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＜オアカハ級＞：メキシコ海軍沿岸哨戒艦（メキシコ海軍では砲艦に類別）Oaxaca級。兵装は76mm砲１門。AS565MBヘリ１機を搭載できる。P164センテナリオ・デ・ラ・レボリュシオンなど４隻を発注し、更に２隻を追加発注した。参考：月刊世界の艦船9,’14、3,’10、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オアセニス＞：031（潜水艦）を参照。

＜オアフ＞：PR-6（河用砲艦）を参照。

＜オイ＞：日本陸軍試製超重戦車で、オイは「大きいイ号」の略。九二式一〇糎加農砲を改造した戦車砲を搭載する主砲塔、一式四七粍戦車砲及び九七式車載機関銃を搭載する前部砲塔、連装重機関銃を搭載する後部銃塔を装備する。装甲厚は主要部分で200mmあり、航空機用エンジンを２基搭載している。分解して搬送できるのが特徴で、前線で組み立てて奇襲攻撃に使用することを考慮していた。全長10m、全幅4.2m、全高4.2m、重量120トン。装甲厚は車体前面200mm、側面35-75mm、後面150mm、上面30mm、底面20mm、砲塔全周200mm。エンジンはBMW改造Ｖ型12気筒水冷ガソリン（550馬力）２基、最大速度25km。乗員11名。昭和19年から開発されたが、車体のみが完成したところで開発中止となり、終戦を迎えた。参考：日本の戦車と装甲車両、月刊丸10,’97、機甲入門

＜及川古志郎＞：海軍兵学校31期卒。大正4-11年、東宮武官を務めた。海軍兵学校校長を務めた後、昭和10年12月1日から昭和11年12月1日まで第３艦隊司令長官を務め、その後航空本部長となった。昭和13年4月25日、支那方面艦隊司令長官兼第３艦隊司令長官となった。昭和14年11月15日、第３艦隊廃止に伴い支那方面艦隊司令長官となった。昭和15年5月1日、支那方面艦隊司令長官を退いた。9月、病気により退任した吉田善吾の後を継いで海軍大臣に就任。翌日に日独伊三国同盟に原則同意した。後任の嶋田海軍大臣に仕事を引き継ぐにあたり、昭和16年9月6日の御前会議で太平洋戦争開戦が決定したことについては、「金庫にある」とだけ伝えて何も説明しなかった。昭和18年11月15日から昭和19年9月15日、海上護衛総隊司令長官を務めた。昭和33年5月9日、75歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜オイコプ＞：フクス装甲車ファミリーを参照。

＜オイスター機雷＞：連動装置を参照。

＜老津飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜追風（初代）＞：日本海軍神風型（初代）駆逐艦13番艦Oite。明治39年8月21日竣工。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正13年12月1日、除籍された。大正14年11月18日、雑役船とされ、公称第620号に改称された。参考：日本駆逐艦史

＜追風（２代目）＞：日本海軍神風型（２代目）駆逐艦６番艦Oite。大正14年10月30日竣工、第11号駆逐艦と命名され、一等駆逐艦に類別された。昭和3年8月1日、追風に改称された。昭和16年11月29日、トラックを出港。12月3日、ルオットに到着。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制上も兵力部署も第29駆逐隊に所属しており、1515にウェーク島攻略戦のためルオットを出撃。12月11日、ウェーク島攻略戦で沿岸砲台の射撃により小破した。昭和17年3月5日、SR作戦に参加。3月10日、アメリカ機動部隊の空襲で損傷した。5月4日、MO作戦の上陸部隊を乗せた輸送船12隻を護衛してラバウルを出港。5月6日、第６水雷戦隊所属で珊瑚海海戦に参加。昭和18年9月21日、マリアナ諸島付近でアメリカ潜水艦の雷撃を受けたが、不発で小破に止まった。昭和19年2月18日（17日？）トラック空襲で沈没し、昭和19年3月31日に除籍となった。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧、月刊コンバットマガジン7,’06、月刊世界の艦船6,’83、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜花魁の簪＞：しらね型護衛艦を参照。

＜オイルウェル＞：Y23（油船）を参照。

＜オイルクーラー＞：Oil cooler、滑油冷却器。エンジンで加熱されて粘度が下がった潤滑油を冷却し、潤滑に適した温度・粘度に戻す装置のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜オイルサンプ＞：Oil sump。エンジン下部にある潤滑油溜りのこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜オイルストーン＞：U-2シリーズ（偵察機）またはY22（油船）を参照。

＜オイルバード＞：Y25（油船）を参照。

＜オイルパン＞：潤滑油貯蔵プールのこと。参考：自動車メカニズム図鑑

＜オイルフィールド＞：Y24（油船）を参照。

＜オイルプレス＞：Y21（油船）を参照。

＜オイルプレス級＞：イギリス海軍油船Oilpress級。全長42.5m、幅9m、吃水2.5m、基準排水量280トン。主機はディーゼル、出力405馬力、速力９ノット。乗員11名（うち士官４名）。1969年にY21オイルプレス、Y22オイルストーン、Y23オイルウェル、Y24オイルフィールド、Y25オイルバード、Y26オイルマンの６隻が就役した。うち３隻がディーゼル燃料、３隻が重油輸送用である。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜オイローパ＞：ロイド社の客船Europa。ブローム・ウント・フォス社で建造されたが、艤装中に火災が発生し、完成が遅れた。全長285.3m、幅31.1m、深さ14.6m、総トン数49746トン。主機は蒸気タービン４組４軸130000馬力、航海速力27ノット、最大速力28.5ノット。船客定員一等687名、二等524名、ツーリスト・クラス306名、三等507名。1930年2月22日竣工。3月19日、ブレーメルハーフェン−ニューヨーク航路に就航。第２次大戦勃発でドイツ海軍宿泊船となった。空母への改造計画もあったが、没になっている。終戦後はアメリカ海軍輸送船となった。1946年、フランスに引き渡され、フレンチ・ライン客船リベルテとして北大西洋航路に就航した。1961年に運航を終了し、1962年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船4,’19

＜オイルマン＞：Y26（油船）を参照。

＜オウ＞：K526（フリゲート）を参照。

＜オヴィエト作戦＞：イギリス空軍が第２次大戦時に行った、ドイツ海軍戦艦ティルピッツ爆撃作戦。使用爆撃機はランカスターで、機内搭載式燃料タンクを追加し、エンジンをマーリン24に換装、上部銃塔やコクピット周囲の装甲板を撤去するなどの軽量化を施し、トールボーイ搭載状態でロッシーマス基地からノルウェーのトロムセ島まで届くようにした。1944年10月29日、第617中隊所属19機と第９中隊所属20機が出撃。左舷艦尾の至近弾１発でスクリューシャフトを損傷させ、航行不能とした。参考：歴史群像8,’08

＜オヴォード＞：9S80（捜索レーダー）を参照。

＜黄岡＞：577（054A型フリゲート）を参照。

＜オヴォド＞：9M12（対戦車ミサイル）を参照。

＜桜花シリーズ＞：日本海軍ロケット特攻機MXY7、連合軍コードはバカボム（Baka-Bomb）、アメリカ軍兵士通称はブンブン爆弾。昭和19年7月、1081空（輸送）の大田正一少尉が有人親子爆弾として考案し、8月16日からマル大という秘匿名称で海軍航空技術廠と東大航空研究所が開発した。ちなみに第１航空艦隊の大西司令長官が特攻を要望したのは10月19日、初の特攻出撃は10月21日で、その２ヶ月前から開発が始まっていたことになる。当初は炸薬800kgを積んだグライダー爆弾になる予定で、10月23日に無人投下試験に成功し、10月31日に初の飛行テスト（胴体と翼端に着陸用ソリを付けた練習機型）を実施。その結果、最終速度は220kmであることが判明し、これでは迎撃機や防御砲火で撃墜されてしまうので、天山用RATOである四式一号二〇型ロケットを３本搭載することにした。ロケットの地上テストは11月6日に行われ、弾頭部の投下試験は11月20日に実施されている。他の特攻機は、熾烈な防御砲火などで突入不可能と考えれば引き返すこともできたが、これは一旦射出されれば目標を見失っても還ってくる術は無い。飛行機ではなく爆弾扱いなので、実用型に日の丸マークは無く、練習機型だけ日の丸を描いていた。参考：月刊JWings10,’04、3,’19、歴史群像12,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本海軍の爆弾、月刊軍事研究12,’07、丸エキストラ版No.71

＜桜花一一型＞：胴体は軽合金製円筒形で、前部に徹甲弾頭、中央にコクピット、後部に火薬ロケット３本がある。徹甲弾頭は全備重量1200kgで、内訳は弾体572.2kg、九一式爆薬540kg、伝爆薬（下瀬火薬）1.5kg、アルミニウム3.2kg、パラフィン5.3kg。信管は弾頭に１個・弾底に２個付いており、最終突入角度である20度で触接しても作動するようなものを開発した。大型艦の撃沈を狙って遅延信管が付いていたらしく、中にはピケット艦に突入したものの艦を貫通した後で爆発したものもあった。主翼は木製（少数はブリキ製）で、軽金属製双垂直尾翼が水平尾翼の翼端に付いている。発射母機との通話装置を持っており、搭乗後から発進までは母機乗員と会話できた。一式陸上攻撃機二四型丁から投下され、ロケットを１本ずつ燃焼させて敵艦に向かう。パイロットが目標を視認しなければならないので、薄暮攻撃の際には水平距離8000mまで接近する必要があった。全長6.066m、全幅5.12m、全高1.16m、自重440kg、総重量2140kg。翼面荷重１平方メートル当たり356.6kg。推進は四式一号噴進器二〇型火薬ロケット（推力800kg、燃焼時間９秒）３基、最大速度648km、航続距離37km、発進基準高度3500m。乗員１名。第721航空隊（神雷部隊）に配備されて特攻に参加したが、桜花を積んだ一式陸攻の速度が110ノットしか出ず、発射前にほぼ全て撃墜されてしまった。終戦時までに完成したのは155機、出撃したのは72機、特攻したのは55機（57機？）、未帰還は65機で、戦果は駆逐艦１隻撃沈（DD-733マナート・Ｌ・エーブル）、艦艇５隻損傷。参考：月刊軍事研究4,’04、日本海軍の爆弾、月刊JWings10,’04、6,’07、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,’18別冊、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜桜花二一型＞：発射母機を銀河にしたもの。一一型の弾頭重量を半分の600kgにするなどの改造を加えている。案のみに終わった。参考：日本海軍の爆弾、月刊丸3,’18別冊

　＜桜花二二型＞：航続性能強化型。昭和20年1月20日に運用部隊の第721航空隊から30分間の自力飛行ができる桜花が欲しいとの要望があったため、ツ一一エンジン・ジェット（レシプロエンジンで圧縮機を回転させ、空気を圧縮、そこに燃料を混ぜて点火し、推力を発生させる）と緊急加速用ロケット１基（胴体下）を搭載し、航続距離を112kmに延長した。燃料搭載スペースを増やした分、弾頭重量を600kgに減らしている。母機も銀河に変更する予定で、主脚の間に収まるよう翼スパンを短縮した。エンジンは出撃する時から始動しておく必要があり、燃料は母機から供給する。主翼にレーダーを入れる計画もあったが、パイロットに訓練を施す暇が無いので諦めた。8月12日（6月26日？）の空中投下試験では発進時に加速用ロケットを間違って点火してしまい、機体尾部が破損、パイロットは脱出したが低高度でパラシュートが開かず墜落死した。これにより加速用ロケットを搭載しないことにしたが、最大速度が高度3500mで253ノット（以降は落角19度で突入する）に止まることとなった。50機分を製作したが、実用化に至らないまま終戦を迎えた。参考：月刊JWings10,’04、日本海軍の爆弾、日本海軍戦闘機隊、丸エキストラ版No.71

　＜桜花三三型＞：航続性能強化型。エンジンをネ二〇ターボジェットに換装して航続距離を240km（280km？）に延伸した。炸薬重量800kg（弾頭重量900kg？）。重量増大に合わせ、発射母機は連山にする予定だった。計画のみで終戦となった。参考：丸エキストラ版No.71、日本海軍の爆弾、月刊丸3,'18別冊

　＜桜花四三型甲＞：桜花三三型を水上発進に変更したもので、伊四〇〇型に搭載される。計画のみ。参考：丸エキストラ版No.71

　＜桜花四三型乙＞：桜花三三型を陸上発進に変更したもので、昭和20年3月26日から開発された。全長97mのレールを持つカタパルト（噴進射出機一〇型）上に推力1500kgのロケット２本を付けた台車を置き、そこに固定して射出する。離陸時を考慮して主翼を大型化し、素材もジュラルミンに変更しており、射出後に翼端部が離脱して高速性能を発揮できるようにしてある。エンジンはネ二〇ターボジェットで、高度4000mまで上昇し、500kmに加速、280km先の敵艦に突っ込み、炸薬800kgにより撃破する。カタパルトは比叡山と生駒山の山頂に設置され、山麓の格納庫に収容されている桜花をケーブルカー（金属供出でケーブルカーが残っているのがこの２山しか無かった）で頂上に引き上げる。比叡山の方は訓練用も兼ねるため、ロケットでなく錘で加速する方式も考えられていた。第725航空隊という運用部隊が発足するところまで行ったが、肝心の機体は計画のみに終わった。参考：日本海軍の爆弾、丸エキストラ版No.71

　＜桜花五三型＞：高速機に曳航されて空中発進するタイプ。計画のみ。参考：丸エキストラ版No.71

＜桜花ファミリー＞

　＜Ｋ−一型＞：練習機型。45機が生産された。参考：日本海軍の爆弾

　＜桜花四三型＞：四三型乙の複座練習機型。胴体と翼端に着陸用のソリを付け、主翼にフラップを装着、胴体内ロケットを１基に減らし、炸薬を外して同重量の水を搭載した。水は着陸前に投棄する。胴体先端は鋼製、主尾翼は木製で、コクピットは胴体前後に分けて用意されている。昭和20年6月末から２機が生産され、胴体下に加速用ロケット（燃焼時間８秒）を取り付けて武山海兵団練兵場から発進・飛行試験が何回か行われた。終戦で２機ともアメリカ軍に引き渡されてアメリカ本土に送られ、うち１機がピマ航空宇宙博物館で保管・復元中である。参考：日本海軍の爆弾、丸エキストラ版No.71、月刊JWings3,’05、月刊丸3,'18別冊

＜黄岩＞：743（哨戒艇）を参照。

＜凹甲板＞：ウェルデッキを参照。

＜凹甲板型＞：船首と船尾に船楼を設けた船型。補給艦などに多く見られる。参考：月刊JWings2,’00

＜扇形ホーンアンテナ＞：ホーンアンテナを参照。

＜応急＞：ダメージ・コントロール（海上自衛隊）を参照。

＜応急員＞：海上自衛隊で応急任務に当たる隊員。機関科が充てられ、戦闘時の総員配置では第１分隊砲雷科運用員が加わる。トップは応急長（応急員長、応急班長）で、その下は応急士である。准尉がいる場合には掌応急士として応急長を補佐する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜応急工作員＞：海上自衛隊の機関科員。艦艇修理工作作業や応急作業が主任務で、アーク溶接、ガス溶接、板金加工などの技術を駆使し、艦艇及び各種機器の洋上修理や、ダメージ・コントロールに必要な資材加工整備を実施する。応急指揮所にある応急監視制御盤を監視したり艦内を巡視したりして故障や損傷を発見し、適宜修理を行う。艦内工作室の工作機械で必要な部品を製作し壊れた部品を修理する。防火・消防・防水も行い、加工機械と腕を活かし机や棚を作ったりもする。真水管理も担当しており、出港前の真水の積み込みなども行う。機関科で艦艇勤務を1-2年行った後、第２術科学校海士応急工作課程を受講し、卒業すると応急工作員として艦艇に配置される。参考：MAMOR vol.124、vol.93、vol.148

＜応急士＞：海上自衛隊の職名で、略号はオシ。参考：日本の防衛戦力Part3

＜応急出動艦＞：スクランブル（海上自衛隊）を参照。

＜応急出動準備訓練＞：陸上自衛隊の訓練。本番の手順に沿って応急出動の訓練を行う。弾薬や燃料をフルに積み込み、装備を調え、書類を駐屯地業務隊に移管、日用品や私物を実家に送るなどの処置をし、隊舎を清掃して24時間以内に営門を出る。通常は営門を出る直前で訓練が終わるが、そのまま演習場まで行くこともある。参考：戦車隊長

＜応急操舵部署＞：海上自衛隊の部署。舵が故障した際、他の操舵方法に切り替えて操船するものである。最終的には人力操舵になる。参考：朝雲、月刊世界の艦船10,’16

＜応急長＞：海上自衛隊の応急担当現場指揮官。機関科次席幹部が任命され、いざという時のダメージ・コントロールの他、バラストタンクや汚物タンクの管理、防火防水、損傷復旧指揮などを行う。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、9,’17

＜応急動員＞：日本陸軍用語で、常設師団に動員した一部の人員・馬匹を加えて派兵すること。歩兵大隊を平時の500名から1100名に強化し、野戦師団の８割の戦力で出動する。通常、直後に動員をかけて本隊に追従させる。平時計画に基づいて行われ、軍令陸乙で発令され、経費は通常予算から出される。参考：月刊軍事研究12,’06

＜応急派兵＞：日本陸軍用語で、師団を常設師団編制のまま派遣すること。戦力は野戦師団の６割で、先遣隊には馬匹が間に合わないため補給が殆ど無い状態での行動になる。通常は直後に動員をかけ、逐次追従させる。平時計画に基づいて行われ、経費は通常予算から出される。参考：月刊軍事研究12,’06

＜押均機＞：一型均土機を参照。

＜王建＞：978（駆逐艦）を参照。

＜黄崗山＞：910（揚陸艦）を参照。

＜王国海上補助部隊＞：イギリスの航洋型支援船部隊、略称RMAS（Royal Maritime Auxillary Service）。王国艦隊補助部隊に属さない支援船（試験船、航洋曳船、救難船、電纜敷設船など）を運用する部隊として1970年に創設された。所属艦船の乗員は海軍予備員で、艦尾にはブルー・エンスンを掲げる。１976年、港湾補助部隊を吸収し、魚雷揚収艇、港内曳船、重油船、水船なども運用するようになった。2008年、所属艦船が民間に移管された。参考：月刊世界の艦船5,’83、3,’14

＜王国艦隊補助部隊＞：イギリスの補助艦艇部隊、略称RFA（Royal Fleet Auxiliary Service）。イギリス海軍艦隊に対し、洋上補給、洋上給油、洋上給兵などを行う部隊で、16世紀には類似の制度があり、1911年に正式に創設された。機動部隊随伴補給艦といった補給・給油艦などの他、揚陸艦もここで運用する。正規のイギリス海軍とは別の組織で、作戦上はイギリス海軍艦隊などの指揮下にあるが、所属艦船の乗員は一部を除き民間の海軍予備員である。所属艦船は正規の軍艦ではないため艦尾には民間船と同じブルー・エンスンを掲げるが、兵装は平時から搭載している。参考：月刊世界の艦船5,’83、朝雲

＜黄山＞：570（054A型フリゲート）を参照。

＜雄牛の頭作戦＞：第２次大戦北アフリカ戦でドイツ・アフリカ軍集団が1943年2月26日に開始した、チュニス防衛ライン強化作戦。北部のイギリス軍を撃退するもので、司令官のフォン・アルニムが策定したが、司令部組織編成まで指揮権を持っていたロンメルが第10・第21装甲師団主力の抽出を拒否したため、限られた戦力での攻勢となった。しかも第２雨期で道が悪く、道路上でしか動けない�Y号戦車ティーガーが対戦車砲の待ち伏せ攻撃にあって破壊され、作戦は失敗している。この戦いでティーガーの稼働数はゼロになってしまった。参考：歴史群像10,’06

＜横射＞：機関銃を左右に振りながら連射すること。参考：コンバット・バイブル

＜欧州安全保障協力機構＞：OSCEと略す。本部はオーストリアにある。日本もパートナー国となっており、在オーストリア防衛駐在官がOSCE軍事顧問を兼任している。2011年、信頼醸成措置協定が改定され、参加陸上兵力が9000名以上の軍事活動は42日前に通報し、13000名以上の軍事活動は全加盟国からオブザーバーを招聘することになった。参考：MAMOR vol.87、月刊軍事研究12,’17

＜欧州共通幕僚開発要求＞：ESR-Dを参照。

＜欧州軍＞：EUCOMを参照。

＜欧州通常戦力条約＞：CFE条約を参照。

＜欧州特殊作戦コマンド＞：SOCEURを参照。

＜応召袋＞：日本海軍に入営する時に、必需品を入れていく袋。履歴書、勲章、記章、印鑑、召集・点呼令状などを入れる。参考：戦時用語の基礎知識

＜王城寺原演習場＞：陸上自衛隊の演習場で、大和王城寺原大演習場ともいう。大和駐屯地北西6kmのところにある。面積4538万平方メートルで、東北地方では最大、日本で５番目に大きい演習場であり、在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。1997年度、８日間（うち夜間１日間）に亘り、アメリカ海兵隊による155mm榴弾砲の実弾射撃訓練が実施された（本演習場では初）。2006年度、８日間（うち夜間４日間）にわたり、アメリカ海兵隊による155mm榴弾砲の実弾射撃訓練が実施された。参加兵員220名、砲６門で、射撃弾数は320発だった。2011年3月11日の東日本大震災を受け、後方支援連隊が指揮する生活支援輸送隊が編成され、各地への物資輸送を行った。2013年9月4-7日、在沖米海兵隊が155mm榴弾砲等の実弾射撃訓練を実施。第３海兵師団第12海兵連隊第３大隊が155mm榴弾砲６門による射撃訓練を行った。2015年6月4-12日、アメリカ第３海兵遠征軍第12海兵連隊第３大隊が兵員160名、車両30両、155mm榴弾砲６門で沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の移転訓練（本演習場では13回目）を実施。2017年5月25日から6月3日、アメリカ第３海兵遠征軍第３海兵師団第12海兵連隊第３大隊１個中隊人員130名、車両30両、155mm榴弾砲６門が沖縄県道104号線越え実弾射撃の移転訓練（通算70回目、本演習場では15回目）を実施。訓練終了後、海兵隊員は支援施設の慰問や奉仕活動を行った。2019年2月9-16日、アメリカ海兵隊が沖縄県道104号線越え実弾射撃の移転訓練（本演習場では16回目）を実施。第３海兵師団第12海兵連隊第３大隊１個中隊200名、車両30両、155mm榴弾砲５門が参加した。2月12日には関係自治体や報道関係者が訓練を視察している。訓練終了後、海兵隊員は大和町の支援施設を訪問し、奉仕活動や交流を行った。7月23-31日、アメリカ海兵隊が沖縄県道104号線越え実弾射撃の移転訓練（本演習場では17回目）を実施。第３海兵師団第12海兵連隊第３大隊１個中隊250名、車両45両、155mm榴弾砲６門が参加し、東北防衛局現地連絡本部や陸自のアメリカ海兵隊移転射撃協力隊150名が支援した。7月25日には関係自治体など40人が訓練を視察している。訓練修了後の8月2日、アメリカ海兵隊員30名が大和町支援施設あさいなを訪問してボランティア活動を行った。2021年7月15-22日、在沖米海兵隊が沖縄県道104号越え実弾射撃移転訓練（本演習場では18回目）を実施。訓練公開や、訓練終了後のボランティア活動は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった。参考：月刊軍事研究4,’10、朝雲、MAMOR vol.124、vol.154

＜黄色薬＞：下瀬火薬を参照。

＜甕津＞：572（掃海艇）を参照。

＜王星丸＞：日本海軍特設電纜敷設船。元は東光商事が建造した小型貨物船で、昭和16年10月に竣工した直後に海軍に徴用されて特設捕獲網艇とされ、ラバウル方面で敷設任務に就いた。昭和18年8月に特設電纜敷設船に艦種変更され、南洋諸島で任務に就いた。昭和19年末から佐伯防備隊で豊後水道の防衛に従事した。戦後は三光汽船の所有となり、昭和43年に除籍された。参考：写真集日本の小艦艇

＜黄石＞：502（056型コルベット）または535（江滬�V型フリゲート）を参照。

＜応徴士＞：昭和18年7月20日の徴用令改正で、徴用士の名称が変更されたもの。対象者の職業限定を撤廃し、誰でも徴用できるようになったため、この年は70万人も新規に動員された。昭和20年までに徴用士と合わせて160万人が動員されている。元々就いていた職業を辞めさせられて不慣れな職場に移らねばならず、下っ端扱いで給料や配給は減らされて士気は上がる筈も無く、雇う方もノルマさえこなしていれば労働力も利潤も自動的に供給されるので品質改善努力などは後回しにされ、不良品が出まくる結果になった。昭和20年3月6日に国民勤労動員令が出され、徴用令もこれに統合された。参考：戦時用語の基礎知識、月刊丸3,’14

＜嘔吐剤＞：化学兵器の一種で、嘔吐作用を持つ。ガスマスクが着用できなくなるので、最初にこれを散布しておいてから致死性化学兵器を撒くと効果的である。戦闘力が削がれるので、暴動鎮圧にも使用される。アダムサイト、ジフェニルクロルアルシン、ジフェニルシアノアルシンがある。参考：日本海軍の爆弾、化学・生物兵器概論

＜オウバレンダー＞：アメリカ海軍護衛駆逐艦。1945年5月10日、沖縄付近で特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜オウヒ級＞：ナイジェリア海軍掃海艇。レリッチ級掃海艇がベースで、２隻が建造された。参考：月刊軍事研究9,’14

＜往復式エンジン＞：レシプロエンジンを参照。

＜黄蜂級＞：オサ級・海外シリーズ（ミサイル艇）を参照。

＜おうみ＞：MSC-644（掃海艇）またはAOE-426（補給艦）を参照。

＜オウム＞：オランダ空軍第322飛行隊に飼われている第２次大戦以来のマスコット。色はグレー。F-16に一緒に載せて飛行したこともあり、世界一の耐Ｇオウムを目指したが、3.5G掛かったところで失神してしまった。参考：月刊JWings8,’03

＜オウム真理教＞：麻原彰晃こと松本智津夫が1984年2月にオウム神仙の会として設立、1987年7月にこの名称に改称した宗教団体で、1989年8月25日に東京都から宗教法人として認定された。強引な勧誘が問題になり、オウム真理教被害者の会も結成されたが、顧問弁護士一家を1989年11月に殺害している。1990年2月、総選挙に25名で出馬したが、全員落選したため、東アジア反日武装戦線（1974年に三菱重工本社爆破事件を起こした）の元メンバーである早川紀代秀らを中心に武力による国権奪取を計画。アメリカを中心とする連合軍がNBC兵器により日本を攻撃するなどという教義をかざし、1992年4月からロシアで布教活動を行うと共に武器の調達や軍事訓練を実施した。AK74、手榴弾、対戦車ロケットの量産計画を立て、レーザー兵器や生物兵器などの研究、サリンやVXガスの生産を行い、サリン散布用にMi-17ヘリを購入し、潜水艦や核弾頭の購入も検討していたとされ、三菱重工やレーザー研究所などに侵入していた。ただ信者数１万人、サティアン内で集団生活をしている者はそのうち1000人で、残る在家の9000人から召集をかけても戦力はせいぜい2000人（中核は元自衛官ら200人）がいいところで、AK74やT-72戦車を運用させても警視庁、第１師団、在日米軍に正面から対抗できるとは思えず、化学剤テロで撒布域の活動を一時的に停止させるのが関の山で、国民の支持も得られていないためゲリラ戦を長期間行うこともできそうにないが。1994年6月、松本サリン事件を起こした。12月、Ｖ剤テロ事件を起こした。1995年3月19日、南青山の教団総本部に火炎瓶を投げ込む自演事件を起こした。1995年3月20日、東京地下鉄サリン事件を起こした。1995年5月5日、新宿地下鉄トイレで青酸ガスを発生させようとした。これら一連の事件が摘発されて宗教法人認可を取り消され、代表は逮捕された。一時は破壊活動防止法の適用も考慮されたが1997年に棄却。この頃から新メンバーの募集を再会している。1999年に制定された団体規制法と破産特別法に基づいて警察による監視が強化された。2000年1月、名称をアーレフに改称。2001年、ロシア政府は麻原被告を刑務所から脱出させる計画を立てていたロシアの信者を逮捕。日本では市民の非難を受けて信者募集活動を縮小させた。2003年頃から、上祐派と麻原支持派の対立が激化し、分裂の恐れがあるともいわれている。アメリカ国務省からは国際テロ組織として認定を受けている。参考：月刊軍事研究8,’06、8,’95、7,’95

＜応用射撃訓練装置＞：自衛隊の機器。バブコック日立またはバブ日立工業製。参考：月刊軍事研究12,’09、2,’11

＜旺洋丸＞：東洋汽船貨物船Woyo maru。浅野造船所で建造された。垂線間長121.9m、幅16.2m、深さ9.8m、満載吃水8.86m、総トン数5671トン、重量トン数8754トン。主機は三連成汽機１基１軸3278馬力、航海速力10ノット、最大速力12.9ノット。大正10年9月23日竣工。太平洋戦争勃発で日本海軍に徴用された。昭和19年10月20日、サンジャックからミリーに向かっていたところ、ミリー西北西40海里でSS-364ハンマーヘッドの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’16

＜王洋丸＞：日本の貨物船。昭和19年11月10日、モマ〇七船団の一員として六連島を出港。11月12日、潜水艦の雷撃を受け、魚雷１本を被雷して大破、佐世保に引き返したが、更に魚雷２本を被雷して沈没した。参考：戦時標準船入門、輸送船入門

＜おうりゅう＞：SS-511（潜水艦）を参照。

＜黄流海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。海南島崖県にある。操縦教育を行う。昭和18年4月1日に新編された。12月1日、三亜海軍航空隊の陸攻練習隊が合流した。昭和19年に入るとB-24の空襲を受けるようになり、訓練に支障を来すようになったため、昭和19年5月1日に陸攻練習隊は第13海軍航空隊に移った。参考：月刊航空ファン3,’20、陸海軍学校と教育

＜応力外皮構造＞：Stressed skin structure。機体の外板にも荷重を分担させた機体構造のこと。セミモノコックとモノコックの２種がある。一点に力が集中すると弱いので、その部分（降着装置やエンジンなど）のみ骨組みを設けていることが多い。参考：月刊航空ファン1,’98、航空用語事典増補改訂版

＜鴨緑江演習＞：1993年12月に米韓連合軍の平時作戦統制権が韓国に移ったため、合同参謀会議が主催して1996年から行っている指揮所演習。模擬戦闘司令部及び各地に設置した指揮所をリンク、有事の際のシミュレーションを実施する。1999年からはC4I機能を導入して効率アップに努めている。参考：月刊軍事研究4,’07

＜応力腐蝕割れ＞：加工の際に歪みが残るなどして引っ張り力を常に受けてしまっている箇所が腐蝕し、引っ張り力に負けてひび割れを起こすこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜黄燐＞：光エネルギーによって表面が赤燐に変化した白燐のこと。性質はほぼ白燐と同じである。マッチに使われたことがあるが、自然発火を起こしたり、製造者に健康被害が出たりしたので、赤燐マッチに換えられた。自然発火して発煙するので焼夷弾や発煙弾として軍用にも使用されており、第２次大戦では二硫化炭素と混合して糊状に溶解し、砲弾や爆弾に詰め込んでいた。参考：月刊軍事研究4,’09、日本海軍の爆弾

＜黄燐焼夷弾＞：焼夷弾を参照。

＜黄燐発煙弾＞：発煙弾の１つ。砲弾内に黄燐を密閉しており、これを大気中に放出させて発煙させる。黄燐は空気中の酸素と反応して自然発火・発煙するため、点火装置や加熱装置は不要である。黄燐が皮膚に接触すると潰瘍や火傷を引き起こすため、対人兵器としても使用された。貯蔵中の砲弾が腐食して黄燐が漏れると自然発火して弾薬貯蔵庫が吹き飛ぶという欠点がある。自衛隊では白燐発煙弾をこう呼ぶ。参考：火器弾薬技術ハンドブック、手榴弾・迫撃砲、月刊軍事研究4,’09

＜オウル＞：フィンランド海軍ヘルシンキ級ミサイル艇。1985年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜オェステルイェトランド＞：スウェーデン海軍A17ヴェステルイェトランド級潜水艦４番艦Ostergotland。1985年10月15日起工、1988年12月9日進水、1990年1月10日就役。参考：月刊軍事研究2,’03、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜おおい＞：DE-214（護衛艦）を参照。

＜大井＞：日本海軍球磨型軽巡洋艦４番艦Oi。大正10年10月3日竣工。昭和16年1月、重雷装艦への改装工事に入った。12月25日（9月末？）、改装を終了、第１艦隊第９戦隊に編入された。昭和17年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。9月、魚雷発射管32門を外して高速輸送艦に改造され、ニューギニア、ソロモン、インド洋方面への輸送任務に就いた。昭和19年3月1日からサ号作戦に参加。7月19日、マレー・フィリピン間の輸送任務中にマニラ西方でSS-249フラッシャーの雷撃を受けて沈没した。参考：連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧、海軍操舵員よもやま物語

＜大井海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。偵察を担当する練習航空隊である。参考：歴史群像4,’16

＜大井川丸＞：東洋汽船貨物船。総トン数6494トン。昭和18年2月28日、八一号作戦に参加。3月3日、航空攻撃を受けて沈没した。参考：輸送船入門

＜大石芳男＞：日本海軍エース。大正12年、静岡県生まれ。昭和13年6月、乙種飛行予科練習生となり横須賀航空隊に入隊し、昭和16年10月に飛行練習生課程を卒業して大村航空隊に配属された。昭和17年7月末、瑞鶴戦闘機隊に配属された。10月26日、南太平洋海戦で初陣を飾った。昭和18年1月末から２週間、ラバウルに派遣された。4月、い号作戦でラバウルに進出。12月、本土に帰還し、大分航空隊に配属された。筑波航空隊に転属した後、昭和19年6月に第252航空隊に転属した。10月、捷一号作戦に伴いフィリピンに進出。昭和20年1月、台湾に後退し、第205航空隊に転属となった。沖縄戦で特攻隊に編入され、5月4日夕方に戦果確認のため出撃したまま行方不明となり、戦死認定された。総撃墜数11機。死後に二階級特進して中尉となった。参考：日本海軍戦闘機隊

＜大分海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、大分市にある。操縦教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜大分検査官室＞：九州防衛局長崎防衛支局装備課の隷下で、旭化成大分工場に置かれており、陸上自衛官２名（装備管理官、検査官）が常駐している。旭化成大分工場で製造される発射薬の製品・射撃試験監督と完成検査が主任務である。

＜大分飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜大分分屯地＞：陸上自衛隊の分屯地。所在地は大分県大分市大字鴛野129。2018年3月27日、西部方面後方支援隊第101弾薬大隊が新編された。4月21日、第101弾薬大隊が訓練開始式を実施。基幹要員65名と即応予備自衛官56名が参加した。参考：JGround Vol.23、朝雲

　＜大分分屯地（２０１５年）＞：九州補給処大分弾薬支処が置かれている。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜大井飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜オーウェル＞：G98（駆逐艦）を参照。

＜オーヴェルニュ＞：D654（フリゲート）を参照。

＜オーウェン＞：DD-536（駆逐艦）を参照。

＜大浦洞＞：テポドン（弾道ミサイル）を参照。

＜大江山丸＞：三井船舶2A型戦時標準貨物船。総トン数6892トン、載貨重量10200トン。太平洋戦争終結後に国際船級規格AB級資格取得のための改造を受け、主機を蒸気タービンに変更して船体中央に移し、二重底を設置するなどして国際航路に投入された。総トン数6844トン、載貨重量10816トン。主機は蒸気タービン、出力2800馬力、最大速力13.8ノット。参考：戦時標準船入門

＜オーエン短機関銃シリーズ＞：オーストラリア軍サブマシンガンOwen Mk.�T。オーストラリア国産で、エブリン・オーエン中尉が1940年末に設計し、1941年11月20日に制式化された。1962年まで使用され、その後は予備部隊などに回されている。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

＜オーエンＭｋ．�T＞：フォアグリップと金属銃床を持ち、フォアグリップ付け根付近には冷却フィンが付いている。銃身を外して交換でき、異物侵入にも強く、イギリスのステンガンよりも好評を得た。全長813mm、重量4.25kg。33発入り箱形弾倉を薬室の上から装着する。発射速度毎分680-700発。1944年9月までに45000丁を生産した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、世界の軍用銃

＜オーエンＭｋ．�T（軽量型）＞：トリガー・ハウジングに穴を開け、冷却フィンの無いMk�U銃身を取り付けたもの。銃床は木製になったが、薄くして更なる軽量化を図ったタイプもある。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜オーエンＭｋ．�U（試作型）＞：Mk.�T（軽量型）のトリガー・ハウジング部を更に削り、銃床の取り付け方を変更して軽量化、弾倉に改良を施したもの。1942年に試作されたが、採用されなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

＜オーエンＭｋ．２／３＞： Mk.�Tの本体にMk.�T（軽量型）の銃床とMk.�U銃身（銃身後部を太くして着剣できるようにしてある）を取り付けたもので、セイフティーレバーなども換装した。1947年に製作された。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1

＜オーガスティンの法則＞：マーチン・マリエッタ社の社長、ノーマン・Ｒ・オーガスティンが唱えた法則。もちろんジョーク。狭義には第16条を指す。参考：月刊軍事研究6,’02

　＜第１４条＞：「2015年以降には飛行機の墜落事故は生じない。飛行機が離陸することもない。なぜなら飛行機の重量は100%エレクトロニクスで占められるからである」参考：月刊軍事研究6,’02

＜第１６条＞：「2054年にはアメリカの国防予算全てを投じて航空機を１機だけ買える。この航空機は週の半分を空軍が、残りの半分を海軍が飛ばす。閏年には１日だけ海兵隊も飛ばせる」参考：月刊軍事研究6,’02

＜オーガスタ＞：CA-31（巡洋艦）またはLCS-34（沿海戦闘艦）またはSSN-710（潜水艦）を参照。

＜オーガスト・ワン＞：八一飛行表演隊（曲技飛行チーム）を参照。

＜大型５０銭黄銅貨＞：日本が昭和21-22年に発行した50銭黄銅貨。太平洋戦争終結で薬莢用などの真鍮スクラップが大量に発生、造幣局が払い下げを受けて硬貨に加工したものである。スクラップなので品質にムラがあり、品位は銅60-70%／亜鉛40-30%という大雑把なものだった。昭和22年に作られたものは、流通前に日銀がほぼ全て回収して小型50銭黄銅貨に改鋳したため、非常に数が少なく、かなりのプレミアが付いている。参考：月刊丸6,’14

＜大型移動整備車＞：自衛隊の車両。日産自動車製。参考：月刊軍事研究11,’16

＜大型化学消防車（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の貯油施設消火用消防車。コンビナート法に基づいて配備されている。全長8.31m、全幅2.45m、全高3.1m、車両重量12025kg。エンジンはJ08C直列６気筒（総排気量10179cc、出力150馬力）、トランスミッションは前進６段・後進１段、最大速度95km。薬液搭載量1800リットル。乗員５名。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜大型機赤外線対抗手段＞：AN/AAQ-24シリーズを参照。

＜大型教習車＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究11,’09

＜大型計測車用シャシ＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜大型車両整備用オートリフト＞：自衛隊の機器。アルティアまたは澤田産業製。参考：月刊軍事研究7,’14、9,’14

＜大型巡洋艦（ソ連海軍）＞：ソ連海軍計画巡洋艦。ソ連第１中央造船設計局が1935年に設計した。全長240m、幅24m、吃水7.45m、基準排水量19500トン、常備排水量20500トン、満載排水量24000トン。主機出力21万馬力、速力36ノット、航続距離5000海里。兵装は250mm３連装砲３基、130mm連装両用砲６基、45mm機関砲12門、533mm魚雷３連装発射管２基。装甲厚は舷側200mm、甲板25+100mm。カタパルト１基を装備しており、航空機９機を搭載する。案だけで、採用されなかった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜大型人員輸送車＞：自衛隊の人員輸送車両。三菱自動車工業製。参考：月刊軍事研究3,’97

＜大型人員輸送車１号＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜大型人員輸送車３号＞：航空自衛隊の大型バスMS821PAH。全長11.99m、全幅2.49m、全高3.305m、車重12.24-12.445トン。エンジン出力400-420馬力、最大速度140km。最大積載量3.135トン。三菱自動車工業製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究3,’97

＜大型雪上車＞：自衛隊の車両。大原鉄工所製。参考：月刊軍事研究3,’17

＜大型雪上車用履帯＞：自衛隊の機器。大原鉄工所製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜大型雪上輸送車＞：BV206シリーズを参照。

＜大型セミトレーラＡタイプ＞：自衛隊の車両。東急車輌製造または東邦車輌製。参考：月刊軍事研究2,’09、9,’14

＜大型セミトレーラＢタイプ＞：自衛隊の車両。東急車輌製造または日本トレクスまたは東邦車輌製。参考：月刊軍事研究4,’10、5,’13、9,’14

＜大型セミトレーラＣタイプ＞：自衛隊の車両。東急車輌特装製。参考：月刊軍事研究5,’12

＜大型投下用器＞：重量物投下機材を参照。

＜大型ドーザ＞：陸上自衛隊のブルドーザ。施設科部隊（施設団）が装備する。全長6.83-7.274m、全幅4.365-4.41m、全高3.45-3.485m、全備重量22.1-26.45トン。エンジン出力203馬力、最大速度は前進10.6-11.7km・後進13-14.3km。乗員２名。小松製作所または新キャタピラ三菱製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜Ｄ８０Ａ−１８＞：D80A-18民間用ブルドーザを採用したもの。アタッチメントを追加してリッパ・ウインチ作業に使用でき、スクレーパーを牽引すればスクレーパー作業も行える。全備重量22.4トン。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜大型ドーザ（ＵＮＤＯＦ用）＞：自衛隊の車両。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究7,’11

＜大型トラック＞：自衛隊のトラック。いすゞ自動車または日野自動車製。参考：月刊軍事研究9,’08、6,’09

＜大型トラック（４×２）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車または日野自動車製。参考：月刊軍事研究12,’12、8,’15

＜大型トラック（４×２楽器輸送用）＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜大型トラック（４×４）＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜大型トラック６×６（電源車用）＞：自衛隊の車両。UDトラックスジャパン製。参考：月刊軍事研究8,’12

＜大型トラック６×６（ペトリオット用）�T型＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究5,’16

＜大型トラック６×６（ペトリオット用）�U型＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜大型トラック６×６（ミサイル運搬用）＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究10,’10

＜大型トラック（Ｊ／ＴＰＳ−１０２用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜大型トラック（移動式気象レーダー用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究2,’16

＜大型トラック（移動多重通信装置用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究1,’14

＜大型トラック（楽器輸送用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究7,’10

＜大型トラック（監視装置空中線用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究1,’18

＜大型トラック（全輪駆動）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜大型トラック（操縦訓練用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜大型破壊機救難消防車＞：A-MB-3（初代）またはA-MB-3（２代目）を参照。

＜大型バス＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車または日野自動車または三菱ふそうトラックバス製。参考：月刊軍事研究2,’09、5,’09、6,’09

＜大型バス（音楽隊用）＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究9,’10

＜大型バス（幹部学校用）＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜大型バス（サイト用）＞：自衛隊の車両。日産ディーゼル工業または日野自動車または三菱ふそうトラックバス製。参考：月刊軍事研究10,’09、8,’10

＜大型バス（ハイデッカ）＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラック・バス製。参考：月刊軍事研究12,’12

＜大型発動艇＞：日本陸軍の小型長距離輸送艇。２分割して輸送船に搭載し、現地で組み立て、敵制空権下での長距離島嶼隠密輸送に使用する。量産を考慮して船型は直線構成とされた。昭和17年末から陸軍運輸部で開発に入ったが、陸軍舟艇の修理に追われて進まなかったため、日立造船桜島造船所に設計を移し、大原造船鉄工所で試作を実施、昭和20年3月に試作艇が完成したが、量産前に終戦となった。全長25m、最大幅4m、深さ2m、自重25トン、満載排水量62.27トン。常用速力8.8ノット、最大速力9.5ノット。自衛用に37mm舟艇砲と20mm高射機関砲を装備する。25トン級戦車１両の搭載が可能。参考：スピアヘッドNo.8

＜大型飛行標的＞：F-8ファミリー（計画標的機）を参照。

＜大型砲艦＞：スループを参照。

＜大型融氷液散布車＞：航空自衛隊の融氷液散布車両。全長9.68m、全幅2.98m、全高3.25m、車両重量11.89トン。ペイロード９トン。作業速度30km。乗員２名。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜大方解郎＞：日本海軍用語で、電話に出た相手が自分のことを誰だか解っていない時に、だいたい解るだろ（おおかたわかろう）という意味でこう名乗る。参考：海軍よもやま物語

＜狼＞：第265航空隊を参照。

＜オーカン＞：K-336（潜水艦）またはT-35T（練習機）を参照。

＜オーキス＞：K76（コルベット）を参照。

＜オーギュスト・ベネビク＞：P779（哨戒艦）を参照。

＜オーギュメンター＞：アフターバーナーを参照。

＜オーギュメンター・ウイング＞：オーグメント・ウイング（Augument wing）ともいう。エンジン排気や圧縮機からの抽出空気を主翼のフラップから下方に噴射することで、主翼周囲の空気を巻き込んで気流を後下方へと強力に押し曲げ、揚力を増大させるもの。通常の高揚力装置における最大揚力係数が３くらいなのに対し、7-8くらいを発揮するのが目標である。高圧空気をフラップまで導く構造が複雑で重量がかさむ、圧縮機から抽出するタイプでは使用時（主に離着陸時）にエンジン推力が低下する、排気を利用するタイプだと高温に耐える構造が要る、離着陸時にエンジンが止まるとこちらも使えなくなって安全性に問題があるのが欠点。NASAがDHC-7を改造して試験した他、S/VTOLでの使用を考慮してXFV-12でテストしたが、揚力増大率が想定ほど高くなく、廃れた。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊丸2,’08

＜大木芳男＞：日本海軍エース。大正5年、茨城県生まれ。昭和8年、機関兵として海軍に入隊。整備兵となった後、昭和12年7月に操縦練習生を卒業した。昭和15年7月、横須賀航空隊から第12航空隊に転属となった。9月13日、重慶空襲で初陣を飾り、４機を撃墜した。昭和17年7月、台南空に配属され、ニューギニアとソロモンで任務に就いた。11月、本土に帰還。昭和18年5月、第251航空隊所属となりラバウルに進出した。6月16日、ルッセル島上空で戦死した。公認総撃墜数17機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜オーク＞：AM-57（艦隊掃海艇）または二式陸上中間練習機シリーズを参照。

＜オーク級掃海艦・海外シリーズ＞

　　＜リザル級＞：リザル級掃海艦を参照。

＜オーク級掃海艦・海外ファミリー＞

　＜オーク級（台湾海軍）＞：台湾海軍哨戒艇、別名ピンジン級。アメリカから３隻を導入した。全長67.4m、幅9.8m、吃水3.3m、満載排水量1250トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力1500馬力、２軸推進、速力18ノット。兵装は76mm単装砲２門、40mm連装機関砲２基、ヘッジホッグ１基、324mm短魚雷３連装発射管２基、爆雷投下軌条２条。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オーク級（メキシコ海軍）＞：メキシコ海軍哨戒艇、別名Leandro Valle級。兵装は76mm砲１門。2015年現在、10隻が配備されている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オークニー＞：P299（哨戒艦）を参照。

＜大國丸＞：内外汽船貨物船Okuni maru。大元はドイツのハンザ・ライン所属シャルツフェルスで、明治34年7月17日に竣工し、第１次大戦勃発直後にオーストラリアのアデレードに入港してオーストラリア政府に拿捕されコモンウェルス・ライン所属となり、大正13年に内外汽船が購入して大國丸に改称した。垂線間長128.02m、幅16.72m、深さ9.56m、満載吃水7.71m、総トン数5743トン、重量トン数8450トン。主機は四連成レシプロ蒸気機関１基１軸2800馬力、航海速力9.5ノット、最大速力12.2ノット。太平洋戦争中は船舶運営会が運航した。昭和19年8月31日、高雄からマニラに向かっていたところ、ルソン海峡でSS-220バーブの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’22

＜オークハム・キャッスル＞：K530（コルベット）を参照。

＜オーク・ヒル＞：LSD-7（アシュランド級揚陸艦）またはLSD-51（ホイッドビー・アイランド級揚陸艦）を参照。

＜大久保駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。屋外には61式戦車、史料室には三八式歩兵銃、手榴弾、62式機関銃、90mm戦車砲分解模型、M20改４型対戦車ロケット、M1カービンが展示されている。所在地は京都府宇治市広野町風呂垣外1-1。近鉄大久保駅から徒歩３分。1959年8月13日、第２教育団本部と第107教育大隊が新編された。1961年8月20日、第２教育団本部が善通寺駐屯地に移駐した。1962年1月18日、第322地区施設隊と第417会計隊が新編された。3月31日、第107教育大隊が善通寺駐屯地に移駐した。1963年3月31日、第322地区施設隊と第417会計隊が鯖江分屯地に移駐した。1994年3月24日、第４陸曹教育隊が松山駐屯地から移駐してきた。2006年、第４陸曹教育隊が大津駐屯地に移駐した。2015年7月7日、滋賀県立彦根工業高校２年生４人のインターンシップに協力した。11月5日、京都府城陽市白鳥幼稚園の園児50人が駐屯地を訪問し、手作りカレンダーで隊員を激励した。11月16日、南スーダンPKO第９次要員12名の壮行行事を実施。12月15日、奈良県高校生10人の職場体験学習を支援した。2016年3月6日、駐屯地曹友会員34名が団子でつなごう世界遺産イベントに協力。16291個341.57mを並べ、最も長い団子の列としてギネス認定を受けた。6月28日、プール開きを実施。10月18-20日、奈良育英中学校の職場体験学習に協力した。2017年1月9日、駐屯地太鼓隊が兵庫県立芸術文化センターで平成28年度中部方面隊音楽まつりに参加。2018年2月27日、滋賀県防衛協会女性部会主催の滋賀県出身隊員激励会を支援した。2020年10月17日、湯浅陸幕長の部隊視察を受け、第７施設群と中部方面音楽隊の儀仗、記念撮影、状況報告、第７施設群第102施設器材隊架橋中隊パネル橋MGB・92式浮橋架設、第３師団第３施設大隊本部管理中隊07式機動支援橋架設、92式地雷原処理車・大型ダンプ連続通過を行った。2021年12月19日、五條市上野公園で行われた奈良県防災フェア2021で三施太鼓が演奏を行った。2022年3月12日、宇治駐屯地、桂駐屯地、福知山駐屯地、京都地本、京都府自衛隊家族会、京都府隊友会が、隊員の支援に対する協力に関する協定書を締結した。4月1日から施行される。参考：中部方面混成団ホームページ、月刊丸12,’90、JGround Vol.23、月刊JWiings3,’22、朝雲、鯖江駐屯地ホームページ

　＜大久保駐屯地（２０１５年）＞：第４施設団、第７施設群、第３施設大隊、第102施設器材隊、第307ダンプ車両中隊、第104施設直接支援大隊、第３後方支援連隊第１整備大隊施設整備隊、第318基地通信隊大久保派遣隊、第397会計隊、第131地区警務隊大久保派遣隊、大久保駐屯地業務隊が駐屯している。参考：大久保駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜大久保駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。参考：MAMOR vol.52

＜大熊艦隊＞：第２次大戦中にイタリア海軍が運用したマイアーレ用秘密水上基地。ジブラルタル軍港の傍のアルゲシラス湾に沈んでいたイタリアのタンカーを引き揚げ、水面下の部分を改造してマイアーレの修理施設を設けたもので、ジブラルタル軍港まで自走して密かにマイアーレを発進させることができる。1942年12月8日にマイアーレ３隻が初出撃したが、全て沈められた。５ヶ月後に出撃が再開され、イギリス海軍フリゲートのカメラータを含む43000トンを撃沈している。参考：月刊丸11,’72

＜オークランド＞：CL-95（軽巡洋艦）またはL61（スループ）またはLCS-24（沿海戦闘艦）を参照。

＜オークランド級＞：アトランタ級軽巡洋艦を参照。

＜オークリッジ・ガス拡散工場＞：アメリカの核物質生産施設で、テネシー州オークリッジにある。1943年から稼働し、濃縮ウランを生産している。参考：核兵器事典

＜オークリッジ合金＞：武器グレード・ウランを参照。

＜オークリッジ・リザベーション＞：アメリカの核施設。1942年にサイトＸというコードネームで竣工した。ウラン235と重水素化リチウム６の生産、核兵器製造、核物質組み立て、高濃縮ウランの保管などを行っている。参考：核兵器事典

＜オークレイ＞：L72（駆逐艦）を参照。

＜大河内伝七＞：海軍兵学校第37期卒。大正11年、海軍大学校卒。大正15年12月、連合艦隊参謀となった。美保関事件では大混乱の艦隊を置いて先に帰ろうとする連合艦隊司令部を諌めている。昭和2年12月、連合艦隊参謀を退いた。隠戸艦長、木曽艦長、砲術学校教頭、浅間艦長、比叡艦長を歴任して昭和11年11月に上海特別陸戦隊司令官となった。昭和12年7月7日、盧溝橋事件から日華事変が始まり、兵力の少ない上海特別陸戦隊を指揮して杭州湾敵前上陸で増援の柳川兵団が到着するまで持ちこたえている。昭和1年、砲術学校長となった。昭和15年10月1日から昭和17年3月16日、支那方面艦隊参謀長を務めた。7月14日、第１南遣艦隊司令長官となった。昭和18年9月20日、第１南遣艦隊司令長官を退いた。12月、舞鶴鎮守府司令長官となった。昭和19年4月、電波本部長となった。8月5日、海軍兵学校第41代校長に着任。10月22日、連合艦隊司令部付となった。11月1日、南西方面艦隊司令長官兼第13航空艦隊司令長官兼第３南遣艦隊司令長官となった。昭和20年1月8日、第13航空艦隊司令長官を退いた。終戦時は南西方面艦隊司令長官兼第３南遣艦隊司令長官だった。昭和33年2月13日、72歳で死去した。参考：日本海軍艦隊総覧、海軍兵学校岩国分校物語

＜オーサＭシリーズ＞：ソ連海軍艦対空ミサイルシステム。参考：月刊軍事研究12,’98

＜オーサＭ＞：別名4K33、米軍コードはSA-N-4、NATOコードはゲッコー（Gecko）。9K33地対空ミサイルシステムの艦載型（というかこちらが先）で、1960年10月から開発された。500トン以上の艦に搭載でき、多くの艦艇に装備されている。ZIF-122引き込み式連装発射機（4S33ともいう。小型艦ではサイロに装備）、５発入りドラム型予備ミサイル庫４基、ポップ・グループ目標捕捉ミサイル誘導レーダー、4R33射撃指揮装置で構成され、システム操作員は３名。発射機は甲板上の円形ハッチが左右にスライドすると内部からせり上がってくる。ミサイル名称は9M33（9M33M5？）で、当初はアクティブレーダー誘導を採用する予定だったが、無線コマンドリンクに変更したため、サイズを拡大した。高度50m以下を飛行する目標を迎撃しようとすると、VT信管が誤作動してしまう欠点があり、低空目標の迎撃ができない。全長3.15m、直径0.21m、翼幅0.65m、発射重量127kg、弾頭重量15kg（HE）。誘導は無線コマンドリンク方式、目標探知距離25km（高度3500-4000m）／50km（高々度）、迎撃可能目標最大速度毎秒600m。推進は固体燃料ロケット、迎撃可能距離1200-10000m、迎撃可能高度50-5000m。発射機重量（システム重量？）6.85トン。システムリアクションタイム20秒、同時迎撃可能数１目標、次目標への変更時間12秒、発射速度毎分２発（対空）／毎分2.8発（対水上）、再装填時間16-21秒。発射機１基あたりミサイル20発（大型艦は40発）が用意されている。1967年から実験艦OS-24（キーロフ級軽巡ヴォロシーロフ）でテストされ、改良を経て1968年にグリシャ�T型フリゲートMPK-124に搭載され、1973年に制式化されてキエフ級、キーロフ級、カーラ級、スラヴァ級、コニ級、ナヌチュカ級、イワン・ロゴフ級に装備された。1980年頃に射程延伸型が登場した。参考：月刊軍事研究12,’98、ソ連／ロシア巡洋艦建造史、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船1,’15増刊、3,’05、11,’17

　＜オーサＭＡ＞：信管を改良し、高度25mまでの目標を迎撃できるようにしたもの。1979年に実用化され、スラヴァ級に搭載された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船12,’18

　＜オーサＭＡ−２＞：高度5m以下のシースキマーを迎撃可能としたもの。射程も15000mに延びた。1980年代初期に実用化された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜ＳＡ−Ｎ−４＞：西側推定諸元は以下の通り。全長3.2m、直径0.21m、翼スパン0.64m、重量190kg、弾頭重量50kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ2.5、射程15000m。誘導はCLOS。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜大阪基地隊＞：海上自衛隊の基地隊。警備隊時代の1953年9月16日に新編された。1968年3月30日、阪神基地隊に改編された。参考：月刊世界の艦船4,’13、6,’22

＜大阪警備府＞：日本海軍の警備府。昭和16年11月20日に開設された。昭和20年7月15日、駆逐艦欅が編入された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜大阪国際平和センター＞：大阪府と大阪市が共同出資して建設された平和記念館で、通称ピースおおさか。所在地は大阪府大阪市中央区大阪城2-1。開館時間は0930-1700。休館日は月曜日、祝日の翌日、毎月末日、年末年始。入館料は大人250円。参考：MAMOR vol.58

＜大阪鉄工所＞：明治14年に設立された民間造船業者。明治33年に造船工場を新設し、日露戦争で艦船修理を行った。以降駆逐艦３隻や水雷艇を建造し、昭和18年に日立造船に併合されて日立造船桜島工場となった。参考：月刊世界の艦船5,’11

＜大阪北部地震＞：2018年6月18日0758頃、大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1・最大震度６弱の地震が発生したため、0800に防衛省が災害対策室を設置した。0814、海自第23航空隊SH-60哨戒ヘリ１機が離陸。0848までに空自第６航空団F-15戦闘機２機、小松救難隊U-125A救難捜索機１機・UH-60J救難ヘリ１機、海自第24航空隊SH-60ヘリ２機、徳島教育航空群TC-90練習機１機、陸自中部方面航空隊ヘリ映伝搭載UH-1Jヘリ２機・OH-6Dヘリ１機が離陸して情報収集などに入った。1005、第３師団第36普通科連隊ファスト・フォース５名と車両２両が伊丹駐屯地を出発し、高槻市に向かった。1200、大阪府知事から第３師団に対し、断水した国立循環器センターへの給水支援を目的とする災害派遣要請が出され、箕面市と高槻市への給水支援と茨木市への入浴支援も追加されたため、第36普通科連隊と第３後方支援連隊の給水部隊が吹田市国立循環器病研究センターや小中学校などで給水支援を行った。6月20日、第36普通科連隊が損壊家屋に対する応急対策支援（ブルーシート展張）を開始。第３後方支援連隊と第36普通科連隊の隊員計35名・車両計15両からなる入浴支援部隊が茨木市若園公園で野外入浴セット�U型による入浴支援を開始。浴槽は男女別で、待合所として大型天幕を張り、更衣室にスポットエアコン、待合所に給水ポットを設置して快適性向上に努めている。6月21日、安倍首相など政府関係者が第402飛行隊U-4とC-1で伊丹空港に到着し、被災地を視察した。第36普通科連隊と中部方面後方支援隊第101補給大隊（初災害派遣）の隊員計50名・車両計15両が高槻市古曽部防災公園で入浴支援を開始。6月26日2130に大阪府知事から撤収要請が出された。第３師団第36普通科連隊、第３後方支援連隊、中部方面後方支援隊、舞鶴地方総監部、阪神基地隊、空自幹部候補生学校、大阪・京都・兵庫・滋賀・三重地本が支援を行い、活動実績は延べ隊員1145名、車両280両、航空機12機、給水支援15カ所46.7トン、入浴支援7951人、応急対策（ブルーシート展張）90箇所だった。6月27日、古曽部防災公園の入浴支援部隊が高槻市長らの見送りを受け撤収。参考：MAMOR vol.140、月刊JWings9,’18、朝雲

＜大阪陸軍飛行場＞：日本陸軍の飛行場。元は国粋大衆党が組織した国粋義勇飛行隊の私設飛行場で、昭和9年9月に竣工すると日本陸軍に献納され、大阪陸軍飛行場になった。昭和10年6月1日、献納式を実施。参考：月刊航空ファン3,’17

＜大指＞：日本海軍標的艦おおさし。建造中に終戦を迎えた。参考：小艦艇入門

＜オージー翼＞：Ogee wing、Ogee planform wing、反曲線型翼。ダブル・デルタ翼の一種で、前縁を滑らかなカーブで繋いでＳ字曲線形にしてある。前縁剥離渦の制御効果が高くなるが、前縁コニカル・キャンバーによる制御効果と被ることがあり、製作に手間もかかる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録

＜おおしお＞：SS-561（潜水艦）を参照。

＜大潮＞：日本海軍朝潮型駆逐艦２番艦Oshio。昭和12年10月31日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制でも兵力部署でも第８駆逐隊に所属していた。昭和17年2月18日、バリ島攻略作戦に参加。2月19日、バリ島沖海戦で大破（小破？）した。昭和18年2月1日、イサベル島沖海戦に参加。2月20日、アドミラルティ諸島マヌス島北方70海里でSS-218アルバコアの雷撃を受けて沈没し、4月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸1,’07、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜おおしお型＞：海上自衛隊潜水艦、計画番号S115。くろしおの代替として建造された大型外洋艦兼教育訓練艦で、外洋での敵艦隊・揚陸部隊攻撃を行えるよう航続力や攻撃力を重視し、また対潜訓練海面に到着する時間を短縮するため水上速力も高くしてある。船殻はNS46高張力鋼の複殻式で、艦尾の一部のみ単殻となっており、内殻は複殻部分が外フレーム、単殻部分が内フレーム。艦内配置は前方から前部魚雷発射管室、発令所、士官室／電池室、科員食堂／科員居住区／電池室、機械室、管制盤室／電動機室、後部魚雷発射管室の順で、前部魚雷発射管室、科員食堂、機械室の天井には上構上面に繋がるハッチがある。水上航走能力を重視しており、船型は細長く、SSL（SS-LongまたはSS-Largeの意）型とも呼ばれた。それまでの海自潜水艦より上構の板厚を増やして腐食を防いでいる。潜舵は艦前方水線部付近にあり、使わない時は上面に付いている支柱を上構内に引き込んで上に90度折り畳むことができる。推進軸１軸あたりディーゼル、主発電機、主電動機を１基ずつ割り当ててあり、蓄電池は水冷クラッド式（なつしお型用の改良型）で、４群計480個を装備する。上部縦舵は無く、大型の下部縦舵を持つ。搭載ソナーはJQO-3パッシブソナー（艦首底部）、JOQ-4パッシブソナー（セイル前面基部フェアリング内）、JQS-3アクティブソナー（セイル直下の艦底部で、昇降式）。航海レーダーはZPS-3。潜望鏡は13メートル型２本。全長88m、最大幅8.2m、深さ7.5m、吃水4.7m、基準排水量1600トン、水中排水量2200トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、川崎MAN社製V8V24/30MALディーゼル（水上1800馬力、シュノーケル1650馬力）２基・主発電機２基・主電動機（水上1450馬力、水中3150馬力）２基、水上出力2900馬力、水中出力6300馬力、５翅プロペラ（直径2m、回転数毎分453回転）２軸推進、水上速力14ノット、水中速力18ノット。兵装は艦首の６連装魚雷発射管HU-601（試製54式魚雷）と、艦尾のスイムアウト方式HU602連装水中発射管（Mk37Mod0-NまたはMk44短魚雷）、魚雷搭載数計18本。乗員80名。1965年にSS-561おおしおが就役し、1981年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、9,'15、11,'20、10,’12、1,’79増刊、5,’02増刊、3,’10、丸スペシャルNo.76、No.78、日本の防衛戦力Part3

＜おおしま＞：MSC-654（掃海艇）またはMSI-689（掃海艇）を参照。

＜大島＞：日本海軍大島型砲艦Oshima。明治25年3月31日竣工。明治31年3月21日、二等砲艦に類別された。明治37年5月17日、日露戦争で旅順沖の哨戒任務に就いていた際、砲艦赤城が右舷に衝突して沈没した。明治38年6月15日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜大島型＞：日本海軍砲艦Oshima型。フランスのエミール・ベルタンが設計しており、艦型はフランス海軍式となっている。垂線間長53.65m、最大幅8.2m、吃水2.75m、常備排水量640トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶は石炭専焼汽車缶（蒸気機関車の流用）２基、出力1217馬力、２軸推進、速力13ノット、燃料搭載量70トン／140トン（満載時）。兵装は比式32口径12cm単装砲４門（艦前部のみ38口径砲だったという説があるが詳細不明）、保式47mm単装重速射砲２門、保式47mm単装軽速射砲３門、諾式５連装8mm機砲１基。乗員130名。大島が明治25年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜大島根拠地隊（日本海軍）＞：日本海軍の根拠地隊。昭和16年10月1日に編成された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜大島飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和10年、東京府大島本村で用地を買収した。参考：首都防空網と空都多摩

＜オーシャニック＞：イギリス海軍特設巡洋艦Oceanic。元はホワイト・スターの北大西洋航路船である。全長214.6m、幅20.8m、深さ13.6m、総トン数17274トン。主機は三連成汽機２基２軸27000馬力、航海速力19.5ノット、最大速力21ノット。1899年8月26日竣工。第１次大戦勃発で徴用されて特設巡洋艦となった。1914年9月8日、シェトランド諸島フーラ島で座礁して全損した。参考：月刊世界の艦船3,’15

＜オーシャン＞：68（軽空母）またはL12（揚陸艦）を参照。

＜オーシャン２０２０＞：OCEAN2020（技術開発計画）を参照。

＜オーシャン・イーグル４３＞：CMN社が開発した哨戒艇Ocean Eagle 43。船型は三胴船だが、左右船体はさほど長くなく、安定航行用フロートといった感じで、中央船体後甲板に回転翼型UAV発着スペースがあるが、これも左右船体に跨がってはいない。船体は複合材製。艦尾甲板には7mRHIBが１隻露天搭載されていて、艦尾のランプから発進する。上構は平べったい形状で、上面後部にタワーマストを持つ。全長43.66m、最大幅15.7m。主機はディーゼル４基、２軸推進、最大速力30ノット、航続距離3000海里（18ノット）／5000海里（12ノット）。兵装は遠隔操作式20mm機関砲、12.7mm機銃。乗員13名。モザンビーク海軍が３隻を導入した。参考：月刊軍事研究1,’15

＜オーシャン・イーグル４３海外シリーズ＞

　＜オーシャン・イーグル級（モザンビーク海軍）＞：モザンビーク海軍哨戒艇Ocean Eagle級。排水量75トン。2015年に１番艇が竣工しており、もう２隻建造する予定。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜オーシャン・イーグル４３ファミリー＞

　＜オーシャン・イーグル４３ＭＨ＞：機雷掃討艇型で、MHはMine Huntingの略。UAV発着スペースを廃止し、UUV用クレーンなどを搭載している。主機はディーゼル２基、最大速力19ノット、航続距離2500海里（14ノット）。機雷探知用自律型UUVや機雷識別処分用UUV（シーキャットやシーフォックスなど）を運用可能。参考：月刊軍事研究1,’15

＜オーシャンウェイ＞：イギリス海軍ドック型揚陸艦Oceanway。アメリカから供与されたアシュランド級ドック型揚陸艦である。1952年、フランスに供与され、フードルになった。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜オーシャン級＞：イギリスの標準設計貨物船。1939年10月に基本設計を完了し、同年中に建造が開始された。戦時急造は考慮しておらず、大西洋の戦いで輸送船が大損害を被ると、エンパイア級の建造に切り替えている。アメリカにも60隻の建造を依頼し、1941年までに全隻引き渡された。参考：戦時標準船入門

＜オーシャン級＞：イギリス海軍ヘリコプター揚陸艦Landing Platform Helicopter（LPH）、Ocean級。1980年代終わりに独立揚陸艦隊の一翼を担う航空支援艦として２隻を建造しようとしたが、冷戦終結と予算の関係で航空支援艦A135アーガスを代替するヘリボーン作戦主眼の強襲揚陸艦に設計変更されて１隻となった。船体は一般商船構造として建造費を削減したが、水密隔壁、防火ゾーン、NBC防御シタデルを設けて防御力を確保、３区画に浸水しても沈まない。飛行甲板は全通式、長さ170m・最大幅31.7mで、ヘリ発着スポット６カ所と駐機スペース６カ所を持つ。中央部と後部に航空機用内舷式エレベーター（16.75m×9.75m、容量15.9トン）１基ずつ、アイランド前端横に小さな武器用エレベーターがある。飛行甲板の２層下にあたる第５甲板レベルがヘリコプター格納庫で、長さ111.3m・幅31m・天井高さ6.2mあり、シーキングHC4兵員輸送ヘリ12機、リンクス汎用ヘリまたはWAH-64D攻撃ヘリ６機、シーハリアー攻撃機20機を収容できる。ヘリ格納庫後方の第４甲板レベルは車両格納庫で、右舷後方に舷側ランプ、艦尾トランサムに折り畳み式車両用ランプを持ち、ランドローバー40両、トレーラー34両、105mm砲６門を収容できるが、戦車などの重車両は積めない。車両格納庫とヘリ格納庫はランプで繋がっているので、車両を飛行甲板上まで持って行くことができる。ウエル・ドックは無く、両舷舷側甲板中央（第４甲板レベル）に２カ所ずつLCVP Mk5収容レセスがあり、小型ホバークラフト（ACV）２隻の搭載も可能らしい。バウ・スラスター（450kW）、引き込み式フィン・スタビライザー、ディーゼル交流発電機４基（総供給電力8MW）、真水製造器（容量80トン）５基を装備する。アイランドは飛行甲板右舷にあり、第１甲板が艦橋で、後方に通信マスト、シーナット・チャフ・フレアディスペンサー、煙突、レーダー機器タワーが装備されている。アイランドの第２甲板はオペレーション・ルームや医療区画。全長203.4m、全幅34.4m、吃水6.64m、満載排水量21758-22107トン。主機はピールスティック中速ディーゼル２基、出力18360馬力、固定ピッチプロペラ２軸推進、速力19ノット、航続距離8000海里（15ノット）。防御兵装はファランクス・ブロック�TＢ３基（艦首と艦尾に１基ずつ？）、20mm連装機関砲４基（前部甲板両側レセス、艦尾両舷に１基ずつ）。996型対空・対水上捜索レーダーと1007型近距離捜索・航空管制用レーダーを搭載する。乗員254名（285名とも）＋航空要員180名＋揚陸艇操作要員26名。海兵隊員500名（緊急時は830名。803名？）が搭乗可能。L12オーシャンが1998年に竣工した。2000-02年に改装を受け、船体中央両舷にバルジを追加し、海兵隊用指揮管制システムを搭載して艦上で水陸両用作戦指揮を執れるようにしている。2004年にも改装を受け、WAH-64D攻撃ヘリの運用能力を得た。2015年、996型捜索レーダーを997型アーティザン3Dに換装した。2018年3月に退役し、ブラジル海軍に売却されてA140アツランチコになった。参考：月刊世界の艦船9,’02、5,’17、11,’18、12,’20、9,’12、8,'15、4,’10、12,’12、2,’14、9,’18、10,'21、月刊軍事研究9,’13、11,’08、12,’98、JShips Vol.24、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オーシャン級・海外シリーズ＞

　＜アツランチコ級＞：ブラジル海軍揚陸ヘリコプター母艦Atlântico級。元はイギリス海軍オーシャン級ヘリ揚陸艦L12オーシャンで、空母A12サン・パウロの後継として退役後に9800万ドルで購入しており、艦種記号はブラジル海軍で空母を示すＡになっている。飛行甲板は長さ170m・幅31.7mで、ヘリ発着スポット６ヵ所と駐機所７ヵ所を持つ。飛行甲板の下がヘリ格納庫で、長さ111.3m、幅31m、最小高6.2m（２甲板分）。ファランクスや魚雷防御装置は撤去し、30mm単装機関砲４門を積んだ。997型対空捜索レーダー、KH1007対水上レーダー、KH1008レーダー、DNA(2)指揮管制装置を装備する。全長203.4m、最大幅34.4m、満載排水量21578トン（22107トン？）。主機は12気筒ディーゼル２基、出力18360馬力、推進は固定ピッチプロペラ２軸、最大速力19ノット、航続距離8000海里（15ノット）。兵装は遠隔操作式30mm機関砲DS30M Mk2が４門、機銃10丁前後。揚陸部隊500名（常用）／830名（最大）、SH-16Bヘリ（S-70Bヘリ）18機、車両40両、105mm砲６門、Mk5B揚陸艇（LCVP）４隻を搭載可能。乗員300名。A140アツランチコが2018年6月29日に就役した。参考：月刊世界の艦船12,'20、12,'23、10,’19、9,’18、11,’18、3,’21、6,’21

＜オーシャン・サファリ８５＞：アメリカ海軍の演習。ソ連に気付かれずノルウェー海とバレンツ海に展開できるか試すもので、1985年に実施された。悪天候を突いてソ連偵察衛星の監視を逃れつつ厳格な電波管制EMCONを行い、空母任務群３個を展開して活動させることに成功している。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜オーシャン・スカイ＞：スペイン空軍主催の国際共同訓練Ocean Sky。2004年、異機種戦闘訓練DACTとして開始された。2017年、イタリア空軍が参加。2019年、アメリカ空軍とトルコ空軍が参加。2020年のオーシャン・スカイ2020（Ocean Sky 2020、OS20）は10月17-30日にカナリア諸島ガンド空軍基地で開催され、スペイン空軍EF-18M戦闘機、ユーロファイター戦闘機、A400M輸送機、スペイン海軍EAV-8Bプラス戦闘機、フランス空軍第４・第30航空団ラファールＣ戦闘機計13機、C-135空中給油機、NATO軍E-3早期警戒管制機が参加した。ギリシャ空軍も参加予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でキャンセルしている。参考：月刊JWings2,’21

＜オーシャンホーク＞：HH-60H（ヘリ）またはSH-60F（ヘリ）を参照。

＜オーシャン・レイダー２０１６＞：オーストラリア海軍の演習Ocean Raider 2016。2016年11月18日から12月5日にニュー・サウス・ウェールズ沖で実施され、艦番号05メルボルン、FFH154パラマタ、L02キャンベラ、L01アデレードなど水上艦艇11隻、潜水艦、航空機などが参加した。参考：月刊世界の艦船3,'17

＜大須＞：柿（駆逐艦、初代）を参照。

＜オースター・シリーズ＞：イギリス軍の観測機Auster。イギリスのテイラークラフト社でライセンス生産していたアメリカのテイラークラフト社製軽飛行機を軍用に採用したものである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜オースターＭｋ．�T＞：主翼は片持ち式のパラソル翼。エンジンはシラスマイナー（90馬力）単発。1941年7月から100機が就役した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜オースターＭｋ．�V＞：エンジンをジプシーメジャー（130馬力）に換えたもの。467機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜オースターＭｋ．�W＞：エンジンをライカミングに換え、３名乗りにしたもの。全長6.83m、全幅10.97m、全備重量770kg。エンジンはライカミングO-290-3（130馬力）単発、最大速度210km、航続距離480km。乗員３名。255機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜オースターＭｋ．�X＞：複座に戻して計器飛行訓練機としたもの。780機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜オースター海外シリーズ＞

　＜オースターＥ　ＡＯＰ．３（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍観測機。1949年にオランダ領東インド軍から22機が移管された。参考：月刊航空ファン6,’17

＜オースタルＵＳＡ社＞：オーストラリアのオースタル造船会社が2000年にアメリカに設立した子会社。アメリカ海軍インディペンデンス級三胴式沿岸海域戦闘艦や遠征高速輸送艦を建造した。ナバホ級航洋曳船の受注により初めて鋼船を作ることになり、2022年4月12日に鋼船建造施設の開所式を行っている。参考：月刊軍事研究9,’07、月刊世界の艦船7,’22

＜オースチン＞：DE-15（護衛駆逐艦）またはLPD-4（揚陸艦）を参照。

＜オースチン＞：アメリカ海軍駆逐艦。1942年10月26日、南太平洋海戦に参加。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜オースチン級＞：アメリカ海軍ドック型輸送揚陸艦（LPD）Austin級。ローリー級を拡大して輸送能力を強化したもので、兵員・貨物搭載能力及びヘリ運用能力に重点を置いている。車両庫と貨物庫の容積はそれぞれ1100立方メートル。艦内後部に長さ120.1m・幅15.2mのドック・ウエルを持ち、LCAC１隻（２隻？）またはLCM６型９隻またはLCM８型４隻またはLCU１隻＋LCM６型３隻を収容する。上甲板の後半は長さ51.2m、幅30.5mのヘリ甲板になっており、発着ポイントは２箇所。ヘリはヘリ甲板に露天で５機（６機？）係止できるが、２番艦以降はCH-46ヘリ１機を収容できる入れ子式格納庫（展長時長さ24.4m、短縮時17.7-19.5m）をヘリ甲板前方に追加した。船楼直後に30トンクレーンがあり、上甲板の搭載艇を吊り上げるのに使う。全長173.8m、全幅30.5m、吃水7m、軽荷排水量8700-9482トン、満載排水量13600-17571トン。主機はド・ラヴァル蒸気タービン２基、主缶はフォスター・ホイーラー缶２基、出力24000馬力、固定ピッチプロペラ２軸（４軸？）推進、最大速力21ノット、航続距離7700海里（20ノット）。兵装は当初50口径76mm連装速射砲４基だったが、後に20mmCIWS２基、25mm機関砲２門、12.7mm機銃８丁に変更された。車両・貨物3900トンを収容可能。乗員425名。１番艦LPD-4オースチンから３番艦LPD-6ダルースまでと11番艦LPD-14トレントン・12番艦LPD-15ポンスは海兵隊930名、４番艦LPD-7クリーブランドから10番艦LPD-13ナッシュビルまでは海兵隊840名と司令部要員90名が搭乗する。1965-71年にLPD-4オースチン、LPD-5オグテン、LPD-6ダルース、LPD-7クリーブランド、LPD-8ダビューク、LPD-9デンバー、LPD-10ジュノー、LPD-11コロナド、LPD-12シュリーブポート、LPD-13ナッシュビル、LPD-14トレントン、LPD-15ポンスの12隻が就役した（LPD-16は建造中止）。LPD-11コロナドは1980年に指揮艦に、LPD-15ポンスは2012年に暫定洋上前方設置艦AFSB(I)に類別変更された。2014年にサン・アントニオ級に後を譲って全て退役した。参考：アメリカ揚陸艦史、月刊世界の艦船1,’10、5,’14、12,’13、2,’13、4,’04増刊、1,’12、2,’14、4,’15、12,'20、月刊軍事研究2,’02、11,’08

＜オースチン級・海外シリーズ＞

　＜オースチン級（インド海軍）＞：インド海軍ドック型輸送揚陸艦（LPD）。2004年のインド洋大津波で洋上救難拠点の必要性を認識したため導入を決定し、LPD-14トレントンが2007年の退役と同時に引き渡され、L41ジャラシュワとなった。一緒にUH-3ヘリ６機も調達している。ウェル・ドックは長さ120.1m（51.2m？）・幅15.2mで、LCACは導入しておらず、LCMを4-9隻または水陸両用車16-20両を搭載する。ヘリ甲板は全長51.8mで、CH-47ヘリなら４機、UH-3Hヘリなら６機を運用でき、LCPL/LCVP４隻を載せることも可能。全長178.8m、幅30.5m、満載排水量17521トン。主機は蒸気タービン、速力21ノット、航続距離7700海里（20ノット）。兵装はファランクスCIWS１基。UH-3Hヘリ６機（格納庫内には１機のみ）、LCM４隻、LCPLとLCVP計４隻、兵員930名を搭載できる。後に兵装を30mm機関砲AK-630Mを２基と25mm単装機関砲２門に換装した。参考：月刊世界の艦船12,'23、12,’12、2,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オースチン装甲車シリーズ＞：ロシア軍装甲車。ロシア政府の要求に応じてオースチンが第１次大戦初期に製作した。第１次大戦ではあまり使用されず、ロシア革命で輸出も絶たれ、行き場を失った16両がイギリス軍に配備されている。参考：月刊PANZER4,’04、世界の軍用車両(4)

　＜１４年式＞：４輪装甲車で、後輪はダブルタイヤ、操縦席が前後にある。エンジンの故障が少なく評価は高かった。前部操縦席後方の車体上に7.7mm機関銃塔２基があるが、並列なので射界が狭い。装甲厚は側面8mm、上面6mm。エンジンは４気筒ガソリン（40馬力）、最大速度50km。参考：月刊PANZER4,’04、世界の軍用車両(4)

　＜１５年式＞：14年式の改良型。銃塔の射界を妨げないように操縦室上面の高さを抑え、機関銃をヴィッカーズ製からオチキス製に換えてある。参考：月刊PANZER4,’04、世界の軍用車両(4)、機甲入門

＜オースチン装甲車・海外シリーズ＞

　＜オースチン装甲自動車＞：日本陸軍装甲車。シベリア出兵に際し、偵察兼パルチザン掃討用として大正8年7月に15年式を輸入し、済南事変にも投入した。また、シベリア出兵時にロシアから鹵獲したものも使用している。自重５トン。エンジン出力35馬力、最大速度25km。参考：月刊PANZER4,’04、11,’86、世界の軍用車両(4)、機甲入門

＜オーステンＭｋ．�T＞：オーストラリア軍サブマシンガンAusten（オーストラリアン・ステンの略）。イギリスのステンとドイツのMP40の長所を取り入れて1941年に制式化した。遊底、復座バネ、フォアグリップ、MP40類似の鉄棒製折り畳み銃床以外はステンの流用で、マガジンは横から差す。全長844mm／560mm（ストック折り畳み時）、銃身長198mm、重量3.97kg。使用弾は9mmパラベラムで、ステンと同じ32発入り箱形弾倉を使用するが、ジャミング防止のため28発に制限されていた。発射速度毎分500発。弾数制限のためか、遊底を改良したためかは不明だが、作動不良は少なかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.1、拳銃・小銃・機関銃

＜オーステンデ＞：M940（掃海艦）を参照。

＜オーステンデ級＞： ベルギー海軍掃海艦Oostende級。トリパルタイト級の後継で、オランダ海軍と共同で12隻を調達（オランダ海軍名称フリシンゲン級）し、コンカルノーで建造する。MIDS無人掃海システムとスケルダーV-200無人ヘリを運用しての機雷捜索・掃討が主任務である。船型は長船首楼型。上構02甲板レベルに艦橋があり、艦橋後方上面にタワーマストを持つ。上構後部03甲板レベルがヘリ甲板で、その下が３層ぶち抜き（床が第１甲板）のUSV・UUV搭載スペースになっていて、側壁シャッターを上に開いてネイヴァル・グループ／ECAグループ製LARS（Launch and Recovery System）無人水上艇発進・揚収システム用クレーンをせり出し、USVを揚収する。全長82.6m、幅17m、基準排水量（満載排水量？）2800トン。速力15.3ノット、航続距離3500海里以上。兵装は40mm単装機関砲１門。スケルダーV-200無人ヘリ、インスペクター125機雷捜索・掃討用USV、A-18M機雷捜索UUV、T18-M曳航ソナー、SEASCAN機雷識別用UUV、K-STER機雷掃討用UUVを運用可能。乗員33名（最小）／63名。１番艦M940オーステンデは2021年11月30日に起工された。２番艦はトゥールネー（Tournai）。参考：月刊世界の艦船9,'23、6,'23、8,'23、3,’22

＜オーストラリア＞：オーストラリア海軍インデファティガブル級巡洋戦艦２番艦Australia。オーストラリア自治領政府が予算を派出し、イギリスで1910年6月23日起工、1911年10月25日進水、1913年6月21日にイギリスのジョン・ブラウン社クライドバンク造船所で竣工し、オーストラリア海軍に引き渡されて艦隊旗艦となった。10月4日、シドニーに初入港した。第１次大戦中の1914年末にイギリスに貸与され、1915年2月にグランド・フリート第２巡洋戦艦戦隊旗艦となり、西インドや太平洋で行動した。1916年4月22日、巡洋戦艦ニュージーランドと衝突して損傷、修理を行い6月5日に復帰した。1919年にオーストラリアに返還され、艦隊旗艦に復帰した。ワシントン条約で廃棄対象となり、1921年12月12日に退役して予備艦とされ、1924年に除籍されて4月12日にシドニー沖で沈められた。参考：月刊丸4,’07、近代戦艦史、月刊世界の艦船9,'15、11,’00、6,’12、3,’19、歴史群像6,’16

＜オーストラリア＞：オーストラリア海軍ケント級重巡洋艦１番艦（イギリス艦も含めると６番艦）Australia。イギリスのジョン・ブラウン社クライドバンク造船所で1925年8月26日起工、1927年3月17日進水、1928年4月24日竣工、オーストラリア海軍に引き渡された。1928年10月23日、シドニーに到着。1942年5月6日、珊瑚海海戦に参加。8月8日、第１次ソロモン海戦に参加。1944年10月21日、フィリピンで特攻攻撃を受けた。1945年1月5日、マニラ西方で神風特攻機１機の突入を受けて損傷した。1月6日、フィリピン付近で神風特攻機１機に突入され、損傷した。1月8日、フィリピンで特攻攻撃を受けた。1月9日、リンガエン湾付近で神風特攻機１機が命中して損傷した。1946年1月、修理を終えてオーストラリアに帰還。1954年8月31日に退役し、1955年1月にスクラップとして売却され、解体された。参考：月刊世界の艦船11,’13、9,'15、第２次大戦日本海軍作戦年誌、近代巡洋艦史

＜オーストラリア会議＞：化学・生物兵器拡散防止のため、原料や製造機械の輸出を禁止する話し合いを行う会議。欧米諸国と日本が参加し、1985年4月から年１回行われている。参考：化学・生物兵器概論

＜オーストラリア海軍＞：Royal Australian Navy。航空戦力はFleet Air Arm（FAA）という。フリート・ベース・イースト（司令部はシドニー）、フリート・ベース・ウェスト（司令部はコックバーンサウンド）が大型艦の基地で、哨戒艇がダーウィンとケアンズに置かれている。1855年、ヴィクトリア植民地とニューサウスウェールズ植民地が軍艦を配備。1856年、タスマニア植民地がイギリスに艦隊の配備を要求し、1859年に10隻強のオーストラリア艦隊が配備された。1880年代、太平洋やインドでの領有争いが活発になり、各植民地は軍艦を増強。1887年、オーストラレイジア海軍防衛法が制定され、オーストラリア艦隊司令長官指揮下にオーストラリア補助艦隊を新設。1901年、６つの植民地が集まってオーストラリア連邦が誕生。６部隊を統合してコモンウェルズ海軍部隊を創設した。保有艦船は13隻だった。1905年、防護巡洋艦エンカウンターが就役。1907年、オーストラリア連邦は海軍の独立を提案したが、イギリス本国に蹴られた。1909年、イギリスが建造する巡洋戦艦のうち１隻の建造費を負担する代わりにオーストラリア連邦政府が独立海軍部隊を保有することが認められた。1910年、エンカウンター級防護巡洋艦１隻がイギリスから引き渡された。1911年7月11日、王立オーストラリア海軍（RAN）が誕生。兵員訓練所をヴィクトリア州フリンダーズ海軍基地に設置した。1913-16年、チャタム級軽巡３隻が竣工。1913年、海軍兵学校を創設。6月21日、巡洋戦艦オーストラリアが就役。10月4日、巡洋戦艦オーストラリアと軽巡洋艦シドニーがシドニー港に入港。この日を以て海軍創設の日としている。1914年、イギリスからＥ級潜水艦２隻を輸入。第１次大戦では艦隊をイギリス海軍本部指揮下に移した。1922年、初の国産巡洋艦が就役。世界大恐慌で一旦海軍兵力を縮小したが、ナチスドイツに対抗すべく1933年からイギリス艦の貸与・購入を行い軍備を増強。1935年、パース級軽巡３隻が就役開始。1939年、第２次大戦勃発で西大西洋方面の哨戒を行い、地中海にも戦力を派遣した。第２次大戦中には駆逐艦、スループ、フリゲート、大型掃海艇など100隻以上を生産。アメリカ第７艦隊の指揮下に入り、太平洋戦争を戦った。太平洋戦争終戦時、重巡２隻、軽巡２隻、駆逐艦８隻、フリゲート14隻などを保有していた。戦時中の損失は重巡１隻、軽巡２隻、駆逐艦４隻、スループ２隻、大型掃海艇３隻、雑船22隻だった。戦後、駆逐艦の国産を再開。1949年、軽空母シドニーが就役。朝鮮戦争に軽空母シドニーや駆逐艦ワラムンガなど艦艇９隻を派遣。1953年、イギリスから軽空母71ヴェンジャンスを貸与された。1955年10月、軽空母R21メルボルンが就役。1957年12月18日、クイーンボロ級フリゲート３隻が就役。1964年、インドネシア・マレーシア紛争が勃発したため、フリゲートのヤラ、掃海艇テール、ホークなど艦艇11隻を派遣し、対地射撃などを行った。1965年、パース級ミサイル駆逐艦３隻が就役開始。1967年、オベロン級潜水艦６隻が就役開始。A-4G攻撃機８機とTA-4G攻撃機12機を導入。この頃からインド洋でソ連艦の活動が活発になったため、フリート・ベース・ウェストを拡充した。ベトナム戦争では艦艇18隻を派遣し、対地射撃などを行った。1971年、バリクパパン級中型揚陸艦６隻が就役開始。1974年、シーキングMk50対潜ヘリを導入。1980年、フリーマントル級哨戒艇15隻が就役開始。1980年、アデレード級ミサイル・フリゲート６隻が就役開始。1981年、トブルク級重量物運搬艦１隻が就役。1982年、軽空母R21メルボルンが除籍され、以降は空母を保有していない。1986年、ベイ級掃海艇２隻が就役開始。1986年、サクセス級補給艦１隻が就役。1988年、建国200周年記念観艦式を実施。1989年、ウェストラリア級給油艦１隻が就役。1994年、カニンブラ級輸送揚陸艦２隻が就役。1996年、アンザック級フリゲート８隻が就役開始。1996年、コリンズ級潜水艦６隻が就役開始。1999年、ヒューオン級掃海艇６隻が就役開始。2009年3月13日、艦艇17隻による観艦式を実施。2011年、ベイ級ドック型揚陸艦１隻が就役。2011年7月9日、ブルネイ沖の南シナ海で日米豪海軍共同訓練に参加。2013年、MH-60Rヘリの引き渡しが始まった10月3-11日、オーストラリア海軍100周年記念国際観艦式を停泊式と移動式で実施。2014-15年、キャンベラ級強襲揚陸艦２隻が就役。2015年11月、タスマン海とその沿岸でFleet Concentration Period演習を実施。強襲揚陸艦L02キャンベラ、フリゲート04ダーウィン、FFH153スチュアート、FFH150アンザック、掃海艇85ガスコイン、ヤラ、潜水艦、給油艦O226シリウスなどが参加し、対水上戦、対潜戦、対機雷戦などの訓練を行った。2016年1月1日、フリゲート04ダーウィンがクイーンズランド沖で中国海軍ミサイル駆逐艦152済南、フリゲート548益陽、補給艦886千島湖と共同演習を実施。11月18日から12月5日、オーシャン・レイダー2016演習を実施。2017年2月27日から3月10日、オーシャン・エクスプローラー2017演習を実施。オーストラリア海軍からL01アデレードなど13隻、アメリカ海軍からSSN-723オクラホマ・シティ、イタリア海軍からF-593カラビニエーレ、スペイン海軍からF105クリストバール・コロン、ニュージーランド海軍からF77テ・カハが参加した。2020年2月17日から3月6日、Certification Exercise 2020演習を実施。L02キャンベラ（LCM-1E型揚陸艇L4401/L4405など搭載）、イージス駆逐艦39ホバート、フリゲートFFH151アルンタ、FFH153スチュアート、補給艦O226シリアス、潜水艦２隻などが参加した。6月中旬から下旬、オーストラリア東部沖で部隊統合訓練を行い、イージス駆逐艦39ホバート、フリゲートFFH151アルンタ、FFH153スチュアート、FFH155バララト、L02キャンベラ、L100チャールス、給油艦O226シリウスが参加した。2022年、改ケープ級哨戒艇が就役開始。コリンズ級の後継となる通常動力型潜水艦SEA1000を12隻ほど建造する予定で、一旦DCNS案に決まったが、急にSSN-AUKUS攻撃原潜８隻に切り換えており、若干混乱気味である。アデレード級の後継としてSM-6艦対空ミサイルとCECを搭載した防空駆逐艦3-4隻を建造する予定。アンザック級の後継は対潜戦重視のフリゲートになる予定である。10000-15000トン級強襲揚陸艦２隻も建造する予定。サクセス級補給艦の後継となる補給艦SEA1654フェーズ３の２隻はスペインのナバンティア造船所と韓国の大宇造船海洋が争い、ナバンティア造船所が受注した。参考：JShips Vol.24、Vol.44、月刊世界の艦船11,’00、6,’09、12,’13、2,’16、3,’16、8,’16、3,’17、6,’17、7,’17、6,'22、6,'23、月刊丸11,’09、月刊軍事研究3,’15、8,'16、月刊JWings8,'22、朝雲

