倉下面にカヌー型レドーム、垂直尾翼先端にアンテナドーム、前脚ドア左右に偵察カメラ窓を持つ。AN/ALR-3ECM受信機（E-Jバンド）、AN/APR-9ECM受信機（D-Iバンド）、AN/APR-13ECM受信機（A-Cバンド）、AN/APA-69方向探知器、AN/APA-74パルス分析器、AN/ALA-3パルス分析器、AN/ALQ-2レーダー警戒装置（E-Jバンド）、AN/ALQ-23電子妨害装置を装備する。搭載アビオニクスはAN/ART-13HF無線機、AN/ARR-15A短波受信機、AN/ARC-27A極超短波送受信器またはAN/ARC-1超短波送受信器、AIC-4Aインターコム、ARN-6LF方向探知器、AN/ARR-2A超短波受信装置、AN/APN-1電波高度計、S-5自動操縦装置、AN/APX-6B敵味方識別装置用トランスポンダー、AN/APA-89敵味方識別装置用コーダ。全長75フィート11インチ（23.04m）／主尾翼折り畳み時75フィート12インチ（23.16m）、全幅72フィート６インチ（22.1m）／主尾翼折り畳み時49フィート２インチ（14.99m）、全高23フィート10インチ（7.26m）／主尾翼折り畳み時16フィート７インチ（5.05m）、全備重量70000ポンド（31.8トン）。エンジンはJ57-P-6B（離昇推力9500ポンド／4.3トン）双発、最大速度509ノット、実用上昇限度39000フィート（11887m）、燃料搭載量4385ガロン（16599リットル）、戦闘行動半径1000海里。乗員は操縦士、航法士、クルーチーフ（兼銃手）、ECMオペレーターの計４名で、全員がコクピット内に位置する。コクピットにいるのは３名で、爆弾倉内にECM要員４名を収容するという説もあるが、そこまで大がかりな改造はしていなかったようだ。YA3D-1Q含め５機が製作されたが、３機が事故で失われている。残り２機のうち１機は解体され、もう１機はピマ博物館に展示された。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＥＡ−３Ｂ＞：A-3Bを改造した電子戦機型で、当初はA3D-2Qと呼ばれた。A-3A/Bの爆弾倉中央付近（STA.377）に圧力隔壁を設置、前半部を与圧化してコクピットに繋げ、ECMオペレーター３名と電子情報評価士１名を位置させた。席は左舷に向けてあり、離着陸・発着艦時のみ90度回転させて後方向きにする。酸素マスク無しでも高度35000フィート（10668m）まで上がれるよう、与圧は7.5psiに強化してあり、コクピットの窓枠の角を丸めたり、窓の配置を換えたり、天井の非常口を内開きに変更したりといったコクピット強化改造が行われた。キャビンには胴体右側面と天井部分に脱出口が追加され、右側面に角窓が４個設けられている。爆弾倉後半部は燃料タンクとされ、機内燃料容量が490ガロン（1855リットル）増加した。主翼スポイラーは廃止されている。元の爆弾倉部分にECM内蔵カヌー型ポッドを装着し、尾翼上端にも小型のECMポッドを搭載した。機首右には発電用のラムエアタービンを装備。主翼下面のエンジンポッド外側にAero7Aエジェクターラック付きパイロンを左右１基ずつ搭載でき、AN/ALQ-31ECMポッドまたはMX-900チャフディスペンサー（３連装エジェクターラックTERを介して片側３セットずつ）を装着可能である。搭載アビオニクスはAN/ART-13HF送信機、AN/ARR-15HF受信機、AN/ARC-27A極超短波送受信器、AN/ARR-40UHF受信機、AN/ARC-1VHF送受信器、AN/ARC-5LF受信装置、AN/ARN-6LF方向探知器、AN/ARA-25UHF方向探知装置、AN/ARN-14E VOR受信装置、AN/ARN-21Dタカン、AN/APN-22電波高度計、AN/APN-122ドップラー航法装置、AN/ASN-19A推測航法計算装置、AN/APN-67自動航法装置、S-5自動操縦装置、MA-1コンパス、AN/APX-6B敵味方識別装置トランスポンダー、AN/APA-89敵味方識別装置コーダー、AN/APZ-17S敵味方識別装置コーダー、AN/ASB-1B爆撃航法装置。搭載電子戦装置はAN/ALQ-2尾部警戒装置、AN/ALR-3ELINT受信装置、AN/ALR-8ELINT受信装置、AN/APR-9ELINT受信機、AN/APR-13ELINT受信装置、AN/APA-69ECM方向探知装置、AN/ALA-3パルス分析装置、AN/APA-74パルス分析装置。全長74フィート７インチ（22.7m）／主尾翼折り畳み時78フィート１インチ（23.8m）、全幅72フィート６インチ（22.1m）／主尾翼折り畳み時48フィート２インチ（14.7m）、全高23フィート４インチ（7.1m）／主尾翼折り畳み時16フィート８インチ（5.1m）、自重43161ポンド（19.6トン）、全備重量78000ポンド（35.4トン）。エンジンはJ57-P-10（離昇推力10500ポンド・4.76トン）双発、最大速度511ノット、実用上昇限度39000フィート（11887m）、燃料搭載量4875ガロン（18454リットル）、戦闘行動半径1110海里。乗員は操縦士、航法士、クルーチーフ、ECMオペレーター３名、電子情報評価士の計７名。25機が生産されて1959年から配備された。AFC284改修でAN/ALQ-35多目標反復装置とAN/ALQ-41Ｉバンド追尾レーダー欺まん装置を装備。AFC312改修でAN/ALQ-55通信データリンク妨害装置を搭載。AFC344改修でAN/ARC-101VHF送受信器を装備。AFC378改修でAN/ARC-119HF送受信器を装備。AFC398改修でAN/ALQ-51E/Fバンド追尾レーダー欺まん装置を装備。AFC445/464改修でAN/ARC-51A極超短波送受信器を２基搭載。AFC448改修でAN/ALR-40ELINT受信装置を搭載。AFC458改修でAN/ULA-2パルス分析装置を装備。AFC463改修でAN/APX-72(V)IRR/AIMSを搭載。AFC467改修でAN/ASW-25自動着艦装置を装備。AFC474改修でAN/ALR-63中心周波数計測装置を搭載。AFC503改修でAN/ALR-44ELINT受信装置を装備。ASC改修でAN/ARC-38HF送受信器を搭載。ASC211改修でAero21Bターレットを撤去。ASC284/AFC398改修でAN/ALQ-35、AN/ALQ-41、AN/ALQ-51からなるDECM（Defensive ECM、防御用ECM）が搭載され、クルーチーフはプレーンキャプテンに名称変更されて乗員が操縦士、航法士、ECMオペレーター４名、電子情報評価士の計７名になり、DECMは電子情報評価士が操作するようになった。1987年10月に空母での運用を終了。湾岸戦争時にはサウジアラビアに分遣隊が派遣され、1992年にES-3Aに後を譲って退役した。参考：世界の傑作機No.118、丸スペシャルNo.83

　＜ＥＫＡ−３Ｂ＞：電子戦及び空中給油両方の任務を行えるタイプで、別名エレクトリック・ホエール。EA-1Fではベトナム戦争でS-75地対空ミサイルとMiG-21に対抗するのが無理であり、EA-6Aと海兵隊EF-10Bは空軍機支援で手一杯、EA-3BはECMに使えない、EA-6Bは実用化まで時間が掛かる、ということで、TACOS（空中給油・電子戦支援機）計画の名称で艦上電子戦機を急遽開発することになり、1967年2月からKA-3Bに電子戦能力を付加する改造が行われた。パッシブECM機器、AN/ALT-27Ｅバンド・ジャマー、AN/ALQ-92VHFジャマーを搭載する他、外装ポッド式のAN/ALE-1チャフ・ディスペンサー及び自己防衛用ジャマー４基を装備する。AN/ALT-27用アンテナはAN/APA-69ECM方向探知アンテナと共に胴体下面の爆弾倉扉に固定されたカヌー型レドームに収容されており、全周妨害が可能である。そのまま爆弾倉を開くこともできるので、爆撃任務も行えるが、爆弾倉扉が開いている間はジャミングを行うことができない。AN/ASB-1A/-7も残されているが、爆撃照準用ペリスコープは無く、レーダー照準機能のみを持つ。胴体両側面前後にも大型のブリスター型レドームが装備されており、他の指向性アンテナをここに収容して全周性を確保した。AN/ALR-28方向探知アンテナは垂直尾翼頂部に付いている。給油能力はKA-3Bと同等。艦上機編隊に先んじて発艦し、編隊に給油を行った後で同行、敵SAMの射程外を高度20000フィート（6096m）で周回しつつ、AN/ALQ-92により早期警戒レーダーやVHF無線による地上誘導迎撃システムを妨害すると共に、AN/ALR-29/-30で捉えたSAM管制レーダー波の周波数をAN/ALA-3（AFC458改修以降はAN/ULA-2）で分析し、AN/ALR-28で放射源測定を行い、AN/ALT-27によりスタンドオフ・ジャミングを実施、帰ってきた編隊に再び給油して空母に帰るのが主任務である。搭載アビオニクスはAN/ARC-38A短波送受信器、AN/ARC-27A極超短波送受信器２基、AN/ARR-40UHF受信機、AN/ARC-1VHF送受信器、AN/ARA-25UHF方向探知器、AN/ARN-14E VOR受信装置、AN/ARN-21タカン、AN/APN-22電波高度計、AN/APN-153(V)ドップラー航法装置、S-5自動操縦装置。全長22.66m、全幅22.1m。翼面積63.2平方メートル。エンジンはJ57-P-10（推力5.625トン）双発、最大速度530ノット。乗員は操縦士、爆撃航法士（電子戦と空中給油操作も行う）、電子戦士官の３名。A-3Bから５機、KA-3Bから34機の計39機がアラメダ海軍航空修理施設で改造され、1967年5月から配備された。初実戦出撃は1967年12月4日である。AFC344改修でVHF送受信器をAN/ARC-101に換装。AFC445/464改修でUHF送受信器をAN/ARC-51A２基に変更。AFC467改修でAN/ASW-25自動着艦装置を搭載。1975年までにKA-6Dに後を譲って退役し、うち13機はKA-3Bに戻されて予備役に回された（こちらの全機退役は1989年10月1日）。参考：世界の傑作機No.118、月刊JWings5,’07、空軍

　＜ＥＲＡ−３Ｂ＞：陸上電子戦訓練支援機型で、NA-3Bの代替機としてRA-3Bから８機（1972-73年と1981-83年に４機ずつ）が改造された。写真偵察装備を全撤去し、電子妨害装置を搭載している。ECM操作装置は後部キャビン（元のフラッシュ爆弾搭載部分まで与圧化した）にあり、電子戦士官もそこに位置するが、非常口が設けられていなかったので、コクピットの脱出シュート使用に備えて座席はキャビン前寄りに設置された。胴体下面にカヌー型レドーム、垂直尾翼先端に棒状アンテナ、胴体左右前後４カ所にラムエアタービンを装備する。搭載電子戦機器はAN/ALE-2、AN/ALE-25、AN/ALQ-41、AN/ALQ-31、AN/ALQ-76、AN/ALQ-167、AN/ALR-43、AN/ALT-27(V)、AN/ALT-43、AN/APA-69、AN/ULA-2である。搭載アビオニクスはAN/ARN-6LF方向探知器、AN/ARA-50UHF方向探知器、AN/APN-70ロラン、LTN-211オメガ航法装置、AN/APN-153(V)ドップラー航法装置、AN/ASN-41自動航法装置、S-5自動操縦装置、MA-1コンパス、AN/ASN-50ジャイロ、AN/ASB-1B爆撃航法装置。機体重量が増加したため、空母での運用はできない。乗員は操縦士、航法士、クルーチーフ、電子戦士官２名の計５名。AFC378改修でAN/ARC-119HF送受信器を追加。AFC397改修でAN/APR-25(V)尾部警戒装置を装着。AFC445改修でAN/ARC-51A極超短波送受信器を搭載。AFC463改修でAN/APX-72(V)IFF/AIMSを追加。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＫＡ−３Ｂ＞：艦上空中給油機型。空中給油任務専用型で、1967年以降にアラメダ海軍航空機修理廠で改造された。当初は爆弾倉にパイプを収容し、先端にホースを取り付けることで給油機の排気乱流に受油機が巻き込まれないようにしたフライングパイプ方式を採用したが、テストしてみると爆弾倉から乱流が発生して意味が無くなってしまったため、A-3Bパスファインダーと同様の改造にしている。ただA-12B-7ドローグ式空中給油ホースが生産終了になっていたため数が足りず、退役したKB-50J/KからA-12B-1を40基外して30基ほどをA-12B-7規格に改造（残り10基は部品取り用）したらしい。空中給油専用なので、爆弾倉扉の空中での開閉はできない。空中給油ホース（長さ50フィート・15.4m）のリールは固定装備で、爆弾倉前方の胴体下面にあるスポイラーを外した。基本的に安全な後方で運用されるため、DECM装置の大部分を外し、UHF無線機２基を増設している。搭載アビオニクスはAN/ARC-38HF送受信器、AN/ARC-27A極超短波送受信器２基、AN/ARC-84VHF送受信器、AN/ARA-25UHF方向探知装置、AN/ARN-14E VOR受信装置、AN/ARN-118タカン、AN/APN-70ロラン、AN/APN-22電波高度計、AN/APN-153(V)ドップラー航法装置、S-5自動操縦装置、AN/ASB-7(Mod)爆撃航法装置。A-3Bから85機が改造された。AFC344改修でAN/ARC-101VHF送受信器を装備。AFC378改修でAN/ARC-119HF送受信機を搭載。AFC445/464改修でAN/ARC-51A極超短波送受信器２基を装備。AFC467改修でAN/ASW-25自動着艦装置を搭載。KA-6Dの配備に伴い退役した。参考：世界の傑作機No.118、月刊JWings5,’07

　＜ＮＡ−３Ａ＞：A-3Aを改造したテストベッド機。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＮＡ−３Ｂ＞：A-3Bを改造したテストベッド機。ミサイルシーカーを取り付けて電子戦訓練支援（対艦ミサイル防御訓練支援）にも使用された。1972年に事故で失われた。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＮＥＡ−３Ａ＞：EA-3Aを改造したテストベッド機。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＮＲＡ−３Ｂ＞：RA-3Bを改造したテストベッド機。その後レイセオン社のテストベッド機として使用され、2011年4月29日に海軍に移管され、ホイッドビー・アイランド基地のゲートガードとなった。参考：世界の傑作機No.118、月刊航空ファン11,’11

　＜ＮＴＡ−３Ｂ＞：特殊電子試験機バージョン。レイセオン社のテストベッド機として21世紀に入っても使用されている。参考：月刊JWings7,’01

　＜ＲＡ−３Ａ＞：写真偵察機の試作・試験機で、A3D-1グループ�Tから１機が改造された。1962年9月18日の名称変更まではYA3D-1Pと呼ばれている。爆弾倉前半をカメラ室、後半上部を1666リットル燃料タンク、後半下部を夜間偵察用フラッシュ爆弾用爆弾倉に改造してある。カメラ室には偵察員席とカメラ７台（K-18またはA-10前方斜め撮影カメラ、K-17またはT-11またはCA-7トライメトロゴン撮影カメラ、K-37またはK-38またはK-17CまたはT-11垂直／垂直スプリット撮影カメラから選択）が設置される。カメラ室は与圧されていないので、撮影技師兼銃手は普段は与圧コクピットに操縦士と背中合わせで設置された座席でカメラを遠隔操作し、ビューファインダーを除く時だけ乗員全員が酸素マスクをかぶって与圧を切り、撮影技師兼銃手がカメラ室に移動していった。ただ面倒なので、予めファインダーをセットしておき、AN/ASB-1Aのペリスコープを航法士が覗いてここぞという所で撮影技師に合図を送って撮っていたようである。フラッシュ爆弾はM120なら12発、M112なら208発、M123なら80発を搭載可能。搭載アビオニクスはAN/ART-13HF無線機、AN/ARR-15A短波受信機、AN/ARC-27A極超短波送受信器、AN/AIC-4Aインターコム、AN/ARN-6LF方向探知器、AN/ARR-2A超短波受信装置、AN/APN-1電波高度計、S-5自動操縦装置、AN/APX-6B敵味方識別装置用トランスポンダー、AN/APA-89敵味方識別装置用コーダ。乗員３名（操縦士、航法士、撮影技師兼銃手）。RA-3Bの開発が進むと、海軍航空開発センターで写真偵察以外の試験にも使用されている。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＲＡ−３Ｂ＞：写真偵察機の量産型で、1962年9月18日の名称変更まではA3D-2Pと呼ばれた。EA-3BやTA-3Bと同様の胴体改造と主翼スポイラー廃止を実施（キャビン窓は左右側面に丸窓１個ずつ）してあるが、爆弾倉内の圧力隔壁はSTA.306に設けてあり、STA.377までの部分は夜間偵察用フラッシュ爆弾を収容する爆弾倉になっている。与圧部分はカメラ室で、カメラステーション12カ所、カメラ窓16カ所、ビューファインダー２組があり、ファインダー操作中も与圧を切る必要が無い。カメラステーション１は左舷垂直用で、CA-3-2b、CA-13、KA-40A、KA-45A、KA-46A、KA-51A、KA-53Aを搭載できる。２は前方斜め用で、KF-8、CA-13(Mod)BLを搭載できる。３は左舷斜め上方用で、CA-13を搭載できる。４は右舷斜め上方用で、CA-13を搭載できる。５は左舷斜め下方用で、CA-3-2b、CA-14、KA-40A、KA-45A、KA-46A、KA-51A、KA-62Aを搭載できる。６は垂直用で、CA-3-2b、CA-14、KA-40A、KA-45A、KA-46A、KA-51A、KA-62Aを搭載できる。７は右舷斜め下方用で、CA-3-2b、CA-14、KA-40A、KA-45A、KA-46A、KA-51A、KA-62Aを搭載できる。８は左舷斜め／垂直用で、CA-3-2b、CA-13、CA-17a、KA-40A、KA-45A、KA-46A、KA-51A、KA-62Aを搭載できる。９は右舷斜め／垂直用で、CA-3-2b、CA-13、CA-17a、KA-40A、KA-45A、KA-46A、KA-51A、KA-62Aを搭載できる。10は左舷斜め／垂直用で、CA-3-2b、CA-13、KA-53Aを搭載できる。11は垂直用で、CA-3-2b、CA-13、CA-14、CA-17a、KA-40A、KA-45A、KA-46A、KA-51A、KA-53A、KA-62Aを搭載できる。12は右舷斜め／垂直用で、CA-3-2b、CA-13、KA-53Aを搭載できる。撮影は前方斜めと左舷斜めは操縦士（計器板上方と左側面に撮影用照準器を装着した）、垂直と右舷斜めは写真航法士（Photo-Navigator）が担当する。写真航法士はビューファインダーによる機体の撮影目標への誘導、NccS-4a撮影制御システムによるカメラ制御、電波航法、推測航法なども行う。銃手はAero21Bターレットによる反撃、AN/ALQ-2によるECM、フィルム装填・交換などを担当する。ASC211でAero21Bが撤去され、ASC284/AFC398でDECMが搭載されると、銃手は写真技術者（Photo Technician）と名称変更された。光学・赤外線カメラに加え、AN/ASB-1Bによるレーダー撮影を併用することも可能。方向転換しながら撮影するため、S-5自動操縦装置を利用してバンクを取らずに旋回（スキッドターン）することもできる。搭載アビオニクスはAN/ARC-38HF受信機、AN/ARC-27A極超短波無線機、AN/ARR-40UHF受信機、AN/ARC-1VHF送受信器、AN/ARN-6LF方向探知器、AN/ARA-25UHF方向探知装置、AN/ARN-14E VOR受信装置、AN/ARN-21TACAN、AN/APN-22電波高度計、AN/APN-153(V)ドップラー航法装置、AN/APX-6B敵味方識別装置トランスポンダー、AN/APX-89IFFコーダ、AN/APX-17S敵味方識別装置コーダ。全長74フィート５インチ（22.7m）／主尾翼折り畳み時78フィート１インチ（23.8m）、全幅72フィート６インチ（22.1m）／主尾翼折り畳み時48フィート２インチ（14.7m）、全高22フィート（6.7m）／主尾翼折り畳み時16フィート８インチ（5.1m）、自重41435ポンド（18.8トン）、全備重量78000ポンド（35.4mトン）。エンジンはJ57-P-10（離昇推力10500ポンド・4.8トン）双発、最大速度510ノット、実用上昇限度38900フィート（11857m）、燃料搭載量4875ガロン（18454リットル）、戦闘行動半径1110海里。乗員３名。30機が配備された。ASC-GEN2改修でHF送受信器をAN/ARC-38Aに換装。AFC284改修でAN/ALQ-35多目的反復装置とAN/ALQ-41Ｉバンド追尾レーダー欺まん装置を搭載。AFC344改修でVHF送受信器をAN/ARC-101に変更。AFC378改修でHF送受信器をAN/ARC-119に換装。AFC397改修でAN/APR-25(V)レーダー警戒装置、AN/APR-27SAM発射警戒装置、AN/ALE-29Aチャフ・ディスペンサーを追加。AFC398改修でAN/ALQ-51E/Fバンド追尾レーダー欺まん装置を搭載。AFC445改修でUHF送受信器をAN/ARC-51Aに変更。AFC463改修でIFF/AIMSをAN/APX-72(V)に換装。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＴＡ−３Ｂ＞：爆撃航法練習機型で、1962年9月18日の名称変更まではA3D-2Tと呼ばれた。1956年のA-3配備当初はAJシリーズと同様P2V-3Bで爆撃航法士の訓練を行っていったが、運用状況に差がありすぎたため、専用の機体を開発したものである。A-3A/Bの爆弾倉中央付近（STA.377）に圧力隔壁を設置、前半部を与圧化してコクピットに繋げた。酸素マスク無しでも高度35000フィート（10668m）まで上がれるよう、与圧は7.5psiに強化してあり、コクピットの窓枠の角を丸めたり、窓の配置を換えたり、天井の非常口を内開きにしたりといったコクピット強化改造を行っている。操縦士直後の座席は前向きに変更され、訓練生１名が座って天測航法を訓練する。キャビンには胴体右側面と天井部分に脱出口が追加され、右側面に４個、左側面に３個の角窓が設けられた。内部には左に３つ、右に２つの前向き座席が追加され、教官２名と訓練生３名が位置してAN/ASB-1Aの訓練を行う。爆弾倉後半部は燃料タンクとされ、機内燃料容量が490ガロン（1855リットル）増加した。爆弾倉が無くなったので、内翼下面（Sta.2/5）にAero7Aエジェクターラックを介してAero8A/8A-1訓練用爆弾コンテナを装着、この中にMk76Mod2/Mod4/Mod5またはMk89訓練爆弾を収容する。ただし最大投下速度が指示対気速度450ノットまたは0.78IMNに制限されるため、後にA/A34B-3訓練用多連装爆弾架を使用してMk76Mod4/Mod5またはMk106Mod3を搭載するようになり、速度制限が外されている。主翼スポイラーは廃止された。操縦士や銃手の訓練には使用されないので、複操縦装置、自衛武装及びその火器管制レーダーも外されている。搭載アビオニクスはAN/ARC-38HF送受信器、AN/ARC-27A極超短波送受信器、AN/ARR-40UHF受信機、AN/ARN-6LF方向探知器、AN/ARA-25UHF方向探知装置、AN/ARN-14E VOR受信装置、AN/ARN-21タカン、AN/APN-22電波高度計、S-5自動操縦装置、MA-1コンパス、AN/APX-6B敵味方識別装置トランスポンダー、AN/APA-89敵味方識別装置コーダー、AN/ASB-1A(Mod)爆撃航法装置。全長74フィート７インチ（22.7m）／主尾翼折り畳み時74フィート２インチ（22.6m）、全幅74フィート６インチ（22.7m）／主尾翼折り畳み時48フィート２インチ（14.7m）、全高23フィート（7m）／主尾翼折り畳み時16フィート７インチ（5.1m）、自重38846ポンド（17.6トン）、全備重量84000ポンド（38.1トン）。エンジンはJ57-P-10（離昇推力10500ポンド・4.763トン）双発、最大速度503ノット、実用上昇限度41700フィート（12710m）、燃料搭載量4875ガロン（18454リットル）、戦闘行動半径1122海里。乗員８名（操縦士、クルーチーフ、教官２名、訓練生４名）。純練習機型８機と、人員輸送機４機の計12機が生産されて1959年からVAH-3とVAH-123に配備された。ASC-GEN2改修でAN/ARC-38A短波送受信器を搭載。AFC378改修でAN/ARC-119HF送受信器を装備。AFC445改修でAN/ARC-51A極超短波送受信器を搭載。AFC463改修でAN/APX-72(V)IFF/AIMSを装備。1964年にRA-5Cが配備されると、RVAH-3（元VAH-3）のTA-3BはAN/ASB-12を搭載してRA-5Cの訓練に使用された。1977年10月、残っていたTA-3BはVAQ-33に移動。この時点で爆撃航法が必要なA-3シリーズが殆ど退役していたため、操縦訓練に使用されるようになった。キャビンの訓練生座席を撤去、コクピットに操縦訓練生と教官が乗り込んでFCLPや発着艦訓練を行っている。1991年に全て退役した。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＴＡ−３Ｂ（人員輸送機型）＞：VA-3Bの運用結果が良好だったため、TA-3Bのうち５機をVA-3B仕様に改造したもの。機体上面にVHF通信用アンテナを増設した。尾部はAero21Bターレット装備のものと、DECM装備のものの２種がある。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＵＡ−３Ｂ＞：多用途機型で、NRA-3Bから改造された。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＶＡ−３Ｂ＞：艦上人員輸送機型。胴体キャビン左舷に４つの窓を開け、左側に２×２の座席、右側に通路、右非常口前方に座席１つ、右非常口後方にトイレを設けている。キャビン右舷前方には２段ベッドを設置した。各種レドームやAero21B尾部ターレット（機関砲無し）はそのままである。乗員３名＋搭乗人員５名。EA-3Bから１機が改造された。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＹＡ３Ｄ−１Ｑ＞：EA-3A初号機で、先行量産型。参考：世界の傑作機No.118

＜Ａ３ロケット＞：ドイツが開発したロケット。A4の前段階で、A2に姿勢制御用ジャイロを搭載したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、歴史群像6,’04

＜Ａ３ＡＭ＞：DCNS社／ネイヴァル・グループが開発した潜対空ミサイル。マストに耐圧キャニスターを装着してミストラルまたはMICA対空ミサイルを収容したもので、同じマストに耐圧容器入り赤外線センサーを装着して目標捜索に使う。潜航したまま反撃できるよう、魚雷発射管からカプセル入りMICAを発射するバージョンも開発中。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜Ａ３Ｊシリーズ＞：A-5シリーズ（艦上攻撃機）を参照。

＜Ａ３Ｎ＞：九〇式艦上戦闘機シリーズを参照。

＜Ａ３Ｎ１＞：九〇式練習用戦闘機を参照。

＜Ａ−３Ｐ＞：ポラリス海外シリーズ（SLBM）を参照。

＜Ａ３Ｒ＞：エアバス社がオーストラリア空軍航空研究開発ユニットと共同開発中の自動空中給油装置で、Automatic Air-to-Air Refuelingの略。空中給油機にカメラを装着して受油機のリセプタクルを確認し、自動でフライングブームを操作して空中給油を行うシステムで、受油機側の改造は不要。給油中に問題が発生した場合はフライングブームを受油機から自動で切り離す。2018年6月20日、エアバス社有A310空中給油機にシステムを搭載し、スペイン南部上空でオーストラリア空軍KC-30Aへの自動空中給油テストを実施、７回の自動コンタクトを行った。2021年初めからシンガポール空軍及びシンガポール国防科学技術庁との共同飛行試験に入り、シンガポール空軍A330-200MRTT空中給油輸送機にA3Rシステムを搭載し、F-15SG戦闘機、F-16D戦闘機、A330-200MRTT空中給油輸送機に接続試験計88回を実施、燃料30トンを空中給油して5月20日にテストを終えた。2022年7月19日、スペイン国立航空宇宙技術研究所の認証を取得したと、エアバス社が発表した。2023年10月11日、飛行試験プログラムを完了した。参考：月刊航空ファン10,’18、月刊JWings8,’21、10,’22、1,’24

＜Ａ−３Ｔ＞：ポラリス海外シリーズ（SLBM）を参照。

＜Ａ−３ＴＫ＞：ポラリス海外シリーズ（SLBM）を参照。

＜Ａ３Ｗ＞：原子力空母CVAN-67に４基積む予定だった原子炉。出力70000軸馬力。ウェスティングハウス・エレクトリック社で開発予定だったが、建造費の関係で通常動力空母になったので、計画のみに終わった。参考：月刊世界の艦船10,’14

＜Ａ−４＞：SS-5（潜水艦）を参照。

＜Ａ−４攻撃機シリーズ＞：アメリカ海軍艦上攻撃機、別名スカイホーク（Skyhawk）。開発者の名前をとってエド・ハイネマンのホットロッドとも通称される。小型のためティンカー・トイ（ブリキのオモチャ）やスクーターとも呼ばれた。1952年にダグラス社エル・セグンド工場のエドワード・ハイネマン技術部長が海軍に対して新型戦闘機を提案したのがきっかけで、海軍は戦闘機案を既に数社に対して設計させていたため、新型軽艦上攻撃機案を作るよう打診した。要求は最大離陸重量13.6トン、ターボプロップ双発、最大速度804km、兵装搭載量0.9トン、戦闘行動半径300海里、制限荷重6.5Gである。２週間後、ハイネマンは最大離陸重量6.6トン、ジェットエンジン単発、最大速度965km、兵装搭載量2.27トン、戦闘行動半径400海里、制限荷重7.5Gの案を提出し、1952年6月21日に開発契約が締結された。当初はA4Dと呼ばれており、1962年の三軍名称統合でA-4に改称されている。1954-79年に2960機が生産された。軽量で運動性が高く、運用も容易なため、トップガンや仮想敵飛行隊で仮想敵役を務めている。また、主翼下パイロンにAIM-9空対空ミサイルを積み、対潜空母に防空戦闘機として配備されていた。1975年秋に空母上での運用を終了した。1999年にアメリカ海軍で全機退役した。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979、月刊航空ファン6,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＸＡ−４Ａ＞：試作初号機で、当初XA4D-1と呼ばれた。エンジンはイギリスのアームストロング・シドレー社製サファイアをアメリカのライト社がライセンス生産したJ65-W-2（推力3.26トン）単発で、これに合わせて機体を徹底的に軽量化した。信頼性を高めるための補助安全装置はかえって信頼性を低くする結果になり、その労力を本装置の改良に向けた方が安全になるという結論を得て、各種安全装置を手始めに重量低減策を施している。固定武装は無く、ハードポイントは胴体下面の１カ所のみ。1954年6月22日に初飛行した。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＹＡ−４Ａ＞：前生産機で、当初YA4D-1と呼ばれた。固定武装として20mm機関砲２門を搭載している。1954年8月14日に初飛行し、19機が製作されてテストに使用された。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ａ＞：最初の量産型で、当初A4D-1と呼ばれた。機体サイズは折り畳み機構を使わずエレベーターに納まるよう設計され、主翼・尾翼はデルタ翼を採用した。XA-4Aからも再度の重量軽減を図っており、射出座席は26kg、ガンサイトは9.7kg、電子機器は17kg、電気系統に至っては109kgも軽量化されている。機体は全金属製セミモノコック構造で、キール２本、ロンジロン、フレームで構成される骨格に、Al2024-T/Al7075-Tアルクラッド、Al6061-Tアロイなどで作られた外皮を貼った。機首にはアビオニクスが収容されており、ヒンジで開閉が可能。風防は透明パネル３枚（中央が多層ガラス、両側がプラスチック）で構成され、キャノピーはクラムシェル型である。座席はESCAPAC�T射出座席。コクピット後方にセルフシーリング式燃料タンクがあり、その両側上方に胴体表面に沿って開口するフラッシュ型エアインテイクがある。STA.262.00から後部胴体を取り外すことができ、エンジン整備が容易。燃料はJP-5で、増槽も含め電動ブーストポンプにより胴体タンクを経由してエンジンに送られ、30秒間の背面飛行でも正常な供給が可能である。主翼は重量軽減のため左右一体構造となっていて、胴体に10カ所のボルトで固定される。低翼配置のデルタ翼であり、胴体着陸（胴体着艦）でも安心。更に主翼下に増槽を付けていれば機体を傷つけることも無い。内部は三本桁構造で、桁間がインテグラルタンクのスペースに充てられており、前方に前縁構造部とスラット、後方にエルロン、フラップ、後縁構造部を取り付けている。翼スパンが小さいので折り畳み機構を設ける必要が無く、構造も頑丈なため、外部搭載量が大きい。後退角は42度。スラットは速度が200ノットを切ると自動的に下がり、失速速度で全開になる。エルロンには左翼側にのみ電動式トリムタブが付く。フラップは油圧作動のスプリット式で、最大下げ角50度。尾翼は可変取り付け角式水平安定板（トラベル量はタイプにより11-13度）、エレベーター、垂直安定板、ラダーで構成される。降着装置は前輪式で、全て前方に引き込まれるが、ステアリング機構が無いので、タキシング中の方向転換時につんのめって主輪の代わりに反対側の主翼端が接地してしまったりした。外部兵装搭載時に地上とのクリアランスを確保するため、脚柱が長く、前脚には引き込み時にオレオを短縮するテレスコーピング機構が装備されている。主脚は収容時にホイールを90度回転し、脚柱を下に向けて主脚室に引き込まれる。ブレーキはシングル・ディスク式で、主脚にのみ装備する。主脚室前方にカタパルトフック（主脚と連動して上下する）、胴体後部下面にカタパルト用ホールドバック接続金具とアレスティングフックを持つ。スピードブレーキは後部胴体両側面にあり、機速440ノット未満で使用できる。スピードブレーキとエレベーターにはインターコネクト機構が設けられていて、スピードブレーキ使用時の機首下げは自動的に代償される。油圧は操舵用フタイト・コントロール系統（基本三舵）とユティリティ系統（基本三舵、脚、フラップ、スピードブレーキ、アレスティングフック、自動操縦装置）の完全独立二重式で、バックアップに人力操縦系統を持つ。操舵用パワーシリンダーはそれぞれの油圧系統に設けられている。電気系統はエンジン駆動の9kVA三相交流発電機（115/200V、400Hz）で、直流電流を使用する場合には変圧整流器によりDC28Vに変換する。アビオニクスはAN/ASQ-17B総合電子装置で、AN/ARC-27A極超短波無線機、AN/ARA-25A極超短波自動方位測定器、AN/APX-6B敵味方識別装置を統合している。また、AN/ARN-21Dタカン航法装置を装備する。必要に応じてVOR受信機AN/ARN-14Eとマーカービーコン受信機AN/ARN-12を収容した航法ポッドを胴体下パイロンに装備可能。全長11.5m、全幅8.38m、全高4.57m、自重8400ポンド（3.8トン）、運航重量9111ポンド（4.1トン）、最大離陸重量22500ポンド（10.2トン）、最大着艦重量14500ポンド（6.6トン）、最大着陸重量16000ポンド（7.3トン）。エンジンはライトJ65-W-4/-4B（推力3.49トン）単発。機内燃料容量807ガロン・3055リットル（胴体230ガロン・871リットル、主翼560ガロン・2120リットル。重力式給油では胴体237ガロン・897リットル、主翼570ガロン・2158リットル）。許容加速度はプラス7Gからマイナス2G。固定武装はコルト20mm機関砲Mk12（100発）２門。胴体下部（Sta.3。容量1.36トン、使用パイロンはエアロ7A）と左右主翼下（Sta.2/4。容量0.45トン、使用パイロンはエアロ20A）に１カ所ずつのハードポイントを持つ。増槽はSta.2-4にエアロ20A-1/7A-1サスペンションを介して150ガロン（568リットル）増槽を、Sta.3にエアロ7A-1サスペンションを介してボブテイル型300ガロン（1136リットル）増槽を、Sta.2/4にエアロ20A-1サスペンションを介して300ガロン増槽エアロ1Dを、Sta.3にエアロ7A-1サスペンションを介して400ガロン（1514リットル）増槽を装着できるが、標準では胴体下に300ガロン、主翼下に150ガロンのものを吊り下げる。1956年9月から引き渡された。一部がTA-4A練習機に改造された。後にエンジンをJ65-W-16C（推力3.85トン）に換装した。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979

　＜Ａ−４Ｂ＞：A-4Aの改良型で、当初はA4D-2と呼ばれた。空中給油プローブが追加されており、最初の数機は右翼パイロン内側に装着したが、以降は機首右側に真っ直ぐ伸びるタイプを採用した。胴体下ステーションにエアロ7A-1サスペンションを介してD704バディ・キットを搭載可能。方向舵の微振動対策として、一枚板を両側からリブで補強したタイプの方向舵を採用している。油圧系統が二重になり、昇降舵が動力操舵になった。照準器を改良し、自動爆撃航法システムを搭載、AGM-12ブルパップASMを運用できるようにしている。アビオニクスはエアロ18D低高度爆撃装置、AN/ARA-25自動方位測定器、AN/ARN-21Dタカン、AN/ASN-19推測航法用コンピュータ、AN/APN-22電波高度計、AN/APX-6B敵味方識別装置、AN/ARC-27A極超短波無線機。全長11.5m、全幅8.38m、全高4.57m、自重9146ポンド（4.1トン）、運航重量9904ポンド（4.5トン）、最大離陸重量22500ポンド（10.2トン）、最大着艦重量14500ポンド（6.6トン）、最大着陸重量16000ポンド（7.3トン）。エンジンはJ65-W-16A（推力3.53トン）単発。後にエンジンをJ65-W-16C（推力3.85トン）に換装した。1956年3月26日に初飛行し、1957年9月から海兵隊に、1958年2月から海軍に配備された。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ｃ＞：制限全天候攻撃機型で、当初はA4D-2Nと呼ばれた。機首を９インチ（228.6mm）延長してAN/APG-53A/B地形回避レーダー（空対地モードと空対空測距モードを持つ）を搭載し、AJB-3爆撃計算システム、CP-841/A爆撃コンピュータ、TPQ-10地上管制爆撃システムも装備している。操縦桿追随・姿勢保持・針路保持・高度保持・安定増大・地上管制爆撃の各モードを有する自動操縦装置、自動安定装置、迎え角指示器も追加され、射出座席はダグラス社製エスカパック�Tスンセル改修型に換装された。主脚ブレーキはデュアル・ディスクのスポット型に、２個の油圧パワーシリンダーは両系統が作動油圧を分担して供給する方式に変更され、交流発電機容量は10kVAに強化されている。アビオニクスはAN/ARA-25自動方位測定器、AN/ARN-21Dタカン、AN/ASN-19A航法コンピュータ、AN/APN-22電波高度計、AN/APX-6B敵味方識別装置、AN/ARC-27A極超短波無線機。全長11.76m、全幅8.38m、全高4.57m、自重9728ポンド（4.4トン）、運航重量10507ポンド（4.8トン）、最大離陸重量22500ポンド（10.2トン）、最大着艦重量14500ポンド（6.6トン）、最大着陸重量16000ポンド（7.3トン）。エンジンはJ65-W-16A（推力3.53トン）単発。638機が生産され、海兵隊で1960年3月から、海軍で1960年5月から実戦配備され、ベトナム戦争前半では海軍主力攻撃機の座にあった。後にエンジンをJ65-W-16C（推力3.85トン）に換装した。ASC218改修で風防前方に電動ワイパー（タキシング時と200ノット以下で使用可能）を追加した。AFC343改修でAN/ALQ-51AECMを装備した。２機は主輪をダブルタイヤに変更して胴体後部下面にドラッグシュート収容ポッドを装着する改修を受け、1961年にN-156フリーダムファイターとG91Rとの評価テストに投入され、またA-4Cに戻された。また、１機が兵装ステーションを５カ所に増やす改修を受けている。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ４Ｄ−３＞：全天候型で、1957年に提案された。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J52-P-2（推力3.85トン）単発で、縦安定性を確保するため水平尾翼を主翼よりも下に移している。海軍から10機が発注されたが、キャンセルされた。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ４Ｄ−４＞：A-4Cの改良型で、エンジンをJ52に換装している。計画のみ。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ４Ｄ−６＞：アメリカ海軍の軽攻撃機プログラムに提案したタイプで、機体を大型化してプラット＆ホイットニー社製TF30ターボファンを搭載した。A-7コルセア�Uに負けて採用されなかった。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ｅ＞：A-4Cの改良型で、当初はA4D-5と呼ばれていた。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J52-P-6Aに換装して兵装搭載量と航続距離を増強している。エアインテイクを胴体表面から離したセパレート型に変更し、主翼を強化して主翼下ステーション（外翼部、容量500ポンド／0.227トン。使用パイロンはエアロ20A）を２基増やした。AN/APG-153(V)ドップラーレーダーとTACANを機首に搭載、電波高度計をAN/APN-141に換装し、爆撃システムをMk9トス爆撃指示器付きのAJB-3Aに改良してあり、アビオニクス収容のため機首を延長している。風防のワイパーを外してエンジンの抽気により雨滴を吹き飛ばすシステムを搭載した。射出座席はダグラス社製エスカパック改（高度0m、速度90ノット以上で射出可能）である。補助通信機としてAN/APR-69を追加した。全長12.27m、全幅8.38m、全高4.57m、自重10266ポンド（4.7トン）、運航自重11343ポンド（5.1トン）、最大離陸重量24500ポンド（11.1トン）、最大着艦重量14500ポンド（6.6トン）、最大着陸重量16000ポンド（7.3トン）。エンジンはJ52-P-6A（推力3.85トン）単発。外部兵装搭載量8200ポンド（3.7トン）。原型機は1961年7月12日に初飛行し、1962年11月から1966年4月まで生産された。後期型は自動方位測定器をAN/ARA-50に、航法コンピュータをAN/ASN-41に、TACANを空対空距離測定機能付きのAN/ARN-52(V)に換装した。４機がEA-4Eに改造されている。後に大半の機体が胴体背部にハンプ・バック（アビオニクス収容フェアリング）を追加し、空中給油受油プローブを外側に曲げて機首先端から８インチ（203.2mm）後退させたタイプとした。AFC394�T／�W改修でAN/ALQ-100とAN/ALE-29Aを搭載。AFC429改修で前脚にステアリング機構を追加した。AFC442改修でリフト・スポイラーを追加した。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979

　＜Ａ−４Ｆ＞：ベトナム戦争の戦訓を元にした改良型。A-4EのエンジンをJ52-P-8Aに強化し、機体背部にバルジ（通称ハンプ・バック）を設け、電子機器を増設した。コクピットの装甲を強化してエスカパック�TC-3射出座席を装備し、前脚にステアリング機構を追加、低圧タイヤを採用し、主翼にスロットル位置70%rpm以下で作動するリフト・スポイラーを搭載、ドラッグシュートを装着している。スポイラーにより着陸性能が改善し、ステアリング機構追加もあって横風時の着陸が格段に容易となり、特に海兵隊での評価が一気に高まった。20mm機関砲の装弾数は１門あたり200発に増やされている。通信装置はAN/ARC-51A極超短波無線機、AN/ARR-69極超短波補助通信機。航法装置はAN/ARA-50極超短波自動方位測定器、AN/ARN-52(V)タカン航法装置、AN/ASN-41航法コンピュータ、AN/APN-153(V)ドップラー航法装置、AN/APN-141電波高度計、AN/APX-64(V)/-72(V)敵味方識別装置、AN/APG-53A/-53Bレーダーセット。AN/AJB-3A低高度爆撃装置、CP-741/A爆撃コンピュータ、AN/ARW-67GCBSを搭載する。ECMはAN/APR-25(V)/-27(V)、AN/ALQ-51A。全長12.27m、全幅8.38m、全高4.55m、自重10802ポンド（4.9トン）、運航重量11879ポンド（5.4トン）、最大離陸重量24500ポンド（11.1トン）、最大着艦重量14500ポンド（6.6トン）、最大着陸重量16000ポンド（7.3トン）。エンジンはJ52-P-8A（推力4.2トン）。1966年8月31日に原型機が初飛行し、1967年から配備された。AFC343�T／�U改修でジュリエット28秘話通信装置を搭載。AFC359改修でゼロゼロ射出座席を搭載。AFC394�T／�W改修でAN/ALQ-100とAN/ALE-29Aを搭載。AFC473改修でAN/APN-154(V)レーダービーコンを搭載。AFC489改修でマン・シート・セパレーター・ロケット付きのエスカパックF-3射出座席を装備。AFC492改修で100機がエンジンをJ52-P-408（推力4.99トン）に換装した。エンジン換装に伴い、スラスト・カッドバック機構が追加され、フルスロットル・高速時にエンジンストレスを軽減するようにしてある。また、発電機容量が20kVAになった。これにより自重が11300ポンド（5.1トン）、運航重量が12377ポンド（5.6トン）に増加した。AFC507改修でTACANをAN/ARN-84に換装。1971年8月に８機がオーストラリア海軍に引き渡された。他に１機がA-4Mの原型機に改造されている。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979

　＜Ａ−４Ｌ＞：A-4Cの近代化改修型。エンジンをJ65-W-20に換装（J65-W-16Cのまま？）し、リフト・スポイラーを追加、レーダーやアビオニクスをA-4F並みに更新してハンプ・バックを装着した。全長12.27m、全幅8.38m、全高4.55m、自重10311ポンド（4.7トン）、運航重量11609ポンド（5.3トン）、最大離陸重量24500ポンド（11.1トン）、最大着艦重量14500ポンド（6.6トン）、最大着陸重量16000ポンド（7.3トン）。原型機はマクダネル・ダグラス社で製作され、海軍・海兵隊向けに100機が海軍航空修理廠で改修を受け、1969年12月から支援飛行隊や予備役飛行隊に配備された。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ｍ＞：海兵隊向けの改良型で、1969年に旧型A-4の替わりに配備が決定、1970年4月10日にA-4Fを改造した原型機が初飛行した。エンジンを強化して兵装搭載能力を向上し、エアインテイクを増積、垂直尾翼とラダーも増積して垂直尾翼端を角張った形状に変更し、防弾ガラス製風防を持つ大型キャノピーを装備した。エンジン換装に伴い、スラスト・カッドバック機構が追加され、フルスロットル・高速時にエンジンストレスを軽減するようにしてある。機首にはレーザー・スポット・トラッカーやレーダー警戒装置を装備していて、胴体後部両側にスピードブレーキがあり、機速440ノット以下で使用可能。空中給油受油プローブはレーダーの干渉を避けるため先端を外側に曲げ、機首から８インチ（203mm）後退させたタイプである。ドラッグシュートを標準装備し、発電機を20kVAに強化、ラムエアタービンを搭載した。アビオニクスは新型ガンサイト、AN/AVQ-24HUD、AN/APG-53A地形回避レーダー、AN/APN-153(V)ドップラー・レーダー、AN/APX-72(V)IFF、AN/ARA-50UHF/DF、AN/ARC-51A/-52/-159(V)UHF無線機、ジュリエット28秘話通信装置、AN/ARR-69補助UHF受信機、AN/ASN-41航法コンピュータ、AN/APN-141電波高度計、AN/APN-154レーダービーコン、AN/ARN-52(V)TACANなど。低高度爆撃航法システムはAN/AJB-3Aで、WOS-600（CP-741/A？）デジタルコンピュータを使用する。GCBSはAN/ARW-67またはAN/ASB-19。ECMはAN/APR-25(V)/-27(V)またはAN/ALR-45(V)、AN/ALQ-100/-126、AN/ALE-29A。全長12.27m、全幅8.38m、全高4.57m、自重4.75トン（11326ポンド）、運航重量5.641トン（12437ポンド）、最大離陸重量11.113トン（24500ポンド）、最大着艦重量6.577トン（14500ポンド）、最大着陸重量7.258トン（16000ポンド）。翼面積24.16平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J52-P-408A（推力5.443トン）単発、巡航速度マッハ0.75、最大速度マッハ0.94、燃料容量3028リットル＋1514リットル増槽１本＋950リットル増槽２本、最大航続距離1785海里／2120海里（増槽３本）、戦闘行動半径290海里（450kg爆弾４発＋増槽１本搭載Hi-Lo-Lo-Hi）／220海里（同Lo-Lo-Lo）。固定武装は20mm機関砲Mk12（200発）２門。爆弾など4.153トンを搭載できる。B-28/-43/-57/-61核爆弾なら１発を搭載可能。乗員１名。1977年度の単価は464万ドル。1970年11月から1979年2月27日に配備された。後に垂直尾翼上端にレーダー警報装置アンテナが追加された。AFC463改修でAN/ARA-63計器着陸装置を搭載。AFC485改修で、AN/ARC-114/-115VHF/FM無線機を搭載。AFC486改修で、エンジンに内蔵型電気式スターター（JP-5燃料を使用する小型ガスタービン）が追加され、自力でのエンジン始動が可能となった。これにより、エアインテイク後下方にスターター用排気口が追加されている。AFC507改修で、タカン航法装置をAN/ARN-84に換装。第４次中東戦争時に緊急援助機としてイスラエルへ13機が送られた。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1982、1979、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、世界軍用機年鑑1990-91、空軍、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜Ａ−４Ｙ＞：A-4Mの改良型。ヒューズ社製アングル・レート爆撃システム、新型HUD、レーザー・ターゲット・トラッカーを搭載し、計器板を更新、降着装置を強化する。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４　ＡＦＣ２６８改修＞：−�T、−�U、−�Vの３種類がある。いずれも進入出力調整システムを搭載しており、スロットル位置70%rpm以下になると作動、着陸進入に最適なアプローチ速度とグライドスロープが維持される。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４　ＡＦＣ３８２改修＞：ベトナム戦争の戦訓を元に、エンジン排気を無煙化するため、燃料系統にCl-2燃料促進剤を追加したタイプで、燃料効率も改善した。促進剤の投入はコクピット左コンソールのスイッチで制御する。参考：世界の傑作機No.3

＜Ａ−４攻撃機ファミリー＞

　＜Ａ−４Ｆ（ブルーエンジェルス）＞：ブルーエンジェルス用アクロバット機、別名スカイホーク�U。1968年にF-4Jに破れて一旦は不採用となったが、F-4Jの事故多発と燃費の悪さから、機体コスト５割・使用燃料７割の本機が選ばれた。エンジンをJ52-P-408に換装しており、スモークシステムと背面飛行用燃料タンクとVHF無線機を搭載、エルロンアクチュエーターを強化し、操縦桿にスプリングを装着してプレッシャーを与えるようにしてある。見た目を良くするため、主翼前縁に装備されていたバリアネット用フックが外された。機体は小さいが、ロールレート毎秒720度を誇り、演技レパートリーも増加した。1974-86年の13シーズン間使用された。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４（マングース型）＞：仮想敵機仕様。A-4E/TA-4Fがベースで、エンジンを換装して不要な装備を取り除き、仮想MiG-17戦闘機役を務められるようにした。1967年4月からVF-126、1970年代初めからNFWSトップガンに配備されている。参考：月刊航空ファン11,’19

　＜ＥＡ−４Ｅ＞：A-4Eの電子戦機型で、パイロンにチャフポッドを搭載している。A-4Eから４機が改造された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＮＡ−４Ｅ＞：YA-4E（２機が製作された）を実験機として使用した際の名称。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＯＡ−４Ｍ＞：海兵隊向けFAC機。TA-4Fからの改造機で、兵装とアビオニクスはA-4Mに準ずる。1978年から海軍航空修理廠で23機が改造され、1979年秋から配備された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４Ａ＞：A-4Aの複座練習機型。後席を追加したので胴体タンク容量が103ガロン（390リットル）に減っている。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４Ｅ＞：アメリカ海軍の複座練習機で、TF-9J高等練習機の後継として発注した。胴体を２フィート４インチ（0.43m）延長して複座化し、前後席にゼロゼロ射出座席を搭載している。胴体タンク容量は235ガロン（890リットル）から103ガロン（390リットル）に減少した。前脚にはステアリングを追加している。エンジンはJ52-P-8A（推力4.2トン）。初号機は1965年6月30日に初飛行した。後にTA-4Fと改称された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４Ｆ＞：アメリカ海軍の複座練習機。TA-4Eの複座化以外の改修がA-4Fに導入されたのに伴い、TA-4Eを改称したものである。ハンプ・バックは無いが、アビオニクスはAN/APG-53A地形回避レーダー、AN/APN-141電波高度計、AN/APX-64IFF、AN/ARA-50ADF、AN/ASN-41航法システム、AJB-3A爆撃システムなどA-4Fとほぼ同じものを搭載している。240機が生産されて1966年5月19日から配備され、ベトナム戦争ではFACや目視偵察任務に投入された。1971年8月にオーストラリア海軍へ２機が引き渡された。他に１機がETA-4F電子戦訓練機を経てEA-4Fに改造された。また、３機がEA-4Fに改造され、他の大多数はTA-4JまたはOA-4Mに改造された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４Ｊ＞：アメリカ海軍・海兵隊向け高等練習機型。TA-4Fの簡易型で、エンジンはJ52-P-6だが、J52-P-8Aも搭載できる。レーダー、航法装置、LABS、空対地ミサイル発射システム、空中給油受油装置は撤去され、20mm機関砲は１門に減らされ（これも外してしまった機体が多い）、兵装ステーションは胴体下１カ所と主翼下１カ所ずつにされた。全長12.22m、全幅8.38m、全高4.57m、自重4.81トン、全備重量7.16トン。翼面積24.15平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J52-P-6（推力3.85トン）またはJ52-P-8A（推力3.86トン）単発、最大速度1086km（クリーン状態、海面高度）、燃料搭載量2500リットル。乗員１名。1969年5月に初飛行し、6月から配備された。TA-4Fからも100機以上が改修されている。参考：世界の傑作機No.3、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ−４攻撃機・海外シリーズ＞

　＜Ａ−４（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍攻撃機。1968年からA-4Hを90機（88機説あり）、TA-4Hを12機導入した。1969年、A-4Eを60機とTA-4Jを17機、中古で購入した。第４次中東戦争では52-53機を喪失。1972年からA-4Nを117機、TA-4Hを11機導入した。2015年12月13日に全機退役した。参考：世界の傑作機No.3、月刊JWings3,’16

　＜Ａ−４（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍攻撃機。1980年、イスラエル空軍からA-4E攻撃機14機とTA-4H練習機２機を導入した。イスラエルから直接輸入するとイスラム的にマズいので、シンガポール企業を介して購入している。1981年、イスラエル空軍からA-4E攻撃機１機を損耗補充で購入した。1982年、イスラエル空軍からA-4E攻撃機16機を導入。1999年、アメリカからTA-4J練習機２機を購入し、ニュージーランドで改修を行って配備した。2005年に退役した。参考：月刊航空ファン7,’17、12,’17

　＜Ａ−４ＡＲ＞：アルゼンチン空軍攻撃機、別名ファイティング・ホーク。アメリカ海兵隊の中古A-4M36機を購入して機体をオーバーホールすると共に近代化を施してある。ミッション・コンピュータなどアビオニクスを改修して光ファイバーネットワークを導入、HUDと液晶MFD２基を搭載してグラスコクピット化し、HOTAS、レーダー警報、チャフ・フレアディスペンサー、ECMなどを装備した。レーダーはAN/APG-66（F-16ファイティング・ファルコンと同じ。よってニックネームにもファイティングが付いている）を搭載しているが、イギリスの反発があって当初は派生型のAN/ARG-1を装備しており、後で換装した。１997-2000年に納入された。参考：月刊JWings11,’12、3,’19

　＜Ａ−４Ｅ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍攻撃機。機関砲が30mmDEFAに換装されており、主翼付け根の機関砲収容部にバルジが設けられている。1969年に28機、第４次中東戦争前後に30機のA-4Eがアメリカ海軍から供与されたらしい。1979年以降、28機がインドネシア空軍に輸出された。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ｇ＞：オーストラリア海軍攻撃機。A-4Eに準ずる機体で、エンジンをJ52-P-8A（推力4.2トン）に換装、AIM-9を運用可能としている。1967年7-12月に８機を導入してVF-805に配備、空母メルボルンに搭載した。メルボルン退役後に６機がニュージーランド空軍に売却された。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979

　＜Ａ−４Ｈ＞：イスラエル空軍攻撃機。中身はA-4Fとほぼ同じだがハンプ・バックが無く、垂直尾翼上端が角張っており、フランス式の十字型ドラッグシュートを追加している。固定武装は30mm機関砲DEFA552/30-553（150発）２門。1967年末から1968年に48機が引き渡され、その後42機が追加された。後にハンプ・バックを装備し、第４次中東戦争後は排気口を延長して赤外線受動誘導式地対空ミサイルに狙われにくいようにしている。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979

　＜Ａ−４Ｋ＞：ニュージーランド空軍攻撃機。A-4Fとほぼ同じで、垂直尾翼上端が角張っており、胴体後部下面にドラッグシュートを収容する。1970年1月から10機が配備され、近接支援、阻止攻撃、沿岸哨戒、対艦攻撃に使用され、限定的だが防空任務にも就いた。1986年にKAHU（鳥の名前）計画と呼ばれる近代化改修が行われ、AN/APG-66レーダー、LN-93慣性航法装置、HUD、MIL-STD1553Bデジタルデータバスなどを追加し、AIM-9L、AGM-65、ペイブウェイ�Uの運用能力を得ている。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979、月刊JWings2,’14、月刊航空ファン11,’15

　＜Ａ−４ＫＵ＞：クウェート空軍攻撃機で、A-4Mと同じ。1977年春から30機が配備された。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ｎ＞：イスラエル空軍攻撃機で、別名アヒト（Ahit）。A-4H/Mの改良型である。基本はA-4Hで、AN/ASB-19角速度爆撃システム、レーザー・スポット・トラッカー、リア・シーグラー社製デジタルコンピュータ、マルコーニ社製HUD、J52-P-408Aエンジンなどを搭載した。赤外線受動誘導ミサイル対策として、後方に延長したタイプの排気口を装備する。初号機は1972年6月8日に初飛行し、同年末から117機が引き渡された。後に計器板中央にMFDを１基搭載した。参考：世界の傑作機No.3、世界の軍用機1979、：月刊JWings2,’14、6,’13、月刊航空ファン9,’18

　＜Ａ−４Ｐ＞：アルゼンチン空軍攻撃機。A-4Bの改良型で、フェランティ社製D126RISISウェポンサイトを搭載する。初号機は1965年12月31日に初飛行し、マクダネル・ダグラス社タルサ工場とロッキード・エアクラフト・サービスのオンタリオ工場で75機が改造され、1966年10月から引き渡された。フォークランド紛争でかなりの損害を受けている。1999年3月に退役した。参考：世界の傑作機No.3、月刊JWings11,’12

　＜Ａ−４ＰＴＭ＞：マレーシア空軍単座攻撃機で、PTMはPeculiar To Malaysia（マレーシア固有型）の略。1982年にアメリカ海軍中古のA-4L攻撃機63機とA-4C攻撃機25機を購入し、状態の良いA-4L39機とA-4C１機を選定、エアフレームを流用してA-4PTM攻撃機36機（34機？）とTA-4PTM複座攻撃機４機（６機？）に改修した。キャノピー側面を膨らませて視野を改善し、ドラッグシュートを追加、外翼下面にパイロンを装着してAIM-9を搭載できるようにし、アビオニクスを改良してAGM-65を運用可能としている。空中給油受油プローブは直線状のものを装備する。第９飛行隊に配備し、1984-95年に運用した。参考：月刊航空ファン11,’18、世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ｑ＞：アルゼンチン海軍攻撃機で、A-4Bを導入したものである。1971年に16機が引き渡されて空母ベインデシンコ・デ・マヨに搭載された。フォークランド紛争で10機が失われている。1999年3月に退役した。参考：世界の傑作機No.3、月刊JWings11,’12

　＜Ａ−４Ｓ＞：シンガポール空軍攻撃機。A-4Bの改良型で、エンジンをJ65-W-20（推力3.81トン）に換装し、主翼フラップ前方にスポイラーを装着、ドラッグシュートを追加し、空中給油受油プローブは右に曲げられたものを搭載、固定武装をアデン30mm機関砲Mk4（150発）２門に換装し、フェランティ社製リード・コンピューティング・ガンサイトを装備した。また、イギリス製に変更された装備品が多数ある。AGM-12ブルパップ運用能力は無い。初号機は1973年7月14日に初飛行し、ロッキード社オンタリオ工場で８機、シンガポール工場で32機が改修され、10月から引き渡されて２個攻撃飛行隊に配備された。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４ＳＵ＞：シンガポール空軍攻撃機で、別名スーパー・スカイホーク（Super Skyhawk）。A-4Sの改良型で、エンジンをF404ターボファン（A/B無し）に換装し、アビオニクスを近代化している。参考：月刊JWings2,’14

　＜Ａ−４Ｔ＞：フランス海軍のエタンダール攻撃機後継案に応募したもの。シュペル・エタンダールに負けて採用されなかった。参考：世界の傑作機No.3

　＜Ａ−４Ｕ＞：ブラジル海軍攻撃機で、AF-1ファルカンともいう。1997年にクウェートから23機を7000万ドルで購入した。全長12.71m、全幅8.38m、全高4.57m。最大速度1077km。乗員１名。2009年、本型９機と複座型AF-1A３機に対し、セレックス社製レーダーを搭載し、グラスコクピットを採用、エグゾセ空対艦ミサイルやMAA-1空対空ミサイルやダービー空対空ミサイルの運用を可能とする改修を実施している。2015年からAF-1Bへの改修を実施中。参考：月刊軍事研究10,’09、月刊JWings5,’14、12,’11、3,’15、月刊世界の艦船9,’12

　＜ＡＦ−１＞：A-4Uを参照。

　＜ＡＦ−１Ｂ＞：ブラジル海軍攻撃機。A-4Uの改良型で、改修計画はA-4BR計画と称する。エルタ社製EL/M-2032多機能レーダー、データリンク、カラーMFD２基、HOTAS、HUD、機上酸素発生装置、レーダー警報、タカン、レーダー高度計などを追加し、2025年頃まで使用できるようにするもので、2015年5月26日に初号機が納入された。配備しているA-4U９機全機に改修を施す予定。2015年9月にエンブラエルと総額１億ドル強の更なる改修契約を結ぶ予定だったが、予算不足で2017年11月に延期され、額も5000万ドル以内に抑えることになった。2022年4月20日に完納式典が行われたが、改修機数は５機に止まっている。空母の方は2018年に退役済みだが、暫く陸上で運用し、空母再導入の際には艦上機に復帰するかもしれない。参考：月刊航空ファン8,’15、月刊JWings9,’15、7,’22

　＜ＣＡ−４Ｅ＞：カナダ国防軍向けで、1965年に提案されたが、F-5に負けて採用されなかった。エンジンをロールスロイス製スペイに換装したタイプはヨーロッパに提案されたが、これも採用されなかった。参考：世界の傑作機No.3

＜Ａ−４攻撃機・海外ファミリー＞

　＜ＡＦ−１Ａ＞：ブラジル海軍の複座型。クウェートのTA-4KUを購入したものである。2009年、３機に対してA-4Uと同様の改修が施された。参考：月刊JWings12,’11、月刊世界の艦船9,’12

　＜ＡＦ−１Ｃ＞：AF-1AにAF-1Bと同じA-4BR改修計画を適用したもの。AF-1A３機を改修予定だったが、２機に止まっている。参考：月刊JWings9,’15、7,’22

　＜ＣＡ−４Ｆ＞：カナダ国防軍向けCA-4Eの複座型で、案のみ。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＯＡ−４ＡＲ＞：アルゼンチン空軍向けで、アメリカ海兵隊の中古OA-4Mを４機導入してA-4ARと同様の改造を施したものである。参考：月刊JWings2,’14

　＜ＴＡ−４Ｇ＞：オーストラリア海軍向け複座型で、TA-4Fとほぼ同じである。VC-724に２機が配備された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４Ｈ＞：イスラエル空軍向け複座型で、TA-4Fとほぼ同じ。10機が生産され、１機がTA-4Jから改造された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４Ｋ＞：ニュージーランド空軍向け複座型。A-4Kを複座にしたもので、４機が納入された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４ＫＵ＞：クウェート空軍向け複座型。６機が納入された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４ＰＴＭ＞：マレーシア空軍の複座型で、PTMはPeculiar To Malaysia（マレーシア固有型）の略。A-4PTMと同様の改修を施している。４機（６機？）を導入し、訓練飛行隊である第６飛行隊に配備、1984-95年に運用した。参考：月刊航空ファン11,’18、世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４Ｓ＞：シンガポール空軍向け複座型。A-4Bがベースで、一体式キャノピーのストックが無かったためA-4Bのキャノピーを前後に並べて済ませてあり、後席は前席と分離していて一段高い位置にある。前脚ステアリング機構とコクピット装甲板は無い。ロッキード・エアクラフト・サービスで７機が改造され、1973-77年に引き渡された。参考：世界の傑作機No.3

　＜ＴＡ−４ＳＵ＞：シンガポール空軍向け複座型、別名スーパー・スカイホーク（Super Skyhawk）。TA-4SにA-4SUと同じエンジン換装・アビオニクス近代化を行ったものである。参考：月刊JWings2,’14

＜Ａ−４照準器＞：F-86F戦闘機に搭載されているジャイロ式照準器。自動見越し角計算機能、弾道計算機能、AN/APG-30Aレーダー測距・追尾情報表示機能を持つ。照準器本体下部に目標翼幅調整ノブがあり、相手の翼幅（フィート単位）を手動入力する必要がある。照準器本体左にレーダーで測定した目標までの距離を示すアナログ式照準距離計、その下にロックオン灯を持つ。参考：月刊軍事研究8,’12、月刊航空ファン2,’15、1,’15

＜Ａ４水陸両用戦車＞：ヴィッカーズ社が1932年に開発した水陸両用戦車で、フロート無しで浮航できるタイプとしては世界初の戦車である。履帯ガード内部にバルサ材を充填してあり、車体後部に単軸または２軸のスクリューを持つ。武装は機銃１丁で、非装甲である。イギリスでは採用されず、中国国民政府軍、オランダ、タイ、ソ連などが購入した。ソ連ではT37に発展している。参考：月刊戦車マガジン11,’92、歴史群像8,’98

＜Ａ４弾道ミサイル＞：ドイツ国防軍の弾道ミサイル。世界初の弾道ミサイルで、A3ロケットの改良型であり、1942年10月3日の３回目の試射で実験に成功し、新たにV2（Ｖは報復兵器・フェアゲルトゥングスヴァエッフェの頭文字）のコードが与えられた。発射システムは移動式で、ミサイル運搬用トレーラー牽引車、ミサイル運搬用３軸トレーラー、電源車、液体酸素タンク車、アルコール燃料タンク車、部品運搬車、クレーン車、操作要員輸送車、Sd.Kfz.7ベースの発射管制車で構成される。射点に進入してから発射までに掛かる時間は１時間（4-6時間？）。全長12m（14m？）、直径1.65m、発射重量12.8トン（12.417トン？）、弾頭重量0.975トン。推進は液体ロケット１段式（推力25トン）、燃料はエチルアルコール、酸化剤は液体酸素。打ち上げ後はロケットが70秒間燃焼し、機械式ジャイロによる慣性誘導装置からの入力に基づき、ノズル内の操縦小翼（ジェットベーン・噴流舵）を操作して飛翔コースを変更、弾道の頂点（高度97000m）でロケットを停止し、姿勢を変更して目標に向かい自由落下する。射程は当初260kmだったが、順次改良されて314kmに達した。着弾時の速度はマッハ３以上（時速5580km）で、当時は迎撃不可能だった。1943年10月に実験部隊である第444訓練実験中隊、1944年8月に実戦部隊の第485・第836砲兵大隊が編成されている。1944年9月8日に実戦初使用され、パリ郊外のイタリア門近くに着弾、またロンドンにも発射され、郊外に着弾した。1945年3月29日までに約6000発が生産され、3259発（3255発？）が発射された。内訳は、イギリス本土に1403発（うちロンドンに1359発）、ベルギーに1692発（1696発？）、フランスに19発、その他地域に145発（137発？）。169発が事故で失われた。イギリスの死者は2700人、重傷者は6500人。水密コンテナに収容し、Ｕボートで曳航してニューヨークから300kmのところで発射する構想（秘匿名称プリュフシュタント�]�U）もあり、1944年12月からコンテナの試作に入って1945年2月には曳航試験を行ったが、実用化されずに終わった。参考：月刊JWings12,’03、月刊軍事研究6,’07、2,’10、2,’18、歴史群像6,’04、月刊丸4,’07、1,’98、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、ナチスＵボート、Ｕボート入門

＜Ａ４発射大隊＞：当初は液体酸素製造工場と一体化した要塞化発射基地を設ける予定だったが、連合軍の爆撃が激しくなったため、移動式の発射部隊を配備した。１個大隊は本部、通信、技術、燃料、３個発射中隊で編成されており、１個中隊にA-4ミサイル発射機３両が配備されている。1943年中に３個が編成され、後に２個に再編され、1944年春にSS第500砲兵大隊が改編されて３個大隊編成となった。参考：月刊軍事研究6,’07

＜Ａ４発動機＞：三菱重工の試作航空機用エンジン。アームストロング社とプラット＆ホイットニー社のエンジンを参考として昭和6年に開発した。空冷複列星型14気筒ガソリンで、出力800-830馬力。初の自社開発エンジンとしては背伸びしすぎたようで、不具合が多発して軍には採用されなかったが、改良型のA8を完成させ、金星シリーズとして納入した。参考：月刊丸3,’18別冊

＜Ａ４Ｄシリーズ＞：A-4シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ４Ｎ＞：九五式艦上戦闘機を参照。

＜Ａ４Ｒ＞：エアバス社が2022年7月19日に開発を発表した自律型空中給油システム。A3Rシステムよりも自動化を進め、無人航空機システムUASへの空中給油や、UASからの空中給油受油を可能とする。デモンストレーターとしてオート・メイトを開発予定。参考：月刊JWings10,’22

＜Ａ４Ｗ＞：アメリカ海軍ニミッツ級空母に搭載されているウェスティングハウス・エレクトリック社製原子炉。熱出力550MW、軸出力97-104MW（13-14万馬力）。炉心寿命は13年で、80-100万海里を無補給高速航行可能である。参考：月刊軍事研究9,’06、月刊世界の艦船3,’00、10,’14、8,’19

＜Ａ−５＞：SS-6（潜水艦）または強撃５型シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−５シリーズ＞：アメリカ海軍全天候艦上攻撃機、別名ビジランティー（Vigilante、自警団）。A-3攻撃機の後継で、出撃直後から超音速で飛行し、高度45000フィート（13716m）をマッハ２で飛ぶことによりソ連本土の防空網を強行突破する核攻撃機として、1953年11月からNAGPAWという名称でノースアメリカン社が開発し、1956年8月にA3Jという名称が付き、1961年からA3J-1として配備され、1962年9月にA-5A/B/RA-5Cと改称された。各型合計156機が生産され、1979年9月に全機退役した。参考：A-5ビジランティ、世界の軍用機1979、月刊JWings10,’11

　＜ＮＡＧＰＡＷ＞：ノースアメリカン社コロンバス事業部の自主設計型の計画名で、North American General Purpose Attack Weaponの略。1953年11月から検討した。胴体内のエンジン間にトンネル式爆弾倉を装備し、核爆弾と増槽を収容する。主翼は高翼配置のクリップド・デルタ翼で、後退角35度。INSによる完全自動爆撃航法装置を備える。エンジンはウェスティングハウス製J46（A/B時推力2.7トン）双発、最大速度は亜音速。乗員１名。1954年5月に設計案をアメリカ海軍に提示したところ、最大速度をマッハ２に上げるよう要求されたため、NAGPAW�Uに進んだ。ちなみにトンネル式爆弾倉はノースアメリカン社が1955年12月1日に特許を申請、1961年4月4日に特許番号2977853番で特許を取得しており、アメリカ特許庁のネット検索データベースで検索すれば構造から爆弾投下法（トスボミング）まで見られる。参考：月刊JWings2,’22

　＜ＮＡＧＰＡＷ�U＞：ノースアメリカン社計画名で、社内名称NA-233。海軍の要求に応じてNAGPAWをマッハ２級に高速化したもので、エンジンをJ79（A/B時推力7-8トン）に強化し、二次元可変エアインテイクを採用した。乗員２名（操縦士、爆撃航法士）。1955年4月に海軍に提出され、1956年9月にYA3J-1として２機の試作発注が出された。参考：月刊JWings2,’22

　＜ＹＡ−５Ａ＞：試作型で、当初はXA3J-1と呼ばれ、後にYA3J-1と改称され、更にこの名称になった。モックアップの時点では格納庫に収まるよう双垂直尾翼にしていたが、アメリカ海軍の要求で折り畳み式の１枚に変更されている。エンジンはYJ79-GE-2。初号機は1958年5月16日に完成し、8月31日に初飛行した。胴体下面に大型のスピードブレーキを装備していたが、ブロックＢ以降は廃止され、スポイラーとデフレクターで代用することになった。参考：A-5ビジランティ

＜Ａ−５Ａ＞：量産型で、当初はA3J-1という名称だった。主任務は核攻撃で、マッハ２で飛行中でも安全に核爆弾の投下が行えるよう、双発エンジンの排気口の間からキャニスター入りのB27水爆を射出するリニア型爆弾倉を採用した。水爆は機体の重心位置に収容されており、その後方には295ガロン（1116.7リットル）入り燃料タンク２個が置かれていて、投下の際はテイルコーンを切り離して燃料タンクごと水爆を射出、水爆は２個の燃料タンク（後端の折り畳み式フィンで安定する）を付けたまま目標目掛けて落下していく。テイルコーンを投下するので、尾部防御兵装は無い。機体が大型となったため、外翼を上に、垂直尾翼を下に、レドームを上に折り畳んでサイズを全長65.37フィート（20m）、全幅42.00フィート（12.8m）、全高15.50フィート（4.7m）に抑えることにより、ミッドウェイ級の格納庫にも収容できるようにした。フォレスタル級以降ならば垂直尾翼の折り畳みは不要である。機首のレドーム先端にはピトー管があり、レドーム内にはAN/ASB-12レーダーのアンテナを収容、その後ろが前部電子機器室で、その下面にはTVスキャナーが用意されている。コクピットはタンデム複座で、核攻撃に備えて風防熱線遮蔽シールドを持つ。風防は高速飛行時の耐熱性を考慮して無機ガラスにした。前席の下方にあたる機体下面にはレーダー警戒装置アンテナ及びTACANアンテナ、UHF通信アンテナを装備する。後席の下方にあたる機体下面には電波高度計アンテナ、ADFアンテナが搭載された。後席の後方は主電子機器室で、上面にはレーダー警戒装置アンテナとIFF-SIFアンテナがある。その後ろが前部燃料タンク及びサンプ・タンク、更に後ろが爆弾倉である。主電子機器室側面には外部圧縮型可変斜板式二次元エアインテイクがあり、下面にはIFF-SIFアンテナが付いている。エアインテイクの斜板は上下可動式で、斜め衝撃波による吸気の外部圧縮のみならず、斜板に作用する空気流により揚力を生み出す効果もある。エンジンは強力なアフターバーナー付きJ79（1957会計年度発注の先行量産型９機と1959年会計年度発注の14機はJ79-GE-4、1960年度発注の量産型10機及び1961年度発注の34機はJ79-GE-8）を装備した。主翼は肩翼配置でエアインテイク脇から出ており、着艦速度を抑え、合成風力ゼロでも発艦できるようにするため、主翼面積を大きくし、前縁ドループ（３分割）とBLC付き単純フラップ（２分割）を持つ。主翼25%翼弦後退角は37.5度で、内側の前縁ドループ両端及び主翼折り畳み位置後縁にECMアンテナが付く。エルロンは無く、左右３枚ずつのスポイラー（外側の１枚は逆スポイラー）を持つ。翼下には１箇所ずつパイロンを装着できる。主翼前縁付近にあたる機体下面にはECMアンテナがあり、その後ろにカタパルト・フックを持つ。垂直尾翼及び水平尾翼は全遊動式で、アナログ式フライバイワイヤにより制御される。垂直尾翼の高さを抑えるため、双垂直尾翼にする案もあったが、海軍側に蹴られ、折り畳み式の１枚になった。垂直尾翼中央後面にはバディ・タンカー灯と燃料オーバーボード・ベント、上部にTACANと通信アンテナを持つ。テイルコーンの前方にはECMブーム・アンテナ、燃料ダンプ・チューブがある。機体強度は3.5Gの加速度に耐えられる程度とし、軽量化に努めた。停泊中の空母もボイラー１基は必ず動かしておく方針となり、常に蒸気を確保できる原子力空母も完成の目処が立っていたため、A3Dのような緊急発艦用のRATOは装備しない。機首上面左に引き込み式空中給油プローブが用意されており、航続距離の問題は空中給油で解決することにしたが、超音速侵攻について行ける給油機が無かったため、爆弾倉にバディ式給油装備を搭載した給油機型が一緒に飛んでいくことになった。これにより2000海里の航続距離を確保できたため、地中海から出撃してモスクワを攻撃することが可能である。高速を出すため、衝突防止灯、アレスティングフック、ホールドバックなどは全て引き込み式。更に離脱時に速度を稼ぐため、過酸化水素を酸化剤、ジェット燃料を推進剤とする補助ロケットを搭載する予定もあったが、過酸化水素が危険であり海軍側が搭載を認めず、企画倒れになった。最大速度マッハ２。兵装はB27/B28/B43核爆弾１発（爆弾倉内）。翼下パイロンに400ガロン（1514リットル）増槽の搭載が可能。アビオニクスはAN/ASB-12爆撃航法装置、AN/APN-120電波高度計、AN/ASN-26飛行参照装置、AN/ASN-19通信航法識別装置、AN/ASN-56慣性航法装置など。電子戦機器はAN/APR-18パッシブECM装置、AN/AAA-5赤外線探知装置など。試作初号機は1958年5月16日に完成し、8月31日に初飛行した。1961年6月16日から訓練部隊に、1960年度発注機から実戦部隊に配備された。後にPPC6改修でJ79-GE-4エンジン装備機はJ79-GE-8に換装した。参考：A-5ビジランティ、月刊JWings1,’04、10,’11、2,'22、世界の軍用機1979、世界の傑作機No.172

＜Ａ−５Ａ（ＡＦＣ　Ｎｏ.３１改修）＞：ソ連の防空網が強化されたため、低空高速侵入が行えるように改良したタイプで、1962年初めに改良命令が出され、新規生産機だけでなくそれまでの生産機にも改修が実施された。主翼を補強するなどして機体強度を5.5Gに耐えられるまで強化し、全天候下低空侵攻、低中高度水平爆撃、レイダウン爆撃、ポップアップ爆撃、急降下爆撃などを可能としている。B27核爆弾の他、B28/B43核爆弾を爆弾倉に積めるようになり、翼下にはB28/B43/B57核爆弾を１発ずつ搭載できた。通常兵器を搭載する場合は2000ポンド汎用爆弾Mk84を２発しか積めず、運用の柔軟性に欠けることから、核攻撃の主役が潜水艦に移ると共に退役し、A-5B含めて43機がRA-5Cに改造された。参考：A-5ビジランティ

＜Ａ−５Ａ（空中給油機型）＞：超音速で侵攻するA-5Aに同行して空中給油を行う目的で開発された。爆弾倉に295ガロン（1117リットル）入り燃料タンク２個と容量290ガロン（1098リットル）のバディ・タンク、長さ78フィート（23.8m）のホース・リールを装備している。バディシステムは投棄できないため、爆撃任務を兼用することはできない。垂直尾翼後縁中央に給油状況を受油機に伝達する信号灯が装着されており、空中給油時の後方確認には機首下部のTV照準装置を使用する。給油時には亜音速に減速する必要があった。参考：A-5ビジランティ

＜Ａ３Ｊ−Ｐ−２＞：A3J-1先行量産型の１機を改造した実験機で、1962年4月29日に初飛行した。胴体背部にハンプを付けて燃料タンクを500ガロン（1893リットル）分増大させ、翼下パイロンを左右２基ずつにして400ガロン（1514リットル）増槽４本を搭載可能としている。前縁ドループにBLCを装備し、フラップからBLCを外す替わりに幅の広いスロッテッド・フラップに変更、主翼面積を10%増大した。エアインテイクも改良している。参考：A-5ビジランティ

＜Ａ−５Ｂ＞：当初はA3J-2と呼ばれており、1961年度に18機が発注された。A-5Aの能力強化型で、A3J-P-2と同様の改修を施している。開発中にA-5Aの偵察機転用が決まったため、６機のみA-5Bとして製造（残る12機はRA-5Cとして完成）し、偵察装備を搭載、偵察機原型としてテストに使用した。テスト終了後はVAH-3に配備され、YA-5CまたはA-5C(L)の名称で訓練に使われている。参考：A-5ビジランティ、世界の軍用機1979、月刊JWings2,’22

＜ＮＡ−２４７＞：ノースアメリカン社の計画軽爆撃機、別名リタリエイター（Retaliator、報復者）。1950年代末にアメリカ空軍が要求した軽爆撃機計画に応募したもので、A-3の陸上運用型である。参考：月刊JWings2,’22

＜Ａ−５ファミリー＞

　＜ＲＡ−５Ｃ＞：マルチセンサー偵察機型で、当初はA3J-3Pと呼ばれた。社内名称は新規製造がNA-279、既存のA-5A/Bからの改造がNA-269である。初飛行は1963年6月30日。マッハ２の高速を活かした全天候高速戦術偵察機で、RF-8、RF-101、RA-3B、U-2の写真偵察能力と、RB-66の電子情報偵察能力を併せ持ち、地対空ミサイルに弱い高々度偵察の代わりに低高度高速偵察を行える機体として開発された。当時最新の航法装置と側視レーダー、電波発射源探査装置、赤外線捜索スキャナー、ECM、光学カメラなどを装備し、可視光、近赤外線、遠赤外線、電波（パッシブの電子情報偵察及びアクティブの側視レーダー）により、いかなる条件下でも１種類以上の偵察データを取得、統合作戦情報システムの空中プラットホームとして自動情報処理センターの一部を構成するのが主任務である。主翼は全金属製モノコック構造の肩翼配置で、25%翼弦後退角は37.5度、前縁後退角は43度であり、内翼パネル、外翼パネル、オーバーウイングタンクからなる。翼面積は71.4平方メートル（700平方フィート）、翼厚比は3.5%で、外翼はNo.2油圧系統による折り畳みが可能である。横操縦用にスポイラーとデフレクターを持つ。高揚力装置はBLC装置付のドループ前縁と内翼後縁のシングル・スロッテッド・フラップで、前者は３分割されていて中間と外側が50度、内側が28.5度まで下がり、後者も３分割されていてNo.2油圧系統により50度まで下がる。フラップは後ろに延長されて面積が拡大しており、主翼後縁との間に段差が付いた。BLCはドループ前縁が25度以上下がると作動する。内翼下面にはステーションが片翼あたり２箇所ずつ用意されている。内舷ステーションにはフラッシャー・ポッド（パイロン無しに装着できる）、400ガロン（1514リットル）増槽、RCPP-105-1パワーポッドを搭載でき、外舷ステーションには400ガロン（1514リットル）増槽またはAN/ALQ-31ECMを装備可能。増槽及びパワーポッドはMAU-9/Aパイロンを介して搭載され、Mk.2Mod.1カートリッジで投棄できる。A-5Aと同様、主翼前縁及び折り畳み部後縁にECMアンテナが付いており、前者はAN/APR-25(V)とAN/ALQ-41/-51A/-100、後者はAN/ALQ-41/-51A/-100。機首のレドームはコンソール左のスイッチにより上方への折り畳みが可能で、先端にはピトー管が突き出しており、ピトー管の半ばにAN/ALQ-61PECMアンテナが付いている。レドーム内部にはAN/ASB-12レーダー用アンテナが収容されており、左には引き込み式の空中給油プローブを持つ。レドーム直後がAN/ASB-12の電子機器を収めるスペースで、下面にはAN/ASB-12の閉回路TVスキャナーが搭載されていて、画像は前席PDI及び後席レーダー／TV共用スコープに映し出される。コクピットはタンデム配置で、前席にパイロット、後席に偵察攻撃航法士RAN（Reconnaissance Attack Navigator）が座る。キャノピーは前後別々に開閉し、核爆発の閃光を防ぐため後席は金属製で、明かり取りの小窓が付いているのみである。前席は視界確保のため透明だが、引き出し式の熱線遮蔽シールドが取り付けられている。開閉には高圧空気を使用し、最大開角は33度、開閉時間は8-14秒。射出座席はHS-1で、高度0m・速度100ノット弱−500ノットで安全に脱出できる。キャノピーを吹き飛ばす際には3000psiの高圧空気を使用し、RANが射出されてから0.75秒後にパイロットが射出される。前席の下にあたる機首下面右にはLA-219A1ビューファインダーが搭載されており、後下方５度から前下方80度、左右42.5度ずつの画像をRANに提供し、カメラの撮影範囲などを決定する。後席の下にあたる機体下面にはUHFアンテナ、AN/APN-120電波高度計アンテナ、AN/ALQ-41/-51A/-100用アンテナがある。コクピット付近の機体側面にはAN/APR-18及びAN/ALQ-61PECMアンテナを装備する。コクピット後方には電子機器室があり、コクピットと共に与圧及び空調が施され、高度8000-23400フィート（2438-7132m）までは高度8000フィート相当の圧力、それ以上では外気との圧力差5psiを保つようになっている。機首のレーダー、電子機器室、偵察装備の温度は21℃プラスマイナス3.5℃に保たれるようになっており、エンジン始動までの間は外部から冷却空気を供給してやる必要がある。電子機器室上面にはAN/APR-18ECMアンテナ及びIFF/SIFアンテナ、下面にはIFF/SIFアンテナが付く。電子機器室両側あたりにエアインテイクがあり、電子機器室後方は前部燃料タンク（455ガロン・1722リットル）とサンプタンク（450ガロン・1703リットル）になっており、その後方から尾部に掛けては中央が全長28.9フィート（8.8m）のリニア爆弾倉、両側がエンジン室である。爆弾倉内にはカンタンクの搭載が可能。機体上面中央のハンプには210ガロン（795リットル）のトップキャップタンクがあり、機体下面にはAN/ALQ-126DECMアンテナ、引き込み式カタパルト・フック、AN/ALE-29Aチャフ・ディスペンサーが並び、主脚収容部の直ぐ後ろにはAN/AAS-21ディテクターセットがある。エンジン始動には外部電源と外部圧縮空気が必要で、空母搭載時はRCPT-105-31107パワーユニットを使用し、前線基地では左翼内舷ステーションにRCPP-105-1パワーユニットポッドを携行する。主脚はFS.557.0より前方のエンジンナセルに収容される。燃料はJP-5だが、JP-4またはJet A-1も使用でき、非常時にはAVGASでも可であり、胴体内（前部タンク及びサンプタンク945ガロン・3577リットル、後部サドルタンク130ガロン・492リットル）、主翼内（インテグラルタンク及びオーバーウイングタンク1640ガロン・6208リットル）、爆弾倉内カンタンク（295ガロン・1117リットル最大３個）、400ガロン・1514リットル増槽４本に貯蔵され、飛行中は機内タンクが5.5psiに加圧されて蒸発を防ぐ。燃料給油口は胴体左下面に２箇所あり、増槽には個別に重力給油口が用意されている。胴体後部下面にはＶ型アレスティングフック（最大下げ角55度）があり、完全引き込み式となっていて、飛行中の空気抵抗を少なくするよう工夫されている。尾翼は水平・垂直共に全遊動式。垂直尾翼前方には引き込み式の衝突防止灯、サドルタンク（130ガロン・492リットル）がある。垂直尾翼端にはUHF及びAN/ALQ-55アンテナ、後縁中央には尾灯、燃料タンク・ベントマスト、AN/APR-18/-25(V)またはAN/ALR-45(V)ECMアンテナを持つ。テイルコーン左下方に燃料投棄口があるが、A/B使用時は火災の恐れがあるため、緊急時以外の投棄は出来ない。左上方にはAN/ALQ-41/-51A/-100ECMブーム・アンテナを持つ。A-5Aと同じ離脱式テイルコーンを使用しており、ドラッグシュートを装備できなかったことから、着陸の際は前縁ドループ・後縁フラップ・水平尾翼をフルダウンにし、接地後も前輪をなるべく付けずに機首上げを保ち、空気抵抗で減速させる。油圧系統は二重で、縦・横操縦にはフライ・バイ・ワイヤを使用し、バックアップとして機械リンク機構も搭載した。作動油圧は2800-3250psiであり、尾翼、スポイラー、デフレクター、前縁ドループは両系統から3000psiの油圧を供給されている。No.1油圧系統のみを供給されているのは非常用ラムエアタービンを含むNo.1ヨー安定増強装置。No.2のみを供給されているのは脚、後縁フラップ、アレスティングフック、前脚ステアリング装置（左右75度ずつステアする）、ブレーキ、主尾翼折り畳み機構、エアインテイク可変ランプ、スピードブレーキ、縦・横操縦用マスター作動筒、ピッチ安定増強装置、No.2ヨー安定増強装置で、後三者には1500psiを供給している。発電機は容量42KVAの三相交流発電機２基で、直流系統は200A変圧整流器２台を使用してAC115VをDC28Vに変換する。非常電源として胴体左中央に引き込み式のラムエアタービン非常用パワーユニット（容量4KVA、400Hz、115/200V三相交流）が用意されている。胴体下面中央にはカヌー型偵察ポッド（着脱不能の固定式）を追加しており、センサーステーションは胴体内及び胴体下面にSta.1（偵察ポッド最前部）、Sta.2（Sta.1の後方）、Sta.3（Sta.2の後方）、Sta.3A（偵察ポッド最後尾）、Sta.4（Sta.3の後方。モジュールNo.1-3に分かれる）、Sta.5（Sta.4の上方にあたる胴体内）、Sta.6（Sta.5の後方にあたる胴体内）、Sta7（偵察ポッド中央やや後ろ、Sta.4の後方）、Sta.8（偵察ポッド後半部、Sta.7とSta.3Aの間）が用意されていて、光学カメラをSta.1/2/4、PECMをSta.3/3A/6、赤外線センサーをSta.7、側視レーダーをSta.8、電子機器をSta.5に収容する。Sta.9は翼下パイロンのフラッシャー・ポッドで、Sta.2及びSta.4の垂直カメラと連動して夜間撮影時に地上を照明する。Sta.4モジュールNo.2とNo.3は３軸安定化されており、前者は偏流・ピッチ・ロール角プラスマイナス５度ずつ（KS-69の場合は偏流角プラスマイナス３度、ピッチ角プラス１度からマイナス６度、ロール角プラスマイナス４度）、後者は偏流角プラスマイナス10度、ピッチ・ロール角プラスマイナス５度の範囲なら常にカメラを真下に向け続けることが可能である。搭載可能なシリアルフレームカメラはKA-50、KA-51、KA-53、KA-62の４種類で、単体では前方斜め、側方斜め、垂直撮影が可能であり、２台併用（スプリットバーティカル）での高々度高解像度垂直撮影や３台併用（トライファンまたはトライメトロゴン）での撮影域拡大（側方斜めにKA-51を２台使用。垂直撮影のもう１台がKA-51なら撮影域117度、KA-62なら146度、KA-50なら左右水平線まで181.5度）も行える。単焦点カメラが多く、雲の下の低空を高速で突破しながらの撮影を主に行う。夜間撮影の場合はSta.2またはSta.4モジュールNo.3にKA-51またはKA-53を積む（フラッシャー・ポッドの照明範囲の関係で他の２台は使用不可）が、２台同時撮影は出来ない。搭載可能なパノラミックカメラシステムはKS-68とKS-69で、Sta.4モジュールNo.1またはモジュールNo.2に搭載できる。これら精密な光学カメラに誤差を生じさせないよう、液冷装置と曇り止めの空冷装置が装備されており、フライトの６時間前からシステムを冷却しておかないと最大解像力が得られない。ファインダーは偵察航法士席にあり、飛行線、カバレッジ、AN/AYA-1から提供される移動グリッド（偏流角と映像移動補正機能を表示）が映し出される。側方斜め撮影では操縦席風防内側の斜めサイトを使う。赤外線偵察システムはAN/AAS-21で、Sta.7に搭載する。側視レーダーはAN/APD-7で、Sta.8の安定化ジンバル（偏流角プラスマイナス10度、ロール角プラスマイナス５度まで）に搭載する。電子情報収集システムはAN/ALQ-61で、ピトー管、機体前部、偵察ポッド後端Sta.3Aに計16ヵ所のアンテナを持ち、全周方向からの電子情報を記録する。偵察に重要な航法装置はAN/ASB-12爆撃誘導装置を中心としたもので、AN/ASN-26姿勢方位基準装置、AN/APN-120電波高度計（有効高度0-75000フィート・0-22860m）、AN/ASQ-56A/B通信航法識別システムを装備し、情報はAN/AYA-1により記録媒体に書き出される。ECM器材はAN/APR-25Vレーダーホーミング警報装置、AN/APR-27レーダーホーミング警報装置（Ｌバンド用）、AN/ALQ-41レーダージャマー（テイルコーン上部やや左にアンテナを装備）またはAN/ALQ-51AまたはAN/ALQ-100レーダージャマー（主翼パイロン取り付け部前縁とテイルコーン上部やや左にアンテナを装備）、AN/ALQ-55通信ジャマー、AN/ALQ-61電子戦装置、AN/ALR-50、AN/ALE-29Aチャフディスペンサーである。また、主翼内側パイロンにAN/ALQ-31電子妨害ポッドを搭載できる。機体サイズが大きいため、主翼とレドームを折り畳んで格納庫に収容する。フォレスタル級なら格納庫天井高が25フィート（7.62m）なので問題無いが、ミッドウェイ級やエセックス級は天井高が17フィート（5.18m）なので、格納庫に収容する際は垂直尾翼も折り畳んで全高を14.51フィート（4.42m）に抑える。基本的にフォレスタル級以上の大型空母で運用するが、着艦はミッドウェイ級でも問題無く行える。エセックス級対潜空母に緊急着艦した事もあるが、カタパルトが無いために発艦はできず、港に入ってからクレーンで降ろされて陸上基地まで運ばれた。持ち帰った偵察データは空母情報センターで解析され、光学及び赤外線フィルムはコダック・バーサマットEH-38自動現像機（127mm×152mフィルム２本を30分で現像できる）４台で、側視レーダーは相関処理機で処理し、ロゲトロニクMk.�UR-5高速プリンターで印刷する。離陸の際はエンジンをフル・アフターバーナーにし、指示対気速度IAS145ノットで引き起こしを開始、IAS154ノットでエアボーンする。ラダーはIAS60ノットから効き始めるので、地上基地で離着陸する際、その速度以下では前輪のステアリングで方向を維持する。全長23.11m、全幅16.15m、全高5.92m、基本重量39400ポンド（17.9トン）、運用自重40000ポンド（18.5トン。偵察ポッド及び外部装備無し）、離陸総重量31.75トン、最大着艦重量50000ポンド（22.7トン）、最大着陸重量58000ポンド（26.3トン）、最大総重量80000ポンド（36.3トン）。エンジンはGE社製 J79-GE-8双発、巡航速度マッハ0.85、最大速度マッハ2.1、実用上昇限度19500m、航続距離2610海里、戦闘行動半径1040海里。乗員２名。1961年度に12機、1962年度に20機、1963年度に20機、1964年度に３機が発注され、43機がA-5A/Bから改造された。訓練部隊には1963年12月10日から、実戦部隊には1964年1月16日から配備され、ベトナム戦争でA-6A艦攻の侵入路偵察を実施した。最新の器材を満載していたため初期トラブルに悩まされ、ウォームアップに６時間かかるなど偵察スケジュール調整にも難点があったが、ベトナム戦争末期には各種トラブルを解決し、高速偵察任務に就いた。胴体内に十分な燃料を積めるため、基本的に増槽を積まずに出撃している。ただし低高度偵察任務が多かったために損害も続出した。AFC233改修で夜間着艦進入用AN/ASQ-25A及びAN/APS-202レーダービーコンセットを装備。AFC248改修でエンジンをJ79-GE-8Cに換装した。これにより着艦進入時の燃料消費量が増加し、１回当たり300ポンド（0.136トン）余計に消費するようになった。AFC247改修で主翼にNR-316と同様のストレーキを追加。AFC311改修で射出座席をHS-1Aに換装した。AFC302改修でAN/ARA-63アプローチコントロールシステム（ILS型）を装備。AFC328改修でJ79-GE-10エンジンも搭載できるようになった。AFC340改修でAN/APR-27の代わりにAN/ALR-50Vレーダージャマーを、AN/APR-25Vの代わりにAN/ALR-45Vレーダーホーミング警報装置を搭載。AFC350改修で非常用パワーユニットがNo.2油圧系統を使用するモーター・ジェネレータとなり、右ナセルに移動した。また、AN/ALQ-41を撤去してAN/ALQ-126（アンテナをテイルコーン上部中央に装備）を搭載した。参考：A-5ビジランティ、世界の軍用機1979、月刊JWing1,’04、空軍

　＜ＲＡ−５Ｃ（損耗補充）＞：ベトナム戦争での損失を補填するために1968年度予算で発注された36機で、社内名称はNR-316。エンジンをJ79-GE-10（ミリタリー推力5.395トン、A/B時推力8.12トン）に換装し、エアインテイク形状を改修してインテイクリップを直線的なものにし、主翼前縁にストレーキを装着している。運用自重は40900ポンド（18.6トン）に増えた。参考：A-5ビジランティ

＜ＮＲ−３４９＞：ノースアメリカン・ロックウェル社の計画迎撃戦闘機、別名リタリエイター（Retaliator、報復者）。アメリカ空軍が1968年2月に要求したF-106戦闘機後継の改良型有人迎撃機IMI（Improved Manned Interceptor）計画に応募したもので、エンジンを３発にしてピラミッド状に配置し、胴体背部バルジ中央両側にエアインテイクを設け、最大速度マッハ2.5以上を発揮できるようにした。固定武装は無く、AIM-54空対空ミサイルを胴体下面両側に縦列で３発ずつ計６発搭載する。参考：月刊JWings2,’22

＜Ａ５Ｋ＞：BLU-138/B（大型貫徹爆弾）を参照。

＜Ａ５Ｍ＞：九六式艦上戦闘機シリーズを参照。

＜Ａ５Ｍ４−Ｋ＞：二式練習用戦闘機を参照。

＜Ａ−６＞：SS-7（潜水艦）を参照。

＜Ａ−６シリーズ＞：アメリカ海軍全天候艦上攻撃機、別名イントルーダー（Intruder）。戦術核及び通常兵器を使用してLo-Lo-Lo亜音速攻撃をかけるのが主任務である。グラマン社製。1997年2月に退役した。参考：世界の軍用機1982、1979、月刊軍事研究10,’15

　＜Ａ−６Ａ＞：最初の量産型で、1960年4月19日に初飛行した。速度性能は求められていないため、主翼後退角は浅く、機首形状も洗練されていない。捜索レーダー、AN/APG-46火器管制レーダー、デジタル・コンピュータDIANE（デジタル統合攻撃航法装置）、慣性航法装置、ドップラー航法装置、指示装置などを組み合わせ、目標の索敵・攻撃・離脱を完全自動で行える。核兵器炸裂時の閃光から眼を守るため、乗員には閃光防護用ゴーグルが用意されており、風防にはジッパー式の内張、キャノピーにはスライド式の熱／放射線シールドが付く。固定武装は無い。ハードポイントは主翼下２カ所ずつと胴体下１カ所の計５カ所で、兵装搭載量8.165トン。1963年2月1日から引き渡され、ベトナム戦争に参加したが、兵装搭載量の少なさが問題となり、改良が加えられることになった。後に240機がＥ型に改造された。参考：世界の軍用機1982、1979、ザ・マーチ17号、アメリカの核兵器、月刊航空ファン4,’17

　＜Ａ−６Ｂ＞：兵装搭載量を増大させたタイプで、アビオニクスも改良し、AGM-78スタンダード対レーダーミサイルの運用能力を持たせた。A-7が採用されたため、A-6Aから19機が改造されるに止まった。参考：ザ・マーチ17号、世界の軍用機1982、1979、月刊JWings11,’17

　＜Ａ−６Ｃ＞：胴体下面にFLIRと低空飛行用TVカメラを追加して全天候能力を強化したタイプ。A-6Aから12機が改造された。参考：ザ・マーチ17号、世界の軍用機1982、1979

　＜Ａ−６Ｅ＞：レーダーをAN/APQ-148に換装したタイプで、AN/ASQ-132コンピュータによる自動操縦・通信能力を持つ。主翼は中翼配置で、翼面積49.15平方メートル、後退角25度、後縁にフラップ、翼端にエアブレーキがある。コクピットはサイドバイサイドで、左の操縦士席にはHUDとレーダーディスプレイ、右のWSO／航法士席にはレーダーアンテナ指向用の小さなレバーがある。機首には空中給油受油装置が突き出している。全長16.64m、全幅16.15m、全高4.93m／4.95m（主翼折り畳み時）、自重11.625トン、総重量19.5トン、最大発艦重量26.585トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J52-P-8A（推力4.218トン）双発、巡航速度419ノット、最大速度マッハ0.86、実用上昇限度13595m、燃料搭載量9100リットル＋1135リットル増槽５本、航続距離1670海里（AGM-12ブルパップ４発搭載）／2650海里（AGM-12ブルパップ１発＋増槽４本）／963海里（最大兵装搭載・Lo-Lo-Lo・戦場20分滞空）。固定武装は無く、５カ所のハードポイントにAGM-84ハープーン空対艦ミサイル、AGM-123A、爆弾（500ポンド爆弾なら30発）など8.165トンを搭載できる。B-28/-43/-57/-61核爆弾なら３発積める。自衛用にAIM-9空対空ミサイルを装備可能。AGM-45シュライク対レーダーミサイルを限定的だが運用でき、一部にはAGM-78スタンダードARM運用能力もあった。乗員２名。1970年2月27日に初飛行し、1972年12月からアメリカ海軍に318機（うち119機がA-6Aからの改造）が配備された。1978年度の単価は1487万ドル。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究2,’03、図解現代の航空戦、世界の軍用機1982、1979、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、ザ・マーチ17号、空軍

　＜Ａ−６Ｅ　ＴＲＡＭ＞：TRAMはTarget Regognition Attack Multisensor（目標識別攻撃マルチセンサー）の略。レーダー、赤外線、レーザーによる探知データを組み合わせたAN/AAS-33TRAM照準装置を機首下面に装備するタイプで、1974年10月22日に初飛行した。コクピット右の爆撃航法士がAN/APQ-148のPPIスコープ（左右20-110度の平面表示）を覗きながら航法を行い目標に接近、攻撃位置に付いたら左右30-60度の立体斜め表示Ｂスキャンモードに切り換えて操縦士を補佐し、目標に近接したらTRAM照準装置を使う。精度は非常に高く、1986年4月のリビア爆撃エルドラド・キャニオン作戦では12機が500ポンド無誘導爆弾72発を投下し、70発を命中させた。全長16.69m、全幅16.15m、全高4.93m、自重12.132トン、最大発艦重量26.58トン、最大離陸重量27.397トン。エンジンはJ52-P-8B（静止推力4.218トン）双発、最大速度560ノット、戦闘上昇限度12925m、燃料容量8872リットル（機内）＋1514リットル増槽５個、フェリー航続距離2818海里。兵装搭載量8.165トン。乗員２名。1979年からVMA(AW)-121を皮切りに運用された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、ザ・マーチ17号、月刊航空ファン4,’17

　＜Ａ−６Ｅ　ＳＷＩＰ＞：SWIPはシステム兵器統合計画の略で、ブロック�Tともいう。最終生産型33機で、AGM-65F、AGM-84、AGM-88の運用能力を持つ。うち20機には主翼を複合材にする改修も行われ、1990年から運用された。既存の機体にも順次同様の改修が施されている。参考：月刊軍事研究2,’03、月刊丸12,’92

　＜Ａ−６Ｅブロック�TＡ＞：A-6E SWIPのアビオニクス改良型。参考：月刊丸12,’92

　＜Ａ−６Ｆ＞：A-6Eの後継となる改良型で、1986年6月に計画され、9月に海軍の要求が固まって開発が始まり、1987年8月26日に初飛行した。主翼を複合材製に換装し、ハードポイントを２カ所追加、エンジンをGE製F404（アフターバーナー無し）に変更し、APUを搭載、アビオニクスを強化して夜間攻撃能力を高めている。計器板はカラーCRT２基とモノクロCRT３基によりグラスコクピット化されており、NVG対応である。左エンジン吸気ポートに搭載したFLIRの映像をHUDに映写することが可能。レーダーはAN/APQ-177に換装し、TRAMにはレーザー測距追尾装置を追加した。重量増に合わせ、降着装置も強化している。機体重量19.051トン。150機を調達して1990年1月から配備する予定だったが、F-14DとF/A-18Dナイトアタックの開発に予算を奪われ計画中止となり、A-12の開発に移ったがこれも完成せず、F/A-18E/Fが後継になった。参考：ザ・マーチ17号、月刊航空ファン4,’17

＜Ａ−６ファミリー＞

　＜ＥＡ−６Ａ＞：アメリカ海兵隊電子戦機、別名エレクトリック・イントルーダー。EF-10Bの後継で、海兵隊の要求に基づいて1962年3月から開発され、当初はA2F-1Qと呼ばれた。A-6Aの機内に電子戦装備を搭載し、AN/ALQ-53ECM偵察システムとAN/ALQ-76ジャマーをポッド式に外装、垂直尾翼上にアンテナ群を収容したフィンチップ・ポッドを設けている。アメリカ海兵隊に27機が配備された。1966年10月（1965年12月？）の配備当初はAN/ALQ-53/-76共にトラブルが続出し、AN/ALQ-53の代わりにAN/ALQ-86を搭載してECM能力を安定させたのは1967年11月末、完成版AN/ALQ-76が納入されたのは1968年に入ってからになった。1966年からベトナム戦争に参加はしていたが、真価を発揮したのは1972年5月のラインバッカー�T作戦に投入されてからである。参考：月刊軍事研究8,’99、7,’99、空軍、月刊世界の艦船10,’22

　＜ＥＡ−６Ｂ＞：アメリカ海軍・海兵隊電子戦機、別名プラウラー（Prowler）。ベトナム戦争でのEA-6Aの活躍を受けて計画された本格的な電子戦機型である。EAK-3Bの後継だが、EA-6A自体は能力不足だったので、1965年から開発され、1968年にEA-6A改造の原型機３機が完成し、1968年5月25日に初飛行、EA-3Bの後継として採用された。乗員２名では複雑高度な電子戦に対応できないことから、A-6の機体をコクピット部分で1.37m延長し、乗員席を２つ増設して２×２の４名乗りとしており、前席左にパイロット、他の３席にECMオペレーター（ECMO）が座る。重量増加に伴い、主翼は再設計され、前脚も強化された。電子戦システムの中核はAN/ALQ-99戦術妨害システムTJSで、敵の照射電波周波数を自動的に探知・判定し、主翼下に搭載したECMポッド（前端に発電用風車付き。通常３基搭載、最大５基）により妨害を行う。機首にはAN/APS-130捜索・航法レーダーを搭載し、攻撃モードの代わりに地形マッピングモードを持つ。垂直尾翼上端にはフットボールと呼ばれるアンテナフェアリング（EA-6Aよりも大きい）があり、AN/ALQ-99を構成するシステム統合受信機が納められる。また、垂直尾翼側面にはAN/ALQ-99受信アンテナ（細長く背の低いフェアリング）が片側２本ずつ設けられている。他にAN/ALQ-100多帯域トラックブレーカー、AN/ALQ-92通信ジャミング装置、AN/APR-27レーダーホーミング警報、AN/APR-42ESM、AN/ALE-29チャフディスペンサーを搭載。乗員を強力な電波放射から守るため、コクピットの窓には電波遮蔽の金属コーティングが施されている。全長18.24m、全幅16.15m、全高4.95m、自重15.686トン（14.59トン？）、通常作戦重量23.13トン、通常離陸重量26.535トン、最大離陸重量29.484トン。翼面積49.2平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製J52-P-408（推力4.72トン。5.08トン？）双発、巡航速度825km、最大速度982km（ECMポッド５基）／マッハ0.79（1088km。クリーン）、実用上昇限度11580m（12550m？）、フェリー航続距離3980km（3250km？）。乗員４名。量産型は1971年1月から海軍に配備され、ベトナム戦争で実戦初参加、1991年7月に最終183号機が海軍・海兵隊に引き渡された。海軍ではEA-18Gに後を譲って2015年6月27日に退役した。海兵隊では後継機が無いので引き続き運用され、2019年3月8日に退役した。その後はAN/ALQ-231電子戦ポッドで済ませる予定。参考：世界の軍用機1979、1982、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWing11,’03、11,’14、9,’15、5,’19、月刊軍事研究8,’99、8,'16、月刊世界の艦船4,’04増刊、10,'22、月刊航空ファン5,’11、1,’15、7,’99

　＜ＥＡ−６Ｂ標準型（ＢＡＳＣＡＰ）＞：初期型で、BASCAPはグラマン社の非公式名称である。ECMO1が航法とシステム統括、ECMO2がシステムセットアップ、ECMO3がジャミングを担当する。参考：月刊軍事研究8,’99

　＜ＥＡ−６Ｂ周波数帯域拡張型（ＥＸＣＡＰ）＞：AN/ALQ-99Aを搭載したタイプで、1973-74年度に調達された。ソフトウェアも改良され、複数目標への同時対処能力を持つ。参考：月刊軍事研究8,’99

　＜ＥＡ−６Ｂ能力向上型（ＩＣＡＰ）＞：AN/ALQ-99Dを搭載したタイプで、1975年度（22号機）から85年度まで生産され、以前のバージョンも改修された。ディスプレイがデジタル化され、ECMOの状況把握が容易となった。また、ECMOの作業分担が見直され、ECMO-1は通信、航法、通信妨害、-2/-3はAN/ALQ-99Dの操作を行うようになった。AN/ALQ-126DECM（防御用電子妨害装置）が搭載され、垂直尾翼のテイルフェアリング後端と空中給油受油プローブ付け根にアンテナ（通称ビアーカン・フェアリング）を持つ。1983年時点での価格は１機あたり5780万ドル。参考：月刊軍事研究8,’99、スパイ機

　＜ＥＡ−６Ｂ二次能力向上型（ＩＣＡＰ�U）＞：AN/ALQ-99Fを搭載し、機上コンピュータをAN/AYA-14（通称ヤック14）にグレードアップ、EA-6B相互のデータリンクを新設したもので、1984年から12機が生産された。ブロック82からはAGM-88HARMを搭載できるようになり、AN/ALQ-99F２基とAGM-88HARM２発を装備してのSEAD任務が可能となった。HARMの目標捜索から発射タイミングの調整まではECMOが行い、パイロットはECMOの指示でトリガーを引くだけである。このタイプは23機が生産された。また、ブロック86からはアビオニクスの改修も受けており、37機が生産された。EF-111A退役に伴い、空軍でも使用されている。参考：月刊軍事研究8,’99、月刊丸12,’92、月刊航空ファン5,’11

　＜ＥＡ−６Ｂ三次能力向上型（ＩＣＡＰ�V）＞：AN/ALQ-218受信システムを搭載したタイプで、2001年11月16日に試験機が初飛行し、量産初号機は2005年3月15日に引き渡された。2007年、AN/AAQ-28ライトニング目標指示ポッドの搭載改修（左翼パイロンに搭載。コクピットのディスプレイも改良）が海兵隊装備の12機に行われ、4月以降６機がイラクに派遣された。2011年から海兵隊機に南西艦隊即応センター製新型ラダーを搭載する改修が行われている。参考：月刊航空ファン6,’02、6,’11、月刊JWings8,’05、4,’07

＜ＫＡ−６Ｄ＞：空母航空団用空中給油機型。A-6Aのレーダーを外して後部胴体下面にサージャント・フレッチャー社製FR400ホース・ドローグ・ユニット（送油能力毎分400ガロン・1514リットル）を装着しており、パイロンには常に増槽を満載する。胴体中心線下パイロンにD-704バディ・ポッドを追加搭載することもできるが、同時に給油できるのは１機のみである。識別のため、後部胴体にラインを入れている。爆撃や救難作業指揮にも使用可能。62機が改造された。参考：ザ・マーチ17号、月刊丸6,’01、世界の軍用機1979、月刊JWings5,’07、11,’17、月刊軍事研究11,’15

＜Ａ６中戦車シリーズ＞：イギリス陸軍の中戦車で、重量が16トンなのでヴィッカーズ16トン戦車とも呼ばれている。1926年に1km先の敵戦車を撃破できる戦車として要求が出され、インディペンデント重戦車の簡易版（砲塔１基と銃塔２基を搭載）として1927年に試作車２両が完成した。プラン1919に必要な快速中戦車として1930年代を通じて試験されたが、予算不足などもあって結局採用はされず、試作車３両と量産車３両のみが作られた。参考：月刊グランドパワー7,’02、11,’12、歴史群像10,’08、ウォーマシン・レポートNo.11

　＜Ａ６Ｅ１＞：機関室を車体後部に位置させ、操縦室左右に副砲塔を置き、前面に火力を集中させた。主砲塔上面に２基の視察装置を持つ。全長6.55m、全幅2.69m、全高2.95m、重量16トン。武装は主砲塔の47mm速射砲１門と.303ヴィッカーズ水冷重機関銃１丁、副砲塔の.303ヴィッカーズ水冷重機関銃２丁ずつ（並列連装）。装甲厚14mm（重機関銃弾抗堪）。エンジンはアームストロング・シドレー製空冷Ｖ型８気筒ガソリン（180馬力）、トランスミッションはアームストロング・シドレー製４速、路上最大速度40km。乗員７名。参考：月刊グランドパワー7,’02、歴史群像10,’08

　＜Ａ６Ｅ２＞：E1のトランスミッションをスイスのウィンターザール／SLM社製に換えたもの。参考：月刊グランドパワー7,’02

　＜Ａ６Ｅ３＞：1928年に登場したタイプで、別名Mk�V中戦車。副砲塔の機銃を１丁に減らして操作性を改善、主砲塔上面の視察装置を車長用の１基のみに減らし、砲塔後部にバスルを設けて無線機を搭載した。砲塔上面に鉢巻きアンテナを装備した指揮戦車型も作られている。参考：月刊グランドパワー7,’02、月刊PANZER3,’12

＜Ａ０６Ａ０７８８−１２＞：自衛隊の電子管。島津製作所製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜Ａ−６Ｅ誤射事故＞：海上自衛隊DD-153ゆうぎりがリムパック96でアメリカ海軍A-6E艦上攻撃機を誤射して撃墜したもの。1996年6月4日（現地時間）、ハワイの西1340海里でDD-153ゆうぎり、DDH-142ひえい、DD-991ファイフがファランクスCIWSの射撃訓練を実施していた。CV-41ミッドウェイを発艦し、標的を曳航したA-6Eがゆうぎりに接近。ゆうぎりは曳航標的に対して２回のロックオン訓練を実施した後、1612に実射を行った。この時A-6Eは高度210m・速度340ノットでゆうぎりに接近しており、5.5km後方に標的を曳航していた。CIWSはマニュアル・モードに設定され、本来ならばA-6Eが艦の直上を通過した後にA-6Eが「直上通過」を連絡、それを受けてCIWSを起動し、標的を撃つ筈が、レーダーを見ていた砲雷長は間も無く通過するだろうという見込みでCIWSを起動、他の幹部もミスに気付かず、A-6Eそのものを射撃して撃墜してしまった。乗員２名は射出座席で脱出し、10分後にゆうぎりの内火艇に救出され、軽傷のみで済んだ。参考：月刊世界の艦船9,’96、世紀の失敗物語

＜Ａ６Ｍ＞：零式艦上戦闘機シリーズを参照。

＜Ａ６Ｍ２−Ｋ＞：零式練習用戦闘機一一型を参照。

＜Ａ６Ｍ２−Ｎ＞：二式水上戦闘機を参照。

＜Ａ６Ｍ５−Ｋ＞：零式練習用戦闘機二二型を参照。

＜Ａ−７＞：SS-8（潜水艦）を参照。

＜Ａ−７グライダー＞：ソ連軍の軍用小型輸送グライダー。1941年7月7日にソ連共産党中央委員会が侵攻用グライダーの製作を決めたのを受け、ヤコブレフ設計局のアントノフ技師が1939年のグライダーコンペで入賞したRF-7の拡大改良案であるRF-8を提出、1941年9月2-18日にテストが行われ、改良の後に量産化が決定し、1944年までに400機が生産された。機体は全木製合板張り、主翼は片持ち式で高翼配置。全長10.54m（11.5m？）、全幅18m（19m？）、全高1.53m、全備重量1760kg（1100kg？）。最大曳航速度200km、滑空比16。乗員１名＋輸送人員６名。DB-3FまたはSB爆撃機で曳航する。独ソ戦で戦線後方への工作員浸透やパルチザンへの物資投入などに利用された。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸4,’99

＜Ａ−７攻撃機シリーズ＞：アメリカ海軍艦上攻撃機／アメリカ空軍攻撃機、別名コルセア�U（Corsair。キリスト教国の船を襲った海賊）、空軍（海軍も？）通称はスラフ（SLUF。Short Little Ugly, uh… Fella、醜いチビ介だけど、まあ…良い奴の略）。A-4スカイホークの後継となる固定翼軽量攻撃機VALとして1962年からアメリカ海軍で研究され、1963年に基本要求が提示され、開発期間18ヵ月で1967年までに配備するという項目を満たすためノースアメリカン社がAF-1E、グラマン社がA-6、ダグラス社がA-4、LTV社がF-8をベースにそれぞれ改造する案を出し、LTV社のものが1964年3月に採用され、初号機は1965年8月13日にロールアウト、9月27日に初飛行し、1966年から配備された。2014年10月17日にギリシャ空軍運用機が退役し、全ての機体が退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン1,’15、6,’18

　＜Ａ−７Ａ＞：試作機３機及び最初の量産機196機。胴体はF-8クルセイダー艦上戦闘機のものを2.7m短縮して用いており、全金属製セミモノコック構造。大部分はアルミニウム合金だが、機関砲口前方はステンレス、レドームはFRP製である。胴体下面の３分の１、スタビレータ・ラダー操作アクチュエーター、コクピット周囲には防弾鋼板（総重量195kg）が使用され、対空砲火からの防御が考慮されている。機体各所にアクセスパネルを設け、整備必要部の90%以上を立ったまま作業できるようにした。機首先端のレドームは非常に短く、内部にはAN/APQ-116前方捜索レーダーを搭載。エアインテイクはレドーム直後の機首下面にあり、運用速度域に合わせてF-8のものからは改設計を施された。レドーム直後の機首上部に与圧式単座コクピットがある。コクピットが機首に近いため、着艦の機首上げ時でも前下方視界は良好。計器板には左に飛行計器、中央に姿勢方向指示器・水平姿勢表示器、右にレーダースコープ・地図投影スコープが配置された。座席はダグラス社製エスカパック�TG2ゼロゼロ射出座席で、座席上端のＵリングまたは座席上中央前端のＤリングを引くと射出されるが、Ｕリングを引く時には腕をコクピット内壁に擦らないよう交差させる必要がある。パイロット用に10リットル入り液体酸素ボンベが用意されており、非常用ボンベ（使用時間8-10分）も搭載されている。風防・キャノピーは防弾ガラス製。コクピット下方右に航法装置、左にFCS電子装置が収められており、コクピット右に引き込み式空中給油受油プローブがある。コクピットの真下は前脚室で、前脚はダブルタイヤの後方引き込み式、ステアリング角は左右61度ずつ。またカタパルト射出用にカタパルト・ランチバーが、着艦時の姿勢確認用にアプローチランプが装着されている。前脚室後方左右にAN/APN-141のアンテナが装備された。スピードブレーキは前脚室と主脚室の間に設けられており、最大60度まで下げられる。主脚は支柱３本で支えられており、前方引き込み式。コクピット後方の胴体内部にはゴム袋にポリウレタンフォームを内張りした燃料タンク（865ガロン・3274リットルの前方タンク２基、73ガロン・276リットルの中央タンク２基、310ガロン・1173リットルの後方タンク１基、76ガロン・288リットルの主脚収容室前方集合タンク１基）があり、後方タンク下面と集合タンクは自動防漏式である。後部胴体下面にはアレスティングフックが装着され、油圧で上下する。主翼はアルミニウム合金製で、兵装搭載が容易な高翼配置をとっており、５度の下反角を持つ。主翼後退角は35度とF-8（42度）よりもやや浅く、ドッグツースがあり、その部分で内側に折り畳める。内翼内部はインテグラルタンクになっており、容量は720ガロン（2726リットル）ずつ。前縁には主翼全幅にわたるフラップ（最大下げ角35度で、飛行中は７度下げ固定、着陸時は27度下げ）、内翼後縁に隙間フラップ（最大下げ角40度）、外翼後縁にエルロン（フラッペロンではない。最大上下角24.5度ずつ）があり、後縁フラップの前方にはスポイラー（最大作動角60度。エルロンが2.5度以上作動すると自動的に連動する）を装備する。このスポイラーはスポイラー・スロッテッド・デフレクターで、デフレクターの作動角は最大30度。前後のフラップにより十分な低速性能を得たため、可変取り付け角機構は外された。垂直尾翼は胴体と一体成型で、その一部とラダーにマグネシウム合金が使用されている。後退角は44.28度で、ラダー作動角は脚上げ時６度ずつ、脚下げ時24.5度ずつ。垂直尾翼付け根後縁にAN/APS-107レーダー警報装置を備えた機体もあった。水平尾翼は前縁にチタンが使用され、後退角45度、上反角5.25度。作動角は下げ角6.75度・上げ角24.5度で、左右連動するが、反対に動かして横操縦補助に使用することは出来ない。エンジンはF-111用エンジンからアフターバーナーを外したTF30-P-6（推力5.108トン）で、ラダー下方の部品を取り外せばエンジンを後方に引っ張り出して取り外すことができ、これにかかる時間は30分。始動機は装備されておらず、機体外部のエアタービン始動機でエンジンを始動させる。カタパルト発艦時に蒸気を吸入してコンプレッサー・ストールを起こすことがあるのが欠点。油圧系統は二重だが、配管に問題があり、油漏れをしばしば起こした。胴体下面には畳み込み式のダイブブレーキが付いている。APUは搭載されていないが、コクピット後方の胴体右側面下方にラムエアタービンがあり、非常時にファンが突出して風圧で発電する。搭載電子器材はAN/APN-141ドップラーレーダー・電波高度計、AN/APQ-116方位参照セット、AN/ASN-41（51？）航空航法コンピュータ、CP-741兵装管制コンピュータ、AN/ASN-50姿勢表示装置、AN/ARC-51UHF無線機、AN/ARA-50ADF、AN/ARR-69予備UHF無線機、AN/ARN-52TACAN、AN/APN-154レーダービーコン、AN/APX-64敵味方識別装置、AN/ASW-25データリンク、AN/ARW-77ブルパップ用誘導装置、AN/APS-107レーダー警報装置など。固定武装は、エアインテイク左右に１門ずつのコルト20mm機関砲Mk12で、680発入り弾倉（ベルトリンク給弾）はコクピット後上部に配置された。主翼付け根すぐ下の胴体側面には容量0.27トンのハードポイントがあり、AIM-9サイドワインダー空対空ミサイル用ランチャーが１基ずつ装着されている。主翼下のハードポイントは左右３つずつで、最も内側が1.125トン、外側２カ所は1.575トンで搭載できる。原型機にはレドーム先端に計測ブームが装着された。1967年初めまでに生産を終了した。後にAFC-111改修でコクピットにサーマル・シールドが追加された。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊世界の艦船6,’24

　＜Ａ−７Ｂ＞：改良型で、当初は電子装備を強化する予定だったが、予算が足りなかったので小改良に止めた。エンジンをTF30-P-8（推力5.49トン）に換装し、発艦時のコンプレッサー・ストールが起こりにくくなった。フラップも新型にしている。垂直尾翼下縁後端のECMアンテナが付いていないものもあるが、付いているものもあり、Ａ型でも付いたり付いてなかったりするので、これだけでは区別できない。1969年5月までに196機が生産された。ベトナム戦争に参加し、戦闘で11機、事故で12機が失われた。24機は後にTA-7C練習機に改造された。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊世界の艦船6,’24

　＜Ａ−７Ｃ＞：A-7E規格の最初の67機で、エンジンがＢ型と同じTF30-P-8のままになっている。コクピットにAN/AVQ-7ヘッドアップディスプレイを搭載し、前方捜索レーダーをAN/APN-126に換え、ドップラーレーダーをAN/APN-190に変更（電波高度計はAN/APN-141のまま）した。前脚室後方にAN/APN-190のフェアリングを追加、尾翼上部のUHF無線機・IFFアンテナフェアリングを延長してAN/APR-25レーダー警戒受信機のアンテナも収容している。航法コンピュータは兵装管制コンピュータと一体化したAN/ASN-91に、UHF無線機はAN/ARC-51Aに換装し、AN/ASN-90慣性航法装置、FM-622VHF無線機、AN/ARN-58A ILSを追加した。データリンクは搭載されていない。固定武装は機首左のM61A1バルカン砲１門（リンクレスのため装弾数が1000発に増えた）に換え、射出座席をエスカパック�TG3とした。油圧が三重系統になり、配管を改良して油漏れも改善した。主脚後方のフェアリングには爆撃損害評価用KB-18Aストライクカメラ２基を収容する。後にAN/AAR-45FLIRポッドの搭載改修が行われ、HUDがそれに対応したAN/AVQ-7B(V)になった。67機が生産された。ベトナム戦争に参加し、タンホア鉄橋をウォールアイで破壊した。後に36機がTA-7C練習機に改造された。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜Ａ−７Ｄ＞：空軍がベトナム戦争用戦術支援機として1965年10月に制式採用したもので、1966年11月5日に発注した。基本的に戦術航空支援任務に就くため、核攻撃は行わず、核兵器制御モニター装置も搭載していない。A-7Aがベースで、カタパルトが使えない分を補うためにエンジンをロールスロイス社製スペイRB-168-62のライセンス生産型であるTF41-A-1に強化、AN/ANS-91(V)航法兵装投下コンピュータセットを中心とする兵装システムを搭載し、AN/AVQ-7(V)HUDを装備した。ちなみにHUDを装備したのはアメリカ軍機ではこれが最初。防御装甲を41kgから150kgに増やし、燃料タンクを全面的にセルフシーリング・耐火構造とした。これに伴い、機内燃料搭載量が5677リットルから5394リットルに減っている。電子装備はA-7Cと基本的に同じだが、VHF無線機、ADF、予備UHF無線機、ILSは装備しておらず、AN/ASW-25Aデータリンクを追加した。エンジン始動用としてSTU-26/Aガスタービンがエンジンのギアボックスに搭載されている。また、野戦基地でも使用できるよう、APUを追加装備してある。ドップラーレーダーもAN/APN-190に換装したため、前脚室後方にフェアリングを追加しており、垂直尾翼上端のフェアリング内にAN/APR-36レーダー警報装置のアンテナを内蔵した。射出座席はエスカパック�TC2になり、油圧系統はA-7Cと同様に改良している。前脚のカタパルト・ランチバーとアプローチランプは外し、タキシー灯を追加した。固定武装もM61A1バルカン砲１基に変更している。主翼下には左右計６カ所のハードポイントがあり、容量は外側２カ所ずつが1.587トン、内側１カ所ずつが1.134トン。胴体両側面ハードポイントは容量0.227トンで、AIM-9サイドワインダーを搭載する。全長14.06m、全幅11.80m、全高4.90m、自重8.668トン、最大離陸重量19.05トン。エンジンはアリソンTF41-A-1（後期型はTF41-A-2、推力6.8トン）単発、最大速度600ノット、燃料容量5393リットル（機内）＋1130リットル増槽４基、フェリー航続距離1981海里（機内燃料のみ）／2485海里（増槽４基）。戦闘行動半径310海里（340kg爆弾10発搭載Lo-Lo-Lo）／540海里（340kg爆弾６発＋増槽２本搭載Hi-Lo-Hi）／450海里（同Lo-Lo-Lo）。固定武装はM61A1バルカン砲１基（1000発）。最大兵装搭載量6.8トン。乗員１名。初号機はTF30エンジンを搭載して1968年4月6日に初飛行、TF41エンジンを搭載した機体は7月26日に初飛行し、1968年12月23日から量産機が引き渡され、1976年12月までに原型機５機、量産機454機が生産された。当初は空中給油受油装置がプローブ＆ドローグ方式だったが、生産17号機（27号機？）以降はフライングブーム式とし、コクピット後方の胴体背面左に装備した。1970年5月15日から実戦部隊に配備され、ベトナム戦争に参加、６個飛行隊で計12928ソーティをこなし、損失は６機のみだった。1977年には350機にAN/AAS-35(V)ペイブペニーが装備され、HUDもそれに対応したAN/AVQ-29に換装された。A-10Aの配備に伴い1978年から州空軍に移管され、1990年代初めには州空軍でもF-16と交替して全機退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、世界の軍用機1979、アメリカの核兵器、空軍

　＜Ａ−７Ｄプラス＞：YA-7Fを参照。

　＜Ａ−７Ｅ＞：A-7Dをベースにした海軍改良型で、最初の67機はエンジンをTF41-A-2に換装していないのでA-7Cと呼ばれ、68号機からこの名称が付いた。1969年3月9日に初飛行、ベトナム戦争にも参加した。AGM-45シュライクとAGM-88HARMの運用能力も持っている。1978年9月15日には全天候能力を持たせるためにAN/AAR-45FLIRポッド搭載能力を生産当初から付加されるようになり、HUDもこれに対応したAN/AVQ-7Bとされ、これは残存機にも追加された。また、AFC-111改修により、核兵器炸裂時の閃光からパイロットを守るサーマル・シールドが導入された。全長14.06m、全幅11.8m／7.24m（主翼折り畳み時）、全高4.9m、自重8.32トン、最大離陸重量19.05トン。エンジンはアリソンTF41-A-2（推力6.8トン）単発、巡航速度マッハ0.82、最大速度マッハ0.97、航続距離2420海里。固定武装はM61A1バルカン砲１門（1280発）。サイドワインダー２発及び爆弾類6.8トンを搭載できる。B-28/-43/-57/-61核爆弾なら４発を搭載可能。1981年5月までに535機（Ｃ型除く）が生産された。1977年度の単価は767万ドル。1987年からF/A-18との交替が始まったが、グレナダ侵攻、リビア攻撃、湾岸戦争（CV-67が搭載）に参加した。1994年11月までに全機退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、世界の軍用機1979、月刊軍事研究2,’03、月刊世界の艦船5,’91、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜Ａ−７Ｇ＞：スイス空軍向けで、DH112ベノムの後継として提案された。A-7DのエンジンをTF41-A-3（推力7.65トン）に換装し、ドップラーレーダーやLORANを外し、翼下パイロンを片側２基に減らし、電子装備を変更、空中給油受油装置を廃止した。２機が改造されてテストされ、内定までいったものの政治的配慮から取り消され、F-5Eが導入された。参考：月刊エアワールド8,’05、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ａ−７Ｈ＞：ギリシャ空軍向けで、F-84Fの後継として採用された。新造のA-7EのエンジンをTF41-A-400（推力6.8トン）に換装し、海軍装備と空中給油装備を外してある。1975-77年に60機を導入した。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜Ａ−７Ｐ＞：ポルトガル空軍向け。A-7AのエンジンをTF30-P-408に換え、電子装備をA-7E相当にグレードアップ、HUDを搭載した。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＹＡ−７Ｆ＞：A-10Aが能力不足を疑われたため、CAS/BAI機として提案されたもの。A-7Dから改造され、初めはA-7DプラスまたはA-7DERと呼ばれていた。胴体を1.5mほど延長してGAU-8/A機関砲を搭載、エンジンをF100-PW-220に換装し、主翼付け根にLEXを装着、フラップ面積を拡大すると共に尾翼を上方に延長し、低空を超音速で飛行しつつ対地攻撃をかける予定だった。離着陸時に尾部を擦らないよう、機軸線が３度上向きになっている。HUDも新型に換装し、HOTASを導入した。1989年11月29日に初飛行し、２度目の飛行で超音速に達したが、A-10Aに負けて採用されなかった。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ａ−７ファミリー＞

　＜Ａ−７Ｋ＞：アメリカ空軍の複座練習機。A-7Dベースで、当初はTA-7Dと呼ばれた。TA-7Cと同様に主翼前後にプラグを入れて胴体を延長し、後席を設け、胴体背面中央に空中給油受油装置を移している。生産当初からAN/AAS-35ペイブペニーを装備可能とした。HUDはAN/AVQ-29。1979年から30機が新規生産され、１機がA-7Dから改造された。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＥＡ−７Ｌ＞：電子戦訓練用仮想敵機。主翼パイロンにAN/ALQ-70ジャミングポッドやAN/ALQ-167多目的地域環境エミッターを搭載して敵機やミサイルを電子的に演じる。TA-7Cから８機が改造されて1983年3月から配備され、1994年11月17日に退役した。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＧＡ−７Ｄ＞：地上訓練機。A-7Dがベースである。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＫＡ−７Ｆ＞：空中給油機。主翼下面に450ガロン（1703リットル）増槽を装備し、胴体下面にドローグ・ホースを装備する。KA-6Dに負けて採用されなかった。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＮＡ−７Ａ＞：恒久試験機。原型２号機がこれに改造されて海軍飛行試験センターNATCに配備され、ウォールアイ誘導爆弾などの試験に用いられた。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＮＡ−７Ｃ＞：試験機。A-7Cから３機が改造された。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＮＡ−７Ｅ＞：試験機。A-7Eが原型である。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＴＡ−７Ｃ＞：複座練習機型。A-7EをLTV社が自社資金で改造したもので、胴体を0.86mほど延長し、離着陸時に胴体を擦らないよう後部胴体の軸線を１度19分持ち上げ、操縦装置を持つ後席を追加した。尾翼下方にドラッグシュートを装備する。戦闘装備は全て残されており、必要に応じて戦闘任務にも投入できる。海軍が採用し、A-7Bから24機、A-7Cから36機が改造され、1977年から引き渡された。エンジン以外は全てA-7Eと同等のものに換装し、A-7Bからの改造機は固定武装をバルカン砲に換えている。1982年、８機がEA-7Lに改造された。1984年には一部がエンジンをTF41-A-402に換え、空戦フラップを採用、射出座席をSJU-8に換装した。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＴＡ−７Ｄ＞：A-7Kを参照。

　＜ＴＡ−７Ｈ＞：ギリシャ空軍向け練習機。A-7HにTA-7Cと同様の改修を行っている。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン7,’16

　＜ＴＡ−７Ｐ＞：ポルトガル空軍向け練習機。保管状態にあったTA-7Cをそのまま輸出したものである。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜ＹＡ−７Ｅ＞：複座練習機／ECM任務機試作型。A-7Eベースで、当初はYA-7Hと呼ばれ、A-7Eから１機が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＹＡ−７Ｈ＞：YA-7Eを参照。

＜Ａ−７海外シリーズ＞

　＜Ａ−７（ギリシャ空軍）＞：ギリシャ空軍攻撃機。A-7Hを1975-77年に60機導入した他、1993-94年にアメリカで保管されていたA-7Eを54機（50機？）購入した。また訓練用として1980年にTA-7Hを５機（６機？）導入し、1993-94年にTA-7Cを中古で８機（12機？）購入している。2014年10月17日にアラクソス基地で退役セレモニーが行われ、全機退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊JWings12,’12、7,’14、月刊航空ファン10,’14、7,’16

　＜Ａ−７（タイ海軍）＞：タイ海軍攻撃機。アメリカ海軍が保管していた中古で、1995年にA-7Eを16機（うち２機が部品取り用）、TA-7Cを４機導入した。チャクリ・ナルエベト級空母での運用はできない。2002年に退役した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン4,’18

　＜Ａ−７（ポルトガル空軍）＞：ポルトガル空軍攻撃機。1981年にA-7Pが20機、部品取り用A-7Aが３機、３年貸与のTA-7Pが１機引き渡され、AIM-9Pサイドワインダー装備の迎撃機として運用された。1982年9月にA-7Pが24機とTA-7Pが６機追加発注され、1984年から引き渡された。1991年から迎撃任務をF-16A/Bに譲り、AGM-65AとAN/ALQ-131を搭載して対地任務に就いた。損耗率が高くなったため、部品取り用のA-7Aを20機追加購入した。F-16AM/BMの導入に伴い、1999年に全機退役した。参考：月刊エアワールド8,’05

＜Ａ７酸素供給装置＞：アメリカ陸軍の航空機乗員用酸素マスク。鼻マスク型で、1939年に採用された。参考：月刊航空ファン9,’18

＜Ａ７Ｍ＞：AM-14（グライダー）または烈風（戦闘機）を参照。

＜Ａ７Ｖ＞：ドイツ軍初の戦車で、名称は開発担当の陸軍省軍務局第７課運輸担当（Allegemeines Kriegedepartement 7.Abteilung, Verkehrswesen。戦時省運輸担当第７課、Abteilung 7 Verkehr des Allgemeinenbzew. Truppen-Departments des Kriegsministeriums？）の略称からとっている。ソンムの戦いでイギリス軍がMk.�T菱形戦車を投入したのを受け、1916年11月13日に開発契約が結ばれ、12月22日に予算が付いてGwlndwspanzerwagen（全地形装甲車両）の名称でホルト・トラクターをベースに開発が始まった。巨大な車体は履帯を含め装甲板で覆われており、最低地上高は0.2m、超壕力は幅2.2m・高さ0.46mしかない。車体は前後に戦闘室、中央に機関室を配置していて、車体中央上部に車長と操縦手が位置する監視塔を持つ。車幅は鉄道輸送を配慮して切り詰められた。エンジンは２基搭載しており、それぞれ左右のトランスミッションに繋がれていて、左右の起動輪を動かす。車内には照明が無く、エンジンが剥き出しで搭載されていたため騒音も酷く、射手の前にはACHTUNG（注意）及びFEUER（発射）と書かれた文字盤があり、車長の操作で点灯するようになっていた。足回りはホルト・トラクターのものを片側３組装着してあり、転輪は片側15枚で、５枚を１組にしてコイルスプリングにより緩衝している。全長8m、車体長7.35m、全幅3.05m、全高3.5m、戦闘重量32.5トン。主砲はロシアから鹵獲したベルギー製26口径57mmゾコル・カノン砲または57mmマキシム・ノルデンフェルト砲１門（射界左右25度ずつ。散弾90発、徹甲弾54発、榴弾36発が標準。無理矢理詰め込めば300-500発積める）で、当初車体後部に装備していたが、生産初期で前部に装備するようになった（開発時には車体前後に装備、実証試験の結果を受けて前部のみに変更？）。副武装はMG08機関銃で、前部左右、後部左右、後方２丁の計６丁、装弾数36000発。個人用装備として、Kar98a小銃６丁、手榴弾、ルガーP08拳銃18丁を収容する。装甲厚は前面30mm、側面20mm、後面20mm、上面7.5mm（10mm？）で、前面はMk�T菱形戦車の主砲弾に耐えられる。エンジンはダイムラー社製165204水冷４気筒直列ガソリン（排気量17000cc、出力100馬力）２基、トランスミッションはアドラー・ヴェルケ社製（前進３速・後進３速）、最大速度12-15km（路上）／5-8km（路外）、燃料搭載量500リットル、航続距離30-35km。車長、操縦手、砲手、装填手、機関銃手６名、弾薬手６名、機関士２名の計18名乗りで、連絡用伝書鳩世話係などが乗ることもあり、26名が乗車した記録が残っている。乗員は弾片防御のため装甲マスクを着用することもあった。増加装甲付きなど、各車両にバリエーションがある。1917年5月14日に20両の生産命令が出され、9月に武装無しの車両、10月1日に武装完備の車両が納入され、12月1日には100両が発注されたが、実際の量産数は22両（うち１両はA7V-Uの試作に回された）に止まった。他に同じ足周りの輸送用トラクター（ウーバーラント・ラスト・クラフトヴァーゲン）が生産されている。前線に送られたA7Vは15両（他は訓練用と予備）で、１個大隊に５両ずつ配備された。1918年3月21日にサン・カンタン北部で実戦初参加した。4月24日にはアミアン近郊のヴィレル・ブレトニュー（ヴィレル・ブルトンヌ？）で本車３両がMk.�WまたはMk.�X戦車フィーメイル型３両と世界初の戦車戦となり、２両を損傷させたが、救援のメイル型１両の反撃を受けて１両（車体番号432、ニックネームはエルフリーデ）を破壊された。参考：月刊PANZER12,’97、3,’02、8,’10、月刊JWings9,’03、月刊軍事研究7,’16、5,’08、月刊丸7,’09別冊

＜Ａ７Ｖファミリー＞

　＜ウーバーラント・ラスト・クラフトヴァーゲン＞：Uberland-Last-kraftwagen（路外貨物輸送車両）。ランペン・クラフトヴァーゲン・コロンネ（Raupen-Kraftwagen-Kolonne）ともいう。不整地での輸送・牽引に使用する車両で、A7Vの足回りを流用し、装甲板を外して周囲を板で覆っている。車体中央の運転台周囲は更に板でカバーしてあり、支柱で雨避け天井を装着した。他の部分はオープントップで、雨の際にはアーチ状のレールを渡して防水布を張る。重量18トン。積載量８トン。76.2mm高射砲２門を搭載して自走砲にする計画もあった。当初は90両を生産する予定だったが、30両に減らされ、結局完成したのは８両だったが、実戦での成績は良好だったらしい。参考：月刊PANZER8,’10

＜Ａ７Ｖ−Ｕ＞：ドイツ軍の戦車。イギリスの菱形戦車をベースに1917年3月から開発し、11月に鹵獲したMk.�W菱形戦車も参考にして完成させた。下部転輪やサスペンションはA7Vと同じだが、形状は菱形戦車で、車体後部左右にスポンソンを装着して武装を搭載している。超壕性能は向上したものの、重量が増えてしまい、不整地行動力が低下した。戦闘重量39トン。エンジンはダイムラー製165204ガソリン（100馬力）２基、路上最大速度15km。1918年6月に試作車が完成し、9月12日に20両の生産命令が出されたが、そのまま終戦となった。参考：月刊PANZER8,’10、12,’97

＜Ａ８＞：金星シリーズ（エンジン）を参照。

＜Ａ９シリーズ＞：イギリス陸軍巡航戦車Mk.�T（Tank, Cruiser, Mk�T）。イギリス戦車軍団将校らで構成される研究委員会の試作中戦車Mk.�V後継要求に応じ、ヴィッカーズ社が1934年11月からMk.�W中戦車として開発、1936年4月に試作車が完成し、7月に巡航戦車に改称され、1937年8月に制式化された。砲塔用の動力旋回装置及び補助動力装置を装備した世界初の戦車である。ヴィッカーズ・アームストロング社で50両、ハーランド＆ウルフ社で75両の各型計125両が生産され、第１・第７機甲師団に配備された。1940年のドイツ黄作戦を受けイギリス海外遠征軍の一員として実戦参加し、北アフリカ戦線でも1941年まで使用された。参考：月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04、歴史群像10,’08

＜Ａ９＞：多砲塔戦車で、車体中央の戦闘室に２ポンド砲（100発。試作車と増加試作車前期製作分は３ポンド砲装備）と同軸7.7mmヴィッカーズ水冷式機銃を搭載した砲塔を、車体前部の操縦手席左右に7.7mmヴィッカーズ水冷式機銃１丁を備えた銃塔１基ずつ（総機銃弾数3000発）を装備する。ただし銃塔が邪魔で操縦手は横が見えない。砲塔には油圧式旋回装置が組み込まれており、これはナッシュ＆トンプソン社がウェリントン爆撃機の旋回銃座用として開発したものを改修してある。耐地雷能力を向上させるため、車体下部はＶ字型にした。下部転輪は片側６枚で、大転輪１枚と小転輪２枚をスローモーション式サスペンションで懸架したユニットを片側２組装着する（第１転輪と第６転輪が大転輪）。起動輪は後方にあり、冷却を考慮してファイナルドライブの外側にステアリング・ブレーキドラムを装着しているため、起動輪中央部が外側に飛び出している。誘導輪は前方にあり、上部転輪は片側３個。エンジンはコスト削減と信頼性向上のため民間用を採用することにし、機動力確保のため車体を極力軽量化（Mk.�V試作中戦車より10トン軽くする予定だった）、試作車ではロールスロイス社製ファントム�Uガソリン（総排気量7670cc、120馬力）を使用したが、開発中に重量増となりパワー不足が予想されたため、量産車にはAEC社製A179ガソリンを搭載した。全長5.79m、全幅2.5m、全高2.64m、重量13トン。最大装甲厚14mm。エンジンはAEC社製A179水冷直列６気筒ガソリン（総排気量9640cc、150馬力）、最大速度40km（路上）／15マイル・24km（路外）、航続距離240km。乗員６名（車長、砲手、装填手、操縦手、銃塔手２名）。第２次大戦では狭い銃塔内に機関銃の発射ガスが籠もって銃手がガス中毒になるという重大な欠点が露呈し、装甲も薄く、高速走行時には履帯がすぐに外れてしまった。参考：月刊グランドパワー11,’12、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER2,’04

＜Ａ９ＣＳ＞：近接戦闘支援（Close Supprt）型。２ポンド砲の換わりに3.7インチ榴弾砲（ただし発煙弾しか撃てない）を搭載したタイプである。参考：月刊グランドパワー11,’12、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER2,’04

＜Ａ０９＞：ニュージーランド海軍マナワヌイ級海洋観測艦マナワヌイ（Manawanui）。元は2003年に竣工した民間海洋調査船エッダ・フォン（Edda Fonn）である。2019年2月、ノルウェーを出港し、デンマークのフレゼリクスハウンに向かった。3月15日、デンマーク沿岸で公試開始。同年に就役した。2020年8月17-31日、リムパック2020に参加。参考：月刊世界の艦船6,’19、11,’20

＜Ａ９−Ｍ＞：フランス海軍機雷処分用UUV。ECA社製。2013年から配備した。参考：月刊世界の艦船10,’24

＜Ａ９／Ａ１０＞：ドイツ軍の試作長距離ロケットで、A10ブースターにA9ロケットを搭載したものである。ニューヨークやワシントンを目標としていたが、計画のみで終戦を迎えた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ａ−１０攻撃機シリーズ＞：アメリカ空軍近接航空支援用攻撃機、別名サンダーボルト�U、ニックネームはウォートホッグ（イボイノシシ）。ベトナム戦争でジェット戦闘爆撃機により侵攻戦略爆撃から近接航空支援までカバーしようとして失敗し、地上攻撃専用機の必要性（ちなみに空対空戦闘専用機は後のF-15とF-16である）を感じたアメリカ空軍が、A-Xとして1966年9月に内示を出し、1967年3月6日に設計研究に関する提案要求を行った。この時空軍の攻撃機はA-1やA-26など第２次大戦直後にできたものばかりで、新たにCOIN機としてA-37とOV-10を採用したものの、前者は滞空時間が短く後者は武装が不十分という状態であり、ベトナム戦争に間に合わせるためA-7Dの採用を決めたばかりだった。これに対して21社の応募があり、1967年5月2日にジェネラル・ダイナミクス社、グラマン社、ノースロップ社、マクダネル社の４社が選定された。急ピッチで要求を纏める予定だったが、対ゲリラ戦用にする筈が途中でワルシャワ条約軍の機甲部隊を撃破する近接航空支援専用攻撃機に変わっていくなどコンセプトを固めるのに手間取り、1970年5月7日に漸く提案要求が纏められた。内容は、30mmガトリング砲と16000ポンド（7.26トン）以上の兵装を搭載し、滞空時間と低空運動性に優れ、前線滑走路を使用可能な離着陸性能を持ち、被弾に耐えられる生残性を有する近接航空支援攻撃機というもので、高い整備性や信頼性を持ち、高速性能や全天候航法・攻撃能力を省いて安価にすることも求められた。提案要求における海面高度クリーン形態での最大速度は740kmにすぎず、複雑で整備が面倒であり価格高騰の原因ともなるレーダー、慣性航法装置、爆撃コンピュータは一切求められていない。そもそも超低空を飛行するので、普通爆弾を投下すると破片で自機も被害を受け、徹甲爆弾は貫徹に必要な速度を得られず、誘導爆弾はスタンドオフ飛翔距離を確保できず、クラスター爆弾は散布界が小さくなりいずれも使えず、爆撃コンピュータは無用の長物である。この新提案要求を受けた12社のうち、期限の8月10日までにボーイング、セスナ、フェアチャイルド、ジェネラル・ダイナミクス、ノースロップが設計案を提出し（ベル、ビーチ、グラマン、LTV、ノースアメリカン、マクダネル・ダグラスは提出せず）、12月18日にフェアチャイルドとノースロップが選ばれて原型機２機ずつを作ることになった。1971年3月1日、ノースロップ機にA-9、フェアチャイルド機にA-10の名称を与えることが決定された。初飛行は1972年5月10日で、ノースロップのYA-9と競争の結果、1973年1月に本機が制式採用された。その後議会でA-7DやYA-7Fによる代替案が出たが、1974年4-5月に比較飛行試験を実施、耐久性が高く、悪天候でも雲の下を飛行して敵を攻撃できるA-10Aの勝利となった。1974年12月10日に量産型が発注され、1975年10月10日に量産型初飛行、11月25日から前量産機６機と量産機707機の計713機（と試作機YA-10A２機）が引き渡され、1976年3月（2月？）から空軍５個航空団（第23・第81・第354・第355戦術戦闘航空団、第57戦術訓練航空団）、州航空軍４個飛行隊（第104・第118・第131・第138戦術戦闘飛行隊）、空軍予備部隊３個飛行隊（第45・第47・第706戦術戦闘飛行隊）に配備された。1977年度の調達価格は576万ドル。冷戦終結で必要性が薄れ、全天候性の無さと低速からくる脆弱性の問題で早期退役もささやかれたが、湾岸戦争でミッション達成率98.7%、１機での１日出撃回数３回など高い実用性を見せ、機関砲とAGM-65マーヴェリック空対地ミサイル4801発による総撃破数は戦車987両、戦闘車両750両、ソフトスキン1106両、対空火器サイト50、掩体壕72、スカッドランチャー51、ヘリコプター２機などで、CSARの援護まで実施している。生残性も高く、湾岸戦争では地対空ミサイルで尾部が半壊しながらも基地に辿り着き、イラク戦争では携SAMで右エンジンを吹き飛ばされても、対空機関砲で機体右後部を孔だらけにされても帰還した。これにより現役延長が決まり、その後も退役の話が出る度に地域紛争で活躍して前線配備され続けている。2008年現在、A-10A248機とOA-10A108機が現役で、Ｃ型への改良を受けて2028年まで使用される予定だった。2013年6月18日、ドイツに駐留していたアメリカ空軍第52航空団第81飛行隊が閉隊され、在欧米空軍USAFEのA-10飛行隊が全て姿を消した（A-10のアメリカ本土への完全撤退は5月17日に終了済）。2013年度予算で、現役機数を315機から283機に減らすことが決定した。強制予算削減で早期一斉退役論も出たが、イスラム国爆撃作戦で必要性が再認識され、2015年会計年度以降も72機を残し、2018会計年度（2020会計年度？2019会計年度？）に完全退役させることになった。ただ後継となるF-35Aの配備が当初計画より遅れているため、更に延長論が出され、2021-22会計年度まで先延ばしする案を検討中らしい。ちなみにリウイング計画は2019会計予算でも継続中で、最大2040年代まで先延ばしが可能である。そのF-35Aも高価なのとCSAR支援／FAC任務には向かないという欠点があり、軽攻撃観測機OA-Xと攻撃機A-X2の２機種に分けて安価な機体を使用するらしい。2021年現在、保有数は281機で、2022会計年度に42機を退役させ、残りのうち218機には主翼換装などの近代化改修を加える。2023年4月5日、退役する最初のA-10C攻撃機１機がデビスモンサン空軍基地第309航空宇宙整備再生群にフェリーされた。1992年10月にトルコに対して50機を供与する提案がなされたが、実現しなかった。参考：月刊航空ファン2,’02、3,’99、10,’17、5,'16、10,’16、1,’17、航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊軍事研究2,’09、7,’07、7,’18、月刊JWings11,’07、9,’13、2,’14、4,’14、2,’15、2,'16、10,’16、11,’16、5,’17、9,'21、7,'23、月刊エアコマンド8,’93、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＹＡ−１０Ａ＞：試作型で、開発にあたっては元ドイツ空軍急降下爆撃機パイロットのルーデルからも助言を得た。当初は機関砲が試作中で、20mmバルカン砲M61を搭載して完成したが、後に換装されている。量産型とは主翼付け根前方にフィンが無い、前縁スラットが無い、風防前面傾斜が５度ほどきつい、垂直尾翼前縁下部の形状が違う、引き込み式ステップが無いといった違いがある。２機が製作され、初号機は1972年5月10日に、２号機は5月30日に初飛行し、1973年1月18日に採用が決定した。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊丸1,'15増刊

　＜Ａ−１０Ａ＞：細身の胴体の後部上方に２基の大直径ターボファンエンジンを左右に突き出して搭載するという特異な形状から、トカゲが双眼鏡を担いでいると揶揄された。これは主翼に多数の兵器を搭載するためと生存性を高めるためで、エンジンが1.4m離れているので被弾しても同時に損傷しにくく、燃料タンクと距離が開いているので延焼全損の危険が少なく、排気が水平尾翼で隠れるので地上から赤外線受動誘導式地対空ミサイルで攻撃することは困難で、エンジンの異物吸入や機関砲発射ガスの吸引も防止できる。エンジン地上高が高いので整備に足場が要るという欠点はあるが、エンジンをかけたままで点検ができ、兵装搭載作業をしていてもエンジンに吸い込まれる恐れが無い。ただし搭載位置が機体の重心から離れているので機動時の荷重に備えて構造強化の必要があり、機体中心線とエンジン推力線も離れているので推力増減によるピッチ変化が大きく、精密照準には不利である。エンジンはAPUを内蔵しており、自力でエンジンをかけられる。スロットル・リスポンスが遅いという欠点があり、低空で急旋回すると速度が急激に失われる。主翼は低翼配置の直線翼（外翼部に軽いテーパーが付く）で、３本桁構造をとっており、内翼部のリブは全て共通形状である。素材はほぼアルミ合金製で、主翼前後縁がハニカム材製、翼端がグラスファイバー製。翼断面はNACA67・キャンバー6%の高揚力型、翼面積47.01平方メートル、主翼弦長は付け根3.04m・翼端1.99m・平均2.73m、翼厚比は付け根16%・翼端13%もあり、アスペクト比が6.54と大きく、運動性能、滞空能力、兵装搭載能力が高い。ちなみに翼厚比はP-51レシプロ戦闘機（付け根15.1%・翼端11.5%）よりも大きい値である。翼面積はほぼ同じ最大離陸重量のA-7よりも30%も大きく、低翼面荷重により低空での操縦性に優れる。主翼取り付け角マイナス１度、外翼上反角７度。内翼前縁には大迎え角時の主翼付け根気流剥離対策としてスラットが付き、主翼付け根には機関砲発射ガスをエンジンに向かわせないための垂直フィンがあり、主翼後縁には２分割のファウラー・フラップ（最大下げ角20度）とエルロンが付いている。エルロンは上下に分割されていて、エアブレーキ兼用だが、エルロンとしての作動とエアブレーキとしての作動は別のアクチュエーターで行う。翼端には大きなドループが付いていて、誘導抗力を減らすことにより低速時でも揚力を保つ。主脚は内翼・外翼境界部下面のポッド状構造に取り付けられているので主翼構造を切り欠く必要が無く、左右で互換性を持ち、油圧が抜けても重力で下げられ、前方引き込みなので風圧によるロックも可能であり、半引き込みなので不時着時には衝撃吸収の役目も果たす。整地への胴体着陸の際に接地するのは半引き込みの主脚と垂直尾翼下端で、主要構造の損傷は最低限に抑えられる。左主脚収容ポッド前端を下に開くと地上給油口が顔を出す。胴体はコクピットの幅より少し太い程度に絞り込まれ、単純な矩形断面になっていて、外板に互換性がある。４本のロンジロン構造をとっており、全て同一断面で、フォーマーやストリンガーも共通のものが多い。ロンジロンのうち向かい合っている２本が完全に切断されても、主翼との結合部４カ所のうち１カ所が破壊されても飛行できる。コクピット前方の機首上面に空中給油リセプタクル／スリップウェイがあり、フライング・ブーム式空中給油装置からの給油を受けることが可能で、アメリカ本土からヨーロッパに展開する時などの長距離進出の際に使用する。スリップウェイドアは右油圧システムで作動するが、故障した場合には風圧で開けることも可能。給油された燃料は全機内タンクと増槽に供給することができ、燃料タンクが損傷している場合にはバルブを閉じて供給を止める。空中給油終了後は高圧空気が空中給油配管に吹き込まれて残存する燃料をパージする。1977年頃から機首右下方にAN/AAS-35を装備しており、レーザー誘導爆弾も運用できるようになったが、GBU-12/Bに限られる。LANTIRNを装備する計画もあった。キャノピーはアクリル製のバブル型で、パイロットに良好な視界を提供する。キャノピーのみならず風防も上に開けることができるので、整備がしやすい。計器板の中央には姿勢指示計と水平指示計があり、右に昇降計と高度計、更に右にテレビモニターが用意されており、AGM-65空対地ミサイルの赤外線シーカー画像などが投影される。左にはレーダー警報装置方位計と対気速度計があり、更に左はHUD・無線機操作パネル、予備水平指示計、時計、迎え角計などが付く。射出座席は当初エスカパック�TC-7で、後にACES�Uとなった。コクピット内は与圧されており、高度10000フィート（3048m）で与圧が始まり、高度18000フィート（5486m）までは高度10000フィート（3048m）の気圧を維持、それ以上では外気圧に比例してコクピット気圧高度も上昇していき、高度40000フィート（12192m）ではコクピット内の気圧は高度25000フィート（7620m）相当になる。コクピット周りは厚さ13-38mmのチタン合金片入りバリスティックナイロンによるバスタブ構造（棺桶というのは禁句）になっており、テストでは23mm機関砲弾に耐えたが、37mm機関砲弾にも耐えられるといわれる。装甲重量は1.31トンで、47%（0.544トン）をコクピット周囲、37.4%を燃料系統、9.7%を機関砲弾倉に割り当てた。胴体の前半分は30mmガトリング砲GAU-8/Aアヴェンジャーで占められ、前脚はこれの砲身を避けるように右にオフセットして取り付けられていて、発射位置の砲身が機体中心線上に来るようになっている。また、反動で機首が上がるのを防ぐため、軽く下向きに取り付けられている。弾倉は1350発を収容できるが、実際には1170発を搭載する。重量バランス変化で照準が狂うのを防ぐため、空薬莢は機外に放出しない。ガトリング砲を連射すると後方に向けて50kNの反動が生じ、射撃時間１秒あたり３ノットほど速度が落ちるらしい。試作段階では発射時に昇降舵が0.5度下がってピッチアップを防ぐ機構まで付けられていたが、そこまで反動が酷くなかったため、量産機では外された。発射ガスがエンジンに吸い込まれないよう、発射ガス排出口を主翼より下に設けて排出ガスが機体下面を流れていく設計になっており、胴体下面、主翼・水平尾翼内側下面、主脚収容フェアリング内側あたりが煤で真っ黒に染まる。機関砲弾倉周囲は23mm弾の直撃に耐えられるよう、スペースド・アーマー（トリガープレート式装甲）で覆われていて、瞬発信管付き23mm焼夷榴弾なら弾倉に達する前に爆発してしまう。前脚は完全前方引き込みで、油圧が無くても脚の重さと風圧とで引き出すことができる。前脚は左右55度までステアリング（自由回転操向では左右150度まで）でき、右回りでの最小旋回半径は14mだが、前脚が右に寄っているので左回りではもう少し大きい。センサー類は殆ど搭載していないため、胴体中央部はセルフ・シーリング式燃料タンク（耐裂性ブラダー・セル式。前方が右メインタンク、後方が左メインタンクと呼ばれる）で占められていて、内翼前後桁間のインテグラルタンク共々フォームが充填されていて爆発を防ぐ。機内燃料搭載量は4.853トン（7765リットル）で、メインタンクに1.508トンずつ、インテグラルタンクに0.919トンずつ搭載されており、燃料配管はセルフシーリングとなっていて、燃料系統の50%が破壊されても運用できる。燃料タンクが全損してもセルフシーリング方式になっているメインタンクには最低0.408トンの燃料が残るため、200海里は飛行可能。胴体後部には空調、APU、油圧ポンプ、消火ボトルが収められている程度である。垂直尾翼は双尾翼で、水平尾翼の翼端に取り付けられており、垂直尾翼と昇降舵は左右で互換性を持つ。操縦系統は完全独立二重式の油圧システム（3000psi）で、左エンジンが駆動する左油圧ポンプにより左方向舵、左昇降舵、左右エルロン、左右内外舷フラップ、降着装置上げ下げ、ブレーキ、前脚ステアリング、機関砲を、右エンジンが駆動する右油圧ポンプにより右方向舵、右昇降舵、左右エルロン、スピードブレーキ、前縁スラット、降着装置補助引き出し、非常ブレーキ、補助アキュミュレイター、機関砲、空中給油スリップウェイドア、リセプタクル・ロックを作動させる。APUが駆動する油圧ポンプもあるが、これは地上点検用であり、APUアクセスドアが開いていないと油圧ポンプを作動させることができない。手動の操縦系（方向舵、昇降舵、補助翼タブ）もバックアップ用に搭載されている。発電機は30/40kVA・115/200Vの油冷式交流発電機で、左右両エンジンにより駆動されるが、一方が損傷した場合には片方だけでも動かせる。両エンジンが損傷した場合には24V・34Ahのニッケル・カドミウム・バッテリーが電力を供給する。APUはガスタービン発電機で、左メインタンクから燃料を供給され、DCエッセンシャルバスからの電力により始動する。高度20000フィート（6096m）以下で始動させることができ、高度15000フィート（4572m）以下ならエンジン再始動に必要な高圧空気を供給可能で、マイナスＧがかかっても10秒は動かし続けられる。STOL性能が高いため、ドラッグシュートやアレスティングフックは持たない。機体は生産性優先で、速度は二の次なので空力学的にはあまり洗練されておらず、抵抗増大を気にしなくて良い部分には丸頭鋲が使われている。構造材も95%がアルミ合金で、工作が面倒で高価なチタン合金や複合材は殆ど使っていない。兵装ステーションは左外翼下にSta.1-3、左内翼下にSta.4、胴体下にSta.5-7、右内翼下にSta.8、右外翼下にSta.9-11の11ヵ所で、最大兵装搭載量16000ポンド・7.257トン（最大）／5.482トン（燃料満載時）。各ステーションの搭載容量はSta.6が5000ポンド（2.268トン）、Sta.4/5/7/8が3500ポンド（1.588トン）、Sta.3/9が2500ポンド（1.134トン）、Sta.1/2/10/11が1000ポンド（0.454トン）。パイロンはSta.1/11用、Sta.2/10用、Sta.3/9用、Sta.4/8用、Sta.5/7用、Sta.6用の６種類あり、Sta.1/2/10/11はサスペンションラグ14インチ（356mm）のみのMAU-50/Aイジェクターラック、他は14インチ／30インチ（356mm/762mm）のMAU-40/Aラックを使う。Sta.1/11は主に自衛装備（サイドワインダー、ECMポッドなど）搭載用に充てられる。Sta.6に兵装を搭載すると、近い位置にあるSta.5とSta.7が使えなくなるので、Sta.6は空けてあることが多く、フェリー時に600ガロン（2271リットル）増槽を積むくらいである。500ポンド爆弾Mk82、Mk82スネークアイ�T、Mk36デストラクターなら、Sta.3/4/8/9に３連装エジェクターラック（重量42kg）を介して３発ずつ、その他のSta.6以外に１発ずつ搭載できるので、18発を携行できる。テストではSta.5/7に多連装エジェクターラック（重量100kg）を介して６発ずつ、Sta.3/4/8/9に３連装エジェクターラックを介して３発ずつ、Sta.1/2/10/11に１発ずつの28発を積んだこともあったが、実用上支障があったらしい。2000ポンド爆弾Mk84、Mk20ロックアイ、CBU-52/-58/-71クラスター爆弾なら、Sta.3-5/7-9の６カ所に１発ずつ搭載する。GBU-8/BもSta.3/4/8/9に１発ずつ搭載できるが、爆風に巻き込まれないよう最大速度741kmでも最低投下高度は488m必要で、得意とする超低空攻撃ができないため、運用には向かない。GBU-10/-12もGBU-8/Bと同じパイロンに装備可能。AGM-65はSta.3/9にLAU-117/A単装ランチャーシリーズを介して１発ずつか、LAU-88/A３連装ランチャーシリーズを介して３発ずつ搭載する（内翼パイロンはミサイル排気がエンジンに吸い込まれるので使わない）。ロケットポッドは７連装のLAU-68/A（Sta.3/4/8/9に３連装、Sta.2/10に単装）や、19連装のLAU-61/Aを搭載する。LAU-68/Aと同じ位置にSUU-25/Aフレア・ディスペンサーを装備することもできる。20mm機関砲ポッドSUU-23/AはSta.5/7に装備可能。Sta.1/11には、AN/ALQ-119電子戦ポッド１基か、デュアルレール・アダプターにLAU-105/Aレールランチャー２基を取り付けてサイドワインダー２発を搭載できる。BLU-27/Bナパーム弾とBLU-52/B化学爆弾はSta.2-5とSta.7-10に１発ずつ搭載する。各パイロンに同じ兵装を積んだ場合の投下順は右から左で、全パイロン（Sta.6以外）に同じ兵装を積んだ場合には、Sta.8、４、11、１、10、２、９、３、７、５の順で投下される。低速で主翼も頑丈なので、左右主翼の重量バランスや空力バランスをそれほど考慮する必要は無く、各パイロンに多種多様な兵装を積んで運用されることも多い。翼端下面や主脚収容フェアリング後方にはAN/ALE-40チャフ・フレアディスペンサーを搭載可能。通信装置はFM-622A超短波FM無線機、ウィルコックス807A超短波AM無線機、AN/ARC-150極超短波AM無線機、AN/AIC-18インターコム、航法装置はAN/ARN-84TACAN、UHF/ADF、HARS（Heading Attitude Reference System）、計器板の水平状況表示装置、敵味方識別装置はAN/APX-101、ビーコンはＸバンドレーダービーコン。機体に夜間暗視装置は付いていないが、グリーン・ストリップ・ライトや夜間映像システム（NVIS）と暗視ゴーグルにより夜間作戦が可能である。湾岸戦争では、AGM-65Dマーベリックのシーカーを頼りに夜間索敵を行い、発見するとLUU-2またはMk.24フレアを射出し200万カンデラの照明をかけて確認、攻撃をかけた。ヨーロッパ特有の悪天候時には雲の下に降りて低速でじっくりと目標を見定めつつの目視攻撃を行う。システムはシンプルそのもので、１ソーティあたりの整備マンアワーは18.4時間、再出撃に要する時間は僅か15分、演習では18機が１日に86回出撃したり、４機が１日に32回出撃したり、２機が11時間で34回出撃したりする記録を作った。ただパイロットは疲労困憊するので、配備航空団では機数に比べてパイロットを多めに配置している。２機がペアで行動し、対空ミサイルや敵戦闘機を避けるために超低空（50m以下になることもある）を飛行しつつ１機が機関砲で戦車を破壊、もう１機がマーベリックでZSU-23-4を叩くのが基本である。１機が１日に３回出撃し、１回あたり戦車５両を破壊し続けるとすると、ヨーロッパの第81戦術戦闘航空団（A-10A攻撃機108機配備）が１週間で戦車11340両を破壊できる計算になる。もちろん損失が多数出るため、アメリカ本土の７個飛行隊から補充していくことになる。全長16.26m／15.03m（機関砲・尾灯含まず）、全幅17.53m、全高4.47m、製造自重9.433トン、運用自重11.068トン、総重量16.916トン、最大離陸重量20.883トン（22.68トン？）。翼面積47.01平方メートル。エンジンはGE製TF34-GE-100（推力4.112トン・40.3kN）双発、巡航速度300ノット、最大速度767km（クリーン、高度5000フィート・1524m）／703km（Mk82爆弾18発、海面高度）、戦闘上昇限度12040m（クリーン）／10729m（AGM-65空対地ミサイル６発）、燃料搭載量4.854トン（6223リットル）、戦闘行動半径250海里（兵装4.3トン・戦場1.8時間滞空）／540海里（長距離侵攻）、フェリー航続距離2620海里。離陸距離は満載状態フラップ７度で1372m、重量35000ポンド（15.9トン）・フラップ20度で610m。最大許容荷重プラス7.33Gからマイナス3G。固定武装はGAU-8/A機関砲（通常1170発、最大1350発）１門。機外兵装搭載量9.526トン（最大）／3.967トン（機関砲弾・機内燃料満載）。乗員１名。1975年度に52機、1976年度に43機、1977年度に100機、1978年度に144機、1979年度に144機、1980年度に144機、1981年度に60機、1982年度に20機の計707機（713機？）が発注され、初号機は1975年2月15日に初飛行し、1976年3月から引き渡され、1983年3月までに生産された。後にエンジンをTF34-GE-100Aに換装し（TO1A-10-1154改修）、AIM-9運用能力を追加（TO1A-10-1177改修）、ハブクイック�U無線機を搭載した（TO1A-10-1267改修）。また、射出座席をエスカパック�TC-7からACES�Uに、レーダー警戒装置をAN/ALR-46からAN/ALR-69に換装した。シリアルナンバー75-0264以降はTACANをAN/ARN-84からAN/ARN-118に変更。75-0271以降はUHF通信機をAN/ARC-150からAN/ARC-164(V)に換装。152号機から翼端下面と主脚フェアリング後端にチャフ・フレアディスペンサー16個を追加。184号機からAN/UPN-25ILSと電波高度計を搭載。202号機からHUDを改良、夜間反射防止フィルターを追加。426号機からAN/ARN-101慣性航法装置とエアデータコンピュータを装備。迷彩は初期がグレーの２色迷彩で、後にグリーン系の２色迷彩（リザード迷彩）になったが、1977年には２機がブルーグレーやグリーン系のスポット迷彩を施したこともある。湾岸戦争後からLASTE改修が行われ、2005年から全機A-10Cに改修された。参考：月刊航空ファン3,’99、2,’02、10,’17、航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊軍事研究2,’09、5,’04、月刊JWings11,'20、12,’01、10,’01、11,’14、世界航空機年鑑2018-2019、兵器メカニズム図鑑、アメリカ空軍の第一線機

　＜Ａ−１０Ａ　ＬＡＳＴＥ改修＞：LASTEは低高度安全／照準改善の略で、湾岸戦争後から行われた改修である。音声警報装置付電波高度計とオートパイロット機能を追加し、兵装投下コンピュータを改良してCCIPをHUDに表示可能とし、暗視ゴーグル対応コクピット及びパネル編隊灯（胴体前部、主翼端、垂直尾翼側面）を搭載したもの。垂直尾翼外側下方に左右２個ずつの四角いAN/APN-194電波高度計送受信アンテナが追加された。1990年代半ばにはコクピット後方IFFアンテナの後ろに小半球形のEGI（組み込み型GPS/INSユニット）受信アンテナを装備。2000年代にはUHF/TACANアンテナが蝙蝠（Bat）と通称されるVHF/UHF/SATCOMアンテナに換装されている。2001年11月、AN/ARS-6軽量空中回収システムを装備。2006年3月、RT-1867B/APX-119敵味方識別装置送受信機を搭載。参考：月刊航空ファン2,’02、10,’17、月刊軍事研究2,’09

　＜Ａ−１０Ａプレシジョン・エンゲージメント計画＞：ホッグ・アップ計画で運用寿命が延長されたA-10A/OA-10Aに対する近代化計画PEP（Precision Engagement Plan）。目標捜索能力向上・精密誘導兵器運用能力を追加するもので、AN/AAQ-28(V)ライトニング目標指示ポッド、AN-AAQ-33スナイパーXRポッド、MIL-STD-1760データバス、デジタル兵器管制装置（DSMS）などを導入し、JDAMやWCMDの運用を可能としている。コクピットにはカラー多機能ディスプレイを左右１基ずつ搭載して部分的にデジタル化し、HUDも改良する。A-10Cとして実用化された。参考：月刊航空ファン10,’17、月刊軍事研究2,’09、月刊エアワールド7,’04

　＜Ａ−１０Ａホッグ・アップ計画＞：外板を厚くし、主翼を強化するなどして耐用寿命を延長する計画で、2028年まで使用できるようにする。寿命延長に合わせてプレシジョン・エンゲージメント計画で中身も一新する。A-10Cとして実用化された。参考：月刊航空ファン10,’17、月刊軍事研究2,’09

　＜Ａ−１０Ａ＋＞：A-10Cへの改良が遅れているため、一時的な改修として計画されているもの。誤射を無くすのが主な改良点で、デジタル通信能力を強化して管制官との交信を密にし、状況認識データリンク（SADL）を搭載して地上車両の強化型位置通報システム（EPLRS）とネットワークを作り、コクピットにディスプレイを１個追加してデジタルマップ表示を行えるようにする。改修機数は100機程度となる予定。参考：月刊JWings6,’07

　＜Ａ−１０Ｂ＞：計画複座練習機型。当初は事故損耗率を10万飛行時間当たり4.8機と予想していたが、実際には運用開始後最初の15万時間で損耗率が10万飛行時間当たり９機に達したので、導入が検討された。その後損耗率が下がったので、結局作られなかった。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜Ａ−１０Ｃ＞：別名デジタル・ホッグ。A-10Aを2028年まで使えるようにする改良で、A-10Aホッグアップ計画／プレシジョン・エンゲージメント計画（PEP）として1999年に立案され、2005年1月20日にA-10Aを改造した試作初号機が初飛行した。試作初号機はPEPスパイラル１として目標捕捉能力、状況認識能力、兵器運用能力の向上とパイロットワークロード低減を図っている。デジタル兵装管理システムを搭載し、Sta.2/10にライトニング／スナイパーXR目標捕捉・指示ポッドを装備できるようにすると共に、MIL-STD-1760インターフェースを配線したスマートパイロン（Sta.6は増槽しか積まないので配線無し）を使えるようにし、キャノピー後方にEGI（組み込み型GPS/INS）受信アンテナを追加して、JDAM、WCMD、GBU-10/B、GBU-12/B、GBU-31/B、GBU-38/B、GBU-49/B、GBU-50/B、GBU-54/B、GBU-56/Bを運用できるようにした。LASTE改修と同様の改修に加え、AGM-65シーカー画像表示装置を外すなどして計器板左右に５インチ（127mm）四方の多機能ディスプレイを１基ずつ搭載し、HUDを広角型に換装、HOTAS（F-15EのスロットルとF-16の操縦桿）の導入も行っている。計器板やHUDを改良したため、グレアシールドの形状を角張ったものに変更した。平均飛行時間が設計寿命を1000時間もオーバーしているため、主翼を交換し、2028年までの就役を可能としている。量産型ではPEPスパイラル２としてネットワークシステムの強化も図られており、情報処理プロセッサはインターステーション制御ユニット（ICU）から中央インターフェース制御ユニット（CICU）に強化され、情報処理能力強化のために状況認識データリンク（SADL）を装備、多機能ディスプレイに表示されたムービングマップ上に目標情報やテキストメッセージなどを表示できるようになった。改良型遠隔操作ビデオレコーダー（ROVER）を搭載し、地表の映像を撮影して不審車両などの分析を行うことが可能で、そのまま攻撃に移ることもできる。改良型位置測定報告システム（EPLRS）も追加した。水平尾翼下面（垂直尾翼下部？）に電波高度計アンテナを装備、後部胴体下面のVHF/FMアンテナとVHF/AMアンテナをVHF/UHF/SADLアンテナに纏めている。エンジンも交換する予定（プラチナ・ピッグ計画）だったが、予算の関係で見送られた。他にアビオニクスとしてAN/ARN-108(V)自動着陸装置、AN/ARN-118(V)タカン、AN/ARC-164(V)自動方向探知機、AN/ARC-186(V)VHF/FM無線機、CN-1689(V)5/ASN EGIを搭載する。自衛用にAN/ALE-37/-47チャフ・フレアディスペンサーやAN/ALQ-131/-184ジャミングポッド（Sta.1/11）を装備できる。訓練用としてAN/ASQ-T35A/-T38C/-T50(V)1/-T50(V)2/-T52B(V)2空戦訓練ポッドを運用可能。製造元のフェアチャイルド社は経営破綻してしまったため、アビオニクス改良はロッキード・マーチン、主翼換装はボーイングが行う。改修にかかる日数は１機あたり約90日。全長16.16m、翼スパン17.42m、全高4.42m、自重13.154トン、最大離陸重量22.95トン。エンジンはTF34-GE-100ターボファン（推力4.11トン）双発、巡航速度560km、最大速度833km、実用上昇限度13636m、燃料搭載量4.98トン、航続距離4152km。兵装搭載量7.257トン。乗員１名。2005年1月20日に初飛行し、2006年11月29日に訓練部隊の第355航空団に量産改修初号機が配備され、2007年8月8日に実戦部隊の第23航空団に配備され、9月には２個飛行隊計34機がイラクに派遣された。発注された改修キットは356セットだが、改修機はシリアルナンバーが判明しているものが347機あり、判明していない機が１機あって総改修機数348機という説もある。2011年頃までに全部隊がA-10AからA-10Cへの改編を終了する予定である。2008年8月、RT-1867B/APX-119敵味方識別装置送受信機にMIL-STD-1553データバスを接続。11月、高速衛星通信用のAN/ARC-210UHF/VHF無線機を搭載し、キャノピー後方にコウモリ型VHF/UHF/SATCOMアンテナを追加。2009年5月、AN/ARC-210無線機をシステムに統合し、大容量メモリーと改良型データモデムを搭載、運用飛行プログラム（OFP）スイート５を適用。6月、AN/AAR-47A(V)2ミサイル警報を搭載。8月、機上酸素発生装置を装備。2010年3月25日、JP-8燃料に水素再生再生可能ジェット燃料（HRJ燃料。亜麻から採ったバイオマス燃料）を混合した代替燃料での飛行に成功した。6月、OFPスイート６を適用。12月、AN/ARC-210無線機をもう１基追加。2011年4月1日1557、ドイツのウィトリヒ北部で１機が墜落した。乗員は脱出して無事だった。6月、OFPスイート7Aを適応。2012年、リムパック2012でスコーピオンHMSと軽量空中リカバリーシステムLARS（新型サバイバルラジオ）の実用テストを行った。OFPスイート7Bを適応。2015年、OFPスイート８を適応。2016年末、A-10C攻撃機19機に対するLARS V-12搭載改修を終えた。参考：月刊航空ファン10,’17、6,’10、6,’11、3,'17、月刊JWings4,’05、6,’06、11,’06、11,’07、6,’10、10,’12、3,’17、月刊軍事研究2,’09、9,’07

　＜Ａ−１０Ｃリウイング改修＞：主翼を新品に交換し、2040年までの運用を可能とするもので、強化型主翼部（Enhanced Wing Assembly）換装計画ともいう。デポメンテナンスまでの飛行可能時間が10000時間あり、ワイヤーハーネスの改良により整備性も改善している。2006年にボーイングが242機分を契約、初号機は2012年2月15日に引き渡された。2017年までに173機が改修を終えたが、ボーイングの組み立て工場が閉鎖されたため残存112機の改修ができなくなってしまい、2018年5月25日に改めてアメリカ空軍がATTACK（先進飛行延命キット）計画の名称でRFPを出した。５年間（＋オプション２年間）で改修する予定で、対象機数は最小４機、最大112機であり、後継のOA-Xの出来次第で決まる。2019年8月14日、11機を改修したところで一旦完了が発表された。8月22日、27機＋オプション85機分を11年間で納入する契約をボーイングと締結した。実際の換装はヒル空軍基地オグデン航空兵站施設と韓国航空宇宙産業KAIで行う。ちなみにこの時点でリウイングされていないA-10は99機である。参考：月刊JWings8,’18、5,’12、11,’19、月刊航空ファン8,’18、月刊軍事研究1,’19

　＜Ａ−１０複座型＞：N/AW（Night/Adverse Weather）A-10またはYA-10Bとも呼ばれた。フェアチャイルド社が前量産型初号機（シリアルナンバー73-1664）を独自改造したもので、タンデム複座の訓練型として計画され、後に発展して全天候型として提案されたものである。INS、AN/AAR-42FLIR（右主脚収容ポッド内）、電波高度計、マッピングレーダー・ポッド、WX-50気象レーダー（左主脚収容ポッド内）、LLLTVなどを装備し、後席の武器システム士官（WSO）が目標探知識別、航法、ECMを担当する。後席は胴体燃料タンクスペースを削って作られており、装甲や操縦装置は無い。安定性を増加させるため、垂直尾翼を0.5m高くして増積した。1979年5月4日に初飛行したが、採用されず、１機のみの製作に終わった。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊航空ファン2,’02、3,’99、月刊軍事研究2,’09、航空ジャーナル7,’81臨時増刊、世界の軍用機1982

　＜ＯＡ−１０Ａ＞：OV-10AとOA-37Bの後継として高速FAC任務に就く機体で、A-10A生産機のうち194機が用途・名称変更を受け、1987年10月に初期作戦能力を得た。機体はA-10Aのままで、機関砲弾をHEのみにし、搭載兵装を目標指示用ロケット発煙弾としている。ロケット弾はLAU-68/AまたはLAU-131/Aに収容し、Sta.2/10に１基ずつ、Sta.3/4/8/9に３連装エジェクターラックを介して３基ずつ、計14基を搭載可能である。Sta.1/11には自衛用サイドワインダーか、ジャミングポッドを積んでいく。参考：月刊航空ファン2,’02、3,’99、月刊軍事研究2,’09、月刊JWings11,’20

＜Ａ−１０攻撃機・兵装＞

　＜近接航空支援＞：機関砲弾750発とMk82爆弾６発を搭載してHi-Lo-Hiを行う場合、戦場上空5000フィート（1524m）を１時間滞空して10分攻撃を行い、余裕時間20分を残して帰投するなら、戦闘行動半径は350海里となる。同じ条件で戦場上空３時間滞空なら戦闘行動半径は150海里である。機関砲弾750発とMk82爆弾18発を搭載し、同じ条件で戦場上空２時間滞空なら戦闘行動半径は250海里である。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜航空援護＞：機関砲弾1350発とMk82爆弾８発を搭載し、離陸後高度5000フィート（1524m）を飛行して戦場付近で１時間滞空、要請を受けて150ノットで現場に向かい、10分間攻撃をかけ、5000フィート（1524m）を飛行して20分の余裕を残し帰投する場合、戦闘行動半径は478km（滞空地点は飛行場から185km先、攻撃地点は滞空地点から293km先）となる。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜低空侵攻＞：機関砲弾750発とM117爆弾８発を搭載してLo-Lo-Loを行う場合、攻撃時間５分、余裕時間20分とすると戦闘行動半径は334海里である。同じ条件で燃料を半分に減らしてM117爆弾18発を搭載すると、戦闘行動半径は144海里になる。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜武装偵察＞：機関砲弾750発とMk82爆弾18発を搭載し、離陸後5000フィート（1524m）を巡航して278km先の敵を10分間攻撃、更に474km先まで高度5000フィート（1524m）・速度200ノットでの偵察を行い、余裕20分を残して帰投することが出来る。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜Ａ１０巡航戦車シリーズ＞：イギリス陸軍巡航戦車Mk.�U。A9の重装甲型で、1934年9月のイギリス陸軍省要求（この時は歩兵戦車として使うつもりだった）に基づいて開発され、1937年7月に軟鋼製試作車が完成した。テストの結果、車体固定機銃を装備すること、装甲を24mmから30mmに強化すること、ギア比を上げて高速化することが決まり、1938年に採用されて1939年12月から175両が生産された。配備時には歩兵戦車用としては装甲が薄すぎたため、重巡航戦車として使うことになり、イギリス海外遠征軍に配備されてフランス戦に投入され、一部は北アフリカ戦やギリシャ戦でも使用されている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04、歴史群像10,’08

　＜Ａ１０Ｍｋ．�T＞：Tank, Cruiser, Mk �U。増加試作型で、A9の砲塔と車体に増加装甲をボルト止めし、最大装甲厚を30mmに増加させている。重量軽減のため銃塔を外し、代わりに車体前部右にベサ7.92mm機銃を搭載した。ただ同軸機銃はヴィッカーズ重機関銃のままなので、補給が面倒であり、実際には車体銃を外して運用していた。全長5.59m、全幅2.53m、全高2.65m、戦闘重量31696ポンド（14.4トン）。主砲は２ポンド砲１門（100発）。機銃弾搭載数4050発。装甲厚30mm（最大）／6mm（最小）。エンジンはAECタイプA179ガソリン（150馬力）、最大速度26km（路上）／８マイル・12.9km（路外）、航続距離170km。乗員５名（車長、装填手、砲手、操縦手、車体銃手）。13両が生産された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER2,’04、月刊グランドパワー11,’12

　＜Ａ１０Ｍｋ．�TＡ＞：巡航戦車Mk.�UＡ（Tank, Cruiser, Mk �UＡ）。A10Mk.�Tの同軸機銃もベサ機銃に変更した量産型で、防楯形状も変えられた。132両が生産された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04

　＜Ａ１０Ｍｋ．�TＡ　ＣＳ＞：巡航戦車Mk.�UA CS（Tank, Cruiser, Mk �UＡ CS）。A10Mk.�TＡの主砲を3.7インチ榴弾砲（ただし発煙弾しか撃てない）に換装したもの。30両が生産された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04

＜Ａ−１０Ａ＞：PBYシリーズ（飛行艇）を参照。

＜Ａ−１０Ｂ＞：PBYシリーズ（飛行艇）を参照。

＜Ａ１１＞：マチルダ�Tシリーズ（歩兵戦車）を参照。

＜Ａ−１１＞：CIAの長距離迎撃機として1964年2月29日にジョンソン大統領が公表した機体。実際の名称はYF-12Aだった。参考：月刊JWings6,’12、スパイ機

＜Ａ１１＞：ニュージーランド海軍アオテアロア級補給艦アオテアロア（Aotearoa。マオリ語でニュージーランドの意）。2018年8月13日、現代重工で起工。2019年4月24日進水。2020年6月26日、オークランドに到着した。7月29日、デヴォンポート海軍基地で就役式典が行われた。母港はニュー・プリマスである。2022年1月15日に発生したトンガ海底火山噴火の救援活動に参加。6月29日からリムパック2022に参加。8月9日、太平洋で日加新共同訓練に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。10月27-30日、呉基地に寄港。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。2024年6月27日から8月1日、リムパック2024に参加。8月17-20日、海自横須賀基地に寄港。8月22日、関門海峡を通過。8月中旬から9月中旬、ニュージーランド艦艇として初めて日本周辺海域で北朝鮮船舶の瀬取り監視を実施。9月13日、九州西方で日新共同訓練に参加。DE-232せんだいと洋上補給訓練及びPHOTOEXを行った。9月28日、日米豪比新共同訓練に参加。DD-113さざなみが、DDG-83ハワード、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、オーストラリア空軍P-8A哨戒機、フィリピン海軍フリゲートのアントニオ・ルナ、PS-35エミリオ・ジャシントと、海上共同活動（Maritime Cooperative Activity。航行の自由・上空飛行の自由・国連海洋法条約に反映された国際法上の海上における権利を尊重する活動）としての各種戦術訓練を行った。参考：月刊世界の艦船11,’18、7,’19、9,’20、10,’20、4,’22、9,’22、11,’22、1,’23、11,’24、12,’24

＜Ａ−１１＞：ブラジル海軍ミーナ・ジェライス級空母ミーナ・ジェライス（Minas Gerais）。1957年にイギリス海軍コロッサス級軽空母71ヴェンジェンスを900万ドルで買い取って配備したものである。当初TBM-3アヴェンジャーとホワールウインド・ヘリコプターを運用していた。空母A-12サンパウロの配備に伴い、2001年10月16日に退役した。2002年、中国企業が落札したが、代金を払わなかったため、実際には購入されなかった。参考：月刊JWing9,’03、10,’11、月刊航空ファン11,’11

＜Ａ−１１Ａ＞：AMXシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−１１Ｂ＞：AMXシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−１２＞：Mk12（ホース・ドローグ・ユニット）またはSR-71シリーズ（偵察機）またはマチルダ�Uシリーズ（歩兵戦車）を参照。

＜Ａ−１２＞：アメリカ海軍がA-6の後継として開発していた艦上攻撃機で、ソ連の重厚な防空網を突破して原潜用シェルターなどの強固な目標を破壊するのが主任務である。1983年にATA（Advanced Tactical Aircraft）計画としてスタート、概念実証フェーズを省略して全規模開発（FSD）を行うことにし、1987年12月23日にジェネラル・ダイナミックス社／マクダネル・ダグラス社がグラマン／ノースロップ組よりも少ない予算により17ヶ月で試作機を完成させるという無茶な提案で契約を獲得して共同開発を開始、TBF/TBMアベンジャーに搭乗していた大統領にアピールするためアベンジャー�Uというニックネームを付けた。1990年8月17日に完成予想図が公表されているが、外形はほぼ直角二等辺三角形の全翼機で、その形からフライング・ドリトスとも呼ばれている。主翼は折り畳み機構を持ち、主翼前縁後退角48度、翼面積121.6平方メートル。一次操縦翼面は主翼後縁に内外２枚ずつのエレボン、後縁近くの主翼上面にスポイラー２枚ずつ、機体中央尾部のピッチ・フラップ（上下に可動）で、ピッチングは左右エレボン上下とピッチ・フラップ上下、ローリングは一方エレボン下げ＋他方スポイラー上げ、ヨーイングは一方エレボン下げ＋同側スポイラー上げによりコントロールする。また、両エレボン下げ＋両スポイラー上げでスピードブレーキになる。高揚力装置として前縁フラップを持ち、これもピッチ・コントロールに使える。機体中央にエンジンが並列で搭載されており、その両脇にウェポンベイ、更に外側に主脚収容部、そのまた外側にウェポンベイが配置されている。内側ウェポンベイは長さ4.3m・幅1.8mで、パイロン２基を備え、2000ポンド爆弾なら１発を収容できる。外側ウェポンベイは長さ3.3m・幅0.6mで、ベイ・ドア内側にレールランチャーを取り付け、自衛用短射程空対空ミサイル（場合によってはAIM-120中距離空対空ミサイルやAAAM長距離空対空ミサイル）を装備する。主翼折り畳み部の内側にあたる主翼下面にパイロンを外装することも可能。エアインテイクは台形をしていて機首下面左右にあり、スネーク・ダクトを採用してファンがレーダー波を跳ね返さないようにした。排気口も台形で、機体尾部下面にあって地対空ミサイルにロックオンされかねない配置だが、A-6と同様の低空侵攻でカバーする予定だったらしい。兵装は全てウェポンベイに内蔵するので、飛行性能はアフターバーナー非使用時のF/A-18より優れており、超音速巡航も要求されていたという説もある。爆撃レーダーはウェスティングハウス社製AN/APQ-183パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、エアインテイク外側の主翼前縁上下にアンテナを装着する。機首にアンテナ類は無いので、風防は機首先端付近まで達していて、キャノピーは右開き。左主翼前縁に梯子が仕込まれており、乗降の際に使用する。コクピットはタンデム複座で、計器板はグラスコクピット化されており、前席中央ペデスタルに８インチ（203mm）カラーMFD１枚、左右に６インチ（152mm）カラーMFD１枚ずつ、後席中央ペデスタルに８インチ（203mm）カラーMFD１枚、正面に６インチ（152mm）カラーMFD３枚（横一列）を配置している。操縦桿はセンター配置で、パニック・ボタンを押すと自動で一定の飛行状態に戻してくれる。主脚収容部後方に引き込み式FLIRを搭載する。統合電子戦システムと統合通信航法識別電子器材はYF-22/YF-23（当時）と同じものを使う予定だったが、開発遅延を来したため、A-12自体の開発ペースも遅らされてしまった。アレスティング・フックはステルス運用時には前に引き上げて機内に収め、非ステルス運用時には後ろに引き上げて機外に出したままとする。機体上面のキャノピー右側に空中給油受油プローブを収容しており、使用時にはドアを開いてプローブを立ち上げ、前方に延ばす。全長11.35m、全幅21.42m／主翼折り畳み時11.1m、全高3.44m／主翼折り畳み時3.82m、空虚重量17.706トン、最大離陸重量39.952トン。エンジンはGE社製F412-GE-F5D2ターボファン（推力58kN・5.916トン）双発、最大速度926km、燃料搭載量9.68トン、戦闘行動半径1700km。兵装搭載量2.342トン。乗員２名。858機を調達して空母14隻などに1994年から配備する予定だったが、後に空母が12隻体制になったため620機に減らされた。海兵隊でもA-6Eの後継として228機、空軍がF-111の後継となる縦深侵攻攻撃機として派生型400機を調達する計画が立てられている。しかし複合材の製作に苦戦したようで初期型10機の製造が1990年10月にジェネラル・ダイナミクス社からマクダネル・ダグラス社に変更され、一部を金属パーツに変更したため重量過大に陥るなど開発が滞り、予算超過と開発スケジュールオーバーで1991年1月5日に開発が中止され、代わりにF/A-18E/Fが採用された。モックアップは1994年に機密指定が解除されて2013年6月28日にフォートワースの空軍プラントNo.4から運び出され、退役軍人メモリアル航空公園フォートワース航空博物館の野外に置かれてレストアを待っている。途中まで作られていたFSD機８機がどうなったかは不明。参考：月刊航空ファン4,’17、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings3,’99、3,’02、1,’15

＜Ａ−１２＞：ブラジル海軍サン・パウロ級空母サン・パウロ（São Paulo）。元は1963年7月にフランス海軍空母フォッシュで、2000年11月15日にブラジル海軍に引き渡されて就役した。その後はフランスで完熟訓練を行い、2001年2月1日にブレストを出港してブラジルに向かい、2月20日にリオに到着した。2003年、近代化改装を実施。2005年5月、機関区画蒸気系統で爆発事故が起きた。2005-10年に近代化改装と主機オーバーホールを行い、2025年までの現役維持が可能となった。しかし艦上機の更新とそれに伴う改修などに経費がかかりすぎるため、2017年2月14日に運用が停止され、2018年11月22日に退役した。2019年8月27日に最低価格530万レアルで解体業者へと売りに出されたが、900トンに及ぶアスベスト・重金属・PCBの処理が必要で、応札したのが１社しか無く、１年経っても足踏み状態である。トルコの企業が解体・スクラップ化に名乗りを上げたものの、やはり有害物質処理の問題でトルコ国内での解体が不可能となり、ブラジルに戻されてしまった。結局2023年2月3日にブラジル海岸線から350km離れた水深5000mの大西洋上で実艦的として海没処分している。参考：月刊世界の艦船9,’13、6,’01、8,’11、5,’17、2,’19、9,’19、11,’19、12,’19、12,'20、4,'23、月刊JWings11,’05、月刊軍事研究1,’18

＜Ａ−１２Ｂ＞：Mk12（ホース・ドローグ・ユニット）を参照。

＜Ａ−１２ＣＢ＞：SR-71シリーズ（偵察機）を参照。

＜Ａ１２級＞：ショーオルメン級シリーズ（潜水艦）を参照。

＜Ａ−１２．７＞：ロシア軍の２銃身12.7mmガトリング銃で、USPS-24の派生型である。発射速度毎分1000-1500発。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ａ１３シリーズ＞：イギリス陸軍の巡航戦車、別名巡航戦車Mk.�V（Tank, Cruiser, Mk �V）。1936年9月、イギリス軍事使節団が白ロシアで実施されたソ連軍秋期大演習を見学した際、BT戦車シリーズの走行能力に感銘を受け、同様の足回りを採用したものである。ベースがアメリカのM1928クリスティー戦車だったため、改良型のM1931を輸入することにしたが、武器輸出禁止法に引っかかるため、試作型であるT3中戦車の砲塔と兵装を外して農業トラクターとして購入（1936年11月17日にイギリスに到着。A13E1と命名）し、これを参考にしてナフィールド社が開発した。クリスティー本人の技術指導も受けて1937年9月に試作車（A13E2とA13E3）が完成している。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03、2,’04

　＜Ａ１３＞：クリスティー型サスペンションに加えて装甲厚を全周14mmに抑えて軽量化したため、最大速度65kmを出せたが、足回りに負担が掛かりすぎるということで48kmに制限された。下部転輪は大型ダブルタイプ片側４組（間隔は第2-3転輪間が一番広く、3-4転輪間が一番狭い）、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は無い。生産性・整備性向上やコストダウンのため、装輪走行機能は省略されている。車体はイギリスの戦車用砲塔を載せられるよう大型化した。砲塔や武装はA10巡航戦車とほぼ同じで、上構も単純化した程度である。全長6.019m、全幅2.54m、全高2.59m、戦闘重量14トン。主砲は２ポンド砲（87発）、副武装は同軸ヴィッカーズ7.7mm機銃（3750発）１丁。エンジンはナフィールド製リバティーV12（27250cc、340馬力）、最大速度48km（路上）／24マイル・38.6km（路外）、燃料搭載量500リットル、航続距離160km。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。装甲が薄く機甲戦闘に向かないとされ、1938-39年に65両のみ生産された。黄作戦に第１機甲師団所属車両が投入されたが、性能不足とマシントラブルから大損害を出した。北アフリカ戦では1940-41年にリビアで第７機甲師団が少数を使用している。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04、5,’81、歴史群像10,’08、ウォーマシン・レポート11

　＜Ａ１３改＞：A13をA13Mk.�U仕様に改良したもので、巡航戦車Mk.�V改ともいう。防楯形状がA13のままなので、識別は可能。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04、2,’02

＜Ａ１３Ｍｋ．�U＞：巡航戦車Mk.�W（Tank, Cruiser, Mk �W）。A13の装甲強化型で、車体前面と砲塔前面に装甲板を追加し、砲塔側面には増加装甲を中空式に取り付けたもの（Ｖ字に張り出して装着したため、たまたまそうなっただけで、意図したものではない）。一部は防楯前面をカバーする追加装甲を取り付けている。重量は1200ポンド（0.544トン）以上増加したが、元々エンジンパワーに余裕があり、機動力はさほど落ちなかった。砲塔両側面に２連装発煙弾発射機を備える。全長19フィート９インチ（6.02m）、全幅８フィート４インチ（2.54m）、全高８フィート６インチ（2.59m）、重量14.75トン。主砲は２ポンド砲（87発）、副武装は同軸ヴィッカーズ.303口径水冷機関銃１丁（3750発）。装甲厚30mm（最大）／6mm（最小）。エンジンはナフィールド製リバティーV12ガソリン（340馬力）、最大速度路上30マイル（48.3km）／路外14マイル（22.5km）、航続距離90マイル（145km）。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。1938年暮れから39年暮れまでにMk.�U全形式合計655両が生産され、1939-40年に200両が追加され、黄作戦（第１機甲師団）や北アフリカ戦（第７機甲師団）で1941年まで使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER2,’04、8,’03、歴史群像10,’08、月刊グランドパワー11,’12

＜Ａ１３Ｍｋ．�UＡ＞：巡航戦車Mk�WＡ（Tank, Cruiser, Mk �WA）。A13Mk.�Uの同軸機銃を空冷の7.92mmベサ機銃（3750発）に換えたもので、防楯も鋳造の新型に変更し、防楯上下左右に装甲カバーを取り付けた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER5,’81、8,’03

＜Ａ１３Ｍｋ．�UＣＳ＞：A13Mk.�Uの主砲を3.7インチ榴弾砲Mk�T（発煙弾しか撃てない）に換えたもの。少数生産のみ（計画のみ？）に終わった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER8,’03

＜Ａ１３Ｍｋ．�V＞：巡航戦車Mk.�X（Tank, Cruiser, Mk �X）。1940年中頃にカヴァナンター�T（Covenanter。ピューリタン革命で議会派に与したスコットランド士族）という名称が付けられ、公式ニックネームの付いた初のイギリス戦車となった。A13Mk.�UＡの軽量化・装甲増大・エンジン強化・コスト抑制版で、A14重巡航戦車を試作していたロンドン・ミッドランド・スコティッシュ・レイルウェイ社が、A13試作型の装甲厚30mm版との比較試験を行ったところ、A13試作型重装甲版の方が機動力に優れており、こちらを量産した方が良いのではと軍に提案したのがきっかけで開発された。軽量化と被弾面積縮小のため車高を下げることになり、エンジンを水平対向に換装、トランスミッションはA14と同じものを採用し、ラジエーターを機関室でなく車体前部の操縦席左に設置した。全長5.8m、全幅2.609m、全高2.228m、重量18.29トン。最大装甲厚40mm。エンジンはヘンリー・メドウス社製DAV水冷12気筒水平対向ガソリン（300馬力）、最大速度49km、航続距離160km、搭載燃料500リットル。1939年4月にモックアップが完成し、1940年4月から1943年1月までに小改良を繰り返しつつ、レイランド社とロンドン・ミッドランド＆スコティッシュ・レールウェイ社とイングリッシュ・エレクトリック社で各型合計1771両が生産された。エンジンそのものの信頼性と冷却系に問題があり、亜寒帯のイギリス本土でもオーバーヒートを起こす有様で、冷却器やルーバーを大型化したものの解決不能であり、重量増による接地圧増大という欠点と相まって第２次大戦中最悪のイギリス軍車両とまで言われて実戦には全く使われず、1943年まで本土（一部中東）で訓練用に使用されて退役した。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04、5,’81、歴史群像10,’08、ウォーマシン・レポート11

＜カヴァナンター�U＞：Tank, Cruiser, Mk �X*。エンジン冷却系の改良型で、ラジエーター用装甲ルーバーを全撤去したものもある。参考：British and American tanks of World War Two

＜カヴァナンター�V＞：Tank, Cruiser, Mk �X**。エンジン冷却系強化型で、後端に垂直ルーバーを追加するなどしている。前照灯付近には雑具箱が装着された。参考：British and American tanks of World War Two

＜カヴァナンター�W＞：Cavenanter �W。カヴァナンター�Vのエンジン冷却系強化型で、車体後部上面に空気取り入れ用ルーバーを追加した。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ａ１３Ｍｋ．�VＣＳ＞：A13Mk.�Vの主砲を３インチ榴弾砲（榴弾を撃てる）に換装した近接支援（Close Support）型。カヴァナンター�T／�U／�V／�Wからカヴァナンター�TCS／�UCS／�VCS／�WCSに少数改造された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12

＜Ａ１３ファミリー＞

　＜カヴァナンターＡＭＲＡ　Ｍｋ．�TＣ＞：地雷処理型Covenanter Anti-Mine Roller Attachment Mk �TＣ。車体側面からアームを延ばして車体前方にローラー式地雷処理装置を装着したものである。処理装置は頑丈なフレームの下にサスペンション・スプリングを介して小型転輪を多数取り付けたタイプで、地雷の爆発により損傷した転輪だけを交換することができる。1942年に試作されてテストが行われたが、凹凸のある地形では効果が薄い、思った以上に地雷が強力でフレームまで損傷するといった欠点があり、実戦では使用されなかった。参考：月刊グランドパワー11,’12、British and American tanks of World War Two

　＜カヴァナンターＡＲＶ＞：装甲回収車型Covenanter ARV。クルセイダーARVと同様の改造を施している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜カヴァナンターＯＰ＞：装甲観測所型Covenanter ＯＰ。数両が改造された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜カヴァナンター架橋戦車＞：架橋戦車型Covenanter Bridgelayer。カヴァナンター�T／�Uの砲塔を撤去して油圧ジャッキ駆動の橋節展張装置と30フィート30ロングトンNo.1シザーズ橋体（橋体長34フィート・10.4m、幅9.5フィート・2.9m）を搭載した。ジャッキ駆動に必要なパワーは走行用エンジンのファンドライブから取り出す。乗員２名で固定武装は無いが、対空用にブレンガンを車内に持ち込んでおくことが多かった。84両が生産され、大半はバレンタイン架橋戦車と共に訓練に使用されたが、1942年にオーストラリア軍が太平洋戦域（ビルマ戦線）で数両を実戦投入している。参考：月刊PANZER7,’03、月刊グランドパワー11,’12

　＜カヴァナンター装甲指揮所＞：Covenanter Command。数両が改造された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜カヴァナンター浮航戦車＞：試作水陸両用戦車。左右に巨大なフロートを装着し、履帯を水かき付きのものに換装して水上航行できるようにした。テストのみ。参考：月刊グランドパワー11,’12

＜Ａ１４＞：イギリス陸軍試作重巡航戦車。1936年にソ連へ視察に行った陸軍部隊機械化委員会のアシスタント・ディレクターが、T-28中戦車のコンセプトに共鳴し、単独行動が可能な装甲厚30mmの高速戦車を作るべきだと提言したのをきっかけに開発された多砲塔戦車である。上構と主砲塔はA9/A10巡航戦車に似ていて、主砲は２ポンド砲、他に機関銃塔２基を装備する。最大装甲厚30mm。サスペンションはホルストマン式。エンジンはソーニクロフトV12ガソリンで、トランスミッションは新開発のウィルソン製複合遊星歯車式を採用した。ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ・レイルウェイ社で１両が試作され、1939年初めからテストに入ったが、A13Mk�Uと性能があまり変わらない、騒音が酷い、構造が複雑、高価といった欠点があり、1939年後半に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two、歴史群像10,’08

＜Ａ１４＞：インド海軍アンバ級潜水艦母艦アンバ（Amba）。1969年就役。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ１４＞：スペイン海軍パティーニョ級補給艦パティーニョ（Patinõ）。2019年10月8-18日、ダイナミック・マリナー2019演習に参加。2020年9月28日から10月8日、ダイナミック・マリナー2020に参加。2020年11月17日、第２常設水上部隊SNMG2所属イギリス海軍揚陸艦L-14アルビオン及びスペイン海軍フリゲートF105クリストーバル・コロンと共に、地中海で洋上給油を実施。参考：月刊世界の艦船1,’20、1,’21、4,'21

＜Ａ１４型＞：ネッケン級（潜水艦）を参照。

＜Ａ１５＞：インド海軍ニスター級潜水艦救難艦ニスター（Nister）。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ１５＞：インド海軍潜水作業支援艦ニレエクシャク（Nireekshak）。満載排水量2195トン。DSRV２隻を搭載する。1989年5月竣工、6月8日就役。1991年1月4日、インド海軍潜水員12名が水深154mの飽和潜水に成功した。参考：月刊世界の艦船5,’16、5,’91

＜Ａ１５＞：スペイン海軍カンタブリア級補給艦カンタブリア（Cantabria）。2013年2月から11ヶ月の予定でオーストラリア海軍に派遣され、共同演習などを行う予定。10月4日、シドニーに入港。10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。2015年10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。2016年1月28日、NATO第１常設水上部隊の一員としてイギリス海軍F234アイアン・デューク、スペイン海軍F101アルヴァロ・デ・バサンと共にロンドンのテムズ川下流ウォーター・フロント再開発地区に寄港。3月3日からコールド・レスポンス2016演習に参加。11月19-28日、マーヴィ・バリナ2016演習に参加。2019年4月29日から5月10日、マーレ・アペルト2019演習に参加。参考：月刊丸3,’13、月刊世界の艦船12,’13、1,’16、4,’16、6,’16、3,’17、8,’19

＜Ａ１５シリーズ＞：イギリス陸軍巡航戦車Mk.�Y（Tank, Cruiser, Mk �Y）。1940年後半にクルセイダー（Crusader）という名称が付いた。イギリス軍需省がナフィールド・メカナイゼーション＆エアロ社に対し、同社が砲塔を設計したA13Mk.�Vカヴィナンターの生産に加わるよう要請したが、同社は開発失敗時に備えて代替戦車も作った方が良いと提言、軍需省もこれを認めて製作されたのが本車である。1940年4月に試作初号車が完成し、テスト終了前から量産が始まり、1941年春から配備され、6月のバトルアクス作戦で実戦初参加、1943年までに5300両が生産された。機動力が高く、北アフリカ戦線のドイツ戦車では追撃が困難だったが、量産を急いだためエンジン冷却や車内換気が不十分、トランスミッションの故障が多いといった欠点を克服しきれておらず、アメリカからM3/M4中戦車が供給されるようになった大戦中期以降は、訓練に回されたり、各種支援車両に改造されたりした。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04、歴史群像10,’08、ウォーマシン・レポート11

　＜クルセイダー�T＞：Crusader �T、巡航戦車Mk�Y（Tank, Cruiser Mk �Y）。砲塔と車体はA13Mk�Vカヴィナンターの流用だが、エンジンは信頼性の高いナフィールド製リバティーを積んでおり、これに伴って車体を延長したため、下部転輪がダブルタイプ片側５組に増えた。転輪間隔は等間隔である。起動輪（歯数20）は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は無い。履帯はセンターガイド付きマルチヒンジ方式ドライピン型。ラジエーターは機関室内に置かれていて、冷却の問題も解消した。車体前部右が操縦室で、前面左に視察用バイザー、前面右に上開きピストルポート、右側面に視察用スリット、上面に前後開きハッチを持つ。操向はレバー２本で行う。車体前部左に7.92mmベサ機銃搭載銃塔（旋回角150度）があるが、発射煙が中に籠もるのと、北アフリカ戦線では機銃手が茹で上がるため、現地改造で外した車両も多い。砲塔は油圧駆動で、砲塔上面には幅一杯の後方スライド式大型ハッチが設けられており、２名が同時に外を覗ける大きさで、緊急脱出にも支障が無い。ただしハッチ開放時の固定が甘いと勝手に閉じてきてしまい、挟まれて重傷を負うという欠点があった。防楯は初期には内装式だったが、後に半球型の装甲カバーが付けられた。砲架は主砲の俯仰を砲手が肩で行う自由揺動式で、走行中の揺れに合わせて砲手が照準を調整すれば行進間射撃ができるという触れ込みだった。全長5.981m、全幅2.641m、全高2.235m、戦闘重量18.1トン。主砲は２ポンド砲Mk�T（110発）、副武装は同軸・銃塔の7.92mmベサ機銃（計5000発）と車内収容の対空用ブレン軽機関銃１丁。乗員自衛用としてトンプソン短機関銃が用意されている。装甲厚は車体前面27mm９度、側面14+13mm、後面27mm、防楯39mm９度、砲塔前面20mm、側面19mm40度、後面24mm25度。エンジンはナフィールド・リバティーMk�V水冷12気筒Ｖ型ガソリン（27250cc、340馬力）、トランスミッションはナフィールド・コンスタントメッシュ式、最大速度43km、燃料搭載量500リットル、航続距離160km。乗員５名（車長、操縦手、砲手、装填手、機銃手）だが、銃塔を外して４名になっていることも多かった。参考：月刊グランドパワー11,’12、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05、2,’04、8,’03、歴史群像10,’08

　＜クルセイダー�TＣＳ＞：Crusader �T CS、巡航戦車Mk.�YCS（Tank, Cruiser Mk �Y CS）。主砲を３インチ榴弾砲Mk.�Tシリーズ（榴弾と発煙弾を撃てる）に変更したもの。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER2,’04

　＜クルセイダー�U＞：Crusader �U、巡航戦車Mk.�YＡ（Tank, Cruiser Mk �YA）。クルセイダー�Tの装甲を強化（6-10mm追加）したもの。1942年には車体前面や戦闘室前面に14mmの増加装甲板が溶接された。車体銃塔は生産時には搭載されていたが、整備やオーバーホールの際に外されている。参考：月刊グランドパワー11,’12、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05、2,’04

　＜クルセイダー�UＣＳ＞：Crusader �U CS、巡航戦車Mk.�YA CS（Cruiser Mk �YA CS）。クルセイダー�Uの主砲を３インチ榴弾砲Mk.�Tシリーズに換装したもの。クルセイダー�V部隊用火力支援車・小隊長／中隊長車としても使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER11,’05、2,’04

　＜クルセイダー�V＞：Crusader �V。クルセイダー�Uの主砲を砲口部カウンターウェイト付き６ポンド砲に換え、前方銃塔を外して弾薬スペースに充てたもので、軽減された銃塔の重量は前面装甲強化に割り当てている。砲塔も大きくしたが、砲尾が大きくなって装填手を減員せざるを得ず、整備要員が減って故障時の対応が難しくなった。また、どうしても人手が必要な小隊長・中隊長車としては使えなかった（クルセイダー�UCSを使用）。防楯は内装式に変更され、同軸機銃は砲の左に、２インチ（50.8mm）発煙弾発射機は砲塔上面右に移された。砲塔ハッチは後方スライド式から左右開きに変更されている。全長5.98m、全幅2.64m、全高2.24m、重量20.067トン。主砲は６ポンド砲Mk�V（65発）、副武装は7.92mmベサ機銃1-2丁（5500発）。装甲厚は車体前面32mm32度、側面14+13mm、後面27mm、防楯50mm、砲塔前面32mm、側面23mm40度、後面29mm30度。エンジンはナフィールド・リバティMk�Vガソリン（340馬力）、最大速度43.4km（路上）／24km（路外）、航続距離177km／204km（車体後部補助タンク搭載）。乗員３名（操縦手、車長兼装填手、砲手兼通信手）。1941年11-12月に試作車がテストされ、1942年5-6月に144両が生産された。参考：月刊グランドパワー11,’12、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05、2,’04、歴史群像10,’08、週刊ワールドウェポンNo.17

＜Ａ１５クルセイダー・ファミリー＞

　＜クルセイダー�UガントラクターMk．�T＞：17ポンド砲牽引車型Crusader �U, Gun Tractor Mk �T。クルセイダー�Uの砲塔を撤去して上部構造全体を切り開き、周囲に14mmの装甲板を置いてオープントップの乗員室を設け、６名乗りの17ポンド砲牽引車としたもので、乗員室後方の左右フェンダー上には砲弾ケースを設けた。1944-45年に機甲師団の対戦車部隊で広く使用されており、操作要員を全員乗せられるので重宝され、オーバーロード作戦初期には装甲兵員輸送車としても使われている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER7,’03

＜クルセイダー�V対空戦車Mk．�T＞：対空戦車型Crusader �V, AA Mk�T。クルセイダー�Vの砲塔を撤去してボフォース40mm単装機関砲を旋回テーブルに搭載したもので、砲塔駆動用として戦闘室内にエンフィールド２気筒エンジンを装備している。初期には機関砲を防楯ごと積んだだけだったが、大部分はオープントップ全周防楯を装着した。防楯内には砲弾124発、No19無線機、自衛用手榴弾、発煙弾、トンプソン機関銃弾倉などを搭載している。参考：月刊PANZER5,’79、7,’03、British and American tanks of World War Two

＜クルセイダー�V対空戦車Mk．�U＞：対空戦車型Crusader �V, AA Mk�U。クルセイダー�Vの車体にエリコン20mm機関砲を連装装備した密閉砲塔を積んだタイプ。実戦では近接戦闘用のヴィッカーズ機銃を追加装備しており、機関砲基部上方に発射口を設けた。ノルマンディー戦から投入され、制空権は確保済みだったので主に地上掃射に使用されている。全長5.99m、全幅2.64m。エンジンはナフィールド製リバティV12ガソリン（340馬力）、最大速度43.46km、航続距離322km。参考：月刊PANZER7,’03、5,’79、異形戦車ものしり大百科、British and American tanks of World War Two

＜クルセイダー�V対空戦車Mk．�V＞：対空戦車型Crusader �V. AA Mk�V。Mk�UのNo.19無線機の装備位置を砲塔内から操縦手席隣に移したタイプで、車体前面にアンテナがある。無線機スペースには操砲手と.303口径Ｋ型機関銃１丁を積んだ。参考：月刊PANZER11,’05、5,’79、異形戦車ものしり大百科

＜クルセイダーＡＭＲＡ　Ｍｋ�Tｄ＞：地雷処理車両型Crusader with Anti-Mine Roller Attachment Mk �Tｄ。カヴァナンターAMRAと同様の地雷除去ローラーを車体前面に装着したものである。実戦使用はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜クルセイダーＡＲＶ　Ｍｋ．�T＞：試作戦車回収車型Crusader ARV。砲塔を撤去してハッチで塞ぎ、Ａフレームクレーン（車体前面）やウインチなどの修理・回収用器材を搭載したものである。自衛用として砲塔撤去跡にブレンガン連装対空銃架を装備可能。性能不足で採用されなかった。参考：月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER11,’05

＜クルセイダーＯＰ＞：砲兵定点観測車型Crusader Observation Post。前線から引き揚げられたクルセイダー�Vの主砲を撤去してNo.19無線機２基とNo.18無線機１基、マップテーブルを搭載している。砲塔にはダミー砲身を装着し、外見では分からないようにした。参考：月刊PANZER11,’05、British and American tanks of World War Two

＜クルセイダー・コマンド＞：指揮戦車型Crusader Command。前線から引き揚げられたクルセイダー�Uの主砲を撤去してNo.19無線機２基を搭載し、ダミー砲身を装備したものである。連隊本部に配備された。参考：月刊PANZER11,’05、British and American tanks of World War Two

＜クルセイダー試作対空戦車＞：対空戦車型Crusader AA with Triple Oerlikon。オープントップ砲塔にエリコン20mm機関砲を縦３連装で搭載したもの。作り付けの台座に剥き出しで装備したものもある。少数がノルマンディー上陸作戦に投入されたが、制空権をほぼ押さえていたため、戦果はあまり挙げられなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’05

＜クルセイダー自走榴弾砲＞：自走榴弾砲型。砲塔と戦闘室を撤去し、車体前部に後ろ向きに5.5インチ（140mm）砲を搭載しており、元の車体前面の位置には駐鋤も付けられた。FV300（センチュリオン戦車ベースの5.5インチ自走砲）の実証試験用らしく、第２次大戦後に１両が試作されたのみで、採用されなかった。参考：月刊グランドパワー11,’12、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、British and American tanks of World War Two

＜クルセイダー・ドーザー＞：工兵車両Crusader Dozer。砲塔を撤去し、開口部を塞いで操縦手用と車長用のキューポラを１基ずつ設け、車体前方に大型のドーザーブレードを装備したもの。ドーザーブレードは戦闘室に搭載したウインチのケーブルで上下する。参考：月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER11,’05、British and American tanks of World War Two

＜クルセイダー・ドーザー＆クレーンＲＯＦ＞：不発弾処理車型Crusader Dozer and Crane。王立火製工場（Royal Ordnance Factory）大火災での不発弾処理のため、１両が製作された。クルセイダー・ドーザーを改造してあり、車体前部上面に不発弾回収クレーンを搭載し（アーム先端はドーザーブレード前方に張り出している）、ブレード前面に増加装甲をボルト止めし、ブレードと車体の間に土嚢を敷き詰めてある。参考：月刊グランドパワー11,’12、月刊PANZER11,’05

＜クルセイダー浮航戦車＞：水陸両用戦車型。車体左右に長大なフロートを１基ずつ取り付け、水かき付きの履帯を装備して水上航行できるようにしており、エンジン吸気用パイプを斜め上に延長するアタッチメントも用意された。フロート取り付けには組み立て式アサートン・ジブ（簡易クレーン）を使用する。参考：月刊グランドパワー11,’12

＜Ａ−１６＞：F-16戦闘機ファミリーを参照。

＜Ａ１６＞：イギリス陸軍の試作重巡航戦車で、A14のサスペンションをクリスティー式に換えたものである。ナフィールド社で１両が試作されたが、A14共々1939年後半に開発中止となった。参考：歴史群像10,’08、British and American tanks of World War Two

＜Ａ１７＞：テトラーク・シリーズ（軽戦車）を参照。

＜Ａ−１７攻撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍の攻撃機。ダグラス社製で、ジャック・ノースロップが設計した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−１７＞：機体は全金属製、主翼は単葉。1936年2月に実用化された。参考：月刊世界の艦船3,’21

　＜Ａ−３３＞：1940年にノルウェー向けとして31機が製作されたが、ドイツに占領されて引き渡し先が無くなってしまったため、A-33と命名してアメリカ陸軍が引き取った。全長9.9m、全幅14.5m、全高2.8m、全備重量3900kg。エンジンはライトGR-1820-G205A（1200馬力）単発、最大速度399km、航続距離1400km。固定武装は12.7mm機銃２丁、7.7mm機銃４丁。爆弾800kgを搭載可能。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ１７型＞：ヴェステルイェトランド級（潜水艦）を参照。

＜Ａ−１８Ｄ＞：ECM社の水中無人機。2024年2月にテストを終えた。参考：月刊世界の艦船10,’24

＜Ａ１８−Ｍ＞：MIDS無人掃討管制システムを構成する機雷捜索用UUV。フランスのECAグループが開発した。魚雷型で、艦尾にＸ舵を持つ。UMISAS合成開口ソナーを搭載し、毎時２平方キロメートルを捜索できる。推進はシュラウド付きプロペラ１軸、最大運用深度300m、活動時間24時間。参考：月刊世界の艦船10,’24、9,’23

＜Ａ−１９＞：ソ連陸軍122mmカノン砲、別名M1931/37。1931年に制式化された122mm野砲M1931を、152mm野砲M1937の砲架に搭載したものである。口径長46.3、行動時重量7.907トン、戦闘重量7.117トン。俯仰角マイナス２度からプラス65度、方向射界58度。最大射程20400m。閉鎖器は段隔螺式、発射速度毎分5-6発。砲要員８名。北朝鮮軍も使用。参考：月刊グランドパワー2,’99、月刊PANZER9,’97、5,’03

＜Ａ−１９海外シリーズ＞

　＜１２．２ｃｍＫ３９０／２（ｒ）＞：ドイツ陸軍カノン砲。第２次大戦時に鹵獲して使用したもので、多くが大西洋城塞に運び込まれた。参考：月刊グランドパワー2,’99

＜Ａ−１９Ｓ＞：ソ連陸軍車載122mmカノン砲。A-19を車載型に改造したもので、ISU-122に搭載された。BR-471B徹甲榴弾（重量24.9kg）を使用すると砲口初速毎秒800m、装甲貫徹力152mm（射距離500m）／133mm（射距離1500m）。BR-460A成型炸薬弾（13.2kg）を使用すると、砲口初速毎秒550m、装甲貫徹力200mm。参考：月刊グランドパワー2,’99、月刊PANZER6,’03、4,’93

＜Ａ１９型＞：ゴトランド級（潜水艦）を参照。

＜Ａ−２０攻撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍の攻撃機、別名ハボック。ダグラス社が自社設計し、フランス軍がDB-7として配備したのを、アメリカ陸軍でも採用したものである。アメリカ陸軍攻撃機として最大の生産数を誇り、総生産数は7385機（ダグラス社で7098機、ボーイング社などで380機の計7478機？）である。第２次大戦のヨーロッパ・地中海方面では39492ソーティをこなし、爆弾31856トンを投下、11機を撃墜し、26機を損失（１ソーティあたり損失率0.67%）した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、世界の傑作機No.155、月刊JWings5,’16、12,’22

　＜Ａ−２０＞：DB-7を1939年に採用したもの。主翼は中翼配置、降着装置は前輪式。エンジンはR-2600（1600馬力）双発。63機が生産され、後に３機はF-312に、残りはP-70に改造された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings12,’22

　＜Ａ−２０Ａ＞：A-20の機首をソリッドノーズにして7.7mm機銃４丁を搭載し、エンジンナセルにも後方機銃１丁ずつを追加したもの。エンジンはライト製R-2600-3（1650馬力）双発。1940年12月から配備された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings12,’22

　＜Ａ−２０Ｂ＞：ダグラス・ロングビーチで999機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−２０Ｃ＞：ボーイング・シアトルで生産された140機は全機イギリスに送られた。1940年からはサンタモニカで808機が生産されて配備された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−２０Ｄ＞：全長14.4m、全幅18.7m、総重量8600kg。エンジンはライトR-2600（1600馬力）双発、最大速度256ノット、航続距離860海里。防御武装は12.7mm機銃６丁。爆弾1000kgを搭載可能。参考：ラバウル航空戦

＜Ａ−２０Ｇ＞：Ｃ型の機首をソリッドノーズに変更、12.7mm機銃を追加したもの。全長14.63m、全幅18.69m、全高5.35m（5.26m？）、自重7250kg、総重量9966kg、最大離陸重量12338kg。エンジンはライト製R-2600-23空冷星型複列14気筒ガソリン（1600馬力）双発、巡航速度438km、最大速度546km、実用上昇限度7860m、航続距離1754km。防御武装は12.7mm機銃８丁。爆弾1179kg（1814kg？）を搭載可能。乗員3-4名。2850機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings6,'24、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜Ａ−２０Ｈ＞：Ｇ型の機首武装を20mm機関砲にしたもの。412機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−２０Ｊ＞：Ｃ型の機首窓を枠無しとしたタイプ。1943年から450機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−２０Ｋ＞：Ｊ型の改良型。259機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−２０ファミリー＞

　＜Ｆ−３１２＞：写真偵察機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｐ−７０＞：夜間戦闘機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−２０攻撃機・海外シリーズ＞

　＜Ａ−２０（ソ連海軍）＞：ソ連海軍航空隊雷撃・機雷敷設機。1942-45年に656機を配備し、1950年代半ばまで運用した。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

　＜ＤＢ−７＞：フランス軍採用型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ハボック＞：イギリス空軍攻撃機。参考：月刊JWings12,’22

　＜ボストン＞：イギリス空軍爆撃機。フランス降伏で行き場の無くなった機体を採用したものである。参考：月刊JWings12,’22

＜Ａ２０試作戦車＞：イギリス陸軍の試作歩兵戦車で、1939年9月から開発された。要求は車体両側スポンソンに２ポンド砲と機銃を搭載し、最大80mmの装甲を持ち、最大速度16kmで高さ５フィート（1.52m）の土堤を乗り越え前進する７名乗り戦車である。要するに第１次大戦時に使用した菱形戦車の延長上にあるもので、さすがに時代遅れと感じたのか、武装を全周旋回可能な砲塔に搭載し、最大装甲厚を37mm砲に耐えられる60mmに減らし、鉄道輸送を考えて総重量を32トンとした戦車に要求を変更、10月からハーランド＆ウォルフ社が設計した。1940年2月に試作車４両が発注され、6月に初号車が完成してテストを実施したが、重量過大でトランスミッションが持たず、車体前部にも搭載していた２ポンド砲を廃止するなどの軽量化策を取ることにした。その間にヨーロッパ戦線でダンケルク撤退が行われ、イギリス本土に残った実戦投入可能な戦車戦車が100両に満たなくなるという事態が発生、悠長に本戦車を開発している暇が無くなり、スケールダウン版のチャーチル歩兵戦車を開発して１年以内に量産を始める事が決まったため、本戦車は6月末に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two、歴史群像8,’08

＜Ａ−２０試作戦車＞：ソ連陸軍の試作戦車。BT快速戦車を元にしており、装輪・装軌併用式で、45mm砲を搭載する。全長5.76m、全幅2.65m、重量18トン。装甲厚16-25mm。主砲威力が小さいのと、装輪併用にメリットが見いだせなかったので、A-32に負けて採用されなかった。参考：月刊グランドパワー10,’0

＜Ａ２１Ｒ＞：J21ファミリー（攻撃機）を参照。

＜Ａ２２＞：チャーチル・シリーズ（歩兵戦車）またはメリーランド海外シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−２２ロケット弾システム＞：ロシア海軍140mmロケット弾システム、別名オゴン（Ogon）。22連装発射機MS-227などから構成され、強襲上陸時の沿岸制圧に使う。ズブル級エアクッション揚陸艇に搭載された。参考：月刊軍事研究11,’15、月刊世界の艦船9,’20

＜Ａ２２Ｆ＞：チャーチルMk.�Z（歩兵戦車）を参照。

＜Ａ−２４＞：SBDシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ２４巡航戦車＞：イギリス陸軍の巡航戦車、別名巡航戦車Mk.�Zキャバリエ（Tank, Cruiser, Mk �Z　Cavalier）。1940年後半から年末にかけ、A13Mk�VカヴァナンターとA15クルセイダーの試作車が完成してテストが行われ、また黄作戦や北アフリカ戦の戦訓も入ってきたため、イギリス陸軍ではこれらを取り入れて重巡航戦車を開発することになった。1941年1月、主砲は６ポンド砲で、砲塔リングは60インチ（1.52m）径とし、装甲厚は車体前面65mm・砲塔前面75mm、重量24トン以内、強力なエンジンを積んで時速24マイル（38.6km）以上を出せ、機械的信頼性も高い、といった要求が纏められ、ボクスホール社がチャーチル歩兵戦車のスケールダウン型をA23として提案したがこちらは蹴られ、ナフィールド社とアエロ社が提案したクルセイダー改良型がA24として採用されて秋までに６両の試作車を組み立てることとなった。足回りはクルセイダーと同様で、リバティエンジンとウィルソン遊星歯車式トランスミッションの組み合わせ、下部転輪は大型ダブルタイプ片側５組で上部転輪は無く、起動輪が後方、誘導輪が前方にある。サスペンションもクルセイダーと同様の改良クリスティー式だが、重量増に合わせてコイルスプリングを強化している。上構前面は一枚板ですっきりとした外見となった。砲塔は避弾経始の無い箱形で、巨大なボルトにより組み立てられている。防楯は内装式。1941年6月には早くも500両の量産命令が出され、この時点でクロムウェル�T（Cromwell �T）という名称が付く筈だった。しかし、カヴァナンターとクルセイダーの製造に関与していたレイランドモータースが、チャーチル歩兵戦車と同様のロールスロイス社製マーリン空冷エンジンとメリット・ブラウン式トランスミッションを搭載したらどうかと提案。この意見がA27巡航戦車として実現することになったが、当時マーリン空冷エンジンは全て航空機用として使われていたため、取り敢えずA24巡航戦車はA27巡航戦車量産までの繋ぎとして発注分だけ作ることになり、1942年1月に名称もクロムウェルからキャバリエに変更された。全長20フィート10インチ（6.35m）、全幅９フィート5.5インチ（2.88m）、全高８フィート（2.44m）、戦闘重量59360ポンド（26.9トン）。武装は６ポンド砲Mk3/Mk5が１門（64発）、7.92mmベサ機銃1-2丁（4950発。主砲同軸と上構前部左）。装甲厚76mm-20mm。エンジンはナフィールド製リバティ（410馬力）、最大速度路上24マイル（38.6km）／路外14マイル（22.5km）、航続距離165マイル（266km）。乗員５名（車長、砲手、装填手、操縦手、副操縦手）。完成してみると、クルセイダーと同じエンジンで車重が増えたため、当然ながらその分だけ性能が低下し、エンジン寿命も短くなり、故障も多発、生産された500両は全て訓練に回された。少数がファミリー車両に転換されて実戦投入されている。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポート11、月刊PANZER11,’02

＜Ａ２４巡航戦車ファミリー＞

　＜キャバリエＡＲＶ＞：装甲回収車型Cavalier ARV。砲塔を外してウインチとＡフレームクレーンを搭載しており、外見はセントーARVやクロムウェルARVとほぼ同じ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜キャバリエＯＰ＞：砲兵観測車型Cavalier Observation Post。６ポンド砲を外してダミー砲身に付け替えており、外見はセントーOPやクロムウェルOPとほぼ同じ。1943年半ばに少数が改造され、1944-45年に欧州戦線で機甲師団に配備されたものもあった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ａ−２４Ａ＞：SBDシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−２４Ｂ＞：SBDシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−２５Ａ＞：SB2Cシリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ２６重巡航戦車＞：イギリス陸軍重巡航戦車。チャーチル歩兵戦車を軽量高速化したものである。計画のみで没になった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ａ−２６長距離機＞：立川飛行機が開発した航空機、別名キ−77。朝日新聞社の紀元2600年記念東京・ニューヨーク間無着陸横断飛行用の機体で、Ａは朝日新聞社のＡ、26は2600年の26である。昭和15年3月から設計され、5月から実機製作に入ったが、太平洋戦争が始まったためニューヨークへの飛行は取りやめになった。１号機が完成したのは昭和17年10月で、11月18日に初飛行、昭和19年7月には満州で16435kmを平均288kmで飛行する記録を立てた。２号機は昭和18年4月に完成し、日本陸軍に納入されて朝日新聞のクルーと陸軍使節を乗せ、7月7日にシンガポールからドイツに向かった（セ号飛行）が、インド洋上空で行方不明になった。全長15.3m、全幅29.44m、全高3.85m、自重7237kg、全備重量16725kg。エンジンはハ−115特（1170馬力）双発、プロペラ直径3.80m、巡航速度290km、最大速度440km、実用上昇限度8700m、航続距離18000km。乗員６名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ａ−２６爆撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍双発爆撃機、別名インベーダー（Invader）。ダグラス社がA-20の後継として1941年から試作し、2400機が生産された。第２次大戦のヨーロッパ・地中海方面では延べ11567機が出撃して爆弾18054トンを投下し、７機を撃墜、67機を損失（１ソーティあたり損失率0.58%）した。1948年6月に戦術爆撃機B-26に改称されている。朝鮮戦争では12000ミッションをこなし、延べ53000機が出撃、爆弾10万トンを投下して機関車406両、貨車3700両、車両38500両、橋梁168基を破壊し、７機を撃墜した。損失は226機。ベトナム戦争にも投入され、イギリス、トルコ、南米、中東諸国でも使用された。参考：月刊JWings6,’02、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、世界の傑作機No.155

　＜ＸＡ−２６＞：試作機で、1941年6月に陸軍から発注を受けた。当初は中型爆撃機として開発していたが、陸軍の要求で多用途双発攻撃機に変更、３機が完成した。A-20の主翼を層流翼とし、電動式ダブルスロッテッド・フラップを装着、胴体形状も改良し、大型の爆弾倉を装備した。機首は透明風防で、機体上下に遠隔操作式12.7mm連装銃塔を搭載する。1942年7月10日に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＸＡ−２６Ａ＞：試作夜間戦闘機型。レーダーと20mm機関砲４門を搭載する。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＸＡ−２６Ｂ＞：試作襲撃機型。機首右に75mm砲を搭載する。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ａ−２６Ａ＞：B-26Kを参照。

　＜Ａ−２６Ｂ＞：量産型。XA-26Bがベースで、機首の武装を12.7mm機銃６丁（左２丁、右４丁。後に左右とも４丁ずつに増えた）に変更しており、胴体横と主翼下面に計８丁を追加でき、装甲も強化、地上襲撃に威力を発揮した。全長15.24m、全幅21.33m、全高5.64m、自重10147kg、全備重量15880kg、最大離陸重量16783kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-2800-27/-71/-79（2000馬力）双発、巡航速度457km、最大速度570km、実用上昇限度6740m、航続距離2253km。爆弾1814kgを搭載可能。乗員３名。1943年8月から引き渡され、1800機が発注されたが終戦で455機がキャンセルされ、1355機が生産された。初出撃は1944年11月17日で、アジェナウの物資集積所を灰にしている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ａ−２６Ｃ＞：XA-26の生産型で、1945年に登場した。機首に爆撃手席を設置、機銃を外して透明ガラスを填め込んでいる。1091機が生産された。少数は銃座を撤去して胴体下面にレドーム２基を装備し、H2Sレーダーを搭載、夜間攻撃機となった。3900機が発注されたが終戦で2809機がキャンセルされ、1091機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ａ−２６Ｄ＞：Ｂ型の武装強化型。750機が発注されたが、終戦で製造されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ａ−２６Ｅ＞：Ｃ型の改良型。1250機が発注されたが、終戦で製造されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ａ−２６Ｆ＞：プロペラを４翅に変更し、I-16ジェットエンジンも装備した高速型で、時速665kmを記録した。試作のみ。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜Ｂ−２６Ｋ＞：別名カウンター・インベーダーまたはカウンター・インサージェンシー。1960年代に空軍が開発した反乱鎮圧用機を発展させたもので、オン・マーク・エンジニアリング社が開発した。エンジンをR-2800-103Wに換装、主翼構造を強化して４ヵ所にパイロンを装備できるようにし、ラダーを大きくして片発停止時にも操縦性を確保した。爆弾倉には写真偵察パックも装備できる。主翼端に増槽を装着し、アンチスキッドブレーキを搭載、計器や電子機器類も近代化し、自動操縦装置を追加した。遠隔操作銃座を外し、12.7mm機銃８丁を機首に搭載しており、透明風防型機首との交換も可能。1963年1月に初飛行、1964-65年に引き渡された。全長15.73m、全幅21.79m、全高5.79m、最大離陸重量19670kg。エンジンはR-2800-103W（2500馬力）双発、巡航速度499km（419km？）、最大速度526km（639km？）、実用上昇限度9145m、航続距離2380km／4245km（増槽あり）、戦闘行動半径925km＋２時間。固定武装は12.7mm機銃14丁（機首８丁、主翼３丁ずつ）。爆弾搭載量4.99トン。乗員２名。1966年に第56特殊戦航空団第609特殊戦飛行隊に配備されてベトナム戦争に参加した。この際、タイ駐留に爆撃機不可という条件が付いていたため、A-26A攻撃機と改称している。第606特殊戦飛行隊や第１訓練飛行隊にも配備された。民間登録されてキューバやハイチ、インドネシアなどでの反乱鎮圧・政権転覆任務などを密かに行った機体もある。参考：月刊JWings6,’02、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空ファン10,’19

＜Ａ−２６ファミリー＞

　＜ＦＡ−２６Ｃ＞：写真偵察機型で、後にRB-26Cに改称された。朝鮮戦争時にはA-14マガジン及びM-112フラッシュカートリッジからなるA-3夜間照明システムを搭載して夜間偵察を行ったが、高度900m以下でないと光が届かない上に４秒ごとにカートリッジを投下する必要があり、損害が続出した。1952年5月に高度2400mまで届くM-46フラッシュ弾を装備するようになり、次いで高度7500mまで届くM-120フラッシュ弾を搭載して安全に偵察任務を行うことができるようになった。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

　＜ＲＢ−２６Ｃ＞：FA-26Cを参照。

＜Ａ−２６海外シリーズ＞

　＜Ｂ−２６Ｂ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍攻撃機。1960年にアメリカから６機を導入した。参考：月刊航空ファン6,’17

　＜侵入者式轟炸機＞：台湾空軍爆撃機。黒蝙蝠中隊に配備した。参考：月刊航空ファン6,’16

＜Ａ２６型潜水艦＞：スウェーデン海軍が開発中のAIP潜水艦。1994年にスウェーデン、ノルウェー、デンマークがバイキング計画として立ち上げたが、冷戦終結・ソ連崩壊による戦略環境変化でスウェーデン以外が抜けて休止状態になり、2000年代中期にスウェーデンでゴトランド級とヴェステルイェトランド級の後継として計画が復活、2010年2月にコックムス社が契約を締結し、6月に２隻の建造が承認されたが、コックムス社が買収されて親会社の建造反対に遭い2014年2月に発注が一旦キャンセルされ、7月にコックムス社がサーブ社に売却されてサーブ・コックムス社となり2015年6月30日に改めて契約が結ばれ、２隻が発注された。静粛性を重視しており、船体には音響吸収／反射コーティングを適応する。艦首魚雷発射管の間にあたる艦首中央部にマルチミッション・ポータルと呼ばれるエアロックを装着しており、長さ6m・直径1.5-1.6mのフレキシブル・ペイロード・チューブに繋がっていて、特殊部隊（８名収容）、特殊作戦器材、UUVを射出可能。船体外に耐圧コンテナ、有人水中艇、偵察救難装置などを取り付けることもできる。艦尾の舵はＸ舵。潜望鏡は捜索用がサジェム社製シリーズ30SOM（Search Optronic Mast）非貫通式電子光学潜望鏡、攻撃用がシリーズ30AOM（Attack Optronic Mast）非貫通式電子光学潜望鏡。全長66m（62m？65m？）、幅6.75m、吃水6m、水上排水量1800トン、水中排水量2200トン（1860トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック＋スターリング方式AIP、ディーゼル２基・スターリング機関３基・電動モーター１基、１軸推進、最大速力12ノット（シュノーケル）／６ノット（水中AIP）、連続行動日数45日、AIP連続潜航日数18日。最大潜航深度200m以上。兵装は533mm魚雷発射管４門（魚雷／USM／UUM15本、機雷）、高射機関砲。乗員17-26名（通常）／35名（最大）。１番艦ブレーキンゲ（Blekinge）は2015年9月16日（4日？）にファースト・スチール・カット、2022年6月30日に起工式を行っており、2024年に引き渡される予定だったが2027年に延びた。２番艦は予定艦名スコーネ（Skåne）で、2025年に引き渡される予定だったが2028年に延びた。サーブ社がIMDEX2017でカット・アンド・プラグ方式により船体を10m延長し、トマホーク３連装発射筒３基を埋め込むプランを発表しており、ポーランド海軍が３隻を導入するかもしれない。参考：月刊軍事研究1,'16、1,’13、月刊世界の艦船2,’17、10,’17、9,'23、3,’14、12,’15、11,’16、3,’16、8,’17、4,’19、4,’20、5,’22、9,’22

＜Ａ−２７＞：アメリカ陸軍攻撃機。ノースアメリカンBC-1A（AT-6）を改造したもので、エンジンをライトR-1820-F52（785馬力）に換え、機首に２丁、主翼に１丁ずつ、後方に１丁の機銃を追加、爆弾架を設けた。最大速度402km。爆弾搭載量400kg。1940年にブラジル、チリ、タイへの輸出が決まったが、タイ向けのものが禁輸措置を受けたのでアメリカ陸軍に引き渡された。太平洋戦争時はフィリピンに配備されていたが、開戦時に大部分が破壊された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ２７Ｌシリーズ＞：イギリス陸軍巡航戦車、別名巡航戦車Mk�[セントー（Tank, Cruiser, Mk �[, Centaur）。A27Mクロムウェル巡航戦車のエンジンであるミーティアはロールスロイス社製航空機用マーリン・エンジンの戦車型だが、航空機用の生産に手一杯でミーティアを作る余裕が無かったため、取り敢えずナフィールド製リバティーを搭載したものである（A27LのＬはLivertyの頭文字）。1941年11月にイングリッシュ・エレクトリック社がクロムウェル�U（Cromwell �U）という名称で提案（この時はA24がクロムウェル�Tという別名だった）し、ミーティア搭載型をクロムウェル�Vとする予定にしたが、リバティー搭載型はセントー、ミーティア搭載型はクロムウェルと名称変更された。試作車は1942年6月に完成し、量産初号車は同年末に配備され、各型合わせて950両が生産された。後に多くがエンジンをミーティアに換装してA27Mクロムウェルに改造され、リバティーのままだったものはエンジンの性能・信頼性の問題から訓練用に使われた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’02、ウォーマシン・レポート11、週刊ワールドウェポン17

　＜セントーＭｋ �T＞：Centaur �T。６ポンド砲Mk5装備型。A24キャバリエのリバティーエンジンをミーティアに換装したA27Mクロムウェルのエンジンをリバティーに戻したバージョンのため、外見はA24とほぼ同じである。ただミーティアの量産が軌道に乗った暁にはエンジンだけ積み替えてA27Mクロムウェルに改造できるようにしてあり、ウィルソン遊星歯車式トランスミッションの代わりにメリット・ブラウン式トランスミッションを搭載、ラジエーターを機関室後部に移した。A27Mクロムウェルとの違いは、砲塔直後にあたる車体後部上面に盛り上がった装甲ルーバーが無く、車体後部上面全体がフラットになっていることである。全長20フィート10インチ（6.35m）、全幅８フィート２インチ（2.49m）、全高９フィート６インチ（2.9m）、戦闘重量63600ポンド（28.8トン）。主砲は６ポンド砲Mk5（64発）、副武装は7.92mmベサ機銃1-2丁（4950発）。装甲厚76mm（最大）／20mm（最小）。エンジンはリバティーV12ガソリン（395馬力）、最大速度27マイル・43.5km（路上）／16マイル・25.7km（路外）、航続距離165マイル（265.5km）。乗員５名（車長、砲手、装填手、操縦手、副操縦手）。参考：British and American tanks of World War Two、週刊ワールドウェポン17

　＜セントーＭｋ �V＞：Centaur �V。主砲を75mmOQF Mk.5（64発）に換装したもので、クロムウェル�Wのリバティーエンジン型にあたる。全長6.35m、全幅2.9m、全高2.49m、重量28.849トン。副武装は7.92mmベサ機銃1-2丁。エンジンはナフィールド・リバティーMk.�X12気筒Ｖ型ガソリン（395馬力）、最大速度43.4km（路上）／25.7km（路外）、航続距離265km。乗員５名。参考：週刊ワールドウェポン17、British and American tanks of World War Two

　＜セントーＭｋ �W＞：Centaur �W。オーバーロード作戦でイギリス海兵隊機甲化支援群に配備するため開発されたもので、主砲を95mm榴弾砲Mk�T（64発）に換装した近接支援（Close Support）型である。エンジンは改良型リバティー。80両が生産され、実戦投入してみると思った以上に使い勝手が良く、上陸時だけでなく内陸進撃後も使用された。参考：週刊ワールドウェポン17、British and American tanks of World War Two

＜Ａ２７Ｌファミリー＞

　＜セントーＡＡ　Ｍｋ �T＞：対空戦車型Centaur, AA Mk �T。クルセイダーAA Mk�Uと同様の砲塔を搭載したもので、セントー�Vを改造したセントー�VAA Mk.�Tと、セントー�Wを改造したセントー�WAA Mk.�Tがある。ポールステン20mm機関砲を連装で装備しており、砲手用の開口部周囲には防楯が増設された。オーバーロード作戦に参加したが、予想以上に経空脅威が少なかったため、程無く前線から引き揚げられている。参考：週刊ワールドウェポン17、世界の軍用車両(1) 、British and American tanks of World War Two

　＜セントーＡＡ　Ｍｋ　�U＞：対空戦車型Centaur, AA Mk �U。クルセイダーAA Mk�Vと同様の砲塔を搭載したもので、セントー�V／�Wから改造された。エリコンの代わりにポールステン20mm機関砲を連装で搭載する。参考：British and American tanks of World War Two

　＜セントーＡＲＶ＞：装甲回収車型Centaur Armoured Recovery Vehicle。砲塔を外したスペースにウインチを搭載し、脱着式のＡフレーム・クレーンを装備する。参考：British and American tanks of World War Two、週刊ワールドウェポン17

　＜セントーＯＰ＞：砲兵観測所車両型Centaur Observation Post。主砲をダミーに換装して無線や電話を追加しており、砲兵観測士官が乗り込んで観測任務を行う。参考：British and American tanks of World War Two、週刊ワールドウェポン17

　＜セントー・カンガルー＞：装甲兵員輸送車型Centaur Kangaroo。砲塔を撤去して装甲兵員輸送車（カンガルー）にしたもの。少数のみ改造された。参考：British and American tanks of World War Two、週刊ワールドウェポン17

＜セントー・ドーザー＞：装甲ドーザー型Centaur Dozer。砲塔を撤去してワイヤー＆ウインチ駆動式ドーザーブレードを装着したもの。クロムウェルを装備する連隊または大隊あたり１両が配備された他、工兵部隊でも使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER7,’03

＜Ａ２７Ｍシリーズ＞：イギリス陸軍巡航戦車、別名巡航戦車Mk�[クロムウェル（Tank, Cruiser, Mk �[ Cromwell）。A24キャバリエのエンジンを高出力で信頼性の高いミーティアに換装したもので、A27MのＭはミーティアのＭである。ロールスロイス社がミーティアの試作を早期に進めており、1941年にはクルセイダーにミーティアを搭載してテストが行われていたため、設計作業は順調に進み、バーミンガム・キャリッジ＆ワゴン社が軟鋼製試作初号車を軍に納入したのは1942年3月1日とA27Lセントーよりも先だった。当初はA24クロムウェル�T／A27Lクロムウェル�U／A27Mクロムウェル�Vと命名されていたが、A24がキャバリエ、A27Lがセントーに改称され、A27Mがクロムウェルという名称を独占している。1942年末までにもう１両の試作車も完成してテストが行われ、クラッチ、ギア、冷却系の細かいトラブルを解消し、1943年1月には量産初号車の生産が始まった。A27Lからの改造を含め3000両が量産され、1944-45年のイギリス機甲師団ではシャーマン中戦車と共に主力装備となり、当時のイギリス戦車として最高の機動力を誇ったが、主砲の威力がドイツ戦車の48口径／70口径75mm戦車砲に劣り、かといって17ポンド砲を十分に運用できるような砲塔に積み替えるだけの車体の余裕も無かった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’02、ウォーマシン・レポート11、週刊ワールドウェポン17

　＜クロムウェルＭｋ�T＞：Cromwell �T。圧延装甲板をメインフレームにリベット止めしていくという単純な組み立て方式で、車体・砲塔共切り立った箱形をしており、中規模以下の工場でも簡単に製作できたが、避弾経始を無視した垂直装甲板と相まって、防御力に劣った。車体は前部に操縦手と副操縦手兼車体銃手が並列で座り、中央が戦闘室、後部がエンジンとトランスミッションを収容した機関室という構成である。履帯はセンターガイド付きマンガン鋼製。砂漠向けにサイドスカートが標準装備として用意されたが、実際に装備した車両は殆ど無い。全長6.35m、全幅2.91m、全高2.48m、戦闘重量27トン。装甲厚は車体前面63mm、前面下部76.2mm、側後面32mm、砲塔前面76mm、側面63mm、後面32mm。エンジンはロールスロイス社製ミーティア�X型12気筒水冷ガソリン（600馬力）、最大速度64km、燃料搭載量527リットル、航続距離277km。主砲は６ポンド砲Mk.�V（75発）、副武装は7.92mmベサ機銃２丁（4950発）。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手兼車体銃手、砲手、装填手兼無線手）。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER11,’02

　＜クロムウェルＭｋ�U＞：Cromwell �U。車体機銃を外し、履帯幅を14インチ（356mm）から15.5インチ（394mm）に拡大したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェルＭｋ�V＞：Cromwell �V。セントー�Tのエンジンをミーティアに換装したもので、元はクロムウェルMk�]という名称になる筈だった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェルＭｋ�W＞：Cromwell �W。北アフリカ戦線で徹甲弾も榴弾も撃てる75mm砲を装備したアメリカ陸軍M3/M4中戦車の活躍を目の当たりにし、搭載砲を75mmOQF Mk.5（64発。装甲貫徹力は射距離500m・30度傾斜装甲板で68mm）に換装したタイプで、1942年12月から開発され、1943年11月に初号車が完成した。主砲以外はミーティア換装セントー�Vを使用しており、副武装は7.92mmベサ機銃２丁（4950発）である。後期型はフェンダー上の雑具箱を短縮し、操縦手・副操縦手席の横に外開きの脱出ドアを設けた。全長6.35m、全幅2.908m、全高2.489m、戦闘重量27.5トン。装甲厚は車体前面上部63mm、下部57mm、側後面32mm、上面20mm、底面8mm、砲塔前面76mm、側面63mm、後面32mm、上面20mm。エンジンはミーティアV12水冷ガソリン（600馬力）、トランスミッションはメリットブラウンZ5（前進５速・後進１速）、最大速度51km、燃料搭載量527リットル、航続距離277km。乗員５名。主砲に多数の初期不良が見つかり、修正に時間がかかったため、実際に戦力化されたのは1944年5月になってからである。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER9,’05、週刊ワールドウェポン17

　＜クロムウェルＭｋ�Wｗ＞：Cromwell �Wｗ。クロムウェル�Wの車体を全溶接製として生産性を更に向上させたもので、ｗはweldedの頭文字。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェルＭｋ�Xｗ＞：Cromwell �Xｗ。クロムウェル�Wの車体を全溶接接合式とし、最初からミーティアを積んだもの。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER9,’05

　＜クロムウェルＭｋ�Y＞：Cromwell �Y。クロムウェル�Wの主砲を95mm榴弾砲Mk�Tに換装した近接支援型である。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェルＭｋ�Z＞：Cromwell �Z。クロムウェル�Wの車体前面にアップリケアーマーを溶接して最大装甲厚を101mmに増やし、重量が1120ポンド（508kg）増加したので履帯幅を14インチ（356mm）から15.5インチ（394mm）に拡大、サスペンションを強化し、ファイナルドライブの減速比を変更して最大速度を32マイル（51.5km）に抑えたもの。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER9,’05

　＜クロムウェルＭｋ�Zｗ＞：Cromwell �Zｗ。クロムウェル�Xｗにクロムウェル�Zと同様の改造を施したもの。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER9,’05

　＜クロムウェルＭｋ�[＞：Cromwell �[。クロムウェル�Yにクロムウェル�Zと同様の改造を施した近接支援型である。参考：British and American tanks of World War Two、週刊ワールドウェポン17

　＜クロムウェルＭｋ�]＞：クロムウェルMk�Vを参照。

　＜クロムウェル・タイプＣ＞：バレンタインと同様の車軸を使用したタイプ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェル・タイプＤ＞：副操縦手席に脱出ハッチを装備するタイプ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェル・タイプＥ＞：最終減速比を減らしたタイプ。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェル・タイプＦ＞：操縦手席に脱出ハッチを装備するタイプ。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ａ２７Ｍファミリー＞

　＜クロムウェルＡＲＶ＞：装甲回収車型Cromwell Armoured Recovery Vehicle。砲塔を外してウインチを搭載し、脱着式Ａフレーム・クレーンを装備したもの。外見はセントーARVとほぼ同じである。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェルＣＩＲＤ＞：地雷処理車型で、CIRD（Canadian Indestructible Roller Device）と呼ばれる地雷除去ローラーを車体前部に装着したもの。履帯前方に履帯幅くらいのローラーが付いており、地雷を踏んで安全化する。地雷のみ改造された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェルＯＰ＞：砲兵観測所車両Cromwell OP。クロムウェル�W／�Y／�[の主砲をダミーに交換し、砲兵観測士官用無線機を追加したもの。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェル・クロコダイル＞：試作火炎放射戦車Cromwell Crocodile。チャーチル・クロコダイルのクロムウェル版で、大戦末期にテストが行われた。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェル・コマンド＞：指揮Cromwell Command。クロムウェル�W／�Y／�[の主砲をダミーに交換し、指揮官用無線機を追加している。参考：British and American tanks of World War Two

　＜クロムウェル・プロング＞：Cromwell “Prong”。車体前部にカリン・ヘッジロウ・カッターを装着したタイプである。参考：British and American tanks of World War Two

　＜チャリオティア＞：試作武装強化型Charioteer。20ポンド砲搭載新型砲塔に換装したもので、1950年に残存するクロムウェル車体を使用して改造が行われた。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ａ−２８シリーズ＞：アメリカ陸軍攻撃機。ロッキード社の民間用双発エアライナー、モデル14スーパーエレクトラを軍用に改造したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊丸12,’90

　＜ハドソン＞：イギリスの洋上哨戒爆撃機開発要請に応えて採用された。1938年12月10日に初飛行し、1500機以上が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−２８＞：1941年、レンドリース協定の締結を受けてハドソンに改称したもの。52機がイギリスに引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−２８Ａ＞：兵員輸送用にも転換できるタイプ。450機がイギリスに引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−２９＞：A-28のエンジンをライトR-1820に換装したもの。全長13.5m、全幅20m、全高3.6m、自重5820kg、全備重量9300kg。エンジンはライトR-1820-87（1200馬力）双発、巡航速度330km、最大速度407km、実用上昇限度8080m、航続距離2490km。固定武装は7.7mm機銃５丁。爆弾搭載量730kg。乗員４名。1941年後半から416機が生産され、イギリスとアメリカで使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−２９Ａ＞：A-29のエンジンを換装したもの。1941年後半から384機が生産され、イギリスとアメリカで使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−２８ファミリー＞

　＜Ａ−２９Ｂ＞：アメリカ陸軍の写真偵察機型。A-29Aのうち24機が改造され、地図作製に使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−２９＞：A-28シリーズ（攻撃機）またはEMB-314シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−２９Ａ＞：A-28シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−２９Ｂ＞：A-28攻撃機ファミリーまたはJ29B（攻撃機）を参照。

＜Ａ−３０攻撃機シリーズ＞：アメリカ陸軍攻撃機、別名バルチモア（Baltimore）。マーチン社が開発し、フランス空軍に167Fとして採用され、フランス降伏後はメリーランドとしてイギリスに引き取られた機体の拡大改良型である。レンドリース協定適用後はA-30となった。生産総数1575機。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜バルチモア�T＞：メリーランドの胴体を大型化し、武装とエンジンを強化したもの。後上方・後下方に防御用7.7mm機銃１丁ずつを装備する。50機が生産され、1941年10月以降にイギリスに送られた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜バルチモア�U＞：防御機銃を連装にしたタイプ。100機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜バルチモア�V＞：後上方機銃を7.7mm機銃４連装の動力銃塔としたタイプ。250機を生産した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−３０バルチモア�W＞：後上方機銃をマーチン製7.7mm連装銃塔としたタイプ。全長14.8m、全幅18.7m、全高5.4m、自重6890kg、全備重量10430kg。エンジンはライトR-2600-19（1660馬力）双発、巡航速度320km、最大速度486km、実用上昇限度7320m、航続距離1530km。爆弾900kgを搭載可能。乗員４名。1941年に281機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−３０Ａバルチモア�X＞：エンジン強化型。1941-43年に894機を生産した。A-30共々少数がアメリカ陸軍でも使用され、テスト用に回された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−３０ファミリー＞

　＜ＲＡ−３０＞：アメリカ陸軍のテストベッド機型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ３０自走砲＞：イギリス陸軍対戦車自走砲、別名アヴェンジャー（Avenger）。第２次大戦時にドイツ軍が使用した駆逐戦車と似たコンセプトの車両を機甲師団対戦車大隊に配備しようと考えたのが開発のきっかけで、当初はアメリカのM10駆逐戦車を導入しようとしたが、1943年末までにイギリスに引き渡される見込みが立たなかったため、自力で設計することになった。そこでイギリス最強の17ポンド砲をあり合わせの戦車シャシーに載せることが決まり、A15クルセイダーでは小さすぎたのでバレンタインを使うことにし、取り敢えず作ってみたのがアーチャー対戦車自走砲である。そのアーチャー対戦車自走砲の試作車が製作されていた1943年初め、レイランド社がA30チャレンジャー巡航戦車の車体を使った対戦車自走砲バージョンを提案。アーチャーの主砲はドイツ軍対戦車自走砲のような限定旋回式だが、元々17ポンド砲搭載砲塔を積んでいるA30チャレンジャー車体を使えば全周旋回砲塔を載せられるため、M10駆逐戦車と同様の運用が出来るという触れ込みで、採用が決定した。当時レイランド社はA34コメット巡航戦車の開発も行っていたため、A30チャレンジャーの車体（上部構造物を低くしてある）にA34コメットで採用した上部転輪を組み合わせ、サスペンションも改良して足回りの欠点を補っている。待ち伏せ攻撃が主任務で、戦闘中には基本的に動く必要が無いということで、操縦手用視察装置は上部構造物左前面の小さな開閉式装甲クラッペのみであり、走行時には上面ハッチを開け、風雨に晒されないよう前面にワイパー付き大型ガラスを填め込んだキャンバスを開口部に被せ、ここから視界を確保した。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪はダブルタイプ片側３組である。砲塔は全周旋回式オープントップで、乗員保護のため支柱を介して軟鋼製上面カバー（並列両開きハッチ付き）を装着している。砲塔側面は垂直に切り立っていて、後面にカウンターウェイトを持つ。主砲俯仰角はマイナス10度からプラス20度。全長8.71m（主砲を後ろに向けると24フィート３インチ・7.39m）、全幅3.04m、全高2.2m、戦闘重量31.5トン。主砲は17ポンド砲１門（55発）。.303口径ブレン対空機銃１丁の装備が可能。装甲厚101mm（最大）／10mm（最小）。エンジンはロールスロイス社製ミーティアＶ型12気筒ガソリン（600馬力）、最大速度51.5km（路上）／20マイル・32.2km（路外）、航続距離168km。乗員4-5名（車長、操縦手、砲手、装填手。時に第２装填手）。試作車はA30チャレンジャーと同じく上部転輪無しで1944年に完成したが、既に戦車駆逐大隊にはM10駆逐戦車の配備が始まっており、レイランド社にはA34コメットの量産を最優先とする命令が出され、発注された230両は1946年に完成し、２個自走砲兵大隊に配備された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER6,’14、世界の軍用車両(1)

＜Ａ３０巡航戦車＞：イギリス陸軍巡航戦車、別名チャレンジャー（Challenger）。北アフリカ戦の戦訓から、当時知られていた全てのドイツ装甲戦闘車両を破壊できる主砲を備えた巡航戦車・歩兵戦車が必要となり、まずは３インチ（76.2mm）高射砲を改造した主砲を装備した限定旋回式砲塔をチャーチル歩兵戦車に載せてみたが、この案は没になってしまった。次いで17ポンド対戦車砲を積むことになり、これを載せられる巡航戦車ということでA27Mクロムウェルの車体を使ったのが本巡航戦車である。しかしA27Mクロムウェルでも17ポンド砲を載せるには車体が小さかったため、バーミンガム・キャリッジ＆ワゴン社で改造を加えることになり、車体長を1.8m延ばして下部転輪を１軸増やし、車体中央幅も拡大した。他はA27Mクロムウェルとできるだけ共通化出来るようにし、機関系はほぼ同じものを使っている。17ポンド砲搭載砲塔はAtothert & Pittで製作され、TOG2試作重戦車と類似の形状をしていて、後面にドアがあった。砲塔内部は17ポンド砲の砲尾に占領され、大型の弾薬を収容するスペースが無く、車体機銃を廃止して弾薬庫を確保している。1942年5月までに３両の試作車体が製作され、8月までテストが続けられたが、結果は散々で、A27Mクロムウェルより重量が３トン増えたため機動力が悪化し、サスペンションや機関系の故障も多発、装甲厚を薄くして軽量化せざるを得なかった。下部転輪が増えて履帯が外れやすくなったが、改修している暇が無かったのでそのままにされている。砲塔は副装填手まで乗っていたので大型になり、背も高く、旋回速度も遅い。利点はオーバーロード作戦でLCTから上陸する際、潜水渡渉深度が大きくなるという程度だが、量産化の遅れでオーバーロード作戦には間に合わず、何も利点が無くなってしまった。1943年1月に量産するかを最終判断するテストが行われ、�W号戦車長砲身型と�Y号戦車ティーガーに対抗すべく欠点に目を瞑って200両の量産が決まり、各機甲師団に対空戦車や近接支援戦車と同じくらいの割合で配備することにした。各種のトラブルを解決するのに長時間を要し（砲塔リング保護のため砲塔基部前方に弾片防護板を装着するなど）、1944年3月に生産車が完成したものの、チャレンジャー開発失敗時の予備だったファイアフライが既に実用化されており、172両のみが生産されて主に訓練に用いられた。少数が75mm砲搭載クロムウェル装備偵察部隊の火力強化のためヨーロッパ戦線に実戦配備されたが、20mm機関砲で撃破されたり、対戦車地雷で履帯のみならず車体底板まで破壊されて乗員全員が負傷したり、車体上で炸裂した手榴弾で砲塔リングが歪み砲塔旋回不能になったりと散々で、第２次大戦終了後に早々と退役が決定した。全長8.15m、全幅2.91m、全高2.78m、戦闘重量33.022トン。エンジンはロールスロイス社製ミーティアＶ型12気筒ガソリン（600馬力）、最大速度51.5km（路上）／24km（不整地）、航続距離193km。主砲は17ポンド砲（42発）、副武装は7.62mmブローニング同軸機銃１丁（主砲左上）。俯仰角はプラス20度からマイナス10度。装甲厚101mm（最大）／10mm（最小）。乗員５名（車長、操縦手、砲手、装填手２名）。少数は25mm厚のアップリケ装甲を砲塔前後面と車体前面に追加装備した。砲塔の高さを減らした改良型のMk.�Uも製作されたが、試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER7,’99、6,’14、月刊グランドパワー2,’04、週刊ワールドウェポン17

＜Ａ−３１シリーズ＞：アメリカ陸軍急降下爆撃機。1940年にヴァルティ社が開発し、最初はフランスから発注を受けたが、ドイツに負けたためイギリスにヴェンジャンス（Vengeance）という名で採用され、レンドリース法制定後にA-31となった。太平洋戦争勃発でアメリカ陸軍に回されたが、性能不足から大部分が標的曳航機などとして利用されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−３１＞：イギリス軍採用型だが、引き渡し開始が太平洋戦争開戦と重なったので、多くがアメリカ陸軍に配備された。外翼の上下にダイブブレーキを備える。エンジンはライトR-2600（1700馬力）単発。固定武装は翼内の12.7mm機銃４丁と、後部銃座の12.7mm機銃１丁。ヴァルティ社で100機、ノースロップで200機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−３５Ａ＞：アメリカ陸軍仕様。99機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ａ−３５Ｂ＞：翼内機銃を６丁に増やしたもの。全長12.1m、全幅14.6m、全高4.7m、自重4670kg、全備重量7440kg。エンジンはライトR-2600-13（1700馬力）単発、巡航速度370km、最大速度450km、実用上昇限度6800m、航続距離960km。爆弾900kgを搭載可能。乗員２名。831機が生産され、562機がイギリスに、29機がブラジルに送られた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜Ａ−３２＞：ソ連陸軍の試作戦車。BT快速戦車の後継として開発された。下部転輪は１組増えて片側５組となり、装輪走行はできなくなった。主砲は76.2mm戦車砲。全長5.76m、全幅2.73m、重量19トン。装甲厚16-25mm。A-34試作戦車を経てT-34の礎となった。参考：月刊グランドパワー10,’04

＜Ａ３２Ａ＞：サーブ32/A32シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ３３＞：A17シリーズ（攻撃機）またはエクセルシオール・シリーズ（突撃戦車）を参照。

＜Ａ−３４＞：SB2Aシリーズ（艦上爆撃機）を参照。

＜Ａ３４＞：コメット（巡航戦車）を参照。

＜Ａ−３４＞：ソ連陸軍の試作戦車。A-32の装甲強化型で、主要部装甲厚を45mmにしている。試作車はフィンランド戦に投入されたが、到着前に休戦になったため、実戦テストはできなかった。1940年3月31日にT-34として採用され、量産開始命令が出された。参考：月刊グランドパワー10,’04

