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＜６−３翼＞：F-86戦闘機用の改良型主翼。F-86F初期型まで採用されていた従来型主翼の前縁を付け根で６インチ（152.4mm）・翼端で３インチ（76.2mm）前に延ばし、高速時に抗力を生じるスラットを廃止して主翼中央前縁に境界層板（長さ35インチ・889mm、高さ７インチ・177.8mm）を付けたものである。翼面積は28.1平方メートルに拡大し、後退角は35.7度ときつくなり、翼厚比が減少した。これによりバフェットの発生を遅らせることができ、最大速度が11km上昇、高速時・高空飛行時の機動性が改善したが、低速域での性能が低下し、失速速度が111ノットから125ノットになり、離着陸距離が長くなるという欠点があった。高速旋回でもMiG-15の内側に回り込むことができるようになり、空中戦に有利だったため、一時全てこのタイプの主翼に換えられたが、F-86F-40では更に改良が加えられることになった。参考：世界の傑作機No.39、ジェット戦闘機、月刊JWings5,’13、9,'21

＜六六艦隊＞：日本海軍が明治28年に策定した艦隊計画。列強国が戦時に極東に配備できる艦隊よりも有力なものを揃えるのが目標で、甲鉄戦艦６隻と一等巡洋艦６隻からなる。明治28-29年に第１期・第２期拡張案として予算が認められ、明治36年4月現在で艦齢20年未満の装甲艦排水量で世界第５位となり（イギリス659800トン、フランス299000トン、ロシア234620トン、ドイツ151029トン、日本海軍145077トン、アメリカ129744トン、イタリア126641トン）、戦艦富士、八島、敷島、朝日、初瀬、三笠、一等巡洋艦６隻を揃えて明治38年の日露戦争に臨んだ。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、山本五十六と米内光政

＜６Ｂ１＞： ドイツ海軍の複葉単発双フロート水上戦闘機。C.�T水上武装偵察機の発展型で、1916年の試作要求に応じてルンプラー社が開発し、38機が生産されて基地防空に使用された。全幅12.15m。エンジンはメルセデスＤ�V（160馬力）単発、最大速度135km、航続時間４時間。乗員１名。参考：月刊航空ファン9,’11

＜６Ｂ２＞：ドイツ海軍の複葉単発双フロート水上戦闘機。6B1の改良型で、尾部が変更されている。1918年に49機が生産された。参考：月刊航空ファン9,’11

＜６／ＢＷ＞：�W号戦車Ｅ型を参照。

＜６ＤＫＭ−２８（Ｌ）＞：ダイハツが開発した４サイクルディーゼルエンジンで、AMS-4302すおう、AMS-4303あまくさに搭載された。出力2500馬力。参考：月刊世界の艦船11,’17増刊

＜６ＤＲＶ３５／４４＞：三菱重工と三井造船が開発した艦船用ディーゼルエンジン。Ｖ型６気筒２サイクルターボチャージドディーゼルで、出力4650馬力、回転数570rpm。参考：丸スペシャルNo.78

＜６−ＥＢ−１６＞：アメリカ海軍の潜水艦用６気筒４サイクルディーゼルエンジンで、NLSECO社が開発した。出力440馬力（400rpm）。O-1級、R-1級に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜６−ＥＢ−１９＞：アメリカ海軍の潜水艦用６気筒４サイクルディーゼルエンジンで、NLSECO社が開発した。6-EB-16の出力強化型である。出力1000馬力（375回転）。Ｔ級（シュリー級）潜水艦に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜６ＧＨｚオシロスコープ＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究1,’19

＜６ＩＬ＞：FFARの１つで、Mk66ロケットモーターに遠隔セット信管付き照明弾弾頭を備えたタイプ。参考：月刊軍事研究6,’03

＜６Ｋ１６＞：ソ連陸軍第１世代対戦車ミサイルシステム。3M6ミサイルを用いる。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜６Ｋ３０＞：AO-18（機関砲）を参照。

＜６Ｌ２７．５ＸＦ＞：富士ディーゼルが開発した直列６気筒４サイクルディーゼルエンジン。出力1500馬力。ゆら型輸送艦、すま型海洋観測艦に搭載された。参考：丸スペシャルNo.78

＜６ＬＤＡ２５Ｂ＞：はやしお型・なつしお型潜水艦に搭載されている４サイクルディーゼルエンジン。クランク軸直結駆動の過給用ターボブロワーを装備する。出力は水上675馬力（回転数800rpm）、シュノーケル使用時610馬力（回転数800rpm）。参考：丸スペシャルNo.78

＜６Ｍ５０＞：アメリカ海軍の潜水艦用６気筒２サイクルディーゼルエンジンで、ブッシュ・ズルザー社が開発した。6M100の小型版である。出力300馬力（回転数400rpm）。Ｎ級潜水艦4-7番艦に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜６Ｍ７０＞：自衛隊の電子管。新日本無線製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜６Ｍ８５＞：アメリカ海軍の潜水艦用６気筒４サイクルディーゼルエンジン。NLSECOが製造したMAN社製ベースの２サイクルディーゼルが不調を起こしまくってアメリカ海軍当局が不信感を募らせていたため、ブッシュ・ズルザー社に４サイクルディーゼルを開発させたものである。出力500馬力（回転数450rpm）。O-11級とR-21級に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜６Ｍ１００＞：アメリカ海軍の潜水艦用６気筒２サイクルディーゼルエンジンで、ブッシュ・ズルザー社が開発した。6U32をアメリカ海軍向けに設計変更したものである。出力600馬力（回転数450rpm）。L-5級に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜６Ｍ１５０＞：アメリカ海軍の潜水艦用６気筒２サイクルディーゼルエンジンで、ブッシュ・ズルザー社が開発した。6M100の出力強化型である。出力900馬力（回転数350rpm）。旧Ｓ型潜水艦S-2級、S-3級潜水艦12-15番艦、S-48級に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜６ＭＤ４２＞：播磨造船製直列６気筒２サイクルディーゼルエンジン。出力1600馬力。つがる型敷設艦に搭載された。参考：丸スペシャルNo.78

＜６ＭＧ２８ＨＸ＞：新潟鉄工所が開発した４サイクルディーゼルエンジン。出力2500馬力。AMS-4301ひうち、AMS-4304げんかい、AMS-4305えんしゅうに搭載された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜６ＭＰ＞：FFARの１つで、Mk66ロケットモーターに遠隔セット信管付き多目的小型弾薬弾頭を装備したタイプ。参考：月刊軍事研究6,’03

＜６ＮＭＵ−ＴＡ（Ｂ）Ｅ１＞：海上自衛隊の掃海艇用エンジン。三菱重工製。参考：月刊軍事研究7,’97

＜６Ｐ４９＞：ロシア軍の12.7mm重機関銃。NSVT機銃をコブロフ兵器工場で改良したもので、銃身命数が向上した。参考：月刊PANZER9,’06

＜６ＰＤ＞：FFARの１つで、Mk66ロケットモーターに弾頭起爆信管付き高爆発力弾頭を装備したタイプ。参考：月刊軍事研究6,’03

＜６ＲＣ＞：FFARの１つで、Mk66ロケットモーターに遠隔セット信管付き高爆発力弾頭を備えたタイプ。参考：月刊軍事研究6,’03

＜６Ｓ４＞：AGS-17の遠隔操作システムで、同時に４門を操作できる。参考：月刊PANZER11,’02

＜６Ｓ３０Ｂ＞：富士ディーゼル製直列６気筒４サイクルディーゼルエンジン。出力1300馬力。くりはま型試験艦に搭載された。参考：丸スペシャルNo.78

＜６ＳＫ＞：FFARの１つで、Mk66ロケットモーターに遠隔セット信管付き発煙弾頭を備えたタイプ。参考：月刊軍事研究6,’03

＜６ＳＹ型エンジン用特殊工具セット＞：自衛隊の機器。三菱重工製。参考：月刊軍事研究5,’15

＜６ＴＤシリーズ＞：ソ連の戦車用ディーゼルエンジンで、ウクライナのKhKBDラザンチェフ設計局が開発した。参考：月刊軍事研究4,’02

＜６ＴＤ−１＞：６気筒２サイクル直噴式多燃料ターボチャージド・ディーゼルで、横置きしたシリンダーの両側にピストンを配置した水平対向式を採用し、高さを抑えた。全長1.602m、全幅0.955m、全高0.581m、重量1180kg。ボア120mm、ストローク120mm、総排気量16.3リットル。出力1000馬力（735kW）、回転数2800rpm。T-80UD、T-72AGに搭載されている。参考：月刊軍事研究4,’02、8,’16

＜６ＴＤ−２＞：6TD-1の出力強化型で、T-84、T-72MPに搭載されている。全長1.602m、全幅0.955m、全高0.581m、重量1180kg。出力1200馬力（882kW）。参考：月刊軍事研究4,’02

＜６Ｕ３２＞：アメリカ海軍の潜水艦用６気筒２サイクルディーゼルエンジン。ブッシュ・ズルザー社が技術提携で輸入したものである。出力300馬力（450rpm）。G-2級潜水艦２番艦に搭載された。参考：アメリカ潜水艦史

＜６ＵＨＳ２７／４２＞：赤坂鉄工が開発した直列６気筒４サイクルディーゼルエンジン。出力800馬力。81号型特務艇に搭載された。参考：丸スペシャルNo.78

＜６Ｖ−５３＞：GMデトロイト事業部製水冷２サイクルＶ型６気筒ディーゼルエンジン。6V-53Tからターボチャージャーを抜いたものである。出力215馬力。台湾軍AIFVに搭載された。参考：月刊PANZER5,’06

＜６Ｖ−５３Ｔ＞：GMデトロイト事業部製水冷２サイクルＶ型６気筒ターボチャージド・ディーゼルエンジン。ボア98mm、ストローク114mm、圧縮比17:1、総排気量5210cc。出力265馬力（2800rpm）。参考：月刊PANZER5,’06

＜６ＺＦ＞：ZFシリーズ（エンジン）を参照。

＜六カ国協議＞：六者会合を参照。

＜六号機雷＞：日本海軍の機雷で、大正14年に制式化された。重量1150kg、炸薬量215kg。参考：小艦艇入門

＜�Y号戦車シリーズ＞：ドイツ陸軍重戦車Panzerlampfwagen �Y、別名Sd.Kfz.181ティーガー�T（Tiger �T）。VK4501(H)を1942年3月に制式化したもので、�Y号戦車Ｈ型ティーガー�Tという名称が付いた。1943年3月5日にティーガー�Uと区別するため制式名称ティーガーＥ型・戦車総監部名称ティーガー�Tに改称されている。1942年6月から1944年8月までに1346両（＋試作車３両）が生産され、1942年8月の第502重戦車大隊第１中隊（29日にレニングラード近郊のムガに投入）を皮切りに、重戦車大隊、SS師団重戦車中隊、グロスドイッチュラント師団重戦車中隊に配備された。76mm対戦車砲11発、他の対戦車砲14発、対戦車銃227発、地雷３個を被弾しながら味方陣地に帰り着いたり、１個小隊４両で敵２個戦車中隊を撃破したりと逸話は多い。極初期−後期の分類は、戦後に付けられたものである。参考：月刊PANZER3,’98、月刊丸10,’97、ジャーマンタンクス、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

＜極初期型＞：車体と上部構造物は装甲板をほぼ垂直に組み合わせた単純な構造で、上構前部の操縦室・前方機銃手席部分が車体前部から１段奥に引っ込んでいる。試作初号車には油圧作動の可動式前面装甲があり、上昇させると車体前面上部、下降させると車体前面下部及び履帯を防御するようになっていたが、２号車以降は廃止され、鋼板を中央で折り曲げた形のマッドガード（泥避け）に変更された。車体前部中央にマイバッハ製オルヴァーOG40-12-16A半自動変速機（前進８速・後進４速）があり、これを挟む形で左に操縦手、右に前方機銃手兼無線手が座る。操縦手席前方にあたる上構前面左には装甲バイザーが設けられ、上下２分割された装甲シャッターを持ち、内部に防弾ガラスが嵌め込まれている。バイザーを閉じた場合はすぐ上に丸く開けられた２ヵ所の孔にKFF.2双眼式ペリスコープを取り付けて視界を確保した。側方視界は操縦手用ハッチのペリスコープで得るが、固定式なので視野が狭い。操向操作はパワーステアリング機構付きのハンドルで行う。ブレーキは油圧式ディスクブレーキだったが、不具合が多発したため、後に機械式に変更された。操縦手席左には主砲弾６発が収容される。無線手席前方にあたる上構前面右には機銃用ボールマウントのクーゲルブレンデ100があり、MG34機銃（即応弾150発入り袋12個）とKZF.2照準器が装着されている。変速機の上にはFuG2及びFuG5無線機が置かれた。車体中央は戦闘室で砲塔が載り、戦闘室内にはラジエーターから排出されるホットエアを流用した暖房装置を装備する。車体後部は機関室で、エンジンや燃料タンクを収容する。エンジンはマイバッハ製HL210P45液冷Ｖ型12気筒ガソリン（初期はHL210P30）で、動力は車体前方のトランスミッションに伝えられ、ヘンシェル社製L600C型操向変速機を介して起動輪を回す。機関室内には自動式消火器が装備され、５リットルの消火液が充填されている。エンジン左右にはラジエーターが１基ずつ設けられ、その前方に燃料タンクがある。イギリス本土上陸作戦や渡河作戦のため、潜水装置を備えており、車体リアパネル内側にシュノーケル収容パイプを搭載した。シュノーケルは長さ3mで、機関室後部の空気取り入れハッチに装着すれば深さ4mまで渡河できる。機関室などには防水シールが張られていたが、ボールマウント機銃周囲にシールが張られたのは1942年8月生産車からである。転輪は直径800mm・幅95mm、プレス鋼製で、周囲にゴムが付いているが、荷重に耐えられず破損が多く、走行中にゴムリングが丸ごと外れることもあった。配置は千鳥式で、車軸８本に片側３枚ずつの転輪を配置しており、中央内側の転輪を交換するには他の転輪14枚を外さなければならず、整備には泣かされた。また、冬季には転輪間に雪が挟まって凍り付き、走行不能に陥ることもあった。サスペンションはトーションバー式で、前部は荷重がかかるため他より3mm太い58mm径である。最前部と最後部にはショックアブソーバーが付く。起動輪はダブルタイプで前部にあり、誘導輪（直径700mm）は後部にあって履帯張度調整機構が付く。履帯はKgs63/725/120マンガン鋼鋳造製で、片側96枚、履帯接地面に20-24mmの棒状スパイクを取り付けることができ、鉄道輸送時は外側の転輪８枚を外して幅520mmのKgs63/520/130履帯を使用した。履帯交換は起動輪を使用するが、相当の力仕事である。砲塔は垂直に切り立っており、厚さ80mmの圧延鋼板を馬蹄状に折り曲げて側後面装甲を形成、前面に厚さ100mmの鋳造製防楯を取り付けている。防楯中央に主砲、500mm左にTZF9b照準器、500mm右に7.92mm同軸機銃MG34が搭載された。砲塔上面は厚さ25mmの装甲鋼板で、前部から中央にかけてスロープが付き、主砲に俯角をかけた際に装填作業を邪魔しないようになっている。砲塔上面左に車長用キューポラ、右に装填手用ハッチ、その後方にベンチレーターがある。キューポラには６ヵ所に防弾ガラス（５枚重ね、厚さ計94mm）を嵌めたスリットがあったが、視界は悪かった。砲塔両側面には装甲カバー付きピストルポートを持つ。砲塔バスケットが標準装備され、砲塔内左に砲手、その後ろに車長、右に装填手が位置する。砲塔旋回は油圧式で、エンジン回転数によって旋回速度が変わり、最速でも１回転に１分かかる。手動のバックアップも備えられているが、砲手用ハンドルは720回転、車長用ハンドルでは595回転させて漸く砲塔が一回りした。砲塔両側面前部には装甲カバー・防弾ガラス付きのスリットがある。主砲は56口径8.8cmKwK36、俯仰は手動式で、俯仰角はマイナス９度からプラス10度。弾薬は戦闘室内と操縦席左に計92発を搭載しており、徹甲弾と榴弾を半分ずつにHEATと発煙弾を少数混ぜるのが普通だった。同軸機銃の照準はKZF.2で行い、搭載弾数は5100発。乗員自衛用のMP40短機関銃も搭載した。当初は砲塔後部にゲペックカステンは無く、現地で作って取り付けた。1942年から冬季にエンジンを始動するため、暖機の終わった僚車と冷却水を交換するためのホースを装備した。故障などで牽引してもらうにはSd.Kfz.9を３台繋げなければならないが、ソフトスキンのため前線での使用は不可能で、僚車が引っ張ることが多かった（本当は禁止）。全長8.45m、全幅3.7m、全高2.93m、重量57トン、砲塔重量11トン。装甲板は厚さ100mm以上の部分がHB75またはPP7182、60-80mmがE22、それ未満がE32鋼板を使用しており、装甲厚は車体前面100mm24度、側面60mm０度、後面80mm８度、底面25mm90度、上部構造物前面100mm10度、側面80mm０度、後面80mm８度、上面25mm90度、砲塔前面100mm８度、側面80mm０度、後面80mm０度、上面25mm81-90度、防楯100-110mm０度。エンジンはマイバッハ製HL210P45液冷Ｖ型12気筒ガソリン（初期はHL210P30）、通常巡航速度20km（路上）／15km（不整地）、最大巡航速度38km、最大速度45.4km、燃料容量534リットル（＋予備タンク２基計110リットル）、航続距離100-140km（路上）／60-85km（不整地）。乗員５名。1942年6月に生産初号車がロールアウトした。1942年8月、砲塔側面前部に３連装のNbK.39発煙展張装置を装備、ボールマウント左右に半球状防水カバー固定用長ねじを装着。1942年9月、車体側面に15mm径の履帯交換用ワイヤーを装備。リアパネル左に履帯交換用工具の収容箱を新設。車体側面に４枚の着脱式フェンダーを装着。当初２枚目と３枚目の間で折れ曲がっていたが、すぐに直線になった。1942年10月、Kgs63/725/130履帯に変更。生産21号車（車両番号250021）から、それまでの左右対称の履帯から左側用履帯を右でも履くように変更され、走っているうちに僅かに曲がっていく癖が出た。1942年11月、ファイフェルと呼ばれるエアフィルターをリアパネル左右上部に装備。参考：月刊PANZER3,’98、ジャーマンタンクス、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル、月刊丸4,’07、7,’09別冊

＜初期生産型＞：1942年12月以降の生産型で、車体側面５ヵ所にSMi35Ｓマイン・発煙弾発射機が搭載され、車体前部のマッドガードが外側を上方に折り畳める直線的なものに変更され、車体後部にも同様のマッドガードを新設した。砲塔生産番号46号から、右のピストルポートに換わって脱出ハッチを採用。50号から車長用シートが昇降式になった。56号からゲペックカステンを標準装備。1943年1月、排気管が灼熱して夜間に目立つので、カバーをかけた。操縦手バイザー直上のペリスコープ開口部を廃止。1943年3月、砲塔生産番号179号から主砲後座ガードフレームに金属板を追加。184号から装填手用ハッチ前方にペリスコープを新設。同時期に砲塔側面に予備履帯取り付け具を装着。1943年4月、車内の防水シールを改良し、ファイナルドライブを改善。1943年5月、車体製造ナンバー250251（251番目の生産車）からエンジンをHL230P45に変更、ラジエーターも強化。クランク軸始動用アダプターに小さな孔を１個追加。1943年6月、砲塔生産番号286号から発煙展張装置を廃止。車輌製造番号250301よりショックアブソーバー取り付け部強化でシャシー側面にボルトの頭が出るようになった。また、脱出ハッチを単純な平板としている。参考：月刊PANZER3,’98、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

＜中期生産型＞：1943年7月以降の生産型で、砲塔生産番号391号からハッチが水平に回転して開く鋳造型キューポラ（周囲に７ヵ所のペリスコープを持つ）を採用。ベンチレーターを砲塔中央に移動、左側面のピストルポートを単純な装甲栓に変更。薬莢受けを鋼製から耐熱性の布製に交換。砲塔前部右の主砲カウンターバランスを新型のスプリング強化式に変更して砲塔後部中央に移設。車体左右の前照灯を左側１個に減。被弾時に車長席前方の防護板が飛散して危険なため、石綿製防火布に変更。1943年8月、エアフィルターが役に立たないのと、小火器ですぐに破損するので廃止。潜水装備も廃止され、防水シール、シュノーケル、排気口の逆流防止蓋が外された。1943年9月、ツィンメリット・コーティングの塗布を開始。車体リアパネル左にＣ型フックを装備。車体生産番号250501号から機関室隔壁の形状を変更、整備性を向上させた。1943年10月、車体上面アンテナ基部近くにエンジン始動用シャフトのクランクハンドルを搭載。1943年11月の車体製造番号250625号車からメインドライブシャフトに結合されたファン・ドライブを強化、リアパネルの履帯調節工具収容箱と車体各部のSmi35Ｓマイン発射機を廃止（1943年10月から説あり）。250635号車から、車体右後部にガントラベリングロックを新設。1943年12月、前照灯の装備位置を操縦室前面中央に変更（1943年10月から説あり）。履帯に滑り止めのモールドを追加（1943年10月から説あり）。1944年1月、車体前部のシャックル掛けを上部がえぐれたものに変更。ただし部品ストックの関係で変わっていない車両もある。砲塔左のピストルポートを廃止し、近接防御兵器の導入も決まったが、装備は3月にずれ込んだ。それまでは砲塔上面の開口部がボルト止めの装甲板で塞がれている。車体製造番号250762号車から吸引ポンプとディスチャージポンプを廃止。車体製造番号250772号車から車体リアパネル右に装着しているジャッキを底面プレートが田の字型をした20トン用のものに換装（ただしそれ以降も余った15トン用を装備した車両もある）。参考：月刊PANZER3,’98、月刊グランドパワー3,’04、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル、月刊丸7,’09別冊

　＜後期生産型＞：1944年2月に生産された822号車以降を指すことが多い。具体的には、転輪を内部にゴムを収めたプレス製の鋼製のもの（ティーガーＢと同じ）に変更した生産車両を指す（ただし修理・整備で後方に送られた時に転輪だけ交換した車両もある）。車体前部のシャックル掛けの上部がえぐれたものを指すとするものもあるが、これは1944年1月生産車から改修を受けている。転輪が鋼製に改められると共に、外側の転輪１個ずつが外されて各転輪アームに装着される転輪が２個ずつになった。これにより鉄道輸送時にもいちいち転輪を外さずに済み、整備も多少楽になっている。生産823号車からはエンジン左にエンジン冷却水加温装置が新設され、車体リアパネル左の排気管下方に加温用トーチランプ差し込み口と装甲カバーが追加された。生産850号車からは砲塔周囲に防弾リングが追加。生産861号車からは機関室内の部品５点が砲塔内に移設。876号車からは機関室後部右側の主砲トラベリング・クランプを廃止（いちいち車外に出て外すのが危険）。1944年3月、近接防御兵器を追加。同月の生産991号車からは砲塔上面装甲厚を40mmに強化、装填手用ハッチも分厚い新型に変更。これにより側面装甲の上端と上面装甲の間にかなりの段差が生じた。1944年4月、砲手用照準器を単眼式のTZF.9cに変更（これ以降を最後期型として分類することもある）。ストックされていた防楯は左側の孔を溶接で塞いだ。8.8cmKwK43用の軽量型マズルブレーキを採用。誘導輪を直径600mmの小型のものに変更（1944年2月から説あり）。生産1075号車から燃料タンク上に木製の弾片防御用敷板を装備。1944年6月、砲塔上面にピルツ３個を装備。以前の生産車にも前線で装着した。1944年7-8月のヴェクマン工場生産車は毒ガス検知パネルを主砲スリーブ付け根から400mmの位置と防楯左、ゲペックカステン中央上部の計３箇所に設置。生産1293号車から最終の1346号車までのうち、32両の砲塔は以前の旧型砲塔を改修して製造された。生産終了後の1944年10月から、戦闘室内の弾薬箱に片側８発ずつ砲弾が追加された。参考：月刊グランドパワー3,’04、月刊PANZER3,’98、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

　＜現地改造＞：ゲペックカステン周囲に燃料缶を搭載するラックを鉄の薄板で製作（1945年1月13日にヴァルトフォイヒトで撃破された第301重戦車大隊の212号車）。通常は砲塔側面中央に装着する予備履帯を、増加装甲代わりに砲塔側面前部、操縦室前面、車体前面下部などに鋼線で固定（1944年夏、ポーランドに配備された第507重戦車大隊、1944年初めの第508重戦車大隊、1944年夏の第510重戦車大隊）。車体後面左右にジェリカンホルダーを装備し、更にゲペックカステンの背部に１回り小さい雑具箱を追加した車両も存在する。機関室後端に固定式の主砲載せ板を装備（1944年夏、イタリアに配備された第504重戦車大隊）。参考：月刊グランドパワー3,’04

＜�Y号戦車ファミリー＞

　＜Ｓｄ.Ｋｆｚ.２６７＞：ドイツ陸軍指揮戦車。砲塔右後方の車体上にFuG8、砲塔上面にFuG5のアンテナがあり、同軸機銃が外されて開口部が塞がれている。また、車体右側面にはアンテナを立てるクランプが装備されているが、実際に使用されている資料は存在しない。参考：月刊グランドパワー3,’04

　＜Ｓｄ.Ｋｆｚ.２６８＞：ドイツ陸軍指揮戦車型。FuG5とFuG7無線機を装備したタイプである。参考：月刊グランドパワー4,’98

　＜シュツルムティーガー＞：シュツルムティーガーを参照。

　＜ティーガー戦車回収車＞：ドイツ陸軍戦車回収車Bergepanzer Tiger Ausf E。主砲を撤去し、砲塔に小型のパイプ式クレーンとウインチを装備したもの。1944年に３両が改造された。第508重戦車大隊が現地改造した地雷処理車であるという説もある。参考：ジャーマンタンクス、月刊丸7,’09別冊

　＜ティーガー火炎放射戦車＞：ドイツ陸軍火炎放射戦車。1944年12月15日にヒトラーが出した重装甲火炎放射戦車開発命令に基づき開発された。操縦室前面に新型の大型火炎放射器（射程120-140m）を搭載し、車体後部に800リットル入り燃料トレーラーを牽引するもので、主砲はそのまま使用できる。砲塔未搭載のティーガーと火炎放射器が製作工場に送られる筈だったが、1945年3月で戦況が悪化しており輸送できず、近場の工場で組み立てようとしたが果たせず、そのまま終戦を迎えた。参考：月刊グランドパワー1,’04、異形戦車ものしり大百科

　＜ティーガー無線操縦車＞：ドイツ陸軍Ｂ�W無人車両の誘導母車。車内に送信機を収容し、砲塔右側面前方にアンテナを増設した。1944年夏にイタリアに展開した第504重戦車大隊第３中隊などが装備している。参考：月刊PANZER8,’97、月刊グランドパワー3,’04

＜�Y号戦車海外シリーズ＞

　＜�Y号戦車（日本軍）＞：昭和18年6月に軍事視察団が第502重戦車大隊を視察し、満州防衛のため日本で生産する計画を立てた。車体番号250455を645000ライヒスマルクで購入し、設計図や備品等と共に潜水艦で運ぶことにしたが、戦況悪化で輸送できなくなり、SS第101重戦車大隊に渡されている。参考：ティーガー重戦車パーフェクトバイブル

＜�Y号戦車（Ｈ）Ｈ２型＞：ドイツ陸軍計画戦車。VK45.01(H)に70口径7.5cm砲KwK42を装備したラインメタル社製新型砲塔を搭載したものである。1941年7月25日の兵器局第６課の会合でポルシェ博士が砲塔換装を提案したのがきっかけで、1942年7月1日に制式名称が与えられてモックアップも製作され、�Y号戦車の生産101号車（1943年2月以降）からはこれに変わる筈だったが、主砲換装の必要性があまり無く、ティーガー�U開発計画も進行中で、生産ラインを組み直すのも無駄であり、1942年7月14日に計画中止とされて生産されなかった。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊丸10,’97