＜オーストラリア海軍（１９７７年）＞：兵力16200名。オベロン級潜水艦４隻、空母１隻、大戦型駆逐艦３隻、デアリング級駆逐艦２隻、駆逐艦６隻、練習艦１隻、沿岸掃海艇１隻、沿岸機雷捜索艇２隻、アタック級哨戒艇12隻、油送艦１隻、駆逐艦母艦１隻、上陸用舟艇６隻、A-4G攻撃機13機、S-2E3/S-2G対潜哨戒機16機、シーキング８機、UH-1Hヘリ４機、ベル206Bヘリ２機、ウェセックス４機、MB326H練習機８機、TA-4G練習機３機、HS748電子戦訓練機２機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜オーストラリア海軍（１９８１年）＞：兵力16700名。オベロン級潜水艦６隻、メルボルン級空母１隻、パース級駆逐艦３隻、デアリング級駆逐艦１隻、アデレード級フリゲート１隻、リバー級フリゲート６隻、トン級機雷掃討艇２隻、トン級沿岸掃海艇１隻、トブルク級揚陸艦１隻、バリクパパン級揚陸艇６隻、フリーマントル級哨戒艇４隻、アタック級哨戒艇12隻、クック級海洋観測艦１隻、モレスビー級海洋観測艦１隻、フリンダース級海洋観測艦１隻、キンブラ級海洋観測艦１隻、スタルワート級駆逐艦母艦１隻、サプライ級補給艦１隻、ジャーヴィス・ベイ級練習艦１隻、固定翼機48機、回転翼機16機を保有する。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

　＜オーストラリア海軍（１９８９年）＞：兵力15700名、予備役1220名。シドニーに艦隊コマンド司令部、コックバーンサウンド、ケアンズ、ダーウィンに基地がある。オベロン級潜水艦６隻、パース級ミサイル駆逐艦３隻、アデレード級フリゲート４隻、スワン級フリゲート２隻、パラマッタ級フリゲート３隻、フリーマントル級内海哨戒艇15隻、アタック級哨戒艇５隻、バンクス級哨戒艇２隻、トン級機雷掃討艇１隻、ラッシュカッター級機雷掃討艇２隻、トブルク級戦車揚陸艦１隻、戦車揚陸艇３隻、サクセス級補給艦１隻、ステルワート級防空／指揮艦１隻、練習／補給支援艦１隻、海洋観測艦１隻、水路測量艦２隻、シーキングMk50A対潜ヘリ７機、S-70B2対潜ヘリ３機、AS-350Bヘリ６機、ベル206Bヘリ３機、UH-1Bヘリ４機、ウェセックス3Bヘリ３機、BAe-748固定翼機２機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オーストラリア海軍（２０１１年）＞：兵力14000名、艦船57隻（コリンズ級潜水艦６隻、アデレード級フリゲート８隻、アデレード級フリゲート４隻、アーミデール級哨戒艇14隻、掃海艦艇６隻、カニンブラ級揚陸艦２隻、トブルク級揚陸艦１隻、バリクパパン級揚陸艇６隻、支援船など９隻）、航空機30機からなる。司令部はキャンベラにあり、フリート・コマンドとシステムズ・コマンドから構成され、隷下に７個フォース・エレメント・グループ（水上、揚陸・洋上支援、航空、潜水艦、水中処分、哨戒艇、水路・気象・海図）を置く。主要艦艇基地はシドニー港クッタバル基地（フリートベース・イースト）とパース港スターリング基地（フリートベース・ウェスト）で、航空基地はノウラにある。参考：JShips Vol.44

　＜オーストラリア海軍（２０１５年）＞：現役兵力13550名（うち海軍航空隊1350名）、予備役4700名。艦隊コマンド司令部はシドニー、海軍戦略司令部はキャンベラにある。コリンズ級潜水艦６隻、アデレード級フリゲート３隻、アンザック級フリゲート８隻、アーミデール級哨戒艇13隻、ケープ級哨戒艇２隻、ヒューオン級掃海艇６隻、キャンベラ級強襲揚陸艦１隻、チャールス級ドック型揚陸艦１隻、LCM-1E級中型揚陸艇12隻、LCVP５隻、兵站支援艦37隻、MH-60R対潜ヘリ15機、S-70B2対潜ヘリ９機、MRH90多用途ヘリ６機、AS350BA軽輸送ヘリ６機、ベル429軽輸送ヘリ４機、水中処分隊２個を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オーストラリア海上境界コマンド＞：オーストラリアの準軍事組織で、排他的経済水域内において民軍の海洋法執行活動を担当する組織である。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オーストラリア海上境界コマンド（２０１５年）＞：哨戒艦11隻、DHC-8輸送機10機、ベル214ヘリ１機、AS350ヘリ１機を保有する。海軍のアーミデール級哨戒艇７隻、主力艦隊ユニット１個、AP-3C哨戒機３機が常時割り当てられている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オーストラリア空軍＞：RAAF（Royal Australian Air Force）と略す。戦闘序列は空軍総司令部（Air Force Headquarters）−群（Group）−航空団（Wing）−飛行隊（Squadron）で、イギリス式であり、アメリカ空軍や空自とは群と航空団の序列が逆になっている。1921年3月31日、陸軍から独立して創設された。1951年、ミーティアF.Mk8戦闘機を配備。11月、P-2対潜哨戒機の導入を開始。1965年、ミラージュ�VＯ戦闘機を配備。1969年1月からP-3B対潜哨戒機を導入。1973年、F-111C戦闘爆撃機を24機導入。1975年3月、P-3C対潜哨戒機の配備を決定。1982年、F-111A(C) 戦闘爆撃機を４機導入。1985年2月、F/A-18A/B戦闘機75機の導入を開始。1994年、F-111G戦闘爆撃機を15機導入。2001年、F/A-18A/Bプラスへの改修を開始。2003年、AP-3対潜哨戒機の配備を開始。2006年、C-17輸送機の導入を開始。2008年、KC-707が退役し、空中給油機がいなくなった。2009年、E-7A早期警戒機６機の引き渡しが開始された。2010年3月26日、F/A-18F戦闘機の配備が開始された。2010年12月3日、最後のF-111Cが退役し、F-111シリーズ全機が退役した。後継としてF/A-18F戦闘機を24機１個飛行隊分調達、その後F-35A戦闘機72機を導入して３個飛行隊を編成し、F/A-18Fの退役に合わせてF-35Aを追加購入して更に１個飛行隊を編成する予定。2011年、KC-30A空中給油機の配備を開始。2011年3月13日、東日本大震災救援パシフィック・アシスト作戦を開始。2012年2月11-24日、コープノース・グアム12-1に参加。7月27日から8月17日、ピッチブラック2012演習を実施。2014年10月1日、対イスラム国オクラ作戦を開始。2015年、C-27J輸送機10機の配備を開始。8月3-14日、タイ・ブーメラン2015演習に参加。2016年4月1-15日、アメリカ海軍VFA-115などとの共同訓練ブラックダガーに第４飛行隊PC-9練習機２機で参加。7月29日から8月19日、ピッチブラック2016演習を実施。11月、P-8A哨戒機の配備を開始。12月18-22日、第34飛行隊B737BBJ政府専用機１機と隊員18名が千歳基地を訪問し、特別航空輸送隊と部隊間交流を行った。2017年3月、EA-18G電子戦機の配備を開始。2018年1月26日から2月16日、レッドフラッグ18-1演習にEA-18G電子戦機４機で参加。1月27日、レッドフラッグ18-1演習に参加中のEA-18G電子戦機１機が離陸滑走中に火災を起こした。乗員は機体停止後に射出座席は使わずコクピットから脱出している。右エンジンが火を噴いたらしい。2019年2月7日から3月19日、コープノース・グアム2019にE-7A早期警戒機が参加。11月18日から12月5日、第２実用転換部隊がクイーンズランド州タウンズビル訓練空域でハイシエラ19演習を実施。F/A-18を使用した同部隊最後の転換訓練で、その後はF-35Aに機種変更される。2020年12月18日、第77飛行隊がF/A-18A/Bの運用を終了。その後F-35Aへの機種転換に入った。12月28日、F-35AのIOC達成を発表。2021年6月25日、オーストラリア国防省と防衛省をテレビ会議形式で結び、オーストラリア空軍本部長ハプフェルド中将と井筒空幕長が、航空自衛隊によって代表される日本国防衛省及び豪州空軍によって代表される豪州国防省との間における空中給油に関する覚書に署名した。2022年2月12日、オーストラリア北部のアラフラ海を航行する中国海軍ミサイル駆逐艦174合肥と揚陸艦999井崗山に対し、オーストラリア海軍艦艇と共にP-8A哨戒機で監視活動を開始。2月17日、アラフラ海で監視中の中国海軍ミサイル駆逐艦174合肥と揚陸艦999井崗山のどちらかからFCS内蔵レーザーの照射を受けた。2月20日にモリソン首相が中国を強く非難している。5月26日、南シナ海を飛行中のP-8A哨戒機に中国軍機が異常接近した。撒布したチャフがP-8A哨戒機のエンジンに吸い込まれており、オーストラリア国防相が批判している。8月20日から9月8日、ピッチ・ブラック2022演習を実施。2023年8月23日から9月15日、小松基地と周辺空域で日豪共同訓練武士道ガーディアン23を実施。第81航空団F-35A戦闘機６機、第86航空団KC-30空中給油輸送機１機・C-130J輸送機１機、C-17輸送機１機が参加した。参考：月刊JWings1,’07、6,’11、9,’11、4,’12、11,’12、11,'15増刊、7,’16、4,’18、5,’19、2,’20、3,'21、11,'22、10,'23、11,'23、月刊航空ファン12,’19、8,’10、1,’15、3,’17、8,’18、月刊丸11,’09、月刊軍事研究9,’10、5,’11、月刊世界の艦船5,'22、朝雲

　＜オーストラリア空軍（１９７７年）＞：兵力21650名。F-111C戦闘爆撃機23機、キャンベラB20爆撃機21機、ミラージュ�VD/O戦闘攻撃機90機、P-3対潜哨戒機10機、SP-2H対潜哨戒機12機、C-130A/E輸送機24機、DHC-4輸送機22機、BAC111輸送機２機、HS748輸送機10機、ミステール20輸送機３機、C-47輸送機17機、CA25前進航空管制機６機、CH-47ヘリ12機、ウェセックス31Bヘリ16機、UH-1Bヘリ１機、UH-1Hヘリ47機、MB326練習機80機、CA25練習機33機、CT4練習機37機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜オーストラリア空軍（１９８９年）＞：兵力22600名、予備役1360名。F-111C戦闘爆撃機18機、RF-111C偵察機４機、F/A-18A戦闘機45機、F/A-18B戦闘機２機、MB-326H攻撃機16機、P-3C哨戒機20機、F/A-18B転換訓練機14機、CA-25前線航空管制機４機、C-130E輸送機12機、C-130H輸送機12機、B707輸送機６機、DHC-4輸送機19機、UH-1Hヘリ16機、BAC-111要人輸送機２機、BAe748要人輸送機２機、ファルコン20要人輸送機３機、CH-47ヘリ８機（＋保管中３機）、UH-1Hヘリ12機、MB-326H練習機55機、BAe748T2練習機８機、PC-9練習機12機、CT-4/4A練習機48機、AS-350練習ヘリ18機、ジンダリーOTHレーダー１基（テスト中）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オーストラリア空軍（２０１０年）＞：航空作戦群ACG（Air Combat Group。制空・航空支援）、空輸群AMG（Air Mobility Group。輸送）、訓練群AFTG（Air Force Training Group。訓練）、航空宇宙運用支援群（情報戦・開発・試験）、作戦支援群CSG（Combat Support Group。兵站、基地防空管制、後方支援）からなる。航空戦闘群隷下には第78航空団（隷下に第76飛行隊と第79飛行隊を置く。両部隊ともホークMk127装備）、第81航空団（隷下に第２実用機転換部隊、第３飛行隊、第75飛行隊、第77飛行隊を置く。全てF/A-18A装備）、第82航空団（隷下にF/A-18F装備の第１飛行隊、PC-9A装備の第４飛行隊、F-111CとF-111A(C)装備の第６飛行隊、ヘロン装備の第５飛行班を置く）が置かれている。監視対応群隷下には第41航空団（隷下にジンダリー・レーダー装備の第１迅速支援部隊、AN/TPS-77とAN/TPS-117装備の第２管制報告部隊、AN/TPS-77とAN/TPS-117装備の第３管制報告部隊、AN/TPS-43とAN/TPS-117装備の第４移動管制報告部隊を置く）、第42航空団（E-7A装備の第２飛行隊を隷下に置く）、第44航空団（航空交通管制を行う）、第92航空団（隷下に第10飛行隊、第11飛行隊、第292飛行隊を置く。全てAP-3C装備）が置かれている。空輸群隷下には第84航空団（KC-30A装備予定の第33飛行隊、ボーイング・ビジネス・ジェット及びチャレンジャー604装備の第34飛行隊からなる）、第86航空団（C-17A装備の第36飛行隊、C-130H及びC-130J-30装備の第37飛行隊、キングエア350装備の第38飛行隊からなる）が置かれている。航空宇宙作戦支援群隷下には航空研究開発部隊（隷下にF/A-18AとPC-9A装備の飛行試験飛行隊を置く）が置かれている。空軍訓練群隷下には航空訓練航空団（PC-9A装備の中央飛行学校、PC-9A装備の第２飛行訓練学校、キングエア350装備の第32飛行隊からなる）が置かれている。参考：月刊軍事研究9,’10

　＜オーストラリア空軍（２０１５年）＞：現役兵力14200名、予備役4300名。F/A-18パイロット年間飛行時間175時間。F/A-18A戦闘機55機、F/A-18B戦闘機16機、F/A-18F戦闘機24機、F-35A戦闘機２機（試験中）、AP-3C対潜哨戒機16機、EA-18G電子戦機１機、E-7A早期警戒機６機、KC-30A空中給油輸送機５機、C-17A輸送機８機、C-27J輸送機２機、C-130J-30輸送機12機、ビーチ300輸送機16機、B-737BBJ要人輸送機２機、CL-604要人輸送機３機、ホークMk127練習機33機、PC-9/A練習機63機（PC-9/A(F)標的曳航機４機含む）、ヘロンUAV４機、ジンダリーOTH-Bレーダー３基、AN/TPS-77戦術防空レーダー４基、AIM-9X/-120B/-120C-5空対空ミサイル、AGM-154空対地ミサイル、AGM-84A空対艦ミサイル、AGM-158空対地巡航ミサイル、ペイブウェイ�U／�W、レーザーJDAM、JDAM、JDAM-ERを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オーストラリア空軍（２０１９年）＞：空軍総司令部（首都キャンベラ）隷下に航空作戦群ACG（Air Combat Group。制空・航空支援）、空輸群AMG（Air Mobility Group。輸送）、訓練群AFTG（Air Force Training Group。訓練）、監視対応群SRG（Surveillance and Response Group。哨戒）、作戦支援群CSG（Combat Support Group。兵站、基地防空管制、後方支援）、航空戦センターAWC（Air Warfare Centre。情報戦、研究開発、試験評価）が置かれている。航空作戦群はウィリアムタウン空軍基地に司令部があり、第78航空団（ウィリアムタウン。ホークMk127LIF装備）、第81航空団（ウィリアムタウン。F/A-18A/BとF-35A装備）、第82航空団（アンバーレイ。F/A-18F、PC-9/A、EA-18G装備）を隷下に置く。空輸群はリッチモンド空軍基地に司令部があり、第84航空団（リッチモンド。C-27JとC-130J-30装備）、第86航空団（アンバーレイ。KC-30A、B737-700、CL-604、C-17A装備）を隷下に置く。訓練群はウィリアム空軍基地に司令部があり、航空訓練団（PC-9/A、PC-21、B350、CT/4B装備）と地上訓練団からなる。作戦支援群はアンバーレイ空軍基地に司令部があり、第95航空団（アンバーレイ）、第96航空団（アンバーレイ）、Health Services航空団（アンバーレイ）を隷下に置く。監視対応群はウィリアムタウン空軍基地に司令部があり、第41航空団（ウィリアムタウン）、第42航空団（ウィリアムタウン。E-7A装備）、第44航空団（ウィリアムタウン）、第92航空団（エジンバラ。AP-3C、P-8A、ヘロン無人機装備）を隷下に置く。航空戦センターはエジンバラ空軍基地にあり、試験評価局TED（Test and Evaluation Directorate。F/A-18A/B、PC-9/A、PC-21装備）、情報戦局IWD（Information Warfare Directorate）、空軍射場局AFRD（Air Force Rangers Directorate。ウーメラ射場を管理）、戦術訓練局TTD（Tactics and Training Directorate）を隷下に置く。F/A-18A戦闘機54機、F/A-18B戦闘機15機、F/A-18F戦闘機24機、EA-18G戦闘機12機、ホークMk127LIF練習機33機、ビーチ350を８機、ビーチ350iを４機、PC-9/A練習機59機、PC-21練習機44機、E-7A早期警戒管制機６機、P-8A哨戒機９機、AP-3C哨戒機９機、KC-30A空中給油輸送機６機、C-17A輸送機８機、C-27J輸送機10機、C-130J-30輸送機12機、B737-7DT/7DF要人輸送機２機、CL-604要人輸送機２機、ファルコン7Xを３機、S-76Aプラス５機を保有する。参考：月刊航空ファン12,’19

＜オーストラリア国防軍＞：ADF（Australian Defense Force）と略す。三軍の序列は海軍、陸軍、空軍である。第１次大戦でANZAC軍を派遣した際には日本海軍の護衛を受けた。太平洋戦争では日本軍のダーウィン空襲と甲標的による第２次特別攻撃を受け、太平洋戦線の将兵死傷者は欧州戦線の２倍に達し、日本軍捕虜となった将兵のうち３割以上が死亡、反日感情を癒やすには25年以上の歳月が必要だった。1986年、オーストラリア連邦国防軍士官学校が設立された。1988年、F88突撃銃を制式化。2011年3月11日に発生した東日本大震災を受け、パシフィック・アシスト作戦を実施。2015年8-10月、三軍合同演習シー・シリーズ2015を実施。2016年7月5-9日、陸自中部方面隊が実施した日米豪共同防災訓練南海レスキュー28に３名で参加。参考：月刊JWings1,’07、6,’11、MAMOR vol.52、vol.91、vol.126、vol.142、月刊世界の艦船12,’15、朝雲

　＜オーストラリア国防軍（１９８９年）＞：現役総兵力69600名、予備役27580名。マレーシア・シンガポールに歩兵中隊１個とPC-3分遣隊、イラン・イラク国連軍事監視団UNIMOGに15名、ナミビア国連独立移行援助グループUNTAGに工兵304名、パプアニューギニアに工兵・訓練部隊100名と顧問30名、ソロモン諸島、バヌアツ、トンガ、西サモア、キリバスに顧問を派遣している。アメリカ空軍290名、アメリカ海軍450名が駐留しており、ノースウエスト・ケープ、パインギャップ、ナランガーに豪米共同施設を持つ。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オーストラリア国防軍（２０１５年）＞：現役総兵力56750名（陸軍29000名、海軍13550名、空軍14200名）、予備役23100名（陸軍14100名、海軍4700名、空軍4300名）。トップは国防軍司令官（大将）で、国防軍の全作戦は統合作戦コマンド司令部HQJOC（Headquarters Joint Operations Command）が下命する。オプテュスC1通信衛星（軍民共用）１基を保有する。アフガニスタンにISAF要員250名とUNAMAオブザーバー２名、アラビア海にCTF-150のフリゲート１隻、エジプトにMFO（マズルカ作戦）要員25名、イラクにオクラ作戦要員380名、マレーシアに120名・歩兵中隊１個（３ヶ月ローテーション）・AP-3C哨戒機２機（ローテーション配備）、中東にUNTSOオブザーバー12名、パプアニューギニアに33名・訓練ユニット１個、南スーダンにUNMISS要員17名とオブザーバー１名、UAEにアコーディオン作戦要員400名・輸送機分遣隊・C-130J-30輸送機２機、オクラ作戦要員400名・F/A-18A戦闘機６機・E-7A早期警戒機１機・KC-30A空中給油輸送機１機を派遣している。ニュージーランド軍９名（航空航法訓練要員）、シンガポール軍230名・PC-21訓練飛行隊１個・AS332/AS532ヘリ訓練飛行隊１個、アメリカ太平洋コマンド180名・パインギャップ施設・探知追尾レーダー１基が駐屯している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、MAMOR vol.164

＜オーストラリア森林火災の国際緊急援助活動＞：2019年9月、オーストラリアのニューサウスウェールズ州やビクトリア州で森林火災が発生。収まりが付かないまま年が明け、28人が死亡し1000万ヘクタールが灰になる状況に陥ったため、オーストラリア政府と日本政府との協議で国際緊急援助隊を派遣することになり、2020年1月15日に現地調整所の設置と隊員70名・C-130H輸送機２機の派遣を決定、武田国家公安委員長（海外出張中の河野防衛大臣代理）が国際緊急援助活動実施命令を発出した。小牧基地からC-130H輸送機２機が離陸し、1月16日にオーストラリアのリッチモンド空軍基地に到着、輸送任務を開始している。2月7日、オーストラリア政府から防衛省に今後の空輸任務は独力で遂行可能との伝達があり、2月8日に活動を終了、2月9日（10日？）に隊員70名とC-130H輸送機が小牧基地に帰国し、航空支援集団司令官、小牧基地司令、オーストラリアのリチャード・コート駐日大使に帰国報告を行った。輸送実績は延べ人員（オーストラリア軍将兵、消防士、被災者など）600名、車両・消火器材11トンだった。6月12日、国際緊急援助空輸隊司令の第１輸送航空隊飛行群司令に統幕長から第３級賞詞が授与された。参考：月刊JWings4,’20、朝雲

＜オーストラリア陸軍＞：Australian Army。航空戦力はAustralian Army Aviation Corps（AAAvn）で運用するが、RQ-7A無人機は砲兵隊が運用している。1921年3月31日、オーストラリア空軍が独立した。1937年、Mk.�UＡ中戦車４両を購入。1939年、Mk.�Y軽戦車シリーズを訓練用に少数配備。1940年、Mk.�U軽戦車を配備。太平洋戦争中にマチルダ�V／�W（1942年供与）、バレンタイン歩兵戦車、M3スチュアート軽戦車、M3グラント中戦車（1942-43年引き渡し）などを導入しており、AC巡航戦車も国産開発した。1976年からレオパルトAS1戦車を配備。1990年、ASLAV装甲車フェーズ１を導入。1992年、ASLAVフェーズ２を導入。2000年、ASLAVフェーズ３を導入。2002年、ブッシュマスター装輪装甲輸送車の導入とM113A1装甲車の改修を実施。2004年、タイガーARH武装偵察ヘリを導入。2006年、M-1A1D戦車の導入を開始。2007年、MRH-90多用途ヘリを導入。1月、スキャン・イーグルUAVの運用を開始。2010年6月、ASLAVフェーズ４の導入を決定。2011年、RQ-7Bシャドー200無人機の運用を開始。2012年1月24日から2月6日、ヤマサクラ61演習にオブザーバー参加した。2014年3月27日から4月7日、サン・ヨン14演習に参加。2015年5月、CH-47F輸送ヘリの導入を開始。2016年、ハーケイ装甲車の導入を開始。9月5-8日、アデレードで陸軍本部長会議を開催し、アジア太平洋諸国を中心に22カ国の陸軍種トップらが意見交換を行った。陸上自衛隊から陸幕長が参加している。2023年、UH-60M汎用ヘリの配備を開始。7月28日、タリスマン・セイバー23に参加していた第６航空隊NH-90MRHヘリ１機がオーストラリアのウィットサンデ諸島沖に墜落し、乗員４名全員が死亡した。8月27日から9月13日、第９旅団が多国間演習スーパー・ガルーダ・シールド23に参加。11月30日から12月13日、第１師団がヤマサクラ85に参加。オーストラリア陸軍が実施部隊としてヤマサクラ演習に参加するのは初である。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊軍事研究9,’10、5,’13、月刊JWings4,’12、10,'23、11,'23、月刊丸7,’14、British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’18、朝雲、月刊航空ファン12,’19

　＜オーストラリア陸軍（１９７７年）＞：兵力31800名。歩兵師団１個、機動部隊３個、機甲連隊１個、偵察／装甲兵員輸送車連隊２個、歩兵大隊６個、特別航空任務部隊１個、中砲兵連隊１個、野砲連隊２個、軽高射砲連隊１個、航空連隊１個、野戦工兵連隊３個、野戦測量連隊１個、通信連隊２個からなる。レオパルト１戦車24両、センチュリオン戦車143両、M113装甲兵員輸送車750両、5.5インチ砲17門、105mm榴弾砲250門、106mm無反動砲M40、エンタック対戦車ミサイル、40mm高射機関砲、レッドアイ携帯地対空ミサイル、ベル47ヘリ25機、ベル206B1ヘリ54機、ピラタス・ポーター18機、舟艇136隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜オーストラリア陸軍（１９８９年）＞：兵力31300名、予備役25000名。軍管区７個、防空連隊（増強）１個、工兵連隊（建設）１個、航空連隊１個、特殊任務航空連隊１個、歩兵師団１個、歩兵旅団２個、偵察連隊（増強）１個、装甲兵員輸送車連隊１個、砲兵連隊４個、工兵連隊（増強）１個、航空連隊１個からなる。予備役は師団司令部２個、旅団司令部７個、偵察連隊３個、装甲兵員輸送車中隊３個、歩兵大隊17個、コマンドー連隊１個、砲兵連隊７個、野砲兵中隊３個、工兵連隊４個、地域測量部隊３個からなる。レオパルト1A3戦車103両、センチュリオン戦車42両（保管中）、M-113歩兵戦闘車（76mm砲装備）40両、M-113装甲兵員輸送車725両、105mm砲M-2A2/L5を142門、105m砲ハメル18門、155mm砲M-198を35門、81mm迫撃砲284門、ミラン対戦車ミサイル10基、84mm無反動砲カールグスタフ574門、106mm無反動砲M-40を73門、レイピア地対空ミサイル19基、RBS-70携帯地対空ミサイル19基、PC-6ターボポーター14機、N-22Bミッションマスター22機、S-70ヘリ14機、OH-58ヘリ47機、ベル206Bヘリ47機、機械化揚陸艇16隻、LARC-5両用戦舟艇85隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オーストラリア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力29000名、予備役14100名。戦闘コマンド隷下に第１師団司令部、第１・第３・第７機械化歩兵旅団（機甲騎兵連隊１個、機械化歩兵大隊２個、砲兵連隊１個、戦闘工兵連隊１個、通信連隊１個、戦闘兵站支援大隊１個）、第２RAR水陸両用大隊、第16航空旅団（偵察ヘリ連隊１個、輸送ヘリ連隊１個、特殊作戦ヘリ連隊１個）、第６戦闘支援旅団、電子戦連隊１個、第17戦闘兵站支援旅団（兵站大隊３個、医療大隊３個、憲兵大隊１個）、特殊作戦コマンド隷下にSAS連隊１個、特殊作戦工兵連隊１個、コマンドー大隊２個、通信スコードロン３個（うち予備役１個）、戦闘兵站支援スコードロン１個を置く。予備役兵力16200名。戦闘コマンド隷下に第２師団司令部、地域軍（捜索ユニット）３個、歩兵旅団６個、戦闘工兵連隊３個、通信連隊１個、戦闘兵站支援大隊６個、特殊部隊コマンド隷下にコマンドー大隊１個を置く。M-1A1戦車59両、ASLAV-25歩兵戦闘車253両、M113AS4装甲車431両、ブッシュマスターIMV装甲車995両、155mm砲M777A2を54門、81mm迫撃砲188門、ジャベリン対戦車ミサイル、84mm無反動砲カールグスタフ、LCM-8級中型揚陸艇13隻、ティーガー攻撃ヘリ22機、CH-47Dヘリ４機、CH-47Fヘリ７機、NH90TTHヘリ33機、S-70Aヘリ34機、ベル206B-1ヘリ29機、RQ-7B無人機10機、RBS-70携帯地対空ミサイル、ジラフ・レーダー３基、LCMRレーダー31基、ASLAV-F装甲回収車15両、ASLAV-R装甲回収車17両、M88A2戦車回収車７両、ビーバー戦車橋５両、ハスキー地雷原処理車12両、MV-10地雷原処理車８両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オーストラリア陸軍特殊航空任務連隊＞：SASRを参照。

＜オーストラリア連邦国防軍士官学校＞：オーストラリア軍の学校。陸海空３軍種統合型で、士官候補生は入校時に所属を決め、３軍共通の陸軍式訓練と、所属に応じた訓練を行う。1986年に設立された。参考：MAMOR vol.142

＜オーストラリアン・デザート＞：オーストラリア軍の砂漠用迷彩。当初はアメリカ軍DBDUと同様のチョコチップ迷彩になる予定だったが、湾岸戦争でかえって目立つことが判明したので、淡い茶色、ベージュ、くすんだ緑、デザートイエローの４色迷彩を採用した。参考：月刊コンバットマガジン5,’06

＜オーストラリアン・ラペル＞：ラペリングを参照。

＜オーストリア空軍＞：Ostereichische Luftstreitkrafte。主任務は領空の防衛、偵察、輸送、連絡、航空支援である。1955年9月13日に航空部門という名称で設立され、Yak-11やYak-18といった練習機を配備した。1957年、バンパイアT.55練習機を導入。1961年、J29F偵察機を30機導入。1967年、アルーエト�Vヘリの配備を開始。1970年にサーブJ105OE軽攻撃機を導入。1985年、スウェーデンからJ35OE戦闘機を24機受領し、初の戦闘機部隊を編成した。1991年、バルカン紛争でセルビア軍戦闘機が無断越境を繰り返したため、それを阻止する任務に就いた。この時までオーストリア国家条約で空対空ミサイルを保有していなかった。2003年8月、EF2000戦闘機の導入を決定したが、J35OE戦闘機の退役に間に合わなかったため、2004年にスイスからF-5E戦闘機を12機借りた。2007年、EF2000戦闘機の引き渡しが始まった。2008年7月1日、EF2000戦闘機による領空侵犯対応任務を開始。2010年には200回の領空侵犯があった。2019年1月22-25日、EF2000戦闘機により、スイスのダボスで開催されたダボス会議の上空監視を実施。参考：月刊JWings6,’07、2,’11、4,’19、月刊航空ファン6,’11、5,’18、月刊軍事研究1,’12

　＜オーストリア空軍（１９７７年）＞：兵力4300名（うち徴兵2000名）、予備役700名。サーブ105Ö戦闘爆撃機30機、ビーバー輸送機３機、スカイバン輸送機２機、ターボポーター輸送機12機、AB204ヘリ22機、AB206Aヘリ10機、アルエート�Vヘリ24機、OH-58Bヘリ12機、S65Oeヘリ（HH53）２機、ベル47Gヘリ４機、サーブ91D練習機20機、サーブ105O練習機５機、セスナL19練習機20機、エリコン20mm高射機関砲300門、35mm高射機関砲Z/65及びZ/75が70門、55型高射機関砲60門、ボフォース40mm高射機関砲60門、スーパーバット防空システム、スカイガード防空システムを配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜オーストリア空軍（１９８９年）＞：兵力4500名（うち徴兵500名）。航空師団司令部１個、航空連隊３個、防空連隊１個からなる。J-35Oe戦闘機24機、O-1E観測機15機、OH-58B偵察ヘリ12機、AB-204偵察ヘリ８機（＋保管中９機）、AB-212輸送ヘリ23機、AB-206A輸送ヘリ11機、アルエート�V救難ヘリ24機、スカイバン3M連絡機２機、PC-6B連絡機11機、サーブ105Oe練習機６機、サーブ91D練習機14機、PC-7練習機16機、O-1A/E練習機、20mm高射機関砲36門、35mm連装高射機関砲M-65を18基、スーパーバット防空システム、スカイガード防空システム、ゴールドハウベ防空システム、セレニアMR（S-403）三次元レーダーシステムを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オーストリア空軍（２００７年）＞：航空連隊３個、防空連隊３個、飛行学校からなる。第１航空連隊は主にヘリコプター（S-70A-42、AB206A、OH-58B）を装備し、軽輸送、連絡、観測、捜索救難任務を行う。第２航空連隊はF-5E戦闘機による防空偵察とSA316B/319Bヘリによる輸送が主任務である。第３航空連隊はサーブJ35OE軽攻撃機による軽攻撃とC-130輸送機及びAB212ヘリによる輸送を行う。防空連隊はミストラル地対空ミサイルと対空機関砲を装備する。F-5E戦闘機12機、サーブ105OE軽攻撃機27機、C-130輸送機３機、PC-6練習機12機、PC-7練習機16機、SC.7連絡機２機、OH-58Bヘリ11機、AB212ヘリ22機、SE3160ヘリ11機、SA316Bヘリ２機、SA319Bヘリ10機、S-70A-42ヘリ９機、AB206Aヘリ11機を保有する。参考：月刊JWings6,’07

　＜オーストリア空軍（２０１０年）＞：EF2000戦闘機15機、PC-7練習機16機、サーブ105OE軽攻撃機28機、C-130K輸送機３機、PC-6/B2-H2練習機13機、S-70A-42ヘリ９機、ベル212ヘリ１機、AB212ヘリ22機、OH-58Bヘリ11機、AB206Aヘリ11機、SE3160ヘリ11機、SA316Bヘリ13機を保有する。参考：月刊JWings2,’11

　＜オーストリア空軍（２０１５年）＞：Joint Command-Air Force。兵力2750名。航空支援コマンドと航空宇宙監視コマンドからなる。パイロットの年間平均飛行時間は戦闘機が110時間、輸送機・ヘリコプターが160時間。EF2000トランシェ１戦闘機15機、C-130K輸送機３機、PC-6B軽輸送機８機、PC-7練習機12機、サーブ105Oe練習機22機、SA-316/-319アルエート�V多用途ヘリ24機、OH-58B偵察ヘリ10機、S-70A汎用ヘリ９機、AB-212汎用ヘリ23機、ミストラル地対空ミサイル24基（＋保管中６基以上）、35mm高射機関砲Z-FIAKシステム24基（＋保管中６基以上）、IRIS-T空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オーストリア軍＞：オーストリア＝ハンガリー帝国時代には領土がアドリア海に面しており、海軍を保有していた。また、多民族国家だったため、第１次大戦時の動員令は15の言語で発令している。1955年の独立回復条約（オーストリア国家条約）で独立を回復、オーストリア国防軍が誕生した。この条約でミサイルの保有を禁じられており、初めてミサイルを装備したのは1989年（対戦車ミサイルが引き渡された）で、空対空ミサイルを装備したのはユーゴ紛争が始まってからだった。1955年10月26日、いかなる軍事同盟にも加入せず、領土内にいかなる外国軍事基地の設置も許可しないなどと定めた永世中立に関する憲法法規をオーストリア議会が可決し、11月5日に発効して永世中立国となり、NATOにもワルシャワ条約機構にも加盟しなかった。1977年、Stg77突撃銃を制式化。2013年3月、サイバー防衛戦略を策定。2015年、難民・不法移民問題対処のため、警察の国境管理に対する支援任務を開始。2016年、サイバー防衛センターがIOCを達成。11月、ハンガリーに部隊を派遣してハンガリー・セルビア国境管理の支援を開始。参考：月刊エアコマンド8,’93、月刊JWings2,’11、月刊航空ファン6,’11、月刊世界の艦船7,’15、MAMOR vol.130、THE MILITARY BALANCE 2016、ベーシック条約集2018

　＜オーストリア軍（１９８９年）＞：総兵力42500名（うち徴兵20500名）、予備役242000名。陸空軍からなり、空軍は陸軍の一部である。アフガニスタン国連監視団に５名、国連キプロス平和維持軍UNFICYPに歩兵大隊１個410名、シリア国連兵力引き離し監視軍UNDOFに歩兵大隊１個532名、国連パレスチナ休戦監視機構UNTSOに17名、国連イラン・イラク軍事監視団UNIMOGにオブザーバーを派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オーストリア軍（２０１５年）＞：総現役兵力22250名、予備役156250名。陸軍、空軍、特殊作戦軍（特殊作戦群現役２個、予備役１個）、支援軍（7650名。統合軍務支援コマンド、各種機関、学校など）で統合軍コマンドを編成している。アフガニスタンにNATO軍のレゾリュート・サポート作戦要員10名、アルバニアにOSCE要員３名、ボスニア・ヘルツェゴビナにEUFORのアルテア作戦要員319名、歩兵旅団司令部１個、歩兵隊１個、中央アフリカ共和国にEUMAM RCA要員５名、キプロスにUNFICYP要員５名、レバノンにUNIFIL要員180名、兵站隊１個、マリにEUTMマリ要員８名、中東にUNTSOオブザーバー５名、セルビアにKFOR要員505名、機械化歩兵隊２個、コソボにOSCE要員２名、ウクライナにOSCE要員18名、西サハラにMINURSOオブザーバー５名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オーストリア併合＞：1938年2月11日、ヒトラーはオーストリアのシュシニク首相をベルヒテスガーデンに呼んで、オーストリア・ナチス党員のインクヴァルトを内相にし、オーストリア・ナチス党の自由な活動を要求、2月16日にその通り内閣改造などがなされた。既にオーストリア内部はヒトラーが送り込んだ親ナチス派により内部崩壊しかかっており、独立を問う国民投票もヒトラーの脅しにあって中止され、シュシニクは退陣。代わりに首相に任命されたインクヴァルトは1938年3月12日、オーストリアへのドイツ軍無血進駐を容認した。翌日、ヒトラーはオーストリア併合法に署名、オーストリアはドイツに併合された。参考：月刊軍事研究7,’04

＜オーストリア陸軍＞：1961年、4K4F装甲兵員輸送車を制式化。1977年、4K7FA装甲兵員輸送車の生産を開始。1995年、パンデュル装甲兵員輸送車68両の配備を開始。2002年、ウラン歩兵戦闘車の配備を開始。2018年7月、BvS10の引き渡しが開始された。参考：月刊PANZER10,’12、月刊軍事研究10,’18

＜オーストリア陸軍（１９７７年）＞：兵力33000名（うち徴兵23000名）、予備役112000名、後備役540000名。機械化師団１個、歩兵旅団３個、砲兵大隊３個、コマンドー大隊１個、工兵大隊３個、通信大隊５個からなる。M47中戦車150両、M60戦車120両、4K4F装甲兵員輸送車460両、105mm榴弾砲M2/155mm榴弾砲M1を132門、155mm自走榴弾砲M109を38門、130mm多連装ロケット砲ステイル680M3を18門、81mm迫撃砲300門、107mm迫撃砲M2を100門、120mm迫撃砲M30を82門、57mm無反動砲M18を150門、85mm対戦車砲M52/M55を240門、自走対戦車砲ケラシエル120門、20mm高射機関砲ピンツガウアー712を50門保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜オーストリア陸軍（１９８９年）＞：兵力38000名（うち徴兵20000名）。常備警戒軍として機械化師団１個、空中機動大隊１個、山岳大隊１個、野戦軍として軍司令部１個、砲兵大隊１個（基幹要員のみ）、特殊部隊大隊１個、軍団司令部２個、警備大隊１個、砲兵大隊２個、自走対戦車大隊１個、高射砲大隊２個、工兵大隊２個（基幹要員のみ）、補給連隊２個（基幹要員２個）、地域コマンド９個、国土防衛基幹部隊30個、予備役として歩兵旅団司令部８個、予備役地域部隊として歩兵連隊26個、歩兵中隊90個、警備中隊42個、重歩兵大隊16個、軽歩兵大隊15個、歩兵／対戦車大隊11個、重砲兵中隊（固定）５個、工兵中隊13個、対戦車中隊６個が編成されている。M-60A3戦車56両、M-60A1戦車114両、4K4E/F装甲兵員輸送車460両、105mm牽引砲M-2A1を144門、155mm牽引砲M-114を24門、155mm牽引砲GHN-45を６門（テスト用）、155mm自走砲M-109A2を59門、128mm多連装ロケットM-51を18両、81mm迫撃砲551門、107mm迫撃砲105門、120mm迫撃砲82門、LAW対戦車ロケット400基、74mm無反動砲ミニマン、84mm無反動砲カールグスタフ、106mm無反動砲M-40A1を397門、105mm自走対戦車砲JPzSKを284門、85mm対戦車砲M-52/M-55を240門、20ポンド戦車砲塔固定陣地60基、M-47戦車砲塔固定陣地130基、センチュリオン戦車砲塔（L7A2戦車砲装備）固定陣地300門、155mm要塞砲SFKM2を24門、20mm高射機関砲512門、エリコン35mm連装高射機関砲74基、40mm自走高射機関砲M-42を38両を保有する。軍工兵学校の海兵団には河川哨戒艇１隻とボート10隻を配備している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オーストリア陸軍（２０１５年）＞：統合コマンド陸軍部隊。兵力11850名。第３旅団（機械化旅団。偵察・自走砲大隊１個、機甲大隊１個、機械化歩兵大隊１個、歩兵大隊１個、戦闘工兵大隊１個、CBRN防護隊１個、支援大隊１個）、第４旅団（機械化旅団。偵察・自走砲大隊１個、機甲大隊１個、機械化歩兵大隊１個、歩兵大隊１個、CBRN防護隊１個、支援大隊１個）、第６旅団（軽旅団。歩兵大隊３個、戦闘工兵大隊１個、CBRN防護隊１個、支援大隊１個）、第７旅団（軽旅団。偵察・砲兵大隊１個、歩兵大隊３個、戦闘工兵大隊１個、CBRN防護隊１個、支援大隊１個）からなる。レオパルト2A4戦車40両、ディンゴCBRN偵察車12両、ウラン歩兵戦闘車112両、パンデュル装輪装甲兵員輸送車71両、ディンゴ�U装甲兵員輸送車23両、M109A5ÖE自走砲30両、120mm迫撃砲sGrW86を90門（＋保管中10門以上）、ビル対戦車ミサイル、4KH7FA-SB装甲回収車20両、M88A1装甲回収車６両、AID2000地雷処理トレーラー６基を配備する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オーストロ・ダイムラー装甲車＞：オーストリア・ハンガリー軍試作装甲車。軍将校が考案し、ポール・ダイムラーが1904年に製作、フランスのシャロンと共に世界初の装輪装甲車とされている。乗用車に最大4mm厚の装甲板を貼り付け、上部に銃塔（マキシム水冷機銃１丁、後に２丁）を搭載したもので、40馬力エンジンを装備した。操縦席前面には狭いスリットが開いているだけだが、操縦手の座席は高さ調節が可能で、キャビン天井から顔を出して操縦できる。１両が製作されたが、採用されなかった。参考：世界の軍用車両(4)

＜おおすみ＞：LST-4001（輸送艦・初代）またはLST-4001（輸送艦・２代目）を参照。

＜おおすみ型（初代）＞：海上自衛隊揚陸艦／輸送艦。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦である。船体は平甲板型で、艦内には全長の85%に亘る車両甲板が設けられており、その両側に兵員収容区画、上甲板に軽車両搭載スペースと車両甲板へのランプを持ち、海岸に擱座着岸して艦首の観音開き式ランプドアを開き、内側の水密扉を前に倒れて道板にし、人員と車両を上陸させる。揚陸補助手段として、車両人員揚陸艇LCVP２隻を舷側のダビットに搭載する。ダビットはLST-4001おおすみでは艦前部両舷に１基ずつと艦橋両舷に２基ずつ（後に両舷１基ずつを撤去）、他の２隻では艦橋両舷に２基ずつあったが、フル活用はされていない。レーダーはSO-2対水上レーダーで、1960年代後半頃にOPS-4に換装した。全長100m、全幅15.2m、深さ8.6m、吃水3.4m、基準排水量1650トン、満載排水量4080トン。主機はディーゼル２基２軸1700馬力、速力11ノット。兵装は艦首と艦尾の40mm単装機関砲（LST-4001）／40mm連装機関砲（LST-4002とLST-4003）で、Mk51射撃方位盤もそれぞれに用意されている。通常は貨物1900トンを搭載でき、うち車両甲板が950トン（61式戦車なら17両、M24軽戦車なら24両、２トントラックなら27両、ジープなら76両）、上甲板が350トン（２トントラックなら16両、ジープなら33両）。擱座着岸時の貨物搭載量は500トン。乗員110名＋揚陸隊員120名。LST-4001おおすみ、LST-4002しもきた、LST-4003しれとこが1961年に供与された。みうら型に後を譲って1974-76年に除籍された。参考：月刊PANZER6,’04、海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、12,’14、8,’11増刊、5,’02増刊、2,’14

＜おおすみ型（２代目）＞：海上自衛隊輸送艦（実質はドック型輸送揚陸艦）。1981年頃からみうら型の不十分な揚陸能力を補う輸送艦として検討され、90式戦車などの大重量主要装備を運搬できるよう一時10000トン級LPDの案も検討されたが、建造は延び延びになり、あつみ型の老朽化が目立ってきた1993年に8900トン級ドック型輸送揚陸艦として漸く建造要求が認められた。主任務は侵攻してきた敵の支配領域に対する強襲上陸、とすると自衛隊に外征意志・能力が無いとする憲法解釈に齟齬が生じるので、自衛隊支配地域ではあるが敵の妨害を受けている状況下に、直衛部隊による護衛を受けつつ増援部隊等を輸送する、海上作戦輸送という用語を作っている。コスト抑制のため船体構造は商船をベースとしており、揚錨装置なども一般舶用品を採用した。護衛部隊との同時行動を可能とし、高速化が進む民間大型フェリーとの官民共同輸送も考慮して、最大速力を20ノット以上に設定したため、高速航行できないビーチング用船型から脱却している。大蔵省との予算折衝時に丁度カンボジアPKOでみうら型戦車揚陸艦が派遣され、台風による大時化で揺れまくる写真が週刊誌に載り、こうならないための船型でもあると提示したところ、折衝がスムーズに進んだという。揚陸方式はニューポート級戦車揚陸艦のようなポンツーン方式は準備に時間がかかり危険なため没にし、エアクッション揚陸艇LCACと、必要に応じて基地から派遣される陸上自衛隊CH-47Jヘリコプターまたは海上自衛隊MH-53Eヘリコプターで高速揚陸を行うことにした。そのため、ウェル・ドックと長さ160m・幅28.5mのほぼ全通飛行甲板（最前部に一段低い錨甲板がある）を備えて右舷寄り中央にアイランドを設けており、一見ヘリ空母や強襲揚陸艦のようだが、発着艦資格の無い陸自ヘリ操縦士が飛行制限一杯の悪条件でも安全に運行できるようヘリ甲板面積を最大限にして艦橋構造物を避けた結果であり、ヘリコプター支援施設や航空工作室は用意されておらず（固有の搭載機は無い）、大型ヘリの発着艦と車両・貨物搭載にしか使えないので、ヘリも停められるLPDという程度である。というか政治的配慮で航空関連艤装を一切積まなかったため、タカンやフィン・スタビライザーすら無く、洋上発着艦はほぼ不可能だった。また、LCACには予備クルーが定員化されておらず、継戦能力に問題があり、強襲上陸に投入するには無理がある（あくまで「海上作戦輸送」用）。ヘリは最大６機まで露天搭載できるが、通常は後部スペースの発着スポット２カ所（前方は駐機用、後方は発着艦用）で２機を運用し、他部分は74式特大型トラック（40両）などの車両を露天搭載する。上甲板前端部には長さ14m、幅6m、積荷重量20トンの第１エレベーターが、上部構造物直後には積荷重量15トンの第２エレベーターが設けられている。エレベーターの大きさからCH-47を艦内に収容することはできず、インド洋津波支援でCH-47を積んでいった時は塩害防止用プラスチックカバーで覆って露天繋止した。他のヘリも基本的には露天繋止する。錨甲板には前端に76mm砲１門、両舷に艦内昇降口を設ける計画だったが、大蔵省との予算折衝で後日装備とされ、結局未装備になった。上部構造物は前半が４層構造の艦橋、後半が３層で、後半の上部にはステルス性を考慮した塔型マストと煙突、中折れ式15トンクレーンが設置してある。スペースの関係でCICや士官室などを全て上部構造物内に収容したため、上構幅が上甲板幅の半分以上に達しており、ハリアー搭載STOVL空母だというイチャモンには対抗できるが、車両などの前後移動に難点を持つ。１番艦進水後の艤装中に、マスト灯が船舶中心線上に無いため当時の海上衝突予防法の規則に反することに艤装員が気付き、通報を受けた海幕が海上保安庁と調整を行い、特定護衛艦等は可能な限り船舶中心線近くにマスト灯を装置する、と読み替えることにして洋上公試に間に合わせた。船体内部は前方から中央やや後方が車両用船倉（第２甲板が天井、第４甲板が床。全長100m、最大幅13m、高さ5m）、車両用船倉両舷が揚陸部隊居住区、後部がウエル・ドック（全長60m、幅15m）となっている。ウエル・ドックの設計に際しては、アメリカ海軍の手厚い協力を得て、佐世保基地に前方展開を開始したばかりのLHA-3ベロー・ウッドや搭載LCACを研修するなどし、造船所に対してもアメリカ海軍の艤装支援を受けた。艦尾には防水扉兼LCAC出入ゲートがあり、その上方右舷側に箱形のLCAC進入誘導装置イノゴン・ライトがある。連隊戦闘団６分の１個の隊員・車両・機材・物資を搭載できるよう設計されており、90式戦車・10式戦車18両と各種車両60両、貨物1400トン、隊員330名（普通科中隊３個。短期間なら1000名）、エアクッション艇２隻を積める。しかし予算優先度の関係で建造数が３隻になったので、二次防の段階で必要とされたソ連の北海道侵攻時に最低限必要な連隊戦闘団１個同時輸送の半分しか達成できない。ちなみに海上作戦輸送の構想策定時に陸幕防衛部防衛課と調整したものの、具体的な回答が無いので輸送力は海自の方で決め、車両ごとの占有甲板面積・容積・重量などは陸幕から直接データが貰えず、海自側担当者がいちいち陸幕に出向いて取得する必要があり、陸自は海上輸送を行う気が無いことを実感したらしい。水陸機動連隊なら３隻で１個丸ごと輸送できるが、AAV7はエレベーターの耐用重量を超えており露天繋止はできず、車両用船倉のみの搭載となる。車両搭載は前部両舷のRo-Ro方式舷側ランプ（第４甲板レベル。外板が左右にスライドし、中から折り畳みランプが出てくる。車両は艦内のターンテーブルで方向転換する）か、上部構造物後端の15トンクレーン、艦尾のウエル・ドック経由で行う。車両用船倉の両舷は防水区画で、揚陸部隊用居住区などを配置した。ウエル・ドックに海水を入れなくてもエアクッション艇の発進は可能だが、揚陸艇の収容・発進もできるよう海水の注入を可能としている。上部構造物直後の両舷開口部に11メートル作業艇２隻を搭載しており、その後ろに並ぶ開口部はLCAC主機の排気用である。バウ・スラスター、可変ピッチプロペラ２基、舵を同時に操作することで細かい操艦が可能である。医療用設備として病室６床、検査室、手術室、集中治療室２床などが用意されており、災害派遣にも活用できる。全長178m、最大幅25.8m、深さ17m、吃水6m、基準排水量8900トン、満載排水量14000トン。主機は三井造船製16V42M-Aディーゼル２基、出力26400馬力、推進は可変ピッチプロペラ（固定ピッチ？）２軸、速力22ノット、航続距離未発表。兵装は20mmCIWS２基（上構前後01甲板レベル）。６連装チャフ発射機２基を上部構造物上に搭載する。乗員135名。航空機運用要員はいない。LST-4001おおすみ、LST-4002しもきた、LST-4003くにさきの３隻が1998-2003年に就役した。2004年のインド洋大津波支援でヘリ運用能力不足からLST-4003くにさきに加えてDDH-144くらままで派遣する必要があり不便だったため、2006年度から国際緊急援助活動等に対応する大型艦の運用向上という名称で改装が行われ、手術車両への給電装置追加、フィン・スタビライザー装着（1-2番艦。３番艦は新造時に搭載済み）、航空支援能力強化などが施された。参考：月刊PANZER11,’04、12,’04、月刊JWings1,’99、月刊世界の艦船3,’20、11,’19、11,'17増刊、12,’14、1,’16、3,’19、9,’02、1,’14、1,’11、12,’12、1,’13、11,’13、12,’13、2,’14、9,’19、1,'21、3,'22、海上自衛隊全艦艇史、月刊軍事研究9,’13、9,’11、10,’11、11,’08、MAMOR vol.84、vol.91

　＜おおすみ型（大改装）＞：V-22輸送機とAAV7水陸両用車の運用を可能とするための大規模改装。LST-4001おおすみは2014年度定期検査でウエル・ドック天井の重量物運搬クレーン用レール撤去、ウエル・ドックへのアルミ製LCAC艇体電蝕防止材適応（従来は電蝕防止塗料だったが、AAV7を載せると履帯で削れる）を実施した。更に飛行甲板耐熱化、エレベーター大型化・容量拡大、バラスト注排水能力強化、LCAC甲板内のLCAC防護用バターボード（硬質ゴム材）追加、艦尾扉アクチュエータ及びワイヤー強化、LCAC甲板・艦尾扉への滑り止め塗装施行、司令部能力強化といった改装を施す予定で、LST-4002しもきたが2017年度定期検査で両者纏めての改装に入り、LST-4001おおすみは2019年度定期検査で残りの改装を行う。ただ2015年度予算で司令部能力強化とエレベーター改修が無くなっており、この２つは実施しないかもしれない。参考：月刊世界の艦船12,’14、1,’16

＜おおすみ・とびうお衝突事故＞：2014年1月15日、広島県大竹市阿多田島東方沖でLST-4001おおすみとプレジャーボートとびうおが衝突し、とびうおの２人が死亡、１人が重傷を負った事故。0634頃、おおすみには乗員120名が乗り込み、定期修理のため呉基地から岡山県玉野市の造船所へと出港した。おおすみのアイランドは船体中央右舷寄りにあるが、左見張り員のいる艦橋左ウイングからの死角は艦首前端直下の海面から60m以内、左舷正横の海面から15m以内、左舷船首45度方向では立直位置から50m以内だった。当時艦橋には艦長、航海長（当直士官）、副直士官２名、当直海曹、信号員、操舵員、伝令、非当直者６名（うち１名は船務長）がおり、右ウイングに右見張り員、左ウイングに左見張り員、後部見張り台に後部見張り員がそれぞれ当直員として配置に付いていた。おおすみには2012年10月4日艦橋命令第24-10号別冊という、各艦が慣例として作成する航行指針があり、艦首方向を最接近距離1500ヤード（1372m）以内で横切ると予想されたり、方位変化が１分間に１度以内だったりして、相手船の避航動作に疑問があり衝突の危険が予想される場合には、距離が3000ヤード（2743m）まで近づく前に余裕を持って疑問信号を発し、海上衝突予防法第17条2-3項に基づく衝突回避措置を執るよう指針が設けられていた。0715頃、とびうお（全長7.6m、総トン数５トン未満）は船長と同乗者（船長の知人）３人が搭乗し、広島市の係留施設を出発、阿多田島南の甲島沖にある釣り場に向かった。船長は操舵室で操船にあたり、同乗者のうち２人は前甲板、１人は後甲板でそれぞれ釣りの準備を行っていた。とびうおには最大搭載人員11人分の救命胴衣が積み込まれていたが、船長から同乗者に必要無いという発言があり、全員着用していなかった。0739、おおすみが広島県奈佐尾瀬戸の最狭部を西南西に航行していた際、とびうおがおおすみを右舷側から追い抜き、艦首前方50mを通過しておおすみ左舷側へと抜け、速力12-16ノット前後で航行した。その後おおすみは反航する大型船と左舷を対にして通過。0747頃、おおすみは奈佐美瀬戸を通過して対地針路を予定通り210度とし、速力を第１戦速（18ノット）に上げた。ただ当時は定期修理直前で、変速標準表通りに主機を調整すると実際の対水速力が1-2ノット低くなる傾向にあり、AISには17ノットと記録されている。とびうおはおおすみの前方左舷寄り、距離800m弱に位置していた。0749、艦長はとびうおが南南西に航行しており、おおすみが次の予定通り180度に変針すると針路が交差する可能性があるため、当直士官の航海長に対してとびうおの動向に注意するよう命じて一旦艦橋を離れた。0754、おおすみは対地針路を180度に変針。航海長はとびうおの動向に注意し、船務長は彼我の距離900m以上と目測した（レーダーデータでは距離1040-1580m、方位はおおすみの左舷艦首80度、とびうおの速力15ノット）。付近の天候は晴れ、北の風・風速毎秒2.6mで、視程は20kmだった。0755、艦長は艦橋に戻り、周囲にとびうお含め４隻の船がいるが航行に支障は無く、とびうおとは阿多田島南付近で針路が交差するので、必要に応じ速力を調整して距離をとることにした。0756、航海長はとびうおが徐々に右へと船首を向けていることをレピータコンパスで確認。0757、航海長が左見張り員に対し、ゴルフ目標（とびうおのこと）がおおすみを視認しているどうか質問。左見張り員はゴルフ目標がこちらを視認していると返答した。この頃、とびうおはおおすみの前方左舷側艦首50度・距離550m以上・速力17ノットで航行していたが、船務長が艦橋窓枠を使って目視で方位変化を確認したところ、右に移動していると判断されたため、航海長に対してとびうおを先行させるよう助言した。0758、航海長が艦長に対し、左の漁船の方位がのぼる（とびうおが右に移動し、おおすみの正面に向かう）ので、先に行かせるため強速にする（３ノット減速して速力15ノットにする）と報告。続けて航海長は操舵員に両舷前進強速を命じ、とびうおを先に行かせることにした。0759、艦長は減速が不十分とは考えなかったが、減速の効果を高めるべく両舷前進原速（更に３ノット減速して速力12ノットにする）を命令。船務長は「このまま前、行けると思っているのだろうな、怖いよな」と発言している。この時、おおすみは針路180度・速力17.4ノット、とびうおは針路197度・速力16.4ノット、両者の距離は355mであり、このまま進めば8時0分50秒頃にとびうおがおおすみの艦首前方60mを通過（おおすみは減速中なので実際にはもっと距離が離れる）する筈だったが、とびうおが右に転針し始め、7時59分46秒頃に船首を阿多田漁港に向け、とびうおの右舷側にいるおおすみの艦首至近へと急接近する形になった。恐らく釣り場に早く着くため針路を変え、おおすみの右舷側に出ようとしたと思われるが、船長が死亡しているため意図は不明である。直後、左見張り員はとびうおが急速に接近してくるのを感じ、双眼鏡の方位目盛りでとびうおの方位を確認し、「左50度、同航の漁船、距離近づく」と報告。航海長は両舷前進微速（速力６ノット）を下命したが、艦長がとびうおとの急接近を確認してすぐに両舷停止、疑問信号鳴らせ、面舵一杯を命じた。7時59分43-55秒にかけ、おおすみは汽笛を５回鳴らし、艦橋では両舷後進微速が命じられた。５回目の汽笛が鳴り終わった直後、左見張り員はとびうおが甲板の陰に入るのを視認した。8時0分2秒、おおすみは右に転針し始めて対地針路185度となり、速力は16ノットに減速。8時0分7秒、おおすみは対地針路196度・速力15.1ノットとなった。8時0分17秒、おおすみは対地針路202.3度をとり、速力は12.6ノットまで減速。8時0分20秒、艦長が両舷後進一杯を下命。とびうおもクラッチレバーは中立、スロットルレバーは低速に入っており、減速または停船動作を行っていたとみられるが、間に合わず、直後に阿多田港猪ノ子東防波堤灯台から真方位77度・距離1250m付近、北緯34度11.8分・東経132度19.8分付近でおおすみの左舷側中央部にとびうおの右舷側が衝突し、とびうおは左舷側に傾いて艦尾付近まで下がり、転覆沈没した。8時0分24-49秒、おおすみでは漁船転覆が報告され、作業艇用意、緊急事態発生報告、CIC記録始め、保安庁への連絡が命じられた。0801、おおすみがVHF無線電話で海上保安庁に通報。0806、おおすみが自衛艦隊司令部に事故発生を報告。0812、おおすみ作業艇がとびうおの同乗者１人を救助。作業艇は0818に船長、0823に同乗者１人を救助したが、どちらも心肺停止状態で、心肺蘇生を行った。0825、救助に駆けつけた阿多田漁港ポンツーン工事警戒船が同乗者１人を救助し、おおすみ作業艇へと移した。0849、心肺停止状態の２人を巡視艇に移した。その後病院に運ばれたが、溺水のため死亡が確認された。生還した同乗者のうち１人が左肋骨骨折の重傷を負った。おおすみに死傷者は無かった。2015年2月9日に公表された運輸安全委員会調査報告書では、おおすみが海上自衛隊通知文書や航行指針などに基づいて、より早期または大幅な減速を行ったり、注意喚起信号を活用したりすることで、事故を防止できたと指摘されている。また、小型船舶は、大型船舶が減速や停止に時間と距離を要する、見かけの速力が実際より遅く感じる、死角が多い、吃水が深く浅海域での航行に制限があるといった特性を持つことを踏まえ、動静を適切に監視して大型船舶の至近を通過しないことが必要であるとした。とびうお船長は同乗者に救命胴衣を着用させるよう努める必要があったが、死因に低体温や落水時の大量の海水誤飲の影響が考えられるため、着用していても人命被害を軽減できたかは不明としている。海上自衛隊は事故を受けて見張り、安全な速力、衝突の恐れの判断、衝突回避動作などを徹底するよう注意喚起した。2016年2月5日（1月15日？）、防衛省が事故調査報告書を公表した。事故原因は運輸安全委員会の報告書を踏襲しており、おおすみに事故要因は認められないが、再発防止策として、プレジャーボートなど不規則航行する可能性のある船舶の動向把握、それ対する注意喚起信号等の励行、集中基礎訓練における本事例の研究、集中基礎訓練での再発防止策周知徹底を挙げた。参考：運輸安全委員会報告書、防衛省事故調査報告書、月刊世界の艦船4,’15、4,’16、朝雲

＜大角岑生＞：海軍兵学校24期卒。日露戦争で第３回旅順港口閉塞隊６番船釜山丸指揮官（大尉）として出撃したが、機関故障で帰投命令が出されたため、乗員15名の突撃を求める声に惑わされず服従帰還した。明治42-45年、ドイツに駐在。東郷平八郎元帥付副官、海軍大臣秘書官、海軍省副官を経て大正7-9年にフランスに駐在。大正11年、軍務局長となり、海軍次官を経て昭和3年12月10日から昭和4年11月11日まで第２艦隊司令長官を務めた。五・一五事件と二・二六事件勃発時はいずれも海軍大臣在任中で、二・二六事件後に海軍大臣を辞任して軍事参議官・海軍高等技術会議議長となった。昭和16年2月5日、南支方面巡察のため飛行機で広東天河飛行場を離陸したが、西江右岸の黄揚山に墜落し、65歳で殉職した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜大瀬＞：日本海軍大瀬型給油艦Ose。元はオランダ海軍油槽船ヘノタで、昭和17年5月9日にインド洋で拿捕した。7月20日、大瀬と命名され、運送艦に類別された。昭和18年1月11日、横須賀工廠で風にあおられ、空母雲鷹と接触事故を起こした。2月21日、大東島付近で潜水艦の雷撃を受けて小破した。6月24日、奄美大島の西120海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。昭和19年3月30日、パラオでアメリカ機動部隊の爆撃を受けて沈没した。5月10日、除籍された。戦後、オランダから拿捕の正当性についてクレームが付いたが、正当であると結論付けられている。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜オーセージ＞：TH-55A（ヘリ）を参照。

＜大瀬型＞：日本海軍給油艦Ose型。元はインド洋で拿捕したオランダ海軍油槽船ヘノタ（Genota）で、横須賀工廠でガソリン輸送船に改造したものである。垂線間長140.21m、最大幅17.98m、吃水8.5m、基準排水量15000トン。主機はマン式ディーゼル１基１軸6000馬力、速力12ノット。兵装は四五口径十年式十二サンチ単装高角砲２門。石油搭載量12000トン。大瀬が昭和17年に就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜大空の魔王＞：ツェッペリン飛行船を参照。

＜おおたか＞：PC-310（駆潜艇）またはPG-826（ミサイル艇）またはS2F-1対潜哨戒機（海上自衛隊）を参照。

＜おおたか＞：海上自衛隊ちよづる型掃海艇23番艇。元は第232号駆潜特務艇である。1952年8月1日に海上保安庁から移管され、掃海船MS-86となった。1954年7月1日に掃海艇に類別変更された。1956年4月1日、特務艇特務10号に種別変更された。1957年3月31日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜大滝根山分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地（入間基地の分屯）。中部航空警戒管制団第27警戒群が駐屯している。所在地は福島県双葉郡川内村大字上川内字花の内６。1955年にアメリカ軍が展開し、1956年から空自部隊が駐屯を開始、1959年にアメリカ軍から空自に移管された。1961年、東部訓練警戒隊が第27警戒群に改編された。1972年、J/FPS-1の運用を開始。1995年、J/FPS-3の運用を開始。2008年度、J/FPS-3をJ/FPS-3改に改修した。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。福島第一原発から30km圏内にあり、屋内退避指示（4月11日以降緊急時避難準備区域指定）が出されているが、警戒監視任務を行いつつ周辺地域の支援にあたっている。3月17日0615、炊き出し部隊が田村市船引高で給食支援を実施。3月23日、給水支援、給食支援、支援物資仕分けを行った。3月30日0755、田村市内で給水給食支援を行った。3月31日0800、田村市で給水支援を実施。4月2日0800、田村市で給水給食支援を実施。4月4日、給食支援を実施。4月29日、中部航空音楽隊の協力を仰ぎ、福島県田村市文化センターにおいて、田村市との共催でがんばろう福島！演奏会を実施。2020年3月14日、河野防衛大臣が視察し、隊員を激励した。7月19日、隊員家族を迎えて大滝根山ファミリー・オープンベースを実施。参考：大滝根山分屯基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings6,’10別冊付録、6,’11、MAMOR vol.52、月刊航空ファン6,’11、朝雲、月刊軍事研究5,’12

＜大滝山丸＞：日本海軍しまね丸型戦時標準油槽船兼護衛空母２番船。昭和19年7月起工、昭和20年1月中旬進水。搭載機の都合も付かず、護衛空母として完成させても役に立たないと判断され、貨物船に改造されることになった。参考：月刊丸2,’08

＜大竹久四郎＞：日本陸軍エース。大正10年、福島県生まれ。昭和13年3月、少年飛行兵として東京陸軍航空学校に入学し、熊谷・大刀洗飛行場で教育を受け、昭和16年3月に独立飛行第10中隊配属となった。昭和17年10月、部隊が飛行第25戦隊に改編され、第２中隊所属となった。昭和20年8月13日、京城上空で重傷を負った。終戦後の昭和26年、戦傷が原因で死去した。総撃墜数十数機。最終階級は曹長。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜オーダシティ＞：イギリス海軍オーダシティ級護衛空母Audacity（大胆不敵）。元はドイツ貨客船ハノーファーで、1941年1月から改造工事に入り、6月に竣工した。9月13日、マートレット艦上戦闘機６機を搭載して初の船団護衛に出撃。9月21日、OG68船団の護衛中、G36艦上戦闘機でFw200哨戒爆撃機を撃墜した。10月末、ジブラルタルに向かうOG74船団の護衛に就いた。11月8日、G36艦上戦闘機でFw200哨戒爆撃機２機を撃墜したが、G36も１機が撃墜された。12月17日、ジブラルタルからイギリスに向かうHG76船団を護衛中に、搭載したG36艦上戦闘機がドイツ海軍ＵボートU131を発見し、船団護衛艦艇に通報、護衛艦がU131を撃沈した。12月18日、G36艦上戦闘機でFw200哨戒爆撃機２機を撃墜した。12月21日、ドイツ海軍ＵボートU751の雷撃を受け、左舷艦首と左舷艦尾に魚雷１本ずつを被雷して沈没した。参考：護衛空母入門

＜オーダシティ級＞：イギリス海軍護衛空母Audacity級。世界初の護衛空母で、1940年3月にカリブ海で拿捕したドイツ貨客船ハノーファー（Hannover）を改造したものである。船体と上構をそのまま使い、全通飛行甲板（長さ135.9m、幅18m）を載せて平甲板型空母とした。格納庫（とエレベーター）は無く、搭載機は露天係止になるため、Fw200迎撃用には着艦フック付きハリケーンでなく小型のマートレット（F4F艦上戦闘機イギリス導入版）を積むことにし、対潜哨戒機として主翼を折り畳めるソードフィッシュを搭載した。全長144.8m、全幅23.3m（17m？）、総トン数5537トン。主機はディーゼル、最大速力15ノット。兵装は10.2cm単装高角砲１門、２ポンド単装ポンポン砲３門。搭載機はマートレット艦上戦闘機、ソードフィッシュ艦上攻撃機6-8機。オーダシティが1941年に就役した。参考：護衛空母入門、月刊世界の艦船3,’07

＜オータス＞：N92（潜水艦）を参照。

＜オーダチェ＞：D551（駆逐艦）を参照。

＜オーダチェ級＞：イタリア海軍ミサイル駆逐艦Audace級。インパヴィド級の改良型で、舷側前部にナックルラインが付き、イタリア海軍として初めてマックを装備した。全長136.6m、幅14.2m、吃水4.6m、基準排水量3600トン、満載排水量4400トン。主機は蒸気タービン２基、主缶はFH式缶（蒸気圧１平方センチあたり43kg、温度450℃）４基、出力73000馬力、２軸推進、速力34ノット。兵装はターター艦対空ミサイル（後にスタンダードSM-1MR）単装発射機Mk13が１基（後部上構上）、OTOメララ社製54口径127mm単装砲２門（前甲板背負い式）、76mm単装砲４門（艦中央両舷２基ずつ）、３連装短魚雷発射管２基（後部上構両舷）。ヘリ２機を搭載できる。D551オーダチェとD550アルディトの２隻が1972年に竣工・就役した。1988年と1991年に近代化改装を受け、127mm砲１門を撤去して艦対艦ミサイルと短距離艦対空ミサイルを装備し、76mm砲をスーパーラピッド砲に換装した。1992年の諸元は以下の通り。全長136.6m、幅14.2m、吃水4.6m、基準排水量3600トン、満載排水量4400トン。主機は蒸気タービン２基２軸73000馬力、速力34ノット。兵装はオトマート艦対艦ミサイル単装発射筒４基（４連装発射筒２基？）、スタンダードSM-1MR艦対空ミサイル単装発射機１基、アスピーデ艦対空ミサイル８連装発射機１基、OTOメララ社製54口径127mm単装砲１門、76mmスーパーラピッド砲４門（D551オーダチェ）／76mmスーパーラピッド砲１門＋76mmコンパクト砲３門（D550アルディト）、324mm短魚雷３連装発射管２基。AB212ヘリ２機を搭載できる。乗員380名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’05、5,’86、6,’16、12,’18、10,’21、9,’22

＜大立＞：日本海軍初島型電纜敷設艇Otate。昭和16年7月31日竣工、電纜敷設艇に類別された。太平洋戦争開戦時は佐世保防備戦隊所属だった。昭和18年4月23日、呉淞で安国丸と接触事故を起こした。6月、鎮海警備府に協力して電纜敷設を実施。8月から海南島と馬公方面で電纜を敷設した。その後は佐世保や鹿児島方面で任務に就いている。昭和20年3月27日、鹿児島県指宿の南西142海里でSS-237トリガーの雷撃を受けて沈没した。7月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜太田敏夫＞：日本海軍エース。大正8年3月20日、長崎県生まれ。昭和10年、佐世保海兵団に入隊。昭和14年9月、第46期操縦練習生課程を修了し、大村海軍航空隊に配属された。谷田部航空隊を経て昭和16年6月、第12航空隊に配属され、漢口に進出。10月、台南空に配属された。12月8日、ルソン島で初撃墜を記録。昭和17年1月29日、バリクパパン上空でB-17爆撃機と交戦して負傷した。4月、ラバウルに進出。笹井中隊の坂井三郎、西澤廣広らと撃墜競争を繰り広げ、最も速いペースで撃墜数を伸ばした。10月21日、陸攻隊を護衛してガダルカナル島に出撃したが、F4F戦闘機１機を撃墜した後に行方不明となり、戦死認定された。公認撃墜機数34機。最終階級は飛曹長。参考：月刊丸1,'15増刊、日本海軍戦闘機隊

＜太田飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和16年、群馬県新田郡太田町に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜オーチャード作戦＞：シリア核施設爆撃を参照。

＜おおつ＞：MSC-621（掃海艇）を参照。

＜大津＞：日本海軍日振型海防艦Otsu。工程92%で終戦を迎えた。参考：月刊丸7,’14

＜大津海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。滋賀県にある。操縦教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜大津山丸＞：日本の戦時標準貨物船。総トン数6859トン。昭和19年12月30日、船倉の一部を石油タンクに改造して重油7300トン、ガソリン400トン、生ゴム1250トンを積み込み、ヒ86船団の一員としてシンガポールを出港。昭和20年1月12日、艦上機の航空攻撃を受け沈没した。参考：輸送船入門

＜大塚善三郎＞：日本陸軍エース。大正8年、岐阜県生まれ。昭和11年2月、熊谷陸軍飛行学校に入学し、昭和12年11月に卒業、明野で戦技教育を受け、飛行第11戦隊に配属されてハルビンに着任した。昭和14年のノモンハン事件では22機を撃墜。SB爆撃機を撃墜した際に燃料を浴びて帰投し、朝日新聞記者が「敵の返り血を浴びた勇士」として報道したこともあった。その後日華事変に参加、太平洋戦争ではマレー航空戦を戦ったが、昭和17年1月29日にクワンタン基地で爆撃を受けて戦死した。総撃墜数22機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜大津大学＞：海軍刑務所の通称で、横須賀市大津にあったためこう呼ばれる。参考：海軍よもやま物語

＜大槌＞：日本陸軍の土工器材。参考：工兵入門

＜大津駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は滋賀県大津市際川1-1-1。JR大津駅からバスが出ている。JR南滋賀駅から徒歩10分。創立記念行事では大津駅と西大津駅からシャトルバスが出る。1959年に開設され、大津駐屯地業務隊などが駐屯した。1959年8月13日、第２教育団第109教育大隊が新編された。1981年3月25日、第２教育団本部が善通寺駐屯地から移駐した。2006年3月26日、第４陸曹教育隊が大久保駐屯地から移駐した。2008年3月26日、第２教育団が廃止され、中部方面混成団が新編されて団本部、第109教育大隊、第４陸曹教育隊が駐屯した。2009年11月5日、岐阜県内雇用協力企業主要８社が駐屯地部隊を見学した。2011年6月24日、第109教育大隊が第４期一般陸曹候補生による第356回香色山登山走競技会を実施。第332共通中隊が優勝した。6月29日、第109教育大隊第８中隊（東日本大震災の影響により臨時編成された、東北方面隊管内の新入隊員教育隊）隊員170名に対し、アメリカ陸軍メディカルセンター理事長から激励メッセージ入り忠犬ハチ公バッジが贈られた。2014年4月5日、一般曹候補生275名と自衛官候補生128名の入隊式を実施。2015年4月5日、一般曹候補生286名と自衛官候補生125名の入隊式を実施。2016年1月21日、ケーブルテレビZTV近江八幡支局の番組収録に協力した。4月6日、一般曹候補生313名と自衛官候補生136名の入隊式を実施。8月3日、滋賀地本によるF.C.アルバーセ所属中学生18人の体験入隊に協力した。2017年4月7日、一般曹候補生354名と自衛官候補生161名の入隊式を実施。2018年4月7日、一般曹候補生（男子）377名と自衛官候補生（女子）195名の入隊式を実施。10月7日、大津祭に参加し、隊員21名が石橋山の曳き手として大津市内を行進した。11月11日、子供会デイキャンプを実施。2019年3月10日、びわ湖毎日マラソンを隊員25名と車両５両で支援した。8月8日、海自舞鶴地方隊と滋賀地本がびわ湖フェスタ2019を開催。2020年2月13-14日、愛知地本が行った陸自入隊予定者・保護者計41名に対する大津駐屯地見学会に協力した。3月8日、びわ湖毎日マラソン大会を隊員25名と車両13両で支援した。2021年2月28日、大阪マラソンに統合されるため最後の開催となる第76回びわ湖毎日マラソン大会を隊員24名と車両13両で支援した。8月23日、新型コロナウイルス感染者１名が確認されたため、保健所の指示でPCR検査を進めたところ、9月1日までに135名の陽性が判明した。2022年4月20日、２年振りに理髪店がオープンした。参考：JGround Vol.23、中部方面混成団ホームページ、朝雲、月刊世界の艦船11,’19

　＜大津駐屯地（２０１５年）＞：中部方面混成団本部、同団第109教育大隊、同団第４陸曹教育隊、中部方面会計隊第409会計隊（3月26日から第397会計隊大津派遣隊）、大津駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜大津駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1959年に新編された。2019年7月24日、各種施設整備の功績で、陸幕長から２級賞状と副賞が贈呈された。参考：中部方面混成団ホームページ、朝雲

＜大津飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜オーディシャス＞：S-97（アスチュート級原潜）を参照。

＜オーデイシャス＞：イギリス海軍キング・ジョージ�X世級戦艦（初代）Audacious。1913年10月15日（21日？）竣工。1914年10月27日、北アイルランドのトーリー島北東沖でドイツ軍の機雷により損傷を受け、曳航される途中に弾薬庫が誘爆、沈没した。戦死者は出ていない。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,'23、1,’12

＜オーディナリー型自転車＞：前輪のやけに大きい、いわゆるダルマ式自転車。地面に足がつかないので安定性に欠ける、ペダルが空転しないので足にぶつかって怪我をする、などの欠点はあったが、時速15-20kmを出せるので、1860年代後半頃から1900年頃まで伝令や偵察用に活躍した。参考：歴史群像6,’04

＜オーディン＞：N84（Ｏ級潜水艦）またはS-10（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オーディン＞：カール自走臼砲４号車。

＜オーディン＞：イギリスのアドバンスド・コンポジットグループが開発したUAV。機体は炭素繊維複合材製である。直径1m、重量10kg。飛行時間１時間。ペイロード10kg。参考：月刊軍事研究12,’09

＜オーディン級＞：ドイツ海軍海防艦Odin級。フランス海軍海防戦艦に対抗するもので、ジークフリート級の改良型である。主砲はジークフリート級と同じく24cm単装砲３門で、配置も同じ。２隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船12,’17

＜オートＧＣＡＳ＞：自動地上衝突回避装置を参照。

＜オートゥス＞：S-18（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オートクレーブ＞：Autoclave。高圧反応釜、複合材硬化炉。高圧・高温蒸気により内容物を加熱処理・硬化成形・蒸気滅菌するための機器で、大型のオーブンのようなものである。炭素繊維複合材（熱硬化性樹脂）の成型、複合材の接着剤硬化、６フッ化ウランの合成や、６フッ化ウランを酸化ウランに戻す際に使用される。参考：軍事分析湾岸戦争、航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊航空ファン2,’12

＜オートジャイロ＞：Autogyro。回転翼機の１つで、エンジンに繋いだプロペラで推進力を生じさせ、風圧で機体上部の回転翼を回転させることにより揚力を得る。揚力を得るのに風圧が必要なので垂直離着陸やホバリングは出来ないが、自然風による跳躍離陸や、オートローテーションによる着陸を駆使すれば、VTOLに近いSTOLが行える。ローターブレード後縁側に風が当たると、前縁側よりも大きい抗力が発生し、この差によってローターが回り始めるので、ローターが回らないとか、逆回転して困るとかいったことは無い。スペイン人のファン・デ・ラ・シェルヴァ氏が、固定翼機の失速対策としてローター特性を研究していた際、ローターブレードのピッチ角が小さい正を取る時に、風圧でオートローテーション状態に入ることを発見した。これに基づき、シェルヴァ氏は主翼の代わりとして胴体上に揚力発生用ローターを積み、プロペラで機体を前進させてローターを風圧で回転させるオートジャイロを完成させて1924年5月15日に初飛行し、1928年には英仏海峡横断飛行（ロンドン−パリ）に成功、イギリスで会社を興して世界中に輸出した。ヘリコプターの実用化で軍用としては廃れたが、手軽なのでスポーツ用などとして使用されており、自作機としても人気がある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊軍事研究9,’07、月刊航空ファン11,’92、月刊JWings4,’20

＜オートスロットル・システム＞：Autothrottle system。ジェットエンジンの推力を自動調整するシステムのことで、離陸時など出力操作をごく短時間で調整したり、多発機のエンジン推力をそれぞれのエンジンでピッタリ合わせたりするのは、手動操作では困難が生じるため、自動化したものである。発揮したいエンジン圧力比EPR、マッハ数、指示対気速度IASを選択すると、自動的に必要な推力になり、着陸復行に必要な推力に合わせるゴー・アラウンド・モードも有する。自動操縦装置で自動着陸を行う場合には、電波高度計と連動し、接地直前にスロットルをアイドルに戻す。必要な推力がエンジンの限界を超える場合には防護機能が作動する。離陸から着陸まで使用できるものはFERATS（Full Flight Regime Autothrottle System）と呼ばれる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜オート偵察斥候車＞：陸上自衛隊の偵察用バイク。XLR250またはKLX250を参照。

＜オートバイ（警務用）＞：陸上自衛隊のオートバイ。ヤマハXJR400がベースで、赤色灯やスピーカーを追加した。交通統制や車両誘導などに使われる。全長2.11m、全幅0.855m、全高1.085m、重量217kg。最大速度160km。乗員１名。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜オートバイ（偵察用）＞：自衛隊の車両。カワサキモータースジャパン製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜オートバイ（偵察用）＞：陸上自衛隊のオートバイ。ヤマハ製250ミリタリーを採用したもので、師団偵察隊に配備された。全長2.12m、全幅0.84m、全高1.125m、重量146kg。最大速度120km。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜オートパイロット＞：自動操縦装置を参照。

＜オート・ピストル＞：自動式拳銃を参照。

＜オートボルタ軍＞

＜オートボルタ軍（１９７７年）＞：兵力8070名。歩兵大隊11個、機甲中隊１個、空挺中隊１個、砲兵中隊１個からなる。パナール装甲車、M8装甲車、フェレット偵察車、60mm迫撃砲、81mm迫撃砲10門、75mm無反動砲、C-47輸送機２機、フレガト輸送機２機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜オードボン＞：APA-149（攻撃輸送艦）を参照。

＜オートマチック・ウェポン＞：自動火器。全自動機構を持つ火器のことである。セミオートマチックは含めない。参考：GUN用語事典

＜オートマチック・セレクティブ・エジェクター＞：元折れ式二連銃に採用されている排莢機構。銃を折ると、空ケースのみが蹴出され、撃っていないものは少し外に出るだけである。参考：GUN用語事典

＜オートマチック・トランスミッション＞：Automatic Transmission（AT）、自動変速機。ハイドロマチック・トルクコンバータと副変速機を組み合わせた変速機で、トルクコンバータ式オートマチック・トランスミッションやトルコン式ATとも呼ばれ、シフトレバーやクラッチによる手動操作が要らない。トルクコンバータ内部ではエンジンに直結したポンプ・インペラーと出力軸に直結したタービン・ライナーという２枚の羽根車が向かい合っており、間にステーターと呼ばれるもう１枚の羽根車が挟み込まれていて、間にはオイルが満たされている。エンジンを始動すると、ポンプ・インペラーが回転し、オイルが回転を始め、遠心力で押し出されたオイルがタービン・ライナーの羽根に当たってタービン・ライナーを回転させる。タービン・ライナーからポンプ・インペラーに戻るオイルは途中でステーターの羽根に当たり、ステーターを回転させる。ステーターの回転によりオイルはポンプ・インペラー側に押し出され、オイルの持つ残存エネルギーがポンプ・インペラーに循環される。ポンプ・インペラーの回転速度が速く、タービン・ライナーの回転速度が遅ければトルクは増大するので、エンジンスタート時や登坂時には大きなトルクを得ることができる。エンジン回転数が低くてもトルク増幅で車両をゆっくりと前進させる（クリーピング）ことができ、微速走行が楽。ポンプ・インペラーとタービン・ライナーの回転速度差が小さくなると、オイルの流れが変化してステーターが空転を始めるため、トルクコンバータは流体クラッチと同じ作用をするようになり、トップギアに入ったのと同じ状態となる。トルクコンバータの後ろには２組以上の遊星歯車を使用したギア式副変速機が補機として組み込まれていて、前進の段数を決定している他、後進を可能としている。また、遊星歯車と同軸に湿式多板クラッチが用意されていて、トルクコンバータと駆動系を切り離す際にはこれを使用する。前進変速段数は普通乗用車で従来3-4段くらいだったが、多い方が細かい調節が効いて効率や燃費が良いので、7-8段くらいに増えた。シフトレバーの手動操作は不要で、コンピュータが車速などに応じて自動的に変速してくれる。利点は、クラッチやシフト操作が要らないこと、発進や加減速がスムーズなこと、坂道発進が容易でエンストの恐れがないこと、低速トルクが大きいこと、オイルが振動やショックを吸収してくれること。欠点は、オイルを介して出力を伝達するので効率が悪く、マニュアル式トランスミッションに比べて加速や燃費に劣る（燃費は10-15%も悪くなる）こと、機構が複雑で重量がかさむこと、故障時の始動と牽引が難しいこと。トルクコンバーター内での流体によるエネルギーロスを防いで燃費を改善するため、車速が一定以上になるとエンジンと副変速機を直結してトルクコンバーターをショートカットするロックアップクラッチを付けているものが多く、オーバードライブギアと呼ばれる遊星歯車を追加してコンピュータ制御による全段ロックアップ（坂道など、大きなトルクが必要な時にはコンピュータの判断で自動的にロックアップを切る）を行うものもある。参考：自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典

＜オートマチック・ピストル＞：自動式拳銃を参照。

＜オートマチック・リベッタ＞：Automatic rivetter、自動打鋲機。初期には、材料を操作員が所定の位置にセットしてペダルを踏むと、孔開け、皿押し（沈頭鋲の頭が収まる部分を凹ませる）、リベット挿入、かしめを自動で行い、また操作員が材料をずらしてペダルを踏む、という半自動型だったが、後にNC化（数値制御）により打鋲位置への材料移動も自動で行ってくれるようになった。また、かしめ力の強い機械も出現し、鋲頭の無い筒型のスラグリベットを使ってかしめの際に鋲頭も作る方式が採用された。この際、外板とリベットの間に内力が発生し、油密性を保てるので、インテグラル・タンクのシーラント塗布の手間が要らない。また、疲労強度も高まる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜オートマチック・リボルバー＞：発射反動を利用してハンマーのコッキングとシリンダーの回転を行う回転式拳銃。ダブルアクションで済むと思うのだが、そのせいか、実際に製造されたものは少ない。参考：GUN用語事典

＜大泊＞：日本海軍大泊型砕氷艦Otomari。大正10年11月7日竣工、砕氷艦に類別された。すぐにシベリア方面で冬期補給任務に入ったが、砕氷能力が不十分だったため、大正11年2-3月に舞鶴工廠で艦首先端の強化と船首楼甲板のブルワーク増高などの改装を行っている。太平洋戦争初期にはドイツの要請で北方での援ソ貨物船の臨検任務に就いた。昭和19年6月2日、稚内で火災事故を起こした。昭和20年9月15日に除籍され、昭和25年3月に解体が完了した。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜大泊型＞：日本海軍砕氷艦Otomari型。日本海軍唯一の本格的な砕氷艦で、ニコライエフスク事件において救援艦を派遣できなかったことから計画された。艦首水面下は鋭く下方にカーブしており、艦前後のトリムタンクにバラスト水を出し入れして氷上に乗り上げ、厚さ2mの氷を砕く。ビルジ・キールは砕氷時に折れるので付けられていない。垂線間長60.96m、最大幅15.24m、吃水5.55m、基準排水量2330トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶は石炭専焼円缶５基、出力4000馬力、２軸推進、速力13ノット、石炭搭載量500トン。兵装は安式四〇口径八サンチ砲１門。乗員101名。大正10年に大泊が竣工した。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜オート・メイト＞：エアバス・アップ・トゥ・ネクスト社が開発予定のA4R自律型空中給油システム用デモンストレーター。2022年7月19日に開発が発表された。A310空中給油機とDT-25標的無人機を改造し、2023年から飛行試験を行い、2024年半ばに最終実証試験を実施する予定。参考：月刊JWings10,’22