＜Ａ−３５シリーズ＞：ソ連軍が開発した世界初の弾道ミサイル迎撃システム。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ａ−３５＞：米軍コードはABM-1。1961年に初の迎撃試験を行って成功、1963年11月に軍事パレードに参加した。ドゥナイ−3Uレーダーにより弾道ミサイルを探知し、A-350Zh核ミサイル（2-3メガトン）により撃墜する。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ａ−３５Ｍ＞：A-35の改良型で、米軍コードはABM-2。ドゥナイ−3MレーダーとA-350Rミサイルを使用する。参考：月刊軍事研究9,’11

＜Ａ３５−７１＞：プロジェクト4202（極超音速兵器）を参照。

＜Ａ−３５Ａ＞：A-31シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−３５Ｂ＞：A-31シリーズ（攻撃機）を参照。

＜Ａ−３６＞：C-101海外シリーズ（練習機）を参照。

＜Ａ−３６Ａ＞：P-51戦闘機ファミリーを参照。

＜Ａ．３７＞：シュリンプ（飛行艇モデル）を参照。

＜Ａ−３７シリーズ＞：アメリカ空軍COIN機、別名ドラゴンフライ（Dragonfly、トンボ）。1960年代に空軍が要求したベトナム戦線用軽量安価地上支援機にセスナ社が応募したもので、T-37双発ジェット練習機をベースとしており、まずT-37C武装練習機２機をテストしたところパワーアップ型が必要と判断されて開発が始まった。1967年からベトナム戦争に参加している。1975年までに550機以上が生産された。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1979、月刊PANZER1,’03

　＜ＹＡＴ−３７Ｄ＞：試作型。主翼下ハードポイントを３カ所（後に４カ所）ずつに増やし、燃料タンクをセルフシーリングに変更、コクピットに装甲を施し、Mk20Mod4照準システムとGAU-2/Aミニガン１基（1500発。機首装備）を搭載した。車輪は大直径のものを装備し、前線滑走路での運用を可能としている。総重量4.76トン。エンジンはJ85-GE-2/-5（推力1.088トン）。1963年10月22日に初号機が初飛行し、1964年には２号機も加えてテストを実施、これらを踏まえて実戦テストを行うことになった。２号機は1964年12月14日に一旦退役して空軍博物館に収容されていたが、実戦テストにあたって1966年8月に引っ張り出され、YA-37Aと名称変更されている。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＹＡ−３７Ａ＞：一旦退役していたYAT-37Dの２号機を空軍博物館から引っ張り出し、オーバーホールを行ったもの。ベトナムでの実戦テスト（コンバット・ドラゴン作戦）に投入された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜Ａ−３７Ａ＞：実戦テスト（コンバット・ドラゴン作戦）に投入するため1966年8月に発注された39機で、当初はAT-37Dと呼ばれた。YAT-37Dとほぼ同じ規格で、コクピットは並列複座、訓練用の複操縦装置が搭載されているが、攻撃任務では左側にのみパイロットが搭乗し、右にはオブザーバーが乗る（パイロットだけのこともある）。主翼下面に左右４カ所ずつのパイロンが用意されており、乗員１名なら2.2トン、乗員２名なら2.13トンまでの爆弾類を搭載可能。また、翼端に360リットル落下増槽を装備できる。最大離陸重量5.44トン。滞空時間30分（兵装2.04トン搭載・100海里進出）／５分（兵装2.04トン搭載・250海里進出）。帰投時に片発にして航続距離を延ばすことも行われた。39機のうち25機が1967年8月に第604エアコマンド飛行隊に配備され、４ヶ月間にわたり近接航空支援、ヘリ護衛、戦闘空中監視、武装偵察、前線航空管制、夜間阻止任務を計3000ソーティ行い、２機を事故で失い、対空砲火で13機が損傷したが、地対空火器による被撃墜は無かった。中翼配置で視界が悪いため、前線航空管制には不向きだったが、目標攻撃時の半数必中界が15mを記録するなど他の任務では優秀な成績を収め、改良型のA-37Bが量産されることになった。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1979、月刊PANZER1,’03

　＜Ａ−３７Ｂ＞：コンバット・ドラゴン作戦の戦訓を受けて量産された改良型。滞空時間不足を補うため機首に空中給油ブームを追加、400ノット前後で飛行中に兵装を投下すると操縦困難になる欠点を克服する改修を施し、構造重量を増加させて最大総重量を6.8トンに増大、空中給油完了時飛行重量を6.985トンに増やし、兵装搭載量を増加させた。エンジンも強化、防御力強化のため昇降舵操縦装置を二重とし、網状ポリウレタンフォームを使用した防弾燃料タンクを搭載している。座席はサイドバイサイドだが、普段は左座席のみ使うため、兵装スイッチや照準器は左にしか装備していない。作戦高度は中高度以下のため、与圧機構は持たない。全長8.92m、全幅10.3m／10.93m（翼端増槽あり）、全高2.71m、自重2.82トン、最大離陸重量6.8トン。翼面積19.09平方メートル。エンジンはGE社製J85-GE-17A（推力1.29トン）双発、巡航速度425ノット、最大速度440ノット、実用上昇限度12730m、燃料容量1920リットル＋翼端360リットル増槽２本＋翼下378リットル増槽４本、航続距離850海里（最大燃料搭載時）／400海里（兵装1.86トン搭載時）。固定武装は機首の7.62mmミニガンGAU-2B/A（1500発）１基。翼下ハードポイントは左右４カ所ずつで、容量は内側２つが0.363トン、その外側が0.272トン、最外側が0.227トン。最大兵装搭載量2.575トン。機関砲ポッドなら30mm機関砲DEFA553（重量0.34トン。250発）ポッド２基または20mm機関砲GPU-2/A（重量0.249トン。300発）ポッド２基を搭載する。乗員1-2名。1968-77年に577機が生産された。南ベトナム空軍に248機、タイ空軍に16機、グアテマラ空軍に13機、チリ空軍に34機、ペルー空軍に36機、パラグアイ空軍に６機、ホンジュラス空軍に６機、エクアドル空軍に12機が供与された。参考：アメリカ空軍の第一線機、世界の軍用機1979、空軍、月刊航空ファン4,’72、月刊PANZER1,’03

＜Ａ−３７ファミリー＞

　＜ＯＡ−３７Ｂ＞：A-10の配備開始に伴い、州航空隊のA-37Bを1980年からFAC（前線航空管制）用に転換したもの。パイロットに加え、観測員１名が同乗する。機体には特に変更は加えられておらず、武装搭載能力などはそのまま残されている。全長8.92m、全幅10.3m／10.93m（翼端増槽あり）、全高2.71m、自重2.82トン、最大離陸重量6.35トン。エンジンはGE社製J85-GE-17（推力1.29トン）双発、巡航速度425ノット、最大速度440ノット、実用上昇限度12730m、燃料容量1920リットル＋翼端増槽360リットル２本＋翼下ドロップタンク378リットル４本、航続距離400海里（兵装1.86トン搭載）／850海里（フェリー）。固定武装は7.62mmミニガンGAU-2B/A（1500発）１基。ハードポイントは８カ所で、爆弾など2.575トンを搭載可能。乗員２名。参考：世界の軍用機1982、週刊エアクラフトNo.82

＜Ａ−３７海外シリーズ＞

　＜Ａ−３７Ｂ（ウルグアイ空軍）＞：ウルグアイ空軍COIN機。1976年に新造機８機、1980年代後半に中古で８機を導入した。飛行可能な機体が３機に減った2014年には中古で３機を追加している。空対空任務にも就いているが、主兵装が7.62mm機銃で空対空ミサイルを扱えず、鈍足で密輸組織のビジネスジェットに追いつけない状態のため、F-5E/FまたはYak-130を後継として導入する予定。参考：月刊JWings1,’16

　＜Ａ−３７Ｂ（韓国空軍）＞：韓国空軍前線航空統制機。1975年から30機が配備され、アクロバットチームのブラック・イーグルスも使用した。2007年、ペルー空軍に８機を無償譲渡した。参考：月刊航空ファン3,’19

　＜Ａ−３７Ｂ（コロンビア空軍）＞：コロンビア空軍COIN機。アメリカ軍の余剰OA-37Bを購入し、1978年12月に最初の２機を受領、1980年後半から1981年初めに10機、1984年末までに12機、1989年末までに８機を導入した。通常は操縦士１名のみで運用し、HUDや光学照準器は左席のみに装備、近代化改修で右席計器板に追加したNVG対応ディスプレイも左席から見えるよう斜めに装着してある。2006年、MIL-STD-1760/1553データバスを搭載し、GPS誘導兵器を運用できるようにした。損耗補充のため、2011-17年にチリ空軍の中古４機とドミニカ空軍の中古２機をアメリカで改修して配備している。参考：月刊航空ファン9,’19

　＜Ａ−３７Ｂ（ベトナム空軍）＞：ベトナム空軍COIN機。1975年3月、ベトナム戦争でダナンを制圧した際に南ベトナム空軍の33機を鹵獲した。4月28日に５機でタンソンニャット空港を爆撃している。総鹵獲数は95機で、第937連隊に配備し、Su-22Mに後を譲って退役した。参考：月刊航空ファン5,’18、9,’18

　＜Ａ−３７Ｂ（南ベトナム空軍）＞：南ベトナム空軍COIN機。空中給油受油装置は外している。1969-72年に248機が供与され、10個戦闘飛行隊に配備した。ベトナム戦争終結で南ベトナムが消滅した際に27機がタイへと脱出している。参考：月刊航空ファン9,’18

＜Ａ３８シリーズ＞：イギリス陸軍試作歩兵戦車、別名ヴァリアント（Valiant）。バレンタイン歩兵戦車の改良型で、1943年後半にヴィッカーズ社が提案した。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポート11

＜ヴァリアント�T＞：車体は鋳造製で、ディーゼルエンジンを積む。サスペンションは独立懸架式として全輪とも同じサイズのものを装着、生産と整備を容易にした。砲塔は鋳造製ボルト止めで、バレンタインよりも大型化して３名用とし、６ポンド砲（後に75mmOQFに変更）を搭載する。当時のヴィッカーズ社には開発の余裕が無かったので、細かいデザインはバーミンガム・キャリッジ＆ワゴンで完成し、軟鋼製試作車はラストン＆ホーンスビーで1944年半ばに１両完成した。全長17フィート７インチ（5.36m）、全幅９フィート３インチ（2.82m）、全高７フィート（2.13m）、戦闘重量60480ポンド（27.4トン）。主砲は75mmOQF、副武装は7.92mmベサ機銃２丁。装甲厚114mm（最大）／10mm（最小）。エンジンはGMC社製ディーゼル（210馬力）、最大速度路上12マイル（19.3km）／路外７マイル（11.3km）、航続距離80マイル（128.7km）。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。バレンタインより10ロングトンほど重くなり、機動力が低下したため、ヴァリアント�Uの製作に移った。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポート11

＜ヴァリアント�U＞：エンジンをロールスロイス社製ミーティアに換装したタイプ。機関室が狭かったので、気筒数を12から８に減らしている。既に欧州戦線の戦いが終末を迎えかけており、歩兵戦車自体も必要性が無く、1945年に開発中止となった。参考：British and American tanks of World War Two

＜Ａ３９＞：T-26戦車ファミリーまたはトータス・シリーズ（重突撃戦車）を参照。

＜Ａ−４０シリーズ＞：ベリエフ設計局の試作対潜飛行艇、別名アルバトロス（アホウドリ）、NATOコードはマーメイド。1986年12月8日に初飛行し、1989年8月のツシノ航空ショーでも飛行したが、２機製造されたのみに終わった。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ｂｅ−４２＞：対潜型。主翼は前縁後退角25度でアスペクト比が大きく、主翼付け根上面バルジにD-30KVPエンジンを搭載する。また、その下に離陸補助用コリエソフRD-60Kエンジン（推力2.5トン。RD-36/35、推力2.5トン？）があり、バルジ下面は主脚収容部である。尾翼はＴ字。全長43.84m、全幅41.62m、全高11m、重量86トン。エンジンはソロビヨフD-30KVPターボファン（推力12トン）２基、最大速度800km、航続距離4100km。乗員８名。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊丸10,’93、月刊JWings12,’00

　＜Ｂｅ−４４＞：捜索救難型。対潜兵装を撤去して救難活動用医療設備や救助ボートを搭載し、人員54名を乗せられるようにした。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊丸10,’93、月刊JWings12,’00

＜Ａ４０Ｔ＞：ソ連空軍の空挺戦車、というかグライダー戦車で、ATまたはKT（クルィリャ・ターンカ、有翼戦車）ともいう。ソ連空軍が戦車輸送用グライダーを要求したのに対し、ヤコブレフ設計局のアントノフ技師が戦車をグライダーにして輸送機から乗り降りする手間を省こうと提案して開発が始まった。T-60軽戦車の車体に複葉の主翼（下翼を上構側面に装着）、ツインテールブームと尾翼をくっつけている。武装、弾薬、前照灯は外してTB-3爆撃機で曳航、着陸したら主翼と尾翼付きツインテールブームを切り離し、別に空中投下した武装、弾薬、前照灯を装着積載する。全長12.06m（戦車除く）、全幅18.0m、総重量2.004トン（戦車除く）／7.84トン（戦車含む）。曳航速度120km。自力で加速してもニュートラルで坂を下りても離陸速度に到達できず、1942年9月2日に曳航するTB-3爆撃機のエンジンを全開にして漸く初飛行したが、高度40mに達したところで曳航機の方が限界に達して曳航中止を余儀無くされた。緊急切り離しを受けたA40Tは滑空して無事着陸している。ただその後のテストで離陸だけでなく飛行も着陸も難しすぎて実用性が無いと判断され、開発は中止された。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings11,’09、異形戦車ものしり大百科

＜Ａ４１＞：センチュリオン・シリーズ（戦車）を参照。

＜Ａ４２＞：チャーチルMk.�Z（戦車）を参照。

＜Ａ４３＞：T-26戦車ファミリーを参照。

＜Ａ４３＞：イギリス陸軍最後の歩兵戦車、別名ブラック・プリンス（Black Prince）、初期試作名称スーパー・チャーチル（Super Churchill）。チャーチル歩兵戦車に強力な主砲を載せるプロジェクトは、まず1941年9月にチャーチル３インチ砲搭載型として実を結んだが、チャーチルが６ポンド砲を積むようになったため、すぐ用を為さなくなった。その後、ヨーロッパ反攻時にドイツ重戦車を撃破する17ポンド砲搭載戦車が必要となり、まずは巡航戦車に17ポンド砲を積んだA30チャレンジャーを開発したが、欠陥が多発して1943年9月には早くもオーバーロード作戦に間に合わなくなる可能性が出てきた。とはいえ17ポンド砲搭載新型戦車のセンチュリオンも設計が始まったばかりで間に合わせるのには無理があり、チャーチルに17ポンド砲を搭載してはどうかとヴォグゾール（Vauxhall）社が提案。実は既に２年前に真剣に検討されたものの、チャーチルの車体幅では砲塔リングが狭く搭載不能として諦められた案だった。そこで、チャーチルMk.�Zのコンポーネントを極力流用しつつ、全幅を0.70m・全長を1.37m拡大して解決を図ることにし、17ポンド砲を積んだ大型砲塔を搭載、全高は0.5m低くして被発見率を低下させた。車重が50トンにもなったため、履帯幅を250mm広げて24インチ（609.6mm）にしたが、エンジンがそのままだったので、最大速度が17kmになってしまった。エンジンのエアインテイクは車体上面、排気口は車体後面に移されている。1944年9月にモックアップが完成し、試作車６両が発注され、1945年1月に初号車が完成した。5月からテストに入ったが、ヨーロッパ戦線での戦いが終わってしまい、センチュリオンの方が優秀ということで量産は中止された。全長8.814m、全幅3.442m、全高2.743m、戦闘重量50.85トン。主砲は17ポンド砲。副武装は7.92mmベサ機関銃２丁（車体前面左、主砲左同軸）。装甲厚152mm-25mm。エンジンはベッドフォード製Twin-six26気筒ガソリン（350馬力）、最大速度17.7km（路上）／11.3km（路外）、航続距離128.75km。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手兼車体銃手、砲手、装填手）。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER9,’99、ウォーマシン・レポート11

＜Ａ４４＞：南アフリカ軍の魚雷で、アメリカのMk44を基に開発された。全長2.57m、直径0.325m、重量196.8kg。最大雷速32ノット、最大射程6km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ａ４６＞：ドイツ軍の試作弾道ミサイルで、A-4に主翼を取り付けて射程を400kmに延伸したものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜Ａ５０＞：インド海軍ディーパク級（初代）給油艦１番艦ディーパク（Deepak）。1967年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ−５０シリーズ＞：ソ連空軍の早期警戒管制機、別名シュメーリ、NATOコードはメインステイ（Mainstay）。Tu-126の後継としてベリエフ設計局で開発され、1978年12月19日に初飛行、1984年に就役した。2014年現在、28機（17機＋予備２機？）が就役しているが、任務に就けるのは９機だけらしい。参考：月刊JWings10,’05、月刊軍事研究11,’14、月刊世界の艦船5,’14、月刊航空ファン3,’17、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａ−５０＞：Il-76がベ-スで、胴体を延長し、上面に逆Ｖ字の支柱を介して直径9mのロートドームを搭載、内部に長距離警戒レーダー用アンテナを収容する。早期警戒システムはベリエフ設計局製E-821シュメーリ（開発名称イズジェリェＲ）で、Tu-126に欠けていた移動目標探知能力やグラウンドクラッター除去能力を持ち、探知距離は高空300-400km・低空200kmとみられ、50-60目標の同時追尾能力、10-12機の迎撃機同時管制能力を有する。主翼フェアリング前方にはバルジが付き、垂直尾翼付け根には冷却空気取り入れ用またはAPU用の小エアインテイクを追加、機首下面の航法士窓や尾部銃座は塞ぎ、機首上寄りに空中給油プローブを装着し、主脚収容バルジ後方に水平フィンを取り付けている。機内には10個のミッションシステムコンソールを搭載する。全長46.59m、全幅50.54m、全高14.76m、自重105トン、最大離陸重量190トン。エンジンはソロビエフD-30KP（推力117.6kN）４基、巡航速度700km（高度10000m）、最大速度460ノット／900km、実用上昇限度10200m、航続距離3940海里／7500km、哨戒時間４時間（1000km進出）。乗員14-16名。参考：月刊JWings10,’05、6,’02、7,’04、11,’19、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊航空ファン11,’92

＜Ａ−５０Ｍ＞：レーダーシステムとコンピュータを改良型のシュメーリ�Uにしたタイプで、試験機らしい。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

＜Ａ−５０Ｕ＞：シュメーリ�U（シュメーリＭ？開発名称イズジェリェRM）搭載量産型。小型目標や超低空目標の探知能力を向上させており、地上への情報伝達共有能力も持つ。戦闘機の探知距離は230kmとされる。最大離陸重量と航続時間も増加しており、迷彩塗装は濃灰色に変更された。1990年代に開発され、2009年に国家試験を完了、2014年までに４機、2019年時点で５機が改修されており、残りも改修を受ける予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究11,’14、月刊JWings10,’05、11,’19、月刊航空ファン7,’17、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａ−５０Ｅｈ＞：輸出型。ダウングレード版だが、クラッターに紛れた巡航ミサイルを463km先で探知できるとされる。参考：月刊JWings4,’23、月刊軍事研究8,’04

＜Ａ５０海外シリーズ＞

　＜Ａ−５０ＥｈＩ＞：インド空軍早期警戒管制機AEW&C、別名Il-76TD。A-50EhにIAI社製EL/M2075アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー（EL/M2090？）を搭載したもので、一見するとロートドーム装備機に見えるが、平たい三角柱の側面にアンテナ・アレイを１枚ずつ装着してフェアリングで円盤状に成形しただけであり、回らない。エンジンはPS-90に換装した。全長49.59m、全幅50.5m、全高14.76m、最大離陸重量170トン。エンジンはアビアドヴィガテルPS-90（ソロビヨフD-30KU・117.7kN？）４発、最大速度900km・マッハ0.78、実用上昇限度12000m、航続距離6400km（機内燃料のみ）。乗員５名＋ミッションクルー11名。2005年からウズベキスタン空軍のIl-76を３機購入して改造が行われ、2009年5月から全機が引き渡され、第50飛行隊に配備された。更に２機を追加発注している。参考：月刊JWings4,’23、月刊軍事研究9,’11、4,’09、2,’07、3,’09、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＫＪ−２０００＞：中国空軍早期警戒管制機空警2000、NATOコードはメインリング（Mainring）。Il-76MDを改造したもので、A-50と外見は似ているが、AWACSシステムは中国製である。1994年にIl-76MDを４機購入してイスラエルに送り、IAI製EL/W2075ファルコン早期警戒レーダーを輸入して組み合わせ、A-50Iとして制式化・配備する予定だったが、台湾侵攻を公言したためアメリカがイスラエルに圧力をかけて潰し、一旦は開発中止に追い込まれた。しかしロシアを経由してイスラエル製AWACSシステムを入手し、南京電子技術研究所で類似の国産型K/LLQF-01アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを開発して完成させている。直径11m（14m？）の非回転式円盤状レドーム内にそれぞれ120度をカバーするアクティブ・フェイズド・アレイ・アンテナ３基を搭載、全周を監視する。最大探知距離700-1200km／400-470km（戦闘機クラス）、同時追尾目標数60-100、味方機同時管制能力10らしい。全長46.59m、全幅50.5m、全高14.76m、自重78トン、最大離陸重量170トン（190トン？195トン？）。エンジンはD-30KPターボファン（推力12トン）４基、最大速度850km、実用上昇限度10000m、航続距離7300km（5500km？5000km？）、航続時間９時間（７時間40分？）。自衛用にミサイル接近警報と自動撒布型フレア・ディスペンサーを装備するらしい。運航乗員５名＋ミッション要員10-15名。2003年11月（2007年？）に初飛行し、６機程度が生産（2006-07年に４機生産？）されており、うち４機は日本と台湾を睨む第26殲撃機師団（司令部は上海崇高島、第76航空師団は江蘇省無錫、第78航空師団は江蘇省蘇州にある）に配備（１機が中国飛行試験評価センター、３機が第26空軍師団第77早期警戒機連隊／空26師77預警機連隊に配備？）された。2008年5月の四川省大地震で救難航空機の管制にあたったとされ、2009年10月1日の建国60周年で初公開された。ロシアが母機となるIl-76の値上げを要求しているため、更なる量産は諦め、Y-8輸送機のAWACS型であるKJ-500を開発した。参考：月刊軍事研究6,’14、4,’09、4,’05、12,’09、8,’10、8,’16、月刊航空ファン2,’15、1,’15、4,’18、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings11,’19

＜Ａ５０＞：ドイツ海軍アルスター級情報収集艦１番艦アルスター（Alster）。1988年就役。参考：月刊世界の艦船8,’20

＜Ａ５３＞：ドイツ海軍アルスター級情報収集艦オケル（Oker）。1989年就役。参考：月刊世界の艦船8,'20、3,’07

＜Ａ５３＞：ラトビア海軍ヴァーサイティス級機雷戦指揮艦ヴァーサイティス（Virsaitis）。元はノルウェー海軍機雷敷設艦ヴァーリである。2003年就役。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。11月4-14日、バルト海でHod OPS演習に参加。2020年5月、掃海艇M-08ルースィンシュなどと共に、SNMCMG1所属ドイツ海軍支援母艦A516エルベ、同ノルウェー海軍掃海艇M351との共同演習に参加。2022年3月14-31日、ノルウェー近海でコールド・レスポンス2022に参加。参考：月刊世界の艦船12,’19、3,’20、8,’20、6,’22

＜Ａ５７＞：インド海軍ディーパク級給油艦（初代）２番艦シャクティ（Shakti）。1975年12月竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ５７＞：インド海軍ディーパク級補給艦（２代目）シャクティ（Shakti）。2011年就役。2012年5月7日、ヴィシャカパトナム基地を出港。6月5-9日、インド海軍D-52ラナ、F-47シヴァリク、P-64カルムクと共に海自横須賀基地を親善訪問した。6月9日、D-52ラナ、F-47シヴァリク、P-64カルムクと共に、海自DD-111おおなみ、DDG-171はたかぜ、US-2飛行艇１機、SH-60Kヘリ１機との日印共同訓練を行った。2014年7月23-26日、F-47シヴァリク、D-55ランヴィジャイと共に佐世保基地を親善訪問した。7月24-30日、マラバール14に参加。2015年9月26日から11月10日、マラバール15に参加。2016年6月10-17日、マラバール16に参加。2018年6月8-16日、マラバール2018に参加。10月7-15日、ヴィシャカパトナム港とインド洋ベンガル湾海空域で海自平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊と共同訓練を実施。F-49サヒャドリ、P-62キルチ、P-29カドマット、キロ級潜水艦１隻、P-8I哨戒機１機と共に、DDH-184かが、DD-105いなづまと、対空戦、対水上戦、対潜戦、射撃、立入検査隊の各訓練を行った。2019年5月3-9日、九州西方から南シナ海に至る海域で、アメリカ海軍、海上自衛隊、フィリピン海軍との共同訓練に参加。D63コルカタ、A57シャクティ、SH-3ヘリ、チェタックと共に、海自DDH-183いずも、DD-101むらさめ、SH-60Kヘリ、アメリカ海軍DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、MH-60ヘリ、フィリピン海軍17アンドレス・ボニファシオと、各種戦術訓練を行った。2020年11月3-6日、マラバール2020（前段）に参加。2022年3月、多国間共同訓練MILAN2022に参加。日印物品役務相互提供協定を初適応し、DD-103ゆうだちとの洋上補給訓練を行った。2023年7月5-10日、ビシャカパトナム港とベンガル湾周辺海空域で日印共同訓練JIMEX2023に参加。D61デリー、P28カモルタ、潜水艦、P-8I哨戒機、Do-228哨戒機などと共に、DD-106さみだれと、艦艇相互訪問、艦上レセプション、スポーツ交流、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、防空戦など）、洋上補給訓練、PHOTOEXなどを行った。2024年6月8日、インド洋で日印共同訓練に参加。TV-3508かしま、TV-3521しまかぜと、洋上補給訓練を行った。10月7日、ベンガル湾で日印共同訓練に参加。DD-109ありあけと洋上補給訓練を行った。10月8-18日、マラバール2024に参加。参考：月刊世界の艦船8,’12、10,’14、8,’16、8,‘18、1,’19、9,'23、8,'24、12,'24、月刊軍事研究10,’12、月刊航空ファン10,'14、月刊JWings7,’19、2,'21、朝雲

＜Ａ５７＞：アメリカ軍の中戦車用水冷ガソリンエンジンで、別名マルチ・バンク（Multi-bank）。自動車用直列６気筒水冷ガソリンエンジンを５基星型に連結して１つに纏めたもので、クライスラー社が開発した。総排気量20536cc、最大出力370馬力。M3A4中戦車とM4A4中戦車に搭載された。出力や信頼性が高く、燃費にも優れていたが、整備性が悪く、すぐに生産中止となってしまった。参考：British and American tanks of World War Two、ウォーマシン・レポートNo.17、月刊PANZER4,’03、6,’02、10,’01

＜Ａ５８＞：インド海軍ジョティ級補給艦ジョティ（Jyoti）。1996年7月就役。2007年4月12-16日、海上自衛隊横須賀基地を親善訪問した。4月16日、房総半島南方で日米印合同訓練に参加した。2009年4月26-29日、佐世保に寄港。4月26日から5月3日、マラバール09に参加。2017年7月10-17日、マラバール2017演習に参加。2021年7月21日、ミサイル駆逐艦D-54ランヴィル、フリゲートF48サツプラと共に、インド洋でイギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群との共同訓練に参加。2022年9月11-17日、アンダマン海からベンガル湾で日印共同訓練JIMEX2022に参加。駆逐艦D-55ランヴィジェイ、フリゲートF49サヒャドリ、コルベットP-29カドマット、P-31カヴァラッティ、哨戒艦スカーニャ、潜水艦、P-8I哨戒機、MiG-29K戦闘機、ドルニエ228哨戒機などと共に、DDH-183いずも及びDD-110たかなみと、各種戦術訓練（対空射撃、対水上射撃、対潜戦、防空戦、洋上補給など）を行った。2023年3月13-14日、日仏米豪印英加新共同訓練ラ・ペルーズ23に参加。DD-117すずつき、フランス海軍L-9015ディズミュド、F710ラファイエット、アメリカ海軍LCS-18チャールストン、オーストラリア海軍FFH157パース、インド海軍F49サヒャドリ、イギリス海軍P233テイマー、カナダ海軍司令部など、ニュージーランド海軍司令部などと、スリランカ東方で、各種戦術訓練（対水上射撃、防空戦、戦術運動、クロスデッキ）などを行った。参考：月刊軍事研究7,’07、朝雲、月刊世界の艦船10,’17、10,’21、12,’22

＜Ａ５９＞：インド海軍アディティヤ級補給艦アディティヤ。1993年11月進水、2000年4月就役。参考：月刊軍事研究4,’11、9,’00、1,’07

＜Ａ５９＞：西ドイツ海軍ドイッチュラント級練習艦ドイッチュラント（Deutschland）。1963年5月25日竣工。1965年、日本に来航。1974年、日本に来航。1978年、日本に来航。1986年7月4日、ニューヨークで自由の女神100周年記念国際観艦式に参加。1987年、日本に来航。1990年6月28日退役。遠洋練習航海を31回行った。1994年、インドでスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜Ａ−６０＞：Il-76ファミリー（レーザー砲試験機）を参照。

＜Ａ６１＞：インド海軍アストラドハリニ級試験艦アストラドハリニ（Astradharini）。2015年就役。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜Ａ６２＞：UAE海軍ルマ級輸送艦２番艦アルファク（Alfaq）。2014年9月24日、重量物運搬船に搭載され、ドイツのノビスクルーク造船所からUAEに向かった。参考：月刊世界の艦船12,’14

＜Ａ６９級（アルゼンチン海軍）＞：ドラモンド級（フリゲート）を参照。

＜Ａ７０＞：イギリス海軍Ｅ級内水測量艇エコー（Echo）。1958年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ７１＞：イギリス海軍Ｅ級内水測量艇エンタープライズ（Enterprise）。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ７２＞：イギリス海軍Ｅ級内水測量艇エゲリア（Egeria）。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ７５＞：イギリス海軍タイド級艦隊給油艦タイドスプリング（Tidespring）。1963年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ７７＞：イギリス海軍ペアリーフ級補助給油艦ペアリーフ（Pearleaf）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ７８＞：イギリス海軍プラムリーフ級補助給油艦プラムリーフ（Plumleaf）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ７９＞：イギリス海軍アップルリーフ級給油艦アップルリーフ（Appleleaf）。民間用タンカーを改造して1979年に就役した。1989年からオーストラリア海軍に貸し出され、1994年に売却されてウェストラリアになった。参考：月刊世界の艦船6,’05、5,’83

＜Ａ８１＞：イギリス海軍アップルリーフ級給油艦ブランブルリーフ（Brambleleaf）。1979年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ８２＞：UAE海軍アル・クワイサト級揚陸艦２番艦アル・フタイシ（Al　Futaisi）。2013年就役。2022年2月6-17日、カットラス・エキスプレス2022演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜Ａ８４＞：イギリス海軍マンレイ級通船メナイ（Menai）。1981年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ−８５−３Ａ＞：ロシア陸軍T-14主力戦車用ディーゼルエンジンで、別名12H360。チェリャビンスク・トラクター工場製。ターボチャージャー付きＸ型12気筒液冷４サイクルディーゼルで、出力1200馬力（短時間なら1500馬力）。参考：月刊PANZER8,’18、4・5,’17

＜Ａ８８＞：イギリス海軍コンフィアンス級航洋曳船アジャイル（Agile）。1959年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ８９＞：イギリス海軍コンフィアンス級航洋曳船アドヴァイス（Advice）1959年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ−９０＞：Il-76輸送機ファミリーを参照。

＜Ａ９０＞：イギリス海軍コンフィアンス級航洋曳船アコード（Accord）。1958年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ−９０＞：ソ連中央水中翼船研究所の試作WIG機、別名オルリョーノク（Orlyonok。鷲の雛）、ソ連海軍名称Morskoy Desantniy Ekranoplan（海軍強襲エクラノプラーン）、西側通称カスピ海の怪物。水陸両用作戦で兵員輸送を行うのが主任務で、50%縮小版SM-6実証機を製作してテストした。胴体は艇体状で、機首に離水用ターボファンエンジン２基、中央に主翼、尾部にＴ型尾翼、垂直尾翼端前縁に推進用ターボプロップエンジン１基を持つ。機首両脇に離水用エンジンの排気口があり、主翼下面に排気を噴射する。胴体内は長さ21m・幅3m・高さ3.2mの貨物室になっており、離水用エンジン後方で機首を右に開き、ランプを降ろして人員や貨物を揚収する。全長58.1m、最大離陸重量140トン。エンジンは離水用クズネツォフNK-8-4Kターボファン（推力10.5トン）２基＋推進用クズネツォフNK-12ターボプロップ（15000ehp）単発、プロペラは牽引式二重反転プロペラ、最大速度400km、上昇限度3000m、航続距離1500km。自衛武装は12.7mm重機関銃連装銃塔１基（コクピット直後の胴体上面）。輸送人員数150名。静止試験機１機と飛行試験機４機が製作された。飛行試験初号機は1972年に初飛行したが、1974年に事故を起こしてカスピイスクで展示物になった。飛行試験２号機は1979年に初飛行し、1992年8月に事故を起こして爆破処分された。飛行試験３号機は1981年に初飛行し、1999年にテストを終了した。飛行試験４号機は1983年に初飛行し、2006年にテストを終了してモスクワの海軍博物館に送られた。量産化には至っていない。参考：月刊JWings8,’21

＜Ａ９０＞：ラトビア海軍支援艦ヴァロニス（Varonis）。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜Ａ９１＞：カラシニコフ突撃銃の機関部を流用したブルパップ式突撃銃。全長660mm。使用弾は7.62mm×39弾。参考：月刊軍事研究2,’08

＜Ａ９５＞：イギリス海軍タイフーン級航洋曳船タイフーン（Typhoon）。1960年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１００＞：中国の300mm多連装ロケットシステムで、96式自走多連装ロケット砲ともいう。9A52スメルチに似ているが、ランチャーは上段６基・下段４基の10連装で、８輪駆動WS2400トラックに搭載される。戦闘重量22トン。路上最大速度80km、航続距離650km。発射時は車体両側に２基ずつ装備されているジャッキを降ろして車体を固定、６秒で発射準備を完了（陣地進入開始から発射準備完了までは９分）し、中隊射撃管制システムから発射機に送られた目標情報に基づき、60秒以内にロケット弾を斉射する。ロケット弾は全長7.27m、重量780kg（最大840kgまで）。推進は固体燃料ロケット、最小射程50km、最大射程100km（120kmとも、180kmともいわれる）。弾頭重量200kg、弾種は単一HE、対装甲・対人子爆弾、対戦車子爆弾、対戦車地雷、燃料気化弾頭などが用意されている。同じ車体を用いた再装填車両が随伴し、油圧クレーンにより20分で再装填する。参考：月刊軍事研究6,’07、11,’02、6,’05

＜Ａ１００＞：ヨルダン・エレクトロ・オプティック社が開発した歩兵用単眼式赤外線暗視装置。単独でも小火器に装着しても使用可能で、電源は単三電池。参考：月刊軍事研究8,’10

＜Ａ１００＞：ロシアのベリエフ社が開発中のAWACS。ロシア空軍と中国空軍に対しA-50の後継となる新型機を2000年に提案したのが始まりである。ただシステム担当のヴェガ・ラジオエンジニアリングコンサーンが技術不足で離脱、中国も能力不足と判断して開発から抜けてしまった。2003年にヴェガが復帰したが、軍から能力にクレームが付いたためIAI社と提携しての改良を余儀無くされ、更にヴェガが資金難に陥ったため、実際の開発はアルマーズ・アンティが中核になっているらしく、開発が遅れまくっている。機体はIl-76MD-90Aを使用し、機体後部上面に２本の支柱を介して円盤形レドームを配置、内部にプレミアー476AESAレーダーのアンテナ３面を収容し、５秒に１回転させて全周を捜索する。最大探知距離600km以上（空中目標）／400km（洋上目標）、同時目標追尾数300、同時迎撃機管制能力12機。艦船や地上目標も探知追尾できるらしい。ECM能力も持ち、UAV管制機能も有するという噂がある。コクピット上面や垂直尾翼付け根後縁に円盤状のESMアンテナを持つ。全長46.6m、全幅50.5m、全高14.8m、全備重量195トン。エンジンはPS90ターボファン（推力14.5トン）４基、最大速度900km、航続距離7500km。2016-17年頃から就役する予定だったが、空力試験機A-100LLは2016年10月26日、AWACSシステム搭載試験機は2017年4月、試作初号機は2017年11月18日に漸く初飛行した。2020年までに39機を配備予定だったが、2020年代からの配備に遅れる。参考：朝雲、月刊軍事研究11,’14、3,’11、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊航空ファン11,’11、月刊JWings2,’18、11,’19

＜Ａ１０２＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船エアデール（Airedale）。1962年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１０６＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船アルセイシャン（Alsatian）。1962年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１０９＞：イギリス海軍アップルリーフ級艦隊給油艦ベイリーフ（Bayleaf）。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１０９シリーズ＞：イタリア軍汎用ヘリコプター、別名イルンド（Hirund）。アグスタ社が主に社用機向けとして開発し、1971年8月4日に初飛行、軍や警察組織にも採用された。イタリア陸軍では1977-78年に５機のみの配備となったが、イタリア空軍がA109EOAを24機受領している。アルゼンチンやベルギーなどに輸出された。アグスタ社がアグスタ・ウェストランド社になってからはAW109に改称された。参考：世界の軍用機1982、1979、月刊JWings9,’00、月刊軍事研究7,’13、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ１０９Ａ＞：偵察・汎用ヘリコプター型。オーソドックスなシングルローター・ヘリコプターで、胴体はアルミ合金製、後面からテイルブームが延び、後ろ寄り両端に水平安定板、後部上面に垂直安定板、下面にドーザルフィン、尾部左舷側にテイルローターが付く。メインローターは全関節型金属製４翅、テイルローターはデルタヒンジ式２翅、降着装置は油圧作動完全引き込み前輪式、前輪・主輪ともシングルタイヤである。全長13.03m、胴体長10.73m、メインローター直径11m、全高3.32m、自重1.415トン、総重量2.45トン。エンジンはアリソン250-C20B（420軸馬力）双発、巡航速度144ノット、最大速度168ノット、実用上昇限度4570m、ホバリング高度限界3050m（地面効果内）／1860m（外）、航続距離306海里。最大スリング容量１トン。乗員１名。兵員７名または担架２床＋看護員２名の搭乗が可能。1976年から引き渡され、1977年1月20日にシングルIFRの承認を獲得した。参考：世界の軍用機1979、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ１０９ＣＭ＞：攻撃ヘリコプター型。BGM-71TOW対戦車ミサイル８発を搭載でき、テストではホバリング中及び上昇・降下中にTOWを発射して30発（22発？）全弾を命中させた。イタリア陸軍が３機のみ配備している。参考：世界の軍用機1979、1982

　＜Ａ１０９Ｍｋ２＞：トランスミッション容量を740軸馬力に拡大し、尾部を強化したもの。1981年5月から生産された。参考：世界の軍用機1982

　＜Ａ１０９ＥＯＡ＞：イタリア空軍の観測ヘリコプター。A109Mk2がベースで、キャビンドアをスライド式に変更し、燃料タンクの耐衝突性を強化した。兵装は機体の7.62mm機銃とキャビン射撃手席の12.7mm機銃に加え、スタブウイングにBGM-71TOW対戦車ミサイル、FIM-92スティンガー空対空ミサイル、ロケット弾ポッドなどを装備可能。照準装置はキャビン天井に引き込み式に搭載する。胴体長11.45m、メインローター直径11m、全高3.3m、自重1.5トン、最大離陸重量2.27トン。エンジンはアリソン250-C20Rターボシャフト（450軸馬力）双発、最大巡航速度155ノット、超過禁止速度168ノット、実用上昇限度4575m、ホバリング高度限界3200m（地面効果内）／2290m（外）、燃料容量560リットル、航続距離332海里。24機発注し、1987年6月から引き渡された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ａ１０９Ｋ２＞：スイスのREGA向けの機体で、エンジンをアリエル1K1に換装した。1983年から生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ１０９Ｃ＞：エンジンを250-C20R（400軸馬力）に換装し、最大離陸重量を2.72トンに増やしたもの。メインローターとテイルローターが複合材製になった。1989年2月から引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ１０９Ｅ＞：別名パワー（Power）。エンジンをPW206Cに換装し、最大離陸重量を３トンに増やしたもの。全長13.04m、メインローター直径11m、全高3.5m、自重２トン、最大離陸重量３トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW206Cターボシャフト（640軸馬力）双発、最大巡航速度285km、超過禁止速度311km、運用限界高度5974m、海面上昇率毎分588m、ホバリング高度限界5059m（地面効果内）／3596m（外）、航続距離964km。乗員１名。客席数７。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＷ１０９ＬＵＨ＞：エンジン強化型のA109Eをベースとした軍用型。機体を強化し、座席を耐衝撃型に変更している。胴体両側面にBGM-71TOW対戦車ミサイル２連装または４連装ランチャー、ロケット弾ポッド、ガンポッドを１基ずつ搭載して武装ヘリにすることも可能。全長12.93m、メインローター直径10.83m、全高1.94m、空虚重量1.97トン、最大離陸重量3.175トン。エンジンはアリエル2K-1（連続最大出力609軸馬力、離昇出力711軸馬力）双発、巡航速度282km、最大速度311km、実用上昇限度6096m、ホバリング高度限界5305m（地面効果内）／3475m（外）、航続距離926km、航続時間４時間46分。参考：月刊軍事研究7,’13

　＜ＡＷ１０９Ｓ＞：別名グランド（Grand）。AW109Eのキャビンを前後に0.2m拡大して居住性を高め、幅1.4mの大型スライディングドアを備え、エンジン出力を強化、メインローターブレードは直径がAW119Keと同じながら先端形状を改良して性能を向上させ、１クラス上のヘリに匹敵する能力を持つ。オーバホール間隔は従来機よりも長く、整備マンアワーも低減した。2005年6月1日にEASAの形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＷ１０９Ｓダヴィンチ＞：山岳救助機。AW109Sの複合材適用範囲を拡大して軽量化した。スイスのREGAが15機発注し、2009年8月に初号機が引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＷ１０９ＳＰ＞：別名グランドニュー（GrandNew）。AW109Sのアビオニクス強化型で、2008年4月に原型機が初飛行し、2009年5月にEASA、10月にFAA、11月にJCABの形式証明を取得した。四軸自動操縦装置とデジタルコクピットを搭載しており、正副操縦士席正面には3D合成画面装置SVSを備えたEFISを配置、進入経路をトンネル状に立体表示（HITS）したり、地形や障害物をカラー3Dで表示（HTAWS）したりできる。計器板中央には大型ミッション画面があり、デジタルマップや運航支援用赤外線カメラEVS画像を投影可能。新型衛星航法装置SBASにも対応する。全長12.96m、メインローター直径10.83m、全高3.4m、総重量3.175トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW207Cターボシャフト（離昇出力735軸馬力）双発、最大巡航速度289km（ISA・最大総重量時）、超過禁止速度311km、ホバリング高度限界4750m（地面効果内。ISA・最大総重量時）／3050m（外）、OEI限界高度4880m（ISA・最大総重量時）、航続距離859km（増槽あり）、航続時間４時間31分（増槽あり）。乗員２名。客席数4-6。救急仕様なら担架１床＋医療スタッフ３名＋付き添い１名。

＜Ａ１０９海外シリーズ＞

　＜Ａ１０９（南アフリカ空軍）＞：南アフリカ空軍の汎用ヘリ。デネル・アビエーションがライセンス生産した。機首に航法装置など、機首右にサーチライト、右サイドドア上部にウインチ、機体後部にFLIRを装備する。30機はAW109LUH仕様に改造された。参考：月刊軍事研究1,’05

　＜Ａ１０９ＢＡ＞：ベルギー陸軍（2002年以降はベルギー空軍）汎用ヘリ。キャビン上にHeliTOWサイトを装着し、スタブウイングにTOW連装発射機を搭載する対戦車型もある。1992-94年に46機（偵察型18機、対戦車型28機）を導入した。1991年7月にワロン系社会党党員がマフィアに暗殺された事件の捜査で、アグスタ社が本機導入に関して多額の賄賂をワロン系社会党政治家らに支払っていたことが判明、ベルギー最大の疑獄に発展している。参考：月刊JWings6,’12、9,’00

　＜Ａ１０９ＬＯＨ＞：マレーシア空軍軽観測ヘリで、AW109LUHをベースとする。11機を導入した。参考：月刊軍事研究7,’13

　＜ＡＷ１０９＞：アルゼンチン海軍哨戒ヘリ。2023年に８機を発注した。ゴーウインド級哨戒艇に搭載し、排他的経済水域の監視を行う予定。参考：月刊世界の艦船12,’23

　＜ＡＷ１０９ＬＵＨ（ニュージーランド空軍）＞：ニュージーランド空軍汎用ヘリ。６機を導入した。参考：月刊軍事研究7,’13

　＜Ｈｋｐ１０＞：スウェーデン軍汎用ヘリ。参考：月刊軍事研究8,’08

　＜Ｈｋｐ１５＞：スウェーデン軍汎用ヘリ。参考：月刊JWings11,’16

　＜Ｈｋｐ１５Ａ＞：スウェーデン軍汎用ヘリ。AW109を導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｈｋｐ１５Ｂ＞：スウェーデン軍汎用ヘリ。AW109Mを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＭＨ−６８Ａ＞：アメリカ沿岸警備隊汎用ヘリ、別名スティングレイ。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ１１１＞：イギリス海軍バスター級航洋曳船サイクロン（Cyclone）。1943年9月就役。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１１２＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船フェリシティ（Felicity）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１１３＞：イギリス海軍ガール級港内曳船アリス（Alice）。1961年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１１４＞：イギリス海軍マグネット級消磁船マグネット（Magnet）。1979年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１１５＞：イギリス海軍マグネット級消磁船ロードストーン（Lodestone）。1979年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１１６＞：イギリス海軍ガール級港内曳船アガサ（Agath）。1961年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１１６案＞：加賀型（計画戦艦）を参照。

＜Ａ１１７＞：イギリス海軍ガール級港内曳船オードリー（Audrey）。1961年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２１＞：イギリス海軍ガール級港内曳船アグネス（Agnes）。1961年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２２＞：イギリス海軍オル級艦隊給油艦オルウェン（Olwen）。1965年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２２案＞：加賀型（計画戦艦）を参照。

＜Ａ１２３＞：イギリス海軍オル級艦隊給油艦オルナ（Orna）。1966年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２３案＞：加賀型（計画戦艦）を参照。

＜Ａ１２４＞：イギリス海軍オル級艦隊給油艦オルメダ（Olmeda）。1965年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２５案＞：長門型（戦艦）を参照。

＜Ａ１２６＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船ケアーン（Cairn）。1965年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２６案＞：加賀型（計画戦艦）を参照。

＜Ａ１２７＞：イギリス海軍トレント級魚雷揚収船トレント（Torrent）。1971年竣工・就役。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２７案＞：加賀型（計画戦艦）を参照。

＜Ａ１２８＞：イギリス海軍トレント級魚雷揚収船トーリッド（Torrid）。1972年竣工・就役。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１２９＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船ダルメシアン（Dalmatian）。1965年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ−１２９シリーズ＞：イタリア陸軍の攻撃ヘリコプター、別名マングスタ（Mangusta、マングース）。1972年にイタリア陸軍が軽対戦車攻撃ヘリコプターの仮要求を纏めたのに対し、翌年西ドイツが共同開発を持ちかけた。これに応じるべくアグスタ社はA109汎用ヘリ改造型の研究に着手したが、1975年末に共同開発計画が取り消され、1978年に再びイタリア陸軍から要求仕様が出されたため開発を再開、A109の改造では要求を満たせないため新規開発に切り換えて1983年9月15日に初飛行（非公式には9月11日に飛んでいる）、1989年に実用化された。アグスタ社がアグスタ・ウェストランド社になった以降はAW129と呼ばれる。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊JWings2,’03、3,’09

＜Ａ−１２９＞：開発コンセプトは小型軽量安価である。対戦車任務が第一で、地域制圧任務は二の次とされたため、機関砲は装備しない。胴体はアルミ合金のセミモノコック構造、中部胴体と燃料タンク部にはハニカムパネルを使い、胴体外板の７割・胴体重量の4.5割に複合材を使用して軽量化を図った。軽量化のため防御力は主要部が800m先から発射された12.7mm徹甲焼夷弾に耐え、30分の飛行が継続できる程度である。コクピットはタンデム複座で、前席にガンナー、後席にパイロットが座り、前後席共に水平方向260度、上方56度、下方34度の視界を得られる。座席は装甲防御型で、43Gの不時着衝撃を15Gに和らげる。フライトコントロールシステムはローターマスト内に収容されており、被弾防御、レーダー反射率低下、氷結防止効果がある。メインローターは４翅のブレードをそれぞれ１個の球形エラストメリック型ベアリングで支えている。ブレード本体はノメックス複合材製、前縁と先端部はスチール・チタニウム製で、直径150mmまでの木なら切断でき、23mm弾に直撃されても破孔が拡大しない。ブレード先端には後退角が付く。テイルローターは２翅デルタヒンジのセミリジッド型で、複合材の基本部分にステンレス製の前縁が取り付けられており、12.7mm弾に耐えられる。エンジンは定格出力815馬力だが、１時間に限り894馬力、2.5分に限り952馬力（994軸馬力？）、20秒に限り1035馬力（トランスミッション吸収出力1018軸馬力）を出せ、片発でも安全に飛行できる。エンジン排気部には外気を取り入れて排気と混合する赤外線抑制装置を装備する。機体はプラス0-3.5Gの運動と垂直方向毎秒11.2m・水平方向毎秒13.1mの速度変化に耐えられ、トランスミッションは被弾でオイルを失っても30分は飛行できる。燃料系統は二重のクロスフィード式、油圧サーボ系は三重独立（２系統はメイントランスミッション、１系統は尾部ギアボックスで駆動）で、うち１系統はテイルローター用アクチュエーターのバックアップ系である。降着装置は尾輪式固定脚で、降下率毎秒10mに耐えられる。操縦システムはフライ・バイ・ワイヤ型がテイルローターのプライマリ・コントロール用とメインローターのバックアップ用として使用され、更に機械的リンクによる操縦も可能で、IMSと呼ばれる統合三重デジタル管理システムにより制御され、ウェイポイント100カ所を記憶できる。胴体両側のスタブウイング下面に片側２基ずつのパイロンがあり、容量は内側300kg・外側200kg、パイロン自体が仰角３度から俯角12度の範囲で可動する。対戦車攻撃任務の標準装備はBGM-71C TOW2/BGM-71D TOW2A対戦車ミサイル８発と2.75インチ（70mm）ロケット弾７連装ポッド２基、地域制圧任務時の標準装備は2.75インチ（70mm）ロケット弾19連装ポッド２基と同７連装ポッド２基である。他に7.62mm/12.7mm/20mmガンポッドや４連装空対空ミサイルポッドなどを搭載できる。増槽は内側パイロンのみ装着可能。TOW８発と燃料583kgを積んで離陸重量3350kgとした場合、飛行時間は２時間30分。この場合30-35分の中高度進出、20分の低高度進出、30分のNOE、40分の攻撃行動、30-35分で帰投、というスケジュールとなる。ロケット弾38発と燃料633kgを搭載した場合、戦闘行動半径200kmで飛行時間２時間30分となり、ロケット弾52発と燃料363kgだと戦闘行動半径55kmで飛行時間１時間25分である。ポップアップ能力は気温20度で高度1mから4.5mまで２秒、8mまで５秒、12mまで９秒、16mまで14秒。FCSはアメリカのハリス社製統合型マルチプレックスシステムIMS、航法装置、通信装置、照準装置（機首上のPNVS、機首下のTSU、IHADSS）からなる。PNVSはAH-64類似のもの。TSUはAH-1Sステップ３にも装備するM65にFLIRを組み込んだFACTS（FLIR強化型コブラ用照準装置）で、上方30度、下方60度、左右110度の可動域を持つ。IHADSSはガンナー・パイロット両者が装備し、夜間でも完全なヘッドアップフライトやNOE飛行が可能で、目標捜索・捕捉・TOW照準も行え、パイロットも兵装を発射できる。標準装備ではないが、マストマウンテッドサイトも装着可能。自衛装備としてAN/APR-39V2レーダー警報装置、AN/AVR-2レーザー警報装置、AN/ALQ-136レーダー妨害装置、AN/ALQ-144赤外線妨害装置、M139チャフ・ディスペンサーを搭載可能。胴体長12.28m、メインローター直径11.9m、スタブウイング幅3.2m（TOWポッド含み3.6m）、最大高3.32m、自重2.529トン、最大離陸重量4.1トン（5.2トン？）。エンジンはロールスロイス社製ジェム2Mk1004D（825軸馬力）双発、最大速度140ノット、ダッシュ速度170ノット、最大上昇率毎分655m、ホバリング高度限界3750m（地面効果内）／3015m（外）、燃料搭載量0.75トン、航続時間2.5時間（TOW８発＋余裕20分）／３時間（最大）。乗員２名。1990-92年に45機が生産され、2007年までに全機A-129CBTに改修された。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings2,’03、3,’09、月刊軍事研究7,’95

　＜Ａ−１２９ＣＢＴ＞：1999年に発注されたマルチロール型で、CBTはCombattimento（戦闘）の略。機首下面に３銃身ガトリング砲TM197を装備し、機体左側面に弾薬コンベアを収容したフェアリングを付け、機首にFLIR、機首上部にビデオ／レーザー測距器を装備、メインローターを５翅に変更している。15機が2003年までに新規生産され、45機が2007年までにA-129から改修された。エンジンをLHTEC製CTS800に換装し、スパイクERを搭載可能とする改良型をテスト中。参考：月刊JWings3,’09

　＜Ａ１２９インターナショナル＞：輸出専用型で、エンジンをLHTEC社製CES800-4Aターボシャフト（1014kW）に換装、メインローターを５翅とし、AGM-114対戦車ミサイル、FIM-92/AIM-9空対空ミサイルの運用能力を持つ。2007年にAW129インターナショナルへと改称された。トルコ陸軍がT129Aとして採用した。参考：月刊JWings9,’14

＜Ａ１２９海外シリーズ＞

　＜Ｔ１２９Ａ（トルコ陸軍）＞：トルコ陸軍攻撃ヘリコプター、別名ATAK（先進攻撃戦術ヘリコプター）。AH-1Fの後継として2004年にAH-1Zの導入を決定したが、開発が遅れたので再度選定を行い、2007年9月にA129インターナショナルの導入を決めた。機首にトルコのアセルサン社製AselFLIR-300T赤外線暗視装置を装備し、コクピットやヘルメット統合サイトAVCIもアセルサン社製のものに変更する。トルコ科学技術研究評議会、メテクサン・サナイィ社、ビルケント大学が共同開発しているMILDARミリ波レーダーも完成すれば搭載予定。兵装も国産品で、UMTAS（長距離対戦車ミサイルの略。赤外線画像誘導、タンデム弾頭、射程8km）やシリット誘導ロケットを装備する。エンジンはLHTEC社製CTS800Aターボシャフト（1360軸馬力）双発。2009年9月28日にアグスタウェストランド製試作機、2011年8月17日にTAI製試作機が初飛行した。50機（＋オプション32機）を配備予定で、機数が揃うまでの期間をカバーするため、AW129をT129A早期引き渡しヘリ（EDH）として９機、AH-1Wを37機輸入する。量産初号機は2014年4月22日にトルコ陸軍に引き渡された。参考：月刊JWings9,’14、月刊軍事研究8,’11、7,’13、8,’09、2,’12、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ｔ１２９Ｂ２（トルコ陸軍）＞：トルコ陸軍攻撃ヘリコプター。T129Aの改良型で、ATAKフェーズ２ともいう。エンジンを強化、テイルローターを４翅に増やし、アビオニクスを更新した。2019年11月13日、初号機が初飛行したとトルコ軍が発表した。2020年半ばから21機を生産する予定。参考：月刊航空ファン2,’20、月刊JWings7,’23

　＜Ｔ１２９Ａ（パキスタン陸軍）＞：パキスタン陸軍攻撃ヘリコプター。2017年にTAIから40機を20億ドルで輸入する契約を締結し、2018年に30機を発注した。参考：月刊航空ファン5,’17、8,’18

　＜Ｔ１２９Ａ（フィリピン軍）＞：フィリピン軍攻撃ヘリコプター。2018年12月7日に国防相が8-10機を導入すると発表し、トルコと覚書も交わした。ただアメリカからLHTEC社製T800-4Aターボシャフトエンジンの輸出許可が下りず正式契約は保留されており、2021年になって漸くアメリカから許可が出ている。導入機数は６機に減った。2022年3月10日、第１バッチ２機がフィリピンのクラーク空軍基地にA400M輸送機で運び込まれた。参考：月刊JWings2,’19、8,’21、6,’22

＜Ａ１３３＞：イギリス海軍ヘクラ級測量艦ヘクラ（Hecla）。1965年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加し、傷病兵運搬船として使用された。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１３４＞：イギリス海軍ヘッド級工作艦レイム・ヘッド（Rame Head）。1945年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１３５＞：イギリス海軍航空支援艦（Aviation Support Ship）アーガス（Argus）。元は1981年にイタリアで建造されたRo-Ro船コンテンダー・ベザントで、イギリス海軍に徴用されてこの名前のままフォークランド紛争に参加、航空機輸送に使用された。1985年3月にイギリス海軍が購入し、ハイランド＆ウルフ社が航空支援艦としての改造を実施した。船体後部に上部構造物を新設、煙突を１本に纏めて右舷に設置し、船内に３層あった車両甲板を１層のヘリ格納庫に改造、水防扉３枚を取り付けた。飛行甲板は全長113.5m、全幅28m、厚さ1.5mのコンクリート製で、中央左舷にエレベーター１基を持つ。シーハリアーは搭載できるが運用はできない。全長175.1m、全幅30.4m、基準排水量18280トン、満載排水量28081トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、速力19ノット、燃料搭載量3500トン、航続距離は19ノットで17300海里。兵装は30mm機関砲２門、20mm機関砲２門。チャフ発射機、対魚雷デコイ、182型ソナー、対空レーダー、航海レーダーを装備する。シーキング６機またはシーハリアー12機を搭載可能。航空燃料搭載量1100トン。1988年3月竣工。湾岸戦争やボスニア紛争には100床弱の病室や診療施設を設置して負傷兵治療船（Primary Casualty Receiving Facility）の分類で参加、ヘリコプター搭載強襲揚陸艦の代用ともなっている。2001年、医療機能強化改装を終え、病室を90室に減らし、集中治療室20床と手術室４室を追加した。2003年、イラク戦争に参加。2009年、傷病兵収容艦に艦種変更された。ちなみに兵装が搭載されているので病院船ではない。2011年11月17日、AW159ヘリの着艦試験を実施。2012年5月23-30日、米英戦争200周年記念ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。6月28日から7月6日、アメリカのマサチューセッツ州でボストン海軍週間に参加。2014年10月17日、エボラ出血熱が大流行したシエラ・レオネを救援するため、ファルマスを出港。10月21日、ジブラルタルに入港し、支援用車両を搭載した。10月30日、シエラ・レオネの首都フリータウンに入港。車両32両や支援物資を降ろした。輸送にはマーリン・ヘリも使用されている。参考：月刊丸10,’93、月刊軍事研究10,’10、11,’08、月刊航空ファン2,’12、月刊世界の艦船8,’12、9,’12、3,’14、1,’15、5,’17、8,’20

＜Ａ−１３５＞：ソ連軍の首都防衛対弾道ミサイルシステム、別名モスクワまたはRTTs-18サマリョートまたはアムール、米軍コードSH-01、NATOコードはガロッシュ。A-35Mの後継として開発され、1980年からミサイル配備が始まり、1995年に実用段階に達し、1996年から配備されたという。使用するミサイルは51T6高々度迎撃用ミサイル（SH-11ゴーゴン）16基と53T6低高度迎撃用ミサイル（SH-08ガゼル）68基で、53T6誘導用レーダー２種（NATOコードはフラット・ツイン及びポーン・ショップ）、5K80P指揮司令部、5N20ドン2Nレーダー（NATOコードはピル・ボックス）、ドゥナイ3Uレーダーから構成される。ミサイルに核弾頭が積まれているので、使用するとフォールアウトやNEMPなどにより、シェルター化されていない地上施設に多大な被害が出るため、通常弾頭を取り混ぜたA-235を開発中。参考：月刊軍事研究7,’12、3,’15、2,’16、7,’18、11,’00、10,’98

＜Ａ１３６＞：イギリス海軍（正式には王国艦隊補助部隊RFA）タイド級艦隊給油艦（２代目）タイドスプリング（Tidespring）。2014年12月起工、2015年4月進水。2015年10月に就役する予定だったが、建造中に艦内配線に問題が発生したため、引き渡しが遅延しまくり、2017年1月12日に漸く竣工して引き渡された。韓国を出航後、2月9日に関門海峡を通り、2月11日にアメリカ海軍横須賀基地に入港。パールハーバーを経由して4月2日にイギリスに回航された。11月27日就役。2018年4月21日から5月4日、ジョイント・ウォーリア2018演習に参加。2021年5月7-18日、空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、アメリカ海軍LHD-7イオー・ジマなどとのNATO海軍共同演習ストライク・ウォーリア21に参加。5月下旬、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、空母R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21の一員として、インド太平洋方面に向かった。6月1-3日、CSG21の一員として、地中海西部でフランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴールと共同演習ゴーリック・ストライクを実施。6月6日、メッシナ海峡を通過。6月21日、R08クイーン・エリザベスに夜間洋上補給を行った。7月6日、スエズ運河を通って紅海に入った。7月11-12日、CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、ソマリア沖で海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-156せとぎり及び同航空隊P-3C哨戒機との共同訓練（写真撮影、洋上補給）に参加。7月29日、南シナ海で空母R08クイーン・エリザベスとフリゲートF805エフェルトセンに洋上補給を行った。8月6日、グアムのアプラ基地に寄港。8月14日、アプラ基地を出港。8月27-28日、沖縄東方から東シナ海に至る海空域で、日英米蘭共同訓練パシフィック・クラウン21-2（Pacific Crown 21-2）に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、DDH-182いせ、DD-116てるづき、SH-60Kヘリと、各種戦術訓練を行った。9月5日、横須賀基地に入港。9月8-9日、関東東方海空域で日英米蘭加共同訓練共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、アメリカF-35B戦闘機、CSG21所属駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF805エフェルトセン、補給艦A387フォート・ヴィクトリアと共に、海自DDH-182いせ、DDH-183いずも、SH-60J/K哨戒ヘリ、MCH-101掃海輸送ヘリ、空自F-35A戦闘機、E-767早期警戒管制機、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグと、戦術運動・通信・発着艦・写真撮影の各訓練を行った。10月2-3日、沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、海自DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-152やまぎり、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-67シャイロー、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、対抗戦、防空戦、対潜戦、戦術運動、通信などの各訓練を行った。10月4-9日、南シナ海で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A387フォート・ヴィクトリア、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、海自DD-120しらぬい、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、各種戦術訓練及び洋上補給訓練を行った。10月15-18日、ベンガル湾で日米英豪共同訓練Maritime Partnership Exerciseに参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF-239リッチモンド、補給艦A387フォート・ヴィクトリアと共に、アメリカ海軍CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-106ストックデイル、DDG-68ザ・サリヴァンズ、T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、海自DDH-184かが、DD-101むらさめ、オーストラリア海軍フリゲートFFH-155バララトと、対抗戦、防空戦、対水上射撃、洋上補給などの訓練を行った。11月11日、R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、ミサイル駆逐艦D36ディフェンダー、補給艦A387フォート・ヴィクトリアと共に、アデン湾で海自ソマリア沖海賊対処第39次水上部隊DD-153ゆうぎりとの共同訓練（戦術運動、PHOTEX）に参加。12月2日、ポートランドに帰港。参考：月刊世界の艦船5,’17、2,’13、3,’17、7,’17、2,’18、3,’18、7,’18、7,'21、8,'21、9,'21、10,'21、11,’21、12,'21、1,'22、2,'22、3,'22、月刊JWings5,’17

＜Ａ１３７＞：イギリス海軍（正式には王国艦隊補助部隊RFA）タイド級艦隊給油艦（２代目）タイドレイス（Tiderace）。2016年12月1日、命名進水式典を実施。2017年8月3日、韓国を出発し、関門海峡を通ってイギリスに向かった。9月25日、コーンウォールに到着した。自衛器材、通信機器、装甲板などを４ヶ月かけて搭載する予定。2018年8月就役。参考：月刊世界の艦船3,’17、2,’13、10,’17、12,’17、朝雲

＜Ａ１３７＞：イギリス海軍ヘクラ級測量艦ヘカティ（Hecate）。1965年12月就役。フォークランド紛争では船体を白から灰色に塗り替えて20mm単装機関砲などの自衛武装を搭載、周辺海域と南大西洋、南氷洋を行動し、1983年2月18日にデヴォンボートに帰投した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ１３８＞：イギリス海軍（正式には王国艦隊補助部隊RFA）タイド級艦隊給油艦（２代目）３番艦タイドサージ（Tidesurge）。2019年2月20日就役、グリーノックのオーシャン・ターミナルで就役式典が行われた。2022年3月14-31日、ノルウェー近海でコールド・レスポンス2022に参加。参考：月刊世界の艦船5,’19、3,’17、2,’13、6,’22

＜Ａ１３８＞：イギリス海軍ヘラルド級測量艦ヘラルド（Herald）。1974年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。船体と煙突に赤十字マークを描き、病院船として使用された。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１３９＞：イギリス海軍（正式には王国艦隊補助部隊RFA）タイド級艦隊給油艦（２代目）４番艦タイドフォース（Tideforce）。2019年7月就役。8月末、R08クイーン・エリザベス空母打撃部隊WESTLANT19の一員として行動を開始。2020年10月4-15日、ジョイント・ウォーリア2020に参加。参考：月刊世界の艦船2,’13、3,’17、10,’19、12,’19、1,'21、朝雲

＜Ａ１３９＞：インド海軍ダルシャク級測量艦ダルシャク（Darshak）。1964年竣工。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ１４０＞：イギリス海軍トーネード級魚雷揚収艇トーネード（Tornado）。1979年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１４０＞：ブラジル海軍アツランチコ級揚陸ヘリ母艦（艦種記号は空母のＡである）アツランチコ（Atlântico）。元はイギリス海軍オーシャン級揚陸ヘリ母艦L12オーシャンで、整備改装を行った後、2018年6月29日にイギリスのデヴォンポート（ポーツマス？）で引き渡されて就役した。8月25日、リオデジャネイロに到着。2019年8月、ユニタスLX演習に参加。2021年3月末、水陸両用戦演習に参加。8月28日から9月4日、リオデジャネイロ沖の大西洋でポセイドン2021演習を実施。ブラジル海軍EC-725クーガー対潜ヘリ、ブラジル空軍H-36カラカル救難ヘリ、ブラジル陸軍HM-4ジャギュア輸送ヘリ（全てH225Mシュペル・クーガーがベース）が発着艦し、洋上捜索救難訓練を行った。2022年9月10日、リオ・デ・ジャネイロ沖でブラジル独立・海軍創設200周年記念国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船9,’18、11,’18、12,’19、6,’21、12,’21、12,’22

＜Ａ１４１＞：イギリス海軍トーネード級魚雷揚収艇トーチ（Torch）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１４２＞：イギリス海軍トーネード級魚雷揚収艇トーメンター（Tormentor）。19890年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１４３＞：イギリス海軍トーネード級魚雷揚収艇トーリーダー（Toreador）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１４３ＥＰ３＞：自衛隊の空中線。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究1,’19

＜Ａ１４４＞：イギリス海軍ヘクラ級測量艦ハイドラ（Hydra）。1966年竣工。1982年4月、フォークランド紛争に参加。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ１４５＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船デイジー（Daisy）。1968年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１４７＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船フランセズ（Frances）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１４８＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船フィオーナ（Fiona）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１４９＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船フローレンス（Florence）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１５０＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船ジェネヴィエーヴ（Genevieve）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１５２＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船ジョージナ（Georgina）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１５５＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船ディアハウンド（Deerhound）。1965年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１５６＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船ダフネ（Daphne）。1969年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１６０Ｔ＞：DARPAとアメリカ陸軍の契約を元にボーイング社（当初はフロンティアシステムズ社だったが、2004年に買収された）が開発した回転翼型UAV、別名ハミングバード。元々のベースはロビンソンR22で、1999年に無人化しただけのマベリックが初飛行した。ただ能力不足などで設計が大幅に変更され、エンジンも換装されて2002年1月に初飛行した時には完全に別の機体になっている。メインローターは４翅で、ローターの回転数を調整して推力を変更するシステムを採用した。これによりヒンジを省略でき、飛行状況に応じた最適回転数を使用するので静粛性と燃費も向上している。オートローテーションはできないが、無人なので問題無い。全長10.66m、メインローター直径11m、最大離陸重量2.948トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW207Dターボシャフト（572軸馬力）、巡航速度150ノット、最大速度305.7km、飛行高度28000フィート（8534m）、ホバリング高度限界20000フィート（6096m）、航続距離4167km、航続時間18.7時間。ペイロード0.453トン／1.134トン（短時間限定）で、MX-15EO/IRセンサー（機首）などの偵察装備やヘルファイアミサイル（左右４発ずつ）を搭載可能。2009年3月14-15日、500-2500kgクラスUAVの滞空時間世界記録（18時間41分）を達成した。USSOCOMが導入を検討しており、2012-17年に20機を配備してテストを行う。アメリカ海軍も2005年8月にテスト契約を結んでいる。制式化されればMQ-18になる予定で、YMQ-18Aの試作名称が付いたが、開発遅延によりキャンセルされた。参考：月刊軍事研究9,’12、5,’09、8,’11、月刊コンバットマガジン7,’09、月刊世界の艦船8,’10、4,’12、月刊JWings8,’11、12,’21

＜Ａ１６２＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船エルクハウンド（Elkhound）。1966年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１６６＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船カトレーン（Kathleen）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１６８＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船ラブラドール（Labrador）。1966年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７０＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船キティ（Kitty）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７１＞：イギリス海軍エンデュアランス級氷海哨戒艦エンデュアランス（Endurance）。1956年に貨物船として竣工し、1967年にイギリス海軍が購入して改造した。1982年に除籍されて処分される予定だったが、同年4月に勃発したフォークランド紛争に参加、現役続行となった。参考：月刊世界の艦船5,’83、月刊丸10,’93

＜Ａ１７２＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船レスリー（Lesley）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７３＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船ドロシー（Dorothy）。1969年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７３＞：イギリス海軍プロテクター級氷海警備艦プロテクター（Protector）。元は2001年に竣工したノルウェー砕氷船ポーラービョルン（Polarbjørn）で、2011年3月に３年契約でリースし、2011年6月23日に就役した。2013年9月、ノルウェーから購入した。2015年12月から2016年1月18日、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会の活動の一環として、南極東方からロス海にかけての海域で、南極生態系保護のため漁船取締などの哨戒活動を実施。2017年11月15日に行方不明になったアルゼンチン海軍潜水艦S-42サン・ファンの捜索に参加。参考：月刊世界の艦船4,’16、2,’12、2,’18

＜Ａ１７４＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船ライラ（Lilah）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７５＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船メアリー（Mary）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７７＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船イーディス（Edith）。1969年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７８＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船ハスキー（Husky）。1969年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１８０＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船マスティフ（Mastiff）。1967年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１８１＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船アイリーン（Irene）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１８２＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船サルーキ（Saluki）。1969年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１８３＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船イザベル（Isabel）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１８４シリーズ＞：イタリア海軍の対潜水艦・対水上艦両用魚雷。1974年に就役し、ホワイトヘッド社が量産した。潜水艦・水上艦両方から発射できる。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、ザ・マーチ39号、月刊世界の艦船9,’13

＜Ａ１８４＞：全長6m、直径533mm、重量1265kg、炸薬量250kg。銀亜鉛電池・電動モーター駆動、航走距離10km（雷速36ノット）／25km（雷速24ノット）。誘導は有線＋パッシブ・アクティブ音響式。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜Ａ１８４Ｍｏｄ３＞：炸薬量250kg。航走距離17km（雷速38ノット）／25km（雷速24ノット）。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’13

＜Ａ１８８＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船ポインター（Pointer）。1967年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１８９＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船セッター（Setter）。1969年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１９０＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船ジョアン（Joan）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ−１９０シリーズ＞：ロシア海軍70口径100mm単装艦砲。プレヴェストニク中央科学研究所が開発した。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’18

＜Ａ−１９０＞：AK-100がベースで、発射速度を増大し、複合材の多用と自動化で軽量化した。砲塔はステルス性を考慮した傾斜平面構成である。砲塔下部に給弾ホイストが２基用意されていて、デュアルフィードが可能。使用弾はAK-100と同じ（ただし対空砲弾は時限信管のみらしい）で、誘導弾やRAP弾を開発中である。砲塔システム重量18.7トン。全周旋回可能で、旋回速度毎秒30度、俯仰角はマイナス15度からプラス85度で、俯仰速度毎秒30度。砲弾重量15.6kg。初速毎秒880m、最大射程21km（対地）／15km（対空）、最大射高12km。最大発射速度毎分80発。5P-10-2で管制でき、砲側光学照準器も積んでいる。参考：月刊軍事研究11,’11、10,’09、11,’09、10,’13、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,'20、2,’17、11,’14

　＜Ａ−１９０−０１＞：ステルス砲塔型。プロジェクト21630シリーズ、プロジェクト20380シリーズ、アドミラル・グリゴロヴィッチ級に搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’14、12,’18

　＜Ａ−１９０−Ｅ＞：インド海軍タルワル級ミサイル・フリゲートに搭載されたタイプで、非ステルス砲塔を採用している。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜Ａ１９１＞：イギリス海軍ヘッド級工作艦ベリー・ヘッド（Berry Head）。1945年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１９２＞：ロシア海軍70口径130mm単装砲、別名アルマート・プーマ。アルセナル設計局が開発した。ステルス性を考慮しており、砲塔は傾斜平面を組み合わせている。SAP-192M自動給弾システムにより多弾種の運用が可能。砲塔重量25トン（砲弾無し）。旋回角左右170度ずつ、俯仰角マイナス15度からプラス80度。最大射程18km（対空）／23km（対水上・対陸上）、最大発射速度毎分30発。オプションで砲塔側面に200mm対地ロケット弾（全長3m）を装着できる。砲射撃指揮装置は5P-10を使う。開発に難渋してカルタウン・プーマと呼ばれる新型に移行したという説もあったが、予定通りプロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級に搭載された。参考：月刊軍事研究11,’11、11,’09、1,’18、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’14、2,’17、12,’18

＜Ａ１９３＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船ジョイス（Joyce）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１９５＞：オーストラリア海軍サプライ級補給艦１番艦サプライ（Supply）。2017年起工、2018年11月進水。2020年8月10日、ナバンティアが公試完了を発表した。9月2日、スペインのフェロルを出港し、オーストラリアに向かった。2021年1月15日、母港のシドニーに初入港した。4月10日就役。2022年2月17日、トンガ海底火山噴火の支援を終え呉に戻るLST-4001おおすみに洋上補給を行った。6月19-24日、強襲揚陸艦L02キャンベラ、フリゲートFFH-152ワラムンガと共に、太平洋で日米豪共同訓練ノーブル・パートナー22（Noble Partner 22）に参加。DDH-183いずも、DD-110たかなみ、アメリカ海軍CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-101グリッドレイ、DDG-102サンプソン、DDG-111スプルーアンスと、各種戦術訓練（防空戦など）を行った。6月26日、パール・ハーバーに入港。6月29日からリムパック2022に参加。参考：月刊世界の艦船11,'20、4,’21、7,’21、5,’22、9,’22

＜Ａ１９６＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船グウェンドリン（Gwendoline）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１９７＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船シーリハム（Sealyham）。1967年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１９８＞：イギリス海軍フェリシティ級港内曳船ヘレン（Helen）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１９９＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船マートル（Myrtle）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２００シリーズ＞：ドイツ、イタリア、ノルウェーが開発した水上艦・航空機用対潜魚雷。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜Ａ２００／Ａ＞：成型炸薬弾頭を装備したタイプ。誘導はアクティブ音響式。全長0.92m（0.883m？）、直径0.1238m、重量12.5kg（11.3kg？）、炸薬重量2.5kg。銀亜鉛電池による電動モーター推進、最大雷速17-18ノット、航走距離500m（2000m？）。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜Ａ２００／Ｎ＞：/Aの弾頭をタンデムに換えたもの。全長が2mに伸びた。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ａ−２００Ｃ＞：トーネード・シリーズ（戦闘機）を参照。

＜Ａ２０１＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船スパニエル（Spaniel）。1967年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２０２＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船ナンシー（Nancy）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２０５＞：イギリス海軍トライトン級港内曳船ノラ（Norah）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２０７＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ランドヴァリー（Llandovery）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２０８＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ラムラッシュ（Lamlash）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２１０＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船シャーロット（Charlotte）。1966年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２１１＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船レッチレード（Lechlade）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２１３＞：ソ連海軍30mmCIWS、別名ヴィンペルＡ（Vympel A）。MR-123／MR-123-02射撃指揮レーダー、SP-521電子光学照準器（対空目標探知追尾距離7000m）、54口径30mmガトリング砲塔AK-630（２基１組が多い）からなる。それぞれ別の場所に搭載されているが、マッチングが悪く、命中率に劣る。参考：月刊世界の艦船2,’21

＜Ａ２１３Ｍ＞：AO-18（ガトリング砲）を参照。

＜Ａ−２１４＞：AK-100（艦砲）を参照。

＜Ａ２１４＞：スウェーデン海軍ベロス級潜水救難艦ベロス。参考：月刊軍事研究7,’99

＜Ａ−２１５＞：ロシア海軍艦載122mmロケットランチャー・システム、別名グラッドＭ（Grad-M）。40連装発射機MS-73/MS-73Mなどから構成される。アリゲーター�W級揚陸艦、イワン・ロゴフ級揚陸艦、プロジェクト21630ブヤン級コルベットに搭載された。参考：月刊軍事研究11,’15、月刊世界の艦船9,’20

＜Ａ２１６＞：イギリス海軍インセクト級通船ビー（Bee）。1970年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２１７＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船クリスティーン（Christine）。1966年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２１８＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船クレア（Clare）。1966年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２１９＞：AK-306（CIWS）を参照。

＜Ａ２２０シリーズ＞：エアバス・カナダ・リミテッド・パートナーシップ社の旅客機。元はボンバルディア社が開発したＣシリーズ単通路双発ジェット旅客機で、2004年に社内検討が始まり、2008年に正式に開発を開始した。2017年10月にボンバルディア社がエアバス社と提携し、2018年7月にＣシリーズ製造販売担当のCSALP（Ｃシリーズ・エアクラフト・リミテッド・パートナーシップ）がエアバス社に買収されたため、7月10日にA220シリーズに改称されている。ちなみにCSALPは2019年3月14日にエアバス・カナダ・リミテッド・パートナーシップに改称した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン6,’19

　＜Ａ２２０−１００＞：100-150席クラスのCS100として開発され、2013年9月16日に初飛行し、2015年12月17日にトランスポートカナダの形式証明を取得、2016年6月29日に初号機がスイス航空に引き渡されて7月15日から就航した。機体構造材には複合材やアルミニウム・リチウム合金を多用して軽量化を図っている。胴体直径最大3.7m、キャビンは単通路で左に２席・右に３席が並ぶ。エンジンは大直径のプラット＆ホイットニー社製ギヤード・ターボファンを採用し、主翼への取り付け法や降着装置を工夫して地上クリアランスを確保した。全長35m、全幅35.1m、全高11.5m、最大離陸重量52.39トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW1519G（推力8.573トン）双発、最大巡航速度マッハ0.82、最大速度マッハ0.82、実用上昇限度12497m、航続距離2778km（標準）／5463km（最大）。有効搭載量13.676トン。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ２２０−３００＞：130-160席クラスのCS300として開発され、2015年2月27日に初飛行し、2016年10月7日にEASA、12月14日にFAAの形式証明を取得した。全長38.7m、最大離陸重量59.874トン。有効搭載量16.67トン。乗員２名。乗客130名（標準）／160名（エクストラ・キャパシティ・シート増設時）。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ２２０Ｍ＞：ロシア海軍75口径57mm単装砲。AU-220車載自動砲をベースに開発していたA220艦砲の発射速度を増したものである。砲塔は軽合金製で軽量化を図り、ステルス性を考慮して傾斜平面で構成した。砲身は液冷式。甲板下に400発の即応弾マガジンを持ち、給弾システムは電動油圧併用式で、作動温度はマイナス40℃からプラス50℃。マウント重量６トン。旋回角左右180度ずつ、俯仰角はマイナス10度からプラス85度。最大射程8km（対空）／12km（対水上）、最大射高8km、最大発射速度毎分300発。プロジェクト22160哨戒艇に搭載予定。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、11,'20、月刊軍事研究11,’11、11,’09、1,’18

＜Ａ２２１＞：AK-176シリーズ（艦砲）を参照。

＜Ａ２２２＞：ロシア海軍自走沿岸砲、別名Bereg。1980年代後半から開発され、1990年代半ばに制式化されたが、量産はかなり後になってからである。車体は８×８輪重トラックMAZ-543で、後部荷台に砲塔を載せて54口径130mmカノン砲を搭載した。参考：月刊PANZER8,’18

＜Ａ２２４＞：イギリス海軍アデプト級港内曳船アデプト（Adept）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２２５＞：イギリス海軍アデプト級港内曳船バストラー（Bustler）。1981年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２２６＞：イギリス海軍アデプト級港内曳船ケイパブル（Capable）。1981年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２２７＞：イギリス海軍アデプト級港内曳船ケアフル（Careful）。1981年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２２９＞：イギリス海軍インセクト級通船クリケット（Cricket）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２３０＞：イギリス海軍インセクト級通船コックチェイファー（Cockchafer）。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２３０＞：エストニア海軍旗艦アドミラル・ピトカ（Admiral Pitka）。満載排水量1970トン。元はデンマーク海軍フリゲートのベスキッテレンである。参考：月刊世界の艦船6,’01、月刊軍事研究10,’02

＜Ａ２３２＞：イギリス海軍キン級防材敷設船キンガース（Kingarth）。1944年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ−２３５＞：ロシア軍が1991年から開発中の弾道ミサイル防衛システム、別名サマリョートＭ（Samalyot-M）。A-135の改良型で、レーダーを5N20Pドン2NPに、管制コンピュータをエルブリス3Mに換装し、迎撃ミサイルを長距離迎撃用核ミサイル51T6改（最大射程1500km、最大交戦高度800km）、中距離迎撃用通常弾頭ミサイル58R6（最大射程1000km、最大交戦高度120km）、短距離迎撃用通常弾頭ミサイル53T6M（最大射程350km、最大交戦高度40-50km）に変更して迎撃時の地上被害を低減させる。最大交戦高度500-750kmの対ICBM・対衛星ミサイルや、ヌードリ対衛星ミサイルもシステムに組み込むといわれる。ソ連崩壊で開発が停止していたが、21世紀に入って再開しており、2011年、2017年、2018年に53T6Mの試射に成功した。参考：月刊軍事研究7,’18、7,’12、3,’15、2,’16、9,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ａ２３６＞：イギリス海軍ウエイクフル級標的船ウエイクフル（Wakeful）。1974年に配備された。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２３９＞：イギリス海軍インセクト級通船ナット（Gnat）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２４４魚雷シリーズ＞：イタリア海軍の対潜魚雷。インド海軍、ウクライナ海軍、スウェーデン海軍、トルコ海軍など20カ国以上が採用した。参考：月刊世界の艦船7,'21、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜Ａ２４４＞：水上艦と航空機から発射可能で、アスロックの弾頭にもなる。誘導システムはCIACIO60またはCIACIO30。全長2.75m、直径324mm、重量220kg、炸薬重量34kg。鉛蓄電池駆動の電動モーター推進、雷速30ノット、航走距離6km。誘導はパッシブ・アクティブ音響式。1975年に就役した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊丸3,’90

　＜Ａ２４４Ｓ＞：誘導システムをCIACIO-Sに換装したもの。全長2.75m、直径324mm、重量254kg、弾頭重量45kg。推進は電動モーターによる二重反転プロペラ、雷速30-39ノット、最大航走距離6km。最大運用深度600m。誘導はアクティブ・パッシブ音響。参考：月刊世界の艦船7,'21、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜Ａ２４４Ｓ　Ｍｏｄ３＞：電動モーターと電池を改良して航走距離を延伸したもので、1998年に就役した。全長2.75m、直径324mm、重量250kg、炸薬重量42kg。マグネシウム・塩化銀海水電池駆動の電動モーター推進、航走距離10km（雷速38ノット）／13.5km（雷速28ノット）最大運用深度600m。誘導はパッシブ・アクティブ音響式。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、7,’21

＜Ａ２５０＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船シープドッグ（Sheepdog）。1970年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２５２＞：イギリス海軍改ガール級港内曳船ドリス（Doris）。1969年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２５３＞：イギリス海軍インセクト級通船レディバード（Ladybird）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２５９＞：イギリス海軍セント・マーガレッツ級電纜敷設船セント・マーガレッツ（St. Margarets）。1944年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２６３＞：イギリス海軍インセクト級通船シカーラ（Cicala）。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２６４＞：スウェーデン海軍トロッソ級支援艦トロッソ（Trossö）。1996年11月、エストニアから取得した。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜Ａ２６８＞：イギリス海軍ローヴァー級給油艦グリーン・ローヴァー（Green Rover）。1969年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２６９＞：イギリス海軍ローヴァー級給油艦グレイ・ローヴァー（Grey Rover）。1970年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２７０＞：イギリス海軍ローヴァー級給油艦ブルー・ローヴァー（Blue Rover）。1970年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２７１＞：イギリス海軍ローヴァー級給油艦ゴールド・ローヴァー（Gold Rover）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２７２＞：イギリス海軍インセクト級通船スカラブ（Scarab）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２７３＞：イギリス海軍ローヴァー級給油艦ブラック・ローヴァー（Black Rover）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２７４＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船エトリック（Ettrick）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２７７＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船エルシング（Elsing）。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２８１＞：イギリス海軍キン級防材敷設船キンブレイス（Kinbrace）。1945年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２８５＞：イギリス海軍オーリキュラ級試験艦オーリキュラ（Auricula）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２８９＞：イギリス海軍コンフィアンス級航洋曳船コンフィアンス（Confiance）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２９０＞：イギリス海軍コンフィアンス級航洋曳船コンフィデント（Confident）。1956年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ２９０＞：イタリアが開発した魚雷で、A244の改良型である。全長2.7m、直径0.324m、重量221kg。最大雷速37ノット、最大射程7km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ａ３００＞：チェコスロバキア軍の双発偵察爆撃機。機体は木金混合で、双尾翼を持つ。1938年に初飛行したが、量産初号機が完成した所でドイツに併合され、それ以上は作られなかった。全長13.5m、全幅19.21m、全備重量5050kg。エンジンはブリストル社製マーキュリー９（830馬力）双発、最大速度415km、実用上昇限度7500m、航続距離900km。防御兵装は7.62mm機銃３丁。爆弾1000kgを搭載できる。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ａ３００シリーズ＞：エアバスの300席級短・中距離旅客機。1970年設立のエアバスが最初に開発した旅客機で、世界初の双発ワイドボディ機でもある。参考：世界航空機年鑑2018-2019、週刊エアクラフトNo.72

　＜Ａ３００−６００＞：A300シリーズ最終モデルで、1983年7月8日に初飛行した。A300B4をベースに航続距離延伸とペイロード増加を図り、A310とのコンポーネント共通化で価格を低減、A310の技術もバックフィットして乗員を２名に減らしている。全長54.1m、全幅44.84m、全高16.5m、運航自重90.965トン、最大離陸重量171.7トン。翼面積260平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW4158（推力26.31トン）双発、巡航速度マッハ0.82、航続距離7834km。最大ペイロード39.037トン。乗員２名。客席数266-288。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ３００−６００Ｒ＞：A300-600の航続距離延伸型で、1987年12月9日に初飛行した。複合材を多用して機体を軽量化し、翼端にウイングチップ・フェンスを設け、水平尾翼内に燃料タンクを追加している。計器板はグラスコクピット化した。全長54.10m、全幅44.84m、全高16.54m、最大離陸重量170.5トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW4158双発、巡航速度854km、最大航続距離7700km。標準座席数266。参考：飛行機のしくみ、世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ３００Ｂ４−１００＞：全長53.62m、全幅44.84m、全高16.53m。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製CF6-50C2双発、巡航速度911km、航続距離4910km。乗員３名。座席数263。参考：週刊エアクラフトNo.72

＜Ａ３００Ｂ４−２００＞：全長53.62m、全幅44.84m、全高16.53m。エンジンはジェネラル・エレクトリック社製CF6-50C2双発、巡航速度860km、航続距離5375km。乗員３名。座席数240。参考：週刊エアクラフトNo.41

＜Ａ３０４＞：オーストラリア海軍サプライ級補給艦２番艦ストルワート（Stalwart）。2019年8月30日進水。2021年5月20日、ナバンティアのフェロル造船所を出港し、オーストラリアのスターリング基地に向かった。6月21日、スターリング基地に入港。8月22日、指揮管制システムと航法システムの認証を終了。8月30日、オーストラリア海軍が領収した。11月13日就役。2022年10月4-8日、南シナ海で日米豪加共同訓練ノーブル・ミスト22に参加。駆逐艦39ホバート、フリゲートFFH-151アルンタと共に、DD-104きりさめ、DDG-69ミリウス、DDG-76ヒギンズ、アメリカ沿岸警備隊巡視船ミジェット、カナダ海軍フリゲートFFH-338ウィニペグと、各種戦術訓練（対潜戦など）を行った。10月11-18日、スールー海で米豪比主催共同訓練Exercise SAMASAMA/LUMBAS 2022に参加。駆逐艦39ホバートと共に、DD-104きりさめ、US-2救難飛行艇、アメリカ海軍DDG-69ミリウス、P-8A哨戒機、フィリピン海軍フリゲートFF-150ホセ・リサール、C-90哨戒機など、フランス領ポリネシア駐留フランス軍ファルコン200哨戒機、イギリス海軍哨戒艦P234スペイと、捜索救難・洋上補給などの訓練を行った。11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。11月8-15日、マラバール2022に参加。11月19-20日、関東南方から四国南方で日米豪共同訓練に参加。DD-156せとぎり、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-69ミリアスと、各種戦術訓練（対空戦、対水上戦、洋上補給など）を行った。12月8日、シドニーに帰港。2023年11月10-20日、日本周辺海空域で令和5年度海上自衛隊演習（実動演習（共同演習））に参加。11月20-21日、関東南方から四国南方で日豪共同訓練トライデント23-2に参加。41ブリスベーンと共に、DD-113さざなみ、P-1哨戒機、潜水艦、オーストラリア空軍P-8A哨戒機と、各種戦術訓練（対潜戦、対水上戦、LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船11,’19、8,’21、9,’21、12,’21、2,’22、1,’23、2,’23、3,’23、2,’24

＜Ａ３０４＞：チェコスロバキア軍の軽爆撃偵察機。A204軽旅客機を改造したもので、1938年に15機が生産された。全長13.2m、全幅19.2m、全備重量4350kg。エンジンはヴァルター・スーパーカストル（340馬力）双発、最大速度323km、実用上昇限度6300m、航続距離1200km。固定武装は7.9mm機銃３丁。爆弾500kgを搭載できる。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ａ３０５＞：イギリス海軍アイアンブリッジ級水中作業母船イルチェスター（Ilchester）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３０６＞：インド海軍ダリニ級工作艦ダリニ（Dharini）。1944年進水。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜Ａ３０９＞：イギリス海軍アイアンブリッジ級水中作業母船インストウ（Instow）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３１０＞：イギリス海軍アイアンブリッジ級水中作業母船アイアンブリッジ（Ironbridge）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３１０シリーズ＞：エアバス社の双発旅客機。1980年代のB707、B727、DC-8大量引退を見込んで後継を狙ったもので、A300の胴体を短くして200席クラスとしている。ボーイング社で開発中のB767に対抗するため、複合材を多用して軽量化し、主翼と水平尾翼の設計を変更、計器板はカラーCRT６基でグラス・コクピット化して航空機関士を省いた。1982年4月3日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’98

＜Ａ３１０ファミリー＞

＜Ａ３１０−３００ＭＲＴＴ＞：A310-300を空中給油輸送機に改造したタイプで、MRTTはMulti-Role Transport Tankerの略。貨物室に燃料タンク５個を追加、25605ガロン（96925リットル）の燃料を搭載する。システムは遠隔操作式で、両主翼の外翼下部にフライト・リフュエリング製Mk32Bホース・ドローグ・ユニット・ポッドを装備、同時に２機に給油可能。3000海里進出・２時間滞空では33トン、1000海里進出・２時間滞空では40トンを給油できる。貨物輸送仕様ではペイロード37トンで、人員輸送仕様では214席を設けられる。パレット12枚と人員54名という混載も可能。ドイツ空軍が４機、カナダ空軍が２機発注しており、2007年6月と2004年にそれぞれ初号機が引き渡された。スペイン空軍も２機を採用した。参考：月刊JWings11,’05、12,’04、月刊軍事研究9,’07、2,’09、月刊航空ファン9,’17

＜Ａ３１０海外シリーズ＞

　＜Ａ３１０−３００（スペイン空軍）＞：スペイン空軍要人輸送機。2019年10月21日、即位礼正殿の儀に出席するフェリペ６世国王を乗せて羽田に着陸。参考：月刊JWings1,’20

　＜Ａ３１０−３０４（スペイン空軍）＞：スペイン空軍要人輸送機。第45航空群第451飛行隊に２機が配備されている。うち１機は1991年にエールフランスで就航した機体で、要人輸送仕様に改修したのを2004年に購入した。2019年6月、G20大阪サミットに参加するカステホン首相を乗せて来日した。10月、即位の礼に参加するフェリペ６世国王を乗せて来日した。参考：月刊航空ファン9,’19、1,’20

＜Ａ３１０−３０４（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍要人輸送機。B707-307Cの後継で、東ドイツの航空会社インターフルークが所有していたA310-300旅客機７機を購入し、うち３機を要人輸送機として国防省フライトサービスの要人輸送部隊（通称ホワイトフリート）に配備した。慣性航法装置３基とGPSを搭載する。乗員２名＋随行員97名。2011年と2014年に１機ずつがA340-330に後を譲り、残る１機は国防省フライトサービスの兵員輸送・空中給油部隊（通称グレイ・フリート）で兵員輸送用に使用されている。参考：月刊軍事研究1,’98、月刊JWings1,’12、月刊航空ファン9,’17

＜Ａ３１０−３０４（フランス空軍）＞：フランス空軍の要人輸送機。第60空輸航空団で２機が運用されている。参考：月刊JWings1,’01

＜Ａ３１０−３２４（タイ空軍）＞：タイ政府専用機で、空軍が運用している。タイにはボーイング737系のVIP仕様機があるが、王室専用機のようだ。参考：月刊JWings1,’01

＜Ａ３１０海外ファミリー＞

　＜Ａ３１０−３０４ＭＲＴＴ（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍空中給油輸送機。東ドイツの航空会社インターフルークが所有していたA310旅客機７機を購入し、うち４機をA310-300MRTT仕様に改造したものである。主翼下面にFL250-270空中給油ポッドを搭載可能。国防省フライトサービス兵員輸送・空中給油部隊（通称グレイ・フリート）に配備され、人員輸送や空中給油任務を行う他、長距離航空傷病者医療搬送任務（MEDEVAC）のため常に１機が待機している。参考：月刊航空ファン9,’17、7,’18

＜Ａ３１０−２００（チリ）＞：大統領専用機と空中給油輸送機を１機ずつ、2007年に発注した。参考：月刊JWings11,’07

＜ＣＣ−１５０Ｔ＞：カナダ国防軍空中給油輸送機、別名ポラリス。CC-150を空中給油兼用としたもので、2008年以降に２機を改造した。参考：月刊JWings11,’05、12,’20

　＜Ｔ．２２＞：スペイン空軍空中給油輸送機。A310-300MRTTを採用したもので、２機を導入した。参考：月刊JWings11,’05

＜Ａ３１１＞：イギリス海軍アイアンブリッジ級水中作業母船インヴァーゴードン（Invergordon）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３１７＞：イギリス海軍ブルドッグ級沿岸測量艦ブルドッグ（Bulldog）。1968年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３１８＞：イギリス海軍アイアンブリッジ級水中作業母船イクスワース（Ixworth）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３１８＞：エアバス社の旅客機。元は1997年5月にシンガポール、中国、イタリアと共同開発することになった100席級旅客機エイジアン・エクスプレス計画で、新規開発の予定だったが、開発リスクの問題からA320旅客機ベースに落ち着き、1999年4月に正式開発が決定した。A320の胴体短縮型であるA319よりも更に胴体を2.83m短くしており、機体重心と垂直安定板の位置が近くなった分、垂直尾翼のスパンを0.79m拡大して方向安定性を維持した。重量軽減に合わせてエンジン推力も下げており、従来のA320用CFM56ファミリーに加えてPW6000も選択可能としている。全長31.45m、全幅34.1m、全高12.56m、運航自重13.95トン、最大離陸重量59トン。翼面積122.4平方メートル。エンジンはCFM社製CFM56-5B（推力9.8-10.57トン）双発、巡航速度マッハ0.78、燃料搭載量23860リットル、航続距離2780km（乗客107名）。最大ペイロード14.05トン。乗員２名。乗客107-117名。2002年1月15日に初飛行し、2003年5月にCFM56搭載型、2005年12月にPW6000搭載型がヨーロッパ合同航空機関の形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３１９＞：イギリス海軍ブルドッグ級沿岸測量艦ビーグル（Beagle）。1968年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３１９シリーズ＞：エアバス社の旅客機。A320の胴体短縮型である。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン5,’18

　＜Ａ３１９＞：A320の胴体を主翼前方で1.6m、後方で2.13m短縮し、エンジン推力を落とした。フラップや降着装置はA320と同じである。1995年8月24日に初飛行した。2014年生産機からシャークレットと呼ばれる新型ウイングレットを標準装備している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ３１９−１００＞：全長33.84m、全幅34.1m、全高11.76m、運航自重40.16トン、最大離陸重量64トン。翼面積122.6平方メートル。エンジンはCFM社製CFM56-5A4（推力9.98トン）双発、巡航速度マッハ0.78、燃料搭載量23860リットル、航続距離3300km（乗客124名）。最大ペイロード16.84トン。乗員２名、乗客124-145名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ３１９ｎｅｏ＞：最大離陸重量75.5トン。航続距離3750海里。客席数160席（単一クラス最大）／140席（２クラス標準）。LEAP-1Aエンジン装備の初号機は2017年3月31日に初飛行し、2018年12月25日にエアバスがEASAとFAAの形式証明を取得したと発表した。プラット＆ホイットニー社製PW1100Gエンジンも選択できる。参考：月刊航空ファン5,’18、3,’19

＜Ａ３１９海外ファミリー＞

　＜Ａ３１９（ブラジル空軍）＞：ブラジル空軍政府専用機。2023年5月、G7広島サミットに出席するルーラ大統領を乗せ、広島空港に飛来。参考：月刊JWings8,’23

　＜Ａ３１９−１１２（ハンガリー空軍）＞：ハンガリー空軍輸送機。An-26の後継で、2018年に２機を導入してケチケメート基地の第59航空基地第３空輸飛行隊に配備した。参考：月刊航空ファン5,’19

＜Ａ３１９−１１５（ＣＪ）＞：イタリア空軍政府専用機、制式名称VC-319A。ACJ（エアバス・コーポレート・ジェット）ベースで、機内シートはVIP仕様50席、運航は第31航空団第306航空群である。DC-9の後継として1999年と2000年に１機ずつ、その後もう１機を配備した。参考：月刊JWings1,’01、月刊航空ファン9,’19

＜Ａ３１９−１１５Ｘ（イタリア空軍）＞：イタリア空軍政府専用機。2023年3月14日、日英伊防衛相会談に参加するクロセット国防大臣を乗せ、羽田空港に飛来。3月17日、羽田空港を離陸してイタリアに戻った。5月、G7広島サミットに出席するメローニ首相を乗せ、広島空港に飛来。参考：月刊JWings6,’23、8,’23

＜Ａ３１９−１１５Ｘ（チェコ空軍）＞：チェコ空軍VIP機で、コーポレート・ジェットのA319-115(CJ)である。2017年6月27日、チェコ首相を乗せて羽田空港に到着した。6月30日、羽田空港を離陸。2021年7月17日、東京オリンピック関係者を乗せ羽田空港に飛来。2023年6月、バルトシュ地方開発大臣兼デジタル化担当副首相を乗せて羽田空港と広島空港に飛来。2024年2月28日、リパフスキー外務大臣を乗せて羽田空港に飛来。その後関西空港に移動した。3月2日、関西空港を離陸。参考：月刊JWings1,’12、9,’17、10,'21、9,'23、6,'24、月刊航空ファン9,’17

＜Ａ３１９−１１５Ｘ（ＣＪ）（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍要人輸送機で、ACJ（エアバス・コーポレート・ジェット）ベース。2007年から運用した。2019年5月28日、マハティール首相を乗せて羽田空港に飛来し、5月31日に離日した。参考：月刊JWings9,’18、月刊航空ファン8,’19

＜Ａ３１９−１３３ＣＪ＞：ドイツ空軍要人輸送機。国防省高官輸送通信軍団に配備されている。2019年10月30日、アルトマイヤー連邦経済エネルギー相を乗せ羽田空港に飛来。2024年8月29日、オープンスカイズのマーキングを垂直尾翼に入れて羽田空港に飛来し、8月31日に離陸した。参考：月刊航空ファン1,’19、月刊JWings11,’24

＜Ａ３１９−２１４ＣＪＷＬ（タイ空軍）＞：タイ空軍政府専用機。2019年6月、ASEAN議長国としてG20大阪サミットに招待されたジャンオーチャー首相を乗せて関西空港に飛来。参考：月刊航空ファン9,’19

＜Ａ３２０＞：イギリス海軍ブルドッグ級沿岸測量艦フォックス（Fox）。1968年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３２０シリーズ＞：エアバス社の単通路型旅客機。1980年代に150席前後の旅客機の需要が高まる予測が立てられたため、B-737やDC-9に対抗できる旅客機として120-150席のSA（Single Aisle、単通路）-1と150-180席のSA-2の設計を開始、その後150-180席のみに計画を統合し、1984年3月23日に航空会社から発注を受けたため、A300とA310に続くA320の名称を付けた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,'15

＜Ａ３２０＞：機体は複合材を多用し、垂直・水平尾翼は全複合材製である。フラップは単純ファウラー・フラップ。旅客機としては世界で初めてフライ・バイ・ワイヤを採用しており、操縦桿はサイドスティック方式で、機長席には左、副機長席には右に操縦桿が付いている。ちなみに従来操縦輪があった位置には折り畳みテーブルを設けた。計器板はカラーCRT６枚（機長・副機長席前面に２枚ずつ、センターコンソールに２枚）でグラスコクピット化し、アナログ計器はバックアップ用の高度計、速度計、姿勢指示器など最小限に止めている。最大離陸重量93.5トン。航続距離3200海里。乗員２名。A320neo計画が立てられた後はA320ceo（Current Engine Option）と呼ばれる。2014年生産機からシャークレットと呼ばれる新型ウイングレットを標準装備した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究11,’12、月刊航空ファン8,’15

＜Ａ３２０−１００＞：初期型。1987年2月22日に原型初号機が初飛行し、４機でテストを行って1988年2月26日にヨーロッパ合同航空機関から形式証明を取得した。最大離陸重量66トン。航続距離3420km。1988年3月から引き渡された。A320-200に人気が出たため、21機しか生産されなかった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３２０−２００＞：A320-100の航続距離延伸型。主翼中央部に燃料タンクを増設し、最大離陸重量を引き上げて燃料搭載量を増加、翼端にウイングチップ・フェンスを取り付けた。全長37.57m、全幅34.1m、全高11.76m、運航自重42.22トン、最大離陸重量77トン（72トン？）。アスペクト比9.39、翼面積122.6平方メートル。エンジンはCFM社製CFM56-584（推力12.25トン）双発、巡航速度マッハ0.78、燃料搭載量26760リットル、航続距離5550km（乗客150名）。最大ペイロード19.092トン。乗員２名。客席数150-180。1988年12月に形式証明を取得し、A320の標準モデルになった。参考：世界航空機年鑑2018-2019、航空機設計法

＜Ａ３２０ｎｅｏ＞：2010年12月1日から開発したリエンジン型で、neoはNew Engine Optionの略。エンジンをCFMインターナショナル社製LEAP-1Aまたはプラット＆ホイットニー社製ピュアパワーPW1100G-JMの選択式とし、燃費を最大15%削減して環境性能を向上した。ウイングレットをシャークレットと呼ばれる新型に換装することでも燃費を3.5%以上改善している。コクピットを改良し、エアバス・キャビン・フレックスという座席増オプションを設定、降着装置オーバーホール間隔を20%延長し、新型ブリードエアシステムを搭載した。全長37.57m、全幅34.09m、全高11.76m、最大離陸重量93.5トン。エンジンはCFMインターナショナル社製LEAP-1A（推力32900ポンド・14.9トン）またはプラット＆ホイットニー社製PW1100G-JM（推力35000ポンド・15.9トン）双発、巡航速度マッハ0.82、航続距離6900km（4000海里？）。乗員２名。客席数180。PW1100G-JM装備型は2014年9月25日、LEAP-1A装備型は2015年5月19日に初飛行し、2016年1月20日に量産初号機がルフトハンザへ引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,'15、月刊軍事研究9,’11

＜Ａ３２０ファミリー＞

　＜Ａ３２０Ｍ３Ａ＞：エアバス社が計画している軍用型A320neo。輸送機の他、ISR機や洋上哨戒機（胴体内ウェポンベイに短魚雷８本搭載）も構想中である。参考：月刊航空ファン10,’18

＜Ａ３２０海外ファミリー＞

　＜Ａ３２０−２１４＞：カンボジア軍政府専用機。2011年に中国南方航空が導入した機体をリースし、2013年3月から配備した。リース機なので登録記号は中国国籍を示すＢから始まるB-6738だが、政府専用機なのに他国の国籍記号が入っているのはバツが悪いのか、機体に登録記号を記入していない。2017年8月6日、フン・セン首相を乗せて羽田空港に到着した。8月9日、羽田空港を離陸。4月22日、アジア・太平洋水サミットに参加するフン・セン首相を乗せて熊本空港に到着した。4月24日、熊本空港を離陸。参考：月刊航空ファン11,’17、月刊JWings7,’22

　＜Ａ３２０−２１４（ＣＪ）＞：タイ空軍VIP輸送型で、ACJ（エアバス・コーポレート・ジェット）ベース。2017年5月31日、タイ空軍司令官を乗せて百里基地に到着した。6月4日、百里基地を離陸。参考：月刊JWings9,’17、月刊航空ファン9,’17

　＜Ａ３２０−２１４（ＣＪ）＞：マレーシア空軍VIP輸送型A320-200(CJ)。ACJ（エアバス・コーポレート・ジェット）ベースで、元はコムラックス・マルタの所有機であり、2015年にマレーシア空軍に就役した。2019年8月7日、マハティール首相を乗せて福岡空港に飛来。2023年12月、日ASEAN特別首脳会議に出席するアンワル首相を乗せ、マレーシア−羽田空港間を運航した。参考：月刊JWings2,’17、3,'24、月刊航空ファン10,’19

　＜Ａ３２０−２１４Ｘ（ＣＪ）＞：オマーン空軍政府専用機。2009年に新造機を導入した。2019年3月、国防担当大臣を乗せて羽田空港に来日した。参考：月刊JWings6,’19、月刊航空ファン6,’19

＜Ａ３２１旅客機シリーズ＞：エアバス社の旅客機。A320の胴体延長型で、A310とA320の間を埋める180-200席クラスとして開発され、1993年3月11日に初飛行した。2014年生産機からシャークレットと呼ばれる新型ウイングレットを標準装備している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ３２１−１００＞：A320の胴体を主翼前方で4.27m、後方で2.64m延長し、エンジンと降着装置を強化、二重隙間ファウラー・フラップで離着陸性能を確保した。最大離陸重量83トン。エンジン推力14.79トン（14.97トン？）、航続距離4445km。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ３２１−２００＞：A321-100の航続距離延伸型。貨物室に増加燃料タンクを取り付け、最大離陸重量を増やした。全長44.51m、全幅34.1m、全高11.76m、運航自重48.14トン、最大離陸重量89トン。翼面積122.6平方メートル。エンジンはIAE社製V2533-A5（推力14.97トン）双発、巡航速度マッハ0.78、燃料搭載量26600リットル、航続距離5010km（乗客185名）。最大ペイロード21.615トン。乗員２名。客席数185-200。1996年12月21日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３２１ｎｅｏ＞：A320neoのファミリーで、A320neoより一回り大きい。最大離陸重量89トン。航続距離3200海里。参考：月刊航空ファン8,’16

＜Ａ３２１ＬＲ＞：A321neoの長距離型で、床下に増槽３基を搭載できる。最大離陸重量97トン。最大航続距離4000海里（客席数206）。客席数206（２クラス標準）／220（最大）。初号機はCFMインターナショナル社製LEAP-XA32エンジンを搭載して2016年2月9日に初飛行した。2018年7月（10月？）にFAAとEASAの形式証明を取得し、量産初号機は11月にアラキア・イスラエル航空に引き渡された。参考：月刊航空ファン8,’16、8,’19、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３２１ＸＬＲ＞：A321neoの超長距離型。2019年のパリ航空ショーで開発を発表した。最大離陸重量を増やして主翼中央後部に燃料タンクを増設し、降着装置を強化する。皇族距離4700海里・8704km。参考：月刊航空ファン9,’19

＜Ａ３２１海外ファミリー＞

＜Ａ３２１ＡＧＳ＞：AGSはAlliance Ground Surveillance（連合地上監視）の略。アメリカ・イギリス以外のNATO諸国が導入を予定している空中監視システムで、A321旅客機にMP-RTIPレーダーを搭載したものである。高度11872mを10時間にわたり滞空して地上を監視でき、空中給油を利用すれば更に長時間の任務が可能である。2010年から量産する予定だったが、計画中止になった。参考：月刊軍事研究10,’07、月刊航空ファン10,’18

＜Ａ３２１−２３１＞：ベルギー空軍要人輸送機。中古民間機を2014年に購入（ポルトガルのハイフライ航空からリース？オランダのエアキャップからリース？）し、第15輸送航空団第21飛行隊に配備、運航をポルトガルのハイフライ航空に委託している。参考：月刊JWings1,’17、月刊航空ファン12,’16

＜Ａ３２２＞：イギリス海軍ガール級港内曳船ベティ（Betty）。1963年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３２３＞：イギリス海軍ガール級港内曳船ブリジェット（Bridget）。1963年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３２４＞：イギリス海軍ガール級港内曳船バーバラ（Barbara）。1963年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３２５＞：イギリス海軍ブルドッグ級沿岸測量艦フォーン（Fawn）。1968年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３２６＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船フォックスハウンド（Foxhound）。1966年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３２７＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船バセット（Basset）。1963年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３２８＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船コリー（Collie）。1964年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３３０＞：イギリス海軍ドッグ級港内曳船コーギー（Corgi）。1964年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３３０シリーズ＞：エアバス社の双発旅客機。A300の胴体延長型で、1970年代半ばから検討に入り、1982年にTA（Twin Aisle、２列通路）-9として発表、1986年1月にA330と改称され、1987年6月5日に量産化が決定した。同時期に開発されたA340と極力機体構成を統一している。A330neoの登場以降は、以前の機体をA330ceo（Current Engine Option）と呼ぶようになった。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’15

＜Ａ３３０−２００＞：A330シリーズの短胴体型。A330-300の胴体を1.36m短縮し、重心と垂直安定板までの距離短縮による方向安定性低下は垂直安定板を0.56m高くし方向舵面積も拡大して補った。主翼はA340と共通である。全長58.85m、全幅60.3m、全高17.39m、運航自重120.15トン、最大零燃料重量170トン、最大離陸重量217トン（230トン？後に242トンに引き上げ）、最大着陸重量182トン。翼面積361.6平方メートル。エンジンはCFM社製CF6-80E1A3（推力31.093トン）双発、巡航速度875km・マッハ0.82、燃料容量139527リットル（139090リットル？）、最大航続距離7250海里／12500km（8980km？）。最大ペイロード44.83トン。客席数293席（標準２クラス）／253席（３クラス）／406席（１クラス）。1997年8月13日に初飛行し、1998年3月31日に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ、月刊航空ファン8,’15

＜Ａ３３０−２００Ｆ＞：A330-200の貨物機型。メインデッキ床面を補強し、客室窓を廃止、全部胴体左に大型貨物扉を装着した。航続距離7400km（標準貨物搭載量64トン）。2009年11月5日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３３０−３００＞：A330シリーズの基本型。胴体断面はA300と同じ直径5.64mの真円で、キャビンはA340-300と同一だが、中・短距離路線なので標準客席配置は２クラスである。胴体延長により重量が増えたため、主脚柱を長くして強度も高めた。前脚はA300のままなので、地上姿勢が前傾になる。コクピットはA340と共通化されており、エンジンが少ない分スロットルレバーが２本減っただけである。操縦系統はフライ・バイ・ワイヤ。全長63.96m、全幅60.3m、全高16.74m、運航自重122.21トン、最大零燃料重量175トン、最大離陸重量230トン（後に242トンに引き上げ）、最大着陸重量187トン。翼面積361.6平方メートル。エンジンはCFM社製CF6-80E1A3（推力31.093トン）双発、巡航速度マッハ0.82、燃料容量139090リットル、航続距離6100海里・11850km（10500km？）。最大ペイロード46.79トン。客席数335席（標準２クラス）／295席（３クラス）／440席（１クラス）。初号機は1992年11月2日に初飛行し、CF6エンジン搭載機は1993年10月21日、PW4000搭載機は1994年6月2日、トレント700搭載機は1994年12月22日に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’16、8,’15

　＜Ａ３３０ｎｅｏ＞：ファーンボロ航空ショー2014で発表された新型で、neoはNew Engine Optionの略。エンジンをロールスロイス社製トレント7000に換装し、エンジンパイロンの形状を変更、主翼スパンを広げ、翼端にシャークレットと呼ばれる新型ウイングレットを追加、翼胴フェアリング上部を改修するなどして空力特性を4%改善し、座席あたりの燃料消費を14%減らす。胴体はそのままだが、機内レイアウトを変更して座席数を6-10席増やした。コクピットシステムも新型にするが、パイロット資格はA330ceoと同じで良い。予備部品はA330ceoと95%共通である。標準胴体のA330-800neoと長胴型のA330-900neoがある。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’15

＜Ａ３３０−８００ｎｅｏ＞：A330neoシリーズの標準胴体型で、2018年11月6日に初飛行した。全長58.85m、最大零燃料重量172トン、最大離陸重量242トン、最大着陸重量168トン。燃料容量139090リットル、航続距離7450海里／8150海里（座席数257）。標準座席数246-252。参考：月刊航空ファン8,’16、8,’15、8,’19

＜Ａ３３０−９００ｎｅｏ＞：A330neoシリーズの長胴型で、2017年10月19日に初飛行した。全長63.7m（63.96m？）、全幅64m、全高16.8m、最大零燃料重量181トン、最大離陸重量242トン、最大着陸重量191トン。エンジンはロールスロイス社製トレント7000（推力68000-72000ポンド・30.844-32.659トン）双発、燃料容量139090リットル、航続距離6550海里／7200海里（k座席数287）。乗員２名。標準座席数300-310。2018年11月26日に量産初号機がTAPポルトガル航空に引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’16、8,’15、8,’19

＜Ａ３３０旅客機ファミリー＞

　＜Ａ３３０−２２３＞：フランス空軍政府専用機。1998年にスイスエアに就航し、2003-09年にエア・カライベス（エアカリブ？）で使用されていた機体を購入して2010年11月から運用している。2019年5月23日、関西空港に飛来した。6月26日、日仏首脳会談やG20大阪サミットに出席するマクロン大統領を乗せ、随伴機のファルコン7Xと共に羽田空港に飛来。2021年5月、羽田空港に飛来。5月21日、羽田空港を離陸して嘉手納基地に着陸。5月22日、嘉手納基地を離陸した。7月23日、東京オリンピック開会式に出席するマクロン大統領を乗せ、随伴機のファルコン7Xと共に羽田空港に飛来。2023年5月19日、G7広島サミットに出席するマクロン大統領を乗せ、広島空港に飛来（機番F-RARF）。5月20日、G7広島サミットに出席するウクライナのゼレンスキー大統領を乗せ、広島空港に飛来（機番F-UJCT）。参考：月刊JWings1,’12、8,’19、9,’19、8,’21、10,’21、8,’23

　＜Ａ３３０−２４３＞：トルコ政府の政府専用機。2011年に機体を購入し、内装などを変更して2014年から運航した。2019年6-7月、B747-8ZV要人輸送機と共にセントレア空港と羽田空港に滞在した。参考：月刊JWings9,’19

＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴシリーズ＞：オーストラリア空軍空中給油輸送機で、MRTTは多目的給油輸送機の略。次期空中給油機計画にエアバスが応募し、A330-200旅客機をベースに開発、2004年12月（4月？）に採用されて制式名称はKC-30Aになった。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings3,’05

＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ＞：F-111/F-35AとF/A-18の両方に給油する必要があるため、EADS-CADS社製ARBSフライングブーム（胴体下部）とFRL社製Mk32B905Eホース・ドローグ・ユニット（両外翼パイロン）の両者を装備している。胴体後部下面にBEVS（Boom Enhanced Vision System）と呼ばれる監視カメラシステムを搭載しており、箱型フェアリング後面中央に後方監視用カメラ、後面左右に立体視用カメラ、側面にHDU監視用カメラ、箱型フェアリング前方両舷透明ドームに可動式カメラを持つ。フライングブームはフライ・バイ・ワイヤによる手動操作で、ブーマーがBEVS立体視用カメラからの映像を見てレシーバーの三次元位置を確認し、リセプタクルにブームを突っ込む。主翼は４発機のA340と共通なため、A340で外側エンジンを積むハードポイントにHDUを装着することにより、改造を最小限とした。HDUでの２機同時給油はできるが、３機同時給油は無理。床下貨物室にLD3コンテナ27個を収容できる。メインデッキの空中給油用燃料タンクを外せば、メインデッキに人員380名、兵員270名＋貨物40トン以上、NATO規格折り畳み式担架130床、463Lパレット26枚などを積める。自衛用の電子戦装置を装備可能で、リンク16も搭載している。機首上面に空中給油受油口があり、フライング・ブームから空中給油を受ける事が可能。全長58.8m、全幅60.35m、全高17.38m、自重120.15トン、最大離陸重量233トン、最大着陸重量182トン。エンジンはGE製CF6-80E1A3（推力320.3kN・32.64トン）双発、巡航速度464ノット、最大巡航マッハ数0.82、最大速度475ノット、実用上昇限度12600m／10700m（空中給油任務時）、航続距離7999海里、運用半径500海里（給油量60トン、５時間ロイター）／1000海里（給油量50トン、４時間半ロイター）。最大燃料搭載量111トン、最大貨物積載量45トン。自衛用にミサイル警報装置とDIRCMを装備する。乗員３名（運航要員２名＋操作員１名）。2007-09年に５機が引き渡される予定だったが、開発が遅れ、2011年6月1日に初号機が就役、2012年12月に５号機が配備され、2013年2月26日に初期作戦能力IOCを達成、2017年に完全運用能力FOCを得た。もう２機導入する予定で、2021年現在配備済み（計７機）である。うち１機はVIP仕様で、2020年11月17日にはモリソン首相の特別機として羽田空港に、2023年5月21日にはG7広島サミットに出席するアルバニージー首相を乗せ広島空港に飛来した。参考：月刊JWings7,'22、3,’05、1,’16、9,’11、10,’14、10,’16、2,'21、8,'23、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究5,’05、9,’07、12,’07、5,’13、9,’13、月刊エアワールド7,’04、月刊航空ファン5,’17、6,’17

　＜アドバンスドＡ３３０−２００ＭＲＴＴ＞：A330-200最新型をベースとする改良型で、2014年6月に開発が発表され、2016年9月30日に初飛行した。フラップとスラットを改良して燃費を向上させ、ミッション計画装置を改良し、フライングブームにブーム・アップグレード３を適用、ブーム監視システムも更新し、IFFモード５対応とする。2017年以降の発注は全て本バージョンに切り替えられ、2018年から引き渡される予定。参考：月刊JWings12,’16

＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ海外シリーズ＞

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（ＮＡＴＯ軍）＞：NATO軍のヨーロッパ／NATO空中給油・輸送機フリートMMF計画向け、NATO正式名称KC-30M。オランダとルクセンブルクから２機（＋オプション４機）、ドイツとノルウェーから2017年9月25日に５機が発注され、2018年2月にベルギーが加わったのを受けて3月1日に１機が追加され、計８機になった。2019年7月10日、運用部隊MMUがオランダのアイントホーフェン空軍基地で新編された。10月24日、チェコが参加を表明した。オランダのアイントホーフェン基地に５機、ドイツのケルンに３機を配備する予定で、初号機は2020年6月29日に納入されている。2023年3月23日、運用部隊がIOCを達成した。参考：月刊JWings5,’18、1,’20、9,'20、6,'23、月刊軍事研究4,’18、月刊航空ファン3,’18、10,’19

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（ＵＡＥ空軍）＞：UAE空軍空中給油輸送機。F-16Eに空中給油するため胴体尾部にフライング・ブーム式空中給油装置を備え、HDUへの換装も可能である。主翼端にもHDUを持つ。３機を発注し、2013年に全機引き渡された。もう３機追加する予定。2021年、自衛装置としてJ-MUSICをエルビット社に発注した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings5,’13、2,’20、3,’21

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（インド空軍）＞：インド空軍空中給油輸送機。2009年5月にIl-78の後継として採用を決定したが、高いということでインド財務省が反対し、2010年1月5日に白紙に戻された。Il-78MKとの競争の結果、2013年1月7日に採用されたとエアバスが発表した。６機を導入予定。2014年6月、契約を結んだカシディアン社がエアバス・ディフェンス・アンド・スペース社に改称されることに関し、インド国防省が法務省に対して防衛調達過程の法的保証を求めており、手続き上の問題で配備が遅延するかもしれない。2015年7月1日までに契約する予定である。参考：月刊JWings4,’10、4,’13、6,’15、月刊軍事研究12,’14

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（韓国空軍）＞：韓国空軍空中給油輸送機、制式名KC-330シグナス。2015年6月30日、KC-46Aに勝って４機の採用が決まった。MRTTエンハンスド仕様で、カテゴリー�VＢ自動着陸機能などを持つ。エンジンはロールスロイス社製トレント700双発。初号機は2017年5月22日に初飛行し、2018年11月に韓国にフェリーされて納入前試験を開始、2019年1月30日に引き渡された。2019年内に全機配備される予定。参考：月刊JWings10,’15、4,’16、3,’18、4,’19、月刊航空ファン8,’17、4,’19、6,’19

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍空中給油輸送機。６機を発注しており、2011年3月15日に初号機が初飛行、2013年2月25日に初号機が配備された。2024年7月10日、４機を追加発注した。最初の１機（通算７機目）は2027年に配備予定。参考：月刊航空ファン6,’11、月刊JWings6,’13、10,’24

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（シンガポール空軍）＞：シンガポール空軍空中給油輸送機。機体を改良して以前のバージョンより燃費を1%改善し、アビオニクスも最新型にした。KC-135Rの後継として2014年に６機を発注し、初号機は2018年9月に配備された。2020年2月12日、シンガポール政府とエアバス社が自動空中給油装置A3Rと整備効率向上システムからなるSMART MRTTの開発協力で合意した。参考：月刊JWings5,’14、11,’18、5,’20、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（スペイン空軍）＞：スペイン空軍空中給油輸送機。2022年11月12日、エアバスに３機を発注した。イベリア航空の中古A330-200を改造し、プローブ＆ドローグ式空中給油装置と医療後送キットを搭載する。第45航空団に配備予定。参考：月刊JWings2,’22

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（フランス空軍）＞：フランス空軍空中給油輸送機、別名フェニックス（Phénix）。機体構造と空力設計に改良を加え、燃費を1%改善した。フライング・ブームとプローブ・アンド・ドローグ双方の空中給油装置を持つ。エンジンはロールスロイス製トレント700双発。２号機以降はMEDEVAC対応で、重傷者12名または軽傷者40名を乗せられる。C-135FR、KC-135FR、A310、A340の後継として９機（＋オプション３機）を導入し、2018-25年に配備する予定で、初号機は2017年9月7日に初飛行した。2018年9月20日、オプション３機の購入確定と、配備完了の2023年への繰り上げが発表された。9月27日、初号機が第125航空基地に到着し、10月1日にフランス空軍に引き渡された。2019年7月2日、２号機が納入され、第31戦略輸送航空団に配備された。2020年11月26日、A340を代替する１機を受領した。ただのA330-200仕様で、空中給油装置は後日搭載する。2023年9月22日、最終号機の12機目を受領した。参考：月刊航空ファン12,’17、12,’18、3,’19、10,’19、月刊丸2,’12、9,'20、月刊JWings12,’18、2,’21、3,'24

　＜ＣＣ−３３０＞：カナダ空軍空中給油輸送機、別名ハスキー。CC-150空中給油輸送機の後継として2022年7月に４機の導入を決定した。最終的に新造機４機と中古機５機（うち１機は政府専用機）を配備予定。参考：月刊JWings11,’22、12,’23

　＜ＫＣ−３０＞：ブラジル空軍空中給油輸送機。２機を導入する予定で、2022年4月18日にアズールブラジル航空とA330-200旅客機２機の取得契約を結んだ。第２輸送群第２飛行隊に配備して2024年から運用する予定。参考：月刊JWings7,’22

　＜ＫＣ−３０Ｔ＞：アメリカ空軍次期給油機にノースロップ・グラマンと共同で応募したもので、2007年9月に初号機（給油システム無し）が初飛行した。最新のグラス・コクピットを備え、操縦系統にはフライ・バイ・ワイヤを採用、操縦桿はサイドスティック式である。尾部には先進空中給油ブームシステムARBS（Aerial Refueling Boom System）と呼ばれるフライング・ブーム式給油装置を搭載しており、機首の給油ステーションに位置する遠隔空中給油操作員RARO（Remote Air Refueling Operator）がフライ・バイ・ワイヤにより操作する。また、尾部からのプローブ・アンド・ドローグ方式での給油も可能な他、両翼下にもHDUを装着できるため、海軍・海兵隊機なら３機同時に給油できる。胴体尾部のARBSで毎分1200ガロン（4542リットル）、尾部ドローグで毎分600ガロン（2271リットル）、両翼下のHDUで毎分400ガロン（1514リットル）の給油が行える。リンク16などのデータリンクや対空ミサイルなどの脅威に対する自衛システムも搭載する。全長58.8m、全幅60.3m、全高17.4m、最大離陸重量233トン。エンジンはGE製CF6-80E1A4B（推力72000ポンド・32.7トン）２基、巡航速度マッハ0.82。最大燃料搭載量111.132トン。貨物なら52トン（463Lパレット32個）、兵員なら280名、担架なら120床の搭載が可能。乗員３名。2008年2月29日、KC-767を破りKC-45Aとしてアメリカ空軍への採用が一旦決定したが、白紙に戻され、結局不採用になった。参考：月刊軍事研究12,’07、9,’07、月刊JWings5,’08

　＜ＫＣ３３０＞：A330-200MRTT（韓国空軍）を参照。

　＜ＬＭＸＴ＞：アメリカ空軍KC-Y計画にロッキード・マーチン社が応募したもの。A330-200MRTTの改良型で、全自動ブーム・空対空給油A3Rシステム（2020年に完全自動空中給油実験に成功済み）、フライ・バイ・ワイヤ式ブーム操作装置、先進カメラビジョンシステム、統合全領域指揮統制JADC2（Joint All Domain Command Control。オープン・アーキテクチャーを導入）、マルチドメイン作戦結節などを装備する。アラバマ州のエアバス工場で機体を作り、ジョージア州のロッキード・マーチン社マリエッタ工場で空中給油システムを積むという完全アメリカ産仕様にしてアピール中。参考：月刊JWings12,’21、4,’22

＜ボイジャーＫＣ．Ｍｋ２＞：イギリス空軍空中給油輸送機Voyager KC.Mk2、A330-243MRTT。将来型戦略給油機FSTAの名称で開発し、2004年1月に14機の採用を決定した。両主翼端にMk32B900Eホース・ドローグ・ユニットを装着しており、アフガン派遣に備えて防御システムを装備する。全長58.8m、全幅60.3m、最大離陸重量233.9トン。エンジンはロールスロイス社製トレント772Bターボファン（推力32.232トン）双発。PFI方式で民間のエアタンカー社（エアバス・グループ、バブコック社、コブハム社、ロールスロイス社、タレス社が出資）に管理運用を委託しており、契約は2008年から2035年までで、９機をイギリス空軍用として常時運用し、残る５機は平時には民間用（うち１機は王室・大臣用要人輸送機）として使う。2010年9月13日に初飛行し、2012年4月9日に訓練ソーティを開始した。まずは長距離輸送機として運用を行っている。2013年5月20日に初の空中給油訓練としてトーネードGR.4への空中給油を行っており、2016年に空中給油完全作戦能力を獲得した。2019年6月27-29日、メイ首相特別機として関西国際空港に滞在した。2021年7月19日、ウォレス国防大臣特別機として羽田空港に到着し、翌20日に離陸した。2023年11月7日、G7外相会議と日英外務・防衛閣僚会合に出席するクレバリー外務相・シャップス国防相を乗せ羽田空港に飛来。参考：月刊軍事研究12,’07、3,’17、月刊JWings8,’12、12,’10、12,’11、7,’13、8,’13、1,’17、10,'21、2,'24、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン9,’19

　＜ボイジャーＫＣ．Ｍｋ３＞：イギリス空軍空中給油輸送機Voyager KC.Mk3。ボイジャーKC.Mk2の胴体後部下面にコブハム805Eプローブ＆ドローグ式空中給油装置を追加したもので、翼端のMk32B900Eも装備する。参考：月刊JWings1,'17、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ海外ファミリー＞

　＜Ａ３３０−２００ＭＲＴＴ（ＶＩＰ仕様、イギリス空軍）＞：ボイジャーKC.3を要人輸送機に改造したもので、別名ベスピナ。エア・タンカー社からPFI(Private Finance Initiative)で導入し、2015年11月（9月？）に完成した。改造費は1000万ポンドで、チャーター機を使った場合の王室と閣僚の年間海外派遣費用が78万ポンドのため、高額すぎると批判され、政府専用機や空中給油機としても使用して費用対効果のアピールを行っている。2017年8月30日、安倍総理と日英首脳会談を行うメイ首相を乗せ伊丹空港に着陸。首相を降ろすと２時間後に羽田空港に向かった。9月1日、メイ首相を乗せ羽田空港を離陸。塗装はボイジャーKC.3と同じだったが、ジョンソン首相がイギリスのブランド力向上のため変更を要求、胴体後部から垂直尾翼にかけてユニオンジャックを描き入れ、2020年6月26日のイギリス空海軍共同演習クリムゾン・オーシャンで新塗装後の初任務（F-35B及びタイフーンFGR.4への空中給油）に就いた。参考：月刊JWings10,’16、11,’17、9,’20

＜Ａ３３２＞：イギリス海軍アイルス級タンク清掃船カルディ（Caldy）。1943年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３３５＞：イギリス海軍ガール級港内曳船ブレンダ（Brenda）。1963年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３４０＞：ヨルダン・エレクトロ・オプティック社が開発した小火器用暗視装置。倍率は４倍、電源は単三電池。参考：月刊軍事研究8,’10

＜Ａ３４０シリーズ＞：エアバス社の４発長距離旅客機。A300の拡大型として1970年代半ばから検討され、1982年にTA（Twin Aisle、２列通路）-11として発表され、1986年1月にA340と改称され、1987年6月5日に量産化が決定した。A330双発旅客機と同時開発で、機体構成を可能な限り統一している。当時のETOPS基準では洋上長距離飛行が認可されていたのが４発機だけだったため、需要が高いとしてA330よりも優先開発され、原型機は1991年に初飛行した。1993年から就航したが、1995年に航続性能がほぼ同等のB777双発旅客機が登場、ETOPS基準も緩和されて双発機での洋上長距離飛行が可能となり、燃料高騰も重なって競争力が低下、双発ワイドボディのA350を開発することにして2011年11月10日に生産打ち切りが決定した。総生産数はA340-200/-300が246機、A340-500/-600が131機。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ、月刊航空ファン2,’12

＜Ａ３４０−２００＞：短胴型で、1992年4月1日に初飛行し、12月22日に欧州合同証明機構の形式証明を取得した。主翼は双発のA330と共通化できるよう工夫を凝らした。主翼後退角は30度で、巡航速度はマッハ0.8くらいであり、ボーイングの長距離旅客機よりも１割くらい遅い。フライ・バイ・ワイヤによる飛行制御も加えて燃費を改善しているが、長時間フライトを強いられる。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’13

＜Ａ３４０−３００＞：長胴型で、1991年12月25日に初飛行し、1992年12月22日に欧州合同証明機構の形式証明を取得した。コクピットはA330と共通で、エンジンが２基多いのでスロットルレバーを２本増やしただけである。キャビンはA330-300と共通で、標準客席配置は３クラス。全長63.7m、全幅60.3m、全高16.74m、運航自重130トン、最大離陸重量253.5-276.5トン。翼面積361.6平方メートル。エンジンはCFM社製CFM56-5C4（推力15.426トン）４基、巡航速度マッハ0.82、燃料搭載量141500リットル、航続距離13700km（乗客295名）。最大ペイロード50.9トン。乗員２名。客席数295（標準３クラス）／335（２クラス）／440（１クラス）。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３４０−５００＞：B777に対抗すべく開発した超長距離型。胴体を延長、燃料タンクを増設し、主翼を再設計して翼スパンと翼面積を拡大し後退角も変更、水平・垂直安定板を大型化し、降着装置を強化、コクピットを改良した。2002年2月11日に初飛行し、12月3日に形式証明を取得した。シンガポール航空が16000km・19時間のシンガポール−ニューヨーク便に投入している。34機が生産された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings5,’19

＜Ａ３４０−６００＞：B777に対抗しつつB747の後釜も目指した長胴型。2001年4月23日に初飛行し、2002年5月21日に形式証明を取得した。全長75.3m、全幅63.45m、全高17.22m、運航自重177.7トン、最大離陸重量365-380トン。翼面積439.4平方メートル。エンジンはロールスロイス社製トレント556（推力25.41トン）４基、巡航速度894km・マッハ0.83、燃料搭載量194880リットル、航続距離13890km／14640km（乗客380名）。最大ペイロード67.2トン。乗員２名。客席数380（標準）／475（最大）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ

＜Ａ３４０海外ファミリー＞

　＜Ａ３４０−２１１（エジプト）＞：エジプト政府の要人輸送機。1995年に運用を開始した。2016年2月、羽田空港に飛来。2019年8月27-31日、第７回アフリカ開発会議に出席する要人を乗せて羽田空港に寄航した。参考：月刊JWings11,’19

＜Ａ３４０−２１２（エジプト）＞：エジプトの政府専用機。政府機関が運航を担当する。VIP席97席が用意されている。参考：月刊JWings1,’01

＜Ａ３４０−３３０（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍VIP輸送機A340-313X。A310-304の後継で、初号機は2011年3月30日、２号機は9月に連邦政府国防省即応軍／国防省高官輸送通信軍団に配備された。元はルフトハンザで2000-2010年に使用されていたもので、オーバーホールを受けると共にコクピットを改良、航法システムや秘話通信装置を追加し、ミサイル警報を装備している。ニックネームは初号機がコンラート・アデナウアー（ドイツ連邦初代首相の名）、２号機がテオドール・ホイス（Theodor Heuss。同初代大統領の名）。2019年、燃費が悪く老朽化も進んだため、2024年末までに後継となるA350要人輸送機３機を配備し、後を譲って退役することが決まった。2月4日、メルケル首相を乗せて羽田空港に飛来。6月28日、G20大阪サミットに出席するメルケル首相を乗せ、２号機が関西空港に飛来。１号機は同日に羽田空港に着陸した。10月21日、即位礼正殿の儀に出席する要人を乗せて羽田空港に着陸した。2022年4月28日、ショルツ首相を乗せて羽田空港に飛来。4月29日、シュルツ首相を乗せたA350要人輸送機の随伴機として羽田空港を離陸。2023年8月14日、オーストラリアと周辺国を訪問する外務大臣を乗せてアブダビを離陸したが、フラップのトラブルで引き返した。8月15日、ドイツ空軍が２機の早期退役を発表した。参考：月刊JWings8,’11、1,’12、2,’17、4,’19、9,’19、1,’20、2,’21、7,'22、11,'23、月刊航空ファン2,’17、4,’19、8,’19

＜Ａ３４０−５４１（イタリア空軍）＞：イタリア空軍要人輸送機。第31航空団第306航空群に１機が配備された。参考：月刊航空ファン9,’19

＜Ａ３４０−５４１ＣＪ（タイ空軍）＞：タイ空軍王室専用機。元は2005年10月にタイ国際空港に引き渡されたA340-500で、2012年に退役したのを2014年にタイ空軍に移管し、王室専用機に改造して2016年から運用している。参考：月刊航空ファン5,’19、月刊JWings5,’19

＜Ａ３４１＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船フォザビー（Fotherby）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３４４＞：イギリス海軍ライネス級給糧艦ストロムネス（Stromness）。1967年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３４８＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船フェルステッド（Felsted）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３５０ＸＷＢシリーズ＞：エアバス社の旅客機。A330/340の後継となる双発ワイドボディ旅客機として2004年にA350として発表されたが、ボーイングB787に受注数で大きく水をあけられてしまい、2006年7月にA350XWB（Extra Wide Body）として再発表した。標準型はA350XWB-900で、短胴型A350XWB-800と胴体延長型A350XWB-1000がある。2019年4月11日、A350XWB-900/-1000が国土交通省の形式証明を取得（申請名はエアバス式A350-941型とエアバス式A350-1041型）した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’15、7,’19

　＜Ａ３５０ＸＷＢ−８００＞：短胴型。エンジンはロールスロイス社製トレントXWB-84（最大推力84200ポンド・38トン）双発、航続距離8210海里。標準客席数280。受注が得られておらず（2018年7月31日現在ゼロ）、開発中止に追い込まれるかもしれない。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’15、8,’16

　＜Ａ３５０ＸＷＢ−９００＞：標準胴体型。構造重量の53%が炭素繊維複合材、14%がチタンで、軽量化を図った。胴体は全複合材製で、断面形は円を２個上下に重ねた感じのダブル・バブル構造にしてあり、４分割で製作して組み立てなければならないため工程数は増したが、客室を大きくでき居住性が良好となった。貨物室はA330と同じサイズで、同様の取り回しができる。主翼は完全新設計の全複合材製、翼端にレーキド・ウイングチップを装着した。後退角31.9度。A330ファミリーと共通操縦資格CTRを取得しており、パイロットの機種転換訓練が65%短縮の８日間で済む。全長66.8m、全幅64.75m、全高16.9m、最大離陸重量268トン。翼面積443平方メートル。エンジンはロールスロイス社製トレントXWB-84（最大推力84200ポンド・38トン）双発、巡航速度マッハ0.85、燃料搭載量141000リットル、航続距離7590海里／15000km・8100海里（客席数300-350）。乗員２名。標準客席数325席。2013年6月14日に初飛行し、2014年9月30日にEASA、11月12日にFAAの形式証明を取得、2015年1月15日にカタール航空で初就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’15、8,’16

　＜Ａ３５０ＸＷＢ−９００ＵＬＲ＞：超長距離（Ultra Long Range）型で、2015年10月13日に開発を発表した。燃料タンクを拡大して最大離陸重量を引き上げ、航続距離と航続時間を延ばす。燃料搭載量165000リットル、航続距離16100km・8700海里（17964km・9700海里？）、航続時間19時間（20時間？）。標準客席数173席。2018年4月24日に初飛行し、9月22日にシンガポール航空シンガポール−ニューヨーク便（世界最長路線）で初就航（初納入？）した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’16、5,’19、6,’19

　＜Ａ３５０ＸＷＢ−１０００＞：長胴型。胴体を10フレーム分6.99m延長して構造を強化し、CFRP適合部位を拡大、エンジンを強化し、主翼後縁を延長、水平・垂直安定板形状を共通化し、主脚を６輪ボギー式に変更するなどしている。全長73.8m、全幅64.75m、全高16.9m、最大離陸重量280トン。翼面積443平方メートル。エンジンはロールスロイス社製トレントXWB-97（推力97000ポンド・44トン・431.6kN）双発、巡航速度マッハ0.85、航続距離7750海里・14350km（乗客366名）。乗員２名。標準客席数366席。2016年11月24日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’15、8,’16

＜Ａ３５０海外ファミリー＞

　＜Ａ３５０（ドイツ空軍）＞・ドイツ空軍政府専用機A350-941CJ/ACJ350-900XWB。A340-300政府専用機の後継である。2022年までに３機を導入する予定で、初号機は2020年秋、２号機は2022年に受領したが、３号機は2024年末に遅れる。2020年12月2日、初号機がベルリンのシェーネフェルト空港から羽田空港に飛来し、12月3日に離陸してケルンのボン空港に向かった。2022年4月27日、ショルツ首相を乗せたA340-330の随伴機として羽田空港に飛来した。4月29日、ショルツ首相を乗せて羽田空港を離陸。2023年3月19日、岸田総理との会談を終えたショルツ首相を乗せ、羽田空港を離陸。5月、G7広島サミットに出席するショルツ首相を乗せ、広島空港に飛来。参考：月刊JWings2,’21、7,'22、6,’23、8,’23、11,’23

＜Ａ３５３＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船エルクストーン（Elkstone）。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３５４＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船フロックスフィールド（Froxfield）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３５５＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船エプワース（Epworth）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３６０＞：ヨルダン・エレクトロ・オプティック社が開発した小火器用暗視装置。倍率は６倍、電源は単三電池。参考：月刊軍事研究8,’10

＜Ａ３６１＞：イギリス海軍ロイスターラー級航洋曳船ロイスターラー（Roysterer）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３６３＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船デンミード（Denmead）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３６４＞：イギリス海軍ホワイトヘッド級試験艦ホワイトヘッド（Whitehead）。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３６５＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船フルベック（Fulbeck）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３６６＞：イギリス海軍ロイスターラー級航洋曳船ロバスト（Robust）。1974年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３６７＞：イギリス海軍ニュートン級試験艦ニュートン（Newton）。1976年竣工・就役。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３７７＞：ギリシャ海軍特殊作戦支援艦ペルセース（Perseas）。元は地震探査船ヴァイキング・ビジョンで、アイカテリニ・ラスカリディス財団から寄贈されたものを改造した。全長105m、総トン数9811トン。2024年6月11日就役。参考：月刊世界の艦船9,’24

＜Ａ３７８＞：イギリス海軍スロスク級給兵船キンターバリー（Kinterbury）。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３７９＞：イギリス海軍スロスク級給兵船スロスク（Throsk）。1977年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３８０シリーズ＞：エアバス社の総二階建て大型旅客機。B747に対抗すべく開発した世界最大のジェット旅客機で、1996年3月にラージエアクラフト部門を設立してA3XXという名称で研究を開始、全長・全幅80m以下に収めれば既存の空港施設で運用可能ということでギリギリを攻め、エミレーツ航空やシンガポール航空が発注を計画、潜在的顧客へのセールス結果も加えて2000年12月19日に本格開発が決まり、A340の倍の客席数ということでA380になった。当初は標準座席数555席（３クラス）、最大離陸重量540トン、標準航続距離7650海里・14168kmで計画したが、航空会社の要請で最大離陸重量560トン・標準航続距離8000海里（14816km）に引き上げ、航続距離アピールで標準型の名称をA380-800にしている。原型初号機は2005年1月18日に完成し、4月27日に初飛行した。2006年秋に引き渡される予定だったが、乗客用娯楽装置の配線に手間がかかって２年遅れ、会社が傾きかけている。最初の４機はトレント900エンジン装備で2006年12月12日に欧州航空安全庁とアメリカ連邦航空局の形式証明を取得、2007年10月にシンガポール航空で初就航した。原型５機目はGP7200エンジン装備で2006年8月25日に初飛行し、2007年12月14日に両者の形式証明を取得した。大型過ぎてあまり売れず、2021年に生産を終える予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ、月刊軍事研究1,’13、月刊航空ファン8,’15、5,’19

　＜Ａ３８０−８００＞：構造重量の22%が炭素繊維強化プラスチックで、胴体外板にはアルミ合金＋ガラス繊維強化複合材（GLARE）を採用、複合材全重量は構造重量の25%を占める。胴体は総二階建てで、断面は楕円形。主翼後退角は内翼部で34度28分、外翼部で35度44分あり、巡航速度を速めにして長距離飛行にかかる時間を短縮した。全長72.75m、全幅79.8m、全高24.08m、運航自重277トン、最大離陸重量560トン。翼面積845平方メートル。エンジンはロールスロイス社製トレント900ターボファン（推力31.713トン）４基またはエンジン・アライアンス製GP7200ターボファン４基、巡航速度1041km（916km？）、最大航続距離15200km（14800km？）。最大ペイロード66.4トン。乗員２名。座席数555（３クラス標準）／544席（４クラス）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、飛行機のしくみ、月刊軍事研究1,’13、月刊航空ファン8,’15

　＜Ａ３８０Ｆ＞：貨物機型。４社から27機を受注したが、旅客機型の開発が遅れている間にフェデックスとUPSからキャンセルされてしまい、開発が中断している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ３８０ｐｌｕｓ＞：2017年6月のパリ航空ショーで計画を発表した改良型。A350の技術を取り入れ、最大離陸重量を578トンに引き上げて乗客を80人増やすか航続距離を300海里延長し、ウイングレットを大型化して燃費を4%改善、整備プログラムを最適化して運用コストを減らし稼働率を上げる。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ３８１＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船クリックレイド（Cricklade）。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３８２＞：イギリス海軍スロスク級給兵船セント・ジョージ（St.George）。1981年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３８５＞：イギリス海軍フォート・グランジ級補給艦フォート・グランジ（Fort Grange）。1978年竣工。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜Ａ３８６＞：イギリス海軍フォート・グランジ級補給艦フォート・オースチン（Fort Austin）。1979年竣工。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜Ａ３８７＞：イギリス海軍フォート・ビクトリア級艦隊補給艦フォート・ビクトリア（Fort Victoria）。1994年就役。2000年5月、イギリス本土を出港。8月16-20日、アメリカ海軍佐世保基地に寄港した。9月12-18日、アメリカ海軍横須賀基地に寄港した。2001年6月1-18日、バルトップス2001演習に参加。2015年12月29日、ペルシャ湾でアメリカ海軍DDG-84バルキリーに洋上給油を実施。2021年5月5日、大西洋上で空母R08クイーン・エリザベスに洋上補給を実施。5月7-18日、空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、アメリカ海軍LHD-7イオー・ジマなどとのNATO海軍共同演習ストライク・ウォーリア21に参加。5月下旬、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、アスチュート級攻撃原潜１隻、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、空母R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21の一員として、インド太平洋方面に向かった。6月1-3日、CSG21の一員として、地中海西部でフランス海軍空母R-91シャルル・ド・ゴールと共同演習ゴーリック・ストライクを実施。6月6日、メッシナ海峡を通過。7月6日、スエズ運河を通って紅海に入った。7月11-12日、CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、フリゲートF78ケント、フリゲートF239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリング、アメリカ海軍DDG-68ザ・サリヴァンズ、オランダ海軍フリゲートF805エフェルトセンと共に、ソマリア沖で海自ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-156せとぎり及び同航空隊P-3C哨戒機との共同訓練（写真撮影、洋上補給）に参加。8月6日、グアムのアプラ基地に寄港。8月14日、アプラ基地を出港。8月21日、海自横須賀基地に寄港。8月22日、横須賀基地を出港。8月27-28日、沖縄東方から東シナ海に至る海空域で、日英米蘭共同訓練パシフィック・クラウン21-2（Pacific Crown 21-2）に参加。CSG21所属R08クイーン・エリザベス、D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリング、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、DDH-182いせ、DD-116てるづき、SH-60Kヘリと、各種戦術訓練を行った。9月8-9日、関東東方海空域で日英米蘭加共同訓練共同訓練パシフィック・クラウン21-4（Pacific Crown 21-4）に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、搭載イギリスF-35B戦闘機、アメリカF-35B戦闘機、CSG21所属駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF805エフェルトセン、補給艦A136タイドスプリングと共に、海自DDH-182いせ、DDH-183いずも、SH-60J/K哨戒ヘリ、MCH-101掃海輸送ヘリ、空自F-35A戦闘機、E-767早期警戒管制機、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグと、戦術運動・通信・発着艦・写真撮影の各訓練を行った。10月2-3日、沖縄南西海空域で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、海自DDH-182いせ、DDG-174きりしま、DD-152やまぎり、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン、CVN-70カール・ヴィンソン、CG-67シャイロー、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-90チャーフィー、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、対抗戦、防空戦、対潜戦、戦術運動、通信などの各訓練を行った。10月4-9日、南シナ海で日米英蘭加新共同訓練に参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF78ケント、補給艦A136タイドスプリング、DDG-68ザ・サリヴァンズ、フリゲートF805エフェルトセンと共に、海自DD-120しらぬい、カナダ海軍フリゲートFFH338ウィニペグ、ニュージーランド海軍フリゲートF77テ・カハと、各種戦術訓練及び洋上補給訓練を行った。10月15-18日、ベンガル湾で日米英豪共同訓練Maritime Partnership Exerciseに参加。CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、駆逐艦D36ディフェンダー、フリゲートF-239リッチモンド、補給艦A136タイドスプリングと共に、アメリカ海軍CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-106ストックデイル、DDG-68ザ・サリヴァンズ、T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、海自DDH-184かが、DD-101むらさめ、オーストラリア海軍フリゲートFFH-155バララトと、対抗戦、防空戦、対水上射撃、洋上補給などの訓練を行った。11月11日、R08クイーン・エリザベス機動部隊CSG21所属空母R08クイーン・エリザベス、ミサイル駆逐艦D34ダイヤモンド、ミサイル駆逐艦D36ディフェンダー、補給艦A136タイドスプリングと共に、アデン湾で海自ソマリア沖海賊対処第39次水上部隊DD-153ゆうぎりとの共同訓練（戦術運動、PHOTEX）に参加。12月12日、スコットランドのウエスト・ファイフにある弾薬保管施設に寄港。参考：月刊世界の艦船11,’00、9,’01、3,’16、7,’21、8,’21、9,’21、10,’21、11,’21、12,’21、1,’22、2,’22、3,’22

＜Ａ３８９＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船クロヴェリイ（Clovelly）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３９１＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船クリクキエス（Criccieth）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３９２＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船グレンコー（Glencoe）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３９３＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ダンスター（Dunster）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ３９４＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船フィントリー（Fintry）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ４００Ｍ＞：エアバス・ミリタリー社が開発した中型輸送機、別名アトラス（Atlas）、非公式愛称はグリズリー。1982年12月にアエロスパシアル、BAe、ロッキード、MBBがC-130とC-160の後継機となる将来国際軍用輸送機FIMA（Future International Military Airlifter）の開発を決定、1988年に二重反転プロペラ装備プロップファンエンジン４発、空中投下貨物搭載量25トン、貨物室床幅4m、標準化パレット８枚＋兵員55名輸送の設計案が決まり、アエリタリアも開発に加わった。ただC-130後継機としてはサイズが大きかったため、1989年にロッキードが離脱。計画名も将来型大型航空機FLAに変更され、代わりにCASAが加わり、５社でユーロフラッグを設立することになったが、利害対立で発足は1991年6月17日に遅れた。1992年にFLABEL、OGMA、TAIが加わり、イギリス、イタリア、スペイン、ドイツ、トルコ、フランス、ベルギー、ルクセンブルクの８カ国による開発を行うことになり、湾岸戦争を受けて20トン積載で航続距離6390kmという要求に固まった。1994年6月14日にユーロフラッグはエアバス傘下に入って1995年6月にエアバス・ミリタリー部門となり、引き続き開発計画の主体となることが決定、A400Mの名称が付けられた。1999年1月、エアバス・ミリタリー部門は分社化してエアバス・ミリタリー社（AMC）となった。1月27日、導入予定国が提案要求書を提出。2000年7月27日、導入予定国がエアバス・ミリタリー案に合意。2001年6月、参加８カ国が購入趣意書に調印。2001年10月、イタリアがプログラムから脱退。2003年、ポルトガルがプログラムから脱退した。5月、調達を管理するOCCARが発足。5月3日、エンジンをTP400-D6ターボプロップにすることに決定。5月30日、A400M開発プログラムが正式に纏まった。C-160の積載量を倍にして航続距離も延伸したもので、パレット貨物３個を低空から投下することが可能。機体形状は標準的な戦術輸送機型で、胴体（貨物室）の先端にコクピット、中央に高翼配置の主翼とバルジ状の主脚収容部、尾部にランプとＴ字尾翼を取り付けている。胴体は底が平らで他は円形、セミモノコック構造をしており、90%がアルミ合金、10%がチタン合金とCFRP。胴体最前部アッパーデッキがコクピット（正副操縦士、予備座席、折り畳みシートがある）で、計器板はグラス・コクピット化されており、タレス社製６×８インチ（152×203mm）カラーLCDデジタル多機能ディスプレイが正面に６基、センターコンソールに２基配置されている。正副操縦士席正面には折り畳み式HUDを持つ。操縦桿はサイドスティック方式で、タレス社製赤外線方式視界増強システムを装備しており、夜間悪天候時にも操縦士に視界を提供する。コクピット後方はロッカー、ギャレー、ベッドのスペースで、その後ろに階段があり、階段を下りた所にロードマスター席がある。その後ろが貨物室で、長さ17.71m（ランプ部除く）、最大幅4m強、底面幅4m、高さ4m（ウイングボックス後方）／3.85m（ウイングボックス部）、容積340（356？）立方メートルあり、搭載貨物の最大サイズは幅4m（カーゴランプ幅に制限される）、高さ3.85m（貨物室最大高は4.00mだが、主翼取り付け部が0.15m低くなっている）、重量37トンで、AS532クーガーなら１機、AH-64アパッチやティーガーなら２機、CV9030、ウォーリア、プーマ、M109A3、MLRSなら１両、ストライカーなら２両、M113なら３両積める。貨物室の壁に折り畳み式のシートを設置でき、パレット化座席と合わせて116名（117名？）、463Lパレットを満載するなら57名、ランドローバー２両を積むなら54名の人員を乗せることが可能である。看護兵25名と担架66床という組み合わせも可。463Lパレットだけなら９枚、ISO20フィートコンテナなら２個または１個＋牽引トラック１両、40フィートコンテナなら１個を積める。胴体尾部には長さ5.84m・幅4mのカーゴランプがあり、ここにも６トンの物資（463Lパレット２枚）を搭載でき、オプションで容量５トンのクレーンを装備可能。カーゴランプ脇にはロードマスターの作業ステーションが用意されている。前輪はダブルタイヤ、主脚はバルジ式で、片側あたりダブルタイヤ３組が装備されており、不整地滑走路にも着陸できる。主翼は高翼配置で、85%がCFRP、10%がアルミ合金、5%がチタン合金であり、25%翼弦後退角15度、下反角４度、アスペクト比8.1、テーパー比0.345。主翼後縁内側に２分割の固定ベーン式フラップ、外側にエルロンを持ち、フラップ前方の主翼正面にスポイラー兼エアブレーキが片側５枚用意されている。主翼前縁には高揚力装置などは付いていない。エンジンナセルは98%がチタン合金、2%がCFRPで、パイロンを介するポッド式ではなく、主翼下面に直接取り付けられている。左翼外舷第１エンジンのプロペラは後方から見て時計回り、左翼内舷第２エンジンは反時計回り、右翼内舷第３エンジンは時計回り、右翼外舷第４エンジンは反時計回りに回転（つまり正面から見ると向かって左から順に時計・反時計・時計・反時計回り）するDBE技術を取り入れていて、垂直安定板を17%、水平安定板を12%ほど小型化することに成功した。エンジン制御はFADEC。プロペラをリバースピッチにすると斜度２度の坂をバックで上れる。空中給油任務にも投入でき、胴体下面のHDU（ホース・ドラム・ユニット）から戦闘機と輸送機、翼下に装着したフライト・リフュエリングMk.32B-908E空中給油ポッド（燃料は機内燃料タンクまたは貨物室に搭載する7200リットル増槽最大２個から供給される）から戦闘機に給油できる。ヘリに給油する際は、翼下に専用ポッドを装着する。尾翼はＴ字型で、垂直尾翼はCFRP98%、アルミ合金2%、水平尾翼はCFRP97%、アルミ合金3%で、25%翼弦後退角32.5度、後縁に昇降舵が付いているが、全体を動かしてピッチ・トリム制御を行う。主要構造全て合わせての素材比率はアルミ合金48%、CFRP41%、チタン合金11%である。操縦装置はフライバイワイヤ方式、油圧アクチュエーター１基と電気油圧アクチュエーター１基によるバックアップシステムを持つ。油圧システム圧力3000psi（20.9MPa）。自衛装備はモジュラー型防御支援サブシステムで、インドラ製AN/ALR-400レーダー警戒受信機、ミサイル接近警戒装置、レーザー警戒受信機、チャフ／フレアディスペンサー、AN/AAQ-24DIRCM、曳航式デコイなどからユーザーが選択する。全長45.01m、胴体長39.09m、全幅42.36m、全高14.68m、空虚重量70トン、運用自重76.5トン、最大離陸重量141トン（兵站任務、荷重2.25G）／131.7トン（戦術任務、荷重2.5G）、最大着陸重量122トン（兵站任務、荷重2.25G）／113トン（戦術任務、荷重2.5G）。翼面積221.5平方メートル。エンジンはユーロプロップ・インターナショナル製TP400-D6ターボプロップ（最大定格出力9649kW、最大離陸出力8203kW・11000馬力）４発、プロペラはラティエ・フィジェク社製FH386（全複合材製三日月刀状８翅、直径5.3m、離陸時回転数毎分842回転、巡航中プロペラ先端速度毎秒290m）、通常（最大？）巡航速度マッハ0.68／745km（高度8850m）、最大運用速度マッハ0.72、物資投下・空挺投下速度125-200ノット、初期巡航高度8839m、最大運用高度11278m（通常任務時）／12192m（特殊任務時）、海面上昇率毎分1219m、機内搭載燃料64000リットル、航続距離3450海里・6400km（ペイロード20トン。ヨーロッパからアフリカ中央部まで）／2450海里（ペイロード30トン。ヨーロッパから中東の一部や北アフリカまで）／1780海里・3300km（ペイロード37トン）／4700海里（フェリー）。最大ペイロード37トン（兵站任務、荷重2.25G）／30トン（戦術任務、荷重2.5G）。乗員２名（3-4名？）。製造分担は、イギリスが右主翼、スペインが最終組み立てライン、エレベーター、左フラップ・トラック・フェアリング、エンジンナセル、ドイツが左主翼パネル、後部胴体、カーゴドア、プレ最終組み立てライン、トルコが前部胴体、後部胴体トップシェル、テイルコーン、パラトループドア、左エルロン、左スポイラー、フランスが前脚ベイ、エンジンマウント、スポンソン、ランプ、ラダー、コクピット艤装、ベルギーが左主翼前縁、左フラップ・トラック機構、イギリスとドイツとベルギーが左フラップ、ベルギーとマレーシアが主脚ドア、フランスと南アフリカが中央翼ボックス、機首胴体、翼胴接合部フェアリング、ドイツと南アフリカが中部胴体、垂直尾翼ボックス、胴体艤装、ドイツとマレーシアが中後部胴体接合、スペインとマレーシアが水平尾翼、垂直尾翼前後縁。2005年から試作機が製作され、2008年6月26日に初号機が完成したが、TP400-D6ターボプロップエンジンが開発遅延で未完成だったため初飛行できず、遅延を理由にイギリスが開発計画から離脱しかけている。2005年には南アフリカとマレーシアが購入を決定したが、価格高騰と開発遅延を理由として2009年11月5日に南アフリカが購入をキャンセルした。この時点で発注数はイギリスが25機、スペインが27機、ドイツが60機、トルコが10機、フランスが50機、ベルギーが７機、ルクセンブルクが１機、マレーシアが４機である。最初の量産機配備は2012年以降とみられていたが、重量オーバー（12トンに達するともいわれ、この場合積載量が37トンから29トンに減ってしまう）の問題があるらしく、重量31.45トンのプーマを搭載する予定のドイツが不安を抱いている。2009年11月11日（12月11日？）に乗員６名、試験機器13トン、バラスト用貯水タンク２トンを積んで初飛行した（合計重量127トン）。2010年4月8日には２号機が初飛行している。しかし計画遅延の影響は甚大で、グリッチフライヤー（バグで飛んでるような飛行機）と揶揄されるほど飛行制御システムのソフトウェア修正に手間取って開発コストが毎月100億円以上かかっており、機体単価が25%以上高くなりそうである。2010年3月5日、イギリス、スペイン、ドイツ、トルコ、フランス、ベルギー、ルクセンブルクが20億ユーロを追加支援し、更に15億ユーロをEADSに融資することで合意した。11月5日、ドイツが53機、イギリスが22機に発注数を減らし、総生産数は170機となった。2011年10月5日、フランス兵器総局は、2013年初めに予定されている引き渡し時に稼働状態を維持できる完成度に無い場合、受領と支払いを延期すると表明した。2012年5月3日、欧州航空安全局の初期型式証明を獲得した。量産初号機は2012年にフランス空軍に引き渡される予定だったが、６号機のエンジントラブル（断続的に潤滑システムに金属チップが混入する）解決のため１年遅れている。2013年3月6日に量産型初号機が初飛行し、9月30日にフランス空軍に配備された。2013年11月、フランス空軍C-160空中給油機からA-400Mテスト機への空中給油試験に成功。2014年8月28日、フライト・リフュエリング社製Mk.32B-908Eドローグシステムポッドを外翼下面に搭載し、スペイン空軍F/A-18A（C.15）戦闘機への空中給油に成功した。12月8日、イギリスとフランスが運用支援協力で合意。12月19日、オランダ、ポーランド、ノルウェーが４機を共同購入・共同運用すべくエアバスと交渉に入った。2014年に８機を生産した。2015年には16機を生産する予定だったが、機体各部の製造遅延で組み立てが進まず、大幅に下回るらしい。2015年5月9日1300、飛行試験のためスペインのセビーリャ空港を離陸したトルコ空軍向け３号機が、直後にトラブルを起こし、機体は左旋回しつつ急降下、離陸３分後に空港の北東4kmで送電線に接触して墜落炎上した。乗員６名のうち４名が死亡、２名が重傷を負っている。離陸直後にエンジン電子制御システムが原因で第1-3エンジンが出力凍結状態となり、スロットル位置を上昇用出力にしたものの、第４（右外舷）エンジンしか反応せず、第1-3エンジンがアイドリング出力に戻ってしまったのが原因とみられる。6月19日に飛行停止措置が解除された。H225Mカラカルに空中給油を行ったところ、ヘリが後方乱流に巻き込まれるという欠点が見つかったため、給油ホース長を1.5倍の36.6mにする改修を試行しているが、同じHDUポッドに内蔵できるよう直径を細くしたため、給油時間が長くなるというジレンマに襲われている。2019年2月21日、エアバス・ポーランドが製作した貨物室内空中給油用増槽CHT（Cargo Hold Tanks）の認証飛行試験を完了したとエアバス社が発表した。2020年5月26日、エアバス社製自動低空飛行装置が第一段階（有視界飛行フェーズ）の認証を取得したと、エアバス社が発表した。第２段階（計器飛行フェーズ）の認証は2021年に取得する見込み。2022年7月26日、貨物室搭載空中消火キットの試験に成功したと、エアバス社が発表した。参考：月刊軍事研究3,’10、2,’09、3,’08、4,’08、4,’07、4,’09、8,’09、9,’09、3,’10、5,’11、10,’12、3,’13、8,'15、月刊JWings4,’10、6,’10、10,’10、5,’11、12,’12、6,’13、1,’14、3,’14、11,’14、3,’15、6,’15、7,’15、8,’15、10,’15、9,’16、8,'20、10,'22、月刊航空ファン4,’10、8,’10、7,’15、9,’18、5,’19、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報3,’10、月刊丸10,’10、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ａ４００Ｍ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍輸送機。５機を導入予定で、２機はスペイン、３機はインドネシアで組み立てる。2021年11月18日、空中給油機能付きの２機（＋オプション４機）をエアバスに発注した。参考：月刊軍事研究6,’17、月刊JWings2,’22

　＜Ａ４００Ｍ（カザフスタン空軍）＞：カザフスタン空軍輸送機。2021年9月1日、２機を受注したとエアバス社が発表した。初号機は2024年に引き渡される予定。参考：月刊JWings10,’13、11,’21

　＜Ａ４００Ｍ（スペイン空軍）＞：スペイン空軍輸送機、制式名称T.23。27機を配備予定で、2016年11月17日に初号機が引き渡された。参考：月刊航空ファン2,’17

　＜Ａ４００Ｍ（ドイツ連邦空軍）＞：ドイツ空軍輸送機。60機を導入予定だったが53機に減らし、更にそのうち13機を他国に売却することにした。エルビット・システムズ社製レーザー自機防御装置J-MUSIC（マルチスペクトル赤外線対抗）システムを搭載する。ヨルダンへの週一定期便やアフガニスタン・マリへの不定期便といった作戦輸送では、ケブラー製床面装甲板1.5トンや防弾ガラスからなる装甲キットを取り付ける。パイロット養成はフランスと共同で行っており、機種転換訓練はブンシュトルフで、戦術訓練はフランスのオルレアンで実施する。2014年10月14日に初号機が初飛行した。2016年1月から自衛用電子戦システム（J-MUSIC指向性赤外線対抗システム、レーダー警報、ミサイル警報、チャフ／フレアディスペンサー）搭載機が完成する予定だったが、2016年末からにずれこんだ。2018年8月1日から６名収容集中医療ユニットを搭載したMEDEVAC仕様機をアラートに就けている。参考：月刊JWings1,’15、月刊航空ファン2,’19、2,’15、1,’17

　＜Ａ４００Ｍ（トルコ空軍）＞：トルコ空軍輸送機。10機を導入予定で、初号機は2013年8月9日に初飛行した。ただトルコ側が技術的要件を満たしていないと主張し、受領を拒否したため、引き渡しは2014年4月4日になっている。２号機は2014年末に引き渡された。３号機は2015年に飛行試験で墜落した。2019年6月25日、G20大阪サミット関連車両を搭載して関西国際空港に飛来。7月2日、G20大阪サミット関連車両を帰国させるため羽田空港に飛来。参考：月刊JWings11,’13、月刊丸6,’14、7,’14、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊航空ファン9,’19

　＜Ａ４００Ｍ（フランス空軍）＞：フランス空軍輸送機。50機を導入予定。パイロット養成はドイツと共同であり、機種転換はドイツのブンシュトルフ、戦術訓練はオルレアンで行う。初号機（A400M全体の量産初号機でもある）は2013年8月1日に引き渡され、8月2日にオルレアン・ブリシー第123空軍基地に到着、2013年9月30日に01/61飛行隊に配備された。早速マリ共和国に展開するフランス軍への物資輸送任務を行っている。2016年6月8日、９号機が引き渡された。ミサイル警報、ミサイル妨害装置、装甲コクピットなどを備えた戦術輸送型として初の機体である。2017年11月22日、12号機が引き渡された。主翼下面に空中給油用ドローグホースキットを装備する初の機体で、11号機までにもレトロフィットされる。2019年12月4日、16号機が引き渡された。16トン物量投下や空中給油が行える初の機体である。参考：月刊JWings10,’13、1,’14、4,’14、9,’16、月刊航空ファン2,’18、3,’20

　＜Ａ４００Ｍ（ベルギー空軍）＞：ベルギー空軍輸送機。７機を導入予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａ４００Ｍ（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍輸送機。2006年に４機を発注し、2015年3月から受領した。参考：月刊JWings5,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ａ４００Ｍ（ルクセンブルグ空軍）＞：ルクセンブルグ空軍輸送機。１機を導入予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜アトラスＣ．Ｍｋ１＞：イギリス空軍輸送機Atlas C.1。当初は25機を導入予定だったが22機に減らし、２個飛行隊と１個転換訓練部隊に配備する予定で、初号機は2014年8月30日に初飛行し、2014年11月17日にイギリス空軍に引き渡された。2015年3月3日にキプロス島アクロチリ航空基地への輸送ミッションで初の空輸任務を達成したが、量産ペースが予定よりも遅いため、運用開始日は予定から半年遅れて2015年9月になる予定。2018年5月23日、医療空輸任務での完全作戦能力FOCを達成した。2023年5月22日、最終22号機を受領した。参考：月刊JWings9,’12、11,’14、5,’15、8,’18、8,'23、月刊航空ファン2,’15、月刊軍事研究5,’15

＜Ａ４０２＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船グラスミア（Grasmere）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ４１２＞：メキシコ海軍揚陸艦ウスマシンタ（Usumacinta）。元はアメリカ海軍ニューポート級揚陸艦LST-1184フレデリックで、2002年にメキシコ海軍で再就役した。2012年6月27日から8月7日、リムパック2012に参加。2015年8月18日から9月9日、ドーン・ブリッツ2015に参加。2016年6月30日から8月4日、リムパック2016に参加。2022年6月26日、パール・ハーバーに入港。6月29日からリムパック2022に参加。8月5日、ハワイ周辺で日メキシコ親善訓練に参加。フリゲートのベニート・フアレスと共に、DDH-183いずもと、戦術運動訓練やPHOTOEXなどを行った。2024年6月27日から8月1日、リムパック2024に参加。参考：月刊世界の艦船9,’12、9,'22、10,'22、月刊軍事研究3,’16、JShips VOL.70、月刊JWings10,’24

＜Ａ４３３＞：エストニア海軍敷設艇ヴァンボラ（Wambola）。満載排水量579トン。元はデンマーク海軍リンドルメン級敷設艇ロッセンである。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。6月17-25日、キール・ウイーク2017に参加。参考：月刊世界の艦船9,’17

＜Ａ４８０＞：イギリス海軍リソース級給兵艦リソース（Resource）。1967年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ４８２＞：イギリス海軍キン級防材敷設船キンロス（Kinloss）。1945年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ４８６＞：イギリス海軍リソース級給兵艦リージェント（Regent）。1967年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ４８８＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船クロマーティ（Cromarty）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ４９０＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ドーノック（Dornoch）。1972年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ５０２＞：イギリス海軍ロイスターラー級航洋曳船ローリッカー（Rollicker）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ５０７＞：イギリス海軍キン級防材敷設船アップリフター（Uplifter）。1944年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ５１１＞：ドイツ海軍エルベ級支援母艦エルベ（Elbe）。1993年1月就役。2009年6月、バルトップス2009演習に参加。2013年8月26日から9月6日、バルト海でFLOTEX2013演習に参加。参考：月刊世界の艦船9,’09、12,’13、9,’14

＜Ａ５１２＞：ドイツ海軍支援母艦モーゼル（Mosel）。2022年11月22日から12月2日、バルト海北部でフリージング・ウインズ2022演習に参加。参考：月刊世界の艦船2,’23

＜Ａ５１３＞：ドイツ海軍エルベ級支援母艦ライン（Rhein）。2021年9月4-12日、ドイツのキール基地でキール・ウイーク2021に参加。参考：月刊世界の艦船3,’07、12,’21

＜Ａ５１６＞：ドイツ海軍エルベ級支援母艦ドナウ（Donau）。2016年5月6-13日、バルチック・フォートレス演習に参加。6月3-20日、バルトップス2016に参加。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。2020年5月、SNMCMG1の一員として、ノルウェー海軍掃海艇M351オトラと共に、ラトビア海軍機雷戦指揮艦A53ヴィルサイティス、掃海艇M-08ルースィンシュなど８隻との共同演習に参加。6月7-16日、バルトップス2020に参加。参考：月刊世界の艦船5,’15、8,’16、9,’16、12,’19、8,’20、9,’20

＜Ａ５３０＞：ノルウェー海軍モード級補給艦モード（Maud。マウド？）。2018年11月16日、韓国で竣工し、ノルウェー海軍に引き渡された。2019年3月、ノルウェーに回航された。ただ各所に問題があって就役は2020年になり、その後も改修が続けられて完全就役は2022年にずれこんでいる。2022年11月22日から12月2日、バルト海北部でフリージング・ウインズ2022演習に参加。参考：月刊世界の艦船9,'23、4,’19、2,’19、2,’23

＜Ａ５８０＞：トルコ海軍油槽艦Akar。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。参考：月刊航空ファン6,’11

＜Ａ５８２＞：トルコ海軍アレムダル級潜水艦救難艦Alemdar。2017年1月就役。9月8-21日、ダイナミック・モナーク2017演習に参加。参考：月刊世界の艦船12,’17

＜Ａ−５９１＞：トルコ海軍ウフク級情報収集艦ウフク（Ufuk）。2022年1月14日就役、イスタンブールで就役式典が行われた。参考：月刊世界の艦船4,’22、10,’22

＜Ａ５９５＞：トルコ海軍補給艦ヤルバイ・クドゥレト・ギュンギョル。参考：JShips vol.48

＜Ａ６０１＞：フランス海軍モンジュ級衛星追跡艦モンジュ（Monge）。1992年就役。近代化改装を終えて2010年に現役復帰した。参考：月刊世界の艦船8,’10

＜Ａ６０７＞：フランス海軍補給艦Meuse。2011年3月からアルマッタン作戦に参加。参考：月刊航空ファン6,’11

＜Ａ６０８＞：フランス海軍デュランス級補給艦３番艦ヴァール（Var）。1983年就役。2015年6月13日、アデン湾でDD-107いかづちと親善訓練（通信訓練、近接運動訓練）を実施した。2017年9月29日から10月13日、ブリリアント・マリナー2017演習に参加。2021年3月17-18日、アデン湾で、日仏ベルギー共同訓練に参加。空母R-91シャルル・ド・ゴール、駆逐艦D652プロヴァンスと共に、海自ソマリア沖海賊対処第37次水上部隊DD-109ありあけ、ベルギー海軍フリゲートF930レオポルド�T世と、各種戦術訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’18、9,’15、6,’21

＜Ａ６１５型＞：ソ連海軍潜水艦、NATOコードはケベック（Quebec）級。ディーゼル燃料と液体酸素によるクローズド・サイクル・ディーゼルを採用したAIP潜水艦である。水中排水量740トン。主機は水上用ディーゼル２基・水中用CCDエンジン１基。当初は100隻作る予定で、１番艦は1950年に進水し、1954-57年に30隻が就役したが、液体酸素タンクの爆発・火災事故が頻発し、1957年に２隻が沈没、1970年代半ばには退役した。参考：月刊軍事研究2,’01、4,’00、月刊世界の艦船2,’15

＜Ａ６２１＞：フランス海軍ダントルカストー級多用途艦１番艦ダントルカストー（D’Entrecasteaux）。2016年7月末、ニュー・カレドニアのヌーメア港に配備された。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜Ａ６２２＞：フランス海軍哨戒艦ブーゲンビル。2024年6月11日、タヒチ周辺で日仏共同訓練オグリ・ヴェルニー24に参加。IPD24第１水上部隊LST-4003くにさきと戦術運動訓練及びPHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船9,’24

＜Ａ６３０＞：フランス海軍デュランス級補給艦４番艦マルヌ（Marne）。1987年就役。2019年3月5日、R-91シャルル・ド・ゴール機動部隊の一員としてツーロンを出港。5月1-10日、インド海軍との合同演習ヴァルナ19に参加。5月19-22日、スマトラ島西方のインド洋で日仏豪米共同訓練ラ・ペルーズ（La Pérouse）に参加。空母R91シャルル・ド・ゴール、ホライズン級ミサイル駆逐艦D620フォルバン、FREMM級フリゲートD652プロヴァンス、ジョルジュ・レイグ級駆逐艦D646ラトゥーシュ・トレヴィルと共に、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、オーストラリア海軍アンザック級フリゲートFFH-156トゥーウムバ、コリンズ級潜水艦SSG-73コリンズ、アメリカ海軍アーレイ・バーク級イージス駆逐艦DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンスと、共同訓練を行った。6月7日、空母R-91シャルル・ド・ゴール、FREMM級フリゲートD652プロヴァンス、ジョルジュ・レイグ級駆逐艦D646ラトゥーシュ・トレヴィルと共に、インド洋東部アンダマン海で、LHD-4ボクサーとの共同訓練に参加。2023年1月9-14日、アデン湾西部とアラビア海北部で、R-91シャルル・ド・ゴール、D620フォルバン、D652プロヴァンス、DDG-103トラクストンと共に、DD-117すずつきと、防空戦、クロスデッキ、洋上補給、PHOTEXの各訓練を行った。1月28日から2月1日、アデン湾西部とアラビア海北部で、R-91シャルル・ド・ゴール、D620フォルバン、D652プロヴァンスと共に、DD-117すずつきと、防空戦、クロスデッキ、洋上補給の各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船9,’14、12,’18、6,’19、8,’19、4,’23、月刊JWings4,’23

＜Ａ６３１＞：フランス海軍補給艦ソム（Somme）。2015年6月5-20日、バルトップス2015に参加。参考：月刊世界の艦船9,’15

＜Ａ６６９＞：フランス海軍トナス級航洋曳船トナス（Tenace）。1973年就役。2012年5月11-13日、ハンブルク港まつりに参加。参考：月刊世界の艦船8,’12

＜Ａ−６７０＞：ソ連軍の30mm機関砲弾用信管で、2A38M用砲弾などに使用される。触発・時限両用信管で、命中しない時は自爆する。参考：月刊軍事研究2,’00

＜Ａ７２５＞：フランス海軍ジャック・シュヴァリエ級補給艦１番艦ジャック・シュヴァリエ（Jacques Chevallier）。2020年5月20日ファースト・スチール・カット施行、2021年12月24日起工式実施、2022年4月29日進水、12月20日公試開始。2023年3月3日、フランス海軍に引き渡された。3月18-19日、アトランティーク造船所を出港。3月21日、大西洋上でD654オーヴェルニュに初の洋上給油を実施。3月30日、母港のツーロンに入港した。7月18日就役。11月3日、大西洋でCVN-73ジョージ・ワシントン、イギリス海軍空母R09プリンス・オブ・ウェールズと会同した。2024年1月17日、日仏共同訓練に参加し、ソマリア沖海賊対処第46次水上部隊DD-108あけぼのと、アデン湾東部で洋上補給やクロスデッキなどの訓練を行った。参考：月刊世界の艦船7,’22、3,’23、6,’23、10,'23、2,'24、4,’24

＜Ａ７５９＞：フランス海軍情報収集艦デュピュイ・ド・ローム（Dupuy de Lôme）。前後マスト間にSIGINT用アンテナドーム２基がタンデムに並ぶ。満載排水量3600トン。2006年就役。2008年5月、函館に寄港。2012年5月11-15日、函館に寄港。5月23-28日、アメリカ海軍横須賀基地に寄港。2017年7月26日、アメリカ海軍横須賀基地に寄港。8月中旬まで、たびたび入出港していた。2021年6月12-17日、アメリカ海軍横須賀基地に寄港。7月1-4日、函館に寄港。10月、台湾海峡を通過した。2023年7月28日、アメリカ海軍横須賀基地に寄港。参考：月刊世界の艦船8,’12、10,’17、9,'21、4,'22、10,'23、月刊JWings11,’17

＜Ａ８０２＞：オランダ海軍スネリウス級水路測量船１番船スネリウス（Snellius）。2003年就役。2011年9月13-16日のDSEi2011で一般公開された。2018年6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。2023年6月17-25日、キール・ウィークに参加。参考：月刊軍事研究12,’11、月刊世界の艦船9,’18、9,’23

＜Ａ８０４＞：オランダ海軍支援艇ペリカーン（Pelikaan）。西インド諸島での海兵隊輸送任務、災害派遣任務を行う。全長65.4m、満載排水量1033トン。主機はディーゼルで、速力14.5ノット、航続距離4500海里（12.5ノット）。兵装は12.7mm機銃２丁。乗員14名＋海兵隊員63名。2006年6月就役。2010年1月、ハイチ大地震救援を実施。参考：月刊世界の艦船10,’06、4,’10

＜Ａ８３２＞：オランダ海軍補給艦ツイデルクルイス（Zuiderkruis）。1975年就役。参考：月刊軍事研究5,’11

＜Ａ８３３＞：オランダ海軍統合支援補給艦JSS１番艦カレル・ドールマン（Karel Doorman）。2011年6月7日起工。財政難で竣工前に外国に売却されかけたが、予定通りオランダ海軍に就役することになった。2013年進水、2014年3月8日命名式挙行、9月就役。2016年2月4日、オランダとドイツの国防相が本艦の共同使用で合意した。3月10日、水陸両用作戦訓練支援中に主機のうち１基が故障した。3月12日（13日？）、ドイツ海軍との共同使用のため、ドイツのヴァルネミュンデ海軍基地に入港。ドイツ海軍の偵察・潜水・掃海要員がオランダ海軍の指揮下に入って訓練を受ける予定だったが、主機の故障が予想以上に重大で本国に帰還して修理することになり、3月17日にオランダのデン・ヘルダー港に入港した。修理には８ヶ月かかる見込み。2022年9月4日、バルト海で、LHD-3遠征打撃群LHD-3キアサージ、LPD-24アーリントン、DDG-117ポール・イグナティウス、ポルトガル海軍フリゲートF332コルテ・レアル、ノルウェー海軍フリゲートF311ロアール・アムンゼンとの共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船5,’16、6,’14、8,’11、3,’14、6,’16、7,’16、11,’22

＜Ａ８３４＞：オランダ海軍デン・ヘルダー級補給艦Den Helder。2021年6月2日、ルーマニアのダーメン社ガラツ造船所で起工。2022年10月進水。参考：月刊世界の艦船1,’23、8,’21

＜Ａ８３６＞：オランダ海軍アムステルダム級艦隊補給艦アムステルダム（Amsterdam）。1995年9月竣工。1997年5月6-9日、シンガポールのIMDEX97に参加。A833カレル・ドールマンに後を譲り、2014年12月4日にペルーに売却されて艦番号158タクナになった。参考：月刊軍事研究7,’97、月刊世界の艦船10,’14、3,’15、4,’15

＜Ａ９００＞：オランダ海軍メルクール級魚雷試験船メルクール（Mercuur）。1985年12月6日起工、1987年8月就役。2014年6月6-21日、バルトップス2014演習に参加。その後キール・ウィークにも参加した。参考：月刊世界の艦船9,’14、2,’87

＜Ａ９２５＞：51T6（弾道ミサイル迎撃ミサイル）を参照。

＜Ａ９６０＞：ベルギー海軍支援艦（掃海部隊指揮艦兼補給支援艦）ゴデチア（Godetia）。満載排水量2296トン。1966年就役。2015年10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。6月17-25日、キール・ウイーク2017に参加。参考：月刊世界の艦船9,’17、1,’16

＜Ａ１４１１＞：ドイツ海軍タイプ702ベルリン級戦闘支援艦１番艦ベルリン。2000年9月（2001年？）就役。2011年9月9-23日、ノーザン・コースト2011演習に参加。2016年6月18-26日、キール・ウィーク2016に参加。2022年6月6-17日、バルト海でバルトップス2022に参加。6月18-26日、キール・ウィーク2022に参加。参考：月刊軍事研究5,’11、JShips Vol.46、月刊世界の艦船6,’01、9,’16、9,’22

＜Ａ１４１２＞： ドイツ海軍タイプ702ベルリン級戦闘支援艦２番艦フランクフルト・アム・マイン（Frankfurt am Main）。2002年就役。2012年2月27日、ヴィルヘルムスハーフェンを出港し、ハンブルクに向かった。3月5日、F124型ザクセン級フリゲートF221ヘッセン、F122型ブレーメン級フリゲートF210エムデンと共にハンブルクを出港し、遠洋航海に向かった。10カ国を訪問して7月20日に帰国した。2018年6月1-15日、バルトップス2018に参加。6月16-24日、キール・ウイーク2018に参加。2024年5月22-28日、F222バーデン・ヴュルテンベルクと共にニューヨーク・フリート・ウィークに参加。6月1日、F222バーデン・ヴュルテンベルクと共にパナマ運河を通り太平洋に向かった。6月27日から8月1日、リムパック2024に参加。8月19日、F222バーデン・ヴュルテンべルクと共に横須賀に寄港し、すぐ出港した。8月20-25日、F222バーデン・ヴュルテンべルクと共に東京国際クルーズターミナルに寄港。8月25-27日、F222バーデン・ヴュルテンべルクと共に横須賀に寄港。8月下旬から9月中旬、F222バーデン・ヴュルテンべルクと共に、日本周辺海域で北朝鮮船舶の瀬取り監視を実施。8月27-29日、関東南方から沖縄東方で日豪伊独仏共同訓練ノーブル・レイブン24-3に参加。DDH-183いずも、DD-111おおなみ、海自潜水艦、P-1哨戒機、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー、イタリア海軍C-550カブール、F-594アルピーノ、P432ライモンド・モンテクッコリ、ドイツ海軍F222バーデン・ヴュルテンブルグ、フランス海軍D655ブルターニュと、各種戦術訓練（対空戦、実艦的対潜戦、クロスデッキなど）及びPHOTOEXを行った。参考：月刊軍事研究5,’11、月刊世界の艦船6,’12、9,’18、8,’24、11,’24、12,’24

＜Ａ１４１３＞：ドイツ海軍タイプ702ベルリン級戦闘支援艦３番艦ボン（Bonn）。2013年8-9月、就役前の消磁作業のためキールに寄港。同年就役。2017年6月1-16日、バルトップス2017に参加。2019年6月9-21日、バルトップス2019に参加。9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。参考：月刊世界の艦船11,’13、10,’11、9,’17、9,’19、12,’19

＜Ａ１４２５＞：ドイツ海軍ヴァルヒェンゼー級給油艦アムメルゼー（Ammersee）。1967年就役。2010年6月19-27日、ドイツのキール・ウィーク2010に参加。参考：月刊世界の艦船3,’07、9,’10

＜Ａ１４３５＞：ドイツ海軍ヴェスターヴァルト級給兵艦ヴェスターヴァルト（Westerwald）。1945年就役。2009年10月16-29日、ノーザン・コースト2009演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’07、2,’10

＜Ａ１４４２＞：ドイツ海軍シュペサルト級給油艦シュペサルト（Spessart）。元は1974年に竣工した民間タンカーで、1977年に給油艦として就役した。2009年10月16-29日、ノーザン・コースト2009演習に参加。2014年6月6-21日、バルトップス2014演習に参加。2021年1月28日、第１常設水上部隊SNMG1の一員として、カナダ海軍フリゲートFFH-330ハリファックスと共に、大西洋上でドイツ海軍フリゲートF222バーデン・ヴュルテンベルクとの共同演習に参加。2022年10月、ティレニア海でDDG-103トラクスタンに洋上給油を行った。参考：月刊世界の艦船3,’07、2,’10、9,’14、4,'21、9,’23

＜Ａ１４５２＞：ドイツ海軍ヴァンガーオーゲ級砕氷曳船２番船シュピーカーオーク（Spiekeroog）。1968年8月就役。2013年5月9-13日、ハンブルク港まつりに参加。参考：月刊世界の艦船8,’13

＜Ａ１４５８＞：ドイツ海軍ヘルゴラント級砕氷曳船Fehmarn。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜Ａ１５９０＞：トルコ海軍デリヤ級補給艦デリヤ（Derya）。2022年7月進水。2024年1月19日就役。参考：月刊世界の艦船9,’23、4,’24

＜Ａ１７６６＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ヘッドコーン（Headcorn）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７６７＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ヒーヴァー（Hever）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７６８＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ハーレフ（Harlech）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７６９＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ハンブルドン（Hambledon）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７７２＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ホルムウッド（Holmwood）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ１７７３＞：イギリス海軍クロヴェリイ級通船ホーニング（Horning）。1973年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜Ａ５３０３＞：イタリア海軍海洋観測艦アミラリオ・マニャーリ（Ammiraglio Magnaghi）。艦後部にヘリ格納庫とヘリ甲板を持つ。全長82.7m、排水量1700トン。主機はディーゼル、速力16ノット。1975年就役。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、8,’24

＜Ａ−５３０９＞：イタリア海軍アンテオ級汎用救難艦Anteo。1980年就役。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜Ａ５３２６＞：イタリア海軍エトナ級補給艦エトナ（Etna）。1998年就役。2011年2月4-17日、プラウド・マンタ2011演習に参加。3月、リビア爆撃作戦に参加。2019年4月29日から5月10日、マーレ・アペルト2019演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’19、月刊航空ファン6,’11、JShips Vol.44

＜Ａ５３２７＞：イタリア海軍ストロンボリ級給油艦ストロンボリ（Stromboli）。1975年就役。2021年2月22日から3月5日、シチリア島近海でダイナミック・マンタ2021演習に参加。参考：月刊世界の艦船6,’21、8,’82増刊

＜Ａ５３２９＞：イタリア海軍ストロンボリ級補給艦２番艦ヴェスヴィオ（Vesuvio）。1978年就役。2019年4月29日から5月10日、マーレ・アペルト2019演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’18、8,’19

＜Ａ５３３５＞：イタリア海軍ブルカーノ級補給艦ブルカーノ（Vulcano）。2016年2月起工、2018年1月進水。2019年9月に就役予定だったが、艤装中に火災が発生して修復に手間取り、延期された。2019年12月公試開始。2020年9月就役予定だったがこれも延期されている。2021年3月12日、イタリア海軍に引き渡され、同年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’20、4,’21、6,’21、9,’23

＜Ａ５３７７＞：イタリア海軍給水艦ティルソ（Tirso）。満載排水量2000トン。2019年4月29日から5月10日、マーレ・アペルト2019演習に参加。参考：月刊世界の艦船8,’19

＜Ａ６１２０ＶＤ＞：九五式軽戦車に搭載されている空冷直列６気筒ディーゼル。アメリカ製フランクリン・シリーズ15空冷ガソリンエンジンとイギリス製デハビラント・ジプシー空冷ガソリンエンジンをベースに三菱重工が開発したもので、満州の寒さで冷却水が凍ったりしない空冷式を採用した。熱対策としてエンジン上部にダクトを置いたため、容積が大きくなってしまっている。重量650kg。ボア130mm、ストローク180mm、総排気量14300cc。出力110馬力（1400rpm）／120馬力（1800rpm）。始動はバッテリー式。参考：月刊PANZER12,’10、帝国陸軍戦車と砲戦車

＜Ａ６５００＞：ユピター（トラック）を参照。

＜ＡＡ＞：Anti-Aircraftの略。

＜ＡＡ−１＞：RS-2シリーズ（空対空ミサイル）またはSS-52（Ｔ級潜水艦）を参照。

＜ＡＡ−２＞：R-13（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−３＞：ソ連軍の空対空ミサイルの米軍コードで、NATOコードはアナブ。全長3.6m、直径0.28m、翼スパン1.3m、重量275kg、弾頭重量40kg。誘導はI/Jバンドセミアクティブレーダー＋パッシブ赤外線で、推進は固体燃料ロケット、射程16km。Su-9/-11/-15やYak-28Pに搭載できる。参考：世界の軍用機1979、世界軍用機年鑑1990-91、ザ・マーチ17号

＜ＡＡ−４＞：K-9シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−５＞：R-4（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−６＞：R-40シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−７＞：R-23シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−８＞：R-60シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−９＞：R-33シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１０＞：R27シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１０＞：フランス軍の空対空ミサイルで、ドイツが第２次大戦中に開発していたX-4の技術を流用している。1947-50年に200発が生産された。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＡＡ−１０ａ＞：R-27P1（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１０ｂ＞：R-27T1（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１０ｃ＞：R-27ER1（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１０ｄ＞：R-27ET1（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１１＞：R-73シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１２＞：R-77シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−１３＞：R-37シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜Ａ／Ａ３７Ａ−Ｔ＞：AGM-65空対地ミサイル・ファミリーを参照。

＜Ａ／Ａ３７Ｂ−５＞：アメリカ軍の３連装エジェクターラック。下部がSta.1、左舷がSta.2、右舷がSta.3で、この順に投下される。全長1.7m、幅0.38m、高さ0.41m。各エジェクターラックの最大搭載量は454kg、最大直径0.47m（１発搭載時）、0.23-0.41m（３発搭載時）。参考：月刊軍事研究4,’11

＜Ａ／Ａ３７Ｂ−６＞：アメリカ軍のマルチプルエジェクターラック。後下部がSta.1、前下部がSta.2、後左舷がSta.3、前左舷がSta.4、後右舷がSta.5、前右舷がSta.6で、この順に投下される。参考：月刊軍事研究4,’11

＜Ａ／Ａ３７Ｕシリーズ＞：航空自衛隊の標的曳航システムで、F-104JやF-15J/DJに搭載して使用する。参考：月刊JWings4,’10、世界の傑作機No.104

　＜Ａ／Ａ３７Ｕ−９＞：

　＜Ａ／Ａ３７Ｕ−１５＞：TDU-10/BダートターゲットをRMU-10/Aリールランチャーで曳航する。参考：月刊JWings7,’13、4,’10

　＜Ａ／Ａ３７Ｕ−３３＞

＜Ａ／Ａ３７Ｕ−３６＞：別名AGTS（空中射撃目標セット）。機関砲標的システムで、TDK-39/BガナリーターゲットをRMK-35リールランチャーで曳航する。マッハ0.9、高度40000フィート（12192m）、荷重6Gでの運用が可能。曳航索は長さ790mで、使用後は巻き取って標的を再度リールランチャー後部下面に固定し、曳航機はそのまま着陸できる。メギットディフェンス社が開発し、日本飛行機でライセンス生産して航空自衛隊が運用している。参考：月刊JWings7,’13、4,’10、5,’17、月刊軍事研究6,’07、11,’15

＜Ａ／Ａ４２Ｒ−１シリーズ＞：アメリカ海軍のバディ・ポッド（空中給油システムARS）、別名バディ・ストア。D-704の改良型で、こちらもサージャント・フレッチャー社製である。F/A-18E/Fには搭載できるが、F/A-18C/Dはブリングバックペイロードが小さいので運用できない。参考：月刊JWings10,’01、4,’10、10,’13

　＜Ａ／Ａ４２Ｒ−１　３１−３００＞：全長5.16m、直径31インチ（0.79m）、空虚重量363kg。容量300ガロン（1136リットル）、送油量毎分200ガロン（757リットル）。運用速度325ノット以下（指示対気速度）。A-4攻撃機、A-6攻撃機、A-7攻撃機、S-3対潜哨戒機が装備した。参考：月刊JWings10,’13

　＜Ａ／Ａ４２Ｒ−１　３１−３０１＞：改良型。ポッド前部にラムエアタービンと油圧ポンプ、中央に燃料タンク、後部に燃料ポンプとホース・ドローグ・ユニットを収容する。更にA/A42R-1 31-301-48310、A/A42R-1 31-301-48310-1、-48310-2、-48310-3、-48310-4、-48310-5と細分される。全長5.16m、直径31インチ（0.79m）、空虚重量363kg。容量300ガロン（1136リットル）。送油量毎分220ガロン（833リットル）。運用速度175-325ノット（指示対気速度）。A-4攻撃機、A-6攻撃機、A-7攻撃機、S-3対潜哨戒機、F/A-18E/F戦闘攻撃機が装備した。参考：月刊JWings10,’13

＜Ａ／Ａ４７Ｕシリーズ＞：アメリカ軍の標的曳航装置。参考：月刊JWings7,’13

＜Ａ／Ａ４７Ｕ−３＞：RMK-19リールランチャーにNPT-IR-1赤外線ミサイル標的、TDU-25/B赤外線空中曳航標的、TDU-34/Bトウターゲットなどを装着して使用する。航空自衛隊も採用したが、F-4でしか運用できないので、F-15用の空対空用小型標的が開発された。参考：月刊JWings7,’13、10,’11

＜Ａ／Ａ４７Ｕ−４＞：RMK-31またはRMK-34リールランチャーでTDU-34/Bトウターゲットを曳航する。参考：月刊JWings7,’13

＜Ａ／Ａ４９Ｅ−２１＞：MGS（ガンポッド）を参照。

＜ＡＡＡ＞：Anti Aircraft Artillery（高射砲）の略で、トリプルＡと読む。参考：図解現代の航空機

＜ＡＡＡ＞：航空自衛隊が開発している遠隔整備支援コンセプトで、Anytime/Anywhere/Anybodyの略。基地部隊や製造・修理会社と現場部隊を通信回線で結び、遠隔で整備支援を行うもので、現場の隊員が撮影した映像を見て会社技術員が助言したり、パイロットが列線で撮影した飛行前後の機体の映像を見て基地内の整備員が点検の助言を送ったりでき、これらを指揮所でも共有することにより、指揮官等の情報収集や判断にも繋がる。2022年6-12月に実機検証を実施。スマートホンやヘッドセット方式スマートグラス（撮影装置と、助言文章付きで送り返された画像を表示する片眼式映像表示装置からなる）など撮影用機器８種類を使って43部隊が53件の検証を行い、有効性を確認した。特に近接撮影が可能なスマートホンや、フリーハンドで使用できるスマートグラスが高い評価を得ている。8月のピッチブラック演習でも派遣先のオーストラリアと百里基地を結んで検証を実施、問題無く遠隔整備を行えることが実証されている。ただ使用回線が携帯電話の4G回線なので、混雑時に通信速度が遅くなり画質が低下するという欠点があり、航空自衛隊独自のクラウドシステムが完成したらそちらに切り替える予定。参考：朝雲

＜ＡＡ／ＡＤ＞：A2/AD（対アクセス・地域拒否）を参照。

＜ＡＡＡＵ＞：インド防衛研究開発機構が国産開発しているフェイズドアレイレーダーで、Active Array Antenna Unitの略。細長い直方体のレドーム内にアンテナを搭載し、左右120度ずつをアクティブフェイズドアレイ方式、前後60度ずつをパッシブフェイズドアレイ方式でカバーする。捜索距離250-375km。EMB-145Iに搭載する予定だが、開発が遅れている。参考：月刊軍事研究4,’09、7,’11

＜ＡＡＡＶ＞：EFVシリーズ（水陸両用装甲車）を参照。

＜ＡＡＡｖｎ＞：オーストラリア陸軍航空軍団の略。参考：月刊航空ファン12,’19

＜ＡＡＢ＞：トルコ陸軍の自走浮橋で、Amphibious Assault Bridgeの略。トルコのFNSS社が開発し、M60Tを渡河させるため配備した。８輪車両で、車体上に折り畳んだ橋体を左右に展開して自ら橋になる。重量36.5トン。耐用重量70トン（装軌車両）／100トン（装輪車両）。参考：月刊軍事研究8,’11

＜ＡＡＣ＞：アラスカ航空軍団を参照。

＜ＡＡＣＥ＞：トルコ陸軍水陸両用装甲ドーザーで、Amphibious Armoured Combat Earthmoverの略。車体前部がドーザー区画、一段高くなった車体後部の左が乗員室、右が機関室である。下部転輪はダブルタイプ片側３組、起動輪は後方、誘導輪は下部転輪と同じ形状で前方にあり、上部転輪は無い。昼夜間カメラを備えており、夜間でも車内に潜ったまま作業を行える。戦闘重量19.5トン。エンジンはディーゼル（400馬力）、最大速度45km。自衛用として車体後部前面に発煙弾発射機を装備する。乗員２名。トルコのFNSS社が生産している。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＡＡＣＰ＞：Advanced Airborne Command Post（先進空中早期警戒指揮機）の略。

＜ＡＡＣＳ＞：Airborne Air Control Squadron（空中航空管制飛行隊）の略。参考：月刊JWings9,’17

＜ＡＡ　ＣＴＶ−０１＞：イージス・アショアのミサイル飛翔試験で、Aegis Ashore Control Test Vehicle-01の略。2014年5月21日、ハワイのカウアイ島にあるミサイル防衛局イージス・アショア実験場からSM-3ブロック�TＢミサイルを発射し、安全性や飛翔の様子を確認した。参考：月刊軍事研究8,’14

＜ＡＡＣＵＳ＞：自動空中貨物汎用システムを参照。

＜ＡＡＤ＞：アフリカ航空宇宙防衛展示会（African Aerospace and Defence）の略。Dexsa（軍事主体の兵器見本市）とエアロスペース・アフリカ（民間主体の航空ショー）を合わせたもので、南アフリカ唯一の航空トレード・ショーである。平日は兵器関連展示（航空機だけでなく陸海空兵器が屋内外で展示される）を行い、週末にエアショーが開催される。2000年が第１回で、2004年までは首都プレトリアにあるウォータークルーフ空軍基地で開催され、2006年に工事の関係でケープタウンのエスタープラット空軍基地に移り、工事完了後の2008年もエスタープラットで開催された。2012年9月18-22日のAAD2012はウォータークルーフ空軍基地に戻って開催された。2014年9月16-21日のAAD2014はウォータークルーフ空軍基地で開催され、南アフリカに2014年度から置かれたばかりの防衛駐在官が早速参加している。2016年はウォータークルーフ空軍基地で開催された。参考：月刊軍事研究12,’08、12,’06、12,’12、1,’15、1,’17、月刊JWings1,’01

＜ＡＡＤ−０２＞：インド防衛研究開発機構が開発した地対空ミサイル。慣性誘導装置と赤外線誘導装置を搭載しており、東風９や東風11といった弾道ミサイルに対し、パトリオットPAC3よりも優れた有効射程・有効射高・迎撃能力を保有しているという。全長7m。推進は単段式固体燃料ロケット。弾頭は破片型。2007年12月6日に初の発射テストが行われ、プリトヴィ地対地ミサイルを改造した標的をベンガル湾上空15kmで撃墜した。2010年7月26日に行われた５回目の弾道ミサイル迎撃実験でも70km先から発射されたプリトヴィを高度15kmで破壊し、５回中４回の成功を収めている。2017年3月1日、アブダル・カラム島実験場で発射試験を行い、高度15-25kmで目標に命中した。参考：月刊軍事研究11,’08、7,’17、月刊JWings11,’10

＜ＡＡＤＣ＞：Area Air Defense Commander（エリア防空指揮官）の略。

＜ＡＡＦ＞：アメリカ陸軍航空軍を参照。

＜ＡＡＦＳＳ＞：アメリカ陸軍の本格的攻撃ヘリコプター開発計画で、新型空中火力支援システムの略。ベトナム戦争でのヘリボーン作戦の戦訓から策定したが、ヘリボーン部隊の護衛から攻撃機の任務まで背負わせようとしており、ヘリの能力の限界を超えていた。一応1966年3月にAH-56Aとして結実したが、これは結局価格高騰と事故で量産には至らず、暫定的AAFSSとして開発されていたAH-1が繋ぎ役を務めている。代わりに新たな攻撃ヘリ開発計画AAHが開始され、AH-64が採用された。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＡＧ＞：先進着艦拘束装置を参照。

＜ＡＡＨ＞：アメリカ陸軍の攻撃ヘリコプター開発計画で、次期攻撃ヘリコプター計画の略。AAFSS計画の頓挫を受け、1972年6月にAH-56A改良型、UH-60ブラックホーク、モデル309キングコブラをテストしたが、どれも採用されず、1972年11月に対戦車戦闘専用ヘリを新たに要求したものである。1980-90年代に配備する攻撃ヘリコプターの開発計画で、要求性能は昼夜間戦闘能力、対戦車精密攻撃能力、高生残性に主眼が置かれ、対戦車ミサイル８発＋30mm機関砲（320発）装備でホバリング高度限界1220m（気温35℃）、上昇率毎分450フィート・138m以上、戦闘行動時間1.8時間、戦闘重量時円板荷重１平方メートルあたり60.1kg、馬力荷重１馬力あたり2.1kgなどであり、機体（フェーズ�T）と兵装システム（フェーズ�U）の開発を分離して二段階で進行した。1973年7月、ベル社(YAH-63)とヒューズ社（YAH-64）を競争開発会社に指定し、それぞれ地上試験機１機と飛行試験機２機が製作された。1976年12月10日にヒューズ社のYAH-64が採用され、フェーズ�Uの開発を開始。最終的にAH-64として完成した。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、アメリカ空軍の第一線機、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＡＫ＞：P900（増加装甲）を参照。

＜ＡＡＭ＞：空対空ミサイル（Air to Air Missile）の略。

＜ＡＡＭ−１＞：航空自衛隊の空対空ミサイルで、69式空対空誘導弾ともいう。国内技術基盤の確保や、AIM-9B生産中止に備えるといった意味から、F-86F及びF-104J用としてAIM-9Bをベースに1961年から開発され、1969年に制式化された。性能的にはAIM-9Eに準じる。全長2.5m、直径0.15m、翼スパン0.5m、重量76kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ４、射程5km。誘導は赤外線パッシブ。三菱重工が1967-71年度に330発を生産した。参考：自衛隊装備カタログ1981、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97、月刊軍事研究12,’06、月刊航空情報2,’10

＜ＡＡＭ−２＞：AIM-7A（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−２＞：航空自衛隊の試作空対空ミサイル。AIM-4Dの対日輸出不許可問題が起こったため、AIM-4DをベースにしたF-4EJ用赤外線受動誘導式空対空ミサイルとして1970年度から開発された。円筒形の弾体後半部に細長いストレーキ状安定翼４枚が付いており、安定翼後端に操縦翼がセットされている。MIL-STD-499システム・エンジニアリング・マネジメントを参考として取り入れ、技術管理手法を体系化した。1975年度までに技術評価試験を終了したが、実用試験に移行するかの検討の際、AIM-4Dの輸出許可が下りて価格もAAM-2の10-30%で済むことや、国産ミサイルに対する信頼性不足などが指摘され、開発中止となった。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97、月刊軍事研究6,’13、8,’10、12,’06

＜ＡＡＭ−３＞：航空自衛隊の空対空ミサイルで、90式空対空誘導弾ともいう。AIM-9Lの後継として1985年から開発され、1990年に制式化、翌年から量産された。全遊動式カナード翼（前翼）の形状を工夫していて、反応が早く制御も精密なダイレクトドライブ式電動サーボアクチュエータを採用、バンク・トゥ・ターン技術を導入し、シーカーも２色赤外線式に変更して首振り角をAIM-9L以上に拡大しており、射撃範囲（オフボアサイト能力）、対妨害性、運動性、射程などでAIM-9Lを上回るとされる。全長3.1m、直径0.127m、翼幅0.64m、発射重量91kg、弾頭重量15kg。最大射程8km。生産は三菱重工である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究8,’10、9,’03、12,’06、3,’97、月刊JWings4,’17、5,’20

＜ＡＡＭ−３ファミリー＞

　＜ＭＤ−３＞：ダミー訓練弾バージョン。参考：月刊JWings5,’14

＜ＡＡＭ−４シリーズ＞：航空自衛隊の空対空ミサイル（BVRAAM）。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ＡＡＭ−４＞：99式空対空誘導弾ともいう。AIM-120A以上の性能を目指して1994年から開発され、1999年に制式化されて量産が開始された。中間指令誘導＋慣性誘導（発射母機が回避運動などで指令誘導ができなくなった場合）、終末電波ホーミングで誘導され、同時多目標処理能力を有する。また、発射後ロックオンが可能であり、発射した後に他機が目標に誘導させることもできる。慣性誘導用としてリングレーザージャイロよりも小型で応答特性の良好なファイバーオプティカルジャイロを搭載。終末誘導用レーダーには小型高出力かつ安価なガリウム砒素半導体DET送信機を使用し、電波に特殊な変調をかけて探知されにくくすることで高いECCM機能を得ており、クラッターとの識別機能も向上していて横行目標にも対応可能である。燃焼パターンを２段階で変更できる２段推進方式を採用しており、AIM-7よりも射程がかなり長いらしい（100km説あり）。AIM-7との違いは、前翼の幅が狭く、後部フィン前縁付け根がカットされている点。搭載母機から発射前に入力されるデータが重要となるため、レーダーや機体コンピュータの改修、J/ARG-1指令送信機搭載、LAU-106/Aランチャーへのアンビリカル・コネクター追加が必要で、F-15J MSIP改修機のうちでも本ミサイルを運用できるのは限られた機体である。2004年から開始される近代化改修第１段階でAAM-4搭載能力が順次追加されていく予定。F-2にも空対空戦闘能力の向上という名称で2010年度から搭載改修が行われており（配備は2013年度から）、こちらはエジェクターランチャーでなくレールランチャーを使用するため、コネクターが変更された。レーダーもJ/APG-2に換装する必要がある。全長3.67m、直径0.203m、翼スパン0.77m、発射重量220kg。三菱電機製。AIM-120よりも一回り太いので、F-35Aのウェポンベイに収容するのは難しいらしい。2002年からはレーダーをアクティブ・フェイズド・アレイ式に変更し、巡航ミサイル対処能力を持つ改良型の開発が始まり、AAM-4Bとして2010年に制式化された。参考：月刊軍事研究8,’10、9,’03、5,’10、6,’14、1,’04、10,’05、12,’06、1,’08、6,’11、10,’13、6,’15、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン4,’10、月刊JWings1,’17

＜ＡＡＭ−４Ｂ＞：99式空対空誘導弾（Ｂ）ともいう。AAM-4の改良型で、2002年から開発され、2010年に制式化された。終末誘導レーダーをアクティブ・フェイズド・アレイ化し、低空目標・横行目標・巡航ミサイルへの対処能力、ミサイル自身によるロックオン距離を向上させている。ECCM能力も強化された。民生技術の採用と部品点数削減でコストも低く抑えている。全長3.667m、胴体直径0.203m、翼スパン0.787m、重量223kg。三菱電機製。参考：月刊JWings10,’13、11,'24、月刊軍事研究10,’14、8,’10、5,’12、11,’13

＜ＡＡＭ−４／４Ｂ空中試験用計測ポッド＞：航空自衛隊の試験用機器。600ガロン増槽の先端にAAM-4/-4Bのシーカーを収容し、側面３カ所にアクセスパネルを設けたもので、シーカー収容部分が黒く塗られている。F-15J戦闘機801号機・914号機に搭載され、シーカーの試験に使用される。参考：月刊JWings2,’20、3,’17

＜ＡＡＭ−４Ｂ部隊用点検装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’12

＜ＡＡＭ−４訓練用ミサイル＞：自衛隊の火工品。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＡＡＭ−４部隊用点検装置＞：自衛隊の火工品。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＡＡＭ−４ミサイル発射回路点検装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜ＡＡＭ−４模擬安全起爆装置＞：自衛隊の火工品。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＡＡＭ−５シリーズ＞：航空自衛隊の短距離空対空ミサイル（WVRAAM）。参考：月刊軍事研究10,'15

＜ＡＡＭ−５＞：04式空対空誘導弾ともいう。R-73（とAIM-9X）に対抗して1991年頃（1998年？）から開発した。AAM-3の後継で、終末誘導を赤外線フォーカル・プレーン・アレイ式多素子シーカーによる赤外線画像誘導として探知能力を強化し、探知距離を延伸、対赤外線妨害手段能力を向上させた。リング・レーザー・ジャイロを搭載して中間誘導を慣性誘導とすることで、発射後ロックオンを可能としている。また、シーカージンバルを３軸に変更、ジャイロを小型化してシーカー首振り角を増やすことにより、JHMCSヘルメット装着型表示装置と連動させてのオフボアサイト能力（正面から90度かそれ以上らしい）を獲得、推力偏向制御と尾翼のみによる操舵で運動性を向上させた。射程を延ばすため、胴体中央に長いストレーキが付いているのが特徴で、射程は30km以上となっているらしい。信管はレーザー近接信管で、指向性弾頭を持つ。全長2.86m、直径0.126m、発射重量84kg。三菱重工または川崎重工製。2004年から04式空対空誘導弾として実用型の取得が始まり、F-15部隊に配備された。F-2用ランチャーは2010年度から開発されており、2013年度から母機適合性確認試験を行っていて、終われば配備が始められる予定。発射前ロックオンの際はJ/APG-2レーダーから目標情報を取得してシーカーを指向させるが、パイロンの位置によって主翼の捩れ角が違うのでミサイルごとにシーカー指向方向に修正を入れる必要があり、他パイロンへの兵装搭載状況や空中機動時のＧなどで主翼の捩れが変化するとシーカーがあさってを向いてしまうので、これらを自動で補正する機能を有している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings10,’13、6,’04、4,’05、7,'22、月刊軍事研究8,’10、6,’14、10,'15、10,’05、12,’06、1,’08、6,’10、10,’13、8,’17

＜ＡＡＭ−５改＞：技術研究本部が2011年度から開発中の改良型、04式空対空誘導弾（改）。空中給油で滞空時間が増えても運用できるよう、シーカー冷却装置をスターリング・クーラーに換装してシーカー冷却持続時間を延長し、シーカーを改良（二波長赤外線画像誘導を採用するともいわれる）して対赤外線妨害手段能力を向上、背景識別能力も強化する。冷却装置換装に伴い、誘導制御装置部のクールボトル（ランチャー接続部先端付近の小孔）が無くなった。F-15用で、2015年度に実用試験を終え、2016年度に装備化する予定。参考：月刊軍事研究10,'15、11,’10、1,’12、月刊JWings5,’18、11,’20

＜ＡＡＭ−５Ｂ＞：2023年11月29日、公益財団法人・防衛基盤整備協会から令和5年度防衛基盤整備協会賞を受賞した。参考：朝雲

＜ＡＡＭ−５ファミリー＞

＜ＡＡＭ−５（キャプティブ弾）＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＡＡＭ−５訓練弾＞：自衛隊の火工品。三菱重工製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜ＡＡＭ−５支援器材＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＡＡＭ−５振動計測弾＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜ＡＡＭ−５ミサイル発射回路点検装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜ＡＡＭ−Ａ−２＞：AIM-4シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−ＡＥ＞：R-77シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭＤＣ＞：Army Air and Missile Defense Command（陸軍防空ミサイル防衛コマンド）の略。参考：月刊軍事研究6,’17

＜ＡＡＭＤＳ＞：イージス・アショアを参照。

＜ＡＡＭＤＴＣ＞：ハワイのカウアイ島PMRFレンジに設置されたイージス・アショア実験施設で、Aegis Ashore Missile Defence Test Complex（イージス・アショア・ミサイル防衛試験複合施設）の略。2014年5月20日（21日？）にSM-3ブロック�TＢを使用して初実射テストAA CTV-01を実施。シミュレート標的に対してミサイルを実射し、発射時の安全性や飛翔の様子を確認した。2015年12月9日、FTO-02E1a試験に成功した。2018年12月、FTI-03試験に成功した。参考：月刊軍事研究6,’16、月刊世界の艦船12,’19

＜ＡＡＭ−Ｎ−２＞：AIM-7A（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−Ｎ−３＞：AIM-7B（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−Ｎ−６＞：AIM-7C（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−Ｎ−６Ａ＞：AIM-7D（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−Ｎ−６Ｂ＞：AIM-7E（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−Ｎ−７＞：AIM-9A（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−Ｎ−７Ａ＞：AIM-9B（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ−Ｎ−１０＞：アメリカ軍が計画した核弾頭空対空ミサイル、別名イーグル。全長6m、重量１トンの巨大なミサイルで、通常弾頭型もある。F6Dミサイリアに搭載予定だったが、母機共々1960年にキャンセルされた。ただ技術研究は続けられてAIM-54のベースになっている。参考：アメリカの核兵器、月刊JWings5,’04

＜ＡＡＭ−Ｎ−１１＞：AIM-54A（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡＭ点検器材＞：自衛隊の機器。東芝製。参考：月刊軍事研究1,’11

＜ＡＡＭミーティング＞：ミサイル戦技集合訓練を参照。

＜ＡＡＰＴＣ＞：アジア太平洋平和活動訓練センター協会を参照。

＜ＡＡＲＤ計画＞：DARPAとNASAが協同で行っている、UAVに対する空中給油実験で、AARDは自動空中給油実証（Autonomous Aerial Refueling Demonstration）の略。システムの開発はシエラネバダ社で、GPSとテレビカメラにより全自動で空中給油を行う。B707-300空中給油機型とF/A-18B（UAVの代役）との間で2006年8月30日に成功したが、成功確率が３分の１と低いので、更に改良中である。2015年4月22日、B707空中給油機とX-47Bとの間で空中給油に成功した。参考：月刊JWings12,’06、月刊軍事研究6,’13、6,’15、11,’15

＜ＡＡＲＦＥ＞：AN/ALQ-211シリーズ（電子戦装置）を参照。

＜ＡＡＲＧＭ＞：AGM-88E（対レーダーミサイル）またはHSAD（防空網無力化計画）を参照。

＜ＡＡＲＧＭ−ＥＲ＞：AGM-88Eブロック２（対レーダーミサイル）またはAGM-88G（対レーダーミサイル）を参照。

＜ＡＡＲＳ＞：F-9120（偵察装置）を参照。

＜ＡＡＳ＞：AN/APS-154（レーダー）を参照。

＜ＡＡＳ＞：アメリカ陸軍の次期ヘリコプターで、武装空中偵察（Armed Aerial Scout）の略。ARH計画で採用したARH-70が開発中止になったため、それに代わるAH-1/OH-58後継ヘリである。2012年6月に比較試験の予算が通り、AAS-72X、AH-6S、OH-58ブロック�U、S-97レイダー、AW-139Wが名乗りを挙げている。参考：月刊JWings1,’13

＜ＡＡＳ−７２Ｘ＞：EADSノースアメリカがアメリカ陸軍武装空中偵察AASヘリ向けに開発したヘリコプター。UH-72Aがベースで、2011年4月にガンポッドを装備してデモフライトを行った。参考：月刊航空ファン7,’11、1,’13

＜ＡＡＳＡＭ＞：オーストラリア陸軍主催の陸軍種間国際射撃競技会で、Australian Army Skill at Arms Meeting（豪州陸軍射撃競技会）の略。ビクトリア州バカバンニャル訓練場で行われ、拳銃、小銃、機関銃、狙撃銃の４部門がある。第１回は1987年に実施された。陸上自衛隊は2012年から参加している。参考：朝雲、月刊軍事研究2,’15

　＜ＡＡＳＡＭ２０１２＞：2012年5月3-18日に実施された。陸自からは第１空挺団主力の16名（89式小銃、MINIMI、9mm機関拳銃装備）が初参加したが、スコープ付き狙撃銃で参加する大会にダットサイト付き89式小銃で挑戦してしまったため、総合成績で15カ国中14位だった。参考：朝雲

　＜ＡＡＳＡＭ２０１３＞：2013年5月1-18日に実施された。陸自からは隊員14名と支援要員26名が派遣され、小銃射撃団体総合で17カ国中10位、機関銃射撃団体総合で15カ国中８位、拳銃射撃団体総合で15カ国中９位、国際射撃競技会で17カ国中９位、国際軍用射撃選手権大会で17カ国中10位、狙撃銃団体総合で18チーム中11位の成績を収め、総合成績は17カ国中９位（１位インドネシア、２位オーストラリア、３位フィリピン、４位マレーシア、５位タイ）だった。参考：朝雲

　＜ＡＡＳＡＭ２０１４＞：2014年4月25日から5月20日に実施された。陸自は総合成績で15カ国16チーム中６位（１位インドネシア、２位オーストラリア、３位フィリピン、４位ニュージーランド、５位カナダ）、部門別で狙撃銃部門団体総合２位、小銃部門チャンピオンショット16位（参加150名の上位20名中）の成績を収めた。参考：朝雲

　＜ＡＡＳＡＭ２０１５＞：2015年5月5-23日に実施され、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、陸自など15カ国が参加した。陸自は30名が参加し、総合成績16チーム中７位、狙撃銃の部団体300-1000mで優勝、同300-600mで２位、狙撃銃の部個人の部で３位、小銃の部団体25-100mで２位、小銃の部個人100-300m伏せ撃ちで北部方面混成団第52普通科連隊第３中隊吉村優一朗三等陸曹が191名中１位、小銃の部総合16チーム中８位、機関銃の部総合７位、拳銃の部総合７位という成績で、金メダル２個、銀メダル３個、銅メダル２個を獲得している。参考：朝雲

　＜ＡＡＳＡＭ２０１６＞：2016年4月30日から5月25日に実施され、アメリカ（３チーム）、イギリス、インドネシア、オーストラリア（５チーム）、カナダ、韓国、シンガポール、中国、フランス、ニュージーランド、マレーシア、陸自の18チームが参加した。陸自チームは小銃手８名、機関銃手２名、狙撃手２名、拳銃装備者２名で、狙撃銃の部において普通科教導連隊小城健一二等陸曹と第14旅団第50普通科連隊八木亜生都三等陸曹が出場し、148ポイントで総合優勝、八木三曹は個人総合でも979ポイントで優勝した。両名には陸幕長から３級賞詞が授与されている。小銃の部も団体５位に入った。参考：MAMOR vol.115、朝雲

　＜ＡＡＳＡＭ２０１７＞：2017年5月13-26日に実施され、16カ国が参加した。陸自は隊員20名、89式小銃、MINIMI、9mm拳銃、対人狙撃銃を派遣し、狙撃銃部門（12カ国23チーム）で総合２位に入った。参考：朝雲

　＜ＡＡＳＡＭ２０１８＞：2018年4月27日から5月11日（4月17日から5月10日？）に実施され、オーストラリア、UAE、アメリカ、イギリス、カナダ、韓国、カンボジア、ブルネイ、陸自など13カ国から18チームが参加。７度目の参加となった陸自は、陸上総隊、各方面隊、富士学校から20名（うち選手12名）が派遣され、総合成績で３位（１位はインドネシア、２位はオーストラリア）、狙撃銃部門で優勝、国際マッチ部門（拳銃・小銃・機関銃総合）で３位（拳銃４位、小銃３位、機関銃５位、組・分隊種目４位）となった。個人では拳銃各個射撃応用で１位、拳銃応用（シークレットマッチ）で２位、拳銃応用（ラピッド）で14位などの成績を挙げている。参考：月刊PANZER8,’18、月刊MAMOR vol.138、朝雲

　＜ＡＡＳＡＭ２０１９＞：2019年3月26日から4月2日に実施された。陸自は陸上総隊と各方面隊から普通科10名、特科１名、化学科１名が選手として参加し、戦闘射撃部門（小銃、機関銃、拳銃）と狙撃銃部門に出場し、戦闘射撃部門総合３位（小銃４位、機関銃５位、拳銃１位）、狙撃銃９位の成績を収めた。参考：朝雲

＜ＡＡＳＭシリーズ＞：フランス軍の空対地ミサイルで、Armament Air Sol Modulaire（空対地モジュラー兵器）の略。2000年にSAGEM社が受注したが、開発が遅れ、2007年10月22日に漸くテストを終了して採用された。誘導装置を通常爆弾に取り付けるタイプで、主に250kg爆弾（Mk82またはBLU-111/B）を使用する。加速用ロケットにより３分間以上飛翔し、テストでは高度10000mから投下して60km先の目標を破壊した。３連装パイロンAT730に搭載され、安全装置解除はコクピットから電気的に行う。ミラージュ2000Nとラファールに搭載でき、空軍に2000発、海軍に1000発を配備する予定。2008年2-3月からラファールと共にアフガニスタンに配備されており、搭載した６発による同時多目標攻撃が可能なため、多用されている。アルマッタン作戦で182発が使用された。参考：月刊軍事研究9,’08、8,’11、7,’12、9,’18

　＜ＳＢＵ−３８＞：基本のGPS/INS誘導型。CEP10m。参考：月刊軍事研究7,’12

　＜ＳＢＵ−５４＞：終末誘導にセミアクティブ・レーザー・ホーミングを追加したもので、輸出名称ハマー（HAMMER）。2012年12月12日に時速50kmで走行する車両に対する発射テストが行われ、ダモクル照準ポッドを搭載したラファールＭから投下されて車両から1mの地点に着弾した。参考：月刊航空ファン3,’13

　＜ＳＢＵ−６４＞：中間GPS・終末画像赤外線誘導型。CEP1m。アルマッタン作戦でラファールＭが実戦初使用した。参考：月刊軍事研究7,’12、月刊JWings6,’21

＜ＡＡＳＯ−３６２＞：SS-362（潜水艦）を参照。

＜ＡＡＳＲ＞：サーブ社が2007年に発表したマルチスタティック・レーダーで、Associative Aperture Synthesis Radarの略。複数の送信機からステップ周波数方式で識別したレーダー波を送信し、目標に当たって生じる前方散乱を複数の受信機でキャッチしてどの送信機からのレーダー波かを解析し、時間差から目標の距離や位置を特定する。送信機と受信機の間を目標が通らないと探知できないという欠点がある。2017年現在、実用化には至っていない。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＡＡＵ＞：デュッフェルバッグを参照。

＜ＡＡＶ＞：Amphibious Assault Vehicle（水陸両用突撃車両）の略。

＜ＡＡＶＣ−７Ａ１＞：LVTP-7水陸両用車ファミリーを参照。

＜ＡＡＶＰ−７Ａ１＞：LVTP-7水陸両用車シリーズを参照。

＜ＡＡＶＲ−７Ａ１＞：LVTP-7水陸両用車ファミリーを参照。

＜ＡＡＷ＞：Anti Air Warfare（対空戦）の略。

＜ＡＡＷＳ−Ｍ＞：ジャベリン（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＡ−Ｘ−１３＞：R-37シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＡ級＞：Ｔ級（アメリカ潜水艦）を参照。

＜ＡＡライン＞：バルバロッサ作戦最終到達目標ライン、アルハゲリスク・アストラハン線のこと。参考：月刊丸3,’01

＜ＡＢ＞：航空基地（Air Base）の略。アメリカ本土外のアメリカ空軍航空基地はAFB（空軍基地）でなくABと称する。参考：月刊JWings11,’18

＜Ａ／Ｂ＞：アフターバーナーを参照。

＜ＡＢ爆弾シリーズ＞：ドイツ空軍の爆弾で、ABは破片爆弾のこと。実際にはクラスター爆弾の一種で、投下されると外殻が上下に分かれ、内部の小型爆弾が放出される。塗装色はRLM65またはRLM76。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ、月刊丸8,’87

　＜ＡＢ２５０＞：250kg型。参考：月刊丸8,’87

　＜ＡＢ５００＞：500kg型。内部に2kg小型焼夷弾を116発収容する。参考：世界の傑作機No.145、月刊丸8,’87

　＜ＡＢ１０００＞：内部に1.3kg小型焼夷弾を610発収容する。参考：世界の傑作機No.145

＜ＡＢ１＞：ヨルダンが開発した装甲修理・回収車両で、別名M47。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ２＞：ヨルダンが開発した装甲兵員輸送車。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ３＞：ヨルダンが開発した汎用車両で、別名ブラック・アイリス。M151ジープの後継で、2000年4月に試作車が完成し、同年に発注された。エンジンはダイハツ製ディーゼル（総排気量2800cc）。参考：月刊PANZER7,’00、月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ−３＞：中華民国海軍艦載単座水上偵察機。�ｨ海級軽巡１番艦�ｨ海への搭載用で、愛知時計電機が開発し、１機だけ生産した。一葉半機の双フロート機である。参考：月刊世界の艦船6,’24

＜ＡＢ４＞：六試小型夜間偵察飛行艇を参照。

＜ＡＢ４＞：ヨルダンが開発したスコーピオン軽戦車向上型、別名アル・アクラップ。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ５＞：ヨルダンが開発した特殊部隊用ランドローバー。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ９シリーズ＞：ヨルダンが開発したM60A1戦車向上型。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ９＞：主砲をスイス製50口径120mm戦車砲に換装し、第２世代FLIR、アイセーフレーザー測距器、デジタル・コンピュータ、新型FCSを搭載した。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ９Ｂ１＞：AB9にレーザー警報装置アビモを装備したもの。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ９Ｃ４＞：ヨルダンの向上型センチュリオンであるタリクにファルコンと呼ばれる新型コンパクト砲塔を搭載したもの。主砲は自動装填装置付き120mmコンパクト砲。乗員は全て砲塔リングより下に位置する。計画中。参考：月刊軍事研究9,’00

＜ＡＢ１２＞：九六式夜間水上偵察機を参照。

＜ＡＢ−１３＞：ウクライナが開発した重装甲歩兵戦闘車、別名ゴリアテ。ヨルダンで没になったAB13を独自に発展させたものである。車体のベースはT-54/55で、後部をかさ上げして兵員室を設け、BMP-2の砲塔を載せた。機関室は車体後部のままである。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＡＢ１３＞：ヨルダンがウクライナの協力を受けて計画した重装甲歩兵戦闘車。センチュリオン戦車（向上型のタリクらしい）の車体に、中口径機関砲塔マルイシェフ・タイプ99Aを搭載したもので、30mm連装機関砲、7.62mm機銃、30mm擲弾発射機AG19、81mm発煙弾発射機を装備する。乗員３名＋乗車歩兵８名。1990年代末から開発されたが、量産には至らなかった。参考：月刊軍事研究9,’00、9,’16、月刊PANZER5,’01、6,’00

＜ＡＢ１４＞：ヨルダンが独自開発中の歩兵戦闘車で、別名テムシャ（ワニ）。イギリスと南アフリカも開発に協力している。旧式戦車の車体を流用しており、エンジンは車体前部のAVDS1790で、CD850変速機と組み合わせてパワーパックを構成する。後部兵員室に歩兵10名を収容可能。砲塔は無人で、武装は20mm機関砲、7.62mm同軸機銃、砲塔右のイングウェ対戦車ミサイル４連装ランチャー。参考：月刊丸9,’03、月刊PANZER8,’01

＜ＡＢ２５＞：トルコ海軍小型哨戒艇。排水量150トン。速力22ノット。兵装は60口径40mm機関砲１基、70口径20mm機関砲１基、12.7mm機銃２基、４連装対潜ロケット発射機２基、爆雷投下軌条４基。参考：月刊軍事研究3,’02

＜Ａ／Ｂ−３７Ｕ−１シリーズ＞：アメリカ軍の亜音速エアリアル・ターゲット。ADM-141TALD空中発射デコイを標的として使用したものである。参考：月刊航空ファン11,’02

＜Ａ／Ｂ３７Ｕ−１（Ｖ−１）＞：アメリカ軍の無線周波数パッシブ型戦術空中発射デコイ。参考：月刊軍事研究6,’01

＜Ａ／Ｂ３７Ｕ−１（Ｖ−２）＞：アメリカ軍のチャフ撒布型戦術空中発射デコイ。参考：月刊軍事研究6,’01

＜ＡＢ３９＞：AB40シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＡＢ３９／４０＞：AB40シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＡＢ４０シリーズ＞：イタリア陸軍の４×４輪装甲偵察車両。1936年からフィアット社とアンサルド社が共同研究を開始し、1939年5月に軍関係者に展示され、試験の結果採用された。参考：月刊PANZER12,’02、世界の軍用車両（4）

　＜ＡＢ３９＞：試作型。参考：月刊PANZER12,’02

　＜ＡＢ３９／４０＞：小改良型で、1940年初めから生産された。参考：月刊PANZER12,’02

　＜ＡＢ４０＞：AB39/40が1940年末に名称変更されたもの。車体と銃塔は装甲板をボルト止めして製作されている。操縦席が前後に設けられており、いざとなったらそのまま後進で逃げられる。車体前後の操縦席に１基ずつ視察口があり、車体左右後方寄りの左右ドアに視察スリットが１つずつ設けられた。サスペンションはコイルスプリング独立懸架方式で、ショックアブソーバー２基を持つ。操向は４輪全てで行う。タイヤは９×24または9.75×24で、砂漠では10T9.75×24の強化型空気入りタイヤを使用する。車体側面にはスペアタイヤを回転可能な状態で取り付けてあり、車体から少し下にはみ出しているので、不整地では補助輪の役目を果たす。無線機は搭載していない。銃塔は密閉式で、左右に視察スリットが設けられ、上面には360度旋回式ペリスコープが付く。武装は銃塔の8mm機関銃ブレダ38が２丁と、戦闘室後部右のボールマウント式8mm機関銃ブレダ38が１丁で、弾薬搭載数4008発。装甲厚は車体全周8.5mm、上下面6mm、銃塔前面18mm、側後面10mm、上面6mm。エンジンはフィアット６気筒直列水冷ガソリン（出力80馬力、総排気量4995cc）、トランスミッションは前進６段・後進４段、最大速度76km（路上）／30km（路外）、航続距離400km。参考：月刊PANZER12,’02

　＜ＡＢ４１＞：AB40のエンジンを強化し、20mm機関砲ブレダ35（456発）とRF3M無線機を搭載したもの。砲塔の機銃は１丁（1992発）に減らされたが、車体の機銃はそのまま付いている。全長5.095m、全幅1.93m、全高2.484m、戦闘重量7.4トン。エンジン出力88馬力、路上最大速度78km、航続距離400km。乗員４名。当初はAB40の４分の１を改造する予定だったが、1941年には全車両が改造されることとなった。参考：月刊PANZER12,’02、世界の軍用車両(4)

　＜ＡＢ４１／４３＞：AB41に108馬力のエンジンを搭載したもので、主砲は2cm機関砲M35または5cm戦車砲に換装した。ドイツ軍によるイタリア占領後に20両が生産された。参考：ジャーマンタンクス

　＜ＡＢ４３＞：AB41の主砲を32口径47mm砲に換え、8mm同軸機銃を装備したもの。砲塔は大型化し、視察スリットが塞がれ、装甲厚は最大22mmとされた。戦闘室上部側面は砲塔搭載のため垂直にし、エンジンも強化した。エンジン出力118馬力、最大速度90km（路上）／37km（不整地）、航続距離535km。1943年から10両程度が生産された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER12,’02

＜ＡＢ４０海外シリーズ＞

　＜ＡＢ４１　２０１（ｉ）＞：ドイツ陸軍装甲車。接収したAB41を配備したものである。全長5.2m、全幅1.92m、全高2.48m、重量7.5トン。主砲は2cmM35(i)L/65（456発）で、俯仰角はマイナス10度からプラス20度。副武装は同軸8mm機銃MG38(i)と、車体8mm機銃MG38(i)で、装弾数1992発。車体機銃は旋回角左右14度ずつ、俯仰角マイナス７度からプラス14度。装甲厚は車体前面下部9mm45度、上部9mm23度、側面下部9mm０度、上部9mm30度、後面下部9mm40度、上部9mm20度、底面6mm90度、上面6mm90度、砲塔前面18mm16度、側面9mm20度、後面9mm16度、上面6mm90度、防楯18mm（曲面）。エンジンはSPA Abm1（88馬力）、トランスミッションは前進６速・後進４速、最大速度78km、航続距離400km。無線機はRF3M。乗員４名。1943年に37両を接収し、イタリアとバルカン半島で使用した。参考：ジャーマンタンクス

＜ＡＢ４１＞：AB40シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＡＢ４３＞：AB40シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＡＢ−４５Ｙ−４＞：アメリカ軍の粉末状生物化学剤散布用タンク。増槽型をしており、前方に流量制御部、中央にタンク、中央下面に散布口、後部にバッテリー及びピストン速度制御部があり、尾部にフィンが付く。参考：ワイルドウエポン

＜ＡＢ１３９＞：AW139（ヘリ）を参照。

＜ＡＢ２０４＞：ベル204海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＡＢ２１２＞：ベル212海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＡＢ６１１シリーズ＞：イタリア陸軍６輪装甲車。フィアット社が開発して1932年から生産され、1934年からＢ型の生産に移り、主として植民地部隊に装備された。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＡＢ６１１＞：軍用６×４輪トラックのシャシーをベースに、装甲車体と銃塔を搭載している。車体前部に機関室、後部に乗員室（５名乗り）があり、装甲厚は前面13mm、側面8mm、後面・上面・底面6mm。車体後面には機銃１丁が装備されている。銃塔には前向きに機銃２丁、後ろ向きに機銃１丁が搭載され、装甲厚は前面15mm、側面・後面8mm、上面6mm。エンジンはフィアット社製６気筒ガソリン。参考：世界の軍用車両(4)

　＜ＡＢ６１１Ｂ＞：銃塔前部の機銃を外して37mm砲を搭載したタイプ。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＢＢ５００＞：ドイツ空軍のクラスター焼夷弾。内部に重量1kgの小型焼夷弾が140発入っており、投下されると電気式火薬時限信管が作動してケースが上下に割れて小型焼夷弾が撒布される。低高度で信管が作動した場合、焼夷弾が密集して落ちるので、中小都市の消防隊では消火が困難である。参考：世界の傑作機No.145

＜ＡＢＣ＞：Atomic, Biologucal and Chemical（核、生物、化学）の略。1960年あたりからNBCと呼ばれるようになった。参考：月刊軍事研究6,’11

＜ＡＢＣＳ＞：戦術インターネット（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＢＣ装置＞：イギリス空軍が第２次大戦時に開発したドイツ空軍管制システム妨害装置で、Air Boune Cigarの略。爆撃機に積み込み、ドイツ夜間戦闘機への管制通信を傍受、ドイツ語に堪能な特殊部隊員が偽の管制通信をドイツ夜間戦闘機に向けて発信する。1943年11月18日のベルリン爆撃作戦から実戦投入された。参考：月刊軍事研究12,’08

＜ＡＢＣレーザー＞：ロッキード・マーチン社が開発しているレーザー砲塔で、ABCはAero-adaptive aero-optic Beam Control（空中適応光学ビーム制御）の略。変形式ミラー（Deformable mirrors）と半球形砲塔などにより、レーザービームの全周照射を可能とする。ビジネスジェット機の機体側面に装着して2015年10月までに60回の飛行テストを行い、技術が確立したとされる。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ＡＢＣローター＞：シコルスキー社が高速ヘリコプター用に1964年から開発したローターで、Advanced Blade Conceptの略。同軸反転する２翅リジッドローターで、ほぼ前進側ブレードのみで推進力を発生させる構造になっている。ローターブレードが上下で近接しているので、接触を防ぐために剛性を高くしてあり、高速飛行時の空力弾性も良好になった。XH-59Aが採用した。参考：ザ・マーチ40号

＜ＡＢＥ−ＮＧ＞：フォッカー100海外ファミリー（テストベッド機）を参照。

＜ＡＢＦ＞：環状爆風破片型弾頭（Annular Blast Fragmentation）の略。

＜ＡＢＩ＞：アメリカ空軍がTMD構想に基づいて開発していた弾道ミサイル迎撃用長射程空対空ミサイル。射程は300kmに達し、主力戦闘機に搭載して敵領空内に侵入、ブースト段階の弾道ミサイルを破壊する。ただし搭載機が撃墜される危険があるため、無人機を使用する案もある。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ＡＢＬ＞：Mk143（トマホーク発射機）を参照。

＜ＡＢＬ＞：アメリカ空軍がTMD構想に基づいて開発していた弾道ミサイル迎撃用空中レーザー砲。1994年より開発が本格化し、B747-400F貨物機に出力3MWの酸素・ヨウ素化学レーザー砲COILを搭載する実験機YAL-1Aを製作した。高度12000-30000mを飛行しつつ敵領空外の距離450kmからレーザーを数秒間照射し、ブースト段階の弾道ミサイルを破壊する。ABL搭載機５機に護衛のF-22A数機とE-3早期警戒管制機１機で１個作戦部隊を構成し、合計５個を揃えて２個を常時戦闘・哨戒飛行に充てる予定だったが、後に２個作戦部隊に３機ずつ配備して２カ所の戦域に派遣する計画（ABL搭載機は予備１機を含め計７機生産する）に縮小された。更に小型の半導体レーザーが発達して大型のCOILが時代遅れになったのと、有効射程を達成できるような大出力が得られなかったため、YAL-1Aの実験を中止した。後継としてレーザー搭載UAVを開発するらしい。参考：月刊軍事研究4,’12、11,’98、9,’17、月刊JWings4,’12

＜ＡＢＬ−２５０＞：スペイン軍のクラスター爆弾。全長2.25m、直径0.335m、翼スパン0.86m、重量250kg。内部に重量600gの子爆弾250発を収容する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＢＭ＞：航空戦統制官または空中炸裂弾を参照。

＜ＡＢＭ＞：弾道弾迎撃ミサイル（Anti-Ballistic Missile）の略。

＜ＡＢＭ−１＞：A-35（迎撃システム）を参照。

＜ＡＢＭ−２＞：A-35M（迎撃システム）を参照。

＜ＡＢＭ−３＞：53T6（弾道弾迎撃ミサイル）を参照。

＜ＡＢＭ−４＞：51T6（弾道弾迎撃ミサイル）を参照。

＜ＡＢＭＤ＞：イージス弾道ミサイル防衛改修計画を参照。

＜ＡＢＭＳ＞：先進型戦闘管理捜索システムを参照。

＜ＡＢＭ条約＞：正式には「対弾道ミサイルシステムの制限に関するアメリカ合衆国とソビエト社会主義共和国連邦の間の条約」。1972年5月にニクソン政権とブレジネフ政権の間で取り交わされた。対弾道ミサイル（ABM）システムを「飛行軌道にある戦略弾道ミサイルまたはその構成部分を迎撃するためのシステム」と定義し、迎撃用ミサイルだけでなく発射機や管制レーダーも含めている。首都と任意のICBM基地１カ所の計２カ所にのみABMシステムの配備を認める（半径150km内に100発までのミサイルとレーダー〔首都は６基まで、ICBM基地は２基の大型レーダーと18基の小型レーダー〕を配備可能）が、洋上や宇宙への配備、移動式システムは禁止され、レーダーについても制限されている。開発しても違反ではなく、戦略弾道ミサイル防衛用でなければ（戦域弾道ミサイルなど）制限されず、戦略弾道ミサイルの定義も無く、宇宙警戒管制レーダーや対空警戒レーダーとの境界も曖昧で、抜け道が多い。1974年、システム配備箇所が１箇所に制限された。1997年9月のSTART�U期限延長議定書署名時に、標的となる弾道ミサイルが秒速5km以下かつ射程が3500km以下の場合は戦略弾道ミサイル迎撃実験と見なさないことが定められ、宇宙配備型システムの開発が禁止された。2001年12月、アメリカが離脱し、効力が無くなった。参考：月刊軍事研究3,’00、8,’02、軍縮条約・資料集第２版

＜ＡＢｎ＞：航空大隊（Aviation Battalion）の略。

＜ＡＢＮＣＰ＞：AirBorNe Command Post（空中指揮機）の略。核戦争の際に、影響の少ない空中から戦略核兵器の指揮を執るのが主任務である。空中給油装置によりエンジンオイルが尽きるまで空中に留まることが出来、高い通信能力を駆使して指揮を行う。アメリカ空軍がE-4やEC-135を、ソ連空軍がAn-12の改造型などを製作した。参考：スパイ機

＜ＡＢＲ＞：AN/APG-80（レーダー）を参照。

＜ＡＢＳ＞：アンチロック・ブレーキ・システムを参照。

＜ＡＢＳＡＡシステム＞：航空機搭載型衝突回避装置の略。アメリカ空軍が計画中のUAV用衝突回避装置である。参考：月刊軍事研究2,’15

＜ＡＢＶ＞：M1戦車ファミリーを参照。

＜ＡＣ＞：青酸ガスを参照。

＜ＡＣシリーズ＞：オーストラリア陸軍国産巡航戦車、別名センチネル（Sentinel）。ACはAustralian Cruiserの略である。対日戦に加えて日本によるオーストラリア侵攻まで囁かれるようになった1940年7月、オーストラリア国防省は戦車の量産計画を立て始めたが、イギリスの戦車では能力不足で、オーストラリアに戦車を回す余裕も無いと考え、国産化することにして1940年11月に陸軍に設計部を立ち上げた。要求は重量16-20ロングトン、主砲は２ポンド砲、最大装甲厚50mm、航続距離150マイル（241km）、乗員4-5名で、必要数は2000両と見積もり、1941年7月から週産70両を目標としている。オーストラリア国防省はイギリスに設計者の派遣を依頼し、ワトソン大佐がアメリカでM3中戦車の設計を見学して1940年12月に到着、早速設計に入った。参考：British and American tanks of World War Two、月刊JWings2,’04

　＜ＡＣ�T＞：装甲は鋳造（または均質圧延鋼板？）で、合金素材はオーストラリア産のもののみを使用している。最終減速機とギアボックスはM3中戦車のコピーとし、エンジンにはギバーソン・ディーゼルを予定したが、入手困難であることを考慮して民間車用のフォード・エンジンとキャデラック・エンジン（を３基クローバー状に結合したもの）も使えるようにした。モックアップは1941年初めに完成し、4月にアメリカから最終減速機が到着したが、オーストラリアの工業力ではコピー生産できず、工作機械を米英から輸入するにも1942年以降となることが判明し、AC�Uに進んだ。しかし駆動系の能力不足で本型の設計に逆戻りし、最終減速機を単純化、ついでにサスペンションもオチキス式水平ボリュート型に換装することにした。車体は鋳造一体構造で、上部構造前面左右に乗員室、中央に車体機銃を持つ。乗員室前面には内開きの視察窓、その上にペリスコープ、上面に両開きのハッチがある。下部転輪は２枚１組でボギーに取り付けられており、ボギー上部には上部転輪１枚が付き、ボギーは片側３基ずつ車体に装着される。起動輪は前方、誘導輪は後方にある。履帯はアメリカ系ラバーブロック型。砲塔は鋳造製で、側後面に良好な避弾経始を持ち、左上面に前後開きハッチ付きキューポラを装備する。キューポラに対空用ブレン機銃を追加可能。全長20フィート９インチ（6.32m）、全幅９フィート１インチ（2.77m）、全高８フィート５インチ（2.56m）、戦闘重量62720ポンド（28.4トン）。主砲は２ポンド砲（130発）、副武装は.303ヴィッカーズ機銃２丁（車体、同軸。4250発）。装甲厚65-25mm。エンジンはキャデラックV-8ペトロル（117馬力）３基、最大速度路上30マイル（48.3km）／路外20マイル（32.2km）、航続距離200マイル（321.9km）。乗員５名（車長、操縦手、車体銃手、砲手、装填手）。1941年10月に試作車体、1942年1月に試作車全体が完成し、テストを実施して改良を加え、量産初号車は1942年8月にロールアウトしている。この頃にはアメリカから戦車が供給されてオーストラリア第１機甲師団に十分な戦車が行き渡るようになったため、1943年7月までに66両が完成したところで生産打ち切りとなり、訓練にのみ使用された。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ＡＣ�U＞：AC�Tの駆動系を市販トラックのエンジンとギアボックスに換装したもの。1941年7月から設計されたが、駆動系の能力不足で重量を16-18トンに収めなければならず、装甲を減らす必要があり、9月にはAC�Tの開発に逆戻りした。参考：British and American tanks of World War Two

　＜ＡＣ�V＞：主砲を25ポンド砲に換装したタイプで、砲塔リング径を54インチ（1.37m）から64インチ（1.63m）に拡大、防楯も新型にした。車体機銃（と車体銃手）は外して弾薬スペースを増やしている。エンジンはクランクケースを共通にした新型に変更し、小型化した分を燃料タンクに充てた。全長20フィート９インチ（6.32m）、全幅９フィート１インチ（2.77m）、全高８フィート５インチ（2.56m）、戦闘重量62720ポンド（28.4トン）。主砲は25ポンド砲、副武装は.303ヴィッカーズ機銃１丁。装甲厚65-25mm。エンジンはペリエール−キャデラック・トリプル・エンジン（クランクケース共通。397馬力）、最大速度路上30マイル（48.3km）／路外20マイル（32.2km）、航続距離229マイル（368.5km）。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。1943年2月に試作車が完成してテストに入り、5月から生産する予定だったが、AC�Tの生産が打ち切られそうになっていて本車の必要性も乏しいとみられ、量産されずに終わった。試作車は1943年3月に主砲を25ポンド砲並列連装としている。また、サスペンションをトーションバーに変更する計画があり、ACシリーズの車体を使った試験車両１両が製作された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER5,’11

　＜ＡＣ�W＞：主砲を17ポンド砲に換装したタイプ。AC�Vで25ポンド砲連装搭載を試した結果、17ポンド砲でも行けそうだったため開発されたもので、発射反動は25ポンド砲２門斉射の方が17ポンド砲より20%多く、17ポンド砲に換装して射撃しても特に支障は無かった。1943年末にはテストを終えたが、AC�Vと同じく量産されなかった。参考：British and American tanks of World War Two

＜ＡＣ−１＞：DHC-4軽輸送機・海外ファミリーを参照。

＜ＡＣ／２＞：プラガ社が開発したエンジンで、ヘッツァーに搭載された。出力160馬力（回転数2800rpm）。参考：ジャーマンタンクス

＜ＡＣ３＞：S35（戦車）を参照。

＜ＡＣ−３＞：アメリカ海軍ジュピター級給炭艦ジュピター（Jupiter）。1913年就役。1919年6月、空母への改造が決定し、1920年3月からCV-1ラングレイに改造された。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ＡＣ３Ｇ＞：LR-TRIGAT（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＣ−４＞：アメリカ海軍ジュピター級給炭艦サイクロプス（Cyclops）。1910年竣工。1918年3月、マンガン鉱石を輸送中にバミューダの三角地帯で行方不明になった。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ＡＣ−９＞：アメリカ海軍プロテウス級給炭艦プロテウス（Proteus）。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ＡＣ−１０＞：アメリカ海軍プロテウス級給炭艦ネレウス（Nereus）。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ＡＣ一六型Ｇ＞：DB600海外シリーズ（エンジン）を参照。

＜ＡＣ２０Ｈ−Ｂ＞：自衛隊の周波数変換装置。ニシム電子工業製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＣ３０Ｈ−Ａ１２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＡＣ３０Ｈ−Ｂ＞：自衛隊の周波数変換装置。神鋼電機製。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＡＣ３０Ｈ−Ｂ−１２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＡＣ３０Ｈ−Ｂ−２２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所またはキーコム製。参考：月刊軍事研究7,’10、7,’15

＜ＡＣ３０Ｈ−Ｂ−２２２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＡＣ３０Ｎ−Ａ６−２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜ＡＣ４０Ｈ−Ｂ−１１１−１１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究4,’17

＜ＡＣ４０Ｈ−Ｂ−１２１−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＡＣ４０Ｈ−Ｂ−２１２−１２＞：自衛隊の周波数変換器。日新電装製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＡＣ−４７Ｄ＞：C-47輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−４７Ｔ＞：C-47輸送機・海外ファミリーを参照。

＜ＡＣ５０Ｈ−１２２−１１＞：自衛隊の周波数変換器。日新電装製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＡＣ５０Ｈ−Ｂ−１１１−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＣ５０Ｈ−Ｂ−１２１−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＣ５０Ｈ−Ｂ−１２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＣ５０Ｈ−Ｂ−２１２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所または明電舎製。参考：月刊軍事研究7,’10、2,’13

＜ＡＣ５０Ｈ−Ｂ−２２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所またはキーコムまたは日新電装製。参考：月刊軍事研究7,’10、7,’15、11,’16

＜ＡＣ５０Ｈ−Ｂ−２２２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。ニシム電子工業製。参考：月刊軍事研究6,’08

＜ＡＣ５０Ｎ−Ａ−３２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究11,’16

＜ＡＣ５０Ｎ−Ｂ−３２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ＡＣ−５４Ｄ＞：C-54ファミリー（飛行点検機）を参照。

＜ＡＣ７５Ｈ−Ｂ−１１１−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＡＣ７５Ｈ−Ｂ−１２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。山洋電気または三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究4,’08、2,’16

＜ＡＣ７５Ｈ−Ｂ−２１２−１１＞：自衛隊の周波数変換器。日新電装または三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究7,’10、6,’14

＜ＡＣ７５Ｈ−Ｂ−２２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＡＣ７５Ｎ−Ａ−３２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。富士電機製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ＡＣ７５Ｎ−Ｂ−２１−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＡＣ−９０＞：フィリピン海軍補給艦Mactan。参考：JShips Vol.20

＜ＡＣ−９５＞：ドイツGSG9のチタン製ヘルメット。防弾力は非常に高いが、重いので長時間の着用には向かず、一般兵士用としては採用されていない。参考：歴史群像10,’06

＜ＡＣ１００−Ｂ−１２２−１２＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＡＣ１００Ｈ−２２２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。キーコム製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＡＣ１００Ｈ−Ａ−２２２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。明電舎製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ＡＣ１００Ｈ−Ｂ＞：自衛隊の周波数変換装置。ニシム電子工業製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＣ１００Ｈ−Ｂ−１２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。三徳航空エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ＡＣ１００Ｈ−Ｂ−２１１−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ＡＣ１００Ｈ−Ｂ−２２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ＡＣ−１１９Ｇ＞：C-119輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１１９Ｋ＞：C-119輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１２３Ｋ＞：C-123輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ａ初期型＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ａサプライズ・パッケージ計画＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ａブラインド・バット＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ａペイブ・プロント改修＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ｅ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ｈ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ｊ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ｕ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ−１３０Ｗ＞：C-130輸送機ファミリーを参照。

＜ＡＣ１５０−Ａ−２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。明電舎製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＡＣ１５０Ｈ−Ｂ−２２２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。明電舎製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜ＡＣ１５０Ｎ−Ｄ−３２−２１＞：自衛隊の周波数変換装置。明電舎製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜ＡＣ２００−Ｐ＞：自衛隊の機器。緑屋電気または山洋電機製。参考：月刊軍事研究5,’12、9,’18

＜ＡＣ−２０８＞：C-208ファミリー（ガンシップ）を参照。

＜ＡＣ−２０８＞：ヨルダン空軍ISR機。UAEから無償供与を受けて配備した。胴体後部左にFLIRターレットを装備し、主翼下面にヘルファイア４発を積める。参考：月刊航空ファン5,’16

＜ＡＣ−２３５＞：CN-235輸送機・海外ファミリーを参照。

＜ＡＣ３００Ｎ−Ａ−１２−２２＞：自衛隊の機器。明電舎製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＡＣ３００Ｎ−Ａ−２２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。富士電機製。参考：月刊軍事研究6,’17

＜ＡＣ３００Ｎ−Ａ−２２−２２＞：自衛隊の機器。明電舎製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＡＣ３１３＞：Z-8ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＣ４００Ｎ−Ａ−１１−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。富士電機製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜ＡＣ５００Ｎ−Ａ１２−１１＞：自衛隊の周波数変換装置。日新電装製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ＡＣ５３２＞：Z-15（ヘリ）を参照。

＜ＡＣＡＰ＞：S-75（ヘリコプター）を参照。

＜ＡＣＡＳ＞：航空機衝突防止装置を参照。

＜ＡＣＢ＞：Advanced Capability Buildの略。アメリカ海軍艦載戦闘システム近代化改修能力向上計画のこと。COTSは進歩が速く製品寿命が短いので、それに対応するため２年ごとに戦闘システムを近代化するものである。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜ＡＣＣ＞：航空戦闘コマンドを参照。

＜ＡＣＣＳ＞：空中指揮管制飛行隊（Airborne Command and Control Squadron）の略。参考：月刊航空ファン9,’18

＜ＡＣＣＳ＞：NATOの航空指揮統制システム。複合航空作戦センター、航空管制センター、RAPプロダクションセンター、センサーフュージョンポストからなり、複合航空作戦センターと航空管制センターは前線展開も可能である。タレスレイセオン（タレス社とレイセオン社の合弁企業）が開発し、ミサイル防衛コンポーネントは2012年から、システム全体は2015年3月のイタリアを皮切りに運用された。2019年9月10日、NATOとタレスレイセオン及びレオナルドが協力強化の覚書を交わした。参考：月刊JWings12,’19

＜ＡＣＣＵＬＡＲ＞：イスラエル陸軍地対地ミサイル。口径120mmまたは160mm。射程40km。GPS誘導式で、CEP10m以下。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＡＣ／ＤＣトランスファー標準器＞：自衛隊の機器。フルーク製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ＡＣＤＳ＞：OYQ-12（戦術情報処理装置）またはOYQ-13（戦術情報処理装置）を参照。

＜ＡＣＤＳ＞：アメリカ海軍の艦載戦闘システムで、先進戦闘指揮システム（Advanced Combat Direction System）の略。対艦ミサイル飽和攻撃などに対応するため、NTDSと非イージス艦用戦闘指揮システムCDSを改良して1980年初期から開発された。自艦レーダーなどで探知したデータや、データリンクで送られたデータを高速処理して表示するシステムであり、対空戦のみならず対潜水艦戦やESMのデータにも対応していて、情報の表示だけでなく分析評価や指揮官意志決定に関与する。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、6,’04

　＜ＡＣＤＳブロック０＞：暫定システムで、NTDSのハードウェアを新型にしたもの。コンピュータはUYK-43を使用する。ディスプレイには敵や味方の位置関係、進行方向などが映し出され、作戦指揮官用文字ディスプレイには敵のデータや自艦センサー・兵器の作動状況などが表示される。既存の艦船もNTU（New Threat Update）が適用されてこのバージョンにアップグレードし、CVN-71セオドア・ルーズベルトを皮切りに1989年までに空母６隻、巡洋艦10隻、ミサイル駆逐艦２隻、強襲揚陸艦１隻に搭載された。参考：月刊軍事研究6,’04、6,’93別冊

　＜ＡＣＤＳブロック１レベル０＞：ACDSフルシステムの試行版。リンク16とも連接し、CECに対応している。UYK-43を指揮管制専用として追尾コンピュータを別に搭載しており、目標探知距離は４倍、目標追尾能力はNTDSの８倍に達する。指揮官に対しては取ることの出来る戦術も表示するようになった。1994年1月にCV-64コンステレーションに搭載され、夏まで試験を行った。参考：月刊世界の艦船10,’11、月刊軍事研究6,’04、6,’93別冊

　＜ＡＣＤＳブロック１レベル１＞：ACDSフルシステムで、後にSYQ20と呼ばれた。1995年春にCV-64コンステレーションに搭載されて試験が行われ、1997年にはCVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーも装備して1998年1月まで試験に供された。イージスシステムを搭載しない大型艦（空母、揚陸艦など）40隻に搭載される予定だったが、ソフトウェアのクラッシュが多かったのと、CECに対応できなかったため、実際には配備されず、空母や強襲揚陸艦にはSSDSが配備された。参考：月刊世界の艦船10,’11、月刊軍事研究6,’04

＜ＡＣＥ＞：機動的戦闘配置または適応サイクルエンジンを参照。

＜ＡＣＥ＞：Aviation Combat Element（航空戦エレメント、航空戦闘分隊）の略。アメリカ海兵隊MAGTFに海兵隊航空団が配属する飛行隊である。参考：月刊JWings9,’19、月刊航空ファン2,’17

＜ＡＣＥＳ�Uシリーズ＞：アメリカ軍の射出座席で、Advanced Concept Ejection Seat �Uの略。マクダネル・ダグラス社が開発し、1978年から導入した。21世紀に入ってさすがに古くなったのと、NVGやHMDを装着した状態で射出すると頸椎が折れて死ぬ危険があるため、ACES5に切り換える予定。参考：F-15イーグル、月刊JWings1,’20、6,’23

＜ＡＣＥＳ�U＞：ゼロゼロ射出が可能で、対気速度1100kmまで安全に脱出できる。頭当ての部分に安全装置があり、その下に頭を入れると射出可能になる。サバイバルキットは腰掛け前方部分に収容される。射出レバーを引くと0.3秒後までに座席下部のロケットに点火、0.45秒間燃焼して機体から離脱した後、0.55秒後（射出から1.3秒後）にパイロットが座席から離れ、その１秒後（射出から2.3秒後）にC-9パラシュートパックが開き、2.5-4.5秒後（射出から4.8-6.8秒後）に完全にパラシュートが開傘する。バックアップとして、手動での座席切り離しや開傘も可能。参考：F-15イーグル、ワイルドウエポン、月刊航空ファン9,’17

＜ＡＣＥＳ�U改＞：F-22搭載用。アクティブ式腕拘束システムにより、高速での脱出時に腕をケガしないようにした。また、脱出作動でのタイミングを改善している。参考：月刊JWings9,’05

＜ＡＣＥＳ５＞：アメリカ空軍の次世代射出座席。コリンズ・エアロスペース社が開発した。脱出の際は、両ラダーペダルから脚を離して座席に寄せる。すると足関節直上で足が固定されるので、両足の間にある黄色い射出ハンドルを引くと、まずキャノピーが吹き飛ぶ。重いHMDを装着した状態で高速飛行中に緊急脱出すると、風圧で首がねじ切れる恐れがあるので、ヘッドレスト両脇のバーが頭と首を前傾固定する。また、両腕も固定して負傷を防ぐ。次いでロケットが作動して座席がレールに沿って上方に射出される。射出後は一定高度に達すると（低高度では射出直後に）GR7000パラシュートが開いて減速、座席を切り離して着地する。高速・高々度射出の場合は、GR7000パラシュートが開くまでの姿勢安定と減速のため、ドローグ・シュート（Drogue Parachute）を開傘する。ACES�Uでは一部の整備であってもキャノピーを外して射出座席を丸ごと取り外す必要があったが、モジュラー構造を採用して座席の一部だけ外せるようにした。許容体重範囲103ポンド・46.7kgから245ポンド・108.9kg。B-2A爆撃機用向けに採用され、F-15戦闘機、F-16戦闘機、F-22A戦闘機、A-10C攻撃機、B-1B爆撃機、T-7A練習機にも搭載することになり、2019年10月2日に3018基を発注した。2023年から引き渡される予定。ただ2022年度の空軍運用試験評価局年次報告書で安全基準に達していないと指摘されていて、安全性試験をやり直す必要が出ている。参考：月刊JWings6,'23、1,’20、7,’23

＜ＡＣＦ＞：F-16シリーズ（戦闘機）を参照。

＜ＡＣＨ＞：アメリカ陸軍のヘルメットで、Army Combat Helmetの略。アーマーソースLLC社製で、PASGTヘルメットの後継として2000年頃に採用された。ベースは特殊部隊用のMICHヘルメットで、PASGTヘルメットよりも耳の部分を大きく張り出し、小型無線機を装着したまま被れるようにしてある。2010年のサンプルテストで基準を満たさないものが発見され、供給された120万個中４万４千個がリコールされることになった。参考：歴史群像10,’06、月刊軍事研究12,’10

＜ＡＣＨ−４７Ａ＞：CH-47ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＣＩＥＳ＞：陸上自衛隊の将来歩兵戦闘システムで、Advanced Combat Informational Ewuipment System（先進個人装備システム）の略。隊員装具をシステム化し、各種情報を無線ネットワークにより隊員間で共有、部隊全体の戦闘行動を迅速化・効率化する。参考：月刊軍事研究3,’08、4,’09

＜ＡＣＩＥＳフェーズ�T＞：2007年度防衛省技術シンポジウムで発表され、その際プログラム案内に「ガンダムの実現に向けて」と記載されていたため話題になったが、別に戦闘用巨大ロボットを開発している訳ではない。ただガンダムは歩兵科に所属する機動強化歩兵なので、その意味では擦ってはいる。先進技術推進センターの要項では「HMD、身体装着型コンピュータ等の電子・情報器材と防弾装備等を統合化し、各種戦場情報を隊員及び指揮所において視覚的に共有することで、隊員の戦闘能力を飛躍的に向上させることができる将来の先進個人装備システム」となっている。試作品ではシステムの80%が民生品で構成されており、2008年以降に納入されるフェーズ２では更に民生品比率を上げて安価に仕上げる。ヘルメットは88式鉄帽に類似しているが、新開発のもので、頸椎保護パットが追加された。ヘルメットには37万画素の映像を撮影できるCIS社製DCC-3355動画カラーオンボードカメラを装着し、メルコ社製無線LANアンテナを立てる。HMDは島津製作所製DATAGLASSで、48万画素の画面に各種情報を表示する。ボディアーマーも新型で、脇の部分を開閉して着脱するようになっており、前後面に多数のアクセサリーを装備することが可能。股間部を守るグローイン・プロテクター及び首を守る独立式カラー・プロテクターも追加されている。重量は7kgで、SAPIプレート（前後面に１枚ずつ挿入。１枚当たり重量2kg）を入れれば7.62mm小銃弾を防御することも可能となる。小銃は89式小銃カービン型の予定で、伸縮式銃床を持ち、ピカティニー軌条を４面に備える。小銃には日本アビオニクス社製赤外線カメラ及び日本ビクター製家庭用ビデオカメラを装着、HMDにビデオ映像を映すことで目標を直接視認せずに射撃が行える。最大照射距離50m、有効照射距離20-30mの赤外線照射装置を装備する。UGXからの画像受信にはRFシステム社製の受信器を使用する。OSとしてウィンドウズXP Embeddedを使用した小型コンピュータを背負い、トラックボールにより操作を行う。通信は次世代近接戦闘情報共有システムと呼ばれる小型UHF・VHF無線機で行い、UHF無線機用アンテナはヘルメット及び腕部に、VHF無線機用アンテナは腕部及び脚部に装着する。重量はUHF無線機が330g、VHF無線機が260gで、更に軽量化を予定している。また、通信局が破壊されても隊員同士の通信を維持できるアドホックネットワークも研究中である。バッテリーはエナックス社製のリチウムイオン電池。参考：月刊軍事研究3,’08、2,’13