＜六号爆弾＞：日本海軍の地上施設攻撃用焼夷弾。第１次大戦後に焼夷弾を対艦用として研究し始めたが、あまり役に立たないことに気付き、第１次上海事変ではイギリス製の焼夷弾を地上施設攻撃に使用した。しかし煉瓦造りの建物に対して効果が薄く、日華事変ではコンクリート製のビルに弾かれて役に立たず、独自開発する必要に迫られて完成させたものである。九八式七番六号爆弾、一式七番六号爆弾が制式化された。参考：日本海軍の爆弾

＜６日間戦争＞：第３次中東戦争を参照。

＜６サンチ砲＞：保式六斤速射砲を参照。

＜六試小型夜間偵察飛行艇＞：日本海軍試作艦載小型飛行艇、別名AB4。洋上の漸減作戦における夜襲を行うため、夜間に敵艦を継続追尾すると共に、弾着観測や味方潜水艦との連絡を行うのが主任務で、愛知航空機が開発した。プッシャープロペラ推進の単発複葉飛行艇で、上翼前縁スラットにより時速83kmでの低速飛行が可能。全長9.75m、全幅13.5m。エンジンは東京瓦斯電製浦風（300馬力）単発、最大速度165km。乗員３名。６機が製作されてテストされたが、性能が悪く採用されなかった。参考：月刊丸3,’90、歴史群像8,’15

＜六試複座戦闘機＞：日本海軍試作艦上戦闘機NAF-1。急降下爆撃もできる戦闘機として昭和6年から中島で製作された。２機が完成したが、戦闘機というよりも単なる急降下爆撃機になってしまい、１機はテスト中に事故で失われ、もう１機は朝日新聞社の通信用機に改造され、制式採用はされずに終わった。全長7.3m、全幅10.3m、全備重量1700kg。エンジンは寿二型（460馬力）単発、最大速度300km。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜六試特殊爆撃機＞：日本海軍の試作艦上爆撃機で、昭和6年に試作が開始され、昭和7年に初飛行した。急降下試験中に墜落して実用化されなかった。参考：月刊丸2,’12別冊付録

＜六者会合＞：六者協議、６カ国協議ともいう。第４回は2005年7月26日から8月7日までと、9月13日から9月19日まで開催され、アメリカのクリストファー・ヒル東アジア太平洋問題担当国務次官補、ロシアのアレクサンドル・アレクセーエフ外務次官、日本の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長、韓国の宋旻淳外交通称部次官補、中国の武大偉外交部副部長、北朝鮮の金桂冠外務副相が参加した。合意内容は、北朝鮮が核兵器と既存の核計画を放棄することと、核兵器不拡散条約NPTとIAEA保障措置に早期に復帰すること、アメリカが朝鮮半島で核兵器を有しないことと、北朝鮮に対して核兵器・通常兵器による攻撃または侵略を行う意図を有しないこと、韓国が領域内に核兵器が存在しないことを確認し核兵器の受領配備を行わないことと、2005年7月12日に提案した北朝鮮への200万キロワットの電力供給を再確認したこと、北朝鮮とアメリカが国交を正常化するための措置を執ること、北朝鮮と日本が平壌宣言に従うことを基礎として国交を正常化するための措置を執ること、経済協力を二国間または多国間で推進すること、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を行うこと、第５回の会合日程を2005年11月初旬に北京で行われる協議で決定すること。2011年8月、アメリカと北朝鮮が再開に向けた協議を開始。12月、金正日急死により交渉が中断した。2012年2月23日、米朝協議を再開。2月29日、北朝鮮がウラン濃縮の停止、IAEA査察受け入れ、核実験と弾道ミサイル発射実験の停止を行い、アメリカが栄養補助食品24万トンを援助することで合意した。4月13日、北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を強行したため、アメリカは食糧支援の中止を決定した。4月17日、北朝鮮が米朝合意の破棄を発表。参考：防衛学研究第35号、月刊軍事研究6,’12

＜六者協議＞：六者会合を参照。

＜６トン戦車（カナダ軍）＞：FT17海外シリーズ（戦車）を参照。

＜六トン輾圧車＞：日本陸軍のロードローラー。自重６トン、最大重量８トン（土砂を積んで重くする）。エンジンは九八式乗用車（乙）用水冷４気筒ガソリン、最大速度10km。参考：工兵入門

＜六瓲唐克車Ｍｋ．Ｅ＞：ヴィッカース６トン戦車・海外シリーズを参照。

＜６トントラック＞：陸上自衛隊の６×６輪ボンネット型トラック。L-90の牽引などに使用される。全長7m、全幅2.48m、全高3.14m、車両重量9.87トン。エンジン出力250馬力、最大速度83km。積載量８トン。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜六年式五三サンチ二連装水上発射管＞：日本海軍の魚雷発射管で、浦風型のものをベースとしている。峯風型と樅型に搭載された。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船12,’10

＜六年式魚雷＞：日本海軍の魚雷。四四式魚雷（53.3cm）の改良型で、大正6年に制式化された。国産初の湿式加熱装置付き魚雷で、低速での航走距離を５割以上延伸している。全長6.84m、直径0.533m、重量1432kg、炸薬重量203kg。空気を装気圧175気圧で詰めてある。航走距離15500m（雷速27ノット）／10500m（雷速31ノット）／8500m（雷速36ノット）。金剛型、扶桑型、伊勢型、長門型、江風型、樅型などに搭載された。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船5,’11、1,’10、12,’10

＜六番一号陸用爆弾＞：日本海軍の60kg級一号爆弾で、昭和10年頃から開発され、昭和11-12年に採用された。内部に下瀬火薬または九八式爆薬2.3kgが入っており、これが炸裂して三号特薬甲17.1kgを周囲にばらまき、炸裂クレーター（２平方メートル）内に濃厚なガス雲を、半径10m以内に薄いガス雲を形成する。滑走路・住宅地・工場地帯に落とす際には九七式六番陸用爆弾と、線路などに落とす際には九八式二十五番陸用爆弾と併用する。信管は弾頭の九二式陸用爆弾信管、九二式陸用爆弾信管改二、九六式信管（いずれも瞬発）で、発火装置は弾頭の九七式二号弾頭発火装置。全備重量68.3kg。10万発作る予定で、４万３千発分が生産されたが、組み立てられたのは昭和19年に4200発、昭和20年に600発である。昭和19年には弾体を陶器で作れるかどうか研究を行っていた。参考：日本海軍の爆弾

＜六番通常爆弾二型＞：日本海軍の60kg通常爆弾で、当初は六〇瓩通常爆弾二型と称した。弾体は流線型で、弾頭部に信管がある。全備重量63.3kg、炸薬重量30kg。厚さ25mmの鋼板を貫徹できたらしい。九九式六番通常爆弾一型に後を譲って昭和17年までには生産中止となった。参考：日本海軍の爆弾

＜六番陸用爆弾シリーズ＞：日本海軍の60kg級陸用爆弾。いつ頃制式化されたかは不明。参考：日本海軍の爆弾

　＜六番陸用爆弾＞：全備重量63.5kg、炸薬は下瀬火薬38kg。高度4000mから投下すると弾体強度不足で信管作動前に本体が壊れる恐れがあるため、昭和17年1月に製造中止となった。ただ在庫が大量にあったらしく、一式弾頭発火装置二型を装着して低高度爆撃に使用したが、今度は発火装置のプロペラが安全装置を解除する前に着弾してしまって不発が多発したため、九七式二号弾頭発火装置二型と交換した。参考：日本海軍の爆弾

　＜六番陸用爆弾改一＞：炸薬を九八式爆薬に変更したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜６ポンド砲シリーズ＞：イギリス陸軍57mm対戦車砲／戦車砲、6pdr Ordnance Quice Firing。２ポンド砲の後継として砲兵局が1938年4月から開発したが、他の兵器の開発で忙しく優先度が下げられ、1940年春に漸く試作砲が完成。10月に最初の量産型発注が出され、1941年2-5月に大量発注が始まったが、２ポンド砲からの生産転換に手間が掛かり、1941年9月から配備されたものの、同年中に配備されたのは対戦車砲300門だけで、月産1500門になったのは1942年6月頃だった。６ポンド戦車砲搭載のチャーチル�Vが完成し始めたのは1942年3月、クルセイダー�Vは1942年5月になってからである。量産され始めた頃には北アフリカ戦の戦訓からもっと強力な砲の必要性が判明しており、２ポンド砲と同じく榴弾が撃てず戦術が制限されるという欠点もあった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊PANZER10,’04

　＜６ポンド砲Ｍｋ．�T＞：最初の生産型で、少数のみが訓練部隊に配備された。２ポンド砲より全高が低く、隠蔽は楽だった。運行重量1.244トン。方向射界90度、俯仰角はマイナス５度からプラス15度。使用弾は徹甲弾で、重量2.84kg、初速毎秒900m、装甲貫徹力は射距離900mで67mm（傾斜角30度）。榴弾は用意されていない。参考：月刊PANZER10,’04、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜６ポンド砲Ｍｋ．�U＞：量産型。Mk.�Tよりも砲身がやや太く短くなっている。砲身長2.44m、口径長42.8。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜６ポンド砲Ｍｋ．�V＞：Mk.�Uの戦車砲型。口径2.24インチ（57mm）、砲身長96.2インチ（2.44m）、砲全長100.95インチ（2.56m）、重量768ポンド（348.4kg）。砲弾重量６ポンド４オンス（2.84kg）、砲口初速毎秒2800フィート（853m）、装甲貫徹力は射距離500ヤード（457m）で81mm（傾斜角30度）。砲架を小型化した空挺部隊用対戦車砲も製作され、1944年9月のマーケット・ガーデン作戦でアルンヘムに投下された。参考：月刊PANZER1,’03、British and American tanks of World War Two、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜６ポンド砲Ｍｋ．�W＞：砲身長を2.565m（45口径）に延長し、シングルバッフル式マズルブレーキを装着したもの。APCBC弾を使用すれば�W号戦車に対抗できるようになった。装甲貫徹力は射距離457mで118mm。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜６ポンド砲Ｍｋ．�X＞：Mk.�Wの戦車砲型。砲口にはマズルブレーキではなく、Mk.�Vよりも２回りくらい太いカウンター・ウエイトが装着されている。口径2.24インチ（57mm）、砲身長112.2インチ（2.85m）、砲全長116.95インチ（2.97m）、重量720ポンド（327kg）。砲口初速毎秒2965フィート（904m）、装甲貫徹力は射距離500ヤード（457m）で83mm（傾斜角30度）。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊PANZER6,’01、British and American tanks of World War Two

＜６ポンド砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍ１＞：アメリカ軍の対戦車砲。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜Ｍ３＞：アメリカ軍の戦車砲。口径57mm、砲身長60口径、初速毎秒792-853m、最大射程7315m。装甲貫徹力63mm（射距離229m）／40mm（同914m）。参考：月刊PANZER10,’12、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜６メートル・カッター（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦載カッター。構造は７メートル・カッターと同じで、スオートが３列に減っている。全長6m、全幅2m、深さ0.8m。参考：丸スペシャルNo.77

＜６メートル・カッター（日本海軍）＞：日本海軍のカッター。オール12本（６本？）で進む。全長6m、全幅2m、深さ0.8m、重量0.7トン。搭載人員22名。参考：小艦艇入門、写真で見る海軍糧食史

＜６メートル通船（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の通船で、敷設作業支援用としてつがる型敷設艦に両舷１隻ずつ搭載された。ラッフィング式ボート・ダビットに搭載する関係で、船首と船尾に吊り上げ用スリングを持つ。櫓は艫櫓しか搭載していない。全長6m、全幅1.6m、深さ0.6m、基準排水量0.5トン。参考：丸スペシャルNo.77

＜６メートル通船（日本海軍）＞：日本海軍の通船。全長6m、幅1.5m、深さ0.6m、重量0.47トン。搭載人員13名。櫓２本を搭載する。参考：写真で見る海軍糧食史

＜６メートル内火艇（海上自衛隊、軽合金製）＞：海上自衛隊の内火艇。船体はアルミ合金製で、船体舷側全周に木製防舷物があり、艇首と艇尾角にゴム製フェンダーを持つ。艇前部には後部開放式の操舵室がある。船室はオープントップだが、雨よけキャンバスを張ることが可能。主機は船室中央にあり、エンジンカバーで覆われる。全長6m、全幅2m、深さ0.9m、船体重量0.533トン、排水量2.401トン。主機はガソリン１基１軸30馬力、速力7.5ノット。最大20名乗り（乗員含む）。４隻が建造され、あけぼの型、いかづち型、えりも型に搭載された。1966年からFRP製６メートル内火艇に交代した。参考：丸スペシャルNo.77、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船9,’96

＜６メートル内火艇（海上自衛隊、ＦＲＰ製）シリーズ＞：海上自衛隊の内火艇。参考：丸スペシャルNo.77

＜６メートル内火艇（海上自衛隊、ＦＲＰ製）＞：６メートル内火艇（軽合金製）をFRP製にしたものである。船体加工はハンド・レイアップ成形法で、FRP製メス型に布状ガラス繊維を積層させており、外板厚3.7mm、甲板厚3.2mmで、船体とデッキ部に分けて作られている。船型はFRP成形しやすいようチャインを半径100mmで丸めたアークボトム船型を採用しており、トランサムコーナーも半径150mmで丸められていて、艇中央部付近から直線的なシーアが付けられている。船室腰掛けの下が浮力室で、発泡ウレタンフォームが充填されており、片舷４カ所ずつの隔壁が設けられている。船体外舷前縁には欅材による防舷物がボルト止めされ、艇首と艇尾トランサムコーナー部にはフェンダーが装着された。操舵室天蓋上には両色灯と小型マストがあり、マストトップには檣灯が付けられている。主機はディーゼルに換装された。全長6m、全幅2m、深さ0.9m、軽荷排水量1.779トン（船体0.596トン、艤装0.202トン、機関0.518トン、電気0.136トン、固定斉備0.041トン、一般斉備0.044トン、燃料0.092トン、乗員0.15トン）、満載排水量3.12トン。主機はディーゼル、出力30馬力、１軸推進、速力７ノット。20名を乗せられる。日本飛行機株式会社が生産を担当し、1966年3月に３隻が建造され、あけぼの型、いかづち型に搭載された。1967年2月に建造されたものは東京大学実習船白鳳丸に搭載されている。他に敷設船１号が搭載した。参考：丸スペシャルNo.77

　＜改６メートル内火艇（海上自衛隊、ＦＲＰ製）＞：操舵室を廃止して主機関脇の操縦台で操舵や主機運転を行うようにしたもの。ゆら型、ASU-85特務艇85号に搭載された他、特務艇81-84号が木製６メートル・カッターをこれに換装した。参考：丸スペシャルNo.77

＜６メートル内火艇（日本海軍）＞：日本海軍内火艇。全長6.0m、最大幅1.9m、吃水0.6m、排水量2.5トン。機関出力10馬力、速力6.5ノット。参考：小艦艇入門

＜６．４天安門事件＞：天安門事件（第２次）を参照。

＜６．５メートル内火艇＞：日本海軍内火艇。全長6.5m、幅1.9m、深さ0.95m、重量2.505トン。搭載人員20名。参考：写真で見る海軍糧食史

＜６０＞：イギリス海軍フィジー級軽巡洋艦ナイジェリア（Nigeria）。1940年竣工。1941年9月6日、ノルウェー北岬沖で、軽巡12オーロラと共にドイツ砲術練習艦ブレムゼを撃沈した。1957年、インドに引き渡されてC60マイソールになった。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、写真集ドイツの巡洋艦、月刊世界の艦船6,’83

＜６０ｃｍ探照灯＞：ドイツ軍の探照灯で、1930年代初めに実用化された。8kWの発電機から給電する。光量は１億3500万カンデラで、高度5200mを飛行する航空機を1500m先で照らし出せる。指揮官、照準手、操作員２名、整備員で操作する。1944年8月までに固定式794基、移動式5582基が生産（それ以降も生産が続けられている）されて高射砲連隊軽高射大隊に配備され、口径37mm以下の高射機関砲と組み合わせて使用された。牽引にはSd.Ah.51を使用する。参考：歴史群像4,’11、月刊グランドパワー9,’04

＜６０Ｋ＞：JPADS（空中投下システム）を参照。

＜６０ｍｍ迫撃砲（Ｂ）＞：陸上自衛隊が2014年度予算で要求した60mm迫撃砲で、オーストリアのヒルテンベルガー社製M6Cコマンドモーターを輸入したものである。底板は無く、代わりに手持ち射撃用の取っ手が付いている。砲身長815mm、砲身重量10kg、二脚付き全備重量20kg。使用弾は60mm迫撃砲りゅう弾や照明弾など。最大発射速度毎分30発。西部方面普通科連隊、水陸機動団などに配備された。参考：月刊軍事研究11,’13、月刊JWings2,’18、月刊PANZER6,’18、MAMOR vol.158、朝雲

＜６０ｍｍ迫撃砲（Ｂ）用弾薬＞：自衛隊の弾薬。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究10,’14

＜６０ｍｍ迫撃砲（Ｂ）用特殊工具セット＞：自衛隊の機器。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究1,’19

＜６０ＲＵシリーズ＞：ソ連海軍艦対潜ミサイル、というか魚雷・爆雷搭載無人機で、米軍コードSS-N-14、NATOコードはサイレックス（Silex）。アメリカは当初対艦ミサイルと間違えてSS-N-10というコードを付けた。大柄なので、大型艦に専用発射機を積む必要がある。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船11,’17

　＜６０ＲＵ＞：核爆雷搭載型。発射されると発射母艦の対艦・対空ミサイル用管制レーダーまたは対潜ヘリコプターの指令誘導（使用周波数E/Fバンド）を受けて高度400mをマッハ0.95で飛翔、敵潜水艦近くに核爆雷を投下する。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’12

　＜７０ＲＵ＞：450mmホーミング魚雷搭載型。全長7.6m。推進は固体燃料ロケット、射程55km。参考：月刊丸3,’90、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜８０ＲＵ＞：E53-72ホーミング魚雷搭載型で、対水上艦戦闘にも投入できる。ミサイルの最大射程は50kmで、対潜ヘリからの管制も可能。システム名称はURPK-3メテルである。参考：月刊丸4,’07、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜８５Ｒ＞：これもURPK-3メテル用。全長7.4m、胴体直径0.54m、翼スパン2.4m、全高1.7m、発射重量3.8トン。ロケット作動時間155秒、巡航速度マッハ0.95、巡航高度600-800m、燃料搭載量0.96トン、射程55km。弾頭はAT-2U/AT-2UM対潜魚雷。事故や故障が多いという欠点があった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜８５ＲＵ＞：80RUの改良型で、システム名称はURPK-5ラストラブＢ。ミサイル弾体を上下に重ね、その間の左右にロケットモーターを取り付けた構造をしており、上部弾体に誘導装置、ロケット制御装置、頭部水平安定翼、中央水平操縦翼、垂直尾翼、下部弾体に魚雷と尾部垂直安定板が付いている。80RUより弾頭を軽量化して射程を延伸した。また、対艦モードでも運用でき、その際には上部弾体に対艦用爆薬を取り付け、魚雷を切り離した後で敵艦にそのまま突っ込むようにする。故障と事故の多さに悩まされたらしい。全長7.2m、直径0.57m、発射重量４トン。巡航速度マッハ0.95、巡航高度400-750m、射程90km。誘導は指令誘導（E/Fバンド。対艦モードは終末赤外線パッシブ）。弾頭はUMGT対潜魚雷。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊軍事研究11,’98、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、4,’09

　＜８５ＲＵＳ＞：85RUの弾頭をUMGT-1対潜核魚雷に変更したもの。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜六〇瓩通常爆弾二型＞：六番通常爆弾二型を参照。

＜６０式３ｔ雪上車＞：陸上自衛隊の装軌式雪上車で、中型雪上車ともいう。53式雪上車や54式３トン雪上車をベースに開発され、1960年に仮制式化された。車体はボンネット型。転輪は鉄製、履帯はゴムレール付き中央駆動型で、履板長さ0.113m、履帯幅0.55m、履帯接地長2.39m、履板枚数片側63枚。ソリを付ければ75mm榴弾砲M1A1パックハウザーや1/4トントレーラを牽引できる。全長4.07m、全幅1.98m、全高2.05m、車重2.87トン、全備重量3.77トン。エンジンはトヨタＦ型水冷４サイクル６気筒ガソリン（105馬力、総排気量3878cc）、トランスミッションはシンクロメッシュ式前進４段・後進１段、最大速度36km、燃費は１リットルあたり1.7km（平地舗装路）、路上航続距離100km。最大積載量0.9トン。最大牽引力２トン。乗員10名。小松製作所及び大原鉄工所製で、1961-77年に409両が生産された。航空自衛隊も使用している。民間仕様のKC40は大原鉄工所で74両を生産、南極観測にも使われた。参考：自衛隊装備カタログ1981、月刊JWings1,’02、3,’16、月刊丸12,’10、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜６０式５０口径スポッティング・ライフル＞：陸上自衛隊の106mm無反動砲用スポッティング・ライフル。M8Cスポッティング・ライフルを豊和工業でライセンス生産したものである。弾丸は1100mまで106mm無反動砲弾と同一の弾道を取り、着弾すると火炎と白煙を生じる。ガス圧作動の半自動式で、銃身と平行にガス・シリンダーが用意されている。全長1.144m。箱形弾倉（装弾数20発）が銃の左に付く。参考：スピアヘッドNo.3、No.20、自衛隊装備年鑑1996

＜６０式１０６ｍｍ無反動砲＞：106mm無反動砲（自衛隊）を参照。

＜６０式化学防護車＞：60式装甲車ファミリーを参照。

＜６０式空挺用落下傘＞：陸上自衛隊の空挺隊用落下傘。主傘は直径11m、吊索長7.8m、自動索長6.1m、重量14kg、開傘方式は吊索優先、開傘装置は自動式で、開傘時間４秒以内、降下速度毎秒6.2m以内、有効吊下重量110kg。副傘は直径7.3m、吊索長6.1m、重量6kg、開傘方式は傘体優先、開傘装置は手動式で、開傘時間2.8秒以内、降下速度毎秒7.5m以内、有効吊下重量110kg。主傘は背中に、副傘は胸に装着する。藤倉航装製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜６０式自走８１ｍｍ迫撃砲＞：60式装甲車ファミリーを参照。

＜６０式自走１０７ｍｍ迫撃砲＞：60式装甲車ファミリーを参照。

＜６０式自走１０６ｍｍ無反動砲シリーズ＞：陸上自衛隊の自走砲で、106RRSP（Recoilless Rifle Self-Propelled）またはSS（試作時の略称。装甲・装軌の意）と略す。太平洋戦争後日本で初めて開発された装甲戦闘車両である。大型の無反動砲により敵機甲部隊に対して待ち伏せ攻撃を行うというのがコンセプトで、装甲が薄いのは曲射砲でも命中させにくい傾斜変更線付近の稜線射撃及び一撃離脱でカバー、車体を隠すことでスタジアメトリック式測距器による測距を困難にし、砲搭載部分のみを上に持ち上げることにより俯仰角を増して敵（俯角のとれないソ連戦車）からの反撃を防いでいる。ただ地面とのクリアランスが小さいのでスタックしやすいという欠点があった。まず1954年に搭載予定の105mm無反動砲M27を国産化することから始まり、油圧＋手動連装砲塔装備、雪上履帯装着、全備重量５トン、空冷ディーゼル搭載で最大速度55km、乗員３名といった要求が纏められ、三菱日本重工業、小松製作所、日野自動車工業が応じたが、日野自動車はモックアップ審査で辞退したので前二者の競争試作となっている。1955年6月に防衛庁長官が試作命令を出し、12月に納入されてテストが開始された。テスト車両が富士学校での走行試験中に逆操向を起こして道路下の窪みに突っ込んでしまい、このテスト車が自衛隊装軌車両最後のクラッチ・ブレーキ式車両となっている。250両が生産されて師団の対戦車隊、普通科連隊の対戦車小隊、普通科中隊の無反動小隊などに配備されており、21世紀に入っても後継車両が決まらないので使用され続け、2008年3月に退役した。参考：月刊軍事研究5,’08、世界の軍用車両(2)、月刊JWings4,’01、スピアヘッドNo.20、No.5

　＜ＳＳ−１＞：小松製作所の試作車両で、社内名称KT50。車体は小型で背が低く、前方に機関室、中央左に操縦室、右に自社製砲架、後方にトランスミッションと後部操縦室がある。下部転輪はダブルタイプ片側４組、誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、上部転輪３個を持つ。懸架装置はナイトハルト式ゴム懸架。履帯はシリコン・マンガン鋳鋼製で、ゴムブッシュ入り履帯ピンを使用する。主砲は105mm無反動砲２門で、水平に砲架に搭載される。砲架は油圧により0.42m上昇し、高姿勢での方向射界は左右30度ずつ、俯仰角はマイナス15度からプラス25度。照準器は直接式光学照準器に加え、間接式照準眼鏡も使用でき、75cm測距器も携帯できる。弾薬搭載数は６発。乗員用にM1トンプソン短機関銃３丁と弾薬1350発を収容する。エンジンは6T115水平対向６気筒４サイクル空冷ディーゼル（7400cc・105馬力）、トランスミッションはシンクロメッシュ４速（高低後進の副変速機付）、操向機は乾式多板のクラッチ・ブレーキ式、最大速度50km以上、燃料容量85リットル、航続距離100km。乗員は車長、操縦手、副操縦手で、副操縦手は後進用操縦装置を操作する。改良を経てSS-3に進んだ。参考：月刊PANZER12,’02、スピアヘッドNo.20

　＜ＳＳ−１改＞：SS-3（４連装型）を参照。

　＜ＳＳ−２＞：三菱日本重工業の試作車両。砲架や操縦室の配置はSS-1と同じ（砲架の設計は日本製鋼所）だが、リアエンジン・フロントドライブで、サスペンションもトーションバー＋ショックアブソーバーになっている。トランスミッションは前進５速・後進５速、クラッチは湿式油圧作動。乗員は車長、操縦手、弾薬手。陸幕への初展示の際、三菱日本重工業下丸子工場がストライキに入っていたため搬出できず、試作に失敗したとか故障して工場に戻ったとかあらぬ噂を立てられたらしい。三菱で61式戦車を開発することになったため、自走無反動砲の開発はコマツに譲った。参考：月刊PANZER12,’02、スピアヘッドNo.5

　＜ＳＳ−３＞：SS-1/-2に対して1955年末から1956年8月に実施した第１次・第２次試験の結果を受けて試作した改良型。SS-2の方が成績良好で、こちらをベースに作られているが、三菱重工が61式戦車を担当することになったのでコマツが製作しており、社内名称はKT60である。SS-1で搭載無反動砲の命中精度不良、ナイトハルト式ゴム懸架の低耐久性、加速・制動能力不足、履帯脱落、エンジン過熱などが指摘され、それらの改善を行った。ただしこれらの改修に際し、SS-2の資料はコマツ側には提供されていない。車体をSS-2類似の洗練された形状に変更、リアエンジン・フロントドライブとしてエンジンの熱気が戦闘室に入らないようにしている。砲架は日本製鋼所設計で、携行弾数を８発に増加、スポッティングライフル代わりに12.7mm重機関銃M2を同軸搭載した。下部転輪は片側５組に増やし、サスペンションはトーションバー＋ショックアブソーバーに変えている。車重が６トンから７トンに増加したため、エンジンを総排気量8100cc・130馬力に強化、最大速度は45kmに減ったが、燃料タンクを100リットルに増やして航続距離を150kmにした。更に左袖部上にFRP製25リットル増槽を装着している。トランスミッションは前後進各５速に変更し、後進用操縦装置は廃止した。1956年4月から設計され、11月15日に試作第初号車が完成、JAN/GRC-3指揮無線機を積んだ指揮車１両と、JAN/VRC-7無線機を積んだ普通車１両が製作された。威力不足や、エンジンの真上にある砲架と薬室が過熱して命中精度が下がるという問題を指摘され、４連装型や106mm無反動砲搭載型が試作された。参考：月刊PANZER12,’02、スピアヘッドNo.3、No.8