＜オートラン＞：ASR-5（潜水艦救難艦）を参照。

＜おおとり＞：PC-313（駆潜艇）を参照。

＜鵬＞：キ−105（試作モーターグライダー）を参照。

＜鴻（初代）＞：日本海軍隼型水雷艇Otori。明治37年6月4日竣工。大正12年12月15日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜鴻（２代目）＞：日本海軍鴻型水雷艇１番艦。昭和11年10月10日竣工。昭和12年8月14日、上海が中国軍に包囲されたため、佐世保を出港して上海に向かった。8月15日、上海総領事館前の埠頭から居留民を収容して避難させた。9月14日から10月11日、第１水雷隊の一員として、馬鞍群島−呉淞の陸軍部隊集中輸送の護衛任務に就いた。昭和16年12月、第１水雷隊に所属していた。昭和17年2月2日、フィリピンのスピック湾で爆撃により小破。11月24日、ニューギニアのラエの東13海里で爆撃を受け、至近弾により小破した。昭和19年6月12日、サイパン北北西でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没した。7月18日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊世界の艦船8,’20

＜おおとり＞：海上自衛隊ちよづる型掃海艇19番艇。元は第78号駆潜特務艇である。1952年8月１日に海上保安庁から移管され、掃海船MS-82となった。1954年7月1日に掃海艇に類別変更された。1956年4月1日、特務雑船特務７号に区分変更された。1957年3月31日、特務雑船YAS-27に区分変更された。1961年5月1日に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史

＜オードリー＞：A117（曳船）を参照。

＜鴻型＞：日本海軍水雷艇。千鳥型の重武装型で、16隻を建造予定だったが、友鶴事件が起きたため再設計が必要となり就役時期がずれ、ロンドン条約明けと重なったため、８隻で打ち切った。建造中はロンドン条約が有効だったため、公試排水量が1000トン超だったのを誤魔化す必要があり、基準排水量595トンと発表している。船型は船首楼型で、前甲板に12cm単装砲、船首楼後端に艦橋、その後ろに前部マスト、その後方に煙突、13mm機銃台、魚雷発射管、12cm単装砲、後部マスト、12cm単装砲、爆雷投射機、大掃海具と並ぶ。全長88.5m、水線長85m、水線幅（最大幅？）8.18m、吃水2.8m、基準排水量840トン、公試排水量900トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり30kg、温度350℃）２基、出力19000馬力、２軸推進、速力30.5ノット、重油搭載量245トン、航続距離4000海里（14ノット）。兵装は四五口径十一年式一二サンチ単装砲３門、毘式40ミリ単装機銃１丁、53サンチ３連装魚雷発射管１基、九四式爆雷投射機１基、爆雷投下台、大掃海具三型２基。乗員129名。鴻（２代目）、鵯、隼（２代目）、鵲（２代目）、雉（２代目）、雁（２代目）、鷺（２代目）、鳩が昭和11-12年に竣工した。竣工してすぐに日華事変が始まり、吃水の浅い本艇は江上作戦に活躍している。後に毘式40ミリ単装機銃を九六式二五ミリ単装機銃に換装した。参考：日本駆逐艦史、小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊

＜オードレイン＞：APA-59（攻撃輸送艦）を参照。

＜オートローダー＞：半自動式散弾銃や、半自動式ライフルのこと。参考：GUN用語事典

＜オートローテーション＞：Autorotation、自転降下飛行。回転翼とエンジンの連結を切断しても、相対風圧で回転翼が回転を続けること。これにより降下飛行を行うこともオートローテーションという。ローターブレードには降下による上向きの気流と回転による水平向きの気流が作用し、揚力と抗力が発生するが、これの合力がローターの回転軸よりも前傾するため、ローターブレードは前方に押し出されて風車のように連続回転する。ヘリコプターがエンジントラブルなどを起こして飛行を維持できなくなった場合、ローターブレードのピッチを最低にし、コレクティブ・スティックを一番下まで下げてエンジンとトランスミッションの間にあるクラッチを作動させ、メインローターとエンジンとの連結を切る。これにより機体は自由落下し始めるが、降下による相対風圧でメインローターがオートローテーション状態に入り、降下速度を同一直径のパラシュートを広げたのと同じくらいに抑えることができ、滑空飛行が可能となる。ヘリコプターはこの能力が無いと実用認定されない。水平対気速度を持つ場合に着地直前で機首を上げ、メインローターの迎え角を増やして揚力を増し、降下率と水平速度を落とした後、着陸姿勢まで機首を下げてコレクティブ・スティックを一気に上げ、メインローターの回転エネルギーを揚力に変えて降下率を更に下げて着陸するフレア・オートローテーション、機首上げをしないノーフレア・オートローテーション、ホバリング（水平対気速度ゼロ）から実施するホバリング・オートローテーションの３種がある。対気速度が低く、飛行高度がある程度高い場合にオートローテーションに入ると、ローターがボルテックス・リングに陥って操縦が困難になり、減速不十分のまま地面に叩き付けられるため危険。また、対気速度が高く、高度が低い場合には、適度な滑空速度に減速する前に地面に達してしまうので、やはり危険である。これらの危険領域は機種ごとに違うので、H-V線図としてフライトマニュアルに掲載されている。機体が重いと降下速度が速くなり、フレアに入れたり機首を戻したりするタイミングがシビアになる。オートジャイロはもともと回転翼とエンジンが繋がっておらず、オートローテーションで揚力を生み出して飛行する。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’09別冊付録、12,’12、2,’13、7,’14、月刊航空ファン4,’16、月刊軍事研究11,’12

＜オードロノー＞：DD-617（駆逐艦）を参照。

＜おおなみ＞：DD-111（護衛艦、初代）またはDD-111（護衛艦、２代目）を参照。

＜大波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦８番艦。昭和17年12月29日竣工。昭和18年7月7日、キスカ島撤退作戦に参加。11月25日、セント・ジョージ岬海戦で沈没した。昭和19年2月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、ラバウル航空戦

＜大西瀧治郎＞：明治24年6月2日、兵庫県生まれ。明治45年、海軍兵学校第40期卒。大正5年、中尉に進級し、航空術研究委員を志願した。昭和10年、横須賀航空隊副長・航空本部教育部長（階級は大佐）時代に戦艦無用論を唱え、金剛型戦艦１隻を作るならば同じ予算で航空機3000機を作った方が有効であると語り、大和型戦艦の建造にも反対した。これに対し、航空本部長山本五十六中将及び軍令部第２部長は、戦艦には平時のプレゼンスという重要な役目があるとして諫めている。叩き上げの航空畑で、剛直でもあり、山本大将も偉そうに言うが航空戦では全くの素人だ、真珠湾もミッドウェイでも、まるでなっとらんと酷評していた。昭和12年10月19日、航空本部教育部長から第２連合航空隊司令官（階級は大佐）に着任。第１連合航空隊司令官桑原虎雄少将に対し、第１連合航空隊司令官が両連合航空隊の統一指揮を執り、第２連合航空隊司令官は参謀長役を務め、両連合航空隊で統合作戦を実施すべきと提案して了承された。昭和16年1月15日、第11航空艦隊参謀長になった。12月8日、太平洋戦争開戦にあたっての第１航空隊への訓示では、今度の戦争は長期化するので、被弾飛行不能となっても支那事変の時のように決して自爆せず、極力逃避して生存に努め、友軍に合流して原隊に復帰し再度ご奉公せよ、と伝えている。昭和17年2月10日、第11航空艦隊参謀長を退いた。その後は航空本部総務部長、軍需省航空兵器総局総務局長を歴任。昭和19年10月20日、航空兵器総局から第１航空艦隊司令長官に転じ、神風特攻を発案、10月21日に出撃を命じた。出撃したら生きては帰れず、特攻なら確実に成果を挙げたと知って死ぬことができるから大慈悲である、と語ったとされるが、特攻は統率の外道、自分の行為は棺を蔽うても定まらず百年の後にも知己を得ないかもしれず、とも語っている。昭和20年5月10日、第１航空艦隊司令長官を退いて軍令部次長となった。終戦時は軍令部次長で、終戦翌日に「特攻の英霊に曰す…吾死を以て旧部下の英霊と其の遺族に謝せんとす」との遺書と、「之でよし百万年の仮寝かな」との辞世の句を残して軍令部次長官舎で割腹、なるべく長時間苦しむようにと介錯は命じず、十数時間後に死亡した。昭和49年、勲一等旭日大綬章を叙勲された。勲章は予科練平和記念館に寄贈されている。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、9,’14、日本海軍艦隊総覧、歴史群像8,’98、山本五十六と米内光政、月刊航空ファン11,’17、11,’18

＜大野竹好＞：日本海軍エース。大正10年、石川県生まれ。昭和15年、海軍兵学校を卒業、昭和17年6月に飛行学生教程を修了し、台南航空隊に配属された。8月27日、ブナ上空でP-39戦闘機１機を撃墜し、初戦果を挙げた。11月初旬、本土に帰還。昭和18年5月、第251航空隊分隊長となりラバウルに進出。6月30日、レンドバ攻撃で戦死した。公認撃墜数８機。最終階級は大尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜オーバー・アンド・アンダー＞：上下二連銃のこと。参考：GUN用語事典

＜オーバー・キル論＞：アメリカの核戦略。1960年代前半に議論されたもので、アメリカは現状でソ連の先制攻撃に耐えてソ連の主要都市を全て破壊するだけの戦略核を保有しており、これ以上戦略核部隊を強化する必要は無いという内容である。参考：アメリカの核兵器

＜オーバーシーズ・サービス・ストライプ（アメリカ陸軍）＞：オーバーシーズ・サービス・バー（Overseas Service Bar）ともいう。元は1918年11月11日に制定されたウォー・サービス・シェブロン（War Service Shevron）で、海外勤務を経験した兵士に合計半年ごとに１本授与され、左袖口に縫いつけていた（ちなみに右に縫いつけると戦傷章になってしまう）。1944年7月頃にデザインが変更されてオーバーシーズ・サービス・バーと改称された。第２次大戦後に右袖口に付けるように変更されている。海外勤務としてカウントされるのは戦時及び軍事行動の期間中のみで、第２次大戦（1941年12月7日から1946年9月2日）、朝鮮戦争（1950年6月26日から1954年7月27日、1968年4月1日から1973年8月31日）、ベトナム戦争（1958年7月1日から1973年3月28日）、ドミニカ共和国派遣（1965年4月29日から1966年9月21日）、ラオス派遣（1966年1月1日から1973年3月28日）、カンボジア派遣（1971年1月1日から1973年3月28日）、レバノン派遣（1983年8月6日から1984年4月24日）、ペルシャ湾派遣（1987年7月27日から1990年8月1日）、湾岸戦争（1991年1月17日から1995年11月30日）などである。参考：月刊コンバットマガジン11,’03、7,’06

＜オーバーシュート＞：Over shoot。ある機の後方についていた機体が、その機体の前方に飛び出してしまうこと。双方の機体軸線のずれが大きすぎた時か、接近速度が大きすぎた時に起こる。参考：図解現代の航空戦

＜オーバーシュレジェン＞：ドイツ陸軍試作戦車の秘匿名称で、オーバーシュレジェン・アイゼンヴェルケ社が開発したためこの名称が付いた。ルノーFT17を参考にしたらしく、小型の車体に上部構造物を載せ、上構前後に銃塔を配置、上構の上に全周旋回砲塔（3.7cmまたは5.7cm砲装備）を装備する。機関室は車体後部にある。戦闘重量19トン。1918年6月7日に設計を完了したが、完成前に第１次大戦終戦となった。参考：月刊PANZER8,’10

＜オーバーチュア＞：アメリカのブーム・スーパーソニック社が開発している超音速旅客機。低翼配置の主翼にエンジンポッドを左右２基ずつ吊り下げ、中バイパス比ターボファンエンジン計４基を積む。巡航速度マッハ1.7。2022年7月19日、ファーンボロー・エアショーで軍用機型をノースロップ・グラマン社と共同開発すると発表した。任務は人員輸送、医療支援、ISRを想定している。参考：月刊JWings10,’22

＜オーバーハング＞：カットアップの後ろから艦尾後端までをこう呼ぶ。自動車ではホイールベースより外側の部分を指し、前輪の中心軸から車体前端までをフロントオーバーハング、後輪の中心軸から車体後端までをリアオーバーハングという。参考：艦船メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典、自動車メカニズム図鑑

＜オーバーフライト作戦＞：CIA所属U-2A偵察機による、東側諸国領空侵犯偵察ミッション。1956年6月20日に分遣隊Ａ／アメリカ空軍航空気象サービス臨時第１気象偵察飛行隊の所属機がドイツ連邦ヘッセン州ビースバーデンを離陸し、東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア上空に侵入して偵察を行った。ソ連へのミッションは7月4日（アメリカ独立記念日）に第１回が決行され、ソ連防空軍の戦闘機はU-2Aの飛行高度にまで達することができず、レーダーには捉えたものの迎撃できなかった。9月からトルコのインシルリク基地に展開した分遣隊Ｂ／第２気象偵察飛行隊によるユーゴスラビアへのミッションを開始。11月20日、分遣隊Ｂがトルコからソ連への初ミッションを実施。1957年2月、厚木基地の分遣隊Ｃ／第３気象偵察飛行隊がU-2の運用を開始。1958年頃からはイギリス空軍もこのミッションに参加している。1958年8月、金門・馬祖島砲撃事件を受け、分遣隊Ｃが中国へのミッションを開始。1959年、分遣隊Ｃがチベットの弾道ミサイル基地に対するミッションを開始。ついでにラオスや北ベトナムも偵察している。1960年5月1日、スヴェルドロフスク上空でゲイリー・パワーズ搭乗機が撃墜されたため作戦は終了、海外の基地使用も不可能となったため、分遣隊Ｂ／Ｃは解散してエドワーズ空軍基地に分遣隊Ｇ／第４気象偵察飛行隊を新編した。参考：月刊軍事研究11,’18、4,’02

＜オーバーヘッド・アプローチ＞：Overhead approach。着陸方法の１つで、編隊飛行中の航空機が１機ずつ安全に着陸することができる。滑走路上空に進入して一度通過、180度旋回した後徐々に高度を落とし、もう一度180度旋回して着陸する。最初の180度旋回のタイミングを編隊機ごとにずらすと、１機ずつ一定間隔を置いて次々に着陸できる。また、滑走路の状況を目視確認できるメリットもある。ただし、タイミングが臨機応変で計器飛行する訳にいかないので、熟練を要する。また、悪天候時には危険なのでストレート・インを取らざるを得ない。参考：月刊JWings5,’04、10,’09別冊付録

＜オーバー・ヘッド・カム＞：OHCと略す。シリンダー１つにつき弁４つと点火プラグ２つを持つ構造である。エンジンの高速回転を可能にするため、従来のようにプッシュロッドを往復させる代わりに、垂直軸と傘歯車を追加してカム軸をシリンダーヘッドに導き、中心軸周りで回転させるようにしている。また、吸排気の弁を２つに分割して軽量化にも成功した。ドイツのダイムラー・メルセデス社が1910年代に開発し、ロールスロイスが第１次大戦のどさくさに盗用してホーク・エンジンを開発、更に発展させて最終的にマーリン・エンジンまで行き着いた。参考：月刊丸9,’97

＜オーバーヘッド・パネル＞：Overhead panel。航空機コクピットの天井に設置されている計器板のこと。燃料・油圧・電気・空調の操作スイッチ、エンジン始動スイッチ、サーキットブレーカーなどが設置されている。参考：飛行機のしくみ

＜オーバーホール＞：Overhaul。一定時間（ハードタイム、Hard time）を定めて行うハードタイム整備の１つ。部品を全てばらばらにし、各部品を整備点検して不良部品を取り替え、給油などの手入れを行い、また元通りに組み立てる。相応の費用と時間を要し、無駄も多く、組み立て終わるまで使えない。疲労部材の発見など点検困難な部分があるため、新品と全く同じ状態に戻る訳ではない。分解組み立ての際に作業ミスが起きたり、初期故障の確率が増えたりするので、無闇に行うとかえって危険。せっかく馴染んだベアリングなどの摺動部分が初期状態に戻ってしまうので、オーバーホール不要論もあるが、摩耗による性能低下を防ぐためにはどうしてもオーバーホールによる部品交換を要する。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録

＜オーバーホール間隔＞：TBO（Time Between Overhaul）と略す。オーバーホールを完了してから次のオーバーホールに入るまでの期間で、飛行時間、着陸回数、使用期間などにより規定される。同じ装備品や部品でも、使用目的が違うとTBOが違ったりする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜オーバーライド＞：Override。操縦や照準などの役割を交代すること。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜オーバールーンの戦い＞：第２次大戦時のマーケット・ガーデン作戦によって連合軍の作り出したオランダ回廊により、ベルギー北部からオランダ南部のドイツ国防軍は二分さた。回廊右翼のドイツ国防軍は連合国がフェンロー橋頭堡と呼んだ突出部を形成しており、オランダ回廊を分断する行動を試みていたため、この橋頭堡を粉砕する作戦が、オーバールーンの戦いである。1944年9月24日、ドイツ国防軍がオーバールーンの森に到着した。9月25日、連合軍とドイツ国防軍双方の機甲旅団が到着し、9月26日から警戒行動が増加。9月27日、ドイツ国防軍が住民に避難命令を出した。偵察でドイツ国防軍が強力であると判断したイギリス軍は、アメリカ第７機甲師団に援軍を要請している。9月29日、アメリカ軍増援が到着。9月30日から激しい戦車戦が10日に亘り続き、ドイツ国防軍部隊がアメリカ軍戦車隊を撃退した。連合軍側は10月11日までに増援を次々と派遣し、10月12日から攻撃準備射撃を開始。１時間半で砲弾10万発を叩き込み、５分ごとに100ヤード（91.4m）ずつ砲撃ラインを延伸しつつイギリス軍が前進し、オーバールーンの森をほぼ制圧した。10月13日、イギリス軍がドイツ国防軍の立て籠もる付近の村に進出。10月14日まで激しい市街戦が続いた。10月15-16日に掃討戦を完了し、戦闘は終了した。参考：月刊PANZER4,’02

＜オーバーロード＞：発射薬を過重充填したカートリッジのこと。参考：GUN用語事典

＜オーバーロード作戦＞：第２次大戦時に行われたノルマンディー上陸作戦の連合国側作戦名称。上陸後、ユタ・オマハ海岸のアメリカ軍はコタンタン半島付け根の東側にあるカランタンに進撃して連絡を付け、東のバイユーでイギリス軍と合流して橋頭堡を固めた後、アメリカ第７軍団はカランタンから西に進撃してコタンタン半島を遮断、主力は北進してシェルブールを占領する。その間イギリス軍はカーンを攻撃してドイツ軍主力を引きつけておき、シェルブールを占領したアメリカ軍が返す刀で南進してサンローを突破、南のアブランシュまで進撃し、戦車の機動に適した内陸部分を進撃して西のブルターニュ半島と東のファレーズを制圧、ドイツ軍を包囲殲滅する。連合軍の最重要目標はコタンタン半島及びその最北端にあるシェルブール港で、他の目標が挫折してもこれらだけは確保する予定だった。1944年6月4日2145、連合軍ヨーロッパ派遣軍総司令官ドワイト・アイゼンハワー大将が作戦決行を6月6日早朝に決定。6月5日夕暮れ、連合軍輸送船団、輸送機、グライダーが出撃。2115、ベルレーヌの詩の後半部がBBCラジオ放送で流され、ノルマンディー地方のレジスタンスが行動を開始。6月6日0030頃、イギリス第６空挺師団がカーン運河とオルヌ川にかかる双子橋のベヌヴィル・ランヴィル橋近くにグライダーで突っ込み、占領に成功した。同じ頃、イギリス第６空挺師団第９パラシュート大隊がメルヴィル砲台近くに降着。メルヴィル砲台に爆撃が行われたが、ゴンヌヴィル村を直撃して砲台は無傷だった。0100、アメリカ第82・第101空挺師団（兵力17262名、砲504門、車両101両）が降下を開始したが、厚い雲に阻まれて降下地点が分散。ロンメルのアスパラガスに引っかかったり、冠水障害に落ちたりして多数の死傷者を出したが、通りがかりのドイツ第79降下猟兵師団長及び第91師団長を射殺したり、通信線を見つけ次第切断してドイツ軍を混乱させたりし、ユタ海岸背後のセント・メール・エグリスなどの拠点を夜明けまでに確保した。この空挺隊の一部を捕虜としたドイツ軍は、最精鋭の米英３個空挺師団が投入されていることを知ったが、ドイツ軍司令部は陽動作戦と判断し、ヒトラーユーゲント師団と機甲教導師団の出動要請に対して命令を下さずにいた。レーダーには海上から接近する戦闘艦750隻と輸送／揚陸艦6480隻の影が映っており、0500前に西方軍司令官から国防軍最高司令部にヒトラーユーゲント師団及び機甲教導師団の出動要請がなされたが、現状不明確として応じなかった。0615、メルヴィル砲台を制圧したという連絡が連合軍艦隊に届いた。0630、上陸支援の艦砲射撃が始まり、ユタ海岸にアメリカ第４歩兵師団が、オマハ海岸にアメリカ２個師団が、ゴールド・ジュノー・ソード海岸にはイギリス・カナダ３個師団が上陸を開始した。ユタ海岸はシャーマンDD戦車と近接航空支援で火点を制圧し、昼には内陸部に進撃している。オマハ海岸ではシャーマンDD戦車を降ろすタイミングが早すぎて殆ど沈没してしまい、沿岸火点の大部分が生き残っており、更にドイツ軍が第352歩兵師団に第716歩兵師団の大部分（２個歩兵大隊以外）を増強して守備を強化していたことが諜報の遅れから上陸部隊に伝わっておらず、猛烈な阻止砲火に遭って被害が続出、上陸開始後２時間経っても50mしか進めなかった。このため、艦砲射撃による近接支援を実施、死傷者2500名を出しながらも1500までにどうにか海岸堡を確保している。ゴールド海岸はドイツ軍守備隊がそれほど強力でないこともあり、1200までに奥行き5kmの陣地を確保した。ジュノー海岸もシャーマンDD戦車と第79機甲師団チャーチルAVREで制圧、カナダ軍の上陸は順調に進行している。ソード海岸は対戦車砲はじめ比較的強力な阻止砲火に遭ったが、0930までに内陸部に通じる７本の通路を啓開した。ソード海岸後方の要衝カーン南西30kmには、ドイツ第21機甲師団が待機していたが、指揮系統が第716歩兵師団と国防軍最高司令部の２つに分かれていたため、出撃が遅れ、しかもイギリス軍上陸地点ではなく、空挺部隊降下地点に向かってしまった。0900、漸く第21機甲師団にソード海岸への転進命令が出た。0930、イギリスのラジオが上陸の第一報を伝えた。1000、第82空挺師団は３個連隊を集結、師団としての行動がとれるようになった。ヒトラーに連合軍上陸の一報が入ったが、イギリス本土に主力が残っているという偽情報に引っかかり、太平洋で行われていたフォーリジャー作戦をヨーロッパ向けのものと間違い、マルベリーの存在に気付かなかったため港湾確保部隊が存在するという誤判断をし、ヒトラーは陽動説を譲らず、ほぼ総統直轄となっていた２個装甲師団は動かないままだった。ドイツ空軍機の動きも鈍く、出撃したFw190戦闘機はヨーゼフ・プリラーとウイングマンのハインツ・ボルタジックの操縦する２機のみだった。1200過ぎ、イギリス軍コマンドー部隊がベヌヴィル・ランヴィル橋に到達。1430、第21機甲師団が漸くカーンの北東のルビゼー町に展開し、３つに分かれて海岸へ進撃した。2000、第21機甲師団第192機甲てき弾兵連隊第１大隊が海岸に到達したが、次いで到着する筈の第22戦車連隊が、イギリス軍の17ポンド砲を主力とする防御陣地にぶち当たって突破できず、てき弾兵も引き返さざるを得なかった。ここでイギリス軍も時間を消耗し、当日には奪取する筈だったカーンの占領に失敗している。夜、ドイツ海軍第５水雷戦隊の水雷艇T-28、メーヴェ、ヤガール、ファルケがル・アーブルを出撃してソード海岸に向かい、ノルウェー（オランダ？）駆逐艦スヴェンナーを雷撃して撃沈した。6月7日、ドイツ空軍爆撃機が司令艦ブローロを損傷させた。0800、ロンメルはSS第１装甲軍団長に反撃を命じたが、連合軍爆撃機の攻撃が激しいため身動きがとれず、軍団長は夜に攻撃中止命令を出した。夜、ドイツ海軍第５水雷戦隊の水雷艇T-28、メーヴェ、ヤガール、ファルケがル・アーブルを出撃し、連合軍艦船を砲撃した。6月8日、ロンメルがSS第１装甲軍団司令部に到着し、反撃を計画したが、艦砲射撃が激しく失敗。ドイツ空軍爆撃機がイギリス海軍フリゲートK514ローフォードを撃沈。イギリス軍がバイユーを占領。ヴィール川河口に漂着した連合軍上陸用舟艇をドイツ軍が発見、中にあった機密書類からこの作戦が陽動でないことを漸く把握したが、もはや手遅れだった。第４師団と第82・第101空挺師団の連絡が付き、第７軍団は内陸部への進撃を開始した。第82空挺師団は歩兵の46%が戦死または重症となっていた。ブレストから出撃したドイツ第８駆逐隊の駆逐艦３隻と水雷艇T24がフランス北西部のウシャント岬付近でイギリス海軍第10水雷戦隊に発見されて戦闘となり、ドイツ側は駆逐艦Z32とZH1が沈没、イギリス側は駆逐艦ターターが大破した。このため、ドイツ側は出撃基地に引き返した。ドイツ第４魚雷艇隊の８隻はLST-314とLST-376を撃沈。第５魚雷艇隊は７隻が出撃したが、２隻は途中で触雷沈没、S84は機関部の故障で引き返し、残るS100、S142、S150、S168が雷撃を行い、LST-715とLCT１隻を撃沈した。第９魚雷艇隊の６隻はLCT-105とLCT-875を撃沈した。6月9日、ドイツ空軍は戦闘飛行隊15個以上、戦闘機300機を前線に配備したが、連合軍戦闘機5400機の前には多勢に無勢だった。6月10日（11日？）、連合軍はカーンを防衛する西方装甲集団司令部の位置をウルトラ情報でキャッチし、タイフーン４個飛行隊によるロケット弾攻撃と中型爆撃機70機強で粉砕、司令官のシュヴェッペンブルク大将を負傷させ、参謀長ら16名を殺害して機能を喪失させた。このため、ドイツ軍はカーン周辺を担当する指揮官をディートリッヒSS大将に交替させている。6月11日、ドイツ第６降下猟兵連隊が連合軍の攻撃に耐えきれず撤退、コタンタン半島付け根のカランタンが陥落。6月12日、カランタン奪回に向かったドイツ第84軍団が空襲で壊滅。夜、ドイツ空軍爆撃機がイギリス駆逐艦ポートランドを雷撃で撃沈し、H65ボーデシアに爆弾を命中させた。6月14日夜、ル・アーブルのドイツ海軍基地を４発爆撃機数百機が爆撃し、ドイツ艦艇30隻以上が沈没した。6月18日、アメリカ軍がコタンタン半島を遮断、ドイツ軍のコタンタン半島防衛部隊（シェルブール戦隊）は6月19日からハインリヒ計画に基づきシェルブールに向かって後退を開始。6月25日夜、ドイツ軍はシェルブール港をダイナマイト35トンで爆破。6月26日、シェルブール戦隊司令部が連合軍に降伏したが、末端部隊には降伏が伝わらず、戦闘は6月28日まで続いた。6月28日、シェルブール要塞が陥落。アメリカ第１軍は南にとって返し、サンローへの攻撃を開始した。ドイツ空軍は6月6日からパイロット170名を失い、戦力の維持が困難となってきた。6月末までにドイツ軍の機雷で駆逐艦７隻、掃海艇２隻、その他艦艇・商船16隻が沈没した。7月初め、サンロー戦区がアメリカの攻撃で危機に陥ったため、カーン戦線から機甲教導師団が移動した。この時期、ノルマンディー付近のボカージュ地帯での待ち伏せ攻撃により連合軍は進撃がままならず、ドイツ軍はパ・ド・カレー方面への上陸第二波を恐れて予備兵力を動かさず、戦線が膠着していた。7月7日、モントゴメリーの命で、カーンに８万発の艦砲・重砲射撃と2560トンの爆撃が加えられた。しかしSS第12機甲師団が残存戦車でイギリス軍の前進を阻止、更に５段階の防衛陣地を構築にかかった。アメリカ第30歩兵師団はカランタンとサンローの中間地点にあるサン・ジャン・ド・ディを占領。第９歩兵師団と第３機甲師団も加わってサンローに波状攻撃を行ったが、SS第２装甲師団の頑強な抵抗に遭って進撃できなかった。7月9日、イギリス軍がグッドウッド作戦を開始。7月17日、ロンメルの乗車がスピットファイアの機銃掃射に遭ってロンメルが重傷を負った。7月19日、サンローが陥落。7月25日、カーン戦区が突破の危機にあると見たドイツ軍は、陸軍第２装甲師団をサンロー付近から引き抜いて第326歩兵師団を配置。その直後、アメリカ軍によるコブラ作戦が開始された。2014年6月5日、イギリス海軍がポーツマス沖でＤデイ70周年記念式典を実施。F239リッチモンド、L15ブルワーク、LCVP Mk5、レッド・アローズ、オランダL801ヨハン・デ・ウィット、フランス補給艦ソンムなどが参加した。参考：月刊PANZER4,’93、9,’04、10,’02、6,’99、6,’00、10,’05、現代の空挺作戦、写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション44、世界の傑作機No.145、月刊世界の艦船9,’14

＜オーバーロード作戦まで＞：第２次大戦時にドイツ軍は連合軍上陸阻止のため大西洋の壁を建設、ディエップ上陸ジュビリー作戦を頓挫させていた。連合軍はドイツ軍の配備の薄い所を狙って上陸することにし、ノルマンディー地区正面50kmに注目、３個師団を上陸させる予定として1943年8月に検討に入った。しかし兵力が少なすぎ、シェルブール港の奪取が困難な上、逆襲に遭って壊滅する恐れもあり、同時に行う予定だった南フランス上陸作戦（後のドラグーン作戦）を8月まで延期して揚陸艦を確保、師団６個と空挺師団３個を上陸させることにした。それでもシェルブールやアントワープを制圧するには力不足だったため、空挺師団３個を含む師団16個を上陸させて橋頭堡を固め、人工港マルベリー及びグーズベリーを建造し、燃料パイプを海底に敷設して補給路を確保、１個師団あたり１日700トンの物資を補給し、損耗した装備を補充、１日１個師団以上の増援を送り込むという壮大な計画を立てた。作戦は一切偶然に任せないという方針の下、徹底的な諜報を行い、守備隊の中隊長の名前まで把握していたが、第352歩兵師団の増強だけは5月下旬まで把握できず、結局部隊には伝わらなかった。また、防諜も徹底され、4月1日に上陸部隊集結箇所を立ち入り禁止区域とし、4月17日に外交官出国禁止と通信検閲を開始、5月17日に在英アメリカ人に対する電話・有線通信・無線通信の禁止と手紙発送の10日間延期といった措置を執ったが、機密文書を間違って郵送したり、タクシーに置き忘れたりといった事件も発生している。ドイツ軍はトルコの対外諜報部要員寝返りをきっかけに諜報機関再編中だったこともあり、ドイツ側が掴んでいた情報は作戦名とレジスタンスへの上陸作戦期日暗号だけだった。上陸時刻は障害物が露出する干潮時に設定、工兵が障害物を処理した後、上げ潮に乗って上陸第二波以降を上陸させることにした。上陸第一波は汀線まで数百メートルに亘り敵銃砲火に晒されることになるが、障害除去にあたる戦闘工兵を機甲化した第79機甲師団を配置させることにしたのと、ノルマンディー地区のドイツ軍の配置が薄いことを綿密な偵察で掴んでいたため、この作戦が許可されている。ただアメリカのブラッドレイ将軍が特殊戦車の配備を拒んだため、アメリカ上陸部隊はシャーマンDDしか装備せず、オマハ海岸で甚大な被害を出す羽目になった。事前砲撃は企図を隠蔽するため上陸第一波到達寸前に最大火力を発揮することとし、十分な観測が可能になる第二薄明の10分後から30-40分に亘る砲爆撃時間を確保することにした。また、月の出がなるべく遅く、空挺部隊の集結に必要な月明かりが確保できる月齢も考慮した結果、最適な日時は6月5日、次いで6日と決まった。ドイツ軍は民主国家のアメリカやイギリスが兵士を敵銃砲火に晒したまま数百メートルも走らせることはないとして逆に満潮時に上陸してくると考え、5月下旬と予想している。更に西から変わる気象を掴みきれず、6月初旬からドーバー海峡を覆った暴風が6日に止むという予報を出すことができず、ロンメルが休暇に入るなど守備隊が油断していた。イギリスに配置されていたドイツ諜報員が、200個もの巨大なコンクリートブロックを建造中との情報を掴み、人造港を製作する可能性があるとドイツ本土に通報したものの、司令部は一笑に付してしまい、港の確保に有利なカレー上陸説を取り続けている。アメリカ陸軍上陸第一波部隊の訓練は1943年9月からデボンシャー北西のウーラコンブ・ビーチに開設したアサルト・トレーニング・センターで、12月からダートマス付近のスラプトン・サンズで実施。実弾と爆薬を使用した訓練だったため、死者も出たが、家族には「戦闘中に死亡」と伝えられた。イギリス・カナダ軍も上陸演習を行ったが、市街戦実弾訓練に疎開後のイギリス市街地を使用したため、歴史的建造物を含む一般建造物が被害を受けている。1944年4月、Me410A-3偵察機がポーツマスに集結した200隻以上の艦船と上陸用舟艇をカメラに収めた。4月25-26日と26-27日、ドイツ空軍機200機がポーツマスにBM1000爆弾型機雷を投下。4月29-30日、ドイツ空軍がDo217爆撃機100機でプリマスを爆撃。SD1400Xも使用されたらしい。4月末、作戦準備を完了。アメリカの上陸部隊はイギリスに移動し、外出も認められていたが、ラジオで「捧ぐるは愛のみ」という曲が流れたら帰隊するように命じられた。5月15-16日、ドイツ空軍がJu88爆撃機、Ju188爆撃機、Fw190攻撃機など100機でポーツマスを爆撃。１トン爆弾35発、500kg爆弾40発、50kg爆弾250発、BM1000爆弾型機雷70発が投下された。5月最終週に上陸部隊はイギリス南部に集結。以降は外出と手紙による通信が禁止された。ヨーロッパ大陸のレジスタンスへの暗号通報は、BBCで流すヴェルレーヌの詩によるもので、1日と2日または15日と16日に「秋の日のヴィオロンのためいきの」が流れれば、以降の放送に注意し、後半の「身にしみてひたぶるにうら悲し」が流れれば、48時間以内に上陸が開始されることを意味する。ドイツ軍もこれを把握していたが、前半は6月1-3日に３回流され、後半もドイツ時間の6月5日2115に続けて４回流されたため、情報部は偽情報かと疑いを持った上、カレー正面の第15軍にのみ警報が伝えられ、ノルマンディーの第７軍には警報が出されないままだった。イギリスがドイツに送り込んだ二重スパイは、ボディーガード作戦に基づき、上陸先がノルウェーまたはカレー地区であると発信した。ユタ海岸に上陸した部隊のコタンタン半島内部への進撃路は狭い土手道2-3本しかなかったため、空挺部隊によりこれを確保することとし、最後まで反対した空軍総指揮官リー・マロリーを連合軍最高指揮官アイゼンハワーが説得、輸送機2435機とグライダー867機で最初の24時間に17000名を空挺降下させることにした。作戦専用装備として、アサルト・ジャケット、アサルト・ガスマスク、ライフ・プリザーバー・ベルトなどを開発し、現地のガイドや酔い止めなども携帯させた。6月3日、全部隊の乗船が完了し、先発隊が出港。上陸部隊は酔い止めを飲むように指示されたが、最初の２錠を飲んだところ、強烈な副作用が出現。激しい眠気、口渇、瞳孔散大に襲われたため、残りの酔い止めを全部捨ててしまった。参考：月刊軍事研究6,’07、5,’10、現代の空挺作戦、月刊コンバットマガジン7,’09、世界の傑作機No.141、歴史群像4,’16

＜オーバーン＞：AGC-10（揚陸指揮艦）を参照。

＜大浜＞：日本海軍大浜型標的艦Ohama。昭和20年1月10日竣工、標的艦に類別された。昭和20年8月9日（10日？）、宮城県女川湾でイギリス艦上機（シーファイア及びコルセア）の攻撃を受けて転覆し、8月11日に沈没した。9月15日に除籍され、その後解体された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜大浜型＞：日本海軍標的艦Ohama型、計画番号J-36。波勝型と同じく船体後部上甲板の一層上に支柱を介して防御甲板（高度4000mからの10kg演習爆弾に耐える）を載せているが、復元性向上のため船型を平甲板型としている。アメリカ艦の30ノット急速回頭を模するため、秋月級駆逐艦と同じ主機と主缶を搭載した。護衛艦としても使えるよう、建造中に兵装を強化している。水線長118m、垂線間長112m、最大幅11.55m、吃水4.1m、基準排水量2580トン、公試排水量2950トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶３基、出力52000馬力、２軸推進、速力33ノット、重油搭載量500トン、航続距離4000海里（18ノット）。兵装は十年式45口径12サンチ高射砲２門、九六式３連装25mm機銃４基、九六式単装25mm機銃20門、三式爆雷投射機１基、爆雷投下軌条１条、爆雷36個。九三式水中探信儀１基を装備する。乗員173名。改マル五計画で５隻を建造予定だったものの１隻に減らされ、大浜が昭和20年に竣工したが、完成時期が遅く、標的として使用される機会は無かった。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門

＜大原鉄工所＞：1907年、石油発掘鑿井関係機械部品鋳造メーカーとして創業し、1940年に大原鉄工所として設立された。1951年、新潟県の依頼で日本初の実用雪上車を開発。1953年、防衛庁の依頼で53式雪上車を開発。78式雪上車、10式雪上車、空自向け大型雪上車も納入している。参考：朝雲

＜大原亮治＞：日本海軍エース。大正10年、宮城県生まれ。昭和17年7月、丙種飛行予科練習生を卒業し、第６航空隊に配属された。10月、ブインに進出。10月23日、ガダルカナル上空で初撃墜を記録。昭和18年5月13日、ルッセル島上空でF4U戦闘機１機を撃墜したが、38発被弾して尾翼を損傷したため、帰途に就いた。そこにF4U戦闘機２機が襲いかかってきたため、逆襲して１機を撃墜し、コロンバンガラ島に不時着している。これにより第204航空隊司令から善行表彰を受賞した。10月に本土に帰還し、横須賀航空隊に転属。昭和20年春から関東で防空任務に就き、終戦となった。戦後は海上自衛隊に入隊している。総撃墜数16機。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜オービター＞：スペースシャトル本体。巨大なKH偵察衛星シリーズを収容できる貨物室と、極軌道を通ってソ連の偵察を行った直後に大気圏に突入して軌道から1100海里も離れたバンデンバーグ空軍基地に着陸できる、ストレーキ付き大型切り落としデルタ翼を持つ無尾翼デルタ翼機である。機体中央背部は4.6m×18mのペイロード・ベイ（開閉式荷物室）となっており、研究室、船外活動用ロボットアーム、各種機材、人工衛星などを載せられる。宇宙空間での姿勢制御は機体44ヵ所の小型ロケットRCS（Reaction Control System）を使用する。速度を大きく変更する時は、軌道制御システムOMSの大型ロケット２基で行う。帰還時は高度105kmあたりから生じる揚力を利用して滑空し、着陸する。大気圏突入時には空力加熱により機体表面が1500℃に達するので、機首、主翼前縁、機体下面には耐熱タイル（炭素繊維強化炭素複合材RCC/Reinforced Carbon Carbon、高温用耐熱タイル、低温用耐熱タイル、屈曲製耐熱材）28000枚がびっしりと張られている。全長37.2m、全幅23.8m、全高14.1m、空虚重量70トン。推進はメインロケット（推力231トン）３基、主燃料は液体水素・液体酸素。ペイロード29.5トン。乗員は船長、操縦士、ミッションスペシャリスト1-3人、ペイロードスペシャリスト1-2人。参考：月刊JWings4,’03、12,’17、10,’05、9,'20、月刊軍事研究3,’05

＜オービター＞：エアロノーティカル・ディフェンス・システムズ社のUAV。全長1m、全幅2.2m、最大離陸重量6.5kg。推進は電動モーター、速度46-140km、運用高度150-600m、進出可能距離15-50km、滞空時間2.5-3時間。ペイロード1.5kg。参考：月刊JWings8,’11

＜オービタルＡＴＫ社＞：ATK社の防衛・航空宇宙部門とオービタル・サイエンス社が合併して2015年に設立された。参考：月刊JWings1,’19

＜オービット捜索パターン＞：ある点を中心に旋回しながら捜索するパターンで、捜索時間が限定され、かつ洋上をレーダー捜索する時に用いる。参考：月刊JWings12,’99

＜オーフェンロール＞：パンツァーシュレック（対戦車ロケット）を参照。

＜大房養次郎＞：おおぶさ・ようじろう。日本陸軍エース。大正7年、宮城県生まれ。日本陸軍に入隊して砲兵曹長となったが、ノモンハン事件中にパイロットに転向、昭和17年6月に熊谷飛行学校を卒業し、10月に第１野戦補充飛行隊で錬成教育を受け、昭和18年1月に飛行第50戦隊に配属された。11月24日、メイクテーラ上空でB-24を撃墜し、初戦果を挙げたが、自機も被弾炎上して落下傘降下、41日間入院した。退院後はビルマ航空戦に参加し、武功章を授与された。昭和20年から仏印、次いで台湾に後退し、終戦となった。総撃墜数19機（P-51戦闘機５機、P-47戦闘機２機、スピットファイア１機、ハリケーン４機など）。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜オーフュース＞：S-11（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オーフュース偵察ポッド＞：オランダのオルデルフト社が開発したF-104G用偵察ポッド。オランダ空軍とイタリア空軍に採用され、改良型はF-16A/BやAMXに搭載された。参考：月刊軍事研究7,’11

＜オーブリーティア＞：K96（コルベット）を参照。

＜オーブレイ・フィッチ＞：FFG-34（フリゲート）を参照。

＜オープン・アーキテクチャー＞：ハードウェアやソフトウェアの基本設計仕様（アーキテクチャー）を公開し、他の開発者でもアップグレード版を簡単に作れるようにすること。参考：月刊軍事研究12,’14、4,’11

＜オープン・サイト＞：谷型照門や四角型照門のこと。

＜オープン・スカイズ条約＞：1992年3月24日に署名され、2002年1月に発効した条約Open Skies。締約国は、他の締約国の領域上空において軍縮目的の査察飛行を行うことができる。使用機には光学カメラ、モニター付きビデオカメラ、赤外線走査装置、側方監視合成開口レーダーを搭載可能で、事前に合意した経路を飛行する。有効期間は無期限。2008年現在、34の国と地域が加盟しており、被査察回数は領空面積などによって年2-42回と幅がある。2020年5月22日、ロシアが査察拒否地域を設けるなど違反行為を繰り返しているとして、アメリカが離脱を通告した。11月22日、アメリカが離脱した。トランプ大統領からバイデン大統領に代わった後の2021年5月27日、アメリカが復帰しない方針を通告したため、6月7日にロシアが離脱を通告した。参考：軍縮条約・資料集第２版、月刊JWings6,’08、2,’13、8,'20、8,'21、月刊航空ファン8,’19

＜オープン・スピリット２０１５＞：NATOが2015年5月15-28日に行ったバルト海掃海演習Open Spirit 2015。第１次・第２次大戦で敷設された機雷の掃海・掃討とNATO諸国連携強化が目的で、第１常設掃海部隊（SNMCMG1）と第２常設水上部隊（SNMG2）の14カ国15隻（アメリカ海軍イージス巡洋艦CG-69ヴィクスバーグ、イギリス海軍掃海艇M41クォルン、ドイツ海軍掃海艇M1093アウエルバッハ、無人掃海艇ゼーフント、ベルギー海軍掃海艇M921ロベリアなど）が参加し、実機雷処分と各種訓練を実施した。参考：月刊世界の艦船8,’15

＜オープン・バウ＞：艦首部分で空母飛行甲板と主船体が離れているもの。大時化の時などに飛行甲板がめくれあがったりする。参考：月刊JWings2,’00

＜オープン・ブリーチ・ファイア＞：火器の作動が、薬室開放位置から始まるもの。トリガーを引くと弾薬が装填され、遊底により薬室が閉鎖され、発射される。ブローバック式の場合、遊底が停止した状態で発射すると後座が激しくなって薬室の閉鎖を維持できなくなる恐れがあるため、この方式を使用し、初弾でも遊底が前進しているタイミングで後座力が遊底にかかるようにする。発射されるまで薬室が開放されているので、冷却効果が高いが、ゴミが入りやすい。参考：GUN用語事典、拳銃・小銃・機関銃

＜オープンポッド＞：ノースロップ・グラマン社とイタリアのセレックスES社が開発中の多用途ポッドシステム。内蔵システムをセレックスES社製IRST、光学探知装置、測距装置、目標標定装置、通信装置などに交換できる。重量225kg。アメリカ空軍がF-15C/D/E用IRSTポッドとして検討しており、Sta.5に装着してコンフォーマル燃料タンクと併用する。参考：月刊JWings8,’15、月刊航空ファン8,’15

＜オープン・ボルト式＞：作動（撃発準備）を参照。

＜オープン・ループ方式＞：目標の未来位置と弾丸飛翔位置を予測し、命中に必要な見越し角を計算、データを砲に送って射撃する方式のこと。参考：月刊丸3,’90

＜オーベルライン軍集団＞：ドイツ国防軍の軍集団。1944年12月2日に新編され、ヒムラーSS国家長官が軍集団長となった。隷下にSS第14軍団、SS第18軍団などを置く。1945年1月に解隊され、SS第14軍団とSS第18軍団はヴィッスラ軍集団、その他部隊はＧ軍集団に転属した。参考：武装親衛隊

＜オーボエ＞：イギリス空軍の計器爆撃システムOboe。ケントのウォルマー付近にマウス局、ノーフォークのトリングハム付近にキャット局を置き、両方から波長1.5mの誘導電波を送信する。操縦士はキャット局からのモールス信号電波を受け取って信号音が連続音になるように飛行する（左右にずれると短音になったり、長音になったりする）。キャット局からの電波を機上レスポンダーで受信することにより、局からの距離も測ることが出来た。マウス局では爆撃機の速度、高度、目標までの距離を監視していて、目標上空に達すると地上要員が爆撃機航法士に向けて投下信号を送る。有効距離400km、誤差91m以内。イギリス本土での実験では古い地図を使用した事による爆撃誤差の方が大きいこともあったという。1941年から開発し、1942年12月20日にモスキートに搭載してフロレーヌのドイツ空軍第７地区夜間戦闘機隊本部（オーボエ装置から距離480km）を爆撃したところ、ベルギーの情報員からは全て本部から137m以内に着弾したことが伝えられた。1943年2月に完成し、3月からGEE装置に替わって運用され、命中率70%を発揮した。10月からはドイツ国防軍が妨害電波を出すようになったため、H2Sレーダーを開発して対抗した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜オーボー＞：Ｏを表すアメリカ軍符丁で、朝鮮戦争まで使用された。

＜大湊衛生隊＞：海上自衛隊の衛生隊。2017年11月16日、自衛隊大湊病院と共に、むつ市で第57回東北防衛衛生学会を開催した。参考：大湊衛生隊ホームページ、朝雲

　＜大湊衛生隊（２０１５年）＞：大湊地方隊隷下で、大湊基地に置かれている。衛生隊長、総務科（総務係、薬務係）、衛生科（医務係、診療係、調剤係）からなる。参考：大湊衛生隊ホームページ

＜大湊音楽隊＞：海上自衛隊の音楽隊。1956年に発足し、1976年に大湊地方総監直轄部隊として大湊地方隊隷下に正式に編成された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月2日1800、第２航空群で被災者激励ハートフルコンサートを開催した。2012年7月2日と7月10-11日、地元小学校で音楽鑑賞教室を実施。9月15日、下北文化会館で市民とのふれあいコンサートを開催。2014年11月29日、リンクステーションホール青森で陸海空自衛隊合同演奏会に参加。2015年2月11日、リンクステーションホール青森で大湊音楽隊第37回定期演奏会を実施。八戸市立白山台中学校の音楽鑑賞教室で演奏を行った。8月27-30日、岩手県内３箇所で演奏会と演奏指導を実施。10月10日、横須賀芸術劇場で海上自衛隊バンドフェスティバルに参加。10月11日、横須賀パレードに参加。2016年2月13日、札幌市ニトリ文化ホールで第83回定期演奏会を実施。2月27日、呉市文化ホールで呉音楽隊定期演奏会に参加。5月26日と6月3日、青森県内の中学校で音楽鑑賞教室を実施。6月10日、稚内市総合文化センターでふれあいコンサートを実施。6月23日、花巻文化会館で行われた花巻商工会議所主催の宮沢賢治生誕120周年記念事業演奏会で演奏支援を実施。8月3-4日、函館港まつりで演奏を実施。9月21日、八戸公会堂で発足60周年・新編40周年記念市民とのふれあいコンサートを実施。10月15日、秋田県大仙市でコンサートを実施。10月16日、秋田県仙北市でコンサートを実施。12月17日、陸自第９師団第９音楽隊、空自北部航空音楽隊と共に、青森地本創立60周年記念陸海空自衛隊合同演奏会に参加。2017年2月25日、むつ市下北文化会館で大湊音楽隊第39回定期演奏会を実施。5月5日、松前さくらまつりで演奏支援を実施。5月6日、森町公民館で演奏会を実施。5月21日、五所川原第１中学校で地元小中高計12校380人に演奏指導を実施。5月28日、秋田県横手市秋田ふるさと村で演奏会を実施。9月2日、弘前市民会館でふれあいコンサートを実施。2018年1月20日、青森市内のホールで大湊音楽隊第40回定期演奏会に参加。4月21-22日、五所川原市のショッピングセンターなどで広報演奏を実施。10月8日、秋田県鹿角市の文化の杜交流館で広報演奏を実施。2020年2月7-20日、青森地本の自衛隊入隊入校予定者激励会で激励演奏を行った。2020年9月3日、修学旅行で大湊地方隊を訪問した青森市立油川中学校生徒30人に演奏を行った。9月13日、むつ市下北文化会館で下北ジュニア・ウインドオーケストラの小学生46人に実技指導を実施。11月8日、いわてグルージャ盛岡対ヴァンラーレ八戸の試合会場で演奏を行った。2022年4月23日、第２航空群の観桜会で演奏支援を行った。5月29日、青森県むつ市で行われたサッカーJFLラインメール青森対FCティアモ枚方戦で演奏支援を行った。参考：大湊音楽隊ホームページ、月刊JWings6,’11、朝雲

＜大湊海軍航空隊（日本海軍）＞：日本海軍航空隊。昭和18年4月3日、津軽海峡で敷設艇白神と共に九四式水上偵察機でSS-177ピカラルを撃沈した。参考：輸送船入門

＜大湊海自カレー＞：青森県むつ市の地域振興カレー。大湊基地所属艦艇・地上部隊のカレーレシピを再現して市内飲食店で提供するもので、2017年2月6日にむつ市長、むつ商工会議所会頭、大湊地方総監がDD-156せとぎりで大湊海自カレー普及促進事業協定調印式を行った。盛り皿は艦内配食に使用されるテッパン（ステンレス皿）を使う。参考：MAMOR vol.123

＜大湊基地＞：海上自衛隊の基地。2010年6月23日、同月9日にソマリア沖のDD-153ゆうぎり艦内で死亡した二等海曹の部隊葬が営まれ、大湊地方総監が執行し、防衛副大臣、海上幕僚長、自衛艦隊司令官、護衛艦隊司令官ら300名が出席した。2012年9月28日、所在部隊がむつ市総合防災訓練に参加。2018年5月15日、東北防衛局新規採用職員の研修に協力した。6月10日、海友会余暇活動振興委員会の隊員170名が清掃登山に参加。2019年2月13-15日、所在５個部隊からなる雪中特別救難隊が、青森県むつ市の薬研野営場周辺で積雪山岳地帯に航空機が不時着し乗員２名が遭難したとの想定で、総合訓練を実施。2020年12月1日、令和2年度除雪隊編成式を実施。参考：朝雲

＜大湊基地（２００７年度、改編前）＞：大湊地方隊、自衛隊大湊病院などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜大湊基地（２０１１年）＞：大湊地方総監部、第４護衛隊、第15護衛隊、大湊地方隊、自衛隊大湊病院、大湊弾薬整備補給所などが所在している。参考：JShips、月刊世界の艦船2,’12

＜大湊基地（２０１５年）＞：大湊地方総監部、大湊地方隊、大湊警備隊、大湊弾薬整備補給所、大湊基地業務隊、大湊造修補給処、大湊衛生隊、大湊音楽隊、AMS-4302すおう、第３護衛隊、第15護衛隊、第１ミサイル艇隊、自衛隊大湊病院が所在している。参考：大湊地方隊ホームページ、JShips VOL.70

＜大湊基地業務隊＞：海上自衛隊の基地業務隊。総務科、厚生科、会計科、車両科、施設科、補充部からなる。1987年7月1日、大湊地方隊隷下に大湊基地で新編された。2018年2月21日から3月7日、第35戦闘航空団F-16CM戦闘機が小川原湖に投棄した増槽と流出油の回収に係る災害派遣に参加。参考：MAMOR vol.140、大湊基地業務隊ホームページ、朝雲

＜大湊警備区＞：海上自衛隊大湊地方総監部／大湊地方隊の管轄区域で、青森よりも北の太平洋・日本海・オホーツク海、北海道全域である。参考：日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船1,’95

＜大湊警備隊＞：海上自衛隊の警備隊。1970年10月1日に新編された。1977年12月27日、隷下に大湊水中処分隊が新編された。1993年3月31日、大湊陸警備隊が廃止され、大湊防空陸警隊が新編された。2006年4月3日、大湊防空陸警隊が廃止され、大湊陸警隊が新編された。2017年3月23日、大湊地方隊働き方改革推進優秀部隊として大湊地方隊から表彰された。4月3日、AMS-4302すおうが大湊地方隊から編入された。10月26日、働き方改革最優秀部隊として大湊地方総監から表彰された。2018年2月21日から3月7日、第35戦闘航空団F-16CM戦闘機が小川原湖に投棄した増槽と流出油の回収に係る災害派遣に参加。4月19日、平成29年度下半期大湊地方隊働き方改革推進の最優秀部隊として大湊地方総監部で総監から賞状を授与された。2021年12月20日、YO-46油船46号が配備された。2022年1月21日、YW-25水船25号が配備された。2月1-2日、むつ市国設薬研野営場で雪中特別救難隊雪中宿営訓練を実施。参考：大湊警備隊ホームページ、月刊世界の艦船11,’17、朝雲

＜大湊警備隊（１９７８年）＞：大湊地方隊隷下で、大湊水中処分隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜大湊警備隊（２０１１年）＞：大湊地方隊隷下で、本部、大湊陸警隊、大湊港務隊、大湊水中処分隊からなる。参考：海上自衛新聞

＜大湊警備隊（２０１５年）＞：大湊地方隊隷下で、本部（総務班、運用班）、大湊陸警隊、大湊港務隊、大湊水中処分隊からなる。参考：大湊警備隊ホームページ

＜大湊警備隊（２０２０年）＞：大湊地方隊隷下で、AMS-4302すおうを配備する。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜大湊警備府＞：日本海軍の警備府。昭和16年11月20日、大湊要港から拡大改編されて創設された。昭和20年11月30日に廃止された。昭和21年、本庁舎が取り壊された。警備府司令長官官舎は水源地公園の入り口に残っている。大湊要港部会議所（水交社）が海自大湊地方総監部北洋館として残っており、1979年には日本建築学会から大正・昭和の名建築の指定を受けた。参考：日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船9,’13増刊、大湊地方隊ホームページ

＜大湊警備府部隊＞：日本海軍の警備府部隊。昭和19年7月18日、海防艦福江が第２海上護衛隊から転入した。8月17日、海防艦能美が第２海上護衛隊から転入した。11月1日、能美が第１海上護衛隊に転出した。昭和20年7月15日、福江が除籍された。参考：月刊丸7,’14

＜大湊航空基地＞：海上自衛隊の航空基地。所在地は青森県むつ市城ヶ沢字早崎２で、大湊港と陸奥湾に挟まれている。大湊飛行場があり、滑走路は長さ600m、幅45m、ランウェイ04/22。元は海軍大湊飛行場である。2011年3月11日、東日本大震災で停電の被害を受けた。2012年1月19日、旧車庫（1968年完成）の老朽化により2010年10月から建設されていた新しい地上救難車庫の落成式を実施。1月25日、第９回成人の主張発表会を実施。第25航空隊と第73航空隊大湊航空分遣隊の新成人隊員が心構えや抱負を述べた。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、11,’18、月刊世界の艦船2,’12、朝雲

＜大湊航空基地（２００７年度、改編前）＞：大湊地方隊大湊航空隊（SH-60J）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜大湊航空基地（２０１２年度）＞：第25航空隊（SH-60J）、第73航空隊大湊航空分遣隊（UH-60J）が所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜大湊航空隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の航空隊。1956年5月16日に創設され、隊員50名と館山航空隊から移管されたS-51ヘリ３機が配置された。1961年12月、現大湊航空基地に移転。1967年3月、HSS-2に機種改変した。1978年11月、HSS-2Aに機種改変した。1986年8月、HSS-2Bに機種改変した。2002年9月、SH-60Jに機種改変した。2008年3月26日に廃止され、第25航空隊に改編された。参考：月刊丸12,’10、月刊世界の艦船6,’22

＜大湊航空隊（１９７８年）＞：大湊地方隊隷下で、大湊航空基地に司令部がある。HSS-2、HSS-2Aを配備する。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜大湊航空分遣隊＞：海上自衛隊の航空分遣隊。2008年3月26日、八戸救難飛行隊から改編されて第73航空隊隷下に大湊航空基地で創設された。救難に加えて輸送任務も行う。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。地震発生から11分後の1457にUH-60J救難ヘリを離陸させ、情報収集を行った。その後、UH-60J救難ヘリで被災者を八戸航空基地に輸送している。2015年1月8日、初訓練飛行を実施。5月13日0612頃、宮城県沖でマグニチュード6.8の地震が発生し、最大震度５強を観測したため、航空機により情報収集を行った。2016年8月8日0400頃、北海道松前沖で１人の乗った小型船が行方不明になったため、UH-60J救難ヘリ１機で海自第25航空隊及び空自千歳救難隊と共に捜索し、8月9日1342に撤収した。2017年1月6日、初飛行訓練を実施。2018年4月2日に解隊された。参考：月刊JWings6,’11、6,’18、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、第73航空隊ホームページ、朝雲

　＜大湊航空分遣隊（２０１５年）＞：第73航空隊隷下で、大湊航空基地に置かれている。UH-60J救難ヘリを装備する。参考：月刊航空ファン4,’16

＜大湊工作所＞：海上自衛隊の工作所。1961年2月1日に大湊基地で新編され、大湊地方隊の隷下に入った。1970年3月2日、大湊造修所に改編された。参考：大湊造修補給処ホームページ

＜大湊港務隊＞：海上自衛隊の港務隊。1986年3月27日、YAS-82たかみが配備された。2001年3月16日、YT-90曳船90号が配備された。2015年2月12日、YO-41油船41号が配備された。2018年3月23日、YT-11曳船11号が配備された。参考：月刊世界の艦船5,’86、6,’01、7,’15、7,’18

＜大湊システム通信隊＞：海上自衛隊のシステム通信隊。2002年3月22日、システム通信隊群隷下に新編された。2010年6月7-10日、陸自東北方面通信群映像写真小隊、空自第37警戒隊と共に、大湊基地などで行われたヘリコプター映像伝送システム協同訓練に参加。参考：朝雲、月刊世界の艦船7,’19

＜大湊水中処分隊＞：海上自衛隊の水中処分隊。1977年12月27日、大湊警備隊隷下に新編された。2000年3月24日、YDT-02水中処分母船２号が配備された。2013年1月10日0957頃、青森県むつ市田野沢の沖1kmでカニ籠漁船たかいち丸の乗員１人が海中に転落したため、1200に青森県知事から大湊地方総監に災害派遣要請があり、1312に処分隊隊員15名が出発。1319に水中処分母船１隻が出港し、現場海域で捜索に入った。1月12日0940に遺体を収容し、1005に撤収した。11月25日、青森県野辺地町沖の陸奥湾で発見されたアメリカ製500ポンド爆弾（全長1.2m、直径0.36m、重量250kg）を水中爆破処分した。2018年11月20-22日、青森県内消防署員20人に潜水研修支援を行った。2023年11月17-27日、令和5年度機雷戦訓練（日向灘）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。2024年2月1-10日、令和5年度機雷戦訓練（伊勢湾）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。参考：大湊警備隊ホームページ、月刊世界の艦船1,'24、4,'24、朝雲

＜大湊水中処分隊（２００９年）＞：大湊地方隊大湊警備隊隷下で、YDT-02水中処分母船２号が配備されていた。参考：MORIBITO Vol.3

＜大湊水中処分隊（２０１５年）＞：大湊地方隊大湊警備隊隷下で、YDT-02水中処分母船２号が配備されていた。参考：大湊警備隊ホームページ

＜大湊造修所＞：海上自衛隊の造修所。元は大湊工作所で、1970年3月2日に大湊造修所に改編され、大湊地方隊隷下に入った。1998年12月8日、大湊造修補給所に改編された。参考：大湊造修補給処ホームページ

＜大湊造修補給所＞：海上自衛隊の造修補給所。海自が独自で保有する唯一のドック（日本海軍が昭和15-19年に建設した１万トン級ドックで、６年間の補修の後1970年11月に再開させ、1971年6月に初入渠）と引き揚げ船台を持ち、冬場に荒れる津軽海峡を渡って函館の民間ドックに行くことの出来ない小型支援船などの重要な修理場所となっている。1998年12月8日、大湊補給所と大湊造修所を統合して大湊地方隊隷下に大湊基地で新編された。2009年11月17日、艦船修理無災害7000日を達成した。2009年12月、ドックインした艦船が累積25万トンを越えた。2010年3月15日、海幕から二級賞状を授与された。2012年8月13日、工作部が無災害8000日を達成。2013年初め、DD-155はまぎりがドックインし、入渠通算600隻を達成した。2017年10月26日、働き方改革優秀部隊として大湊地方総監から表彰された。2020年4月7-10日に大湊基地に入港した近海練習航海初級幹部150名が施設を見学した。2020年9月3日、修学旅行で大湊地方隊を訪問した青森市立油川中学校生徒30人が本工場を見学した。参考：朝雲、大湊造修補給処ホームページ

　＜大湊造修補給所（２０１５年）＞：大湊地方隊隷下で、大湊基地に置かれている。所長、副所長、総務科（艦船検査官、武器検査官、ドック長）、計画調整部（企画調整科、補給管理科、需品管制科、情報処理科）、艦船部（艦船補給科、船体科、機関科、電気科）、武器部（武器補給科、誘導武器科、水中武器科、通信電子科）、工作部（工務科、艦船工作科、武器工作科、ガスタービン整備科、ドック科）、資材部（資材第１科、資材第２科、利材科、輸送科）からなる。参考：大湊造修補給処ホームページ

＜大湊弾薬整備補給所＞：海上自衛隊の弾薬整備補給所。大湊地方隊の隷下にある。2020年4月7-10日に大湊基地に入港した近海練習航海初級幹部150名が施設を見学した。参考：朝雲

＜大湊地方総監部＞：海上自衛隊の地方総監部。北洋館（元大湊要港部会議所・水交社）には北方海上防衛がテーマの日本海軍と海自の史料を展示している。所在地は青森県むつ市大湊町4-1。JR大湊駅からバス「海上自衛隊前」下車徒歩２分。保安庁警備隊時代の1953年9月16日、大湊地方隊隷下に新編された。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。総監部も停電している。3月15日1351、海上保安庁と共同で八戸港の入港に関わる港湾調査を行った。2014年12月1日、むつ市と隊員家族安心協定を締結。2015年2月9-10日、むつ市との隊員家族あんしん協定に基づき、隊員15名が私立新町保育所で保育所研修を行った。2016年2月7日、ソマリア海賊対処第23次水上部隊の留守家族に中間家族説明会を実施。4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。7月23-24日、秋田ふるさと村で開催された、はたらく車大集合＆しごとの王国で、移動募集広報を実施。9月26日から10月9日、平成28年度海上自衛隊演習（図上演習〈日米共同演習〉）に参加。12月20日、温泉施設で心肺停止状態に陥った男性を救助した功績で、防衛部の二曹が大湊地方総監から善行褒賞を受賞した。2017年2月6日、むつ市、むつ商工会議所と、青森県むつ市主催の大湊海自カレー普及促進事業に協力する協定を締結した。2月7日、むつ市との隊員家族あんしん協定に基づき、隊員10名がむつ市内のゆきのこ保育園で研修を実施。2018年2月21日、青森県小川原湖でアメリカ第35戦闘航空団F-16CM戦闘機が投棄した増槽からの油回収の災害派遣に参加。7月12日、むつ市家族会、青森県隊友会下北支部、大湊水交会と締結した、災害発生時における派遣隊員の留守家族支援に関する協定に基づき、留守家族安否確認訓練を実施。2020年12月11日、むつライオンズ、むつ中央ロータリー、むつロータリーと、隊員家族あんしん協定を締結した。2022年3月8日、人事・法務コンサルティング高松事務所代表による講話を実施。10月13日、日本海で海上保安庁との共同訓練に参加。DD-120しらぬいと共に、第２管区海上保安本部、巡視船でわ、つるぎ、しんざん、巡視艇すぎかぜ、MA861哨戒機と、重要施設等に向かう不審船を想定した共同追跡・監視、停船措置、情報共有の各訓練を行った。参考：MAMOR vol.52、vol.91、vol.136、東日本大震災海上自衛隊災害派遣の記録、日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船12,’16、1,'23、朝雲

＜大湊地方総監部（１９７８年）＞：大湊地方隊隷下で、大湊にある。管理部、防衛部、経理部、補給監理官、技術監理官、衛生監理官、監察官を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜大湊地方総監部（２０１５年）＞：大湊地方隊隷下で、大湊基地にある。大湊地方総監、幕僚長、管理部（総務課、人事課、厚生課、援護業務課、施設課）、防衛部（第１幕僚室、第２幕僚室、第３幕僚室、第４幕僚室、第５幕僚室）、経理部（経理課、契約課、原価計算課、監査課）からなる。参考：大湊地方隊ホームページ

＜大湊地方隊＞：海上自衛隊の地方隊Ominato Regional District。大湊基地にあり、大湊警備区を担当する。保安庁警備隊時代の1953年9月16日に新編され、大湊地方総監部と函館基地隊が隷下に入った。1957年、八戸航空隊が新編された。1961年、八戸航空隊が第２航空群に改編されて航空集団隷下に移った。2月1日、大湊工作所と大湊補給処が新編された。1970年3月2日、大湊工作所が大湊造修所に改編された。1976年、大湊音楽隊が新編された。1983年3月18日、DE-227ゆうばりが配備された。1984年2月14日、DE-228ゆうべつが配備された。1987年7月1日、大湊基地業務隊が新編された。1998年12月8日、大湊造修所と大湊補給処が大湊造修補給所に統合された。2008年3月26日、DE-227ゆうばりとDE-228ゆうべつが第15護衛隊に転出した。2009年4月10日、陸自北部方面隊最先任上級曹長23名に対する北部方面隊最先任上級曹長集合訓練（大湊基地研修）を実施。7月17日、社団法人日本青年会議所のメンバーが見学に訪れた。2011年3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。発生直後から災派準備に入った。2150、六ヶ所村と風間浦向けに毛布1000枚を搬出した。2012年2月1日1700過ぎ、暴風雪大雪警報が発令される中、青森県横浜町有畑の国道279号が雪で埋まり、事故も多発して車両500台以上が身動きの取れない状態となった。これを受けて2月2日0030に青森県知事から災害派遣要請があり、0300過ぎに隊員22名が車両２両に搭乗して基地を出発、車内の人の健康状態確認を行った。1200に撤収要請を受けた。2013年9月7日、マリンフェスタin八戸に参加し、八戸沖で展示訓練を実施。護衛艦３隻（DDG-177あたご、DDG-175みょうこうなど）、LST-4002しもきた、ミサイル艇２隻（PG-825わかたかなど）、SS-505ずいりゅう、掃海艇２隻、試験艦１隻、P-3C哨戒機、US-2救難飛行艇、F-2戦闘機、AH-1S対戦車ヘリ、SH-60J哨戒ヘリ、UH-60J救難ヘリが参加した。2014年11月6-9日、みちのくALERT2014に参加。2015年10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。2016年10月1-5日、希望郷いわて国体セーリング競技を支援し、MSC-680ながしま、YDT-02水中処分母船２号、処分隊員を派遣して競技海面警戒や落水者救助などを行った。10月25日、平成28年度青森県原子力防災訓練に参加し、在外対策本部運営訓練、水中処分母船による海路避難訓練、大型曳船による航路確認訓練などを行った。2017年4月3日、直轄艦のAMS-4302すおうが大湊警備隊に移った。8月28日から10月5日、北部方面隊総合戦闘力演習の北演29に参加。2018年1月20日、青森市内のホールで大湊音楽隊第40回定期演奏会を開催。2月21日から3月7日、アメリカ第35戦闘航空団F-16CM戦闘機が小川原湖に投棄した増槽と流出油の回収に係る災害派遣に参加。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の災害派遣に参加。2019年10月13日から台風19号・21号被害の災害派遣に参加。2020年1月31日に発出された新型コロナウイルス感染症拡大防止の災害派遣に参加。4月7-10日に大湊基地に入港した近海練習航海初級幹部150名に基地見学を実施。9月3日、むつ市の修学旅行助成事業の一環として、青森市立油川中学校生徒30人に艦艇（DD-112まきなみ、DD-103ゆうだち）見学などを実施。

2021年1月8日と12日、北洋館前の雪かき清掃を実施。2022年5月1日、青森県むつ市で行われた第74回憲法記念下北駅伝大会に出場した海自大湊Ａチームが３位に入賞した。

参考：月刊JWings6,’11、朝雲、月刊世界の艦船11,’11、10,’12、4,’13、12,’13、1,'16、1,’20、日本の防衛戦力Part3、月刊航空ファン2,’15、5,’18、MAMOR vol.160、八戸航空基地ホームページ

　＜大湊地方隊（１９７８年）＞：隷下に大湊地方総監部、第32護衛隊、第５駆潜隊、函館基地隊、大湊航空隊、大湊通信隊、大湊警備隊、余市防備隊、大湊音楽隊、稚内基地分遣隊、大湊水雷調整所、大湊補給処、大湊造修所、八戸航空工作所、直轄艦（LST-4103ねむろ、AGS-5111海洋観測艇１号、ASU-82特務艇82号）を置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

　＜大湊地方隊（２００１年４月１日）＞：隷下に第25護衛隊、第27護衛隊、函館基地隊、余市防備隊、LST-4103ねむろなどを置く。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜大湊地方隊（２００７年度、改編前）＞：隷下に第25護衛隊（DD４隻）、大湊航空隊（SH-60J）などを置く。参考：月刊JWings6,’07

＜大湊地方隊（２０１０年）＞：隷下にAMS-4302すおう、函館基地隊、余市防備隊などを置く。参考：月刊世界の艦船1,’11

＜大湊地方隊（２０１１年）＞：大湊地方総監部、函館基地隊、大湊警備隊、余市防備隊、大湊弾薬整備補給所、大湊造修補給所、大湊基地業務隊、大湊衛生隊、大湊音楽隊、稚内基地分遣隊、AMS-4302すおうを隷下に置く。参考：海上自衛新聞

＜大湊地方隊（２０１５年）＞：大湊基地に置かれている。大湊地方総監部、大湊警備隊、AMS-4302すおう、函館基地隊、余市防備隊、大湊弾薬整備補給所、大湊基地業務隊、大湊造修補給所、大湊衛生隊、大湊音楽隊、稚内基地分遣隊を隷下に置く。参考：大湊地方隊ホームページ、月刊世界の艦船6,’15

＜大湊地方隊（２０２０年）＞：大湊基地に置かれている。大湊警備隊、函館基地隊、余市防備隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜大湊飛行場＞：日本海軍の飛行場。戦後は大湊航空基地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜大湊分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第42警戒群が駐屯している。所在地は青森県むつ市大字大湊字大近川44番地ノ内官有地。1955年2月、北部訓練航空警戒隊大湊派遣隊が移駐した。1961年7月、北部訓練航空警戒隊大湊派遣隊が第42警戒群に改編された。1979年3月、第６高射群指揮所運用隊が新編された。1980年12月、J/FPS-2の運用を開始。1991年3月、第６高射群指揮所運用隊が三沢基地に移った。2010年度、J/FPS-2に換わってJ/FPS-5が配備された。2020年4月7-10日に大湊基地に入港した近海練習航海初級幹部150名が施設を見学した。参考：北部航空警戒管制団ホームページ、月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、5,’12、三沢基地ホームページ

＜大湊補給処＞：海上自衛隊の補給処。1961年2月1日、大湊基地で新編され、大湊地方隊の隷下に入った。1998年12月8日、大湊造修補給所に改編された。参考：大湊造修補給処ホームページ

＜大湊要港＞：日本海軍の要港。元は明治35年8月1日に創設された大湊水雷団で、明治38年12月12日に改編されて創設された。昭和16年11月20日、大湊警備府となった。参考：日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜大宮駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。敷地面積20万平方メートル。史料館には日本軍化学戦史料などが展示されている。所在地は埼玉県さいたま市北区日進町1-40-7。JR大宮駅からバスで15分（「自衛隊入口」下車、徒歩４分）。1957年10月1日に開設され、化学学校が新編された。1997年7月、化学学校長が駐屯地司令を兼任するようになった（それまでは通信補給処長）。1999年、第１師団第32普通科連隊が市ヶ谷駐屯地から移駐した。2009年3月13日、さいたま市に支局を置く報道機関支局長が構成するさいたま支局長会８名に、防衛講話と装備品・訓練展示を実施。12月21日、第32普通科連隊が連隊庁舎前で大宮駐屯地移駐10周年記念の記念碑除幕式、記念植樹を実施した。2010年2月3-5日、さいたま市立上大久保中学校生徒に対する職場体験を開催。6月4日、さいたま市立宮前小学校の３年生32人と教師・保護者７人が職場見学を行った。10月19-21日、日進中学校の生徒５名が職場訪問を行った。2011年1月12日、新成人62名に対する成人式を実施。1月18日、埼玉中央青年会議所に所属する85人に対する研修を実施。2012年2月8日、栃木県消防学校消防署員特殊災害科の教官・学生30人が研修に訪れた。2019年9月19日、埼玉地本が訪問入浴介護サービスのアサヒサンクリーン社の協力でインターンシップを実施。2020年2月20日、駐屯地綱引き大会を行い、第32普通科連隊本部管理中隊が優勝した。6月13-14日、埼玉地本が自衛官候補生採用試験を実施。参考：月刊丸3,’14、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、朝雲、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’13

　＜大宮駐屯地（２０１５年）＞：第１師団第32普通科連隊、第１後方支援連隊、中央特殊武器防護隊、化学学校、化学教導隊、東部方面会計隊第402会計隊（3月26日から第338会計隊大宮派遣隊）、大宮駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜大宮駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2011年6月6-10日と13-17日、糧食班が城西大学薬学部学生20人に調理実習を実施。2015年11月11日、板妻駐屯地で家族支援訓練に参加。2019年6月01-14日、糧食班が城西大学薬学部医療栄養学科４年生12人の大量調理実習を支援した。2022年4月11-21日、有事・災害発生時における事態対処訓練を実施。マグニチュード７以上の首都直下型地震の発生を想定した訓練では、厚生科が宿舎管理事務所内に初めて家族支援調整所を開設した。参考：朝雲

＜オームズビー＞：APA-49（攻撃輸送艦）を参照。

＜オームズビー級＞：アメリカ海軍攻撃輸送艦Ormsby級。C2-S-B1型標準貨物船を改造したもので、前後甲板にキングポスト３組、上構両舷と前甲板両舷にトリプル・ウェリン式ダビットを持ち、LCM(6)級２隻、LCM(3)級１隻、LCVP19隻、LCPL２隻、LCPR１隻を搭載、ペイロード2700トン（兵員なら1615名）を積む。全長140m、幅21m、最大吃水8.23m、軽荷排水量7300トン、満載排水量13893トン。主機は蒸気タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー缶２基、出力6000馬力、１軸推進、速力17ノット、航続距離12000海里（15.5ノット）。兵装は38口径12.7cm単装両用砲２門、40mm連装機関砲４基、20mm連装機関砲12基。乗員511名。APA-49オームズビー、APA-50ピアース、APA-51シェリダンが1943年に竣工した。参考：アメリカ揚陸艦史

＜大村海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。４番目の海軍航空隊として大正11年12月1日に開隊された。参考：月刊航空ファン9,’16

＜大村航空基地＞：海上自衛隊の航空基地。長崎空港に隣接しており、ヘリ専用基地ではあるが、長さ1200m・幅30mの滑走路（ランウェイ18/36）を持っているため、YS-11クラスの固定翼機なら離着陸できる。基地と長崎空港間には飛行艇用シーレーンがあり、US-1やUS-2の離着水が可能。滑走路は1959年に開港した大村空港のもので、1975年に沖合にＢ滑走路が建設されて長崎空港として開港したため、元のＡ滑走路の方は海上自衛隊が主に使用するようになった。所在地は長崎県大村市今津町10。最寄り駅はJR大村線竹松駅で、徒歩20分。元は大村海軍航空隊の大村飛行場で、1956年6月に開設され、12月に大村航空隊が新編された。1981年3月、第122航空隊が新編された。1987年12月、第22航空群が新編された。2002年3月、大村システム通信隊が新編された。2008年3月、第122航空隊、第124航空隊、大村航空隊が廃止され、第22航空隊に統合された。2009年9月5日、基地の阿波踊り親睦会琴海連のメンバー17名と第351期練習員13名が長崎県大村市特養老人ホーム泉の里を慰問した。11月9日、長崎星見幼稚園園児ら99人が基地を見学した。2011年6月22日、新城保育園と聖母幼稚園の職員と園児ら60人が基地見学を行った。12月15日、隣接する長崎空港Ａ滑走路地区が国土交通省から防衛省に移管された。2016年4月14日、熊本地震で緊急登庁した隊員のため臨時託児所を開設。子供５人を受け入れた。4月16日、臨時託児所で子供19人を受け入れた。8月26日、長崎地本が行った海自見学ツアーに協力した。2018年4月2日、第72航空隊が解隊され、第22航空隊第224飛行隊が新編された。2019年4月15-19日、佐世保教育隊第13期一般海曹候補生課程学生・第19期自衛官候補生計386名が部隊実習（管制塔・地上救護班見学）を実施。2020年2月27-28日、長崎県赤十字血液センターの献血に132名が協力した。6月1日、基地海曹会会長が長崎県大村市ボランティアセンターあいわーくを訪問し、大村市社会福祉協議会会長に手作りマスク52枚を贈呈した。2021年3月18日、隊員70名が大村湾沿岸の清掃活動に参加。2022年1月6日、第22航空隊がSH-60J/KとUH-60Jで初訓練飛行を実施。参考：第22航空群ホームページ、月刊航空ファン8,’09、月刊JWings6,’10別冊付録、6,’18、11,’18、日本の防衛戦力Part3、月刊世界の艦船8,’16、4,'22、朝雲

＜大村航空基地（２００７年度、改編前）＞：第22航空群第122航空隊（SH-60J）、同第124航空隊（SH-60J）、佐世保地方隊大村航空隊（SH-60J）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜大村航空隊＞：海上自衛隊の航空隊。1955年12月、鹿屋第２航空隊として佐世保地方隊隷下に新編され、1956年12月1日に大村航空隊に改称されて大村航空基地で創設された。2008年3月26日、第22航空隊に統合されて廃止された。参考：第22航空群ホームページ、佐世保地方隊ホームページ

＜大村航空隊（１９７８年）＞：佐世保地方隊隷下で、司令部は大村にある。HSS-2を装備する。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜大村システム通信隊＞：海上自衛隊のシステム通信隊。2002年3月、大村航空基地で新編された。参考：第22航空群ホームページ

＜大村駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。史料館として鎮西精武館がある。所在地は長崎県大村市西乾馬場町416。JR大村駅またはJR諏訪駅から徒歩10分弱。1974年3月、第４施設大隊が竹松駐屯地から移駐した。2009年1月8日、新成人隊員63名の新成人行事を実施。1952年7月1日に開設された。2010年1月7日、新成人隊員62名の成人式を実施した。2011年5月18-19日、海自幹部候補生学校に入校予定の８名が大村湾周回100km行軍を30時間かけて実施。10月29日、体育館で第11回大村駐屯地司令杯剣道大会を実施。大村市内の16道場から155人が参加した。2013年7月27-28日、ちびっ子キャンプ大会を実施。2017年4月9日、自衛官候補生課程入隊式を実施。2018年5月22日、各部隊広報や曹友会など25名に長崎新聞出前講座を実施。2019年3月29-30日、シーハット大村でふれあいコンサートを実施。駐屯地音楽部、第４師団第４音楽隊、小倉駐屯地音楽部などが演奏を行った。参考：JGround Vol.23、MAMOR vol.42、vol.91、朝雲、竹松駐屯地ホームページ

　＜大村駐屯地（２０１５年）＞：第４師団第16普通科連隊、第４施設大隊、第321基地通信中隊大村派遣隊、大村駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜大村飛行場＞：日本海軍の飛行場。戦後は海自大村航空基地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜大森茂高＞：日本海軍エース。大正5年、山梨県生まれ。昭和8年5月、日本海軍に入隊し、昭和11年9月に操縦練習生を卒業、昭和13年2月に第13航空隊に配属され、2月25日の南昌攻撃で初戦果を挙げた。3月、第12航空隊に転属した。12月、赤城戦闘機隊に転属。その後筑波航空隊、大湊航空隊に配属され、太平洋戦争開戦時は鳳翔戦闘機隊に所属していた。昭和17年5月、赤城戦闘機隊に転属。ミッドウェイ海戦ではF4F戦闘機２機を撃墜し、６機を共同撃墜したが、母艦が炎上したため飛龍に着艦した。午後には飛龍直衛に付いたが、飛龍も炎上したため、1900に不時着水して長良に収容されている。本土に帰還した後、翔鶴戦闘機隊に転属。10月26日、南太平洋海戦で艦爆５機を撃墜し、１機が投弾しようとしていたため体当たりで阻止、戦死した。総撃墜数13機。戦死後に二階級特進で飛行特務少尉となった。参考：日本海軍戦闘機隊

＜大谷地下工場＞：中島飛行機が太平洋戦争中に建設した地下飛行機工場。昭和17年から創業者の中島知久平の指示で独自に計画され、昭和20年から宇都宮郊外の大谷石掘削坑道跡地に建設された。4月には月産300機の予定で未完成のまま操業が開始されたが、終戦までの４ヶ月にエンジン新造11基、エンジン修理55基、機体完成品４機、その他機体部品多数が組み上がったのみだった。参考：歴史群像2,’05

＜大矢野原・霧島演習場＞：陸上自衛隊の演習場。熊本県、宮崎県、鹿児島県に跨っており、面積2697万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。2021年1月25日、迫撃砲実弾射撃訓練中に着弾地点付近から出火したため、高遊原分屯地からヘリ映伝搭載UH-1J、UH-60JA、CH-47JAなどが離陸して情報収集や消火活動にあたり、枯れ草100ヘクタールを焼いて消火した。参考：月刊軍事研究4,’10、月刊JWings4,’21

＜大山事件＞：日華事変中の昭和12年8月9日1830頃、日本海軍上海特別陸戦隊西部派遣隊長の大山勇夫海軍中尉と、運転手の斉藤與藏一等水兵が、自動車で上海租界（虹橋飛行場の北100m）を通行中に中国保安隊の狙撃を受け、次いで中国軍航空兵に包囲されて射撃され、共に射殺された事件。これをきっかけに上海でも日本・中国両軍が戦闘状態に入り、第２次上海事変に発展した。参考：月刊PANZER9,’04、月刊丸8,’11、月刊航空ファン9,’16、月刊世界の艦船11,’17

＜おおよど＞：DE-231（護衛駆逐艦）を参照。

＜大淀＞：日本海軍大淀型軽巡洋艦。昭和16年2月14日、呉海軍工廠第３船台で起工。昭和17年4月2日進水、昭和18年2月28日竣工。竣工後は南方への輸送任務に就いた。昭和19年2月19日、トラック空襲の反撃に使う航空魚雷300本以上を積んで横須賀を出港。テニアンに進出する第121航空隊整備要員30名を荷下ろし要員として同乗させた。2月22日昼過ぎ、サイパンに到着。3月6日、横須賀工廠で連合艦隊旗艦となるべく改装を開始。3月31日に改装を終了したが、当日に連合艦隊司令長官古賀大将が遭難した。5月4日、連合艦隊旗艦となった。5月22日、横須賀を出港。5月23日、柱島に到着。あ号作戦の指揮は東京湾で執った。9月30日、連合艦隊司令部が日吉台にある慶応大学キャンパス内の地下壕に陸揚げされたため、連合艦隊旗艦任務を譲って横須賀で整備に入り、機銃を増設した。10月20日、捷一号作戦に参加、比島沖海戦の途中で旗艦となった。作戦終了後に奄美大島に帰投、マニラ経由でブルネイに入った。11月16日、ブルネイ沖で爆撃を受けて損傷した。12月14日、第２水雷戦隊旗艦となった。12月26日、礼号作戦に参加、軽微な損傷を受けた。昭和20年2月10-20日、北号作戦に参加。呉に帰投後は燃料欠乏で動けなくなり、3月1日、呉練習戦隊に編入された。3月19日、呉でアメリカ第３艦隊第58任務部隊艦上機の空襲を受け、直撃弾４発により主缶４基が損傷、大火災が発生し、至近弾の爆圧による艦底損傷も加わってキールがねじ曲がり、戦列への復帰が不可能となったため、呉工廠で応急処置を施して5月4日に江田内に入り、飛渡瀬に錨を降ろして固定防空砲台になった。7月24日、呉でアメリカ艦上機の空襲を受け、前部電信室、後部烹炊所、機械室などに直撃弾を浴びて大火災が発生、右舷に傾いた。7月26日、消火と復元に成功。7月28日、呉でアメリカ艦上機の空襲を受け、直撃弾９発（11発？）と至近弾４発を被弾、転覆着底し、そのまま終戦を迎えた。7月24・28日の空襲で戦死223名・戦傷150名強の損害を出している。終戦後に呉工廠で解体された。参考：連合艦隊巡洋艦、激闘太平洋戦記、第２次大戦日本海軍作戦年誌、海軍兵学校岩国分校物語、帝国陸海軍事典、近代巡洋艦史、月刊丸10,’10、月刊世界の艦船12,’10、歴史群像4,’17、月刊航空ファン1,’19

＜大淀型＞：日本海軍軽巡洋艦。5500トン型軽巡の後継として開発された潜水戦隊旗艦用軽巡で、索敵能力の低い潜水艦に代わり、水上偵察機を多数搭載して敵艦隊を早期に発見し、潜水隊に位置を伝えるのが主任務である。当初は水雷戦隊旗艦との共通化も考慮し、高角砲を主兵装として艦後部を航空艤装に充てた小型の艦として設計されたが、駆逐艦と共に最前線で行動する水雷戦隊旗艦と、やや後方から単独で航空偵察を行う潜水戦隊旗艦を共通化するのは無理があり、最上型巡洋艦の改装で余った15.5cm砲塔を搭載した航空巡洋艦に変更されて完成した。船体は阿賀野型とほぼ同様で、前部に主砲を背負い式に装備、後部を航空機甲板にしている。敵主力艦隊と直接戦闘を行う訳では無いので、雷装は無い。航空機甲板上には水上機を80ノットで射出するための長さ44mの二式一号一〇型射出機を装備した。搭載機は二式水上偵察機紫雲で、１機をカタパルト上、５機を格納庫内に収容し、４分おきに全機を射出できる。防御は垂直・水平共にCNC甲鈑製、垂直防御は15.5cm砲弾に耐えられる弾火薬庫舷側45mm・機関室舷側60mmで、バイタルパートの水平防御は高度3000mからの250kg爆弾に抗堪できる弾火薬庫甲板部50mm・機関室甲板部30mmである。旗艦任務に就くため大型の電信室を有しており、通信用受信機10基を搭載した。全長192m、水線長189m、最大幅16.6m、平均吃水5.95m、基準排水量8164トン、公試排水量9980トン。主機は艦本式高中低圧ギヤード・タービン４基、ロ号艦本式重油専焼缶６基、出力110000馬力、４軸推進、速力35.2ノット、航続距離8700海里（18ノット）。兵装は六〇口径三年式15.5サンチ３連装砲２基（前甲板背負い式）、六五口径九八式一〇サンチ連装高角砲４基（煙突前後両舷）、25ミリ連装（３連装？）機銃６基（艦橋基部前面に２基、煙突後方の航空機格納庫上に４基）。二式一号一〇型射出機１基と二式水上偵察機紫雲６機を搭載する。乗員782名。マル３計画で２隻を建造する予定で、大淀が昭和18年2月に竣工したが、仁淀は建造中止となり、資材は重巡伊吹に振り替えられた。他にマル５計画で５隻、改マル５計画で２隻を建造する予定だったが、いずれも中止となっている。紫雲が期待外れで量産に移れなかったため、水上機を搭載できず、昭和19年3月にはカタパルトを呉式二号五型に換装、搭載機を瑞雲２機に変更し、格納庫を３段に仕切って司令部施設に変更（１段目が司令部付事務室・倉庫、２段目が作戦室・幕僚事務室、３段目が幕僚寝室）、対空機銃を25ミリ３連装12基と25ミリ単装８丁に強化して連合艦隊旗艦となった。ただ連合艦隊の膨大な指揮通信を支えるに足る機能を持たせるのはさすがに無理があり、通信傍受能力などが不足していたらしい。捷一号作戦では25ミリ単装機銃を更に８丁搭載している。参考：連合艦隊巡洋艦、近代巡洋艦史、日本の潜水艦パーフェクトガイド、続：海軍製鋼技術物語、月刊丸10,’10、月刊世界の艦船1,'21、4,’12、1,’14、9,’14