＜ＡＣＩＥＳフェーズ�U＞：2008年11月11-12日にグランドヒル市ヶ谷で開催された防衛技術シンポジウム2008で公表された改良型。ヘルメットのデザインが変更され、向かって右にあるHMDを30万画素の接眼式に変更、向かって左にハードケース収容赤外線照射ライト一体型CCDカメラを装着し、ヘルメット後部に送受信半径30mの無線LANアンテナを立てヘルメット内に音声マイクと骨伝導型ヘッドホンを一体化した無線機を内蔵した。電子機器はドライバーなどで外すことが出来、ヘルメットのみで装着することも可能である。中には衝撃吸収パッドが装着されているが、マジックテープ止めなので、装着者の頭の形に合わせて調節できる。ストラップは４点式である。防御力は当初9mm拳銃弾防御とされていたが、軽量化を重視して弾片防御程度に減らされる。夜間暗視装置として、2007年度末に試作品を製作したパッシブ式小型非冷却赤外線カメラ（42×43×56mm、重量70.3g、解像度２万画素、人間識別可能距離100-200m。単三アルカリ電池４本で8-10時間作動）の装備も考えられている。ボディアーマー（日立製作所製）は先進装備システム電子化防弾チョッキと呼ばれるもので、脇の部分で前後を留めて着用するタイプであり、前面には各種アクセサリーを装着でき、背部はコンピュータを内蔵するため盛り上がっている。首周りを防御するカーラープロテクターは本体に一体化され、股を防御するグローイン・プロテクターは除去された。防御力は9mm弾防御のアメリカ国家司法省NIJ規格レベル�Vだが、防弾プレートを入れると5.56mmライフル弾（弾速毎秒860m）に耐えられるレベル�Wとなる。ボディアーマー両脇にはコンピュータ制御用中継ボックスとHMD画像切り替えコントローラー（右脇）、カメラ切り替えスイッチ・音声スイッチ・マイクスイッチ（左脇）が装着されており、背部には強化素材製バックパックに収容された制御用コンピュータとエコナック社製リチウムイオン電池が内蔵される。連続駆動時間は2-2.5時間だが、バッテリーは５本並列に繋いであるので、１本ずつ使えば長持ちする。ただバッテリーが配線の奥に配置されているので、後方に送らないと交換が難しい。また、発熱が凄まじいらしい。OSはWindows XP Embeddedのままだが、各種機器を抜き差しする際にいちいちOSを再起動する必要が無くなった。重量はヘルメットを入れると防弾プレート無しでも12kg以上、有りで16kgあるが、荷重が分散するよう設計されているのでそれほど重さは感じないという。小銃は89式小銃カービン型で、銃身を200mmほど切り詰めてピカティニーレールを取り付け、フォアグリップにコンピュータ制御用のトラックボール及びボタンを装備、機関部上部に保護カバー付きのNEC製赤外線カメラ（レンジ25mと100mの切り替え式）を搭載し、セレクターをセーフ、セミオート、フルオートの３種として表示をアタレの文字から弾丸のイラスト形式に変更している。弾倉は強化プラスチック製になった。基本設計は89式小銃と変化が無いため、部品交換でカービンにすることが可能。銃床は固定式、伸縮式、折り畳み式の３種類を試験中である。隊員の位置情報やカメラの映像情報は次世代近接戦闘情報共有システムと呼ばれるモバイルアドホックネットワーク（固定基地局が無く、移動端末のみで構成されるネットワーク）で共有され、隊員自身が通信中継器となることにより、壁などの遮蔽物で通信電波が直接届かなくなっても、迂回経路を構築して通信を保つことができる。隊員はUHF無線機（重量330g）とVHF無線機（重量260g）を１台ずつ携帯し、UHFアンテナを頭と腕に、VHFアンテナを脚と腕に１本ずつ装着する。アンテナを分散したのは機能性を高める（ベストと一体化すると体を動かしにくくなる）ためと、混信を防ぐためである。無線機の連続駆動時間は８時間。画像・音声や、地図とGPSから割り出した隊員の位置データなどは、H264方式で圧縮されて送信されるが、解凍の手間も加算すると受信者側では２秒程度のタイムラグが生じる。個人用偵察機材として携帯型小型情報収集機材を使用する。2008年11月に５セットが納入され、2009年5月から東富士演習場で野戦検証が行われ、9月からは東富士演習場市街地訓練施設と千歳基地で運用実験が行われている。参考：月刊軍事研究4,’09、2,’10、3,’10

＜ＡＣＩＥＳフェーズ�V＞：2010年春−夏頃から開発した改良型で、防衛技術シンポジウム2012で展示された。統合ヘルメット（鉄帽、HMD、暗視装置、音響機器、防護マスクからなる）、統合装具（ショルダーアーマー付き防弾チョッキ、胸部・背部防弾板、モジュール型防弾板、電子器材収納ベスト、情報処理部表示器、電源部、情報処理部処理器、無線端末部（�T）、無線端末部（�U）、バイタルセンサ）、小銃（入力装置、画像センサ、ホロサイト、ターゲットロケータ）、付属品（冷却用衣類、ゴーグル、冷却器、赤外線偽装シートなど）で構成される。防弾チョッキ胸部にタブレット端末、腹部に弾倉４本を収容することが可能。防弾チョッキにはクイックリリース機能が付いており、ワイヤーを引くとフラックジャケット以外の防弾プレート、電子機器、弾倉などが全て外れるため、最小限の防弾能力を保ちつつ後送や応急手当が行える。データ表示器は小型感圧式タッチパネルとなり、OSにはLinux、アプリケーションにはノキア社製QTが使用されている。各種電子機器はブルートゥースにより無線リンクされていて、ACIES�Uまでの接続用ケーブルを省略、軽量化が可能となった。連続稼働時間は計画値で８時間だが、実際には10時間くらい使えるようだ。ターゲットロケータはスタイリッシュな箱形双眼鏡のような外見をしており、GPSの自己位置情報とレーザー測距器で測定した距離情報から割り出した目標推定位置を、各隊員と指揮所にリアルタイム送信する。また、赤外線暗視装置も備えており、人間なら500m、車両なら1000m先まで映し出せる。無線端末機（�T）は小隊長・分隊長用で、通信能力1km。無線端末機（�U）は隊員間での画像データ通信などに使用するもので、通信距離500m。小隊長や分隊長の指示を電子メールで送信し、データ表示器で受信することができるため、声を立てずに作戦行動を行うことができる。総重量15kg（小銃抜き）／30kg（フル装備）。2011年に25セットが導入され、隊員が実際に装着して運用実証試験に供されている。タブレット端末の操作性が悪く、周囲警戒や戦闘など他の作業が出来なくなるという欠点があり、ウェアラブル端末への更新を検討中。参考：月刊軍事研究3,’13、11,’12、12,’12、2,’10、5,’15、月刊JWings2,’13

＜ＡＣＪ＞：エアバス社のビジネス機で、Airbus Corporate Jetlinerの略。1996年からボーイング社が開発したビジネス機BBJシリーズに対抗して1997年に計画を発表したもので、エアバスA319をベースに航続距離を延長、キャビン内装をオーダーメイドとしている。初号機はA320シリーズ913号機を改造した型式名A319-132で、1998年11月12日に初飛行し、12月31日にスイスのジェット・アビエーションに移されて内装を改修、1999年8月にJAAの形式証明を取得し、10月30日にクウェートのモハメッド・アブダルモシン・アル・カラフィ（の運航を担当するツインジェット）に引き渡された。2002年10月にFAAの形式証明も取得している。全長33.84m、全幅34.1m、全高11.76m、運航自重40.37トン、総重量75.5トン。翼面積122.6平方メートル。エンジンはIAE製V2524-A5またはCFMインターナショナル製CFM56-5A（推力11.1トン）双発、巡航速度マッハ0.82、実用上昇限度12.5トン、航続距離10136km（ペイロード最大）。乗員２名。A319だけでなくA318、A320、A380など各種エアバス社製旅客機のACJバージョンが用意されており、A318エリート、A319CJ、A320プレステージはそれぞれの旅客機型と共通資格で操縦できる。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＣＪ３１９ｎｅｏ＞：ACJ320neoの短胴型。航続距離6750海里・12500km（乗客８名）。参考：月刊航空ファン4,’19

　＜ＡＣＪ３２０ｎｅｏ＞：A320neoのコーポレート・ジェット版。航続距離6000海里・11100km（乗客25名）。初号機はイギリスのアクロポリス・アビエーション向けで、2019年1月17日に納入された。参考：月刊航空ファン4,’19

＜ＡＣＪファミリー＞

　＜ＡＣＪ３５０−９００ＸＷＢ（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍政府専用機。A340-330の後継として2019年に３機を発注した。内装はEasyfit仕様。航続距離11100海里・20550km、航続時間22時間。搭乗員25名。2020年に１機、2022年に２機を配備予定。参考：月刊航空ファン8,’19

＜ＡＣＫ＞：自動針路保持装置（Automatic Course Keeping controller）の略。参考：現代の潜水艦

＜ＡＣＬ＞：許容ペイロードを参照。

＜ＡＣＬ＞：アメリカ軍が設定している無人機の自律飛行能力レベルで、Autonomous Control Levelの略。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル１＞：人間が遠隔操縦しないと飛べない。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル２＞：機体の状態をリアルタイムで把握し、事前設定に基づいて自律対処できる。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル３＞：機体の異常や飛行条件の変化を把握し、自律対処できる。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル４＞：飛行経路の変更や再設定を自律で行える。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル５＞：複数の機体が相互に認識しつつ自律して編隊飛行や群れでの行動ができる。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル６＞：目標の変化に応じた飛行経路・目標変更などを自律編隊で行える。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル７＞：自律編隊として戦闘任務などを行える。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル８＞：複数の自律編隊が任務に応じて飛行できる。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル９＞：複数の自律編隊が戦略的任務を行える。参考：月刊軍事研究10,’18

　＜レベル１０＞：有人機と完全に同じ事ができる。参考：月刊軍事研究10,’18

＜ＡＣＬ−２＞：カーゴローダーを参照。

＜ＡＣＬ−ＡＰＸ＞：フランスの80mm滑腔無反動砲。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ＡＣＬＳ＞：AN/SPN-42（レーダー）またはAN/SPN-46(V)レーダーを参照。

＜ＡＣＭ＞：AGM-129シリーズ（ミサイル）またはアフガニスタン従軍章（アメリカ陸軍）または同盟調整メカニズムを参照。

＜ＡＣＭＥ＞：セレックス・ガリレオ社が開発したUGVキット、Automated Computerised Mobility Equipment。既存の車両に取り付けて遠隔操縦可能にするものである。参考：月刊丸12,’11

＜ＡＣＭＩシステム＞：キュービック社が開発した空戦訓練支援システムで、Air Combat Maneuvering Instrumentation（空中戦機動計測）システムの略。航空機がサイドワインダー用ランチャーに携行する細い棒のようなAISポッドから発信される電波を追跡計測サブシステム（TIS）タワーで受信・記録し、訓練時の機動をコンピュータ画面上で三次元再生する。TISタワーを死角無くあちこちに配置する必要があり（洋上ならブイで海面に浮かべる）、システムが大がかりなため、限られた場所にしか設置できないのが欠点で、ACT-Rポッドが開発された。参考：月刊JWings2,’14、3,’03、3,’09

＜ＡＣＭＩ搭載用ＬＡＵ−１２８ランチャアダプタ＞：自衛隊の機器。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＡＣＭＳ＞：イギリス海軍アスチュート級原潜の戦闘システムで、アスチュート戦闘管理システム（Astute Combat Management System）の略。トラファルガー級のSMCSに指揮支援システムとワークステーションを追加、プロセッサを強化し、オープン・アーキテクチャを採用した。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ＡＣＭＳ＞：シンガポール軍が開発中の将来歩兵システムで、STキネティック社が製作する。都市戦を重視しており、SAR21小銃をベースとした歩兵用ライフルに小型カラーディスプレイを付けて物陰から撃てるようにしたり、個人用小型UAV/UGVを運用できるようにしたりする予定。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ＡＣＲ計画＞：アメリカ陸軍の小銃開発計画で、ACRはAdvanced Combat Rifleの略。M16の後継として1982年に開始した。複合材やプラスチックを多用するなどして軽量化すること、潤滑油を省くなどメンテナンスを容易にすること、銃身を短縮して専用弾を開発するなど未熟な射手でも威力を発揮できることが条件とされ、他の小火器と弾薬を共通化する必要は無いとした。ヘッケラー＆コッホ、コルト、シュタイア・マンリッヒャー、AAIの４社が試作して1989年4月に試射が実施された。参考：月刊丸3,’90

　＜ＡＣＲ（コルト社）＞：マズルブレーキと緩衝装置により、M16A1に比べて反動を40%軽減しており、射手の体格に応じて６段階に調節できる折り畳み式銃床を持つ。使用弾はM855の他、重量2.26gの先頭弾丸と重量2.16gの追尾弾丸からなるデュプレックス銃弾を使用でき、追尾弾丸は照準点から少しずれて着弾するようになっている。口径5.56mm、全長933mm、重量3.3kg。初速毎秒948m（M855）／844m（デュプレックス）、有効射程300m。セミオートとフルオートの切り替えが可能。参考：月刊丸3,’90

　＜ＡＣＲ（シュタイア・マンリッヒャー社）＞：本体は複合材を多用して軽量化しており、全体に丸みを帯びていて、肩付け射撃の際に楽である。使用弾は高速フレシェット弾で、直径10mm、長さ46mmの薬莢に、直径1.5mm、長さ41mmのフレシェットを４分割サボーを付けて填め込んである。口径5.56mm、全長765mm、重量3.2kg。セミオートと３点バーストの切り替えが可能。初速毎秒1494m。参考：月刊丸3,’90

＜ＡＣＲ−２＞：アメリカ海軍装甲巡洋艦ニューヨーク（New York）、後にサラトガ（Saratoga）。1898年7月、米西戦争サンチャゴ・デ・キューバ海戦に参加。後にCA-2ロチェスターに改称された。参考：月刊世界の艦船10,’19

＜ＡＣＲ−６＞：アメリカ海軍装甲巡洋艦カリフォルニア（California）、後にサン・ディエゴ（San Diego）。1915年1月21日、全速航行試験で主缶事故が発生した。フィリピン出身のテレスフォロ・トリニダド水兵が負傷しつつも他の乗員の救出にあたり、名誉勲章を受章している。参考：月刊世界の艦船4,’20、8,’22

＜ＡＣＲＶ−Ｍ１９７４＞：MT-LBu（装甲車）を参照。

＜ＡＣＳ＞：Agile Combat Support（迅速戦闘支援）またはイージス戦闘システム（Aegis Combat System）の略。参考：月刊航空ファン7,’18

＜ＡＣＳＡ＞：物品役務相互提供協定を参照。

＜ＡＣＳＣ＞：アメリカ海軍が開発中の強襲揚陸艦用航空機回収クレーンAmphibious Crash and Salvage Crane。A/S32A-36A及びA.S32A-53の後継で、飛行甲板上で動けなくなった艦上機を回収して移動させる。参考：月刊航空ファン10,’19

＜ＡＣＳＶ＞：戦闘支援車両を参照。

＜ＡＣＳＷ＞：XM307（自動てき弾発射機）を参照。

＜ＡＣＴ＞：Active Control Technology、アクティブ・コントロール技術。高度な自動操縦装置・機体制御装置により、航空機の機体特性（安定性など）を積極的かつ自由に変化させ、パイロットが望んだ通りの航空機の運動を実現させる技術のこと。飛行荷重の分布を変化させることにより、強度部材に加わる力を低減し、疲労寿命を延長させることもできる。当初は機体の安全性向上を図って導入された技術で、操縦性改善、飛行性能強化、飛行荷重低減、フラッター制御などにも応用されるようになった。安定性増強装置（SAS）、制御増強（CA）、静安定緩和（RSS）、直接揚力制御（DLC）、直接横力制御（DSC）、機動荷重制御（MLC）、突風応答低減（GLA）／乗り心地向上（RQI）、フラッターモード制御（FMC）がある。B-47爆撃機シリーズには早くも主翼変形から生じる不安定現象を安定性増強装置により抑制するACTが使用されている。参考：航空用語事典増補改訂版、日本の防衛戦力Part8、月刊丸6,’03

＜ＡＣＴＡＳ＞：LFTAS（ソナー）を参照。

＜ＡＣＴＡＳＳ＞：ドイツのアトラス社が開発中の曳航式ソナーアレイ。50mのケーブルで曳航され、周波数1-2kHzの低周波音源を持つ。参考：月刊防衛技術ジャーナル10,’06

＜ＡＣ−ＴＥＳＣ＞：Armoured Combat-Training Evaluation Support Centerの略で、通称テスク。バトラーの情報や、演習場各所のモニターカメラの映像を映し出し、戦況変化の確認やそれに応じた指揮が行われる。参考：月刊JWings7,’01

＜ＡＣＴ−Ｒ＞：レンジレス空戦訓練システムの略。ACMIシステムは専用の訓練場でないと使えないので、空戦機動記録装置（ACT-Rポッド）を空戦訓練機に取り付けて訓練中の機動を記録し、基地に帰ってからポッドを回収してコンピュータ上に訓練の様子を再現するようにしたものである。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＣＴＵＶ＞：DARPAが開発した潜水艦探知用トリマランUSVで、Anti-submarine warfare Continuous Trail Unmanned Vessel（対潜連続追跡無人艇）の略。レイセオン社製MS3アクティブ・パッシブソナーを搭載し、潜水艦の探知追尾を行う。攻撃は有人プラットフォームに任せる。自身が雷撃を受けた際に備え、魚雷探知警報装置も装備する。2011年1月に概念実証契約が発注され、SAIC社がデモンストレーターを作ることになったが、その後のSAIC社の事業見直しに伴い、レイドス社が引き継いだ。2016年1月に進水し、4月7日に名称をシー・ハンターに変更して開発を継続中。参考：月刊軍事研究3,’15、2,’14、7,’16、2,’17

＜ＡＣＴ−Ｖ＞：DARPAのACT計画の一環として、DARPAとアメリカ空軍研究所が共同開発している多機能アンテナ・アレイで、Arrays at Commercial Timescales integration and Validationの略。アクティブ・フェイズド・アレイ技術により、多機能レーダーだけでなく電子戦や通信の機能も一纏めにしてある。ノースロップ・グラマン社が開発し、2021年8月にアメリカ海軍に納入した。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜ＡＣＵ＞：アメリカ陸軍の迷彩服で、Army Combat Uniformの略。BDUの後継で、2005年2月から支給した。ジャケット、ズボン、シャツ、パトロールキャップ、コンバットブーツなどからなり、森林から砂漠に市街地までを１種類でカバーできるように彩色されており、BDUよりも遊びが少なく、ボタンの代わりにファスナーとベルクロを多用している。迷彩パターンはデジタルドット。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜ＡＣＶ＞：装甲戦闘車を参照。

＜ＡＣＶシリーズ＞：アメリカ海兵隊の水陸両用戦闘車（Amphibious Combat Vehicle）。EFVの代替だがAAVP7A1の後継ではなく、強襲上陸作戦兵力10個歩兵大隊のうち４個しかAAVP7A1で輸送できないので、残る６個歩兵大隊に配備して輸送能力を補完するものである。2020年11月にIOCを達成して量産型の配備を開始、BAE社では全規模量産に入った。参考：月刊軍事研究9,’13、5,’13、5,’15、3,’16、5,'16、月刊丸3,’13、朝雲

　＜ＡＣＶレベル１＞：MPCとして計画されていた８×８輪装輪装甲車型。要求は全長8-9m、全幅3.5mくらい、全高3mくらい。上陸地点３マイル沖から発進して6-7ノットで自力航行する。兵装は12.7mm遠隔操作銃塔。乗員３名＋乗車兵員10名。価格400-750万ドル。装甲兵員輸送車型に加え、指揮通信車や回収車も作る。ADVS社、BAEシステムズ社（IVECO社製スーパーAVベース）、ジェネラル・ダイナミクス社、ロッキード・マーチン社（ハボックAMV）、SAIC社（STキネティック社製テレックス２ベース）が応募し、2015年10月24日にBAEシステムズ社とSAIC社が選ばれ、試作車を作ることになった。BAEシステムズ社は2016年12月13日、SAIC社は2017年2月21日に試作車を国防総省へ納入し、BAEシステムズ社が採用された。2019会計年度予算要求でLRIP（ACV1.1）30両分の調達費が計上されており、2020年から計204両を配備予定。参考：月刊軍事研究5,’16、1,’19、月刊PANZER4・5,’17、月刊世界の艦船5,’18

　＜ＡＣＶ１．１＞：ACVレベル１のLRIP型。BAEシステムズ社とイヴェコ社がスーパーAVをベースに開発した。AAV-7よりちょっと大きいが、ウェル・ドックへの収容数は同じ。2020年のAAV-7沈没事故を受け、洋上脱出法を改良した。全長9.2m（8m？）、全幅3m、全高2.8m、全備重量30トン。路上最大速度89km（100km？）、水上最大速力８ノット・15km（11km？）、陸上航続距離400km以上（洋上22km航行後）。貨物搭載量3.3トン。乗員３名＋搭乗兵員13名。参考：朝雲、月刊世界の艦船12,’23

　＜ＡＣＶレベル２＞：装軌装甲車型。海兵隊１個分隊17名を乗せて沖合12海里の揚陸艦から海岸に向けて発進、有義波高0.3mの海上を速力10ノットで自力航行して水陸両用作戦を敢行し（速力を落とせば有義波高0.9mまで作戦可能）、陸上ではM-1戦車に随伴して進撃する。陸上と海上の双方で運用できる指揮統制システムを搭載し、敵歩兵・軽量戦闘車両を駆逐できる兵装（最低ラインは安定化機銃）と、地雷やIEDに耐える防御力を持つ。全長9m以下、全備重量31.75トン以下。路上最大速度72km、水上最大速力15-18.5km、航続距離海上22km＋陸上320km。武装は機関砲または遠隔操作機銃。乗員３名＋乗車兵員17名（１個分隊）。2020-22年から生産し、573両を配備予定。指揮車型や回収車型といったバリエーション車両も製作する。開発に時間と金がかかりそうなので、計画が中断されており、取り敢えずAAVP7A1RAM/RSの一部にSUP改修を施す予定。参考：月刊軍事研究5,’16、9,’13、5,’13、5,’15、3,’16、月刊丸3,’13

＜ＡＣＶ＞：トルコの装甲戦闘車両。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ＡＣＶファミリー＞

＜ＡＣＶ−ＡＦＯＶ＞：UAEがトルコのFNSSディフェンス・システムズ社に発注した砲兵前進観測専用車両。熱線暗視装置、レーザー測距器、監視レーダーなどをマストに搭載する。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ＡＣＶ−ＥＮＧ＞：UAEがトルコのFNSSディフェンス・システムズ社に発注した工兵班車両。水陸両用で、自衛用に12.7mm重機関銃M2、発煙弾発射機を搭載する。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ヘルファイアＡＴＷＧ＞：ACVの改良型であるACV-NGの車体に、AGM-114対戦車ミサイル連装発射機を左右に１基ずつ搭載した有人ターレットMHTSを搭載したもの。ターレットは動力旋回式で、俯仰角はマイナス10度からプラス20度。参考：月刊軍事研究2,’00

＜ＡＣＶ−１＞：アメリカ海軍ロング・アイランド級補助空母ロング・アイランド（Long Island）。AVG-1が1942年8月20日に艦種変更されたものである。同年後半からは練習空母として使用された。1942年8月からガダルカナル島ヘンダーソン飛行場への航空機輸送任務に就き、アメリカ海兵隊F4F艦戦19機とSBD艦爆12機を送り込んだ。1943年7月15日、CVE-1に艦種記号が変更された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、護衛空母入門

＜ＡＣＶ−９＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母ボーグ（Bogue。禁断症状）。1942年竣工。1943年7月15日、CVE-9に艦種記号が変更された。1944年6月25日、大西洋のビスケー湾で艦上機により伊52潜水艦を撃沈した。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＣＶ−１１＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母カード（Card。麻薬１回分）。1942年竣工。1943年7月15日、CVE-11に艦種記号が変更された。1970年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−１２＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母コパヒー（Copahee）。1942年竣工。9月1-23日、VMF-121のF4F-4戦闘機をサンディエゴからニューカレドニア島ヌーメアまで輸送した。1943年7月15日、CVE-12に艦種記号が変更された。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊航空ファン4,’17

＜ＡＣＶ−１３＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母コア（Core）。1942年5月進水、12月10日竣工・就役。1943年7月15日、CVE-13に艦種記号が変更された。11月、前部マストにSKレーダーを装備しており、対空兵装は40mm機関砲20門と20mm機関砲27門で、搭載機はF4F艦戦６機とTBF艦攻12機だった。1946年10月4日退役。1970年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、10,'22、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊丸8,’95

＜ＡＣＶ−１５＞：トルコ陸軍装軌式装甲兵員輸送車。FNSS社が生産している。下部転輪は片側５組。戦闘重量14-15トン。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＡＣＶ−１６＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母ナッソー（Nassau。アメリカの地名）。1942年竣工。1943年7月15日、CVE-16に艦種記号が変更された。1944年1月、マーシャル諸島攻略フリント・ロック作戦に参加。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−１８＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母アルタマハ（Altamaha。アメリカの地名）。1942年竣工。1943年7月15日、CVE-18に艦種記号が変更された。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−１９＞：トルコのFNSS社が開発した装軌式装甲兵員輸送車。ACV-15の拡大型で、車体を延長して下部転輪を片側６組に増やした。戦闘重量18-19トン。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＡＣＶ−２０＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母バーンズ（Barnes）。1943年竣工。7月15日、CVE-20に艦種記号が変更された。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−２１＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母ブロック・アイランド（Block Island）。1943年竣工。7月15日、CVE-21に艦種記号が変更された。1944年4月22日、第21.11任務部隊旗艦としてノーフォークを出港、カーボベルデ諸島に向かった。4月29日、カーボベルデ諸島付近で哨戒活動を開始。5月1日、カーボベルデ諸島の西550海里にＵボートがいるという情報を第10艦隊から得て艦上機による攻撃を実施。5月5日夜、5000ヤード（4572m）先にＵボートらしき影を捉えたが、間も無く失探した。5月6日0216、艦上機がＵボートをレーダーで探知。DE-51バックレイを誘導して撃沈させた。5月29日、カナリア諸島沖でドイツ海軍ＵボートU549の雷撃を受けて戦没した。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、ナチスＵボート

＜ＡＣＶ−２３＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母ブレトン（Breton）。1943年竣工。7月15日、CVE-23に艦種記号が変更された。1971年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−２５＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母クロアタン（Croatan）。1943年竣工。7月15日、CVE-25に艦種記号が変更された。1970年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−２６＞：アメリカ海軍サンガモン級護衛空母サンガモン（Sangamon。アメリカの川）。元はシマロン級給油艦AO-28サンガモンで、護衛空母への改造が決定して1942年2月に航空機搭載護衛艦AVG-26となり、艦種記号が変わってACV-26サンガモンとして1942年8月25日に竣工した。1943年7月15日、CVE-26に艦種記号が変更された。1944年10月19日、爆撃を受けて損傷した。10月24日、比島沖海戦に参加。11月25日、特攻機１機が命中して中破し、後方に下がって修理を受けた。1945年3月、F6F艦戦24機、TBM艦攻６機を搭載して沖縄戦に参加。5月4日、沖縄付近で菊水５号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。1945年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸8,’95、護衛空母入門、比島決戦

＜ＡＣＶ−２７＞：アメリカ海軍サンガモン級護衛空母スワニー（Suwanee。アメリカの川）。1942年に給油艦から改造された。1943年7月15日、CVE-27に艦種記号が変更された。1944年6月19日、サイパン南東方で艦上機により伊184潜水艦を撃沈した。10月10日からレイテ島上陸支援マスケーター作戦に参加。搭載機はF6F艦戦22機とTBM艦攻９機だった。10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日、特攻機１機が命中して損傷した。10月26日、スリガオ南東で大和隊の特攻を前部エレベーター付近に受けて大破し、真珠湾に回航された。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、特別攻撃隊、第２次大戦日本海軍作戦年誌、護衛空母入門、比島決戦

＜ＡＣＶ−２８＞：アメリカ海軍サンガモン級護衛空母３番艦シェナンゴ（Chenango。アメリカの川）。元はシマロン級給油艦AO-31で、護衛空母に改造され、1942年9月19日に就役した。11月、北アフリカ上陸作戦に参加。1943年1月、太平洋方面に回され、F4F艦戦18機とTBF艦攻15機を搭載してソロモン戦線で活動した。7月15日、CVE-28に艦種記号が変更された。11946年8月14日退役。959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、10,'22、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊丸8,’95、護衛空母入門

＜ＡＣＶ−２９＞：アメリカ海軍サンガモン級護衛空母サンティー（Santee）。給油艦から改造され、1942年8月24日に竣工した。11月、北アフリカ上陸作戦に参加。1943年1月、太平洋方面に回され、F4F艦戦11機、SBD艦爆８機、TBF艦攻10機を搭載してソロモン戦線で活動した。7月15日、CVE-29に艦種記号が変更された。1944年10月24日、比島沖海戦に参加。10月25日0740、レイテ湾で菊水隊の特攻を受け、前部エレベーター付近の飛行甲板に長さ9m・幅4mの破孔を生じた。同日、伊56の雷撃を受けて損傷した。真珠湾に回航されて修理を受けている。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、特別攻撃隊、第２次大戦日本海軍作戦年誌、護衛空母入門、比島決戦

＜ＡＣＶ−３０＞：AVG-30（護衛空母）を参照。

＜ＡＣＶ−３０＞：トルコのFNSS社が開発した装甲兵員輸送車。装甲レベルは全周でレベル４、耐地雷でレベル2a。全長7.07m、全幅3.9m、戦闘重量29.5トン。エンジン出力600馬力。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＡＣＶ−３１＞：アメリカ海軍ボーグ級護衛空母プリンス・ウィリアム（Prince William）。1943年竣工。7月15日、CVE-31に艦種記号が変更された。1959年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−５５＞：アメリカ海軍カサブランカ級護衛空母カサブランカ（Casablanca）。1943年4月5日進水、7月8日竣工。7月15日、CVE-55に艦種記号が変更された。1946年に除籍された。参考：月刊世界の艦船6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ−５６＞：アメリカ海軍カサブランカ級護衛空母リスカム・ベイ（Liscome Bay）。1943年竣工。1943年7月15日、CVE-56に艦種記号が変更された。11月24日、ギルバート付近で伊175の雷撃を受け、航空機用弾薬庫が誘爆して轟沈した。参考：月刊世界の艦船6,’17、10,'22、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＣＶ−５７＞：アメリカ海軍カサブランカ級護衛空母コーラル・シー（Coral Sea、初代）。1943年4月3日進水、同年竣工。1943年7月15日、CVE-57に艦種記号が変更された。1944年1月、マーシャル諸島攻略フリント・ロック作戦に参加。9月、アンツィオ（Anzio）に改称された。1944年11月18日、フィリピンの東において、DE-415ローレンス・Ｃ・テイラーと共同で艦上機により伊41潜水艦を撃沈した。1945年2月27日、硫黄島付近で艦上機により伊368潜水艦と呂43潜水艦を撃沈した。5月30日、沖縄東方で艦上機により伊361潜水艦を撃沈した。1959年に除籍された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船6,’17、4,’13、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＣＶ３００シリーズ＞：マレーシア陸軍装甲兵員輸送車、別名Adnan。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＣＶ３００装甲兵員輸送車＞：

　＜ＡＣＶ３００歩兵戦闘車＞：主兵装は25mm機関砲ブッシュマスター。

　＜ＡＣＶ３００Ａｄｎａｎ　ＡＧＬ歩兵戦闘車＞：

＜ＡＣＶ３００ファミリー＞

　＜ＡＣＶ３００−Ｓ＞：81mm自走迫撃砲型。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＣＶ３００自走対戦車ミサイル＞：自走対戦車ミサイルで、バクタル・シカン対戦車ミサイルを装備する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＣＶ３００装甲回収車＞：装甲回収車型。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＣＶ−Ｓ＞：トルコのFNSSが開発した歩兵戦闘車。AIFVの改良型で、車体を延長して車内容積を増やし、機関を強化して積載量を増加させてあり、追加装甲キットを装着することで30mm機関砲弾に対抗できる防御力を獲得できる。武装は２名用砲塔に搭載された25mm機関砲及び7.62mm機銃で、BGM-71C TOW2ミサイル発射機の追加装備も可能。乗員３名（操縦手、車長、砲手）＋乗車歩兵８名。自走迫撃砲や装甲工兵車などのバリエーションが開発されており、105mm砲搭載型や自走地対空ミサイル型などへの改修も可能。IDEX2007で公表された。参考：月刊軍事研究5,’07

＜ＡＣＷ＞：Air Control Wing（空中管制航空団）の略。参考：航空ファン8,’15

＜ＡＣＸ＞：ラファールＡ（戦闘機）を参照。

＜ＡＣＹ０４＞：スーダンが開発した5.56mm自動小銃。M-16をNORINCOでコピーしたM311を更にコピーしたかライセンス生産したらしい。参考：月刊軍事研究6,’13

＜ＡＣ燃料容量計テストセット＞：自衛隊の機器。菊水電子工業製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜ＡＤ＞：TAM社がイスラエル陸軍向けに開発した防弾ヘルメットで、新開発軽量防弾ヘルメットの略。ナイロン・グラスファイバー製で、弾速毎秒500mの銃弾に耐える。重量1.25kg。参考：月刊PANZER5,’79

＜ＡＤシリーズ＞：アメリカ海軍の艦上攻撃機、別名スカイレイダー。サンディ（ベトナム戦争でCSAR任務を行った際のコールサイン）、スパッド、フライング・ダンプ・トラックなどと呼ばれることもあった。1943年9月にアメリカ海軍が要求仕様を提示した多用途攻撃機BTにダグラス社が応募したもので、XBT2D-1として開発され、1946年6月に名称がAD-1に変更された。1946年11月に就役し、1957年までに各型計3180機が生産され、1970年代前半まで配備されている。ベトナム戦争では1965年6月20日にCV-41ミッドウェイ搭載VA-25所属の４機がMiG-17戦闘機２機と交戦して２機とも撃墜した。フランス、南ベトナム、チャド、中央アフリカ帝国、マダガスカル共和国、ジブチ共和国に輸出もされた。参考：週刊エアクラフトNo.137、No.93、丸スペシャルNo.83、図解世界の軍用機史、月刊航空ファン7,’99、月刊世界の艦船10,’22、6,'24、月刊JWings12,’23、4,’24

　＜ＸＢＴ２Ｄ−１＞：試作型で、当初はドーントレス�Uというニックネームだった。元々BT多用途攻撃機の競争試作に参加したのはカーチス社のXBTC-2、カイザー・フリートウィングズ社のXBTK-1、マーチン社のXBTM-1で、ダグラス社はその前に発注を受けていたXSB2D-1複座艦爆とXTB2D-1三座艦攻の開発を進めていたが、海軍の艦爆・艦攻機種統一の方針が決定的になり、この２機種の量産取り消しが予測されたため、XSB2D-1をBTD-1に改造して競争試作に参加した。これが一応採用されたものの、複座で重く、構造が複雑で空母に向かないとして生産打ち切りになってしまい、全面改設計のXBT2D-1を提示し直した。だが1944年6月16日のワシントン航空担当局の会合では結論が出そうになかったため、ダグラス社のスタッフがその場で大幅な改設計を行うことを決断。航空担当局は翌日0900までに設計図を仕上げるよう要求したため、スタトラーホテルの一室で３人が設計に入り、6月17日0400に図面を仕上げて提出、試作が許可された。R-3350エンジンを搭載する重量7500kgの機体で、空母上での補給時間を半分にするというコンセプトで試作を行い、設計チームのエドワード・ハイネマンが重量を100ポンド軽減すれば戦闘行動35km拡大・上昇率毎秒5.5m向上・離陸距離2.4m短縮の効果が得られるとして初期設計から820kgも軽量化し、1945年3月18日に初飛行、採用が決定した。単座の単発機で、爆弾倉は無く、折り畳み式の層流翼型主翼にはファウラーフラップ１枚を取り付けている。エンジンはR-3350-24W（2300馬力）。原型各型合わせて25機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137、月刊航空ファン7,’99、月刊JWings12,’19

　＜ＡＤ−１＞：量産型。XBT2D-1の機体構造を強化し、エンジンをR-3350-24W（2500馬力）とした。エンジンは機体軸線から下向き4.5度で取り付けられており、排気ガスは片側５本の排気管に導かれ、上２本・下３本に纏められて排出される。カウルフラップは片側３枚。潤滑油冷却器用エアインテイクはエンジンカウル後下方、気化器インテイクはエンジンカウル後上方にあり、操縦席への空気は気化器インテイクから取り込む。プロペラはエアロプロダクツ社製４翅で、直径4.11m。プロペラ取り付け部のすぐ後方にあたるプロペラ軸には半球状の減速ギアが付いている。重量7850kg。242機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−２＞：燃料搭載量を増やし、機体構造を強化、主脚用ドアを追加し、エンジンをR-3350-26W（2700馬力）に換装した。重量8390kg。156機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−３＞：機体構造を更に強化し、新型プロペラ及び新型風防を採用、主脚行程を延伸したもの。124機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−４＞：機体形状を改良し、全備重量を2500kg増やして10900kgとしたもの。改良型風防、P-1自動操縦装置、AN/APS-19Aレーダーを搭載することも可能である。344機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−４Ｂ＞：胴体下パイロンの最大容量を1049kgから1590kgに強化してMk8核爆弾を運用可能とし、固定武装を機関砲４門としたタイプ。後にMk7、ボア核ロケット、Mk105、B28、B43なども運用できるようになった。194機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137、アメリカの核兵器

　＜ＡＤ−５＞：胴体を改設計して操縦席をサイドバイサイドにし、垂直尾翼を増高、胴体側面のダイブブレーキを撤去した多用途型。最大重量11000kg。固定武装は機関砲４門。212機が生産された。1962年にA-1Eと改称された。1966年10月3日にはベトナム戦争でMiG-17戦闘機を撃墜している。参考：週刊エアクラフトNo.137、月刊世界の艦船6,’12

　＜ＡＤ−６＞：単座の近接航空支援機としたもの。低高度爆撃システムLABS用の器材を装備する。全長11.84m、全幅15.25m、全高4.78m、自重5430kg、正規離陸重量8200kg、最大離陸重量11000kg。エンジンはライトR3350-26WA星型18気筒（2700馬力）、巡航速度319km、最大速度518km、実用上昇限度8700m、航続距離2100km。固定武装は20mm機関砲４門。ハードポイントは胴体下１ヵ所及び翼下14ヵ所、兵装搭載量3130kg（公称）／3629kg（最大）。713機が生産された。1962年にA-1Hと改称された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−７＞：AD-6のエンジンをライトR-3350-26WB（3050馬力）に換装し、主翼と主脚を補強したもの。72機が生産された。1962年にA-1Jに改称された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤファミリー＞

　＜ＡＤ−１Ｑ＞：電子戦機型。胴体乗員室にECM操作員を搭乗させ、左翼に妨害装置収容筒を装着している。35機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−２Ｄ＞：無人機指令機型。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−２Ｑ＞：電子戦機型。22機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−２Ｑ（Ｕ）＞：標的曳航機型で、Mk22標的を曳航する。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−３Ｅ＞：対潜哨戒機型。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−３Ｎ＞：夜間攻撃機型。15機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−３Ｑ＞：電子戦機型。23機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ−３Ｗ＞：早期警戒機型。胴体前部下面にAN/APS-20レーダー用の巨大なレドームがあり、空力安定性に影響が出たため、水平尾翼半ばに補助垂直安定板を装備した。また、着陸特性改善のため主翼外舷に追加前縁部を取り付けている。コクピットは並列複座で、胴体内に操作員２名が搭乗する。操作員搭乗口は機体中央左右にあり、側面ダイブブレーキは外した。機関砲とコクピットの反射照準器も撤去している。313機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137、月刊丸7,’14

＜ＡＤ−４Ｌ＞：北極で使用できるように改造したもの。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ−４Ｎ＞：夜間攻撃機型で、AN/APS-19Aを搭載している。248機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ−４ＮＡ＞：夜間攻撃機型で、AD-4Nの夜間装備を撤去したもの。23機が新規生産され、他タイプからの改修も行われた。1962年にA-1Dと改称された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ−４ＮＬ＞：夜間攻撃機型で、AD-4Nに耐寒装備を追加したもの。36機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ−４Ｑ＞：電子戦機型。39機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ−４Ｗ＞：早期警戒機型で、別名グッピー。AD-4にAD-3Wと同様の改造を行ったものである。168機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ−５Ｎ＞：AD-5の夜間攻撃機型。239機が生産された。1962年にA-1Gと改称された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　　＜ＡＤ−５Ｑ＞：電子戦機型、別名エレクトリック・スパッド。主翼パイロンにAN/APS-31B警戒レーダーやチャフ・ディスペンサーを搭載して任務を行う。乗員４名。54機が生産された。1962年にEA-1Fと改称された。ベトナム戦争にも参加しているが、さすがに性能不足で、1966年にEKA-3Bに後を譲って退役した。参考：丸スペシャルNo.83、週刊エアクラフトNo.137、世界の傑作機No.118、月刊世界の艦船11,’15

　＜ＡＤ−５Ｓ＞：対潜哨戒機型。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−５Ｕ＞：標的曳航兼輸送機型。兵員12名または貨物1.4トンを輸送できる。1962年にUA-1Eに改称された。参考：週刊エアクラフトNo.137

　＜ＡＤ−５Ｗ＞：早期警戒機型で、AD-5にAD-3Wと同様の改造を行ったもの。156機が生産された。1962年にEA-1Eに改称された。参考：週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ海外シリーズ＞

　＜ＡＤ（ベトナム空軍）＞：ベトナム空軍攻撃機。ベトナム戦争で26機を鹵獲した。参考：月刊航空ファン9,’18

　＜ＡＤ（南ベトナム空軍）＞：南ベトナム空軍攻撃機。1960年から各型計289機が引き渡され、６個戦闘飛行隊（１個に15機配備）と１個特殊作戦航空群が編成された。ベトナム戦争時のサイゴン陥落で26機が北ベトナム軍に鹵獲され、11機がタイに脱出している。参考：月刊航空ファン6,’18、週刊エアクラフトNo.137

＜ＡＤ海外ファミリー＞

　＜スカイレーダーＡＥＷ．１＞：イギリス海軍艦上早期警戒機。MDAP計画でAD-4Wを導入したものである。全長11.9m、全幅15.3m、全備重量7852kg。エンジンはライト社製R3350-26WA（3300馬力）単発、最大速度555km、航続距離1396km、乗員３名（操縦士、レーダー要員２名）。1951年から50機を受領し、1960年末まで運用した。参考：イギリス航空母艦史、月刊JWings11,’19

＜ＡＤ−１実験機＞：NASAが開発した斜め翼実験機。主翼中央がピボットで胴体に取り付けられており、右翼を最大60度前進（左翼は60度後退）させることができる。1979年12月21日に初飛行し、1982年8月までテストが行われた。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ＡＤ−１９＞：アメリカ海軍ディキシー級駆逐艦母艦ヨセミテ（Yosemite）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＤ−４４＞：アメリカ海軍サミュエル・ゴンパース級駆逐艦母艦６番艦シェナンドー（Shenandoah）。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜ＡＤ−６１７＞：フィリピン海軍補給艦Yakal。参考：JShips Vol.20

＜ＡＤＡ＞：ADAWSシリーズ（戦術データ装置）を参照。

＜ＡＤＡ＞：Air Defense Artillery（防空砲兵）の略。参考：月刊軍事研究6,’17

＜ＡＤＡＭ＞：アメリカ軍の155mmクラスター砲弾用子弾で、Area Denial Anti-personnel Mine（地域利用拒否対人地雷）の略。M62やM72砲弾に詰め込まれて155mm榴弾砲から発射され、上空で炸裂して対人地雷36個をばらまく。6m長のトリップ・ライン（ピアノ線）が付いていて、引っかけると炸裂し、半径4.5m以内の人間を殺傷する。自爆装置が組み込まれており、数時間から数日後に自爆する。参考：月刊軍事研究6,’04

＜ＡＤＡＭ＞：ロッキード・マーチン社が開発中の可搬型高出力地対空レーザー砲で、対兵器防空システムの略。出力10kWのレーザーにより、2km以内の小型目標を破壊できる。2012年夏からテストを行っており、1.5km先のUAVや2km先の小口径ロケット弾４発を破壊したという。参考：月刊JWings1,’13

＜ＡＤＡＲＯ＞：アメリカ海軍小型ステルスUSV。ボートを三角屋根で覆ったような形状で、後面にアンテナが２本立っており、沿岸監視任務を行う。全長5m。2021年4月17-25日、アメリカ海軍無人兵器統合演習Unmanned Systems Integrated Battle Problemに参加。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜ＡＤＡＴＳ＞：アメリカ陸軍・カナダ陸軍地対空ガン・ミサイルシステムで、Air-Defense/Anti-Tank System（防空／対戦車ミサイルシステム）の略。アメリカ陸軍の前線地域防空計画に応じて1970年代後半からスイスのエリコン社が開発し、1979年にADATSの名称が付いてマーチン・マリエッタ社との共同開発となり、プロトタイプ３基が製作されて1981年6月にホワイトサンズ・ミサイル射場で初の実射を行った。システムは対空／対戦車兼用ミサイル４連装ランチャー２基、コントラベス社製パルス・ドップラー式トラック・ワイル・スキャン・レーダー（IFF付き。探知距離25km、探知高度6000m、同時追尾目標数6-10）、Nd-YAGレーザー測遠機、誘導用CO2レーザー発振機、赤外線暗視装置、テレビ追尾装置からなり、全周旋回マウントに一体化されていて、既存の車両や固定シェルターに装着できる。マウント前面に照準・誘導装置、後面に起倒式捜索レーダー、両側に４連装ランチャーという配置である。ミサイルは長さ2.2m、直径0.152m、重量51.4kg。誘導はレーザービームライディング。最大速度マッハ３、有効射程1-10km（対空）／0.5-8km（対地）。弾頭はHEATと破片弾頭の両用で、炸薬重量12kg。信管は対地が衝発、対空が近接または衝発。装甲貫徹力は900mmといわれる。キャニスターに装填され、メンテナンスフリーである。ランチャー俯仰角はマイナス９度からプラス85度。操作用コンソールは車体または固定シェルターに搭載され、レーダー操作手と射手が位置する。レーダーで目標を発見し、レーダー操作手が敵であると判断してコンソールに入力すると、マウントが自動的に目標に指向し、FLIR/TVカメラの視野内に目標が入る。射手はその時の状況によりFLIRとTVのどちらかを選択し、目標をロックオン、ミサイルを発射する。1986年4月にカナダ陸軍が採用し、低高度防空システムLLAD（Low Level Air Defence）の名称でM113に搭載して36両を受け取った。アメリカ陸軍は1987年に採用し、システムをM2歩兵戦闘車の車体に搭載して25mm機関砲と12.7mm機銃を追加することになった。しかし後に機関砲は外すことになり、結局ADATS自体も配備されなかった。参考：世界の軍用車両(2)、月刊PANZER11,’86、1,’90、1,’01、攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ＡＤＡＷＳシリーズ＞：イギリス海軍の艦載戦術データ・システムで、Action Data Automation Weapon System（戦闘行動データ自動化兵器システム）の略。1950年代半ばまでにデジタル・コンピュータの開発を開始し、これを使用したプロトタイプが1964年から試験され、1966年から実戦配備された。参考：月刊軍事研究6,’04、月刊世界の艦船10,’11

　＜ＡＤＡ＞：Action Data Automationの略。試験用で、攻撃型空母R05イーグルが1964年5月に搭載改修を受け、各種試験に供された。参考：月刊軍事研究6,’04

　＜ＡＤＡＷＳ　Ｍｋ１＞：最初の量産型で、カウンティ級ミサイル駆逐艦バッチ２の４隻（D20ファイフ、D19グラモーガン、D18アントリム、D21ノーフォーク）に1971年までに装備された。レーダーやソナーの情報を統合し、各種兵装を管制する。参考：月刊世界の艦船10,’11、月刊軍事研究6,’04

　＜ＡＤＡＷＳ　Ｍｋ２＞：ブリストル級ミサイル駆逐艦D23ブリストルに搭載されたタイプ。参考：月刊世界の艦船10,’11

　＜ＡＤＡＷＳ　Ｍｋ１０＞：空母アーク・ロイヤルに搭載されたタイプ。参考：月刊世界の艦船10,’11

　＜ＡＤＡＷＳ　Ｍｋ１２＞：Mk10に換えて空母アーク・ロイヤルに搭載されたタイプ。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜ＡＤＢＳ１４５＞：南アフリカ軍のクラスター爆弾で、ADBSは地域無力化爆弾システムの略。Mk81爆弾に直径12mmの鋼鉄製ベアリングを詰め込んで破壊効果を向上させてある。全長2.1m、直径0.23m、翼スパン0.34m、重量145kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＤＣ＞：防空軍団または航空宇宙防衛軍団または航空総隊を参照。

＜ＡＤＣ＞：確実破壊能力（Assured Destruction Capability）または自動深度保持装置（Aotomatic Deapth Controller）の略。参考：現代の潜水艦、軍事力バランス78年版

＜ＡＤＣＣＳ＞：対空戦闘指揮統制システムを参照。

＜ＡＤＣＦ＞：デ・ゼーベン・プロヴィンシェン級（フリゲート）を参照。

＜ＡＤＣＯＭ＞：航空宇宙防衛軍団を参照。

＜ＡＤＥ−６５１＞：イギリスのATSC社が開発した静電気探知式爆弾探知装置。ダウジング棒のような静電気探知アンテナをブラックボックスに接続し、このボックスにプログラムの内蔵されたカードを差し込んで爆発物から出る静電気を識別するというもので、イラクに8500万ドル分が輸出されていたが、イギリス政府は2010年1月22日に爆弾探知能力が無いとしてイラクとアフガニスタンへの輸出を禁止、ATSC社のマネージャーも詐欺罪で逮捕されてしまった。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ＡＤＥＮ砲＞：アデン砲を参照。

＜ＡＤＥＶＥ＞：Giat社が開発した地雷処理装置。DEMETER地雷処理システムの技術を応用したもので、車体の前方に電磁波を発し、前方・左右4mの範囲にある磁気感応式地雷を誘爆させる。装軌・装輪車両いずれにも装着できる。参考：月刊軍事研究9,’06

＜ＡＤＥＸ＞：Seouls International Aerospace and Defence Exhibition（ソウル国際航空防衛装備展示会）の略、別名ソウル・エアショー。ソウル空港で隔年開催される。2017年は10月16-22日に開催され、33カ国405社が出展した。2023年は10月17-22日に開催され、35カ国550社が出展、22万人が来場した。B-52H爆撃機がフライパスし、1988年以来２回目の韓国への着陸（清州国際空港）を行っている。参考：月刊軍事研究1,’16、3,’18、月刊JWings1,’24

＜ＡＤＦ＞：オーストラリア国防軍を参照。

＜ＡＤＦ＞：自動方向探知器（Automatic Direction Finder）の略。これの指示計はラジオ・コンパスという。自動的に方向探知を行ってくれる機材で、航空機に搭載され、無指向性無線標識の電波をキャッチしてその位置を機首に対する方位として示す。ループアンテナ（円形が多い）を回転させ、電波を受信することで誘導される電圧の変化を測定し、電波が来る方向を解析する。枠面が電波の到達方向と平行になった場合に枠の垂直辺内での誘導電圧が最大になるのを利用する方法と、枠面が電波の到達方向と垂直になった場合に垂直辺内での誘導電圧が最小になるのを利用する方法があり、後者の方が方位感度が高い。ただこのままだと電波到達方向と180度反対側との区別が付かないので、位相を90度ずらした全方向性アンテナを追加し、電界強度特性を８の字からハート形に変化させ、電波到達方向に対して左右の区別をできるようにして解決する。無指向性無線標識が廃止される傾向にあるため、最初から搭載していない航空機もある。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ

＜ＡＤＦＬ＞：コンゴ・ザイール解放民主勢力連合の略。ザイールにあった３つの反政府ゲリラが合流してできたもので、1996年に結成された。1997年にモブツ政権を打倒してリーダーが大統領となったが、政権争いから再び反政府勢力に転じた。参考：月刊軍事研究7,’05

＜ＡＤＧＭ−６３０＞：AK630シリーズ（ガトリング砲）を参照。

＜ＡＤＧＺ＞：オーストリアが国境警備・治安維持用に開発した８×４輪装甲車。1933年に試作車が完成し、改設計の上1935年に採用され、1937年までに27両が生産された。ドイツのオーストリア併合後、1941年から武装親衛隊向けに再生産され、翌年までに25両が製造されて対パルチザン戦などに使用された。車体の前後に操縦室があり、それぞれ7.92mm機銃MG34を１丁ずつ搭載する。射界は旋回角左右15度ずつ、俯仰角マイナス15度からプラス45度。４軸のうち中央２軸が駆動を、前後１軸ずつが操向を担当する。車体中央上面に20mm機関砲KwK35 L/45装備ボールマウント（旋回角10度ずつ、俯仰角マイナス12度からプラス18度、装弾数100発）１基と7.92mm機銃MG34装備ボールマウント１基を搭載する砲塔を持つ。全長6.26m、全幅2.16m、全高2.56m、重量12トン。装甲厚は車体前面下部11mm30度、上部11mm5-45度、側面下部11mm15度、上部11mm18度、後面下部11mm10度、上部11mm25-68度、底面11mm90度、上面11mm90度、砲塔全周11mm０度、上面11mm65-75度、防楯11mm（ボールマウント）。エンジンはオーストロ・ダイムラーM612（150馬力）、トランスミッションは前進６速・後進６速、最大速度70km、航続距離450km。乗員６名。フレームアンテナを装備した無線車型も存在する。参考：ジャーマンタンクス、世界の軍用車両(4)

＜ＡＤＩ＞：姿勢方位指示計の略。

＜ＡＤＩＭ＞：アメリカ陸軍の車載迫撃砲で、自動直射曲射迫撃砲の略。自動装填装置付き81mm迫撃砲で、M1152HMMWVの後部荷台に搭載できる。装弾数20発。射程300-6300m。参考：月刊軍事研究9,’18

＜ＡＤＩＺ＞：防空識別圏を参照。

＜ＡＤＫＺ＞：オーストリアのオーストロ・ダイムラー社の６×６輪装甲車で、1938年に開発された。ユニークな形状をした装甲車体にフレームアンテナ付きの砲塔が載っており、20mm機関砲ボールマウント１基と機銃ボールマウント１基を装備する。車体前面には不整地踏破用の補助輪が付く。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＤＬＥＲ＞：ドイツ陸軍の砲兵用射撃指揮装置。アメリカのAFATDS、イギリスのBATES、フランスのATRASにリンクしてC4Iを統合し、射撃部隊に火力諸元を送って射撃指令を出せる。参考：月刊軍事研究4,’01

＜ＡＤＭ＞：Atomic Demolition Munitionの略。直訳は原子破砕弾薬で、核地雷と意訳されるが、核爆薬（Nuclear demolition）といった方が正確で、時限信管や遠隔爆破装置を取り付けてトンネル、橋、ダムなどを完全に破壊するために使用される。アメリカ軍では1957年にT-4が試作され、以降TADMや、弾頭にMk7、W30、W31、W45（MADM）、W54（SADM）を使用したものが配備された。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究10,’10、核兵器事典、軍事力バランス78年版

＜ＡＤＭ−２０＞：アメリカ空軍のB-52E/G/H用囮ミサイル、別名クエイル、開発名称B-72またはGAM-72またはXAGM-72。B-52に似たRCSを持つ小型無人機で、事前のプログラム通りに飛行、自力でECMをかけたり、チャフやフレアなどを撒いたりすることも可能である。発射母機の爆弾倉内に2-4基搭載できる。全長3.93m、全幅0.74m（格納時）、全高0.65m、重量419kg。エンジンはJ85-GE-7。1961年（1960年？）から1978年まで配備された。参考：月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＤＭ−１１２＞：陸上自衛隊の個人ガンマ線線量計。アロカ社製で、イラク派遣にあたり採用した。一定線量以上の放射線を探知すると音、光、振動で警告を行う。劣化ウラン弾対策で装着していたようだが、幸い役立つ場面が無かったらしく、すぐに誰も身に付けなくなった。価格は１台50万円。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ＡＤＭ−１４１シリーズ＞：アメリカ海軍の戦術空中発射デコイ、略称TALD。F/A-18、P-3C、EA-6Bなどに搭載できる。無人機型をしており、胴体は角を取って前後を成形した四角柱形状で、主翼は上面に後方折り畳み式で搭載、尾部に３枚の小型翼を持つ。内部にレーダートランスポンダーを内蔵しており、航空機のパイロンに搭載され、発射後は戦闘機並みのレーダー反射を生じる。参考：月刊軍事研究2,’03、2,’09、月刊JWings2,’04、12,’13

　＜ＡＤＭ−１４１Ａ＞：無線周波数アクティブ妨害型。全長2.35m、重量181kg。エンジンはJ700ターボジェット、巡航速度マッハ0.8、航続距離296km。参考：月刊軍事研究6,’01、7,’14

　＜ＡＤＭ−１４１Ｃ＞：別名改良型戦術空中発射デコイ、略称ITALD（Improved Tactical Air Launched Decoy）。広帯域レーダーリピーターを内蔵し、敵レーダーには攻撃機として表示される。全長2.34m、全幅1.55m（主翼展張時）、重量280kg、搭載量40kg。動力式で、航続距離160海里。イスラエルミリタリーインダストリー社（IRI社？）製。参考：月刊JWings7,’03、月刊軍事研究6,’01、1,’19

＜ＡＤＭ−１６０シリーズ＞：アメリカ軍のデコイ、略称MALD（Miniature Air Launch Decoy、ミニチュア空中発射デコイ）。ADM-141が大量に搭載できないため開発された。シグネチャー増幅サブシステムSASを搭載しており、巡航ミサイル相当からB-52爆撃機相当までレーダー反射面積を変化させることができる。2012年から運用中。参考：月刊軍事研究7,’14、6,’01、月刊JWings12,’13

　＜ＡＤＭ−１６０Ａ＞：テレダイン・ライアン社製。円筒型をしている。参考：月刊軍事研究7,’14、月刊JWings12,’13

　＜ＡＤＭ−１６０Ｂ＞：レイセオン社製。機体をステルス形状に変更して折り畳み主翼を追加しており、GAINS航法で飛翔する。全長2.84m、翼スパン1.71m、重量115kg。エンジンはTJ-150ターボジェット、最大速度マッハ0.91、飛行高度12000m、航続距離926km。F-16なら４基、B-52なら16基を主翼下に搭載でき、MALD輸送機投射システム（MALD Cargo Aircraft Launcg System、MCALS）を使えばC-130に24基、C-17に192基を積める。参考：月刊軍事研究7,’14、月刊JWings12,’13

　＜ＡＤＭ−１６０Ｃ＞：レイセオン社が開発した発展型で、別名MALD-J（小型空中発射デコイ−ジャマーの略）。ADM-160Bにジャミング能力を追加したスタンドイン・ジャミング用無人機で、GAINSと遠隔操縦用テレメトリーを装備しており、上空を滞空または周回してレーダーを妨害することができる。敵に鹵獲されないよう、自爆装置が付いている。重量136kg。航続距離900-926km。B-52Hの主翼下パイロンに左右６基ずつ搭載可能。2011年6月末からB-52Hでテスト中だったが、電子戦機型B-52の開発が中止されたため、EA-18Gに搭載する計画が進行中で、MQ-9に積む計画もある。海軍でも2012年にF/A-18E/Fからの発射試験を行った。参考：月刊航空ファン9,’11、11,’18、月刊JWings9,’11、12,’13、月刊軍事研究7,’14、8,’13

　＜ＭＡＬＤ−Ｘ＞：ADM-160Cの改良型で、低空飛行能力やデータリンクを追加し、発射後の飛翔コース変更を可能とする。レイセオン社が2016年から開発中で、2018年8月20日と22日にフリーフライト試験を行った。参考：月刊航空ファン11,’18、月刊軍事研究12,’18

＜ＡＤＭ−１６０海外シリーズ＞

　＜ＡＤＭ−１６０（ウクライナ軍）＞：ウクライナ軍小型空中発射デコイ。アメリカから供与され、ストーム・シャドー巡航ミサイルやスカルプEG巡航ミサイルと混ぜて発射している。参考：月刊JWings1,’24

＜ＡＤＭＡＣＳ＞：アメリカ海軍が開発中のデジタル自動式ウィジャ・ボードAviation Data Management And Control System。CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーでテストが行われ、CVN-72エイブラハム・リンカーンにプロトタイプが搭載された。ジェラルド・Ｒ・フォード級に搭載されるといわれていたが、アナログ式の方が使い勝手が良いためか、2020年現在、装備していない。参考：月刊軍事研究4,’16、月刊世界の艦船3,’21

＜ＡＤＭＫ＞：ドイツ国防軍の装輪装軌併用偵察車両で、Austro-Daimler Motor-Karetteの略。オーストロ・ダイムラー社が開発した。装輪と全装軌のコンバートが可能で、路上では前方のアクスルシャフトを降ろし、転輪ボギー部分と合わせてタイヤ４本を取り付けて走行する。全長2.775m、全幅1.2m、全高1.185m、重量1.45トン。４気筒エンジン（18-20馬力）を搭載する。重機関銃（5000発）の輸送が可能で、１トンの牽引能力を持つ。乗員３名。1935-38年に334両が生産された。参考：月刊PANZER4,’11

＜ＡＤＭＭ＞：ASEAN国防相会議を参照。

＜ＡＤＭＭプラス＞：拡大ASEAN国防相会議を参照。

＜ＡＤＭＵ＞：飛行距離計測装置の略。

＜ＡＤＯＣＳ＞：侵攻作戦自動調整システムを参照。

＜ＡＤＰＡアンテナ＞：SM-3ミサイルを運用可能なイージス艦が装備するデータ受信用アンテナで、SM-3ミサイルからの画像データなどを受信する。アンテナドームが球形をしているため、サッカーボールと呼ばれる。参考：月刊軍事研究11,’06

＜ＡＤＰＳ＞：自動情報処理システム（Automatic Data Processing System）の略。

＜ＡＤＳ＞：ヴィクラント級空母（２代目）を参照。

＜ＡＤＳ＞：AH-1Sステップ３攻撃ヘリに装備されているエアデータ・サブシステム。キャノピーフレームの右上方に装備されたセンサーから三次元の対気速度、メインローターのダウンウォッシュ、静圧、大気温度を測定してFCSを構成するコンピュータに送る。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ＡＤＳ＞：アメリカ軍がプロジェクト・シェリフで開発中のマイクロ波照射非殺傷兵器で、Active Denied System（能動型拒絶システム）の略。HMMWV上に巨大な８角形プレート状の照射アンテナを搭載しており、２秒間の照射（95GHz、出力100kW以下）により衣服の下の皮膚表面（皮下0.3-0.4mm）の温度を130度に上げ、痛点を直撃して苦痛を与える。有効距離500ヤード（457.2m）以上で、５秒以内に耐えられなくなるという。2001年にテストを開始、2010年の配備を目指して開発中とされ、2007年9月に運用評価試験を終了、ポスト・イラク戦争でテスト使用されたともいわれる。2010年にはアフガンに派遣したが、使われなかった。2012年3月、HEMTT搭載型がデモンストレーションを行った。航空機搭載型、携帯型、小型ボート対策用艦船搭載型（出力30kW程度）も計画されている。輸出型はサイレント・ガーディアンと呼ばれる。参考：月刊丸4,’07、月刊軍事研究1,’08、2,’14、7,’12、2,’08、7,’08、2,’12、月刊世界の艦船4,’10

＜ＡＤＳＡＭ計画＞：Air-Directed Surface-to-Air Missleの略。アメリカ海軍が陸上巡航ミサイル防衛OCMD（Overland Cruise Missile Defense）として1990年代半ばに計画した。上陸後に内陸へと侵攻する味方部隊に対し、洋上から巡航ミサイルに対する防空網を被せるもので、交戦範囲の大幅拡大が必要となる。2002年頃にNIFC-CAに改称された。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜ＡＤＳ−Ｂ＞：Automatic Dependent Surveillance-Broadcast（放送型自動位置情報伝送監視装置）の略。参考：月刊航空ファン11,’18

＜ＡＤＳＣＳ＞：Automatic Aided Display Submarine Control System（自動計算ディスプレイ支援潜水艦制御システム）の略。参考：現代の潜水艦

＜ＡＤＳＯＭプラス＞：拡大ASEAN国防相会議の高級事務レベル年次会合で、ADSOMはASEAN Defence Senior Official Meeteingの略。ASEANの10カ国と域外８カ国（アメリカ、オーストラリア、韓国、日本など）から次官級の国防関係者が参加する。2023年は8月2-4日にジャカルタで開催され、日本から防衛審議官が参加した。参考：朝雲

＜ＡＤＴＷ＞：飛行開発実験団を参照。

＜ＡＤＵ−４０７／Ａ＞：アメリカ軍のランチャー・アダプター。LAU-114/Aミサイルランチャーなどを取り付けることができる。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＡＤＵ−７７３／Ａ＞：アメリカ軍のアダプター・ユニット。LAU-127/Aなどに装着し、AIM-9やAIM-120を運用可能とする。参考：月刊JWings3,’15

＜ＡＤＶＥＷ＞：アメリカ海軍がF/A-18E/F向けに開発している電子戦装置ADVanced Electric Warfare。AB/ALQ-214及びAN/ALR-67(V)3の後継で、RTX社が担当する。参考：月刊JWings3,’24

＜ＡＤＷＳ＞：メタルストーム（対人防御装置）を参照。

＜ＡＤＹ０２＞：スーダンが開発した12.7mm機銃で、ほぼ85式12.7毫米機槍。参考：月刊軍事研究6,’13

＜ＡＥ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、給兵艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＥ−１＞：NE-1練習機ファミリーを参照。

＜ＡＥ−１＞：アメリカ海軍パイロ級給兵艦パイロ（Pyro）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＥ１＞：オーストラリア海軍AE1級潜水艦１番艦。1914年竣工。1914年9月14日、ビスマーク海で消息不明となった。海図に無い暗礁に衝突したと見られる。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ＡＥ−１＞：自衛隊の電源車。シンフォニアテクノロジー製。参考：月刊軍事研究1,’16

＜ＡＥ１Ａ＞：熱田シリーズ（エンジン）を参照。

＜ＡＥ１級＞：オーストラリア海軍初の潜水艦。船体はサドルタンク式、艦首はセミクリッパー型である。全長54.2m、水上排水量655トン、水中排水量796トン。主機はディーゼル２基と電動モーター２基、水上出力1600馬力、水中出力840馬力、２軸推進、水上速力15ノット、水中速力９ノット。兵装は45cm魚雷発射管４門（艦首、船体両舷、艦尾に１門ずつ。両舷のものは真横を向いている）、76mm単装砲１門。AE1など２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ＡＥ−２＞：アメリカ海軍パイロ級給兵艦ニトロ（Nitro）。1921年就役。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＥ−２＞：自衛隊の自走式電源車。シンフォニアテクノロジー製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜ＡＥ２Ａ＞：DB600海外シリーズ（エンジン）を参照。

＜ＡＥ−３＞：航空自衛隊の電源車。CH-47JやUH-60Jのエンジン始動及び整備時に電源を提供する。全長4.5m、全幅1.7m、全高2.2m、車両重量3.2トン。電源は交流115/200V111A。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜ＡＥ−４＞：アメリカ海軍ラッセン級給兵艦キラウエア（Kilauea）。元はC2-T型貨物船サプライズである。1942年10月、マウント・ベイカーに改称された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＥ−６＞：アメリカ海軍給兵艦シャスタ（Shasta）。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜ＡＥ−２０＞：AKA-5（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＥ−２９＞：アメリカ海軍キラウエア級給兵艦４番艦マウント・フッド（Mount Hood）。1971年5月就役。1999年8月に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜ＡＥ−３１＞：AKA-58（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＥ−３４＞：アメリカ海軍給兵艦マウント・ベイカー（Mount Baker）。1975年7月31日、キューバのグアンタナモ沖でCVN-68ニミッツに洋上補給を行った。後にT-AE-34に艦種記号が変更された。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜Ａ／Ｅ３７Ａ−Ｔ＞：AGM-65空対地ミサイル・ファミリーを参照。

＜ＡＥ１１０７Ｃ＞：T406シリーズ（エンジン）を参照。

＜ＡＥ２１００シリーズ＞：ロールスロイス社のターボプロップ・エンジン。T406ターボシャフトエンジンがベースである。参考：月刊JWings10,’20

＜ＡＥ２１００海外シリーズ＞

＜ＡＥ２１００Ｊ＞：海上自衛隊のUS-2飛行艇用エンジン。新東亜交易が受注している。オーバーホールはIHIが担当する。参考：月刊JWings10,'20、月刊軍事研究4,’14

＜ＡＥ２１００Ｊエンジン換装用空輸用スタンド＞：海上自衛隊の機器。US-2飛行艇の高翼配置の主翼に付いているエンジン交換を行う際に使用するスタンドである。大川工業製。参考：月刊JWings10,'20

＜ＡＥＡ＞：Airborne Electronic Attack（空中電子攻撃）の略。参考：月刊航空ファン2,’17

＜ＡＥＣ＞：フランス原子力エネルギー委員会の略。1945年秋に創設され、核開発の中心的役割を担っている。参考：月刊軍事研究2,’01

＜ＡＥＣ装甲車シリーズ＞：イギリス陸軍重装甲車（Armoured Car）。マタドール砲牽引車のシャシーにバレンタインMk.1の砲塔を組み合わせたもので、イギリスのAEC社が1939年から自主開発して採用され、1941年7月に最初の発注が出て、各型計629両（507両説あり）が生産された。参考：月刊PANZER10,’12、世界の軍用車両(4)

　＜ＡＥＣ装甲車（試作型）＞：後輪フェンダーや機関室後部の吸排気カウル、車体側面の雑具箱が無く、車体側面左右に乗員用ハッチが設けられており、操縦手にペリスコープでなく直視式バイザーが用意されているのが量産型との違い。参考：月刊PANZER10,’12

　＜ＡＥＣ装甲車Ｍｋ．�T＞：シャシーと車体はマタドールの流用で、戦闘室部分を切断して前後のフレームよりも低い位置に繋ぎ直し、エンジンも斜めに積んで車高を抑えている。砲塔は架橋戦車用に外したバレンタインMk.1戦車のものをそのまま使用した。ドイツ軍の20mm機関砲弾に耐えるため、装甲厚は車体主要部で30mm（傾斜を考慮すると57mm）あり、重量も11トンに達したが、足回りの性能が良好だったため特に問題は無かった。路上では４×２輪、不整地では４×４輪で走行する。全長5.18m、全幅2.74m、全高2.55m、重量11トン。エンジンは６気筒ディーゼル（95馬力）、最大速度56km、航続距離400km。乗員３名。1942年後半に北アフリカ戦線へ投入された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’12、月刊丸2,’07

　＜ＡＥＣ装甲車Ｍｋ．�U＞：砲塔を６ポンド砲搭載の３名用大型溶接式にしたもの。前部フェンダー面積を拡張して車体前面防御力を強化し、エンジンを換装、機関室冷却機能を改善した。エンジンはAEC197ディーゼル（158馬力）。乗員４名。1942年中頃から生産され、北アフリカ戦線やイタリア戦線に投入された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’12

　＜ＡＥＣ装甲車Ｍｋ．�U（暫定型）＞：Mk.�Tの砲塔をAEC装甲車Mk.�UまたはクルセイダーMk.�Vと同じ砲塔に換装したもの。参考：月刊PANZER10,’12

　＜ＡＥＣ装甲車Ｍｋ．�V＞：主砲を75mm砲に換えたもの。ベンチレーターが２カ所に増え、機関室後部の吸排気カウルが拡大した。1944年から生産され、イタリア戦線や西部戦線に投入された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER10,’12

＜ＡＥＣ装甲車ファミリー＞

　＜自走対空機関砲型＞：砲塔をクルセイダーAAと同じエリコン20mm連装機関砲塔に換装した自走対空機関砲型。既に制空権を獲得済みで出番が無いと考えられ、試作のみに終わった。参考：月刊PANZER10,’12

＜ＡＥＣＣ＞：中国航空発動機集団有限公司を参照。

＜ＡＥＣマタドール０８５３＞：イギリス陸軍４×４輪重高射砲牽引車。1939年に中口径砲牽引用車両として採用され、3.7インチ高射砲や６ポンド連装砲などの牽引に使用された。エンジンは６気筒ディーゼル（総排気量7580cc、95馬力）。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜ＡＥＤＣ＞：アーノルド技術開発センターを参照。

＜ＡＥＥＬＳ＞：自動ELINT輻射位置測定システムの略。RC-135V、RC-135W、RC-135Uに搭載されている。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＥＦ＞：遠征航空宇宙軍（EAF）において、実際に派遣される部隊名で、Aerospace Expenditionary Force（航空宇宙遠征部隊）の略。1997年11月にアメリカ空軍の科学諮問委員会が提出した報告書を元に編成された部隊で、2000年1月1日までに最初のものが設立された。リードウイング（基幹航空団）を中心に人員10000-15000名、航空機150-175機（概ね戦闘機・爆撃機90機、空中給油機31機、ISR・電子戦機13機）で編成され、90日交替で戦域に送られる。参考：月刊JWings7,’04、月刊軍事研究6,’02、THE MILITARY BALANCE2001・2002

＜ＡＥＧ＞：航空宇宙遠征群の略。

＜ＡＥＧＩＳ＞：NATOの防空指揮管制システムで、Airborne Early warning/Ground Integration Segment（航空機搭載早期警戒・地上統合セグメント）の略。ヒューズ社が受注し、1980年代半ばの実用化を目指して開発した。AWACSとNATO警戒管制システムNADGEを統合したもので、地上レーダーでは遠距離での探知が難しい低空目標をAWACSでカバーする。データリンクにはJTIDSを使う。スカンジナビアからトルコにかけて設置された42カ所のNATO地上局で運用される。参考：ザ・マーチ23号

＜ＡＥＨＦ衛星＞：アメリカ軍のEHF通信衛星で、発展型EHF（Advanced Extremely High Frequency）衛星の略。MILSTARの後継である。ベースはロッキード・マーチン社製A2100Mで、75-2400bpsの戦略用低速データ転送速度通信、4800bps-1544Mbpsの戦術用中速データ転送速度通信、高速の拡張データ転送速度通信が可能である。また、対妨害能力、低被探知能力、低被捕捉能力、先進暗号化システムを持つ。アンテナはダウンリンク用SHFフェイズド・アレイ・アンテナ２基、クロスリンク（AEHF衛星同士の通信）用パラボラアンテナ２基、アップリンク・ダウンリンク用ナリング・アンテナ２基、アップリンク用EHFフェイズド・アレイ・アンテナ１基、アップリンク・ダウンリンク用ディッシュ・アンテナ６基を装備する。全長9.6m、全幅23m、重量6.1トン。寿命14年。価格は4.77億ドル。2010年から打ち上げられた。2016年現在、AEHF-1、AEHF-2、AEHF-3の３基が軌道を周回している。４号機AEHF-4は2018年10月17日（7月27日？）に打ち上げられ、2019年5月に運用状態となり第４宇宙作戦飛行隊に管制権が引き渡された。５号機AEHF-5は2019年8月8日に打ち上られた。参考：月刊軍事研究4,’07、1,’07、7,’09、11,’17、月刊航空ファン5,’16、1,’19、8,’19、11,’19、月刊JWings10,’18

＜ＡＥＳＩＲ＞：イギリスのアドバンスド・コンポジットグループが開発したテイルローターレス・シングルローターUAV。カウリングに特殊なダクトシステムを使用しており、ローターのダウンウオッシュを回転方向と逆に噴出してトルクを消す。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＡＥＭ／Ｓ＞：アメリカ海軍のステルス・マストで、Advanced Enclosed Mast/Sensor（先進型閉囲マスト・センサー）の略。八角柱マストの中にAN/SPS-40対空レーダー、通信アンテナ、IFFなどを収容しており、頂部にTACANが突き出している。外板はラミネート板２枚の間にフォーム心材と周波数選択層を数層重ねてあり、ステルス性確保のため、自艦が使用する周波数は透過し、それ以外のものは反射する周波数選択膜機能を持つ。全高28m。DD21用に開発され、DD-968が六角柱バージョン（全高28.5m、最大径9.4m）を試験用に搭載し、実際にはサン・アントニオ級LPDが装備した。参考：月刊世界の艦船8,’13、6,’05、月刊軍事研究11,’05、レーダの基礎

＜ＡＥＳＡ＞：アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを参照。

＜ＡＥＳＲ＞：先進電磁シグネチャー低減を参照。

＜ＡＥＳＯＰ＞：AN/AAQ-16（電子光学ターレット）を参照。

＜ＡＥＴＣ＞：航空教育・訓練コマンドを参照。

＜ＡＥＴＦ＞：アメリカ陸軍評価支隊を参照。

＜ＡＥＴＰ＞：適応型エンジン移行プログラムを参照。

＜ＡＥＷ＞：航空宇宙遠征航空団（Aerospace Expeditionary Wing）または航空遠征団（Air Expeditionary Wing）の略。

＜ＡＥＷ＞：Airborne Early Warning、空中早期警戒機の略。レーダーは電波水平線の下に潜ったり山や島の背後に隠れたりした目標を見つけられないので、地上設置型早期警戒レーダーはなるべく高い所に設置してカバーするが、ちょうど高い山があるとは限らないし、洋上ではどうしようもないので、航空機にレーダーを積んで空飛ぶレーダーステーションにし、遙か上空から遠距離を監視できるようにしたものである。高空からレーダーやIFFを使用して敵味方の航空機を探知識別するのが主任務で、データリンクにより味方防空システムに情報を伝達し、それらと共同して航空路管制、迎撃戦闘機誘導、迎撃支援などを行う。誕生時に空母機動部隊の目となることを考慮した経緯から、機体は艦上運用可能なサイズに収まっていることが多く、機内スペースが限られており、オペレーターは10名以内で、長時間任務には向かない。機上レーダーの発達で誕生し、1945年にはアメリカ海軍に36機が配備されていた。第２次大戦後も熱心に開発したのは特攻でピケット艦を沈められまくったアメリカ海軍のみで、世界的に重要性が認識されたのは、イギリス海軍のレーダー・ピケット艦がアルゼンチン軍機に次々と沈められ、海上・陸上からの早期警戒に限界が示されたフォークランド紛争である。航空自衛隊ではその前のMiG-25函館強行着陸事件で必要性を痛感して導入した。参考：ワイルドウエポン、月刊軍事研究4,’09、スパイ機、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings1,’21

＜ＡＥＷ＆Ｃ＞：Airborne Early Warning and Control（空中早期警戒・管制機）の略。AEWの指揮管制能力強化型で、数席から数十席級のビジネスジェットやリージョナル旅客機をベースとし、AEWよりも多くの器材や人員を搭載して能力を強化すると共に、ギャレーなども完備して長時間の任務を可能としている。AWACSほどは人員や器材を載せられずシステム化もされていないが、その分安く、機体も小さいため運用も楽。参考：月刊軍事研究4,’09、月刊JWings1,’21

＜ＡＦ＞：航空集団（海上自衛隊）を参照。

＜ＡＦ−１＞：A-4U（攻撃機）を参照。

＜ＡＦ−１Ａ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＡＦ−１Ｂ＞：A-4海外シリーズ（攻撃機）を参照。

＜ＡＦ−１Ｃ＞：A-4攻撃機・海外ファミリーを参照。

＜ＡＦ−１Ｅ＞：FJ-4B（戦闘機）を参照。

＜ＡＦ−２シリーズ＞：アメリカ海軍艦上対潜機、別名ガーディアン。エセックス級空母で運用できる対潜機としてグラマン社が開発し、1953年から配備された。参考：月刊JWings4,’10

　＜ＸＴＢ−３Ｆ＞：試作型で、対潜雷撃機として製作された。機首にプラット＆ホイットニー社製R2800-46（2300馬力）を、尾部にウェスティングハウス社製ジェットエンジンを装備する。自衛武装は20mm機関砲１門。爆弾、魚雷、ロケット弾など1814kgを搭載できる。乗員２名（サイドバイサイド）。1945年12月19日に初飛行したが、ハンター・キラー対潜戦機として使用されることになり、ジェットエンジンを外して単発レシプロ機に変更、レーダーを装備するハンター型と、兵装を搭載するキラー型の２種類を製作することになった。参考：月刊JWings4,’10

　＜ＡＦ−２Ｓ＞：キラー型。193機が製造された。参考：月刊JWings4,’10

　＜ＡＦ−２Ｗ＞：ハンター型。153機が製造された。参考：月刊JWings4,’10

＜ＡＦ−９Ｊ＞：F9F-8B（戦闘爆撃機）を参照。

＜ＡＦ−１８＞：F/A-18海外シリーズ（戦闘攻撃機）を参照。

＜ＡＦ−４０−８−１＞：サウジアラビア陸軍の国産８×８輪装甲兵員輸送車、別名アル・ファド（Al Fahd）。車体後部にランプ式の乗降装置を備え、側面にはドアが無い。操縦室にはペリスコープ付ハッチがあり、非戦闘地域では上方に開くことで十分な視界を確保できる。浮航能力を持つ。全長7.9m、全幅2.94m、全高1.81m、重量16トン。エンジンは空冷ディーゼル（400馬力）。水上最大速力20km（ウォータージェット）。参考：月刊PANZER12,’98

＜ＡＦ−５６＞：アメリカ海軍デネボラ級給糧艦１番艦デネボラ（Denebora）。元は1944年6月30日に竣工したヴィクトリー型戦時標準貨物船ヒビング・ヴィクトリーで、1952年5月3日にアメリカ海軍籍に編入されてニューヨーク海軍工廠で改造を開始、1954年1月20日に就役した。1960年代後半、艦後部の76mm連装両用砲２基を撤去してヘリ甲板を設けた。1976年4月30日に除籍され、12月にスクラップとして売却された。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜ＡＦ−８１＞：フランス軍の低抵抗爆弾で、先端に長いプローブを持つ。全長1.4m、直径0.206m、翼スパン0.21m、重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＦＡＡ＞：Air Force Audit Agency（空軍監査局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＡＭＳ＞：Air Force Agency for Modeling and Simulation（空軍モデリング・シミュレーション局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＡＰ＞：火砲発射原子砲弾の略。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜ＡＦＡＳ＞：クルセイダー野戦砲兵システムを参照。

＜ＡＦＡＴＤＳ（アメリカ海兵隊）＞：AN/GYK-60（先進野戦砲兵戦術データシステム）を参照。

＜ＡＦＡＴＤＳ（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の砲兵用コンピュータ・システムで、Advanced Field Artillery Tactical Data System（先進野戦砲兵戦術データ・システム）の略。砲兵の野戦指揮所をはじめ全火力支援部隊の指揮所に配備されており、アメリカ陸軍戦術インターネットを通して敵味方の精密な位置情報の提供、砲撃と航空攻撃の調整、効率的な砲兵配置・砲撃指示の提供を行う。イラク戦争で威力を発揮した。参考：月刊軍事研究4,’03、3,’04

＜ＡＦＢ＞：Air Force Base（空軍基地）の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＡＦＣＡＡ＞：Air Force Cost Analysis Agency（空軍費用解析局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＣＥＣ＞：Air Force Civil Engineer Center（空軍施設センター）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＣＯＮ＞：スペインのナヴァンティア社が開発中の高性能コルベット。全長102m、幅13.9m、吃水3.75m、満載排水量2600トン。主機はCODAD方式、ディーゼル（6.32MW）４基、２軸推進、速力27ノット強、航続距離4000海里（15ノット）。AN/SPY-1Kを中核とするイージス・システムを搭載し、兵装はSM-2連装発射機、ESSM垂直発射機、76mm砲１門。ヘリ１機を搭載する。乗員70名。参考：月刊軍事研究2,’07

＜ＡＦＣＳ＞：空軍通信隊または自動操縦装置を参照。

＜ＡＦＣＳテスト・ポイント・セット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜ＡＦＣＴ＞：イギリス海軍の艦砲用射撃指揮装置で、海軍省射撃指揮盤（Admiralty Fire Control Table）の略。ドライヤー・テーブルの改良型で、1920年代初頭から開発し、1925年に試作型のテストを終了した。参考：月刊世界の艦船1,’12

　＜ＡＦＣＴ　Ｍｋ�T＞：ネルソン級戦艦に配備された。参考：月刊世界の艦船1,’12

　＜ＡＦＣＴ　Ｍｋ�U＞

　＜ＡＦＣＴ　Ｍｋ�Z＞：フッド級巡洋戦艦に配備された。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜ＡＦＤＬ−１級＞：アメリカ海軍小型補助浮きドック。掃海艇用浮きドックとして建造されており、収容能力は1000トン。後に小型艇整備用としても使用された。全長61m、内幅13.7m。自力航行はできない。1943-44年に28隻が就役し、2010年になってもAFDL-6が現役である。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜ＡＦＤＬ−６＞：アメリカ海軍AFDL-1級浮きドック、ダイナミック（Dynamic）。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜ＡＦＤＳ＞：BK90（クラスター弾）を参照。

＜ＡＦＤＴＣ＞：空軍開発試験センターを参照。

＜ＡＦＤＷ＞：Air Force District of Washington（ワシントン特別区空軍部隊）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＥＭ＞：合衆国軍遠征章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＦＦＳＡ＞：Air Force Flight Standards Agency（空軍飛行基準局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＦＳＣ＞：Air Force Financial Services Center（空軍金融センター）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＦＴＣ＞：空軍飛行試験センターを参照。

＜ＡＦＧＳＣ＞：空軍全地球打撃コマンドを参照。

＜ＡＦＨＲＡ＞：Air Force Historical Research Agency（空軍歴史研究局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＩＡ＞：Air Force Inspection Agency（空軍監察局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＩＡＡ＞：Air Force Intelligence Analysis Agency（空軍情報分析局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＩＣＡ＞：Air Force Installation Contracting Agency（空軍設備契約局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＩＭＳＣ＞：空軍設備・任務支援センターを参照。

＜ＡＦＩＳＭＡ＞：アフリカ主導マリ国際支援ミッションを参照。

＜ＡＦＬＣ＞：空軍兵站軍団を参照。

＜ＡＦＬＣＭＣ＞：空軍ライフサイクル管理センターを参照。

＜ＡＦＬＯＡ＞：Air Force Legal Operations Agency（空軍法務局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜Ａｆｌｏａｔ＞：GCCS-Mを構成する洋上サイト。艦船上の戦術指揮官に、戦場状況や諜報情報などを提供する。参考：月刊軍事研究6,’04

＜ＡＦ−Ｍ３１５Ｅ＞：アメリカ空軍研究所がASCENT（Advanced Spacecraft Energetic Non-Toxic Propellant）計画の名称で試験中の推進薬。ヒドロキシル硝酸アンモニウムによる燃料・酸化剤混合物で、ヒドラジンを使用せず毒性が低い。GPIM（Green Propellant Ingusion Mission）衛星の軌道上推進装置に積んで2019年6月24日に打ち上げた。参考：月刊航空ファン9,’19

＜ＡＦＭＡＯ＞：Air Force Mortuary Affairs Operations（空軍遺体安置本部）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＭＣ＞：空軍資材コマンドを参照。

＜ＡＦＭＯＡ＞：Air Force Medical Operations Agency（空軍医務局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＭＳＡ＞：Air Force Medical Support Agency（空軍医療支援局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＭＳＳ＞：アメリカ空軍の標準型ミッション計画作成システム。輸送機に搭載してどこにでも空輸でき、海外基地でのアメリカ軍機運用を可能とする。B-2Aブロック30は当初上手く適応できなかったが、1998年末の改良型ソフトウェアで改善され、1999年4月に漸くステルス機用（F-117、B-2A、F-22）の共通ソフトウェアが完成した。参考：月刊軍事研究1,’03

＜ＡＦＮＷＣ＞：空軍核兵器センターを参照。

＜ＡＦＯＧ＞：Air Force Operations Group（空軍運用群）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＯＳＩ＞：空軍特別調査部の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＯＴＥＣ＞：Air Force Operational Test and Evaluation Center（空軍運用試験評価センター）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＰ４２＞：空軍プラント42（アメリカ空軍施設）を参照。

＜ＡＦＰ−１０１０＞：KH-11（偵察衛星）を参照。

＜ＡＦＰＡ＞：Air Force Petroleum Agency（空軍石油局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＰＣ＞：Air Force Personnel Center（空軍人事センター）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＰＡＡ＞： Air Force Public Affairs Agency（空軍広報局）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＦＲ＞：空軍予備隊を参照。

＜ＡＦＲＡＴ＞：アメリカ空軍の放射能環境分析チームで、Air Force Reading Abilities Testの略。参考：ストライクアンドタクティカルマガジン7,’11

＜ＡＦＲＢＡ＞：Air Force Review Boards Agency（空軍審査委員会局）の略。参考：月刊軍事研究5,’16

＜ＡＦＲＣ＞：空軍予備役コマンドを参照。

＜ＡＦＲＥＳ＞：空軍予備隊を参照。

＜ＡＦＲＬ＞：空軍調査研究所を参照。

＜ＡＦＲＰ＞：Aramid Fiber Reinforced Plastics（アラミド繊維強化プラスチック）の略。参考：月刊JWings8,’19

＜ＡＦＲＳＯ＞：空軍迅速維持局を参照。

＜ＡＦＳ＞：Air Force Station（空軍飛行場）の略。

＜ＡＦＳ−１＞：T-AFS-1（戦闘給糧艦）を参照。

＜ＡＦＳ−２＞：アメリカ海軍マーズ級戦闘給糧艦シルヴァニア（Sylvania）。1964年7月就役。1994年5月に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜ＡＦＳ−３＞：T-AFS-3（戦闘給糧艦）を参照。

＜ＡＦＳ−４＞：アメリカ海軍マーズ級戦闘給糧艦ホワイト・プレーンズ（White Plains）。1968年11月就役。1995年4月に退役した。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜ＡＦＳ−５＞：T-AFS-5（戦闘給糧艦）を参照。

＜ＡＦＳ−６＞：T-AFS-6（戦闘給糧艦）を参照。

＜ＡＦＳ−７＞：T-AFS-7（戦闘給糧艦）を参照。

＜ＡＦＳＡ＞：統合軍保全局を参照。

＜ＡＦＳＡＴＣＯＭ＞：アメリカ空軍の衛星通信システム。アメリカ空軍独自のIDSCP衛星・DSDC衛星の他、海軍のFLTSATCOM・LEASATも使用できる。1980年代にはMILSTAR衛星の運用も開始された。参考：月刊軍事研究1,’07

＜ＡＦＳＢ＞：アメリカ海軍がシー・ベーシング構想の一環として開発した艦艇で、Afloat Forward Staging Base（洋上前方配備基地）の略。港湾や基地の無い地域の洋上に展開し、対機雷戦部隊、特殊部隊、海兵隊の洋上基地として使用される。必要性が認識されたのはイラン・イラク戦争の頃らしいが、本格的に研究が行われたのは不朽の自由作戦でCV-63キティホークを洋上特殊部隊母船として使用してからで、2002年には民間の大型コンテナ船に飛行甲板、航空機兼車両格納庫、ドックウェルを設け、飛行甲板にCH-53ヘリ15機、格納庫にCH-47などの陸軍ヘリ28機またはCH-46Eなどの海兵隊ヘリ72機、HMMWV144両、ドックウェルにLCACを収容する案が出された。居住施設は6000名分が用意されており、AV-8BやF-35Bの支援も可能である。2004年にT-AK-3017ガネリーサージャント・フレッド・Ｗ・ストッカムを改造してMH-60ヘリ２機を運用できる飛行甲板と燃料設備を設置、2006年には更にヘリ２機分の格納庫と航空要員居住区を設けてスキャンイーグル無人機も搭載した。その後暫く開発が滞っていたが、2012年1月にオースチン級揚陸艦LPD-15ポンスをAFSB(I)-15に改造して試験運用が行われている。量産型はMLP３番艦T-MLP-3ルイス・Ｂ・プラー以降で、2015年9月3日に遠征機動基地ESB（Expenditionary Mobile Base）に艦種変更された。参考：月刊世界の艦船12,’12、4,’12、月刊軍事研究7,’13、3,’16

＜ＡＦＳＢ（Ｉ）＞：アメリカ海軍の艦種記号で、Afloat Forward Staging Base （Interim）、洋上前方設置艦（暫定）の略。参考：月刊世界の艦船2,’13

＜ＡＦＳＢ（Ｉ）−１５＞：アメリカ海軍洋上前方設置艦（暫定）ポンス（Ponce）。AFSB構想の実験艦としてLPD-15ポンスを特殊作戦・掃海隊用洋上支援基地に改造したもので、掃海艇・哨戒艇支援設備として整備室や工作室を設置している。ドックウェルで小型舟艇、ヘリ甲板でMH-53E掃海ヘリを運用する。全長173.8m、満載排水量17521トン。主機は蒸気タービン２基２軸24000馬力、速力21ノット。兵装は20mmCIWS２基、25mm単装機関砲２門。乗員220名。2012年1月から改造され、3月30日に予備役に入り、3月31日にこの艦種記号に変更された。6月1日、現役に復帰。ペルシャ湾に展開した。9月16-27日、ペルシャ湾で多国間共同掃海演習IMCMEX12に参加。2013年5月6-30日、ペルシャ湾でIMCMEX13に参加。2014年8月、非対称脅威対処用レーザー砲AN/SEQ-3LaWSを艦橋頂部マスト前方に装備してペルシャ湾に展開した。10月27日から11月13日、IMCMEX14に参加。2016年4月4-16日、ペルシャ湾でIMCMEX2016に参加。2017年10月14日に退役した。参考：月刊世界の艦船4,’15、2,’13、12,’12、8,’13、2,’15、8,'15、7,’16、月刊軍事研究8,’13、3,’18、4,’18、月刊JWings6,’14

＜ＡＦＳＣ＞：空軍維持センターまたは空軍システム軍団を参照。

＜ＡＦＳＣ＞：Air Force Safety Center（空軍安全センター）の略。参考：月刊軍事研究5,’16

＜ＡＦＳＣＮ＞：アメリカ空軍の軍事衛星追跡調査システムで、空軍衛星制御ネットワーク（Air Force Satellite Control Network）の略。遠隔追跡ステーション８箇所（ニューハンプシャー州、カリフォルニア州、グリーンランド、ハワイ州、コロラド州、ディエゴ・ガルシア島、グアム、イギリス）、運用制御センター２箇所（カリフォルニア、コロラド）、移動追跡ステーション・アンテナ２基、アンテナ施設15箇所により150基以上の衛星を支援している。参考：月刊軍事研究4,’07

＜ＡＦＳＦＣ＞：Air Force Security Forces Center（空軍警備隊センター）の略。参考：月刊軍事研究5,’16

＜ＡＦＳＭ＞：合衆国軍従軍章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＦＳＯＡＷＣ＞：アメリカ空軍の部隊で、Air Force Operations Air Warfare Center（空軍特殊作戦航空戦センター）の略。2017年5月、第492特殊作戦航空団に改編された。参考：月刊航空ファン7,’18

＜ＡＦＳＯＣ＞：アメリカ空軍の特殊作戦部隊で、Air Force Special Operations Command（空軍特殊作戦コマンド）の略。USSOCOMの隷下にあり、USSOCOMへのフォース・プロバイダーとなる空軍メジャー・コマンドである。1987年4月16日にアメリカ軍統合特殊作戦部隊であるUSSOCOMが発足したのに伴い、1990年5月22日に創設された。司令部はフロリダ州ハールバード・フィールドにあり、第16特殊作戦航空団、第352特殊作戦群、第353特殊作戦群を隷下に置く。主任務は火力支援、輸送、補給、特殊部隊潜入・回収支援、海外民生支援・外国軍教育訓練、外国国内防衛航空ミッションAvFIDなど。2008年、直轄の情報部隊、飛行試験部隊、気象部隊などを統括する第23航空軍が新編された。2013年4月4日、第23航空軍が解隊された。2017年5月、第492特殊作戦航空団（空軍特殊作戦航空戦センターAFSOAWCから改編）が隷下に入った。2023年4-5月、アジャイル・チャリオット演習を実施。高速道路からMC-130J特殊作戦輸送機、A-10C攻撃機、MQ-9無人機、MH-6特殊作戦ヘリを離着陸させ、FARP設営・運用訓練や統合型戦闘ターン・アラウンドICT訓練を行った。参考：月刊軍事研究4,’16、4,’07、7,’03、12,’18、月刊丸9,’97、月刊航空ファン8,’17、7,’18、月刊JWings8,’23

　＜ＡＦＳＯＣ（２００１年）＞：人員9320名。航空軍司令部１個、航空団１個、飛行隊14個からなる。AC-130Hガンシップ８機、AC-130Uガンシップ13機、MC-130H特殊戦輸送機21機、MC-130P特殊戦輸送機20機、MH-53J/M特殊戦ヘリ33機、C-130E輸送機５機を装備する。また、空軍教育訓練コマンドAETCに航空団１個・飛行隊２個があり、MC-130H特殊戦輸送機３機、MC-130P特殊戦輸送機４機、MH-53J特殊戦ヘリ５機、TH-53A練習ヘリ４機を装備する。予備役は空軍予備役1260名、州空軍1040名。空軍予備役は航空団１個・飛行隊２個にMC-130E特殊戦輸送機14機とC-130E輸送機１機、州空軍は航空団１個・飛行隊１個にEC-130E心理戦機５機、EC-130J心理戦機３機、C-130輸送機３機を装備する。参考：The Millitary Balance 2001・2002

　＜ＡＦＳＯＣ（２００７年）＞：隷下に第１特殊作戦航空団、第352特殊作戦群、第353特殊作戦群、第720特殊戦術群、第18飛行試験飛行隊、アメリカ空軍特殊作戦学校を置く。また、予備役として第919特殊作戦航空団、州兵航空隊として第193特殊作戦航空団を置いている。兵力は13261名で、現役9316名、予備役2806名、文民1139名。現役の航空機は159機で、固定翼機が87機（うち空中給油機15機）、ヘリコプターが72機。参考：月刊軍事研究1,’08

　＜ＡＦＳＯＣ（２０１２年）＞：司令部はフロリダ州ハールバード・フィールド。第１特殊作戦航空団、第24特殊作戦航空団、第27特殊作戦航空団、第352特殊作戦群、第353特殊作戦群、第193特殊作戦航空団（EC-130J装備の州兵航空隊部隊。心理戦担当）、予備役部隊を隷下に置く。参考：月刊軍事研究3,’13

　＜ＡＦＳＯＣ（２０１５年）＞：USSOCOMの隷下で、司令部はフロリダ州ハールバード・フィールドにある。兵力16200名。第１特殊作戦航空団（AC-130J/U、MC-130H、U-28A、C-145A、CV-22B）、第27特殊作戦航空団（AC-130W、MC-130J/W、U-28A、CV-22B、C-146A、MQ-1/-9）、第352特殊作戦航空団（MC-130H/J、CV-22B）、第353特殊作戦群（MC-130H/J）などを隷下に置く。AC-130Jガンシップ２機、AC-130Uガンシップ13機、AC-130Wガンシップ12機、HC-130N捜索救難機２機、HC-130P捜索救難機１機、HC-130J捜索救難機１機、MC-130H輸送機20機、MC-130J輸送機24機、C-146A輸送機９機、C-145A輸送機４機、U-28A輸送機36機、CV-22A/B輸送機46機、HH-60G捜索救難ヘリ３機、TH-1H練習ヘリ24機、UH-1N練習ヘリ10機、MQ-1B無人機10機、MQ-9無人機30機を保有する。参考：月刊軍事研究4,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＦＳＯＣ（２０１８年）＞：USSOCOMの隷下で、人員19500名（予備役、州兵、民間人含む）。隷下に第１特殊作戦航空団、第24特殊作戦航空団、第27特殊作戦航空団、第352特殊作戦航空団、第353特殊作戦群、第492特殊作戦航空団、オクラホマ州空軍第137特殊作戦航空団、ペンシルバニア州空軍第193特殊作戦航空団、空軍予備役軍団第919特殊作戦航空団を置く。参考：月刊航空ファン7,’18

＜ＡＦＳＰＡＣＥＣＯＭ＞：アメリカ空軍宇宙コマンド（United States Air Force Space Command）の略。1982年9月1日に創設された。主任務は宇宙にある物体の監視で、他国衛星の情報収集や、宇宙から落下してくる物体が核弾頭かそうでないかの判別などを行う。1983年、統合宇宙運用センターCSOCの建設を開始。1985年9月23日、USSPACECOMの隷下に入り、略称が紛らわしいということでAFSPCに改称された。参考：月刊軍事研究1,’16

＜ＡＦＳＰＣ＞：アメリカ空軍メジャー・コマンドで、アメリカ空軍宇宙コマンド（United States Air Force Space Command）の略。1985年9月23日に上級統合軍USSPACECOMが創設されたため、AFSPACECOMが紛らわしいとのことで、略称だけ改称されて誕生した。司令部はアメリカ本土にあり、衛星運用の第14航空軍を隷下に置く。1990年代に衛星打ち上げ任務を担当するようになった。1993年、第20航空軍を隷下に置き、ICBM管理を担当するようになった。管理のみで、作戦指揮権の方はアメリカ戦略軍USSTRATCOMが持っている。2002年10月1日、USSPACECOM廃止に伴い、USSTRATCOMの隷下に移った。2005年現在、要員は3.9万名（うち現役1.9万名）で、LGM-30Gミニットマン�V500発、通信衛星50基（非公開の衛星を含めるとそれ以上）を運用している。2009年8月7日、第20航空軍が空軍全地球打撃コマンドAFGSCに移管され、サイバー戦組織の第24航空軍が新編された。参考：月刊軍事研究1,’16、4,’07、5,’13、10,’14、4,’16、12,’18

　＜ＡＦＳＰＣ（２００７年）＞：コロラド州ピーターソンに司令部がある。隷下に第14航空軍、第20航空軍、宇宙ミサイルシステムセンター、宇宙革新開発センターを置く。兵力は現役18345名、予備役2042名、文民6534名。参考：月刊軍事研究12,’07

　＜ＡＦＳＰＣ（２０１３年）＞：アメリカ戦略軍USSTRATCOM隷下で、司令部はコロラド州ピーターソンにある。隷下に第14航空軍（カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地）、第24航空軍（テキサス州ラックランド統合基地）、宇宙ミサイルシステムセンター（カリフォルニア州ロサンゼルス空軍基地）、空軍ネットワーク統合センター（イリノイ州スコット空軍基地）を置く。参考：月刊軍事研究5,’13

　＜ＡＦＳＰＣ（２０１５年）＞：アメリカ戦略軍USSTRATCOM隷下で、司令部はコロラド州ピーターソン空軍基地にある。第14航空軍と第24航空軍を隷下に置く。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＡＦＳＳ＞：自律火災抑制システムを参照。

＜ＡＦＳＶ−９０＞：SIBMAS（装甲車）を参照。

＜ＡＦＴＣ＞：空軍試験センターを参照。

＜ＡＦＶ＞：装甲戦闘車両（Armoured Fighting Vehicle）の略。

＜ＡＦＶＧ＞：Anglo-French Variable Geometry（英仏共同開発可変翼機）の略。1965年にイギリスとフランスが共同開発することになった可変翼戦闘機で、フランスではGVFA（Geometrie Variable Franco-Anglais）と略す。イギリスのBACが主導し、フランスのダッソー社をパートナーとして開発が開始されたが、イギリス海軍は通常空母用全天候防空戦闘機、イギリス空軍は超音速全天候戦闘爆撃機、フランス海軍はクレマンソー級空母搭載用艦上全天候戦闘機、フランス空軍は全天候迎撃／戦闘爆撃機を要求したため、全く纏まらなかった。1965年7月に一応の開発目標を出したが、フランス海軍型の総重量16000ポンド（7.26トン）から戦闘爆撃機型の50000ポンド（22.68トン）まで４種類が併記されており、これを可変翼で無理矢理１つの機体に押し込める計画だった。しかしダッソー社がミラージュＧの試作を独自に進めており、1967年6月に飛行試験を発表、6月29日にAFVG計画から離脱した。イギリスは西ドイツ、イタリアとトーネードの共同開発に移り、AFVG計画はご破算となった。参考：月刊JWings5,’07

＜ＡＦＸ−７５７＞：アメリカ軍の低感度高性能炸薬。主剤はRDXで、アルミニウム粉末、過塩素酸アンモニウム、末端水酸基ポリブタジエンを混ぜ込んでいる。参考：月刊航空ファン3,’18

＜ＡＦＷＡ＞：空軍気象局（Air Force Weather Agency）の略。参考：月刊軍事研究5,’16

＜ＡＧ＞：空輸航空群（Airlift Group）の略。参考：月刊軍事研究12,’13

＜ＡＧ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、特務艦（Miscellaneous）、雑役艦、雑役補助艦、雑役特務艦を示す。学生実習艦、実験艦、標的艦などが含まれる。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧ３＞：G3海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＧ−９＞：アメリカ海軍輸送船グレート・ノーザン（Great Northern）。元はID-4569グレート・ノーザンで、アメリカ陸軍に転属した後、1921年に海軍に復帰した際に艦種記号と艦番号を変更したものである。11月、艦名をコロンビア（Columbia）に変更した。1922年、民間に復帰し、パシフィック汽船所属H.F.アレキサンダーとして太平洋岸航路に就航した。1942年、アメリカ陸軍に徴用され、輸送船ジョージ・Ｓ・シモンズとなった。参考：月刊世界の艦船7,’24

＜ＡＧ−１６＞：BB-31（戦艦）を参照。

＜ＡＧ−１７＞：BB-32（戦艦）を参照。

＜ＡＧ−２５＞：アメリカ海軍大統領専用ヨット、ポトマック（Potomac）。元は沿岸警備隊カッターのエレクトラで、1934年に竣工した。1935年に大統領専用ヨットとして使用されることになり、改造工事を受けて1936年3月に竣工した。長さ50.3m、幅7.2m、吃水2.4m、満載排水量416トン。主機はディーゼル、速力13ノット。乗員45名。煙突２本のうち１本は内部にエレベーターを内蔵するダミーで、両足が不自由で車いすを使用していたルーズベルト大統領のために設けられた。VIPの接待や社交行事などに使用され、浮かぶホワイトハウスとも呼ばれている。第２次大戦終戦後に除籍され、転売され、一時はエルビス・プレスリーも所有していた。挙げ句の果てに密輸船になり、1981年に沿岸警備隊がサンフランシスコ湾に沈めた。その後引き揚げられ、オークランド市が購入して復元、1995年からFDRピアに係留されており、サンフランシスコ湾クルーズも行っている。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜ＡＧ−３１＞：アメリカ海軍雑用特務艦アルゴンヌ（Argonne）。参考：月刊世界の艦船3,’19

＜ＡＧ３６＞：ヘッケラー＆コッホ社が開発した40mm小銃擲弾発射機で、G36小銃やM4系小銃の銃身下に無改造で取り付けられる。全長353mm、銃身長279.4mm、幅89mm、高さ84mm。使用弾は40mm×46弾。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜ＡＧ３６海外シリーズ＞

　＜Ｌ１７＞：イギリス陸軍40mm擲弾発射機。参考：月刊軍事研究9,’09

＜ＡＧ−４３＞：アメリカ海軍雑役艦マジャバ（Majaba）。1942年、ガダルカナル島で甲標的の雷撃を受け撃破された。参考：月刊世界の艦船3,’17

＜ＡＧ−９０＞：APA-15（攻撃兵員輸送艦）を参照。

＜ＡＧ−１２８＞：BB-41（戦艦）を参照。

＜ＡＧ１４０＞：ドイツ国防軍の航空機搭載対戦車ロケットで、AGはAbschussgerat（発射装置）の略。直径210mmで、２枚の安定翼を持つ。1945年4月に兵器試験センターでFw190F-8戦闘爆撃機３機によるテストが行われた。参考：フォッケウルフFw190A/F/Gシリーズ

＜ＡＧ−１６３＞：AGDE-1（実験護衛艦）を参照。

＜ＡＧ６００＞：蛟龍600（飛行艇）を参照。

＜ＡＧ９１４０シリーズ＞：ロールスロイス社の艦載発電機。航空機用T56ターボシャフトエンジンをベースとした501-K34ガスタービンエンジンに発電機を組み合わせたものである。出力3MW。アーレイ・バーク級イージス駆逐艦フライト�T／�U／�UＡに搭載された。参考：月刊世界の艦船7,’22

　＜ＡＧ９１４０ＲＦ＞：RFのＲは冗長独立型機械始動システムRIMSS（Redundant Independent Mechanical Start System）、ＦはFADECの頭文字である。全長341インチ、全幅94インチ、全高133インチ、重量65499ポンド。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜ＡＧ９１６０ＲＦ＞：ロールスロイス社の艦載発電機。RFのＲは冗長独立型機械始動システムRIMSS（Redundant Independent Mechanical Start System）、ＦはFADECの頭文字である。MT5S-HE+ガスタービンエンジンにRR4500発電機を組み合わせている。全長389インチ、全幅107インチ、全高150インチ、重量98414ポンド。出力4MW。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜ＡＧＡ−４０モデル８５＞：ルーマニア国産の40mm自動擲弾発射機。作動はブローバック式、使用弾は40mm×74.5弾、弾種はPGA-4HE-FRAG弾（殺傷半径10m）、HE-HC弾（装甲貫徹力50mm）、訓練弾の３種類で、10発入りドラムマガジンにより左側から給弾する。三脚に搭載され、車載も可能。全長875mm、全幅300mm、全高280mm、重量23kg。有効射程1400m、発射速度毎分380-450発。参考：月刊PANZER11,’02

＜ＡＧＡＴＨＡ＞：HORIZONシステムのデータリンクで、フランスのダッソー電機社製。観測ヘリのデータをリアルタイムで地上装置に送る。参考：月刊軍事研究12,’00

＜ＡＧＢ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、砕氷艦（Icebreaker）を表す。1965年3月18日に制定された。5001以降の艦番号も付けられている。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊

＜ＡＧＢ−５００１＞：海上自衛隊ふじ型砕氷艦１番艦ふじ。文部省南極観測事業支援で昭和39年度計画により急遽建造が決まり、1964年8月起工、1965年3月進水、1965年7月15日竣工・就役。11月20日、東京港を出港して海上保安庁宗谷から第７次南極観測支援任務を引き継ぎ、1966年2月末（4月8日？）に帰国した。1977年、艦橋上にマリサット衛星通信装置の白いレドームを追加した。1978年、S-61Aとベル47G-2Aを配備していた。1983年、第24次南極観測支援任務で昭和基地に280便472トンの物資を輸送し、2月8日に空輸拠点を離れた。2月16日までブライド湾の調査を実施。2月22日、南極の流氷縁を離れて帰路に就いた。1983年10月3-25日、三宅島噴火の災害派遣に参加。1984年4月11日に除籍され、1985年から名古屋港ガーデン埠頭に展示されている。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’83、8,’11増刊、6,'22、月刊丸1,’10別冊、6,’22

＜ＡＧＢ−５００２＞：海上自衛隊しらせ型砕氷船（初代）１番艦しらせ。1981年3月5日起工、1981年12月11日進水、1982年11月12日竣工。1983年10月3-25日、三宅島噴火の災害派遣に参加。11月、第25次南極観測隊を乗せて晴海を出港。1984年4月19日、南極観測支援任務を終えて帰国。1985年末、氷塊に囲まれて身動きが取れなくなったオーストラリアの観測船ネラ・ダン号を救出。1996年8月29日、日本一周総合訓練のため横須賀を出港。8月30日、日立に寄港。9月2日、日立を出港。9月6日、稚内に寄港。9月9日、稚内を出港。9月14日、金沢に寄港。9月17日、金沢を出港。9月20日、唐津に寄港。9月24日、唐津を出港。9月28日、松山に寄港。9月30日、松山を出港。10月2日、横須賀に帰港。1998年1月15日、南アフリカのケープタウンに入港し、昭和基地からの急患を降ろした。1月16日、南極に向け出港。1月23日、アムンゼン湾に入り、地質学調査隊をトナー島に空輸した。1月26日、昭和基地に接岸。1999年12月24日、昭和基地沖に接岸。2000年11月14日、第42次南極地域観測協力のため東京を出港。2001年4月13日、第42次南極地域観測協力を終えて東京に帰投。11月14日、第43次南極地域観測支援のため東京を出港。2004年12月21日、第46次南極地域観測支援のため昭和基地沖に到着。2005年4月12日に帰国。2006年12月23日、第48次南極地域観測支援のため昭和基地沖に到着。2007年4月13日に帰国。2007年11月14日、第49次南極地域観測協力のため、879トンの貨物を搭載して晴海埠頭を出港。フリーマントルで54名の観測隊を乗せ、12月中旬に南極氷海に進入。昭和基地で350トンの貨物と59名の観測隊員を積み替え、2008年3月上旬に氷海を離脱。シドニーで観測隊員59名を降ろし、4月12日に晴海埠頭に帰港、最後の航海を終えた。7月30日に除籍され、保存先を探していたが、改修10億・維持費年間１億という費用がネックで候補先が見つからず、解体されることになった。しかし世界同時不況でスクラップ価格が下落、売却先が見つからず、再び保存先を探すことになった。2009年11月7日、レインボーブリッジのたもとにある港区立埠頭公園に、プロペラブレードを使用したモニュメントが展示された。11月9日、民間気象会社のウェザーニューズが買い取ることに決定。SHIRASEと改名し、千葉県船橋港に繋留して気象観測用に使用することとなった。2010年2月10日、横須賀基地吉倉桟橋で引渡式を行ってウェザーニューズに引き渡され、横須賀から横浜の三菱重工本牧工場に曳航された。船体検査や補修を行った後船橋港に移され、5月2日から一般公開されている。乗艦は予約制で、ウェザーニューズの専用サイトから申し込む。繋留地の隣にあるサッポロビール千葉工場とのコラボ見学（有料、黒ラベルの試飲付）もあり、こちらはサッポロビールのサイトからどうぞ。2017年8月19-20日、マリンフェスタin船橋でAGB-5003しらせと並んで展示された。10月28日、曳船に曳かれて除籍後初めて東京港晴海埠頭に入港。10月29日、船上イベントのチャレンジングSHIRASE2017第４回を実施。10月30日、曳船に曳かれて東京港晴海埠頭を出港。2018年6月3日、千葉地本が船橋市京葉食品コンビナート南埠頭で開催したマリンフェスタに参加。7月16日、東京港晴海埠頭で海と日本プロジェクトin晴海に参加。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船3,’07、9,’96、4,’98、9,’09、1,’10、2,’10、6,’01、1,’02、3,’05、4,’10、1,’18、10,’18、6,'22、月刊丸2,’08、朝雲

＜ＡＧＢ−５００３＞：海上自衛隊しらせ型砕氷船（２代目）１番艦しらせ。平成17年度計画艦で、2007年3月15日起工、2008年4月16日進水、12月海上公試開始、2009年5月20日竣工、ユニバーサル造船所舞鶴事業所で自衛官旗授与式が行われて就役し、横須賀地方隊に配備された。5月25日、横須賀に入港。5月30-31日、横須賀で一般公開され、12200人が見学に訪れた。5月30日から6月4日、東京港晴海埠頭を親善訪問したカナダ海軍補給艦AOE-509プロテクターのホストシップを務めた。6月1-3日、東京港晴海埠頭に寄港。7月25-26日、横浜港で海フェスタよこはま2009に参加し、一般公開された。8月22-23日、木更津港で一般公開された。11月10日、就役後初となる南極観測支援任務（第51次）のため、晴海埠頭を出港。オーストラリアのフリーマントルを経て12月18日（15日？）に昭和基地から70kmの氷縁に到着、CH-101ヘリで空輸を開始した。2010年1月9日、士官室で成人式祝賀会を実施。祝賀を受けた海士長は南極観測隊初の平成生まれ隊員でもある。1月11日、南極の氷が例年より厚くて航海に手間取ったため、予定より１週間遅れて昭和基地沖に到着。ラミングの衝撃でプロペラシャフトから浸水したり、舵を動かす油圧式ラムシリンダーが破損したりといった損傷にも見舞われたが、機関科員が修理して直した。2月14日に昭和基地沖を出港、シドニーを経て4月9日に日本に戻った。6月8日、シップ・オブ・ザ・イヤー2009に選出された。8月7日、ヨコスカサマーフェスタに参加。8月21-22日、伊勢湾マリンフェスタに参加。9月10日1000前、秋田港に寄港し、しらせ南極フェスタに参加。9月11日、秋田港で一般公開され、6800人が見学した。9月12日、秋田港で一般公開され、4100人が見学した。1600前、秋田港を出港。9月14日、舞鶴西港第２埠頭に寄港。9月15日、舞鶴西港で一般公開を実施。終了後、舞鶴を出港。9月18-19日、博多市箱崎埠頭で一般公開を実施。10月20日、南極観測支援のため横須賀から東京港晴海埠頭に回航される際に、関係者による体験航海を実施。11月11日、第52次南極地域観測支援任務のため東京港晴海埠頭を出港。2011年1月1日、昭和基地沖に到着。4月10日に帰投予定だったが、東日本大震災を受けて予定を変更。3月24日にシドニーを出港する予定を3月22日に早め、4月5日に横須賀に帰投し、帰国行事を取りやめてそのまま荷揚げ作業を実施、救難活動に向かった。総航程２万海里、総行動日数146日、ラミング回数3248回だった。8月5日、横須賀サマーフェスタで一般公開された。8月25日、横須賀を出港して日本一周総合訓練を開始。8月27-28日、八戸港で艦艇広報を実施。8300人が来艦した。8月29日、八戸港を出港。9月2-5日、石狩港に寄港。9月11-13日、富山港に寄港。9月16-19日、長崎港に寄港。9月23-26日、神戸港新港第４突堤に寄港し、24-25日に一般公開を行った。9月30日から10月2日、船橋港に寄港。ウェザーニューズ社に売却された先代AGB-5002しらせと向かい合わせで停泊し、一般公開された。10月2日、横須賀に帰港した。11月11日、第53次南極地域観測支援任務のため東京を出港。総航程２万海里、総行動日数151日、南極圏行動日数98日の予定である。12月23日、CH-101ヘリによる昭和基地への物資輸送を開始。2012年1月21日、昭和基地周辺が2mの積雪と厚さ5-6mの氷で覆われているため、接岸を断念（第35次以来18年ぶり）した。1月24日、昭和基地の西北西20kmの地点に停留し、雪上車とCH-101ヘリを使用しての物資輸送を開始した。2月10日、物資輸送任務を完了。2月13日、復路の砕氷航行を開始。帰投する際、氷塊に衝突して右舵が使用不能となった。応急修理が困難だったため、LST-4001おおすみとAOE-425ましゅうで救援に向かい、しらせは最低限の乗員と共に現場海域に残す案が検討される事態となったが、何とか自力で離脱している。4月9日、東京港晴海埠頭に帰投した。総航程37000km、物資輸送量820トン。例年の倍の厚さの氷が張っており、ラミング回数は史上２番目の3414回だった。8月31日、平成24年度総合訓練のため横須賀を出港し、横浜に寄港。9月3日、横浜を出港。9月7-10日、函館に寄港。9月14-17日、鳥取県境港に寄港し、9月14-16日に一般公開を行った。9月21-24日、門司港に寄港。9月27-30日、山口県徳山港に寄港。10月2日、横須賀に帰投。11月11日、第54次南極地域観測支援活動のため東京港晴海埠頭を出港。11月30日、オーストラリアのフリーマントルを出港。12月19日、昭和基地の南36kmでCH-101ヘリによる輸送業務を開始。2013年1月11日、昭和基地の北西11kmに達したが、氷の厚さが6mもあり、基地への接岸は断念した。1月14日、新成人隊員２名が乗員や観測隊員から祝福を受けた。3月19日、シドニーに寄港。オーストラリアを交流訪問中の秋田県にかほ市内中学生が艦内見学を行った。3月24日、シドニーを出港。4月10日、第54次南極地域観測支援を終えて東京港晴海埠頭に帰投。総航程36000km、ラミング回数2323回で、物資670トンをCH-101ヘリで輸送した（車両輸送は氷上の状態が悪く不可能だった）。統幕長から２級賞状も授与されている。8月3日、横須賀サマーフェスタ2013で一般公開された。8月28日、日本一周総合訓練のため横須賀を出港。8月30日から9月2日、石巻に寄港。9月6-9日、十勝に寄港。9月13-16日、浜田に寄港。9月20-23日、那覇に寄港。9月27-30日、高知に寄港。10月2日、横須賀に帰港。11月8日、第55次南極地域観測支援任務のため東京港晴海埠頭を出港。11月22日、オーストラリアのフリーマントルに入港。11月27日、第55次南極観測隊員58人を乗せフリーマントルを出港。12月14日、CH-101ヘリで昭和基地への輸送を開始。2014年1月4日1630、３年振りに昭和基地沖に接岸。1月13日、観測機器、食料、燃料など1159トンの輸送任務を完了し、持ち帰り物資の搭載へ移行した。1月22日、昭和基地を離岸。2月1-8日、第54次南極観測隊越冬隊員と第55次南極観測隊員を収容。2月16日0740（日本時間1340）、日本に帰る途中に南極マラジョージナヤ基地（ロシア所属）沖700mで艦首部船底が暗礁に乗り上げ、二重底の外板を損傷して浸水し、行動不能になった。内壁は損傷しておらず、油の流出は無く、乗員に死傷者も出ていない。燃料を艦尾側に移して艦首を上げ、遠隔操作式水中カメラで船底を調査、2月17日0700-0900の満潮時に離礁を試みたが、失敗した。1900-2100に３回目の離礁を試みるも失敗。搭載物資を艦尾側に移して更に艦首を上げ、2月18日0719、離礁に成功した。3月15日、シドニーに入港。観測隊員を降ろし、4月7日、東京港晴海埠頭に帰港し、艦長に統幕長から２級賞状、乗員12名に横須賀総監から賞詞が授与された。航海日数151日、うち南極行動日数99日、総航程35000km、ラミング回数4563回だった。10月2日、平成26年度総合訓練のため横須賀を出港。10月2-4日、海上自衛隊陸上部隊の女性自衛官13名と女性事務官12名が乗艦実習を実施。10月3-5日、名古屋港に寄港。一般公開では4000人が来艦した。10月9日、横須賀に帰港。10月20日、横浜市内の野庭幼稚園と並木幼稚園の園児ら190人が横須賀基地逸見岸壁でしらせのお見送り会（1984年以来30回目）を実施。旗振りダンスを披露して隊員を激励した。11月11日、第56次南極地域観測支援のため観測隊員71名と輸送物資1017トンを積み東京港を出港。11月30日、オーストラリアのフリーマントル港を出港。12月5日、南緯55度を通過して南極圏に到達。12月15日、流氷域に到着。2015年1月12日1406（現地時間）、昭和基地沖500mの定着氷に接岸した。1月13日、海士３名の成人式を実施。1月13-24日、昭和基地への物資輸送を実施。燃料654トン、食料62トン、越冬観測物資66トン、越冬設営物資244トン、夏季観測・設営物資20トンを昭和基地に運び込み、廃棄物など持ち帰り物資380トンを搬入した。1月27日、昭和基地を出発。2月1-13日、第55次越冬隊を収容。2月3日、野外観測作業支援中に幹部１名が倒れ、2月5日に殉職した。3月1日、南緯55度を通過。3月9-15日、オーストラリアのフリーマントルに寄港し、観測隊員を降ろした。4月1日、東京港晴海埠頭には寄らず横須賀基地に帰港し、帰国式典を行った。艦長には統幕長から２級賞状が授与されている。ラミング回数は過去最高の5406回（うち往路3187回）に達した。10月27日、横浜市野庭幼稚園・並木幼稚園の園児ら200人が横須賀基地でお見送り会（1984年以来31回目）を実施。11月16日、第57次南極地域観測支援のため横須賀を出港。初めて女性自衛官10名｛医務長、気象士、船務科通信員２名、補給科給養員、補給科経理要員（給養）、機関科ディーゼル員、機関科機関要員（ディーゼル）、機関科電機員、航海科航海員｝が乗艦した。CH-101も２機体制になっている。12月12日、南緯55度を越えて南極圏に入った。12月20日、流氷域に到達。12月23日、CH-101で空輸作業を開始。

2016年1月4日0745（日本時間）、昭和基地の沖合500mにある定着氷に接岸した。1月15日、昭和基地に物資1037トンと燃料632トンを運び込んで輸送任務を終了。南極最大のPANSY大気レーダーの建設支援も行い、引き続き海洋観測支援に入った。2月19日、運用科三等海曹が急病にかかったため、観測支援を一時中断して南アフリカのケープタウンに向かい、2月26日に三等海曹をケープタウンに降ろして空路帰国させ、南極への帰路に就いた。2月24日、オーストラリア砕氷船オーロラ・オーストラリスがオーストラリアのモーソン基地沖で座礁し、離礁には成功したがモーソン基地にいたオーストラリア観測隊を収容できなくなったため、2月29日にオーストラリア政府から文部科学大臣兼南極観測統合推進部長に支援要請が出され、3月4日に統合幕僚長がしらせへオーストラリア観測隊員等の輸送指示を発出した。しらせはケープタウンから昭和基地に戻る途中だったが、針路を変更し、3月6日にモーソン基地沖14kmに到着、オーストラリア観測隊員66人とAS350ヘリ３機を収容した。3月12日、ケーシー基地沖に到着し、オーストラリア観測隊をモーソン基地から2300km先のケーシー基地に送り届けた。4月14日、第57次南極地域観測協力を終えて東京港晴海埠頭に帰港。総行動日数151日、南極行動日数99日、総航程20000海里、ラミング回数1852回（往路931回、復路921回）だった。4月20日、中谷防衛大臣から一級賞状が授与された。8月6日、横須賀基地で一般公開された。8月31日、平成28年度総合訓練のため横須賀を出港。9月2-5日、大船渡に寄港。9月9-12日、稚内に寄港し、10-11日に一般公開を実施、4300人が訪艦した。9月12日、オーストラリア観測船乗員救助の功績で、防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞した。9月16-19日、境港に寄港し、17-18日に一般公開を実施。9月23-26日、志布志に寄港。9月30日から10月2日、呉に寄港。10月4日、横須賀に帰港。10月19日、野庭幼稚園と並木幼稚園の園児150人による見送りを受けた。11月11日、第58次南極地域観測支援業務のため乗員179名（うち女性自衛官10名）を乗せ東京を出港。11月28日、フリーマントルで観測隊80人とインドネシア、ウイグル自治区、コロンビア、タイ、モンゴルの研究者１人ずつが乗艦。12月2日、フリーマントルを出港。12月7日、南緯55度を越えて南極圏に突入。12月8日、初氷山を視認。12月20日、ラミングを開始。12月23日、CH-101輸送ヘリが昭和基地の第57次越冬隊員に初荷を輸送。12月28日1157（現地時間）、昭和基地（の沖合560mの定着氷）に接岸した。往路ラミング回数は114回だった。

2017年2月15日、昭和基地での全活動を終えて北上を開始。2月20日、アムンゼン湾でリーセルラルセン山の調査活動などへの協力を開始。4月10日、第58次南極地域観測協力を終え東京港晴海埠頭に帰国。ラミング回数は114回で、物資1043トンを昭和基地に輸送し、燃料581キロリットルをパイプラインで送り込み、物資386トンを昭和基地から回収した。8月5日、横須賀サマーフェスタ2017で一般公開された。8月19-20日、千葉県船橋市京葉埠頭でSHIRASE（元AGB-5002しらせ）と並んで一般公開された。8月24日、総合訓練（各種部署訓練、航空機発着艦訓練、観測関係者艦上訓練支援など）のため横須賀を出港。8月25-28日、仙台港に寄港。8月26-27日に一般公開され、6200人が来艦した。9月1-4日、八戸港に寄港。一般公開では6800人が来艦した。9月8-11日、酒田に寄港。9月15-19日、長崎に寄港。一般公開では8737人が来艦した。9月22日、神戸開港150周年記念事業の一環として神戸港に入港。9月22-23日、一般公開を実施。9月24日、神戸港を出港。9月29日から10月2日、名古屋に寄港。10月3日、横須賀に帰港。10月19日、野庭幼稚園と並木幼稚園の園児ら130人がお見送り会を実施。11月12日、第59次南極地域観測協力のため乗員180名（うち女性自衛官11名）を乗せ東京港晴海埠頭を出港。11月27日にフリーマントルに入港して11月28日に第59次観測隊員69人を乗せ、12月2日に出港した。12月20日、CH-101ヘリで昭和基地への初空輸を実施。12月23日、昭和基地沖560mの定着氷に達し、昭和基地に接岸した。往路のラミング回数は27回だった。早速雪上車による氷上物資輸送や給油ホースを接続しての燃料給油に入っている。12月25日、燃料434.6トンの昭和基地への移送を完了した。

2018年1月9日、昭和基地への物資輸送作業を完了。総輸送量は981.5トンだった。2月15日、第58次観測隊員と昭和基地からの持ち帰り物資410トンを収容して帰路に就いた。4月11日、東京港晴海埠頭に帰投し、旅客ターミナルで帰国行事が実施された。復路のラミング回数は１回だった。総航程37000km。8月4日、横須賀サマーフェスタで一般公開された。8月31日、平成30年度総合訓練のため横須賀を出港。8月31日から9月3日、横浜に寄港。9月7-10日に苫小牧に寄港予定で、9月6日に北海道胆振東部地震が発生したため、災害派遣に参加している。9月14-17日、新潟東港に寄港。9月21日、博多港に入港し、中央埠頭クルーズセンターで福岡県知事も列席して入港歓迎行事が行われた。9月22-23日、博多港で一般公開され、7000人が見学した。9月24日、博多港を出港。9月28日から10月1日、高松に寄港。10月2日、横須賀に帰港。11月10日、第60次南極地域観測協力のため東京港晴海埠頭を出港した。11月25日、フリーマントルに入港。11月30日、第60次観測隊員77名を乗せて南極に向かった。12月5日、南緯55度を通過して南極圏に入った。12月14日、流氷域に入った。12月16日、定着氷域／多年氷帯に入った。12月22日、CH101輸送ヘリで昭和基地への輸送を開始。12月25日、昭和基地沖500mの定着氷に到着。往路のラミングは344回だった。12月27日までに雪上パイプラインで昭和基地に燃料498.4トンを輸送。

2019年現在、横須賀地方隊に配備されており、定係港は横須賀。2019年1月8日、新成人隊員４名の成人式を実施。1月14日、昭和基地への物資輸送（物資999.4トン、燃料498.4トン）や基地からの持ち帰り物資積み込みを終了。2月1日、観測隊が越冬交代式を実施。2月3日、南極を離れた。2月23日、流氷域を離脱。3月21日、シドニーで観測隊員80人を降ろした。4月9日、東京港晴海埠頭に帰国した。復路のラミングは1399回だった。総航程37000km。4月13日、東京港晴海埠頭から横須賀港まで体験公開を実施し、横須賀基地に戻った。6月3日、気象記念日記念式典で気象庁長官から感謝状を授与された。9月30日から10月15日、令和元年度総合訓練（各種部署訓練、航空機発着艦訓練、観測関係者艦上訓練支援）を実施。５年に１度の定期修理に当たったため、例年の日本一周でなく２カ所のみ寄港する。9月30日、横須賀を出港。10月3-7日、名古屋に寄港。10月11-14日、川崎に寄港。10月15日、横須賀に帰港。11月12日1055、第61次南極地域観測協力のため東京港晴海埠頭を出港。11月27日、オーストラリアのフリーマントルに入港。12月2日、第61次観測隊員67人と生鮮食料品や燃料などを乗せ、フリーマントルを出港。12月7日、南緯55度を通過して南極地域に入った。12月9-22日、トッテン氷河沖に停泊し、世界初のトッテン氷河沖での本格観測を支援、観測機材海中投入や採泥などを行った。12月30日、昭和基地から19kmにある定着氷に到着。艦長と観測隊長らがCH-101ヘリで昭和基地に入った。

2020年現在、横須賀地方隊に配備されており、定係港は横須賀。2020年1月2日、CH-101ヘリで2020年の初荷（生鮮食料など）を輸送。1月5日1450、昭和基地沖400mの定着氷に到着。往路ラミング回数168回だった。1月7日までに燃料500キロリットルを輸送。1月18日、物資輸送を完了。1月29日、昭和基地を離れた。2月1日、越冬隊交代式が行われ、第60次越冬隊長らをヘリで艦内に収容した。3月14日、南緯55度を越えて南極圏を離脱した。3月19日、シドニーに入港し、観測隊員を降ろした。3月21日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で親善行事などを取り止め、予定より３日早くシドニーを出港。東京港晴海埠頭にも寄らず、4月6日0748、予定より４日早く横須賀に帰港した。総航程39000km、ラミング回数469回（往路168回、復路301回）、輸送物資975トン、持ち帰り物資382トンだった。0130、統幕副長らを迎えて帰国行事を実施。隊員には統合幕僚長からの第２級賞状が伝達された。8月21日、茨城地本募集課の横須賀基地見学に協力し、艦内見学を行った。8月24日、田浦中学校生徒40人が艦を見学した。8月30日、横須賀を出港し、令和2年度総合訓練を開始。9月4日、呉に入港。9月6日、台風が迫ったため、予定を１日早めて呉を出港。9月11日、佐世保に入港。9月12-13日、長崎県内の若者や関係者58人に特別公開された。9月14日、佐世保を出港。9月16日、初の洋上補給訓練を行い、日本海でAOE-425ましゅうから洋上補給を受けた。新型コロナウイルス感染症対策のため無寄港での南極往復となることを踏まえたもので、何事も無ければ無補給で済むが、不測の事態で洋上補給が必要となった際に備えたものである。第23航空隊SH-60K哨戒ヘリが訓練の様子を写真撮影した。9月18日、10年振りに舞鶴に入港。9月19-21日、舞鶴地方隊マリンフェアで一般公開（新型コロナウイルス感染症の影響で事前公募制）された。9月22日、舞鶴を出港。9月25-28日、八戸に寄港。9月29日から10月5日、仙台に寄港。10月6日、横須賀に帰投した。10月27日、艦長が防衛省で岸防衛大臣に出国報告を実施。11月6日1030、第62次南極地域観測協力のため横須賀を出港。新型コロナウイルス感染症対策で、日本近海に２週間待機した後、11月20日に第62次南極観測隊員44人を乗艦させ、オーストラリアには寄港せず直接南極に向かった。総行動日数109日（うち南極行動49日）、総航程16000海里、陸揚げ物資1050トン、持ち帰り物資520トンの予定。12月13日、南極圏に入った。12月19日、昭和基地から8kmの定着氷に到着し、CH-101輸送ヘリで艦長と第62次隊隊長らが昭和基地に入った。12月21日0930（現地時間）、昭和基地沖350mに接岸した。往路ラミング回数は391回だった。同日、パイプラインを展張して燃料輸送を開始。

2021年1月7日、パイプラインで燃料527トン、雪上車及びCH101輸送ヘリで燃料172トンと食料など346トンを昭和基地に搬入して物資輸送を完了。1月11日、乗員が南極で剣道の寒稽古を実施。1月18日、昭和基地で観測隊交替行事を実施。1月19日、第61次越冬隊員と第62次夏隊員の計41人と持ち帰り物資470トンを積んで昭和基地を離れた。2月22日、オーストラリアには寄港せず横須賀に直接帰港した。無寄港・無補給で南極まで往復するのは南極観測史上初である。帰国行事では艦長に統幕長から２級賞状と副賞の盾が伝達された。総航程26000km、ラミング回数は往復計560回だった。2月26日、艦長が防衛省で岸防衛大臣に帰国を報告した。5月25日現在、横須賀地方隊に配備されており、定係港は横須賀。8月24日、令和3年度総合訓練（各種部署訓練、航空機発着艦、観測関係者艦上海洋観測訓練支援）のため横須賀を出港。8月27日、横須賀基地で募集対象者等に特別公開を実施。9月3-6日、北海道に寄港。9月11-13日、呉に寄港。9月13日、呉基地を見学に訪れた焼山みどり幼稚園園児88人の見送りを受け呉を出港し、横須賀に向かった。9月19日、横須賀に帰港。10月20日、艦長が岸防衛大臣に出国報告を実施。10月27日、横須賀基地で出国行事を実施。新型コロナウイルス感染症対策のため桟橋で２週間待機し、11月10日に第63次南極観測隊員70人を乗せて横須賀基地を出港した。12月1日、南緯55度を通過して南極圏に入った。12月16日、昭和基地沖6.4kmの定着氷に到達し、CH-101輸送ヘリで艦長と観測隊長が昭和基地に貨物を届けた。12月19日1711（日本時間）、昭和基地沖350mの定着氷に接岸。2022年1月13日、CH-101輸送ヘリが昭和基地東160kmのちぢれ岩に初着陸し、地質図作成支援のため地質隊員を降ろした。1月23日、第62次越冬隊と持ち帰り物資を収容して昭和基地を離れた。3月1日、トッテン氷河沖で定点観測活動を支援した。3月14-16日、オーストラリアのフリーマントルに寄港。3月28日、横須賀基地吉倉岸壁に帰国した。総行動日数140日・南極行動日数99日、総航程18000海里、ラミング回数1072回（往路610回、復路462回）で、今回は往復路共にフリーマントルに寄港し、往路で人員70人と物資1160トン、復路で人員67人と物資400トンを輸送している。

2022年4月16-17日、千葉地本が行った見学会に協力し、若者９人にデッキクレーン・飛行甲板・艦橋見学と南極の氷の体験を行った。4月25日現在、横須賀地方隊に配備されており、定係港は横須賀。8月6日、横須賀基地で開催された横須賀地方隊開隊70周年記念サマーフェスタ2022で一般公開された。8月29日から令和4年度総合訓練を実施。8月29日、横須賀で事前訓練を行った。8月30日、横須賀を出港。9月2-5日、室蘭港に寄港。9月9-12日、長崎港に寄港。9月10日、長崎県水辺の森公園出島岸壁で一般公開された。9月16-19日、清水港に寄港。9月22日、横須賀に帰港。11月11日、第64次南極地域観測協力のため東京国際クルーズターミナルを出港。観測隊員70名と物資1119トンを搭載して南極に向かった。南緯50度付近で海が大荒れになり、最大30度の傾斜を記録したが、無事乗り越えて12月6日に南緯55度を越えて南極に入った。12月22日、艦長と第64次隊長がCH-101輸送ヘリで昭和基地に入り、初荷を届けた。12月24日1721（日本時間）、昭和基地沖260mの定着氷に接岸。往路のラミング回数は535回だった。

2023年1月24日、昭和基地を離岸し、海洋観測支援に入った。リュツォ・ホルム湾ラングホブデ沖ではMONACA自律無人水中艇（モナカAUV）による海氷下探査・海底地形探査などを支援している。2月15日、CH-101多用途ヘリが昭和基地から第64次最後のフライトを行った。3月11日、海洋観測支援を終えてオーストラリアのフリーマントルに向かった。3月14日、南緯55度を越えて南極を離脱。4月10日、横須賀に帰港。総行動日数151日・南極行動日数99日・総航程18000海里、ラミング回数往復計561回（往路535回、復路26回）、持ち帰り物資280トンだった。4月14日、艦長が防衛省で防衛副大臣に帰国報告を実施。4月25日現在、横須賀地方隊に配備されており、定係港は横須賀。8月29日から9月29日、令和5年度総合訓練を実施。8月29日に横須賀を出港し、各種部署訓練、航空機発着艦訓練、海洋観測訓練支援を行いつつ、9月1-4日に十勝（2-3日に一般公開を実施）、9月8-11日に浜田、9月15-18日に呉（岩国の予定だったが貨物船荷下ろし作業遅延で変更）、9月22-25日に三河（9月23-24日に特別公開・宿泊体験・一般公開を実施）に寄港し、9月29日に横須賀に帰港した。9月6日0800頃、海上保安庁から津軽海峡横断に挑戦中のカヤックが0600頃に転覆したという情報提供があったため、0841に龍飛岬北5.5kmの津軽海峡で要救助者１人（体調に問題無し）を救助し、0950に巡視艇ひばかぜに引き渡した。11月9日、カヤック救助の功績で、青森海上保安部から感謝状を贈呈された。11月10日1100過ぎ、第65次南極地域観測協力のため、観測隊員の一部と物資1197トンを乗せ横須賀を出港。11月25-30日にオーストラリアのフリーマントルに寄港し、観測隊員を乗せ（横須賀からと計75人）南極に向かい、12月下旬に昭和基地沖に接岸、2024年1月下旬に観測隊員79人と廃棄物等持ち帰り物資428トンを乗せて昭和基地沖を離れ、3月18-23日にフリーマントルに寄港、3月19日に観測隊員を降ろし、4月8日に横須賀に帰港した。4月25日現在、横須賀地方隊に配備されており、定係港は横須賀。9月30日から10月18日、令和6年度総合訓練を実施。9月30日に横須賀を出港し、10月4-7日に三島川之江、10月12-14日に青森に寄港しつつ、各種部署訓練、航空機発着艦訓練、海洋観測訓練支援を行い、10月18日に横須賀に帰港した。

参考：月刊軍事研究7,’08、月刊世界の艦船1,’10、2,’10、3,’10、4,’10、9,’10、12,’10、1,’11、10,’11、1,’12、4,’12、6,’12、3,’13、6,’13、10,’13、1,’14、3,’14、6,’14、12,’14、1,’15、2,’15、4,’15、6,’15、1,'16、3,'16、6,’16、1,’17、3,’17、6,’17、10,’17、12,’17、2,’18、3,’18、6,’18、10,’18、1,’19、6,’19、7,’19、6,'20、10,'20、12,'20、1,'21、2,'21、3,'21、4,'21、5,'21、7,'21、10,'21、1,'22、6,'22、10,'22、11,'22、1,'23、6,'23、7,'23、9,'23、11,'23、12,'23、1,'24、6,'24、9,'24、月刊JWings11,’10、3,’11、6,’11、1,’13、11,’13、3,’14、5,'16、7,’16、10,’16、11,’16、12,’16、11,’17、1,’18、7,’19、11,’19、1,’20、12,'20、12,'22、7,'23、朝雲、月刊航空ファン7,’11、7,'19、月刊丸12,’11、MAMOR vol.77、vol.86、vol.90、vol.113、vol.142、vol.147

＜ＡＧＣ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、揚陸指揮艦（Amphibious Force Flagship）を示す。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＧＣ−１＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦アパレイチアン（Appalachian）。1943年10月竣工。1959年に除籍され、1964年に台湾に引き渡された。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＧＣ−２＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦ブルー・リッジ（Blue Ridge）。1943年9月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＧＣ−３＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦ロッキー・マウント（Rocky Mount）。1943年10月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−４＞：アメリカ海軍アンコン級揚陸指揮艦アンコン（Ancon）。元はAP-66で、揚陸指揮艦に改造されて1943年2月にAGCに艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＧＣ−５＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦キャトクティン（Catoctin）。1943年8月竣工。1959年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−７＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦マウント・マッキンレイ（Mount McKinley）。1944年5月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−８＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦マウント・オリンパス（Mount Olympus）。1943年12月竣工。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−９＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦ワサッチ（Wasatch）。1944年5月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１０＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦オーバーン（Auburn）。1944年7月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１１＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦エルドラド（Eldorado）。1944年8月竣工。1972年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１２＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦エステス（Estes）。1944年10月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１３＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦パナミント（Panamint）。1944年10月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１４＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦テトン（Teton）。1944年5月竣工。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１５＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦アディロンダック（Adirondack）。1945年9月竣工。1972年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１６＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦ポコノ（Pocono）。1945年12月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１７＞：アメリカ海軍アパレイチアン級揚陸指揮艦タコニク（Taconic）。1946年1月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＣ−１９＞：LCC-19（揚陸指揮艦）を参照。

＜ＡＧＣ−２０＞：LCC-20（揚陸指揮艦）を参照。

＜ＡＧＣＡＳ＞：自動地上衝突回避装置を参照。

＜ＡＧＤＥ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、実験護衛艦（Escort Vessel Research Ship）を表す。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＡＧＤＥ−１＞：アメリカ海軍グローヴァー級実験護衛艦グローヴァー（Glover）。特務艦AG-163として建造されていたが、途中でこの名称に変更された。1965年11月13日竣工。1975年6月、AGFF-1に艦種変更された。1979年10月、実験任務から外され、FF-1098に艦種変更された。1990年、実験艦任務に戻り、軍事海上輸送部隊に移ってT-AGFF-1に艦種変更され、広開口アレイ・ソナーの実験を1992年まで実施した。1994年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＡＧＥＲ−２＞：アメリカ海軍情報収集艦プエブロ（Pueblo）。元は第２次大戦時にアメリカ陸軍が太平洋島嶼間輸送に使用していた小型貨物船で、これを改造して情報収集用にしたものである。1968年、北朝鮮に拿捕された。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＧＦＦ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、実験フリゲート（Frigate Resarch Ship）を表す。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＡＧＦＦ−１＞：AGDE-1（実験護衛艦）を参照。

＜ＡＧＦ−３＞：アメリカ海軍指揮艦ラ・サール（La Salle）。元はローリー級ドック型輸送揚陸艦LPD-3で、建造当初から揚陸部隊の旗艦任務に就けるよう指揮通信能力が強化されていたが、1972年に指揮艦へと艦種変更されて中東部隊の旗艦となった。1993-94年に近代化改修を受けた。全長158.7m、満載排水量13908トン。主機は蒸気タービン２基２軸24000馬力、最大速力20ノット。兵装は20mmCIWS２基、25mm機関砲Mk38が２基、12.7mm機銃２丁。小型ヘリ１機を搭載できる。乗員445名＋司令部要員138名。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＦ−１１＞：アメリカ海軍指揮艦コロナド（Coronado）。元はオースチン級ドック型輸送揚陸艦LPD-11コロナドで、AGF-3ラ・サールがオーバーホール中の1983年に臨時で指揮艦に改造され、そのまま使用されている。艦尾のゲートは固定され、ドック・ウェルは事務室や居住区とされた。全長173.8m、満載排水量16912トン。主機は蒸気タービン２基２軸24000馬力、最大速力21ノット。兵装は20mmCIWS２基、12.7mm機銃２丁。小型ヘリ２機を搭載できる。乗員485名＋司令部要員181名。1997年に統合指揮艦としての機能が追加され、各軍指揮官４名の居住設備が設けられた。2000年からは新しいITシステムの試験にも使用されている。2004年3月24日、ドック修理に入るLCC-19ブルーリッジの代替として第７艦隊臨時旗艦となるため横須賀に入港した。2005年2月に退役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、3,’05、1,’10

＜ＡＧＬ＞：絶対高度を参照。

＜ＡＧＭ＞：Air-launched Ground attack Missileの略。

＜ＡＧＭ＞：クラウス・マッファイ・ヴェクマン社が開発した52口径155mm艦砲。重量12.5トン。最大射程56km。発射速度毎分６発。６×６輪トラックに車載できるタイプもある。参考：月刊軍事研究7,’11、11,’11

＜ＡＧＭ−１２シリーズ＞：アメリカ軍の空対地ミサイル、別名ブルパップ。朝鮮戦争中に海軍が要求を纏め、1954年から開発し、1959年4月に配備された。小型機やP-3などの大型機にも搭載され、空軍やNATO各国軍でも使用された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１２Ｂ＞：当初はASM-N-7Bと呼ばれていた。弾頭重量250ポンド（114kg）。推進は弾体後部のロケットモーター。誘導は無線指令式で、ミサイル尾部のトラッキング・フレアを見ながら射手がリモコン誘導する。そのため、極度の緊張を強いられる実戦下では命中率が悪化し、ベトナム戦争ではCEPが100フィート（30.5m）台だった。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１２Ｃ＞：1000ポンド（454kg）弾頭型、別名ブルパップＢ。全長4.14m、直径0.46m、翼スパン1.22m、重量1785ポンド（810kg）、弾頭重量1000ポンド（454kg）。推進はサイオコールLR62液体燃料ロケット、速度マッハ1.75、射程９海里。15000発以上が生産された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、アメリカの核兵器

　＜ＡＧＭ−１２Ｄ＞：AGM-12Cの弾頭を核弾頭に換装できるようにしたタイプで、空軍の要求に基づいて開発され、当初はGAM-83Bと呼ばれた。全長4.07m、直径0.44m、翼スパン1.18m、発射重量812kg。弾頭は1000ポンド（454kg）通常弾頭またはW45核弾頭。最大射程12km（16km？）。誘導は無線コマンドリンク方式で、発射母機は誘導のためミサイルの後を付いていかなければならず、下手をしなくても核爆発に巻き込まれる。F-100とF-105に搭載可能。1976年（1978年？）までに退役した。参考：アメリカの核兵器、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究10,’10

＜ＡＧＭ−２２＞：SS-11海外シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−２８シリーズ＞：アメリカ空軍空対地ミサイル、別名ハウンドドッグ。当初はB-77/GAM-77という名称で1956年からノースアメリカン社で開発され、1959年4月にB-52爆撃機からの発射試験に成功して配備され、1963年までに593発が生産された。GAM-87Aスカイボルト空中発射弾道ミサイル完成までの繋ぎの予定だったが、それが開発中止となったため、1976年まで配備され、AGM-69に後を譲って退役した。参考：月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、月刊軍事研究3,’19

＜ＡＧＭ−２８Ａ＞：カナード付き無尾翼デルタ翼機（ミサイルなので当然コクピットは無いが）の機体後部下面にエンジンポッドを吊り下げたような形状をしている。全長12.95m、直径0.72m、翼スパン3.71m、重量10000ポンド（4.54トン）。弾頭はW28核弾頭（１メガトン）。エンジンはJ52ターボジェット（推力3.4トン）、巡航速度マッハ2.1、射程800km。誘導はコールズマンKS-120スター・トラッカーによる天測で、母機航法の補助に使用することもできる。B-52G/Hの主翼下面に計２発を搭載可能。ミサイルのエンジンを母機発進時の補助に使用できる（燃料は母機から供給）が、異物吸入の恐れが高く、実際は使われなかった。参考：月刊丸6,’03、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜ＡＧＭ−２８Ｂ＞：射程960-1200km。参考：アメリカの核兵器

＜ＡＧＭ−４５＞：アメリカ軍初の対レーダーミサイル、別名シュライク（Shrike）、旧名称ASM-N-10。アメリカ海軍の要求により1958年から開発され、1962年のキューバ危機で開発が加速され、1963年に量産が決まった。AIM-7空対空ミサイルの弾体を利用し、頭部にパッシブ・レーダー・シーカーを搭載、操縦翼と安定翼を付け替えている。弾頭は炸薬以外に白色・赤色発煙弾で目標を表示するタイプもある。シーカー容量が少ないため、S-75/S-125地対空ミサイルが使用する各周波数帯に合わせて13種類も作る羽目になった。当然ながら出撃後に空中で換装するのは不可能なため、実際の相手が事前想定と違っていたら役に立たない。また、射程が直射で6.5海里と短く、搭載機は急上昇してミサイルを投げ上げるプルアップと呼ばれる発射方法をとる（これで25海里に延びる）必要があったが、ミサイルサイトに腹を晒すことになり危険だった。このため、射程の長いAGM-78やAGM-88に後を譲ったが、湾岸戦争でも少数が使用されている。全長3.5m、直径0.20m、翼スパン0.91m、重量390ポンド（176.9kg）、弾頭重量144.5ポンド（65.5kg）。推進はロケットダインMk39またはエアロジェットMk53固体燃料ロケット、最大速度マッハ２。イスラエル軍にも供与された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’03、12,’18、12,'73、ザ・マーチ17号

＜ＡＧＭ−５３＞：アメリカ海軍長射程空対地ミサイル、別名コンドル。1966年7月からロックウェル社が開発し、通常弾頭型に加え、1969年から専用のW73核弾頭も開発された。誘導はTV式、射程110km。1970年3月31日にF-4戦闘機からの試射に成功し、1974年に先行量産型50発が発注されてA-6攻撃機でも運用することになった。更に250発を量産する予定だったが、AIM-54の３倍という価格がネックとなり、1976年3月に開発中止となった。W73の方は他で使う予定があったのか、1978年まで開発が継続されたらしい。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜ＡＧＭ−６２シリーズ＞：ウォールアイ・シリーズ（誘導爆弾）を参照。

＜ＡＧＭ−６５シリーズ＞：アメリカ軍の空対地ミサイル、別名マーベリック（Maverick、一匹狼）。射程の長いAGM-12ブルパップにAGM-62ウォールアイの誘導方式を組み合わせた対装甲移動目標用ミサイルとして1965年から空軍とレイセオン社が開発し、1972年に実用化された。前方から誘導ユニット（TVカメラ／CCDカメラ／赤外線画像カメラ／レーザー受信機）、弾頭ユニット（重量57kgのWDU-20/B成型炸薬弾頭または重量136kgのWDU-24/B爆風破砕弾頭）、ロケットモーター（初期はサイオコールSR109-TC-1、後期はサイオコールSR114-TC-1またはエアロジェットSR115-AJ-1）、制御ユニット（矩形動翼４枚付き）と並び、弾頭ユニットとロケットモーターに跨がる弾体側面にデルタ安定翼４枚が装着されている。先端部はTV/CCD/レーザーが透明、赤外線画像が不透明。誘導ユニットはフォワードセクション、それより後ろはアフターセクションと呼ばれ、境目上面にランチャーレール前部に引っ掛けるためのフォワードフックが付く（その後方にレール後部に引っかける長めのフックもある）。また、赤外線画像誘導方式では弾体が傾いてもシーカーが水平になるよう境目に旋回機構があり、銀色のリングが目印である。LAU-88/A、LAU-108/A、LAU-117/Aランチャーに装着する。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings3,'24、9,’12、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究5,’08、12,’18

　＜ＡＧＭ−６５Ａ＞：最初の量産型。テレビ誘導式で、命中までモニターを見ながら誘導する必要がある（撃ちっ放し式という説もある）。弾体最前部がテレビカメラ部で、前端にはカメラ窓が開いており、その後ろにレンズが用意されていて、フェーズフィルターを介してビデコン受感部に光が入るようになっている。太陽光が直接入射するとビデコンが破壊されるため、レンズ上部に太陽光感知装置があり、適宜防護シャッターを閉じる。カメラ周囲にはカメラ安定化用ジンバルジャイロが搭載されており、リング状をしているのでメタルジェットを妨げない。弾体中央はWDU-20/B成型炸薬と起爆装置で、外側に翼弦の長いデルタ翼が４枚あり、弾体後部はロケットモーターを収容していて、最後部に矩形の全遊動式操縦フィン４枚が付いている。ロケット燃料時間は４秒で、ミサイルは12海里飛翔できるが、シーカー性能により有効射程が制限される。パイロットが主兵装スイッチをオンにし、搭載されているステーションを選択すると、ミサイルのジャイロに電源が供給されて回転を始め、３分で安定化する。次いでドーム・カバー空圧射出ボタンを押すとカメラ窓のカバーが外れ、計器板のモニターにシーカー画像（視野は上下左右20度ずつ）とクロスヘアが映し出される。パイロットはこの画像を見ながらスロットルのスルートラックボタンや操縦桿のトラックスイッチを動かして目標にクロスヘアを重ね、スイッチを押すと、誘導セクションが目標画像を記憶し、ロックオンする。ロックオンが完了すると、ジャイロによりカメラが目標を向いたまま固定されるので、機体姿勢が変化しても画像が変化せず、クロスヘアが目標映像に重なったままとなる。これを確認したら発射ボタンを押す。同時２目標攻撃も可能だが、モニターには２番目に攻撃する目標の映像のみが映し出される。また、機内の兵装ステーション選択スイッチを切り替えて第２目標をロックオンするので、三連装のLAU-88/Aであっても別々の兵装ステーションに搭載したミサイルでないと同時攻撃できない。全長2.482m、直径0.305m、翼スパン0.718m、重量211kg、弾頭重量125ポンド（56.7kg）、炸薬重量83ポンド（37.6kg）。推進はSR109-TC-1ロケットモーター、射程3km。ちなみにテレビカメラは日本製。光学式なので悪天候と夜と偽装に弱い、煙幕を張られるとロックオンが外れるといった欠点がある。1972年にアメリカ空軍に配備され、1976年までに17000発が生産され、ベトナム戦争ではF-4が搭載し、99発を発射して85発が命中した。第４次中東戦争でも82%の命中率を誇った。参考：月刊軍事研究4,’04、5,’08、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、U.S.ウェポン・ハンドブック、ワイルドウエポン、月刊丸10,’97、軍事分析湾岸戦争、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’12、3,’24

　＜ＡＧＭ−６５Ｂ＞：Ａ型の改良型で、通称シーンマグ・マーベリック（Scene Mag Maverick）。視野を10度に減らした分、TV画像を２倍に拡大（Scene Magnification）したタイプである。これに伴い、ジンバルが強化されて確実に目標を視野に捉え続けられるようになった。また、目標画像をミサイルの搭載コンピュータが記憶できるようになり、撃ちっ放しが可能となった。目標画像にはクロスヘアでなくシーカー追跡ウインドウと呼ばれる長方形の頂点に位置する光点が表示されるので、これを目標と重ねるようにする。視野が狭いので、目標が外れてしまわないよう、ミサイル中心線を示すポインティング・クロスと呼ばれる十字線も新たに表示されるようになっており、これがモニターからはみ出ない範囲で機体を操作する。全長2.49m、直径0.305m、翼スパン0.737m、総重量211kg、弾頭重量59kg。推進はSR109-TC-1ロケットモーター、有効射程は高度10000mからの発射で9km。1975-78年に9000発が生産された。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究4,’04、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’12、3,’24

　＜ＡＧＭ−６５Ｃ＞：試作セミアクティブ・レーザー誘導型。空軍が開発を進め、後に海兵隊に計画が受け継がれたが、実用化には至らず、Ｅ型の元になった。弾頭はMk19、推進はWPU-4/Bロケットモーター。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’12、月刊丸10,’97

　＜ＡＧＭ−６５Ｄ＞：画像赤外線（IIR）誘導型で、1977年5月から開発され、1983年10月に完成した。LANTIRNなどで目標を確認し、目標周辺にWGU-8/Bシーカー（60度振れる）を向けると、自動的に赤外線輻射を捉えてロックオン、TVMスコープに画像を表示してくれる。ヨーロッパ・東南アジアでの悪天候や夜間でも使用できるようになった。射程も延伸している。全長2.49m、直径0.31m、翼スパン0.72m、重量462ポンド（210kg）、弾頭はWDU-20/B、弾頭重量125ポンド（56.7kg）、炸薬重量83ポンド（37.6kg）。推進はサイオコールTX633デュアル・スラスト方式固体燃料ロケットモーター（WPU-4/B？SR115？）、速度マッハ１以上、射程８海里。後にシーカーをWGU-10/BやWGU-22/Bに換装している。湾岸戦争ではこのタイプを中心に使用した。参考：月刊軍事研究9,’03、2,’09、U.S.ウェポン・ハンドブック、軍事分析湾岸戦争、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’12、3,’24

＜ＡＧＭ−６５Ｄ−２＞：ソフトウェアをＦ型のものに交換しており、艦船や移動目標を攻撃できる。参考：月刊軍事研究5,’08

　＜ＡＧＭ−６５Ｅ＞：海兵隊が主に使用するセミアクティブ・レーザー誘導型。Ｃ型の完成形で、WGU-9/Bレーザー・シーカーを装備し、弾頭を重量300ポンド（136kg）のWDU-24/Bとした。全長2.5m、直径0.305m、翼スパン0.731m、重量293kg。推進はWPU-8/Bロケットモーター（SR115？）、最大射程20km。イラク戦争でS-3B哨戒機が港湾施設に対して発射し、F/A-18C戦闘攻撃機がレーザー照射ポッドで誘導して命中させた。参考：月刊軍事研究9,’03、5,’08、U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’12、3,’24

　＜ＡＧＭ−６５Ｅ２＞：海兵隊向けセミアクティブ・レーザー誘導型。Ｅ型のシーカーをデジタル・セミアクティブ・レーザーdSALシーカーに換装したものである。参考：月刊世界の艦船3,’24

　＜ＡＧＭ−６５Ｆ＞：海軍向け対艦型。Ｄ型の海軍向けで、弾体が灰色に塗られており、シーカーはWGU-13/B赤外線画像シーカー、弾頭はWDU-24/B爆風破片弾頭、信管は対艦攻撃対応の信管遅延選択ユニットFDSUである。艦上運用の安全性を確保するため、安全／安全解除デバイスSADを装備する。全長2.49m、直径0.305m、翼スパン0.731m、重量307kg、弾頭重量136kg。推進はWPU-8/Bロケットモーター（SR115？）、最大射程25km。参考：月刊軍事研究9,’03、U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’12、3,’24、月刊航空ファン10,’17

　＜ＡＧＭ−６５Ｆ２＞：海軍向け対艦型。重量304kg。参考：月刊JWings3,’24

　＜ＡＧＭ−６５Ｇ＞：空軍向け画像赤外線（IIR）誘導型で、Ｄ型のソフトウェア改良型。全長2.5m、直径0.305m、翼スパン0.731m、重量307kg、弾頭はWDU-24/B、弾頭重量136kg。推進はWPU-8/Bロケットモーター（SR115？）、最大射程25km。海上自衛隊も採用した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97、月刊軍事研究9,’03、5,’08、月刊JWings9,’12、3,’24

　＜ＡＧＭ−６５Ｇ２＞：Ｇ型の改良型。Ｆ型のソフトウェアを搭載して移動中の小型車両への誘導性能を向上した。重量304kg。参考：月刊軍事研究5,’08、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−６５Ｈ＞：空軍向け赤外線CCDカメラ（高解像度CCDカメラ？）誘導型。AGM-65A/Bのシーカーを赤外線CCDカメラに換えたものである。重量211kg。弾頭は125ポンド（57kg）のWDU-20/B（300ポンド・136kgのWDU-24/B？）。推進はWPU-8/Bロケットモーター（SR-115？）、最大射程6km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings4,’05、9,’12、3,’24、月刊軍事研究5,’08

　＜ＡＧＭ−６５（ＬＯＡＬ型）＞：試作発射後ロックオン型。GPS誘導装置とデジタルデータリンクを搭載し、LAU-117/AランチャーにもデータリンクとデジタルUHFを追加、AN/AAQ-33スナイパーATPポッドと共用して発射後ロックオンを可能とする。2005年から試験する予定で開発を進めたが、統合空対地ミサイルJAGMが優先されて計画中止になった。参考：月刊JWings3,'24、7,’04

　＜ＡＧＭ−６５Ｊ＞：Ｋ型の海軍・海兵隊向け。弾頭はWDU-24/B。重量297kg。推進はSR115ロケット。参考：月刊軍事研究5,’08、月刊航空ファン10,’18、月刊JWings3,’24

　＜ＡＧＭ−６５ＪＸ＞：海兵隊向け。弾頭はWDU-24/B。重量297kg。推進はSR115ロケット。参考：月刊JWings3,'24

　＜ＡＧＭ−６５Ｋ＞：空軍向け赤外線CCDカメラ（高解像度CCDカメラ？）誘導型。AGM-65A/Bの弾体を再利用して誘導装置を赤外線CCDカメラに換装し、ロケットモーターもWPU-8/B（SR115？）を積んで射程を26kmに延伸、弾頭を貫徹式爆風破砕弾頭WDU-24/Bに換えた。重量297kg（307kg？）。参考：月刊JWings4,’05、9,’12、3,'24、月刊軍事研究4,’03、5,’08、ロッキードF117ナイトホーク、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−６５Ｌ＞：空軍向けセミアクティブ・レーザー誘導型（ロングホーン計画で開発されたターボジェット推進型？）。参考：月刊JWings3,'24、9,’12

＜ＡＧＭ−６５ファミリー＞

　＜Ａ／Ａ−３７Ａ−Ｔ＞：アメリカ空軍のAGM-65A/B用訓練ミサイル（キャプティブ訓練弾）で、発射までの訓練が行える。制御セクション、バラスト弾頭、ロケットモーター・動翼抜き中央後部セクションの３つから構成されていて、動翼が無いので実弾との区別は容易である。AGM-65A用のA/A-37A-T1とAGM-65B用の-T2があり、誘導セクションはAGM-65A用のA/A-37A-T3と-T4（オートパイロットが付く付かないの差）及びAGM-65B用の-T5（外皮にScene Magと書いてある）、中央後部セクションは何も入っていない-T6とシーカー映像を30分記録できるフィルムレコーダーの入っている-T7に分けられる。全長2.48m、直径0.305m、翼スパン0.724m、総重量216kg。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜Ａ／Ｅ３７Ａ−Ｔ＞：アメリカ空軍のAGM-65A/B用ダミー訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＣＡＴＭ−６５Ｅ＞：アメリカ海軍・海兵隊のAGM-65E用キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＣＡＴＭ−６５Ｆ＞：アメリカ海軍・海兵隊のAGM-65F用キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings9,’12、月刊航空ファン2,’02

　＜ＣＡＴＭ−６５Ｈ＞：アメリカ空軍のAGM-65H用キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＣＡＴＭ−６５Ｋ＞：アメリカ空軍のAGM-65K用キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＤＡＴＭ−６５Ｅ＞：アメリカ海軍・海兵隊のAGM-65E用ダミー訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＤＡＴＭ−６５Ｆ＞：アメリカ海軍・海兵隊のAGM-65F用ダミー訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＤＡＴＭ−６５Ｈ＞：アメリカ空軍のAGM-65H用ダミー訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＤＡＴＭ−６５Ｋ＞：アメリカ空軍のAGM-65K用ダミー訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＴＧＭ−６５Ｄ＞：アメリカ空軍用訓練弾。キャプティブ弾はZ65DA、搭載訓練弾はZ65TE、整備訓練弾はZ65TEのウェポンコードを持つ。参考：月刊JWings9,’12

　＜ＴＧＭ−６５Ｇ＞：アメリカ空軍用訓練弾。キャプティブ弾はZ65GAのウェポンコードを持つ。参考：月刊JWings9,’12

＜ＡＧＭ−６５海外シリーズ＞

　＜Ｒｂ７５＞：スウェーデン軍空対地ミサイルで、AGM-65A/Bに相当する。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊JWings3,’02

　＜マーベリック・ミサイル＞：海上自衛隊空対艦ミサイルで、伊藤忠アビエーションが受注して納入した。平成24年度概算要求でP-1哨戒機用としてAGM-65C2の新規調達が開始されている。参考：月刊軍事研究8,’08、12,’11、月刊世界の艦船2,’12

＜ＡＧＭ−６９Ａ＞：アメリカ空軍の空対地核ミサイルで、別名短射程攻撃ミサイルShort Range Attack Missile、略称SRAM。FB-111用として1966年10月（1964年？）からボーイング社で開発され、1971年1月に量産が決定し、1972年3月1日から配備されてB-52でも運用された。200キロトン核弾頭W69を装備した固体燃料ロケット推進ミサイルで、主任務はFB-111では高速低空侵攻による目標破壊、B-52ではSAM陣地や空対空モードによるAEWの制圧（その後目標に大威力の核爆弾を投下する）である。弾頭威力はミニットマン�Vと同等で、敵ICBMサイロの破壊も可能。弾体最前部が衝撃信管、その後ろが予備電子機械室、更に後ろが核弾頭、その後ろが誘導機械部である。その後方に電子機器室があり、誘導制御器、レーダーセット、ヨー・レート・ジャイロ、姿勢制御プラットフォームを収容する。弾体中央から後方が燃料タンクで、尾部にロケット噴射装置、可動翼、操舵機構が搭載されている。尾部後方には外部搭載用テイルコーンを取り付けることが可能で、これは投下直後に外れる。飛行形式には地形追随飛行モードや準弾道飛行モードなどがあり、発射母機の後方を攻撃することや、事前入力した複雑なコースを辿って迎撃を困難にすることも可能である。FB-111は爆弾倉に２発と翼下に４発の計６発を搭載できるが、通常は２発積む。B-52G/Hでは爆弾倉内のロータリーランチャーに８発と主翼内翼部下面パイロン（３又ランチャーがタンデムに並ぶ）に12発の計20発を搭載できるが、通常は爆弾倉に6-8発積んで更に核爆弾も搭載する。全長4.26m／4.82m（外部搭載用テイルコーン付）、直径0.45m、翼スパン0.762m、重量2230ポンド。推進はロッキード社製SR75-LP-1固体燃料ロケット、最大速度マッハ2.5、誘導は慣性誘導、射程160km（弾道飛行）／55km（地形追随飛行）。1975年7月までに1500発が生産され、1020発がB-52、120発がFB-111の基地に配備された。冷戦終結に伴い使い道が無くなり、1994年に退役した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、ワイルドウエポン、月刊丸6,’03、世界の軍用機1979、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、ザ・マーチ17号

＜ＡＧＭ−６９Ｂ＞：アメリカ軍がB-1A爆撃機用に開発を予定していた短射程攻撃ミサイル。AGM-69Aの改良型で、ロケットモーターを改良し、弾頭をW80に換装、コンピュータメモリを2000ワードから8000ワードに強化する。全長6.32m、直径0.61m、翼スパン3.66m、重量1.27トン。飛翔速度マッハ0.7、射程2400km以上。B-1Aが採用中止になったので、こちらも開発中止になった。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、ザ・マーチ17号

＜ＡＧＭ−７８シリーズ＞：アメリカ軍の対レーダーミサイル、別名スタンダード対レーダーミサイル（STandard Anti Radar Missile）、略称STARM。AGM-45シュライクの後継となる長射程・大威力の対レーダーミサイルとしてSM-1艦対空ミサイルをベースに海軍が1966年9月から開発し、1968年3月からA-6Bで運用した。ただし大型で艦上機の手に余り、空軍でも持て余されて1976年に生産終了、1987年に運用を終えている。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究12,’18

　＜ＡＧＭ−７８Ａ＞：スタンダード艦対空ミサイルにAGM-45A-3Aと同じシーカーを搭載している。スタンダード艦対空ミサイルから受け継ぐストレーキ状安定板が特徴である。全長4.57m、直径0.335m、翼スパン1.067m、重量1356ポンド（615kg）、弾頭重量217ポンド（98kg）。弾頭には発煙弾も搭載できる。推進はエアロジェットMk27固体燃料ロケット、飛翔速度マッハ2.5、射程48海里。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、世界軍用機年鑑1990-91、月刊軍事研究12,’18

　＜ＡＧＭ−７８Ｂ＞：シーカーに周波数メモリー機能を付加してホーミング機能を向上させ、ジンバル支持式ジャイロを組み込んだもので、敵がレーダーを止めても、発信されていた位置にそのまま突入できる。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究12,’18

　＜ＡＧＭ−７８Ｃ＞：シーカー、信管、ロケットモーターを改良したタイプ。全長4.57m、直径0.343m、翼スパン1.09m、重量635kg。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、世界の軍用機1979、月刊軍事研究12,’18

　＜ＡＧＭ−７８Ｄ＞：シーカーの能力を向上させ、弾頭を大型化、ロケットモーターをMk69に換装して最大射程を60海里に延伸したタイプ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究12,’18

＜ＡＧＭ−７８ファミリー＞

　＜パープルフィスト＞：イスラエル軍対レーダーミサイル。独自に弾頭を強化している。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＡＧＭ−８４＞：ハープーン・シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−８４Ｅ＞：アメリカ海軍の空対地ミサイル、別名スタンドオフ対地攻撃ミサイル（Stand-off Land Attack Missile）、略称SLAM。ハープーン・ブロック�Uの派生型で、艦対地型RGM-84E（略称SEA-SLAM）もある。弾体のベースはAGM-84Aで、前部を少し延長した。誘導はGPS＋赤外線画像で、赤外線シーカーにはAGM-65F空対地ミサイルと同じものを使用しており、ミサイル先端がガラス張りになっている。中間飛翔経路と、予めプログラムされている４グループ64任務から該当任務を事前に入力し、GPS衛星のデータもミサイルに入力した上で発射する。発射後は自己位置をGPSで測定しつつ、事前に入力された経路に沿ってGAINSで飛翔、目標に向かう。命中予想時刻の１分前（30秒前？）になると赤外線シーカーが作動を開始、ウォールアイ用AN/AWW-9/-13/-14データリンクを外装式に搭載した誘導専用機にシーカー画像が送られるので、機上操作員に目標をロックオンしてもらう（艦対地型も航空機でロックオンする）。これにより同士討ちの危険がある程度防げる。半数必中界は3m以内。弾頭はWDU-18/B。全長4.37m、直径0.343m、翼スパン0.91m、重量1366ポンド（620kg）、弾頭重量222kg。エンジンはJ402ターボファン、射程60海里以上。1988年11月から納入され、1990年から運用された。初実戦使用は湾岸戦争で、A-6Eが７発を発射し、A-7Eが誘導を担当、３発がデータリンク不調を起こしたが、残る４発は全て命中し、イラクの水力発電所ダムに命中したものは１発目の破孔に２発目が飛び込んでおり、精度が非常に高いことが証明された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船5,’91、月刊JWings12,’01、7,’99、軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究3,’05、2,’09、3,’18

＜ＡＧＭ−８４Ｅファミリー＞

　＜ＣＡＴＭ−８４Ｅ＞：キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

＜ＡＧＭ−８４Ｈ＞：アメリカ海軍のスタンドオフ空対地ミサイルで、別名発達型スタンドオフ対地攻撃ミサイル、略称SLAM-ER。AGM-84Eの射程延伸型だが、弾体のデザインは一新されており、一見すると別のミサイルである。弾体中央に翼スパンの長い折り畳み式逆ガル後退翼が付いており、後部に４枚の尾翼を持つ。尖った弾頭部には三角形のウインドウが左右１つずつ設けてある。中間誘導はGAINS（ウェイポイント７ヵ所設定可能）、終末誘導は赤外線画像で、データリンクが組み込まれており、発射母機のパイロットはミサイルからの静止画像を得て目標選定・ロックオンが行える（SMAU、Stop Motion Aming Update）。攻撃モードは、GAINSのみで撃ちっ放し攻撃をする固定目標モード（CEP13m）、データリンクを使用するMITL（マン・イン・ザ・ループ）モード（CEP3m）、発射後にデータリンクを通じて目標変更を行うNCO（ネットワーク中心作戦）モードの３種類。弾頭はWDU-40/B貫通型高性能炸薬弾で、チタンケースに収容されており、重量247kg。2002年にはシーカーにATA（自動目標捕捉）能力が組み込まれ、事前に入力した複数の目標情景とシーカー映像をマッチさせて目標を自動追尾することができるようになり、撃ちっ放しでも高い誘導能力を持つSLAM-ATAとなった。固定目標用だが、2006年にはAN/APS-149LSRS搭載P-3Cから発射母機（F/A-18）経由で移動目標の位置データをニア・リアルタイムで取得し、最終的に自身のカメラで移動目標を捕捉、破壊するテストに成功している。全長4.37m、直径0.343m、翼スパン2.18m、ミサイル総重量680kg。射程278km（139km？）。イラク戦争でP-3Cが発射したとみられるが、ふさわしい目標に乏しかったためか、使用は３発だけだった。一応F-15Eにも積めるが、アメリカ空軍では使用しておらず、海外向けでもソフトウェアを搭載して運用可能にしてあるのはF-15Kだけである。参考：月刊軍事研究3,’05、11,’98、9,’03、4,’03、2,’09、3,’18、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings8,’00、9,’12

＜ＡＧＭ−８４Ｈファミリー＞

　＜ＣＡＴＭ−８４Ｈ＞：キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings9,’12

＜ＡＧＭ−８４Ｈ海外シリーズ＞

　＜ＡＧＭ−８４Ｈ（サウジアラビア空軍）＞：サウジアラビア空軍空対地ミサイル。2013年10月15日にアメリカ国防安全保障協力局が実弾650発、キャプティブ弾40発、テレメトリー弾20発、模擬弾４発のFMS輸出を承認した。2018年4月11日にボーイング社がアメリカ海軍から生産ライン再建契約を受注している。参考：月刊航空ファン7,’18

＜ＡＧＭ−８４Ｋ＞：アメリカ軍のスタンドオフ空対地ミサイル、別名SLAM-ER（Stand-off Land Attack Missile-Expanded Response）。全長4.4m、重量675kg。推進はターボジェット、飛翔速度マッハ0.7、射程280km以上。誘導は中間がGPS/INS、終末が画像赤外線で、AGM-84H（改）と同様の自動目標捕捉能力を持ち、発射母機からの目標指示も行える。F/A-18、P-3C、S-3Bから発射可能。韓国空軍（F-15K）、トルコ空軍（F-16）、フィンランド空軍（F/A-18）も採用した。2009年7月2日、発射母機から標的情報を連続的に受け取ることにより、動目標にも対応できるバージョンの試射に成功した。2009年9月30日、F-16E/Fからの発射に成功したとボーイングが発表した。P-8Aからの発射も可能とする予定。参考：月刊軍事研究10,'15、7,’07、11,’09、12,’09

＜ＡＧＭ−８４Ｋファミリー＞：

　＜ＣＡＴＭ−８４Ｋ−１Ａ＞：キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings4,’05

＜ＡＧＭ−８４Ｌ＞：ハープーン・ブロック�U（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−８４Ｍ＞：ハープーン・ブロック�V（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−８６シリーズ＞：アメリカ軍の空対地巡航ミサイル。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、ザ・マーチ17号

＜ＡＧＭ−８６Ａ＞：1974年2月から開発され、1976年に初の動力飛行を行った。核弾頭を搭載でき、最大射程1200km。1977年に発射母機のB-1A戦略爆撃機が計画中止になって宙に浮きかけたが、B-52G/H戦略爆撃機用として開発を継続、その後B-1B爆撃機にも搭載することになった。ただ大型長射程のAGM-86Bの開発に移行し、こちらは計画打ち切りになっている。参考：アメリカの核兵器、月刊軍事研究1,’01、核兵器図鑑

＜ＡＧＭ−８６Ｂ＞：最初の量産型で、別名空中発射巡航ミサイル（Air Launched Cruise Missile）、略称ALCM。AGM-109空中発射型トマホークに勝って1978年に採用された。弾体は底辺が広い台形（三角形の上をちょっと削ってパイロン懸吊部を設けた感じ）断面で、前部に誘導装置と速度計用ピトー管、前部下面に電波高度計アンテナ、誘導装置後方に核弾頭、弾体中央にジェット燃料と折り畳み主翼、後部上面にエンジンとエアインテイク、後部下方に二次電池、尾部上面に折り畳みフィン、左右下方に飛翔制御用全遊動式折り畳みエレボンを持つ。全長6.33m、翼スパン3.65m、胴体直径0.62m、重量1360kg。弾頭はW80Mod1（200キロトン）。エンジンはF107-WR-100ターボファン（推力270kg）、巡航速度880kmm、燃料搭載量560kg、最大射程2500-2800km。CEP30m。投下されると0.1秒後にエアインテイクが持ち上がり、0.3秒後までにエレボンが展開、0.5秒後までにフィンが開き、高度135mまで落下したところでエンジン点火、投下1-2秒後に主翼が展開して慣性誘導と地形照合誘導TERCOM（20枚の地図を記録）で目標に命中する。B-52G飛行隊（ニューヨークのグリイフィス空軍基地、アラスカのブリスヴィル空軍基地、テキサスのカースウエル空軍基地、ワシントンのフェアチャイルド空軍基地）に配備され、主翼下に６基ずつ、爆弾倉のロータリーランチャーに８基の計20発を搭載可能。ワルシャワ条約機構加盟国の国境から370km以上手前で発射するが、これでもソ連の戦略目標のうち85%を破壊可能である。1980年に225発生産され、1990年までに計3418発を生産する予定だったが、1982年末にソ連が対巡航ミサイル迎撃技術を開発したとの情報が流れ、1986年6月にステルス性が高く高速巡航が可能な後継のAGM-86Cが開発されたのに伴い、1986年10月までの1715発で打ち切りとなった。実戦配備は1982年である。700発が退役後にAGM-86C/Dに改造された。改造されなかったものはアメリカ空軍唯一の空中発射核巡航ミサイルとして配備が続いており（2018年現在現役200発・予備保管328発）、後継が作られるのは2030年くらいになる見込み。参考：月刊軍事研究1,’01、1,’11、7,’18、アメリカの核兵器、ワイルドウエポン、軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、ザ・マーチ17号、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979、月刊JWings4,’17

＜ＡＧＭ−８６Ｃ＞：別名通常弾頭空中発射巡航ミサイル（Conventional Air Launch Cruise Missile）、略称CALCM（カルクムと読む）。シニア・サプライズの計画名で1986年6月に開発され、1988年から運用し、湾岸戦争が初使用で35発が発射されたが、存在が公表されたのは1992年になってからである。AGM-86Bの改良型・通常弾頭型で、誘導方式を慣性誘導＋GPSに変更し、CEPが15mになった。弾頭は1000ポンド（454kg）通常弾頭である。当初B-52Gで運用されたが、同機の退役以後はB-52Hの主要装備となった。胴体内爆弾倉に８発を搭載する。B-1Bにも搭載できるが、本ミサイルは核兵器の分類になる巡航ミサイルのカテゴリーに入るので、START�Uで核運搬兵器から除外されているB-1Bへの搭載は認められていない。全長6.32m、全幅3.66m、最大速度800km。2019年11月20日、最後の１発が解体された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究1,’01、月刊丸10,’97、軍事分析湾岸戦争、月刊航空ファン2,’20

　　＜ＡＧＭ−８６Ｃブロック０＞：弾頭重量1500ポンド（680kg）。第１世代のGPSを搭載している。参考：月刊軍事研究1,’01

　　＜ＡＧＭ−８６Ｃブロック１＞：弾頭重量を3000ポンド（1361kg。1500ポンド？）に増やし、第２世代のGPSを搭載したもの。飛翔終末でポップアップし、垂直に近い角度で目標に突入する。CEP6m。1996年9月に実用化された。参考：月刊軍事研究1,’01、U.S.ウェポン・ハンドブック

　　＜ＡＧＭ−８６Ｃブロック１Ａ＞：第３世代GPSを搭載し、INSの精度を向上、GPS電波に対するジャミングに対抗できるECCMを装備したもの。CEP3m。2001年にアメリカ空軍で試験が開始された。参考：月刊JWings4,’01

　＜ＡＧＭ−８６Ｄ＞：ブロック２とも呼ばれる3000ポンド（1361kg）弾頭搭載型で、これもCALCMという。地中貫徹用に強力な貫徹弾頭BLU-116/Bを搭載しており、最大射程は600マイル超とされる。参考：月刊JWings3,’02、U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＢＲＯＡＣＨ貫徹弾頭型＞：BROACH弾頭を搭載するタイプ。最初に小型のソイルクリアランスチャージが炸裂し、バンカーの盛り土などを排除、次にメインチャージが炸裂してバンカーを貫通する。1000ポンド級の弾頭でGBU-28並の破壊力を持つとされる。参考：月刊航空ファン10,’98

　＜炭素繊維弾頭搭載型＞：極細の炭素繊維をばらまいて発電施設や高圧線をショートさせるもの。湾岸戦争で初使用された。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ＡＧＭ−８８シリーズ＞：アメリカ軍の対レーダーミサイル、別名高速対レーダーミサイル、略称HARM（High-speed Anti-Radiation Missile）、コールサインはMUGNUM。1969年からレイセオン社が開発し、1981年に量産が決まった。射程を延伸すると共に高速化しており、敵に対処する時間を与えない。運用モードはPOS（PB）、HAS、LOR、PE、DAなど。参考：月刊軍事研究2,’03、12,’18、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings12,'23、7,’02、月刊航空ファン5,’11

　＜ＡＧＭ−８８Ａ＞：最初の量産型で、1983年にIOCを獲得した。弾体は先端からWGU-2/B（ブロック�T/�U）誘導セクション、WAU-7B弾頭セクション（WDU-21/B爆風破砕弾頭とFMU-111/Bレーザー近接信管）、WCU-2/B制御セクション、サイオコールSR113-TC-1固体燃料ロケットモーターと並び、側面にBSU-59/B胴体中央フィン（全遊動式ダブルデルタ操縦翼）とBSU-60/Bテイルフィン（固定式クリップドデルタ安定翼）が４枚ずつＸ字に付き、胴体中央フィン間の上面にアンビリカル・ケーブルがある。LAU-118/Aランチャーを介してパイロンに取り付け、ランチャー前端のドアを開いてアンビリカル・ケーブルを内部に接続し、ドアを閉める。誘導はパッシブ・レーダー式で、サイドローブやバックローブに対してもロックオンが可能とされる。誘導セクションの対応周波数（0.5-20GHz）は予め決まっており、プログラム変更はアメリカ本土でしか行えないため、基地や空母には何種類かが用意されていて、ミッションに応じ交換する。弾頭にはスチール製フラグメント25000本が収容されており、爆発によってばらまかれてレーダー機器を破壊する。運用モードは３種類あり、予め定められた目標に対する攻撃の他、新目標に対する対処も可能で、レーダー警戒装置と連動した自動迎撃モードもある。全長4.176m、直径0.253m、翼スパン1.128m、重量796ポンド（361kg）、弾頭重量66kg。信管はレーザー近接式。最大速度はマッハ４とも５ともいわれる。トス・ボミングにより最大射程は40海里以上（150km？）に達する。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’03、月刊JWings12,’23

　＜ＡＧＭ−８８Ｂ＞：誘導セクションをWGU-2B/B（ブロック�V）に換え、戦場後方での対応周波数変更を可能としたタイプ。アメリカ海軍では1985年から運用した。湾岸戦争で多用されている。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’03、月刊JWings12,’23

　＜ＡＧＭ−８８Ｂブロック�VＡ＞：シーカーを乗員への地理的特異性GS（Geographic Specificity）提供能力限定付与型に更新し、滑空性能を向上させたもの。1999年にIOCを獲得した。参考：月刊JWings12,’23

　＜ＡＧＭ−８８Ｃ＞：誘導セクションをWGU-2C/B（ブロック�W）に換えたもので、ジャミング源への突入が可能になった。弾頭もタングステン・フラグメント12800本入りWDU-37/Bになり、ソフトウェアも改良して対応周波数を拡大している。参考：月刊軍事研究2,’03、2,’09、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−８８Ｃブロック�X＞：AGM-88Cブロック�WにAGM-88Bブロック�VＢと同様の改良を加えたもの。1999年にIOCを獲得した。、月刊JWings12,’23

　＜ＡＧＭ−８８Ｄ＞：別名HARM PNU（Precision Navigation Upgrade）。誘導セクションをGPS受信機／慣性測定ユニット追加型のブロック�Yに換え、命中精度を高めたもので、操縦翼前方（制御セクション）上面にGPSアンテナが付いた。2003年度から量産された。参考：月刊JWings12,’23、月刊軍事研究2,’03

　＜ＡＧＭ−８８Ｅ＞：アメリカ海軍向けで、発達型対レーダーミサイルAARGM（Advanced Anti-Radiation Guided Missile）ともいう。誘導セクションにミリ波レーダーを追加したWGU-48/Bを搭載し、レーダー停止後も追跡できるようにしたもので、デモンストレーターでは外形に変化が無かったが、実用型では弾頭部が一回り太くなった。パッシブレーダー誘導用受信機をデジタル化し、戦闘損害評価に使う情報を送信するウェポンズ・インパクト・アセスメント（WIA）用送信アンテナも追加している。全長4.17m、弾体直径0.25m、重量361kg、弾頭重量68kg。誘導はGPS/INS＋パッシブレーダー＋ミリ波レーダー。射程148km。EA-18G、F/A-18C/D/E/F、トーネードECRに搭載できる。2008年から量産型が調達されており、2009年4月13日に発射試験に成功した。2011年5月25日にはEA-18Gによるキャプティブ弾搭載テストが行われている。2012年7月、初度運用能力IOCを獲得した。2018年10月4日、イタリア空軍トーネードECRへの統合試験を終えた。参考：月刊軍事研究2,’09、2,’03、7,’14、月刊航空ファン8,’09、9,’11、月刊JWings2,’17、12,’18、5,’22、11,’22、12,’23

　＜ＡＧＭ−８８Ｅブロック２＞：射程延伸型で、別名Advanced Anti-Radiation Guided Missile-Extended Range（射程延伸発達型対レーダミサイル）、略称AARGM-ER。前部十字フィンを廃止して両側面に長いストレーキを設け、ロケットモーターを強化、速力・機動力・射程を向上させる。F-35B/Cのウェポンベイに収容可能。AGM-88Gとして制式化された。参考：月刊JWings6,’19、月刊軍事研究9,’17

　＜ＡＧＭ−８８Ｆ＞：AGM-88Eのアメリカ空軍型で、HARM操縦セクション改良型（HARM Control Section Modification、HCSM）ともいう。2016年から運用中。参考：月刊JWings12,'23、月刊航空ファン1,’18

　＜ＡＧＭ−８８Ｇ＞：アメリカ海軍が開発中のAGM-88Eブロック２の制式化型、別名Advanced Anti-Radiation Guided Missile-Extended Range（射程延伸発達型対レーダミサイル）、略称AARGM-ER。弾体中央の制御フィン４枚を廃止して両側面にストレーキ１枚ずつを付け、後部低抵抗操縦フィンで機動性を増し、大直径固体燃料ロケット・ラムジェットを装備して速度をマッハ４に、射程を300kmに強化する。誘導はパッシブ・レーダーに加えてGPS/INSとアクティブ式ミリ波レーダーを備え、相手がレーダーを切って逃げても自ら追尾可能。F-35B/Cのウェポンベイに搭載できる。2019年3月にノースロップ・グラマン社イノベーション・システムズ部門（旧オービタルATK）がEMDフェーズ契約を受注した。2020年4月、ノースロップ・グラマン社がLRIP契約を締結した。6月1日、F/A-18E戦闘機に搭載しての飛行試験を開始。2021年7月、F/A-18戦闘機で初実射試験を実施。8月、ノースロップ・グラマン社とLRIP契約を締結した。2022年7月、３回目の実射試験に成功した。参考：月刊航空ファン6,’19、月刊JWings1,’22、9,'20、11,’20、12,’23

　＜ＨＤＡＭ＞：ハーム敵防空攻撃破壊モジュールの略。敵がレーダーを停止した後も攻撃できるよう、GPS誘導装置を追加したものである。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＧＭ−８８ファミリー＞

　＜ＣＡＴＭ−８８＞：キャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings3,’15

　＜ＣＡＴＭ−８８Ｅ＞：AGM-88Eのキャプティブ訓練弾。フィンに緑のラインが引かれている。参考：月刊JWings8,’17、2,’17

＜ＡＧＭ−８８海外シリーズ＞

　＜ＡＧＭ−８８Ｅ（ドイツ空軍）＞：ドイツ空軍対レーダーミサイル。2019年12月16日、NATO調達部門NSPAがアメリカとFMS契約を締結した。参考：月刊航空ファン3,’20

＜ＡＧＭ−１０９シリーズ＞：BGM-109シリーズ（巡航ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−１１２ＭＧＷＳ＞：GBU-15/Bシリーズ（誘導爆弾）を参照。

＜ＡＧＭ−１１４シリーズ＞：アメリカ軍対戦車ミサイル、別名ヘルファイア（Hellfire。HELicoptor Launched FIRE and forget missileの略）。1970年からロッキード・インターナショナル社が開発し、1976年にアメリカ陸軍と契約を締結、1986年に実用化した。TOWの後継としてAH-64攻撃ヘリコプターなどのヘリに搭載するため開発され、地上発射型も作られ、無人機にも搭載されている。2014年、NATO演習のためスペインに送られた弾頭無しのAGM-114ヘルファイアが、演習終了後にマドリードから戻る途中で行方不明になり、フランスのシャルル・ド・ゴール国際空港からフランスの航空会社のハバナ行き旅客機に積まれてキューバ政府に押収されていたことが判明した。参考：月刊軍事研究8,’02、12,'15、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings3,’16

　＜ＡＧＭ−１１４Ａ＞：最初の生産型。前から誘導セクション（センサー・グループと誘導電子グループ）、弾頭セクション（弾頭グループと操縦インターフェース・グループ）、推進セクション、制御セクションの順で配置され、各セクションはモジュール構造になっており、改良が容易。弾体前端はレーザー反射光を通すため透明になっている。弾体前部に小さな台形の短いＸ字翼（ストレーキ）、後部に長いストレーキがあり、後部ストレーキ後端が操縦翼面として作動する。前部ストレーキの間の上面に前方ラグ兼アンビリカルコネクター、弾体中央上面に中央ラグ、弾体尾部・後部ストレーキ間の上面に後方ラグを持つ。誘導方式はセミアクティブ・レーザー・ホーミングで、発射母機以外からレーザー照射を行い誘導することも可能である。また、だいたいの方向に発射した後にロックオン（LOAL）することもできる。レーザー波長は1.06オングストロームで、パルス・コード化レーザーを使用する。全長1.63m、直径0.178m、翼スパン0.326m、重量100.9ポンド（45.8kg）、炸薬17ポンド（7.7kg）。弾頭はHEAT。推進はサイオコールM120E1固体燃料ロケット、速度マッハ1.1-1.3、射程8000m。湾岸戦争で最初にイラク軍を攻撃したのも、停戦直前に最後の攻撃を行ったのもこのミサイルである。参考：月刊JWings4,’24、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究9,’00、10,’05、軍事分析湾岸戦争、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１１４Ｂ＞：海軍・海兵隊運用型。低視界時にも運用できるよう自動操縦装置を備え、誘導方式はセミアクティブ・レーザーと赤外線画像誘導を組み合わせ、弾頭をHEに換装した。艦上運用のため、ロケットモーター用安全装置S/AD（安全装置／安全装置解除デバイス）と作動機材を追加し、電磁干渉対策も施している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings2,’03、月刊軍事研究10,’05、12,’15

　＜ＡＧＭ−１１４Ｃ＞：陸軍向け。AGM-114Bから艦上運用装備を抜いたもので、Ａ型に比べるとセミアクティブ・レーザー・シーカーとロケットモーターが改良されている。参考：月刊JWings4,’24、U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１１４Ｄ＞：計画改良型。デジタル・オートパイロットを搭載する。量産には至らなかった。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｅ＞：計画改良型。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｆ＞：陸軍向けタンデムHEAT型、別名インターリム・ヘルファイア。全長1.96m、重量51.2kg。以降のタイプは全てタンデム弾頭である。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｇ＞：海軍・海兵隊向けタンデムHEAT型。AGM-114FにAGM-114Bと同様の艦上運用装置を搭載したものである。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｈ＞：計画型。AGM-114Fにデジタル・オートパイロットを搭載する。量産には至らなかった。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｊ＞：アメリカ陸軍向け計画改良型。ヘルファイア最適化ミサイルシステム（HOMS）計画に基づき開発されたが中止され、AGM-114K-2を採用した。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｋ＞：アメリカ海軍・海兵隊向け、別名ヘルファイア�U。ヘルファイア最適化ミサイルシステム（HOMS）計画に基づいて開発された改良型で、高い対電子光学対抗手段（EOCM）能力を持つオフボアサイト90度のセミアクティブ・レーザー・シーカー、レーザーのロックオンが一旦外れても再探知できるデジタル式自動操縦・誘導電子機器、タンデム弾頭、無煙ロケットモーターなどを導入した。シーカー直後に100mmの前段弾頭があり、その後方に主弾頭が搭載されていて、リアクティブアーマーに対抗できる。また目標に応じて弾道が変更でき、ホップアップからのトップアタックも可能である。AGM-114Bと同様の艦上運用装備を搭載する。最大飛翔速度マッハ1.1、有効射程0.5-9km。最大発射可能高度25000フィート（7620m）。ランチャーはMIL-STD-1760デジタル・データバス対応のM299/M310を使う。参考：月刊軍事研究6,’03、12,'15、2,’17、月刊JWings4,’24、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船5,’17

　＜ＡＧＭ−１１４Ｋ−２＞：アメリカ陸軍向けAGM-114K。艦上運用装備を外している。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｋ−２Ａ＞：アメリカ陸軍向け。AGM-114K-2の弾頭を爆風破片型に換装したものである。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｌ＞：AH-64D/E攻撃ヘリ用、別名ロングボウ・ヘルファイア（LBHMM）。誘導をAN/APG-78ロングボウ・レーダーのミリメートル波（35GHz）を使用するアクティブレーダー誘導式に変更したもので、完全な全天候撃ちっ放し式である。これにより固定翼・回転翼機にも有効に発射できるようになった。移動目標や、クラッターの少ない近距離静止目標には発射前ロックオン（LOBL）を、それ以外の移動目標には発射後ロックオン（LOAL）を用いて誘導・命中する。LOBLにLOALをオーバーライドすることも可能で、FCSが作成した優先目標順位リストに従って目標への逐次攻撃ができる。誘導部は、レドーム、マイクロ波・ミリメートル波一体化集積回路（MIMIC）トランシーバー付きジンバル式RFアッセンブリ、ジンバル、慣性計測ユニット、デジタル演算装置などで形成され、レドームはクリーム色に塗ったガラス製なので着氷状態でも発射すれば氷が落ちるようになっている。全長1.75m、直径178mm、発射重量49kg。射程8km。M299ランチャーに搭載される。参考：月刊軍事研究9,’00、6,’03、1,’00、月刊JWings4,’24、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１１４Ｍ＞：市街戦用ヘルファイア。遅延信管を採用し、建物内に突入してから炸裂するようにしてある。イエメンでのプレデターUAVを使ったテロリスト攻撃に用いられた。参考：月刊軍事研究6,’03

　＜ＡＧＭ−１１４Ｍネイヴァル・ヘルファイア�U＞：AGM-114Kの海軍型で、爆風破片型の対艦弾頭を搭載している。艦上運用のため弾頭を非敏感型として誘爆の危険性を低くし、ロケットモーターも安全性を向上させており、艦上運用専用の安全装置であるSAD（安全／安全解除デバイス）を装備する。全長1.6m、直径178mm、重量48kg。射程8km。海上自衛隊もSH-60K用に採用した。参考：月刊JWings11,’05、4,’02、4,'24、月刊世界の艦船3,’10、12,’17、月刊軍事研究12,’15

　＜ＡＧＭ−１１４Ｎ＞：サーモバリック（高熱高圧）弾頭型。弾頭は金属増強炸薬MACという名称で、PBXN-112爆薬にアルミ粉末とフッ素樹脂を混ぜ込んでおり、比較的低速で燃焼し、炸裂時の爆風を逃れても高熱で被害を受ける。対バンカーや対トンネル用で、加害範囲が大きいため、市街戦向きではない。イラク戦争開戦当日、アメリカ海兵隊のAH-1Wがイラク監視所に発射した。参考：月刊軍事研究6,’03、月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｐ＞：アメリカ空軍向け。MQ-1プレデターやMQ-9リーパーといったUAVに搭載すべく採用したAGM-114Kで、2003年頃に実用化された。ちなみにＰはプレデターのＰである。参考：月刊JWings4,’24、月刊軍事研究12,’15、2,’17

　＜ＡＧＭ−１１４Ｐ＋＞：無人機搭載型で、MQ-1CスカイウォーリアQRC2などに搭載する。QRC1など別のUAVに誘導を任せることができるので、真後ろの目標に対しても発射可能。参考：月刊軍事研究12,’10

　＜ＡＧＭ−１１４Ｐ−２＞：AGM-114Pにデータリンクを追加したもの。参考：月刊軍事研究2,’17

　＜ＡＧＭ−１１４Ｐ−２Ａ＞：弾頭を爆風破片型にして破片散布を改良、破壊能力を強化したもの。参考：月刊軍事研究2,’17、月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｐ−２ＡＢ＞：スリーブを金属製にして破片散布密度を高くしたもの。参考：月刊軍事研究2,’17

　＜ＡＧＭ−１１４Ｐ−２Ｂ＞：弾頭重量増加型。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｐ−４Ａ＞：誘導ソフトウェア改良型。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｒ＞：AGM-114K/M/N/Pの後継兼AGM-179までの繋ぎ。2009年8月19日にエグリン空軍基地で試射が行われ、実用化された。誘導はミリ波レーダーによるARHとセミアクティブレーザーのデュアル式。弾頭はタンデム式で、成型炸薬と爆風破片を組み合わせた改良型爆風破片スリーブIBFSと呼ばれ、AGM-114Kの貫通力、AGM-114K2の破片効果、AGM-114Mの対艦威力、AGM-114Nの熱圧破壊力を全て持ち合わせているという。信管はプログラム式で、目標に合わせて弾頭効果を変更できる。慣性航法装置が搭載されており、真後ろの目標にも発射可能。全長1.63m、直径0.178m、重量49kg。射程9km以上。陸海空の全プラットフォームに搭載できる。艦上運用の際には専用の安全装置であるSAD（安全／安全解除デバイス）を装備する。参考：月刊軍事研究4,’10、12,'15、11,’17、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings4,'24、11,’15、月刊世界の艦船12,’17

　＜ＡＧＭ−１１４Ｒ−２＞：改良型爆風破片スリーブIBFS型。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｒ−９Ｅ＞：タンデムHEAT型。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｒ−９Ｈ＞：タンデムHEAT型。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＧＭ−１１４Ｒ−９Ｘ＞：対テロリスト型。弾頭を刃６枚に変更した。参考：月刊JWings4,’24

＜ＡＧＭ−１１４ファミリー＞

　＜ＡＧＭ−１１４Ｑ＞：AGM-114Nのダミー訓練弾、別名ATM-114Q。参考：月刊JWings4,’24

　＜ＡＴＭ−１１４Ｑ＞：AGM-114Q（ダミー訓練弾）を参照。

　＜ＡＧＭ−１１４Ｓ＞：AGM-114Kの訓練弾。参考：月刊JWings4,’24

＜ＡＧＭ−１１４海外シリーズ＞

　＜ＡＧＭ−１１４Ｍ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の空対艦ミサイル。AGM-114Mネイヴァル・ヘルファイア�Uを導入したもので、SH-60Kに搭載可能。全長1.6m、弾体直径0.178m、翼スパン0.3m、重量45.2kg。推進は固体燃料ロケット、射程8000m。誘導はセミアクティブ・レーザー。参考：月刊世界の艦船10,’19

　＜ＲＢＳ−１７＞：スウェーデン軍地対艦ミサイル。沿岸防備用地上発射型で、ロックウェルとボフォース社が開発した。折り畳み式の三脚上に搭載されたランチャーレールにミサイルを装填する。ランチャー＋三脚の重量は48kg、ミサイル重量は48kgで、レーザー照射器、発射装置、夜間暗視装置、バッテリーなどを合わせると172kgになる。ミサイルはAGM-114Cの改良型で、自動操縦装置の飛翔経路が対艦用に変更されており、弾頭はAPHE。最大速度マッハ1.7、有効射程300-10000m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊PANZER 2,’99、U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＲＢＳ−７０＞：ノルウェー海軍地対艦ミサイル。RBS-17を1997年に採用したものである。参考：月刊PANZER 2,’99

＜ＡＧＭ−１１９Ａ＞：ペンギン海外シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−１１９Ｂ＞：ペンギン海外シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−１２２＞：アメリカ海兵隊対レーダーミサイル（空対空ミサイル？）、別名サイドアーム。A-4、AV-8B、AH-1の自衛用で、1980年代にアメリカ海軍から海兵隊に数百発移管されたAIM-9Cをベースとしており、誘導をパッシブ・レーダー誘導とし、AIM-9Dの操縦翼を搭載、ロケットモーターをAIM-9Lのものに、信管をDSU-15アクティブ式に換装した。発射されると高度を上げて目標を捜索し、レーダー波を探知したら頭を下げて目標に向かう。全長3.658m、直径0.122m、翼スパン0.579m、重量99kg。推進は固体燃料ロケット、射程５海里（十数km？）。1990年末までに885発がAIM-9Cから改造された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、U.S.ウェポン・ハンドブック、週刊ワールドウェポン17、月刊丸10,’97

＜ＡＧＭ−１２３Ａ＞：アメリカ軍の空対地ミサイルで、別名スキッパー�U。1985年に実用化され、A-6Eなど海軍機が運用した。Mk83爆弾にペイブウェイ�Uのシーカーを搭載（要するにGBU-16/B）し、MXU-737/B折り畳み式滑空翼と、AGM-45BのロケットブースターであるWPU-5/B推進システム（Mk78ロケットモーター）を装着しており、短時間加速した後滑空して目標に到達する。全長4.27m、直径0.38m、翼スパン1.6m、重量1283ポンド（582kg）。巡航速度500ノット、射程5.2海里。1988年、ペルシャ湾のタンカーを攻撃していたイラン海軍フリゲートを撃沈した。参考：月刊軍事研究2,’04、12,’04、8,’18

＜ＡＧＭ−１２９シリーズ＞：アメリカ軍のステルス空対地巡航ミサイル、別名発達型巡航ミサイル、略称ACM。1983年から開発され、1990年6月に量産を開始、1991年に就役した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＧＭ−１２９Ａ＞：主翼と尾翼は折り畳み式だが、B-52Hの爆弾倉内ロータリーランチャーには搭載できず、外装式となった。B-1Bのウェポンベイには４発、B-2Aには16発を搭載可能である。全長6.35m、直径0.74m、翼スパン3.12m、重量2750ポンド・1247kg（3600ポンド・1633kgともいわれる）、弾頭は200キロトン核弾頭W80-1。エンジンはウィリアムズ・インターナショナル社製F112-WR-110ターボファン、飛翔速度マッハ0.7、射程1800海里。誘導は慣性誘導とTERCOMの組み合わせとみられる。450発で生産が打ち切られ、START条約により退役中で、再配備可能な状態のまま保存される。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings3,’99、月刊丸10,’97、月刊航空ファン6,’02、月刊軍事研究1,’11

＜ＡＧＭ−１２９Ｂ＞：弾頭をW90に変更し、弾体とソフトウェアを改良したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＧＭ−１２９Ｃ＞：通常弾頭型で、CACMと呼ばれる。航法装置にGPSを追加し、貫通弾頭を装備した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＧＭ−１３０シリーズ＞：アメリカ軍の空対地ミサイル。2000ポンド級滑空爆弾GBU-15/Bの下部にロケットブースターを追加したもので、ロケットの燃焼が終わると弾体のみが飛んでいく。射程は３倍に伸び、低高度では20km、高々度では50海里以上に達する。誘導は中間が慣性誘導＋GPS、終末が光学／赤外線画像誘導式。大重量のためF-111DとF-15Eしか運用できない。1984年からロックウェル社が開発し、1994年から部隊運用された。1999年1月25日、バスラ付近の製油施設を狙った１発が市街地に着弾して11人が死亡、59人が負傷した。同年4月12日にはユーゴスラビア南東部のグルデリツァ鉄橋を列車ごと爆破してしまった。参考：月刊軍事研究9,’03、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン3,’18

　＜ＡＧＭ−１３０Ａ＞：DSU-27テレビ誘導装置を搭載したタイプ。全長3.94m、直径0.46m、翼スパン1.494m、重量1.323トン。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１３０Ｂ＞：WGU-10赤外線画像誘導装置を搭載したタイプ。全長3.94m、直径0.46m、翼スパン1.494m、重量1.161トン。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、世界軍用機年鑑1990-91、軍事分析湾岸戦争

　＜ＡＧＭ−１３０Ｃ＞：WGU-10赤外線画像誘導装置とBLU-109/B徹甲弾頭を搭載したタイプ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＡＧＭ−１３６＞：アメリカ空軍の計画空対地ミサイル、別名タシット・レインボー。射程450km。1980年代からノースロップ社が開発したが、1991年にキャンセルされた。参考：月刊航空ファン3,’18

＜ＡＧＭ−１３７＞：TSSAM（ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−１４２シリーズ＞：アメリカ軍の空対地ミサイル、別名ハブ・ナップまたはポパイ（Popeye）またはラプター。基はイスラエル製ポパイ空対地ミサイルである。滑空翼とロケットブースターを搭載しており、ロケットブースターで短時間加速した後滑空して目標に到達する。全長4.6m、重量3000ポンド（1361kg）。弾頭は爆風破砕型（750ポンド・340kg）または貫徹型（770ポンド・349kg）。射程50海里。誘導はTVまたは赤外線双方向データリンク方式で、発射母機はAN/ASW-55データリンクポッドを積む。母機で映像を見ながら誘導できるため、精度が高い。オーストラリア空軍（F-111に搭載）や韓国空軍も採用した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究3,’02、2,’04、月刊JWings12,’03、月刊航空ファン7,’99

　＜ＡＧＭ−１４２Ａ＞：TVシーカーと通常弾頭の組み合わせ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１４２Ｂ＞：赤外線画像シーカーと通常弾頭の組み合わせ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１４２Ｂ−１＞：Ｂ型のシーカーを改良したタイプ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１４２Ｃ＞：TVシーカーと徹甲爆弾の組み合わせ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１４２Ｄ＞：赤外線画像シーカーと徹甲爆弾の組み合わせ。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１４２Ｄ−１＞：Ｄ型のシーカーを改良したタイプ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＧＭ−１５４シリーズ＞：アメリカ空海軍共用スタンドオフ兵器、略称JSOW（Joint Stand-Off Weapon、統合スタンドオフ兵器）。誘導爆弾だが、射程が長いのでアメリカ軍内では対地ミサイルに分類されている。航空機から投下後、翼幅2.69mの安定翼を開いて滑空し、高度25000フィート（7620m）投下では50海里以上、高度40000フィート（12192m）投下では70海里以上飛行、尾部の操縦翼面６枚により飛行制御を行いつつINS/GPSにより６ヵ所のウェイポイントを通過、目標（２ヵ所を設定できる）に命中する。CEPは実射で５フィート（1.5m）と精度が高いが、ピンポイントというよりも面制圧に主眼を置いている。投下機の軸線から左右30度ずつの範囲なら攻撃できるオフボアサイト能力を持ち、実際に投下してみると真後ろの目標も攻撃できたという。参考：月刊丸6,’03、月刊軍事研究3,’18、5,’08、9,’03、11,’99、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１５４Ａ＞：空軍向け子爆弾ディスペンサー搭載型、別名ベースライン。BLU-97/Bクラスター子爆弾145発を収容する。全長4.26m、直径0.337m、翼スパン2.69m、重量474kg。参考：月刊軍事研究2,’04、11,’99、月刊丸6,’03

　＜ＡＧＭ−１５４Ａ−１＞：輸出型で、Mk82の非敏感型であるBLU-111/B弾頭を搭載する。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊JWings9,’12

　＜ＡＧＭ−１５４Ｂ＞：BLU-108/Bを６発搭載する対装甲型、別名アンチアーマー。量産はされなかった。参考：月刊軍事研究2,’04、11,’99、4,’03、月刊丸6,’03

　＜ＡＧＭ−１５４Ｃ＞：掩体破壊用の単一弾頭型で、BLU-110/B（BLU-111/B？）またはブローチ貫徹弾頭を装着している。信管はFMU-152/B統合プログラム可能型信管。画像赤外線シーカーを装備しており、目標の6.5km手前で作動を開始、2km手前でロックオンする。CEPは4m。2001年4月から開発されて2004年11月に空軍に配備され、同年11月16日に海軍向け初弾が納入された。2019年11月末、F-35Aへの統合作業を完了した。参考：月刊軍事研究5,’08、11,’99、2,’09、月刊丸6,’03、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン6,’02、月刊JWings2,’05、2,’20、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＧＭ−１５４Ｃ−１＞：アメリカ海軍・海兵隊向け対艦型で、別名JSOWブロック�V。AGM-154Cに双方向データリンクSCWDL（Strike Common Weapon Datalink）を搭載したタイプで、リンク16からの目標情報を入力することもできる。発射母機にAN/AWW-13データリンクポッドなどを装着し、非冷却式画像赤外線シーカーから送られた画像を見て目標をロックオンする方式で、移動目標でも攻撃可能。ミサイルに目標艦船の特徴や突入地点を記憶させることもできる。2007年3月から開発された。2012年8月、海上高速移動艦艇に対する試射が行われ、目標を直撃した。2013年1月22日、チャイナレイク射爆場でブローチ貫徹弾頭搭載型の投下試験を２回（１回目はF/A-18Fから投下、ECMと赤外線妨害あり。２回目は夜間投下）実施して両方とも目標を直撃した。2016年に初度運用能力、2017年に完全運用能力を達成した。2018年4月、F-35Cへの統合作業を完了した。参考：月刊軍事研究5,’08、2,’09、11,’15、8,’16、12,’18、月刊JWings4,’13、9,’12、月刊航空ファン1,’18

　＜ＡＧＭ−１５４Ｄ＞：BLU-114/Bブラックアウト弾頭搭載型。参考：月刊丸6,’03

　＜ＡＧＭ−１５４ユニタリー＞：500ポンド級地中貫徹弾頭BLU-111/Bを搭載したタイプ。参考：月刊軍事研究2,’04

　＜ＪＳＯＷ−ＥＲ＞：AGM-154CにMALDと同じハミルトン・サンドストランド社製TJ-150ターボジェット（推力150ポンド・68kg）を搭載した射程延伸型で、最大射程555km。リンク16などを搭載し、命中精度は落とさない。自主開発が進められており、2006年から地上試験を実施、2008年から国家予算が付いていて、2009年に自由飛翔試験を行う予定。2018年にはアメリカ海軍とレイセオン社の間でフェイズ3a開発試験契約が締結された。参考：月刊軍事研究2,’09、月刊航空ファン10,’18

＜ＡＧＭ−１５４ファミリー＞

　＜ＡＴＭ−１５４Ｃ＞：キャプティブ訓練弾。参考：月刊航空ファン2,’17

　＜ＣＡＴＭ−１５４Ｃ−１＞：キャプティブ訓練弾。参考：月刊航空ファン8,’17

＜ＡＧＭ−１５８シリーズ＞：アメリカ空軍の長射程空対地ミサイル、別名JASSM（ジャズムと読む。Joint Air-to-Surface Standoff Missile、統合空対地スタンドオフ・ミサイルの略）。1994年12月に技術的困難と費用高騰で開発中止になった３軍共通スタンドオフ攻撃ミサイルAGM/MGM-137TSSAMの代替として1995年にアメリカ空軍が要求を出し、ロッキード・マーチンがAGM-142改良型、マクダネル・ダグラスがAGM-84E改良型、ノースロップ・グラマンがTSSAM廉価版、ロックウェルがAGM-130長射程版、ヒューズがエアホーク（BGM-109小型版）を提案、1996年6月にロッキード・マーチンとマクダネル・ダグラスが選定された。ただ亜音速で長距離飛行するため防空システムの目を逃れる必要があり、両社とも新設計のステルス弾体ミサイルを開発することとし、ロッキード・マーチン案にはAGM-158、マクダネル・ダグラス案にはAGM-159の名称が付けられている。1998年4月にロッキード・マーチン案が採用されてアメリカ空海軍での運用を目指したが、海軍がAGM-84Hの方に進んだため空軍のみの使用となり（Jointの名称は残した）、10月にF-16からの投下試験に成功した。1999年11月23日にF-16から投下して動力飛行に初成功し、2002年度に量産型ロット１が発注されている。当初は2400発を調達する予定だったが、ユニットコスト70万ドルの予定が40万ドルに下がったため、3700発に増やすことにし、その後AGM-158Bを開発しためAGM-158Aを2034発とAGM-158Bを2866発調達することになった。F-15E、F-16C/D、B-52H、B-1B、B-2Aで運用可能で、機体にはGPS座標入力用のMIL-STD-1760データバスと、NATO標準インターフェースのUAI（Universal Armament Interface）を組み込む。長射程に見合った任務計画作成が必要で、地上用に汎用任務計画立案システムJMPS（Joint Mission Planning System）が用意されており、専用の管制システムであるJEMS（JASSM Enterprise Management System）も配備する。オーストラリア空軍への輸出交渉が2006年2月に成功。2007年2月にフィンランド空軍が導入を申し入れた際にはこれを断っているが、不具合で輸出差し止め処分が出されていたためらしく、2011年にFMSでの輸出許可が出た。ポーランド空軍と空自も導入する。参考：月刊航空ファン3,’18、月刊軍事研究2,’09、4,’09、2,’15、3,’18、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸2,’12

＜ＡＧＭ−１５８Ａ＞：AGM-158B登場後はJASSMベースラインと呼ばれるようになった。弾体断面はステルス性を考慮した三角形で、胴体中央下面に細長い平行四辺形をした折り畳み式後退翼（後退角45度。外側後縁にエレボン付き）、尾部両側に短いストレーキ、尾部上面に折り畳み式（左に畳まれる）後退角付き平行四辺形垂直尾翼がある。折り畳み翼はラッチで固定されており、投下されると火薬カートリッジでラッチが吹き飛び、スプリングにより垂直尾翼を展張、主翼もスプリングにより後退角75度まで展開する。この状態で降下（トランジッション）して投下機と十分な距離を確保すると、２番目のラッチが吹き飛んで主翼がスプリングにより後退角45度となり、弾体尾部下面にあるブロウオフ・ウェッジ（機体からの分離を容易にする小翼）が投棄され、目標への巡航飛行（フライト）に移る。中間誘導はGPS/IMUで、GPS受信機はJASSM対妨害GPS受信機JAGR（JASSM Anti-jam GPS Receiver）と呼ばれるECCM型を搭載している。ウェイポイントも設定でき、目標座標、目標の赤外線画像データ、飛翔経路、突入角度、GPSコード、発射母機の位置などを事前入力して発射、前胴部下面のミサイル制御ユニットが効率的な飛行コースを計算して中高度を亜音速で飛翔し、目標周辺に到達すると事前に設定した低高度ATL（Above Target Level）で周回飛行を行い、内蔵する終末誘導用画像赤外線誘導装置で目標を探知する。赤外線シーカーは前方斜め下向きに取り付けられていて、解像度256×256ピクセル、視野角12度、サンプリングレート5Hzであり、10-12枚の画像を取得してパターン・マッチングにより目標を識別して急降下突入する。ハードターゲットに対しては目標直前で急上昇した後に降下角70度の急降下で貫徹破壊する。デジタル式データリンク（周波数392-398MHz、送信出力25W）を有し、飛翔中の経路変更や、衛星通信を介する命中評価を行うことが可能。着弾評価装置BIA（Bomb Impact Assessment）のアンテナが垂直尾翼後縁に内蔵されていて、着弾10秒前からの画像を付近の味方機に送る。全長4.26m、胴体幅0.635m、翼スパン3.05m（4.97m？）、重量1021kg。弾頭はWDU-42/B貫徹弾頭（重量454kg）、炸薬はAFX-757低感度炸薬（重量240ポンド・109kg。250ポンド・114kg？）、信管はFMU-156/Bマルチモード式（爆風破砕または貫通）。エンジンはテレダインJ402-CA-100ターボジェット（推力3kN）単発、巡航速度は亜音速（マッハ0.85）、巡航高度6600m、燃料はJP-10、射程370km。サスペンション・ラグは30インチ（762mm）で、空海軍の爆撃機、攻撃機、対潜哨戒機各種に搭載できる。終末誘導をミリ波ARH、合成開口レーダー、レーザー・レーダーなどに変更して完全な全天候能力を獲得する計画があるらしい。参考：月刊航空ファン3,’18、6,’02、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船4,’18、月刊エアワールド10,’03、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’09、3,’18、7,’99、2,’10、1,’11、月刊JWings3,’18

＜ＡＧＭ−１５８改＞：ハードウェアを更新したもので、GPSに対するECMに対抗できる。2007年にテストが失敗して計画が中断したが、2008年2月の再テストで16発中14発が目標に命中した。参考：月刊軍事研究4,’09

＜ＡＧＭ−１５８Ａ　ＷＣＥ＞：WCEはWarfighting Capability Enhancement（戦闘能力改良）の略。信管をFMU-162/B電子信管に換装し、情報遠隔計測キットITIKなどを搭載する。参考：月刊航空ファン3,’18

＜ＡＧＭ−１５８Ｂ＞：2002年から開発された射程延伸型で、別名JASSM-ER。JASSMとはハードウェアの７割、ソフトウェアの９割が共通で、外見やサイズに変化は無いが、エンジンを燃費の良いウィリアムズ製F107-WR-105ターボファン（推力2.71kN）に換装して燃料搭載量も増やしており、射程が500海里・926km（投下高度によっては1000km以上）に延びた。双方向データリンクを持ち、発射母機へのシーカー画像送信や、発射後の再目標設定が可能である。2006年5月18日からテストし、2012年からLRIPに移行、2014年4月から運用された。2017年から更なる射程延伸を目指して新型主翼の設計に入った。参考：月刊軍事研究8,’16、3,’18、8,’18、11,’15、11,’11、月刊航空ファン2,’11、10,’17、月刊JWings3,’18

＜ＡＧＭ−１５８Ｃ＞：LRASM-Aを参照。

＜ＪＡＳＳＭ−ＸＲ＞：AGM-158Bの射程延伸型で、Joint Air-to-Surface Standoff Missile Extreme Rangeの略。最大射程1000km以上を目指すもので、一説には1000海里ともいわれる。ロッキード・マーチン社と2018年9月10日に開発契約を結んだ。参考：月刊航空ファン12,’18、月刊軍事研究3,’19

＜ＡＧＭ−１５８海外シリーズ＞

　＜ＡＧＭ−１５８（航空自衛隊）＞：航空自衛隊空対地ミサイル。2017年12月8日の記者会見で小野寺防衛大臣が導入を発表した。発射母機はF-15とF-2の予定だが、F-15J/DJは防空専用なので、F-15Eばりの対地兵装運用能力を追加する所から始めなければならない。F-2にはMIL-STD-1760データバスがあるのでハード面での改造は要らないが、運用ソフトを積む必要がある。2024年3月18日、FMSに基づく取得に関する引合受諾書に署名した。参考：月刊軍事研究3,’18、月刊航空ファン2,’18、月刊JWings3,’18、防衛省ホームページ

　＜ＡＧＭ−１５８Ａ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍空対地ミサイル。FMSで90発を導入した。参考：月刊航空ファン3,’18

　＜ＡＧＭ−１５８Ａ（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍空対地ミサイル。ウクライナ情勢の悪化を受け、2014年12月11日にFMSで40発の購入と、F-16C/Dブロック52戦闘機46機に対する運用能力付与改修・運用期間中アップグレードの契約を締結した。2015年から２機に対してアメリカで改修を実施、テストを行い、2016年後半から残り44機をポーランドで改修する予定である。参考：月刊JWings3,’15

　＜ＡＧＭ−１５８Ｂ（オーストラリア空軍）＞：オーストラリア空軍空対地ミサイル。2022年4月4日、従来の計画を３年早めて調達を進め、F/A-18FとF-35Aに搭載すると、]オーストラリア国防省が発表した。参考：月刊世界の艦船7,’22

　＜ＡＧＭ−１５８Ｂ（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍空対地ミサイル。FMSで70発くらいを導入する。参考：月刊航空ファン3,’18

　＜ＡＧＭ−１５８Ｂ（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍空対地ミサイル。2016年11月28日にアメリカが輸出を発表した。F-16への運用改修も行う。参考：月刊JWings2,’17

　＜ＡＧＭ−１５８Ｂ−２（ポーランド空軍）＞：ポーランド空軍空対地ミサイル。2024年3月にアメリカ国防安全保障協力局が821発を17億7000万ドルでFMS輸出する許可を出した。6月、ポーランドが７億3500万ドル分を発注した。参考：月刊JWings9,’24

＜ＡＧＭ−１６９＞：JCM（ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−１７５＞：グリフィン・シリーズ（空対地ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−１７６＞：グリフィン・シリーズ（空対地ミサイル）を参照。

＜ＡＧＭ−１８３Ａ＞：アメリカ空軍空中発射型極超音速ミサイル、別名Air-launched Rapid Response Weapon（空中発射即応兵器）、略称ARRW（アロー）。2018年から極超音速通常弾頭打撃兵器HCSWとして開発していたもので、DARPAがロッキード・マーチン・ミサイル＆ファイア・コントロールに発注し、2020年3月にこの名称になった。大気圏と宇宙の境目を超高速飛行する極超音速滑空方式を採用しており、HTV-2と戦術加速滑空技術TBG（Tactical Boost Guide）で培った技術を取り入れる。空中で発射されると固体燃料ロケットブースターで宇宙に飛び出し、ノーズコーンを分離して極超音速滑空弾体を露出させ、最大速度に加速して目標近傍でブースターを切り離し、弾体だけが極超音速滑空飛行で目標に突っ込む。飛翔速度マッハ20、射程1600km。B-52HとB-1Bに機外搭載する。B-1Bでは爆弾倉にも収容可能として計31発も積む案があり、理論上はF-15E/EXにも積めるらしい。2020年8月8日、第412試験航空団第419飛行試験飛行隊B-52H爆撃機が左主翼下パイロンにキャプティブ弾（兵器計測器２号）２発を積んでエドワーズ空軍基地を離陸し、ポイントマグー海洋射場で固定搭載試験を行った。2021年4月5日、カリフォルニア州ポイントマグー射場でB-52Hから初の発射試験（極超音速に加速して滑空体を切り離すまで）を行う予定だったが、発射に失敗し、B-52Hに積まれたままエドワーズ空軍基地に戻ってきた。7月と12月にもロケット点火に失敗している。2022年4月14日、B-52Hから空中発射されてマッハ５以上に加速し、所定の飛翔距離に到達、発射・加速試験に初成功した。12月9日、南カリフォルニア沖で発射テストが行われ、全プロセス飛翔（B-52Hからの射出、ブースター点火、極超音速到達、ブースター切り離し、グライド・ヴィークル切り離し、目標着弾、弾頭起爆）に成功した。2023年3月13日、２回目の完全装備弾AUR発射試験を行ったが、失敗した。これで試作弾発注予算が減額され、2022年度中の量産開始予定も延期になっており、2023年度の２回の試験で結果が出なければ、開発が打ち切られる模様。参考：月刊JWings11,'20、4,’19、10,’19、4,'21、6,'21、8,'22、3,'23、7,’23、月刊航空ファン11,’18、朝雲

＜ＡＧＭ−３７９／２０＞：イランの空対地ミサイル、別名ズービン（矢）。M117通常爆弾にロケットモーターと４枚の大型固定翼を装備し、昼間用のみのTVカメラを誘導用に搭載している。全長3.18m、直径0.406m、翼スパン1.228m、重量560kg。ロケットモーターの燃焼時間は２秒で、亜音速に加速するとされる。発射可能高度300-30000フィート（91-9144m）、射程25km。参考：月刊軍事研究3,’03、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＧＭＢＲＬ＞：CSRL（ロータリーランチャー）を参照。

＜ＡＧＭＲ−４８＞：CVL-48（軽空母）を参照。

＜ＡＧＯＲ−１４＞：アメリカ海軍メルヴィル級海洋観測艦メルヴィル（Melville）。1969年就役。2014年10月1日退役。フィリピンに売却され、グレゴリオ・ベラスケスとなった。参考：月刊世界の艦船1,’10、12,’14、9,’16

＜ＡＧＯＲ−２３＞：アメリカ海軍トーマス・Ｇ・トンプソン級海洋観測艦１番艦トーマス・Ｇ・トンプソン（Thomas G. Thompson）。1991年就役。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜ＡＧＯＲ−２６＞：アメリカ海軍キロ・モアナ級海洋観測艦キロ・モアナ（Kilo Moana）。2002年に就役し、ハワイ大学海洋センターに貸し出されている。参考：月刊世界の艦船1,’10

＜ＡＧＯＲ−２７＞：アメリカ海軍ニール・アームストロング級海洋観測艦１番艦ニール・アームストロング（Neil Armstrong。アポロ11号のアームストロング船長）。2012年8月17日起工、2014年2月22日進水、2015年就役。2017年5月24-30日、ニューヨーク・フリート・ウィークに参加。参考：月刊世界の艦船12,’12、5,’14、8,’17、9,’23

＜ＡＧＯＲ−２８＞：アメリカ海軍ニール・アームストロング級海洋観測艦２番艦サリー・ライド（Sally Ride。アメリカ初の女性宇宙飛行士）。2016年10月28日就役。スクリップス海洋研究所がチャーターして運航する。参考：月刊世界の艦船12,’14、2,’17

＜ＡＧＰ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、内火艇母艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＲ−１６＞：アメリカ海軍ガーディアン級レーダー哨戒艦ウォッチマン（Watchman）。元は1945年3月7日に竣工したリバティ船ヴァーノン・Ｓ・フッドで、1958年に海軍が取得し、チャールストン海軍工廠で改造を受けて1959年1月5日に就役した。1965年9月1日に退役し、1974年に解体された。参考：月刊世界の艦船10,’13

＜ＡＧＲ−２０Ａ＞：アメリカ軍の誘導ロケット弾、別名Advanced Precision Kill Weapon System（先進型精密破壊兵器システム）、略称APKWS。ハイドラ70ロケット弾の弾頭とロケットの間にWGU-59/Bセミアクティブ・レーザー誘導装置を取り付けたものである。誘導装置部分には誘導用レーザー受信機を装着した折り畳み式操縦翼４枚が付く。信管や弾頭が先端部にあるので、交換が楽。ヘルファイア並の命中率で付随被害を抑えたい時などに使う。固定翼機用とヘリコプター用が用意されている。重量14kg。価格300万円。BAEシステムズ社が開発し、2010年1月にAH-1Wからの試射に成功、アメリカ海軍に制式採用されてアフガンで実戦投入された。アメリカ陸軍もAH-64で運用している。2013年2月にはアメリカ空軍がA-10Cによる試射を完了。2016年、アメリカ海兵隊がAV-8Bハリアー�Uでの運用を開始した。10月19日、アメリカ海軍がMH-60R/S用として採用した。2018年、アメリカ海兵隊がF/A-18A-Dでの運用を開始した。他にAH-1ZとUH-1Yでも運用可能となっている。アメリカ空軍も2016年中にF-16戦闘機での運用を開始する予定。2019年12月29日、F-16から発射して飛行中のBQM-167標的機を撃墜した。BAEシステムズ社では有効射程３割増しの改良型を2021年から生産予定。2022年11月29日、本誘導ロケット弾を使用したコンテナ収容型迎撃システムでクラス２ドローン（重量11-22kg、飛翔速度160km以上）の迎撃試験を行い、誘導ロケット弾５発を発射して目標を全撃破したと、BAEシステムズ社が発表した。参考：月刊軍事研究1,’08、月刊航空ファン6,’10、1,’17、7,’18、8,’19、月刊世界の艦船4,’12、月刊JWings6,’13、7,’16、9,’16、5,’20、10,’21、2,’23

＜ＡＧＲＳ＞：AGgRessors Squadron（仮想敵飛行隊）の略。

＜ＡＧＳ＞：RQ-4B無人偵察機（NATO）を参照。

＜ＡＧＳ＞：アメリカ海軍の62口径155mm単装艦砲で、Advanced Gun Systemの略。水平線以遠への水陸両用作戦を行う際、汀線から25海里手前に陣取った搭載艦から支援射撃を行うのを主任務とする。射程は最低41海里、目標63海里とし、ユナイテッド・ディフェンス社（後にBAEシステムズ社）が1996年から開発した。当初は砲身を甲板内に垂直に埋め込み、誘導砲弾を撃ち出して発射後に方向転換させる先進垂直発射艦砲VGASを予定していたが、方向転換する分だけ射程が減る、開発に時間とコストを要するということで従来型砲塔形式になった。砲塔はステルス性を考慮して平面構成となっており、砲身には液冷装置が組み込まれている。砲身周囲を台形断面のカバーで覆ってステルス化する案が出されていたが、従来通り円柱状にして非使用時に砲塔内に格納する方式に変更された。弾薬庫は砲塔下方にあり、自動給弾装置付きで、庫内に８発入り（16発入り？）弾薬パレットが並んでいて、ホイストにより弾薬が１発ずつ取り出され、揚弾薬機に運ばれて装填ラマーで垂直に立てた砲の薬室へと装填される。電気駆動で、砲塔と弾薬庫は完全無人化した。砲塔重量104トン。使用電力800kW。全周旋回可能、俯仰角はマイナス５度からプラス70度（装填時のみ90度）。口径155mm、砲身長9.61m、口径長62。砲口エネルギー30-35メガジュール、初速毎秒825m。弾種はロケットモーター付きGPS/IMU誘導砲弾LRLAP（対地用、射程185km）、ロケットモーター無しミリ波誘導砲弾（対艦用。全長2.25m、重量91kg。射程55.6km）、弾道型長射程砲弾ASuWP（全長1m、砲弾重量47kg、射程41km）の３種で、装弾数750発を予定していたが、LRLAPを35発と長射程弾道砲弾LRBP（Long Range Ballistic Projectile。無誘導。重量90kg、射程41-44km）を１門あたり300発積むことになった。ただ後者は2006年に開発延期となってしまい、結局弾種はLRLAPのみである。対空射撃は考慮していないので発射速度は毎分10発と低めだが、２秒間に６発を叩き込む複数砲弾同時弾着MRSI（Multiple Round Simultaneous Impact）能力を持ち、１門で１個海兵砲兵中隊（155mm榴弾砲M777を６門装備）と同等の火力を有する。重いのと消費電力が大きいので小型艦に搭載できず、後付けも困難なのが欠点である。また、LRLAPの射程も欲張りすぎたようで、現在は137-154km程度に短縮されているらしく（CEPは20-50m）、2015年末の段階では試射における実用射程は117kmである。ズムウォルト級の前甲板に２門が搭載され、LRLAPは自動給弾装置付き弾薬庫に１門あたり304発、予備弾庫に320発の計928発を積む。また、イギリス海軍も装備を検討中といわれる。ただLRLAPの開発が難航しまくり、１発あたりの価格高騰で2016年11月に採用が取り消されてしまい、使える砲弾が無くなって只の飾りになってしまった。代わりにレイセオン社製エクスカリバー�Tｂ（価格は１発68000ドル）やBAEシステムズ社製マルチサービススタンダード誘導砲弾を積むかもしれないが、弾庫や装填システムを丸ごと変更しなければならないので、BAEシステムズ社がHVP/GLGPを開発中。ただ難航しており、2022年になっても相変わらず飾りのままである。参考：月刊軍事研究12,’15、2,’14、7,’12、6,’01、5,’02、7,’07、5,’08、7,’11、5,’17、月刊世界の艦船8,’16、11,’14、12,’13、12,’18、10,’20、12,’22

＜ＡＧＳ（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍の艦種記号で、測量艦を表す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＧＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号。海洋観測艦（Oceanographic Research Ship）を表す艦種記号として1968年3月16日に定められた。5101以降の艦番号も付けられている。1973年4月23日、海洋観測艇を表す艦種記号にもなった。こちらには5111以降の艦番号が付けられている。1987年頃、海洋観測艇の艦種記号としては廃止され、海洋観測艦のみを表す艦種記号になった。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊

＜ＡＧＳ−１７シリーズ＞：ソ連軍の自動擲弾発射機、別名プラーミャ（炎）。参考：月刊PANZER11,’02

＜ＡＧＳ−１７＞：作動はブローバック式で、油圧ダンパー式のリコイル・システムを持つ。トリガーは後部の２本の支持ハンドル間にある。本体、三脚、砲架、弾倉は分解して担送パックとして３名で運搬できる。全長840mm、重量18kg。使用弾は30×29mm弾、弾種はVOG-17榴弾とVOG-17M榴弾で、弾倉は29発入りドラムマガジン、給弾はベルト式。有効射程800m（直接照準）／1700m（間接照準）、発射速度毎分300-350発。1971年から生産された。参考：月刊PANZER11,’02、8,’01

＜ＡＧＳ−１７Ａ＞：ヘリコプター搭載型。Mi-24攻撃ヘリの機首マウントに300発入りマガジンと共に装着される。発射速度が増し、砲身も改良した。ドア・マウント用に改造されたタイプもある。参考：月刊PANZER11,’02

＜ＡＧＳ−１７海外シリーズ＞

　＜ＡＧＳ−１７（中国）＞：NORINCOでコピーしたもので、細部が少し異なっている。使用弾は30mm×29弾、弾種は榴弾とHEAT弾。参考：月刊PANZER10,’02

＜ＡＧＳ−３０＞：ロシアが1994年に公表した30mm自動擲弾発射機で、試作名称はTKB-722K。AGS-17の後継で、部品の40%を流用しつつ重量を減少させ、操作要員を２名に減らした。光学照準器を標準装備。全長1100mm、全幅360mm、全高500mm、重量16kg（三脚含む）。発射速度毎分395-425発。参考：月刊PANZER11,’02

＜ＡＧＳ−５１０１＞：海上自衛隊あかし型海洋観測艦あかし。1968年9月21日起工、1969年5月30日進水、1969年10月25日竣工・就役。1999年3月24日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’95、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＧＳ−５１０２＞：海上自衛隊ふたみ型海洋観測艦１番艦ふたみ。1978年1月20日起工、1978年8月9日進水、1979年2月27日竣工・就役、海洋観測業務隊に編入された。1980年、海洋業務群新編に伴い、そちらに編入された。2009年9月21日から10月1日、台風８号の影響で大隅海峡周辺を漂っていた漂流木16本を回収した。2010年3月17日に除籍された。総航程96万km。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊丸1,’10別冊、月刊世界の艦船8,'24、朝雲

＜ＡＧＳ−５１０３＞：海上自衛隊すま型海洋観測艦１番艦すま。1980年9月24日起工、1981年9月1日進水、1982年3月30日竣工・就役。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。2015年6月26日、横須賀基地船越岸壁で自衛艦旗返納式が行われ、除籍された。総航程69万マイル、総航海時間72659時間、海洋観測数124回だった。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’04、9,’15、MAMOR vol.52、朝雲

＜ＡＧＳ−５１０４＞：海上自衛隊ふたみ型海洋観測艦２番艦わかさ。1984年8月21日起工、1985年5月21日進水、1986年2月25日竣工・就役、海洋業務群に配備された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月21日1442、石巻市牡鹿総合支所に救援物資を輸送。3月28日、横須賀に入港。2015年12月1日、海洋業務群の改編に伴い、第１海洋観測隊に転属した。2020年現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2021年5月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2022年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2023年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2024年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船5,’86、3,’16、6,'20、7,'21、6,'22、6,'23、6,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、JShips Vol.44

＜ＡＧＳ−５１０５＞：海上自衛隊にちなん型海洋観測艦１番艦にちなん。平成8年度計画艦で、AGS-5101あかしの代艦である。1999年3月24日竣工・就役。2011年2月13日、函館港中央埠頭に入港。2月15日、函館港を出港。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月17日0913、艦載艇で白米125kgとトイレットペーパー４箱400ロールを志津川湾細浜漁港に輸送。3月18日1240、石巻市立大須小学校に軽油1080リットルと日用品を提供。3月19日0802、仙台塩釜港に燃料などを輸送。0916、大須小に米125kg、軽油540キロリットルを輸送。3月22日1206、大須小に軽油2736リットルを輸送した。3月24日0800、大須小の卒業式を支援するため、艦載艇で赤飯缶詰602食を輸送した。3月25日0911、大須小に軽油1782リットルを輸送。3月27日0920、大須小に救援物資と支援要員を輸送。2015年12月1日、海洋業務群の改編に伴い、第１海洋観測隊に転属した。2019年現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2020年現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2021年5月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2022年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2023年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2024年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。参考：月刊世界の艦船1,’04、5,’11、3,'16、7,’19、6,'20、7,'21、6,'22、6,'23、6,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、MAMOR vol.52、朝雲

＜ＡＧＳ−５１０６＞：海上自衛隊しょうなん型海洋観測艦１番艦しょうなん（湘南海岸から）。平成19年度計画艦で、2008年12月16日起工、2009年6月29日進水、12月2日出動公試開始、2010年3月17日竣工、三井造船玉野事業所で引渡・自衛艦旗授与式が行われて就役し、海洋業務群に配備された。3月19日、横須賀に入港。2015年12月1日、海洋業務群の改編に伴い、第１海洋観測隊に転属した。2016年4月23日0300頃、仲ノ神島南南西65km・与那国島南南東74kmを太平洋から東シナ海に向け北に航行する江衛�U型フリゲート521嘉興、同522連雲港、福池型補給艦966高郵湖を確認した。これらはその後0730頃に与那国島北北東45kmで接続水域外に出ている。2019年現在、海洋業務・対潜支援群直轄艦で、定係港は横須賀。2020年現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2021年5月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2022年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2023年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。2024年4月25日現在、第１海洋観測隊に配備されており、定係港は横須賀。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、8,'24、9,’09、2,’10、3,'16、7,’16、7,’19、6,'20、7,'21、6,'22、6,'23、6,'24、月刊軍事研究5,’10、朝雲

＜ＡＧＳ−５１１１＞：海上自衛隊海洋観測艇１号型、海洋観測艇１号。元はMSC-604かさどで、1974年3月15日に艦種変更された。1982年3月27日に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＧＳ−５１１２＞：海上自衛隊海洋観測艇１号型、海洋観測艇２号。元はMSC-608はぶしで、1974年8月28日に艦種変更された。1982年9月4日に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＧＳ−５１１３＞：海上自衛隊海洋観測艇１号型、海洋観測艇３号。元はMSC-610たたらで、1975年12月15日に艦種変更された。1984年3月30日に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＧＳ−５１１４＞：海上自衛隊海洋観測艇１号型、海洋観測艇４号。元はMSC-614ひらどで、1976年3月31日に艦種変更された。1985年3月27日に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＧＳ−５１１５＞：海上自衛隊海洋観測艇１号型、海洋観測艇５号。元はMSC-618はりおで、1978年3月1日に艦種変更された。1986年3月27日に除籍された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＧＳ−Ｌ＞：BAEシステムズ社が計画している62口径155mm艦砲AGS Lite。AGSの軽量型で、発射速度を落として給弾機構を簡略化し、弾倉を縮小、砲身格納庫を無くすなどして軽量化している。砲塔重量51トン。使用弾は対水上戦砲弾ASuWP／長射程弾道砲弾LRBPと長射程地上攻撃砲弾LRLAPで、最大射程はASuWP/LRBPが41km、LRLAPが137km以上。発射速度毎分６発。ASuWPを48発とLRLAPを240発（計160-180発？）搭載する。アーレイ・バーク級イージス艦フライト�Vへの装備を狙っているが、軽量化したとはいえMk.45Mod4の２倍強の重量があるので、船体構造強化などの工夫が要るかもしれない。参考：月刊軍事研究2,’14、7,’11、8,’11、月刊世界の艦船11,’14

＜ＡＧＳＳ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、調査潜水艦（Auxiliary Research Submarine）を示す。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＧＳＳ−３６２＞：SS-362（潜水艦）を参照。

＜ＡＧＳＳ−５５５＞：アメリカ海軍ドルフィン級実験潜水艦１番艦ドルフィン（Dolphin）。1968年8月17日竣工。1969年、魚雷発射管を撤去した。2002年5月、火災事故で大破した。修理の後、2005年に現役復帰。2007年1月15日に除籍された。記念艦として展示されている。参考：アメリカ潜水艦史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＧＳＳ−５６９＞：アメリカ海軍アルバコア級実験潜水艦アルバコア（Alacore）。1952年3月15日起工、1953年8月1日進水、12月5日竣工・就役。1956年、フェーズ�U改装を実施。1957-61年、フェーズ�V改装を実施。1961年、フェーズ�W改装を実施。1966年2月、水中速力33ノットを記録した。1969-71年、フェーズ�X改装を実施。1972年9月1日に退役し、1980年5月1日に除籍され、1980年代末にポーツマスで記念艦になった。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、2,’10、アメリカ潜水艦史

＜ＡＧＳＳ−５７０＞：SST-1（潜水艦）を参照。

＜ＡＧＴ−１５００Ｃ＞：アメリカ陸軍M1戦車シリーズに搭載されているガスタービン・エンジン。1965年からアブコ・ライカミング社が陸軍の依頼を受けて開発した。空気はエンジン空気取り入れ口から吸入されて５段の低圧圧縮機と５段の高圧圧縮機で圧縮され、排気ガスにより予熱されて燃焼室内に送られる。ここで燃料と混合され、最初はイグニッション・プラグで点火され、その後は継続燃焼する。燃焼ガスは１段の高圧タービンと１段の低圧タービンを抜けて可変ベーンにより流量を調整した後、２段の出力タービン（パワータービン）に送られ、タービン軸を最大毎分22500回転させる。これを遊星歯車式減速ギアで最大毎分3100回転まで落とし、トランスミッションを介して起動輪に伝達する。排気ガスは熱交換器で1000度から500度（400度？）に冷却され、余剰熱は吸気の予熱に使用される。始動操作はエンジン電子燃料統制装置（EFMS）で制御され、過剰回転や過剰高温時にはエンジン性能を自動的に制限し、操縦手に異常を知らせる。車両用主電源スイッチを入れて始動スイッチを押せばエンジンがかかる。エンジンを始動させずに回転させる場合、スターター・オンリー・スイッチを使用するとスターターによりエンジンが空転する。シャット・オフ・スイッチを押し下げると30-60秒の空転後に停止する。使用燃料は他の陸上車両が装備するディーゼルエンジンと共用できる軽油（DF-1、DF-2、DF-A）で、非常時にはJP-4や自動車用ガソリンを使用可能である。ただし、ガソリンを使用した場合、作動後25時間でオーバーホールを行う必要がある。気温マイナス６度からプラス45度ではDF-2、マイナス６度からマイナス32度まではDF-1またはASTM D975等級1-D、マイナス32度以下ではVV-F-800等級DF-AまたはJet A-1を使用する。準用規格では、マイナス６度からプラス45度まではDF-2、マイナス６度からマイナス23度まではNATO規格F-54とF-34またはF-35・F-44・F-58の1/2混合及びASTMD1655等級Jet A-1で、混合できないなら単独で使う。マイナス23度からマイナス32度まではNATO規格F-34、F-35、F-44、またはASTM D1655等級Jet A-1。マイナス32度以下ではASTM D1655等級Jet A-1を使用する。全長1.629m、全幅0.991m、全高0.807m、本体乾燥重量1.134トン、パワーパック全重量3.3トン。エンジン自体は小型軽量だが、燃料タンク及びエアクリーナー容積がかさむため、動力システム全体で比較すると同出力のディーゼルと容積・重量共に同じくらいである。回転数870-950rpm（通常アイドル時）／1250-1350rpm（戦術アイドル時）／3000-3100rpm（高速時）。最大発生出力（グロス）1500馬力、起動輪伝達出力（ネット）1232馬力、最大トルク3754Nm。燃費１リットル当たり231m、燃料消費量毎時33リットル（アイドリング時）／250リットル（時速40kmクロスカントリー時）。平均故障発生間隔1000時間。後にデジタル式エンジン制御ユニットを搭載し、アイドリング時の燃料消費量を２割減少させると共に、自己診断による不具合の早期発見を可能とした。整備の手間と費用が凄まじいらしく、2015年時点でアメリカ陸軍年間整備費の25%を本エンジン関連費が占めていた。参考：戦車マガジン10,’93別冊、月刊軍事研究1,’17、5,’08、2,’16、11,’16

＜ＡＧＴＳ＞：A/A-37U-36（標的曳航装置）を参照。

＜ＡＧ級＞：ソ連海軍潜水艦。全長47.5m、幅4.9m、吃水2.7m、水上排水量360トン、水中排水量470トン。主機はディーゼル２基960馬力・電動モーター２基480馬力、水上巡航速力８ノット、水上最大速力13ノット、水中巡航速力２ノット、水中最大速力８ノット、航続距離は水上巡航速力で1750海里、水中巡航速力で100海里。戦闘潜航深度50m、最大潜航深度60m。兵装は艦前部の457mm魚雷発射管４門（魚雷４本）、45mm砲１門。乗員32名。バルバロッサ作戦開始時には５隻が現役にあり、大戦中に１隻を喪失した。参考：月刊世界の艦船6,’09

＜ＡＨ−１シリーズ＞：アメリカ軍初の攻撃ヘリコプター、別名ヒューイコブラ（Huey Cobra）。ベトナム戦争時、CH-47輸送ヘリコプターの速度性能が良すぎて護衛の武装ヘリを置いてけぼりにしてしまうため、専用の護衛用ヘリが必要になった。そこでAH-56Aを開発することになったが、実用化に時間がかかると予想されたため、安価かつ実用化の早い攻撃ヘリとしてベル社が1965年3月からモデル209という名称で自主開発し、1965年9月7日に初飛行、同年にアメリカ陸軍が提案したAH-56A完成までの暫定攻撃ヘリに応募し、ライバル３社に勝利して1966年3月11日に採用された。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界軍用機年鑑1990-91、空軍

　＜ＡＨ−１Ｅ＞：AH-1Sステップ�Uを参照。

　＜ＡＨ−１Ｆ＞：AH-1Sステップ�Vを参照。

＜ＡＨ−１Ｇ＞：最初の量産型。UH-1Cと共通の部品を多用しているが、空気抵抗と被発見率を減らすため胴体幅は0.95mと細く絞り込まれ、原型とは全く異なる外見になった。コクピットはタンデム複座で、前席にガンナー兼コパイロット、一段高い後席にパイロットが搭乗する。パイロットが兵装を発射することも可能で、スタブウイングの兵装は普通に運用できるが、機首下のターレットは正面位置で固定される。メインローター・テイルローター共に２翅で、ローターヘッドはリード・ラグ・ヒンジを省いたシーソー式であり、ドア・ヒンジ・ローターを採用してUH-1に付いていたスタビライザー・バーは外した。試作機ではテイルローターが左に付いていたが、量産機では右に移された。固定武装は当初機首下のTAT-102A旋回式ターレットに６銃身7.62mmガトリング砲GAU-2B/Aミニガン１基またはM60機関銃２丁を装備していたが、程無くM28旋回式ターレット（俯仰角マイナス60度からプラス25度、旋回角左右110度ずつ）に換装され、GAU-2B/A（4000発）２基または40mmグレネードランチャーM129（300発）２基または両者を１基ずつまたはGAU-2B/Aのみ１基を装備するようになった。中部胴体両側のスタブウイングは容量700kgで、左右２カ所ずつ計４カ所にパイロンを装着でき、2.75インチ（70mm）ロケット弾19連装ポッドM159なら計４基、28連装ポッドM157なら計２基、M18E1ミニガンポッドなら計２基を搭載できる。また、左翼内側パイロンに20mmバルカン砲M61を１基、両翼下方の胴体側面に500発入り弾倉１基ずつを装着するM35武装システムを装備することも可能。全長16.14m、胴体長13.59m、メインローター直径13.41m、全高4.12m、自重2635kg、ミッション重量4266kg、最大離着陸重量4309kg。エンジンはライカミングT53-L-13（最大出力1400軸馬力、連続出力1100軸馬力）単発、最大水平速度149ノット、超過禁止速度190ノット、上昇限度3475m、燃料容量1014リットル、航続距離310海里。ホバリング高度限界3050m（地面効果内）。乗員２名。1966年4月4日に増加試作機２機の契約が結ばれ、4月13日に110機が発注され、1967年6月から量産機が引き渡された。8月31日に初めてベトナムで飛行し、9月4日に初戦果を上げているが、実戦投入が発表されたのは10月9日になってからだった。1969-73年までに1126機が生産され、乗員訓練用として海兵隊に38機、スペイン海軍に20機、イスラエル陸軍に６機が引き渡されている。海兵隊用の機体は、ターレットにM194機関砲を搭載し、電子機器を海軍仕様とした。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界の傑作機No34、月刊エアワールド9,’00、アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＨ−１Ｊ＞：アメリカ海兵隊攻撃ヘリ、別名シーコブラ。UH-1NをベースにAH-1Gと同様の改造を施したもので、尾部パイロンを強化してテイルローターの翼弦を拡大し、エンジンをブラット＆ホイットニー・カナダ社製T400-CP-400結合型ターボシャフト（最大出力1800馬力、連続出力1100馬力）２基に換装、最大離陸重量で１基が故障しても高度2000フィート（609.6m）まで降りれば飛行を継続できるようにして洋上長距離飛行時の安全性を確保している。機首のターレットをジェネラル・エレクトリック社製GTK4A/A電動式ターレットに換装し、３砲身20mmガトリング砲M197（750発。射界左右各110度、上方18度、下方50度）を装備した。スタブウイングには2.75インチ（70mm）ロケット弾ハイドラ70の７連装ポッドLAU-68A/A、19連装ポッドLAU-61A/A、ミニガンポッドM18E1（SUU-11A？）を混載する他、500ポンド爆弾の懸吊も可能。最大速度190ノット、航続距離335海里。最大兵装搭載量998kg。1970年から1975年2月に69機が海兵隊に引き渡され、TOWを搭載可能とした改良型202機が1974年6月からイランに引き渡された。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界の傑作機No34、世界の軍用機1982、月刊JWings9,’19

＜モデル３０９＞：AH-1Jベースのベル社独自改良型で、別名キングコブラ。エンジンをプラット＆ホイットニー・カナダ社製T400-CP-400またはアブコ・ライカミング社製T55-L-7Cターボシャフトに換装し、機首部を延長して全周旋回式20mm機関砲を搭載、照準システムを改良し、スタブウイングの翼幅を拡大、メインローターの翼弦長を増やした。２機が試作された。参考：世界の傑作機No34

＜ＡＨ−１Ｐ＞：AH-1Sステップ�Tを参照。

＜ＡＨ−１Ｑ＞：AH-1GのTOW搭載改修型で、M65照準装置（機首）、TOWミサイルシステム、ヘルメット照準システムを追加した。翼下外側パイロンに４連装TOW発射筒、内側のパイロンにはＧ型と同じ武装を搭載できる。TOW発射管制装置はテイルブーム内に収容した。Ｇ型から290機が改修される予定だったが、エンジン出力不足でNOE飛行に難があり、1975年6月から92機（93機？）のみ改修された。参考：月刊エアワールド9,’00、攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界の傑作機No34、アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＨ−１Ｒ＞：エンジンをT53-L-703（1800軸馬力）に換装したもの。計画のみ。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＨ−１Ｓ（Ｍｏｄ）＞：Modified AH-1S。AH-1Qの失敗を踏まえ、TOW搭載型コブラの重量増加に対応するため、コブラ俊敏性・運動性改良（ICAM）計画としてエンジン・トランスミッション強化を行ったもので、1975年12月に評価試験が開始されて採用された。エンジンをT53-L-703に換装しており、ホバリングから11秒で速度150ノットに加速できる。全長16.16m、胴体長13.59m、メインローター直径13.41m、全高3.68m、自重2940kg、総重量4536kg。エンジンはT53-L-703（最大出力1800馬力、離陸時1290馬力、連続出力1134馬力）単発、巡航速度123ノット、最大速度170ノット、実用上昇限度4025m、ホバリング高度限界3870m（地面効果内）／3110m（外）、航続距離250海里。乗員２名。AH-1Gのうち198機（Ｇ型209機とＱ型83機？）が改造された。1987年にAH-1Sと呼称変更されている。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊エアワールド9,’00、世界の軍用機1979、アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＨ−１Ｓステップ�T＞：プロダクションAH-1Sともいう。ICAM計画に引き続き製造された新造AH-1で、PASS（優先航空機サブシステム安定化）計画第１段階に基づく改良を施したものである。キャノピーを平面構成にして被発見性を減少させている他、CONUS航法装置と電波高度計を搭載してNOE飛行能力を改善した。第67号機からはメインローターを複合材とし、AN/APR-39レーダー警戒受信機を搭載している。100機が生産され、1977年8月から配備された。1987年にAH-1P（Productionの略）と呼称変更された。参考：月刊エアワールド9,’00、攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、アメリカ空軍の第一線機、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＨ−１Ｓステップ�U＞：PASS第２段階改修型で、別名アップガンAH-1S。口径20-30mmの機関砲を搭載（標準はM197ガトリング砲）できるよう、M79E1ユニバーサル型ターレット（旋回角左右110度ずつ、俯角マイナス50度、仰角プラス20.5度）を装備する。機体の軸線から外れた目標への射撃用に照準自動補正機能を追加し、M138機上ロケット射撃装置を搭載してロケット弾発射精度も高めた。発電機は出力10kVAの強化型としている。排気管は上向きにし、排気をダウンウォッシュで拡散して赤外線輻射を抑えるようにした。1978年9月から1979年10月に98機が生産され、陸上自衛隊も試験用に２機購入した。1987年にAH-1E（AH-1S ECASからきている）と呼称変更された。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊エアワールド9,’00、世界の傑作機No34、アメリカ空軍の第一線機、月刊丸12,’10、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＨ−１Ｓステップ�V＞：FCSを更新したタイプで、別名モダナイズドAH-1S。エアデータシステム（コクピット右にセンサーを装備）、AN/ASN-128ドップラー航法システム、IFFトランスポンダー、AN/ALQ-144赤外線ジャマー、赤外線放出抑制装置、新型給油システム、新型秘話通信装置、HUDを装備する。胴体は全金属製セミモノコック構造で、赤外線放射抑制塗料が塗られており、テイルブームは23mm弾の直撃に耐える。コクピットは平面ガラスで囲まれ、前席で左右各165度、下方45度、後席で左右各135度、下方40度の視界を確保しており、非常脱出時には窓全体を爆破できる。前席の風防下部にはエンジンのブリードエアの一部を吹き出して雨滴を除去する空気配管が付く。メインローターブレードはカマン・エアロスペース社製、素材は複合材で、RCSと騒音が低く、12.7mm弾に直撃されても飛行でき、23mm弾でも30分は飛んでいられる。テイルブームには全遊動式水平安定板が付く。メインローター耐用命数は10000時間に達する。自衛用にAN/APX-100IFFトランスポンダー、AN/ALQ-144赤外線ジャマー、エンジン排気赤外線抑制装置、AN/APR-39レーダー警報装置、AN/ALQ-136レーダー・ジャマー、M130チャフ撒布装置、レーザー警報装置を搭載しており、電子装備の強化に伴い、発電機を出力10kVAに強化した。排気管は上向きから後方向きに変更している。機首下のM97ユニバーサルターレットに7.62mmミニガンGAU-2B/A（4000発）、40mmグレネードランチャーM129（300発）、20mmガトリング砲M197（750発）、30mmチェインガンM230（500発）、30mmガトリング砲GAU-8/A（500発）を搭載でき、標準装備はM197である。射界は左右各110度、上方30度、下方65度だが、通常俯仰角は上方20.5度、下方50度に制限される。ヘルメット照準装置及びTOW用照準装置TSUと連動し、前者を使用すればパイロットも発射可能。左右スタブウイングに２カ所ずつあるパイロンにはロケット弾やTOWミサイルを吊り下げる。ロケット弾は2.75インチ（70mm）のM151またはM229で、７連装のM158ポッドか、12連装／19連装のM200ポッドを組み合わせる。TOWは最大８発まで搭載できるが、ロケット弾・機関砲弾の搭載量によって調整が必要である。TOW発射手順はTSUの項を参照。FCSはデジタル式コンピュータ、エア・データ・サブシステムADS、カイザー・エレクトロニクス社製HUD、ロケット弾選択制御サブシステム、TSU、レーザー測遠機、ドップラー航法装置で構成される。胴体長16.18m、メインローター直径13.41m、メインローター翼弦長0.76m、テイルローター直径2.59m、テイルローター翼弦長0.29m、自重2.993トン、最大離陸重量4.536トン。エンジンはライカミング製T53-L-703（出力962kW）、巡航速度123ノット。乗員２名。98機が新規生産され、AH-1Gから372機、ICAM改造型AH-1から290機、AH-1Sステップ�Tから100機、AH-1Sステップ�Uから98機が改造された。1980年には、照準器ターレット内にレーザー強化型機上TOW用レーザー送受信機を組み込んだ。また、163機に自動式機上レーザー追跡装置を追加。50機には夜間攻撃用C-NiteシステムをTSUに追加した。1987年、AH-1F（Fully Modernized Cobraの略）に改称された。陸上自衛隊や韓国陸軍なども採用している。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊軍事研究1,’01、月刊エアワールド9,’00、世界の傑作機No34、月刊JWings7,’10、12,’12、月刊丸12,’10、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＨ−１Ｔ＞：海兵隊のTOW装備型、別名インプルーブド・シーコブラ。AH-1Jの前部胴体を0.305m延長して燃料搭載量を181.5kg増加させ、テイルブームも0.79m延長、メインローターブレード翼弦長を0.84mに、テイルローター直径を2.96mに、テイルローター翼弦長を0.305mにそれぞれ増大させ、エンジンを強化した。機首にTSUを追加し、TSU両脇にはAN/APR-39レーダー警戒装置を装備する。全長17.35m、胴体長14.68m、メインローター直径14.63m、自重3.635トン、総重量6.35トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製T400-WV-402（最大出力2050馬力）２基、巡航速度130ノット、最大速度190ノット、燃料容量1200リットル。乗員２名。1976年5月に初飛行し、1978年までに57機が発注され、うち23機（後に全機）にTOWが搭載された。後にヘルファイア搭載能力も付与された。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊エアワールド9,’00、世界の傑作機No34、世界の軍用機1982、1979

＜ＡＨ−１Ｔ＋＞：AH-1TのエンジンをT700-GE-401に換装したもの。AH-1Wの試作機として、AH-1Tから１機が改造された。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＨ−１Ｖ＞：海兵隊の空戦能力強化試作型。メインローターを４翅の680ローターに換装し、水平尾翼に後退角を付けて両端に垂直尾翼を設けた。AH-1Tから１機が改造され、1989年1月24日に初飛行した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＨ−１Ｗ＞：海兵隊の近接支援用ヘリコプター、別名スーパー・コブラ。洋上での安全性を確保するため、エンジンをGE社製T700-GE-401双発としたタイプで、UH-1Nとコンポーネントを共通化した。AGM-114対戦車ミサイルやズーニー・ロケット弾を運用でき、対ヘリ用にAIM-9M/L空対空ミサイルの装備も可能とした。スタブウイング外側のSta.1/4にはエジェクターラック（通称タリーラック）が装着されており、AIM-9空対空ミサイル（LAU-7/AレールランチャーとADU-299/Aアダプターを噛ませる）や100ガロン（379リットル）増槽はこちらにのみ搭載できる。内側パイロンはやや外側に傾けてスキッドを避ける必要があり、Sta.2にはBRU-21/Aボムラック、Sta.3にはBRU-23/Aボムラックを装着する。TOWミサイルランチャー、M272/M299ヘルファイアラランチャー、ロケットランチャー（LAU-61/A、LAU-68/A、LAU-69/A）、77ガロン（291リットル）増槽はSta.1-4全てに搭載可能。20mmガンポッドGPU-2/A、CBU-55/B、Mk77火炎爆弾、Mk81/Mk82汎用爆弾、M118発煙ディスペンサー、SUU-44/Aフレアディスペンサーなども運用できる。スタブウイング上面にはAN/ALE-39を斜め前後向きに２基ずつ装着可能。コクピットには前席にコパイロット／ガナー、後席にパイロットが座る。前席の計器板にはTSU用双眼照準器が突き出しており、右ペデスタルにサイクリック・コントロール・スティック、左ペデスタルにコレクティブピッチ・コントロール・スティックが付く。後席は両脚の間にサイクリック・コントロール・スティック、左ペデスタルにコレクティブピッチ・コントロール・スティックがあり、計器板中央上面にHUDを装備していて、ワークロードが軽減された。乗員用ヘルメットはHGU-84/Pで、AN/AVS-9双眼式暗視装置を装着可能。全長17.68m、メインローター直径14.63m、胴体長13.87m、全高4.32m、自重4.627トン、総重量6.691トン。エンジンはGE社製T700-GE-401（1285kW、1690馬力）双発、最大速度282km、航続距離640km（587km？）。乗員２名。メインローターを４翅にした機体もある。154機が新造され、42機がAH-1Tから改造されて1986年から就役した。1993年からはアップグレード第１段階として、IAI社製夜間目標指示システム（NTS）を搭載し、全天候下でのミサイル攻撃を可能としている。2007年頃、赤外線輻射抑制のため、排気ノズルにアタッチメントを取り付けて排気口を横倒しにした。AH-1Zに後を譲って2020年に退役した。参考：世界の傑作機No34、月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊エアワールド9,’00、月刊JWings12,’01、6,’15、4,’07、5,’10、2,’20、3,’20、5,’22

＜ＡＨ−１Ｗ＋＞：イギリス陸軍及びオランダ陸軍向けに開発した改良型、別名コブラベノム。メインローターとテイルローターを４翅とし、グラスコクピットを採用、航法機器やセンサーを新型に変更している。1995年にAH-64Dに負けて採用されず、アメリカ海兵隊AH-1Wに同様の改修を施す計画も一旦没になり、改めてAH-1Zが開発されることになった。参考：月刊軍事研究8,’10、3,’17