　＜ＳＳ−３（４連装型）＞：SS-3の試験結果、威力不足という意見が出されたため、数を増やしたもの。SS-1の車体を流用したためSS-1改とも呼ばれる。砲架を中央に置いて左右に２門ずつ無反動砲を並列に配置しており、上下や斜めに配置したものも試されたという。1957年3月に完成してテストが行われ、砲架と薬室の位置がエンジンとずれたので命中精度は多少良くなったが、そもそもの105mm無反動砲自体の命中精度不良はどうしようもなく、重量過大となり、砲架の上下も出来なくなってしまい、一撃離脱戦法に向かないとして採用されなかった。参考：スピアヘッドNo.8、No.20、月刊PANZER12,’02

　＜ＳＳ−３（１０６ｍｍ無反動砲搭載型）＞： SS-3の改良型で、1957年11月にアメリカから借用した106mm無反動砲M40とM8Cスポッティングライフルを搭載したものである。1958年5月に試験され、砲口初速が高いため命中精度も優れており、SS-4に進んだ。参考：月刊PANZER12,’02、スピアヘッドNo.3、No.40

　＜ＳＳ−４＞：第３次試作車で、コマツ社内名称KT70。1958年7月に設計が決まり、同年度に３両（指揮車１両、一般車２両）が発注された。主砲は106mm無反動砲連装で、同軸に60式12.7mmスポッティングライフルを搭載し、俯仰角はマイナス20度からプラス15度、旋回角は左右各30度。主砲携行弾数10発。スポッティングライフルには10発入り弾倉４つが用意されている。砲架は最大0.45m上昇可能である。車体形状を更に避弾経始の優れたものとするため、最終減速機を改良してコンパクトにした。操縦手用にはJM17ペリスコープ３基が設けられ、砲の左にある車長兼砲手用ハッチにはプリズム４個を配置し、ハッチ前方にはペリスコープ１基を装備している。操向機は二重差動式、クラッチは湿式多板油圧式とし、容量140リットルの燃料タンクを１基搭載、更に20リットル入りジェリカンを装着できるようにした。1959年5月に初号車が完成して7-9月に試験を実施、クランクシャフト折損事故を起こし改良を行ったり、クラッチに不具合があり乾式多板機械式に戻したりといった改修を行ったが、砲架の設計からくる命中精度不足が最大の問題となり、SS-4改が製作されることとなった。1964年には小松製作所が独自に浮航試験を行っており、空箱をボルト止めして隙間を発泡ゴムで塞ぎ、履帯カバーを装着して山中湖を航行した。参考：月刊PANZER12,’02、スピアヘッドNo.20、月刊軍事研究8,’08

　＜ＳＳ−４改＞：SS-4の試作第３号車を改造し、砲精度を向上させたもの。1960年3月から試験を行い、6月（9月？）に60式自走106mm無反動砲として制式化された。参考：月刊PANZER12,’02、スピアヘッドNo.8、No.20

　＜６０式自走１０６ｍｍ無反動砲Ａ型＞：SS-4改の制式名称。車体は溶接製で、最前部がトランスミッション、その後方左が操縦手席、その後ろが装填手席、右が車長席、車体後部が機関室で、車体後面上部左右と中央に計３つの小型グリル、車体後面下部に左右１基ずつのマフラーがある。操縦手にはペリスコープ３基とハッチ、装填手には後方監視用ビジョンブロックとハッチが用意されている。車長席は主砲砲架と一体化しており、照準眼鏡用開口部、前面広角ペリスコープ１基、ビジョンブロック４基付きハッチ、後面ビジョンブロック１基を持つ。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪片側３組を持つ。サスペンションはトーションバー式で、第１・第２・第５転輪にショックアブソーバーが付く。履帯はシングルピン・シングルブロック式で、履帯幅260mm（通常用）／680mm（雪上用）。主砲は60式106mm無反動砲２門で、車体中央右寄りに設けられた砲架に連装で搭載されている。砲架は油圧／電動（手動バックアップ付き）で車長席ごと0.43m上下させることができ、稜線射撃が可能。射界は砲架を下げた状態では左右10度ずつ・俯仰角マイナス５度からプラス10度だが、砲架を上げれば左右30度ずつ・俯仰角はマイナス20度からプラス15度となる。使用弾は64式106mm無反動砲用対戦車榴弾、68式106mm無反動砲用粘着榴弾、68式106mm無反動砲用演習弾。装弾数10発（砲内に２発＋左右フェンダー上の予備弾薬庫に４発ずつ）で、更に右後部フェンダー上に２発入りケースを縛り付けることが可能。照準は右砲の軸線に合わせた60式12.7mmスポッティング・ライフル（右砲の上に装着）からM48標定弾を発射して行う。有効射程1100m。全長4.3m、全幅2.23m、全高1.59m、戦闘重量８トン。エンジンはコマツ6T120-2水平対向６気筒予燃焼式空冷４ストロークディーゼル（120馬力）、トランスミッションは前進４速・後進１速（高低２段のトランスファー付）、最大速度45km、航続距離130km。乗員３名。参考：スピアヘッドNo.20、世界の軍用車両(2)、月刊PANZER12,’02、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊軍事研究5,’08

　＜６０式自走１０６ｍｍ無反動砲Ｂ型＞：各部を補強したタイプで、３次防型ともいう。1967年から量産された。参考：世界の軍用車両(2)、スピアヘッドNo.20

　＜６０式自走１０６ｍｍ無反動砲Ｃ型＞：Ｂ型のエンジンを高出力で信頼性が高く民生品のため価格も安く整備性の高いコマツSA4D105水冷４サイクル直列４気筒ターボディーゼル（150馬力）に換装したタイプで、マフラーが車体後部左上部に移り、車体後面上部にラジエーター用大型吸気グリルが設けられた。最大速度55km。1974年5月に最終量産確認試験が行われ、82両が新規生産され、後にＡ型・Ｂ型もエンジンを換装した。参考：月刊PANZER12,’02、スピアヘッドNo.20、No.3

＜６０式水陸両用軽戦車＞：中国陸軍水陸両用軽戦車。PT-76をライセンス生産したものである。参考：AFV’94

＜６０式装甲車シリーズ＞：陸上自衛隊の装甲兵員輸送車。61式戦車に随伴できる重量11トン・最大速度45kmのディーゼルエンジン搭載９名搭乗装甲車（前方制圧用機銃付き）として1956年から開発され、小松製作所（SU-�T）と三菱重工（SU-�U）のものが競争試作され、1957年8月からの試験で三菱の方が採用されて1960年に制式化された。426両が生産され、第１戦車団装甲輸送大隊に110両、一般師団に13-14両（１個中隊あたりの配備数は３両）が配備されている。参考：月刊グランドパワー8,’10、スピアヘッドNo.15、月刊PANZER2,’04、1,’13、自衛隊装備カタログ1981

　＜ＳＵ−�T＞：試製五六式装甲車�T型ともいう。1956年8月に完成した小松製作所の試作車で、車体前部に岡村製作所製アリソン１段型トルクコンバーター付きオートマチックトランスミッション（前進２段・後進１段）、8T115水平対向８気筒４サイクル空冷ディーゼルエンジン（190馬力、2400rpm）、二重差動式操向機を収め、その後ろを一段高くして右に操縦手、左に機銃手が位置し、その後ろが兵員室となっていた。車体後面に油圧式ランプドアを持つ。武装は7.62mm機銃M1919A4（前方機銃）と、12.7mm機銃M2（車体上面銃架）。１両が製作されて試験が行われたが、エンジンが前すぎたため、操縦手用視察装置に陽炎が発生するなどの欠点があり、採用されなかった。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊軍事研究8,’08

　＜ＳＵ−�U＞：試製五六式装甲車�U型ともいう。1956年8月に完成した三菱重工の試作車で、車体前部右に操縦手、左に機銃手、中央右に三菱重工製8HA2空冷90度Ｖ型４サイクルディーゼルエンジンがあり、後部が兵員室になっている。トランスミッションはトルクコンバーター（新潟コンバーター製ツインディスク３段型）付きオートマチック、操向機は二重差動式。履帯はSi-Mn鋳造鋼のウェットピン式。車体前部にウインチ、車体後面に油圧式ランプドアを持つ。武装は7.62mm機銃M1919A4（前方機銃）と、12.7mm機銃M2（車体上面銃架）。１両が製作され、試験の結果採用が決定し、二次試作車のSU-�U改に進んだ。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊軍事研究8,’08

　＜ＳＵ−�U改＞：試製五六式装甲車�U型改ともいう。SU-�Uベースの二次試作車で、1958年度予算により７両が発注され、1959年7月に最初の４両が完成した。うち１両は小松製作所でも生産され、三菱製作車にはSU-�U改Ｍ、小松製作車にはSU-�U改Ｋの名称が付けられている。エンジンの位置を中央左に変更し、操縦手が後方確認を行いやすく（後部ランプドアを開放して左後方を振り向くと後ろが見える）した。これに伴い、12.7mm機銃M2は右に移している。また、エンジンの過給器がルーツ式からターボスーパーチャージャーに変更され、トルクコンバータが加速性の良いアリソン１段式（岡村製作所製）とされ、履帯がハイマンガン鋼鋳造ドライピンに換えられ、燃料容量が増やされ、車体前部ウインチは廃止された。後部ドアは５両が油圧式ランプドア、２両が手動式左右開きである。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊軍事研究8,’08、スピアヘッドNo.8、No.15

　＜６０式装甲車＞：量産型。車体は装甲鋼板の溶接構造で、前部左に機関銃手席、右に操縦手席、その後ろに予備席、やや後方中央に車長席、中央右に重機関銃手席、左に機関室、後方に乗員室がある。操縦手席には正面上部にJM17またはM17ペリスコープ３基が用意されており、ハッチは右後ろに支点があってスライド旋回して開く。操縦席前面に主計器板（速度計と回転計）、右に補助計器板、シフトレバー、無線機がある。機関銃手用ハッチは斜め後方跳ね上げ式で、M6ペリスコープ１基が装着される。機関銃手は車体前部左のM1919A6機銃（試製56式装甲車搭載用軽機関銃の名称で開発。装甲車から外して使用することもできる）または74式車載機銃１丁（両者で防楯形状が異なる。射界左右30度ずつ、俯仰10度ずつ。250発入り弾薬箱６個）の操作を担当する。車長用キューポラには覘視孔６個が設けられていて、防弾ガラスが填め込まれている。重機関銃手用ハッチは左右両開きで、前部に12.7mm機銃M2（俯仰角マイナス10度からプラス50度。105発入り弾薬箱８個）を搭載する。重機関銃手用シートを畳むと車体前後を内部で繋ぐ通路になる。機関室上に排気管があるが、直後の隊員用ハッチの方に排煙が流れていかないよう、左横に大きな開口を持つフードが装着された。乗員室には６名分のシートが向かい合わせに備えられ、車体後部に観音開きの手動ドアが設けられていて、右側ドアには幅約3mmの蓋付きスリット式覘視孔がある。乗員室上面にはハッチがあり、前半分が前方に、後ろ半分が左右に開くが、後ろ半分は中央で更に２分割されていて、左右内側部分のみを小さく開くこともできる。車内左右袖部に無線機を装着でき、車体上面にアンテナ取り付け台が４つある。下部転輪はダブルタイプ片側５組、起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪３個を持つ。サスペンションはトーションバー式独立懸架で、第１・第２・第５転輪にはショックアブソーバーとタケノコバネ式バンプストッパも付く。履帯は一体鋳造ゴム焼き付け型シングルピン、片側86枚で、幅350mm、ピッチ120mm。浮航性は持たず、NBC防護装置も無い。後期生産型では操縦手用ハッチ・機銃手用ハッチ間及び車体後部上面左にあった四角いカバーが外され、ヘッドライトに格子状ガード、ホーンにカバーが追加され、M1919A6機銃の防楯前面形状が微妙に変わった。更に後期では機銃が74式車載機銃に変更され、防楯が前方に張り出した大型のものとされ、銃身に円筒状のガードが付けられた。また、車体側面下部に多数のボルトが付いているものがあるが、何に使うのかは不明。全長4.85m、全幅2.4m、全高1.83m/1.7m（車体上面まで）、空車重量10.6トン、戦闘重量11.8トン。装甲厚は車体前面上部16mm、中央部18mm、下部12mm、側面上部14mm、下部16mm、後面14mm、上面8mm、底面8mm。エンジンは三菱8HA21WT型空冷４サイクル８気筒90度Ｖ型直噴ターボディーゼル（220馬力、総排気量10800cc）、変速機は油圧作動遊星歯車式前進３段・後進１段、クラッチは湿式多板式、操向機は平歯車二重差動式、最大速度45km、燃料容量200リットル、航続距離200km。最大搭載量1.2トン。乗員４名＋乗車隊員６名。1972年までに三菱重工で220両、小松製作所で208両が生産された。三菱重工から小松製作所に渡された図面には部品の一部が含まれていなかったらしく、互換性の無い部品があったが、運用側で製作工場別に振り分けて対応したという。1964年6月には三菱重工が浮航試験用フロートを開発し、富士学校装備開発実験隊の協力を得て山中湖で浮航試験を行っている（次期APC対策として独自に浮航テストを行った小松製作所に対抗するため）。73式装甲車と交替して退役が進められたが、1995年でも73式装甲車より２両多い340両が配備されていた。完全退役は2005年度である。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER2,’04、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊軍事研究8,’08、8,’95、スピアヘッドNo.15、No.13

＜６０式装甲車ファミリー＞

　＜６０式化学防護車＞：陸上自衛隊化学防護車。放射能・化学兵器汚染地域での偵察を主任務とする車両で、SCとも呼ばれる。車体の密閉化、NBCフィルター装備、ガス探知機・放射線測定器装着を行っており、車体長が300mm、車高が61mmほど拡大されている。前方銃が外されて銃口は密閉され、車長用キューポラは１段高くされ（ビジョンブロックをペリスコープに変更？）、その左脇に500W投光器２基が搭載された。乗員は車内に止まったまま、防護マスク無しで作業を行える。車体後面左にサンプル採取用マニピュレータがあり、乗降ドア左扉のビジョンブロックを覗きながらサンプルを回収、汚染物の分析を行う。ただしマニピュレータの作動速度が異常に遅く、ガス探知器用のガスボンベも規格が統一されておらず、実用性にはかなり疑問があったらしい。全長5.3m、全幅2.4m、全高2.5m、全備重量12トン。乗員４名。三菱重工製。3-5両のみ生産され、1968年に３両が第301化学発煙中隊（後に第101化学防護隊）に配備された。参考：月刊PANZER5,’03、2,’04、月刊グランドパワー8,’10、自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.12、No.15

　＜６０式自走８１ｍｍ迫撃砲＞：陸上自衛隊自走迫撃砲。乗員室にターンテーブル式砲座を設置し、アメリカ軍供与の81mm中迫撃砲M1（の車載型の60式81mm迫撃砲）を後ろ向きに搭載したものである。当初はSU-�T試作車に搭載する予定で、1957年8月に完成した第１次試作車SV（試製56式自走81mm迫撃砲）もこの仕様だったが、SU-�Uベースの60式装甲車が採用されたため、第２次試作車SV改ではこちらを車体に使用、1960年9月に制式化された。第１次試作車では試射で車体底板にヒビが入ったため、迫撃砲砲座に地面に通じる孔を開けて反動を地面で受け止めるようにしたが、第２次試作車や量産車にはこの機構は無く、砲尾を強化して砲座と床の間に緩衝ゴムを置いている。迫撃砲は重量360kg、旋回角左右40度ずつ、俯仰角プラス40-85度、最大射程3000m（軽榴弾）、最大発射速度毎分30-35発。装弾数は100発で、車内左右袖部に重榴弾18発ずつと軽榴弾16発ずつ、車体後部に軽榴弾32発を収容する。M2重機関銃（105発入り弾薬箱４個）はそのままだが、前方銃は取り除かれており（必要に応じて再装備することが可能）、車体前面には下車戦闘時に使用する迫撃砲用二脚と床板が取り付けられた。全長4.85m、全幅2.4m、全高1.89m、空車重量11.05トン、全備重量12.1トン。エンジンは三菱重工製空冷８気筒ディーゼル（220馬力）、最大速度43km。無線機はJAN/VRC-13。乗員５名（車長、操縦手、銃手、砲手３名）。1959年度に５両が調達され、第７師団重迫撃砲中隊に配備された。1999年までに全て退役した。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER5,’03、2,’04、月刊JWing10,’02、自衛隊装備年鑑1996、月刊軍事研究8,’08、自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.15、No.17

　＜６０式自走１０７ｍｍ迫撃砲＞：陸上自衛隊自走迫撃砲。製作は三菱重工で、SU-�Uベースの一次試作車SXは試製56式自走107mm迫撃砲と呼ばれ、次いでSU-�U改ベースの二次試作車SX改が製作され、1960年9月に制式化された。兵員室にアメリカ軍供与の107mm迫撃砲M2（の車載型である60式車載107mm迫撃砲）を搭載したもので、発射ガスが車体に当たらないよう、車体後部が斜めに削ぎ落とされたような形状をしている。前方銃は取り除かれ、車体側面（前面のこともある）には下車戦闘時に使用する迫撃砲用二脚と床板が取り付けられており、後面扉はランプ式とされた。M2重機関銃はそのままである。迫撃砲は全備重量650kg、旋回角左右40度ずつ、俯仰角プラス37-60度、最大射程5000m（通常弾）／6000m（73式107mm迫撃砲噴進弾）、最大発射速度毎分20発。装弾数は50発で、車内前部に９発、右袖部に18発、左袖部に６発、後部に17発を収容する。全長4.85m、全幅2.4m、全高1.7m（車体上面まで）、空車重量11.74トン、戦闘重量12.9トン。エンジンは三菱重工製空冷４サイクル８気筒ディーゼル（220馬力）、最大速度41km。無線機はJAN/VRC-14。乗員５名（車長、操縦手、銃手、砲手２名）。試作車含め22両（試作車２両プラス生産車16両？）が生産され、第７師団重迫撃砲中隊に配備され、1999年までに全て退役した。参考：月刊グランドパワー8,’10、月刊PANZER5,’03、月刊JWing10,’02、自衛隊装備年鑑1996、日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.15

　＜６０式装甲車（６４式対戦車誘導弾装備型）＞：車体上面後部左右に64式対戦車誘導弾発射機を搭載したもの。参考：月刊グランドパワー8,’10

　＜７１式地上レーダーＪＴＰＳ−６通信車＞：地上標的用中距離レーダーJTPS-P6を乗員室に搭載したもの。使用の際は地上に降ろし、ワイヤーで固定して使用する。参考：月刊PANZER2,’04

＜６０メートル級哨戒艦（イラク海軍）＞：イラク海軍哨戒艦。アメリカ海軍からFMSで２隻を導入した。発注先はアメリカのリバーホーク・ファスト・シーフレーム社で、建造したのはガルフ・アイランド・マリン・ファブリケイター社である。全長60m、幅11.2m、吃水3.8m、満載排水量1400トン。主機はディーゼル、速力16ノット。兵装は30mm単装機関砲１門。２隻共2012年12月20日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’13

＜６１＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦第１グループ、アーゴノート（Argonaut）。1942年竣工。1955年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜６１＞：イラン海軍アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦バブル（Babr）。1972年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜６１Ｋ＞：ソ連軍37mm高射機関砲。ボフォース40mm機関砲を参考に製作し、1939年に制式採用したもので、西側ではM1939と呼ばれる。重量2300kg。最大射高6700m、有効射高4000m（1400m？）、最大水平射程9500m。使用弾はアメリカのブローニング37mm機関砲弾のコピーとされるOR-167FRAG-T（重量785g）で、５発クリップで給弾され、砲口初速毎秒880-990m、発射速度最大毎分160-170発／持続毎分80発。操作要員８名。目視照準だが、ヘリコプターなどの低速飛行目標には有効で、1970年代までソ連で使用された他、友好諸国に輸出された。連装にするとV-47になる。参考：月刊軍事研究2,’03、8,’04、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜６１Ｋ海外シリーズ＞

　＜３７ＩｔＫ／３９ｓｓ＞：フィンランド軍高射機関砲。冬戦争で鹵獲して使用した。参考：月刊丸6,’01

　＜Ｆｌａｋ　Ｍ３９ａ（ｒ）＞：ドイツ軍高射機関砲。第２次大戦時に鹵獲したもので、500門前後が使用された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜６１型＞：カシン型（駆逐艦）を参照。

＜６１型フリゲート＞：イギリス海軍フリゲート。ソールズベリー（Solisbury）級ともいう。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜６１型フリゲート海外シリーズ＞

　＜６１型フリゲート（バングラデシュ海軍）＞：バングラデシュ海軍フリゲート。ウマール・ファルークが1976年に引き渡された。全長103.6m、幅12.2m、吃水4.7m、満載排水量2408トン。主機はディーゼル、出力14400馬力、２軸推進、速力24ノット。兵装は114mm連装砲Mk6が１基、40mm単装機関砲２門、３連装対潜迫撃砲スキッドMk4が１基など。後部マストに965型対空捜索レーダーを装備する。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊

＜６１号機関＞：日本海軍の魚雷艇用Ｖ型16気筒２サイクルディーゼル。ボア140mm、ストローク180mm。出力1000馬力（1600rpm）。故障が頻発して開発中止になった。参考：月刊軍事研究6,’16

＜６１式２５ｍｍ連装機関砲＞：2-M-3海外シリーズを参照。

＜６１式５２口径９０ｍｍ戦車砲＞：陸上自衛隊の戦車砲で、61式戦車に搭載された。重量1150kg。閉鎖器重量47kg。口径90mm、口径長52、ライフリングは32条。初速毎秒1160m、最大射程19455m。使用弾は榴弾、徹甲弾、黄燐発煙弾、曳光弾。参考：自衛隊装備カタログ1981、戦車隊長、戦車の戦う技術

＜６１式１０５ｍｍ榴弾砲用雪ソリ＞：陸上自衛隊のソリ。105mm榴弾砲を載せ、61式大型雪上車で雪上を牽引する際に使用する。参考：月刊JWings1,’02

＜６１式大型雪上車＞：陸上自衛隊の雪上車で、1961年に仮制式化された。車体はボンネット式で、キャビン天井にはキャンバスが張られており、転輪は鉄製、履帯は連結式である。人員11名または貨物1.28トンを搭載でき、61式105mm榴弾砲用雪ソリに積んだ105mm榴弾砲や、155mmクラスの火砲を牽引できる。全長5.34m、全幅2.5m、全高2.2m、空虚重量5.22トン、車両総重量6.5トン。エンジンは水冷直列６気筒４サイクルディーゼル（155馬力）、路上最大速度35km。最大牽引力3.2トン。1961-77年に大原鉄工所と小松製作所で91両が生産された。参考：月刊JWings1,’02、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊PANZER5,’83

＜６１式戦車シリーズ＞：陸上自衛隊の戦車で、戦後初の国産戦車である。1952年頃から研究が開始され、1953年には国内で機甲戦闘と普通科への直接支援の両方に使用でき、敵主力戦車を撃破できる火力を最優先とし、水田を突破できる不整地踏破能力と鉄道輸送による戦略移動手段を持つ戦車という構想が纏まり、1955年4月の主要装備国産化に関する日米共同声明を受けて6月に国産開発が決定した。供与されていたM4A3やM24ではT-34/85に対してすら不十分なこと、朝鮮戦争中にM26系の中戦車の修理を行っており、ある程度の技術は習得していたことから、陸幕が予定していた76mm砲搭載20トン戦車ではなく、IS-3に対抗できる90mm砲搭載25トン級戦車に方針を転換し、更に十分な装甲防御力を得るため全備重量を35トンにアップして開発を進めた。試作車はSTA1-4の４両で、外見がかなり異なっていて、エンジンも水冷や空冷を試したり、トランスミッションをトルクコンバータ、チト式、機械式と変更したり、転輪数を減らしたり、履帯を組み立て式ウェットピンから鋳造一体ドライピンに変えていったりと各所に苦心の跡が伺える。主砲後座力25トンを支えきる設計にも苦労したという。2019年8月6日、退役後に滝ヶ原駐屯地で展示されていた１両をヨルダン王立戦車博物館に展示のため貸与し、10月1日に防衛省で貸与式典が行われた。交換でアルサーテル装甲車を受領している。参考：月刊PANZER5,’04、8,’04、1,’01、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊軍事研究5,’08、1,’04、5,’04、自衛隊装備年鑑1996、日本の戦力、月刊丸3,’90、スピアヘッドNo.6、No.7、No.12、No.14、戦車隊長、月刊JWings10,’19