＜オーラ＞：アイルランド海軍オーラ級哨戒艇Orla。2022年7月7日に退役した。参考：月刊世界の艦船10,’22、6,’22

＜オーライガ＞：P419（潜水艦）を参照。

＜オーラヴ・トリグヴァソン級＞：ノルウェー海軍哨戒艦Olav Tryggvason級。哨戒艇指揮管制支援も行える。全長49.6m、満載排水量760トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、速力16ノット。2010-11年にP381マグヌス・ラグアボタなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜オーラ級＞：ピーコック級・海外シリーズ（哨戒艇）を参照。

＜オーラロイ＞：武器グレード・ウランを参照。

＜オーランデット要塞＞：ドイツ国防軍がノルウェーに建設した沿岸要塞。戦艦グナイゼナウのＣ砲塔だった28cm砲SKC/34の３連装砲塔Drh LC/28を備え付けた。砲塔の下には６層に渡る弾火薬庫施設を設ており、最下層が弾薬搬入口、その上が弾庫及び揚弾機（３基）、その上が火薬庫及び揚薬機（３基）で、それよりも上は砲俯仰旋回機構・装填機構などを収容する。第２次大戦終結後はノルウェーが自国の要塞として運用した後、現在もそのまま保存されている。参考：月刊丸4,’07

＜オーランド＞：PF-99（フリゲート）を参照。

＜オーリキュラ＞：A285（試験艦）またはK12（コルベット）を参照。

＜オーリキュラ級＞：イギリス海軍試験艦Auricula級。全長52m、幅11m、吃水3.6m、基準排水量1100トン。主機はディーゼル、出力1300馬力、速力12ノット。A285オーリキュラが竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜オーリク＞：PZL-130シリーズ（練習機）を参照。

＜オーリック＞：DD-569（駆逐艦）を参照。

＜オール・アメリカンズ＞：第82空挺師団を参照。

＜オール・ギヤード・タービン＞：全てのタービンに減速歯車を付けた蒸気タービン機関のこと。推進軸回転数を最良効率の毎分100回転程度まで落とせるので、エネルギー効率が良い。艦船用の大出力蒸気タービン用減速歯車は1909年頃からパーソンズ社とウェスティングハウス社で研究が盛んになり、1914年から各種大型艦船にも搭載されるようになった。アメリカは第２次大戦前に２段減速式タービンを開発し、機関の小型軽量化に成功した。参考：月刊丸11,’09、歴史群像10,’06、月刊世界の艦船11,’11

＜オールダニー＞：P278（哨戒艦）を参照。

＜オール・タンク・ドクトリン＞：タル・ドクトリンを参照。

＜オールデン＞：DD-211（駆逐艦）を参照。

＜オールト＞：DD-698（駆逐艦）を参照。

＜オールド・フェイスフル＞：モントゴメリーの愛車であるハンバー・スナイブ乗用車のニックネーム。シリアルナンバーはM239459。参考：月刊グランドパワー3,’02

＜オールド・ブラッド＞：第１海兵師団を参照。

＜オールト・リポート＞：アメリカ海軍作戦本部／海軍航空システムコマンドのフランク・Ｗ・オールト大佐が、海軍作戦部長トーマス・ヒンマン・ムーラー大将の命により、ベトナム戦争前半における空対空戦闘キルレシオ低下の原因を探った報告書で、正式名はReport of the air-to-air missile system capability review。1969年1月に提出された。1965年6月17日から1968年9月17日まで、アメリカ海空軍機は敵機360機に空対空ミサイル600発を発射したが、９割が命中しなかったと指摘し、ミサイル自体の欠陥だけでなく、ミサイルの性能を生かし切れていないことに問題があるとして、250にも及ぶ勧告を行っている。パイロットがミサイル発射に適した状況に機体を持っていくことの重要性も述べており、VX-4で模擬空戦を行ったところ空対空ミサイル発射時に定められたフライトエンベロープを逸脱する例が半数にも及ぶことが実証され、ミサイル時代の正しい空戦機動を学ぶ海軍戦闘機兵器学校NFWS（通称トップガン）が創られるきっかけとなった。ちなみに当たらないのを全てミサイルのせいにしてF-4Eに機関砲を積んだ空軍も、こっそり読んで仮想敵機飛行隊を新編している。機密解除済みでインターネットにより誰でも見られるが、480ページもあるマーダーリポートなので、トップガン訓練生張りの気合いが要る。参考：月刊航空ファン11,’19

＜オールネス＞：イギリス海軍アバードヴェイ級通船Alness。1965年竣工。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜オールバニー＞：CA-123（重巡洋艦）を参照。

＜オール・ライノ・ウイング＞：戦闘攻撃飛行隊VFAと電子攻撃飛行隊VAQが全てF/A-18E/FライノとEA-18Gライノで構成された空母航空団CVWのこと。最初にオール・ライノとなったのは厚木の第５空母航空団である。参考：月刊世界の艦船9,’12

＜オーレック＞：DD-886（駆逐艦）を参照。

＜オーレリア＞：AKA-23（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜オーロール＞：フランス海軍オーロール級潜水艦Aurore。1939年7月26日進水、1940年竣工。1942年に自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜オーロール級＞：フランス海軍潜水艦Aurore級（ローロールL’Aurore級？）。ミネルブ級の改良型である。全長73.5m、幅6.5m、吃水4.2m、水上排水量893トン、水中排水量1170トン。主機はディーゼルと電動モーター、出力3000馬力、水上速力15.5ノット、水中速力9.3ノット。安全潜航深度100m。兵装は55cm水上発射管９門（艦橋直後、上部構造物前後端）、10cm甲板砲（7.5cm甲板砲らしきものを搭載している写真もある、13.9mm機銃。第２次大戦開戦時には15隻が起工済みだったが、第２次大戦中に就役したのはオーロールのみで、フランスがドイツに占領された際に建造中の３隻がドイツ国防軍に接収された。第２次大戦後にラ・クレオル、ラフリケーヌ、ラストレ、ランドロメド、ラルテミスが就役し、ラ・バヤデール、ラ・ファヴォリト、ランドロマック、ランティゴーヌ、ラルミード、レルミオーヌ、ラ・ゴルゴーヌ、ラ・クロランド、ラ・コルネリの９隻は建造中止となった。参考：第２次大戦のフランス軍艦、ナチスＵボート、月刊世界の艦船6,’09

＜オーロール級・海外シリーズ＞

　＜ＵＦ１型＞：ドイツ海軍潜水艦。第２次大戦でのフランス占領に伴い建造中の状態で接収したもので、UF1・UF2・UF3の名称を付けてそのまま工事を継続させたが、サボタージュに遭って３隻中１隻しか完成しなかった。全長68.15m、最大幅5.33m、吃水4.57m、水上排水量818トン、水中排水量928トン。主機はディーゼル直結推進方式、水上用ル・クルーゾー社製シュナイダー式／ズルザー式ディーゼル２基・水中用電動機２基、水上出力3000馬力、水中出力1400馬力、２軸推進、水上速力14.5ノット、水中速力10ノット、燃料搭載量101トン、水上航続距離5600海里（10ノット）、水中航続距離85海里（５ノット）。兵装は55cm魚雷発射管10門（艦首４門、艦尾２門、艦外４門）、20mm単装機関砲１門。乗員40名。参考：ナチスＵボート

＜オーロラ＞：12（軽巡洋艦）またはF10（リアンダー級フリゲート）またはP-3哨戒機・海外ファミリーを参照。

＜オーロラ＞：イギリス海軍アリシューザ級（初代）軽巡洋艦Aurora。1914年竣工。第１次大戦時に改装を受け、前部マストを三脚式とし、艦橋前部に滑走台を設置して、イギリス海軍初の航空装備搭載巡洋艦となった。1927年に売却された。参考：近代巡洋艦史

＜オーロラ＞：アメリカ空軍の計画戦略偵察機で、SR-91という制式名が付いているとも言われた。パルス・デトネーション・エンジンを搭載して超高速飛行できるらしいが、1992年にテキサス州で目撃された串団子型の飛行機雲（この時ダークスター・ノベンバー及びダークスター・マイクというコールサインが確認されている）だけが判断材料で、詳細は全く不明である。１回のフライトに10億ドルかかるという報告書が出て1992年に開発中止となったらしい。参考：月刊JWings11,’07

＜大和田通信隊＞：日本海軍の無線傍受隊。元は埼玉県大和田町に昭和11年に建設された大和田受信所である。昭和12年7月、中国27軍の日本軍に対する反攻計画を傍受した。8月14日、陸攻による渡洋爆撃の成果を探知した。昭和14年、太平洋艦隊旗艦BB-38ペンシルバニアの発信電波から独特のエコーが出ていることを探知し、これを探ることで艦隊の動向をキャッチすることができると判断、海軍技術研究所技師と相談してＷ測定を完成させた。昭和15年11月、部内に対独作業班と対仏作業班を設置、諜報活動を強化した。参考：海軍技術研究所

＜オカ＞：2B1（自走迫撃砲）または9K714（弾道ミサイル）を参照。

＜男鹿＞：日本海軍海防艦。昭和20年5月2日、黄海南部でSS-414スプリンガーの雷撃を受け沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜オカーン＞：DDG-77（駆逐艦）を参照。

＜岡崎海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。愛知県碧海郡の岡崎飛行場に置かれた。飛行機整備教育を行う。後に第一岡崎海軍航空隊に改称された。参考：陸海軍学校と教育、月刊丸8,'15別冊

＜小笠原諸島＞：硫黄島とほぼ同時期にアメリカ軍に占領され、日本に復帰したのは1968年6月のことである。参考：戦争がやってくる

＜小笠原丸＞：逓信省電纜敷設船Ogasawara maru。初の国内建造電纜敷設船である。ケーブルタンク容量332立方メートル。垂線間長74.15m、幅10.36m、深さ6.78m、総トン数1456トン、重量トン数969トン。主機は三連成汽機２基２軸1789馬力、航海速力10ノット、最大速力13.085ノット。明治39年8月15日竣工。昭和20年8月22日、樺太から引揚者を輸送する途中、増毛沖５海里でソ連潜水艦の雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船8,’15

＜男鹿島丸＞：日本海軍特設運送船（雑用船）。元は中川汽船近海航路船である。垂線間長73.63m、幅11.3m、深さ6m、満載吃水5.28m、総トン数1424トン、重量トン数2211トン。主機は横浜MAN製４衝程単働型ディーゼル１基870馬力、航海速力10ノット、最大速力12.03ノット。昭和11年8月31日竣工。その後海軍に徴用された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第４艦隊補給部隊に所属し、南方で輸送や補給を行った。昭和19年1月20日、マーシャル諸島ナム環礁でB-25爆撃機の空襲を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’12、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜岡田啓介＞：海軍大将。海軍兵学校第15期卒。大正10-11年のワシントン会議当時は海軍次官代理で、軍縮支持派だった。大正13年12月1日、第１艦隊司令長官兼連合艦隊司令長官となった。無理な演習は行わなかったとされ、殆ど事故は起こさなかったが、保安艦隊と揶揄されている。大正15年8月に駆逐艦弥生と初春を実艦的とした夜間実弾演習で、長門、山城、川内、由良から100発以上を浴びせたものの１発も命中せず、古賀峯一連合艦隊先任参謀と共に非難の槍玉に挙げられた（両者とも軍縮支持だった）。大正15年12月10日、第１艦隊司令長官を退いた。昭和2年4月20日、海軍大臣になった。昭和4年4月7日、海軍大臣を退任。昭和5年、ロンドン会議当時は軍事参議官だった。昭和7年5月26日、海軍大臣になった。二・二六事件の時は首相で、反乱軍の襲撃を受けたが、人違いにより難を逃れた。押し入れに隠れて１晩過ごしたが、中で大いびきをかいて寝ていたので、お手伝いさん２人は気が気でなかったという。昭和19年春頃から太平洋戦争終結の道を自ら画策し出したようで、4月に古賀連合艦隊司令長官戦死を知ると東条内閣打倒及び米内光政現役復帰に本腰を入れた。昭和27年10月10日、86歳で死去した。参考：海軍こぼれ話、日本海軍艦隊総覧、山本五十六と米内光政、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜丘珠駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地で、おかだまと読む。北翔館には日本陸軍航空の資料が展示されている。敷地面積869000平方メートル。所在地は北海道札幌市東区丘珠町161で、丘珠空港に隣接する。滑走路は長さ1500m・幅30m（45m？）、ランウェイ14/32。札幌市営地下鉄栄町駅から徒歩15分。元は日本陸軍札幌第二飛行場で、1954年1月に北部方面航空隊が使用を開始、10月に丘珠分屯地として発足し、札幌駐屯地業務隊丘珠業務班が駐屯した。11月、第305航空整備隊が旭川駐屯地から移駐した。1956年1月25日、第302・第305航空整備隊が廃止され、第307航空整備中隊が新編された。1961年2月、第７航空隊が新編された。1962年1月、北部方面航空隊再編に伴い、北部方面飛行隊、第11飛行隊、北部方面管制気象隊が新編された。4月、札幌駐屯地業務隊丘珠業務班が札幌駐屯地業務隊業務派遣隊に改編された。8月、第７航空隊が第７飛行隊に改称された。1964年3月、第307航空整備中隊が第307航空野整備隊に改編された。1966年2月（1967年4月1日？）、丘珠駐屯地に昇格し、第423会計隊が札幌駐屯地から移駐した。1968年3月、北部方面ヘリコプター隊と第397基地通信中隊が新編された。1969年6月、北翔館が開館。1973年、警務連絡班が新編された。1974年8月1日、丘珠駐屯地業務隊が新編された。1977年7月、滑走路方位を15/33から14/32に変更。1978年4月、第307航空野整備隊が北部方面航空野整備隊に改称された。1994年3月、北部方面飛行隊が廃止され、北部方面航空隊本部付隊が新編された。1996年3月、北部方面通信群映像伝送写真隊が新編された。2002年3月、北部方面通信群映像伝送班が移駐した。2011年1月12日、北部方面航空隊が年初編隊飛行訓練を実施。2015年2月7日、札幌地本がUH-1体験搭乗を実施。3月、第423会計隊が廃止され、第325会計隊丘珠派遣隊が新編された。2021年2月20日、北千歳駐屯地が航空機体験搭乗を実施。7月31日と8月1日、就職ガイダンス公務員フェスタに協力した。2022年3月30日、令和3年度札幌飛行場除雪隊編成解組行事を実施。132日間の累積降雪量は6.72mで、104回出動して除雪作業を行った。参考：丘珠駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、月刊JWings6,’10別冊付録、4,’11、月刊軍事研究3,’11、朝雲、月刊PANZER6,’18

＜丘珠駐屯地（２００７年）＞：北部方面航空隊本部付隊（LR-1、LR-2）、北部方面航空隊北部方面ヘリコプター隊（UH-1H/J、OH-6D）、第７師団第７飛行隊（UH-1J、OH-6D）、第11師団第11飛行隊（UH-1J、OH-6D）、第１ヘリコプター団北方分遣隊（CH-47J/JA）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜丘珠駐屯地（２０１５年）＞：北部方面航空隊本部、北部方面航空隊本部付隊、北部方面ヘリコプター隊、第７師団第７飛行隊、第11旅団第11飛行隊、北部方面管制気象隊、北部方面航空野整備隊、北部方面通信群本部中隊空中伝送班、第314基地通信中隊丘珠派遣隊、北部方面会計隊第423会計隊（3月26日から第325会計隊丘珠派遣隊）、第120地区警務隊丘珠連絡班、丘珠駐屯地業務隊、札幌地方協力本部札幌地域援護センター丘珠常駐組が駐屯している。参考：丘珠駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜丘珠駐屯地（２０２０年）＞：北部方面航空隊、北部方面航空隊本部付隊（LR-2）、同北部方面ヘリコプター隊（UH-1J）、第７師団第７飛行隊（UH-1J）、第11旅団第11飛行隊（UH-1J）などが所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜丘珠駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。大元は1958年4月1日に編成された札幌駐屯地業務隊丘珠業務班で、1962年4月1日に札幌駐屯地業務隊丘珠派遣隊に改編され、1974年8月1日に丘珠駐屯地業務隊に改編された。2018年1月17日、自隊能力を活用した各種基盤整備などの功績で、陸幕長から２級賞状が授与された。参考：丘珠駐屯地ホームページ、朝雲

　＜丘珠駐屯地業務隊（２０１５年）＞：業務隊長、総務科（隊本部班、総務班）、管理科（営繕班、輸送班、飛行場管理班）、補給科（補給班、糧食班）、厚生科（厚生班、共済班）、衛生科（衛生班）からなる。参考：丘珠駐屯地ホームページ

＜オカナガン＞：カナダ海軍オベロン級潜水艦Okanagan。2011年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船9,’12

＜オガニ＞：M-77（ロケットランチャー）を参照。

＜オカノガン＞：APA-220（攻撃輸送艦）を参照。

＜岡野博＞：日本海軍エース。大正10年、茨城県生まれ。昭和13年6月、横須賀海兵団に入団。昭和16年5月、操縦練習生を卒業、横浜航空隊に配属された。9月、千歳航空隊に配属された。太平洋戦争開戦後はマーシャル群島の防空を行っており、昭和17年4月に第１航空隊に転属し、5月下旬に台南空に派遣された。6月25日、モレスビー上空で初撃墜を記録。11月に第１航空隊に復帰するまで６機（不確実１機含む）のスコアを挙げた。12月、第201航空隊に転属した。昭和18年3月、松島基地に引き揚げた。7月、空母雲鷹に搭乗してブイン基地に配属された。11月、上飛曹となり、第331航空隊に転属した。昭和19年3月、第202航空隊戦闘603飛行隊に転属し、ビアク作戦に参加。9月、大村航空隊に配属され、その後第343航空隊戦闘701飛行隊に転属となり、終戦を迎えた。戦後は民間航空パイロットとなった。総撃墜数19機。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜オカピ＞：ロイメック社製６輪耐地雷装甲車。車体下部はＶ字をしており、TM57対戦車地雷の爆発に耐えられる。装甲車体は射距離30mからの7.62mm弾に抗堪可能。砂漠での長期行動に備えて200リットル入り飲料水タンクを持つ。戦闘重量22トン。エンジンはADE447TI水冷６気筒ターボディーゼル（400馬力）、最大速度100km、燃料タンク容量420リットル、航続距離900km（路上）／400km（不整地）。参考：月刊軍事研究3,’97

＜オガブ＞：イラン国産の自走230mmロケット弾３連装発射機。参考：月刊軍事研究4,’07

＜岡部健二＞：日本海軍エース。大正4年、福岡生まれ。昭和12年11月、海軍操縦訓練生を卒業し、佐伯航空隊に配属された。その後大村航空隊に転属となり、昭和13年7月に第12航空隊に配属され、中国で任務に就いた。翔鶴乗員として太平洋戦争開戦を迎え、真珠湾攻撃で母艦直衛任務を実施。昭和17年4月9日、ツリンコマリ攻撃でハリケーン２機を撃墜した。5月8日、珊瑚海海戦で艦爆８機を撃墜（うち不確実３機）したが、母艦が損傷したため不時着水して救助された。昭和18年7月、再度翔鶴に乗り込んで11月1日にラバウルに進出。その後大村航空隊に転属し、昭和19年7月に第634航空隊に移った。10月、捷一号作戦発動によりフィリピンに進出。年末に本土に帰還し、第601航空隊に転属、終戦を迎えた。特攻に対しては反対を公言していた。総撃墜数15機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜岡本重造＞：日本海軍エース。大正5年、徳島県生まれ。昭和8年、海軍に入隊し、昭和11年3月に操縦練習生を卒業し、昭和12年7月に第13航空隊に配属された。9月19日、南京第２次攻撃で初戦果を挙げた。年末以降、佐伯航空隊、大分航空隊、鈴鹿航空隊で教官を務め、昭和15年10月に第14航空隊に転属となり、昭和16年9月に第３航空隊に配属された。12月8日の太平洋戦争開戦でルソン島攻撃を実施。昭和17年4月、本土に帰還して第６航空隊に転属した。6月、隼鷹に搭乗してダッチハーバーを空襲。10月11日、ソロモンのブカ基地から出撃した帰途に悪天候に遭遇して行方不明となり、戦死認定された。公認撃墜数９機。最終階級は飛曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜岡山飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜オカラハン＞：DE-1051（護衛駆逐艦）を参照。

＜オカルーザ＞：APA-219（攻撃輸送艦）を参照。

＜小川誠＞：日本陸軍エース。大正6年、静岡県生まれ。昭和10年、飛行第７連隊に整備兵として入隊し、昭和13年1月に熊谷飛行学校に入学、8月に卒業した後明野飛行学校で戦闘戦技教育を受けて戦闘機パイロットになり、熊谷飛行学校の助教となった。昭和16年8月、飛行第70戦隊に転属し、満州に配置された。昭和19年2月、首都防空のため飛行第70戦隊が本土に戻ることになり、松戸飛行場に展開した。8月、満州の製鉄所を爆撃するB-29を迎撃するため、満州の鞍山飛行場に戻った。11月6日、本土防空のため柏飛行場に移動。昭和20年2月10日、太田の中島飛行機本社工場を爆撃したB-29の迎撃に二式戦闘機二型乙で出撃し、ホ301をコクピット付近に命中させた。このB-29は僚機に衝突してどちらも墜落している。3月10日、東京大空襲のため来襲したB-29爆撃機１機をホ301で撃墜。7月9日、第12方面軍司令官から武功徽章乙を授与され、少尉になった。8月10日、P-51戦闘機２機を撃墜した。総撃墜機数はP-51戦闘機２機とB-29爆撃機７機。参考：月刊JWings5,’11、日本陸軍戦闘機隊

＜隠岐＞：日本海軍択捉型海防艦４番艦。昭和18年3月28日竣工。第２海上護衛隊に編入され、横須賀−トラックの輸送船護衛に就いた。昭和19年7月22日、横須賀−父島の輸送船護衛を実施。11月21日、父島から帰る途中、宮城県金華山沖でアメリカ潜水艦の雷撃を船体前部に受けて中破した。昭和20年3月、第１護衛艦隊に編入され、横須賀−釜山の輸送船護衛に就いた。5月3日、朝鮮西部薪島の西で爆撃を受けて損傷した。昭和20年8月19日、釜山港で触雷して損傷したが、その後横須賀に帰投した。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜起き上がり小法師＞：韓国陸軍第８師団のニックネーム。

＜沖風＞：日本海軍峯風型駆逐艦３番艦。大正9年8月17日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和18年1月10日、千葉県勝浦灯台の南８海里でSS-237トリガーの雷撃を受け沈没した。3月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜おきしお＞：SS-576（潜水艦）を参照。

＜おぎしま＞：MCL-726（掃海管制艇）またはMSC-659（うじしま型掃海艇）またはMSC-666（はつしま型掃海艇）を参照。

＜沖島＞：日本海軍海防艦Okishima。元はロシア海軍海防戦艦アドミラル・グラフ・アプラクシンで、日本海海戦で鹵獲し、明治38年6月に日本海軍艦籍に編入、二等海防艦に類別された。大正11年4月に除籍され、大正14年に廃艦となった。その後記念艦として保存されることになり、保存場所へと向かったが、途中で荒天のため座礁大破してしまい、解体された。参考：月刊丸6,’14

＜沖大東島射爆撃場＞：在日米軍の射爆撃場。沖縄の南東沖にある沖大東島全体が射爆撃場になっており、面積115万平方メートル。在沖縄米海軍艦隊基地隊が管理しており、全ての通常弾を使用した射爆撃訓練が実施できるが、年間180日まで、月平均15日という制限がある。参考：月刊軍事研究4,’10

＜おきちどり＞：MSA-451（掃海艇）を参照。

＜おきちどり型＞：海上自衛隊掃海艇。元は日本海軍200トン型飛行機救難船で、船尾の飛行機揚収クレーンを撤去して艦橋後部に甲板室を増設、係維掃海具と機雷敷設軌条を搭載した。ただし可能な掃海任務は限定的で、母船任務の方が多かったようである。全長41m、最大幅5.9m、深さ3.1m、吃水2.1m、基準排水量180トン、満載排水量210トン。主機はディーゼル２基２軸800馬力、速力14ノット。乗員27名。MSA-451おきちどりが就役した。1961年に特務艇に艦種変更されて実用実験隊所属となり、各種装備の実用試験に投入された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、海上自衛隊全艦艇史

＜おきつ＞：MSC-646（掃海艇）を参照。

＜興津＞：日本海軍興津型砲艦Okitsu。元は昭和2年（昭和5年1月11日？）に竣工したイタリア海軍オスティア級敷設艇レパントである。昭和18年9月9日、上海で自沈した。第１工作部で引き揚げて整備し、昭和19年3月1日に砲艦興津と命名した。昭和20年3月21日、中国の温州付近で爆撃を受けて損傷した。9月15日、国府海軍に接収され、咸寧と改称された。9月30日、日本の艦籍から除かれた。参考：日本海軍特務艦船史、日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜興津型砲艦＞：日本海軍砲艦Okitsu型。元はイタリア海軍オスティア級敷設艇レパント（Lepanto）で、第２次大戦中のイタリア降伏に伴い上海で自沈していたのを引き揚げたものである。整備ついでに上構を縮小して前部マストをポールマストから三脚マストに変更、兵装も日本海軍式に改めた。外洋航行能力があったため、船団護衛に使用されている。垂線間長62.18m、最大幅8.69m、吃水2.6m、基準排水量700トン。主機は直立式三段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶は重油専焼水管缶２基、出力1500馬力、２軸推進、速力13.7ノット、重油搭載量75トン。兵装は三年式40口径8cm単装高角砲１門、九六式25mm連装機銃２基、九六式25mm単装機銃６門、爆雷36個。興津が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜興津丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜沖波＞：日本海軍夕雲型駆逐艦15番艦。昭和18年12月10日竣工。昭和19年10月22日、比島沖海戦に参加。10月26日、シブヤン海で艦上機の攻撃を受けて小破した。11月13日、マニラ湾でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没し、昭和20年1月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜オキナワ＞：CVE-127（護衛空母）またはLPH-3（揚陸艦）を参照。

＜沖縄＞：日本海軍海防艦。昭和19年11月5日、マニラ湾で艦上機の攻撃を受けて小破した。11月18日、フィリピンのパラワン島付近で爆撃を受け、至近弾により損傷した。昭和20年4月11日、中国の舟山列島東で、第８号海防艦、第32号海防艦、第52号海防艦と共にSS-279スヌークを撃沈した。6月19日、富山湾で、第63号海防艦、第75号海防艦、第158号海防艦、第209号海防艦と共にSS-223ボーンフィッシュを損傷させた。7月30日、舞鶴で爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜沖縄海上特攻作戦＞：太平洋戦争の沖縄戦時に第２艦隊の戦艦大和と第２水雷戦隊からなる第１遊撃部隊が沖縄への突入を図ったもので、天一号作戦の中で菊水一号作戦に呼応して発動された。突入に際しては敵艦上機を引きつけて沖縄への航空特攻を容易にし、沖縄に到達できたら海岸に乗り上げて陸上砲台となり、不要な乗員は陸戦隊に転用する。昭和20年4月5日午前、連合艦隊・軍令部の作戦会議で、先任参謀が唐突に案を提示（連合艦隊参謀長草鹿龍之介少将は菊水作戦打ち合わせのため鹿屋に出張中で不在だった）。成功の見込みは無いと会議参加者ほぼ全員が考え、太平洋戦争終結後の発言権確保のため戦力を留保しておくべきとの意見もあったが、沖縄への航空特攻が繰り返される中で水上部隊が座視している訳にはいかないということで認められ、1500に連合艦隊から第１遊撃部隊にGF電令作戦第六〇七号（海上特攻として8日黎明沖縄突入を目途に急速出撃準備）で作戦命令が伝達された。第１遊撃部隊作戦計画は「命令作第三号 第一遊撃部隊は電令作第六〇七号に基づき海上特攻隊として友軍航空部隊及び沖縄方面所在部隊と協力しＹ日（四月八日）黎明時沖縄西方海面に突入、敵水上艦艇ならびに輸送船団を攻撃殲滅せんとす」だった。第１遊撃部隊の編成は第２艦隊第１航空戦隊旗艦大和（指揮官第２艦隊司令長官伊藤整一中将）、同艦隊第２水雷戦隊旗艦矢矧（戦隊司令古村啓蔵少将）、同戦隊第41駆逐隊冬月、涼月、同戦隊第17駆逐隊磯風、濱風、雪風、同戦隊第21駆逐隊朝霜、初霜、霞である。当初、燃料は2000トン以内しか集まらず、片道にも足らないものだったが、3月27日にヒ九六船団の2TLタンカー光島丸（原油12000トン、重油1300トン搭載）が到着、更に呉に停泊中の艦艇の燃料タンクの底に溜まっている帳簿外の燃料を徴収して１万トンをかき集め、大和に4000トンを給油、他の駆逐艦には満載した。これは往復に十分な燃料である。航空部隊とは打ち合わせを行う暇が無かったので航空援護は無く、天候、突入時間、突入コースの詳細な検討もできなかった。1730、大和と矢矧に搭乗していた74期候補生（昭和20年3月30日海軍兵学校卒業。大和53名、矢矧14名）、重病人、補充兵が退艦。残る乗員は前甲板に集合し、一番砲塔前の艦長から訓辞が行われた。第２副砲塔の壁にはチョークで総員死ニ方用意と書かれていた。夜、大和艦内では班ごとに無礼講の宴会を開催。4月6日0600、徳山沖で停泊中の大和と第２水雷戦隊が会同した。1300、大和に駆逐艦長以上の幕僚と連合艦隊参謀長が集まって作戦説明と打ち合わせを実施、第２艦隊司令長官伊藤整一中将訓辞の後、乾杯が行われた。この説明時、連合艦隊参謀長は一億総特攻の先駆けとなってほしいと語ったという。その後、第２水雷戦隊司令官古村啓蔵少将の発案で、日本海軍最後となるであろう艦隊の出撃に際し、駆逐隊伝統の襲撃運動を納めるため、駆逐隊が大和に対する襲撃訓練を実施。1520、第１遊撃部隊の第２艦隊第１航空戦隊戦艦大和、第２水雷戦隊軽巡矢矧、同戦隊第41駆逐隊駆逐艦冬月、涼月、戦隊第17駆逐隊駆逐艦磯風、濱風、雪風、戦隊第21駆逐隊駆逐艦朝霜、初霜、霞が徳山沖を抜錨。大和乗員は「如何に狂風」を涙ながらに歌ったといわれる。大和を中心とする直径1000mの輪形陣を取り、速力12ノットで航行、下関海峡は機雷封鎖されていたため、対潜哨戒機２機以上と対潜艦艇延べ６隻の護衛を受けて豊後水道を20ノットに増速して南下し、沖縄に向かった。アメリカ側は暗号通信を解読して日本海軍の動きを参加艦名まで含め掴んでおり、豊後水道に潜む潜水艦17隻に対して日本海軍艦隊監視の緊急命令を発している。ただし第１遊撃部隊を下手に損傷させると泊地に引き返してしまうため、攻撃に際しては太平洋方面潜水艦隊司令長官の許可を得る必要があった。1610、第１遊撃部隊指揮官が「神機将ニ動カントス　皇国ノ隆替繁リテ此ノ一挙ニ存ス　各員奮戦敢闘会敵ヲ必滅シ以テ海上特攻隊ノ本領ヲ発揮セヨ」と訓示信号を送った。1710、佐伯空の水上偵察機が敵潜水艦らしきものを探知して攻撃した。1745、SS-410スレッドフィンが25ノットで航行中の大型艦２隻と小型艦６隻をSJレーダーで発見し、通報した。SS-295ハックルバックも第１遊撃部隊をSJレーダーで発見し、サイパンに通報している。大和はこの電信を逆探知していたが、そのまま航行を続けた。潜水艦からの緊急伝を受けたアメリカ第５艦隊司令長官スプルーアンス大将は、隷下第58機動部隊を沖縄攻略及び航空特攻迎撃のため手元に残すことにし、戦艦部隊である第54任務部隊に対して第１遊撃部隊の迎撃を命じている。第54任務部隊は第１戦艦戦隊を編成し、第３戦艦隊BB-40ニュー・メキシコ（スプルーアンス大将座乗）、BB-42アイダホ、BB-43テネシー（第54任務部隊旗艦）、第４戦艦隊BB-45コロラド、BB-46メリーランド、BB-48ウエスト・ヴァージニアを隷下に入れ、更にCA-33ポートランド、CA-36ミネアポリス、CA-37タスカルーサ、CA-38サンフランシスコ、CL-62バーミンガム、CL-63モービル、CL-80ビロクシー、駆逐艦21隻も組み込んだ。しかし第58機動部隊ミッチャー提督は密かに第１遊撃部隊の攻撃を考え、隷下の任務群４個に対して沖縄北東への集結を下命。第２任務群は補給中で間に合わず、他の３個任務群（第１任務群CV-12ホーネット、CV-20ベニントン、CVL-24ベロー・ウッド、CVL-30サン・ジャシント、第３任務群CV-9エセックス、CV-17バンカー・ヒル、CV-19ハンコック、CVL-28カボット、CVL-29バターン、第４任務群CV-10ヨークタウン、CV-11イントレピッド、CVL-27ラングレー）が戦闘準備を整え、艦上機計900機以上のうち半数を第１遊撃部隊迎撃に割くことにした。2130、第１遊撃部隊はアメリカ潜水艦がグアム基地に発信した作戦特別緊急信を傍受。2200過ぎ、SS-410スレッドフィンとSS-295ハックルバックが第１遊撃部隊を見失った。4月7日払暁、アメリカ第58機動部隊旗艦CV-17バンカー・ヒルからVMF-221所属F4U戦闘機23機、CV-9エセックスからCVG-83隷下VF-83所属F6F戦闘機19機が索敵のため出撃。大和も搭載していた零式二座水上偵察機１機を対潜警戒のため出撃させた。0600、第１遊撃部隊は大隅海峡を通過し、第３警戒航行序列をとり、大和中心の輪形陣を張って時隔５分の之字運動に入った。0630、戦闘機5-10機が第１遊撃部隊の上空警戒に就いた。0657、朝霜が機関故障を起こして後落。0700、水偵２機による対潜直衛を開始。0815、VF83所属F6F戦闘機が第１遊撃部隊を発見したが、報告内容が不正確だった。0823（0832？）、別のVF-83所属F6F戦闘機が第１遊撃部隊を発見し、針路などを正確に報告。連絡を受けて慶良間諸島から海兵隊VPB-21所属PBM飛行艇２機が出撃した。VMF-221の方はVHF通信中継担当のF4U戦闘機４機が不慣れな洋上飛行による燃料切れで帰艦できず不時着水し、操縦士１名が行方不明になった。0830、対潜直衛を終了。0840、敵艦上機７機視認、第１遊撃部隊を一周して離れていった。1000、第１遊撃部隊の上空警戒にあたっていた零戦は帰投した。第58機動部隊ミッチャー提督が第１・第３任務群に攻撃隊発艦を命じ、CVL-29バターンからCVLG-47隷下VT-47所属TBF/TBM艦攻９機、VF-47所属F6F艦戦（500ポンド爆弾２発搭載）21機が発艦した。1006、CV-9エセックスからCVG-83隷下VB-83所属SB2C艦爆12機、同VB-83所属TBF/TBM艦攻15機、同VF-83所属F6F艦戦８機、同VBF-83所属F4U艦戦（1000ポンド爆弾１発搭載）５機が発艦。1010、CVL-24ベロー・ウッドからCVLG-30隷下VT-30所属TBF/TBM艦攻（500ポンド爆弾４発搭載）６機、同VF-30所属F6F艦戦６機（うちロケット弾搭載３機）が発艦。1014、PBM飛行艇２機が第１遊撃部隊に触接。1015、CV-17バンカーヒルからCVG-84隷下VB-84所属SB2C艦爆10機、同VT-84所属TBF/TBM艦攻14機、同VF-84所属F6F-5P戦闘偵察機２機・F4U艦戦（500ポンド爆弾１発搭載）15機、CVL-28カボットからCVLG-29隷下VT-29所属TBF/TBM艦攻９機、同VF-29所属F6F艦戦10機が発艦。1017、CV-20ベニントンからCVG-82隷下VB-82所属SB2C艦爆11機、同VT-82所属TBF/TBM艦攻10機、同VF-82所属F6F艦戦６機（うち偵察型１機）、同VMF-112所属F4U艦戦１機（本当はもっと出撃させる予定だったが発艦作業のミスで飛行甲板が埋まり格納庫から出せなくなった）が発艦。第１遊撃部隊は触接するPBM飛行艇に対空射撃を開始し、大和は三式弾を発射した。PBM飛行艇はチャフを撒きながら雲中に逃げたため、1018に触接機を見失った。この頃、大和では戦闘配食があり、竹の皮に包んだ白米のオニギリ３個とタクアンが配布された。1025、CV-12ホーネットからCVG-17隷下VB-17所属SB2C艦爆14機、同VT-17所属TBF/TBM艦攻14機、VF-17所属F6F艦戦（ロケット弾搭載）16機、CVL-30サン・ジャシントからCVLG-45隷下VT-45所属TBF/TBM艦攻８機、同VF-45所属F6F艦戦７機が発艦。攻撃隊が第１遊撃部隊に向かうと、第58機動部隊ミッチャー中将は参謀長アーレイ・バーク大佐に、スプルーアンス大将に対して第１遊撃部隊を第58機動部隊と第54任務部隊のどちらで攻撃するか確認するよう下命。スプルーアンス大将からは「You take them」の返電があった。1030、CV-19ハンコックからCVG-6隷下VB-6所属SB2C艦爆14機、同VT-6所属TBF/TBM艦攻14機、同VF-6所属F6F艦戦12機（うち偵察型４機）、VBF-12所属F4U艦戦８機が発艦。1045、CV-11イントレピッド搭載CVG-10隷下VB-10所属SB2C艦爆14機、同VT-10所属TBF/TBM艦攻12機、同VBF-10所属F4U艦戦16機、CV-10ヨークタウン搭載CVG-9隷下VB-9所属SB2C艦爆13機、同VT-9所属TBF/TBM艦攻13機、同VF-9所属F6F艦戦20機、CVL-27ラングレー搭載CVLG-23隷下VT-23所属TBF/TBM艦攻７機、同VF-23所属F6F艦戦12機からなる第２次攻撃隊（全体指揮官CVG-10司令）が発艦を開始。1107、大和のレーダーが100km先の敵大編隊を探知、対空戦闘配置をとった。アメリカ攻撃隊は悪天候に見舞われたためAN/APS-4レーダー装備の艦攻や艦爆を前に出し、攻撃隊指揮官CVG-82司令ヒープ中佐搭乗F6F艦戦が故障して帰艦を余儀無くされたため、CVG-17司令コナード中佐が代替で指揮を執っていた。1110、触接機再発見。1135、敵艦上機７機発見。1200頃、落伍していた朝霜からアメリカ軍機と交戦中との電信が入ったが、以降は音信不通となった。1220、大和が一三号対空電探で敵編隊を探知。1230、アメリカ第１次攻撃隊が第１遊撃部隊の推定位置に到着。周辺は雲高1000-1500mで小雨混じりであり、艦艇は目視できなかったが、VB-82中隊長機がレーダーで40km先に艦影をキャッチしたため、そちらに向かった。1232、第１遊撃部隊が敵艦上機150機を発見。1234、第１遊撃部隊は之字運動を中止して速力24ノットとし、戦闘態勢に入り対空射撃を開始、坊ノ岬沖海戦が始まった。1235、VT-82所属TBF/TBM艦攻が雷撃を開始。魚雷の深度調定が浅かったため、大和を狙うと舷側装甲帯に阻まれると判断し、軽巡と駆逐艦に雷撃を加え、輪形陣左翼の濱風に魚雷１本が命中した。朝霜は故障で輪形陣を外れており、レーダー・ピケット艦と考えたアメリカ側はVB-45とVF-45にVB-84も加えて爆撃した。1241、大和後部に中型爆弾（250kg程度）２発命中。２発とも最上甲板右第150フレーム付近を直撃して12.7サンチ高角砲及び多数の対空機銃を破壊し、最上甲板に直径5-7mの孔を開けた。その後５分以内に後部副砲塔前面やや左と後部射撃指揮所に爆弾１発ずつが命中、最上甲板及び上甲板を突き抜けて中甲板に達し、爆発して火災を発生した。後部副砲塔と一三号電探が完全に破壊されている。1245、大和左舷中央第135フレーム及び第150フレーム付近に魚雷が命中（第３主砲塔後方第190フレーム付近にも命中の可能性あり）、艦は左舷側に5-6度傾斜し、第８缶室が使用不能となったが、右舷への注水により傾斜を１度まで復帰させた。矢矧は敵機を引きつけるため陣形を外れ、雷爆撃で航行不能に陥った。冬月と涼月も被弾損傷している。1248、濱風が沈没。1250、朝霜が沈没し、乗員全員が戦死した。CVG-83司令が指揮する第１次攻撃隊第２波が第１遊撃部隊に来襲。1302、第１遊撃部隊が新手の敵艦上機50機発見。1320、アメリカ第２次攻撃隊（艦戦48機、艦爆25機、艦攻53機）が攻撃を開始。1333、大和は右60度4000mに艦攻20機を発見し、単独で左回頭を行った。1334、大和は50度2000mに雷跡６本を発見。1337、大和左舷に魚雷３本、右舷第125フレーム付近に魚雷１本が命中。第７・第８・第12缶室、左舷外側機関室、左水圧機室が浸水し、副舵が取舵のまま故障、左舷に15-16度傾斜し、速力が18ノット以下に低下した。しかし大和は右舷に3000トンの注水を実施し、傾斜を５度まで復帰させている。1340、230度右一斉回頭を実施。1344、大和左舷中央に魚雷２発命中。1345、大和の副舵が中央に固定、205度の基準針路に変針した。直後に右艦首方向から急降下に入るSB2C艦爆を発見し、単独で左回頭して左舷で２機を撃墜した。左傾斜は15度に達したが、速力18ノットでの回避行動を続けた。1400、大和は右艦首から降下する敵機数機を発見し、右回頭で回避したが、1402、大和左舷中央に中型爆弾３発が命中した。右舷タンクが満水になったため、右舷外側にある第３缶室、第11缶室、右舷水圧機室に注水した。1405、CVG-9司令率いる艦爆・艦攻の集中攻撃を受けて矢矧が沈没。VT-9のTBF/TBM艦攻６機編隊が大和に雷撃を実施。４機が横並びで左舷側、１機が右舷側、１機が左舷側へと魚雷を放った。大和は右60度800mに雷跡１本を発見し、面舵で回避しようとしたが、1407、大和右舷第150フレーム付近に魚雷１本が命中した。1410、大和は左60度1000mに雷跡４本を発見し、取舵に転舵した。1412、大和左舷第135フレーム及び第154フレーム付近に魚雷１本ずつが命中。傾斜は左６度、右舷機械室と缶室の注水で片舷推進となったため速力は12ノットで、針路を０度にとった。1415、大和は左90度1000mに雷跡１条を発見、取舵で回避しようとしたが、1417、大和左舷第164フレーム付近に魚雷１本が命中し、傾斜が急激に増大した。第２艦隊司令長官伊藤整一中将は幹部を大和艦橋に集め、冬月に移乗して残存艦の指揮を執り生存者を救出し、潔く退き爾後の作戦に備えるよう告げると、自分は長官室に入った。1420、大和は傾斜左20度となり、総員最上甲板が命じられた。1423、大和は転覆し、傾斜120度となったところで後部副砲塔付近で発生していた火災の火焔により副砲塔火薬庫が爆発、主砲塔内の弾薬が誘爆し、船体が真っ二つになり、坊ノ岬260度90海里付近で爆沈。第２艦隊司令長官及び艦長以下2498名が戦死した。1445、冬月、雪風、初霜などが生存者の救助を開始。大和乗員で救助されたのは269名のみだった。1637（1639？）、連合艦隊がGF電令作第61号で作戦中止と生存者を救出しての佐世保帰投を下命した。1657、航行不能に陥った霞が処分された。雪風は第41駆逐隊司令の後退命令を拒否して沖縄への南下を続けていたが、GF電令作第61号を受信して引き返し、航行不能に陥っていた磯風の乗員を救助し、2240に砲撃で処分した。矢矧座乗の第２水雷戦隊司令官古村啓蔵少将は1700頃に初霜に救助され、我残存駆逐艦を率い沖縄に突入せん、と連合艦隊への打電を命じたが、それを暗号化している最中の1750頃に第１遊撃部隊がGF電令作61号を受領したため、第２水雷戦隊司令官は残存艦（雪風、冬月、涼月、初霜）を指揮して4月8日0845-1500に佐世保に帰投した。第２水雷戦隊は軽巡矢矧、駆逐艦霞、朝霜、濱風、磯風が沈没、涼月が大破、冬月が中破し、1167名（982名？）が戦死、342名が負傷した。雪風は大和乗員救助後に魚雷が命中したが不発で修理に１週間を要する損傷を受け、初霜は戦傷者２名を出している。大和に同乗していた第２艦隊司令部の生存者は７名で、4月13日に軍令部で報告を行った第２艦隊参謀長は、特攻部隊を使用する際、目的完遂の道程においては、最も合理的・自主的な細密に渡る計画を立て、極力成算ある作戦を実施すべきであり、思いつきのような作戦や攻略的作戦を立てて貴重な作戦部隊を犬死にさせないようにするのが特に肝要である、と述べている。第58機動部隊はF6F艦戦113機、F4U艦戦45機、SB2C艦爆88機、TBF/TBM艦攻131機の計377機が出撃し、309機が攻撃を行い、５機が撃墜されて１機が事故により墜落（F4U艦戦１機、SB2C艦爆２機、TBF/TBM艦攻３機）、対空砲火で52機が損傷（うち不時着水１機、修復不能で海上投棄５機）し、14名が戦死、４名が戦傷を負った。昭和43年、徳之島犬田布岬に、戦艦大和を旗艦とする艦隊戦士慰霊塔が建立された。参考：月刊軍事研究6,’10、9,’03、12,’07、月刊世界の艦船8,'22、7,’19、9,’13増刊、9,'21、12,'21、日本海軍艦隊総覧、丸エキストラ版No.71、激闘太平洋戦記、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’15、月刊丸10,’93、朝雲

＜沖縄基地＞：海上自衛隊の基地。沖縄県うるま市にあり、ホワイトビーチに隣接している。1973年10月26日、沖縄基地隊が新編された。参考：月刊航空ファン4,’16

＜沖縄基地隊＞：海上自衛隊の基地隊。主任務は沖縄沿岸や重要港湾などの防備、入港艦艇支援、業務支援、爆発物処理・災害派遣、港湾調査など情報収集である。大元は1972年5月15日に新編された臨時勝連施設管理隊で、7月16日に臨時沖縄基地隊派遣隊に改編され、12月21日に隷下に第35掃海隊と第23輸送艇隊が編入され、1973年10月26日に沖縄基地隊として佐世保地方隊隷下に沖縄基地で新編された。本部、第35掃海隊、第23輸送艇隊からなる。1974年9月、第23輸送艇隊が解隊された。1977年12月、沖縄水中処分隊が新編された。1983年1月27日、第35掃海隊が廃止され、第48掃海隊が編入された。1997年3月、第46掃海隊が隷下に入った。2009年2月、中国海軍の活動活発化で海自艦艇の燃料補給の機会が増えたため、艦艇用燃料タンクを設置した。11月25日、沖縄県うるま市与那城宮城島の南西沖4kmでアメリカ製１トン爆弾１発（7月に漁師が発見）の水中爆破処分を実施。2010年1-5月、沖縄県宮古島市平良港下崎地区の整備に伴い、日本軍の250kg爆弾、127mm砲弾、155mm砲弾など1830発32トンが発見されたため、沖縄水中処分隊と共同で10月下旬、11月下旬、2011年2月下旬に爆破処分を行った。2011年9月2日、平成23年度沖縄県総合防災訓練に参加。2013年3月2日、在沖米海軍艦隊活動司令部と合同で第３回ビーチクリーンアップを実施。4月9日、曳船92号と曳船94号を編入した。8月23日、那覇駐屯地で県内防災関係機関との合同防災図上訓練に参加。2014年7月30日、水中処分母船１隻と隊員33名が出動し、那覇空港沖1kmの海中でアメリカ製５インチ艦砲の不発弾（全長360mm、直径127mm、重量30kg）９発を水中処分した。2016年1月24日、うるま市石川会館で佐世保音楽隊によるふれあいコンサートを実施。3月2日、在沖縄米海軍活動司令部と合同で駅伝を実施。2019年1月25-26日、うるま市民芸術劇場で佐世保音楽隊による音楽教室とふれあいコンサートを実施。3月22日、隷下に港務科が新編された。2020年9月5日、沖縄地本の女性限定企画イベントであるガールズアドベンチャーに協力し、沖縄県内女性14人に研修を行った。2021年10月26日、落語家らによる慰問講演を実施。参考：沖縄基地隊ホームページ、佐世保地方隊ホームページ、月刊世界の艦船1,’79増刊、5,’83、4,’19、5,'20、朝雲、月刊軍事研究11,’11、MAMOR Vol.86

＜沖縄基地隊（１９７８年）＞：佐世保地方隊隷下で、第35掃海隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜沖縄基地隊（２００１年４月１日）＞：佐世保地方隊隷下で、第46掃海隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜沖縄基地隊（２０１１年）＞：佐世保地方隊隷下で、本部、沖縄水中処分隊、第46掃海隊からなる。参考：海上自衛新聞、月刊世界の艦船6,’11

＜沖縄基地隊（２０１５年）＞：佐世保地方隊隷下で、基地隊本部、沖縄水中処分隊、第46掃海隊からなる。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜沖縄基地隊（２０２０年）＞：佐世保地方隊隷下で、第46掃海隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜沖縄県平和祈念資料館＞：沖縄戦を後世に伝えるため設立された資料館。所在地は沖縄県糸満市字摩文仁614-1。開館時間は0900-1700（最終入館1630）。休館日は12月29日から1月3日。参考：MAMOR vol.58

＜沖縄航空隊＞：海上自衛隊の航空隊。沖縄返還７ヶ月後の1972年12月21日に那覇航空基地で創設された臨時沖縄航空隊（P-2J対潜哨戒機６機装備）がベースで、1973年10月16日に沖縄航空隊となった。使用機のコールサインは「ペガサス」で、尾翼にペガサスのマーキングと、那覇の「ナ」の字を入れている。1981年7月15日、第５航空隊に改編された。参考：月刊JWings5,’08、月刊世界の艦船5,’20

＜沖縄航空隊（１９７８年）＞：航空集団隷下で、司令部は那覇航空基地にある。P-2J対潜哨戒機が配備されていた。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜沖縄射場＞：陸上自衛隊の射撃訓練場。在日米軍嘉手納弾薬庫地区から返還された東恩納弾薬庫跡地に2007年1月から建設され、2008年12月3日に竣工し、2009年1月14日から使用されている。射撃地域総面積は60000平方メートルで、面積9000平方メートル・射距離300mの屋内型射撃場、管理棟、待機場、駐車場などで構成される。屋内型射撃場には射撃評価システム３型を設置、８名同時に小火器射撃訓練が行える。参考：朝雲

＜沖縄水中処分隊＞：海上自衛隊の水中処分隊。1977年12月、沖縄基地隊隷下に新編された。1983年1月27日、特務船（水中処分母船）YAS-70が除籍され、YAS-77が配備された。2003年3月、YDT-06水中処分母船６号が配備された。2009年1月20日、沖縄県国頭郡伊江村伊江防波堤灯台の南1kmで、水深30mに沈んでいた日本海軍九一式航空魚雷（2006年にダイバーが発見、2007年12月に沖縄水中処分隊が確認）を水中処分母船６号から進出した隊員10名が爆破処分した。2010年1-5月、沖縄県宮古島市平良港下崎地区の整備に伴い、日本軍の250kg爆弾、127mm砲弾、155mm砲弾など1830発32トンが発見されたため、沖縄基地隊と共同で10月下旬、11月下旬、2011年2月下旬に爆破処分を行った。2016年6月24日、創隊以来無事故での爆発物処理の功績により、防衛大臣から１級賞状が授与された。2023年11月17-27日、令和5年度機雷戦訓練（日向灘）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。2024年2月1-10日、令和5年度機雷戦訓練（伊勢湾）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。参考：沖縄基地隊ホームページ、月刊世界の艦船5,’83、1,'24、4,'24、朝雲

＜沖縄水中処分隊（２００９年）＞：佐世保地方隊沖縄基地隊隷下で、YDT-06水中処分母船６号を配備する。参考：MORIBITO Vol.3

＜沖縄水中処分隊（２０１５年）＞：佐世保地方隊沖縄基地隊隷下で、YDT-06水中処分母船６号を配備する。参考：沖縄基地隊ホームページ

＜沖縄戦＞：太平洋戦争で行われたアメリカ軍による沖縄上陸占領作戦・日本軍による防衛作戦。当時の沖縄県の人口は59万人で、沖縄本島には49万人がおり、本土に６万人、台湾に２万人が疎開していた。土地は隆起珊瑚礁で極めて硬く、自然洞窟を利用すれば１トン爆弾や40センチ艦砲弾にも十分耐えられる強度を持っていた。昭和19年3月23日、南西諸島防衛担当の第32軍の戦闘序列が下命された。隷下部隊は沖縄本島の独立混成旅団１個、先島諸島の独立混成旅団１個、奄美大島の独立混成連隊１個、航空地区司令部、夜戦飛行場設定隊、飛行場大隊、飛行場中隊などである。この頃の南西諸島は絶対国防圏の後方要線としての役割を担っており、航空部隊展開地を分散させて抗堪力を高めるためと、南方航路海上交通防衛を図るため、まずは十号作戦準備として沖縄本島、伊江島、宮古島で飛行場計７ヵ所（うち根拠飛行場３ヵ所）建設に入った。7月にマリアナ諸島がアメリカ軍に制圧されて絶対国防圏が崩壊したため、大本営陸軍部は南西諸島の防備強化を図り、独立混成第15連隊を空輸すると共に、第９師団、第24師団、第28師団、第62師団、戦車第27連隊、重砲兵連隊を次々と輸送船で送り込み、7月11日に第32軍を台湾軍に編入して台湾・上海・南西諸島の航空戦指揮を一元化、7月24日には捷号作戦準備を下命した。7月後半には電波警戒隊（昭和20年3月23日に航空隊情報部隊に改称）が博多から沖縄に送り込まれ、四式携帯用電探警戒装置３基、電話機１台、予知用電探機１台、野戦用電探機１台を首里城、読谷、名護、真栄平などに設置して対空警戒にあたったが、性能不足で、特に悪天候時には殆ど探知できず、探知距離が短いために目標に到達する10分前にしか警告を出すことができなかった。8月8日、第32軍司令官が渡辺中将から牛島満中将に交代した。第32軍は４個師団、５個混成旅団、１個砲兵団計18万名を南西諸島に配置、沖縄本島にはそのうち３個師団、１個独立混成旅団、１個砲兵団を置き、沖縄中部以南のどこからアメリカ軍が上陸しても（上陸予想地点は嘉手納、那覇北方、糸満、湊川）反撃できる体制を築く予定だった。第32軍はアメリカ軍の上陸兵力を6-10個師団と想定、橋頭堡を築いて物資を集積し終えた時期に砲撃を集中して軍需品を破壊し、夜間発着艦が困難な艦上機をメインに制空権を確保するアメリカ軍の隙を突いて夜間機動に徹し、敵の上陸準備射撃に対しては洞窟陣地で対抗するという作戦を立案。決戦地は沖縄本島南部とし、北から第24師団、第62師団、第９師団を配置、慶良間列島と沖縄本島に海上特攻部隊を置き、上陸準備射撃は洞窟内でひたすら耐え凌ぎ、敵の上陸前夜に海上特攻部隊が突入、上陸時には付近の部隊（上陸地が嘉手納正面の場合には第24師団）で橋頭堡の拡大を阻止しつつ軍主力（嘉手納正面の場合には第９師団。第62師団は予備となる）を上陸２日目の夜までに敵正面に集結し、２日目の夜から軍砲兵隊及び師団砲兵隊で橋頭堡破砕射撃を実施、明け方までに主力が橋頭堡に突入してアメリカ軍を海に追い落とすことにした。第５砲兵団を満州から引き抜いて隷下に置いたのはこの橋頭堡破砕射撃のためであり、昼間に砲を隠しておく隠蔽陣地を設け、夜に移動するための道路を拡張し、迂回路を設置するなど迅速な移動ができるような準備も怠らなかった。予想される戦場は30km×3-8kmと狭く、アメリカ上陸部隊の索敵隊に対して適切な反撃を行えば、アメリカ軍は上陸後の拙速な進撃を行わずに攻撃準備に移るとみられ、橋頭堡は海岸から1-2km程度に留まる筈で、ここに戦力が集中できればアメリカ軍撃破は十分に可能であると第32軍は考えた。アメリカ軍のレイテ島上陸で、沖縄侵攻の時期は昭和20年春頃と判断され、半年間の準備期間が設定できたため、第32軍は沖縄県民も総動員し、まずは目先の捷号作戦に向けた飛行場設営を優先しつつ、自信を持って陣地構築、弾薬集積、部隊配備を進めた。学童は疎開させることになり、一般住民と合わせて10万人を昭和19年8月後半から本土に向かわせることになった。8月22日、沖縄からの一般疎開者や疎開児童を乗せた対馬丸が雷撃を受け沈没。9月からアメリカ軍の偵察活動が開始されたが、沖縄の守備隊兵力は過小評価（53000-56000名と推定）された。10月3日、アメリカ統合参謀本部が補給などの面から台湾上陸作戦コーズウェイを取り止め、南方シーレーン遮断や日本本土上陸作戦・中国大陸支援が実行でき面積も小さく短期間で制圧可能な沖縄への上陸作戦を決定し、アイスバーグ計画を策定した。10月9日、アメリカ第５艦隊司令部に沖縄攻略戦準備命令が下された。10月10日、アメリカ第38機動部隊艦上機延べ1396機が南西諸島に５次にわたる空襲を行い、那覇市が壊滅して軍民計700人が死亡、那覇港は機能を喪失し、潜水母艦迅鯨など海軍艦艇５隻、陸軍輸送船10隻、小型舟艇100隻が沈没、那覇港に積み上げられたままになっていた大量の軍需品が失われた。10月中旬から夜間機動や夜間攻撃などの演習を開始。10月下旬、糸満海岸で橋頭堡殲滅射撃の実弾演習を実施。砲弾が炸裂する様子は壮観であり、第32軍司令官は沖縄防衛の自信を深めたという。ところが、大本営は台湾沖航空戦の誤報を陸軍が信じてしまった上、11月1日に第１師団と第26師団先遣隊がレイテ島に無傷で上陸できたため、フィリピンで決戦を行うことになり、台湾からも増援を送ることになった。その結果、台湾の兵力が所要７個師団に対して２個師団＋１個旅団（しかも全て昭和19年新編）にまで減少するため、沖縄よりも広い面積を防衛するのは不可能と判断され、沖縄から兵力を抽出する案が11月4日に第32軍宛てに届いた。第32軍司令官は同日に台北に出向き、第10方面軍司令部での会議で兵力の抽出は不可能であると伝えた。この直後に大本営は第32軍から中迫撃第５・第６大隊を引き抜いてフィリピンに送ってしまった。更に、11月10日、台湾の第10師団をフィリピンに転用することが決定、台湾の防備兵力が第50師団と第66師団の２個師団（しかも両方昭和19年新編）になってしまったため、大本営は11月17日に第９師団を抽出して台湾に送ることにした。代わりの兵力を供給するという話も非公式にはあったが、戦力化には到着後数ヶ月かかると見込まれ、海上輸送力の状況から到着すら期待できなかった。第32軍司令官と参謀長は酷く落胆し、軍紀厳正で信頼の高く、沖縄県民も多数が入隊していた第９師団の転出は島民からも惜しまれたという。これにより、第32軍は橋頭堡を構築される前に砲撃を加えて決戦を仕掛けることができなくなり、陣地構築の難しい飛行場防衛も放棄して内陸陣地での持久戦に変更、兵力不足は現地召集の防衛隊で補うこととなった。ただ、第32軍は上級司令部に相談せず任務変更を行っており、作戦方針も北・中飛行場方面に敵が上陸した場合には決戦を行うこともあるとするなど徹底を欠いた。捷一号作戦の結果、航空部隊と海軍水上部隊が壊滅したため、陸軍は本土決戦重視、海軍は沖縄決戦実行と作戦戦略が分裂してしまい、更に南方資源地域からの輸送船を護衛することもできなくなったため、本土決戦用の航空機を増産することが不可能になり、沖縄航空作戦に使用する機数が限定されてしまった。12月11日、第24師団向けの弾薬を輸送中に爆発事故が発生し、大量の弾薬が失われた。昭和20年1月22日、第84師団を沖縄に派遣することになったが、海上輸送の危険性と本土決戦兵力の不足から翌日には取り消され、軍需品のみを輸送することになった。下旬、第32軍は隷下部隊の配備を変更し、独立混成第44旅団の主力を中頭地区から知念半島に移し、知念半島にいた第62師団歩兵第64旅団を第62師団主力の北正面に置いて西側海岸と南飛行場の防御を担当させた。これにより北・中飛行場はほぼがら空きになり、主陣地内の重砲兵第100大隊が装備する長射程砲で制圧下に置くことにした。これを知った海軍軍令部や大本営陸軍部などは第32軍に飛行場地区の防衛を要請したが、第32軍は更なる兵力増強が必要と応じ、第84師団の沖縄派遣中止により結局飛行場に防衛兵力は配置されていない。第32軍は司令部の首里を防衛すべく南部中心に兵力を置き、アメリカ軍の上陸地点が予測困難だったため隷下部隊を全周配備することにし、首里に第32軍司令部と第62師団司令部、北東に第62師団歩兵第63旅団、北西に歩兵第64旅団、知念半島に独立混成第44旅団、島尻に第24師団を配置、重砲も三方を向けた。実際のアメリカ軍上陸地点（渡具地／嘉手納海岸）には特設第１連隊と独立歩兵第12大隊しか配置されておらず、ここから南下してくるアメリカ軍を迎え撃つのは昭和19年の島嶼守備要領・上陸防御教令に基づいて内陸に構築した５層の防衛陣地である。１層目は第一線主陣地で、161高地（アメリカ軍呼称ピンナクル）、北上原（レッド・ヒル）、神山、85高地（カクタス尾根）、大山に２個独立大隊が配備されていた。２層目は第二線主陣地で、155高地・和宇慶、144高地・南上原、棚原、我如古（かにく）、西原、嘉数高地に第62師団歩兵第63旅団が配備されていた。３層目は第三線主陣地・砲兵陣地帯で、小波津、幸知、前田、仲間、安波茶、伊祖・牧港に軍砲兵隊を配備、歩兵部隊は後方から補充または前方から退却した兵で補った。４層目は首里主陣地帯で、運玉森、首里、首里西・那覇地区に軍直轄部隊を配備。首里司令部壕は深さ15-35m、総延長1000mあり、2000ポンド爆弾や戦艦の艦砲射撃にも耐えられるようになっていた。５層目は南部複廓要塞地区で、11300名の予備兵力を持っていた。各々反斜面坑道陣地を大隊単位で設置、戦闘距離300-600mではアメリカ軍に匹敵するか、それ以上の火力を発揮できた。ただ配備変更により歩兵第63旅団の築城期間は50日間しか取れず、準備が不十分な状態でアメリカ軍を迎え撃つことになった。2月上旬、第32軍は沖縄本島に特攻隊を配置することを要請。しかし第６航空軍は作戦準備の遅れから配備が間に合わないと答えたため、第32軍は伊江島飛行場と北・中飛行場を徹底的に破壊する方針を大本営に送ったが、認められなかった。2月9日、アメリカ軍が沖縄攻略統合作戦計画アイスバーグの策定を完了。2月12日、第32軍は海上挺身基地大隊を改編して独立大隊を編成し、地上戦力を増強した。3月18日（8日？）、アメリカ機動部隊（第58任務部隊）が上陸支援用航空攻撃としての日本本土空襲（中国・四国・九州方面）を開始。正規空母８隻、軽空母５隻、航空機880機が参加して3月21日まで続けられ、呉の日本海軍艦船と西日本の航空戦力が大損害を受けた。日本軍は航空兵力温存の方針を転換して航空攻撃を開始、3月18日黎明からアメリカ機動部隊を全力攻撃したが、空母５隻と駆逐艦１隻に損傷を与えたに止まっている。3月22日、アメリカ機動部隊が四国九州への空襲に加え、沖縄周辺の制空作戦と沖縄航空基地・上陸地点への航空攻撃を開始。正規空母８隻、軽空母５隻、護衛空母18隻（＋航空機補充任務用９隻）、航空機1380機が参加して4月6日まで続けられ、3月24日からは戦艦10数隻含む艦艇40隻を沖縄30km圏内に展開しての陽動艦砲射撃が始まり、3月25日には沖縄沖70-170海里に機動部隊３群が展開、艦艇70隻による本格的な艦砲射撃が開始され、慶伊瀬島北方を皮切りに沖縄周辺での掃海作業も始まった。3月26日、アメリカ軍が慶良間列島に上陸してあっさりと制圧した。日本軍は天一号作戦を発動。3月29日、掃海作業終了。また、舟艇着岸阻止のために海底に打ち込まれた2900本の杭のうち2700本を爆破処分した。上陸準備のために撃ち込まれた艦砲弾は3月31日までの８日間で12万発・5162トン、出撃した航空機は延べ4000機にのぼる。3月31日、アメリカ軍が神山島を占領。沖縄本島上陸時のアメリカ側揚陸艦隊は統合遠征軍（第51任務部隊TF51。揚陸指揮艦２隻、駆逐艦46隻、兵員輸送艦10隻、掃海艇３隻、火力支援艦艇48隻）、揚陸支援軍（TF52。護衛空母22隻、駆逐艦33隻、掃海艇・哨戒艇122隻、火力支援艦艇193隻）、北方攻撃軍（TF53、第３海兵軍団搭乗。兵員輸送艦31隻、貨物輸送艦12隻、戦車揚陸艦67隻、中型揚陸艦15隻、駆逐艦17隻）、砲撃・援護軍（TF54。戦艦10隻、重巡９隻、軽巡４隻、駆逐艦など35隻）、南方攻撃軍（TF55、第24軍団搭乗。兵員輸送艦32隻、貨物輸送艦13隻、戦車揚陸艦87隻、中型揚陸艦41隻）、遠征部隊（TF56、第10軍主力搭乗。駆逐艦６隻、兵員輸送艦４隻など）計1213隻で、護衛のイギリス空母機動部隊（TF57。空母４隻、戦艦２隻、巡洋艦２隻、軽巡３隻、駆逐艦14隻）、高速空母機動部隊（TF58。正規空母11隻、軽空母６隻、戦艦８隻、重巡５隻、軽巡13隻）が加わり、総兵力は548000名で、軍艦318隻、補助艦艇1139隻、無数の上陸用舟艇を擁していた。上陸部隊は第10軍（司令官はサイモン・バックナー中将）で、隷下に第３海兵軍団85000名、陸軍第24軍団88000名、その他10000名を置き、総兵力は182821名。第３海兵軍団は第１海兵師団（第１・第５・第７海兵連隊、第11海兵砲兵連隊、第１戦車大隊）、第２海兵師団（第２・第４・第８海兵連隊、第10海兵砲兵連隊、第２戦車大隊）、第６海兵師団（第４・第22・第29海兵連隊、第15海兵砲兵連隊、第６戦車大隊）、第２臨時編成野戦砲兵群（第１・第３・第６・第７・第８・第９砲兵大隊）からなる。第24軍団は第７歩兵師団（第17・第32・第184歩兵連隊、師団砲兵、第711中戦車大隊）、第27歩兵師団（第105・第106・第165歩兵連隊、師団砲兵、第193中戦車大隊）、第77歩兵師団（第305・第306・第307歩兵連隊、師団砲兵、第706中戦車大隊）、第96歩兵師団（第381、第382、第383歩兵連隊、師団砲兵、第763中戦車大隊）、第24軍団砲兵（第419・第420野戦砲兵群、第421・第749・第750野戦砲兵大隊）、第20機甲群第713火焔放射戦車大隊、第10軍戦術航空部隊（第301戦闘航空団、第７爆撃航空団、第２海兵航空団）からなる。重装備・砲兵火力は戦車409両、火炎放射戦車55両、105mm自走榴弾砲M7が108両、203mm榴弾砲24門、155mmカノン砲120門、155mm榴弾砲120門、105mm榴弾砲276門、75mm榴弾砲12門。海軍、海兵隊、陸軍、陸軍航空軍の４軍統合作戦のモデルとなったが、支援要請などの手順が複雑すぎて上手くいかない面もみられた。これに対し、日本軍守備兵力は第32軍隷下の77000名、海軍沖縄方面根拠地隊10000名、現地召集防衛隊24000名（鉄血勤皇隊、鉄血勤皇師範隊、野戦築城隊など）。第32軍は第24師団（歩兵第22・第32・第89連隊、野砲兵第42連隊など）、第62師団（歩兵第63・第64旅団、独立歩兵第11・第12・第13・第14・第15・第21・第22・第23大隊など）、独立混成第44旅団（第２歩兵隊、独立混成第15連隊、旅団砲兵隊など）、特設第１旅団（兵站勤務部隊）、特設第２旅団（船舶部隊、海上挺進戦隊）、特設第１連隊（航空部隊地上勤務者）、独立混成第45旅団歩兵第272・第273大隊（第62師団に編合）、独立機関銃第３・第４・第17大隊、戦車第27連隊、第32軍砲兵（重砲兵第７連隊、野戦重砲兵第23連隊、野戦重砲兵第１連隊第２大隊、独立重砲兵第100大隊、独立臼砲第１連隊、独立迫撃砲第１・第２大隊など）、第21野戦高射砲隊（75mm高射砲70門、20mm高射機関砲54門）、独立速射砲第３・第５・第７・第22中隊（47mm速射砲12門。第５大隊は21門）からなり、口径70mm以上の火砲287門と戦車27両（戦車第27連隊。九五式軽戦車13両、九七式中戦車14両）を装備していた。砲兵隊と装備火砲は第５砲兵司令部、野砲兵第42連隊（三八式野砲８門、九一式十糎榴弾砲16門、四年式十五糎榴弾砲12門）、混成第44旅団砲兵隊（九一式十糎榴弾砲８門）、野戦重砲兵第１・第23連隊（九六式十五糎榴弾砲36門）、重砲兵第７連隊（三八式野砲及び十二糎速射加農10門強）、独立重砲兵第100大隊（八九式十五糎加農10門）、独立臼砲第１連隊（九八式臼砲24門）、戦車第27連隊砲兵中隊（機動九〇式野砲４門）、独立測地第１中隊である。沖縄方面根拠地隊は20cm砲５門、15.5cm砲３門、15cm砲６門、12cm高角砲20門、噴進砲19門、迫撃砲50門、25mm機銃77丁、13mm機銃60丁を装備する。また、海上攻撃部隊として、T14型魚雷艇15隻、甲標的７隻、震洋62隻が配備されていた。4月1日（Ｌデイ）、沖縄本島南西部の渡具地海岸（嘉手納海岸）沖に上陸船団1300隻以上が集結。0406、第51任務部隊ターナー中将が上陸作戦開始を命じた。夜明け（0621）前の0530に第54任務部隊戦艦10隻、巡洋艦９隻、駆逐艦23隻、砲艇177隻による艦砲射撃、0600に慶伊瀬島から155mmカノン砲M2ロングトムの砲撃、0650に艦上機からの爆撃が開始された。上陸開始までに撃ち込まれた砲爆弾は５インチ（127mm）以上の砲弾44825発、ロケット弾30300発、迫撃砲弾22500発など13000トンに及び、上陸海岸内陸900mの範囲に100ヤード（91.4m）四方あたり25発が撃ち込まれた。この陸海空からの猛烈な射撃を住民は「鉄の暴風」と呼び、以降も連日猛射が続くことになる。0745、第52任務部隊護衛空母艦上機64機２群が上陸海岸予備陣地と海岸付近に対して銃爆撃とナパーム弾攻撃を開始。0800、岸から4000ヤード（3.7km）の位置に幅８マイル（12.9km）に渡って水陸両用戦車が並び、後方に5-7波の水陸両用装甲車と上陸用舟艇が続き、一斉に４ノットで突撃を開始した。0828-29、海岸線への砲爆撃は奥地へと延伸された。0830、アメリカ軍が渡具知海岸に北から第６海兵師団、第１海兵師団、第７歩兵師団、第96歩兵師団と並んで上陸し、１時間で１万６千名以上、夜までに６万名が上陸した。また、陽動作戦として沖縄南部の湊川地区に第２海兵師団の上陸用舟艇７波（それぞれLCVP24隻ずつからなる）が進出し、0830に反転して上陸用舟艇に戻るという行動を行った（翌日も同様の陽動を実施）。日本軍は艦砲射撃のダメージを受けやすい水際撃退作戦を採らず、また地雷敷設数も少なく、アメリカ軍は特設第１連隊と独立歩兵第12大隊を蹴散らして海岸堡を確保、最初の進撃は予定よりもかなり速く進んだ。1130、読谷飛行場（北飛行場）を第６海兵師団第４海兵連隊が占領。1300、陸軍第７歩兵師団第17連隊が嘉手納飛行場（中飛行場）の滑走路を越えて前進。Ｌプラス３日までに進撃する筈だった地域（残波岬から北谷まで正面15000ヤード・13716m、奥行き5000ヤード・4572m）を１日で制圧し、嘉手納飛行場は不時着用に整備した。洋上でアメリカ艦隊を撃滅する筈の日本軍機は準備の遅れから１機も飛来しなかった。アメリカ軍の損害は戦死28名、負傷104名、行方不明27名だった。アメリカ海軍は読谷にアメリカ海軍軍政府を設置し、読谷飛行場に第６海兵師団第２海兵観測飛行隊と第６海兵観測飛行隊のOY-1観測機を配備した。4月2日0730、揚陸を終えたアメリカ軍が進撃を再開。北部では第６海兵師団が残波岬を早々と占領し、航空部隊警戒用のレーダーステーションを設置。更に進撃を続け、読谷飛行場の防衛隊３千人（ただし武器を持っていたのは半分くらい）を排除して占領し、その日のうちに観測機の使用を可能にしている。南部では第24軍団がまず東海岸に向け進撃した。大本営作戦会議で、陸軍部が沖縄はアメリカ軍に占領されるという見通しを表明。4月3日、北部戦線でアメリカ軍は海岸通り沿いに進撃を続け、石川地峡に到達、本部半島を攻略可能な位置まで進出していた。このため、5月1日以降に実施される筈だった本部半島攻略をそのまま続けて行っている。台湾の日本陸軍第10方面軍司令官は、読谷・嘉手納飛行場奪回を命令し、7日夜に総攻撃を行うことに決定、合わせて菊水作戦の発動を決めたが、これらは全て傍受されてアメリカ側に筒抜けになっていた。4月4日には読谷飛行場が緊急着陸可能な状態に整備された。北部戦線では地雷、ワイヤー、橋の破壊などの道路妨害を排除しながら進撃を継続。南部戦線ではアメリカ軍が東海岸に到達し、南下攻勢の準備を開始。ここで第一線主陣地帯に遭遇し、対戦車砲、機関銃、重擲弾筒の集中射撃に遭って進撃がストップした。4月5日、北部ではそのまま進撃が続いた。南部では85高地、161高地に対し馬乗り攻撃を続けたものの、陣地転換を終えた第32軍砲兵の重砲や対戦車砲による俎板戦法で阻止された。日本軍は那覇南方に空母３隻に護衛された輸送船50隻を発見したという情報を掴み、挟撃の恐れが出てきたとして8日の総攻撃を取りやめた。4月6日、北部では引き続き大きな抵抗無く進撃が続いた。南部では85高地、161高地を制圧。しかし1500名以上の損害を出し、首里防衛線ではこれ以上の損害が予想されたため、北部攻撃の海兵隊から155mm重砲大隊５個を引き抜いた。菊水１号作戦開始。4月7日、アメリカ機動部隊が正規空母８隻、軽空母４隻、護衛空母16隻（＋航空機補充用９隻）の航空機1300機で九州方面航空基地殲滅及び沖縄制空・航空攻撃作戦を開始。北部ではアメリカ軍が本部半島の付け根の名護市に到達、本部半島の観測を行って砲爆撃を可能としている。しかし進撃が速すぎたため、補給物資が足らず、砲兵火力も南部戦線に送られ不十分で、また日本軍守備隊の情報も不足していた。そこで名護市に直接補給物資を陸揚げし、砲兵火力は上陸支援用LVT(A)4アムタンク70両を使うことにしている。また、観測機で偵察を行い、本部半島八重岳に日本軍の強固な陣地があることを掴んだ。夜に行う筈だった第32軍の総反撃は、敵輸送船団が接近中との情報により11日夜に延期された。沖縄特攻のため出撃した大和率いる第１遊撃部隊が壊滅した。4月8日、北飛行場に戦闘機89機が展開。北部では名護市にアメリカ軍師団司令部が置かれ、八重岳の守備隊陣地の攻撃に向かうと共に、北部の完全占領を目指す攻勢を開始した。北部の占領を図るため、西岸と東岸から１個連隊ずつが進撃。南部では首里防衛ラインに到達して２個歩兵師団で攻撃を開始し、日本軍に6000名の死者を出したが、アメリカ軍も3000名の死傷者を出したため、一旦攻勢は中止された。4月9日、北部では本部半島に対して３個大隊が進撃を開始。4月10日、アメリカ軍が沖縄で占領した飛行場の整備を完了して使用を開始。本部半島では魚雷艇基地の運天港を占領、本部半島西部の渡久地に到達した。4月11日、アメリカ軍は本部半島で八重岳の西側に攻撃を仕掛けたが、砲撃で撃退された。第32軍は夜間総攻撃を決行したが、途中で道に迷い、照明弾下の集中砲火により撃退された。4月12日、本部半島ではアメリカ軍が南東から攻撃を仕掛けたが、山岳陣地からの集中砲火を浴びて釘付けとなり、M7自走砲、LVT(A)4アムタンク、81mm迫撃砲の弾幕射撃で何とか撤退した。4月13日、沖縄最北端の辺戸岬を占領。4月14-19日、南部戦線ではアメリカ軍が攻撃準備のため弾薬を大量に輸送し、M4中戦車改造火炎放射戦車も搬入した。また、4月15-18日に猛砲爆撃を行い、第27師団を新たに配置し、第96師団と第７師団には1200名の補充を行い、攻撃準備を整えている。4月16日、アメリカ軍が沖縄北部の伊江島に上陸。4月17日、日本海軍台湾航空隊司令部が橘作戦を策定。4月18日夜、南部戦線でアメリカ軍が艦砲射撃と共に夜間奇襲攻撃を実施、第27師団が牧港を確保し、首里防衛ラインの一角を崩した。4月19日、北部で西岸・東岸から進撃していたアメリカ軍部隊が合流。南部では27個砲兵大隊が野砲326門（口径105-203mm、1km正面あたり50門）で0600からの40分間に砲弾19000発を撃ち込み、後方地区には延べ650機が機銃掃射、ロケット弾攻撃、ナパーム弾投下を実施し、戦艦・巡洋艦・駆逐艦６隻ずつが艦砲射撃を行った後、全戦線でアメリカ第10軍が総攻撃をかけた。嘉数集落は砲撃と火炎放射で壊滅したが、洞窟陣地の奥に潜む日本軍部隊には殆どダメージを与えられず、右翼では第27師団主力が嘉数高地の強力な防御砲火（速射砲、連隊砲、高射砲）と肉弾攻撃に遭ってM4中戦車22両が破壊され（47mm速射砲で５両、野砲で２両、20kg爆薬の肉薄攻撃で６両、地雷と肉薄攻撃で３両、地雷・連隊砲・高射砲・肉薄攻撃で６両）、退却を余儀無くされている。しかしその更に西側にあたる最右翼で第27師団第106連隊が未明に夜襲を仕掛け、比屋良川を渡って歩兵第63・第64旅団の間隙を衝き、嘉数高地西側の占領に成功した。4月20-21日、独立歩兵第21大隊次いで独立歩兵第15大隊が嘉数高地西側のアメリカ第106連隊に攻撃をかけたが、砲兵の支援が得られず壊滅した。4月22日、伊江島守備隊4700名（住民1500人含む）が全滅した。第32軍は第62師団戦力が次第に削り取られ、嘉数高地西側にアメリカ第106連隊が陣取っていることを受け、戦線を後退させると共に、首里戦線保持のため第24師団を島尻から前線へと北上させた。4月24日、南部では嘉数高地に再びアメリカ軍が攻撃を仕掛けたが、守備隊は既に退却していた。4月26日、南部では幸地高地（コーチ・リッジ）、小波津高地、前田高地（Hacksaw ridge）でアメリカ第７師団が攻撃を開始。第62師団に加えて前線に到着したばかりの第24師団も防衛にあたっていたが、周辺の状況を掴み陣地を構築する暇も無く戦闘が始まったため、損害が続出した。4月28日、沖縄本島北部の掃討を完了。南部では第62師団の兵力が半分以下となったため、第32軍は独立混成第44旅団も前線に移動させた。4月29日、第32軍は幕僚会議で組織的抵抗が5月半ばまでには行えなくなると判断、余力のあるうちに総攻撃を行うこととし、決行日は5月4日に決定した。また、その前日に逆上陸部隊を派遣して攻勢を支援することにした。4月30日、ニューアーク・イブニング・ニューズ誌によれば、アメリカ軍の捕虜となっていた日本人将校と沖縄出身の女性（日本軍の従軍看護婦として働いていた）がモルモン教従軍牧師の立ち会いの下で結婚式を挙げたという。5月1日、4日からの総攻撃に海軍陸戦隊４個大隊の参加を決定。5月3日、アメリカ海軍が正規空母７隻、軽空母３隻、護衛空母７隻の航空機920機で九州方面航空基地殲滅及び沖縄制空・航空攻撃作戦を開始。夜、船舶工兵第26連隊、海上挺身第27-29戦隊の一部700名が那覇を出発し、大山付近沿岸に逆上陸したが、アメリカ軍の反撃にあって殆どが戦死した。また、船舶工兵第23連隊、海上挺身第27戦隊の一部500名が津覇付近に逆上陸を図ったが、那覇を出発した直後に発見されて潰滅した。5月4日、日本陸軍は総攻撃を実施。第62師団の残存兵力で仲間・前田付近の攻勢支とう点を確保し、軍砲兵隊の支援射撃及び大規模な煙幕展張（黎明攻撃の効果を延長する）の下に第24師団（歩兵第89連隊、歩兵第22連隊、歩兵第32連隊、独立第26大隊、戦車第27連隊）と独立混成第44旅団が右翼から攻撃を仕掛け、接近戦によりアメリカ軍を殲滅するというもので、0450から砲弾13000発を撃ち込んで右翼からアメリカ軍を包囲すべく突撃に移ったが、第62師団や第24師団の兵力は既に損耗が酷く攻勢をかけられる状態では無く、何とか第一線を突破できても観測所から見えない第二線陣地に達すると火力支援が受けられず前進を阻止され、明るくなるとアメリカ軍の爆撃、突撃破砕射撃、戦車の前に完全に粉砕され、6000名以上の死者を出し、第24師団は兵力の３分の２を失い、第62師団戦力は４分の１（歩兵に限ると６分の１）、独立混成第44旅団戦力は５分の４に減少、独立歩兵大隊７個は大半が壊滅し、第32軍の兵力は半分に低下した。また、軍砲兵は弾薬の大半を消費してしまい、１門あたり１日10発に制限しても6月まで持たなくなった。5月5日1800、第32軍は攻撃を中止、各部隊は原態勢に復帰した。5月6日、第32軍は軍議を開き、首里周辺の陣地を中心に円形防御陣を敷くか、現在の戦線を保持して持久戦を続けるか検討し、後者を採用、第24師団は首里北側の大名から前田西端を繋ぐ線より東側、第62師団は首里地区及び首里西側の松川からその北800mにある57・3高地、末吉を繋ぐ線より東側、独立混成第44旅団は第62師団の左側で西海岸までの地域を防衛することにした。第24師団は歩兵第89連隊を右地区隊（運玉森から桃原）、歩兵第22連隊を中地区隊（幸地南の高地から146高地）、歩兵第32連隊を左地区隊（前田の南から経塚）として配備し、戦車第27連隊（残存戦車は中戦車６両のみ）を中・左地区隊協力用として石嶺高地に配置、野砲兵第42連隊を首里南東に置いた。独立混成第44旅団は独立混成第15連隊に独立第２大隊と独立速射砲第７大隊を加えて右地区隊（真嘉比から天久）、特設第６連隊などを左地区隊（泊から那覇正面）とし、旅団砲兵隊は識名南側地区に配置した。5月8日、豊田連合艦隊司令長官が鹿屋に進出して第５航空艦隊・第６航空軍と協議、沖縄に1-2個師団を逆上陸させる作戦について検討することになったが、海軍には船が無く、陸軍には貴重な本土決戦兵力を沖縄に投入する気が無く、中止された。歩兵第22連隊正面にアメリカ軍が猛攻を開始。5月9日、アメリカ軍は第６海兵師団を西海岸に投入。夕方までに安謝の集落を占領した。5月10日、南部のアメリカ軍は歩兵第22連隊の各大隊戦力を100名前後にまで低下させて後退させ、前田高地を占領、第三線主戦地帯を越えて首里防衛ラインに達した。アメリカ第10軍は北部戦線のアメリカ第３海兵軍団を陸軍第27師団と交替させて南部戦線右翼に配備し、左翼に陸軍第24軍団、右翼に第３海兵軍団という態勢で総攻撃準備を整え、第32軍司令部を始めとする首里周辺の部隊を正面から拘束しつつ両翼から回り込んで包囲することにした。海軍総隊は第32軍に対して1800848番電を発し、航空部隊で沖縄周辺艦船を攻撃し、戦況によっては奄美大島や先島群島に航空基地を推進させるという方針を示した。第32軍司令官は航空主任参謀を本土と台湾に派遣することにし、飛行艇を沖縄に派遣させたが、天候や連絡不良などで乗れず、クリ船で出港したのは5月30日までずれ込み、第５航空艦隊・第６航空軍・航空総軍に航空攻撃を要請できたのは沖縄戦も末期になった6月11日以降のことだった。5月11日、アメリカ軍は南部戦線で総攻撃を開始。東から陸軍第96師団、第77師団、第１海兵師団、第６海兵師団の順に４個師団を並べて首里付近に攻勢をかけた。第１海兵師団第７海兵連隊は２個大隊で首里前面の沢砥高地を攻撃したが、反斜面陣地からの猛射を受けて中隊長１名と小隊長２名が戦死、撃退された。第77師団は146高地を占領。第96師団第383連隊は運玉森の北西800mにある高地に陣地を据えた。海軍陸戦隊の精鋭2500名が小禄半島防衛に向かったが、殆どが戦死した。5月12日、那覇に急進する筈の第６海兵師団が進撃ラインを東にずらしてしまい、独立混成第44旅団主力の独立混成第15連隊が陣取る首里西の安里52高地（アメリカ軍呼称シュガー・ローフ、地元名称摺鉢山または慶良間頂上）に海兵第22連隊が正面から突入、激戦が開始された。付近は良好な反斜面陣地を構成しており、ここを見下ろす首里高地などに布陣した観測部隊からの情報を基にした正確な防御砲火により、戦車11両のうち３両が撃破され、第６海兵師団の前進はストップした。アメリカ軍は洞窟陣地に籠もる日本兵を掃討するため、航空用ガソリンを斜面伝いに洞窟へ流し込んで火を付ける戦法を実施。沢砥高地を攻撃するアメリカ海兵隊は戦車で突撃路を啓開し、火炎放射戦車が陣地を焼き払い、歩兵が突撃して制圧するという戦法を採って高地頂部に到達した。第32軍は海軍に対して第24師団と独立混成第44旅団にそれぞれ１個大隊ずつの増援を送り、他に４個大隊と斬り込み隊20組を派遣するよう要請した。5月13日、52高地攻略のため、第６海兵師団は海兵第29連隊を増援に加えたが、日本軍の砲撃により大隊長１名が戦死、中隊長３名が負傷して進めなくなった。第32軍は１個大隊を独立混成第15連隊に加え、52高地に配置した。アメリカ陸軍第77師団第305歩兵連隊が首里前面前田地区南側を攻撃。同第306歩兵連隊は首里北東にある140高地の東側を占領したが、損耗が激しく、１個大隊に再編された。アメリカ陸軍第96師団第383歩兵連隊は防備の薄い運玉森の北から攻撃し、斜面中腹まで進撃した。午後、アメリカ軍総攻撃に対応して首里方面の防衛を強化することになり、海軍から２個大隊が独立混成第44旅団の隷下に入り、うち１個大隊が52高地に配置された。5月14日、アメリカ陸軍第77師団第305連隊の猛攻を受けて前田地区を防衛する第62師団独立歩兵第11大隊、独立速射砲第３大隊、輜重隊は戦力を消耗、第32軍命令を受けて撤退した。第１海兵師団海兵第７連隊は沢砥高地を占領。同師団海兵第５連隊は海兵第１連隊と交替。海兵第22連隊第２大隊は52高地への攻撃を再開、まず50名が52高地に入ったが、40名が死傷して撃退された。薄暮にも１個小隊が攻撃をかけたが、小隊長が戦死するなど死傷者多数を出し、5月15日の明け方には逆襲を喰らって海兵第22連隊第１大隊長が死亡、中隊長３名も負傷し、第２大隊は将校１名と兵19名しか残っておらず、戦闘任務を免除された。5月15日未明、沢砥高地に残存している第64旅団部隊は第62師団による撤退命令を受けて首里の北に下がった。アメリカ陸軍第77師団第305歩兵連隊は兵員が４分の１に減少し、同第306歩兵連隊も兵力が枯渇、同第307歩兵連隊がこれらと交替し、130高地南側、140高地北側、150高地東側を占領した。ここを守る日本陸軍第24師団歩兵第22連隊は兵力を損耗したため、歩兵第32連隊から１個大隊の増援を送られ、また独立第29大隊、独立速射砲第３大隊も配属された。5月16日、海兵第22連隊は攻撃を再開したが、52高地の占領には失敗し、損耗が激しく後方に下げられた。日本軍の損害も甚大で、海軍の大隊は残存兵力が負傷者22名のみとなってしまった。戦車第27連隊は全戦車を破壊されて壊滅した。5月17日、海兵第29連隊が52高地の攻撃を実施。52高地の頂上を奪取したが、独立混成第15連隊第１大隊の反撃で取り返され、これを４回繰り返した。第１海兵師団海兵第５連隊は大名谷の西側にある55高地の攻略を開始。海兵第７連隊は沢砥高地を出撃して大名高地への攻撃を開始。アメリカ陸軍第77師団第307歩兵連隊は石嶺高地の頂上を占領。5月18日、海兵第29連隊は戦車を率いて52高地に正面攻撃をかけると共に、裏側に回り込んで反斜面陣地を焼き払い、1000頃に漸く陥落させた。第307歩兵連隊は130高地と140高地をほぼ制圧し、洞窟陣地に対する馬乗り攻撃が始まった。5月19日、第32軍が参謀総長から御嘉賞の御言葉を賜った。第１海兵師団海兵第７連隊は1000名以上の損害を出したため、海兵第１連隊と交替した。日本軍は52高地に対して夜襲をかけ、一時は頂上を奪回したが、死傷者が多く維持できなくなり、夜明けまでに後退した。海兵第29連隊は損害が大きく、海兵第４連隊と交替した。52高地で第６海兵師団（定数6824名）は死傷者2612名と戦病者（戦闘神経症）1289名を出し、大隊長３名と中隊長11名が死傷した。独立混成第15連隊第２大隊は52高地を占領したアメリカ海兵隊からの攻撃を受けて苦境に陥った。5月20日、第１海兵師団海兵第５連隊は55高地を占領し、大名谷へと進撃を開始した。独立混成第15連隊第２大隊は大損害を受け、連隊長に対して訣別電を送り、夜に大隊長を先頭に斬り込み攻撃を行って壊滅、残存兵力は30名を切った。独立混成第15連隊第３大隊も損害が大きく、松川付近に配備を縮小している。アメリカ陸軍第77歩兵師団第307歩兵連隊は130・140・150高地を占領し、日本軍守備隊は脱出した。アメリカ陸軍第96歩兵師団第383連隊が運玉森南西斜面を占領。日本陸軍第24師団第22連隊は戦力が尽きたため師団予備に回され、代わりに歩兵第32連隊が中地区隊として配備された。5月21日、アメリカ軍は西海岸にある安里の南側・東側高地に攻撃を仕掛けたが、砲迫の反撃を受けて撃退された。第32軍は組織的戦闘が限界に達したと見て、首里陣地周辺での防御戦闘を行うか、後退しての持久戦をとるかの検討を開始した。アメリカ陸軍第96歩兵師団第383連隊が運玉森頂上の南から与那原の北西700mにある高地に連なる稜線の東斜面を占領。アメリカ陸軍第７師団が中城湾西側を運玉森からの妨害無しに前進可能となったため、1900から第７師団第184連隊を先頭に進撃を開始。5月22日0415、豪雨の中でアメリカ陸軍第７師団第184連隊が雨乞森高地と与那原地区を占領した。そのまま西に回り込んで首里を包囲する予定だったが、日本軍の特設第６連隊、船舶工兵第32連隊、梅雨の泥濘に阻まれた。那覇市内にアメリカ軍が突入。第32軍は参謀の発案により、喜屋武半島へ後退して洞窟陣地に籠もっての戦闘を行うことにし、首里陣地を放棄して南部への撤退を開始。独立混成第44旅団を八重瀬岳・玻名城ライン防衛に当て、第24師団は与座岳・国吉・真栄里・名城ラインを確保、これらの一部を具志頭・富盛・世名城・西原屋取・兼城・糸満ラインに回し、第62師団で名城・摩文仁ラインを防衛、軍砲兵隊は米須、真壁、真栄平に陣を敷き、海軍部隊はこれら部隊の中央部に位置して総予備とし、軍司令部は摩文仁に置くこととした。主力撤退は5月29日の予定で、アメリカ軍の前進を遅らせるため砲弾や魚雷の弾頭、爆弾、ダイナマイトの束まで、ありとあらゆる爆発物を地雷として仕掛けた。5月23日、アメリカ軍は雨乞森高地に沿って南下、大里西側高地に進出。また、与那原からも西進したが、梅雨の豪雨による泥濘に行く手を阻まれ、500m進んだところで阻止された。5月24日、義号作戦（その２）を実施。明け方に船舶工兵第32連隊が大里に進出したアメリカ軍に対して反撃を行ったが、阻止された。5月25日、第32軍は与那原方面のアメリカ軍に対して第62師団と第24師団により局地的な攻勢を行うことにした。5月26日からアメリカ軍は沖縄南部への艦砲射撃を激化。同日付のイブニング・ブレティン紙は、読谷飛行場に日本軍双発機５機が強行着陸を試み、４機を撃墜したものの１機が胴体着陸し、８名以上が中から飛び出して付近のアメリカ軍機を爆破したと伝えた。また、嘉手納・伊江飛行場も襲撃され、読谷を含めて少なくとも11機を撃墜したものの、駐機していた７機が撃破されたと伝えている。5月26日夜、第62師団主力が攻勢に備えて移動を開始。しかし豪雨の泥濘で前進できず、兵力も不十分で、進出が遅れてしまった。海軍部隊は命令の手違いで南部への撤退を開始。5月27-28日、アメリカ軍右翼は与那原から南西に3kmほど前進。第62師団のうち攻撃発起点付近に到達したのは司令部と独立歩兵第11大隊、戦車第27連隊（稼働戦車ゼロ）だけで、軍砲兵隊との連絡も不十分であり、攻勢は不可能となった。第32軍は隷下部隊に翌日夜に南部への撤退を命じたが、海軍部隊が既に撤退を始めていると知り、小禄への再配置を命じた。5月28日、アメリカ海軍が正規空母８隻、軽空母７隻、護衛空母18隻の艦上機1450機で九州方面航空基地殲滅及び沖縄制空・航空攻撃作戦を開始。5月29日、アメリカ軍が首里に突入。第58任務部隊が沖縄周辺から逐次離れていった。夜、第24師団が喜屋武半島への撤退を開始。5月30日、第32軍司令部は摩文仁に後退した。5月31日、独立混成第44旅団が喜屋武半島への撤退を開始。第32軍の兵力は第24師団12000名、第62師団7000名、独立混成第44旅団3000名、軍砲兵隊3000名、軍直轄部隊5000名であり、後退中に20000名が損耗してしまった。海軍部隊は沖縄方面根拠地隊10000名だが、大部分は設営隊で、戦闘部隊は2500名であり、現地防衛召集者3000-4000名を含んでいて、主力の後退援護のため小禄半島に配置されていた。重傷者に関しては軍参謀長から「各々日本軍人として辱くによう善処せよ」と指示が出たが、その前に自決の道を選ぶ者も多かった。人員の大部分は訓練不足の補充要員や防衛召集者で、小銃は3-4名に１丁、自動火器は定数の20%、重火器は10%しか無かったが、大隊長以上の上級幹部や砲の損害は軽度で、野砲の50%、15cmカノン砲２門、15cm榴弾砲16門、高射砲10門などがあり、食料は節約すれば２ヶ月分の用意があった。弾薬は歩兵用0.3会戦分（機銃１丁あたり7000発）、砲兵用0.3会戦分（１門あたり200発）だった。築城資材が無く固い隆起珊瑚礁を削って新たに陣地を構築するのは不可能で、砲兵の火力を北に指向し直すことや、砲兵の組織的運用に必要な通信網などの整備もできなかった。退却を知ったアメリカ軍は追撃をかけたが、悪天候（梅雨）による航空偵察の不足や重車両の行動困難により不十分なものに終わり、87高地と高平北側高地を占領し、首里の殆どを制圧している。6月1日、アメリカ軍は首里高地をほぼ占領。6月2日、戦車第27連隊や独立歩兵第12大隊などが喜屋武に後退。重砲兵第７連隊と船舶工兵第23連隊が糸数方面に後退。6月4日、第６海兵師団が小禄半島に上陸。沖縄方面根拠地隊は20cm噴進砲や損傷航空機から取り外した機関銃で応戦した。6月5日、沖縄方面根拠地隊司令官は、第32軍司令官に対し、包囲されて脱出不能のため、小禄地区で最後まで戦うと電報を送った。アメリカ軍は独立混成第44旅団と交戦を開始。6月6日、小禄半島の海軍陸戦隊司令部が包囲された。沖縄方面根拠地隊司令官太田實海軍少将は062016番電を海軍次官当てに送った。「左の電を次官に御通報方取計を得度　沖縄県民の実情に関しては県知事より報告せらるべきも県には既に通信力なく　三十二軍司令部又通信の余力なしと認めらるるに付　本職県知事の依頼を受けたるに非ざれども現状を看過するに忍びず之に代って緊急御通知申上ぐ　沖縄島に敵攻略を開始以来陸海軍方面防衛戦闘に専念し　県民に関してはほとんど顧みる暇なかりき　然れども本職の知れる範囲に於ては県民は青壮年の全部を防衛召集に捧げ残る老幼婦女子のみが相次ぐ砲爆撃に家屋と財産の全部を焼却せられ僅に身を以て軍の作戦に差支なき場所の小防空壕に避難　尚爆撃下　　風雨に曝されつつ乏しき生活に甘じありたり　而も若き夫人は率先軍に身を捧げ看護婦炊事婦はもとより砲弾運び挺身斬込隊すら申出るものあり　所詮敵来りなば老人子供は殺さるべく婦女子は後方に運び去られて毒牙に供せらるべしとて親子生別れ娘を軍衛門に捨つる親あり　看護婦に至りては軍移動に際し衛生兵既に出発し身寄無き重傷者を助けて　　真面目にして一時の感情に馳せられたるものとは思われず　更に軍に於て作戦の大転換あるや自給自足夜の中に遙に遠隔地方の住民地区を指定せられ輸送力皆無の者黙々として雨中を移動するあり　之を要するに陸海軍沖縄に進駐以来終始一貫勤労奉仕物資節約を強要せられて御奉公の　　を旨に抱きつつ遂に　　ことなくして本戦闘の末期と沖縄島は実情　　一木一草焦土と化せん　糧食六月一杯を支ふるのみと謂ふ　沖縄県民斯く戦えり　県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」。八重瀬岳北側にアメリカ軍が進出。6月7日、アメリカ軍が喜屋武陣地に到達。6月8日、アメリカ軍が小禄西方高地を占領。6月10日、第１海兵師団が与座村の西にある丘に向かい攻撃を開始。6月11日、沖縄方面根拠地隊司令部の所在する七四高地が包囲攻撃を受けたため、夜に司令官は第32軍司令官に対して「敵戦車群は我が司令部洞窟を攻撃中なり　根拠地隊今11日2330玉砕す　従前の交誼を謝し貴軍の健闘を祈る」と訣別電を発した。日本軍主陣地前面の91高地が占領された。6月12日、アメリカ第17歩兵連隊が夜襲を行い、八重瀬岳東の122高地北方を占領、糸満には水陸両用戦闘車が上陸し、アメリカ軍が第24師団への攻撃を開始した。6月13日0100、沖縄方面根拠地隊司令部要員６名が自決、組織戦闘が不可能となった。しかし日本軍に降伏という選択肢は無いため、住民を巻き込んでの戦闘が続いている。アメリカ軍は国吉台地から攻勢を実施。6月15日、アメリカ第96師団が与座岳北斜面を占領。夜、独立混成第44旅団砲兵隊が仲座から真栄平に陣地転換を行った。6月16日以降、日本軍捕虜の数が急激に増加。6月16日1500頃、艦砲射撃と爆撃を受けて独立混成第44旅団砲兵隊の火砲が全て破壊されてしまった。夜、独立歩兵第12大隊が109高地南方に到着。6月17日、アメリカ軍は歩兵第22連隊と歩兵第89連隊第１大隊を壊滅させて八重瀬岳を制圧、八重瀬岳と与座岳の中間地区を突破した。バックナー中将の降伏勧告文が牛島第32軍司令官に届いたが、取り合わなかった。独立混成第44旅団司令部がアメリカ軍の攻撃を受け、同旅団の組織的戦闘が終了。第32軍は第62師団司令部に対して摩文仁に進出するよう命じた。6月18日正午過ぎ、アメリカ第10軍司令官バックナー中将が第２海兵師団第８海兵隊前進観測所で日本軍のカノン砲による砲撃を受け、爆発で飛散した珊瑚礁の破片を浴びて戦死。これに憤慨したアメリカ軍兵士は、付近の住民が日本軍に合図をしたとして、住民数十名を射殺した。第62師団は八重瀬岳を放棄し、与座岳を拠点とする現展開線で玉砕するまで戦闘を継続することを決定。第24師団の防衛線は各地でアメリカ軍に突破された。夕方、牛島第32軍司令官は「親愛なる諸子よ。諸子は勇戦敢闘実に三ヶ月、既にその任務を完遂せり。諸子の忠誠勇武は燐として後生を照らさん。今や戦線錯綜し、通信もまた途絶し、予の指揮は不可能となれり。自今諸子は、各々その陣地に拠り、所在上級者の指揮に従い、祖国のため最後まで敢闘し、生きて虜囚の辱めを受くることなく、悠久の大儀に生くべし」と最後の軍命令を発した。また、参謀次長と第10方面軍宛てに以下の訣別電を発した。「大命を奉じ挙軍醜敵撃滅の一念に徹し、勇戦敢闘茲に三個月全軍将兵鬼神の奮励努力にも拘らず、陸海空を圧する敵の物量制し難く、戦局正に最後の関頭に直面せり。麾下部隊本島進駐以来現地同胞の献身的協力の下に鋭意作戦準備に邁進し来り、敵を邀ふるに方っては帝国陸海軍航空部隊と相呼応し、将兵等しく皇土沖縄防衛の完璧を期せしも、満不敏不徳の致すところ、事志と違ひ今や沖縄本島を敵手に委せんとし、負荷の重任を継続する能はず。上　陛下に対し奉り、下　国民に対し真に申訳なし。茲に残存手兵を率い最後の一戦を展開し、一死もって御詫び申上ぐる次第なるも、唯々重任を果し得ざりしを思ひ長恨千載に尽るなし。最後の決闘に当り、既に散華せる麾下数万の英霊と共に皇室の弥栄と皇国の必勝とを衷心より祈念しつつ、全員或は護国の鬼と化して敵のわが本土来寇を破摧し、或は神風となりて天翔けり必勝戦に馳せ参ずるの所存なり。戦雲碧々たる洋上尚小官統率下の離島各隊あり。何卒宜敷く御指導賜り度切に御願い申し上ぐ。茲に平素の御懇情、御指導竝に絶大なる作戦協力に任ぜられし各上司竝に各兵団に対し深甚なる謝意を表し、遥に微衷を披瀝し、もって訣別の辞とす。矢弾尽き天地染めて散るとても　魂還り皇国護らん　秋をも待たで枯れ行く島の青草は　帰る御国の春を念じつつ」。真壁の野戦病院でひめゆり部隊32名が戦死。夜、第62師団長や参謀長らが摩文仁に進出。6月19日、第10方面軍司令官が第32軍と配属部隊に対して感状を授与した。アメリカ軍戦車が第32軍司令部のある摩文仁の八九高地に砲撃を開始。第96師団副師団長イーズリー准将が前線で指揮中に機関銃弾を受けて戦死した。夜に第32軍司令部では訣別の宴が開かれ、その後参謀ら20名が戦線後方での遊撃戦指揮のため民間人に変装して洞窟を出たが、いずれも戦死または行方不明となった。6月20日、第24師団長が以下の訓示を発した。「師団は茲に組織的通信機関破壊せられ統一的指揮不可能の現状に鑑み各部隊は現陣地付近を占領し最後の一兵に至るまで敵に出血を強要すべし　苟も敵の虜囚となり恥を受くるなかれ　最後の忠節を全うすべし　隣接部隊と合流するを妨げず」。6月21日、新しく第10軍司令官となった海兵隊ガイガー中将が沖縄占領を発表。ニミッツ元帥が沖縄での戦闘終結を宣言。夜、大本営から第32軍司令部に「第32軍が人格高潔なる牛島将軍の統率の下、勇戦敢闘実に３ヶ月、敵の首将サイモン・バックナーを殪し、その麾下８個師団に痛撃を加え…貴軍の奮闘により、今や本土決戦の準備は完整せり。敵もし本土に侵寇せば誓って仇敵を撃滅し、貴軍将兵の忠誠に対えん」とする電文（アッツ島以来、玉砕した日本軍守備隊に最後に送られていた）が届いた。第32軍砲兵隊司令部と独立混成第44旅団司令部が総斬り込みを決行。6月22日0200頃、第62師団長、歩兵第63旅団長、参謀長以下師団・旅団司令部要員が自決。1200頃、第32軍司令部衛兵が全滅したとみられ、摩文仁部落の銃声が聞こえなくなった。第32軍司令部は生存者で夜に八九高地の山頂を奪回し、黎明から全員摩文仁方面に突撃、軍司令官と参謀長は山頂で自決することになったが、敵情を鑑みて山頂奪回を止め、自決は海に面する坑道口外で行うこととした。6月23日0430、第32軍牛島司令官、長参謀長、経理部長が摩文仁の司令部洞穴で自決、他の生存者は海岸の洞窟に移った。6月26日、沖縄県知事が戦災死した。その後も戦闘は続き、8月28日に第24師団歩兵第32連隊が軍旗を奉焼、連隊長の「天皇陛下の命により米軍の方に行く」との命令に従い8月29日に歩兵第32連隊第１大隊の、9月4日に同連隊第２大隊の武装解除がなされ、降伏文書に調印して公式に戦闘が終結したのは9月7日になってのことである。アメリカ軍の損害は戦死7374名（陸軍4582名、海兵隊2792名。他に海軍4907名）、行方不明239名、負傷31807名。第10軍は戦死傷者が総兵数の60%に達したが、アメリカ軍は日本本土上陸作戦を諦めるどころか12月から11月に繰り上げた。航空機の損失は763機（イギリス空母の98機含む）。艦船の損害は沈没36隻（特攻機によるもの26隻）、損傷368隻（特攻機によるもの164隻）。戦車の損害は221両で、94両（うち火炎放射戦車12両）が全損した。内訳は、触雷64両、被弾111両、スタック38両など。日本軍の戦死は他府県出身の正規軍65908名、沖縄出身兵・防衛隊員28228名。16-65才（実際は年齢制限など無きに等しい）が根こそぎ動員されて前線に回されたり、日本兵が沖縄住民を偽装（女装までしたらしい）してアメリカ兵を攻撃したために兵士と間違われたりして殺害された沖縄住民は戦闘協力者55246人、一般人94754人の計15万人以上といわれている。187戸・900人が住んでいた真栄平は58戸が一家全滅するなどして住民が349人に減り、270戸・1500人の米須は110人しか生き残れなかった。女子師範と県立第一高女222名からなるひめゆり部隊は123名が戦死、県立第２高女54名からなる白梅隊は20名が戦死した。日本軍捕虜は6月上旬まで１日平均４名、12-18日が平均50名、19日が343名、20日が977名であり、本土出身陸軍兵の生存者は将校500名、下士官1500名、兵7000名、沖縄出身陸軍兵の生存者は8000名、同海軍兵の生存者は1000名だった。沖縄戦中の3月24日から6月21日までに1930機以上の神風特攻が行われ、艦艇27隻が沈没し、164隻が損傷した。戦後も沖縄占領は続き、1969年11月の日米首脳会議で返還日時が決定され、日本に復帰したのは1972年5月15日のことである。2012年5月27日、太田實海軍中将（当時少将）の将官旗（縦2.7m・横4mの少将旗）がアメリカ海兵隊キャンプ・キンザーの沖縄戦史料館から太田中将の三男に返還された。参考：月刊軍事研究10,’02、11,’02、1,’03、2,’03、3,’03、11,’06、12,’07、2,’08、6,’08、7,’08、8,’08、10,’08、7,’95、1,’09、10,’09、11,’09、12,’09、1,’10、2,’10、3,’10、4,’10、7,’10、10,’10、11,’10、12,’10、10,’13、歴史群像8,’17、太平洋海戦史、戦争がやってくる、激闘！太平洋戦争地上戦、日本戦車隊戦史、大砲入門、月刊JWings5,’10、護衛空母入門、輸送船入門、軍医サンよもやま物語、人道・博愛−百年のあゆみ、朝雲