＜ＡＨ−１Ｚ＞：別名バイパー（Viper、毒蛇）、通称ズールー、開発名称AH-1(4B)W（４ブレード版Ｗ型、フォー・ブレード・ウイスキー）。海兵隊がAH-1Wの後継として1997年8月にH-1アップグレード計画の名称でUH-1Yと同時開発に入り、当初はAH-68Aバイパー（初飛行の頃まではキングコブラ）となる予定だったが、面倒なので1998年にAH-1Zに変更され、1998年から試作機を製作、2000年11月20日に完成し、12月8日（4日？）に初飛行した。水陸両用作戦時の地上部隊支援が主任務で、単機または２機編隊でUH-1Y汎用ヘリと共に行動し、偵察、前線統制、火力支援などを行う。複合材を多用するなど、AH-1Wから機体構造の95%を変更していて、共通部分はコクピット周囲しか無い。機首にAN/AAQ-30目標照準装置TSSを装備、改良型データモデムを搭載し、デジタル戦場情報に対応する。ミッション・コンピュータのCPUは1999年に開発されたモトローラ社のパワーPC740で、電子システムはモジュール化されている。デジタル地図の使用、大型カラー液晶の採用などにより、作戦を効果的に遂行可能。コクピットは耐衝撃構造で、床部分とシート周囲は装甲化した。ヘルメットは重量2.6kgで、タレス社製トップアウル（TOPOWL）ヘルメット搭載照準ディスプレイHMSD（Helmet Mounted Sight and Display。片眼式HUD内蔵バイザー）を搭載しており、サンバイザー内側の右眼直前に配置した透明バイザーに飛行関連情報や夜間用光量増倍画像を映すことが可能で、視野は40度×30度と広く、10mの距離までは距離感の把握が行え、夜間でのNOE飛行時などに大きな威力を発揮する。AN/AAQ-30TSSで得た情報は計器板のMFDの方に表示され、武装用照準線など一部のみがHMSDに投影される。ヘルメットにはヘルメット・トラッカー・モジュールHTMが仕込まれており、ヘルメットの動きを検知して向きを算出、AN/AAQ-30TSSや機関砲を連動させることができる。乗員にパイロットとガナーという役割分担は無く、単に「クルー」と呼ばれ、計器板もほぼ共通のグラス・コクピットで、正面に８×６インチ・203×152mmの多機能ディスプレイ並列２基、ペデスタルに4.2×4.2インチ・107×107mmの複機能ディスプレイDFD（Dual Functional Display）１基が用意されている。HOTCCを採用し、操縦桿から手を離さずに各種器材の操作が可能。サイクリック・コントロール・スティックはサイドスティックになった。DFDの下にはキーボードが用意されている。AN/AAQ-30の操作はプレイステーション用コントローラーのグリップを大きくした感じのミッショングリップ（普段は格納されている）で行う。兵装操作も両乗員が独立して実施できるが、同じステーションの操作が被った場合にはシステム側で阻止する機構を備えている。アビオニクスは統合アビオニクスシステムIASと呼ばれ、AN/ARC-210統合無線機、KY-58暗号化装置、CN-1689(V)2GPS組み込み式慣性航法装置、AN/ARN-153(V)タカン、DF-301UHF/VHF自動方向探知機、AN/APX-100IFFなどを統合しており、安定操縦性増強装置SCASや自動操縦装置も搭載する。自衛装置はECP-1674電子戦システムで、AN/APR-39A(V)2またはAN/APR-39B(V)2レーダー警報、AN/AAR-47(V)2ミサイル警報、AN/AVR-2Aレーザー警報、AN/ALE-47チャフ／フレアディスペンサー、AN/ALQ-211妨害システムを装備する。メインローターは複合材製（グラスファイバー＋エポキシ樹脂）４翅ブレードに換装しており、ブレード先端に後退角、先端後縁にハイパーボリック・チップと称するタブ状の突出部を付けて性能を向上させた。回転方向は上から見て反時計回り、23mm弾の直撃に耐えられ、マイナス0.5Gの機動も行うことができ、ローターヘッドとローターブレードの境目の半径2.03mの所で半自動折り畳み（前後ブレードはそのまま、左側ブレードを後方、右側ブレードを前方に畳む）が可能。ローターハブはベアリングレスで、上下部ヨークにより対向ブレード２枚ずつを保持する方式にしてヒンジを全て省略、構造を単純化して整備が容易になっており、ローターシステムの寿命は10000時間あり、定期修理も不要。エンジン強化に伴いギアボックスを大型化、エンジンフェアリングを複合材製の新型としている。エンジン排気口はホバー赤外線抑制システムHIRSSと呼ばれる外向き楕円型で、３段式のダクトから外気を取り込んで排気を冷却する。強化型高効率トランスミッションに対応しているため、燃費が良く、航続距離が延びた。トランスミッションは潤滑油が失われても30分間は稼働できるドライラン能力を持つ。テイルローターも複合材製（グラスファイバー＋エポキシ樹脂）で、直径2.97m、２翅セミリジッド式ローターブレードを２つ組み合わせた４翅であり、左舷側に移されていて、折り畳み機構は無い。胴体側面のアルミ合金製スタブウイング（燃料タンク内蔵）には下面２カ所・翼端フェアリング側面１カ所のハードポイントがあり、左翼端フェアリング側面がSta.1、同下面がSta.2、左翼中央下面がSta.3、右翼中央下面がSta.4、右翼端フェアリング下面がSta.5、同側面がSta.6。Sta.1/6はAIM-9L/Mサイドワインダー／AIM-122サイドアーム／TACTSポッド用LAU-7C/A空対空ミサイルレールランチャー専用である。Sta.2-5にはBRU-59/Aエジェクターラック内蔵パイロンを介してAGM-114B/C/F/K/M/N/Rヘルファイア／AGM-175グリフィン用４連装ランチャーM299A1（最大４基16発）、2.75インチロケットランチャーLAU-68/AまたはLAU-69/A（最大４基）、AIM-9L/Mサイドワインダー用LAU-7ランチャー（最大４基）、FIM-92スティンガー、機銃ポッド、LUU-2フレア収容SUU-25/-44フレアポッド、増槽などを搭載可能。TOWは運用できない。また、AGM-114Lなどのミリ波レーダー誘導式ヘルファイアを使用する際には翼端フェアリング上部に円筒形のコブラレーダーシステムCRS（ミリ波レーダー）を搭載する必要がある。自衛用電子戦ポッドとして翼端フェアリングにAN/ALQ-231を積んだりもする。全長17.8m、メインローター直径14.63m、ローター折り畳み時最大幅4.6m、全高4.37m（3.4m？）、自重5.58トン、最大離陸重量8.39トン。エンジンはGE社製T700-GE-401Cターボシャフト（連続出力1437軸馬力、最大出力1723軸馬力）双発、巡航速度287km（中距離）／248km（長距離）、最大速度296km、急降下制限速度411km、実用上昇限度6096m、上昇率毎分244m、ホバリング高度限界7682m（地面効果内）、燃料搭載量1561リットル、行動半径208km、航続距離685km、航続時間3.3時間。荷重制限マイナス0.5Gからプラス2.8G。固定武装はA/A49E-7(V)4砲塔システムのGTK4A/A機首下ターレット（電動。俯仰角マイナス50度からプラス21度、旋回角110度ずつ）に搭載された20mmガトリング砲M197（750発）で、運用モードは固定モード、TSSモード（AN/AAQ-30で照準）、HMSDモード（ヘルメット照準表示装置で照準）の３種類。兵装搭載量2500ポンド（1.13トン）。乗員２名。１個MEU／VMM(Rein)に4-6機が配備される。試作機３機でテストに入り、2004年に低率初期生産LRIPに入る予定だったが昇降舵に問題が見つかったのとF-35Bに優先度を取られたので開発が遅れ、2010年11月にフル生産FRPに移行、2011年2月に初度作戦能力IOCを獲得した。AH-1Wの部品を流用して168機を再生産し、58機を新規生産して海兵隊で226機を配備する予定だったが、導入数は2019年までに189機（再生産127機、新造62機）に減らされた。ただ攻撃ヘリ不足が深刻なため、総数は変えずに中身を再生産37機と新造152機に変更、最終的に実験・試験用５機以外は全て新造している。2010年9月から第367海兵軽攻撃ヘリコプター隊を皮切りに配備された。2019年度までに現役７個飛行隊、2020年度に予備役２個飛行隊が機種改変し、135機が部隊配備となる。2022年11月3日、最終189機目が引き渡された。AIM-9Xを運用可能にするリーサリティ・アップデートを行う予定で、APKWS誘導ロケットも装備する。他にもJAGM運用改修、衛星通信アンテナ（ローターマスト上部。通称エッグビーター）追加、AN/APR-39D(V)2レーダー警報装置へのアップグレード、地形認識警報システム・新型データ伝送システム・空中ネットワークスイッチ搭載、エンジン強化などが順次行われる。参考：月刊軍事研究3,’17、8,’10、9,’12、9,’14、4,’01、3,’06、12,’11、4,’12、9,’18、月刊エアワールド9,’00、月刊JWings5,'22、9,’19、7,’12、5,’10、7,’17、6,’19、10,’19、12,’19、2,’20、3,’20、月刊航空ファン2,’17、3,’11、7,'15、世界航空機年鑑2018-2019、月刊PANZER1,’13、月刊世界の艦船3,’23、12,’23

＜ＭＨ−１Ｗ＞：AH-1Zを中南米向けにグレードダウンしたもの。ゲリラ掃討を目的としており、誘導兵器システムを省いてガンポッドやロケット弾などを主武装としている。また、高地での運用を可能とした。参考：月刊JWings6,’00

＜ＡＨ−１ファミリー＞

　＜ＪＡＨ−１Ｇ＞：AGM-114ミサイルの試験機で、１機が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

　＜ＴＡＨ−１Ｆ＞：AH-1Fに複操縦装置を付けた練習ヘリ型。参考：月刊エアワールド9,’00

　＜ＴＨ−１Ｇ＞：AH-1Gに複操縦装置を付けた練習ヘリ型。AH-1Gから34機が改造された。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜ＴＨ−１Ｓ（Ｍｏｄ）＞：練習ヘリ型、別名ナイトストーカー。AH-1S（Mod）にAH-64AのPNVSとIHADSSを搭載したもので、15機が改造された。1987年、TH-1Sに呼称変更された。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＨ−１海外シリーズ＞

　＜ＡＨ−１（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍攻撃ヘリ、別名ツェファ。AH-1E/F/G/Qを導入している。参考：月刊JWings11,’15

　＜ＡＨ−１（バーレーン空軍）＞：バーレーン空軍攻撃ヘリ。1986年に起こったカタールによるアルディバル島占拠事件を受けて導入が決定し、AH-1E攻撃ヘリ14機とTAH-1P練習ヘリ６機が引き渡された。1997年には10機がアメリカ陸軍から引き渡され、2002年にAH-1F攻撃ヘリ12機を追加導入した。参考：月刊航空ファン5,’11

　＜ＡＨ−１（ヨルダン空軍）＞：ヨルダン空軍攻撃ヘリ。2015年にアメリカの許可を得てイスラエル空軍の中古を16機導入した。参考：月刊JWings11,’15

　＜ＡＨ−１Ｆ（韓国陸軍）＞：韓国陸軍攻撃ヘリ。1988年から70機を配備した。参考：月刊航空ファン6,’19

　＜ＡＨ−１Ｆ（トルコ陸軍）＞：トルコ陸軍攻撃ヘリ。30機を導入した。参考：月刊JWings9,’14

＜ＡＨ−１Ｆ（フィリピン軍）＞：フィリピン軍攻撃ヘリ。ヨルダン空軍の中古AH-1Fを導入予定で、2017年には４機を予定していたが、2018年に２機に減らした。参考：月刊航空ファン8,’18

　＜ＡＨ−１Ｊ（イラン軍）＞：イラン軍攻撃ヘリ。AH-1JのエンジンをT400-WV-402（1469kW）に換装している。最初の140機はこれだけの改修で輸出され、次の62機はTOW搭載能力を付与された。イラン革命後は機体の延命と改良を進めており、パンハ2091、シャバビス209-1、トーファン、トーファン２、HESAP4といった名称が付けられている。参考：月刊エアワールド9,’00、月刊軍事研究7,’13

　＜ＡＨ−１Ｊ（韓国陸軍）＞：韓国陸軍攻撃ヘリ。1976年に８機を導入してテストしたが、高価なためMD500を配備することにした。参考：月刊航空ファン6,’19

　＜ＡＨ−１Ｓ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍攻撃ヘリ。IAI社製レーザー夜間攻撃システムを搭載し、コクピットと航法装置を改良、テイルブームを強化した。一部にメインローターを４翅とした機体もある。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＨ−１Ｓ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊対戦車ヘリコプター、別名コブラ、陸自内ではエーエイチ。ヘリボーン部隊の直衛エアカバーを行うのが主任務で、他にも機甲部隊阻止、地上広域制圧、近接支援などを行う。OH-6にミニガンを搭載したら重すぎて弾薬が積めず、UH-1に70mmロケット弾ポッドを搭載して配備したが機動性が落ちて本隊に付いていけないということで、専用機を採用することにし、三菱重工、川崎重工、富士重工に国産開発させようとしたが、技術力が不足しており、ローターハブ型式も纏まらず、AH-1を配備することにした。AH-1F/AH-1Sステップ�V相当で、国産のAN/ALQ-144赤外線ジャマーと赤外線サプレッサーを搭載している。メインローターは上から見て時計回りに回転しており、垂直安定板右のテイルローターは尾部を左に引っ張ってモーメントを打ち消す。操縦系統が機能を失っても縦方向だけはバックアップが効く。全長16.18m、胴体長13.59m、メインローター直径13.41m、胴体幅0.99m、スキッド幅2.13m、スタブウイング幅3.56m、全高4.09m、運用空虚重量2.993トン、空虚重量3.076トン、最大離陸重量4.535トン。エンジンはライカミング社製のものを川崎重工でライセンス生産したT53-K-703ターボシャフト（最大出力1800軸馬力、離昇出力1290軸馬力、連続出力1134軸馬力。）単発、巡航速度123ノット・228km、最大速度315km、実用上昇限度3720m（3960m？）、機内燃料容量259ガロン、航続距離507km（456km？）。ホバリング高度限界1160m（地面効果外）。固定武装は20mmガトリング砲M197が１基（760発）。乗員２名。標準的な外部兵装は、スタブウイング外側パイロンにBGM-71A対戦車ミサイル４連装ランチャーを左右１基ずつと、内側パイロンに19連装ロケットポッドJLAU-194を左右１基ずつ。1977-78年度に２機を購入して1979年6月7日に初号機が納入され、テストの後に1982年から富士重工でライセンス生産を開始、1984年（1982年度？）から2000年に90機が引き渡され、５個対戦車ヘリコプター隊に配備された。1991年度からはワイヤーカッターを装備している。第１・第２対戦車ヘリコプター隊は、冬季に雪上で運用するため、スキッドにスキーを履かせる。値段は１機あたり48億6600万円（1986年度は23億6300万円）で、AH-64D（アメリカ陸軍調達価格）３機分に相当する額である。2014年度末の保有機数は60機。初号機は陸上自衛隊広報センターに展示された。後継としてAH-1ZとAH-64Dが候補になり、AH-64Dの導入が決まったが、調達数が13機になってしまったため、改めてAH-1Zや攻撃ヘリ型OH-1などで選定をやり直す可能性がある。ただUH-X選定のゴタゴタで攻撃ヘリ型OH-1とUH-Xの共通化による価格低減が不可能になっており、AH-1ZやAH-64Eを導入する、UH-Xの攻撃ヘリ型を改めて作るといった案があるらしく、2018年5月7日に防衛装備庁が新戦闘ヘリコプターの情報提供企業を募集した。島嶼防衛での艦上運用、AH-1Sからの転換、AH-64Dの事故などを考慮してAH-1Zが有力とされたが、最終的に攻撃・戦闘ヘリを全廃し、攻撃用無人機などを配備する事にしている。参考：月刊軍事研究5,’04、3,’00、2,’08、9,’18、月刊JWings12,’98、9,’17、5,’18、2,'22、4,’15、5,’18、4,'24、自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊地上戦力の全容、世界の傑作機No34、月刊丸5,’07、12,’10、スピアヘッドNo.5、月刊航空ファン11,’15、月刊世界の艦船9,’19、3,’23

＜ＡＨ−１Ｓ　Ｃ−ＮＩＴＥ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊対戦車ヘリコプターで、コブラ・ナイトまたはシー・ナイトと読む。AH-1Sの夜間攻撃能力向上型で、機首下面にFLIRを搭載しており、TSUの左側窓もガラス張りになった。またワイヤーカッターを装備、レーダージャマー・アンテナを移設している。エンジンはそのままなので、ややアンダーパワー気味のようだ。1991年度調達の73号機以降がこのタイプで、それ以前の機体でも改修されているものがある。参考：月刊JWings12,’98

＜ＡＨ−１Ｗ（台湾陸軍）＞：台湾陸軍攻撃ヘリ。63機を配備した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＨ−１Ｗ（トルコ海軍）＞：トルコ海軍攻撃ヘリ。強襲揚陸艦L-400アナドル建造に伴い、トルコ陸軍から2022年に移管されたものである。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ＡＨ−１Ｗ（トルコ陸軍）＞：トルコ陸軍攻撃ヘリ。T129就役までの繋ぎで、Mi-28を破って採用された。37機を調達予定だったが、10機に減っている。強襲揚陸艦L-400アナドル建造に伴い、2022年にトルコ海軍に移管された。参考：月刊JWings9,’14、月刊軍事研究4,’10、世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船7,’23

＜ＡＨ−１Ｗ（バーレーン空軍）＞：バーレーン空軍攻撃ヘリ。24機を配備した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＨ−１Ｚ（韓国陸軍）＞：韓国陸軍攻撃ヘリ。36機をFMSで購入予定。参考：月刊JWings12,’12

＜ＡＨ−１Ｚ（スロバキア軍）＞：ウクライナ戦争でウクライナ支援のため供与するMiG-29戦闘機と引き替えに割引購入できることになり、2024年7月31日にアメリカ国防省がAH-1Z攻撃ヘリ12機、T700-GE-401エンジン24基（＋予備２基）、APKWS誘導ロケット弾1680発を６億ドルでFMS輸出可能であると発表した。参考：月刊JWings10,‘24

＜ＡＨ−１Ｚ（チェコ軍）＞：チェコ軍攻撃ヘリ。Mi-24の後継として2019年に４機の導入を決定し、アメリカからは2019年5月7日にFMS輸出許可が下りた。参考：月刊JWings11,’19、月刊航空ファン8,’19

＜ＡＨ−１Ｚ（ナイジェリア軍）＞：2022年4月14日、アメリカ国防安全保障協力局がAH-1Zヘリ12機、エンジン28機（うち予備４基）、赤外線暗視装置、GPS航法装置、20mm機関砲、予備部品、整備キット、訓練システム、付帯支援プログラムなどのFMS輸出を承認した。参考：月刊JWings7,’22

＜ＡＨ−１Ｚ（バーレーン空軍）＞：バーレーン空軍攻撃ヘリ。2018年4月、アメリカ国防安全保障協力局がFMSによる12機（＋予備T700-GE-401Cエンジン２基、AGM-114、APKWS-�U、訓練、兵站支援など）の輸出許可を出し、11月にバーレーンがアメリカに発注した。2021年10月26日、初号機がアメリカ海軍航空システム司令部に納入された。バーレーンに到着するのは2022年になる見込み。参考：月刊JWings1,'22、月刊航空ファン5,’19

＜ＡＨ−１Ｚ（パキスタン陸軍）＞：パキスタン陸軍攻撃ヘリ。AH-1Zヘリ25機とAGM-114Rヘルファイア1000発などをFMSで導入予定で、2018年9月末までに最初の９機が引き渡される予定だったが、2018年にアメリカから禁輸措置を喰らってしまい、2022年になっても宙に浮いている。参考：月刊JWings7,’15、7,’16、5,'22、月刊航空ファン5,’17、月刊軍事研究3,’17

＜トーファン２＞：イラン軍攻撃ヘリ。AH-1Jの改良型で、国産EO/IRセンサーのオグハブ2Bを機首下部に搭載し、キャノピーのガラスを反射の少ないタイプに変更した。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＡＨ−１Ｓ武装野整備用工具（輸入）＞：自衛隊の機器。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究10,’11

＜ＡＨ−１Ｓ用カートリッジ（国産・キャノピ・リムーバブル・システム用）＞：自衛隊の機器。三井物産または富士重工が受注している。参考：月刊軍事研究5,’15、10,’17

＜ＡＨ−２＞：Mi-24海外シリーズ（攻撃ヘリ）または09式122mm自走榴弾砲を参照。

＜ＡＨ−２シリーズ＞：南アフリカ空軍攻撃ヘリコプター、別名ローイファルク（Roivolk、赤い鷹。ケストレルのこと）。南アフリカのアトラス・アビエーション社が開発した。参考：月刊航空ファン7,’00、月刊軍事研究8,’99、月刊JWings12,’03

　＜ＸＨ−１＞：システム・テストベッド機、別名アルファ（Alpha）。1981年3月から開発され、1985年2月3日（1986年2月27日？）に初飛行した。SA316Bアルエート�Vの胴体を大幅再設計してタンデム複座にしたもので、機首下面に20mm機関砲を装着、ヘルメット装着式照準器と固定式尾輪を取り付けた。メインローター直径11.02m、自重1.4トン、総重量2.2トン。エンジンはチュルボメカ製アルツースト�VＢ（870軸馬力）単発、最大速度118ノット、航続距離300海里。乗員２名。参考：月刊航空ファン7,’00、週刊エアクラフトNo.97、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＸＴＰ−１＞：本格的な武装を取り付けた兵装システム実証機、別名ベータ（Bata）。SA330Cピューマの胴体側面にスタブウイングを取り付けたもので、片側２カ所のハードポイントに68mmロケット弾18連装ポッドなどを搭載できる。機首下面にはアムスカー社製20mm機関砲GA-1ラットラー１門（1000発）を装備しており、ガンナーのヘルメットサイトと連動している。エアインテイク前方にフィルターを持つ。参考：月刊航空ファン7,’00

　＜ＸＨ−２＞：試作機。３機が作られ、初号機はXDM（試作開発モデル）、２号機はADM（発達開発モデル）、３号機はEDM（技術開発モデル）と呼ばれる。1990年2月11日に初飛行し、その後CSH-2に改称された。参考：月刊航空ファン7,’00

＜ＡＨ−２Ａ＞：量産型。装甲を持たない代わりに軽量で、機動力により身を守る。燃料・油圧・駆動系は完全独立の三重にした。駆動系統はSA330Cピューマのものを流用しており、エンジンはチュルボメカ製マキラ1K2を改良してライセンス生産したトパーズで、トランスミッションや複合材製メインローターブレードは独自開発である。エンジン排気口には赤外線放射抑制装置を装着した。細い胴体にタンデム複座コクピットを配し、前席にガンナー／コパイロット、後席にパイロットが座る。計器板はカラー液晶２枚を備え、暗視ゴーグル対応である。機首には球形のセンサー・ターレットがあり、目標探知・捕捉・追跡システム（TDATS）と呼ばれる。装備センサーは視野３段切り替え式FLIR、LLLTV、レーザー測距器で、情報はヘルメット装着式照準器に映し出される。機首下面にはアムスカー社製20mm機関砲GA-1ラットラー１門（700発）がTC-20油圧作動ターレットに装着されており、ヘルメット装着式照準器と連動させることが可能で、アムスカー社製20mm機関砲F2や30mm機関砲DEFA553に変更できる。胴体両側面にはハードポイント２カ所と翼端空対空ミサイルステーションを持つスタブウイングが装着される。機外兵装は70mmロケット弾19連装／38連装ポッド、ZT-3スイフト／ZT-6モコパ対戦車ミサイル、V3Cダーター／ミストラル空対空ミサイルなどで、NATO仕様のヘリ用兵装の殆どを搭載できる。レーダー警戒装置、レーザー警戒装置、チャフ・フレアディスペンサー、レーダー妨害装置、赤外線妨害装置も搭載可能。飛行操縦装置は４軸のデジタル式自動飛行操縦装置で、リング・レーザー・ジャイロ式姿勢方位基準装置、８チャンネルGPS、ドップラー式速度センサー、Ｊバンド電波高度計を持ち、データは航法コンピュータに入力され、自動ホバリングも可能。前部胴体側面の張り出しには電子機器と弾薬が収められているが、機材座席２名分を取り付けて兵員輸送や救難任務に当てることもできる。特殊設備無しの野外整備で72時間稼働が可能。全長18.73m、胴体長16.29m、小翼幅6.36m、胴体幅1.28m、全高5.19m、運用自重5.91トン、標準ミッション離陸重量7.5トン、最大離陸重量8.75トン。エンジンはトパーズ（離陸時定格出力1376kW、緊急時30秒出力1573kW）２基、超過禁止速度167ノット、最大巡航速度136ノット、実用上昇限度6100m、ホバリング限界高度5545m（地面効果内）／5030m（外）、機内燃料最大重量1.469トン、航続距離380海里／1130km（外部増槽あり）。機外兵装搭載量1.563トン（燃料満載時）／2.032トン（燃料１トン時）。荷重制限マイナス0.5Gからプラス2.6G。乗員２名。2003年になって漸く引き渡され、当初は50機を生産する予定が冷戦崩壊と南アフリカ民主化で12機に減らされ、南アフリカ空軍第16飛行隊に装備された。その後１機が墜落して失われている。マレーシアに輸出する話があったがアジア通貨危機で潰れ、イギリスの攻撃ヘリ選定ではAH-64Dに破れ、トルコではT129に負けた。参考：月刊航空ファン7,’00、月刊軍事研究8,’99、3,’97、月刊JWings12,’03、12,’06、7,’10、世界軍用機年鑑1990-91

＜ローイファルク�U＞：近代化改修型で、スーパーハインドMk�W／�Xのノウハウを活かしてATEが開発中。参考：月刊JWings12,’06

＜ＡＨ−２Ｍｋ１＞：南アフリカ空軍攻撃ヘリ。デネルエビエーション社が開発した改良型で、機関砲とロケット弾の命中率向上、航法通信システム強化といったソフトウェア中心の改良を施す予定。参考：月刊軍事研究1,’11

＜ＡＨ−�W＞：チェコスロバキアのCKD社が開発した豆戦車で、イランからの2-3トン級豆戦車要求に基づいて設計された。戦闘室右前部のボールマウントにvz.26機銃、戦闘室上面の全周旋回銃塔にvz.35機銃を１丁ずつ装備する。下部転輪は片側４枚、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪１枚を持つ。1934年に完成し、イランの他にもスウェーデン（Strv.m/37）、ルーマニア、エチオピア（第２次大戦後）に輸出された。参考：月刊丸6,’01

＜ＡＨ−６Ｃ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−６Ｆ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−６Ｇ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−６ｉ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−６Ｊ通常型＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−６Ｊノーター型＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−６Ｍ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−６Ｓ＞：OH-6ヘリ・ファミリーを参照。

＜ＡＨ−１７＞：アメリカ海軍病院船サンクチュアリ。ベースはC4-S-B2型貨物船で、最初の改造時には820室の病室を持っていた。1960年に改装を受けてヘリポートを設けるなどしている。排水量11100トン。主機はタービン、出力9000馬力、速力18.3ノット。病室数750室。医師24名、歯科医３名、看護婦29名、衛生兵258名、薬剤師９名が搭乗する。参考：月刊丸10,’93

＜ＡＨ−５６Ａ＞：アメリカ陸軍試作攻撃ヘリコプターで、別名シャイアン。AAFSS計画に基づいて1965年にロッキード社の案が採用された。T64-GE-16エンジン（3425馬力。3925軸馬力？）１基を搭載し、メインローターとテイルローターの他に尾部にプッシャー式プロペラを装備して最大速度400kmを目指した。メインローターヘッドはXH-51Aでテストしたリジッド型ローターヘッドで、ローターシャフト頂部に制御リンク（XH-51Aでは制御ジャイロと称していた）が付いている。垂直安定板はテイルブーム尾部から下向きに出ており、テイルローターは４翅でテイルブーム尾部左側にある。固定武装は機首下面の7.62mmガトリング銃XM-196が１基と、胴体前部下面の30mm機関砲XM140。スタブウイングにTOWや70mmロケット弾ポッドを装備可能。乗員２名（タンデム複座）。1967年9月21日に初飛行し、10機が製作されて最大速度は400kmを超えたが、テストが難航し、1970年に開発中止となった。参考：月刊JWings3,’18、月刊航空ファン7,’00、月刊軍事研究3,’12、世界の傑作機No34

＜ＡＨ−６４シリーズ＞：アメリカ陸軍攻撃ヘリコプター。AAH計画に基づいてヒューズ・ヘリコプター社（1985年からマクダネル・ダグラス・ヘリコプターズ、1997年からボーイング）が開発・生産した。攻撃力、生残性、視察観測能力、信頼性、整備性、稼働率を重視しており、特に生残性に重点を置き、被発見率低下、耐弾性向上、耐クラッシュ性向上が図られた。湾岸戦争ではAH-64A型274機（予備を含めると288機）が投入され、稼働率93%を誇り、信頼性の問題が一部で指摘されたものの改良を施して解決し、悪天候下でも唯一作戦可能な機体として武装偵察任務を積極的に実施、50%の作戦を夜間に行った。ヘルファイア2876発を発射し、戦果は戦車・装甲車両500両以上、装輪車輌500両以上、野砲陣地120ヵ所、防空陣地30ヵ所、航空機（ヘリ含む）22機（地上撃破）に達する。喪失は１機（9K34/9K310による）で、乗員に死者は出なかった。2018年2月5日の陸自第３対戦車ヘリコプター隊AH-64D墜落事故で、メインローターブレード付け根のストラップ・パックをピッチ・ハウジングと固定するアウトボード・ボルトの耐蝕性に問題があることが判明、アメリカ陸軍は欠陥修正までAH-64Eの納入を停止しており、ボーイングでは改良型ボルトへの交換を進めて納入を再開している。アメリカ陸軍ではAH-64E型702機を2040年まで使用する予定である。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊戦車マガジン11,’92、月刊軍事研究7,’95、5,’16、4,’18、アメリカ空軍の第一線機、月刊JWings1,’19、10,’19

　＜ＹＡＨ−６４Ａ＞：試作型で、地上試験機が1975年6月22日に完成、飛行試験初号機が9月30日に初飛行した。飛行テスト機はフェーズ１で２機とフェーズ２で６機が製作されている。初期にはメインローターを外さずに輸送機に収容する予定だったが、機動中にメインローターが機体背部に当たることが判明、ローターマストを241mm高くした（その後更に152mm高くした）ため、ローターを外さないと輸送機に積めなくなった。フェーズ１ではメインローターの振動が大きく、予定の最大速度が出なかったため、フェーズ２ではローター先端に20度の後退角を付け、水平安定板の前縁後退角を無くして後縁に前進角を設け、テイルローター直径を76mm増やしている。また、ブラックホール・オカリナも装着した。フェーズ２のテスト中にコクピット側面窓を平面ガラスから曲面に変更し、アビオニクス収容部を後方に延長している。フェーズ２の４号機では、ピッチ・モーメント過大を修正するため、水平安定板を垂直安定板上端（メインローターのダウンウォッシュを避けるための配置だった）からテイルブーム後端に移して可変取り付け角方式にした。YAH-63に勝って1976年12月10日に採用が決定した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究4,’18

　＜ＡＨ−６４Ａ＞：別名アパッチ（Apache）。1982年にアメリカ議会で承認され、1983年9月30日に初号機PV01（Production Vehicle 01）が完成し、1985年1月9日に初飛行した。キャノピーを平面化して被発見率低下を図る、コクピットとローターの間を狭くして機体を小型化する、メインローターブレードを４翅にして直径を小さくすると共にテイルローターの交差角を直角ではなくして騒音を減らす、といった工夫がなされ、ローター騒音がAH-1Sの50%前後となった。また赤外線放出抑制装置として、エンジン排気の力で外気を高温排気に混合して排気温度を下げるブラックホール・オカリナを装備しており、当時のAIM-9空対空ミサイルの赤外線シーカーでは捕捉できなかったらしい。機体はアルミ合金製セミモノコック構造で、耐弾性を高めるべく重要部分はオーバーサイズに作ってあり、12.7mm弾なら機体のどこに当たっても30分の飛行が可能で、23mm焼夷榴弾が命中しても機体の重要な箇所が保護される。コクピットやトランスミッション周囲にはアルミ合金装甲が構造材として使用され、コクピットはボロン複合材製防弾板によるバスタブ構造で、ケブラー繊維を重ねてレジンなどでコーティングしたバリスティックパネル構造の内装とナイロンの外層との間にボロン繊維強化プラスチックを挿入してあり、軽量ながら23mm焼夷榴弾の直撃に耐える防御力を持つ。座席のシート部分はケブラー製。前後コクピット間には透明の強化プラスチック板があり、どちらかが被弾しても他方に被害が及ぶのを防ぐ。エンジンナセルには防火壁が仕込んであり、一方が爆発してももう一方には影響しない。燃料タンクは機内に２個あり、セルフ・シーリング方式で、外部装甲板に加えてケブラーの内張が追加され、23mm弾の直撃でも発火せず、12.7mm焼夷榴弾に耐えられ、内部に充填された窒素ガスが誘爆を防ぐ。メインローターブレードは１本のステンレス・スチール製の桁（最前部）と４本のファイバーグラス製スパーチューブをスチール外皮で覆っており、前縁はチタン製、ブレード後半部はノメックスのハニカムコアをファイバーグラスで包んでいて、メインローターの桁に23mm弾を受けても５時間以上飛行可能（陸軍要求性能は30分だった）。ローター先端には後退角が付けられ、ブレード荷重の軽減、ローター効率上昇、騒音防止に役立っている。ローターヘッドはセミリジット型、メインローターは４翅で、ローターハブにフェザリングベアリング・アッセンブリを取り付け、左右に跨ぐ形でＶ字のストラップパックをローターハブに固定、ピッチハウジングをストラップパックに被せてピッチハウジング先端近くのリードラグヒンジとストラップパックをアウトボードボルトで留め、ピッチハウジング先端のリードラグリンクをローターブレードと固定している。フェザリングベアリング・アッセンブリにはエラストメリックベアリングが内蔵されており、エラストマーの弾性によってフラッピングヒンジとフェザリングヒンジを兼用させる方式にして構造を単純化し、背面飛行、ロール、ループ、スプリットＳなどの機動を可能とした。また、潤滑機構を無くして被弾時に潤滑油が延焼しないようにしている。ピッチハウジング付け根にはピッチチェンジロッド接続部がある。ピッチハウジング両側面にはダンパーがあり、リードラグ運動を減衰させる。ローターヘッド頂部にはエアデータセンサーを装備。トランスミッションはドライラン能力が高く、オイルが全て流出しても１時間は焼き付かない。中間ギアボックスや尾部ギアボックスはグリス潤滑にして潤滑油自体を使っていない。耐クラッシュ性も高く、垂直方向毎秒12.8m、横方向毎秒9.1m、前後方向毎秒18.3m（15度の機首下げ）で不時着しても、胴体下半分のスキッドランナー部がクラッシュして衝撃を吸収することで乗員が95%の確率で生存できる。主脚柱は圧縮窒素シリンダーが取り付けられており、これも衝撃吸収に役立つ。操縦・油圧系統は完全二重化で、12.7mm弾の直撃に耐えられ、電気式バックアップ装置SCASも搭載されている。操縦系統のバックアップはデジタル自動安定装置DASEと呼ばれる安定増強装置である。滑走して離陸するローリング・テイクオフならエンジントルク35%でも離陸でき、25ノット（46km）程度に加速すれば飛び立てる。テイルブーム後端の取り付け角可変式水平安定板により、加速・減速時にも機首を上下させる必要が無い。テイルローターは２翅ブレード２組からなり、距離を取ってチップ・パス・プレーンを重ならないようにすると共に、60度と120度にオフセットして渦の干渉を避け騒音を抑えた。旋回性能は飛行速度120-140ノット（222-260km）で毎秒100度に達し、AH-1Sよりも50%優れている。横方向の斜面着地限界角度は12度だが、内側のスタブウイングにのみ武装している状態なら15度まで着地可能。固定武装は前部胴体下面の30mmチェインガンM230A1で、射界は左右各110度、上方11度、下方60度。油圧がロスした場合、水平方向はそのままで、垂直方向は上方11度の位置で固定される。更にクラッシュ時はチェインガンのゴンドラが潰れて衝撃を吸収する。弾薬は弾倉1092発＋給弾システム118発の計1200発を搭載でき、トリガーハッピーの傾向が強いアメリカ兵の運用にも耐える。ただしヘルファイア16発搭載時は440発、外気温32度・高度1200m・ヘルファイア８発搭載では320発にそれぞれ制限される。左右スタブウイング下にハードポイントが２カ所ずつ用意されており、装着するパイロンはマイナス28度からプラス５度の範囲で俯仰でき、ハイドラ70ロケット弾19連装ポッドM260やAGM-114ヘルファイア対戦車ミサイル４連装ランチャーM272を各パイロン１基ずつ最大計４基搭載できる。1987年11月末にはAIM-9空対空ミサイルの試射に成功したが、実際には装備されなかった。機体ペイロードは3.349トンで、一般的には1.614-1.993トンが武装に、残りが燃料に割り当てられる。典型的な武装はヘルファイア８発、ロケット弾38発、機関砲弾1200発で、ヨーロッパの標準的環境なら１時間50分の滞空時間が得られる。ヘルファイア16発、機関砲弾1200発、150分飛行可能な燃料を搭載した場合、気温21度・高度600mなら離陸可能。ヘルファイア８発、機関砲弾320発、110分飛行可能な燃料を搭載した場合、気温32度・高度1220mで上昇率は毎分250mに達する。FCSは機首センサーターレット下部のTADS、上部のPNVS、パイロットが被るIHADSSを中心として構成されている。コクピットはタンデム複座で、前席にガンナー／コパイロット、後席にパイロットが座る。パイロット席にはEADIのスクリーンがあり、人工水平線、電波高度計の情報、機体姿勢・速度などの飛行データ、武装の発射用情報が表示される。ヘルファイア関係制御電子装置は前部胴体両側に張り出しているエレクトロニクス・ベイに収容されている。航法装置はAN/ASN-128ドップラー航法装置（AN/ASQ-128？）及びAN/ASN-143方位姿勢基準装置で、飛行方向はパイロット席のEADIと、ガンナー／コパイロット席のドップラー制御表示装置上にステアリング・キューの形で表示され、EADIには飛行コース変更点（ウェイポイント）までの距離も示される。目標座標を入力しておけば、その位置につくだけでTADS及び30mm機関砲が目標に指向する。ガンナー用計器板には直接視察照準用の直視型光学器材DVO（Direct View Optic）や光学中継管ORT（Optical Relay Tube）を装備している。アビオニクス故障に対する自己診断装置を備え、コクピット内の表示装置に状況を表示する。自己防衛用にAN/ALQ-144赤外線ジャマー、M130チャフ・フレアディスペンサーを搭載し、後にAN/ALQ-136レーダー・ジャマーとAN/AVR-2レーザー警戒装置が追加された。NOE飛行する本機ではフレアの効果が期待できないため、M130にはチャフのみ搭載している。整備はドライバー１本ででき、梯子や踏み台すら不要である。再出撃にかかる時間は僅か30分。パナマ侵攻ジャスト・コーズ作戦では23発被弾しても墜落せずに帰投し、イラク戦争ではひっくり返っても機体構造が保たれていた。全長17.73m、胴体長15.06m、メインローター直径14.63m、全高4.64m、自重5.165トン、最大離陸重量9.5トン。エンジンはT700-GE-701ターボシャフト（1698馬力）双発、最大速度363km（293km？）、横・後進速度45ノット・81km、最大上昇限度6250m／3505m（片発）、ホバリング高度限界4633m（地面効果あり）／3780m（無し）、燃料搭載量1366リットル、航続距離611km（480km？）、フェリー航続距離1800km（増槽４本）。乗員２名。所要の装備品をフル装備したのは３号機からで、1984年5月に引き渡され、1986年7月に第６騎兵連隊第３飛行隊が初のIOCを達成した。1997年2月までに973機を生産、うち821機がアメリカ陸軍に、116機が海外輸出先に引き渡されている。アメリカ陸軍では2018年までに全機退役の予定。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、世界の傑作機No34、月刊軍事研究6,’03、5,’04、4,’08、7,’09、4,’18、アメリカ空軍の第一線機、ザ・マーチ42号、月刊JWings1,’19、4,’19

　＜ＡＨ−６４Ｂ＞：湾岸戦争で航法装置の能力不足などが指摘されたため、GPSやAN/ARC-201SINCGARS（地上・空中単一チャンネル無線システム）を追加し、目標引き渡し機能などを追加したタイプ。1991年2月にマクダネル・ダグラス社がアメリカ陸軍に提案したが、採用されなかった。参考：月刊軍事研究4,’18

　＜ＡＨ−６４Ｃ＞：AH-64Dのうち、ロングボウ・レーダーを装備しないタイプ。1993年末（1994年？）にこちらもAH-64Dと呼ぶことになった。ロングボウ・レーダー装備型からデータリンクで情報を受け取ることで、同等の攻撃力を発揮できる。参考：月刊軍事研究10,’05、5,’16、4,’18、月刊JWings11,’01、月刊丸12,’10

　＜ＡＨ−６４Ｄ＞：別名アパッチロングボウ。ヘリコプター初の火器管制レーダー搭載型で、メインローターマスト頂部にAN/APG-78ロングボウ・レーダーを積んでいる。1988年から開発され、1989年4月にアパッチ・ロングボウ・プロジェクトと命名された。アメリカ陸軍には既存のAH-64Aを改修して納入されたが、輸出型では新規製造のものもあり、アメリカ陸軍が減損補充分として要求したものも新規製造である。ロングボウ武器システム（AN/APG-78ロングボウ・レーダーとAN/APR-48Aレーダー周波干渉装置からなる）、改良型データモデムIDM、使用者データモジュールUDM、GPS、ドップラー航法装置などを搭載し、情報処理能力が大幅に向上している。コクピット左下部の電子機器収容部張り出し（エレクトロニクス・ベイ）が大きくなり、メインローターマストのセンサーが左右エンジンカウリングに移された。また、対戦車ミサイルとしてAGM-114Kヘルファイア�U、AGM-114Lロングボウ・ヘルファイアが運用可能となり、ランチャーも新型のM299を使用する。AN/APG-78だけなら8km以内の128目標、AN/APR-48Aを加えれば1000目標を探知して16目標（ヘルファイア最大搭載数）を攻撃可能。スタブウイング外側端にスティンガー連装発射機を自衛用に搭載することができるが、アメリカ陸軍では標準装備ではない。自己防衛器材としてM130ディスペンサー、AN/APR-39(V)1、AN/ALQ-144（V）、AN/APR-139など、電子防御装置としてAN/ALQ-212(V)ATIRCMを搭載する。これらにより、対戦車戦闘から偵察哨戒、海洋阻止まで多種多様な任務に投入することが可能となった。計器板は15cm四方のMFD２基などによりグラスコクピット化されており、直視型光学機材DVOと光学中継管ORTはあまり使わないので撤去した。1991年3月31日に試験機が初飛行、1997年3月17日に量産機が初飛行し、4月1日から納入が始まった。1997-2002年に232機、2003-06年に269機、2008-10年に96機、2010-11年に24機が調達され、更に減損補充分として47機が調達されている。IOCは1998年6月に第227航空連隊第１大隊で達成した。全長17.73m、メインローター直径14.63m、胴体長15.47m、小翼幅5.23m、全高4.95m（レーダー上端まで）／3.59m（メインローターブレードまで）／3.55m（垂直安定板上端まで）、基本空虚重量5.352トン、ミッション最大離陸重量8.006トン、最大離陸重量9.526トン、総重量10.107トン（10.432トン？）。エンジンはT700-GE-701C(1409kW、片発時最大出力1940馬力)双発、最大巡航速度149ノット・265km、最大速度365km、設計限界速度197ノット、実用上昇限度6400m、海面上昇率毎分990m、機内燃料容量1423リットル、航続距離251海里（ヘルファイア８発・ロケット弾38発）、戦闘行動時間２時間（増槽無し）。ホバリング高度限界4068m（地面効果内。4465m？5915m？）／2759m（外。3206m？）。荷重制限プラス3.5Gからマイナス0.5G。公開飛行展示では標準兵装での２回転宙返りや１回転宙返り直後のスプリットＳなどを披露した。乗員２名。不朽の自由作戦及びイラク戦争・ポストイラク戦争での戦訓から改良が加えられており、赤外線ズームレーザー照射目標指示（IZLID）や共通ミサイル警報システム（CMWS）の追加が行われ、戦術面ではホバリング状態での射撃を避け、移動及び降下しながら射撃して敵の反撃を防ぐようになった。AH-64Eからのフィードバック改修も行われており、排気口を上向きにしたり、スタブウイング基部形状を変更したり、MQ-1Cの運用能力を持たせたりしている。UAEに20機、エジプトに24機、ギリシャに12機、イスラエルに18機、サウジアラビアに12機が輸出され、イギリスや陸上自衛隊などにも採用された。参考：月刊航空ファン7,’00、月刊軍事研究4,’08、4,’18、6,’03、1,’00、7,’95、月刊JWings2,’03、1,’16、3,’18、6,’19、世界の傑作機No34、世界航空機年鑑2018-2019、月刊エアコマンド8,’93

　＜ＡＨ−６４Ｄブロック�T＞：1997-2004年に調達された284機で、ロット１からロット６に分かれる。ロット１でAN/APG-78、AN/APR-48A、T700-GE-701またはT700-GE-701Cエンジン、近代化型TADS/PNVS（M-TADS/PNVS）、GPS航法装置、軽量化配線、32ビット演算装置、MFD、延長型電子機器室、1760パイロン・ランチャー・インターフェースなどを装備。ロット２でカラーMFD、バックアップ操縦装置、整備データ記録装置などを搭載。ロット３で戦術交戦シミュレーションシステムを導入して訓練を効率化。ロット４・５で整備データ記録装置を改善。ロット６で列線交換可能ユニット更新、内蔵型補助燃料システム用ソフトウェアを搭載。参考：月刊軍事研究4,’08

　＜ＡＨ−６４Ｄブロック�U＞：TADS/PNVSをアローヘッドに変更、目標指示システムを発達型目標指示センサーATSとしたタイプ。2005-06年に調達された217機で、2003年2月25日に初号機が引き渡された。また、2005-07年に調達された減損補充分47機は全てこのタイプである。エクステンデッド・ブロック�U及び�Uプラスを含めると、ロット７から13に分かれる。ロット７でデジタル地図の一部、高速データバス、改良型演算処理装置、CO2消火システム、MA-16座席ベルト、緊急時位置通報装置／水中位置通報装置などを搭載。ロット８で完全なデジタル地図、統合型戦場指揮システム、TADS電子式表示制御を装備。ロット９で共通トランスポンダー・モードＳによる安全性向上を実施。ロット10でアローヘッドを搭載。ロット11・12でIDM更新、サーチライト位置変更、水平安定板改良を実施。ロット13でAN/APX-123モード５装備及びSINCGARSアップデートによる状況認識力向上を施行。参考：月刊軍事研究4,’08、月刊JWings11,’05

　＜ＡＨ−６４Ｄエクステンデッド・ブロック�U＞：2008-10年に調達される96機。参考：月刊軍事研究4,’08

　＜ＡＨ−６４Ｄエクステンデッド・ブロック�Uプラス＞：2010-11年に調達される24機。参考：月刊軍事研究4,’08

　＜ＡＨ−６４Ｄブロック�V＞：AH-64Eを参照。

　＜ＡＨ−６４Ｅ＞：以前はAH-64Dブロック�Vと呼ばれていた機体で、別名アパッチ・ガーディアン（Apache Guardian）。生残性と目標探知能力の強化、将来型戦闘システムへの対応、沿岸戦闘能力改善、UAV（RQ-7シャドー200）との協同作戦能力獲得、ミッションプロセッサーの集約（３台から１台へ）、デジタル電子制御ユニット搭載T700-GE-701Dエンジン及び強化型トランスミッション（最大出力3400軸馬力）装備、複合材製メインローター搭載、AN/APG-78ロングボウ・レーダーのデータリンク能力強化、運用寿命１万時間への延長などを行うものである。メインローターは先端がテーパーした形状となり、30mm弾の直撃に耐えられるようになった。エンジン排気口は上向きにされ、エンジン制御を強化型デジタル式エンジン制御ユニットEDECU（Enhanced Digital Engine Control Unit）に変更、最大速度は46kmほど速くなり、地面効果外ホバリング限界高度も向上している。また、30mm機関砲弾倉を300発入りパックに減らして内蔵型補助燃料システムIAFS（Internal Auxiliary Fuel System）を積むことにより、行動時間を0.5時間延長できるようにし、洋上作戦対応とした。オープン・システム・アーキテクチャーを採用し、主要アビオニクスをソフトウェア書き換えのみでアップグレードできるようにした。アローヘッドもアイセーフ・レーザーとして昼間テレビカメラをカラー化して解像度も向上させた近代化型昼間センサーアッセンブリM-DSA（Modernized Day Sensor Assembly）に換装、IHADSSに操縦シンボル機能付き赤外線表示機能を追加して完全な計器飛行能力を得ている。AN/APG-78とAN/APR-48の能力を強化し、ヘルファイアの射程を延伸すると共にJAGMの運用も可能として16km以内の敵を攻撃できるようにする。胴体前部左右のエレクトロニクス・ベイが大型化され、前方延長電子機器室EFAB（Extended Forward Avionics Bay）という名称になった。無人機指揮操縦能力（レベル４）も有しており、胴体内に戦術共通データリンクTCDLを装備する。前席（コパイロット／ガンナー席）と後席（操縦士席）はMFD２枚でグラスコクピット化されており、前席には正面上部にアローヘッド電子表示制御部用ディスプレイ、右上部にアップ・フロント・ディスプレイが付く。テイルパイロン付け根にはSATOCOM衛星通信用アンテナを持つ。水陸両用作戦などでの艦上・洋上運用に備え、塩害腐食対策、メインローターブレード手動折り畳み機構追加、降着装置強化、航法装置の二重冗長性確保、水中位置発信装置及び緊急時位置発信装置搭載といった対策が取られており、ロングボウ・レーダーにも海洋モード（水上艦艇識別機能）を追加できる。30mm機関砲弾の塩害対策と艦上運用時の電磁干渉対策が完全ではないらしいが、水陸両用戦艦艇からほぼ問題無く運用中。納入機数はAH-64Dブロック�Tから264機、ブロック�U／エクステンデッド・ブロック�U／エクステンデッド・ブロック�Uプラスから323機、減損補充分新造機47機の合計634機で、将来的にはAH-64が全てこのバージョンに改修され、改造機（Remanufacture、REMAN型）634機と新造機72機の計706機を配備する。配備途中に改造予定の機体が損耗すれば、その分だけ新造機を増やして補う。ちなみに改造型はアパッチ・ブロック�VＡ、新造機はアパッチ・ブロック�VＢと呼ばれる。全長17.7m、胴体長15.06m、メインローター直径14.6m、小翼幅5.28m、全高4.95m、自重5.165トン、最大離陸重量9.19-10.433トン。エンジンはT700-GE-701Dターボシャフト（3780軸馬力）双発、最大速度304km、実用上昇限度6401m、戦闘任務時航続距離270海里、滞空時間３時間、戦闘行動時間2.5時間（IAFS搭載時）。乗員２名。試作初号機は2008年6月27日に初飛行し、2011年11月2日に量産初号機が引き渡された。2016年4月7日、AH-64DからAH-64Eアパッチ・ブロック�VＡへの改造契約（2015年度に48機、2016年度に64機、更にプラス５機の計117機）が締結された。2017年度は52機、2018年度は58機、2019年度は59機、2020年度は57機、2021年度は49機を改造する予定。AH-64Eの配備総数は767機に増えており、３分の１が能力強化型ロングボウレーダー搭載型、３分の１が有人無人チーム用、３分の１がレーダー無し・有人無人チーム機能無し版となる。参考：月刊軍事研究4,’13、4,’18、5,’16、4,’08、8,’08、1,’12、4,’12、2,’17、月刊JWings11,’06、1,’12、1,’13、3,’13、4,’13、4,’16、5,’18、6,’19、月刊航空ファン7,’16、12,’17

　＜ＡＨ−６４Ｅ（有人無人チーム用）＞：有人無人チームMUM-Tでの運用を行うタイプ。ロングボウレーダーを外したローターマスト上（ロングボウレーダーのレドーム内？）にロングボウ無人航空システム戦術共通アセンブリ（ロングボウUTA）、テイルブーム付け根上部に衛星通信用アンテナ、下部に空対空及び空対地通信用アンテナを装着し、左EFABにUA電子ユニットを搭載しており、MQ-1Cと有人無人チームを組み、MQ-1Cを遠隔操作して画像を受け取り、目標や脅威と判断すればそのままMQ-1Cに攻撃させることができる。RQ-7やスキャンイーグルといった偵察専用UAVとチームを組むことも可能。参考：月刊軍事研究4,’18

　＜ＡＨ−６４Ｅバージョン１＞：2012-14年度調達の91機で、ブロック�Vコア能力機とも呼ばれる。UAV統制機能レベル�W（ロングボウUTA）追加、新型ローターブレード装備、T700-GE-701Dエンジン搭載、駆動系・アビオニクス・通信機器改良などを行い、ブロック�Vフル能力の86%程度を獲得する。排気口は上に曲げて赤外線輻射を減らす。ロングボウUTAの初実証テストは既に実施されたと2009年1月28日に発表された。最終的にはバージョン３に改良される。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究4,’08、7,’09

　＜ＡＨ−６４Ｅバージョン４＞：2015-16年度調達の109機。バージョン１に加え、リンク16（スタブウイング上面にロッドアンテナ追加）、統合型診断機能、空対空対地（Air to Air to Ground）ビデオ中継能力を追加し、M-TADSソフトウェア８とPNVS用テレビ画像増強装置を装備、燃料系統に小型化耐クラッシュ外部燃料系統RCEFSを加えてスタブウイング内舷パイロンにセルフシーリング機能付125ガロン（473リットル）増槽を装着可能とし、フル能力の89%を獲得する。バージョン１の排気口改修による効果が薄かったため、航空機生残性プロダクト改善ASPIの名称で更なる改良を加え、ついでにエアインテイクにレーダーブロッカーを装着してRCSを減らす。最終的にはバージョン６に改良される。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究4,’08

　＜ＡＨ−６４Ｅバージョン６＞：2017年度から調達されるタイプAH-64E V6。バージョン４に加え、昼間用電子光学センサーとイメージフュージョン能力の追加、地上支援システムの改良などを実施する。AN/APG-78ロングボウ・レーダー探知距離を従来の２倍の16kmとして海洋モードを追加し、AN/APR-48も有効距離を16kmとすると共に周波数レンジを拡張、AGM-114ヘルファイアの射程も16kmに延伸する予定。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊軍事研究4,’18、4,’08、月刊JWings3,’18、4,’22

　＜ＡＨ−６４Ｄブロック�W＞：Ｅ型の改良型で、レーザーやノンリーサルウェポンを装備する。またAN/APG-78ロングボウ・レーダー搭載などでアンダーパワー気味となったエンジンの強化も予定している。2017年以降の生産を目指してボーイングが提案した。参考：月刊JWings11,’06

　＜ＡＨ−６４Ｆ＞：レーダーを換装した改良型で、ボーイング社が計画中。アメリカ陸軍としては2020年のAH-64E調達終了まで開発予算を出せないらしい。参考：月刊JWings1,’17、月刊航空ファン12,’16

　＜ＡＨ−６４（複合推進ヘリ型）＞：ボーイングがアメリカ陸軍将来型垂直離着陸機FVLのCS3向けに開発していた複合推進ヘリ型。尾部に５翅プッシャープロペラを追加し、主翼も装着している。2019年4月のFLRAA計画では攻撃ヘリとしての能力が省かれていたため、単なる社内研究機になった。将来型攻撃偵察機FARA計画向けとする予定も無いらしい。参考：月刊JWings8,’19

＜ＡＨ−６４海外シリーズ＞

　＜ＡＨ−６４Ａ（ＵＡＥ軍）＞：UAE軍攻撃ヘリ。30機を導入した。全機AH-64Dに改修する予定。参考：月刊JWings11,’06

　＜ＡＨ−６４Ａ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍攻撃ヘリ、別名ペテン。1990年代前半から導入、ラモン基地の第25航空団第113飛行隊に配備した。後に24機がAH-64Dに改造されたが、未改造のＡ型は第190飛行隊所属となり、ラマト・ダビド基地に移動した模様。参考：月刊軍事研究11,’06、月刊JWings7,’05、11,’15

　＜ＡＨ−６４Ａ（韓国軍）＞：1992年7月28日、機体37機、ヘルファイア775発、スペアエンジン８基、予備TADS/PNVS３基、2.75インチ（70mm）ロケット弾26500発、機関砲弾などを９億9700万ドルで売却するとアメリカ国防省が発表し、1995年から引き渡す予定だったが、この時は導入しなかった。参考：月刊航空ファン11,’92

　＜ＡＨ−６４Ｄ（ＵＡＥ軍）＞：UAE軍攻撃ヘリ。2002年8月に保有するAH-64A全機のアップグレードを決定した。AN/APG-78ロングボウ・レーダー、T700-GE-701Cエンジンの他、AGM-114Lヘルファイア�Uを240発導入する。AH-64Eにアップグレードする予定。参考：月刊JWings11,’06、3,’20

　＜ＡＨ−６４Ｄ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍攻撃ヘリ、別名AH-64D-Iサラフ（Sarat）。24機がAH-64Aから改造され、2005年4月10日に最初の３機を受領した。ラモン基地の第25航空団第113飛行隊に配備されている。新造機も配備中。参考：月刊軍事研究11,’06、月刊JWings7,’05、11,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＨ−６４Ｄ（インド）＞：2012年6月5日のアメリカ国防長官との会談で、22機の導入について話があったらしい。参考：月刊JWings8,’12

　＜ＡＨ−６４Ｄ（オランダ空軍）＞：オランダ空軍攻撃ヘリ。ヨーロッパ連合軍緊急対応部隊ARRFの空中機動師団に派遣されるオランダ空中機動旅団用としてAH-1W、A-129、ティーガー、AH-64Dが候補に挙がり、1995年4月7日に報告書が出され、AH-64Dの採用が決定、30機を調達することになった。任務は火力支援、情報収集、輸送ヘリの護衛、独立した情報作戦、長距離・広域制圧、平和協定の管理、監視など。2010年6月16日、バイオ燃料（藻と使用済み食用油から加工）と通常燃料を混合した燃料による飛行に成功した。機体に特別な改修は一切行っておらず、燃料は飛行試験前のテストでJP-8を上回る性能を発揮したという。2018年、AH-64Dブロック�U28機をAH-64Eにアップグレードする器材のFMS輸出通告がアメリカ国防保障協力局からアメリカ議会に提出された。9月14日にギルツリーヘン基地で28機に対するAH-64Eへの改修引合受諾書調印式が行われた。2022-25年に全機改修し、2050年まで運用する予定。2019年6月、テイルローターブレードに問題が見つかり飛行停止になった。ブレード交換が必要で、交換を終えた初号機は8月12日に初試験飛行を行っている。参考：月刊軍事研究7,’95、9,’10、月刊JWings9,’10、月刊航空ファン5,’18、12,’18、11,’19

　＜ＡＨ−６４Ｄ改修型（オランダ軍）＞：オランダ軍攻撃ヘリ。ロッキード・マーチン製アローヘッド近代化目標捕捉・指示照準器／パイロット暗視センサー標定航法システム、ハニウェル・センサー＆ガイダンス・プロダクツ製IHADSSを搭載した。参考：月刊軍事研究1,’04

　＜ＡＨ−６４Ｄ（クウェート陸軍）＞：クウェート陸軍攻撃ヘリ。HIDAS電子戦装置を搭載する。16機をAH-64Eに改修する予定。参考：月刊JWings1,’03、9,’18、3,’21

　＜ＡＨ−６４Ｄ（シンガポール空軍）＞：シンガポール軍攻撃ヘリ。1999年に８機を取得、2001年に22機の調達を承認した。2006年6月26日に実戦部隊である第120飛行隊が発足している。参考：月刊軍事研究5,’07

　＜ＡＨ−６４Ｄ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊戦闘ヘリコプター。ボーイング社名称はAH-64DJP（AH-64JP？）。2001年3月にAH-1Sの後継として要求が出され、8月27日にAH-1Zを破って採用された。高い戦場管制・捜索能力、ネットワーク能力を持つので、対戦車ヘリでなく戦闘ヘリという分類になっている。ブロック�Uロット７相当で、エンジンをT700-IHI-701Cに換装し、TADS/PNVSに換えて第２世代FLIR及び昼間用TVとして改良型CCDカメラを搭載したアローヘッドシステムを装備する。ノートパソコンによる整備システムが用意されており、ロングボウ・インテグレイテッド・メンテナンス・サポート・システムLIMSSとグランド・アナライズ・ソフトGASというソフトウェア（どちらも陸自独自）の入ったノートパソコンを自己診断システム用システムバスに接続して故障箇所を診断する。スタブウイング端に空対空スティンガー（ATAS）用ブラケットが作り付けてあり、ATAS用ランチャー・アダプターを介してATAS用ランチャー・ストラクチャーを取り付け、スティンガー発射筒２本を装着する。全長17.73m、胴体長15.47m、メインローター直径14.63m、スタブウイング幅5.23m、全高4.95m、空虚重量5.352トン、最大離陸重量10.107トン。エンジンはT700-IHI-701Cターボシャフト（最大出力1890軸馬力、連続最大出力1662馬力）双発、巡航速度210km（265km？）、最大速度270km（261km？365km？）、実用上昇限度4840m（5130m？）、航続距離407km（機内燃料のみ）／1896km（フェリー時）。固定武装は30mm機関砲M230E1が１門（装弾数1200発）。スタブウイングのパイロン（左外舷Sta.1、左内舷Sta.2、右内舷Sta.3、右外舷Sta.4）にAGM-114ヘルファイア用４連装ランチャーM299、70mmロケット弾用19連装ポッドM261、230ガロン（871リットル）増槽、翼端にスティンガー連装ランチャーを搭載可能。ただし230ガロン増槽にミサイル発射炎があたると危ないので、増槽とM299の混載はしない（M261となら可）。乗員２名。３号機以降は機体を富士重工、ロングボウシステムを三菱電機がライセンス生産した。ちなみにAH-64Dブロック�Uの製造はポジション10までの10段階で行われるが、ボーイングのビルディング520でポジション３までの組み立てが行われた後で日本に持ち込まれ、ポジション４以降を富士重工宇都宮工場で行い、完成させる。2006年3月15日に初号機と２号機、10月に３号機が納入され、陸上自衛隊開発実験団飛行実験隊で試験を行い、2007年3月15日に防衛大臣の部隊使用承認が得られた。導入総数は62機（60機？67機？）となる予定だったが、平成20年度概算要求で１機あたり83億円と高価なため（AH-1Sが１機あたり50-60億円で、性能差やインフレ率を鑑みると高すぎるどころかむしろ安いくらいだと思うが）と、ボーイングのAH-64Dブロック�U製造終了に伴って部品調達に支障を来す可能性が出てきたことから、平成21年度要求までの13機１個飛行隊分のみに止まることとなり、AH-1Sの代替機を別に選定することになった。平成20-21年度調達分の価格は、生産設備の減価償却費（初度費）残額が上乗せされたため、１機あたり200億円を超えてしまい、2008年12月10日の安全保障会議・閣議で発注が取り消された。初度費の残額支払いも取り消されてしまったため、初度費420億円のうち70億円しか回収の見込みが無くなった富士重工は2010年1月15日、防衛省相手に351億2400万円の賠償を求める訴訟を起こした。2014年3月4日の東京地裁一審では富士重工敗訴、3月13日に富士重工が高裁へ控訴。2015年1月29日の東京高裁二審で富士重工勝訴、2月10日に国が最高裁へ上告。2015年12月16日の最高裁で富士重工勝訴、国に利息含め482億円の支払いを命じた。防衛省は予算的な事でなく、ブロック�Uの固有部品調達に支障を来すためと調達打ち切りの理由を説明したが、ボーイングはアメリカ陸軍がブロック�U仕様を2025年まで使用することから長期的補給態勢を確保しているとしており、富士重工も輸入部品一括調達などの対策を検討していて、イスラエルなど他のブロック�U使用国はAH-64Dブロック�V／AH-64E以降へのアップグレード無しでの長期運用を予定しており、何ならイギリスのようにAH-64Dブロック�V／AH-64Eに改修もできるし、イマイチ説得力が無い。どうも弾道ミサイル防衛に予算を取られたようである。配備先は航空学校明野本校、航空学校霞ヶ浦校、教育支援飛行隊、研究本部開発実験団飛行実験隊で、2009年3月12日に９機目の機体が第３対戦車ヘリコプター隊に配備され、初の実戦部隊配備となった。2007年度分までの10機で生産が終わるとみられていたが、平成23年度以降に係る中期防で３機を導入することになり、結局配備機数は13機になった。2011年度予算で購入する11機目の価格は54億円で、AH-1Sの最終調達価格とあまり変わらない。2013年度予算で調達する最終13号機の価格は62億円（うち機体価格31億円）である。ちなみに初度費残額は含まれていない。2017年4月26日、アローヘッドシステムに能力向上用レーザー照準キットを適用し、M-DSA昼間センサーの改良を施すアップグレード契約と、長期維持契約PBLを、ロッキード・マーチン社と締結した。2018年2月5日、第３対戦車ヘリコプター隊所属機１機が佐賀県神埼市の住宅に墜落し、全機飛行停止と緊急点検の措置が執られた。2019年11月20日、航空学校明野本校で飛行を再開した。2021年3月18日、配備実戦部隊の第３対戦車ヘリコプター隊が第１対戦車ヘリコプター隊に改編された。代替・後継機は配備せず、攻撃用無人機などで置き換える予定。参考：月刊JWings6,’03、11,’05、9,’17、5,’18、4,'24、4,’15、6,’07、11,’07、6,’10、11,’10、3,’11、11,’12、5,’14、3,’17、2,’20、6,'21、2,'22、月刊軍事研究4,’08、6,’03、12,’07、2,’08、8,’08、3,’09、7,’09、11,’09、4,’10、5,’14、4,’15、2,'16、月刊航空ファン7,’00、4,’10、6,’11、5,’16、7,’16、5,’17、4,’18、月刊丸12,’10、JGround Vol.11、スピアヘッドNo.7、MAMOR vol.91、月刊世界の艦船5,’17、3,'23、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＨ−６４Ｄ−Ｉ＞：AH-64D（イスラエル）を参照。

　＜ＡＨ−６４Ｅ（ＵＡＥ）＞：UAE軍攻撃ヘリ。新造機９機とAH-64Dからの改修８機のFMS契約を2018年10月9日にアメリカ国防安全保障協力局が承認して議会に通告した。参考：月刊JWings12,’18

　＜ＡＨ−６４Ｅ（イギリス陸軍）＞：イギリス陸軍攻撃ヘリ。新造AH-64Eを50機FMSで購入し、2022年から配備する。また、保有する66機のWAH-64のうち50機にAH-64E相当の改修を施し、2024年5月31日までに全機配備する。改修はFMSで行うが、AN/APG-78ロングボウレーダーやイギリス仕様目標捜索識別システムなどを流用し、費用を削減する予定。2017年にまず38機分の改修契約をボーイング社と締結した。残り12機をどうするかは不明。参考：月刊JWings8,’17、月刊航空ファン8,’17、月刊軍事研究12,’16、11,’17

　＜ＡＨ−６４Ｅ（イラク）＞：石油施設をテロ組織から防衛するため、FMSでAH-64Eを24機（プラス６機をリース）、AN/APG-78ロングボウレーダーを12基、AGM-114Rヘルファイアを480発導入する予定で、2014年初めにアメリカに打診した。アメリカ議会は承認したが、スンニ派やクルド人に対する弾圧に流用される懸念が払拭されなかったためか、結局見送られている。参考：月刊JWings4,’14、月刊軍事研究3,’15

　＜ＡＨ−６４Ｅ（インド空軍）＞：インド空軍攻撃ヘリ、別名AH-64E(I)。1990年代から開発したインド国産プラチャンド戦闘ヘリがいつまで経っても完成しないため、2012年に22機の導入を決定、2015年9月29日に契約を締結した。機体はボーイング社とのDCS契約、装備品はアメリカ陸軍とのFMS契約で導入したため、機体はライトブルーグレイ塗装だが、アローヘッド、ロングボウ・レーダー、ロケット・ミサイルランチャー、増槽などFMS部分（と何故か主尾脚柱も）はオリーブドラブという状態で納入されており、塗り直しが面倒なのかそのまま配備が続いているものも多い。初号機は2018年7月26日に初飛行し、2019年5月10日にアリゾナ州メサのボーイング社工場で引き渡され、分解されてAn-124に積まれ7月27日にインドのヒンドン基地に到着した。組み立てた後はパタンコット基地に配備されている。9月3日、パタンコット基地で８機の就役式典を実施。2020年に22機全機の配備を終えた。参考：月刊JWings4,'23、12,'15、12,’14、9,’15、月刊軍事研究3,'16、月刊航空ファン9,’18、10,’18、8,’19、10,’19、11,’19

　＜ＡＨ−６４Ｅ（インドネシア陸軍）＞：インドネシア陸軍攻撃ヘリ。2012年に導入要望書をアメリカに送った。当初は民族・宗教弾圧の材料に使われる可能性があるとして相手にされなかったが、2013年8月26日に８機のFMS購入が認可された。予備部品や乗員訓練なども含めた導入価格は５億ドル。2018年5月16日、最初の３機の領収式典を実施。参考：月刊JWings12,’13、8,’12、月刊航空ファン8,’18

　＜ＡＨ−６４Ｅ（オーストラリア陸軍）＞：オーストラリア陸軍攻撃ヘリ。ティーガーARHの後継としてLAND4503計画でAH-64E、AH-1Z、タイガーARH改を検討し、2021年1月15日にAH-64Eに決定した。29機を2025年以降に導入する予定。2021年6月3日、アメリカがFMSの許可を出した。内容は機体29機、T700-GE-701Dエンジン58基（＋予備６基）、AN/ASQ-170とAN/AAR-11センサー29機分、AN/APG-78レーダー16機分、AGM-114R対戦車ミサイル85発、APKWS-GS2000個、訓練装置、シミュレータ、予備・修理部品、技術支援、技術・後方支援サービスで、計35億ドル規模になる。参考：月刊JWings4,’21、8,’21、8,’22

　＜ＡＨ−６４Ｅ（オランダ空軍）＞：オランダ空軍攻撃ヘリ。2018年9月14日、AH-64D攻撃ヘリ28機をAH-64Eに改修する引合受諾書調印式をギルツリーヘン基地で実施した。2021年から改修して2022-25年に配備し、2050年まで運用する。参考：月刊航空ファン12,’18

　＜ＡＨ−６４Ｅ（カタール空軍）＞：カタール空軍攻撃ヘリ。2016年に24機を発注し、初号機は2019年3月14日に引き渡された。2020年5月までに全機引き渡される予定。2019年5月9日にアメリカが追加で24機のFMS許可を出している。参考：月刊JWings3,’20、月刊航空ファン6,’19、8,’19

　＜ＡＨ−６４Ｅ（韓国陸軍）＞：韓国陸軍攻撃ヘリ。AH-1ZとT-129マングスタを破って2013年4月17日に36機（機体価格16億ドル、レーダー・兵装・訓練など含め36億ドル）の導入が決まり、2016年から配備した。2024年8月19日、36機のFMS輸出をアメリカ国務省が承認した。参考：月刊JWings7,’13、11,’13、11,’24

　＜ＡＨ−６４Ｅ（クウェート陸軍）＞：クウェート陸軍攻撃ヘリ。2020年12月29日、AH-64E新造機８機とAH-64Dからの改修16機、T700-GE-701エンジン新造22基と再生産36基、AN/AAR-57ミサイル警報27基、シミュレータ、パーツ、技術・兵站支援のFMS（総額40億ドル）をアメリカ国務省が承認した。参考：月刊JWings3,’21

　＜ＡＨ−６４Ｅ（サウジアラビア国家警備隊）＞：サウジアラビア国家警備隊攻撃ヘリ。2013年に12機を採用し、2014年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＨ−６４Ｅ（サウジアラビア陸軍）＞：サウジアラビア陸軍攻撃ヘリ。2013年に36機を採用し、2014年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＨ−６４Ｅ（台湾陸軍）＞：台湾陸軍攻撃ヘリ。2008年に30機を25億ドルで導入する契約を締結、2013年11月4日に第１バッチ６機、12月に18機が引き渡された。2014年12月までに全機（第５バッチまで）引き渡される予定。2014年4月25日、桃園基地で訓練中の１機が墜落して大破、乗員２名が重傷を負った。参考：月刊JWings2,’14、8,’14、月刊軍事研究5,’14、5,’09

　＜ＡＨ−６４Ｅ（ポーランド陸軍）＞：ポーランド陸軍攻撃ヘリ。2022年9月8日、Mi-24/-35攻撃ヘリの後継として96機を導入することにし、2023年7月21日にアメリカから輸出承認が出た。参考：月刊JWings12,’22、11,’23

　＜ＡＨ−６４Ｅ（モロッコ軍）＞：モロッコ軍攻撃ヘリ。2019年11月20日、アメリカ国防安全保障協力局が24機（＋オプション12機）、エンジン、搭載機器、運用兵装（APKWS含む）のFMS輸出許可を出した。2020年6月25日、ボーイング社が24機の受注を発表した。2024年から納入予定。参考：月刊航空ファン2,’20、月刊JWings9,’20

　＜ＷＡＨ−６４＞：イギリス陸軍攻撃ヘリ。AH-64Dブロック�Tスタンダードを採用したもので、制式名はアパッチAH.1である。エンジンをロールスロイス・チュルボメカ製RTM322-01/12、電子戦装置をHIDASに換装し、ミサイル誘導用ミリ波シーカーをプリムストーン製に変更した。オーシャン級揚陸艦で運用できるよう、ローターブレードに折り畳み機構を追加している。BAe社製CRV-7ロケット弾とスターストリーク空対空ミサイルの搭載が可能。67機が採用された。不朽の自由作戦に投入されたが、過酷な環境で兵装搭載量と滞空時間を確保するため、AN/APG-78ロングボウレーダーは外している。それでも滞空時間が不足しがちなようで、30mm機関砲弾の装弾数を最大300発に減らし、110ガロン（416リットル）燃料タンクを増設して滞空時間を１時間ほど増やす予定。不朽の自由作戦での戦闘任務が終了したため（１機を損耗）、2015年3月19日に16機をモスボール状態とし、50機を運用している。戦力強化のため運用を継続する50機はAH-64Eに改造する予定で、2015年3月初めにAH-64Eへのアップグレードに関するRFIを発出した。参考：月刊PANZER1,’98、月刊JWings2,’03、月刊軍事研究7,’97、1,’00、7,’10、6,’15、12,’16、月刊世界の艦船11,’13、月刊航空ファン10,’16、8,’17

　＜アパッチＡＨ．１＞：WAH-64を参照。

＜ＡＨ−６４Ｄに関する品質補償費＞：自衛隊がアメリカ国防契約管理庁に発注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＡＨ−６４Ｄ無線送受信装置（輸入）＞：自衛隊の機器。シマヅプレシジョンインスツルメンツインクが受注している。参考：月刊軍事研究11,’15

＜ＡＨ−６４Ｄ用火工品（緊急脱出装置用・輸入）＞：自衛隊の機器。富士重工が受注している。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ＡＨ−６４Ｄ用データ・トランスファ・ユニット（輸入）＞：自衛隊の機器。富士重工が受注している。参考：月刊軍事研究10,’14

＜ＡＨ−６４Ｄ用データ・モデム（国産）＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究2,’15

＜ＡＨ−６４Ｄ用ドップラ速度センサ（国産）＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ＡＨ−６４Ｄ用ヘルファイア・ミサイル・ランチャ（輸入）＞：自衛隊の機器。三菱商事が受注している。参考：月刊軍事研究8,’15

＜ＡＨ−６４Ｄ用メンテナンスデータ解析装置＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜ＡＨ−６４Ｄ用目標照準サイト改修用構成品＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月間軍事研究7,’18

＜ＡＨ−６４Ｄ用目標照準サイト／操縦用暗視装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜ＡＨ−６８Ａ＞：AH-1Z（攻撃ヘリ）を参照。

＜ＡＨ−８５シリーズ＞：イラン軍攻撃ヘリ、別名シャヘド285。ベル206のコピーであるシャヘド278を改造している。参考：月刊JWings8,’15

　＜ＡＨ−８５Ａ＞：陸軍型。シャヘド278のキャビンを廃止、胴体左右を削ぎ落として胴体やエンジン周囲を平面構成にし、コクピットを１名用に変更した。降着装置、テイルブーム、水平・垂直安定板はそのままである。機首下面に前方固定7.62mm機銃があり、後期型では銃塔に換装した。胴体左右に棒状の兵装取り付けバーが突き出しており、ロケットポッドや対戦車ミサイルランチャーを装着可能。エンジンはアリソン250-C20/C20Bターボシャフト。参考：月刊JWings8,’15

　＜ＡＨ−８５Ｂ＞：AH-85Aの重武装型らしい。参考：月刊JWings8,’15

　＜ＡＨ−８５Ｃ＞：海軍型。機首の機銃を外して捜索レーダー（探知距離30-40km）を搭載している。兵装取り付けバーにはサディド１対戦車ミサイル４連装ランチャーや対艦ミサイル１発を装備可能。参考：月刊JWings8,’15

＜ＡＨＣＤＳ＞：HYQ-2（戦術情報処理装置）を参照。

＜ＡＨＥＡＤ＞：エリコン・コントラバス社の35mm先進高効率・破壊プログラム化信管弾薬Advanced Hit Efficiency And Destruction。発射時に砲身のコイル２個で弾速を測り、砲口部のコイルで最適信管遅延秒時を入力、目標近位で炸裂し、重量3.3gのスピン安定タングステン貫徹子152個を迎撃目標に向けて頂角20度の円錐状に発射する。無信管モードでは弾薬は一体となって目標を直撃し、55mm厚のモノブロック装甲を貫徹できる。フランジブル弾と同様の効果を発揮させることも可能。砲弾重量750g。35mm機関砲ミレニアムから発射できる。参考：月刊軍事研究3,’00、6,’01、7,’09、3,’99、月刊世界の艦船1,'15増刊、3,’21

＜ＡＨＥＬ＞：アメリカ空軍特殊戦コマンドAFSOCとロッキード・マーチン社が開発している航空機搭載レーザー砲で、空中高出力レーザーの略。AC-130ガンシップ用の対地攻撃用レーザー砲で、大きな機内容積を活かして大出力レーザー砲を積み、弾道計算と弾薬が不要という利点を活かして任務を行う。2015年から開発しており、当初は2019年に実用化する予定だったが遅れていて、2021年に試作レーザー砲搭載AC-130Jがアメリカ空軍に引き渡された。2024年1月から飛行試験に入る予定だったが、同年に計画中止になっている。参考：月刊JWings1,’22、6,’24

＜ＡＨＬ＞：中国のアビコプターが2017年9月の中国ヘリコプター展覧会で展示した重輸送ヘリコプター・コンセプトで、Mi-46に似ている。最大離陸重量38.27トン。エンジンはウクラニアン・モーター・シッチJSG／イヴァチェンコ・プログレスAI-136Tターボシャフト、巡航速度270km、航続距離800km。機内ペイロード10トン、スリング・ペイロード15トン。参考：月刊軍事研究3,’18

＜ＡＨＲ＞：自動高々度給油の略。DARPAとノースロップ・グラマン社が研究を計画している、高々度無人機（RQ-4グローバルホーク）同士の自動空中給油テストである。2011年1-3月の試験では最大9mの近接飛行を行った。参考：月刊軍事研究6,’13

＜ＡＨＲＩＭ＞：Active Homing RIMの略。AAM-4を撃ち放し式艦対空ミサイルに改造したもので、FCS-3と組み合わせて限定艦隊防空（Limited Local Area Defence）能力を発揮する。13中期防で開発中止になった。参考：月刊世界の艦船8,’12、月刊丸1,’10別冊

＜ＡＨＲＬＡＣ＞：南アフリカのパラマウントグループ傘下エアロシュッド社が2009年（2011年？）から開発中（2013年からATE社、2016年からボーイングが参加）のCOIN機で、先進型高性能軽攻撃機（Advanced High-performance Reconnaissance Light AirCraft）の略。アルミ合金及び複合材製のツインテールブーム機で、高翼配置で軽い前進角を持つ主翼の半ばからテイルブームが後ろに延びている。機首にエアバス・ディフェンス・システムズ社製アルゴス�U電子光学センサーを装備。胴体内にはペイロードベイがあり、空中投下用貨物、合成開口レーダー、増加燃料タンクなどを収容可能。コクピットはタンデム複座で、マーチンベイカーMk16射出座席を採用した。エンジンは胴体後部に搭載する。テイルブーム尾部に垂直尾翼が１枚ずつ付いている。全長10.5m、全幅12m、全高4m、自重２トン、最大離陸重量3.8トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-66Bターボプロップ（950軸馬力）単発、推進はプッシャープロペラ、最大速度555km（504km？）、実用上昇限度9450m、航続距離1150-1300海里／2000海里（増槽あり）、航続時間6.5時間／10.5時間（フェリー）。固定武装は機首の20mm機関砲１門。ペイロード0.8トンで、主翼下に4-6カ所のハードポイントを持ち、爆弾、ロケット弾、ミサイルなどを搭載できる。乗員２名。2012年7月の初飛行を目指していたが、2014年7月26日になった。ユニットコスト1000万ドル以下にする予定で、UAV型も開発予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’12、11,’14、月刊軍事研究12,’16、1,’15、12,’12

＜ＡＨＳＶＳ＞：カナダ軍の装甲トラックで、Armored Heavy Support Vehicle Systemの略。ダイムラー社製メルセデスベンツ・アクトロスをベースとしている。参考：月刊グランドパワー6,’10

＜ＡＨＴＳ＞：TH-73A（練習ヘリ）を参照。

＜ＡＨＷ＞：先進型超音速兵器を参照。

＜ＡＨＸ＞：ASEAN災害救援実動演習を参照。

＜ＡＩ＞：航空阻止を参照。

＜ＡＩ３＞：レイセオン社が開発中の拠点防空迎撃システムで、Accelerated Improved Intercept Initiativeの略。ミサイルはAIM-9Mサイドワインダーのロケットモーターを流用し、ATK社製新型弾頭とミリ波セミアクティブ・レーダー・ホーミング・シーカーを積む。ランチャーはアヴェンジャー自走地対空ミサイルと同じもので、射撃統制レーダーとしてKRFS火器管制レーダーを搭載し、AN/TPQ-64対砲迫レーダーともリンクする。低空巡航ミサイルや偵察用無人機に加え、ロケット弾や迫撃砲弾の迎撃にも使える。2012年2月にプロトタイプが完成してテストした結果、107mmロケット弾の迎撃能力に問題があったため、射撃統制レーダーをMFRFS多機能レーダーに換装し、誘導方式をSARHからミサイル搭載センサーによる撃ちっ放し式に変更した。2013年5月にはアメリカ陸軍と開発契約を結び、8月の自社テストで107mmロケット弾の迎撃に成功、9月末にアリゾナ州ユマ試射場で陸軍の試射を行った。ただ陸軍ではそれ以上の開発に進む予定は無いらしく、レイセオン社が独自で完成させる予定。参考：朝雲、月刊軍事研究4,’14

＜ＡＩ−２２２−２５＞：Yak-130に搭載されているターボファンエンジン。ロシアのクリモフとスロバキアのポヴァーシケ・ストロヤルネがDV-2S（RD-35ともいう）の名称で開発し、ZMKB−プログレスで量産した。推力2.5トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＩＣ＞：CIC（戦闘情報センター）を参照。

＜ＡＩＣ−１８＞：アメリカ空軍のパイロット用インターコムで、A-10Aに搭載されている。パイロットのヘッドセット／マイクロホンと接続し、スロットル・レバーにあるスイッチを入れると、無線機などを介して交信できるようになる。空中給油ブームがリセプタクルと結合すると、空中給油機との有線通信回路が接続され、無線封鎖したままでの交話が可能となる。地上ではガイブインターホン・ステーションを介して地上員と連絡が取れる。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＡＩＤＣ＞：台湾の航空機メーカー。1969年4月、台湾国防部傘下に航空工業開発中心（Aero Industry Development Center）という名称で創設された。1973年、T-CH-1中興練習機を開発。1980年、自強練習機を開発。経国の開発にも着手した。1983年、中山科学研究院に移管された。1996年7月、経済部工業局傘下の航空宇宙企業として漢翔航空工業股份有限公司（Aerospace Industrial Development Corporation）という名称で再編された。民営化が決定しているが、2013年現在、国営企業のままである。参考：月刊JWings11,’13

＜ＡＩＤＥＷＳ＞：AN/ALQ-211シリーズ（電子戦装置）を参照。

＜ＡＩＤＳ＞：飛行記録集積装置を参照。

＜ＡＩＥＷ＞：AN/SLY-2(V)電子戦装置を参照。

＜ＡＩＦＦ＞：先進敵味方識別装置の略。IFFの機能をレーダーから独立させることでレーダー機能との併用が可能となり、味方の交戦状況を把握するような使用法が可能となった。コクピット前方に小さな板状アンテナが並んでいるのが特徴で、アンテナ全体をフェアリングで覆っているF/A-18E/Fのような例もある。参考：月刊JWings4,’04

　＜ＡＩＦＦ（Ｆ−２）＞：航空自衛隊F-2戦闘機用。レーダーが機械旋回式ではないので、独立させる以外に方策は無く、このタイプを採用した。風防前方に板状アンテナ５枚が扇状に並んでおり、電子走査スキャンを行う。参考：月刊航空ファン11,’92

　＜ＡＩＦＦ（Ｆ−１６）＞：F-16戦闘機用で、F-16ADFから装備した。風防前方に板状アンテナ４枚が横一列に並んでおり、電子走査スキャンを行う。AN/APG-66レーダーアンテナと同調させるモードと別個に走査するモードがあり、捜索距離はレーダーの2.5倍に達し、捜索空間は左右120度・上下12度である。F-16Cブロック50には捜索空間を左右180度・上下120度にした改良型を装備し、レーダー探知距離以遠の目標捜索も行えるようにする予定だったが、没になっている。参考：月刊航空ファン11,’92

＜ＡＩＦＶ＞：歩兵戦闘車を参照。

＜ＡＩＦＶ＞：アメリカのFNC社が開発した歩兵戦闘車で、Armored Infantry Fighting Vehicleの略。当初はアメリカ陸軍向けにXM765として開発したが、不採用となり、オランダ陸軍が2200両、ベルギー陸軍が514両、フィリピン陸軍、トルコ陸軍が1700両、韓国陸軍が300両以上、台湾陸軍が500両以上を配備した。車体はM113ベースの5083アルミニウム合金製で、車体前・後面と砲塔前面に7039アルミニウム合金製増加装甲がボルト止めされ、車体・砲塔側面にはスペースド・ラミネートアーマーがボルト装着されている。これらの装甲間の中空部分にはプラスチック系ボンド（ポリエチレン樹脂？）を充填して水上航行を可能とした。防御力は前面で20mm弾の直撃に耐え、側面は対戦車ロケットに抗堪できるといわれる。車体後面は一枚式の乗降ランプで、これも中空装甲になっている。車体後上部は斜めに削ぎ落とされ、ガンポートとM27ペリスコープを車体両側面に２基ずつ、車体後面ランプに１基ずつ装備する。キャビン内にあった燃料タンクはキャビン外の車体後部両側に移した。車体前部右が機関室、左が操縦手席でハッチとペリスコープ４基が用意され、その後ろが車長席でハッチとペリスコープ５基を持つ。車体前面には６連装発煙弾発射機を備える。機関系はM113A1と同様だが、サスペンションをチューブ収容トーションバー式として不整地行動力を向上させた。履帯はアメリカ製T130E1。車体上面やや前方右寄りには１名用砲塔TBAT-1が搭載されており、作動は電動モーターによる油圧駆動方式で、主砲はエリコン・コントラバス社製KBA-B02機関砲（即用弾180発、予備144発）、副武装は7.62mm同軸機銃（即用弾230発、予備1840発）。主砲俯仰角マイナス10度からプラス50度。旋回速度毎秒60度。オプションで砲安定化装置を搭載できる。砲塔前部両側面には円形のカバーがあり、これを外すと十字の孔とその後方に２つの丸い孔が出現する。真ん中の横に長い孔は機関砲排莢孔、上下は弾薬リンクの排出口、丸い孔は排煙用小型ファン。照準器は等倍・倍率７倍切り替え式のM36で、砲塔右に赤外線プロジェクターを搭載しており、赤外線バイザーを使用してのアクティブ赤外線暗視が可能である。兵員室には３名ずつが背中合わせに座る。全長5.26m、全幅2.82m、全高2.62m、重量13.69トン。エンジンはGMデトロイト事業部製6V-53T水冷６気筒２サイクルＶ型ディーゼル（260馬力）、トランスミッションはアリソンTX100-1A（前進３速・後進１速）、操向装置はFMC製DS200ステアリング・クラッチ付きコントロール・デファレンシャル、最大速度61.2km、水上最大速力6.3km（履帯駆動）、航続距離490km。乗員３名＋搭乗歩兵６名（７名？）。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、1,’04、月刊PANZER5,’06、5,’01、11,’03、12,’11、月刊丸3,’13

＜ＡＩＦＶ海外シリーズ＞

＜ＡＩＦＶ（オランダ陸軍）＞：オランダ陸軍歩兵戦闘車。1975年に880両の導入を決定した。参考：月刊PANZER12,’11

＜ＡＩＦＶ（台湾陸軍）＞：台湾陸軍歩兵戦闘車。主武装が12.7mm機銃となっている。エンジンは6V-53。参考：月刊PANZER5,’01

＜ＡＩＦＶ（装甲兵員輸送車型、トルコ陸軍）＞：トルコ陸軍装甲兵員輸送車。12.7mmと7.62mm機銃各１丁を搭載したデルコ社製銃塔を搭載している。参考：月刊PANZER11,’03

＜ＡＩＦＶ−ＡＰＣ＞：ベルギー陸軍装甲兵員輸送車。砲塔を撤去して大型キューポラと12.7mm機銃を装備している。参考：月刊PANZER11,’03

＜ＡＩＦＶ／Ｃ２５ｍｍ＞：ベルギー陸軍歩兵戦闘車。砲塔両側面に３連装発煙弾発射機を１基ずつ追加して車体前面のものは外し、同軸機銃をMAG58に換装した。履帯は早い段階でディール社製のものに変更している。参考：月刊グランドパワー1,’04、月刊PANZER11,’03

＜ＡＩＦＶ−ＧＩＡＴ２５ｍｍ砲塔＞：トルコ陸軍歩兵戦闘車。フランスGIAT社製のドラーガー砲塔を装備している。主砲は25mm機関砲M811で、砲塔両側面に３連装発煙弾発射機を搭載する。1997年に試験されて採用された。参考：月刊PANZER 2,’99

＜Ｋ２００シリーズ＞：K200シリーズを参照。

＜ＫＩＦＶ＞：K200シリーズを参照。

＜ＹＰＲ７６５シリーズ＞：YPR765シリーズを参照。

＜ＡＩＭ＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＩＭ＞：イギリスのコンバーチーム社（後にGE社に買収されてGEパワー・コンバージョン社）が開発した交流式同期電動モーターで、Advanced Induction Motor（先進誘導電動機）の略。出力20MW。45型デアリング級駆逐艦とクイーン・エリザベス級空母に搭載された。また、一部カットした２基を連結して出力34.6MWとしたタイプ（重量150-200トン）をコンバーチーム社から技術導入を受けたカーチス・ライト社が設計し、ズムウォルト級に搭載した。参考：月刊世界の艦船8,’16、2,’15、12,’17、月刊軍事研究12,’15、8,’09

＜ＡＩＭ−４シリーズ＞：アメリカ空軍の空対空ミサイル、別名ファルコン（AIM-4E以降はスーパーファルコン）。メーカーはヒューズ・エアクラフト社で、アメリカ陸軍と開発契約を結んだ爆撃機自衛用亜音速空対空ミサイルMX-798の超音速バージョンMX-904をベースにした迎撃機用空対空ミサイルとして1950年から開発した。当初は無人戦闘機扱いでXF-98と呼ばれており、次いでAAM-A-2に変わり、その後GAR-1となり、最終的に本名称に変更されている。世界初の実用空対空ミサイルとして1954年から配備された。参考：月刊軍事研究1,’12、3,’04、月刊JWings4,’12

　＜ＡＩＭ−４Ａ＞：GAR-1D。誘導はセミアクティブ・レーダー・ホーミング。全長1.98m、直径0.163m。参考：月刊軍事研究1,’12、3,’04

　＜ＡＩＭ−４Ｂ＞：GAR-2。誘導方式を赤外線パッシブ・ホーミングとしたもの。シーカー能力の関係でエンジン排気口を後ろからロックオンする必要がある。尾部ラダーで飛行制御する。全長2.02m、直径0.165m、十字翼スパン0.51m。参考：月刊軍事研究3,’04、1,’12

　＜ＡＩＭ−４Ｃ＞：GAR-2A。シーカーを改良したもの。参考：月刊軍事研究1,’12

　＜ＡＩＭ−４Ｄ＞：Ｃ型の弾体とＧ型の改良型赤外線シーカーを組み合わせた対戦闘機用。F-4Dに搭載する予定で開発・配備されたが、性能が悪く、サイドワインダーに積み替えるケースも見られた。全長2.06m、直径0.17m、翼スパン0.61m、重量145ポンド（65.8kg）。推進はサイオコールM46固体燃料ロケットモーター、最大速度マッハ４、射程６海里。航空自衛隊も採用した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、自衛隊装備カタログ1981

　＜ＡＩＭ−４Ｅ＞：GAR-3。ダブルベース推進薬を使用して射程を延ばしたものである。誘導はセミアクティブ・レーダー・ホーミング。参考：月刊軍事研究1,’12、U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＩＭ−４Ｆ＞：GAR-3A。セミアクティブ・レーダー・ホーミング型。参考：月刊軍事研究1,’12

　＜ＡＩＭ−４Ｇ＞：GAR-4A。AIM-4Eの赤外線受動誘導型である。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＡＩＭ−７シリーズ＞：アメリカ軍の空対空ミサイル、別名スパロー（Sparrow）。海軍の要求で1946年5月に開発が始まり、1956年に実用化された。ベトナム戦争にAIM-7D/-7E/-7E2を投入したものの、撃墜率は１割以下だった。その後は改良が進み、湾岸戦争ではAIM-7Mが視程外戦闘における全スコアを叩きだしている。1990年代中期まで配備されてAIM-120AMRAAMに後を譲った。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、F-15イーグル、月刊軍事研究1,’12

　＜ＡＩＭ−７Ａ＞：爆撃機迎撃が主任務で、1947年からKAS-1という名称でスペリー社が開発し、次いでAAM-2となり、1948年にAAM-N-2と改称され、AAM-N-2スパロー�Tの名で1948年に実用化された。弾体中央部に十字の操縦翼、尾部に十字の安定翼を持つ。誘導はレーダー・ビーム・ライディング方式で、ミサイル先端に直径６インチ（152.4mm）のアンテナを収容する。全長3.56m、翼スパン0.99m、発射重量141kg。射程8km。誘導方式の関係で命中率がイマイチであり、AIM-7Bが開発された。参考：ザ・マーチ40号、月刊軍事研究1,’12、U.S.ウェポン・ハンドブック、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＩＭ−７Ｂ＞：当初はAAM-N-3スパロー�Uという名称だった。AIM-7Aの誘導をアクティブ・レーダー式にして撃ちっ放し能力を獲得させたもので、ダグラス社が開発した。全長3.66m、翼スパン0.99m、発射重量191kg。誘導はアクティブ・レーダー・ホーミング。射撃指揮レーダーが無いF-8昼間艦上戦闘機などに搭載する予定だったが、当時の技術では弾頭部に収められる大きさのレーダーを完成できず、発射試験が行われたのみで1956年に開発中止となった。参考：ザ・マーチ40号、月刊軍事研究1,’12、月刊JWings7,’19

　＜ＡＩＭ−７Ｃ＞：誘導方式をセミアクティブ・レーダー・ホーミングに換えたタイプで、1951年からレイセオン社がAAM-N-6スパロー�Vという名称で開発し、1958年に実用化された。発射母機からの連続波をミサイル後部のアンテナで、目標からの反射波をミサイル頭部のアンテナで捉え、ドップラー効果を利用して目標の位置を割り出し、操縦翼を制御して突入する。全長3.66m、翼スパン1.02m、発射重量172kg。射程40km。参考：ザ・マーチ40号、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究1,’12

　＜ＡＩＭ−７Ｄ＞：当初はAAM-N-6AまたはAIM-101という名称だった。全長3.66m、翼スパン1.02m、発射重量200kg。誘導はSARH、射程40km。参考：ザ・マーチ40号

　＜ＡＩＭ−７Ｅ＞：当初はAAM-N-6Bという名称だった。ロケットモーターを固体燃料に変更したタイプである。弾体は前方からレドーム、レーダー・エレクトロニクス収容部、オートパイロット収容部、動翼操作部、炸薬、ロケットモーターとなっており、レーダー・エレクトロニクス収容部とオートパイロット収容部の側面にはサイドアンテナ、レドームを除く弾体全長の下面には後部アンテナ・ウェーブガイド、動翼操作部には可動翼４枚、尾部には安定翼４枚が装着される。信管は近接／触発式。全長3.65m、直径0.20m、翼スパン1.02m、テイルフィン幅0.82m、重量205kg、弾頭炸薬重量30kg。誘導はSARH。推進はロケットダインMk38Mod4またはアエロジェットMk52Mod2ロケット、燃焼時間2.8秒、最大速度マッハ４、射程44km。1963年から生産され、ベトナム戦争勃発もあり25000発以上が納入された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、ワイルドウエポン、ザ・マーチ17号

＜ＡＩＭ−７Ｅ−２＞：ベトナム戦争前半で、対戦闘機用としては運動能力に欠けることが判明したため、それを改善したタイプ。1972年4月からベトナム戦争に投入され、エース４名を輩出した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−７Ｆ＞：第３世代スパローといえる、ポストベトナム戦争バージョンで、F-15用として開発され、1975年に完成した。DSQ-35誘導セクション、WDU-10/B弾頭セクション、WCU-5/B操縦セクション、Mk.58ロケットモーターから構成される。制御部をソリッドステート化して小型にし、弾頭部の後ろに配置、その分ロケットモーターを大型化して射程をそれまでの２倍近くに延伸した。また、モノパルス・ホーミング・ヘッドの採用によりFCS用パルス・ドップラー・レーダーでも誘導が可能となり、7G旋回で逃げる目標に追随でき、クラッターにも強い。平均故障発生率は470時間で、AIM-7Eの8-9倍に延びた。弾体最前部がレドームで、P/N917AS726レドームと、少し長めのP/N917AS1059の２種があり、内部にレーダーアンテナを収容する。その後ろがターゲット・シーカーで、レーダー機器などを収容しており、側面にはサイドアンテナが付いている。その後方が弾頭で、更に後ろが可動翼４枚の付いた動翼操作部であり、ターゲット・シーカーから動翼操作部にかけての下面（パイロン接続部分の反対側）には後部アンテナの前半部が取り付けられている。動翼操作部よりも後ろはロケットモーターで、下面に後部アンテナ後半部が装着され、尾部に安定翼４枚が付く。1975年から配備された。全長3.658m（P/N917AS1059レドーム装備時）／3.594m（P/N917AS726レドーム装備時）、直径0.203m、前部動翼スパン1.016m、尾部安定翼スパン0.803m、重量503ポンド（228kg）。弾頭はMk71で、重量84ポンド（38kg）、炸薬重量26ポンド（12kg）、鋼鉄のロッドが仕込まれている。推進はハーキュリーズMk58またはエアロジェットMk61固体燃料ロケットモーター、速度マッハ４以上、射程62海里。航空自衛隊も採用した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、ワイルドウエポン、ジェット戦闘機、ザ・マーチ40号、月刊JWings7,’12

＜ＡＩＭ−７Ｇ＞：Ｆ型の誘導システム改良型。採用されず。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−７Ｈ＞：Ｇ型の改良型。採用されず。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−７Ｍ＞：Ｆ型の改良型で、信頼性とECCM能力を向上させている。デジタル・インバース・モノパルス・シーカーを採用し、妨害波の除去能力を強化、ルックダウン・シュートダウン能力を得た。レドームをフォン・カルマン型に変更して高速フラッターを減少させる翼型を採用、高空での誘導性能を強化している。弾頭は爆風破砕型のWDU-17/Bで、目標が向かってくる場合と追尾していく場合とで炸裂パターンを変化させる。デジタル・プロセッサーはプログラム変更が可能で、ECMの変化に対抗できる。信管がアクティブレーダー式になり、自動操縦装置も改良された。1983年から配備され（1982年から運用され？）、湾岸戦争で71発（うちF-15が67発。計76発？）発射され、43機（26機？）を撃墜した。全長3.66m、直径0.203m、翼スパン1m、重量231kg、弾頭重量40kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ４、最大射程70-100km。航空自衛隊も採用し、三菱電機で生産している。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、軍事分析湾岸戦争、月刊丸10,’97、自衛隊装備年鑑1996、月刊航空情報11,’09、ザ・マーチ23号、40号、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings10,’19

＜ＡＩＭ−７Ｐブロック１＞：信管を改良して小型目標に対する迎撃能力を向上させたタイプ。WGU-23D/B誘導セクション、WDU-27/B弾頭セクション、WCU-15/B操縦セクション、Mk.58ロケットモーターで構成される。全長3.66m、直径0.2m、発射重量227kg。1990年から生産された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings7,’12、月刊軍事研究6,’14

＜ＡＩＭ−７Ｐブロック２＞：中間飛翔誘導アップデート用のデータリンク受信機を付けたタイプ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−７Ｒ＞：シーカーをレーダーと赤外線の複合モードに変更したもの。1990年代初めから開発されたが、1996年に計画中止となった。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−７ファミリー＞

　＜ＣＡＴＭ−７Ｍ＞：AIM-7Mの訓練弾。参考：月刊航空ファン2,’17

＜ＡＩＭ−７海外シリーズ＞

＜Ｒｂ．７１＞：スウェーデン空軍空対空ミサイル。参考：月刊JWings4,’02

＜ＡＩＭ−７Ｍダミー弾＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜ＡＩＭ−９シリーズ＞：アメリカ軍の赤外線受動誘導式短射程空対空ミサイル（WVRAAM）、別名サイドワインダー（Sidewinder）。世界で最も多く生産されている空戦用ミサイルである。1949年からアメリカ海軍が開発し、後に空軍も採用した。各セクションはモジュール化されており、改良は容易である。シーカーの後ろに青いリング塗装が施されていれば訓練用の無炸薬弾頭、黄色ければ実弾頭。ロケットモーター部分に赤いリング塗装が施されていれば訓練用の無推進薬型、茶色ならば推進薬あり。アンビリカル・コードに青いクランプが使用されていれば訓練用、全体が黒ければ実戦用。参考：月刊軍事研究2,’04、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings7,’14、週刊ワールドウェポン17

　＜ＡＩＭ−９Ａ＞：試作型。当初はAAM-N-7サイドワインダー�Tと呼ばれ、1963年にAIM-9Aに改称された。参考：月刊JWings10,'23、U.S.ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＩＭ−９Ｂ＞：初期量産型。AAM-N-7Aサイドワインダー�TＡという名称で1956年に海軍に配備され、空軍も1956年9月にGAR-8として採用し、1963年の名称統一でAIM-9Bに改称された。単純デルタ翼形状の前方カナードにより飛行制御を行うが、弾体が回転（ロール）すると同じカナードを動かしても弾体の動きが変化してしまうため、大きなクリップド・デルタ翼形状の後部フィンの端にロールロンというロール制御用の可動部分がある。ここに気流によって回転するジャイロが組み込まれており、ミサイルが回転しようとするとロールロンの迎え角が逆向きにロールする方向に自動的に変わり、結果的にロールを抑える。赤外線検出素子は硫化鉛製で、後方象限からエンジン排気口をロックオンする必要がある。全長2.87m、直径0.127m、翼スパン0.56m、重量72kg。推進はMk17固体燃料ロケット（燃焼時間2.2秒）、最大速度マッハ2.5（3.5？）、射程3.4km（5km？）。信管は赤外線作動式。誘導制御回路には超小型真空管「サブ・ミニチュア管」が使用されている。1958年、台湾空軍F-86戦闘機が中国空軍MiG-15戦闘機と交戦した際に使用し、11機を撃墜して損害はゼロだった。この時ミサイル１発が不発のままMiG-15戦闘機に突き刺さり、中国に持ち帰られたが、シーカー部分は大破していたと見られ、コピーはできなかったと思われる。同時期に西ドイツから１発が盗まれてソ連に送られ、1959年にK-13空対空ミサイル、次いで1960年にR-13空対空ミサイルが開発された。ベトナム戦争では水田に反射した太陽がシーカーに入って地面に突っ込む事象が多発し、AIM-9Eが開発されることとなった。ベトナム戦争での撃墜率は15%。航空自衛隊も導入した。参考：月刊軍事研究3,’04、U.S.ウェポン・ハンドブック、火器弾薬技術ハンドブック、月刊丸1,’98、F-15イーグル、ワイルドウエポン、自衛隊装備カタログ1981、世界の傑作機No.1、月刊JWings10,'23、7,’24

　＜ＡＩＭ−９Ｃ＞：海軍F-8戦闘機用セミアクティブ・レーダー・ホーミング型、別名サイドワインダー�TＣ。1962年に採用され、1000発が生産された。1970年夏には退役して海兵隊に移管され、AGM-122に改造されている。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、週刊ワールドウェポン17、世界の傑作機No.1

　＜ＡＩＭ−９Ｄ＞：海軍型、別名Mk29Mod0サイドワインダー�TＤ。Ｂ型の改良型で、先端のシーカー部を抗力の小さい円錐形に変更し、ロケット燃焼時間とミサイル飛翔時間を延長、前部カナードを大型にし、信管を電波作動式に戻した。全長2.91m、発射重量84kg。推進はMk36固体燃料ロケット（燃焼時間５秒）１段式、最大射程２海里以上、飛翔時間60秒。1965年に採用され、1000発が生産された。参考：月刊JWings10,’23、U.S.ウェポン・ハンドブック、空軍、月刊丸1,’98、世界の傑作機No.1

　＜ＡＩＭ−９Ｅ＞：空軍型。Ｂ型の改良型で、赤外線検出器にベルチェ熱電素子による冷却機能を追加、シーカー作動角を増し、シーカー追尾角速度を毎秒16.5度に強化、シーカードーム材質を無機ガラスからフッ化マグネシウムに変更し、低空作戦能力を高めた。先端部分を延長して尖頭型にし、ロケットモーターも改良している。全長3m、直径0.13m、翼スパン0.6m、重量75kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ3.5、有効射程5km。1967年に採用された。ベトナム戦争での撃墜率は19%。航空自衛隊も導入した。参考：月刊丸1,’98、U.S.ウェポン・ハンドブック、F-15イーグル、自衛隊装備カタログ1981、月刊航空情報2,’10、月刊JWings5,’20、10,’23

　＜ＡＩＭ−９Ｇ＞：海軍型。Ｄ型の改良型で、サイドワインダー拡大捕捉機能SEAMを追加し、前部カナードの翼スパンを縮小している。1967年に採用され、1970年から2120発が生産された。参考：月刊丸1,’98、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings10,’23

　＜ＡＩＭ−９Ｈ＞：海軍型。Ｇ型の改良型で、誘導回路を完全にトランジスタ化し、シーカー作動角を拡大、射程を延伸した。全長2.87m、直径0.127m、翼スパン0.63m、重量84.5kg、弾頭重量10kg（HE）。推進はバーミット・ハーキュリーズMk36固体燃料ロケット、最大速度マッハ2.5、射程5km（10-18km？）。1970年に採用し、1972年から配備した。参考：月刊丸1,’98、月刊軍事研究3,’04、世界の軍用機1979、ザ・マーチ17号

　＜ＡＩＭ−９Ｊ＞：空軍型。Ｅ型の改良型で、DSU-15/B誘導セクション、WDU-17/B弾頭セクション、Mk.17ロケットモーターで構成される。前翼を単純デルタ翼後縁に翼スパンの長い後退角付き矩形翼を追加したスクエアチップド・ダブルデルタに変更し、ロケットモーターを無煙化して射程を延伸、空戦機動中に発射できるようにした。全長3.07m、直径0.127m、翼スパン0.56m、重量78kg、弾頭重量10kg（HE）。推進はサイオコールMk17ロケットモーター、最大速度マッハ2.5、射程3.6km（10-18km？）。1972年に採用し、新規生産とAIM-9B/Eからの改修で計10000発以上を配備した。参考：月刊丸1,’98、U.S.ウェポン・ハンドブック、世界の軍用機1979、ザ・マーチ17号、月刊JWings10,'23、7,’12、5,’20

　＜ＡＩＭ−９Ｊ−１＞：AIM-9NまたはAIM-9Pを参照。

　＜ＡＩＭ−９Ｊ−３＞：AIM-9Jの改良型。参考：月刊JWings10,’23

　＜ＡＩＭ−９Ｌ＞：空軍・海軍共通型。赤外線検出素子を硫化鉛からインジウム・アンチモン単結晶に換装して波長4-5ミクロンの赤外線を探知できるようにし、ヘッドオンを含む全方位射撃を可能とした。シーカー視野角は40度のままだが、シーカー追跡レートを従来の５倍の毎秒60度に高めている。前方カナード翼はダブル・デルタ翼に、その後ろの信管はレーザー近接式のDSU-15光学目標探知機に換装した。弾体は前からWBU-4/B誘導セクション、WDU-17/B弾頭セクション、推進部で構成される。WBU-4/B誘導セクションは、最前部が赤外線シーカー、その後ろが赤外線検知器と冷却用タンク、後部がWGU-4/13誘導装置で、外側にBSU-32/Bカナード翼４枚がＸ字に装着され、後端上面にアンビリカルケーブルが付く。WDU-17/B弾頭セクションは前３分の１くらいがDSU-15光学目標探知器（レーザー近接信管）で真ん中に安全装置を内蔵し、後ろ３分の２くらいが炸薬である。弾体後半部が推進部で、最前部にラジオ妨害フィルターがあり、前部がアーミングキーで前端下面にセイフティ・フラッグが付き、その後方（推進部の大半）がMk36ロケットモーターで、後端外側にロールロン付きの安定翼４枚がＸ字で装着されている。全長2.87m、直径0.127m、翼スパン0.63m、重量190ポンド（86.2kg）、弾頭重量22.4ポンド（10.2kg）。推進はロケットダインMk36固体燃料ロケット、速度マッハ2.5、射程10海里、最小発射可能距離300m。6Gで機動中でも発射できる。1978年に海軍が開発し、1982年に空軍も採用した。航空自衛隊も使用している。フォークランド紛争でイギリス海軍シーハリアーFRS.1が運用し、亜音速SVTOL機ながらアルゼンチン空軍ミラージュ�V超音速戦闘機を圧倒した。参考：月刊JWings10,'23、7,’12、8,’19、5,’20、U.S.ウェポン・ハンドブック、火器弾薬技術ハンドブック、図解現代の航空戦、ワイルドウエポン、ザ・マーチ17号

　＜ＡＩＭ−９Ｍ＞：Ｌ型の改良型。弾頭を円筒爆裂型破片弾頭とし、シーカーの対赤外線対抗手段能力（フレア識別能力）を高め、ロケットモーターを無煙化し、信管をレーザー近接式にした。キーを差し込んで回すタイプのロケットモーター用安全装置を装着することもできる。全長2.87m（3.05m？）、胴体直径0.127m、翼スパン0.64m、発射重量86kg。弾頭はWDU-17/B、重量9.4kg。推進はMk36またはMk57ロケットモーター、最大速度マッハ2.5、最大射程17.7km。1982年から生産された。パイロットがマスター・アームスイッチを入れてAIM-9を選択すると、シーカーの冷却が開始される。FCSレーダーが目標をロックオンしている場合、シーカーは自動的に目標の方を向く。ロックオンしていない場合、レーダーが指向している方を向く。レーダーと連動していない場合、シーカーは正面を向いており、HUDにシーカー視野が表示されるので、その中に目標（熱源）を入れれば良い。シーカーが目標の熱源を探知すると、パイロットに探知を示す信号音（熱源を確実に探知するほど大きくなる）が送られる。シーカーを固定状態（ケージ状態）から解放して自由に動けるようにすれば、シーカーの探知可能範囲が広がり、自機がある程度機動してもロックオンを維持することが出来る。この操作でHUDの表示シンボルは目標照準ダイヤモンドに変化し、熱源を追尾するので、正しい目標を追尾しているかどうかパイロットが確認可能。レーダーが目標をロックオンしている場合には目標までの距離などのデータがミサイルに自動的に送られ、発射可能距離となったか、発射した場合の命中までの時間はどれくらいかを知ることができる。レーダーがロックオンしておらず、シーカーのみロックオンしている場合には、レーダーをシーカーの指向方向に向けさせて短時間のパルス送信により測距する（特殊バースト距離測定SBR）。目標が発射可能な距離にあり、探知熱量が発射に十分なレベルに達すると、HUDに発射可能マークが表示されるので、ミサイルを発射する。ただしHUDに発射可能マークが現れなくても、パイロットは好きな時にミサイルを発射可能である。参考：月刊航空情報11,’09、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings10,’23、図解現代の航空戦、U.S.ウェポン・ハンドブック、週刊ワールドウェポン17

　＜ＡＩＭ−９Ｍ−９＞：赤外線シーカーの冷却システムを変え、誘導制御ユニットを改良して対赤外線対抗手段（対フレア）能力を更に向上させたもの。1997年から生産された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＩＭ−９Ｎ＞：空軍型。Ｊ型の改良型で、1982年に採用され、当初はAIM-9J-1と呼ばれていた。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings10,’23

　＜ＡＩＭ−９Ｎ−１＞：AIM-9Nの信管をDSU-21/Bに変更したもの。参考：週刊ワールドウェポン17

　＜ＡＩＭ−９Ｎ−２＞：AIM-9NのロケットモーターをSR116に変更したもの。参考：週刊ワールドウェポン17

　＜ＡＩＭ−９Ｎ−３＞：AIM-9N-1のロケットモーターをSR116に変更したもの。参考：週刊ワールドウェポン17

　＜ＡＩＭ−９Ｐ＞：NATO軍向けで、元はAIM-9J-1という名称だった。Ｊ型とＮ型がベースで、信管を電波（赤外線？）またはレーザー近接式に変更している。前方カナードはJ/Nと同じスクエアチップド・ダブルデルタ形状。全長3.1m、直径0.127m、翼スパン0.56m、重量80.8kg、弾頭重量11.4kg。推進はハーキュリーズSR116ロケットモーター、最大速度マッハ2.5、射程10-18km。1979年に採用された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊航空情報2,’10、ザ・マーチ17号、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings5,’20、10,’23

　＜ＡＩＭ−９Ｐ−１＞：

　＜ＡＩＭ−９Ｐ−２＞：

　＜ＡＩＭ−９Ｐ−３＞：赤外線近接信管型。航空自衛隊も導入した。参考：月刊JWings5,’20

　＜ＡＩＭ−９Ｐ−４＞：AIM-9Pの最終生産型。シーカーを改良しており、全周方向射撃が可能となった。参考：月刊軍事研究12,’06

　＜ＡＩＭ−９Ｐ−５＞：

　＜ＡＩＭ−９Ｑ＞：

＜ＡＩＭ−９Ｒ＞：シーカーを画像赤外線誘導式に変更したタイプだが、1992年に開発中止になった。参考：月刊丸1,’98

＜ＡＩＭ−９Ｓ＞：AIM-9Mの弾頭威力強化型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−９Ｘ＞：1980年代末にアメリカ空海軍が開発していたハブ・スラスト、トップハット、ボックスオフィス、ボア空対空ミサイルを1991年に一本化してAIM-9Xにしたもので、1996年12月にヒューズ社の案が採用された。前からWGU-51/B誘導セクション、目標探知セクション（近接信管内蔵）、WDU-17/B弾頭セクション、WDU-17/B推進／操舵セクションPSS（プロパルジョン／ステアリング・セクション）から構成される。飛行制御を高度にコンピュータ化し、ロールロンを廃止、前部カナードを単純デルタの固定式に変更し、後部フィンを可動式にして三次元推力偏向ノズルと共に飛行制御を行うようにした。推進／操舵セクションはMk36ロケットモーター、フィン・アクチュエータ・ユニットFAU、コントロール・アクチュエーション・システムCAS、ジェット・ベーン・コントロールJVCからなる。誘導セクションから推進・操舵セクションにかけての弾体下面にフェアリングがあり、操舵信号を送るケーブルが通っている。ヘルメット装着式照準システムによるオフボアサイト能力（90度）を持つ。全長3.02m、直径0.127m、翼スパン0.4445m（フィン幅0.28m？）、発射重量85kg、弾頭重量9.4kg（10.15kg？）。推進はMk36ロケットモーター、飛翔速度マッハ2.5、射程40km以上（20海里？20km？）。誘導はスターリング・フォーカル・プレーン・アレイによる赤外線画像式、弾頭は爆風破砕式、信管はDSU-36レーザー近接式。1998年から試射を実施、1999年6月に標的機に対する実射テストに成功し、2000年9月から低率初期生産LRIPに入った。アメリカ空軍では2003年11月、海軍では2004年2月に初度作戦能力を獲得し、2004年5月から全規模生産FRPに入っている。対地攻撃にも使えるらしく、移動中の装甲車やボートを破壊したこともある。2015年11月24日、トルコ空軍F-16Cが領空を侵犯したロシア空軍Su-24をAIM-9Xで撃墜して初戦果を記録した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings11,'23、7,’12、4,’16、4,’22、月刊軍事研究4,’07、2,’04、2,’09、3,’17、火器弾薬技術ハンドブック、月刊丸10,’97、月刊航空情報3,’10

＜ＡＩＭ−９Ｘ−２＞：AIM-9Xブロック�Uを参照。

＜ＡＩＭ−９Ｘ−３＞：AIM-9Xブロック�Vを参照。

＜ＡＩＭ−９Ｘ−４＞：AIM-9Xブロック�Uを参照。

＜ＡＩＭ−９Ｘ−５＞：AIM-9Xブロック�Uプラスを参照。

＜ＡＩＭ−９Ｘブロック�U＞：別名AIM-9X-2またはAIM-9X-4。初期不良を解決し、改良を加えたもので、ロケットモーターを燃焼時間の長いMk139（後にMk139Mod1）に換装すると共にOFS8-3ソフトウェアによる弾道管制機能で射程を延伸し、電子機器ソフトウェアとバッテリーを改良、推進／操舵セクションをCAS及びJVCコネクターを改良したWPU-18/Bとし、点火安全装置を自動化、信管をDSU-41Bに換装した。双方向データリンクを装備してF-22A/F-35Aでの発射後ロックオン能力を得ており、目標探知セクションにアンテナが追加されている。2011年6月から低率初期生産LRIPに入り、2015年3月に海軍、2016年9月に空軍のIOCを獲得、2016年10月から全規模量産に入っている。参考：月刊JWings11,'23、1,'17、3,’19、月刊航空ファン5,’11、月刊軍事研究2,’09、6,’11

＜ＡＩＭ−９Ｘブロック�U＋＞：ブロック�Uの改良型、別名AIM-9X-5。2017年末以降に納入されたタイプで、ブロック�Vに導入予定のロケットモーター以外の改良を取り入れた。参考：月刊JWings11,'23、月刊航空ファン6,’16

＜ＡＩＭ−９Ｘブロック�V＞：アメリカ海軍計画射程延伸型、別名AIM-9X-3。ロケットモーターを新型にして射程を延伸し、BVRAAMとしたもので、ついでに他の改良も施す。F-35C戦闘機の主翼下に搭載し、ウェポンベイ内のAIM-120D空対空ミサイル４発と合わせてBVRAAM計６発を運用可能とする。F-35戦闘機のウェポンベイ改修でAIM-120D空対空ミサイルを６発積めるようになったので、没になった。参考：月刊JWings11,'23、月刊航空ファン6,’16

＜ＡＩＭ−９ファミリー＞

　＜ＣＡＴＭ−９Ｍ＞：AIM-9Mのキャプティブ弾。参考：月刊航空ファン8,’09

　＜ＣＡＴＭ−９Ｘ＞：AIM-9Xのキャプティブ弾。参考：月刊JWings5,’15

　＜ＤＡＴＭ−９＞：ダミー訓練弾。参考：月刊JWings4,’10

＜ＡＩＭ−９海外シリーズ＞

　＜ＡＩＭ−９Ｂ　ＦＧＷ２＞：西ドイツ空軍空対空ミサイル。F-4Fファントム導入に合わせて採用したもので、AIM-9Fに相当する。15000発が生産された。参考：月刊丸1,’98

　＜ＡＩＭ−９Ｆ＞：西ドイツ軍空対空ミサイル。西ドイツ向けAIM-9Bの名称である。参考：月刊JWings10,’23

　＜ＡＩＭ−９Ｘ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊空対空ミサイル。2016年7月1日、AIM-9Xブロック�U実弾４発、EODキャプティブ弾６発、格納コンテナ４個、スペアパーツを154万8798ドルでアメリカ海軍省と契約した。F-35A用とみられる。2023年12月15日、AIM-9Xブロック�U実弾44発とキャプティブ訓練弾などのFMS承認が下りた。参考：月刊JWings9,’16、12,’16、3,'24、月刊軍事研究3,’17

　＜Ｒｂ２４＞：スウェーデン軍空対空ミサイル。AIM-9Jを採用したものである。参考：月刊軍事研究11,’08

　＜Ｒｂ７４＞：スウェーデン軍空対空ミサイル。AIM-9Lを採用したものである。参考：月刊軍事研究11,’08

　＜響尾蛇＞：台湾軍に供与されたもの。参考：月刊丸1,’98

＜ＡＩＭ−９Ｌミサイル用ガス充てん装置＞：自衛隊の機器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜ＡＩＭ−２６シリーズ＞：アメリカ空軍の空対空核ミサイル、別名スーパーファルコン、通称ニュークリアー・スーパーファルコン。当初はGAR-11という名称だった。F-102用として1958年からAIM-4シリーズを基に開発され、1960年からミサイル本体、1961年からW54核弾頭が生産され、1965年2月までに1900-2000発が量産された。空対空ミサイルの誘導性能向上に伴い必要性が薄れ、F-102戦闘機のアメリカ空軍からの退役に合わせて1972年4月までに全て除籍された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、アメリカの核兵器、核兵器図鑑

　＜ＡＩＭ−２６Ａ＞：直径を一回り大きくして核弾頭を搭載した。誘導方式はセミアクティブ・レーダー・ホーミングで、近接信管により目標から56mのところで炸裂するが、発射母機はミサイルを誘導するため発射後も目標に接近し続けなければならず、下手をすると爆発に巻き込まれる。弾頭はW54を重さ50ポンド（22.7kg）に小型化したもので、威力0.25キロトン（1.5キロトン？）。全長2.26m、直径0.279m、翼スパン0.51m（0.61m？）、重量92kg。推進はサイオコールM60固体燃料ロケット、最大速度マッハ２、射程５海里。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、核兵器事典、月刊軍事研究10,’10、アメリカの核兵器

　＜ＡＩＭ−２６Ｂ＞：通常弾頭型。スウェーデン軍（ライセンス生産）とスイス軍が採用し、800発が生産された。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、アメリカの核兵器

＜ＡＩＭ−４７＞：アメリカ空軍試作空対空ミサイル。F-108用として開発され、後にYF-12長距離迎撃戦闘機に搭載されることになった。AIM-4ファルコンの長射程型で、弾頭は通常と核が用意されている。全長3.82m、直径0.34m、発射重量363kg。誘導はセミアクティブレーダー式、射程160km。実用化には至らなかった。参考：月刊丸11,’72、アメリカの核兵器

＜ＡＩＭ−５４シリーズ＞：アメリカ海軍長射程空対空ミサイル、別名フェニックス。F-111B用に1958年から開発されたAAM-N-10が中止されたため、後釜として計画された。ただF-111Bが海軍には採用されなかったのでF-14Aに搭載することとなり、1960年からAN/AWG-9火器管制レーダーと対で開発され、1966年4月にA-3Aスカイウォーリアからの試射に成功、1974年から運用された。AN/AWG-9または改良型のAN/APG-71レーダーを搭載するF-14のみが運用できる。2004年9月30日でアメリカ海軍での運用が終了した。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings4,’02、12,’04

　＜ＡＩＭ−５４Ａ＞：当初はAAM-N-11と呼ばれた。DSQ-26誘導セクション、Mk.82弾頭セクション、WCU-7/B操縦セクション、MXU-637/B推進セクションで構成され、弾体は前方からレドーム、平面アレイ素子レーダー信号処理部、誘導制御部、弾頭、ロケットモーター、ノズルという配置で、誘導制御部と弾頭の境目の側面に信管用アンテナ、ロケットモーター側面に大型十字安定翼、ノズル側面に十字操舵翼と平面アンテナを持つ。全長3.93m、直径0.38m、翼スパン0.91m、発射重量443kg、弾頭重量60kg。ロケットモーターはロケットダイン社製Mk47固体推進ロケット（後にMk60に換装）、最大速度マッハ3.8、最大到達高度24800m。射程を延ばすために斜め上方に射出され、発射後はセミアクティブレーダーとデータリンクで目標に向かい、目標から23kmくらいに接近するとAN/DSQ-26誘導装置が目標情報を処理し、ミサイル後部の十字翼をコントロールして目標に向かう。試射では射距離4kmから203kmで目標撃墜に成功、また高度25kmを飛行するマッハ2.2の目標（MiG-25を想定）や高度15mをマッハ0.75で飛行する目標（巡航ミサイルを想定）も撃墜した。8Gで機動中の無人機に17G旋回で命中し、ECM環境下での迎撃にも成功、６目標に対し６発を発射して４発命中（標的機１機とミサイル１発が故障）という成績も残した。値段は１ドル240円換算で9200万円。参考：F-14トムキャット、U.S.ウェポン・ハンドブック、ジェット戦闘機、月刊航空情報11,’09、月刊JWings7,’12

＜ＡＩＭ−５４Ｂ＞：妨害対抗能力や量産性の向上を目指したタイプ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−５４Ｃ＞：演算処理装置のデジタル化とソリッドステート化を行い、ロケットモーターも改良して射程と飛翔速度を強化したタイプで、1980年10月に完成した。ずんぐりとしたミサイルで、WGU-17/B誘導セクション、WDU-29/B弾頭セクション、WCU-12/B操縦セクション、MXU-637/B推進セクションから構成され、後部に三角形の安定板と長方形の操縦翼を十字に配置している。誘導は中間SARH＋終末ARHで、目標から10海里程度までは抗力の少ない高々度を飛行、AN/AWG-9の反射波を辿って目標に接近し、最後は自らのレーダーを作動させて目標に突入する。全長4.3m、直径0.38m、翼スパン0.91m、本体重量1000ポンド（454kg）、弾頭重量135ポンド（61.2kg）。推進はエアロジェットMk60またはロケットダインMk47固体燃料ロケットモーター、最大速度マッハ５、最大到達高度30480m、射程110海里（148km？）。シーカー探知距離22.5km（目標RCS15平方メートル）。生産途中で信管の信頼性に問題があることが分かり、領収を一時中止したことがある。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings3,’00、7,’12、月刊丸10,’97、月刊航空情報11,’09

＜ＡＩＭ−５４Ｃプラス＞：1990年代に登場したECCM能力強化型で、F-14Dに搭載すべく開発された。冷却用液体窒素が無くなったため、発射母機に飛行速度制限が設けられている。参考：月刊航空情報11,’09、U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＡＩＭ−８２＞：アメリカ陸軍の試作短射程空対空ミサイル。F-15と合わせて開発されたもので、正面から50度のオフボアサイト能力を持つ。空軍の要求が厳しすぎ、ものにならなかった。参考：F-15イーグル

＜ＡＩＭ−１０１＞：AIM-7D（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＩＭ−１２０シリーズ＞：アメリカ軍の空対空ミサイル（BVRAAM）、別名AMRAAM（Advanced Medium-Range Air-to-Air Missile）。1970年代後半から開発され、試射では予定通りの性能が出せず開発中止の一歩手前までいったが、1987年から量産され、1991年2月（9月？）から空軍で、1993年から海軍で運用された。1992年12月27日にF-16がイラク空軍MiG-25を、1993年1月17日にF-16がMiG-23を、1994年2月28日にF-16がG-4スーパーガレブを、1999年3月24日にオランダ空軍F-16がMiG-29を、1999年3月24日にF-15がMiG-29を、1999年3月24日にF-16がMiG-29を、1999年3月26日にF-15がMiG-29を、1999年5月4日にF-16がMiG-29を本ミサイルで撃墜している。2009年頃からロケットモーターが低温多湿下（マイナス54度で凍らせた後の高空試射）で作動しなくなるという不具合が多発しており、アメリカ軍に納入できていない状態が続いたため、従来のATK社に換えてノルウェーのナンモ・ラオフォス社製ロケットモーターを使用し、2012年11月末までに取り敢えず125基を生産、以降は月産100発ペースに戻した。不具合の原因は環境規制への適合のためATK社が微妙に固体燃料組成を変えたためらしい。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン5,’11、9,’19、月刊JWings11,’12、3,’13、6,’19、月刊軍事研究12,’12、月刊丸3,’13

　＜ＡＩＭ−１２０Ａ＞：ロット1-5にあたる。前からWGU-16/B誘導セクション、WDU-33/B弾頭セクション、WPU-6/B推進セクション、WCU-11/B操縦セクションからなる。本体は頑丈で熱に強いスチール合金性。弾体中央の推進セクション前端に固定式デルタ翼の主翼４枚があり、操縦セクション側面に飛行制御用全遊動式テイルフィン４枚を持つ。推進セクション上面中央やや前寄りにアンビリカル・コネクターがある。誘導方式は中間が慣性誘導＋データリンク、終末がARHで、目標情報を操縦セクションのデータリンク・アンテナで受け取って目標方向に飛翔した後、誘導セクションのＩバンドレーダーで目標にロックオンする。ジャミングを受けた場合にはジャミング源に突入するようにプログラミングされている。長さ3.66m、直径0.178m、翼スパン0.535m（主翼）／0.635m（フィン）、重量345ポンド（156.5kg）、弾頭重量50ポンド（22.7kg）。推進はハーキュリーズ製２段式無煙固体燃料ロケット、速度マッハ４、射程40海里以上。ミサイル制御系は全て電動式で、自己診断機能を持っている。軽量化されているため、F-15戦闘機胴体下のエジェクトランチャーのみならず、AIM-9サイドワインダーと共用のレールランチャーに搭載することができ、F-16やF/A-18の翼端に装備可能である。ミサイル上面に前・中・後部ランチフックがあり、レールランチャーでは前・後部ランチフック、エジェクトランチャーでは前・中部ランチフックを使う。初戦果は1992年12月で、F-16が発射してイラク空軍MiG-25を撃墜した。既に生産を終了している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,'23、7,’12、月刊軍事研究2,’04、6,’14、12,’06、4,’07、2,’09、月刊航空ファン5,’11

　＜ＡＩＭ−１２０Ｂ＞：フィンを大型化して運動性能を高め、信号処理装置を再プログラミング可能（プログラム可能型読み出し専用メモリーEPROM）とし、誘導装置をWGU-41/Bに更新、デジタルプロセッサーを新型としたもので、ロット6-7にあたる。WGU-41/B誘導セクション、WDU-33/B弾頭セクション、WCU-11/B操縦セクション、WPU-16/B推進セクションからなる。1994年後半から引き渡された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究2,’09、1,’12、月刊航空ファン5,’11、月刊JWings7,’12

　＜ＡＩＭ−１２０Ｂ＋＞：輸出型で、シーカーと弾頭に改良を加えてある。1999年から生産された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＩＭ−１２０Ｃ＞：WGU-44/B誘導セクション、WDU-41/B弾頭セクション、WCU-28/B操縦セクション、WPU-16/B推進セクションからなる。事前計画製品改良プログラム（P3I）第１段階で、F-22のウェポンベイに内蔵可能とするため、AIM-120Aの固定主翼と全遊動式テイルフィンを切り詰めて全幅を短縮したもの。空力性能はAIM-120Aと変わりないとされる。また、誘導装置がWGU-44/Bに、オートパイロットが新型に変更された。全長3.65m、直径0.178m、翼スパン0.445m（固定主翼）／0.447m（テイルフィン）、重量161.5kg、弾頭重量20.5kg。射程50km。1991年から開発され、1996年から引き渡された。参考：月刊軍事研究2,’04、4,’07、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−３＞：Ｃ型の初期型で、ロット8-10にあたる。参考：月刊軍事研究10,’14

　＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−４＞：事前計画製品改良プログラム第２段階で、ロット11にあたる。Ｃ型の電子機器、弾頭（WDU-41/B）、信管、ロケットモーターを改良してある。1999年から引き渡された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン5,’11、月刊軍事研究6,’11

＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−５＞：C-4のロケットモーターを強化して制御部分を小型化、射程を延伸したタイプで、ロット12にあたる。ECCM能力も強化した。2000年7月から引き渡された。参考：月刊軍事研究12,’06、6,’14、月刊航空ファン8,’10、5,’10

＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−６＞：C-5の象限目標探知デバイス（QTDD）改良型で、ロット13-14にあたる。参考：月刊軍事研究6,’14、12,’06、月刊航空ファン5,’11

　＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−７＞：事前計画製品改良プログラム第３段階で、ロット15以降にあたる。AIM-120Bより全長を0.127m延長してあり、レーダーアンテナや慣性基準ユニットを新型にし、誘導装置を改良、目標探知機能を強化し、フレキシブルデータリンクを搭載した。全長3.787m、直径0.178m、翼スパン0.483m、重量151kg。弾頭はWDU-41/B（22kg）、信管はFZU-49/Bレーダー近接。射程50-110km。2006年から配備されている。参考：月刊航空ファン5,’11、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings9,’16、11,’06、月刊軍事研究10,’14

　＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−８＞：

　＜ＡＩＭ−１２０Ｄ＞：Ｃ型の改良型で、当初はAIM-120C-8と呼ばれていた。事前計画製品改良プログラム第４段階に相当する。中間誘導・航法にGPS強化型IMUを採用し、双方向データリンクを持ち、オフボアサイト能力を向上させることで後ろの敵にも発射できる。また、射程も1.5倍に延伸した。全長3.66m、直径0.18m、重量161kg。最大速度マッハ４、射程100海里（160km？200km以上？）。2008年2月13日に初の実射試験が行われ、F/A-18Fから発射されてQF-4を直撃した。8月5日には長距離発射試験が行われ、F/A-18FからQF-4に向けて発射されて命中ゾーンを通過した。2012年7月10日にオペレーショナル・テストにおける最初の実射試験を行ったが、制御用アクチュエーターが故障して明後日の方に飛んでしまった。ATK社製ロケットモーターの不調もあって暫くテストが止まっていたが、ナンモ・ラオフォス社製ロケットモーター採用により再開される予定。2010年までの配備を目指していたが、結局F/A-18E/FでIOCを達成したのは2015年4月10日になっている。オーストラリアとカナダに輸出許可が出された。参考：月刊JWings10,’04、11,’06、1,’07、6,’08、11,’12、3,’13、5,’20、月刊軍事研究8,’17、3,’17、2,’09、2,’10、6,’14、月刊航空ファン5,’11、1,’18

　＜ＡＩＭ−１２０Ｄ−３＞：敏捷性向上ソフトウェア改良型。参考：月刊JWings9,’23

　＜ＡＭＲＡＡＭ−ＳＩＰ＞：SIPはシステム改良計画の略。2020年9月9日にアメリカ空軍がレイセオン・テクノロジーズと４年間のアップデート契約を締結した。AIM-120Dの改良計画で、高速化すると共に射程を1.5倍にし、中間誘導装置の精度やオフボアサイト能力を強化、敵機のエスケープ・ゾーンを狭める。参考：月刊JWings12,’20

＜ＡＩＭ−１２０ファミリー＞

　＜ＡＭＲＡＡＭ−ＥＲ＞：地対空ミサイル版の射程延伸型で、NASAMS用にレイセオン社が開発した。AIM-120C-7のフロントエンドにRIM-162ESSMと同じ直径10インチ（254mm）のブースターを装着したものである。2016年5月に発射試験に成功した。参考：月刊軍事研究5,’18

　＜ＡＴＭ−１２０Ｃ＞：AIM-120Cのキャプティブ訓練弾。参考：月刊航空ファン2,’17

　＜ＡＴＭ−１２０Ｄ＞：AIM-120Dのキャプティブ訓練弾。参考：月刊航空ファン2,’17

　＜ＣＡＴＭ−１２０Ｃ＞：AIM-120Cのキャプティブ訓練弾。参考：月刊JWings12,’14

　＜ＤＡＴＭ−１２０＞：AIM-120のダミー訓練弾。参考：月刊JWings12,’14

＜ＡＩＭ−１２０海外シリーズ＞

　＜ＡＩＭ−１２０（航空自衛隊）＞：航空自衛隊BVRAAMで、参考品として購入した。実際に使用しているBVRAAMはAAM-4だが、F-15Jの機体用インターフェースをAIM-120と共通化しており、F-15J近代化改修機なら小改造でAIM-120を積めるようである。2015年度にもAIM-120、AIM-120訓練弾、AIM-120訓練弾・EOD弾をアメリカ空軍省に発注している。F-35A導入とF-15J近代化改修機の能力向上で大量に必要になったらしく、2019年度概算要求でFMSにより調達する予定が立てられていて、それに押されてAAM-4/-5の調達数がゼロになってしまった。参考：月刊航空ファン10,’14、月刊軍事研究3,’17、12,’18

＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−７（航空自衛隊）＞：航空自衛隊BVRAAM。F-35A用に導入する。2017年10月4日に56発の輸出許可が出され、2018年11月19日にアメリカ国防安全保障協力局が32発（＋ミサイル収納コンテナなど）を6300万ドルでFMS輸出すると公表した。2019年5月17日、アメリカ国防安全保障協力局が160発のFMS輸出許可を出したと発表した。2022年7月25日、アメリカ国防安全保障協力局がC-8と合わせて150発のFMS輸出を発表した。参考：月刊航空ファン12,’17、月刊JWings2,’19、8,’19、10,’22

＜ＡＩＭ−１２０Ｃ−８（航空自衛隊）＞：航空自衛隊BVRAAM。F-35A用に導入する。2023年12月15日、実弾120発、誘導セクション、キャプティブ訓練弾などのFMS許可が下りた。参考：月刊JWings3,’24

　＜ＡＩＭ−１２０Ｄ（カナダ空軍）＞：カナダ空軍BVRAAM。2017年11月1日、アメリカ国防安全保障協力局がAIM-120D32発とキャプティブ弾18発の輸出許可を出した。参考：月刊航空ファン1,’18

　＜ＡＩＭ−１２０Ｄ（ノルウェー空軍）＞：ノルウェー空軍BVRAAM。2022年11月15日、アメリカと導入契約を結んだと発表した。参考：月刊JWings2,’23

　＜Ｒｂ９９＞：スウェーデン空軍BVRAAM。AIM-120Bを採用したもので、JAS39MS20が運用する。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊航空ファン6,’18

＜ＡＩＭ−１３２＞：ASRAAM（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＩＭ−１４７Ｂ＞：アメリカ海軍BVRAAM。スタンダードSM-6艦対空ミサイルの空中発射型である。射程はベースのSM-6の時点で400kmを誇り、空中発射型なので更に100km単位で延伸されているとみられる。デュアル�Tベースなら弾道ミサイル、デュアル�Uベースなら更に水上艦艇も攻撃できる。リムパック2024でCVN-70カール・ヴィンソン搭載CVW-2所属F/A-18E戦闘機がキャプティブ弾CATM-174Bを右主翼下Sta.9に搭載して発艦する姿が確認され、太平洋ミサイル射場から発射された標的に対する実射訓練も行ったらしく、既に実運用状態にあることが判明した。参考：月刊JWings10,’24

＜ＡＩＭ−１４７Ｂファミリー＞

　＜ＣＡＴＭ−１７４Ｂ＞：キャプティブ弾。リムパック2024で使用が確認された。参考：月刊JWings10,’24

　＜ＤＡＴＭ−１７４Ｂ＞：艦上作業訓練用ダミー弾。リムパック2024で使用が確認された。参考：月刊JWings10,’24

　＜ＮＡＩＭ−１７４Ｂ＞：不活性（イナート）弾。リムパック2024で使用が確認された。参考：月刊JWings10,’24

＜ＡＩＭ−２６０＞：アメリカ空海軍長距離BVRAAM、別名Joint Advanced Tactical Missile（統合発達型戦術ミサイル）、略称JATM。AIM-120の射程が他国のBVRAAMに比べて見劣りするようになってきたため、2017年に非公開で競争設計を行い、ロッキード・マーチン案を採用、2022年配備予定で開発を始めた。F-35などステルス機のウェポンベイに収まるAIM-120と同程度のサイズのまま、射程を200km以上に延伸する。誘導は中間INS＋双方向データリンク、終末アクティブレーダー（＋赤外線画像となるかも）。まずF-22AとF/A-18E/Fに搭載し、次いでF-35に積む。参考：月刊JWings9,’19、月刊航空ファン9,’19、朝雲

＜ＡＩＭＳ＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）またはAN/ASX-4（センサー）を参照。

＜ＡＩＭカービン＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＩＭ用グレネードランチャー＞：ルーマニアが開発した30mm小銃てき弾発射機で、AIMに装着して使用する。見た目M203に似ている。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＩＰ＞：Air Independent Propulsion（大気中の酸素に依存しない推進方式）の略。外燃機関のスターリング機関と閉サイクル蒸気タービン、内燃機関のCCDや化学反応式燃料電池などがある。第２次大戦中にドイツが潜水艦の水中高速発揮を狙ってワルター機関を使用したが、実用化前に終戦になった。液体酸素の安全な取り扱いが出来るようになって再び潜水艦用水中動力源として注目され、CCD、MESMA、スターリング、PEM燃料電池の４種類が開発されている。3-4週間にわたり潜航し続けることができ、探知される恐れがあるシュノーケル航行を行わずに済むので、長期間の隠密哨戒が可能である。また、蓄電池の電力を全て戦闘用に回すことができ、作戦運動の範囲が広がる。出力が低いので速力が出せず、戦闘時や敵艦追尾時などには使えないのが欠点。よって通常主機と蓄電池に加えてAIP機関も積むので、船体が大型化する。モーターへの電力供給が発電機直結、蓄電池、AIPと３経路あり、瞬時かつ安全に切り替えるのに技術が要る。また、一度使い切ると基地に戻るまで燃料と酸素を補充できないので、作戦期間が１ヶ月を越えてくると燃料切れのAIPを抱えた図体がでかいだけの在来型潜水艦になってしまう。潜航している間は外気を取り入れられないので、艦内空気が悪化しないよう工夫する必要がある。世界初のAIP搭載実用潜水艦はスウェーデン海軍ゴトランド級である。海自では1954年からCCD、1967年から燃料電池を研究したが上手く行かず、そうりゅう型にスターリングエンジンを搭載した。しかしリチウム電池で代替できるくらいの性能だったらしく、そうりゅう型最後期バージョンからAIPは積まない予定。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’15、8,’17、1,’19、9,’12増刊、1,’15、9,'15、5,’16、月刊軍事研究5,’16、4,’00、4,’10

＜ＡＩＰ−ＦＷ＞：AN/ASQ-T39（訓練支援ポッド）またはAN/ASQ-T40（訓練支援ポッド）を参照。

＜ＡＩＲ＞：音響逆探装置（Acoustic Intercept Receiver）の略。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ＡＩＲ−２シリーズ＞：アメリカ軍の空対空核ロケット弾。当初はMB-1という名称で、1962年に改称された。高々度進入するTu-16爆撃機編隊を丸ごと撃墜するのが主任務である。参考：アメリカの核兵器、核兵器図鑑

＜ＡＩＲ−２Ａ＞：別名ジーニー。1955年（1954年？）にダグラス社がミサイル（当時の分類はGuided Missile）として社内名称DM-18で開発（コードネームはディンドンまたはハイカード）したが、誘導装置が完成しなかったためロケット弾（当時の分類はMissile）になり、1955年4月6日にネバダ上空で空中投下による核実験が行われて３キロトンの威力を発揮、1956年から発射試験を行い、1957年1月から配備され、7月19日に核弾頭を搭載しての初実射試験ジョン・ショット（発射母機はF-89J戦闘機）が行われ、1958年に実用化された。尾部に安定翼５枚がＸ字に付く。F-89J（後にF-89Hも）/F-101B/CF-101B/F-4戦闘機に２発、F-106A/B戦闘機に１発搭載でき、発射後に母機は最大許容Ｇで急速離脱を行い、母機の指令でW25核弾頭を起爆させる。F-86D/F-102/F-104Aでの運用も検討されたが、試射だけで実戦配備はされなかった。全長2.92m、直径0.44m、翼スパン1m、発射重量820ポンド（372kg）。弾頭はW25核弾頭（威力1.5キロトン）、加害半径1000フィート（304.8m）。推進はサイオコールSR49-TC-1固体燃料ロケット、最大速度マッハ３、射程５海里。1962年までに3000発が生産され、1988年（1984年12月？1965年？）まで現役にあった。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、月刊JWings2,’05、月刊軍事研究1,’12、10,’10

＜ＡＩＲ−２Ｂ＞：AIR-2Aの改良型、別名スーパージニー。誘導装置を搭載し、核弾頭と発火装置を改良してある。AIM-26Aが先に実用化されたため、1963年に開発中止となった。参考：アメリカの核兵器

＜ＡＩＲ−２Ａ攻撃・離脱法＞：目標の下から攻撃する場合、発射後速やかに135-180度バンクを行って反転、降下角が30-40度になったらロールして2G旋回で水平飛行に戻り、離脱する。目標と同高度の場合、発射後水平旋回を行い、最低90度変針して離脱する。目標の上から攻撃する場合、発射後は最大荷重で引き起こしながらの60度バンク旋回を行い、最低135度変針して離脱する。爆発時の閃光が目に入らないよう、パイロットは目標を見ずに管制官の指示でAIM-2Aを発射し、発射後は計器板に注意を集中する。参考：ジェット戦闘機、核兵器図鑑

＜ＡＩＲＢＯＳＳ＞：エアボス（対弾道ミサイルセンサー）を参照。

＜ＡＩＲＣＯＭ＞：カナダ航空コマンドの略。

＜ＡＩＲＭＳ＞：空中赤外線探知システム（Airborne Infrared Measurement System）の略。先端研究計画局ARPA／国防高等研究計画局DARPAがBMDOとミサイル防衛データセンターの依頼に基づいて開発し、1995年頃からアメリカ空軍と共同で実験を繰り返している。ボーイング720Bを改造し、胴体前部のコクピット後方左側に大きな開口部を設け、そこに口径24インチ（609.6mm）の赤外線反射望遠鏡を搭載、レーザージャイロで制御された４軸制御のジンバルによって精度１マイクロラジアン以下で安定化している。また、レーザージャイロによる高精度慣性航法ユニットとGPSによる高度・緯度・経度の位置計測装置も積んでおり、赤外線望遠鏡の三次元空間の位置を高精度で求めることができる。ジンバルによる望遠鏡の指向範囲は方位角でプラスマイナス10度、俯仰角でプラス５度・マイナス10度。赤外線センサーとしてガリウム半導体フォーカル・プレーン・アレイLSIを6000素子使用し、波長3-16ミクロンの中−遠赤外線をカバーする。センサーは液体窒素で冷却されて高感度を維持する。目標ミサイルの最大探知距離は400kmといわれ、太陽などのクラッターがあっても探知可能。弾道ミサイルだけでなく、ジェット機や巡航ミサイルのジェット排気も探知できる。参考：月刊軍事研究11,’98

＜ＡＩＳ＞：攻撃・識別システムの略。

＜ＡＩＳ＞：船舶自動識別装置を参照。

＜ＡＩＳＲＥＷ＞：MC-55A（電子戦機）を参照。

＜ＡＩＳＳ＞：先進統合センサー・システムを参照。

＜ＡＩＳＳ＞：イスラエル陸軍の歩兵分隊・小隊指揮官用将来歩兵戦闘システムで、Advanced Integrated Soldier Systemの略。NQ-OR社が開発中しており、航法装置、目標捕捉装置、状況判断補助装置などを統合している。参考：月刊軍事研究6,’05

＜ＡＩＳポッド＞：ACMIシステムを構成するポッド。細長い円筒形をしており、先端から更に細い棒が突き出ている。航空機のパイロンに搭載され、飛行機動を電波に乗せて送信する。参考：月刊JWings3,’03

＜ＡＩＳＴ級＞：アイスト級（LCAC）を参照。

＜ＡＩレーダー＞：イギリス軍が1939年に実用化した、世界初の夜間戦闘機用空中迎撃（Airborne Interception）レーダー。メートル波からマイクロ波を使用するもので、最初はブレニム双発戦闘機の機首に発信アンテナを、両翼端に受信アンテナを搭載した。1940年に高出力空洞マグネトロンが完成したため、使用周波数を3GHzとして一気に小型高性能化を図っている。参考：月刊軍事研究8,’08、8,’01、レーダの基礎

　＜ＡＩ　Ｍｋ．�W＞：使用周波数193MHz（VHF帯）。参考：月刊航空ファン5,’17

　＜ＡＩ　Ｍｋ．�Y＞：

　＜ＡＩ　Ｍｋ．�Z＞：マグネトロンを使用してセンチメートル波長を使えるようにしたタイプ。1941年末にボーファイターに搭載されてテストされた。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

　＜ＡＩ　Ｍｋ．�[＞：CV64マグネトロンにより波長9.1cm・出力25kWのパルス電波を使用できるようにしたタイプで、アンテナはパラボラ型である。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

　＜ＡＩ　Ｍｋ．�\＞：

　＜ＡＩ　Ｍｋ．�]＞：

＜ＡＪシリーズ＞：アメリカ海軍混合動力式核搭載攻撃機、別名サヴェジ。P2V-3Cが空母運用機とは言い難かったため、本格的な核搭載艦上攻撃機として開発したもので、1945年12月にミッドウェイ級空母で運用可能なMk4核爆弾搭載機として要求が出され、1946年6月にノースアメリカン社の案が採用され、1948年7月3日に試作機が初飛行した。乗員席にスペースが無いので、教官が同乗しての訓練ができず、爆撃航法士の錬成はAN/ASB-1を積んだP2V-3Bを使っていた。総生産数143機。参考：世界の傑作機No.118、月刊軍事研究5,’03、月刊JWings9,’11、8,’13

　＜ＸＡＪ−１＞：試作機、ノースアメリカン社内名称NA-146。参考：月刊JWings2,’22

　＜ＡＪ−１Ａ＞：高翼配置の主翼下にレシプロエンジン、胴体後部にジェットエンジンを積んだ混合動力３発機で、全エンジンを使い発艦し、燃費の良いレシプロエンジンのみで低空を巡航、目標直前で再度ジェットエンジンに点火して急上昇し、高々度から核爆弾を投下、帰艦する。最大発艦重量ならSCB-27A改装以降のエセックス級またはミッドウェイ級空母の装備するH8カタパルトで射出できる。カタパルトが使用不能でもエセックス級以上の飛行甲板長があれば核爆弾を積んで自力滑走発艦できた。全長19.2m、全幅21.8m、最大発艦重量20.43トン、総重量23.087-24.494トン。エンジンは混合動力方式、プラット＆ホイットニー社製R2800レシプロ（2300馬力）２基＋アリソン製J33ターボジェット（推力2.087トン）１基、最大速度723km、実用上昇限度12436m、燃料は両エンジンで同じものを使用し、航続距離4830km／2780km（Mk15核爆弾搭載時）。搭載できる核爆弾はMk4、Mk5、Mk7、Mk8、Mk15。1949年5月に量産型初号機が初飛行した。参考：月刊軍事研究5,’03、世界の傑作機No.118、月刊JWings9,’11、8,’13、アメリカの核兵器

　＜ＡＪ−２＞：1955年からドローグ式空中給油ホース付き1300ガロン（4921リットル）燃料タンクを爆弾倉内に収容して空中給油母機として使用されるようになった。給油の際には爆弾倉を開いてホースとドローグを出し、爆弾倉を閉じて給油、また爆弾倉を開いてホースとドローグを収容し、爆弾倉を閉じるという面倒な手順が必要で、爆弾を同時に積んでいくことはできない。飛行甲板での空中給油器材搭載には核爆弾用エレベーターを使う必要があり、エレベーターの真上に爆弾倉が来るよう駐機して器材を填め込んだ。参考：世界の傑作機No.118

　＜Ａ２Ｊ＞：エンジンをアリソン製T40ターボプロップ双発に換装したもの。A-3スカイウォリアーに対抗してノースアメリカン社がアメリカ海軍に提案したが、採用されなかった。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＪ３７＞：サーブ37シリーズ（多用途戦闘機）を参照。

＜ＡＪＡＣＳ＞：アメリカ空軍がAMC-Xに引き続いて開発していた輸送機で、Advanced Joint Air Combat System（先進統合航空戦闘システム）の略。AMC-Xを更に多用途化したものである。ノースロップ・グラマン社が予想図を出しており、曲面で構成された機体の両側にエンジンを内蔵し、高翼の主翼と双垂直尾翼を持つ。ただ輸送機にステルス性を持たせる必要があるかどうか議論の余地がある。2008年に陸軍JHL計画と統合されてJFTLとなった。参考：月刊軍事研究11,’07

＜ＡＪＳ３７＞：サーブ37シリーズ（多用途戦闘機）を参照。

＜ＡＪＴ＞：L-169（練習機）またはT-5練習機（台湾空軍）を参照。

＜ＡＪＴ計画＞：M-346練習機（ポーランド）を参照。

＜ＡＫ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、貨物輸送艦を表す。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＫ４＞：G3海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＫ５シリーズ＞：スウェーデン軍突撃銃で、AKはオートマット・カラビンの略。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫ５＞： FNCカービン銃のスウェーデン版で、1984年に制式化され、FFVオーディナンス社で生産された。旧ボフォース・カール・グスタフ社で生産されていたため、カール・グスタフA5（CGA5）と呼ばれることもある。寒冷地で使用するので、厚い手袋を填めても扱いやすいよう、トリガーガードやフォアストックを大型化し、ショルダーストックもプラスチックでカバーした。全長1010mm／750mm（ストック折り畳み時）、重量4.1kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾で、装弾数30発。M203てき弾発射機を取り付けたものは、Ak5 med 40mm granattillsatsと呼ばれる。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究6,’02、10,’98、9,’08

　＜ＡＫ５Ｃ＞：2003年に採用された改良型。ストックを伸縮式かつ折り畳み式とし、照星照門式照準器も折り畳めるように変更、銃本体上面とハンドガード両側面・下面にピカティニー・レールを装着した。参考：ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

＜ＡＫ７−２００＞：ドイツ陸軍ヤークトパンターに搭載された変速機。参考：月刊PANZER5,’01

＜ＡＫ−１２＞：ロシア軍の突撃銃で、カラシニコフ・コンサーン社が開発した。使用弾は5.45mm×39弾。Ratnik将来型歩兵システム用として配備される予定。参考：月刊軍事研究6,’15

＜ＡＫ−１８＞：AKA-1（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−１９＞：AKA-2（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−２０＞：AKA-3（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ２０シリーズ＞：ソ連の抑制赤煙硝酸規格。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＡＫ２０Ｆ＞：硝酸80%＋４酸化２窒素20%の赤煙硝酸にフッ素系腐食抑制剤を加えたもの。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＡＫ２０Ｉ＞：硝酸80%＋４酸化２窒素20%の赤煙硝酸に沃素系腐食抑制剤を加えたもの。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＡＫ−２１＞：AKA-4（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−２２＞：AKA-5（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−２３＞：AKA-6（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−２４＞：AKA-7（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−２５＞：AKA-8（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−２５＞：ソ連の低磁性高張力鋼。１平方ミリメートルあたり60kgの張力に対抗できる。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜ＡＫ−２６＞：AKA-9（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−２７＞：AKA-10（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ２７シリーズ＞：ソ連の赤煙硝酸／抑制赤煙硝酸規格で、AKはAzonaya Kislota（硝酸）の略。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＡＫ２７＞： 赤煙硝酸規格。硝酸73%に４酸化２窒素27%を混合したものである。常温でも気化しないので長期保存（年単位でも可能とされる）ができ、推進剤にはTM-185を使用する。自然発火はしないため、点火にはTG-02液を使う。腐食性が高いため、タンク内部をフッ素または金でコーティングしたりする必要がある。液体ロケット用酸化剤としてスカッドミサイルに使用されている。参考：月刊軍事研究9,’06、6,’09

　＜ＡＫ２７Ｆ＞：抑制赤煙硝酸規格。硝酸73%＋４酸化２窒素27%の赤煙硝酸にフッ素系腐食抑制剤を加えたものである。参考：月刊軍事研究2,’18

　＜ＡＫ２７Ｉ＞：抑制赤煙硝酸規格。硝酸73%＋４酸化２窒素27%の赤煙硝酸に沃素系腐食抑制剤を加えたものである。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＡＫ−２８＞：AKA-11（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ４７シリーズ＞：ソ連軍の突撃銃で、AKはAvtomat Kalashnikova（カラシニコフ突撃銃）の略。PPSh41サブマシンガンの後継で、コンセプトは射距離300-400mでの短機関銃並みの速射能力と小銃並みの命中精度であり、ミハイル・カラシニコフ兵器部少将がドイツ軍のStG44を参考に設計し、1947年に制式採用された。メンテナンスを長期間怠っても、泥や砂塵が入り込んでも、マイナス40度の極寒地域でも確実に作動する。参考：コンバット・バイブル２、世界の軍用銃、日本の防衛戦力Part8

＜ＡＫ４７�T型＞：最初の量産型。作動はガス利用式で、ガスピストン入りガス管は銃身上部にある。銃本体は変形加工鋼鉄製、銃床は木製で、重量4.81kgと重い。照尺の目盛りは800mまで切ってあるが、有効射程は200m（フルオート）／300m（セミオート）であり、近距離での迅速な制圧火力を期待されている。過熱予防（過熱すると発射が止まらなくなる）、弾薬の浪費、強烈な反動による銃身の跳ね上がりでの命中率低下を防ぐため、フルオートでも制限点射を用いることが多い。通常左手で操作するセレクターレバーとコッキングハンドルが右側に付いているので、操作時に不便である。全長874mm、銃身長418mm、重量4.81kg。ライフリングは４条右回り。初速毎秒710m。使用弾は7.62×39mm弾M43、給弾は30発入りバナナ弾倉。発射速度毎分100発（フルオート）／毎分40発（セミオート）。参考：月刊軍事研究8,’02、9,’04、コンバット・バイブル２、最新軍用ライフル図鑑、ザ・マーチ５号

＜ＡＫ４７�U型＞：1950-51年に生産が始まったタイプ。レシーバーが頑丈な削り出し加工になり、グリップがプラスチックから木製に変更され、ショルダーストックはピン１本で取り外し可能となった。参考：コンバット・バイブル２、最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫ４７�V型＞：1953年から量産されたタイプ。ショルダーストック基部を改良し、レシーバーの製作過程を省力化した。このタイプが各国でライセンス生産されている。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＫ４７Ｓ�U型＞：空挺部隊など用で、金属製折り畳み銃床を持つタイプ。グリップはプラスチック製。全長880mm／642mm（銃床折り畳み時）、銃身長417mm、重量3.85kg。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

＜ＡＫ４７Ｓ�V型＞：Ｓ�U型のグリップを木製に変更したタイプ。参考：コンバット・バイブル２

　＜ＡＫＭ＞：AK47改良型で、1959年に制式化された。銃本体をプレス加工鋼板とし、重量を3.76kgに減量、遊底部に光沢防止兼用の防錆加工を施している。直銃床で、グリップはプラスチック製、ハンドガードに膨らみを持たせた。また、マズルブレーキを付けてフルオート射撃時の跳ね上がりを防ぎ、シアにレート・リデューサーを追加してフルオート射撃を安定化させ、命中率を改善している。照尺目盛りは1000mまで付いているが、有効射程はAK47と変わらない。プラスチック製マガジンも製作されている。泥水にかぶった後でもすぐに使えるという優れた性能を持つ。全長898mm、銃身長436mm、重量3.29kg。初速毎秒715m。作動はガス圧式、発射速度毎分40発（セミオート）／90発（フルオート）。ワイヤーカッター付きバヨネットを装着可能。ソ連では1960年代にAK47を更新した。後にサイレンサーも開発された。参考：月刊軍事研究8,’02、9,’04、コンバット・バイブル２、最新軍用ライフル図鑑、ザ・マーチ５号

　＜ＡＫＭＳ＞：AKMに金属製折り畳み銃床を付けたもの。全長913mm／659mm（ストック折り畳み時）、銃身長435mm、重量3.51kg。参考：月刊軍事研究8,’02、最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫ４７海外シリーズ＞

　＜５６式汽槍＞：56式冲鋒槍かも。中国軍突撃銃。AK-47�V型またはAKMのライセンス生産型で、ストックが単材または茶色のプラスチック製となった。一部は折り畳み式スパイクバヨネットを装備している。全長870mm、銃身長414mm、重量4.15kg。配備数は56式騎槍よりは多くなかったようで、輸出の方に大量に回された。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究5,’09、9,’04、コンバット・バイブル２

　＜５６−�T式汽槍＞：中国軍突撃銃。AK-47Sの中国ライセンス生産型で、バヨネットが無い。ハンドガードをプラスチックに換えたものがある。参考：月刊軍事研究9,’04、コンバット・バイブル２

　＜５６−�U式汽槍＞：中国軍突撃銃。折り畳み式直銃床型である。参考：月刊軍事研究6,’08

　＜５８式小銃＞：北朝鮮軍突撃銃。AK47のライセンス生産型で、木製部品は単材を使用している。全長892mm、銃身長416mm、重量3.7kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。1958-68年に80万丁が生産されたという。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究9,’04、コンバット・バイブル２

　＜６８式小銃＞：北朝鮮軍突撃銃。58式小銃の改良型で、レシーバーをプレス加工にして生産性を向上させた。フルオートを安定させるためのスタビライザーは無い。全長896mm、銃身長438mm、重量3.36kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＡＩＭ＞：ルーマニア軍突撃銃。AKMのライセンス生産型で、ハンドガード下に木製のピストルグリップが付く。３点バースト機能もある。全長980mm、銃身長432mm、重量3.7kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＡＩＭＳ＞：ルーマニア軍突撃銃。AKMSのライセンス生産型で、ハンドガード下に木製ストックを持つが、折り畳み銃床を収納するため、AIMとは角度が異なっている。全長780mm／550mm（ストック折り畳み時）、銃身長505mm、重量3.2kg。ライフリングは４条右回り。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＡＩＭカービン＞：ルーマニア軍突撃銃。AIMのカービン型で、銃床は右に折り畳む。参考：コンバット・バイブル２

　＜ＡＫ４７（ハンガリー）＞：ハンガリー軍突撃銃。FEG（フェギバール・エス・ガスゲスレーケージ）がライセンス生産した。ショルダーストックなどが単材で作られている他、セレクター表示が数字になった。輸出もされている。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＫ４７（ブルガリア）＞：ブルガリア軍突撃銃。ブルガリアのアーセナル社でライセンス生産された。ストックは木製単材で、プラスチック製グリップを持つ。全長875mm、銃身長416mm、重量3.73kg。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＡＫ４７Ｍ１（ブルガリア）＞：AK47の近代化型で、アーセナル社が開発した。ストック、グリップ、フォアグリップをAK74と同様のマット仕上げのプラスチック製に換えてある。全長890mm、銃身長435mm、重量3.4kg。使用弾とマガジンはAK47と同じである。主に輸出用に生産された。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＫＭ（ブルガリア）＞：ブルガリア軍突撃銃。ストックとハンドガードが濃いブラウンのプラスチック製になっている。参考：コンバット・バイブル２

　＜ＡＫＭＳ−Ｋ＞：東ドイツの武器輸出企業であるIMESが開発したAKMのカービン型。東ドイツ秘密警察がサイレンサー付きで使用した他、ペルーの対テロ部隊も使用した。全長806mm／600mm（ストック折り畳み時）、銃身長342mm、重量3.6kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＭＤ６３＞：ハンガリー軍突撃銃。AKMの改造型で、ハンガリーではAKMと呼ばれている。放熱孔が開けられたプレス製ハンドガード下にピストルグリップが付けられた。全長880mm、銃身長415mm、重量3.125kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究9,’04、コンバット・バイブル２

　＜ＡＭＤ６５＞：ハンガリー軍突撃銃。AMD63のカービン型で、銃床を折り畳み式としており、空挺部隊・特殊部隊向けである。マズルブレーキは大型化され、銃床は右に折り畳まれる。全長845mm／602mm（ストック折り畳み時）、重量3.35kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。1965年に採用された。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究9,’04、コンバット・バイブル２

　＜ＡＭＤ６９＞：ハンガリー軍突撃銃。カービン型AKMの改良型で、ハンドガードを前後可動式とし、ライフルグレネードを発射可能とした。AMP69に同じ？ 参考：コンバット・バイブル２

　＜ＡＭＰ６９＞：ハンガリーのFEGが開発した突撃銃。空包によりライフルグレネードの発射が可能であり、反動軽減のためフォアストックとショルダーストックにショックアブソーバーが組み込まれている。また、グレネード発射時にガスシリンダーへのガスをカットするスイッチも設けられた。全長921mm／637mm（ストック折り畳み時）、重量3.95kg。ライフリングは４条右回り。作動はガス圧利用式。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ７０＞：ユーゴスラビア軍突撃銃。AK47のライセンス生産型で、ライフルグレネードの発射機能を持ち、ハンドガード前方にサイト兼用のガス・カットオフ・スイッチを持つ。グリップ形状も元とは違う。全長900mm、銃身長415mm、重量3.7kg。参考：コンバット・バイブル２、最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ７０Ｂ１＞：ユーゴスラビア軍突撃銃。M70の改良型で、レシーバーをプレス加工にして生産性を向上させている。全長918mm、銃身長433mm、重量4.265kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ７０ＡＢ１＞：ユーゴスラビア軍突撃銃。M70B1の折り畳みストック型である。全長912mm／633mm（ストック折り畳み時）、銃身長435mm、重量4.1kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ７０ＡＢ２＞：ユーゴスラビア軍突撃銃。AKMSのライセンス生産型である。参考：コンバット・バイブル２

　＜Ｍ９０＞：フィンランドSAKOが開発したRKm62改だが、値段が高いので大量発注には至っていない。マガジンはプラスチック製で、ストックが折り畳み式になった。銃口に大型のマズル・コンペンセイターを装着しており、ここにライフルグレネードを差し込んで発射できる。特殊部隊向けの消音器も用意された。全長930mm／675mm（ストック折り畳み時）、銃身長416mm、重量3.85kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＭＰｉ−Ｋ＞：東ドイツ軍突撃銃。AK47のライセンス生産型で、MPiはマシーネン・ピストールの略。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＭＰｉ−ＫＭ＞：東ドイツ軍突撃銃。AKMのライセンス生産型で、銃床は滑り止めの付いたプラスチック製である。参考：コンバット・バイブル２

　＜ＭＰｉ−ＫｍＳ＞：東ドイツ軍突撃銃。AK47Sのライセンス生産型で、マシーネン・ピストール・ティプ・カラシニコフ・ミット・ショルターシュテッツェの略。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＭＰｉ−ＫＭＳ−７２＞：東ドイツ軍突撃銃。AKMSのライセンス生産型で、ストックは１本の鉄棒をプレスして作られており、右に折り畳む。全長895mm／680mm（ストック折り畳み時）、銃身長415mm、重量3kg。エジプトへの輸出型はストック形状が微妙に違う。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＮＧＭ＞：ハンガリーのFEG社が開発した小口径型AKM。銃口に大型のマズル・コンペンセイターを持つ。全長935mm、銃身長412mm、重量3.51kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＰＭＫ＞：ポーランド軍突撃銃。AKMのライセンス生産型である。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＰＭＫ−ＤＧＮ−６０＞：ポーランド軍突撃銃。PMKの改良型で、1960年に制式化された。ライフルグレネード発射機能も持ち、銃口先端にアダプターを標準装備、銃床側面にはゴムパッド取り付け金具が付いている。発射可能なグレネードは、PGN-60成形炸薬弾、F-1N-60榴弾、DGN発煙弾。全長1005mm、銃身長415mm、重量4.5kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：月刊軍事研究9,’04、コンバット・バイブル２、最新軍用ライフル図鑑

　＜ＰＭＫＭ＞：ポーランド軍突撃銃。PMKのレシーバーをプレス加工にしたもので、AKMに相当する。外観もほぼAKM。全長913mm、銃身長436mm、重量3.3kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｒ４＞：南アフリカの突撃銃。ガリルARMのライセンス生産型で、フォアストックとマガジンをプラスチック製にし、ショルダーストックを延長して体格に合わせている。全長1010mm／744mm（ストック折り畳み時）、銃身長491mm、重量4.43kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数35発。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜Ｒ５＞：南アフリカの突撃銃。ガリルSARのライセンス生産型で、R4と同様にフォアストックやマガジンはプラスチック製で、ショルダーストックを延長した。全長840mm／614mm（ストック折り畳み時）、重量3.75kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数35発。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜Ｒ６＞：南アフリカの突撃銃。ガリルMARに相当するコンパクトタイプで、南アフリカのLIW社が生産した。全長805mm／565mm（ストック折り畳み時）、銃身長307mm、重量3.675kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数35発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＲＫ７６Ｐ＞：フィンランドのAK47改良型。RKm62/76のプラスチック銃床版である。参考：月刊軍事研究8,’14

　＜ＲＫ７６Ｔ＞：フィンランドのAK47改良型。RKm62/76のチューブ式固定銃床版である。参考：月刊軍事研究8,’14

　＜ＲＫ７６ＴＰ＞：フィンランドのAK47改良型。RKm62/76のチューブ式折り畳み銃床版である。参考：月刊軍事研究8,’14

　＜ＲＫ７６Ｗ＞：フィンランドのAK47改良型。RKm62/76のウッド・ストック版である。参考：月刊軍事研究8,’14

　＜ＲＫ９５ＴＰ＞：フィンランド軍7.62mm突撃銃。RK76TPベースの特殊部隊仕様で、サイレンサー、光学照準器、グレネードランチャーなどを追加できる。全長940mm／695mm（ストック折り畳み時）、重量4kg（本体のみ）／4.2kg（マガジン含む）／4.8kg（弾薬30発含む）。発射速度毎分20-30発（セミオート最大）／120-180発（フルオート実用）／700発（フルオート最大）。使用弾は7.62mm×39弾。参考：月刊軍事研究1,’09、8,’14

　＜ＲＫｍ６０＞：フィンランドのAK47改造突撃銃。外観はかなり異なっているが、機関部の構造は類似しており、弾薬とマガジンは共通である。ショルダーストックはＴ字型で、防寒用にゴムが巻いてあり、内部にクリーニングロッドなどを収容する。全長882mm、銃身長417mm、重量3.66kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。RKm62の原型となった。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＲＫｍ６２＞：フィンランド軍の突撃銃。RKm60の量産型で、ショルダーストックを強化し、大型のマズル・コンペンセイターを装着した。AK47の面影はマガジンやセレクターレバーに留めるのみである。作動はガス圧作動式、閉鎖はターンボルト方式。全長935mm、銃身長455mm、重量3.9kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。民間向けのセミオート専用型も製作された。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

＜ＲＫｍ６２／７６＞：フィンランド軍の突撃銃。RKm62のレシーバーをプレス加工にして生産性を上げ、下面のグリップ形状を変更した。全長935mm、銃身長455mm、重量3.9kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ｖｚ５８／９７＞：Vz58/97（突撃銃）を参照。

　＜Ｖｚ５８Ｐ＞：Vz58P（突撃銃）を参照。

　＜Ｖｚ５８Ｖ＞：Vz58V（突撃銃）を参照。

　＜ガリルＡＲＭ＞：イスラエルがAK47を元に開発した突撃銃。作動はAK47と同じガス圧作動式で、金属製折り畳みストック、二脚（固定金具をボトルオープナーとしても使える）、キャリングハンドルを持つ。全長990mm／750mm（ストック折り畳み時）、銃身長490mm、重量4.625kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数35発。中南米に輸出され、南アフリカでライセンス生産された。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ガリルＭＡＲ＞：ガリルARMの銃身短縮型で、SARよりも更に銃身を短くして大きさをサブマシンガン並みにしてあり、特殊部隊が至近戦闘に使用する。高初速なので防弾チョッキも貫通できるが、命中精度が悪いので接近戦にしか使えない。全長625mm／415mm（ストック折り畳み時）、重量2.9kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数35発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ガリルＳＡＲ＞：ガリルARMのカービン型で、銃身を短縮してある。右に折り畳むストックを持つ。全長840mm／615mm（ストック折り畳み時）、重量4.05kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数35発。イスラエル軍の機械化歩兵、砲兵隊、後方部隊などに配備された。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ガリルＡＣＥ＞：ガリルの近代化型で、ポリマーを多用している。参考：月刊軍事研究2,’10

　＜ガリルＡＣＥ２３＞：ガリルACEの改良型で、フォアグリップとストックを新型にし、レールマウントを２つ装備している。使用弾は7.62mmNATO標準弾となった。参考：月刊軍事研究2,’10

　＜タブク＞：イラクのAKMまたはAKMSライセンス生産型。ユーゴスラビアの協力を得たとみられており、M70やM70Aと同じ削り出しのレシーバーを持つタイプ、M70B1やM70AB1と同じプレス加工のレシーバーを持つタイプがある。また、カービン型やライフルグレネード発射機能省略型も存在する。参考：最新軍用ライフル図鑑、軍事分析湾岸戦争

　＜ミスール＞：エジプトのAKMライセンス生産型。木製ストックモデルと、金属製折り畳みストックモデルの２種がある。海外に輸出もされた。全長890mm、銃身長431mm、重量3.45kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫ−５３＞：AKA-12（リブラ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−５５＞：AKA-13（リブラ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−５６＞：AKA-14（リブラ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−６４＞：AKA-15（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−６５＞：AKA-16（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−６６＞：AKA-17（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−６７＞：AKA-18（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−６８＞：AKA-19（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ−６９＞：AKA-20（アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜ＡＫ７４シリーズ＞：ソ連軍の突撃銃。AK47シリーズを小口径化したもので、1980年のアフガニスタン侵攻で西側が認識し、1974年頃に登場したと推定したためAKの後ろに74を付けた。AKMと外見が殆ど同じのため、当初はAKMの改良型とみられていたが、1980年に日本のジャーナリストが小口径弾を使用する新式銃であると紹介した。参考：世界の軍用銃、月刊軍事研究8,’02

　＜ＡＫ７４＞：AKMの銃床を金属製にし、弾丸口径を5.45mmに減径（長さは39mmのまま）、初速が毎秒900mに増加して有効射程が300-450mにアップした。射距離500mで乗用車の車体を貫通できるが、弾丸速度が速すぎて、硬目標を25m以内で射撃した場合は弾丸の方が粉砕されてしまう。大型のマズル・サプレッサー（上面に３個、側面に１個ずつの孔が開いている）を装着しており、AKMと区別するため木製ショルダーストックに溝を付けている。1970年代末頃から木製部品がプラスチックに変更された。全長940mm、銃身長475mm、重量3.415kg。使用弾は5.45mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２、月刊軍事研究8,’02

　＜ＡＫＳ７４＞：AK74に金属製折り畳み銃床を付けたもので、左側に折り畳む。全長898mm、重量3.29kg。参考：月刊軍事研究8,’02

　＜ＡＫＳ７４Ｕ＞：空挺・特殊部隊用で、元は航空機や戦闘車両搭乗員の自衛用に開発された。銃身を大幅に切り詰め、発射ガス拡散用のマズル・サプレッサー（リコイル・ブースター？）を取り付け、後方照尺をプレス製の簡単なものに換えた。全長726mm／488mm（ストック折り畳み時）、重量2.73kg／3.2kg（装弾時）。ライフリングは４条右回り。初速毎秒735m、発射速度毎分800発、装弾数30発。専用の消音器を装備するものもある。参考：月刊軍事研究4,’99、9,’04、7,’97、コンバット・バイブル２、最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＫＳ７４ＵＮ＞：AKS74Uのレシーバー左側面に夜間戦闘用暗視照準器を装備したもの。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究4,’99

＜ＡＫ７４海外シリーズ＞

　＜５．４５ｍｍアサルトライフル＞：ルーマニアのロムテクニカが生産しているもので、モデル名が付いておらず、単にこう呼ばれている。合板製固定ストックモデルと、金属製折り畳みストックモデルの２種がある。全長940mm、銃身長415mm、重量3.72kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.45mm×39弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜５．４５ｍｍアサルトカービン＞：5.45mmアサルトライフルのカービン型で、チャウシェスク政権時代はセキュリタス治安部隊向けに生産されており、自由化後は輸出市場に供給された。全長800mm／603mm（ストック折り畳み時）、重量3.15kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.45mm×39弾、装弾数30発。5.56mm×45弾型、7.62mm×39弾型、ショルダーストック省略型なども生産されている。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜８８Ｓ＞：中国軍突撃銃。AK74ライセンス生産型で、88式自動歩槍ともいう。全長992mm、銃身長476mm、重量3.745kg。民間輸出用のセミオートのみバージョンも製造された。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＡＫ７４（北朝鮮）＞：北朝鮮軍突撃銃。正式呼称は不明。AKS74もライセンス生産しているようだ。参考：月刊軍事研究9,’04

　＜ＡＫ７４（ブルガリア）＞：アーセナル社でライセンス生産された。銃床・ハンドガードとも黒いプラスチック製で、マガジンにはAKMとの区別用に細いリブが付いている。全長940mm、銃身長475mm、重量3.42kg。輸出用の5.56mm×45弾型も製造された。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＡＫ７４Ｍ＞：AK74ベースの輸出用突撃銃で、5.45mm×30弾を使用する。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫＳ７４Ｕ（ブルガリア）＞：アーセナル社生産型で、外観はAKS74Uに似ている。全長726mm／488mm（ストック折り畳み時）、銃身長270mm、重量2.7kg。輸出用5.56mm×45弾型も開発された。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＫＡＷＺ８８＞：ポーランドのAK74もどきで、PMKMをベースに小口径化したものである。３点バースト機構が追加されており、着脱式の二脚を装着できる。全長942mm／742mm（ストック折り畳み時）、重量3.4kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.45mm×39弾、装弾数30発。5.56mm×45弾使用の輸出型もある。参考：最新軍用ライフル図鑑、コンバット・バイブル２

　＜ＫＡＷＺ８９＞：KAWZ88のカービン型で、AKS74Uに相当する。ライフルグレネード発射機の形状も変更された。全長722mm／532mm（ストック折り畳み時）、銃身長272mm、重量3.175kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.45mm×39弾、装弾数30発。5.56mm×45弾使用の輸出型はオニキスと呼ばれる。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ８０＞：ユーゴスラビア生産型。全長945mm、銃身長460mm、重量3.7kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜Ｍ８５＞：M80のカービン型で、AKS74Uに相当する。全長785mm／535mm（ストック折り畳み時）、重量3.2kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＭＰｉ−ＡＫ７４＞：東ドイツ軍突撃銃。1985年からライセンス生産したAK74である。フォアストックとショルダーストックはプラスチック製で、ショルダーストックには半球形の小さな突起が多数付けられている。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＭＰｉ−ＡＫ７４Ｋ＞：東ドイツ軍突撃銃。MPi-AKS74のカービン型で、AKS74Uに相当する。マズル・コンペンセイターはAKS74Uより小型。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＭＰｉ−ＡＫ７４Ｎ＞：東ドイツ軍突撃銃。MPi-AK74に夜間暗視スコープを追加したものである。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＭＰｉ−ＡＫ７４ＮＫ＞：東ドイツ軍突撃銃。MPi-AK74Kのレシーバー左に装着レールを付け、暗視スコープを搭載できるようにしたもの。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＭＰｉ−ＡＫＳ７４＞：東ドイツ軍突撃銃。AKS74のライセンス生産型で、フォアストックをプラスチック製にし、ショルダーストックをＴ字型の鉄製丸棒にしてある。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＭＰｉ−ＡＫＳ７４Ｎ＞：東ドイツ軍突撃銃。MPi-AKS74に夜間暗視スコープを追加したものである。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜タブク＞：イラク軍突撃銃。AK74をライセンス生産したものである。参考：軍事分析湾岸戦争

＜ＡＫ−１００＞：ソ連海軍70口径100mm単装艦砲、別名ZIF-91、システム名称A-214。1960年代末期から新型対潜艦用両用砲として開発され、1978年に制式化された。砲身は水冷式で、砲身下にパイプが下がっている。砲塔の１甲板下にローター式給弾機が複数用意されているらしく、即応弾数は174-332発とバラツキがある。砲塔システム重量34.94トン／37.5トン（弾薬含む）。俯仰角マイナス10度からプラス85度、俯仰速度毎秒20度、旋回角左右180度ずつ、旋回速度毎秒30度。使用弾は薬莢式榴弾（総重量26.8kg、弾丸重量15.6kg）と訓練弾、信管は触発、機械式近接、電波式触接の３種（DVM-60M1時限信管装備ZS-58対空榴弾、AR-32電波近接信管装備ZS-58R対空榴弾など？）、初速毎秒880m、最大射程21.5km（対地）／10km（対空）、有効射高8km、危害半径10m（対航空機）／5m（対ミサイル）。発射速度は毎分15発・45発・60発の切り替え式。射撃指揮装置はレフ114で、MR-114射撃指揮レーダーを使用する。キーロフ級１番艦、ウダロイ�T級、クリヴァク�U級、ネウストラシムウイ級、インド海軍デリー級駆逐艦などに搭載された。後に射撃指揮装置をレフ145、射撃指揮レーダーをMR-145に換装した。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、11,'20、12,’18、2,’17、11,’14、月刊軍事研究12,’02

＜ＡＫ１０１＞：AK103ファミリーを参照。

＜ＡＫ１０２＞：AK103ファミリーを参照。

＜ＡＫ１０３シリーズ＞：ロシアの突撃銃。ロシア陸軍などに配備されたが、製造元のイジェフスク機械工場は売り上げ低迷で負債がかさみ、2012年4月に倒産してしまった。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究9,’04、6,’12、8,’18

＜ＡＫ１０３＞：AK74の改良型で、プラスチック部品を耐熱・耐衝撃性の高い黒色プラスチック樹脂に変更、ショルダーストックを折り畳み式とし、スコープマウントを標準装備、使用弾を7.62mm×39弾にした。全長943mm／700mm（ストック折り畳み時）、銃身長475mm、重量3.55kg。ライフリングは４条右回り。30発入りバナナマガジンを使用する。弾薬のストックが大量にあるロシア陸軍が2001年から配備し、ブータン政府も4000丁導入した。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究9,’04、6,’12、8,’18

　＜ＡＫ１０１＞：輸出専用型で、5.56mmNATO標準弾を使用する。2000-01年にインドネシアが9000丁購入した。参考：月刊軍事研究9,’04、最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫ１０２＞：AK101のカービン型。全長を120mm短縮して折り畳み銃床を取り付けてある。参考：月刊軍事研究2,’08、最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫ１０４＞：AK103のカービン型。全長を120mm短縮して折り畳み銃床を取り付けてある。参考：月刊軍事研究2,’08、最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＫ１０３海外シリーズ＞

　＜ＡＫ１０３（インド陸軍）＞：インド陸軍突撃銃。1990年代半ばから小銃の更新計画を開始し、AK103を検討したが、2010年に操作性が悪いとして保留になり、2017年にロシアが再提案したが要求仕様に合わないとして再度保留になり、3月に国境警備・不正規戦用として72400丁を輸入した。本格採用となればライセンス生産する予定である。参考：月刊軍事研究10,’18

＜ＡＫ−１０３−４＞：ロシア軍の突撃銃で、カラシニコフ・コンサーン社が開発した。7.62mm×39弾を使用する。Ratnik将来型歩兵システム用として配備される予定。参考：月刊軍事研究6,’15

＜Ａｋ１０４＞：AK103シリーズを参照。

＜ＡＫ１０５＞：ロシアの突撃銃。AK74Mのカービン型で、折り畳み銃床を持つ。使用弾は5.45mm×39弾。単価は１丁13000円。参考：月刊軍事研究9,’04、2,’08

＜ＡＫ−１３０＞：ソ連海軍130mm艦砲。1967年にクリヴァク型フリゲート用として設計が始まったAK-217（工場名称ZIF-92）がベースで、これは試作砲の発射速度が目標の毎分60発に達せず、砲塔重量も10トン増えたため開発中止となったが、スラヴァ級・キーロフ級用に改設計を加えて完成させたのが本システムである。1976年から試作砲がテストされ、1980年にソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦への搭載が開始され、1985年11月に制式化された。システムはユニバーサル自動化艦載砲システムと呼ばれ、レフ218（Lev-218）型射撃指揮装置、ZIF-94砲塔システム、130mm連装砲塔A-218、130mm艦砲AK-130で構成される。AK-130は70口径130mm水冷艦砲で、半球形のA-218砲塔に２門並列搭載され、２門同時に俯仰する。砲身寿命1500発。弾薬は砲塔下の60発入りドラムマガジン３基（使用弾別に１基ずつ用意されている）から自動装填される。45発入りドラムマガジンが各門２基（対空弾用と対水上弾用）ずつ計４基という説もある。発射速度は２門で毎分60-70発（実用）／86-92発（最大）。俯仰角マイナス12度からプラス80度（マイナス10度からプラス85度？）、俯仰速度毎秒25度、旋回角左右200度（100度？）ずつ、旋回速度毎秒25度。使用弾はA3-UZC-44対空用HE弾（弾丸重量33.4kg、炸薬重量3.56kg。DVM-60M1時限信管付）、A3-UZC-44R対艦ミサイル迎撃・水上目標・陸上目標攻撃用HE弾（AR-32電波近接信管付）、A3-UF-44水上・陸上目標攻撃用HE弾で、訓練弾もある。初速毎秒850m、有効射程15km（対航空機）／8km（対ミサイル）、最大射程23km。レフ218射撃指揮装置はMR-184レブ射撃指揮レーダー（NATOコードはカイト・スクリーチ。使用周波数Ｈ／Ｉ／Ｋバンド、最大目標捕捉距離75km）と砲塔右のバックアップ用コンデンソル218電子光学射撃指揮装置（NATOコードはスクイーズ・ボックス）で構成される。改良型のMR-184Mを装備したレフ218M射撃指揮システムを搭載するものもある。システム重量98トン。操作要員6-10名（射撃要員2-3名＋給弾要員）。やたらと重いので搭載艦が限られるのが欠点。キーロフ級巡洋艦2-4番艦、スラヴァ級巡洋艦、ソブレメンヌイ級駆逐艦、ウダロイ�U型駆逐艦などに搭載された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊軍事研究11,’99、12,’98、12,’02、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’18、5,’13、11,’14、11,’20

＜ＡＫ−１５７＞：ZIF-71（57mm艦砲）を参照。

＜ＡＫ−１７６シリーズ＞：ソ連海軍59口径76.2mm単装艦砲、システム名称A-221。AK-726の後継として1979年に制式化された。中国がH/PJ-26としてコピーしている。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜ＡＫ−１７６＞：AK-726が重かったので、単装砲にして自動化を進め、半分くらいに軽量化している。有人砲塔だが、無人での運用も可能。砲身は水冷式で、発射速度が高く、連装のAK-726を上回る。弾薬は76発入りチェーンホイスト２基により給弾される。砲塔システム重量13.1トン（16.5トン？）／10.45トン（砲弾抜き）。旋回角左右175度ずつ（180度ずつ？）、俯仰角マイナス15度からプラス85度、旋回速度毎秒35度、俯仰速度毎秒30度。発射速度毎分30/60/120発、最大連射数70発。使用弾は榴弾で、信管は触発または近接式、砲弾重量12.4kg（16kg説あり）、弾頭重量6.8kg、砲口初速毎秒980m、有効射程11km（対水上）／7km（対空）、最大射程17km（対水上）／11km（対空）、有効射高6-7km、最大射高12km、加害半径8m（対航空機・対ミサイル）。MR-123射撃指揮レーダーで管制される。タランタル級、ナヌチュカ�V／�W級、グリシャ�X級、ロプーチャ�U級などに搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’14、12,’18、2,’17、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究11,’15、11,’11、12,’02

　＜ＡＫ−１７６Ｍ＞：射撃指揮装置改良型で、1980年代に登場した。参考：月刊世界の艦船11,’14

＜ＡＫ−１７６Ｍ１＞：ステルス砲塔型。参考：月刊世界の艦船11,’14、月刊丸2,’12

＜ＡＫ−１７６ＭＡ＞：FCSを近代化し、ステルス砲塔を採用したタイプ。プロジェクト22800ミサイル艇、プロジェクト22160哨戒艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜ＡＫ−２３０シリーズ＞：ソ連海軍63口径（65口径？）30mm連装水冷機関砲。1950年代後半から開発され、1959年頃に西側が確認し、1960年代にCIWSとして艦船に搭載された。給弾は500発ベルト式で、甲板下に給弾装置が埋め込まれている。管制レーダーはMR-103またはMR-104で、機関砲とは別の場所にある。マウント重量1.9トン（3.5トン？）。旋回角プラスマイナス180度、旋回速度毎秒35度、俯仰角マイナス12度からプラス87度、俯仰速度毎秒24度。砲弾重量360g、砲口初速毎秒1050-1060m、有効射程2500-4000m、最大射程6000m（6700m？）。作動はリボルバーカノン式、発射速度１砲身あたり毎分1000発（500発？）。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、1,'21、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’02、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

　＜ＡＫ−２３０Ａ＞：直流電源型。参考：月刊世界の艦船1,’21

　＜ＡＫ−２３０Ｂ＞：交流電源型。参考：月刊世界の艦船1,’21

　＜ＡＫ−２３０Ｍ＞：掃海艇向け低磁性型。弾倉容量を小さくした。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜ＡＫ−２３０海外シリーズ＞

　＜６９式３０ｍｍ連装機銃＞：中国海軍がコピーしたもので、候間型ミサイル艇が搭載している。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＡＫ−２５７＞：ZIF-31（57mm艦砲）を参照。

＜ＡＫ−３０６＞：ソ連海軍54口径30mm６砲身ガトリング砲、システム名称A-219。AK-630Mと見た目がほぼ同じ軽量化型だが、使用する砲身は空冷のAO-18Lであり、駆動を電気式に変更、装填機構が違うので発射速度が低い。マウント重量1.1トン（弾薬除く）。旋回角プラスマイナス180度、旋回速度毎秒70度、俯仰角マイナス12度からプラス85度、俯仰速度毎秒50度。砲口初速毎秒875m、最大射程4000-5000m。発射速度毎分600-1000発、装弾数500発。1980-86年に125基が生産された。月刊世界の艦船1,'15増刊、1,'21、6,'15、12,’18、月刊軍事研究11,’11、1,’18、3,’02、11,’09

＜ＡＫ−３０８＞：カラシニコフが開発した7.62mm突撃銃。使用弾は7.62mm×51NATO標準弾。2018年8月の兵器展示会アルミア2018で展示された。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＡＫ−４５７＞：ZIF-75（57mm艦砲）を参照。

＜ＡＫ−６３０シリーズ＞：ソ連海軍A-213CIWS用30mm機関砲塔、NATOコードはADGM-630。1960年代から開発され、1969年に就役した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90

　＜ＡＫ−６３０＞：54口径30mmガトリング砲AO-18（6K30）を平たい円盤状の砲塔に搭載したもので、円錐台形の台座上で旋回する。ドラム弾倉に弾薬2000発を収容する。マウント重量1.85トン（弾薬除く）。旋回角プラスマイナス180度、旋回速度毎秒70度、俯仰角マイナス12度からプラス85度、俯仰速度毎秒50度。初速毎秒900m、有効射程4000m（対空）／5000m（対水上）、最大射程8100m。発射速度毎分5000発。MR-123射撃指揮装置と組み合わせる。1960年代に実用化されたが、初期不良に悩まされ、AK-630Mに進んだ。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、4,'09、12,’18、4,'21、月刊軍事研究11,’99、1,’18、月刊丸2,’12

　＜ＡＫ−６３０Ｍ＞：真の実用型で、AK-630の不具合を改良し、1000発入り予備ドラム弾倉を追加したもの。旋回速度毎秒70度、俯仰速度毎秒50度。有効射程4000m未満、最大射程8000m以上。発射速度毎分5000発（最大）／3000発（実用）。装弾数2000発＋予備1000発。1979年から運用された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’18、月刊軍事研究9,’11、3,’00、11,’09、月刊丸2,’12

　＜ＡＫ−６３０Ｍ１−２＞：別名ドゥエト。６砲身ガトリング砲を縦に２つ重ねたタイプで、発射速度毎分10000発。1980年代初めに開発された。参考：月刊世界の艦船2,’17

　＜ＡＫ−６３０Ｍ−２＞：AK-630M1-2の改良型で、2000年代に開発された。６砲身ガトリング砲を縦に２つ重ね、砲身を纏めて直方体カバーで覆っており、ステルス砲塔を採用した。マウント重量2.5トン。旋回角左右180度ずつ、旋回速度毎秒70度（80度？）、俯仰角マイナス25度からプラス90度、俯仰速度毎秒50度（60度？）。有効射程4000m（5000m）、最大射程8100m、有効射高3000m。発射速度毎分8000-10000発、装弾数4000発。プロジェクト21631ブヤンＭ級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’14、6,’15、月刊軍事研究11,’15、11,’09、1,’18

　＜ＡＫ−６３０Ｖ＞：AK-630の発射速度を下げ、射撃指揮装置をレーダー式から光学装置のみにした軽量型。参考：月刊軍事研究3,’00

　＜ＡＫ−６３０ガンミサイル型＞：AK-630Mに9M311艦対空ミサイルを搭載したもの。砲塔両側にミサイルキャニスター２本ずつを装備し、追加された最新の高精度電子光学照準装置で誘導する。電子光学照準装置は電子光学・赤外線照準器とレーダー測遠機で構成され、目標が指示されるとその方向に向かってセクターサーチモードが作動、目標を捕捉すると同時に追尾が行われる。コンソールは１名でのシステム操作が可能で、目標位置データは艦のレーダーなどからも受けられる。リアクションタイム4-5秒。重量は砲塔4000kg、照準装置200kg、コンソール200kgで、排水量50トン以上の艦艇に装備可能。有効迎撃範囲はミサイルが距離1500-8000m・高度5-3500m、機関砲が距離500-4000m・高度5-3000mである。参考：月刊軍事研究3,’00、7,’09

＜ＡＫ−６３０海外シリーズ＞

　＜Ｈ／ＰＪ−１３＞：中国海軍30mmCIWS。AK-630Mのコピーで、防楯をステルス型にした。071型揚陸艦、022型ミサイル艇、901型補給艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’21、4,’22

＜ＡＫ−７２５＞：ソ連海軍75口径57mm連装艦砲、別名ZIF-72。ZIF-31の後継として1950年代から開発され、1961年から量産された。砲身は左右纏めて俯仰するタイプで、防楯は球形をしており、これが砲塔前上部に埋め込まれたような形状をしている。砲身は液冷式、給弾はベルト式。軽量で発射速度が高いが、故障が多く、威力も不十分だった。砲塔重量14275トン。旋回角180-200度、旋回速度毎秒35度、俯仰角はマイナス10度からプラス85度、俯仰速度毎秒30度。砲弾重量2.8kg、砲口初速毎秒1020m、射程13km、射高7.4km。発射速度１門あたり毎分100発（60発？120発？）、搭載弾数2100発。MR-103射撃指揮装置で管制される。クレスタ�T・�U型巡洋艦、T58型掃海艇、ウーグラ級潜水母艦、モスクワ型ヘリ巡洋艦、ナヌチュカ型ミサイル艇、グリシャ型小型対潜艦、パルヒム型警備艦、哨戒艇、揚陸艦などに搭載された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,'20、11,’14、4,’09、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＫ−７２６＞：ソ連海軍の76mm連装艦砲。60口径76mm連装砲を謳っているが、実際には59口径長である。1954年4月に設計案が承認され、1956年に技術案が完成、ZIF-67として開発され、1964年5月に実用化された。砲耳が砲塔の後ろ寄りにあり、口径の割には砲塔が大きく重い。砲身は空冷だが、過熱を防ぐため、射撃の合間にポンプで海水を浴びせて冷やすらしい。砲塔重量25.24トン。360度旋回可能（左右164度ずつ？）、旋回速度毎秒35度、俯仰角マイナス２度からプラス84度、俯仰速度毎秒30度。砲弾重量5.9kg（6.8kg？）、炸薬重量0.5kg、初速毎秒980m、有効射程11km（対水上）／7km（対空）、最大射程15.7km（対水上）／11km（対空）、最大射高13km。１門あたり発射速度毎分45発（連続）／90発（最大）。砲身命数3000発。装弾数2400発（うち即応弾138発）。操作員９名。MR105またはアウル・スクリーチ射撃指揮レーダーの管制を受ける。カーラ級巡洋艦、キンダ級巡洋艦、カシン級駆逐艦、クリヴァク�T級フリゲート、コニ級フリゲート、ペチャ級フリゲート、ミルカ級フリゲート、インド海軍ラジプット級駆逐艦に搭載された。信頼性は高かったが、性能に不満があり、以降の艦砲では大口径化が図られている。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,'20、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’18

＜ＡＫＡ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、攻撃貨物輸送艦を表す。1943年2月に制定された。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＫＡ−１＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦アークチュラス（Arcturus）。C2型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量13875トン。AK-18として1940年10月に竣工した。1943年2月、AKA-1に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦プロシオン（Procyon）。C2型戦時標準貨物船を改造したものである。甲板上にLCMなら最大７隻を搭載し、デリックで海上に降ろして使用する。排水量14225トン。貨物船として建造中の1940年11月に取得し、AK-19として1941年8月に竣工した。1943年2月、AKA-2に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３＞：アメリカ海軍ベラトリクス級攻撃貨物輸送艦ベラトリクス（Bellatrix）。AK-20として1942年2月に竣工した。1943年2月、AKA-3に艦種変更された。1960年に除籍され、1963年にペルーに引き渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４＞：アメリカ海軍ベラトリクス級攻撃貨物輸送艦エレクトラ（Electora）。AK-21として1942年3月に竣工した。1943年2月、AKA-4に艦種変更された。1946年に除籍された。1951年、再度艦籍編入された。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦フォーマルホウト（Formalhaut）。C1-A型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量11053トン。AK-22として1942年3月に竣工した。1943年2月、AKA-5に艦種変更された。1944年、AK-22に艦種変更された。1948年、AE-20に艦種変更された。1962年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦アルチバ（Alchiba）。C2型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量13875トン。AK-23として1941年6月に竣工した。1942年、ガダルカナル島で甲標的の雷撃を受け撃破された。1943年2月、AKA-6に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船3,’17

＜ＡＫＡ−７＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦アルサイアニ（Alcyone）。C2型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量13875トン。AK-24として1941年6月に竣工した。1943年2月、AKA-7に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦アルゴラブ（Algorab）。C2型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量13875トン。AK-25として1941年6月に竣工した。1943年2月、AKA-8に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦アルヘナ（Alhena）。C2-S型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量15085トン。AK-26として1941年6月に竣工した。1942年9月29日、ソロモン方面で伊４潜水艦の雷撃により損傷した。1943年2月、AKA-9に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＫＡ−１０＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦アルマーク（Almaack）。C3-E型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量14895トン。AK-27として1941年6月に竣工した。1943年2月、AKA-10に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１１＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦ビートルジューズ（Betelgeuse）。C2型戦時標準貨物船を改造したものである。排水量13875トン。AK-28として1941年6月に竣工した。1943年2月、AKA-11に艦種変更された。1946年に売却された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１２＞：アメリカ海軍リブラ級攻撃貨物輸送艦リブラ（Libra）。1942年5月、AK-53として竣工。1943年2月、AKA-12に艦種変更された。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１３＞：アメリカ海軍リブラ級攻撃貨物輸送艦ティタニア（Titania）。1942年5月、AK-55として竣工。1943年2月、AKA-13に艦種変更された。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１４＞：アメリカ海軍リブラ級攻撃貨物輸送艦オベロン（Oberon）。1942年6月、AK-56として竣工。1943年2月、AKA-14に艦種変更された。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１５＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦アンドロメダ（Andromeda）。AK-64として起工、1943年2月にAKA-15に艦種変更され、4月に竣工した。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１６＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦アクアリウス（Aquarius）。AK-65として起工、1943年2月にAKA-16に艦種変更され、8月に竣工した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１７＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦センターラス（Centaurus）。AK-66として起工、1943年2月にAKA-17に艦種変更され、10月に竣工した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１８＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦シーフュース（Cepheus）。AK-67として起工、1943年2月にAKA-18に艦種変更され、12月に竣工した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１９＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦サバン（Thuban）。AK-68として起工、1943年2月にAKA-19に艦種変更され、6月に竣工した。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２０＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ヴァーゴ（Virgo）。AK-69として起工、1943年2月にAKA-20に艦種変更され、7月に竣工した。1961年に除籍された。1965年に艦籍に再編入されてAE-30となり、1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２１＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦アーテミス（Artemis）。1944年8月竣工。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２２＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦アテネ（Athene）。１944年9月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２３＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦オーレリア（Aurelia）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２４＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦バージト（Birgit）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２５＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦サース（Circe）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２６＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦コーヴァス（Corvus）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２７＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦デヴォサ（Devosa）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２８＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ハイドラス（Hydrus）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−２９＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ラサータ（Lacerta）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３０＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ラメン（Lumen）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３１＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ミデア（Medea）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３２＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦メレナ（Mellena）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３３＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦オスタラ（Ostara）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３４＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦パミナ（Pamina）。1945年2月竣工。1946年、AGS-115に艦種変更された。1969年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３５＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ポラナ（Polana）。1945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３６＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦リネイト（Renate）。1945年2月竣工。1946年、AGS-116に艦種変更された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３７＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ロクセイン（Roxane）。1945年3月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−３８＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦サフォー（Sappho）。1945年4月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＫＡ−３９＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦サリタ（Sarita）。1945年5月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４０＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦スカニア（Scania）。1945年4月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４１＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦セリナー（Selinur）。１945年4月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４２＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦シドニア（Sidonia）。1945年4月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４３＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦シロナ（Sirona）。1945年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４４＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦シルヴァニア（Sylvania）。1945年5月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４５＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦タボラ（Tabora）。1945年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４６＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦トロイラス（Troilus）。1945年6月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４７＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦トーランドト（Turantdot）。1945年6月竣工。1946年に除籍された。1954年、ARC-3として艦籍に編入された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４８＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ヴァレリア（Valeria）。1945年6月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−４９＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ヴァナディス（Vanadis）。1945年7月竣工。1946年に除籍された。1955年、ARC-4として艦籍に編入された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５０＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ヴェリタス（Veritas）。1945年7月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５１＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ズィーニア（Xenia）。1945年7月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５２＞：アメリカ海軍アーテミス級攻撃貨物輸送艦ゼノビア（Zenobia）。1945年8月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５３＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦アチャーナー（Achernar）。1944年1月竣工。1965年、スペインに供与された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５４＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦アルゴル（Algol）。1944年7月竣工。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５５＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦アルシャイン（Alshain）。1944年4月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５６＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦アーネブ（Arneb）。1943年11月竣工。1971年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５７＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦カプリコーナス（Capricornus）。1944年5月竣工。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５８＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦シャーラ（Chara）。1944年6月竣工。1965年、AE-31に艦種変更された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−５９＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ディフダ（Diphda）。1944年7月竣工。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６０＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦リオー（Leo）。1944年8月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６１＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦マリフェン（Muliphen）。1944年10月竣工。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６２＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦シェリアク（Sheliak）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６３＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦シーニム（Theenim）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６４＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦トーランド（Tolland）。1944年8月竣工。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６５＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ショショーン（Shoshone）。1944年9月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６６＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦サウサンプトン（Southampton）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６７＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦スター（Starr）。1944年10月竣工。1945年4月8日、特攻艇の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＫＡ−６８＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ストークス（Stokes）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−６９＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦サフォーク（Suffolk）。１944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７０＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦テイト（Tate）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７１＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦トッド（Todd）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７２＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦キャスウェル（Caswell）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７３＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ニュー・ハノーヴァー（New Hanover）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７４＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦レノアー（Lenoir）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７５＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦アラマンス（Alamance）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７６＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦トランス（Torrance）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７７＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦トウナー（Towner）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７８＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦トレゴ（Trego）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−７９＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦トロウスデイル（Trousdale）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８０＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ティレル（Tyrrell）。1944年12月竣工。1945年4月1日、沖縄付近で特攻機と基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＫＡ−８１＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ヴァレンシア（Valencia）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８２＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ヴェナンゴ（Venango）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８３＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ヴィントン（Vinton）。1945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８４＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ウォーケシャ（Waukesha）。１944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８５＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ホイートランド（Wheatland）。1945年4月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８６＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ウッドフォード（Woodford）。1945年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８７＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦デュプリン（Duplin）。1945年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８８＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦アヴァルデ（Ucalde）。１944年8月竣工。1960年に除籍された。1961年、艦籍に復帰。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−８９＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ワーリック（Warrick）。1944年8月竣工。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９０＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ホワイトサイド（Whiteside）。1944年9月竣工。1949年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９１＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ホイットレイ（Whitley）。1944年9月竣工。1962年、イタリアに供与された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９２＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ワイアンドト（Wyandot）。1944年9月竣工。1960年に除籍された。1961年、艦籍に復帰。1969年、AK-283に艦種変更された。1986年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９３＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ヤンセイ（Yancey）。1944年10月竣工。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９４＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ウインストン（Winston）。1945年1月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９５＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦マーケット（Marquette）。1945年6月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９６＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦マシューズ（Mathews）。１945年5月竣工。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９７＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦メリック（Merrick）。1945年5月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９８＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦モンタギュー（Montazue）。1945年4月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−９９＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦ローレット（Rolette）。1945年4月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１００＞：アメリカ海軍アンドロメダ級攻撃貨物輸送艦オグルソープ（Oglethorpe）。1945年6月竣工。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０１＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦オタワ（Ottawa）。1945年2月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０２＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦プレンティス（Prentiss）。１945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０３＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ランキン（Rankin）。1945年2月竣工。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０４＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦セミノール（Seminole）。1945年3月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０５＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦スカギト（Skagit）。1945年5月竣工。1969年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０６＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ユニオン（Union）。1945年4月竣工。1970年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０７＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ヴァーミリオン（Vermilion）。１945年6月竣工。1977年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０８＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ウォシュバーン（Washburn）。1945年5月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１０９＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦サン・ジョーキン（San Joakin）。1945年8月に起工されたが、同月に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１１０＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦セッジウィック（Sedgwick）。起工前の1945年8月に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１１１＞：アメリカ海軍トーランド級攻撃貨物輸送艦ホイットフィールド（Whitfield）。起工前の1945年8月に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１１２＞：アメリカ海軍トゥレーア級攻撃貨物輸送艦トゥレーア（Tulare）。1956年1月竣工。1968年8月、LKA-112に艦種変更された。1981年に除籍された。1984年、艦籍に復帰。1992年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＡ−１１３＞：LKA-113（貨物揚陸艦）を参照。

＜ＡＫＡ−１１４＞：LKA-114（貨物揚陸艦）を参照。

＜ＡＫＡ−１１５＞：LKA-115（貨物揚陸艦）を参照。

＜ＡＫＡ−１１６＞：LKA-116（貨物揚陸艦）を参照。

＜ＡＫＤ−０９＞：中国が開発中のヘリ搭載対戦車ミサイルで、AKD-10の軽量化型。参考：月刊軍事研究10,’15

＜ＡＫＤ−１０＞：中国が開発したヘリ搭載対戦車ミサイルで、レッドアロー10のヘリ搭載型である。重量50kg。誘導はセミアクティブ・レーザー・ホーミングで、最大射程5000m。Z-10攻撃ヘリなどに搭載可能。参考：月刊軍事研究12,’09、10,’15、月刊航空ファン5,’17

＜ＡＫＤ−１０海外シリーズ＞

　＜ＢＡ−７＞：輸出型。赤外線誘導、可視光テレビ誘導といったバリエーションもあるらしい。参考：月刊軍事研究10,’15

＜ＡＫＩＴＳ＞：AN/ASQ-T46（訓練支援ポッド）を参照。

＜ＡＫＭ＞：AK47シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＫＭＳ＞：AK47シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＫＮ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、防潜網輸送艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＮ−６＞：LSV-6（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＫＲ−１００１＞：アメリカ海軍車両輸送艦アドミラル・Ｗ・Ｍ・キャラハン（Admiral W. M. Callaghan）。船舶用ガスタービンエンジンの試験に使用された。参考：月刊世界の艦船9,’24

＜ＡＫＲ−Ｄシリーズ＞：トルコ海軍レーダー方位盤、別名AKREP-D。トルコのアセルサン社がSTIRシリーズをベースに開発した。参考：月刊世界の艦船4,’22

　＜ＡＫＲ−ＤブロックＡ１＞：使用周波数Kuバンド、探知距離30km。バルバロス級フリゲートの近代化改装でSTIR1.8の代わりに搭載予定。参考：月刊世界の艦船4,’22

　＜ＡＫＲ−ＤブロックＡ２＞：使用周波数Kuバンド、探知距離80km。参考：月刊世界の艦船4,’22

　＜ＡＫＲ−ＤブロックＢ１＞：使用周波数Ｘ・Kuバンド、探知距離120km。イスタンブール級フリゲートに搭載予定。参考：月刊世界の艦船4,’22

　＜ＡＫＲ−ＤブロックＢ２＞：ESSM艦対空ミサイル誘導用Ｘバンド・イルミネーター機能を持つ。使用周波数Ｘ・Kuバンド、探知距離120km。イスタンブール級フリゲートに搭載予定。また、バルバロス級フリゲートの近代化改装でSTIR2.4の代わりに搭載予定である。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜ＡＫＲＥＰ−Ｄ＞：AKR-Dシリーズ（方位盤）を参照。

＜ＡＫＳ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、需品補給艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＫＳ７４＞：AK74シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＫＳ７４Ｕ＞：AK74シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＫＳ７４ＵＮ＞：AK74シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＫＵ＞：ロシア語でエジェクターラック（Aviastsionnaya Katapultnaya Ustanovka）の略。参考：月刊JWings5,’12

＜ＡＫＶＰ＞：ドイツの装甲板溶接用オーステナイト系ステンレスで、1941年の冬季東部戦線で溶接部分の割れが多発したことから、低温でも粘りが衰えない溶接材としてポリディ・ヒュッテ社が生産した。18%のクロム、8%のニッケル、6%のマンガンを含む。参考：月刊丸4,’07

＜ＡＫＹＡ＞：トルコのロケットサン社が開発している長魚雷。動力は電動モーター、推進は二重反転プロペラ、雷速45ノット以上、航走距離50km以上。誘導は有線誘導（光ファイバー）＋アクティブ・パッシブ音響。2021年1月2日、209/1400型潜水艦S357ギュルで初試射を行った。2022年3月、S353プレヴェゼで２回目の試射を行った。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜ＡＬ−６−８０＞：イタリア軍の固定翼機用ロケット弾ポッドで、BPDロケット弾（81mm）を６発収容する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＬ−７Ｆシリーズ＞：ソ連のリューリカが開発した１軸式ターボジェットエンジン。Su-7、Su-9、Su-11に搭載されている。参考：世界の傑作機No.120

＜ＡＬ−７Ｆ−１＞： エンジンの設計寿命（時間）によりAL-7F-1-100、-150、-200、-250などに細分される。圧縮機は軸流式９段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数２段、アフターバーナー付き。圧縮比9.1、ミリタリー推力6.24トン、ドライ最大推力6.44トン、A/B時推力9.2トン、離昇推力10トン。Su-7とSu-9に搭載された。後に出力が強化され、ミリタリーで6.8トン、A/B時で9.6トン出せるようになった。参考：世界の軍用機1979、世界の傑作機No.120

＜ＡＬ−７Ｆ−２＞：出力強化型。圧縮機を改良して圧縮比を9.3とし、アフターバーナー直径を増やすなどしている。設計寿命300時間。A/B時推力11トン。Su-11に搭載された。参考：世界の傑作機No.120

＜ＡＬ−１２−８０＞：イタリア軍の固定翼機用ロケット弾ポッドで、BPDロケット弾（81mm）を12発収容する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＬ１２Ｐ＞：イタリアのロンバルダ社が開発した輸送用グライダー。全木製の高翼機で、機首部分を右に開いて1800kgの貨物を積むことができる。全長13.7m、全幅21.3m、全備重量3270kg。空挺隊なら10名を乗せられる。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＡＬ−１８−７０＞：イタリア軍の固定翼機用ロケット弾ポッドで、70mmロケット弾を18発収容する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ａｌ−２０Ｍ＞：イフチェンコが開発したターボプロップエンジンで、Il-18D/E、An-10A、An-12に搭載されている。圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数３段。全長3.096m、高さ1.18m、重量1.04トン。通常巡航出力2700馬力、離昇出力4250馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ａｌ−２４Ａ＞：イフチェンコが開発したターボプロップエンジンで、An-24に搭載されている。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数３段。全長2.346m、高さ1.075m、重量600kg。通常巡航出力1550馬力、離昇出力2515馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ａｌ−２４Ｔ＞：イフチェンコが開発したターボプロップエンジンで、An-26に搭載されている。インレット・ガイドベーン１段、圧縮機は軸流式10段、燃焼器はアニュラー式、タービン段数３段。全長2.346m、高さ1.075m、重量600kg。通常巡航出力1580馬力、離昇出力2820馬力。参考：世界の軍用機1979

＜Ａｌ−２５＞：イフチェンコが開発したターボファンエンジンで、Yak-40B、L-39に搭載されている。バイパス比2.0、インレット・ガイドベーン１段、ファン３段、圧縮機は軸流式８段、燃焼器はアニュラー式、タービンは高圧１段・低圧２段で、アフターバーナーは無い。全長1.993m、直径0.895m、重量290kg。通常巡航推力356kg、離昇推力1497kg。参考：世界の軍用機1979

＜ＡＬ−２５−５０＞：イタリア軍の固定翼機用ロケット弾ポッド。BPDロケット弾（51mm）を25発収容できる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＬ−３１シリーズ＞：ソ連のサチュルンが開発したターボファンエンジン。参考：月刊軍事研究4,’10

＜ＡＬ−３１Ｆ＞：Su-27が搭載する。空気流量毎秒110.2kg、ファン１段、バイパス比0.57、低圧圧縮機３段、高圧圧縮機９段、全体圧力比23、燃焼器はアニュラー式、定格推力7.56トン、A/B時最大推力27560ポンド・12.5トン・123kN。全長194.9インチ・4.95m、直径48インチ・1.22m、重量3373ポンド・1.53トン。オーバーホール間隔1000-1500時間。参考：月刊軍事研究4,’10、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings4,’20

＜ＡＬ−３１Ｆ３＞：AL-31Fの出力強化型で、Su-33が搭載する。スキー・ジャンプ台運用を考慮して推力を0.7トン向上させた。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜ＡＬ−３１ＦＭ＞：AL-31Fの出力増大型。バイパス比0.65。参考：月刊航空情報11,’10

＜ＡＬ−３１ＦＰ＞：推力偏向ノズル搭載型。ノズル可動範囲は上下方向のみ15度ずつだが、ノズル自体をロール軸内側方向に32度傾けて装着（15度下げで逆ハの字になる）してあり、三軸操縦を行える。A/B時推力12.5トン。Su-30MKI戦闘機に搭載された。参考：月刊JWings4,’23

＜ＡＬ−３１ＦＵ＞：推力偏向エンジン型で、Su-37に搭載された。AL-31Fに三次元式推力偏向ノズルを追加したもので、上下32度ずつ、左右15度ずつの偏向が可能である。参考：月刊軍事研究4,’14

＜ＡＬ−４１Ｆ＞：MiG1.44が搭載する筈だったターボファンエンジン。A/B時最大推力177kN。機体共々開発中止になった。参考：月刊航空ファン11,’15

＜ＡＬ−４１Ｆ＞：Su-35Sが装備するターボファンエンジン。全長5m、乾燥重量1.85トン。ファン１段、低圧圧縮機１段、高圧圧縮機６段。ドライ最大推力86.3kN、A/B時最大推力142.2kN。参考：月刊航空情報11,’10

＜ＡＬ−４１Ｆ１Ａ＞：Su-35BM、Su-35S、T-50が搭載するターボファンエンジンで、別名イズジェリェ117M。サチュルンが開発した。AL-31Fよりタービン直径を27mm太くして932mmとし、内部機構を大幅に改良（コンポーネントの８割が新規設計）、FADECを搭載したものである。ノズルは三次元式推力偏向ノズルで、上下20度、左右16度の可動範囲を持つ。エンジン直径1180mm。定格推力8.8トン（96kN）、A/B時離昇推力15トン（147kN。14トン？159kN？）、戦闘時最大推力14.5トン。オーバーホール間隔4000時間。2010年1月21日にSu-35の左エンジンとして搭載され、初の飛行試験を行った。1月29日に本エンジンを２基搭載したT-50初号機が初飛行している。性能が要求を満たせず、新たにイズジェリェ30（ドライ推力108kN、A/B時推力176kN）を開発しているが、2025-27年頃の実用化になる見込みで、それまでは本エンジンで我慢するらしい。参考：月刊軍事研究4,’10、3,’11、12,’17、月刊航空情報8,’12、11,’10、3,’18、月刊航空ファン9,’16

＜ＡＬ−４１Ｆ１Ｓ＞：Su-35が搭載するターボファンエンジンで、別名イズジェリェ117S。参考：月刊航空情報3,’18

＜ＡＬＡＭ＞：アメリカ軍の計画超音速中距離艦対地ミサイルで、先進陸上攻撃ミサイル（Advanced Land Attack Missile）の略。DD21に搭載する予定で、ATACMSをベースに最大射程411-555kmを目指した。参考：月刊軍事研究5,’02

＜ＡＬａＭＯ＞：Mk332Mod0（57mm砲弾）を参照。

＜ＡＬＡＲＭ＞：イギリス軍の対レーダーミサイルで、BAe社が開発した。弾体先端に小さな安定翼４枚、中央やや後方に大型固定フィン４枚、最後部に全遊動式フィン４枚を持つ。誘導は慣性誘導＋パッシブレーダーホーミングで、発射されると12000mまで上昇し、目標地域に達すると敵レーダー波をロックオンして突入する。発射を察知した目標がレーダーをオフにしたり、周波数を変えたりすると、パラシュートでゆっくりと降下、照射が再開されると再ロックオンし、パラシュートを外して再び襲撃する。同時多目標攻撃も可能。全長4.24m、直径0.224m、翼スパン0.732m、重量268kg。最大射程45km。湾岸戦争でトーネードGR.1から発射された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、世界軍用機年鑑1990-91、月刊丸10,’97、軍事分析湾岸戦争、月刊世界の艦船5,’91

＜ＡＬＡＲＭ２＞：イギリス軍の対レーダーミサイル。ALARMの改良型で、ロケットモーターとシーカーを近代化し、ミサイル寿命を延長した。2001年から配備され、イラク戦争でトーネードGR.4から発射された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＬＡＲＰ＞：イタリア空軍の航空機用地上給油装置で、Air Landed Aircraft Refueling Point（航空機着陸時給油地点）の略。飛行場や航空機の燃料タンクから４機まで同時に燃料を給油できる。参考：月刊JWings11,’20

＜ＡＬＡＳ＞：セルビアの対戦車ミサイルで、Advanced Light Attack missile Systemの略。胴体前部にカナード翼４枚、中央に折り畳み式安定翼４枚を持つ。誘導はソニー製CCDカメラによるTV誘導式。推進はLORAVAと呼ばれる二段式固体燃料ロケットまたはCANARDと呼ばれる固体ロケットブースター＋ターボジェットエンジン（最大射程25-60km）。弾頭はHE、HEAT、タンデムHEATの３種類。車載４連装ランチャーで運用する。艦載も可能。参考：月刊軍事研究9,’11

＜ＡＬＡＳＡ＞：DARPAとボーイング社ファントムワークスが開発中の衛星打ち上げロケットで、Airborne Launch Assist Space Accessの略。F-15Eに搭載して射出し、小型衛星を軌道に乗せる。全長7.3m。参考：月刊丸7,’14

＜ＡＬＢＭ＞：GAM-87A（ミサイル）を参照。

＜ＡＬＣ＞：航空兵站施設（空軍兵站軍団ではAir Logistics Center、空軍資材軍団ではAir Logistics Complex）の略。参考：月刊軍事研究6,’16

＜ＡＬＣＡ＞：L-159シリーズ（練習機）を参照。

＜ＡＬＣＭ＞：AGM-86A（巡航ミサイル）またはAGM-86B（巡航ミサイル）を参照。

＜ＡＬＣＯＭ＞：アメリカ統合軍の１つで、アラスカ軍（Alaskan Command）の略。1947年1月に創設された。アラスカとアリューシャン列島が担当地域である。1956年6月、防空任務を本土防空軍CONADに、シーレーン防衛任務を太平洋軍PACOMに譲った。1975年6月に廃止された。参考：月刊軍事研究7,’12

＜ＡＬＣＯＳＳ＞：事務共通システム（航空自衛隊）を参照。

＜ＡＬＤシリーズ＞：スペインの通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＬＤ−５０＞：重量57kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＬＤ−１２５＞：重量125kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＬＤ−５００＞：全長2.75m、直径0.36m、翼スパン0.51m、重量450kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＬＤ−１０００＞：重量1000kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＬＥ＞：アメリカ陸軍が開発している小型廉価UAVで、空中発射降下の略。ヘリに搭載されて空中発進し、光学・電子偵察、長射程兵器中間誘導、デコイ、自爆攻撃といった使い捨てを含む多任務をこなす。本体をレイセオン・テクノロジーズ、ノースロップ・グラマン、エリアイが、ミッションシステムをL3ハリス、レイセオン・テクノロジーズ、オーロラ・フライトシステムズが、ミッションペイロードをレオナルド、テクノロジーサービス、レイセオン・テクノロジーズが競争試作しており、2020年3月にジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズが技術実証機アルティウス600をヘリに載せて発進試験を行った。2024年頃から運用する予定。参考：月刊JWings1,’21

＜ＡＬＥＣＴＯ＞：アレクト（対潜ロケット発射機）を参照。

＜ＡＬＦ５０２Ｒ−５＞：テキストロンライカミングが開発したターボファンエンジンで、BAe146に搭載されている。圧縮機2+7+1段、圧縮比12.2、タービン段数２＋２段、離昇推力6970ポンド（3.16トン）。全長56.8インチ（1.44m）、直径50インチ（1.27m）、重量1283ポンド（0.582トン）。世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＬＦＯＳＴ＞：フランスの戦略原潜司令部で、戦略潜水艦隊司令部の略。フランス大統領直属の統合参謀本部部長の直接指揮下にあり、哨戒中の全戦略原潜の指揮管制にあたる。指令はフランス本土のVLF送信施設２カ所とLF送信局３カ所から海中に暗号化して送信され、返信は軍事通信衛星経由で司令部に届く。地球の裏にいる潜水艦には、潜水艦指揮VLF中継装置を搭載した航空機を飛ばし、曳航アンテナから指令を送る。参考：月刊軍事研究2,’01

＜ＡＬＦＳ＞：AN/AQS-22（ソナーシステム）を参照。

＜ＡＬＧＳ＞：自律兵站地球規模支援システムを参照。

＜ＡＬＨ＞：ドゥルブ（ヘリ）を参照。

＜ＡＬＨＴＫ＞：アメリカMDAが開発を発表した弾道ミサイル迎撃ミサイルで、Air Launch Hit-To-Kill（空中発射直撃）の略。PAC-3MSEの空中発射型であり、AN/APG-63(V)3を装備するF-15の主翼下キャニスターに収容されて運用される。C2BMCから弾道ミサイル情報を得て自前のレーダーで弾道ミサイルを探知し、ミサイルを発射、後はミサイルが自身のレーダーシーカーでロックオンして直撃する。射程120-180km。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ＡＬＩ＞：Aegis LEAP Interceptの略。イージス艦のSM-3ブロック０ミサイルにより、大気圏外の弾道ミサイルを迎撃する計画である。まずイージス武器システムのコンピュータ・プログラムを弾道ミサイル迎撃用に変更し、1998年11月から1999年6月に陸上開発施設でテストが行われた。AN/SPY-1レーダーには囮と弾頭を見分けるためのHRR（High Range Resolution）と呼ばれる改造を行い、SM-3弾頭のLEAP作動をHIL（Hardware In the Loop）で確認し、シーカー性能などはLEAPをB737改造機に取り付けて高空でテスト、直撃時の破壊効果も確めた。最初の洋上実射試験は1999年9月24日にCG-67シャイローで行われ、SM-3の試験弾CTV-1AをMk41VLSから発射、ロケット切り離しから艦上アップリンクによる高々度精密誘導まで成功した。2000年7月14日にはCG-70レイク・エリーから発射試験FM-1が行われたが、コンピュータのプログラムミスで３段目の切り離しに失敗。2001年1月25日の再試験FM-1Aで成功し、この時は弾道ミサイル模擬目標の探知・追尾とLEAPに対する誘導にも成功した。2002年1月25日、CG-70レイク・エリーで発射試験FM-2（ステラ・イーグルStellar Eagle）が行われ、LEAPの赤外線シーカー、姿勢制御装置、誘導装置の作動データを確認。模擬短射程弾道ミサイルも発射され、射距離430km・高度240kmでLEAPが命中した。2002年6月13日、CG-70レイク・エリーで発射試験FM-3が行われ、LEAPは模擬短射程弾道ミサイルに命中した。この日、アメリカはABM条約から離脱。以降、イージス弾道ミサイル防衛ブロック2004試験に引き継がれた。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究1,’05、9,’12、6,’15

＜ＡＬＩ＞：Air-Launched Interceptor（空中発射迎撃ミサイル）の略。ALHTKやNCADEを開発中。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ＡＬＩＡＳ＞：DARPAがシコルスキー社と開発しているヘリコプター用自動操縦装置で、Aircrew Labor In-Cockpit Automation Systemの略。シコルスキー社内開発名称はマトリックス・テクノロジーである。ヒューマンエラーによる事故を防ぐためのシステムで、自動車における自動運転のようにパイロットによる操縦をサポートし、何ならパイロット無しでも飛べるようにする。既存のヘリに後付け可能で、計画の一環として有人ヘリを無人でも飛ばせるようにするOPV計画も実施している。人工知能を追加して更なる発展を求めることもできるが、FAAの耐空証明がAIを想定しておらず、AIを積むと耐空証明の基準から外れてしまう可能性があり、航空当局による対応待ちの状態である。参考：月刊JWings11,’19、1,'23、月刊航空ファン9,’19

＜ＡＬＩＣＥ＞：アメリカ陸軍の個人用装備で、All Purpose Light Weight Individual Equipment（全目的個人携帯用具）の略。1970年代後半に採用された。装備ベルト、LC-Iサスペンダー（Ｙ字サスペンダー）、ALICEパック（バックパック）から構成される。ベルトにM16用マガジンケース２個、水筒、ファーストエイド・キット、銃剣、ガスマスクケースを、サスペンダーにフラッシュライトとコンパスケースを装着し、ALICEパックの側面にエントレンチングツールを付ける（パックを背負わない時はベルトに装着）。参考：コンバット・バイブル、月刊丸12,’90

＜ＡＬＩＣＥパック＞：ALICEを構成するバックパック。中型と大型の２種類がある。ベトナム戦争で、従来の背嚢の収納量の少なさや取り出しにくさが判明したため、大型の収納ポケットを付けたリュックサックとして完成した。空挺部隊用のものにはシングル・ポイント・リリースというハーネスが使用されており、着地前にワンタッチでALICEパックをリリースすることができる。参考：コンバット・バイブル、ミリタリー・イラストレイテッド17

＜ＡＬＩＳ＞：自律兵站情報システムを参照。

＜ＡＬＩＳ＞：東北大学が2002年から開発している地雷検知器Adcanced Landmine Imaging System。金属探知機と地中レーダーを組み合わせた手持ち式の地雷探知器で、地中レーダーのマイグレーション処理により、地中クラッターを排除しつつ地下の物体を三次元可視化でき、地雷を高精度で探知できる。金属探知機はコイルにより数十キロヘルツ程度の低周波の電磁波を発生させ、電磁誘導により導電性の高い物質から生じた渦電流を受信コイルでキャッチする方式で、電波の減衰が激しく地中レーダーが苦手とする湿潤土壌や深い位置などにある地雷も探知できる。2009年からカンボジアの地雷除去に投入され、2015年までに対人地雷80個以上を探知除去することに成功した。参考：レーダの基礎

＜ＡＬＩＳネットワーク機器＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜ＡＬＬ計画＞：アメリカ空軍のガス・ダイナミック・レーザー研究計画で、Airborne Laser Laboratoryの略。爆撃機の自衛用、AWACSやISR機など高価値目標の護衛機用で、対空ミサイルを撃墜するのが主任務である。レーザーはプラット&ホイットニー社、目標指向システムはヒューズ社、レーザー燃焼室はロケットダイン社が開発した。まずメタンと酸素を燃焼させ、これに一酸化炭素と一酸化二窒素を吹き込んで燃焼させる。更にメタン、酸素、窒素を吹き込んで、二酸化炭素14%、窒素85%、水蒸気1%からなる55気圧・1630度の高温高圧ガスを作り出す。これを170個並んだノズルからマッハ６で噴射すると、窒素分子の反転分布が生じるので、これを遠赤外線波長域（9.35-10.6μm）のレーザーとして取り出す。光学窓の代わりに窒素ガスを流して外界と遮断している。600度まで冷却された排気は胴体下面から放出され、18kNの推力が出る。レーザー効率4%、レーザー出力456kW。システムはNKC-135Cに搭載され、当初は出力150kWで1973年に完成した。同年に地上からのレーザー照射試験が行われ、低空を速度278kmで飛行中のMQM-61無人標的機を撃墜している。1978年には出力を456kWに強化し、NKC-135Cからの照射でBGM-34無人標的機、AIM-9空対空ミサイルなどの撃墜に成功した。1983年（1984年？）までテストが続けられ、AIM-9の撃墜試験13回のうち５回で成功したものの、遠距離だとミサイル破壊に必要な威力が得られなかった。参考：月刊軍事研究9,’00、2,’18

＜ＡＬＭＤＳ＞：AN/AES-1（掃海具）を参照。

＜ＡＬＯ＞：航空作戦連絡将校を参照。

＜ＡＬＰＨＡ−１＞：海上自衛隊の携行型LED投光器で、日本のクライシスインテリジェンス社と工業団地マチダラボが共同開発した。照射可能距離1km、照射時間80-160分（通常ビーム）。参考：月刊軍事研究12,’13

＜ＡＬＲＲＴ＞：デネル社が開発した軽車両用対戦車ミサイルターレットで、Armed Long Range Reconnaissance Turretの略。中央に全天候視察装置、左右にイングウェ対戦車ミサイル連装ランチャーを１基ずつ搭載する。安定化装置が標準装備されているので走行間射撃が可能な他、車外からの遠隔発射も行える。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＬＳ＞：自動装填装置（Automatic Loading System）の略。参考：戦車の戦う技術

＜ＡＬＳＶ＞：発達型軽攻撃車両（Advanced Light Strike Vehicle）の略で、別名フライヤー。FAVの後継としてジェネラル・ダイナミックス・ディフェンス・システムズ社とシュノウス社が共同開発した。車体はカーボンファイバー及び強化プラスチックで、戦場監視レーダーに対するステルス性を確保している。４輪駆動で静粛性に優れ、不整地を40kmで走っていても10m離れれば殆ど音が聞こえない。CV-22B、CH-53、CH-47に搭載可能で、総重量を1815kgまでに収めればUH-60ならスリング輸送が行える。全長4.6m、全幅1.52m、全高1.52m、車体重量1250kg。エンジンはディーゼル（120馬力）、トランスミッションは６速、最大速度137km、航続距離725km。積載量1590kg。乗員３名。USSOCOMが導入し、AFSOCに配備する。参考：月刊JWings1,’14、月刊軍事研究4,’14、4,’99、月刊PANZER6,’00

＜ＡＬＴ＞：アメリカ軍が開発中の空中発射式小型レーザーで、空中発射戦術レーザーの略。CV-22やAC-130などに搭載を予定しており、周辺被害を防ぎつつ致死的攻撃を行える他、敵の逃走用車両や電子装置を破壊して特殊部隊を支援できる。参考：月刊軍事研究10,’05

＜ＡＬＴＡ＞：アメリカ軍が試験中の偵察用気球で、Adaptable Lighter Than Airの略。成層圏を滞空してカメラやレーダーで地上を偵察する。参考：朝雲

＜ＡＬＴＡＳ−２ＱＢ＞：自衛隊の機器。研電が受注している。参考：月刊軍事研究4,’19

＜ＡＬＴＢＭＤ＞：Active Layered Theatre Ballistic Missile Defenceの略。NATOが2005年から整備している弾道ミサイル防衛計画で、ドイツのラムシュタイン基地に作戦センターが置かれ、NATO加盟国1000万平方キロメートルをカバーし、射程3000kmまでの弾道ミサイルへの対処を考慮している。C1とC2の２段階で構成され、C1では低層迎撃システムとセンサーをDARS指揮統制システムで制御し、２年以内に高層迎撃システムのC2にグレードアップする。低層迎撃システムはパトリオット、SAMP/T、MEADS、ホライズン級フリゲートで、高層迎撃システムはTHAADやSM-3となる予定。センサーはアメリカ軍の早期警戒衛星やAN/TPY-2を使う。DARS指揮統制システムはInCa Step1という開発名称のものが完成しており、これにリアルタイム状況把握システムを追加したInCa Step2を開発中である。DARSは20フィート・シェルター12両（戦域ミサイル防衛装置とリンク可能なワークステーションを８台ずつ搭載している。車両輸送も空輸も可能）、アクティブ式レーダー、パッシブESMトラッカー、衛星通信装置、長・短距離通信装置、トラック、フォークリフト、発電機などで構成され、展開規模によって45-155名の要員により運用される。アメリカのBMDとリンクさせるかどうかも検討中。2008年、タレス・レイセオン・システムズ社とロッキード・マーチン社が計画に参加。2010年12月に暫定的な防衛能力を獲得した。2011年11月1-3日、クレタ島沖で迎撃テスト（主に情報伝達を確認する）を行う予定。2016年7月、初度作戦能力を達成済みであることがNATOサミットで明らかにされた。参考：月刊航空情報11,’10、月刊軍事研究3,’12、1,’18

＜ＡＬＴＲＶ＞：空中給油を参照。

＜ＡＬ級＞：L-1級（アメリカ潜水艦）を参照。

＜ＡＬ作戦＞：太平洋戦争時に日本軍が行ったアリューシャン列島制圧作戦で、MI作戦と同時に実施された。陸軍は当初兵力を拠出する予定は無かったが、昭和17年4月18日の日本本土奇襲攻撃を受けて協力を決め、北海支隊を派出している。昭和17年5月5日、大本営海軍部から連合艦隊司令長官に作戦開始が下命された。5月26日、空母２隻を主力とする第２機動部隊の第４航空戦隊（空母龍驤、隼鷹）、重巡洋艦高雄、摩耶、駆逐艦３隻が大湊から出撃。5月28日、舞鶴第３海軍特別陸戦隊1300名を乗せたキスカ攻略部隊と第５艦隊（重巡洋艦那智、駆逐艦２隻）が大湊を出撃。5月29日、陸軍北海支隊（独立歩兵大隊１個、工兵中隊１個など）1200名を乗せたアッツ攻略部隊が大湊を出撃。荒天と霧のため攻撃が遅れたが、6月3-4日、第２機動部隊がダッチハーバーに空襲を行った。6月5日の第３次攻撃（6月3日？）では空母龍驤搭載零戦１機がアクタン島に不時着転覆し、パイロットは死亡した。アメリカ軍は機体を鹵獲して無線機の水晶振動子を押収、使用周波数が4145kHzであることを掴んでいる。第２機動部隊はミッドウェイ海戦の増援を命じられて南下を開始。6月6日、ミッドウェイ海戦に敗北したため、指揮官は作戦中止を連合艦隊司令部に打診したが、司令部は作戦継続を決定し、第２機動部隊は北上してアリューシャンに戻った。6月7日2100から上陸作戦を開始し、2227にキスカ島、6月8日0000過ぎにアッツ島に上陸、双方とも抵抗無しに占領した。支援部隊は濃霧の夜間に撤収することになったが、日向に試験搭載されていた二二号水上電探を活用して部隊の集結に成功、無事に帰投した。本作戦を支援した潜水艦が、濃霧や夜闇の中で敵の砲撃を受けるという事態が多発、威嚇射撃かとも思ったがあまりに至近弾が続くので、アメリカが新兵器を開発（つまりレーダー射撃である）したということに気が付いたという。越冬が困難なため、当初は早期に撤退する予定だったが、施設強化により長期確保を決定、海軍第51根拠地隊と陸軍北海守備隊合わせて6000名を配置した。案の定アメリカ軍の航空機及び潜水艦による補給路の攻撃が繰り返され、輸送船９隻が沈められ、護衛の駆逐艦や駆潜艇、補給に向かった潜水艦までもが撃沈された。アクタン島に不時着した零戦は昭和17年7月10日にPBY哨戒飛行艇が発見し、アメリカ海軍が分解して回収、１ヶ月後にサンディエゴ空軍基地で復元して9月26日から飛行テストを行い、徹底分析した。昭和17年7月、キスカ島周辺の哨戒任務のためキスカ湾に甲標的基地が開設され、４隻の甲標的が配備された。12月に１隻が荒天のため沈没し、後に２隻が追加され、５隻で運用されていたが、あまり役に立たなかったようで、キスカ島撤退時に全て爆破された。参考：激闘！太平洋戦争地上戦、歴史群像6,’08、8,’15、月刊軍事研究8,’08、激闘太平洋戦記、太平洋海戦史、太平洋戦争情報戦、続潜水艦気質よもやま物語、月刊丸9,’20

＜ＡＭ＞：航空章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＭ＞：振幅変調（Amplitude Modulation）の略。電気信号の周波数は一定のまま振幅を変調させて情報を伝達する方式のこと。復調には非同期検波方式と同期検波方式があり、振幅変動のみに情報を有する場合（AMラジオなど）には前者、位相変化にも情報が含まれる場合（パルス・ドップラー・レーダーなど）には後者が使われる。参考：レーダの基礎、月刊軍事研究9,’11

＜ＡＭ−１シリーズ＞：アメリカ海軍多用途艦上攻撃機、別名モウラー（Mauler、両手用ハンマー使い）。太平洋戦争時、艦上機の大型化に伴って空母への搭載数が減少する事態に陥りかけたため、艦爆と艦攻を統一するBT（Bomber-Torpedo）を開発することになり、爆弾倉を廃止して燃料タンクに充て、兵装機外搭載による抗力増加は強力なエンジンでカバーするという方針で1943年9月にアメリカ海軍が出した要求に基づき、マーチン社がXBTM-1として開発した。他にカーチス社がXBTC、カイザー・フリートウイング社がXBTK-1を試作、途中でダグラス社もXBT2D-1で参加し、XBT2D-1（後のADスカイレイダー）が採用されたが、XBTM-1も大出力エンジンを頼みに保険の第２機種として採用され、1945年1月にBTM-1として800機（750機？）が発注されている。ただ太平洋戦争終結で発注数が99機に減らされ、結局は試作機２機、AM-1攻撃機129機、AM-1Q電子戦機18機の計149機が生産されるに止まった。1946年にBTM-1からAM-1へと改称されている。参考：月刊航空ファン7,’99、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＸＢＴＭ−１＞：試作機で、２機が製作され、1944年8月26日に初飛行した。２号機はスピナーを装着し、後に機首上面の気化器インテイクを延長したり、着艦フックを装備したりといった改修を受けている。12月から海軍がテストした結果、エンジントルクが強烈すぎて安定性に欠けるという欠点が見つかり、カウリングを0.15m延長してエンジン取り付け角を機体中心線から２度右に傾けた。参考：月刊JWings12,’19、月刊航空ファン7,’99

＜ＡＭ−１＞：胴体下面に孔開き式ダイブブレーキを持つ。主翼は低翼配置の直線テーパー翼で、軽い上反角が付いており、外翼の方が角度が大きい。内翼後縁に櫛形の板２枚からなるフラップ兼用ダイブブレーキがあり、２枚を重ねて一緒に動かすとフラップに、別々に上下に開くとダイブブレーキになる。一枚板でなく櫛形をしているので、ダイブブレーキとして使用した際にバフェッティングを抑制してくれる。外翼後縁はエルロンだが、フラップ兼用ダイブブレーキに十分な大きさを与えたため、エルロンの面積が小さめになってしまい、低速時の操縦が難しくなった。解決のため、フラップ前方の主翼上面にスポイラーを追加している。降着装置は尾輪式で、主翼下面に付いている主脚は90度回転して後方に引き込む。AN/ASG-10A爆撃管制装置とMk1Mod2射爆照準器により、１名でも任務をこなせる。胴体中央と内翼下面に１カ所ずつのハードポイントがあり、2000ポンド爆弾、Mk13航空魚雷、11.75インチロケット弾タイニー・ティム、AN/APS-4レーダーポッドなどを搭載できる。外翼下面には片側６カ所ずつのハードポイントを持ち、250ポンド爆弾や５インチHVARを１発ずつ装備可能。全長12.57m、全幅15.24m、全高5.13m（3.61m？）、自重6850kg（6920kg？）、全備重量10610kg（11674kg？）、最大離陸重量11340kg。翼面積46.1平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-4360-4W空冷星型４列28気筒レシプロ（離昇出力3000馬力）単発、プロペラはカーチス・エレクトリック製電動４翅（直径4.47m。先が丸い）、最大速度557km、実用上昇限度8170m、燃料搭載量3293リットル（胴体579リットル＋内翼内680リットル計２個？）＋増槽5110リットル、戦闘行動半径2450km、航続距離2900km。固定武装は20mm機関砲T31（200発）４門（内翼端に片側２門ずつ）。4850kg（2720kg？）までの爆弾や魚雷などを搭載できる。乗員１名。後期型では風防左右の平面ガラスが曲面に変更され、プロペラが先端の角張ったハミルトン・スタンダード製油圧式４翅（直径は4.47mのまま）に換装された。1947年3月に量産初号機が引き渡され、1948年2月から空母適性審査が開始され、3月から実戦配備されたが、まだテストと修正を繰り返している段階で、着艦時に胴体後部が着艦フックごとちぎれる事故を起こして強化改修を予備無くされるなどしている。結局空母適性審査が終わったのは1948年12月で、1950年4月に漸く試験が終わったが、そのままADスカイレイダーと交替して1950年中に全機が予備役になり、1953年に除籍された。参考：月刊JWings12,’19、月刊航空ファン7,’99、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＭ−１Ｑ＞：電子戦機型。胴体内にECM機器を収容し、操縦席背部の胴体燃料タンクを外してECM操作員席を設け、胴体右に乗降ドア、左にチャフ撒布窓、後部胴体下面にECMアンテナを追加した。兵装搭載能力はそのままである。18機が生産され、1949年からVC-4に実戦配備されたが、ADスカイレイダーの電子戦機型と交代して1950年末に退役した。参考：月刊航空ファン7,’99、月刊JWings12,’19、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＭ．３Ｃ＞：アエルマッキとアエリタリアが開発した連絡観測機。イタリア陸軍セスナO-1の後継を狙って開発したが、SM.1019に負けて採用されず、南アフリカに40機、ルワンダに３機が輸出された。胴体前部はクロムモリブデン鋼管溶接フレーム＋軽金属外皮、コクピット周囲はグラスファイバーパネル外板、胴体後部は軽合金セミモノコック構造である。コクピットはタンデム複座で、操縦装置も２つあり、胴体後部に２席追加したり担架２床を乗せたりできる。主翼は支柱付きの高翼配置で、主翼下に２カ所のパイロンがあり、ミニガンやミサイルなどの武装を搭載可能。全長8.93m、全幅12.64m、全高2.72m、自重1080kg、離陸重量1500kg（非武装）／1700kg（武装時）。エンジンはライカミングGSO-480-B1B6（340馬力）単発、最大巡航速度133ノット、最大速度150ノット、実用上昇限度8400m、燃料搭載量238リットル、航続距離534海里。乗員2-4名。参考：世界の軍用機1982、1979

＜ＡＭ−９＞：アメリカ海軍バード級掃海艇フィンチ（Finch）。1942年4月、フィリピン周辺で日本軍機の爆撃を受けて沈没した。後に日本海軍に引き揚げられて哨戒艇第103号になった。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、丸スペシャル第49号

＜ＡＭ１０＞：フランスのアエロスパシアル社が開発した空対艦ミサイル、別名ラッソ。全長2.1m、直径0.22m、翼スパン0.91m、重量95.7kg、弾頭重量29.7kg。推進は固体燃料ロケット、射程11km。誘導はSACLOSで、推力偏向により飛翔制御を行う。参考：世界の軍用機1979

＜ＡＭ−１４＞：ソ連空軍輸送グライダー、開発名称A-7M。A-7の拡大改良型で、搭載人員を計14名に増やしている。1943年後半に開発され、少数のみ生産された。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜ＡＭ−１５＞：アメリカ海軍バード級掃海艇クエイル（Quail）。1942年5月6日、コレヒドールが日本に降伏した際に自沈した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＭ−１７＞：十一試艦上爆撃機（愛知）を参照。

＜ＡＭ３９＞：エグゾセ・シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＭ−５７＞：アメリカ海軍レイブン・オーク級艦隊掃海艇オーク（Auk）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＭ−１０２＞：アメリカ海軍レイブン・オーク級艦隊掃海艇モーティブ（Motive）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＭ−１１８＞：アメリカ海軍レイブン・オーク級艦隊掃海艇ステディ（Steady）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＭ−１３６＞：アメリカ海軍アドミラブル級掃海艇アドミラブル（Admirable）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＭ−２４７＞：アメリカ海軍アドミラブル級掃海艇インプルーブ（Inprove）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜Ａ−ＭＡ＞：ポリカルポフが開発した試作重援護戦闘機。Pe-8爆撃機の護衛用で、Bf110に刺激されて1938年から設計し、1941年4月に試作機が完成した。双尾翼の双発機で、機首に20mm機関砲ShVAK２門と7.62mm機銃ShKAS４丁を装備し、主翼にUBS機銃２丁を備え、後上方と後下方に7.62mm旋回機銃を１丁ずつ搭載した。エンジンはAM-37双発。爆撃機が量産されなかったので、本機も採用されなかった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＡＭＡ／ＡＭＤポッド＞：アメリカ空軍の加速度測定ポッドで、加速度モニタリングアッセンブリ／加速度モニタリング装置の略。AIM-9の前翼とロールロンを撤去したような外見をしている。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＭＡＰ＞：ドイツのIBD社が開発したモジュラー装甲で、Advanced Modular Armor Protectionの略。MEXASの発展型で、パーツを細分して様々な車種に対応できるようにし、各種任務用に10種類ほど取り揃えてある。参考：月刊PANZER7,’09

＜ＡＭＡＰ−ＡＤＳ＞：ドイツのIBD社が開発したアクティブ防御システムで、Advanced Modular Armour Protection-Active Defence Systemの略。電子光学センサーと爆薬の入ったボックスを交互に配置してあり、装甲車の天井に設置する。対戦車ミサイルや対戦車ロケットを探知すると炸裂し、爆風を弾体に集中させて車体から2mのところで撃破する。システム重量200-500kg（ボックス装着数による）。リアクションタイムは0.56ミリ秒で、射距離10-15mから攻撃されても弾体を無力化できるという。2006年にLMV装甲車に装着されてデモンストレーションが行われた。参考：月刊軍事研究5,’12、9,’08

＜ＡＭＡＲＧ＞：Aerospace Maintenance And Regeneration Group（空軍航空宇宙整備再生群）の略。参考：月刊航空ファン12,’18

＜ＡＭＡＳＥ＞：AH-64Dが搭載する防御装置で、Apache Modular Aircraft Survivability Equipmentの略。赤外線パッシブ誘導式ミサイルに対抗する。デンマークのテルマ社製。参考：月刊JWings9,’18

＜Ａ−ＭＢ−１＞：航空自衛隊の破壊機救難消防車。航空基地に配備されており、航空機火災・油火災において、消火及び人命救助を行う。全長10.125m、全幅2.495m、全高3.4m、車重14.4トン。エンジンはRE10型10気筒Ｖ型ディーゼル（18894cc、370馬力）、トランスミッションは常時咬合選択摺動式前進５段・後進１段、最大速度95km、燃料タンク容量200リットル。ポンプは高圧２段バランス・ボリュート・ポンプで、吐出量毎分1900リットル、圧力28気圧。最大積載量4.05トン、水タンク容量3.6キロリットル、消火気泡0.375キロリットル。補助消火装置は窒素ガス加圧式、粉末消火装置。乗員５名。東急車輌製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜Ａ−ＭＢ−２＞：自衛隊の破壊機救難消防車。A-MB-1の改良型で、1972年度から配備された。車体上面上部左右に放水ターレット２基を装備する。全長10.125-10.98m、全幅2.495m、全高3.4-3.7m、車重14.145-14.17トン。エンジンはRE10型10気筒Ｖ型ディーゼル（18894cc、370馬力）、トランスミッションは常時咬合式前進５段・後進１段、最大速度95km、燃料タンク容量200リットル。最大積載量5.38トン、水タンク容量3.6キロリットル、消火気泡容量0.48キロリットル、ポンプ吐出量毎分2480リットル、ポンプ圧力22.5気圧。補助消火装置は窒素ガス加圧式、粉末消火装置。乗員５名。東急車輌製造または第一実業が受注している。後に放水ターレットが１基になった。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.108、月刊軍事研究2,’09、2,’14、自衛隊装備カタログ1981

＜Ａ−ＭＢ−３＞：航空自衛隊の大型破壊機救難消防車で、1989年度から配備された。車輪は４軸８輪。キャビン上面に放水ターレット１基を持つ。全長11.95m、全幅3.1m、全高3.78m、車重31.06-31.52トン、最大積載量11.15トン。エンジンはRF10型10気筒Ｖ型ディーゼル（21239cc、420馬力）２基、トランスミッションは常時咬合式前進４段・後進２段、最大速度100km。乗員５名。モリタが受注している。東日本大震災に伴う福島原発事故で百里基地に所属する本車両が派遣され、原子炉建屋への放水を行った。参考：自衛隊装備年鑑1996、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MAMOR vol.108、月刊軍事研究5,’11、2,’14

＜Ａ−ＭＢ−３＞：航空自衛隊の大型破壊機救難消防車。オシコシ社製ストライカー3000をベースに、第一実業で水タンク容量を10.5キロリットルに拡大し、エンジンを換装するなどの改修を加えたものである。参考：月刊JWings7,’17

＜ＡＭＣ＞：アメリカ陸軍資材コマンドまたは航空機動軍団を参照。

＜ＡＭＣ＞：海上自衛隊の艦種記号で、敷設艇を表す。1956年8月に定められ、1957年9月1日に公式制定された。えりも型１隻のみのため、この時点では艦番号は付与されていない。1960年6月30日、艦番号491が付与された。1977年1月12日に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＭＣ＞：フランス陸軍の騎兵部隊（軽機械化師団DLM）用重武装装甲車で、Automitrailleuse de Combat（オトミトラユーズ・ド・コンバ、戦闘偵察車）の略。第２次世界大戦前に採用した。参考：月刊JWings8,’03、歴史群像6,’10

＜ＡＭｃ−１４＞：アメリカ海軍コンドル級特設沿岸掃海艇コンドル（Condor）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＭＣ３４＞： フランス陸軍の戦闘偵察車AMC。車体・砲塔共にリベット止めで、主砲は短砲身47mm砲SA34、同軸に7.5mm機銃１丁を搭載し、装甲厚は20mmあり、戦闘重視に作られている。下部転輪は片側４枚、上部転輪も４枚。騎兵部隊（軽機械化師団DLM）向けで、1935年から配備された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜ＡＭＣ３５＞：フランス陸軍の戦闘偵察車AMC。AMC34の改良型で、車体を0.6m延長して下部転輪を片側５枚とし、装甲厚を最大25mm（40mm？）に増やした。主武装は長砲身47mm砲SA35または25mm対戦車砲で、エンジン出力も120馬力から190馬力に強化している。副武装は7.5mm同軸機銃。全長5.38m、全幅2.12m、全高2.62m、重量14.5トン。最大速度40km、航続距離125km。第２次大戦直前から量産されたため、50両のみ完成した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER8,’13

＜ＡＭＣ−４９１＞：海上自衛隊えりも型敷設艇１番艇えりも。大型掃海船として起工され、1954年12月1日に敷設艇に艦種変更された。1955年12月28日竣工。1957年9月1日、艦種記号公式制定に伴い、AMCが付与された。1960年6月30日、艦番号491が付与された。1961年9月1日、第２掃海隊群に編入された。1976年3月31日に特務船YAS-69に区分変更され、機雷搭載用クレーンを撤去してダビットを搭載、呉警備隊で水中処分隊の母船として使用された。1982年3月27日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船8,’13、1,’79増刊、8,’24

＜ＡＭＣＡ＞：インド空海軍計画次世代戦闘機Advanced Medium Combat Aircraft（先進中型軍用機）、別名オライオン（Orion）。Mk.1として第5.5世代相当、Mk.2として第６世代相当の戦闘機を開発するもので、2012年10月から開発され、エアロインディア2013で模型が展示され、2014年9月に最終設計を終えた。ステルス双発マルチロール戦闘機で、構造材の８割は炭素繊維強化樹脂を使用、ナノコンポジット構造体（カーボンナノチューブをエポキシ樹脂で硬化したもの）も航空機として初めて適用する予定で、チタン合金鋼と組み合わせる。エンジンはGE、P&W、ロールスロイス、スネクマ、ユーロジェット、サトゥルン、カヴェリエンジンの技術を導入する予定。垂直尾翼は外側に傾けた双尾翼。全長13.2m、翼スパン8.2m、全高4.4m、空虚重量27.2トン、最大離陸重量36トン。エンジンはGTRE製GTX-35VS（推力110-125kN）双発、最大速度マッハ2.2、上昇限度15250m、上昇率毎分13716m、航続距離1000km。乗員１名。2019年1月から技術デモンストレーター２機とプロトタイプ４機でテストに入る予定だったが遅れており、2022年3月9日に初号機の製作に入った。この際の推定諸元は以下の通り。全長17.20m、全幅11.80m、空虚重量17.273トン、最大離陸重量29.465トン。翼面積39.9平方メートル。エンジンはGRTE製GTX-35VS（ドライ推力80kN、A/B時推力100kN）双発、最大速度マッハ2.5、実用上昇限度18044m、航続距離1750海里。乗員１名。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings9,'24、6,’22

＜ＡＭＣ　Ｐ１６＞：M29（装甲車）を参照。

＜ＡＭＣＶ＞：レオパルト１戦車ファミリーを参照。

＜ＡＭＣＶ＞：南アフリカ陸軍の歩兵戦闘車で、Advanced Modular Combat Vehicleの略。ラテルの後継で、南アフリカのデネル社が開発した。車体はパトリア社製８×８輪装甲車で、車体下部でTNT爆薬8kgが炸裂しても耐えられる。車内には150リットルの冷水タンクを持つ。デネル社製LTC30砲塔を搭載しており、武装はブッシュマスター30mm機関砲Mk44（65発）と7.62mm同軸機銃（即応弾800発、総弾数不明）で、南アフリカ国産の赤外線暗視装置、Nd-YAGレーザー測距機（測定距離10000m、誤差プラスマイナス5m）、オリファントMk2と同じ砲手用サイトを搭載し、射距離2000mでの初弾命中率は65%。サスペンションは独立懸架の油気圧式。戦闘重量26.6トン。エンジンはディーゼル（540馬力）、最大速度108km、行動半径800km。乗員４名（車長、操縦手、砲塔長、砲手）＋乗車歩兵７名（１個分隊）。３個大隊分264両を配備予定。参考：月刊軍事研究1,’07

＜ＡＭＣ−Ｘ＞：アメリカ空軍の輸送機コンセプトで、Advanced Mobility Concept Aircraft（先進空輸概念機）の略。2020年から配備できる機体として概念化されており、ステルス性とSTOL能力を持つ双発ターボファン機となった。27-36トンの貨物を搭載し、滑走距離600mで離陸、マッハ0.8で2200海里を飛行する。また、C-130と同様、空中給油機、電子偵察機、特殊作戦機、ガンシップなどのバリエーションも考えられている。AJACSに改称して開発継続中。参考：月刊軍事研究11,’07

＜ＡＭＤシリーズ＞：ソ連の航空機・艦艇敷設型沈底機雷。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船2,’17

　＜ＡＭＤ−５００＞：重量500kg級で、炸薬重量299kg。信管は磁気、音響、圧力、複合の４タイプがある。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＭＤ−１０００＞：AMD-500の大型化バージョン。重量1000kg級。運用深度4-200m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＭＤ３５＞：AMD178シリーズ（装甲車）を参照。

＜ＡＭＤ６３＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＭＤ６５＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＭＤ６９＞：AK47海外シリーズ（突撃銃）を参照。

＜ＡＭＤ１６５／１７５＞：フランス陸軍の長距離偵察機銃車。1924年にパナール社が開発した165/175装甲車がベースで、砲塔を新型にして前面に武装を集めており、右に37mm砲、左に機銃を搭載する。砲塔上面には視察用展望塔を装着した。全長6.7m、全幅2.03m、全高3.24m、重量6.7トン。装甲厚9mm。最大速度75km、航続距離750km。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＭＤ１７８シリーズ＞：フランス陸軍の騎兵部隊（軽機械化師団DLM）向け４×４輪偵察車両で、別名AMD35またはP178。AMDはAutomitrailleuse de Decouverte（オトミトラユーズ・ド・デクヴェルト、装輪式捜索機関銃車）の略である。AMD165/175の改良・武装強化型で、1934年からテストされ、偵察隊などに配備された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER8,’03、6,’18、月刊JWings8,’03、歴史群像6,’10

＜ＡＭＤ１７８＞：車体前部に乗員室、後部に兵員室があり、乗員室の上にAPX-3砲塔が載る。車体及び砲塔は装甲板のリベット止めで、最大装甲厚13mm（26mm？）。砲塔には25mm対戦車砲SA34と、同軸の7.5mm機銃M31を装備する。全長4.7m、全幅2m、全高2.36m、重量5.12トン。エンジンは液冷４気筒ガソリン（105馬力）、最大速度72km、航続距離300km。乗員４名。ドイツのフランス侵攻時には360両が前線配備されていた。武装を外して無線機を増設した指揮車型も製作された。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＭＤ１７８Ｂ＞：砲塔を47mm砲搭載の新型に換えたもの。パリ解放後に生産され、インドシナ紛争にも投入された。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＭＤ１７８海外シリーズ＞

　＜Ｐ２０４（ｆ）＞：ドイツ国防軍が1940年に鹵獲して使用したもので、制式名称はPanzerspahwagen Panhard 178-P204(f)（偵察用装甲車パナール178-P204(f)）。全長4.79m、全幅2.01m、全高2.31m、重量8.5トン。主砲は2.5cmKwK(f)L/73（150発）、俯仰角はマイナス12度からプラス14度。副武装は7.5mmMG31(f)（3750発）で、左右10度ずつ独自に旋回でき、俯仰角はマイナス12度からプラス15度。装甲厚は車体前面下部20mm０度、上部20mm21度、側面15mm０度、後面下部15mm41度、上部15mm３度、底面7mm90度、上面7mm87度、砲塔前面26mm24度、側面15mm26度、後面15mm30度、上面7mm82度、防楯26mm（曲面）。エンジンはパナールSK（105馬力、6330cc）、トランスミッションは前進４速・後進４速、最大速度72km、航続距離300km。無線機はFuG Spr Ger a。乗員４名。1941年6月、バルバロッサ作戦開始時には190両が配備されていたが、1941年中に107両が戦闘で失われた。34両は鉄道用の車輪を付けて軌道警備用に改造され、少数は無線通信設備を追加して指揮車両となった。また、余った�V号戦車用42口径5cm戦車砲をオープントップ戦闘室に搭載した火力強化型も存在する。参考：ジャーマンタンクス

＜ＡＭＤ−ＣＥＬＬ＞：弾道ミサイル防衛（韓国）を参照。

＜ＡＭＤＲ＞：EL/M2228S（レーダー）を参照。

＜ＡＭＤＲ＞：アメリカ海軍次期ミサイル巡洋艦CGXに搭載予定だったアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、Air and Missile Defense Radar（防空・ミサイル防衛レーダー）の略。2009年6月からレイセオン社、ノースロップ・グラマン社、ロッキード・マーチン社が開発し、2013年10月にレイセオン社が主契約社となった（ロッキード・マーチン社が異議を申し立てたが2014年1月に取り下げ）。対艦ミサイルや弾道ミサイルへの対処を主目的とし、弾道ミサイル防衛、対空戦、対水上戦に使用される。ＳバンドのAMDR-S、ＸバンドのAMDR-X、レーダー制御装置（Radar Suite Controller）からなり、AMDR-Sで広域長距離目標捜索追尾と自艦ミサイル管制（中間誘導）を、AMDR-Xで水平線目標（潜望鏡など）捜索、目標精密追尾、自艦ミサイル管制（中間・終末誘導）を行う。CGXが開発中止となったため、アーレイ・バーク級フライト�Vに搭載（AMDR-X用アンテナ３枚、AMDR-S用アンテナ４枚）されることになったが、艦橋が小さいので、アンテナ直径を縮小する予定。半導体は窒化ガリウム系を使用して省電力高出力（出力30倍で電力消費は２倍に抑える）を図る予定だが、長期使用時の信頼性がまだ確保されておらず、従来通りのガリウム砒素系に戻す場合は出力強化のため追加電源搭載と冷却系強化が必要になる。また、複数任務を同時にこなすため、複数の電波ビームを同時に走査し、シークラッターや妨害にも強いアダプティブ・デジタル・ビーム・フォーミング技術の適用が重要である。参考：月刊軍事研究8,'15、8,’14、8,’10、8,’11、8,’13、月刊世界の艦船10,’13

　＜ＡＭＤＲ−Ｓ＞：広域捜索、水平線捜索、ミサイル管制（アップ・ダウンリンク）、BMD、防空支援、艦砲射撃支援、地上攻撃支援、対水上戦支援、対砲捜索追尾（対砲レーダー）、電子防護支援、環境認識支援（気象レーダー）に使用する多機能レーダーで、アレイ・サブシステム、冷却サブシステム、アレイ制御装置、シグナル＆データ・プロセッシング・サブシステム、電源サブシステムからなり、アレイ・サブシステムは上構斜め四隅のアンテナ・アレイに、それ以外は艦内に置かれる。使用周波数Ｓバンド（8-12.5GHz）、アンテナ直径6.7m、出力30-31MW。アーレイ・バーク級フライト�V向けは、上構の大きさの関係上、アンテナ直径を4.27m（高さ4.30m・幅4.15m・厚さ1.52mの八角型）にする予定だが、アメリカ海軍の要求（感度1000倍・信号対雑音比30デシベル改善）を満たすには6.1m必要らしい。アンテナ・アレイはモジュラー構造で、0.61m角の立方体モジュールであるレーダー・モジュラー体RMA（Radar Modular Assemble）を37個配置して八角形にし、４枚を上構斜め四隅に配置する。RMAは１個あたりTRIMM（Transmit Receive Integrated Multi-channel Module）24基、DREX（Distributed Receiver / Exciter）、フリークエンシー・シンセサイザー、デュアル・チャンネル・コンバーターからなり、TRIMMは１基あたり窒化ガリウム半導体製送受信モジュール（アンテナ素子）６個を組み込んでいるので、アンテナ１面あたり送受信モジュール5328個で構成されることになる。また、アンテナ４面がそれぞれレーダー発振器（トランスミッター）を備えており、抗堪性が高い。窒化ガリウム構成品の平均故障間隔は１億時間に達し、標準ライン交換式ユニットは工具２種類で着脱でき６分以内で交換可能で、整備性に優れる。AN/SPY-1D(V)よりも感度は31.6倍（信号対雑音比15-17デシベル改善）、探知距離は2.4倍（テストでは人工衛星も探知した）、同時目標捕捉数は30倍以上、同時目標追尾数は６倍以上に向上する。発熱対策としてアンテナ・アレイごとに液冷サブシステムを組み込んであり、RMA１基と冷却用ラジエータ１基をペアにして放熱を行っている。RMA、冷却用ラジエータ、カリブレーション1/4RMA２基、イナーシャル・ナビゲーション・システム１基がアレイ・サブシステムの構成要素である。アレイ制御装置はキャビネット２基からなるアンテナ・インターフェース。シグナル＆データ・プロセッシング・サブシステムは、デジタル・ビーム形成装置（キャビネット３基）、リアルタイム・シミュレータ（キャビネット１基）、デジタル・シグナル・プロセッシング（キャビネット７基）、レーダー制御プロセッサ／レーダー装置一式制御装置（Radar Control Processor / Radar Suite Controller。キャビネット２基）からなる。レーダー制御プロセッサにはCOTSのx86プロセッサを使用、再プログラムも可能なよう設計してあり、改良や新型脅威に対する対応も簡単に行える。デジタル・シグナル・プロセッシングで目標探知処理、レーダー制御プロセッサでAN/SPQ-9B探知データも加えた目標追尾処理を行うことができ、イージス戦闘システムの指揮管制装置C&Dは目標管理データ（トラック・データ）だけを受け取る方式で、目標管理機能の改良やシステム統合作業はイージス戦闘システムに手を付けずレーダー側サブシステムに手を加えるだけで済む。また、目標追尾処理まで自前で行えるので、イージス戦闘システム以外の指揮管制システムと組み合わせるのも容易である。電源サブシステムは1000V直流（DC）系と450V交流（AC）系からなり、両方とも艦内電源系から供給を受け、直流の方は主電源分電装置１基とアレイ電源分電装置４基を介してアレイ・サブシステムに1000Vの直流電力を供給し、交流の方は無停電電源装置（蓄電池付き）を介してアレイ・サブシステムに208Vの交流電源を供給する。2014年7月23日に初期設計を完了し、2016年4月（5月？）に直径4.3mのアンテナ１面をハワイの太平洋ミサイル射場PMRFに設置、7月からテストに入った。2017年2月3日、SFTM-01試験で模擬弾道ミサイル探知に成功。3月15日、太平洋ミサイル射場PMRFで初の弾道ミサイル追尾テスト（コード名はヴィジラント・ハンター）を実施。7月27日、カウアイ島沖太平洋ミサイル射場PMRFでMRBM追跡試験ヴィジラント・タイタンを実施し、地上に設置したAMDRで弾道ミサイルの捕捉追尾に成功した。9月7日、ハワイ近海で短距離弾道ミサイル・空中発射巡航ミサイル同時追尾試験ヴィジラント・タロンを実施し、成功した。2017年5月にIOCの３基が発注された。2019年1月31日、短距離弾道ミサイル探知追尾試験ヴィジラント・ネメシスに成功したと発表があった。開発が順調なら2020年10月に実用型AN/SPY-6(V)1が引き渡され、DDG-125ジャック・Ｈ・ルーカスに搭載される予定。AN/SPY-6(V)4などアーレイ・バーク級フライト�U／�UＡにレトロフィットするタイプも開発中。参考：月刊軍事研究8,’17、10,’18、9,’16、8,'15、5,’15、8,’13、7,’12、月刊世界の艦船9,'20、6,’15、10,’14、8,’16、10,’17、12,’17、7,’18、10,’18、12,’18、5,’19、8,'20、3,'24、11,'24、月刊航空ファン6,’17

　＜ＡＭＤＲ−Ｘ＞：潜望鏡探知、目標精密追尾、ミサイル管制（アップリンク、ダウンリンク、イルミネーター・レーダーなど）を主任務とする。使用周波数Ｘバンド、アンテナサイズ縦1.83m×横1.22m。開発が遅れており、アーレイ・バーク級フライト�Vでは取り敢えずAN/SPQ-9Bの能力向上型と、終末誘導用イルミネーター・レーダーを搭載するようである。2024年1月16日にはAN/SPY-9Bの後継としてFXRのRFIが発出されており、AMDR-Xは無かったことにされるかもしれない。参考：月刊軍事研究8,’17、8,’13、7,’12、月刊世界の艦船4,’24