　＜ＳＴＡ１＞：一次試作車その１で、1956-57年に完成した。車高を低くしてあるが、STA2に負けて採用されなかった。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜ＳＴＡ２＞：一次試作車その２で、1956-57年に完成した。当初案をそのまま採用しており、二次試作車に進んだ。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜ＳＴＡ３＞：二次試作車その１で、1959-60年に完成した。STA2の傘型マズルブレーキが、発射爆風でヘッドライトを壊したり、砂塵を巻き上げたりと良いことが無かったため、Ｔ字に換装した。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜ＳＴＡ４＞：二次試作車その２で、1959-60年に完成した。車長用キューポラを全周旋回銃塔にしている。小改良を加えて1961年4月に61式戦車として制式化された。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜６１式戦車＞：M47やM48も参考にしているが、外見の設計は戦時中の戦車に似ていて、88mm砲搭載型五式中戦車の改良型と言えなくもない。鉄道輸送のため車体幅は3m以内に抑えているが、履帯上方に袖部を設けて戦闘室容積を拡大している。車体は均質圧延鋼板の溶接製、砲塔は鋼板鋳造一体構造である。車体前部左はトランスミッション室で、前面左にはトランスミッション整備用パネルがボルト止めされており、防御上かなり不利で、実際にHEATを撃ち込んだところ、ボルトが弾け飛んでパネルが外れてしまったという。ただ自衛隊の任務上、ダックインして移動砲台に使用することが多いと考えられるので、あまり気にしなかったのかもしれない。また、トランスミッション前方配置は車体全長を短縮できる、不整地走行能力が高くなるという利点もあるらしい。ギア変換には慣れが必要で、発進ギア（大型車なので２速発進）を入れるだけでも難しく、ギアに弾かれたチェンジレバーに直撃されて左手を腫らす操縦手が続出した。腕時計の文字盤ガラスも粉々になってしまうため、右手に時計を填めておくと良い。増速はもっと難しく、ダブルクラッチでやっと変速したと思ったら戦車が止まっていることもしばしばだったらしい。中には無理矢理チェンジレバーを押し込もうとした挙げ句、直径30mmくらいの鉄のレバーを折ってしまう隊員もいたという。生産番号100番台後半からはさすがに改良が加えられており、アイドラーシャフトにクラッチブレーキドラムを追加して多少はギアが合いやすくなった。車体前部右が操縦室で、前面中央に操向レバー２本、左にチェンジレバー、右斜め前に計器板（速度計や回転計など）、減圧レバー、アイドリング調整レバー、右に計器板、燃料タンク切り替えレバー、右足下にアクセルペダル、左足下に常用クラッチペダル（高低２枚が横に並んでいる）がある。車体下面左前方に楕円形の脱出口があり、開放レバーを引き上げるとハッチが落ちて脱出口が開く。機関室には自動消火装置が用意されており、130℃を超えると炭酸ガスを噴射する。主砲は61式52口径90mm戦車砲１門、俯仰角マイナス10度からプラス13度。砲口初速毎秒1160m、最大射程19455m、発射速度最大毎分10-15発。主砲弾は車内に50発を収容するが、１両当たりの定数弾薬は60発で、残る10発は戦車中隊が配備全両分を纏めて携行する。弾種は榴弾、曳光対戦車榴弾、黄燐発煙弾、曳光被帽徹甲弾で、アメリカ軍の90mm砲弾も使える。先端にはＴ字のＺ型マズルブレーキが付く。駐退機は砲の両側面に装備されており、防盾が横に広くなるという欠点は生まれたが、十分な俯仰角を確保することが可能となった。閉鎖機は水平鎖栓式なので、手を挟まないよう弾底部にフックパンチをかます感じで装填する。即応弾は頭を前に向けて砲塔後部に収容されており、位置によっては引っ張り出してそのまま薬室に放り込めるので再装填が速く、機関銃のように戦車砲を撃てるといわれた。副武装は7.62mm同軸機銃M1919A4（4000発）１丁と、12.7mm機銃M2（525発、リモコン式なのでハンドグリップが無い）１丁。M2機銃の俯仰角はハッチ閉鎖時がマイナス10度からプラス20度、開放時がマイナス10度からプラス55度。照準器は61式直接照準眼鏡、61式車上1m測遠機（測距範囲200-10000m、俯仰角マイナス10度からプラス13度、倍率12倍、視野３度）、61式照準潜望鏡。測遠機は基線長式で、車長用キューポラに装着されており、この部分だけ出して測距した後、砲塔を出して射撃、すぐに退避するという一撃離脱戦法を行う。操向機は平歯車二重差動式、クラッチは乾燥多板式高低速用二列クラッチ。サスペンションはトーションバー式で、１・２・５・６輪にはショックアブソーバーが付いている。履帯はハイマンガン・スチール製のシングルピン・シングルブロック式で、幅500mm、片側87枚。履帯の緩みは上部転輪の上に直定規を置いて測定し、70mm以上緩んでいれば履帯調整ナットで調整する。無線機はJAN/GRC-3またはJAN/GRC-4またはJAN/VIA-1。バッテリーは12V用４基で、エンジン始動ボタンを30秒以上押し続けるとバッテリー切れになるので注意。鉄道輸送の際、低床貨車チキに台木を組んでワイヤー固定しなければならないが、この時４寸角の材木30本を並べ、その上に戦車を載せ、１尺角8mの材木２本を履帯の内側に置き、3.5寸の平角材を設置して底板を支え、履帯前後に控木をあて、16mmワイヤーと５寸釘40本、３寸釘150本で固定する必要があり、10名で６時間かかるらしい。しかも第３限界までしか通れず、トンネルの限界から港湾にも鉄道で乗り入れることができない。全長8.19m、車体長6.3m、全幅2.95m、全高2.49m（3.16m？）、車両重量33.5トン、戦闘重量35トン。エンジンは三菱12HM-21WT空冷４サイクルＶ型12気筒直接噴射式ターボ・ブロアー付きディーゼル（570馬力）、トランスミッションは常時噛合歯車式で、前進５速・後進１速（クラッチ高低速切り替えで前進10速・後進２速になるが、ギア比的には前進６速・後進２速）、最大速度45km、航続距離200km。乗員４名。一部に63式暗視装置を主砲左上部に設置した車両がある。1965-70年にマインローラー式の地雷処理器材（幅の狭い小型ローラーを前後に２列配置している）が試作されたが、処理漏れが起きたり、ローラーが変形して接地しなくなったり、事故がおきたりして採用されなかった。また、演習対抗部隊として登場した際には車体前部に履帯幅地雷除去鋤やドラム缶を利用した地雷処理ローラーを装備していたこともあるが、接地させる装置が見当たらないので、単にソ連戦車の外見を真似ただけと思われる。初号車は1962年8月15日に引き渡され、1975年2月までに560両が生産され、2000年9月末までに全車両退役した。参考：月刊PANZER5,’04、8,’04、1,’01、月刊軍事研究5,’08、1,’04、5,’04、陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊装備年鑑1996、日本の戦力、月刊丸3,’90、スピアヘッドNo.6、No.7、No.12、No.14、戦車隊長、日本の防衛戦力Part1、戦車の戦う技術

＜６１式戦車ファミリー＞

　＜６７式戦車橋＞：陸上自衛隊の戦車橋。M4A3E8改造戦車橋の後継として1961年から技本と三菱重工が開発した。61式戦車の砲塔を外し、M4A3E8改造戦車橋と同じ全長12m・幅3.5mのシザーズ式軽合金製橋体（有効長10m）を搭載する。作動は油圧式、架橋可能角度は水平から14度まで、架橋にかかる時間は3-5分。橋梁等級40で、74式戦車を通過させることが可能。自衛用に62式7.62mm機銃または12.7mm機銃M2を装備できる。全長7.27m、全幅3.5m、全高3.5m、全備重量35トン。エンジン出力570馬力。乗員３名。1966年に仮制式化されたが、予算の都合で４両しか生産されなかった。参考：月刊PANZER1,’03、8,’13、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1、日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981

　＜７０式戦車回収車＞：陸上自衛隊の戦車回収車。61式戦車を回収するにはM32戦車回収車の能力が不足だったため、M32を参考に1966年頃から試作され、1970年に採用された。略称はSRで、Souki（装軌） Recoveryの略らしい。61式戦車の砲塔を除去し、車体中央に固定式戦闘室を搭載。車体内部中央に主ウインチ（牽引力35トン以上）を収容し、車体上面に起倒式Ａフレーム・クレーン（吊り上げ能力18トン以上）を装備する。Ａフレーム支柱の片側にはピストンが仕込んであり、支柱の長さを片側だけ変更することでクレーンを横振りできるようになっていた。牽引回収は回収対象車両の前部を吊り上げて引っ張る方式だったが、回収車の負担が大きく実用性に欠けるという欠点があった。牽引走行能力20トン、吊り上げ走行能力12トン。戦闘室上部には固定式の車長用キューポラがあり、その後方右にはM2重機関銃用銃架の付いた回転式整備手用ハッチ、左には整備手用２枚式ハッチがある。戦闘室後部の外側にはクレーン専用のブーム・ウインチが設けられ、ウインチ・ドラム（三段遊星歯車機構付）にはフック付きの34mワイヤーが巻き取られる。車体前部には油圧作動式のスペードが追加された。全長8.4m、全幅2.95m、全高3.1m、車両総重量35トン。エンジンは空冷４サイクル12気筒ディーゼル（570馬力）、最大速度45km。乗員は車体前部右の操縦手、戦闘室内の車長と整備手２名の計４名。64式81mm迫撃砲１門を車体前部に搭載できる他、M2機銃２丁を装備でき、62式7.62mm機関銃、M3短機関銃、64式小銃、21.5mm信号拳銃を各１丁搭載できる。試作車１両、量産車４両のみが生産され、戦車大隊本部管理中隊に配備された。参考：月刊PANZER3,’02、自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.18、No.12

＜６１式戦車の戦闘（主砲）＞：車長が砲手に弾種、射距離、目標の位置、目標の種類を指示する。停車時は射距離の測定に測遠機を使うが、行進中は目測または戦闘照準で行う。砲手は右手の動力旋回ハンドルと左手の動力高低ハンドルを回して砲塔と主砲を目標に向かわせ、等倍ペリスコープで目標を確認し、６倍照準眼鏡で目標を捉え、射距離と照準レティクルを目標に合わせ、「目標確認、射撃準備よし」と車長に報告する。操縦手は射撃に最適の位置（車体を隠蔽できて水平が取れる場所）を探して素早く戦車を移動させ、停車させる。装填手は車長が命じた弾種の砲弾を弾薬架から取り出して薬室に装填し、装填安全スイッチを押して「装填よし」と車長に報告する。車長の「撃て」に続いて砲手が「発射」と号令を掛けるので、各乗員は衝撃に備える。一瞬の間を置いて砲手は旋回ハンドルに付属する撃発スイッチを引き、同時に照準眼鏡から顔を離して目を保護、すぐに戻す。発射後に打殻薬莢が自動的に排出されるので、装填手は次弾を用意する。車長と砲手は視察装置を覆う発射炎が薄くなると同時に射弾の曳光と着弾を確認し、目標を撃破すれば車長は「撃ち方止め」を命ずる。砲手は撃発安全レバーを「安全」の位置とし、装填手は次弾を弾薬架に戻し、車長は次の行動を命ずる。次弾を撃つ必要があれば、車長は弾着のずれと修正方向を指示、砲手は修正諸元を報告し（砲手が直接命中法で修正することもある）、装填手は弾薬を装填、「装填よし」と報告する。再び車長の「撃て」号令で砲を発射する。参考：戦車隊長

＜６１式潜望鏡ＪＭ１７（２型）＞：自衛隊の機器。トプコン製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜６１フィート型通船＞：イギリス海軍通船。MFV-7、MFV-15、MFV-96、MFV-140が竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜６２＞：イギリス海軍コロッサス級軽空母グローリー（Glory）。1944年就役。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜６２＞：イギリス海軍サウザンプトン級軽巡第２グループ、グロスター（Gloucester）。1939年竣工。1941年5月21日、ドイツ空軍機の急降下爆撃を受けて損傷した。1941年3月27日、マタパン沖海戦に参加。1941年に戦没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸3,’90、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船1,’12

＜６２＞：イラン海軍アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦パラン（Palang）。1972年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜六二口径五インチ砲用装薬包＞：自衛隊の火工品。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究4,’13

＜六二口径五インチ砲用砲身＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜六二口径五インチ砲用薬包＞：自衛隊の火工品。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究5,’15

＜六二口径七六ｍｍ速射砲用砲身＞：自衛隊の火器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜六二口径七六ｍｍ弾薬包金属容器＞：自衛隊の機器。松原製作所製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜６２口径７６ｍｍ砲＞：コンパクト砲またはスーパーラピッド砲またはMMIを参照。

＜六二口径七六ｍｍ砲用基準弾薬＞：自衛隊の火工品。ダイキン工業製。参考：月刊軍事研究5,’11

＜６２式機関銃＞：陸上自衛隊の機関銃。1956年（1954年？）から住友重機械工業（当時は日特金）が.30-06弾仕様で開発し、途中で7.62mm×51弾に変更、1962年2月15日に制式化された。最初は九九式軽機関銃を参考にするという意見があったが、これは退けられ、海軍の大口径機銃を参考にしたため、命中精度と連射性能を満たすのにかなりの労力を要した。給弾も保弾板を使うという意見があったが、ベルトリンク式にしている。ライフリングはエンフィールド式、銃身内部はハードクロムメッキが施され、銃身外周には冷却フィンが付く。キャリングハンドルは不要時には左に折り畳むことが可能。作動はガス圧作動式、閉鎖は遊底回転開閉方式（落とし込み閉鎖）で、遊底の下に揺底を持ち、遊底が揺底と一緒に往復しつつ上下することで閉鎖と開放を行う特殊な方式を採用している。二脚または三脚に載せて使用する。海上自衛隊が艦上で使用する際にはピントルマウントを使う。全長1200mm、銃身長524mm、本体重量10.7kg（二脚付き）、銃身重量2kg。使用弾は7.62mmNATO弾で、初速毎秒830m（定装）／730m（弱装）、有効射程800m。発射速度は最大毎分650発・持続毎分80発。1962-85年に3700丁が生産された（以降も量産中）。価格は1985年度で１丁200万円（歩兵用機銃としては世界一高いらしい）。採用時は種々のトラブルに悩まされていたが、順次改良されているようである。木製グリップが折れ易いという欠点があったが、当初は隊員の扱いが悪いと言われるのを恐れて現場が報告せず、改良が遅れたらしい。無理な軽量化で銃身や部品の脱落が多いといわれる。時々、トリガーを引くのを止めても発射が止まらなくなるという危険すぎる故障が起こるが、原因が分からず、根本的に解決されないまま使用され続けているという。参考：月刊PANZER5,’02、陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊装備年鑑1996、自衛隊図鑑2002、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981、月刊世界の艦船3,’10、スピアヘッドNo.7、月刊軍事研究3,’12

＜６２式軽戦車シリーズ＞：中国陸軍の国産軽戦車、製品記号WZ-131。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜６２式軽戦車＞：チベット侵攻時、通常の戦車が悪路で使用できなかったため、59式戦車をスケールダウン（80%縮小くらい）して設計された。車体は59式よりも全長で0.5m、全幅で0.3m短縮され、装甲も減らされて戦闘重量は15トンも軽い。操縦手用ハッチにはペリスコープ２基があり、正面のものはアクティブ赤外線暗視ペリスコープ（視察距離60m）に変更可能。下部転輪はシングル式片側５輪、トーションバー式懸架装置を持ち、第１・第２転輪間は他よりも大きく開いている。起動輪は後部、誘導輪は前部にあり、上部転輪は無い。履帯は幅380mmのゴムパッド式シングル・ドライピンである。主砲は55式85mm砲（62式？）で、砲口よりやや離れた位置に排煙機を装備、砲弾はAP、APHE、HE、HEATなど47発を搭載する。タングステン弾芯徹甲弾（初速毎秒1050m）の装甲貫徹力は50mm（傾斜角60度、射距離2000m）。俯仰角はプラス20度からマイナス４度。副武装は59式7.62mm同軸機銃（1750発）と装填手ハッチの54式12.7mm機銃（1250発）である。照準装置は砲手用テレスコープ照準器のみだったが、一部は後にレーザーレンジファインダーを砲身基部上に装備している。機関室後面両側にBDShドラム式煙幕展開装置を付けられる。NBC防護装置は無く、浮航性も無い。全長7.493m、車体長5.565m、全幅2.875m、全高2.25m（砲塔上面まで）、重量21トン。装甲厚は車体前側面25mm、後面・機関室上面は16mm、操縦室上面は20mm、砲塔前面50mm、側面40-32mm、後面32-36mm。エンジンは12150L3液冷式ディーゼル（430馬力）、トランスミッションはマニュアル式（前進４速・後進１速）、最大速度60km、燃料搭載量658リットル、航続距離450km。乗員４名。1963-89年に生産され、中国軍が1200両、コンゴ軍が10両、北朝鮮軍が50両、マリ軍が18両、スーダン軍が70両、タンザニア軍が30両、ザイール軍が60両を配備した。参考：AFV’94、月刊グランドパワー7,’04

＜６２式�T軽戦車＞：1980年代以降に製作された改良型で、それまでの生産車に遡って改修が行われている。レーザーレンジファインダーと弾道計算機を組み合わせたCEIEC火器管制装置を搭載し、煙幕展張装置をTDAに変更、1990年代からはゴム製スカートと砲塔周囲の格子状補助装甲を導入した。レーザーレンジファインダーの有効距離は300-3000m、誤差10m。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜６２式軽戦車１１５ｍｍ滑腔砲搭載型＞：北朝鮮軍が導入しようとしてNORINCOに打診したタイプ。ソ連とライセンス権交渉が失敗し、生産されなかった。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜６２式地雷探知機＞：陸上自衛隊の地雷探知機で、1962年に制式化された。円形の金属探知部分を持っており、地雷の金属部分に反応する。地雷以外の金属にも反応するのと、非金属地雷を探知できないのが欠点。参考：スピアヘッドNo.7

＜６２式戦闘機＞：殲撃７型シリーズ（戦闘機）を参照。

＜６２式対潜ロケット発射機＞：RBU-1200海外シリーズ（艦対潜ロケット）を参照。

＜６２Ｃ型＞：上海�U型（哨戒艇）を参照。

＜６３＞：イギリス海軍ダイドー級軽巡洋艦第２グループ、ベローナ（Bellona）。1943年竣工。1948-56年、ニュージーランドに貸与された。1959年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜６３型原子力ミサイル巡洋艦＞：ソ連海軍計画原子力巡洋艦。1956年8月25日に共産党中央政治局と政府が艦艇の開発、1957年5月に搭載ミサイルの開発を承認し、第17設計局が設計を開始した。諸元は排水量11000-13000トン、速力32ノット、兵装としてP-40対地巡航ミサイルまたはP-6対艦ミサイル、M-3艦隊防空ミサイルまたはM-1艦隊防空ミサイル、76mm連装砲６基または100mm単装砲４門、533mm魚雷３連装発射管２基などを搭載するもので、第16設計局の81型原子力防空艦案に勝ってゴルシコフ海軍総司令官が採用を決め、兵装はP-40対地巡航ミサイル８発、M-3艦隊防空ミサイル連装発射機２基、100mm単装砲４門、533mm魚雷３連装発射管２基、RBU-6000対潜ロケット発射機などに変更、排水量は12000トンとした。しかし海軍総司令部艦政局が兵装不十分として却下したため、政府が第17設計局に対して排水量15000-16000トン、速力32ノット、ヘリ１機搭載、兵装をP-20戦略巡航ミサイル、P-40巡航ミサイル（対艦型）、M-3艦隊防空ミサイル連装発射機２基、M-1艦隊防空ミサイル連装発射機２基、76mm連装砲４基、RBU-2500対潜ロケット発射機２基に変更するよう指示し、1961年に１番艦を海軍に引き渡すこととした。これに基づき、第17設計局ではミサイル発射機をVLSにするか発射筒にするか、原子炉を１基にするか２基にするか、推進軸を２軸（合計出力110000馬力）にするか４軸（合計出力120000馬力）にするかで計８種類の原案を作成。装甲は船底部と舷側が１トンTNTの距離5mでの水中爆発に耐える程度、舷側吃水線上と甲板で0.5トンTNTの爆発と1.6トンTNTの空中爆発に耐える程度とされ、船体の基本鋼板にはAHL-45鋼、防御鋼板（厚さ10-70mm）にはAK-27またはAK-28鋼を使用した。その後、P-20は開発中止になったので搭載されないことになり、VLSにはP-6KR、発射筒にはP-40を積むことに決定。ソ連海軍では63型巡洋艦１隻でエセックス級空母１隻を中核とする機動部隊、２隻でエセックス級空母３隻を中核とする機動部隊を壊滅させることを目論んだため、設計局では８つの案の内�U-E4型を選択し、1958年7月に原案を国家艦政委員会に送付した。しかし原子炉や各種ミサイルも設計段階であり、63型が完成する見込みが立たず、1958年12月に開発中止となった。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�T−Ｅ２＞：原子炉２基、２軸推進、VLS装備型。船体内にVLSを配置する関係で、発射筒装備型よりも甲板が１層多い。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�T−Ｅ４＞：原子炉２基、４軸推進、VLS装備型。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�T−Ｌ２＞：原子炉１基、２軸推進、VLS装備型。全長225m、幅22.8m、吃水8m、排水量20540トン。機関出力110000馬力、速力32.5ノット。兵装はP-20戦略巡航ミサイル２基、P-6KR艦対艦ミサイル連装発射筒３基、M-3艦対空ミサイル連装発射機２基、M-1艦対空ミサイル連装発射機４基、76mm連装砲４基、RBU-2500対潜ロケット発射機。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�T−Ｌ４＞：原子炉１基、４軸推進、VLS装備型。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�U−Ｅ２＞：原子炉２基、２軸推進、発射筒装備型。大型ミサイルを上甲板に置く必要があるので、VLS型よりトップヘビーになる。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�U−Ｅ４＞：原子炉２基、４軸推進、発射筒装備型。全長225m、幅22.5m、吃水7.84m、排水量19830トン。機関出力120000馬力、速力32.5ノット。兵装はP-20戦略巡航ミサイル２基、P-40艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、M-3艦対空ミサイル連装発射機２基、M-1艦対空ミサイル連装発射機４基、76mm連装砲４基、RBU-2500対潜ロケット発射機。Ka-25ヘリ２機を搭載可能。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�U−Ｌ２＞：原子炉１基、２軸推進、発射筒装備型。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

　＜�U−Ｌ４＞：原子炉１基、４軸推進、発射筒装備型。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜６３式暗視装置＞：陸上自衛隊74式戦車の主砲基部左に搭載されている白色光／赤外線投光器。キセノンランプを使用している。試作時は前面のガラスを全周で固定していたが、主砲発射時の衝撃で砕け散るため、四隅を開放して解決した。参考：月刊軍事研究8,’01、戦車隊長

＜６３式自動歩槍＞：中国軍の突撃銃。56式騎槍を改造してフルオート射撃可能としている。全長1025mm、銃身長520mm、重量3.87kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.62mm×39弾で、装弾数15発のバナナマガジンを使う。セミオートのみのバージョンも存在する。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜６３式水陸両用軽戦車シリーズ＞：中国陸軍の水陸両用戦車。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜６３式水陸両用軽戦車＞：メーカー名称WZ211。60式水陸両用軽戦車の改良型で、砲塔を62式軽戦車類似の３名用に交換し、車体を大型化している。主砲は62式と同じ55式（62式？）85mm砲で、俯仰角はプラス18度からマイナス５度。使用弾はAPDS（初速792m）、HEAT（初速845m）、HE（初速785m）で、装弾数47発。砲塔装甲は62式よりは薄く、30-45mm程度とみられる。副武装は同軸59式7.62mm機銃（1000発）、装填手ハッチの54式12.7mm機銃（1000発）。照準装置は砲手用テレスコープ照準器のみで、開口部には前方に突出したカバーが付けられている。一部に、砲塔基部にレーザーレンジファインダーを装備したものもある。操縦用に赤外線ヘッドライトが装備されており、車長・砲手用暗視装置もある。NBC防護能力は無い。車体は前面11mm・側面上部14mm・後面10mmの装甲鋼板製で、60式とほぼ同じ。車体前部上面の傾斜が水平に近くなり、操縦席が左に移った他は車内構造も60式と同じである。操縦手ハッチ前方にはペリスコープ３基があり、中央のものは赤外線暗視ペリスコープに換装できる。戦闘重量が60式より2.7トン増えたが、エンジンを強化したので最大速度が増加した。ウォータージェットによる浮航能力（時速9km、バック可能）もある。サスペンションはトーションバー式、下部転輪は中空式で片側６枚、起動輪は後方、誘導輪は前方にあり、上部転輪は無い。履帯は幅360mmのシングル・ドライピン方式。送受信距離16kmのA-220A無線機を装備する。全長8.437m、車体長7.15m、全幅3.2m、全高2.522m、重量18.5トン。エンジンは12150L液冷Ｖ型12気筒ディーゼル（240馬力）、最大速度50km、燃料搭載量545リットル、航続距離280-300km。乗員４名。中国軍が800両、ベトナム軍が150両、ミャンマー軍が105両を配備しており、スーダン軍や北朝鮮軍なども使用している。参考：世界AFV年鑑2002-2003、AFV’94、月刊グランドパワー7,’04、月刊軍事研究5,’07、月刊丸3,’13

＜６３式�T水陸両用軽戦車＞：機関強化型で、1960年代後半から改良された。エンジンを12150L2液冷ディーゼル（400馬力）とし、機関室上面に車外燃料タンクを搭載して最大速度を64km、浮航速度を12km、航続距離を370kmに改善している。北ベトナム軍に供与され、1972年に実戦投入された。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜６３式�U水陸両用軽戦車＞：1970年代半ばに登場した改良型。揚州双眼式レーザー測距器（測距距離300-3000m、誤差10m）と弾道計算機を搭載している。重量18.7トン。既存の車両への改修は行われていない模様。参考：月刊グランドパワー7,’04

＜６３式Ａ型水陸両用軽戦車＞：メーカー名称WZ213。車体前後に浮力タンクを増設し、83式105mm戦車砲と砲安定化装置を搭載したもの。対空機銃をW-85に変更し、サイドスカートを追加している。エンジンも580馬力（520馬力？）に強化し、最大速度が55km、浮航速度が14kmになった。1998年に制式化されて500両が生産され、人民解放軍陸軍南京軍区及び広州軍区の水陸両用機械化師と海軍陸戦隊第１旅などに配備されており、台湾侵攻の場合には先鋒を務めることになる。また、99式水陸両用軽戦車の基となった。2005年の平和の使命2005演習ではトップヘビーが災いして数両が水没し、死者を出している。参考：月刊グランドパワー7,’04、月刊軍事研究1,’07、5,’07、6,’07、月刊丸3,’13、月刊PANZER6,’14

＜６３式Ａ１型水陸両用軽戦車＞：WZ-213-1。63式Ａ型の砲塔前面に複合装甲を追加したもの。爆発反応装甲も装備できる。参考：月刊丸3,’13

＜６３式Ａ型水陸両用軽戦車改＞：アクティブ・レーザー防御システムを搭載したもの。低出力レーザーで敵の光学システムを探知し、そのまま出力を上げて光学システムを焼き切るという。参考：月刊軍事研究1,’05

＜６３式水陸両用軽戦車海外シリーズ＞

　＜０３Ｐ式水陸両用戦車＞：63A式水陸両用軽戦車の輸出名称。参考：月刊軍事研究6,’07

＜６３式自走１０７ｍｍ多連装ロケット＞：北朝鮮軍の車載型24連装107mmロケットランチャー。参考：月刊PANZER5,’03

＜６３式自走１３０ｍｍ多連装ロケット＞：北朝鮮軍の車載型18連装130mmロケットランチャー。参考：月刊PANZER5,’03

＜６３式自走多連装ロケット＞：中国陸軍自走多連装ロケット。63式多連装ロケットシステムを自走化したもので、当初は４×４輪小型トラックNJ-230の荷台に搭載していたが、1970年にYW531A装甲兵員輸送車の後部車体上に搭載したものが登場した。ロケットランチャーは上段10基・下段９基、限定旋回式（左右７度）・仰角5-45度の架台に搭載される。ロケット弾は直径130mm、全長1.05m、重量33kg。炸裂すると1916個の破片が半径24mに飛散する。最大射程10100m。全弾発射には1.5-2分を要する。北朝鮮軍、ベトナム軍も採用した。中国では82式・85式に後を譲って退役した。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜６３式装甲兵員輸送車＞：YW531Aを参照。

＜６３式操縦用暗視装置�T型＞：陸上自衛隊のアクティブ式赤外線暗視装置で、61式戦車や73式装甲車に搭載されている。重量2.5kgの投光器２個（前照灯の横に付いている）から放射される赤外線の反射を重量10kgの受像部でキャッチし、水平30度・距離30mの視界を得る。電源重量7kg。日本電気製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜６３式狙撃用暗視装置１型＞：陸上自衛隊の狙撃銃用アクティブ式赤外線暗視装置で、日本電気が開発した。M1C狙撃銃、M1カービン、64式小銃の上部左に取り付けて使用する。投光器（1kg以下）、高圧電源部及び電源部（3.6kg以下）、受像部（2.9kg以下）で構成される。視野２度、有効視認距離100m、倍率４倍。参考：自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.13、日本の戦力、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜６３式対戦車地雷＞：陸上自衛隊の地雷で、戦後初の国産地雷でもある。1957年3月から強力地雷という名称で開発され、1958年1月からテストを実施、1963年に制式採用された。容器は円盤形で、非磁性材料を使用して金属探知機で探知できないようにしてあり、上に発火栓付き圧力板が付いている。圧力板に130-190kgの重量が加わると、受圧筒が押されて信管が作動、雷管と伝爆薬が発火し、TNTが炸裂する。総重量9.3kg、炸薬重量7kg。石川製作所製。参考：スピアヘッドNo.6

＜６３式多連装ロケットシステム＞：中国陸軍多連装130mmロケットシステム。NORINCOが1960年代から開発し、1963年に制式化された。特殊部隊やゲリラ戦向けの携帯式ロケット砲を多連装化している。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜６３式歩槍＞：中国軍の自動小銃で、56式騎槍をフルオートにしたものである。銃身が延長され、弾倉を着脱式に変更した。装弾数15発または20発。参考：月刊軍事研究5,’09

＜６３式ロケットランチャー＞：中国陸軍12連装107mmロケットランチャー。ランチャーは４列３段で、重量600kgと比較的軽く、小型車両にも搭載できる。射程8000m。アフガニスタンでも使用されている。参考：月刊PANZER3,’02

＜６３式ロケット弾＞：中国のNORINCOが開発した携帯式130mmロケットランチャー。ロケット弾（33kg）をランチャー（10.5kg）に搭載し、三脚（11.9kg）に据えて照準器（1.2kg）で照準し、遠隔発射装置（1.25kg）で発射する。このため、システムの運搬には3-4名が必要である。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜６４ＭＡＴ＞：64式対戦車誘導弾を参照。