＜沖縄特攻作戦＞：菊水作戦を参照。

＜沖縄に関する特別行動委員会＞：SACOを参照。

＜沖縄防衛局＞：防衛省の地方防衛局。地方防衛局として唯一の報道室があり、報道機関対応を行う。沖縄県政記者クラブと沖縄防衛局長との懇談会も定期的に開催している。また、これも唯一の返還対策課があり、在日米軍用地返還の際の事務手続きや原状回復などを行う。2007年9月に創設され、金武防衛事務所が新設された。2011年、金武防衛事務所が金武出張所となった。3月、名護防衛事務所を新設した。2015年6月3日、防衛監察本部とコンプライアンス講習会を共催した。参考：沖縄防衛局ホームページMAMOR vol.100、vol.117、vol.130、vol.142、朝雲

＜沖縄方面根拠地隊（日本海軍）＞：日本海軍の根拠地隊。昭和19年4月10日に編成され、佐世保鎮守府部隊に編入された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜沖永良部島分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第55警戒隊が駐屯している。所在地は鹿児島県大島郡知名町上平川2081-1（沖永良部島の大山の頂上）。分屯基地にはフェンスが無く、分屯基地内を町道が通っている。1972年12月に創設されて第55警戒群が駐屯し、1973年1月にアメリカ空軍のレーダーサイトが移管された。2003年3月、第55警戒群が第55警戒隊に改編された。2013年8月2日、那覇ヘリコプター空輸隊の支援を受けてCH-47による体験飛行を実施。2018年3月6日1848頃、錬成訓練で分屯基地ヘリポートに着陸しようとした那覇ヘリコプター空輸隊CH-47Jから後部ランプドア上半分が落下した。参考：沖永良部島分屯基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、月刊航空ファン5,’18、朝雲

＜沖島＞：日本海軍沖島型敷設艦Okinoshima。昭和9年起工、昭和11年9月30日竣工。昭和12年、第12戦隊に編入された。7月7日、日華事変勃発時は第12戦隊に所属しており、陸軍部隊の輸送を実施。以降は輸送任務や警備任務を行った。昭和13年11月4日、漢口を出港して上海に向かった。昭和16年12月8日、太平洋戦争時は建制では第４艦隊第19戦隊旗艦、兵力部署では第19戦隊所属で、マキン島攻略戦に参加。昭和17年1月23日、陸戦隊をラバウルに輸送。2月4日、トラックに帰港して整備を受けた。4月30日、MO作戦に参加。5月2日、ツラギで至近弾を受けて損傷した。5月3日、ツラギに陸戦隊を上陸させた。5月4日、艦上機の攻撃を受け、至近弾により損傷した。5月10日、ラバウルを出港。5月11日、ソロモン諸島クインカロラから32海里の地点でアメリカ潜水艦S42のMk10魚雷２発を左舷中部に被弾して航行不能となった。駆逐艦睦月に曳航されて港に向かったが、艦尾にロープを掛けて曳航したために機雷敷設口から空気が流入して火災が激しくなり、5月12日にブカ島西方で転覆沈没した。5月25日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸5,’07、写真集日本の小艦艇、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜沖島型＞：日本海軍敷設艦Okinoshima型。ロンドン軍縮条約で阿蘇を廃棄し、常磐を装甲巡洋艦から外す代わりに速力制限付きで建造が認められ、昭和6年度計画（計画番号H-4）で予算化された。計画時は15.2cm砲を搭載する基準排水量5000トン艦にする予定だったが、14cm砲装備の4000トン艦に小型化されている。また、14cm単装砲を前後に２基ずつ背負い式に装備する方針だったが、友鶴事件の教訓を元に連装砲１基ずつとし、ついでに主缶も混焼式から重油専焼式に変更した。船型は平甲板型で、上甲板には前から14cm連装砲、３層の前部上構、煙突１本、カタパルト、１層の後部上構、14cm連装砲と並び、艦中央から後部の両舷には機雷敷設軌条があり、艦尾で軌条後端が外舷側に曲がっている。前部上構上には14cm連装砲用の測距儀を装備する。第２甲板後部が機雷庫で、艦尾に機雷敷設口が２カ所あり、艦尾水面上の部分が後方に突き出していて、敷設した機雷が自艦のプロペラや舵に当たらないようにした。前部マストは前部上構後部にある。後部マストは背の高い三脚マストで、後部上構上にあり、強行敷設時事前偵察用水上偵察機の揚収クレーン支柱を兼ねる。艦底に容量125トンのガソリンタンクと弾庫があり、機雷庫を補給物品庫としても使えるので、前進基地への補給任務にも投入できる。前部マスト両舷上甲板上に１隻ずつ、カタパルト両舷上甲板上に２隻ずつの艦載艇を搭載する。全長124.5m、水線長118.19m、最大幅15.64m（16.2m？）、吃水5.15m、基準排水量4000トン（4470トン？）、公試排水量5000トン。主機は艦本式オール・ギヤード・タービン２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり20kg）４基、出力9000馬力、２軸推進、速力20ノット、燃料搭載量561トン、航続距離5000海里（14ノット）。兵装は三年式50口径14センチ連装砲２基（艦前後）、三年式40口径８センチ単装高角砲２門（１門？前部マスト後方）、九三式13mm連装機銃２基（前部上構両舷）、九四式爆雷投射機１基（後甲板）、爆雷22個、機雷敷設軌条４条、六号二型機雷500個。補給用重油360トンを積載可能。呉式二号三型改一射出機１基と九四式三座水偵（後に零式三座水偵）１機を装備する。乗員445名。沖島が昭和11年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史、敷設艦 工作艦 給油艦 病院船、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜沖ノ鳥島＞：日本最南端の島。東京の南方1700kmにある無人島で、東京都小笠原村に属する。引き潮になると東西4.5km・南北1.7kmの海礁が出現するが、満潮になると東小島と北小島の２島だけが海面上に顔を出す。この島の排他的経済水域は40万平方キロもあり、日本の国土面積よりも広い。16世紀にスペイン船が発見したとされ、1920年（大正9年）に国際連盟から日本の委任統治領として認められ、1931年に東京府に編入された。太平洋戦争前には標高1.4mあり、飛行場や灯台を建設しようとしていたこともある（東小島と北小島の間に灯台用基礎が作られていて、現在はヘリポートと水準標石設置場所になっている）。サンフランシスコ講和条約でアメリカの軍政下に置かれ、1968年に日本に復帰した。波浪で削られて標高が0.9mに減少（満潮時の海抜は0.06m）したため、1987-93年に島に波消しブロックとコンクリート護岸工事を実施し、チタン合金製の金網を被せて島の浸食を防いでいる。また、建設省が観測施設架台、海上保安庁が灯台を設置した。中国は国連海洋法条約第121条３項の、人間の居住または独自の経済的生活を維持することのできない岩は排他的経済水域または大陸棚を有しないという規定を基に排他的経済水域を認めておらず、2004年頃からしばしば排他的経済水域内で日本に無断の海洋調査を行っている。ちなみに中国は、同様に人が住んでいないスプラトリー諸島の岩礁に対し、島としての領有を主張している。2009年6月22日、島の北東260kmで、中国海軍051C級ミサイル駆逐艦116石家荘、江衛�U型フリゲート527洛陽、同528綿陽、福清型補給艦881洪澤湖、北拖721型救難曳船北拖721が陣形運動を行ったり、艦載ヘリを発艦させたりなどと示威行動を行った。2010年、周辺に地下資源採掘事業支援基地を建設する計画が始まった。海自練習艦隊が巡航訓練で立ち寄り、実習幹部全員がボートで島に上陸している。2011年4月、東日本大震災の隙を突いて中国海軍艦艇10隻以上が沖ノ鳥島近海で射撃訓練を実施。2013年7月3日1226頃、海上保安庁の航空機が沖ノ鳥島北85kmの日本EEZ内において無断で海底地質調査を行っているとみられる中国海洋調査船実験１を確認した。2014年3月30日0730頃、沖ノ鳥島の支援基地建設現場で半没水型輸送用台船オーシャン・シールから桟橋を降ろそうとした際、桟橋のバランスが崩れ、180度ひっくり返って海に転落し、作業員16人が投げ出されて７人が死亡した。1940に第３管区海上保安本部長から航空集団司令官に特殊救難隊の隊員及び装備品の輸送に係る災害派遣の要請が出され、第31航空群US-2飛行艇と第５航空群P-3C哨戒機が輸送及び支援活動を実施、3月31日1340頃に任務を終え撤収した。2016年末までに全長130m級の船舶が利用できる岸壁を整備する予定。2019年3月23日1230頃、沖ノ鳥島東北東165kmの日本EEZ内で、中国厦門大学化学調査船陳嘉庚が違法海洋調査を行っているのを、海上保安庁の航空機が発見した。巡視船も派遣して警告を行ったが、1600までEEZ内での違法観測を継続している。12月11日1335頃、沖ノ鳥島南南西280kmの日本EEZ内で、中国科学院海洋科学研究所海洋調査船科学（Kexue。総トン数4711トン）が漂泊しつつワイヤ状のものを延ばしているのを、海保航空機が発見した。日本の同意を得ない違法海洋調査とみられ、中止を要求したが変化は無く、12月12日には巡視船が現場に向かっている。2020年7月9日、沖ノ鳥島北北西330kmの日本EEZ内で中国調査船大洋号が海洋調査らしき行動をしているのを巡視船が発見し、中止を要求したが、大洋号は観測機器を揚収して沖ノ鳥島に接近し、沖ノ鳥島北北東160kmで18日まで違法調査を実施、7月24-27日にもEEZ内での違法調査を行った。2021年11月2日午後、沖ノ鳥島北東150kmのEEZ内で中国大洋鉱産資源研究開発協会科学調査支援母船深海一号（Shenhaiyihao。全長90.2m、幅16.8m、深さ8.3m、排水量4500トン。航海速力16ノット、航続距離12000海里、連続行動日数60日。深度7000m級有人潜水艇蛟竜、深度6000m級ROV・AUV搭載）が漂泊しながらワイヤを吊り下げ違法調査を行っているのを、海上保安庁哨戒機が確認した。これは11月3日夕方までに沖ノ鳥島南南西140kmまで移動して違法調査を継続、11月4日にEEZを出ている。2022年7月6日0500頃、沖ノ鳥島南南東45kmを西に航行するロシア海軍ヴィシュニャ型情報収集艦１隻を確認した。その後これは沖ノ鳥島の接続水域内を西に航行し、出域した後も西に進んでいる。参考：月刊軍事研究9,’06、月刊世界の艦船9,’09、9,’13、6,’14、1,’15、2,’19、6,’19、2,’20、10,’20、1,'22、9,'22、朝雲

＜荻谷信男＞：日本海軍エース。大正7年、茨城県生まれ。昭和13年、海軍に入隊。昭和15年1月、操縦練習生を卒業し、千歳航空隊に配属された。太平洋戦争開戦後は内南洋で任務に就き、第281航空隊に転属して北千島に進出した。昭和18年11月、第204航空隊に転属となり、ラバウルに進出。12月16日（18日？）、マーカス岬攻撃で初撃墜を記録。昭和19年1月17日、４機を撃墜。1月20日、F4U戦闘機２機、SBD艦爆２機、P-38戦闘機１機を撃墜。1月22日、２機を撃墜。1月23日、２機を撃墜。1月24日、３機を撃墜。最終的に13日間で18機を撃墜した。1月末、第253航空隊に転属。2月13日に出撃後、行方不明となり、戦死認定された。公認撃墜数は24機（昭和19年1月末まで）で、最後の出撃時にはキルマーク32個を描き込んでいたという。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊丸1,'15増刊

＜尾久＞：日本海軍海防艦。昭和20年2月23日、仏印南東沖でSS-364ハンマーヘッドの雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜奥安０７＞：中国が2007年6月29日に実施した北京オリンピック警備演習で、奥安は奥林匹克安全保衛の略。北京軍区、北京軍区空軍、北海艦隊などから5000名が参加して実施された。仮想妨害組織は、東突（東トルキスタン独立運動）、蔵独（チベット独立運動）、法輪光、非政府団体である。参考：月刊軍事研究9,’07

＜屋外試験用レドーム＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜奥尻島分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第29警戒隊が駐屯しており、対ロシア用SIGINT施設も設置されている。所在地は北海道奥尻郡奥尻町字湯ノ浜で、奥尻島神威山の山頂にある。1952年、アメリカ軍が展開を開始。1959年、北部訓練航空警戒群が配置された。1960年、アメリカ軍から航空自衛隊に移管された。1961年、第29警戒群が新編された。2000年、第29警戒群が第29警戒隊に改編された。2009年9月、開庁50周年祝賀行事を実施。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、朝雲

＜オクスレイ＞：P55（潜水艦）を参照。

＜オクソイ級機雷掃討艇＞：ノルウェー海軍掃海／機雷掃討艇Oksɸy級。機雷の水中爆発に対する抗堪性と静粛性を考慮して表面効果船型を採用しており、サイド・ハルに設けられた吸気口から船体内部に空気を送り、1m近く船体を浮上させる。船体はFRP製、船型は長船首楼型で、艦橋からの後方視界を確保するため煙突は両舷に寄せてあり、幅広船体を活かして後甲板に各種機材を積む。TSM2023機雷探知ソナーを搭載する。全長55.2m、全幅13.55m、満載排水量375-395トン。主機は推進用ディーゼル（3700馬力）２基＋浮上用ディーゼル（1740馬力）２基、推進はウォータージェット２基、最大速力25ノット（20ノット？）。掃海型はエルマ磁気音響掃海具、リールドラム、フロート、掃海具揚収用後甲板Ａフレーム・クレーン、後甲板デッキクレーン、掃討型はプルート機雷処分具を搭載する。兵装はミストラル艦対空ミサイル連装発射機シンバド１基（前甲板）、浮遊機雷処分用12.7mm機銃２丁（艦橋ウイング）。1993-97年にM341カルモイ、M343ヒネイ、M351オトラ（掃海型）、M352ラウマ（掃海型）など９隻（掃海型５隻・掃討型４隻。掃海型６隻・掃討型３隻？）が就役した。参考：月刊軍事研究1,’00、12,’11、月刊世界の艦船10,'15、6,’19、1,’15、1,'15増刊、8,’16、9,’18、9,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オクタゴン＞：第２次ケベック会談を参照。

＜奥田治郎＞：日本陸軍エース。大正7年、広島県生まれ。昭和12年2月に少年飛行兵として熊谷陸軍飛行学校に入学、昭和13年7月に首席で卒業し、教育総監賞を授与された。引き続いて明野で戦闘機教育を受け、11月に飛行第11戦隊に配属され、ハルビンに配置された。昭和14年2月、航空兵伍長に昇進。5月29日、ハイラルに前進。一旦引き上げたが、6月21日に再度進出し、6月24日にボイル湖上空で１機を撃墜して初戦果を挙げた。6月27日、タムスク攻撃で３機を撃墜。7月3日、SB爆撃機１機を撃墜。8月12日、１機を撃墜した後、被弾してハルハ川合流点の南西20kmに墜落、戦死した。総撃墜数14機。最終階級は軍曹。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜オクタン価＞：ガソリンの性能（耐爆性）を表す尺度で、ノッキングの起こりにくさを示す。値が高いほど圧縮比を高めることができ、効率良くガソリンエンジンを使うことが可能。標準燃料として、ガソリンを構成するパラフィン系脂肪族炭化水素のうち、アンチノック性の低いノルマルヘプタンとアンチノック性の高いイソオクタンの混合燃料を使用し、ノッキングしやすいノルマルヘプタン100%燃料をオクタン価０、起こりにくいイソオクタン100%標準燃料をオクタン価100とする。あるガソリンを耐爆性測定用CFR（Co-operative Fuel Research）エンジンに投入してノッキングを起こす時の圧縮比をこれらと比較して数値化する。四エチル鉛を混入させることでオクタン価を向上させることが可能だが、有毒な酸化鉛を生成するため、二塩化エチレンと二臭化エチレンを混合したエチル液を加えておく。また、四エチル鉛の含有量により赤（含有量低）、青、緑、紫（含有量高）の順に着色する。以上は化学的オクタン価と呼ばれるものだが、エンジンの構造などによるノッキングの起こりやすさを示すメカニカル・オクタン価も存在する。圧縮比が高かったり、ターボチャージャーが付いていたりする場合には、オクタン価の高い（ハイオク）ガソリンを使わないと、ノッキングを起こして所定の出力を発揮できない。第２次大戦時のアメリカ軍はオクタン価93以上のガソリンを使用していたが、日本軍は80程度だった。第２次大戦後からガソリン性能が向上し、オクタン価では評価しきれなくなったため、パフォーマンス価を用いるようになっている。参考：自動車エンジンの技術、自動車メカニズム図鑑、航空用語事典増補改訂版、月刊丸10,’93、月刊軍事研究9,’16

＜オクチャブルスカヤ・レヴォルチア＞：ソ連海軍スヴェルドルフ級巡洋艦Oktyabrskaya Revolutsiya（十月革命の意）。元はモロトフスクという艦名で、1957年8月3日に改称された。1958年9月、ノルウェーとスウェーデンを訪問。1960年12月16日、バルチック艦隊に転属した。1961年3月27日、予備役に入り、クロンシュタット海軍基地に保存された。1966年4月29日、艦艇リストに再編入された。1970年5月、フランスを訪問。7月、シリア軍援護作戦を実施。1971年5-7月、エジプト軍援護作戦を実施。8月、デンマークを訪問。1972年9-10月、エジプト軍・シリア軍援護作戦を実施。1973年2月から1976年12月、68A型への改装工事を受けた。1978年7月、ポーランドを訪問。10月、東ドイツを訪問。1979年10月、東ドイツを訪問。1980年6月、ポーランドを訪問。1982年8月、東ドイツを訪問。1987年9月16日に除籍され、1990年までに解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜オクチャブルスカヤ・レヴォルチャ＞：ガングート（戦艦）またはヤマル（原子力砕氷船）またはロシア（11641型ミサイル巡洋艦）を参照。

＜オグデン＞：LPD-5（揚陸艦）またはPF-39（タコマ級パトロールフリゲート）を参照。

＜オクトーゲン＞：HMX（炸薬）を参照。

＜オクトーバー級＞：エジプト海軍ミサイル艇October級。排水量100トン以下。兵装はオトマートMk�U艦対艦ミサイル単装発射筒２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、ミリタリー・バランス1989-1990

＜オクトパス＞：SS-9（潜水艦）を参照。

＜オクトパス級＞：Ｃ級（潜水艦）を参照。

＜オグネヴォイ級＞：ソ連海軍駆逐艦30型Ognevoi級。主機は蒸気タービン２基、主缶（蒸気圧１平方センチあたり27.9kg、温度350℃）４基。第２次大戦中から戦後に11隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜オクバ級＞：モロッコ海軍哨戒艇Okba級。フランスのPR-72級を導入したものである。兵装は76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オクパバナ＞：ナイジェリア海軍サンダー級フリゲート２番艦Okpabana。元は1967年に就役したアメリカ沿岸警備隊巡視船WHEC-721ギャラティン（Gallatin）で、改装を受けた後、2015年1月2日に譲渡され、同年に再就役した。参考：月刊世界の艦船4,’15、6,’19

＜オグハブ２Ｂ＞：イランが開発したEO/IRセンサーターレットで、2012年12月に公開された。昼間用26倍光学スーパーHADCCDカメラと夜間用非冷却型長波赤外線（波長8-12ミクロン）カメラを組み合わせ、２軸安定化ターレットに収容している。トーファン２攻撃ヘリに搭載されているとみられる。参考：月刊軍事研究7,’13

＜臆病風邪＞：日本陸軍用語で、戦闘神経症のこと。高熱、頭痛、四肢痛を主訴とする。後送されると症状が軽くなり、内地に帰る頃には全快する。参考：帝国陸海軍事典

＜奥村武雄＞：日本海軍エース。大正9年2月27日、福井県生まれ。昭和10年6月、呉海兵団に入団した。昭和13年2月、第42期操縦練習生として霞ヶ浦海軍航空隊に入隊。9月、操縦練習生課程を修了。昭和15年3月、第14航空隊配属となり、南支戦線に出撃した。10月7日（17日？）に昆明攻撃で初陣を飾り、I-15戦闘機４機を撃墜した。昭和17年7月、空母龍驤に搭乗し、ソロモン方面に出撃。龍驤沈没後は台南空に配属されて8月30日からラバウル航空戦に参加、10月末までに14機（9月17日F4F戦闘機３機、10月2日SBD艦爆２機、10月15日SBD艦爆３機とP-39戦闘機１機、10月20日F4F戦闘機１機、10月25日F4F戦闘機２機）を撃墜した。12月、日本に帰還し、内地航空隊で教員となった。昭和18年5月、第201航空隊に配属され、7月にソロモン諸島ブインに配置された。9月14日、５回出撃して戦闘機８機と艦爆１機を撃墜し、B-24爆撃機１機を共同撃墜、非公認ではあるが太平洋戦争中の１日あたり最高撃墜を記録し、草鹿南東方面艦隊長官から「武功抜群」と記された白鞘の軍刀を授与されることになったが、授与式に出る前の9月22日、クレチン岬沖で敵機50機と交戦し、行方不明となって戦死認定された。二階級特進が上申されたが実現せず、最終階級は飛曹長である。総撃墜機数は30数機から54機とされる。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊丸1,'15増刊

＜オクラ作戦＞：オーストラリア軍によるイスラム国への航空作戦。2014年9月23日、UAEのアル・ミナット基地にオーストラリア空軍F/A-18F戦闘機６機とE-7A早期警戒管制機１機を派遣。10月1日、E-7A（初実戦参加）による航空管制を開始。10月2日、F/A-18F戦闘機がISR任務を開始。10月3日、オーストラリア政府が戦闘任務への参加を決定。JDAMでの爆撃を行ったらしい。10月8日、F/A-18F戦闘機１機がイスラム国指揮統制センターに爆弾２発を投下。10月14日、F/A-18F戦闘機４機がKC-30Aの空中給油支援を受けてイラク北部の施設を爆撃。10月20日、E-7Aが空中指揮統制支援を実施。参考：月刊航空ファン1,’15

＜小倉駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。屋外に61式戦車やOH-6Dヘリ、史料館に日本陸軍九九式小銃や陸自64式小銃などが展示されている。所在地は福岡県北九州市小倉南区北方5-1-1。北九州モノレール北方駅から徒歩７分、競馬場前駅から徒歩５分。1956年1月、第２施設群第108施設大隊が新編された。4月に小倉駐屯地として開設された。1961年8月、第108施設大隊が飯塚駐屯地に移駐した。1962年、小学生を対象とした少年キャンプを開始。2011年7月21-31日、小学生を対象とした少年キャンプ（48回目）を実施。12月4日、隊員家族、駐屯地モニター、就職援護企業関係者、近隣中学校校長など57人を招き、UH-1ヘリや軽装甲機動車による体験搭乗、史料館見学などを行った。2013年1月10日、新成人隊員35名の成人行事を実施。2014年1月9日、新成人隊員44名の成人祝賀行事を実施。12月1日、駐屯地音楽隊が小倉南警察署の年末特別警戒出発式とパレードに参加。2015年2月1日、駐屯地曹友会が北九州市立大学学生と合同で小倉城ボランティア清掃を実施。隊員と家族50人が清掃活動を行った。6月13日、UH-1ヘリ一般向け体験搭乗を実施。官公庁、隊員家族、駐屯地モニター、自衛隊協力会など93人がフライトや軽装甲機動車の体験試乗などに参加した。12月1日、駐屯地音楽隊が小倉南警察署の小倉南年末特別警戒出発式を支援した。12月19日と23日、北九州市の児童養護施設を慰問（19回目）し、音楽部の演奏やケーキなどのプレゼントを届けた。2016年12月22日、演芸大会を実施。第40普通科連隊第４中隊が優勝した。2017年10月13日、展示装備品としてOH-6Dを受領し、正門付近に設置した。2018年1月15日、新成人54名の成人祝賀行事を実施。3月3日、第40普通科連隊が若松市民会館で開催した小倉駐屯地定期演奏会で駐屯地音楽隊が演奏した。2019年3月29-30日、大村駐屯地がシーハット大村で開催したふれあいコンサートに音楽部が参加。7月、福岡地本が第１回援護キャンペーンを実施。7月22日、西部方面隊統一募集広報パワーアドベンチャーに協力した。8月4日、音楽部が日本中央競馬会小倉競馬場でファンファーレ演奏を行った。2020年11月20日、創立64周年記念に伴う感謝状贈呈式を実施。12月13日、駐屯地太鼓部の小倉ひびき太鼓が北九州市ミクニワールドスタジアムで太鼓演奏支援を実施。2021年7月25日、第４師団第４飛行隊の支援でUH-1Jヘリ体験搭乗を実施。参考：JGround Vol.23、MAMOR vol.91、朝雲、第５施設団ホームページ

　＜小倉駐屯地（２０１５年）＞：第４師団第40普通科連隊、第４後方支援連隊第２整備大隊第２普通科直接支援中隊、西部方面会計隊第393会計隊（3月26日から第366会計隊小倉派遣隊）、第103地区警務隊小倉派遣隊、第304基地通信中隊小倉派遣隊、小倉駐屯地業務隊が駐屯している。参考：小倉駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜小倉駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2016年8月24日、官用車両無事故走行200万km（1998年4月29日から）を達成。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜オクラホマ＞：BB-37（戦艦）またはSSN-802（攻撃原潜）を参照。

＜オクラホマ級＞：アメリカ海軍戦艦Oklahoma級。船型は船首楼型で、３連装砲塔を採用してテキサス級と同じ主砲砲門数10門ながら砲塔数を４基に減らし、燃料搭載量も減らした。初めて集中防御方式を採用した戦艦で、弾薬庫、機関区画、舵取機室など主要部を水線上2.74mから水線下2.59mに亘り装甲化した他は垂直防御を施していない。代わりに水密区画を細分化して浸水被害を最小にする工夫がなされた。主機は比較のため蒸気タービンとレシプロ蒸気機関の艦を１隻ずつ建造したが、主缶はどちらも重油専焼缶である。全長177.7m、幅29.1m、吃水8.7m、常備排水量27500トン、基準排水量29000トン（うち防御重量12214トン）。主機・主缶はBB-36がカーチス高低圧串型直結蒸気タービン＋パーシャルギヤード巡航タービン＋ヤーロー重油専焼缶（蒸気圧１平方センチあたり20.7kg、飽和温度）12基、BB-37が直立型４気筒３段膨張式レシプロ蒸気機械２基＋バブコック＆ウィルコックス式重油専焼水管缶（蒸気圧１平方センチあたり20.7kg、飽和蒸気）12基、出力26500馬力（BB-36）／24800馬力（BB-37）、２軸推進、速力20.5ノット、重油搭載量2037トン、航続距離8000海里（10ノット）。兵装は45口径35.6cm砲Mk1の３連装砲塔２基、45口径35.6cm砲Mk1の連装砲塔２基、51口径12.7cm単装砲21門、533mm水中発射管２門。装甲厚は主要水線部343mm（下端はテーパーされて203mm）、司令塔406mm、バーベット330mm、主砲塔防楯457mm、砲塔天蓋127mm、中甲板76mm、下甲板傾斜部51mm、下甲板平坦部38mm、煙路330mm。乗員864名（士官55名、下士官兵809名）。1911年度計画でBB-36ネバダとBB-37オクラホマの２隻が建造され、1916年に竣工した。1927-29年に改装が行われた。バルジを設け、マストを籠から三脚式に変更、主砲仰角を15度から30度に引き上げ、副砲の一部を撤去して残った12門を１甲板上の船首楼甲板に設置し、12.7cm単装高角砲８門を追加、魚雷発射管を撤去している。また、３番砲塔上にカタパルト１基を追加し、水上機３機を搭載するようになった。幅32.9m、基準排水量29000トン。主機はレシプロ蒸気機関２基、出力25000馬力、２軸推進、速力19.68ノット。BB-36ネバダは主機をパーソンズ・ギヤード・タービン２基に、主缶を重油専焼缶（蒸気圧１平方センチあたり21.1kg）６基に換装し、出力31214馬力、速力20.2ノットとしている。参考：近代戦艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船3,’15、5,’13、1,’12、月刊丸1,’10別冊

＜オクラホマ・シティ＞：CL-91（軽巡洋艦）またはSSN-723（潜水艦）を参照。

＜小倉光雄＞：日本陸軍エース。大正3年、栃木県生まれ。昭和13年2月、熊谷陸軍飛行学校を卒業し、明野飛行学校で戦技教育を受け、熊谷飛行学校助教となった。昭和16年7月、飛行第24戦隊第３中隊に転属。太平洋戦争勃発後はフィリピン攻略戦に参加。昭和17年春、満州に移動。7月、広東に配置された。その後パレンバンに移り、昭和18年5月にニューギニアに進出。5月4日、パボでB-24爆撃機２機を撃墜。6月12日、P-38戦闘機２機を撃墜したが、被弾して負傷、１ヶ月入院した。昭和19年5月、ニューギニアのソロンに展開。セレベスに下がった後、10月のレイテ決戦でネグロス島ファブリカ基地に進出。昭和20年2月、台湾に移り、沖縄戦に参加、終戦を迎えた。総撃墜数16機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜オグララ＞：アメリカ海軍敷設艦。1941年12月8日、真珠湾攻撃で沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜オクリレンヌイ＞：ソ連海軍ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦Okrylenny。1987年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜オグルソープ＞：AKA-100（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜オケアノス＞：S-118（潜水艦）を参照。

＜オケアン＞：アンテイ（VLF通信システム）を参照。

＜オケアン‘７０＞：ソ連軍が1970年5月に行った演習。アメリカ機動部隊に対する対艦ミサイル飽和攻撃をテストしたもので、航空機、水上艦、潜水艦から対艦ミサイル100発を発射し、90秒以内に全弾目標に着弾させた。参考：月刊世界の艦船9,’13

＜オケアン７５＞：ソ連軍が1975年に行った、世界規模の演習。長距離爆撃機や艦艇220隻が参加した。参考：月刊世界の艦船5,’14

＜オケイン＞：DDG-77（イージス駆逐艦）を参照。

＜桶川飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和12年、埼玉県北足立郡川田谷村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜オケル＞：A53（情報収集艦）を参照。

＜オケンド級＞：スペイン海軍駆逐艦Oquendo級。排水量3000トン級。主機はラトー・ブルターニュ式蒸気タービン２基、主缶はフランス式（蒸気圧１平方センチあたり35kg、温度375℃）３基、出力60000馬力。９隻を建造予定だったが、1951年から３隻のみ就役した。参考：月刊世界の艦船12,’21

＜オコ＞：ロシアの弾道ミサイル早期警戒衛星。直径500mmの望遠鏡を搭載している。参考：月刊軍事研究3,’08

＜オコービッツ・リミット＞：主砲の反動力で搭載可能車両の車重が決定されること。次世代戦車砲といわれる140mm砲の場合、車重が40トンないと安定した射撃ができないとされる。低反動105mm砲では20トン前後は必要で、車重15トン弱のピラーニャに載せたところ、射撃が不安定すぎて使い物にならなかった。参考：月刊PANZER8,’02

＜小郡駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は福岡県小郡市小郡2277。西鉄小郡駅から徒歩15-20分で、バスもある。創立記念行事ではシャトルバスが出る。1953年12月10日に開設され、独立第535施設大隊が鹿屋から移駐した。1954年7月、独立第535施設大隊が第106施設大隊に改編された。1961年8月、第５施設団が新編された。1973年8月、第106施設大隊が第９施設群に改編された。2008年3月、第303水際障害中隊が宇都宮駐屯地から移駐した。2015年5月19日、国連南スーダン共和国ミッション第８次施設隊派遣隊員の壮行行事を実施。2017年12月23日、駐屯地音楽隊が福岡県小郡市文化会館で第19回ふれあいコンサートを実施。2018年3月3日、第４師団第40普通科連隊が若松市民会館で開催した小倉駐屯地定期演奏会を駐屯地音楽隊員が支援した。2019年7月、福岡地本が第１回援護キャンペーンを実施。2020年1月8日、成人式を実施。2021年5月31日、隊員800名が災害対処訓練を実施。隊区内で大雨特別警報が発令されたとの想定で、非常呼集、緊急登庁支援施設開設、連絡員LO派遣、初動偵察部隊派出・被害情報確認、施設器材・車両出動準備、停電時の連絡・連携要領確認、非常用発電機作動確認を行った。午後には特定家畜伝染病発生に伴う災害派遣を想定し、タイベックスーツ装着訓練などを実施している。参考：第５施設団ホームページ、JGround Vol.23、宇都宮駐屯地ホームページ、朝雲

　＜小郡駐屯地（２０１５年）＞：第５施設団、第９施設群、第103施設直接支援大隊、第321基地通信中隊小郡派遣隊、小郡駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜小郡駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜オゴネク級＞：ロシア国境警備隊哨戒艇Ogonek級。兵装はAK630CIWS２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オゴン＞：A-22ロケット弾システムを参照。

＜オコント＞：APA-187（攻撃輸送艦）を参照。

＜オサ＞：9K33（地対空ミサイル）を参照。

＜オサＡＫ＞：9K33M2（地対空ミサイル）を参照。

＜オサＡＫＭ＞：9K33M3（地対空ミサイル）を参照。

＜オサＭシリーズ＞：オーサＭシリーズ（艦対空ミサイル）を参照。

＜尾崎中和＞：日本陸軍エース。大正8年、佐世保生まれ。昭和15年6月、陸軍航空士官学校を卒業し、少尉となった。明野乙種学生を修了後の昭和15年10月に飛行第33戦隊に配属され、昭和16年3月に大刀洗陸軍飛行学校教官となった。昭和17年10月、明野甲種学生となり、昭和18年4月に卒業、飛行第25戦隊第２中隊長として漢口に赴任した。12月、大尉に昇進。12月27日、遂川進攻時に僚機を救うため体当たりを行い、戦死した。公認撃墜数はB-24爆撃機６機を含む19機。死後に二階級特進で中佐となった。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜オサ級シリーズ＞：ソ連海軍ミサイル艇のNATOコード、Osa（蜂）級。1960年に１番艇が就役し、1970年代までに各型合わせて400隻（ソ連239隻、輸出150隻以上）が建造された。参考：月刊世界の艦船3,’05、4,’18、月刊丸12,’92

　＜オサ�T級＞：船体は鋼製で、中央から後部の両舷に艦対艦ミサイル発射筒をタンデムで搭載している。排水量165トン、満載排水量200トン。主機はディーゼル、速力38ノット。兵装は30mm連装機関砲２基（艦前後）、P-15/P-15U艦対艦ミサイル（P-15M艦対艦ミサイル？）単装発射筒４基。参考：月刊世界の艦船3,’05、9,'22、月刊丸12,’92

＜オサ�U級＞：ミサイルと発射筒を改良したもので、1962年に登場した。全長37.5m、排水量184トン、満載排水量209トン。主機はディーゼル、速力38.5ノット。兵装は30mm連装機関砲AK-230が２基、P-15M艦対艦ミサイル（P-20艦対艦ミサイル？）発射筒４基。参考：月刊世界の艦船9,'22、月刊軍事研究3,’02

＜オサ級・海外シリーズ＞

　＜黄蜂級（北朝鮮海軍）＞：北朝鮮海軍ミサイル艇Huangfen級。中国から黄蜂級を導入したものである。兵装はP-15艦対艦ミサイル単装発射筒４基、30mm連装機関砲AK-230が２基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜黄蜂級（中国海軍）＞：中国海軍ミサイル艇021型のNATOコードで、フアンフェン（Huangfen。ホアンフェン？）級と読む。オサ�T級ミサイル艇の中国版で、機関砲を積み換えてある。全長38.6m、全幅7.6m、吃水2.7m、基準排水量187トン、満載排水量208トン。主機はディーゼル、出力12000馬力、３軸推進、速力35ノット。兵装は80口径25mm連装機関砲２基または65口径30mm連装機関砲２基、HY-2艦対艦ミサイル単装発射筒４基。乗員28名。艦番号3100番台、6100番台、7100番台の計100隻くらいが就役し、1985年に存在が確認された。参考：参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’02、4,’05、月刊世界の艦船9,’11

＜オサ級（イラク海軍）＞：イラク海軍ミサイル艇、別名ニサン７級。兵装はP15艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ級（インド海軍）＞：インド海軍ミサイル艇、別名ヴィジュト級。兵装はP15艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ級（エチオピア海軍）＞：エチオピア海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ級（シリア海軍）＞：シリア海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ級（中国海軍）＞：中国海軍ミサイル艇、別名021型またはホラ級または黄蜂（Huangfen）級。兵装はHY-2艦対艦ミサイル発射筒４基またはC-801艦対艦ミサイル発射筒８基、61式25mm連装機関砲２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、月刊世界の艦船7,’13

　＜オサ級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍ミサイル艇。中国の黄蜂級を導入したものである。兵装はHY-2艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ�T級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル単装発射筒４基、9K32艦対空ミサイル発射機１基（手動照準）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ�T級（北朝鮮海軍）＞：北朝鮮海軍ミサイル艇。1968-83年にソ連と中国から20隻を供与された。全長38.6m、幅7.6m、吃水2.7m、満載排水量213トン。主機はディーゼル３基３軸8025馬力、速力35ノット。兵装はP15艦対艦ミサイル単装発射筒４基、30mm連装機関砲AK-230が２基。乗員30名。参考：月刊世界の艦船9,’01、9,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オサ�T級（シリア海軍）＞：シリア海軍ミサイル艇。兵装はP-15M艦対艦ミサイル単装発射筒４基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オサ�T級（ユーゴスラビア海軍）＞：ユーゴスラビア海軍ミサイル艇、別名ミタール・アセブ級。兵装はP15艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ�U級（アルジェリア海軍）＞：アルジェリア海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル単装発射筒４基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オサ�U級（アンゴラ海軍）＞：アンゴラ海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ�U級（キューバ海軍）＞：キューバ海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル単装発射筒４基。沿岸防衛隊向けはミサイルを撤去している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オサ�U級（シリア海軍）＞：シリア海軍ミサイル艇。兵装はP-15M艦対艦ミサイル単装発射筒４基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オサ�U級（ソマリア海軍）＞：ソマリア海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ�U級（フィンランド海軍）＞：フィンランド海軍ミサイル艇、別名ツイマ級。兵装はMTO-74艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オサ�U級（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍ミサイル艇。兵装はP15艦対艦ミサイル単装発射筒４基。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オサ�U級（リビア海軍）＞：リビア海軍ミサイル艇、別名アル・カトゥーム級。兵装はP-15M艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オサベハ１５型＞：イラン海軍の２名用潜水艇。2000年8月に初号艇が就役したとされる。参考：現代の潜水艦

＜オサマ・ビンラディン＞：オサマ・ビン・ムハンマド・ビン・アワッド・ビンラディン。サウジアラビア人で、キング・サウド大学出身。サウジアラビア最大のゼネコン経営者の息子（57人の異母兄弟姉妹の17番目）で、資産は数十億ドルにのぼるといわれる。聖地メッカを治めるサウジアラビア王室を堕落しているとして批判し、1979年11月に聖地メッカのカーバ神殿を占拠したイスラム過激派を支持した。また、アラブ義勇兵としてアフガニスタン戦争を戦い、イランに次ぐイスラム原理主義国家として1989年6月に誕生したスーダンにテロ訓練基地３ヵ所を建設したといわれる。ソ連撤退後はパキスタンの支援を受けたタリバンに接近。1994年にサウジ王室から反感を買って国籍を剥奪され、国外追放処分となり、王室から圧力をかけられた家族から勘当処分にされた。この頃から聖地のあるサウジアラビアに駐留するアメリカ軍を現代の十字軍に見立て、国外退去の実現を目指し過激なテロを行うようになった。1996年2月23日、アメリカ政府報告書で、ビンラディンは現在最も注意すべき資産家の１人であるという記述がなされた。この頃、CIAにビンラディン課が発足している。5月、スーダンを出国し、アフガニスタンに戻った。CIAはアフガニスタンの情報網からビンラディンの動きを掴むことに成功し、アフガニスタン人を金で雇って襲撃させたりしたが、防弾車に乗っていたため失敗した。1998年2月、中東やアジアのイスラム過激派組織（中核はアフガニと呼ばれるアフガニスタン帰還兵）を纏めた「ユダヤと十字軍打倒のための国際イスラム戦線」を結成し、軍人・民間人問わずアメリカ人全員を標的とすると宣言した。CIAはカンダハル郊外にあるビンラディン邸の急襲作戦を考案し、アフガニスタン人の襲撃部隊を形成して訓練を行ったが、生け捕りにするのは困難と判断され、5月29日に中止された。8月20日、アメリカのインフィニット・リーチ作戦でトマホーク攻撃を受けたが、難を逃れた。同時多発テロ直後の2001年9月9日、護送車60台を連れ、カブールの自宅を出てトラボラの洞窟に逃れた。2001年12月16日にトラボラは陥落したが、ビンラディンはここにはおらず、以降の行方は不明で、時々インターネットに画像や声明が出てくるのみだった。2011年5月2日、アメリカ海軍特殊部隊のネプチューン・スピア作戦で殺害された。参考：月刊軍事研究3,’10、7,’11、10,’98、2,’02、月刊世界の艦船9,’11

＜小澤治三郎＞：明治19年10月2日、宮崎県生まれ。宮崎中学時代に不良と喧嘩して退学になったが、東京の成城中学に転入。ここでも東京の神楽坂を散歩中に三船久蔵（後の柔道10段）から喧嘩をふっかけられたが、逆にねじ伏せたという逸話を持ち、鬼瓦というあだ名を付けられていた。明治42年、海軍兵学校第37期を199名中45番目で卒業した。大正5年、海軍大学校乙種学生卒。大正6年、海軍水雷学校卒。大正8-10年、海軍大学校甲種学生。戦艦金剛水雷長、第１水雷戦隊参謀、第１駆逐隊司令、重巡摩耶艦長、戦艦榛名艦長を経て昭和12年2月18日から11月15日まで連合艦隊参謀長兼第１艦隊参謀長を務め、その後第８戦隊司令官となった。昭和15年、第１航空戦隊司令官時に空母艦隊を設立するよう連合艦隊に進言している。11月、中将に昇任。昭和16年10月18日、南遣艦隊司令長官となった。太平洋戦争開戦時は南遣艦隊司令長官で、マレー部隊指揮官を務めており、陸軍第25軍の支援を行った。ただ陸海軍中央協定が煮詰まっておらず、上層部の具体的指示が無いまま独断専行で上陸支援にあたっている。昭和17年1月3日、第１南遣艦隊司令長官となった。7月14日、第１南遣艦隊司令長官を退いた。11月11日、第３艦隊司令長官となった。昭和19年3月1日、第１機動艦隊司令長官兼第３艦隊司令長官となった。6月、マリアナ沖海戦に参加。10月、比島沖海戦に参加。11月18日、第１機動艦隊司令長官を退き、軍令部次長となった。昭和20年春、定期進級で米内海軍大臣から大将への昇任を打診されたが、自分には資格が無いと固辞した。5月29日、海軍総司令長官兼連合艦隊司令長官兼海上護衛総司令長官となった。この時も大将への昇任を薦められたが、中将のままで良いとして昇任していない。8月15日のポツダム宣言受諾で部下に対して自決を戒めるよう指示。10月、予備役に入った。昭和41年11月9日、80歳で死去した。最終階級は中将。参考：比島決戦、日本海軍艦隊総覧、月刊丸12,’92、JShips Vol.46、月刊世界の艦船9,’13増刊、4,’19、9,’14

＜烏山基地＞：韓国の航空基地。アメリカ空軍太平洋空軍第７航空軍（在韓米空軍）が所在する。総敷地面積693ヘクタール。滑走路はランウェイ06/24（2743m）で、北にある誘導路を緊急用離着陸帯として使用できる。北地区に堅固化航空機掩体８機分を持つ。1951年2月に創設され、第18戦闘爆撃航空団（F-51）が配備された。朝鮮戦争ではF-86も装備して制空戦闘を行っている。朝鮮戦争休戦後は第18戦闘爆撃航空団が嘉手納に移動、1955年に第58戦闘爆撃航空団（F-86）が配備された。1958年6月、第58戦闘爆撃航空団が第58戦術ミサイル航空群（TM-61Aマタドール装備）に改編され、戦闘機部隊が無くなった。1968年1月23日のプエブロ号拿捕事件を受け、3月22日に第318戦闘迎撃飛行隊（F-106）が展開。1969年4月15日のEC-121撃墜事件を受け、第95戦闘迎撃飛行隊（F-106）が1970年5月まで展開した。1971年3月、第51基地航空団が新編された。11月、第37戦術戦闘飛行隊（F-4）が第51基地航空団隷下となった。1974年、第19戦術航空支援飛行隊（OV-10）が第51基地航空団隷下となり、第51基地航空団は第51混成航空団（戦術）に改称された。2010年現在、第51航空団と隷下の第25戦闘飛行隊（A-10A、OA-10A）、第36戦闘飛行隊（F-16C/D）、第33救難飛行隊第１分遣隊（HH-60G）が配備されている。参考：月刊軍事研究4,’10

＜オシ＞：海上自衛隊の略号で、応急士のこと。参考：日本の防衛戦力Part3

＜おじか＞：LST-4152（輸送艦）を参照。

＜オシコシ・フライイン＞：EAAエア・ベンチャー（航空ショー）を参照。

＜オジブワ＞：カナダ海軍オベロン級潜水艦１番艦Ojibwa。1965年就役。1996年に退役した。エルジン軍事博物館に寄贈され、本館から23マイル（37km）離れたバーウェル港の海岸上で2013年夏から展示予定。参考：月刊世界の艦船9,’12

＜雄島＞：日本海軍雄島型救難船。太平洋戦争中にトラック環礁で火災を起こして沈没した。参考：小艦艇入門

＜雄島型＞：日本海軍800トン型救難船。全長53.5m、最大幅9.5m、吃水2.7m、排水量812トン。機関出力2200馬力、速力15ノット。兵装は25ミリ機銃２丁、爆雷６個。昭和11-15年に雄島、長浦、立神が竣工した。参考：小艦艇入門

＜尾島飛行場＞：日本陸軍の飛行場。大正7年、群馬県新田郡尾島町に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜お女郎さん＞：日本陸軍の制裁の１つ。銃架の隙間から手を伸ばして物まねをする。下手だと判断されるとビンタをとられる。参考：帝国陸海軍事典

＜オシリス＞：N67（Ｏ級潜水艦・第２グループ）またはS-13（オベロン級潜水艦）を参照。

＜おじろ２０１２＞：協同転地演習（平成24年度）を参照。

＜オシロスコープ＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジーまたはローデ・シュワルツ・ジャパンまたは日本電計または穂高電子製。参考：月刊軍事研究12,’10、7,’14、2,’16、4,’18

＜オシロスコープ１型＞：自衛隊の機器。横河電機製。参考：月刊軍事研究10,’11

＜オシロスコープ（２型）＞：自衛隊の機器。日本テクトロニクス製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜オシロスコープ（３型）＞：自衛隊の機器。日本テクトロニクス製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜オシロスコープ（４型）＞：自衛隊の機器。日本テクトロニクス製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜オシロスコープ５型＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究12,’11

＜オシロスコープ９型＞：自衛隊の機器。ローデ・シュワルツ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究10,’15

＜オシロスコープ（４００ＭＨｚ）＞：自衛隊の機器。岩通計測または日本電計製。参考：月刊軍事研究9,’09、1,’12

＜オシロスコープ校正器＞：自衛隊の機器。TFF製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜オシロスコープ校正器（２．１ＧＨｚ、１ＣＨ）＞：自衛隊の機器。フルーク製。参考：月刊軍事研究9,’09

＜オシロスコープ校正器１型＞：自衛隊の機器。フルーク製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜オジンツォヴォ＞：ロシア海軍プロジェクト22800カラクルト型コルベットOdintsovo。2022年7月31日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日祝賀行事に参加。参考：月刊世界の艦船9,'22

＜オシント＞：OSINT（公刊情報収集）を参照。

＜オス＞：日本海軍用語で、おはようございますの略。同輩または目下のみに使う。「オスッ」と言っても「オッス」とは言わない。参考：続海軍よもやま物語

＜オズ＞：イスラエル海軍サール６型コルベット２番艦Oz。2021年1月24日、公試開始。5月4日就役。兵装関連装備は全てイスラエルで搭載するため、この時点では航海レーダーくらいしか積んでいなかった。5月28日、ジャーマン・ネーバル・ヤードを出港してキール運河を通り、イスラエルに向かった。2023年1月下旬、アメリカ海軍との共同演習ジュニパー・オークに参加。コルベット２隻及び潜水艦ドルフィンと共に、アメリカ海軍CVN-77空母打撃群CVN-77ジョージ・Ｈ・Ｗ・ブッシュ、CG-55レイテ・ガルフ、DDG-94ニッツ、DDG-103トラクスタンと、地中海で各種訓練を行った。参考：月刊世界の艦船4,’21、8,'21、4,’23

＜汚水処理コンテナ＞：陸上自衛隊のトイレコンテナ。国際規格20フィートコンテナに洋式トイレの個室を複数設置したもので、浄化槽や貯水タンクも内蔵しており、外部電源を繋げて使う。参考：スピアヘッドNo.20

＜オスヴァルト＞：ドイツ海軍特設艦。元は1905年11月にイギリスで進水したインペリアル汽船の貨物船オスウェストリーで、1914年6月の第１次大戦勃発時にダンツィヒでドイツに接収され、1917年夏に特設掃海母艦に改造された。1918年2月からオスヴァルト級航空母艦（実際には特設水上機母艦）への改造工事に入り、7月に竣工してFS�V（航空母艦３隻目）の艦番号が付けられて第４駆逐隊に配属され、バルト海で任務に就いた。終戦後はイギリスに返却され、その後日本に売却されて大連汽船の永安丸となった。1945年7月25日、鳥取県御来屋沖で爆撃を受け沈没した。参考：月刊丸5,’13

＜オスヴァルト級＞：ドイツ海軍航空母艦（実際には特設水上機母艦）。元は特設掃海母艦オスヴァルトで、バルト海での航空作戦に使用するため1918年2月から特設水上機母艦に改造したものである。船橋直前と後部マスト後方に水上機格納庫を設け、前後マストに揚収用デリックを装備した。格納庫の大きさは前部が20.8m×14.5m、後部が22.5m×15.4m。総トン数3657トン、満載排水量7640トン。主機はレシプロ蒸気機関１基１軸2200馬力、速力10ノット。兵装は8.8cm高角砲２門。水上機４機を搭載可能。オスヴァルトが就役した。参考：月刊丸5,’13

＜オスカー＞：Ｏを表すアメリカ軍符丁。

＜オスカー＞：一式戦闘機シリーズを参照。

＜オスカー�T型＞：949型原潜を参照。

＜オスカー�U型＞：949A型原潜参照。

＜オスカー�V型＞：949AM型原潜を参照。

＜オスカー・オースチン＞：DDG-79（駆逐艦）を参照。

＜オスカーシエラ＞：アメリカ空軍U-2R偵察機用電子戦装置。機上レーダー警戒装置のシステム９、地対空ミサイル用警戒装置のシステム12、機上電波妨害装置を組み合わせている。クルーからは信頼されず、Oh, Shitなどという渾名を付けられた。参考：月刊軍事研究5,’02

＜オスカーボルグ要塞＞：ノルウェーの要塞。オスロに海路から侵入するのを防ぐのが主任務である。1830年代に建設が始まり、1848年に完成、1853年から運用された。167mmアームストロング砲から40口径280mmカノン砲に25口径305mmクルップ砲まで種々の大砲が据え付けられ、更に水中発射式魚雷発射管まで装備されていた。1940年4月9日、海上からオスロ占領に向かうドイツ艦隊を発見、0415に警告射撃を行った。これに対しドイツ重巡洋艦ブリュッヘルが目前1500mで反撃してきたため、0421に28cm砲を斉射。２斉射命中させたところで射界から逃げられてしまった。しかし対岸のコポス砲台から15cm砲が射撃を続け、命中弾13発を与えて中破させ、そこに本要塞からの魚雷２発が命中、0622に撃沈している。また、後続のポケット戦艦リュッツォにも15cm弾が３発命中したため、ドイツ艦隊は南に逃れた。参考：月刊PANZER10,’02、月刊軍事研究8,’02

＜オスターハウス＞：DE-164（護衛駆逐艦）を参照。

＜オスタップ＞：日本海軍用語で、亜鉛（鉄？）または木製の洗濯桶のこと。Wash tubがなまったものである。大（直径500mm）、中（直径450mm）、小（直径400mm）の３種類があり、両側に取っ手が付く。海上自衛隊でも残飯桶などをこう称する。参考：帝国陸海軍事典、海軍よもやま物語、海軍兵学校よもやま物語、月刊軍事研究3,’14、海軍兵学校岩国分校物語

＜オスタラ＞：AKA-33（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜オスチン装甲自動車＞：帝政ロシア軍４輪装甲車。車体はボルト止め装甲板で、前部にエンジン、中央に操縦室、後部に戦闘室があり、戦闘室上に7.62mmマキシム機関銃塔２基を並列搭載する。全長4.88m、全幅2.01m、全高2.39m、重量4.14トン。エンジン出力50馬力、最大速度60km。装甲厚7-8mm。乗員５名。４タイプのバリエーションがあり、1914年に計220両が生産された。1917年に亡命先から戻ってきたレーニンが演説台替わりに使用して有名になった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜オステ＞：ドイツ海軍アルスター級情報収集艦Oste。参考：月刊世界の艦船10,’23

＜オストヴィンド＞：�W号戦車ファミリーを参照。

＜オストヴィンド�U＞：�W号戦車ファミリーを参照。

＜オストケッテ＞：Ostkette（東部用履帯）。第２次大戦中にドイツ軍が東部戦線で使用した泥濘・冬季用広軌履帯である。壊れやすいという欠点があり、ヴィンターケッテが開発された。参考：月刊グランドパワー7,’04、ジャーマンタンクス、月刊PANZER9,’12

＜オストフリースラント＞：ドイツ海軍ヘルゴラント級戦艦Ostfriesland。1911年竣工。1916年5月31日、ジュットランド海戦では第１戦艦戦隊旗艦（同戦隊第１小隊１番艦）として参加、主砲弾111発を射撃した。ジュットランド海戦から帰投中に触雷して損傷、１名が戦死した。1919年に除籍された。1920年4月、賠償艦としてアメリカに引き渡された。1921年7月21日、ウィリアム・ミッチェル少将の戦艦無用論を証明するための爆撃標的となり、マーチンMB-2爆撃機から投下された2000ポンド爆弾を喰らって沈没した。参考：近代戦艦史、月刊丸2,’08、月刊航空ファン10,’16、月刊世界の艦船6,’16、歴史群像6,’16

＜オストフロント作戦＞：北岬沖海戦を参照。

＜オストマルク＞：ドイツ海軍特設敷設艦。元はフランスの民間船コテ・ダルジャルで、1941年に改造された。総トン数3047トン。兵装は8.8cm砲２門、機雷240個。1945年4月、イギリス軍機の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜オストリッチ＞：楚辺通信所の代替としてキャンプ・ハンセンに建設された傍受施設の通称で、ダチョウのこと。制式名は不明で、単に通信システムとしか書かれていない。2001年までに完成させる予定だったが、システム・ソフトウェアの不具合で2006年9月にずれ込んだ。3.7ヘクタールの土地に外周直径150mのアンテナ群があり、当初は18本立っていたが、2008年12月頃に30本に増えている。参考：月刊軍事研究2,’09

＜オズバーグ＞：DE-538（護衛駆逐艦）を参照。

＜オスプレイ＞：AMS-28（掃海艇）またはL72（魚雷揚収艇）またはMHC-51（機雷掃討艇）またはV-22シリーズ（輸送機）を参照。

＜オスプレイ級＞：アメリカ海軍機雷掃討艇Osprey級。カーディナル級の対爆強度が弱かったため、代わりに採用された。イタリアのレリチ級がベースで、船体はFRP単板モノコック製。処分具による機雷掃討専門で、掃海具は積んでいない。全長57.2m、全幅11m、吃水2.9m、満載排水量959トン。主機はディーゼル２基、出力1600馬力、フォイト・シュナイダー・プロペラ２軸推進、速力12ノット（10ノット？）。AN/SQQ-32機雷探知器を前甲板に、AN/SLQ-48自走式機雷処分具を後甲板に搭載する。兵装は12.7mm機銃２丁（１丁？）。乗員52名。MHC-51オスプレイ、MHC-52ヘロン、MHC-53ペリカン、MHC-54ロビン、MHC-55オリオール、MHC-56キングフィッシャー、MHC-57コルモラント、MHC-58ブラック・ホーク、MHC-59ファルコン、MHC-60カーディナル、MHC-61レイブン、MHC-62シュライクの12隻が1993-99年に就役した。2006-07年に全艇退役し、他国に輸出された。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、12,’13、2,’10、11,’10

＜オスプレイ級・海外シリーズ＞

　＜オスプレイ級（インド海軍）＞：インド海軍機雷掃討艇。MHC-56キングフィッシャーとMHC-57コルモラントが引き渡されることになった。参考：月刊世界の艦船12,’10

　＜オスプレイ級（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍機雷掃討艇、別名エフニキ（Evniki）級。アメリカ海軍から２隻を取得し、カリプソ及びエフニキと名付けて2007年3月に就役させた。全長57.2m、満載排水量930トン。参考：月刊世界の艦船2,’10、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オスプレイ級（台湾海軍）＞：台湾海軍機雷掃討艇、別名Yung Jin級。2010年にアメリカ海軍から２隻の取得が決定、MHC-1310永靖及びMHC-1311永安として就役させた。もう１隻取得予定である。機雷掃討が主任務で、掃海具は搭載しない。戦闘システムと機関管制装置を近代化し、航海レーダーを新型に換装、OE-82衛星通信アンテナを外している。全長57.2m、満載排水量930-945トン。主機はディーゼル、出力1600馬力、推進はフォイト・シュナイダー・プロペラ２基、速力10ノット。兵装は12.7mm単装機銃２丁。AN/SLQ-48自走式機雷処分具とAN/SQQ-32機雷探知器を搭載する。参考：月刊世界の艦船12,’12、10,'15、4,’12

＜オスプレイ級＞：イギリス海軍魚雷揚収艇Osprey級。元はイギリス空軍救命艇である。全長19.2m、幅4.7m、吃水1.5m、基準排水量28トン。主機はディーゼル、出力190馬力、速力13ノット。L72オスプレイが竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜オスプレイ級哨戒艇（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍哨戒艇、別名Armatolos級。デンマークのオスプレイ級を導入したものである。兵装は76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オズボーン＞：DD-846（駆逐艦）を参照。

＜オズマス＞：DE-701（護衛駆逐艦）を参照。

＜オスマン＞：バングラデシュ海軍053H級フリゲートOsman。1989年就役。2015年10月、カラット2015演習に参加。参考：月刊世界の艦船9,’96、12,’15

＜オスマン・ガジ級＞：トルコ海軍揚陸艦Osman Gazi。満載排水量3000トン。兵装は35mm連装機関砲GDM２基（前甲板両舷）、ファランクス１基。LCVP４隻、戦車15-17両、兵員900-980名を搭載できる。1994年に１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’04、1,'15増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オスマン級＞：053H級フリゲート（バングラデシュ海軍）を参照。

＜オスモトリテルヌイ＞：ソ連海軍ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦Osmotritelny。1984年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜オズモンド・イングラム＞：DD-255（駆逐艦）を参照。

＜オスラビア＞：ロシア海軍ロプーチャ�T型揚陸艦。2009年2月17日、竜飛崎の西南西50kmを航行するのをDE-233ちくまが確認した。2月23日、尻屋崎の東北東70kmを航行するのをDE-233ちくまが確認した。9月22日、宗谷岬の西南西250kmを航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。10月13日、宗谷岬の東北東160kmを航行するのをDD-156せとぎりが確認した。2011年10月19日1130頃、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ロプーチャ�T型揚陸艦BDK-98と共に宗谷岬西北西150kmを東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。11月2日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ロプーチャ�T型揚陸艦BDK-98と共に津軽海峡を西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2012年7月1日0600-1800、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、同アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦メテル、同ウスト・イムリスク、同コレーツ、ロプーチャ�T型揚陸艦BDK-98、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ナヌチュカ�V型ミサイル艇イネイ、同ラズリーフ、タランタル�V型ミサイル艇R-14、同R-18、同R-19、フィニク級測量艦GS-47、同GS-84、同GS-296、同GS-404、ビヤ級測量艦GS-200、カメンカ級測量艦GS-211、モマ級測量艦アンタークティダ、ユグ級海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、カシタン級設標艦KIL-168と共に、宗谷岬の西160kmを東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2013年7月13-14日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャ�X型警備艦ウスト・イリムスク、同メテル、同ステリャーク、タランタル�U型ミサイル艇R-79、タランタル�V型ミサイル艇R-11、同R-14、同R-18、同R-19、同R-20、ソーニャ型掃海艇BT-256、同艇番号553、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ドゥブナ級補給艦イルクート、フィニク型測量艦GS-397、ユグ型海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、オビ型病院船イルティシュ、ゴーリン型航洋曳船SB-522、ソルム型航洋曳船MB-99、中国海軍051C型ミサイル駆逐艦116石家荘、同115瀋陽、054A級フリゲート538煙台、同546塩城、福清型補給艦881洪澤湖と共に宗谷海峡を東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後ロシア艦のみでオホーツク海に於いて軍事演習を行い、7月19-20日に宗谷海峡を西に進んでいる。9月23日、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、カシュタン級設標艦KIL-498、同KIL-927、オビ型病院船イルティシュと共に、宗谷岬の東北東300kmを西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。10月19日1200、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイと共に宗谷岬の西南西220kmを北東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を通過してオホーツク海に入っている。10月31日、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦マーシャル・シャポシニコフと共に、宗谷岬の東北東180kmを西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2017年7月3-4日、太平洋艦隊の大規模演習に参加。7月5日1500-1700頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、グリシャ�X型警備艦コレーツ、タランタル�V型ミサイル艇２隻、ナヌチュカ�V型ミサイル艇ラズリーフ、ロプーチャ�U型揚陸艦ペレスウェートと共に宗谷岬北北東40kmを西に航行するのを、第２航空群P-3C、PG-827くまたか、DD-156せとぎりが確認した。その後宗谷海峡を西に抜けて日本海に向かっている。2019年4月26日1000頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグと共に上対馬北東180kmを南西に航行するのを第４航空群P-1が確認した。その後これらは対馬海峡を南下して東シナ海に向かい、中露海軍共同演習海上協力2019に参加している。5月6日0600頃、下対馬南西210kmを北東に航行するのを、第４航空群P-1とMSC-603たかしまが確認した。その後対馬海峡を北上して日本海に向かっている。2020年4月24日1600頃、タランタル�V型ミサイル艇R14、同R18、同R19、同R20、同R24、同R297と共に、宗谷岬北東40kmを南南西に航行するのを、PG-827くまたかと第２航空群P-3Cが確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進み、日本海に向かっている。2021年11月28日0800頃、ナヌチュカ�V型ミサイル艇ラズリーフと共に、宗谷岬西140kmを東に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは宗谷海峡を東に進んでいる。2022年2月1-15日、ウダロイ�T級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、同マーシャル・シャポシニコフ、ステレグシュチイ級フリゲートのグレミャーシチイ、同アルダー・ツィデンジャポフ、同ソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、グリシャ�X型警備艦メテル、同コレーツ、同MPK82、ナヌチュカ�V型ミサイル艇イネイ、キロ級潜水艦３隻、アリゲーター�W型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ロプーチャ�T型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフ、改アルタイ級補給艦１隻、イーゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフ、ゴーリン型航洋曳船SB-522、ソルム型航洋曳船MB99、同MB148、オホーツク型航洋曳船アレクサンドル・ピスクノフ、オビ級病院船イルティシュ、民間砕氷船カピタン・フレブニコフと共に、日本海とオホーツク海南部で活動するのを、DD-120しらぬいと第２航空群P-3C哨戒機が確認した。3月15日2000頃、アリゲーター�W級戦車揚陸艦ニコライ・ヴィルコフと共に、尻屋崎東北東70kmを西に航行するのを、第２航空群P-3C哨戒機とDD-120しらぬいが確認した。ニコライ・ヴィルコフは露天甲板にトラックを所狭しと並べており、その後これらは津軽海峡を西に進んで日本海に向かっていて、極東からウクライナへの輸送任務に就いていたとみられる。参考：月刊世界の艦船3,’10、1,’12、9,’12、10,’13、12,’13、1,’14、4,’14、10,’17、3,’20、7,'20、3,'22、6,'22、3,'23、朝雲

＜オスロ＞：F300（フリゲート）を参照。

＜オスロ級＞：ノルウェー海軍フリゲートOslo級。ソナー・システムはTSM2633スフェリオンＢ。全長96.6m、幅11.2m、吃水5.5m、満載排水量1745トン。主機は蒸気タービン、出力20000馬力、１軸推進、速力25ノット以上。兵装はペンギンMk1艦対艦ミサイル単装発射筒４基、シースパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、76mm連装砲１門、40mm単装機関砲１門、20mm単装機関砲２門、テルネ�V対潜ロケット６連装発射機１基、324mm短魚雷３連装発射管２基。F300オスロ、F302トロンハイム、F304ナルヴィクなど５隻が1966年から就役した。参考：月刊軍事研究6,’07、月刊世界の艦船1,'15増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜オスロ宣言＞：2007年2月22-23日にノルウェーのオスロで開かれたクラスター弾の使用禁止に関する国際会議で採択された宣言。2008年までにクラスター弾禁止条約を制定するのが目標で、条約の内容は、クラスター弾の使用・生産・移動・備蓄の禁止、保有弾の廃棄と不発弾撤去推進、被害者支援を予定した。ただし対象は「民間人に受け入れがたい苦痛を与えるクラスター弾」で、具体的な兵器については今後の会議に委ねるとしている。49ヵ国が参加し、日本、ポーランド、ルーマニアを除く46ヵ国が賛成した。日本は論議が十分に尽くされていないとして反対に回っていたが、大量のクラスター弾を有するアメリカ、ロシア、中国、使用を続けるイスラエルなど会議に参加しなかった国が加わって実効性のある条約が作られることを条件として後に賛成に転じている。これに基づいてクラスター弾に関する協定が制定された。参考：月刊軍事研究5,’07

＜オスロ・レポート＞：1939年11月5日深夜、ノルウェーのオスロにあるイギリス大使館の窓枠に置かれていた海軍武官宛ての文書のこと。MI6が分析したところ、ロケット兵器、Ju88爆撃機、夜間爆撃機用電波航法といったドイツ軍の機密情報と、近接信管用の部品が入っており、差出人には善意のドイツ人科学者Ａと書かれていた。ドイツによる心理戦とする意見も出されたが、MI6は本物と判断し、電波航法を中心に解析に入っている。Ａはドイツ国防軍情報部長で1945年4月9日に反逆罪で処刑されたヴィルヘルム・カナリスであるといわれている。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜オズワルド＞：DE-71（バックレイ型護衛駆逐艦）またはDE-767（カノン級護衛駆逐艦）またはN58（Ｏ級潜水艦第２グループ）を参照。

＜オズワルド・Ａ・パワーズ＞：DE-542（護衛駆逐艦）を参照。

＜オスワルド・シアハーン＞：インドネシア海軍ヴァン・スペイク級フリゲートOswald Siahaan。元はオランダ海軍ヴァン・スペイク級フリゲートのヴァン・ネスである。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜オセアナ＞：ドイツ海軍宿泊船Oceana。大元は1913年に就航した北ドイツのロイド所属シエラ・サルヴァダで、1917年にロイド・ブラジレイロ所属アヴァレ、1924年にドイツのヴィクトル・シュッペ社所属ペール・ギュント、1926年にイタリアのシトマー社所属ネプチュニア、1927年にハンブルク・アメリカ・ライン所属メテオールとなり、同年にオセアナと改称され、1939年にドイツ海軍宿泊船になった。全長140.2m、幅17.1m、総トン数8791トン。主機は三連成汽機２基２軸4300馬力、航海速力13.5ノット。船客定員一等119人、二等74人、スティアリッジ1400人。第２次大戦終結でイギリス戦時運輸省所属エンパイア・ターンとなり、同年にソ連に引き渡されてシビルに改称、1963年に解体された。参考：月刊世界の艦船2,’20

＜オセアン＞：フランス海軍クールベ級戦艦３番艦Océan。ジャン・バール（Jean Bart）という艦名で1913年に竣工した。1914年12月21日、オーストリア＝ハンガリー帝国海軍潜水艦U12の雷撃を受け、魚雷２本を被雷して損傷し、曳航されてマルタに帰投した。1922-23年に改装工事を受け、煙突を２本とした。1931年から練習艦として使用された。1937年、オセアンに改称された。1942年、ドイツのツーロン占領でドイツ軍に接収された。1944年、連合軍の空襲で沈没した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船7,’15、4,’17

＜尾関行治＞：日本海軍エース。大正7年、愛知県生まれ。昭和10年、呉海兵団に入隊し、昭和11年1月に操縦練習生となり、7月に卒業して大村航空隊に配属された。昭和12年12月、第12航空隊に転属となり、日華事変に参加。昭和13年2月25日に南昌攻撃で初陣を飾り、３機を撃墜した。その後佐伯航空隊、大村航空隊、元山航空隊に配属され、昭和16年9月に第３航空隊所属となった。太平洋戦争勃発後はフィリピン戦と蘭印作戦に参加。昭和17年4月、一等飛行兵曹に進級、第６航空隊に配属された。6月、隼鷹に搭乗してダッチハーバー攻撃に参加。年末、第204航空隊に転属し、ブイン基地に進出。昭和18年5月、本土に帰還し、厚木航空隊に転属した。昭和19年2月、第203航空隊戦闘304飛行隊に配属され、10月に南九州に移動。10月21日、台湾を経てフィリピンのバンバン基地に進出。10月24日、ルソン島東方のアメリカ機動部隊を攻撃したが、迎撃機との空戦で行方不明となった。公認撃墜数14機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜オセロット＞：S-17（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オセロット・シリーズ＞：フォース・プロテクション社の４×４輪耐地雷装甲車。オセロットは中南米に生息する夜行性の山猫の一種である。参考：月刊軍事研究11,’09

＜オセロット＞：キャビン底部はＶ字型で、駆動系をキャビン内部に収容しており、底面高を低くできた。キャビンは装甲化モジュラー構造で、基本のパトロール型以外への換装も容易である。キャビン下部左右にヒンジが付いていて、キャビンを左右に傾けてエンジン整備を行える。車体前部の機関室も装甲化されており、耐弾レベルは全周でレベル２。全長5.3m、全幅2.3m、全高2.1m、戦闘重量7.5トン。エンジンはシュタイアー社製ディーゼル（総排気量3200cc）、トランスミッションはZF社製オートマチック（６速）、最大速度110km、航続距離600km。ペイロード1.5トン。乗員２名＋乗車歩兵４名。イギリス軍のLPPVに提案予定。参考：月刊軍事研究11,’09

＜オセロットＭＷＭＩＫ＞：特殊部隊用長距離偵察型で、MWMIKはMobile Weapons Mounted Installation Kitの略。モジュラー式キャビンとしてロールバー装備のオープントップ型車体を使用している。参考：月刊軍事研究6,’11