　＜ＡＮ／ＳＰＹ−６（Ｖ）１＞：AMDR-Sの実用型。RMA37基により直径4.27mのアンテナ１面を構成し、４面で全周を監視する。アーレイ・バーク級フライト�Vに搭載された。2022年12月末、アーレイ・バーク級フライト�V１番艦DDG-125ジャック・Ｈ・ルーカスで初洋上試験を実施。アンテナ・アレイ４面全てを作動させた初の試験（陸上試験では１面のみだった）でもあり、若干の不具合はあったが、ドックでの修理整備は不要でリモート対処可能な程度だったという。参考：月刊世界の艦船4,’23、6,’23

　＜ＡＮ／ＳＰＹ−６（Ｖ）４＞：AMDR-SのRMAを24基に減らしたもの。上から２基・４基・６基・６基・４基・２基と並べて八角形のアンテナ面に収める。アーレイ・バーク級イージス艦フライト�UＡのうち15隻にレトロフィットする予定だが、アンテナサイズが違うので、アンテナ背面にアダプター・プレートを装着して合わせる案が出された。参考：月刊世界の艦船9,’20、6,’22、4,’23

＜ＡＭＥ＞：アメリカ陸軍DAC（Defence Ammunition Center）が開発した弾薬データベースで、Ammunition Multimedia Encyclopediaの略。パソコンやスマートフォンに各種弾薬データをダウンロードして品質管理や兵站支援に使用できる。180種類の弾薬を収録しており、2011年末には290種類に強化された。参考：月刊丸8,’11

＜Ａｍｆｂａｔ　２０３０＞：スウェーデン海軍計画砲艇Amfibiebataljon 2030。パトリア製120mm迫撃砲NEMOを搭載する砲艇で、水陸両用大隊に配備して洋上からの火力支援に使う。2023年5月にスウェーデン軍国防資材局がスウェード・シップ・マリンに発注した。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜ＡＭＧ−１＞：ソ連の航空機搭載型機雷で、M-KB機雷の改造型である。信管は接触式で、触覚５本が突き出ている。パラシュートは無く、低高度からの敷設しかできないが、投下速度を活かして氷海にも散布できる。重量1.034トン。運用深度13-100m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＭＩＳＯＭ＞：アフリカ連合ソマリア・ミッションを参照。

＜ＡＭＫ＞：空気力学的近代化改修キットを参照。

＜Ａ−Ｍｋ４ｖ＞：アメリカ海軍の中周波音響掃海具。振動板をハンマーで叩いて中周波音を出すタイプである。参考：丸スペシャルNo.76

＜Ａ−Ｍｋ４ｖ海外シリーズ＞

　＜Ａ−Ｍｋ４ｖ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の音響掃海具。海上自衛隊に供与されたやしま型に搭載されており、あただ型、やしろ型、かさど型、掃海艇１号型、掃海艇７号型にも搭載された。使用法は71式音響掃海具と同じで、展開器はサイズ４フロート、発音体はサイズ０フロートに吊り下げられる。参考：丸スペシャルNo.76

＜Ａ−Ｍｋ６ｂ＞：アメリカ海軍の低周波音響掃海具。内部に高出力モーターが収容されており、振動板をゆすって低周波音を発する。参考：丸スペシャルNo.76

＜Ａ−Ｍｋ６ｂ海外シリーズ＞

　＜Ａ−Ｍｋ６ｂ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の音響掃海具。海上自衛隊に供与されたやしま型に搭載されており、あただ型、やしろ型、かさど型、掃海艇１号型、掃海艇７号型にも搭載された。使用法は71式音響掃海具と同じで、展開器はサイズ４フロート、発音体はサイズ０フロートに吊り下げられる。参考：丸スペシャルNo.76

＜Ａ　Ｍｋ�]�U＞：Mk12機雷（イギリス）を参照。

＜ＡＭＬ装甲車シリーズ＞：フランス陸軍４輪装甲車。北アフリカ戦で使用したイギリスのフェレットが好評だったため、第２次大戦後にパナール社が開発し、1959年に試作車が完成、1961年から配備された。4000両以上が生産され、30カ国以上に輸出もされている。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER9,’10

　＜ＡＭＬ−６０＞：後装式60mm迫撃砲と同軸機銃を全周旋回砲塔に搭載したタイプ。参考：月刊PANZER9,’10

＜ＡＭＬ−９０＞：２名用イスパノスイザ製リンクス90砲塔を載せたタイプ。車体配置は前部が操縦席、中央が戦闘室、後部が機関室で、戦闘室に砲塔が載る。エンジンはパナール製やプジョー製のガソリンまたはディーゼルから選択可能。主砲は90mm低圧砲D921FIで、榴弾とHEATを主に使用する。同軸に7.62mm機銃を装備。全長5.11m、全幅1.97m、全高2.07m、重量5.5トン。エンジンは４気筒空冷ガソリン（90馬力）またはディーゼル、最大速度90km、航続距離600km。乗員３名。後に砲塔動力旋回装置、レーザー測距機、パッシブ式暗視装置が追加された。参考：世界の軍用車両(4)、月刊PANZER9,’05

＜ＡＭＬ自走迫撃砲＞：イスパノスイザ製HE-60-7砲塔（60mm後装迫撃砲HB60と7.62mm機銃装備）またはHE-60-12（同軸機銃を12.7mmに変更）を搭載するタイプ。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＭＬ自走迫撃／対空機関砲＞：イスパノスイザ製HE-60-20砲塔を搭載したタイプ。砲塔前面に60mm後装迫撃砲HB60LPを、砲塔上面後部に20mm機関砲と7.62mm機銃を装備する。参考：世界の軍用車両（４）

＜ＡＭＬ装甲車・海外シリーズ＞

　＜エランドＭｋ．１＞：南アフリカ陸軍装甲車。1961年に100両を輸入し、その後ライセンス生産に移った。参考：月刊軍事研究3,’07

　＜エランドＭｋ．７＞：南アフリカ陸軍装甲車。1979年に採用された最終型で、Mk.1よりも車体を延長している。機銃装備型、迫撃砲装備型が存在する。参考：月刊軍事研究3,’07

　＜エランド９０＞：南アフリカ陸軍装甲車。エランドMk.7に90mm砲DEFAの国産化モデルを搭載したタイプで、150両が生産された。参考：月刊軍事研究3,’07

＜ＡＭＬ装甲車・海外ファミリー＞

＜ＡＭＬ自走高射機関砲＞：ベネズエラ軍自走高射機関砲。20mm連装機関砲装備のS530砲塔を搭載している。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＭＬＣＤ＞：GDカナダ社が開発したスマート・ディスプレイで、タッチ操作型のコンピュータ内蔵フラットディスプレイである。敵味方の位置を表示したり、戦場の映像を映したり、部隊の運用指示を出したりと多様な機能を持つ。18.1インチ（460mm）の1810AMS-SXGA（重量20kg）、10.4インチ（264mm）でパネルボタン無しの1041AM-A（重量3.7kg）、パネルボタン付きの1041AM-B（重量3.7kg）などがある。参考：月刊軍事研究8,’06

＜ＡＭＭＡＤ＞：対磁気地雷装置の略。

＜ＡＭＭＡＳ＞：先進的地雷原マーキングシステムの略。内部にドラムマガジンがあり、地雷原啓開を示すマーカーが搭載されていて、伸縮式アームにより地面に設置する。車両後部にボルト止めして使用する。参考：イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004

＜ＡＭＭＲ＞：ARPV（無人機）を参照。

＜ＡＭＮＳ＞：AN/AQS-235（掃海具）を参照。

＜ＡＭＯＳ＞：アモス（連装迫撃砲）を参照。

＜ＡＭＰ＞：アメリカ海軍の機雷処理用スーパー・キャビテーション弾。20mm及び30mm弾を開発中である。APDS弾のような構造になっており、水面に当たると外筒が外れて内部のスーパー・キャビテーション弾のみが水中を高速で直進し、深さ6mまで（30mm弾ではそれ以上）の機雷を破壊する。参考：月刊軍事研究9,’01

＜ＡＭＰＰＭ＞：アメリカ海軍の要求により2015年からパナヴィジョン社が開発している電子光学マストで、Affordable Modular Panoramic Photonics Mast（廉価型モジュール式パノラマ光学マスト）の略。アメリカ海軍では2017年にTOTIM（Tactically Oriented Tech Insertion Masts）の名称を付けた。根元にマスト冷却モジュール、先端に上からパノラマ可視光画像モジュール、汎用インターフェース、高解像度可視光・赤外線画像モジュール、パノラマ赤外線画像モジュール、ミッション・クリティカル・モジュールと並ぶモジュラー構造で、マストを旋回させなくても全周視界が得られる。全周画像をディスプレイにどのように表示するかは考え中で、前180度と後180度に分け、前180度はディスプレイに普通に表示、後180度は左右逆にしてバックミラーのように表示する方式が有力らしい。ディスプレイにはソナー、ESM、無線通信、船舶自動識別装置AIS、航空機衝突防止装置ADS-Bなどの各種情報も統合して映し出せる。参考：月刊軍事研究9,’16、月刊世界の艦船2,’17、4,’20

＜ＡＭＰＳ＞：AN/ALQ-240(V)1（ESM）を参照。

＜ＡＭＰＳＳ＞：B-1シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＭＰＶ＞：アメリカ陸軍がM-113の後継として導入予定の汎用装甲車Armored Multi-Purpose Vehicle。2012年に研究が開始され、2013年にRFPが発出された。ストライカーやMRAPのような装輪式車両とM-2ブラッドレイのような装軌式車両を検討しているらしく、重旅団戦闘団HBCT向けに2897両（１個HBCTあたり平時109両＋緊急即応部隊用５両）、その他部隊に6000両を配備予定である。直接・間接射撃やIED・地雷を含む脅威に対する十分な乗員生残性、M-1A2戦車／M-2A3歩兵戦闘車／M-3A3騎兵戦闘車に匹敵する路外機動力、NCW能力、ファミリー化及び将来の大規模改良を行える十分な拡張性が開発の主眼に置かれた。BAE社がブラッドレイA3共通車体ファミリー車、GDLSが装軌型ストライカーを提案し、2014年12月23日に前者が採用された。参考：月刊軍事研究6,’12、4,’17

　＜医務後送車型＞：M113A3医務後送車の後継で、負傷兵の後送の他に医薬品の補給を主任務とする。医務装備セットとエアコンを積んでおり、車内には担架だけなら４床、負傷者だけなら６名を収容でき、負傷者３名＋担架２床という組み合わせも可能。JTRS-HMS無線機２基、VIC-3車内通話機、FBCB2/BFT、IED妨害装置CREWデュークを搭載する。乗員３名。参考：月刊軍事研究6,’12

　＜医務治療車型＞：M557医務治療車の後継で、戦場救護所や大隊救護所として運用する。搭載機材は医務後送車とほぼ同じで、車内に担架１床を収容して治療を行うことが可能。乗員４名。参考：月刊軍事研究6,’12

　＜自走迫撃砲型＞：M1064A3自走迫撃砲の後継で、120mm迫撃砲M121（69発）を搭載する。JTRS-HMS無線機２基、VIC-3車内通話機、DVE操縦手用映像装置、FBCB2/BFT、M95迫撃砲射撃統制システム、AFATDSといった各種通信機材と、IED妨害装置CREWデュークを装備。乗員は車長、操縦手、迫撃砲要員２名。参考：月刊軍事研究6,’12

　＜任務指揮車型＞：M577A3指揮車の後継で、主任務は前線部隊の2-20km後方における本部指揮統制・通信である。JTRS-MNVR１基、JTRS-HMS無線機２基、VIC-3車内通話機、FBCB2/BFT、M95迫撃砲射撃統制システム、AFATDS、DCGSAなどの各種通信機材や、IED妨害装置CREWデュークを搭載する。乗員は車長、操縦手、無線端末操作員２名。参考：月刊軍事研究6,’12

　＜汎用車型＞：M113A3の後継。ただし機械化歩兵任務は戦車に同行するGCVが行うので、こちらは兵站車列護衛、緊急補給、負傷者後送、医務後送車列警備を主任務とし、武装も車体上面の自衛火器のみである。車内に担架１床を収容可能。JTRS-HMS無線機２基、VIC-3車内通話機、WIN-Tデータ通信装置、DVE操縦手用映像装置、IED妨害装置CREWデューク・バージョン３、FBCB2/BFTを搭載する。乗員２名（車長、操縦手）＋乗車人員６名。参考：月刊軍事研究6,’12

＜ＡＭＰＶシリーズ＞：クラウス・マッファイ・ヴェクマン社とラインメタル・ディフェンス社が開発中の４×４輪装甲車で、Armoured MultiPurpose Vehicleの略。ドイツ陸軍GFF/GTF計画向け装甲指揮通信車として提案している。ユーロサトリ2008でモックアップが、ユーロサトリ2010で試作車が展示された。参考：月刊軍事研究9,’08、10,’10

　＜ＡＭＰＶ１＞：重量５トン前後の軽量型。底面には耐地雷装甲が施されており、キャビンにはライナーが張られていて防御力は高い。防弾ガラスは200mmの厚さがある。キャビン後方はカーゴスペースで、装甲化と非装甲の選択が可能。サスペンションは独立懸架式で、ランフラットタイヤを装備する。エンジンはディーゼル（総排気量3200cc）。CH-53での空輸が可能。参考：月刊軍事研究9,’08、10,’10

　＜ＡＭＰＶ２＞：防御力強化型。全長5.36m、全幅2.2m、全高2.19m、基本重量7.3トン、最大重量9.3トン。エンジンはディーゼル（272馬力）、最大速度110km、航続距離700km。参考：月刊軍事研究10,’10、9,’08

＜ＡＭＲ＞：オトミトラユーズ・ド・ルコネサンス（Auto-Mitrailleuse de Reconnaissance、装軌式捜索機関銃車）の略。フランス陸軍が第２次大戦前に採用した装軌式騎兵車両である。参考：月刊JWings8,’03

＜ＡＭＲ−１＞：PL-11（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＭＲ３３＞：フランス陸軍騎兵用装軌式装甲車。ルノー社が開発し、1933年に採用された。車体は装甲鋼板リベット止め、前部がエンジン室で、中央から後方に上部構造物が載り、上構左前部が操縦室で、上構上に銃塔を装備する。下部転輪はシングルタイプ片側４枚で、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側４枚。サスペンションは当初リーフスプリング式だったが、不整地踏破性が悪く、水平ラバー・スプリングに変更して量産された。全長3.5m、全幅1.6m、全高1.73m、重量5.5トン。武装は銃塔の7.5mm機銃１丁（2250発）。装甲厚13mm。エンジンは８気筒ガソリン（84馬力）、最大速度54km、航続距離200km。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER8,’13

＜ＡＭＲ３５＞：フランス軍の騎兵用装軌式装甲車。AMR33の改良型で、車体を大型化し、サスペンションを単純化して強化した。マフラーは被弾しにくい車体後部に移している。武装は初期には7.5mm機銃１丁だったが、13.2mm機銃１丁、25mm砲１門＋7.5mm機銃１丁（1939年に十数両生産）と強化されていき、砲塔もこれに合わせて改良された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER8,’13

＜ＡＭＲ３５海外ファミリー＞

　＜ＡＭＲ３５（ｆ）自走迫撃砲＞：ドイツ国防軍自走迫撃砲、制式名称8cm Schwere Granatwerfer 34 auf Panzerpahwagen AMR35(f)。第２次大戦時に鹵獲したAMR35を改造したもので、砲塔・戦闘室・機関室上部を撤去して背の高い戦闘室を設け、元々砲塔リングだった所をターンテーブル代わりにして8cm迫撃砲GrW34を搭載している。戦闘室後面上部は開放し、弾薬を車体後部に収容した。戦闘室上部にキューポラ、後部に小さな装甲キャビンを持つタイプもある。全長4.3m、全幅1.8m、全高1.8m、重量９トン。照準器はRA35。自衛用として、車内に7.92mm機銃MG34を１丁搭載する。装甲厚は車体前面下部13mm８度、上部10mm20度、側面下部10mm０度、上部10mm32度、後面下部10mm０度、上部10mm10度、底面6mm90度、戦闘室前面13mm15度、側面13mm40度、後面10mm10度、上面オープン。エンジンはルノー製、出力82馬力、前進４速・後進１速、最大速度50km、航続距離200km。無線機はFuG Spr a。乗員４名。フランス駐留の部隊に配備された。参考：ジャーマンタンクス

＜ＡＭＲ３９＞：フランス陸軍４輪装甲車。フランスのソミュア社が1934年から開発した。武装は砲塔の25mm機関砲１門と7.5mm同軸機銃１丁。全長5.28m、全幅2.76m、全高3.2m。最大速度69km、航続距離400km。1939年から生産したが、直後にドイツと戦争になり、実戦配備の記録は残っていない。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＭＲＡＡＭ＞：AIM-120シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＭＲＡＡＭ垂直エジェクターランチャー＞：LAU-142/Aを参照。

＜ＡＭＲＦＣＳ＞：スコーピオンAMRFCS（射撃指揮装置）を参照。

＜ＡＭＲＦＳ＞：先進多機能電波システムの略。

＜ＡＭＳ＞：AN/AQS-24シリーズ（空中機雷捜索システム）を参照。

＜ＡＭＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、多用途支援艦（Auxiliary Multipurpose Support Ship）を表す。2002年3月27日に定められ、4301以降の艦番号が付けられた。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、8,'11増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＭＳ�U＞：BAEシステムズ社とGDLS社が共同で開発した120mm自走迫撃砲用砲塔。AMSの改良型である。車長・砲手用大型ペリスコープを持ち、サイトは昼夜両用、FCSはネットワーク化に対応できる。主砲はロイヤル・オードナンス社が開発した120mm後装迫撃砲で、自動装填式。砲塔重量は2.5トンと軽いが、全周で7.62mm弾に抗堪できる。増加装甲の装着も可能。参考：月刊軍事研究1,’04

＜ＡＭＳ−５＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇コンダー（Kondor）。1943年6月13日竣工。1955年3月18日、海自に貸与されてMSC-655うじしまとなった。1966年3月31日に返還された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−１０＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇ファイアクレスト（Firecrest）。1943年8月6日竣工。1955年3月15日、海自に貸与されてMSC-656えたじまとなった。1966年11月30日に返還された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−１８＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇ヘロン（Heron）。1943年9月9日竣工。1955年3月21日、海自に貸与されてMSC-657ぬわじまとなった。1967年3月31日に返還された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−２０＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇ハマー（Hummer）。1944年3月28日竣工。1959年3月16日、海自に供与されてMSC-662にのしまとなった。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−２３＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇ラーク（Lark）。1943年8月9日竣工。1959年3月16日、海自に供与されてMSC-663もろしまとなった。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−２８＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇オスプレイ（Osprey）。1944年9月27日竣工。1955年2月22日、海自に貸与されてMSC-658やくしまとなった。1969年3月31日に返還された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−３２＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇ペリカン（Pelican）。1945年2月20日竣工。1955年4月16日、海自に貸与されてMSC-659おぎしまとなった。1968年3月31日に返還された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−３６＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇スワロー（Swallow）。1944年6月21日竣工。1955年4月16日、海自に貸与されてMSC-660ゆげしまとなった。1968年3月31日に返還された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−４０＞：アメリカ海軍アルバトロス級沿岸掃海艇シャッタレア（Chatterer）。1944年10月1日竣工。1955年4月16日、海自に貸与されてMSC-661ゆりしまとなった。1968年3月31日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＭＳ−４３０１＞：海上自衛隊ひうち型多用途支援艦１番艦ひうち（燧灘から）。平成11年度計画艦で、2002年3月27日竣工・就役。2009年7月20日、七尾港で一般公開された。2010年8月6-8日、酒田北港古湊埠頭で体験航海と一般公開を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月21日1005、艦載艇で荻浜地区に乾電池500個を輸送。3月25日、アクア作戦を開始。1150（1117？）、アメリカ軍から提供された１号バージに真水を搭載し、横須賀港から福島に曳航を開始した。3月27日1810、１号バージの曳航を終了し、いわき市小名浜港に入港。3月30日1805、１号バージを曳航して小名浜港を出港、福島第一原発に向かった。3月31日1550、１号バージを小名浜港から福島第一原発沖に曳航し、横須賀港務隊の曳船に渡した。4月1日1746、２号バージを曳航して小名浜港を出港、福島第一原発に向かった。4月2日0828、２号バージを曳航して福島第一原発沖に到着、曳船に引き渡した。4月22日1239、気仙沼・大島間で救援物資を輸送。2035、気仙沼朝日地区で被災者７人に入浴支援を実施。4月23日、大島浦の浜地区に物資を輸送。7月22-24日、若狭湾で舞鶴地方隊展示訓練に参加。2012年9月8-9日、新潟県長岡市寺泊港で体験航海を実施。2013年6月1日、舞鶴港で体験航海を実施。7月26-27日、若狭湾で舞鶴地方隊展示訓練に、舞鶴基地でサマーフェスタに参加。2015年6月13-14日、出雲市河下港で一般公開され、計3000人が来艦した。6月20日、舞鶴基地で海上防災フェスタに参加。8月22日、島根県西ノ島浦郷港に入港。8月23日、西ノ島町防災訓練に参加し、避難住民の海上輸送を行った。10月30日、年次検査中に自衛隊舞鶴病院の支援を受けてひうち健康の日を開催。乗員の健康意識向上を目的にカウンセリング、生活習慣病対策、口腔衛生指導を行った。2016年7月16-17日、富山新港で一般公開を実施。10月18日、海上保安庁との共同訓練に参加。2017年1月22-23日、DDH-181ひゅうが、アドミラル・トリブツ、ボリス・ブトマと共に、舞鶴港内と若狭湾北方海域でロシア海軍との捜索救難共同訓練に参加。4月3日、舞鶴地方隊直轄から舞鶴警備隊隷下に移った。2018年7月5-10日、DD-151あさぎりと共に、ウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、ドゥブナ級補給艦ペチェンガと、舞鶴港及び若狭湾で日露捜索・救難共同訓練（海賊行為による被害を想定した洋上捜索救難、船内捜索、通信）に参加。9月28日から10月3日、福井国体・障害者スポーツ大会セーリング競技に協力した。2019年現在、舞鶴警備隊に配備されており、定係港は舞鶴。2019年8月31日と9月1日、新潟県長岡市寺泊港で一般公開された。2020年現在、舞鶴警備隊に配備されており、定係港は舞鶴。2021年4月18日、寺泊港で長野地本の募集対象者ら向け艦艇広報を行う予定だったが、波浪警報が出て中止になり、乗員がバスで概要説明やラッパ演奏を行った。5月25日現在、舞鶴警備隊に配備されており、定係港は舞鶴。7月30日、富山県伏木港に入港。8月1日、富山県総合防災訓練に参加。10月1日、京都地本京丹後地域事務所に協力し、府立海洋高校２年生の艦艇見学を行った。12月14日、DD-151あさぎり、DDG-177あたご、AMS-4301ひうちの乗員と共に、計22名でグンゼの企業研修を受講した。2022年4月25日現在、舞鶴警備隊に配備されており、定係港は舞鶴。7月16日、若狭湾で舞鶴地方隊創設70周年記念展示訓練に参加。10月3日1700頃、隠岐諸島北120kmを南西に航行する東調型情報収集艦艦番号796開陽星を確認した。その後これは10月4日に対馬海峡を南西に航行し、東シナ海に向かっている。10月15-16日、令和4年度島根県総合防災訓練に参加。2023年4月25日現在、舞鶴警備隊に配備されており、定係港は舞鶴。9月23日、まいづる魚まつりで一般公開された。10月21日、舞鶴西港でブルーフェスタ2021に参加し、体験航海を行った。2024年1月1日に発生した能登半島地震の災害派遣に参加。3月5日、日本海で海上保安庁との共同訓練に参加。第14護衛隊、DD-151あさぎりと共に、第８管区海上保安本部、巡視船だいせん、シコルスキー76D型ヘリと、情報共有訓練・護衛艦及び巡視船の運動要領等に関する訓練を行った。4月25日現在、舞鶴警備隊に配備されており、定係港は舞鶴。参考：月刊世界の艦船1,’04、10,’11、10,’13、9,'15、11,’17、7,’19、6,'20、7,'21、6,'22、10,'22、1,'23、6,'23、1,'24、3,'24、5,'24、6,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings12,’16、4,’17、11,'21、朝雲

＜ＡＭＳ−４３０２＞：海上自衛隊ひうち型多用途支援艦２番艦すおう（周防灘から）。平成13年度計画艦で、2004年3月16日竣工・就役。2007年10月13-15日、パシフィック・シールド07に参加。2008年、横須賀地方隊から大湊地方隊に移った。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月12日1411、被災漁船員１人を八戸沖から八戸港に輸送した。3月29日1522、大島に救援物資を輸送。3月31日1306、大島浦の浜に救援物資を輸送。4月2日1101、大島浦浜に救援物資を輸送。4月15日0826、気仙沼大島に支援物資を輸送。0850、気仙沼市に支援物資を輸送。1605、気仙沼市に支援物資を輸送。4月16日0824、気仙沼大島に支援物資を輸送。4月27日1653、気仙沼大島浦の浜地区に生活支援物資を輸送。4月29日1055、気仙沼大島浦の浜地区に生活支援物資を輸送。5月4日0907、気仙沼大島に灯油などを輸送。5月5日1047、気仙沼大島に精米等を輸送。0815、気仙沼大島に精米等を輸送。2012年4月15日、陸奥湾で墜落した第25航空隊所属SH-60Jの捜索に参加。2014年7月25-26日、舞鶴地方隊若狭湾展示訓練に参加。9月26日、服務無事故５年（1825日）を達成した。2015年8月26-30日、ノーザン・レスキュー2015に参加。10月20日0800頃、宗谷岬北東90kmを南西に航行するウダロイ�T級ミサイル駆逐艦２隻とロプーチャ�U級戦車揚陸艦艦番号077を発見した。その後宗谷海峡を通峡してオホーツク海から日本海に入っている。2016年6月4日、大湊基地のマリンフェスタin大湊で一般公開された。2017年4月3日、大湊地方隊直轄から大湊警備隊隷下に移った。2018年5月12-13日、気仙沼港で一般公開された。6月30日、大湊地方総監部で一般公開された。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。2019年現在、大湊警備隊に配備されており、定係港は大湊。2019年9月1日、室蘭市地震津波避難訓練に参加。その後一般公開された。2020年現在、大湊警備隊に配備されており、定係港は大湊。2021年5月25日現在、大湊警備隊に配備されており、定係港は大湊。2022年4月25日現在、大湊警備隊に配備されており、定係港は大湊。6月9日0500頃、奥尻島南南西90kmを南東に航行するバルザム型情報収集艦プリバルチカを確認した。その後これは津軽海峡を東に進んでいる。6月16日0900頃、龍飛崎南西130kmを北東に航行する東調級情報収集艦艦番号794天狼星と福池級補給艦902東平湖を確認した。その後これらは津軽海峡を東に進んでいる。10月2日0500頃、龍飛崎西100kmを北東に航行する東調級情報収集艦艦番号796開陽星を確認した。その後津軽海峡に向かい北東に進み、龍飛岬西20kmで反転、南西に進んで日本海に向かっている。2023年4月25日現在、大湊警備隊に配備されており、定係港は大湊。5月23日1000頃、礼文島北西50kmを東に航行するヴィシュニャ型情報収集艦535カレリヤを確認した。その後これは宗谷海峡を東に進んでいる。6月12日0600頃、尻屋崎北東40kmを西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦535カレリヤを確認した。その後これは津軽海峡を西に進み、日本海に向かっている。6月17日0500頃、龍飛岬南西20kmを北東に航行するヴィシュニャ型情報収集艦535カレリヤを確認した。その後これは津軽海峡を東に航行し、太平洋に向かっている。6月19日0600頃、青森県尻屋崎北東40kmを南西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦535カレリヤを確認した。その後これは津軽海峡を西に進み、日本海に向かっている。8月4日0700頃、青森県尻屋崎北東40kmを北西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦CCB-208クリリイを確認した。その後これは8月5日にかけて津軽海峡を西に進んでいる。8月6日2000頃、北海道松前町大島南西40kmを北西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦CCB-208クリリイを確認した。その後これは8月9日にかけて津軽海峡西の接続水域内を南北に遊弋して南下、8月11日に能登半島北側で接続水域を出て日本海に向かっている。8月19日0400頃、北海道松前町大島南西40kmを東に航行するヴィシュニャ型情報収集艦CCB-208クリリイを確認した。その後これは津軽海峡を東に進み、太平洋に向かっている。8月20日1100頃、青森県尻屋崎南東80kmを南西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦CCB-208クリリイを確認した。その後これは8月25日にかけて三陸沖から房総半島沖にかけての接続水域内を含む海域を南下し、犬吠埼南で接続水域を出て南西に向かっている。8月26日、北海道奥尻島の奥尻港で行われたなべつる祭りで艦艇広報を行った。2024年4月25日現在、大湊警備隊に配備されており、定係港は大湊。6月28日1800頃、対馬南80kmを北東に航行する052D級ミサイル駆逐艦124開封と054A級フリゲート538煙台を確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。6月30日1900頃、北海道大島南30kmを南東に航行する052D級ミサイル駆逐艦124開封と054A級フリゲート538煙台を確認した。その後これらは7月1日にかけて津軽海峡を東に進み、太平洋に向かっている。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船1,’04、10,’14、11,’15、11,’17、11,’18、7,’19、11,’19、6,'20、7,'21、6,'22、9,'22、1,'23、6,'23、7,'23、8,'23、9,'23、10,'23、11,'23、3,'24、6,'24、9,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、月刊軍事研究12,’07、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings9,’16、9,’18、朝雲、大湊警備隊ホームページ

＜ＡＭＳ−４３０３＞：海上自衛隊ひうち型多用途支援艦３番艦あまくさ（天草灘から）。平成13年度計画艦で、2004年3月16日竣工・就役。2009年4月14-27日、長崎県平戸沖漁船転覆事故による行方不明者捜索に参加。9月20日の鹿児島県知事による漂流木回収要請を受け、9月21日から10月2日までに120本の漂流木を回収した。2010年3月18日、佐世保地方隊から平成21年度優秀艦艇として表彰を受けた。6月12-13日、島原新港で一般公開と体験航海を行った。2011年2月3日、佐世保市高島町で自然災害を想定した災害対処訓練に参加。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月20日1645、下関市から宮古市への救援物資（毛布、シーツ、ウエス、トイレットペーパー８個）をAOE-422とわだから受領した。3月22日1348、救援物資を宮古港で陸揚げして陸自に引き渡した。3月26日、アクア作戦を開始。1557、アメリカ軍から提供されたバージ船（２号）に真水を搭載し、横須賀港から曳航を開始した。3月28日1751、バージ船（２号）を曳航していわき市小名浜港に到着。4月2日、大島浦浜に救援物資を輸送した。2013年5月25-26日、水俣港で一般公開と体験航海を実施。2015年8月17日0800頃、下対馬南西120-140kmの東シナ海を北東に航行する051C型ミサイル駆逐艦115瀋陽、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦138泰州、054A級フリゲート547臨沂、同568衝陽、071型揚陸艦989長白山、072�V型揚陸艦997雲霧山、福池型補給艦889太湖を発見した。その後これらは対馬海峡を北上して日本海に入っている。10月19日、熊本県天草郡苓北町の富岡港で一般公開され、477人が乗艦した。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。2017年4月3日、佐世保地方隊直轄から佐世保警備隊隷下に移った。2018年1月6日0000頃、下対馬南西120kmを北東に航行するウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマを発見した。その後対馬海峡を北上して日本海に向かっている。11月4日、熊本県八代港外港地区で開催された第31回みなと八代フェスティバルで一般公開された。11月25日1700頃、下対馬西50kmを北東に航行する054A級フリゲート546塩城を確認した。その後この艦は対馬海峡を北上して日本海に入り、11月26日に対馬海峡を南下して東シナ海に向かっている。2019年現在、佐世保警備隊に配備されており、定係港は佐世保。2019年7月25日0500頃、宮古島北240kmを南に航行する052D型ミサイル駆逐艦117西寧、054A級フリゲート576大慶、同598日照、901型補給艦965呼倫湖を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向かっている。7月27日0700頃、宮古島北240kmを南に航行する052D型ミサイル駆逐艦131太原、054A級フリゲート532荊州を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向かっている。8月1日0900頃、久米島南120kmを北に航行する052D型ミサイル駆逐艦117西寧、131太原、054A級フリゲート532荊州、同576大慶、同598日照、901型補給艦965呼倫湖を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かっている。12月16日1400頃、下対馬南西240kmを北東に航行するスラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ドゥブナ級補給艦１隻を確認した。その後これらは対馬海峡を北上し、日本海に向かっている。2020年現在、佐世保警備隊に配備されており、定係港は佐世保。3月18日1100頃、下対馬南西250kmを北東に航行する055級ミサイル駆逐艦101南昌、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート576大慶を確認した。その後これらは対馬海峡を北上し、日本海に向かっている。2021年5月25日現在、佐世保警備隊に配備されており、定係港は佐世保。10月11日1300頃、対馬南西320kmを北東に航行する055型ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦172昆明、054A級フリゲート515浜州、同573柳州、福池型補給艦902東平湖、大老級潜水艦救難艦846を確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。11月18日1700頃、対馬北東65kmを南西に航行するウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフを確認した。その後これは対馬海峡を南に進み、東シナ海に向かっている。12月14日0800頃、宮古島北220kmを南東に航行する052D型ミサイル駆逐艦154厦門を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を南東に航行し、太平洋に向かっている。2022年3月20日0200頃、対馬東北東40kmを南西に航行するヴィシュニャ級情報収集艦艦番号535を確認した。その後これは対馬海峡を南下し、対馬南西70kmで反転、対馬海峡を北上して日本海に向かっている。4月3日1000頃、対馬北東320kmを南に航行する052D型ミサイル駆逐艦117西寧と054A型フリゲート546塩城を確認した。その後これらは対馬海峡を南西に進み、東シナ海に向かっている。2022年4月25日現在、佐世保警備隊に配備されており、定係港は佐世保。5月19日0800頃、宮古島北150kmを南に航行する052D型ミサイル駆逐艦132蘇州、054A級フリゲート533南通、福池型補給艦890巣湖を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南東に航行し、太平洋に向かっている。5月20日0900頃、宮古島北東110kmを北西に航行する052D型ミサイル駆逐艦151鄭州を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。5月21日1000頃、宮古島東170kmを北西に航行する054A型フリゲート531湘潭を確認した。1500頃、宮古島東180kmを西に航行する055型ミサイル駆逐艦101南昌を確認した。1700頃、宮古島東220kmを西に航行する遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同118烏魯木斉、同120成都、901型補給艦901呼倫湖を確認した。その後これら７隻は沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。5月25日0100頃、宮古島南西130kmを北西に航行するソブレメンヌイ�T級ミサイル駆逐艦136杭州を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。6月13日1200頃、長崎県福江島西200kmを東に航行する055型ミサイル駆逐艦102拉薩、052D型ミサイル駆逐艦120成都、福池型補給艦902東平湖を確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。7月11日0100頃、長崎県男女群島西130kmを北東に航行するヴィシュニャ型情報収集艦艦番号535を確認した。その後これは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。7月27日0900頃、鹿児島県横当島北西240kmを北東に航行する636型海洋調査艦艦番号23と同25を確認した。その後これらは大隅海峡を北東に進み、太平洋に向かっている。8月12日1200頃、対馬北東70kmを南西に航行するステレグシュチイ級フリゲート・グロームキイを確認した。その後これは対馬海峡を南下し、東シナ海に向かっている。12月13日2200頃、長崎県男女群島西90kmを南東に航行する055型ミサイル駆逐艦102拉薩、052D級ミサイル駆逐艦124開封、福池級補給艦889太湖を確認した。これらは12月14日に大隅海峡を東に進み、太平洋に向かっている。2023年3月25日0700頃、長崎県五島列島西140kmを北東に航行するヴィシュニャ型情報収集艦艦番号535カレリヤを確認した。その後これは25-26日に対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。4月25日現在、佐世保警備隊に配備されており、定係港は佐世保。4月29日0800頃、五島列島南西180kmを北東に航行する東調級情報収集艦796開陽星を確認した。その後これは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。4月30日0000頃、五島列島西130kmを北東に航行する055型ミサイル駆逐艦102拉薩、052D級ミサイル駆逐艦119貴陽、同121斉斉哈爾、054A級フリゲート542棗荘、福池級補給艦889太湖を確認した。その後これらは対馬海峡を北東に航行し、日本海に向かっている。8月18日1100頃、長崎県鳥島西40kmを北東に航行するステレグシュチイ�U級フリゲート337アルダー・チデヌサポフを確認した。その後これは8月19日にかけて対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。10月8日1600頃、対馬北東70kmを南西に航行するウダロイ�T級駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・パンテレーエフ、ドゥブナ級補給艦１隻を確認した。その後これらは10月9日にかけて対馬海峡を南西に進み、東シナ海に向かっている。2024年4月25日現在、佐世保警備隊に配備されており、定係港は佐世保。6月27日0100頃、対馬南西60kmを北東に航行する055級ミサイル駆逐艦102拉薩と福池級補給艦903可可西里湖を確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。7月6日1600頃、宮古島東160kmを西に航行するヴィシュニャ級情報収集艦１隻を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を北に進み、東シナ海に向かっている。8月21日1700頃、対馬南西110kmを北東に航行するスラヴァ級ミサイル巡洋艦１隻とウダロイ�T級駆逐艦１隻を確認した。その後これらは8月22日にかけて対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。9月7日1400頃、対馬南西130kmを北東に航行する東調型情報収集艦794天狼星を確認した。その後これは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。2000頃、対馬南西130-160kmを北東に航行する055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D級ミサイル駆逐艦117西寧、054A級フリゲート547臨沂、福池級補給艦889太湖を確認した。その後これらは9月8日にかけて対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船1,’04、11,’17、3,’18、2,’19、7,’19、10,’19、3,’20、6,'20、6,'21、7,'21、1,'22、2,'22、3,'22、6,'22、8,’22、9,'22、10,’22、11,'22、3,'23、6,'23、7,'23、11,'23、12,'23、3,'24、6,'24、9,'24、11,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、月刊丸1,’10別冊、月刊JWings9,’10、6,’11、2,’19、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、朝雲

＜ＡＭＳ−４３０４＞：海上自衛隊ひうち型多用途支援艦４番艦げんかい（玄界灘から）。平成17年度計画艦で、2008年2月20日竣工・就役。2009年8月1-2日、姫路港開港50周年記念事業に参加し、一般公開や体験航海を行った。2010年9月10-12日、佐賀県松浦郡玄海町で艦艇広報を実施。2014年2月7日、平成25年度日米共同統合防災訓練に参加。2016年2月16日1730頃、種子島東北東85kmを太平洋から東シナ海に向け西に航行する中国海軍旅滬型駆逐艦112哈爾浜、054A級フリゲート538煙台、東調型情報収集艦854天狼星、福清型補給艦881洪澤湖を確認した。その後４隻は大隅海峡を北に進んでいる。4月2-3日、佐伯基地分遣隊の艦艇広報で一般公開された。7月18日、佐伯基地のサマーフェスタinさいき2016で一般公開された。2017年7月17日、佐伯基地サマーフェスタで一般公開された。2018年7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。2019年現在、呉警備隊に配備されており、定係港は佐伯。6月27日、貨物船と衝突して航行不能となったMSC-682のとじまを因島沖まで曳航した。2020年現在、呉警備隊に配備されており、定係港は佐伯。2021年2月8日、SS-501そうりゅうが商船と衝突して損傷したため、支援に向かった。5月25日現在、呉警備隊に配備されており、定係港は佐伯。2022年4月25日現在、呉警備隊に配備されており、定係港は佐伯。7月18日、佐伯基地分遣隊が実施したサマーフェスタinさいき2022に参加し、特別公開を行った。9月27日0900頃、室戸岬南南東260kmを西に航行する055型ミサイル駆逐艦101南昌、054A型フリゲート546塩城、福池級補給艦902東平湖、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同アルダー・チデヌサポフ、同グロームキイを確認した。その後これらは9月28-29日に大隅海峡を西に進み、東シナ海で相互に隊列を組み航行している。2023年4月25日現在、呉警備隊に配備されており、定係港は佐伯。8月25日1800頃、伊豆諸島御蔵島東40kmを南西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦CCB-208クリリイを確認した。その後これは8月26日にかけて御蔵島と八丈島の間を南西に進んでいる。8月27日2200頃、種子島北東80kmを南西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦１隻を確認した。その後これは8月28日にかけて種子島東の接続水域内を南下、種子島南東の接続水域を出域して北東に進み、8月29日にかけて種子島沖から八丈島沖にかけての海域を北東に航行し、8月30日に御蔵島と八丈島との間を北東に進んでいる。2024年4月25日現在、呉警備隊に配備されており、定係港は佐伯。参考：月刊JWings11,’09、4,’14、5,'16、10,’17、月刊世界の艦船5,’16、7,’19、6,'20、7,'21、6,'22、12,'22、3,'23、6,'23、11,'23、3,'24、6,'24、朝雲、JShips VOL.70

＜ＡＭＳ−４３０５＞：海上自衛隊ひうち型多用途支援艦５番艦えんしゅう（遠州灘から）。平成17年度計画艦で、2008年2月20日竣工・就役、横須賀地方隊に編入された。2009年7月18-26日、横浜港で洋上救難展示を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月20日、福島県内での捜索活動を開始。1337、気仙沼大島に救援物資を輸送。5月15日0711、艦載艇が気仙沼港と大島浦の浜漁港の間の支援物資輸送を行い、米550箱を運んだ。5月16日、福島第一原発から半径20km圏内の海上で行方不明者の捜索を行った。2016年7月30日、館山航空基地で一般公開された。2017年3月2-5日、名古屋港ガーデン埠頭で艦艇広報を実施。4月3日、横須賀地方隊直轄から横須賀警備隊隷下に移った。6月17日、伊豆半島沖でコンテナ船と衝突したDDG-62フィッツジェラルドの乗員捜索に参加。2018年1月、就役10周年セレモニーを実施。7月25日、パシフィック・シールド18に参加。9月29日、塩釜港西埠頭で行われたみなと塩竃ゆめ博2018で一般公開された。2019年現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。2019年9月1日、九都市合同防災訓練に参加。高機動車２両を京葉食品コンビナート南岸壁に陸揚げした。その後京葉食品コンビナート南岸壁で一般公開されている。10月13日から台風19号・21号被害の災害派遣に参加。福島県相馬港や小名浜港で給水支援を行った。2020年現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。2021年5月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。2022年4月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。6月26日0100頃、八丈島北東90kmを西に航行する東調級情報収集艦艦番号794天狼星を確認した。その後これは御蔵島と八丈島の間を西に進んでいる。9月2-3日、静岡県御前崎港で一般公開を実施。11月6-7日、関東南方海空域で行われた多国間共同訓練で想定遭難船を務めた。2023年4月10日0600頃、伊豆諸島御蔵島南東60kmを南西に航行する東調級情報収集艦796開陽星を確認した。その後これは御蔵島と八丈島の間を西に進んでいる。4月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。7月23日、御前崎港開港50周年記念行事に参加し、一般公開された。8月20日1100頃、青森県尻屋崎南東80kmを南西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦CCB-208クリリイを確認した。その後これは8月25日にかけて三陸沖から房総半島沖にかけての接続水域内を含む海域を南下し、犬吠埼南で接続水域を出て南西に向かっている。8月25日1800頃、伊豆諸島御蔵島東40kmを南西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦CCB-208クリリイを確認した。その後これは8月26日にかけて御蔵島と八丈島の間を南西に進んでいる。8月27日2200頃、種子島北東80kmを南西に航行するヴィシュニャ型情報収集艦１隻を確認した。その後これは8月28日にかけて種子島東の接続水域内を南下、種子島南東の接続水域を出域して北東に進み、8月29日にかけて種子島沖から八丈島沖にかけての海域を北東に航行し、8月30日に御蔵島と八丈島との間を北東に進んでいる。8月30日1900頃、伊豆諸島大島東60kmを北東に航行するヴィシュニャ型情報収集艦１隻を確認した。その後これは9月1日にかけて房総半島から三陸沖にかけての接続水域内を含む海域を北上し、9月2-3日には釧路沖の接続水域内を北東に進んでいる。2024年4月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。

参考：月刊世界の艦船1,’11、11,’17、10,’18、7,’19、11,’19、1,’20、6,'20、7,'21、9,'22、3,'23、6,'23、11,'23、6,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、海上自衛新聞、月刊JWings10,’16、9,’17、12,’19、10,'23、朝雲

＜ＡＭＳＡ＞：B-1シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＭＳＡＲ＞：CAESAR（レーダー）を参照。

＜ＡＭＳＴ＞：アメリカ空軍戦術航空コマンドがC-130の後継として1970年代に要求した輸送機で、次期／先進中型STOL輸送機（Advanced Medium STOL Transport）の略。ベトナム戦争の戦訓を元に、長さ14m、幅3.5m、高さ3.4mの貨物室に12.25トンのペイロード（自走榴弾砲１両を想定）を積んで400海里先の610m非舗装滑走路飛行場に送り込むという性能が求められた。1972年2月に仕様が纏まり、11月にYC-14とYC-15が選定され、300機を調達する予定だったが、ベトナム戦争終結と予算不足で計画中止となった。参考：月刊JWings5,’13、2,’19、アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＭＳＴＥ＞：Affordable Moving Surface Target Engagement（移動陸上目標交戦）の略。戦域上空のE-8戦場監視機が捉えた移動目標データをGPS誘導爆弾（JDAM）にリアルタイム送信する技術で、JDAMに移動目標攻撃能力を付与することができる。ノースロップ・グラマン社が開発し、アメリカ軍が2001年8月28日に時速32kmで走る車両で実証試験を行い成功した。2004年11月にはグアム島で行われたリザルタント・フューリー演習でテストを行い、移動中の標的船に命中させている。ただその後は音沙汰が無い。参考：月刊軍事研究9,’18、4,’03

＜ＡＭＴ＞：自動制御式マニュアル・トランスミッションを参照。

＜ＡＭＵ＞：航空機整備部隊（Aircraft Maintenance Unit）の略。参考：月刊JWings1,’20

＜ＡＭＵＣ＞：部隊感状（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＭＶ＞：フィンランド陸軍装輪装甲車で、AMVはArmored Modular Vehicle（標準装甲車、モジュラー装甲車）の略。フィンランドのパトリア・ビークル社がXA-180/XA-200シリーズの後継として2001年に原型車両を完成させ、2003年に発表した８×８輪装甲車AMV８×８を採用したものである。車体は前面に避弾経始を持つ箱形形状、高張力鋼の溶接式で、モジュラー・レイヤーと呼ばれ、基本構造のみで7.62mm通常弾に対抗でき、アルミ製装甲ボックスに内蔵された特殊装甲材AMAPを装備することで車体前面は30mm徹甲弾に抗堪できるようになる。車体底面は二重装甲で、8kg対戦車地雷の車輪下炸裂やTNT10kgの車体下炸裂に対抗できる。サスペンションはハイドラストラット・サスペンションを使用したダブルウィッシュボーン式独立懸架、タイヤは空気圧可変装置付14TR20ランフラットタイヤである。ステアリングは前方２軸で行うが、改造すれば後方２軸もステア可能。車内配置は前部左が操縦席、前部右が機関室、後部が兵員室。車内容積に余裕があり、基本モデル自体もベーシック、システムプラットフォーム、ヘビーウェポンプラットフォームの３種が用意されていて、各種装備を交換・追加搭載することでファミリー化が容易である。１名用銃塔、戦車砲砲塔、歩兵戦闘車用30mm機関砲Mk44砲塔、AMOS、偵察・指揮システムなどの搭載が可能で、フィンランド陸軍ではノルワーゲン・コングスバーグ社製プロテクターM151遠隔操作式武装システム（安定化装置付M2重機関銃またはGMG自動てき弾発射機、76mm発煙弾発射機装備）を積んだ。全長7.7m、全幅2.8m、全高2.3m、全備重量24トン（通常）／26トン（最大）。エンジンはスカニアDI12ディーゼル（通常490馬力、最大543馬力）、トランスミッションはZFエコノメット7hp907オートマチック（前進７段・後進１段）、最大速度100km、航続距離800km。原型は車体後面のシュラウド・プロペラ２基により時速6-10kmで水上航行可能だが、水陸両用機能は外した。積載量10トン。乗員３名＋搭乗歩兵９名。2007-08年に62両を配備した。陸上自衛隊も採用している。参考：月刊PANZER7,’05、5,’04、月刊軍事研究12,’14、2,’13、10,’08、2,’13、12,’06、月刊JWings2,’23、朝雲

＜ＡＭＶファミリー＞

　＜ＡＭＯＳ−ＦＩＮ＞：フィンランド陸軍の自走迫撃砲型。車体上部を強化してアモス連装迫撃砲塔を搭載したもので、2006-09年に24両を導入した。参考：月刊軍事研究12,’14、12,’06、4,’01、月刊PANZER9,’06

＜ＡＭＶ海外シリーズ＞

　＜ＡＭＶ（クロアチア軍）＞：クロアチア軍装輪装甲車。2007年と2009年に発注した。オフセット率100%のオフセット契約を結んでおり、クロアチアでの乳ガン・前立腺ガン研究をパトリア社の援助で行う。参考：月刊丸4,’17

　＜ＡＭＶ（スロベニア軍）＞：スロベニア軍装輪装甲車。パトリア社及びスロベニアのロティス社が改修を施したものを2006年12月19日に135両発注した。装甲を強化して耐弾能力と耐地雷能力を向上させており、後部には１枚ドアを持ち、自衛用の76mmてき弾発射機を装備する。浮航能力は無い。兵員輸送型、指揮車型、歩兵戦闘車型（30mm機関砲とスパイクLR装備）、機動迫撃砲型（120mm迫撃砲ネモを搭載）、ベーシックプラットフォーム型の５種類を導入予定で、イスラエルのエルビット・システムズ社からはスパイクLR、30mm機関砲Mk44、40mm自動てき弾発射機、12.7mm機銃搭載砲塔の供給を受ける。2007年12月に13両が引き渡され、2008年6月以降に13両、2009年に26両を調達予定で、2013年までに全ての受領が終了する。筈だったが、最初の13両に不具合が見つかり、公式の配備は2009年6月にずれ込んだ。更に予算の問題で2010年3月に総調達数を70両に減らす交渉に入り、2011年3月に契約が破棄され、4月に復活、2012年9月5日に結局総調達数30両で終了することとなった。参考：月刊軍事研究11,’08、3,’13

　＜ＡＭＶ（南アフリカ陸軍）＞：バジャーを参照。

　＜ＡＭＶ　ＸＰ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊装輪装甲車。96式装輪装甲車の後継・装輪装甲車（改）の代替として提案し、三菱重工製機動装甲車に勝って2022年12月9日に防衛省が採用を発表した。2023年1月9日に防衛装備庁長官がフィンランドを訪問し、フィンランド国防省国家装備局長と会談してライセンス生産で合意している。2023年度予算から調達経費（概算要求で29両232億円、予算案で26両136億円）を計上した。乗員３名＋同乗隊員12名。参考：月刊JWings2,’23、4,’23、月刊世界の艦船6,’23、朝雲

＜ＢＯＶ（スロバキア陸軍）＞：スロバキア陸軍歩兵戦闘車。AMVをベースにスロバキア独自の改良を施したもので、砲塔には30mm機関砲2A42搭載EVPUツラー無人砲塔（スロバキア国産）を採用した。2018-29年に派生車両（装甲指揮通信車、工兵車、回収車、救急車）含め81両を導入する予定。ただ国防省が公募もせず政府の承認も無く勝手に決めたので、国内から批判が出ている。参考：月刊軍事研究5,’18

　＜ロスマック＞：ポーランド陸軍装輪装甲車Rosomak。標準の装甲兵員輸送車型の他、30mm機関砲Mk44を装備するオットー・メララ社製HITFIST30砲塔を搭載する歩兵戦闘車型、指揮統制車型、工作偵察車型、装甲回収車型、偵察車型が存在する。2013年までに690両（658両が８輪、32両が６輪）を導入する予定で、2005年12月までに90両がフィンランドから納入され、2006年中に80両を自国ブーマー社でライセンス生産した。2013年10月24日、307両を追加発注した。うち80両は120mm自走迫撃砲ロスマック・ラック、43両はロスマック・ラック部隊指揮車両、122両がロスマックPKK仕様である。2007年からアフガニスタンに派遣され、RPG-7や地雷、IEDを被弾しても全壊することなく任務をこなしている。参考：月刊軍事研究12,’11、12,’06、4,’14、12,’14

　＜ロスマックＤＳＶ＞：コッカリル社製XC-8120HP砲塔システムを搭載したもの。主砲は47口径120mm砲。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜ロスマックＭ＞：ヒットファスト30P砲塔を搭載した歩兵戦闘車型。戦場マネジメントシステム（重量200-300kg）を搭載できる。参考：月刊軍事研究2,’16

　＜ロスマックＭ１Ｍ＞：ポーランド陸軍装輪装甲車。ロスマックの装甲強化型で、14.5mm弾に耐えられる複合装甲を採用し、車内に厚さ10mmの装甲鋼板と厚さ10mmのスポールライナーを装着、キネティック製ネットアーマーを取り付けている。浮航能力は無く、プロペラは外された。アフガニスタンに派遣されている。参考：月刊軍事研究12,’11

　＜ロスマックＰＫＫ＞：ロスマックＭの火力強化型で、WZM社が開発した。ヒットファスト30P砲塔にスパイクMR対戦車ミサイルを追加している。ポーランド陸軍に提案中。参考：月刊軍事研究12,’11

　＜ロスマックＸＰ＞：戦闘重量を30トンに増やし、サスペンションを換装したタイプ。重量は32トンまで増大でき、増加装甲によりレベル４の防弾能力を持たせることが可能である。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ＡＭＶファミリー＞

　＜ＡＭＶ機動突撃砲＞：CMIディフェンス社製CT-CVモジュラー砲塔を搭載し、53口径105mm低反動ライフル砲コッカリルCVを装備したもの。参考：月刊軍事研究12,’14

＜ロスマックＫＴＯ　ＭＡＳ＞：火力支援型で、WZM社が開発した。ベルギーのCMIインターナショナル社製105mm砲塔CT-CVTMを搭載する。戦闘重量26トン。ポーランド陸軍に提案中。参考：月刊軍事研究12,’11

＜ロスマックＴＲＶ＞：ロスマックの整備修理車型。武装はZSMU遠隔操作銃塔で、7.62mm機銃を装備する。乗員４名（車長、操縦手、技術兵２名）。参考：月刊軍事研究12,’11

　＜ロスマック・ラック＞：ポーランド陸軍自走迫撃砲。ラック迫撃砲システムを搭載したもので、ポーランドのHSW社が開発した。８個中隊分64両が発注され、2017年6月30日に最初の８両が引き渡されている。参考：月刊軍事研究12,’11、12,’17

＜ＡＭＶ６×６＞：フィンランドのパトリア社が開発した６×６輪装甲車。戦闘重量19.5トン。参考：月刊軍事研究10,’08

＜ＡＭＶ２８Ａ＞：フィンランドのパトリア社が開発した８×８輪歩兵戦闘車。AMVの側面に増加装甲を追加し、MCT30無人砲塔を搭載している。IDEX2017で展示された。参考：月刊PANZER4-5,’17

＜ＡＭＶ−Ｌ＞：UAE陸軍歩兵戦闘車。AMV装輪装甲車の車体を0.35m延長し、BMP-3の砲塔を搭載したものである。浮航性は維持されている。最大戦闘重量27トン。乗員３名（車長、操縦手、砲手）＋乗車歩兵８名。参考：月刊軍事研究12,’14、3,’08

＜ＡＭＷ＞：対機雷戦を参照。

＜ＡＭＷ＞：航空機動航空団（Air Mobility Wing）の略。参考：月刊航空ファン5,’18

＜ＡＭＸ＞：Ateliers de construction d’lssy-les-Moulineaux（イシ・レ・ムリノー工廠）の略。参考：歴史群像6,’10

＜ＡＭＸシリーズ＞：イタリア空軍攻撃機、別名ギブリ（Ghibli）、現場愛称トポネ（大鼠。機首形状から）。G.91R/Y（とF-104G/Sの一部）の後継としてアエルマッキとアエリタリアが1980年3月から共同開発し、7月にブラジルのエンブラエルが加わった。初号機は1984年5月14日（15日？）に初飛行したが、6月1日に事故で喪失した。ブラジル組み立ての初号機（通算４号機）は1985年10月16日に初飛行した。単座試作機は計７機が製造され、1986年半ばからは複座型の開発に入っている。1988年5月11日にイタリア向け量産初号機、1989年8月12日にブラジル向け量産初号機が初飛行した。ベネズエラ空軍が12機を発注したが、配備には至っていない。2024年4月5日、イタリア空軍イストラーナ基地で退役式典が行われた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings9,’12、7,'23、6,'24、月刊軍事研究11,’99、世界の軍用機1982

＜ＡＭＸ＞：ヨーロッパと地中海の防衛が主任務で、超低空飛行を行いつつ近接支援、航空阻止、対艦ミサイル攻撃を実施し、必要に応じて自己防衛のための空中戦を行い、偵察任務にも投入できる。機首に測距レーダーとINS航法・攻撃通信システムを搭載し、機首下部にはパレット式偵察システムを装備可能。主翼は高翼配置のスーパークリティカル翼型で、アスペクト比4.75、翼厚比12%、前縁後退角30度。前縁スラット、二重隙間ファウラーフラップを装備しており、STOL性が高い。操縦系統はスポイラーと方向舵がフライ・バイ・ワイヤ、エルロンと水平尾翼（内側に小さな昇降舵付き）が機械油圧式である。全長13.23m、全幅8.875m／9.97m（翼端ミサイル含む）、全高4.55m、運用自重6.64トン、総重量9.5-12トン、最大離陸重量13トン。翼面積21平方メートル。エンジンはロールスロイス社製スペイMk804（推力5.08トン。スペイMk807？）単発、巡航速度マッハ0.77、最大速度マッハ0.86（0.95？）、燃料搭載量2.79トン、戦闘行動半径180海里（兵装1.36トン＋500リットル増槽２本のLo-Lo-Lo）／281海里（同Hi-Lo-Hi）、フェリー航続距離1600海里（100リットル増槽２本）。固定武装は20mmバルカン砲M61A1が１門（機首下面左）。ハードポイントは胴体下１カ所、主翼下２カ所ずつ、翼端WVRAAM用１カ所ずつ。外部兵装搭載量3.8トンで、オトマート対艦ミサイルも運用できる。乗員１名。1989年4月からイタリア空軍に110機が引き渡された。アライド・フォース作戦に参加し、オフェル赤外線誘導キット装着Mk82爆弾（GBU-12）、AGM-88高速対レーダーミサイル、ペイブウェイ�U装着Mk83爆弾（GBU-16）などを投下した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings9,’12、月刊軍事研究11,’99、世界の軍用機1982、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＭＸ−ＭＬＵ＞：改良型で、2001年に既存機の改修が開始された。計器板をMFD３基でグラス・コクピット化し、GPS航法装置、レーダー高度計、HMD、多機能レーダー、デジタルFFCS、戦術データリンクなどを追加、JDAMとAN/AAQ-28ライトニング・ポッドの運用能力を持たせている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａ−１１Ａ＞：イタリア空軍攻撃機。AMX単座型のうち、2004年12月からの作戦兵站能力向上ACOL（Operational and logistics Capabilities Upglade）改修を受けていないものである。参考：月刊JWings7,’23

＜Ａ−１１Ｂ＞：イタリア空軍攻撃機。AMX単座型に対し、2004年12月から作戦兵站能力向上ACOL改修を施したもので、コクピットをNVG対応にするなどした。2012年までに42機が改修された。参考：月刊JWings7,’23、6,’24

＜Ａ−１Ａ＞：ブラジル空軍攻撃機。AMX単座型をEMB-326GBの後継として採用したもので、1990年11月に量産初号機が引き渡された。固定武装が30mm機関砲DEFA２門（機首左舷。１門？）に変更されており、翼端にはWVRAAMとしてMAA-1空対空ミサイルを装備する。45機を配備した。うち33機にオーバーホールと近代化改修（SCP-01多機能レーダー及び自衛用電子戦装置追加など）を施す予定だったが、予算オーバーで改修機数を減らしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings1,’12、月刊航空ファン7,’19

＜ＡＭＸファミリー＞

　＜ＡＭＸ−Ｅ＞：複座電子戦機型で、AGM-88の運用が可能。計画のみで開発はキャンセルされた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＭＸ−Ｔ＞：イタリア空軍複座練習機。胴体前部燃料タンクを撤去して複操縦装置付の後席を追加している。26機が配備された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings7,’23

　＜Ａ−１Ｂ＞：ブラジル空軍の複座練習機。AMX-Tを導入したもので、11機を配備した。うち10機にA-1Aと同様のオーバーホール・近代化改修を行う予定だったが、こちらも予算オーバーで改修機数を縮小している。参考：月刊航空ファン7,’19、月刊JWings1,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＲＡ−１Ａ＞：ブラジル空軍の単座偵察機型。６機を配備した。参考：月刊JWings1,’12

　＜ＲＡ−１Ｂ＞：ブラジル空軍の複座偵察機型。３機を配備した。参考：月刊JWings1,’12

　＜ＴＡ−１１Ａ＞：イタリア空軍複座練習機。AMX-Tのうち、2004年12月からの作戦兵站能力向上ACOL改修を受けていないものである。参考：月刊JWings7,’23

　＜ＴＡ−１１Ｂ＞：イタリア空軍複座練習機。AMX-Tに対し、2004年12月から作戦兵站能力向上ACOL改修を施したもので、コクピットをNVG対応にするなどした。2012年までに10機が改修を受けた。参考：月刊JWings7,’23、6,’24

＜ＡＭＸ海外シリーズ＞

　＜ＡＭＸ−ＡＴＡ＞：ベネズエラ空軍複座攻撃機。８機が2001年に引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＭＸ−ＡＴＡ２＞：輸出用軽攻撃／練習機型。エンジンをA/B抜きのEJ200（推力6.12トン）に換装し、AMX-MLUと同様のアビオニクスを搭載する。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜スーパーＡＭＸ＞：複座攻撃機型で、レーダーを新型にし、計器板をグラスコクピット化すると共に、大型HUDやHMDを導入、改良型HOTASやGPSを追加した。エンジンはA/B抜きのEJ200（推力6.12トン）単発。南アフリカ空軍に提案された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＭＸ−１０Ｐシリーズ＞：フランス陸軍歩兵戦闘車。タイプ67師団構想における機械化連隊主力として、AMX-13を補助し敵と交戦できる攻撃力と防御力、行動を共にする戦車連隊のAMX-30に付いて行ける機動力、核戦争での作戦遂行能力を持つ装甲車として1965年に要求が出され、GIAT社の試作車が1968年に完成した。1972-94年に1810両が生産され、ギリシャ軍、インドネシア軍、イラク軍なども使用している。参考：月刊PANZER5,’79、3,’04

＜ＡＭＸ−１０Ｐ＞：車体はアルミニウム製で、浮航性を重視して車体前部が長く鋭く尖っており、トリムベーンが付いている。エンジンは車体前部にあり、車体中央にはオーバーヘッド・マウント式の２名用砲塔トゥカン２を搭載、車体後部が兵員室となっている。砲塔の武装はGIAT製20mm機関砲M693（F2ともいう。760発）と7.62mm同軸機銃（2000発）、砲手用照準器はOB40昼夜兼用照準器である。発煙弾発射機を車体後部左右に２基ずつ搭載する。車内にミラン対戦車ミサイル10発とランチャー２基を積んでおり、車体に取り付けて発射できるが、射手は車外に出て操作しなければならない。後部兵員室には８名が収容でき、１名が前方、２名が砲塔左右、４名が背中合わせに車体後部、１名がその後ろに位置する。兵員室天井にハッチ２枚があり、右に３基、左に２基、後部に２基のペリスコープが付く。兵員室後面ランプに観音開きの扉があり、ガンポート１基ずつが装着されている。兵員室側面にはガンポートは無い。下部転輪は中空のシングル式片側５枚で、前方に起動輪、後方に誘導輪を持ち、上部転輪は片側３個。浮航は車体後部のウォータージェットで行う。防御力は軽機関銃弾・弾片防御程度。NBC防護装置付き。全長5.9m、全幅2.83m、全高2.83m、車体上面高1.87m、戦闘重量14.5トン。エンジンはイスパノ・スイザHS1152-V8水冷スーパーチャージャー付きディーゼル（260馬力、総排気量8210cc）、トランスミッションはハイドロリック・トルクコンバーター式（前進４段・後進１段）、最大速度65km、水上最大速力7km、燃料搭載量588リットル、航続距離500km。乗員３名＋搭乗歩兵８名。照準器をOB37イメージ増強式照準器に変更し、発煙弾発射機を砲塔左右に移すなどした改良型も存在する。レバノンに派遣されたものは、車体全周や上面前方に中空式に薄い装甲板を装着、上面中央から後方に薄い装甲板をボルト止めしており、一部の車両は車体上面最前部左右に大きなワイヤーカッターを装備している。参考：月刊PANZER3,’04、4,’03、6,’02、5,’79、3,’10、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊戦車マガジン11,’92、月刊丸3,’13

＜ＡＭＸ−１０Ｐ２５ＩＣＶ＞：火力強化型で、砲塔を25mm機関砲モデル811搭載の１名用に換えている。給弾はデュアルフィード式、即応弾はAP弾45発とHE弾175発。砲塔には昼間用ペリスコープ５基と夜間暗視スコープ１基を装備する。オプションで熱線暗視装置や砲安定化装置なども搭載可能。シンガポール軍が採用した。参考：月刊PANZER3,’04

＜ＡＭＸ−１０Ｐファミリー＞

　＜ＡＭＸ−１０ＥＣＨ＞：修理車型。車体右後部にクレーンを搭載し、車体安定用ジャッキを後面下部に装備した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

　＜ＡＭＸ−１０ＰＣ＞：指揮車型。砲塔を外して視察装置とアンテナを装着したターレットを装備、車体各部にもアンテナを増設しており、車体後部上面に携帯式発電機を搭載した。乗員６名（士官２名、下士官１名、無線手２名、操縦手１名）。参考：月刊戦車マガジン11,’92、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER7,’09

　＜ＡＭＸ−１０ＶＯＡ＞：砲兵観測車型。砲塔を外して観測用ターレット（発煙弾発射機を左右に２基ずつ、自衛用7.62mm機銃を右側面に搭載）を装備している。参考：月刊PANZER3,’04、4,’03、6,’02

　＜戦車駆逐車＞：自走対戦車ミサイル型。HOTミサイルランチャーを４基装備する。参考：月刊PANZER3,’04

＜ＡＭＸ−１０Ｐ海外ファミリー＞

　＜ＡＭＸ−１０Ｐ　ＰＡＣ９０＞：インドネシア海兵隊の火力支援型。90mm砲を搭載する。参考：月刊丸3,’13

＜ＡＭＸ−１０ＲＣシリーズ＞：フランス陸軍６×６輪装甲車。パナールEBR戦闘偵察装甲車の後継で、1970年9月からAMX-10Pのコンポーネントを流用して開発され、325両が生産された。1981年から配備され、1983年8月からチャドでのマンタ作戦に使用されている。1981年からモロッコ陸軍が108両を受領し、1991年からカタール陸軍が配備した。参考：月刊PANZER5,’98、5,’13

＜ＡＭＸ−１０ＲＣ＞：AMX-10Pがベースだが、装軌車両を装輪式に転換するなど大改造してあり、殆ど新造と言っても良いくらいである。車体はアルミニウム製で、防御力は小銃弾・弾片防御程度。車体前部に操縦室、中央に戦闘室、後部に機関室があり、戦闘室に砲塔が載る。操縦手の視界確保のため、車体前部には段差が付いている。操縦席は左に寄っており、右開きの旋回ハッチがあって、ペリスコープ３基が装着され、中央のものはOB-31-Aパッシブ式夜間暗視装置に換装可能。小型化のため操向装置はスキッドステアリングと呼ばれる方式を採用しており、左右の車輪の回転数を変えて曲がるようになっている。サスペンションは独立式の油気圧懸架装置で、車体に高い安定性を与えることができ、軽量にも関わらず射撃精度は高い。グラウンド・クリアランス0.21m（最小）／0.35m（通常）／0.47m（クロスカントリー）／0.6m（水上航行時）。砲塔はアルミニウム製のGIAT105GTTで、全周旋回可能、主砲は48口径105mm低圧砲MECA（垂直鎖栓式、半自動装填式、サーマルスリーブとダブルバッフル式マズルブレーキ付き）で、左にトムソンCSF社製DIVT13LLLTVを搭載する。駐退機構は主砲左に、復座機構は主砲右に纏めた。主砲のライフリングはそれほどきつくないので、弾丸にフィンを付けて安定性の足しにしている。弾種は当初、M32HEAT-T（重量13.9kg、弾頭重量6.2kg、初速毎秒1090m、装甲貫徹力350mm、有効射程1225m）とOE-105HE（重量13.5kg、弾頭重量7.2kg、初速毎秒890m）、訓練弾の３種だったが、1987年からAPFSDS弾（重量13.1kg、弾頭3.8kg、初速毎秒1400m、装甲貫徹力は射距離2500mで360mm）が加わった。これに際し、マズルブレーキを少し改良している。弾薬搭載数38発（うち砲塔内12発）。副武装は主砲左の7.62mm同軸機銃（4000発）で、砲塔後部左右に発煙弾発射機２基ずつが付く。車長用として周囲にペリスコープ６基を配置したハッチが設けられており、照準用APX M389パノラミック・ペリスコープ（機関銃用の倍率２倍及び主砲用の倍率８倍、360度旋回可能、俯仰角マイナス12度からプラス24度）も搭載され、砲手にオーバーライドして射撃できる。砲手用視察装置はAPX M504照準テレスコープ（倍率10倍）で、CILAS社製M550レーザー測距器、M553ボアサイト・ユニットが組み込まれている。レーザー測距器はネオジウム・グラス・レーザー（波長1.06ミクロン、パルス長25ナノ秒、ピーク出力4MW）を使用しており、有効距離400-10000m、誤差プラスマイナス5m。射撃統制装置はCOTACで、射距離や天候センサーなどの情報をマニュアル入力すると、自動的に統合して射撃諸元を砲に出力する。砲安定化装置は無く、走行間射撃は出来ない。全長9.15m、車体長6.36m、全幅2.95m、全高2.66m、車両重量14.9トン、戦闘重量15.9トン。エンジンはAMX-10Pと同じイスパノ・スイザHS-115-2水冷V8ディーゼル（280馬力）、最大速度85km、水上最大速力7.2km（ウォータージェット）、航続距離1000km。乗員４名。参考：月刊PANZER5,’98、11,’02、6,’06、月刊軍事研究3,’02、8,’01、12,’08、世界の戦闘車両(4)

＜ＡＭＸ−１０ＲＣ（改修）＞：湾岸戦争地上戦開戦前夜に改良を行った。GIAT製増加装甲を装着しており、ボルトオン式装甲板を中空装甲式に車体前側面・砲塔外周と防楯に装備する。第１輪のステアリング角度が小さいため、車体側面増加装甲は全タイヤ上部までをカバーできた。暗視装置はDIVT16赤外線映像装置（有効距離4000m。主砲の右に装備）に換装している。1996年からKBCM車両防衛システムを搭載した。参考：月刊PANZER5,’98、12,’03、10,’10、世界の戦闘車両(4)

＜ＡＭＸ−１０ＲＡＣ＞：主砲を90mm砲にしたもの。採用されず。参考：月刊PANZER5,’98

＜ＡＭＸ−１０ＲＣ　ＴＭＬ１０５＞：AMX-10RCの車体にTML105砲塔を装備したもの。装甲装甲パッケージにより防御力を調節でき、FCSもモジュラー式で換装が容易である。主砲もリコイル長の長い新型となり、L7戦車砲用弾薬が使用可能となった。各国に提案中。参考：月刊PANZER5,’98

＜ＡＭＸ−１０ＲＣ改＞：2004年と2006年のユーロサトリに出品された改良型。砲塔・車体には中空装甲式に薄い装甲鋼板がボルト止めされ、砲塔前面左右に４連装発煙弾発射機（催涙ガス、閃光弾、金属粉ジャマー弾も撃てる）を備える。ウォータージェットは外されており、重量が増えたため水上浮航能力が失われたのかもしれない。砲塔左側面には対戦車ミサイル用の赤外線ミサイル攪乱装置EIRELが搭載されている。FCSはVBCIと同じSIT-V1である。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊軍事研究8,’06

＜ＡＭＸ−１０ＲＣファミリー＞

　＜ＡＭＸ−１０ＲＡＡ＞：試作自走対空機関砲型。砲塔を30mm連装高射機関砲搭載のトムソンCSF/SAMM製SABRE砲塔に換えている。試作のみ。参考：月刊PANZER5,’98

　＜ＡＭＸ−１０ＲＴＴ＞：装甲兵員輸送車型。エンジンを前方に、操縦手を左に移し、砲塔をGIAT社製12.7mm銃塔CIBIに換装、車体後部を10名用兵員室にした。後に25mm機関砲搭載のドレーガー砲塔に換装して原型が完成したが、そこから先には発展しなかった。参考：月刊PANZER5,’98

　＜ＳＡＯ＞：砲兵観測車型。参考：月刊グランドパワー3,’95

　＜操縦訓練車＞：操縦訓練用車両。砲塔を外し、全周ガラス張りの教官・訓練生用キャビンを設けている。参考：月刊PANZER5,’98

＜ＡＭＸ−１０ＲＣ海外シリーズ＞

　＜ＡＭＸ−１０ＲＣ（カタール陸軍）＞：カタール陸軍装輪装甲車。車体側面の追加中空装甲が無い。1991年から機械化旅団に12両を配備した。参考：月刊軍事研究5,’09

＜ＡＭＸ−１３シリーズ＞：フランス陸軍軽戦車。植民地用に空輸できる戦車というコンセプトで1946年から開発され、1952年から生産された。総生産数7700両で、3400両以上がエクアドル、アルゼンチン、オランダなどに輸出された。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＡＭＸ−１３＞：車体は圧延鋼板の全溶接構造で、車体前部右にエンジンがあり、左に操縦手が座る。操縦手用ハッチ前方にペリスコープ３基があり、中央は夜間用の映像強化型に変更可能。下部転輪は片側５個、サスペンションはトーションバー式だったが、後に油気圧式に変更された。起動輪は前方、誘導輪は後方にある。砲塔はFL-10と呼ばれる揺動式で、主砲の75mm戦車砲（37発）と一体となって俯仰する。砲塔バスルには２基のリボルバー式マガジンが備えられ、75mm砲弾（APCとHE）を格納する。副武装は主砲右の7.62mm同軸機銃（3600発）または12.7mm同軸機銃。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＡＭＸ−１３／９０＞：90mm砲を積んだFL12砲塔を搭載したタイプ。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＡＭＸ−１３／１０５＞：105mm砲を搭載したFL15砲塔を搭載したタイプ。オランダ陸軍、ボリビア陸軍、モロッコ陸軍などで採用され、砲塔はSK105軽戦車にも搭載されたが、フランスでは採用されなかった。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＡＭＸ−１３装甲強化型＞：増加装甲を装着したタイプ。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜ＡＭＸ−１３ファミリー＞

　＜ＡＭＸ−１３ＤＣＡ＞：フランス陸軍自走対空機関砲で、DCAは対空防御の略。1950年代末から開発され、1960年に試作車が完成した。この段階ではレーダーが装備されていなかったので、1964年に改めてレーダー搭載試作型を完成させ、1968年から量産した。AMX-13の砲塔を外し、イスパノ・スイザ30mm機関砲HSS831Aを連装で装備した密閉砲塔SAMMS401Aを積み、DR-VC-1A捜索レーダー、APMX光学照準機、コンピュータを装備する。目標はレーダーで捜索できるが、照準は光学式（よって昼間の好天時しか使えない）で、コンピュータは見越し角計算しかできない。機関砲の発射速度は１門あたり毎分300発で、実際には５発または15発のバースト射撃（１門または２門同時）を行う。使用弾はSAPHE-I-T、HE-I-T、HE-I、TP-T、TPで、ベルト給弾式、装弾数は片門あたり300発。俯仰角はマイナス５度からプラス85度、有効射程3500m。全長5.4m、全幅2.5m、全高3.8m、戦闘重量17.2トン。エンジンは８気筒ガソリン（250馬力）で、最大速度60km、航続距離300km。乗員３名。60両が配備された。参考：世界の軍用車両(2)、異形戦車ものしり大百科、世界AFV年鑑2002-2003

＜ＡＭＸ−１３ＶＣＩ＞： フランス陸軍装甲兵員輸送車で、VCIはVehicle de Combat d’Infanterie（歩兵戦闘車）の略。1954年から開発され、1956年に採用されて1980年代まで使用された。AMX13軽戦車の車体を流用しており、車体前部右が機関室、左が操縦手席で、戦闘室を１段高くして兵員室に改造し、歩兵８名（10名？）を収容する。兵員室両側面にガンポート付きドア２枚ずつ、後面にガンポート１基付きの両開きドア、上面にハッチがある。武装は当初ピントル・マウントの7.5mm機銃だったが、後に12.7mm機銃搭載リング・マウントになり、次いで12.7mm機銃または7.5mm機銃を装備する１名用GIAT CAFL38砲塔を搭載した。全長5.7m、全幅2.67m、全高2.41m、全備重量14トン。エンジンはSOFAMガソリン（250馬力）、路上最大速度60km、航続距離500km。NBC防護も考慮されていた。この車両をベースに指揮車、救急車、155mm自走砲、81mm・120mm自走迫撃砲、地上レーダー車などが開発された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER6,’03

＜ＡＭＸ−１０５Ｍｌｅ５０＞：フランス陸軍105mm自走砲で、1952年に開発された。従来の砲塔を降ろし、車体後部に23口径105mm榴弾砲を積んだ密閉式固定砲塔を搭載したものである。最大射程14000m。オランダ陸軍、モロッコ陸軍、イスラエル陸軍なども採用した。参考：兵器最先端５

＜Ｍｌｅ６１＞：Mle61を参照。

＜ＭｌｅＦ３＞：MleF3を参照。

＜戦車橋型＞：長さ14mの橋体を搭載する戦車橋型。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜装甲回収車型＞：15トンの牽引能力を持つウインチを搭載する装甲回収車型。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜ＡＭＸ−３０シリーズ＞：フランス陸軍戦車。1957年からフランスと西ドイツが共同開発したが、1963年に決裂、フランスが単独開発し（ちなみにドイツはレオパルト１を開発）、1966-93年に生産した。サウジアラビア陸軍、カタール陸軍、クウェート陸軍、キプロス軍も採用し、スペイン陸軍ではライセンス生産して配備している。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER5,’79

　＜ＡＭＸ−３０＞：車体は均質圧延装甲の全溶接製（車体前部のみ鋳造）、砲塔は全て鋳造。前面装甲でも厚さ50mmくらいしか無いらしいが、あまりに薄すぎると思ったのか、生産車では車体前面右に増加装甲板２枚がハッチのように装着されている。車体前部左に操縦手が位置し、操縦手用ハッチにはM223ペリスコープ３基が装着され、中央のものはOB16Aアクティブ赤外線式夜間ペリスコープに交換できる（車体左右の赤外線ヘッドライトを使用）。砲塔右に車長、その前方に砲手、左に装填手が座る。主砲は国産のサーマル・スリーブ付56口径105mm砲CN105F1で、マズルブレーキや砲口排煙器は無く、圧縮空気で発射ガスを排出する装置が付いている。俯仰角はマイナス８度からプラス20度。弾薬搭載数は47発（初期には50発）で、Ｇ弾を主に使用する。初速毎秒1000mで装甲貫徹力360mmという触れ込みだったが、実際はあまり威力が無く、タングステン弾芯APFSDS弾（初速1525m）も開発して搭載した。他にSCC61対戦車粘着榴弾、PLPN多目的粘着榴弾、OE60榴弾、発煙弾、照明弾、更に105mm戦車砲L7シリーズ用徹甲弾も使用可能。砲塔左側面に弾薬積み込み及び空薬莢排出用小ハッチがある。当初は同軸に12.7mm機銃M2を搭載したが、後にイスパノ・スイザ製20mm機関砲F2に換装しており、同軸を解除すると最大40度まで仰角がとれる。使用弾はAPとHEで、発射速度は毎分900発。対空機銃は車長用キューポラの遠隔操作式7.62mm機銃F1（当初は剥き出し、後にボックス収容）で、俯仰角マイナス10度からプラス45度。主砲左に白色光／赤外線投光器を備え、有効照射距離は白色光1200m・赤外線800mで、夜間の有効交戦距離は500-700m。砲塔側面に発煙弾発射機を２基ずつ装備する。車長用キューポラは全周旋回式のTOP7で、周囲にL794Bペリスコープ10基が付く。キューポラ前方には装甲カバー付きSOPELEMM270プリズム・ヘッド機銃用照準器を装備する。キューポラ頂部のハッチには車長用白色光／赤外線投光器が搭載され、有効距離は白色光で700m、赤外線で500m。砲塔上面左には装填手用ハッチがあり、前方にM222同軸機銃照準用ペリスコープ１基、左にL794ペリスコープ２基を持つ。砲手用照準器は砲塔上面のM222照準用ペリスコープ（夜間用OB17Aと交換可能）と防楯右のM271直接照準鏡（視界160ミル、倍率８倍）で、車長が操作する2m基線長式測遠機M208（倍率６倍、測定距離600-3500m）も砲塔に装備している。主砲防楯左脇には箱形のPH8B1白色光／赤外線投光器（白色光で距離2000m、赤外線で距離1000m）を装備可能。下部転輪は片側５個で、サスペンションはトーションバー式。最前部と最後部にダンパー・スプリング、2-4輪に油圧式ショックアブソーバー、最後部にレバータイプの油圧式ショックアブソーバーが付く。履帯は片側85枚、シングルピン・シングルブロック式センターガイド付きで、ゴムパッドを装着可能。防水シールを貼ると2mまで、シュノーケルで4mまで渡渉できる。NBC防護装置付き。全長9.48m、車体長6.59m、全幅3.1m、全高2.29m、戦闘重量36トン。エンジンはイスパノ・スイザ社製HS110水冷12気筒ディーゼル（720馬力）、トランスミッションは機械式前進５速・後進５速、最大速度65km、燃料搭載量970リットル、航続距離500-600km。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER11,’98、3,’02

　＜ＡＭＸ−３０Ｂ２＞：射撃指揮装置をCOTAC APX M581に換装したタイプで、別名ブルニュ。ソミュールともいうらしい。射撃指揮装置は砲手用M554望遠照準器とM550レーザー測遠機（最大測定距離10000m、誤差プラスマイナス5m）からなる。主砲向かって右の赤外線サーチライトは撤去し、代わりに反対側にDIVT13/カナスタLLLTVシステムを装備した。エンジンを強化し、トランスミッションはオートマチックにしている。防御力向上のため、防楯を厚くし、砲塔側面に増加装甲、車体側面にアーマースカートを装着可能とした。GSB2ブレヌス・モデルF1リアクティブアーマーも開発している。発煙弾発射機をルクレールと同じGALIXに換装できる。全長9.48m、車体長6.59m、全幅3.1m、全高2.86m、戦闘重量37トン。装甲厚は車体前面79mm、側面57mm、後面30mm、上下面15mm、砲塔前面80.8mm、側面41.5mm、後面50mm、上面20mm。エンジンはHS110-2（700馬力）、最大速度65km（路上）／35km（路外）、燃料搭載量900リットル、航続距離400km。1979年から開発され、166両が新規生産・493両が既存の車両から改修されて1982年から引き渡された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER11,’98、11,’02、3,’02、5,’10

　＜ＡＭＸ−３０Ｂ２（湾岸戦争時）＞：砲塔前部に赤外線欺瞞装置を搭載、砲塔側面に煙幕弾／デコイ発射筒を装備した。また、LLLTVの代わりにDIVT16パッシブ赤外線暗視装置を搭載した車両もある。参考：月刊グランドパワー4,’95、月刊戦車マガジン11,’92

　＜ＡＭＸ−３０Ｓ＞：中東諸国仕様で、Ｓはサハラの略。エアクリーナーの強化、ギア比変更、エンジン出力絞り込み（620馬力としてオーバーヒートを予防）などが行われた。車体側面に砂塵防止のためサイドスカートを装着、レーザー測遠機を搭載し、クーラーも積んでいる。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER11,’98

＜ＡＭＸ−３２＞：AMX-30B2の改良輸出型。AMX-30の砲塔を全溶接製複合装甲のTMS32に換え、TOP7VS固定式キューポラ（M527安定装置付きパノラマ照準器と7.62mm機銃搭載）を装備する。主砲は105mmライフル砲F1（47発）だが、120mm滑腔砲EFABも装備可能である。主砲左にAMX-30と同様20mm機関砲F2（480発）が搭載され、仰角40度−俯角８度の範囲で射撃可能。FCSはAMX-30B2と同じCOTAC　M581で、M550/TCV80レーザー測遠機を搭載する。砲安定化装置は付いていない。夜間戦闘時には車長は照準器に内蔵してある映像強化チャンネル、砲手は砲塔右側面のLLLTVを使用する。サスペンションはトーションバー式で、トレーリングアームとリーディングアーム付きのものを混合して使用し、油圧式バンプストッパも付いている。サイドスカートも標準装備した。操縦手用ハッチは砲塔が12時（正面）を向いていないと開かないので、視界はペリスコープに頼らざるを得ない。戦闘重量38トン。エンジンはルノーHS110水冷式水平対向12気筒ターボチャージド・ディーゼル（780馬力）、トランスミッションはGIAT製ENC200。参考：月刊PANZER10,’03

＜ＡＭＸ−４０＞：AMX-32を改良した輸出型で、1983年のユーロサトリで初公開された。エンジンをプワイヨー製V12Xディーゼル（1100馬力）に、トランスミッションをESM500オートマチックに換装しており、緊急時には２速に入れて時速15km以上で牽引すると容易に牽引始動（押しがけ）できる。下部転輪は片側６個で、サスペンションはトーションバー式、前２軸にはダンパーが付く。履帯は幅570mmのダブルピン・ダブルブロック式。主砲は120mm滑腔砲EFABで、装填補助装置も装備しており、使用弾種はAPFSDS-T（初速1650m、弾芯重量3.78kg、有効射程2000m）とHEAT-MP（初速1100m、弾頭重量13.9kg）。FCSはCOTACシステムで、LLLTVなども引き続き装備する。副武装は20mm機関砲F2と7.62mm機銃のまま。NBC防護装置付き。戦闘重量43トン。どこも採用しなかった。参考：月刊PANZER10,’03、月刊戦車マガジン1,’88

　＜スーパー３０＞：AMX-30のエンジンを換装し、トランスミッションをZFLSGオートマチックに変更したもの。輸出用だが、引き合いは無いようだ。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜スーパーＡＭＸ−３０＞：ドイツ製のパワーパックとFCSに交換したもの。サウジアラビア陸軍向けに提案されている。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜ＡＭＸ−３０ファミリー＞

　＜ＡＭＸ−３０Ｂ２ＤＴ＞：地雷処理車両。車体前面に地雷処理プラウまたはローラーを付け、車体後部に地雷処理済みマーカー・システムを装着したもので、20mm機関砲は撤去した。参考：月刊PANZER11,’98

　＜ＡＭＸ−３０Ｂ２ＤＴアップグレード＞：AMX-30B2DTの改良型で、GIAT社製地雷無力化システムDemeterを搭載し、車体前面にERAを装着、遠隔操作を可能とした。操作手はVAB装甲車ベースの遠隔操作車両に乗車し、2km離れたところから操縦できる。遠隔操縦時の最大速度は30km。2004年に初号車が引き渡された。参考：月刊PANZER9,’04

　＜ＡＭＸ−３０Ｄ＞：戦車回収車型。砲塔を外し、車体前面にドーザーブレードを装着、車体右に15トンの吊り上げ能力を持つクレーンを搭載し、35トンウインチを追加した。両側面前方左右に３連装発煙弾発射機１基ずつ、キャビン上にAMX-30と同じTOP7車長用キューポラを装備する。海外用に、AMX-30Sを使用したものも製作された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER12,’97、11,’98、5,’79、月刊戦車マガジン11,’92

　＜ＡＭＸ−３０ＤＣＡ＞：自走高射機関砲型。AMX-13DCAと同じイスパノ・スイザ製30mm機関砲（発射速度毎分300発）２門を搭載した対空砲塔を装備したもので、装弾数1200発。トムソンCSF社製ドップラー式捜索レーダー（捜索範囲15km）を搭載するが、照準は目視である。フランス軍には採用されず、サウジアラビア軍にAMX-30SAとして53両が輸出された。参考：月刊PANZER11,’98、5,’79、異形戦車ものしり大百科

　＜ＡＭＸ−３０ＨＳ＞：戦車橋型。砲塔を外し、全長22m・重量34トン・通過可能重量50トンの２つ折り展張式戦車橋を搭載している。橋は10分で展開できる。NBC防護装置付き。フランス軍には採用されず、サウジアラビア軍が配備した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER11,’98、5,’79

　＜ＥＢＧ＞：装甲工兵車型で、EBGはEngin Blinde de Fenieの略。名称はVBGという資料もある。AMX-30の車体にドーザーとクレーン（車体右）を取り付け、障害物破壊用142mm臼砲と139mm地雷投射機左右２門ずつを搭載する２名用砲塔を搭載したもので、砲塔キューポラ中央部前方には7.62mm機銃用ボールマウントも付く。参考：月刊PANZER4,’03、7,’98

　＜ＥＢＧアップグレード型＞：2004年に発注予定の改良型で、銃手席を取り除いて装甲を強化し、ERAを装着、ガリックス自衛システムとレーザー警報装置を搭載し、掘削機のアームを強化、10トン級ウインチを装備し、燃料気化爆弾をロケットで射出する地雷除去装置を追加、エンジンをMack D9に換装し、暗視装置を装備、無線機を新型に換え、GPSも搭載する。参考：月刊PANZER9,’04

　＜プリュトン自走ミサイル車＞：プリュトン戦術核ミサイル自走発射機。AMX-30Dの車体に傾斜の付いた箱形上部構造物を設け、後部に箱形単装ランチャーを搭載しており、ミサイルとランチャーレールの前半がはみ出している。車体右には再装填用クレーンを備える。全長7.73m、全幅3.37m、全高4.03m、全備重量44.8トン。エンジンは10気筒液冷ディーゼル（830馬力）、最大速度65km、航続距離550km。乗員３名。現在は全て退役済。参考：世界の軍用車両(2)、月刊PANZER11,’98、5,’79

＜ＡＭＸ−３０海外シリーズ＞

　＜ＡＭＸ−３０（ベネズエラ陸軍）＞：ベネズエラ陸軍戦車。1985年にベルギーのSABCA社が改良した。エンジンをテレダイン・コンチネンタル社製AVDS-1790ディーゼル（908馬力）とし、オートマチック・トランスミッションを採用、最大速度が65kmに、航続距離が721kmになった。レーザー測遠機、砲安定化装置、環境センサーも装備している。参考：月刊PANZER11,’98

　＜ＡＭＸ−３０ＥＭ２＞：スペイン陸軍戦車。スペインでライセンス生産したもので、エンジンをMTU製MB833Ka-501（850馬力）に換装し、レイセオン社製Mk.9FCS、マスト型環境センサー、レーザー測遠機、熱線暗視装置、砲口照合器などを追加した。2004年中にコロンビアにも引き渡される予定。参考：月刊PANZER6,’04

＜ＡＭＸ−３０海外ファミリー＞

　＜ＡＭＸ−３０ＳＡ＞：サウジアラビア陸軍自走対空機関砲。AMX-30の車体にAMX-13DCAのSAMMS401A砲塔の改良型であるTG230A砲塔を搭載し、イスパノスイザ製30mm機関砲を連装で装備している。搭載弾数は１門あたり900発に増えた。レーダーはトムソンCSF社製ウイル・ベルトで、ドップラーレーダーを使用しており、捜索距離が15kmに延び、ヘリコプター探知能力が強化された。全長6.6m、全幅3.1m、全備重量37トン。エンジンは12気筒液冷ディーゼル（720馬力）、最大速度60km、航続距離400km。乗員３名。参考：世界の軍用車両(2) 、月刊PANZER5,’79

　＜シャヒン＞：サウジアラビア陸軍自走地対空ミサイル。上部車体を改良し、クロタル地対空ミサイルターレットを搭載している。シャヒネのことか？ 参考：月刊PANZER11,’98

　＜ロラン＞：自走地対空ミサイル型。下部車体を流用し、新造の上部車体とローランド地対空ミサイル連装ランチャー搭載ターレットを積んでいる。捜索・追尾レーダーもターレットに一体化した。フランス軍、イラク軍、カタール軍、スペイン軍、ナイジェリア軍が採用した。参考：月刊PANZER11,’98

＜ＡＭＸ−５０＞：フランス陸軍が第２次大戦終戦後に開発した50トン級戦車。高価で防御力も低いとして採用されなかった。参考：月刊PANZER9,’12

＜ＡＭＸ−５６＞：ルクレール・シリーズ（戦車）を参照。

＜ＡＭＸ−１０５Ｍｌｅ５０＞：AMX-13軽戦車ファミリーを参照。

＜ＡＭＸ　ＶＣＩ＞：AMX-13VCI（装甲兵員輸送車）を参照。

＜ＡＭＸ　ＶＣＩ　Ｍ−５６＞：M-56（装甲兵員輸送車）を参照。

＜ＡＮ＞：アメリカ軍の装備記号で、第２次大戦までは陸軍（Army）海軍（Navy）共用兵器を意味した。陸軍が開発した航空機用12.7mm機銃M3を海軍も使うようになるとAN-M3と表記され、海軍が開発したMk33徹甲爆弾を陸軍も使うようになるとAN-Mk33と表記される。第２次大戦終結以降は軍用システムを表す記号となり、AN/APS-54などと表記されるようになった。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−１＞：LSV-5（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＮ−２＞：LSV-6（車両揚陸艦）を参照。

＜Ａｎ−２シリーズ＞：ソ連空軍の複葉輸送機、別名ククルーズニク（集団トウモロコシ農場労働者の意）、NATOコードはコルト（Colt）。アントノフ設計局が設計した農業機で、Po-2の後継として開発され、1947年8月31日に原型機SKh-1が初飛行した。ソ連では1960年8月までに軍民計5450機が量産された。東側各国でライセンス生産され、ポーランドでは11950機以上、中国では1993年半ばまでに1165機以上が作られており、2001年までの生産数は18000機以上、総生産数は20000機以上ともいわれる。参考：月刊JWings11,’09、9,'15、10,’05、4,'21、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究4,’03、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２＞： 機首は鋼製、胴体と主翼前半はアルミ合金製モノコック構造、主翼後半と尾翼は羽布張り。上下翼間に支柱と張り線を持つ。電動式ダブルスロッテッド・フラップと全翼幅にわたる前縁スラットにより、STOL性や低速低空飛行能力に優れる。降着装置は尾輪式固定脚。全長12.74m、全幅18.18m（上翼）／14.35m（下翼。14,24m？）、全高6.1m（4.68m？4.01m？）、空虚重量3450kg、最大離陸重量5500kg。翼面積71.52平方メートル（上下計）。エンジンはPZLカリズASz-62IR星型９気筒レシプロ（1000馬力）単発、巡航速度185km、最大速度139ノット・250km、失速速度26ノット・50km、実用上昇限度4400m、海面上昇率毎分214m、燃料搭載量1200リットル、航続距離485海里（500kg搭載時）。離陸距離150-160m／235m（最大離陸重量）、着陸距離170m／225m（最大離陸重量）。乗員２名。武装兵・空挺兵12名または貨物1500kg（2140kg？）を積める。参考：月刊JWings11,’09、9,'15、10,’05、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究4,’03、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２Ｐ＞：標準の旅客型。客席数12＋小児用折り畳み座席２。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２Ｒ＞：農業機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２Ｔ＞：汎用型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−２（韓国空軍）＞：韓国空軍仮想敵機／特殊作戦機。有事に北朝鮮国内へ特殊部隊を輸送するためと、北朝鮮空軍An-2輸送機に対する戦術を編み出すため、1980年代以降にソ連、ポーランド・中国の中古20機を購入した。保有は秘匿されており、2009年の不時着事故でL-2訓練用軽飛行機という制式名であることを公表、機体には空軍国籍マークと民間登録記号が併記されていた。2015年の不時着事故の際には制式名をT-11練習機と発表している。参考：月刊JWings3,’22、月刊航空ファン6,’19

　＜Ａｎ−２（ブルガリア空軍）＞：ブルガリア空軍輸送機。2021年現在１機が第16航空群で輸送任務や空挺降下訓練任務に就いており、2028年にオーバーホールを受ける予定。参考：月刊JWings4,’21

　＜Ａｎ−２ＴＤ（ベトナム空軍）＞：ベトナム空軍輸送機。1956年に20機強がソ連から供与され、第919連隊に配備された。ベトナム戦争ではロケット弾や爆弾を搭載して出撃している。参考：月刊航空ファン5,’18

　＜Ｙ−５＞：中国空軍輸送機、運輸５型。1957年12月に初飛行し、12月23日に中国での生産が認可され、1958年から南昌の320工廠で生産された。キャビン両側に10名ずつの簡易座席を持ち、床に1.5トンまでの貨物を載せられる。機体左の11-15番フレーム間に貨物ドアがあり、機体側面には直径320mmの円形窓が４つ設けられている。発電機は直流式で、コンバーターにより単相と三相の交流電源を得る。短波無線機、超短波無線機、自動無線コンパスを持つ。参考：月刊航空ファン2,’12、月刊軍事研究8,’07

　＜Ｙ−５Ｂ＞：中国空軍輸送機、運輸5B。エンジンをポーランド製ASz-62IR星形９気筒（735kW）に換装し、キャビンを気密化した。プロペラは４翅で、燃料タンク容量1240リットル。KHF950高周波無線機、KY196超短波無線機、KR87自動進路計、KMA24オーディオセンター受信機を持つ。参考：月刊航空ファン2,’12

　＜Ｙ−５（北朝鮮空軍）＞：北朝鮮空軍輸送機。金属パーツの大半を木材や羽布に換えているらしい。主翼の間の胴体上面に大型ブレードアンテナ、胴体後部下面に円盤状アンテナを追加している。数百機を６個航空群に分散配備しており、戦時には特殊作戦担当の２個狙撃師団を輸送する。参考：月刊航空ファン12,’16

＜ＡＮ−３＞：LSV-3（車両揚陸艦）を参照。

＜Ａｎ−３＞：ソ連の試作輸送機。An-2R農業機のエンジンをターボプロップにしたもので、農薬2200リットル入りホッパーと新型空中撒布装置を搭載し、燃料系統、空調、電装も改良した。。1980年頃に初飛行したが、エンジン開発に時間がかかり、量産化はされなかった。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−３Ｔ＞：ロシアの輸送機。An-3同様のターボプロップ型An-2で、乗員含め10名が搭乗できる。ロシア非常事態省が採用した。参考：月刊JWings11,’07

＜ＡＮ−４＞：LSV-4（車両揚陸艦）を参照。

＜Ａｎ−８＞：ソ連空軍輸送機、NATOコードはキャンプ。全長26m、全幅30m、最大総重量40トン。最大速度380ノット、航続距離1750海里。参考：月刊軍事研究10,’75

＜Ａｎ−８海外シリーズ＞

＜Ａｎ−８（ウクライナ沿岸警備隊）＞：ウクライナ沿岸警備隊中型輸送機、NATOコードはCamp。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ１１＞：フランスの爆縮型原爆で、フランス初の核兵器でもある。弾体尾部にテイルフィン３枚が付く。重量1500kg。弾頭威力60キロトン（50キロトン？）。ミラージュ�WＡに搭載可能。1964年から40発が配備された。参考：核兵器事典、月刊JWings4,’18

＜Ａｎ−１２シリーズ＞：ソ連軍４発ターボプロップ輸送機、NATOコードはカブ（Cub）。An-10旅客機兼空挺部隊輸送機を軍用に発展させたもので、1957年3月（12月？1958年？）に初飛行し、1972年（1973年？）までに各型計1248機（900機？）が生産された。ソ連以外にも22カ国が採用し、中国はY-8／運輸８型としてライセンス生産した。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1979、月刊JWings10,’05、6,’00、スパイ機、月刊軍事研究9,’15

　＜Ａｎ−１２ＢＰ＞：基本の輸送機型。機首に透明窓で囲まれた航法士席があり、その下に航法レーダー用レドームを持つ。機体後部に内開きのドアがあり、飛行中の物量・空挺投下が可能だが、地上積み降ろし用のランプにはならない。貨物室は長さ13.5m、幅3m、高さ2.6mで、非与圧である。主翼は高翼配置。主脚はボギー式低圧タイヤ４輪で、不整地滑走路でも運用可能。全長33.1m、全幅38m、全高10.53m、空虚自重28トン、最大離陸重量55.1-61トン。翼面積121.7平方メートル。エンジンはZMDBプログレスAl-20Kターボプロップ（4250馬力、4000ehp）４発、最大巡航速度670km、最大速度419ノット・777km、実用上昇限度10200m、燃料容量18100リットル、航続距離5700km（最大燃料時）／1942海里（最大積載時）。防御武装は機体尾部の23mm連装機関砲NR-23が１基。最大積載量20トン。乗員６名（うちロードマスター１名）＋搭乗兵員90名（100名？）。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、空軍、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings10,’05、9,'15、1,’16、6,’00、軍事研究湾岸戦争

　＜Ａｎ−１２ＢＫ＞：空軍・海軍航空隊輸送機。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ａｎ−１２ファミリー＞

　＜Ａｎ−１２Ｃ＞：ソ連空海軍ECM（スタンドオフ・ジャミング）専用機。後部貨物ドアにバルジがあり、尾部機関砲塔は撤去して大型レドームを装着した。機内にジャミング装置を搭載しており、主脚フェアリング前方の胴体下面にあるカヌー型ブリスターに収容されたアンテナからジャミングを行う。チャフ・ディスペンサーも搭載しており、8-10機の編隊で濃密なチャフ・コリドーを展開する。約30機が改造され、うち１機はエジプト空軍のマークを付けていた。参考：スパイ機、月刊エアワールド9,’00

　＜Ａｎ−１２ＰＳ＞：ロシア海軍航空隊捜索救難機。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜カブＡ＞：ELINT型のNATOコード。胴体前部にブレードアンテナを持つ。1970年代初めに登場した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜カブＢ＞：海軍航空隊ELINT型のNATOコード。前部胴体と中部胴体下面に４箇所のブリスターを持ち、機体に多数のブレードアンテナを装着しており、機内には操作員用コンソールと電子装備を満載する。全長33.1m、全幅38m、全高10.53m、自重28トン、全備重量55.1トン、最大全備重量61トン。エンジンはイフチェンコAl-20Mターボプロップ（4190軸馬力）４基、経済巡航速度587km、最大巡航速度670km、最大速度777km、実用上昇限度10200m、航続距離3600km（最大積載）、5700km（最大燃料）。自衛武装は尾部のNR-23連装機関砲１基。乗員5-15名。10機が製作され、民間のアエロフロートのマーキングをしているものもあった。参考：スパイ機、月刊JWings10,’05、世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91

　＜カブＣ＞：新造電子戦（ECM）機型のNATOコードで、スタンドオフ・ジャミング機らしい。前部胴体から中部胴体にかけての胴体下面に電子機器ポッドが装着されており、尾部銃座は撤去されて電子装置収容テイルコーンとなっている。参考：世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91

　＜カブＤ＞：新造電子戦（ECM）機型のNATOコード。カブＣと同様のスタンドオフ・ジャミング機だが、ブリスターやフェアリングの形状が異なり、搭載機器が違っているらしい。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜空中指揮機＞：空中指揮機型。地上軍の方面軍・戦域軍、海軍、国家中枢レベルで使用される。参考：スパイ機

＜Ａｎ−１２海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−１２（コートジボワール空軍）＞：コートジボワール空軍輸送機。2005年に配備した。参考：月刊航空ファン4,’19

　＜Ｙ−８＞：Y-8シリーズを参照。

＜Ａｎ−１４＞：ソ連空軍双発多用途軽輸送機、別名プチェルカ（小蜂）、NATOコードはクロッド（クラッド？）。An-2の後継となる軽輸送機としてアントノフ設計局が開発し、1958年に初飛行した。胴体は箱形断面で太短く、後面にランプ兼用ドアがあり、その上方からテイルブームが後方に延びていて、上反角付き水平尾翼と双垂直尾翼が付く。主翼は高翼配置の支柱付きで、エンジンが前縁にめりこんでいる。降着装置は前輪式。全長11.36m、全幅21.99m、全高4.63m、重量3450kg。エンジンはAl-14RFレシプロ（300馬力）双発、プロペラは３翅、最大速度222km、航続距離650km。貨物搭載量720kg。乗員２名＋搭乗兵員６名。1966-72年に322機が生産された。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、軍事力バランス78年版、月刊JWings6,’23

＜Ａｎ−１４海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−１４（モンゴル空軍）＞：モンゴル空軍輸送機。1970年代後半にソ連の中古機２機を購入し、1980年代まで配備した。参考：月刊JWings6,’23

＜ＡＮ２１＞：フランス軍の核爆弾。AN11の威力強化型で、1965年に実用化された。弾頭威力70キロトン。ミラージュ�WＡに搭載可能。参考：月刊JWings4,’18、核兵器事典

＜ＡＮ２２＞：フランス軍の核爆弾。AN21の重量軽減・安全性向上型で、減速用パラシュートを追加して低空投下を可能とした。重量1.5トン。弾頭威力は60-70キロトン。ミラージュ�WＡに搭載可能。1967-88年に配備された。参考：核兵器事典

＜Ａｎ−２２＞：ソ連軍の輸送機、別名アンチス（Antheus。Anteus？ギリシャ神話の巨神アンタイオス）、NATOコードはコック（Cock）。アントノフ設計局が1962年から開発し、1965年2月27日に初飛行、1976年1月までに68機が生産された。主翼はアスペクト比12、下反角は内翼２度・外翼６度、後縁にダブルスロッテッド・フラップを持つ。胴体は直径6mで、操縦室の後ろに与圧式輸送人員用キャビン（28-29席）、更に後ろに長さ33m・幅4.4m・高さ4.4mの非与圧貨物室ある。貨物室天井には貨物室全長に及ぶレールがあり、ガントリー４基と2.5トンウインチ２基が装着されていて、貨物室後面はランプ兼用ドアとなっている。水平尾翼外翼部前縁に双垂直尾翼が付く。降着装置は前輪式、主脚はスイングアーム式で、胴体下部両側のバルジ内に片側３軸６輪ずつ収容される。非舗装飛行場への着陸を考慮し、タイヤ圧自動調整装置が付いているといわれる。全長57.92m、全幅64.4m、全高12.53m、自重114.05トン、最大離陸重量250トン。翼面積345平方メートル。エンジンはクズネツォフNK-12MAターボプロップ（15000軸馬力）４発、推進は二重反転プロペラ（直径6.2m）、最大速度370ノット／760km、燃料容量53000リットル、航続距離5900海里（45トン積載）／2700海里（80トン積載）。最大積載量80トン。乗員5-6名＋搭乗兵員28名。An-124の主翼を運ぶため、機体背部に支柱を取り付けた機体もある。エンジン系統のトラブルが多発し、稼働率が低かったらしい。Il-76と交代して退役した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、ウォーマシン・レポートNo.67、世界の軍用機1982、1979、空軍

＜Ａｎ−２４シリーズ＞：ソ連空軍の輸送機、NATOコードはコーク（Coke）。Il-12/-14レシプロ輸送機の後継となるターボプロップ輸送機として1958年から開発され、1959年10月20日（1960年4月？）に初飛行し、1963年から国内地方路線に就航、ソ連空軍も採用した。1979年までに各型計1200機が生産された。参考：月刊JWings10,’05、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２４Ｖ＞：基本の旅客機型。高翼配置の主翼を持つターボプロップ双発機である。降着装置は前輪式。座席数50。参考：月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−２４ＲＶ＞：An-24Vの右エンジンナセル後部にRU-19-300APUを搭載したタイプで、ソ連空軍に採用された。最大離陸重量21トン。巡航速度450km、実用上昇限度7560m、航続距離3000km。最大積載量4.612トン。乗員２名＋搭乗兵員50名。イラク軍も湾岸戦争時に配備していた。参考：月刊JWings10,’05、軍事研究湾岸戦争

＜Ａｎ−２４Ｔ＞：An-24Vの貨物輸送型。人員用の乗降ドアを廃止して胴体下面に貨物搭載用のハッチを設け、その部分にあった１枚のベントラルフィンを２枚にしてハッチ左右に移設した。貨物の空中投下が可能。全長23.53m、全幅29.2m、全高8.32m、空虚重量14.06トン、最大離陸重量19.8トン。エンジンはZMDBプログレス社製Al-24A（1678kW）双発、最大巡航速度243ノット、実用上昇限度8400m、航続距離1619海里（1.612トン積載時）／345海里（最大積載時）。最大積載量4.612トン。乗員3-5名。参考：月刊JWings10,’05、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２４ＲＴ＞：An-24Tの右エンジンナセル後部にRU-19-300APUを搭載したタイプ。最大積載量は4.612トンで変わりない。ソ連空軍に採用された。参考：月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−２４海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−２４ＲＶ（バングラデシュ空軍）＞：バングラデシュ空軍輸送機。VIP輸送用として1973年に５機を導入し、1988年まで使用した。参考：月刊航空ファン10,’15

　＜Ｙ７＞：Y7シリーズを参照。

＜Ａｎ−２６シリーズ＞：ソ連空軍中型輸送機、NATOコードはカール（Curl。貨物輸送型はカールＡ、派生型はカールＢ）。An-24RT輸送機ベースの純貨物輸送型（ただし旅客型、患者輸送型、空挺型に30分で転換できる）で、アントノフ設計局が開発し、1969年5月21日に初飛行して同年から各型計1402機（1410機？）が生産された。中国がY7H-500として無断コピーしている。参考：月刊JWings10,’05、世界航空機年鑑2018-2019、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａｎ−２６＞：An-24の機体後下部にカーゴランプ（1.4m×2.8m）を設け、飛行中の物量投下を可能とした。貨物室は長さ11.5m、床幅2.4m、高さ1.91mで、床面に電動コンベアを設置している。胴体前部左には空中投下照準用の張り出し窓がある。主翼前縁に発熱式解氷装置を持つ。与圧装置付き。全長23.8m、全幅29.2m、全高8.58m、自重15.02トン、最大離陸重量24トン。翼面積72.46平方メートル。エンジンはイフチェンコAl-24Tターボプロップ（2820ehp。AI-24VT？）双発、巡航速度238ノット／440km、最大速度292ノット、実用上昇限度7500m、燃料搭載量6875リットル、航続距離485海里（最大積載）／1180海里（3.1トン積載）／1350海里（1.5トン積載）。最大積載量5.5トン。乗員3-5名。兵員40名または担架24床＋看護兵１名を乗せられる。参考：世界の軍用機1982、軍事研究湾岸戦争、月刊エアワールド10,’03、月刊JWings10,’05、世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−２６Ｂ＞：貨物室の床面にローラー付きパネルを搭載し、天井に電動ウインチ用レールを装備したもの。右エンジンナセル後部にはRU-19-300APU（離陸上昇時や高々度飛行時には推力0.8トンの補助ジェットとして使用。RU-19A-300？）を搭載し、エンジンも強化、最大積載量が5.5トンに増加した。全長23.8m、全幅29.2m、全高8.58m、空虚重量15.4トン、自重15.85トン、最大離陸重量24.4トン（24トン？）。翼面積74.98平方メートル。エンジンはZMDBプログレスAI-24VTターボプロップ（2103kW／2820馬力／2780ehp）双発、巡航速度237ノット／435km（高度6000m）、最大速度292ノット／440km、実用上昇限度7500m、海面上昇率毎分480m、航続距離1376海里（最大燃料）／593海里（最大積載）。ペイロード5.5トン。乗員3-5名＋搭乗兵員40名。参考：月刊JWings10,’05、世界航空機年鑑2018-2019、空軍

＜Ａｎ−２６ファミリー＞

＜Ａｎ−２６（信号情報収集機）＞：信号情報収集型。参考：月刊JWings10,’05

　＜Ａｎ−２６（電子情報収集機）＞：電子情報収集型。参考：月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−２６（電子戦機）＞：電子戦機型。参考：月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−２６海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−２６（コートジボワール空軍）＞：コートジボワール空軍輸送機。2018年に２機を配備した。参考：月刊航空ファン4,’19

＜Ａｎ−２８＞：ソ連空軍軽輸送機、NATOコードはキャッシュ。アントノフ設計局が開発し、1969年9月に初飛行した。An-14の胴体を延長し、エンジンをターボプロップ化したものである。主翼は支柱付きで高翼配置、水平尾翼も高翼配置で両端に双垂直尾翼が付く。降着装置は前輪式固定脚。全長12.98m、全幅22m、全高4.6m、重量5.8トン。エンジンはTVD-10Bターボプロップ（960軸馬力）双発、最大速度355km、航続距離519km。乗員1-2名＋搭乗人員18名。1978年からポーランドのPZLミェレツ社に生産が移管された。1983年にソ連が1200機を発注したがキャンセルされており、生産数は191機に留まっている。参考：ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａｎ−２８海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−２８ＴＤ＞：ポーランド海軍軽輸送機、別名Bryza。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｍ−２８＞：M-28シリーズ（輸送機）を参照。

＜Ａｎ−２８海外ファミリー＞

　＜Ａｎ−２８ＲＭ＞：ポーランド海軍洋上哨戒機、別名Bryza。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ａｎ−２８Ｔ＞：ポーランド海軍洋上哨戒機、別名Bryza。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ａｎ−３０＞：ソ連の観測機、NATOコードはクランク（Clank）。An-24RTがベースで、1974年に初飛行した。機首先端に観測員がおり、周囲はガラス窓になっている。鉱物探索、気象観測、地質・磁場観測、写真偵察などに必要な器材を搭載でき、機内には写真現像用の暗室もある。長時間観測に備え、高精度航法コンピュータ、休息区画、ギャレーも用意した。全長24.26m、全幅29.2m、全高8.32m、運用自重15.59トン、最大離陸重量23トン。エンジンはZMDBプログレス社製Al-24VTターボシャフト（出力2103kW）２基、巡航速度232ノット、最大速度540ノット、実用上昇限度7300m（APU非使用時）／8300m（使用時）、航続距離1419海里。乗員７名。人工雲生成に使用されるタイプ（NATOコードはスカイ・クリーナー）もある。参考：月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−３２シリーズ＞：ソ連空軍輸送機、NATOコードはクライン（Cline）。1969年5月に初飛行し、1977年のパリ航空ショーで存在が明らかとなった。357機が生産された。参考：月刊JWings10,’05、世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91、月刊軍事研究9,’17、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａｎ−３２＞：An-26の改良型で、エンジン強化などにより高温・高地の簡易飛行場や不整地飛行場での運用を可能としている。エンジンを主翼上面に移し、プロペラを大型化、機内の貨物用ウインチの容量を３トンにアップした。主翼外翼に三重隙間フラップ、前縁に自動スラット、上面にスポイラー、水平尾翼前縁に固定スロットが設けられている。貨物室の床には取り外し式のローラーコンベアが装着されており、低高度からのパラシュート貨物投下が可能。APUはTG-16Mで、右主脚フェアリングに装備されており、補助ジェットとしては使用しない。全長23.78m、全幅29.2m、全高8.75m、自重16.8トン、最大離陸重量27トン。エンジンはZMDBプログレス社製Al-20DM（3812kW。AI-20D-5M？）双発、プロペラ直径4.5m（後に4.7m）、経済巡航速度254ノット、最大巡航速度286ノット、実用上昇限度9500m、燃料搭載量6875リットル、航続距離1349海里（3.7トン積載時）／1070海里（最大積載時）。積載量6.7トン。乗員3-5名。人員なら50名、空挺兵なら42名、傷病兵なら担架24床＋看護兵１名を搭載可能。参考：月刊JWings10,’05、月刊軍事研究9,’05、世界の軍用機1982、1979、世界軍用機年鑑1990-91

＜Ａｎ−３２Ｐ＞：エンジン出力を149kW増加させた改良型で、1993年に登場した。胴体側面に容量８トンの燃料タンクを装備可能。参考：月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−３２海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−３２（インド空軍）＞：インド空軍輸送機、別名ストレッジ。1984-91年に118機（125機？）が引き渡された。21世紀に入り老朽化が進んだため、An-32REへの近代化改修を実施している。参考：月刊軍事研究9,’05、9,’11、1,’15、世界軍用機年鑑1990-91

　＜Ａｎ−３２Ｂ（スリランカ空軍）＞：スリランカ空軍輸送機。1995年にウクライナから３機を導入したが、配備後１年弱で１機がコロンボ沖に墜落、１機がLTTEに撃墜されたため、更に７機を追加している。参考：月刊航空ファン10,’17

　＜Ａｎ−３２ＲＥ＞：インド空軍輸送機。An-32の改良型で、エンジンのオーバーホール間隔と耐用年数を延長し、機体寿命も40年に延伸、積載量を6.7トンから7.5トンに、航続距離を900kmから1400kmに増やしている。保有しているAn-32のうち、40機をウクライナで、65機をインド空軍第402チャカリ空軍基地第１基地修理デポで改修する。2011年5月27日に最初の５機が引き渡された。インドの修理デポでは2011年半ばから改修作業に入る予定だったが、全く行われず2014年になっても放置されたままで、インド会計監査局から批判されている。参考：月刊軍事研究11,’11、1,’15

＜Ａｎ−３８シリーズ＞：アントノフの旅客機。1989年にAn-28をインドに売り込んだ際、一回り大きい25-30席級が欲しいという話が出たのがきっかけで、1990年末から開発され、1994年6月23日に試作機初号機が初飛行し、1995年からボストーク航空で運航された。ただ試作機６機、An-38-100型４機、An-38-200型１機が2001年末までに生産された後は音沙汰が無い。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−３８−１００＞：最初の量産型。エンジンはハネウェル製TPE331ターボプロップ双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−３８−２００＞：エンジンをロシア国産に換装したタイプ。全長15.7m、全幅22.06m、全高5.05m、自重5.735トン、最大離陸重量9.5トン。翼面積39.72平方メートル。エンジンはマルスTVD-20ターボプロップ（1380軸馬力）双発、最大巡航速度405km、実用上昇限度4200m、航続距離1750km（ペイロード1.65トン）。最大ペイロード3.2トン。乗員２名＋客席数27。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＮ４０Ｎ−Ａ７−１２−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜ＡＮ−５１＞：フランス軍のプルトニウム原爆。弾頭はMR-50で、重量500kg。威力10キロトンまたは25キロトン。プリュトン弾道ミサイルに搭載された。参考：核兵器事典

＜ＡＮ−５２＞：フランス軍の戦術核爆弾。AN-51と同じMR-50弾頭を搭載しており、尾部に制動用パラシュートを持つ。全長4.2m、直径0.6m、翼スパン0.8m、重量455kg。弾頭威力は6-8キロトンと25キロトンの２種類。1972-91年に配備された。参考：核兵器事典

＜Ａｎ−７０シリーズ＞：アントノフの試作輸送機。An-12の後継として1975年からアントノフ設計局で開発され（設計局名称はイズジェリェ77らしい）、当初はペイロード20トンのプロップファン双発機だったが、要求ペイロードが増えたため胴体直径5mのターボプロップ４発機に変更され、更なるペイロード増強とSTOL性能追加で胴体直径5.6mのプロップファン４発機になった。1984年7月にソ連共産党中央委員会が正式な開発命令を出したが、その後もペイロード強化要求が出されたため、1986年の初飛行予定が遅延しているうちにソ連が崩壊し、アントノフが開発資金の６割、残る４割をロシア政府が３分の２とウクライナ政府が３分の１という負担で共同開発を継続したものの、原型機初飛行は1994年12月12日（16日？）にずれ込んだ。しかも1995年2月10日には随伴機のAn-72Vと接触して墜落、乗員７名全員が死亡している（An-72Vは帰還に成功して乗員全員無事）。この事故を受けて２号機が地上試験機から飛行試験機に改修され、1997年4月24日に初飛行したが、2001年1月27日にエンジン２基がトラブルを起こして着陸に失敗、胴体が折れて大破し、修理して6月5日に飛行再開した。量産型の引き渡しは2005年の予定だったが、2006年4月にはロシアが開発・採用から撤退し、ウクライナのみで試作機２機による開発を続けている。その後ロシアが復帰したものの、2008年にはロシアとウクライナの対立で開発計画事態が危うくなり、ウクライナで2010年に親ロシア政権が誕生したため2012年3月25日にロシアとウクライナの共同生産が決定、ロシア空軍は2020年までに60機を導入する予定だったが、今度はウクライナ政変・紛争があり、ロシアは2015年2月に採用を取り消して開発費29.5億ルーブルの返還を要求した。ウクライナは2015年1月22日にアントノフでの製造を承認し、軍への配備も表明しているが、その後は音沙汰無くなり、ウクライナ戦争で２号機がどうなったかも不明である。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究3,’08、3,’11、6,’15、月刊JWings7,'22、10,’05、4,’10、7,’12、月刊航空ファン6,’17、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａｎ−７０＞：胴体後面ランプ付き貨物室、高翼配置の主翼、バルジ状の主脚収容部というスタンダードな戦術輸送機（尾翼はＴ字ではなく通常型）で、機体構造重量の28%を複合材が占め、設計寿命は飛行回数20000回、年数25年以上、飛行時間45000時間。貨物室は長さ22.4m（ランプ含む）／18.75m（含まず）、幅4.8m、高さ4.4m。主翼は速度性能重視の後退角付きスーパークリティカル翼で、エンジンを２基ずつ搭載する。主翼後縁に大面積のダブルスロッテッド・フラップを備えてSTOL性に優れ、ラダーやエレベーターをダブルヒンジとして水平安定板前縁にはスラットも装備し、空中投下時やSTOL時の安定性を確保した。操縦系統は４重フライ・バイ・ワイヤ（３チャンネルのデジタル式と６チャンネルのアナログ式）＋バックアップ用油圧式。開発が長引いて当初搭載予定のアビオニクスが旧式化してしまったため、計器板はカラーCRTとSKI-77HUDでグラスコクピット化し、An-124用から改修したBASK-70自動制御システムを積んだ。データバスはMIL-STD-1553B相当で、ARINC700規格準拠の飛行制御コンピュータ、レーザージャイロ航法装置、自動着陸装置などを搭載し、ICAOカテゴリー�U／�Vａでの運用が可能。整備工数は年間3000-3500飛行時間で運用した場合は１時間あたり8-10マンアワー。全長40.73m、全幅44.06m、全高16.38m、運用自重72.8トン、空虚重量74トン、総重量130トン、最大離陸重量145トン。エンジンはZMKBプログレス／イフチェンコD-27ターボプロップ（10290kW／13800軸馬力）４基、推進はアエロシラ・ステュピノSV-27二重反転式プロップファン（前方８翅・後方６翅）、巡航速度432ノット（392ノット？）、最大速度780km、巡航高度9100-11000m、実用上昇限度12000m、航続距離1619海里（ペイロード47トン時）／2699海里（ペイロード35トン時）／3563海里（ペイロード20トン時）／4319海里（最大燃料時）。ペイロード35トン（標準）／47トン（最大）。20トンの物資を空中投下できる。乗員３名。搭乗人員300名（170名？）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、4,’10、9,’13、月刊軍事研究3,’08、4,’08、3,’11、6,’15、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａｎ−７０−１００＞：コクピットクルーを２名に減らしたタイプ。参考：月刊JWings10,’05

＜Ａｎ−７１＞：ソ連海軍の試作艦上早期警戒機。空母トビリシ用にアントノフ設計局が開発し、1985年7月12日に初飛行した。An-72輸送機をベースに、尾翼をＴ字から通常型に変更し、垂直尾翼を分厚くすると共に翼弦を延長して前進角を付け、上に直径7.3mのレドームを載せて早期警戒レーダーを搭載したもので、主翼スパンを6m延長し、エンジンも強化した。レーダーはアンテナを毎分６回転させて半径370kmをスキャンし、300目標を同時に捜索でき、120目標を追尾できる。全長23.5m、全幅31.89m、全高9.2m、重量32.1トン。エンジンはD-463K（推力7.5トン）２基＋R-38A（推力2.9トン）１基、最大速度650km。乗員６名。３機が製作されたが、Yak-44Eに負けて1990年に開発中止となった。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究5,’02

＜Ａｎ−７２シリーズ＞：ソ連の中型STOLジェット輸送機、ニックネームはチェブラーシカ、NATOコードはコーラー（Coaler）。An-26の後継としてアントノフ設計局が開発し、1977年8月31日（12月22日？）に試作初号機、1985年12月22日に量産初号機が初飛行、軍民で使用された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、ウォーマシン・レポートNo.67、世界の軍用機1982、月刊JWings10,’05、5,’02

　＜Ａｎ−７２＞：試作型で、NATOコードはコーラーＡ。異物吸い込みを防ぐためエンジンを高翼配置の主翼上面に装備しており、吹き出し後流により揚力を向上させるUSB効果も得ていて、高いSTOL性を持つ。エンジンノズルには排気を左右に広げるデフレクターが付いており、ナセル後部に片クラムシェル型逆噴射装置がある。主翼はエンジンが付いている長方形の基準翼と、その外側の細長い直角三角形（前縁が後退角付き、後縁が直線）をした外翼からなり、外翼前縁にスラット、基準翼後縁に二重隙間フラップ、外翼後縁に三重隙間フラップ（着陸時60度、離陸時25-30度）、外翼後縁最外側にエルロンを持つ。他に片翼６枚ずつのスポイラーも装着している。排気が直撃する主翼上面、フラップ、エンジンナセルはチタン製である。貨物室は長さ10.5m、床幅2.15m、高さ2.2mで、貨物の空中投下が可能であり、天井には２基の2.5トンホイストが付く。後部ランプドアは胴体下にスライドする。尾翼はＴ字で、方向舵はダブルヒンジ式で３分割されており、通常飛行時には後ろ側の下半分のみを使用、高速飛行時には後ろ側の上下を使い、片発停止時には前も使用する。低圧タイヤを装備していて不整地離着陸能力が高い。航法装置はドップラーレーダー、航法コンピュータ、マップディスプレイである。全長26.58m、全幅25.83m、全高8.24m、最大離陸重量30.5トン。エンジンはロタレフD-36（推力6.5トン、バイパス比5.3）双発、巡航速度378ノット、最大巡航速度389ノット、運用高度限界11000m、航続距離540海里（最大ペイロード）／1728海里（最大燃料）。最大ペイロード７トン。乗員３名。兵員32名または担架24床＋看護兵１名を乗せられる。試作機２機と前量産機８機が生産されて試験飛行を行った。参考：世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、5,’02

　＜Ａｎ−７２Ａ＞：量産型で、NATOコードはコーラーＣ。試作型よりも翼スパンを6m、胴体を2m延長した。主翼外翼部の外側に後縁後退角が付けられ、翼端翼弦長も延びている。全長28.07m、全幅31.89m、全高8.65m、空虚重量19.05トン、最大離陸重量34.5トン。エンジンはZMDBプログレス社製D-436ターボファン（73.62kN）双発、巡航速度297-342ノット、最大速度380ノット、実用上昇限度11800m、航続距離2590海里（ペイロード7.5トン時）／430海里（最大ペイロード時）。離陸滑走距離470m。ペイロード10トン。乗員３名。兵員26名または担架24床の搭乗が可能。参考：月刊JWings10,’05、世界航空機年鑑2018-2019、月刊丸10,’93

　＜Ａｎ−７２Ｐ＞：An-72Aに武装を追加した海洋哨戒機型、別名An-76。23mm機関砲ポッド、ロケット弾、爆弾などを機外搭載できる。1992年のファーンボロ航空ショーに参加し、ウクライナ海軍航空隊が採用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05、5,’02

＜Ａｎ−７２ファミリー＞

　＜マッドキャップ＞：早期警戒機型のNATOコード、Madcap。ゴルバチョフ書記長がアントノフ設計局を訪問した際の公式写真に尾部だけ写っていたもので、垂直尾翼を前進角付きのものに換装し、上にロートドームを付けてある。水平尾翼は胴体に移った。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜Ａｎ−７２海外ファミリー＞

　＜Ａｎ−７２Ｐ（ウクライナ海軍）＞：ウクライナ海軍航空隊洋上哨戒機。2018年現在、５機を配備している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−７４シリーズ＞：ソ連の中型輸送機。An-72の改良型で、NATOコードはコーラー（Coaler）のまま。輸送型、北極観測仕様、垂直尾翼にロートドームを持つ早期警戒機型などがある。参考：月刊JWings5,’02

　＜Ａｎ−７４＞：極地飛行用で、NATOコードはコーラーＢ。An-72のレドーム形状を変更し、監視窓と慣性航法装置を追加した。降着装置にスキーの装着が可能。ペイロード7.5トン。乗員４名（操縦士、副操縦士、航法士、航空機関士）。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings10,’05

　＜Ａｎ−７４Ｔ＞：An-74の物資輸送・空挺降下型。NATOコードは同じくコーラーＢ。参考：月刊JWings10,’05

　＜Ａｎ−７４サロン＞：An-74のビジネスジェット機型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−７４Ｔ−１００＞：An-74T-200のコクピットを４名用とし、航空機関士と航空士を乗せられるようにしたもの。乗員４名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−７４ＴＫ−１００＞：An-74TK-200のコクピットを４名用とし、航空機関士と航空士を乗せられるようにしたもの。乗員４名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−７４−２００＞：An-74の貨物機型。ペイロード10トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−７４Ｔ−２００＞：An-74-200にローラーシステムを追加したもの。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−７４ＴＫ−２００＞：An-74T-200の貨客転換型。旅客機バージョンでは52席を設置できる。全長28.07m、全幅31.89m、全高8.65m、運航自重21.82トン、最大離陸重量36.5トン。翼面積98.53平方メートル。エンジンはプログレスD-36（6500軸馬力）双発、標準巡航速度550-600km、最大巡航速度700km、航続距離800km（ペイロード10トン）／2150km（ペイロード7.5トン）／4250km（ペイロード2.5トン）。最大標準ペイロード10トン。乗員２名。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−７４ＴＫ−３００＞：ビジネスジェット機・輸送機型。エンジンをパイロン吊り下げ式に変更している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−７４−６８＞：An-148シリーズ（旅客機）を参照。

＜Ａｎ−７６＞：An-72P（海洋哨戒機）を参照。

＜Ａｎ−７７＞：アントノフの計画輸送機。ロシアにキャンセルされたAn-70輸送機のエンジンをターボファンに換装したもので、アメリカなどに提案している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＡＮ９４＞：ロシア軍突撃銃、別名アバカン。ガス圧作動式で、ターンボルト方式の閉鎖機構を持つ。フルオート射撃時には最初の２発のみ毎分1800発の高速で連射され、命中精度を向上させている。全長943mm／728mm（ストック折り畳み時）、銃身長405mm、重量3.85kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.45mm×39弾で、装弾数30発。1994年に制式採用された。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ａｎ−１２４シリーズ＞：ソ連空軍大型輸送機、別名ルスラン（Ruslan。プーシキン原作のオペラ、ルスランとリュドミーラに出てくる巨人）、NATOコードはコンダー（Condor、コンドル）。An-22の後継となる軍民共用輸送機として1977年からアントノフ設計局で開発され、1982年12月26日に初飛行、1985年のパリ航空ショーで初披露され、1986年1月からアエロフロートに就航、1987年からソ連空軍に配備され、1989年からはイギリスのエアフォイル社が６機を運航した。完成が遅れたのは推力20トン級の大パイパス比ターボファンエンジンの実用化に手間取ったためである。西側ではAn-40やAn-400といった名称で開発されているという説が1970年代から流れており、その時点でNATOコードが付けられた。1985年7月26日にペイロード171.219トンで高度10750mに到達してFAI国際記録を塗り替え、1987年5月6-7日に無給油20151km飛行を達成している。軍での調達は1995年末までの55機（56機？）で一旦終了し、2008年に再開、2009年現在で22機が配備されていた。民間市場用として生産設備をウクライナに残してあり、An-124-100M-150を20機ほど2014-20年に新規生産して空軍に納入し、海軍も８機を導入して各艦隊に配備する予定だったが、ウクライナ紛争で見込みが立たなくなった。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊JWings10,’05、月刊軍事研究3,’09、5,’04、3,’11、月刊世界の艦船7,’13

　＜Ａｎ−１２４＞：C-5ギャラクシーを参考にしており、機首にカーゴドアを、尾部にカーゴランプを持つが、尾翼はＴ字でなく通常型である。機体は複合材を5.5トン（うち炭素複合材2.5トン）使用して軽量化し、翼面積の大きい主翼に大きな後退角を持たせ、速度性能を向上させた。貨物室は長さ41m、幅6.4m、高さ4.4m（ランプ含まず）で、ノーズドアからは幅6.1m、高さ4.25mの荷物を積み込める。パレットシステムは無く、自走できない貨物は天井に装着された合計容量20トンのクレーン２基や３トンウインチ２基で搭載する。貨物室の与圧は3.55psiまでで、人員は貨物室の上にある7.8psiの与圧コンパートメント（コクピットと主翼後方上部デッキ）に乗り込む。前脚はダブルタイヤ２組並列、主脚は左右タンデム５本10輪ずつで、タイヤ圧調整装置により未舗装滑走路でも着陸でき、脚柱短縮装置により貨物の積み降ろしも楽。機首に気象レーダーとマッピングレーダー、主翼付け根の黒いドーム内に航法衛星電波受信アンテナを持つ。操縦システムは４重フライバイワイヤで、バックアップはメカニカル。BASK-124自動制御システムを装備する。全長68.96m（69.1m？）、全幅73.3m、全高20.78m（21.08m？）、運用自重181トン、最大離陸重量402トン。エンジンはロタレフD-18T（推力229kN・23.4トン）４基、標準巡航速度800-850km（750-800km？）、最大巡航速度865km、実用上昇限度12000m、燃料搭載量348740リットル（230トン？）、航続距離15700km（最大燃料）／4500km（最大ペイロード。3900km？）。最大ペイロード150トン。人員は与圧コンパートメントである主翼後方上部デッキに88名分の座席があり、貨物室用の与圧で耐えられる高度なら貨物室に360名を乗せられる。乗員７名（パイロット２名、航空機関士２名、航法士、通信士、ロードマスター）。機体各部を補修し、アビオニクスを更新、GPS/GLONASS航法装置を搭載し、グラスコクピット化を図った改修が2010年に３機に対して実施された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊軍事研究5,’04、3,’11、月刊JWings10,’05

　＜Ａｎ−１２４−１００＞：純民間仕様で、1992年12月30日に形式証明を取得した。乗員がパイロット２名と航空機関士２名の計４名となっている。最大離陸重量392トン。最大ペイロード120トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究5,’04

　＜Ａｎ−１２４−１００Ｍ＞：An-124-100の西側向け改良型で、1995年末に完成し、ボルガ・ドニエプル航空が2003年末に導入した。アビオニクスを西側標準に変更し、衝突回避警報装置などを搭載、エンジンを騒音の少ないD-18Tシリーズ３に換装してペイロードを150トンに向上させている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究5,’04

　＜Ａｎ−１２４−１００Ｍ−１５０＞：An-124の改良型で、エンジンをD-18Tに換装して最大搭載能力を150トンに増やし、航続距離を増大させたもの。全長68.96m、全幅73.28m、全高20.78m、空虚重量175トン、最大離陸重量402トン。翼面積628平方メートル。エンジンはプログレスD-18T（推力229.5kN）４基、巡航速度467ノット、航続距離2916海里（ペイロード120トン）。最大ペイロード150トン。乗員６名＋ロードマスター２名。2008年8月にエンジン10基がロシア空軍に納入された。参考：月刊JWings9,'15、1,’16、月刊軍事研究3,’09

　＜Ａｎ−１２４−２００＞：計画中の改良型で、エンジンをCF6-80に換装する。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜Ａｎ−１２４−３００＞：計画中の改良型で、翼スパンを79.9mに拡大する。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−１３２シリーズ＞：アントノフがAn-32をベースにサウジアラビアのタクニア・アエロノーティクスと開発している輸送機。参考：月刊JWings6,’17、月刊航空ファン3,’17

＜Ａｎ−１３２Ｄ＞：技術実証機。2016年12月20日にロールアウトし、2017年3月31日に初飛行した。参考：月刊航空ファン3,’17、月刊JWings6,’17

＜Ａｎ−１３２＞：主翼は高翼配置の直線翼。アビオニクスは欧米製で固めており、ハネウェル社製航法装置と電子飛行計器システムを搭載する。エンジンはプラットニー＆ホイットニー・カナダ社製PW150A（3781kW）双発、プロペラはダウティプロペラーズ社製R408複合材製６翅、巡航速度297ノット、実用上昇限度9000m、航続距離2376海里。軽車両なら２両、貨物パレットなら３枚、貨物なら９トン、担架なら27床、人員なら75-76名を積める。取り敢えずサウジアラビア空軍が６機を発注しており、最終的には2035年までにウクライナとサウジアラビアで260-295機を生産する。参考：月刊軍事研究9,’17、月刊航空ファン3,’17、2,’18、月刊JWings6,’17

＜Ａｎ−１４０＞：アントノフ設計局の中型ターボプロップ輸送機。An-24の後継で、1997年9月17日に原型機が初飛行し、2000年5月にロシアの形式証明を取得した。主翼は高翼配置で、不整地滑走路での運用を考慮しつつ、An-24より小型化して高速性能を狙っている。尾翼はＴ字でなく通常型で、垂直尾翼付け根前縁にドーザルフィンを持つ。降着装置は前輪式で、主脚は胴体下面左右のバルジに収容される。西側に輸出する際はプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW127Aエンジンとハミルトン・スタンダード社製247Fプロペラ（６翅）を装備するらしい。全長22.6m、全幅25.5m、全高8.23m、総重量19.15トン。エンジンはクリモフTV3-117VMA-CBM1ターボプロップ（2500軸馬力）双発、巡航速度460km（標準。高度7200m）／540km（最大。高度7200m）、航続距離2400km（乗客52名）／3400km（乗客42名）／3680km（乗客33名）。最大ペイロード６トン。乗員２名。座席数42-52。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究4,’07

＜Ａｎ−１４０海外シリーズ＞

　＜イラン１４０＞：イランがライセンス生産したもので、21世紀に入ってから配備された。参考：月刊軍事研究4,’07

＜Ａｎ−１４８シリーズ＞：アントノフが開発した旅客機。An-74の発展型として1990年代からAn-74-68の名称で開発され、途中でAn-148に名称が変わり、2004年11月17日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究3,’08

＜Ａｎ−１４８−１００Ａ＞：基本型。An-72-300の胴体を延長し、エンジンポッドをパイロン吊り下げ式に変更、航法システムやフライ・バイ・ワイヤを導入した。主翼は高翼配置、尾翼はＴ字。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン11,’11、月刊JWings7,’15

＜Ａｎ−１４８−１００Ｂ＞：航続距離延長型。全長29.13m、全幅28.91m、全高8.2m、最大離陸重量41.95トン。翼面積87.32平方メートル。エンジンはプログレスD-436-148双発、航続距離3500km。最大ペイロード９トン。乗員２名。座席数68-75。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−１４８−１００Ｅ＞：航続距離延長型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜Ａｎ−１４８Ｔ＞：軍用輸送機型。元々高翼機であるため、機体後部に貨物ランプを装備するなどの改造を行うだけで済む。最大離陸重量36.8トン。エンジンはD436-148ターボファン、航続距離5500km。最大ペイロード10トン前後。模型が公表されたが、今のところ軍での採用予定は無い。参考：月刊軍事研究3,’08、月刊JWings2,’19

＜Ａｎ−１４８ファミリー＞

　＜Ａｎ−１４８−３００ＭＰ＞：洋上哨戒機型。電子光学／赤外線センサー、側方監視レーダー、紫外線センサー、ELINT器材、COMINT器材、電子戦装置、空対艦ミサイルなどを搭載でき、捜索救難任務や輸送任務にも投入できる。最大離陸重量43.7トン。エンジンはD436-148ターボファン、最大巡航速度850km、最大巡航高度12200m、航続距離7000km。2018年にジャカルタで開催されたINDOディフェンスに模型を出展した。参考：月刊JWings2,’19

＜Ａｎ−１５８＞：アントノフが開発した輸送機。An-148旅客機の胴体延長型で、2010年4月28日に初飛行した。全長34.36m、全幅28.91m、全高8.6m、最大離陸重量43.7トン。翼面積87.32平方メートル。エンジンはプログレスD-436-148双発、航続距離2500km。乗員２名。座席数99席。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’15

＜Ａｎ−１６８ＭＰ＞：アントノフが計画中の洋上哨戒機。An-148旅客機の機首に電子光学センサー、胴体下面に捜索レーダー、主翼下にハードポイントを追加する。対艦ミサイルなどの運用が可能。参考：月刊航空ファン11,’11

＜Ａｎ−１７８＞：アントノフが2010年から開発している中型輸送機。An-148-200/An-158旅客機の軍用貨物輸送型で、機体構造や主脚を強化して機体尾部にカーゴドア兼ランプを追加した。An-158の前部胴体や主翼の一部、An-148のエンジンやアビオニクスを流用して開発期間を短縮している。機体はアルミニウム合金及び複合材のセミモノコック構造。操縦系統は２重デジタル式フライ・バイ・ワイヤ＋機械式バックアップ。全長29.13m（32.95m？）、全幅28.91m（30.58m？28.8m？23.84m？）、全高8.2m（10.14m？14.7m？）、最大離陸重量36.8トン（45トン？）。エンジンはプログレスD436-148-FMターボファン（推力８トン。67kN・6.804トン？）双発、最大巡航速度825km、航続距離1000km（ペイロード18トン）／4000km（ペイロード10トン）／5500km（ペイロード５トン）。最大ペイロード18トン。兵員なら99名、空挺隊なら80名、傷病兵なら70名、小型車両なら３両を輸送できる。乗員３名。試作機２機が製作され、初号機は2015年5月7日に初飛行した。量産型はエンジンをジェネラル・エレクトリック社製CF-34-10またはプラット＆ホイットニー社製PW1500に換装し、西側のアビオニクスを採用する予定。参考：世界航空機年鑑2018-2019、朝雲、月刊航空ファン8,’15、6,’17、月刊JWings7,’15、9,’15、ウォーマシン・レポートNo.67

＜Ａｎ−２２５＞：アントノフ製巨大輸送機、別名ムリア（Mriya、夢という意味のウクライナ語）、NATOコードはコサック（Cossack）。An-124輸送機２号機の胴体を延長し、主翼付け根に中央翼を挿入して６発機に改造したもので、1987年5月から開発され、1988年12月21日に初飛行した。ソ連版スペースシャトルであるブランと、その打ち上げ用ロケットのエネルギヤを背部に乗せて輸送するための機体で、ブランからの乱流を受けないように垂直尾翼は双尾翼になっており、垂直尾翼の間にB737旅客機が余裕で収まる程の巨大輸送機である。中央翼にはAn-124主翼と同じ前縁後退角が付くが、後縁後退角は無い。中央翼下面左右にエンジンパイロン１基ずつ、後縁にフラップを持ち、外翼（An-124の主翼そのまま）下面にエンジンパイロン２基ずつ、後縁にフラップとエルロンがある。主脚柱も片側５本から片側７本14輪に増えた。機内貨物室は長さ43.32m、幅6.4m、高さ4.4m、容積1300立方メートルで、機首にバイザードアとランプがあるが、後部ランプドアは胴体構造強化のため廃止した。水平尾翼はAn-124より大型化して上反角を付けている。全長84.0m、全幅88.4m、全高18.2m、自重285トン、最大離陸重量640トン。翼面積905平方メートル。エンジンはロタリョフD-18Tターボファン（推力23.4トン）６発、巡航速度367-458ノット、最大速度850km、航続距離4500km（ペイロード200トン）／9600km（ペイロード100トン）／15400km（最大燃料）。ペイロード250トン。乗員６名＋搭乗兵員60-70名。1989年5月13日にはブランを搭載して初飛行したが、ブラン開発は中止されたため、1994年4月から飛行を停止して暫く予備役保管状態とされた後、アントノフ航空が改装して西側諸国の型式証明を取得し2001年5月に現役復帰、2002年1月からNATO軍向け貨物輸送などに活躍している。2010年2月9日にはハイチに派遣される陸上自衛隊の装備を運ぶため日本通運がチャーターして成田空港に飛来した。6月21日にセントレア空港、2011年3月25日に成田空港に飛来。2018年9月から整備に入り、2020年3月25日・27日にアントノフ空港で整備後の飛行試験を行って復帰した。2020年5月23日・29日と6月3日、天津からアンカレッジに向かう途中で給油のためセントレア空港に飛来している。２号機は1980年代末から製作され、進捗70%で2009年に保管状態とされていたが、2016年8月30日にアントノフと中国航空宇宙社が製造再開で合意し、３号機以降も製作される予定。２号機以降はブランを積む予定が無いので単垂直尾翼になる。2022年2月24-25日、ウクライナ戦争でアントノフ国際空港がロシア軍のヘリボーン作戦を受け、格納庫に収容されていた１号機が破壊された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings11,’17、11,’09、5,’10、11,’16、5,'22、ウォーマシン・レポートNo.67、月刊丸12,’90、9,'20、月刊軍事研究2,’04、5,’04、8,’13、月刊航空ファン4,’10

＜Ａｎ−２２５海外シリーズ＞

　＜Ａｎ−２２５（中国）＞：2016年8月30日にアントノフと中国航空工業集団公司（中国航空宇宙社？）が再生産で合意した。アントノフが設計や技術を中国側に提供し、2019年から中国での飛行を目指している。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ＡＮ６０２＞：RDS-220（水爆）を参照。

＜ＡＮ６５５２＞：アメリカ陸海軍のフライトジャケットで、1942年頃から調達された。参考：月刊丸1,’10別冊

＜ＡＮ／ＡＡＱ−６＞：アメリカ空軍のFLIRで、レイセオン社製。AN/ASQ-151を構成する赤外線暗視装置で、B-52G/Hの機首下部右にターレット状に搭載された。参考：月刊軍事研究8,’01、月刊航空ファン12,’18

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１１＞：PNVS（暗視装置）を参照。

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１３＞：アメリカ軍の航法ポッドで、LANTIRNを構成する。広視野FLIRとAN/APN-237A地形追随レーダーが搭載され、パイロットに赤外線映像を、航法装置に航法データを提供し、夜間・悪天候でも高度60m以下の超低空飛行を安全に行うことが可能となる。重量205kg。F-15EではSta.8に装着される。参考：月刊軍事研究6,’07、8,’01

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１４シリーズ＞：アメリカ軍のターゲッティング・ポッド。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１４＞：LANTIRNを構成する。視野は狭いが高分解能のFLIR、レーザー照射器、目標追尾光学系、制御コンピュータを搭載する。FLIRで目標をロックオンすると、自動的に目標を追尾しながらのレーザー照射が行われる。右側面に冷却用空気取り入れ口がある。全長2.51m、直径0.38m、重量241kg。F-15EではSta.6に装着される。参考：月刊軍事研究8,’01、6,’07、月刊JWings9,'24、8,’13

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１４（Ｆ−１４Ｄ用）＞：F-14Dが装備する外装式目標標定用ポッド。FLIRとレーザー照射器を内蔵し、昼夜を問わずペイブウェイ運用に必要な照準と目標指示の機能を発揮する。参考：月刊軍事研究1,’01

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１６シリーズ＞：アメリカ軍の電子光学／赤外線センサー・ターレット。参考：月刊軍事研究9,’04

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１６＞：AESOP（機上電子光学特殊作戦ペイロード）と略す。球状で、レーザー測距器やFLIRなどを収容し、AN/AAS-44と同様の機能を持つ。MH-60K、MH-60L、CV-22Bに搭載されている。参考：月刊軍事研究9,’04

　＜ＡＮ／ＡＡＱ−１６（３ＦＯＶ）＞：三次元広視野角型。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１７＞：アメリカ軍のFLIR。AC-130Uに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−１９＞：LANTIRN輸出型を構成するターゲッティング・ポッドで、別名シャープシューター（Sharpshooter）。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２０＞：LANTIRN輸出型を構成するターゲッティング・ポッドで、別名パスファインダー（Pathfinder）。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２２シリーズ＞：アメリカ軍の航法用熱線撮像装置NTIS。UH-1N、UH-1Y、HH-60G、MH-60G、P-3に搭載された。参考：月刊JWings7,’20

　＜ＡＮ／ＡＡＱ−２２Ｃ＞：別名ブライトスター。UH-1N後期型に搭載された。参考：月刊JWings5,’22

　＜ＡＮ／ＡＡＱ−２２Ｄ＞：UH-1Yに搭載された。参考：月刊JWings5,’22

　＜ＡＮ／ＡＡＱ−２２Ｅ＞：別名ブライトスター�U。画角５度・解像度640×480ピクセルの熱線撮像装置、画角３度の昼間用高解像度カラー赤外線カメラ、レーザー測距器、レーザー・デジグネータを備える。テレダインFLIR製。UH-1Yに搭載された。参考：月刊JWings5,’22

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２４シリーズ＞：アメリカ空軍の航空機用自衛装置。ノースロップ・グラマン社が民間向けのガーディアン指向性赤外線対抗装置をベースに開発した。参考：月刊軍事研究5,’17

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２４（Ｖ）＞：別名ネメシス（Nemesis。ギリシャ神話の義憤の女神）またはLAIRCM（Large Aircraft Infra-Red Counter Measures、大型機赤外線対抗システム）フェーズ１またはDIRCM（Directional Infra-Red Counter Measure、指向性赤外線対抗システム）。炭酸ガスレーザーにより赤外線受動誘導式ミサイルを妨害する装置で、当初はAC-130U、MC-130E、C-17A、C-17A SOLL�Uといった大型機に搭載していたが、後にCV-22Bにも装備した。AN/AAR-54(V)ミサイル警報装置、小型レーザー・砲塔部SLTA（Small Laser Targeting Assembly）、管制表示装置、LAIRCMシステムプロセッサー交換器LSPR（LAIRCM System Processor Replacement）、電源から構成され、ミサイル警報装置の紫外線センサーで探知した対象をLSPRで処理し、脅威ミサイルと判断すると、制御表示ユニット交換器CIUR（Control Indicator Unit Replacement）を介して乗員用ディスプレイに警報を表示すると共に、SLTAから2000バイパー（2000 Viper）赤外線レーザーを発射、ミサイルの赤外線シーカーを盲目状態にして攻撃不能にしてしまう。完全自動のシステムで、乗員が管制する必要は無い。SLTAはレーザー発振にアークランプによる光ポンピングを使用しており、ターレットは横倒しの円筒形で、窓が２つ並んでいる。C-17AではSLTAを前部胴体左右と尾部下面に装備するが、格納できるので外からは分からないこともある。アメリカ海軍も採用を決定し、CH-53D/EとCH-46Eに搭載する予定で、2009年1月からCH-53Eに装備してテストされ、2010年2月10日からフル生産に入った。イギリス軍にリースされたC-17Aや、オーストラリア空軍が配備したC-17A、ノルウェー空軍P-8A哨戒機、航空自衛隊KC-46A空中給油輸送機にも搭載される。KC-135用には着脱式のブロック30を開発しており、2015年から装着された。参考：月刊軍事研究5,’17、4,’04、3,’09、月刊JWings8,’06、10,’05、10,’04、1,’07、5,’10、4,’11、9,’15、12,’18、5,’19

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２４（Ｖ）ＬＡＩＲＣＭフェーズ２＞：改良型。SLTAを半導体レーザー導入により小型軽量化したガーディアン・レーザー砲塔部GLTA（Guardian Laser Transmitter Assembly）に、ミサイル警報装置を２波長（3-5ミクロンと8-12ミクロン）赤外線センサーによりロケット燃焼終了後のミサイルも探知できるようにしたNexGecMES（次世代ミサイル警報センサー）に換装する。GLTAは球形で、円形窓が１つ開いている。参考：月刊JWings5,’19

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２４（Ｖ）２７＞：別名Department of Navy Large Airclaft Infra-Red Countermeasure（海軍省大型機赤外線対抗装置）、略称DoN-LAIRCM。レーザー砲塔はフェーズ２と同じGLTAである。MV-22BブロックＣ、VH-3D（SLEP改修）、VH-60N（SLEP改修）に搭載された。参考：月刊航空ファン8,’19、7,’19

　＜ＡＮ／ＡＡＱ−２４（Ｖ）ブロック３０＞：プロセッサや制御用インターフェイスユニットを最新型に更新し、システムをカヌー型ポッドに収容したもの。航空機の胴体下部にポッドを外付けすれば済むので、30分以内に着脱可能。2007年1月15日からテストされ、2015年6月から州空軍・空軍予備役軍団KC-135R/T向けに調達している。参考：月刊軍事研究5,’17、月刊丸4,’07、月刊JWings4,’11、朝雲

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２４海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＡＱ−２４（Ｖ）Ｎ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊のミサイル防衛装置。LAIRCMシステム・プロセッサ１基、AN/AAR-54ミサイル警報６基、ガーディアン・レーザー砲東部GLTA６基で構成され、戦術状況認識システムTSASで統合されてミサイルに自動対処する。KC-46Aに搭載予定。参考：月刊航空ファン6,’19

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２５＞：アメリカ海軍のターゲッティング・ポッド。AN/AAQ-14LANTIRNを高度40000フィート（12192m）でも使用可能としたもので、LANTIRN40Kともいう。F-14が搭載していたが、退役後はアメリカ空軍がF-16戦闘機で運用しているらしい。参考：月刊JWings8,’13、9,’24

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２６＞：アメリカ軍のFLIR。AC-130Uに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２７＞：アメリカ軍の前方赤外線監視装置FLIRターレット。センサーはインジウム・アンチモン単結晶製で、素子数480×640。使用波長2.5-4ミクロン（中赤外線）。V-22輸送機の機首下に搭載されている。参考：月刊JWings12,’18

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２８シリーズ＞：アメリカ軍のターゲッティング・ポッド、別名ライトニング（LITENING）。元はイスラエルのラファエル社がイスラエル空軍F-15/-16向けに開発したもので、ノースロップ・グラマン社が製造販売している。参考：月刊JWings6,’03、4,’10、8,’13、月刊軍事研究8,’16、6,’03

　＜ライトニング�T＞：先端に球形ターレットを持つ円筒形ポッドで、ターレットにはFLIR（320×256ピクセル）、CCDカメラ（狭視野と広視野の計２基）、レーザー測距器、レーザー・スポット・トラッカーなどを搭載する。ポッド本体には列線交換可能ユニットLRUを縦列に４基収容しており、前から補助LRU（データリンクなど）、FLIR電子ユニットFEU、システム電子ユニットSEU、電源サーボユニットPSUと並ぶ。ポッド最後部はインターフェース・ユニットIUで、左に弧状の冷却空気用吸気口（環境制御ユニットECU）が付いている。LANTIRNポッドに比べて機能は制限されるが、パイロン占有が１カ所で済み、レーザー誘導爆弾運用には十分である。全長2.2m、直径0.406m。1995年から配備された。参考：月刊JWings9,'24、6,’03、4,’10、8,’13、月刊軍事研究8,’16、6,’03

　＜ライトニング�U＞：改良型。FLIRの使用波長を3-5ミクロンに変更、解像度を640×480ピクセルとしている。1995年からノースロップ・グラマン社と共同開発し、1999年からアメリカ州空軍F-16Cブロック25/30/32、アメリカ海兵隊F/A-18C/DとAV-8Bが装備した。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊JWings9,'24

　＜ライトニングＥＲ＞：FLIR解像度を640×512ピクセルに向上させ、レーザー・デジグネーターを追加したもの。2001年にアメリカ空軍・海兵隊でIOCを獲得している。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊JWings9,'24

　＜ライトニングＡＴ＞：ATはAdvanced Targetingの略。AN/AAQ-28(V)4、ライトニング・カラーともいう。CCDの解像度を1004×1004ピクセルに強化、GPS誘導兵器の運用にも使えるようにし、データリンク装置の追加を可能とした。重量200kg。2005年から海兵隊、2006年から空軍に納入しており、B-52も搭載した。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊JWings9,'24、5,’15

　＜ライトニング３＞：別名ライトニングEF。2003年に実用化された。参考：月刊JWings9,’24

　＜ライトニングＧ４＞：改良型LITENING Generation 4。ライトニングLAまたはライトニングSEともいう。CCDカメラ、FLIR、レーザー画像システムを新型にし、目標捜索距離と視野角を拡大、FLIR解像度を1024×1024ピクセルに強化している。2008年に実用化され、2011年10月19日までに第１ロット50基がアメリカ空軍に納入された。参考：月刊JWings1,’12、2,’15、5,’15、9,’24

　＜ライトニング−５＞：ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ社が開発した最新型。TV／赤外線／レーザー／GPS誘導兵器に対応する。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２９＞：アメリカ軍のFLIR。CH-53E、HH-60Gに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−２９Ａ＞：AN/AAQ-34(FLIR)を参照。

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３０＞： アメリカ軍の目標捜索照準装置TSS（Target Sight System）。第３世代FLIRのホークアイ目標照準システム、カラーLLLTV、レーザー測距照準器、レーザー・スポット・トラッカーをセンサー・ペイロードに纏めて球形俯仰ターレットに装着し、航空機インターフェース構造AISの旋回機構部分に搭載している。球形ターレット前面には３つのセンサー窓があり、向かって左上がLLLTV、向かって右上がレーザー、下がFLIRである。FLIRの解像度は640×480ピクセルで、中波赤外線及び長波赤外線を併用できる。視野は21.7×16.4度、4.4×3.3度、0.88×0.66度、0.59×0.44度の４段階。カラーLLLTVはCCD、連続可変ズーム装置、2.56X望遠アダプターを備え、解像度768×494ピクセル、視野0.88-39度（無段階18倍ズーム）。赤色信号だけを抽出する機能があり、ある程度の悪天候なら使える。AIM-9空対空ミサイルへの対空目標付与も可能。レーザー測距照準器はレーザー・デジグネータ、レーザー測距器、レーザー・スポット・トラッカーの兼用で、AGM-114空対地ミサイルの終末誘導にも使用できる。使用波長1.06ミクロン（主用）／1.54ミクロン（アイセーフ・モード）。夜間目標探知能力35km、目標識別距離10km、攻撃可能距離5km以上。同時探知目標数10、同時追尾目標数３。AISにはレーザー用低圧／高圧電源、ジンバルDC/DCコンバータ、ターレット用低圧電源などが組み込まれており、ターレット後方にボアサイトモジュールBMS（LLLTV/FLIR／レーザー測距照準器用較正機構）が配されている。全周旋回可能で、非使用時は後方を向けてセンサー窓を保護する。ジンバルによる安定化機構が効くのは方位角左右120度ずつ、俯仰角マイナス120度からプラス45度まで。操作にはプレイステーション用ゲームコントローラのグリップを下に延ばしたような形状のミッション・グリップを取り出して使用する。ミッション・グリップには左右にボタンが４つずつ、左グリップにボタン１つが取り付けられており、左４ボタンは左上がCURSOR SEL（スティック型で、上下左右に動かしてTSSの各モード選択を行う）、左下がTRK/OFFSET（照準点制御）、右上がVIDEO/ADJ（ビデオ設定）、右下がTGT SEL（次目標選択）、右４ボタンは左上がCEG/UNCEG（AIM-9用シーカー操作）、右下がSLEW（センサー方向制御）、右上がWPN SEL（武装選択）、右下がHMD SEL（HMD操作選択）、左グリップのボタンがPOL/FOV（上下左右に動く。視野拡大縮小、FLIR/LLLTV選択）である。KC-130J（ハーベスト・ホーク装着型）やAH-1Zに搭載されており、AH-1ZではAIS上面をフロントカバー（ウインドウ・アッセンブリ）で整形して機首部を構成している。参考：月刊JWings4,’20、月刊軍事研究9,’12、6,’01、3,’17

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３２＞：ノースロップ・グラマン社が開発した内蔵式赤外線前方監視ターゲッティングシステム（IFTS）。UAE空軍F-16Uデザートファルコンに搭載されており、機首にナビゲーションターレット、エアインテイク左にFLIR／レーザー／ターゲッティングポッドを装備する。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３３＞：スナイパーXR（目標指示ポッド）を参照。

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３４＞：アメリカ軍のFLIR。AN/AAQ-29Aから改称された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３５＞：アメリカ軍のマルチセンサーターレット。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３６＞：アメリカ軍のマルチセンサー機上熱線撮像装置。MC-130Hに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３７＞：F-35戦闘機が搭載する電子光学分配型開口システム（EO DAS、Electro-Optical Distributed Aperture System）で、ノースロップ・グラマン社が開発した。要するにパッシブ電子光学赤外線探知システムで、機体の６カ所に電子光学／赤外線センサー（光学窓６枚、視野角90度。中波・長波赤外線使用）を設置して全周をカバーし、ミサイル探知追尾、ミサイル発射点探知、赤外線捜索追尾目標指示（完全オフボアサイト目標指示が可能）、兵装支援、昼夜間航法などが行える。夜間でも昼間並みに鮮明な画像を得ることが可能。映像をHMDに映し出せるため、NVGは不要で、F-35Bでは機体の真下の様子を見ながら垂直着陸できる。探知距離は「極めて長距離」で、2010年6月4日にBAC-1-11テストベッド機で空中テストを行った際には1280km（1300km以上？）先でたまたま試験発射されたスペースＸ社製ファルコン９二段式打ち上げロケットの探知追尾に成功した。2011年6月26日のBAC1-11テストベッド機による試験では弾道ミサイル標的２発の連射を探知した。2012年3月27日、NASAが準軌道ロケット５発の不規則連続打ち上げ試験を行った際、BAC-1-11テストベッド機でAN/APG-81レーダーと連動して全弾捕捉追尾した。後継センサーをレイセオンが開発中で、こちらはF-35ロット15（2023年引き渡し）以降に加え、陸軍ヘリにも積むらしい。参考：月刊軍事研究5,’14、4,’17、7,’10、9,’09、3,’11、5,’11、10,’12、月刊航空ファン5,’11、月刊世界の艦船6,’18、月刊JWings5,’19、12,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３８＞：アメリカ軍のマルチセンサーターレット。MC-130H/P/Wに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＱ−３９＞：ロッキード・マーチン社が開発したターゲッティング・システムで、AC-130U用ガンシップ複合光学スペクトルセンサーシステムの能力を向上させるものである。２画像増感TVカメラ、中波赤外線センサー、近赤外線レーザー指示装置、三色型レーザーデジグネーターなどで構成される。2008年7月に12基が発注され、2010年7月29日に１基目が完成した。2011年度中に全て引き渡される予定。参考：月刊JWings10,’10

＜ＡＮ／ＡＡＱ−４０＞：F-35戦闘機の電子光学ターゲッティング・システムEOTS（Electro-Optical Targeting System）。AN/AAQ-33スナイパーXRがベースで、CCDカメラ、FLIR、レーザー・スポット・トラッカーを組み合わせているとみられ、空対空赤外線捜索追尾、空対地FLIR追尾、レーザースポット追尾、パッシブ／アクティブ測距、高精度座標測定、自動ボアサイトといったモードを持つ。AN/APG-81と同等の探知距離（空対空で200km）があり、同レーダーの合成開口モードで捉えた目標の正確な座標を割り出してGPS誘導兵器にデータを送ることもできる。レーザーはダイオード式アイセーフ・レーザーを使用し、自機以外から照射されたレーザーを受光することも可能。装置本体は機内にあるが、装置自体がジンバルで上下左右に回転できるのに加え、機首下面にある平面ガラス窓７枚で構成されたフェアリング内部に高速ステアリングミラーを備えていて、自機よりも高い位置にいる目標をFLIRで捉えることもできる。ただ目標上空を通過する際にミラーの可動範囲を超えてしまい、追尾が外れることがあるらしい。撮影画像が表示されたMFDの画面上で目標を指示する際は、スロットル・レバーにあるCSS（Cursor Slew Switch）を操作して目標指示カーソルを目標に合わせる必要があるが、スイッチの応答性に問題があり、カーソルを迅速的確に目標へと動かすのにコツがいる（中途半端な速度でしかカーソルが動いてくれないらしい）ようで、慣れるまではアメリカ空軍規定の手順通りに目標指示を行えないという問題を指摘されている。長さ851mm、幅493mm、高さ699mm、重量88kg。センサー窓開口部の最大長は127mm、最大幅も127mm。2007年5月にロッキード・マーチン社が所有するセイバーライナー65に搭載してテストが開始され、2009年7月に量産型が引き渡され、2010年8月からB737-300キャットバードでの飛行テストを行っている。参考：月刊航空ファン5,’11、月刊軍事研究5,’14、7,’10、5,’11、月刊JWings1,’19

＜ＡＮ／ＡＡＱ−４５＞：アメリカ軍の赤外線対抗装置、略称DAIRCM（分散開口赤外線対抗）。AH-1Z、UH-1Y、HH-60G、HH-60Wに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＲ−４４＞：アメリカ軍の赤外線警報装置で、ミサイル警報装置として使用される。搭載機の下方も探知でき、発射された地対空ミサイルの動きを追尾できる。参考：図解現代の航空機

＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７シリーズ＞：アメリカ軍のミサイル警報装置、別名IRMWS（赤外線ミサイル警報装置）。ローラル社（シンシナティ・エレクトロニクス社？）が1983年に開発した。参考：月刊JWings2,’04、12,’18、1,’19、月刊軍事研究3,’04

　＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７（Ｖ）＞：

　＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７（Ｖ）１＞：ミサイルの発射炎を赤外線センサーで探知して警告を出すと共に、AN/ALE-39/-40/-47などの対抗手段を作動させる。接近しないミサイルは無視する。参考：月刊JWings2,’04、12,’18、月刊軍事研究3,’04

　＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７（Ｖ）２＞：赤外線センサーに加えてレーザー警戒センサーを搭載したもの。参考：月刊JWings12,’18

　＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７Ａ（Ｖ）２＞：(V)2に紫外線センサーを加えたもの。参考：月刊JWings12,’18

　＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７Ｂ（Ｖ）２＞：A(V)2にクラッター除去能力強化などの改修を加えたもの。参考：月刊JWings12,’18

＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＡＲ−４７Ａ（Ｖ）２＞：自衛隊のミサイル警報装置。CH-47JA（国際任務対応型）・（勢力維持改修型）に搭載されている。五甲商事またはエヌ・ティ・ケー・インターナショナルが受注している。参考：月刊軍事研究12,’11、3,’15

＜ＡＮ／ＡＡＲ−４９＞：アメリカ軍のFLIRポッド。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＡＲ−５０＞：アメリカ軍のFLIRポッド、別名TINS。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＡＲ−５４（Ｖ）＞：アメリカ軍のミサイル接近警報装置で、AN/AAQ-24(V)LAIRCMを構成する。AN/AAR-47の改良型で、紫外線センサーを搭載し、ミサイルからの紫外線を探知することで探知距離を増加させている。RS-422バスを介してAN/ALQ-211などの統合電子戦システムにデータを送ることも可能。ロケット噴射炎から放出される紫外線を探知するので、ロケット燃焼フェーズが終了して慣性で接近してくるミサイルは探知できないのが欠点である。航空自衛隊も採用し、伊藤忠アビエーションが受注、UH-60Jなどに搭載した。参考：月刊JWings2,’04、5,’19、月刊軍事研究10,’08、12,’18

＜ＡＮ／ＡＡＲ−５５＞：アメリカ海軍の航法用FLIRポッド、別名NAVFLIRポッド。F/A-18戦闘攻撃機に搭載されている。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＡＮ／ＡＡＲ−５６＞：アメリカ軍のミサイル警報装置。F-22Aに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＲ−５７（Ｖ）＞：アメリカ軍の共用ミサイル警報装置CMWS。警戒アンテナ、電子制御ユニットECU、改良型対抗装置ディスペンサーICMDからなる。装備機には丸窓付きフェアリングを装着し、内部に電子光学ミサイルセンサーEOMSを収容する。アメリカ陸軍ヘリ・固定翼機が機体生存性装置改修で装備した。参考：月刊航空ファン2,’11、5,’16

＜ＡＮ／ＡＡＲ−６０（Ｖ）＞：自衛隊のミサイル警報装置。UH-60J、SH-60K、MCH-101に搭載されている。住友商事または研電が受注している。参考：月刊軍事研究9,’10、11,’12、5,’13、10,’18

＜ＡＮ／ＡＡＲ−６０（Ｖ）２＞：ドイツのヘンゾルトが開発したミサイル警報で、別名MILDS-F（戦闘機用ミサイル発射探知システム）。ロケットモーターの紫外線を探知して警報を出すと共に、AN/ALQ-213と連動して対抗手段を自動的に作動させる。ヨーロッパ各国のF-16AM/BMに搭載された。参考：月刊軍事研究10,’18

＜ＡＮ／ＡＡＳ−１８＞：アメリカ空軍RF-4C偵察機が搭載する赤外線ラインスキャナ。進行方向左右の地表面を走査し、放射熱の変化を画像化する。カモフラージュされた物体や、残置赤外線の探知も可能。左右120度ずつをカバーする。温度差を画像化するため、雨天などで差が曖昧になると使いにくい。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究5,’11

＜ＡＮ／ＡＡＳ−２１＞：アメリカ空軍RA-5C用遠赤外線探知記録システム。胴体下偵察ポッドSta.7の内部に収容されており、撮影時は前部のスライドドアが開き、スキャナーが露出する。同時にスキャナーの４角面鏡（偏流角プラスマイナス10度、ロール角プラスマイナス12度で安定化される）が毎秒400回転し、地表左右140度から放射される遠赤外線を毎秒400本の走査線画像としてキャッチする。この遠赤外線は平面反射鏡４枚と曲面反射鏡２枚により、マイナス247℃に冷却された６チャンネル高感度検知器に焦点を結び、電気信号に変換され、グロウ・モジュレーター管で光学信号に転換され、長さ76m・幅0.127mのフィルムに記録される。高空では遠赤外線放射が弱くなるため、低空飛行で撮影を行うが、高度1000フィート（305m）からなら幅1.6km・長さ550kmをカバーできる。物体内部からの放射熱を探知できるので、人が室内にいるかいないか、直前に活動を行ったかどうかも判別可能。航空機の写真を撮れば、エンジン始動中の機体ならエンジンと排気が白く写り、帰投してすぐの機体はエンジンのみが白くなっており、日中に駐機したままの機体は全体が白く光り、高々度飛行から帰った機体は燃料タンク内の燃料が冷却されていて黒くなる。滑走路の写真からは離陸した機体の残留ジェット排気を検知することもでき、濃淡を見れば何分前に離陸したかまで推測可能である。参考：A-5ビジランティ

＜ＡＮ／ＡＡＳ−３５シリーズ＞：アメリカ空軍のレーザー・スポット・シーカー（レーザー照射目標捜索追尾）システム、別名ペイブ・ペニー（Pave Penny）。マーチン・マリエッタ社が開発した。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＡＳ−３５＞：先端が赤外線だけを透過する半透明ドームとなっており、内部にレーザーシーカーを収容、ジャイロ安定化ジンバルで支えてある。シーカーは下げ角がプリセット式であり、目標スラントレンジを8km以下／8-16km／16km以上の３段階、予想目標上高度を300mごとで入力すると、自動的に位置を調整してくれる。左右は自由にスキャンすることが出来、左右10度ずつの狭視野と20度ずつの広視野を切り替えられる。水平捜索飛行で使用するのがレベル・モードで、シーカーが左右に首を振りながらスキャンを行い、地上の人員や航空機などが装備するレーザー照射装置により目標に照射されたコード化パルスレーザーの反射波をキャッチするとスキャンを停止して目標をロック、HUDとADI（姿勢方位表示器）に表示する。HUDには◇のシンボルとプラス30からマイナス900の範囲でミル数が表示され、目標がHUDの視野から外れた位置にある場合でもシンボルの方位とミル数から位置の推定ができる。シンボルの中心点と照準点は点線で結ばれるので、目標方位の判定が容易。再攻撃に使用するのがダイブ・モードで、レーザーを照射されていると分かっている目標をHUDの機関砲発射中心線で捉えると自動的にロックオンしてくれる。レーザー照射機能は持たないので、自分で目標にレーザーを照射したり、レーザーで測距したりすることはできない。また、電子光学システムなので、夜間悪天候時には使えない。A-10攻撃機の機首右側面にある着脱式アダプターパイロンや、A-7Dの機首下面中心線上（取り外し不可）に装備されており、後者はレーザー目標識別セットTISLと呼ばれる。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊軍事研究2,’09

＜ＡＮ／ＡＡＳ−３５（Ｖ）＞：イスラエル空軍も採用している。参考：月刊JWings9,’01

＜ＡＮ／ＡＡＳ−３６＞：アメリカ軍のFLIR。P-3Cに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＳ−３６海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＡＳ−３６（自衛隊）＞：自衛隊のP-3C用赤外線探知装置。参考：月刊軍事研究11,’12

＜ＡＮ／ＡＡＳ−３８シリーズ＞：アメリカ海軍F/A-18用FLIR／ターゲッティングポッド。参考：月刊JWings8,’13

　＜ＡＮ／ＡＡＳ−３８＞：FLIRポッド。参考：月刊JWings8,’13

　＜ＡＮ／ＡＡＳ−３８Ａ＞：レーザー測距照準装置を追加したタイプで、別名LTD/R（レーザー目標照射・測距）。参考：月刊JWings8,’13

　＜ＡＮ／ＡＡＳ−３８Ｂ＞：別名ナイトホーク（Nitehawk）。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４２＞：F-14Dに搭載されたIRSTで、ロッキード・マーチン社製。搭載する赤外線フォーカルプレーンアレイの素子数は256個で、液体窒素で冷却され、探知スペクトルは8-12ミクロン。センサーヘッドは全長965mm、直径234mm、重量52.2kgで、視野角は上下左右70度ずつ。プロセッサーは全長470mm、重量19kg。F-14Dではセンサーヘッドを機首下面に、プロセッサーを機内に収容しているが、全体をポッドに搭載することもできる。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４４シリーズ＞：アメリカ軍の赤外線・レーザー探知測距追尾装置。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４４＞：レイセオン社製の赤外線探知測距追跡セット（IRDRTS）。レーザー測距器やFLIRなどの電子光学／赤外線センサーを球状のターレットに収容している。SH-60Bなどに搭載可能。参考：月刊軍事研究9,’04

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４４Ｃ（Ｖ）＞：アメリカ軍のマルチスペクトル・ターゲッティング・センサーMTS。MH-60R/Sブロック３の機首に搭載可能。参考：月刊世界の艦船12,’17

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４４海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４４−Ｎ１＞：海上自衛隊の赤外線探知装置で、SH-60Kが装備する。富士通製。参考：月刊軍事研究3,’07、12,’08

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４４−Ｎ３＞：自衛隊の赤外線探知装置で、SH-60Kが装備する。富士通製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４４−Ｎ４＞：自衛隊の赤外線探知装置で、MCH-101が装備する。富士通製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜ＡＮ／ＡＡＳ−４６＞：F/A-18ホーネットが搭載する目標捕捉用FLIRポッドで、TFLIRポッドと呼ばれる。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＡＮ／ＡＡＳ−５０＞：アメリカ軍のFLIRポッド。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＡＳ−５１＞：アメリカ軍の赤外線・レーザー探知測距追尾装置。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＳ−５２（Ｖ）＞：アメリカ軍のマルチスペクトル・ターゲッティング・センサー（MTS-A）。レーザーによる目標指示が可能。AC-130J、MC-130J、MQ-1L、MQ-4C、MQ-9Aに搭載された。参考：月刊軍事研究12,’17、月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＳ−５３＞：アメリカ軍のセンサー、略称CSP（共用センサー・ペイロード）。MQ-1Cに搭載された。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＡＷ−１３＞：アメリカ海軍のデータリンクポッド。AGM-84H/K SLAM-ERやハープーン・ブロック�Vなどの運用に使うもので、下部に放熱フィンを持つ。参考：月刊JWings4,’10

＜ＡＮ／ＡＥＳ−１＞：アメリカ海軍LCS用対機雷戦ミッションパッケージ海面付近探知モジュールで、ALMDS（Airborne Laser Mine Detection System、空中レーザー探知システム）と略す。ノースロップ・グラマン社が開発した。円筒形のポッド状をしており、BRU-14Aボムラックを介してSH-60/MH-60Sの胴体左パイロンに搭載し、先端の四角い窓からブルー／グリーン・レーザーを海中に向け扇状に照射、カメラ４台（ポッド後部下面ノッチ部分にカメラ窓がある）により三次元画像を取得して機内の画像モニターに映し出し、機上オペレーターがポストミッション分析ツールを使用して機雷と思われる映像を識別する。水上目標の探知も可能。全長107インチ（2.7m）、直径21インチ（0.53m）、重量820ポンド（372kg）。2019年までに45基を導入予定で、2007年に最初の量産型が納入されており、2010年5月から低率初期生産され、2014年から実戦配備された。参考：月刊軍事研究8,'15、2,’12、9,’10、4,’12、12,'04、月刊JWings12,’14、2,’15、5,’07、朝雲

＜ＡＮ／ＡＥＳ−１海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＥＳ−１（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の機雷探知装置。2012年2月、ノースロップ・グラマン社に住友商事を介して４基を直接発注した（アメリカ軍は関与しない）。MCH-101のパイロンに装着して使用する。参考：朝雲、月刊JWings12,’14、月刊軍事研究8,’13

＜ＡＮＡＦＩ＞：陸上自衛隊の空中撮影装置。民間の空撮用ドローンを災害時用器材として導入したものである。災害時以外でも偵察任務に投入できるよう、部隊訓練評価隊で運用研究を進めており、空中撮影装置（ANAFI）ハンドブックを作製して各部隊に配布している。参考：朝雲

＜ＡＮ／ＡＩＣ−２２Ｂ（Ｖ）−２＞：自衛隊の交話機。長野日本無線製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜ＡＮ／ＡＫＴ−２２（Ｊ）＞：海上自衛隊のHSS-2B用音響信号伝送装置。ソノブイ信号をVHF受信機で受信し、母艦にUHF帯のFM多重方式で送信する。送信チャンネル数20。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＡＬＥ−１＞：アメリカ空軍のチャフ・ディスペンサー。A-6ディスペンサーの改修型で、シュート内部に２×10インチ（50.8×254mm）の箱が収められており、投下されると空気抵抗で箱が開いて内部のチャフが散布される。B-47、B-52B（胴体後部側面に８基）、B-66、EB-66Bなどに搭載された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊エアワールド9,’00

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２＞：アメリカ軍のチャフ・ディスペンサー。テレダイン・ライアン社の開発で、AN/ALE-1を戦闘機搭載用に改造しており、チャフの束を厚紙箱にパッケージしている。F-84、F-86、B-57、T-33、EB-66B、EKA-3B、EF-10Bなどに搭載された。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＮ／ＡＬＥ−６＞：アメリカ軍のチャフ・ディスペンサー。A-6ディスペンサーの改良型で、バンカー・ラモ社が開発した。制御装置を更新し、インターバロメータを搭載している。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＮ／ＡＬＥ−７（Ｈ）＞：自衛隊のCH-47JA搭載用チャフ・フレアディスペンサー。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究8,’07

＜ＡＮ／ＡＬＥ−１８＞：アメリカ軍のチャフ・フレアディスペンサー・ポッド。A-6攻撃機に搭載可能。参考：月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２０＞：アメリカ軍のフレア・ディスペンサー。B-52C-Hに６基が搭載されている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２２＞：アメリカ軍のチャフ・フレアディスペンサー・ポッド。NKC-135に搭載されている。参考：月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２４＞：アメリカ軍のチャフ・フレアディスペンサー。AN/ALE-27のチャフ・マガジンを５つにしたものである。B-52G/Hの内外フラップ間に左右４個ずつ装備されている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２５＞：アメリカ軍のチャフ・ロケット・ディスペンサー。ポッド内にADR-8Aチャフ・ロケット弾20発を収容し、機体の進行方向にチャフを散布する。B-52G/Hに搭載可能。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２７＞：アメリカ軍のチャフ・ディスペンサー。AN/ALE-1の改良型で、チャフ・マガジンを２つに増やし、散布サイズ、撒布界数、散布間隔を制御可能とした。B-52C-Fに８基が搭載されている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２９シリーズ＞：アメリカ海軍のチャフ・フレアディスペンサー。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＥ−２９＞：AN/ALE-40に相当する。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−２９Ａ＞：ペイロードユニット30本が収容されており、ガス圧で射出される。プログラムによる自動撒布、操縦桿のボタン操作による手動撒布が可能。参考：世界の傑作機No.1、No.3

＜ＡＮ／ＡＬＥ−３２＞：アメリカ軍のチャフ・ディスペンサーで、ランディ社製。チャフ・パッケージ156-270個を収納したマガジン３個を搭載している。EA-6Aに装備された。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＮ／ＡＬＥ−３７＞：セルス・エンジニアリング社製チャフ・ディスペンサー。チャフ・カートリッジ240個を搭載しており、散布可能速度1110km以下、形成可能なRRC長500-19800m。チャフ散布速度0.25-2秒、散布時間1-8分間（シングルモード）／0.5-4分（ダブルモード）。全長2.207m、幅0.432m、高さ0.297m、全備重量128kg（うちチャフ重量45kg）。参考：月刊エアワールド9,’00、航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＥ−３８＞：アメリカ海軍の外装式チャフ・ディスペンサーで、MBA社が開発した。最大で６本のチャフ・ロールを搭載でき、チャフは２枚のフィルムの間に切断済みで挿入されている。全長3.38m、直径0.5m、空虚重量125kg、チャフ収容時重量260kg。チャフ・ロールは全長320mm、直径330mm、重量20kgで、グラス・チャフまたはアルミ・チャフを収容している。電動モーターでフィルムを巻き取りながら、ラムエアタービンで散布する。散布速度は毎秒4.6kg。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＮ／ＡＬＥ−３９＞：アメリカ海軍・海兵隊のチャフ・フレアディスペンサーで、グッドイヤー社が開発した。30発入りディスペンサー２基１組で搭載し、最大60発のチャフ（RR-129、RR-144など）、フレア（MJU-27/B、MJU-32/B、MJU-38/B、MJU-49/Bなど）、ジャマーカートリッジを射出できる。参考：月刊JWings6,’15、図解現代の航空戦

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０シリーズ＞：アメリカ軍の第１世代チャフ・フレアディスペンサー。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）＞：1974年からトラコア社が開発し、1977年から搭載された。２個のペイロードマガジンがあり、MJU-11/Aチャフ・フレアマガジン（チャフ30発入り）またはMJU-12/Aフレアマガジン（フレア15発入り）を装着する。チャフ・カートリッジはRR-170Aグラス・チャフまたはRR-170Bアルミ・チャフで、周波数帯に合わせて予め切断してある。射出間隔は0.1から0.4秒まで４段階で、１回あたり1-4発または８発または連続射出が可能。チャフを射出してからレーダーのブロックが生じるまでには0.5秒かかる。フレア・カートリッジはMJU-7/B。参考：月刊軍事研究4,’04、月刊JWings7,’14

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）−１＞：F-4用。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）−２＞：F-4用。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）−３＞：F-4用。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）−４＞：F-16用。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）−５＞：F-16用。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）−６＞：F-16用。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４０（Ｖ）−１０＞：A-10A用。参考：月刊軍事研究4,’04

　＜Ｍ１３０＞：陸軍仕様。M1チャフまたはM206フレア・カートリッジを30基搭載できる。参考：世界の傑作機No32

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４１＞：アメリカ空軍のチャフ・ディスペンサー・ポッド。AN/ALE-38とほぼ同じチャフ・コリドー形成用で、照射されたレーダー波の半波長の長さにチャフ・ロールを切断しながら散布する。参考：月刊航空情報2,’10、月刊エアワールド9,’00

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４１海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４１（航空自衛隊）＞：航空自衛隊のチャフ・ディスペンサー・ポッド。F-4EJ、T-33、T-2、T-4、EC-1に搭載可能。参考：月刊JWings2,’19

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４３＞：アメリカ軍のチャフ・ディスペンサー・ポッドで、ランディ社が開発した。全長3.37m、直径0.48m、重量283.5kg（外装式）／200kg（内装式）。外装型では８本、内装型では９本のチャフ・ロールを搭載しており、散布時にA-Kバンド帯の長さに合わせて高速切断する。チャフ散布速度は毎秒4.6kg。参考：月刊エアワールド9,’00

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４４＞：アメリカのランディ社が開発したチャフ・フレアディスペンサー・ポッド。１・２・４・８発または連続的にチャフを射出でき、射出間隔も毎秒0.5・１・２・４発と調節できる。一度に２発ずつの射出も可能。参考：図解現代の航空戦、月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４５＞：アメリカ空軍F-15戦闘機用チャフ・フレアディスペンサーで、CMDS（対抗手段散布システム）と略す。トラコア社が開発した。戦術電子戦システムTEWSの構成部分の１つで、AN/ALR-56レーダー警戒装置と連動する。マガジン２個を収納でき、１個あたりチャフ30発またはフレア15発を収容する。参考：月刊軍事研究4,’04、8,’16

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４５海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４５（Ｊ）＞：自衛隊のチャフ・フレアディスペンサー。山田洋行が受注し、F-15Jに搭載されている。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４７＞：アメリカ軍の第２世代型チャフ・フレアディスペンサー、別名CMDS（Counter Measure Dispenser System）。AN/ALE-39の後継で、海軍用にトラコア社が開発し、後に空軍も採用した。モジュール式で、マガジン１個あたりR-129/Aチャフ30発とM206またはM211またはMJU-50/BまたはMJU-51/BまたはMJU-53/BまたはMJU-62/Bフレア30発を搭載する。これをディスペンサー１個につき２基ずつ搭載し、ディスペンサー２個で１セットとなる。参考：月刊軍事研究3,’04、12,’18、月刊航空ファン7,’19

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４７海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＬＥ−４７（自衛隊）＞：自衛隊のチャフ・フレア射出装置。丸紅が受注している。参考：月刊軍事研究11,’11

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４７（Ｈ）＞：自衛隊のチャフ・フレアディスペンサー。CH-47JAが装備する。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４７ＰＪ＞：自衛隊のチャフ・フレア射出装置で、SH-60KとMCH-101が装備する。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究8,’08

＜ＡＮ／ＡＬＥ−４９＞：アメリカ空軍のチャフ・フレアディスペンサー、別名射出式妨害システム（EXpendable CounterMeasures）、略称EXCM。MJU-23A/Bフレアなら最大12発、RR-170/ALまたはRR-180/ALチャフなら最大120発を収容可能。B-1B爆撃機の機体左右に４基ずつ搭載される。参考：月刊軍事研究10,’17

＜ＡＮ／ＡＬＥ−５０＞：アメリカ軍の曳航式デコイ・システム（TDS）。レイセオン社が開発し、A-6E用としてアメリカ海軍が導入、1990年代後半には空軍もB-1Bなどに装備した。光ファイバー内蔵ケブラー・鋼鉄製ケーブルで曳航され、電波信号を発生してレーダー誘導式ミサイルを惑わせる。ケーブル直径20mm、標準ケーブル繰り出し長25-1000m。F/A-18に搭載したところ、アフターバーナー点火時に曳航ケーブルが焼けるという欠点が見つかり、ケーブルを機体から確実に離す方策を取った。F-16戦闘機の場合、Sta.2/8のパイロンアダプターを換装して内部に収容、後縁から繰り出す。F/A-18E/Fの場合、T-3F射出装置を搭載し、キャニスター３基を収容してデコイ３つを使用する。B-1Bは統合型多機能プラットフォーム射出制御装置IMPLC（Integrated Multi-Platform Launch Controller）２基に４つずつ収容する。アライド・フォース作戦ではB-1BがSAMを５回回避した。参考：月刊JWings4,’04、1,'24、月刊軍事研究10,’17、4,’04、6,’10

＜ＡＮ／ＡＬＥ−５５＞：BAEシステムズ社が開発した曳航式デコイ、別名光ファイバー曳航式デコイ、略称FOTD。AN/ALQ-214電子戦装置やAN/ALR-67レーダー警戒装置などから得た脅威データを元に、必要に応じて光ファイバー内蔵ワイヤーにより展張され、敵レーダー波の擬似電波を放出するなどして囮の役目を果たす。参考：月刊JWings4,’04、月刊軍事研究4,’04、11,’15

＜ＡＮ／ＡＬＥ−５６＞：アメリカ軍のカウンターメジャー・ディスペンサーポッド、別名マングーズ。F/A-18、QF-4、AH-1W/Zに搭載可能。参考：月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＥ−５８＞：アメリカ軍の曳航式デコイ。LAU-128/Aランチャー後端に装着でき、パイロンを潰さない。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ＡＮ／ＡＬＥ−７０（Ｖ）＞：アメリカ海軍のF-35用曳航式デコイ。機体からT-1687デコイを繰り出してケーブルで曳航し、レーダー誘導と赤外線受動誘導の両ミサイルに対応する。BAEシステムズ社が2021年3月までに完成させる予定。参考：月刊JWings11,’18

＜ＡＮ／ＡＬＱ−３１シリーズ＞：アメリカ海軍の雑音電波妨害（ノイズ・ジャミング）ポッドで、マクダネル・ダグラス社が開発した。複数のECM装置を収容し、地対空ミサイル及び要撃機のレーダーを妨害する。参考：A-5ビジランティ、月刊JWings12,’13、空軍

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−３１Ａ＞：AN/ALQ-32/-35/-41/-51/-55のうち２基を選んで搭載できるタイプ。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−３１Ｂ＞：AN/ALT-16/-17/-19/-21のうち１基を搭載できるバラッジ・ジャミング型。参考：世界の傑作機No.118

＜ＡＮ／ＡＬＱ−４１＞：アメリカ海軍の欺瞞器材。サンダース社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−４９＞：アメリカ海軍の欺瞞器材。サンダース社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−５１＞：アメリカ海軍の欺瞞・電波妨害装置。サンダース社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−５３＞：アメリカ海軍のパッシブECM受信システムで、ロラール社が開発した。500Hzから2.65GHz（ＣバンドからＪバンド）のレーダー波を受信して分析し、発信源方位を測定できる。EA-6Aに搭載されたが、完成当初はトラブルが続出し、1967年11月に改良型のAN/ALQ-86が完成するまで配備部隊を悩ませた。参考：月刊軍事研究8,’99、月刊JWings12,’13、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−５５＞：アメリカ海軍のアクティブ電子戦器材。ノイズ電波を照射して敵の迎撃管制通信を妨害する。サンダース社製。参考：A-5ビジランティ、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−５８＞：アメリカ空軍の欺瞞用ECM装置。リットン社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−５９＞：アメリカ空軍の妨害用ECM装置。ハリクラフター社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−６１＞：カトラーハンマー社AIL部門が開発したパッシブ電子戦情報システムで、RA-5Cに搭載されている。全周または左右半分のみの監視が可能で、敵防空レーダーの特徴や照射方位を磁気テープに記録する。56分または112分の連続記録が可能。参考：A-5ビジランティ

＜ＡＮ／ＡＬＱ−６３＞：アメリカ空軍の欺瞞用ECM装置。リットン社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−６７＞：アメリカ陸軍の妨害用ECMポッド。シルバニア社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−７０＞：アメリカ空軍の妨害用ECM装置。レイセオン社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−７１＞：アメリカ空軍のポッド式機上電波妨害装置、開発計画名QRC-160コンパスロビン。ベトナム戦争中の1966年11月に実用化され、1967年1月には全攻撃機が装備した。円筒形ポッド下面にブレードアンテナが何枚か付いている（数や形はバージョンにより違う）。S-75地対空ミサイルの射撃統制レーダーをノイズ・ジャミングで妨害する。運用周波数帯1-8GHz（2-4GHz？Ｓバンド）。ヒューズ社製。参考：月刊軍事研究4,’04、月刊JWings12,’13、11,'20、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−７２＞：アメリカ空軍のポッド式機上電波妨害装置で、ベトナム戦争中に実用化された。MiG戦闘機の火器管制レーダー妨害用で、ノイズ・ジャミング方式、運用周波数帯9-20GHz（8-12.5GHz？Ｘバンド）。ヒューズ社製。参考：月刊軍事研究4,’04、2,’13、月刊JWings12,’13、11,'20、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−７５＞：アメリカ空軍のノイズ・ジャミング・ポッド。F-101、F-105、F-4、B-52、B-57、RB-66に搭載可能。ヒューズ社製。参考：月刊JWings12,’13、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−７６＞：アメリカ海軍の電波妨害装置。AN/ALQ-53が測定したレーダー信号の内、脅威となる電波に対し妨害（ノイズ・ジャミングまたはデセプション・ジャミング）を実行する。ジャマー４基と送信用アンテナ、ラムエアタービン発電機を１つに纏めており、ポッド式に外装する。レイセオン社が開発したが、1960年代の電子技術ではいささか荷が重く、開発スケジュールが遅れたため、AN/ALT-6Bジャマーを臨時に搭載した「Ｕパック」と呼ばれる暫定バージョンを1968年の完成まで使用した。参考：月刊軍事研究8,’99、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−７７＞：アメリカ空軍のノイズ・ジャミング・ポッド。F-4やB-52に搭載可能。参考：月刊JWings12,’13、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−７８＞：アメリカ海軍P-3CのESMシステム。P-3A/Bに搭載されていたECM-DFの代わりに装備したもので、電波発信源探知だけでなく、電波パターンを解析して目標を識別することも可能である。参考：日本の防衛戦力Part7、月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＱ−８０＞：アメリカ陸軍の妨害用ECM装置。ハリクラフター社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−８１＞：アメリカ海軍の欺瞞用ECMポッド（トラック・ブレーカー）。運用周波数帯Ｓバンド（2-4GHz）。サンダース社製。A-6やA-7に搭載された。参考：月刊JWings12,’13、11,’20、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−８３＞：アメリカ海軍の欺瞞用ECMポッド（トラック・ブレーカー）。運用周波数帯Ｃバンド（4-8GHz）。サンダース社製。A-6やA-7に搭載された。参考：月刊JWings12,’13、11,’20、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−８６＞：アメリカ海軍のパッシブECM受信システムで、AN/ALQ-53の改良型。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ＡＮ／ＡＬＱ−８７＞：アメリカ空軍のポッド式機上電波妨害装置。ジェネラル・エレクトリック社製で、ベトナム戦争中に実用化された。対空火器の射撃統制レーダーなどに対するバラッジ・ジャミング用で、運用周波数帯は4-8GHz（Ｃバンド）。後に1-8GHz（Kuバンド＋Ｃバンド）まで運用範囲を拡大した。参考：月刊軍事研究4,’04、空軍、月刊JWings11,’20

＜ＡＮ／ＡＬＱ−８９＞：アメリカ海軍の妨害用ECM装置。サンダース社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９１＞：アメリカ海軍の妨害用ECM装置。サンダース社及びマグナボックス社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９２＞：アメリカ海軍の妨害用ECM装置。サンダース社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９３＞：アメリカ空軍の妨害用ECM装置。レイセオン社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９４＞：アメリカ空軍の欺瞞用ECM装置。サンダース社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９８＞：アメリカ海軍の妨害用ECM装置。ジェネラルインスツルメント社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９シリーズ＞：アメリカ海軍のECM装置で、通称TJS（戦術電波妨害装置）。EA-6B電子戦機の中核をなすポッド外装式電波妨害機材で、EF-111AやEF-18Gにも搭載された。参考：月刊軍事研究8,’99、飛行機のしくみ、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９＞：システム用統合受信機SIRのアンテナ群と、ジャマー２台・送信アンテナ・発電用ラムエアタービンを内蔵した重量430kgの外装ポッドからなる。これらはAN/AYA-6機上コンピュータで一元管理され、自動化されている。AYA-6は航法計算も行える。VHF、Ａバンド、Ｃバンド、E-Gバンドの４つに対処可能周波数を絞っており、ソ連の警戒レーダーとS-75地対空ミサイル用RSN-75射撃指揮レーダーを妨害対象としていた。ジャミング出力は2kWで、単一電波源へのスポット・ジャミング、２つの電波源に対するデュアルスポット・ジャミング、全方位へのノイズ・ジャミングの３モードを持つ。運用モードは自動（脅威選別と対抗をコンピュータが全て実施）、半自動（脅威選別をコンピュータ、対抗を電子戦操作員が実施）、手動（脅威選別と対抗を電子戦操作員が全て実施）の３種があり、通常は手動モードで妨害を行う。参考：月刊軍事研究8,’99、スパイ機

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９Ａ＞：対応バンドを８バンドに増加させたタイプ。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９Ｂ＞：マイナーチェンジ型。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９Ｃ＞：マイナーチェンジ型その２。参考：月刊軍事研究8,’99

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９Ｄ＞：受信機をデジタル化したタイプで、妨害周波数帯が８帯域に増えた。1970年代後期に開発された。参考：月刊軍事研究8,’99、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９Ｅ＞：EF-111A用で、全システムを機内に収容し、自動化を徹底してワンマンオペレーションを可能としたタイプ。アンテナは垂直尾翼上端フェアリングに６つ、垂直尾翼左右のフェアリングに計４つ収容されており、全周捜索・方向探知機能を持つ。フェアリング内には受信分析器が収容されており、データはIBM社製AN/AYA-6デジタルコンピュータに送られる。航法計算はF-111が元々搭載していた航法コンピュータが行うので、AYA-6は電波解析のみに専念することができ、１名の電子戦士官（EWO）による妨害を可能とした。デジタルジャミング、アクティブ／パッシブシステム完全分離などの特徴を持つ。完全自動モード（探知識別妨害を全て自動で行う）、半自動モード（探知識別と妨害器の指定を自動で行う）、手動操作モード（探知識別妨害を全て手動で行う）の３モードを有する。対象周波数30-18000MHz。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究8,’99、スパイ機、ザ・マーチ17号

＜ＡＮ／ＡＬＱ−９９Ｆ＞：1980年代に登場したタイプで、対応周波数を９バンドに増加させた。また、ユニバーサル・エキサイターを採用し、ポッド１基でローバンド（64-300MHz）とハイバンド（7.55-40GHz）の２つの周波数帯に同時妨害（ポッドは最大５基搭載できるので妨害波10種類を送信可能）をかけられるようになった。レーダーに対してはデセプション・ジャミング、通信妨害にはノイズ・ジャミングを行う。EA-18Gでも運用可能で、通常はポッド３基を搭載するが、AGM-88HARMを積まなければ５基に増やせる。参考：月刊軍事研究8,’13、8,’99、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１００＞：アメリカ海軍の内蔵式欺瞞・妨害用ECM装置（トラック・ブレーカー）。サンダース社製。F-4戦闘機に搭載された。参考：月刊JWings11,'20、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０１シリーズ＞：アメリカ空軍のジャミングポッド。計画名はQRC-288で、ウエスティングハウス社が開発した。ノイズ・ジャミングとデセプション・ジャミングの両方が可能である。参考：月刊JWings11,'20、12,’13、空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０１＞：本体は円筒形をしている。参考：月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０１（Ｖ）３＞：本体形状が円筒型を上下に２つ重ねたタイプとなった。参考：月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０１（Ｖ）４＞：

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０１（Ｖ）６＞：

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０１（Ｖ）８＞：

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０１（Ｖ）１０＞：

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０２＞：アメリカ海軍の妨害用ECMポッド。ジェネラルインスツルメント社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０４＞：アメリカ陸軍の赤外線妨害装置。アブコ社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１０７＞：アメリカ陸軍の赤外線妨害装置。アブコ社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１４＞：アメリカ海軍の欺瞞用ECM装置。マグナボックス社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１７＞：アメリカ空軍の欺瞞・妨害用ECM装置。ITT社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１８＞：アメリカ空軍の妨害用ECM装置。スコープ社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９シリーズ＞：アメリカ空軍のECMポッドで、ウェスティングハウス社製。先端の尖った細長い円筒の下に、角を丸くした細長い直方体を継ぎ足し、前部下面にフェアリングを装着したような形状をしていて、容量10kVAのラムエアタービン発電機と３つの周波数帯域に対応するモジュールで構成される。ノイズ・ジャミングとデセプション・ジャミングの両方を行うことができるが、脅威電波情報はAN/ALR-46やAN/ALR-69といったレーダー警戒装置から得る必要がある。AN/ALR-46では脅威電波情報を手入力していたが、AN/ALR-69では自動入力が可能となった。モジュールを交換することで各周波数帯に対応するので、1980年にはモジュール別に(V)-1から(V)-14まで14種類が存在していたが、更に数種類追加されたようである。F-4戦闘機のAIM-7用レセスに装着できる。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings12,’13、月刊軍事研究10,’15

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−４＞：重量256kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−７＞：重量256kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−８＞：重量139kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−１０＞：E/Pバンド用。全長3.932m、幅0.318m、高さ0.536m、重量256kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−１１＞：重量178kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−１２＞：G/Hバンド用。全長3.932m、幅0.318m、高さ0.536m、重量263kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−１３＞：重量145kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−１４＞：I/Jバンド用。重量184kg。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１１９（Ｖ）−１７＞：本体は中央前方４分の１ブロックを中抜きしたショートバージョンである。参考：月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１２２＞：アメリカ空軍の妨害用ECM装置。モトローラ社製。参考：空軍

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１２８＞：アメリカ空軍のECM装置で、EWSS（電子戦警戒セット）と略す。F-15戦闘機のTEWSを構成し、AN/ALR-56が探知したレーダーに対して左垂直尾翼頂部円筒形フェアリング内のアンテナから妨害電波を出して妨害する。参考：月刊軍事研究11,’16、8,’16

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３１シリーズ＞：アメリカ空軍の電子戦ポッド。計画名はQRC-559で、ウェスティングハウス社が開発した。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３１＞：AN/ALQ-119の後継で、各種波長の電波にプログラム変更のみで対応可能となった。また、脅威電波の分析装置も搭載しており、別にレーダー警報システムを積む必要が無い。ノイズ・ジャミングとディセプション・ジャミングの両方を実施可能。キャニスターはボックス上部前後に送信アンテナ用ドームが付く形状で、全長2.21m-3.99mまで８種類あるらしいが、通常は全長2.819mのもののみを装備している。全長2.819m、幅0.297m、高さ0.625m、重量272kg（306kg？）。容量9.4kVAのラムエアタービン発電機を持つ。箱形形状なので、空気抵抗が大きいという欠点がある。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings12,’13、11,’20

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３１（Ｖ）＞：改良型。参考：月刊JWings7,’14

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３１ＥＡＰＵＰ＞：EAPUPはElectronic Attack Pod Upgrade Programの略。改良ついでにデジタル化するもので、ノースロップ・グラマン社が担当する。参考：月刊航空ファン11,’19

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３１海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３１（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の電子戦ポッド。RF-4E用として14基を導入した。F-4EJ改にも搭載できる。参考：月刊JWings7,’14

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３１用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究7,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３５＞：アメリカ空軍の機内収容型ECM装置、別名内蔵対抗手段セット（Internal Countermeasures Set）、略称ICS。妨害帯域としてバンド1-3が割り振られており、広帯域の妨害が行える。TEWSを構成する。参考：月刊軍事研究11,’16、8,’16

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１３６＞：アメリカ陸軍RC-12D信号情報収集機が搭載するI/Jバンドジャマー。9K31用ガンディッシュ管制レーダーなどに対応する。参考：スパイ機

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１４１＞：アメリカ海軍の音響掃海具。機雷捜索から発見・爆破までの各モードを備え、ECM機能も持っている。参考：月刊軍事研究3,’98

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１４４＞：アメリカ軍のヘリコプター用赤外線対抗手段、別名ディスコライトまたはディスコボールまたはミラーボール。外見は鏡張りの多角柱で、メインローターマストの後方に装備され、高周波・低周波の熱源を機械的に送信し、パッシブ赤外線誘導式対空ミサイルを惑わせる。整備性に劣るらしい。AH-1Sではエンジン排気部の上にあたるカウリング上に装備される。A-129などにも搭載された。参考：月刊JWings2,’04、7,'20、月刊航空ファン8,’19、参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１４４海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１４４（Ｖ）１−Ｃ＞：自衛隊の赤外線妨害装置。三菱商事が受注している。参考：月刊軍事研究12,’08

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１４７＞：アメリカ軍の赤外線対抗手段。ジェット燃料をラム・エア内で燃焼させ、セラミックを熱して赤外線を出させ、これを機械的に変調して放出する。参考：図解現代の航空戦

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１５１＞：アメリカ軍の無線方位探知・ESMシステム、別名クイック・フィックス。対応周波数は2-76MHzで、方位を測定してジャミングをかけることが可能。RU-21J、EH-1G、EH-60Aなどが装備する。参考：スパイ機

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１５６＞：アメリカ軍のミサイル発射探知装置。接近するミサイルに妨害をかけるのに加え、M130と連動して自動的にフレアを射出する。RU-21J、CH-47Dに搭載された。参考：スパイ機、月刊軍事研究5,’09

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１６１シリーズ＞：アメリカ空軍B-1B爆撃機の防御用電子装置。参考：月刊航空ファン11,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１６１＞：ミサイル警報用パルス・ドップラー・レーダー、別名Tail Warning Function（尾部警戒機能）、略称TWF。尾部警戒と言いつつ、グラブ前縁、主脚ドア前方、テイルコーンなどに搭載したアンテナで全周から接近するミサイルを探知追尾し、乗員に警報音で知らせ、方位や距離といった情報を防衛システム士官用コンソールに表示する。列線交換ユニット数120基、総重量2.5トン。アメリカ空軍の要求性能を満たせず、逐次改良が加えられている。参考：月刊軍事研究10,’17、月刊航空ファン11,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１６１Ａ＞：B-1BブロックＦ（防御システム近代化計画）がキャンセルされたのを受けて開発された改良型で、別名Radio Frequency Surveillance / Electronics Countermeasures System（無線周波数監視／電子妨害装置）、略称RFS/ECMS。レーダー警戒・ミサイル警報・電子妨害機能を持ち、全周方向からの電波をキャッチして解析、妨害電波を放出する他、探知したミサイルに対し、AN/ASQ-184防御管理システムを介してAN/ALE-49チャフ・フレアディスペンサーやAN/ALE-50曳航デコイで妨害する機能も持つ。列線交換ユニット数108基、総重量2.267トン。これもアメリカ空軍の要求性能には達していないらしい。参考：月刊軍事研究10,’17、8,’07、月刊航空ファン11,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１６２＞：アメリカ陸軍RC-12D信号情報収集機が装備する連続波ジャマー、別名コンパス・セイル。2K12などの連続波レーダー誘導式地対空ミサイルに対応する。参考：スパイ機

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１６４＞：アメリカ海兵隊AV-8B攻撃機が装備するECMポッド。ノイズ・ジャミングとデセプション・ジャミングの両方を行える。参考：月刊JWings12,’13、10,’01

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１６７＞：アメリカ海軍の訓練用電子妨害（ECCM/ECM）ポッド。AN/ALQ-188の海軍版だが、空軍も使っていたりする。長い筒状をしており、訓練用なので青く塗られている（グレイ迷彩のものもある）。AN/ALQ-167(V)10シリーズからAN/ALQ-167(V)70シリーズまで多数のバリエーションが用意されていて、内部に(V)10シリーズはAN/ULQ-21カウンターメジャーセット、(V)20シリーズはAN/DLQ-3、(V)30-50シリーズはロー／ミッド／ハイバンド用妨害装置、(V)60-70シリーズは特殊用途・戦術用妨害装置を収容しており、20種類以上の脅威を再現可能。使用周波数C-Jバンド。仮想敵機が積んで敵の電波をシミュレートする。参考：月刊JWings4,’02、12,’13、8,’05、4,’10、11,'20、12,'21、月刊航空ファン4,’19、12,’19

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１７０＞：アメリカ軍の複数脅威シミュレータ・ポッド。EA-7LやEP-3Jに搭載できる。参考：月刊JWings12,’13

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１７２＞：アメリカ軍のレーダー誘導ミサイル用誘導撹乱システム。AN/ALR-56Mレーダー警報受信器及びAN/APR-46Aパノラミック受信器を組み合わせたものである。参考：月刊軍事研究1,’08

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８４シリーズ＞：アメリカ軍のジャミングポッド。ALQ-119/ALQ-131の後継である。参考：月刊軍事研究10,’15

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８４＞：AN/ALQ-131と同様のケース（中段前部と下段前部を拡大）に新型の妨害装置を収容、ノイズ（雑音）とディセプション（欺瞞）の両機能を備える。ミッド／ハイバンドの２バンド型と、後部にローバンド・モジュールを追加した３バンド型の２種があるらしい。湾岸戦争から使用された。参考：月刊軍事研究2,’03、2,’13、10,’15、月刊JWings11,’20

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８４（Ｖ）＞：AN/AAR-44/-47ミサイル警報装置とAN/ALE-40チャフ・フレアディスペンサーを統合したタイプ。参考：月刊軍事研究10,’15

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８４（Ｖ）９＞：AN/ALE-50曳航式デコイを統合したタイプで、1996年から運用された。全長3.96m、重量288kg。参考：月刊軍事研究2,’13、月刊JWings12,’13

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８４（Ｖ）１１＞：

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８７＞：アメリカ軍のミサイル警戒システム。AN/ALQ-184電子戦ポッド、AN/ALQ-93(V)脅威警報装置、先進自己防御統合機器ASPISを統合したものである。参考：月刊軍事研究10,’15

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８８シリーズ＞：アメリカ空軍の電子戦訓練ポッド、略称EATP（電子攻撃訓練ポッド）。ノースロップ・グラマン社が開発した。参考：月刊JWings4,’10、11,’20

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８８＞：本体は円筒形で、前後両側にＬ字の棒を介してアンテナドームが付いており、通称はDead Gecko（死んだヤモリ）である。ロシア戦闘機（Su-27やMiG-29）のECMをシミュレートでき、アグレッサーなどが使用する。参考：月刊JWings11,'20、4,’10、12,’13、月刊航空ファン2,’18

＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８８（Ｖ）＞：

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−１８８Ａ（Ｖ）＞：使用ジャミング周波数はＸバンド。参考：月刊航空ファン3,’11

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２０４＞：アメリカ軍の赤外線欺瞞装置、別名マタドール（闘牛士）。参考：月刊航空ファン11,’18

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１１シリーズ＞：アメリカ軍の電子戦装置、別名エグゼリス、略称AIDEWS（Advanced Integrated Electronic Warfare Suite、先進統合デジタル電子戦装置）またはSIRFC（Suite of Integrated Radio Freguency Countermeasures、統合無線周波対抗手段装置）。レーダー警報、ECM、パッシブ赤外線誘導式対空ミサイル妨害装置を統合したもので、ハリス・エレクトロニック・システムズが製造している。参考：月刊軍事研究8,’10、10,’18、月刊JWings12,’18、6,’18、1,’19

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１１＞：レーダー誘導式ミサイルなどの電波を全周で探知し、脅威度を分析してパイロットに指示を出すと共に、必要に応じてAN/ALE-47からチャフを撒く。AH-1Zに搭載された。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１１（Ｖ）＞：先進脅威レーダー妨害装置ATRJ（Advanced Threat Radar Jammer）、先進脅威レーダー警戒受信機ATRWR（Advanced Threat Radar Warning Receiver）、先進機上無線周波拡張装置AARFE（Advanced Airborne Radio Frequency Expendables）からなり、探知した脅威電波に対して自動または手動で妨害を行う。MH-47GやCV-22Bに搭載された。参考：月刊JWings12,’18、月刊航空ファン4,'18

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１１（Ｖ）２＞：低周波、高周波、ミリ波1/2バンドなどを探知して警報を出すと共に妨害をかける。AN/AAR-54ミサイル警報装置とも連動し、同MWSのRS-422バス経由で接近するミサイルの情報を受け取り、AN/ALE-47またはAN/AAQ-24で対抗する。CV-22Bに搭載された。ただ予定より性能が低かったらしく、改良を検討中。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１１（Ｖ）９＞：F-16V戦闘機に搭載された。参考：月刊JWings1,’24

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１２（Ｖ）＞：アメリカ軍の航空機搭載型対空ミサイル防衛装置で、別名Advanced Threat Infrared CounterMeasures（先進脅威赤外線対抗手段）、略称ATIRCM。BAEシステムズ社の開発で、2009年に採用した。AN/AAR-57(V)が接近してくるミサイルを探知すると、自動的に高エネルギー赤外線レーザーやAN/ALE-47ディスペンサーを作動させてミサイルを撹乱する。赤外線追跡装置も装備しており、ミサイルが外れたかどうかも確認可能。重量136kg。不朽の自由作戦アフガン向けCH-47ヘリ83機に搭載した。2015年3月2日、アメリカ国防総省が輸出を承認し、FMSによる導入が可能となった。後継として共通型赤外線妨害システムCIRCMを開発中。参考：月刊JWings2,’04、月刊軍事研究4,’04、8,’15、6,’16、5,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１３（Ｖ）＞：アメリカ陸軍AH-64攻撃ヘリ用電子戦システム、略称EWMS（電子戦管理システム）。デンマークのテルマ社製。参考：月刊JWings9,’18、11,’20

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１４シリーズ＞：アメリカ空軍の先進統合防衛電子戦システム、別名総合的電磁波対抗システム、略称RFCM。参考：月刊軍事研究3,’02

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１４（Ｖ）４＞：ポーランドにもF-16用に輸出された。参考：月刊軍事研究3,’02

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１７＞：アメリカ海軍のESM。AN/ALQ-210と同系統で、受信したレーダー波の発信方向を瞬時に特定し、発信源を識別、種類や位置を表示することが可能である。民生用チップを利用するなどして安価で高い信頼性を持つ。E-2Cグループ�U(C)とE-2Dに搭載されており、E-2DのものはE-2Cグループ�U(C)の10倍の認識能力を有するらしい。参考：月刊航空ファン11,’16、月刊軍事研究10,’07

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２１８（Ｖ）２＞：アメリカ海軍EA-18G電子戦機用レーダー波受信システム。機首側面、後部胴体両側面、後部胴体下部側面、翼端ポッドに短基線電波干渉計や長基線電波干渉計といった受信アンテナを収容しており、機首アビオニクスパレット（機関砲撤去跡）内の受信機やプロセッサにより解析、レーダー波の分析や発信源の特定を行い、後席の電子戦士官に提供する。参考：月刊軍事研究8,’13、1,’15、9,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２２０＞：アメリカ軍の掃海具で、別名Organic Airborne and Surface Influence Sweep、略称OASIS。ヘリコプターにより水中を曳航され、艦船が発生するのと同様の音響・磁気を発し、磁気・音響機雷を誘爆させて処分する。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２２７（Ｖ）１＞：アメリカ海軍EA-18G電子戦機用通信妨害システム、別名CCS（通信対抗セット）。胴体背部に受信用ブレードアンテナがあり、これで得た敵情報通信用電波を解析してAN/ALQ-99Fに送り、ノイズ・ジャミングにより妨害を行う。参考：月刊軍事研究8,’13

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２３１＞：アメリカ海兵隊が開発している電子戦ポッド、別名イントレピッド・タイガー�U（IT-�U）。海兵隊がEA-6Bの後継となる専用の電子戦機を保有しないことになったため、F/A-18、AV-8B、F-35Bに本ポッドを搭載し、電子戦機として使用する。AH-1Z、UH-1Y、MV-22B、KC-130J、各種UAVにも搭載し、あらゆる部隊で電子戦ネットワークを構成する計画もある。参考：月刊JWings6,’16、月刊軍事研究8,'16、月刊航空ファン2,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２３９＞：AN/ALQ-250海外シリーズ（電子戦装置）を参照。

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２４０（Ｖ）１＞：アメリカ海軍P-8A哨戒機用ESM、別名AMPS（空中海洋哨戒システム）。ノースロップ・グラマン社製。参考：月刊軍事研究11,’14

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２４９シリーズ＞：アメリカ軍がAN/ALQ-99シリーズの後継として開発中の電子戦ポッド、別名Next Generation Jammer（次世代ジャマー）、略称NGJ。レイセオン、ボーイング／ITT、BAEシステムズ、ノースロップ・グラマンが応募し、2013年7月8日にレイセオンと開発契約が締結された。参考：月刊JWings2,’15

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２４９＞：ジャミング・アンテナは窒化ガリウム素子を使用したAESA方式で、周波数を瞬時に切り替えることができ、受信したレーダー波をデジタル無線周波数メモリーDRFMに記憶してあるデータと照合して最適周波数によりジャミングを行う。ポッド前後にアンテナを内蔵して全周をカバーしており、ポッド下面に冷却空気取り入れ口を持つ。ラムエアタービンが外部に突出するような構造ではないので、高速飛行が可能。ジャミングだけでなく、電子攻撃やSIGINTにも使用でき、携帯電話5Gデータを送信して成りすまし・妨害を行える。2014年9月にプロトタイプが完成。10月16日、カルスパン社テストベッド機ガルフストリーム�Vの胴体下面に搭載してチャイナレイク海軍航空兵器基地で飛行テストが始まった。参考：月刊JWings2,’15、11,'20、月刊軍事研究7,’14、9,’17、月刊航空ファン2,’15、7,’18、月刊世界の艦船1,’22

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−２４９インクリメント１＞：AN/ALQ-249(V)1かも。ミッドバンド用で、略称NGJ-MB。中長距離監視レーダー、目標捕捉レーダー、地上迎撃管制システム、IFF、衛星航法、通信波などを妨害する。レイセオンが開発し、2017年に最終設計審査が完了、2019年にEMD初号機を納入した。2020年初めに地上試験を終え、8月7日にEA-18Gに搭載されて初飛行試験を行った。2021年6月、マイルストーンＣを達成し、低率初期生産LRIPに入った。参考：月刊軍事研究9,’17、月刊航空ファン7,’18、11,’19、月刊JWings6,’20、11,’20、9,'21

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−２４９インクリメント２＞：ローバンド用で、長距離捜索レーダーと通信波を妨害する。L3テクノロジーズとノースロップ・グラマン（ロッキード・マーチン社とコバム社？）が開発（競争試作？）し、2018年10月25日に技術実証に関する契約が結ばれた。2020年にはオーストラリア政府がコスト分担協定を締結している。2022年に実用化予定。参考：月刊軍事研究9,’17、月刊航空ファン7,’18、月刊JWings1,’19、10,’20

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−２４９インクリメント３＞：ハイバンド用で、火器管制レーダーなどを妨害する。2024年に実用化予定。参考：月刊軍事研究9,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２５０＞： ボーイング社がTEWSの後継としてF-15 2040C向けに開発中のデジタル電子戦装置で、別名Eagle Passive Active Warning Survivability System（イーグル・パッシブ／アクティブ警戒生存システム）、略称EPAWSS（イーポーズと読む）。2015年10月にBAEシステムズ社のデジタル電子戦システム（DEWS）をベースにすると決定した。レーダー警報、チャフ・フレアディスペンサー、AN/ALE-58デコイなどを組み合わせた完全デジタル式自己防衛装置で、探知した脅威をリアルタイムで画像表示しパイロットに提供すると共に、最適な対処法（マルチスペクトル／無線周波ECM、赤外線妨害、デコイ使用など）を選択して自動的に実行してくれる。ECMは搭載レーダーと干渉しないようにして同時使用を可能とした。チャフ・フレアディスペンサーの搭載量はTEWSの５割増しで、撒布も速い。2019年度第１四半期からインクリメント１の試験に入っており、2019年度第３四半期から量産予定で、2040年以降までのF-15の運用を可能とする。輸出はしないので、外国機のアップデートではAN/ALQ-239DEWSを積む。参考：月刊軍事研究8,’16、11,’16、月刊JWings12,’15、7,'20、月刊航空ファン7,’19、1,’17

＜ＡＮ／ＡＬＱ−２５０海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＬＱ−２３９＞：輸出型で、略称DEWS（デジタル電子戦システム）。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＬＲ−１２＞：アメリカ軍のレーダー警戒装置で、シルバニア社製。運用周波数D-Jバンド（1-12.5GHz）で、AN/ALE-16チャフ・フレアディスペンサーとセットで装備される。脅威の存在方向を４象限で示し、ロックオン状態ならば赤色表示灯が点灯する。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ＡＮ／ＡＬＲ−１８＞：アメリカ軍のＸバンド受信器で、敵迎撃戦闘機のFCSレーダーが使用する電波を捉える。この受信器が電波を探知するということはロックオンされているということなので、AN/ALT-6Bにデータを送って速やかに妨害をかけるようになっている。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＲ−１９＞：アメリカ軍のECM受信器で、AN/APR-17を８基組み合わせてUHFからKuバンドまでを８分割してカバーしている。それぞれの掃引速度は２秒で、探知した場合はパノラミック・ディスプレイに表示する。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＲ−２０＞：アメリカ軍のECM受信器。AN/ALR-19の改良型で、掃引速度を速くし、対応時間を短縮したものである。1966-67年から装備された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＲ−２３＞：アメリカ空軍の赤外線警戒装置で、ミサイルの発射警報に使用される。F-111に搭載された。参考：図解現代の航空機

＜ＡＮ／ＡＬＲ−３４＞：アメリカ空軍の赤外線警戒装置で、ミサイルの発射警報に使用される。F-111に搭載された。参考：図解現代の航空機

＜ＡＮ／ＡＬＲ−４５＞：アメリカ海軍のレーダー警戒装置で、AN/ALR-46に相当する。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−４６＞：アメリカ空軍の第３世代型レーダー警戒装置。アイテク社が開発して1970年代前半に完成し、1970年代半ばからF-4E、RF-4C、A-10A、B-52Gなどに搭載された。AN/APR-36の後継で、機上電波妨害装置とのインターフェース機能を持つ。受信アンテナは４象限に１基ずつ配置され、90度ずつを担当する。機体下方のレーダー波を受信するため、オムニ・アンテナを機首下に装備したりもする。受信機はデジタル式クリスタル・ビデオ受信方式で、DSA-20デジタル・プロセッサにより信号をデジタル処理することで処理速度を増し、16の脅威を同時処理できる。脅威は15度ずつの24方位と５段階の同心円距離で表わされ、１桁の数字やアルファベットまたはミニチュア・シンボルも表示でき、優先目標はフラッシングで示される。運用周波数帯はD-Jバンド（2-18GHz）で、ZSU-23-4のガンディッシュ射撃統制レーダーに対応できる。AN/ALE-40チャフ・フレアディスペンサー、AN/ALQ-119ECMポッドとの連携が可能。参考：月刊エアワールド1,’00、月刊軍事研究4,’04、月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＲ−５６シリーズ＞：アメリカ空軍のレーダー警戒装置。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−５６＞：F-15戦闘機用TEWS（戦術電子戦システム）の構成要素の１つで、ロラール社が1977年に開発した。垂直尾翼後部上方に左右１つずつ、主翼端に左右１つずつのアンテナを持ち、全周の高周波数帯をカバーしている。前部胴体下面に１枚のブレードアンテナがあり、これで低周波信号をキャッチする。運用周波数帯は5-20GHzで、信号電波の周波数分析、追尾、放射源方位測定、脅威度評価（捜索モードか追尾モードかロックオンかなど）を行い、パイロットには脅威度別の警報音とディスプレイ表示（主計器板左上の円形ディスプレイに方位を示す）で通知する。AN/ALQ-128などのジャマーや、チャフ／フレアディスペンサーとの連動が可能。システム重量63kg。参考：図解現代の航空機、月刊軍事研究11,’16、4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−５６Ａ＞：周波数スペクトル範囲を拡大したもので、1981年に開発された。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−５６Ｃ＞：連続波、パルス・ドップラー方式、ステルス機の使用する低被探知性レーダーにも対応できるように改良したもの。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−５６Ｍ＞：システムの小型化により、サイズを４割縮小したもので、1991年からF-16C/Dに搭載された。最初は激しい機動中に方位表示が不正確になるという欠点があったが、改善されたようだ。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６０＞：アメリカ海軍の多位置通信傍受記録システム、別名ディープウェル（Deepwell）。EP-3E通信情報収集機に搭載された。参考：月刊JWings8,’18

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６６シリーズ＞：アメリカ海軍の対潜用ESM。参考：ザ・マーチ39号

　＜ＡＮ／ＡＬＲ−６６（Ｖ）１＞：ヘリコプター用で、SH-2FとSH-3に搭載された。参考：ザ・マーチ39号

　＜ＡＮ／ＡＬＲ−６６（Ｖ）２＞：P-3Bに搭載された。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６６（Ｖ）３＞：AN/ALR-66(V)2の改良型。P-3にハープーンを搭載することになったため、脅威位置探知機能に加えてターゲッティング機能を持たせたものである。翼端のC/Dバンドアンテナ４個とE-Jバンドアンテナ４個（水平全周と俯仰45度をカバー）、デュアルチャンネルC/Dバンド増幅レシーバー２個、E-Jバンド増幅レシーバー４個、ライブラリ・モジュール・アダプター、コンピュータ・コンバーター、インディケータ・コントロール、インターアクティブ・プラズマ・ディスプレイ、ESM制御ユニット、プロセッサ・インターフェース、電源から構成され、レーダー波の逆探知による水平線以遠電波照射源探知・目標指示能力を持つ。機首のAN/APS-115レーダーにはサブ・リフレクターを追加し、レーダーとして使用しながらESM能力を発揮できるようになり、これによる水平線以遠目標探知指示も可能で、味方艦にデータを送って対艦トマホークや艦載ハープーンで攻撃してもらうこともできる。システム総重量170ポンド（77kg）。アメリカ海軍P-3C、海自P-3C、ポルトガル海軍P-3Bに搭載された。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６７シリーズ＞：アメリカ軍のレーダー警戒装置。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６７＞：アメリカ海軍機標準で、F/A-18などに搭載されている。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６７（Ｖ）３＞：レイセオン社が開発した。アクティブ・コンポーネントと完全チャンネル化受信技術を共に世界で初めて搭載しており、32ビット二重演算装置により完全デジタル化され、対空レーダー脅威を迅速に探知できる。デジタル式クリスタル・ビデオ受信方式に、スーパーヘテロダイン式受信方式と低帯域用受信機を付加しており、第４世代レーダー警戒装置とされている。ATAC-16M脅威用プロセッサによりD-Jバンド（1-20GHz）に対応でき、小型螺旋アンテナにより2-40GHzの照射電波を、低周波数帯受信機により2GHz以下の電波を全周で探知する。他に信号解析機能装置、方位表示ユニット、制御ユニットなどからなり、システム重量は45kg以下。電波を探知すると、発信方位を特定して発信源の識別を行う。28-40GHzのミリ波にも対応できる新型もある。参考：月刊軍事研究6,’10、月刊エアワールド1,’00、月刊JWings1,’05

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６９＞：アメリカ軍のレーダー警戒装置。AN/ALR-46の改良型で、第４次中東戦争で脅威となった2K12地対空ミサイル用1S91連続波レーダーに対抗すべく1970年代後半に開発され、1978年から導入された。運用周波数帯は0.5-18GHzで、2K12の使用する連続波にも対応できる。モニターには３桁の数字・文字の表示が可能となった。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＬＲ−７３＞：アメリカ海軍E-2C早期警戒機用レーダー警戒装置、別名パッシブ検知装置（PDS）。AN/ALR-59の後継で、ステップ・スイープ型の受信機４台を搭載し、周波数帯C-Jバンドの捜索が可能。リットン社製。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ＡＮ／ＡＬＲ−６０６（ＶＥ）＞：IT社のレーダー警戒装置。AN/ALR-66の派生型で、表示器には３桁の英数字が表示され、最初の英字は狭帯域（Ｎ）または広域パルス（Ｗ）を、次の数字はパルス送信速度（1-9）を、最後の英字は脅威レーダー周波数（E-J）を表す。捜索レーダーなら連続表示、追尾レーダーなら点滅して脅威度を示す。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ＡＮ／ＡＬＴ−６Ｂ＞：アメリカ軍のバラッジ・ジャミング装置で、Ｘバンド及びＳバンド帯FM-CW波を放出し、捜索追尾レーダーや照準レーダーを妨害する。使用電力1760VA。B-52Bに７基、B-52C以降に2-3基が搭載された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＴ−７＞：アメリカ軍のアクティブ・ジャマーで、AN/ALT-6Bより低い周波数帯をカバーする。AN/APR-14のデータを受け取り、AN/ALA-7パルスジェネレータと組み合わせて敵レーダーの周波数変更に合わせた妨害を行う。使用電力1290VA。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＴ−１３（Ｖ）＞：アメリカ軍の広帯域雑音妨害装置で、B-52C以降に６基が搭載されている。Ｍタイプ後進波オシレーターを使用する。使用電力5610VA。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＴ−１５＞：アメリカ軍のリピーター妨害装置。敵のレーダー波と同じ電波をタイミングを遅らせて送信し、距離と方位を見誤らせる。使用電力5175VA（高周波用）／2415VA（低周波用）。B-52C以降に２基（高周波用と低周波用１基ずつ）が搭載された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＴ−１６＞：アメリカ軍のダイレクトノイズ増幅方式高出力広帯域雑音妨害（バラッジ・ジャミング）装置。広範囲の周波数帯域にわたり強力なノイズ電波を放出してレーダーを妨害する。使用電力3105VA。B-52C以降に1-2基が搭載された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＴ−２２（Ｖ）＞：アメリカ軍の広帯域雑音妨害（バラッジ・ジャミング）装置。AN/ALT-6Bの改良型で、RFバンドでの雑音変調能力と対ECCM能力を強化した。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＴ−２８（Ｖ）＞：アメリカ軍のカルシノトロン管方式プログラマー妨害装置で、AN/ALT-13(V)の後継である。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＬＴ−３２＞：アメリカ軍のリピーター妨害装置。AN/ALT-15の改良型である。1969年から配備された。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮＡＭ＞：ガブリエルMk5（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＮ／ＡＰＤ−７＞：アメリカ海軍RA-5C偵察機の側視レーダー。安定した出力を出すためにカルシノトロン管を使用しており、アンテナは長方形のプラナー・アレイで、Sta.8の側面に一対ずつ用意されている。チャンネル数４。地形・静止目標撮影では電波反射率の違いから線路や鉄橋など人工物を見つけ出すことに優れており、植物によるカモフラージュの発見率も高い。移動目標だけをピックアップする移動目標表示を行うことも可能だが、カバー範囲は地形撮影時の半分になる。フィルムは幅127mm、長さ15mで、ここにはCRTで光学信号に変換されたドップラーシフト情報が記録される。これにレーザー光線を照射してホログラフィーによる実像を結ばせ、フィルムに結像させて現像するが、この作業は機上では行えないため、レーダーの映像を機内で確認することはできない。参考：A-5ビジランティ

＜ＡＮ／ＡＰＤ−１０＞：航空自衛隊RF-4E偵察機用側方偵察レーダー。全天候性があり、５ノット以上で移動する小型車両を映すこともできる。画像は機内のCRT２基に表示されると共に、カメラ搭載ステーション２または３に収容したデータ・レコーダーの幅241mmのフィルムに縮尺率10万分の１で記録される。8kmごとにデータブロックが挿入され、機番号、任務番号、撮影位置、撮影日時が自動的に書き込まれる。下面ブリスター内に自動安定式ホーンアンテナを持ち、水平線内の味方機や施設に画像を直接送信することが可能。参考：月刊軍事研究9,’05、スパイ機、月刊JWings11,’19

＜ＡＮ／ＡＰＧ−１５Ｂ＞：アメリカ陸軍B-29B爆撃機用射撃照準レーダーで、GE社製。尾部機銃２丁の間にある球形コンテナ内にアンテナを収容する。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、世界の傑作機No.52

＜ＡＮ／ＡＰＧ−３０Ａ＞：アメリカ空軍F-86F戦闘機用測距レーダーで、機首エアインテイク上部に搭載されている。測距範囲内の目標を自動追尾することができ、A-4照準器に追尾レティクルを表示する。有効測距距離1.37-2.74km。グラウンド・クラッターに弱く、対地高度6000フィート（1829m）を切ると作動が不安定になる。参考：月刊軍事研究7,’12、月刊航空ファン1,’15

＜ＡＮ／ＡＰＧ−３２＞：アメリカ空軍大型機尾部砲塔用射撃指揮レーダー。B-36D/RB-36D、RB-36E、B-36F/RB-36F、B-36H/RB-36H前期型、B-47に搭載された。索敵距離24000ヤード（21946m）、ロックオン可能距離8000ヤード（7315m）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ／ＡＰＧ−４１＞：アメリカ空軍大型機尾部砲塔用射撃指揮レーダー。アンテナを２基装備し、１基で索敵、もう１基でロックオンを行える。B-36H/RB-36H後期型から搭載された。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ／ＡＰＧ−５３＞：アメリカ海軍A-4艦攻Ｃ型以降用地形回避・空対地測距レーダー。モードは捜索、地形回避、空対地測距の３種類。捜索モードでは20海里と40海里の２つのレンジを選択可能。地形回避モードでは前方地形を側面形でＢスコープ表示するプロファイル・モードと、平面形でＥスコープ表示するプレーン・モードが用意されている。空対地測距モードでは15000ヤード（13716m）の範囲内で目標の距離を測定可能である。後にAGM-45シュライク対レーダーミサイルの発射モードが追加された。参考：世界の傑作機No.3

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３シリーズ＞：アメリカ空軍F-15戦闘機用レーダー。AN/ASG-18がベースで、1970年代初めからヒューズ社が開発した。モジュラー構造になっており、フロントエンドやバックエンドだけを交換するなどしてのアップグレードが容易。参考：月刊軍事研究6,’10、11,’16、F-15イーグル

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｆ−１５Ａ／Ｂ用）＞：PP-6682電源供給装置、レーダー操作パネル、MX-9099データ・プロセッサ、T-1028グリッド型進行波管レーダー送信機、O-1620増幅器、AS-2717レーダーアンテナ、R-1705レーダー受信機、MX-9100アナログ・プロセッサ、MX-9098デジタル信号プロセッサからなる。コヒーレント式パルス・ドップラー方式Ｘバンドレーダーで、アンテナは直径914mmのスロッテッド・ウェーブガイド式プラナー・アレイであり、機械的な首振り方式でコニカル・スキャンを行う。パルス繰り返し周波数は高周波数と中周波数の２モードを同時に運用でき、前者で接近する目標、後者で遠ざかる目標を探知する。空対空モードは長距離捜索、速度捜索、短距離捜索、パルスの４つで、これを使い分けてAIM-7中距離空対空ミサイル、AIM-9短距離空対空ミサイル、M61A1バルカン砲で攻撃する。探知距離は10海里／20海里／40海里／80海里／160海里の５段階、方位角は左右10度ずつ／30度ずつ／60度ずつの３段階、垂直方向は１バー／２バー／４バー／６バー／８バー（上下10度ずつ）の５段階切り替えとなっているが、探知距離・方位角・垂直方向の最大レンジでは全範囲捜索に10秒以上の時間を要する。戦闘機サイズ（RCS５平方メートル）の目標の最大探知距離は長距離捜索モードで100海里。IFF質問電波の送信も可能。M61A1バルカン砲射撃で使用するボアサイト・モードでは16km以内の最初に捉えた目標をロックオンする。接近戦で使用するスーパーサーチ・モードでは、HUDの視野内（20度）を迅速に走査し、0.091-18.5kmまで追尾が可能である。中パルス繰り返し周波数戦術捜索のモードもある。非協調目標認識NCTR（Non-Cooperative Target Recognition）というモードも備えていて、レーダー反射特性を分析して目標種別や機種の判別が可能。AIM-7用FM-CW誘導電波にはO-1620増幅器で変調をかける。空対地モードはドップラー捜索、測距、マッピングの３種類。レーダーディスプレイは走査方式で、信号処理コンピュータが目標と認識したもののみが表示されるので、信号の解釈が容易だが、複数の機動中の敵の識別が難しいなどの欠点がある。レーダーシステム重量221kg。平均故障間隔15時間。参考：ジェット戦闘機、F-15イーグル、月刊軍事研究11,’16、6,’10、4,’07、7,’97

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｆ−１５Ｃ／Ｄ用）＞：プログラム可能型信号処理装置PSP（Programmable Signal Processor）を採用してトラック・ワイル・スキャンを可能とし、密集編隊中の個別目標をロックオンするレイド・アセスメント機能を追加したもの。24目標を探知して８目標を追尾できる。NCTR機能やECCM能力も向上した。名称はAN/APG-63のまま変わっていない。三菱電機がライセンス生産し、F-15J/DJに搭載した。参考：月刊軍事研究11,’16、6,’10

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）１＞：AN/APG-63の改良型で、探知精度を改善、機能追加変更を可能とし、整備性の向上を図った。バックエンドにAN/APG-70の機能を取り入れており、演算処理速度が５倍、記憶容量が10倍向上し、14目標同時追尾が可能である。信頼性も高く、平均故障間隔は120時間となった。2001年3月に実用装備された。空自もF-15近代化改修用に導入しており、伊藤忠アビエーションと三菱電機が受注している。ソフトウェアのアップグレードが続いており、非協調目標認識アルゴリズムを改良して識別能力が向上した。参考：月刊JWings5,’01、月刊軍事研究6,’10、11,’16、12,’04、4,’07、5,’08、11,’10、1,’16

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）１（Ｆ−１５Ｋ用）＞：(V)1に対地機能を追加したもの。AN/APG-70と同じマッピング機能や合成開口機能を持ち、地上移動目標捜索（GMTS）機能や、地上移動目標追跡（GMTT）機能も追加されている。参考：月刊JWings5,’01

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）２＞：(V)1の改良型で、AESAレーダーを採用している。従来のアンテナ部分に1500個の送受信モジュールを並べており、発射後のAIM-120空対空ミサイル８発に対して目標データを同時送信できるとされる。1999年からF-15C/D戦闘機18機に搭載された。ただ重量過大や低信頼性といった問題があったらしく、それ以上の生産は行われていない。参考：月刊軍事研究4,’07、12,’04、11,’07、6,’10

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）３＞：(V)2の改良型で、AN/APG-79のアンテナアレイ（正面向き）とAN/APG-63(V)1の信号コンバータやレーダーデータプロセッサを組み合わせ、電源を新型にし、AN/APG-63(V)2のソフトウェアを適応したものである。トラックワイルスキャン能力が強化され、地上目標捜索能力やインターリーブ機能が追加された。2009年からF-15C/D戦闘機全機への搭載改修を行っている。サウジアラビア空軍F-15SA戦闘機やシンガポール空軍F-15SG戦闘機にも搭載されているが、輸出型は能力の一部を抑えてある。参考：月刊軍事研究11,’07、4,’07、6,’10、11,’10、11,’16、月刊JWings11,’10、月刊航空ファン2,’16

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６３（Ｖ）４＞：(V)3が対地ミッションでの能力不足を呈したため、信号コンバータやレーダーデータプロセッサもAN/APG-79と交換したもの。実質的には電源を交換したAN/APG-79である。後にAN/APG-82(V)1に改称された。参考：月刊軍事研究11,’07、6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６５シリーズ＞：アメリカ軍のレーダー。参考：月刊軍事研究6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６５＞：コヒーレント型マルチモード・パルス・ドップラー・レーダーで、レイセオン社が開発した。アンテナは直径711mmのプラナー・アレイで、使用周波数Ｘバンド（8-12.5GHz）。空対空モードではベロシティ・サーチ（VS）、レンジ・ワイル・スキャン（RWS）、トラック・ワイル・スキャン（TWS）、ガン捕捉空中戦闘、垂直捕捉、ボアサイト捕捉能力を持つ。VSでは最大148kmでの目標捕捉が可能。RWSでは74-146kmの目標に使用されるモードで、探知目標の距離を表示できる。TWSは74km以内の目標に使用されるモードで、最大10目標を同時追尾し、８目標を脅威度などと共に表示する。TWSモードで目標が射程内に入った場合、パイロットが単一目標追跡（STT）モードに切り替えれば、その目標がHUDに表示され、ステアリング指令や兵装発射データなども映る。射撃可能状態になると、Shootキューが表示される。目標距離が9.3kmを切ると、機関砲ダイレクター・モードを使用する。最大65km（30海里？）先からレイド・アセスメント・モードが使用でき、ドップラー・ビーム先鋭化により密集編隊の中の１機をピックアップして追跡できる。空対地モードはリアル・ビーム・マッピング、ドップラー・ビーム先鋭化、地形回避、精密ベロシティアップデート、地上移動目標指示、固定目標追跡、空対地測距、海洋捜索、サイレンスの９種類。リアル・ビーム・マッピングでは長距離の地図を表示でき、ドップラー・ビーム先鋭化を使用すれば高解像度画像を得られ、地上目標の発見などに使える。目標までの測距も可能。２チャンネル・モノパルス角度追跡機能を使用する固定・移動対地目標追跡モードを使用すると、更に正確な対地目標情報が得られる。システム重量154kg。F-4F戦闘機、F/A-18A/B/C/D戦闘攻撃機、AV-8B攻撃機に搭載された。参考：月刊軍事研究6,’10、月刊JWings1,’05、月刊エアワールド8,’05

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６５ＲＵＧ−�T＞：RUGはレーダー・アップグレードの略。ECCM能力強化、全天候攻撃能力改善などが図られている。月刊軍事研究6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６６シリーズ＞：アメリカ空軍F-16戦闘機用パルス・ドップラー・レーダーで、ウェスティングハウス社が開発した。参考：F-16ファイティングファルコン

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６６＞：F-16A/B戦闘機、ニュージーランド空軍A-4攻撃機に搭載された。完全なモジュラー式で、プラナー・アレイ・アンテナ、トランスミッター、ローPRF、デジタルシグナルプロセッサ、レーダーコンピュータ、レーダーコントロールパネルからなり、それぞれデジタル・マルチ・バスや高速データバスで結ばれている。使用周波数はＸバンドで、16周波数から４種類を選んで照射できる。空対空モードはダウンルック、アップルック、ボアサイト空中戦機動モード、指向可能空中戦機動モードの４種類。ダウンルック（中周波数のPRFを使用したパルス・ドップラー方式でクラッター排除能力に優れる）では戦闘機大の目標に対する探知距離は56km以上、アップルック（ローPRFによる探知距離増大モード。敵を見上げるモードなのでグラウンドクラッターを気にする必要が無い）では、80km以上になり、必要に応じて探知能力を10/20/40/80海里の４段階で切り替えて使用する。捜索範囲は左右が10/30/60度の３段階、上下が1/2/4バーの３段階で切り替え可能。ボアサイト空中戦機動モードは、個々の目標を捕捉するのに使用される。指向可能空中戦機動モードでは、ドッグファイト時にレーダーを40度四方の範囲で指向させ、いち早く目標を捉えられる。ドッグファイト・スイッチを作動させれば、レーダーはHUDの表示範囲と同じ20度四方を捜索し、距離18.5km以内で発見された最初の目標にロックオンする。敵後方を急旋回している時は、自動的に捜索範囲が左右10度・上下40度に切り替わる。空対地モードは空対地測距、リアルビーム地上マップ、拡大リアルビームマップ、ドップラービームシャープニング、ビーコン、フリーズ、海面サーチの７種類。リアルビーム地上マップでは、描写距離10/20/40/80海里、幅左右10/30/60度ずつの選択が可能。拡大リアルビームマップでは、距離10海里なら2.5海里四方、20海里なら５海里四方、40海里なら10海里四方、80海里なら20海里四方の拡大マップがディスプレイに表示される。ドップラービームシャープニングでは、左右15-60度の横方向地上マップを得ることができ、オフセット兵器の投下や航法に使用する。フリーズでは、静止地図を画面に表示させることができ、自機シンボルがそのマップ上を移動していく。レーダー制御パネルのFRZ（フリーズ）ボタンを押せば、マップのアップデートが可能である。海面サーチは海上船舶の捜索を行うもので、シーステート４までの捜索を行うSEA1と、それ以上で捜索を行うSEA2の２つのモードがある。レーダー容積0.1立方メートル未満、パーツ数9500個、使用電力3.58KVA・400Hz・DC230W。重量134kg。参考：F-16ファイティングファルコン、ザ・マーチ40号、月刊エアワールド8,’05、ジェット戦闘機

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６６（Ｖ）１＞：連続波照射能力を追加し、中射程レーダー誘導式空対空ミサイルの運用を可能としたもの。参考：月刊エアワールド7,’04、F-16ファイティングファルコン

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６６（Ｖ）２＞：信号処理用プロセッサを更新したタイプ。F-16ブロック15が搭載した。参考：月刊JWings6,’18

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６６（Ｖ）３＞：AIM-7M用連続波照射能力を追加したタイプ。F-16ブロック20が搭載した。参考：月刊JWings6,’18

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６６海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−６６Ｊ＞：航空自衛隊F-4EJ改戦闘機用レーダー。機体サイズに合わせてアンテナを大型化しており、AIM-7の運用に合わせて連続波照射機能が追加されているとみられる。戦闘機級の目標なら83km、爆撃機級なら148km、小型艦艇級なら74km先から探知できる。参考：月刊エアワールド8,’05

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６７＞：F-20試作戦闘機用射撃指揮レーダー。コヒーレント・パルス・ドップラー・レーダーで、ルックダウン能力を持つ。アンテナサイズ495mm×305mm、ビーム幅縦7.1度・横4.9度、使用周波数Ｘバンド（9.5-9.7MHz）、ピーク出力3.5kW、探知距離80海里（最大）／72km（戦闘機大・ルックアップ）／54km（戦闘機大・ルックダウン）。多目標同時追尾が可能である。パルス繰り返し周波数は高、中、低の３つが用意されており、それぞれ空対空速度探査、ルックダウン・空対空捜索追尾、マッピング・対空戦闘に使う。ミッションコンピュータはテレダイン社製16ビットデジタルコンピュータ（重量8.6kg）で、Jovial J73言語を使用する。参考：ジェット戦闘機

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６８シリーズ＞：アメリカ空軍F-16戦闘機用レーダー。参考：F-16ファイティングファルコン

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６８＞：AN/APG-66の改良型で、F-16C/Dに搭載された。捜索能力と探知距離の向上、10機までの目標を同時追跡するトラック・ワイル・スキャン、地上の移動目標除去能力向上、高パルス繰り返し周波数追跡、AIM-7/-120とスカイフラッシュに対応する目標照射能力の獲得、地形回避・地形追従モード適応、AGM-65Dマーベリック空対地ミサイル運用能力の追加などを行っている。RCS１平方メートルの目標に対する探知距離は74km。参考：F-16ファイティングファルコン、月刊軍事研究6,’07

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６８（Ｖ）５＞：AN/APG-80を参照。

＜ＡＮ／ＡＰＧ−６８（Ｖ）９＞：AN/APG-68(V)5よりも探知距離を30%延伸し、４目標同時追尾能力と解像度0.6mの合成開口レーダーモードを付加、海洋監視モードと地上移動目標指示モードでの探知能力改善、演算処理能力の400%向上、記憶容量の900%向上を行ったタイプ。F-16C/Dブロック50プラス／ブロック52プラスに搭載された。参考：月刊JWings8,’05、6,’18、月刊航空ファン10,’16

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７０シリーズ＞：アメリカ空軍F-15E戦闘爆撃機用レーダー。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７０＞：AN/APG-63に合成開口レーダーモードとAN/APG-65の空対地機能を追加したもので、レイセオン社製。信号データ処理装置やレーダーデータ処理装置も高速化され、メモリー容量が増えた。対空捜索モードでは正面120度・距離296kmの捜索が可能だが、首振り式なので全域捜索に14秒かかる。合成開口能力を使用した高解像度マッピング・モードでは、148km先の8.7km四方にいる目標を解像度18m、93km先の6.1km四方にいる目標を解像度12.8m、74km先の2.4km四方にいる目標を解像度5.2m、24km先の1.3km四方にいる目標を解像度2.6mで表示できる。地形図が必要なら、リアルビームマッピング・モードを使用し、距離148km・水平120度（中心から左右８度ずつを除く）の範囲でデジタルマップの作成が可能。移動目標を表示するモードもあるようだが、解像度が低すぎて目標特定が困難らしく、攻撃の際にはLANTIRNやスナイパーを使用する。参考：月刊軍事研究6,’07、6,’10、月刊JWings12,’05、6,’14

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−７０Ｓ＞：サウジアラビア空軍F-15S戦闘機用のダウングレード型。地上マッピングモードは無く、使用周波数帯はAN/APG-63の６割前後しかない。参考：月刊JWings11,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７１＞：アメリカ海軍F-14D戦闘機用レーダーで、ヒューズ社製。AN/AWG-9にAN/APG-70の技術を導入したもので、複雑な陸上地形におけるルックダウン能力を強化し、レイド・アセスメント機能も高めている。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７３シリーズ＞：アメリカ海軍F/A-18C/D後期型・F/A-18E/F用レーダー。参考：月刊JWings1,’05、月刊軍事研究6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７３＞：AN/APG-65の改良型で、演算装置を改良して処理能力を約３倍に上げ、記憶容量、信頼性、整備性を向上させた。対空・対地モードや捜索追尾能力はAN/APG-65と同じで、対空中型目標の探知距離は最大148km、レンジ・ワイル・スキャン能力は最大74-148海里、トラック・ワイル・スキャン能力は最大74kmあり、10目標を同時追尾し、８目標を脅威度順に表示できる。編隊内航空機識別最小間隔152m、レイド・アセスメント機能有効距離最大35海里。参考：月刊JWings1,’05、月刊軍事研究6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７３ＲＵＧ�U＞：RUGはレーダー能力向上（レーダー・アップグレード）の略。偵察モジュールへの動揺検知サブシステム、ストレッチ波形発生モジュール、特殊試験機材計測機能などの追加が行われている。F-15EやU-2と同等の高解像度レーダー・グラウンド・マッピング能力を持つとされる。参考：月刊JWings1,’05、月刊軍事研究6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７３ＲＵＧ�V＞：アンテナをアクティブ電子走査アレイにしたもので、AN/APG-79に改称された。参考：月刊JWings1,’05

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７６＞：ノルディーン／UTO社製多機能合成開口レーダー。70km先で解像度18m、橋梁レベルの大きさの建造物を判別可能とされる。A-6FやA-12用として開発されたが、機体の開発が中止されてしまったため、イスラエル空軍F-4E2000クルナス戦闘機に搭載された。参考：月刊エアワールド8,’05

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７７シリーズ＞：アメリカ空軍F-22A戦闘機用マルチモード・アクティブ電子走査アレイレーダー。参考：月刊JWings4,’11

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７７＞：重量15g・出力4Wのアンテナ素子2000個から構成されており、広域捜索では距離250km以上・角度120度（後期型は240度以上）の円錐内を瞬時にスキャンできるという。レーダー反射面積１平方メートル（ラファール・タイフーンなど）の目標を200km以上の距離から探知可能で、B-2爆撃機も100km先から探知できるとされる。遠距離狭角捜索モード、中距離広角捜索モード、遠距離位相差捜索モード（キュード・サーチ）、追跡、識別、攻撃モードなどが用意されている。低確率迎撃モードを備えており、捜索をごく短い時間で済ませることで逆探知される危険性を抑えている他、同時多目標捜索追尾攻撃能力、対地捜索攻撃能力、気象マッピング能力、敵レーダー・通信妨害能力を持つ。電子攻撃モード追加改修も予定されている。各素子ごとに送受信モジュールが構成されており、全モジュールが１つの基盤に張り付けられているため、整備や部品交換の際には基盤ごと取り外す必要がある。ほぼ空対空専用。参考：月刊軍事研究4,’07、5,’07、6,’07、4,’11、月刊JWings4,’07、月刊航空ファン5,’11

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７７（Ｖ）１＞：AN/APG-81と同等の空対地機能（高解像度合成開口レーダーマッピング）や電子戦機能を追加したタイプで、F-22Aブロック20（ブロック30？）以降に装備されている。参考：月刊航空ファン5,’11、月刊JWings4,’11、月刊軍事研究3,’17

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７８＞：アメリカ陸軍AH-64D攻撃ヘリのローターマスト上に搭載されているレーダーで、別名ロングボウ・レーダー。パルス・ドップラー式Kaバンド（35GHz）ミリ波レーダーで、通常は逆探知を避けるため素早くポップアップして１回走査し、すぐに身を隠す。対地目標モードGTMでは左右135度の走査領域を持ち、15/30/45/90度のいずれかの範囲を一度にスキャンできる。90度スキャンにかかる時間は６秒。パルス・ドップラー波形で移動目標、分極ダイバース波形で静止目標を捜索し、最大128個の目標（装輪・装軌・牽引・防空システムなどの区別が可能）を探知、脅威度の高い順に16目標を戦術状況表示装置に映し出すと共に、FCR（火器管制レーダー）システムに保存、状況によってアップデートを行い、乗員はいつでもメモリーから呼び出せる。最大探知距離6km（静止目標）／8km（空中・地上移動目標）。AGM-114Lの誘導も行える。対空監視モードATMではレーダーは毎分６回転し、半径12kmの360度全周をスキャンする。180/90/30度の走査範囲も選択可能で、飛行速度などの違いから固定翼・回転翼機の判別も行える。ただし対地目標の探知はできない。地形プロファイルモードTPMは半径0.1-2.5kmの地形の起伏を測定し、PNVSを補完して悪天候時のNOE飛行などに威力を発揮する。飛行速度が50ノットまでは左右90度ずつ、それ以上では左右45度ずつを走査する。レドームはグラスファイバー製で、細長い板状アンテナ、アンテナ制御装置、クオーツ・レート。センサー、送信機、受信機、電力制御装置を内蔵する。当初スキャナー用の平面部分を設けてあったが、回転時の安定性に問題があり、レーダー性能の軽度低下に目を瞑って完全な鏡餅状に整形した。参考：月刊航空ファン7,’00、月刊JWings7,’19、11,’01、2,’03、月刊軍事研究6,’03、4,’08、5,’16、月刊エアコマンド8,’93

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７９シリーズ＞：アメリカ軍のレーダー。参考：月刊JWings1,’05

＜ＡＮ／ＡＰＧ−７９＞：AN/APG-73のアンテナをアクティブ電子走査アレイ化したもので、当初はAN/APG-73RUG-�Vと呼ばれていた。レイセオン社が開発し、2002年11月20日（22日？）に完成、2003年8月（7月？）30日からF/A-18Fに搭載されて空中試験に入っている。アンテナモジュールはガリウム砒素による単一マイクロ波集積回路モジュールと発信素子からなり、八角形のアンテナ面に1100個を装着する。アンテナ面は斜め上を向いており、アンテナ面積を稼ぐと共に敵レーダー波を正面に送り返すのを防ぐ。バックエンドは共通統合型センサー・プロセッサー（COTSとモジュール化でアップデートが容易）、レーダー電源供給装置、モーションセンサーサブシステム、多チャンネル型レシーバー／エキサイターからなる。低レーダー断面積目標や空対空ミサイルにも高い探知能力を持ち、対電子戦能力を備え、リアルビーム・マッピング、合成開口レーダー、空対空捜索・追跡、パッシブ、海面捜索、陸上移動目標識別、ミサイルを含む複数目標追尾、空対空・空対地モード同時使用などのモードがある。探知距離はAN/APG-73の2-3倍（300-450km）、目標同時追尾能力はAN/APG-73の２倍（20機）になったという。ハードウェア・ソフトウェア共にモジュール化されており、改良が容易。インターリーブ機能も持っており、F/A-18Fの場合、前後席で独立して別モードの運用を行うことも可能である。EA-18Gでは機関砲撤去後のスペースに電子攻撃ユニットEAUを追加して火器管制レーダー用ハイバンド帯などに対するECM能力も有しており、高出力マイクロ波を照射して目標の電子機器を誤作動させたり、破壊したりすることが可能で、有効距離は160kmに及ぶとされる。2005年から低率初期生産に入っており、F/A-18E/Fブロック�UとEA-18Gに搭載された。これらの機体と共に輸出市場にも出されているが、機密度が高すぎて性能どころかアンテナ形状まで秘匿されていて売り込みに使えず、逆に輸出を妨げているらしい。参考：月刊JWings1,’05、月刊軍事研究10,'15、6,’10、11,’07、1,’08、9,’17、月刊丸8,’11

　＜ＡＮ／ＡＰＧ−７９（Ｖ）４＞：F/A-18A-Dレガシーホーネット用に提案しているもの。バックエンドはそのままに、フロントエンド（アンテナ部分）をレドームの大きさに合わせて小型化する。アメリカ海兵隊がF/A-18C/D用として2020-22年に98基（７個飛行隊84機分＋予備14基）を導入する予定で、2021年4月に試作レーダーが引き渡された。カナダ空軍もCF-188用にFMSで36基の導入を決めた。参考：月刊航空ファン12,’18、4,’19、月刊JWings12,’21

＜ＡＮ／ＡＰＧ−８０＞：ノースロップ・グラマン社製アクティブ電子走査アレイレーダー、略称ABR（アジャイル・ビーム・レーダー）。AN/APG-68のフロントエンド（アンテナ部分）をAESA化したもので、当初はAN/APG-68(V)5という名称だった。AN/APG-68の空対地機能はそのままに、AN/APG-77に準ずる空対空機能とステルス能力を持たせた。消費電力と発熱量が大きく、追加の冷却装置が必要なのが欠点。F-16E/FやUAE空軍F-16Uデザートファルコンが搭載している。参考：月刊JWings6,’14、月刊軍事研究1,’09、10,’18、月刊航空ファン5,’11

＜ＡＮ／ＡＰＧ−８１＞：F-35戦闘機用アクティブ電子走査アレイレーダーで、多機能統合型RFシステム／多機能機首アレイ（MIRFS/MFA）とも呼ばれる。AN/APG-77の空対空機能・ステルス性能とAN/APG-80の空対地機能を組み合わせて電子戦機能を追加したもので、空対空（独立捜索、セクター捜索、パッシブ捜索、キューによる捜索、複数目標追尾、空中目標識別、空対空戦闘、AMRAAM支援）、空対地（対地マップ、空対地測距、移動目標探知追跡、地表電磁輻射探知）、電子戦（電子攻撃、電子防御）、航法支援（気象機能、航法アップデート）、自動目標キュー、システム診断／測定などの各モードを持ち、AESAであることを活かしてインターリーブ機能も有しており、対空捜索と対地画像表示を同時に行うこともできる。空対空モードでは複数目標同時交戦能力があり、テストでは９秒で23目標を捕捉した。対地マップでは合成開口機能により地上情報を画像化でき、特定部分を拡大する機能（ビッグSAR）も持つ。マイクロ波によりレーダーやシーカーを焼き切るハイゲイン電子攻撃（HGEA）能力も有する。F-22よりも機首が小さくアンテナも小型なので、送受信モジュールは1000個（1676個？800個？）に減っているが、送信モジュール２個と受信モジュール２個をツインパック送受信モジュールとして装備し、実質素子数を倍にして補った。モジュール数から推定される最大探知距離は300km（90海里？）程度、RCS0.1-1平方メートルの第4.5世代戦闘機に対する探知追尾距離は130-150kmくらいとされるが、メーカーのノースロップ・グラマンではAN/APG-77に近い能力を持つとしている。毎秒1000回以上の周波数切替による低被迎撃性（LPI）能力を持つ。整備などの際にはツインパック送受信モジュールのみを外して交換できる。参考：月刊航空ファン5,’11、月刊JWings1,’05、月刊軍事研究5,’14、8,’17、6,’07、9,’09、4,’11、5,’11、月刊世界の艦船6,’18

＜ＡＮ／ＡＰＧ−８２（Ｖ）１＞：アメリカ空軍がF-15E戦闘爆撃機用に開発中のAESAレーダー。元はAN/APG-63(V)4という名称で、2009年9月に改称した。AN/APG-63(V)3に対地攻撃能力を追加すべく合成開口能力を追加したものだが、その目的でバックエンドをAN/APG-79と同じものに変更したため、実質AN/APG-79にAN/APG-63(V)3の大型アンテナを組み合わせたものになった。空対空と空対地の両モードを同時に使用でき、目標識別追尾能力や目標探知距離が向上している。2011年9月に第一次低率初期生産（６基）、2012年7月23日に第２次低率初期生産（10基）が開始されており、2013年度からF-15Eに搭載する予定。参考：月刊軍事研究11,’10、6,’10、10,’12、月刊JWings10,’14

＜ＡＮ／ＡＰＧ−８３＞：アメリカ空軍がF-15E戦闘爆撃機用に開発中のAESAレーダーで、レイセオン社が設計している。AN/APG-79のバックエンドにAN/APG-63(V)3のフロントエンド（アンテナ）を組み合わせており、アンテナが大型になるのでAN/APG-79より性能が向上する。探知距離などは変わらないが、処理時間や解像度が向上し、平均故障時間は500時間で、AN/APG-63の20倍という。輸出の予定は無い。AN/APG-82(V)1と同じ？参考：月刊JWings5,’10、11,’10、月刊軍事研究6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＧ−８３（Ｖ）＞：アメリカ空軍F-16C/D SLEP向けAESAレーダー、別名Scalable Agile Beam Radar、略称SABR（セイバー）。ノースロップ・グラマン社が開発し、社有BAe1-11-401AKテストベッド機で試験を行い、2014年9月24日にEMDの設計審査が完了して制式名が付与された。AN/APG-81を小型軽量化してF-16のレドームサイズに収まるようにしたもので、既存技術の流用なので価格も安い。空対空、空対地、合成開口の各モードを使用可能で、逆合成開口・地上移動目標標示、地上マッピング（10-160海里）、地形追随、洋上捜索、気象探知といった機能を持ち、各モードの並列処理も行える。捜索範囲は上下左右60度の円錐内。同時追尾目標数20以上。輸出用F-16Vブロック70/72にも搭載されており、試作レーダーは2014年12月にロッキード・マーチン社に引き渡され、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地に飛行テスト用として置いてある台湾空軍F-16Aブロック20初号機に搭載されて2015年10月19日に初飛行した。F/A-18のレーダーもこれに換装する計画があり、2018年8月2日に海兵隊F/A-18Cに搭載する試験を行った。参考：月刊航空ファン2,’15、10,’16、11,’18、2,’20、月刊軍事研究1,’09、10,’18

＜ＡＮ／ＡＰＧ−８４＞：RACRを参照。

＜ＡＮ／ＡＰＮ−１１８（Ｖ）＞：自衛隊のF-15DJ用タカン装置。日本電機製。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＰＮ−１５４（Ｖ）＞：自衛隊のタカン航法装置で、TH-135に搭載されている。日本エアロスペース製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜ＡＮ／ＡＰＮ−１９４シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＰＮ−１９４（Ｖ）＞：アメリカ軍の電波高度計。ロックウェル・コリンズ製。参考：月刊JWings12,’18

＜ＡＮ／ＡＰＮ−１９４海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＰＮ−１９４（Ｖ）１＞：自衛隊の電波高度計で、SH-60Kに搭載されている。日本航空電子工業製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜ＡＮ／ＡＰＮ−２０９（Ｖ）＞：自衛隊の電波高度計。三菱商事または丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究、1,’10、1,’14

＜ＡＮ／ＡＰＮ−２１７（Ｖ）６＞：自衛隊のドップラー航法装置で、SH-60Kに搭載されている。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’07、月刊軍事研究2,’09

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１＞：アメリカ陸軍レーザー目標指示機LWLD。ヒューズ社が開発した。太ましいライフルのような外見で、銃床部にバッテリーを収容、本体上部のスコープを覗いて目標を定め、レーザーを照射する。参考：月刊軍事研究10,’75

＜ＡＮ／ＡＰＱ−７＞：ベル電話研究所とMIT放射線研究所が開発した爆撃レーダーで、ウェスタン・エレクトリック社が生産した。横幅5.18m、奥行き0.787m、厚さ0.203mの翼断面形横長アンテナを持ち、B-26爆撃機の機首下やB-29Bの胴体下に支柱２本を介して取り付ける。使用周波数帯はＸバンド、走査方式はイーグルスキャン方式で、走査範囲は左右30度ずつ。解像度がAN/APQ-13の10倍高く、雲上からコンクリートの建物を発見できたという。参考：ミリタリーエアクラフト1,’97、世界の傑作機No.52、レーダシステムの基礎理論

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１１＞：PNVS（暗視装置）を参照。

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１３＞：ベル電話研究所とMIT放射線研究所が開発したマイクロ波航法爆撃レーダーで、ウェスタン・エレクトリック社が生産した。アンテナ直径762mm。全周走査可能。1943年以降B-29に標準装備された。参考：世界の傑作機No.52、月刊軍事研究8,’08

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１７＞：アメリカ軍の赤外線対抗自衛装置ISDS（Infrared Countermeasures Self-Defense System）、別名Have Siren。参考：月刊航空ファン11,’18

＜ＡＮ／ＡＰＱ−２３＞：アメリカ空軍B-36A爆撃機用レーダー爆撃航法装置。AS-54/APQ-13レーダーアンテナ、CP-16/APQ-23アナログ弾道計算機などで構成され、目標の距離、方位、偏流などを計算してレーダー爆撃・航法が行える。最大対応高度40000フィート（12192m）、最大対応速度400ノット、最大トラッキング距離17マイル。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ／ＡＰＱ−２４＞：アメリカ空軍B-36B爆撃機用レーダー爆撃航法装置。AN/APS-23レーダー、AN/APA-59アナログ爆撃計算装置、Y-1引き込み式垂直ペリスコープ爆撃照準装置で構成する予定だったが、Y-1の開発が遅れ、代わりにノルデンM-9爆撃照準器を搭載した。最大トラッキング距離は200マイルあり、直前に直線飛行しなくても爆撃照準を行えたが、故障が多く可動率が25%で、１回の飛行中に数回故障する有様だった。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ／ＡＰＱ−３５＞：アメリカ海軍F3D艦上戦闘機用レーダー。ウェスティングハウス社製。重量454kg。探知距離125マイル。参考：月刊JWings5,’04、週刊エアクラフトNo.93

＜ＡＮ／ＡＰＱ−８３＞：アメリカ海軍F-8D艦上戦闘機用火器管制レーダーで、AN/AWG-4を構成する。アンテナ直径14.5インチ（368.3mm）、ビーム幅6.5度、捜索範囲は上方45度・下方30度で、垂直方向は毎分30回、水平方向は毎分144回スキャンする。AIM-9Cの誘導が可能で、ECCM能力も持つ。出力160kW、探知距離20海里。参考：世界の傑作機No.1