＜６４Ｎ６Ｅ２＞：S-300PMU2地対空ミサイルシステム用三次元捜索レーダー、NATOコードはビッグ・バード。探知距離300km。参考：月刊軍事研究6,’14

＜６４型巡洋艦＞：スヴェルドルフ級シリーズを参照。

＜６４号機関＞：ZC707（ディーゼルエンジン）を参照。

＜６４式８１ｍｍ迫撃砲＞：陸上自衛隊の迫撃砲。アメリカのM29迫撃砲を基に豊和工業で国産化したものである。砲身外周に放熱施条を刻んで冷却効率を高めてあり、全周射撃可能な底板を装着したが、その分M29よりも重量がかさんでしまった。口径81mm、砲身長1294mm、重量52kg。仰角40-85度。発射速度毎分30-35発（最大）／18発（持続）。照準器は64式81mm迫撃砲用照準具。砲弾重量3.2kg、初速毎秒213-300m、最大射程はM43A1榴弾の８号装薬で3500m。加害範囲は長径20m・短径15m。配備数はM1迫撃砲と同じで、普通科中隊迫撃砲小隊に４門ずつである。初期には弾薬に問題があって砲身破裂が多発し、隊員が巻き添えになるのを防ぐため拉縄射撃のみを行うことにするという事態にまで発展しかけたが、改良型砲弾を採用して解決した。参考：月刊PANZER9,’01、月刊JWings9,’01、自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、スピアヘッドNo.6

＜６４式８１ｍｍ迫撃砲用照準具＞：陸上自衛隊64式81mm迫撃砲の照準具。アメリカのM29用M34A2照準具とほぼ同じもので、砲身左に取り付けて使用する。Ｌ型眼鏡JM62A1C、眼鏡取り付け具JM9A1、眼鏡托座JM79からなる。公算誤差はM43A1榴弾の射距離2000mで前後24m・左右9m、射距離3000mで前後35m・左右10m。参考：月刊PANZER9,’01

＜６４式１０６ｍｍ無反動砲用対戦車榴弾＞：陸上自衛隊106mm無反動砲用HEAT弾。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜６４式軽機関銃＞：RP-46海外シリーズを参照。

＜６４式軽戦車＞：台湾陸軍軽戦車。米中国交正常化によりアメリカからの兵器輸入が途絶える恐れが出たため、1975年に神狗案という名称でM41をベースに開発、制式化した。車体と機関系はM41とほぼ同じだが、装甲板を高硬度のものに換え、電気系統を一新しているとされる。砲塔はM41に似ているが、体格に合わせて内部を改修した。車体・砲塔には高硬度圧延鋼板製増加装甲を装着している。主砲はオリジナルの76mmライフル砲M32に改良を加えた国産型で、FCSも改良されているようだ。副武装は7.62mm同軸機銃と12.7mm対空機銃。後期生産型では国産レーザー測遠機、弾道コンピュータ、パッシブ式暗視装置を追加した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER2,’11

＜６４式小銃＞：自衛隊の小銃。7.62mmNATO標準弾を使用でき、フルオートが可能で反動を抑え命中精度を高くするというのが基本コンセプトで、1957年7月から豊和工業が自主開発し、1958年に試作銃R1とR2が完成した。これは直銃床だったが、取り回しの良い曲銃床を採用することになり、1959年3月に試作銃R3が出来上がった。更に改良を加えて1960年にR5とR6を製作、これらの試験を踏まえてR6Aが作られ、高い命中精度を発揮したという。1962年から防衛庁の予算が付き、７丁の公式試作が決定、製作スタッフがSIGやG3をヨーロッパで試射した結果も踏まえて改良を加え、1962年7月に公式試作銃R6B3が２丁、10月にR6Dが２丁完成し、テストに入った。途中でM14小銃の採用が決まりかけたが、日本人の体格に合わない、欧米人でも困難なフルオート射撃が日本人ではほぼ不可能（朝霞射場で膝打ち連射したら銃口が予想以上に跳ね上がって弾丸がバックストップを越えかかった）という欠点があり、1964年9月7日（10月6日？）に試作銃の共試�V型小銃が64式小銃として制式化された。23万丁が生産され、三自衛隊の他、海上保安庁にも採用されている。日本人向けに軽量化すべく機関部を10mmほど短縮、ハンドガード上部をプラスチック製、下部をアルミニウム製とし、銃身を肉薄にして硬質クロムメッキを施した。機関部短縮の影響でNATO標準弾では故障が多くなり、有効射程を400mに抑えて発射薬１割減の弱装弾を標準装備にしたため、弾薬の共用がしにくくなったが、小柄な日本人にとっては反動が少なくて済むという利点もある。反動抑制のため銃口制退器を装着したが、発射音が大きくなった。レシーバーはスチールの削り出しで、撃針と同軸にストライカー型撃鉄を持っており、命中率を向上させている。フルオートとセミオートの切り替えが可能で、セレクターにはア（安全）、タ（単発）、レ（連発）と刻んである。セレクターをアからタに切り替えると、連結桿と引き金との固定が解除されて発射可能となる。引き金を引きっ放しにしても、逆鈎後端の突起が戻った撃鉄を固定するので、連射はできない。タからレに切り替えると、スライド後部左の凸部が移動し、薬室閉鎖直前に碍子前端の突起を押すようになる。すると碍子が軸周りに回転して逆鈎前端を持ち上げ、逆鈎が逆鈎軸周りに回転して逆鈎後端が下がり、撃鉄の固定が解除されるので、元の位置に後退した撃鉄は再び前進、連射が可能となる。引き金を戻すと逆鈎が撃鉄に押されて前進、碍子との連結が解除されるので、連射が止まる。空包を撃つ機会が多いため、空包発射補助具が作り付けられており、アダプターを付ける必要が無い。命中精度を保つため、零点規正装置が装着されている。命中精度向上のためバイポッドが付いており、過度の軽量化による反動増の防止も兼ねているが、銃身が肉薄で、軽機関銃や分隊支援火器としての使用には向かない。標準の分解時間は５分、結合時間は８分だが、新隊員前期課程修了時には分解２分40秒・結合４分40秒くらいでこなせる隊員もいる。欠点は、遊底が大きく発射までに時間がかかるので近接戦闘に不利、全長が短く銃剣突撃にも向かない、突起物が多い、装填ハンドルが上に付いているので射手の利き手に関わらず操作できるが、照準線が高くなり射撃時の顔の暴露面積が大きい、リアサイトが起倒式のため射撃時にぶれたりヘルメットに当たったりする、セレクターが右にあるため一挙動での操作が困難、部品点数が多く（100個強）分解整備に注意が要る、値段がM14の６倍（1985年度契約で１丁188000円、弾薬１発220円）など。全長990mm、銃身長450mm、重量4.4kg（弾倉除く）、5.12kg（二脚・弾倉付き）。使用弾はM80普通弾減装薬（7.62mm×51）、装弾は20発入りボックスマガジンで、普通科隊員は弾帯に弾嚢を付けて弾倉を６個（前２個・後４個）携帯するのが標準。作動はガス圧式、発射速度は最大毎分500発・持続毎分10発。初速毎秒700m（弱装薬）／毎秒800m（常装薬）、有効射程400m。銃身寿命37000発。ＡからＣまで細かい改良型がある。スコープ（全長315mm、重量600g、取り付け具重量285g、倍率2.5倍、視野５度20分、方向修正可能範囲左右７ミルずつ、有効距離0-800m）、63式狙撃用暗視装置、M9A1対戦車てき弾、M31対戦車小銃てき弾、06式小銃てき弾を装着可能で、2008年11月の警察との合同訓練では対武装工作員用としてスコープ付きバージョンを背負った隊員の姿が見られた。採用時には二脚を除いてM14より優秀だと評判だったといわれるが、世界の趨勢が小口径高速弾に移ったため、後継として89式小銃が開発された。2001年12月の北朝鮮不審船撃沈事件で実戦初使用された。参考：月刊PANZER12,’01、月刊JWings4,’02、スピアヘッドNo.6、No.7、陸上自衛隊地上戦力の全容、自衛隊図鑑2002、最新軍用ライフル図鑑、JGround Vol.11、日本の戦力、世界の軍用銃、月刊軍事研究2,’09、3,’12、自衛隊装備カタログ1981、日本の防衛戦力Part1、Part8

＜６４式対戦車誘導弾シリーズ＞：陸上自衛隊の第１世代対戦車ミサイル、通称ロクヨンマット（64MAT）。川崎重工製。1954年10月16日の訓令で防衛庁に誘導飛翔体研究会が設立され、1955年8月に誘導弾研究グループ（特別調査室）が設立されて開発が始まり、1957年度から川崎航空機工業を主契約社（他に日本電気が誘導装置、大日本セルロイドが推進薬、藤倉電線がワイヤを担当）として試作された。フランスからSS10とSS11の情報を得ようとしたが、外見の写真しか無く、穴が開くほど見つめてみたがどうにもならず、一から開発している。開発初期に報道陣向け初公開試射を行った際にはロケットの排煙が濃すぎて試作ミサイル本体が見えなくなり、射手が誘導できなくなる事態に陥った。参考：スピアヘッドNo.3、日本の防衛戦力Part1

　＜ＴＭＡ−０＞：特別調査室と富士精密工業が1955年に完成させた、防衛庁初のロケット。全長1.6m、直径0.08m、重量16kg。宮城県王城寺原でテストが行われた。参考：スピアヘッドNo.3、月刊軍事研究3,’17

　＜ＡＴＭ−１＞：1956年度試作型で、飛翔テスト用。参考：月刊軍事研究3,’17

　＜ＴＡＴＭ−１Ａ＞：1957年度試作型で、対戦車ミサイル型の飛翔特性テスト用。白川演習場で発射テストが実施された。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−１Ｂ＞：1957年度試作型で、誘導装置を初めて搭載している。２発が製作されて1958年10月から発射テストが行われ、成功した。ただし、電源の鉛電池の性能が悪く、長期保存が可能で極寒時にも規定電圧まで一気に到達する小型軽量電池の開発に1961年末までかかった。参考：スピアヘッドNo.3、月刊軍事研究3,’17

　＜ＴＡＴＭ−１ＢＫ＞：２発が製作されて1958年10月から発射テストが行われ、成功した。ジャイロが電気式で、回転数が規定に到達するまで５分もかかる欠点があり、即応性の高い火薬式ジャイロを完成させたのは1960年だった。また、誘導線が切れるという事故も起こり、改良するのに1962年までかかった。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−２＞：1958年度試作型。北富士演習場で発射テストを行ったが、ワイヤーが切れてしまい、ワイヤーリールに改良を施して再テストを行った。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−２Ｄ＞：1958年度に製作された、TATM-2のダミー。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−２Ａ＞：1959年度試作型で、ワイヤー細線を使用している。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−３＞：1959年度試作型。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−３Ａ＞：1959年度試作型で、ガスジャイロを搭載した。TATM-2/-2A/-3と共に北富士演習場で発射試験を行い、命中率70%を達成した。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−３Ｃ＞：1960年度試作型。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−３Ｄ＞：1960年度試作型。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＴＡＴＭ−３Ｅ＞：1960年度試作型。TATM-3C/-3Dと共にテストされ、量産型の原型となった。参考：スピアヘッドNo.3

　＜ＸＡＴＭ−１＞：1961年度に製作された増加試作型。推進はダブルベース無煙薬を使用する１室式のダブル・スラスト・ロケットを採用した。1962年8月26日に北富士演習場で統幕議長も参加して試射が行われ、初弾命中の成果を挙げた。参考：スピアヘッドNo.3

＜６４式対戦車誘導弾＞：1962年10月に仮制式され、1963年に制式化された。ミサイル諸元は資料によりばらつきがあるが、どうも小改良が加えられているようだ。先端にピエゾ信管があり、弾頭はHEAT、炸薬はコンポジットＢ（TNT40%・RDX60%）。炸薬後方には火薬式ジャイロが弾体左右に２基外部搭載され、３軸安定化されていて、後部の十字翼により飛行制御する。誘導はMACLOS方式で、誘導装置はトランジスタ化されており、ミサイルは誘導用のワイヤーを引っ張りながら飛んでいく。射手はミサイル後端下部の発光筒を見ながらコントローラで誘導し、命中させる。ミサイル全長1000mm/1015mm/1020mm、弾頭部直径120mm、弾体直径120mm、全幅447mm、翼幅600mm、重量15.0kg/15.7kg。推進はロケットモーターで、推力はブースターが80-150kg、サステナーが8-18kg、飛翔速度毎秒85m、最小射程350m、最大射程1500m/1600m/1800m。装甲貫徹力300mm。システムはミサイル、箱形ランチャー（重量40kg）、操縦器、眼鏡、電話器、送信器、制御器、分電器、点検器で構成される。運用要員は分隊長、射手、弾薬手の３名。本体は川崎重工、誘導装置は日本電気、推進薬はダイセル、誘導ワイヤーは藤倉電線製で、1980年度までに228セットが生産された。師団対戦車隊Ａ小隊にランチャー８基（４個班に２基ずつ）が配備されていて、Ａ小隊は１個対戦車隊あたり２個編成されているので、１個師団あたりランチャー16基の割り当てになる。1/4トントラックや73式小型トラックの後部荷台両側に１基ずつ搭載した車載型がメインで、予備ミサイル４発を搭載した1/4トントレーラを牽引する。60式装甲車の後ろに箱形ランチャー４基を横並びで搭載したり、M24戦車の砲塔前後両側面に計４基を載せたり、H-13Hヘリコプターに裸で搭載したりしたこともある。残弾減少に伴い、富士総合火力演習での射撃は2007年で終了した。2008年度に退役した。参考：月刊軍事研究11,’99、3,’17、月刊PANZER8,’99、自衛隊装備年鑑1996、月刊JWings11,’07、自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.3、日本の防衛戦力Part1

＜６４式微声冲鋒槍＞：中国軍のサブマシンガンで、特殊部隊向けである。発射速度毎分1000発。参考：月刊軍事研究5,’09

＜６５＞：イギリス海軍ケント級重巡洋艦バーウィック（Berwick）。1928年竣工。1940年11月27日、スパルティヴェント岬沖海戦で小破した。1948年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜６５−７３＞：ソ連海軍の無誘導魚雷で、1973年に就役した。全長11m、直径650mm、重量5000kg（4000kg？）。弾頭は20キロトン核弾頭または500kg炸薬。主機はガスタービン、燃料は灯油、酸化剤は過酸化水素、雷速50ノット、航走距離50km。作戦可能深度14-20m。オスカー�T／�U型に搭載された。参考：月刊世界の艦船6,'21、9,’10、1,'15増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

＜６５−７６シリーズ＞：ソ連海軍の潜水艦用魚雷。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜６５−７６＞：65-73魚雷に誘導装置を追加したもので、1976年に就役した。全長11m、直径650mm、重量5000kg（4000kg？）。弾頭は20キロトン（50キロトン？）核弾頭または500kg（450kg？）炸薬。主機は過酸化水素ガスタービン、最大雷速50ノット、航走距離50km（雷速50ノット）／100km（30ノット）。誘導はアクティブ／パッシブ音響＋航跡追尾で、作戦可能深度14-20m。クルスク沈没の原因は、本魚雷の過酸化水素エンジンが爆発したものと考えられている。参考：月刊世界の艦船9,’10、1,'15増刊、2,’17、6,'21、ソ連／ロシア原潜建造史、ミリタリー・バランス1989-1990

＜６５−７６ＤＳＴ９２＞：炸薬重量を557kgに増やしたタイプ。参考：月刊世界の艦船2,’17

＜６５Ｚ�V−ＱＮＲＴ５Ｓ＞：除雪車（サイト用）を参照。

＜６５型護衛艦＞：中国海軍護衛艦。艦番号502南充などが就役した。参考：月刊世界の艦船10,’19

＜６５式１２センチ双眼鏡＞：海上自衛隊の艦載双眼鏡。倍率20倍。参考：月刊世界の艦船1,’14

＜６５式５３センチ４連装水上発射管＞：海上自衛隊の４連装魚雷発射管で、装備品記号HO-401（発射管／水上／４連装その１の意）。日本海軍のものをベースに当初は試製54式として開発され、次いで55式となり、最終的にこの制式名称となった。４本の発射管が並列に並んでおり、前方から見て一番左が１番発射管、一番右が４番発射管である。発射管後端の扉を開けて魚雷を装填する。普段は艦と平行に設置されているが、発射時は90度左右に機力旋回させ、電気式遠隔操作または発射管上部の管制盤操作により空気圧で発射する。後方には再装填用の魚雷４本が用意されている。発射管全長7.87m、内径0.5345m、全幅4.7m、全備重量７トン。射出気圧30気圧または25気圧、射出速度秒速14m（空気圧30気圧、水平発射）、旋回角左右95度ずつ、旋回速度毎秒５度。あやなみ型、あきづき型、いすず型（予備魚雷無し）に搭載された。試製54式魚雷も国産化を目指したが、こちらは制式化に至らなかった。参考：艦船メカニズム図鑑、日本の戦力、月刊世界の艦船1,’79増刊、3,’10、丸スペシャルNo.76、自衛隊装備カタログ1981

＜６５式５３センチ連装水上発射管＞：海上自衛隊の魚雷発射管。装備品記号HO-201、開発当初の名称は試製54式53センチ連装水上発射管である。65式53センチ４連装水上発射管を連装にスケールダウンしたもので、予備魚雷や次発装填装置は無い。長魚雷実用試験用としてわかば型の第１・第２煙突間に搭載された。参考：丸スペシャルNo.76

＜６５式１２ｃｍ双眼鏡＞：自衛隊の機器。興和が受注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜６５式６５ｃｍ測距儀＞：自衛隊の機器。興和が受注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜６５式機雷探知機＞：ZQS-1を参照。

＜６５式作業服＞：陸上自衛隊の戦闘服。オリーブドラブ一色で、警察予備隊当時にアメリカ軍から支給されたものを基にデザインしている。細身で着にくいらしい。また、上着の裾をズボンの中に入れる方式のため、匍匐前進をしていると泥がズボンの中に入り込んでくるという欠点がある。21世紀に入っても予備自衛官や体験入隊用として使用されている。参考：コンバット・バイブル、月刊丸10,’93、スピアヘッドNo.3

＜６５式対潜ロケット発射機＞：RBU-1200海外シリーズを参照。

＜６５式歩槍＞：M16海外シリーズ（小銃）を参照。

＜６５式レーダー装置２号＞：陸上自衛隊の小型戦場監視レーダー、JAN/PPS-4。各師団に12基ずつ配備された。直径370mm・高さ370mm・重量19kgの本体、長さ880mm・重量7.5kgの三脚、長さ270mm・幅160mm・高さ190mm・重量12kgの24Vニッカド電池などから構成される。使用周波数Ｘバンド、ピーク出力1kW。探知距離0.1-5km（人間）／0.1-10km（移動車輌）。富士通信機、日立製作所製。参考：自衛隊装備カタログ1981、自衛隊装備年鑑1996

＜６５年式制服＞：中国人民解放軍の制服。文化大革命を機に階級制を廃止したため、ポケットの数が多いのが幹部という見分け方をしていた。参考：月刊軍事研究9,’07

＜６６＞：イギリス海軍フィジー級軽巡洋艦ウガンダ（Uganda）。1942年竣工。1944年10月、カナダに供与された。1961年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船8,’23

＜６６＞：ロシア海軍ロプーチャ�T型揚陸艦。2001年10月13日2245頃、ロプーチャ�T型揚陸艦艦番号55、ネフテガズ型救難船カラルと共に礼文島の北東54kmを西に航行するのをDD-156せとぎりが確認した。10月14日、ロプーチャ�T型揚陸艦艦番号55、ネフテガズ型救難船カラルと共に礼文島の西132kmを南西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。参考：月刊世界の艦船1,’02

＜６６型短機関銃＞：自衛隊の試作サブマシンガンで、1960年代に製作された。試作のみ。参考：世界の軍用銃

＜６６型中巡洋艦＞：ソ連海軍計画巡洋艦。第２次大戦終結後、アメリカに対抗すべく82型スターリングランド級重巡の建造を進めたが、４隻では数が足りないため、220mm砲を搭載する巡洋艦として開発された。1951年に戦術・技術規則が承認されて設計に入ったが、1953年に対艦ミサイル開発を優先するためと、海軍アカデミーにより戦術価値が低いと判断されたため、開発中止になった。全長252.5m、幅25.7m、吃水8.4m、基準排水量26230トン、満載排水量30750トン。機関出力210000馬力、速力34.5ノット、航続距離は18ノットで5000海里。兵装は220mm３連装砲３基、130mm連装両用砲４基、45mm４連装砲６基、25mm４連装機関砲６基。装甲厚は舷側155mm、砲塔210mm、司令塔210mm。乗員1410名。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜６６式１２．７ｍｍ空包＞：自衛隊の12.7mm空包。日本工機製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜６６式１２．７ｍｍＭ２普通弾＞：自衛隊の12.7mm普通弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’07

＜６６式５７ｍｍ連装砲＞：ZIF-31海外シリーズを参照。

＜６６式機雷＞：K-15（機雷）を参照。

＜６６式探信儀＞：OQS-3（ソナー）を参照。

＜６６式鉄帽＞：陸上自衛隊の鉄帽。アメリカのM1ヘルメットを参考にしている。参考：コンバット・バイブル

＜６６センチ測距儀＞：海上自衛隊の測距儀。単眼合致式の航海用で、岸壁や僚艦との距離を測定するために使用される。軽量コンパクトなので手持ちでも使え、Mk51射撃指揮装置の方位盤上に取り付けて砲戦に使用したこともあるらしい。参考：丸スペシャルNo.75

＜６７＞：イギリス海軍イラストリアス級空母第１群フォーミダブル（Formidable）。1940年就役。1941年3月28日、マタパン岬沖海戦に参加。1945年5月4日、先島諸島付近で菊水５号作戦特攻機１機に突入された。アイランド後部が損傷したが、飛行甲板は装甲化されていて大きな被害は無く、短時間の修復で戦列に復帰した。5月9日、沖縄付近で特攻機の攻撃により損傷した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊世界の艦船4,’18

＜６７ｂｉｓ型＞：スヴェルドルフ級シリーズ（巡洋艦）を参照。

＜６７ＥＰ型＞：スヴェルドルフ級巡洋艦ファミリーを参照。

＜６７型＞：スヴェルドルフ級シリーズ（巡洋艦）を参照。

＜６７式３０型ロケット弾発射機＞：陸上自衛隊のロケット弾発射機。４トン６輪ボンネットトラックの後部荷台に太い並列連装ランチャーを据え付けてあり、68式30型ロケット榴弾または68式ロケット演習弾を２発搭載する。運転席のルーフは邪魔なので外した（必要時にキャンバスを張る）。発射時には車体を油圧ジャッキ３基で固定し、５度までの傾斜を補正可能。仰角117-978ミル、旋回角左右各288ミル。照準器は155mm榴弾砲M1と同じものである。長さ100mのケーブルリールが取り付けられており、発射管制盤に繋がっている。全長8.24m、全幅2.44m、全高3.35m、総重量11.3トン。エンジンはディーゼル（160馬力）、最大速度78km。乗員4-5名で、発射要員全員を乗せることが可能。１個射撃中隊は６両で構成され、師団特科大隊や第１特科団に配備された。参考：月刊PANZER7,’04、日本の戦力、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1

＜６７式３７ｍｍ機銃＞：70K海外シリーズを参照。

＜６７式大型水中聴音機＞：LQO-3Aを参照。

＜６７式加重木柄手榴弾＞：中国陸軍の柄付き手榴弾。重量980g、炸薬量99g。有効半径10m。信管遅延秒時3-3.7秒。参考：コンバット・バイブル２

＜６７式機雷＞：K-16を参照。

＜６７式空対空誘導弾＞：AAM-1を参照。

＜６７式係維掃海具＞：海上自衛隊の係維掃海具で、67式普通掃海具ともいう。西側標準のＯ式（オロペサOropesa型）掃海具がベースで、1953年に採用され、当初は試製53式普通掃海具と呼ばれていた。カッター、展開器（オッター）、沈降器、フロートなどからなる。右舷にＺ撚り、左舷にＳ撚りの掃海索があり、両方の索は途中で沈降器により結ばれていて、沈降器の深さは沈降器曳索の長さと掃海速力で調整する。索の先端付近には係維索切断用カッターがあり、索の先端にはサイズ４展開器が取り付けられていて、水流を受けて右舷の索を右外側、左舷の索を左外側に引っ張り、索の展開幅を広げる役目をする。展開器はフロート・ペンデントを介して海上のサイズ４フロートに繋がっており、フロート・ペンデントの長さを調節すれば展開器の深度を変えられる。係維索切断用カッターはMk9/Mk11/Mk12の３種類があり、８ノットで引っ張ると12mmのワイヤーを切断できる。掃海索長さ450m、掃海幅300m、掃海速力８ノット、掃海深度60m。あただ型、やしろ型、かさど型、たかみ型、はつしま型に搭載された。また、掃海艇１号型と７号型が片舷分だけ搭載し、左舷展開で使用した。参考：丸スペシャルNo.76、月刊世界の艦船3,’10、11,’17増刊

＜６７式戦車橋＞：61式戦車ファミリーを参照。

＜６７式装甲作業車＞：M4戦車・海外ファミリーを参照。

＜６７式通用機槍シリーズ＞：中国軍の汎用機銃。DPMをベースに開発した。参考：月刊軍事研究5,’09

　＜６７式通用機槍＞：初期生産型。参考：月刊軍事研究5,’09

　＜６７−１式通用機槍＞：1978年に登場した改良型。参考：月刊軍事研究5,’09

　＜６７−２式通用機槍＞：1982年に登場した改良型。全長1.35m、銃身長0.605m、重量10kg、三脚重量5.5kg。使用弾は7.62mm×54R弾、初速毎秒840m、発射速度毎分650発。参考：月刊軍事研究5,’09

＜６７式爆雷投下軌条＞：爆雷投下軌条（海自）を参照。

＜６７式爆雷投射機＞：海上自衛隊の両舷用爆雷投射機（Ｙ砲）。アメリカ海軍のものをデッドコピーして制式化しており、当初は55式と呼ばれた。Ｙ字砲身、薬室（砲身交叉部にある）、膨張室からなり、下半分はトップヘビー防止のため甲板下に埋め込まれている。投射の仕組みは54式と同じ。重量340kg。投射距離は50m/80m/100m。次発装填秒時５秒。神戸製鋼所製。あやなみ型、むらさめ型、あきづき型、いすず型などの後部甲板中央線上に搭載された。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船1,’79増刊、丸スペシャルNo.76、自衛隊装備カタログ1981

＜６７式木柄手榴弾＞：中国軍の柄付き手榴弾。底部の油紙を破り、発火リングを引き出して使用する。近距離なら予めリングを引き抜くが、遠距離では小指にリングを引っかけて投げると便利。重量560g、有効半径7m以上。信管遅延秒時3-3.7秒。参考：コンバット・バイブル、コンバット・バイブル２

＜６８＞：イギリス海軍ヨーク級重巡洋艦エグゼター（Exeter）。イギリス海軍最後の重巡である。1930年（1931年？）竣工。1939年12月13日、ラプラタ沖海戦に参加。損傷修復時に対空兵装を強化した。1942年2月27日、スラバヤ沖海戦で被弾損傷した。3月1日1200、H10エンカウンター、DD-225ポープと共にスラバヤを出港してセイロン島に向かったが、バウエアン島西90海里で足柄、妙高、曙、雷の砲撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊軍事研究7,’07、月刊丸8,’87、近代巡洋艦史、日本海軍艦隊総覧

＜６８＞：イギリス海軍コロッサス級軽空母オーシャン（Ocean）。1945年就役。1945年12月、バンパイア戦闘機が着艦に成功し、世界初のジェット機着艦を記録した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船3,’21

＜６８＞：シンガポール海軍フォーミダブル級フリゲート１番艦フォーミダブル（Formidable）。2004年1月進水、2007年5月就役。2012年6月27日から8月7日、リムパック2012に参加。8月11日、ハワイ近海でDDH-143しらね、DDG-175みょうこうと親善訓練を実施。2022年11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊軍事研究6,’05、9,’09、月刊世界の艦船9,’12、10,’12、1,’23