＜オゼロト兵器プラットフォーム＞：ASRADを構成する４連装地対空ミサイルシステムOzelot。発射即応体制にある撃ち放し式地対空ミサイル（スティンガー、9K310イグラ�T、9K38イグラ�Uなど）を搭載し、射手が車内からレーザー測距器付きFLIR/TV追跡機と二重モード自動追跡機で目標を追跡する。50m離れたところからの遠隔発射も可能。ポーランド軍がBRDM-2改に搭載を検討しており、ポーランド製メスコ・グロム対空ミサイルを搭載する予定。参考：月刊軍事研究2,’02、11,’98

＜汚染水域潜水器＞：イギリスの汚染水域用潜水具、通称ダーティーハリー（D/H）。深海潜水作業用潜水具がベースで、ヘルメット式潜水器、防水ドライスーツ、空中排気システムで構成され、ダイバーを周辺環境から完全密閉することが可能であり、海底で発見された化学弾などの処分に使用される。ダイバーは汚染水に触れないようドライスーツとヘルメットを着用し、呼吸用の空気は水上からホースで送気・回収する。潜っていくと空気を入れたホースの水中長が長くなって浮力が増大するため、それに応じてバラストを追加していく。全備重量30kg以上だが、水中では浮力によりほぼ重量を感じない。海上自衛隊も佐世保水中処分隊と大湊水中処分隊に配備しており、1996年に発見された屈斜路湖遺棄化学弾や、2000年に発見された福岡県苅田港沖遺棄化学弾回収で使用した。参考：朝雲

＜オソアビアヒム作戦＞：ソ連が第２次大戦終結直後に行った、ドイツ人科学者連行作戦。参考：月刊軍事研究11,’09

＜オソリオ＞：EE-T1シリーズ（戦車）を参照。

＜オソリオＰ１＞：EE-T1シリーズ（戦車）を参照。

＜オソリオＰ２＞：EE-T1シリーズ（戦車）を参照。

＜オソリ作戦＞：穴熊作戦を参照。

＜小田喜一＞：日本海軍エース。大正2年、新潟県生まれ。昭和6年、海軍に入隊し、主計兵となった。昭和7年11月、操縦練習生を卒業し、大村航空隊に配属された。横須賀航空隊、鳳翔戦闘機隊、横須賀航空隊に転属し、昭和12年8月に加賀戦闘機隊所属となった。9月19日、南京第１次攻撃に参加し、P36ホーク戦闘機３機（不確実１機含む）を撃墜した。10月7日、１機を撃墜。12月、霞ヶ浦航空隊に転属して本土に帰還。昭和13年3月、第13航空隊に転属。6月、第15航空隊に転属し、中部中国戦線で任務に就いた。11月、本土に帰還。その後蒼龍戦闘機隊に転属し、真珠湾攻撃に参加。昭和17年4月、コロンボ上空で３機を撃墜。6月、ミッドウェイ作戦に参加。昭和18年5月、飛曹長に進級して予備役に入り、即日召集されて岩国航空隊教員となった。その後呉航空隊教員を経て昭和19年4月に第261航空隊所属となり、マリアナ基地に配置された。7月、戦闘306飛行隊配属となった。12月10日、伊365に搭乗して本土に帰還する途中、小笠原方面で潜水艦が沈没し、戦死認定されて少尉に進級した。公認撃墜機数９機。参考：日本海軍作戦年誌

＜雄竹＞：日本海軍松型駆逐艦31番艦。昭和20年5月15日竣工。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年7月4日に青島で賠償艦としてアメリカに引き渡され、売却後解体された。参考：日本駆逐艦史、日本海軍艦隊総覧

＜オタゴ＞：ニュージーランド海軍オタゴ級沿岸哨戒艦１番艦Otago。2010年2月竣工。2016年11月19日、ニュージーランド海軍創設75周年記念国際観艦式に観閲艦として参加。参考：月刊世界の艦船4,’11、2,’17

＜オタゴ級＞：ニュージーランド海軍沿岸哨戒艦Otago級。排他的経済水域の警備用として2004年からプロテクター計画の名称で建造された。船体は耐氷構造で、南氷洋でも行動できる。船型は長船首楼型で、艦首にブルワークを持つ。上構前面の傾斜はきつく、マストも基部はタワー形状だが、上構幅は船体幅より狭く、ステルス性はあまり高くなさそうである。全長85m、満載排水量1626トン。主機はディーゼル、速力22ノット。兵装は25mm単装機関砲１門、12.7mm単装機銃２丁。オタゴ、P55ウェリントンが2010年に就役した。参考：月刊世界の艦船10,’17、4,’11

＜オダックス＞：SS-484（潜水艦）を参照。

＜お達し＞：海軍兵学校で上級生が下級生に行う日常生活指導（説教）のこと。概ね直後に修正が加えられる。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜オタマ＞：SS-62（潜水艦）を参照。

＜オダム＞：APD-71（高速輸送艦）またはDE-670（護衛駆逐艦）を参照。

＜オタワ＞：AKA-101（攻撃貨物輸送艦）またはDDE-229（駆逐艦）またはFFH341（フリゲート）を参照。

＜オチキス機関銃＞：フランスのオチキス社が1896年に開発した、ガス圧作動式空冷機関銃。参考：月刊PANZER2,’02

＜オチキス機関銃・海外シリーズ＞

　＜保式機関砲＞：日本軍の機関銃。明治30年に試験用として４丁を輸入したが、この時は船便で発射薬が劣化したために成績不良だった。しかし口径6.5mmに変更して三十年式歩兵銃の弾薬を使ったところ、結果が良好だったため制式化を決定、50丁を追加輸入している。この際、HOTCHKISSの最初のＨは発音しないことを知らなかったので、制式名が「ホ式」になった。オチキス社ではアリサカ・モデルという名称を付けている。明治34年からはライセンス生産に入ったものの、当時の日本の技術力では量産に無理があり、150両生産した国産版は使い物にならなかった。輸入したものは騎兵部隊（第１・第２騎兵旅団）に繋駕式速射機関砲（移動時は馬２頭で牽引する）という名称で配備されて日露戦争に投入され、ロシアのマキシム機関銃に数で負けていたが、陣地に置くだけでなく野戦場に持ち出して使用するという用法が功を奏している。奉天会戦では追加発注した200丁以上が到着し、歩兵連隊１個あたり６丁ずつ配備された。全長1.5m、重量50kg。発射速度毎分450発。装弾は30発保弾板。参考：月刊PANZER2,’02、月刊軍事研究12,’06

＜オチャコフ＞：ソ連海軍カーラ級ミサイル巡洋艦Ochakov。1969年12月19日起工・艦籍編入、1971年4月30日進水、1973年7月28日軍艦旗掲揚、9月、公試開始。造船所公試では49日間で3344海里、国家公試では42日間で3637海里航行し、巡航速力公試では巡航速力18.6ノット、航続距離7050海里、燃費１海里あたり258kg、最大速力公試では最大速力32.7ノット、航続距離2440海里、燃費１海里あたり745kgだった。11月4日竣工。11月28日、黒海艦隊第30師団に編入された。1974年3月、黒海艦隊演習に旗艦として参加。6月、国防大臣が来艦。夏にはポーランド、ユーゴスラビア、フィンランドの国防大臣とフランス軍参謀本部長が来艦した。1975年4月、オケアン75大演習に参加。この際、他国の潜水艦を発見し、２時間追跡した。12月から1976年5月、戦術レベルの対潜訓練に９回参加した。6-7月、第５作戦艦隊のウダフ対潜演習に参加。9月、軍総監視官が来艦。1977年、最高功績艦となった。1978年6月、シリアを訪問。1979年6月、フランスを訪問。8月、ブルガリアを訪問。9月、60カ国の武官計80名が来艦。1979年の最高功績艦となった。1980年3月からセヴァストポリで大修理に入った。1984年7月、修理を完了。1986年10月、キューバを訪問。1986年の最高功績艦となった。1987年3月、トルコを訪問。10月、ユーゴスラビアを訪問。1989年4月、ルーマニアを訪問。1990年5月、ユーゴスラビアを訪問。6月、イタリアを訪問。1991年、セヴァストポリで大修理と近代化に入ったが、予算不足で遅れ、1993年2月には大火災を起こした。2000年、政府が廃棄を計画したが、海軍は拒否した。2005年1月からセヴァストポリで船体修理を開始。2006年には3M80艦対艦ミサイル８発、M-22ウラガン艦対空ミサイル、コールティクCIWSを装備し、主砲を100mm単装砲A190に換装、Ka-27PLヘリを搭載し、電子装備を改良する近代化が決定され、2008年9月に再進水、トロイツカヤ湾に浮かべられた。ただ世界同時不況で予算が足らず、そのまま廃棄される可能性もある。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船6,’09、3,’92増刊

＜小千谷飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜オチャヤンヌイ＞：ソ連海軍ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦Otchayanny。1982年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜お茶を挽く＞：日本海軍用語で、進級が遅れること。語源はお茶挽芸者。大抵は自分の責任だが、時々手続きミスでお茶を挽く羽目になる者もおり、ジャクれて手が付けられなくなった。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜お提灯＞：日本海軍用語で、水兵長のこと。階級章の形からきている。または一等兵で善行章の無い者のこと。順調にいくと２年半で一等兵になるので、進級したての一等兵はお提灯になる。参考：海軍よもやま物語、帝国陸海軍事典

＜オツール＞：DE-274（エヴァーツ級護衛駆逐艦、初代）またはDE-527（エヴァーツ級護衛駆逐艦、２代目）を参照。

＜乙液＞：秋水ロケット戦闘機の燃料で、水化ヒドラジン＋メタノール＋銅シアン化カリ液からなる。秋水開発当時は町工場で少量生産されている状態だったが、量産化の暁には月産300トンを目指す予定としていた。参考：月刊丸8,’95、8,’15別冊

＜乙型改海防艦＞：鵜来型または日振型を参照。

＜乙型海防艦＞：御蔵型を参照。

＜乙型カッター＞：日本海軍の救命用カッター。普段は甲板に固定されているが、搭載艦艇が沈没すると自動的に固定が外れて浮上する。参考：写真で見る海軍糧食史

＜乙型駆逐艦＞：秋月型を参照。

＜乙型警備艦＞：戦後初の水上艦艇として1953年度予算に計上された艦艇。2000トン未満の小型護衛艦で、地方隊に配属され、沿岸海域での局地警備、船団護衛、対潜哨戒を主任務とする。DE-201あけぼの、DE-202いかづち、DE-203いなづまの３隻が建造された。３隻纏めてあけぼの型に分類されるが、DE-202いかづちとDE-203いなづまはいかづち型とも分類される。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊軍事研究9,’03、月刊世界の艦船4,’13

＜小月救難飛行隊＞：海上自衛隊の救難飛行隊。1980年4月、小月航空基地で新編された。装備機はS-62Jで、S-61AHを経てUH-60Jになった。後に小月航空基地隊救難飛行隊に改編され、2008年3月に解隊された。参考：月刊JWings3,’16、小月航空基地ホームページ

＜小月教育航空群＞：海上自衛隊の初級パイロット養成部隊。1965年3月25日、教育航空集団隷下に小月航空基地で新編された。司令部、第201教育航空隊、第203支援整備隊、小月航空基地隊からなる。1968年11月30日、第221教育航空隊が隷下に入った。1997年3月24日、第221教育航空隊が小月教育航空隊に、第203支援整備隊が第201支援整備隊に改称された。1998年12月8日、第201支援整備隊が第201整備補給隊に改編された。2009年1月8日、悪天候のため予定より１日遅れで飛行初めを実施。T-5練習機２機が参加した。2010年1月6日、T-5練習機３機で飛行初めを実施。6月10-11日、第60期飛行準備課程学生26名が100km行軍を実施。6月16日、下関市東消防署と合同防火訓練を実施。梅雨前線による7月10日からの大雨で7月15日0800に山口県知事から災害派遣要請があり、菊川町で土砂・瓦礫撤去、山陽小野田市で給水支援を行った。7月18日夕方までに延べ隊員120名、車両18両を出して市内４箇所で16万リットルの給水を行い、1800に撤収要請を受けて帰隊した。2011年1月7日、初飛行訓練を実施。2月2日、第201整備補給隊が服務無事故6000日（1994年8月30日から）を達成。4月3日、第63期航空学生70名の入隊式を実施。2012年4月1日、小月航空基地で第64期航空学生70名の入隊式を実施。2013年1月17日、下関市・長門市合同防災訓練に参加。4月7日、小月航空基地で第65期航空学生68名の入隊式を実施。2014年1月8日、初訓練飛行を実施。4月6日、小月航空基地で第66期航空学生74名の入隊式を実施。2015年1月8日、T-5練習機３機で初訓練飛行を実施。11月8日、開隊50周年記念行事を実施。2016年10月4日、第201整備補給隊が50年間作業無事故の功績で３級賞状を授与された。11月6日、下関海響マラソンに参加し、運営支援も行った。2018年4月1日、第70期航空学生83名（うち海保職員２名）の入隊式を実施。8月26日、第70期航空学生74名が下関市で馬関まつりに参加し、平家踊総踊り大会で元気２番賞を受賞した。10月20日、広島地本のT-5体験搭乗とホワイトアローズ編隊飛行見学に協力した。2019年8月25日、140名で平家踊り総踊りに参加し、元気１番賞（団体の部１位）を受賞した。2020年5月22日、第72期航空学生の赤帽訓練を実施。2021年2月5日、山口大学の就職セミナーで広報支援を実施。2022年4月3日、小月航空基地で第74期航空学生81名（うち海保委託学生３名）の入隊式を実施。2023年4月2日、小月航空基地で第75期航空学生73名（新隊員55名、陸海空自衛官15名、海保航空要員３名）の入隊式を実施。参考：教育航空集団司令部ホームページ、月刊JWings3,’09、6,’13、6,’14、3,’15、6,’18、6,'22、6,'23、朝雲

＜小月教育航空群（１９７８年）＞：教育航空集団隷下で、司令部は小月航空基地にある。第201教育航空隊、第221教育航空隊、第203支援整備隊、小月航空基地隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜小月教育航空群（２００７年度、改編前）＞：教育航空集団隷下で、第201教育航空隊（T-5）、小月教育航空隊、第201整備補給隊、小月航空基地隊を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜小月教育航空群（２０１０年）＞：教育航空集団隷下で、司令部は小月航空基地にある。第201教育航空隊（T-5）、小月教育航空隊、第201整備補給隊、小月航空基地隊を隷下に置く。参考：月刊航空ファン4,’10

＜小月教育航空群（２０１５年）＞：教育航空集団隷下で、司令部は小月航空基地にある。第201教育航空隊（T-5）、小月教育航空隊、第201整備補給隊、小月航空基地隊を隷下に置く。参考：月刊航空ファン4,’16

＜小月教育航空群（２０２０年）＞：教育航空集団隷下で、司令部は小月航空基地にある。第201教育航空隊などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜小月教育航空隊＞：海上自衛隊の航空教育機関で、OZATS（OZuki Air Training Squadron）と略す。基礎教育と初等飛行教育が主任務で、海上自衛隊の航空学生が最初に入隊する部隊である。元は第221教育航空隊で、1997年3月24日に小月教育航空隊に改称され、小月教育航空群の隷下に入り、小月航空基地に置かれた。2013年6月6日、川崎重工業航空宇宙カンパニーから寄贈されたP-1哨戒機展示用模型などの授与式を実施。2015年4月1日、新たな部隊章の披露行事を実施。4月3日、海自初の航空学生旗の授与式を実施。4月4日、第67期航空学生入隊式を実施。2020年5月29日、第69期幹部航空基礎課程36名の修業式と、第0201期操縦士基礎共通課程の始業式を実施。参考：MAMOR vol.70、vol.60、vol.111、朝雲、小月航空基地ホームページ、教育航空集団司令部ホームページ

　＜小月教育航空隊（２０１５年）＞：小月教育航空群の隷下で、小月航空基地に置かれている。トップは隊司令で、副長、先任伍長、安全幹部・安全海曹、甲板士官・甲板海曹、訓育幹部・訓育海曹、体育幹部・体育海曹がおり、教育航空隊本部、教育隊、学生隊からなる。教育航空隊本部は教務班（班長、総務掛、人事掛）、運用班（班長、訓練掛、教務掛）、資材班（補給掛、調達掛）で構成される。教育隊は総括班（班長、企画掛、庶務掛）、教材班（班長、教材掛、AEC掛、短艇掛）、教育班（標準化掛、教育掛、公資格掛）、審査班（班長、審査掛）、体育教官室（室長、体育掛）という編成。学生隊は学生隊長がトップで、その下に学生班があり、学生班長をトップに各期主任指導官と庶務掛がいて、主任指導官の下に各期指導官・指導官付が任じられる。参考：小月教育航空隊ホームページ

＜小月航空基地＞：海上自衛隊の航空基地。小月飛行場があり、滑走路は長さ900m・幅45m・ランウェイ12/30と長さ1200m・幅60m・ランウェイ17/35の２本。所在地は山口県下関市松屋本町3-2-1。最寄り駅はJR山陽本線小月駅。大元は1937年（昭和12年）に開設された逓信省飛行場で、1940年に日本陸軍に移管されて下関陸軍飛行場になり、1941年春頃から小月飛行場と名称変更された。太平洋戦争終結後にアメリカ軍が接収し、1958年4月からニュージーランド軍とアメリカ軍が駐留、1950年3月に返還されて9月9日に警察予備隊小月訓練所が開設され、小月駐屯部隊／第４管区第11連隊が駐屯、1952年10月の保安隊小月駐屯地への改称を経て1954年7月に陸自小月駐屯地となった。10月、小月駐屯部隊が第17普通科連隊に改称された。1956年4月、航空自衛隊に移管されて第１操縦学校が創設された。10月、第４航空隊業務隊以外の陸自部隊が山口キャンプに移駐。1959年6月、第11飛行教育団が新編された。1964年7月に航空自衛隊から海上自衛隊に移管され、小月派遣隊が発足した。1965年3月25日、小月教育航空群が新編され、第201教育航空隊が鹿屋から移駐した。1968年11月30日、第221教育航空隊が館山から移駐した。1980年4月、小月救難飛行隊が新編された。1991年3月、第201支援整備隊航空機整備隊が解隊された。1997年3月、第221教育航空隊が小月教育航空隊、第203支援整備隊が第201支援整備隊に改称された。2008年3月、小月航空基地隊救難飛行隊と第201整備補給隊検査隊が解隊された。2015年2月1日、小月航空基地海曹会が下関市のしものせき美化美化大作戦ボランティア部門で優秀賞を受賞した。2016年4月3日、航空学生入隊式を実施。10月15日、福岡地本が実施した、福岡県内雇用企業主ら18人と航空学生二次試験受験予定者13人に対する基地研修に協力した。2019年4月14日、小月航空基地海曹会が第34回維新・海峡ウォークに参加。2020年4月23日、第72期航空学生81名の20キロ行軍を実施。7月7-8日、第71・第72期航空学生が空自防府北基地第75期・第76期航空学生と交歓会を実施。参考：小月航空基地ホームページ、教育航空集団司令部ホームページ、月刊航空ファン2,’16、月刊JWings6,’10別冊付録、11,’18、朝雲

＜小月航空基地（２００７年度、改編前）＞：小月教育航空群が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜小月航空基地（２０１２年度）＞：第201教育航空隊（T-5）などが所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜小月航空基地（２０１５年）＞：小月教育航空群が所在している。参考：小月航空基地ホームページ

＜小月航空基地隊＞：海上自衛隊の航空基地隊。1965年3月25日、小月教育航空群隷下に小月航空基地で新編された。参考：月刊JWings9,’17

＜小月航空基地隊（２００７年度、改編前）＞：小月教育航空群隷下で、小月救難飛行隊（UH-60J）を隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜小月航空基地隊（２０１５年）＞：小月教育航空群隷下で、小月航空基地に置かれている。司令、副長、本部（総務班、運用班、通信班、就職援護室、広報室）、管理隊（管理班、施設班、営繕班、車両班）、運航隊（運航班、気象班、地上救難班、写真班）、警衛隊、経理隊（経理班、契約班、出納班）、厚生隊（厚生班、共済班、給養班）、衛生隊からなる。参考：小月航空基地隊ホームページ

＜小月飛行場＞：日本陸軍の飛行場。戦後は小月航空基地になった。参考：月刊JWings11,’18

＜オックスカート＞：A-12（偵察機）またはSR-71シリーズ（偵察機）を参照。

＜オックス・テイル＞：MGK-345（VDS）を参照。

＜オックスフォード＞：APA-189（攻撃輸送艦）を参照。

＜オックスフォード練習機シリーズ＞：イギリス空軍高等練習機Oxford。1937年6月19日に初飛行し、1945年7月までに8586機が生産され、患者輸送機、連絡機、レーダー点検機などとしても使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜オックスフォードＭｋ．�T＞：最初の量産型。背部銃塔を持ち、訓練用爆弾を積める。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜オックスフォードＭｋ．�U＞：操縦訓練機。全長10.52m、全幅16.25m、全備重量3450kg。エンジンはアームストロング・シドレー製チーター10（370馬力）双発、最大速度303km、実用上昇限度5940m、航続距離900km。乗員３名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜オックスフォードＭｋ．�X＞：エンジンをワスプ・ジュニアに換えたもの。カナダなどで使用された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜オックスフォード・キャッスル＞：K692（コルベット）を参照。

＜オックスフォード・キャリアー＞：イギリス軍の全装軌式火砲牽引車。ユニバーサル・キャリアーやロイド・キャリアーの後継として第２次大戦中から開発された。車体はオープントップ箱形で、操縦手の視界はペリスコープで得る。操縦手席の後ろは２名ずつが向かい合わせで座る。転輪はシングルタイプ片側４枚、起動輪が前方、誘導輪が後方にあり、サイドスカートを持つ。フェンダー上はドロップサイド式収納箱として使用されている。自衛武装は無い。引き渡しは戦後の1947年になり、400両のみ生産された。この頃には牽引式対戦車砲の出番も少なくなったため、あまり活躍していない。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER11,’86

＜オックス・ヨーク＞：MGK-345（VDS）またはMGK-365（ソナー）を参照。

＜オックスリップ＞：K123（コルベット）を参照。

＜オックスレイ級＞：オベロン級潜水艦（オーストラリア海軍）を参照。

＜オック岬＞：ノルマンディーにある岬で、オマハ海岸とユタ海岸のちょうど境目にある。第２次大戦時、ここに15.5cmK418(f)カノン砲６門が据え付けられ、両海岸を狙える位置にあった。オーバーロード作戦で連合軍は6月4-6日に爆撃と艦砲射撃を加え、6月6日0710からアメリカ軍第２レンジャー大隊が30mの断崖をよじ登って占領に向かったが、砲は既に移設された後だった。参考：月刊PANZER12,’01

＜乙号貨車＞：日本陸軍の軍用自動車。甲号貨車の改良型である。４両が生産され、大正3年の青島攻略戦で重砲弾の輸送に従事した。この頃の日本陸軍自動車配備数は試製甲号自動貨車２両、甲号貨車４両、乙号貨車４両の計10両だったが、イギリスでは20000両、フランスでは10000両、アメリカでは15000両が配備されていた。参考：機甲入門

＜乙号擲弾銃＞：日本陸軍の擲弾銃。甲号擲弾銃の後継で、大正7年に制式化された。機関部を三八式歩兵銃に変更し、照準装置を改良、二脚で仰角70度・60度・42度にセットできる様にした。重量11kg。操作要員２名。使用弾も信管を着発から時限式に変更し、弾頭重量を2kgに、炸薬重量を0.37kgにして威力半径を20mに増大させている。射程320m。シベリア出兵で初陣を飾った。参考：月刊PANZER7,’02

＜乙号遊動式＞：八九式旋回機関銃を参照。

＜乙支演習＞：韓国軍が実施していた指揮所演習。1968年の青瓦台侵入事件を受けて同年から開始した。1975年からフォーカス・レンズ演習と合併し、乙支フォーカス・レンズ演習（UFL）となった。参考：月刊軍事研究10,’10

＜乙式一型偵察機＞：日本陸軍偵察機。川崎造船所がフランスから製造権を買って製作したサルムソン2A2偵察機である。エンジンはサ式230馬力（サルムソンAZ-9。出力230馬力）、プロペラはレ式230HP用木製２翅（直径2.754m、ピッチ2.11m）。大正11年から昭和2年までに300機が生産された。参考：月刊丸9,’97、月刊航空ファン1,’17、8,’19

＜乙式一型偵察機ファミリー＞

　＜乙式一型爆撃機＞：日本陸軍軽爆撃機。乙式一型偵察機を軽爆に改造したものである。参考：月刊航空ファン3,’18

＜乙師団＞：陸上自衛隊の師団編成の１つ。師団司令部・司令部付隊、普通科連隊３個、特科連隊、後方支援連隊、戦車大隊、施設大隊、通信大隊、偵察隊、対戦車隊、飛行隊、音楽隊からなる。参考：月刊軍事研究9,’04

　＜乙師団（１９６２年）＞：装備品定数は、小銃6300丁、106mm無反動砲54門、81mm迫撃砲48門、107mm迫撃砲37門、105mm榴弾砲24門、155mm榴弾砲12門、L90高射機関砲６基、M15自走高射機関砲８両、戦車46両、装甲車13両、対戦車ミサイル16両、M20スーパーバズーカ、オートバイ103両、ジープ393両、トラック563両。参考：スピアヘッドNo.12

＜乙支フォーカス・レンズ演習＞：乙支はウルチと読み、UFLと略す。国連軍司令部が1954年から行ってきたフォーカス・レンズ演習と、韓国軍が1968年から行ってきた乙支演習を1976年に統合した指揮所演習で、1970年代に力を付けてきた韓国が独自の演習を繰り返して勝手に北朝鮮に攻め入るのを抑える意味もあったようである。毎年8-9月に実施され、ソウルの米韓連合軍司令部、韓国内の主要基地、日本及び全世界のアメリカ軍基地を結んで有事の際のシミュレーションを行う。2008年に乙支フリーダム・ガーディアン演習に改称された。参考：月刊軍事研究10,’10、5,’03、4,’07

＜乙支フリーダム・ガーディアン演習＞：米韓合同軍事演習で、乙支はウルチと読む。乙支フォーカス・レンズ演習を2008年に改称したものである。2010年は8月16-26日に実施された。2017年は8月21-31日に実施された。2018年は米朝首脳会談の合意で中止となった。2022年に乙支フリーダム・ガーディアン演習として復活した。参考：月刊軍事研究10,’10、10,’17、11,’17、10,’18、月刊JWings11,’22

＜乙支フリーダム・シールド演習＞：米韓合同軍事演習ウルチ・フリーダム・シールド、略称UFS。2022年8月22日に初開催され、北朝鮮軍の侵攻に対する防衛・逆襲・反撃を想定した図上演習と野外機動訓練を行った。北朝鮮軍は8月17日に日本海に向けて巡航ミサイルを発射、中国は非難を加え、ロシア軍は爆撃機などを韓国の防空識別圏に突入させている。参考：月刊JWings11,’22

＜乙支文徳＞：972（駆逐艦）を参照。

＜乙車載式架橋器材＞：日本陸軍の架橋器材。明治42年に制式化された。使用兵器が重くなってきたので大正7年に改良され、大重量物用の甲車載式架橋器材が制式化された後も軽快性を持つ渡河器材として配備され続けた。組み立てる橋の強度により縦隊橋と強縦隊橋の２種に分類される。また、鉄舟だけを２隻組み合わせて門橋にすれば、完全武装兵26名の輸送が可能。全長150m、耐重量５トン。舟艇27隻、架柱９組、九二式小操舟機（20馬力）３基などで構成され、輜重車400両で運搬される。100セットが配備された。参考：工兵入門

＜乙車載式鉄舟＞：日本陸軍の渡河器材。参考：工兵入門

＜オッシュ＞：フランス海軍オッシュ級戦艦Hoche。1890年1月1日竣工。1898年、触礁事故を起こして修理に入った。ついでに復元性強化と主機換装などを行ない、1901年に完工している。1911年5月、標的艦に艦種変更された。1913年12月2日、実艦的として海没処分された。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜オッシュ級＞：フランス海軍戦艦Hoche級。船体は乾舷の低いタンブルホーム船型で、上構を２層に積み上げ、その上に甲板室、太いマスト２本、煙突、それらを繋ぐ空中通路、ボート・ダビットなどを作りまくったため、耐航性能や復元性が無きに等しく、失敗作呼ばわりされた。水線長102.6m、常備排水量10820トン。主機はレシプロ蒸気機関２基２軸12000馬力、速力16.5ノット。兵装は34cm単装砲２門、27.4cm単装砲２門、13.8cm単装砲18門、47mm機砲10門、37mm機砲10門、38cm魚雷発射管５門。1890年にオッシュが竣工した。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜乙種（特）飛行予科練習生＞：日本海軍の航空搭乗員養成制度で、特乙と略す。丙種飛行予科練習生の代わりに昭和18年4月1日に創設された。昭和17年度乙種飛行予科練習生第２次試験合格者6000名のうち、17歳以上など条件を満たす者を採用し、岩国航空隊で機上作業者としての偵察・操縦・射撃訓練を半年間受けさせるものである。第１期は昭和18年4月1日に入隊した。戦局悪化で飛行機も燃料も無くなり、昭和19年10月1日入隊の第17期で終了、総入隊者数は6715名だった。参考：陸海軍学校と教育

＜乙種飛行予科練習生＞：日本海軍の航空搭乗員養成制度で、乙飛と略す。高等小学校卒業程度の学力を持つ15-17歳を対象に採用した。練習航空隊で２年半の教育を受け、将来的に特務士官となる。昭和5年6月1日に第１期生が入隊しており、当初は単に飛行予科練習生だったが、甲種が創設されたのに伴い、昭和12年6月1日の第８期から乙種飛行予科練習生となった。昭和16年8月、14-18歳が対象となった。昭和18年3月、三重海軍航空隊で訓練を行うようになった。第24期まで87550名が入隊した。第22期は11723名で、うち8200名が海軍派遣飛行予科練習生に回された。第23期は13401名で、うち8700名が海軍派遣飛行予科練習生に回された。第24期は45931名で、うち18000名が海軍派遣飛行予科練習生に回された。参考：陸海軍学校と教育、帝国陸海軍事典

＜乙種膨張式救命筏＞：膨張式救命筏を参照。

＜乙戦＞：局地戦闘機を参照。

＜オッター＞：DE-210（護衛駆逐艦）またはDHC-3（輸送機）またはM76（水陸両用輸送車）またはS-15（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オッター軽偵察車＞：カナダ軍／イギリス軍４輪装甲車。GMカナダ社が開発した。ベースは４×４輪15cwtトラックで、8-12mm厚の装甲鋼板製車体を載せ、車体上部にブレン機関銃塔、操縦室前面にボーイズ対戦車ライフルを搭載した。エンジンはGMC270（100馬力）。乗員３名。1942年に1761両が生産された。参考：世界の軍用車両(4)

＜オッターステッター＞：DE-244（護衛駆逐艦）を参照。

＜オッタヴィアノ・アウグスト＞：イタリア海軍カピタニ・ロマニ級軽巡洋艦Ottaviano Augusto。建造中止になった。参考：近代巡洋艦史

＜オッド＞：ノルウェー海軍ストルム級高速攻撃艇。1967年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜オットー・ウンシ＞：ドイツ海軍潜水母艦。第２次大戦後はソ連に譲渡され、パイシェルドとなった。参考：グラフィックアクション44

＜オットー・カリウス＞：ドイツ国防軍の戦車エース。1922年5月27日生まれ。1940年5月、陸軍に入隊。10月、第20装甲補充大隊第21戦車連隊第１中隊に配属された。1942年10月、少尉となった。1943年1月、第500補充大隊で�Y号戦車への転換訓練を受け、第502重戦車大隊第２中隊に転属した。7月22日、レニングラード近郊ムガー周辺で戦闘に参加。11月4日、ロヴェツ−ネウェル間で防衛戦に参加。11月23日、一級鉄十字章を受章。1944年2月24日、ソ連第８軍が橋頭堡を築いたドイツ北方軍集団レニングラード戦区レムビツ−アウヴェレに面するシニマエに進出し、タリンとナルヴァを結ぶ１本の線路築堤を挟んでソ連軍と対峙、僚車と共に１ヶ月に亘り攻勢を弾き返した。5月4日、騎士鉄十字章を受章。7月24日、戦闘で重傷を負い、後送された。7月27日、柏葉騎士鉄十字章を受章。1945年2月11日、第512重駆逐戦車大隊に転属し、ヤークトティーガーに乗車。4月16日、イーゼルホンでアメリカ軍に降伏した。それまでに戦車200両以上を撃破したともいわれ、東部戦線では同一コースを連日低空飛行してくるソ連航空機を�Y号戦車の主砲で叩き落としたらしい。戦後は薬剤師の資格を取り、薬局ティーガーを経営した。2015年1月24日、93歳で死去した。参考：ティーガー重戦車パーフェクトバイブル、月刊軍事研究8,’15、5,’13

＜オットー・キッテル＞：キッテル（ドイツ空軍エース）を参照。

＜オットー・クレッチマー＞：クレッチマー（Ｕボートエース）を参照。

＜オットー・シュルツ＞：シュルツ（ドイツ空軍エース）を参照。

＜オットー・スヴェルドルップ＞：F312（フリゲート）を参照。

＜オットー・スコルツェニー＞：スコルツェニーを参照。

＜オットー燃料＞：硝酸エステルに酸化剤、希釈剤、安定剤を加えたもの。アメリカ海軍がMk46短魚雷用燃料として開発した。参考：丸スペシャルNo.76

＜オットー燃料�U＞：二硝酸プロピレンなどを使用した燃料で、酸化剤を含む一液式燃料である。エネルギー密度も安全性も高く、魚雷用閉サイクル蒸気タービンや斜盤機関（レシプロエンジン）の燃料として使用されている。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜オットー・ハーン＞：西ドイツの造船海運原子力利用会社に所属した原子力鉱石運搬船Otto Hahn。全長172.1m、総トン数16871トン、載貨重量15000トン。主機は原子力蒸気タービン方式、パブコック・インターアトム社製加圧水型原子炉（熱出力38MW、一次冷却水系平均圧力6.4MPa、平均温度551K）１基１軸11000馬力、速力17ノット。1968年竣工。1979年に主機をディーゼルに換装し、コンテナ船になった。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜オットー・ホウス＞：オットー・メララ社のUAV。砲弾型コンテナに収容されており、120mm滑腔砲から射出され、主翼と安定翼を展開して飛翔する。全長0.98m、本体重量1.3kg。電動モーターによるプルプロペラ推進、巡航速度毎秒16m、最大速度毎秒30m。参考：月刊軍事研究6,’11

＜オットー・ブレダ社＞：オットー・メララ社が1994年にイタリア国営のフィンメカニカ傘下となり、ブレダ・メカニカ・プレシャーナ社と提携したのに伴い、社名を変更したものである。2017年、フィンメカニカがレオナルドに改称したので、レオナルドの傘下になった。参考：月刊コンバットマガジン11,’03、月刊軍事研究11,’16

＜オットー・マーリン４０シリーズ＞：レオナルド社の艦載40mm対空／対水上機関砲塔OTO Marlin 40。参考：月刊世界の艦船12,’20

　＜オットー・マーリン４０Ａ＞：70口径40mm機関砲をステルス防楯無人砲塔に架装しており、砲架が高い位置にあるので、大きな俯角をかけて接近した小型船を掃射できる。砲塔は甲板下に埋め込む部分が無いので、後付けも容易。砲身基部に初速計測レーダーを装備するが、射撃指揮装置は搭載艦に備え付けのものを使い、遠隔操作で射撃する。砲塔重量1.9トン。最大射程12500m、最大射高8700m。発射速度毎分300発。参考：月刊世界の艦船12,’20

　＜オットー・マーリン４０Ｂ＞：Ａ型の砲塔に電子光学センサーを装着し、艦内に緊急用遠隔操作コンソールを設置、独立しての遠隔操作射撃も可能としたもの。砲塔重量1.96トン。参考：月刊世界の艦船12,’20

　＜オットー・マーリン４０Ｃ＞：完全独立式にしたもの。初速計測レーダーに加えて電子光学センサー、レーザー測距器、弾道計算機を装備する。砲塔重量2.1トン。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜オットー・メララ社＞：OTO Melara。元はオデロ・テルニ・オルランド社（OTO社）で、倒産後にイタリア政府の支援により1953年に再建された。メララは工場のある地区の名前である。1954年から軍需品を生産し、M113装甲車のライセンス生産を手始めに多数の装甲車を製作、高性能の大砲や艦砲の生産にも従事している。1994年、再編でオットー・ブレダ社に改称された。参考：月刊コンバットマガジン11,’03、月刊世界の艦船10,’14

＜乙爆薬＞：九八式爆薬を参照。

＜追浜海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。横須賀市にある。飛行機整備教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜追浜飛行場＞：日本海軍の飛行場。大正元年、神奈川県横須賀市に開設された。敷地は東西2000m・南北600mで、水上機用スロープと格納庫１棟を有する。大正5年4月1日、横須賀航空隊が新編された。大正7年、北方海面を埋め立てて造成工事を開始。参考：首都防空網と空都多摩、月刊世界の艦船11,’18

＜乙飛＞：乙種飛行予科練習生を参照。

＜乙武装＞：陸上自衛隊の服装の１つ。上下作業服装に半長靴で、弾帯をつけ、必要に応じ鉄帽か中帽をかぶる。通常の野外訓練や災害派遣出動時の服装である。参考：月刊PANZER5,’98

＜オデッサ軍管区（ソ連軍、１９８９年）＞：南西部戦略方面隷下で、司令部はオデッサにある。軍司令部１個、軍団司令部１個、自動車化狙撃師団９個、空挺師団１個、砲兵師団１個、空中強襲旅団１個（Mi-8/-24ヘリ170機、Mi-2/-6ヘリ）、MiG-27/Su-25戦闘飛行連隊３個90機、MiG-21/-23戦闘飛行連隊３個135機、Su-17フィッターＨ偵察機10機を擁する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オデッセイ・ドーン作戦＞：アメリカによる対リビア作戦、Operation Odyssey Dawn。2011年3月17日に採択された安保理決議1973（リビア上空飛行禁止区域設定、反政府勢力保護目的の武力行使容認）に基づき、3月19日からUSAFRICOMの指揮で開始された。3月19日、地中海に展開したDDG-52バリー、DDG-55スタウト、SSGN-728フロリダ、SSN-719プロヴィデンス、SSN-756スクラントンがイギリス海軍と合わせてトマホーク（RGM-109E/H やUGM-109E/H含む）112発を目標20カ所に発射。3月20日、トマホーク124発を発射。ホワイトマン空軍基地を離陸したB-2A爆撃機３機がリビア空軍ガルダビヤ基地の強化シェルターをGBU-31JDAM45発で爆撃した。イタリアのアビアノ基地からF-16CJとEA-18Gが出撃し、HARMによるSEAD/DEADを行った。同基地からはF-15Eも出撃している。シチリア島のシゴネラ海軍基地からRQ-4Bグローバルホークが出撃、飛行禁止空域の監視などを開始した。LHD-3キアサージからAV-8Bが出撃。EC-130H/Jが心理作戦を開始。3月21日、F-16CJとEA-18GがSEAD/DEADを実施。2230頃、イタリアのアビアノ空軍基地を離陸したアメリカ空軍第48戦闘航空団第492戦闘飛行隊F-15Eがリビア北東部で墜落した。原因は左右非対称兵器搭載で無理な機動を行って操縦不能になったためであり、乗員は２名とも脱出し、LHD-3キアサージを発艦したMV-22B輸送機２機に救助されて無事だった。この援護のため、エアカバー用のAV-8B２機と急速対応部隊を乗せたCH-53Eヘリ２機も出撃している。3月25日、スカッド潰しのためトマホーク16発を発射。在欧米空軍A-10攻撃機がアビアノ空軍基地に到着。3月26日、AC-130Uガンシップが戦域に到着。3月26-27日、A-10及びAC-130Uが出撃を開始。3月27日、指揮権がNATOに移譲された（3月31日？）。サウスダコタ州エルスワース空軍基地を離陸したB-1B爆撃機２機がリビアを爆撃。3月28日、P-3C哨戒機がAGM-65F空対艦ミサイルによりリビア沿岸警備隊ビットリア級哨戒艇を撃沈。DDG-52バリーの指揮管制を受けたA-10攻撃機が30mmガトリング砲GAU-8/Aでリビア沿岸警備隊の小型哨戒艇２隻を撃沈。3月30日、攻撃原潜２隻、駆逐艦２隻、揚陸艦３隻、補給艦３隻が展開していた。6月21日、FFG-40ハリバートンに搭載されていたとみられるファイアスカウトUAVがリビア西部で作戦中に行方不明となった。参考：月刊航空ファン6,’11、月刊JWings6,’11、3,’12、月刊世界の艦船6,’11、月刊軍事研究12,’11、9,’14、1,’15

＜オデロ・テルニ・オルランド社＞：OTO社と略す。テルニ社（旧ヴィッカーズ・テルニ社）が1929年に改称したもので、オデロ（Odero）はジェノバの造船所、テルニ（Terni）は元々のアッチャイエリエ・ディ・テルニ社、オルランド（Orlando）はリヴォルノの造船所から取っている。引き続き大砲や艦砲の製造を行い、1935年に産業復興公社（IRI）が経営権を掌握した。第２次大戦後は民需に転換したが、1951年の労働危機の煽りを受けて倒産し、1953年にイタリア政府主導で再建され、オットー・メララ社となった。参考：月刊コンバットマガジン11,’03

＜オトヴァズニイ＞：ソ連海軍61型カシン級駆逐艦Otvazhnyy。1974年8月30日1000頃、艦後部のZIF-101連装発射機にV601艦対空ミサイルを装填していたところ、１発の推進用ロケットが勝手に点火してしまい、もう１発も誘爆、５時間後に右へ横倒しになって沈没した。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜オトウェイ＞：N51（潜水艦）を参照。

＜オトヴェット＞：ロシア海軍対潜ミサイル・システムOtvet。弾頭はMPT-1UM短魚雷で、所定の海域で分離し、パラシュートで着水させる。全長7.65m、重量２トン以上。飛翔速度マッハ2.5、最大投射距離50km。2020年11月、アドミラル・カサトノフからの発射試験に成功した。参考：月刊世界の艦船7,’21

＜オドザニ＞：K356（フリゲート）を参照。

＜落とし込み閉鎖式＞：閉鎖機構を参照。

＜おとしま＞：MSI-681（掃海艇）を参照。

＜音の壁＞：Sound Barrier。飛行機が飛行すると、前方の空気に水面の波のような圧力変化が生じ、それが音速で周囲に伝わっていく。飛行機が亜音速領域で飛行しているうちは、空気の圧力変化は飛行機の遙か前方へと拡散していくので、特に影響は出てこない。飛行機が音速に近づき遷音速領域に入ると、空気の圧力変化が広がりきる前に飛行機がその領域を飛行することになり、圧力の波の影響が出現する。更に、機体各部から衝撃波が発生し、舵が効かなくなったりする。飛行機が音速に達すると、空気の圧力変化が機体前方に集中して束をなし、大きな衝撃波が発生、抗力が急増して激しい振動が生じ、最悪の場合空中分解してしまう。この音速近くでの造波抗力の急増を指してこう呼んだ。この抗力増加を防ぐには、後退翼の採用や翼厚比の減少などを要し、音の壁を越えるには抗力に打ち勝つ強力なエンジンが必要となる。1941年春にアメリカYP-38試作戦闘機を高度10000mから急降下させた際、激しい振動と共に機首が下がっていき、姿勢を戻そうにも操縦桿が動かせず、エレベーターのトリムタブを手動ハンドルで作動させて何とか離脱したのが始まりで、再現実験を行ったパイロットはそのまま地面に激突してしまった。参考：月刊航空情報9,’17、世界の傑作機No.104、月刊JWings6,’05、世界の傑作機No.113、航空用語事典増補改訂版

＜オトポール事件＞：1938年、ナチスの弾圧を逃れてヨーロッパを脱出し、シベリア鉄道経由でオトポール駅に到達、満州国へのビザを要求するユダヤ人に対し、樋口季一郎ハルビン特務機関長がドイツとの防共協定を無視してビザを発効したもの。これにより脱出に成功したユダヤ人は２万人に及ぶともいわれる。参考：歴史群像10,’10

＜オトマート・シリーズ＞：イタリアのOTOメララ社とフランスのマトラ社が開発した艦対艦ミサイルの輸出名称（Otomat）で、名前の由来は両社の社名（OTO＋マト）である。イタリア海軍のシステム名称はテセオ（Teseo）。1969年から開発され、1971年から試射に入り、1976年（1975年？）に就役し、イタリア海軍で1977年から運用され、10ヵ国以上に配備された。後にMBDA社が生産するようになった。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’08、月刊世界の艦船8,’82増刊、9,’22

　＜オトマートＭｋ１＞：イタリア名称はテセオMk1。主翼４枚を持ち、主翼付け根にエアインテイクがある。弾体両側面の固体燃料ロケットブースターで射出され、ターボジェットエンジンを作動させてシースキミングに入る。ミサイル自体は100km以上飛翔できるが、水平線以遠の攻撃能力が無、有効射程は60km前後である。最小射程は6km。弾頭は半徹甲型（総重量210kg、炸薬重量65kg）で、残存燃料は焼夷剤代わりにする。全長4.82m、直径0.46m、翼スパン1.19m、重量770kg。推進はチュルボメカ製TR280ターボジェット＋ホチキス・ブランド／SNPE固体燃料ロケットブースター（燃焼時間４秒）、速度マッハ0.9、巡航高度20m。誘導は中間が慣性誘導、終末がトムソンCSF社製ＸバンドレーダーによるARH。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’07、ザ・マーチ17号、42号、月刊世界の艦船11,’17

　＜オトマートＭｋ２＞：イタリア名称はテセオMk2。改良型で、1980年代初めから開発された。発射後にデータリンク経由で目標情報を受信できるようになり、有効射程も延伸した。全長4.462m、前部直径0.40m、後部直径0.46m、翼スパン1.36m、重量770kg（ブースター込み）、弾頭重量210kg。誘導は中間が慣性誘導＋無線コマンドリンク（ヘリコプターなどから目標情報を受け取る）、終末がＸバンド・アクティブレーダー。推進はターボジェット＋固体燃料ロケットブースター（弾体側面）、有効射程180km（150km？）。信管は近接及び着発、弾頭は半徹甲。1984年就役。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究3,’08、1,’07、6,’93別冊、月刊丸12,’92

　＜オトマートＭｋ２ブロック�U＞：別名オトマート・コンパクト。主翼を折り畳み可能とし、Mk1用発射筒１基のスペースに上下２基搭載できるようにした。1980年代に配備された。参考：月刊世界の艦船9,’22

　＜オトマートＭｋ２ブロック�W＞：イタリア名称はテセオMk2ブロック�W。中間誘導にGPSを追加して対地攻撃能力を付与したものである。発射前にウェイポイント三次元指定、終末誘導時飛行様態設定、同一目標多方向同時攻撃指示などが可能。全長4.46m、直径0.4m、発射重量770kg、弾頭重量210kg（HE）。推進はターボジェット＋固体燃料ロケットブースター、最大射程180km以上。2006年に試射に成功し、2007年からイタリア海軍に配備された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17

　＜オトマートＭｋ２／Ａ＞：イタリア名称テセオMk2/A。ミッションコンソールを一新し、完全デジタル化電子機器を採用、データリンクによる発射後の目標再設定を可能とした。参考：月刊世界の艦船9,’22

　＜オトマートＭｋ２／Ｅ＞：イタリア名称テセオMk2/E。2018年から開発中の改良型で、シーカー性能を強化し、射程を350km以上に延伸、対地攻撃にも使えるようにする。参考：月刊世界の艦船6,’20、9,’22

　＜オトマートＭｋ３＞：イタリア名称はテセオMk3。テセオMk2の改良型として計画されたもので、弾体をステルス形状にし、終末段階での高機動能力や、マン・イン・ザ・ループ機能獲得のためのデジタルデータリンク機能を追加する。誘導は中間がINS/GPS、終末が目標自動探知追尾可能な赤外線画像で、弾頭は高貫徹型、攻撃効果評価機能を持つ。推進はブースター付きターボジェット、飛翔速度は亜音速、最小射程7km以下、最大射程250km以上。1990年代初めから開発されたが、没になった。参考：月刊軍事研究7,’99、月刊世界の艦船6,’20

＜オトマート・コンパクト＞：オトマートMk2ブロック�U（対艦ミサイル）を参照。

＜オトマティック＞：オットー・メララ社の自走対空砲。自走対空機関砲ではヘリの対戦車ミサイルでアウトレンジされてしまうため、大口径砲を積んだものである。車体はレオパルト１クラスの装軌車両（試作初号車はパルマリア自走砲の車体を使用していた）を使用する。砲塔は装甲鋼板の全溶接式で、内部に全システムを収容するため背が高い。砲塔後部中央に捜索レーダー用棒状アンテナ、上面左に追尾レーダー用パラボラアンテナがあり、有効探知・追尾距離は14-15kmである。また、LLLTV、光学照準器、レーザー測距器も搭載する。主砲はオットー・メララ社製62口径76mm速射砲スーパーラピッドで、砲二軸安定化装置、垂直鎖栓式閉鎖機、自動装填装置を備え、毎分120発の発射速度を誇る。俯仰角はマイナス５度からプラス60度で、いかなる角度でも自動装填が可能。有効射程6000m以上（高速目標）、最大射程16000m。弾種は破片弾、多目的弾、APFSDS（装甲貫徹力は射距離2000mで60度傾斜装甲板に対し150mm）。装弾数90発（車体26発、砲塔35発、自動装填装置内29発。うち９発がAPFSDS）。副武装は7.62mm機銃１丁。全長9.81m、全幅3.25m、全高3.07m、重量47トン。エンジンは10気筒液冷ディーゼル（830馬力）、最大速度60km、航続距離500km。乗員４名。参考：世界の軍用車両(2)

＜オトラ＞：M351（掃海艇）を参照。

＜オトラント海峡封鎖解除作戦＞：第１次大戦時に連合軍がオトラント海峡を封鎖したため、オーストリア＝ハンガリー海軍が解除すべく実施した作戦。1917年3月11日、4月21日、4月25日、5月5日に小規模な攻撃を行ったが、戦果は無かった。そこで巡洋艦３隻と駆逐艦２隻で封鎖船を攻撃し、潜水艦３隻で連合軍の援軍を監視阻止するという作戦を立て、5月14-15日に実行。アルバニアのヴァローナ港付近のイタリア貨物船航路を駆逐艦２隻が襲撃し、巡洋艦３隻は海峡を封鎖している武装流し網漁船（ドリフター）47隻のうち14隻を撃沈、３隻を大破させた。ドイツ潜水艦UC25はイタリアのブリンディシ港沖に機雷を敷設、救援のため出撃してきたイギリス巡洋艦ダートマスを雷撃して大破させ、救助を行ったフランス駆逐艦ブトゥフーを触雷沈没させた。オーストリア＝ハンガリー潜水艦U4はヴァローナ、U25はブリンディシ−カッタロの哨戒にあたっている。1918年2月、連合軍がオトラント海峡の封鎖強化を決定し、防潜網とドリフターを追加した。この重封鎖網を突破すべく、オーストリア＝ハンガリーは大規模封鎖突破作戦を決定。主力は巡洋艦４隻で、前弩級戦艦３隻と弩級戦艦４隻を護衛に就け、更にブリンディシとヴァローナを潜水艦で襲撃することにした。準備のためポーラの弩級戦艦４隻をカッタロに回航する必要があり、6月8日にフィリブス・ウニーティス、プリンツ・オイゲン、水雷艇５隻、6月9日夜にテゲトフ、シュツェント・イストファン、駆逐艦１隻、水雷艇６隻がポーラを出港。しかし直後にイタリアのMAS艇によってシュツェント・イストファンが沈められてしまい、弩級戦艦３隻はポーラに戻り、作戦は中止された。参考：月刊世界の艦船9,’15

＜オトリチュヌイ＞：ソ連海軍ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦Otlichnny。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜音羽＞：日本海軍音羽型巡洋艦Otowa。明治37年9月就役。参考：月刊世界の艦船4,’15

＜音羽型＞：日本海軍三等巡洋艦Otowa型。常備排水量3000トン。速力21ノット。兵装は15.2cm単装砲２門、12cm単装砲６門。音羽が明治37年9月に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’15

＜音羽山丸＞：三井物産初のタンカー。北米西岸からの原油輸送に使用された。全長156.13m、幅19.81m、深さ10.97m、満載時吃水8.728m、総トン数9233トン、重量トン数12061トン。主機は三井製B&W複動２サイクルディーゼル、出力7802馬力、最大速力18.82ノット。昭和11年3月31日竣工。太平洋戦争では陸軍に徴用されて重油輸送を実施、解役後も引き続き南方からの輸送を行った。昭和19年11月14日、ヒ81船団の一員として伊万里湾を抜錨。12月12日1600、ヒ82船団に所属してシンガポールのブクム島を出港。12月22日、ベトナム沖でアメリカ潜水艦SS-249フラッシャーの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’11、輸送船入門

＜おとん／おかん／まり鯛＞：海上自衛隊がツイッターに登場させているキャラクターで、まり鯛はおとんとおかんの娘である。たまに出てきて（おとんは金曜日の課外授業に出現）、ざっくばらん過ぎるツイートを残していくため、警察から海幕にアカウントを乗っ取られていないか確認する問い合わせが来たらしい。参考：月刊軍事研究2,’14、朝雲

＜オニール＞：DE-188（護衛駆逐艦）を参照。

＜オニキス＞：KAWZ89（突撃銃）を参照。

＜オニクス＞：3K55シリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜鬼志別演習場＞：自衛隊最北の演習場。参考：朝雲

＜オニックス＞：S-21（オベロン級潜水艦）またはラクロス／オニックス（偵察衛星）を参照。

＜鬼の山城、地獄の金剛＞：規律の厳しい戦艦山城と金剛を纏めてこう称した。参考：海軍よもやま物語

＜おにゆり＞：LSSL-436（警備船）を参照。

＜オネイダ＞：APA-221（攻撃輸送艦）を参照。

＜オネガ＞：ソ連海軍グリシャ�X型フリゲートOnega。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜オネガ型＞：ロシア海軍音響観測艦Onega型。全長81m、満載排水量2185トン。1970年代中頃に艦番号SFP295などが就役した。参考：JShips VOL.46

＜オネスティ＞：K285（フラワー級コルベット）またはPG-90（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜オネスト・ジョン＞：MGR-1シリーズ（対地ロケット）を参照。

＜オネスト・ジョン�U型＞：MGR-1B（対地ロケット）を参照。

＜オノ＞：SS-357（潜水艦）を参照。

＜斧＞：日本陸軍の木工器材。参考：工兵入門

＜尾上丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜小野崎�X＞：おのざきひろし。日本陸軍エース。大正6年、栃木県生まれ。昭和11年2月、少年飛行兵として熊谷陸軍飛行学校に入学、昭和12年11月に卒業し、成績優秀で銀時計を授与された。明野飛行学校で戦闘機教育を受け、飛行第５連隊に配属された。昭和14年11月、飛行第59戦隊に転属した。昭和16年12月、南仏印に進出。12月8日、コタバル飛行場を銃撃。12月21日、クアラルンプール上空でF2Aバッファロー戦闘機１機を撃墜して初戦果を挙げた。その後はマレー半島に展開してシンガポール、パレンバン、ジャワで任務に就き、ハリケーン戦闘機８機、ブレニム爆撃機１機、ライアン練習機１機を撃墜した。昭和17年5月、航空士官学校に入学し、11月に卒業して少尉になり、飛行第59戦隊に戻った。昭和18年6月20日、ダーウィン攻撃でスピットファイア２機を撃墜。7月、ニューギニアのブーツ基地に進出。8月15日、ファブアでP-38を撃墜。8月19日、アメーバ赤痢でラバウルに後送され、本土に帰還。大刀洗飛行学校教官になり、終戦時は松本で第７練習飛行隊に所属していた。総撃墜数14機。最終階級は大尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜小野了＞：おのさとる。日本海軍エース。大正4年、大分県生まれ。昭和7年、海軍に入隊し、機関兵となり大村航空隊に勤務した後、昭和8年9月に操縦練習生となり、昭和9年4月に卒業して大村航空隊に艦爆操縦員として赴任した。その後龍驤、加賀、霞ヶ浦航空隊を転属し、昭和12年8月に加賀に搭乗、中南支爆撃を行った。昭和13年4月13日、広東攻撃で１機を撃墜。7月18日、南昌攻撃で敵飛行場に着陸して敵機を炎上させ、空戦で２機を撃墜した。11月、本土に帰還し、大村航空隊及び宇佐航空隊で教官を務め、一等航空兵曹に昇進。昭和17年2月、横須賀航空隊に転属、月光の実用実験を行った。4月、台南空に転属、ラバウルで航空偵察任務に就いた。11月、本土に帰還。昭和18年5月、ラバウルに進出し、6月5日に月光でB-24爆撃機２機を撃墜。6月10日、月光でB-17爆撃機２機（不確実１機）を撃墜。7月、バラレ基地に展開。昭和19年1月、厚木航空隊に転属となり、本土に帰還した。4月、第322航空隊戦闘804飛行隊に転属し、5月に少尉に昇進。10月、第141航空隊に転属となり、フィリピンのニコラス基地に進出、月光でレイテ夜間爆撃を行った。年末に本土に帰還して第352航空隊に転属となり、B-29爆撃機１機を撃墜、終戦を迎えた。公認総撃墜数８機。最終階級は中尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜小野駐屯地＞：松山駐屯地を参照。

＜小野寺工作＞：日本が太平洋戦争末期に行った終戦工作。ストックホルムの日本公使館付陸軍武官の小野寺少将が行ったもので、昭和20年3月17日にスウェーデン国王の甥であるベルナドッテ氏とスタンダード石油会社スウェーデン総代理店支配人のエリクソン氏から持ちかけられた（小野寺少将側が依頼したという説もある）。日本は早期に終戦をすべきであるという話を受け、ドイツにいる在欧軍事委員長と駐独海軍武官を呼び寄せて態勢を強化し、日本で実権を握っている軍上層部を動かしてスウェーデンを介しての和平工作を行うことにした。しかしスウェーデン外務省は米英感情を考慮して日本武官の強化を許可せず、ベルナドッテ氏とエリクソン氏が行った国王の弟に対する和平仲介の進言も外相に反対され、実現が遠のいてしまった。5月18日にはストックホルムの各紙がスウェーデンを介した和平工作を記事にしたため、軍中央から中止命令が出て失敗に終わった。参考：太平洋戦争情報戦

＜小野恵＞：おのめぐむ。日本陸軍エース。大正6年、香川県生まれ。昭和10年12月、陸軍少年飛行兵を卒業し、明野で訓練を受けた後、飛行第１連隊配属となった。昭和14年6月27日、ノモンハン事件のタムスク攻撃でI-15戦闘機２機を撃墜。昭和15年2月1日、事故により殉職した。総撃墜数15機。最終階級は准尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜オバート・オペレーション＞：敵潜水艦をアクティブ探知追尾すること。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜オバートン＞：APD-23（高速輸送艦）またはDD-239（平甲板型駆逐艦）を参照。

＜オハイオ＞：BB-12（メイン級戦艦）またはBB-68（モンタナ級戦艦）またはSSBN-726（戦略原潜）を参照。

＜オハイオ級戦略原潜＞：アメリカ海軍第４世代戦略弾道ミサイル原子力潜水艦Ohio級。タイフーン級が配備されるまでは世界最大の潜水艦だった（全長はまだ世界一）。艦中央前寄りに長大なSLBM区画があり、長さと幅の比は13.3と非常に細長く、余剰スペースを雑音対策に割り当てたため静粛性は高いが、船体が長すぎて水中運動性能は悪いらしい。耐圧船殻は単殻式で、HY-80鋼製、直径42フィート（12.8m）、浮力タンクが船体前後に設けられている。耐圧船殻前部は５層構造で、最前部上段に発令所、ソナー室、無線室、航法センターがあり、その下段にコンピュータルーム、士官室、ミサイル管制センターを持つ。魚雷発射管は４層目にある。発令所直上がセイルで、その後方の耐圧船殻中央部がミサイル区画となっており、直径87インチ（2.21m）の発射筒２列12段24基が林立する様子から「シャーウッドの森」とも呼ばれる。竣工時には８番艦まではトライデントC4、９番艦以降はトライデントD5を搭載し、８番艦までも後にトライデントD5に換装した。発射口のハッチは船体部及び耐圧部の二重構造である。耐圧船殻後部は原子炉区画と２層構造のタービン室。耐圧船殻上面には乗員用・魚雷搭載用ハッチ３カ所、物品搭載用ハッチ３カ所を持ち、上構後端にある物品搭載用ハッチはヨガ・ハッチと通称される。上構と船体との境界部に左右１本ずつのフリーフラッド・スリットを持つ。セイルは船体前寄りに小型のものを有しており、AN/BPS-15/-16航海レーダー、AN/WLR-8(V)5ESM、AN/WLR-10レーダー警戒装置、８型／８L型攻撃用電子光学潜望鏡（右舷側。測距レーダー組み込み）、15型／15L型捜索用電子光学潜望鏡（左舷側。ESM組み込み）、OE-207通信アンテナマスト、OE-315(V)曳航アンテナを装備する。船体内にはAN/BRR-6曳航ブイ・アンテナ２本を搭載している。潜舵はセイル・プレーン。乗員はブルーとゴールドの２チームが用意されており、平均75-77日（最短30日、最長105日）パトロールした後35日（25日？）整備休養を行い、また別チームがパトロールに出かけていく。本国からの通信はVLF及びELFで一方的に行われ、自艦位置を曝さないため自ら通信はしない。戦闘システムはDWS-118とCCS Mk2 Mod5（Mod3？）で、Mk88/Mk98射撃管制システム（トライデント発射管制用）とリンクする。魚雷用にはMk118魚雷発射管制システムを使用する。ソナーシステムはAN/BQQ-6で、艦首のAN/BQS-13球形アレイ・ソナー、船体のAN/BQR-7側面ソナー、艦尾のAN/BQR-15/-23曳航ソナーアレイ（艦後部上面左舷側に鞘がある）などで構成される。また、AN/BQR-19氷探知用高周波短距離ソナー、AN/BQS-15高周波ソナー、AN/BQS-24MIDAS機雷探知用近距離アクティブソナーも搭載する。自衛用にCSA Mk1防御システムを備えており、セイル直下の上構両側面にデコイ射出口４基ずつが前後一列に並んでいる。入出港時など浮上航行時にSLBM区画の上構に白い棒を３本立てている事があり、視認性向上による事故防止のためとされるが、詳細不明。全長170.69m、全幅12.8m、吃水11.13m、水上排水量17033トン（16600トン？16764トン？）、水中排水量18750-19050トン。主機は原子力蒸気タービン方式、S8G自然循環式型原子炉１基・ギヤード蒸気タービン２基（推進用主蒸気タービンと、艦内電源用副蒸気タービン）、出力60000馬力、１軸推進、水上速力20ノット以上、水中速力24ノット以上（25ノット？）。安全潜航深度244m以上（実際には305m以上といわれる）。兵装はトライデントC4（SSBN-733まで）／D5潜水艦発射弾道ミサイル（SSBN-734以降）発射筒24基（艦中央２列）、533mm魚雷発射管Mk68が４門（艦首両舷下部２門ずつ。Mk48ADCAP魚雷。潜対艦ミサイルは搭載せず）。AN/WLY-1魚雷防御装置、デコイ発射管８基、Mk2魚雷デコイを装備する。乗員155名（士官15名＋下士官・兵140名。士官15名＋下士官・兵148名？）で、2011年から女性士官が乗っている。価格は13億ドル。20隻を建造予定だったが、冷戦終結で２隻減らされ、SSBN-726オハイオ、SSBN-727ミシガン、SSBN-728フロリダ、SSBN-729ジョージア、SSBN-730ヘンリー・Ｍ・ジャクソン、SSBN-731アラバマ、SSBN-732アラスカ、SSBN-733ネバダ、SSBN-734テネシー、SSBN-735ペンシルバニア、SSBN-736ウェスト・ヴァージニア、SSBN-737ケンタッキー、SSBN-738メリーランド、SSBN-739ネブラスカ、SSBN-740ロード・アイランド、SSBN-741メイン、SSBN-742ワイオミング、SSBN-743ルイジアナの18隻が1981-97年に就役した。START�U条約に基づき、４隻を減らし、搭載MIRV数を４発前後（全艦計1152発とみられる）とする必要があり、SSBN726-729が巡航ミサイル原潜SSGNに改修された。SSBN730-733は同時期にトライデントD5搭載改修工事を受けている。母港は太平洋側のバンゴール基地と大西洋のキングス・ベイ基地で、それぞれ７隻ずつ配備されており、うち２隻が核燃料交換を受けているため現役は12隻で、５隻が常時パトロールを行っているとされる。2011年2月発効のSTART（新）によりSLBM搭載数を１隻あたり20基に減らし、MIRVを全艦計1090発程度とした。空いた発射筒４基はUAV/UUV格納筒に改修する予定。2012年のパトロール回数は計28回（太平洋18回、大西洋10回）だった。2016年、15型潜望鏡をAN/BVS-1(V)電子光学マストに換装した。2020年2月4日、アメリカ国防省が、SLBMに低威力の小型核を搭載して実戦配備したと発表した。当初は30年間使用する予定だったが、就役後20年で核燃料交換工事ERO（Engineered Refueling Overhaul）に入り、２年間の工期を終えたらまた20年間運用することになり、42年間に亘って就役し続けることになった。2029年頃から退役し、SSBN(X)／ディストリクト・オブ・コロンビア級戦略原潜に後を譲る予定。参考：アメリカ潜水艦史、月刊世界の艦船6,’13、４,’04増刊、5,’14、4,’16、1,’10、2,’10、12,’11、11,’14、11,’16、4,'20、12,'21、月刊軍事研究2,’16、7,’05、10,’03、3,’99、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜オハイオ級戦略原潜ファミリー＞

＜オハイオ級巡航ミサイル原潜＞：アメリカ海軍巡航ミサイル原子力潜水艦。START�U条約に基づいてSSBNを減らす必要があったため、オハイオ級SSBN1-4番艦（SSBN-726オハイオ、SSBN-727ミシガン、SSBN-728フロリダ、SSBN-729ジョージア）の４隻が改装を受けた。作戦任務は地上攻撃型トマホークによるピンポイント攻撃、特殊部隊の輸送・発進・回収母艦任務及び作戦行動中の支援任務、敵国の通信傍受・偵察である。改装内容はS8G原子炉の核燃料交換、７連装トマホークVLS（トライデント発射筒１基あたり発射機１基）及びLOLIC搭載、AN/BQQ-10ソナー・AN/BYG-1トマホーク発射管制システムへの換装、DDSまたはASDS２基搭載、通信システム改修（目標データ受信・更新用ハイデータレートアンテナ２基追加、共通潜水艦無線室設置など）などで、航海センターは戦闘管制センターに作り替えた。トライデント発射筒24基のうち、最前部の２基はSEAL用LOLICに、最後部から14基はトマホークVLSに、残りの８基はどちらにも使える多用途・万能型収納筒MACに改造されており、MACの内容はミッションによって出航前に決定される。トマホーク最大搭載数は154発で、６分以内に全弾発射可能。MACはUAV、デコイ、ゴムボート、水中スクーターを収容・射出でき、SEAL隊員の武器・食料格納庫としても使える。DDS・ASDSはセイル後方の上甲板に設置されるが、発射筒の前から10基までが塞がれるため、ここにトマホークが積めなくなる。コーモラントなどの無人機、無人水中艇の運用も計画されている。特殊部隊用として66名分の居住区が新設された。潜望鏡はアメリカ海軍として初めて非貫通型に換装した。全長170.7m、幅12.8m、吃水11.1m、水上排水量16764-17033トン、水中排水量18750-19000トン。主機は原子力蒸気タービン方式、S8G原子炉１基・ギヤード蒸気タービン２基、出力60000馬力、１軸推進、水中速力25ノット以上（24ノット？）。安全潜航深度244m。兵装はトマホーク７連装発射筒MAC が14-22基、533mm魚雷発射管４門（艦首両舷下部２門ずつ。Mk48長魚雷）。乗員155-159名＋特殊部隊66名。乗員はSSBN時代と同じブルーとゴールドの２チーム編成で、派遣先でチームだけ入れ替えれば潜水艦を本国に帰還させずに長期行動を行える。SSGN-726オハイオ、SSGN-727ミシガン、SSGN-728フロリダ、SSGN-729ジョージアが2006-08年に再就役した。2016年、15型潜望鏡をAN/BVS-1(V)電子光学マストに換装した。2026-28年に退役予定で、後継はヴァージニア級原潜ブロック�Xになる。参考：アメリカ潜水艦史、月刊軍事研究10,’03、7,’07、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’14、10,’13、2,’13、1,’10、2,’10、12,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オハイオ型戦略原潜後継計画＞：SSBN(X)を参照。

＜オハイオ級戦略原潜・戦闘＞：アメリカ本土の戦略司令部から緊急行動指令が伝達されると、艦内は非常警戒態勢をとる。暗号解読士官２名が指令を解読し、艦長と副長を交えて命令コード表と照合する。指令が確認されると、艦長が戦闘配置を下令。潜水艦を潜望鏡深度に浮上させ、GPSアンテナを出して自艦位置を測定し、発射深度に潜航、航法センターで自艦位置をメートル単位で把握する。発令所から発せられるミサイル発射準備、発射筒内圧上昇（外の水圧と合わせる）、ハッチ開放、発射回路接続などの命令（艦長が出し、副長が復唱する）に基づき、ミサイル管制センターでミサイル技術兵２名が管制コンソール２基を操作、ミサイル管制士官がその様子を逐次報告する。ミサイル発射準備完了が管制センターから報告されると、ミサイル管制士官２名が垂直発射管制御キー24個及び発射トリガー（別々の金庫に入っている）を取り出し、コンソールに装着する。艦長は金庫から発射管制パネル用キーを取り出し、発射回路を活性化する。艦長が発射命令を下すと、垂直発射筒監視制御コンソールの発射キー（発射筒ごとに用意されている）をオンにし、発射トリガーを引く。すると垂直発射筒底部のガス発生器が作動すると共に、発射筒上部のグラスファイバー製カバーが爆破され、ミサイルが開いたハッチから海上に飛び出し、ミサイルの第１段目が点火、目標に向かう。参考：月刊軍事研究7,’05

＜オバノン＞：DD-450（フレッチャー級駆逐艦）またはDD-987（スプルーアンス級駆逐艦）を参照。

＜小原飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和19年、埼玉県大里郡小原村に開設された。付近の林の中に馬蹄形掩体壕を25ヵ所設営している。参考：首都防空網と空都多摩

＜オバレンダー＞：DE-344（護衛駆逐艦）を参照。

＜オビ型＞：ロシア海軍320型病院船Obi型。手術室８室、ベッド100床を持つ。全長152.3m、満載排水量11756トン。主機はディーゼル、速力19ノット。1980-88年にイルティシュなど４隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’15、12,’13

＜オ・ヒギンス＞：02（巡洋艦）を参照。

＜オ・ヒギンス＞：チリ海軍オ・ヒギンス級潜水艦１番艦O’Higgins。2010年9月20日、チリ独立200周年国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船3,’07、12,’10

＜オ・ヒギンズ級＞：スコルペン級・海外シリーズ（潜水艦）を参照。

＜オビディエント＞：G48（駆逐艦）を参照。

＜オピトヌイ＞：ソ連海軍駆逐艦Opitniy。高速駆逐艦の試作版として建造されており、公試では41.6ノットを出したが、実際に使用してみると36ノット以上出せず、激しい振動で兵装が使用不能になるという欠点があった。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜帯広駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。十勝飛行場があり、滑走路は長さ1500m・幅45m、ランウェイ13/31。史料館には日本軍や自衛隊国際貢献活動の史料が展示されている。所在地は北海道帯広市南町南７線31番地。JR帯広駅からバスで15分（「自衛隊前」下車）。元は陸軍帯広第一飛行場で、1951年2月に警察予備隊の部隊が駐屯を開始した。5月、第２管区隊普通科第４連隊、特科第62連隊第１大隊などが駐屯を開始。1954年8月、第５管区総監部が札幌から移駐した。10月、北部方面航空隊第５航空隊が旭川駐屯地から移駐した。1957年12月、第５特車大隊が鹿追駐屯地に移駐した。1962年1月、北部方面管制気象隊第２派遣隊が新編され、第５管区隊が第５師団に、第５航空隊が第５飛行隊に改編された。1963年8月24日、第305装輪車野整備隊が新編された。1986年3月、第１対戦車ヘリコプター隊が新編された。2004年3月、第５師団が第５旅団に改編され、第５対舟艇対戦車中隊が鹿追駐屯地から移駐した。2010年1月5日、第５旅団司令部がスキー機動訓練を実施。2011年1月12日、第５飛行隊が年初飛行訓練を実施。OH-6Dヘリ３機とUH-1Jヘリ２機が参加した。2016年7月30日、帯広地本の募集広報ミニ・ノーザンスピリットに協力し、指揮通信車体験試乗やAH-1S対戦車ヘリ見学を行った。2020年4月5日、第15期一般陸曹候補生入隊式を実施。参考：JGround Vol.23、月刊JWings6,’10別冊付録、4,’11、11,’18、MAMOR vol.91、朝雲、丘珠駐屯地ホームページ、上富良野駐屯地ホームページ、第５旅団ホームページ

＜帯広駐屯地（２００７年度）＞：第５旅団第５飛行隊（UH-1J、OH-6D）、北部方面航空隊第１対戦車ヘリコプター隊（AH-1S、OH-1）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜帯広駐屯地（２０１５年）＞：第５旅団司令部／司令部付隊、第４普通科連隊、第５特科隊、第５高射特科中隊、第５飛行隊、第５後方支援隊、第５施設隊、第５通信隊、第５化学防護隊、第５音楽隊、北部方面航空隊第１対戦車ヘリコプター隊、北部方面混成団第52普通科連隊第３中隊、第302基地通信中隊、北部方面管制気象隊第２派遣隊、北部情報保全隊帯広情報保全派遣隊、第101輸送業務隊第３末端地業務班、第127地区警務隊、第374会計隊、帯広駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜帯広駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2016年6月9日、第５旅団第４普通科連隊の第３種非常勤務態勢による応急出動準備訓練を支援した。12月5日、厚生業務で優れた功績を挙げたとして陸幕長から２級賞状が授与された。2017年3月7日、帯広駐屯地と足寄分屯地の隊員及び家族にライフプランセミナーを実施。2018年1月17日、的確な演習場管理や部外との家族支援協定などの功績で、陸幕長から２級賞状が授与された。参考：朝雲

＜帯広飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜帯広防衛支局＞：防衛省の防衛支局。帯広市に置かれており、６市（帯広、釧路、根室、北見、網走、紋別）44町村31017平方キロメートルを管轄する。参考：MAMOR vol.109

＜オファ＞：G29（駆逐艦）を参照。

＜オファー＞：ウィザード（誘導爆弾キット）を参照。

＜オファット空軍基地＞：アメリカ空軍の航空基地。滑走路は長さ3567m、ランウェイ12/30。2019年3月、ミズーリ川が氾濫して滑走路が冠水、一時使用不能に陥った。2021年から18ヶ月の予定で滑走路付け替え工事を実施しており、所在部隊（第55航空団、第595指揮管制群E-4Bなど）はリンカーン空港に移動している。参考：月刊JWings5,’21

＜オブイェークト６＞：MT-LBシリーズ（装甲車）を参照。

＜オブイェークト１９＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。1965年にソ連のアルタイスキー・トラクター工場で製作された。BRDMの車体を延長し、前輪と後輪の間に上下可能な補助履帯システムを配置している。エンジンが後部にあるため乗降は車体上部ハッチに限られる。砲塔はBMP-1と同じものである。全長6.83m、全幅2.87m、全高2.1m、重量13.1トン。最大装甲厚13mm前後。エンジンはディーゼル（300馬力）、路上最大速度80km、水上最大速力10km（ウォータージェット）、航続距離500km。乗員２名＋乗車歩兵８名。路外で装軌システムを併用して不整地踏破性を向上させるコンセプトだったが、あまり向上せず、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト１００＞：T-100（重戦車）を参照。

＜オブイェークト１０５＞：SU-100P（自走砲）を参照。

＜オブイェークト１１１＞：T46-5（試作戦車）を参照。

＜オブイェークト１１６＞：SU-152P（自走砲）を参照。

＜オブイェークト１３７＞：T-44-100（戦車）を参照。

＜オブイェークト１３９＞：ソ連軍試作中戦車。センチュリオン戦車の20ポンド砲がD-10T戦車砲よりも強力なことが判明したため、もっと強力な100mm滑腔砲D-54TをT-54-3戦車に搭載したもので、1954年に開発された。ラトゥガ主砲用垂直方向安定化装置、ルナ赤外線照射装置、TPN-1砲手用暗視サイトを装備し、エンジンも強化している。車体長6.04m、全幅3.27m、全高2.4m、重量36トン。最大装甲厚は砲塔200mm、車体100mm。エンジンはV-54-6ディーゼル（580馬力）。乗員４名。新型技術を欲張りすぎて不調が多く、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER2,’99

＜オブイェークト１４０＞：ソ連軍試作中戦車。T-54の後継らしく、車体から何から全て一新した。下部転輪は軽量化のためアルミ製として片側６枚に増やしており、上部転輪は片側３枚。主砲の100mm滑腔砲D-54Tに対応して砲塔も大型化し、エンジンも強化した。ルナ赤外線照射灯、TPN-1照準器、操縦手用TVN-1暗視装置を搭載する。車体長6.2m、全幅3.27m、全高2.4m、重量37.6トン。最大装甲厚は砲塔240mm、車体100mm。エンジンはV-36（700馬力）、最大速度64km、航続距離400-500km。乗員４名。1957年に製作されたが、ソ連の技術水準が追いつかず、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト１４１＞：BTR-40シリーズ（装甲車）を参照。

＜オブイェークト１４８＞：T-14（戦車）を参照。

＜オブイェークト１４９＞：T-15（重歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト１５０＞：IT-1（ロケット戦車）を参照。

＜オブイェークト１５２＞：T-16（戦車回収車）を参照。

＜オブイェークト１６５＞：ソ連軍試作戦車で、ソ連ではT-62Aとも呼ばれた。T-55に新型100mm砲D-54TSを搭載したもので、砲塔直径を拡大し、車体も延長している。３両が1958年11月までに製作されて試験された。参考：月刊PANZER9,’04

＜オブイェークト１６６＞：ソ連軍試作戦車。オブイェークト165に115mm戦車砲U-5T（工場製造コード2A20）を搭載し、新型のメテオール砲安定化装置を装備している。1959年に開発が承認され、同年に試作車が完成、翌年からテストされた。政治的背景（オブイェークト430との競争）から開発が延びたが、M60A1戦車に対抗するにはどうしても115mmクラスの戦車砲が必要で、T-62として採用された。参考：月刊PANZER9,’04

＜オブイェークト１６６Ｍ＞：ソ連軍試作中戦車。1963年に開発された。T-62にオブイェークト167の足周りを搭載し、エンジンを換装している。車体長6.63m、全幅3.3m、全高2.393m、重量36.7トン。最大装甲厚は車体100mm、砲塔200mm。エンジンはV-36F（640馬力）、最大速度55km、航続距離400-500km。乗員４名。あまり性能が上がらず、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト１６７＞：ソ連軍試作中戦車。1961年に製作された。T-62がベースで、エンジンを強化し、転輪をアルミ製に換え、履帯をウェットピン式に変更、砲塔後部右寄りに9M14対戦車ミサイル３連装発射機を搭載している。車体長6.068m、全幅3.3m、全高2.395m、重量36.7トン。最大装甲厚は車体100mm、砲塔190mm。エンジン出力700馬力、最大速度64km、航続距離550km。乗員４名。採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト１６７ｓＧＴＤ＞：ソ連軍試作戦車。オブイェークト167に800馬力のガスタービンエンジンを搭載したもので、T-67として提案されたが、T-64に負けて採用されなかった。参考：月刊PANZER9,’04

＜オブイェークト１７２シリーズ＞：ソ連軍試作戦車。T-72の元になった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト１７２＞：T-64の機関室を延長してV-45エンジンを搭載した。主砲にはサーマルスリーブが無く、赤外線サーチライトが主砲の左にある。全長（砲身含む）9.53m、全幅3.37m、全高2.19m、重量41トン。エンジンはV-45ディーゼル（780馬力）、最大速度60km、航続距離450km。125mm滑腔砲D-81T（39発）、12.7mm機銃NSVT（300発）１丁、7.62mm機銃PKT（2000発）を装備する。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究5,’10

＜オブイェークト１７２Ｍ＞：エンジンをV-46に換え、ソリッド・ゴムタイヤ付き大型転輪に変更したもの。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト１８７＞：T-72BM（戦車）を参照。

＜オブイェークト１８８＞：T-90（戦車）を参照。

＜オブイェークト１９５＞：T-95（戦車）を参照。

＜オブイェークト２１１＞：T-50バリアント２（軽戦車）を参照。

＜オブイェークト２１２＞：KV-1戦車ファミリーを参照。

＜オブイェークト２１８＞：KV-2戦車ファミリーを参照。

＜オブイェークト２１９ＡＳ＞：T-80U（戦車）を参照。

＜オブイェークト２１９Ｒ＞：T-80B（戦車）を参照。

＜オブイェークト２１９ＳＰ２＞：T-80（戦車）を参照。

＜オブイェークト２１９Ｖ＞：ソ連軍試作戦車。T-80のエンジンをGTD-1000TFに換装し、新型FCSイルトゥーシを導入したもの。

＜オブイェークト２２０＞：KV-220（戦車）を参照。

＜オブイェークト２２２＞：KV-3（戦車）を参照。

＜オブイェークト２２３＞：ソ連軍計画戦車。KV-3の別設計版だが、新機軸を取り入れすぎて試作車すら作られなかった。参考：月刊PANZER5,’05

＜オブイェークト２２４＞：KV-4（戦車）を参照。

＜オブイェークト２２５＞：KV-5（戦車）を参照。

＜オブイェークト２２６＞：KV-6（戦車）を参照。

＜オブイェークト２２７＞：KV-7（戦車）を参照。

＜オブイェークト２２８＞：KV-8（戦車）を参照。

＜オブイェークト２２９＞：KV-9（戦車）を参照。

＜オブイェークト２３０＞：KV-1K（戦車）を参照。

＜オブイェークト２３２＞：KV-12（試作戦車）を参照。

＜オブイェークト２３３＞：KV-13（戦車）を参照。

＜オブイェークト２３３ＩＳ＞：ソ連軍試作戦車。KV-13がベースで、車体前半を鋳造製、残りを圧延鋼板の溶接製とし、76.2mm戦車砲ZIS-5-ISを搭載した。参考：月刊グランドパワー9,’00

＜オブイェークト２３４＞：KV-13（戦車）を参照。

＜オブイェークト２３４ＩＳ＞：ソ連軍試作戦車。オブイェークト233ISの主砲を122mm榴弾砲U-11に換装したもので、IS-1重戦車の元になった。参考：月刊グランドパワー9,’00

＜オブイェークト２３６＞：SU-152（自走砲）を参照。

＜オブイェークト２３７＞：IS-1（戦車）を参照。

＜オブイェークト２３９＞：KV-85（戦車）を参照。

＜オブイェークト２４０＞：IS-2（戦車）を参照。

＜オブイェークト２５３＞：IS-6（戦車）を参照。

＜オブイェークト２６０＞：IS-7（戦車）を参照。

＜オブイェークト２６１＞：ソ連軍計画大型自走砲。なぜかオブイェークト715という名称も同時に与えられた。IS-7の車体をベースにオープントップ式の戦闘室を後部に設け、長砲身152mmカノン砲M-31を搭載している。戦闘室の前３分の１はかなり分厚い装甲を持っていた。車体長7.38m、全幅3.4m、重量68トン。最大装甲厚215mm。エンジンはM-50Tディーゼル（1050馬力）、最大速度55km、航続距離300km。無線機は10-RT-26。模型が完成しただけで、試作車完成前に開発が中止された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト２６７ｓｐ１＞：T-10A（重戦車）を参照。

＜オブイェークト２６７ｓｐ２＞：T-10B（重戦車）を参照。

＜オブイェークト２６８＞：ソ連軍試作突撃砲型自走砲。ISU-152の後継として1956年から開発された。T-10重戦車の車体に箱形戦闘室を設け、152mmカノン砲M-64（35発）を搭載している。戦闘室前面装甲厚は187mmあり、防楯はザウコップ型で、ヤークトティーガーによく似ている。重量40kgの砲弾を初速毎秒740mで発射でき、発射速度は毎分4-5発。戦闘室上面左の車長用キューポラにTKD-09基線長式測距器を装備する。副武装は砲手用ハッチの14.5mm重機関銃KPVT（500発）で、車内にAK-47を２丁（1500発）搭載する。車体長6.95m、全幅3.388m、全高2.423m、重量50トン。エンジンはV-12-6ディーゼル（750馬力）、最大速度48km、航続距離350km。無線機は10-RT-26。乗員４名。T-10重戦車と役目がほぼ同じだったので、必要性に欠け、量産されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER6,’01

＜オブイェークト２７１＞：SU-310（自走砲）を参照。

＜オブイェークト２７２＞：T-10M（重戦車）を参照。

＜オブイェークト２７７＞：ソ連軍試作重戦車。1957年に開発した。T-10重戦車の主砲を130mm戦車砲M-65に換装したもので、砲塔底部に半自動装填装置を持つ。車体長6.99m、全幅3.38m、全高2.292m、重量55トン。最大装甲厚は砲塔290mm、車体153mm。エンジンはM-850ディーゼル（1000馬力）、最大速度55km、航続距離300km。乗員４名。排莢ができないのと、装填もまともにできないのとで、開発が中止された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00

＜オブイェークト２７８＞：ソ連軍試作重戦車。オブイェークト277の装填装置とエンジンを変更したものである。エンジンはGTD-1ガスタービン（1000馬力）、最大速度57km。こちらも自動装填装置が上手く動かず、開発中止となった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00

＜オブイェークト２７９＞：ソ連軍試作重戦車。レニングラード・キーロフスキー工場のL.S.トロヤーノフ技師が1957年から開発した。核爆発時の爆風に耐えられるように車体はソロバン玉のような形をしており、下部に４組の履帯を持つ。サスペンションは油気圧式で、核爆発の際には車高を下げて爆風による転覆を防ぐ。砲塔の形は普通のソ連戦車型で、オブイェークト277の流用である。車体長6.77m、全幅3.4m、全高2.639m、重量60トン。主砲は130mm戦車砲M-65（40発）、副武装は14.5mm重機関銃KPVT（800発）。最大装甲厚は砲塔305mm、車体269mm。エンジンは2DG8-Mディーゼル（1000馬力）、最大速度55km、航続距離300km。乗員４名。重い車体をスムーズに動かすため、操向システムに流体トルクコンバータを採用したが、不具合が相次いだ上に高価で、開発が中止された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00

＜オブイェークト２８２＞：ソ連軍試作ミサイル戦車。1961年に開発された。T-10M重戦車の車体に、ミサイル発射用低圧砲を備えた砲塔を搭載している。車体長7.25m、全幅3.38m、全高2.1m、重量51.47トン。最大装甲厚は砲塔90mm、車体120mm。エンジンはV-12-6ディーゼル（750馬力）、最大速度53km、航続距離300km。実験のみに使用されたようだ。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト２８７＞：ソ連軍試作戦車。T-64初期型の車体を流用し、戦闘室に23mm連装機関砲用回転式砲架とファランガ対戦車ミサイル（ファランダ？）昇降式ランチャーを搭載している。車体長6.28m、全幅3.6m、全高1.7m、重量35.05トン。最大装甲厚330mm。エンジンは5TDFディーゼル（700馬力）、最大速度66km、航続距離500km。乗員２名。採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト２８８＞：ソ連軍試作ミサイル戦車。オブイェークト287の改良型で、搭載ミサイルをタイフーンに変更し、副武装として旋回式台座に搭載された73mm連装低圧砲モルニヤと、7.62mm機銃KPTを２丁装備した。モルニヤには８発入りリボルバーマガジンが装着されており、８連射できる。ミサイル誘導がしやすいように固定式展望操作室を設けたタイプも製作されたが、どちらも生産はされなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト３０５＞：2S4（自走砲）を参照。

＜オブイェークト３０７＞：2S5（自走砲）を参照。

＜オブイェークト３７０＞：プロジェクト4202（極超音速兵器）を参照。

＜オブイェークト４１６＞：SU-100支援突撃砲を参照。

＜オブイェークト４３０＞：ソ連軍試作戦車。T-55の後継として本格的に開発された。D-54TSライフル砲にメーテル砲安定化装置を組み合わせ、走行間射撃能力を持たせている。砲塔前部上方にはコインシデンス型光学測距機（TPD43Bらしい）を装備し、動目標に対する有効射程を徹甲弾で1100m（T-62では900m）、成形炸薬弾で900m（同600m）に増大させた。ルナ赤外線照射灯、TPN-1照準器、操縦手用TVN-1暗視装置を装備する。車体は新設計で、コンビネーションＫと呼ばれるセラミックと装甲鋼板の複合装甲を採用し、徹甲弾に対し410mm、成形炸薬弾に対し450mmの防御力を持つ。ERAも開発されたが、実験中に爆発事故を起こして装備されなかった。エンジンを変速機構の上に載せてスペースを節約し、搭載主砲弾数を55発としている。下部転輪は小型の緩衝ゴム内蔵鋼鉄リム式ダブルタイプ片側６組で、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪片側３枚を持つ。サスペンションはトーションバー式で、第１・第２・第６転輪には油圧式ショックアブソーバーが付く。履帯はドライ式シングルピン・シングルブロック式だったが、走行時の抵抗を減らすためにウェット式ダブルピン組み立て式に換えられた。車体長6.048m、全幅3.12m、全高2.16m、重量35.48トン。最大装甲厚は車体120mm、砲塔240mm。エンジンは5TDディーゼル（580-600馬力。4TPD？）、最大速度55km、航続距離450-600km。1958年に完成し、T-64のベースとなった。参考：月刊軍事研究8,’01、月刊PANZER2,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト４３０Ｍ＞：オブイェークト432（試作戦車）を参照。

＜オブイェークト４３０Ｕ＞：ソ連軍計画戦車。オブイェークト430の改良型で、122mmまたは130mm砲を搭載し、車体前面装甲を強化している。T-10重戦車を凌駕することを目標としたが、フルシチョフ首相が重戦車不要論を持っていたため、試作もされなかった模様。参考：月刊PANZER2,’02