＜ＡＮ／ＡＰＱ−９４＞：アメリカ海軍F-8E艦上戦闘機用火器管制レーダー。アンテナ直径20インチ（508mm）、ビーム幅4.5度。出力160kW、探知距離60海里、レンジスケールは15/30/60海里の３段階、ロックオン距離40海里（爆撃機）。ジャミング源をロックオンするTOJ（Track On Jaming）や、ECMをかけられた際にAN/AAS-15赤外線シーカーの情報を使用するIRスレイブモードを持ち、SARHのAIM-9Cを含むAIM-9シリーズによる多彩な攻撃が可能である。参考：世界の傑作機No.1

＜ＡＮ／ＡＰＱ−９４ファミリー＞

　＜ＡＮ／ＡＰＱ−９４Ｔ１＞：訓練用で、T-39Dに搭載された。参考：世界の傑作機No.1

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１１８−Ｎ＞：自衛隊の選択識別装置応答機。P-1に搭載されている。東洋無線システム製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１２０シリーズ＞：アメリカ空軍F-4E戦闘機用レーダー。ウェスティングハウス社製で、AN/APQ-72の改良型である。参考：ジェット戦闘機

　＜ＡＮ／ＡＰＱ−１２０（Ｖ）＞：シリアルナンバー71-236までの機体に装備されているタイプで、タイレクトビュー・ストレージ管を使用したもの。対地対空目標の発見、自動または手動での目標捕捉・追尾、目標情報表示、ミサイル最適発射位置への誘導、ミサイルへの情報入力、AIM-7空対空ミサイル誘導のための連続波出力、電子光学誘導兵器運用、マッピング表示、ビーコンモード表示などを行える。操作は後席のWSOが担当し、左手でレーダー出力を調整しつつ、右手でアンテナの向きの調整やレーダー画面の操作を行う。使用レンジは5/10/25/50/100/200マイルで、ロックオンが可能な50マイルまでのレンジを使用している場合、前席スコープの右上にランプが点く。空対空捜索パターンは、レンジ100-200マイルで、水平120度走査のみの１バーと、水平120度・垂直3.75度走査の２バーの２種類があり、ボアサイトモードでは専ら前者を使用する。目標が50マイル以内に近づけば、手動でスコープ上の目標を捕捉シンボルで囲むことによりロックオンが可能になる。ジャミングをかけてきた場合、発信源にロックオンして方位及び高角を掴むことができる（AOJ、Acquisition On Jamming）が、距離は計測できない。目視攻撃にはボアサイトモードが用意されており、リード・コンピューティング・システムを35ミルとしてこの中に目標を捕捉し、WSOが手動でロックオンする。ベトナム戦争で多用されたが、手動ロックオンに時間がかかる欠点があったため、後に５マイルレンジでは自動捕捉モードになるよう改良された。ロックオンするとレーダーアンテナは目標に対する自動追尾を開始する。追尾可能範囲は左右120度、上下110度。ロックオン中にジャミングがかけられた場合、自動的にホーミング・オン・ジャミング（HOJ）モードに切り替わり、AOJモードと同様の発信源情報を得られ、ジャミングが止めば自動的にロックオンに戻る。AIM-7発射時は、連続波照射を行うためエンジンを高回転にして発電量を増加させ、目標をレーダーカバー範囲から反らさないようにする必要がある。AIM-4ではロックオン後にスイッチを入れるとレーダー及びミサイルの赤外線シーカーが同期し、ミサイルが目標をロックオンするとパイロットに音声で知らせる。AIM-9ではリード・コリジョン・サイト・システムを35ミルに設定してその中に目標を捕らえるとミサイルがロックオンする。レーダーを空対空モードにして兵装コントロールパネルをガンモードにすると、見越し角表示が行われ、最大2042mまでレンジバーが表示される。目標が自機より低い高度を飛行している場合はアンテナのフィードホーンの回転を止めて分解能の高いペンシルビームによるサーチを行うが、ドップラーレーダーではないためクラッター除去能力は不完全で、ルックダウン能力に欠けており、WSOの職人技（金属製航空機とグラウンド／シークラッターとのRCSの差をレーダー出力調整で見抜く）で対応する必要があった。参考：ジェット戦闘機、月刊JWings9,’20

　＜ＡＮ／ＡＰＱ−１２０Ｅ（Ｖ）＞：シリアルナンバー71-237以降の機体が装備するタイプで、AN/AXS-1目標発見用電子光学システムを搭載し、レーダー表示管にTV表示を可能とするマルチセンサー表示方式を採用している。参考：ジェット戦闘機

　＜ＡＮ／ＡＰＱ−１２０Ｆ（Ｖ）＞：シリアルナンバー74-643以降の機体が装備するタイプで、デジタルスキャン・コンバーター・グループ方式を採用している。参考：ジェット戦闘機

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１２４＞：アメリカ海軍のレーダーで、AFC571改修後のF-8J戦闘機に搭載された。最大探知距離60海里、レンジスケールは5/15/30/60マイル。参考：世界の傑作機No.1

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１４８＞：アメリカ海軍のマルチモードレーダーで、A-6Eに搭載された。地上マッピング、動目標／固定目標識別、追尾、測距、地形回避の各モードを持つ。最大探知距離150海里。参考：ザ・マーチ17号、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１４９＞：アメリカ海軍のレーダーで、AFC571改修後のF-8H戦闘機に搭載された。最大探知距離60海里。レンジスケールは5/15/30/60マイル。参考：世界の傑作機No.1

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１５３＞：F-5E/F戦闘機用FCS。エマーソン社製Ｘバンドモノパルスレーダー（捜索レンジ20海里以上・プラスマイナス45度、追尾レンジ10海里）、AN/ASG-29リード・コンピューティング・システム、KB-26A記録用サイトカメラなどを統合しており、短距離での空対空戦闘に必要なデータを提供する。対地攻撃では、ロール方向に安定化されたレティクルにより、機がバンクした時でも正確な攻撃が可能。参考：ジェット戦闘機、アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１６４＞：アメリカ空軍B-1B爆撃機用パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダー。アンテナ面は0.56m×1.12mの大きさで、総重量570kg。使用周波数8-20GHz、探知距離は19/37/74/148/296kmの選択式、水平方向探知範囲は10/30/60度の切り替え式、分解能3-48m。合成開口機能による高分解能地上マッピングモード、リアルビーム地上マッピングモード、地形追随モード、地形回避モード、速度修正モード、地上地図ビーコンモード、精密位置修正モード、高々度測定モード、集結ビーコンモード、集結モード、気象探知モードの他、合成開口機能による陸上移動目標表示・追跡機能を持つ。地形追随／回避モードでは、8.6海里（16km）先までの地形を探知し、パイロットが設定した地上との高度差（200フィート・61mから2000フィート・610mまでらしい）を保ちながら自動操縦装置による飛行が行える。参考：月刊軍事研究8,’07、10,’17

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１６６＞：アメリカ空軍B-52爆撃機用戦略レーダー。機械作動式アンテナ、送受信モジュレータ、レーダー処理装置、表示ジェネレータ、レーダー航法管理パネルからなる。使用周波数は125/250/375/500/625/750/875MHzで、アンテナは毎分8.5回または20回転する。航法や気象回避に使う地上マップ・ビデオ（捜索距離は3-200海里で任意設定）や、地形回避（アンテナ回転数毎分20回転固定）といったモードが用意されている。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１７２＞：自衛隊の前方監視レーダー装置。丸文が受注している。参考：月刊軍事研究9,’07

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１７４＞：アメリカ軍の多機能レーダー。気象レーダーや地形追随レーダーなどとして使える。MV-22Bの機首に搭載されている。参考：月刊航空ファン12,’18

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１７７＞：アメリカ海軍A-6F攻撃機に搭載予定だったレーダー。逆合成開口モードを持ち、ハープーン攻撃目標となる艦船の識別を行える。空対空捜索、追尾、地上マッピング能力も強化された。コヒーレント・レーダー波を使用しており、高いECCM能力を持つ。参考：ザ・マーチ17号

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１８０＞：アメリカ空軍AC-130U攻撃機用火器管制レーダー。F-15C後期型やF-15Eに搭載されているAN/APG-70パルス・ドップラー多機能レーダーの派生型で、目標捕捉追尾や火砲の照準の他、合成開口マッピングモードにより地形と移動目標を地図上に表示できる。着弾観測により照準を修正することも可能。参考：月刊軍事研究3,’04、1,’08

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１８１＞：アメリカ空軍B-2爆撃機用爆撃航法レーダー。機体下面の前脚収容部左右にコンフォーマル式に内蔵されている。大きさ900mm×600mm、重量953kgのパッシブ式フェイズド・アレイ・アンテナ（素子数2000個以上）２枚からなる低被迎撃性（LPI）合成開口レーダーで、高解像度地上マッピング、航法支援、防空地域侵攻、目標捜索・探知、地形追随、地形回避を含む21モードを持つという。逆探知を防ぐためにKuバンド（12.5-18GHz）を使用しているが、大気中の減衰が激しいため、大型アンテナを採用してカバーした。アンテナ面は下に傾けてあり、ステルス性を損ねない。使用周波数が民間とかぶるため、2002年から使用周波数セグメントを変更したAESA型の開発を行い、2012年にB-2A RMPの名称で換装改修を実施した。ただしデータ処理コンピュータはIBM286のままである。参考：月刊軍事研究9,’14、8,’07、3,’10、4,'19、月刊航空ファン6,’02

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１８６＞：アメリカ空軍のCV-22B特殊作戦機用多機能レーダー、別名Multi Mode Radar（マルチモードレーダー）、略称MMR。レイセオン社がAN/APQ-174Bを改良して開発した。機首左側のレドームにアンテナを収容する。使用周波数Kuバンド。地形追随（Terrain Following、TF）、低出力低速地形追随（Low Power/Low Velocity Terrain Following）、地形回避（Terrain Acoidance、TA）、陸上地図化（Ground Mapping、GM）、空対地測距（Air-to-Ground Ranging、AGR）、気象探査（Weather Detection、WX）、ビーコン敵味方識別（BeaCon interrogatioN、BCN）、地形マッチング（Contour Matching、CM）、同時走査モード（Cross Scan Modes）の９モードを持つ。地形追随モードでは対気速度150-300ノットにおいて高度100-1000フィート・30.5-305mの範囲（30m以下？）での設定対地高度保持飛行が可能で、サブモードの超低空回避VLC（Very Low Clearance）モードでは100フィート・30.5mまたは150フィート・45.7mのいずれかを選択でき、MFDに上昇または降下指示を表示してパイロットの操縦を補佐する。レンジスケールは1/3/5/10/15海里。地形回避モードでは高層建築物や樹木を回避しつつ適切なコースでの飛行ができる。レンジスケールは1/3/5/10/15海里。陸上地図化のレンジスケールは1/3/5/10/15/30/45/60/80/120海里。気象探査とビーコン敵味方識別のレンジスケールは3/5/10/15/30/45/60/80/120海里。地形マッチングのレンジスケールは1/3/5/10海里。同時走査モードとしてTF/TA、TF/GM、TF/WX、TF/BCNが用意されている。参考：月刊JWings12,’18

＜ＡＮ／ＡＰＱ−１８７＞：アメリカ特殊部隊向け特殊作戦・CSAR機用レーダー、別名サイレントナイト。MH-60K/M特殊作戦ヘリ用AN/APQ-174をベースにレイセオン社が開発した。地形追随回避機能を持ち、低空飛行時に安全を確保するため、山岳地形や樹木、ワイヤーなどを的確に探知し、上昇や下降のタイミングを地図ディスプレイに表示してパイロットに伝える。衝突防止のため、他機や船舶の表示も行う。地上マッピングや気象レーダーのモードも有し、低傍受確率／低探知確率（LPI/LPD）技術を導入している。アンテナは機械走査式で、使用周波数Kuバンド。2012年からテストを行う予定で、初期生産の６基はMH-47Gへの搭載を予定している。更にMH-60H、MH-60M、MC-130H、CV-22Bブロック30への装備が予想される。参考：月刊軍事研究1,’08、5,’14、月刊航空ファン4,’18

＜ＡＮ／ＡＰＲ−７改＞：自衛隊のU-125A用レーダー警戒装置。兼松が受注している。参考：月刊軍事研究11,’08

＜ＡＮ／ＡＰＲ−９シリーズ＞：アメリカ軍のELINT装置。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ＡＮ／ＡＰＲ−９＞：機上搭載機器研究所（AIL）と無線調達研究所（RRL）が設計し、コリンズ社などが製造した。スーパーヘテロダイン方式で、D-Iバンド（1-10.75GHz）で運用される。このデータをAN/ALT-6B/-13/-15/-16ジャマーに送ってジャミング周波数をセットする。B-52などに搭載された。参考：月刊エアワールド1,’00

＜ＡＮ／ＡＰＲ−９Ｂ＞：ECM受信器で、1-10.75GHzのパルスレーダー波、連続波、MCW波を探知し、周波数と変調方式を分析、パノラミック・オシロスコープに表示すると共に信号音を出す。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＰＲ−１４＞：アメリカ軍のECM受信器。30-1000MHzのAM・FM波を探知し、パノラミック・ディスプレイ及び信号音で警告する。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＰＲ−２５＞：アメリカ空軍F-100Dワイルド・ウィーズル用レーダーホーミング警戒装置（RHAW）で、アプライド・テクノロジー社が1965年に開発した。最初はベクター�Wレーダー警戒装置と呼ばれており、後にAN/APS-54の後継としてF-105D、F-4C、RF-4C、B-52など多くの機種に搭載された。S-75地対空ミサイルのファンソング管制レーダーなどの脅威電波を受信し、方位と距離をスコープ上に表示し、警報を鳴らす。受信アンテナは４象限に１基ずつ配置され、90度ずつを担当する。受信機はアナログ式クリスタル・ビデオ方式で、Ｓ／Ｃ／Ｘバンド（2-12.5GHz）に対応する。Ｓ／Ｃバンドはファンソング及び早期警戒・測高レーダーの、ＸバンドはAIレーダー・AAA照準用レーダーの使用周波数帯である。脅威レーダーの弁別は周波数帯域、パルス幅、パルス繰り返し周波数で行う。スレット・パネルと呼ばれる警報灯パネルが操縦席にあり、脅威の種類を「SAM」「AAA」「AI」などとライトで表示した。参考：月刊エアワールド1,’00、月刊軍事研究4,’04、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＰＲ−２６＞：アメリカ空軍F-100Dワイルド・ウィーズル用第１世代ミサイル発射警報装置で、アプライド・テクノロジー社が1965年に開発した。元はWR-300という名称で、S-75地対空ミサイルの誘導に使用する周波数にチューニングしたクリスタル受信機である。ファンソング管制レーダーの誘導信号が発射直前に急激に増加することを利用し、クルーに警告を与える。誘導信号の増幅を検出すると赤ランプが点灯し、発射されると輝度が高まって警告する。運用周波数帯は2-12.5GHzで、S-75が使用するＳバンドと北ベトナム軍の迎撃管制レーダーが使用するＣバンドに重点を置いている。周波数の分析能力に欠けるため、チューニングされた周波数以外には対応できない。受信アンテナ覆域は１基あたり90度で、機体の４箇所に取り付けて360度をカバーする。精度はプラスマイナス10度と粗い。コクピットにはIP-957ブラウン管スコープがあり、三重のリングと15度刻みの目盛りが付いていて、脅威の位置を知らせる。その上には表示灯が２列に並んでおり、SAM、AAA、機上レーダーをランプで示す。後に多くの機種に搭載された。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＰＲ−３６＞：アメリカ軍の第２世代レーダー警戒装置。AN/APR-25の向上型で、アイテク社が開発し、1970年頃から実機で運用された。運用周波数帯はＬ／Ｓ／Ｃ／Ｘバンド（2-21GHz）で、スーパーヘテロダイン受信機により複数信号の同時処理能力と周波数弁別能力が加わり、パルス・レーダー、連続波レーダー、チャープ・レーダー、パルス・ドップラー・レーダーに対応可能。アンテナは４象限に各１基ずつ設けられ、90度ずつを担当する。CRT表示器には脅威種別に直線・波線・点線が表示される。ラインバッカー作戦の頃から、殆どのアメリカ空軍戦闘機はこれを装備した。参考：月刊エアワールド1,’00、月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＡＰＲ−３８＞：アメリカ空軍のレーダー攻撃警報受信機、別名エミッター・ロケッター・システム（ELS）。受信周波数帯が広く、電波輻射源の特定精度が高く、その位置を正確に掴むことができ、SEAD任務に欠かせない。全周をカバーするためアンテナは56個もあるが、大容量コンピュータにより効率的に監視ができる。新しい脅威や兵器の出現に際しては、ソフトウェアの更新のみで対応可能。F-4Gに搭載された。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究2,’03

＜ＡＮ／ＡＰＲ−３９＞：AH-1S攻撃ヘリ、A-129攻撃ヘリ、CH-47D輸送ヘリが装備するレーダー警報装置。敵パルスレーダー波をキャッチしてパイロットに音声警告を与え、発信源方位を表示する機能を持つ。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊軍事研究5,’09

＜ＡＮ／ＡＰＲ−４７＞：アメリカ空軍のレーダー攻撃警報受信機。AN/APR-38の改良型で、F-4Gに搭載され、湾岸戦争で活躍した。参考：月刊軍事研究2,’03

＜ＡＮ／ＡＰＲ−４８Ａ＞：アメリカ陸軍AH-64D攻撃ヘリコプター用レーダー周波干渉装置（RFI）センサー。AN/APG-78ロングボウ・レーダー基部に装着されており、AN/APG-78と一緒に回転し、パッシブ式に敵防空システムのレーダー波を捉える。データ処理コンピュータには最大100種類のレーダー輻射を記憶させておくことができ、そのデータと照合してレーダー輻射源を特定し、ロックオンに入っているレーダーなど脅威度の高いものを判定、AN/APG-78で探知した目標と共に処理して攻撃優先順位を付ける。単純なESMに比べて100倍の能力があるらしい。参考：月刊航空ファン7,’00、月刊軍事研究11,’16、6,’03、1,’00

＜ＡＮ／ＡＰＲ−５０＞：アメリカ空軍B-2爆撃機に搭載されているレーダー警戒装置で、メーカー名称ZSR-63。電波探知識別・ジャミング能力の他、機体から反射する電波に電波を干渉させて能動的に無効化する能力も持つ。参考：月刊軍事研究9,’14、8,’07

＜ＡＮ／ＡＰＲ−５８＞：アメリカ海軍が開発した航空機用潜水艦探知追尾システム、別名ジュリー（Julie）。ジュリー発音弾を海中で炸裂させ、音響を専用ソノブイ（一般のソノブイでも代用可）で探知し、機上コンピュータで解析、各ソノブイがキャッチした潜水艦からの反射音の時間差を元に位置を割り出す。潜水艦で音が反射してからソノブイで反射音をキャッチするまで時間がかかるので、連続測定やドップラー効果の解析などにより、潜水艦の未来位置を計算し、現在潜水艦が航行していると思われる位置をPPIスコープに表示する。有効探知距離は2-3海里といわれる。参考：空軍、月刊丸5,’07

＜ＡＮ／ＡＰＳ−２＞：アメリカ軍の航空機搭載対水上捜索レーダーで、当初はASGという名称だった。大型水上艦を60海里、駆逐艦を50海里で探知できる。潜水艦だと３海里くらいで、目で見た方が早い。PBMやPB4Yなどに搭載された。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜ＡＮ／ＡＰＳ−４＞：アメリカ軍の航空機搭載対空・対水上レーダーポッド。1945年に完成し、単座夜間戦闘機や艦攻などに搭載された。モードは空対空捜索、空対地捜索、ビーコン・ホーミング。重量66kg。探知距離４マイル（空対空）／20マイル（空対地）／50マイル（ビーコン・ホーミング）。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１５＞：アメリカ軍の航空機搭載対水上捜索レーダーで、H2Xともいう。浮上中の潜水艦なら10海里で探知できる。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜ＡＮ／ＡＰＳ−２０＞：アメリカ軍の航空機搭載対水上捜索レーダーで、第２次大戦末期に配備された。探知距離は浮上航行中の潜水艦に対して125海里（シーステート２まで）／85海里（シーステート３）／75海里（シーステート４）、シュノーケル航行中の潜水艦に対して60海里（シーステート１まで）／35海里（シーステート２）／17海里（シーステート３）／10海里（シーステート４）。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜ＡＮ／ＡＰＳ−５４＞：アメリカ空軍のクリスタル・ビデオ方式レーダー警戒装置。迎撃戦闘機用射撃指揮レーダーや高射砲用照準レーダーなどに使用されるD-Iバンド（1-10.75GHz）の電波を探知し、電子戦士官（EWO）や尾部砲座射手に警報を送る。連邦電波研究所（FTI）製で、B-47B爆撃機、B-52爆撃機、EB-66B電子戦機に搭載された。参考：月刊エアワールド1,’00、航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＰＳ−６７＞：アメリカ海軍F-8B戦闘機用火器管制レーダー。アンテナ径14.5インチ（368.3mm）、ビーム幅７度。左右90度・上下14度を毎分30回スキャンできる。使用周波数Ｘバンド、出力43kW、パルス幅0.7マイクロ秒、パルス繰り返し周波数1200。探知距離16海里。参考：世界の傑作機No.1

＜ＡＮ／ＡＰＳ−８２＞：アメリカ海軍E-1B早期警戒機用早期警戒レーダー。測高機能に欠けるという欠点がある。アンテナ直径5.3m、最大探知距離119海里（対空目標）。参考：世界の傑作機No.1、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＮ／ＡＰＧ−８５＞：ノースロップ・グラマン社がF-35戦闘機向けに開発しているレーダー。2023年1月11日に開発中であることを発表した。参考：月刊JWings4,’23

＜ＡＮ／ＡＰＳ−９４＞：アメリカ陸軍OV-1B偵察機用側視レーダーで、モトローラ社製。アンテナは細長い直方体ポッドに収容される。使用周波数I/Jバンド。捜索範囲は25/50/100kmの選択式で、映像は102×127mmまたは幅70mmのフィルムに記録され、機上で観測士が見られる。参考：アメリカ空軍の第一線機

＜ＡＮ／ＡＰＳ−９６＞：アメリカ海軍E-2A/B早期警戒機用早期警戒レーダー。最大探知距離460km。シークラッターを排除して海上低高度飛行目標を探知できるが、陸上の低空目標は探知できない。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１１１＞：アメリカ海軍試作早期警戒レーダー。AN/APS-96に陸上低空目標探知能力を付加したもので、ロートドームの装備位置も高くし、自機背面からの反射波を減らして信号処理装置のワークロードを減少させた。AN/APS-120として実用化された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１１５Ｃ＞：海上自衛隊P-3C対潜哨戒機・近代化フェーズ�V用捜索レーダー。東芝製。参考：月刊軍事研究7,’95

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１２０＞：アメリカ海軍の早期警戒レーダー。AN/APS-111の実用型で、E-2C早期警戒機33号機までに搭載された。グラウンド・クラッター除去を自動化している。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１２５＞：アメリカ海軍の早期警戒レーダー。AN/APS-120の改良型で、空中移動目標標示ANTIモードの信号処理をデジタル化してECCM能力を強化している。レーダー探知距離250海里、探知可能高度30500m、同時探知目標数650目標、同時追尾目標数300、迎撃指示可能機数45機。E-2C早期警戒機34号機以降に搭載された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１２８＞：ブラジル空軍EMB-111対潜哨戒機用捜索レーダーで、気象レーダーも兼ねる。スキャン範囲は前方240度で、スキャン速度は毎秒45度と360度の２段式。自動補正機構が設けられており、機体のピッチ・ロールにある程度対応できる。参考：世界の軍用機1979

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３４＞：アメリカ国境監視局ガーディアンUAV用軽量モジュラー型監視レーダー、別名シーバリュー。合成開口、逆合成開口、移動目標識別、気象探知、地形回避などの各モードを持つ。使用周波数Ｘバンド。参考：月刊軍事研究9,’11

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３７シリーズ＞：

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３７（Ｖ）５＞：レイセオン社が開発した逆合成開口レーダーで、P-3Cアップデート�VAIPに搭載された。参考：月刊軍事研究1,’10

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３７（Ｖ）７＞：AN/APY-10（逆合成開口レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３７海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３７（Ｊ）＞：海上自衛隊P-3C対潜哨戒機・近代化フェーズ�V用捜索レーダー。32目標同時追尾能力があり、逆合成開口機能も持つ。テキサス・インスツルメント社製で、東芝が受注している。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３８＞：アメリカ海軍E-2C早期警戒機用捜索レーダー。AN/APS-125の改良型で、サイドローブ抑制能力の高い総輻射開口制御アンテナ（TRAC-A）と呼ばれるアンテナを装備している。低空目標捜索能力に優れ、シークラッターを排除して艦船の捜索・発見も可能。使用波長UHF帯。探知距離200海里（370km）、高度測定範囲0-30000m、空中監視可能目標数650、同時追尾可能目標数300。毎分６回転のロートドームに装備されているため、360度スキャンに10秒かかる。1983年から搭載された。参考：月刊軍事研究11,’98、6,’10、軍事分析湾岸戦争、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１３９＞：アメリカ海軍のE-2C早期警戒機グループ�T用UHF帯捜索レーダー。AN/APS-138の探知能力強化型で、145海里以上（185km？）先の小型巡航ミサイルを探知できる。参考：世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１４５＞：アメリカ海軍のE-2C早期警戒機グループ�U用捜索レーダーで、AN/APS-139の探知距離・探知目標数増大型である。アンテナは八木アンテナで、ロートドーム内に収容される。監視範囲は半径550km・300万立方マイルに達し、5600セルに細分して捜索を行い、600以上（1600？2000以上？）の目標を同時に探知し、脅威度の高い40目標に対して迎撃指示を出せる。使用波長はUHF帯１チャンネル。波長を長い方に設定すれば尾翼に共鳴させてステルス機を探知できそうなレーダー波だが、解像度の関係で無理である。参考：月刊軍事研究10,’07、世界航空機年鑑2018-2019、世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン10,’14、月刊世界の艦船2,’16

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１４５海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＰＳ−１４５（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の捜索レーダー。三井物産エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１４７＞：アメリカ海軍のMH-60R 哨戒ヘリ用対水上レーダー。高度2000mを飛行した場合、潜望鏡なら60海里先で探知可能。参考：月刊軍事研究1,’17

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１４９＞：アメリカ海軍P-3C哨戒機用レーダーシステム、別名Littoral Surveillance Radar Sustem（沿岸監視レーダーシステム）、略称LSRS。胴体下（コクピット後方からソノブイランチャーの前半部に被るくらいまで）に細長いカヌー状アンテナを装備する。地上の移動目標をリアルタイムで送信でき、F/A-18などに攻撃指示を送り、目標への兵装誘導を行うことも可能である。滑走路とのクリアランスが狭くなるので、運用時には滑走路上の緊急着陸用拘束ワイヤーを外す必要がある。参考：月刊JWings1,’14、3,’09

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１５３＞：アメリカ海軍の対水上レーダーで、AN/APS-147の後継。参考：月刊軍事研究1,’17

＜ＡＮ／ＡＰＳ−１５４＞：アメリカ海軍の側方監視用レーダー、別名Advanced Airborne Sensor（発展型空中センサー）、略称AAS。AN/APS-149LSRSの改良型で、P-8A哨戒機の胴体前部下面に長さ12.2mのカヌー状フェアリングを装着し、内部に左右向きのAESA式合成開口レーダーアンテナを収容する。マストや潜望鏡を探知するMPD（Mast and Periscope Detection）能力を持つ。30キットを導入予定。参考：月刊航空ファン8,’16、月刊軍事研究11,’14、月刊JWings12,’19

＜ＡＮ／ＡＰＸ−３５＞：航空自衛隊の味方識別装置。使用周波数1080-1100MHz（送信）／1040MHz（受信）。チャンネル数９（2.5MHzおき）、尖頭送信出力500ワット。東洋通信機製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＡＰＸ−６８−ＮＤ＞：自衛隊の選択識別装置応答機で、US-2に搭載されている。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＡＮ／ＡＰＸ−７６Ｂ（Ｖ）＞：自衛隊のF-15DJ用IFF質問装置。東洋通信機製。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＰＸ−７６Ｂ（Ｖ）２＞：自衛隊の選択識別装置質問機。東陽無線システム製。参考：月刊軍事研究9,’07

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１００（Ｖ）＞：自衛隊の選択識別装置応答機で、TC-90に搭載されている。東洋無線システムまたは伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究11,’08、5,’13

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１００モデル１７１７＞：自衛隊の選択識別装置応答機。丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１０１＞：アメリカ空軍のIFFで、ハネウェル・エアロスペース製。F-16では質問信号用アンテナがAN/APG-66レーダーのアンテナに寄生しており、捜索範囲は左右60度ずつ、上下４バー。方位と距離のデータはレーダーの方で測定する。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings1,’18

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１０１海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１０１（Ｖ）＞：自衛隊のF-15DJ用IFF応答装置。東洋通信機製。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１０５＞：自衛隊の選択識別装置質問機。P-1に搭載されている。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１１１＞：アメリカ軍の敵味方識別装置。F/A-18に搭載されており、レガシー・ホーネットでは風防直前に背の低いブレードアンテナ５枚が剥き出しで横並びになっているが、スーパー・ホーネットでは箱型フェアリングで覆われている。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１１３＞：アメリカ軍の敵味方識別装置、通称バード・スライサー。F-16戦闘機に搭載されており、風防直前に背の低いブレードアンテナ４枚が横並びになっている。参考：月刊JWings8,’20、月刊軍事研究3,’02

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１１７（Ｖ）＞：自衛隊のIFF応答機。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１１８−Ｎ＞：自衛隊の選択識別装置応答機。P-1に搭載されている。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１１９＞：アメリカ軍の敵味方識別装置。IFFモード５・モードＳやADS-Bなどに対応し、軍民両空域で確実な識別を可能とする。レイセオン・スペース・アンド・エアボーン・システムズ社製。参考：月刊JWings1,’19

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１１９海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１１９（自衛隊）＞：自衛隊の味方識別装置。伊藤忠アビエーションが受注している。参考：月刊軍事研究9,’07

＜ＡＮ／ＡＰＸ−１２３＞：アメリカ海軍E-2D早期警戒機の敵味方識別用デジタル質問応答機。BAEシステムズ社が開発した。ロートドーム内にアンテナアレイ36基が収容されており、モード1-5、モードＣ、モードＳといった各種NATO用IFFモードに対応する。参考：月刊軍事研究12,’14

＜ＡＮ／ＡＰＹ−１＞：アメリカ空軍E-3用早期警戒レーダー。41基が生産された。基本的な監視モードなどはAN/APY-2と共通。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＡＮ／ＡＰＹ−２シリーズ＞：アメリカ空軍E-3用早期警戒レーダー。航空自衛隊E-767にも搭載された。参考：月刊JWings7,’04

＜ＡＮ／ＡＰＹ−２＞：AN/APY-1の海洋探知モード強化型である。運用時は毎分６回転、非運用時は毎分４分の１回転し、高度走査はフェイズド・アレイ方式による電子スキャン、方位走査は狭ビームによる機械的スキャンを行う。電波ビームは電子的に安定化されており、母機が機動を行った際には自動的に補正が入る。レーダーモードは６種類。パルス・ドップラー非高度走査PDNES（Pulse Doppler Non Elevation Scan）は高パルス繰り返し周波数を使用して、機体から下方に向かい地上までを走査する。探知距離が最も長いが、高度走査ができない。パルス・ドップラー高度走査PDES（Pulse Doppler Elevation Scan）は、PDNESに電子垂直走査を加えて高度情報も走査できる。ただし探知距離は短くなる。水平線以遠モードBTH（Beyond The Horizon）は低繰り返し周波数パルス圧縮を使用した超長距離監視モードで、ドップラー無しのパルス・レーダーを使用する。高度情報は得られず、目標がグラウンド・クラッター外にないと探知できない。洋上モード（Maritime）は極めて短い周波数を使用してシー・クラッターを排除しつつ艦船を探知する。グラウンド・クラッターは記憶してある地形図を参考に無効化する。インターリーブド（Interleaved）はPDESとBTH、あるいはPDNESと洋上モードを同時に使用する。受動モード（Passive）は特定目標のレーダー波を継続して受信し、情報を処理するモードで、電子戦状況下における妨害装置の位置測定などに使用できる。使用周波数Ｓバンド。探知距離は高度29000フィート（8839m）を飛行中に低高度目標を探知する場合は400km、レーダー・目標とも高度30000フィート（9144m）を飛行中の場合800km、BTHモードでは更に長距離（1000kmともいわれる）とされ、電波的な水平線を越えてきた目標を直ちに探知することが可能である。参考：月刊JWings7,’04、月刊軍事研究11,’98、6,’10

＜ＡＮ／ＡＰＹ−２ＲＳＩＰ＞：RSIPはレーダーシステム改善計画の略。パルス・ドップラー・パルス圧縮波形を使用することで解析時間を短縮し、デジタル式ドップラー処理装置とデータコリレータを監視レーダーコンピュータに、ソフトウェア言語をAdaに変更、RCSの小さい巡航ミサイルなどの目標をより正確に探知できるようになった。整備性や将来発展性の改善、表示装置の改良なども施され、ECCM機能も強化されている。1997年末からアメリカ空軍E-3が導入し、イギリス空軍も採用した他、航空自衛隊のE-767もこの改良を施す予定である。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＡＮ／ＡＰＹ−３シリーズ＞：アメリカ空軍E-8地上監視機用合成開口レーダーで、ノースロップ・グラマン社製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＡＮ／ＡＰＹ−３＞：基本モードは移動目標のドップラー反射波のみを表示する広域監視／移動目標表示モード（WAS/MTIモード）で、覆域は左右それぞれ120度、最大探知距離250km以上、画像分解能3m。高度10000m以上を飛行しつつ毎分40000平方メートルを捜索し、ヘリ、車両、船舶など600目標以上を誤差100m以内で同時に監視でき、移動速度で装輪式と装軌式の判別も可能で、敵味方識別の有無などの特性別に色分けして表示する。サブモードとして、30km四方を拡大表示するセクターサーチモードSSM、12km四方を高解像度で拡大表示する攻撃計画モードAPMがある。また、静止目標や低速移動目標のシルエット、地上の地形を表示する合成開口レーダー／静止目標指示モード（SAR/FTIモード）では、最大探知距離175kmで、逆合成開口による目標識別も可能であり、150km先の戦車を識別できる。参考：月刊軍事研究10,’07、11,’98、軍事分析湾岸戦争、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＮ／ＡＰＹ−３（Ｖ）＞：フェイズド・アレイ式で、水平方向120度、垂直方向200度、距離280kmの範囲に電波を照射し、地上目標と低空飛行目標を探知する。陸上移動目標表示機能（プライマリー・モード）や合成開口機能を持ち、捉えた目標をデジタルマップ上に光点として表示する。参考：月刊軍事研究5,’07、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＮ／ＡＰＹ−７＞：MP-RTIP（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＡＰＹ−８＞：リンクス�T（合成開口レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＡＰＹ−９＞：アメリカ海軍E-2D早期警戒機のアクティブ電子スキャンアレイレーダー。ロッキード・マーチンが開発した。アンテナはL3コミュニケーションズ製AN/ADS-18で、E-2のAN/APA-171ロートドームにそのまま収容でき、18チャンネルのUHFアンテナを横に並べて解像度の低さをチャンネル数で補った。全周監視モード（先進早期警戒監視AAS、Advanced AEW Surveillance）、全周監視・重点監視併用モード（高性能セクター走査ESS、Enhanced Sector Scan）、拡張セクター・モード（高性能追跡セクターETS、Enhanced Tracking Sector。ロートドームを固定して一定方向のみスキャンする。基本90度、最大３つ重ねて270度）といった各種運用モードを持ち、AN/APS-145に比べて探知範囲が全周監視で250%・拡張セクターで500%増加した他、ノイズやサイドローブを極力抑制しており、目標追跡速度や感度も上昇した。長いレーダー波長を活かし、ステルス機の尾翼にレーダー波を共振させて反射波を捉え、時空間適応処理STAP（Space Time Adaptice Processing）により解像度を上げて探知することも可能らしい。ただ対象の長さが波長の８倍（8mくらい）を超えてくると共振しなくなるので、大型無尾翼機の探知は難しいようである。STAPは反射レーダー波をパルス（時間）方向とアンテナ（空間）方向の時空間計測データにより解析し、クラッターを確実に除去する技術で、巡航ミサイルなどの小型目標を捉える際にも使用する。使用周波数0.3-1GHzと3GHz、波長1-0.3mと0.1m。AN/ALQ-217ESMやAN/APX-123IFFと組み合わせた監視範囲は300海里。ロートドームは毎分６回転し、拡張セクターモードでは停止させ、微調整のため多少の逆回転も可能らしい。参考：月刊軍事研究4,’17、12,’14、10,’07、月刊航空ファン11,’16、5,’17、10,’14、月刊世界の艦船12,’16、7,’17、月刊JWings1,’21

＜ＡＮ／ＡＰＹ−１０＞：アメリカ海軍P-8A哨戒機の逆合成開口レーダー。AN/APS-137の改良型で、開発当初はAN/APS-137(V)7と呼ばれていた。アンテナは球形AESAで、機首に収容される。合成開口モード、逆合成開口モード、潜望鏡探知モード、地上捜索モード、航法モード、カラー気象モードがあり、外洋、沿岸、陸上の捜索が可能で、双方向データリンクを持ち、フォースネットに対応する。RCS１平方メートルの目標を29海里先で探知可能。参考：月刊軍事研究1,’10、月刊JWings3,’15、月刊航空ファン10,’15

＜ＡＮ／ＡＱＡ−３＞：アメリカ海軍の機上潜水艦探知追尾システム、別名ジェゼベル（Jezebel。聖書に登場する悪女）。低周波パッシブソノブイと機上分析装置を組み合わせており、CZやサウンドチャンネルの概念を利用した遠距離聴音（ソノブイの10倍、15-20海里といわれる）が可能となっている。1960年代に開発された。参考：月刊丸5,’07、空軍

＜ＡＮ／ＡＱＡ−３海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＱＡ−３（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のジェゼベル装置で、P2V-7に搭載されている。ソノブイで減衰率の低い低周波雑音をキャッチし、機上のAN/AQA-5N記録装置でパターンを解析、データ照合を行って潜水艦を探知識別する。日本電気製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＡＱＡ−７（Ｖ）＞：アメリカ海軍P-3C哨戒機の分析記録表示器。ソノブイから送られてくる大量の音響データを高速フーリエ変換により処理する。参考：日本の防衛戦力Part7

＜ＡＮ／ＡＱＨ−４（Ｖ）２＞：海上自衛隊P-3C改修型用ソノデータ記録装置。池上通信機製。参考：月刊軍事研究8,’95

＜ＡＮ／ＡＱＳ−１３海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＱＳ−１３＞：海上自衛隊HSS-2B対潜ヘリ用ディッピングソナー。海上でホバリングし、ソナーを海中に降ろして使用する。ヘリ内の指示器に潜水艦の方位と距離が表示される。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＡＱＳ−１３Ａ＞：海上自衛隊HSS-2対潜ヘリ用ディッピングソナー。アクティブ／パッシブ探知が可能で、ヘリの指示盤に潜水艦の方位と距離が表示される。日本電気製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＡＱＳ−１４シリーズ＞：アメリカ海軍の機雷掃討ソナー。参考：月刊軍事研究3,’98

　＜ＡＮ／ＡＱＳ−１４＞：1984年から装備した。参考：月刊軍事研究3,’98

　＜ＡＮ／ＡＱＳ−１４Ａ＞：改良型で、電子装備をデジタル化して信頼性を向上させ、表示や操作を分かりやすくしている。参考：月刊軍事研究3,’98

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２０シリーズ＞：アメリカ海軍がAN/AQS-14シリーズの後継として開発中の機雷掃討ソナー。参考：月刊軍事研究3,’98

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２０＞：ソナー５基で構成され、１回の航過で機雷を探知・識別できる。対応深度もAN/AQS-14より深い。システム重量410kg。参考：月刊軍事研究3,’98

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２０Ａ＞：AN/WLD-1に搭載される機雷探知用可変深度ソナー。前向き広帯域ソナーWBFLS（Wideband Forward-Looking Sonar）１基、両舷向き合成開口ソナーMFSLS（Multi-Function Side Look Synthetic aperture sonar）２基、デジタル・ギャップ・フィル・ソナーDGFS（Digital Gap Fill Sonar）、識別用電子光学センサーEOID（Electro-Optic IDentification）を装備する。全長3.2m、重量445kg。2023年5月1日にIOCを達成した。参考：月刊世界の艦船8,’23、月刊軍事研究8,'15

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２０Ｃ＞：

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２２＞：アメリカ海軍のディッピングソナー、別名ALFS（空中／先進型低周波ソナーシステム）。探知能力はAN/AQS-13など従来型ディッピングソナーの3-7倍に達するらしい。目標データをそのまま攻撃諸元としてMk54短魚雷に入力でき、探知とほぼ同時に敵潜水艦を攻撃できる。MH-60Rに搭載された。参考：月刊世界の艦船12,’17、月刊JWings8,’16

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２４シリーズ＞：アメリカ海軍の掃海ヘリ用曳航式機雷探知装置、別名Airborne Minehunting System（空中機雷捜索システム）、略称AMS。ノースロップ・グラマン社が開発し、無人水上艇での運用テストにも成功した。参考：月刊JWings1,’16

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２４＞：

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２４Ａ＞：本体は円筒型で、尾部に４枚の安定フィンがあり、18ノットで曳航できる。ソナーは解像度３インチ（76.2mm）四方で、補助探知装置として解像度１インチ（25.4mm）以下のレーザー・ラインスキャナを持つ。機内にはミッション分析ステーションが用意されており、19インチ（482.6mm）カラーモニターに状況を映し出す。参考：月刊軍事研究2,’12、9,’10、月刊JWings1,’16

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２４Ｂ＞：解像度を向上させたタイプ。2015年、連続16.25時間の捜索を行った。参考：月刊JWings1,’16、月刊軍事研究10,’16

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２４Ｃ＞：係維機雷と沈底機雷を同時に探知できるタイプで、開発中。参考：月刊JWings1,’16

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２４海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２４Ａ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の曳航式ソナー捜索システム。MCH-101などが搭載し、キャビン後面ドアからケーブルで水中に降ろして使用する。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究1,’13、月刊JWings4,’15

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２３２＞：アメリカ海軍の航空掃海器材。シーフォックスUUVをMH-53Eから運用できるようにしたものである。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＡＱＳ−２３５＞：アメリカ海軍がLCS対機雷戦用ミッションパッケージ空中機雷無力化モジュールの１つとして開発中のヘリコプター搭載機雷処分システム、別名Airborne Mine Neutralization System（空中機雷無力化システム）、略称AMNS。有線式自走破壊体（Destructor）４連装ランチャーをMH-60Sヘリに２基搭載し、AN/AQS-20A可変深度ソナーやAN/AES-1ALMDSが発見した機雷の傍に投下、破壊体（アーチャーフィッシュUUV）を射出し、装着されたカメラからの映像を光ファイバーケーブル経由でヘリに伝達、操作員が機雷の傍に誘導して爆破処分する。テスト中に光ファイバーケーブルが切れる事故が多発したため、改良が加えられた。参考：月刊軍事研究8,'15、2,’17、月刊世界の艦船12,’13、1,'15増刊

＜ＡＮ／ＡＲＡ−６３＞：アメリカ海軍の計器空母着艦装置用受信復号機。艦上機に搭載されており、AN/SPN-41Aの信号を受信、暗号を復号してコクピットのディスプレイに着艦基準コース（滑空角と左右電波中心線）からのずれを表示する。参考：月刊世界の艦船2,’16、12,’12

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２１＞：アメリカ軍の対妨害マルチモード無線機。ロックウェル・コリンズ製。参考：月刊JWings12,’18

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２７海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２７（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の指揮連絡用航空無線機で、T-33A、T-1A/B、YS-11などに搭載された。RT-178/ARC-27送受信機、MT-822/ARC-27防振台、MT-1904/ARC-27制御台、MT-821/ARC-27防振台、C-628/ARC-27遠距離制御器からなる。使用周波数225-399.9MHz、使用波長UHF、送信出力10W以上。三菱電機製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＡＲＣ−１６４（Ｖ）＞：アメリカ空軍のUHF/AM無線機で、レイセオン社製。アメリカ空軍の空対空・空対地双方向通信に使用され、KY-28秘話装置を繋ぐことができる。20チャンネルをプリセットし、任意の１チャンネルに接続可能で、243MHzのUHFガードチャンネルは常時モニターしておける。周波数範囲225.0-399.95MHz、チャンネル数7000（25kHz間隔）。通信可能距離220海里。F-15EやA-10Aに搭載されている。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings1,’18

＜ＡＮ／ＡＲＣ−１６４（Ｖ）海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＣ−１６４（Ｖ）＞：航空自衛隊のUHF無線機で、F-15J、F-4EJ改、C-130Hなどに搭載された。RT-1145/ARC-164(V)送受信機などからなる。使用周波数225-399.975MHz、送信出力10W以上。三菱電機製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings6,’05、月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＲＣ−１８６海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＣ−１８６（Ｖ）＞：自衛隊のVHF無線機。極東貿易が受注している。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＮ／ＡＲＣ−１８７海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＣ−１８７（Ｖ）＞：自衛隊のUHF無線機。三菱電機製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２１０＞アメリカ軍のVHF/UHF無線機で、別名V/UHF統合通信システム。見通し線内通信及び衛星通信が可能で、VHF民間、VHF/UHF地上車両、UHFハブクイック対妨害／対傍受、UHF帯SATCOM/DAMA、マリタイム、航空交通管制ATC、SINCGARSなどに対応しており、アンテナもVHF用のAS-3970/A大型機用、AS-3972/A、AS-4423/A、AS-4424/Aや、SATCOM用の19-430-10、19-440-10などを使い分ける。コリンズ・エアロスペース製。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２１０海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２１０＞：航空自衛隊TC-90用UHF/VHF無線機。極東貿易またはシマヅプレシジョンインスツルメンツが受注している。参考：月刊軍事研究4,’08、9,’09

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２１１＞：アメリカ軍のHF無線機。コリンズ・エアロスペース製。B-2爆撃機に搭載された。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２１７＞：アメリカ軍のHF無線機。コリンズ・エアロスペース製。U-2SやUH-60に搭載された。MRH-90も積んでいる。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２２０＞：アメリカ軍のヘリコプター用HF無線機。見通し内通信が困難なNOE中でも電離層の反射を利用して長距離通信が可能である。コリンズ・エアロスペース製。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２３０＞：アメリカ軍のHF無線機。コリンズ・エアロスペース製。VC-25、RC-135、E-2、E-3、P-8などに搭載された。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２３１シリーズ＞：アメリカ軍のヘリコプター用無線機。参考：月刊航空ファン4,’18、月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２３１＞：UHF/VHF/SATCOM無線機。SATCOM用アンテナとして、AV2090、AV2091、21-90-31が用意されている。参考：月刊航空ファン4,’18、月刊JWings8,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２３１Ａ＞：アメリカ陸軍のヘリ用無線機。暗号化通信に対応している。レイセオン社製。2019-24年に5000基を導入し、AH-64攻撃ヘリ、UH-60汎用ヘリ、UH-72汎用ヘリなどに搭載する。参考：月刊JWings5,’19

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２３２＞：アメリカ軍のUHF/VHF無線機、別名スターブレイザー・ハブクイック�Uサターン。参考：月刊軍事研究3,’02

＜ＡＮ／ＡＲＣ−２３８＞：アメリカ空軍のソフトウェア無線機。ロード＆シュワルツ社製MR6000R/Lを空軍向けに改良したもので、ハブクイック�Uなどと互換性を持つ。使用周波数30-400MHz。参考：月刊航空ファン2,’20

＜ＡＮ／ＡＲＣ−５５２海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＣ−５５２Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の機上無線機。使用周波数225-399.9MHz、チャンネル数1750、送信出力20W以上、変調形式はA3またはA2型。三菱電機製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＡＲＮ−６海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＮ−６（航空自衛隊）＞：航空自衛隊のラジオコンパスで、F-86Fに搭載されている。音声及び符号通信の受信、測位、ホーミング機能を持つ。到達範囲20-200マイル。参考：世界の傑作機No.39

＜ＡＮ／ＡＲＮ−５２海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＮ−５２（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の機上TACAN装置で、モジュール化やトランジスタ化が図られている。使用周波数962-1213MHz、ピーク送信出力15kW、受信感度-87デシベル、測距範囲292海里。日本電気製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１１８＞：アメリカ空軍の機上TACAN装置で、A-10Aに搭載されている。アンテナはUHF/AM無線機と共用で、得られた情報は水平状況表示器HSIに映し出される。受信周波数962-1213MHz、送信周波数1025-1150MHz。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１１８海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１１８（Ｖ）＞：航空自衛隊の機上TACAN装置で、F-15Jに搭載されている。参考：月刊JWings6,’05

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１４７＞：アメリカ軍のVOR/ILS航法装置。ロックウェル・コリンズ製。参考：月刊JWings12,’18

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１４７海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１４７（Ｖ）＞：自衛隊の機上方向探知器。極東貿易またはシマヅプレシジョンインスツルメンツが受注している。参考：月刊軍事研究9,’07、1,’10

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１５３シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＡＲＮ−１５３（Ｖ）＞：アメリカ軍のTACAN受信機。ロックウェル・コリンズ製。参考：月刊JWings12,’18

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１５３海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１５３（Ｖ）＞：自衛隊のTACAN航法装置。サイエンステクノロジートレーディング社またはシマヅプレシジョンインスツルメンツが受注している。参考：月刊軍事研究8,’07、2,’11

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１５４海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１５４＞：自衛隊のTACAN航法装置で、T-5に搭載されている。日本エアロスペース製。参考：月刊軍事研究11,’09

＜ＡＮ／ＡＲＮ−１５４（Ｖ）＞：自衛隊の戦術航法装置で、P-1とT-5に搭載されている。日本エアロスペース製。参考：月刊軍事研究1,’10、5,’14

＜ＡＮ／ＡＲＱ−５２＞：アメリカ軍のGPS内蔵型訓練支援ポッド、別名新型レンジデータシステム、略称ARDS。メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＲＲ−５２海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＲ−５２Ａ（Ｖ）＞：海上自衛隊のソノブイ受信機。VHF-FM受信機で、航空機に搭載され、ソノブイからの信号を受信して音響処理機械に送る。日本無線製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＡＲＲ−７８＞：アメリカ海軍P-3Cアップデート�Vに搭載されているソノブイ受信器。胴体下面に並列で装着されているAS-3153アンテナでソノブイ信号を受信し、AM-6878プリアンプで増幅、受信器で処理する。参考：月刊JWings9,’17

＜ＡＮ／ＡＲＲ−７８海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＲ−７８（Ｖ）１（海上自衛隊）＞：海上自衛隊P-3C改修型のソノブイ受信器。日本無線製。参考：月刊軍事研究8,’95

＜ＡＮ／ＡＲＲ−８５＞：アメリカ軍のVLF/LF無線機。核戦争時に地下戦略司令部と交信するための無線機である。参考：月刊航空ファン12,’18

＜ＡＮ／ＡＲＳ−３＞：P-3C哨戒機に搭載されているソノブイ・リファレンスシステム。投下したソノブイからの信号をアンテナ10個で受信し、アンテナ間の位相差によりソノブイの位置を検出する。真上を通らなくてもソノブイの位置が分かるので便利。使用波長VHF帯、チャンネル数31。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＡＲＳ−５海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＳ−５（海上自衛隊）＞：海上自衛隊P-3C改修型のソノブイ・リファレンス・システム。日本無線製。参考：月刊軍事研究8,’95

＜ＡＮ／ＡＲＴ−１５４海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＲＴ−１５４（Ｖ）＞：自衛隊のTACAN航法装置で、T-5に搭載されている。日本エアロスペース製。参考：月刊軍事研究9,’08

＜ＡＮ／ＡＳＡ−３２海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＡ−３２Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊F-4EJ戦闘機の自動操縦装置。自動的に姿勢・高度の保持を行う他、機体安定性の増大にも寄与する。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＡＳＢ−１シリーズ＞：アメリカ海軍の爆撃航法装置。AJシリーズとA-3シリーズに搭載された。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＡＮ／ＡＳＢ−１＞：AJ-1/-2に搭載された。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＡＮ／ＡＳＢ−１Ａ＞：AN/ASB-1にロフト爆撃モードを追加したタイプ。C-582/ASB-1爆撃ディレクター・コントロール、C-583/ASB-1トラッキング・コントロール、CP-66/ASB-1コンピュータ、IP-187Aレーダースコープ、MX-1295/ASB-1Aペリスコープ（視界50度。倍率1.5または６倍）から構成され、機首のAS-473/ASB-1レーダーアンテナによる150度または25度セクタースキャンにより探知した画像を、レーダースコープとペリスコープ画像に重ねてPPI表示する。A3D-1/-2とA3D-2Tに搭載された。参考：世界の傑作機No.118

　＜ＡＮ／ＡＳＢ−１Ｂ＞：AN/ASB-1Aから爆撃照準機能を外したもので、RA-3Bに搭載された。C-1712/ASB-1Bレーダー制御パネル、C-1711/ASB-1Bインティケータ・コントロール、IP-333/ASB-1Bインティケータ、IP-187/ASB-1インティケータから構成され、レーダー画像撮影を行う。参考：世界の傑作機No.118

＜ＡＮ／ＡＳＢ−７＞：アメリカ海軍の爆撃航法装置。AN/ASB-1Aの改良型で、サブシステムをドップラーレーダー、デジタルコンピュータ、アナログコンピュータ、写真撮影装置、安定装置などに変更している。既存のA3D-2のうち７機で運用試験が行われ、A3D-2最後期型に生産当初から搭載された。参考：世界の傑作機No.118

＜ＡＮ／ＡＳＢ−１２＞：アメリカ海軍A-5艦攻シリーズの爆撃誘導装置（Bomb Directing Set）。慣性航法装置、航法計算機、爆撃計算機、多機能レーダー（16-17GHzのKuバンド帯、出力60kW、捜索距離最大140海里、高度60000フィート・18288mなら60海里先の地上目標識別が可能）、昼間航法参照用閉回路TV（視野7.5/15/28度のズーム方式。前脚や主脚の監視にも使用可能）などから構成され、大気諸元計算機、ジャイロ、高度計などから入力されたデータをVERDAN（VERsatile Digital Analyzerの略。Very Effective Replacement for Dumb Ass Navigatorというニックネームも付けられた）デジタルコンピュータで計算し、全天候下で正確な航法データをA-5に提供する。慣性航法装置の誤差はレーダー及び閉回路TVにより補正する。飛行中に選択した複数目標への航法、多機能レーダーによる位置評定などが可能。RA-5Cにも引き続き搭載され、偵察情報算定基準用飛行データの偵察センサーへの提供などに使用された。参考：A-5ビジランティ

＜ＡＮ／ＡＳＢ−１９＞：アメリカ海兵隊A-4MやAV-8Bに搭載されたアングル・レート爆撃装置。目標をTVまたはレーザーで追尾し、角速度の変化を計算、自機の動きと共にコンピュータ処理して兵装の最適な投下・発射タイミングをHUDに表示する。通常爆弾に誘導爆弾並みの命中率を付与できるといわれる。1983年5月に実用段階に達した。参考：世界の傑作機No.3

＜ＡＮ／ＡＳＣ−１５＞：アメリカ空軍タイタン�UICBMに搭載されたミサイル誘導コンピュータMGC（Missile Guidance Computer）。IBM製アナログコンピュータで、27ビットの固定小数点データを９ビットワードのインストラクションで計算できる。メモリー容量15キロバイト（うちOS用８キロバイト、目標データ用１キロバイト）。参考：月刊航空ファン3,’11

＜ＡＮ／ＡＳＤ−１０＞：アメリカ海兵隊の航空偵察システム、別名Advanced Tactical Airborne Reconnaissance System（新型機上偵察システム）、略称ATARS。低高度電子光学センサー、中高度電子光学センサー、赤外線ラインスキャナを内蔵しており、F/A-18Dの機首のバルカン砲の代わりに搭載され、AN/APG-73の合成開口・逆合成開口機能と組み合わせて使用される。デジタル・データリンク・ポッドを装備すれば、リアルタイム送信が可能となる。参考：月刊JWings8,’06

＜ＡＮ／ＡＳＤ−１１＞：アメリカ空軍の航空偵察システム、別名TARS（機上偵察システム）またはPRS（ポッド式偵察システム）。BAEシステムズ・ノースアメリカが開発した。ポッド前部にKS-87カメラまたはROI社製CA-261デジタルカメラ（2500万ピクセル）、中央にTERMA社製中高度電子光学センサー、他にアンペックス製DCRSi1240機上レシーバーなどを収容している。20基がアメリカ空軍に納入され、州兵航空隊のF-16C/Dブロック30に搭載されて航空偵察任務に使用された。また、MRPという名称でNATO諸国が導入している。参考：月刊JWings8,’06、月刊軍事研究7,’11

＜ＡＮ／ＡＳＤ−１２＞：アメリカ海軍の航空偵察システム、別名SHARP（共用偵察ポッド）。F-14用TARPSポッドの後継である。サイズはFPU-8/A増槽と同じで、取り付け部に大型フェアリングを持つのが相違点。下部には450×280mmの撮影窓があり、使用する時だけ開く。最先端部がAN/USQ-123共通データリンク（CDL）アンテナとなっており、その後ろがベイ1-5の５つに分かれている。ベイ１にはCDL電子機器、センサー電子機器、熱交換機、電源を収容、ベイ２には記録装置、センサー電子機器、補助データ処理ユニット、インターフェース受信ユニットを収める。ベイ３はCA-297/H高々度長距離デュアルスペクトラル（光学・赤外線併用）デジタルカメラやCA-279/M中高度デュアルスペクトラルデジタルカメラ、CA-295偵察/光学カメラなどのセンサーと、センサー・モニター・ブラケットを収容。ベイ４はINS・ポッド管理ユニット収容部で、ベイ５には環境制御ユニットを収める。撮影データは地上ステーションなどにリアルタイム送信が可能。全長4.78m、幅0.74m、重量953kg。撮影可能距離93km、運用高度610-15240m、偵察面積毎時18520平方メートル。F/A-18シリーズなら胴体下中央ステーションに搭載する。2004年から量産型を生産し、2006年9月に初期作戦能力を獲得した。50基が生産されており、F/A-18E/F（2000年度発注のロット24以降）、F/A-18C（搭載改修を受けたもの）、P-3Cなどに搭載されて航空偵察に用いられるが、F/A-18Cはブリングバック・ペイロードが小さいので、あまり使用されない。2006年からレイセオン社がアップグレード版を開発しており、目標指示システムを改良し、偵察時に機上で攻撃目標ポイントを記録できるようにする予定。これにより、地上ステーションで目標を探し直す手間が省ける。参考：月刊JWings1,’05、8,’05、8,’06、1,’07、4,’10、月刊軍事研究7,’11

＜ＡＮ／ＡＳＧ−１４＞：アメリカ空軍F-104B/D戦闘機に搭載されているFCS。パルス方式Ｘバンドレーダー（探知距離20マイル・追尾距離10マイル）または赤外線監視装置（探知距離は４発機で14-15マイル）で目標を探知、計算機で目標の未来位置を割り出し、光学照準器に示すので、これを照準点に合わせて兵装を発射する。地上からUHFデータリンクにより目標情報（指令方位、指令高度、指令速度、タイム・トゥー・ゴー、攻撃方位、目標高度、目標方位、目標までの距離）を得てレーダースコープに表示することも可能である。参考：ジェット戦闘機

＜ＡＮ／ＡＳＧ−１８＞：アメリカ空軍がXF-108及びYF-12用として開発していたレーダー。ヒューズ社製で、アメリカ初のパルス・ドップラー・レーダーであり、クラッター除去能力を持つため、実用化されればアメリカ初のルックダウン・シュートダウン能力を持つ機体が完成する筈だった。重量2100ポンド（952.5kg）。最大捜索距離200-300マイルで、追尾距離は爆撃機サイズで161kmあるが、１目標しか追尾できない。1960年初頭にB-58改造テストベッド機スヌーピーに搭載されてテストを開始したが、搭載母機がどちらも開発中止になったため没になり、AN/APG-63のベースとなった。参考：月刊軍事研究6,’10、月刊JWings7,’19

＜ＡＮ／ＡＳＧ−２６海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＧ−２６＞：航空自衛隊の光像式照準装置で、F-4EJ戦闘機の20mmバルカン砲用である。オプティカル・ディスプレイ・ユニット、リード・コンピューティング・ジャイロスコープ、リード・コンピューティング・アンプリファイア、ジャイロスコープ・マウントからなり、パイロットが持続的に目標に照準を合わせ続けられるよう、ビーム・スプリッターに照準情報を表示する。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＡＳＧ−３０＞：F-4戦闘機に搭載されている空対空・空対地兼用光像式照準器で、別名COSS（計算光学照準システム）。直径２ミルの赤い点をした照準レティクル、目標までの距離を円弧の長さで示すレンジ・バー、ロール姿勢を表示するロール・タブなどが表示される。HUDとは違ってレーダー情報などの表示機能は無く、照準以外の情報はレーダースコープや計器を見て確認しなければならない。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＡＮ／ＡＳＧ−３４（Ｖ）１＞：アメリカ海軍F/A-18E/Fに搭載予定の長距離対空捜索識別用赤外線探知装置で、別名IRST-21。F-14のAN/AAS-42を改良したもので、480ガロン増槽FPU-13/Aの先端に取り付けて機体中央パイロンに吊す。LANTIRNやAN/ASQ-213HTSの先端に取り付けることも可能。開発はロッキード・マーチン社だが、増槽へのセッティングと機体への統合作業はボーイング社が行う。ちなみに先端のセンサー部とその後ろのプロセッサー部以外は増槽として使うことができ、380ガロン（1438リットル）の燃料を積める。センサー部全長965mm、直径234mm、重量52.2kg。プロセッサー部前部全長483mm、全幅264mm、全高229mm。プロセッサー部後部全長216mm、全幅307mm、全高208mm。視野は上下左右70度ずつ。170基を配備予定で、最初の60基はAN/AAS-42を改造して製作される。2015年1月22日にLRIPの指示が出されており、2017年から実戦配備される予定。アメリカ空軍もリージョン・ポッドと呼ばれる細身のポッド先端に取り付けて運用予定で、2015年6月30日にF-16、2016年9月20日にF-15Cでのテストを行っている。参考：月刊軍事研究10,'15、6,’15、月刊JWings12,’16、4,’15

＜ＡＮ／ＡＳＨ−３３海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＨ−３３（海上自衛隊）＞：海上自衛隊P-3C改修型に搭載されている磁気テープ記録装置。東芝製。参考：月刊軍事研究8,’95

＜ＡＮ／ＡＳＫ−６海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＫ−６（航空自衛隊）＞：航空自衛隊F-15Jに搭載されている対気諸元計算装置で、トキメック製。デジタル方式で計算された対気諸元は、FCSなどに供給される。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＳＮ−４６Ａ海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＮ−４６Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊F-4EJに搭載されているアナログ式航法計算機。航空機の現在位置、緯度、経度、偏流角、目標距離、目標相対方位角、対地速度、対地航跡角の推測航法が行える。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＡＳＮ−６３海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＮ−６３（航空自衛隊）＞：航空自衛隊F-4EJに搭載されている慣性航法装置。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＡＳＮ−１０８海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＮ−１０８（航空自衛隊）＞：航空自衛隊F-15Jに搭載されている姿勢方位基準装置で、トキメック製。磁気方位、ピッチ、ロール、旋回率信号などを関連機器に供給する。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings6,’05、月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＳＮ−１０９海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＮ−１０９（航空自衛隊）＞：航空自衛隊F-15Jに搭載されている慣性航法装置。東芝または東芝電波プロダクツ製。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究7,’97、12,’08

＜ＡＮ／ＡＳＮ−１４９＞：アメリカ軍のヘリコプター用２チャンネルGPS受信器。ロックウェル・コリンズ社製。アンテナ、受信器、電波増幅変換器、表示盤から構成される。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８（海上自衛隊）＞：ジュリー発音弾１型を参照。

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１７＞：アメリカ軍F-8Aに搭載されている総合電子装備。AN/ARC-27UHF無線機、AN/ARA-25ADF、AN/APX-6IFFを一纏めにしたものである。参考：世界の傑作機No.1

＜ＡＮ／ＡＳＱ−２８＞：ノースロップ・グラマン社が開発した内蔵式前方監視赤外線装置・目標指示システム（IFTS）。FLIRとレーザー目標指示装置を一体化したものである。F-16E/Fの風防前方に取り付けられている。参考：月刊JWings8,’05

＜ＡＮ／ＡＳＱ−３８Ｂ＞：F/A-18戦闘攻撃機用外装式FLIRポッド、別名ナイトホーク・ターゲッティングポッド。先端のカメラ部分が回転するので、多少の機動を行っても目標の追尾が可能である。参考：月刊軍事研究1,’08

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１＞：アメリカ海軍P-3対潜哨戒機のMADシステム。磁気探知装置、磁場補正機構、自動識別装置を組み合わせている。参考：日本の防衛戦力Part7

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１（海上自衛隊）＞：海上自衛隊P-3CのMAD。探知距離500-1000m。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１Ｄ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の磁気探知機で、SH-60Kに搭載されている。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’09

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１Ｄ（Ｖ）＞：海上自衛隊の磁気探知機。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’07

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１Ｄ（Ｖ）４＞：SH-60Kに搭載されている磁気探知機（MAD）。探知距離500m。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１Ｄ（Ｖ）６＞：自衛隊の磁気探知機で、SH-60Kに搭載されている。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’08、2,’09

＜ＡＮ／ＡＳＱ−８１Ｄ（Ｖ）−８＞：自衛隊の磁気探知機で、SH-60Kに搭載されている。三菱電機製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１１４＞：アメリカ軍のA-NEW対潜システム用デジタル・コンピュータ。ユニバック製。処理速度毎秒300万ビット。P-3C対潜哨戒機に搭載された。参考：日本の防衛戦力Part3

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１３７＞：アメリカ軍のFLIR／レーザー照射ポッド。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１５１＞：アメリカ空軍の電子光学目視システムEVS（Electro-Optical Viewing System）。B-52G/HにT.O.1B-52-2012改修で装備された電子光学センサーで、機首下面右のAN/AAQ-6FLIRと、機首下面左のAN/AVQ-22LLLTVから構成される。これにより、電波封止下でも低空侵攻が可能となった。参考：月刊航空ファン12,’18

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１５３（Ｖ）２＞：アメリカ軍の外装式レーザー目標指示装置で、AN/AVQ-23ペイブ・スパイク（Pave Spike）ともいう。AIM-7空対空ミサイルとほぼ同じサイズの円筒型ポッドで、F-4D/Eの胴体下面左前方AIM-7用ステーションに搭載できる。システム作動方式はAN/AVQ-10ペイブ・ナイフと同じで、ポッド先端のTVカメラ視野は左70度上方から右20度上方までは左右90度、前後には35度の範囲であり、倍率３倍で捜索し、12倍で目標評定を行う。装備位置の関係で右視野が限定される。カメラはジンバルで支持されており、首振り操作は手動。レーザー測距機能も持つ。後席のスコープはレーダー画像とTVセンサー画像をスイッチ１つで切り替えられる。長さ3.66m、直径0.254m、重量425ポンド（209kg）。参考：月刊軍事研究11,’99、12,’04、10,'15、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１７０＞：TADS（照準装置）を参照。

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１７３＞：アメリカ海軍F/A-18用レーザー探知装置・カメラ（LDT/CAM）。レーザー誘導爆弾運用器材で、装備機以外から目標に照射されて反射してきたレーザーを探知するものである。35mmカメラも搭載しており、爆撃損害評価が可能。参考：F/A-18ホーネット、月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１７６＞：アメリカ空軍B-52H爆撃機に搭載されている攻撃電子システム。参考：月刊軍事研究8,’16

＜ＡＮ／ＡＳＱ−１８４＞：アメリカ空軍B-1B爆撃機に搭載されているチャフ・フレア射出制御装置、別名Defense Management System（防御管理システム）、略称DMS。AN/ALQ-161で探知したミサイルの情報を受け取り、AN/ALE-49チャフ・フレアディスペンサーやAN/ALE-50曳航デコイの作動を決定する。参考：月刊軍事研究10,’17

＜ＡＮ／ＡＳＱ−２１３＞：アメリカ空軍のAGM-88HARM運用システムで、別名HTS（HARM照準システム）。POS、HAS、LORの各モードを持つが、PE、DAは無い。F-16のエアインテイク側面（F-16CJ/DJでは右側Sta.5R、AN/AAQ-14/-28運用改修後のF-16CM/DMでは左側Sta.5L）に取り付けて使用する。レイセオン社製。当初はF-15の捜索機バージョンと共同運用する予定だったので、F-4Gの目標識別・警戒能力よりも低い性能で纏めたが、F-16CJ/DJとして単独運用することになったので、改良型を開発中。参考：月刊JWings7,’02、4,’10、1,’24

＜ＡＮ／ＡＳＱ−２２８＞： アメリカ海軍のF/A-18E/F戦闘機用ターゲッティングポッド、別名Advanced Targeting Forward Looking Infrared（先進型照準赤外線前方監視装置）、略称ATFLIR。航法・照準システムを１個のポッドに収容しており、GPS誘導式のJDAMとAGM-154JSOWの運用を初めから考慮している。レーザー・スポット・トラッカー、電子光学センサー・ユニット（レーザー測距目標指示機、赤外線マーカー）、航法用高解像度FLIR（波長3.5-5mmの中波赤外線）が収容されており、先端部分はロール・ドライブ・ユニットにより広範囲で回転するので目標を常に捕捉し続けることができる。全長1.83m。センサー視野は0.7度／2.8度／6.0度の３段階切り替え式。最大ターゲッティング距離74km以上、レーザー目標指示最大高度15240m・最大斜め距離48km。オプションでKuバンド・データリンクを追加でき、母艦や地上部隊に情報をリアルタイムで送信できるようになる。F/A-18E/Fの胴体左下面Sta.5に搭載でき、NAVFLIR（航法用FLIR）付きのアダプター（前部左にFLIR用の丸窓がある。付いていないアダプターもある）を介して装着する。これによりAN/ASQ-38B、AN/AAR-50、AN/ASQ-173の機能を一纏めにしており、Sta.7をAIM-120搭載用に残すことが可能となった。レイセオン社製。参考：月刊軍事研究1,’08、6,’08、6,’10、月刊JWings1,’05、2,’04、8,’13、11,’19、9,’24

＜ＡＮ／ＡＳＱ−２３６＞：F-15E用レーダー偵察ポッド、別名ドラゴンズ・アイ。AESAレーダーを搭載しており、高解像度マッピング能力を持ち、目標捜索や戦闘損害評価が行える。全長3.3m、直径0.51m、重量454kg。ノースロップ・グラマン社が開発して2009年からテストされており、2011年に実戦配備される予定。MC-130での運用試験も行われており、2014年にはB-52Hに搭載されてヴァリアント・シールド2014演習でテストされている。参考：月刊軍事研究7,’11、5,’11、月刊航空ファン10,’14、12,’18

＜ＡＮ／ＡＳＱ−２３９＞：F-35戦闘機に搭載されている電子戦／対抗手段装置、別名バラクーダ。ECMとECCMの両方に使用でき、広周波数帯レーダー警戒受信機、赤外線対抗手段装置、無線周波対抗手段装置などをモジュラー式に備えていて、AN/AAQ-37など他のセンサーのデータもデジタル式電子戦システムで統合し、最適な対抗手段を自動または手動で作動させる。参考：月刊世界の艦船6,’18

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ１１＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ１３＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ１６＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ１７＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ１８＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２０＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２１＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。ジェネラル・ダイナミクス製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２５＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２５Ｊ＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２７シリーズ＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２７＞：メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２７Ａ＞：キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２７Ｂ＞：ADTIまたはキュービックまたはメトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２７Ｃ＞：メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２７（Ｖ）１＞：メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２８＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。コールマン製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ２９＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。コンプテックまたはメトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３１＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３４＞：アメリカ空軍のレンジレス空戦訓練（ACT-R）システムポッドで、別名KITS（嘉手納暫定訓練システム）ポッド。アメリカのキュービック社が開発した。細長い円筒形（直径はAIM-9空対空ミサイルより小さい）で、先端にスパイク（ピトー管＋送信アンテナ）が出ている。参考：月刊JWings2,’03、4,’10、2,’14、月刊軍事研究11,’15

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３５Ａ＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３６＞：アメリカ海軍の内蔵式レンジレス空戦訓練（ACT-R）用データ記録装置で、別名JACTS（統合空戦訓練システム）。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３７＞：アメリカ軍のACT-Rポッド、別名JACTS（統合空戦訓練システム）。レイセオン製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３８シリーズ＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド、別名URITS（在欧米空軍暫定レンジレス訓練システム）。参考：月刊JWings2,’14

　＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３８Ａ＞：メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

　＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３８Ｂ＞：メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

　＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３８Ｃ＞：キュービックまたはメトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ３９＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド、別名AIP-FW（航空機計測パッケージ・固定翼）ポッド。メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ４０＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド、別名AIP-FW（航空機計測パッケージ・固定翼）ポッド。メトリック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ４５＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ４６＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド、別名AKITS（アルペナ・嘉手納暫定訓練システム）。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ４７＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド、別名SAKITS（サウジアラビア・嘉手納暫定訓練システム）。キュービック製。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ５０シリーズ＞：アメリカ軍の訓練支援ポッド。キュービックまたはメトリック製。参考：月刊JWings2,’14

　＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ５０（Ｖ）１＞：

　＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ５０（Ｖ）２＞：

＜ＡＮ／ＡＳＱ−Ｔ５０３＞：アメリカ軍の空戦訓練システムポッドで、別名MOKKITS（三沢・烏山・群山・嘉手納暫定訓練システム）ポッド。AN/ASQ-T34の改良型で、アメリカのキュービック社が開発した。本体はAN/ASQ-T34と同様のスパイク付き円筒形で、前部に取っ手のようなアンテナが十字に取り付けられている。航空自衛隊も日米共同訓練で使用する。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＡＳＳ−Ｎ１＞：海上自衛隊の赤外線探知装置。富士通製。参考：月刊軍事研究2,’07

＜ＡＮ／ＡＳＴ−９＞：アメリカ軍のレーダー・シミュレーター・ポッド。搭載した航空機を対艦ミサイル脅威に模すことができる。参考：月刊航空ファン4,’19

＜ＡＮ／ＡＳＷ−３８＞：航空自衛隊F-15J戦闘機に搭載されている自動操縦装置。二重冗長系センサー及び回路によるモニタリング、フェイルセーフ・コントロールが可能で、安全性や信頼性が高い。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings6,’05

＜ＡＮ／ＡＳＸ−４＞：アメリカ軍の新型画像マルチスペクトラルシステム（AIMS）。AN/AAS-36の後継となる引き込み式電子光学・赤外線センサー／レーザー検知器である。参考：月刊航空ファン3,’11

＜ＡＮ／ＡＶＱ−２シリーズ＞：アメリカ海軍の探照灯。参考：世界の傑作機No.50

　＜ＡＮ／ＡＶＱ−２＞：カーボン・アーク式で、最大光量7000万カンデラ。照射時間30秒。上方５度、下方45度、左右27.25度の範囲を照射できる。翼端増槽先端に装着され、P2V-4やP2V-5に搭載された。参考：世界の傑作機No.50

＜ＡＮ／ＡＶＱ−２Ａ＞： 7000万カンデラの明るさがあり、副操縦士の操作で上方10度、下方50度、左右30度の範囲を照射できる。照射時間は60秒に延びた。S2F-1シリーズやP2V-7の右主翼前端に搭載された。参考：月刊航空ファン11,’02、月刊世界の艦船3,’10、世界の傑作機No.50

＜ＡＮ／ＡＶＱ−８＞：アメリカ軍の探照灯。出力20kW・光量150万カンデラの強力なライトで、高度5000mから照射しても地上で新聞が読めるといわれた。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック

＜ＡＮ／ＡＶＱ−９＞：アメリカ軍のペイブウェイ用レーザー照射装置で、最も初期のタイプである。大判カメラほどの大きさの照射装置をF-4D後席の計器板上部に取り付け、クルーがレンズで反射させて目標を評定する。晴れていないと照射は難しい。参考：月刊JWings4,’01

＜ＡＮ／ＡＶＱ−１０＞：アメリカ軍の外装式レーザー目標指示装置、別名ペイブ・ナイフ。フォード・エアロスペース社が開発した。暗視TVからの映像をF-4D後席のモニターに映し、これに照準線を重ねてレーザーを照射、精密誘導を行う。センサー視野を確保するため、ポッドはバナナのような形をしている。FLIRも内蔵しており、航法ポッドとしての使用も可能。重量1200ポンド（544.3kg）。通常はF-4D戦闘機左翼内舷パイロンに積む。A-6攻撃機にも搭載可能。これにより単機でのレーザー誘導爆弾運用が可能となり、ベトナム戦争ラインバッカー作戦ではペイブウェイを殆どこれで運用した。参考：月刊軍事研究11,’99、10,'15、U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＶＱ−２０＞：航空自衛隊F-15J戦闘機に搭載されているHUDで、島津製作所が生産している。IP-1103/AVQ-20ディスプレイ・ユニット、CP-1111/AVQ-20シグナルデータ・プロセット・カバープレートから構成される。航法・迎撃情報などを記号化し、焦点無限遠の光学情報としてディスプレイに表示する。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究7,’97

＜ＡＮ／ＡＶＱ−２２＞：アメリカ空軍のLLLTVで、ノースロップ・グラマン社製。AN/ASQ-151を構成する電子光学センサーで、B-52G/H爆撃機の機首下部左にターレット状に装着された。参考：月刊軍事研究8,’01、月刊航空ファン12,’18

＜ＡＮ／ＡＶＱ−２３＞：AN/ASQ-153(V)2（レーザー目標指示装置）を参照。

＜ＡＮ／ＡＶＱ−２６＞：アメリカ軍の外装式レーザー目標指示装置、別名ペイブ・タック。大型なのでF-4では胴体中央に吊り下げるが、空気抵抗が大きく、主にF-111Fの胴体ウェポンベイに半埋め込み式で装備された。FLIRとレーザーをポッド後部に置き、前後・左右二軸に回転させて運用機の下方に前後左右180度の完全な覆域を形成する。目標捜索にはFLIRを使用するため、全天候性がある。FLIRの視野は2.5度（距離10kmで300m×400m）と10度（同1300×1700m）の切り替え式で、探知距離12海里。レーザー測距も可能。長さ4.14m、直径0.51m、重量1200ポンド（544.3kg）。アメリカ軍が167セットを調達し、1981年9月に部隊レベルでの運用が可能となり、1986年のリビア爆撃エルドラド・キャニオン作戦で威力を発揮した。湾岸戦争では夜間の戦車狩りに使用されている。オーストラリアに10セット、韓国に８セットが輸出された。参考：月刊軍事研究11,’99、9,’08、10,’15

＜ＡＮ／ＡＶＲ−２シリーズ＞：アメリカ軍のレーザー警戒装置。参考：月刊JWings7,’20

＜ＡＮ／ＡＶＲ−２＞：略称LDS（Laser Detecting Set）。レイセオン・スペース・アンド・エアボーン・システムズ製。アメリカ陸軍AH-64攻撃ヘリに搭載された。参考：月刊JWings9,’18

＜ＡＮ／ＡＶＲ−２Ａ＞：

＜ＡＮ／ＡＶＲ−２Ｂ＞：

＜ＡＮ／ＡＶＸ−３＞：アメリカ海軍の戦術画像セット。各種画像をデジタル化して圧縮し、キャプチャーしたり、データリンクで送信したりすることを可能とする。F-14D戦闘機にAFC880改修で搭載された。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＡＮ／ＡＷＧ−９＞：アメリカ海軍F-14戦闘機のレーダー。当初はF-111Bに搭載する予定だったが、開発中止になったため、F-14用に細部変更を行って完成した。F-111B用に比べ、重量が900kgから576kgに減少している。レーダー、コンピュータ、搭載兵器とのインターフェース、ディスプレイから構成される。アンテナは直径914mmのスロッテッド・ウェーブガイド式プラナーアンテナで、サイドローブが小さく、ECMに強い。メインアンテナ上にIFFアンテナの装着が可能である。トラック・ワイル・スキャン能力、ルックダウン能力、シュートダウン能力を持ち、E-2や水上艦とデータリンクして広範囲の目標を捜索できる。パルス・ドップラー捜索モードでは左右10度／20度／40度／60度ずつの範囲を水平に１段／２段／４段／８段で走査でき、最大探知距離はRCS15-20平方メートルの爆撃機で315km以上に達し、RCS3-5平方メートルの戦闘機なら213km超、小型巡航ミサイルでも120km以上で発見でき、捜索幅も194kmある。レンジ・ワイル・サーチ・モード（測距＋捜索モード）では、パルス・ドップラー捜索モードと同じ走査法で165kmまでの目標距離・方位情報を得られる。トラック・ワイル・スキャン・モードでは、アンテナは左右40度ずつ水平２段または左右20度ずつ水平４段の捜索を行い、24目標を同時追跡し、６目標にAIM-54を同時指向（標準発射距離96km）できる。パルス・ドップラー単一目標追跡モードでは、戦闘機大の目標を165km先でロックオンでき、射距離116kmでAIM-54を発射できる。また、ECMをかけてきた敵の方位を特定できる。パルス・ドップラー・レーダー従属モードでは赤外線探知器の軸線に合わせて捜索を行い、距離（165kmまで）、方位角、距離変化の情報を表示する。参考：F-14トムキャット、月刊JWings3,’00、月刊航空情報11,’09

＜ＡＮ／ＡＷＧ−１０＞：アメリカ海軍F-4J戦闘機用パルス・ドップラー・レーダーで、ウエスティングハウス社製。ルックダウン能力、シュートダウン能力を持つ。参考：月刊JWings7,’19

＜ＡＮ／ＡＷＧ−３５（Ｖ）＞：アメリカ空軍CV-22B特殊作戦輸送機用に開発している自衛武器システムDWS（Defensive Weapon System）。胴体下面に7.62mmガトリング銃GAU-17/Aターレットや視察照準装置を装着する。ソフトウェアはBAEシステムズ・コントロールズが開発中。参考：月刊航空ファン11,’19

＜ＡＮ／ＡＷＳ−２＞：アメリカ海軍技術局が1998年から開発していたヘリコプター搭載機雷処理装置、別名高速航空搭載機雷掃海システム（Rapid Air-borne Mine Clearance System）、略称RAMICS。ブルーグリーンレーザー・レーダーで探知した海中の機雷に、AH-1Jの20mmガドリング砲M197からAMP（Anti Mine Projectile、対機雷弾）スーパーキャビテーション弾を撃ち込んで破壊する。1998年末に試射が行われ、水中6mの機雷を爆破した。30mm機関砲バージョンも考案されており、A-10Aの30mmガトリング砲GAU-8/AやMk44ブッシュマスター�Uからの試射も行っている。LCS対機雷戦用ミッションモジュールに30mm機関砲バージョンが採用され、2015年に実用化する予定だったが、2010年8月の報告で設計に由来する照準困難が指摘されており、2012会計年度で予算が停止されてしまった。LCS用としてはAN/AQS-235航空機搭載機雷無力化システムAMNSを改良して済ませる予定である。参考：月刊軍事研究9,’01、10,’11、8,’12

＜ＡＮ／ＡＷＷ−９＞：アメリカ軍のAGM-62誘導用データリンクポッド。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＷＷ−１３＞：アメリカ軍のAGM-84H/AGM-84K誘導用データリンクポッド。ポッド先端と尾端がデータリンクアンテナ収容部で、航空機に搭載して赤外線画像シーカーからの映像をコクピットのモニターに映し出す。考：月刊JWings8,’13、8,’05、月刊軍事研究3,’14、月刊航空ファン2,’15

＜ＡＮ／ＡＷＷ−１４＞：アメリカ軍の誘導爆弾用データリンクポッド。GBU-15/BやAGM-130の運用に使う。参考：月刊JWings8,’13

＜ＡＮ／ＡＸＱ−１４＞：アメリカ軍のAGM-130空対地ミサイル誘導用データリンクポッド。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＡＮ／ＡＸＸ−１＞：アメリカ海軍F-14艦上戦闘機に搭載されているテレビカメラセット。視野は1.42度と0.44度の切り替え式で、左右15度まで撮像できる。捜索距離はDC-10クラスで137km、F-111クラスで64km、F-5クラスで16kmあり、映像は前席の垂直情報ディスプレイに映し出される。光学式なので、夜間や悪天候では使えないのが欠点。参考：月刊航空情報11,’09

＜ＡＮ／ＡＹＡ−１＞：アメリカ海軍RA-5C偵察機に搭載されているデータマトリックスシステム。プリセットされた日付、飛行隊、ソーティ番号、センサー識別番号、AN/ASB-12から供給された気圧高度、飛行方位、偏流角、ロール／ピッチ角、時刻、緯度／経度、対地高度を纏め、パッシブ電子戦情報テープ及び偵察用写真フィルムに記録するものである。参考：A-5Aビジランティ

＜ＡＮ／ＡＹＲ−１＞：ユナイテッド・テクノロジー・ラボラトリーズがE-3Cブロック30/35用に開発したパッシブ探知センサーPDS。機首下面、前部胴体両側面、機体尾部に電波傍受アンテナを設置して全周を監視、戦闘機の射撃指揮レーダーから出る電波を300海里以上先から探知し、機内の解析装置で分析する。参考：月刊航空ファン11,’92

＜ＡＮ／ＢＢＴ−１−Ｎ１＞：自衛隊の潜水艦用送信ブイ。鶴見精機製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜ＡＮ／ＢＬＱ−１０シリーズ＞：アメリカ海軍の潜水艦用ESM装置、別名Advanced Submarine Tactical ESM Combat System（先進潜水艦戦術ESM戦闘システム）、略称ASTECS。ELINT/COMINT、レーダー警報、方位探知といった各種機能を統合しており、探知電波の脅威度をグラフで表示したり、電波情報収集に最適な場所を海図に提示したり、探知した電波情報を潜水艦戦闘指揮システムに入力したりすることも可能。2003-04年にパッシブ・レーダー機能を付加する改良が施されたらしい。参考：月刊世界の艦船3,’17、8,’18、5,’22

＜ＡＮ／ＢＬＱ−１０＞：オープン・アーキテクチャーの完全モジュラーシステムで、ハードウェアの92%とソフトウェアの90%をCOTSとしており、改良が容易。セイルからAN/BSD-2統合マストを延ばし、通信傍受や電波情報収集などを行う。電波の探知識別や発進位置評定を自動的に実施することができる。ヴァージニア級に搭載され、ロサンゼルス級やシーウルフ級にレトロフィットされている。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、3,’17、月刊軍事研究8,’18、8,’02、7,’15

＜ＡＮ／ＢＬＱ−１０（Ｖ）１＞：ヴァージニア級用で、2001年に開発された。参考：月刊世界の艦船3,’17

＜ＡＮ／ＢＬＱ−１１シリーズ＞：アメリカ海軍のUUV。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＡＮ／ＢＬＱ−１１＞：別名長期機雷偵察システム（Long-term Mine Reconnaissance System）、略称LMRS。1994年からボーイング社が開発した。前方監視ソナー、側方監視目標類別ソナー、母艦との音響通信リンクを搭載しており、潜水艦の魚雷発射管から発進し、事前プログラム航行または自律航行を行いつつ機雷や障害物を捜索探知する。全長6.1m、直径0.533m、重量1.244トン。バッテリーによる電気推進で、巡航速力４ノット、行動距離75-150海里、行動時間40-48時間、捜索範囲400平方海里。行動終了後は母艦の右舷上段魚雷発射管内ロボット・アームで掴まえて右舷下段魚雷発射管から艦内に収容されるが、失敗した時は７ノットで曳航する。2005年にSSN-723オクラホマ・シティから初の射出試験を行った。2006年1月、SSN-756スクラントンで24回の射出試験を実施。2007年10月、SSN-768ハートフォードで回収アームによる回収に成功した。ただ回収システムは技術的・工学的な制約が大きいとして2008年12月に計画を断念している。ヴァージニア級原潜や改オハイオ級原潜で運用予定。参考：月刊軍事研究12,’04、8,’01、4,’11、月刊世界の艦船2,’10、6,’13、5,’18

　＜ＡＮ／ＢＬＱ−１１　Ｌ−ＰＵＭＡプログラム＞：L-PUMAはLMRS-Precision Underwater Mappingプログラムの略。沿岸浅海域での運用強化を目的とした改修で、複雑な音響環境でも敵を探知可能な高性能ソナーを搭載する予定。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜ＡＮ／ＢＬＱ−１１合成開口ソナー搭載型＞：合成開口ソナーにより分解能25mmの高コントラストを得られるようにするもので、開発中。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＡＮ／ＢＬＲ−１＞：アメリカ海軍の潜水艦・水上艦搭載用ESM装置。機械的周波数掃引方式無指向性インターセプトアンテナとレドーム内蔵指向性DFアンテナで構成され、0.3-10GHzの範囲で周波数、パルス幅、パルス繰り返し周波数、電波発信源の方位を特定できる。海上自衛隊ではあやなみ型やむらさめ型が搭載した。参考：海上自衛隊全艦艇史、丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＢＰＳ−１５＞：アメリカ海軍の潜水艦用対水上・航海レーダーで、ロサンゼルス級とオハイオ級前期型に搭載されている。使用周波数はＸバンドで、ホーン型アンテナから３×13度の電波ビームを放出、毎分9.5回転して全周を捜索する。データは航海管理システムに送られ、電子海図表示情報装置ECDIS（Electronic Chart Display and Information System）に表示される。ハープーン潜対艦ミサイルの射撃指揮能力も持つ。ピーク出力35kW、パルス繰り返し周波数750/1500pps。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、5,’14、1,'15増刊、3,’17

＜ＡＮ／ＢＰＳ−１６シリーズ＞：アメリカ海軍の潜水艦用対水上・航海レーダーで、オハイオ級、シーウルフ級、ヴァージニア級に搭載されている。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＢＰＳ−１６＞：AN/BPS-15の改良型で、出力を強化し、マスト機構の信頼性を向上させた。スペリー・マリン社製電子海図と組み合わせて航海レーダーとしても使用できる。航海管理システムに組み込まれているのはAN/BPS-15と同じで、2015会計年度からの近代化計画により航海管理システムがAN/BYG-1戦闘システムに組み込まれるので、本レーダーも戦闘システムの一部を構成することになる。アンテナはホーン型で、幅1.02m、重量76kg、毎分9.5回転する。送受波器は重量90.7kg。使用周波数Ｘバンド（Ｉバンド、8-10GHz？）、帯域幅60MHz、ピーク出力50kW、パルス長0.08/0.25/0.4/1マイクロ秒、パルス繰り返し周波数750/1500pps（640/1600/3200pps？）。ビーム幅上下13度・左右３度、探知距離32000m、距離分解能27mまたは91m。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、8,’18、1,'15増刊、3,’17、月刊軍事研究8,’02

＜ＡＮ／ＢＰＳ−１６（Ｖ）２＞：オハイオ級弾道ミサイル原潜後期型が搭載するタイプ。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＢＰＳ−１６（Ｖ）３＞：シーウルフ級攻撃原潜が搭載するタイプ。(V)2をトレーラー・マストに変更したものである。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＢＰＳ−１６（Ｖ）４＞：オハイオ級巡航ミサイル原潜、ヴァージニア級攻撃原潜が搭載するタイプ。(V)3にVMS（Voyage Management System）を追加し、動画処理ユニットとレーダーセット制御装置を新型に換装したものである。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＢＱＧ−５シリーズ＞：アメリカ海軍の潜水艦用フランク・アレイ・ソナー、別名広口径アレイ（Wide Aperture Array）、略称WAA。マーチン・マリエッタ社が開発し、1987年にSSN-710オーガスタでテストされ、改ロサンゼルス級、シーウルフ級、ヴァージニア級に搭載された。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＧ−５＞：Mk48ADCAPの最大射程で敵艦をパッシブ探知し射撃諸元を得るのが主任務であり、船体舷側に３つの低周波パッシブソナー・アレイを備えていて、これらでキャッチした同一目標音を分析し、目標の方位と距離を割り出す。両舷合わせて同時に８目標を捕捉・自動追尾し、航跡をパノラマ表示できる。改ロサンゼルス級、シーウルフ級に搭載された。参考：月刊軍事研究4,’97、月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＧ−５Ａ＞：略称LWWAA（Light Weight Wide Aperture Array）。AN/BQG-5の軽量化型で、受波器をセラミック方式から光ファイバーによるレーザー駆動に変更している。またCOTS対応として価格を抑えた。ヴァージニア級ブロック�Tの船体側面にソナー・アレイが３基ずつ装着される。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＧ−５Ｄ＞：パッシブソナー・アレイを艦首、船体中央部、艦尾横舵側面フィンに左右計６つ装着し、これらの受信信号を合成処理することで、方位・距離の精密測定が可能。改ロサンゼルス級に搭載された。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＱ−２＞：アメリカ海軍の潜水艦用ソナーシステム。30海里遠方で敵をキャッチしてサブロックで攻撃するため開発された。AN/BQS-6艦首アクティブソナー、AN/BQR-7コンフォーマルパッシブソナー、AN/BQS-8氷結海面下ソナー、AN/BQS-12/-13アクティブ・パッシブソナーからなる。スレッシャー級とスタージョン級に搭載された。参考：ザ・マーチ39号、丸スペシャルNo.76

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５シリーズ＞：アメリカ海軍の潜水艦用アクティブ・パッシブソナーシステム。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５＞：捜索・攻撃用ソナーで、低周波を使用するアクティブ・パッシブ式。スタージョン級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５Ａ（Ｖ）１＞：ロサンゼルス級初期型が搭載した。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５Ｃ＞：ロサンゼルス級中期型が搭載した。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５Ｄ＞：AN/BQS-13球形バウソナー、船体側面ソナー、パッシブ式曳航ソナー・アレイから構成されるアクティブ・パッシブソナーシステムで、ロサンゼルス級が搭載した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５Ｅ＞：原子力潜水艦用ソナー・スイートで、多種のソナー群を統合したシステムである。艦首ソナードームのAN/BQS-13とAN/BQR-21、セイルトップ艦首側のAN/BQS-15、艦尾右横舵下部のAN/BQR-16D、左横舵下部のAN/BQR-29、艦内電子機器のAN/BQR-22とAN/WLR-9Aを組み合わせてあり、パッシブソナーを組み合わせた聴音測距も可能である。ロサンゼルス級、シーウルフ級が搭載している。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５Ｅ（Ｖ）３＞：

＜ＡＮ／ＢＱＱ−５Ｅ（Ｖ）４＞：AN/BQQ-5E(V)3をオハイオ級向けに改修したタイプで、一部のオハイオ級がAN/BQQ-6から換装した。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＱ−６＞：アメリカ海軍の潜水艦用統合ソナーシステム。AN/BQQ-5をパッシブのみとしたもので、艦首のAN/BQS-13パッシブソナー、船体側面のAN/BQR-7パッシブソナー、艦尾のAN/BQR-15曳航ソナーアレイから構成される。オハイオ級が搭載した。参考：月刊世界の艦船6,’13、1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＱ−１０シリーズ＞：アメリカ海軍の潜水艦用ソナーシステムで、A-RCI（Acoustic Rapid COTS Insertion）ともいう。カナダ海軍もアップホルダー級の改修で搭載した。参考：月刊世界の艦船6,’13、1,’21

＜ＡＮ／ＢＱＱ−１０＞：AN/BQQ-5と同様の艦首ソナー、AN/BQG-5A軽量側面パッシブソナー・アレイ、TB-29(A)・TB-16曳航ソナーアレイから構成され、プロセッサをCOTS対応にして処理能力を向上させつつ価格を抑えた。装備するのはロサンゼルス級、シーウルフ級、ヴァージニア級、オハイオ級で、４段階で既存のソナーからの改良計画を進める。参考：月刊世界の艦船6,’13、1,'15増刊、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

　＜ＡＮ／ＢＱＱ−１０フェーズ�T＞：曳航アレイの信号処理強化を行う。ロサンゼルス級で1997年、ヴァージニア級では2009年から実施中。参考：月刊世界の艦船6,’13

　＜ＡＮ／ＢＱＱ−１０フェーズ�U＞：曳航アレイの更なるアップグレードと側面ソナーの低周波探知能力強化を行う。ロサンゼルス級で1999年から実施中。参考：月刊世界の艦船6,’13

　＜ＡＮ／ＢＱＱ−１０フェーズ�V＞：艦首ソナーのビーム形状改善と中周波探知能力強化を行う。ロサンゼルス級で2001年から実施中。参考：月刊世界の艦船6,’13

　＜ＡＮ／ＢＱＱ−１０フェーズ�W＞：セイル装着高周波ソナーを低価格コンフォーマル・アレイLCCA（Low Cost Conformal Array）に換装する。セイル両側面にソナーアレイを追加し、既存のセイル前面ソナーアレイと合わせて全周をカバーする。ロサンゼルス級フライト�Vで2001年から実施中。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＱＲ−７Ｅ＞：アメリカ海軍の潜水艦用パッシブ式ソナー。ラファイエット改級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＲ−１５＞：アメリカ海軍の潜水艦用曳航ソナーアレイ。超低周波を使用するパッシブ式ソナーで、スタージョン級、オハイオ級などに搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＢＱＲ−１５海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＢＱＲ−１５（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の潜水艦用曳航ソナーアレイ。海自初のTASSで、FMSにより導入した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＮ／ＢＱＲ−１６Ｄ＞：アメリカ海軍の潜水艦用曳航ソナーアレイで、マーチン・マリエッタ社が開発した。直径82.5mm、全長73mのパッシブ聴音機を全長800mのケーブルに取り付けたもので、シーウルフ級の艦尾右横舵下部から繰り出される。聴音機は上甲板右舷の鞘、ケーブルは前部メインバラストタンク内のリールに収容されている。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＡＮ／ＢＱＲ−１９＞：アメリカ海軍の潜水艦用アクティブ式ソナーで、別名トップ・ハット。高周波を使用する航海用ソナーで、マストに装着する。ラファイエット改級、オハイオ級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＢＱＲ−２１＞：アメリカ海軍の潜水艦用パッシブ式ソナーで、略称DIMUS（ダイマスと読む。デジタル複数ビーム・ステアリングの略）。コンフォーマル・アレイ・ソナーで、艦首ソナードーム内側に棒状のパッシブハイドロホンを数十本、馬蹄形に等間隔で並べてある。同時５目標追尾が可能。ハネウェル社が生産し、ラファイエット改級、シーウルフ級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＲ−２２＞：IBM社が開発した音響周波数分析記録装置、別名DIFAR。AN/BQQ-5Eを構成する各種ソナーが受信した音紋を分析して表示記録する。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＡＮ／ＢＱＲ−２３＞：アメリカ海軍の潜水艦用パッシブ式曳航アレイソナー。本体は直径50mm・長さ91mで、全長305m（800m？）・直径25mmのケーブルで曳航される。オハイオ級、ロサンゼルス級に搭載された。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊丸3,’90

＜ＡＮ／ＢＱＲ−２９＞：アメリカ海軍のシーウルフ級潜水艦用TASSで、マーチン・マリエッタ社が開発した。聴音機は全長300mで、全長800m以上のケーブルの先に取り付けられており、低周波の探知に使用する。普段は後部バラストタンク内の巻き取りリールに収容され、艦尾左横舵下方から繰り出す。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＡＮ／ＢＱＳ−４＞：アメリカ海軍の潜水艦用捜索・識別アクティブソナーで、ラファイエット改級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＳ−６＞：アメリカ海軍の潜水艦用アクティブ・パッシブ式艦首ソナー。アメリカ海軍として初めて球状ソナー・アレイを採用しており、直径4.57mの球体に1245個のトランスデューサーを配置、音波ビームを水平方向と垂直方向に自由に振り向けられるようにした。使用周波数0.5-5kHz。SSN-593スレッシャーとSSN-597タリビーに搭載された。参考：月刊世界の艦船10,’13

＜ＡＮ／ＢＱＳ−８＞：アメリカ海軍の潜水艦用高周波アクティブソナー。氷塊探知用で、スタージョン級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＢＱＳ−１３＞：アメリカ海軍の潜水艦用低周波アクティブ・パッシブソナー。AN/BQQ-5統合ソナーを構成する艦首ソナーで、ハイドロホンは直径4.6mの球形をしており、表面には直径0.1mの円盤型パッシブハイドロホンが1245個貼られている。また、下部には直径1.5mの半球面に直径0.05mの円盤型アクティブハイドロホン数百個を張り付けたアクティブ探信用音響センサーが装備されている。レイセオン社が生産し、スタージョン級、オハイオ級、ロサンゼルス級、シーウルフ級に搭載された。参考：月刊軍事研究4,’97、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＢＱＳ−１５＞：アメリカ海軍の潜水艦用高周波アクティブソナーで、EDO社が開発した。近距離目標・機雷探知用で、氷塊捜索用を兼ねる。送受信機は小型馬蹄形をしている。オハイオ級、ロサンゼルス級、シーウルフ級、ヴァージニア級のセイル前面上部と船体下部に装着されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’17、月刊軍事研究4,’97

＜ＡＮ／ＢＱＳ−２４＞：アメリカ海軍の潜水艦用高周波アクティブソナー。近距離目標・機雷探知用で、氷塊捜索用を兼ねる。オハイオ級、ロサンゼルス級、シーウルフ級のセイルに搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＢＲＡ−３４＞：アメリカ海軍ロサンゼルス級原潜フライト�Vとヴァージニア級原潜が搭載する多機能通信マストSubHDR（Submarine High Data Rate）。2-30MHz帯のMF/HF送受信、225-400MHz及び240-315MHzのUHF送受信、5-150kHzのVLF/LF受信、GPS受信、IFFを行える。参考：月刊世界の艦船11,’16、8,’18、月刊軍事研究8,’02

＜ＡＮ／ＢＲＣ−６＞：アメリカ海軍の潜水艦用通信ブイ、略称XSTAT（Expendable Submarine Tactical Transceiver）。アンテナ内蔵ブイと浮体からなり、潜航中の潜水艦から長さ12mのケーブルで海中に繰り出すと、浮体から長さ3050m・直径0.2mmのワイヤーが延びてアンテナ内蔵ブイが海面に到達、アンテナが展長してUHF双方向通信が行えるようになる。潜水艦が低速航行しても浮体とブイを繋ぐワイヤーが延びきるまではブイが動かないので、10ノット航行なら８分間、４ノットなら20分間の通信が可能。バッテリーは45分保つ。参考：月刊世界の艦船11,’16、7,’17

＜ＡＮ／ＢＲＤ−７＞：アメリカ海軍のDFで、ロサンゼルス級やシーウルフ級に搭載されている。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ＡＮ／ＢＲＲ−６＞：アメリカ海軍オハイオ級戦略原潜が搭載する曳航ブイ・アンテナ。FRP製のブイを船体から繰り出して浅い海中を曳航し、HFからVLFまでの通信電波を受信する。ブイ全長2.3m、幅0.9m、高さ0.6m（フィン含め0.9m）、重量408kg、静的浮力340kg、耐水圧１平方センチメートルあたり45.6kg、最大曳航速力15ノット。参考：月刊世界の艦船11,’16

＜ＡＮ／ＢＲＴ−１＞：アメリカ海軍のSLOTブイ。４分間の通信記録テープを内蔵しており、潜水艦のデコイ発射管から放出されると海面に浮上、５分後または60分後にVHFで送信を開始する。受信した航空機や艦艇は内容の記録が終わったらUHFで送信停止信号を送る。ブイは事前設定に基づき、１時間または３時間または８時間たったら海底に沈む。ブイ全長1000mm、直径76.2mm、重量3.3kg。シーステート５で通信が可能。参考：月刊世界の艦船11,’16

＜ＡＮ／ＢＲＴ−１海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＢＲＴ−１−Ｎ−１＞：自衛隊のスロットブイ。鶴見精機製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ＡＮ／ＢＲＴ−２＞：アメリカ海軍のSLOTブイ。参考：月刊世界の艦船11,’16

＜ＡＮ／ＢＲＴ−６＞：アメリカ海軍の潜水艦用UHF衛星通信ブイ。通信記録テープを内蔵しており、海面に浮上すると予め設定した遅延時間（逆探知の危険があるので、その間に潜水艦は逃げる）を経て通信衛星に向けデジタル送信を開始、通信終了後30分で海底に沈む。全長1030mm、直径76.2mm、重量4.4kg。参考：月刊世界の艦船11,’16

＜ＡＮ／ＢＳＤ−２＞：アメリカ海軍ヴァージニア級原潜に搭載されている統合ESMマスト（Integrated ESM Mast、IEM）。AN/BLQ-10用アンテナが装着されている。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ＡＮ／ＢＳＹ−１＞：アメリカ海軍ロサンゼルス級攻撃原潜フライト�V用戦闘システム、通称ビジー・ワン。CCS Mk1のソナー索敵システムに戦闘システムを組み合わせ、コンピュータを改良、側面ソナー運用能力を追加し、兵装運用能力を強化したものである。1990年代に改修が行われ、新型ソナーを運用できるようになった。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＳＹ−２＞：アメリカ海軍シーウルフ級潜水艦用戦闘システム、通称ビジー・ツー。GE社が主契約社で、IBM、マーチン・マリエッタ、リブラスコープなどが協力して開発した。AN/BQQ-5Eソナー・スイート、AN/BQG-5フランク・アレイ・ソナー、音速計、水温測定記録装置、水面・海底測深儀、電子戦装置、通信装置などからの入力をAN/UYS-2やUYK-43分散処理アーキテクチャー型コンピュータにより処理し、CCS-Mk2戦闘制御システムコンソール、プロッター、自艦データ表示システムなどに出力、艦長やソナー員からキーボードなどによる入力（攻撃目標など）を受け取って更に処理を行い、発射諸元などを決定、魚雷発射管や電子戦装置などに出力する。コンピュータプログラムは360万行にも及び、各プロセッサーは光ファイバーネットワークFLEXNETで結ばれる。テストでは187目標の同時追尾に成功するなど超高性能を発揮したが、値段も維持費も超高額で、AN/BYG-1に換装されてしまった。参考：月刊軍事研究4,’97、月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＢＶＳ−１シリーズ＞：アメリカ海軍初の内殻非貫通型電子光学イメージマスト。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜ＡＮ／ＢＶＳ−１＞：L-3KEO社が製造した。ESM/GPSアンテナ、カラー／モノクロLLLTV、赤外線サーマルイメージセンサー、レーザー測距器を内蔵し、光ファイバーでデータを伝送する。センサー・ヘッド径0.46m。ヴァージニア級原潜などに搭載された。参考：月刊世界の艦船12,'21、6,’13、2,’17、月刊軍事研究7,'15、8,’02

＜ＡＮ／ＢＶＳ−１（Ｖ）＞：改良型。オハイオ級SSBN/SSGNが2016年の改装で15型潜望鏡から換装した。コロンビア級SSBNも搭載予定。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜ＡＮ／ＢＹＧ−１＞：アメリカ海軍の潜水艦用戦闘システム。CCS Mk2の発展型で、ヴァージニア級に搭載された。シーウルフ級にもAN/BSY-2の後継として搭載されており、オハイオ級SSGN用としてもトマホーク連射指揮能力・UUV運用能力追加版が開発され、ロサンゼルス級やオハイオ級SSBNにも遡って搭載されている。戦術管制機能と武器管制機能に分かれており、前者は自身のセンサーや戦闘群の各艦が得た情報をデータリンクで統合し戦術状況図として自身を含む戦闘群各艦に配布、後者は魚雷やトマホークの射撃指揮を行う。ハードウェアはモジュール化設計で、分散処理により抗堪性を高め、センサー情報処理用コンピュータと武器管制用コンピュータは２基ずつ、コンソール用独立コンピュータも複数用意し、コンソールはソフトウェア切替で各種機能に対応可能で、高い冗長性も有している。COTSとオープン・アーキテクチャの採用でアップデートを容易にしており、ハードウェア（TI）とソフトウェア（APB）を別々にスパイラル改修して順次改良を施していて、TI-14/APB-13からはオーストラリアが開発・換装費用の一部を負担している。2016会計年度にTI-14ハードウェアへのAPB-15ソフトウェア適応を終えた。APB-17ソフトウェアから戦術兵器用APB(T)プログラムとその他搭載物用APB(P)プログラムを統合したバージョンになる予定で、その他搭載物としてはUAV、UUV、Mk67SLMM機雷などを運用できるようになる。参考：月刊世界の艦船5,’17、8,’18、12,’16、6,’13、5,’15、6,’22

＜ＡＮ／ＢＹＧ−１海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＢＹＧ−１（オーストラリア海軍）＞：オーストラリア海軍の潜水艦用戦闘システム。コリンズ級潜水艦の戦闘システムが役に立たなかったので、CCS Mk2ブロック1C ECP004(AN/BYG-1)Mod6の名称で５セットを導入し、2006年までに入れ替えた。管制するソナーやレーダーがアメリカ海軍制式ではなく、搭載艦自体も原潜でなく在来型と根本的に違う母体になっているが、特に不具合も無く使用できているようである。2013年からはハード・ソフト改修（TI-14/APB-13以降）費用を一部負担している。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜ＡＮＣＳ＞：フィンランド海軍R2000ハミナ級高速攻撃艇の艦載戦闘システムで、Advanced Naval Combat Systemの略。ドイツ製で、モジュール化オープン・ネットワーク・アーキテクチャを採用している。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜ＡＮ／ＣＹＺ−１０＞：アメリカ軍の暗号鍵伝送装置で、グループ・テクノロジー社製。軍事作戦通信や、暗号鍵管理のために使用される。幅150mm、高さ40mm、奥行き100mm、重量700g。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＡＮ／ＤＡＳ−１＞：アメリカ軍のマルチスペクトル・ターゲッティング・センサー（MTS-B）。MQ-9Aに搭載された。参考：月刊軍事研究12,’17

＜ＡＮ／ＤＡＳ−４＞：アメリカ軍のマルチスペクトル・ターゲッティング・センサー（MTS-D）。MQ-9Aブロック５に搭載された。参考：月刊軍事研究12,’17

＜ＡＮ／ＤＰＷ−２３＞：BGM-109トマホーク巡航ミサイル用地形照合誘導システム。地形高度を入力したデジタルマップが入力されており、電波高度計のデータと照合して飛行コースを確認する。マップは20枚しか入力できないので、コース上の重要地点のみこれで確認し、残りは慣性航法で飛んでいく。砂漠や海面など、平坦な地形ではデジタルマップが作りにくいので、起伏のある場所をデジタルマップにする必要がある。参考：兵器メカニズム図鑑

＜ＡＮ／ＤＰＹ−１＞：リンクス�U（合成開口レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＤＶＳ−１＞：アメリカ海軍のLCS対機雷戦ミッションパッケージ沿岸機雷偵察モジュール用沿岸戦場偵察分析（COBRA、Coastal Battlefield Reconnaissance and Analysis）システム。MQ-8Bに搭載する旋回式電子光学センサーで、汀線部周辺の地雷や機雷を捜索する。参考：月刊軍事研究8,’15

＜ＡＮ／ＤＸＱ−１＞：アメリカ軍のデジタル情景照合（DSMAC）装置で、RGM-109C巡航ミサイルなどに搭載されている。目標の情景を予め入力しておき、それをミサイルが搭載するカメラの映像と照合して最終飛行経路を決定するもので、滑走路と平行に飛行しながら子爆弾をばらまく、ということも可能である。参考：兵器メカニズム図鑑

＜Ａ−ＮＥＷ＞：アメリカ軍の対潜コンピュータシステムで、1962年からS-3対潜哨戒機用に開発され、後にP-3C対潜哨戒機にも搭載された。AN/ASQ-114デジタルコンピュータとAN/AYA-8データ分析プログラミング・グループから構成され、それまで個別処理していた音響／非音響探知システム、通信システム、航法システムなどを統合処理する。参考：月刊軍事研究5,’05、日本の防衛戦力Part7

＜ＡＮＦ＞：フランスが開発中の対艦ミサイルで、Anti-Navire Futurの略。エグゾセの後継で、1996年に技術確認モデルVESTA計画が開始されている。全長5.28m、直径0.38m、翼幅0.96m、重量860kg、弾頭重量165kg。誘導は中間慣性誘導＋終末アクティブ・レーダー・ホーミング。エンジンはインテグラル・ロケット・ラムジェット（VESTA計画で開発中）、最大速度マッハ2.5-3、射程150-200km。2018年現在、完成していない。参考：月刊軍事研究6,’01、7,’99、12,’18

＜ＡＮ／ＦＬＲ−９＞：アメリカ軍の陸上固定式電波傍受施設で、1960年代からアラスカ、イギリス、ドイツ、三沢基地など世界の８ヵ所に設置された。形状から象の檻、役割からミサイル・キャッチャーなどと呼ばれることもある。傍受できる周波数は1.5MHz-30MHzで、1.5-6MHzのＡ帯、6-18MHzのＢ帯、18-30MHzのＣ帯に分けて受信する。中央に電子機器などが収容された建物があり、その中心から48mの円周上に高さ21mのＣ帯反射スクリーン・フェンスが立ち並び、高さ8m及び16mのところに蝶ネクタイ型プラナー・ダイポール・アンテナが48組取り付けてある。建物の中心から163mの円周上にはA/B帯兼用の高さ37mの反射スクリーン・フェンスがあり、中心から170mの円周上には高さ5mのアンテナ塔の上に高さ6mのＢ帯アンテナを立てたポールが96本立っている。中心から182.5mのところには高さ15mのアンテナ塔の上に高さ17mのＡ帯アンテナを立てたポールが48本立っており、その外側の地中0.3mには中心から220mのところまでA/B帯用接地スクリーンが埋設されている。傍受可能距離は最大4000海里（150-500km？）に及ぶとされ、他の傍受施設と共同して発信方向を割り出すこともできる。老朽化及び代替傍受システムの配備により、21世紀に入り半数以上の運用が停止されているとみられる。既に陸空軍用７カ所のうち５カ所、海軍用17カ所のうち15カ所が運用を終了したという説もある。参考：月刊軍事研究10,’07、9,’01、2,’09、日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＡＮＦＯ爆薬＞：硝酸アンモニウムと軽油を混ぜた爆薬。作るのが楽なので、IEDとして使用される。参考：ストライク・アンド・タクティカル・マガジン3,’12

＜ＡＮ／ＦＰＱ−１６＞：アメリカ軍のレーダー、略称PARCS（Perimeter Acquisition Radar attack Characterisation System）。2015年現在、ノースダコタ州キャヴァリエ空軍基地に１基が設置されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＦＰＳ−６（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の地上固定式測高レーダーで、アメリカ空軍から移管・供与された。AN/FPS-20捜索レーダーと組み合わせて防空監視所に配備されており、AN/FPS-20で探知した目標の高度を測定するが、目標数などに限りがある。ソリッド・ステート化や近代化改修を行いつつ、順次国産警戒レーダーに後を譲っているが、21世紀に入っても使われており、さすがに老朽化が酷いため、2012年度からJ/FPS-7に更新中。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＡＮ／ＦＰＳ−２０（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の航空機探知用地上固定式捜索レーダーで、アメリカ空軍から移管・供与された。方位と距離しか分からないので、AN/FPS-6測高レーダーと組み合わせて防空監視所に配備されている。ソリッド・ステート化や近代化改修を行いつつ、順次国産警戒レーダーに後を譲っているが、21世紀に入っても使われており、さすがに老朽化が酷いため、2012年度からJ/FPS-7に更新中。参考：月刊軍事研究9,’16

＜ＡＮ／ＦＰＳ−２４＞：アメリカ軍のVHFレーダー。使用周波数214-236MHz。1960年に配備された。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＡＮ／ＦＰＳ−２７＞：アメリカ軍のUHFレーダー。使用周波数2.32-2.68GHz。探知距離410km。1963年に配備された。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＡＮ／ＦＰＳ−２８＞：アメリカ軍のUHFレーダー。使用周波数510-690MHz。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＡＮ／ＦＰＳ−３５＞：アメリカ軍のUHFレーダー。使用周波数400-450MHz。1960年に配備された。参考：月刊航空ファン5,’17

＜ＡＮ／ＦＰＳ−４９＞：アメリカ軍のBMEWS用大型捜索追尾モノパルスレーダー。直径43mのレドーム内部に直径25mの巨大なパラボラアンテナが収容されており、油圧駆動により全周旋回（毎秒10度）して目標を捜索、発見するとアンテナを目標に向けて追尾に入る。電磁ホーンは４本で、送信に２本、受信に４本を使用する。出力メガワット級、使用波長UHF、ビーム幅1-2度、パルス繰り返し周波数毎秒27回、探知距離5000km。参考：ザ・マーチ33号

＜ＡＮ／ＦＰＳ−５０＞：アメリカ軍のBMEWS用大型レーダー。直径0.46mのクライストロン管６本からＬバンドの強力な電波を放出し、高さ50m・幅122mのフェンス状アンテナ（水平には放物線、垂直には円弧を描いている）３枚で反射させ、垂直に対し２つの異なった角度で電波ビームを２本放出し、これを横切った弾道ミサイルを探知する。３枚合わせて120度の範囲をカバーできる。使用周波数425MHz、ピーク出力5MW、平均出力300kW、パルス繰り返し周波数毎秒27回、パルス幅２ミリ秒。参考：ザ・マーチ33号、月刊軍事研究10,’07

＜ＡＮ／ＦＰＳ−８５＞：アメリカ軍のSLBM・宇宙飛翔体（デブリなど）監視用早期警戒レーダー。高周波送信機として電子管を使用したアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、1962年から開発された。一辺30mの正方形をした送信用レーダー・アンテナ（向かって左）と、幅60mの八角形をした受信用レーダー・アンテナ（向かって右）を角度45度の巨大な壁面に並べている。送信用レーダーはアンテナ素子数5184個、使用周波数442MHz、アンテナ素子１個あたり電力10kW（三極管）、出力32MW、ビーム幅1.4度、送信パルス幅1-250マイクロ秒。受信用レーダーはアンテナ素子数19500個（39000個？）、受信モジュール数4660、受信ビーム幅0.8度、パルス圧縮は分散遅延線方式。垂直・水平共に120度の範囲を捜索できる。初号機は1965年に火災事故で喪失したため、２号機が1969年（1968年？）にフロリダ州エグリン空軍基地に設置され、キューバを含む中米の方向を睨んでいる。2015年現在も使用中。参考：レーダシステムの基礎理論、ザ・マーチ33号、レーダシステムの基礎理論、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＦＰＳ−９２＞：アメリカ軍のBMEWS用弾道ミサイル追跡レーダー。機械走査式で、直径26mのレドームに収容したものがチューレ空軍基地及びクリア空軍ステーションに１基ずつ、直径43mのレドームに収容したものがファイリングデイルズ空軍基地に３基設置されている。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１０８＞：USSPACECOMの宇宙監視網を構成する弾道ミサイル早期警戒（BMEWS）レーダーの１つで、別名コブラ・デイン（Cobra Dane）。レイセオン社が開発し、アリューシャン列島のシェミア島にあるエレクソン空軍基地に設置された。アメリカ本土を狙って発射されるICBMを早期探知する目的で配置された三次元フェイズド・アレイ・レーダーで、4-5階建てのビルのような巨大なプラナー・アレイ・アンテナ（直径29m、受信素子20000個、送信素子15000個、送信機12台、TWT進行波管96本）を持つ。レーダーはアクティブ探知で、使用周波数はＬバンド、全天候で使用可能。数百MWの大出力装置と高感度メーザー受信装置、高速シグナルプロセッサーや大型制御コンピュータにより、尖頭出力16MW、平均出力1MWを誇り、地表から高度1000kmの宇宙空間までの最大探知距離3000km以上の範囲の弾道ミサイルを探知・捕捉でき、その弾道をリアルタイムで連続追跡できる。4000km先のフットボール大の目標100個を探知可能で、ICBMなら200目標を同時に探知して100目標を同時追尾、20目標を詳細に分析できるともいわれ、衛星なら45000km先のものまで探知できるらしい。1977年から運用され、オホーツク海に着弾するソ連のICBM・SLBMの監視に使用された。参考：ザ・マーチ33号、月刊軍事研究11,’98、4,’04、9,’05、10,’07、6,’09、11,’18、日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１１５＞：アメリカ軍の弾道ミサイル警戒レーダー、別名ペイブ・ポーズ（Pave PAWS、Phased Array Warning System）。レーダー名もシステム名称もペイブ・ポーズである。アメリカ近海から発射されるSLBMを探知するため1970年代から開発された。アンテナは直径30mの円盤上に設置された高さ32mの三角錐台形構造物の20度傾斜した面に取り付けられており、フェイズド・アレイ式で、素子数3600個、幅2.2度・周波数420-450MHz（UHF帯）・平均送信出力146kWのビームを放射し、一辺31mの八角形状アンテナ２枚により仰角3-85度・方位角240度（１枚120度ずつ）を走査する。進行波管増幅器は全てトランジスタ化され、最大探知距離は3000海里にも及ぶ。SLBMの他、地球を周回する人工物の探知も主任務としており、重力に引かれて大気圏に落下してくる際に弾道ミサイルと誤認しないよう監視している。マサチューセッツ州ケイブ・コッド空軍ステーション、ジョージア州ロビンズ空軍基地、カリフォルニア州ビール空軍基地、テキサス州エルドラド空軍ステーションに設置され、1980年から運用されて大西洋、太平洋、メキシコ湾を監視していた。SLBMの射程が長くなると意義が薄れ、冷戦が崩壊すると更に用が無くなり、ロビンズ空軍基地の施設は解体され、エルドラド空軍ステーションのものはアラスカのクリア空軍ステーションに移設された。イギリスのフィリングデイルズにも設置されている。順次改良型早期警戒レーダー計画によりAN/FPS-132UEWRに改良され、ミサイル防衛対応型となった。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、ザ・マーチ33号、月刊軍事研究9,’05、3,’15、6,’09、11,’13、11,’18、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１１５海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＦＰＳ−１１５（台湾空軍）＞：台湾空軍の弾道ミサイル警戒レーダー。弾道ミサイル防衛用にSRP（Surveillance Radar Program）の名称で導入を決定、2004年からアメリカ空軍の支援で台湾北西部の新竹県楽山山頂（標高2600m超）に建造し、2012年に完成、2013年2月1日に就役した。弾道ミサイルのみならず巡航ミサイルやステルス機含む航空機の探知も可能で、アンテナ２面に素子計3600個を配して方位240度・仰角3-85度をカバーし、監視距離は最大5000km、10段階で目標高度を識別でき、16回線データリンクで他部隊に情報を送信する。中国を必要以上に刺激しないため、衛星の追尾能力は外された。中国が240kmほど離れた福建省で運用している大型フェイズドアレイレーダーから電波妨害を受けているらしいが、台湾国防省は何の影響も無いとしている。北朝鮮南西部もカバーしており、2012年12月の北朝鮮による光明星の打ち上げを日本より2-3分前に探知したらしい。2016年にアメリカ国防総省が2018年5月28日までにアップグレードを行う契約を発表している。参考：月刊軍事研究7,’18、6,’12、1,’14、11,’14、3,’15

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１１７＞：アメリカ軍の北方警戒用レーダー。探知距離200海里。2017年現在、14基が設置されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１１８＞：アメリカ軍の航空機・巡航ミサイル探知用OTH-Bレーダー。1975年にGE社が受注した。実験局は送信所がメイン州モスクワ空軍基地、受信所とオペレーションセンターがコロンビア州ロース空軍基地に設置されている。実験局の使用周波数は6.74-22.25MHzで、４周波数帯に分けてそれぞれ12基ずつのアンテナ（垂直ダイポールアンテナ12基、45度傾斜ダイポールアンテナ36基。長さ7.3-18.3m）によりビーム幅7.5度で送信する。アンテナの後ろには高さ13.7-30.5mの金網が690mに渡って並ぶ。前方60度の範囲で送信された電波は電離層で反射し、500-1800海里先の物体により跳ね返され、再び電離層で反射して受信アンテナに戻ってくる。受信局には扇形（逆二等辺三角形）アンテナが137本セットされており、後ろには長さ1190m・高さ15.24mの金網が並んでいて、ビーム幅2.75度で受信、信号はデジタル化されてオペレーションセンターのシグナルプロセッサに送られ、4096個の時間遅延セル・ドップラーセルに分割されてフェイズド・アレイ方式で目標探知が行われる。ディスプレイ画面は時間軸を縦軸、目標の距離を横軸に置いた特殊なもので、目標を示す輝線の傾きにより目標の加減速も分かる。また、画面右下には目標識別番号（TRACK XXX）、距離（SLNTRNG）、速力（SLNTRR）、信号の質（QUAL）、直線方位（SLNT AZ）、真方位（AZ）、地表上の距離（GNDRNG）、対地速度（GNDSP）、針路（HDG）、目標サイズ（SIZE）が表示される。探知区域を絞って解像度を上げるインテロゲーション・モードもある。DEWラインの代替として北に向けて設置しテストしたところ、北磁極で電離層が常に乱れているため使い物にならず、大西洋側にずらしてテストを再開、成功を収めた。実用化型は5-28MHzを６周波数帯で運用しており、送信機は出力100kWのものを12基使用、送信アンテナ素子は60本に、バックスクリーンは長さ1106mに拡大した。受信アンテナのバックスクリーンも長さ1594mに延長している。合計送信出力1.2MW、探知距離926-3334km。アメリカ本土の太平洋側と大西洋側に３セクターずつ（大西洋が北からセクター1-3、太平洋側が北からセクター4-6）が設置され、それぞれ180度をカバーしている。南に向けてセクター７と８を設置する予定もあったが、没になった。参考：ザ・マーチ33号、月刊軍事研究10,’07、4,’15

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１２０＞：アメリカ軍のBMEWS用フェイズド・アレイ・レーダー。チューレ空軍基地に設置されているものは、UHF帯域の送信素子3169個と受信素子2560個からなる。ファイリグデイルズに設置されているものは、2560個の素子からなるアンテナを３面に貼り付けてあり、送信出力2.5MWで、１面あたり120度をカバーする。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１２３＞：アメリカ軍の早期警戒レーダー。2017年現在、マサチューセッツ州ケープ・コッド空軍基地とアラスカ州クリア空軍基地に設置されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１２４＞：アメリカ軍の北方警戒用レーダー。探知距離80海里。2017年現在、36基が設置されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＦＰＳ−１３２＞：アメリカ軍の早期警戒レーダーで、UEWR（Upgraded Early Warning Rader、改良型早期警戒レーダー）と略す。AN/FPS-115レーダーのハードウェアとソフトウェアを改良したもので、使用波長UHF、最大探知距離4800km。2005年にカリフォルニア州ビール空軍基地のレーダーが改修を終え、2006年2月にアラスカ州のコディアック基地から発射されたロケットの探知に成功した。2007年、イギリスのフィリングデイルズ・ムーア空軍飛行場のレーダーが改修を終えた。2008年、グリーンランド島チュール空軍基地のレーダーが改修を完了。2017年、ケープ・コッド空軍基地とアラスカ州クリア空軍基地のレーダーが改修を終えた。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究3,’15、11,’18、月刊航空ファン5,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＦＰＵ−１１／Ａ＞：アメリカ海軍の480ガロン（1817リットル）増槽。参考：月刊航空ファン2,’11

＜ＡＮ／ＦＰＵ−１２／Ａ＞：アメリカ海軍の480ガロン（1817リットル）増槽。参考：月刊航空ファン2,’11

＜ＡＮ／ＦＳＣ−１３８＞：アメリカ海軍の衛星通信端末。NMTの陸上版である。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＦＳＳ−７＞：アメリカ軍の対SLBM用早期警戒レーダー。太平洋・大西洋岸に計３システム、メキシコ湾方面向けにテキサスに１システムが配備され、1971年頃から運用された。太平洋・大西洋岸はAN/FPS-115に、テキサスはAN/FPS-85に後を譲って退役した。参考：ザ・マーチ33号

＜ＡＮＧ＞：州兵航空隊を参照。

＜ＡＮＧＢ＞：Air National Guard Base（州兵航空基地）の略。

＜ＡＮＧＥＬ−１２０＞：中国の300mmロケット弾８連装自走ランチャー。ロケット弾は誘導式で、内部に対人子爆弾または対人／対戦車子爆弾を40発収容する。最大射程120km。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ＡＮＧＬＩＣＯ＞：アメリカ海兵隊の部隊で、航空艦艇射撃連絡中隊（Air Naval Gunfire LIaison COmpany）の略。上陸地点に隠密潜入し、敵陣に対して航空部隊や艦艇部隊に火力支援を要請、弾着修正を行う。参考：月刊軍事研究7,’13

＜ＡＮＧＲＣ＞：Air National Guard Readiness Center（州兵航空隊即応センター）の略。参考：月刊軍事研究5,’16

＜ＡＮ／ＧＹＫ−６０＞：アメリカ海兵隊の先進野戦砲兵戦術データシステムAFATDS（Advanced FA Tactical Data System）。前線観測所から射撃単位に至るまでの各砲兵部隊を結ぶ自動指揮統制端末で、火力支援調整所や砲兵隊指揮所に設置される。参考：月刊軍事研究12,’12

＜Ａｎｈ＞：Anhanger（トレーラー）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＡＮＬ＞：シーベノム（空対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＮ−Ｍ１Ａ１＞：アメリカ軍の125ポンド破片クラスター爆弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ２＞：M1919シリーズ（機関銃）を参照。

＜ＡＮ−Ｍ２Ａ１＞：アメリカ軍の125ポンド破片クラスター爆弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ３＞：M2重機関銃ファミリーを参照。

＜ＡＮ−Ｍ４＞：M1シリーズ（機関砲）を参照。

＜ＡＮ−Ｍ６＞：アメリカ軍の100ポンドクラスター焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ７＞：アメリカ軍の500ポンドクラスター焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ８＞：アメリカ軍の信号拳銃で、1942年7月2日に採用された。銃身長114mm、重量795g。布製ホルスターも用意されている。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜ＡＮ−Ｍ１２＞：アメリカ軍の100ポンドクラスター焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ１３＞：アメリカ軍の500ポンドクラスター焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ１４＞：アメリカ軍の500ポンドクラスター焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ１７Ａ１＞：アメリカ軍の500ポンドクラスター焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ２６＞：アメリカ軍のパラシュート吊光弾。重量52ポンド（23.6kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ３０シリーズ＞：アメリカ陸海軍の100ポンド汎用爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ３０＞：第２次大戦中に実用化された。炸薬重量54ポンド（24.5kg）。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＡＮ−Ｍ３０Ａ１＞：重量100ポンド（45.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ４６＞：アメリカ軍の写真偵察用フラッシュ弾。重量100ポンド（45.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ４６Ａ１＞：アメリカ軍の汎用爆弾。重量500ポンド（226.8kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ４７Ａ３＞：アメリカ軍の100ポンド（45.4kg）焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ５０シリーズ＞：アメリカ軍のテルミット・マグネシウム焼夷子爆弾。参考：月刊JWings3,’13、戦時用語の基礎知識

　＜ＡＮ−Ｍ５０＞：長さ350mm、直径50mmの六角柱状をしており、束ねて収容する際に隙間が生じず、貫徹力も大きい。M17A1に110本纏めて搭載される。参考：月刊JWings3,’13、戦時用語の基礎知識

　＜ＡＮ−Ｍ５０Ａ１＞：重量４ポンド（1814g）で、内部にTH3テルミット0.63ポンド（286g）を収容している。参考：月刊JWings3,’13

＜ＡＮ−Ｍ５６シリーズ＞：アメリカ陸海軍の4000ポンド軽量弾殻爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ５６＞：第２次大戦中に実用化された。炸薬重量3245ポンド（1.472トン）。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＡＮ−Ｍ５６Ａ２＞：重量4000ポンド（1.814トン）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ５７シリーズ＞：アメリカ陸海軍の250ポンド汎用爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ５７＞：第２次大戦中に実用化された。炸薬重量123ポンド（55.8kg）。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＡＮ−Ｍ５７Ａ１＞：重量250ポンド（113.4kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ５８シリーズ＞：アメリカ陸海軍の500ポンド半徹甲爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ５８＞：第２次大戦中に実用化された。炸薬重量145ポンド（65.8kg）。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＡＮ−Ｍ５８Ａ２＞：重量500ポンド（226.8kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ５９シリーズ＞：アメリカ陸海軍の1000ポンド半徹甲爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ５９＞：第２次大戦中に実用化された。炸薬重量303ポンド（137.4kg）。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＡＮ−Ｍ５９Ａ１＞：重量1000ポンド（453.6kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ６４＞：アメリカ陸海軍の500ポンド汎用爆弾で、第２次大戦中に実用化された。弾殻厚10mm、全備重量239kg。炸薬はTNTまたはアマトールで、重量262ポンド（131kg）。参考：日本海軍の爆弾、月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ６５シリーズ＞：アメリカ陸海軍の1000ポンド汎用爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ６５＞：第２次大戦中に実用化された。炸薬重量530ポンド。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＡＮ−Ｍ６５Ａ１＞：重量1000ポンド（453.6kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ６６シリーズ＞：アメリカ陸海軍の2000ポンド汎用爆弾。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍ６６＞：第２次大戦中に実用化された。炸薬重量1061ポンド。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜ＡＮ−Ｍ６６Ａ２＞：重量2000ポンド（907.2kg）。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ７０＞：アメリカ軍の115ポンド化学爆弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ７６＞：アメリカ軍の500ポンド焼夷弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ７８＞：アメリカ軍の500ポンド化学爆弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ７９＞：アメリカ軍の1000ポンド化学爆弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍ１２６＞：アメリカ軍のテルミット焼夷子爆弾。重量４ポンド（1814g）で、内部にTH3テルミット0.63ポンド（286g）を収容する。参考：月刊JWings3,’13

＜ＡＮ−Ｍｋ１＞：アメリカ陸海軍の1600ポンド徹甲爆弾で、第２次大戦中に実用化された。炸薬重量215ポンド（97.5kg）。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＮ−Ｍｋ３＞：アメリカ陸海軍の３ポンドサブスケール訓練爆弾。弾体は涙滴型で、後部に４枚のフィンが付いている。弾体先端部の穴に散弾銃用10ゲージ弾を改造した発煙カートリッジを装填する。参考：月刊JWings4,’13

＜ＡＮ−Ｍｋ４＞：アメリカ陸海軍のサブスケール訓練爆弾。AN-Mk3の発煙カートリッジをMk4シグナルカートリッジとMk1ファイアリングピンに変更したものである。参考：月刊JWings4,’13

＜ＡＮ−Ｍｋ５＞：アメリカ陸海軍のサブスケール訓練爆弾で、AN-Mk4の改良型。参考：月刊JWings4,’13

＜ＡＮ−Ｍｋ３３＞：アメリカ陸海軍の1000ポンド徹甲爆弾で、第２次大戦中に実用化された。炸薬重量144ポンド（65.3kg）。参考：月刊軍事研究3,’11、世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍｋ５３Ｍｏｄ１＞：アメリカ軍の325ポンド対潜爆弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ−Ｍｋ５４Ｍｏｄ１＞：アメリカ軍の350ポンド対潜爆弾。参考：世界の傑作機No.125

＜ＡＮ／ＭＬＱ−３４＞：アメリカ軍の高出力VHFジャマー。運用周波数は20-200MHzで、自動的に３つまでの周波数を妨害できる。M1015に搭載される。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜ＡＮ／ＭＰＮ−１＞：第２次大戦中にマサチューセッツ工科大学電波研究所が開発した地上着陸誘導装置。飛行場から30海里以内の航空機を探知するレーダーと、滑走路の延長上10海里以内にある航空機の位置と高度を探知する精測進入レーダー（PAR）から構成されており、管制官はこれを使用して悪天候時の着陸誘導を行う。精測進入レーダーはイーグルスキャン方式の一次放射器から放射したレーダー波を筒型反射鏡で反射させて走査する方式で、水平面走査用（二次元レーダー）と垂直面走査用（測高レーダー）が１つずつ用意されており、着陸態勢に入った航空機の三次元位置を精密測定する。使用周波数9-9.2GHz（Ｘバンド）、送信電力15kW、パルス幅0.5マイクロ秒、パルス繰り返し周波数2kHz。垂直走査ビームは走査範囲マイナス１度からプラス６度、ビーム幅は方位3.5度・俯仰0.55度、水平走査ビームは走査範囲20度、ビーム幅は方位0.85度・俯仰２度、走査時間２秒。第２次大戦後には民間にも広まり、悪天候でも安全に着陸できるようになった。参考：航空管制のはなし、レーダシステムの基礎理論

＜ＡＮ／ＭＰＱ−１０＞：アメリカのスペリー社が開発した対迫レーダー装置。使用周波数はＳバンドで、扇形のビームを800ミル以内の角度で放射、発射弾がビーム内を横切ると、ブリップが表示される。次いで、次弾がその位置を通過した時に追尾し、弾道を記録、発射位置や弾着位置を評定する。1956年には自衛隊に供与された。参考：月刊PANZER8,’01

＜ＡＮ／ＭＰＱ−５３＞：パトリオット・システムを構成する透過型空間給電方式パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダー。目標の捜索からミサイル最終誘導までを一貫して行う高精度の多機能レーダーで、コンテナ・トレーラー上に起倒式平板アンテナを搭載している。メインアンテナは直径2.24m・素子数5161個で、最初に探知した目標の位置を基点として未来位置を推計し、それから正確な位置を捕捉すべく追尾用ペンシルビームをその位置に照射する。フェライト移相器を使用しており、使用周波数はＣバンド／Ｇバンド（4-6GHz）、チャンネル数160。覆域120度。条件が良ければ探知距離170km（対航空機）／100km（対弾道ミサイル）、探知高度80kmに達する。50目標（125目標？）を同時追尾し、５発（９発？）のミサイルを同時に誘導可能。メインアンテナ両脇下部に１個ずつと下方中央に３個横に並んでいる六角形アンテナはECM用、メインアンテナ下にある横長長方形アンテナはIFF用、メインアンテナ向かって右下の円形アンテナはTVMダウンリンク用である。コンテナ内には左外側にトランスミッター・ドライバ、中央にアナログ／デジタル・コンバータ、シグナルプロセッサ、レシーバー・エレクトロニクス、コントロール・ユニット・グループ、右外側にIFFイントロゲータ、ステイタス＆コントロールパネル、トランスミッター・ファイナルが収容される。参考：月刊軍事研究1,’18、11,’98、11,’13、6,’17、ワイルドウエポン、レーダシステムの基礎理論

＜ＡＮ／ＭＰＱ−６４＞：アメリカ陸軍の前線地域防空地上設置センサーで、別名SENTINEL。防空砲兵大隊に配備されており、空中戦闘管制作戦センターやセンサー／指揮・管制システムなどと共に前線地域防空C3Iシステムを構成する。Ｘバンドのフェイズド・アレイ・レーダーとパルス・ドップラー・レーダーを持ち、捜索範囲360度、探知高度4000m、探知距離40km。探知情報は短距離防空兵器（M6ラインバッカーやアベンジャーなど）などに伝達される。参考：月刊軍事研究11,’02

＜ＡＮ／ＭＰＱ−６５＞：PAC-3地対空ミサイル・コンフィギュレーション３用レーダー。進行波管をデュアル化すると共に、ハードウェアを改修してノイズを減らしており、AN/MPQ-53よりも解像度が上がり、弾頭、デコイ、デブリなどの識別能力が向上し、ECCM機能や対クラッター能力も強化された。GPSを内蔵しており、アンテナがどちらを向いているかを自身で計算できる。参考：月刊航空情報3,’10、月刊軍事研究1,’18

＜ＡＮ／ＭＳＱ−１０４＞：パトリオット地対空ミサイルシステムの迎撃管制ステーション。コンテナ内部前方には第１（左）・第２操作員席（右）が並列に前方を向けて置かれていて、それぞれの操作員席の前には環境調節制御板、その間にステータス・パネルとプライム・パワーモニタ／コントロールパネル、ハードコピーユニットが設置されている。第１操作員席の後方には通信装置とラジオ・リレー・ターミナル３台、第２操作員席の後方には火器管制コンピュータとVHFデータリンク・ターミナルがあり、その間に通信士席が前向きに置かれている。コンテナ外部にはデータリンクアンテナを装備する。参考：ワイルドウエポン

＜ＡＮＮ−３７Ｕ−１＞：アメリカ海軍の係維機雷除去セット。Mk103と同様のケーブル切断式係維掃海具だが、より深々度に対応できる。参考：月刊軍事研究3,’98

＜ＡＮＮＵＡＬＥＸ１３＞：海上自衛隊とアメリカ海軍の共同演習で、2013年11月16-28日に実施され、DDH-181ひゅうが、AOE-423ときわ、CG-54アンティータムなどが参加した。CVN-73ジョージ・ワシントンはフィリピン台風被害の救援を終えた後、最終段で演習に参加している。参考：月刊JWings2,’14

＜ＡＮ／ＯＥ−５３８＞：自衛隊の複合空中線。極東貿易または三菱商事が受注している。参考：月刊軍事研究7,’07、4,’13

＜ＡＮ／ＯＥ−５３８アンテナコントロールユニット＞：自衛隊の機器。三菱商事が受注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜ＡＮ／ＰＡＳ−１３シリーズ＞：アメリカ軍の小火器用中距離赤外線暗視照準器で、レイセオン・ネットワーク・セントリックシステムズ社が開発した。ビデオ用出力端子を持つ。三脚に固定した方が写りがいいらしい。参考：月刊軍事研究6,’07、4,’04

　＜ＡＮ／ＰＡＳ−１３＞：M16小銃用。参考：月刊軍事研究6,’07

　＜ＡＮ／ＰＡＳ−１３Ｖ１＞：M4小銃用の小型化型。倍率1.55倍、有効探知距離550m。参考：月刊軍事研究6,’07

　＜ＡＮ／ＰＡＳ−１３Ｖ２＞：M249やM240などの機関銃用。長さ324mm、幅83mm、高さ112mm、重量1.4kg。倍率1.66倍、有効探知距離1100m。映像をHMD（18mm×43mm×33mm、800×600ピクセル、重量185g）に送ることも可能。M-1戦車TUSK�Tキット追加型にも搭載されており、HMDは装填手用ヘルメットに取り付けられている。参考：月刊軍事研究6,’07、月刊PANZER3,’10

　＜ＡＮ／ＰＡＳ−１３Ｖ３＞：M2重機関銃、Mk19グレネードランチャー、M24/M107狙撃銃などに搭載する大型版で、分隊指揮官用としても使用される。倍率は3.3倍と10倍の切り替え式で、有効探知距離2200m。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＡＮ／ＰＤＲ−７５＞：アメリカ陸軍の放射線検知セット。DT-236個人用線量計を用いて残留ガンマ線と中性子線を迅速に計測できる。放射線監視・記録装置もあり、個人被曝を記録することもできる。参考：月刊軍事研究8,’02

＜ＡＮ／ＰＤＲ−７７＞：アメリカ陸海空軍の放射線検知セット。AN/PDR-56FとAN/PDR-60の後継で、AN/VDR-2放射線探知装置などからなり、小型で携帯性に優れる。アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線の探知プローブを取り付けることで、それぞれの線量を計測し、液晶ディスプレイに結果を表示する。軍管理の放射性物質及び核兵器の管理・移動・貯蔵などの際に用いられる。参考：月刊軍事研究8,’02、月刊PANZER12,’99

＜ＡＮ／ＰＥＤ−１＞：アメリカ軍の軽量型レーザー照射測距装置LLDR（Light weight Laser Designator Range finder）。ノースロップ・グラマン社が開発した。目標位置特定モジュールと目標照射モジュールからなり、前者はアイセーフ型レーザー測距器（AN/PVS-6MELIOSミニ・アイセーフ・レーザー赤外線観測セット）、赤外線暗視装置、昼間用CCDカメラ、GPS受信機、デジタル磁気コンパス、傾斜計で構成され、後者はレーザー照射器である。距離5kmでの照射誤差は5m以内で、近接航空支援用航空機の地表面における航跡を表示でき、艦砲射撃、航空攻撃、野砲・迫撃砲射撃指揮に使用できる。参考：月刊PANZER4,’03、月刊軍事研究5,’14

＜ＡＮ／ＰＰＳ−５Ｄ＞：アメリカ軍の可搬式地上監視レーダー。HMMWVの後部に搭載される。探知距離10km（人員）／20km（車両）。参考：月刊軍事研究9,’05

＜ＡＮ／ＰＰＳ−１５＞：アメリカ軍の地上捜索監視レーダー。探知距離5km（人員）／10km（車両）。レーザー測距器を組み込んだ新型も開発されている。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＮ／ＰＲＣ−７７＞：アメリカ軍のポータブル無線機。通信兵が背中に背負って使用する。重量12kg。通信距離8-12km。アンテナが目立つので、敵に狙われやすい。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＮ／ＰＲＣ−９０−２＞：アメリカ軍のサバイバルラジオ。AN/PRC-90の通信距離を２倍に延伸したものである。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１１２Ｂシリーズ＞：アメリカ軍の通信機。衛星を利用して降下パイロットの位置特定やCSAR通信を行う救難用通信装置として湾岸戦争直後にアメリカ空軍宇宙戦センターで開発が開始され、1999年のユーゴ爆撃作戦から使用された。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１１２Ｂ＞：別名フック112B。アメリカ製手持ち型GPS受信機内蔵通信機で、暗号化された音声や文字メッセージを送受信できる。バッテリー寿命６時間以上。参考：月刊軍事研究7,’03、8,’03

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１１２Ｂ−１＞：手持ち式質問機クイックドローを接続できるようにしたもの。CSARに向かった飛行機からクイックドローで発信者に信号が送られると、自動的に識別コード、GPS座標値などの情報をメッセージとともに発信する。参考：月刊軍事研究8,’03

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１１２Ｂ−２＞：PRC-112B-1に衛星通信機能を加え、水平線外の通信ができるようにしたもの。通信方式もバースト式となり、傍受されにくくなった。参考：月刊軍事研究7,’03、8,’03

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１１７Ｆ（ｃ）＞：アメリカ空軍の下士官・戦術部隊用通信装置、別名ファルコン�U。ハリス社製で、2001年3月に発注された。見通し内の航空機と直接交信するUHF/VHF通信機能、衛星通信機能、陸軍のSINCGARSネットワーク型通信システムと接続できるVHFチャンネルを持つ。参考：月刊軍事研究5,’03

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１２６＞：アメリカ軍のハンディ無線機。分隊やレンジャー部隊などが使用するトランシーバーで、AN/PRC-68の後継であり、バッテリー、受話器、H-250/Uハンドセットなどは互換性を持つ。通信距離0.5km（短アンテナ）／3km（長アンテナ）。ピストルベルトに固定できるが、バックパック内に入れておいた方が損傷する可能性が少ない。参考：月刊コンバットマガジン11,’03、コンバット・バイブル２

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１４８（Ｖ）（Ｃ）＞：タレス・コミュニケーショズ社製マルチバンド型インター・イントラ・チーム通信機（MBITR）。CISCHR（Consolidated, Interim, Single-Channnel Handheld Radio）計画の名称で開発されたJTRS-HMS暫定互換機である。個人携帯型で、SINCGARS、ハブクイック�T／�U、VHF/UHF音声通話、UHF衛星通信などに対応可能。使用周波数30-512MHz、出力50W(30-88MHz)/20W (88-512MHz)。重量1kg以下。参考：月刊軍事研究1,’12、月刊PANZER4,’03

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１５４＞：JTRS-HMSの歩兵分隊用個人携帯無線機。通信方式はSRW、使用周波数帯はＬバンドとUHFで、障害の多い地域でも1km、市街地で2kmの通信範囲を持つ。GPS受信機を内蔵している。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＡＮ／ＰＲＣ−１５５＞：JTRS-HMSの指揮官用背負い式通信機で、実際に背負うのは通信兵である。チャンネル数２、使用周波数帯2-2500MHz、出力20W。通信方式はSRW、MUOS、SINCGARS、能力向上型方向・位置報告システムEPLRS、SATCOM、HF SSBに対応している。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＡＮ／ＰＳＮ−８＞：アメリカ軍の軍用GPS受信器で、ロックウェル・インターナショナル社製。GPSの選択利用性及び耐欺瞞性操作が行われている時でも精密測位サービスの利用が可能で、KYK-13と組み合わせることにより出撃後に選択利用性や耐欺瞞性操作が行われても正確な位置を知ることができる。50%誤差半径は16m、砂漠や海面など高度が無視できるなら13m。背負い式の利用や、車載が可能。1989-90年にアメリカ３軍でテストされて採用された。湾岸戦争では選択利用性及び対欺瞞性操作が行われなかったため、小型の民間用GPSに押された。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＡＮ／ＰＳＮ−９＞：アメリカ軍の背負い式５チャンネルGPS受信器で、テキサス・インスツルメンツ社製。民生用のC/Aコードのみを使用した受信器だが、選択利用性下でもＰコードに劣らない精度を確保できる。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＡＮ／ＰＳＮ−１０＞：アメリカ軍のGPS受信器。トリンブル社製の民間用GPS受信器トリムパックを制式化したものである。MIL-STD-810環境耐用規格に合格しており、気温マイナス30度からプラス65度で作動する。金属化ポリカーボネートのパッケージに包まれており、放射線にも強い。乾電池でも外部電源でも作動可能。幅170mm、高さ50mm、厚さ180mm、重量1.9kg（電池含む）。50%確率誤差半径20m。平均故障間隔２年。価格4000ドル。湾岸戦争中にアメリカが9200台購入し、陸軍車両にテープで固定して使用した他、イスラエル、イギリス、エジプトなどが1500台を購入して配備した。日本も購入しており、他国に供与している。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＡＮ／ＰＳＱ−２０＞：アメリカ陸軍のヘルメットマウント式暗視ゴーグル、別名改良型ナイトビジョンゴーグル（Enhanced Night Vision Goggle）、略称ENVG。AN/PVS-14個人用単眼式微光暗視装置の後継として2000年にITT社と開発契約を結んた。マイクロチャンネルプレート相補型金属酸化物半導体微光暗視装置（視野38度）と長波長赤外線撮像装置（素子数320×240、視野28度）を一体化しており、暗闇や悪天候でも使用できる。ヘルメットマウント、ハーネス、バッテリーパックが付属し、画像記録伝送機能を持つ。ACHヘルメットに装着すると、重量バランスが顔面に近くなる関係で、ヘルメットの安定性や装着性も増すという。重量900g。有効視認距離150m。バッテリーはAA型リチウム電池４個、連続使用時間7.5時間／15時間（微光暗視装置のみ）。特殊部隊に装備され、2009年2月から第10山岳師団にも配備された。参考：朝雲、月刊軍事研究9,’09

＜ＡＮ／ＰＳＳ−１４＞：アメリカ陸軍の手持ち式地雷探知器。参考：月刊軍事研究5,’17

＜Ａ．Ｎ．Ｐ　Ｔ３１＞：フランス軍のガスマスクで、Appareil Normal de Protection Type31（1931年式標準防護器具）の略。隔離式ガスマスクであり、マスクは綿生地にゴムと亜麻仁油をコーティングしたもの、レンズは雲母で作られている。参考：歴史群像12,’10

＜ＡＮ／ＰＶＳ−１＞：アメリカ軍のスターライト・スコープで、1962年から開発され、1967年に完成した。増幅率は40000倍で、強烈な光を受けた時には自動的に回路が遮断されるようになっている。単眼式望遠鏡の形状をしており、観測用に使用される他、小銃に取り付けて照準用に使うことも可能である。参考：歴史群像10,’08

＜ＡＮ／ＰＶＳ−２シリーズ＞：アメリカ軍の小火器用スターライト・スコープ。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＮ／ＰＶＳ−２＞：月明かりで400m、星明かりで300mの視程を持つ。ベトナム戦争で使用された。参考：コンバット・バイブル２、世界の軍用銃

＜ＡＮ／ＰＶＳ−２Ａ＞：M16などに装備可能。重量2.65kg。倍率４倍。参考：世界の軍用銃

＜ＡＮ／ＰＶＳ−４＞：アメリカ軍の単眼式アクティブ赤外線暗視装置で、M1ガーランドまたはM14小銃に取り付けて使用する。バッテリーは充電式で、電圧６ボルト。総重量5.4kg。有効距離100m。1960年代初期に完成した。参考：歴史群像10,’08

＜ＡＮ／ＰＶＳ−４＞：アメリカ軍の双眼式暗視ゴーグル。パッシブ・モードで距離150mまで見られる。赤外線アクティブ・モードは視程2mで、地図などを見る時のみ使用する。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＮ／ＰＶＳ−７＞：アメリカ軍の個人用夜間暗視装置。接眼部は双眼、対物部は単眼である。ヘルメットの周りで回転してしまうことと、スイングアームと操作ボタンを間違えやすいことが欠点。参考：月刊軍事研究4,’04、月刊コンバットマガジン11,’03

＜ＡＮ／ＰＶＳ−１４＞：アメリカ軍の個人用暗視装置。バッテリーカバーが脆く、ここが壊れると暗視装置自体も使えなくなる。参考：月刊軍事研究4,’04

＜ＡＮ／ＰＶＳ−１７＞：アメリカ軍の個人用単眼式暗視装置。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜ＡＮＰ計画＞：航空機原子力推進計画を参照。

＜ＡＮＳ＞：自立ナビゲーションシステムを参照。

＜ＡＮＳ＞：天測航法装置（Astro Navigation System）の略。

＜ＡＮＳ＞：アエロスパシアル社とMBB社が1990年代半ばの実用化を目指して共同開発していた艦対艦ミサイルで、超音速対艦の略。エグゾセとほぼ同じ大きさで、超音速飛行しつつ回避機動を行いながら目標に突入する。重量850kg。推進はインテグラル・ロケット・ラムジェット、巡航速度マッハ２（低空）／マッハ2.5（高空）、射程180km。参考：月刊丸3,’90

＜ＡＮ／ＳＡＲ−８＞：アメリカ海軍の赤外線捜索探知装置（Infrared Search and Target Designation、IRSTD）。艦船に搭載する赤外線監視システムで、航空機、ミサイル、艦船の探知識別が可能である。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜ＡＮＳＡＴ＞：アンサット（ヘリコプター）を参照。

＜ＡＮ／ＳＡＹ−３＞：アメリカ海軍の電子光学センサー、略称I-SLREOSS（Improved Stalker Long Range Electro Optical Sensor System）。SLREOSSの後継で、2021年にニミッツ級空母CVN-72エイブラハム・リンカーンとCVN-76ロナルド・レーガンが換装したと発表された。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜ＡＮ／ＳＢＸ−１＞：海上配備Ｘバンドレーダーを参照。

＜ＡＮ／ＳＥＱ−３＞：アメリカ海軍の半導体レーザー砲。LaWSを制式化したもので、対空目標捜索にはファランクスのレーダー、対水上目標捜索には搭載艦の対水上レーダーを使用する。出力33kWで、小型無人機や小型艇なら破壊可能。2014年8月、AFSB(I)-15ポンスに搭載されて実戦配備された。参考：月刊軍事研究2,’16

＜ＡＮ／ＳＥＱ−４＞：アメリカ海軍艦載レーザー砲、略称ODIN（Optical Dazzling Interdictor, Navy）。台座に多面体の旋回砲座を介して俯仰レーザー照射装置を載せたものである。ボルトオン式で、艦載戦闘システムとは統合せず単独で機能するため、後付けが容易。CIWSに代わって無人機などに対抗するのが主任務だが、出力が低めで気象・海象による影響も大きく撃墜は難しいため、センサー破壊などにより無力化する。2019年11月、DDG-105デューイに搭載して実用試験を開始した。同年にDDG-106ストックデイル、2020年にDDG-111スプルーアンスも装備しており、2021年に２隻、その後更に３隻に搭載する予定。参考：月刊世界の艦船5,'21、5,’20、10,'21、11,'22、朝雲

＜ＡＮ／ＳＬＱ−２５シリーズ＞：アメリカ海軍の魚雷防御装置、別名ニキシー（Nixie）。海上自衛隊もあさぎり型とみらさめ型に配備した。他にもイタリア、エジプト、オーストラリア、カナダ、ドイツ、ベルギーなど20カ国以上で採用されている。参考：月刊世界の艦船8,’21、月刊軍事研究6,’15

＜ＡＮ／ＳＬＱ−２５＞：1970年代初期に開発された曳航式雑音発生器で、通称ノイズメーカー。全長940mm、直径152mm、重量20kgの魚雷型音響曳航体TB14を艦尾から長さ300mのケーブルに繋いで曳航し、スクリュー音類似の雑音を発して音響誘導式魚雷を惑わせる。通常は２基１組で艦尾に装備され、１基を予備として使用する。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究6,’15、4,’07、11,’06、月刊世界の艦船1,'15増刊、10,'22、4,’98

＜ＡＮ／ＳＬＱ−２５Ａ＞：改良型。魚雷探知識別・位置特定機能を追加した。1990年代に開発された。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜ＡＮ／ＳＬＱ−２５Ｂ＞：改良型。1990年代に開発された。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜ＡＮ／ＳＬＱ−２５Ｃ＞：改良型。アクティブ音響誘導式魚雷に対しても、曳航体でキャッチした音響を母艦に送り、増幅して曳航体から放出することで対応できるようになった。ソナーを内蔵して曳航ソナー代わりに使ったり、魚雷のアクティブソナーを探知して警戒に使用したり、射出式音響デコイと連動させたりもできる。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２シリーズ＞：アメリカ海軍のESM/ECM装置。エイラート撃沈を受け、対艦ミサイルに対処可能な妨害装置として1970年代末に開発された。本体はESM専用だが、サイドキックと呼ばれるECM装置が付属している。電波探知、発信源に対する早期警戒、自艦が搭載している兵器への情報提供、チャフ自動散布、ミサイルに対する電子妨害などをシステマティックに行うことが可能で、システム各部はモジュール化されており、一部の機能のみを組み合わせて使用することもできる。(V)4以外はMk36デコイ発射機の管制が可能。1980年代から広く使用された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’22

　＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２（Ｖ）１＞：小型艦向けESM専用型。対象周波数C/X/Kバンド（6-20GHz）。後にAN/SLQ-32(V)2に換装された。参考：月刊世界の艦船5,’22

　＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２（Ｖ）２＞：フリゲート・駆逐艦向けESM専用型。対象周波数P/L/S/C/X/Kバンド（0.25-20GHz）。オリヴァー・ハザード・ペリー級、ノックス級、ブルク級、アーレイ・バーク級フライト�Tなどに搭載され、AN/SLQ-32(V)1搭載艦もこちらに換装した。電波妨害機能が無く、イラン・イラク戦争時にスタークがエグゾセの誤射を受けた際にミサイルを防げなかったため、電波妨害機能を追加したAN/SLQ-32(V)5への換装を行い、湾岸戦争までに大部分を終了している。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船5,’22

　＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２（Ｖ）３＞：AN/SLQ-32(V)2にECM機能を追加したもの。アーレイ・バーク級フライト�Uが搭載した。参考：月刊世界の艦船5,’22

　＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２（Ｖ）４＞：AN/SLQ-32(V)3を２セット搭載したもので、キティ・ホーク級空母やニミッツ級空母向け。参考：月刊世界の艦船5,’22、10,’22

　＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２（Ｖ）５＞：スターク誤射事件を受け、AN/SLQ-32(V)2にECM機能を追加したもの。オリヴァー・ハザード・ペリー級がAN/SLQ-32(V)2から換装し、湾岸戦争までに大半の艦が完了した。アーレイ・バーク級フライト�Tも換装している。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船5,’22

　＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２（Ｖ）６＞：計画名SEWIPブロック�U。ロッキード・マーチン社が開発した。受信機改良型で、フェアリング６個だったアンテナを２面に纏め、ESM機能を強化している。2013-14年頃からアーレイ・バーク級イージス駆逐艦に搭載された。ジェラルド・Ｒ・フォード級空母も装備している。参考：月刊世界の艦船5,'22、8,’19、4,’19、10,’22

　＜ＡＮ／ＳＬＱ−３２（Ｖ）７＞：計画名SEWIPブロック�V。ノースロップ・グラマン社が2016年に開発した。AN/SLQ-32(V)6のECM能力を向上させ、複数同時対処を可能としたものである。2019年1月にマイルストーンＣを達成してLRIPに移行した。2021年6月、陸上試験を開始した。DDG-91が最初に搭載している。参考：月刊世界の艦船5,'22、4,’19、8,’19、11,’24

＜ＡＮ／ＳＬＱ−４８＞：アメリカ海軍の深々度機雷用処分具で、ハネウェル社が開発した。航走体の先端に高分解ソナードームを装備し、LLLTVも積む。長さ1000mのケーブルで母艦から電力を供給され、センサーデータを送信する。ケーブルが切れたら自動的に本体が浮上し、位置信号を発信する。全長3.8m、重量1135kg（1200kg？）。推進・姿勢制御は電動スラスター４基、水中速力６ノット、運用深度500m。機雷処分具は係維索カッターと爆薬。1985年に実用化されたが、信頼性に欠けるという欠点があり、後継としてシーフォックスが配備された。韓国海軍も使用している。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、2,’13、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＬＱ−５９＞：アメリカ海軍の電子戦システム、別名SEWIPブロック3Tまたは可搬型電子戦モジュール（Transportable Electronic Warfare Module）、略称TEWM。戦力強化著しい中国海軍に対抗すべく開発したAN/SLQ-32(V)のECM強化型で、容易に後付けできる。2013年頃からCVN-76ロナルド・レーガン、タイコンデロガ級イージス巡洋艦、アーレイ・バーク級イージス駆逐艦（AN/SLQ-32の真上あたり）にAN/SLQ-32(V)とは別個に後日搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜ＡＮ／ＳＬＱ−６１＞：アメリカ海軍の対魚雷曳航デコイ、略称LWTTDMM（LightWeight Tow Torpedo Defense Mission Module）。LCSなど小型艦にも搭載できる小型軽量の対魚雷デコイである。2018年5月4日に試験を完了した。コンステレーション級フリゲートにも搭載予定。参考：月刊世界の艦船7,’18、8,’21

＜ＡＮ／ＳＬＱ−６２＞：アメリカ海軍の電子戦システム、略称TEWM STF（Transportable Electronic Warfare Module Speed To Fleet）。AN/SLQ-59に第６艦隊向けの能力強化を施したものである。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜ＡＮ／ＳＬＲ−２＞：アメリカ海軍の水上艦用電波探知器。対象周波数0.3-10GHz。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＡＮ／ＳＬＹ−２（Ｖ）＞：アメリカ海軍が開発していた先進統合電子戦装置AIEW（Advanced Integrated Electronic Warfare）。AN/SLQ-32シリーズの後継で、1996年から開発された。電子支援サブシステム（長距離警戒、受信波方向精密測定、高性能敵味方識別）、管制・処理サブシステム（武器システム統合、状況把握、使用武器指示）、電子攻撃サブシステム（ECM、ECCM、デコイ管制、ハードキル・ソフトキル調整）の３部分から構成される。これらにより複雑な電波環境の中で精度良く高い探知確率で発信源を特定でき、高性能アクティブ・レーダー・シーカーにも対抗できる。武器システムとも連動し、短いリアクションタイムを可能とする。1999年に原型が完成したが、その後の開発が進まずコストだけ膨らんだため、2002年4月にキャンセルされた。代わりにSEWIPの開発に移っている。参考：月刊軍事研究6,’01、月刊世界の艦船5,’22

＜ＡＮ／ＳＰＧ−２５＞：Mk25（射撃指揮レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＧ−５１シリーズ＞：アメリカ海軍のスタンダードミサイル単装発射機・砲管制用モノパルスレーダー。参考：艦船メカニズム図鑑

＜ＡＮ／ＳＰＧ−５１＞：Mk74FCSターターシステムを構成する。アンテナは円形パラボラ型。使用周波数はＣバンド（目標追尾用、パルス・ドップラー方式）とＸバンド（目標照射用、連続波）で、ピーク出力30kW。発射機１基あたりアンテナ２基が用意され、１つが目標照射、１つが別目標の追尾を行う。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’95、5,’86、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究11,’08

　＜ＡＮ／ＳＰＧ−５１Ｃ／Ｄ＞：AN/SPG-51Cをデジタル化したもの。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜ＡＮ／ＳＰＧ−５３＞：アメリカ海軍の５インチ（127mm）砲Mk42用射撃指揮レーダーで、Mk68艦砲射撃指揮装置を構成する。アンテナは円形パラボラ型。使用周波数Ｘバンド、ピーク出力250kW、パルス繰り返し周波数1000pps、探知距離110km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＰＧ−５５シリーズ＞：アメリカ海軍の艦対空ミサイル用射撃指揮レーダー。参考：月刊世界の艦船10,’22

　＜ＡＮ／ＳＰＧ−５５＞：テリア誘導用で、Mk76MFCSを構成する。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜ＡＮ／ＳＰＧ−５５Ｂ＞：テリア誘導用としてレーダー・ビーム・ライディング用とセミアクティブ・レーダー・ホーミング用の両モードを持つ。後にスタンダード誘導指令用アップリンク通信能力が追加された。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜ＡＮ／ＳＰＧ−５９＞：アメリカ海軍タイフォン艦隊防空システム用電子走査レーダー。ウェスティングハウス社が開発した。アンテナは壁面固定式で、ジングルベルみたいな形のレーダーマスト頂部に送信アレイを収容した球形アンテナドーム、側面に受信アレイ（ルネベルグ・レンズ）を収容した半球形アンテナドーム３基を備える。複数のＣバンド帯ペンシル・ビームを切り替えることでECCM能力を発揮しつつ、目標探知・追尾・ミサイル誘導を行う。広帯域の周波数・位相転換を行うため、巡洋艦向けは進行波管10000個、駆逐艦・フリゲート向けは進行波管7000個ないし3400個を備える。フェイズド・アレイ式はＣバンド広帯域対応の位相変換器の作成が当時の技術では無理だったので諦め、ペンシル・ビームを電磁レンズ（ルネベルグ・レンズ）でスキャンしたい方に振り向けるビーム・ステアリング方式とした。レーダー反射面積１平方メートルの目標を300km先で探知でき、0.1秒のデータ・レートで最大120目標の追尾が可能であり、同時に艦対空ミサイル30発を管制できる。1959年から要素試験が行われ、1962年にはタイフォンLR艦対空ミサイルの誘導試験に入り、1963年に試験艦AVM-1ノートン・サウンドへの搭載工事が始まった。しかし増幅器が進行波管と同じ数（駆逐艦で1800台、巡洋艦では10000台）必要で、コストは高く信頼性と整備性は低く、給電するのに巡洋艦用では2500kW発電機３基が必要で、通常動力では機関出力を10000馬力ほどレーダーのために割かねばならず、原子炉を積むSCB-227案やSCB240・65案も高額な建造費でマクナマラ国防長官に蹴られ、開発中止になった。AVM-1ノートン・サウンドでの試験は1966年春まで行われ、データ取りにに使用されている。参考：月刊世界の艦船11,'24、10,’11、月刊軍事研究6,’93別冊、11,’15、3,’03

＜ＡＮ／ＳＰＧ−６０＞：アメリカ海軍のMk86射撃指揮装置用対空目標射撃指揮レーダー。ターター・スタンダード・シースパロー艦対空ミサイル用連続波イルミネーター・レーダーとしても使用できる。アンテナはディッシュ型。使用周波数Ｘバンド、ピーク出力5.5kW、パルス繰り返し周波数25000-35000pps、照射距離91km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、3,'22、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＰＧ−６２＞：アメリカ海軍イージス・システムのスタンダード・ミサイル管制用イルミネーター・レーダー。Mk99射撃指揮装置の構成機器で、終末誘導のみを担当する。自らは目標を追跡しない従属イルミネーターで、専らAN/SPY-1レーダーから受け取った目標位置に向け連続波を照射する。直径2.286mのパラボラアンテナを持ち、使用周波数Ｘバンド（Ｉ／Ｊバンド、8-20GHz）、ピーク出力10kW。参考：月刊軍事研究5,’13、月刊世界の艦船1,’95、5,’86、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＰＮ−３５＞：アメリカ海軍の着艦誘導レーダー、略称PALS（Precision Approach Landing System）。半球形の天井を持つ白い円筒形レドーム内に楕円形パラボラアンテナを収容する。着艦進入機の距離を18mまで、高度を6mまで精密に測定し、そのデータを着艦進入機のオートパイロットに送る。それ以降は光学式着艦誘導装置かAN/SPN-10/-12精密誘導レーダーによって着艦を行う。使用周波数Ｘバンド、ピーク出力175kW、パルス繰り返し周波数1200pps。データ送信範囲93km。参考：丸スペシャルNo.83、月刊世界の艦船1,'15増刊、8,’20

＜ＡＮ／ＳＰＮ−４１シリーズ＞：アメリカ海軍の計器空母着艦装置用レーダー、略称ICLS（Instrument Carrier Landing System）。高角測定レーダーと方位測定レーダーが別々に設置されており、着艦機を観測して着艦コースを示す。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、8,’20、月刊JWings11,'24

＜ＡＮ／ＳＰＮ−４１＞：アンテナは艦上がパラボラ、艦尾がスロット導波管。使用周波数Kuバンド（15.4-15.7GHz）、ピーク出力2kW。データ送信範囲93km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＰＮ−４１Ａ＞：空母の艦尾に左右電波アンテナ、アイランド後部に上下電波アンテナがあり、艦上機のAN/ARA-63に着艦コースをパルス・コード化された電波で送信する。参考：月刊世界の艦船2,’16、月刊軍事研究9,’15

＜ＡＮ／ＳＰＮ−４２＞：アメリカ海軍の精密進入着艦装置用自動空母着艦装置ACLS（Automatic Carrier Landing System）。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜ＡＮ／ＳＰＮ−４３＞：アメリカ海軍の空母用対空捜索・航空管制用レーダーで、CATC（Carrier Air Traffic Control）と略す。アンテナは横長パラボラ型。使用周波数Ｓバンド、ピーク出力85kW、パルス繰り返し周波数1125pps。探知距離93km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、2,’16

＜ＡＮ／ＳＰＮ−４６（Ｖ）＞：アメリカ海軍の精密進入着艦装置用自動空母着艦装置ACLS（Automatic Carrier Landing System）。円錐形レドームに円形パラボラアンテナを収容し、艦にレドーム２基を搭載、航空機の位置をコンピュータで精密三次元特定する。空母からの操縦指令電波により、パイロットが操縦桿に触らなくても着艦が可能。使用周波数Kaバンド、ピーク出力50kW。ニミッツ級空母に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、2,’16、月刊JWings6,’18

＜ＡＮ／ＳＰＮ−５０（Ｖ）１＞：アメリカ海軍の航空管制用レーダー、計画名SATR（Shipboard Air Traffic Radar）。AN/SPN-43Cの後継としてシージラフAMBをベースにサーブ社が開発し、2016年に採用された。アンテナはフェイズド・アレイ式１面旋回式で、飛行中の艦上機、天候状況、レーダー・シグナルなどを探知し、艦上機に対して飛行コース指示や着艦管制を行う。2016-20年に３基を調達してテストする予定だったが遅れ、2021年9月に初号機が納入される予定で、CVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーでテストを行い、LHA-8ブーゲンヴィルにも搭載して2022年末にIOCを達成、2028年度までに25基を調達して空母や強襲揚陸艦に積む予定である。参考：月刊世界の艦船12,’16、12,’20、11,’23

＜ＡＮ／ＳＰＱ−９シリーズ＞：アメリカ海軍のレーダー。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＰＱ−９＞：艦砲用射撃指揮レーダーで、Mk86FCSを構成し、トラック・ワイル・スキャン方式による目標追尾が可能。アンテナは長方形で、使用周波数Ｘバンド、ピーク出力1.2kW、パルス繰り返し周波数3000pps、走査回数毎分60回、探知距離37km。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’22

＜ＡＮ／ＳＰＱ−９Ｂ＞：低高度対水上目標捜索・捕捉・砲管制レーダーで、AN/SPY-1レーダーの弱点である低高度目標に対処するため開発された。使用周波数はＸバンドで、シークラッターや対マルチパス干渉の影響を受けにくくしてある。フェイズド・アレイ式で、矩形プラナー・アレイ・アンテナ２面を背中合わせに貼り付けてあり、毎分60回転（30回転？）する。回転式なので同時全周捜索はできないが、壁面固定アンテナのようにエネルギーロスの大きい斜め方向の電波ビーム送受信は行わないので、小型目標の探知能力に優れる。ビーム幅は縦３度・横1.35度、ピーク出力1kW、パルス繰り返し周波数3000pps、探知距離40km。Mk86FCSを構成し、イージスシステム・ベースライン９ではAN/SPY-1を使わず本レーダーからの目標情報入力のみでスタンダード２艦対空ミサイルを発射できる。ニミッツ級空母、タイコンデロガ級イージス巡洋艦、アーレイ・バーク級イージス駆逐艦、ワスプ級揚陸艦、サン・アントニオ級揚陸艦に順次搭載されており、アメリカ級LHAにも搭載された。個艦防御システムSSDS Mk2における低高度目標主探知センサーだが、テストの結果、最大探知距離が計画よりかなり短い、ある種の対艦巡航ミサイルに対する探知追尾能力に乏しいといった欠点が指摘されている。参考：月刊軍事研究8,’06、6,’08、7,’16、月刊世界の艦船1,'15増刊、9,'20、12,’12、2,’18

＜ＡＮ／ＳＰＲ−２＞：アメリカ海軍の電波探知器。対象周波数1-6GHz。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５シリーズ＞：アメリカ海軍の対水上レーダー。参考：丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５＞：SG/SUシリーズの後継として1952年から配備された。使用周波数Ｃバンド。海上自衛隊にも供与され、はるかぜ型に搭載された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船3,’10、丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５Ｂ＞：アンテナは格子状パラボリック・トーラス・アンテナ。使用周波数G/Hバンド、ビーム幅水平1.5度・垂直15度。海上自衛隊にも供与されて昭和30年代初期建造艦が搭載したが、民間テレビ用電波と干渉したため、OPS-37に換装された。参考：丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＳＰＳ−６＞：アメリカ海軍の対空レーダーで、SR-3/-6の後継である。アンテナはパラボリック・ホーンフェッド型で、後部に風圧バランス用ベーンが付けられている。使用周波数Ｄバンド（Ｌバンド）、出力500kW。A-E型に細分される。海上自衛隊にも供与され、はるかぜ型、あけぼの型、いかづち型に搭載された。参考：艦船メカニズム図鑑、アメリカ護衛艦史、丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＳＰＳ−８Ｂ＞：アメリカ海軍の高角測定レーダー。巨大なアンテナが旋回俯仰して目標高度を測定する。全備重量61.5トン。使用周波数Ｆバンド、出力100kW、最大探知距離72海里、測定角度6-30度。海上自衛隊にも供与され、わかば型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船5,’02増刊、2,’14

＜ＡＮ／ＳＰＳ−１０＞：アメリカ海軍の対水上捜索レーダー。アンテナはAN/SPS-5Bに似た形状で、使用周波数Ｃバンド。参考：アメリカ護衛艦史、丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＳＰＳ−１２＞：アメリカ海軍の対空レーダーで、1953年に完成した。AN/SPS-6の改良型で、アンテナ後部のベーンを外している。使用周波数Ｌバンド。海上自衛隊も使用しており、わかば型に搭載した後かとり型に流用し、ありあけ型の改装時とあやなみ型前期４隻にも搭載した。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船1,’79増刊、3,’10、11,'17増刊、丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＳＰＳ−２６＞：アメリカ海軍の三次元対空レーダー。1953年に試作型が完成し、1957年からDL-1ノーフォークで試験が行われた。方位走査は機械式、高度走査はフレスキャン方式で、パラボリック・シリンダー型アンテナにより2.4度×３度のビームを俯仰方向に26ステップ動かして高度を走査する。最大探知距離160km。タロスミサイルを運用するには探知距離が短かったため、AN/SPS-39が開発された。参考：月刊軍事研究9,’14、8,’06、月刊世界の艦船9,'21

＜ＡＮ／ＳＰＳ−２９＞：アメリカ海軍の対空捜索レーダーで、1958年に制式化された。アンテナは格子状の平面型で、４段７列のダイポール・アンテナが並んでおり、上部にIFFアンテナが付いている。アンテナ幅6m、高さ3.3m。使用周波数Ａバンド、使用波長VHF。参考：艦船メカニズム図鑑、丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船11,’18

＜ＡＮ／ＳＰＳ−２９海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＳＰＳ−２９（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の対空捜索レーダー。DDG-163あまつかぜに搭載された。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＳＰＳ−３２＞：アメリカ海軍のアンテナ４面固定型レーダー。アンテナ形状からビルボード（広告看板）と呼ばれた。使用周波数Ｐバンド。縦50度・横７度のファン・ビームを使用し、フレスキャン方式により方位方向の走査を行う。信頼性や価格の面で問題が多く、２セット製作されてCVN-65エンタープライズとCGN-9ロング・ビーチに搭載されたのみで、改良型なども生産されず、両艦とも近代化改装の際に撤去した。参考：月刊軍事研究9,’14、8,’06、月刊世界の艦船10,'22、1,'15増刊、6,’16

＜ＡＮ／ＳＰＳ−３３＞：アメリカ海軍のアンテナ４面固定型追尾レーダーで、アンテナ形状からビルボード（広告看板）と呼ばれた。電波ペンシル・ビームを俯仰方向はフレスキャン方式、旋回方向はフェライト移相器によるフェイズド・アレイ方式で振って走査する。CVN-65エンタープライズ（就役時から）とCGN-9ロング・ビーチ（後日装備）に搭載された。整備性や信頼性などに問題があり、２セットしか製作されず、近代化改装時に外されてしまった。参考：月刊軍事研究9,’14、8,’06、月刊世界の艦船1,'15増刊、6,’16

＜ＡＮ／ＳＰＳ−３７＞：アメリカ海軍の遠距離捜索用メートル波レーダーで、1958年に制式化された。アンテナは幅6m・高さ3.3mで、上部にIFFアンテナが付く。海上自衛隊にも供与され、DDG-163あまつかぜに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜ＡＮ／ＳＰＳ−３９Ａ＞：アメリカ海軍の対空捜索用三次元レーダー。アメリカ海軍初の三次元レーダーで、AN/SPS-26の量産型として1960年に制式化された。アンテナはシリンドリカル・パラボラ式で、垂直から15度上に傾けて装備されており、下部にIFFアンテナが付いている。水平方向は機械的に、垂直方向は電子的（周波数走査方式）に走査を行う。重量1.4トン。使用周波数E/Fバンド（Ｓバンド）、出力100kW、有効探知距離230km、最大探知距離250km。海上自衛隊もDDG-163あまつかぜに搭載しており、アンテナには形状から八つ橋という愛称が付けられた。参考：丸スペシャルNo.78、艦船メカニズム図鑑、月刊軍事研究8,’06、月刊世界の艦船5,’02増刊、8,’14、11,’17増刊

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４０＞：アメリカ海軍の対空捜索用二次元レーダー。パルス圧縮方式により探知距離を延伸しており、長方形を横方向に湾曲させたトラス状アンテナを毎分7.5または15回転させて全周を捜索する。使用周波数Ｂバンド（400-450MHz）、波長UHF帯、ピーク出力125-225kW、パルス繰り返し周波数300pps。探知距離320km／18海里（シースキマー）。原型を含め５つのバリエーションがあり、1961年6月に原型が納入された。海上自衛隊もあづま型訓練支援艦に搭載した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、アメリカ護衛艦史、丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船1,'15増刊、5,’86

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４２＞：アメリカ海軍の対空捜索用三次元レーダー。アンテナは略正方形平面で、毎分６または15回転する。使用周波数Ｓバンド、ピーク出力1MW、パルス繰り返し周波数1000-1850pps、探知距離400km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４８シリーズ＞：アメリカ海軍の対空捜索用三次元レーダー。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４８＞：1950年代末から開発され、1960年代半ばに実用化された。縦5.2m、横5.3m、重量２トンの矩形平面アンテナを持ち、方位は機械旋回（毎分7.5または15回転）、高度はフレスキャン方式で走査する。使用周波数E/Fバンド（2.9-3.1GHz）、ピーク出力2200kW、パルス繰り返し周波数1250-2000pps。最大探知距離460km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究9,’14、8,’06

　＜ＡＮ／ＳＰＳ−４８Ｅ＞：使用周波数Ｓバンド。ニミッツ級、ワスプ級、タラワ級、サン・アントニオ級、アメリカ級に搭載されている。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４８海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＳＰＳ−４８（エジプト軍）＞：エジプト軍対空捜索レーダー。2022年1月25日、アメリカ国防安全保障協力局がトレーラー搭載陸上運用型３基のFMS輸出許可を出した。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４９シリーズ＞：アメリカ海軍の対空レーダー。参考：アメリカ護衛艦史

　＜ＡＮ／ＳＰＳ−４９＞：対空捜索用二次元レーダーで、横長ディッシュ・パラボラ型アンテナを毎分６または12回転させて全周を捜索する。仰角は９度前後しか捜索できないので、探知距離は短くなるが電波ビームの仰角を高く取るアップスポット・モード（Upspot mode）を持つ。使用周波数Ｌバンド（0.85-0.94GHz）、ピーク出力360kW、探知距離460km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、アメリカ護衛艦史、月刊軍事研究7,’16

　＜ＡＮ／ＳＰＳ−４９（Ｖ）２＞：二次元対空捜索レーダーで、メッシュ型横長パラボラアンテナ（全幅24フィート・7.3m、全高14フィート・4.3m、アンテナ幅24フィート・7.3m、アンテナ高８フィート・2.44m、アンテナ・ゲイン28.5dB）を毎分12回転させて全周を捜索する。送信機は進行波管式、使用周波数C/Dバンド（0.5-2GHz）、平均出力12kW、ピーク出力360kW、ビーム幅垂直30度・水平3.4度、方位精度0.5度、距離精度60m、探知距離0.5-250海里・0.92-463km。同時探知目標数255。甲板上重量3142ポンド・1.425トン、甲板下重量13944ポンド・6.325トン。参考：月刊軍事研究4,’19

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４９（Ｖ）５＞：対空捜索用三次元レーダーで、楕円形のアンテナを持つ。使用周波数Ｃバンド（851-942MHz）、ピーク出力360kW、パルス繰り返し周波数280/800/1000pps、探知距離457km。走査回数毎分６回または12回。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＰＳ−４９Ａ（Ｖ）１＞：対空捜索用二次元レーダー。使用周波数Ｌバンド。ニミッツ級空母、ワスプ級LHD、アメリカ級LHAに搭載されている。参考：月刊世界の艦船12,’12、月刊軍事研究7,’16

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５２シリーズ＞：アメリカ海軍の三次元レーダー。AN/SPS-39Aの後継で、1963年に実用化された。参考：月刊世界の艦船5,’02増刊、艦船メカニズム図鑑

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５２＞：使用アンテナはAN/SPA-72プラナー・アレイ・アンテナで、下部にはIFFアンテナが装着されており、全周旋回して捜索を行う。アンテナ旋回時に生じる電子ビーム位相差を補正するため、アンテナは垂直から18度傾けて取り付けられている。垂直方向はフレスキャン方式の電子走査でマイナス30度からプラス60度まで走査する。使用周波数2-4GHz（E/Fバンド、Ｓバンド）。モードは高角度（低データレート、中距離）、長距離（広パルス幅）、��データレート、MTI（海面クラッター除去）の４種類。長距離モードでの最大探知距離450km。データレート４秒で小型機を60海里先から探知した。参考：丸スペシャルNo.78、艦船メカニズム図鑑、月刊軍事研究8,’06、月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’86

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５２Ｂ＞：トランジスタによりデジタル化し、シークラッター内を飛翔する低高度目標を識別できるようにしたタイプ。アンテナ形状が微妙に変更され、装備角度も垂直から25度になった。H3118コンピュータを使用する。参考：丸スペシャルNo.78、艦船メカニズム図鑑

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５２海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＳＰＳ−５２（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の三次元レーダー。あまつかぜ型がAN/SPS-39Aの後継として1972年に搭載した。参考：丸スペシャルNo.78

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５２Ｂ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の三次元レーダー。たちかぜ型護衛艦に搭載されている。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５２Ｃ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の三次元レーダー。はたかぜ型護衛艦に搭載されている。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５５＞：アメリカ海軍の対水上捜索・航海レーダー。スロッテッド・ウェーブガイド型アンテナ２基が背中合わせになっており、時計回りに毎分16回転して全周を捜索する。方位角10-180度のセクター・スキャンも可能。アンテナ部重量289ポンド・131kg、送受信機銃量573ポンド・260kg。使用周波数Ｉバンド／Ｘバンド（9.05-10GHz）、ピーク出力160kW（130kW？）、パルス繰り返し周波数750pps（帯域幅1.2MHz）／2250pps（帯域幅10MHz）、方位分解能0.2度、距離分解能27m（0.12マイクロ秒パルス）／43m（１マイクロ秒パルス）、探知距離24海里・44kmまたは32海里・60km（ショートパルス）／103海里・190kmまたは148海里・274km（ロングパルス）。同時探知目標数200。参考：月刊軍事研究4,'19、月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、アメリカ護衛艦史

＜ＡＮ／ＳＰＳ−５８＞：アメリカ海軍の対艦ミサイル探知用レーダー。パルス・ドップラー方式で、使用周波数はＬバンド（1-2GHz）。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜ＡＮ／ＳＰＳ−６４＞：アメリカ海軍の航海レーダー。スロッテッド・ウェーブガイド型アンテナを毎分33回転させて全周を捜索する。使用周波数はＩバンド・Ｘバンド（9.345-9.405GHz）とＳバンド（3.025-3.075GHz）、ピーク出力20-50kW、パルス繰り返し周波数900/1800/3600pps。イージス艦の場合はAN/SPY-1と干渉しないよう、Ｉバンド・Ｘバンドのみを使用する。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究6,’93別冊、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＰＳ−６５＞：アメリカ海軍の対艦ミサイル探知用レーダー。AN/SPS-10対水上レーダーがベースで、同じアンテナを使用する。ECCM能力が高い。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜ＡＮ／ＳＰＳ−６７＞：アメリカ海軍の対水上捜索レーダー。AN/SPS-10を半導体化・モジュール化し、マグネトロン送信管を使用して探知能力、信頼性、整備性を向上させたものである。アンテナは横長ディッシュ・パラボラ型で、毎分15または30回転する。使用周波数Ｃバンド（5.45-5.825GHz）、パルス幅0.1/0.25/1ミリ秒、パルス繰り返し周波数750/1200/2400pps。港湾航行モードを持ち、航海レーダーのバックアップも可能。アーレイ・バーク級イージス駆逐艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究12,’06、6,’93別冊

＜ＡＮ／ＳＰＳ−７３＞：アメリカ海軍の対水上捜索・航海レーダーシステム。古野電気製航海レーダーをレイセオン社製プロセッサで統合したものである。アンテナはスロット・ウェーブガイドで、毎分24回転する。使用周波数Ｘバンド、パルス繰り返し周波数600/1028/1800/2200pps、最大探知距離96海里、同時追尾目標数200。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’13

＜ＡＮ／ＳＰＳ−７４＞：アメリカ海軍の潜望鏡探知識別レーダー（Advanced/Automatic Radar Periscope Detection and Discrimination）。1996年からアメリカ海軍研究所で開発され、2006年から実用機の設計に入った。ベースはAN/APS-137で、使用周波数Ｘバンド、アンテナを毎分300回転させて水面上を捜索する。バハマのアンドロス島にあるアメリカ海軍大西洋水中試験評価センターとCVN-73ジョージ・ワシントンでテストを行っており、実用化されれば全空母に装備される予定で、2014年現在、CVN-70、CVN-73、CVN-74、CVN-76に搭載されていた。しかし後に開発中止となり、AN/SPQ-9Bで兼用することになった。参考：月刊軍事研究8,’10、4,’16、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＰＳ−７５＞：TRS-3D（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＳ−７７（Ｖ）１＞：シー・ジラフAMB（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＳ−８０＞：TRS-4D（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＵ−１Ｗ＞：アメリカ海軍の掃海具で、磁気オレンジ・パイプ（MOP）とも呼ばれる。数本を一列に連ねて曳航でき、複数回のノイズに反応して炸裂する音響機雷にも対抗できる。参考：月刊軍事研究3,’98

＜ＡＮ／ＳＰＸ−９５＞：アメリカ海軍の空戦機動記録用ポッド、別名TACTS（戦術乗員戦闘訓練システム）ポッド。搭載機やレーダーなどで捉えた相手機の機動を計測してデータリンクで地上に送付する機材で、内容をデブリーフィング（反省会）などで使うことにより、訓練効率を高める。細い棒状をしており、AIM-9用パイロンなどに装着して使用する。参考：月刊軍事研究11,’15

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１シリーズ＞：アメリカ海軍イージス・システムの中枢をなすフェイズド・アレイ・レーダー。1960年代半ばから開発され、1970年代初めにニュージャージー州ムーアズタウンのランコカス地区にあるレーダー試験施設内にRCA社が建設した艦船上部構造物（トウモロコシ畑の巡洋艦、巡洋艦ランコカス号などと呼ばれる）で試験が始まり、1974年から洋上試験が行われた。欠点は、使用周波数の関係でアンテナを大型化せざるを得ないため巨大な上部構造物に装備しなければならないこと、アンテナ位置が低いのとシークラッターやマルチパス干渉の問題で低空目標探知能力に劣ること、送信器に半導体でなく電子管を使用しているため寿命に不安があること、導波管や給配電回路の関係で電力損失が大きいことなど。参考：月刊軍事研究9,’14、8,’06、7,’10、月刊世界の艦船10,’02、3,’92増刊

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ａ＞：タイコンデロガ級イージス巡洋艦搭載用。パッシブ・フェイズド・アレイ方式で、アンテナは6.3m四方、１面あたり重量12000ポンド（5.443トン）もあり、前後の上部構造物に２面ずつ分けて搭載した。アンテナ素子は４ビット移相フェライトで、１面あたり4350個が埋め込まれており、走査角度は上下左右60度ずつだが、ビーム性能低下を考慮して45度ずつを担当、４面で全周をカバーする。送信機は進行波管と電磁界交叉型増幅管CFA（Ceossed-Field Amplifier）を終段に32個並列合成したものが２系統用意されていて、前後の上部構造物に１系統ずつ給電し、常時２本のビームを出して走査を行う。位置精度は１フィート（0.3m）以内であり、射撃指揮レーダー並みである。ミサイルのアップリンクは別の送信機とアンテナで行う。制御用コンピュータはUYK-7、指示装置群はUYA-4。使用周波数S/Fバンド（3.1-3.5GHz）、尖頭出力6MW以上、最大探知距離500km以上、探知・追尾目標数200、同時交戦目標数12-20とされる。このレーダーで捉えた目標のデータをNTDS経由で他艦FCSに送ったり、NTDS追尾データをリンク11で他艦FCSに送ったりすれば、SPY-1A非装備艦でも目標にミサイルを指向できる。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究9,’14、12,’98、8,’06、6,’93別冊、月刊世界の艦船9,'21、10,’02、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｂ＞：改良型。サイドローブを低下させるなどしてシースキミング対艦ミサイル探知能力及び敵艦ジャミングへの対抗能力を向上させた。アンテナ素子は７ビット移相フェライトに換装され、ミサイルへのアップリンクも捜索用アンテナで行える。アンテナ重量は１面あたり7900ポンド（3.583トン）に軽量化した。タイコンデロガ級イージス巡洋艦CG-59プリンストンからCG-64ゲティスバーグに搭載された。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、12,’98、2,’02、日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｂ（Ｖ）＞：レーダー性能向上型。タイコンデロガ級イージス巡洋艦CG-65チョーシンからCG-73ポートロイヤルに搭載された。参考：日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄ＞：アンテナ４面を１つの構造物に纏めて装備、システム全体を小型軽量化したもの。送信機は１系統になったため、ビームは１本が常時放射される。制御用コンピュータはAN/UYK-43になった。指示装置群はAN/UYQ-21、ディスプレイはOJ-663戦術カラーディスプレイ。アンテナ直径12フィート（3.658m）、１面あたり重量7900ポンド（3.583トン）、１面あたり素子数4350個。レーダーシステム重量50.6トン。使用周波数Ｓバンド（3100-3500MHz）、ビーム幅1.7度×1.7度、尖頭出力4-6MW、平均出力58kW、アンテナ利得42dB、パルス幅6.4/12.7/25.4/51マイクロ秒、パルス圧縮比128対１。走査速度毎分１回（水平線上）／12回（水平線上半球）。捜索半径175海里／45海里（シースキマー）であり、120目標の同時探知識別追尾が可能。このレーダーの搭載を前提に建造されたのがアーレイバーク級イージス駆逐艦である。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、8,’06、9,’14、月刊世界の艦船10,’02、6,'23、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊丸3,’90

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄ（Ｖ）＞：AN/SPY-1Dベースライン７を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄベースライン４＞：アーレイバーク級イージス駆逐艦１番艦DDG-51アーレイ・バークから17番艦DDG-67コールまで搭載された。参考：月刊世界の艦船10,’02

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄベースライン５＞：アーレイバーク級イージス駆逐艦18番艦DDG-68ザ・サリヴァンズから28番艦DDG-78ポーターまで搭載された。参考：月刊世界の艦船10,’02

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄベースライン６＞：アーレイバーク級イージス駆逐艦フライト�UＡ１番艦DDG-79オスカー・オースチンから12番艦DDG-90チャーフィーまで搭載された。参考：月刊世界の艦船10,’02

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄベースライン７＞：アーレイバーク級イージス駆逐艦フライト�UＡ13番艦DDG-91ピンクニーから搭載されたバージョンで、AN/SPY-1D(V)ともいう。背中合わせの２面で同時に１本ずつのビームを放射し、反射波を独立した信号処理装置で処理することにより、目標捜索探知を高速化している。冷却方式を改善し、平均出力を77kWに強化していて、探知距離や低空目標探知能力が向上した。民生品を使って調達コスト削減も図っている。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究5,’15、月刊世界の艦船10,’02、11,’24

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｆ＞：AN/SPY-1Dを更に小型化し、3500トン級のフリゲートにも搭載可能としたもので、ＦはフリゲートのＦらしい。アメリカ海軍がAN/SPY-1Dに対して計画している戦域弾道ミサイル防衛を含むあらゆる性能向上を実施できるように設計してある。アンテナ直径８フィート（2.438m）、１面あたりアンテナ素子数1856個、使用周波数Ｓバンド（3.1-3.5GHz）、ピーク出力0.6MW。アンテナ直径から換算すると最大探知距離は200-270kmくらいで、スタンダードSM-2クラスの中長距離艦対空ミサイルの運用には限界がある。ノルウェー海軍フリチョフ・ナンセン級に搭載されているが、本級では今のところ中長距離艦対空ミサイルは運用していない。スペイン海軍F-100型アルヴァロ・デ・バサン級も船体規模の関係で当初はこちらを選択する予定だったが、能力が不十分だったためAN/SPY-1Dを詰め込んだらしい。月刊軍事研究8,’06、9,’14、1,’98、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,’15増刊、9,’16

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｆ（Ｖ）＞：AN/SPY-1Fに沿岸戦能力とシースキミング式対艦ミサイル防御能力を追加したもの。参考：月刊軍事研究6,’07、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｋ＞：フリゲート・コルベット・哨戒艦用の小型バージョンで、アンテナ直径5.5フィート（1.676m）、アンテナ素子数912個。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１（ＨＲＲ改修）＞：HRRは高距離分解能（High Range Resolution）の略。BMDの一環で、送信電波の波形を工夫して特殊な信号処理を加えて距離分解能を高めており、追尾目標を限定的に映像化することで真弾頭か囮弾頭か、弾体なのかを判別する。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究5,’12

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１（ＬＲＳ＆Ｔ改修）＞：LRS&Tは長距離捜索・追尾（Long Range Surveillance and Track）の略。イージスBMD3.0Eの一環で、ソフトを改良してビーム性能力を向上させ、弾道ミサイル弾頭のような小型目標の長距離捜索・追尾能力を上昇させている。CG-70レイク・エリーにBMD計画ブロック2004で搭載され、試験を行った。2006年にはDDG-70ホッパーに搭載され、LGM-30ミニットマン�Vを探知すると共に、データの陸上転送にも成功した。参考：日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄ（海上自衛隊）＞：海自こんごう型護衛艦に搭載されているフェイズド・アレイ・レーダー。アンテナは艦橋上部構造を取り巻くように４枚配置されており、一辺が3.7mの八角形で、１枚あたり4480のアンテナ素子と2175個のサブアレイから成る。それぞれが向いている方向の90度セクターを受け持ち、１秒に１回捜索する。垂直方向はハード的には0-90度まで探知できるが、ソフトがBMD仕様になっていないため、仰角80度程度までしか対応できず、宇宙空間は処理できない。捜索・追尾方向は任意に設定でき、陸の方向や海面を外したり、チャフ撒布範囲内の目標を処理しないようにしたりすることも可能。探知距離は300km-500km（シースキマーは45海里）に達し、200目標を同時に探知でき、18目標を同時に追尾できるとされるが、実際の探知追尾能力はそれより遙かに高いらしい。ミサイルが目標に命中して爆発した場合、破片の１つ１つを探知、コンピュータで分析し、脅威でないと認識されれば直ちに表示を止める。ピーク出力4-6MW、位置精度１フィート（305mm）以内。参考：月刊軍事研究11,’98、2,’02、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊世界の艦船4,’98

＜ＡＮ／ＳＰＹ−１Ｄ（Ｖ）（海上自衛隊）＞：海自あたご型護衛艦に搭載されているフェイズド・アレイ・レーダー。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＮ／ＳＰＹ−２＞：アメリカ海軍計画レーダー、別名HPD（High Power Discriminator）レーダー。THAADシステム用AN/TPY-2レーダーをベースとする弾道ミサイル探知用レーダーである。アンテナは１面回転式。使用周波数Ｘバンド。1990年代から開発されたが、予算不足で2002年に中止された。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜ＡＮ／ＳＰＹ−３＞：アメリカ海軍がズムウォルト級とジェラルド・Ｒ・フォード級に搭載すべく開発中の多機能レーダーで、AN/SPY-4VSRと共にDBRを構成する。開発名称・略称はMFR（Multi Functional Radar）、開発メーカーはレイセオン社。アクティブ・フェイズド･アレイ式で、３面のアンテナ（縦2.72m、横2.08m、厚さ25インチ・0.635m、３面合計重量2.9トン、素子数5000個）とREX（受信機・励振器）からなる。解像度の良いＸバンド（8-12GHz）を使用し、低高度目標捜索、目標精密追尾識別、統合汎用武器リンクJUWL によるミサイル誘導電波照射及びミサイルへの情報アップリンク・ダウンリンクを行うことができる。ただし管制されるスタンダードミサイルとESSMの方がＸバンド指令誘導・セミアクティブレーダー誘導電波に対応していなかったため、SM-2ブロック�VAZとESSMブロック�TJUWLを開発した。シー・クラッター除去能力に優れ、低空超音速ステルス対艦ミサイル、潜望鏡、海面に浮かぶ機雷も探知可能とされる。艦砲射撃指揮レーダー、対水上レーダー、航法レーダーとしても使えるらしい。REXはAN/SPY-4VSRと共通の信号データ処理装置に繋がれていて、ここで信号処理やデータ処理を行う。管制・データ処理用コンピュータはCOTS（IBM社製民用スーパーコンピュータ）で、アップグレードが容易。操作や整備は完全自動化を進め、要員を削減した。甲板下重量6.8トン。探知距離490km（対航空機。324km？）。2003年にヴァージニア州ワロップス島で性能試験を行い、2005年からDD-964に搭載しての海上性能確認試験を実施、2008年に終了した。この年からワロップス島の技術開発モデルがAN/SPY-4VSRと組み合わされ、DBRとしての試験を開始している。ただAN/SPY-4VSRの開発が難航しており、ズムウォルト級はスタンダード・ミサイル運用のためMFRに広域捜索用ソフトウェアを組み込む予定。ただ広域捜索か近距離目標捜索追尾かどちらかのモードにリソースを集中させるため、一方を強化するともう一方の能力が落ちる。また、弾道ミサイル対処用ソフトウェアはコストがかかりすぎるので組み込まない。ジェラルド・Ｒ・フォード級１番艦で2017-18年にテストした結果、ミサイルの射撃管制能力とクラッター排除能力に問題が見つかり、解決を図っている。参考：月刊軍事研究7,’09、12,’06、12,’15、8,’10、11,’07、8,’11、5,’08、9,’15、月刊世界の艦船8,’16、12,’16、8,’19、2,’22

＜ＡＮ／ＳＰＹ−４＞：アメリカ海軍がDBR用に開発中の広域捜索アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、VSR（Volume Search Radar）と略す。開発メーカーはロッキード・マーチン社である。当初は長距離捜索用にＬバンドを使用する予定だったが、ロッキード・マーチン社が試作したAN/SPY-1後継用ＳバンドAESAレーダーの性能が良かったため、2003年7月にＳバンドにすることが決まった。アンテナ３枚とREX（受信機・励振器）で構成され、高空を飛行する航空機及び弾道ミサイルの探知追尾を行う。アンテナサイズは高さ160インチ（4.06m）、幅152インチ（3.86m）、厚さ30インチ（0.76m）で、アンテナアレイ重量8.397トン、甲板下重量23.5トン。使用周波数Ｓバンド（2-4GHz）、探知距離648km（航空機）／2000km以上（弾道ミサイル）。同時追尾目標数はAN/SPY-1の10倍（2000目標）らしい。REXはAN/SPY-3MFRと共通の信号データ処理装置に繋がれており、ここで信号処理やデータ処理を行う。2007年秋からカリフォルニア州ポート・ヒューニーメで試験に入ったが、当初予定していた性能が発揮できるかどうかは微妙ともいわれ、2008年から製造予定だったが、レーダー出力が足りずに陸上試験が延長されていた。2008年にワロップス島技術試験センターに移管されてDBRとしてのテストを開始し、2010年になって成功、実艦用レーダーの製造に入っている。しかし性能不足などの問題が発覚し、2010年6月にズムウォルト級には搭載しないことが決定した（配線などは残されるので後日装備は可能）。ジェラルド・Ｒ・フォード級に艦上機用空域管制レーダー兼用として積む予定だが、開発費が高騰しすぎて１番艦のみの装備になり、２番艦以降はEASRを使う。唯一の搭載艦となったCVN-78ジェラルド・Ｒ・フォードで2017-18年にテストした結果、複数近接目標を分離探知できない、航空管制能力が低いといった問題が判明し、改良が必要になった。参考：月刊軍事研究12,’06、11,’07、12,’15、5,’08、7,’09、7,’10、8,’10、8,’11、10,’14、9,’15、月刊世界の艦船12,’16、8,’19

＜ＡＮ／ＳＰＹ−５＞：アメリカ海軍が開発中のパッシブ・フェイズド・アレイ式多機能レーダー。Mk73半導体送信機を使用するアンテナ3-4面固定式で、小型艦から大型艦まで対応し、捜索・探知・追尾・ミサイル中間誘導・終末誘導が行える。使用周波数Ｘバンド。2009年に設計案が出されたが、その後の進捗は不明。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜ＡＮ／ＳＰＹ−６（Ｖ）１＞：AMDR-S（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＹ−６（Ｖ）２＞：EASRバリアント１（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＹ−６（Ｖ）３＞：EASRバリアント２（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＹ−６（Ｖ）４＞：AMDRシリーズ（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＳＰＹ−７シリーズ＞：ロッキード・マーチン社が開発している多機能AESAレーダー。イージスシステム・ベースライン９に組み合わせ可能。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＮ／ＳＰＹ−７（Ｖ）１＞：陸上自衛隊イージス・アショア／海上自衛隊イージスシステム搭載艦用計画多機能レーダー、ロッキード・マーチン社名称LMSSR（Lockeed Martin Solid State Radar）。LRDRの改良型で、レーダーを作動させたまま点検整備できるのが売り。送受信モジュールは縦横0.3m断面のユニット構造で、これを20×20の400モジュール並べてアンテナ・アレイを構成する。レーダー波は二重偏波を使用し、目標解像度や捕捉追尾能力を向上させた。探知距離1000km。ベースのLRDRはイージス・システムとのマッチング試験を済ませていて運用に問題は無さそうだが、自衛隊の採用決定時点ではレーダー自体がまだ構想段階で、LMSSRとイージス・システム及びイージスBMDシステムとのマッチングを完成させる費用や実射試験の費用は日本で負担する必要があり、取得費が増大した。また、富士通製窒化ガリウム半導体を使うというのが売りの１つだったが、納期遅延と経費増大を理由に、使用しないことになった。アメリカ軍では採用していないので、相互運用性をどの程度確保できるかは不明。FMSでなく一般輸入での導入なので、アメリカ政府が機密部分の輸出をどの程度許可してくれるかも分からない。結局イージス・アショアごと不採用になったが、LRDRが艦載用なので洋上運用に問題が無いとして、イージス・アショア代替洋上プラットフォーム案向けに引き続き売り込んでおり、既に開発購入契約を締結済みということもあって、イージス・アショア代替イージスシステム搭載艦用として採用された。この時点では派生型のAN/SPY-7(V)2がスペイン海軍F-110型イージス艦やカナダ海軍CSCにも搭載予定となっているが、開発費用負担軽減などにどの程度繋がるかは不明である。ちなみに陸上型から洋上仕様に転換する費用として令和4年度予算で58億円を計上する予定。2024年3月28日（現地時間）／29日（日本時間）、ミサイル防衛庁とロッキード・マーチン社が、ニュージャージー州の地上施設（ロッキード・マーチン社製品試験センター）で、イージス武器システムと連接させての宇宙空間物体探知追尾試験First Trackを実施し、宇宙空間にある物体の探知追尾と、得られた情報の伝送に成功した。参考：月刊航空ファン2,’20、月刊JWings1,’21、3,’21、6,'24、月刊世界の艦船5,’20、9,’20、2,’21、1,’22、6,’23、3,'24、防衛省ホームページ

＜ＡＮ／ＳＰＹ−７（Ｖ）２＞：AN/SPY-7艦載型。送受信モジュールを10×10の100モジュール搭載する。スペイン海軍F110型イージス・フリゲートに搭載予定。参考：月刊世界の艦船10,’21、6,’23

＜ＡＮ／ＳＰＹ−７（Ｖ）３＞：AN/SPY-7艦載型。カナダ海軍水上戦闘艦CSCに搭載予定。参考：月刊世界の艦船2,’23

＜ＡＮ／ＳＱＱ−２８＞：アメリカ海軍のSH-60B対潜ヘリ用音響情報処理装置。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜ＡＮ／ＳＱＱ−３２シリーズ＞：アメリカ海軍の深々度アクティブ式機雷探知ソナー。ソ連軍の深々度敷設上昇機雷に対抗するため開発したが、難航したためイギリス海軍2093型ソナーなどを参考にして完成させ、オスプレイ級とアヴェンジャー級掃海艦に搭載した。海上自衛隊も採用し、やえやま型掃海艇に積んでいる。参考：月刊軍事研究9,’08、月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’22

＜ＡＮ／ＳＱＱ−３２＞：機雷探知用シリンドリカル・アレイの下部に識別用棒状アレイが付いており、長さ500mのケーブルにより海中に下ろして使う。下ろさずハルソナーとしても使用可能。使用周波数は捜索用低周波と識別用高周波。参考：月刊軍事研究2,’14、月刊世界の艦船12,’22

＜ＡＮ／ＳＱＱ−３２（Ｖ）３＞：

＜ＡＮ／ＳＱＱ−３２（Ｖ）４＞：ソナーやコンソールを改良し、COTSを多用、ネットワークにイーサネット（毎秒10ギガビット）を採用したタイプ。参考：月刊軍事研究2,’14

＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９シリーズ＞：アメリカ海軍の水中戦闘システムUSWCS（UnderSea Warfare Combat System）。従来独立運用していたバウソナー、ハルソナー、VDS、TASS、艦載ヘリの水中情報を統合運用するもので、対潜戦システム統合ASW-CSI（Anti-Submarine Warfare Combat System Integration）計画として1976年度から研究し、1979年度に概念を固め、1981年からジェネラル・エレクトリック社で全規模開発に移り、1984年に運用評価試験を行い、1986年から配備した。AN/SQS-53低周波バウソナー、AN/SQR-19/-20TASS、AN/SQQ-28対潜ヘリ搭載ソノブイ信号処理装置、音響情報処理装置、Mk116対潜戦闘管制装置、AN/SQS-25水測予察システム、AN/USQ-132意志決定支援システム／戦術ディスプレイ支援システム、AN/SRQ-4LAMPSデータリンク、艦載ヘリ用音響情報処理装置（SH-60B用AN/SQQ-28など）を統合した完全デジタル処理システムで、層深の下に潜った潜水艦に対する探知能力を大幅に向上させた。Mk331魚雷調定パネルやMk41VLSへのインターフェースを備え、対潜兵装の射撃指揮機能を有する他、訓練機能も組み込んでいる。スプルーアンス級駆逐艦とオリヴァー・ハザード・ペリー級には独立した対潜戦システムとして、タイコンデロガ級及びアーレイ・バーク級イージス艦にはイージス戦闘システムの対潜サブシステムとして組み込まれた。海上自衛隊もあたご型とまや型でイージス・システムの一環として配備した。27DDGではNEC製送受波器を組み込む。参考：月刊世界の艦船7,'20、10,’02、5,’12、4,’18、7,’18、月刊軍事研究5,’08

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）１＞：バウソナーはAN/SQS-53B。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）２＞：オリヴァー・ハザード・ペリー級に搭載された。艦載ソナーはAN/SQS-56なのでシステムから除外されており、射撃指揮装置もMk116でなくWAP（Weapon Alternate support Processor）を使用、コストを削減している。参考：月刊世界の艦船7,'20、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）３＞：タイコンデロガ級後期艦に搭載された。バウソナーはAN/SQS-53C。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）４＞：アーレイ・バーク級フライト�Tに搭載された。AN/SQS-53バウ・ソナーとAN/SQR-19曳航ソナーからなる。参考：月刊世界の艦船11,’24

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）６＞：アーレイ・バーク級、スプルーアンス級に搭載された。TASSはAN/SQR-19。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）１０＞：アーレイ・バーク級フライト�UＡに搭載された。バウソナーはAN/SQS-53D。TASSは装備しない。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）１２＞：タイコンデロガ級に搭載された。バウソナーはAN/SQS-53C(V)2。AN/UYK-43で集中処理してOJ-452/UYQ-21コンソールに情報を表示する。参考：月刊世界の艦船7,'20

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９（Ｖ）１４＞：COTS化したもので、AN/UYQ-70による分散処理を採用した。TASSは装備しない。参考：月刊世界の艦船7,'20

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９Ａ（Ｖ）１５＞：アーレイ・バーク級DDG-91以降に搭載され、それ以前の艦やタイコンデロガ級の一部もイージスシステム・ベースライン９導入のついでに旧バージョンから換装した。オープン・アーキテクチャを採用している。バウソナーはAN/SQS-53D。当初は沿海作戦特化でTASSを装備していなかったが、後にAN/SQR-20MFTAを加えている。AN/WLD-1無人遠隔機雷掃討システムの管制能力を持つ。2009年からハードウェア改良TI（Technical Insertion）を２年ごと、ソフトウェア改良ACB（Advanced Capability Build）を４年ごとに行っている。参考：月刊世界の艦船7,'20、月刊軍事研究5,’15、5,’08

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９Ａ（Ｖ）１５（ＡＣＢ０９）＞：最初のソフトウェア・バージョン。バイスタティック探知が可能だが、マルチスタティック機能は無い。参考：月刊世界の艦船7,'20

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９Ａ（Ｖ）１５（ＡＣＢ１５）＞：画面表示を分かりやすくし、マルチスタティック機能を追加、MH-60Rを組み込んだ。参考：月刊世界の艦船7,'20

＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＳＱＱ−８９Ａ（Ｖ）１５Ｊ＞：海上自衛隊の対潜ソーナーシステム。アメリカ海軍省にFMSで発注し、ロッキード・マーチンが製造、あたご型とまや型（ハードウェアTI14仕様）に搭載された。あたご型１番艦は曳航ソナーが国産のORQ-2D-1だったが、２番艦はAN/SQR-20を装備し、１番艦も後に換装した。まや型のAN/SQS-53用トランスデューサーはNEC製国産品を使っている。参考：月刊世界の艦船6,'23、7,'20、月刊軍事研究9,’15

＜ＡＮ／ＳＱＱ−９０＞：アメリカ海軍の対潜戦闘システムで、ズムウォルト級に搭載された。AN/SQS-60中周波バウソナー、AN/SQS-61高周波バウソナー、AN/SQR-20多機能曳航アレイ・ソナーを統合し、中周波ソナーで深海域の潜水艦、��分解能の高周波ソナーで沿海域の潜水艦と魚雷・機雷に対応する。バウソナーと曳航ソナーによるバイスタティック・ソナー・オペレーションも可能で、AN/SLQ-25ニクシーやAN/SLQ-1の運用能力も持つ。システムの自動化を進めており、運用要員はAN/SQQ-89の３分の１で済む。低周波ソナーが無いので、深海域の捜索能力が低い。参考：月刊軍事研究2,’14、月刊世界の艦船8,’16、12,’13、7,’20

＜ＡＮ／ＳＱＱ−１２５＞：アメリカ海軍のソノブイ。2020年と2021年に20000個ずつ発注された。参考：月刊世界の艦船1,’23

＜ＡＮ／ＳＱＲ−１５＞：アメリカ海軍のTASS。低周波から中周波までをカバーする。ガーシア級の一部が搭載した。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＡＮ／ＳＱＲ−１８シリーズ＞：アメリカ海軍のパッシブ式曳航ソナー・アレイ。参考：月刊丸3,’90

＜ＡＮ／ＳＱＲ−１８＞：1968年から開発され、1974年からDE-1097モインスターで実用試験に入った。受信素子は全長222m、直径82.5mmで、16個のモジュールからなり、超長波用８個、長波用４個、中波用２個、短波用２個が用意されている。探知距離32-35マイル。曳航速度が速くなるとソナーモジュールと海水との摩擦で雑音が入るので、運用速度は９ノット以下らしい。方位しか分からないので、細かい位置の確認は自艦・僚艦のソナーや対潜ヘリで行う。ノックス級に搭載された。海上自衛隊も採用してDDH-144くらまとDDH-143しらね（後日装備）に搭載し、オランダ海軍もヴァン・スペイク級に積んでいる。参考：月刊丸3,’90、アメリカ護衛艦史、海上自衛隊全艦艇史、ザ・マーチ39号、月刊世界の艦船5,’14、6,’14、日本の防衛戦力Part3

　＜ＡＮ／ＳＱＲ−１８Ａ＞：基本型。参考：ザ・マーチ39号

　＜ＡＮ／ＳＱＲ−１８Ａ（Ｖ）１＞：VDSフィッシュを介して受信素子を曳航するタイプ。参考：ザ・マーチ39号

　＜ＡＮ／ＳＱＲ−１８Ａ（Ｖ）２＞：受信素子を長さ1590mの曳航ケーブルで直接曳航するタイプ。システムは艦内のビーム・フォーマー、ポスト・アンプリファイア・テスト・セット、CIC、テスト・セット・チャンネル・パネル、艦橋内のケーブルスコープ・深度指示器、コントロール・インディケータ、プロセッサー、艦尾甲板下の制御コンソール、ケーブルリール、ドラム収納装置、アレイ保持板などで構成され、艦尾にはラッパ型のアレイ・ガイドが付く。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＱＲ−１９シリーズ＞：アメリカ海軍の水上艦用パッシブ式曳航ソナー・アレイ。AN/SQR-18の改良型で、1976年12月から開発され、1982年11月にDD-980ムースプラッガーに試作機を搭載してテストを開始、1984年から量産された。参考：月刊世界の艦船12,’14

＜ＡＮ／ＳＱＲ−１９＞：曳航される部分はウェットエンドと呼ばれ、長さ12m・直径89mmの音響モジュールにハイドロフォン48個が装備されており、これを超低周波８モジュール、低周波４モジュール、中周波２モジュール、高周波２モジュールの計16モジュール（後期型は超低周波が16モジュールに増えて計24モジュールになった）繋ぎ、後端にドローグ（安定曳航用抵抗器）を取り付け、前端に全長1707m・太さ83mmのケーブルを装着して曳航する。深度360mまで潜らせることが可能で、CZを利用すると120-180km先（第2-3CZ）の潜水艦を探知できるという。艦内情報処理部はドライエンドと呼ばれ、UYS-1信号処理装置１基（UYK-20コンピュータ４基装備）、UYQ-21表示装置２基、UYH-2大容量記憶装置１基からなる。スプルーアンス級、タイコンデロガ級、オリヴァー・ハザード・ペリー級、アーレイ・バーク級などに搭載されている。参考：月刊世界の艦船12,’14、3,’92増刊、5,’12、1,'15増刊、月刊丸3,’90、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＱＲ−１９Ｂ＞：AN/SQR-19の改良型、略称ITASS（Interim Towed Array Surveillance System）。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜ＡＮ／ＳＱＲ−２０＞：アメリカ海軍の水上艦用TASSで、別名アクティブ・パッシブ型多機能曳航アレイMFTA（Multi Function Towed Array）またはTB-37U。潜水艦探知機能のみならず、広帯域可変深度ソナーBVDS（Broadband Variable Depth Sonar）機能、対魚雷自衛MSTRAP（Multi-Sensor Torpedo Recognition and Alertment Processor）機能、自艦搭載バウ・ソナーや艦載ヘリ搭載ディッピング・ソナーの低・中周波アクティブ発振をパッシブ探知してETC（Echo Tracker Classifier）により解析するバイスタティック探知機能TARS（Towed Active Receiver Subsystem）も有する。アクティブ・ソナーよりも高い周波数の音域も探知可能で、操舵音など一過性の聴音を探知識別できる。音波ビーム形成装置はテキサス・インスツルメンス社製TMS320C40デジタル・シグナル・プロセッサ、PowerPCプロセッサ、SPARCstationハードウェア、Solarisオペレーティング・システムで構成され、ソナー・アレイとは非同期転送モード式光ファイバー（伝送能力19.2Mbps）で連結されている。作戦可能曳航速力が従来のTASSより高い。直径３インチ（76.2mm）。AN/SQQ-89A(V)15やAN/SQQ-90を構成し、カナダ製OK-410(V)4ハンドリング・ストウェージ・グループにより展張・揚収を行う。ズムウォルト級やLCSに搭載予定で、タイコンデロガ級やアーレイ・バーク級のAN/SQR-19も更新される予定。海上自衛隊もあたご型とまや型に搭載した。参考：月刊世界の艦船7,'20、5,’12、1,'15増刊、8,’16、5,’21

＜ＡＮ／ＳＱＳ−４＞：アメリカ海軍の長距離低周波アクティブソナー。送受波器には直径1.2m・高さ1.2mの円筒形音響窓が設けられている。使用周波数8-14kHz、探知距離4.6km。重量はソナードーム込みで３トン弱。参考：海上自衛隊全艦艇史、アメリカ護衛艦史、月刊軍事研究1,’10

＜ＡＮ／ＳＱＳ−１０＞：アメリカ海軍の中周波アクティブソナー。太平洋戦争中に開発したQHソナーがベースである。使用周波数20kHz、走査周波数150Hz。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＮ／ＳＱＳ−１１Ａ＞：アメリカ海軍のアクティブソナー。送受波器は円筒形のネオプレンゴム製音響窓を持ち、内部に226個の音響素子が収容されている。使用波長は24kHz、重量はソナードーム込みで１トン弱。参考：月刊軍事研究1,’10

＜ＡＮ／ＳＱＳ−１１Ａ海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−１１Ａ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のアクティブソナー。操作が容易で安価だが能力には劣るらしく、潜水艦救難艦ASR-403ちはや、ASR-402ふしみ、特務艦ASY-91はやぶさ、砕氷艦AGB5001ふじなどの非戦闘艦艇に搭載されている。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＮ／ＳＱＳ−２３＞：アメリカ海軍の長距離低周波アクティブソナー。アスロックとセットで開発されたもので、周波数をAN/SQS-4の半分にして遠距離探知を可能としているが、その分送受波器が巨大になった。捜索と精密追尾の両方に使用でき、探信にはマルチパルスを使う。ソナードームは全長9.75m、最大幅3m、艦底からの最大深さ3mもある大型のもので、送受波器は外筒直径2.3m、内筒直径1.8m、高さ1.6m、重量２トン。送信機ピーク出力200kW、使用周波数4.5-5.5kHz、探知距離10000ヤード（9.1km）以上（ソナーコンソールは最小1000ヤード・0.91kmから最大40000ヤード・36.6kmまで６段階あるが、システム設計及び海中音響伝播特性上、ダイレクトパス領域の10000ヤード・9.1kmが限界らしい）。海上自衛隊も採用し、やまぐも型、みねぐも型、たかつき型前期艦が搭載した。参考：月刊軍事研究1,’10、海上自衛隊全艦艇史、アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船10,’13、3,’10、8,’14

＜ＡＮ／ＳＱＳ−２５＞：アメリカ軍の水測予察システムSIMAS（Sonar In situ Mode Assessment System）。AN/SQQ-89を構成する。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜ＡＮ／ＳＱＳ−２６シリーズ＞：アメリカ海軍の長距離低周波アクティブ・パッシブソナー。ダイレクトパス領域に加え、第１CZも探知できるようにして長距離捜索を可能としている。直径4.9m、高さ1.5m、重量27トン。送受波器576個、出力192kW、音響ビーム幅５度、使用周波数3-4.5kHz、探知距離18.4km（ダイレクトパス）／63km（CZ及びボトム・バウンス伝播）。1960年代に開発され、ブロンスタイン級、ガーシア級、ノックス級、レイヒ級、トラクスタン級に搭載された。参考：月刊世界の艦船8,’14、6,’14、5,’14、アメリカ護衛艦史

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−２６ＡＸ＞：

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−２６ＡＸＲ＞：

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−２６ＢＸ＞：

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−２６ＣＸ＞：

＜ＡＮ／ＳＱＳ−２９＞：アメリカ海軍の長距離低周波アクティブソナーで、AN/SQS-4の改良型である。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＮ／ＳＱＳ−３５＞：アメリカ海軍の可変深度ソナー（Independent Variable Depth Sonar、IVDS）。アクティブ・パッシブ両モードを備え、使用周波数13kHz、最大探知距離8000ヤード（7.3km）。民間会社が製作したものを実験護衛艦AGDE-1に積んでテストし、ノックス級の一部に搭載した。投入・揚収にやたら時間が掛かる、荒天時の取り回しが難しい、曳航速度に制限がある、フィッシュの位置を正確に把握できないので敵の位置も不正確といった欠点があり、曳航索が切れて行方不明になる事態も発生した。参考：月刊世界の艦船12,’13、10,’14、2,’20、アメリカ護衛艦史、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＮ／ＳＱＳ−３５海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＳＱＳ−３５（Ｊ）＞：海上自衛隊の可変深度ソナーで、ライセンス生産版（デッドコピー？）である。曳航体は艦尾甲板下に搭載され、艦尾後面扉を開いて曳航・収容する。海水温度に影響されずに潜水艦を探知できるが、アクティブモードでは敵に気付かれるのが欠点。曳航速力6-25ノット、最大曳航距離4.5km。やまぐも型、みねぐも型、たかつき型前期艦、ちくご型前期艦、しらね型が搭載したが、やはり運用制限に悩まされ、曳航索切断事故も起きた。参考：丸スペシャルNo.76、海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船1,’95、12,’13、11,'17増刊、艦船メカニズム図鑑、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＳＱＳ−３６Ｄ（Ｊ）＞：海上自衛隊のハルソナーで、AN/SQS-35（J）可変深度ソナーをハルソナーに改造したものである。いしかり型とゆうばり型に搭載されたが、周波数割当てに問題があり、干渉しまくった。参考：月刊世界の艦船10,’14、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３シリーズ＞：アメリカ海軍の水上艦用中周波アクティブ・パッシブ式バウソナー。参考：月刊丸3,’90

＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３＞：AN/SQS-26CXをソリッド・ステート化したもの。チタン酸バリウム圧電素子製で0.2m角のTR-343送受波器素子576個を、直径4m・高さ2mの円筒形の枠に12段48列（直径4.88m・高さ1.52mの枠に８段72列？重量27.2トン）で配置しており、関連装置をキャビネット37個に収容する。使用周波数1.5-4kHz、ビーム幅５度、探知距離15-18km（アクティブ）／45-64km（パッシブ）。情報は中央コンピュータを経てMk116デジタル水中攻撃指揮装置に送られる。アクティブモードは表面層ダクト、海底反射、CZの３モードが用意されている。スプルーアンス級、タイコンデロガ級、アーレイ・バーク級に搭載された。参考：月刊丸3,’90、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’07、5,’12、1,'15増刊、7,’20、1,’22、ザ・マーチ39号

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３Ａ＞：送受波器には送受波器素子576個が縦12段・横48列に並んでおり、ピーク出力300kW以上・周波数3kHzの低周波音波をマルチパルス方式で放出し、機械走査で敵を捜索する。ソナードームはゴム製で、内部には真水が入っている。ソナードーム全長18m、最大幅6m、艦底からの深さ2.5m、送受波器直径3.9m、高さ2m、重量10トン。ヴァージニア級原子力巡洋艦に搭載された。参考：月刊軍事研究1,’10、ザ・マーチ39号、月刊世界の艦船5,’12、1,’22

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３Ｂ＞：音波ビームをデジタル化したタイプ。AN/SQQ-89(V)1ソナーシステムを構成する。スプルーアンス級駆逐艦、タイコンデロガ級巡洋艦に搭載された。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、月刊世界の艦船1,'15増刊、1,'22

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３Ｃ＞：Ｂ型の送信出力を増大してソナー性能を改善した他、キャビネットを22個に減らし、UYK-44(V)デジタル・コンピュータ対応となった。多目標処理能力、自動目標追尾能力を持ち、対処時間も短縮している。AN/SQQ-89(V)3ソナーシステムを構成する。1986年からスプルーアンス級に搭載され、アーレイ・バーク級にも装備された。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’22

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３Ｃ（Ｖ）１＞：キングフィッシャー機雷探知用高周波ソナーを追加したもの。参考：月刊世界の艦船11,’24

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３Ｄ＞：AN/SQS-53CのCOTS化型。AN/SQQ-89A(V)15ソナーシステムを構成する。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’22

＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＳＱＳ−５３Ｃ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のバウソナー。あたご型とまや型に搭載された。まや型のトランスデューサーはNEC製TR-343Jを使用している。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、7,’20、6,’23

＜ＡＮ／ＳＱＳ−５６＞：アメリカ海軍の水上艦用中周波ハルソナー。アクティブ・パッシブ両モードをデジタル制御している。送受波器直径1.22m、高さ0.83m、重量2.3トン。出力36kW、使用周波数5.6-8.4kHz（6.7/7.5/8.4kHz？）、ビーム幅10度、最大探知距離8km、方位精度0.5度、距離精度1m。FFG-4タルボットでテストを受け、オリヴァー・ハザード・ペリー級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’15、1,'15増刊、1,’22

＜ＡＮ／ＳＱＳ−５８＞：アメリカ海軍の水上艦用ハルソナー・VDS。アクティブ・パッシブ式で、使用周波数は12/18kHz。イタリア海軍ミネルヴァ級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＱＳ−６０＞：アメリカ海軍の水上艦用中周波アクティブソナーで、AN/SQQ-90を構成する。沿岸部の静粛在来型潜水艦を探知するのが主任務である。ズムウォルト級に搭載予定。参考：月刊軍事研究2,’14、月刊世界の艦船5,’12、1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＱＳ−６１＞：アメリカ海軍の水上艦用高周波アクティブソナーで、AN/SQQ-90を構成する。機雷探知・回避、魚雷防御などを主任務とする。ズムウォルト級に搭載予定。参考：月刊軍事研究2,’14、月刊世界の艦船5,’12、1,'15増刊

＜ＡＮ／ＳＱＳ−６２＞：アメリカ海軍の可変深度ソナー、略称DART（Dual-mode Array Transmitter）。レイセオン・テクノロジーズが開発し、コンステレーション級フリゲートに搭載予定だった。テストでは所定の潜水艦追尾能力を発揮したが、水力学的不安定性やトランスデューサーの性能・信頼性不足を指摘され、2022年2月7日にアメリカ海軍海洋システム軍団NAVSEAが代替既製品のRFIを発出し、4月初めに正式に開発中止となっている。代替品はUMS4249CAPTUS-4になった。参考：月刊世界の艦船7,'22、1,’22、4,’23

＜ＡＮ／ＳＲＱ−４＞：アメリカ海軍のLAMPSデータリンク。AN/SQQ-89シリーズを構成する。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜ＡＮ／ＳＳＱ−３６＞：アメリカ海軍の海温測定用ブイ。重量7.8kg。測定範囲0-35度、最大運用深度450m、吊下速度毎秒1.52m、作動時間10分。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−４１Ｂ＞：アメリカ海軍のジュリー／ジェゼベル用ソノブイ。重量9.0kg。周波数帯域10-10000Hz、使用深度18-305m、作動時間１／３／８時間。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−４７＞：アメリカ海軍のピンガー・ソノブイ（無指向性ソノブイ）。重量14.8kg。周波数帯域は13-21kHzの6chで、発振間隔10秒。使用深度18-244m、作動時間30分。参考：ザ・マーチ39号、日本の防衛戦力Part7

＜ＡＮ／ＳＳＱ−４８＞：アメリカ海軍のジェゼベル用ソノブイ。重量7.8kg。周波数帯域10-10000Hz、音圧９プラスマイナス3dB、使用深度18-305m、作動時間８時間以上。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−５０＞：アメリカ海軍のCASS（Command Active Sonobouy System）。重量17.7kg。使用深度18-457m。作動時間30分または60分。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−５３シリーズ＞

＜ＡＮ／ＳＳＱ−５３Ａ＞：アメリカ海軍のDIFARソノブイ。重量11.3kg。周波数帯域は10-600Hz、多重3ch無指向性で、使用深度27-305m、作動時間１時間または４時間。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−５３Ｂ＞：アメリカ海軍のDIFARソノブイ。重量11.3kg。周波数帯域は10-2400Hz、８字特性2ch磁気方位フラックスゲート型で、使用深度27mまたは122mまたは305m、作動時間１時間または３時間または８時間。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−５３Ｆ＞：アメリカ海軍のソノブイ。ERAPSCO社製。参考：月刊丸3,’13

＜ＡＮ／ＳＳＱ−５７Ａ＞：アメリカ海軍の雑音測定用ソノブイ。重量8.6kg。周波数帯域10-20000Hz、使用深度18-91m。作動時間は１時間または３時間または８時間。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−６２シリーズ＞

＜ＡＮ／ＳＳＱ−６２Ａ＞：アメリカ海軍のDICASS。重量16.3kg。パルス連続波またはリニアFM波のアクティブ発振で、使用周波数は6.5-9.5kHzの４周波数、使用深度27-107m、作動時間30分。参考：ザ・マーチ39号、月刊世界の艦船1,’17

＜ＡＮ／ＳＳＱ−６２Ｂ＞：アメリカ海軍のDICASS。重量16.3kg。パルス連続波またはリニアFM波のアクティブ発振で、使用深度27m/119m/457m、作動時間30分。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−６２Ｅ＞：アメリカ海軍のソノブイ。ERAPSCO社製。参考：月刊丸3,’13

＜ＡＮ／ＳＳＱ−７１＞：アメリカ海軍の音声通信ブイ。航空機から投下され、潜水艦との間で音声交信を行う。航空機とブイとの間は無線通信で、３チャンネルから周波数を選択する。全長910mm、直径124mm、重量11.3kg。参考：月刊世界の艦船11,’16

＜ＡＮ／ＳＳＱ−７５＞：アメリカ海軍のERPS（Expendable Reliable Accoustic　Passive Sonobouy）。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−７７＞：アメリカ海軍のVLAD（Vertical Line Array DIFAR）。重量13.1kg。作動時間４時間または８時間。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−７９＞：アメリカ海軍のSVLA（Steered Vertical Line Array）。参考：ザ・マーチ39号

＜ＡＮ／ＳＳＱ−８６＞：アメリカ海軍の音声通信ブイ。航空機から投下され、潜水艦との間で音声交信を行う。航空機とブイとの間は無線通信で、99チャンネルから周波数を選択する。全長910mm、直径124mm、重量11.3kg。参考：月刊世界の艦船11,’16

＜ＡＮ／ＳＳＱ−１２５＞：アメリカ海軍が開発中のマルチスタティック・アクティブ・コヒーレント（MAC）ソノブイ。参考：月刊軍事研究11,’14

＜ＡＮ／ＳＷＧ−３シリーズ＞：アメリカ軍のトマホーク巡航ミサイル用発射管制システム、略称TWCS（Tomahawk Weapon Control System）。参考：月刊世界の艦船6,’23

　＜ＡＮ／ＳＷＧ−３Ａ＞：

　＜ＡＮ／ＳＷＧ−３Ｂ＞：

＜ＡＮ／ＳＷＧ−４シリーズ＞：アメリカ軍のトマホーク巡航ミサイル用発射管制システム、略称ATWCS（Advanced Tomahawk Weapons Control System）。参考：月刊世界の艦船6,’23

　＜ＡＮ／ＳＷＧ−４（Ｖ）＞：

＜ＡＮ／ＳＷＧ−５シリーズ＞：アメリカ軍のトマホーク巡航ミサイル用発射管制システム、略称TTWCS（Tactical Tomahawk Weapon Control System）。参考：月刊世界の艦船6,’23

　＜ＡＮ／ＳＷＧ−５（Ｖ）６＞：

＜ＡＮ／ＳＹＱ−１７シリーズ＞：アメリカ海軍の駆逐艦・フリゲート用ポイント・ディフェンス・システムで、別名RAIDS（Rapid Anti-ship Missile Integrated Defense System、対艦ミサイル統合早期防御システム）。1987年のスターク被弾で対処時間の短い対艦ミサイルに対応できるポイント・ディフェンス・システムが必要と認識されたため、急遽開発された。レーダーやESMで得た対空目標情報をコンピュータで解析し、自艦や周辺環境の情報などと統合して脅威度を判定、CICのディスプレイに表示し、指揮官や戦術行動士官に呈示する。指揮官や戦術行動士官は必要と判断すれば自艦の兵装や妨害装置で対処する。SSDSの元祖ということでSSDS Mk0とも呼ばれるが、これの改良型がSSDSという訳では無い。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＡＮ／ＳＹＱ−１７（オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート）＞：AN/SPS-49対空捜索レーダー、AN/SLQ-32(V)電子戦装置で目標情報を入手し、SM-1MR、Mk75単装砲、Mk36SRBOCで対処する。1990年代にオリヴァー・ハザード・ペリー級後期型のうち11隻に追加装備された。参考：月刊軍事研究7,’16

　＜ＡＮ／ＳＹＱ−１７（スプルーアンス級駆逐艦）＞：AN/SPS-40対空捜索レーダー、Mk32目標捕捉レーダー、AN/SLQ-32(V)電子戦装置で目標情報を入手し、シースパロー、Mk45単装砲、Mk15ファランクス、RAM、Mk36SRBOCで対処する。1990年代にスプルーアンス級全艦に追加装備された。参考：月刊軍事研究7,’16

＜ＡＮＴ＞：アンドレイ・ニコラエビッチ・ツポレフの略で、ツポレフが設計した機体の頭に付いている。参考：月刊JWings7,’23

＜ＡＮＴ−３＞：ソ連軍の偵察機。金属製複葉機で、エンジンはM-5（400馬力）。乗員２名。1926年にテストを完了し、量産化された。参考：月刊軍事研究6,’14

＜ＡＮＴ−６＞：TB-3シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＮＴ−７＞：R-6（多用途機）を参照。

＜ＡＮＴ−２１ｂｉｓ＞：ソ連の試作双発爆撃機で、SB爆撃機の先駆けとなった。エンジンはM-34N、速度350km。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＡＮＴ−２２＞：MK1（飛行艇）を参照。

＜ＡＮＴ−２３＞：ソ連のアントノフ設計局が開発した戦闘機で、102mm無反動砲APK100を装備する重戦闘機として設計された。双胴双発の機体で、エンジンを胴体の前後に配置したため、パイロットが緊急脱出するとプロペラに巻き込まれてトマトケチャップになる危険がある。1933年夏からテストに入ったが、機関砲が爆発する事故を起こし、開発中止となった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集

＜ＡＮＴ−２９＞：ソ連のアントノフ設計局が開発した戦闘機で、ANT-23と同様に102mm無反動砲APK100（APK-8？）を搭載する重戦闘機として設計された。こちらは単胴複座双発単葉機で、エンジンは主翼半ばに取り付けられている。無反動砲は機体下部に２門上下に並べられており、射撃を行うと機体尾部からカウンターウェイトが飛んでいく。飛行試験では縦安定性が悪くて照準が付けられず、機関砲やロケット弾の性能も上がったため、1936年に開発中止となった。参考：第２次大戦ソ連軍用機写真集、月刊丸6,’01

＜ＡＮＴ−３９＞：SB-1シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＮＴ−４０＞：SB-2シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＮＴ−４４シリーズ＞：ソ連の試作４発飛行艇。MTB-1の後継として開発され、軍名称はMTB-2となる筈だったが、採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜ＡＮＴ−４４＞：原型初号機で、1937年4月19日に初飛行した。主翼はガル翼で、内側エンジンより外側エンジンの位置が高くなっている。全長22.42m、全幅35.45m、全備重量19000kg。エンジンはGR14Krsd（810馬力）４発、最大速度355km、実用上昇限度6600m、航続距離4500km。自衛武装は7.62mm機銃３丁。爆弾搭載量2500kg。乗員６名。1940年6-10月に搭載量1000kgで高度7134m・距離1000kmコースを平均時速277.45km、搭載量2000kgで高度6284m・距離1000kmコースを平均時速241.9km、搭載量5000kmで高度5219mという国際水上機記録を作った。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸11,’72

　＜ＡＮＴ−４４ｂｉｓ＞：２号機で、車輪を付けた水陸両用型である。車輪は引き込み式だがカバーは無く、エンジンはM87A（950馬力）に換装されているが、最大速度は初号機よりも遅いかもしれない。1938年6月に初飛行した。参考：月刊丸11,’72、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＡＮＴ−５８＞：Tu-2シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＮＴ−５９＞：Tu-2シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＮＴ−６０＞：Tu-2シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＮＴ−６３＞：Tu-2爆撃機ファミリーを参照。

＜ＡＮＴ−６４＞：Tu-2爆撃機ファミリーを参照。

＜ＡＮＴ−６５＞：Tu-2爆撃機ファミリーを参照。

＜ＡＮＴ−６７＞：Tu-2爆撃機ファミリーを参照。

＜ＡＮ／ＴＰＮ−１９＞：アメリカ軍の精測進入レーダーで、1970年代に開発された。フェライト移相器を使用する二次元走査式フェイズド・アレイ・レーダー（アンテナ素子数800）を一次放射器として使用し、ここから放射されるレーダー波を反射鏡アンテナに当ててビームを絞るリミテッド・スキャン方式を採用している。参考：レーダシステムの基礎理論

＜ＡＮ／ＴＰＱ−１０＞：アメリカ海兵隊のレーダー、別名スカイ・スポット。参考：空軍

＜ＡＮ／ＴＰＱ−３６＞：アメリカ軍の対迫レーダー、通称ファイアファインダー（Firefinder）。使用周波数Ｘバンド。探知距離14.5km（榴弾砲砲弾）／18km（迫撃砲弾）／24km（ロケット弾）。参考：月刊軍事研究8,’05、朝雲

＜ＡＮ／ＴＰＱ−３７＞：アメリカ軍の対砲レーダー、通称ファイアファインダー（Firefinder）。牽引式で、敵砲弾・ロケット弾を長方形の板状アンテナを持つレーダーでキャッチして弾道を逆算し、発射地点を割り出す。使用周波数Ｓバンド。最大探知距離30km（野砲弾）／50km（ロケット弾）。探知から反撃開始までに６分37秒しかかからない。参考：月刊軍事研究11,’99、3,’04、8,’05、朝雲

＜ＡＮ／ＴＰＱ−３７海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＴＰＱ−３７（中国軍）＞：中国軍の対砲レーダー。冷戦末期に４基を輸入し、1988-94年にテストした。１基1000万ドルと高価なためコピーすることにし、373型対砲レーダーを完成させている。参考：朝雲

＜ＡＮ／ＴＰＱ−４６＞：アメリカ陸軍・海兵隊の対砲レーダーで、FTASを構成する。１軸２輪トレーラーに長方形のアンテナが載っている。探知距離0.75-24km。参考：月刊軍事研究12,’12、6,’15

＜ＡＮ／ＴＰＱ−４８＞：アメリカ海兵隊の軽量対迫レーダー。アンテナはギザギザの出た円筒形で、三脚上に設置して使用する。探知距離1-5km。参考：月刊軍事研究12,’12

＜ＡＮ／ＴＰＱ−４９＞：アメリカ陸軍・海兵隊の軽量対迫レーダー（LCMR）で、FTASを構成する。設置にかかる時間は20分。2014年末に20基がウクライナへ引き渡された。参考：月刊軍事研究9,’15

＜ＡＮ／ＴＰＱ−５０＞：アメリカ陸軍の軽量対迫レーダー（LCMR）で、AN/TPQ-48(V)3として開発されていた。HMMWVの荷台に円筒形のアンテナを積んでおり、車載のままでも地上に降ろしても使用できる。全周監視可能。監視距離0.5-10km（15km？）。参考：月刊軍事研究9,’15、5,’17

＜ＡＮ／ＴＰＱ−５３＞：アメリカ陸軍の機動対砲迫レーダー。AN/TPQ-36対迫レーダーとAN/TPQ-37対砲レーダーの後継である。M1083A1トラックの荷台に直方体のフェイズド・アレイ・レーダーを積み、60kW発電機を牽引するレーダー車１両と、M1083A1トラックに管制システムを積んだ通信管制車１両からなり、機動性が高く、布陣に５分、撤収に２分しかかからない。探知距離20km（全周捜索）／60km（90度捜索）。操作要員は４名で、レーダー車と通信管制車に２名ずつ乗り込む。136セットを配備予定。参考：月刊軍事研究5,’17

＜ＡＮ／ＴＰＳ−４４＞：アメリカ軍の対空捜索レーダー。使用周波数1250-1350MHz（Ｄバンド）、ピーク出力1000kW、パルス繰り返し周波数400・800pps、探知距離296km。走査回数毎分８または16回。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＴＰＳ−７１＞：アメリカ海軍の移動式OTHレーダーで、別名ROTHR（Relocatable Over-The-Horizon Radar）。1980年代に開発され、1991年からアラスカで試験が行われた。使用周波数5-28MHz（短波）、送信出力200kW、探知距離926-2963km、方位誤差0.5度。冷戦終結で対ソ連用監視任務を外れ、ヴァージニア州に移設されてカリブ海での麻薬密輸機監視に使用されている。参考：月刊軍事研究10,’07、4,’15、月刊世界の艦船5,’16

＜ＡＮ／ＴＰＳ−７７（ラトビア陸軍）＞：ラトビア陸軍防空レーダー。2015年、ロッキード・マーチン社に３基を発注した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＴＰＳ−８０＞：アメリカ海兵隊が2016年から配備予定の多機能レーダー、別名ゲイター（G/ATOR、Ground/Air Task Oriented Radar、対地／対空任務対応レーダーシステム）。システムはノースロップ・グラマン社製で、航空機・巡航ミサイル・無人機の探知追尾、ロケット弾・野砲弾・迫撃砲弾の発射位置特定、防空要撃管制、航空交通管制を主任務とし、AN/TPS-63対空監視レーダー、AN/MPQ-62短距離防空レーダー、AN/TPQ-46対砲迫レーダー、AN/TPS-73航空交通管制レーダー、AN/UPS-3目標追尾レーダーを全て代替できる。アンテナはレイセオン社製で、AN/APG-81をベースとし、薄い直方体をしており、全周走査が機械旋回、高低走査がアクティブ・フェイズド・アレイ方式で、１軸２輪のトレーラーに載せられる。システムはHMMWVクラスの車両に収容し、これで電源車も引っ張る。C-130Hなら１機、CH-53EやMV-22Bなら３機でシステム全体を輸送可能。参考：朝雲、月刊軍事研究8,’14

＜ＡＮ／ＴＰＹ−２＞：アメリカ軍の早期警戒・射撃指揮レーダー、別名前線配備可搬型Ｘバンドレーダー（Forward Based X-band Radar Transportable）、略称FBXRTまたはFBX-T。元々は早期警戒レーダーとして開発されており、THAAD用射撃指揮レーダーのソフトウェアだけ換装して済ませる予定にしていたが、どうせならモード切り替えで射撃指揮にも早期警戒にも使えるようにした方が便利ということで多機能レーダーに方針を転換し、2006会計年度にAN/TPY-2として制式化された。システムはアンテナユニット、エレクトロニクスユニット、冷却ユニット、ディーゼル発電機、燃料タンク、運用要員用トレーラーハウス、倉庫などから構成されており、フェイズド・アレイ式Ｘバンドレーダーを使用してブースト段階の弾道ミサイルの探知、追尾、識別を行うのが任務である。アンテナユニットは幅12.8m、高さ2.6m、重量34トン（牽引車含む）で、アンテナ表面積9.2平方メートル、アンテナモジュール数25344個。波長が短く長距離探知に向かないＸバンドレーダーだが、送信出力を大きくしてカバーしてあり、THAAD用射撃管制モード（ターミナル・ベースド・モード、TBM）での探知追尾距離は1000km、弾道ミサイル探知モード（フォワード・ベース・モード、FBM）での探知距離は2400kmにも達する。解像度が高いため、ミサイル胴体と弾頭・囮の識別能力が高い（核弾頭か化学弾頭かの識別もできるらしい）が、悪天候では探知距離が短くなる。モード切り替えに掛かる時間は８時間。通常は電波を切っておき、DSP衛星などが発射を探知すると作動を開始し、弾道ミサイル捜索識別追尾、THAADミサイル中間誘導、撃破判定を行う。ただし配備基地周辺には放射電波による機器への悪影響を懸念して飛行禁止空域が設定されており、2006年7月30日に車力沖で水上バイクの事故があった際にも捜索航空機の飛行制限を継続していて、常に作動している可能性もある。イージス艦とデータリンクして発射・ミサイル誘導指令を出すランチ・オン・FBXRT機能を追加搭載する予定。システム構成品は全て輸送機などにより前線に運搬することができる。2004年から配備され、初号機は北朝鮮の弾道ミサイル連続発射直前に青森県つがる市の航空自衛隊車力分屯基地に運び込まれて2006年6月26日から稼働状態にあったが、設置場所が低すぎて発射直後の弾道を探知できず、場所を変える羽目になった。その後イスラエルのネゲブ砂漠にある基地、トルコのキュレシク空軍基地（2012年1月）、カタールにも配備された。2013年2月23日、日米首脳会談で日本に２基目（通算５基目）を配備することになり、2014年に経ヶ岬分屯基地に配備された。日本のものは２基ともTHAADにはリンクしておらず、FBMで運用してデータはアメリカ太平洋軍／インド太平洋軍C2BMCに送る。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究12,’13、3,’15、10,’07、11,’13、1,’08、4,’09、3,’11、11,’17、月刊航空情報3,’10、月刊航空ファン5,’13、5,’16

＜ＡＮ／ＴＲＣ−１＞：アメリカ軍のFM無線中継機（テレタイプ１回線）で、1943年後半に陸軍・海兵隊に配備された。使用周波数70-100MHz。北アフリカ戦において、アルジェリアからチュニジアまでの400マイルを中継した。参考：ラバウル航空戦

＜ＡＮ／ＴＲＱ−３２＞：アメリカ陸軍のCOMINT器材、別名チームメイト（Teammate）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＴＳＱ−１３２＞：アメリカ陸軍の通信車両で、別名IGSM（Interim Ground Station Module、暫定地上ステーションモジュール）。５トントラックの荷台にS-679シェルターを積み、通信機器や長さ30mの伸縮式アンテナマストを搭載したもので、E-8Cと地上部隊の通信中継を行う。参考：月刊航空ファン2,’18

＜ＡＮ／ＴＳＱ−１３８＞：アメリカ陸軍のCOMINT器材、別名トレイルブレイザー（Trailblazer）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＮ／ＴＳＱ−１６８＞：アメリカ陸軍の通信車両で、別名MGSM（Medium Ground Station Module、中地上ステーションモジュール）。５トントラックM923の荷台にS-751シェルターを積み、秘話通信装置付き耐妨害傍受無線機や監視管制データリンクSCDL端末を搭載したもので、E-8Cや地上部隊との通信を行う。参考：月刊航空ファン2,’18

＜ＡＮ／ＴＳＱ−１７８＞：アメリカ陸軍の通信車両で、別名LGSM（Light Ground Station Module、軽地上ステーションモジュール）。HMMWVの車体後部に秘話通信装置付き耐妨害傍受無線機や監視管制データリンクSCDL端末を搭載したもので、E-8Cや地上部隊との通信を行う。参考：月刊航空ファン2,’18

＜ＡＮ／ＴＳＱ−２６７＞：アメリカ陸軍のターゲット・プロセッシング・セット。FTASを構成する。参考：月刊軍事研究9,’15

＜ＡＮ／ＴＶＳ−２＞：アメリカ軍の重火器用微光暗視装置。月明かりで900m、星明かりで450mの視程を持つ。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＮ／ＴＶＳ−４＞：アメリカ軍の大型監視用微光暗視装置。月明かりで1600m、星明かりで1200mの視程を持つ。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＮ／ＴＷＱ−１＞：アヴェンジャー（地対空ミサイルシステム）を参照。

＜ＡＮ／ＵＤＲ−１３＞：アメリカ陸軍の放射線検知システム。IM-174とAN/PDR-25の後継で、個人でも携行でき、車両への搭載も可能。IM-243放射線計測器とDT-616探針からなり、放射線の検知と計測を行ってディスプレイに表示する。装甲車両に搭載されているNBC防護システムと互換性があり、また動力を車両から得ることもできる。参考：月刊軍事研究8,’02

＜ＡＮ／ＵＬＱ−３０＞：アメリカ軍のIED妨害装置、別名CESAS（Communication Emitter Sensing and Attacking System、通信傍受・電子攻撃システム）。伸縮マスト上にアンテナドームが載っており、強烈な電磁波を放射してIED遠隔起爆指令を無効化する。システムが大がかりなので、MRAPなどの大型車しか搭載できないという欠点がある。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ＡＮ／ＵＰＤ−９＞：アメリカ海軍の側視レーダー。AN/UPD-4と同じセンサーにAN/UPD-8と同じデータリンクを組み合わせたものである。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＮ／ＵＰＸ−２９（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のIFF。モード５／モードＳ対応である。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜ＡＮ／ＵＰＸ−４０＞：アメリカ空軍のIFF。モード５及び従来の各モードに対応する。E-3Cブロック40/45に搭載される。参考：月刊JWings10,’15

＜ＡＮ／ＵＱＣ−１＞：アメリカ海軍の水中通話装置。潜水艦に搭載し、海中にスピーカーで音を伝えて交信する。出力100W、通話距離8km。参考：月刊世界の艦船11,’16

＜ＡＮ／ＵＱＱ−２＞：アメリカ海軍のSURTASSで、海上自衛隊も装備する。潜水艦音紋情報収集に使用する機材で、長さ2000mのケーブル上に全長800mのソナー・アレイを取り付け、水深150-500mの海中を３ノットで曳航する。アクティブ機能やバイスタティック機能を持つ。参考：月刊世界の艦船1,’95、8,’19

＜ＡＮ／ＵＱＳ−１＞：アメリカ海軍の機雷探知ソナー。使用周波数100kHz。海上自衛隊に供与されたやしま型も搭載していた。参考：月刊世界の艦船3,’10、8,’11増刊

＜ＡＮ／ＵＲＣ−１０７海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＵＲＣ−１０７（航空自衛隊）＞：航空自衛隊のE-2C用戦術データ交換システム端末。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’08

＜ＡＮ／ＵＲＣ−１３８（Ｖ）１（Ｃ）＞：アメリカ軍のMIDS、別名SHARリンク16。小型リンク16端末で、戦闘機やヘリコプターに搭載する。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜ＡＮ／ＵＲＣ−１４１海外シリーズ＞

＜ＡＮ／ＵＲＣ−１４１＞：自衛隊の無線通信装置。三菱電機製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜ＡＮ／ＵＲＣ−１４１（Ｃ）＞：自衛隊の無線通信装置。三菱電機製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜ＡＮ／ＵＲＣ−１４７＞：JTRS AMFの艦上・陸上基地用通信機。伝送能力100Mbps以上で、同時4-8チャンネル通信を行うことができ、MUOSやUHF衛星通信に対応している。空母、イージス艦、原潜、海空軍陸上施設に配備予定。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＡＮ／ＵＳＣ−３８シリーズ＞：アメリカ海軍のEHF衛星通信装置端末。開発名称はNESP（Navy’s Extra-high Frequency Satellite Program）である。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＵＳＣ−３８（Ｖ）１＞：潜水艦用。使用波長はアップリンクが43.5-45.5GHz（43.5-47.5GHz？）、ダウンリンクが20.2-21.2GHz。データレートは低速（Low Data Rate）で75-2400bps、高速（Medium Data Rate）で4.8-1544kbps。1990-2006年に生産され、ロサンゼルス級原潜フライト�V、ヴァージニア級原潜などに搭載された。参考：月刊世界の艦船8,’18、11,’16

＜ＡＮ／ＵＳＣ−３８（Ｖ）２＞：水上艦用。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＵＳＣ−３８（Ｖ）３＞：陸上用。参考：月刊世界の艦船8,’18

＜ＡＮ／ＵＳＣ−４２＞：アメリカ海軍のUHF衛星通信装置。FLTSATCOM/UFO/MUOS衛星のUHF衛星通信を送受信する。海上自衛隊も導入し、イージス護衛艦や、汎用護衛艦の一部に搭載した。参考：月刊世界の艦船5,’19

＜ＡＮ／ＵＳＤ−５０１＞：CL-89（無人機）を参照。

＜ＡＮ／ＵＳＤ−５０２＞：CL-289（無人機）を参照。

＜ＡＮ／ＵＳＧ−１＞：アメリカ海軍の共同交戦送信処理セット（CETPS、Cooperative Engagement Transmission Processing Set）。CEC用通信中継装置の試作型で、1994年にCVN-69ドワイト・Ｄ・アイゼンハワーでテストされた。通信アンテナはパッシブ・フェイズド・アレイ方式円筒形アンテナである。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊世界の艦船7,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−２シリーズ＞：アメリカ海軍のCECイクイップメントセット（CES）。CEC用通信中継装置で、艦船に搭載される。参考：月刊世界の艦船1,’16

＜ＡＮ／ＵＳＧ−２＞：CICに共同交戦プロセッサ（CEP）、マストにデータ分配システム（DDS）の大型円錐台形アンテナを積んでおり、アンテナはガリウム砒素によるアクティブ・フェイズド・アレイ方式である。AN/USG-1に比べてシステム重量を1.8トン軽量化したが、値段が高いという欠点があり、2003年から安価型を採用、アクティブ・フェイズド・アレイ方式長方形プラナー・アレイ・アンテナを４面に配置するようになった。AN/USG-2Bへの換装を進めている。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊世界の艦船7,’17、2,’18、2,’22

＜ＡＮ／ＵＳＧ−２Ａ＞：ニミッツ級空母、サン・アントニオ級揚陸艦、ワスプ級揚陸艦、一部のタイコンデロガ級イージス巡洋艦、一部のアーレイ・バーク級イージス駆逐艦が搭載した。AN/USG-2Bへの換装を進めている。参考：月刊世界の艦船2,'22、1,’16、7,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−２Ｂ＞：AN/USG-2/-2Aのハード・ソフトウェア改良型。ジェラルド・Ｒ・フォード級空母、タイコンデロガ級イージス巡洋艦、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦、アーレイ・バーク級イージス駆逐艦、一部のワスプ級揚陸艦に搭載され、AN/USG-2/-2A搭載艦にもレトロフィットする。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊世界の艦船2,'22、1,’16、月刊航空ファン6,’16

＜ＡＮ／ＵＳＧ−３シリーズ＞：アメリカ海軍のCECイクイップメントセット（CES）。航空機搭載用だが、大型なのでE-2C/Dクラスでないと搭載できず、戦闘機にはMIDS-JTRS TTNTを積みE-2C/Dを介したデータ交換を行う。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊航空ファン5,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−３＞：CEC用通信中継装置で、E-2Cホークアイ2000の胴体下に円盤形アンテナを装着する。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊世界の艦船1,’16

＜ＡＮ／ＵＳＧ−３Ｂ＞：AN/USG-3のハード・ソフトウェア改良型で、AN/USG-2Bに対応する。E-2Dの機内に共同交戦プロセッサーCEPやデータ分配システムDDSなど、胴体下の円盤型アンテナ・ドームにエンドファイア・アレイ・アンテナを収容している。参考：月刊軍事研究4,'19、1,’15、月刊世界の艦船1,’16、月刊航空ファン6,’16

＜ＡＮ／ＵＳＧ−４＞：アメリカ海兵隊の複合追跡ネットワーク（CTN、Composite Tracking Network）用CECイクイップメントセット。HMMWVに搭載する。参考：月刊軍事研究1,’15、月刊世界の艦船1,’16、7,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−５＞：アメリカ陸軍JLENS用CECイクイップメントセット。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ＡＮ／ＵＳＧ−６＞：アメリカ軍の輸出用CECイクイップメントセット（CES）。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−７シリーズ＞：アメリカ軍の輸出用CECイクイップメントセット（CES）。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−７Ｂ＞：オーストラリア海軍ホバート級イージス艦に搭載予定。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ＡＮ／ＵＳＧ−８＞：アメリカ軍の輸出用CECイクイップメントセット（CES）。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−１０＞：アメリカ軍の輸出用CECイクイップメントセット（CES）。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＮ／ＵＳＧ−１０Ｂ＞：アメリカ軍の輸出用CECイクイップメントセット（CES）。海上自衛隊向けで、まや型イージス艦が搭載した。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＮ／ＵＳＭ−６３６（Ｖ）＞：アメリカ海軍の自動検査装置、別名CASS（Consolidated Automated Support System）。1990年から713基が配備された。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ＡＮ／ＵＳＭ−７０２＞：アメリカ海軍・海兵隊の可搬型レーダー試験器材、別名RTCASS（Reconfigurable Transportable Consolidated Automated Support System）。ボーイング社製。参考：月刊軍事研究1,’13

＜ＡＮ／ＵＳＮ−３＞：JPALS（着艦進入誘導装置）を参照。

＜ＡＮ／ＵＳＱ−７１＞：アメリカ電子研究所が開発した機上ELINTシステムで、別名セフリー・ランサー（Cefly Lancer）。AN/ASQ-158マスター無線受信システムとAN/ASQ-157スレイブ無線受信システムを組み合わせている。RU-21Jに搭載されたが、性能が悪く、３年で運用中止に追い込まれた。参考：月刊軍事研究6,’10

＜ＡＮ／ＵＳＱ−８２（Ｖ）＞：ボーイング社とDRSテクノロジーズ社が開発した艦内ネットワークシステム（ギガビット級イーサネット）で、GEDMS（Gigabit Ethernet Data Multiplex System）と略す。光ファイバー・ネットワークにより、航海、操舵、応急、機関制御、戦闘、艦内通信の各情報を伝達する。アーレイ・バーク級イージス艦DDG-111スプルーアンス以降に新造時から配備され、以前の艦にもバックフィット中。まや型イージス護衛艦も搭載した。参考：月刊世界の艦船9,'20、11,'24、月刊丸4,’13

＜ＡＮ／ＵＳＱ−１３２＞：アメリカ海軍の意志決定支援システムTDSS（Tactical Decision Support System）または戦術ディスプレイ支援システムTDSS（Tactical Display Support System）。AN/SQQ-89を構成する。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜ＡＮ／ＵＳＱ−１４０（Ｖ）＞：MIDS-LVTシリーズ（データリンク端末）を参照。

＜ＡＮ／ＵＳＱ−１９０（Ｖ）＞：MIDS-JTRS（データリンク端末）を参照。

＜ＡＮ／ＵＹＫ−４３＞：アメリカ海軍の艦載軍用コンピュータ。参考：月刊世界の艦船1,’19

＜ＡＮ／ＵＹＫ−４４＞：アメリカ海軍の艦載軍用コンピュータ。参考：月刊世界の艦船1,’19

＜ＡＮ／ＵＹＫ−１２８＞：アメリカ陸軍の戦闘指揮システム。FBCB2を内蔵したカラー表示コンピュータ・ディスプレイである。参考：月刊軍事研究4,’17

＜ＡＮ／ＵＹＱ−７０＞：ロッキード・マーチン社製艦載汎用コンソール。分散処理型コンピュータを内蔵したコンソールで、COTSを多用し、民生品のCPUやOSに軍用の筐体やキーボードを組み合わせている。ソフトウェアを変えればソナー制御、レーダー制御、射撃指揮といった多任務に対応でき、任務の異なる多数のコンソールをネットワークでつなぎ合わせればイージス武器システム・ベースライン７が出来上がる。参考：月刊軍事研究4,’11、月刊丸4,’13、月刊世界の艦船1,’19、11,’24

＜ＡＮ／ＵＹＱ−７０海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＵＹＱ−７０（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の射撃統制装置用電子計算機。ライセンス生産版はJQ-70ともいうらしい。ロッキード・マーチン社ではAN/UYQ-70のアップデートを2019年段階で既に終了しているので、OYX-1への換装を行っている模様。参考：月刊世界の艦船6,’19

＜ＡＮ／ＵＹＱ−７０−Ｎ３＞：自衛隊の射撃統制装置用電子計算機。OYQ-10用、OYQ-11用、OYQ-11-1用、OQQ-21用、OQQ-22-2用、OYQ-22テストサイト用などがあり、19DDに搭載されている。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究8,’07、2,’09、4,’09、4,’10、5,’11、6,’11

＜ＡＮ／ＵＹＱ−７０−Ｎ５＞：自衛隊の射撃統制装置用電子計算機。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究11,’07

＜ＡＮ／ＵＹＱ−７０−Ｎ５／ＦＣＳ＞：自衛隊の電子計算機。19SSに搭載されている。沖電気工業または日本アビオニクス製。参考：月刊軍事研究2,’09、9,’12

＜ＡＮ／ＵＹＱ−７０−Ｎ５／ＴＤＢＳ＞：自衛隊の電子計算機。19SSに搭載されている。沖電気工業または日本アビオニクス製。参考：月刊軍事研究2,’09、9,’12

＜ＡＮ／ＵＹＱ−１２０（Ｖ）１（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のリンク11／リンク16端末、略称C2PS（Command and Control Processor System）。まや型イージス護衛艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船6,'23、9,’20

＜ＡＮ／ＵＹＳ−１（Ｖ）＞：海上自衛隊P-3C改修型に搭載されている音響処理装置。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’95

＜ＡＮ／ＵＹＳ−２＞：シーウルフ級に搭載されている高性能多用途信号処理装置（EMSP、Enhanced Modular Signal Processor）。AN/BQQ-5EやAN/BQG-5で捉えた音響信号の処理を行う。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＡＮＶ３５３＞：自衛隊のドップラー航法装置。CH-101、MCH-101に搭載された。丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究11,’12、7,’14

＜ＡＮ／ＶＡＳ−５　ＤＶＥ＞：M-1A2SEPに搭載されている、操縦手用高性能視察・表示装置。

＜ＡＮ／ＶＤＲ−２＞：AN/PDR-77を構成する放射線探知装置。小型軽量で、計測器と探知プローブを小型ポーチに納めることができる。参考：月刊PANZER12,’99

＜ＡＮ／ＶＬＱ−１２＞：CREWデューク（IED妨害装置）を参照。

＜ＡＮ／ＶＲＣ−３＞：アメリカ陸軍の歩兵用FM軽無線機で、通称ウォーキー・トーキー。架台に取り付けて車載も可能。参考：月刊PANZER11,’86

＜ＡＮ／ＶＲＣ−８７Ｅ＞：アメリカ陸軍の超短波長距離車載無線機。出力5W。参考：月刊軍事研究4,’17

＜ＡＮ／ＶＲＣ−９２Ｆ＞：アメリカ陸軍の超短波長距離車載無線機。データ転送速度2400bps。出力50W、通信距離5-25km。参考：月刊軍事研究4,’17

＜ＡＮ／ＶＲＣ−１１１＞：アメリカ軍の暫定車載無線機。AN/PRC-148に車載アダプタを装着したものである。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＡＮ／ＶＳＳ−２＞：アメリカ軍の主力戦車用赤外線／白色光投光器。出力2.2kW、有効照射距離1500m、最大照射距離2000m。夜間有効交戦距離は、M-60戦車のM32砲手用赤外線潜望鏡で800-1000m。1960年代に開発され、M-48とM-60の標準装備となった。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＡＮ／ＶＶＳ−２＞：アメリカ陸軍の操縦手用ペリスコープで、第２世代微光暗視装置を装備する。M-60A3とM-1に搭載されている。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＡＮ／ＷＬＤ−１シリーズ＞：アメリカが開発中のLCS用対機雷戦ミッションパッケージ遠隔機雷掃討モジュールで、別名RMS（Remote Mine-hunting System）。水平線以遠の浅海機雷掃討を行うシステムであり、半潜没型無人航走艇RV（Remote Vehicle）と、可変深度ソナーVDSからなる。ロッキード・マーチン社が1994年から開発し、54基を調達する予定だったが、2006-07年にDDG-96ベインブリッジで行ったテストでは信頼性が低く機雷探知ソナーの性能が不十分といった欠点が判明、実用化には至らずテスト期間が2013年末まで延長された。アーレイ・バーク級イージス駆逐艦フライト�UＡのうちDDG91-96の６隻に搭載する計画も、３隻（DDG-91ピンクニー、DDG-92マンセン、DDG-96ベインブリッジ）に縮小されている。最終的に10基が作られたが、結局使い物にならず、代わりにCUSVとナイフ・フィッシュを採用する予定。参考：月刊軍事研究2,’17、8,’13、8,'15、4,’03、8,’12、月刊世界の艦船10,'15、7,’16、11,’24