＜６８Ａ型巡洋艦＞：スヴェルドルフ級シリーズを参照。

＜６８ｂｉｓ型巡洋艦＞：スヴェルドルフ級を参照。

＜６８ｉ型巡洋艦＞：チャパエフ級を参照。

＜６８Ｋ型巡洋艦＞：チャパエフ級を参照。

＜６８Ｕ型巡洋艦＞：スヴェルドルフ級シリーズを参照。

＜６８Ｕ１型巡洋艦＞：スヴェルドルフ級シリーズを参照。

＜６８Ｕ２型巡洋艦＞：スヴェルドルフ級シリーズを参照。

＜６８型巡洋艦＞：チャパエフ級を参照。

＜６８式３連装短魚雷発射管＞：HOS301シリーズを参照。

＜６８式３０型ロケット榴弾＞：陸上自衛隊の地対地ロケット弾。第一線師団の全縦深を制圧できる射程を持ち、地域射撃により急襲的大火力を発揮するのが主任務で、1957年度に200mmロケット弾として研究を開始し、威力増大のため直径300mm級に増やし、第６次試作まで行って1968年に制式化した。アメリカ軍MGR-1オネストジョン（通常弾頭型）と同等の威力を持つ。ロケット本体は銅とアルミ製。全長4.565m、直径337mm（307mm？）、重量573kg。推進は固体燃料ロケット、最大射程28.2km。日産自動車製。67式30型ロケット弾発射機に２発搭載される。参考：月刊JWings7,’01、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊軍事研究9,’03、月刊PANZER7,’04、日本の戦力、日本の防衛戦力Part1

＜６８式７６ｍｍ５０口径単装砲＞：Mk33海外シリーズを参照。

＜６８式１０６ｍｍ無反動砲用演習弾＞：陸上自衛隊の106mm無反動砲用演習弾。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜６８式１０６ｍｍ無反動砲用粘着榴弾＞：陸上自衛隊の106mm無反動砲用粘着榴弾。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜６８式１５５ｍｍ迫撃砲＞：陸上自衛隊の迫撃砲。山岳部隊向けの大口径砲として1955年から部分試作されたが、トラブル解決に時間がかかり、1968年に漸く仮制式化された。砲身は滑腔で、落とし撃ちでも撃発でも発射できる。全長2.5m、砲身長1.7m、重量900kg。1/4トントラックや61式特殊運搬車で牽引でき、200kg以下のパーツに分解して61式特殊運搬車に積載することも可能。射界左右4.5度ずつ、仰角45-65度、最大射程6770m、発射速度毎分５発。使用弾は68式155mm迫撃砲榴弾。照準装置はM62系Ｌ型眼鏡、M9系眼鏡取り付け具、M79系眼鏡托座からなるM34系照準器。山岳部隊が編成されなかった、61式特殊運搬車が量産されなかった、といったこともあって制式化までは至らなかった。武器学校に保管されている。参考：月刊丸12,’11、月刊PANZER9,’01

＜６８式１５５ｍｍ迫撃砲榴弾＞：陸上自衛隊の68式155mm迫撃砲用榴弾。全長803.5mm、総重量26.44kg、砲弾重量25.46kg、炸薬重量6.15kg（TNT）。参考：月刊丸12,’11

＜６８式エヤクラフト・フロートライト１型＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜６８式機雷探知器＞：ZQS-1Aを参照。

＜６８式射撃指揮装置＞：海上自衛隊の護衛艦用国産射撃指揮装置で、FCS0型ともいう。コントラベス社製ヤベルクを参考に1958年から技術研究本部で部内研究、1959年から部外委託研究が開始され、1965年度からDD-109はるさめに搭載されて試験を受け、1968年に制式採用された。無人の安定化装置付きレーダー方位盤１基と、方位盤手１名を擁する安定化装置付き光学方位盤１基、測的盤、アナログ式計算機、射撃管制盤からなり、高速目標・多目標同時追尾能力を持つ。はるさめの第１方位盤（Mk63）と第２方位盤（Mk57）を撤去し、前方に光学方位盤、その後上方にレーダー方位盤を背負い式に配置している。開発当時は世界最高レベルのFCSだったが、有人方位盤の方が使い慣れていたのと、無人レーダー方位盤・有人光学方位盤の運用マッチングに不具合があったらしく、１基しか生産されず、72式射撃指揮装置１型が開発された。参考：丸スペシャルNo.75、艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船1,’79増刊、11,’13

＜６８式小銃＞：AK47海外シリーズを参照。

＜６８式対潜弾投射機＞：ヘッジホッグ海外シリーズを参照。

＜６８式歩槍＞：台湾軍の突撃銃。65式歩槍の後継として国産開発した。65式からキャリングハンドルを取り除いただけのような外観をしているが、作動はガス直接利用式を変更してガスピストンを組み込んである。全長990mm、銃身長508mm、重量3.17kg。ライフリングは６条右回り。使用弾は5.56mm×45弾で、装弾数30発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜６９＞：イギリス海軍ロンドン級重巡洋艦ロンドン（London）。1929年就役。1938-41年に近代化改装を受け、煙突を２本に減らし、艦橋両舷に格納庫を設け、舷側防御を強化、対空兵装を増大してレーダーを新設し、外板を補強して縦強度を確保した。改装後は本国艦隊所属となった。航空兵装はその後撤去されている。1944年からは東洋艦隊所属となった。1950年に解体された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜６９＞：シンガポール海軍フォーミダブル級フリゲート２番艦イントレピッド（Intrepid）。2004年7月進水、2008年2月就役。2009年6月8-19日、カラット2009に参加。2014年8月20-25日、海自横須賀基地を親善訪問した。8月25日、DD-103ゆうだちと親善訓練を実施。2015年6-8月、カラット2015に参加。2019年10月14日、海自横須賀基地に入港。10月19日、横須賀を出港。2021年7月26日、ドック型輸送揚陸艦L208レゾリューション、哨戒艦17ユニティと共に、インド洋でイギリス海軍R08クイーン・エリザベス空母打撃群との共同演習に参加。2022年6月29日からリムパック2022に参加。8月23-27日、海自横須賀基地に寄港。8月27日、関東南方海域でDD-152やまぎりとの親善訓練（戦術運動訓練、PHOTOEXなど）に参加。参考：月刊軍事研究6,’05、9,’09、月刊世界の艦船8,’13、9,’09、11,’14、11,’15、1,’20、10,'21、10,'22、11,'22、朝雲

＜６９−�T型火箭筒＞：RPG-7海外シリーズ（対戦車ロケット）を参照。

＜６９型重巡洋艦＞：クロンシュタット級を参照。

＜６９式１４．５ｍｍ連装機銃＞：ZPU-2海外シリーズを参照。

＜６９式２１ｃｍ迫撃砲＞：ドイツ軍の重迫撃砲で、スコダ社がチェコ併合前に開発していたB14迫撃砲をドイツ規格に改造したものである。後装式で、全周旋回可能な台座の上に搭載されており、砲身をフレームに載せることで水平射撃もできるようになっている。重量800kg。1944年に約200門が生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜６９式３０ｍｍ連装機銃＞：AK-230海外シリーズを参照。

＜６９式暗視双眼鏡＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’16

＜６９式演習弾＞：陸上自衛隊の105mm榴弾砲用演習弾。完成弾薬重量17.5kg、弾丸長494mm、弾丸重量14kg。弾道特性はM1榴弾と同じで、内部に標示薬が0.15kg充填されており、着弾観測が可能である。使用装薬は５号まで。参考：月刊PANZER9,’99

＜６９式携帯無線機１号＞：陸上自衛隊の小隊長用FM無線機JPRC-F3またはJPRC-F32。通信手が背中に背負って使用する。それまで上級部隊向けJAN/PRC-10と下級部隊向けJAN/PRC-6の２基を併用していたが、この１基で済むようになった。重量6kg。使用周波数28-54MHz、チャンネル数1040、到達距離14km。東芝または東洋通信または日本電気製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容、日本の防衛戦力Part1

＜６９式携帯無線機２号＞：陸上自衛隊のFM無線機JPRC-F2またはJPRC-F22。小銃班長が鉄帽にマイクを付けて使用する。重量2kg。使用周波数34-54MHz、チャンネル数800、到達距離2km。松下通信または東洋通信または富士通製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜６９式携帯無線機３号＞：陸上自衛隊の分隊長用FM無線機JPRC-F1。左腕に本体、鉄帽にマイク、耳にイヤホンを装着する。重量0.5kg。使用周波数34-54MHz、チャンネル数400、到達距離0.5km。日立製作所または三菱電機または松下通信製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜６９式車両無線機＞：陸上自衛隊の車両用FM無線機で、中隊長以上の指揮官用である。電話回線に接続して有線通信も可能。重量18.6kg。使用周波数20-60MHz、チャンネル数1600、通信距離35km。ジープの荷台に搭載することが多い。JVRC-F5/-F6/-F7/-F8の４種がある。参考：自衛隊装備年鑑1996、陸上自衛隊地上戦力の全容

　＜ＪＶＲＣ−Ｆ６＞：ジープの後部座席、60式装甲車の車内右側に搭載されている。日本電気または日立製作所または東芝または三菱電機または富士通信機製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜６９式戦車シリーズ＞：中国陸軍主力戦車、メーカー名称WZ121。59式戦車の改良型で、1969年の珍宝島事件の時に鹵獲したT-62戦車をベースとして1960年代から開発されたが、量産は1980年代にずれこんだ。初お目見えは1982年9月の軍事パレードである。参考：世界AFV年鑑2002-2003、AFV’94、月刊グランドパワー6,’04、月刊軍事研究5,’07

　＜６９式戦車�T型＞：主砲として100mm滑腔砲を装備したタイプ。59式�U型がベースで、アクティブ赤外線暗視装置が標準装備となり、主砲右側にリブ付き大型白色光／赤外線サーチライト、車長用キューポラに小型サーチライトを備え、車長用69式昼夜間両用赤外線暗視照準器と砲手用70式暗視照準器を搭載した。車体前面の前照灯にも赤外線ライトが装備されている。車体前面の固定機銃は装備したままである。エンジンは12150L-7BW（580馬力。ソ連のV-55のコピーらしい）で、トランスミッションも換装されている可能性がある。車体後部のラジエターファンが大きくなったため、車体後面下部が半円形に膨れた。NBC防護装置、燃料噴射式煙幕展張装置付き。赤外線吸収塗料を使用しているらしい。APFSDSの精度が悪く有効射程は1000mくらいで、貫徹力もライフル砲に劣ったため、200-300両が生産されたのみに止まり、150両が国内に配備され、200両がイラクに輸出された。参考：月刊グランドパワー6,’04、世界AFV年鑑2002-2003、AFV’94、月刊PANZER3,’01

　＜６９式戦車�U型＞：主砲を100mmライフル砲に換装したタイプで、1983年から開発に着手したとされる。中国で開発したAPFSDSと、D-10T用砲弾を使用可能。中国独自開発のFCSである戦車用簡易型射撃統制装置TSFCSを組み込んでおり、TLR-1Aレーザー測距器（主砲基部）、弾道コンピュータ、TGS-A照準器から構成なる。砲手用昼間照準器は倍率3.5倍（視野18度）と７倍（９度）、夜間照準器は７倍（６度）で有効距離800m。車長用昼間照準器は倍率５倍（視野12度）、夜間照準器は６倍（８度）で有効距離500mとされる。車内に889型無線機と乗員用インターコムを装備した。戦闘重量36.7トン。一部にゴムパッド付きダブルピン・ダブルブロック履帯、ゴム製分割型スカートを装備したり、砲塔周囲に格子状の雑具ラック（対HEAT効果もある）を装着したりしたものがある。生産数は700-800両（2000両以上？）だが、中国では50両程度のみ使用され、殆どはイラン、イラク、パキスタン、タイに輸出された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、AFV’94、月刊軍事研究4,’02、月刊PANZER3,’01

　＜６９式�V型＞：79式戦車を参照。

＜６９式戦車ファミリー＞

　＜３７mm連装対空自走砲＞：中国陸軍試作自走対空機関砲。69式戦車の車体に76式37mm連装対空機関砲を装備したもので、88式（W-88）という名称があるらしい。砲塔は溶接製で、乗員３名の目視照準のみと、乗員４名のレーダー・レーザー測距器付きの２種類がある。参考：AFV’94、月刊グランドパワー6,’04

　＜８０式５７mm連装対空自走砲＞：中国陸軍自走対空機関砲。69式戦車の車体にZSU-57-2と同形状の砲塔を載せ、59式57mm連装機関砲（S-60のコピー）を搭載している。乗員６名。参考：AFV’94、月刊グランドパワー6,’04

　＜８４式ＡＶＬＢ＞：中国陸軍戦車橋。砲塔を外して全長18m・許容荷重40トンの橋体を搭載したもので、ドイツのビーバーの技術を導入しており、同じ展張方式をとる。乗員３名。参考：AFV’94、月刊グランドパワー6,’04

　＜６５３式ＡＲＶ＞：中国陸軍戦車回収車WZ-653A。砲塔を外して車体正面にドーザーブレード（最大掘削深さ2m）、右前にターンテーブルに載った吊り上げ能力10トンの伸縮式クレーン、他に70トンの能力を持つウインチを装備する。重量38トン。機関出力580馬力。自衛用機銃を装備する。作業員４名を収容可能。イラク、パキスタン、バングラデシュ、タイなどの69式戦車輸出先にセットで輸出された。参考：AFV’94、月刊グランドパワー6,’04、月刊軍事研究2,’09

＜６００＞：中国海軍056型コルベット松原（Songyuan）。2020年10月就役、北海艦隊に配備された。2021-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６００ガロン外装タンク機能試験用受台＞：自衛隊の機器。東亜工業製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜６００隻艦隊構想＞：アメリカのレーガン大統領が1982年12月28日に発表した建艦構想。カーター政権下でアメリカ海軍戦力は現役450隻・空母戦闘群12個への削減を目指していた（レーガン政権に交代した1981年9月末に521隻まで減った）が、レーガン政権になり、ソ連に対する海洋優勢を獲得するため、空母戦闘群15個、戦艦戦闘群４個、水上戦闘艦（巡洋艦、駆逐艦、フリゲート）250隻、攻撃潜水艦100隻、戦略潜水艦40隻、水陸両用戦艦艇２個海兵旅団輸送分を配備するというもので、艦艇の内訳はジョン・レーマン海軍長官の下に海軍政策委員会が決定した。これに基づき、アイオワ級戦艦４隻がトマホークを積んで現役復帰している。1987年9月30日、現役艦艇が594隻となり、構想はほぼ達成された。空母戦闘群は14個だった。参考：月刊世界の艦船2,’16

＜６０１＞：台湾海軍龍江級ミサイル艇１番艇龍江（ルンジャン）。1978年5月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６０１＞：中国海軍054A級フリゲート南通（Nantong）。2019年1月就役、東海艦隊に配備された。2019年11月27日0830頃、052D型ミサイル駆逐艦155南京、054A級フリゲート578揚州、福池級補給艦890巣湖と共に、口之永良部島西100kmを東に航行するのを、第１航空群P-3Cが確認した。その後これらは大隅海峡を東に進み、太平洋に向かっている。12月16日0900、052D型ミサイル駆逐艦155南京、054A級フリゲート578揚州、福池級補給艦890巣湖と共に、沖縄本島南南西180kmを北に航行するのを、第５航空群P-3CとDD-157さわぎりが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間の海域を北上し、東シナ海に向かっている。2020-22年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’20、3,’20、4,'21、4,’22

＜６０１＞：フィリピン海軍タルラック級ドック型輸送揚陸艦タルラック（Tarlac）。2016年6月就役。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船12,'23、2,’18、3,’18、9,’22

＜６０１＞：ポーランド海軍コルモラン�U級掃海艇１番艦コルモラン（Kormoran）。2017年11月28日就役、グディニアの第８沿岸防衛戦隊第13掃海隊に配備された。2021年9月13-23日、ノーザン・コースト2021演習に参加。参考：月刊世界の艦船3,’18、12,’21

＜６０２＞：台湾海軍龍江級ミサイル艇２番艇緩江（ソイジャン）。1981年12月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６０２＞：中国海軍056型コルベット平頂山（Pingdingshan）。2020年10月就役、北海艦隊に配備された。2021-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６０２＞：フィリピン海軍タルラック級ドック型輸送揚陸艦ダバオ・デル・スル（Dacao del sur）。2017年5月就役。2018年6月23日、太平洋上でDDH-182いせと会同した。6月28日から8月2日、リムパック2018に参加。2019年6月28日、DDH-183いずも、DD-101むらさめ、DD-108あけぼのとの共同訓練に参加。2023年8月24日、マニラ周辺海空域で日米豪比共同訓練に参加。DDH-183いずもとDD-106さみだれと共に、アメリカ海軍LCS-26モービル、オーストラリア海軍L02キャンベラ、FFH-150アンザック、オーストラリア空軍F-35A戦闘機と、洋上補給訓練やPHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船12,'23、9,’18、9,’19、9,’22、11,’23

＜６０３＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇１番艇錦江（ジンジャン）。1994年12月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６０３＞：中国海軍056型コルベット定州（Chongju）。2020年就役、北海艦隊に配備された。2021-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６０４＞：中国海軍056型コルベット牡丹江（Mudanjiang）。2020年5月就役、北海艦隊に配備された。2021-22年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６０５＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇２番艇淡江（ダンジャン）。1999年9月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６０５＞：中国海軍056型コルベット張家口（Zhangjiakou）。2020年4月就役、北海艦隊に配備された。2021-22年、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６０５型＞：629型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜６０６＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇３番艇新江（シンジャン）。1999年9月就役。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’14

＜６０６＞：中国海軍056型コルベット辛集（Xinji）。2020年就役。2022年現在、北海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６０７＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇４番艇鳳江（フォンジャン）。1999年10月就役。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習に参加。2019年5月4日、台北港で海岸巡防署との合同総合訓練（対テロ、海難救助、災害対処など）に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’14、8,’19

＜６０７＞：中国海軍056型コルベット萊蕪（Laiwu）。2021年1月就役。2022年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６０８＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇５番艇曽江（ツェンジャン）。1999年10月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６０８＞：中国海軍056A型コルベット（056型シリーズ50番艦）聊城（Liaocheng）。2020年1月19日就役、東海艦隊に配備された。2021-22年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’20、4,’21、4,’22

＜６０９＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇６番艇高江（カオジャン）。1999年10月就役。2014年2月6日、台湾南方で洋上演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船5,’14

＜６０９＞：中国海軍056型コルベット石嘴山（Shizuishan）。2021年1月就役。2022年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６０９Ｍ＞：ラインメタル社が開発した遠隔操作銃塔。全周旋回式の手動銃塔に俯仰角10-45度の銃架を設け、40mmてき弾発射機と5.56mm/7.62mm/12.7mm同軸機銃を装備したもので、ハッチの上に取り付ける。オプションで発煙弾発射機を左右３基ずつ装備可能。ユーロサトリ2008でピラーニャ�Vに搭載されて展示された。参考：月刊軍事研究10,’08

＜６１０＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇７番艇金江（キンジャン）。2000年2月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６１０＞：中国海軍056型コルベット朔州（Shuozhou）。2019年12月就役。2020-22年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６１１＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇８番艇湘江（シアンジャン）。2000年2月就役。2019年5月、漢光35号演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’19

＜６１１＞：中国海軍056A型コルベット（056型シリーズ49番艦）六安（Luan）。2020年1月18日就役、東海艦隊に配備された。2021-22年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’20、4,’21、4,’22

＜６１１型シリーズ＞：ソ連海軍潜水艦。参考：月刊世界の艦船1,’04

　＜６１１型＞：NATOコードはズールー（Zulu）型。25mm連装機関砲を装備する。1954-60年に25隻が就役した。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

　＜６１１ＲＡ型＞：ラジアン機雷探知装置の実験艦。１隻が改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６１１ＲＵ型＞：ルビン・ソナーシステムの実験艦。１隻が改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜Ｖ６１１＞：R-11FM弾道ミサイルの実験艦。B-67の船体中央部（セイル部分）に、直径2m・長さ14mの発射筒２基を埋め込んでいる。1955年9月16日、世界初の潜水艦からの弾道ミサイル発射に成功した。発射条件はシーステート４以下、速力12ノット以下で、潜航中の発射準備に２時間かかり、しかも浮上して５分たたないと発射できなかった。斉射もできず、５分おきに発射する。参考：月刊世界の艦船1,’04、ソ連／ロシア原潜建造史

　＜ＡＶ６１１型＞：弾道ミサイル潜水艦型で、NATOコードはズールーＶ型。V611と同様のR-11FM弾道ミサイル搭載改造を施している。B-62、B-73、B-78、B-79、B-89の５隻が1957-58年に改造されて実戦配備された。参考：月刊世界の艦船1,’04、ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究8,’16

＜６１２＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇９番艇資江（ツージャン）。2000年2月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６１２＞：モロッコ海軍モハメッド５世級フリゲート２番艦ハッサン２世（Hassan�U）。2002年12月就役。2013年、近代化改装を受けた。2019年4月12-15日、フリゲート615アラル・ベン・アブラダーと共に、ハンブルクに寄港。参考：月刊世界の艦船7,’19、9,'01、JShips VOL.70

＜６１３＞：中国海軍037-1S型海情級哨戒艇、任丘（Renqiu）。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜６１３＞：モロッコ海軍タリク・ベン・ジヤード級コルベット１番艦タリク・ベン・ジヤード（Tarik ben Ziyad）。2011年9月10日、オランダのダメン・シェルデ造船所で竣工して引き渡され、同日（12月？）に就役、カサブランカに向かった。2012年3月26-28日、DIMDEX2012に参加。参考：月刊世界の艦船12,’11、6,’12

＜６１３型シリーズ＞：ソ連海軍潜水艦で、NATOコードはウイスキー（Ｗ）型。第２次大戦後ソ連が初めて建造した潜水艦で、ドイツ海軍Ｕボート�]�]�T型の技術をベースとしている。1952-58年に204隻が就役した。参考：現代の潜水艦、月刊世界の艦船10,’13

　＜６１３型＞：船型は水中航行向きのデザインとしたが、肝心の主電動機の出力が低かったため、水中速力はさほど高くない。全長76m、水中排水量1350トン。水上速力18.2ノット、水中速力13ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門、100mm単装砲、25mm連装機関砲2M-8。相当数が1950年代末から1960年代にP6潜対艦ミサイル搭載改修を受けた。参考：月刊世界の艦船10,’13、9,’12増刊、1,’21

　＜６１３Ａ型＞：P-70ミサイルの実験艦で、１隻が改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６１３ＡＤ型＞：613A型を改良した実験艦。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６１３Ｄ−５型＞：613D-7型S-229をD-5ミサイルシステム／R-27弾道ミサイル実験用に改造したもの。1965年までに改造を終了し、1967年から発射試験に投入された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６１３Ｄ−７型＞：S-229をD-7弾道ミサイルシステム実験用に改造したもの。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜Ｖ６１３型＞：新型SLBM（R-11FMベース）の実験艦。S-299を改造したもので、両舷に１基ずつ発射筒を溶接している。S-4.1固体燃料エンジンまたはS-4.5液体燃料エンジンを搭載したR-11FMを使用して実験が繰り返された。参考：月刊世界の艦船1,’04

　＜６４４型＞：644型を参照。

　＜６６５型＞：665型を参照。

＜６１３型・海外シリーズ＞

　＜６１３型（北朝鮮海軍）＞：北朝鮮海軍潜水艦。訓練用とされる。全長75.94m、幅6.31m、吃水5.00m、水上排水量1045トン、水中排水量1333トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、水上速力18.44ノット、水中速力13.6ノット。潜航深度200m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首４門・艦尾２門？）。乗員は士官９名、下士官・兵52名。参考：現代の潜水艦

＜６１４＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇10番艇ボージャン。2000年7月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６１４＞：モロッコ海軍スルタン・ムーライ・イスマイル級コルベット、スルタン・ムーライ・イスマイル（Sultan Moulay Ismail）。2012年5月竣工・就役（3月就役？）。2014年3月25-27日、DIMDEX2014に参加。8月15日、コート・ダジュール沖でドラグーン作戦70周年記念国際観艦式に参加。2015年11月28日、大西洋でアメリカ海軍との共同演習に参加。参考：月刊軍事研究1,’14、月刊世界の艦船3,’16、7,’14、11,’14、2,’16

＜６１５＞：中国海軍056型コルベット孝感（Xiaogan）。2020年3月就役、東海艦隊に配備された。2021-22年現在、東海艦隊に配備されている。2022年6月21日0900頃、与那国島北220kmを南に航行するのを、DE-229あぶくまと第１航空群P-1哨戒機が確認した。その後与那国島と台湾の間を南に航行し、太平洋に向かっている。7月22日1700頃、魚釣島西80kmを南に航行するのを、DD-103ゆうだちと第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後与那国島と台湾の間を南に航行して太平洋に向かい、7月27日1800頃には魚釣島西70kmを北に進んでいる。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22、9,’22、10,’22

＜６１５＞：モロッコ海軍スルタン・ムーライ・イスマイル級コルベット２番艦アラル・ベン・アブダラー（Allal Ben Abdellah）。2012年9月8日就役。2019年4月12-15日、フリゲート612ハッサン２世と共に、ハンブルクに寄港。参考：月刊世界の艦船12,’12、7,’19

＜６１５＞：ロシア海軍ダーガシュ型ミサイル艇。1990年6月、ウラジオストクを親善訪問したカナダ艦隊が写真に収めた。1995年就役。参考：月刊世界の艦船5,’91、2,’17

＜６１５＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇11番艇昌江（チャンジャン）。2000年7月就役。2022年7月25-29日、漢光38号演習に参加。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’22

＜６１６＞：中国海軍056型コルベット泰安（Taian）。2020年8月就役、東海艦隊に配備された。2021-22年、東海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６１６＞：ロシア海軍ダーガシュ型ミサイル艇サマム（Samum）。1997年就役。参考：月刊世界の艦船6,’15、2,’17

＜６１７＞：台湾海軍錦江級大型哨戒艇12番艇珠江（チュージャン）。2000年7月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜６１７＞：中国海軍056型コルベット景徳鎮（Jingdezhen）。2020年6月17日就役式典実施、東海艦隊に配備された。2021-22年、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６１８＞：中国海軍056型コルベット商丘（Shangqiu）。2021年2月就役。2022年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６２０＞：中国海軍056A型コルベット贛州（Ganzhou）。2020年1月就役、南海艦隊第17駆逐隊に配備された。2021-22年、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’20、4,’21、4,’22

＜６２１＞：タイ海軍対機雷戦支援艦タラーン（Thalang）。11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船2,’18

＜６２１＞：中国海軍056A型コルベット攀枝花（Panzhihua）。2020年1月就役、南海艦隊第17駆逐隊に配備された。2021-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’20、4,’21、4,’22

＜６２１＞：ポーランド海軍クログレッツ級掃海艇フラミング（フラミン？Flaming）。1966年就役。2019年9月3-19日、ノーザン・コースト2019に参加。参考：月刊世界の艦船9,’14、12,’19

＜６２１Ｌ＞：ポーランド軍砲兵牽引車。ポルスキ・フィアット製ハーフトラックで、シトロエン・ケグレスをベースに開発し、1935年から生産した。軌道用車輪を装備した鉄道牽引車バージョンも作られている。参考：月刊戦車マガジン5,’84別冊

＜６２１型＞：ソ連海軍試作潜水強襲揚陸艦で、1948年に要求が纏められた。全長147.5m、排水量5845トン。内部にT-34戦車を10両、トラック12台、トレーラー３両、自動車４両、85mm砲12門、45mm砲２門、La-11戦闘機３機、海軍歩兵745名を収容し、敵地に隠密裏に上陸させる。長期航海後の兵員の戦闘能力の維持、護衛隊などの問題があり、生産はされなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６２２＞：中国海軍056型コルベット広安（Guangan）。2019年12月就役。2020-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６２２−０２２２−００３型＞：自衛隊の空中線。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’13