＜オブイェークト４３２計画ミサイル戦車＞：ソ連軍計画ミサイル戦車。オブイェークト432試作戦車の主砲を152mmガン・ランチャーに換装したものである。オブイェークト432試作戦車自体の開発に手間取った上、砲システムの完成にも時間がかかり、試作前に計画が放棄された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト４３２試作戦車＞：ソ連軍試作戦車、別名オブイェークト430M。オブイェークト430に、当時の西側戦車の標準である105mm戦車砲を上回る攻撃力を持つ115mm戦車砲U-5Tを搭載しようとしたものである。しかし砲塔が小さすぎて搭載できなかったため、自動装填装置を採用して装填手スペースを削った。主砲は115mm滑腔砲D68（2A21）で、弾丸と薬莢は別々に回転式弾倉に納められ、収容弾数は30発。また、車内に予備弾15発を搭載できる。射撃後の打殻薬莢は装填機のトレイ上に排出される。発射速度は毎分10発。下部転輪表面のデザインがオブイェークト430と少し違う。フェンダー側面にエラ型装甲３枚を装備可能。エンジンは5TDF（700馬力）、最大速度65km。1963年に完成し、試験が始まったが、シングルピンの履帯が高速走行に向かない、自動装填装置や機関系に故障が多発するなどのトラブルに見舞われた。解決のため設計変更型のオブイェークト434が作られたが、結局1963年に本車がT-64として採用された。参考：月刊軍事研究8,’01

＜オブイェークト４３４＞：ソ連軍試作戦車。オブイェークト432試作戦車の改良型で、1964年にプロトタイプが完成したが、その前にオブイェークト432試作戦車の方が採用されてしまった。参考：月刊軍事研究8,’01

＜オブイェークト４３７＞：T-64A（戦車）を参照。

＜オブイェークト４３７＞：ソ連軍試作戦車。1966年頃に開発された。T-64Aの主砲を球形閉鎖機付き125mm滑腔砲D-85に変更したものである。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト４４５＞：ソ連軍試作戦車。T-72への繋ぎとして1966年頃に開発された。T-64Aのエンジンを換装し、多層通常装甲を使用したものである。車体長6.59m、全幅3.415m、全高2.194m、重量37.5トン。エンジンはV-45ディーゼル（780馬力）、最大速度60km、航続距離500km。主砲は125mm滑腔砲D-81（37発）、副武装は同軸7.62mm機銃PKT（2000発）と対空用DShK-M重機関銃（300発）。装甲厚は車体80mm+120mm+20mm、砲塔450-460mm。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト４４７＞：T-64B（戦車）を参照。

＜オブイェークト４７６＞：ソ連軍試作戦車。1975年にT-64Aをベースに製作され、6TDディーゼルエンジンの実動試験や複合装甲の搭載試験に用いられた。全長6.54m、全幅3.581m、全高2.21m、重量40.5トン。エンジンは6TDディーゼル（1000馬力）、最大速度65-70km、航続距離600km。主砲は125mm滑腔砲D-81（42発）、副武装は12.7mm重機関銃NSVT（300発）と7.62mm機銃PKT１丁（1500発）。TDA発煙装置と902B発煙弾発射機８基を装備する。無線機はR-123M。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト４７８Ｄ＞：T-80UD（戦車）を参照。

＜オブイェークト５００＞：ZSU-57-2（自走高射機関砲）を参照。

＜オブイェークト５７０＞：ASU-76（自走砲）を参照。

＜オブイェークト５７２＞：ASU-57（自走砲）を参照。

＜オブイェークト５７３＞：ASU-85（自走砲）を参照。

＜オブイェークト６００＞：SU-122-54（自走砲）を参照。

＜オブイェークト６４０＞：チョールヌイ・オリョール（試作戦車）を参照。

＜オブイェークト６７５＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。1974年から開発された。BMP-1類似の車体（オブイェークト680とほぼ同じ）に30mm機関砲2A42と9M111対戦車ミサイルを搭載した大型砲塔（オブイェークト769とほぼ同じ）を装備する。全長6.735m、全幅2.85m、全高2.24m、重量13.6トン、最大装甲厚18mm。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、路上航続距離550-600km。乗員３名＋乗車歩兵７名。1970年代一杯試験が繰り返され、BMP-2に繋がった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト６８０＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。BMP-1の武装変更型で、1972年から開発された。マルダー１に似た背の低い砲塔に30mm機関砲2A38（500発）と同軸PKT機銃を装備する。車長席は砲塔右に移し、元の車長席があった車体左前部上面にはPKT機銃を１丁搭載した（機銃弾数は計4000発）。全長6.735m、全幅2.94m、全高2.45m、重量13トン。最大装甲厚26mm。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550km。無線機はR-123M。乗員３名＋乗車歩兵７名。事実上、BMP-2のプロトタイプとなった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト６８１＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。BMP-1の武装強化型で、1977年にクルガンスキー自動車工場で製作された。オブイェークト675の73mm砲搭載型ともいえるが、オブイェークト768と殆ど変わらない。主砲を73mm低圧砲ザルニッツァ（42発）に、対戦車ミサイルを9M111単装発射機（４発）に変更し、同軸に12.7mm重機関銃（500発）と7.62mm機銃PKT（2400発）を装備、砲安定化装置も搭載した。全長6.735m、全幅3.14m、全高2.4m、重量13.6トン、最大装甲厚26mm。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離600km。無線機はR-123M。乗員３名＋乗車歩兵７名。BMP-2に負けて採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER7,’00、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト６８５＞：ソ連軍試作水陸両用戦車。ASU-85とPT-76の後継として1975年に開発された。BMPシリーズと類似のアルミ合金装甲車体（要所はチタン装甲追加）に複合装甲（装甲鋼板、アルミ合金装甲、チタン装甲）を持つ砲塔を載せ、100mmライフル戦車砲2A48（40発）、自動装填装置、砲二軸安定化装置を装備する。副武装として7.62mm機銃PKTを１丁（2000発）、対空用にストレラ３を４発装備している。全長7.2m、全幅3.15m、全高2.25m、重量16.5トン。エンジンはディーゼル（400馬力）、路上最大速度70km、水上最大速力10km、航続距離600km。TDA発煙装置、902B発煙弾発射機８基を装備する。無線機はR-123M。乗員３名。コスト上昇で採用されず、車体は後にBMP-3のベースとなった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER7,’11

＜オブイェークト６８８＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。試作水陸両用戦車オブイェークト685をベースにクルガンスキー自動車工場が開発した。車体中央部の砲塔に30mm機関砲2A42（300発）、30mm自動てき弾発射機AGS-17（500発）、同軸7.62mm機銃PKT、9M111コンクールス対戦車ミサイル連装発射機（８発）を搭載する。車体左右前部には限定可動マウントに7.62mm機銃PKT（30mmてき弾発射機？）を１丁ずつ装備（弾薬は砲塔の機銃と合わせて計6000発）している。M-2ブラッドレイの25mm機関砲に抗堪できる前面装甲を持つ。全長6.725m、全幅3.15m、全高2.3m、重量17トン。エンジンはUTD-29ディーゼル（500馬力）、路上最大速度70km、水上最大速力10km、航続距離600km。乗員４名＋乗車歩兵７名。アフガニスタン侵攻の戦訓から高性能FCSと強力な火器が必要とされ、2K23コンプレックスを搭載したBMP-3に負けて採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER7,’11、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト６９３＞：B-10（装甲兵員輸送車）を参照。

＜オブイェークト６９５＞：B-11（歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト７０１−２＞：ソ連軍試作重戦車。IS-2の後継としてL.S.トロヤーノフ技師が設計した。IS-2の車体を延長し、下部転輪を片側７組に増やしている。重量55.9トン。主砲は100mm戦車砲S-34。車体前面装甲は圧延鋼板製で厚さ160mm。エンジンはV-12（750馬力）。改良型のオブイェークト701-5に進んだ。参考：月刊グランドパワー10,’00

＜オブイェークト７０１−５＞：ソ連軍試作重戦車。オブイェークト701-2の主砲を122mm戦車砲D-25Tに換装したもので、同軸機銃も12.7mm重機関銃DShKとし、砲塔周囲の装甲を強化、車重は58.5トンに達した。最大速度43km。細部改良型のオブイェークト701-6に設計が進み、それがIS-4として採用された。参考：月刊グランドパワー10,’00

＜オブイェークト７０１−６＞：IS-4（戦車）を参照。

＜オブイェークト７０４＞：ISU-152自走砲（1945年型）を参照。

＜オブイェークト７１５＞：オブイェークト261（自走砲）を参照。

＜オブイェークト７３０＞：T-10シリーズ（重戦車）を参照。

＜オブイェークト７３４＞：T-10M（重戦車）を参照。

＜オブイェークト７４０＞：PT-76（水陸両用戦車）を参照。

＜オブイェークト７４０Ｂ＞：PT-76B（水陸両用戦車）を参照。

＜オブイェークト７４０Ｍ＞：PT-76M（水陸両用戦車）を参照。

＜オブイェークト７５０＞：BTR-50シリーズ（装甲車）を参照。

＜オブイェークト７６４＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。1964年に試作され、BMP-1の前身となった。諸元はほぼBMP-1と同じ。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト７６５＞：BMP-1シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト７６５Ｓｐ１＞：BMP-1シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト７６５Ｓｐ２＞：BMP-1シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト７６５Ｓｐ３＞：BMP-1シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト７６５Ｓｐ４＞：BMP-1シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト７６５Ｓｐ８＞：BMP-1シリーズ（歩兵戦闘車）を参照。

＜オブイェークト７６８＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。1972年から開発された。BMP-1の武装改良型で、主砲を長砲身73mm低圧砲ザルニッツァ（40発）に、同軸機銃を12.7mm機銃（500発）に、対戦車ミサイルを9M111（４発。9M113？）単装発射機に換装した。砲塔が大型化したため、車体も下部転輪１つ分延長している。車長席は砲塔に移し、代わりに7.62mm機銃PKT装備小型銃塔を搭載した。全長7.295m、全幅3.14m、全高2.4m、重量13.6トン。エンジンはUTD-20ディーゼル（300馬力）、路上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550km。無線機はR-123M。乗員３名＋乗車歩兵７名。試験結果が芳しくなく、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト７６９＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。1972年に開発された。オブイェークト768の主兵装を30mm機関砲に換装し、エンジン出力を強化している。全長7.295m、全幅3.15m、全高2.45m、重量13.8トン。エンジンはディーゼル（320馬力）、陸上最大速度65km、水上最大速力7km、航続距離550-600km。砲塔の武装は30mm機関砲2A42（500発）、同軸PKT機銃（装弾数は車体のと合わせて2000発）、9M111対戦車ミサイル単装発射機（４発）１基。無線機はR-123M。乗員３名＋乗車歩兵７名。BMP-2とほぼ同様の仕様だが、なぜか採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト７７０＞：ソ連軍試作重戦車。西側戦車の主砲に対抗できる装甲を持つ重戦車として1957年に開発された。装甲厚は車体前面で120mm、砲塔前面で290mmに達し、主砲は半自動式装填装置付き130mm戦車砲M-65で、ルナ２赤外線照射灯とTPN-1暗視照準装置を搭載している。流体トルクコンバータによる変速機構と動力駆動ポンプによる水圧利用式操縦バックアップシステムを持ち、オートバイ型ハンドルを使用しており、操縦は容易。サスペンションは油気圧式で、車高を変更できる。車体長7.28m、全幅3.4m、全高2.42m、重量55トン。エンジンはDTM-10ディーゼル（1000馬力）、最大速度55km、航続距離300km。性能相応に高価なのと、中戦車の性能が重戦車に追いついてきたのとで、採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊グランドパワー10,’00

＜オブイェークト７７２＞：ソ連軍試作ミサイル戦車。1962年に開発した。T-64ベースで、全周旋回砲塔にミサイルランチャーを搭載し、同軸に73mm低圧砲2A28グロムを装備する。使用ミサイルはロトスまたは301-P。複合装甲を採用していた。乗員３名。T-64自体の開発が滞り、本車は量産されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト７７５＞：ソ連軍試作ミサイル戦車。1962年に開発した。極端に平べったい車体にこれまた平べったい砲塔を載せ、125mm低圧砲を搭載している。車高は1.1mしかなく、乗員は車長兼操縦手と砲手の２名で、どちらも砲塔（というか車体中央戦闘室内）に位置する。車長兼操縦手席は安定化されており、砲塔がどこを向いても一定方向を向くようになっている。使用弾はルービン対戦車ミサイル（14発）とブル・ロケット榴弾（17発）で、７発入り自動装填装置を砲塔底部に装備する。車体前部に弾薬庫があり、砲塔を正面に向けると自動装填装置に自動給弾できる。車体を平低にするため、サスペンションは油気圧式にした。車体長6m、重量30トン。最大装甲厚は車体120mm、砲塔90mm。エンジンは5TDFディーゼル（700馬力）、最大速度65km、航続距離500km。採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト７８０＞：ソ連軍試作ミサイル戦車。1963年頃に開発された。オブイェークト775の乗員を３名とし、砲塔に操縦手席を設けて砲塔リング径を広げ、自動装填装置を変更、砂塵巻き上げ防止に短いスカートを追加している。車体長6.117m、全高1.9m、重量36トン。主砲は125mm低圧砲で、ミサイル15発とロケット榴弾22発を搭載する。装甲厚は車体120mm、砲塔90mm。エンジンは5TDFディーゼル（700馬力）、最大速度66km、航続距離500km。乗員３名。採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト８０４＞：2P4（自走ミサイルランチャー）を参照。

＜オブイェークト８２１＞：RT-20（自走ICBMランチャー）を参照。

＜オブイェークト９０６＞：ソ連軍試作水陸両用軽戦車で、主砲口径からPT-85とも呼ばれる。PT-76の後継で、車体をアルミ装甲とし、主砲を自動装填装置付85mm戦車砲D-58に換装、エンジンを強化した。車体長7.6m、全幅2.9m、全高2.22m、重量15トン。エンジンはD-6300Mディーゼル（300馬力）、最大速度75km、水上最大速力10-12km、航続距離500km。乗員３名。1963年に試作車が完成したが、採用されなかった。更に主砲を90mm滑腔砲D-62に換装したPT-90や、エンジンをUTD-20に換装したオブイェークト906Bも開発が予定されたが、計画だけで終わっている。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト９１１＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。PT-76の車体を小型化して装輪装軌両用とし、BMP-1の砲塔を載せている。車輪と履帯のうち、使用しない方は引き上げて格納する。サスペンションは履帯が油気圧式スプリング、車輪がハイドロニューマチック。エンジンはUTD-20、最大速度100km（装輪）／57km（装軌）。1964年に試作されたが、構造が複雑で不採用となった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜オブイェークト９１１Ｂ＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。オブイェークト911の水陸両用型だが、こちらも採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト９１４＞：ソ連軍試作歩兵戦闘車。PT-76の後部を兵員室に換え、BMP-1の砲塔を載せたような形をしている。全長7.14m、重量14.4トン。エンジンはV-6F液冷ディーゼル（300馬力）。1964年に試作されたが、エンジンが後部にあって兵員室からの乗降が困難だったため、BMP-1に敗れて採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト９１５＞：BMD-1シリーズ（空挺戦車）を参照。

＜オブイェークト９１６＞：BMD-2（空挺戦車）を参照。

＜オブイェークト９３４＞：ソ連軍試作水陸両用軽戦車。1975年に試作した。PT-76やBMP-1とコンポーネントを共通化し、自動装填装置付100mm戦車砲2A48（40発）と高度なFCSを搭載した。全長9.43m（砲身含む）、全幅3.15m、全高2.25m、重量17.5トン。エンジンはターボチャージャー付き（400馬力）、陸上最大速度70km、水上最大速力10km、航続距離600km。副武装は7.62mm機銃PKT１丁（2000発）。無線機はR-123M。TDA発煙装置、902B発煙弾発射機８基を装備する。乗員３名。1975年に試作されたが、コスト上昇で採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜オブイェークト９５０＞：BMD-3（空挺戦車）を参照。

＜オブイェークト１２００＞：ソ連軍試作装輪式歩兵戦闘車。BTR-60よりも洗練された形状の８輪装甲車体にBMP-1と同じ砲塔を載せている。サスペンションは独立懸架の油気圧式で、地上高の変更が可能である。最大速度90km。ウォータージェットで水上航行可能。1964年に開発されたが、装輪式のため路外機動力に限界があり、BMP-1に負けて採用されなかった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊戦車マガジン11,’92

＜オフィスボーイ＞：KC-135A�U（信号情報収集機）を参照。

＜オフェック・シリーズ＞：イスラエルの偵察衛星で、Ofsekは地平線の意。重量156kgの軽量衛星で、八角柱型の胴体左右に太陽電池パネルを装備する。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜オフェック１号＞：1988年9月にシャビット・ロケットで打ち上げられた。地上分解能3m。参考：月刊軍事研究8,’03、軍事分析湾岸戦争

　＜オフェック４号＞：1996年に打ち上げられた。地上分解能1m。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜オフェック５号＞：2000年に打ち上げられた。地上分解能0.8m。参考：月刊軍事研究8,’03

　＜オフェック６号＞：2004年に打ち上げられたが、失敗した。参考：月刊軍事研究10,’06

＜オフェル＞：イスラエル空軍の映像赤外線終末誘導キットOpher。爆弾用で、背景クラッターと目標を識別する自動目標捕捉システムを搭載しており、命中率は高い。参考：月刊軍事研究11,’99、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オフェンシブ・スプリット＞：２機編隊で行われる戦闘機動の１つ。敵に近い機が戦闘態勢を整えつつわざと敵に見つかり、もう１機がこっそり後方に回り込む。参考：図解現代の航空戦

＜オブザーヴァント・コンパス作戦＞：USAFRICOMのロード抵抗軍監視作戦Observant Compass。アフリカ諸国によるロード抵抗軍制圧作戦を支援するため2011年11月に開始した。U-2偵察機とRC-135V/W電子偵察機によりロード抵抗軍の動きを監視し、ウガンダのカンバラ連合情報集約センターや中央アフリカの情報集約センターに情報を送り、アフリカ諸国軍がそれを利用して鎮圧にあたる。参考：月刊軍事研究1,’15

＜オブザーバー３．１＞：フランスのサブシー・テク社が開発したマイクロUUV、Observer3.1。900ルーメンのLED照明灯２基と、走査本数530本・感度0.002ルクスのカラーカメラを前後に１基ずつ搭載しており、長さ200mのケーブルにより有線操作される。ソナー、マニピュレータ、採取装置、測定装置などの装備も可能。全長490mm、全幅270mm、全高210mm、重量6.4kg。推進は水平用推進器２基・垂直用推進器１基、最大速力３ノット、最大潜航深度150m、最大行動時間４時間。参考：月刊軍事研究1,’11

＜オブザベーション・アイランド＞： T-AGM-23（弾道ミサイル追跡艦）を参照。

＜オブザベーション・ポスト・キャリアー＞：ブレン・キャリアー装甲車シリーズを参照。

＜オブジェクティブ・システム２００８＞：ドイツ連邦軍とEADSが共同で設立したEADS-DORNIERが開発中の将来型歩兵システム。頭部から頚部までを覆う重量600gの軽量ヘルメットにLUCIEナイトビジョンを装着する。ヘルメットにはHUDがついており、仮想キーボードを映し出して文字情報を送信することもできる。腕にもモニターが装着されており、ビデオ映像を流せる。コンピュータとバッテリーは背中に搭載され、GPS航法装置も用意されている。使用する小銃はG36のままで、可視光線ライト及びレーザーサイトを内蔵したLLMライト・モジュールとRSAダットサイトが付く。分隊・小隊指揮官はヴェクター統合監視装置を装備する。１個分隊は10名で構成され、兵装はMG4分隊火器１丁、バレット対物狙撃銃１丁、パンツァーファウスト１基、G36小銃７丁である。参考：月刊軍事研究6,’05

＜オブジェクティブ・ジンジャー＞：アナコンダ作戦の作戦目標地点の１つ。

＜オフショア・コントロール＞：Off-shore Control。2012年12月、アメリカ国防大学上級研究員ハマス元海兵隊大佐がアメリカ海軍協会誌プロシーディングスに発表した対中国用戦略概念である。潜水艦、機雷、航空戦力により排他的海上区域を設定し、中国艦艇を撃破して第１列島線内で中国に海洋活動を行わせないDeny（拒否）、自国海空戦力に同盟国戦力を加えた統合海空防衛により、第１列島線上に位置する同盟国を守るDefend（防衛）、中国の輸出入を妨害すべくオーストラリアからインドネシア列島線にかけて存在するチョーク・ポイントで海上封鎖を行うため、第１列島線外側の制空権・制海権を確保するDominate（支配）の３つで構成され、中国の経済力を弱めることにより手詰まり状態に陥らせ、停戦へと追い込む。エア・シー・バトルのような大規模戦争ほどの戦費は必要としない。参考：月刊世界の艦船12,’14

＜オプション・オーダー＞：Option order。軍用装備は注文生産になることが多く、契約を結んでから引き渡されるまでの時間が長期に亘り、その間に資金調達計画が頓挫したり軍の方針が変わったりして発注取り消しとなると違約金を払わなければならないので、必要量全てを一気に契約するのは難しい。とはいえ、早めに契約しておかないと引き渡しの時期がもっと遅れるし、メーカーの方でも生産数の見通しが立たなくなるので、契約金支払いなど正式の手続きを踏まずに予備の注文を受け付け、生産数の目途を立てて引き渡しの順番を確保しておくのがオプション・オーダーである。後で正式発注に切り替えるが、破棄しても違約金を取られたりすることは無い。ただし破棄を繰り返していると信用が無くなるので注意。参考：航空用語事典増補改訂版

＜オフセット契約＞：Offset contract。兵器を輸出する側が、見返りとして輸入する側から商品を購入し、輸入側の支払額を相殺する契約のこと。輸入国の防衛産業に技術を移転して輸入側と輸出側双方が装備する兵器を作ってもらい、これを輸出国が自国用として輸入するのが直接オフセットで、輸出側は工場の世話もしなければならず大損になることもあるため、輸入国での生産を兵器の一部のみとすることで両者の損得を釣り合わせたりする。スウェーデンがJAS39グリペンを南アフリカに輸出した際には、南アフリカのデネルが中央胴体とパイロン、グリンテックが通信装置を作り、スウェーデンが自国用として輸入した。兵器でなく工業製品や農産物などの民生品を輸入するのが間接オフセットで、スウェーデンとノルウェーの間ではJAS39グリペンを購入する換わりにスウェーデンの天然ガスパイプラインをノルウェーが建造するというオフセット契約を交渉していた。オフセット率が100%を超えることもあり、NATO諸国に一定額以上輸出する場合には、それ以上の額の製品を輸入しなければならないことが多い。参考：防衛技術ジャーナル10,’06、月刊軍事研究3,’08、11,’08、8,’16、航空用語事典増補改訂版

＜オフセット戦略＞：相殺戦略（核戦略）を参照。

＜オフセット・パラボラアンテナ＞：パラボラアンテナを参照。

＜オフセット・ヘッドオン・パス＞：旋回力の非常に優れた機体が劣る機体に対して仕掛けることができる戦闘機動。正面から接近する敵機に対し、自機をやや側方にオフセットさせ、敵機方向に旋回する。それをみて敵機も自機方向に旋回をかけるので、優れた旋回力を活かして敵よりも半周多く旋回し、そのまま攻撃位置につく。参考：図解現代の航空戦

＜オブゾル３＞：9S15M（目標捜索車）を参照。

＜汚物捨て＞：潜水艦内に溜まった残飯やゴミを海上投棄すること。捨てたものが敵に見つからない安全海面で行う。「艦内汚物捨て方用意」の号令で各区画から作業員を出し、チンケースに汚物を入れて発令所まで運び、司令塔を経由して艦橋のハッチまでロープで吊り上げ、中身を上甲板目掛けて放り投げると、波が海中に浚ってくれる。発令所から艦橋までは伊号潜水艦で10mくらいあるので、艦が揺れた拍子にチンケースがあちこちにぶつかり、作業員や当直員に中身がひっかかったりする。参考：潜水艦気質よもやま物語、続潜水艦気質よもやま物語

＜オプティオＸ２０＞：THeMISシリーズ（UGV）を参照。

＜オプティカ＞：EA7（観測機候補）を参照。

＜オプティカル・サイト＞：光学スコープなどの照準器のこと。参考：GUN用語辞典

＜オブデュレート＞：G39（駆逐艦）を参照。

＜オプトコプター＞：アメリカのインシツ社が開発したUAV用無人母機。スキャンイーグルを抱えて垂直離陸し、上空で発進させ、戻ってきたスキャンイーグルを機体下方に垂らしたフックで引っ掛けて回収し、着地させる。スキャンイーグルの発進回収装置が要らないので便利。参考：朝雲

＜オブニンスク＞：K-138（潜水艦）を参照。

＜オフ・ボアサイト能力＞：Off-boresight。照準線やミサイル誘導装置の視野から外れている目標に対して攻撃できる能力のこと。ミサイルの場合はヘルメット照準器など他の手段によりロックオンして発射、ミサイルは誘導装置の視野内に入った時点で目標をロックオンして命中する。短射程空対空ミサイルでは発射後に視野外の目標に向けて急旋回する必要があるため、ミサイル自体に高い機動力が必要である。参考：月刊軍事研究3,’08、6,’14、月刊JWings8,’00、10,’09別冊付録

＜オブマ級＞：ナイジェリア海軍フリゲートObuma級。ヘリ甲板を持つ。全長109.8m、幅11.3m、吃水3.5m、満載排水量2000トン。主機はディーゼル、出力16000馬力、２軸推進、速力26ノット。兵装は102mm連装砲１基、40mm単装機関砲２門、20mm単装機関砲２門。1985年に１隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜オブライエン＞：22（潜水艦）またはDD-415（シムス級駆逐艦）またはDD-725（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）またはDD-975（スプルーアンス級駆逐艦）を参照。

＜オブライエン級＞：オベロン級潜水艦（チリ海軍）を参照。

＜オブラツソブイ＞：ソ連海軍プロジェクト61ME型カシン級ミサイル駆逐艦Obraztsovy。1963年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜オフラハティ＞：DE-340（護衛駆逐艦）を参照。

＜オブリークウイング＞：斜め翼を参照。

＜オフルート地雷＞：戦車・装甲車の側面を貫徹する地雷。弾頭は自己鍛造弾になっていることが多い。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜オプロト＞：T-80戦車・海外シリーズまたはT-84-120（戦車）を参照。

＜御文庫＞：昭和天皇用防空施設。宮内省工務部が皇居吹上御苑の北部に建造した地上１階・地下２階の建物で、天皇が戦時に日常生活を送るための堅牢な施設である。近くにはプールも作られていて、消防用水を兼ねる。爆撃に対する能力が不十分で、太平洋戦争開戦を前に御文庫附属庫が建設された。参考：歴史群像8,’15

＜御文庫附属庫＞：昭和天皇用防空施設兼最高司令部で、防空室ともいう。太平洋戦争開戦直前の昭和16年6月初め、御文庫が直撃弾に耐えられない構造であることを知った東条英機陸軍大臣が、陸軍築城本部に命じて設計させたもので、戊号工事という秘匿名称で皇居吹上御苑の地主山（高さ25mの小高い丘）に建造し、宮内省が民間業者に命じて内装を行い、9月末に完成した。昭和天皇が居住していた御文庫の北東100mにあり、空襲時には御文庫から自動車で移動することにしたが、危険なので太平洋戦争開戦後に赤羽の工兵連隊が地下トンネル（床は砂利敷き、杭木と板で土止め）を掘って連結した。丘の地下25m（丘の外側の平坦な土地と同じ高さ）にあり、北側に地上からの入口が２箇所（東入口と西入口）用意されていて、吹上御苑外周道路と繋がっている。入口を入って東通路／西通路という90度北／南にカーブした通路を抜けると、耐弾扉の先に中通路があり、附属庫中心部に繋がる扉がある。中心部は参謀本部附属会議室、通信室、機械室、御休所（おやすみどころ）、次室、厠３室（全て水洗。うち会議室東の１室は天皇専用）などで構成される。参謀本部附属会議室は広さ55平方メートルで、床は板張り絨毯敷き、壁は板張り光沢塗装仕上げで、北廊下・南廊下へと繋がるドアは木製化粧扉である。上座に天皇の座る席と背後に屏風、左右に長机があって御前会議も行える。通信室は会議室の東側にあり、宮内省、陸海軍省、東部軍司令部などとＴ型自動交換機を介して通信回線が結ばれており、通信兵が24時間詰めている。機械室は広さ70平方メートルで、御休所の西側にあり、発電機、化学兵器防護用電動ガス濾過装置、自転車型人力ガス濾過装置、冷房、飲料水・水洗便所用水タンクを収容する。御休所は広さ20平方メートルで、天皇の居室として使用され、床は板張り絨毯敷き、壁面は板張り光沢塗装仕上げで、次室との境に木製化粧扉がある。250kg爆弾抗堪・500kg爆弾ほぼ抗堪の耐爆能力を持たせるため、鉄筋コンクリートに砂をサンドイッチした厚さ4mの天井と、厚さ1.5mの外側隔壁、厚さ1mの内部隔壁で固め、会議室、御休所、次室は天井に厚さ25.4mmの強化鋼板を張ってコンクリートが剥がれ落ちてこないようにし（天井は鋼板と支えの鉄骨が剥き出しになっている）、鉄筋コンクリート・サンドイッチの上には厚さ15m以上の土を被せて植生を施した。ドアは厚さ0.3mの耐弾扉の内側に対化学兵器用の密閉扉を備えた二重式扉を採用した。昭和20年4月、陸軍大臣が10トン爆弾に耐えられる構造とするよう陸軍工兵学校研究部長に命じ、5月から工事に入った。天井の上方に土を挟んで厚さ2.1mの鉄筋コンクリートを張り、その上に都電用50kgレールを２層に敷き詰め、更に鉄筋コンクリートを被せるもので、厚さは計3.5mあり、レールまでの上層部分（起爆層）で爆弾を受け止めて信管を作動させ、下層の鉄筋コンクリート（耐弾層）で爆圧を受け止める構造としている。7月15日に工事を終え、上に土を被せ木を植えて7月30日に宮内省に引き渡した。天皇は7月から夜間は御休所に入っており、終戦の御聖断を下した御前会議は参謀本部附属会議室で開かれ、ポツダム宣言受諾のラジオ放送が行われた8月15日正午には天皇はクーデターなどに備えて防空室内に控えていた。終戦後、床の絨毯は宮内庁舎仮宮殿に移された。2015年8月に公開され、宮内庁のホームページで内部写真が見られる。参考：歴史群像8,’15、朝雲

＜オヘーア＞：DD-889（駆逐艦）を参照。

＜オペライカ＞：YTB-798（曳船）を参照。

＜オペラ作戦＞：バビロン作戦の前計画名。

＜オペラチオン・スニエーク＞：雪作戦を参照。

＜オペレーショナル・カモフラージュ・パターン＞：OCP（迷彩服）を参照。

＜オペレーショナル・レーションＢ＞：Ｂレーション（戦闘糧食）を参照。

＜オペレーションズ・リサーチ＞：Operations Research、OR。第２次大戦時にイギリスが編み出した手法で、十分な時間の取れる民間の科学者が、数学的な方法で、作戦現場に於いて生のデータに基づいて効果的な作戦を研究する。これによりＵボートの被害を最小にする船団編成を研究、小さな船団に少数の護衛艦を付けるよりも大きな船団に多数の護衛艦を配置する方が良いことが判明し、護衛艦のうち船団直衛に就かないものをＵボート狩りに回すことで戦果を挙げた。また、航空機の迷彩も、夜間爆撃用のフラットブラックではなく、ホワイトに塗ることにし、被発見距離を30%ほど短縮することに成功した。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊、歴史群像6,’01

＜オペレーターレーショナルデータ分析支援システム用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。三菱スペース・ソフトウェア製。参考：月刊軍事研究5,’12

＜オペレーティング・ハンドル＞：槓桿を参照。

＜オペレーティング・ロッド＞：ガス圧利用式自動機構で使用されるパーツ。ガスピストンを兼ねるか、それに付随し、直接または間接的にボルトの往復や開閉を行う。参考：GUN用語事典

＜オペレーション・ディナイ・フライト＞：ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時にNATO軍が行った、ボスニア上空のセルビア勢力に対する武装警戒飛行。参考：月刊軍事研究7,’03

＜オベロン＞：AKA-14（攻撃貨物輸送艦）またはN21（Ｏ級潜水艦）またはS-09（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オベロン級＞：イギリス海軍哨戒潜水艦Oberon級。船体は複殻式で、形状は水中抵抗減少を図った流線型だが、水上航走も考慮して艦首にはフレアが付けられている。艦首に跳ね上げ式の潜舵を持ち、艦首甲板上にはソナードームがある。オートパイロットが搭載されており、ワンマン操縦が可能。静粛性が高く、イギリスで30年近く運用され、イギリスで退役後に外国に売却されて再就役したものも多い。全長88.5m、幅8.1m、吃水5.5m、基準排水量1610トン、水上排水量2030トン、水中排水量2410トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル出力3680馬力、電動モーター出力6000馬力、２軸推進、水上速力12ノット、シュノーケル時速力10ノット、水中速力17ノット。安全潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管８門（前部６門、後部２門、Mk24長魚雷24-30本。後にハープーンも搭載）。乗員64名（69名？）。1960-70年にS-09オベロン、S-10オーディン、S-11オーフュース、S-12オリンパス、S-13オーサイリス、S-14オンスロート、S-15オッター、S-16オラクル、S-17オセロット、S-18オートゥス、S-19オポッサム、S-20オポーチュン、S-21オニクスなど14隻が建造された。フォークランド紛争に参加したが、FCSが貧弱なままで、運用に苦労している。1989年までにほぼ全艦がソナー換装や後部魚雷発射管廃止などの近代化改装を受け、1990年には２隻が湾岸戦争に参加して特殊部隊を輸送、その後全艦退役した。参考：月刊軍事研究9,’05、10,’05、現代の潜水艦、月刊世界の艦船12,’16、5,’83、5,’17、ミリタリー・バランス1989-1990

＜オベロン級・海外シリーズ＞

　＜オベロン級（オーストラリア海軍）＞：オーストラリア海軍潜水艦Oberon級、別名オックスレイ級。対潜訓練のため、1949年からイギリス第４潜水戦隊がシドニーに駐留していたが、1961年にイギリス本土への引き揚げが決まったため、代わりに自前の潜水艦部隊を保有することになり、新造艦が引き渡された。SS62オタマなど６隻が1967-78年に就役した。訓練だけでなく実任務にも投入されており、ベトナムのカムラン湾まで到達してキーロフ級巡洋艦のプロペラを撮影したらしい。ただ装備品が旧式で、就役途中から早くも改良に着手せざるを得ず、1972年から測距ソナー搭載改修を行い、７名で30分掛かっていた目標までの距離測定を自動化した。その後、FCSとしてアメリカのシンガー社が開発した潜水艦射撃指揮装置（SFCS）Mk1Mod0を導入。AN/UYK-20コンピュータ、射撃指揮コンソール、コマンド・ディスプレイ・コンソールなどで構成されており、ソナーや潜望鏡などで得たデータを解析、前部発射管室のウェポン・データ・コンバータを介して魚雷発射命令／警報装置に送るものである。Mk48とハープーンの運用能力も得たため、艦尾魚雷発射管２門を撤去し、ハープーン搭載改修を実施した。更にその後、１目標の方位しか測定できなかった艦首ソナーをデジタル・ソナーに換装し、６目標探知追尾能力を得ている。結果、戦闘能力は大いに向上したが、コンピュータのプロセッサ、言語、表示装置が全て７種類ずつ存在し、戦闘システム用予備部品を艦内に完備できなかった。また、船体予備部品供給や修理はイギリスに頼らざるを得ず、イギリスがフォークランド紛争で手一杯になった際には可動率維持に支障を来している。全長89.92m、幅8.07m、吃水5.48m、水上排水量2196トン、水中排水量2417トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基、２軸推進、水上速力17.5ノット、水中速力15ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門。乗員64名（士官８名、下士官・兵56名）。参考：現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’00、5,’17、12,’18、ザ・マーチ39号、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オベロン級（カナダ海軍）＞：カナダ海軍潜水艦。新造艦が引き渡された。全長89.92m、垂線間長87.45m、幅8.8m、吃水5.48m、水上排水量2040トン、水中排水量2415トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基、２軸推進、水上速力12ノット、水中速力17ノット、潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管６門。乗員65名（士官７名、下士官・兵58名）。オジブワ、SS73 Onondaga、オカナガン、オリンパスが1965年から就役した。参考：現代の潜水艦、月刊世界の艦船9,’12

　＜オベロン級（チリ海軍）＞：チリ海軍潜水艦、別名オブライエン級。1976年に１番艦艦番号22オブライエンと２番艦艦番号23ハイアットの２隻が就役した。1992年に近代化改装を受け、艦首ソナーを新型にし、STN射撃指揮装置を搭載している。２番艦ハイアットは2000年に退役した。全長89.92m、垂線間長87.45m、全幅8.07m、吃水5.48m、水上排水量2030トン、水中排水量2410トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機２基・電動モーター２基２軸6000馬力、水上速力12ノット、シュノーケル速力10ノット、水中速力17ノット。潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首６門、艦尾２門。魚雷22本）。乗員65名（士官６名、下士官・兵62名？）。参考：現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オベロン級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍潜水艦、別名ヒュマイタ級。1969年からS21 Toneleroなど３隻を導入した。FCSはヴィッカーズ社製TIOS。1990年代末に近代化改装を受けた。全長89.9m、幅8.07m、吃水5.48m、水上排水量2040トン、水中排水量2410トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、水上速力17.5ノット、水中速力15ノット。潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首６門・艦尾２門。タイガーフィッシュ長魚雷）。乗員62名（士官５名、下士官・兵57名）。参考：現代の潜水艦、ザ・マーチ39号、ミリタリー・バランス1989-1990

＜オホーツク型＞：ロシア海軍航洋曳船Okhotsk型。満載排水量1465トン。アレクサンドル・ピスクノフなどが就役した。参考：月刊世界の艦船9,’16

＜オホートニクＢ＞：ロシア軍のステルスUCAV（戦闘用無人機）開発計画で、オホートニクは狩人の意。機体名称はS-70である。2011年にスホーイと開発契約を締結し、2012年からT-50/Su-57戦闘機の技術も取り入れて開発しているとされ、サブコントラクターに名を連ねているMiGもスカトUAVの研究成果を提供しているらしい。Su-57戦闘機と有人・無人チームを組んでの運用を考慮しているとされる。参考：朝雲、月刊軍事研究10,’17、11,’18、月刊JWings9,’18、月刊航空ファン11,’19

＜オポジット・コンティニュアス・ロール＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Opposite Continuous Roll。会場左右から１機ずつが進入し、時速800kmでロールしながら会場正面で交差する。参考：月刊JWings6,’09、7,’12、6,’10

＜オポジット・トライアングル＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ、Opposite triangle。2004年の航空自衛隊創設50周年記念で初登場した。６機がデルタ隊形で会場右から進入し、会場正面で内側３機（2-4番機）が右180度ロールを行って背面飛行となり、そのまま左に抜ける。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、8,’15

＜オポチューン＞：G80（駆逐艦）またはS-20（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オポッサム＞：S-19（オベロン級潜水艦）またはU33（スループ）を参照。

＜オボド＞：Kh-59（対艦ミサイル）を参照。

＜オボドＭ＞：Kh-59Mシリーズ（対艦ミサイル）を参照。

＜朧（初代）＞：日本海軍雷型駆逐艦５番艦。明治32年11月1日竣工、水雷艇（駆逐艇）に類別された。明治33年6月22日、軍艦（駆逐艦）に類別変更された。明治38年12月12日、駆逐艦に類別変更された。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正10年4月30日、特務艇に類別変更された。大正10年6月21日、雑役船に類別変更された。大正時代末期に廃船となった。参考：日本駆逐艦史

＜朧（２代目）＞：日本海軍吹雪型駆逐艦17番艦Oboro。昭和6年10月31日竣工、一等駆逐艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制上は第５航空戦隊、兵力部署では南洋部隊グアム島攻略部隊に所属していた。昭和17年10月11日、キスカ島への弾薬輸送のため横須賀港を出港。10月17日、キスカ島の北北西９海里でアメリカ陸軍機の爆撃を受けて沈没した。11月15日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸1,’77、月刊世界の艦船9,’14、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜オボロンプロム＞：ロシアの軍需企業。2004年に設立され、国営武器輸出公社のロスオボロンエクスポルトが出資している。主力事業はヘリコプター、電子戦システム、航空機用エンジン。参考：月刊軍事研究8,’10

＜オマール・モスク＞：ハラム・アッシャーリフを参照。

＜オマーン王室近衛部隊＞

＜オマーン王室近衛部隊（１９８９年）＞：王室警備旅団、特殊部隊連隊１個、王室ヨット隊（基地はマスカットにある）、王室飛行小隊からなる。王室ヨット１隻、王室ヨット支援艦１隻、B747SPを１機、DC-8を１機、ガルフストリームを２機、ファルコン20を１機、AS-332ヘリ２機、SA-330ヘリ４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オマーン王室近衛部隊（２０１５年）＞：現役兵力6400名。特殊部隊連隊２個、王室近衛旅団5000名（近衛連隊２個、機甲部隊１個、戦闘支援大隊１個）１個、王室ヨット隊150名、王室フライト250名からなる。VBC-90軽戦車９両（全て保管中）、チェンタウロMGS偵察車９両、92式装輪装甲車50両、VAB-VCI装甲車14両、VAB-VDAA装甲車９両、90式Ａ型122mm多連装ロケット６両、ミラン対戦車ミサイル、ジャベリン携帯地対空ミサイル14基、20mm自走高射機関砲VAB-VDAA９両、兵站支援船３隻、B-747SP要人輸送機２機、DC-8-73CF要人輸送機１機、ガルフストリーム�W要人輸送機２機、SA330ヘリ３機、AS332Fヘリ２機、AS332Lヘリ１機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オマーン海軍＞：1982年、ナスル・アル・バハル級補給揚陸艦１隻が就役。1996年、ビジランス級２隻が就役。2014年、アル・シャミク級コルベット３隻が就役。2015-16年、アル・シーブ級哨戒艇４隻が就役。参考：月刊世界の艦船7,’14、8,’15、10,’17、5,’86

＜オマーン海軍（１９７７年）＞：兵力450名。王室ヨット１隻、哨戒艇２隻、練習艦１隻、高速哨戒艇４隻、小型上陸用舟艇４隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜オマーン海軍（１９８９年）＞：兵力2500名。セーブに司令部、ワダム、レイサット、ガーナム島、アルウィに基地がある。ドーファル級ミサイル艇４隻、ワフィー級沿岸哨戒艇４隻、セーブ級内海哨戒艇４隻、ナスル・アル・バハル級戦車揚陸艦１隻、アル・ムナッシル級戦車揚陸艦１隻、機械化揚陸艇３隻、輸送艦１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オマーン海軍（２０１５年）＞：現役兵力4200名。Mk8SDV２隻、アル・シャミク級コルベット３隻、カヒル・アル・アムワジ級コルベット２隻、ドーファル級ミサイル艇４隻、アル・オフォウク級哨戒艇２隻、アル・ブシュラ級哨戒艇３隻、哨戒艇４隻、ナスル・アル・バハル級戦車揚陸艦１隻、LCU１隻、LCM３隻、LCT１隻、兵站支援船６隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オマーン空軍＞：Royal Air Force of Oman。1977年、ジャギュア戦闘攻撃機を導入。2005年、F-16戦闘機の導入を開始。2008年3月、TTH-90汎用ヘリの引き渡しが開始された。2012年12月21日、タイフーン戦闘機12機とホークMk128練習機８機を2017年までに導入することが判明。2013年、C-295M輸送機の配備を開始。2014年、ジャギュア戦闘攻撃機が退役した。2017年6月、タイフーン戦闘機の引き渡しが開始された。参考：月刊航空ファン3,’13、9,’17、月刊JWings11,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜オマーン空軍（１９７７年）＞：兵力750名。ハンター戦闘機16機、ジャギュア戦闘攻撃機12機、BAC167練習機８機、スカイバン輸送機15機、BAC111輸送機３機、バイカウント輸送機２機、BNディフェンダー輸送機７機、ファルコン輸送機１機、AB205ヘリ20機、AB206ヘリ３機、AB212ヘリ１機、AB214ヘリ５機、レイピア地対空ミサイル28基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜オマーン空軍（１９８０年）＞：ジャギュア・インターナショナルS(O)Mk1戦闘攻撃機10機、ハンターFGA6/F73A/F73B戦闘機30機、BAe167ストライクマスターMk82/Mk82A輸送機15機、ワンイレブン475を３機、ビスカウント800を２機、C-130輸送機１機、DHC-4輸送機３機、DHC-5輸送機２機、スカイバン3M輸送機15機、BN-2A-21輸送機７機、ガルフストリーム�U輸送機１機、ファルコン20輸送機１機、AB205ヘリ16機、ベル206Aヘリ３機、ベル214Bヘリ５機、ベル212ヘリ１機、ジャギュアT2練習機２機、ハンターT7練習機２機、AS-202練習機を保有する。参考：ザ・マーチ18号

＜オマーン空軍（１９８９年）＞：兵力3000名。ジャギュアS(O)Mk1攻撃機18機、ジャギュアGR1攻撃機１機、ジャギュアT2攻撃機４機、ハンターFGA73攻撃機13機、T-7攻撃機４機、BAC167Mk82対ゲリラ戦機12機、AS-202練習機４機、BAC-111輸送機３機、BN-2ディフェンダー／アイランダー輸送機７機、スカイバン3M輸送機15機（うち７機はレーダー装備の洋上哨戒機）、C-130H輸送機３機、AB-205汎用ヘリ20機、AB-206汎用ヘリ３機、レイピア地対空ミサイル28基、マルテロ・レーダーを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オマーン空軍（２０１５年）＞：現役兵力5000名。F-16Cブロック50戦闘機18機、F-16Dブロック50戦闘機６機、C-295MPA洋上哨戒機２機、C-130H輸送機３機、C-130J輸送機２機、C-130J-30要人輸送機１機、C-295M輸送機５機、SC.7-3M洋上哨戒機７機、A320-300要人輸送機２機、ホークMk103練習機４機、ホークMk203練習機12機、MFI-17B練習機８機、PC-9練習機12機、スーパーリンクスMk300対潜・捜索救難ヘリ15機、NH90TTHヘリ20機、ベル206（AB-206）ヘリ３機、ベル212（AB-212）ヘリ３機、レイピア地対空ミサイル40基、ブラインドファイア地対空レーダー６基、S713地対空レーダー、AIM-9N/-9M/-9P/-120C7空対空ミサイル、AGM-65D/-65G空対地ミサイル、AGM-84Dハープーン・ブロック1C空対艦ミサイル、EGBU-10/-12レーザー誘導爆弾、GBU-31JDAMを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オマーン軍＞：

　＜オマーン軍（２０１５年）＞：現役総兵力42600名（陸軍25000名、海軍4200名、空軍5000名、外国軍2000名、オマーン王室近衛部隊6400名）、準軍事組織4400名（部族国家防衛隊4000名、警察沿岸警備隊400名、警察航空隊）からなる。イギリス軍70名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オマーン陸軍＞

＜オマーン陸軍（１９７７年）＞：兵力11800名。旅団司令部２個、歩兵大隊８個、近衛連隊１個、砲兵連隊１個、通信連隊１個、装甲車中隊１個、空挺中隊１個、工兵中隊１個からなる。FV601サラディン装甲車36両、75mm榴弾砲24門、25ポンド砲、105mm砲36門、5.5インチ（139.7mm）砲３門、120mm迫撃砲、TOWミサイル10基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜オマーン陸軍（１９８９年）＞：兵力20000名。師団司令部１個、旅団司令部２個、機甲連隊１個、砲兵連隊２個、高射砲中隊１個、装甲偵察連隊１個、歩兵連隊８個、歩兵偵察連隊１個、独立偵察中隊２個、野戦工兵連隊１個、空挺連隊１個、ムサンダム保安隊（中隊規模）からなる。各連隊は実際には大隊規模で、機甲連隊は戦車中隊２個、他は中隊３個を隷下に置く。M-60A1戦車６両、チーフテン戦車33両、スコーピオン軽戦車30両、VBC-90軽戦車６両、VAB-PC歩兵戦闘車２両、VAB-VCI装甲兵員輸送車６両、AT-105サクソン装甲兵員輸送車15両、ファハド装甲兵員輸送車、105mm軽砲ROFを39門、130mm砲M-1946を12門、155mm砲FH-70を12門、M-109A2自走砲12両、81mm迫撃砲、107mm迫撃砲M-30を12門、120mm迫撃砲12門、TOW対戦車ミサイル10基、ミラン対戦車ミサイル50基、20mm高射機関砲、ZU-23-2高射機関砲４基、ボフォース60口径40mm機関砲12門、ブロウパイプ地対空ミサイル、ジャベリン地対空ミサイル28基、9M32地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オマーン陸軍（２０１５年）＞：現役兵力25000名。機甲旅団（機甲連隊２個、偵察連隊１個）１個、歩兵旅団（歩兵連隊５個、砲兵連隊１個、野戦工兵連隊１個、工兵連隊１個、通信連隊１個）１個、歩兵旅団（歩兵連隊３個、砲兵連隊２個）１個、独立歩兵中隊（ムサンダム保安軍）１個、空挺連隊１個、防空連隊（防空隊２個）１個、輸送連隊１個からなる。チャレンジャー２戦車38両、M60A1戦車６両、M60A3戦車73両、スコーピオン軽戦車37両、スルタン偵察車13両、VBL偵察車124両、FV103スパータン装甲兵員輸送車６両、FV4333ストーマ-装甲兵員輸送車10両、ピラーニャ装甲車175両、AT-105サクソン装甲兵員輸送車15両、155mm自走砲G-6を24両、105mm牽引砲ROF ltを42門、122mm砲D-30を30門、130mm砲M-46を12門、59式�T型130mm砲12門、155mm砲FH-70を12門、81mm迫撃砲69門、107mm迫撃砲20門、120mm迫撃砲ブラント12門、TOW搭載VBL自走対戦車ミサイル８両、ジャベリン対戦車ミサイル30基、ミラン対戦車ミサイル32基、TOW/TOW-2A対戦車ミサイル18基、ミストラル２自走地対空ミサイル８両、ジャベリン携帯地対空ミサイル、9K32ストレラ２携帯地対空ミサイル、23mm高射機関砲ZU-23-2を４基、35mm高射機関砲GDF-005（＋スカイガード）10門、60口径40mm高射機関砲12門、チャレンジャー戦車回収車４両、M88A1戦車回収車２両、ピラーニャ装甲回収車２両、サムソン装甲回収車３両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜御前崎分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第22警戒隊が所在している。所在地は静岡県御前崎市御前崎2825-1。敷地面積49000平方メートル。1948年11月（1949年？）、アメリカ軍のレーダーサイトとして開設された。1954年、航空自衛隊9032部隊が駐屯を開始。1958年、航空自衛隊に移管された。1983年、J/FPS-2レーダーを装備した。2016年5月15日、中谷防衛大臣が視察した。7月25日、地域広報活動貢献の功績で、基地司令が御前崎市長から感謝状を贈呈された。8月9日、静岡地本が常葉学園菊川高校生６人のインターシップ（基地見学、体験喫食、衛生教育）を行った。2018年5月4日、御前崎渚の交番ゴールデンウィーク際で広報活動に協力し、軽装甲機動車を展示した。2019年5月3-4日、静岡県御前崎市で開催された「遊ぼう春の御前崎で」において装備品展示を行った。2021年5月20日、静岡地本の職場体験学習に参加している静岡市立藁科中学校生徒が分屯基地を見学した。10月20日、静岡大成高校放送部の取材を受けた。参考：月刊丸3,’14、月刊JWings6,’10別冊付録、朝雲、月刊軍事研究9,’11

＜オマニー・ベイ＞：CVE-79（護衛空母）を参照。

＜オマハ＞：CL-4（軽巡）またはLCS-12（沿海戦闘艦）またはSSN-692（原潜）を参照。

＜オマハ海岸＞：第２次大戦のオーバーロード作戦時、上陸地点の西から２番目の海岸に連合軍が付けたコードネーム。サント・オノリーニからラ・ベルセ岬までの幅6kmの地域で、アメリカ第５軍団が担当し、第１歩兵師団と第29歩兵師団が上陸した。しかしドイツ軍防衛陣地15箇所（海岸沿いに11箇所、やや内陸に４箇所。兵力1.5個中隊）が設営されており、連合軍の事前爆撃はほぼ外れ、海が荒れた上に沖合で戦車を降ろしたために殆どが水没してしまい、イギリスが開発していた工兵戦車もブラッドレイ将軍の意向で配備されなかったため、歩兵は身一つで銃砲火に晒される羽目になり、４時間で3000名が戦死、最終的に5000名の膨大な損害を出して「地獄のオマハ」と呼ばれた。参考：歴史群像6,’08、4,’16、月刊PANZER12,’01、月刊丸3,’90

＜オマハ級＞：アメリカ海軍軽巡洋艦Omaha級。1908年のチェスター級以来10年以上振りに建造された巡洋艦である。船型は長船首楼型、煙突は４本で、前部に三脚マスト、後部にポールマストを持つ。砲は前後方向への射撃を重視し、特徴的な配置となった。建造中に艦戦12機と艦攻６機を搭載する航空巡洋艦への改造が検討されたが、航空機運用能力も巡洋艦としての能力も中途半端になるとして中止されている。全長169.3m、幅16.9m、吃水4.1m、基準排水量7050トン、常備排水量7050トン。主機は蒸気タービン、出力90000馬力、４軸推進、速力34ノット。兵装は15.2cm連装砲塔２基（船体前後中心線上）、15.2cm単装砲６門（CL-4/-10/-11/-13は前後両舷上下に１門ずつ計８門）、7.6cm単装高角砲８門、533mm魚雷３連装発射管２基、533mm魚雷連装発射管２基。乗員458名（800名？）。CL-4オマハ、CL-5ミルウォーキー、CL-6シンシナティ、CL-7ラーレイ、CL-8デトロイト、CL-9リッチモンド、CL-10コンコード、CL-11トレントン、CL-12マーブルヘッド、CL-13メンフィスの10隻が1921-24年に就役した。就役後程無くして４番煙突と後部マストの間の両舷にカタパルト１基ずつを設置し、UO水上偵察機２機を搭載、連装魚雷発射管２基を撤去した。前後部舷側の砲は２層にされていたが、機雷敷設のため艦尾が低くなっており、後部舷側下層の砲は波を被ることが多く、第２次大戦時にレーダーや対空火器を追加した際に撤去された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船4,’12、10,’22

＜オムスク＞：K-186（潜水艦）を参照。

＜オムスク輸送機械＞：ロシアの戦車製造会社。T-80を生産していたが、ロシアの調達打ち切りと海外販売の不調で1998年から発注が得られなくなり、2002年に事実上倒産した。2007年3月、T-80の改修・修理のみを担当する修理センターへの格下げが決定した。参考：月刊軍事研究7,’07

＜オムタス＞：OMTAS（対戦車ミサイル）を参照。

＜御室山丸＞：三井物産タンカーOmurosan maru。第２次船舶改善助成施設の適用を受けて建造され、北米西岸からの原油輸送に従事した。全長156.13m、幅19.81m、深さ10.97m、満載時吃水8.729m、総トン数9204トン、重量トン数12050トン。主機は三井B&W複動２サイクルディーゼル、出力8820馬力、最大速力19.09ノット。昭和12年1月15日竣工。太平洋戦争では海軍に徴用されて重油輸送と艦隊給油に使用された。昭和19年12月12日、ヒ82船団の一員としてブクム島を出港。12月22日、ベトナム沖でSS-249フラッシャーの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’11、輸送船入門

＜オメガ＞：TB31（練習機）を参照。

＜オメガ＞：船舶・航空機用双曲線電波航法装置Omega navigation。10.2/11.33/13.6kHzの３周波数帯超長波（送信出力10kW、有効距離5000-6000海里）連続波をノルウェー（Ａ局）、リベリア（Ｂ局）、ハワイ（Ｃ局）、ノースダコタ州（Ｄ局）、フランス領ラ・レニオン（Ｅ局）、アルゼンチン（Ｆ局）、オーストラリア（Ｇ局。1981年までトリニダード・トバゴ）、対馬（Ｈ局）のオメガ送信局から発信し、そのうち２局以上の電波を受信、測定した位相差をコンピュータ（ハイパーボリック方式やサーキュラー方式などがある）で解析してそれぞれの位置線（Line Of Position）を引くと、交点が自分の位置になる。送信局８局で全世界をカバーしており、INSのように誤差が累積していくことは無く、飛行中に始動することができる。また、アメリカ海軍が超長波局を７局運用していて、オメガの送信電波と周波数が近いので、補助として使用可能。有効距離を長くするため超長波を使用したが、精度に劣る（はじっこの方では誤差1800mくらいある）、伝播状況が電離層などの状態に影響を受けて誤差拡大に繋がるといった欠点があり、衛星航法に換わられた。参考：航空用語事典増補改訂版、図解・電波のしくみ

＜オメガ３６０　４Ｄ＿ＶＳ＞：フィンカンティエーリ・ネクステック社が開発中の艦載対空・対水上レーダーで、VSはVolume Surveillanceの略。アンテナは固定式で、送信用４基と受信用192基を備え、仰角60度までの全周をカバーし、目標の捜索・探知・追尾・識別を行う。使用周波数Ｘバンド、捜索距離50km。2022年12月にイタリア海軍揚陸艦サン・マルコでテストした。参考：月刊世界の艦船3,’23

＜オメガエア＞：アメリカの民間企業で、アメリカ海軍から空中給油業務を請け負っている。オランダ空軍の中古KDC-10空中給油機２機を導入することになり、初号機は2019年11月4日に受領した。参考：月刊航空ファン2,’20

＜思いやり予算＞：在日米軍維持経費を日本が肩代わりしている予算のことで、正式には在日米軍駐留経費負担という。地位協定第24条では基地周辺対策費、民間・公有地借料、アメリカ軍施設移転経費などの他は全てアメリカ負担となっているが、1978年度以降、ドルの相場が下落してからは施設整備費、基地労働者の福利厚生費、給与の一部、光熱費などを負担している。これを防衛庁長官が思いやりであると答弁したのが名前の由来。娯楽性の高い施設などは思いやり対象から外しているが、根拠無しに続けるのは問題と考えたらしく、1987年度には日本人従業員の労務費に関して日米特別協定が締結され、1991年度と1995年度の改訂で労務費全額を日本側が負担することになった。また、1991年度の特別協定では光熱費の、1996年度の特別協定では訓練移転費の日本側負担も決まった。1999年度の2756億円をピークに減少しており、2010年度は1880億5200万円となっている。ちなみに2010年度の地位協定に基づく経費負担は1736億5600万円である。2015年度は1899億円だった。2016年3月末で協定期限が切れるため、日米外務防衛当局で2016-21年度の負担について交渉中だが、自国財政事情に鑑み、日本が減額、アメリカが30%くらいの増額を要求、結局５年間で総額9465億円になった。2020年度は1993億円で、米軍再編に係る訓練移転などのアメリカ軍関連日本側負担経費も含めると8000億円規模にもなる。2021年2月17日、2021年度以降の在日米軍駐留経費日本側負担に関し、現行の水準を定めた特別協定を暫定的に１年延長することで合意し、2021年度の負担額は2017億円になった。2021年12月21日、2022-26年度の平均を2110億円とし、在日米軍駐留経費負担の通称を同盟強靱化予算に変更すると、岸防衛大臣が発表した。参考：月刊軍事研究7,’10、戦争がやってくる、朝雲

＜面舵＞：スターボード。右に舵を取って右回頭すること。進行方向を０時として方位を時計の文字盤で表すと、右は３時になる。これを12支にすると卯になり、卯の舵がなまって面舵になったらしい。海上自衛隊の操艦号令詞では「おもーかーじ」という調子で発音し、取舵と間違わないようにする。針路変更が済んだら戻せと号令して舵中央に戻す。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、続日本海軍よもやま物語、図解雑学　船のしくみ

＜表門歩哨（日本陸軍）＞：日本陸軍の歩哨の１つ。連隊の耳目として営外の状態や門の出入りを監視するのが主任務で、兵営の威厳を保持するため態度や姿勢は厳正でなければならない。門鑑（門の通行証）は普通門鑑と臨時門鑑（期限指定）があり、交付番号を記憶し、照合の際には細密に点検を行い、無効な門鑑を所持して入門を図った者は直ちに司令に報告する。物品持出証は検印をチェックする必要があるので、司令、営舎掛、歩哨掛の検印を立哨前に覚えておくか、見合わせ印を携帯する。物品持出証と現品との検査は通常は不要で、持出証を受け取っておいて下番の際に司令に提出する。持出証無しか検印無しで物品を持ち出そうとする者がいた場合は、司令の許可を得させる。帰営遅刻者や面会者は直ちに衛兵所に連れて行く。市中で火災があった場合は衛兵所に報告する。衛兵が整列して敬礼すべき対象が来た場合は、「整列」と叫んで衛兵所に知らせる。参考：衛兵勤務必携

＜親甲板＞：甲板海曹を参照。

＜親子式水上艦＞：小型水上戦闘艦、USV、UUVなどをマザー・シップと呼ばれる大型艦船に複数搭載し、作戦海域近傍で発進させるもの。参考：月刊軍事研究2,’04

＜親子爆弾＞：クラスター弾を参照。

＜おやしお＞：SS-511（潜水艦・初代）またはSS-590（潜水艦・２代目）またはTSS-3608（練習潜水艦）を参照。

＜親潮＞：日本海軍陽炎型駆逐艦４番艦Oyashio。昭和15年8月20日竣工。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第15駆逐隊に所属していた。昭和17年6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月30日、ルンガ沖夜戦に参加。昭和18年5月8日、ソロモン諸島コロンバンガラ島付近でMk12機雷に触雷し、アメリカ軍機の爆撃も受けて沈没、6月20日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜おやしお型（初代）＞：海上自衛隊の潜水艦。戦後初の国産潜水艦で、設計中は水中高速標的と呼ばれていた。任務は対潜攻撃と水中訓練目標。設計担当は船舶設計協会で、潜高型をベースとし、日本海軍時代の潜水艦建造者らを集め、くろしおから得た技術も組み合わせた。アメリカに調査団も派遣したが、開発中の潜水艦は水上・水中性能共に重視するとアメリカ側に伝えたため、水中性能重視の実験潜水艦アルバコアのデータが渡されなかった。それでも水中速力は通常動力型潜水艦としてはかなりの高速を誇っている。相当数の設計案を検討したらしく、計画番号はS112cと半端な値になった。船体はサドルタンク方式で、内フレームのため船内が狭かった。耐圧船殻にはNS30鋼（SM52W）を使用しているが、建造中に溶接部分全てから亀裂が見つかったため、溶接法を改良して解決したものの、目標安全潜航深度200mが実際には150mになっている。耐圧船殻は前後が絞り込まれており、防水区画は６区画で、前方から魚雷発射管室、士官室／ソナー室／電池室、発令所／ジャイロ・ポンプ室、科員居住区／電池室、機械室、管制盤室／電動機室と並ぶ。バラストタンクのフラッド弁はアメリカ海軍に倣って廃止した。艦底にバラストキール（鉛インゴット収容）を装備しており、上甲板にはチーク材の簀の子を張っている。司令塔が無いので、セイルは流線型断面のスマートなものになった。主機はシュノーケル運転に適する４サイクルディーゼルに直流発電機と500ボルト直流電動機を組み合わせており、推進軸１軸あたりディーゼル・発電機・電動機を１基ずつ装備する。蓄電池は寿命550サイクルのクラッド式で、４群計480個を搭載する。艦首底部（艦首上甲板？）にJQO-1パッシブソナードーム、艦首上甲板（艦首底部？）にJQS-1アクティブソナードームを持ち、シュノーケル、自動懸吊装置／自動深度保持装置（日本海軍時代に使用したもの）、ZPS-1航海レーダー、昼間／攻撃用潜望鏡、夜間／捜索用潜望鏡、AN/BLR-1ESMを装備した。潜舵は艦前部上方両舷にあり、90度後方に旋回させてレセスに収容することができる。艦尾の舵は単純な十字舵ではなく、艦尾に縦舵があり、下部縦舵と２軸プロペラの間に水平舵が付く。潜舵、横舵、縦舵にそれぞれ操舵員１名が配員されている。騒音防止のため、プロペラシャフトには砂を詰めた。潜水艦救難艦のレスキュー・チェンバーと接続するため、上構にメッセンジャー・ブイとメッセンジャー・ワイヤを搭載する。全長79m、最大幅7m、深さ5.9m、吃水4.6m、基準排水量1100トン、水中排水量1400トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、川崎MAN社製V8V22/30mAL型16気筒Ｖ型中速ディーゼル（水上1350馬力、シュノーケル使用時1250馬力）２基・SG-1主発電機２基・SM-1主電動機（水上1350馬力、水中2950馬力）２基、水上出力2700馬力、水中出力5900馬力、５翅プロペラ２軸推進、水上速力13ノット、水中速力19ノット、SCA-45主蓄電池480基。安全潜航深度150m。兵装は艦首の試製55式４連装水中魚雷発射管（試製54式魚雷10本）。乗員65名。1960年にSS-511おやしおが就役した。運用した結果、静粛性が無きに等しい、燃料搭載量が少なく燃費が悪いため航続距離と行動範囲が小さい、主機出力が低い、シュノーケルの浸水対策が不十分といった欠点が指摘され、以降の潜水艦建造に活かされている。1976年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船5,'22、1,’79増刊、5,’02増刊、11,'17増刊、11,'20、10,’12、3,’10、11,’00、9,’01、8,’11増刊、丸スペシャルNo.76、No.78、歴史群像10,’11、日本の防衛戦力Part3

＜おやしお型（２代目）＞：海上自衛隊潜水艦、計画番号S130。水中運動性向上と兵装・艤装品配置改善のため葉巻型（マッコウクジラ型）船体を採用し、艦の大型化に伴うアクティブソナー被探知率上昇対策として船体水線下に遮音タイル（水中吸音材）、セイルに反射タイル（反射材）をボルト止めし（上構は地のまま）、水中探知能力向上のため側面ソナー（コンフォーマル・フランク・アレイ・ソナー）も装備した。遮音タイルとコンフォーマル・フランク・アレイ・ソナーは特務艦いそしおで実験している。艦の発する雑音が極度に低減された結果、１番艦を運用してみたら側面ソナーが艦内雑音を拾いまくってしまい、対策を施したらしい。艦底にボックス型バラストキールを有しており、底部が平面となり、水中抵抗が減った。耐圧船殻は中央部が単殻（内フレーム式）・前後が複殻（外フレーム式）の部分複殻式で、水圧による歪みの少ない単殻部分の両舷下方に側面ソナー・アレイを貼っている。側面ソナー・アレイは面圧電素子で、長軸方向に長く配置して低周波聴音を可能とすると共に、垂直方向にも素子を配置して垂直方向のビーム形成を行えるようにした。はるしお型より複殻間のスペースが減ったので、上構を高くして補っている。艦首ソナードームはラバー製（鋼鉄より音響透過性が良いのでラバー・ウインドウと呼ばれる）で、後方も密閉されており、シュノーケル運転時にも自艦雑音が入らず性能を発揮可能。側面ソナーと緩衝しないよう、それまでの潜水艦では船体前部に斜め前向きに装備していた魚雷発射管を、艦首上部に艦中心線と平行に配置した。これにより魚雷発射時の速力制限を緩和することができたが、バウ・ソナーを艦首下部に収める関係上、こちらのソナー直径が小さくなってしまった。耐圧船殻内防水区画は５区画で、前部が２層、中央が３層、後部が１層となっており、前から魚雷発射管室／科員居住区、艦橋昇降筒・発令所／科員居住区／前部電池室、士官室／科員食堂／後部電池室、機械室、電動機室という配置で、魚雷発射管室、士官室、機械室に上甲板へと繋がるハッチ（前部脱出筒、中部昇降筒、後部脱出筒）がある。セイルや上構は逆Ｖ字のテーパーがかけられており、ステルス性やアクティブソナー対策を考慮した。上構は一部にFRPを適応している。舵はセイル・プレーンと艦尾十字舵。戦闘システムはZYQ-3/ZYQ-3B潜水艦情報処理装置。ソナーシステムはZQQ-6潜水艦ソナー・システムで、雑音監視ソナー、艦首上面の逆探ソナー、艦首下部の円筒形バウソナー・アレイ、側面のコンフォーマル・アレイ、上甲板最後部右舷側の鞘から繰り出すTASSなどから構成され、互いにデータリンクされている。また、ソナースーパーバイザーと呼ばれる要員を追加し、ソナーシステム運用能力も向上させた。武器コンソールはZQX-1B水冷式共通コンソール。自艦位置を暴露しないよう、測距用アクティブ・ソナー・システムは搭載していない。セイルにZPS-6対水上レーダー（頂部がＴ字型をしており、潜望鏡式に突き出す）や光学式潜望鏡２本を装備しており、潜望鏡の後方に二重ペリスコーピック機構の複合無線マストを持つ。潜望鏡は前方が哨戒用の13メートル潜望鏡Ｂ型改４、後方が補助潜望鏡で、補助潜望鏡の方が太く、頂部に赤外線センサーなどを装備していて、通常水上航行や出入港の際には補助潜望鏡の方を使う。セイル頂部は見張台で、防水式インターホン用マイク兼スピーカーや、速力指示器などが配置されている。発令所の右舷側には戦闘用コンソール、左舷側には機関操縦盤と注排水管制盤、艦首側左舷寄りに操舵手席がある。コンソールは一応汎用コンソールだが、ディスプレイの解像度が低く、ソナー情報表示用ディスプレイは専用のものを採用した。操舵は１名で行う方式で、操舵手席にはハンドル型操舵装置とアナログメーターが用意されている。船体後部に機械室（ディーゼル収容）と電動機室（モーター収容）があり、ディーゼル始動・停止を含めて発令所からの遠隔操作が可能なため、通常航行時には電動機室（機械室も？）が無人で済む。注排水や移水も自動化して省力化を図った。SS-592以降は二酸化炭素吸収装置として固体アミン式炭酸ガス吸収装置を搭載、シュノーケルを出さなくてもコンプレッサーによる連続使用が可能となった。SS-593以降は主電動機をチョッパー化している。SS-594以降はセイルのアンテナを昇降式にした。後期艦では上構の広範囲にFRPを使用し、側面ソナーアレイの雑音伝搬遮断を高度化、新型COTSコンピュータやC4Iシステムを搭載している。全長82m、全幅8.9m、深さ10.3m（10.5m？）、吃水7.4m、基準排水量2750トン、水中排水量3500トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、川崎12V25/25S型12気筒Ｖ型複合過給（メカニカルとターボの２段）式ディーゼル（水上出力3100馬力、シュノーケル使用時出力2700馬力）２基・主直流電動機（水上出力3400馬力、水中出力7750馬力）１基、水上出力3400馬力、水中出力7750馬力、７翅スキュードプロペラ１軸推進、水上速力12ノット、シュノーケル航行時最大速力13ノット、水中速力20ノット。運用潜航深度350m、最大潜航深度500m。兵装は533mm魚雷発射管HU-605が６門（艦首上部に上段２門・下段４門。発射口までの距離が長いので案内筒付き。89式魚雷及びUGM-84C/Dハープーン計20-22発搭載。機雷も敷設可能）。乗員70名。05-15SSとして建造され、SS-590おやしお、SS-591みちしお、SS-592うずしお、SS-593まきしお、SS-594いそしお、SS-595なるしお、SS-596くろしお、SS-597たかしお、SS-598やえしお、SS-599せとしお、SS-600もちしおが1998-2008年に就役した。海自が作戦用潜水艦22隻体制を採ることになり、艦齢延伸が必要になったため、ついでにそうりゅう型に準じる性能を持たせる潜水艦戦闘指揮システム改修（ZQQ-7ソナーシステム搭載など）を2019年度予算などで実施中。潜水艦への女性自衛官乗組制限が解除されたのを受け、適宜女性用居住区画を追加している。参考：月刊JWings1,’99、JShips Vol.46、月刊丸10,’97、月刊世界の艦船9,'15、11,'17増刊、11,'20、4,'20、2,'23、1,'24、1,’04、1,’14、11,’16、10,’12、1,’02、5,’02増刊、3,’10、1,’11、2,’12、1,’13、10,’13、1,’14、1,’19、7,’19、1,'22、5,'22、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、海上自衛隊全艦艇史、現代の潜水艦、月刊軍事研究9,’10、1,’12

＜おやしお型＞：海上自衛隊練習潜水艦。おやしお型潜水艦を練習潜水艦に艦種変更したもので、主任務が乗員養成と装備試験になったが、特に改装や改造は行っておらず、有事には現役復帰するかもしれない。全長82m、幅8.9m、深さ10.3m、吃水7.4m、基準排水量2750トン、水中排水量3500トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基・主電動機１基、水中出力7700馬力、１軸推進、水上速力12ノット、水中速力20ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門（89式魚雷、UGM-84Cハープーン・ブロック�TＢ潜対艦ミサイル）。乗員70名。2015年にSS-590おやしおがTSS-3608に、2017年に２番艦SS-591みちしおがTSS-3609に、2023年にSS-593まきしおがTSS-3610に艦種変更され、第１練習潜水隊に配備された。TSS-3609みちしおは後に女性自衛官居住区の整備改修を行っている。参考：月刊世界の艦船1,’16、1,’19、2,'23、6,'23、1,'24、JShips VOL.70、THE MILITARY BALANCE 2016

＜おやしお型潜水艦潜航操縦訓練装置換装用器材＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜おやしお型潜水艦用潜舵（�T型）＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜おやしお型潜水艦用潜舵（�U型）＞：自衛隊の機器。ジーエス・ユアサテクノロジー製。参考：月刊軍事研究8,’10

＜親父達の陸軍＞：ホームガードを参照。

＜おやじバンザイ＞：日本海軍用語で、父親に金を無心することをいう。参考：海軍よもやま物語

＜オラージュ＞：フランス海軍ウラガン級ドック型揚陸艦２番艦Orage。参考：月刊世界の艦船12,’23

＜オラージュ＞：フランス海軍ブーラスク級駆逐艦Orage。1926年竣工。1940年に戦没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜オラーフ・トリュグヴァソン級＞：ノルウェー海軍哨戒艇Olav Tryggvason級。平時は哨戒任務に就いているが、戦時には防衛作戦指揮管制や補給支援にあたる。２隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船10,’17

＜オライオン＞：85（リアンダー級軽巡）またはP-3シリーズ（対潜哨戒機）を参照。

＜オライオン＞：アメリカ空軍が開発中の中高度超長時間滞空無人機。アメリカ空軍研究所がオーロラ・フライト・サイエンシズ社に発注して2013年8月24日に初飛行し、2014年には滞空時間80時間を記録したが、必要性が薄く実用化には至らなかった。オーロラ・フライト・サイエンシズ社では売り込みを継続し、2017年10月にボーイング社傘下となった後に漸く開発計画が再スタートしている。エンジンはオーストリアのアストロ・エンジン社製ターボチャージド・ディーゼル（170馬力）双発、巡航高度6100m、滞空時間100時間以上。ペイロード450kg。参考：月刊JWings4,’18

＜オライオン＞：イギリス海軍オライオン級戦艦Orion。1912年1月2日竣工。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第２小隊所属でジュットランド海戦に参加。ドイツ巡洋戦艦リュッツォウに主砲弾を命中させた。1922年に除籍され、12月19日に売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船1,’12、6,’16、近代戦艦史、歴史群像6,’16

＜オライオン＞：スウェーデン海軍情報収集艦Orion。1984年進水。参考：月刊世界の艦船7,’19

＜オライオン２０００＞：P-3海外シリーズ（対潜哨戒機）を参照。

＜オライオン級戦艦＞：イギリス海軍超弩級戦艦Orion級。世界初の超弩級戦艦である。主砲をド級よりも一回り大きい45口径34.3cm連装砲とし、５基全てを船体首尾線上に置いた。第２・第４砲塔は背負い式になっているが、爆風の関係で前後方向には撃てず、何のための背負い式なのか良く分からない。これで重心が上がったため、横揺れを防ぐために後にビルジ・キールを大型化する必要にも迫られており、ますます良く分からない。射撃指揮装置としてドライヤー・テーブルＭｋ�Uを搭載する。煙突は２本。マストは三脚マスト１本で、前部煙突の直後にあるため、排煙がマスト上の射撃指揮所を直撃した。第１次大戦の戦訓から、艦橋を拡大し、檣楼上の測距儀に装甲を追加、方位盤も搭載した。全長177.1m（171.1m？）、幅27m、吃水8.2m（7.6m？）、常備排水量22200トン。主機はパーソンズ式高低圧並列直結蒸気タービン４基、主缶はパブコック＆ウィルコックス式混焼水管缶（蒸気圧力１平方センチあたり16.5kg、飽和温度）18基、出力27000軸馬力、４軸推進、速力21.5ノット、航続距離6730海里（10ノット）。兵装は45口径34.3センチ砲Mk�X連装砲塔Mk�U（オライオン、モナーク、サンダラー）／Mk�V（コンカラー）５基、50口径10.2cm単装砲16門、4.7cm単装砲４門、533mm水中魚雷発射管３門。装甲厚は水線部305mm、甲板102mm、バーベット254mm、砲塔前楯279mm、司令塔279mm。乗員752名。オライオン、モナーク、サンダラー、コンカラーが1912-13年に竣工した。ワシントン条約で廃棄対象となった。参考：近代戦艦史、戦艦入門、月刊世界の艦船1,’12、月刊丸11,’09

＜オライリー＞：DE-330（護衛駆逐艦）を参照。

＜オラオ＞：IAR.93シリーズ（攻撃機）を参照。

＜オラクル＞：S-16（オベロン級潜水艦）

＜オラホドカ事件＞：昭和10年12月19日、戦車・装甲車を含む外蒙軍が満州国境を越えて侵入したため、満州軍と騎兵中隊で応戦、撃退したが、死者８名・負傷４名を出した。参考：月刊PANZER1,’90

＜オランダ王立軍事警察＞：Royal Military Constabulary。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オランダ王立軍事警察（１９８９年）＞：人員3700人（うち徴集400人）。国連ナミビア独立移管支援群UNTAGに33人を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オランダ王立軍事警察（２０１５年）＞：人員5900名、予備役80名。国防省の組織だが、任務の大部分は他省庁に遂行権がある。準軍事地区６区に旅団規模部隊25個を配備する。YPR-765装甲車24両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オランダ海軍＞：1925-26年、スマトラ級巡洋艦２隻が竣工。1928年、デロイテル級駆逐艦４隻が竣工開始。1936年、デロイテル級軽巡（初代）１隻が竣工。1937年、C.14-W水上練習機24機を配備。1938年、トロンプ級軽巡２隻が竣工開始。1940年2月、巡洋戦艦３隻の建造が承認された。1945年、Ｓ級駆逐艦１隻が就役。1953年、デロイテル級軽巡（２代目）２隻が竣工。P-2対潜哨戒機の導入を開始。1954年、ホラント級駆逐艦４隻が就役開始。1956年、フリースラント級駆逐艦８隻が就役開始。1957年、シーホークMk.50艦戦を配備。1975年、トロンプ級ミサイル・フリゲート２隻が竣工開始。1978年、コルテノール級フリゲート10隻が竣工開始。1981年、P-3C対潜哨戒機の配備を開始。1990年、ワルラス級潜水艦４隻が就役開始。1991年、カレル・ドールマン級フリゲート８隻が就役開始。1998年、ロッテルダム級ドック型輸送揚陸艦が就役開始。2002年、デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート４隻が就役開始。2005年、軍制が改編され、実戦部隊の指揮権が海軍参謀総長から艦隊司令長官（海軍司令部）に移った。2010年、NFH-90ヘリの引き渡しが開始された。2011年、ホランド級外洋哨戒艦４隻が就役開始。2014年、統合補給支援艦JSS１隻が就役。参考：月刊軍事研究3,’10、月刊世界の艦船3,’14、5,’16、6,’20、12,’21

　＜オランダ海軍（１９７７年）＞：兵力17000名（うち徴兵2000名、海兵隊2900名、海軍航空隊1900名）、予備役20000名（うち即時動員9000名）。潜水艦６隻、ミサイル駆逐艦２隻、ミサイル・フリゲート６隻、駆逐艦／護衛艦９隻、沿岸護衛艦６隻、哨戒艇５隻、対機雷戦艦艇37隻、高速戦闘支援艦２隻、アトランティック対潜哨戒機８機、P-2対潜哨戒機15機、リンクス対潜ヘリ７機、ワスプ対潜ヘリ12機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜オランダ海軍（１９８９年）＞：兵力16900名（うち徴兵1400名、海兵隊24800名、海軍航空隊1400名）、予備役9400名。デン・ヘンデルに司令部、フリシンゲンに基地がある。海外拠点はキュラソーのウィレムスとアルバのオランジェスタッド。ワルラス級潜水艦１隻、ズヴァールヴィス級潜水艦２隻、ドルフィン級潜水艦３隻、トロンプ級ミサイル駆逐艦２隻、ヤコブ・ファン・ヘームスケルク級ミサイル駆逐艦２隻、コルテノール級フリゲート10隻、ヴァン・スペイク級フリゲート１隻（もう１隻保管しており、インドネシアに引き渡し予定）、アルクマール級機雷掃討艇15隻、ドックム級沿岸掃海艇11隻、強襲／車両兵員揚陸艇12隻、ポールステル級洋上給油工作艦２隻、観測艦３隻、メルキュール級魚雷艇母艦１隻、曳船２隻、P-3C対潜哨戒機13機、リンクスUH-14Aヘリ５機、リンクスSH-14Bヘリ９機、リンクスSH-14Cヘリ８機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オランダ海軍（２０１３年）＞：兵力6850名。ワルラス級潜水艦４隻、デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート４隻、カレル・ドールマン級フリゲート２隻、ホランド級外洋哨戒艦４隻、ロッテルダム級ドック型輸送揚陸艦２隻、揚陸艇17隻、掃海艇６隻、測量艦２隻、練習艦２隻、補給艦１隻、潜水艦支援艦１隻、補給支援艦１隻、給油艦１隻、艦載ヘリ20機を保有する。参考：月刊世界の艦船3,’14

　＜オランダ海軍（２０１５年）＞：現役兵力9150名（海兵隊含む）、予備役80名。ワルラス級潜水艦４隻、デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート４隻、カレル・ドールマン級フリゲート２隻、ホランド級外洋哨戒艦４隻、アルクマール（トリパルタイト）級掃海艇６隻、ロッテルダム級ドック型輸送揚陸艦２隻、ヨハン・デ・ヴィット級揚陸艦１隻、Mk9LCU５隻、Mk5LCVP12隻、兵站支援船31隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オランダ海兵隊＞：1965年、第２次英蘭戦争でイギリス海兵隊に対抗するため創設された。第２次大戦でオランダが占領されると、イギリスに脱出した部隊が自由オランダ軍に参加し、ヨーロッパ戦線では自由オランダ陸軍イレーネ王女機械化歩兵旅団の一部として戦闘に加わっている。太平洋戦線では自由オランダ軍海兵旅団としてアメリカ海兵隊から兵装を受領し訓練を施され、蘭領東インドへの上陸作戦に備えたが、実施前に終戦となった。第２次大戦後は蘭領イリアンジャヤに駐留し、1961年のインドネシア軍侵攻で戦闘を行っている。1973年、イギリス海兵隊第３コマンドー旅団との共同部隊であるイギリス・オランダ合同水陸両用戦部隊を編成。参考：月刊世界の艦船3,’19、月刊丸12,’90

　＜オランダ海兵隊（１９７７年）＞：兵力2900名。２個水陸両用戦闘グループと１個山岳・極地戦中隊からなる。参考：軍事力バランス78年版

　＜オランダ海兵隊（１９９０年）＞：兵力2800名。２個コマンドー群、１個山岳・極地戦中隊、１個予備役コマンドー群からなる。輸送艇として陸軍が戦車輸送用ボート１隻、沿岸哨戒用ボート３隻、河川哨戒用ボート15隻を保有している。参考：月刊丸12,’90、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オランダ海兵隊（２０１３年）＞：５個大隊からなり、２個が機動作戦、２個が戦闘支援、１個が水陸両用作戦を主任務とする。オランダ領アンティルとキュラソーに１個中隊ずつが派遣されている。参考：月刊世界の艦船3,’14

　＜オランダ海兵隊（２０１５年）＞：兵力2650名。特殊部隊群１個、海兵大隊２個、水陸両用強襲群１個、支援中隊１個からなる。Bv-206D装甲車160両、BvS-10装甲車73両、81mm迫撃砲L16/M1を12門、スパイクMR対戦車ミサイル、パンツァーファウスト�Vダイナレンジ2000、FIM-92A携帯地対空ミサイル、BvS-10装甲回収車４両、レオパルト１戦車回収車４両、BvS-10医療装甲車４両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オランダ空軍＞：1955年、OH-23ヘリの導入を開始。1979年、F-16戦闘機の導入を開始。1994年、KDC-10空中給油機２機を導入。2011年3月、リビア爆撃作戦に参加。2012年、C-130H-30輸送機２機を導入。2013年7月15日、F-35A戦闘機初号機が引き渡された。2014年10月7日からイスラム国爆撃作戦を開始。2017年2月22日、脅威となり得る民間航空機に対処する際、オランダ空軍戦闘機がフランス領空に入ることを認める協定をフランスと調印した（他にベルギー、ルクセンブルクと調印済み）。2023年1-4月、ガーディアン・ライトニング�U作戦を実施。F-35A戦闘機８機をポーランドのマルボルク空軍基地に派遣し、スクランブルや共同訓練を行った。参考：月刊航空ファン6,’11、1,’15、月刊JWings5,’17、7,’23

　＜オランダ空軍（１９７７年）＞：兵力17700名（うち徴兵4100名）、予備役11500名。F-104G迎撃機18機、F-104G戦闘爆撃機36機、NF-5A/B戦闘爆撃機54機、NF-5B練習機18機、RF-104G偵察機18機、F27輸送機12機、ナイキ・ハーキュリーズ16基、ホーク66基を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜オランダ空軍（１９８９年）＞：兵力18200名（うち徴兵4800名）、予備役6000名。NF-5A戦闘攻撃機31機、NF-5B転換訓練機15機、F-16A戦闘機109機、F-16B練習機32機、RF-16A偵察機20機、F-27輸送機12機、F-27洋上哨戒機２機、SA-319救難ヘリ４機、VL4/41フライキャッチャー対空レーダー25基、70口径40mm高射機関砲システム75基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜オランダ空軍（２０１５年）＞：現役兵力8050名、予備役420名。年間平均飛行時間180時間。F-16AM/BM戦闘機61機、F-35A戦闘機２機、KDC-10空中給油機２機、C-130H輸送機２機、C-130H-30輸送機２機、ガルフストリーム�W要人輸送機１機、PC-7練習機13機、AH-64D攻撃ヘリ28機、NFH-90/TTH-90ヘリ18機、SA316アルエート�Vヘリ４機、CH-47Dヘリ11機、CH-47Fヘリ６機、AS532U2ヘリ８機、AIM-9L/-9M/-9N/-120B空対空ミサイル、AGM-114K対戦車ミサイル、AGM-65D/G空対地ミサイル、GBU-10/-12/-24レーザー誘導爆弾を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オランダ軍＞：2014年9月、陸軍にサイバー防衛コマンドを新編した。要員は全軍から派出される。2015年初め、サイバー防衛戦略を改訂した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オランダ軍（１９８９年）＞：兵力99000名（うち徴兵49200名）、予備役158400名。陸海空軍からなる。西ドイツに兵力5700名、機甲旅団１個、偵察大隊１個、工兵大隊１個、支援部隊、戦車122両、155mm自走砲18門、対戦車ミサイル30基、オランダ領アンティール諸島にフリゲート１隻、両用戦分遣隊１個、海上哨戒分遣隊１個、F-27洋上哨戒機２機、アイスランドに兵力30名、P-3C対潜哨戒機１機、エジプトにシナイ多国籍軍として兵力105名、通信分遣隊１個を派遣している。NATO中央連合軍司令部があり、アメリカ陸軍800名、アメリカ空軍2000名と戦術戦闘飛行隊１個が駐留する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オランダ軍（２０１５年）＞：現役総兵力36050名（陸軍18850名、海軍9150名、空軍8050名）、王立軍事警察5850名、予備役3200名（陸軍2700名、海軍80名、空軍420名）、予備役王立軍事警察80名。アフガニスタンにNATOのレゾリュート・サポート作戦要員83名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにEUFORアルテア作戦要員６名、アデン湾・インド洋にEUアタランタ作戦向けフリゲート１隻、イラクにインヒアラント・リゾルブ作戦要員130名、ヨルダンにインヒアラント・リゾルブ作戦向けF-16AM戦闘機４機、マリにEUTMマリ要員１名、MINUSMA要員532名、特殊作戦中隊１個、攻撃ヘリ飛行隊１個、ヘリ飛行隊１個、工兵中隊１個、情報中隊１個、中東にUNTSOオブザーバー12名、北海にSNMCMG向け掃海艇１隻、セルビアにKFOR要員５名、南スーダンにUNMISS要員６名（うちオブザーバー４名）、シリア・イスラエルにUNDOF要員２名、ウガンダにEUTMソマリア要員６名、ウクライナにOSCE要員９名、アメリカにAH-64D/CH-47D訓練飛行隊１個を派遣している。イギリス空軍90名、USEUCOM要員380名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オランダ坂＞：長崎市の旧外国人居留地がある東山手の活水女子短期大学方面に上る坂道のことで、昭和30年代建造の護衛艦（あやなみ型、むらさめ型、あきづき型）にみられる後部甲板のスロープの別名。艦首の甲板と艦尾の甲板に段差があるので、スロープを造って繋いであり、その角度が13度あるのでこのニックネームが付いた。船体の強度維持には有利だが、乗員は不便この上ない。その後の護衛艦も後部ヘリ甲板と艦尾甲板などの段差をスロープで繋いであるものがあり、ここまで急ではないのでミニ・オランダ坂と呼ばれている。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊JWings2,’00、月刊世界の艦船1,’16