　＜ＡＮ／ＷＬＤ−１バージョン１＞：AN/SQQ-89ソナーと改良型AN/AQS-20可変深度ソナーをドルフィン半潜没艇に装備したもの。1995年にテストされ、有効性を実証した。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜ＡＮ／ＷＬＤ−１バージョン２＞：2002年現在、テスト中だったタイプ。参考：月刊軍事研究4,’03

　＜ＡＮ／ＷＬＤ−１バージョン４＞：最終型。RV本体にAN/SQQ-89前方監視ソナー、AN/AQS-20A可変深度ソナー、高分解能目標識別光学センサーEOIS（Electro-Optics Identification Sensor）を装備する。母艦から発進し、シュノーケル航行しながらGPSによるプログラム航行または遠隔操作で水平線外に進出、VDSを繰り出して深度12-60mの係維機雷や沈底機雷をセンサーで捜索・探知・識別し、精密な位置データをシュノーケル兼用アンテナマストから有視界域（見通し線内）ではUHFデータリンク、水平線外（見通し線外）ではHF／衛星データリンクで母艦に送信する。RVの諸元は以下の通り。全長7m、直径1.2m、排水量7.26トン。主機はカミンズ社製ディーゼル（370馬力）、最大速力16ノット、稼動時間24時間。最大進出距離93km。アーレイ・バーク級イージス駆逐艦41番艦DDG-91ピンクニー以降に2005年から搭載されてテストされたが、能力不足が露呈したため、2015年を目途に改良中である。参考：月刊軍事研究8,’01、8,'15、1,’15、6,’01、4,’03、12,’04、日米イージス艦とミサイル防衛

＜ＡＮ／ＷＬＱ−４＞：アメリカ海軍のESMで、シーウルフ級に搭載された。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ＡＮ／ＷＬＲ−１＞：アメリカ海軍のレーダー警戒受信機。対象周波数は0.05-10.75GHz。参考：アメリカ護衛艦史

＜ＡＮ／ＷＬＲ−１海外シリーズ＞

　＜ＡＮ／ＷＬＲ−１Ｃ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のESM装置。たかつき型２・４番艦（２・３番艦？）に搭載された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＮ／ＷＬＲ−６＞：アメリカ海軍の水上艦・潜水艦兼用ECMシステム。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜ＡＮ／ＷＬＲ−８シリーズ＞：アメリカ海軍のレーダー警戒受信機（ESM）。電子走査方式で、対象周波数は0.05-18GHz。1960年代末に開発された。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、5,'22、アメリカ護衛艦史

　＜ＡＮ／ＷＬＲ−８（Ｖ）５＞：オハイオ級戦略原潜用。参考：月刊世界の艦船5,’22

　＜ＡＮ／ＷＬＲ−８（Ｖ）６＞：改ロサンゼルス級攻撃原潜用。参考：月刊世界の艦船5,’22

＜ＡＮ／ＷＬＲ−９＞：アメリカ海軍の潜水艦用ソナー音波警戒装置。ロサンゼルス級潜水艦に搭載されており、セイル前面にレシーバーが装備されている。アクティブソナーから発せられた音波のデータを収集し、音源の方向からソナーの種類まで検知できる。魚雷発射音の探知も可能という。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＮ／ＷＬＲ−９Ａ＞：アメリカ海軍の潜水艦用逆探ソナー（音響迎撃受信器）で、ノルディン社が開発し、シーウルフ級に搭載された。敵艦艇や魚雷の発する探信音を受信して警告を出す。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＡＮ／ＷＬＲ−１０＞：アメリカ海軍の潜水艦用レーダー警戒装置。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ＡＮ／ＷＬＲ−１２＞：アメリカ海軍の潜水艦用ソナー音波警戒装置。AN/WLR-9よりも対応周波数が広い。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＷＬＹ−１＞：アメリカ海軍の魚雷防御用音響デコイ装置、別名NSIS（New Sonar Intercept System、新型ソナー妨害装置）。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜ＡＮ／ＷＲＮ−６＞：アメリカの水上艦・潜水艦用５チャンネルGPS受信器。ロックウェル・コリンズ社製。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＡＮ／ＷＳＣ−６（Ｖ）５＞：アメリカ海軍の大型艦用艦載衛星通信ターミナル。Ｘバンドを使用し、防衛衛星通信システム衛星を利用して送受信を行う。直径2.1mのパラボラアンテナ２基を搭載し、GCCS-Mの中継などに使用する。参考：月刊軍事研究10,’06

＜ＡＮ／ＷＳＣ−８（Ｖ）＞：アメリカ海軍の大型艦用艦載衛星通信ターミナル。Ｘバンドを使用して防衛衛星通信システム衛星と、Ｃバンドを使用して民間通信衛星と交信し、毎秒1.544メガバイトの高速データ通信を行うことができる。直径2.74mの３軸安定化パラボラアンテナを直径4.3m・高さ4.1mのレドーム内に収容する。参考：月刊軍事研究10,’06

＜ＡＮ／ＷＳＮ−７（海上自衛隊）＞：海自イージス艦に搭載されているジャイロコンパス。慣性航法装置（IMU）を使用している。検査の際には重量80kgのIMUを構成する５つの部品を検査するため、チェーンブロックで吊り下げて本体から10回ほど出し入れする必要があり、艦内整備には３名で40分かかっていた。そこで佐世保造修補給所工作部武器工作科ジャイロ係長が専用治具を開発、吊り下げ作業無しに作業員１名が20分で行えるようにし、平成21年度防衛技術奨励賞を受賞している。参考：朝雲

＜ＡＮ／ＷＳＮ−１２＞：アメリカ海軍水上艦・潜水艦用慣性航法装置INS。ノースロップ・グラマン社製。参考：月刊世界の艦船7,’23

＜ＡＮ／ＷＳＱ−１１＞：水上艦魚雷防御計画を参照。

＜ＡＮ／ＺＰＹ−１＞：リンクス�U（合成開口レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＺＰＹ−２＞：MP-RTIP（レーダー）を参照。

＜ＡＮ／ＺＰＹ−３＞：MQ-4Cに搭載されるAESAレーダーで、別名MFAS（多機能アクティブセンサー）。Ｘバンド二次元レーダーで、標準の海面捜索（MSS）モード、陸上地形・固定目標用の点状合成開口レーダー（スポットSAR）モード、マッピング用の帯状合成開口レーダー（ストリップSAR）モード、移動目標用の逆合成開口レーダー（ISAR）モードなどのモードを持ち、MSSモードとISARモードを併用することも可能。参考：月刊軍事研究11,’14

＜ＡＮ／ＺＰＹ−４（Ｖ）１＞：MQ-4Cに搭載が予定されているマルチモード海洋監視レーダー。テレフォニック製RDR-1700Bを採用したものである。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ＡＮ／ＺＲＣ−１＞：JTRS AMFを構成する航空機用通信機で、同時２チャンネル通信を行うことができ、WNW、SRW、MUOS、リンク16を同時に利用できる。AH-64D、CH-47F、UH-60M、UAVクラス�W、KC-10、KC-135、C-17、C-130AMP改修機に搭載予定。参考：月刊軍事研究1,’12

＜ＡＮ／ＺＳＱ−２シリーズ＞：レイセオン社が開発したFLIRで、EOSS（電子光学センサーシステム）と呼ばれる。参考：月刊軍事研究5,’14、月刊航空ファン4,’18

　＜ＡＮ／ＺＳＱ−２（Ｖ）１　Ａｓｓａｕｌｔ＞：MH-47G特殊作戦ヘリ、MH-60M特殊作戦ヘリに搭載された。参考：月刊航空ファン4,’18、月刊軍事研究5,’14

　＜ＡＮ／ＺＳＱ−２（Ｖ）２　Ａｔｔａｃｋ＞：レーザー照準能力を追加したもので、ヘルファイアを運用できる。MH-60M DAPに搭載された。参考：月刊航空ファン4,’18、月刊軍事研究5,’14

＜ＡＮ／ＺＳＱ−３シリーズ＞：FLIRシステムズ社が開発したFLIR。参考：月刊航空ファン4,’18

　＜ＡＮ／ＺＳＱ−３（Ｖ）１　Ａｓｓａｕｌｔ＞：MH-6Mに搭載された。参考：月刊航空ファン4,’18

　＜ＡＮ／ＺＳＱ−３（Ｖ）２　Ａｔｔａｃｋ＞：AN/ZSQ-3(V)1にレーザー照準機能を追加したもので、ヘルファイアを運用できる。AH-6Mに搭載された。参考：月刊航空ファン4,’18

＜ＡＮ／ＺＳＲ−６３＞：アメリカ空軍B-2A爆撃機用自己防御装置。照射されたレーダー波の反射波を抑制するシステムである。参考：月刊軍事研究4,’19

＜ＡＮ法＞：PDA（追尾法）を参照。

＜ＡＯ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、給油艦を表す。1960年10月1日に新設され、411以降の艦番号が付けられた。1976年5月11日、補給艦（給油型）を示す艦種記号になった。1997年頃に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＯ−１ＡＦ＞：OV-1A（直協機）を参照。

＜ＡＯ−１ＳＣｈ＞：ソ連のクラスター爆弾用子爆弾で、重量1kgの対人用破砕型である。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings2,’13

＜ＡＯ−２．５シリーズ＞：ソ連のクラスター爆弾用子爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＯ−２．５＞：重量2.5kgの破砕型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＯ−２．５ＲＴＭ＞：AO-2.5の改良型で、対人・対ソフトスキン用である。衝撃信管装備型の他に、接触信管装備の地雷型もある。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＯ−９＞：アメリカ海軍艦隊給油艦パトカ（Patoka）。一時、飛行船母艦に改造され、水上機母艦用施設も積んだが、飛行船の使用中止で給油艦に戻された。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ＡＯ−１７＞：ソ連軍の２砲身30mm機関砲、別名GSh-2-30。発射速度毎分3000発。Su-25に搭載された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＯ−１８＞：ソ連軍の65口径30mm６砲身ガトリング砲、別名6K30、旧名称A-213M。砲口初速毎秒875m、最大射程4000-5000m、発射速度毎分4500発。AK-630シリーズやコールティクCIWSシリーズに搭載された。参考：月刊軍事研究12,’98、11,’99、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船11,’14

＜ＡＯ−２３＞：アメリカ海軍シマロン級給油艦ネオショー（Neosho）。1942年5月6日、珊瑚海海戦に参加。5月7日、日本海軍艦上機の攻撃を受けて大破し、5月11日に友軍の手により処分された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸8,’95、月刊世界の艦船12,’18

＜ＡＯ−２８＞：アメリカ海軍シマロン級給油艦サンガモン。元は1939年12月に竣工したT3-S2-A-1型油槽船エッソ・トレントンで、1940年10月に海軍が接収してこの艦名となった。1942年、護衛空母ACV-26に改造された。参考：月刊丸8,’95

＜ＡＯ−３１＞：アメリカ海軍シマロン級給油艦シェナンゴ。元はT3-S2-A-1型油槽船エッソ・ニューオリンズで、1941年5月に海軍が接収してこの艦名となった。1942年、護衛空母ACV-28に改造された。参考：月刊丸8,’95

＜ＡＯ−３４＞：アメリカ海軍チコピー級給油艦チコピー（Chicopee）。元は1941年に建造されたタンカーのエッソ・トレントンで、1942年に改造された。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＯ−３５＞：アメリカ海軍チコピー級給油艦ヒューザトニック（Housatonic）。元は民間タンカーのエッソ・オルバニーである。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＯ−８２＞：アメリカ海軍給油艦カハバ（Cahaba）。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜ＡＯ−４１１＞：海上自衛隊はまな型給油艦１番艦はまな。昭和35年度計画艦で、1961年4月17日起工、10月24日進水、1962年3月10日竣工・就役。5月、PF-289うめを受油艦とした洋上給油訓練を開始。7月、アメリカ海軍海上訓練指導隊の指導の下、PF-295けやきを受油艦として洋上給油訓練を行い、同指導隊の最終審査にも合格した。10月1日、自衛艦隊直轄艦となった。1965年10月10-22日、マリアナ沖遭難漁船乗組員捜索救難の災害派遣に参加。1976年5月11日、補給艦に艦種変更された（艦種記号はAOのまま）。1978年11月から1979年2月に定期修理と改装を受け、給油ステーションを４基に増やし、対水上レーダーをOPS-9に換装した。1987年3月24日に除籍された。総航程479698海里、延べ給油量318130キロリットル、延べ給油隻数3921隻だった。参考：月刊世界の艦船8,’13、8,’11増刊、9,’01、海上自衛隊全艦艇史、朝雲

＜ＡｏＡ＞：迎え角を参照。

＜ＡｏＡキット＞：ASK（追加装甲）を参照。

＜ＡｏＡセンサー＞：AoAプローブを参照。

＜ＡｏＡプローブ＞：迎え角を測定する棒状の機器で、AoAセンサーともいう。参考：月刊JWings1,’18

＜ＡＯＤ＞：アメリカ海軍の航空部隊で、航空運用部門（Air Operations Department）の略。ベースフライトとも呼ばれる。参考：月刊航空ファン8,’15

＜ＡＯＥ＞：

　＜ＡＯＥ（アメリカ海軍）＞：アメリカ海軍の艦種記号で、高速戦闘支援艦（Fast Combat Support Ship）を示す。

＜ＡＯＥ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、補給艦（給油兼弾薬・物資補給型。Fast Combat Support Ship）を表す。1976年5月11日に定められた。421以降の艦番号が付く。参考：月刊世界の艦船11,’17増刊、8,’11増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＯＥ−１＞：アメリカ海軍サクラメント級高速戦闘支援艦１番艦サクラメント（Sacramento）。1964年3月就役。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜ＡＯＥ−２＞：アメリカ海軍サクラメント級高速戦闘支援艦２番艦カムデン（Camden）。1967年4月就役。後に新型洋上補給装置の試験艦としても使用された。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜ＡＯＥ−３＞：アメリカ海軍サクラメント級高速戦闘支援艦３番艦シアトル（Seattle）。1969年4月就役。1990年、CV-67空母戦闘群の一員として湾岸戦争に参加。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、月刊丸12,’92

＜ＡＯＥ−４＞：アメリカ海軍サクラメント級高速戦闘支援艦４番艦デトロイト（Detroit、６代目）。1970年3月就役。2000年8月27日、ヴァージニア沖100マイルで夜間洋上補給中にDD-982ニコルソンと衝突した。9月14日、ニュージャージー州アーレ海軍武器補給所沖2.7マイルで民間曳船と衝突し、ディーゼル燃料３万ガロン（113562リットル）が流出した。2005年に退役した。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、6,’01、1,’12

＜ＡＯＥ−６＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦１番艦サプライ（Supply）。1994年2月就役。2001年にMSCに移籍して艦種記号がT-AOE-6になった。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜ＡＯＥ−７＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦２番艦レイニア（Rainier）。1995年1月就役。後にMSCに移籍して艦種記号がT-AOE-7になった。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜ＡＯＥ−８＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦３番艦アークティク（Arctic）。1995年9月就役。2002年にMSCに移籍して艦種記号がT-AOE-8になった。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜ＡＯＥ−１０＞：アメリカ海軍サプライ級高速戦闘支援艦４番艦ブリッジ（Bridge）。1998年8月就役。後にMSCに移籍して艦種記号がT-AOE-10になった。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊

＜ＡＯＥ−５７＞：韓国海軍天地級補給艦１番艦、天地（チョンジー、Chunjee）。1990年就役。2011年9月19日、979ガン・ガンチャンと共に海軍士官学校４年生を乗せて練習航海のため鎮海を出港。地中海まで往復し、10カ国を訪問、12月20日に979ガン・ガンチャンと共に最後の訪問地である横須賀に寄港した。2016年9月5日、975チュンムゴン・イースンシンと共に、海軍士官学校４年生ら600名を乗せ、練習航海のため鎮海を出港。9月8-11日、975チュンムゴン・イースンシンと共に東京港晴海埠頭に寄港。9-10日には一般公開された。9月11日、975チュンムゴン・イースンシンと共に、DD-111おおなみと親善訓練を実施。2023年10月9-10日、東シナ海で日米韓共同訓練に参加。992ユルゴク・イイと共に、DDH-181ひゅうが、CVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62ロバート・スモールズ、DDG-86シャウプと、各種戦術訓練（対潜戦、電子戦、LINKEXなど）、PHOTOEXを行った。参考：月刊軍事研究5,’05、月刊世界の艦船4,’09、3,’12、11,’16、12,’16、12,'23、月刊JWings12,’16、朝雲

＜ＡＯＥ−５８＞：韓国海軍天地級補給艦２番艦、大清（デチュン、Daechung）。1997年就役。2010年6月25日、大韓海峡海戦戦勝60周年記念行事に参加。参考：月刊軍事研究5,’05、10,’10、月刊世界の艦船4,’09

＜ＡＯＥ−５９＞：韓国海軍天地級補給艦３番艦ファチョン（Hwachon）。1998年8月就役。2013年9月10-13日、ロンドンでDSEi2013に参加。2017年9月、979ガン・ガンチャンと共に練習艦隊として士官候補生計138名を乗せ鎮海を出港。12月11-15日、979ガン・ガンチャンと共に横須賀を訪問した。12月15日、横須賀を出港し、979ガン・ガンチャンと共に相模湾でDD-116てるづきと日韓捜索・救難共同訓練（捜索・救難、航空機相互発着艦、通信など）を実施。12月18日、鎮海に帰港。2023年3月27日、イージス駆逐艦991セジョン・デワン、ミサイル駆逐艦981チェ・ヨンと共に、ニミッツ空母打撃群CVN-68ニミッツ、CG-52バンカー・ヒル、DDG-73ディケイター、DDG-93チャンフーンと、米韓合同演習に参加。参考：月刊軍事研究5,’05、月刊世界の艦船1,’14、2,’18、3,’18、8,’23

＜ＡＯＥ−４２１＞：海上自衛隊さがみ型補給艦１番艦さがみ。昭和51年度計画艦で、1977年9月28日起工、1978年9月4日進水、1979年3月30日竣工・就役、自衛艦隊に配備された。1988年7月6日、四国沖で火災事故を起こした。1994年6月24日、自衛艦隊から護衛艦隊の隷下に移った。1997年4月9日から護衛艦隊集合訓練に参加。2000年度定期整備（2001年完工）で艦橋構造物両舷03甲板（旗甲板）にMk36チャフ発射機を搭載し、艦橋ウイング下を拡張して機器室やチャフ弾庫を増設した。2005年3月3日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊軍事研究7,’97、月刊世界の艦船10,’19、9,’01、11,’11、6,’14、11,'17増刊

＜ＡＯＥ−４２２＞：海上自衛隊とわだ型補給艦１番艦とわだ。1985年4月17日起工、1986年3月25日進水、1987年3月24日竣工・就役、自衛艦隊に配備された。1988年6月16日から7月20日、リムパック88に参加。1990年4月10日から6月2日、リムパック90に参加。1992年9月、カンボジアPKOに参加。1994年6月24日、自衛艦隊から護衛艦隊の隷下に移った。1996年11月5-15日、キーン・ソード97に参加。11月10日、CG-52バンカーヒル、FFG-60ロドニー・デービス、CV-62インディペンデンス、CG-53モービルベイ、DDG-54カーティス・ウィルバーに九州南西で洋上給油を行った。1997年4月9日から護衛艦隊集合訓練に参加。1998年7月7日から8月7日、リムパック98に参加。2000年9月3日、東京都総合防災訓練に参加。2001年11月25日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2002年4月25日、活動を終えて帰港。2002年7月24日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2003年1月3日、活動を終えて帰港。2003年7月15日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。11月19日、活動を終えて帰港。2004年3月14日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。9月19日、活動を終えて帰港。2005年3月31日、テロ特措法に基づく協力支援活動のため、呉を出港してインド洋に向かった。9月9日、任務を終了して呉に帰港。2006年4月3日、護衛艦隊直轄から第１海上補給隊の隷下に入った。8月26日から9月11日、呉・江田島市断水に際して給水活動を実施。11月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2008年11月10日、テロ特措法に基づく第４次海上補給支援部隊としてアラビア海に向け出港。2009年3月28日、ソマリア海賊対処に向かう途中のDD-106さみだれ、DD-113さざなみにアラビア海北部で洋上給油を行った。4月27日、呉に帰港。2010年5月21-24日、阪神基地隊開隊58周年記念行事に合わせて阪神基地隊東岸壁に寄港。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月20日0912、DDH-143しらねに粘着テープ20個、ゴム手袋31個、タオル200個、洗剤、ポリタンク21個、給油ポンプ９個を輸送。1256、MSC-680ながしまにガソリン140リットル、ゴム手袋33個、60枚入りゴミ袋３個、洗剤、防護衣、ポリタンク47個などを輸送。1354、MSC-675まえじまにガソリン120リットル、軍手50個、粘着テープ50個、ゴム手袋31個、60枚入りゴミ袋３個、洗剤、防護衣、ポリタンク24個、トイレットペーパー96個などを輸送。1645、MSC-683つのしまにガソリン200リットル、粘着テープ10個、60枚入りゴム袋１個、洗剤、防護衣、ポリタンク６個、ブルーシート６個、給油ポンプ２個を輸送。下関市から宮古市への救援物資（毛布、シーツ、ウエス、トイレットペーパー８個）をAMS-4303あまくさに引き渡した。3月31日、呉を出港して被災地に向かった。7月16日、阪神基地キッズサマーフェスタ2011で一般公開された。7月17-18日、姫路港で一般公開された。9月14-15日、高知新港で一般公開された。2013年11月17日、フィリピン台風30号被害に対する国際緊急援助活動に参加するため呉を出港。11月22日、レイテ島沖に到着して救援活動を開始。12月20日、国際緊急援助活動を終えて呉に帰港。2014年1月23日、吾妻島貯油所に軽油２号（艦船用）2800キロリットルを陸揚げした。9月11-18日、佐世保基地で第１海上補給隊集合訓練に参加。2016年7月16-19日、八戸港に寄港。8月19-22日、下関市あるかぽーと岸壁に寄港し、一般公開では3900人が訪艦した。2018年7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。7月31日、上海南安東400kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのナム・サン８号と中国国旗を掲げた船籍不明の船舶が接舷しているのを確認した。違法な洋上取引とみられる。2019年5月24日、函館地本が行った精華学園高校函館校に対する総合的な学習の時間を支援した。2020年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は呉。2021年2月13日、沖縄周辺海域で日米共同訓練ILEX21-1（Interchangeable Logistics Exercise21-1）に参加し、T-AKE-10チャールズ・ドリューと洋上補給訓練を行った。5月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は呉。5月27日、第15ヘリコプター隊UH-60JAヘリ１機とCH-47ヘリ１機の発着艦訓練を実施。11月19日1800頃、宮古島東北東140kmを北に航行する054A級フリゲート530徐州を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かっている。2022年4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は呉。11月5日0800頃、宮古島北170kmを南に航行する東調型情報収集艦艦番号798玉衡星を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。11月13日1400頃、与那国島南80kmを北東に航行するスラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、イングル級救難曳船１隻、ドゥブナ級補給艦１隻、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマを確認した。その後これらは与那国島と西表島の間を北東に進み、東シナ海に向かっている。12月28日2000頃、沖大東島東360kmを航行する遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、901型補給艦901呼倫湖を確認した。12月29日0800頃、沖大東島北東310kmを航行する遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、901型補給艦901呼倫湖を確認した。12月30日2000頃、北大東島東530kmを航行する遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦103鞍山、同104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘、901型補給艦901呼倫湖を確認した。12月31日2000頃、沖大東島南220kmを航行する遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦103鞍山、同104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘、901型補給艦901呼倫湖を確認した。2023年1月1日、沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かって航行する遼寧級空母16遼寧、055級ミサイル駆逐艦103鞍山、同104無錫、052D級ミサイル駆逐艦120成都、054A級フリゲート542棗荘、901型補給艦901呼倫湖を確認した。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は呉。9月11日0800頃、大正島北東230kmを南に航行する052C級ミサイル駆逐艦151鄭州、052D級ミサイル駆逐艦154厦門、ソブレメンヌイ�T級ミサイル駆逐艦137福州を確認し、0800-0900頃には宮古島北東140kmを南東に航行する052D級ミサイル駆逐艦133包頭、同134紹興、054A級フリゲート523、同537、ソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦139寧波を確認した。その後これら８隻は沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。11月28日、沖縄周辺で日印共同訓練に参加。インド海軍P-29カドマットと、洋上補給訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。11月30日1800頃、宮古島北東170kmを北西に航行する東調級情報収集艦795天枢星を確認した。その後これは12月2日にかけて久米島西90kmを南北に遊弋し、12月4日に魚釣島西80kmを南下、与那国島と台湾の間を南に進み、太平洋に向かっている。12月7日、九州南方で日印共同訓練に参加。インド海軍P-29カドマットと、洋上補給訓練、通信訓練、PHOTOEXを行った。12月8-12日、11月29日に墜落した第21特殊戦飛行隊CV-22B特殊作戦輸送機の捜索に参加。2024年1月16日0700頃、宮古島北東130kmを南東に航行する052C級ミサイル駆逐艦151鄭州、054A級フリゲート549常州を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南に進み、太平洋に向かっている。1月24日1600頃、与那国島北東80kmを南東に航行するウダロイ�T級ミサイル駆逐艦１隻を確認した。その後これは与那国島と西表島の間を南西に進み、太平洋に向かっている。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は呉。9月18日0900頃、魚釣島北西80kmを航行する055級ミサイル駆逐艦103鞍山、052D級ミサイル駆逐艦118烏魯木斉、901型補給艦901呼倫湖を確認した。その後これらは魚釣島西60kmを南に進み、与那国島と西表島の間を南に抜け、太平洋に向かっている。10月22日1100頃、奄美大島西100kmを東に航行する東調級情報収集艦795天枢星を確認した。その後これは奄美大島と横当島の間を北東に進み、太平洋に向かっている。

参考：月刊JWings1,’99、6,’05、5,’05、12,’05、10,’11、2,’14、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究7,’97、月刊世界の艦船11,’00、6,’09、6,’11、11,’11、2,’14、3,’14、12,’14、10,’18、6,'20、5,'21、2,'22、6,'22、2,'23、4,'23、11,'23、2,'24、6,'24、12,'24、1,'25、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、月刊丸1,’10別冊、月刊航空ファン6,’11、朝雲

＜ＡＯＥ−４２３＞：海上自衛隊とわだ型補給艦２番艦ときわ。昭和62年度計画艦で、1988年5月12日起工、1989年3月23日進水、1990年3月12日竣工・就役、自衛艦隊に配備された。1991年4月、湾岸の夜明け作戦に参加。1994年5月24日から7月7日、リムパック94に参加。6月24日、自衛艦隊から護衛艦隊の隷下に移った。1999年9月23日、トルコ北西部大地震救援のため、LST-4001おおすみ、MST-464ぶんごと共に救援物資を積んで神戸を出港。10月19日、イスタンブールに到着。帰途にトルコ・フランス海軍と親善訓練を実施し、11月22日に母港に帰投した。2002年2月12日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。8月7日、活動を終えて帰港。2002年11月25日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2003年5月20日、活動を終えて帰港。10月28日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2004年4月22日、活動を終えて帰港。2005年1月12日、インド洋大津波救援任務のため横須賀を出港。3月23日、インド洋大津波救援任務を終えて横須賀に帰港。11月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2006年4月3日、護衛艦隊直轄から第１海上補給隊の隷下に入った。8月26日から9月11日、呉・江田島市断水に際して給水活動を実施。2007年7月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2009年3月16日、テロ特措法に基づく協力支援活動のため、横須賀を出港してインド洋に向かった。9月2日、第５次支援部隊任務を終えて横須賀に帰投。2010年8月7日、ヨコスカサマーフェスタに参加。2011年3月11日、訓練のため横須賀に入港していた際に東日本大震災が発生、横須賀基地に事前集積している非常用缶詰95000缶、乾パン14200食、毛布1050枚、捜索用資材、簡易トイレ、非常出港に間に合わなかった他艦乗員100名などを搭載して2130に出港した。20ノット以上で急行し、3月12日未明に三陸沖に到着したが、海面は津波で流された家屋や漁船、流木で埋まり、DD-110たかなみ時代にインド洋大津波の救援活動に参加した本艦艦長が絶句するほどの状況だった。3月13日1200、MH-53Eにより長沼市に応急糧食3000食を輸送。MCH-101とMH-53Eにより気仙沼市と長沼市に非常用食糧152箱などを輸送した。3月14日1414、ヘリで非常用食糧2.5トンを女川総合運動公園に輸送。2012年1月7日2040頃、横須賀基地吉倉第３岸壁で停泊中に機関室で火災が発生しているのを乗員が発見し、2054頃から付近の艦艇乗員及び横須賀市消防局の応援も受けて消火活動を開始、2310に鎮火した。死傷者は出なかったが、発電機１台と配電盤１台が損傷した。8月3日、海幕が1月7日に発生した火災の事故調査結果を発表。出火元は２号主発電機で、原因は燃料管系統の継ぎ手などの緩みか破損により漏れた燃料がターボチャージャー高温部に接触したためと推定されるとした。2013年7月26-28日、北海道紋別市のもんべつ観光港まつりで艦艇広報・一般公開を実施。11月16-28日、平成25年度海上自衛隊演習／ANNUALEX13演習に参加。2014年4月14-24日、横須賀基地で平成26年度護衛艦隊集合訓練に参加。9月11-18日、佐世保基地で第１海上補給隊集合訓練に参加。2016年1月28-30日、DD-153ゆうぎりと共に、カナダ海軍FFH-338ウィニペグと太平洋上で親善訓練を実施。1月31日から2月3日、DD-153ゆうぎりと共に、東京港晴海埠頭を親善訪問したカナダ海軍FFH-338ウィニペグのホストシップを務めた。7月9-10日、阪神基地隊サマーフェスタで一般公開された。9月24-25日、ホワイトビーチで一般公開された。2017年1月25日、長野地本による海自入隊予定者・家族13人の横須賀基地研修に協力した。2月10日、山口県周南市の徳山港に初入港。2月11-12日、徳山港で徳山港開港95周年記念行事に参加。5月23日、遠洋練習航海艦隊に洋上補給を実施。7月2-15日、DD-158うみぎり、DE-229あぶくまと共に、カナダ海軍FFH-338ウィニペグ、FFH-341オタワと九州周辺から関東南方で共同訓練KAEDEX（対空戦、戦術運動、模擬洋上給油）を実施。10月6日、艦長と先任伍長がアメリカ海軍横須賀基地司令部大講堂でDDG-85マッキャンベル艦長交代行事に出席。12月27日、シスターシップのDDG-85マッキャンベルとの交流行事を実施。門松をプレゼントし、正月飾りを受け取った。2018年4月27-28日、関東南方海域でDD-114すずなみ、P-3C哨戒機、潜水艦と共に、F81サザランドとの日英共同訓練（対潜戦、模擬洋上給油、航空機相互発着艦訓練、戦術運動など）に参加。2019年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は横須賀。1月29日、前年9月に乗員が自殺した問題で、パワーハラスメントがあったとして、海自が当時の艦長に職務上注意義務違反で停職30日、三佐と一尉に停職20日の懲戒処分を行った。3月20日深夜、北朝鮮油槽船ユ・ソンと船籍不明小型船舶が接舷しているのを確認した。瀬取り行為とみられる。2020年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は横須賀。2020年1月12日未明、上海東240kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのチョンマサン（Chonmasan）が、明波５と表示された船籍不明船舶と接舷し、蛇管を接続しているのを確認した。瀬取りとみられる。

2021年5月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は横須賀。6月23-24日、DDG-174きりしま、DDG-179まや、DDG-180はぐろと共に、DDG-89マスティンと、関東南方海域で日米共同訓練（各種戦術訓練）に参加。9月3日1000頃、久米島北西170kmを南に航行する052D型ミサイル駆逐艦156淄博を確認した。また、1900頃、久米島北西190kmを南に航行するソブレメンヌイ�T級ミサイル駆逐艦136杭州を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島との間を南下し、太平洋に進出している。9月4日、東シナ海で日米共同訓練に参加し、DDG-52バリーと洋上補給訓練を行った。9月5日、052D型ミサイル駆逐艦156淄博とソブレメンヌイ�T級ミサイル駆逐艦136杭州が、太平洋上で0052C型ミサイル駆逐艦151鄭州と合流し、台湾と与那国島の間を北上、東シナ海に向かった。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。11月25日、DDH-182いせに洋上補給を行い、洋上補給2000回を達成。2022年2月16日1400頃、宮古島東南東200kmを北西に航行する052D型ミサイル駆逐艦131太原を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は横須賀。6月19日1600頃、沖縄本島と宮古島の間を北西に航行するウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ステレグシュチイ級フリゲートのソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、同アルダー・チデヌサポフ、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦１隻を確認した。その後これらは東シナ海に向かっている。6月21日1400頃、久米島北西280kmを南東に航行する052D型ミサイル駆逐艦131太原、054A型フリゲート599安陽、同529舟山を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南に進み、太平洋に向かっている。6月22日0600頃、宮古島北東160kmを南東に航行する052DL型ミサイル駆逐艦156淄博を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を南に進み、太平洋に向かっている。6月24日0600頃、与那国島南西70kmを北に航行する052C級ミサイル駆逐艦153西安を確認した。その後これは与那国島と台湾の間を北に進み、東シナ海に向かっている。7月30日0900頃、宮古島北140kmを南東に航行する052D級ミサイル駆逐艦155南京を確認した。その後これは与那国島と台湾の間を南に進み、太平洋に向かっている。7月31日0600頃、魚釣島西80kmを南に航行する054A型フリゲート599安陽を確認した。その後これは与那国島と台湾の間を南に進み、太平洋に向かっている。8月1日、与那国島南南西80kmを北西に航行する636A/B型測量艦25銭維昌を確認した。その後これは与那国島と台湾の間を北に進み、東シナ海に向かっている。2023年4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は横須賀。7月28日、紀伊半島南東で日米共同訓練ILEX23-4に参加。DDG-65ベンフォールドと洋上補給訓練を行った。11月10-20日、日本周辺海空域で令和5年度海上自衛隊演習（実動演習（共同演習））に参加。2024年4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は横須賀。7月28日、東シナ海で日加共同訓練に参加。カナダ海軍フリゲートFFH336モントリオールと洋上補給訓練を行った。8月23日から9月2日、パシフィック・ヴァンガード24に参加。

参考：月刊JWings5,’05、1,’99、11,’10、2,’14、10,’16、12,’16、月刊世界の艦船6,’05、3,’00、6,’09、3,’05、6,’11、11,’11、3,’12、2,’14、7,’14、12,’14、4,’16、9,’17、6,’18、7,’19、4,'20、6,'20、9,'21、11,'21、12,'21、2,'22、5,'22、6,'22、9,'22、3,'23、6,'23、10,’23、2,'24、6,'24、10,'24、11,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、自衛隊装備年鑑1996、月刊丸1,’10別冊、月刊航空ファン6,’11、朝雲

＜ＡＯＥ−４２４＞：海上自衛隊とわだ型補給艦３番艦はまな。基準排水量8150トンで、１番艦より50トン大きい。昭和62年度計画艦で、1988年7月8日起工、1989年3月23日進水、1990年3月29日竣工・就役、自衛艦隊に配備された。1992年6月1日から8月24日、リムパック92に参加。1994年6月24日、自衛艦隊から護衛艦隊の隷下に移った。1996年5月19日、リムパック96に参加するため横須賀を出港。5月22日から6月21日、リムパック96に参加。引き続き派米訓練を8月13日まで実施した。11月5日から11月15日、キーン・ソード97に参加。11月6日、東シナ海でDD-991ファイフに洋上給油を実施。11月9日、沖縄東方でDD-991ファイフとFFG-38カーツに洋上給油を実施。11月11日、本州東海沖でFFG-38カーツに洋上給油を実施。1997年4月9日から護衛艦隊集合訓練に参加。1998年7月29-30日、DDH-144くらまと共に、日本海でアドミラル・ヴィノグラードフとの共同訓練に参加。これがロシア海軍との初共同訓練である。2000年5月31日から7月6日、リムパック2000に参加。2001年11月9日、防衛庁設置法第５条に基づいてインド洋に向かった。12月2日、テロ特措法に基づくアメリカ軍艦艇への給油活動を開始。12月18日、CG-54アンティータムに洋上補給を行った。2002年3月16日、支援活動を終えて帰港。2002年6月8日、テロ特措法に基づく第３次インド洋派遣部隊先遣隊として、佐世保を出港。11月26日、支援活動を終えて帰港。2003年4月10日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向かった。8月22日、活動を終えて帰港。2004年8月10日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向かった。2004年12月28日、インド洋津波に関する支援のためタイに派遣され、2005年1月1日まで捜索を実施。1月10日、佐世保に帰港。7月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2006年4月3日、護衛艦隊直轄から第１海上補給隊の隷下に入った。2007年3月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2008年7月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。12月21日、佐世保に帰港。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月15日1018、第111航空隊MCH-101で八戸に食糧15トンを輸送した。3月20日1008、DD-102はるさめに主食缶詰496食を輸送した。0919、DDG-174きりしまに主食缶詰496食と乾パン408食を輸送。2012年1月17-18日、函館港港町埠頭に寄港して一般公開された。11月5-16日、キーン・ソード13に参加。2014年9月11-18日、佐世保基地で第１海上補給隊集合訓練に参加。2015年7月16日、報道陣に艦内を公開した。2016年6月19日1700頃、中国海軍東調型情報収集艦１隻が北大東島の接続水域外側を東に航行するのを確認した。その後その艦は付近を東西に数回往復している。11月1日、副長以下乗員50名が山口県下関市グループホームなごみの里で奉仕活動を実施。2017年6月25日、長崎地本の募集対象者向け佐世保基地見学ツアーに協力し、艦内見学を行った。2018年6月21日、東シナ海の公海上で、北朝鮮タンカーのユ・ピョン５号と、中国国旗を掲揚した小型船舶が横付けしていることを確認した。国連安保理決議違反の洋上物資積み替えとみられる。7月14-16日、市制施行・開港70周年記念行事で稚内に入港し、一般公開や艦内宿泊体験を行った。2019年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。2019年4月5日1700頃、052C級ミサイル駆逐艦153西安、054A型フリゲート599安陽、福池型補給艦966高郵湖が宮古島北東100kmを南東に航行するのを確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間の海域を南東に進み、太平洋に向かっている。2020年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。2021年2月19日、九州西方海域で日米仏共同訓練に参加し、DDG-54カーティス・ウィルバー、F731プレリアルと洋上補給訓練を行った。5月22日、四国南方海空域で日米共同訓練ILEX21-2に参加し、LHA-6アメリカと洋上補給訓練を行った。5月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。6月29日、東シナ海でインド海軍コルベットP30キルタンとの洋上補給訓練に参加。2022年3月4日0300頃、宮古島東110kmを北に航行する052D型ミサイル駆逐艦118烏魯木斉、054A級フリゲート538煙台、福池級補給艦889太湖を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北に進み、東シナ海に向かっている。4月20日0900頃、奄美大島北西160kmを南東に航行する東調型情報収集艦艦番号795天枢星を確認した。その後これは奄美大島と横当島の間を東に航行し、太平洋に向かっている。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。4月26日0200頃、宮古島東北東100kmを北西に航行する054A級フリゲート529舟山と071型ドック型輸送揚陸艦988沂蒙山を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北西に航行し、東シナ海に向かっている。5月18日、沖縄周辺海域でDDG-115ラファエル・ペラルタとの日米共同訓練（洋上補給）に参加。5月21日1000頃、宮古島東170kmを北西に航行する054A型フリゲート531湘潭を確認した。1500頃、宮古島東180kmを西に航行する055型ミサイル駆逐艦101南昌を確認した。1700頃、宮古島東220kmを西に航行する遼寧型空母16遼寧、052D型ミサイル駆逐艦117西寧、同118烏魯木斉、同120成都、901型補給艦901呼倫湖を確認した。その後これら７隻は沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。10月29-30日、沖縄東方で日印共同訓練に参加。インド海軍F47シヴァリク、P28カモルタと、洋上補給訓練を行った。2023年1月15日0100頃、大正島北東120kmを南東に航行する052D級ミサイル駆逐艦155南京と054A型フリゲート515浜州を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。5月3日0500頃、魚釣島北西80kmを南西に航行する054A型フリゲート530徐州、052D型ミサイル駆逐艦133包頭を確認した。その後これらは魚釣島西80km及び与那国島と台湾との間を南下し、5月8日に大隅海峡を西に進み、東シナ海に向かっている。5月27-28日、エコパーク水俣で行われたみなまた港フェスティバル第68回恋龍祭を支援し、一般公開を行った。6月26日1500頃、魚釣島西80kmを南東に航行する636A/B型測量艦１隻を確認した。その後これは6月27日にかけて魚釣島西70kmを南東に航行し、与那国島と西表島の間の接続水域を南西に進み、太平洋に向かっている。6月27日0800頃、与那国島南西70kmを北に航行するステレグシュチイ級フリゲート333ソブエルシェンヌイ、同335グロームキイを確認した。その後これらは与那国島と台湾との間の海域を北に進んだ後に反転し、6月27-29日にかけて石垣島南東120kmの海域を遊弋、6月30日に沖縄本島と宮古島の間を北に進んでいる。7月3日、東シナ海で日伊共同訓練に参加。イタリア海軍P431フランチェスコ・モロジーニと洋上補給・戦術運動などの訓練を行った。11月12日1800頃、奄美大島東120kmを北西に航行する055級ミサイル駆逐艦101南昌、052D型ミサイル駆逐艦122唐山、054A型フリゲート550維坊、福池級補給艦903可可西里湖を確認した。その後これらは11月13日にかけて奄美大島と横当島の間を南西に進み、東シナ海に向かっている。2024年3月2日1400頃、宮古島北東80kmを南に航行する054A型フリゲート529舟山、同532荊州を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を南に進み、太平洋に向かっている。3月17日、日本海で日米共同訓練ILEX24に参加。DDG-70ホッパーと洋上補給訓練を行った。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。5月10日、東シナ海で日豪共同訓練日豪トライデント24に参加し、オーストラリア海軍イージス艦39ホバートと洋上補給訓練を行った。7月9日2200頃、西表島北60kmを南西に航行するステレグシュチイ級フリゲート２隻を確認した。その後これらは7月10日にかけて与那国島と西表島の間を南西に進み、太平洋に向かっている。7月11日1000頃、魚釣島北西80kmを南に航行する054A型フリゲート548益陽を確認し、1200頃には魚釣島北西70kmを南に航行する052C級ミサイル駆逐艦152済南を確認した。その後これらは魚釣島西70kmを南に進み、与那国島と台湾の間を南に航行、7月16日2000には沖縄本島と宮古島の間を北に進み、東シナ海に向かっている。

7月22-23日、佐世保港と九州西方海域で日米共同訓練ILEX24-4に参加。アメリカ海軍MSCチャーター油槽船バッドランズ・トレーダーと洋上補給訓練を行った。オーストラリア海軍士官１名が研修を行っている。参考：月刊JWings3,’05、5,’05、9,’16、月刊軍事研究2,’02、12,’07、7,’97、月刊世界の艦船9,’02、9,’96、3,’05、11,’11、2,’13、12,’14、5,’17、9,’18、6,’19、7,’19、6,'20、5,'21、8,'21、9,'21、5,'22、6,'22、7,'22、8,'22、2,'23、4,'23、7,'23、9,'23、6,'24、7,'24、9,'24、10,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、自衛隊装備年鑑1996、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、JShips vol.48、朝雲

＜ＡＯＥ−４２５＞：海上自衛隊ましゅう型補給艦１番艦ましゅう。平成12年度計画艦で、2004年3月15日竣工・就役、護衛艦隊直轄艦となった。2004年11月25日、テロ特措法に基づく協力支援活動のためインド洋に向けて出発。12月18日、支援協力対象国（パキスタン海軍艦艇）への初の洋上補給を実施。2005年5月10日、舞鶴に帰港。2006年4月3日、護衛艦隊直轄から第１海上補給隊の隷下に入った。6月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。11月27日、インド洋で海自通算700回目の洋上補給を実施。12月22日、舞鶴に帰港。2008年4月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためアラビア海に向け出港。2009年6月30日、呉港外で、大規模災害における離島医療支援を想定した訓練に参加。7月31日、釧路港に入港。8月1-2日、一般公開と体験航海を実施。11月9日、テロ特措法に基づく協力支援活動のため、舞鶴を出港してアラビア海に向かった。2010年2月6日、テロ特措法に基づく協力支援活動を終えて東京港晴海埠頭に帰港。2月9日、母港の舞鶴に帰港し、舞鶴地区海曹会と地元協力団体の帰国歓迎を受けた。

2011年1月31日から2月3日、鹿児島に寄港。乗員有志24名が鹿児島市多賀山公園で清掃奉仕を行った。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月14日1438、気仙沼大島に毛布1000枚を輸送。2012年3月25日、鹿児島港谷山で艦艇広報と募集対象者に対する体験喫食を実施。9月8日、釧路港に入港。9月8-9日、一般公開を実施。2013年7月26-27日、若狭湾で舞鶴地方隊展示訓練、舞鶴基地でサマーフェスタに参加。2014年7月25-26日、舞鶴地方隊若狭湾展示訓練に参加。9月11-18日、佐世保基地で第１海上補給隊集合訓練に参加。12月8-17日、日本・ミャンマー将官級交流プログラムで来日したミャンマー軍幹部の訪問を受けた。2015年7月26日、舞鶴地方隊サマーフェスタで一般公開された。8月4日、パシフィック・パートナーシップ2015に参加するため舞鶴基地を出港。8月10-14日、フィリピンでパシフィック・パートナーシップ2015に参加。8月14日、アメリカ海軍病院船T-AH-19マーシーに洋上給油を実施。8月15日、スービック西方500kmの南シナ海でT-AH-19マーシーと共に太平洋戦争フィリピン戦犠牲者の合同洋上慰霊祭を実施。8月19日、舞鶴基地に帰港した。2016年7月16日、舞鶴地方隊サマーフェスタで一般公開された。10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。2019年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は舞鶴。2019年5月18日、舞鶴地方隊グリーンフェスタ2019に参加し、舞鶴基地で一般公開された。9月17-29日と10月15-23日、日豪トライデント共同訓練に参加。11月16-17日、北九州港開港130周年記念行事に参加し、一般公開された。2020年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は舞鶴。2020年9月16日、日本海でAGB-5003しらせに洋上補給を行った。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。12月25日0900頃、宮古島南東100kmを北に航行するスラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ドゥブナ級補給艦ペチェンガを確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上し、対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。

2021年1月23-24日、山口県下関港あるかぽーと岸壁で入隊適齢者向け特別公開（艦内見学）を実施。5月4日、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化を目的としたフランス海軍との共同訓練に参加し、フランス海軍フリゲートF711シュルクーフと洋上補給訓練を行った。5月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は舞鶴。2022年4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は舞鶴。6月1日0900頃、奄美大島北西120kmを南東に航行する052D型ミサイル駆逐艦154厦門、054A級フリゲート515浜州、福池型補給艦904高郵湖、071型揚陸艦986四明山を確認した。その後これらは奄美大島と横当島の間を東に進み、太平洋に向かっている。7月1日2300頃、与那国島南70kmを北東に航行するウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、ステレグシュチイ�U級フリゲート337グレムヤシチィ、ドゥブナ級補給艦１隻を確認した。その後これらは与那国島と西表島の間を北東に進んでいる。7月4日1900頃、沖縄県久場島南東50kmを北に航行するウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、ステレグシュチイ�U級フリゲート337グレムヤシチィ、ドゥブナ級補給艦１隻を確認した。その後これらは久場島と大正島の間の接続水域内を北に進み、出域後は北東に航行して東シナ海に向かっている。7月7日1300頃、魚釣島西北西80kmを南に航行する054A級フリゲート566懐化を確認した。その後これは与那国島と台湾の間を南に航行し、太平洋に向かっている。7月10日1400頃、与那国島西南西50kmを北に航行する054A級フリゲート566懐化を確認した。その後これは与那国島と台湾の間を北に航行し、東シナ海に向かっている。7月20日1850頃、屋久島南の接続水域を北に航行する636A/B型測量艦１隻を確認した。その後これは2000頃に屋久島南の領海内に入り、2330頃に口之永良部島西で領海を出域、西に向かっている。12月12日2000頃、鹿児島県口之永良部島西140kmを南東に航行する東調型情報収集艦艦番号796開陽星を確認した。その後これは南西諸島西側を南西に進み、12月14日に沖縄本島と宮古島の間を南東に航行して太平洋に向かっている。12月15日0500頃、宮古島北北東140kmを南東に航行するソブレメンヌイ�U級ミサイル駆逐艦138泰州を確認した。その後沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。2023年2月18日0200頃、久米島西110kmを南東に航行する052D型ミサイル駆逐艦132蘇州とソブレメンヌイ�T級ミサイル駆逐艦136杭州を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島との間を南東に航行し、太平洋に向かっている。2月22日、日本海で日米共同訓練ILEX23-2に参加し、DDG-52バリーと洋上補給訓練を行った。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は舞鶴。7月17日、日本海で日米共同訓練ILEX23-3に参加。DDG-114ラルフ・ジョンソンと洋上補給訓練を行った。2024年4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は舞鶴。6月9日0700頃、奄美大島東90kmを北西に航行する054A級フリゲート532荊州（巴彦淖爾Bayabbur？）と福池級補給艦890巣湖を確認し、1000頃には奄美大島東100kmを北西に航行する054A級フリゲート531湘潭と052D型ミサイル駆逐艦131太原を確認した。その後これらは奄美大島と横当島の間を南西に進み、東シナ海に向かっている。6月13日、東シナ海で日米共同訓練ILEX24-3に参加。アメリカ沿岸警備隊巡視船ワエシュと洋上補給訓練を行った。8月20日0400頃、西表島南西60kmを北東に航行するスラヴァ級ミサイル巡洋艦１隻とウダロイ�T級駆逐艦１隻を確認した。その後これらは与那国島と西表島の間を北東に進み、東シナ海に向かっている。

参考：月刊軍事研究5,’04、9,’09、10,’14、月刊JWings2,’05、3,’05、8,’05、8,’19、2,’20、4,'21、月刊世界の艦船3,’07、9,’09、1,’10、11,’11、10,’13、10,’14、12,’14、8,’15、10,'15、1,’17、7,’19、8,’19、12,’19、6,'20、12,'20、1,'21、3,'21、7,'21、6,'22、9,'22、10,'22、3,'23、5,'23、6,'23、10,'23、6,'24、8,'24、9,'24、11,'24、月刊航空ファン10,’15、10,’16、朝雲

＜ＡＯＥ−４２６＞：海上自衛隊ましゅう型補給艦２番艦おうみ。平成13年度計画艦で、2005年3月3日竣工・就役、護衛艦隊直轄艦となった。2006年3月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためインド洋に向け出港。4月3日、護衛艦隊直轄から第１海上補給隊の隷下に入った。8月7日、インド洋でのテロ特措法に基づく任務を終え、佐世保に帰港した。2008年1月、テロ特措法に基づく協力支援活動のためインド洋に向け出港。2009年7月22日、補給支援特措法に基づく第６次海上補給支援部隊として佐世保を出港。12月23日、任務を終えて佐世保に帰港。2011年3月11日に発生した東日本大震災に対する災害派遣に参加。3月18日、宮城県渡波地区、野々島、気仙沼市要害に缶詰7152食、乾パン2880個、副食10032食、たくあん缶詰5088食、ガソリンドラム缶１本、軽油ドラム缶51本、飲料水60リットル、毛布200枚を輸送。1150、衛生班が石巻市旧小竹浜小中学校と渡波公民館（被災者31人）で健康診断などの診療支援を実施。1335、衛生班が石巻市旧小竹浜小中学校の被災者68人に診療支援を実施。3月19日、渡波小学校に缶飯312個、乾パン192食、飲料水240本、日用品などを輸送した。1735、渡波小学校に飲料水240本、毛布10枚を輸送。3月20日1103、MH-53EでMST-464ぶんごに主食缶詰7680食、副食缶詰7680食、２リットル入り飲料水6720本、災害用組み立て式トイレ15個、災害用排泄物収納袋２個、防災用テント１個を輸送。1140、移動衛生班が石巻市宮城水産高校で３人に健康相談、36人に診療を実施。1252、艦載ヘリで石巻市宮城水産高校に２リットル入り飲料水300本、ゴミ袋３箱、さらし５反、タオル300枚、軍手300個、乾電池40個、ウェットティッシュ300個を輸送。1500、艦載ヘリで東松山市宮戸小学校に２リットル入り飲料水240本、災害用組み立て式トイレ14組、災害用排泄物収納袋１箱を輸送した。3月21日1032、石巻市渡波公民館に飲料水240本、乾電池50個、日用品を輸送。3月22日1001、移動衛生班が宮戸島宮戸小学校で被災者13人を診療した。1442、第111航空隊ヘリが救援物資４トンをDDH-144くらまに輸送した。1610、移動衛生班が寒風沢島の被災者22人を診療。1800、MCH-101がDDH-144くらまに援助物資300kgを輸送。3月24日1619、第111航空隊ヘリが飲料水3.9トンを気仙沼中に輸送した。4月5日、横須賀に帰投した。2014年9月11-18日、佐世保基地で第１海上補給隊集合訓練に参加。艦は佐世保重工で定期修理中だったため、乗員だけ参加した。11月8-19日、キーン・ソード15に参加。2016年10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。2019年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。2019年1月18日、上海南410kmの東シナ海公海上で、北朝鮮船籍タンカーのアン・サン１号と、船籍不明の小型船が接舷し、蛇管を接続しているのを確認した。瀬取り行為とみられる。1月24日0500頃、054A型フリゲート539蕪湖、同579邯鄲、福池型補給艦960東平湖が、久米島南西100kmを北西に航行するのを確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、東シナ海に向かっている。3月2日、上海南390kmで北朝鮮タンカーのセビョルと国籍不明小型船舶による瀬取りとみられる行為を確認した。9月26日から10月4日、マラバール2019に参加。2020年現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。2020年7月16日、遠洋練習航海部隊に洋上給油を行った。2021年5月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。8月26日、東シナ海で日米共同訓練に参加し、アメリカ沿岸警備隊巡視船WMSL-755マンローと洋上補給訓練を行った。11月3日、東シナ海で日米共同訓練ILEX21-5に参加し、DDG-105デューイと洋上補給訓練を行った。2022年4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。7月21日0000頃、魚釣島北西160kmを南に航行する東調型情報収集艦艦番号795天枢星を確認した。その後これは与那国島と台湾の間を南に進み、太平洋に向かっている。7月27日0900頃、鹿児島県横当島北西240kmを北東に航行する636型海洋調査艦艦番号23銭学森と同25銭維昌を確認した。その後これらは大隅海峡を北東に進み、太平洋に向かっている。10月10日0300頃、宮古島北170kmを南に航行する052D級ミサイル駆逐艦131太原を確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。11月8-15日、マラバール2022に参加。11月10-19日、キーン・ソード23に参加。12月2日2100頃、沖縄県大正島北190kmを南東に航行する052D級ミサイル駆逐艦155南京と054A型フリゲート599安陽を確認した。これらは12月3日に沖縄本島と宮古島の間を南東に航行し、太平洋に向かっている。2023年1月26日、沖縄周辺で日米共同訓練ILEX23に参加。CG-54アンティータムと、洋上補給訓練を行った。4月18日0500頃、与那国島南50kmを北東に航行する636型海洋調査艦25銭維昌を確認した。その後これは与那国島と西表島の間の接続水域を北上し、魚釣島西70kmを北に進んでいる。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。10月6-8日、佐世保港及び九州西方海域で日米共同訓練ILEX23-6に参加。アメリカ海軍油槽船アカディア・トレーダーと洋上補給訓練を行った。11月8日1500頃、種子島東50kmを西に航行する東調級情報収集艦799金星を確認した。その後これは11月9日にかけて大隅海峡を西に進み、東シナ海に向かっている。11月10-20日、日本周辺海空域で令和5年度海上自衛隊演習（実動演習（共同演習））に参加。2024年3月30日0600頃、久米島西40kmを南東に航行するヴィシュニャ型情報収集艦艦番号535カレリヤを確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を南東に進み太平洋に進出し、4月1日に沖縄本島と宮古島の間を西に航行して東シナ海に向かっている。4月1日2300頃、宮古島北東40kmを南に航行するヴィシュニャ型情報収集艦艦番号535カレリヤを確認した。その後これは4月2日にかけて宮古島北東から波照間島南東の接続水域内を含む海域を南西に進み、波照間島南で接続水域を出て南東に航行している。4月5日、日本海で日米共同訓練ILEX24-2に参加。DDG-70ホッパーと洋上補給訓練を行った。4月25日現在、第１海上補給隊に配備されており、定係港は佐世保。6月27日1400頃、宮崎県都井岬南東40kmを北西に航行する052D級ミサイル駆逐艦124開封と054A型フリゲート538煙台を確認した。その後これらは大隅海峡を西に進み、東シナ海に進んでいる。参考：月刊JWings5,’05、6,’11、12,’19、月刊世界の艦船10,’06、9,’09、2,’10、6,’11、12,’14、2,’15、2,’17、4,’19、6,’19、7,’19、6,'20、11,'21、１,'22、6,'22、10,'22、1,'23、2,'23、3,'23、4,'23、6,'23、12,'23、1,'24、2,'24、6,'24、9,’24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、朝雲

＜ＡＯＥ−５０９＞：カナダ海軍プロテクター級補給艦プロテクター（Protecteur）。1969年就役。1996年5月22日から6月22日、リムパック96に参加。2009年5月30日から6月4日、東京港晴海埠頭を親善訪問した。2010年6月12日、カナダ海軍創設100周年記念観艦式に参加。2014年1月24-31日、ハワイ沖でコア・カイ14-1演習に参加。2015年5月14日に退役した。参考：月刊世界の艦船9,’96、9,’10、4,’14、7,’15、月刊丸3,’01、月刊軍事研究2,’09、朝雲

＜ＡＯＥ師団＞：10K軽師団を参照。

＜ＡＯＰ＞：空中砲兵観測を参照。

＜ＡＯＰＳ＞：ハリー・デウォルフ級（砕氷哨戒艦）を参照。

＜ＡＯＰＶ＞：ハリー・デウォルフ級（砕氷哨戒艦）を参照。

＜ＡＯＲ＞：Area Of Responsibility（責任担当地域）の略。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＡＯＲ−１＞：アメリカ海軍補給艦ウイチタ（Wichita、２代目）。1969年就役。参考：月刊世界の艦船4,’19

＜ＡＯＲ−３＞：アメリカ海軍艦隊給油艦カンザスシティ。1988年6月16日から7月20日、リムパック88に参加。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＡＯＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、音響測定艦（Ocean Surveillance Ship）を表す。1990年3月23日に定められ、5201以降の艦番号も付けられた。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊

＜ＡＯＳ−８９５＞：コンチネンタル・モーターズ社が開発したガソリンエンジン。キャブレター付き空冷４サイクルOHC水平対向６気筒で、ボア146mm、ストローク146mm、総排気量14666cc、出力525馬力。M41軽戦車とM75装甲兵員輸送車に搭載された。参考：月刊PANZER5,’81

＜ＡＯＳ−５２０１＞：海上自衛隊ひびき型音響測定艦１番艦ひびき。平成元年度計画艦で、1989年11月28日起工、1990年7月27日進水、1991年1月30日竣工・就役。3月9日、呉を出港。オークランドでSURTASSシステム、パールハーバーでソナー・アレイを装着し、装備認定試験を受けた後、10月17日に呉に帰投した。2015年12月1日、海洋業務群の改編に伴い、第１音響測定隊に転属した。2019年現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2020年現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2021年5月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2022年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2023年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2024年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船5,’91、3,’16、7,’19、6,’20、7,’21、6,’22、6,'23、6,’24

＜ＡＯＳ−５２０２＞：海上自衛隊ひびき型音響測定艦２番艦はりま。平成2年度計画艦で、1990年12月26日起工、1991年9月11日進水、1992年3月10日竣工。2015年12月1日、海洋業務群の改編に伴い、第１音響測定隊に転属した。2019年現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2020年現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2021年5月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2022年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2023年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2024年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船3,’16、7,’19、6,’20、6,’22、6,'23、6,’24

＜ＡＯＳ−５２０３＞：海上自衛隊ひびき型音響測定艦３番艦あき（安芸灘から）。平成29年度計画艦で、2019年3月5日起工。2020年1月15日、三井E&S造船玉野艦船工場で命名・進水式を実施。11月10日、出動公試を開始。2021年3月4日竣工、三井E&S造船玉野艦船工場で引渡式（三井E&S造船社長と中国四国防衛局長が引渡書・受領書を交換）と自衛艦旗授与式（呉地方総監から艦長に）が行われて就役し、第１音響測定隊に配備された。定係港は呉。3月5日、呉に初入港した。2022年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2023年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。2024年4月25日現在、第１音響測定隊に配備されており、定係港は呉。参考：月刊世界の艦船7,'20、4,'20、2,'21、5,'21、6,'21、6,'22、6,'23、6,'24、朝雲

＜ＡＯＳ−５２０４＞：海上自衛隊ひびき型音響測定艦４番艦。令和4年度計画艦で、2024年3月19日起工。参考：月刊世界の艦船7,’24

＜ＡＯＳＳ＞：HU-25A洋上監視機にオプションで搭載可能な夜間監視システム。SLAR、ARC、AGTV、IR/UVスキャナーから構成される。監視距離は25海里以上。赤外線スキャンにより、油廃棄も探知できる。参考：世界の軍用機1979

＜ＡＰ＞：空港（Air Port）または自動操縦（Auto Pilot）の略。

＜ＡＰ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、兵員輸送艦を表す。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＰ＞：Armor Piercingの略。徹甲弾のことだが、APと表記する時は被帽やサボーの付いていない（APCやAPDSなどでない）、貫徹体のみで構成されるものを指す。最初は弾頭を赤熱状態から急速冷却して硬化させることにより装甲貫徹力を増加させる方法が用いられており、これに適したクロム・ニッケル・モリブデン添加鋼が素材として使用された。しかし硬化部分と非硬化部分の境界で貫徹体が破断されることが多かったため、頭部から尾部にかけて硬度を徐々に落としていく傾斜焼き入れを導入するようになった。小火器用徹甲弾は、鋼鉄または炭化タングステン弾芯の前方に鉛アンチモニー合金の被帽を置き、メタルジャケットで全体を覆っている。参考：月刊戦車マガジン1,’88、月刊グランドパワー10,’03、続・海軍製鋼技術物語、世界の軍用銃

＜ＡＰ−２＞：APA-1（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ２Ｃ＞：化学検知器を参照。

＜ＡＰ２Ｃ−Ｖ＞：陸上自衛隊の化学剤検知装置。化学検知器の車載版で、NBC偵察車に搭載されている。参考：スピアヘッドNo.17

＜ＡＰ−２Ｅ＞：P-2哨戒機ファミリーを参照。

＜ＡＰ−２Ｈ＞：P-2哨戒機ファミリーを参照。

＜ＡＰ−３＞：P-3哨戒機・海外ファミリーを参照。

＜ＡＰ−８＞：APA-2（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ８徹甲弾ＴＮＴ９曳光弾リンク＞：自衛隊の7.62mm弾。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究2,’18

＜ＡＰ−９＞：APA-3（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１０＞：APA-4（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１１＞：APA-5（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１２＞：APA-6（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１３＞：アメリカ海軍ヘイウッド級輸送艦２番艦ジョージ・Ｆ・エリオット（George F. Elliott）。1942年8月7日、ガダルカナル上陸作戦に参加。8月8日、ガダルカナル島沖で一式陸攻の体当たりを受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’19

＜ＡＰ−１４＞：APA-7（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１５＞：APA-8（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１６＞：APA-9（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１７＞：APA-10（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１８＞：APA-11（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ２０＞：南アフリカのガンポッド。内部にGA1機関砲またはCA1機銃と弾薬180発を収容する。全長2.5m、重量151.9kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜Ａ／Ｐ２２Ｓ−２＞：アメリカ空軍の高々度飛行用与圧スーツ。４層からなる与圧服、ハードシェル・ヘルメット、与圧グローブ、ファブリック・ブーツ、レザーブーツで構成される。右側腹部にスーツ調節器、左大腿部に圧力高度計がある。換気用空気は操縦室内のエアコンから供給され、高度35000フィート（10668m）以上で与圧服内の絶対圧を35000フィート（10668m）相当になるよう与圧する。換気用空気に漏れが生じた場合は機上酸素供給装置で、緊急脱出時には非常用酸素で与圧を行う。ヘルメットにはデマンド型酸素レギュレータ、クリア・バイザー、防曇用スプレーバイザー、ヘッドセット、ブーム型マイクロホンが装備されており、バイザーを閉じると自動的に周囲が密閉される。参考：アメリカジェット戦闘機

＜ＡＰ−２５＞：APA-12（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−２６＞：APA-13（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−２７＞：APA-14（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−３０＞：APA-15（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−３４＞：APA-16（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−３５＞：APA-17（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−３７＞：APA-18（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−３８＞：APA-19（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ３９（８．８ｃｍ砲用）＞：Pzgr.Patr.39（徹甲弾）を参照。

＜ＡＰ−３９＞：APA-20（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−４０＞：APA-21（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ４０（８．８ｃｍ砲用）＞：Pzgr.Patr.40（徹甲弾）を参照。

＜ＡＰ−４８＞：APA-89（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−４９＞：APA-90（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−５０＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ジョゼフ・ヒューズ（Joseph Hewes）。排水量13800トン。1942年5月竣工。APA-22に艦種変更される予定だったが、その前の1942年に戦没した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰ−５１＞：APA-23（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−５２＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦エドワード・ラトレッジ（Edward Rutledge）。排水量13800トン。1942年5月竣工。APA-24に艦種変更される予定だったが、その前の1942年に戦没した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰ−５３＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ラファイエット。元はフレンチ・ライン客船ノルマンディで、1941年に接収して改造を始めたが、1942年2月に火災を起こし転覆。空母への再生なども検討されたが断念され、1946年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船11,’18

＜ＡＰ−５５＞：APA-25（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−５６＞：APA-26（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−５７＞：APA-27（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−５８＞：APA-28（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−５９＞：APA-29（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−６０＞：APA-30（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−６４＞：APA-31（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−６５＞：APA-32（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−６６＞：アメリカ海軍兵員輸送艦アンコン（Ancon）。元はパナマ鉄道会社定期客船で、第２次大戦勃発に伴い徴用し、1942年8月に竣工した。1943年2月、揚陸指揮艦AGC-4に艦種変更された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰ−７８＞：APA-33（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−７９＞：APA-34（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８０＞：APA-35（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８１＞：APA-36（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８２＞：APA-37（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８３＞：APA-38（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８４＞：APA-39（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８５＞：APA-40（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８６＞：APA-41（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８７＞：APA-42（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８８＞：APA-43（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−８９＞：APA-44（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９０＞：APA-45（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９１＞：APA-46（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９２＞：APA-47（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９３＞：APA-48（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９４＞：APA-49（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９５＞：APA-50（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９６＞：APA-51（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９７＞：APA-52（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９８＞：APA-53（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−９９＞：APA-54（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１００＞：APA-55（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ１００−２＞：中国陸軍のAPFSDS弾。59式戦車�T型の100mm戦車砲から発射可能で、1970年代から導入された。砲口初速毎秒1480m、装甲貫徹力は射距離2400mで65度傾斜装甲板に対し150mm。参考：月刊PANZER3,’01

＜ＡＰ−１０１＞：APA-56（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰ−１０３＞：アメリカ海軍プレジデント級輸送艦プレジデント・ポーク（President Polk）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＰ−１０４＞：アメリカ海軍兵員輸送艦プレジデント・モンロー（President Monroe）。元はC3-P&C型標準貨客船である。全長149.9m、幅21.2m、吃水7.1m、総トン数9255トン、重量トン数9947トン。主機は蒸気タービン２基１軸8500馬力、航海速力16.5ノット、最大速力18.4ノット。1940年12月19日竣工、アメリカン・プレジデント・ラインズ所属となり、世界一周航路に就いた。1942年1月、戦時船舶管理局が傭船した。1943年7月、アメリカ海軍が徴用してAP-104になった。1946年1月、解役されてアメリカン・プレジデント・ラインズに返還され、世界一周航路に就いた。1965年、ギリシャに売却されてマリアンナ�Xに改称された。1969年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船6,’18

＜ＡＰ−１０６＞：LSV-1（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＰ−１０７＞：LSV-2（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＰ−１０８＞：LSV-3（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＰ−１０９＞：LSV-4（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＰ−１１２＞：アメリカ海軍ジェネラル級輸送艦ジェネラル・Ｗ・Ａ・マン。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＰ−１１８＞：アメリカ海軍兵員輸送艦ジェネラル・Ｗ・Ｐ・リチャードソン（General W. P. Richardson）。1944年10月31日竣工。太平洋戦争終結後は民間客船となり、2005年まで就航して解体された。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＰ−１６０＞：LSV-5（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＰ−１６１＞：LSV-6（車両揚陸艦）を参照。

＜ＡＰＡ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、攻撃兵員輸送艦を表す。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＰＡ−１＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ドイエン（Doyen）。排水量6720トン。AP-2の艦種記号・艦番号を付与され、1943年2月にAPA-1に艦種変更され、5月に竣工した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ハリス（Harris）。排水量21300トン。1940年11月、AP-8として竣工。1943年2月、APA-2に艦種変更された。1948年に売却された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ジーリン（Zeilin）。排水量21300トン。1942年1月、AP-9として竣工。1943年2月、APA-3に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦マッコウレイ（McCawley）。排水量13800トン。1940年9月、AP-10として竣工。1943年2月、APA-4に艦種変更された。6月30日、ソロモン諸島ニュージョージアで日本海軍潜水艦の雷撃を受けて損傷し、友軍魚雷艇により処分された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−５＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦バーネット（Barnett）。排水量13800トン。1940年9月、AP-11として竣工。1942年8月8日、ガダルカナル島付近で空襲を受けて損傷した。1943年2月、APA-5に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−６＞：アメリカ海軍ヘイウッド級攻撃兵員輸送艦ヘイウッド（Heywood）。ニューヨーク−サンフランシスコ航路の客船（貨物船？）を改造したもので、1941年2月、AP-12として竣工。1943年2月、APA-6に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船11,’19

＜ＡＰＡ−７＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦フューラー（Fuller）。排水量13525トン。1941年4月、AP-14として竣工。1943年2月、APA-7に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ウイリアム・Ｐ・ビッドル（William P. Biddle）。排水量13525トン。1941年2月、AP-15として竣工。1943年2月、APA-8に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ネヴィル（Neville）。排水量13525トン。1941年5月、AP-16として竣工。1943年2月、APA-9に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ハリー・リー（Harry Lee）。排水量13800トン。1940年12月、AP-17として竣工。1943年2月、APA-10に艦種変更された。1948年にトルコに供与された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦フェランド（Feland）。排水量6720トン。当初はAP-18で、1943年2月にAPA-11に艦種変更され、6月に竣工した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦レオナード・ウッド（Leonard Wood）。排水量21300トン。1941年6月、AP-25として竣工。1943年2月、APA-12に艦種変更された。7月、シチリア島上陸ハスキー作戦に参加。1946年、陸軍に移管された。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船11,’19

＜ＡＰＡ−１３＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ジョゼフ・Ｔ・ディックマン（Joseph T. Dickman）。排水量21300トン。1941年6月、AP-26として竣工。1943年2月、APA-13に艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ハンター・リゲット（Hunter Liggett）。排水量21300トン。1941年6月、AP-27として竣工。1943年2月、APA-14に艦種変更された。1948年に売却された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ヘンリー・Ｔ・アレン（Henry T. Allen）。排水量21300トン。1942年4月、AP-30として竣工。1943年2月、APA-15に艦種変更された。1944年、AG-90に艦種変更され、その後陸軍に移管された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦Ｊ・フランクリン・ベル（J Franklin Bell）。排水量21300トン。1942年4月、AP-34として竣工。1943年2月、APA-16に艦種変更された。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦アメリカン・リージョン（American Legion）。排水量21300トン。1941年8月、AP-35として竣工。1943年2月、APA-17に艦種変更された。1946年、陸軍に移管された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８＞：アメリカ海軍プレジデント・ジャクソン級攻撃輸送艦プレジデント・ジャクソン（President Jackson）。1942年1月、AP-37として竣工。1943年2月、APA-18に艦種変更された。11月8日、第２次ブーゲンビル島沖航空戦において、タロキナ岬付近で爆撃を受けて損傷した。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−１９＞：アメリカ海軍プレジデント・ジャクソン級攻撃輸送艦プレジデント・アダムス（President Adams）。1941年11月、AP-38として竣工。1943年2月、APA-19に艦種変更された。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０＞：アメリカ海軍プレジデント・ジャクソン級攻撃輸送艦プレジデント・ヘイズ（President Hayes）。1941年12月、AP-39として竣工。1942年8月7日、ガダルカナル上陸作戦に参加。1943年2月、APA-20に艦種変更された。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船11,’19

＜ＡＰＡ−２１＞：アメリカ海軍クレセント・シティ級攻撃輸送艦クレセント・シティ（Crescent City）。1941年10月、AP-40として竣工。1943年2月、APA-21に艦種変更された。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２＞：AP-50（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰＡ−２３＞：アメリカ海軍攻撃兵員輸送艦ジョン・ペン（John Penn）。排水量13800トン。1942年5月、AP-51として竣工。1943年2月、APA-23に艦種変更された。8月11日、陸攻の爆撃を受け沈没した。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−２４＞：AP-52（攻撃輸送艦）を参照。

＜ＡＰＡ−２５＞：アメリカ海軍アーサー・ミドルトン級攻撃輸送艦アーサー・ミドルトン（Arthur Middleton）。1942年9月、AP-55として竣工。1943年2月、APA-25に艦種変更された。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２６＞：アメリカ海軍アーサー・ミドルトン級攻撃輸送艦サミュエル・チェイス（Samuel Chase）。1942年6月、AP-56として竣工。1943年2月、APA-26に艦種変更された。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２７＞：アメリカ海軍アーサー・ミドルトン級攻撃輸送艦ジョージ・クライマー（George Clymer）。1942年6月、AP-57として竣工。1943年2月、APA-27に艦種変更された。1967年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２８＞：アメリカ海軍クレセント・シティ級攻撃輸送艦チャールズ・キャロル（Charles Carroll）。1942年8月、AP-58として竣工。1943年2月、APA-28に艦種変更された。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２９＞：アメリカ海軍プレジデント・ジャクソン級攻撃輸送艦トーマス・ストーン（Thomas Stone）。1942年5月竣工。同年、事故で失われた。1943年2月、APA-29に艦種変更された。1944年に解体された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３０＞：アメリカ海軍プレジデント・ジャクソン級攻撃輸送艦トーマス・ジェファーソン（Thomas Jefferson）。1942年5月竣工。1943年2月、APA-30に艦種変更された。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３１＞：アメリカ海軍クレセント・シティ級攻撃輸送艦モンロヴィア（Monrovia）。1942年12月、AP-64として竣工。1943年2月、APA-31に艦種変更された。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３２＞：アメリカ海軍クレセント・シティ級攻撃輸送艦キャルヴァート（Calvert）。1942年10月、AP-65として竣工。1943年2月、APA-32に艦種変更された。１968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３３＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ベイフィールド（Bayfield）。AP-78として起工。1943年2月、APA-33に艦種変更された。11月竣工。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３４＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ボリヴァー（Bolivar）。AP-79として起工。1943年2月、APA-34に艦種変更された。9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３５＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦キャラウェイ（Callaway）。AP-80として起工。1943年2月、APA-35に艦種変更された。9月竣工。1945年1月7日、リンガエン湾付近で神風特攻機１機に突入されて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−３６＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦カンブリア（Cambria）。1942年11月竣工。1943年2月、APA-36に艦種変更された。1970年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−３７＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦キャヴァリア（Cavalier）。AP-82として起工。1943年2月、APA-33に艦種変更された。1944年1月竣工。11月9日、ルソン島付近で潜水艦の雷撃を受けて損傷した。1945年1月29日、フィリピン付近で呂46の雷撃を受けて損傷した。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−３８＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦チルトン（Chilton）。AP-83として起工。1943年2月、APA-38に艦種変更された。12月竣工。1945年4月2日、沖縄付近で特攻機と基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1972年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−３９＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦クレイ（Clay）。AP-84として起工。1943年2月、APA-39に艦種変更された。12月竣工。1946年に売却された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４０＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦カスター（Custer）。AP-85として起工。1943年2月、APA-40に艦種変更された。7月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４１＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦デュ・ペイジ（Du Page）。AP-86として起工。1943年2月、APA-41に艦種変更された。9月竣工。1945年1月10日、神風特攻機１機が命中して損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−４２＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦エルモア（Elmore）。AP-87として起工。1943年2月、APA-42に艦種変更された。8月竣工。1945年4月1日、沖縄付近で特攻機と基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−４３＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦フェイエット（Fayette）。AP-88として起工。1943年2月、APA-43に艦種変更された。10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４４＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦フレモント（Fremont）。AP-89として起工。1943年2月、APA-44に艦種変更された。11月竣工。1973年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４５＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ヘンリコ（Henrico）。AP-90として起工。1943年2月、APA-45に艦種変更された。11月竣工。1945年4月2日、沖縄付近で特攻隊及び基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1973年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−４６＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ノックス（Knox）。AP-91として起工。1943年2月、APA-46に艦種変更された。1944年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４７＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ラマー（Lamar）。AP-92として起工。1943年2月、APA-47に艦種変更された。1944年4月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４８＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦レオン（Leon）。AP-93として起工。1943年2月、APA-48に艦種変更された。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−４９＞：アメリカ海軍オームズビー級攻撃輸送艦オームズビー（Ormsby）。AP-94として起工。1943年2月、APA-49に艦種変更された。1943年6月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５０＞：アメリカ海軍オームズビー級攻撃輸送艦ピアース（Pierce）。AP-95として起工。1943年2月、APA-50に艦種変更された。1943年6月竣工。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５１＞：アメリカ海軍オームズビー級攻撃輸送艦シェリダン（Sheridan）。AP-96として起工。1943年2月、APA-51に艦種変更された。1943年7月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５２＞：アメリカ海軍サムター級攻撃輸送艦サムター（Sumter）。AP-97として起工。1943年2月、APA-52に艦種変更された。1943年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５３＞：アメリカ海軍サムター級攻撃輸送艦ワーレン（Warren）。AP-98として起工。1943年2月、APA-53に艦種変更された。1943年8月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５４＞：アメリカ海軍サムター級攻撃輸送艦ウェイン（Wayne）。AP-99として起工。1943年2月、APA-52に艦種変更された。1943年4月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５５＞：アメリカ海軍ウインザー級攻撃輸送艦ウインザー（Windsor）。AP-100として起工。1943年2月、APA-55に艦種変更された。1943年6月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５６＞：アメリカ海軍ウインザー級攻撃輸送艦リーズタウン（Leedstown）。AP-101として起工。1943年2月、APA-56に艦種変更された。1943年7月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５７＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ジリアム（Gilliam）。1944年8月竣工。1946年7月1日、クロスロードＡ作戦で沈没した。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船7,’11

＜ＡＰＡ−５８＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦アップリング（Appling）。1944年8月竣工。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−５９＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦オードレイン（Audrain）。1944年9月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６０＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦バナー（Banner）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６１＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦バロウ（Barrow）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６２＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦バーリーン（Berrien）。1944年10月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６３＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ブラデン（Bladen）。１944年10月竣工。1953年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６４＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ブラッケン（Bracken）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６５＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ブリスコー（Briscoe）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６６＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ブルール（Blule）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６７＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦バーレソン（Burleson）。1944年11月竣工。1956年、非分類雑役艦（IX）に艦種変更された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６８＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ブッテ（Butte）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−６９＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦カーライル（Carlisle）。1944年11月竣工。1946年にクロスロード作戦の標的艦となり、除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７０＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦カーテレト（Carteret）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７１＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦キャトロン（Catron）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７２＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦クラレンドン（Clarendon）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７３＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦クレバーン（Cleburne）。1944年12月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７４＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦コルサ（Colusa）。1944年12月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７５＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦コートランド（Cortland）。1945年1月竣工。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７６＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦クレンショウ（Crenshaw）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７７＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦クリテンデン（Crittenden）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７８＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦カルマン（Cullman）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−７９＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ドーソン（Dawson）。１945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８０＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦エルクハート（Elkhart）。1945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８１＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ファーロン（Fallon）。1945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８２＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ファーガス（Fergus）。1945年2月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８３＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦フィルモアー（Fillmore）。1945年2月竣工。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８４＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ギャラード（Garrard）。1945年3月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８５＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ガスコネイド（Gasconade）。1945年3月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８６＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ジニヴァ（Geneva）。1945年3月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８７＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦ナイアガラ（Niagara）。1945年3月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８８＞：アメリカ海軍ジリアム級攻撃輸送艦プレシディオ（Presidio）。1945年4月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−８９＞：アメリカ海軍フレデリック・ファンストン級攻撃輸送艦フレデリック・ファンストン（Frederick Funston）。アメリカ陸軍輸送船として1942年に竣工。1943年10月、アメリカ海軍に輸送艦AP-48として引き渡され、その後APA-89に艦種変更された。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９０＞：アメリカ海軍フレデリック・ファンストン級攻撃輸送艦ジェームズ・オハラ（James O’Hara）。アメリカ陸軍輸送船として1942年に竣工。1943年10月、アメリカ海軍に輸送艦AP-49として引き渡され、その後APA-90に艦種変更された。1944年11月22日、日本海軍基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−９１＞：アメリカ海軍ウインザー級攻撃輸送艦アダイアー（Adair）。1944年7月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９２＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦アルパイン（Alpine）。１944年4月竣工。1945年4月1日、沖縄付近で特攻隊と基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−９３＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦バーンステイブル（Barnstable）。1944年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９４＞：アメリカ海軍サムター級攻撃輸送艦バクスター（Baxter）。1944年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９５＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦バーリー（Burleigh）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９６＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦セシル（Cecil）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９７＞：アメリカ海軍ウインザー級攻撃輸送艦ダウフィン（Dauphin）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９８＞：アメリカ海軍ウインザー級攻撃輸送艦ダッチェス（Dutchess）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−９９＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦デイド（Dade）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１００＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦メンドシノ（Mendocino）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０１＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦モンター（Montour）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０２＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦リバーサイド（Riverside）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０３＞：アメリカ海軍ウインザー級攻撃輸送艦クイーンズ（Queens）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０４＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ウエストモアーランド（Westmoreland）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０５＞：アメリカ海軍ウインザー級攻撃輸送艦シェルビー（Shelby）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０６＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ハンスフォード（Hansford）。1944年10月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０７＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦グッドヒュー（Goouhue）。1944年11月竣工。1945年4月2日、沖縄付近で特攻機及び基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−１０８＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ゴーシェン（Goshen）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１０９＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦グラフトン（Grafton）。1945年1月竣工。1947年に売却された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１０＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦グリッグス（Griggs）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１１＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦グランディ（Grundy）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１２＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ギルフォード（Guilford）。1945年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１３＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦シトカ（Sitka）。1945年5月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１４＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ハンブレン（Hamblen）。1945年6月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１５＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ハンプトン（Hanmpton）。1945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１６＞：アメリカ海軍ベイフィールド級攻撃輸送艦ハノーヴァー（Hanover）。1945年3月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ハスケル（Haskell）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ヘンドリー（Hendry）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１１９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ハイランズ（Highlands）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ヒンズデイル（Hinsdale）。1944年10月竣工。1945年3月31日、沖縄方面で基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。4月1日、特攻及び基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−１２１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ホッキング（Hocking）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ケントン（Kenton）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦キットソン（Kitson）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ラグランジ（Lagrange）。1944年11月竣工。1945年8月13日、沖縄付近で神風特攻を受け、損傷した。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−１２５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ラニアー（Lanier）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦セント・メリーズ（St.Mary’s）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦アレンデイル（Allendale）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦アレナク（Arenac）。1945年1月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１２９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マーヴィン・Ｈ・マッキンタイヤー（Marvin H. McIntyre）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦アッタラ（Attala）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦バンデラ（Bandera）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦バーンウェル（Barnwell）。1945年1月竣工。1948年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ベッカム（Beckham）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ブランド（Bland）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ボスケー（Bosque）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ボートトゥール（Botetourt）。1945年1月竣工。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＰＡ−１３７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ボウィー（Bowie）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ブラクストン（Braxton）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１３９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ブロードウォーター（Broadwater）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ブルッキングス（Brookings）。1945年1月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦バッキンガム（Buckingham）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦クリアーフィールド（Clearfield）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦クラーモント（Clermont）。1945年1月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦クリントン（Clinton）。1945年2月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦コルバート（Colbert）。1945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦コリングスワース（Collingsworth）。1945年2月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦コトル（Cottle）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦クロケット（Crockett）。1945年1月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１４９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦オードボン（Audobon）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦バーゲン（Bergen）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ラ・ポーテ（La Porte）。1944年8月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ラティマー（Latimer）。1944年8月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ローレンス（Laurens）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ロウンデス（Lowndes）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ライカミング（Lycoming）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦メレット（Mellette）。1944年9月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ナパ（Napa）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ニューベリー（Newberry）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１５９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ダーク（Darke）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦デューエル（Deuel）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ディケンズ（Dickens）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ドゥルー（Drew）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦イーストランド（Eastland）。1944年10月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦エッジクーム（Edgecombe）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦エッフィンガム（Effingham）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦フォンド・デュ・ラク（Fond du Lac）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦フリーストーン（Freestone）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ゲイジ（Gage）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１６９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ガラティン（Gallatin）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ゴスパー（Gosper）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦グランヴィル（Granville）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦グレイムズ（Grimes）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ハイド（Hyde）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ジェラウルド（Jerauld）。1944年11月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦カーネス（Karnes）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦カーショウ（Kershaw）。1944年12月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦キングスバリー（Kingsbury）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ランダー（Lander）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１７９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ロウダーデイル（Lauderdale）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ラヴァカ（Lavaca）。1944年12月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦。1944年9月、建造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦。1944年9月、建造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦。1944年9月、建造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦。1944年9月、建造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦。1944年9月、建造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦。1944年9月、建造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦オコント（Oconto）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦オルムステッド（Olmsted）。1944年9月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１８９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦オックスフォード（Oxford）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ピッケンス（Pickens）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ポンデラ（Pondera）。1944年9月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ラトランド（Rutland）。1944年9月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦サンボーン（Sanborn）。1944年10月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦サンドヴァル（Sandoval）。1944年10月竣工。1960年に除籍された。1961年、海軍艦籍に復帰。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦レナウィー（Lenawee）。1944年10月竣工。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ローガン（Logan）。1944年10月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ルボック（Lubbock）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マクラケン（McCracken）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−１９９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マゴフィン（Magoffin）。1944年10月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２００＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マラソン（Marathon）。1944年10月竣工。1945年7月21日、伊53潜水艦の雷撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−２０１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦メナード（Menard）。1944年10月竣工。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦メニフィー（Menifee）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦メリウェザー（Meriwether）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦サラソタ（Sarasota）。1944年8月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦シャーバーン（Sherburne）。1944年9月竣工。1958年に除籍された。1969年に艦籍に復帰し、T-AGM-22になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦シブレイ（Sibley）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ミッフリン（Mifflin）。1944年10月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦タリージガ（Talladega）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２０９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦テイズウェル（Tazewell）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦テルフェアー（Telfair）。1944年10月竣工。1945年4月2日、沖縄付近で特攻及び基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1960年に除籍された。同年、艦籍に復帰。1969年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＡ−２１１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ミソウラ（Missoula）。1944年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦モントローズ（Montrose）。1944年11月竣工。1969年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マウントレイル（Mountrail）。1944年11月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ナトロナ（Natrona）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ナヴァロ（Navarro）。1944年11月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ネショバ（Neshoba）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ニュー・ケント（New Kent）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ノーブル（Noble）。1944年11月竣工。1964年に除籍され、スペインに供与された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２１９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦オカルーザ（Okaloosa）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦オカノガン（Okanogan）。1944年12月竣工。1973年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦オネイダ（Oneida）。1944年12月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ピッカウェイ（Pickaway）。1944年12月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ピット（Pitt）。1944年12月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ランドール（Randall）。1944年12月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ビンガム（Bingham）。1944年12月竣工。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ロウリンス（Rawlins）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦レンヴィル（Renville）。1944年11月竣工。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ロックブリッジ（Rockbridge）。1944年11月竣工。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２２９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ロッキンガム（Rockingham）。1944年11月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ロックウォール（Rockwall）。1945年1月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦セイント・クロイクス（Saint Croix）。1944年12月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦サン・サバ（San Saba）。1944年12月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦セヴィアー（Sevier）。1944年12月竣工。1947年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ボリンジャー（Bollinger）。1944年12月竣工。1955年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ボティニアー（Bottineau）。1944年12月竣工。1961年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ブロンクス（Bronx）。1945年8月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ベクサー（Bexer）。1945年10月竣工。1976年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３８＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦デイン（Dane）。1945年10月竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２３９＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦グリン（Glynn）。1945年8月竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４０＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ハーネット（Harnett）。1945年に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４１＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ヘンプステッド（Hempstead）。1945年に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４２＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦イレデル（Iredell）。1945年に建造中止となり、民間船舶として竣工した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４３＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦ルゼム（Luzeme）。1945年に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４４＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マデラ（Madera）。1945年に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４５＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マリコパ（Maricopa）。1945年に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４６＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦マクレナン（McLennan）。1945年に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４７＞：アメリカ海軍ハスケル級攻撃輸送艦メックレンバーグ（Mecklenburg）。1945年に建造中止となった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４８＞：アメリカ海軍ポール・リヴィア級攻撃輸送艦ポール・リヴィア（Paul Revere）。1958年9月竣工。1969年1月、LPA-248に艦種変更された。1980年、スペインに供与された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡ−２４９＞：アメリカ海軍ポール・リヴィア級攻撃輸送艦フランシス・マリオン（Francis Marion）。1961年7月竣工。1969年1月、LPA-249に艦種変更された。1980年、スペインに供与された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＡＡ＞：Active Phased Array Antenna（アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー用アンテナ）の略。参考：レーダの基礎

＜ＡＰＡＣ２４＞：BAEシステムズ社のUSVで、Autonomous PACific 24の略。7.5mRIBパシフィック24Mk4をUSVにしたものである。2021年10月、イギリス海軍がフリゲートF231アーガイルから遠隔操作するテストを行った。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜ＡＰＡＭ＞：アメリカ海軍のクラスター爆弾で、Anti-Personnel / Anti-Materiel（対人対集積軍需品）の略であり、別名ロックアイ�U。Mk7ディスペンサーにPLU-77/B子爆弾（BLU-77/B？）を717発詰め込んだものである。参考：月刊軍事研究8,’18

＜ＡＰＡＲ＞：アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを参照。

＜ＡＰＡＲ＞：オランダのシグナール社が中心となり、ドイツとカナダの企業が協力して開発した多機能アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー（Active Phased Array Radar）。アンテナは４面あり、重量は１面あたり２トンで、それぞれに送受信モジュール856個が装着され、モジュール１個にはガリウム砒素送受信素子（出力5W）４個が収納されている。モジュール装着機構には作動時の発熱を抑えるために液冷システムが搭載されている他、アンテナ表面には薄いテフロン膜がレドームとして被せてあり、内圧を高くして凸面に仕上げている。半導体冷却用の液冷システムも搭載した。レーダービーム走査角度は１面あたり120度。レーダーからの信号は、高速フーリエ変換によるドップラー信号処理などによりシー・クラッターを除去される。使用周波数8-13GHz（NATO規格I/Jバンド、IEEE規格Ｘバンド）。最大探知距離200km、最大水平捜索距離75km、最小捜索距離50m。対空目標なら150km以上で探知・追尾でき、空中・水上目標250以上を処理できる。アンテナ１面を４分割してそれぞれミサイル誘導信号発生器を２基用意しており、時分割間欠連続波照射ICWIにより、捜索と同時に最大32発（うち終末誘導16発）のミサイルを目標に誘導できるため、別個の誘導レーダーが要らない。発展型シースパローESSM、SM-2に加え、艦砲の管制も可能である。IFFとして、西側標準のMk12を採用。デ・ゼーベン・プロヴィンシェン級とF124ザクセン級に搭載されているが、使用周波数の関係で長距離捜索能力に難点があるため、両級とも別途Ｌバンド長距離レーダー（SMART-L）を装備している。参考：月刊軍事研究10,’14、10,’06、11,’06、8,’06、5,’01、月刊世界の艦船5,’13、1,'15増刊

　＜ＡＰＡＲブロック２＞：統合汎用武器リンクJUWL対応のSM-2ブロック�VAZやESSMブロック�TJUWLの射撃管制が行える。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜ＡＰＢ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、宿泊艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＢＣ＞：Armor Piercing Ballistic Cappedの略。空気抵抗改善のためにキャップを被せた風防付き徹甲弾のこと。参考：月刊グランドパワー10,’03

＜ＡＰＣ＞：装甲兵員輸送車を参照。

＜ＡＰＣ＞：Armor Piercing Cappedの略。表面硬化鋼の硬化部分を叩き割ったり、装甲衝突時の滑りを防止したりするために鋼製の被帽を被せた徹甲弾のこと。元々戦艦の主砲弾としてロシアなどで開発されたものである。当初は滑り防止のため装甲板に当たった際に潰れるよう、ブリネル硬度300以下の軟鋼を使用したり、内部を中空にして鉛や亜鉛を詰めたりしたが、徹甲弾の性能が向上するとあまり意味が無くなり、一時は廃れた。しかし表面硬化鋼が出現すると、硬度の高い被帽により表面硬化鋼を破砕して装甲の有効厚を減らしたり、窪みの部分に弾体を嵌らせて滑りを防止したりする目的で再び採用されるようになった。この際、被帽自身は砕け散らせて弾体の貫通力を落とさないようにする必要があり、被帽には硬くて脆い素材を使用する。艦砲の他、表面硬化鋼で防御された戦車を相手にする対戦車砲・戦車砲にも採用された。ただ弾速が遅かったり、表面硬化処理されていない装甲板に衝突したりして被帽が砕けない場合は、かえって貫通の邪魔になる。内部に炸薬を内蔵するものもあるが、APC-HEだと長くなるためか、あまり使用されず、単にAPCとだけ表記することが多い。参考：続・海軍製鋼技術物語、月刊グランドパワー10,’03、ジャーマンタンクス、月刊軍事研究5,’08

＜ＡＰＣ＞：フランスのカラ・デュシャトレ社が開発した装甲車。NATOレベル１の装甲を持ち、天井に銃塔を載せることが可能。戦闘重量５トン。エンジン出力185馬力。参考：月刊軍事研究10,’08

＜ＡＰｃ−２＞：アメリカ海軍沿岸輸送艦。1943年12月21日、マーカス岬沖で急降下爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰｃ−１５＞：アメリカ海軍沿岸輸送艦。1943年12月27日、マーカス岬沖で爆撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰｃ−２１＞：アメリカ海軍沿岸輸送艦。1943年12月17日、マーカス岬沖で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＣＢＣ＞：Armor Piercing Capped Ballistic Cappedの略。APC弾に空気抵抗改善用の風防を被せた低抵抗被帽付き徹甲弾のこと。至近距離ではやや装甲貫徹力が落ちるが、中−遠距離では弾速を維持できるため威力が上がる。射程も延伸される。内部に炸薬を詰めたAPCBC-HEもあるが、長くなるためか、一緒くたにAPCBCと呼ばれることが多い。参考：月刊グランドパワー10,’03、ジャーマンタンクス、続・海軍製鋼技術物語、月刊軍事研究5,’08

＜ＡＰＣＲ＞：Armor Piercing Composite Rigidの略。細い重金属弾芯に軽金属のカバーを固定し、砲口径と直径を一致させた徹甲弾。命中痕は浅いへこみの真ん中に弾芯による深い侵徹孔が形成された形状となる。全て重金属で作るよりも軽いので初速が速く、弾芯直径が細いため装甲貫徹力が高い。弾丸全体では直径が砲口径と同じであるため、遠距離では軽量がたたり、空気抵抗により弾速が落ちて命中率や威力が低下する。ドイツが1940年にPzgr.Patr.40として実用化し、アメリカやソ連も開発した。参考：月刊グランドパワー10,’03、月刊軍事研究5,’08、月刊丸7,’09別冊

＜ＡＰＣＶ２＞：クラウス・マッファイ・ヴェクマン社が開発した４輪装甲車で、全方向防御輸送車両の略。メルセデス・ベンツ製ウニモグ４×４輪不整地用装甲トラックがベースで、装甲化車体を搭載している。前方は操縦室、後部が兵員室になっており、NBC防護装置を標準装備し、増加装甲の追加も可能。乗員・乗車兵員計６名。C-160に１両、C-130に２両が搭載できる。ドイツが緊急即応部隊向けに56両導入した。参考：月刊PANZER3,’00

＜ＡＰＤ＞：自律車体実証車を参照。

＜ＡＰＤ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、高速輸送艦（High Speed Tranport）を示す。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船2,’14

＜ＡＰＤ−１＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦マンリー（Manley）。1940年8月、DD-74から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦コルハウン（Coljhoun）。1940年8月、DD-85から艦種変更された。1942年8月30日、ソロモン方面で日本軍の爆撃を受けて沈没した。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−３＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦グレゴリー（Gregory）。1940年8月、DD-82から艦種変更された。1942年9月5日、ガダルカナル輸送作戦に就いていた際、ソロモン方面ルンガ沖で日本海軍駆逐艦夕立、初雪、叢雲の砲撃を受けて沈没した。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像6,’16、月刊世界の艦船4,’24

＜ＡＰＤ−４＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦リトル（Little）。1940年8月、DD-79から艦種変更された。1942年9月5日、ソロモン方面で日本海軍駆逐艦夕立、初雪、叢雲の砲撃を受けて沈没した。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像6,’16

＜ＡＰＤ−５＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦マッキーン（McKean）。1940年8月、DD-90から艦種変更された。1943年に戦没した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ストリングハム（Stringham）。1940年8月、DD-83から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦タルボット（Talbot）。1940年8月、DD-114から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ウォーターズ（Waters）。1942年10月、DD-115から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦デント（Dent）。1942年10月、DD-116から艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ブルックス（Brooks）。1942年10月、DD-232から艦種変更された。1945年1月6日、フィリピン付近で神風特攻機１機に突入されて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−１１＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ギルマー（Gilmer）。1942年10月、DD-233から艦種変更された。1945年3月25日、特攻隊と基地航空隊の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−１２＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ハンフリーズ（Humphreys）。1942年10月、DD-236から艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦サンズ（Sands）。1942年10月、DD-243から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１４＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦シュレイ（Schley）。1943年1月、DD-103から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１５＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦キルティ（Kilty）。1943年1月、DD-137から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１６＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ウォード（Ward）。1943年1月、DD-139から艦種変更された。1944年12月7日、レイテ湾で特攻を受けて沈没した。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−１７＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦クロスビー（Crosby）。1943年1月、DD-164から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＰＤ−１８＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ケイン（Kane）。1943年1月、DD-235から艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１９＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦タトノール（Tattnall）。1943年7月、DD-125から艦種変更された。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２０＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ローパー（Roper）。1943年10月、DD-147から艦種変更された。1945年5月25日、沖縄付近で特攻を受けて損傷した。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−２１＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ディッカーソン（Dickerson）。1943年10月、DD-157から艦種変更された。1945年、事故で失われた（1945年4月4日、沖縄付近で特攻機１機が命中して沈没した？）。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−２２＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ハーバート（Herbert）。1943年12月、DD-160から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２３＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦オバートン（Overton）。1943年8月、DD-239から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２４＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ノア（Noa）。1943年8月、DD-343から艦種変更された。1944年、事故で失われた。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２５＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ラスバーン（Rathburne）。1944年5月、DD-113から艦種変更された。1945年4月25日、沖縄付近で特攻を受けて損傷した。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−２６＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦。DD-237マクファーランドを改造する予定だったが、されずに終わった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２７＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦。DD-244ウイリアムソンを改造する予定だったが、されずに終わった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２８＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦。DD-342ハルバートを改造する予定だったが、されずに終わった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−２９＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦バリー（Barry）。1944年1月、DD-248から艦種変更された。1945年5月24日、菊水７号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−３０＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦。改造されずに終わった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−３１＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦クレムソン（Clemson）。1944年3月、DD-186から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−３２＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ゴールズボロ（Goldsborough）。1944年3月、DD-188から艦種変更された。10月18日、レイテ島付近で沿岸砲の射撃を受けて損傷した。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−３３＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ジョージ・Ｅ・バジャー。1944年4月、AVP-16から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−３４＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦ベルナップ（Belknap）。1944年6月、DD-251から艦種変更された。1945年1月11日、リンガエン湾付近で陸軍特攻を受けて損傷した。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−３５＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦オズモンド・イングラム（Osmond Ingram）。1944年2月、DD-255から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−３６＞：アメリカ海軍マンリー級高速輸送艦グリーン（Greene）。1944年2月、DD-266から艦種変更された。1945年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−３７＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦チャールズ・ローレンス（Charles Lawrence）。元はDE-53で、1944年10月に艦種変更された。1964年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−３８＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ダニエル・Ｔ・グリフィン（Daniel T. Griffin）。1944年10月、DE-54から艦種変更された。1967年、チリに譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−３９＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦バー（Bar）。元はDE-576で、1944年7月に艦種変更された。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４０＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ボウアーズ（Bowers）。元はDE-637で、1945年6月に艦種変更された。1961年、フィリピンに譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４１＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦イングランド（England）。DE-635から改造される予定だったが、中止された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４２＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ガントナー（Gantner）。1945年2月、DE-60から艦種変更された。1966年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４３＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ジョージ・Ｗ・イングラム（George W. Ingram）。1945年2月、DE-62から艦種変更された。1967年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４４＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦アイラ・ジェファリー（Ira Jeffery）。1945年2月、DE-63から艦種変更された。1960年に除籍され、1962年に実験艦となり、処分された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４５＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦リー・フォックス（Lee Fox）。1945年2月、DE-65から艦種変更された。1964年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４６＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦エイムズバリー（Amesbury）。1945年2月、DE-66から艦種変更された。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−４７＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ベイツ（Bates）。1944年7月、DE-68から艦種変更された。1945年5月25日、沖縄付近で特攻を受けて沈没した。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−４８＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ブレスマン（Blessman）。1944年7月、DE-69から艦種変更された。1945年2月18日、硫黄島付近で空襲を受けて損傷した。1967年に中華民国に譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＰＤ−４９＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ジョゼフ・Ｅ・キャンベル（Joseph E. Campbell）。1944年11月、DE-70から艦種変更された。1966年、チリに譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−５０＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦シムス（Sims）。1944年9月、DE-154から艦種変更された。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−５１＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ホッピング（Hopping）。1944年9月、DE-155から艦種変更された。1945年4月9日、沖縄付近で沿岸砲の射撃を受けて損傷した。1964年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−５２＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦リーブス（Reeves）。1944年9月、DE-156から艦種変更された。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−５３＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ジョゼフ・Ｃ・ハッバード（Joseph C. Hubbard）。1945年6月、DE-211から艦種変更された。1969年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−５４＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦チェイス（Chace）。1944年11月、DE-158から艦種変更された。1945年5月20日、沖縄付近で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。1946年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−５５＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ラニング（Laning）。1944年11月、DE-159から艦種変更された。1969年にLPRに艦種変更された。1975年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、アメリカ護衛艦史

＜ＡＰＤ−５６＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ロイ（Loy）。1944年10月、DE-160から艦種変更された。1945年5月27日、菊水８号作戦特攻を受けて損傷した。1964年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−５７＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦バーバー（Barber）。1944年10月、DE-161から艦種変更された。1969年にLPRに艦種変更された。1969年にメキシコに譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史、アメリカ護衛艦史

＜ＡＰＤ−５８＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ウィッター（Witter）。1945年2月、DE-636から艦種変更されたが、途中で改造中止になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−５９＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ニューマン（Newman）。1944年7月、DE-205から艦種変更された。1964年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６０＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦リドル（Liddle）。1944年7月、DE-206から艦種変更された。1944年12月7日、レイテ湾で特攻を受けて損傷した。1967年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−６１＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ケプハート（Kephart）。1944年7月、DE-207から艦種変更された。1967年、韓国に譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６２＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦コーファー（Cofer）。1944年7月、DE-208から艦種変更された。1968年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６３＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ロイド（Lloyd）。1944年7月、DE-209から艦種変更された。1966年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６４＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦。DE-214から改造される予定だったが、中止された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６５＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦バーク（Burke）。1945年1月、DE-215から艦種変更された。1968年、コロンビアに譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６６＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦エンライト（Enright）。1945年1月、DE-216から艦種変更された。1967年、エクアドルに譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６７＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦。DE-665から改造される予定だったが、中止された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６８＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦。DE-666から改造される予定だったが、中止された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−６９＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ヨークス（Yokes）。1944年6月、建造中にDE-668から艦種変更された。1944年12月18日竣工。1964年に売却された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７０＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦パブリク（Pavlic）。1944年6月、建造中にDE-669から艦種変更された。1944年12月29日竣工。1968年に売却された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７１＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦オダム（Odum）。元はDE-670で、建造中の1944年6月に艦種変更された。1945年1月12日竣工。1966年にチリに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７２＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ジャック・Ｃ・ロビンソン（Jack C. Robinson）。元はDE-671で、建造中の1944年6月に艦種変更された。1945年2月2日竣工。1966年にチリに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７３＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦バセット（Bassett）。元はDE-672で、建造中の1944年6月に艦種変更された。1945年2月23日竣工。1967年、コロンビアに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７４＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ジョン・Ｂ・グレイ（John B. Gray）。元はDE-673で、建造中の1944年6月に艦種変更された。1945年3月竣工。1968年に売却された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７５＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ウェーバー（Weber）。元はDE-675で、1944年12月に艦種変更された。1960年に除籍され、1962年に標的艦となり、処分された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７６＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦シュミット（Schmitt）。元はDE-676で、1945年1月に艦種変更された。1967年に中華民国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７７＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦フラメント（Frament）。元はDE-677で、1944年12月に艦種変更された。1961年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７８＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ブル（Bull）。1944年7月、DE-693から艦種変更された。1966年、台湾に譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−７９＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦バンチ（Bunch）。1944年7月、DE-694から艦種変更された。1964年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８０＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ヘイター（Hayter）。1945年6月、DE-212から艦種変更された。1968年、韓国に譲渡された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８１＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦テイタム（Tatum）。1944年12月、DE-789から艦種変更された。1945年5月29日、沖縄付近で菊水８号作戦特攻隊の攻撃を受けて損傷した。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−８２＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ボラム（Borum）。DE-790から改造される予定だったが、中止された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８３＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦マロイ（Maloy）。DE-791から改造される予定だったが、中止された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８４＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ヘインズ（Haines）。1944年12月、DE-792から艦種変更された。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８５＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ルーネルス（Runels）。1945年1月、DE-793から艦種変更された。1960年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８６＞：アメリカ海軍チャールズ・ローレンス級高速輸送艦ホリス（Hollis）。1945年1月、DE-794から艦種変更された。1969年、LPRに艦種変更された。1974年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＰＤ−８７＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦クロスレイ（Crosley）。元はDE-226で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年10月22日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８８＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦クリード（Cread）。元はDE-227で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月29日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−８９＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ルカムキン（Ruchamkin）。元はDE-228で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年9月16日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。同年、コロンビアに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９０＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦カーウィン（Kirwin）。元はDE-229で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年11月4日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９１＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦キンザー（Kinzer）。元はDE-232で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年11月1日竣工。1966年、台湾に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９２＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦レジスター（Register）。元はDE-233で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年1月11日竣工。1945年5月20日、沖縄付近で特攻隊の攻撃を受けて損傷した。1966年、台湾に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９３＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ブロック（Brock）。元はDE-234で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年2月9日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９４＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ジョン・Ｑ・ロバーツ（John Q. Roberts）。元はDE-235で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年3月8日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９５＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ウイリアム・Ｍ・ホビー（William M. Hobby）。元はDE-236で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年4月4日竣工。1967年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９６＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦レイ・Ｋ・エドワーズ（Ray K. Edwards）。元はDE-237で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月11日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９７＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦アーサー・Ｌ・ブリストル（Arthur L. Bristol）。元はDE-281で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月25日竣工。1964年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９８＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦トラクスタン（Truxtun）。元はDE-282で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月9日竣工。1966年に台湾に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−９９＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦アファム（Upham）。元はDE-283で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月23日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１００＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦リングネス（Ringness）。元はDE-590で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年10月25日竣工。1969年（？）、LPRに艦種変更された。1968年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０１＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ヌドソン（Knudson）。元はDE-591で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年11月25日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０２＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦レドノアー（Rednour）。元はDE-592で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年12月30日竣工。1966年、中華民国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０３＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦トルバーグ（Tollberg）。元はDE-593で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年1月31日竣工。1965年、コロンビアに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０４＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ウイリアム・Ｊ・パッティソン（William J. Pattison）。元はDE-594で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年2月27日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０５＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦マイヤーズ（Myers）。元はDE-595で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年3月26日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０６＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ウォルター・Ｂ・コブ（Walter B. Cobb）。元はDE-596で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年4月25日竣工。1966年に中華民国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０７＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦アール・Ｂ・ホール（Earle B. Hall）。元はDE-597で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年5月15日竣工。1966年に売却された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＰＤ−１０８＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ハリー・Ｌ・コール（Harry L. Coal）。元はDE-598で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月5日竣工。1966年に韓国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１０９＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ベレト（Belet）。元はDE-599で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月15日竣工。1964年にメキシコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１０＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ジュリアス・Ａ・レイブン（Jurius A. Raven）。元はDE-600で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月28日竣工。1966年に韓国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１１＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ウォルシュ（Walsh）。元はDE-601で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月11日竣工。1966年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１２＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ハンター・マーシャル（Hunter Marshall）。元はDE-602で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月17日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１３＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦エアハート（Warheart）。元はDE-603で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月26日竣工。1964年、メキシコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１４＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ウォルター・Ｓ・ゴーカ（Walter S. Gorka）。元はDE-604で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年8月7日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１５＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ロジャース・ブラッド（Rogers Blood）。元はDE-605で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年8月22日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１６＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦フランコヴィッチ（Francovich）。元はDE-606で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年9月6日竣工。1964年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１７＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ジョゼフ・Ｍ・オウマン（Joseph M. Auman）。元はDE-674で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年4月25日竣工。1964年にメキシコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１８＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ドン・Ｏ・ウッズ（Don O. Woods）。元はDE-721で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年5月28日竣工。1964年、メキシコに譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１１９＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ベヴァーリイ・Ｗ・レイド（Becerly W. Reid）。元はDE-722で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月25日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２０＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦クライン（Kline）。元はDE-687で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年10月18日竣工。1966年に中華民国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２１＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦レイモン・Ｗ・ハーンドン（Raymon W. Herndon）。元はDE-688で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年11月3日竣工。1966年に中華民国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２２＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦スクリブナー（Scribner）。元はDE-689で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年11月20日竣工。1966年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２３＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ディアチェンコ（Diachenko）。元はDE-690で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年12月8日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２４＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ホレイス・Ａ・バス（Horace A. Bass）。元はDE-691で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年12月21日竣工。1945年4月25日、沖縄の南で呂109潜水艦を撃沈した。7月29日、沖縄付近で神風特攻を受けて損傷した。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＰＤ−１２５＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ワンタック（Wantuck）。元はDE-692で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年12月30日竣工。1958年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２６＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ゴッセリン（Gosselin）。元はDE-710で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1944年12月31日竣工。1964年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２７＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ベゴー（Begor）。元はDE-711で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年3月14日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２８＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦キャヴァラロ（Cavallaro）。元はDE-712で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年5月13日竣工。1959年、韓国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１２９＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ドナルド・Ｗ・ウルフ（Donald W. Wolf）。元はDE-713で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年4月14日竣工。1968年、中華民国に譲渡された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３０＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦クック（Cook）。元はDE-714で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年4月25日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３１＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ウォルター・Ｘ・ヤング（Walter X. Young）。元はDE-715で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年5月1日竣工。1962年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３２＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦バルダック（Balduck）。元はDE-716で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年5月7日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３３＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦バード（Burdo）。元はDE-717で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月2日竣工。1967年に売却された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３４＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦クラインスミス（Kleinsmith）。元はDE-718で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年6月12日竣工。1960年、中華民国に売却された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３５＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ワイス（Weiss）。元はDE-719で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月7日竣工。1969年、LPRに艦種変更された。1974年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３６＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦カーペロッティ（Carpellotti）。元はDE-720で、建造中の1944年7月に艦種変更された。1945年7月30日竣工。1960年に除籍された。参考：アメリカ護衛艦史、アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３７＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦デ・ロング（De Long）。DE-684から改造される予定だったが、没になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３８＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦コーツ（Coates）。DE-685から改造される予定だったが、没になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤ−１３９＞：アメリカ海軍クロスレイ級高速輸送艦ブレイ（Bray）。DE-709から改造される予定だったが、没になった。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＤＳ＞：Armor Piercing Discarding Sabot（離脱装弾筒付き徹甲弾）の略。重金属弾芯を軽金属やプラスチック製のサボー（装弾筒）で包んであり、発射されて砲から出たところで空気抵抗により装弾筒が外れて弾芯だけが飛んでいく。弾芯直径は砲口径よりも小さいため、空気抵抗が小さく、APCRのように遠距離で威力が急激に落ちるようなことは無い。ただし装弾筒を精密に作らないと、外れる際に弾芯がぶれて威力や命中精度が低下する。イギリスで開発され、1943年末に６ポンド砲、1944年中頃に17ポンド砲で実用化された。参考：月刊グランドパワー10,’03、月刊軍事研究5,’08、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜ＡＰＥ＞：西ドイツ陸軍装輪工兵偵察車。1970年代初めに要求が出され、フクスをベースとする予定だったが、量産体制に余裕が無いためメルセデスベンツ系列のEWK社が開発した。フクスを４×４輪にスケールダウンしたような水陸両用車で、車体上面に小型の20mm機関砲塔を装備する。価格が高いとして1979年に開発中止となった。参考：月刊PANZER6,’14

＜ＡＰＥＸ＞：PGU-47/U（機関砲弾）を参照。

＜ＡＰＦ＞：Afloat Prepositioning Force（洋上事前集積戦力）の略で、事前集積船団MPF、戦闘事前集積部隊CPF、兵站事前集積部隊LPFからなる。アメリカ軍派遣部隊用の兵器・物資の前方展開を担当する。参考：月刊軍事研究5,’03

＜ＡＰＦシリーズ＞：チリの対人用破砕爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＰＦ８２＞：重量230kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＰＦ８３＞：重量436kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＰＦ８４＞：全長3.69m、直径0.459m、翼スパン0.64m、重量900kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＰＦＳＤＳ＞：Armor Piercing Fin Stabilized Discarding Sabot（装弾筒付翼安定徹甲弾）の略。安定翼を持った細身の徹甲弾に、砲身にフィットする装弾筒を取り付けたもの。装弾筒は砲身を出た後、砲口爆風を脱出し、大気内の超音速流に突入すると飛散（砲口から出た後、数十口径飛んでから離脱する）して、徹甲弾のみが目標に向かう。飛翔中は安定翼の作用により低速で回転し、弾道が安定する。徹甲弾は直径と全長の比が1:20-30程度のものが最も威力が高いため、直径は30mm、全長700-800mmくらいにしてある。ただ、ロシアのAPFSDS（ロシア語ではBPSと略す）は工業発達の遅れからこの比が1:5程度しかないと言われている。徹甲弾に運動エネルギーをなるべく多く与えるため装弾筒はできるだけ軽量に作る必要があり、工作精度が低いと装弾筒離脱の際に弾道が変わってしまう。翼安定式のため、横風に弱い。元々滑腔砲弾として開発されたが、弾芯長を長くできる（旋転のみで弾道を安定させるには1:5が限度）利点からスリッピング・バンドを付けてライフル砲にも使用されている。世界初のAPFSDSはT-62用の3BM3で、西側初のAPFSDSはL7戦車砲用のM735である。参考：月刊グランドパワー7,’03、5,’04、月刊戦車マガジン8,’78、火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事権級8,’08

＜ＡＰＦＳＤＳ−Ｔ＞：曳光剤付きAPFSDS弾の略。

＜ＡＰＦＳＤＳの貫徹様式＞：超高速徹甲弾による貫通を参照。

＜ＡＰＧ＞：実験航空隊を参照。

＜ＡＰＧ＞：Air Plane General（航空機整備員）の略。参考：月刊JWings6,’24

＜ＡＰＨＥ＞：Armor Piercing High Explosive（徹甲榴弾）の略。徹甲弾芯内に少量の火薬を内蔵して短遅延信管を取り付け、装甲貫徹後に炸裂するようにした弾丸である。弾体後半内部に空間があるため、撃角が大きいと弾体が後半部分で割れてしまうことがあり、それを防ぐために弾体後方のブリネル硬度を低くするなど工夫を施した。それでも35度以上の角度で装甲板に当たると弾体が折れ曲がってしまうため、アメリカのミドベール社が外殻から内側に向かってブリネル硬度を下げていく鞘硬化を開発、傾斜焼き入れと組み合わせて強靱な徹甲弾を完成させた。第２次大戦中には各国でこのような複雑な熱処理を行っており、手順は機密となっていた。参考：続・海軍製鋼技術物語、月刊グランドパワー10,’03

＜ＡＰＨＥ−Ｉ＞：焼夷剤付きAPHE。

＜ＡＰＩ＞：Armour Piercing Incendiary（徹甲焼夷弾）の略。徹甲弾芯を被甲で覆い、隙間に焼夷混合剤を詰め込んである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＡＰＩ８８シリーズ＞：カナダ沿岸警備隊のホバークラフトで、GKNウエストランドエアロスペース社製。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜ＡＰＩ８８＞：半ウェルデッキを持ち、主機はディーゼルである。1987年に採用され、航法ブイ敷設回収、捜索救難、海上油脂回収などに使用された。参考：月刊軍事研究7,’97

　＜ＡＰＩ８８／４００＞：API88の拡大改良型で、貨物デッキを拡大して積載量を倍増した。1998年から配備された。参考：月刊軍事研究7,’97

＜ＡＰＩ−Ｔ＞：Armour Piercing Incendiary-Tracer（曳光徹甲焼夷弾）の略。徹甲焼夷弾の弾底に曳光剤を詰めたものである。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜ＡＰＫＷＳ＞：AGR-20A（誘導ロケット弾）を参照。

＜ＡＰＬ＞：アメリカ海軍の船種記号で、Auxiliary Personnel Lighter（宿泊船）を示す。参考：月刊世界の艦船7,’22

＜ＡＰＬ３ＭＥ＞：名称はAPR-3MEかも。ロシアの対潜魚雷で、91PE1の弾頭でもある。見越し角照準プログラムを採用しており命中精度が高い上、高速のため回避が難しい。全長3.2m、直径350mm、重量450kg、弾頭重量76kg。最大雷速60ノット、航続時間２分、終末誘導距離2000m、最大攻撃深度800m。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究11,’00

＜ＡＰＬ−４０＞：アメリカ海軍宿泊船。元は1945年11月に就役した自走宿泊船APB-40ニューセズ（Nueces）である。アメリカ海軍横須賀港で横須賀造修所管理下に宿泊船として使用されている。参考：月刊世界の艦船11,’18

＜ＡＰＬ−６７＞：アメリカ海軍宿泊船。無動力で、士官72名＋下士官兵537名の宿泊施設、１日３食1176名分の給養施設、食堂（チーフ28名、士官28名、下士官兵224名。20分入れ替えで食事を取る）、教室、シャワールーム、ランドリー、床屋、フィットネス、医療施設などを備える。全長82m。2021年7月に竣工し、横須賀基地に配備された。参考：月刊世界の艦船10,’21、7,’22

＜ＡＰＬ−６８＞：アメリカ海軍宿泊船。APL-67と同型である。参考：月刊世界の艦船10,’21

＜ＡＰＬ−６９＞：アメリカ海軍宿泊船。APL-67と同型である。2021年2月進水。参考：月刊世界の艦船5,’21、7,’22

＜ＡＰＭ＞：シー・シュライク（兵装モジュール）を参照。

＜ＡＰＭ＞：イギリスのコンヴァティーム社がFSC計画用に開発している電動モーターで、Advanced Propulsion Motorの略。アクティブ・ステーター技術により従来の直流モーターよりも電力密度が３倍高く、AIMより容積が40%小さい。2010年に出力15MWの試作機による試験を行う予定。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＡＰＭＩＮＵＤ＞：イスラエルのIAIラムタ社が開発した、対人地雷無力化装置。地雷の上に置くと、スプリング式ハンマーが信管を叩いて炸裂させる。遮蔽装置も付いているので、爆風や破片は押さえ込まれ、周囲に被害を与えない。ハンマーのみを交換して50回使用でき、システムも軽量である。参考：月刊PANZER9,’01

＜ＡＰＮＩＣ＞：海軍作戦計画作成プロジェクトを参照。

＜ＡＰＯＢＳ＞：アメリカ軍の対人障害突破システム。携帯型爆薬投射装置で、対人地雷原に長さ45m、幅0.6mの通路を開設する。重量54kg。湾岸戦争時に36基が配備されたが、威力不足で役に立たなかった。参考：月刊軍事研究12,’98

＜ＡＰＰＬＥ＞：DARPAとレイセオン社が開発しているレーザーシステムで、Adaptive Photonic Phase-Locked Elementsの略。送受信アレイに工夫をこらして照射方向を迅速に転換できるようにする。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＡＰＱ−３４＞：アメリカ軍の無人標的機、別名ファイアビー。参考：月刊軍事研究6,’01

＜ＡＰＱ−３４ファミリー＞

　＜ＡＰＱ−３４改造ＲＰＶ＞：無人偵察機型。ベトナム戦争で1000機以上が実戦に投入され、3435回の偵察ミッションをこなした。DC-130から空中発進され、遠隔操縦と内蔵プログラム操縦で北ベトナム上空に侵入、写真撮影や電波情報収集を行ってＵターンし、トンキン湾上空でヘリに空中回収される。AQM-34シリーズと同じ？参考：月刊軍事研究6,’01

＜ＡＰＲ＞：ロシア語で空対潜ロケット（Aviatsionnuju Protivolodochnuju Rakjetu）の略。参考：月刊JWings5,’12

＜ＡＰＲ−１＞：ソ連の空対潜魚雷で、1960年に完成し、1964年から配備された。全長5.3m、直径0.35m、重量670kg、弾頭重量80kg。最大射程0.9km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船7,’21

＜ＡＰＲ−２シリーズ＞：ロシアの空対潜魚雷。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＰＲ−２＞：1980年代に実用化された。全長3.7m、直径0.35m、重量575kg、炸薬重量100kg。最大運用深度600m、追尾可能距離アクティブ1500m／パッシブ1000m。推進は固体燃料ロケット、最大雷速62-63ノット、最大射程2-3.8km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究1,’98

＜ＡＰＲ−２Ｅ＞：APR-2の輸出型。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＰＲ−３シリーズ＞：ロシア海軍空対潜魚雷。ロシアのNPO設計局が1990年代に開発し、Be-200、Il-38、Tu-142、Ka-27などに搭載した。参考：月刊世界の艦船7,’21

　＜ＡＰＲ−３＞：全長3.685m、直径0.35m、重量550kg、弾頭重量76kg。推進は固体燃料ロケット駆動ターボ・ウォータージェット、最大速力56ノット、航走距離3km強、最大潜航深度540m。誘導はパッシブ音響。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜ＡＰＲ−３Ｅ＞：輸出型。目標捜索時はウォータージェットを停止して重力で螺旋降下しながら目標を探し、探知するとウォータージェットを作動させて急速接近する。全長3.6m、直径350mm、重量550kg、弾頭重量100kg、炸薬重量76kg。推進は固体燃料ロケットによるタービンウォータージェット、最大雷速45ノット、最大運用深度800m。誘導はアクティブ・パッシブ音響式で、2000m先の潜水艦を追尾できる。中国海軍が採用し、Be-200で運用した。参考：月刊軍事研究1,’18、11,’11、1,’98、月刊世界の艦船1,'15増刊、7,’21、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＰＲ−３Ｍ＞：APR-3の改良型。電子装置の改良で探知距離を延伸し、追尾性能やジャミング対処能力を向上させ、小型軽量化した。RPK-6やRPK-7の弾頭としても使用可能。全長3.25m、重量470kg。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜ＡＰＲ−２３＞：ロシアの航空機搭載用350mm魚雷。全長3.7m、直径350mm、重量575kg。誘導はアクティブ・パッシブ音響。最大射程0.6km。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＰＲ−３３＞：ロシアの航空機搭載用350mm魚雷。APR-23を微妙に小型化したものである。全長3.6m、重量550kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＰＲＡ＞：ルーマニア陸軍多連装ロケット弾で、ルーマニアのアエロスターが開発した。車体はルーマニア国産の６輪駆動５トントラックDAC665Tで、後部荷台にランチャーを搭載する。ランチャーは旋回角左110度・右100度、仰角0-55度、10本４段の40連装。ロケット弾直径は122mm、最大射程は20400mで、長射程と短射程の２種類の榴弾が用意されている。発射は単発と連射が可能で、発射間隔は0.5秒と0.7秒を選択できる。50m離れての遠隔発射も可能。予備弾薬は牽引式のRM-13トレーラー（20発ユニット４基搭載）から供給され、10分で再装填できる。160両が配備された。1989年のバクダッド武器見本市で公開され、イラク、ナイジェリア、クロアチアなどに輸出されている。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊丸4,’99

＜ＡＰＳ＞：アクティブ装甲またはトマホーク武器システムを参照。

＜ＡＰＳ＞：音響測位システム（Acoustic Positining System）または発達型操縦センサーの略。

＜ＡＰＳ＞：アメリカ陸軍が大規模戦争勃発に備えて海外に配置している軍需倉庫システムで、Army Pre-positioned Stocks（陸軍事前備蓄セット）の略。湾岸戦争で海兵隊の兵器や物資を事前備蓄するMPSが有効だったため、陸軍でも真似したものである。１個機甲師団−１個機甲旅団戦闘団が15日間作戦を行える兵器や物資を陸上施設や軍事海上輸送コマンドMSCの輸送艦に即応状態で集積しており、陸軍資材コマンド陸軍継戦コマンドと陸軍資材コマンド軍事路上展開分配コマンドが管理して戦時に備えている。参考：月刊軍事研究3,’16

＜ＡＰＳ＞：ロシア軍の水中用アサルトライフル。滑腔銃身から専用の5.56mm×40弾を発射する。フルオートとセミオートの切り替えが可能。全長840mm／614mm（ストック折畳時）、銃身長372mm、重量2.7kg。有効射程100m（地上）／30m（深度5m）／20m（深度20m）／11m（深度40m）。装弾数26発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＰＳ−１＞：SS-166（輸送潜水艦）を参照。

＜ＡＰＳ−１＞：アメリカ陸軍の第１陸軍事前備蓄セット。アメリカ本土の備蓄である。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＡＰＳ−２＞：アメリカ陸軍の第２陸軍事前備蓄セットで、ヨーロッパ向けの対ロシア備蓄である。21世紀初めにはオランダとルクセンブルクにそれぞれ１個機甲師団分、イタリアに１個増強機甲旅団分の装備・物資が集積されていた。新冷戦でロシアの脅威が増すに連れて備蓄を強化しており、2017年現在で機甲旅団戦闘団向け即応兵器EAS（European Actibity Set、欧州現役化装備）がドイツ、リトアニア、ルーマニア、ブルガリアに、４個旅団戦闘団または１個機甲師団相当の増援用備蓄がオランダ、ベルギー、ドイツに保管されていて、将来的にはポーランドにもEAS向け備蓄基地を作る予定。参考：月刊軍事研究12,’04、7,’17

＜ＡＰＳ−３＞：アメリカ陸軍の第３陸軍事前備蓄セット。洋上備蓄で、ディエゴ・ガルシア島配備のワトソン級大型中速車両輸送艦など10隻に１個増強機甲師団相当の兵器・物資を集積する。イラク戦争でクウェートのシュアイバ港に兵器や物資を送り込み、第３歩兵師団が装備してバグダッドを攻略した。後に８隻、次いで７隻（T-AKRワトソン級５隻、T-AK弾薬輸送艦２隻）に減らされ、うちワトソン級２隻が西太平洋グアム島に移されている。参考：月刊軍事研究3,’16、12,’04、7,’17

＜ＡＰＳ−４＞：アメリカ陸軍の第４陸軍事前備蓄セット。韓国（一部は日本）にあり、１個機甲旅団分の装備などがキャンプ・キャロルや相模総合補給廠などに集積されている。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＡＰＳ−５＞：アメリカ陸軍の第５陸軍事前備蓄セット。２個機甲／歩兵任務部隊と１個機甲大隊を編成するのに十分な装備がクウェートとカタールに備蓄されている。２個戦車大隊と１個機械化歩兵大隊を中心とする機甲重視の旅団編成または１個戦車大隊と２個機械化歩兵大隊を中心とする機械化歩兵重視の旅団編成をとることができる。また、師団編成をとることも可能で、指揮車が多めに備蓄される。弾薬・燃料など15日分も貯蔵されている。参考：月刊軍事研究12,’02、12,’04、7,’17

＜ＡＰＳ−５カタール＞：2000年にアメリカ軍がドーハ郊外のキャンプ・アス・サイリヤに建設した陸軍事前備蓄セット。アメリカ本土以外では最大の備蓄基地で、M1A1戦車150両、M2A2歩兵戦闘車116両など機甲重視の強力な装備（１個増強機甲師団相当）を備える。2017年現在では砲兵旅団と継戦旅団の備蓄となっている。参考：月刊軍事研究12,’02、12,’04、7,’17

＜ＡＰＳ−５クウェート＞：アメリカ陸軍が湾岸戦争後にクウェート市南のキャンプ・アリフジャンに設置した陸軍事前備蓄セット。１個増強機甲旅団に相当する装備を集積している。2017年現在では機甲旅団戦闘団と歩兵旅団戦闘団の備蓄及び陸軍船舶部隊のLCU-2000汎用揚陸艇・LCM-8小型揚陸艇となっている。参考：月刊軍事研究12,’04、7,’17

＜ＡＰＳ−２０００＞：スウェーデン国防資材局がボフォース社に開発を依頼した155mm自走砲。CV90の車体または６輪トラックVMEに52口径155mm榴弾砲を搭載したものである。最大射程55km。発射速度毎分15発、同一目標への10発のTOT能力を持つ。装弾数48発（装輪型）。戦闘重量30トン（装輪型）。参考：月刊軍事研究4,’97

＜ＡＰＳＣ＞：アジア太平洋潜水艦会議を参照。

＜ＡＰＳＥＴ−９５＞：ロシア海軍の航空機搭載用406mm魚雷。全長3.84m、直径406mm、重量720kg。誘導はアクティブ・パッシブ音響。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＰＳＳ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、輸送潜水艦（Transport Submarine）を示す。参考：アメリカ潜水艦史

＜ＡＰＳＳ−２８２＞：アメリカ海軍ガトー級改造特殊部隊輸送潜水艦タニー（Tunny）。大元は1942年9月に竣工したSS-282タニーで、レギュラス巡航ミサイル潜水艦SSG-282となり、レギュラス退役でSS-282に戻ったついでに改造を施し、1966年10月にAPSS-282に艦種変更された。1969年1月、LPSS-282に艦種変更された。1969年に除籍された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＰＳＳ−３１３＞：SS-313（潜水艦）を参照。

＜ＡＰＳＳ−３１５＞：SS-315（潜水艦）を参照。

＜ＡＰＵ＞：Auxiliary Power Unit（補助動力装置）の略。非常用電力やジェットエンジン始動用の圧縮空気などを作るのが役目の動力装置のこと。メインエンジン停止中でも各種システムを作動させることができる。メインエンジンの推力を補助するエンジンをAPUに含めることもある。参考：飛行機のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録、航空用語事典増補改訂版

＜ＡＰＵ＞：ロシア語でミサイルランチャー（Aviatsionnaya Puskovaya Ustanovka）の略。参考：月刊JWings5,’12

＜ＡＰＵ−５８＞：ロシアの空対地ミサイル用レールランチャー。参考：月刊JWings8,’12

＜ＡＰＵ−６８＞：ロシアの空対地ミサイル用レールランチャー。参考：月刊JWings8,’12

＜ＡＰＵ　ＳＢＴ１５５＞：スペイン陸軍の牽引式52口径155mm榴弾砲で、ジェネラル・タイナミックス・サンタ・バーバラ・システマ社製。名前の通りAPUが付いており、時速18kmで自走できる。射程31.7km（通常弾）／41km（ベースブリード）。M114の後継として沿岸防衛用に配備された。参考：月刊軍事研究10,’05

＜ＡＰＵ修理用特殊工具＞：自衛隊の機器。丸紅エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究11,’12

＜ＡＰＶ−ＲＴ＞：フランスのRTSYS社が開発した訓練用無人潜水艇で、Autonomous Portable Vehicle- Recoverable Targetの略。対潜戦、対機雷戦、対魚雷戦の各訓練で使用でき、MADに反応するよう、後部に磁気アンテナが付く。全長2.27m、直径0.15m、重量36.5kg。潜航深度3-300m。運用時間８時間（速力４ノット）／１時間（速力15ノット）。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ＡＰＶＴ＞：クラウス・マッファイ・ヴェグマン社が開発している水陸両用装甲車で、水陸両用装軌防護車の略。車体後部が船型をしていて、水上では陸上と前後を逆にし、車体前部のウォータージェットで推進、車体後部ルーフの操縦席で操縦する。車体後面には波避け板と折り畳み式防水板が用意されていて、車内に水が入らないようにする。履帯はゴム製。全長9.46m、全幅3m、全高2.7m、重量30トン以下。エンジン出力600kW、最大速度70km、最大速力13.2km。積載量５トン以上。乗員２名（車長、操縦手）＋乗車兵員８名。2018年のユーロサトリでコンセプトが発表された。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ＡＰＷ＞：航空実験団を参照。

＜ＡＰＸ＞：Ateliers de construction de Puteaux（プトー工廠）の略。参考：歴史群像6,’10

＜ＡＰＸ−４＞：フランス陸軍B1/bis戦車などに搭載されている２名用砲塔。装甲鋼板鋳造製で、装甲厚は前面56mm０度、側面46mm22.5度、上面30mm72.5度。武装は34口径47mm戦車砲SA35と7.5mm同軸機銃M31。上面には全周装甲厚56mmのマントル型旋回式車長用キューポラがあり、その後部には空薬莢排出用カバーがある。旋回は手動及び電動。砲塔内部には車長と装填手兼通信手が位置する。参考：月刊丸10,’97

＜ＡＰＸ−Ｍ３３４＞：HOT1対戦車ミサイル用照準装置。発射装置、ミサイル誘導装置、安定化照準器、赤外線検知器、照準用スティックなどで構成され、重量16.8kg。照準器は倍率2.5倍・10倍の切り替え式で、視野262度。SA341ガゼル、リンクス、Bo105などHOT1を運用するヘリのコクピット上部に取り付けられている。参考：世界の傑作機No34

＜ＡＰＸ−Ｒ＞：フランス陸軍R35/H35/H39戦車の砲塔。鋳造製で、装甲厚は全周45mm。１名用で、旋回は手動である。主砲の37mm戦車砲SA18またはSA38（116発）は右にオフセットして搭載されており、同軸に7.5mm機銃M1931（2400発）を装備する。機関銃空薬莢はシュートで車体底面排出口から外に出される。俯仰角はマイナス11度からプラス19度。照準は主砲左の直接照準望遠鏡で行う。前面左と両側面に防弾ガラス付きの視察装置（ペリスコープ式とスリット式がある）を持つ。上面左にドーム型の旋回キューポラがあるが、ここにハッチは無く、視察装置もバイザー１つしか付いていない。参考：月刊PANZER8,’10

＜ＡＱＭ−３４シリーズ＞：アメリカ空軍の偵察用RPV、別名ライトニングバグ。ビッグ・サファリ計画に基づいてテレダイン・ライアン社がBQM-34Aファイアビーをベースに開発した。当時の技術では自律航法能力やリアルタイム送信能力に限界があったが、人的被害が出ず世論対策になるのでベトナム戦争に投入されて3435ソーティをこなし、578機が失われている。参考：スパイ機、月刊JWings3,’17、月刊世界の艦船10,’24

　＜モデル１４７ＳＫ＞：最初の量産型。BQM-34Aファイアビーに偵察カメラを積み、燃料搭載量を増やし、誘導装置を新型としている。DC-130の主翼下に１機ずつ搭載され、射出後は誘導を受けて偵察飛行を行い、安全空域に帰還したらパラシュートで降下してヘリにより空中で回収される。共産圏の偵察に使用され、1965年5月には撃墜された機体が北京で展示された。ベトナム戦争では第100戦略偵察航空団がELINT任務に使用しており、機体回収にはCH-53を使用した。参考：スパイ機、月刊JWings3,’17

　＜ＡＱＭ−３４Ｇ＞：中高度ECM型で、アクティブジャマーを搭載し、両主翼下にチャフ・ディスペンサーを装備する。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｈ＞：AQM-34Gの改良型で、水平尾翼に翼端板を装着している。ヒューズ社製AN/ALQ-71ノイズジャマー、ウェスティングハウス社製AN/QRC-335欺瞞ジャマー、AN/ALE-2チャフ・ディスペンサーを装備可能。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｊ＞：AQM-34Vの訓練型。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｋ＞：低高度夜間偵察機型。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｌ＞：低高度写真偵察機型の試作型。燃料搭載量を増やし、マイクロ波による誘導システムとドップラー航法装置を装備した。エンジンはJ69ターボジェット。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｍ＞：AQM-34Lの量産型。ロックウェル社製ELINTセンサーを装備しており、敵の電波放出源近くで射出する。一部には増槽も付けられた。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｎ＞：戦略航空コマンドSACの中高度偵察機型で、1968年から使用された。ベトナム戦争では北ベトナムと中国の国境偵察に投入され、DC-130発射母機から発進して138ソーティをこなしている。参考：スパイ機、月刊航空ファン3,’19

　＜ＡＱＭ−３４Ｐ＞：高々度偵察機型で、翼スパンを9.75mに延ばした。撃墜された機体が北京で展示されたことがある。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｑ＞：中高度偵察機型。主翼を大型化し、翼端ポッドや垂直尾翼上端データリンクアンテナポッドを追加した。増槽も装備可能。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｒ＞：戦略航空コマンドSAC向けで、主翼下積載量を2.812トンに増大させた。参考：スパイ機

　＜ＡＱＭ−３４Ｖ＞：ECM・電子戦機、別名コンパス・エンジェル・アップデート。機首を延長して内部にＥシステムズ社製モジュール式アクティブジャマーのメルパーを５基収容しており、３つの周波数帯でECMをかけることが出来る。翼下にMBアソシエーツ社製AN/ALE-2またはAN/ALE-3チャフ・ディスペンサーも装備可能。DC-130から射出され、無線指令で操縦され、CH-3またはCH-53で回収される。1974年に初飛行し、AQM-34H/Jから47機が改修された他、新造されたものもある。1976年に第11戦術無人機飛行中隊に配備された。参考：スパイ機

＜ＡＱＭ−３４海外シリーズ＞

　＜モデル１２４Ｉ＞：イスラエル空軍無人偵察機。第４次中東戦争では偵察、ELINT、デコイ任務に投入された。参考：スパイ機

＜ＡＱＭ−９１Ａ＞：アメリカ空軍の無人ステルスCOMINT機で、別名ファイアフライ（Firefly）。コンパス・アロー計画に基づき、モデル154の名称でテレダイン・ライアン社が1966年から開発した。胴体は細長く、主翼は大きな後退角を持つ。垂直尾翼は水平尾翼端に１枚ずつ付いている。エンジンは胴体上面に搭載され、双垂直尾翼の間から排気（空気と混ぜて冷却する）を出す。KA-80Aカメラを装備し、自爆装置も付いていた。全長10.3m、全幅14.63m、総重量2.375トン。エンジンはGE社製J97-GE-100（ドライ推力2.39トン、A/B時推力3.63トン。J97-GE-3、推力2.39トン？）単発、上昇限度23700m、航続距離3700km以上（＋滑空200km以上）、航続時間4.5時間。DC-130Eの主翼下から高度4500-7500mで投下される。偵察後は回収空域に自動的に戻ってくるので、DC-130Eで待ち構え、搭乗する操縦員がAQM-91Aを遠隔操縦して回収ヘリコプターの待つ空域まで誘導する。1968年6月にモデル154初号機が初飛行し、20機以上が製作されて1970年に制式名称が付き、中国への強行偵察を行う予定だったが、外交上の関係が良好になってきたため採用中止となった。参考：月刊JWings3,’17、月刊ミリタリーエアクラフト4,’02、スパイ機

＜ＡＱＭＩ＞：イスラム・マグレブのアルカイダを参照。

＜ＡＲ＞：Alert Readinessの略。スクランブルの為のアラート待機に就くことができる資格である。参考：月刊JWings6,’05

＜ＡＲシリーズ＞：中国の300mm自走多連装ロケットランチャー。使用弾はBRC3、BRC4、BRE2、BRE3など。参考：月刊軍事研究6,’14

　＜ＡＲ１＞：10連装型。参考：月刊軍事研究6,’14

　＜ＡＲ１Ａ＞：10連装型。参考：月刊軍事研究6,’14

　＜ＡＲ２＞：12連装型で、03式300mm12連装自走多連装ロケットランチャーの輸出型ともいえる。参考：月刊軍事研究6,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＲ３＞：10連装型。車体は８×８輪キャブオーバー型トラックで、後部の旋回架台にロケットランチャーを装着する。使用弾は300mmロケット弾と300mm誘導ロケット弾BRE3（最大射程130km）。370mmロケットランチャーへの換装も可能で、370mmロケット弾、370mm誘導ロケット弾BRE6（最大射程220km）、370mm誘導ロケット弾BRE8（最大射程280km）が用意されている。参考：月刊軍事研究5,’15、6,’14

＜ＡＲ１＞：ARシリーズ（多連装ロケット発射機）を参照。

＜ＡＲ−１＞：アメリカ海軍メデューサ級工作艦メデューサ（Medusa）。1924年就役。太平洋戦争中は太平洋戦線で行動した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＲ−１＞：中国の保利科技有限公司が開発中の空対地ミサイル。レッドアロー10の無人機搭載型で、小型のためCH-3UAVなどにも搭載できる。全長1.45m、直径0.18m、全備重量45kg、弾頭重量10kg。誘導はセミアクティブレーザー。推進は固体燃料ロケット、射程8km。参考：月刊軍事研究2,’17、3,’11、10,’15

＜ＡＲ１Ａ＞：ARシリーズ（多連装ロケット発射機）を参照。

＜ＡＲ２＞：ARシリーズ（多連装ロケット発射機）を参照。

＜Ａｒ−２＞：SB-RK（爆撃機）を参照。

＜ＡＲ３＞：ARシリーズ（多連装ロケット発射機）を参照。

＜ＡＲ４＞：イタリアのアンブロシーニが開発したミサイル。単発機に1000kg爆弾２発を搭載しており、離陸した後にパイロットはパラシュートで脱出、後は無線誘導で敵艦に突入する。1943年6月に初飛行したが、実用化前に終戦となった。全長15m、全幅17m、全備重量5900kg。エンジンはフィアットA80（1000馬力）単発、最大速度360km。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＡＲ−１０＞：アーマライト社のアサルト・ライフルで、1955年に開発された。使用弾はNATO標準7.62mm×51弾。作動はガス直接利用式で、ボルトにはマイクロ・ロッキング・ラグが組み込まれており、既にM16の面影がある。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＲ−１５＞：アーマライト社のアサルト・ライフル。AR-10を小型化して体格の小さいアジア・南米人向けとする計画の下に設計された。1960年から南ベトナム軍とアメリカ空軍に支給され、アメリカではM16の制式名称が付いた。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ａｒ６４＞：アラド社の試作複葉戦闘機。ドイツ再軍備に向け、1920年代末から開発した。エンジンはジーメンス・ユピテル空冷、最大速度240km。テストで性能不足が指摘されたため、改良型のAr65を開発した。参考：歴史群像2,’08付録

＜Ａｒ６５＞：アラド社の複葉戦闘機。Ar64のエンジンをBMW−�YＵに変更し、垂直尾翼面積を増やして操縦性を改善したもので、1931年に初飛行した。全長8.37m、全幅11.20m、全高3.52m、自重1510kg、全備重量1930kg。エンジンはBMW−�YＵ（750馬力）単発、最大速度300km、航続距離450km。固定武装は7.9mm機銃２丁。乗員１名。ドイツ航空省が採用し、1933-34年に80機（各型合計170機？）が生産され、飛行学校に配備されて訓練に使用された。ドイツ再軍備後も少数が使われている。参考：歴史群像2,’08付録

＜Ａｒ６８シリーズ＞：ドイツ空軍最後の複葉戦闘機。He51の後継として1933年から開発され、1934年に試作機が完成した。1935年末に制式採用され、1936年から327機が生産された。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ６８ａ＞：試作機で、1934年に初飛行した。第２次大戦では練習機に回されていたが、夜間着陸が容易ということで一部は夜間戦闘機として使用されており、第２次大戦開戦時には夜間戦闘機型28機が配備されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ６８Ｅ−１＞：最初の量産型で、1936年から引き渡された。全長9.5m、全幅11m、全高3.3m、自重1840kg（1600kg？）、全備重量2020kg。エンジンはユモ210Da（690馬力）単発、最大速度305km（335km？）、実用上昇限度8100m、航続距離420km。固定武装は7.9mm機銃MG17が２丁。10kg爆弾６発を搭載できる。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ６８Ｆ−１＞：エンジン不足からBMW�Yｄ（550馬力）を積んだもの。参考：歴史群像2,’08付録、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜ＡＲ７０シリーズ＞：イタリアのベレッタ社が開発した突撃銃。スイスのSIG社と共同開発していたが、作動方式で意見が分かれたため、独自開発となった。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＲ７０＞：レシーバーはプレス加工で、生産性が高い。作動はガス圧利用式。全長960mm、銃身長483mm、重量3.9kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾M193で、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＳＣ７０＞：AR70のストックを折り畳み式としたもの。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＳＣ７０ショート＞：SC70の銃身を短くしたカービン型。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＲ７０サポート＞：AR70の分隊支援火器型。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＲ７０／２２３＞：AR70のライフリングなどを改良し、SS109弾を使用できるようにしたもの。フォアストックは太くなり、滑り止めの溝が刻まれた。初速毎秒950m、発射速度毎分650発。参考：最新軍用ライフル図鑑、兵器最先端５

　＜ＳＣ７０／２２３＞：AR70/223のストックを折り畳み式としたもの。全長990mm／745mm（ストック折り畳み時）、銃身長483mm、重量4.05kg。ライフリングは６条右回り。装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＳＣ７０／２２３ショート＞：SC70/223の銃身を短くしたカービン型。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＬＭＧ７０−７８／２２３＞：AR70/223の分隊支援火器型。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＲ７０／９０＞：AR70/223のレシーバーを大型化して耐久性を増し、３点バースト機構を組み込み、M16A1用マガジンを使えるようにしてある。キャリングハンドルと二脚を標準装備し、ライフルグレネードも発射可能。全長998mm、銃身長485mm、重量3.99kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数30発。イタリア軍に採用された。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＳＣＳ７０／９０＞：AR70/90のカービン型。銃身を切り詰め、折り畳み式金属製スケルトンストックを装備し、ライフルグレネード発射機能を廃止した。全長910mm／668mm（ストック折り畳み時）、銃身長369mm、重量4.05kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜Ａｒ７６シリーズ＞：ドイツ空軍の単座高等練習機。いざという時には軽戦闘機としても使用できるよう設計されており、国土防衛戦闘機（ハイマートシュッツイェーガー）と呼ばれた。1934年に開発されたが、Fw56に破れたため、バックアップ用として少数のみ生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ７６Ａ−０＞：全長7.3m、全幅9.5m、全備重量1070kg。エンジンはアルグスAs10c（240馬力）単発、最大速度267km、実用上昇限度6400km、航続距離470km。固定武装は7.9mm機銃MG17が２丁。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ７９＞：ドイツ空軍の並列複座練習機で、1938年に開発された。全長7.6m、全幅10m、全高2.1m、自重526kg、全備重量830kg。エンジンはHM504A2（105馬力）単発、巡航速度129km、最大速度230km、上昇限度4700m、航続距離1025km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ８０＞：ドイツの試作戦闘機。1934年のドイツ戦闘機開発計画に基づいて設計され、1935年に試験飛行を開始した。胴体はモノコック構造、主翼は低翼単葉の逆ガルで、開放式コクピットを持つ。主脚は当初後方引き込み式としたが、トラブルが多発したため、２号機ではスパッツ付きの固定脚にして構造重量を減らすことにした。しかし計算ミスで重量が増え、翼面荷重も大きくなって操縦困難になり、テスト初期に初号機が墜落。３号機では主翼を直線翼にしてみたが、Bf109に勝てず、採用されなかった。全長10.3m、全幅10.82m、全高2.65m、自重1643kg、全備重量2125kg。エンジンはRRケストレルＶ（695馬力。２号機はユンカースJumo210C、640馬力）単発、最大速度410km、実用上昇限度10000m、航続距離800km。固定武装は7.9mm機銃MG17が２丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録、ミリタリーエアクラフト1,’97

＜Ａｒ８１＞：ドイツの試作急降下爆撃機。主翼は複葉、降着装置は固定脚。２号機までは双垂直尾翼、３号機は単垂直尾翼だった。全長11.5m、全幅11m、全備重量3070kg。エンジンはユモ210Ca（640馬力）、最大速度344km、実用上昇限度7700m、航続距離690km。固定武装は7.9mm機銃MG17が１丁、7.9mm機銃MG15が１丁。乗員２名。Ju87に負けて採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ９５シリーズ＞：アラド社が1935年に開発した全金属製複葉双フロート水上機。原型機は1937年に実戦テストのためスペインに送られた。当初ドイツ空軍には採用されなかったため、輸出型を生産していたが、第２次大戦開戦に伴いドイツ空軍にも納入された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ９５Ｗ＞：トルコ向け。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ９５Ｌ＞：チリ向け。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ９５Ａ＞：トルコ向けの機体をドイツ空軍が導入したもので、バルト海で洋上哨戒に使用された。全長11.1m、全幅12.5m、全高3.6m、自重2450kg。エンジンはBMW132De空冷（880馬力）単発、最大速度310km、実用上昇限度7300m、航続距離1100km。防御武装は7.9mm機銃MG15が１丁。800kg魚雷または500kg爆弾を搭載できる。乗員２名。グナイゼナウなどに搭載された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、写真集ドイツの巡洋艦

＜Ａｒ９６シリーズ＞：ドイツ空軍高等練習機。1938年に試作機が完成し、1940年から量産に入った。総生産数11500機。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ９６Ａ＞：最初の量産型。機体は全金属製で、未熟な操縦でも十分に耐えられる。主翼は低翼単葉。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ９６Ｂ＞：全長9.1m、全幅11m、全高2.6m、自重1280kg、全備重量1700kg。エンジンはAs410（450馬力）単発、最大速度330km、実用上昇限度7100m、航続距離990km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ１９５＞：ドイツ軍の試作艦上攻撃偵察機。空母グラーフ・ツェッペリン用に開発され、1938年からテストを開始したが、Fi167に負けて採用されなかった。全長10.5m、全幅12.5m、全備重量3670kg。エンジンはBMW132M（830馬力）単発、最大速度290km、実用上昇限度6000m、航続距離650km。固定武装は7.9mm機銃MG15が２丁。爆弾など700kgを搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ１９６シリーズ＞：ドイツ海軍艦載多用途水上機。He60の後継として1936年10月から開発され、1937年に初飛行、1944年3月までに各型計598機（530機？541機？593機？）が生産された。操縦性、安定性、コクピットからの視界が良好で、標準艦載水上偵察機として戦艦や巡洋艦に搭載された他、陸上基地でも使用されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊丸4,’17、月刊JWings9,'23、9,’19

　＜Ａｒ１９６Ａ−０＞：先行量産型で、1938年11月から10機が引き渡された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ１９６Ａ−１＞：最初の量産型で、艦船搭載用として1939年6月から引き渡された。Ar95を単葉化してあり、胴体後半を鋼管骨組み羽布張りとした。主翼は後方に折り畳める。降着装置は支柱を介した双フロート。自衛用として胴体右側面に7.9mm機銃１丁、後部座席に7.9mm機銃１丁を搭載した他、小型艇攻撃用として翼内に20mm機関砲１門ずつを備えており、水上機としては重武装を誇った。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ１９６Ａ−２＞：偵察機能強化型で、陸上運用された。武装は主翼付け根の20mm機関砲MGFF２門、機首の7.92mm機銃MG17が１丁、後部座席の7.9mm機銃MG15が１丁。参考：月刊JWings5,’06、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ１９６Ａ−３＞：機体構造強化型で、無線機も強化した。全長11m、全幅12.4m、全高4.45m、自重2990kg（2570kg？）、全備重量3730kg（3300kg？）。エンジンはBMW132K空冷星型９気筒ガソリン（960馬力）単発、最大速度312km、実用上昇限度7000m、航続距離1070km（800km？）。武装は主翼付け根の20mm機関砲MGFF２門、機首右の7.92mm機銃MG17が１丁、後部座席の7.9mm旋回機銃MG15が１丁（連装？）。主翼下に50kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。少数がブルガリアとルーマニアに供与された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊JWings9,'23、5,’06、月刊丸4,’17、写真集ドイツの巡洋艦

　＜Ａｒ１９６Ａ−４＞：武装・無線装備改良型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ１９６Ａ−５＞：後部座席の機銃をMG81Z連装機銃に換えたもの。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ１９６Ｂ−０＞：単フロート型。1940-41年に10機のみ生産された。参考：月刊JWings5,’06

＜Ａｒ１９６海外シリーズ＞

　＜Ａｒ１９６Ａ−３（ブルガリア海軍）＞：ブルガリア海軍水上機、別名シャーク。12機が供与され、1955年まで飛行可能な状態にあった。参考：月刊JWings5,’06

＜Ａｒ１９７シリーズ＞：ドイツ軍の艦上戦闘機。空母グラーフ・ツェッペリン用として1936年に開発された。３機が試作されたが、空母の開発が中止されたため、本機も採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ１９７Ｖ１＞：試作１号機で、1937年に初飛行した。Ar68Hをベースとした複葉固定脚機で、機体は全金属製、密閉式の風防を持ち、着艦フックなどを追加している。エンジンはDB600A（910馬力）。対爆撃機戦闘及び地上攻撃を考慮し、7.9mm機銃２丁に加えて20mm機関砲MGFF２門を搭載した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ１９７Ｖ２＞：試作２号機で、こちらも1937年に初飛行した。エンジンをBMW132J（815馬力）に換えている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ１９７Ｖ３＞：試作３号機。全長9.2m、全幅10.7m、全高3.6m、自重1640kg、全備重量2475kg。エンジンはBMW132J（815馬力。BMW132DC、880馬力？）、最大速度400km、実用上昇限度8600m、航続距離690km。固定武装は20mm機関砲MGFF２門、7.92mm機銃MG17が２丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

＜Ａｒ１９８＞：アラド社が開発した３座偵察機。全周視界を確保するため、胴体下面をガラス張りにしてある。1937年に開発されたが、Fw189に負けて採用されなかった。全長11.8m、全幅14.9m、全備重量3030kg。エンジンはBMWブラモ323A（900馬力）、最大速度360km、実用上昇限度8000m、航続距離1080km。武装は7.9mm機銃MG17が２丁、7.9mm機銃MG15が１丁。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ１９９＞：ドイツ空軍３座水上練習機。前列が並列複座で副操縦装置付き、後席が単座で通信士用。カタパルト発進も可能である。全長10.5m、全幅12.5m。最大速度250km。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ２３１＞：ドイツ国防軍の試作潜水艦搭載用水上偵察機。Ｕボートに搭載するための分解の都合上、主翼左右で高さが違っている。直径2mの格納筒に収容され、10分の組み立てで発進できた。1941年に試作機が完成したが、荒天に弱い、発進・回収時に母艦が脆弱になるなどの欠点があり、採用されなかった。全長7.8m、全幅10.2m、全備重量1050kg。エンジンはHM501（160馬力）単発、最大速度170km、実用上昇限度3000m、航続距離500km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、ナチスＵボート

＜Ａｒ２３２シリーズ＞：ドイツ空軍輸送機で、1939年から開発された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３２Ｖ１＞：試作１号機で、1941年に初飛行した。前部胴体は貨物搭載用に箱形とし、後上部に細いブーム状の後部胴体を付け、最後尾に水平尾翼と双垂直尾翼を装着している。前部胴体後面にはカーゴドアがあり、脚柱を縮めてカーゴフロアの高さをトラックの荷台の高さと一致させることが可能である。降着装置は前輪式で、胴体センターラインに２列11組の小型車輪を付け、不整地でのタキシング時や主脚柱を縮めて底面を下げた時に重量を支えられるようにした。エンジンはBMW801MA（1600馬力）双発。1942年秋に引き渡され、スターリングラードへの輸送作戦に投入された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３２Ｖ２＞：試作２号機で、こちらもスターリングラードへの輸送作戦に使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３２Ｖ３＞：BMWエンジンがFw190用に回されたため、代わりにブラモ323R-2を４基搭載したもの。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３２Ｂ−０＞：先行量産型で、試作4-11号機にあたる。全長23.5m、全幅33.5m、全高5.7m、自重12800kg、全備重量21140kg。エンジンはBMWブラモ323R-2（1200馬力）４発、最大速度340km、実用上昇限度8000m、航続距離1060km。貨物4540kgを搭載できる。防御武装は13mm機銃MG131が３丁、20mm機関砲MG151/20が１門。乗員４名。1944年末に特殊作戦空輸隊に配備され、ソ連領土への潜入作戦に使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３２Ｂ−１＞：量産型だが、生産時期が終戦と被るため何機量産されたかは不明。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ２３４シリーズ＞：ドイツ空軍ジェット爆撃機、別名ブリッツ（Blitz）。世界初の実用ジェット爆撃機でもある。1941年にアラド社からジェット偵察機として提案され、1942年2月から正式に開発に入ったが、エンジン開発に手間取って実用化が遅れ、生産数は210機に止まった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、月刊丸4,’13

　＜Ａｒ２３４Ｖ１＞：試作１号機で、1943年7月30日に初飛行した。エンジンはユモ004（推力850kg）双発で、胴体の殆どを燃料タンクに充てたため車輪搭載スペースが無くなり、離陸はドリー、着陸はスキッドで行われた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３４Ｖ９＞：試作９号機で、ドリー・スキッド方式では運用が不便だったため車輪を装備したタイプである。1944年3月10日に初飛行し、Ｂ型のプロトタイプになった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３４Ｂ−０＞：先行量産型。20機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３４Ｂ−１＞：偵察機型。少数のみ生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３４Ｂ−２＞：爆撃機型で、1944年6月8日に初飛行した。胴体は細く絞り込まれており、前から与圧コクピット（機首埋め込み式）、前部燃料タンク（1800リットル）、主翼桁貫通部・主脚収容部、後部燃料タンク（2000リットル）、Rb50/30航空カメラ、無線機・ドラッグシュート収容部、尾部の順に並ぶ。主翼は肩翼配置の直線テーパー翼で、下面内側寄りにエンジンポッドを取り付けている。降着装置は前輪式で、全て胴体内（前脚は後方、主脚は前方）に引き込まれる。自衛用に後方固定式の20mm機関砲MG151/20を２門搭載しており、コクピット上部に突き出したRF2C射爆照準ペリスコープで照準する。胴体中央に1400kg爆弾PC1400を１発、エンジンナセル下面に500kg爆弾または300リットル増槽を１発ずつ搭載できるが、最大搭載量は1500kgまでに制限された。また、爆弾搭載時には抗力が大幅に増すのでスピードが落ちた。全長12.6m、全幅14.5m、全高4.3m、自重5200kg、全備重量9800kg。エンジンはユモ004B-1（推力900kg）双発、最大速度742km、実用上昇限度10000m、航続距離1556km（爆弾500kg搭載時）。乗員１名。高空をマッハ0.78で飛行でき、レシプロ戦闘機では追尾不可能だった。参考：図解世界の軍用機史、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３４Ｃ＞：エンジンを２発並列ポッド２基の合計４基としたタイプ。20機弱が生産されたところで終戦となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２３４Ｃ−３／Ｎ＞：夜間戦闘機型。FuG218ネプツーンレーダーを搭載する。全長12.64m、全幅14.44m、全高4.30m、自重6500kg、全備重量11000kg。エンジンはBMW003A-2ターボジェット（推力800kg）双発、最大速度852km、航続距離1215km。固定武装は30mm機関砲２門、20mm機関砲２門。乗員２名。試作型が少数製作され、実戦にも試験投入された。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ２３４Ｃ−７＞：夜間戦闘機型。Ar234C-3/NのレーダーをFuG245ブレーメンに換装し、コクピットをサイドバイサイドに変更したもの。エンジンはBMW003-1ターボジェット４発とする案と、ユモ004またはHeS001A双発とする案が出されていた。試作型が少数生産され、実戦にも投入された。参考：歴史群像2,’08付録

＜Ａｒ２３４ファミリー＞

　＜Ａｒ２３４Ｖ１６＞：三日月翼実験機。主翼が完成したところでイギリス軍に接収された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ２４０シリーズ＞：ドイツ空軍試作高速多用途双発機。FA13低抵抗遠隔操作銃塔を搭載したアゴー社製Ao225をベースに、Bf110の後継となる重戦闘機（Me210の予備）として1938年からアラド社が開発した。三軸全ての安定性に欠けるといった欠点があり、偵察爆撃機型など各型が試作されたが、結局採用されなかった。参考：世界の傑作機No.141、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ２４０Ｖ１＞：試作１号機で、1940年5月10日に初飛行した。高速性能確保のため翼面荷重が高く、操縦性能を保つため前縁スラット、スロッテッド・フラップ、エルロンを装備していたが、これらに作動トラブルが続出したため本格量産に入れなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２４０Ｖ２＞：試作２号機で、1940年7月に初飛行して試験飛行を行ったが、飛行時の安定性が悪いという欠点があった。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ２４０Ｖ３＞：試作３号機で、機体設計を変更して安定性を増加させた。ただ運動性能が戦闘機としては不十分と判断され、偵察爆撃機として開発されることになった。参考：歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ２４０Ａ−０＞：偵察機の先行量産型。全長12.8m、全幅13.33m、全高3.9m、自重6200kg、全備重量9450kg。エンジンはDB605AM（1475馬力。DB601E・1350馬力？）双発、最大速度630km、実用上昇限度10500m、航続距離1900km。防御武装は7.9mm機銃MG17が２丁、7.9mm機銃MG81を２丁搭載したFA13遠隔操作銃塔が２基。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

　＜Ａｒ２４０Ｂ−０＞：偵察機型。エンジンをDB605AM（1800馬力）に換装した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ２４０Ｃ−０＞：夜間戦闘機型。エンジンをDB603G（1900馬力）に換装した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

　＜Ａｒ４４０＞：多目的戦闘機型。エンジンをDB603GまたはDB627に換装し、安定性改善のため胴体や翼スパンを延長した。1942年に試作されたが、採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編、歴史群像2,’08付録

＜Ａｒ３４０＞：ドイツ空軍計画爆撃機。ツインテールブーム形状で、胴体後方銃座の射界を得るためブーム間に水平尾翼を設けていない。採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ３９６＞：ドイツ空軍の練習機。Ar96の機体構造を木製としてアルミ合金を節約したものである。主脚が後方引き込み式になり、主翼や機首などの形状が少し変更された。原型機は1944年12月に初飛行したが、量産機の完成は数機に止まった。全長9.3m、全幅11m、全高2.4m、自重1720kg、全備重量2130kg。最大速度360km、実用上昇限度8000m、航続距離1000km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ３９６海外シリーズ＞

　＜Ｓ１０シリーズ＞：フランスが大戦後に採用したタイプ。S10が12機、改良型のS11/S111が103機、機体を全金属製としたS12/S121が100機生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ドイツ編

＜Ａｒ４４０＞：Ar240シリーズ（多用途機）を参照。

＜ＡＲ４７０シリーズ＞：ブルガリアのアルカス社が開発した水中用グレネード。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＡＲ４７０Ｍ１＞：爆発すると半径15m以内にいるダイバーにダメージを与え、半径6m以内にいるダイバーをノックアウトできる。射程40-400m。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＡＲ４７０Ｍ２＞：AR470M1に自己破壊機能付き信管を装備したもの。参考：月刊軍事研究6,’07

＜ＡＲ５５３８＞：ブザー�T型（レーダー警戒装置）またはブザー�U型（レーダー警戒装置）を参照。

＜ＡＲ５５５７＞：ブザー�V型（レーダー警戒装置）を参照。

＜ＡＲＡＢＥＬ＞：アラベル（多機能レーダー）を参照。

＜ＡＲＡＭ＞：陸軍功労章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＲＡＳ＞：高性能遠隔操作武器システムを参照。

＜ＡＲＡＳＨ＞：イランの122mm空対地ロケット弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＲＢ＞：Air Reserve Base（予備航空基地）の略。参考：月刊航空ファン8,’19

＜ＡＲＢ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、戦傷修理工作艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＲＣ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、電纜敷設艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＲＣ＞：海上自衛隊の艦種記号で、敷設艦（Repairing or Cable Laying Ship）を表す。1956年8月に付与され、1957年9月1日に公式制定された。1960年10月1日、481以降の艦番号が付けられた。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＲＣ２１＞：日米豪仏共同実動訓練。名称は訓練に参加したフランス海軍ジャンヌダルク21（Jeanne d’Arc 21）練習航海部隊の最後５文字ARC21を取ったものである。2021年5月11-17日、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた防衛協力強化の一環として、水陸両用作戦の戦術技量・作戦遂行能力向上を目的に、相浦駐屯地、霧島演習場、九州西方空海域、東シナ海で行われた。海上訓練では、陸自水陸機動団、西部方面航空隊（AH-64D、CH-47JA）、海自DDH-182いせ、DDG-178あしがら、DDG-173こんごう、DD-119あさひ、LST-4001おおすみ、PG-826おおたか、PG-829しらたか、潜水艦、哨戒機、SH-60Kヘリ、空自西部航空方面隊F-2戦闘機が、アメリカ海軍LPD-18ニュー・オーリンズ、P-8A哨戒機、アメリカ海兵隊第１海兵航空団MV-22B輸送機、第３海兵師団、第３海兵兵站群、オーストラリア海軍フリゲートFFH154パラマタ、フランス陸軍第６軽機甲旅団、フランス海軍強襲揚陸艦L9014トンネール、フリゲートF711シュルクーフと、島嶼防衛に係る防空、対潜、着上陸の各訓練を行った。陸上訓練では、水陸機動団や西部方面航空隊など隊員100名が、相浦駐屯地と霧島演習場で、フランス陸軍第７軽機甲旅団60名及びアメリカ海兵隊第３海兵師団、第３海兵兵站群、第１海兵航空団計60名と、指揮機関・機能別訓練（5月11-13日）及び水陸両用作戦（ヘリボーン）に引き続く市街地戦闘などの総合訓練（5月14-15日）を行っている。参考：月刊世界の艦船8,’21、月刊JWings7,’21、8,’21、朝雲

＜ＡＲＣ−４８１＞：海上自衛隊つがる型敷設艦１番艦つがる。昭和28年度計画艦で、1955年12月15日竣工。1957年、艦種記号ARCを付与された。1960年、艦番号481を付与された。1961年9月1日、第２掃海隊群に編入された。1969年7月10日から1970年4月20日、三菱重工横浜造船所で特別改装を実施。1972年8月21日、小型貨物船と衝突し、小型貨物船が沈没した。1980年3月17日、特務艦ASU-7001に艦種変更され、海洋業務群に移った。1990年3月23日に除籍され、標的として処分された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊、10,’19、8,’24

＜ＡＲＣ−４８２＞：海上自衛隊むろと型敷設艦（初代）１番艦むろと。1978年11月28日起工、1979年7月25日進水、1980年3月27日竣工。2009年10月16日から12月8日、アメリカ海軍の協力を得てグアム島方面で海底地形観測や水中機器敷設の訓練を実施した。2011年9月10日から11月4日、アメリカ海軍の協力を得てグアム島方面で敷設訓練（海底地形観測、水中機器敷設など）を実施。2012年4月4日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’10、11,’11、7,’13

＜ＡＲＣ−４８３＞：海上自衛隊むろと型敷設艦（２代目）１番艦むろと。平成21年度計画艦で、2011年9月7日起工、2012年7月5日進水、11月20日公試開始、2013年3月15日竣工、引渡式・自衛艦旗授与式が行われて就役し、海洋業務群に配備された。3月17日、呉に入港。9月7日、呉を出港してグアムに向かった。10月30日までの２ヶ月間、アメリカ海軍の協力を受け、グアム方面で敷設訓練を実施。2014年8月19日、横須賀を出港。平成26年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加し、11月8日に横須賀に帰港した。2015年7月31日から9月24日、グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加。12月1日、海洋業務群の改編に伴い、海洋業務・対潜支援群直轄艦となった。2016年7月1日から8月18日、グアム島方面で敷設訓練等に参加。2017年6月10日から8月3日、グアムで敷設訓練等に参加。2018年10月20日から12月17日、平成30年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加。2019年現在、海洋業務・対潜支援群直轄艦で、定係港は呉。2019年10月17日から12月5日、令和元年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加。2020年現在、海洋業務・対潜支援群直轄艦で、定係港は呉。2020年10月2日から11月15日、令和2年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加し、グアム島周辺海空域で電纜敷設訓練を行った。2021年5月25日現在、海洋業務・対潜支援群直轄艦で、定係港は呉。11月2日から12月23日、令和3年度グアム島方面派遣訓練（敷設艦）に参加し、グアムのアメリカ海軍施設を利用した電纜敷設訓練などを行った。2022年4月25日現在、海洋業務・対潜支援群直轄艦で、定係港は呉。2023年4月25日現在、海洋業務・対潜支援群直轄艦で、定係港は呉。2024年4月25日現在、海洋業務・対潜支援群直轄艦で、定係港は呉。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’13、9,’12、2,’13、6,’13、11,’13、10,’14、10,’15、3,'16、9,’16、8,’17、1,’19、7,’19、1,’20、6,'20、12,'20、7,'21、6,'22、6,'23、6,'24、月刊軍事研究6,’13、朝雲

＜ＡＲＣＨ−５０＞：大宇重工業、ソウル大学、韓国農村振興庁がカモフの技術協力で開発した農業用無人ヘリで、ARCHは農業用遠隔操縦ヘリの略。ローターは二重反転式。降着装置はスキッド式。参考：月刊航空ファン10,’19

＜ＡＲＣＨＡＮＧＥ＞：ファルコン8Xファミリー（情報収集機）を参照。

＜Ａ−ＲＣＩ＞：AN/BQQ-10シリーズ（ソナー）を参照。

＜ＡＲＣＩＭＳ＞：イギリス海軍無人水上艇で、ATLAS Remote Combined Influence Minesweeping Systemの略。アトラス・エレクトロニク社UKが開発し、2016年のアンマンド・ウォーリア演習で好成績を収めて採用された。2023年2月、ドック型揚陸艦カーディガン・ベイをUSV母艦にしてペルシャ湾で運用試験を実施。参考：月刊世界の艦船10,’24

＜ＡＲＣＩＭＳ（１１メートル級）＞主任務は対機雷戦だが、機材はモジュール化されており、モジュール交換で浅海域対潜捜索や海洋・海底情報収集も行える。船体はガラス強化プラスチック製。ノースロップ・グラマン社製合成開口曳航ソナー、AN/AQS-24B機雷掃討システム、音響掃海具、磁気掃海具、シーキャット、シーフォックスなどを装備し、自律航行または遠隔操作または有人航行で掃海・掃討を行う。全長11m、全幅3.2m、吃水0.5m、重量6.5トン。推進はウォータージェット２基、機材曳航時速力6-15ノット、最大速力40ノット。積載量３トン。イギリス海軍ハント級掃海艇または次期掃海艦MHCに搭載される予定。TWC（Towed Wheeled Cradle）に載せて空輸する計画もある。フザー（Hussar）、ハリアー（Harrier）、ハザード（Hazard）、ハルシオン（Halcyon）、ハイドラ（Hydra）の５隻が2019年から第１機雷戦戦隊に配備された。参考：月刊軍事研究2,’17、1,’15、8,’15、月刊世界の艦船9,’23

＜ＡＲＣＩＭＳ（１５メートル級）＞：ヒービ（Hebe）を2023年に導入し、第１機雷戦戦隊に配備した。参考：月刊世界の艦船10,’24

＜ＡＲＣＭ＞：陸軍賞賛章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＲＣＰ＞：空中給油を参照。

＜ＡＲＤＢ＞：水陸機動団を参照。

＜ＡＲＤＥＣ＞：アフリカ施設部隊早期展開プロジェクトを参照。

＜ＡＲＤＳ＞：AN/ARQ-52（訓練支援ポッド）を参照。

＜ＡＲＤＳ−１４＞：ロシア軍3M14巡航ミサイル・シリーズ用終末誘導シーカー。視野マイナス20度からプラス10度、最大識別距離20km。参考：月刊世界の艦船11,’22

＜ＡＲＥＯＳ＞：フランスのタレス社が開発した航空機用偵察ポッドで、Airborne Reconnaissance Electro-Optical System（空中偵察電子光学システム）の略。Reco-NGの輸出型であり、全天候下で画像情報を収集でき、高々度偵察から低高度高速偵察までこなせる。リアルタイム伝送能力も持つ。参考：月刊JWings8,’05、5,’11

＜ＡＲＥＳ＞：DARPAとロッキード・マーチン社が開発中のVTOL無人機で、Aerial Reconfigurable Embedded Systemの略。主翼にダクテッド・ファンを埋め込んだ（ダクテッド・ファンに翼を付けた感じでもある）ティルト・ウィング方式VTOLで、胴体を付け替えることにより、輸送やISRなど多任務に対応する。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜ＡＲＥＸＩＳ＞：スウェーデンのサーブ社が2017年に発表した航空機用電子戦／自己防御システム、アレクシス。妨害電波発信装置に窒化ガリウム素子を使用しており、AWACSや地上レーダー施設に対するECMや電子攻撃を行える。偽目標を電子的に生み出す事も可能。グリペンNG／グリペンＥに搭載予定。ポッドに収容したタイプもあり、JAS39A-DやF-15/-16にも搭載できる。参考：月刊軍事研究5,’18、10,’18、月刊JWings8,’20

＜ＡＲＦ＞：ASEAN地域フォーラムを参照。

＜ＡＲＦＳＶ−９０＞：パンデュル装甲兵員輸送車ファミリー（戦闘車）を参照。

＜ＡＲＧ＞：空中給油航空群（Air Refueling Group）の略。

＜ＡＲＧ＞：両用即応群（Amphibious Readiness Group。揚陸即応群ともいう）の略。海軍に所属する強襲揚陸艦を中心とする艦隊で、海兵空地任務部隊MAGTFを搭載して水陸両用作戦を支援する。太平洋と大西洋の各地に前方展開しており、少なくとも２個を即応状態に置いていて、出撃命令が下ると海軍揚陸隊PHIBRON（amPHIBious squadRON）と海兵遠征隊MEUがペアを組んで両用即応群となり、５日以内に世界の75%の沿岸水域に接近、６時間以内に水陸両用作戦を開始する。もちろん揚陸艦だけで作戦はできないので、空母戦闘群CVBGの護衛を受ける。2003年頃から随伴戦闘艦を加えた遠征打撃群ESGを編成するようになったが、経費がかさむということで、常設部隊としては原潜１隻だけを支援に付けたARG編成に戻された。参考：月刊軍事研究7,’95、4,’12、1,’16、月刊JWings7,’03、月刊世界の艦船3,’19

　＜ＡＲＧ（１９９５年）＞：大型強襲揚陸艦LHA１隻、ドック型揚陸輸送艦LPD１隻、ドック型揚陸艦LSD１隻、戦車揚陸艦LST１隻からなり、海兵遠征隊MEU１個を収容する。参考：月刊軍事研究7,’95

　＜ＡＲＧ（２０１２年）＞：揚陸隊に航空強襲上陸能力に長けたLHA/LHDが１隻、車両を大量に搭載するLPDが１隻、上陸用舟艇・LCACによる強襲上陸能力に優れたLSDが１隻配備されており、海兵遠征隊MEU１個を収容して水陸両用作戦を行う。旗艦の艦名を冠してエセックス揚陸即応群などと呼ばれる。参考：月刊軍事研究6,’13、1,’16

＜ＡＲＧ−１＞：航空自衛隊のAAM-4空対空ミサイル用指令送信機で、発射母機に搭載され、中間誘導における指令誘導を担当する。参考：月刊軍事研究12,’06

＜ＡＲＧ−４＞：アメリカ海軍ECD2改造型内燃機関工作艦ツツイラ（Tutuila）。元はEC2型貨物船アーサー・ゴーマンである。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＲＧＥＳ＞：ノルウェー陸軍の路外対装甲システム。ドイツ、フランス、イギリスの共同企業体が開発しており、これらの国でも採用される予定。音響センサーにより装甲車両の接近をキャッチし、パッシブ赤外線暗視装置で目標をロックオン、弾体を射出してタンデム高性能炸薬弾頭により目標を撃破する。参考：月刊軍事研究10,’98

＜ＡＲＧＵＳシリーズ＞：DARPAが開発しているUAV用広域監視センサーで、Autonomous Real-time Ground Ubiquitous Surveillanceの略。参考：月刊丸12,’10

　＜ＡＲＧＵＳ−ＩＳ＞：電子光学センサー（Imaging System）型で、92個のイメージセンサーからなる安定化装置・望遠レンズ付きセンサーユニット（視野角60度）を４組搭載し、直径15kmを監視できるようにしてある。重量227kg。参考：月刊軍事研究2,’11、9,’15、月刊丸12,’10

　＜ＡＲＧＵＳ−ＩＲ＞：赤外線センサー（InfraRed）型で、BAEシステムズ社が2010年から開発中。640×480ピクセルの動画を256本纏めて送信できる。参考：月刊丸12,’10、月刊軍事研究9,’15

＜ＡＲＨ＞：アクティブ・レーダー・ホーミングまたはティーガー・シリーズ（攻撃ヘリ）を参照。

＜ＡＲＨ−７０Ａ＞：アメリカ陸軍次期武装偵察ヘリコプター（ARH）、別名アラパホ。RAH-66コマンチが開発中止となったため、代わりにAH-1及びOH-58の後継として開発されていたヘリである。民間機の転用でコストを１機あたり640万ドル以下にするという条件が付けられ、ベル、ボーイング、アグスタ・ウェストランド、ユーロコプターの４社がそれぞれベル417、OH-6改良型、マングスタ、ティーガーを提案し、偵察メインの安価な機体ということで2005年7月29日にベル417（ベル407？）が採用された。機体はOH-58Dのベースとなったベル406のエンジンをハニウェルHTS-900に換装したもので、機首下部に目標捕捉センサーを搭載する。2006年7月20日に試作初号機が初飛行した。2007年2月21日、４号機が初飛行した際に燃料切れランプが点灯してエンジンが停止、ゴルフ場に不時着したものの横転して大破し、飛行停止命令を喰らってしまった。2008年6月に増加試作・初期型の生産を開始、2010年3月から512機を生産する予定だったが、飛行停止で開発が遅れて開発費が36億ドルから64億ドルに、１機あたりのコストが1450万ドルになってしまい、議会の承認が得られずに2008年10月16日に開発中止となった。代わりにAASヘリコプター計画で後継ヘリを開発する予定。参考：月刊軍事研究6,’07、10,’10、月刊JWings5,’07、1,’13

＜ＡＲＩ１８２２３＞：イギリス空軍のレーダー警戒装置。ARI18228の単座機用で、脅威方向を４象限で示す。ハリアーやジャギュアなどに搭載された。参考：月刊エアワールド1,’00、図解現代の航空機

＜ＡＲＩ１８２２８＞：イギリス空軍のレーダー警戒装置で、ブルー・セイジの後継としてヴィクター及びヴァルカン爆撃機に搭載された。コクピットにはCRT式表示装置があり、Ｓ・Ｃ・Ｘ・Ｊバンド（2-10GHz）のレーダー波を受信して種類・方位・運用モードを表示し、音声・視覚警報も出す。バッカニア、ファントムにも搭載され、これらではCRTディスプレイは後席に置かれた。参考：月刊エアワールド1,’00、図解現代の航空機

＜ＡＲＩＡ＞：EC-135N（アポロ計画支援機）を参照。

＜ＡＲＩＥＬＥ＞：シンガポールのSTキネティクス社が開発している先進歩兵システムで、Army-Individual Eco-Lightweight Equipmentの略。耐火・撥水戦闘服、保冷剤内蔵装甲ベスト、プラスチック製個人装具装着システム（アメリカ軍MOLLEと共通仕様）、ヘルメット・マウント・デイスプレイ、腕時計式体調モニタリングシステムSENSE（Soldier Enhanced Sensing Ezuipment）、GPS、無線機などで構成され、機器は全てワイヤレス接続される。太陽電池からの充電や、燃料電池からのワイヤレス電力供給が可能。参考：月刊軍事研究1,’18

＜ＡＲＩＥＳ＞：シューターズ・デポ社が開発したカーボンチューブ製減音器で、発展型ライフル完全外装式サプレッサーの略。銃身をカバーする外付け方式で、銃身との隙間に発射ガスを通して音を抑制し、弾道に悪影響を及ぼさない。様々な銃にそのまま取り付けられるので便利である。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜ＡＲＩＰ＞：空中給油を参照。

＜ＡＲＪ−２１シリーズ＞：中国の小型ジェット旅客機。2000年11月7日からAVICが開発し、2001年にARJ-21（Advanced Regional Jet-21st centuryの略。中国表記は21世紀先進的区域性噴気式飛機）と命名、CAC、SAIC、CAC、SACからも資金提供を受け、最終的に中国商用飛機有限公司COMAC（Commercial Aircraft Corporation of China）が製造販売担当になった。ボーイング社も開発に協力しており、エンジン、アビオニクス、装備品類はアメリカ製である。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＲＪ−２１−７００＞：基本型。MD-82にウイングレットを追加した感じのＴ型尾翼双発リアジェット機である。主翼はアントノフが設計したスーパークリティカル翼で、前縁後退角25度。操縦装置はフライ・バイ・ワイヤ。2008年11月28日に初飛行し、2014年12月30日に中国民用航空局の形式証明を取得した。全長32.68m、全幅27.67m、全高8.49m、運航自重23.083トン、総重量37.645トン。エンジンはGE製CF34-10A（推力8.165トン）双発、巡航速度833km、実用上昇限度10670m、燃料容量12719リットル、航続距離2222km（ペイロード最大）。最大ペイロード8.935トン。乗員２名。客席数78-85。2015年11月27日に量産初号機が成都航空に納入され、2016年6月28日から就航した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＲＪ−２１−９００＞：長胴型で、胴体が3.38m長く、客席数が98-105になった。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＲＪ−２１ＢＩＺ＞：自家用機・ビジネスジェット型。居室、会議室、食堂、ベッドルームを設ける。全長33.46m、全幅27.46m、全高8.44m、最大離陸重量43.5トン。エンジンはGE製CF34-10A（推力7.74トン）双発、巡航速度870km・マッハ0.82、上昇限度11900m、航続距離4260km。実用積載量24.494トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＲＫ＞：Armoured Ramp Carrierの略。

＜ＡＲＫ−３＞：ソ連軍の極地仕様汎用飛行艇、別名MP-2。1933年からチェトベリコフが開発し、1936年9月に原型機が初飛行した。機体は木金混合、エンジンは串型配置で、艇体中央上面パイロンを介して高い所に置き、プッシャープロペラとプルプロペラを付けた。主翼は高翼配置で、フロートが付く。全長14.6m、全幅20m、全高3.99m、全備重量5600kg。エンジンはM-25A空冷９気筒星型レシプロ（730馬力）双発、最大速度320km、航続距離1500km、航続時間７時間。武装は7.62mm機銃２丁（艇首、艇体後部上面。３丁？）。爆弾1000kgを搭載できる。乗員４名（５名？）＋搭乗人員10名（12名？）。試作機７機が製作され、1937年4月に高度9190mの水上機高度記録を作ったが、試作初号機と２号機が構造上の欠陥から墜落したため量産されず、残りの機体で極地方面の哨戒・輸送、北海方面船団護衛、民間旅客輸送を行った。参考：ウォーマシン・レポートNo.67、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸11,’72

＜ＡＲＬ＞：O-5シリーズ（偵察機）を参照。

＜ＡＲＬ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、揚陸艇修理艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＲＬ−Ｃ＞：EO-5B（偵察機）を参照。

＜ＡＲＬ−Ｅ＞：RO-6Aシリーズ（偵察機）を参照。

＜ＡＲＬ−Ｉ＞：O-5A（偵察機）を参照。

＜ＡＲＬ−Ｍ＞：EO-5C ARL-M（偵察機）を参照。

＜ＡＲＭＡ＞：トルコのオトカ社が開発した６×６輪装甲車。車体後部と車長席左に乗降ドアがある。サスペンションは独立懸架の油圧式。戦闘重量18.5トン。エンジン出力450馬力、トランスミッションはオートマチック（前進６速）。積載量4.5トン。参考：月刊軍事研究5,’11

＜ＡＲＭＡＴ＞：フランス軍の空対地ミサイル。マーテルAS37の対レーダーミサイル型で、フランスのマトラ社が開発した。弾体中央やや後ろに大型安定翼４枚、後部に小型の全遊動翼４枚を持つ。先端のシーカーは交換可能で、目標のレーダー周波数に応じて変更される。全長4.15m、直径0.40m、翼スパン1.2m、発射重量550kg、弾頭重量150kg。推進は固体燃料ロケット、射程90km。1988年頃から配備され、1990年代初めにECCM改良などの近代化が施された。イラク軍も湾岸戦争当時に配備していたとされる。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、軍事分析湾岸戦争

＜ＡＲＭＩＧＥＲ＞：ドイツ軍が開発中の対レーダーミサイル。誘導は慣性航法装置、GPS、パッシブレーダー。エンジンはラムジェット、終末速度マッハ2-3。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＲＭＳ計画＞：HAA（飛行船）を参照。

＜ＡＲＮＧ＞：陸軍州兵を参照。

＜ＡＲＰＡ＞：自動レーダー衝突予防援助装置を参照。

＜ＡＲＰＡ＞：アメリカ国防省先進研究企画局（Advanced Reserch Projects Agency）の略。最先端の科学技術を軍事技術に応用する研究を統括するのが主任務で、ソ連が世界初の人工衛星スプートニクを打ち上げたのを機に1958年2月7日に創設された。初代局長はジェネラル・エレクトリック社副社長である。宇宙開発を中心に軍民技術を結集する筈だったが、８ヶ月後に誕生したNASAに大半を奪われてしまい、最先端すぎて先行きの見えない段階の基礎的研究を担うこととなった。研究の成果は、必要なら軍が兵器に仕立てる。1972年3月23日にDARPAに改称された。参考：月刊軍事研究2,’14、7,’16

＜ＡＲＰＡｎｅｔ＞：ARPAによるコンピュータネットワーク（後のインターネット）で、軍事技術情報交換ネットワークとして1969年に研究が開始された。核戦争下でも生き残れるように分散型ネットワークを採用しており、共通のプロトコルで無数のホストコンピュータを結び、１箇所が破壊されてもネットワークが切断されないようにしている。1974年頃に営業を開始した民間パケット交換網もARPAnetに統合され、1983年にはTCP/IPが導入され、軍事機関通信MILnetが切り離された。1990年にARPAnetは発展的解消となった。参考：月刊軍事研究2,’00、8,’95

＜ＡＲＰＶ＞：アメリカ国防総省が開発していたRPVで、発達型RPVの略。元はAMMR（発達型多用途RPV）という名称だった。BGM-34Cの後継で、ジャミング下でも同一空域に20機以上を飛ばせるRPVを目指していたが、開発中止になった。参考：スパイ機

＜ＡＲＲ−６６２＞：航空自衛隊のF-104J戦闘機用データリンク。レシーバーコンバーター１台とコントロール１台で構成され、ナサールF15Jのレーダースクリーン上に敵機と自機との位置関係といった攻撃関連データを自動的に映し出す。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜ＡＲＲＣ＞：ヨーロッパ連合軍緊急対応軍団を参照。

＜ＡＲＲＶ＞：Armoured Repair and Recovery Vehicleの略。

＜ＡＲＲＷ＞：AGM-183A（極超音速ミサイル）を参照。

＜ＡＲＳ＞：Air Refueling Squadron（空中給油飛行隊）の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＡＲＳ３１−３０１＞：A/A42R-1シリーズ（バディ・ポッド）を参照。

＜ＡＲＳ−５０＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦セイフガード（Safeguard）。1985年就役。1999年に佐世保に配備された。2006-07年、軍事海上輸送コマンドMSCに移籍し、艦種記号−艦番号がT-ARS-50となった。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊

＜ＡＲＳ−５１＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦グラスプ（Grasp）。2006-07年、軍事海上輸送コマンドMSCに移籍し、艦種記号−艦番号がT-ARS-51となった。参考：月刊世界の艦船4,’10、6,’01

＜ＡＲＳ−５２＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦サルヴァー（Salvor）。1986年6月14日竣工。2006-07年、軍事海上輸送コマンドMSCに移籍し、艦種記号−艦番号がT-ARS-52となった。参考：月刊世界の艦船2,’87、2,’19

＜ＡＲＳ−５３＞：アメリカ海軍セイフガード級救難艦グラップル（Grapple）。1986年8月14日竣工。2006-07年、軍事海上輸送コマンドMSCに移籍し、艦種記号−艦番号がT-ARS-53となった。参考：月刊世界の艦船2,’87

＜ＡＲＳ−２１２＞：ソ連の航空機搭載用212mmロケット弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＲＳＤ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、救難起重機船を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＲＳＲ＞：航空路監視レーダーを参照。

＜ＡＲＳＴ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、救難舟艇母艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＲＳＶ＞：トルコ陸軍の偵察車両。国産のオトカル社製コブラ４輪軽装甲兵員輸送車にARS2000監視／射撃調整レーダー、伸縮マスト装着センサーポッドを搭載したもので、得た情報を9600VHF波長無線機、マイクロウェーブ・リンクによるビデオ転送、オプションで装着可能なSK4000デジタル暗号無線機で上級司令部に報告する。ARS2000レーダーは15km離れた敵部隊や38km離れたコンボイ部隊を探知でき、マスト装着センサーポッド内のTV／熱線カメラで地理情報と画像をスクリーンに映す。コブラ偵察車と同じ？参考：月刊軍事研究4,’00、月刊PANZER12,’99

＜ＡＲＳＶ２５＞：パンデュル装甲兵員輸送車ファミリー（偵察車）を参照。

＜ＡＲＳＶ３０＞：パンデュル装甲兵員輸送車ファミリー（偵察車）を参照。

＜Ａｒｔ＞：Artillerie（ドイツ語で砲兵の意）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＡＲＴＥＭＩＳ＞：複合領域センサーシステムを参照。

＜ＡＲＴＥＳ−１０００＞：スロベニアのフォトナ社が開発した砲兵用観測装置。戦場観測と計算・指揮統制機能がシステム化されており、レーザー測距器、GPSモジュール、データディスプレイ、有線・無線通信システムがワンセットになっている。三脚に載せて使用する。測距可能距離は100-9998mで、RLD-3レーザー測距器を追加すれば20000mまで強化可能。GPSの測定誤差は25m。赤外線映像装置も搭載できる。参考：月刊PANZER3,’02、月刊軍事研究12,’00

＜ＡＲＴＨＵＲ＞：スウェーデン陸軍の対砲兵探知レーダーシステムで、ARTillery HUnting Radar（砲兵狩りレーダー）の略。サーブ社が開発した。４輪トラックの後部シェルター上に矩形固定式パッシブ・フェイズド・アレイ・アンテナを載せている。使用周波数Ｃバンド（G/Hバンド）。最大探知距離60km、探知目標数毎分100以上。韓国陸軍、ノルウェー陸軍、チェコ陸軍も採用した。また、イラク派遣でイギリス陸軍、イタリア陸軍、カナダ陸軍がリースし、イタリア陸軍が購入に切り替えている。参考：月刊軍事研究5,’18、4,’10

＜ＡＲＴＨＵＲ海外シリーズ＞

　＜ＡＲＴＨＵＲ（韓国陸軍）＞：韓国陸軍対砲レーダー。LIG Nex1でライセンス生産し、2009年から８基を導入した。2017年現在はMOD Cというバージョンで、ECCM強化などを実施してMOD Dに改修する予定。参考：月刊軍事研究4,’10

　＜ＡＲＴＨＵＲ（シンガポール軍）＞：シンガポール軍対砲レーダー。Bv206に搭載して運用しており、2009年9月18日からアフガニスタン南部でロケット弾探知用として実戦配備した。参考：月刊軍事研究4,’10

＜ＡＲＴＩＳＡＮ　３Ｄ＞：997型（レーダー）を参照。

＜Ａｒｔ　Ｐｚ　Ｂｅｏｂ　Ｗｇ＞：Artillerie Panzerbeobachtungswagen（砲兵用装甲観測車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜ＡＲＴ／Ｓポッド＞：サージャント・フレッチャー社が開発した空中給油受油装置付き増槽。内部にプローブを内蔵しており、給油時には伸ばして使用する。F-16などに搭載されて試験されたが、まだ採用国は無い。参考：月刊JWings10,’01

＜ＡＲＴＵμ＞：アメリカ空軍研究所が開発した人工知能。航空機パイロットとの任務分担を主目的とする。2020年12月15日、U-2S偵察機に搭載されてセンサー操作と戦術航法を担任、地対空ミサイルの模擬発射を受けた際にはレーダーなどのセンサーで発射地点を探知し、その間パイロットはセンサーを共用して迎撃戦闘機への対応に専念した。参考：月刊JWings3,’21

＜ＡＲＵ−１２Ｕ＞：ソ連の車載汚染除去装置。ZIL-131トラックに大型汚染洗浄タンク（容量2500リットル以上）、ホース、ブラシ、特殊ノズルなどを搭載したもので、NBC兵器で汚染された戦車12両以上を除染できる。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜ＡＲＵ−１４＞：ソ連の車載汚染除去装置。ZIL-157トラックに大型汚染洗浄タンク（容量2500リットル以上）、ホース、ブラシ、特殊ノズルなどを搭載したもので、NBC兵器で汚染された戦車12両以上を除染できる。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜ＡＲＶ＞：戦車回収車を参照。

＜ＡＲＶ３＞：T-72戦車・海外ファミリーを参照。

＜ＡＲＶＡ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、航空機修理工作艦（機体）を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＲＶ−Ａ（Ｌ）＞：XM1219（武装無人車両）を参照。

＜ＡＲＶＥ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、航空機修理工作艦（機関）を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＲＶＮ＞：南ベトナム政府軍の略。

＜ＡＲＷ＞：Air Refueling Wing（空中給油航空団）の略。

＜ＡＲＸ２０＞：フランスのネクセター社が開発した遠隔操作砲塔システム。20mm機関砲20M693/20M621（100発）１門と、昼夜間ビデオカメラ、熱線暗視装置、レーザー測距器を搭載しており、主砲俯仰角はマイナス15度（マイナス５度？）からプラス60度、全周旋回可能。オプションで7.62mm同軸機銃MAG58（300発）や発煙弾発射機を装備したり、主砲弾を200発にしたりできる。参考：月刊軍事研究10,’10、11,’18

＜ＡＲＸ１６０＞：イタリア陸軍ソルダト・フトゥロ将来歩兵システム用にベレッタ社が開発した5.56mmアサルトライフル。フレーム上部、ハンドガード両側、ハンドガード下部にレールが装着されており、暗視装置とレーザー測距機を一体化したFCSなどの装備が可能である。ストックは折り畳み式と伸縮式を併用している。コッキングハンドルを左右どちらにも移動できる他、安全装置も左右に装備されており、左利きでも問題無く運用できる。40mmグレネードランチャーGLX160を装着可能。参考：月刊軍事研究12,’07、1,’17

＜ＡＲＷ＞：Air Refueling Wing（空中給油航空団）の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＡＳ＞：航空ステーション（Air Station）または空輸飛行隊（Airlift Squadron）または航空隊（海上自衛隊）の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＡＳ＞：ソ連の特殊部隊用サイレンサー標準装備アサルトライフル。AK47ベースの機関部を持ち、レシーバー先端から銃口までサイレンサーで覆っている。全長878mm／615mm（ストック折り畳み時）、銃身長310mm、重量2.5kg。ライフリングは４条右回り。20発入り弾倉を使用する。使用弾は9mm×39弾で、厚さ5mmの装甲板を貫通できる。射程400m。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、潜水艦救難母艦（Submarine Rescue Tender）を表す。1981年6月15日に定められ、405以降の艦番号が付与された。1985年、ちよだ型潜水艦救難母艦が就役。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊

＜ＡＳ−１＞：KS-1（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−２＞：K-10S（巡航ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−３＞：Kh-20（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−４＞：Kh-22シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−５＞：KSR-2シリーズ（空対地ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−５Ａ＞：KSR-2（空対地ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−５Ｂ＞：KSR-11（空対地ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−６＞：KSR-5（空対地ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−７＞：Kh-66シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−９＞：Kh-28（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１０＞：Kh-25シリーズその２（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１１＞：Kh-58シリーズ（対艦ミサイル）またはSS-11シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１２＞：SS-11シリーズ（対戦車ミサイル）またはKh-25シリーズその１（対艦ミサイル）またはKh-27（対レーダーミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１２＞：ロシア海軍1851型パルタス級原子力海洋調査潜水艦。1991年進水。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＳ−１２＞：ソ連海軍10831型深海原子力ステーション。1990年7月16日起工、1995年8月26日進水、1997年11月21日就役。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜ＡＳ−１３＞：Kh-59（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１３＞：ロシア海軍1910型ユニフォーム級原子力実験潜水艦。1977年10月20日起工、1982年11月25日進水、1986年12月31日就役。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＳ−１４＞：Kh-29シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ１４＞：イタリアのRS14水上偵察機を陸上機に転換したもので、1942年に１機がテストされた。全長12.18m、全幅13.3m、全備重量8150kg。エンジンはフィアットA74RC38（840馬力）双発、最大速度440km、実用上昇限度7500m、航続距離1500km。固定武装は45mm砲１門、12.7mm機銃２丁、7.7mm機銃２丁。乗員４名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＡＳ−１４＞：ロシア海軍1851型パルタス級原子力海洋調査潜水艦。1994年進水。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＳ−１５＞：Kh-55シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１５＞：ロシア海軍1910型ユニフォーム級原子力実験潜水艦。1983年2月23日起工、1988年4月29日進水、1991年12月30日就役。クルスク沈没の際、偶然カメラマンが映像に収めており、機密性の高い兵器類を回収していたのではないかとされているが、軍は派遣自体を否定している。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＳ１５ＴＴ＞：フランス軍のヘリコプター搭載空対艦ミサイル。主目標は哨戒艇などの小型艦艇で、アエロスパシアル社が開発した。全長2.16m、直径0.185m、翼スパン0.53m、重量96kg、弾頭重量29.7kg。推進は固体ロケット、飛翔速度毎秒280m、射程15km。誘導は発射母機のレーダー情報をデータリンクで受け取る方式で、全天候性を持つ。湾岸戦争ではサウジアラビア海軍SA360ドーファン艦載ヘリコプターが発射し、イラク軍哨戒艇３隻と支援船２隻を全て一撃で沈めた。参考：月刊丸10,’97、軍事分析湾岸戦争、軍用機ウェポン・ハンドブック、ザ・マーチ５号、17号、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＳ−１６＞：Kh-15シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１７＞：Kh-31シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１７＞：ロシア海軍1910型ユニフォーム級原子力実験潜水艦。1998年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜ＡＳ−１８＞：Kh-59M（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−１９＞：P-750（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−２０＞：Kh-35（空対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＳ−２１＞：ソ連海軍1851型深海原子力ステーション。1984年12月26日起工、1991年4月29日進水、1991年12月28日就役。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜ＡＳ−２３＞：ソ連海軍1851型深海原子力ステーション。1981年9月25日起工、1983年10月30日進水、1986年12月30日就役。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜ＡＳ２８潜水艇航行不能事故＞：2005年8月4日、カムチャッカ半島南部でロシア潜水艇AS28が漁網と潜水艦監視用海底ケーブルにからまり、水深190mで航行不能となった。8月5日に救援を求められた日本は、国際緊急援助隊派遣法に基づいて要請２時間後にAS-405ちよだ、MST-463うらが、MSC-672うわじま、MSC-679ゆげしまを現場海域に急行させ、アメリカ・イギリスは無人潜水艇スコルピオを空輸した。スコルピオの到着が早く、潜水艇AS28に絡まっているケーブルを切断して救出に成功。海自艦船は現場海域への航行中に派遣終了となったが、指揮官の第２潜水隊群司令にはロシア政府からロシア連邦名誉勲章が授与された。参考：月刊JWings10,’05、月刊丸1,’10別冊

＜ＡＳ３０＞：フランス軍の無線誘導式空対地ミサイル。全長3.81m、直径0.335m、翼スパン1.006m、発射重量520kg、弾頭重量240kg。推進は固体燃料ロケット、射程6.2海里。1960年代から使用した。参考：軍事分析湾岸戦争、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＳ３０Ｌ＞：フランス軍の空対地ミサイル。AS30の発展型で、アエロスパシアル社が開発した。弾体中央に大型固定フィン４枚、尾部に折り畳み式フィン４枚を持つ。誘導は慣性誘導とTMV585空中レーザー誘導ユニットによるセミアクティブ・レーザー・ホーミングで、発射母機にはATLISレーザー照射ポッドまたは新型の転換レーザー指示ポットCLDPを装備する。突入までの映像は、ミサイルに付いているTVカメラで母機に送られる。全長3.65m、直径0.342m、全幅1m、重量520kg、弾頭重量240kg。推進はSNPE/A二段式固体ロケット、最大速度マッハ1.5、射程11km。推力偏向装置で目標に向かい突入、遅延信管により厚さ2mのコンクリートを貫通してから内部で炸裂する。触発信管も装備可能。湾岸戦争でフランス軍のジャギュア攻撃機が62発発射した。イラク軍も20発以上保有していたが、使用していない。参考：軍事分析湾岸戦争、ザ・マーチ17号、月刊丸10,’97、世界の軍用機1979

＜ＡＳ−３１＞：ロシア海軍補助原子力潜水艦ロシャリク（Losharik）。チタン合金製耐圧球を連ねて外殻で覆った構造をしており、2012年には北極海で深度2000-2500mを行動していたらしい。シャベルやマニュピレータを装備しており、海底ケーブルの盗聴や切断を行える。単艦行動能力は限定的なため、原潜改造の母艦（デルタ�V型改造オリエンブルグ、デルタ�W型改造ポドモスコヴィエ、オスカー�U型改造ベルゴロドなど）に外装されて現場に向かう。2019年7月、電池室が爆発して火災を起こし、長期修理に入った。参考：月刊世界の艦船10,’21

＜Ａ／Ｓ３２Ａ−３５Ａ＞：アメリカ海軍の空母用航空機回収クレーン。飛行甲板上で動けなくなった艦上機を回収して移動させる。参考：月刊航空ファン10,’19

＜Ａ／Ｓ３２Ａ−３６Ａ＞：アメリカ海軍の強襲揚陸艦用航空機回収クレーン。飛行甲板上で動けなくなった艦上機を回収して移動させる。参考：月刊航空ファン10,’19

＜Ａ／Ｓ３２Ａ−５２＞：アメリカ海軍の空母用航空機回収クレーン。飛行甲板上で動けなくなった艦上機を回収して移動させる。参考：月刊航空ファン10,’19

＜Ａ／Ｓ−３２Ａ−５３＞：アメリカ海軍の強襲揚陸艦用航空機回収クレーン。飛行甲板上で動けなくなった艦上機を回収して移動させる。参考：月刊航空ファン10,’19

＜Ａ／Ｓ−３２Ｋ−１Ａ／１＞：アメリカ海軍のウェポンローダー。参考：月刊航空ファン5,’19

＜Ａ／Ｓ−３２Ｋ−１Ｅ＞：アメリカ海軍のウェポンローダー。参考：月刊航空ファン3,’17

＜ＡＳ３２Ｔ＞：リペアー社のターボプロップ練習機、別名ターボ・トレーナー（Turbo Trainer）。1979年のパリ航空ショーで計画が発表され、1980年のファーンボロ航空ショーで前部胴体のモックアップが展示された。コクピットはタンデム式で、一体式水滴型キャノピーを採用し、良好な視界を持つ。胴体は新設計だが、主翼と尾翼は自社製AS202軽飛行機をベースとしたものを使用している。胴体下１カ所と翼下４カ所にハードポイントがあり、前者に110リットル増槽、後者にガンポッドやロケット弾を搭載することが可能。全長8.85m、全幅9.65m、全高3.04m、自重778kg、最大離陸重量1300kg。エンジンはアリソン250-B17Cターボプロップ（420軸馬力を320軸馬力に減格）単発、巡航速度188ノット、最大制限速度243ノット、実用上昇限度9450m、燃料容量300リットル、航続距離775海里。乗員２名。参考：世界の軍用機1982

＜ＡＳ−３３＞：ロシア海軍1910型ユニフォーム級原子力実験潜水艦。1994年12月就役。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜ＡＳ３４シリーズ＞：ドイツ連邦軍空対艦ミサイル、別名コルモラン。DASAが開発した。参考：月刊丸10,’97

　＜コルモラン１＞：AM39エグゾセとほぼ同等の性能を持つ。全長4.39m、直径0.344m、翼スパン1m、重量601kg、弾頭は装甲貫徹力70-90mmの半徹甲型で重量165kg。固体燃料ロケット推進で、ブースターは推力2750kg・１秒燃焼のもの２基、サステナーは推力285kg・100秒燃焼、飛翔速度マッハ0.95、射程37km。誘導は中間が慣性誘導、終末がトムソンCSF社製RE576二軸レーダーによるアクティブレーダーで、フィンにより飛翔制御を行う。F-104G、トーネードに搭載可能。参考：世界の軍用機1979、月刊丸10,’97、ザ・マーチ５号、17号、月刊軍事研究7,’15

　＜コルモラン２＞：改良型。全長4.4m、直径0.344m、翼スパン1m、発射重量630kg、弾頭重量220kg。誘導は慣性誘導＋アクティブレーダー。推進は固体燃料ロケット、最大射程16海里。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊丸10,’97

＜ＡＳ３５＞：ソ連海軍1851型深海原子力ステーション。1989年12月20日起工、1994年9月29日進水、1995年10月12日就役。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜ＡＳ．３９＞：イギリス海軍夜間艦上偵察機（Fleet Shadower）。エアスピード社が開発し、1940年10月18日に初号機が初飛行した。折り畳み式片持ち翼の４発機で、良好な視界を有し、主翼前縁に固定スラット、後縁にフラップがあり、低速飛行が可能である。垂直尾翼は３枚に分かれていて、主脚は固定式。全長12.2m、全幅16.25m、全備重量3150kg。エンジンはボブジョイ・ナイアガラ５（130馬力）４発、最大速度202km、最小速度70km、航続時間６時間。乗員３名。２機が試作されたが、レーダーの方が有効と判断され、採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸3,’90

＜ＡＳ−３９＞：アメリカ海軍L.Y.スピア級潜水艦母艦エモリー・Ｓ・ランド（Emory S. Land）。1979年7月7日就役。2015年12月23日、母港がディエゴ・ガルシアからグアムのアプラ基地に変更された。2020年1月22-27日、呉基地を親善訪問した。2024年8月16日、オーストラリアのスターリング基地に入港し、SSN-AUKUS配備に向けたオーストラリア軍人やオーストラリア技術者の教育に入った。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、3,'16、4,’20、11,'24、月刊軍事研究12,’16

＜ＡＳ−４０＞：アメリカ海軍L.Y.スピア級潜水艦母艦フランク・ケーブル（Frank Cable）。1979年就役。1996年5月、グアムのアプラ基地に配備された。2012年1月9日、修理のためアメリカ本土に回航され、ドックインした。12月、香港に寄港。参考：月刊世界の艦船3,’12、4,’15

＜ＡＳ４２＞：イタリアの偵察車両、別名サファリアナ。ベースはAB41で、戦闘室上面を切り取って操縦席後方に各種兵器を搭載できるようにし、車体側面に大量のジェリカンを付けて長距離偵察や後方攪乱任務に使用された。武装は47mm対戦車砲M42、20mm機関砲M35、ゾロータン対戦車ライフル、13.2mm重機関銃などを装備している。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＳ．４５＞：イギリスのエアスピード社が開発した高等練習機。1941年に試作機が完成した。全長11.02m、全幅12.78m。エンジンはブリストル・マーキュリー８（840馬力）単発、最大速度370km、実用上昇限度7560m、航続距離1100km。乗員２名。２機が製作されたが、マスターの生産とハーバードの供与が順調だったため、採用されなかった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜Ａ．Ｓ．５１シリーズ＞：イギリス軍の空挺グライダー、別名ホルサ（Horsa）。エアスピード社が開発し、1941年9月に初飛行した。3655機が生産され、ハリファックス、スターリング、ホイットレー、C-47に曳航されて空挺作戦に使用された。アメリカにも供与されている。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸4,’99

　＜Ａ．Ｓ．５１Ｍｋ．�T＞：ホルサMk.�T。胴体は鋼管羽布張りで、円筒形をしている。胴体前部左にローディング・ランプ兼用ドアがあり、胴体内に兵員15名または砲や車両を搭載可能。主翼は木製羽布張りで、高翼配置であり、前縁に後退角が付いているが、後縁は直線である。全幅26.8m。乗員２名。参考：月刊丸4,’99

　＜Ａ．Ｓ．５１Ｍｋ．�U＞：ホルサMk.�U。機首を操縦席ごと左に開放できるようにして大型物資の搭載を楽にし、主翼下にポッド３つを取り付け可能としたタイプ。全長20m、全幅26.8m、全備重量7000kg。曳航速度230km。乗員２名＋搭乗兵員15名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊丸4,’99

＜ＡＳ９０＞：イギリス陸軍155mm自走榴弾砲。SP70計画が頓挫したのでVSEL社がプライベートベンチャーで開発していたものに手を加え、1985年3月に試作車が完成、1989年に制式化され、1992年から179両が配備され、1993年に運用を開始、ボスニア紛争から実戦参加した。車体は前部左に操縦席、右に機関室、後方に戦闘室を持ち、防弾鋼板製（最大装甲厚17mm）で、主要部は14.5mm徹甲弾の直撃に耐える。操縦手には上部ハッチの他、車体左にも乗降口がある。独立懸架式油気圧サスペンションにより射撃時には車高を下げて車体を安定させるため、駐鋤は持たない。下部転輪はダブルタイプ片側６組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側３個、スカートは無い。砲塔は輸出用GBT155砲塔の改良型で、防弾鋼板製、避弾経始を取り入れており、砲塔内要員は車長、砲手、砲側要員２名の計４名で、前二者が右、後一者が左に位置する。主砲はロイヤル・オードナンス製39口径155mm砲L31で、俯仰角はマイナス５度からプラス70度、最大射程24.7km（通常弾）／32km（ベースブリード弾）。油圧式半自動装填装置を備え、発射速度はバーストで10秒３発、３分間で18発、持続で毎分２発。車体の方向を自動検知するダイナミック照会装置DRU、砲の俯仰・旋回を精密制御する自動照準システムAGLSを搭載し、布陣・射撃開始にかかる時間を短縮、精度の高い速射を可能としている。TOT射撃が可能で、10秒間に３発を発射して同一目標に命中させることができる。バックアップに車長用直接照準器を持つ。弾種は榴弾、発煙弾、照明弾で、31発が砲塔内のマガジン・モジュール４基に搭載されており、弾種を自動選択して油圧式半自動装填装置により薬室に送り込むことができる。マガジンは砲身と同じ角度に調整されるため、装填時に砲身角度を一定に戻す必要が無い。予備弾は17発。車体後部に砲弾積み降ろし用ハッチがある。全長9.9m、車体長7.2m、全幅3.4m、全高3m、戦闘重量45トン。エンジンはカミンズVTA903T600液冷８気筒ディーゼル（660馬力）、トランスミッションはZF製LSG2000オートマチック、最大速度55km、燃料搭載量750リットル、航続距離370km。副武装は12.7mm機銃１丁（1000発）。乗員５名。21世紀まで使用できる自走榴弾砲として開発されており、主砲を長砲身化してもリコイル・システムに改良の必要が無く、各所にモジュール構造を採用しており、各部品の交換にも最大４時間しかかからない。52口径砲に換装して射程を30km（通常弾）／40km（RAP）としたブレイブハート（Braveheart）砲塔システム採用型も2000年頃から配備され始めている。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER8,’05、12,’98、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)、月刊軍事研究7,’97、ウォーマシン・レポートNo.26

＜ＡＳ２０２シリーズ＞：スイスのフルックツォイクヴェルケアルテンライン社（FWA社）が開発した軽練習機、別名ブラボー（Bravo）。当初はイタリアのSIAIマルケッティ社と共同開発する予定だったが、SIAIマルケッティ社に工場スペースが無かったので、FWA社のみで生産した。原型機は1969年3月7日に初飛行している。イラク空軍が48機、インドネシア空軍が1981年から第101飛行隊に40機（20機？）を配備し、モロッコ空軍やヨルダン空軍も採用した。参考：週刊エアクラフトNo.97、月刊航空ファン2,’19

　＜ＡＳ２０２／１５＞：最初の生産型。主翼は低翼単葉で、降着装置は前輪式固定脚。エンジンはO-320-E2A（150馬力）。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜ＡＳ２０２／１８Ａ＞：背面飛行用の潤滑油装置を搭載したもの。全長7.5m、全幅9.75m、全高2.81m、自重700kg、最大離陸重量1050kg。エンジンはアブコ・ライカミング社製AEIO-360-B1F水平対向４気筒レシプロ（180馬力）単発、経済巡航速度203km、最大巡航速度226km、実用上昇限度5490m、航続距離965km。乗員2-3名。参考：週刊エアクラフトNo.97

　＜ＡＳ２０２／２６Ａ＞：エンジンをアブコ・ライカミング社製O-540（260馬力）に換装し、時間無制限で背面飛行が出来るよう燃料系と潤滑油系を改修したもの。１機が生産された。参考：週刊エアクラフトNo.97

＜ＡＳ−２２８＞：チリ軍の機雷で、航空機から投下できる。有効深度4-12m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＳ３２９−１ａ＞：フランスのBMTI社が開発したVHF/UHF無指向性ステルスアンテナ。対応周波数225-400MHz。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＡＳ３３２シリーズ＞：アエロスパシアル社の汎用ヘリコプター、別名シュペル・ピューマ（Super Puma）。原型機AS331は1977年9月5日に初飛行した。1990年1月、軍用型がAS532クーガー（Cougar）に改称され、ラインナップが標準民間型AS332C系列、標準軍用型AS532C系列、長胴民間型AS332L系列、長胴軍用型AS532L系列となった。ユーロコプター社に統合されたのを機に、５翅型はEC225（民間用）/EC725（軍用）に改称された。エアバス・ヘリコプターズ創設に伴い、社内名称がAS532はH215M、EC225はH225、EC725はH225Mカラカル（Caracal）に改称された。30カ国以上で採用されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’04、月刊JWings1,’16、月刊航空ファン11,’16、3,’17

　＜ＡＳ３３２Ｂ＞：基本型で、1978年9月13日に初飛行した。SA330Lピューマを基本とし、エンジンをチュルボメカ製マキラ1A（1780馬力）２基に換装している。参考：月刊軍事研究12,’00、世界の軍用機1982

　＜ＡＳ３３２Ｃ＞：基本型（Ｂ型の捜索救難型？）で、1981年4月に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’04

　＜ＡＳ３３２Ｆ＞：Ｂ型の艦載型で、軍用名称AS532SC。参考：月刊軍事研究9,’04

　　＜ＡＳ３３２Ｌ＞：長胴型で、1980年10月10日に初飛行し、1981年秋に形式証明を取得した。。貨物室長さ7.06m、幅1.30m、高さ1.35m。メインローター直径16.2m、胴体長15.52m、胴体幅3.38m、胴体高4.97m、空虚重量4.46トン、標準離陸重量8.35トン、最大離陸重量8.6トン。エンジンはチュルボメカ製マキラ1A1（1588馬力）双発、巡航速度260km、標準飛行速度296km、実用上昇限度4600m、ホバリング高度限界2100m、航続距離（標準積載時）835km。最大積載量4.03トン、最大吊り下げ重量4.5トン。戦闘要員24名または担架６床を収容できる。参考：月刊軍事研究3,’99、9,’04、世界の軍用機1982、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３３２Ｌ１＞：長胴型、別名AS332Mk�T。AS332Lの胴体延長型である。全長18.7m、胴体長16.29m、メインローター直径15.6m、全高4.92m、最大離陸重量8.6トン。エンジンはサフラン製マキラ1A1（1877軸馬力）双発、高速巡航速度262km、実用上昇限度4600m、海面上昇率毎分486m、最大航続距離772km。乗員２名。客席数19。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＳ３３２Ｌ２＞：長胴汎用ヘリ型、別名AS332Mk�Uまたはストレッチ型Mk2またはシュペル・ピューマMk�U、軍用名称AS532U2。AS332Ｌ1の胴体長はそのままにキャビンを0.5m延伸、ローター直径も拡大し、トランスミッションを強化、テイルブームを0.45m延長し、テイルローターを複合材製４翅とした。アビオニクスにも改良を加えている。胴体長16.29m。客席数24。1992年4月2日に形式証明を取得し、1993年8月から引き渡された。参考：月刊軍事研究9,’04、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３３２Ｍ＞：Ｌ型の汎用任務型で、武装兵25名が搭乗できる。軍用ではAS532ULと呼ばれる。参考：月刊軍事研究9,’04、兵器最先端５

　＜ＡＳ５３２Ａ２＞：軍用武装ヘリ／戦闘捜索救難ヘリ型。AS332L2ベースである。総重量11.34トン。エンジン出力2413軸馬力（緊急時）、メインギアボックス吸収出力3485軸馬力、戦闘行動半径900km（２名救出時）。フランス空軍がCSAR用に採用した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’04

　＜ＡＳ５３２ＡＣ＞：武装ヘリ型。AS532UCに機関砲やロケット弾を搭載可能としたものである。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＳ５３２ＡＬ＞：AS532ULの武装ヘリ型（Ｌ型ベースの捜索救難型？）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’04

　＜ＡＳ５３２Ｂ＞：AS332Cの軍用戦術兵站輸送型。搭乗兵員21名。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＳ５３２Ｆ＞：海軍向けで、ローターブレードやテイルブームに折り畳み装置を持つ。着艦拘束装置、捜索レーダー、ソナー、MAD、ソノブイなどを装備しており、AS15TT、エグゾセ、ホーミング魚雷などを搭載可能。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＳ５３２Ｍ＞：Ｌ型の胴体を0.7m延長した軍用戦術兵站輸送型。搭乗兵員25名。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＳ５３２Ｍ−１＞：全長18.70m、胴体長16.29m、メインローター直径15.60m、全高4.92m、自重4.42トン、総重量９トン。エンジンはチュルボメカ製マキラ1A1（1877軸馬力）双発、巡航速度136ノット、最大速度150ノット、実用上昇限度3500m、ホバリング高度限界2800m（地面効果内）／1650m（外）、燃料搭載量2060リットル、航続距離455海里。乗員２名、搭乗兵員25名。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＳ５３２ＳＣ＞：対潜哨戒ヘリ型。AS332Fがベースで、メインローターやテイルパイロンに折り畳み機構を持つ。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’04

　＜ＡＳ５３２Ｕ２＞：軍用汎用ヘリ／戦闘捜索救難ヘリ型。AS332L2ベースである。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’04

　＜ＡＳ５３２ＵＣ＞：軍用輸送ヘリ型。AS332Bがベースである。最大速度277km、航続距離840km。人員21名または貨物3.5トンを搭載可能。参考：月刊軍事研究7,’95、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ５３２ＵＬ＞：軍用輸送ヘリ型。AS332Mがベースで、AS532UCよりキャビンが0.76m長く、搭乗人員が増えた。巡航速度270km、航続距離840km。積載量９トン。人員25名が搭乗可能。スイス空軍が採用した。参考：月刊エアワールド10,’03、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究12,’00、7,’95

　＜ＡＳ５３２ＵＬホリゾン＞：Ｌ型の戦場監視型で、HORIZON観測システムを搭載する。参考：月刊軍事研究9,’04

　＜ＥＣ２２５＞：民間輸送ヘリ型、別名シュペル・ピューマMk.�Uプラス。EC725の民間転用型で、シコルスキー社製S-92に対抗すべく1998年6月から開発し、2000年11月27日に初飛行、2004年7月29日にEASAの形式証明を取得した。メインローターは翼型も改良した複合材製５翅で、直径はAS332L1と同じだが、翼端に下反角を付けて騒音を減らした。トランスミッションは30分間のドライラン能力を持ち、テストでは52分間耐えた。機体はモジュール設計で整備性が良く、複合材を多用して重量を軽減した。コクピットにはカラー液晶表示装置（メイン４基、機体管理システム用２基、統合型スタンバイ計器用１基）を備える。アビオニクスは多重デジタル４軸自動飛行操縦装置、飛行データ・システム、地上接近警報装置などで、ホバリング中にエンジンが異常を起こした場合、回避ボタンを押せば自動で緊急離脱してくれる。キャビンはAS332L2より長さ0.7m・幅0.25m・高さ0.35m拡大して容積20立方メートルあり、客席25席を設けられる他、担架12床を載せることもできる。エアコン完備。テイルローターは４翅。ローターブレードに除氷装置、水平安定板前縁部に防氷装置を備え、氷結気象条件でも安全に運航できるとして2005年9月20日にEASAの承認を受けた。全長19.5m、メインローター直径16.2m、胴体長16.79m、全高4.97m、最大離陸重量10.4トン。エンジンはFADEC制御のチュルボメカ製マキラ2A（離昇出力1566kW）２基、巡航速度156ノット、航続距離783海里。最大積載量5.67トン。参考：月刊JWings4,’05、世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究9,’04、3,’10

　＜ＥＣ７２５＞：EC225の軍用汎用ヘリ型で、別名クーガーMk.�Uプラス。フランス空軍CSARヘリとしてAS332L2をベースに開発した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings4,’05、月刊軍事研究9,’04

　＜ＥＣ７２５ＬＰ＞：全長19.5m、メインローター直径16.2m、全高4.97m、最大離陸重量11トン。エンジンはマキラ2A（1758kW）２基、巡航速度160ノット、超過禁止速度175ノット、実用上昇限度4015m、ホバリング高度限界1935m（地面効果内）／795m（外）、航続距離448海里。最大積載量５トン。乗員２名。参考：月刊JWings1,’16

　＜Ｈ２２５＞：EC225を改称したもの。全長19.5m、メインローター直径16.2m、全高4.6m、最大離陸重量11トン。エンジンはサフラン製マキラ2A1（2101軸馬力）双発、巡航速度262km、実用上昇限度4041m、海面上昇率毎分324m、ホバリング高度限界1935m（地面効果内）／792m（外）、航続距離1135km。乗員２名。客席数8-12（要人輸送。トイレも設置できる）／19（標準）／28（最大）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究11,’18

　＜Ｈ２２５Ｍ＞：EC725を改称したもの。全長19.5m、メインローター直径16.2m、全高4.97m、最大離陸重量3.7トン。エンジンはサフラン・ヘリコプター・エンジンズ製マキラ2Eターボシャフト（2411軸馬力）双発、巡航速度262km、航続距離1119km。参考：月刊JWings4,’21、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＳ３３２海外シリーズ＞

　＜ＡＳ３３２Ｂ（ボリビア空軍）＞：ボリビア空軍医療後送ヘリ。2014年に６機を発注し、同年中に引き渡しが始まった。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＳ３３２Ｌ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊要人輸送ヘリ。中曽根政権下の貿易不均衡是正策の一つとして1986年1月にフランスから３機輸入した。当初は総理府に配備され、5月の東京サミットで初使用されたが、1986年12月10日に陸上自衛隊第１ヘリコプター団特別輸送飛行隊へと移管されている。従来のVIP仕様KV-107とはローター回転方向も計器の配置も逆で、運用に支障がある（海外VIPを乗せて墜落すれば最悪戦争になる）との意見もあったが、隊員の能力は想像以上に高かったようで、200時間の完熟訓練であっさりと乗りこなした。メインローターは４翅、テイルローターは５翅。12席仕様で、防音・エアコン完備。愛称は、はと、ひばり、かもめ。全長18.7m、胴体長16.3m、メインローター直径15.6m、胴体幅3.79m、全高4.92m、最大全備重量8.6トン、最大離陸重量9.35トン。エンジンはチュルボメカ製マキラ1A2ターボシャフト（2109馬力、1880軸馬力）双発、巡航速度256km、最大速度278km、実用上昇限度2896m、航続距離990km（850km？870km？）。乗員２名＋搭乗人員12名（24名？）。2007年に用途廃止となり、全て海外に売却された。参考：月刊JWings6,’06、5,’18、6,’02、2,’00、1,’01、4,’05、9,’18、8,'21、4,'24、陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊装備年鑑1996、JGround Vol.11、月刊軍事研究12,’08、月刊世界の艦船5,’17

＜ＥＣ−２２５ＬＰ（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊要人輸送ヘリ。AS332Lの後継として導入し、第１ヘリコプター団特別輸送飛行隊／特別輸送ヘリコプター隊が運用している。胴体を0.5m長くしてキャビンを拡大、エンジンを強化した。メインローターは５翅、テイルローターは４翅。機首左側面のエアコンボックスは撤去した。全長19.50m、胴体長16.79m、メインローター直径16.20m、胴体幅3.96m（スポンソン含む）、全高4.97m、空虚重量5.744トン、最大離陸重量10.4トン。エンジンはチュルボメカ製マキラ2Aターボシャフト（2100軸馬力。2167軸馬力？）双発、巡航速度276km、最大速度324km（280km？）、実用上昇限度5180m（4995m？）、航続距離877km。乗員２名＋搭乗人員20-24名。３機をユーロコプター・ジャパン社から輸入し、初号機は2006年9月25日に納入され、10月11日に木更津駐屯地に配備された。2007年3月15日に防衛大臣の部隊使用承認を取得している。2011年3月11日の東日本大震災で、仙台空港で整備中の１機が津波に呑まれたため、2015年に１機を追加購入した。2016年4月29日、ノルウェーでEC225LPのメインローターが脱落して墜落する事故（乗員13人死亡）が発生したため、5月26-27日の伊勢志摩サミットでは使用されず、代わりにCH-47をVIP仕様に改造して要人輸送を行っている。参考：スピアヘッドNo.7、月刊JWings1,’07、9,’17、5,’18、2,'22、4,'24、4,’05、6,’07、6,’12、3,’15、8,’16、5,’18、月刊軍事研究4,’14

＜ＥＣ７２５（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍CSARヘリ。2014年11月に導入を決め、６機を配備した。参考：月刊JWings4,’19

＜ＥＣ７２５ＡＰ＞：フランス陸軍ヘリ。EC725を採用したもので、機内に機関銃、胴体側面にロケットポッドを搭載できる。参考：月刊軍事研究3,’10

＜ＥＣ７２５Ｒ２＞：フランス空軍ヘリ。EC725を採用したもので、機内に機関銃、胴体側面にロケットポッドを搭載できる。2006年12月からアフガニスタンに派遣された。参考：月刊軍事研究3,’10

＜Ｈ３４＞：ブラジル空軍汎用ヘリ。AS332Mを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｈ３６＞：ブラジル空軍輸送ヘリ。H225Mを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｈ２１５（スペイン空軍）＞：スペイン空軍捜索救難ヘリで、エアバス・ヘリコプターズ製。燃料タンクを大型化して航続距離を560kmとしている。計器板はデジタルMFDでグラスコクピット化し、暗視ゴーグル、ホイスト、高周波無線機などの救難器材を追加した。2016年10月4日に初号機が納入された。参考：月刊JWings1,’17

＜Ｈ２１５Ｍ（チリ陸軍）＞：チリ陸軍ヘリコプター。2016年12月上旬までに10機を導入した。参考：月刊JWings3,’17、月刊航空ファン3,’17

＜Ｈ２２５Ｍ（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍ヘリ。2012年に６機を発注し、2014年に全機引き渡された。2019年に８機を発注した。参考：月刊JWings4,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｈ２２５Ｍ（クウェート軍）＞：クウェート軍汎用ヘリ。2016年8月9日に30機（国防軍６機、空軍24機）を発注した。タレス社製フル・フライト・ミッション・シミュレータも導入する。参考：月刊航空情報9,’17、月刊航空ファン11,’16

＜Ｈ２２５Ｍ（タイ空軍）＞：タイ空軍輸送ヘリ。捜索救難仕様で、2012年に６機を発注し、2015年から引き渡された。参考；THE MILITARY BALANCE 2016

＜Ｈ２２５Ｍ（ハンガリー軍）＞：ハンガリー軍汎用ヘリ。H225Mヘリ16機とＨフォースをエアバスに発注した。参考：月刊航空ファン3,’19

＜Ｈ２２５Ｍ（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍対艦ヘリ。ブラジル海軍戦術システムを統合して戦術レーダーを搭載しており、エグゾセAM39B2M2空対艦ミサイルの運用能力を持つ。自衛用にフレア・ディスペンサーを装備する。2021年11月24日に初号機が納入された。参考：月刊JWings2,’22

＜Ｈ２２５Ｍ（ブラジル空軍）＞：H-36またはVH-36を参照。

＜Ｈ２２５Ｍ（ポーランド軍）＞：ポーランド軍汎用ヘリ。2015年4月、S-70iブラックホークとAW149に勝って採用され、50機（兵員輸送型16機、CSAR用13機、対潜用８機、特殊作戦用８機、医療後送用５機）を導入することにしたが、同年10月の政権交代で2016年10月4日に契約破棄となった。参考：月刊JWings7,’15、9,’15、月刊軍事研究5,’17

＜Ｈ２２５Ｍ（マレーシア空軍）＞：マレーシア空軍輸送ヘリ、別名Super Cougar。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＨＭ−３＞：ブラジル陸軍航空隊ヘリコプター、別名クーガー。AS532UEを採用したものである。参考：月刊航空ファン10,’16

＜ＨＭ−４＞：ブラジル陸軍航空隊ヘリコプター、別名ジャガー。EC735/H225を採用したものである。16機を配備する予定。参考：月刊航空ファン10,’16

＜ＮＡＳ−３３２（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍ヘリコプター。インドネシアでライセンス生産し、戦術輸送型７機、CSAR型６機、要人輸送型３機を2001年から配備した。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＳＨ−３２＞：チリ海軍哨戒ヘリ。AS532SCとAS332L（2012年２機配備）が同じ制式名で運用されている。AS532SCの方はMk46短魚雷やAM39エグゾセ・ブロック15を搭載して対艦・対潜任務に就き、フリゲート用艦載ヘリとしても使用される。AS332Lの方は海洋探索、輸送、人道支援、特殊作戦任務などをこなし、揚陸艦LSDH-91サルジェント・アルデアに艦載されることもある。参考：月刊航空ファン11,’17

＜ＵＨ−１４＞：ブラジル海軍ヘリコプター。全長16.79m、メインローター直径15.6m、全高4.97m。巡航速度247km。乗員２名。参考：月刊JWings5,’14

＜ＵＨ−１５＞：ブラジル海軍ヘリコプター。EC725を採用したもので、UH-13の後継として16機を配備予定である。参考：月刊JWings5,’14

＜ＵＨ−２１＞：スペイン陸軍ヘリコプター。AS332Bを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＶＨ−３４＞：ブラジル空軍汎用ヘリ。AS332Mを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＶＨ−３６＞：ブラジル空軍輸送ヘリ。H225Mを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜アエロスパシアル式ＡＳ３３２Ｌ１型＞：海上保安庁中型回転翼航空機、公式略称スーパーピューマ332型。AS332L1がベースで、巡視船への搭載を考慮してメインローターブレード（４翅）の手動後方折り畳み機構を持つ。全長18.7m、メインローター直径16.2m、全高5m、自重4.5トン、最大離陸重量8.6トン。エンジンはターボシャフト（1819馬力）双発、巡航速度125ノット、最大速度140ノット、実用航続距離500海里。巡視船しきしま用として1992年に２機を導入、阪神淡路大震災で救難任務に活躍したのを受けて1997年に２機を追加導入した。追加導入したものは予算の関係でローターの防氷装置が無い。2011年の東日本大震災により整備中の１番機が失われた。海保標準のJET A-1だけでなく軍用規格のJP-4も使えるため、2015年の関東・東北豪雨では百里基地でJP-4を給油して任務に就いている。参考：月刊世界の艦船7,’18、10,’20

＜エアバス・ヘリコプターズ式ＥＣ２２５ＬＰ型＞：海上保安庁中型回転翼航空機、公式略称スーパーピューマ225型。ユーロコプター式EC225LP型とベース機は同じだが、導入年に開きがあるのでメーカーと名称が変わり、暗視装置を新型に変更、サーチライトを左舷側に移した。全長19.5m、メインローター直径16.2m、最大離陸重量11トン。エンジンはターボシャフト双発、最大速度175ノット。2014年から就役している。海保標準のJET A-1だけでなく軍用規格のJP-4も使えるため、2015年の関東・東北豪雨では百里基地でJP-4を給油して任務に就いた。2021年2月16日、１機が引き渡された。12月24日、１機（通算11機目）が引き渡された。参考：月刊世界の艦船7,’18、10,’20、5,’21、3,’22

＜ユーロコプター式ＥＣ２２５ＬＰ型＞：海上保安庁中型回転翼航空機、公式略称スーパーピューマ225型。EC225LPがベースで、目標の位置を真上から正確に把握できるホイストマンがホバリング位置を微調整できるよう、手元にジョイスティックを装備した。ホイストは油圧式と電動式を１基ずつデュアル搭載する。メインローターは５翅で、計器板はグラスコクピット化された。サーチライトを右舷側に装備する。全長19.5m、メインローター直径16.2m、全高5m、最大離陸重量11トン。エンジンはターボシャフト（1870馬力）双発、巡航速度149ノット、最大速度175ノット、実用航続距離500海里。SST向けで、2008年3月28日に２機が就役した。海保標準のJET A-1だけでなく軍用規格のJP-4も使えるため、2015年の関東・東北豪雨では百里基地でJP-4を給油して任務に就いている。参考：月刊世界の艦船11,'23、7,’18、10,’20

＜ＡＳ３３８＞：フランスのBMTI社が開発したリンク16用ステルスアンテナ。対応周波数は960-1215MHz。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＡＳ３５０シリーズ＞：エアバス・ヘリコプターズの小型ヘリコプター、別名エキュレイユ（Ecureuil）またはアスター（Astar）。アエロスパシアル社が開発して原型機は1974年6月27日に初飛行した。AS355/H130ヘリの単発バージョンで、共通部分が多く、両者の共用が楽。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５０Ｂ＞：最初の量産型で、1977年に形式証明を取得した。メインローターは複合材製３翅、マストは複合材製スターフレックス構造。テイルブーム後部両側に水平安定板、後端右舷側に２翅テイルローター、尾部上下に垂直安定板が付く。降着装置はスキッド式。エンジンはチュルボメカ製アリエル1Bターボシャフト（641軸馬力）単発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５０Ｄ＞：AS350Bの北米向けで、エンジンをライカミング製LTS101に換装した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５０Ｂ１＞：AS350Bの改良型で、1986年に登場した。エンジンをアリエル1Dに換装し、トランスミッション容量を強化、メインローターとテイルローターをAS355と同じものにしている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５０ＢＡ＞：別名エキュルイユ＋。AS350B1の北米向けで、メインローターをAS355と同じものに換装したが、エンジンはアリエル1Bのままである。総重量2.1トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５０Ｂ２＞：AS350B1の改良型で、1989年に発表された。エンジンをアリエル1D1に換装し、トランスミッションを強化、メインローターとテイルローターのブレードを改良している。総重量2.25トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５０Ｂ３＞：H125を参照。

　＜ＡＳ３５０Ｂ３ｅ＞：H125Mを参照。

＜ＡＳ３５０海外シリーズ＞

　＜ＡＳ３５０Ｂ（イギリス空軍）＞：イギリス空軍練習・軽輸送ヘリ、別名Ecureuil。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＳ３５０Ｂ（チュニジア空軍）＞：チュニジア海軍輸送ヘリ、別名Ecureuil。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＳ３５０ＢＡ（オーストラリア海軍）＞：オーストラリア海軍ヘリ、別名Ecureuil。2017年12月1日に退役した。参考：月刊航空ファン2,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜Ｈ−５０＞：ブラジル空軍汎用ヘリ。AS350Bを導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＨＡ−１＞：ブラジル陸軍航空隊ヘリ、別名エスクィーロ。AS350L1/B1を導入したもので、ヘリブラス社でライセンス生産し、16機を配備した。参考：月刊航空ファン10,’16

　＜ＵＨ−１２＞：ブラジル海軍小型汎用ヘリ。ユーロコプター製AS350Bヘリをブラジルのヘリブラスでライセンス生産したものである。参考：月刊JWings5,’14

　＜ＵＨ−１３＞：ブラジル海軍小型偵察ヘリ、別名エスクリオ。UH-12を偵察用としたものである。全長12.94m、メインローター直径10.69m、全高3.24m。巡航速度259km。乗員１名。参考：月刊JWings5,’14

＜ＡＳ３５５シリーズ＞：エアバス・ヘリコプターズの双発ヘリ、別名エキュレイユ２（Ecureuil 2）またはツインスター（Twinstar）。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５５Ｅ＞：最初の量産型。AS350を双発にしたもので、1980年秋に形式証明を取得した。エンジンはアリソン250-C20F（420軸馬力）双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５５Ｆ＞：メインローターブレードを改良して総重量とペイロードを増やし、SFIM自動操縦装置と航法装置を追加して計器飛行を可能としたもの。1981年4月に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５５Ｆ１＞：テイルローター翼弦を拡大し、ペイロードとホバリング高度限界を向上させたもの。1983年5月に形式証明を取得した。総重量2.4トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５５Ｆ２＞：ペイロードを増やし、満席でも燃料をフルに積めるようにした。1985年12月10日に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５５Ｎ＞：エンジンをアリウス1Aに換装し、飛行性能を改善したもの。総重量2.13トンなら気温15度・高度0mで片発ホバリング（地面効果外）できる。機外スリング容量1.1トン。1992年夏から引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ３５５ＮＰ＞：胴体長10.93m、メインローター直径10.69m、全高3.02m、自重1.49トン、総重量2.6トン（機内搭載）／2.8トン（スリング時）。エンジンはチュルボメカ製アリウス1A（556軸馬力）双発、巡航速度218km、最大速度278km、実用上昇限度4050m、海面上昇率毎分396m、ホバリング高度限界2575m（地面効果内）／2145m（外）、燃料搭載量730リットル、航続距離731km。乗員1-2名。客席数5-6。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＳ３５５海外シリーズ＞

　＜Ｈ−５５＞：ブラジル空軍汎用ヘリ。AS355を導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＶＨ−５５＞：ブラジル空軍汎用ヘリ。AS355を導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＳ３６５シリーズ＞：SA365シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＡＳ３６５Ｎ４＞：H155シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＡＳ３６６Ｇ−１＞：SA365海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＡＳ−４０５＞：海上自衛隊ちよだ型潜水艦救難母艦１番艦ちよだ。1983年1月19日起工、1983年12月7日進水、1985年3月27日竣工・就役、第２潜水隊群に編入された。2000年10月2-14日、パシフィック・リーチ2000に参加。2005年8月、AS-28潜水艇沈没事故の救難に参加。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月21日0830、艦載艇で月浦にガソリン36リットル、ブルーシート５枚、洗剤４袋、ゴム手袋10個、軍手100個、さらし５反、その他生活用品などを輸送。0840、小竹浜にガソリン36リットルと軽油36リットルを輸送。0930、艦載艇で折浜にガソリン36リットルとトイレットペーパー240個を輸送。1019、艦載艇で桃浦にガソリン54リットルを輸送。3月22日1214、寄磯に米25kg、副食缶詰528個、梅干し２パック、缶切り２個、50枚入りコットンクロス１箱、300枚入り紙タオル１箱、日用品を輸送。1249、泊に米25kg、軽油90リットル、単一乾電池12個、単二乾電池10個、スリッパ12足、日用品を輸送。3月23日1720、女川原発地区にウェットティッシュ５箱、ティッシュ２箱、タオル・バスタオル10箱、オムツ10箱、おしりふき６箱、粉ミルク１箱、離乳食などを提供した。3月24日1647、艦載艇で寄磯地区にガソリン90リットルを輸送。3月25日0720、寄磯地区に牛乳300本を輸送。0920、泊地区に米55kg、副食缶詰500食、ガソリン90リットル、単一乾電池50個、単二乾電池26個、軍手100組、さらし３反を輸送。1255、寄磯地区に米35kg、食器150個、アルミホイル20本、ラップ14本、洗濯用洗剤10袋、スリッパ６足を輸送。1612、寄磯地区で男性14人と女性13人に入浴支援を行い、ガソリン90リットル、副食缶詰500食、軍手100組、単一乾電池50個、単二乾電池22個、単三乾電池48個などを輸送。4月1日1315、作業艇で石巻市大指地区に食料や水などを輸送。4月4日1650、石巻市小室地区と寄磯地区に食料と日用品を輸送し、TVアンテナ設置支援、医療支援、入浴支援を行った。4月5日1245、陸前高田市小友小学校に衣類７箱と靴21足などを輸送。4月7日1430、艦載艇で泊浜地区に軽油980リットル、主食缶詰2400個、副食缶詰2400個、水1500リットル、その他生活物資を輸送。1550、泊浜地区で36人に入浴支援を実施。4月8日1630、泊浜地区と志津川地区に入浴支援を行い、救援物資を提供した。4月11日1225、志津川湾で20人に入浴支援を実施。4月12日0952、艦載艇で泊浜生活センターに水と軽油を輸送。4月25-26日、宮城県沿岸部の行方不明者集中捜索に参加。7月7日、乗員が環境月間行事の一環として横浜市金沢区の海の公園の清掃活動を実施。7月28日、横須賀基地で福島地本自衛官募集対象者の艦内見学を実施。2015年4月26日、名古屋市港区ガーデン埠頭で一般公開された。2016年5月25日から6月3日、パシフィック・リーチ2016に参加。2018年3月20日、横須賀基地で自衛艦旗返納式が行われて除籍された。最終配備先は第２潜水隊群、最終定係港は呉で、運用実績は総航程393246海里、総航海時間45601時間、DSRV訓練運用回数697回、DSRV総潜航時間2025時間、災害派遣出動３回、国際緊急援助活動１回、航空機救難活動５回、海難捜索救助２回、海外派遣３回だった。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船1,’04、9,'15、8,’16、5,’18、6,’18、6,’22、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、月刊JWings1,’99、7,'15、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、朝雲

＜ＡＳ５３２シリーズ＞：AS332シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＡＳ５５０シリーズ＞：アエロスパシアル社のヘリコプター、別名エキュルイユ（Ecureuil）。アルエートの後継として開発し、フランス空軍、オーストラリア空海軍、オランダ陸軍、シンガポール軍、ブラジル空陸軍などが採用した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン10,’16

　＜ＡＳ５５０Ｌ−１＞：軍用型。民間型AS350/355よりも機体構造を強化し、計器や降着装置も改良した。メインローターは複合材製３翅で、ローターハブもスターフレックスと呼ばれる複合材製であり、ヒンジの代わりにゴムと鋼材をサンドイッチしたボールジョイントビームで結合されている。全長12.94m、胴体長10.93m、メインローター直径10.69m、全高3.34m、自重1.162トン、総重量2.2トン。エンジンはチュルボメカ製アリエル1Dターボシャフト（684軸馬力）単発、巡航速度124ノット、最大速度147ノット、実用上昇限度4500m、ホバリング高度限界2870m（地面効果内）／1920m（外）、燃料容量535リットル、航続距離345海里。座席数６席。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＳ５５０海外ファミリー＞

　＜ＨＡ−１＞：ブラジル陸軍航空隊ヘリコプター、別名フェネック（Fennec）。AS550A2を採用したもので、ブラジルのヘリブラス社でライセンス生産した。一部はNVG運用能力を持つ。参考：月刊航空ファン10,’16

＜ＡＳ５５５シリーズ＞：フランス軍汎用ヘリ、別名フェネック（Fennec）。AS355の軍用型で、1985年に実用化された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ５５５ＡＮ＞：フランス陸軍武装ヘリ。胴体左右にパイロンを設け、20mm機関砲やロケット弾を搭載できる。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ５５５Ｍ＞：フランス空軍武装ヘリ。エンジンはアリソン製250-C20F（420軸馬力）双発。BGM-71TOW対戦車ミサイル、ロケット弾ポッド、7.62mmガンポッド、20mm機関砲などを搭載できる。最大離陸重量2.4トン。参考：世界軍用機年鑑1990-91、ザ・マーチ40号

　＜ＡＳ５５５Ｍ−２＞：AS555Mの輸出型。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＳ５５５ＭＮ＞：フランス海軍洋上哨戒ヘリ。機首下面に全周捜索レーダーを搭載する。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ５５５ＳＮ＞：フランス海軍対潜ヘリ。短魚雷を搭載可能。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＳ５５５ＵＮ＞：フランス陸軍汎用ヘリ。偵察、観測、計器飛行訓練などにも使用可能。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＳ５６５シリーズ＞：ユーロコプター社の軍用中型双発ヘリ、別名パンテル（Panther）。SA360ドーファン／SA365Nドーファン２の発展型である。フランス海軍が1993年から運用した。参考：月刊軍事研究7,’95、世界軍用機年鑑1990-91、月刊世界の艦船3,’23

　＜ＡＳ５６５Ｍ＞：試作型。エンジンはチュルボメカ製TM333-1Mターボシャフト（913軸馬力）双発。１984年2月29日に初飛行した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＳ５６５ＡＡ＞：ブラジル陸軍に汎用ヘリとして提案したもの。最大速度296km、航続距離740km。積載量1.4トン。参考：月刊軍事研究7,’95

　＜ＡＳ５６５Ｋ＞：ブラジル陸軍向け量産型で、1986年4月30日に初飛行した。SA365N-1ドーファン２の改良型で、複合材を多用し、構造を強化して耐衝撃性を向上させ、主要部に装甲を追加、セルフシーリング式燃料タンクを装備し、油圧を二重にしてある。全長13.74m、胴体長12.11m、メインローター直径11.94m、全高3.97m、運用自重2.69トン、総重量4.1トン。エンジンはチュルボメカ製アリエル1M1ターボシャフト（748軸馬力）双発、巡航速度150ノット、最大速度160ノット、ホバリング高度限界3000m（地面効果内）／2300m（外）、燃料搭載量1135リットル、航続距離400海里。乗員２名＋搭乗兵員10名。2.75インチ（70mm）ロケット弾ポッド、HOT対戦車ミサイル、ミストラル対空ミサイルなどを搭載可能。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＳ５６５ＭＡ＞：艦載捜索救難型。ホイストを装備する。参考：月刊世界の艦船3,’23

　＜ＡＳ５６５ＭＢ＞：艦載型。AS565MAがベースで、兵装を搭載できるようにしてある。全長13.68m、胴体長12.11m、メインローター直径11.97m、全高4.06m、空虚重量2.38トン、最大離陸重量4.3トン。エンジンはアリエル2C（離昇出力977軸馬力）双発、最大速度306km、実用上昇限度5865m、航続距離792km、航続時間4.1時間。ペイロード1.92トン。20mm機関砲ポッド、AS15TT空対艦ミサイル、Mk46短魚雷などを搭載可能。乗員1-2名。参考：月刊軍事研究7,’13、月刊世界の艦船3,’23

　＜ＡＳ５６５ＭＢｅ＞：ブラジル海軍向け艦載型。AS565MBがベースで、メインローターとテイルブームを折り畳めるようにした。参考：月刊世界の艦船3,’23

　＜ＡＳ５６５Ｎ３ｅ＞：胴体長12.11m、メインローター直径11.94m、全高4m、最大離陸重量4.5トン。エンジンはアリエル2N（842kW）双発、巡航速度143ノット、超過禁止速度150ノット、ホバリング高度限界2548m（地面効果内）、航続距離422海里。最大吊り下げ重量1.6トン。乗員２名。参考：月刊JWings1,’16

　＜ＡＳ５６５ＳＡ＞：対潜型。ソナー、対水上レーダー、MADなどを搭載する。参考：月刊世界の艦船3,’23

　＜ＡＳ５６５ＳＢ＞：対水上戦型。AS565SAがベース。参考：月刊世界の艦船3,’23

　＜ＡＳ５６５ＵＢ＞：AS565MBの汎用型。搭乗兵員8-10名。参考：月刊軍事研究7,’13

　＜ＡＳ５６５パンテル＞：LTV社と共同でアメリカ陸軍UH-1の後継に売り込んだもの。参考：月刊軍事研究7,’95

＜ＡＳ５６５海外シリーズ＞

　＜ＡＳ５６５ＭＢｅ（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍対潜ヘリ。2014年に11機の導入を決めた。短魚雷用パイロンやホイスト（右舷側）を装備する。2016年から運用しており、2017年までに全機引き渡される予定。参考：月刊JWings1,'23、THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＳ−１８５８／ＡＰＮ−１７１（Ｖ）＞：自衛隊の電波高度計アンテナ。日本航空電子工業製。参考：月刊軍事研究3,’11

＜ＡＳ２０００＞：南アフリカ陸軍砲兵部隊用指揮管制システムで、タレス社傘下のADS社が開発した。ラーテル12.7（ラーテルの指揮通信型）改造の２台の車両、SAMIL大型トラック改造の指令車、携行型OPなどからなり、UAVを使用しての観測も可能。参考：月刊軍事研究1,’05

＜ＡＳ−３１３４／ＵＰＸ＞：アメリカ海軍の艦載IFF用アンテナで、直径150インチ（3.81m）・高さ16インチ（0.41m）の円筒形をしている。送信周波数1030MHz、受信周波数1090MHz。参考：月刊軍事研究6,’93別冊

＜ＡＳ−３８２２／ＵＲＮ＞：自衛隊の空中線。三友が受注している。参考：月刊軍事研究1,’16

＜ＡＳ−３９７０／Ａ＞：アメリカ軍のAN/ARC-210無線機用VHFアンテナ。白色で、クリップドデルタ形状ブレードアンテナ（幅12インチ）の先端に細長い円柱形フェアリングが付く。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＳ−３９７２／Ａ＞：アメリカ軍のAN/ARC-210無線機用VHFアンテナ。黒色で、軽いテーパー付きブレードアンテナ（幅９インチ）の先端に細長い円柱形フェアリングが付く。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＳ４０００＞：タレス社傘下のADS社が開発した砲兵連隊指揮管制システム。AS2000の改良型で、連隊本部、砲兵中隊、迫撃砲部隊、地上観測車、UAVをネットワーク化して運用する。AAD2008で発表された。参考：月刊軍事研究1,’09

＜ＡＳ−４４２３／Ａ＞：アメリカ軍のAN/ARC-210無線機用VHFアンテナ。白色で、軽いテーパー付きブレードアンテナ（幅９インチ）の先端に細長い円柱形フェアリングが付く。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＳ−４４２４／Ａ＞：アメリカ軍のAN/ARC-210無線機用VHFアンテナ。灰色で、軽いテーパー付きブレードアンテナ（幅９インチ）の先端に細長い円柱形フェアリングが付く。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＳＡ＞：陸軍保全局を参照。

＜ＡＳＡ７０Ｎ２＞：海上自衛隊P-3C近代化フェーズ�Vに搭載されている戦術表示装置。富士通製。参考：月刊軍事研究8,’95、7,’95

＜ＡＳＡＤＳ＞：オランダのシグナール社が開発した対空機関砲システム。使用するのはボフォース40mm機関砲またはエリコン35mm機関砲で、前者では3P弾を、後者ではAHEAD弾を用いる。レーダーはＫバンドの追随レーダーと、二次元または三次元捜索レーダー。1997年にプロトタイプで発射試験を行った。参考：月刊PANZER8,’97

＜ＡＳＡＬＭ＞：アメリカ軍試作戦略巡航ミサイルで、Advanced Strategic Air-Launched Missile（新型戦略空中発射ミサイル）の略。ソ連の防空システム、空軍基地、SAM基地などを破壊するのが主任務で、早期警戒管制機も攻撃できる。1974年から開発され、1976年3月に主契約社がマーチン・マリエッタ社に決定した。弾体は下に広い三角形断面で、機首下面にエアインテイク、尾部にＸ字の安定翼を持つ。B-1爆撃機などから発射されてロケットに点火、超音速に加速してエアインテイク・カバーとロケットノズルを切り離し、ラムジェットエンジンを作動させる。全長4.27m、直径0.5-0.6m、重量１トン弱。弾頭はW80核弾頭の改良型。推進はインテグラル・ロケット・ラムジェット、飛翔速度マッハ４、射程320km以上。1987年から1200発を生産する予定だった。参考：核兵器図鑑、アメリカの核兵器、ザ・マーチ17号

＜ＡＳＡＲＳ＞：U-2R（偵察機）を参照。

＜ＡＳＡＲＳ−２Ａ＞：U-2S（偵察機）を参照。

＜ＡＳＡＲＳ−２Ｂ＞：U-2S（偵察機）を参照。

＜ＡＳＡＳ＞：アメリカ陸軍戦術インターネットを構成するシステムの１つで、All Source Analysis System（全情報源分析システム）の略。大隊以上の指揮所に配備されており、国家情報、戦域情報、戦術情報源に基づき、敵や目標に関する実像を提供する。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＡＳＡＴ＞：衛星迎撃を参照。

＜ＡＳＢ＞：エア・シー・バトルを参照。

＜ＡＳＢＭ＞：対艦弾道ミサイルを参照。

＜ＡＳＢＵ＞：ロシア軍の戦闘システムで、自動戦闘指揮システムのロシア語略。戦闘情報管制システムBIUSの自動化を更に進めたものである。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜ＡＳＣ＞：航空システム・センターを参照。

＜ＡＳＣ８９０＞：S100シリーズ（早期警戒機）を参照。

＜ＡＳＣＥＮＴ計画＞：AF-M315E（推進薬）を参照。

＜ＡＳＣＭ＞：対艦巡航ミサイルの略。

＜ＡＳＣＯＤシリーズ＞：オーストリア陸軍／スペイン陸軍の歩兵戦闘車で、Austrian Spanish COoperative Developmentの略。オーストリアのシュタイア・ダイムラー・プフ社（2003年にジェネラル・ダイナミックス社に吸収されてジェネラル・ダイナミックス・ヨーロピアン・ランド・システムズ社になった）とスペインのサンタ・バルバラ社が1980年（1988年？）から共同開発し、1990年（1992年？）にプロトタイプが完成した。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究5,’07、月刊PANZER5,’13

　＜ウラン＞：オーストリア陸軍採用型。4K4FA装甲兵員輸送車の後継として1999年（1995年？）に制式化した。車体及び砲塔は装甲鋼板の全溶接製で、防御力は前面が14.5mm、周囲が7.62mm弾に対抗できる程度だが、砲塔前側面と車体側面には増加装甲を装着でき、砲塔前面では30mmAPFSDS弾に耐えられるようにできる。車内配置は車体前部が機関室と操縦席、中央が戦闘室、後部が兵員室。兵員室には折り畳み座席が左に３個、右に５個用意されている。車体後面に右開きの大型ドアがあり、上面右に片開きハッチ、左に分隊指揮官用キューポラを持つ。砲塔は車体中央やや右に搭載され、車長が左、砲手が右に座る。FCSはコールスマンDNRSで、デジタル・コンピュータやレーザー測距器などを装備する。主砲はモーゼルMK-30-2機関砲（404発）１門で、同軸に7.62mm機銃MG3またはMG58（2900発）を備え、俯仰角はマイナス10度からプラス50度。砲塔側面には76mm発煙弾発射機６基ずつを搭載する。全長6.19m、全幅3.01m、全高2.62m、戦闘重量24.8トン。エンジンはMTU社製8V-183TE228V90（8V-199？）液冷８気筒ターボ・ディーゼル（600馬力。720馬力？）、トランスミッションはレンク社製HSWL106Cオートマチック、路上最大速度70km、航続距離600km。乗員３名＋搭乗兵員８名。2002-05年に112両が配備された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER2,’05、12,’04、9,’04、7,’99、5,’13、月刊軍事研究5,’07、9,’10

　＜ウラン２＞：ウランの輸出型。BMP-3の砲塔を載せ、装甲を強化し、座席やFCSを改良、パワーパックをMTU8V199TE20（721馬力）に換装する予定。参考：月刊軍事研究11,’08、9,’10

　＜ピッツァロ＞：スペイン陸軍採用型Pizarro、名前の由来はフランチェスコピツァロ（大航海時代の探検家）。増加装甲がサンタ・バルバラ社製SABBLIR爆発反応装甲になっている。車体前面で射距離1000mからの30mmAPFSDS弾に耐えられ、その他は射距離500mからの14.5mm普通弾に抗堪できる防御力を持つ。エンジンはペガソ・ディーゼル製530馬力ディーゼルに換装した（MTU社製8V183-TE22 8-90Vのまま？）。1996-2002年に歩兵戦闘車123両、指揮車21両を導入した。また、2008-13年に歩兵戦闘車106両、指揮車５両、前進観測車29両（28両？）、装甲回収車８両、装甲工兵車１両が引き渡される予定で、こちらはエンジンをMTU8V199TE20（721馬力）に換装し、FCSを改良、砲安定化装置・GPS・新型通信機を装備する。総配備数は歩兵戦闘車型293両、指揮車型26両、前進観測車型28両、装甲回収車型８両、装甲工兵車型１両の計356両。参考：月刊PANZER2,’05、5,’13、月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊軍事研究5,’07、11,’08、9,’10

　＜ＡＳＣＯＤ２＞：輸出型で、MTU8V199TE20エンジン（721馬力）を搭載している。戦闘重量30トン。オプションとして、GPSなど航法装置、自動消火装置、エアコンなどの追加が可能。参考：月刊軍事研究11,’08

　＜ＡＳＣＯＤ　ＯＷＳ＞：ASCOD2にエルビット社製UT-30遠隔操作砲塔を搭載したもので、主砲は30mm機関砲である。戦闘重量27トン。エンジンは8V199TE20（721馬力）、最大速度73.5km、航続距離500km。乗員３名。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ＡＳＣＯＤファミリー＞

＜ＡＳＣＯＤ１０５＞：軽戦車型。スペインのサンタ・バルバラ社とオーストリアのシュタイア・ダイムラー・プフ社が開発し、1996年に試作車が完成した。車体はASCOD歩兵戦闘車と同じもので、車体前部左に操縦手席、右にエンジンがある。主砲はLIW社製105mm低反動砲GT7（ローイカット105mm砲型と同じ）で、二軸安定化されており、NATO標準弾を使用できる。砲塔右に砲手と車長、左に装填手が位置し、砲手用照準器にはレーザー測遠機と熱線暗視装置が組み込まれ、車長用には独立昼間用安定化照準器と砲手用暗視装置のモニターを装備する。タイ陸軍が採用した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER8,’97

＜ＡＳＣＯＤ　ＭＭＢＴ＞：MMBTは中型主力戦車システムの略。車体を流用してHITFACT砲塔を載せ、120mm滑腔砲、同軸機銃、12.7mm機銃搭載遠隔操作銃塔、デジタル射撃指揮装置、砲安定化装置、昼夜間赤外線照準器、レーザー測距器を積んだものである。重量42トン。A400MやC-17で空輸できる。ライフサイクルコストは従来の主力戦車の半分以下で済む。ユーロサトリ2018で展示された。参考：月刊軍事研究12,’18

＜ドナール＞：自走榴弾砲型、DONAR。ジェネラル・ダイナミクス・ヨーロピアン・ランドシステムズ社とクラウス・マッファイ・ヴェクマン社が2008年から共同開発している。ASCOD2の車体（改修されてMLRSのような外見になっている）の後部に52口径155mm榴弾砲搭載の無人箱形砲塔を搭載し、PzH2000と同じFCSを装備する。最大射程40kmで、デネル社のVLAPを使用して56kmまで延伸することも考慮されている。装弾数30発。自動装填装置により最大毎分6-8発の発射速度を誇る。重量31.5トン。乗員２名（車長、操縦手）。A400M輸送機に搭載可能。参考：月刊軍事研究11,’08、9,’10

＜ＡＳＣＯＤ海外ファミリー＞

　＜ＡＳＣＯＤ　ＣＢＰ＞：イギリス陸軍FRES SVに提案したもので、CBPはCommon Base Platformの略。ピッツァロの第２バッチをベースとしている。参考：月刊軍事研究4,’10

　＜ＡＳＣＯＤ　ＳＶ＞：イギリス陸軍偵察用装甲車。ASCOD CBPがFRES SVに採用されたものである。装甲強化による重量増に耐えるため構造強化が施されており、空輸できる重量に抑えるため基本装甲は前面で射距離500mからの14.5mm弾、全周で7.62mm弾に耐えられる程度だが、増加装甲を取り付ければ30mmAPDS弾にも耐えられ、耐地雷装甲も用意されている。電子機器はコンパクトな車内LANであるCANBUSで結ばれていて、駆動系にも電子制御が採用された。主砲は取り敢えずマウザー30mm機関砲を搭載してあるが、実用化型ではウォーリアWCSPと同じ40mmテレスコープ弾を使用する軽量コンパクトな機関砲（容積は25mm機関砲並、重量は218kgと35mm機関砲並。発射速度毎分200発、徹甲弾は装甲貫徹力140mm、榴弾は炸薬重量1kg）を装備する。全備重量42トン（増加装甲フル装備）。エンジンはMTU社製90度Ｖ型８気筒ディーゼル（600馬力）、トランスミッションはレンク社製HSWL106Cで、パワーパック化されている。参考：月刊軍事研究9,’10

＜ＡＳＤ１５＞：ヨーロッパBMD計画EPAAにおける初のヨーロッパ海域でのイージスBMD実証試験で、2015年10月25日（20日？）にスコットランド沖で実施された。イギリスのブリディーズ射場からテリア・オリオン分離型SRBM目標１発と対艦ミサイル目標２発が発射され、DDG-71ロス（イージスBMD3.6.1搭載）がSM-3ブロック�TＡによりSRBMを、DDG-68ザ・サリヴァンズがSM-2ブロック�VＡにより対艦ミサイル２発を撃墜した。参考：月刊軍事研究6,’16、12,’18

＜ＡＳＤＥ＞：空港面探知レーダーを参照。

＜ＡＳＤＩＣ＞：イギリスが1918年から開発した圧電効果利用式高周波ソナーの秘匿名で、アスディックと読む。連合軍潜水艦探知調査委員会（Anti-Submarine Detection Investigation Committee）または連合国潜水艦探知調査委員会（Allied Submarine Detection Investigation Committee）の頭文字とされるが、そんな委員会は存在せず、実際には潜水艦探知超音波装置（Anti-Submarine Detection/Division by ultrasonIC）の略で、そのまま公表すると高周波−超音波帯（14000-22000Hz）を使っていることがばれるため、架空の委員会名を作り上げたらしい。1920年から巡洋艦アントリムに搭載して試験を開始、1926年から潜水艦、1928年から駆逐艦に搭載した。サーチライト式アクティブソナーで、海中に付き出した涙滴型ソナードーム内に送受信機があり、これを旋回させつつクリスタル発振器から音波を放射して目標を探知、方位と距離を表示する。有効距離は1829m前後で、遠距離まで捜索できる低めの周波数帯を利用することが多かった。当初はヘッドホンで反射音を聴音する方式だったが、1930年に伝送写真表示方式となり、ロール紙の上に探知結果が記録されるようになった。１回の音波送信で捜索可能な角度は５度くらいで、音波を送信してから５秒くらい待機（最大有効距離まで音波が往復するのに３秒強かかる）し、反応がなければ５度回転させてまた送信し、と繰り返す必要があるので、全周捜索に６分もかかる。また、荒天時や高速航行時にはソナードーム周囲に乱流が発生して聴音が妨害されるという弱点があり、深度探知システムの開発が難航（1944年に漸く完成）した上、Ｕボートの夜間浮上攻撃は探知不能という欠点があった。最大の欠点は、音波を水平方向に発信するため、下方が捜索できない（俯角30度以上測定不能、最小探知距離183m）ことで、爆雷攻撃をかけるため潜水艦の上方に位置する一番重要なタイミングで必ず目標を見失うことになり、これを補うためにヘッジホッグやスキッドといった前方投射兵器を開発した。ただＵボート側は夜間浮上攻撃に切り替えると共に、ASDICの探信音を探知すると海底沈座でやりすごしたため、開発時に考えていた程の効果は発揮できなかったようである。日本海軍軍令部が昭和20年3月1日に出した独乙潜水艦戦の展望其の三でも、高精度・遠距離・大俯角での探知が困難で航空機に搭載できず、浅海では海底の状況により使用に制限があり、水温密度の異なる層があると音波が反射してしまって向こう側にいる潜水艦が探知不能となり、将来性に乏しいと酷評されている（ただし電気式整相機の活用で能力向上を図ることが可能で、航空機用としては実用化されつつある音響探信儀付き投下浮標が注目されるとしている）。参考：月刊丸5,’07、月刊世界の艦船3,’07、Ｕボート入門、連合軍の傑作兵器駄作兵器、日本潜水艦物語