＜６２３＞：中国海軍056型コルベット文山（Wenshan）。2019年12月31日就役。2020-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６２４＞：中国海軍056型コルベット随州（Suizhou）。2020年就役、南海艦隊に配備された。2021-22年、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６２４型＞：ソ連海軍試作潜水艦。611型をベースにP-40巡航ミサイルを搭載する潜水艦として1949年に設計されたが、巡航ミサイル共々開発中止になった。全長90.5m、幅7.8m、吃水5.8m、排水量2210トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式及びワルター機関、ディーゼル（2000馬力）２基・ワルター機関（6500馬力）１基、水上速力15ノット、水中速力18ノット（電動モーター）／13.4ノット（ワルター機関）、水上航続距離17000海里（10ノット）、水中航続距離80海里（ワルター機関13.4ノット）／18海里（電動モーター18ノット）。安全潜航深度200m、連続航海期間75日。兵装はP-40巡航ミサイル９基、533mm魚雷発射管６門（魚雷12発）、57mm砲、25mm機関砲。乗員65名。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６２５＞：インドネシア海軍サンパリ級ミサイル艇５番艇カパク（Kapak）。2019年12月、スラバヤ造船所で起工された。2023年5月17日就役。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜６２５＞：中国海軍056型コルベット巴中（Bazhong）。2019年11月就役、南海艦隊に配備された。2020-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’20、4,’21、4,’22

＜６２６＞：インドネシア海軍サンパリ級ミサイル艇６番艇パナ（Kapak）。2019年12月、スラバヤ造船所で起工された。2023年5月17日就役。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜６２６＞：中国海軍056型コルベット梧州（Wuzhou）。2019年12月就役。2020-22年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６２６型＞：ソ連海軍試作輸送潜水艦で、1952年に設計された。全長100m、排水量3480トン。内部にT-54戦車５両と海軍歩兵165名を収容する。セイルには電気ヒーターを装備し、厚さ4mの氷の下から浮上できる。運用面などに問題があり、生産されなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６２７＞：中国海軍056型コルベット恩施（Enshi）。2020年4月就役、南海艦隊に配備された。2021-22年、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’21、4,’22

＜６２７型シリーズ＞：ソ連海軍攻撃原潜（ソ連の艦種は1958年から1977年7月24日までが潜水巡洋艦、それ以降が一等大型潜水艦）、NATOコードはノヴェンバー（November、Ｎ）型。ソ連初の原子力潜水艦で、1945年に実験原子炉の運転に成功したことを受けて潜水艦用原子炉の設計に着手し、1954年に潜水艦本体の設計が纏まり、1956年に実験用原子炉が稼働して開発が進められた。CVN-65エンタープライズを追尾して高速性能を見せつけ、アメリカがロサンゼルス級を開発するきっかけとなったが、搭載原子炉の信頼性が低く、平均運転時間800時間で蒸気発生器から蒸気漏れが発生、退役までに1500件以上の事故を起こしている。1990年までに退役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、現代の潜水艦、月刊世界の艦船10,'23、9,’17

　＜６２７型＞：試作型。1954年から設計され、当初はT-15魚雷を装備する予定だったが、現実離れしていたため533mm魚雷発射管８門を装備する潜水艦として改設計された。船体はAK-25特殊鋼を耐圧船殻に使用した複殻式で、９区画に分かれており、うち３区画が完全に浸水しても浮力を維持できる。全長107.4m、幅7.96m、吃水6.48m、水上排水量3101トン、水中排水量4750トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-A型加圧水型原子炉２基、60-D型蒸気タービン（17500馬力）２基、２軸推進、水上速力15.2ノット、水中速力30.1ノット、航続距離166000海里（5.7ノット）／106000海里（17.4ノット）。緊急用としてM-820型ディーゼル発電機２基とPG-1161型補助推進モーター（450馬力）２基を装備する。安全潜航深度240m、最大潜航深度300m、連続潜航期間50日。兵装は533mm空気圧式魚雷発射管８門（SET-65魚雷、53-65K魚雷計20本）。射撃指揮装置はトリイ型魚雷発射指揮装置で、魚雷発射可能深度100m。搭載ソナーはMG-200アルクティカ−Ｍ型アクティブソナー、MG-10型パッシブソナー、MG-13M迎撃用ソナー、ルック型機雷探知ソナー。レーダーとしてプリズマRLK-101、航法装置としてプルトン627水上・水中航法総合システム、敵味方識別装置としてクロムKM型IFF、ナカトＭ型警戒機を装備する。乗員110名。K-3が1958年に竣工した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究6,’17、月刊世界の艦船10,’23

　＜６２７Ａ型＞：627型の量産型で、航海装置を改良し、行動時間を延長したものである。全長107.4m、幅7.96m、吃水6.48m、水上排水量3065トン、水中排水量4069トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-A型加圧水型原子炉２基、60-D型蒸気タービン（17500馬力）２基、可変ピッチプロペラ２軸推進、水上速力15ノット、水中速力30ノット、航続距離166000海里（5.5ノット）／106000海里（13.6ノット）。緊急用としてM-820型ディーゼル発電機２基とPG-1161型補助推進モーター（450馬力）２基を装備する。安全潜航深度240m、最大潜航深度300m、連続潜航期間60日。兵装は533mm空気圧式魚雷発射管８門（SET-65魚雷、53-65K魚雷計20本）。射撃指揮装置はトリイ型魚雷発射指揮装置で、魚雷発射可能深度100m。搭載ソナーはMG-200アルクティカ型アクティブソナー、MG-10型パッシブソナー、MG-13M迎撃用ソナー、ルック型機雷探知ソナー。レーダーとしてプリズマRLK-101、航法装置としてプルトン627水上・水中航法総合システム、敵味方識別装置としてクロムKM型IFF、ナカトＭ型警戒機を装備する。乗員104名。K-5、K-8、K-11、K-14、K-21、K-42、K-50（後にK-60に改称）、K-52、K-115、K-133、K-159、K-181の12隻が1959-63年に就役した。ソナーの能力が低く、静粛性にも劣ったため、水中速力が12ノットを超えるあたりから聴音が困難となり、20ノットを超えると敵艦の探知追跡はほぼ不可能だった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究6,’17

＜６２８＞：中国海軍056型コルベット永州（Yongzhou）。2020年1月就役、南海艦隊に配備された。2021-22年、南海艦隊に配備された。参考：月刊世界の艦船4,'21、4,’22

＜６２８型＞：ソ連海軍計画潜水艦。全長97.8m、幅7.4m、吃水4m、排水量1500トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル（4200馬力）２基＋電動モーター、水上速力22.5ノット、水中速力10.3ノット、水上航続距離3330海里（９ノット）、水中航続距離10.3海里（10.3ノット）／175海里（３ノット）。安全潜航深度100m。兵装はラストチカ10XN巡航ミサイル１基、533mm魚雷発射管８門（前部６門、後部２門。魚雷８本）。設計段階で計画が破棄された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６２９＞：中国海軍056型コルベット銅陵（Tongling）。2021年1月就役。2022年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６２９型シリーズ＞：ソ連海軍通常動力弾道ミサイル潜水艦。1990年までに全艦退役した。参考：月刊軍事研究12,’16、月刊世界の艦船11,'22、1,’04

＜６２９型＞：NATOコードはゴルフ（Golf）�T型。R-11FM発射筒３基を装備する潜水艦として1956年に発注された。ミサイル発射制限は、シーステート５以下、速力15ノット以下で、潜航中の発射準備は１時間、浮上後４分で１発目を発射でき、以降４分ごとに残弾を発射できる。水中排水量3500トン。機関出力5400馬力、最大速力16ノット、水中航続距離64海里（４ノット）。1958-62年に23隻（24隻？）が就役した。1959年、R-11FMと共に１隻が中国に技術提供された他、ミサイルを搭載しない船体２隻が回航され、更に２隻分のパーツが引き渡されて上海で組み立てられた。うち１隻は1983年にK-10原潜と衝突して沈没したようである。参考：月刊世界の艦船1,’04、11,'22、ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究1,’17

＜６２９Ａ型＞：NATOコードはゴルフ�U型。水中発射型のR-21弾道ミサイルを運用できるようにしたもの。全長97m、水中排水量3200トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力14ノット。兵装はR-21弾道ミサイル単装発射筒３基（セイル内）、533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門）。1966-72年に629型から14隻が改装された。参考：月刊世界の艦船11,’22、核兵器事典

＜６２９Ｂ型＞：629型の改良型で、R-13弾道ミサイル発射筒３基と、D-2発射装置を搭載したもの。後にR-21弾道ミサイルと、D-4発射装置に換装した。参考：月刊世界の艦船1,’04

＜６０５型＞：629型にR-27K弾道ミサイル搭載改修を行ったもの。K-102が改装された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜ゴルフ�V型＞：R-29弾道ミサイル６発を搭載する試験型のNATOコード。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ゴルフ�W型＞：R-27K対艦弾道ミサイル４発を搭載する試験型のNATOコード。参考：月刊軍事研究12,’16

＜ゴルフ�X型＞：R-39弾道ミサイルの試験型のNATOコード。参考：月刊軍事研究12,’16

＜６２９型・海外シリーズ＞

　＜０３１型＞：中国海軍実験弾道ミサイル潜水艦。ライセンス生産版で、艦番号200が1966年9月に進水した。当初はR-11FMを３発搭載していたが、1968-72年に改装を受けてミサイル水中発射筒２基を設け、1982年には巨浪１型JL-1の発射テストに成功、1995年に巨浪２型JL-2ミサイル発射筒１基に換装され、発射テストに使用されている。全長97.5m、全幅8.6m、吃水6.6m、水上排水量2388トン、水中排水量2997トン。主機はディーゼル・エレクトリックで、ディーゼル発電機３基・電動モーター３基３軸5500馬力、水上速力17ノット、水中速力13ノット。潜航深度150m。兵装は巨浪１型SLBM発射筒２基（巨浪２型に換装後は１基）、533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。魚雷12本）。乗員86名（87名？）。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船9,’11、12,’11

＜６３０＞：インドネシア海軍サンパリ級ミサイル艇３番艇ハラサン（Halasan）。2014年就役。2015年3月18日、LIMA2015国際海上レビューに参加。2016年4月12-16日、コモド2016演習に参加。参考：月刊世界の艦船7,’15、7,’16

＜６３０＞：中国海軍056型コルベット阿壩（Aba）。2021年1月就役。2022年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６３１＞：北朝鮮海軍ナジン型フリゲート２番艦。1975年就役。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜６３１＞：中国海軍056型コルベット天門（Tianmen）。2021年1月就役。2022年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６３２型＞：ソ連海軍がフルシチョフ政権時に試作した敷設潜水艦。全長85m、排水量3200トン。機雷80-100個を搭載できる他、小改造で海軍歩兵100名、補給物資120トン、航空用燃料135トンを収容する輸送揚陸潜水艦に変更することが可能である。銀蓄電池の予算が確保できず、開発中止となった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６３５ＶＢＵ−４５＞：かもめ型駆潜艇とうみたか型駆潜艇に搭載されたディーゼルエンジン。直列６気筒２サイクルトランクピストン型ターボチャージドディーゼルで、重量21トン。出力2000馬力、回転数475rpm、推進軸直結。使用燃料は一号Ａ重油。参考：丸スペシャルNo.78

＜６３６＞：中国海軍056型コルベット済寧（Jining）。2021年就役。2022年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６３６型シリーズ＞：ロシア海軍通常動力型潜水艦。参考：月刊軍事研究1,’98

＜６３６型＞：877型キロ級の改良型で、NATOコードも改キロ（Improved Kilo）級。ソ連名称は636アムールまたはパルタス（Paltus）級。世界一静粛な潜水艦と称されており、アメリカ海軍からは世界最良の通常動力型潜水艦と評され、水中雑音は105dBくらいらしい。発電機出力を1500kWに強化して速力向上を図っており、主推進機軸の回転速度を半分にし、衝撃吸収型マウントを改良して静粛性を上げている。艦尾左右のダクト内に装備された補助推進用小型プロペラを使用すれば、更なる静粛航行が可能。射撃指揮装置をデジタル式のMVU-119EMムレナに換装しており、５目標同時追尾（２個が自動、３個が手動）が可能で、２つの別個の目標に１発ずつか、または６発を同時に射撃できる。冷房も新型にされ、自動ハロン消火装置が搭載されたらしい。ソナーはMGK-400EMとなり探知距離が877型の２倍に伸びた。MG-519機雷探知ソナーとMG-553雑音検出ソナーも装備するが、対水上戦が主任務のため、TASSは無い。対水上捜索レーダーはMRK-50。対空ミサイルがストレラからイグラになっている。セイルが大きいのは、内部に対艦・対地巡航ミサイル射撃諸元計算用の巨大なコンピュータを収容するスペースを確保したためらしい。ESMはレーダー警報型スキッド・ヘッド／ブリック・パルプとクアッド・ループ方位探知機。全長73.8m、全幅6.3m、全高9.9m、水上排水量2350トン、水中排水量3126トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機２基・電動機１基１軸5900馬力、水上速力11ノット、水中速力19-20ノット（17ノット？）、航続距離7500海里（シュノーケル７ノット）／400海里（水中３ノット）、最大潜航深度350m、作戦潜航深度240m、行動期間45日。PEM燃料電池方式AIPを搭載可能といわれており、その時は第３区画と第４区画の間に挿入して全長が10-12m程度長くなる。これで潜航可能時間が15日に増える。兵装は533mm魚雷発射管６門で、TEST-71MKE魚雷、53-65KE魚雷、3M54EクラブＳ水中発射対艦ミサイル（最大８発。上段発射管から射出する）を計18本または機雷24個を搭載する。乗員は士官12名、准士官12名、下士官・兵27名（計52名？）。B-177リペツク、B-187、B-190クラスノカメンスク、B-431、B-459ウラジカフカズ、B-880、BN-529の７隻が1990-94年に就役した。参考：月刊軍事研究1,’98、4,’00、7,’97、4,’11、現代の潜水艦、月刊世界の艦船6,’15、10,’12、10,’13、1,'15増刊、5,’16、2,’17、3,’17、11,’19、7,’20、5,’23

　＜６３６．３型＞：計画名からヴァルシャヴィアンカ（Varshavyanka）級ともいう。877型及び636型の後継となる677型の開発が遅れたため、繋ぎとして製作した。中国海軍向け636M型をベースとした改良型で、黒海艦隊用として2016年までに６隻、2020年までに8-10隻をノヴォロシースク基地に配備するらしい。ソナーはMGK400EM。全長73.8m、全幅9.9m、水上排水量2350トン、水中排水量4000トン（3076トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中最大速力18-20ノット（17ノット？）、航続距離7500海里（シュノーケル７ノット）／400海里（水中）、連続作戦期間45日。通常潜航深度240m、最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門（53-65魚雷／TEST-71魚雷／VA111シクヴァル／カリブルPL多用途巡航ミサイル18本または機雷24発）、ストレラ３対空ミサイル８連装発射機１基。乗員52名。１番艦B-261ノヴォロシースク、２番艦B-237ロストフ・ナ・ドヌ、３番艦B-262スタールイ・オスコル、４番艦B-265クラスノダール、５番艦B-268ヴェリキー・ノブゴロド、６番艦B-271コルピノが2014-16年に黒海艦隊に配備された。新型原潜の開発製造が軒並み遅れまくっている中で、起工から進水まで最短14ヶ月という量産向きの艦であり、更に６隻を2020年から太平洋艦隊に配備する計画が立てられ、７番艦ペトロパブロフスク・カムチャツキーと８番艦ヴォルホフが2017年7月28日、９番艦B-588ウファと10番艦B-602マガダンが2019年11月1日、11番艦モジャイスクと12番艦ヤクーツク（ヤルクーツク？）が2021年8月23日に起工された。参考：月刊世界の艦船2,’12、6,’15、11,'20、9,’14、4,’13、10,’13、1,’14、2,’14、5,’14、1,’15、8,’16、11,’16、2,’17、2,’20、6,'22、月刊軍事研究10,'15、12,’18

＜６３６型・海外シリーズ＞

　＜６３６型（アルジェリア海軍）＞：アルジェリア海軍潜水艦。877型の後継として2006年半ばに２隻の購入契約を結んだ。排水量3950トン。運用深度240m。TEST-71長魚雷、3M54クラブＳ潜対艦ミサイルの他、機雷なら24個搭載できる。9M32/9K34対空ミサイル発射機を装備しているともいわれる。１番艦は2008年4月、２番艦は2009年4月に進水し、２隻とも2009年に就役した。参考：月刊軍事研究5,’11、月刊世界の艦船4,’20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜６３６型シリーズ（中国海軍）＞：中国海軍潜水艦Project 636、中国呼称は基洛級常規潜艇）。上構後端に段差があるのが877EKM型との違い。1993年中頃に２隻を発注し、1998-99年に回航された。更に2006年までに８隻が就役しており、こちらは3M54E1運用能力を持つ636M型（Project 636N？）である。ESMはレーダー警報型スキッド・ヘッド／ブリック・パルプで、クアッド・ループ方位探知機は無い。全長73.8m、幅9.9m、吃水6.6m、水上排水量2362トン、水中排水量3125トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基・電動機１基１軸5900馬力、水上速力10ノット、水中速力17ノット。運用潜航深度240m、最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門（TEST-71/-96/53-65魚雷計18本、機雷なら24個。３番艦以降は魚雷の代わりに3M54EクラブＳ／3M54E1を搭載できる）。乗員52名（士官13名＋准士官12名＋兵など27名）。艦番号366、367、368、369、370、371、372、373、374、375の10隻が1996-2006年に就役した。後に1-2番艦もロシアで3M54E1搭載改修を施したらしい。参考：月刊世界の艦船4,'21、2,’20、3,’18、3,’17、4,’16、5,’15、9,’11、月刊軍事研究4,’05、8,’07、4,’10、11,’11、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜６３６Ｍ型（アルジェリア海軍）＞：アルジェリア海軍潜水艦。2014年に２隻を発注し、アドミラルティ造船所で建造した。全長72.6-73.8m、水中排水量3125トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力17ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門（SS-N-27B/-30B運用可能）。2019年1月に艦番号031オアセニスと032ホガーの就役式典がアルジェリア海軍メルス・エル・ケビール基地で行われた。参考：月刊世界の艦船4,'20、4,’19、5,’22

＜６３６Ｍ型（ベトナム海軍）＞：ベトナム海軍潜水艦。2009年に636M型（636.3型？）６隻を20億ドル（訓練費含む）で発注した。2015年春には3M14Eクラブ潜対地巡航ミサイルを50発購入しており、南沙諸島への対地攻撃も可能となった。水中排水量3950トン（3125トン？）。水中速力20ノット、最大潜航深度300m、航続距離6000-7000海里、行動期間45日。兵装は533mm魚雷発射管６門（TEST-71ME長魚雷）。乗員52名。１番艦HQ-182ハノイは2013年11月7日にアドミラルティ造船所で引き渡された。２番艦HQ-183ホーチミン・シティは2014年に引き渡された。３番艦ハイフォンと４番艦カン・ホアは2015年8月1日、５番艦ダ・ナンと６番艦ブン・タウは2017年2月28日に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’17、3,’10、9,’13、1,’14、2,’14、7,’14、11,’15、8,’16、11,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜６３６型シリーズ＞：中国海軍海洋観測艦、NATOコードは曙厖（シュパンShupang）型。1998年から李四光、艦番号25銭維昌、艦番号872竺可�驕A海洋二十号、艦番号873／23／海洋二十二号銭学森、艦番号874�ｹ稼先、海洋二十六号陳景潤など９隻が就役した。参考：月刊世界の艦船2,’19、4,’16、3,’23、4,’23

　＜６３６型＞：１番艦。1998年に李四光が就役した。後に国家海洋局農業部に移管されて漁政206となり、更に中国海警局に移管されて海警2506になった。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜６３６Ａ型＞：２番艦以降。船型は長船首楼型で、前甲板前半が更に１甲板分高くなっている。船首楼甲板後端も１甲板高くされ、ヘリ甲板に割り当てられているが、ヘリ格納庫は無い。艦尾甲板はデッキクレーンや観測器材を積む作業甲板で、艦尾に観測器材揚降用Ａフレーム・クレーンがある。全長129.3m、幅17m、吃水8.1m、満載排水量5883トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基・電動モーター２基、出力5710馬力、２軸推進、速力17.5ノット、航続距離15000海里（15ノット）。乗員134名。艦番号874�ｹ稼先などが2008年（2003年？）から就役した。参考：月刊世界の艦船4,'21、2,’20、2,’19

＜６３６Ｂ型＞：小改良型で、音響観測や水中音響試験を主任務とするらしい。６番艦以降４隻（8-9番艦の２隻？）がこの規格である。参考：月刊世界の艦船4,'21、2,’19、5,’23

＜６３６アムール級＞：636型（潜水艦）を参照。

＜６３７＞：中国海軍056型コルベット十堰（Shiyan）。2021年2月就役。2022年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜６３９型＞：ソ連海軍計画潜水艦。R-15ミサイル搭載艦として計画されたが、ミサイルが開発中止になったので、こちらもお蔵入りになった。参考：月刊世界の艦船1,’04

＜６３９型＞：中国海軍音響測定艦。船体はSWATH型、船型は長船首楼型で、双胴船首にブルワークが付いている。前部にマスト１本、上構後部に並列の煙突２本を持つ。後甲板はフラットな作業甲板で、後部右舷寄りに小型クレーンが設置されている。船体後面にTASS繰り出し口などの開口部は無さそうである。排水量1000-1500トン。艦番号南測429、南測430、東測232が就役し、各艦隊に１隻ずつ配備された。もう１隻建造中。参考：月刊世界の艦船2,’19、12,’14、5,’23

＜６４１型シリーズ＞：ソ連海軍潜水艦。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜６４１型＞：NATOコードはフォックストロット級またはＦ型。611型ズールー級潜水艦の拡大改良型で、1960年代に設計され、160隻の就役を予定していたが、実際には1971-84年に74隻が建造され、うち12隻は輸出に回された。艦首に大型の遠距離パッシブソナーがあり、艦首上部にアクティブソナーを収容した小型ドームが付いている。セイルにはNATOコードでストップ・ライトと呼ばれる広帯域ESMアンテナを装備する。全長91.3m、全幅7.5m、吃水6m、水上排水量1952トン、水中排水量2475トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、発電機３基・電動モーター３基３軸5400馬力、水上速力16ノット、シュノーケル速力９ノット、水中速力15ノット。140馬力の補助ディーゼルも搭載する。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。魚雷22本または機雷44個）。乗員75名。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’98、月刊世界の艦船8,’82増刊、5,’83

＜１６４１Ｋ＞：熱帯環境向けに設計を改めたタイプ。全長91.3m、全幅7.5m、排水量1950トン。参考：月刊軍事研究1,’98

＜６４１型・海外シリーズ＞

　＜６４１型（インド海軍）＞：インド海軍潜水艦で、カルヴァリ（Kalvari）級ともいう。1965年にソ連と４隻の取得契約を結び、1968-75年にS-20クルシュラ、S-21カーランジ、S-22カンデリ、S-23カルヴァリ、S-40ヴェラ、S-41Vagir、S-42ヴァグリ、S-43ヴァグシールの新造艦８隻を購入した。全長91.3m、幅7.5m、吃水6.06m、水上排水量1957トン、水中排水量2484トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル３基、３軸推進、水上速力15.5ノット、水中速力18ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門。魚雷20本）。乗員は士官８名、下士官・兵67名。1990年代後半から退役が始まっており、2010年6月に７隻目が退役した。最後の艦も2011年に退役予定。参考：現代の潜水艦、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船6,’83、11,’18

　＜６４１型（ウクライナ海軍）＞：ウクライナ海軍潜水艦。全長91.3m、幅7.5m、吃水6.06m、水上排水量1957トン、水中排水量2475-2484トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル３基、３軸推進、水上速力15.5ノット、水中速力15-18ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門、艦尾４門）。乗員は士官12名、下士官・兵70名。1997年に４隻が引き渡された。３隻は既に退役し、残る１隻（艦番号U-01ザポリズヤ）も改修工事をしたものの作戦可能な状態には無い。その１隻もウクライナ紛争でロシアの管理下に置かれ、解体待ちらしい。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,’20

　＜６４１型（ベネズエラ海軍）＞：ベネズエラ海軍潜水艦。冷戦期に２隻が供与された。既に２隻とも退役している。参考：現代の潜水艦

　＜６４１型（ポーランド海軍）＞：ポーランド海軍潜水艦。1987年と1988年に１隻ずつソ連から貸与され、後に譲渡された。877E型購入後に旧式艦を買い直す形になっており、877E型がバルト海での運用に合わなかったともいわれる。全長91.3m、全幅7.5m、吃水6.2m、水上排水量1952トン、水中排水量2482トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機３基・電動モーター３基３軸5400馬力、水上速力16ノット、シュノーケル速力９ノット、水中速力15ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門・艦尾４門。魚雷22本または機雷32個）。乗員73名（士官８名、下士官・兵67名？）。艦番号292ヴィルク、293ドジクの２隻が就役した。既に退役している。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’16

　＜６４１型（リビア海軍）＞：リビア海軍潜水艦で、アルバドル級ともいう。1976-82年にソ連から艦番号315アル・ヒベール、316アル・フナインなど６隻を供与されたが、1984年以降は殆ど活動していない。全長91.3m、全幅7.5m、吃水6m、水上排水量1957トン、水中排水量1484トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機３基・電動モーター３基３軸5400馬力、水上速力16ノット、シュノーケル速力９ノット、水中速力15ノット（18ノット？）。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管10門（艦首６門・艦尾４門。魚雷22本または機雷32個）。乗員75名（士官８名、下士官・兵67名）。１番艦は1993年に沈没し、一旦は引き揚げたが修理不能で放棄された。２番艦は1992年からリトアニアで改修を受けたが、国連の査察に引っかかってクロンシュタットに回航され、そのままになっている。2016年現在、現役艦は２隻。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’16、ミリタリー・バランス1989-1990

＜６４１Ｂ型＞：ソ連海軍潜水艦、ソ連名称ソム型、NATOコードはタンゴ型。フォックストロット級の後継として開発した。船型は水上航行重視だが、艦内の搭載電池量を増やして水中航行時間も増加させている。全長90.2m、全幅9.1m（8.6m？）、吃水7.2m、水上排水量3100トン（2770トン？）、水中排水量3800トン（4600トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機３基・電動モーター３基３軸5168馬力、水上速力13ノット、水中速力16ノット。最大潜航深度250m（300m？）。兵装は533mm魚雷発射管６門（魚雷24本）。乗員62名（士官17名、下士官・兵61名？）。1970年代にB-307、B-380、B-437、B-515など19隻が竣工した。ソ連海軍のみで使用され、輸出はされていない。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’98、現代の潜水艦

＜６４２＞：インドネシア海軍クルリット級ミサイル艇クジャン。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜６４４トラック＞：イギリスの６×４輪３トントラックで、別名マーシャル。AEC社が生産した。全長6.731m、全幅2.286m、全高3.149m、重量5486kg。エンジン出力80馬力。サスペンションはリーフスプリング式。参考：月刊グランドパワー7,’02