＜オランダ侵攻＞：第２次大戦時、オランダはドイツと300kmに亘り国境を接していたが、総兵力は44000名、戦車はルノーFT２両とカーデンロイド軽装甲車５両だけという貧弱な戦力だったため、国土の北半分を放棄して戦力を南に集中し、多数の河川と運河を頼みに持久戦を行うこととした。ドイツ軍はオランダとベルギーには陽動攻撃を行う予定にしており、主力の第18軍に機甲部隊として配備されていたのは第９機甲師団のみだったため、奇襲空挺作戦により一気にオランダを制圧することにした。1940年5月10日、ドイツ第７空挺師団が空挺降下によりオランダのワールハーフェン橋を確保し、ロッテルダムのフットボール場にも降下してミューズ川橋梁を押さえた。この時水上機で空挺隊を河川に着水させ、橋梁爆破装置を解除している。ハーグに隣接するルースデゥイネン、イーペンブルグ、デルフトとヴァルケンブルク飛行場群を第２降下連隊が確保したが、この際目標外に多数が着地して大きな損害を被った。ハーグに向かった第22空輸師団の２個連隊は、途中のイーペンブルグで熾烈な対空砲火に遭って11機が撃墜された上、強行着陸した飛行場でオランダ軍の重砲射撃を喰らって多大な損害を出したが、ハーグの占領には成功し、主要官庁を制圧。しかし王族は取り逃がした（数日後にイギリス駆逐艦で脱出）。更に２個空挺連隊がロッテルダム近郊の飛行場や、ワール川やマース河口の橋梁を確保、各部隊はアムステルダムに向けて進撃を開始した。5月14日、He111爆撃機50機がロッテルダムを空襲し、市民1000人が死亡、これを受けてオランダ政府は降伏を申し入れ、翌日に全軍が降伏した。オランダ王室と亡命政府は帰国せずイギリスに留まったため、オランダはドイツ占領下に置かれた。18-45歳の男性は労働力としてドイツ企業に強制徴収され、1941年2月からはユダヤ人が収容所に送られている。1944年頃からレジスタンスの活動が活発化したが、マーケット・ガーデン作戦の失敗により、オランダ解放は1945年5月6日となった。参考：月刊PANZER2,’02、月刊軍事研究4,’07、8,’07

＜和蘭丸＞：日本陸軍輸送船Holland Maru。元はＫライン（川崎造船所船舶部、川崎汽船、国際汽船の合弁フリート）貨物船である。垂線間長117.35m、幅15.54m、深さ10.97m、満載吃水8.27m、総トン数5870トン、重量トン数9090トン。主機は三連成汽機１基１軸3982馬力、航海速力10.5ノット、最大速力14.1ノット。大正9年2月20日竣工。太平洋戦争勃発で日本陸軍に徴用された。その後徴用を解除されて船舶運営会が運航していたが、昭和17年10月17日、馬公から門司に向け航行中に豊後水道入り口でSS-237トリガーの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’13

＜オランダ陸軍＞：1971年、CA-1自走対空機関砲95両の配備を開始。1982年、レオパルト2NL戦車の導入を開始。冷戦終結後に一旦戦車部隊を廃止したが、2015年にレオパルト2A6を装備して復活させた。ただ配備先はドイツ陸軍との合同部隊である第414戦車大隊で、ドイツ国内に置かれており、オランダ陸軍が単独で運用できる戦車は無い。参考：月刊丸7,’09別冊、月刊PANZER4・5,’17

＜オランダ陸軍（１９７７年）＞：兵力75000名（うち徴兵43000名）、予備役145000名。機甲旅団２個、機械化歩兵旅団４個、オネストジョン地対地ミサイル大隊２個からなる。航空中隊も編成されているが、乗員は空軍所属である。センチュリオン中戦車340両、レオパルト１戦車470両、AMX13軽戦車、AMX-VCI／YP408／M113装甲兵員輸送車2000両、105mm/155mm/203mm牽引式榴弾砲、AMX105mm自走榴弾砲、M109自走榴弾砲、M107自走カノン砲24門、M110自走砲、107mm/120mm迫撃砲、MGR-1オネストジョン地対地ミサイル、TOW対戦車ミサイル、カールグスタフ無反動砲、106mm無反動砲、70口径40mm高射機関砲、アルエート�Vヘリ60機、Bo105ヘリ30機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜オランダ陸軍（１９８９年）＞：兵力63700名（うち徴兵43000名）、予備役143000名。軍団司令部１個、機械化師団司令部３個に機甲旅団３個、機械化歩兵旅団６個、独立歩兵大隊１個、ランス大隊１個、防空大隊３個を擁する。うち機甲旅団１個、機械化歩兵旅団２個、独立歩兵大隊１個は平時には基幹要員のみ配置される。ヘリコプター飛行隊３個が編成されているが、ヘリの運用は空軍が行う。レオパルト1A4戦車468両、レオパルト2NL戦車445両、YPR-765歩兵戦闘車（25mm機関砲装備）708両、M-113C/R歩兵戦闘車（25mm機関砲装備）265両、M-113装甲兵員輸送車484両、YPR-765装甲兵員輸送車1432両、105mm砲M101を42門、155mm砲M114を140門、M-109A2自走砲222門、M-110A2自走砲76門、81mm迫撃砲、107mm迫撃砲194門、120mm迫撃砲145門（うち保管中10門）、ランス地対地ミサイル発射機７基（うち保管中１基）、ドラゴン対戦車ミサイル427基、TOW対戦車ミサイル326基、106mm無反動砲185門、ゲパルト（CA-1）自走高射機関砲95両、70口径40mm高射機関砲131門、FIM-92A携帯地対空ミサイル479基、アルエート�Vヘリ64機、Bo-105ヘリ29機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜オランダ陸軍（２０１５年）＞：現役兵力18850名、予備役2700名。オランダ・ドイツ共同司令部１個、特殊部隊中隊４個、ISR大隊１個、第43機械化旅団、第13軽機械化旅団、第11空中機動旅団、砲兵大隊１個、防空コマンド１個、軍民協同大隊１個、工兵大隊１個、爆発物処理中隊２個、戦闘通信大隊１個、CBRN中隊１個、医療大隊１個、野戦病院５個、整備中隊３個、輸送大隊２個からなる。予備役は３個歩兵大隊からなる。フェネック偵察車296両、フクスCBRN偵察車９両、CV9035N歩兵戦闘車184両、ボクサー装甲兵員輸送車85両、M577A1装甲車14両、XA-188装甲車70両、ブッシュマスターIMV装甲車85両、PzH2000自走砲18両、81mm迫撃砲L16/M1を27門、120mm迫撃砲ブラント16門、フェネックMRAT自走対戦車ミサイル40両、スパイクMR対戦車ミサイル、FIM-92A装備フェネック自走地対空ミサイル18両、FIM-92A装備MB自走地対空ミサイル18両、パトリオットPAC-2GEM/PAC-3防空ミサイル20基、FIM-92A携帯地対空ミサイル、AN/TPQ-36対砲迫レーダー６基、WALSレーダー、スクワイア・レーダー、コーディアック装甲工兵車10両、レオパルト１装甲工兵車20両、ビュッフェル戦車回収車25両、レオパルト１戦車回収車52両、レオパルト１戦車橋８両、ボゼナ地雷処理車を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オリーブ・ドラブ＞：Olive-Drab（OD）、緑茶色、OD色。アメリカ軍や防衛省・自衛隊の標準塗装色の１つ。参考：兵器最先端５、MAMOR vol.105、vol.128

＜オリヴァー・ツイスト＞：イギリス海軍オリヴァー・ツイスト級通船Oliver Twist。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜オリヴァー・ツイスト級＞：イギリス海軍通船Oliver Twist級。オリヴァー・ツイスト、スマイク、ユーライア・ヒープが竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜オリヴァー・ハザード・ペリー＞：FFG-7（フリゲート）を参照。

＜オリヴァー・ハザード・ペリー級＞：アメリカ海軍ミサイル・フリゲートOliver Hazard Perry級。計画当初はパトロール・フリゲートに分類されていたが、建造中の1975年6月にミサイル・フリゲートに変更された。大西洋横断高速船団の護衛及び基地から1000海里の地点での10時間哨戒が主任務で、対空・対水上戦を重視しており、AN/SQQ-89(V)2ソナーシステムを装備するが、アスロックや低周波バウソナーを搭載せず、対潜戦装備はAN/SQS-56中周波ハル・ソナー、VDS（後にTASS）、対潜魚雷発射管のみとして低コストに抑え、ヘリ２機を搭載して対潜能力を補った。船体はシーアを有する平甲板型で、２層甲板の前後に長いアルミ合金製上部構造物を持つ。艦首にはブルワークを設けて凌波性を高めているが、フレアーが足りなかったので波飛沫が酷く、艦首舷側の一部にスプレーレールを付けた。船体前方に居住区画を集中させ、機関を後ろ寄りに設置したため、煙突は上部構造物の後方にある。艦橋上部にはアンテナマストが３本立っており、前部に76mm砲管制用Mk92レーダー方位盤を収容した卵形レドーム、真ん中のラティスマストにAN/SPS-49対空レーダー、後方の背の高いラティスマストにTACANなどを装備。航海レーダーはAN/SPS-55である。マストと主砲の間にはターターミサイル管制用のSTIR多目的照射レーダー（Sepate Target Illumination Radar。AN/SPG-60の改良型）が設置された。艦載戦闘システムはWDS Mk13、対艦ミサイル射撃管制装置はMk92。艦尾はトランサム・スターンで、右寄りにAN/SQR-18A曳航ソナー用の孔が２つある。27番艦以降はSH-60B及びRAST搭載を行ったため、艦尾がオーバーハングしている。弾薬庫区画に厚さ19mmのアルミ装甲、主機関管制室に16mmの鋼板、電子区画・指揮区画には19mmのケブラー装甲が施されているが、CICは艦橋内にあり、やや抗堪性に欠ける。機関はアメリカ護衛艦として初めてガスタービンを採用し、SSSクラッチ付き減速歯車装置（逆転機無し）で１軸に纏めて可変ピッチプロペラを駆動する。出力には余裕が持たされており、主機１基で速力25ノットが出せ、公試では最大速力36ノットを叩き出したが、巡航速力以下での燃費が悪いとみられる。戦術情報処理装置はNTDSで、後期艦にはリンク11及びリンク14が搭載されており、前期艦にも改装時に追加された。建造費節減のため、カッター揚収装置は左舷のみ、錨と揚錨装置は右舷のみとしている。FFG-36以降はRAST装備のため艦尾を延長した。全長135.64m（FFG-8とFFG-36以降は138.07m）、幅14.43m（13.7m？）、吃水6.7m（4.5m？）／7.5m（ソナー部分）、軽荷排水量2648トン、満載排水量3486トン（FFG-8とFFG-36以降は4100トン）。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン２基１軸41000馬力、速力28.5ノット、航続距離4200海里（20ノット）。引き込み式補助電気推進ポッド（325馬力）２基を装備しており、６ノット（４ノット？）での航行が可能で、FFG-58サミュエル・Ｂ・ロバーツがペルシャ湾で触雷して機関を損傷した際に役立った。離着岸時にはサイドスラスター代わりにもなる。兵装はターター艦対空ミサイル用単装発射機Mk13が１基（前甲板）、62口径76mm単装砲Mk75が１門（上部構造物中央）、324mm短魚雷用３連装発射管Mk32を２基（Mk46短魚雷24発）、12.7mm単装機銃４丁。FFG-29以降はヘリ格納庫上部後端に20mmCIWS１基を装備する。ヘリコプター２機（FFG-34まではSH-2G LAMPS�T、FFG-36以降はSH-60B LAMPS�VでRAST装備）を並列搭載するヘリ格納庫を装備しており、アスロックは搭載していない。乗員206名（176名？）、航空要員19名。1977-89年にFFG-7オリヴァー・ハザード・ペリー、FFG-8マッキナニー、FFG-9ワッズワース、FFG-10ダンカン、FFG-11クラーク、FFG-12ジョージ・フィリップ、FFG-13サミュエル・エリオット・モリソン、FFG-14ジョン・Ｈ・サイズ、FFG-15エストシン、FFG-16クリフトン・スプレイグ、FFG-19ジョン・Ａ・ムーア、FFG-20アントリム、FFG-21フラッドレイ、FFG-22ファーリオン、FFG-23ルイス・Ｂ・プラー、FFG-24ジャック・ウィリアムス、FFG-25コープランド、FFG-26ギャラリー、FFG-27マーロン・Ｓ・ティスデル、FFG-28ブーン、FFG-29スティーブン・Ｗ・グローブス、FFG-30レイド、FFG-31スターク、FFG-32ジョン・Ｌ・ホール、FFG-33ジャレット、FFG-34オーブレイ・フィッチ、FFG-36アンダーウッド、FFG-37クロメリン、FFG-38カーツ、FFG-39ドイル、FFG-40ハリバートン、FFG-41マクラスキー、FFG-42クラクリング、FFG-43サッチ、FFG-45ド・ワート、FFG-46レンツ、FFG-47ニコラス、FFG-48ヴァンデグリフト、FFG-49ロバート・Ｇ・ブラッドレイ、FFG-50テイラー、FFG-51ゲァリー、FFG-52カー、FFG-53ハウズ、FFG-54フォード、FFG-55エルロッド、FFG-56シンプソン、FFG-57ルーベン・ジェームス、FFG-58サミュエル・Ｂ・ロバーツ、FFG-59カウフマン、FFG-60ロドニー・Ｍ・デービス、FFG-61イングラハムの51隻が就役した。後にFFG-33以外の前期艦も艦尾を延長してRASTを装備した。1970年代初頭からターター艦対空ミサイルをスタンダード艦対空ミサイルに換装した。1977年頃からMk13Mod4ミサイル発射機を装備し、ハープーン艦対艦ミサイルも運用可能となった。弾数はSM-1MR艦対空ミサイル36発とハープーン艦対艦ミサイル４発。曳航ソナーは当初VDSだったが、後にAN/SQR-19TACTASSを装備している。1987年5月にFFG-31スタークがエグゾセ対艦ミサイルを被弾して大損害を被ったのを受け、消火設備やダメージ・コントロール設備の改善が実施された。1990年代、後期型11隻にAN/SYQ-17個艦防空システムが搭載された。2003年以降、Mk13発射機及び多目的照射レーダーを撤去してミサイル装備が無くなったが、艦首はミサイル・フリゲートのままである。2009年の諸元（最終要目も同様）は以下の通り。全長138.1m（FFG-33は135.6m）、幅13.7m、吃水4.5m／7.5m（ソナー部分）、基準排水量3230トン、満載排水量4166トン（FFG-33は3638トン）。主機はCOGAG方式、LM2500ガスタービン２基、出力41000軸馬力、１軸推進、速力29ノット、航続距離4200海里（20ノット）。兵装は76mm単装砲１門、20mmCIWS１基、324mm短魚雷用３連装発射管２基。一部、Mk13発射機撤去部に架台を設置して25mm単装機関砲Mk38を１門装備する艦もある。ヘリコプター２機を搭載する。乗員200名、航空要員19名。2015年9月26日、FFG-56シンプソンが退役し、全艦退役した。参考：アメリカ護衛艦史、月刊世界の艦船4,’04増刊、5,’14、2,’13、3,'22、3,’07、9,’96、3,’92増刊、4,’98、1,’10、12,’15、6,’16、月刊軍事研究5,’03、7,’16、ザ・マーチ40号

＜オリヴァー・ハザード・ペリー級・海外シリーズ＞

　＜アデレード級＞：アデレード級を参照。

　＜オリヴァー・ハザード・ペリー級（エジプト海軍）＞：エジプト海軍ミサイル・フリゲート。DE1160ハルソナーを装備する。全長135.6m、幅13.7m、吃水7.5m、基準排水量3638トン。速力29ノット。兵装はスタンダードSM-1MR／RGM-84Cハープーン・ブロック１Ｂ単装発射機Mk13が１基、76mm単装砲１門、324mm短魚雷Mk46用３連装発射管Mk32が２基、ファランクス１基。SH-2G対潜ヘリ２機を搭載できる。1996年9月からムバラクなど４隻が就役した。参考：JShips Vol.24、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船10,’21

＜オリヴァー・ハザード・ペリー級（バーレーン海軍）＞：バーレーン海軍ミサイル・フリゲート、別名サブハ（Sabha）級。1996年にサブハが就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。スタンダードSM-1MR／RGM-84Cハープーン・ブロック１Ｂ単装発射機Mk13が１基、324mm短魚雷Mk46用３連装発射管Mk32が２基、ファランクス・ブロック1B１基、76mm単装砲１門。Bo-105ヘリ１機を搭載できる。2019年10月23日、アメリカ国防安全保障協力局がFMSでFFG-49ロバート・Ｇ・ブラッドレイを輸出する許可を出した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船3,’16、1,’20

　＜オリヴァー・ハザード・ペリー級（パキスタン海軍）＞：パキスタン海軍フリゲート、別名Alamgir級。兵装は324mm短魚雷Mk46用３連装発射管２基、ファランクス１基、76mm単装砲１門。2010年にFFG-8マッキナニーが艦番号260アラムジルとして就役した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船5,’21

　＜オリヴァー・ハザード・ペリー級（メキシコ海軍）＞：メキシコ海軍ミサイル・フリゲート。2014年12月18日、アメリカがFFG-38カーツとFFG-41マクラスキーの無償供与を決定した。参考：月刊世界の艦船3,’15

　＜ガブヤ級＞：トルコ海軍ミサイル・フリゲート、別名ガジアンテプ（Gaziantep）級。アメリカ海軍の中古を購入した。全長138.1m、満載排水量3696トン。主機はCOGAG方式、速力29ノット。兵装はSM-1MRブロック�WＢ／ハープーン用Mk13Mod4発射機、ESSM用８セルVLS１基（32発）、76mm単装砲１門、20mmCIWS、324mm短魚雷３連装発射管２基。S-70Bヘリ１機を搭載可能。1998-2003年にF490ガジアンテプ、F491ギレスン、F492ゲムリク、F493ゲリボル、F495ゲディズ、F497ギョクス、ギョクチェアダなど８隻が就役した。近代化改修でMk13Mod4発射機の前方にMk41VLSを半埋め込み式に装備し、AN/SPS-49対空レーダーを撤去して上構上にSMART-S三次元レーダーを搭載している。2015年現在の兵装は以下の通り。スタンダードSM-1MR／RGM-84Cハープーン・ブロック１Ｂ単装発射機Mk13が１基、324mm短魚雷Mk46用３連装発射管Mk32が２基、ファランクス・ブロック1B１基、76mm単装砲１門。８隻中３隻はRIM-162ESSM用８セル垂直発射機Mk41を１基追加装備している。参考：JShips Vol.48、月刊世界の艦船8,'15、6,’12、7,’15、11,’11、1,’04、8,’16、月刊軍事研究9,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜サンタ・マリア級＞：スペイン海軍ミサイル・フリゲートF-80型Santa Maria級。プリンシペ・デ・アストゥリアス級空母の護衛用にライセンス生産したもので、1977年に空母と同時にバサン社に発注されたが、空母の建造を先にしたため、起工は1982年以降にずれ込んだ。AN/SPS-49対空レーダー、シグナール社製STIR射撃指揮レーダー、AN/SPS-64(V)対水上レーダー（メインマスト上）、AN/SLQ-32電子戦装置（艦橋上）、IPN-10戦闘システムを装備する。全長137.7m、幅14.3m、吃水7.5m、基準排水量3610トン、満載排水量3960トン（4017トン？）。主機はガスタービン２基１軸40000馬力、速力29.4ノット。兵装はスタンダードSM-1MR／RGM-84Cハープーン・ブロック１Ｂ単装発射機Mk13が１基、76mm単装砲１門、メロカMod2A/2B近接防御兵器１基、324mm短魚雷Mk46用３連装発射管２基。S-70Lヘリ２機を搭載できる。乗員225名。1986年からF81サンタ・マリア、F82ヴィクトリア、F83ヌマンシア、F84レイナ・ソフィア、F85、F86の６隻が就役した。参考：JShips Vol.24、月刊軍事研究1,’07、月刊世界の艦船9,’96、2,’87、3,’92増刊、10,’11、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ジェネラル・カシミエルツ・プラスキ級＞：ポーランド海軍ミサイル・フリゲートGeneral Kazimierz Pulaski級。全長135.6m、幅13.7m、吃水7.5m、満載排水量3638トン。主機はCOGAG方式、出力41000馬力、１軸推進、速力29ノット。兵装はスタンダードSM-1MR／RGM-84Dハープーンブロック1C/RGM-84Fハープーンブロック２単装発射機Mk13が１基、76mm単装砲１門、MU90短魚雷３連装発射管２基。SH-2Gヘリコプター２機を搭載できる。ジェネラル・カシミエルツ・プラスキと艦番号273ジェネラル・タデューツ・コシチェンコの２隻が2000年と2002年に就役した。後にファランクス・ブロック1B１基を追加している。２隻とも近代化改装を加える予定だったが、2012年に一旦放棄され、2013年にジェネラル・カシミエルツ・プラスキのみアメリカで近代化改装とオーバーホールを受ける契約が締結された。2016年にポーランドに戻って2025年まで使用可能となる予定。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船9,’02、11,’00、2,’14、4,’14、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜成功級＞：成功級を参照。

＜オリヴァー・ミッチェル＞：DE-417（護衛駆逐艦）を参照。

＜オリヴェイラ・エ・カルモ＞：F489（コルベット）を参照。

＜オリェーハヴォ・ズーエヴォ＞：ロシア海軍プロジェクト21631ブヤンＭ級ミサイル・コルベット７番艦Orekhovo Zuevo。2014年5月29日起工、2018年就役。参考：月刊世界の艦船8,’14、3,’19

＜オリエント・シールド＞：アメリカ陸軍と陸上自衛隊の相互運用能力強化のために実施されている日米共同訓練のアメリカ側名称Orient Shield。陸自側は日米共同訓練（米陸軍との実動訓練）と総称で呼ぶ。参考：JGround Vol.23

＜オリエント・シールド９９＞：1998年11月2日から11月14日、岩手山演習場で実施された。陸自第９師団第５普通科連隊860名と、アメリカ陸軍第25師団第27歩兵連隊第１大隊590名が参加し、11月3-7日に機能別訓練（普通科と機甲科による共同訓練、実弾射撃訓練、通信訓練、衛生訓練、鉄条網爆破訓練）、11月8日から総合訓練を行っている。参考：月刊軍事研究3,’99

＜オリエント・シールド０８＞：2008年1月28日から2月8日、高田駐屯地及び関山演習場で行われた。参加部隊は第12旅団第２普通科連隊とルイジアナ州兵である。参考：月刊軍事研究4,’08

＜オリエント・シールド０９＞：2009年1月26日から2月3日、大矢野原演習場などで実施された。参加部隊は陸自第８師団第42普通科連隊の700名と、アメリカ陸軍第256歩兵旅団の300名。自衛隊の装備をアメリカ兵が操作したり、イラクでの経験に基づいた救護活動をアメリカ側が自衛隊に伝授したり、両部隊から人員12名ずつを出して２個小隊を編成し、市街地戦闘を行ったりと、共同性の強い内容だった。参考：JGround Vol.23

＜オリエント・シールド２０１２＞：2012年10月24日から11月7日、饗庭野演習場と今津駐屯地で実施された。陸自から第10師団第33普通科連隊など600名、アメリカ陸軍から第25歩兵師団第２旅団戦闘団第1/14歩兵大隊など750名とストライカー装甲車15両（M1126兵員輸送車、M1128機動砲システム、M1129自走迫撃砲、M1130指揮車、M1132戦闘工兵車、M1133野戦救急車）が参加した。参考：朝雲、月刊軍事研究2,’13

＜オリエント・シールド２０１４＞：2014年10月27日から11月7日、北海道大演習場で実施された。陸自から第７師団第11普通科連隊、同第７飛行隊、北部方面航空隊、中央即応集団など隊員900名、CH-47J/JA輸送ヘリ、AH-1S攻撃ヘリ、アメリカ陸軍から第２歩兵師団第２ストライカー旅団、第25戦闘航空旅団など人員850名、AH-64Eアパッチ・ガーディアン４機（初来日）、UH-60ヘリ４機、HH-60ヘリ３機などが参加している。10月21-25日、アメリカ民間コンテナ船が白老港でヘリ11機とストライカー装甲車24両を降ろした。11月5日、アメリカ民間コンテナ船が白老港に入港し、ヘリ11機とストライカー装甲車24両を載せてハワイに向かった。参考：月刊航空ファン1,’15、月刊JWings1,’15

＜オリエント・シールド２０１５＞：2015年9月10-21日、王城寺原演習場で実施された。陸自から第６師団第44普通科連隊基幹の1800名（1280名？）、74式戦車14両、アメリカ陸軍から第25歩兵師団第１ストライカー旅団第１連隊第５大隊基幹の430名、ストライカー装甲車25両が参加し、9月11-15日の機能別訓練では超越交代、戦闘射撃、衛生、第一線救護、通信、偵察、特殊武器、指揮機関訓練、16-19日の総合訓練では一連の状況下における敵陣地への攻撃などを行った。参考：朝雲

＜オリエント・シールド２０１６＞：2016年8月29日から9月21日、饗庭野演習場と今津駐屯地で実施された。陸自から第３師団第36普通科連隊基幹の900名、第３戦車大隊74式戦車、第３飛行隊UH-1Jヘリ、アメリカ陸軍から第25歩兵師団第３ストライカー旅団第27連隊第２大隊基幹の450名、M777榴弾砲、HMMWV、HEMTT、第２歩兵師団第２旅団戦闘団のストライカー装甲車、在日米陸軍（第１軍団前方司令部、第10地域支援群）と第１軍団ルイジアナ陸軍州兵など200名が参加し、機能別訓練（戦闘射撃、衛生、第一線救護、患者搬送、神経剤除染、通信、偵察、ヘリボーン、指揮機関訓練）と総合訓練（防勢作戦から攻勢作戦への転移を想定した陣地攻撃など）を行った。第25歩兵師団の洋上輸送はアメリカ太平洋陸軍第８戦域継戦コマンド第545輸送中隊LSV-2ハロルド・Ｃ・クリンガー３等准尉が実施している。9月9日には歓迎会が開かれ、参加部隊が親交を深めた。参考：朝雲、月刊軍事研究7,’17

＜オリエント・シールド２０１７＞：2017年9月8-25日に実施された。陸自から第１師団第34普通科連隊基幹の1200名、東部方面ヘリコプター隊UH-1J、第１飛行隊UH-1J、第１戦車大隊10式戦車３両、第４対戦車ヘリコプター隊AH-1S、第１ヘリコプター団第104飛行隊CH-47J/JAなど、アメリカ陸軍から第25歩兵師団第１ストライカー旅団戦闘団第21歩兵連隊第３大隊基幹の1200名、ストライカーM1126ICV、M1129MC、M1133MEV、第25戦闘航空旅団第25航空連隊第１攻撃偵察大隊AH-64Dヘリ４機、第２航空大隊UH-60M汎用ヘリ10機（９機？）、第３汎用支援航空大隊HH-60Mヘリ３機（４機？）などが参加し、東富士演習場で機能別訓練（総合戦闘射撃、狙撃、ヘリボーン−共同攻撃、空挺、通信、情報、衛生、施設）と指揮機関訓練、王城寺原演習場で総合訓練を行っている。参考：月刊JWings12,’17、月刊航空ファン11,’17、12,’17

＜オリエント・シールド２０１８＞：2018年8月26日から9月19日に実施された。陸自から第９師団第21普通科連隊基幹の1200名、アメリカ陸軍から第76歩兵旅団戦闘団第151歩兵連隊第２大隊基幹の850名が参加し、王城寺原・相馬原演習場で8月31日から9月5日まで機能別訓練（市街地戦闘、狙撃・斥候、第一線救護、ヘリボーンなど）、9月6日から9月14日まで総合訓練（市街地奪取）を行っている。9月15日にはアメリカ陸軍が地元住民宅にホームビジットを行い、15-16日は仙台・松島地区史跡研修に参加した。王城寺原演習場対策協議会（宮城県副知事と地元３町村長）が情報提供と安全対策を求めたため、東北防衛局が王城寺原演習場内に日米共同訓練現地連絡所を開設して情報提供などを行っている。参考：朝雲

＜オリエント・シールド２０１９＞：2019年8月26日から9月23日に実施された。陸自は西部方面総監を担任官に第４師団第16普通科連隊、第２高射特科団、西部方面特科隊など950名、アメリカ陸軍は在日米陸軍司令官を担任官に第33歩兵旅団戦闘団第2-106騎兵大隊、第17砲兵旅団、多領域任務部隊MDTF（Multi Domain Task Force）など950名が参加し、建軍駐屯地、奄美駐屯地、大矢野原演習場、矢臼別演習場などで、指揮機関訓練、協同射撃、対艦戦闘、対空戦闘などの実動訓練を行っている。九州防衛局は8月22日から9月26日に現地連絡所を建軍駐屯地に開設し、関連自治体への情報提供などを実施した。参考：朝雲

＜オリエント・シールド２１＞：2021年6月18日から7月11日に実施され、陸自から中部方面隊、第14旅団、第１特科団、第８高射特科群、中央特殊武器防護隊など1400名、アメリカ陸軍から在日米陸軍司令部、第40歩兵師団司令部、第17砲兵旅団、第28歩兵連隊第１大隊、第38防空砲兵旅団第１防空砲兵連隊第１大隊など1600名が参加した。矢臼別演習場で第１特科団第131特科大隊MLRSと第17砲兵旅団HIMARSによる日米共同火力戦闘訓練、経ヶ岬通信所で日米共同警備訓練、奄美駐屯地で第８高射特科群03式中SAMとアメリカ陸軍パトリオットによる対空戦闘シミュレータ訓練、伊丹駐屯地で幕僚による指揮機関訓練（陸自領域横断作戦とアメリカ陸軍マルチ・ドメイン・オペレーションの連携）を行っている。饗庭野演習場では第14旅団第15即応機動連隊と第28歩兵連隊第１大隊による共同戦闘訓練が行われたが、6月23日に第14旅団第50普通科連隊重迫中隊が発射した120mm重迫弾が演習場外に落下する事故があり、実弾射撃訓練や報道公開を中止するなど規模を変更・縮小、更に天候不良が加わってアメリカ陸軍第25戦闘航空旅団第６騎兵連隊第２飛行隊AH-64D戦闘ヘリ４機と陸自AH-1S攻撃ヘリによるヘリボーン共同護衛訓練も中止されてしまった。参考：月刊JWings9,’21、朝雲

＜オリエント・シールド２２＞：2022年8月28日から9月3日、大矢野原演習場などで実施され、アメリカ陸軍在日米陸軍航空大隊UH-60Lヘリ、アメリカ海軍高速輸送艦T-HST-1グアムなどが参加した。参考：月刊JWings11,’22

＜オリエント・シールド２３＞：2023年9月14-23日、東千歳駐屯地、上富良野演習場、矢臼別演習場、静内対空射場、帯広駐屯地、丘珠駐屯地、奄美駐屯地、瀬戸内分屯地などで行われ、陸自から北部方面総監部、第５旅団、第１特科団、第１高射特科団、第１電子隊、北部方面システム通信群など、アメリカ陸軍から在日米陸軍司令部、第１マルチドメイン・タスクフォース、第5-20歩兵大隊、第1-181野戦砲連隊、第38防空砲兵旅団、第10支援群、在艦米陸軍第２歩兵師団第２戦闘航空旅団第17騎兵連隊第５中隊AH-64E攻撃ヘリ、同旅団第２航空連隊第３全般支援航空大隊CH-47F輸送ヘリなどが参加し、陸自領域横断作戦とアメリカ陸軍マルチドメイン作戦を踏まえた日米連携要領訓練や、アメリカ小型揚陸艇部隊と陸自部隊との初の連携訓練（補給品等事前集積・追送など）を行った。参考：陸上自衛隊ホームページ、月刊JWings12,’23

＜オリエンブルグ＞：K129（原潜）を参照。

＜オリオーネ＞：MC205N-1（戦闘機）を参照。

＜オリオール＞：MHC-55（機雷掃討艇）を参照。

＜オリオン＞：スウェーデン海軍情報収集艦Orion。上構にELINT用アンテナを詰め込んだ前後向き円筒形フェアリングを積んでいる。満載排水量1422トン。1984年就役。2009年からコックムス社で改装工事に入り、2010年春に任務に復帰した。後継艦（予定満載排水量2200トン）は2018年6月にポーランドのPGZ海軍造船所で起工されている。参考：月刊世界の艦船7,’17、5,’19

＜オリオン＞：ドイツ海軍特設巡洋艦Orion。元は1930年に竣工した貨物船クールマルクである。総トン数7021トン、速力14ノット。1940年4月6日、キールを出撃。北大西洋で任務に就き、イギリス船ハックビーを撃沈した。6月13日からニュージーランドのオークランド沖に機雷を敷設。太平洋に移動し、6月19日にノルウェー船トロピック・シーを捕獲した。同日、敷設した機雷に客船ナイアガラがオークランド北方ワンガレイ半島沖で触雷して沈没した。乗員乗客は全員救命艇で避難している。8月20日、タスマニア海でイギリス船トラキナを撃沈。位置を通報され、ニュージーランド巡洋艦アキーズと航空機が捜索しに来たが、偽装により脱出に成功した。10月、マーシャル群島方面に移動。11月27日、コメットと共にイギリス船ランギーテンを撃沈。12月7-8日、ナウル島を攻撃し、燃鉱石船４隻を撃沈した。その後マーシャル群島に戻り、４週間に亘り修理と補給を実施した。1941年2月6日に出撃し、インド洋に移動した。5月になり補給船が失われたため、本国に戻ることになり、大西洋に入った。イギリス船チョーサーを撃沈した後、8月23日にジロンドに帰投した。14.5隻81054トン（うち3.5隻がコメットとの共同）を撃沈、敷設した機雷で５隻を沈めている。その後は工作艦や砲術練習艦として任務に就き、1945年5月にシュヴィネミュンデで爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦、月刊世界の艦船11,’23

＜オリオン＞：フランス海軍オリオン級潜水艦Orion。1932年竣工。1940年7月、ポーツマスに脱出してイギリス海軍に接収された。船体の状態が悪かったため、部品取りに使用された後、1943年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜オリオン＞：ロシア軍がイノホージェツBLA計画で開発している中高度長時間滞空中型無人機、イズジェリェ90。2011年からクロンシュタット社が開発した。主翼はアスペクト比の高い直線テーパー翼で、Ｖ字尾翼を持つ。機首下にセンサーターレット、胴体下面に電子光学センサー、合成開口レーダー、ELINT装置などを搭載可能。ISR用だが、要望があれば武装型も開発するらしい。離陸重量1.2トン。推進はプッシャープロペラ、行動半径250km、上昇限度7500m、滞空時間24-30時間。ペイロード0.3-0.45トン。輸出型のオリオンＥもあり、ペイロードが0.2トンに抑えられている。参考：月刊軍事研究10,’17、11,’18、月刊航空ファン10,’17

＜オリオン級＞：フランス海軍潜水艦Orion級。ロワール・シモノ級（630トン型）とも呼ばれ、ロワール造船所とドビジオン造船所で建造されたことからロワール・ドビジオン型とも呼ばれた。全長64.4m、幅5.2m、吃水3.9m、水上排水量656トン。主機はディーゼルと電動モーター、出力1420馬力、速力14ノット。兵装は55cm魚雷発射管６門、40cm魚雷発射管２門、7.5cm単装砲１門。オリオンとオンディーヌ（２代目）が1932年に竣工した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜折り敷け＞：陸上自衛隊用語で、片膝を立てて座る姿勢のこと。あぐらや体育座りなど、座る姿勢一般を指すこともある。参考：MAMOR vol.100、vol.164

＜オリジナル・レベル・キューピッド＞：ブルーインパルス曲技飛行の１つ。２機が会場上空で水平のハートを描く。参考：月刊JWings6,’10別冊付録

＜オリスカニー＞：CV-34（空母）を参照。

＜オリスカニー火災事故＞：1966年10月26日、Mk24発光弾をロッカーに収容していた空母CV-34オリスカニーの乗員が、誤って発光弾を床に落とし、信管を作動させてしまった。慌てた乗員がこれをロッカー内に投げ入れたため、発光弾が炸裂して周りの弾にも引火、そこにスプリンクラーから海水が散布されて化学反応により水素が発生し、大火災となった。爆弾は海中投棄されたため誘爆は免れたが、３時間にわたり延焼し、44名が死亡、航空機６機が全壊・損傷している。参考：世紀の失敗物語

＜折り畳み式銃床＞：銃床を参照。

＜折り畳み艇＞：陸上自衛隊の渡河機材。船外機を付けてボートとして使用する他、多数を並べて板を渡し、軽徒橋にすることもできる。全長3m、全幅0.28m、全高0.415m、重量52kg。エンジン出力2馬力。ヤマト発動機製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜織殿丸＞：日本陸軍輸送船Oridono maru。元は大正6年12月20日竣工の辰馬汽船貨物船で、日華事変勃発により陸軍に徴用された。垂線間長121.92m、幅16.64m、深さ9.14m、満載吃水7.498m、総トン数5305トン、重量トン数8661トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2045馬力、航海速力11ノット、最大速力14.387ノット。昭和17年5月10日、スラバヤ港内で触雷して沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’14

＜オリビ＞：G66（駆逐艦）を参照。

＜オリファント・シリーズ＞：南アフリカ陸軍主力戦車Olifant（象）。センチュリオンがベースで、1976年にプロトタイプが完成し、1978年に採用された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究7,’95

＜オリファントＭｋ．１＞：エンジンを810馬力ガソリンにし、サスペンション、砲塔駆動装置、視察装置を改良した。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜オリファントＭｋ．１Ａ＞：機関系を改良、主砲を105mm戦車砲L7（72発）とし、機銃弾を4250発から5600発に増やし、81mm発煙弾４連装発射機を砲塔前面左右に装備し、車長用キューポラと操縦手用ペリスコープに暗視装置を追加、レーザー測距器を搭載している。戦闘重量56トン。エンジンはテレダイン・コンチネンタル社製ディーゼル（750馬力）、トランスミッションはセミオートマチック、最大速度45km、航続距離250km。1983年から生産され、1985年から部隊配備された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究7,’97、7,’95

＜オリファントＭｋ．１Ｂ＞：FCSを改良、主砲にサーマルスリーブを巻き、車体前面・前上面と砲塔前側面・上面前部にユニット式複合装甲を装着、底面を二重とし、サスペンションをトーションバー式に変更、機関系を強化した。エンジンはテレダイン・コンチネンタル社製ディーゼル（950馬力）、トランスミッションはオートマチック、最大速度58km、航続距離350km。1985年にプロトタイプが完成し、1991年から生産された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊軍事研究7,’95

＜オリファントＭｋ．�U＞：南アフリカ国営アームスコー社が開発した改良型。エンジンを空冷12気筒ディーゼル（1040馬力）に換装し、FCSをTDESに変更、車長用全周パノラミック昼夜兼用サイトを追加した。２個中隊分が改良され、2007年中に配備を完了している。参考：月刊軍事研究1,’07、1,’11

＜オリファント２＞：デネル社製120mm滑腔砲を搭載し、ショト装甲類似の装甲を持つ砲塔を装備したもの。採用されなかった。参考：月刊軍事研究1,’07

＜オリャ型＞：ロシア海軍小型掃海艇1259型Olya型。満載排水量66トン。参考：月刊世界の艦船10,’15

＜オリョール＞：ロシア海軍ボロジノ級戦艦（初代）３番艦。1904年10月就役。1905年5月27日、日本海海戦に参加。5月28日、日本に投降し、後に石見となった。参考：歴史群像6,’14

＜オリョール陥落＞：オリョールはモスクワの南南西380kmにある街で、モスクワ−ツーラ−オリョール−クルスク−ハリコフを結ぶ鉄道路の要所にある。元々1566年にオカ川中州に浮かぶ要塞として誕生した。第２次大戦時の1941年9月30日、グデーリアン率いるドイツ第２機甲集団は、タイフーン作戦発動と同時にセフスクを経由してのオリョール攻略を開始。防衛に当たるブリャンスク方面軍はあっさり蹴散らされ、10月1日にセフスクが陥落。10月2日、１日で130kmを踏破した第２機甲集団がオリョールまで40kmのクロマィに達した。10月3日、オリョール市内にドイツ戦車隊が突入、市の中心部で防衛線を敷いていたソ連軍を突破して東側に突き抜けた。ソ連軍は市街を放棄して撤退し、翌日にはドイツ軍の随伴歩兵部隊が突入、市の全域を占領している。ソ連軍がオリョールを奪回したのは、ドイツ軍のツィタデレ作戦が失敗した直後の1943年8月5日だった。参考：月刊丸3,’14、月刊軍事研究9,’05

＜オリンパス＞：N35（Ｏ級潜水艦）またはS-12（オベロン級潜水艦）を参照。

＜オリンパス＞：カナダ海軍オベロン級潜水艦Olympus。2011年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船9,’12

＜オリンパスＴＭ３Ｂ＞：ロールスロイス社製艦船用ガスタービンエンジン。ヴァルカン爆撃機用オリンパス・ターボジェットエンジンの転用である。全長8.8m、全幅2.6m、全高3.5m、重量33トン。連続定格出力23400馬力、最大出力26000馬力。燃料消費率１馬力あたり毎時254g。アイドルから全力発揮までにかかる時間は90秒。21型フリゲートに搭載された。参考：丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船5,’83、月刊軍事研究4,’16

＜オリンパスＴＭ３Ｂ海外シリーズ＞

　＜オリンパスＴＭ３Ｂ（海上自衛隊）＞：海上自衛隊艦載ガスタービンエンジン。出力を22500馬力に減格し、はつゆき型、いしかり型、ゆうばり型に搭載した。1986年12月に高圧タービンブレードの折損事故を起こしたため、以降は国産でなく輸入タービンブレードを使っている。参考：丸スペシャルNo.78、月刊世界の艦船7,’23

＜オリンピア＞：SSN-717（潜水艦）を参照。

＜オリンピック作戦＞：太平洋戦争ダウンフォール作戦の一部をなす、南九州上陸作戦。目的は、コロネット作戦のための空海基地を確保することで、昭和20年5月28日にマッカーサーが案を提出した。日本軍は南九州に３個師団、北九州に３個師団を置き、増援は10個師団以下、航空戦力は2500機以下と想定している。上陸部隊主力は陸軍第６軍で、海兵隊含む全上陸部隊を第６軍司令官クルーガー大将が指揮し、３個海兵師団、１個騎兵師団、８個歩兵師団など予備３個師団含め18個師団を投入、第８航空軍、第20航空軍、極東航空軍（10個戦闘航空群、１個エアコマンド、６個重爆航空群、４個中爆航空群、４個軽爆航空群、３個偵察航空群、３個夜戦航空群）、第３艦隊（正規空母14-16隻、軽空母６隻、戦艦９隻、巡洋艦26隻、駆逐艦75隻。イギリス太平洋艦隊も隷下に入り、戦力は昭和20年8月15日時点で正規空母５隻、軽空母４隻、巡洋艦12隻、駆逐艦40隻であり作戦時には更に増強予定）、第５艦隊（護衛空母36隻、旧式戦艦11隻、巡洋艦26隻、駆逐艦・護衛駆逐艦387隻、両用作戦用艦船1371隻）が支援にあたり、総兵力815000名、総地上戦闘兵力339793名（陸軍252150名、海兵隊87463名）、総地上支援部隊兵力234132名、第20航空軍兵力119370名、艦船3000隻、航空機6000-7000機、車両134000両が参加する。当初昭和20年12月1日（X-Day）に上陸する予定だったが、昭和20年4月24日の統合幕僚長会議で11月1日に繰り上げられた。Ｘマイナス100日（マイナス75日？）、コロネット作戦支援を兼ねて日本本土全域に爆撃と艦砲射撃を開始、鉄道、橋梁、トンネルを破壊して本州と九州の連絡を遮断し、残存艦艇、航空戦力、港湾、飛行場を撃破する。Ｘマイナス90日、中国沿岸部（上海方面など）及び四国沖で陽動作戦を開始。Ｘマイナス45日、イギリス艦隊が香港を攻撃。Ｘマイナス35日、イギリス艦隊が広東を攻撃。Ｘマイナス14-8日（10月18-24日）、第３艦隊機動部隊が本州・四国・九州の航空基地と海上交通網を空襲。極東航空軍は九州地区を中心に地上交通網を破壊する。Ｘマイナス８日、第３艦隊機動部隊のうち２群を第５艦隊の指揮下に移し、上陸予定地点沖合に部隊を進出させ、沿岸防衛施設と上陸地点に砲爆撃を開始する。極東航空軍は引き続き地上交通網の破壊を行う。Ｘマイナス５日（マイナス４日？）、泊地として利用予定の甑島列島、屋久島、種子島に上陸を開始。前２者に第40歩兵師団、後１者に第158戦闘団を送り込んで制圧する（前１者に第158戦闘団、後２者に第40歩兵師団説あり）。Ｘマイナス１日、上陸地点の沿岸陣地に砲爆撃を集中。X-day0600、上陸開始。宮崎海岸に第１軍団（第25歩兵師団、第33歩兵師団、第41歩兵師団、騎兵戦闘団１個）、有明湾に第11軍団（第23師団、第１騎兵師団、第43歩兵師団）、吹上浜に第５水陸両用軍団（第２海兵師団、第３海兵師団、第５海兵師団）が上陸。第１軍団は宮崎飛行場を奪取して都農、延岡、佐土原、米良莊に向かい、第11軍は志布志飛行場を制圧して都城、加治木、串良に進み、第５海兵両用軍団と手を結ぶと共に大隅半島を遮断し、第５海兵両用軍団は川内を制圧後に出水、加治木、鹿児島に進出して第６軍側面を固め薩摩半島を遮断する。Ｘプラス５日、欺瞞のため四国沖で待機していた第９軍団（第81歩兵師団、第98歩兵師団、第77歩兵師団）が予備兵力として鹿児島湾に上陸。Ｘプラス22日、第11空挺師団を投入。戦況により空挺作戦とするか歩兵師団として陸上作戦に参加させるか決定する。Ｘプラス30日に作戦完了の目途を付け、鹿児島港を拡張したり、人工港２ヵ所、パイプライン、鉄道、道路を設営したりして、地上部隊やコロネット作戦に備え南九州に展開する航空部隊に燃料や物資を十分に供給できるようにする。昭和20年末までに川内・都農ラインまで進出、Ｘプラス90日に作戦を終了する。場合によっては核兵器（各軍団上陸地点の両側面に１発ずつ計６発）や化学兵器を投入する計画も立てられた。戦死傷者は最初の30日で50800名、作戦終了までで105000名と予測され、総数43000床の病院を建設する予定だった。補充兵、捕虜、抑留者などの収容施設も425000名分用意することにしている。昭和20年5月15日、作戦準備が発令され、6月29日にトルーマン大統領が作戦を承認し、オリンピック作戦の事前作戦として7月1日から沖縄に展開するアメリカ陸軍航空軍、7月10日からアメリカ海軍第３艦隊が日本と朝鮮半島に対する空襲と艦砲射撃を開始したが、オリンピック作戦発動前に太平洋戦争が終戦を迎えた。参考：月刊丸8,’15別冊、激闘！太平洋戦争地上戦、歴史群像12,’03

＜オリンピック・トーチ作戦＞：ラインバッカー�U作戦に合わせて開始された、U-2Rによる偵察作戦。昼間は攻撃目標の事前偵察と前夜の爆撃効果判定写真の撮影、夜間はCOMINT任務とB-52へのSAM発射状況のモニター及び警告を行った。参考：月刊軍事研究5,’02

＜オルウェン＞：A122（艦隊給油艦）を参照。

＜オルカ＞：AVP-49（飛行艇支援艦）またはMk295Mod1（誘導砲弾）またはSS-34（Ｋ級潜水艦）を参照。

＜オルカ＞：アメリカ海軍大型無人潜水艇Orca、計画名XLUUV（eXtra Large Unmanned Undersea Vehicle）。ボーイング社が開発したもので、対潜戦、対水上戦、対地上戦、対機雷戦、電子戦などを主任務とする。全長15.5m。航続距離6500海里。2019年2月、４隻の製造契約を結んだ。2022年4月28日、１番艇オルカの命名式が行われた。参考：月刊世界の艦船8,’19、6,’19、8,’22

＜オルカ＞：EADS社のヘリコプター型統合戦術無人機Orka。艦上からの自動発着艦が可能で、テレビカメラ、赤外線暗視装置、レーザー測距器、ESM/ECM装置、レーダー（合成開口レーダー含む）、対潜機器（ソノブイ）などを搭載できる。メインローター直径7.2m、戦闘重量680kg（うちペイロード180kg）。最大速度195km、最大高度3600m、航続時間８時間。リアルタイム伝送可能距離185km以上。参考：月刊軍事研究3,’09

＜オルカ・バイキング＞：S-3対潜哨戒機ファミリーを参照。

＜オルカン＞：M87（ロケットランチャー）を参照。

＜オルカン級＞：ポーランド海軍コルベットOrkan級。満載排水量331トン。兵装はRBS-15Mk3艦対艦ミサイル４連装発射筒１基、9M32艦対空ミサイル４連装発射機１基（手動操作）、AK630CIWS１基、76mm単装砲１門。グロムなどが竣工した。参考：月刊世界の艦船12,’13、THE MILITARY BALANCE 2016

＜オル級＞：イギリス海軍艦隊給油艦Ol級。全長197.5m、幅25.6m、吃水11.1m、満載排水量36000トン。主機は蒸気タービン、出力26500馬力、速力19ノット。ヘリ４機を搭載可能。A122オルウェン、A123オルナ、A124オルメダが1965-66年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜オルサ・マッジョーレ＞：イタリア海軍帆走練習艇Orsa Maggiore。船体は複合材製。メインマストは海面高30m、ミズン・マストは25mである。全長28.3m、幅6.5m、吃水4.3m、排水量73.2トン。補機としてディーゼル（320馬力）１基を搭載する。乗員は士官４名（艇長の大佐を含む）、下士官９名、兵学校生徒７名。1997年5月、日本を訪問。2001年3月14日、日本におけるイタリア年の行事に参加するため、東京に来航した。その後日本各地を訪問している。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜オルジョニキーゼ＞：ソ連海軍チャパエフ級巡洋艦Ordzhonikidze。1940年12月31日に起工されたが、独ソ戦でドイツ軍に接収され、1941-44年に解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜オルジョニキーゼ＞：ソ連海軍スヴェルドルフ級巡洋艦Ordzhonikidze。1949年10月19日起工、1950年9月17日進水、1952年6月30日竣工。8月31日、第４艦隊に配属された。1954年7月、フィンランドを訪問。1955年12月24日、バルチック艦隊に配属された。1956年4月、ポーツマスを訪問。8月、デンマークを訪問。1958年8月、フィンランドを訪問。1961年2月14日、黒海艦隊に転属となった。1962年8月、インドネシアに引き渡され、スラバヤに回航された。1963年1月24日、ロシア海軍籍から除籍された。1月29日、巡洋艦イリアンと改称されてインドネシア海軍で就役。1972年に除籍されて解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜オルゼル＞：291（潜水艦）を参照。

＜オルソヴァ＞：イギリスのオリエント・ライン所属ロンドン−オーストラリア航路船Orsova。全長163.4m、幅19.3m、深さ10.5m、総トン数12036トン。主機は四連成汽機２基２軸14000馬力、航海速力18ノット。船客定員一等288人／二等128人／三等700人。1909年5月20日竣工、6月25日就航。第１次大戦で兵員輸送船になった。1917年3月14日、オーストラリアから帰国する際にイギリス海峡エディストーン灯台沖でＵボートの雷撃を受け大破したが、船長がプリマス湾口の海岸に座礁させて沈没は免れた。修理後の1918年からアメリカやオーストラリアへの帰還輸送に就き、1919年11月にロンドン−オーストラリア航路に復帰。1936年9月、最後の定期航路を終え、スクラップにされた。参考：月刊世界の艦船5,’20

＜オルチレイス＞：F245（フリゲート）を参照。

＜オルデンドルフ＞：DD-972（駆逐艦）を参照。

＜オルデンブルク＞：F263（コルベット）を参照。

＜オルデンブルク＞：ドイツ海軍ヘルゴラント級戦艦Oldengurg。1912年竣工。1916年5月31日のジュットランド海戦では第１戦艦戦隊第１小隊４番艦として主砲弾53発を射撃した。夜戦ではイギリス第４水雷戦隊の砲撃を受けて１発を被弾、８名が戦死し、艦長らが負傷している。1919年に除籍された。1920年5月に賠償艦として日本に引き渡され、現地の日本銀行代理店が19000ポンドでイギリスの業者に売却、1921年にオランダで解体された。参考：近代戦艦史、月刊丸2,’08、月刊世界の艦船6,’16

＜オルトギース７．６５ｍｍ＞：ドイツ軍の自動式拳銃。第２次大戦時に使用された。全長165mm、銃身長87mm、重量600g。口径7.65mm、装弾数８発。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜オルナ＞：A123（艦隊給油艦）を参照。

＜オルバニー＞：CA-123（重巡洋艦）またはSSN-753（潜水艦）を参照。

＜オルバニー＞：オーストラリア海軍哨戒艇Albany。2016年9月12-24日、カカドゥ2016演習に参加。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜オルバニー級＞：アメリカ海軍ミサイル・フリゲート／ミサイル巡洋艦Albany級。バルチモア級重巡をミサイル巡洋艦に大改装したもので、上構を一新して大型化し、２本の煙突をマックに変更、従来の兵装を全撤去してタロス連装発射機Mk12を２基とターター連装発射機Mk11を２基装備した。後甲板がヘリ甲板になっているが、格納庫は無い。全長205.3m、満載排水量17500-18777トン。主機は蒸気タービン４基４軸120000馬力、速力32.5ノット。兵装はタロス艦対空ミサイル連装発射機Mk12が２基、ターター艦対空ミサイル連装発射機Mk11が２基、12.7cm単装両用砲２門、アスロック８連装発射機１基、324mm短魚雷３連装発射管２基。1962-64年にCG-10オルバニー、CG-11シカゴ、CG-12コロンバスの３隻が再就役した。もう３隻改装する予定だったが、費用高騰でキャンセルされている。1976-85年に退役・除籍された。参考：月刊世界の艦船3,’17、6,’16、8,’16

＜オルファート・フィッシャー＞：デンマーク海軍ニールス・ユール級フリゲート。1991年7月25日、ドバイに停泊中、湾岸の夜明け作戦に参加していたAOE-423ときわ・MST-462はやせ両艦長以下10名を艦に招いて記念品の交換を実施。2009年8月18日に退役した。参考：ペルシャ湾の軍艦旗、月刊軍事研究12,’10

＜オルフェ＞：フランス海軍ディヤーヌ級潜水艦Orphee。1933年竣工。1946年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜オルフェウス＞：N46（潜水艦）を参照。

＜オルブライト＆ウィルソンてき弾＞：No76（火炎瓶）を参照。

＜オルムステッド＞：APA-188（攻撃輸送艦）を参照。

＜オルメダ＞：A124（艦隊給油艦）を参照。

＜オルラン１０＞：ロシア陸軍小型UAV。光学センサーを積んでおり、立体的な地上図を作れるらしい。通信妨害装置も搭載している。主翼は高翼配置の直線翼。カタパルトで離陸する。離陸重量14-18kg。推進は機首のプルプロペラ、滞空時間16時間（10時間？）。ペイロード5kg。2010年9月に採用を決定し、ウクライナ紛争やシリア内戦に投入された。参考：月刊軍事研究2,’11、10,’17、月刊JWings7,’18

＜オルラン級＞：キーロフ級（巡洋艦）を参照。

＜オルリョーツ−１＞：ロシアの光学偵察衛星、別名ドン。コバルト／コバルトＭの補完用で、フィルム投下カプセル８基を内蔵する。解像度1m。平均寿命60日。1989-2006年に計８基（2003年に１基、2006年に１基）が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究5,’13

＜オルリョーノク＞：A-90（WIG機）を参照。

＜オレアイ飛行場夜襲＞：太平洋戦争サイパン戦時の昭和19年6月17日0230、サイパンのオレアイ飛行場に向けて日本陸軍戦車第９連隊が行った夜襲。戦力は連隊本部と第３・第４中隊（第１・第２中隊はグアムに配備されていた）の九七式中戦車改３両、九七式中戦車25両、九五式軽戦車２両で、練度が極めて高く、射距離600mでの命中精度はほぼ100%、1200mの移動標的への命中率も50%以上だった。一時アメリカ軍戦線を崩壊寸前に追いやったものの、救援のM4シャーマンには何発命中させても撃破することができず、乱戦の中でバズーカ砲にも撃ち取られ、１両を除いて全滅してしまった。参考：月刊グランドパワー5,’04

＜オレアド＞：フランス海軍ディヤーヌ級潜水艦Oreade。1934年竣工。1942年11月8日、カサブランカでアメリカ軍の攻撃を受け沈没した。1943年に引き揚げられ、1946年に解体されている。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜オレオ式緩衝装置＞：正式には空気−オレオ式緩衝装置（Oleo pneumatic shock absorber）。空気・油圧式ショックアブソーバーで、航空機の降着装置用緩衝装置として広く使用されている。気体（圧縮空気や窒素など）と作動油を併用した緩衝装置で、シリンダーとピストンから構成され、ピストン内部には作動油と数百psiの気体が封入される。シリンダーは脚柱と連結していて、着陸の衝撃でシリンダーが上に動いてピストンがストロークすると、シリンダーに開けられたオリフィスと呼ばれる小さな穴を作動油が無理矢理下に通り抜け、その際の摩擦により衝撃を緩衝する。また、ピストン内の気体には圧縮抵抗が生じ、反発力を発生して着陸時の衝撃荷重を打ち消す。オリフィスの面積をストロークに応じて変化させるメータリングピンや、跳ね返りを防ぐリバウンドコントロール・バルブなどを追加することもある。構造は複雑だが、緩衝効率が70-90%と高い。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊航空ファン6,’10、月刊JWings10,’09別冊付録

＜オレク＞：MR-90（レーダー）を参照。

＜オレゴン＞：BB-3（戦艦）またはSSN-793（原潜）を参照。

＜オレゴン・シティ＞：CA-122（重巡洋艦）を参照。

＜オレゴン・シティ級＞：バルチモア級（重巡洋艦）を参照。

＜おれごん丸＞：日本陸軍輸送船Oregon maru。元は大正9年8月16日竣工の川崎汽船貨物船で、太平洋戦争に伴い徴用された。垂線間長117.35m、幅15.54m、深さ10.97m、満載吃水8.26m、総トン数5873トン、重量トン数9037トン。主機は三連成レシプロ蒸気機械１基１軸3828馬力、航海速力10.5ノット、最大速力11.68ノット。昭和17年11月17日、門司からマニラに向かっていたところ、ルソン島の西でSS-182サーモンの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’14

＜オレステス＞：アメリカ海軍魚雷艇母艦。昭和19年12月30日、ミンドロ島付近で特攻機１機に突入されて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜オレネゴルスキー・ゴルニャーク＞：ロシア海軍775型ロプーチャ級揚陸艦Olenegorskiy Gorniak。2013年9月、775型ロプーチャ級揚陸艦コンドポガと共に、ノヴォシビルスク諸島コテリヌィ島で上陸作戦訓練を行った。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜オレフ＞：F-4E戦闘機（イスラエル）またはRF-4E偵察機（イスラエル）を参照。

＜オレンジ＞：BLU-24/B（クラスター子弾）またはPF-43（タコマ級パトロールフリゲート）を参照。

＜オレンジ＞：War plan orange。アメリカ軍がカラー計画に基づいて1904年から研究した対日本戦争計画で、1907年4月28日に最初のものが策定された。日露戦争での日本の勝利とアメリカ国内の移民排斥運動を受けて日本軍の脅威度が高まり日米関係が悪化の兆しを見せた1910年代前半には、まず地理的に優位な日本軍が西太平洋のアメリカ領土（フィリピンやグアム）に侵攻するので、アメリカ軍も西太平洋に作戦根拠地を設け、機動基地と称する特務艦船部隊によりアメリカ本土との補給路を確保しつつ主力艦隊を日本に向かわせると共にアジア以外からの日本へのシーレーンを遮断、最終段階でユーラシア大陸東岸沿いに北上して日本本土に迫り、日本海軍主力艦隊を撃破して制海権を確保、日本陸軍部隊を各地に孤立させ、海上封鎖で日本を干上がらせるという計画を立てた。フィリピンやグアムは日本の方が距離的に圧倒的に近いので、日本軍に先制攻撃を受ければ間違いなく陥落してしまうため、フィリピンやグアムに予め基地を作っておこうとしたが、政治判断で却下されている。更に第１次大戦後にミクロネシアがドイツから日本の委任統治領となったので、1922年のワシントン条約でミクロネシア中立化と引き替えにフィリピンやグアムの要塞化を断念した。1923年（1922年？）の案では日本との戦争が勃発したらフィリピンとグアムは捨て、開戦60日後に反攻艦隊が真珠湾を出撃してミクロネシア（第１目標はエニウェトク環礁、目標コードB-1/Base 1またはX-1）を占領し、２週間後にトラック環礁（目標コードB-2）制圧作戦を発動して艦隊根拠地に整備、グアムとフィリピンを奪還してシーレーン遮断を行うことになった。戦力は戦艦18隻、空母３隻、輸送・支援艦艇132隻、補給艦船143隻など戦闘・支援艦艇784隻で、全商船1700万トンの35%を徴用する。しかしフィリピンのマニラを占領されるのは政治的に問題があり、根拠地整備や奪還に時間もかかるため、開戦後14日目にアメリカ艦隊の集結を完了してパールハーバーから出撃させ、そのままフィリピンまで突っ走ってマニラ占領を防ぐという案に修正され、1924年に大統領の承認が得られた。1925年の策定では必要な艦船が戦艦など大型戦闘艦25隻、その他戦闘艦艇303隻、兵員輸送船38隻、輸送船129隻、給油艦248隻と見積もられ、これを収容するのに十分な港湾施設を占領するために海兵隊を南洋諸島上陸作戦任務に就けることを決定、海兵隊兵力を４割増員した。また、航空機の進歩で日本本土への戦略爆撃も行う予定としている。ただハワイからフィリピンまでノンストップで急行して短期決戦を挑むのは無理があり、日本軍の航空機も進歩するのでマニラを確保し続けられないとみられたため、1928年にはフィリピン南部ドゥマンキラス湾に艦隊根拠地を確保し、ワンクッション置いてから艦隊決戦を挑むことにした。1929年の艦隊演習で空母の重要性が判明したため、快速艦艇と空母を組み合わせた高速空母部隊を編成し、主力艦隊の防空、日本艦隊への攻撃、日本本土戦略爆撃を行う事としている。ただ補給路の確保に問題があり、1933年にはマーシャル諸島とカロリン諸島の日本軍を排除して軍港と航空基地を整備し、フィリピン南部の根拠地に開戦後90日で展開する案が作られた。その後、航空機がますます発展して制空権無しでのフィリピン進出が無謀になったため、1936年にはマーシャル諸島とカロリン諸島を制圧してトラック環礁に根拠地を作り、サイパンとグアム（場合によってはパラオ）に侵攻して艦隊決戦を行うことにした。日華事変勃発後の1938年2月には新オレンジ計画となったが、海軍側が積極的な反攻を主張したのに対して陸軍側は消極的で、両者をすり合わせた結果、反攻開始の時期もフィリピン・グアムの防衛方針も曖昧になっている。日独伊防共協定締結とドイツの脅威増大で太平洋・大西洋方面の二正面作戦の可能性が増大すると、1939年8月に複数国を対象としたレインボー計画に改称した。対ドイツ作戦を主眼とし、太平洋方面では持久戦態勢を整えつつハワイを拠点として開戦後60日にミクロネシア攻略作戦を発動することになっており、これに基づいて作戦計画37号が策定されている。参考：月刊世界の艦船4,’17、9,’13増刊、帝国海軍太平洋作戦史�T、第２次大戦のアメリカ軍艦、歴史群像2,’01、帝国陸海軍事典、月刊丸12,’92

＜オレンジエア＞：仮想敵部隊が行う、対艦ミサイル攻撃シミュレートなどの訓練支援任務のこと。参考：月刊航空ファン11,’11

＜お渡り＞：日本海軍用語で、官給品のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜お渡り食器＞：日本海軍用語で、官給の琺瑯引き食器のようにヒゲの薄い美男子のこと。女性にはもてるが、威厳と貫禄に欠ける。参考：海軍よもやま物語

＜オン・ウイング整備＞：On wing maintenance。機体から機能部品を取り外さず、部分的な分解やモジュール交換を行う整備のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜音楽（航空自衛隊職種）＞：航空自衛隊の職種の１つ。音楽演奏により隊員の士気を鼓舞する他、国や地方自治体の行事で演奏（儀式・式典演奏）したり、演奏会により空自の広報活動（広報演奏）を行ったりする。災害派遣では行方不明者捜索救助や瓦礫撤去もするし、有事の際には銃を取ることもある。参考：MAMOR vol.108、月刊JWings7,’12

＜音楽科（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の職種。音楽演奏を通じて隊員の士気を鼓舞するのが主任務で、当初は陸上幕僚監部厚生課の所掌だったが、一般向け演奏イベントに毎年数百万人が集まることを踏まえて広報課に移管された。自衛官採用試験に合格して通常の陸上自衛官として入隊し、３ヶ月の基礎教育修了後に音楽隊での部隊説明会に参加して実技試験を受け、合格すると中央音楽隊音楽科（職種学校は無い）で３ヶ月の音楽教育を受講、修了すると晴れて各部隊（各方面隊・師団・旅団・混成団音楽隊）に配属されて演奏を行う。中央音楽隊に欠員が出ると、各部隊音楽隊から選りすぐりの隊員により補充される。幹部は指揮法の教育を受け、指揮者としての能力を身に付ける。有事の際には慰問演奏を行う他、警務隊の指導により指揮所の警備や交通統制などを担任する。職種色は藍色。職種徽章はリラの下に桜星を置き、全体を円で囲っている。2014年、初の声楽要員が入隊し、中部方面音楽隊に配属された。参考：スピアヘッドNo.18、MAMOR Vol.62、月刊JWings4,’16、月刊軍事研究5,’12、陸上自衛隊地上戦力の全容、朝雲

＜音楽隊（航空自衛隊）＞：正規部隊は航空中央音楽隊、北部・中部・西部・南西航空音楽隊。航空自衛官として採用され、教育隊で自衛官としての基礎教育を３ヶ月受けた後、適正者が音楽職種に選ばれる。1961年2月1日、航空音楽隊が新編された。1976年10月1日、北部・中部・西部航空音楽隊が新編された。1985年1月29日、南西航空音楽隊が新編された。参考：MAMOR vol.108、航空中央音楽隊ホームページ

＜音楽隊（自衛隊）＞：軍楽隊とは言わない。主任務は隊員の士気高揚や国民向け広報である。太平洋戦争終戦後にアメリカ軍を参考として編成したため、吹奏楽団の構成となった。毎年募集が行われる訳では無く、欠員が出た時に随時募集される。安定した就職先なので、募集倍率は10-20倍に達する。平日は式典や練習、週末や休日はイベントで演奏（会場の設営から撤収まで行う）し、楽器の整備も自分でこなし、公演ポスターなども製作、当然ながら自衛官として小銃射撃や体力練成なども行うので、かなり忙しい部隊である。隊舎は演奏や歌唱の練習を行うため完全防音で、各パートの練習を行う部屋から全楽器の練習をする合奏室まで揃っている。2016年度から防衛省としての海外軍楽祭への派遣を開始した。参考：月刊JWings1,’12、スピアヘッドNo.18、MAMOR vol.118、vol.100、vol.109、朝雲

＜音楽隊（陸上自衛隊）＞：正規部隊は中央音楽隊（隊長は一等陸佐。70-80名）、方面音楽隊（隊長は三等陸佐。50-60名）、師団・旅団隷下のナンバー音楽隊（隊長は1-2等陸尉。40名前後）、富士学校音楽隊。他にも駐屯地音楽隊や職種学校音楽隊などがあるが、全て有志隊員の課外活動である。主任務は音楽演奏で、富士学校音楽隊、施設学校音楽隊、高射学校音楽隊は教育支援任務も行う。楽器は管楽器と打楽器が中心で、弦楽器はほぼ無い。イベント運営や音楽製作のため、部隊には楽譜係や企画係が設けられている。音楽だけでなく、平時には警衛など、有事には警備などの任務に就くので、楽器の代わりに小銃を手にして陣地構築や防御戦闘といった上級部隊検閲を受けることもある。師団音楽隊は1975年8月1日に正式な編成に組み込まれた。参考：スピアヘッドNo.18、月刊JWings4,’16、6,'22、MAMOR vol.140、朝雲

＜音響位置局限・測距＞：SOFERを参照。

＜音響環境測定システム改１＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜音響環境測定システム解析用付加装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜音響機雷＞：機雷を参照。

＜音響ジャマー＞：ソナーや音響誘導装置を欺瞞するための装置。大音響・広帯域の雑音を発生させ、自艦雑音やアクティブソナー反響音を覆い隠す。自艦と相手を結ぶ線上に位置させなくてもサイドローブを装えるので一定の範囲内では効果があり、相手が雑音に惑わされているうちに逃げることができるが、逃げ回るうちに効果範囲外に出てしまい、再度ロックオンされたりするので、音響デコイと併用する。参考：月刊世界の艦船12,’17

＜音響情報収集評価器材（ＴＡＳＳ用）＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究11,’18

＜音響情報分析器材＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜音響収録再生評価装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜音響掃海具＞：掃海装置の１つで、音を発して音響機雷を誘爆させる。振動センサーを持つ機雷にも対応できる。参考：月刊世界の艦船10,'15、小艦艇入門

＜音響測深儀＞：測深儀を参照。

＜音響測定艦（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。1990年3月23日、区分・自衛艦−大分類・補助艦−中分類・補助艦艇の下の種別として定められた。艦種記号はAOS、艦番号は5201以降である。1991年からひびき型1-2番艦が就役。平成29年度予算と31中期防で１隻ずつ追加することになり、2021年から3-4番艦が就役した。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’18、6,’21

＜音響探知標的８型＞：自衛隊の標的。JRC特機製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜音響データ収録システム＞：自衛隊の機器。イー・アイ・ソル製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜音響デコイ＞：ソナーや音響誘導装置を欺瞞するための装置。単に航走音や機関雑音を出すだけではなく、航走に伴う音響のドップラー変化を反映させたり、アクティブソナーの反射波を送り返したり、その反射波を伸長させて大型艦が航走しているように見せたりでき、実際に航行していく自走型デコイもある。相手がデコイを追尾している間に安全な所まで逃げる。参考：月刊世界の艦船12,’17、ザ・マーチ５号

＜音響誘導＞：ホーミング魚雷の誘導方式の１つで、魚雷先端のソナーにより目標からの音波を探知してそちらに向かう。ソナー・アレイの大きさが制限されるため、使用周波数は中周波から高周波になるが、デモン解析（高周波音を搬送波とする低周波音を高周波音の波形から解析する方法）が可能なら低周波音も推定できる。魚雷先端を平面状にしてプラナー・アレイ・ソナーを装着するタイプは、送受信音波の計算が単純で魚雷内に収まる小型コンピュータでも処理が楽だが、音波ビーム幅が魚雷進行方向から離れるほど太くなってしまうため、進行方向から60度以上外れると探知が難しくなる。魚雷先端の曲面に合わせてソナー・アレイを貼り付けるフランク・アレイ・ソナーでは、小型高性能コンピュータを積まなければならないが、進行方向から100度くらいまでカバーできる。海底からの反射音に影響を受ける可能性があるため、音響測深儀を備えて海底までの距離により受信音処理を変更する高性能魚雷もある。参考：月刊世界の艦船10,’17、11,’17、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

　＜アクティブ音響誘導＞：自らが音波を出し、目標から反射してきた音波を探知して誘導される方式のこと。逆探知される欠点があるが、高速で接近して相手に回避する暇を与えないことにより補っている。中周波ソナーで数キロメートル先の目標を探知し、接近したら高周波ソナーに切り替えて追尾、目標に命中する。数百メートルまで接近すれば目標とデコイを区別できる解像度を持つ高周波ソナーを備えたタイプもある。参考：月刊世界の艦船10,’17、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

　＜パッシブ音響誘導＞：目標が発する音波を探知してそちらに誘導される方式のこと。潜水艦の静粛性が向上するにつれて音波の探知が困難となっており、アクティブ誘導の方が採用される傾向にある。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜音響粒子速度計測システム＞：自衛隊の機器。東陽テクニカが受注している。参考：月刊軍事研究8,’15

＜音響レンズ＞：音を集めることができるレンズのこと。光学レンズと同様にピントを合わせることが可能で、水中音響データを画像化できる。医療用エコーや高級オーディオで実用化されており、軍事目的としてはソナーの画像化用として研究中。素材としてはアクリルが使用されるが、音波を反射しやすいという特性もあるため複数の音響レンズを組み合わせると境目で反響しまくってゴーストが出るという欠点があり、音波を反射しにくく製造段階での屈折率調整も可能なシリコンゴムなども使われている。参考：MAMOR vol.62

＜オンケル・カール＞：デーニッツ（ドイツ海軍元帥）を参照。

＜音源評定＞：砲弾の発射音をキャッチして、敵弾の発射地点を推定すること。パッシブ式なので逆探知されず、360度をカバーでき、不意打ちを喰らっても発射地点を割り出せる。5-6箇所にマイクを埋め込み、気象データと組み合わせて正確に敵の位置を推定する。参考：月刊JWings9,’02

＜オンコース・ランデブー＞：空中給油機との会合方法の１つで、長距離飛行時などに使用される。給油機と受油機が一緒に飛び、飛行コース途中の設定ポイントで給油を受ける。参考：月刊軍事研究11,’04

＜オンコールＣＡＳ＞：近接航空支援を参照。

＜オンコン整備＞：オン・コンディション整備を参照。

＜オン・コンディション整備＞：On-condition maintenance、オンコン整備と略す。整備の１つで、装備品の定期交換は行わず、航空機などに積んだまま定期的に点検や試験を実施し、不具合や劣化があった場合に限って交換修理すること。予め各部について品質水準を定めておき、これを下回る場合に対策を施す。航空機などに積んだままでチェックが行えるように設計しておく必要がある。参考：飛行機のしくみ、航空用語事典増補改訂版

＜恩施＞：627（コルベット）を参照。

＜恩賜組＞：日本海軍の高等科練習生以上の卒業時成績優秀者のこと。各期のトップ（たまに２番目まで）で、兵学校や機関学校などでは恩賜の短剣、他では銀時計が授与され、分隊整列では最右翼に位置する。貴重な人材なので、前線に回されることはほぼ無い。他の兵の模範でなければならないが、遅刻を恩賜の銀時計のせい（これが遅れたのが原因の場合には罰を受けない）にする不届き者も稀にはいたようである。参考：海軍よもやま物語

＜恩賜の煙草（日本陸軍）＞：天皇陛下が将兵に賜る御下賜品で、１本ずつ菊の御紋が印刷されている。部隊の方では大切に保管し、将兵が前線に赴く際など特別な場合にのみ支給したため、時間が経ちすぎてカビ臭くなっていた。支給の際には第一装軍装に身を包んで全員整列、内務班准尉が班長に、班長が各員に配布する。ちなみに自衛隊でも拝謁などの際に賜ることがあるが、やはり味は良くないらしい。参考：新兵サンよもやま物語、月刊軍事研究12,’12

＜温州＞：526（フリゲート）を参照。

＜温習＞：日本海軍用語で、夕食後の自習時間のこと。参考：陸海軍学校と教育

＜オンジン＞：572（掃海艇）を参照。

＜オンスロー＞：AVP-48（水上機母艦）またはG17（駆逐艦）を参照。

＜オンスロート＞：G04（駆逐艦）またはS-14（潜水艦）を参照。

＜音速＞：音が伝わる速度。乾燥空気の場合、401.8×絶対温度の２乗根で表される。海面高度・気温15度の標準大気では毎秒340.294m（661.5ノット）。概ね３秒で1000m先に届くので、発砲炎が見えてから３秒で10数えるペースでカウントし、発砲音が聞こえた時の数に100を掛ければ発砲箇所までの距離がだいたい分かる（雷の距離を測るのと同じ原理）。ただし風の影響を受けるので注意。気温や空気密度が低いと遅くなり、海面高度・気温15度での音速は毎秒340.294m（661.5ノット）、高度2000mで332.532m（646.4ノット）、4000mで324.589m（631ノット）、6000mで316.4522m（615.1ノット）、8000mで308.105m（598.9ノット）、高度9150mで589ノット、10000mで299.532m（582.2ノット）、12000-20000m（成層圏）で295.069m（573.6ノット）、24000mで297.72m（578.7ノット）、28000mで300.386m（583.9ノット）、32000mで303.025m（589ノット）になる。公式で最初に音速を超えたパイロットはチャック・イェーガーで、1947年10月14日にX-1で記録した。空気より密度が高い水中では空中の４倍速く、毎秒1500mくらい。ただし水温、塩分濃度、水深（水圧）などで変化するので、ソナーによる音響探知ではこれを考慮しないと測距がずれるので、海水温測定ブイ（BTブイ）などを使用して正確な探知を図る。海象によっては海中にシャドー・ゾーンと呼ばれる音が届かない領域が生まれる。参考：月刊JWings5,’03、10,’09別冊付録、月刊軍事研究1,’13、2,’14、図解現代の航空戦、飛行機のしくみ、続日本海軍よもやま物語、世界航空機年鑑2018-2019、航空用語事典増補改訂版

＜オン・ターゲット＞：ロックオンを参照。

＜御嶽山噴火＞：2014年9月27日1152、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が突然噴火。紅葉シーズンの土曜日昼という山頂付近に最も人の集まる最悪のタイミングだったため、250人前後が巻き込まれ、噴石の直撃を受けたり、高温の噴煙を吸い込んだりして多数の死傷者・行方不明者が出た。0015、軽井沢町で防災訓練を視察していた第12旅団第13普通科連隊幕僚が警察無線で御嶽山噴火を知り、同じく防災訓練を視察していた副連隊長に報告。連隊長と第２中隊などはアメリカ陸軍との実動訓練ライジング・サンダー参加のためアメリカにおり、副連隊長が第一種甲非常勤務態勢を発令し、非常呼集と情報所設置を下命した。1414、第13普通科連隊副連隊長が態勢を第一種乙非常勤務態勢に格上げした。1425、長野県から第13普通科連隊にヘリ救助を要請する予定との事前連絡が入った。副連隊長は自宅にいる松本駐屯地業務隊隊長と連絡を取り、当直司令に初動準備をさせるよう依頼した。第12旅団幕僚長と第12旅団長から第13普通科連隊副連隊長に電話が入り、第12ヘリコプター隊の出動準備が整ったことなどが伝えられた。1430、第13普通科連隊副連隊長が態勢を第２種非常勤務態勢に移行させた。1431、長野県知事から第13普通科連隊に人命救助に係る災害派遣が要請された。第13普通科連隊はライジング・サンダー参加のため各部隊に欠員が多く、中隊間で要員を融通し合って救助部隊を編成し、噴火が続く中でのヘリボーンは危険なため、第３中隊長以下65名を黒沢口、第１中隊長以下93名を田ノ原口から自力登山で山頂に向かわせることとした。現地時間26日2200頃に一報を受けた連隊長は了解と返答したのみで、帰国まで全て副連隊長以下日本に残った隊員に任せている。1514、第12ヘリコプター隊UH-60JAが情報収集のため北宇都宮駐屯地を離陸。1525（1610？）、第13普通科連隊FAST-Force29名が松本駐屯地を出発した。1526、第12ヘリコプター隊OH-6Dが相馬原駐屯地から情報収集のため離陸。1750、第13普通科連隊第３中隊主力65名・車両18両が松本駐屯地を出発。第13普通科連隊第１中隊主力90名、第２普通科連隊、第30普通科連隊、第12特科隊、第12偵察隊、第12化学防護隊、第12後方支援隊、第12施設隊、第12ヘリコプター隊（OH-6D、UH-60JA、CH-47J/JA）、東部方面混成団、東部方面航空隊、富士教導団、第１ヘリコプター団第104飛行隊（CH-47JA）、中央特殊武器防護隊、航空自衛隊浜松救難隊、救難教育隊、偵察航空隊も加わり、9月28日早朝から大規模な捜索活動に入った。ヘリは松本駐屯地、松本空港（協定で通常は自衛隊機が使えないが、災害時は例外となる）、大滝村松原スポーツ公園に展開し、泥濘化した火山灰への沈み込みを防ぐため降着装置にスキーを装着、山頂付近への着陸の際には対地高度ゼロでのホバリング状態にするなど工夫している。上空の混乱を避けるため、高度12000フィート（3657.6m）より上は報道用、下は自衛隊／警察／消防用に分けた。頂上は標高3067mで空気も薄く、火山灰がくるぶしから腰のあたりまで降り積もり、火山性ガスと更なる噴火の可能性を警戒しながらヘリで実用上昇限度（CH-47Jで2713m）を超える山頂近くの一ノ池・二ノ池に捜索隊を降ろし（UH-60JAは少しでも軽量化するため増槽を外した）、人力で作業を実施、２回の台風通過による雨で火山灰が粘土のようになり、乾いたら乾いたでコンクリートと化して捜索活動は困難を極め、低酸素から来る高山病や、温度零度近い泥に長時間埋もれての作業による低体温症に陥る隊員が続出した。硫化水素など低分子量火山性ガスの検知防護器材は自衛隊の標準装備ではなく、検知器は一般用を借りて間に合わせたが、防護マスクでは低分子量ガスの吸入を防げないため、かなり危険な任務となっている。それでも隊員の士気は高く、救出活動を優先しようとするあまりゴーグルや防護マスクを外そうとする隊員を、上官が叱り飛ばして阻止する状況だった。また、傷病で倒れ後送された隊員に休養を促しても拒否され、考慮の末にその隊員が自信を失わないよう再度連れて行くといったことも多かった。再噴火で噴石が降り注いだ際と、高温の火山灰（タイヤが溶ける）に備え、富士教導団の89式装甲戦闘車が登山口で待機していたが、火砕流を浴びれば車両自体は熱に耐えられても断熱構造ではないので乗員が蒸し焼きになるし、NBC防護装置は低分子量火山性ガス向きではないため、安全という訳では無い。火山灰に埋もれた遭難者の捜索には地雷探知機も使用した。帰投したヘリは中も外も火山灰まみれで、毎日の整備にも手を焼いている。9月27日、横田基地が在日米軍に向け、火山灰吸入によるエンジン損傷に対する注意情報を発した。9月28日0545、第13普通科連隊と第12偵察隊中心の捜索部隊200名が王滝口と黒沢口から登頂を開始。噴石に備えて隊員は防弾チョッキと鉄帽を着用し、50cmほど降り積もった火山灰が風で舞い上がって視界を遮り、水蒸気が噴出する場所では泥濘化して足元が覚束ない中、心肺停止の４人を搬送した。0651から1347、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリ３機が生存者15人を救助した。1400、火山ガス濃度が上昇したため、地上捜索部隊は捜索を中断。1417-1725、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリが生存者８人を救助した。9月29日0116、帰国した第13普通科連隊長が王滝村役場の第13普通科連隊指揮所に入った。0500、第13普通科連隊などが登山道から前進を開始。0528、CH-47ヘリが情報収集のため離陸。0650、UH-60JAヘリ２機が松本駐屯地を離陸。0655、UH-60JAヘリ１機が松本駐屯地を離陸。1043-1228にUH-60JAヘリが心肺停止の８人を収容したが、午後には火山ガスが濃くなり、1344から救助活動は中断を余儀無くされた。9月30日、自衛隊・消防・警察の合同救助隊は550名から800名態勢（うち自衛隊380名、車両85両、航空機12機）に増強されたが、火山活動が活発化したため、捜索活動は中止された。10月1日、CH-47ヘリが捜索活動に初投入され、自衛官22名と警察官14人を乗せて松原スポーツ公園を離陸し、山頂に向かった。0918-1500、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリと浜松救難隊UH-60Jヘリにより心肺停止の35人を収容。10月2-3日、悪天候で捜索を中断。10月4日、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリにより心肺停止の１人を収容。地上捜索部隊が心肺停止の３人を収容。10月5-6日、台風18号接近のため捜索を中断。10月6日1511、東部方面航空隊UH-1Jヘリが情報収集を開始。10月7日0830、捜索を再開し、捜索範囲を登山道付近から山頂付近全域に拡大。杭とロープで区画を区切り、探索棒や金属探知機を使用して虱潰しの捜索を開始した。夕方までにUH-60JAヘリにより心肺停止の３人を収容。10月8日1150、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリにより心肺停止の１人を収容。10月9日0600、第12ヘリコプター隊CH-47ヘリ３機が松本駐屯地を離陸したが、悪天候で着陸できず、松原スポーツ公園に引き返した。0613、悪天候の予報により地上捜索部隊の活動中止を決定。0910、この日の全捜索活動中止が決定された。10月10日、陸幕長が現地で隊員を激励。0510、東部方面航空隊UH-1Jヘリ１機が情報収集を開始。0600、第13普通科連隊100名が田の原口登山道から登頂を開始。0613-0812、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリ２機とCH-47ヘリ３機が松本駐屯地を離陸し、捜索隊を山頂に輸送。10月11日0830-1015、陸幕長が現場を視察。1355、第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリにより心肺停止の１人と人体の一部を収容。10月13-14日、台風19号接近のため捜索を中断。10月15日朝、自衛隊・消防・警察合同捜索隊は規模を1800名（うち自衛隊330名、車両90両、航空機18機）に拡大して捜索を再開したが、山頂付近で1cmの積雪を観測、悪天候のため1100に打ち切った。10月16日0600、第13普通科連隊基幹の410名が田の原口・黒沢口登山道から入山。0756、東部方面航空隊UH-1Jヘリ１機が情報収集を開始。0955、偵察航空隊RF-4偵察機１機が情報収集を開始。1149、第12ヘリコプター隊CH-47ヘリ１機が行方不明者５家族18人を乗せて山頂上空を飛行した。1815に長野県知事から撤収要請が出され、10月17日昼までに撤収した。延べ隊員7150名、車両1835両、航空機298機を派遣し、心肺停止の56人を収容した。噴火の犠牲者は57人で、６人が行方不明のまま越年を余儀無くされている。12月16日、災派部隊に防衛大臣から一級賞状が授与された。2015年1月21日、救助などに尽力した個人・団体の長野県知事表彰が行われ、陸・空自８部隊と長野地本が感謝状を贈呈された。7月3日1700、長野県知事から陸自第12旅団長に行方不明者の再捜索に伴う支援（警察・消防捜索隊員・捜索隊員用シェルター等物資・行方不明者の空輸）の災害派遣要請が出された。活動日時や内容は長野県と調整して決定している。7月22日、東部方面航空隊UH-1Jヘリと第12ヘリコプター隊UH-60JAヘリが情報収集、CH-47ヘリがシェルター、ドローン、金属探知機などの輸送を開始。7月23日、松本駐屯地に第12ヘリコプター隊ヘリが待機。7月24日、東部方面航空隊UH-1ヘリ１機が待機。7月25日、捜索要員の安全確保用シェルター４基と設置要員50人を、標高2240mにある臨時ヘリポートおんたけ2240から山頂付近に輸送した。7月29日、行方不明者６名の捜索を再開。ヘリでの捜索隊員輸送を行った他、第12旅団第13普通科連隊、第12通信中隊、東部方面管制気象隊が現地指揮所へ要員を派遣した。7月31日1222、警察の捜索隊が１人に遺体を発見。犠牲者は58人となった。8月6日、長野県災害対策本部が捜索活動終了を決定。8月7日1030、長野県知事から撤収要請が出され、撤収した。活動規模は隊員80名、車両15両、CH-47ヘリなど航空機４機だった。５人が行方不明のままとなっている。参考：朝雲、月刊JWings12,’14、1,’15、9,’15、10,’15、月刊軍事研究12,’14、1,’15、3,’15、MAMOR vol.99、vol.105、月刊航空ファン1,’15

＜オンダトラ級＞：ロシア海軍中型揚陸艦Ondatra級。主力戦車１両を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜オンタリオ＞：32（軽巡）を参照。

＜オンディーヌ＞：フランス海軍オリオン級潜水艦Ondine。1932年竣工。1940年7月、ポーツマスに脱出し、イギリス軍に接収された。船体の状況が悪かったため、部品取りに使用された後、1943年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜オンデマンドＵＡＶ＞：アメリカ陸軍研究所が開発したマイクロUAV製造技術。部隊が必要とするUAVを現場で3Dプリンターにより製作するもので、AIと学習機能とも組み合わせ、最適な形状のUAVを短時間で用意する。2018年現在、小さい部品でも作るのに3-4時間かかる、強度が不十分といった欠点があり、改良を続けている。参考：月刊軍事研究6,’18

＜隠戸＞：日本海軍隠戸型給油艦Ondo。大正12年3月12日竣工、運送艦に類別された。昭和3年2月末、タラカンの石油を積んで徳山に帰港。5月8-10日、第２次山東出兵参加艦船に補給を行うため、鎮海から青島に入港。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第６艦隊補給部隊所属だった。昭和18年11月18日、セレベス海でSS-222ブルーフィッシュの雷撃を受け大破した。昭和19年11月13日、マニラ湾キャビテ軍港で修理中に艦上機の攻撃を受けて沈没した。12月20日、除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜隠戸型＞：日本海軍給油艦Ondo型。八八艦隊計画で建造された給油艦で、知床型の小改良型であり、平時に海軍用石油を還送するのが主任務である。前部マスト付け根が門型デリックになっており、上部支柱を補強したため、両端が飛び出している。垂線間長138.68m、最大幅17.68m、吃水8.08m、常備排水量15400トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶はロ号艦本式石炭専焼水管缶４基（隠戸）／宮原式石炭専焼水管缶４基（早鞆、鳴戸）、出力3750馬力、１軸推進、速力12ノット、石炭搭載量1350トン。兵装は三年式50口径14サンチ砲２門、三年式40口径８サンチ単装高角砲２門。石油搭載量8000トン。乗員157名。隠戸、早鞆、鳴戸が大正12-13年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史

＜オントス＞：M50シリーズ（自走無反動砲）を参照。

＜音戸丸＞：MS-55（掃海艇）を参照。

＜恩納分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第19高射隊が置かれている。所在地は沖縄県国頭郡恩納村字恩納7441。太平洋戦争終戦後の1959年に開設されてアメリカ陸軍第30防空砲兵旅団（ナイキ部隊）が駐屯し、沖縄本土復帰を受けて1973年に恩納分屯基地となり、第19高射隊が新編された。参考：恩納分屯基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings6,’10別冊付録、8,’14、MAMOR vol.58

＜音波探信儀＞：ソナーを参照。

＜音標文字＞：フォネティック・アルファベットを参照。

＜オンボロ三羽烏＞：海自創生期にアメリカから供与されたTBM-3W/3S、PV2、PBY6Aのこと。老朽化していて使い物にならず、事故も頻発したため、数年で退役した。参考：日本の防衛戦力Part3

＜隠密行動用戦闘装着セット＞：自衛隊の迷彩服。携帯擬装網（頭から足首までカバーするバラクーダ様の擬装ネット）などから構成される。参考：月刊軍事研究10,’08

＜恩民＞：満州国海軍恩民型砲艇Enmin。1933年7月22日就役。参考：月刊世界の艦船7,’11

＜恩民型＞：満州国海軍砲艇Enmin型。建造は神戸造船所で、仮組立の後に満州に送られ、ハルビンで本組み立てを行った。全長16.6m、排水量15トン。主機はガソリンエンジン、速力10ノット。兵装は重機関銃２丁。乗員14名。恩民、恵民、普民の３隻が1933年7月22日に就役した。参考：月刊世界の艦船7,’11

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