＜ＡＳＤＩＣ　１４７Ｂ型＞：イギリス海軍が開発した攻撃用アクティブソナー。音波ビームは水平60度・垂直５度の扇形をしており、送受波器を45度下向きにすることができ、潜水艦の深度測定も可能だった。送受波器は刀型をしていて、水中抵抗が少なく、ソナードームが要らない。使用周波数50kHz。アメリカ海軍も1944年半ばに85基を配備した。参考：月刊軍事研究5,’09、アメリカ護衛艦史

＜ＡＳＤＩＣ１９３シリーズ＞：イギリス海軍の第２世代機雷探知ソナーで、プレッシー社が開発した。参考：月刊世界の艦船3,’10

＜ＡＳＤＩＣ　１９３＞：捜索探知モードと識別モードがあり、機雷掃討に使用できる。1964年に実戦配備され、トン級掃海艇に搭載された。参考：月刊世界の艦船3,’10、4,’18

　＜ＡＳＤＩＣ　１９３Ｍ＞：改良型で、1968年に完成した。低周波・長距離捜索モードで遠距離機雷探知を、300kHz・高解像度モードで機雷識別を行う。参考：月刊軍事研究1,’14

＜ＡＳＤＩＣ　１９３海外シリーズ＞

　＜ＡＳＤＩＣ　１９３Ｍ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の機雷探知ソナー。第２世代機雷探知ソナー及び機雷掃討システムMk1の技術導入のため採用を決定した。駐英防衛駐在官がいち早く重要性を認識し、勝手に購入の約束を取り付けて技術情報を得たともいわれる。海自でも関係者を香港のイギリス海軍基地に派遣したり、プレッシー社の技師を招聘したり、イギリスの機雷掃討艇を日本に招いたりして技術習得を行った。使用周波数100kHz（捜索モード）／300kHz（類別モード）、最大探知距離500m。MSC-630たかみとMSC-631いおうが搭載した。参考：丸スペシャルNo.76、月刊軍事研究1,’14

＜ＡＳＤＲ＞：空港面探知レーダーを参照。

＜ＡＳＤＳ＞：アメリカ海軍試作輸送潜水艇で、Advanced SEAL Delivery System（先進SEAL運搬潜航艇）の略。Mk�[SDV（SEAL輸送艇）の後継として1994年から開発した。特殊部隊母艦である潜水艦に搭載され、敵支配地域沿岸数十海里先から隠密裏に発進し、沿岸近くに達したらSEAL隊員が船底のハッチから海中に出て上陸地点に向かう。SEAL隊員は母艦のLOLICハッチから移乗でき、乗船中は潜水具を付ける必要が無い。C-5での輸送も可能。全長19.8m、重量55トン。速力８ノット、航続距離125海里。乗員２名＋SEAL隊員16名（８名？）。６隻を建造する予定で、１隻目は2003年6月に完成し、SSN-772グリーンヴィルに搭載されてテストを受けたが、スクリュー音が大きい、使用可能時間が短い、値段が高いなど実績が芳しくなく、2008年11月には火災が起きて大損傷し、復旧は諦められた。２隻目以降は2006年4月にキャンセルされてしまい、新たな輸送艇JMMSを開発する模様。参考：月刊丸10,’97、月刊軍事研究9,’04、10,’03、8,’09、8,'15、月刊世界の艦船1,’10、9,’12増刊、4,’10、6,’13

＜ＡＳＥ＞：自動安定装置を参照。

＜ＡＳＥ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、試験艦（Auxiliary Ship Experiment）を表す。1979年7月1日に定められ、6101以降の艦番号が付けられた。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊

＜ＡＳＥ−６１０１＞：海上自衛隊くりはま型試験艦１番艦くりはま。昭和53年度計画艦で、1979年3月23日起工、1979年9月20日進水、1980年4月8日竣工・就役、開発指導隊群に配備された。2002年3月22日、開発隊群に編入された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月20日1631、２リットル入り飲料水240本、災害用組み立て式トイレ14組、災害用排泄物収納袋１箱をDD-111おおなみの搭載ヘリで中村第一小学校、ままなす会館、スポーツアリーナそうま、向陽中学校に輸送した。2012年4月6日、横須賀基地船越岸壁で自衛艦旗返納行事が実施され、除籍された。総航程565000km、総航海時間39848時間。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、月刊世界の艦船6,’12、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、朝雲

＜ＡＳＥ−６１０２＞：海上自衛隊あすか型試験艦１番艦あすか（6-8世紀に都があった飛鳥から）。平成4年度計画艦で、1993年4月21日起工、1994年6月21日進水、1995年3月22日竣工・就役、開発指導隊群に配備された。1995年から統合化航法システムの性能確認試験を実施。1995-98年、OQQ-XXソナー（後のOQQ-21）、COGLAG推進方式、FCS-3の試験を実施。1998年、赤外線探知装置の試験を実施。1999-2000年、新戦術情報処理装置（後のOYQ-10）の試験を実施。2002年3月22日、開発隊群に編入された。2003-04年、投射型静止式ジャマーと自走式デコイの試験を実施。2003-07年、新アスロック（後の07式VLA）の試験を実施。2007-11年、新対潜用魚雷（後の12式短魚雷）の試験を実施。2007年10月13-15日、パシフィック・シールド07に参加。2009年、簡易標的機の試験を実施。2011-12年、計測装置（照射したレーダー波のRCSを解析して目標を捉える装置）の試験を実施。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月11日午後、横須賀基地を緊急出港した。3月29日1042、三陸町石浜漁港で炊き出し（カレー200人分）を行った。3月31日1609、大島で入浴支援を実施。4月1日0946、気仙沼沖で男性９人、女性10人、子供４人に入浴支援を実施。4月4日1527、大島地区で男性14人・女性14人に入浴支援を行った。4月5日0913、気仙沼に缶詰288個を輸送。1303、大島地区で男性14人と女性10人に入浴支援を行った。1318、大島地区で男性14人と女性15人に入浴支援を実施。4月6日1007、気仙沼大島沖で男性20人と女性29人に入浴支援を実施。4月7日1510、DD-131せとゆきと共に気仙沼大島地区で102人に入浴支援を実施。5月27日、博多湾で日本海海戦106周年記念大会に参加し、洋上慰霊祭を行った。8月5日、横須賀基地サマーフェスタで一般公開された。9月24-25日、呉地方隊展示訓練に参加。2012年、新水中自走標的の試験を実施。2013年9月7日、八戸港で一般公開された。2015年5月25日、MQ-8Cデモンストレータ（モックアップ）による艦載適合性試験を実施。6月27-28日、敦賀港金ケ崎岸壁で一般公開された。2016年2月27-28日、鹿児島本港区北埠頭で一般公開された。3月27日、三重県四日市港で一般公開された。2017年4月14-17日、八戸港に入港。一般公開では3600人が訪艦した。5月21-26日、空自航空開発実験集団准曹士先任集合訓練の研修を受け入れた。8月5日、横須賀基地サマーフェスタで一般公開された。2018年4月14-15日、ホワイトビーチフェスティバル2018で一般公開された。5月24日にSS-508せきりゅうが誤発射して行方不明になった潜水艦自走式デコイ１型（訓練用）の捜索に参加。6月9日、よこすかYYのりものフェスタで一般公開された。8月4日、アメリカ海軍横須賀基地の日米親善ネイビー・フレンドシップデーで一般公開された。9月27-30日、海自横須賀基地を訪問したベトナム海軍015チャン・フン・ダオのホストシップを務めた。10月21日、大阪地本防災フェスタに協力し、堺泉北港で一般公開された。2019年現在、開発隊群直轄艦で、定係港は横須賀。11月15日、横須賀基地に入港。11月16日、横須賀基地を出港。2020年現在、開発隊群直轄艦で、定係港は横須賀。4月1日、開発隊群直轄から、開発隊群艦艇開発隊の隷下に移った。2021年11月25日現在、艦艇開発隊の隷下で、定係港は横須賀。2022年3月30日、首相官邸で岸田首相から令和3年度内閣総理大臣特別賞状を授与された。4月25日現在、艦艇開発隊隷下で、定係港は横須賀。12月、新型艦対空ミサイル（本体は03式中距離地対空誘導弾改がベース、ブースターは07式垂直発射魚雷投射ロケットがベースで、Mk41VLSに搭載）の発射試験を実施。2023年1月11日、修理及び検査のため横須賀を出港し、JMU横浜事業所磯子工場に入った。4月1日、艦艇開発隊の廃止に伴い、技術評価開発隊に移った。定係港は横須賀。4月6日に墜落した第８師団第８飛行隊UH-60JAヘリの捜索救難活動に参加。5月20-21日、東京国際クルーズターミナルで開催された東京みなと祭に参加し、一般公開された。7月8-9日、わかやま自衛隊フェアin和歌山港で一般公開と女性限定特別公開を行い、4000人が来場した。10月17日、防衛装備庁がレールガンの洋上射撃試験を行ったと発表した。本艦にレールガンを搭載していたとみられる。2024年4月25日現在、技術評価開発隊隷下で、定係港は横須賀。参考：MAMOR vol.111、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、6,’11、8,'15、9,'15、5,’16、9,’18、1,’19、月刊軍事研究12,’07、8,'15、月刊世界の艦船6,’11、10,’11、12,’13、10,’17、10,’18、12,’18、7,’19、2,’20、6,'20、1,'22、4,'23、6,'23、7,'23、9,'23、1,'24、6,'24、8,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、月刊航空ファン6,’11、7,’18、朝雲

＜ＡＳＥＡＮ＞：東南アジア諸国連合の略。政治経済や安全保障に関して地域協力を行う機構で、1967年8月8日のバンコク宣言（ASEAN設立宣言）に基づき設立された。原加盟国はインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアの５カ国で、1984年にブルネイ、1995年にベトナム、1997年にラオスとミャンマー、1999年にカンボジアが加わり、2015年に共同体となった。2007年11月20日、創設40周年でASEAN憲章が採択され、2008年12月15日に発効した。2011年5月、ジャカルタに日本政府代表部が開設された。2017年11月19日、タイのパタヤにあるディシタニホテルでASEAN創設50周年記念式典オープニングセレモニーと第11回ASEAN海軍幕僚長級会合を実施。午後にはASEAN救難訓練が行われたが、スコールが来襲。市中パレード会場のメインロードが海水と下水の混じった雨水で膝下まで冠水したが、そのままタイ海軍音楽隊を先頭にASEAN各国軍によるパレードが始まり、続いてパタヤ市商店街の店員たちがタイの民族衣装で練り歩き、パブやら何やらの女性店員やニューハーフの方々も加わって何のパレードだか分からなくなっていたらしい。11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍が主催して創設50周年国際観艦式（International Fleet Review to Commemorate the 50 Anniversary of ASEAN）が停泊式で行われ、タイ海軍空母911チャクリ・ナルエベト、対機雷戦支援艦621タラーン（観閲艦、プラユット首相座乗。海幕長ら各国海軍高官も搭乗）、哨戒艦ラムジン（招待客・メディア同乗）、フリゲート421ナレースアン、458サイブリ、マクート・ラジャクマルン、コルベット432キリーラット、哨戒艦531カムロンシン、ドック型輸送揚陸艦791アーントーン、練習艦413ピンクラオ、アメリカ海軍イージス駆逐艦DDG-91ピンクニー、インドネシア海軍フリゲート331ラディン・エディ・マルタディナタ、海上自衛隊DD-111おおなみ、シンガポール海軍コルベット15インディペンデンス、ミサイル艇91ヴァリアント、中国海軍ミサイル駆逐艦151鄭州、フィリピン海軍フリゲート15グレゴリオ・デル・ピラル、ドック型輸送揚陸艦601タルラック、ベトナム海軍フリゲートHQ-012リ・タイ・ト、マレーシア海軍フリゲート30レキウ、ミャンマー海軍フリゲートF12チャンシッター、ロシア海軍駆逐艦アドミラル・パンテレーエフなど外国招待艦26隻を含む38隻が参加した。前日の11月19日にはパタヤ市中心部ビーチロードで各国艦乗員がパレードを行っている。参考：朝雲、月刊軍事研究9,’18、10,’18、MAMOR vol.83、vol.133、vol.146、月刊世界の艦船2,’18、ベーシック条約集2018

＜ＡＳＥＡＮ憲章＞：ASEAN創設40周年で2007年11月20日にシンガポールで採択され、2008年12月15日に発効した。ASEANの法的・制度的な枠組みを定めたもので、ASEANの目的を平和・安全・安定の維持強化、政治・安全保障・経済・社会文化における協力促進、核その他大量破壊兵器の無い東南アジアの保持、包括的安全保障の原則によるあらゆる形態の脅威・越境犯罪・国境を越えた課題への対処、麻薬の無い環境構築などと定め、ASEANを１つの政府間組織として法人格を付与し、組織としてASEAN首脳会議、ASEAN調整評議会、ASEAN部門別閣僚組織、ASEAN事務総長・ASEAN事務局、ASEAN常駐代表委員会、ASEAN国内事務局、ASEAN人権機構、ASEAN基金を規定している。ASEANとその加盟国は、侵略及び武力による威嚇もしくは武力行使または国際法に違反するその他の行動を放棄するといった原則も定めた。参考：ベーシック条約集2018

＜ＡＳＥＡＮ国防相会議＞：ADMMと略す。ASEAN加盟10カ国の防衛当局閣僚会議である。参考：MAMOR vol.83

＜ＡＳＥＡＮ災害救援実動演習＞：AHXと略す。ASEANが実施する災害救援実動演習で、枠組みの違う（軍同士という色合いが濃い）ASEAN地域フォーラム災害救援実動訓練といった感じである。第３回は2014年4月24日から5月2日までタイとマレーシアが共催してタイで実施され、アメリカ、カナダ、自衛隊（初参加。統幕４名と陸自医療関係者３名）、中国、フランスなど16カ国、国連人道問題調整事務所UNOCHA、ASEAN防災人道支援調整センター、国際赤十字・赤新月社連盟、世界食糧計画、世界保健機関などが参加した。参考：朝雲

＜ＡＳＥＡＮ地域フォーラム＞：ARFと略す。ASEAN加盟10カ国、アメリカ、インド、オーストラリア、カナダ、韓国、北朝鮮、スリランカ、中国、日本、ニュージーランド、パキスタン、パプアニューギニア、バングラデシュ、東ティモール、モンゴル、ロシアの26カ国、EUの外務・防衛当局が参加し、アジア太平洋地域の安全保障環境を目的とした意見交換を行うもので、1994年から開催された。2013年5月、第３回ARF災害救援実動演習をタイで実施。自衛隊も隊員50名と航空機１機を派遣した。2015年5月25-28日、マレーシアでARF災害救援実動訓練を実施。自衛隊も防衛省、統幕、東部方面隊、自衛隊横須賀病院、自衛隊大湊病院、教育航空集団などから隊員10名を派遣した。2017年9月17-21日、マニラでARF国防大学校長等会議が開催され、域内26カ国とEUなどから80人が参加した。日本からは防衛研究所長が参加している。参考：MAMOR vol.83、月刊世界の艦船8,’15、朝雲

＜ＡＳＥＬＦＬＩＲ＞：トルコのアセルサン社が開発した艦載センサー。安定化架台上に電子光学赤外線撮像装置、レーザー測距器（有効距離20km）を装備しており、光学映像による目標追尾も可能。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＡＳＥＴＤＳ＞：アメリカ軍の航空支援機器用制式名称命名システムで、航空支援機器型式命名システム（Aeronautical and Support Equipment Type Designation System）の略。３文字のアルファベット、ハイフン、数字、アルファベット、スラッシュ、アルファベットの順である。３文字のアルファベットのうち最初の２文字は機器の種類を表すもので、AD（連結アイテム）、BD（模擬爆弾）、BL（爆弾）、BR（爆弾ラック）、CB（クラスター爆弾）、CD（収束デバイス）、CT（空中投下用コンテナ）、DS（目標探知装置）、DT（タイマー）、FM（信管）、FP（パイロン装着燃料タンク）、FS（信管安全装置）、FZ（信管関連アイテム）、GA（航空機搭載用銃砲）、GB（誘導爆弾）、GD（ダミー誘導ミサイル）、GP（ガンポッド）、GT（兵装ターレット）、KM（各種キット）、LA（機体搭載発射機構）、LU（照明弾）、MA（各種兵装）、MD（各種模擬弾薬）、MJ（フレアなど）、ML（各種実弾薬）、MX（各種アイテム）、RB（ロケット及びランチャー）、RD（模擬ロケット）、RL（実弾ロケット）、RM（巻き取り機構）、SU（兵装投下・懸架）、TD（標的デバイス）、WA（弾頭部）、WC（飛翔体制御部）、WD（起爆性弾頭）、WG（飛翔体誘導部）、WN（飛翔体先端部）、WP（飛翔体推進部）、WT（訓練・ダミー弾頭）といったものがある。３文字目はＧ（グループ）、Ｋ（コンポーネント）、Ｕ（ユニット）のどれか。次の数字がモデルナンバーで、１から順に振られている。次のアルファベットは改造順で、原型は何も付かず、改良型が開発されるとＡから順にアルファベットが付く。スラッシュの後ろはInstallation letterで、Ａは空中投下できないものまたは空中投下を目的としないもの（増槽など）、Ｂは空中投下や発射を目的とするもの（爆弾など）を指す。また、A/Aを頭に持つものもあり、航空宇宙ビークル搭載機器を表す。A/Aの後ろの数字は機器の種別を示し、ハイフンの後ろのアルファベットが用途、更に後ろの数字がモデルナンバーを表している。参考：JWings4,’12

＜ＡＳＥＴＦ＞：航空宇宙遠征任務部隊の略。

＜ＡＳＧレーダー＞：AN/APS-2（レーダー）を参照。

＜ＡＳＨ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号。1956年8月、特務艇（高速型、消防型）を示す艦種記号として付与され、1957年9月1日に公式制定された。01以降の艦番号も付与されている。1990年3月28日に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＨシリーズ＞：スペインの高抵抗型通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＳＨ−２５０＞：ALH-250通常爆弾に制動パラシュートとTF-4000E電子式時限信管を装着したもの。全長2.15m、直径0.29m、翼スパン0.49m、重量262kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＳＨ−５００＞：ALH-500通常爆弾に制動パラシュートとTF-4000E電子式時限信管を装着したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＳＨ−０１＞：海上自衛隊高速１号型特務艇１番艇、高速１号。1955年12月26日竣工。1956年1月16日に編入され、救命艇に類別され、救命艇３号となった。2月16日、特務艇に艦種変更され、高速１号に改称された。1957年、ASH-01の艦種記号と艦番号を付与された。1971年10月30日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊

＜ＡＳＨ−０２＞：海上自衛隊高速１号型特務艇２番艇、高速２号。1955年12月6日に竣工し、救命艇に類別され、救命艇４号となった。2月16日、特務艇に艦種変更され、高速２号に改称された。1957年、ASH-02の艦種記号と艦番号を付与された。1974年3月30日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊

＜ＡＳＨ−０３＞：海上自衛隊高速１号型特務艇３番艇、高速３号。1956年10月16日竣工。1957年、ASH-03の艦種記号と艦番号を付与された。1973年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船5,’02増刊

＜ＡＳＨ−３Ｄ＞：SH-3海外シリーズ（対潜ヘリ）を参照。

＜ＡＳＨ−３Ｈ＞：SH-3海外シリーズ（対潜ヘリ）を参照。

＜ＡＳＨ−０４＞：海上自衛隊高速４号型特務艇１番艇、高速４号。1959年5月11日竣工。1974年9月30日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−０５＞：海上自衛隊高速４号型特務艇２番艇、高速５号。1959年6月12日竣工。1974年9月30日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−０６＞：海上自衛隊高速６号型特務艇１番艇、高速６号。1967年3月20日竣工。1990年3月23日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−１１＞：海上自衛隊高速11号型特務艇１番艇、高速11号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇C-26650（1944年4月竣工）で、1958年7月15日に供与された。1968年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−１２＞：海上自衛隊高速11号型特務艇２番艇、高速12号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇C-26635（1943年11月竣工）で、1959年9月15日に供与された。1968年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−１３＞：海上自衛隊高速13号型特務艇１番艇、高速13号。元はアメリカ海軍85フィート型航空機救難艇C-105346で、1962年2月1日に供与された。1966年10月28日、試運転中に主機が爆発事故を起こして沈没し、11名の負傷者が出た。1967年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊

＜ＡＳＨ−２１＞：海上自衛隊高速11号型特務艇３番艇、高速21号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇R-2-1088（1943年竣工）で、1958年7月15日に供与された。1968年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２２＞：海上自衛隊高速11号型特務艇４番艇、高速22号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇R-2-1164（1943年竣工）で、1958年9月10日に供与された。1969年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２３＞：海上自衛隊高速11号型特務艇５番艇、高速23号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇R-37-1256（1953年2月竣工）で、1958年9月10日に供与された。1970年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２４＞：海上自衛隊高速11号型特務艇６番艇、高速24号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇R-37-1254（1953年2月竣工）で、1958年11月4日に供与された。1970年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２５＞：海上自衛隊高速11号型特務艇７番艇、高速25号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇R-2-1082（1943年竣工）で、1958年11月4日に供与された。1969年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２６＞：海上自衛隊高速11号型特務艇８番艇、高速26号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇C-36296（1944年8月竣工）で、1959年6月29日に供与された。1969年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２７＞：海上自衛隊高速11号型特務艇９番艇、高速27号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇R-37-1255（1953年2月竣工）で、1961年3月31日に供与された。1968年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２８＞：海上自衛隊高速11号型特務艇10番艇、高速28号。元はアメリカ海軍63フィート型航空機救難艇R-37A-1338（1955年竣工）で、1961年3月31日に供与された。1971年3月31日（10月30日？）に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−２９＞：海上自衛隊高速13号型特務艇２番艇、高速29号。元はアメリカ海軍85フィート型航空機救難艇R-1-676で、1961年7月12日に供与された。1968年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊

＜ＡＳＨ−４１＞：海上自衛隊消防41号型特務艇１番艇、消防41号。1964年2月28日竣工。1977年4月18日、消防船YE-01に区分変更された。2001年3月16日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳｈ−７３ＴＫ＞：ソ連空軍Tu-4爆撃機用ターボチャージャー付ガソリンエンジン。シリンダー直径155.6mm、行程170.2mm、総排気量58100cc。離昇出力2400馬力。参考：月刊JWings7,’23

＜Ａｓｈｏｒｅ＞：GCCS-Mを構成する陸上サイト。陸上の艦隊司令部などに設置され、部隊特性、運用スケジュール、装備状況、戦闘状況、位置情報などを受信・処理する単独統合的C4Iシステムである。敵兵力情報も提供し、潜水艦にもほぼリアルタイムで情報伝達が可能である。参考：月刊軍事研究6,’04

＜ＡＳＩＰ＞：航空機構造保全プログラムの略。航空機１機ごとのデータをコンピュータで解析し、機体構造に手を加えず機体寿命を延長するもので、寿命延長期間は機体ごとに異なる。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＳＫ＞：アメリカ陸軍研究所とオガラ・ヘス社が開発した増加装甲で、Armor Survivability Kit（装甲生残キット）の略。Add-on Armor（追加装甲）キットともいう。イラク戦争やポスト・イラク戦争で非装甲車両が銃弾やIEDで孔だらけにされたため、急遽開発された。HMMWV、FMTV、M929、M939、HEMTT、PLS、M915、M969用にそれぞれ用意されており、装甲板や防弾ガラスを装着して小火器、地雷、IEDに対する防御力を獲得できる。参考：月刊軍事研究4,’05、1,’05

　＜ＨＭＭＷＶ用＞：防弾ドア、シートバック・プロテクターなど25個のプレートから構成される総重量1000ポンド（454kg）のキット。２ドア型と４ドア型の２種類が用意されている。参考：月刊軍事研究1,’05

　＜ＦＭＴＶ用＞：キャビン全周に装甲板を貼り付け、前面窓にブラインド状の装甲を取り付けている。参考：月刊軍事研究1,’05

　＜ＨＥＭＴＴ用＞：キャビン全周に装甲板を貼り付けている。参考：月刊軍事研究1,’05

＜ＡＳＫ２１＞：防衛大学校のグライダー。機体はGFRP製、コクピットはタンデム複座、主翼はアスペクト比の大きい直線テーパー翼、尾翼はＴ字。失速しても、機首が下がって増速するため、高度損失40m程度で回復できる。滑空比34。参考：月刊JWings5,’20

＜ＡＳＬＡＶシリーズ＞：オーストラリア陸軍８×８輪騎兵装甲車（歩兵戦闘車）で、Australian Light Armoured Vehicleの略。LAV-25とバイソンの比較試験の結果、1992年終わりにLAV-25が採用された。と言いつつ派生型は全てバイソンが元だったりする。参考：月刊PANZER7,’02、8,’18、月刊軍事研究8,’04

　＜ＡＳＬＡＶ−２５＞：LAV-25のオーストラリア陸軍導入型で、プロジェクト・ランド112の名称で採用した。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER7,’02

　＜ＡＳＬＡＶフェーズ１＞：評価用に配備したもので、1990年にアメリカ海兵隊から15両をリースした。参考：月刊グランドパワー8,’10

　＜ＡＳＬＡＶフェーズ２＞：本格導入型で、1992-97年に113両を配備した。参考：月刊グランドパワー8,’10

　＜ＡＳＬＡＶフェーズ３＞：フェーズ２に電動砲塔、改良型懸架装置を搭載したもの。他に統合レーザー測距器を搭載する向上化熱映像砲手用照準装置、改良型射撃統制装置、GPSベースの航法システムなどを装備している。2000-04年に144両を配備した。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊軍事研究8,’04

　＜ＡＳＬＡＶフェーズ４＞：対レーダー・対赤外線ステルスの獲得、騒音低減、耐地雷防御力強化、アップリケアーマー採用、スポール・ライナー追加、エンジン・サスペンション強化、燃料タンク移設などを行うもの。2010年6月に導入が承認され、113両（257両？）が改修を受ける予定。参考：月刊PANZER8,’05、月刊グランドパワー8,’10

　＜ＡＳＬＡＶ−ＰＣ＞：装甲兵員輸送車型。バイソンのオーストラリア版で、砲塔は無く、12.7mm重機関銃を装備している。33両を導入した。参考：月刊PANZER7,’02、8,’18

　＜ＡＳＬＡＶイラク派遣型＞：防御力強化のため、カナダのアーマテック社が開発したケブラー製スポール・ライナーの搭載を検討している。更に、スラット装甲類似のバー装甲の装着も考えられている。参考：月刊PANZER8,’05

＜ＡＳＬＡＶファミリー＞

　＜ＡＳＬＡＶ−Ａ＞：救急車型。砲塔を外して車体後半部を一段高くし、操縦手席後方に12.7mm機銃M2搭載キューポラを設けている。車体上面中央には横に２枚並んだ後ろ開きハッチを持つ。２両を導入した。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER7,’02

　＜ＡＳＬＡＶ−Ｃ＞：指揮車型。９両を導入した。参考：月刊PANZER7,’02

　＜ＡＳＬＡＶ−Ｆ＞：装甲回収車型。10両を導入した。参考：月刊PANZER7,’02

　＜ＡＳＬＡＶ−Ｓ＞：偵察車型。10両を導入した。参考：月刊PANZER7,’02

＜ＡＳＬＭＳ＞：認定交換部品移動システムを参照。

＜ＡＳＭ＞：空対地／空対艦ミサイル（Air to Surface Missile）の略。

＜ＡＳＭ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号。1956年8月、特務艇（駆潜特務艇改造の特務艇掃海船）を示す艦種記号として付与され、1957年9月1日に公式制定され、71以降の艦番号が付与された。1978年3月20日（29日？）に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＭ−１＞：航空自衛隊の空対艦ミサイル、別名80式空対艦誘導弾。ソ連太平洋艦隊の北海道着上陸船団を護衛する戦闘艦を、ポイント・ディフェンス用艦対空ミサイル射程外から攻撃できる空対艦ミサイルとして、1973年からハープーンとエグゾセを参考に開発され、1980年12月22日に制式化されてF-1に搭載された。誘導方式は中間が日本航空電子社製慣性誘導装置、終末が三菱電機製アクティブレーダー誘導装置で、ミサイル本体に組み込まれたTRT／日本無線製ANV-7電波高度計によりシースキミングが可能。1979年には射程50kmでの発射実験に成功している。発射モードはパターンA-Dの４種類で、パイロットが発射前に選択する。技術管理を体系化するため、MIL-STD-499Aシステム・エンジニアリング・マネジメントを取り入れており、機能単位ごとのモジュール構造を採用し、アップグレードを容易とした。開発目標の１つに低コストがあり、価格はハープーンの半分である。全長4m、直径0.35m、翼幅1.2m、重量600kg、弾頭重量200kg（高性能爆薬・半徹甲）。推進は固体燃料ロケットで、巡航速度マッハ0.9、射程50km。三菱重工製。参考：月刊JWings2,’04、月刊航空情報2,’10、月刊軍事研究1,’05、6,’13、3,’05、1,’08、7,’99、自衛隊装備年鑑1996、ザ・マーチ17号

＜ＡＳＭ−１Ｃ＞：海上自衛隊の空対艦ミサイル、別名91式空対艦誘導弾。90式艦対艦誘導弾SSM-1Bを航空機用に改造したものである。飛翔中間点を指定して目標を回り込ませることや、目標命中高度事前設定、目標選択（中心またはランダム）が可能。全長4m、直径0.35m、重量510kg。誘導は慣性誘導＋アクティブレーダー。エンジンはターボジェットで、射程は65kmに延びた。生産は三菱重工。P-3Cが搭載する。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究12,’06、3,’97、9,’10、月刊世界の艦船3,’10

＜ＡＳＭ−１用ローダ＞：自衛隊のミサイル用車両。神鋼電機製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＡＳＭ−２シリーズ＞：航空自衛隊の空対艦ミサイル。参考：月刊JWings12,’12

＜ＡＳＭ−２＞：別名93式空対艦誘導弾。1990年代の侵攻艦艇を撃破するため、エリア・ディフェンス用艦対空ミサイルの射程外から発射でき、発見されにくく、ECMやIRCMにも妨害されないというコンセプトで、88式地対艦誘導弾をベースに1988年度から開発され、1993年11月30日に制式化されてF-2に搭載された。ミサイル中央に長い安定翼を持ち、後部には４枚の三角形の小型翼がある。エンジンはターボジェットで、ミサイル後部下面に空気取り入れ口を持つ。誘導装置は慣性誘導＋赤外線画像誘導システム（IR-CCD）で、艦型パターンによる艦種識別や命中点指定も可能とされ、フレアに対する能力を向上させた。しかし、発射母機とのデータリンクを持たないので、ロックオンは誘導装置任せである。迷彩のため、実弾でも弾体が青一色になっている。全長4m、直径0.35m、翼スパン1.2m、重量530kg。射程150km。三菱重工製。シーカーの目標判別技術はアユの尾ビレによる雌雄判定装置に応用されたらしい。参考：月刊JWings2,’04、9,’18、月刊軍事研究6,’13、11,’98、3,’98、1,’08、7,’99、月刊PANZER1,’03、自衛隊装備年鑑1996、月刊航空情報2,’10、朝雲

＜ＡＳＭ−２（Ｂ）＞：別名93式空対艦誘導弾（Ｂ）。中間誘導にGPSを追加し、枯渇部品を更新、低価格化したタイプで、2000年度から開発され、2002年に制式化された。全長4m、直径0.35m、翼スパン1.2m、重量530kg。エンジンはターボジェット、射程170-200km。三菱重工製。2008-10年度に耐妨害性強化改修が行われている。参考：月刊JWings12,’12、月刊軍事研究6,’13、2,’10、8,’12

＜ＡＳＭ−２Ｄ／Ｌ＞：D/Lはデータリンクの略。計画中の改良型で、発射母機とのデータリンクやGPSを追加するものである。参考：月刊航空ファン2,’11

＜ＡＳＭ−２（Ｂ）用テレメータ装置＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究2,’10

＜ＡＳＭ−２（Ｂ）用ＣＦＴポッド＞：航空自衛隊のCFT（キャプティブ・フライト・テスト）ポッド。T-2練習機用220ガロン増槽にASM-2Bの誘導装置とオートパイロットを収容したもので、F-4EJに搭載し、誘導装置の機能評価・性能評価に使用する。参考：月刊JWings1,’20、月刊軍事研究2,’15

＜ＡＳＭ−２ダミー飛しょう体＞：自衛隊の機器。2008年度予算で８発が発注されており、GPS受信機とテレメトリーなどを搭載してASM-2D/Lの実験を行うらしい。弾体前方に小型のブレードアンテナを持つ。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’09、月刊航空ファン2,’11

＜ＡＳＭ−２部隊用点検器材（初期値入力器材等）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究3,’15

＜ＡＳＭ−２用テレメータ＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜ＡＳＭ−２投下・投棄試験用ダミー弾＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究6,’11

＜ＡＳＭ−３＞：航空自衛隊の空対艦ミサイルで、開発名称は新空対艦誘導弾XASM-3。1980年代末にASM-1の後継として21世紀前半の実用化を目指した研究が開始され、エリア・ディフェンス用艦対空ミサイル、ポイント・ディフェンス用艦対空ミサイル、CIWSの重層防御を突破し、艦の脅威度を識別して攻撃できるミサイルとして1992-2001年度に技術研究本部が将来空対艦誘導弾の研究を実施した。予定では直後に開発に移る予定だったが、小型化や低価格化にもう一段の工夫が要ると判断され、2003-08年度に超音速空対艦誘導弾用推進装置の研究を行った。その後予算不足などで延期されたが、2010年度から開発に移行しており、三菱重工が担当した。ダミー飛翔体には母機適合性試験用のダミー飛翔体Ａ型、投下試験用のダミー飛翔体Ｂ型、操舵装置付き投下試験用のダミー飛翔体Ｃ型、キャプティブフライト試験弾には誘導部無しのＡ型とありのＢ型、発射試験用のXASM-3にはプログラム弾（誘導部無しで事前プログラムに従い飛翔。弾頭部にテレメータ収容）のXASM-3-A、誘導部付きのXASM-3-B、実弾のXASM-3-C、環境試験用のXASM-3-D、地上試験用のXASM-3-Eがある。試験用の機体改修（１機分）は2016年1月に完了する予定となっていた。2017年4月から技術試験と実用試験に入り、5月9日に若狭湾沖で除籍護衛艦DDH-143しらねへの初実射テストを行ったらしく、7月末までのテストで実弾とテレメーター弾を計６発発射し、艦型標的への命中、信管の作動、超高速ながら標的艦を突き抜ける前に艦内で炸裂したことを確認。標的内部破壊状況を調査した結果、予想以上の破壊力を発揮し、主要区画を水密扉ごと爆砕することにより１発で敵艦を無力化できることが実証され、11月28日に防衛大臣の部隊使用承認を得て開発を完了し、装備化された。ちなみに制式化に関する訓令廃止により、17式空対艦誘導弾という名称は付けられなかった。実用試験に使用した試験弾は計16発、うち発射テストに使ったのは６発（テレメーター弾４発、弾頭付試験弾２発）である。弾体下部左右にエアインテイクを持ち、エアインテイク後部に４枚の操縦翼がＸ字状に付いている。エアインテイクは角張っており、弾体には安定翼のような突起物も無く、一見ステルス形状で、実際RCSはかなり小さいとされるが、ステルスを意識して設計した訳では無いらしい。エンジンはインテグラル・ロケット・ラムジェット（IRR）と呼ばれるもので、ラムジェットエンジンの燃焼室内に固体燃料ロケットブースター推進薬が詰め込まれており、まずロケットブースターにより超音速に加速、ロケット推進薬が尽きるとエアインテイクのカバーとブースターノズルが外れ、次いでエアインテイクと燃焼室の接続口に蓋をしていたポートカバーも吹き飛び、ジェット燃料が燃焼室内に噴射されてラムジェットエンジンが作動、マッハ３の超音速巡航を行う。誘導は中間が慣性＋GPS、終末が複合シーカーで、当初は終末誘導に赤外線画像、アクティブ／パッシブレーダーの３種併用を予定していたが、赤外線画像誘導による艦艇脆弱部分ピンポイント攻撃能力を省いても命中率・破壊力は大差無いため、アクティブ／パッシブレーダーの２種併用になった。パッシブレーダーシーカーで艦載長距離防空レーダーのレーダー波を識別して搭載艦に突入し、敵艦隊のエリアディフェンス・システムを崩壊させて爾後の攻撃を容易にすることができる。ECCM機能も搭載している。攻撃法はハイダイブまたはシースキミング。全長6m、弾体直径0.35m、重量940kg。推進はインテグラル・ロケット・ラムジェット、最大速度マッハ３以上、射程はASM-2(B)と同等以上（200km以上）。装備機はF-2戦闘機で、Sta.3/9に１発ずつ搭載する。ASM-2より５割長く８割重いが、F-2の機動性能は阻害しない。F-2には機内配線やディスプレイの改修が必要なので、IRANのついでに実施する。技術的にはP-3CやP-1への搭載も可能。2016年に台湾海軍が実施した052D型ミサイル駆逐艦に対する攻撃シミュレーションでは、高度50mをマッハ３で飛翔してシースキミング攻撃を仕掛けた場合と高度1000mをマッハ５で飛翔してハイダイブ攻撃を行った場合を検討した結果、7.3-18.3発で迎撃を突破できるとしている（ただしASM-3の射程は150kmで仮定）。能力をフルに発揮するにはF-2戦闘機に発展型ミッションコンピュータAMC（Advanced Mission Computer）を積む必要があるが、開発に時間が掛かるため、ASM-3も量産化の予定は立てられておらず、AMCの完成を待つ間に2020年度予算概算要求で射程延伸型ASM-3（改）の開発費を計上した。参考：月刊航空ファン10,'18、9,’18、2,’15、2,’18、6,’19、月刊JWings11,’06、6,’10、10,’16、7,’17、11,’19、月刊軍事研究12,’18、6,’13、12,’06、2,’10、7,’10、10,’16、8,’18、月刊世界の艦船11,’17、12,’18

＜ＡＳＭ−３（改）＞：AAM-3の長射程型。2020-25年度に試作と試射を行う予定。参考：月刊世界の艦船1,’20

＜ＡＳＭ−３Ａ＞：AAM-3の射程延伸型。ASM-3（改）の技術を取り入れたもので、ASM-3（改）の研究開発は続ける。参考：月刊JWings3,’21

＜ＡＳＭ−７１＞：GP-445（掃海船）を参照。

＜ＡＳＭ−７２＞：MSA-451（掃海船）を参照。

＜ＡＳＭ−１３５＞：アメリカ空軍の試作対衛星兵器で、空中発射ミニチュアビークル（Air Launched Miniature Vehicle）とも呼ばれる。全長5.43m、直径0.56m、重量1200kgの固体燃料２段式ミサイルで、ズーム上昇したF-15から高度12kmで発射されると秒速4km（6-7km？）まで加速し、先端のミニチュア誘導体（Miniature Homing Vehicle。重量5kg）が長波赤外線誘導システムで衛星をロックオン、固体推進サイド・スラスターで軌道を微調整し、直撃破壊する（炸薬は入っていない）。最高到達高度1000km、迎撃可能高度560kmとされる。1977年から計画され、1979年に制式名称が決定してボート社に発注され、1983年夏（1982年？）にF-15に搭載して試験が開始され、1984年1月に試射を開始、1985年9月13日に高度555km（590km？）の太陽観測衛星P78-1ソルウィンドを破壊した。100発以上を配備する計画もあったが、1985年に議会からストップがかかり、1998年に正式に中止された。参考：月刊軍事研究5,’07、2,'19、F-15イーグル、兵器メカニズム図鑑、月刊JWings11,’17

＜ＡＳＭＤ＞：Anti-Ship Missile Deffence（対艦ミサイル防衛）の略。艦船用防空武器システムのことで、センサー、コンピュータ、兵器をシステムとして運用し、対艦ミサイルなど空からの脅威に対して高い防空能力を持たせるのが目標である。対象を銃砲やミサイルで撃墜するハードキル（CIWSなど）、誘導装置を妨害欺瞞するソフトキルに分かれる。西側海軍ではエイラート撃沈事件を機に開発が進められた。対艦ミサイルは探知から被弾まで数分しか余裕が無いので、戦術状況図作成、目標探知、目標飛翔諸元算出、敵味方識別、脅威度判定、優先攻撃目標選定、目標捕捉、目標追尾、射撃諸元計算、武器選定、射撃諸元入力、武器使用、攻撃効果判定のサイクルを完全自動化しないと間に合わず、飽和攻撃に対応するなら目標数が３桁でもパンクしないくらいの計算能力を持つコンピュータが要る。参考：月刊世界の艦船9,'22、2,’87、8,’82増刊、11,’17、12,’21

＜ＡＳ　Ｍｋ１０＞：イギリス海軍の爆雷投射機で、別名リンボー。スキッドの改良型で、第２次大戦中に開発が始まり、1956年に制式化された。３軸安定化装置の上に３連装爆雷発射用臼砲を装備しており、ソナーの測定結果に基づいて射角と方位角が自動的に調整される。再装填も自動化された。使用する爆雷は口径305mm、重量175kg、弾頭重量92kg。投射距離910m（2000m？）。運用成績が良好で長く使用され、イギリス海軍で退役したのは1990年代である。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’07、5,’12、月刊丸5,’07

＜ＡＳＭ−Ｎ−２＞：SWOD-9（誘導爆弾）を参照。

＜ＡＳＭ−Ｎ−７Ｂ＞：AGM-12B（空対地ミサイル）を参照。

＜ＡＳＭ−Ｎ−８＞：アメリカ海軍試作長射程空対地核ミサイル、別名カーバス。テムコ社が1957年から開発した。誘導はパッシブレーダー（敵飛行場の管制レーダー波などを辿る）またはセミアクティブレーダーで、射程185-315km。命中精度はあまり高くないが、W40核弾頭で相殺する。A-3とA-4の翼下に計２発、P6Mの爆弾倉に３発を搭載可能。1959年7月18日にA-4からの発射テストに成功、1960年3月に誘導試験が始まったが、7月に長射程核ミサイルを所管する空軍との縄張り争いに負けて開発中止になった。参考：アメリカの核兵器

＜ＡＳＭ−Ｎ−１０＞：AGM-45（対レーダーミサイル）を参照。

＜ＡＳＭＰシリーズ＞：フランス空軍戦域空対地ミサイルで、ASMPはAir-Sol Moyenne Portée（中距離空対地）の略。アエロスパシアル社が開発した。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊航空ファン9,’18

＜ＡＳＭＰ＞：全長5.38m、直径0.38m、翼スパン0.96m、重量860kg。弾頭は300キロトン核弾頭TN-80/-81。推進は固体燃料ロケット・液体燃料ラムジェット、巡航速度マッハ２（海面上）／マッハ３（高々度）、射程80km（海面上）／250km（高々度）。誘導はSAGEM管制装置による慣性誘導＋TERCOM。ミラージュ�WＰ、ミラージュ2000N、シュペル・エタンダール、ラファールに搭載できる。ミラージュ�WＰへの搭載は、ミラージュ�WＡ原型３号機のスクラップ胴体を利用してパイロンのテストを行った後、８号機で1981年にダミー投下を実施、４号機で1983年に実弾発射を行い、1985年半ばに完成した。ASMP-Aに後を譲って退役する予定。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97、核兵器事典、週刊エアクラフトNo.84、月刊軍事研究3,’10

＜ＡＳＭＰ−Ａ＞：Air-Sol Moyenne Portée-Amélioréの略。ASMPの改良型で、弾頭を300キロトンのTNPに換装し、射程を500kmに延伸した。2007年の配備を目指して開発中だったが、遅れており、2010年までにフランス海軍、2011年末までにフランス空軍に配備される予定。参考：核兵器事典、月刊軍事研究3,’10、月刊航空ファン9,’18

＜ＡＳＭＳ＞：アメリカ海軍の艦対空ミサイルシステムで、Advanced Surface Missile System（先進水上艦ミサイル・システム）の略。タイフォン・プログラムの後継として1964年1月に要求した。複数目標に対処可能で捜索・追尾機能を統合するＳバンド（2-4GHz）多機能型アレイ・レーダー、最終誘導用イルミネーター・レーダー、中間期指令誘導付きのセミアクティブ型スタンダード艦対空ミサイル、連装ミサイル発射機を統合している。多数のミサイルを発射しておいてイルミネーターにより最終の短時間のみ誘導をかけ、複数目標に次々と命中させていくというコンセプトであり、アクティブレーダーホーミング式ミサイルによりもっと多くの目標に対処する計画もあったが、開発コスト高騰の恐れがあって採用されなかった。1969年12月にイージスシステムと改称された。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、6,’04、5,’03

＜ＡＳＭ−Ｘ＞：DCNS社が開発中のUUV。潜水艦から射出され、情報をリアルタイムで収集し、潜水艦に回収される。全長6m、直径0.127m、重量１トン。リチウムイオン電池によるモーター推進、最大速力15ノット、航続距離200km、連続作動時間30時間。搭載予定のセンサーは未定。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＡＳＭミサイル用ＧＰＳ＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究4,’13

＜ＡＳＭ模擬標的＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＡＳＭ模擬標的運用支援装置＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＡＳＮ−１５＞：中国の小型無人機。主翼はパラソル翼で、主翼中央前縁に推進用モーターとプロペラが付いている。機首に偵察装備などを収容する。尾翼はＴ字。発進は手投げ式、着陸はパラシュートで、主翼支柱にパラシュート収容部を持つ。全長1.8m、全幅3m、機体重量6.5kg。最大速度90km、常用運用高度1000m、滞空時間60分。積載量1kg。参考：月刊軍事研究11,’12

＜ＡＳＮ−１０４＞：中国が1980年代に開発した無人偵察機。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＡＳＮ−１０５＞：中国の無人偵察機で、ASN-104の改良型。エンジンはレシプロ、推進はプルプロペラ。トラック搭載ランチャーから射出される。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＡＳＮ−２０６＞：中国の無人偵察機で、1990年代に実用化した。推進はプッシャープロペラ。参考：月刊軍事研究12,’09

＜ＡＳＮ−２０７＞：中国の西安愛生技術集団が開発した無人偵察機、別名JWP-02。ASN-206の改良型で、双胴のレシプロエンジン機であり、プッシャープロペラを持つ。航続距離600km。トラック搭載ランチャーから射出される。軍用名はBZK-006。参考：月刊軍事研究12,’09、10,’14、月刊航空ファン6,’16

＜ＡＳＯ−８０＞：DSQS-21（ソナー）を参照。

＜ＡＳＯ−９０＞：DSQS-23（ソナー）またはDSQS-24（ソナー）を参照。

＜ＡＳＯ−９４＞：ドイツのアトラス・エレクトロニクス社が開発した水上艦用アクティブ／パッシブ中周波ハルソナー。アプサロン級、イーヴァル・ヒュイトフェルト級に搭載されている。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＳＯＯＣ＞：航空幕僚監部作戦室の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＡＳＰ＞：年次射撃訓練（Annual Service PracticeまたはAirdefense missile Shooting Plactice）の略。高射部隊年次射撃訓練を参照。

＜ＡＳＰＩＳシリーズ＞：リットン社、レイセオン社、トラコー社が共同開発した航空機用自衛装置で、発展型自己防御統合システムの略。参考：月刊航空ファン11,’92

＜ＡＳＰＩＳ＞：リットン社製AN/ALR-87/-91/-93/またはAN/APR-39レーダー警戒装置、レイセオン社製AN/ALQ-184ジャミングポッド、トラコー社製AN/ALE-40/-47チャフ・フレアディスペンサーを組み合わせている。AN/ALR-93レーダー警戒装置、AN/ALE-47チャフ・フレアディスペンサー、AN/ALQ-187欺瞞妨害装置の組み合わせで1990年代後半にギリシャ空軍F-16ブロック30/50に搭載された。参考：月刊航空ファン11,’92、月刊JWings7,’03

＜ＡＳＰＩＳ�U＞：ASPISの改良型で、ギリシャ空軍F-16ブロック52プラス部隊が装備する。参考：月刊JWings7,’03

＜ＡＳＰＲＯ−Ａ−ＵＬ＞：ラファエル社が開発した軽量型アクティブ防御システム。トロフィーの軽量化型で、装甲化HMMWVクラスの車両の２カ所にセンサーを付け、遠隔操作銃塔を兼ねるランチャーに迎撃用グレネード２発を上下２連装で搭載する。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ＡＳＱＵＩＤ＞：アメリカ海軍のMH-60ヘリ用Mk18機雷捜索UUV揚収機材Airborne Surface Quad Thruster Interface Device。従来はMk18をRHIBから運用していたが、機雷源に乗り入れて人間が揚収するのは危険なので、ヘリから運用できるようにしたものである。MH-60の胴体右に装着し、Mk18の投入・回収に使う。参考：月刊世界の艦船7,’19

＜ＡＳＲ＞：空港監視レーダーまたは陸軍任務略綬章（アメリカ陸軍）を参照。

＜ＡＳＲ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号。1956年8月、特務艇（特務救難艇）を示す艦種記号として付与され、1957年9月1日に公式制定された。すま型特務艇に付与されている。1960年10月1日、従来のASRはATRに改称され、ASRは新たに潜水艦救難艦（Submarine Rescue Vessel）を示す艦種記号となった。401以降の艦番号が付く。1961年、ちはや型潜水艦救難艦が竣工。1970年、ふしみ型潜水艦救難艦が竣工。2000年、ちはや型潜水艦救難艦が竣工。2018年、ちよだ型潜水艦救難艦が竣工。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＲ−２＞：アメリカ海軍潜水艦救難艦ファルコン（Falcon）。1939年5月23日、ポーツマス沖で潜航公試中に沈没したSS-192スクアラスの救難作業に参加。マッキャン・チェンバーにより33名を救出した。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜ＡＳＲ−�U＞：韓国海軍が清海鎮級潜水艦救難艦の後継として開発している潜水艦救難艦。波高4m・深度500mで運用できるDSRVを装備し、ヘリ甲板を持つ。全長120m、幅19m、排水量5600トン。速力20ノット。大宇造船海洋が建造し、カンファド（江華島Ganghwado）が2021年10月7日に進水した。2022年末に引き渡される予定。参考：月刊軍事研究6,’18、月刊世界の艦船3,’19、1,’22

＜ＡＳＲ−５＞：アメリカ海軍潜水艦救難艦オートラン（Ortolan）。昭和18年7月17日、ガダルカナル島カミンボ沖で甲標的甲型第８号の引き揚げに成功した。参考：月刊世界の艦船3,’17

＜ＡＳＲ−２１＞：韓国海軍清海鎮級潜水艦救難艦１番艦清海鎮（チョンヘジン、Chunghaejin）。1996年就役。1996年、搭載するDSRVを使用して深度457mでの運用に成功した。2013年9月20-28日、パシフィック・リーチ2013に参加。参考：月刊軍事研究5,’05、月刊世界の艦船4,’09、月刊JWings12,’13

＜ＡＳＲ−２７＞：韓国海軍イーデントン級潜水艦救難艦平沢（ピョンテク、Pyongtaek）。元はアメリカ海軍イーデントン級潜水艦救難艦ATS-2ボーフォートで、1996年に引き渡され、1997年から運用された。2016年12月28日に退役し、鎮海基地で解役式典が行われた。除籍後は平沢市に引き渡される予定。参考：月刊世界の艦船3,’17、7,’13、月刊軍事研究5,’05

＜ＡＳＲ−２８＞：韓国海軍イーデントン級潜水艦救難艦光陽（クァンヤン、Kwangyang）。元はアメリカ海軍イーデントン級潜水艦救難艦ATS-3ブランズウィックで、1996年に引き渡され、1997年から運用された。参考：月刊世界の艦船7,’13、月刊軍事研究5,’05

＜ＡＳＲ−４０１＞：海上自衛隊ちはや型潜水艦救難艦１番艦ちはや。1961年3月15日竣工、呉地方隊に編入された。1965年2月1日、第１潜水隊群直轄艦となった。1985年3月27日、特務艦ASU-7011に艦種変更されて地方隊に転出し、AS-405ちよだが戦力化するまでの予備艦として任務に就いた。1989年2月28日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、9,’15、8,’24

＜ＡＳＲ−４０２＞：海上自衛隊ふしみ型潜水艦救難艦１番艦ふしみ。昭和42年度計画艦で、1968年11月5日起工、1969年9月10日進水、1970年2月10日竣工・就役、第１潜水隊群に編入された。1973年10月16日、第２潜水隊群に移った。1985年3月27日、第１潜水隊群に移った。1990年、衛星テレビ受信用アンテナを装備。2000年3月24日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船8,’24、1,’04、9,'15、月刊JWings1,’99

＜ＡＳＲ−４０３＞：海上自衛隊ちはや型潜水艦救難艦１番艦ちはや（千早城から）。平成8年度計画艦で、2000年3月23日竣工・就役、第１潜水隊群に配備された。2001年8月10日から12月16日、ハワイ沖で沈没したえひめ丸の引き揚げ作業と遺体捜索活動の災害派遣に参加。2008年5月、隊員６名が飽和潜水により深度450mの海底に降り立ち、１時間ほど滞在した。水圧に耐えるため、潜水前の加圧に５日間、潜水後の減圧に20日間かけている。2009年12月10日、長崎県沖で墜落した第22航空隊SH-60Jヘリの捜索に参加。海底に沈んでいた行方不明者２名をダイバーで収容した。2011年5月28-29日、和歌山港中埠頭で一般公開された。11月11日、愛媛県宇和島港に入港し、えひめ丸犠牲者慰霊碑に献花した。2012年4月14-15日、金沢港無量寺埠頭で一般公開を実施。4500人が来艦した。5月11日、大阪の堺泉北港に入港。乗員20名が千早城研修・清掃奉仕を行った。2013年9月20-28日、パシフィック・リーチ2013に参加。2015年8月1日、３自衛隊募集広報パワーアドベンチャー2015に協力するため別府国際観光港に入港。先任海曹室では湯布院駐屯地隊員との下士官交流が行われた。2017年7月15日、阪神基地隊サマーフェスタ2017で一般公開された。7月17日、姫路港で一般公開された。2018年6月9-10日、松山外港第２埠頭で一般公開された。7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。7月21日、阪神基地隊サマーフェスタで一般公開された。2019年現在、第１潜水隊群直轄艦で、定係港は呉。2020年現在、第１潜水隊群直轄艦で、定係港は呉。2021年2月8日、SS-501そうりゅうが商船と衝突して損傷したため、支援に向かった。5月25日現在、第１潜水隊群直轄艦で、定係港は呉。2019-20年度予算で近代化改装を受け、救難能力をちよだ型と同等に向上させており、2021年11月13日に瀬戸内海で改装後の公試を行った。2022年1月31日に墜落した飛行教導群F-15DJ戦闘機の捜索救難活動に参加。4月25日現在、第１潜水隊群直轄艦で、定係港は呉。2023年2月3-7日、愛媛県今治市沖来島海峡で衝突事故により沈没した貨物船せいりゅう乗員の捜索活動に参加。4月6日に墜落した第８師団第８飛行隊UH-60JAヘリの捜索救難活動に参加。4月25日現在、第１潜水隊群直轄艦で、定係港は呉。2024年4月25日現在、第１潜水隊群直轄艦で、定係港は呉。5月18-19日、第27回たまの・港フェスティバルに参加し、岡山県玉野市宇野港第一突堤で一般公開された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、8,'24、1,’04、5,’02増刊、8,’11増刊、12,’13、10,’18、7,’19、6,'20、5,'21、7,'21、2,'22、4,'22、6,'22、6,'23、6,'24、8,’24、朝雲、月刊JWings8,’11、10,’17、9,’18、JShips VOL.70

＜ＡＳＲ−４０４＞：海上自衛隊ちよだ型潜水艦救難艦ちよだ（江戸城の別名、千代田城から）。平成26年度計画艦で、2015年10月21日起工、2016年10月17日進水、三井造船玉野事業所で命名・進水式を実施。2017年6月22日公試開始。2018年3月20日竣工・就役、第２潜水隊群に配備された。神戸港で川崎重工神戸工場製DSRVを搭載し、3月26日に横須賀基地に入港している。5月1日1512頃、静岡県伊東港沖で錨泊しての訓練中に、近くを航行していたプレジャーボートが傾いて５人が海に投げ出されるのを乗員が目撃したため、118番通報すると共に、作業艇で４人を救出し（残る１人は伊東マリンタウンの作業艇が救助）、1559頃に伊東港へと作業艇で後送、救急車に引き継いだ。5月21日、小野寺防衛相が艦を視察し、乗員を激励した。5月30日、呉に入港。6月14日、横須賀港で日米共同衛生訓練に参加。12月6日に発生したF/A-18DとKC-130Jの墜落事故の捜索救助に関する災害派遣に参加。2019年現在、第２潜水隊群直轄艦で、定係港は横須賀。2019年5月26日に千葉県銚子市犬吠埼沖で衝突沈没した民間貨物船乗員の捜索救助を目的とする災害派遣に、5月27日から5月29日まで参加。6月15-16日、名古屋港ガーデン埠頭で一般公開された。10月16日、横須賀を出港。11月4-15日、パシフィック・リーチ2019に参加。12月7日帰国予定。2020年現在、第２潜水隊群直轄艦で、定係港は横須賀。2021年5月25日現在、第２潜水隊群直轄艦で、定係港は横須賀。5月27日1355頃に愛媛県今治市来島梶取鼻灯台北北東4kmで衝突事故により沈没した北星海運Ro-Ro船白虎の乗員捜索の災害派遣に参加。2022年4月25日現在、第２潜水隊群直轄艦で、定係港は横須賀。2023年4月25日現在、第２潜水隊群直轄艦で、定係港は横須賀。2024年4月25日現在、第２潜水隊群直轄艦で、定係港は横須賀。参考：月刊世界の艦船1,’17、9,’17、5,’18、6,’18、8,’18、9,’18、7,’19、8,’19、1,’20、6,'20、7,'21、8,'21、6,'22、6,'23、6,'24、MAMOR vol.120、月刊航空ファン2,’19、月刊JWings9,’19、朝雲

＜ＡＳＲ−４３１＞：海上自衛隊すま型特務艇１番艇すま。元はアメリカ海軍港内曳船YTL-749で、1955年1月23日に供与され、曳船YT-21となった。1956年5月16日に特務雑船YAS-02となり、10月16日に特務艇に区分変更され、すまの名前が付いた。1957年、ASR-431の艦種記号−艦番号が付いた。1960年10月1日、艦種記号をATRに変更。1969年4月1日、特務船YAS-45となり、1974年9月30日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、5,’02増刊

＜ＡＳＲＡＡＭ＞：イギリス軍の視程内空対空ミサイルで、Advanced Short Range Air-to-Air Missile（発達型短射程空対空ミサイル）の略。アメリカ（予定制式名AIM-132）、イギリス、ドイツの３ヵ国で開発していたが、途中でアメリカとドイツが抜け、イギリス単独で開発した。シーカーは128×128の高解像度赤外線画像誘導方式を採用しており、デジタルデータ処理装置と組み合わせて高い命中率と対妨害能力を持つ。発射後ロックオンも可能で、ヘルメット装着式照準装置により90度のオフボアサイト能力がある。マッハ3-4の高速で飛翔するため、後部フィンとボディ・リフトのみで機動でき、前部から中央にかけてはフィンもストレーキも無い。既存のミサイルシステムとの互換性があり、AIM-9サイドワインダーまたはAIM-120AMRAAMを搭載できるレールランチャーなら搭載可能、これらを運用できる航空機ならば運用可能である。F-35Bのウェポンベイにも収まり、ブロック４ソフトウェア以降で運用できる。全長2.75m（2.9m？）、直径0.168m、翼スパン0.45m、発射重量100kg（87kg？）、弾頭重量10kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ３以上、射程15km。信管はアクティブレーザー。2002年に初度運用能力IOCを獲得した。オーストラリア空軍も採用している。データリンクを追加したタイプが2022年に実用化される予定。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊JWings10,'24、9,’12、4,’02、月刊丸10,’97、月刊軍事研究2,’09、2,'19、月刊世界の艦船12,’17

＜ＡＳＲＡＤシリーズ＞：ドイツ軍の短距離地対空ミサイルシステムで、Advanced Short Range Air Defenceの略。参考：月刊軍事研究2,’02

＜ＡＳＲＡＤ＞：別名アトラス。撃ちっ放し式地対空ミサイル連装発射機２基を搭載したオゼロト兵器プラットフォーム、目標捜索レーダーを搭載した小隊指揮所、中隊指揮所からなる。ドイツ軍がヴィーゼル２に搭載してLeFlaSysとして採用した他、ギリシャ軍がMB290GDウルフ４輪駆動車に搭載して配備、フィンランド軍がITO05CMADとして採用した。ポーランドではディフェンダー４輪駆動車やBRDM2改に搭載してテストしている。参考：月刊軍事研究2,’02、12,’08

＜ＡＳＲＡＤ−Ｒ＞：ITO05CMAD（対空ミサイル）またはLeFlaSys（自走地対空ミサイル）を参照。

＜ＡＳＲＡＤ　Ｎａｖｙ＞：ASRADの艦載型。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＳＲＬＳ＞：トルコのアセルサン社が開発した艦対潜ロケットシステムで、Anti-Submarine Rocket Launching Systemの略。架台に６連装対潜ロケットランチャーを搭載している。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ＡＳＲＯＣ＞：アスロック（対潜ロケット）を参照。

＜ＡＳＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号。1956年8月、特務艇（特務輸送艇）を示す艦種記号として付与され、1957年9月1日に公式制定された。1960年10月1日に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＳＰ−３１３＞：SS-313（潜水艦）を参照。

＜ＡＳＳＰ−３１５＞：SS-315（潜水艦）を参照。

＜ＡＳＴ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号。1956年8月、特務艇を示す艦種記号として付与され、1957年9月1日に公式制定された。1960年10月1日、421以降の艦番号が付けられた。1968年3月16日に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＴ−４２１＞：海上自衛隊とば型特務艇１番艇とば。元はアメリカ陸軍曳船LT-392で、1955年3月2日に供与され、曳船YT-23に類別された。主に横須賀で港湾業務を行っていたが、海自艦艇に対しては大きすぎたため、あまり出動の機会は無く、総監部前に係留されていた。1956年2月16日、特務艇に種別変更された。1956年8月、ASTの艦種記号が付与され、1957年9月1日に公式制定された。1960年10月1日、艦番号421が付与されてAST-421になった。1965年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’79増刊、5,’02増刊

＜ＡＳＴＡＣＯ＞：双腕作業機を参照。

＜ＡＳＴＥＣＳ＞：AN/BLQ-10シリーズ（ESM装置）を参照。

＜ＡＳＴＥＴ＞：T-2（空自練習機）を参照。

＜ＡＳＴＯＲ＞：Mk45（魚雷）またはセンチネルR.1（地上監視機）を参照。

＜ＡＳＴＯＶＬ＞：DARPAのハリアー後継機開発計画Advanced Short Take-Off and Vertical Landing Aircraft（発達型短距離離陸・垂直着陸機）。1983年に研究を開始し、イギリスも計画に加わり、実機を製造できるかはロッキード社スカンクワークスに秘密裏に依頼、1987年に第１段階作業を終えて実現可能という結論が出された。同年に第２段階としてロッキード社に具体的な機体の研究作業を依頼し、STOVL打撃戦闘機SSF（STOVL Strike Fighter）に進んでいる。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＡＳＴＲＯＳ�U＞：ブラジル陸軍自走多連装ロケットシステムで、Artillery SaTuration ROcket Systeｍ（砲兵縦深ロケットシステム）の略。ブラジルのアヴィプラス社が1983年から開発し、1994年（1990年？）から配備された。AV-LMUランチャー車６両（４・８両も可）、AV-RMD弾薬補給車６両、AV-UCF射撃統制レーダー車１両で１個中隊を構成し、中隊３個と指揮統制車AV-VCC１両、野戦整備作業車２両で１個大隊を構成する。ランチャー車は装甲キャビンを持つ６×６輪のテクストランAV-LMUトラックで、後部荷台に127mmロケット弾SS-30（射程30km）なら32発、140mmロケット弾SS-40（射程35km）なら16発、300mmロケット弾SS-60（射程60km）または300mmロケット弾SS-80（射程90km）なら４発を搭載できる。SS-30以外のロケット弾には対人・対軽装甲目標用のクラスター弾頭、発煙・焼夷・対人兼用の白燐弾頭、滑走路破壊用の遅延信管付き貫通弾頭、地雷撒布弾頭などが用意されている。キャビン上部には自衛用の機銃を搭載する。全長7m、全幅2.9m、全高2.6m、重量10トン。エンジンはメルセデス製OM422ディーゼル（280馬力）、最大速度90km、航続距離480km。イラク、カタール、サウジアラビアに輸出された。2000年には最大射程150kmの戦術ミサイル（２発搭載可能）の発射実験に成功している。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊グランドパワー3,’95、軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究8,’08、月刊丸4,’99

　＜ＡＳＴＲＯＳ�UＭｋ６＞：2012年に陸軍と海兵隊が計40両を発注し、2014年から引き渡された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＳＴＲＯＳ�U海外シリーズ＞

　＜サジェール＞：イラク軍自走多連装ロケットシステム。ライセンス生産バージョンで、ロケット弾の全長が原型よりも切り詰められている。弾種はサジェール30、サジェール40、サジェール60。イラン・イラク戦争や湾岸戦争（３個中隊）で使用された。参考：軍事分析湾岸戦争、月刊軍事研究8,’08

　＜シジール＞：イラク軍自走多連装ロケットシステム。輸入版である。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜ＡＳＴＲＯＳ　Ｍｋ６＞：インドネシア陸軍自走127mm多連装ロケットランチャー。ブラジルのAvibrasから2013年に36両の導入を決定した。2014年に最初の13両が引き渡されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜ＡＳＵ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、特務艇（救難・訓練支援型）を表す。1977年4月18日に定められ、81以降の艦番号も付けられた。1979年7月1日、特務艦（老朽化し用途変更されたもの）を表す艦種記号にもなった。こちらの艦番号は7001以降である。2004年頃、特務艦が廃止され、特務艇のみを示す艦種記号となった。ただし特務艇に類別される艇は2002年までに全艇除籍済で、艦種記号だけ残されている状態である。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＵ−５７＞：ソ連軍が開発した世界初の実用空挺自走砲。第40工場（ミティシンスキー自動車工場）のD.I.サゾノフが設計したオブイェークト572を1951年に採用したものである。車体前部が機関室、後部がオープントップの戦闘室で、装甲厚は4-6mm、ジュラルミンも多用して軽量化を図った。下部転輪は片側３個、起動輪は前方、誘導輪は接地式で後方にあり、上部転輪２個を持つ。主砲は57mm対戦車砲Ch-51（30発）で、戦闘室に固定式で搭載する。Ch-51はZis-2対戦車砲を改良したもので、射距離1000mで装甲貫徹力100mm（弾着角90度）を誇る。ダブルバッフル式マズルブレーキ（Ch-51M）と小型エバキュエーターを持つバリエーション１と、多孔式マズルブレーキ（Ch-51）を持つバリエーション２がある。副武装は7.62mm重機関銃SGMTが１丁。全長5m、車体長3.48m、全幅2.086m、全高1.46m、重量3.3トン。エンジンはM-20Eガソリン（55馬力）、最大速度45km、航続距離250km。乗員３名。空挺連隊の対戦車中隊に９両が配備され、対戦車防御戦闘に使用される。当初はTu-4爆撃機またはYak-14重輸送機の翼下に懸架されるP-90コンテナに２両ずつ納めてパラシュート投下していたが、後にAn-8またはAn-12輸送機に１両ずつパラシュート式プラットフォーム（ロケットモーターが付いており、着地寸前に点火して減速する）に固定された状態で搭載され、後部デッキから滑り落とされるようになった。1962年まで量産され、BMD-1が普及する1980年頃まで使用された。参考：世界の軍用車両(2)、月刊PANZER5,’01、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、異形戦車ものしり大百科

＜ＡＳＵ−６１＞：PC-313（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−６２＞：PC-315（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−６３＞：PC-316（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−６４＞：PC-317（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−６５＞：PC-318（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−６６＞：PC-319（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−７６＞：ソ連軍試作空挺自走砲。1946年10月から開発され、1947年に完成したオブイェークト570がベースにである。車体は小型で、車体前部に機関室があり、後部に戦闘室を置く。装甲厚は車体前面14mm、側面6mm。下部転輪は片側３枚、誘導輪は接地式で後方、起動輪は前方にあり、上部転輪は片側２枚。主砲はPT-76と同じ76.2mm戦車砲LB-76S（30発）で、多孔式マズルブレーキを持ち、装甲貫徹力は射距離500mで75mm（弾着角60度）。副武装は7.62mm機銃RP-46。試作車４両のみ製作され、採用はされなかった。全長4.67m、全幅2.34m、全高1.575m、重量5.8トン。エンジンはGAZ-51Eガソリン（78馬力）、最大速度45km、航続距離235km。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜ＡＳＵ−８１＞：海上自衛隊81号型支援船１番艦、特務艇81号。1967年10月21日起工、1968年1月18日進水、3月3日に特務船YAS-101として竣工。1977年4月18日、特務艇に区分変更され、ASU-81となった。1997年10月27日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＵ−８２＞：海上自衛隊81号型支援船２番艦、特務艇82号。1968年9月25日起工、12月20日進水、1969年3月31日に特務船YAS-102として竣工。1977年4月18日、特務艇に区分変更され、ASU-82となった。1998年8月14日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＵ−８３＞：海上自衛隊81号型支援船３番艦、特務艇83号。1971年4月2日起工、5月24日進水、9月30日に特務船YAS-103として竣工。KD-2R-5改用発進カタパルトを中部甲板に装備しており、KD-2R-5改６機を搭載しての対空射撃訓練支援機能を持つ。1977年4月18日、特務艇に区分変更された。2001年6月15日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史、丸スペシャルNo.78

＜ＡＳＵ−８４＞：海上自衛隊81号型支援船４番艦、特務艇84号。1971年2月4日起工、1972年5月24日進水、9月13日に特務船YAS-104として竣工。1977年4月18日、特務艇に区分変更され、ASU-84となった。2001年9月14日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＵ−８５＞：海上自衛隊81号型支援船５番艦、特務艇85号。1973年2月20日起工、7月16日進水、9月19日に特務船YAS-105として竣工。1977年4月18日、特務艇に区分変更され、ASU-85となった。2002年10月30日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＵ−８５＞：ソ連軍空挺自走砲。SU-76Mの後継として第40工場主任のアストロフ技師が1951年に提示したオブイェークト573を基に開発された。しかし1956年に量産が開始された時には西側戦車に105mm砲が搭載されており、戦車駆逐大隊ではなく空挺部隊の特別突撃砲大隊に装備されることとなり、名称がASU-85となった。存在が確認されたのは1962年5月1日のメーデー記念日パレードである。車体はPT-76がベースで、車体中央部から後部に密閉式戦闘室を溶接し、ダブルバッフル式マズルブレーキと砲口排煙器の付いた67口径85mmライフル砲D-70（APDS、APHE、HE計45発）を搭載している。俯仰角はマイナス４度からプラス15度、旋回角は左右計12度、発射速度毎分3-4発。装甲貫徹力は射距離1000mで180-220mm（弾着角60度）。副武装は防楯に同軸搭載した7.62mm重機関銃SGMT１丁（1200発）。戦闘室前面には良好な避弾経始が付けられており、装甲厚はT-34/85の車体と同じ45mm。T-55と同等の対放射線防御システムPAZを装備する。重量過大でパラシュート降下ができないため（できないことはないという説もある）、An-12輸送機に搭載し、確保済みの平坦地に強行着陸させて空輸、パラシュート降下したASU-57部隊が確保した地域を強化する。水上航行能力は無い。生産後、ルナ夜間戦闘システムの追加、対空用12.7mm機銃DShK装備などの改修が行われた。全長8.44m、車体長6.24m、全幅2.94m、全高1.915m、戦闘重量15.3トン。装甲厚は車体前面40mm60度、側面上部15mm30度、後面10mm、上面8mm、底面10mm、防楯40mm60度。エンジンはYamaz-206V（V6型？）水冷直列６気筒ディーゼル（240馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速、最大速度45km、燃料搭載量250リットル、航続距離260km。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。1966年まで量産され、1979年にはアフガン侵攻作戦に使用され、1993年に通常兵器削減条約の廃棄対象となって装備から外された。後継は2S9ノナ自走迫撃砲である。ポーランド第６ポメラニア空挺師団も少数が配備したが、他には輸出されていない。参考：月刊PANZER5,’01、7,’11、5,’83、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(2)

＜ＡＳＵ−８６＞：PC-309（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−８７＞：PC-314（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−８８＞：PC-310（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−８９＞：PC-311（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−９０＞：PC-312（駆潜艇）を参照。

＜ＡＳＵ−７００１＞：ARC-481（敷設艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００２＞：DD-101（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００３＞：DD-102（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００４＞：DD-103（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００５＞：DD-105（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００６＞：DD-107（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００７＞：DD-108（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００８＞：DD-109（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７００９＞：DD-110（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１０＞：DD-161（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１１＞：ASR-401（潜水艦救難艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１２＞：DD-162（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１３＞：DD-111（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１４＞：DD-112（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１５＞：DE-211（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１６＞：DE-213（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１７＞：DE-214（護衛艦）を参照。

＜ＡＳＵ−７０１８＞：海上自衛隊あさぐも型特務艦あさぐも。元はDD-115あさぐもで、1993年10月18日に特務艦に艦種変更された。第１潜水隊群に配属され、潜水艦支援、群旗艦的指揮艦などを務めている。1998年3月24日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船1,’95

＜ＡＳＵ−７０１９＞：海上自衛隊もちづき型特務艦１番艦もちづき。元はDD-166もちづきで、1995年4月1日に特務艦に艦種変更された。1999年3月19日に除籍され、売却されてスクラップになった。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船3,’00

＜ＡＳＵ−７０２０＞：海上自衛隊はやせ型特務艦１番艦はやせ。元はMST-462はやせで、1998年3月20日に特務艦に艦種変更された。2002年12月11日に除籍された。参考：月刊世界の艦船10,'15、月刊JWings1,’99、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＳＵＡ＞：陸軍優秀部隊感状を参照。

＜ＡＳｕＷ＞：Anti Surface Warfare（対水上戦）の略。

＜ＡＳＶ＞：兵站支援車を参照。

＜ＡＳＶシリーズ＞：イギリス軍が第２次大戦時に使用した航空機搭載対水上レーダー。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＡＳＶ　Ｍｋ．２＞：使用波長1.5m。浮上中のＵボートを距離8kmで探知できる。夜間は視界が効かず、探知できても攻撃が困難なため、リー・ライトと組み合わせて使用した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＡＳＶ　Ｍｋ．３＞：ASV Mk.2がFuMB1メトックスにより無力化されたため、空軍が使用していたH2Sレーダーを対水上用に改造したもの。使用波長9.7cm、出力50kW。高度600mからＵボートを探知できる。1942年12月に試作レーダーが２基完成し、1943年3月にウェリントンの機首下部に搭載してテストを行った。3月17日にＵボートの探知に成功、翌日に初撃沈を記録している。ドイツ側は1943年11月にFuMB7ナクソスを導入したため、波長を変えて対応し、ASV Mk.4に後を譲った。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＡＳＶ　Ｍｋ．４＞：ASV Mk.3の波長を3cmにし、出力を200kWに増大したもの。出力の制御も可能なので、Ｕボート探知後に出力を落として自らの位置を欺瞞する行動が取れるようになった。1944年1月から配備された。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜ＡＳＷ＞：対潜水艦戦を参照。

＜ＡＳＷ−６００＞：スウェーデン海軍エルマ爆雷投射機用ランチャー。1992年に開発された。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜ＡＳＷ−６０１＞：スウェーデン海軍エルマ爆雷投射機用ランチャー。サーブ社が1995年に開発した。基本的には第２次大戦時にイギリス海軍が開発したヘッジホッグと同じで、９連装100mm擲弾発射筒２基を組み込んだ発射機ユニット２基からなる。旋回角プラスマイナス10度。射程150-450m。参考：月刊軍事研究3,’00、火器弾薬技術ハンドブック、月刊世界の艦船9,’20

＜ＡＳＷ−６０４＞：スウェーデン軍の爆雷。全長450mm、直径100mm、翼幅310mm。小型装甲貫徹弾頭20個を搭載している。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＳＷＣＳ＞：Mk116（対潜戦指揮艦製システム）またはOYQ-101（対潜情報処理装置）またはOYQ-102（対潜情報処理装置）またはOYQ-103シリーズ（対潜情報処理装置）を参照。

＜ＡＳＷ−ＣＳＩ＞：AN/SQQ-89シリーズ（対潜戦システム）を参照。

＜ＡＳＷＦ＞：オランダ海軍とベルギー海軍が共同開発予定のフリゲートで、Anti-Submarine Warfare Frigateの略。カレル・ドールマン級の後継となる対潜フリゲートである。タレス社製AWWS指揮管制システム、APAR�Uレーダー、シーマスター400ブロック２レーダー、スカウトMk3レーダー、ミラドールMk2電子光学方位盤、ゲートキーパーMk2電子光学センサーを搭載する。全長145-146m、幅18m、吃水5.5m、満載排水量5500-6400トン。主機はディーゼルまたはディーゼル・エレクトリック方式、MANエナジー・ソリューションズ製MAN20V28/33Dディーゼル２基＋16V175D-MEVディーゼル発電機４基、速力30ノット以上。兵装はレオナルド製62口径76mm単装砲76/62Sovraponte（DART誘導砲弾）１門、NSM艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、ESSMブロック２艦対空ミサイル用Mk41垂直発射機16セル１基、RAM21連装発射機１基、短魚雷、遠隔操作式40mm単装機関砲２門。ヘリ１機を搭載可能。乗員120名。オランダ向け２隻とベルギー向け２隻が2029-31年に竣工予定。参考：月刊世界の艦船9,’23、4,’21、3,’24

＜ＡＳＷＯＣ＞：Anti-Submarine Warfare Operation Center（航空対潜指揮センター）の略。海自P-3Cの戦術支援のため陸上に設置されるオペレーションセンターで、P-3Cが収集したデータがリアルタイム送信され、これを解析し、データベース化すると共に対潜機の指揮管制支援を行う。ミッション計画、ブリーフィング、ミッション評価なども実施する。導入時バージョンの従来型、航空機飛行計画管理機能を追加した改修型があり、那覇航空基地に配備されている改修型はCOTSとして市販コンピュータを取り入れている。参考：自衛隊装備年鑑1996、MAMOR vol.58

＜ＡＳＷＯＣ連接装置＞：ASWOCとMOFシステム（海上作戦部隊指揮統制支援システム）の間でデータをやりとりするための装置。航空プログラム開発隊プログラム第２科第５係が維持管理を行っている。参考：MAMOR vol.58

＜ＡＳＷ−ＳＯＷ＞：シー・ランス（対潜ミサイル）を参照。

＜ＡＳＷＳＷＣ＞：アルナラ級（対潜艦）を参照。

＜ＡＳＹ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、特務艇（迎賓艇。Auxiliary Vessel Special Service Yacht）を表す。1977年10月1日に定められ、91以降の艦番号も付けられた。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’11増刊

＜ＡＳＹ−９１＞：海上自衛隊はしだて型特務艇１番艇はしだて。平成9年度計画艦で、1999年11月30日竣工・就役。2000年9月3日、東京都総合防災訓練に参加。2009年8月19日、東京湾アクアラインパーキングエリア海ほたるで海自・NEXCO東日本アクアライン管理事務所共同災害救助訓練に参加。訓練終了後に一般公開され、1000人が乗艦した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。3月15日1715、漁船の要請を受け、ガソリン８リットルと米50kgを提供した。2012年2月3日、東京都の帰宅困難者輸送訓練に参加。有明埠頭から千葉まで帰宅困難者を輸送した。5月18-20日、下田黒船祭に参加。2015年6月2-7日、洋上懇談会のため名古屋港ガーデン埠頭に入港。6月6日、各県自治体防災関係者、援護企業関係者、自衛隊関係者など120人が洋上懇談会に参加。2016年5月18日、舞鶴教育隊の学生教育、耐洋性涵養、災害派遣の予行を兼ね、初めて舞鶴基地に入港した。5月24日、舞鶴基地を出港して佐世保に向かった。途中で名前の由来となった天橋立沖を航行している。5月30日、佐世保地方総監部が近隣自治体関係者80人を招いて洋上懇談会を実施。2017年5月中旬、日仏英米共同訓練に参加しているフランス海軍強襲揚陸艦L-9013ミストラルに給養員２名が乗艦し、フランス料理を習得、和食を教授した。2019年現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。2019年5月10-12日、函館に寄港し、一般公開された。5月14-16日、宮津に寄港し、一般公開された。5月18日、舞鶴地方隊グリーンフェスタ2019に参加し、舞鶴基地で一般公開された。6月、隊員自主募集優秀部隊等褒賞を受賞した。7月27日、館山航空基地ヘリコプターフェスティバルで一般公開された。2020年現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。2021年5月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。6月11-14日、名古屋港ガーデン埠頭で募集対象者などに特別公開を実施。2022年4月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。11月6-7日、関東南方海空域で行われた多国間共同訓練で想定遭難船を務めた。2023年4月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。10月21日、横須賀基地で横須賀地方総監部オータムフェスタに参加し、体験航海を行った。2024年4月25日現在、横須賀警備隊に配備されており、定係港は横須賀。参考：月刊世界の艦船1,’04、11,’00、4,’12、8,’12、8,’16、7,’19、8,’19、6,'20、7,'21、6,'22、6,’23、1,'24、6,'24、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings8,’19、10,’19、9,'21、朝雲

＜ＡＳＹ−９２＞：海上自衛隊ひよどり型特務艇１番艇ひよどり。駆潜艇PC-320ひよどりを改造したものである。1987年4月27日改造完工。1999年7月6日に除籍された。参考：月刊JWings1,’99

＜ＡＴ＞：A40T（空挺戦車）を参照。

＜ＡＴ−１＞：2K15（対戦車ミサイルシステム）または2K16（対戦車ミサイルシステム）または3M6（対戦車ミサイル）またはT-26ファミリー（自走砲）またはタイプE45（魚雷）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ１★水陸両用戦車＞：イギリス軍の試作水陸両用戦車。A13Mk�Vカヴァナンター巡航戦車の砲塔と機関系を流用し、LVT1水陸両用車のような大型浮航車体と走行装置を装備している。水上速度8km。乗員は操縦手、副操縦手、車長、砲手、装填手。試作のみに終わった。参考：月刊グランドパワー11,’12

＜ＡＴ−２＞：3M11シリーズ（対戦車ミサイル）またはタイプE53（魚雷）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ２音響信管＞：ドイツ国防軍の機雷用音響信管。可聴周波数帯域をキャッチすると受波回路がオンになり、その後低周波数帯域をキャッチすると作動する。参考：ナチスＵボート

＜ＡＴ−２地雷＞：西ドイツ軍がMLRS用に開発した対戦車地雷で、M26ロケット弾フェーズ２に収容される。上部にパラシュート、下部に折り畳み式の脚が付いており、高度1200mで放出されて着地すると脚が伸び、成型炸薬弾頭が上向きになるように起き上がる。装甲貫徹力は140mmあるが、小型のため戦車内部を破壊する程の威力は無く、一時的な足止めが主目的である。信管は触発と時限式（６段階で時間を設定）で、味方や民間人への被害を防ぐため、事前に設定した時刻になると自爆する。全長165mm、直径103.5mm、重量2.2kg。参考：月刊PANZER4,’93、月刊丸4,’99、スピアヘッドNo.17

＜ＡＴ−２対潜魚雷シリーズ＞：ソ連海軍対潜魚雷、NATOコードはE53-72A。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＡＴ−２＞：Il-38とTu-142に搭載される空対潜型で、1965年に引き渡された。全長5.2m、直径0.533m、重量1080kg、炸薬重量100kg。推進は銀亜鉛電池による電動モーター、雷速40ノット、航走距離8000m。最大運用深度400m。誘導はアクティブ／パッシブ音響。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜ＡＴ−２Ｕ＞：85R艦対潜ミサイルに搭載される通常弾頭型で、1973年に引き渡された。全長4.8m、直径0.533m、全備重量1035kg、弾頭重量100kg。捜索時雷速25ノット、攻撃時雷速40ノット、最大攻撃深度400m、航走距離8000m。自動誘導開始距離1000m。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜ＡＴ−２ＵＭ＞：AT-2Uの核弾頭型で、こちらも1973年に引き渡された。最大雷速40ノット、攻撃可能深度400m、航走距離8000m。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜ＡＴ−２旅客機＞：中島飛行機が開発した旅客機。満州航空の要求に基づく双発旅客機で、円形断面の胴体と低翼配置の主翼を持つ。風防は下に向かって後方に傾けられており、着雪しにくい形状をとった。昭和11年に完成し、民間向け33機が生産されて満州航空や日本航空輸送などが運用した。他に日本陸軍が九七式輸送機、日本海軍が中島式双発輸送機として配備している。参考：月刊丸3,'18別冊

＜ＡＴ−３＞：9K11（対戦車ミサイルシステム）または9M14（対戦車ミサイル）または自強（練習機）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ３＞：ビーチ社の子会社であるスケールド・コンポジット社がDARPAとの契約で製作した先端技術戦術輸送機（Advanced Technology Tactical Transport）縮尺概念証明機。C-130とヘリの間を埋める輸送機を開発するための実証機で、縮尺62%の寸法である。機体はガラス繊維複合材と炭素繊維複合材製。主翼は上反角付きの前翼と下反角付きの後翼からなる串型翼で、エンジンナセルで前後が繋がっている。フラップは離陸滑走中に機首上げ速度に到達すると1.5秒で下がり、優れたSTOL能力を発揮する。総重量15000ポンド（6.8トン）級、巡航速度326ノット、低高度航続距離2400海里、未舗装滑走路305mでの運用を目指した。1987年12月29日に初飛行した。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＴ−３ｂ＞：9M14M（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＴ−３ｃ＞：9M14シリーズ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＴ４＞：9K111（対戦車ミサイルシステム）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−４シリーズ＞：スウェーデンFFV社（後にサーブ・ボフォース・ダイナミクス社）が開発した使い捨て型対戦車無反動砲で、口径がエイティー・フォーなのでエーティー・フォーという名称にした。1976年に最初の試作型が完成し、1982年からスウェーデン陸軍でテストされ、Pskott m/86という名称で採用された。1983年にはアメリカ軍でM72の後継となるLAWとしてテストが行われ、1985年にM136として25万基以上を発注、1986年から引き渡されている。参考：月刊PANZER8,’03、コンバット・バイブル、月刊軍事研究11,’14、9,’08

＜ＡＴ−４＞：ランチャーは全長1mで、弾薬が密閉封入されており、砲尾部はアルミニウム製だが、他の部分はグラスファイバー強化プラスチックで出来ていて、総重量6kg台に抑えられている。ランチャー前後には八角形の保護カバーが取り付けられ、運搬用のスリングが付く。コッキングレバーとランチャー左のオープンサイトは折り畳み式で、フロントグリップもある。トリガーは本体中央右に付いており、薬指・小指でセーフティレバーを押しながら親指でボタンを押すと発射できる。弾頭は成型炸薬で、装甲貫徹後の破壊効果が非常に高く、ドアやハッチを吹き飛ばすほどの圧力と、弾薬・燃料を誘爆させるのに十分な熱を発生させる。口径84mm、全長1020mm、重量6.7kg。初速毎秒290m、有効射程300m。装甲貫徹力450mm。後方危険区域15m。対装甲用HP弾や対建造物用AST弾（HEATとHEのタンデム弾頭）もあるが、弾薬を装填し直すことはできないので、目標別にランチャーごと取り替える必要がある。参考：月刊軍事研究11,’14、12,’16、9,’08、月刊PANZER8,’03、コンバット・バイブル

＜ＡＴ−４ＣＳ＞：CSは限定空間の略。隠蔽陣地から発射可能なバージョンで、ランチャー後面開口部に塩水入りカウンターマスを装着している。塩水は比重増（重量増加）と凝固点降下（凍結防止）を狙ったもので、発射時の爆風で蒸散してバックブラストを低減する。アメリカ特殊作戦コマンドなどに配備された。参考：月刊軍事研究11,’14、1,’05

＜ＡＴ−５＞：9M113（対戦車ミサイル）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−６＞：9K114（対戦車ミサイルシステム）または9M114シリーズ（対戦車ミサイル）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−６シリーズ＞：アメリカ陸軍練習機、別名ハーバードまたはテキサン（Texan、テキサス人。テキサス州ダラスの工場で作ったため）。1937年にノースアメリカン社が開発したNA-26を採用し、主脚を引き込み式に、胴体を金属製セミモノコックに改造したものである。当初はBC-1という名称が付いていた。1948年以降はT-6と名称変更された。各型計17096機（15602機？）が生産され、アメリカ海軍（制式名SNJ）やイギリスに引き渡されたものも多く、戦後は40カ国以上に供与された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、図解世界の軍用機史、月刊JWings12,’14、月刊航空ファン11,’17

　＜ＡＴ−６＞：1940年に94機が採用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−６Ａ＞：翼内タンクを増設したもの。全長8.84m、全幅12.8m、全高3.58m、自重1770kg、全備重量2340kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1340-49空冷星形９気筒ガソリン（600馬力）単発、プロペラはハミルトン製可変ピッチ金属製２翅、最大速度338km、実用上昇限度7380m、航続距離1012km。武装は7.7mm機銃１丁で、背部7.7mm機銃１丁をオプションで装備可能。乗員２名。1941年に1847機が発注された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings1,’18

　＜ＡＴ−６Ｂ＞：背部機銃を標準装備としたもの。1941年に400機が発注された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−６Ｃ＞：スチールと合板の使用量を増やしてアルミを節約したもの。1941-42年に2970機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−６Ｄ＞：電気系統を24Vに強化したもの。1941-44年に4388機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＸＡＴ−６Ｅ＞：エンジンをレンジャーV770-9（575馬力）に換え、高々度性能を向上したもの。試作のみ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−６Ｆ＞：構造強度増加型。1944年に956機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｔ−６Ｇ＞：既存機に延命改修を施したもの。胴体下と主翼下に爆弾、ロケット弾、7.62mmガンポッド、落下増槽などを搭載できる。1949年から2068機が改修され、朝鮮戦争ではFAC(A)、ベトナム戦争ではCOIN機として使用された。参考：月刊JWings1,’18

＜ＡＴ−６ファミリー＞

　＜ＬＴ−６Ｇ＞：空中前線統制機FAC(A)型。T-6Gベースである。参考：月刊航空ファン10,’19

　＜Ｐ−６４＞：戦闘機型。元はタイ空軍が1939年に発注したNA-50Aで、６機が製作されたが、輸出差し止めとなったのでアメリカ陸軍に引き渡されたものである。7.7mm機銃２丁と20mm機関砲２門を搭載していたが、引き渡し後に20mm機関砲を外して練習機として使用した。全長8.2m、全幅11.4m、全高2.7m、自重2110kg、全備重量2720kg。エンジンはライトR-1820-77（870馬力）、最大速度435km、実用上昇限度8380m、航続距離1010km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜Ｔ−６（空中前線統制機）＞：朝鮮戦争でFAC(A)に使用したもので、モスキートと呼ばれた。双方向無線機と目標指示用51mm発煙ロケット弾を搭載し、哨戒飛行を行いながら地上部隊の要請があれば現場に向かい、攻撃機に目標を指示した。参考：月刊航空ファン2,’02、週刊エアクラフトNo.41

＜ＡＴ−６海外シリーズ＞

　＜ＡＴ−１６＞：カナダのノーダインがライセンス生産したAT-6A。1800機が生産され、殆どはイギリスに引き渡されてハーバードMk.2Bとなった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊航空ファン6,’16

　＜ＡＴ−１６（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍対ゲリラ戦機／洋上哨戒機／練習機。26機を使用した。参考：月刊航空ファン6,’17、12,’17

　＜Ｔ−６（韓国空軍）＞：韓国空軍練習機、別名建国機（コングッキ）。創設されたばかりの韓国軍には連絡機しか無く、アメリカに実戦機を供与するよう交渉したが進捗がはかばかしくないため、２億ウォンを目標に国民献納運動を行い３億5000万ウォンを集め、カナダ空軍の中古T-6練習機10機、予備部品１年分、12.7mm機銃20丁、弾薬5000発を購入した。1950年5月14日に献納式が行われ、大統領が建国機と命名し、交通号（初号機）、全南学徒号、農民号、逓信号（６号機）など１機ずつにニックネームが付けられた。機首上面右と右主翼に7.62mm機銃を装着できるものもある。直後の6月25日に朝鮮戦争が始まったため、永登浦兵器廠で小型爆弾架を取り付けて実戦参加した。後にアメリカ軍からの供与機が加わり、1962年まで使用された。参考：月刊航空ファン3,’19、12,’19

　＜Ｔ−６（航空自衛隊）＞：航空自衛隊練習機。航空自衛隊発足時には35機を保有しており、1955年1月から1957年に追加供与され、T-6D、T-6F、T-6G計180機を配備した。また、部品取り用として、MAP供与の員数外（空自シリアルナンバーが割り当てられていない）で数機が引き渡されている。前輪式のT-34での訓練を終えた後の第２初級操縦課程で乗るため、離陸時には機体を蛇行させないと前が見えない、着陸時にはすぐ尾輪を固定しないとグラウンドループを起こすといった尾輪式特有のクセに対応するのが難しく、エリミネートが続出したらしい。しかも次に乗るT-33練習機や実用機はだいたい前輪式なので、尾輪式に慣れるのに使った労力はほぼ無駄になる。ということで、T-1練習機に後を譲って1964年に操縦訓練用としては早々と使われなくなった。捜索救難には1970年まで使用されている。T-6Fの導入初号機は静浜基地で保存されている。参考：月刊丸5,’07、6,’19、月刊軍事研究7,’14、9,’21、月刊JWings9,’21

　＜Ｔ−６Ｄ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊練習機。全長8.82m、全幅12.9m、全高3.52m、最大離陸重量2550kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-1340-AN-1空冷星型レシプロ（600馬力）単発、最大速度340km。乗員２名（タンデム複座）。９機が供与された。参考：月刊JWings5,’14、12,’14

　＜Ｔ−６Ｆ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊練習機。11機が供与された。参考：月刊JWings12,’14

　＜Ｔ−６Ｇ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊練習機。167機を供与された。24機が捜索救難用に任務変更され、1970年3月11日に全機退役した。参考：月刊JWings5,’14、1,’18、4,'24

　＜徳克薩斯人式教練機＞：台湾空軍練習機。AT-6A/AT-16を導入したものである。参考：月刊航空ファン6,’16

　＜ハーバード＞：イギリス軍練習機。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−６海外ファミリー＞

　＜Ｔ−６Ａ（航空自衛隊）＞：航空自衛隊救難捜索機。練習機用に導入したT-6を改造したもので、主翼下面パイロンに救難援助物資投下用コンテナを搭載できる。1959年6月10日から救難航空隊に配備され、1969年3月26日に退役した。参考：月刊航空ファン11,’18

＜ＡＴ−６Ｂ＞：T-6練習機ファミリーを参照。

＜ＡＴ−６Ｃ＞：T-6海外ファミリー（軽攻撃機）を参照。

＜ＡＴ−６ＴＨ＞：T-6海外ファミリー（軽攻撃機）を参照。

＜ＡＴ−７＞：9K115（対戦車ミサイルシステム）または9M115（対戦車ミサイル）または9M131（対戦車ミサイル）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−７練習機シリーズ＞：アメリカ陸軍の航法練習機、別名ナビゲーター（Navigator）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−７＞：民間のセスナ社製モデル18ツインビーチを練習機に改造したもので、キャビンに学生３名分の計器飛行装備を持ち、胴体上部に天測用の窓を付けてある。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編、月刊JWings2,’18

＜ＡＴ−７Ａ＞：水上機型で、フロートを装着し、ベントラルフィンを追加している。７機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−７Ｂ＞：極地仕様。９機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−７Ｃ＞：総重量を増大したタイプ。1943年に549機が発注された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−８＞：9M112-1（対戦車ミサイル）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−８練習機＞：アメリカ陸軍練習機、別名ボブキャット。セスナ社の民間軽輸送機T-50を軍用に採用したものである。エンジンはライカミングR-680（295馬力）双発。1941年に33機を発注した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−８練習機・海外シリーズ＞

　＜クレイン�T＞：カナダ空軍練習機。640機を導入した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−９＞：9K120アタカ（対戦車ミサイルシステム）または9M114M1（対戦車ミサイル）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−９練習機シリーズ＞：アメリカ陸軍練習機、別名ジープ（Jeep）。カーチスが提案したCW25を採用したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−９＞：原型機はアルミ不足を見越して鋼管溶接＋羽布張りで製作されたが、量産機は全金属製になった。全長9.7m、全幅12.3m、全高3m、自重2010kg、全備重量2750kg。エンジンはライカミング社製R-680-9（295馬力）双発、最大速度317km、実用上昇限度5790m、航続距離1650km。乗員２名。1941年に491機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−９Ａ＞：改良型。1942年に300機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ１０＞：9K116-1（個人携行対戦車ミサイル）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−１０＞：アメリカ陸軍練習機、別名ウイチタ（Wichita）。機体は全木製である。全長10.5m、全幅13.4m、自重2160kg、全備重量2780kg。エンジンはライカミング社製R-680-9（295馬力）双発、最大速度306km、実用上昇限度5160m、航続距離1230km。乗員４名。1941-42年に2371機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−１１＞：9M120スヴィリ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＴ−１１練習機シリーズ＞：アメリカ陸軍の爆撃手・銃手用練習機、別名カンサン（Kansan）。民間機のモデル18ツインビーチを改造している。1948年からはT-11と呼ばれた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１１＞：機首に爆撃手席を追加、照準窓を設け、機首と背部に7.7mm機銃１丁ずつを装備する。全長10.4m、全幅14.5m、全高2.9m、自重2800kg、全備重量3960kg。エンジンはプラット＆ホイットニー社製R-985-AN-1（450馬力）双発、巡航速度250km、最大速度346km、実用上昇限度6100m、航続距離1370km。45kg爆弾10発を搭載できる。乗員６名。1941-43年に1582機が発注され、オランダ軍が発注した24機もアメリカ陸軍が受け取った。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１１Ａ＞：航法練習機バージョンで、AT-11から36機が改造された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−１１練習機・海外シリーズ＞

　＜堪薩斯州人式教練機＞：台湾空軍練習機。AT-11を導入したものである。参考：月刊航空ファン6,’16

＜ＡＴ−１２＞：9K116-1（対戦車ミサイル）または9M120ヴィキール（対戦車ミサイル）またはP-35戦闘機ファミリーを参照。

＜ＡＴ−１３＞：9K115-1（対戦車ミサイルシステム）または9K115-2（対戦車ミサイルシステム）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−１４＞：9K135シリーズ（対戦車ミサイルシステム）または9M133シリーズ（対戦車ミサイル）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−１５＞：9K123（対戦車ミサイルシステム）またはトータス・シリーズ（自走砲）またはフリザンテマＳ（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＴ１５Ａ＞：トータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−１６＞：9A4172（対戦車ミサイル）またはAT-6海外シリーズ（練習機）またはトータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ１７＞：トータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−１７シリーズ＞：アメリカ陸軍練習機、別名ボブキャット。AT-8の改良型である。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１７＞：AT-8のエンジンをR-775（245馬力）に換えたもの。1942年に450機を発注した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１７Ａ＞：AT-17のプロペラを金属製可変ピッチに換えたもの。223機が発注された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１７Ｂ＞：装備改修型で、2272機が発注されたが、1806機はUC-78Bとして生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１７Ｃ＞：無線機改良型で、60機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１７Ｄ＞：細部改良型で、327機が発注されたが、うち196機はUC-78Cとして完成し、残り131機も完成後にUC-78Cに改造された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ１８＞：トータス・シリーズ（自走砲）を参照。

＜ＡＴ−１８シリーズ＞：アメリカ陸軍航空隊練習機。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１８＞：元はロッキード社の民間機、モデル14スーパーエレクトラで、マーチン社製の背部銃座を取り付け、爆撃機射手の射撃訓練機にしたものである。217機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

　＜ＡＴ−１８Ａ＞：背部銃座を外し、航法訓練用としたもの。83機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−２０＞：アメリカ陸軍練習機、別名アンソン。カナダのフィデラル社がイギリス空軍向けアブロ・アンソン�Uとして生産したうち、50機をレンドリースしたものである。全長12.9m、全幅17.2m、全備重量3860kg。エンジンはジェイコブスL-6BM（330馬力）双発、最大速度300km、実用上昇速度5950m、航続距離900km。乗員５名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−２１＞：アメリカ陸軍の爆撃機銃手専用訓練機、別名ガナー（Gunner）。木金混合機で、フェアチャイルド社が特許を取ったデュラモールド工法による合板を使用している。主翼は中翼単葉で、水平尾翼端に双垂直尾翼が付く。降着装置は前輪式引き込み脚。全長11.6m、全幅16m、全高4m、自重3930kg、全備重量5120kg。エンジンはレンジャーV-770-11/-15倒立Ｖ型12気筒レシプロ（520馬力）双発、巡航速度313km、最大速度360km、実用上昇速度6830m、航続距離1460km。機首に7.7mm機銃１丁、背面に7.7mm連装動力銃塔１基を持つ。乗員５名（操縦士、副操縦士兼射撃教官、生徒３名）。1944年までにフェアチャイルド社106機、ベランカ航空機39機、マクダネル社30機の計175機が生産され、標的曳航機としても使用された。参考：週刊エアクラフトNo.97、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・アメリカ編

＜ＡＴ−２３Ａ＞：B-26爆撃機ファミリーを参照。

＜ＡＴ−２３Ｂ＞：B-26爆撃機ファミリーを参照。

＜ＡＴ−２５＞：フィリピン海軍大統領用ヨットAng Pangulo。参考：JShips Vol.20

＜ＡＴ−２６＞：MB326海外シリーズ（攻撃機）またはT-26戦車ファミリーを参照。

＜ＡＴ−２９＞：EMB-314シリーズ（攻撃機）を参照。

＜ＡＴ−３３Ａ（インドネシア空軍）＞：T-33練習機・海外ファミリーを参照。

＜ＡＴ−３３Ａ（ビルマ空軍）＞：T-33海外シリーズ（練習機）を参照。

＜ＡＴ−３７Ｄ＞：A-37A（COIN機）を参照。

＜ＡＴ−３８Ａ＞：T-38練習機ファミリーを参照。

＜ＡＴ−３８Ｂ＞：T-38練習機ファミリーを参照。

＜ＡＴ−７３＞：アメリカ海軍航洋曳船メノミニー（Menominee）。1942年8月、ガブツ島ハラヴォ海岸に擱座していた駆逐艦菊月の調査に参加。参考：月刊世界の艦船2,’18

＜ＡＴ１０５＞：イギリス陸軍４輪装甲兵員輸送車、別名サクソン（Saxon）。1978年にGKN社で輸出用治安維持警備車両として生産が開始され、1983年に採用された。車体は装甲鋼板の溶接構造で、小銃弾に抗堪でき、底面はＶ字をしていて地雷の爆風を逃がす。車体前部に操縦手席と機関室があり、左右交換することも可能。機関系はパワーパック化されている。機関室後方が車長席で、その上に7.62mm機銃連装銃塔（俯仰角マイナス15度からプラス50度、装弾数１丁あたり500発）を装備できる。後部の兵員室には10名を収容でき、後面と左右に１カ所ずつガンポートがある。戦闘重量11.6トン。エンジンはベドフォード社製300型ディーゼル（164馬力）、トランスミッションはアリソン社製、最大速度100km。イギリス陸軍第３機械化歩兵師団機械化旅団に配備された。1990年から近代改修が行われ、パワーパック強化などで戦闘重量が14トンとなり、2012年まで使用されることとなった。参考：世界の軍用車両(4)、月刊軍事研究9,’07、7,’97

＜ＡＴ１０５ファミリー＞

　＜回収車型＞：装甲回収車型。牽引力５トンの油圧ウインチ、工具、収納箱などを追加している。参考：世界の軍用車両(4)

　＜装甲救急車＞：救急車型で、装甲兵員輸送車型と同一の車体を使用している。参考：世界の軍用車両(4)

＜ＡＴ１０５海外シリーズ＞

　＜ＡＴ１０５（マレーシア陸軍）＞：マレーシア陸軍装甲兵員輸送車。機械化部隊に配備した。参考：ウォーマシン・レポートNo.26

　＜ＡＴ１０５（ヨルダン軍）＞：ヨルダン軍装甲兵員輸送車で、特殊部隊用として導入した。機関系と足回りを改造しており、エンジンはカミンズ社製ディーゼル（5880cc）、トランスミッションはアリソン2000を搭載している。自衛用に7.62mm機銃SS-77を装備する。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ＡＴ１０５海外ファミリー＞

　＜ＡＴ１０５自走迫撃砲（ヨルダン軍）＞：ヨルダン軍自走迫撃砲。NORINCO製W86120迫撃砲をベースに開発したVM3（Vehicle Mounted Mechanaised Mortar）車載迫撃砲を搭載したもので、ターンテーブルに反動の75%を吸収するシステムが取り付けられており、安定した運用が可能である。システム重量1.5トン、旋回角360度、射角40-85度。最大射程7.7km（77km？）。2010年に完成予定。参考：月刊軍事研究8,’10

＜ＡＴ２００＞：中国科学院工程熱物理研究所などが開発した無人輸送機。パシフィック・エアロスペース・リミテッド製P-750X軽多用途機を無人機化したもので、2017年10月26日に初飛行した。最大離陸重量3.4トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-34ターボプロップ（7510馬力）単発、推進は機首の３翅プルプロペラ、巡航速度313km、巡航高度6100m、航続距離2183km、航続時間８時間。離着陸滑走距離200mのSTOL能力を持つ。ペイロード1.5トン。南シナ海の中国軍基地への輸送・支援任務に使う予定。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＡＴ７４１Ａ＞：自衛隊の空中線。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究3,’13

＜ＡＴ−８０２シリーズ＞：アメリカのエアトラクター社が開発した農薬散布機。1989年7月から設計され、1990年10月に原型機が初飛行、1993年から納入された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings3,’16

＜ＡＴ−８０２＞：複座の農薬撒布機兼森林火災消火機型。AT-300のエンジンをプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-45Rターボプロップ単発に変更したもので、主翼は低翼配置の直線翼、降着装置は尾輪式固定脚。最大重量6804kg。後にエンジンをPT6A-65AG/-67AGに換装し、最大重量を7257kgに増やしたモデルも製作された。アメリカ南方軍に麻薬密輸監視機として採用された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings3,’16、月刊航空ファン9,’17

＜ＡＴ−８０２Ａ＞：AT-802の単座型で、1992年7月6日に初飛行した。全長10.95m、全幅18.06m、全高3.89m、自重2951kg（農薬散布）／3270kg（森林消火）、最大離陸重量7257kg。翼面積37.25平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-67AG（1350軸馬力）単発、最大巡航速度356km（高度2440m）、最大速度338km（海面上）、失速速度147km（フラップ下げ）、海面上昇率毎分259m、航続距離1290km。乗員１名。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings3,’16

＜ＡＴ−８０２Ｆ＞：森林消火専用型。最大重量7257kg。エンジンはPT6A-67AG単発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＴ−８０２ファミリー＞

＜ＡＴ−８０２Ｕ＞：アメリカのエアトラクター社製COIN機。民間用農薬散布機AT-802の改造型で、アメリカのIOMAX社が実際の開発を担当した。重量5.67トン以下での失速速度は70ノットしかなく、低速飛行しながら任務を遂行できる。コクピット周辺など要所は装甲化した。コクピットはエスタ−ラインCMCエレクトロニクス社製コクピット4000で、計器板正面に５×７インチ（127×178mm）MFDが鎮座している。全長10.95m、全幅18.06m、全高3.89m、最大離陸重量7.257トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6A-67Fターボプロップ（1193kW）単発、巡航速度356km、最大速度370km、航続距離3409km（胴体内増槽あり）。積載量3.628トン。胴体下に２カ所、主翼下に左右３カ所ずつのハードポイントを追加しており、MX-10/-15ターゲッティング・ターレット、12.7mmガトリング砲GAU-19/A、M260ロケットランチャー、AGM-114対戦車ミサイル、Mk82爆弾、レーザー誘導爆弾などの装備が可能である。レーダーや赤外線カメラといった監視装置、AN/AAQ-37スナイパーポッド、AN/AAR-47ミサイル警報、AN/ALE-47チャフ／フレア・ディスペンサー、赤外線対抗手段を搭載できる。乗員２名。2008年に初飛行した。2009年にアメリカ空軍LAARに応募し、LAARは計画中止になったが、アームド・オーバーウォッチ計画の方で2022年に採用された。UAEが2011年に特殊部隊用として導入し、運用終了後の2015年にヨルダンへと引き渡され、更にイエメン政府軍に渡った。ガンビアも採用している。参考：月刊軍事研究7,’10、10,’10、9,'15、月刊JWings3,’16、11,’14、10,’10、月刊航空ファン5,’16

＜ＡＴ−８０２海外ファミリー＞

　＜ＡＴ−８０２ＦＡ＞：クロアチア空軍軽攻撃機、別名ファイア・ボス（Fire Boss）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＴ−８０２ｉ（ＵＡＥ空軍）＞：UAE空軍の国境警備機（BPA）型。AT-802Uがベースで、ブロック1/2計24機を導入し、特殊戦軍団第18飛行群に配備した。後継のアークエンジェル配備に伴い、余剰機をヨルダン空軍に譲渡している。参考：月刊航空ファン5,’16

　＜ＡＴ−８０２ｉ（ヨルダン空軍）＞：ヨルダン空軍の国境警備機（BPA）型。UAE空軍で余剰になった６機を無償供与されたものである。胴体中央下パイロンにIOMAX製フレキシブルポッド・システム（FLIR、EO/IRセンサー、レーザー照射器装備）を搭載しており、主翼下６ヵ所のパイロンに兵装を積む。運用コストは１飛行時間あたり10万円と格安。参考：月刊航空ファン5,’16

　＜ＡＴ−８０２Ｌ（アメリカ空軍）＞：アメリカ空軍次期軽攻撃機OA-Xに提案したタイプで、別名ロングソード。AT-802Uの改良型で、兵装ステーションを11ヵ所に増やしている。兵装搭載量6200ポンド（2.815トン）。採用されなかった。参考：月刊航空ファン10,’17、月刊JWings4,’18

　＜ＡＴ−８０２Ｌ（ケニア空軍）＞：ケニア空軍COIN機、別名ロングソード。AT-802Uの改良型で、ガーミン社製G600アビオニクス・パッケージを搭載している。14機を配備予定。参考：月刊航空ファン9,’17

　＜ＯＡ−１Ｋ＞：アメリカ空軍武装監視機、別名スカイウォーデン（空の監視人）。アメリカ空軍特殊戦軍団AFSOC向けの軽攻撃機で、2009年から進めていたアメリカ空軍軽攻撃・武装偵察機LAARが2020年に没になったため、USSOCOMで代わりの機体をアームド・オーバーウォッチ（Armed Overwatch）計画の名称で選定し、2022年8月2日にAT-802Uを採用した。接尾記号がいきなりＫなのは、A-1スカイレイダー艦上攻撃機がA-1Jまであるので混乱しないためらしい。ちなみに機種記号のOAも観測攻撃機ではなく武装監視機（Armed Overwatch）を示す新記号である。75機を配備予定。参考：月刊JWings10,’22、10,’23

＜ＡＴ−２０００＞：ドイツのDASA、南アフリカのデネル、韓国のヒュンダイの３社が共同開発した超音速単発高等練習機、別名マコ。エンジンはEF2000と同じEJ200で、機体形状はステルス性を考慮した角張ったものとなっている。参考：月刊JWings9,’00

＜ＡＴＡ＞：空軍補助部隊を参照。

＜ＡＴＡＣ＞：Airborne Tactical Advantage Co., LLCの略。アメリカの仮想敵機運用企業で、ヴァージニア州ニューポート・ニューズに本社がある。元は1995年に創設されたボーテックス・インクで、デンマーク空軍中古サーブF35DX戦闘機２機を購入して軍事関連の研究開発支援を行っていた。1997年後半からアメリカ海軍艦艇への対艦ミサイル模擬任務（高度100-200フィート・30.5-61mを600ノットで飛行して対艦ミサイルを模擬する）を行うようになり、2000年2月にATACへと社名変更した。それを機にクフィルC2戦闘機とハンター戦闘機を導入し、主としてアメリカ海軍向けに戦闘機訓練や電子戦訓練などを行っている。その後、ルーマニア空軍から中古L-39ZA練習／軽攻撃機４機も配備した。2000年代にA-4L攻撃機２機とA-4N攻撃機４機をリース運用したが、経費が高いので2012年に運用を止めた。2015年現在、本社のあるニューポートニューズにクフィルC2戦闘機２機、ハンター戦闘機６機、予備機、ポイントマグーにクフィルC2戦闘機２機、ハンター戦闘機５機、L-39ZA練習／軽攻撃機２機を配備していて、ハワイのカネオヘと厚木基地にハンター戦闘機２機ずつ、ドイツ（USAFE訓練支援用）にL-39ZA練習／軽攻撃機２機を常時派遣している（ハンター戦闘機の総数はF58/F58Aが14機、Mk68が１機）。パイロットはトップガンまたは空軍FWSを卒業した教官クラス30人、整備員は55人を擁する。また、アメリカ海軍試験評価飛行隊やボーイングへの研究開発支援も行っている。2016年、テキストロン社に買収された。2017年、フランス空軍で保管されていたミラージュF1戦闘機63機を導入することになった。レーダーをAESAに換装し、アビオニクスや電子戦能力を強化、アメリカ空軍F-16/F-35A戦闘機に対する実戦的な異機種空戦訓練DACTに使用する予定。2018年12月12日、パールハーバー・ヒッカム統合基地を離陸したハンターMk.58が直後に墜落し、脱出したパイロットが負傷した。2019年9月、マラバール2019でハンターF.58が標的曳航任務に就いた。参考：月刊航空ファン2,’16、1,’19、3,’19、12,’19、月刊JWings10,’14、11,’15、12,’17、10,’20

＜ＡＴＡＣＭＳシリーズ＞：アメリカ陸軍地対地ミサイルシステムで、Army TACtical Missile System（陸軍戦術ミサイルシステム）の略。後にＡが抜けてTACMS（TACtical Missile System）になった。制式名称MGM-140。1981年からDARPAが研究したアサルト・ブレーカーや、軍団支援兵器システムの派生型として、1984年から陸軍と空軍が開発した。ただし要求が一致しなかったため、1986年に空軍は手を引いている。M270バージョン６発射機、ミサイル発射コンテナ（見た目MLRS用６連装ロケット弾コンテナと変わらない。全長4.2m、幅1.1m、高さ0.7m、重量2.3トン）、MGM-140またはM39ミサイル、ミサイル補給車両（M985トラック２両にコンテナ16個を積載）からなる。M270バージョン６発射機にコンテナ２基を搭載し、ミサイル２発を発射できる。６連装ロケット弾との混載は不可能。主任務は、エアランドバトルにおけるソ連軍第２梯団に対する縦深阻止攻撃であり、子爆弾は対機甲・対歩兵両用である。１個中隊９両がミサイル18発を発射すると、155mm榴弾砲大隊33個分の火力に匹敵する威力があるという。韓国陸軍も配備しており、将来はブロック�TＡを導入する予定。2007年にアメリカ陸軍向け生産ラインが閉鎖され、後継のLRPFを開発しているが、メーカーのロッキード・マーチン社は海外の顧客向けに生産可能としており、UAEやバーレーンが導入を狙っているらしい。参考：月刊PANZER4,’93、6,’14、月刊JWings12,’03、月刊軍事研究2,’98、5,’11、6,’17

　＜ＡＴＡＣＭＳブロック�T＞：ミサイル制式名称M39。先端の誘導部には航法・誘導・オートパイロット・通信機能があり、目標座標などの情報から適切な弾道経路を決定する。弾頭部はステンレス鋼で作られており、内部にM74子爆弾950個を収容。尾部に折り畳み式制御翼を持ち、リング・レーザー・ジャイロを組み込んだハネウェル社製H700-3A慣性誘導システムで目標付近に飛翔し、炸裂１秒前に回転を開始、上空で炸裂して子爆弾を遠心力で撒布する。対砲迫レーダーで発射地点を割り出されないよう、飛行中にわざと飛行コースを変更するシステムが組み込まれている。子爆弾は爆発すると１個あたり880個（1200個？）の破片をまき散らし、500フィート四方（15.2m四方。ミサイル１発あたり500m四方）を制圧する。この時不発弾が4%程度生じるという。全長3.97m、直径0.61m、全幅1.4m、重量1672kg、ペイロード部分561kg。推進は固体推進薬アルカデン361を使用したロケットモーター、射程25-165km、最大高度30km以上。CEPは66-100mとされる。射程が長い故に発射してから着弾まで時間がかかるので、移動目標への攻撃には向かない。1988年4月に最初の発射試験が行われ、1990年3月から量産型が引き渡された。ドイツに配備される筈だったが、湾岸戦争勃発のためそちらに送られ、湾岸戦争で32発、イラク戦争で414発（379発？）が使用された。実戦初発射は1991年1月18日、第７軍団第75野戦砲兵旅団第27野戦砲兵連隊第６大隊Ａ中隊で、イラク軍S75地対空ミサイル陣地に叩き込んで壊滅させている。1996年まで生産された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’98、月刊PANZER4,’93、9,’05、月刊丸4,’99

　＜ＡＴＡＣＭＳブロック�TＡ＞：ミサイル制式名称M39A1。M74子爆弾の搭載数を310発に減らし、射程を70-300kmに延伸したもの。誘導装置にGPSを追加し、命中精度を保っている。1997-2002年に生産され、イラク戦争で74発が使用された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究6,’17、2,’98、月刊PANZER9,’05

　＜ＡＴＡＣＭＳブロック�U＞：ミサイル制式名称M39A3。射程140kmのままで、弾頭に赤外線・音響センサー誘導弾BAT13発を収容する。誘導装置はINS/GPS。44発が生産され、2003年4月までに配備を完了した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’98、月刊PANZER9,’05

　＜ＡＴＡＣＭＳブロック�UＡ＞：BAT搭載数を６発に減らし、射程を300kmに延伸したもの。このBATはミリ波レーダー搭載の全天候型である。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究2,’98

　＜ＡＴＡＣＭＳブロック�V＞：射程160kmの地中貫徹弾頭装備型。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＡＴＡＣＭＳブロック�VＡ＞：射程を500km以上に延伸したタイプ。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＡＴＡＣＭＳブロック�WＡ＞：試験中のユニタリー・EP型。全天候・夜間運用能力や迅速反応能力を持つ。誘導はGPS/INS、命中誤差3m。厚さ1-1.5mのコンクリートを貫徹できる。射程は300km前後とされる。参考：月刊軍事研究11,’02

　＜ＡＴＡＣＭＳ（Ｍ４８弾頭）＞：単一弾頭搭載型で、WDU-18/B爆風破片弾頭（重量222kg）を収容している。射程70-300km。176発が生産されて2001年から配備され、不朽の自由作戦（アフガン）で42発、イラク戦争で16発が使用された。参考：月刊軍事研究6,’17

　＜ＡＴＡＣＭＳ−ＱＲＵ＞：硬目標攻撃用の即応・単弾頭型。WDU-18/B（ハープーンのものを改良）またはWDU-40/B（AGM-84H/K SLAM-ERのものを改良）を搭載したもので、最大射程270km。2002年6月に44発が発注された。参考：月刊PANZER9,’05

　＜ＴＡＣＭＳ２０００＞：単一弾頭搭載型。ATACMS（M48弾頭）を垂直落下式としたものである。513発が生産されて2004年から配備され、不朽の自由作戦（アフガン）で33発が使用された。参考：月刊軍事研究6,’17

　＜ＴＡＣＭＳ２０００改＞：TACMS2000に近接センサーを追加して精度を向上させ、付随被害を防止したもので、CEPは9m以下。2016年から配備されている。参考：月刊軍事研究6,’17

　＜ＴＡＤＭＳ−ＡＭＯＤ＞：AMODは近代化の略。電子装置をそっくり新型にしており、誘導はIMUにサブシステムとしてGPSを加えたものである。2017年8月にロッキード・マーチン社でEMD段階の開発を完了させる予定。参考：月刊軍事研究10,’17

＜ＡＴＡＣＳ＞：XM291（戦車砲）を参照。

＜ＡＴＡＫ＞：T129A（攻撃ヘリ）を参照。

＜ＡＴＡＫ＞：アメリカ空軍研究所が2010年頃から開発しているアンドロイド端末用アプリケーションAndroid Tactical Assault Kit。作戦や目標指示に使用するGPS、移動経路、地図、偵察衛星画像などの情報をアンドロイド・スマートホン端末に表示するものである。アメリカ政府オープンソースで作成されているため、民間に開放されるかもしれない。参考：月刊軍事研究3,’18

＜ＡＴＡＫ２＞：トルコ軍次期攻撃ヘリコプター。2019年2月22日にTAIに開発・製作を発注しており、2024年に初飛行する予定。参考：月刊航空ファン5,’19

＜ＡＴＡＰシリーズ＞：イスラエル軍のクラスター爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＴＡＰ−３００＞：投下されると尾部の固定フィンにより弾体が回転し、設定された高度で信管が作動して外殻が吹き飛ばされ、遠心力で内部のバンタム子爆弾を散布する。子爆弾収容数は320発。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＴＡＰ−５００＞：子爆弾512発を搭載するタイプ。全長2.12m／2.283m（信管含む）、直径0.406m、翼スパン0.58m、重量512kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＴＡＰ−１０００＞：子爆弾900発を搭載するタイプ。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＴＡＲＩ＞：航空機終末アプローチ遠隔指示システムを参照。

＜Ａｔａｒｓ＞：AN/ASD-10（航空偵察システム）を参照。

＜ＡＴＡＳ＞：アクティブ式曳航ソナーまたは空対空スティンガーの略。

＜ＡＴＡＳ＞：イタリア海軍多用途外洋警備艦PPAに搭載されたアクティブ／パッシブ可変深度ソナーActive Towed Array Sonar。曳航体は全長1m、重量８トン、最大運用可能深度300m以上。使用周波数は低周波から中周波、最大探知距離40km。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜ＡＴＡＳ．５０ＢＧ＞：オーストラリアのプレシジョン・ライフル・システムズ社が開発した12.7mm狙撃銃。オーストラリア陸軍では採用されず、UAE軍で採用試験が行われた。全長1.45m、重量15.3kg。作動はボルトアクション式で、装弾数６発の箱形弾倉を使用する。射距離1600mで装甲車両を貫徹できる威力を持つ。参考：月刊PANZER11,’00

＜ＡＴＡＳＫ＞：ヘルストリーク（空対空ミサイル）を参照。

＜ＡＴＡ計画＞：A-12（攻撃機）を参照。

＜ＡＴＢ＞：B-2シリーズ（爆撃機）を参照。

＜ＡＴＣ＞：航空訓練軍団または航空交通管制を参照。

＜ＡＴＣ＞：アメリカ軍河川機動部隊MRFの主要装備で、装甲兵員輸送艇の略。対RPG用に砂を詰めた水道管を小型揚陸艇の側面に並べ、機関銃塔を搭載し、50-70名の兵士を運搬する。本艇３隻、MON１隻、PBR1-2隻で１個艇隊を構成した。参考：コンバット・バイブル２

＜ＡＴＣ−２＞：ATDS（魚雷防御装置）を参照。

＜ＡＴＣ−８１システム＞：イタリア陸軍のタンク・トランスポーター。レオパルト１やM60の輸送用にイヴェコ社とフィアット社で開発された。450馬力のエンジンを搭載した６×６輪の320PTM45トラクターと、４軸セミトレーラーTCF50BOを組み合わせている。参考：月刊PANZER2,’00、1,’01

＜ＡＴＣＡ＞：KC-10A（空中給油機）を参照。

＜ＡＴＤ＞：GBTS（シミュレーター）を参照。

＜ＡＴＤＳ＞：アメリカ海軍指揮管制航空機（E-2早期警戒機など）に搭載されている戦術用指揮管制システムで、Air Tactical Data Systemの略。NTDSとのリンクが可能。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、12,’18

＜ＡＴＤＳ＞：イスラエルのラファエル社が開発中の魚雷防御システムで、Advanced Torpedo Defense Systemの略。長さ8mで、周波数10-3000Hzの受信能力を持つアレイ32個を有するTDTA曳航ソナー（Torpedo Detection Towed Array。探知距離5km以上）により魚雷を探知し、レスカット（Lescut）射出型デコイ（全長1227-914mm、直径123.75mm、重量4.5-24.8kg。周波数17-85kHz、有効距離2000m、作動時間10分）をMk137デコイ発射機などから投射して対処すると共に、TDTA曳航ソナーとタンデムに装備され、艦尾から500m後方を曳航されるATC-2曳航デコイ（Acoustic Towed Countermeasure、音響周波数17-85kHz）で反らす。シミュレーション試験ではレスカット最大５発で全想定脅威シナリオに対処可能だったとされる。ユーロネイヴァル2018で初公開された。参考：月刊軍事研究6,’15、4,’07、2,’07、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＴＤ−Ｘ＞：防衛省技術研究本部が開発した先進技術実証機（Advanced Technology Demonstrator）、別名心神（一時的なニックネーム）。技研資料では単にATDで、-Xが付かない方が正式かもしれない。ステルス性（対レーダー及び対赤外線）、高機動性、スマートスキン（外皮一体型センサー）などの技術を統合し、機能や性能を実際の運用環境下で試験すると共に、ステルス機に対する自衛隊の防空体制を検証するための機体である。計画の端緒はFSX（後のF-2）が完全国産できなかった時に遡り、戦闘機機体設計技術継承を目的とした実験機の製作や全周監視コンフォーマル・レーダーと国産エンジンの開発が持ち上がって1991年度から将来戦闘機主要構成要素の研究（具体的にはステルス性とポスト・ストール・マニューバ技術など高運動性を兼ね備えた機体）がスタートした。エンジンの方は1995年度からXF5-1ターボファンの試作と地上試験を行っている。2003年度から実大RCS試験模型の製作に入り、2006年5月に公開され、9-11月にフランス国防省兵器調達本部の電波暗室でRCS測定が行われた。2006年には全長3m、全幅2m、重量45kgの５分の１スケールモデルも完成しており、2007年8月20日から11月4日、北海道広尾郡大樹町の多目的航空公園でスケールモデルの飛行試験を約40回実施した。機体形状はステルス性を考慮しており、コスト削減のためT-2の降着装置やT-4のキャノピーを流用する。全長14m、全幅9m、全高4m、離陸重量９トン。エンジンはFADEC（と機体飛行制御を同時に行う統合飛行推力制御IFPC）付XF5-1ターボファン（A/B時推力５トン）双発で、ポスト・ストール・マニューバを可能とするため３枚の偏向パドル方式の推力偏向ノズルを装備する。レーダーや兵装は搭載されず、別個に開発する予定。飛行システムにはフライ・バイ・ライトを採用する。実機X-2の試作（飛行試験機と静強度試験機を１機ずつ）は三菱重工と2010年3月11日に契約（エンジンはIHIと契約）しており、2012年3月28日に三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所飛鳥工場で鋲打ち式を挙行して組み立てを開始した。中央胴体を三菱重工、キャノピー・コクピット周辺部を川崎重工、主尾翼を富士重工、エンジンをIHIが担当し、最終組み立ては三菱重工業小牧南工場で行う。2014年5月に撮影された写真４枚が公開されており、ブレンデッド・ウイング・ボディのクリップドデルタ主翼・全遊動式水平安定板・外側傾斜双垂直尾翼機で、エアインテイクは境界層の影響を受けないよう内側が機体側面と離してあり、ダイバーターレス・スーパーインレットでは不可能な高速飛行を想定していると思われる。キャノピー最後部付近の胴体上面左右に黒い部分があり、映像加工でボカシが入れられていて、ステルス対策インテイクメッシュか何かの機密保全らしい。前脚カバーにも機密部分があるらしく映像加工が施されているが、T-2からの流用であり、前方象限からの角度でのみボカシが入っていて真横からの写真は加工が無く、少し不思議な感じはする。エンジンを積んだのは7月で、公開写真には後方象限からのものは無い。当初、社内初飛行は早ければ2014年の予定だったが2015年1月となり、エンジン関連部品の納入遅れやエンジン再始動システムの検証に時間を要したため2015年4月頃に先延ばしされ、更に延期されて6月に地上でアフターバーナー試験を実施、初飛行は2016年4月になった。制式名称はX-2で、防衛省・空自での飛行試験を実施した。テスト完了後は研究成果を活かしたF-2後継機やi3ファイターの開発へと進みたいところだが、リスクも予想されるため、取り敢えずT-4の後継練習機を本機ベースに開発する予定もあるという。参考：月刊軍事研究2,’16、2,’08、9,’14、12,’08、6,’10、6,’12、7,’12、5,’15、6,’15、月刊航空ファン4,’16、8’10、7,’15、7,’16、8,’16、月刊JWings6,’12、1,’13、1,’14、1,’15、2,’15、3,’15、6,’15、4,'16、朝雲

＜ＡＴＥＣ＞：Army Test and Evaluation Command（陸軍評価試験軍団）の略。参考：月刊航空ファン2,’16

＜ＡＴＥＣＳ＞：OYQ-11（戦術情報処理装置）を参照。

＜ＡＴＥ社＞：Advanced Tecjnologies and Engineering社。1984年にフランス人航空技師のジャン・マルク・ピザノ氏が設立した南アフリカの航空会社である。BAEシステムズ社、EADS、タレス社と提携している。AH-2ローイファルク攻撃ヘリの兵装やコクピット周辺の製造、ミラージュF1などの近代化、UAV開発などを行った。参考：月刊JWings12,’06

＜ＡＴＦ＞：発達型戦術戦闘機を参照。

＜ＡＴＦＬＩＲ＞：AN/ASQ-228（航法・照準ポッド）を参照。

＜ＡＴＧ−Ｍ１＞：2S6地対空システム用の整備トラック。ZIL-131トラックを基にしている。参考：月刊軍事研究2,’00

＜ＡＴＧＳ＞：Anti-Tank Guided Missile（対戦車ミサイル）の略。

＜ＡＴＧＷ＞：Anti-Tank Guided Weapon（対戦車誘導兵器）の略。

＜ＡＴＨＥＮＡ＞：ロッキード・マーチン社が開発中のレーザー砲システムで、Advanced Test High ENergy Assetの略。出力30kWのレーザー砲、指揮管制装置、レーダーを組み合わせている。2015年3月3日、1.6km先の小型トラックにレーザーを照射し、数秒間でボンネットを貫通してエンジン制御システムを破壊することに成功した。2019年11月7日、オクラホマ州フォート・シルで実証実験を行い、固定翼・回転翼UAV禹h区数基を破壊した。参考：月刊航空ファン2,’20、朝雲

＜ＡＴＨＯＤＹＤ＞：ラムジェットエンジンを参照。

＜ＡＴＩ−２＞：ファントレーナー（練習機）を参照。

＜ＡＴＩＬＬ＞：Advanced Track Illuminator Laserの略。ミサイル防衛庁とノースロップ・グラマン社がマサチューセッツ工科大学リンカーン研究所の協力を得て開発中の目標追跡用レーザーで、出力6kWの低温Yb-YAGソリッドステート・レーザーを使用する。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＡＴ−ＩｎＳＡＲ＞：干渉合成開口レーダーを参照。

＜ＡＴＩＲＣＭ＞：AN/ALQ-212(V)対空ミサイル防衛装置を参照。

＜ＡＴＪ＞：アルコール転換ジェット燃料を参照。

＜ＡＴＫ社＞：Alliant Techsystems社の略。2015年、防衛航空宇宙部門がオービタル・サイエンス社と統合してオービタルATK社になった。参考：JWings1,’19

＜ＡＴＬ＞：ボーイング社が開発していた航空機搭載市街戦用化学的酸素沃素レーザー砲COILで、改良型戦術レーザー（空中戦術レーザーAirborne Tactical Laser？）の略。目標捕捉センサー、コンソール、レーザー制御システム、レーザー砲からなり、モジュール重量は5.443トン。2006年、アメリカ空軍第46試験航空団に搭載用C-130Hが引き渡され、2007年からシステムの搭載作業を開始、2008年に地上及び飛行中の試射を実施した。2009年8月3日、地上に設置した車両にレーザーを搭載して破壊した。9月19日、移動目標に対する試射に成功。その後はテストが止まっており、実用化には至らないようである。参考：月刊軍事研究6,’12、11,’08、月刊航空ファン7,’99

＜ＡＴＬ２＞：アトランティック２シリーズ（対潜哨戒機）を参照。

＜ＡＴＬＩＳ＞：フランス軍のレーザー照射ポッドで、自動追跡レーザー統合システムの略。AS30L空対地ミサイルなどの誘導に使用する。ジャギュアに搭載されて湾岸戦争に参加した。参考：月刊丸6,’01、月刊JWings8,’13

＜ＡＴ−ＬＭ＞：ソ連陸軍の軽装軌式砲牽引車。装軌車体にトラックのようなキャビンを設け、後部を貨物室としている。最大積載量6.3トン。最大速度42km、航続距離300km。参考：月刊戦車マガジン2,’81

＜ＡＴＭ−８４Ａ＞：ハープーン対艦ミサイル・ファミリーを参照。

＜ＡＴＭ−８４Ｂ＞：ハープーン対艦ミサイル・ファミリーを参照。

＜ＡＴＭ−１２０Ｃ＞：AIM-120ファミリー（キャプティブ弾）を参照。

＜ＡＴＭ−１２０Ｄ＞：AIM-120ファミリー（キャプティブ弾）を参照。

＜ＡＴＭ−１５４Ｃ＞：AGM-154ファミリー（キャプティブ弾）を参照。

＜ＡＴＭＯＳ２０００＞：アトモス2000（自走砲）を参照。

＜ＡＴＭパンデュル＞：パンデュル装甲兵員輸送車ファミリーを参照。

＜ＡＴＯ−４１＞：ソ連の火炎放射器。45mm戦車砲の砲架に搭載するため第222工場が開発したが、T-34/76の機銃ボールマウントにも搭載できる。燃料は重油60%とケロシン40%を混合したもので、放射距離60-65m。10秒間に３回の放射を１サイクルにして、3-4サイクルの火炎放射が行える。参考：月刊グランドパワー12,’04、異形戦車ものしり大百科

＜ＡＴＯ−４２＞：ソ連の火炎放射器。ATO-41の改良型で、放射距離が65-70m（120m？）に延び、１分あたり24-30回の火炎放射が可能となった。参考：月刊グランドパワー12,’04、異形戦車ものしり大百科

＜ＡＴＰ＞：スナイパーXR（ターゲッティングポッド）を参照。

＜ＡＴＰ＞：ATtack Point（攻撃位置）の略。戦闘が行われている地域または攻撃目標が照準できる範囲のこと。固定目標では予め設定しておくことが可能だが、敵地上部隊などの移動目標ではFACなどからの情報を元に適宜設定する。参考：月刊JWings2,’03、7,’10

＜ＡＴ−Ｐ＞：ソ連陸軍の対戦車砲牽引用装甲トラクターで、1940年代末に開発された。自衛用に7.62mm機関銃SGMTを搭載する。85mm対戦車砲M1944や、重迫撃砲などの牽引に使用された。参考：月刊グランドパワー3,’05

＜ＡＴＰ旅客機＞：BAe社が開発した双発ターボプロップ旅客機で、Advanced TurboPropの略。HS748の改良型で、キャビンを5.5m延長して客席数を標準64・最大72に増やし、エンジンをPW126A（2493軸馬力）に換装、推進効率が高く騒音が低い複合材製６翅プロペラを採用した。主翼は低翼配置で、内側寄り前縁からエンジンが突き出している。1986年8月6日に初飛行し、1988年3月に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＴＰ旅客機ファミリー＞

＜ＡＴＰ哨戒機＞：対潜哨戒／対艦攻撃機に改造したもの。胴体下のレドームにAPS-504(V)5全周捜索レーダーを搭載し、ASQ-902軽量音響処理装置、FLIR、慣性航法装置、尾部MADブームなどを装備する。胴体下に２カ所、主翼下に左右２カ所ずつのハードポイントを持ち、スティングレイ魚雷、シースキュア対艦ミサイルなどを搭載可能。受注は得られなかった。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＴＰ−Ｄ１Ｅ＞：アメリカ海軍の400ガロン増槽。参考：月刊JWings9,’13

＜ＡＴＰ−ＳＥ＞：スナイパーXRシリーズ（ターゲッティングポッド）を参照。

＜ＡＴＲ＞：自動目標識別（Automatic Target Recognition）の略。

＜ＡＴＲ＞：米軍再編に係る航空機の訓練移転を参照。

＜ＡＴＲ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、特務艇（特務救難艇）を表す。ASRに換わって1960年10月1日から使用され、431以降の艦番号も付けられた。1973年4月23日に廃止された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＴＲ３６＞：UTR36ファミリー（攻撃機）を参照。

＜ＡＴＲ４２シリーズ＞：ATR社の40-50席級ターボプロップ旅客機で、1981年11月4日の会社設立と同時に開発が発表され、1982年2月に開発計画を管理するGIEの本部が設置された。試作初号機は1984年8月16日、量産仕様初号機は1985年4月30日に初飛行し、9月24日にフランスとイタリアの型式証明、10月25日にアメリカの型式証明を取得、12月にフランスのエール・リトラルで初就航している。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン7,’16

　＜ＡＴＲ４２−２００＞：試作型（基本型？）。胴体は全金属製セミモノコック構造で、客室は床幅2.26m、最大幅2.57m、最大高1.91mと余裕があり、与圧は差圧41.4ヘクトパスカルで、最大巡航高度20000フィート・6096mでも機内は3800フィート・1158m相当に抑えられる。座席は中央の通路を挟んで左右に２席ずつ並んでおり、標準で48席、客室前方の手荷物スペースを圧縮すれば最大50席に増やせる。床下貨物室は無く、客室前後方に貨物室があり、前部胴体左に大型カーゴドアを持つ。主翼は高翼配置で、エンジンが客室の真横に来るため客室内の静粛性に劣るが、降着装置を短縮でき、設備の乏しい空港でも乗客の乗降が容易である。中央翼と外翼からなり、翼型はNACA43シリーズをベースとしたRA-XXX-43で、翼厚比は付け根18%・翼端13%、上反角２度、取り付け角０度、アスペクト比11。中央翼は矩形、外翼は直線テーパー翼（25%翼弦後退角３度６分）である。主翼後縁内側に二重隙間フラップ（０度、着陸進入・離陸用15度、着陸用25度、低速進入・緊急着陸用35度）、外側にエルロン、主翼上面にスポイラーを持つ。第２エンジンだけプロペラブレーキが装着されており、地上でプロペラを回さずに第２エンジンを作動させてAPU代わりに使うHOTELモードを有する。尾翼はＴ字で、大型のドーザルフィンが付く。降着装置は前輪式で、主脚はバルジに収容する。最大離陸重量15.55トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW120ターボプロップ（定格出力1300kW）双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン7,’16、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＴＲ４２−３００＞：ATR42-200のエンジン出力を強化し最大離陸重量を引き上げたもの。全長22.67m、全幅24.57m、全高7.59m、運航自重10.285トン、最大離陸重量16.9トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW120ターボプロップ（1800軸馬力、定格出力1500kW）双発、巡航速度243ノット、最大運用速度250ノット、実用上昇限度7620m、燃料容量5700リットル、航続距離1050海里（最大ペイロード）。乗員２名。参考：世界軍用機年鑑1990-91、月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＴＲ４２−３２０＞：ATR42-300のエンジン強化型で、高温・高地環境での性能を高めた。最大離陸重量16.9トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW121ターボプロップ（1900軸馬力、定格出力1566kW）双発。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＴＲ４２−４００＞：ATR42-320のプロペラを６翅に変更したもの。最大離陸重量17.9トン。エンジンはPW121A（1980軸馬力）双発、航続距離1470km。イタリア政府向け監視機３機とチェコ航空向け２機のみの生産に終わり、チェコ航空向けのものはATR42-500完成後に引き取ってATR42-500仕様に改造、ベネズエラのコンビアサ航空に引き渡している。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＴＲ４２−５００＞：ATR42-400に本格的な機体・アビオニクス改良を加えたもので、エンジンを強化して最大離陸重量を引き上げ、航続性能も向上させた。プロペラはハミルトン・スタンダード製全複合材６翅ブレード568F（直径3.93m）で、振動や騒音を低減させている。飛行管理システムはハネウェル1000で、二重装備とした。最大離陸重量18.6トン。エンジンはPW127Eターボプロップ（2160軸馬力、定格出力1800kW）双発、航続距離1326km。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＴＲ４２−６００＞：2007年10月に発表された改良型。エンジンを換装して高温・高地性能を強化し、計器板を縦203mm・横152mmのカラー液晶MFD５基でグラスコクピット化したタイプ。オプションで客室天井に引き込み式５インチ（127mm）カラー液晶モニターを装着し、機内娯楽システムを追加することができる。一部に主翼端に上方への折れ曲りを付けた機体があり、ATR社ではウイングレットと称しているが、折れ曲りが小さく誘導抗力を低くするほどの作用は無いとみられ、上反角効果増強によるロール安定性向上を図っているらしい。全長22.67m、全幅24.57m、全高7.59m、空虚運航自重11.55トン（技術仕様）／11.7トン（運航標準）、最大零燃料重量16.7トン（標準）／17トン（オプション）、最大離陸重量18.6トン、最大着陸重量18.3トン。翼面積54.54平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW127Mターボプロップ（2160軸馬力、最大連続出力1790kW）双発、最大巡航速度300ノット、実用上昇限度6400m、燃料搭載量4.5トン、航続距離801海里（乗客48人）。最大ペイロード5.3トン（標準空虚運航自重時）。乗員２名。座席数42-48名。2012年（2010年？）3月4日に試作初号機が初飛行し、2012年6月19日にヨーロッパ航空安全局の型式証明を取得、10月から量産機が引き渡された。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＴＲ４２−６００Ｓ＞：計画中のSTOL型。ATR42-600の離着陸滑走路長を1000mから800mに短縮するもので、客室を軽量化し、離昇出力を強化する。周辺環境の悪い短滑走路でも運用可能とすると共に、片発停止時の安全性を考慮し、方向舵を改良して横操縦性も改善する。参考：月刊航空ファン12,’17、9,’19

　＜ＡＴＲ４２Ｌ＞：軍用戦術輸送機型で、胴体側面に貨物ドアがある。参考：世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＴＲ４２Ｒ＞：軍用戦術輸送機型で、胴体後部にランプドアを持つ。全長11mまで、重量4-5トンの貨物を搭載できる。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＴＲ４２ファミリー＞

＜ＡＴＲ４２ＭＰ＞：海洋監視機型。水上艦艇や海洋・沿岸の監視、捜索救難などを主任務とする。機体スペースの問題で対潜作戦機器は搭載していない。イタリア沿岸警備隊に配備された。参考：月刊軍事研究3,’08

＜ＡＴＲ４２Ｓ＞：武装洋上哨戒型。トムソンCSF社製パランまたはオメラ社製ORB-32捜索レーダーを装備し、エグゾセ空対艦ミサイルを運用できる。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＳＲ４２＞：洋上監視／捜索救難型で、捜索レーダー、救難装備、通信装置を備えており、基地から600海里進出して４時間の監視捜索救難活動を行える。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＴＲ４２海外シリーズ＞

　＜ＡＴＲ４２Ｆ＞：ガボンが採用した貨物型で、1987年半ばに引き渡された。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＴＲ７２シリーズ＞：ATR社の66-74席級ターボプロップ旅客機で、F27フレンドシップ、HS748、YS-11の後継を狙っている。1985年5月のパリ航空ショーで開発を発表し、試作初号機は1988年10月27日に初飛行、1989年9月25日にフランスの型式証明を、11月25日にアメリカの型式証明を取得した。量産初号機は1989年10月27日にフィンエアーに引き渡されている。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＴＲ７２＞：ATR42の胴体を主翼前方で2.19m、後方で2.31m延長し、両翼端を延長して翼面積を61平方メートルに拡大、最大離陸重量を19.99-21.5トンに引き上げている。座席数は標準で70席、座席間隔に余裕を持たせれば66席、最大で74席。参考：月刊航空ファン7,’16、世界軍用機年鑑1990-91

＜ＡＴＲ７２−１００＞：最初の量産型で、前後に乗客用扉を持つATR72-101と、前に貨物扉、後ろに乗客用扉を持つATR72-102がある。最大離陸重量19.9トン。エンジンはPW124Bターボプロップ（定格出力1800kW）双発。参考：月刊航空ファン7,’16

＜ＡＴＲ７２−２００＞：ATR72-100の最大離陸重量を向上させたタイプで、こちらもATR72-201とATR72-202のサブタイプがある。最大離陸重量21.5トン。エンジンはPW124Bターボプロップ（2160軸馬力、定格出力1800kW）双発。後に最大離陸重量を22トンに引き上げたサブタイプも開発された。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＴＲ７２−２１０＞：エンジンを強化して最大離陸重量を引き上げた高温高地対応型で、これもATR72-211とATR72-212のサブタイプがある。最大離陸重量22トン。エンジンはPW127ターボプロップ（2475軸馬力、2050kW）双発。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＴＲ７２−２１０Ａ＞：ATR72-500を参照。

　＜ＡＴＲ７２−５００＞：当初はATR72-210Aという名称だった。ATR72-210のエンジンをPW210Fターボプロップ（最大連続出力1953kW。PW127F、2475軸馬力？）に強化し、プロペラをハミルトン・スタンダード製全複合材６翅ブレード568Fに換装して振動や騒音を低減させたタイプ。最大離陸重量22トン。航続距離1454km。参考：月刊航空ファン7,’16、世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＴＲ７２−６００＞：ATR72-500にATR42-600と同じ改良を取り入れたタイプ。2009年7月24日に試作機が初飛行し、2011年5月30日にヨーロッパ航空安全局の型式証明を取得した。最大離陸重量22.8トン。エンジンはPW127M（2475軸馬力）双発、航続距離1528km。2011年8月から量産機が引き渡された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン7,’16

　＜ＡＴＲ７２−６００（貨客混載型）＞：客席前方７列分を貨物室に割り当て、客席44席＋貨物３トンの貨客仕様としたもの。2015年10月15日にヨーロッパ航空安全局の型式証明を取得した。参考：月刊航空ファン7,’16

＜ＡＴＲ７２ファミリー＞

＜ＡＴＲ７２ＡＳＷ＞：海洋監視機型。オーシャンマスター監視レーダー、MAD、ソノブイ発射装置などのセンサーを搭載しており、魚雷、爆雷、対艦ミサイルを装備できる。ミッションシステムはタレス社製アマスコス（AMASCOS、空中海洋状況管制システム）。トルコ海軍がメルテム３計画の名称で10機を2008年から導入する。参考：月刊軍事研究3,’08、月刊JWings3,’09

＜ＡＴＲ７２海外シリーズ＞

　＜ＡＴＲ７２−６００ＴＭＵＡ（トルコ海軍）＞：トルコ海軍輸送機で、TMUAはトルコ洋上汎用機の略。人員・貨物輸送用として２機を導入予定で、初号機は2013年に引き渡された。参考：月刊JWings8,’13、11,’13

＜ＡＴＲ７２海外ファミリー＞

　＜ＡＴＲ７２−６００ＴＭＳＡ＞：トルコの洋上捜索型で、TMSAはトルコ型海洋捜索機の略。ATR72-600にタレス社製アマスコス洋上哨戒・対潜システムを搭載したもので、６機を導入予定である。参考：月刊JWings8,’13

＜Ｐ−７２Ａ＞：イタリア空軍洋上哨戒機で、メーカー名称ATR-72MP（Maritime Patrolの略）。2014年にアトランティックの後継としてフィンメカニカに４機を発注した。ATR72-600にスターサファイア電子光学監視装置、セレックス・ガリレオ社製シースプレー7000E洋上監視レーダー、ESMなどを搭載したものである。行動半径200海里、航続時間6.5時間。2016年12月13日、最初の２機が納入された。参考：月刊JWings3,’17、月刊航空ファン6,’17

＜Ｐ−７２Ｂ＞：イタリア財務警察洋上哨戒機。４機を導入予定で、2019年11月27日に最初の２機が引き渡された。参考：月刊航空ファン2,’20

＜ＲＡＳ７２＞：パキスタン海軍洋上哨戒機、別名シーイーグル。輸送機型を改修したもので、トルコのラインランド・エア・サービスが改修を担当した。2019年に２号機を受領している。参考：月刊航空ファン10,’19

＜ＡＴＲ−４３１＞：ASR-431（特務艇）を参照。

＜ＡＴＲＣ＞：教育航空集団の略。

＜ＡＴＲＨ＞：ボーイング社がJHL/JFTLに提案中の大型ヘリで、新型タンデムローターヘリコプターの略。CH-47を大型化したもので、マクダネル・ダグラス先端技術開発部門ファントム・ワークスが設計したらしい。エンジン部分の形状を工夫して空気抵抗を減らし、複合材製ローターを採用するなどして最大速度300km以上を確保、ペイロード16-26トンで航続距離は210-500海里に達する。気温35度・高度4000フィート（1219m）でもストライカーをスリングしたまま250海里飛行可能。JFTL計画があまり進展を見せないせいか、こちらの開発も進んでいないようである。参考：月刊軍事研究9,’13

＜ＡＴＲＪ＞：AN/ALQ-211シリーズ（電子戦装置）を参照。

＜ＡＴＲＯＭ＞：ルーマニアが開発した155mm自走榴弾砲。国産の６輪駆動車ROMAN26・360DFAEGのキャビンを装甲化し、後部にイスラエルのソルタム社製アトモス52口径155mm榴弾砲自動トラック搭載システムを搭載している。最大射程40km以上。APU、慣性航法装置、フリック式装填器なども装備する。エンジンはMAN2866LF24ディーゼル（360馬力）、トランスミッションはスタイアVG1600/300。乗員６名。2001年10月、発射試験が行われた。ルーマニア陸軍が配備するIMIアエロスター社製LAROM多目的160mm地対地ロケットシステムの射撃統制装置を共用することが可能である。参考：月刊軍事研究2,’02、4,’07

＜ＡＴＲＳ＞：Aerial Target Squadron（空中標的飛行隊）の略。参考：月刊航空ファン3,’17

＜ＡＴＲＷＲ＞：AN/ALQ-211シリーズ（電子戦装置）を参照。

＜ＡＴＲ社＞：Avions de Transport Regionalの略。30-40席級ターボプロップ民間機の開発を考えながらも資金などの問題で進捗していなかったアエロスパシアルとアエリタリアが1981年11月4日に共同で設立した国際合弁企業で、本社はフランスのトゥールーズにある。その後アエロスパシアルがEADSフランス、アエリタリアがフィンメカニカになり、資本分担はエアバス・グループ50%・フィンメカニカ50%となっているが、エアバス子会社ではなく独立会社である。設立と同時に開発を発表したのは40席級ターボプロップのATR42で、1986年1月15日には70席級のATR72も発表した。参考：月刊航空ファン7,’16

＜ＡＴＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種記号で、訓練支援艦（Training Support Ship）を表す。1968年3月16日に制定された。4201以降の艦番号も付けられている。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,’17増刊、8,’11増刊

＜ＡＴＳ＞：発達型目標指示センサーの略。視野を３段階に調節できるFLIR、複数目標追跡機能（６目標）、複数コードのレーザーによるスポット追跡能力、航空機へのデジタルインターフェースなどを備えている。参考：月刊JWings11,’05

＜ＡＴＳ＞：ソ連陸軍の中口径砲牽引用トラクターで、1953年から使用された。エンジンを２台積んでいるため、回転数1500-1800では共振を起こす危険があり、回転計ではこの範囲がレッドゾーンになっている。参考：月刊丸12,’90

＜ＡＴＳ＞：ボーイング社が開発している無人機で、Airpower Teaming Systemの略。人工知能を搭載し、有人機とチームを組んで運用される。オーストリア国際航空ショー2019でモックアップが公開された。参考：月刊航空ファン6,’19

＜ＡＴＳ−１＞：アメリカ海軍イーデントン級救難艦イーデントン（Edenton）。1971年就役。退役後、アメリカ沿岸警備隊カッターWMEC-39アレックス・ヘイリーになった。参考：月刊世界の艦船12,'20

＜ＡＴＳ−２＞：アメリカ海軍イーデントン級救難艦ボーフォート（Beaufort）。1972年竣工・就役。1986年11月7-9日、長崎港に入港。長崎は1974年から核保有国の軍艦の入港を認めない方針だったが、戦闘艦艇でないということ、乗員に被爆地について知って欲しいということから19年ぶりにアメリカ軍艦の入港を認めた。1996年に韓国海軍に引き渡され、ASR-27平沢になった。参考：月刊世界の艦船2,’87、3,’17

＜ＡＴＳ−３＞：アメリカ海軍イーデントン級救難艦ブランズウィック（Brunswick）。1972年竣工。1996年に韓国海軍に引き渡され、ASR-28光陽となった。参考：月刊世界の艦船7,’13

＜ＡＴＳ−５９シリーズ＞：ソ連陸軍の砲兵用装軌式牽引車で、AT-S、AT-L、AT-Tといった各種牽引車を統合するため1958年に採用した。NBC防護能力が無く、後継としてMT-LBが開発された。参考：月刊PANZER5,’13

　＜ＡＴＳ−５９＞：装軌式の足回りにボンネットトラックのキャビンと木製オープントップ荷台を架装している。参考：月刊PANZER5,’13

　＜ＡＴＳ−５９Ｇ＞：キャビンをキャブオーバー式に変更したタイプ。参考：月刊PANZER5,’13

＜ＡＴＳ−４２０１＞：海上自衛隊あづま型訓練支援艦あづま。昭和42年度計画艦で、1968年7月13日起工、1969年4月14日進水、1969年11月26日竣工・就役、自衛艦隊に編入された。1982年7月1日から10月15日、定期検査とチャカ�U搭載運用改装を実施。艦橋上に大型の白いレドームを搭載した。1993年7月31日、呉地方隊展示訓練に参加。1994年6月24日、自衛艦隊から護衛艦隊の隷下に移った。1997年4月9日から護衛艦隊集合訓練に参加。1999年5月28日に除籍された。参考：自衛隊装備年鑑1996、月刊世界の艦船11,’17増刊、4,’14、1,’95、4,’98、11,’11、8,’24、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＴＳ−４２０２＞：海上自衛隊くろべ型訓練支援艦くろべ。昭和61年度計画艦で、1987年7月31日起工、1988年5月23日進水、1989年3月23日竣工・就役、自衛艦隊に配備された。1994年6月24日、自衛艦隊から護衛艦隊の隷下に移った。1997年4月9日から護衛艦隊集合訓練に参加。2008年3月26日、第１海上訓練支援隊の隷下に入った。2009年9月21日から10月1日、種子島南西付近で流木１本を回収した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。1730頃、呉基地を出港した。3月18日1123、石巻市高白浜漁港と野ノ浜漁港に毛布30枚、ガソリン20リットル、日用品、医療品を輸送。1550、石巻市高白浜漁港に毛布30枚、ガソリン20リットル、医薬品を輸送。1555、石巻市野ノ浜漁港に毛布30枚を輸送。3月20日1222、艦載艇で女川原発地区に缶飯312食、割り箸144本、毛布20枚、その他生活用品などを輸送。3月21日1645、野々島に米18袋、衣類300着、日用品を輸送。3月24日1106、艦載艇でコミュニティーセンターにトイレットペーパー300個、乾電池96個、感冒薬72個、胃薬64個、その他生活用品などを輸送。3月25日1635、仙台塩釜港で被災者43人に入浴支援を実施し、タオル48枚、シャンプー３本、ボディソープ３本、紙コップ80個を提供した。2013年5月25-26日、和歌山港西浜第５岸壁で一般公開された。2014年3月20日、島根地本の島根大学副学長や県内高校教諭らを対象とした研修に協力。4月14-24日、横須賀基地で平成26年度護衛艦隊集合訓練に参加。5月11日、広島県福山市のJFE西日本フェスタふれあい防衛展で一般公開された。2015年3月14日から4月4日、平成26年度第２回護衛隊群米国派遣訓練に参加。11月9-20日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマ、イングル級救難曳船アラタウが、南西諸島周辺を往復航行したり錨泊したりし、一部は日本の接続水域内で行動しているのを発見した。11月20日午前に海域を離れて南下している。12月7日に墜落したVMFA-115所属F/A-18C+のパイロット捜索に参加。2018年10月28日、乗員家族など123人を乗せ、呉港から江田島湾まで体験公開を実施。2019年現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。2019年4月15-18日、呉基地を訪問したマレーシア海軍レキウ級フリゲート30レキウのホストシップを務めた。4月19日、伊予灘でマレーシア海軍レキウ級フリゲート30レキウと親善訓練（戦術運動、通信）を実施。5月27日、博多湾沖で日本海海戦記念大会式典洋上追悼式を支援した。2020年現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。2021年5月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。2022年3月12日、TV-3508かしま、TV-3521しまかぜと共に、令和4年近海練習航海部隊（その１）として第72期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ江田内を出港。4月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。5月19日0900頃、種子島東100kmを西に航行する東調級情報収集艦艦番号795天枢星を確認した。その後これは大隅海峡を西に航行している。5月28日、熊本県水俣港で第67回みなまた港フェスティバルに参加し、一般公開された。2023年4月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。5月14日1300頃、西表島北70kmを南西に航行するステレグシュチイ�U級フリゲート333ソブエルシェンヌイ、同335グロームキイ、ドゥブナ級補給艦１隻を確認した。その後これらは与那国島と西表島の間を南西に進み、太平洋に向かっている。5月16日0900頃、与那国島南東50kmを北西に航行する052D級ミサイル駆逐艦119貴陽、同121斉斉哈爾、福池級補給艦889太湖を確認した。その後これらは与那国島と西表島の間を北東に進み、大正島南東60kmを北東に進んでいる。1900頃、宮古島北東110kmを北西に航行する055級ミサイル駆逐艦102拉薩、054A級フリゲート542棗荘を確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北西に進み、052D級ミサイル駆逐艦119貴陽、同121斉斉哈爾、福池級補給艦889太湖と合流し、久米島西80kmを北西に航行し、東シナ海に向かっている。5月27-28日、玉野市宇野港で開催されたたまの・港フェスティバルで一般公開され、１万人が訪艦した。7月22-23日、宮古港出崎埠頭で一般公開された。10月4日、呉を出港。10月7-8日、川崎みなと祭りで一般公開された。2024年4月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。参考：自衛隊装備年鑑1996、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、2,’17、JShips VOL.44、月刊世界の艦船11,'17増刊、11,’11、7,’14、6,’15、6,’19、7,’19、6,'20、7,'21、6,'22、8,'22、6,'23、7,'23、1,'24、3,'24、6,'24、8,'24、月刊JWings8,’22、10,'23、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、朝雲

＜ＡＴＳ−４２０３＞：海上自衛隊てんりゅう型訓練支援艦てんりゅう。平成9年度計画艦で、2000年3月17日竣工・就役、護衛艦隊直轄艦となった。2008年3月26日、第１海上訓練支援隊の隷下に入った。2009年7月11-12日、茨城港大洗地区で体験航海を実施。2010年2月10日、呉市長迫公園の海軍墓地清掃奉仕を実施。2月24日、呉市長迫公園の海軍墓地清掃奉仕を実施。5月18日、乗員70名が３班に分かれ、因島の保育所や幼稚園を慰問した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月1日0849、牡鹿半島沖で作業艇により遺体１体を収容。1345、牡鹿半島沖で作業艇により遺体１体を収容。1544、牡鹿半島沖で作業艇により遺体１体を収容。1604、牡鹿半島沖で作業艇により遺体１体を収容。4月11日1715、艦載ヘリで緊急用袋式担架などを輸送。9月24-25日、呉地方隊展示訓練に参加。2013年7月13-15日、茨城県大洗町の海開きカーニバルで一般公開された。2014年2月7日、航空標的発射400回を達成。6月25日から7月16日、グアム周辺海空域などで実施された平成26年度第１回護衛隊群米国派遣訓練に参加。8月8日、阪神基地サマーフェスタに参加。2015年11月9-20日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマ、イングル級救難曳船アラタウが、南西諸島周辺を往復航行したり錨泊したりし、一部は日本の接続水域内で行動しているのを確認した。11月20日午前に海域を離れて南下している。2016年7月23-24日、玉野市宇野港で艦艇広報を行い、8000人が来艦した。12月7日に墜落したVMFA-115所属F/A-18C+のパイロット捜索に参加。2018年5月26日、博多港中央埠頭で一般公開された。2019年現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。2020年現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。2021年3月13日、令和3年度近海練習航海部隊として、TV-3508かしま、MST-463うらがと共に、第71期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ江田内を出港。3月18-21日、呉に寄港。3月26-29日、沖縄に寄港。4月2-5日、佐世保に寄港。4月8-10日、大湊に寄港。4月12-14日、舞鶴に寄港。4月18日、横須賀に入港。4月21日、MST-463うらがを残し横須賀を出港。4月24日、呉に帰港し、近海練習航海第１期を終えた。5月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。7月11日、DD-116てるづき（第１ヘリコプター団UH-60JA搭載）、TV-3521しまかぜと共に、仙台港で特別公開を実施。7月17-19日、TV-3521しまかぜと共に函館に寄港。2022年4月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。2023年4月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。2024年4月25日現在、第１海上訓練支援隊に配備されており、定係港は呉。10月24日0700頃、奄美大島西90kmを東に航行する東調級情報収集艦艦番号791を確認した。その後これは奄美大島と横当島の間を北東に進み、太平洋に向かっている。10月30日1700頃、種子島北東70kmを西に航行する東調級情報収集艦艦番号791を確認した。その後これは10月31日にかけて大隅海峡を西に進み、東シナ海に向かっている。参考：月刊世界の艦船1,’04、11,’11、9,’14、2,’16、7,’19、6,'20、6,'21、7,'21、10,'21、6,'22、6,'23、6,'24、1,’25、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、2,’17、月刊JWings11,’14、8,’18、10,'21、朝雲

＜ＡＴＳＳ＞：Auxiliary Training Submarine（特務潜水艦）の略。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

　＜ＡＴＳＳ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊特務艦（特務潜水艦）を表す艦種記号で、1989年5月29日に定められ、8001以降の艦番号も付けられた。訓練に使用する老齢潜水艦を防衛計画の大綱別表で規定された員数外で確保するのが狙いである。2000年3月9日に練習潜水艦TSSに艦種変更された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、9,’12増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜ＡＴＳＳ−８００１＞：SS-568（潜水艦）を参照。

＜ＡＴＳＳ−８００２＞：SS-569（潜水艦）を参照。

＜ＡＴＳＳ−８００３＞：SS-570（潜水艦）を参照。

＜ＡＴＳＳ−８００４＞：SS-571（潜水艦）を参照。

＜ＡＴＳＳ−８００５＞：SS-572（潜水艦）を参照。

＜ＡＴＳＳ−８００６＞：SS-573（潜水艦）を参照。

＜ＡＴＳＳ−８００７＞：SS-574（潜水艦）を参照。

＜ＡＴＳＳ−８００８＞：SS-575（潜水艦）を参照。

＜ＡＴ−Ｔ＞：ソ連陸軍の砲兵用全装軌式重トラクターで、1950年代に登場した。203mmクラスの重砲運搬用に開発されたが、工兵車両のベースとして多用されている。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜ＡＴＴ＞：高等戦術練習機を参照。

＜ＡＴＴ＞：ボーイング社がC-130の後継としてアメリカ空軍に提案した戦術輸送機で、別名スーパーフロッグ。ATTは先進戦域輸送機の略である。ターボプロップ４発の機体で、尾翼を持たない。ティルトウィングを採用しており、高いSTOL性能を持つ。参考：月刊軍事研究11,’07

＜ＡＴＴ＞：アメリカ海軍が開発していた対魚雷用魚雷Anti Torpedo Torpedo、別名CVLWT（Common Very Light Weight Torpedo）。1986年頃からMk46をベースに開発され、1994年に性能不足で一旦キャンセルされたが、2004年度に水上艦魚雷防御（SSTD）計画の対魚雷装置（CAT）として復活したものである。全長2.67m（2.16m？）、直径171mm、重量90kg（100kg？）。推進はリチウムとサルファ６フッ化物の化学反応によるポンプジェット。短魚雷発射管、潜水艦用魚雷発射管、RAM発射機からの運用を考慮している。完成すればAN/SLQ-25ニキシーと組み合わせてAN/WSQ-11（AN/SWQ-11？）統合魚雷防御システムとなる予定だったが、2018年に水上艦魚雷防御計画が没になってしまった。代わりにVLWTを開発している。参考：月刊軍事研究6,’15、5,’07、月刊世界の艦船1,'15増刊、3,’21、7,’21

＜ＡＴＴＡＣＫ計画＞：A-10Cリウイング改修を参照。

＜ＡＴＴＣ＞：シンガポール陸軍連結式全地走行輸送装甲車両、別名ブロンコ（Bronco）。シンガポール・テクノロジー・キネティクス社が開発し、2002年から引き渡された。前後２両からなる全溶接製装軌式装甲車両で、7.62mm弾に耐えられる。自衛用の7.62mm機銃と発煙弾発射機を前部車両頂部に搭載しており、ドイツのIBD社がパッシブ式モジュラー装甲を開発した。積載量4.6トンで、兵員16名を輸送できる。参考：月刊PANZER9,’01、月刊軍事研究8,’01、6,’05

＜ＡＴＴＣファミリー＞

　＜火力支援車＞：武装強化型で、ユーロサトリ2010で発表された。前後両方の車体に遠隔操作銃塔を搭載し、前方のものにCIS40AGL自動てき弾発射機と7.62mm同軸機銃、後方のものに12.7mm機銃を装着している。FCSは遠隔操作銃塔に搭載された昼間用カメラ、熱線暗視装置、レーザー測距器、安定化装置、自動追尾装置。銃塔は重量350kg、全周旋回可能で、俯仰角はマイナス10度からプラス60度である。参考：月刊軍事研究11,’10

　＜救難車＞：救急車両型。後車を担架４床または患者９名分の座席を収容できるタイプとしており、作業スペースを確保するための統合テント化システムも搭載できる。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜装甲工兵車＞：工兵用装甲車型。爆薬や障害物除去装備を搭載するのに十分なスペースを持ち、地雷源啓開システムも積める。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜兵員輸送車＞：装甲兵員輸送車型。前車に操縦手含め６名、後車に10名を載せられる。最大速度60km。時速4.5kmで水上航行可能。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜補給車＞：補給車両型。装軌式の後部車両にカーゴを搭載する。燃料・貨物ポッドを載せられる。参考：月刊軍事研究8,’01

＜ＡＴＴＣ海外シリーズ＞

　＜ウォーホッグ＞：イギリス軍連結式装甲車。100両以上を調達する予定。戦闘重量16トン。エンジン出力350馬力。乗員16名。ウォートホッグか？参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＡＴＴＤＳ＞：水上艦魚雷防御計画を参照。

＜ＡＴＴＶ＞：ベクター（装甲車）を参照。

＜ＡＴＵ＞：水陸両用任務部隊を参照。

＜ＡＴＵ−３５＞：アメリカ軍の爆弾用安全解除装置。投下されると風圧を受けて風車が回転し、信管を撃発位置にセットする。参考：ワイルドウエポン

＜ＡＴＶ＞：ベル社が試作したティルト・スラスト方式VTOLで、Air Test Vehicleの略。胴体両脇のJ44エンジンを回転させて垂直離着陸と水平飛行を行い、小型ガスタービンからの圧縮空気を胴体後端と主翼端から噴射させて姿勢を制御する。主翼は高翼配置で、セスナ170の流用であり、スキッド式降着装置はベル47ヘリの流用。1953年12月に完成し、1954年1月に飛行試験を開始、1955年までに4.5時間ほど飛行したが、水平飛行への転換は行われていない。参考：月刊JWings10,’09

＜ＡＴＶ＞：Advanced Technology Vesselの略。インド海軍が1976年から秘密裏に開発した国産原子力潜水艦で、670型をベースにした攻撃原潜になる予定だったが、弾道ミサイル原潜になった。全長124m（100-120m？）、水中排水量6000-9000トン。主機は加圧水型原子炉１基、１軸推進、水上速力12-15ノット、水中速力30-34ノット、最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門とミサイル垂直発射筒で、3M54E潜対艦ミサイルやサガリカSLBMを搭載するといわれる。船体や建造の技術は1986年から配備した209型や877型、運用法は1988年からリースした06709型で経験を積んだ。艦載原子炉は1971年から開発に入っていたが、テストで放射性物質が漏れまくり、1981年に開発を中断、1991年からソ連のルビーン設計局の協力を得て再開し、出力190MWの加圧水炉を完成させ、アリハント級として2004年に１番艦が起工した。参考：月刊軍事研究7,’05、10,’08、9,’12、月刊世界の艦船11,’18、2,’10

＜ＡＴＸ＞：閑山島級（練習艦）を参照。

＜ＡＴＸ−６シリーズ＞：ナビスター・ディフェンス社とタトラ社が共同開発した装輪装甲トラック。参考：月刊軍事研究11,’10

　＜ＡＴＸ−６（６×６輪）＞：タトラT815-7トラックがベースのコンテナ輸送型で、キャビンにNATOレベル1-2、車体底面にレベル3-4の装甲を施している。総重量29トン。エンジンはナビスター社製マックスフォース12.4ディーゼル（450馬力）、トランスミッションはアリソン社製4500SP、最大速度117km。積載量16.9トン。参考：月刊軍事研究11,’10

　＜ＡＴＸ−６（８×８輪）＞：兵員輸送にも使用できる。総重量38トン。最大速度115km。積載量21.1トン。兵員16名を搭載可能。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ＡＴ−Ｘ−１６＞：9A4172（対戦車ミサイル）を参照。

＜ＡＵ＞：アフリカ連合または航空大学を参照。

＜ＡＵ−１＞：F4U-6（戦闘機）を参照。

＜ＡＵ１５Ｎ−Ａ７−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。三徳航空エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜ＡＵ１５Ｎ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。吉田商会または三社電機製作所が受注している。参考：月刊軍事研究7,’15、7,’18

＜ＡＵ１５Ｎ−Ａ７−１１−２１＞：自衛隊の無停電電源装置。東芝イーアイコントロールシステム製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＡＵ１５Ｎ−Ｃ７−２２−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。リコジャパン製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＡＵ１５Ｎ−Ｅ７−１２−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。リコジャパン製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＡＵ１５Ｕ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。東芝イーアイコントロールシステム製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜ＡＵ２０Ｎ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。リコジャパン製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＡＵ−２３Ａ＞：アメリカ空軍のCOIN機、別名ピースメーカー（Peacemaker）。ピラタス社製PC-6ターボポーターの武装型で、フェアチャイルド社が開発した。主翼外翼部下面パイロンに兵装を搭載できる。15機を購入してベトナム戦争で使用したが、採用はせず、21機を追加購入して全てタイに供与した。参考：アメリカ空軍の第一線機、月刊軍事研究4,’05、月刊JWings4,’23

＜ＡＵ３０Ｎ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。東芝イーアイコントロールシステムまたはリコジャパンまたは三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究11,’12、7,’15、3,’17

＜ＡＵ３０Ｎ−Ａ７−１１−２２＞：自衛隊の無停電電源装置。東洋電機製造製。参考：月刊軍事研究2,’12

＜ＡＵ３０−Ａ７−１２−２２＞：自衛隊の無停電電源装置。東洋電機製造製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜ＡＵ４０＞：S35戦車ファミリーを参照。

＜ＡＵ４０Ｎ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。東洋電機製造またはキーコム製。参考：月刊軍事研究11,’16、6,’17

＜ＡＵ４０Ｎ−Ａ７−１１−２２＞：自衛隊の無停電電源装置。東洋電機製造製。参考：月刊軍事研究9,’13

＜ＡＵ４０Ｎ−Ｃ７−２２−２２＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜ＡＵ５０Ｎ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＡＵ５０Ｎ−Ａ７−１２−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜ＡＵ７５−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究11,’09

＜ＡＵ７５Ｎ−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。吉田商会が受注している。参考：月刊軍事研究7,’15

＜ＡＵ７５Ｎ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所または明電舎製。参考：月刊軍事研究9,’15、3,’17

＜ＡＵ７５Ｎ−Ａ７−１１−２１＞：自衛隊の無停電電源装置。明電舎製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜ＡＵ７５Ｎ−Ａ７−１１−２２＞：自衛隊の無停電電源装置。富士電機システムズ社製。参考：月刊軍事研究4,’08

＜ＡＵ７５Ｎ−Ａ７−１２−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜ＡＵ１００Ｎ−Ａ７−１１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所または明電舎製。参考：月刊軍事研究8,’15、7,’18

＜ＡＵ１２５Ｎ−Ａ７＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＵ１２５Ｎ−Ａ７−１１−２１＞：自衛隊の無停電電源装置。富士電機製。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ＡＵ１５０Ｎ−Ａ７＞：自衛隊の無停電電源装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜ＡＵ１５０Ｎ−Ａ７−１１−２１＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究9,’09

＜ＡＵ２５０−Ａ７−１２−１２＞：自衛隊の無停電電源装置。明電舎製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜ＡＵ１０００Ｎ２−Ｄ５−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。明電舎製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜ＡＵＤ−３０Ｎ−Ａ＞：自衛隊の無停電電源装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＵＤ３０Ｎ−Ａ６−２−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究5,’12

＜ＡＵＤ７５Ｎ−Ａ５−１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置（デュアル）。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜ＡＵＤ７５Ｎ−Ａ６＞：自衛隊の無停電電源装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜ＡＵＤ７５Ｎ−Ａ６−２−１１＞：自衛隊の無停電電源装置。山洋電気製。参考：月刊軍事研究10,’12

＜ＡＵＤ１００Ｎ−Ａ５−１−１１＞：自衛隊の無停電電源装置デュアル。明電舎製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜ＡＵＦ１＞：GCTシリーズ（自走榴弾砲）を参照。

＜ＡＵＦ１Ｔ＞：GCTシリーズ（自走榴弾砲）を参照。

＜Ａｕｆｋｌ＞：Aufklarung（偵察）またはAufklarer（偵察用車両）の略。参考：ジャーマンタンクス

＜Ａｕｆｋｌ．Ｇｒ．＞：AufklarungsGruppe（偵察飛行隊）の略。参考：グラフィックアクション36

＜ＡＵＧシリーズ＞：オーストリアのスタイア・マンリッヒャー社が開発したブルパップ型突撃銃で、AUGはアウトマティッシュ・ウニバザール・ゲベアーの略。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究8,’04

　＜ＡＵＧ＞：マガジン、ストック、トリガー、ハンマー、シアなど多数の部品を強化プラスチックで製造している。撃発メカニズムはユニット化されており、機関部から簡単に取り出せる。銃身の取り外しも容易で、銃身を替えるだけでカービンや分隊支援火器にできる。排莢口は右にあるが、遊底の向きを反対にして排莢口カバーを差し替えると左から排莢できるので、左利きでも便利である。セミオートとフルオートでの射撃が可能で、引き金を浅く引くとセミオート、最後まで引くとフルオートになる。機関部上方にキャリング・ハンドルを兼ねる1.5倍の光学式スコープを標準装備しており、より大型のものや、夜間暗視スコープへの交換も可能である。専用のサイレンサーも供給されている。全長797mm、銃身長545mm、重量3.975kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾で、30発入りバナナマガジンを使用する。オプションとして9mm×19弾を使用できるユニットも用意されており、サブマシンガンへの転換も可能である。オーストリア軍がStg77という名称で1977年に制式化、1988年までに８万丁を製造した他、オーストラリア、ニュージーランド、オマーン、サウジアラビア、ペルーなど多くの国で制式化された。参考：最新軍用ライフル図鑑、月刊軍事研究7,’97

　＜ＡＵＧアサルト・カービン＞：銃身短縮モデルで、特殊部隊や空挺部隊向け。全長715mm、銃身長460mm、重量3.8kg。参考：最新軍用ライフル図鑑

　＜ＡＵＧ　Ａ３＞：各種照準器などを装着するピカティニー軌条を装備し、M16の弾倉を使用可能とし、銃身下に40mm擲弾筒を装備できるようにしたタイプ。2004年末から生産される予定。参考：月刊軍事研究8,’04

＜ＡＵＧ海外シリーズ＞

　＜Ｆ８８＞：オーストラリア軍突撃銃。1988年に制式化し、オーストラリアン・ディフェンス・インダストリーズがライセンス生産した。全長790mm、銃身長508mm、重量3.8kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾、装弾数30発。大型サイレンサー付きの特殊部隊用もある。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜ＡＵＫＵＳ＞：オーストラリア、イギリス、アメリカの安全保障協力枠組み。2021年3月にオーストラリアがアメリカとイギリスに構想を持ち掛け、9月15日に米英豪首脳がビデオ記者会見で発表した。潜水艦、UUV、敵基地攻撃能力、サイバーセキュリティ、人工知能、量子コンピュータによる暗号化といった、軍事分野や最先端技術の開発を主要活動とする。最初のAUKUSとしての安全保障協力はオーストラリアの原潜取得で、アメリカとイギリスが支援し、20年掛けてオーストラリアに攻撃型原潜SSN-AUKUS８隻を配備することになった。要するにSEA1000計画の採用潜水艦をフランス製アタック級潜水艦から突如原潜に切り換えるもので、当然ながらフランスは激怒したが、アタック級計画遅延・価格上昇や安全保障環境の変化からオーストラリア側に決定を取り消すつもりは無い。参考：朝雲

＜ＡＵＭ−Ｎ＞：アメリカ軍が計画した囮ミサイル、別名グース。アメリカ本土から発射して爆撃機部隊の企図を隠蔽する。1958年12月に開発中止となった。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊

＜ＡＵＭ−Ｎ−２＞：アメリカ海軍の対潜／対艦ミサイル、別名ペトレル。Mk13/Mk21魚雷にロケット、安定翼、シーカーを装着したものである。P2V-6Mから発射され、着水直前に魚雷以外の部品を外し、艦船や潜水艦を攻撃する。1956年4月から試験運用のため部隊配備されたが、1958年に計画中止となった。参考：世界の傑作機No.50

＜ＡＵＰ＞：BLU-116/Bシリーズ（貫徹弾頭）またはGBU-24C/B（誘導爆弾）を参照。

＜ＡＵＲ＞：実弾を参照。

＜ＡＵＲＡ＞：インド航空開発局が開発中のUAVで、独立飛翔無人計画機の略。ステルス性を考慮した全翼機で、偵察用だが、ウェポンベイを持っていて、兵装搭載能力がある。エンジンはターボファン。参考：月刊軍事研究11,’10

＜ＡＵＳＩＮＤＥＸ＞：オーストラリア海軍とインド海軍の共同演習で、2015年から２年ごとに行われている。2019年は4月に実施され、オーストラリア海軍からキャンベラ級強襲揚陸艦L02キャンベラ、アデレード級ミサイルフリゲート06ニューキャッスル、アンザック級フリゲートFFH154パラマタ、コリンズ級潜水艦SSG-73コリンズ、サクセス級補給艦サクセスが参加した。参考：月刊世界の艦船9,’19

＜ＡＵＳＳ＞：アメリカ海軍のAUVで、Advanced Unmanned Search System（先進型無人捜索システム）の略。1994年から海難救助サルベージ／ダイビング部門で活躍している。前方・側方監視アクティブソナー、CCD水中カメラ、水中照明を装備し、自律的に6100mまで潜航して目標を捜索する。データはリアルタイムで母艦に送信できる。母艦はGPSとロランＣ、海岸からのレーダー・トランスポンダーで位置を把握し、AUSSは自己のソナーによる深海トランスポンダー、ジャイロコンパス、母艦からのソナーデータにより位置を測定する。測定誤差は1m以内らしい。全長5.2m、直径0.79m、重量1.27トン。最大速力５ノット。１回の充電で10時間の活動が可能。参考：月刊軍事研究4,’03

＜ＡＵＳＳ＞：タレス社が開発した自律型USV/UUVで、Autonomous Underwater and Surface Systemの略。魚雷型をしており、海面では高さ3mの伸縮式ISRマスト、海中ではソナーを使って情報収集を行う。船舶監視、対テロ戦、対機雷戦などに使用可能。全長5.5m、直径0.533m。移動可能距離数百キロメートル、可動期間２週間。参考：月刊軍事研究2,’17

＜Ａ．Ｕ．Ｔ．１８＞：イタリアのアエロノーティカ・ウンブラが開発した試作単座戦闘機。採用はされなかった。全長8.76m、全幅11.5m。エンジンはフィアットA.80R.C.41（1000馬力）単発、最大速度489km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ａｕｔｏＰａＫ２．０６／８３５＞：チェコのスコダ社が1940年に開発した5cmオートマチック対戦車砲。弾薬は機関部右から５発クリップで装填され、発射速度は毎分80-85発に達する。試作のみで生産されなかった。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜ＡＵＶ＞：Autonomous Underwater Vehicle（自律型無人海中航走体）の略。自律航行が可能なUUVのこと。参考：月刊軍事研究1,’15

＜ＡＵＶ３＞：RQ-7海外シリーズ（無人偵察機）を参照。

＜ＡＵＶ６２−ＭＲ＞：サーブ社が開発した機雷探知用自律航行型UUV。魚雷型をしており、前部に高分解能ソナー、側面に合成開口ソナーを装備、CAD/CAC（Computer Aided Detection/Computer Aided Classification）アルゴリズムにより探知した目標を機雷かどうか判定し、結果を引き込み式マストから無線LAN、VHF/UHF、衛星通信により送信する。判定までUUVが行ってくれるので、時間短縮や対機雷戦システムの単純化に繋がる。全長4-6.5m、直径0.53m、重量800-1250kg。推進はポンプジェット、最大速力12ノット、航続時間24時間（３ノット）。最大潜航深度300m。参考：月刊軍事研究2,’17

＜ＡＶ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、水上機母艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＶ−１＞：アメリカ海軍ライト級水上機母艦ライト（Wright）。元は1921年に就役した気球搭載艦AZ-1ライトで、改造されて1923年に類別変更された。1944年10月1日、雑務旗艦AG-79に艦種変更された。1945年2月1日、CVL-49に名前を譲ってサン・クレメンテとなった。1946年7月1日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,’00、月刊丸11,’09

＜ＡＶ−２＞：アメリカ海軍ジェーソン級水上機母艦ジェーソン（Jason）。元は給炭艦AC-12ジェーソンで、1931-32年に改造された。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ＡＶ−３＞：アメリカ海軍ラングレイ級水上機母艦ラングレイ（Langley。天文学者・航空先駆者のサミュエル・Ｐ・ラングレイから）。大元は1913年に就役した給炭艦AC-3ジュピター（Jupiter）で、1922年3月20日に空母に改造されてCV-1ラングレイとなり、1936年（1937年？）に水上機母艦となった。1942年2月22日、P40戦闘機32機と航空要員33名を収容し、貨物船シーウィッチ（P40戦闘機27機収容）と共にオーストラリアのフリーマントル港を出撃、蘭印救援のためチラチャップに向かった。2月27日0950、第23航空戦隊の索敵機にバリ基地の265度368海里の地点で発見された。その後、バリ島から方位265度・距離358海里で高雄空の陸上攻撃機16機から爆弾直撃弾５発と至近弾２発を受け、1340にチラチャップ南75海里で沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊丸2,’07、月刊世界の艦船12,’14、11,’00、10,’22

＜ＡＶ−４＞：アメリカ海軍カーティス級水上機母艦カーティス（Curtiss）。1940年11月竣工、太平洋艦隊に編入された。1941年5月、遠距離哨戒を開始。10-11月、ウェーク島に航空要員と器材を輸送した。12月8日、真珠湾攻撃でクレーンなどを損傷した。サンディエゴで４日間の修理を終えて復帰。1942年6月からニューカレドニア島やエスピリツ・サンド島に進出して母艦任務や小型艦修理補給任務を行った。その後サンフランシスコで整備を受け、中部太平洋艦隊に編入された。1943年10月31日、真珠湾を出港。11月、第57任務群旗艦（中部太平洋航空部隊指揮官フーバー少将座乗）としてエリス諸島に展開し、マキン・タラワ攻略ガルバニック作戦に参加。11月17日、エリス諸島が日本軍機の襲撃を受け、ボフォース40mm機関砲で反撃した。12月末、タラワに進出。1945年6月21日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受けて損傷した。1950年、第７艦隊に編入されて朝鮮戦争に参加し、対馬海峡の哨戒任務を支援した。1951年、原爆実験指揮艦になった。1957年に退役し、1963年7月1日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,’00、第２次大戦のアメリカ軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸11,’09

＜ＡＶ４＞：マレーシアの国産軽装甲車で、DRB-HICOMディフェンス・テクノロジー社が2005年から開発した。車体は防弾鋼板のモノコック構造で、防弾ガラスを使用し、小火器や弾片から乗員を防御できる。また、底部には耐地雷装甲が施されており、追加装甲の搭載も可能。サスペンションはマルチリンク・ハイドロニューマチック・サスペンション。ランフラットタイヤや油圧式ウインチは民生品を使用しており、価格を極力抑えた。NBC防護装置、APU付。エンジンはMTU社製ディーゼル（160馬力）、トランスミッションはアリソン社製２段切り替えトランスファー付５段式フルオートマチック、最大速度110km、航続距離500km、大型燃料タンクへの換装で行動半径800km。自衛用に7.62mm機銃を搭載する。参考：月刊軍事研究12,’06

＜ＡＶ−５＞：アメリカ海軍カーティス級水上機母艦２番艦アルベマール（Albemarle）。1940年12月竣工、大西洋艦隊に配備された。太平洋戦争開戦時はニューファンドランド島で母艦任務に就いていた。1942年以降は終戦まで大西洋や地中海での航空器材と要員輸送に従事。1956年度予算でP6M用の水上機母艦に改装されることになり、後部揚収用クレーンを撤去してドライドックを設置、艦内にジェット燃料庫、核爆弾貯蔵庫、通常爆弾庫を設けた。P6Mは艦尾の引き込み式ランプによりドライドック内に収容する。1957年10月に改装工事を完了した。しかし1959年8月にP6Mが開発中止となり、1960年に退役、1962年9月1日に除籍された。ベトナム戦争勃発により1964年から改装を受けて1965年3月27日に再就役、ヘリコプター修理母艦T-ARVH-1コーパス・クリスティ・ベイとなった。1973年に退役し、1974年12月31日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,’00、月刊丸11,’09

＜ＡＶ−７＞：アメリカ海軍カリタック級水上機母艦カリタック。1944年就役。1971年4月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶ−８シリーズ＞：ハリアー・シリーズ（VTOL機）を参照。

＜ＡＶ−８＞：アメリカ海軍タンジャー級水上機母艦タンジャー（Tangier。タンジール？）。元はC-3型戦時標準貨物船シー・アロー（Sea Arrow）で、建造中の1940年7月8日に取得して水上機母艦に改造し、1941年8月25日に就役した。12月8日、真珠湾攻撃時には真珠湾に在泊していた。その後補給物資を積んでウェーク島に向かったが、日本軍がウェーク島に来襲したためミッドウェイ島に物資を降ろし、12月31日にハワイに帰投している。1942年3月からニューカレドニア島ヌーメアに展開し、飛行艇６機を支援した。珊瑚海海戦では第17任務部隊第９グループに編入され、第71・第72哨戒飛行隊の飛行艇12機を支援した。1945年、兵装は38口径127mm単装砲１門、50口径7.6cm単装砲４門、40mm連装機関砲４基、20mm単装機関砲15門だった。1947年1月頃に退役した。1961年6月1日に除籍された。1962年5月、シー・ランド・サービス社に売却され、商船に戻った。1974年に解体された。参考：月刊世界の艦船7,’24、月刊丸11,’09、5,’07

＜ＡＶ−８シリーズ＞：マレーシア陸軍８×８輪装輪装甲車、別名Gempita。元はFNSS社製パース装輪装甲車で、2006年にモワグ社製ピラーニャ�VＣ、パトリア社製AMVとの間で選定が行われて採用された。基本型68両、25mm機関砲装備型46両、対戦車型57両など計256両（257両？）を2013-18年に生産する予定。参考：月刊軍事研究8,’12、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＡＶ−８＞：車体後部上面にLCT-30砲塔を搭載しており、デネル社製30mm機関砲Gl30と7.62mm同軸機銃FN-MAGを装備する。全長7.98m、全幅2.82m、全高2.32m。エンジンはユーロ�V（523馬力）で、最大速度100km、航続距離700km。時速8kmで水上航行が可能。参考：月刊軍事研究8,’12

　＜ＡＶ−８（２５ｍｍ機関砲搭載型）＞：砲塔をATK社製25mm機関砲装備のネクスター社製１名用砲塔に換装したタイプ。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＡＶ−８ファミリー＞

　＜指揮通信車型＞：指揮通信車型で、自衛用としてロイテック社製ルージュ遠隔操作銃塔を装備する。参考：月刊軍事研究8,’12

　＜自走迫撃砲型＞：自走迫撃砲型で、TDA社製120mm迫撃砲を搭載する。参考：月刊軍事研究8,’12

　＜対戦車型＞：自走対戦車ミサイル型で、イングウェ対戦車ミサイルを搭載する。参考：月刊軍事研究8,’12

＜ＡＶ−９＞：アメリカ海軍水上機母艦ポコモーク。1961年6月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶ−１０＞：アメリカ海軍水上機母艦シャンデリア。1971年5月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶ−１１＞：アメリカ海軍カリタック級水上機母艦ノートンサウンド（Norton Sound）。1950年、ラーク艦対空ミサイルの発射及び目標撃墜に成功。1951年8月8日、ミサイル実験艦AVM-1に艦種変更された。1962年11月、タイフォンシステム搭載改装を開始。1963年にタイフォン計画はキャンセルされたが、システムとAN/SPG-59のテストは続けることになり、1964年6月に改装を終了してテストに入った。1965年7月、シースパローシステムの試験を開始。1966年春、タイフォンシステムのテストを完了。1966年7-10月、タイフォンシステムを撤去した。1973-75年、イージス・システムの艦上試験と操作要員教育を実施。1975年、イージス・システムの実発射試験を開始。1978年末、定期検査ついでに試験用Mk41垂直発射機を搭載した。1987年1月26日に除籍された。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船10,’11、11,'24、月刊軍事研究5,’03

＜ＡＶ−１２＞：アメリカ海軍水上機母艦パイン・アイランド。1971年2月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶ−１３＞：アメリカ海軍カリタック級水上機母艦サルズベリー（Salisbury）。1971年2月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船11,’00

＜ＡＶ−１４＞：アメリカ海軍ケネス・ホワイティング級水上機母艦ケネス・ホワイティング（Kenneth Whiting）。1945年6月21日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受け損傷した。1961年7月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶ−１５＞：アメリカ海軍水上機母艦ハムリン。1963年7月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶ−１６＞：アメリカ海軍水上機母艦セント・ジョージ。1945年5月5日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受け損傷した。1973年7月1日に除籍された。1968年12月11日にイタリア海軍が購入し、運送艦アンドレア・バフィレとなった。参考：月刊丸11,’09、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＶ−１６Ａ＞：ハリアー海外シリーズ（VTOL機）を参照。

＜ＡＶ−１７＞：アメリカ海軍水上機母艦カンバーランド・サウンド。1961年7月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶ８１＞：シンガポール・テクノロジーズ・キネティックス社がアイルランドのティモネイ・テクノロジー社と共同のプライベート・ベンチャーで開発した８×８輪装甲車。C-130による被空輸能力と、高い耐地雷能力を持つ。戦闘重量17.5トンの装甲兵員輸送車型と、戦闘重量24トンの歩兵戦闘車型が考えられている。参考：月刊軍事研究6,’05

＜Ａｖ１３５＞：チェコスロバキアの戦闘機で、1938年初めから開発された。機体は木金混合で、低翼単葉、引き込み脚を持つ。ブルガリアから12機の発注を受け、1941年に製造権ごと引き渡した。全長8.52m、全幅10.85m、全備重量2450kg。エンジンはイスパノスイザ12Ycrs（890馬力）単発、最大速度535km、実用上昇限度8500m、航続距離600km。固定武装は20mm機関砲１門、7.9mm機銃２丁。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜ＡＶ６１１＞：611型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜ＡＶ−１７９０シリーズ＞：コンチネンタル・アビエーション・エンジニアリング社が開発した空冷ガソリンエンジン。M3中戦車・M4中戦車用500馬力級エンジンが統一されておらず、多種多様なエンジンを載せたせいで補給整備に支障が出たため、統制型動力装置としてCD-850系トランスミッションと共に開発された。参考：月刊PANZER10,’85、10,’04

　＜ＡＶ−１７９０−１＞：空冷Ｖ型12気筒OHC４サイクルガソリンエンジン。出力740馬力（2600rpm）。M26E2に搭載されてテストが行われ、出力不足ということでAV-1790-3が開発されることになった。参考：月刊PANZER10,’85

　＜ＡＶ−１７９０−３＞：AV-1790-1の出力強化型。出力810馬力（2800rpm）。M46に搭載された。参考：月刊PANZER10,’85

　＜ＡＶ−１７９０−５Ａ＞：空冷Ｖ型12気筒OHCキャブレター付４サイクルガソリンエンジン。ボア146mm、ストローク146mm、総排気量29.333リットル、圧縮比6.5:1。出力810馬力（2800rpm）。M46に搭載された。参考：月刊PANZER5,’81

　＜ＡＶ−１７９０−５Ｂ＞：-5Aの潤滑系に改良を加えたもの。空冷90度Ｖ型12気筒OHCキャブレター付４サイクルガソリンエンジン。マグネット点火式で、スターターはエクリプス・パイオニア製1416-29-Fまたはジャック＆ハインツ製JRD-30を使用する。シリンダー内径146mm、ストローク146mm、総排気量26.692リットル、圧縮比6.5:1、出力810馬力（2800rpm）。重量1171kg。1949年6月から1953年6月まで製造され、M47やM48前期型に搭載された。参考：月刊PANZER10,’04、5,’81、10,’85

　＜ＡＶ−１７９０−７＞：シリンダーをAOS-895と同じものに変更し、アウトリガーファンとキャリブレーターを接続して一体化した改良型。重量1201kg。M47やM48中期型に搭載された。参考：月刊PANZER10,’04、5,’81、10,’85

　＜ＡＶ−１７９０−７Ｂ＞：発電機を150Aから300Aに強化したもの。M47やM48中期型に搭載された。参考：月刊PANZER5,’81、10,’85

　＜ＡＶ−１７９０−７Ｃ＞：冷却効率を上げるため、シリンダーヘッドの形状を変更したもの。M48後期型やM48A1に搭載された。参考：月刊PANZER10,’04

＜ＡＶ２０９０＞：アメリカ軍のAN/ARC-231無線機用SATCOMアンテナ、通称Ｘウイング。支柱の上にＸ字のアンテナが付いている。参考：月刊JWings8,’20

＜ＡＶ２０９１＞：アメリカ軍のAN/ARC-231無線機用SATCOM無指向性アンテナ、通称エッグビーター（泡立て器）。UH-1Yヘリのローターマスト上に装着される。既存機にも従来のフリスビー型アンテナに換えて搭載されており、ヘリの胴体上面に付ける際には、メインローターによる干渉で通信不能となる恐れがあるため、２基装着する。参考：月刊航空ファン9,’19、6,’20、月刊JWings8,’20

＜ＡＶＡシリーズ＞：ロッキード・マーチンUK社がHMT装甲車をベースに開発した装甲車で、Adaptive Vehicle Architecture（構造適応車両）の略。製造はバムコック・ランドシステム社である。参考：月刊軍事研究9,’09

　＜ＡＶＡ１＞：４×４輪型。エンジン配置はミッドシップで、クローズドボディを採用している。装甲はSTANAG4569レベル２で、レベル３まで強化できる。重量12トン。参考：月刊軍事研究9,’09

　＜ＡＶＡ２＞：６×６輪型。参考：月刊軍事研究9,’09

＜ＡＶＢ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、航空機支援艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＶ−ＢＡＦＧシリーズ＞：ブラジル軍の通常爆弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＡＦＧ−１２０＞：重量120kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＡＦＧ−２５０＞：全長2.2m、直径0.27m、重量250kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＡＦＧ−９２０＞：重量920kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡｖＢａｔ＞：Aviation Battalion（航空大隊）の略。参考：月刊JWings9,’17

＜ＡＶ−ＢＩシリーズ＞：ブラジル軍のナパーム弾。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＩ−２００＞：重量177kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＩ−２５０＞：重量271kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＩ−３００＞：重量300kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＩ−３７５＞：全長3.63m、直径0.48m、重量362kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＢＩ−４００＞：重量400kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＶ−ＢＰ−２５０＞：ブラジル軍の滑走路破壊爆弾。尾部のパラシュートで弾体を安定させた後、ロケットで加速して突入する。全長3m、直径0.23m、翼スパン0.30m、重量250kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＶＢＰＭ＞：ロシア軍の燃料気化爆弾で、Aviatsionnaya Vakuumnaya Bomba Pov’shennoy Mochnostiの略。世界最大の通常爆弾である。重量7.1トン。威力はTNT換算で44トン。2007年9月に爆発試験が行われた。参考：月刊軍事研究10,’10

＜ＡＶＣＡＴＴ−Ａ＞：アメリカ陸軍のヘリコプター用シミュレータ。バトルマスターコントロールルーム、レビュー室、コクピット６基で構成されており、AH-64、UH-60、OH-58、CH-47をシミュレートできる。RAH-66用コクピットを追加可能にもされていた。大型トレーラーやC-5輸送機での輸送が可能。価格は１台900万ドル。参考：月刊丸9,’03

＜ＡＶＣＲ−１１００＞：AVDS-1100空冷ディーゼルを可変圧縮比エンジンにしてスーパーチャージャーを取り付けたもの。出力は３倍近い1475馬力となった。総排気量18.026リットル。MBT70に搭載されたがトラブルが続出、戦車ごとお蔵入りになってしまった。参考：月刊PANZER5,’81

＜ＡＶＣＲ−１３６０＞：テレダイン・コンチネンタル社が開発した可変圧縮比エンジン。空冷60度Ｖ型12気筒４サイクルディーゼルで、全長1.726m、全幅1.564m、全高1.122m、重量2.03トン。ボア137mm、ストローク127mm、圧縮比11.0-19.5:1、出力1500馬力（2600rpm）。M-1戦車のエンジンとして提案されたが、AGT-1500ガスタービンに破れた。参考：月刊PANZER5,’81

＜ＡＶＣＲ−１７９０−１Ｂ＞：テレダイン・コンチネンタル社が高性能型M60用に開発した可変圧縮比エンジン。キャブレター付OHC空冷12気筒４サイクルディーゼルで、AVDS-1790シリーズを可変圧縮比化したものである。全長1.742m、全幅1.867m、全高1.11m、重量2.313トン。出力1200馬力（2400rpm）。参考：月刊PANZER5,’81

＜ＡＶＤ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、小型水上機母艦を示す。後にAVPに変更された。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＶＤ−１０＞：アメリカ海軍水上機母艦バラード。1942年6月14日、ミッドウェイ海戦で沈没した空母飛龍の乗員35名を救助した。9月、サンタ・クルーズ諸島でPBY飛行艇の支援任務に就いた。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＤ−１１＞：アメリカ海軍水上機母艦ソーントン（Thornton）。1945年4月5日、沖縄戦に参加中に給油艦と衝突して大破。修理はされずスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＤ−１４＞：アメリカ海軍水上機母艦マクファーランド（McFarland）。元はDD-237マクファーランドである。1942年10月16日、ルンガ岬東に停泊し、航空魚雷、弾薬、航空用ガソリンをボートでガダルカナル島に輸送した。輸送を終了して東に航行していた所、ソロモン群島付近で九九式艦爆９機の急降下爆撃を受け、１機を撃墜したが、爆弾１発と至近弾複数を受け損傷、戦死傷者55名を出した。これにより大統領部隊表彰を受賞している。修理後の1943年12月にDD-237に艦種変更された。参考：月刊世界の艦船11,’24、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＶＤＳ−１７９０シリーズ＞：コンチネンタル社が開発した空冷ディーゼルエンジン。AV-1790をディーゼルにしたようなエンジンで、こちらもCD-850トランスミッションと組み合わされて使用される。パンフレットには「世界初の戦車用空冷ディーゼルエンジン」と書いてあるが、日本陸軍八九式中戦車乙型の方が23年早い。ディーゼル燃料を排気に混ぜて発煙させるシステムを組み込んだものもある。参考：月刊PANZER5,’81、10,’04

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−２＞：60度Ｖ型12気筒４サイクルで、分配型圧縮ポンプ・ターボスーパーチャージャー２基付き。クランクケースはアルミニウム合金の一体鋳造、シリンダーバレル及びシリンダーヘッドは鋼製である。ターボスーパーチャージャーにより排気音が低くなったため、マフラーは付いていない。出力750馬力（2400rpm）。1959年12月から生産開始。参考：月刊PANZER10,’04

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−２Ａ＞：キャブレター付きOHC 空冷90度Ｖ型12気筒４サイクルディーゼルで、Ｖバンクのはさみ角を90度にすることで全高を抑えている。各バンクに１基ずつ計２基のターボスーパーチャージャーが付く。全長1.784m、全幅1.911m、全高1.126m、乾燥重量2.132トン。ボア146mm、ストローク146mm、圧縮比16:1、総排気量29.333リットル、出力750馬力（2400rpm）。M48A3、M48A5、M60、M60A1、M60AVLB、M728工兵車に搭載された。参考：月刊PANZER5,’81、10,’04

＜ＡＶＤＳ−１７９０−２ＡＣ＞：全長1.784m、全幅1.78m、全高1.126m、重量2.132トン。センチュリオンに搭載された。参考：月刊PANZER5,’81

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−２Ｃ＞：シリンダーバレルとヘッドの結合に電子ビーム溶接を使用するなどの改良を施したもの。空冷90度Ｖ型12気筒４サイクルで、ターボスーパーチャージャー付き。全長1.742m、全幅1.867m、全高1.11m、重量2.223トン。最大出力750馬力（2400rpm）。発電機は油冷式の28V650A交流式。M60A1、M60A1RISE、M60A2、M60A3、M60AVLBに搭載された。月刊PANZER5,’81、月刊グランドパワー3,’95

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−２ＣＣ＞：全長1.742m、全幅1.78m、全高1.11m、重量2.212トン。センチュリオンに搭載された。参考：月刊PANZER5,’81

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−２Ｄ＞：発電機を空冷式300Aに変更したもの。全長1.793m、全幅1.867m、全高1.11m、重量2.214トン。M48A5、M60、M60A1に搭載された。参考：月刊PANZER5,’81、10,’04

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−２ＤＣ＞：全長1.793m、全幅1.798m、全高1.11m、重量2.214トン。センチュリオンに搭載された。参考：月刊PANZER5,’81

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−２ＤＲ＞：M88戦車回収車に搭載された。参考：月刊PANZER5,’81

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−３＞：出力強化型で、アルミ合金製スリーブを追加し、ソリッドステート式レギュレーター付650A油冷式ジェネレーターを搭載した。出力900馬力（2400rpm）。M60A3に搭載された。参考：月刊PANZER10,’04

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−５Ａ＞：出力強化型で、ターボチャージャー流量を増大、圧縮比を14.5:1に減らした。燃料直噴式90度Ｖ型12気筒４サイクルディーゼルで、全長1.742m、全幅1.702m、全高1.11m、重量2.226トン。ボア146mm、ストローク146mm。出力908馬力（2400rpm）。参考：月刊PANZER5,’81、9,’10

　＜ＡＶＤＳ−１７９０−７Ａ＞：全長1.742m、全幅1.867m、全高1.11m、重量2.226トン。出力950馬力（2400rpm）。参考：月刊PANZER5,’81

＜ＡＶＥＬ＞：LAU-142/Aを参照。

＜ＡｖＦＩＤ＞：外国国内防衛航空ミッションを参照。

＜ＡＶＧ＞：航空機搭載護衛艦（Aircraft Escort Vessel）の略。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜ＡＶＧ−１＞：アメリカ海軍ロング・アイランド級空母１番艦ロング・アイランド（Long Island）。元は1940年1月に進水した貨物船モアマックメイルで、1941年3月に購入、5月から改造し、6月2日に就役した。その後暫く評価試験や訓練に使用されている。1942年8月20日、ACV-1に艦種記号が変更された。参考：月刊世界の艦船6,’17、10,'22、第２次大戦のアメリカ軍艦、護衛空母入門

＜ＡＶＧ−３０＞：アメリカ海軍チャージャー級護衛空母１番艦チャージャー（Charger）。元は1941年3月に進水したC3型ディーゼル貨客船リオ・デ・ラ・プラタで、9月にイギリス海軍向け護衛空母BAVG-4チャージャーとして改造を開始したが、イギリス海軍パイロットをアメリカで養成するため10月にアメリカ海軍に編入された。1942年3月3日就役、大西洋艦隊所属となった。8月20日、ACV-30に艦種記号が変更された。1943年7月15日、CVE-30に艦種記号が変更された。1946年3月15日退役。1947年に除籍され、商船に戻された。参考：月刊世界の艦船6,’17、10,'22、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊丸3,’13、8,’95

＜ＡＶＩ−１７９０−８＞：コンチネンタル社の空冷ガソリンエンジン。AV-1790-7Cの大幅改良型で、キャブレターの代わりにSU15G3またはSU750分配方式圧縮ポンプを使用した燃料噴射装置を搭載し、出力が825馬力に上昇、燃費が6%改善した。また、クーラーとエンジンを一体化して小型化しており、その分を燃料タンクに回すことができた。1956年4月から1960年9月まで生産され、M48A2戦車に搭載された。参考：月刊PANZER10,’04、5,’81

＜ＡＶＩＣ＞：AViation Industry of China（中国航空工業公司）の略。元は中国政府の航空管轄部門で、1993年の第８期全国人民代表者会議で中国の航空機産業を統合することになり、6月に民間企業体（ただし政府の強力な関与あり）として創設された。当初は民間旅客機の開発をメインにしていたが、技術力不足などもあって1997年の時点では収益の80%が非航空機製品（自動車、トラックなど）であった。中国政府は1999年7月にAVIC�TとAVIC�Uに分割し、両社で競争をさせたが、実際には競合せずに航空機（相変わらず非航空機製品も）を製作しており、2008年10月29日に合併して再びAVIC（中国航空工業集団公司）に戻った。傘下に瀋陽航空機工業、成都航空機工業、西安航空工業、洪都航空工業、陜西航空工業、ハルビン航空機工業、昌和航空機工業、上海航空工業を置く。2010年、アメリカのコンチネンタル・モーターズを傘下に入れた。2015年10月8日、傘下の航空エンジン会社である四川成発航空科技、中航動力、中航動力控制を再編するため、株取引を停止した。2016年8月28日、傘下の航空エンジン企業・研究機関46個が中国航空発動機集団有限公司として独立した。2019年12月5日、造船部門を招商局集団に売却した。参考：月刊JWings2,’13、6,’08、2,’17、月刊軍事研究3,’12、月刊世界の艦船2,’20、朝雲

＜ＡＶＩＣ�T＞：AVICから1999年7月に分かれた国営会社で、中国航空工業第一集団公司の略。傘下には戦闘機、爆撃機、旅客機など大型機の開発を行っている会社（成都航空、上海航空機など）が多い。2008年にAVICに統合された。参考：月刊JWings6,’08、月刊軍事研究6,’09、3,’12

＜ＡＶＩＣ�U＞：AVICから1999年7月に分かれた国営会社で、中国航空工業第二集団公司の略。傘下には小型機やヘリコプターなどの開発を行っている会社（南昌航空機、ハルビン航空機など）が多い。2008年にAVICに統合された。参考：月刊JWings6,’08、月刊軍事研究6,’09、3,’12

＜ＡＶＩＤ＞：アルゲメネ・インリヒティンゲン・エン・ヴェイリヘイジェンスト（総合情報保安局）の略。オランダの情報機関で、2002年にBVD（国内保安局）から改編され、IDB（海外情報局）の海外情報収集機能も引き継いで誕生した。参考：月刊軍事研究12,’04

＜ＡＶ−ＬＭ−７０シリーズ＞：ブラジル軍のスカイファイア70ロケット弾用ポッド。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＬＭ−７０／７−ＳＦ＞：７連装バージョン。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜ＡＶ−ＬＭ−７０／１９−ＳＦ＞：19連装バージョン。全長2.2m、直径0.43m。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜ＡＶＭ−１＞：AV-11（水上機母艦）を参照。

＜ＡＶｎ＞：Aviation（飛行隊／航空隊／航空）の略。参考：月刊JWings9,’17

＜ＡＶＮＬ＞：ECCMの１つで、自動ビデオ・ノイズ・レベリングの略。IAGCと同様、レーダー飽和攻撃に数マイクロ秒で反応し、適切なゲインに調節して対抗する。参考：月刊エアワールド4,’00

＜ＡＶＰ＞：アメリカ海軍の艦種記号で、小型水上機母艦を示す。参考：アメリカ揚陸艦史

＜ＡＶＰ−１＞：アメリカ海軍ラプウイング級水上機母艦ラプウイング（Lapwing）。元はバード級掃海艇である。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−４＞：アメリカ海軍水上機母艦アヴォセット。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−７＞：アメリカ海軍水上機母艦スワン。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−８＞：アメリカ海軍水上機母艦ガネット（Gannet）。1942年6月7日、バミューダ沖でU-653の雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−１０＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦バーネガット。1939年10月起工、1941年7月就役。1958年5月23日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,’24、月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−１１＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ビスケイン。1946年8月、コーストガードに移管された。1968年、海軍に返還され、標的となって沈没した。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−１２＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦カスコ。1942年8月30日、アリューシャン列島アトカ島泊地で呂61の雷撃を受けて擱座した。1944年2月2日、マジュロ環礁に到着し、水上機・飛行艇拠点の整備を実施。2月7日、クェゼリンに展開し、水上機・飛行艇拠点の整備を実施。1949年4月19日、コーストガードに移管された。1949年、海軍に返還され、標的となって沈没した。参考：月刊丸11,’09、歴史群像6,’08、月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−１３＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦マッキナック（Mackinac。マキノー？）。1942年就役。8月7日、マライタ島南端付近に展開し、ガダルカナル島上陸作戦に参加する飛行艇の支援を開始した。上陸成功後はガダルカナル島北西に移動して引き続き支援任務に就いている。1943年10月31日、真珠湾を出撃。11月、エリス諸島に展開してマキン・タラワ攻略ガルバニック作戦に参加。11月10日、アメリカ海兵隊第331偵察爆撃飛行隊地上要員、消耗品、航空用ガソリン、弾薬などをツバルのヌクフェタウに輸送した。1945年9月2日、東京湾で日本の降伏調印式に参加。1949年4月、コーストガードに移管された。1968年、海軍に返還され、標的となって沈没した。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−１４＞：アメリカ海軍チャイルズ級水上機母艦チャイルズ（Childs）。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜ＡＶＰ−１６＞：アメリカ海軍チャイルズ級水上機母艦ジョージ・Ｅ・バジャー（George E. Badger）。元はクレムソン級駆逐艦DD-196ジョージ・Ｅ・バジャーである。1944年4月、高速輸送艦APD-33に艦種変更された。参考：月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−２１＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦フンボルト。1949年1月、コーストガードに移管された。1970年5月に売却された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−２２＞：アアメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦マタゴーダ。1949年3月7日、コーストガードに移管された。1968年に海軍に返還され、標的となって沈没した。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−２３＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦アブセコン。1949年1月5日、コーストガードに移管された。1972年7月15日、南ベトナム海軍に供与され、タム・ニュー・ラオとなった。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−２４＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦チンコティーグ（Chincoteague）。1944年2月24日、エニウェトク環礁バリー島に展開。1949年3月7日、コーストガードに移管された。1972年6月21日、南ベトナム海軍に供与され、リイ・トウン・キエとなった。参考：月刊丸11,’09、月刊世界の艦船11,’24

＜ＡＶＰ−２５＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦クーズ・ベイ。1949年7月5日、コーストガードに移管された。1976年、海軍に返還され、標的となって沈没した。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−２６＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ハーフ・ムーン。1948年9月、コーストガードに移管された。1970年6月に売却された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−２９＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ロッカ・ウェイ。1948年12月24日、コーストガードに移管された。1973年10月25日に売却された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３０＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦サン・パブロ。1949年8月25日、兵装を撤去して測量艦AGS-30となった。1969年6月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３１＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ユニマック。1948年9月14日、コーストガードに移管された。1988年4月29日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３２＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ヤクタット。1948年8月31日、コーストガードに移管された。1971年1月1日、南ベトナム海軍に引き渡され、トランナット・ズァトとなった。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３３＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦バラタリア。1948年9月、コーストガードに移管された。1970年11月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３４＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ベーリング・ストレイト。1948年9月14日、コーストガードに移管された。1971年1月1日、南ベトナム海軍に引き渡され、トラン・クァン・カイとなった。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３５＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦キャッスル・ロック。1948年9月16日、コーストガードに移管された。1971年12月21日、南ベトナム海軍に引き渡され、トラン・ビン・トロンとなった。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３６＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦クック・インレット。1948年9月20日、コーストガードに移管された。1971年12月21日、南ベトナム海軍に供与され、トラン・クォ・トアンとなった。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３７＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦コーソン。1966年4月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３８＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ダックスベリー・ベイ。1966年5月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−３９＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ガーディナーズ・ベイ。1958年5月、ノルウェー海軍に貸与され、練習艦ハーコン７世となった。1966年5月1日、アメリカ海軍籍を除籍となった。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−４０＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦フロイズ・ベイ。1960年3月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−４１＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦グリーンウィッチ・ベイ。1966年7月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−４８＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦オンスロー。1960年6月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−４９＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦オルカ。1945年1月5日、マニラ西方で特攻機の攻撃を受けて損傷した。1962年1月、エチオピアに貸与され、練習艦エチオピアとなった。1976年3月、エチオピアに売却された。参考：月刊丸11,’09、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜ＡＶＰ−５０＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦レホボス。1949年9月2日、測量艦AGS-50に艦種変更された。1970年4月15日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−５１＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦サンカルロス。1958年12月15日、雑務旗艦AGE-1ジョシア・ウィラード・ギブスに艦種・艦名変更された。1971年12月15日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−５２＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦シェリコフ。1960年5月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−５３＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦スイサン。1966年4月1日に除籍された。参考：月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−５４＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ティンバリア（Timbalier）。1946年就役。トリニダード・トバコを母港としてカリブ海・アメリカ東部沿岸を活動海域とした。1954年11月退役、1960年5月1日に除籍された。参考：月刊航空ファン9,’02、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊丸11,’09

＜ＡＶＰ−５５＞：アメリカ海軍バーネガット級飛行艇支援艦ヴァルカー（Valcour）。1965年12月15日、雑務旗艦AGF-1に艦種変更された。1973年1月15日に除籍された。参考：月刊世界の艦船11,’00、月刊丸11,’09

＜ＡＶＲＥ＞：Armoured Vehicle Royal Engineersの略。

＜ＡＶ−ＲＥ４０＞：MANSUP（対艦ミサイル）を参照。

＜ＡＶＳＩＭＡＲ＞：フランス軍の次期洋上哨戒機で、AVions de Surveillance et d’Intervention Maritimeの略。ダッソー・アビアシオン社がファルコン2000LXSをベースに設計しており、2020年に調達契約を締結する予定である。参考：月刊航空ファン2,’19

＜ＡＶＳ　Ｍ１９３６＞：ソ連軍の7.62mm自動小銃で、シモノフが開発したため、Automaticheskaya Vintova Simonova（シモノフ自動小銃）と呼ばれる。1926年に試作したM1926を改良したM1931が採用されてこの名称となった。銃口には射撃時の跳ね上がりを防ぐ制退器が付いている。ガス圧作動機構は銃身上部にあり、遊底の作動に必要な発射ガスを供給する。尾筒上面に装填孔と排莢孔があり、右側面に遊底開閉レバーの通路となる切り欠きがあるが、いつも開いているので内部にゴミが入りやすい。尾筒後部右側面にセレクターレバーがあり、上段にすると半自動、下段にすると全自動となる。安全装置は引き金の後ろにある。照門はタンジェントタイプの照尺付きで、100-1500mまでの15段階で調節できる。全長1235mm、銃身長615mm。使用弾はM1908タイプＬ、弾倉は15発入り垂直箱形弾倉（10発入りバナナマガジン？）。全長が長く、射撃時の安定性が悪く反動も大きく、構造が複雑なので故障が多い上にいちいち後方に送って直さねばならず整備性に欠け、PPsh系のサブマシンガンに取って代わられた。重量4.05kg。発射速度はセミオートで毎分30-40発。銃口初速毎秒768m。ノモンハン事件で日本軍も鹵獲したが、欠点が多すぎたため、本国での自動小銃の開発まで中止してしまい、太平洋戦争でM1ガーランドに苦戦した。参考：月刊PANZER2,’04、世界の軍用銃、日本の防衛戦力Part8

＜ＡＶＴ＞：M1940（自動小銃）を参照。

＜ＡＶＴ＞：補助航空機着艦訓練艦を表す艦種記号。

＜ＡＶＴ−１６＞：CV-16（空母）を参照。

＜ＡＶＴ−３２＞：CV-32（空母）を参照。

＜ＡＶＴ−４０＞：CV-40（空母）を参照。

＜ＡＶＴ−４７＞：CV-47（空母）を参照。

＜ＡＶＴ−４８＞：CVL-48（軽空母）を参照。

＜ＡＶＴ−５９＞：アメリカ海軍着艦練習艦。元はCV-59フォレスタルで、1992年2月に艦種変更された。1993年には予算不足で退役したため、実際練習空母として使用されたかは不明。参考：月刊軍事研究5,’05

＜ＡＶ−ＴＭ３００＞：ブラジルのアビブラス社が開発している巡航ミサイル。推進はターボジェット、射程300km。誘導はINS/GPS。アストロス多連装ロケットシステムのランチャーから発射可能。参考：月刊軍事研究11,’13

＜ＡＶ−ＵＣＦ＞：ASTROS�Uのレーダー指揮車。車体はASTROS�Uと共通の６輪トラックで、射撃のための風速測定用伸縮式垂直マスト、目標捜索レーダー、目標標定・射撃諸元算定レーダー、電子計算機などを搭載する。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜ＡＶＸＬ＞：フランスのパナール・ジェネラル・ディフェンス社が開発中の４×４輪装甲車。STANAGレベル２クラスの装甲を持ち、対人地雷の爆発に対抗できる。車体重量5.5トン、戦闘重量９トン。エンジンはディーゼル（200馬力）、最大速度120km、航続距離800km。積載量3.3トン。非装甲型もあり、こちらはサウジ陸軍に砲兵隊用として提案されている。参考：月刊軍事研究9,’06

＜ＡＷ＞：空輸航空団（Airlift Wing）または航空群の略。参考：月刊航空ファン7,’17

＜ＡＷ００９＞：アグスタ・ウェストランド社が開発したシングルローター・ヘリ。SW-4の改良型で、エンジンをロールスロイス社製M250-C30P単発とし、Genesys社製グラスコクピットを搭載した。2016年2月からフィンメカニカ・ヘリコプターズ（2017年1月1日からはレオナルド）で販売中。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＷ５０Ｆ＞：イギリスのアキュラシー・インターナショナル社製12.7mm対物ライフル。調整可能な折り畳み式二脚架と折り畳み銃床下に第３の支持脚を備え、照準・発射時の安定性を増している。軍用規格1913ピカティニー型軌条に各種光学または暗視照準器を装着でき、オプションでアイアンサイトも付けられる。重量13.64kg、チタニウムを用いた型では12.73kg。ボルトアクション単発、使用弾は12.7mm×99ブローニング弾、弾倉は着脱式５発入りボックス型。オーストラリア、ドイツなどの特殊部隊に配備された他、イギリス陸軍の爆発物処理隊にも採用された。参考：月刊軍事研究12,’03、3,’00

＜ＡＷ５２＞：アームストロング・ホイットワース航空機社が開発した全翼研究機（All Wing Research Aircraft）。機首から少し離れた左右脇の主翼前縁下部にエアインテイクがあり、翼端には垂直尾翼が付いている。エンジンはロールスロイス社製ニーン（初号機）またはダーウェント（２号機）双発。1945年3月に初飛行したグライダー実験機版AW.52Gで機体形状の試験を行い、エンジン付きの初号機は1947年11月、エンジンを換装した２号機は1948年9月に初飛行した。これをベースに４発戦略爆撃機としたAW.56をイギリス供給省B.35/46仕様（後の3Vボマー）に提案したが、1949年5月30日の降下試験でAW52初号機がエレボンのフラッターにより墜落し（乗員はマーチン・ベイカー社製Mk1射出座席で脱出して無事）、没になった。参考：月刊JWings6,'22、月刊航空ファン11,’92

＜ＡＷ１０１＞：EH101シリーズ（ヘリ）を参照。

＜ＡＷ１０９＞：A109シリーズ（汎用ヘリ）を参照。

＜ＡＷ１１９シリーズ＞：アグスタ社（後にアグスタ・ウェストランド社を経てレオナルド社）の汎用ヘリコプター、別名コアラ（Koala）。A109の単発型で、1994年8月から開発され、1995年2月に原型機が初飛行し、6月のパリ航空ショーで実機が公開された。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’16

＜ＡＷ１１９＞：AW109パワー（A109E）がベースで、強力なエンジンを積んで双発機並の飛行性能を備えつつ、胴体幅を広くしてキャビン容積を確保した。キャビンドアは大型後方スライド式である。手荷物室はキャビン内から出し入れできる0.5立方メートルのものと、機外から出し入れする１立方メートルのものを１つずつ用意した。メインローターブレードは複合材製４翅で、AW129攻撃ヘリとほぼ同じチタン製ローターハブにエラストメリック・ベアリングで装着している。降着装置をスキッド式とした。最大離陸重量2.72トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6B-37Aターボシャフト（離昇出力1002軸馬力、連続最大出力872軸馬力）単発。1999年12月30日にイタリア航空局の形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’16

＜Ａｗ１１９Ｋｅ＞：KeはKoala enhancedの略。メインローターブレードを改良して効率を上げ、最大離陸重量を2.85トン（機内搭載）／3.15トン（スリング時）に引き上げた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜ＡＷ１１９Ｋｘ＞：アビオニクス改良型で、2012年10月に開発を発表し、2015年7月に形式証明を取得した。ガーミンG1000Hアビオニクスを搭載している。全長12.92m、メインローター直径10.83m、全高3.6m、自重1.508トン、総重量2.85トン（機内搭載）／3.15トン（スリング時）。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6B-37Aターボシャフト（離昇出力1002軸馬力）単発、巡航速度244km、最大速度281km、ホバリング高度限界3352m（地面効果内）／2225m（外）、燃料搭載量0.696トン、航続距離954km。座席数８（コクピット２席＋キャビン６席。乗員1-2名＋乗客7-6名）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空ファン8,’16

＜ＡＷ１１９海外シリーズ＞

　＜ＡＷ１１９Ｋｘ（イスラエル空軍）＞：イスラエル空軍練習ヘリ。ベル206ヘリの後継として2019年に７機を発注した。参考：月刊航空ファン5,’19

　＜ＴＨ−７３Ａ＞：TH-73A（アメリカ海軍練習ヘリ）を参照。

＜ＡＷ１２９＞：A129シリーズ（攻撃ヘリ）を参照。

＜ＡＷ１３９＞：アグスタ・ウェストランド社／レオナルド社の中型双発ヘリ。元はアグスタ社がベル社との合弁企業ベル・アグスタ・エアロスペースで開発したAB139で、2001年2月3日に初飛行して2003年6月20日にヨーロッパ、2004年12月にアメリカで型式証明を取得し、2005年1月に初号機が就航したが、2005年12月にベル社が撤退したので改称した。重量の割に強力なエンジンを搭載しており、高温高地でも重量を気にせず運用でき、片発時の安全性も高い。コクピットはサイドバイサイドで、グラスコクピット化されており、５基（４基？）のMFDが備えつけられている。キャビンは複合材製、容積８立方メートルで、後方に容積3.48立方メートルの貨物室を持つ。キャビンドアは後ろ開きのスライド式にして開口部を広げ、乗降を容易にした。機体側面窓は片側あたり４枚（コクピットドアに１枚、キャビン前部側面に１枚、キャビンドアに２枚）。キャビン上部両側面にハードポイントがあり、容量272kgの救難ホイストを取り付けたり、下反角を持つスタブウイングを介して兵装を搭載したりすることが可能。胴体下には容量2200kgのスリングフックが用意されている。メインローターは複合材製５翅、テイルローターは直径2.7mの４翅で、どちらもハブはエラストメリック・ベアリング付き全関節型である。トランスミッションとメインギアボックスは潤滑油無しでも60分間は運転に耐えられる。全長16.66m（ローター回転時）、胴体長13.53m、メインローター直径13.8m、胴体幅2.26m（4.22m？）、全高4.98m（5.17m？）、空虚重量3.623トン、基本運用重量4.2トン、最大離陸重量6.4トン（オプションで6.8トンまたは７トン可）。メインローター回転円板面積149.6平方メートル。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6C-67Cターボシャフト（離昇出力1679馬力、最大連続出力1531軸馬力。FADEC装備）双発、巡航速度306km・165ノット、最大速度310km・167ノット、実用上昇限度6096m、最良上昇率毎分652m、ホバリング高度限界4682m（地面効果内）／2478m（外。3535m？）、燃料容量1788リットル、航続距離435海里（通常）／573海里（増槽あり。675海里？）、航続時間５時間56分。最大積載量2.67トン。乗員２名。最大客席数12（15？）。キャビンが大きくエンジンも強力で使い勝手に優れ、50カ国以上に750機以上が輸出された。2007-09年には防除氷装置FIPS（Full Ice Protection System）をテストして2010年にEASAとFAAから氷結気象条件下無制限運航の承認を得ている。警察庁が40機以上を導入して各都道府県警航空隊に配備した。また海上保安庁が18機、総務省消防庁が標高3000mでのホバリング救助用ヘリとして１機、埼玉県が消防用防災ヘリとして１機を導入した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊航空情報8,’12、月刊航空ファン5,’13、月刊軍事研究1,’14、10,’14、7,’13、10,’12、月刊JWings1,’19、6,’17、11,’19、月刊世界の艦船7,’18

＜ＡＷ１３９海外ファミリー＞

　＜ＨＨ−１３９Ａ＞：イタリア空軍捜索救難ヘリ。13機を配備した。参考：月刊JWings2,’21、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ＨＨ−１３９Ｂ＞：イタリア空軍捜索救難ヘリ。HH-139Aの改良型で、ミッション・コンソール、電子光学センサー、レーダー、ホイストを新型にし、コア・アビオニクス用ソフトウェアをフェイズ８に更新した。2020年12月3日、初号機を納入したとレオナルド・ヘリコプターズが発表した。参考：月刊JWings2,’21

　＜ＭＨ−１３９Ａ＞：アメリカ空軍支援ヘリ、別名グレイ・ウルフ（Grey Wolf。アメリカ北部にいる狼）。UH-1Nの後継となるCVLSP（Common Vertical Lift Support Platform）にボーイングとレオナルドが提案し、シコルスキーのHH-60Uとシエラネバダのフォース・ホークに勝って採用され、2018年9月24日に４機に対する試改修契約を締結（主契約社はボーイング）し、試作初号機は2019年12月19日にアメリカ空軍グローバルストライク軍団AFGSC第７分遣隊に配備された。AFGCSのICBMサイト支援と人員輸送が主任務である。2022年8月25日、試作４機の引き渡しを完了した。2023年10月、RDT&E用最終号機の試作６号機が引き渡された。11月、LRIPに移行した。84機を調達し、ICBM基地の他、ワシントン、航空教育訓練軍団AETC、空軍資材軍団AFMC、太平洋航空群PACAGに配備する予定。参考：月刊航空ファン12,’18、3,’20、月刊JWings1,’19、3,’20、11,’22、2,’24

　＜ＶＨ−１３９Ａ＞：イタリア空軍要人輸送ヘリ。４機を配備した。参考：月刊JWings2,’21、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜アグスタ式ＡＷ１３９型＞：海上保安庁中型回転翼航空機、公式略称アグスタ139型。AW139捜索救難型を導入したもので、ベル212の後継となる人員輸送・捜索救難ヘリとして配備した。エンジン出力に余裕があり、高温高湿環境でも十分な運用が可能。メインローター折り畳み機構が無く（一応ピンを外せば畳めるが）、艦載には向かないので、陸上基地でのみ運用されている。全長16.65m、ローター直径13.8m、全高4.98m、自重４トン、最大離陸重量6.4トン。エンジンはターボシャフト（1679馬力）双発、最大速度167ノット。最大搭乗者数15名。2008-14年に18機が就役した。2018年度（平成30年度）第２次補正計画で１機が追加されており、2021年12月10日に配備された。参考：月刊世界の艦船7,’18、10,'20、3,’22

＜ＡＷ１４９＞：アグスタ・ウェストランド社／レオナルド社の軍用中型ヘリ。AW139の拡大軍用型で、2009年11月13日に初飛行した。キャビン容積はAW139より45%増しの11.6立方メートルで、兵員用座席は耐衝撃構造を採用している。機体重量が34%ほど重くなったので、エンジンとトランスミッションを強化し、５翅メインローターと４翅テイルローターも直径を拡大した。キャビンと燃料タンクは防弾化してある。４軸自動操縦装置付き。兵員12名搭載ならキャビン最前部左右に7.62mm/12.7mm機銃を搭載可能。胴体両側面に70mm/81mmロケット弾7/12/19連装ランチャーや対地・対空ミサイルなどを装備できる。全長17.57m、胴体長14.6m、ローター直径14.6m、全高5.14m、総重量8.1トン、最大離陸重量8.6トン。エンジンはGE社製CT7-2E1ターボシャフト（離昇出力1980軸馬力）双発、最大巡航速度278km、ホバリング高度限界2000m以上（地面効果外。1830m？）、航続距離500海里（武装兵12名搭乗）。乗員２名＋武装兵12名／人員18名（前から５席・４席・５席・４席の４列配置）。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’14、7,’13、9,’09、10,’12

＜ＡＷ１４９海外シリーズ＞

　＜ＡＷ１４９（ポーランド陸軍）＞：ポーランド陸軍汎用ヘリ。2022年7月1日に32機の導入を発表した。小火器、誘導・無誘導ロケット弾、ミサイル、自己防御装置、観測器材も購入する。ポーランドのPZLシフィドニクで生産し、2023-29年に配備する予定で、最初の２機は2023年10月31に引き渡されて第25航空騎兵旅団に配備された。参考：月刊JWings9,’22、1,’24

　＜ＴＵＨＰ１４９＞：トルコ陸軍に提案したが、T70に負けて採用されなかった。参考：月刊JWings9,’14

＜ＡＷ１５９シリーズ＞：イギリス陸海軍ヘリコプター、別名ワイルドキャット（Wildcat）またはリンクス・ワイルドキャット（Lynx Wildcat）。リンクスの後継となる汎用ヘリとして2005年3月にイギリス国防省が提案し、2006年にアグスタ・ウェストランド社とフューチャー・リンクスのニックネームで開発契約を結び、その後AW159ワイルドキャットに改称して2009年11月12日に試作機が初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究7,’13、3,’18

＜ＡＷ１５９＞：スーパーリンクスの改良型で、メインローターブレードは同じものを使い、エンジンもスーパーリンクス300と同じだが、複合材を多用するなど機体構造の７割以上を新規設計して最大離陸重量を引き上げ、耐用時間も12000時間に向上させた。コクピットとキャビンは装甲化し、耐衝撃座席を使用している。計器板はスミス社製10インチ×８インチカラーMFD４基でグラスコクピット化し、複式二重四軸デジタル自動飛行制御装置と戦術データリンクを装備する。テイルブーム後部下面に水平安定板があり、両端に小さい垂直安定板を持つ。テイルローターは４翅で、垂直安定板端左舷側に付く。降着装置は前輪式。全長15.22m、胴体長13.49m、ローター直径12.8m、全高3.73m、最大離陸重量６トン。エンジンはLHTEC社製CTS800-4N（離昇出力1362軸馬力）双発、最大速度265km（296km？）、ホバリング高度限界3050m（地面効果内。2587m？）／1580m（外。1858m？）、航続距離833km（増槽あり）、航続時間２時間40分（機内燃料のみ）。タレス社製FF-LMMミサイルを搭載可能。乗員２名（サイド・バイ・サイド）＋搭乗兵員６名。2016年までに陸軍に汎用偵察ヘリとして34機、海軍に艦載哨戒ヘリとして28機が配備される予定。2011年11月17日に航空支援艦A135アーガスで初の着艦テストを実施した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究7,’13、10,’14、月刊航空ファン2,’12、月刊JWings10,’12、12,’13、月刊世界の艦船3,’23

　＜ワイルドキャットＡＨ　Ｍｋ１＞：イギリス陸軍汎用偵察ヘリWildcat AH1。AW159を採用したもので、2012年7月11日に初号機が引き渡された。一時海軍艦載ヘリ部隊にも配備されたが、HMA2に更新されている。参考：月刊JWings10,’12、月刊航空ファン9,’18

　＜ワイルドキャットＨＭＡ　Ｍｋ２＞：イギリス海軍艦載哨戒ヘリ。機首先端にウェスカム製MX-15HDi電子光学／赤外線センサー・ターレット、機首下面にレオナルド社製シースプレイ7000Eアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを収容した平皿型レドームを持つ。コクピットドア下部に銃架支柱を装着してブローニング12.7mm機銃M3Mを搭載し、ドアガンとして使用できる。スティングレイ短魚雷またはMk11対潜爆弾を胴体左右に１発ずつ搭載可能。2015年初めに初度作戦能力を獲得する予定だが、装備する筈だった新型対艦ミサイルFASGWの完成が2020年以降に遅れており、シースキュアは2016年3月に退役するため、暫くは対艦打撃力無しでの運用となる。2020年5月14日、空母R08クイーン・エリザベスでの運用を開始した。5月26日、FASGW(L)マートレット（LMM）の試射に成功したとレオナルド社及びタレス社が発表した。スタブウイングを介して最大20発積む予定。参考：月刊軍事研究9,’14、月刊世界の艦船12,’17、3,'23、月刊航空ファン9,’18、月刊JWings8,’20

＜ＡＷ１５９海外シリーズ＞

　＜ＡＷ１５９（韓国海軍）＞：韓国海軍艦載ヘリ。2013年1月15日、MH-60Rを破って採用され、８機を発注した。2016年6月に第１バッチ４機、12月に第２バッチ４機が引き渡され、2017年2月に第１バッチ、7月に第２バッチが配備された。インチョン級フリゲートに搭載される。参考：月刊航空ファン10,’17、月刊軍事研究7,’13

　＜ＡＷ１５９（フィリピン海軍）＞：フィリピン海軍対潜・対水上戦・救難ヘリ、別名リンクス・ワイルドキャットMk.220。2016年にフィンメカニカへ２機を発注した。2019年5月7日に２機がAn-124に搭載されてフィリピンに到着、5月27日に就役式典が行われてMH-40飛行隊に配備された。参考：月刊JWings7,’16、月刊航空ファン8,’19

＜ＡＷ１６９シリーズ＞：アグスタ・ウェストランド社／レオナルド社の４トン級双発汎用ヘリコプター。AW139をベースに開発中した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＷ１６９＞：AW109/119とAW139の中間で、AS365より微妙に重いクラスである。メインローターは５翅、テイルローターは３翅。ギアボックスは潤滑油を喪失しても30分間以上作動できるドライラン能力を持ち、安全性が高い。エンジンにAPUモードが付いているため、ローターを回転させない状態で機内に電源を供給でき、無線や医療機器などを使える。計器板はシンセティック・ヴィジョンと呼ばれ、10×８インチ（254mm×203mm）カラーMFD３基を備えるグラス・コクピットで、コクピットはAW189と共通化した。４軸デジタル式自動操縦制御装置を備えており、パイロットのワークロードを低減している。アビオニクスはオープン・アーキテクチャーとしており、顧客の要望する機体仕様に応じたアビオニクス統合が容易である。降着装置は固定式と電動引き込み式から選択可能。コクピットだけでなく地上支援機材、ツール、整備プログラムなどの多くがAW189やAW139と共通化されており、AW139/189を導入済みのユーザーがAW169を新規導入する際のコスト低減を図っている。全長14.65m、メインローター直径12.12m、全高4.5mm、最大離陸重量4.6/4.8トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PW210A（1010軸馬力）双発、巡航速度140ノット、最大巡航速度283km、最大速度306km、航続距離800km以上＋予備燃料30分。乗員1-2名。客席数8-10。2012年5月10日に初飛行し、2015年7月にEASAの形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’14、10,’14、月刊航空情報8,’12、月刊JWings10,’12

＜ＡＷ１６９Ｍ＞：軍用型。参考：月刊JWings3,’23

＜ＡＷ１６９海外シリーズ＞

　＜ＡＷ１６９Ｍ（オーストリア軍）＞：オーストリア軍軽汎用ヘリ。2022年1月13日、アルエート�Vヘリの後継として、AW169B汎用ヘリ仕様６機＋AW169MA武装ヘリ仕様12機（＋オプション18機）の契約を結んだ。2022年12月21日、18機が納入された。オプション行使も表明しており、もう18機納入される予定。参考：月刊JWings4,’22、3,’23

＜ＡＷ１８９シリーズ＞：アグスタ・ウェストランド社／レオナルド社の８トン級双発ヘリコプター。AW149を一回り小さくした（AW139よりは一回り半くらい大きい）民間型で、原型機は2011年12月21日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＷ１８９＞：計器板は８×10インチ（203×254mm）カラーMFD４基でグラス・コクピット化されている。キャビンは長さ3.4m・幅2.4m。機体側面窓は片側あたり５枚（コクピットドアに１枚、キャビン前部側面に１枚、キャビンドアに２枚、キャビン後部側面に１枚）。降着装置は前輪式引込脚。全長17.57m、胴体長14.6m、メインローター直径14.6m、全高5.06m、最大離陸重量8.3トン／8.6トン。エンジンはGE社製CT7-2E1ターボシャフト（1492kW・1983軸馬力）双発、巡航速度145-150ノット、最大巡航速度313km、燃料搭載量1.645トン、航続距離991km（客席数12。200海里？）／110海里（客席数18）。乗員1-2名。客席数16（標準）／19（最大）。日本初登録機は東京消防庁航空隊向けで、機首にレーダーとアビオニクスを追加したロングノーズ型である。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’14、7,’13、10,’12、月刊航空情報8,’12、月刊JWings10,’12、11,’19、5,’20

＜ＡＷ１８９Ｋ＞：発展型で、2017年3月9日に初飛行した。エンジンをサフラン製アネト1Kターボシャフト（2500軸馬力）双発に強化している。総重量8.6トン。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜ＡＷ２４９＞：レオナルド社が開発している攻撃ヘリ。A129の後継を目指している。機首先端と上面にセンサーがあり、コクピットはタンデム複座で、その後方の胴体上部両側にエンジン、下部にスタブウイングが付く、オーソドックスな設計である。機首下面ターレットに20mm多砲身機関砲を装備し、スタブウイングに片側３カ所ずつの兵装ステーションを持ち、70mmロケット弾（誘導ロケット弾含む）、赤外線誘導式空対空ミサイル、空対地ミサイルを搭載可能。有人・無人チーミング能力やマルチドメイン情報統合能力も付与する予定。参考：月刊JWings2,'21、月刊軍事研究9,’18

＜ＡＷ６０９＞：アグスタ・ウェストランド社が開発しているティルトローター機。大元はXV-15をベースとしてベル社とボーイング社が1996年から共同開発していた民間用ティルトローター機で、1998年3月にボーイング社が抜け、9月にアグスタ社が加わり、合弁会社ベル・アグスタ・エアロスペース（BAAC）のBA609となった。2003年3月7日に試作初号機が初飛行し、2006年1月に回転翼から固定翼への遷移飛行に成功、11月9日には２号機も初飛行したが、開発が難航したのとV-22オスプレイの開発で手一杯になったのとで2009年9月にベル社がBAACの株式と製造権をアグスタ・ウェストランドに全て売却、この名称になった。製作パートナーには富士重工も加わっている。機体はアルミ合金に加えて複合材を多用しており、主翼とローターブレードは全複合材製である。主翼は高翼配置の矩形翼で、浅い前進角を持ち、翼端にエンジンが付いている。片方のエンジンが停止しても残る１基で両方のローターを回すことができ、システムは三重の冗長性を持つ。ヘリから固定翼へのモード変更は220ノット前後で飛行中に行い、8-10秒を要する。オートローテーション能力を持ち、テストではFAA係官を立ち会わせて70回以上成功している。コクピットはサイド・バイ・サイドで、機長はヘリコプターに準じて右に座る。機内は与圧化されている。尾翼はＴ字。バスケット型の専用救難具が用意されており、遭難者を内部に収容して引き上げ、乗降ドアに収めて機内にそのまま歩いて入ってもらう事ができる。操縦系統は三重フライ・バイ・ワイヤ。計器飛行や氷結気象状態での飛行が行える。全長14.04m、全幅18.3m、ローター直径7.92m、全高4.5m（垂直尾翼端まで）、空虚重量4.763トン、最大垂直離陸重量7.62トン、最大離陸重量8.165トン。エンジンはプラット＆ホイットニー・カナダ社製PT6C-67Aターボシャフト（1445kW・2000軸馬力）双発、ローターは３翅、最大巡航速度275ノット・510km、実用上昇限度・運用限界高度7620m、ホバリング高度限界1524m（地面効果外）／3048m（内）、機内燃料容量1401リットル、航続距離750海里・1296km。有効搭載量2.495トン。乗員1-2名。客席数6-9。試作機４機でテストを行い、2019年に型式証明を取得する予定だが、そもそも欧州航空安全局でティルトローター機向けの型式証明基準が作られるのを待たなければならない。価格は2500万ドルくらいらしい。最初の量産機２機はアメリカのERAグループで救急や人員輸送に使用される予定である。2015年9月、イギリス・ヨービルの工場からイタリア・ミラノまで２時間18分で飛行し、同区間を自動車・ヘリ・ビジネスジェットで最短移動するより３割以上も時間短縮できると証明した。10月30日、イタリア北部で高速試験飛行中（時速542km）に２号機が墜落し、テストパイロット２名が死亡、初号機も飛行を自粛した。11月10日、UAE空軍が３機（＋オプション３機）の購入契約を締結した。2016年4月、初号機が飛行を再開。2017年、試作３号機が初飛行した。2020年7月31日、滑走路が500mくらいで済むことから、東京都が父島で運用する機体の候補に挙げた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊軍事研究1,’14、3,’12、10,’14、2,’16、月刊丸6,’01、月刊航空ファン10,’15、月刊JWings2,'16、月刊航空情報5,’18、朝雲

＜ＡＷ．６６０＞：イギリス空軍の戦術輸送機、別名アーゴシー。アームストロング・ホイットワース（後にBAe）がAW.650の軍用型として開発し、1959年に初飛行した。ツインテールブーム機で、機首の大型ドアを廃止して胴体尾部を上下開きの油圧式貨物扉とし、空挺投下を可能とした。ダブルスロッテッドフラップと地上高を低くするための主脚ニーリング装置を持つ。全長26.5m、全幅35m、自重25.4トン。エンジンはロールスロイス社製ダートRDa8（2680馬力）４基、巡航速度460km。貨物搭載量13.15トン。乗員４名。搭乗兵員54-69名。参考：月刊丸3,’90、月刊JWings8,’19

＜ＡＷＡ＞：オーストラリア海軍がコースト・ウォッチャーに配備した長距離無線通信機。送信ユニットと受信ユニットで構成され、水晶発振器により４種類の周波数を利用できる。音声通話範囲640km、電鍵送信範囲960km。１名に１台が用意された。参考：歴史群像10,’08

＜ＡＷＡＣＳ＞：Airborne Warning And Control System（空中警戒管制システム）の略。空中早期警戒機AEWの機能にC3機能を追加したもので、敵航空機・艦船の早期警戒探知、友軍機の迎撃管制、指揮統制を全て行うことができる。高性能のデジタルコンピュータ、敵味方識別装置、高度な航法システム、操作員用ディスプレイステーション、長波から超短波に及ぶ高い通信能力とジャミングに強いデータリンクを備え、空飛ぶ防空システムと言える存在である。友軍機の有する敵味方識別装置より敵味方識別能力が遥かに高いので、管制員から攻撃命令を受けた友軍機は再度自分で識別し直すこと無くそのまま敵を攻撃でき、誤射の恐れ無くBVRAAMを撃ち込める。相応の大型機（100席以上の大型旅客機ベース）に多数の要員を配置して任務を行う必要があり、コストがかさむ。参考：ワイルドウエポン、月刊JWings8,’03、10,’18、1,’21、スパイ機、航空用語事典増補改訂版

＜ＡＷＡＣＳインディア＞：インド空軍が開発予定のAWACS。母機は2015年3月25日にエアバスA330と決まった。支柱を介して直径10mのロートドームを載せる予定。参考：月刊JWings6,’15

＜ＡＷＡＣＳ模擬装置＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜ＡＷＣ＞：Air Warfare Commander（対空戦指揮官）の略。参考：月刊世界の艦船4,’18

＜ＡＷＣＳ＞：MG10（FCS）を参照。

＜ＡＷＤ＞：ホバート級（イージス艦）を参照。

＜ＡＷＥ＞：先進型兵器エレベーターを参照。

＜ＡＷＥＳＵＭ＞：アメリカ海軍の潜水艦用UAVシステムで、Advanced Weapons Enhanced by Submarine Unmanned air systeMまたはAdvanced Weapons Enhanced by Submarine Unmanned air system against Mobile targets（対移動目標潜水艦活用先進兵器）の略。攻撃原潜（SSN）または巡航ミサイル原潜（SSGN）にブラックウイング小型UAVを12機ずつ搭載し、魚雷発射管またはデコイ発射機から射出する。UAVは１時間ほど上空を滞空し、潜水艦（OE-538マストを使う）、陸上の指揮管制センター、航空機へとリンク16で情報を無線送信する。参考：月刊世界の艦船6,’16、11,’16

＜ＡＷＨＥＲＯ＞：レオナルド・ヘリコプターズ社の回転翼型無人航空機システム。2021年10月22日、イタリア航空武装・耐空性局による軍用機の基本認証を取得した。参考：月刊JWings1,’22

＜ＡＷＩ−２＞：ファントレーナー（練習機）を参照。

＜ＡＷＩＳＳ＞：ドイツのディール・ミュニチオン・システムズ社が1997年から開発している車両用アクティブ防御装置で、Abstands-Wirksames Schutz System（スタンドオフ型アクティブ防御システム）の略。Ｋバンド捜索・追尾レーダーと２つのグレネードランチャーを砲塔後部に装着する。システム重量400kg。グレネードは重量3kgで、初速毎秒180m、ランチャー射界は左右180度、上下60度。撃破時間は90度旋回で150ミリ秒以内とされ、射距離70mで発射されたRPGにも対応できるとされる。また、車体前面にはAPFSDSにも有効なERAを取り付ける予定。参考：月刊軍事研究5,’12、月刊PANZER11,’04

＜Ａｗｏｒａ＞：ルーマニアの多連装ロケットシステム。４×４輪トラックにAPRAと同じ122mmロケット弾を12連装で搭載している。射程20400m。参考：月刊丸4,’99

＜ＡＷＰＳＳ＞：BAEシステムズ社が開発した広域監視システム。光学センサーと赤外線センサーからなり、高度5500mを飛行する航空機に搭載することで半径8kmを監視することが可能。参考：月刊軍事研究2,’11

＜ＡＷＲ−３＞：アメリカ軍の第３陸軍戦時予備のこと。冷戦終結後、アメリカ軍の海外展開に必要な海上輸送力を編成する計画から誕生した。CPS（戦闘事前集積船）、LPS（兵站事前集積船）、搭載装備からなる。搭載装備は２個戦車大隊と２個機械化歩兵大隊を編成できるもので、4200両の車両、15日分の弾薬・糧食からなる。参考：月刊軍事研究12,’02

＜ＡＷＲＬＳ＞：Amber Warning Rotating Light Systemの略。ドイツの交通法規により装着が決められているフラッシュ・ランプで、軍車両の道路走行時に使用する。参考：月刊戦車マガジン10,’93別冊

＜ＡＷＳ＞：イージス武器システム（Aegis Weapon System）または航空気象機関の略。

＜ＡＷＳ−１＞：イギリスの２次元対空捜索レーダー。アンテナは略楕円形ディッシュ・パラボラ型で、毎分10または20回転する。使用周波数Ｓバンド、ピーク出力750kW、パルス繰り返し周波数400/1000pps。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜ＡＷＳ−２＞：RAMICS（掃海装置）を参照

＜ＡＷＳ−５＞：イギリスの２次元対空・対水上捜索レーダー。アンテナは略楕円形ディッシュ・パラボラ型で、毎分15または30回転する。使用周波数Ｅ・Ｆバンド、ピーク出力58kW、パルス繰り返し周波数1100pps、探知距離157km。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＷＳ−６＞：イギリスの２次元対空・対水上捜索レーダー。アンテナは横長シリンダー型リニア・アレイで、毎分30または60回転する。使用周波数Ｃバンド（Ｇバンド？）、ピーク出力49kW、探知距離200km（70km？）。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜ＡＷＳ−９＞：996型（レーダー）を参照。

＜ＡＷＳ１０＞：BAEシステムズ社の二次元捜索レーダー。横長楕円形パラボラ型コセカント２乗アンテナを毎分15回転させて全周を捜索する。船体動揺に対する機械的安定化装置を備える。総重量800kg（安定化装置含む）。電波ビーム水平幅1.65度、最大高角40度、ピーク出力2kW（標準）／15kW（高出力時）。最大探知距離180km、最大探知目標数800。参考：月刊軍事研究2,’19

＜ＡＷＴ−２＞：自衛隊の射撃術科訓練装置。三菱重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜ＡＷＷ−１３＞：AGM-84E SLAM用データリンクポッドで、１基あたり１発を誘導できる。P-3Cに搭載して対地任務を行わせることも可能で、不朽の自由作戦（アフガン）において有効性を示した。参考：月刊航空ファン6,’02

＜ＡＷＷＳ＞：タレス社が開発している射撃指揮装置Above Water Warfare System。新型X/Sバンド・レーダーなどによる超音速対艦ミサイル対処能力を持つ。ドイツ海軍F126型フリゲートやオランダ・ベルギー海軍計画対潜戦フリゲートASWFに搭載予定。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜ＡＺ９＞：サルムソン社製航空機用ガソリンエンジン。水冷星形９気筒で、気筒の周囲に環状集合排気管を持ち、エンジン後方に冷却器がある。筒径125mm、行程170mm、公称出力230馬力、離昇出力265馬力。川崎造船所が大正7年に製造権を購入、名古屋工廠千種機器製造所や東京瓦斯電気工業でも生産を行い、乙式一型偵察機用に600基が量産された。参考：月刊丸8,’95、9,’97

＜ＡＺ−３１＞：マグネシウム合金の１つで、板材として使用される。マグネシウムにアルミニウム3%と亜鉛1%を加えたものである。引っ張り強さは１平方ミリメートルあたり28kg、弾性係数は１平方ミリメートルあたり4500kg。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ＡＺ−９１＞：マグネシウム合金の１つ。マグネシウムにアルミニウム9%と亜鉛1%を加えたものである。B727の主翼前縁クルーガー・フラップに使用されている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜ＡＺＯＮ＞：アメリカ軍の誘導爆弾で、AZONは方位角のみの修正の略。誘導電波で尾部操縦翼を操作し、横方向の弾道を修正できる。1944年4月からヨーロッパ戦線に投入されたが、晴れていないと目標に上手く誘導できないという欠点があった。参考：月刊航空ファン9,’11

＜ＡＺＰ−２３Ｍ＞：ZSU-23-4（自走高射機関砲）を参照。

＜Ａ型戦時標準船＞：日本が太平洋戦争時に建造した戦時標準船。鋼製船体の貨物船で、1A型９隻、2A型118隻、3A型４隻（５隻？）が竣工した。建造は日本鋼管鶴見造船所（36隻竣工）、川南工業香焼島造船所（18隻竣工）、播磨造船所本社工場（24隻竣工）、三菱重工長崎造船所（12隻竣工）、川崎重工神戸造船所（18隻竣工）、三菱重工広島造船所が担当した。終戦時には後で引き揚げられたものも含め2A型44隻と3A型４隻が残存していた。昭和23年8月に外航配船が再開された際、国際船級を取得していた船舶が存在せず、遠洋航路への配船が不可能だったため、昭和24年に日本船主協会がＡ型戦時標準船の改造に関する意見書を政府に提出。これが運輸省を経てGHQに認められ、アメリカの対日援助見返資金から資金の７割を得てアメリカのAB船級（中央機関・三島型）とフランスのBV船級（船尾機関型）に合致する改造を施す（イギリスのLR船級は取得折衝の段階で拒否された）ことになり、昭和24-26年に2A型26隻・3A型２隻がAB船級、2A型16隻・3A型２隻がBV船級を取得した。他に2A型１隻が昭和32年になって日本船主協会のNK船級（サンフランシスコ講和条約発効で国際船級として認められた）を取得しており、残る2A型１隻は改造されず解体されている。元々の能力に限界があったため、国際船級取得船の配置先はインド方面や東南アジア、北米など近距離不定期航路が中心となったが、戦後の復興を支え、昭和40年頃まで使用された。中には冷凍工船として昭和55年まで使われたり、海外に売却されて使用され続けたりしたものもある。参考：月刊世界の艦船4,’14、戦時標準船入門

　＜Ａ型貨物船＞：船舶改善協会が昭和14年3月に設計したもの。単に規格を標準化しただけで、戦時量産の工夫は見られない。総トン数6300トン、載貨重量9300トン。主機は蒸気タービン、最大出力4000馬力、航海速力13ノット、最大速力15.5ノット。参考：戦時標準船入門

　＜１Ａ型貨物船＞：第１次戦時標準船で、当初は単にＡ型貨物船だったが、後に2A型が作られることになったため、前に１が付いた。南方と内地を結ぶ遠距離航路用で、船型は三島型を採用した。全長128m、全幅17.8m、総トン数6400トン、載貨重量9300トン、積載トン数10400トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関または蒸気タービン、航海速力10.5ノット、最大速力15.2ノット。９隻57600総トンが竣工した。参考：戦時標準船入門、輸送船入門

　＜２Ａ型貨物船＞：第２次戦時標準船。船型は船尾機関型で、船首楼と船尾楼を持ち、船体中央に船橋がある。シーアは省き、船首楼を直線構成とし、トランサム・スターンを採用するなど工期短縮に努めた。溶接跡は整えず、デリックポストやデリックブームは角型鋼材をそのまま使用している。全長128m、全幅18.2m、総トン数6600トン、積載トン数9800トン（11200トン？）。主機は蒸気タービン、出力2500馬力、最大速力14.8ノット。大江山丸、大雅丸、辰洋丸、久川丸など121隻798600総トンが竣工し、うち32隻は油槽船に改造されている。太平洋戦争を生き延びた船は昭和24年から国際船AB級資格（American Bureau ob Shipping）やBV資格（Breau Veritas。対象15隻90000総トン）を取得するための改造を受け、戦後の国際航路を支えた。参考：戦時標準船入門、比島決戦

　＜３Ａ型貨物船＞：第３次戦時標準船。機関出力7200馬力、最大速力16.6ノット。５隻が竣工した。参考：戦時標準船入門

＜Ａ型貨物船ファミリー＞

　＜２ＡＴ型油槽船＞：2A型貨物船を建造途中で油槽船に改造したもの。元の船型がタンカー類似だったため、船倉をタンクに変更するといった比較的単純な設計変更で済んでいる。32隻221078総トンが改造され、23隻158897総トンを喪失した。参考：戦時標準船入門

＜Ａ型潜水艇＞：イタリア海軍の小型潜水艇で、大型無蓋貨車による鉄道輸送が可能なサイズに収めている。主任務は港湾防御と泊地攻撃。全長15m。兵装は艦首の魚雷発射管１門（魚雷１本）。1915年に５隻が竣工した。参考：日本潜水艦物語

＜Ａ幹部＞：防衛大や一般大を卒業して幹部候補生学校に入り、幹部になった海上自衛官のこと。一般に言う将校で、経験を積み海自組織の中枢を占める。参考：MAMOR Vol.50、月刊世界の艦船8,’11増刊

＜Ａ級嚮同駆逐艦＞：イギリス海軍嚮同駆逐艦で、Ａ級駆逐艦の嚮同艦として建造された。全長104.6m、全幅10.3m、吃水2.7m、基準排水量1540トン。主機は蒸気タービン、出力34000馬力、速力35ノット。兵装は12cm単装砲５門、２ポンド単装砲２門、533mm４連装魚雷発射管２門。1930年にD65コドリントンが竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜Ａ級駆逐艦＞：イギリス海軍駆逐艦で、アマゾン級をベースに開発された。全長98.5m、全幅9.9m、吃水2.6m、基準排水量1350トン。主機はパーソンズ式ギヤード・タービン２基、主缶はアドミラルティ式三胴型水管缶（21.1気圧、315.5℃。H45アケロンのみ35.2気圧、398.9℃の実験缶を搭載）３基、出力40000馬力、速力35ノット。兵装は12cm単装砲４門、２ポンド単装砲２門、533mm４連装魚雷発射管２門。H09アカスタ、H12アカテス、H45アケロン、H14アクティブ、H36アンテロープ、H40アンソニー、H41アーデント、H42アローの８隻が1930-31年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船5,’11

＜Ａ級水雷艇駆逐艦＞：イギリス海軍が世界で初めて建造した駆逐艦。フランスなどが水雷艇を大量生産したため、これを駆逐できる兵装と速力を持つ艦として開発し、ついでに雷装も積んで水雷艇の任務も果たせるようにした。常備排水量275-320トン。主機はレシプロ蒸気機関で、出力3600-4800馬力、速力26-27ノット。兵装は7.6cm単装砲１門、5.7cm単装砲５門、45cm魚雷発射管1-2門。1894-1901年にウィザードなど41隻（42隻？）が竣工した。参考：月刊世界の艦船4,’18、7,’11

＜Ａ級潜水艦＞：アメリカ海軍潜水艦。ホランド第９号艇の改良型で、艦首の甲板砲を外して船体を整形した。当初は最初に竣工した艦の名前からアダー級と呼ばれていたが、後に上構を拡大して大型の司令塔と動力式潜望鏡を装備するなどの大改装を受けたため、これを最初に施した艦の名前からプランジャー級に変更され、最終的にＡ級潜水艦になった。その後も司令塔上にキャンバス張りの航海艦橋を設けるといった改装を行っている。全長19.5m、最大幅3.6m、吃水3.2m、水上排水量107トン、水中排水量123トン。主機はガソリン機関直結推進方式、水上航行用オットー式４気筒２サイクルガソリン１基・水中潜航用エレクトロ・ダイナミック式電動モーター１基、水上出力180馬力、水中出力70馬力、１軸推進、水上速力8.5ノット、水中速力7.2ノット、蓄電池はエレクトリック・ストレージ・バッテリー社製60セル１群、水中航続時間４時間。安全潜航深度46m。兵装は艦首の45cm魚雷発射管１門（Mk2魚雷３本）。乗員７名。SS-2、SS-3、SS-4、SS-5、SS-6、SS-7、SS-8の７隻が1903年に竣工し、1913-22年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史

＜Ａ級潜水艦＞：イギリス海軍潜水艦。極東での作戦行動用に開発された潜水艦で、溶接を多用すると共に水上速力及び航続距離を重視している。全長85.9m、幅6.8m、吃水5.2m、水上排水量1120トン、水中排水量1620トン。主機はディーゼル２基と電動モーター２基、水上出力4300馬力、水中出力1250馬力、２軸推進、水上速力18.5ノット、水中速力８ノット。安全潜航深度110m以上。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首４門、艦首上構２門、艦尾２門、艦尾上構２門。魚雷20本）、10.2cm単装砲１門、20mm機関砲１門、7.7mm機銃３丁。46隻が発注されたが、Ｔ級・Ｕ級の生産を優先したため、大戦中にはP439アンフィオンとP447アステュートの２隻しか完成せず、戦後にP419オーライガ、アライアンスなど15隻が竣工、計17隻で建造終了となった。その後13隻が近代化改装を受け、艦首・艦尾上構の魚雷発射管を撤去（魚雷搭載数は16本に減った）、艦首上面にソナードームを設置し、セイルを新設、水中速力を15ノットに向上させた。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船2,’15、6,’09、12,’10

＜Ａ級練習艦＞：ドイツ海軍練習艦。全長152.0m、幅16.2m、吃水4.68m、基準排水量5450トン。機関出力40000馬力、速力28ノット。兵装は10.5cm砲８門、37mm機関砲８門、機雷400個。10隻を建造予定だったが、未完成に終わった。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜Ａ軍集団＞：ドイツ国防軍の軍集団。1944年9月20日、北ウクライナ軍集団から改編されて創設された。11月、ショルナー軍集団に改編された。1945年1月25日、中央軍集団に改称された。参考：武装親衛隊、歴史群像4,’18

＜Ａ計画＞：ハバクック（計画空母）を参照。

＜Ａ作業＞：日本海軍が太平洋戦争に先立って実施した、隠密航空戦略偵察作戦。フランスのビシー政権と援蒋ルートのビルマルート閉鎖で合意した後、南部仏印に監視要員・器材を派遣できるようになったことを受け、九六式陸攻二三型改造の高々度写真機（爆撃照準器の代わりに焦点距離500mmのカメラを搭載。全面ダークグリーン塗装で、日の丸と隊名記号、機番号は塗り潰した）を製作してマレー半島を偵察することにし、昭和16年2月下旬に南部仏印のサイゴンに派遣したが、サイゴン到着時に着陸に失敗して壊れてしまった。急遽代替機を派遣すると共に、隠密偵察部隊として4月10日に第３航空隊を編成し、本格的な隠密偵察に着手した。4月18日、フィリピンのルソン島レガスピー周辺を偵察。高度8600mを白昼に侵入して写真を撮った。4月23日、カロリン諸島ペリリュー島に進出。4月26日、790海里（900海里？）離れたフィリピン南部ホロ島を高度8600mから偵察。滑走路の長さから、B-17爆撃機の展開が不可能であることを掴んだ。その後はニューギニアのバボ飛行場とセロイ飛行場、マークワリ付近を偵察した。6月1日、テニアンに移動。6月11日・14日・19日、グアム偵察を行い、太陽の一番高い正午頃を選んで高度9300mから１航過ずつ飛行し、グアムの95%を写真に収めた。しかしグアムでの偵察飛行がアメリカにばれてしまい、6月18日には日本政府に抗議が入れられており、予定地域の偵察を全て終えたこともあって作戦を一旦終了した。南部仏印進駐後の7月10日、再度サイゴンに進出し、マレー半島、ボルネオ、スマトラ方面の偵察を行った。参考：月刊航空ファン8,’18、月刊丸11,’72

＜Ａスコープ＞：レーダーディスプレイの１つ。横軸がレーダー・アンテナからの距離、縦軸が反射波の強さ（信号強度）を表す。目標の方位は別の表示器を読まないといけないので、分かりづらく、PPIディスプレイが開発された。参考：月刊軍事研究5,’04、レーダシステムの基礎理論

＜Ａ整備＞：陸自用語で、運行前の点検のこと。参考：月刊軍事研究10,’07

＜Ａダーター＞：南アフリカ（デネル社）とブラジルが2007年から共同開発している短距離空対空ミサイルA-DARTER。前方から誘導装置、自動操縦装置、IMU、信管、弾頭、ロケット、推力偏向ノズル・制御翼という配置である。誘導は２波長赤外線画像式で、HMDと連動し、180度のオフ・ボアサイト射撃が可能である。シーカーは複数の目標捜索・ロックオン機能を持ち、コクピットでパイロットが選択できる。発射後ロックオン機能もあり、レーダーで捉えた目標の方向に発射し、データリンクで飛翔方向を修正、シーカーの有効距離に入った時点でロックオンをかける。ロケットは推進剤にアルミニウムを使用しないなど無煙化を図った。ランチャーはLAU-7で、MIL-STD-1553データバスに準拠する。全長2.98m、直径0.166m、重量93kg。2016年からブラジル空軍がJAS-39グリペン戦闘機、南アフリカ空軍がホークMk120軽攻撃機で運用する予定。参考：朝雲、月刊軍事研究10,’09

＜Ａタイプ師団＞：師団１型を参照。

＜Ａタイプ旅団＞：旅団１型を参照。

＜Ａチーム＞：アメリカ陸軍特殊部隊作戦分遣隊アルファ。グリーンベレーの最小戦闘単位で、大尉を指揮官とする12名のチームである。指揮斑、作戦斑、兵器斑、工作班、医務斑、通信斑それぞれ２名ずつから構成される。敵地深くに侵入するため、通信斑の役目は重要で、秘匿機能付きのFM無線機、多チャンネル無線機、衛星通信装置を持つ。移動にはHMMWV改造の陸上機動車を使用し、無補給でも行動半径240kmを誇る。参考：月刊軍事研究4,’04

＜Ａバンド（新ＮＡＴＯ）＞：0.25GHz以下の電波周波数帯を指す。波長は1.2m以上。参考：レーダの基礎

＜Ａ標的＞：甲標的（潜水艇）を参照。

＜Ａ．リューリカ＝サトゥルン特殊設計局＞：ソ連のエンジン開発・製造株式会社AO Lyulka-Saturn。2001年、ルイビンスク・モーターズと統合され、NPOサトゥルンになった。参考：月刊JWings1,’21

＜Ａリンク＞：リンク11（データリンク）を参照。３

＜Ａレーション＞：アメリカ軍が第２次大戦中に使用した準平常食。70%が生鮮食品であり、冷凍肉、乾燥野菜、焼きたてのパン、牛乳、コーヒーなどで構成され、野戦用移動調理車で料理され、野営地や後方の部隊集合地まで運ばれる。アメリカ本土及びイギリス本土の宿舎・野営地で配給された。朝鮮戦争でも使用されており、新鮮な肉、乳製品、野菜などで構成され、レンジやオーブンで調理を行った。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17、コンバット・バイブル

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