＜６４４型＞：ソ連海軍潜水艦、NATOコードはウイスキー・ツイン・シリンダー（Whiskey Twin Cylinder）型。613型にP-5巡航ミサイル発射筒を２基搭載したものである。全長76m、幅6.6m、吃水4.7m、排水量1160トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水上速力16ノット、水中速力10ノット、航続距離5000海里（水上６ノット）／10海里（水中10ノット）／260海里（水中２ノット）。安全潜航深度200m、連続航海期間35日。兵装はP-5巡航ミサイル２基、533mm魚雷発射管４門（魚雷４本）。乗員55名。613型から６隻が改装された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６４５型＞：ソ連海軍原子力潜水艦、NATOコードは改ノヴェンバー型。液体金属冷却式原子炉の実験潜水艦である。船体は複殻式で、耐圧船殻はAK-25低磁性高張力鋼を使用し、12.5気圧の水圧に耐える防水壁により９区画に分けられている。予備浮力は28%で、防水壁の効果もあり、水深100mで１区画が水没しても浮力を保てる。全長109.8m、幅8.3m、吃水5.9m、水上排水量3414トン、水中排水量5078トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VT-1型原子炉２基35000馬力・60-D型タービン２基、２軸推進、水上速力14.7ノット、水中速力30.2ノット。補助動力としてM-820ディーゼル発電機２基、PG-116補助推進モーター（450馬力）２基を搭載する。安全潜航深度270m、最大潜航深度300m、連続潜航期間50日。兵装は533mm空気圧式魚雷発射管８門（SET-56、53-57魚雷計20本）。射撃指揮装置はトリイ型。魚雷最大発射可能深度100m。搭載ソナーはMG-200アルクティカＭアクティブソナー、MG-10パッシブソナー、MG-13M迎撃用ソナー、ルック機雷探知ソナー。レーダーはプリズマRLK-101、航法システムはプルトン627水上・水中航法総合システム、敵味方識別装置はクロムKM及びナカト−Ｍ。乗員105名。K-27が1963年に就役したが、液体金属冷却式原子炉に問題が多発、1968年にはメルトダウンで死者を出し、早期退役となった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究9,’12、6,’17、月刊世界の艦船10,’23

＜６４６型＞：ソ連海軍計画潜水艦。P-5巡航ミサイル４基を搭載する新型艦で、665型の後継を目指したが、659型原潜の開発に移ったため、建造されなかった。全長93m、幅9m、吃水5.6m、排水量2600トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式＋ワルター機関、ディーゼル発電機（2000馬力）３基・電動モーター（2700馬力）１基・ワルター機関（1350馬力）２基、水上速力15.5ノット、水中速力13ノット、航続距離16000海里（水上6-7ノット）／45海里（水中13ノット）／820海里（水中２ノット）。安全潜航深度300m、連続航海期間70日。兵装はP-5巡航ミサイル４基、533mm魚雷発射管４門（全て艦前部。魚雷４本）、400mm魚雷発射管４門（全て艦後部。魚雷12本）。乗員73名。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６４８型＞：ソ連海軍試作多目的輸送原潜。作戦行動中の潜水艦や飛行艇に燃料・弾薬・食糧などを補給し、機雷敷設や兵員輸送も行える多目的潜水艦である。主機はO-153小型原子炉（6000馬力）２基。1961年に１番艦が起工されたが、664型の建造を行うことになったため、開発中止となった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６４８型＞：中国海軍潜水母艦。在来型潜水艦に対する母艦任務を行う。満載排水量4064トン。兵装は25mm連装機関砲４基。東修911が1985年に就役した。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜６４９＞：中国海軍海久型哨戒艇。参考：月刊世界の艦船9,’11

＜６４９＞：中国海軍056型コルベット広元（Guangyuan）。元は艦番号552で、南海艦隊に配備されている。2021年8月14日1300頃、対馬南西130kmを北東に航行するのを、DD-102はるさめと第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。8月31日0000頃、対馬北東45kmを南西に航行するのを、PG-826おおたかと第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後これは対馬海峡を南下し、東シナ海に向かっている。2022年現在、南海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船11,’21、4,’22

＜６５１型シリーズ＞：ソ連海軍巡航ミサイル通常動力潜水艦。NATOコードはジュリエット型。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６５１型＞：巡航ミサイル管制用にアーギュメント射撃指揮レーダーを装備する。水中排水量3750トン。兵装はP-5/P-6/P-500巡航ミサイル発射筒４基、533mm魚雷６本、406mm魚雷12本。16隻が建造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜６５１Ｅ型＞：VAU-6原子炉（600kW）をポッドに収容して艦尾船底部に装着し、AIP潜水艦に改造したもので、１隻がテストに賦されたが、採用はされなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６５３型＞：ソ連海軍計画巡航ミサイル原潜。P-627A型の量産型である。船体は複殻式で、耐圧船殻はAK-29高張力鋼製。P-20ミサイル搭載数が２発に増えたが、相変わらず浮上しないと撃てない。全長97.5m、幅12.2m、吃水7.8m、水中排水量5250トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-1M型原子炉２基・601型蒸気タービン２基２軸、水上速力14-15ノット、水中速力22-24ノット。PG-116補助推進モーター（140馬力）２基を予備として搭載する。潜航深度285m、連続潜航期間50-60日。兵装はP-20巡航ミサイル発射筒２基（P-20巡航ミサイル２発）、533mm魚雷発射管４門（魚雷４本）、400mm魚雷／デコイ発射管２門（魚雷／デコイ12本）。ソナーはMG-200アルクティカＭアクティブソナー、MG-10パッシブソナー、MG-15M迎撃用ソナー。FCSはレニングラード659型。乗員101名。SLBMが完成したので用無しとなり、建造されなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６５３式ＡＲＶ＞：69式戦車ファミリーを参照。

＜６５５号艦型＞：潜補型（潜水艦）を参照。

＜６５８型シリーズ＞：ソ連海軍第１世代戦略原子力潜水艦、NATOコードはホテル（Hotel）型。629型通常動力戦略潜水艦の後継で、R-11FM及びR-13弾道ミサイルを装備する原潜として1956年8月から設計された。当初は潜水巡洋艦の分類で、1977年7月25日からは一等大型潜水艦に変更されている。1991年までに全艦退役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船1,’04、11,’22

＜６５８型＞：NATOコードはホテル�T型。ベースは627型で、これにミサイル発射区画を挿入している。後部横舵横に小型の横舵を追加して操縦性を向上させ、操舵装置を静粛な電動油圧式とし、原子炉に自動消火装置を取り付けた。ミサイル発射前後の浮力の増減に対応するため、大容量の深度維持装置も装備している。建造途中に船体に吸音ゴムが貼られた。原潜なので発射地点まで潜航したまま到達できるが、弾道ミサイルは浮上しないと撃てない。全長114.1m、幅9.2m、吃水7.7m、水上排水量4039トン、水中排水量5300トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-A加圧水型原子炉２基・蒸気タービン２基、出力39200馬力、２軸推進、水上速力15ノット、水中速力26ノット。ディーゼル発電機２基、補助推進モーター（900馬力）２基も装備する。安全潜航深度250m、最大潜航深度300m、連続潜航期間50日。兵装はR-13弾道ミサイル３基、533mm魚雷発射管４門（艦首。魚雷20本）、406mm魚雷発射管４門（艦首と艦尾に２門ずつ。魚雷４本）。乗員128名。K-16、K-19、K-33、K-40、K-55、K-145、K-149、K-178の８隻が1961-62年に就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船1,’04、11,'22、核兵器事典

＜６５８Ｍ型＞：NATOコードはホテル�U型。搭載ミサイルをR-21に、発射装置をD-4に換装し、水中から撃てるようにしたもの。ミサイル１基あたりの関連重量が130トンもあり、対抗馬のアメリカのジョージ・ワシントン級には遠く及ばない性能だった。K-145以外の７隻が1960年代に改装を受けた。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船1,’04、11,'22、核兵器事典

＜７０１型＞：NATOコードはホテル�V型。搭載ミサイルをR-29に変更したタイプで、ミサイル筒を６基に増やしたためセイルが長くなり、「熱核の塀」というニックネームが付いた。全長129.8m、幅9.2m、吃水8.2m、水上排水量4970トン、水中排水量6100トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-A加圧水型原子炉２基・蒸気タービン２基、出力39200馬力、２軸推進、水上速力15ノット、水中速力23.3ノット。ディーゼル発電機２基、補助推進モーター（900馬力）２基も装備する。安全潜航深度250m、最大潜航深度300m、連続潜航期間50日。兵装はR-29弾道ミサイル６基、533mm魚雷発射管４門（艦首。魚雷20本）、406mm魚雷発射管４門（艦首と艦尾に２門ずつ。魚雷４本）。乗員123名。K-145が改装された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６５８型ファミリー＞

　＜６５８Ｓ型＞：弾道ミサイル発射筒を撤去し、通信機材の試験艦としたもの。K-19が改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６５８Ｔ型＞：弾道ミサイル発射筒を撤去し、攻撃型原潜としたもの。K-16が改装を受けた。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６５８Ｕ型＞：通信艦に改造したもの。K-55とK-178が改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６５９型シリーズ＞：ソ連海軍巡航ミサイル原子力潜水艦。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６５９型＞：NATOコードはエコー（Echo）�T型またはＥ�T型。627型潜水艦がベースで、船体を大型化し、発射反動で水没しないよう艦首の形状を改良した。P-5D巡航ミサイルを６発搭載しており、発射時には海面に浮上、ミサイルコンテナに45秒で15度の仰角をかけ、15-20秒かけて発射口カバーを開き、4-5分後にミサイルが発射される。６基を順番に発射すると12-13分かかるが、斉射も可能だったらしい。全長111.2m、幅9.2m、吃水7.1m、水上排水量3730トン、水中排水量4920トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-A加圧水型原子炉２基・蒸気タービン（17500馬力）２基、可変ピッチプロペラ２軸推進、水上速力15.1ノット、水中速力26ノット。安全潜航深度300m、最大潜航深度370m。連続潜航期間50日。兵装はP-5D巡航ミサイル６基、533mm魚雷発射管４門（全て艦前部。魚雷４本）、400mm魚雷発射管４門（艦前後に２門ずつ。魚雷12本）。最大魚雷発射深度100m。セイルにはNATOコードでストップ・ライトと呼ばれる広帯域ESMアンテナを装備する。乗員104名。６隻を建造する予定だったが、K-30は675型の設計完了で建造中止となり、K-45、K-59、K-66、K-122、K-151の５隻が1964年に就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典、月刊世界の艦船5,’83、月刊軍事研究6,’17

＜６５９Ｔ型＞：P-5ミサイルの退役で659型の存在意義が無くなってしまったため、巡航ミサイル発射装置を外して魚雷搭載数を533mm16本・400mm８本としたものである。主任務は対地攻撃から西側空母機動艦隊行動監視となったが、隠密性に欠ける上速力も低く、実際にこの任務で出撃することは少なかったらしい。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６６０型＞：ソ連海軍計画潜水艦。R-13弾道ミサイルとAIPを装備する大型潜水艦として1957年から設計された。全長82.9m、全幅9.8m、吃水7.8m、排水量3150トン。主機はディーゼル２基8000馬力またはB-2型AIP6400馬力、２軸推進、水上速力15ノット、水中速力15ノット（ディーゼル）または2.5ノット（AIP）。航続距離50海里（水中ディーゼル15ノット）／2800海里（水中AIP2.5ノット）、連続航海期間70日。最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管４門（艦前部）、400mm魚雷発射管４門（艦後部）、R-13弾道ミサイル３基。乗員74名。658型の開発が順調だったので、こちらは1958年8月に開発中止になった。参考：月刊世界の艦船1,’04、ソ連／ロシア原潜建造史

＜６６１型＞：ソ連海軍巡航ミサイル搭載高速実験原子力潜水艦、NATOコードはパパ（Papa）型。アメリカ空母機動艦隊が30ノット以上の高速で行動するようになったため、これを連続追跡できる速力を出すことが可能な原潜を開発するために設計された。また、水中発射可能なP-70巡航ミサイルも搭載し、これの試験艦も兼ねた。船体は複殻構造で、チタンを使用しているが、造船所にチタン溶接・鋳造の技術が無く、１年ほど試行錯誤を繰り返した。また、チタン不足もあり、設計から竣工まで11年かかっている。推進軸は抵抗を減らすためズボンと呼ばれる円錐状のフェアリングで覆った。全長106.9m、幅11.5m、吃水8m、水上排水量5197トン、水中排水量8770トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-5（V-5？）加圧水型原子炉２基、蒸気タービン（40000馬力）２基、２軸推進、水上速力16ノット、水中速力37-38ノット。補助用にターボ発電機（4000馬力）２基を搭載する。蓄電池は152基２群の銀亜鉛電池。安全潜航深度400m、最大潜航深度500m、連続潜航期間70日。兵装はP-70巡航ミサイル発射筒10基、533mm魚雷発射管４門（魚雷12本）。最大魚雷発射可能深度250m。巡航ミサイルは５基ずつ２回に分けて発射する（間隔３分）。艦番号K-18が1969年に就役した。グリーンランドからブラジルまでアメリカ空母を追跡し、平均速力44.7ノットで帰投するなど高速性能を遺憾なく発揮したが、発令所内の騒音が100デシベル以上あり、高速航行時の動圧でセイルフェアリングを破損する事故も起きたため、殆ど航海には出されず、実験艦としてもあまり使用されなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典、月刊世界の艦船10,’23

＜６６４＞：ソ連海軍改ペチャ�U型警備艦の艦番号。1983年2月8日0730頃、アムール型工作艦PM-5に曳航されて対馬の北東55kmを南下するのを、佐世保地方隊HSS-2対潜ヘリが発見した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜６６４型＞：ソ連海軍試作多目的輸送潜水艦。全長141m、排水量10150トン。機雷162個、P-5/P-6巡航ミサイル20基、海軍歩兵200名の輸送を行う他、水中・水上給油装置を使用した給油任務も行う。1965年に１番艦が起工されたが、戦略原潜に重点が移り、建造中止となった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６６５型＞：ソ連海軍巡航ミサイル潜水艦、NATOコードはウイスキー・ロング・ビン（Whisky Long Bin）型。644型の改良型で、セイル内にP-5対地巡航ミサイルを４発収容している。浮上してすぐ発射できるよう、発射機に仰角を付けてセイル内に設置したが、セイルが巨大化して水中性能が大幅に低下した。全長85m、幅6.7m、吃水4.8m、排水量1478トン、水中排水量1660トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水上速力14.5ノット（15.4ノット？）、水中速力11ノット、航続距離8500海里（水上６ノット）／400海里（水中２ノット）／11海里（水中11ノット）。安全潜航深度200m、連続航海期間45日。兵装はP-5対地巡航ミサイル４基、533mm魚雷発射管４門（魚雷４本）。乗員58名。1959-64年に８隻が建造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船8,’16

＜６６７型シリーズ＞：ソ連海軍戦略原潜、NATOコードはヤンキー（Yankee）型、Ｙ型。当初は固体燃料ミサイルを搭載する原潜として開発されたが、上手くいかず、R-27を搭載する原潜として開発された。当初は潜水巡洋艦に分類されており、1977年7月25日以降はミサイル潜水巡洋艦となった。アメリカに一刻も早く追いつくため、34隻を７年２ヶ月で竣工させている。1995年までに全艦退役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船11,’22

　＜６６７型＞：R-27K固体燃料ミサイルを搭載したタイプで、1958年9月5日から開発された。ミサイル発射筒が２本１組で両舷に２箇所ずつ搭載されており、格納時は前を向いているが、発射時には90度旋回して上を向くようになっている。ミサイルシステムの開発が上手くいかず、開発中止となった。一説にはフルシチョフの前で説明用の模型が故障してしまったためともいわれる。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６６７Ａ型＞：ソ連名称ナバガ型、NATOコードはヤンキー（Yankee）�T型。当時アメリカに戦略原潜の分野で大きく水をあけられていたため、KGB対外諜報局Ｘライン（科学技術諜報部門）を使ってフランスやイスラエルから固体燃料の資料、日本からイオン交換樹脂や固体燃料サンプル、カナダから寒冷地用オイルとエンジン用複合材、アメリカからジョージ・ワシントン級戦略原潜の資料、イギリスから原潜用原子炉の資料を手に入れ、それらを駆使して開発した。このため、兵士からはイワン・ワシントン型というニックネームが付けられた。船体は水中速力と静粛性に優れた設計とし、外殻にはUZ鋼、内殻には40mm厚のK-29高張力鋼を使用、船体表面には無反響タイルを敷き詰めている。原子炉やタービンは防振ゴム付きの台座に乗せ、プロペラもキャビテーションの起きにくい形状に精密加工された。船体やプロペラには通電装置を装備、消磁装置も搭載している。ミサイル発射中の深度維持及び浅深度低速航行中の急速潜航を可能とするため、セイルに潜舵を装着した。ソナーは探知距離20kmのケルチ型。航海システムはシグマ型で、1972年からは慣性航法装置を内蔵したトボル型を採用、北緯85度までのミサイル発射ができるようになった。発射管制装置はツチャ型で、多数のミサイルをなるべく短時間に発射できるよう、大部分の行程が自動化されている。自動暗号通信装置も装備。R-27ミサイルの発射筒は全長10.1m、直径1.7mで、セイル後方の船体内（上構が一段盛り上がっている）に垂直発射筒８本ずつを２列に搭載しており、４基ずつが４斉射（といっても１基ずつ８秒間隔での発射）される。１斉射後は３分かけて発射筒に海水を充填して重量バランスをとらないと浮き上がってしまうため、４斉射に10分（実際には20-35分くらい）かかる。このため、敵に見つかった時のことを考慮し、発射筒の1-2基を潰してオーサＭ対空ミサイルを搭載する案が出されたが、ストレラ携帯ミサイルの搭載で落ちついた。1969年からは８基ずつの２斉射に変更されている。全長128m、幅11.7m、吃水7.9m、水上排水量7850トン、水中排水量10100トン。主機は原子力蒸気タービン方式、OK-700加圧型原子炉（VM-4-2？）２基・蒸気タービン２基、出力20000馬力、７翅スキュード・プロペラ２軸推進、水上速力16.5ノット、水中速力27ノット。安全潜航深度320m、最大潜航深度400m、連続潜航期間60日。兵装はR-27弾道ミサイル16基、533mm魚雷発射管４門（魚雷６本）、400mm魚雷発射管２門（魚雷４本）。乗員114名。K-26、K-32、K-137、K-140、K-207、K-210、K-214、K-216、K-236、K-241、K-245、K-249、K-253、K-258、K-389、K-395、K-399、K-403、K-408、K-411、K-415、K-418、K-420、K-423、K-426、K-434、K-444の27隻が1967-72年に就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典、現代の潜水艦

　＜６６７ＡＵ型＞：667A型にR-27Uミサイル搭載改修を行ったもので、NATOコードはヤンキー�T級。533mm魚雷の搭載本数が16本に増えている。K-219、K-228、K-252、K-430、K-436、K-446、K-451の７隻が1971-73年に就役した。他に667A型からK-137、K-214、K-236、K-241、K-245、K-258の６隻が改装されている。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６６７ＡＭ型＞：弾道ミサイル実験原潜で、ソ連名称ナバガＭ型、NATOコードはヤンキー（Yankee）�U型。R-31ミサイルを搭載する実験艦として、たまたまセヴェロドヴィンスク造船所で右舷原子炉故障修理中だったK-140が1972年7月から改装を受けた。ミサイル搭載数を12基に減らし、射出方式を水圧式から火薬によるガス圧式に変更した。ミサイルは深度50mから発射され、抵抗の少ない火薬のガス気泡の中を海面まで進み、ロケットに点火する。トボルＭ全緯度航海総合装置、アルマズAM統合戦闘情報指揮装置なども搭載された。1976年12月に初の水中発射試験を実施。1980年からはパトロールにも出るようになったが、ミサイルが信頼性に欠け、1990年に除籍されるまで８回しか哨戒任務を行っていない。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典、現代の潜水艦

＜６６７型ファミリー＞

　＜６６７ＡＫ型＞：実験艦型。ミサイル発射筒を撤去し、空いたスペースに実験観測機材を搭載している。K-403が1982-83年に改造工事を受け、1985年からソナーや電子機器のテスト任務に就いた。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６６７ＡＮ型＞：海洋調査・潜水艇母艦型で、09774型とも呼ばれる。ミサイル発射筒と魚雷発射管を撤去し、調査研究施設や研究員の居住設備などが設けられた。また、特殊工作員運搬用小型潜水艇２隻も搭載でき、特殊作戦にも投入できる。全長162.5m、幅11.7m、吃水8.3m、水上排水量8900トン（9408トン？）、水中排水量11685トン。主機は原子炉２基で、２軸推進、水上速力16ノット、水中速力27ノット、最大潜航深度400m、連続潜航期間100日。乗員120名（士官42名、下士官・兵64名？）。K-411が改造された。マリウスの支援母艦任務も行っているらしい。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、現代の潜水艦

＜６６７ＡＴ型＞：攻撃型原子力潜水艦型で、NATOコードはヤンキー・ノッチ（Yankee Notch）級。船体中央・セイル後方のSLBMブロックを撤去してRKP-55（SS-N-21）発射筒片舷４門ずつと、再装填装置、予備ミサイル24基を挿入したものである。魚雷発射管は533mmに統一した。SALT�T条約で戦略原潜保有枠からあぶれたK-253、K-395、K-423の３隻がこれに改造された。全長141.7m、幅12.8m、吃水7.8m、水上排水量8500トン、水中排水量11400トン。主機は原子炉２基・蒸気タービン２基２軸52000馬力、水上速力16ノット、水中速力27ノット、最大潜航深度400m、連続潜航期間70日。兵装は艦首の533mm魚雷発射管６門（魚雷14本）、船体中央のRKP-55発射筒８門（RKP-55を32発搭載）。乗員121名。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜６６７Ｍ型＞：巡航ミサイル実験艦。P-750（3M25）巡航ミサイルのテストに使用されたもので、内殻と外殻の間に片舷６基ずつの発射筒を45度傾けて埋め込んである。クレウェル発射管制装置、コルシュン44点検装置、アルマズ戦闘情報指揮装置、トボルAT全緯度航海装置、モルニアLM1衛星通信装置も搭載された。全長152m、幅14.7m、吃水8.7m、水中排水量13600トン。水中速力27ノット、最大潜航深度400m、連続潜航深度400m。兵装はP-750巡航ミサイル発射筒12基、533mm魚雷発射管４門（魚雷12本）、400mm魚雷発射管２門（魚雷４本）。乗員112名。K-420が1978年から改装され、1983年から実射テストに入ったが、1984年の22回のテスト全てで発射に失敗するという有様で、実用化に失敗、1990年に魚雷原潜に変更されてしまった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜０９７７４型＞：667AN型を参照。

　＜０９７８０型＞：実験艦バージョンで、667AK型の改良型。艦首を設計し直し、光ファイバーや冷却水自動調整システムなどを搭載してある。全長151.8m、幅11.7m、吃水7.9m、水上排水量8675トン、水中排水量9190トン。主機は原子炉２基で、２軸推進、水上速力16ノット、水中速力27ノット、最大潜航深度400m、連続潜航期間60日。兵装は533mm魚雷発射管４門。乗員114名（士官57名、下士官・兵43名？）。1990年11月から1995年8月までK-403が改装を受けた。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、現代の潜水艦

＜６６７Ｂ型シリーズ＞：ソ連海軍弾道ミサイル原子力潜水艦、NATOコードはデルタ（Delta）型。当初は潜水巡洋艦に区分され、1977年7月25日からミサイル潜水巡洋艦に区分変更された。667BDR及び667BDRM型は更に1992年6月3日から原子力戦略潜水巡洋艦という分類になった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６６７Ｂ型＞：ソ連名称ムレナ型、NATOコードはデルタ�T型。667型ヤンキー級の船体にR-29（SS-N-8）弾道ミサイルを搭載したもので、R-29は直径が大きいため搭載数が12基に減少し、背も高いのでセイル後方ミサイル収容上構がかなり盛り上がった形状となり、上構後部に段差が付いた。推進装置には２段式のサスペンションが取り付けられており、静粛性が高い。ツィクロンＢ衛星通信装置、トボルＢ航海統合装置、モルニア自動衛星通信装置などを装備する。ミサイル発射制御用にデジタルコンピュータが搭載されたが、1978年と1987年に自軍将校のハッキングを受け、目標情報が流出したり、目標設定が勝手に変更されたりした。これを受けて電子防諜装置が追加され、海軍総司令官の指令無しにミサイルを発射できなくした。全長139m、全幅11.7m、吃水8.4m、水上排水量8900トン、水中排水量11000トン。主機はVM-4B加圧水型原子炉（VM-4-2？）２基・蒸気タービン２基、出力40000馬力（52000馬力？）、７翅スキュードプロペラ２軸推進、水上速力17.5ノット、水中速力25ノット。ターボ発電機２基と、112基の蓄電池を２群搭載する。安全潜航深度320m、最大潜航深度400m、連続潜航期間80日。兵装はセイル後方のR-29垂直発射筒12基、533mm魚雷発射管４門（魚雷16本）、406mm魚雷発射管２門（魚雷４本）。乗員120名（士官38名、下士官・兵92名？）。K-171、K-279、K-366、K-385、K-417、K-447、K-450、K-457、K-460、K-465、K-472、K-475、K-477、K-497、K-500、K-512、K-523、K-530の18隻が1972-77年に就役し、うち後期艦８隻（K-450、K-460、K-472、K-475、K-500、K-512、K-523、K-530）には就役時からR-29Uが搭載された。START�Tに基づいて1992年から除籍され、1998年までに全艦退役した。1999年末にはミサイル区画を貨物室に改造して北極海で潜水貨物船として転用する計画が承認された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船11,'22、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊軍事研究8,’16

＜６６７ＢＤ型＞：ソ連名称ムレナＭ型、NATOコードはデルタ�U型。搭載SLBMをR-29Uとし、ミサイル区画を２区画（４発分）追加、全長を16m延長した。ミサイル収容上構後部の段差は無くなっている。サスペンション、遮音ゴム、防振構造を新型にして静粛性を改善した。氷海浮上時の損傷を防ぐため、セイル・プレーンを90度回転可能としている。自動テレビ総合システムで艦内外の情報をリアルタイム表示、氷海でも安全に航行できるようになった。全長155m、幅11.7m、吃水8.6m、水上排水量10500トン、水中排水量13600トン。主機はVM-4B加圧水型原子炉（VM-4S？）２基・蒸気タービン（20000馬力。27500馬力？）２基、７翅スキュードプロペラ２軸推進、水上速力15ノット、水中速力25ノット。ターボ発電機２基と、112基の蓄電池を２群搭載する。安全潜航深度320m、最大潜航深度400m、連続潜航期間80日。兵装はR-29U弾道ミサイル発射筒16基、533mm魚雷発射管４門（魚雷16本）、406mm魚雷発射管２門（魚雷４本）。乗員135名。K-92、K-182、K-193、K-421が1975-76年に就役した。弾道ミサイルの射程が長く、コラ半島またはカムチャツカの原潜基地からでもアメリカのほぼ全域を攻撃可能で、西側の対潜防御ラインを抜ける必要が無くなった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船11,’22、核兵器事典、月刊軍事研究3,’99、8,’16

＜６６７ＢＤＲ型＞：ソ連名称カルマー（Kalmar）型、NATOコードはデルタ�V（Delta�V）型。667BD型の改良型で、1972年からルビーン設計局で開発された。SLBMをMIRV搭載のR-29R（SS-N-18）に換えている。耐圧船殻は複殻式で、水密区画は10区画、第１・第３・第10区画に脱出ハッチがある。原子炉は炉心交換年数5.5年の新型を装備し、アルマズBDR外洋・深海域用艦載戦闘システム、ルビコン・ソナー、ERV-M空気電気化学再生装置、シパト統合潜航管制装置（速力と潜航深度の自動保持が可能）、シメール水中音響航法装置、ツルマリン応急システム（浸水時にも深度を自動で維持できる）、レーダー警報型ブリック・パルプ／グループ、パーク・ランプ方位探知機、PR-14潜望鏡、PZNG-8潜望鏡などを搭載した。居住性の改善も行われ、スポーツ室、士官用シャワー室、サウナ、観賞魚の水槽、鳥のケージ、プランターなどが設置された。全長155m-160m、全幅11.7-12m、吃水8.7m、水上排水量10600-10719トン、水中排水量13463-13700トン。主機はOK-700A原子力蒸気タービン推進システム、VM-4S加圧水型原子炉（出力90MW）２基・蒸気タービン２基、出力37400馬力（60000馬力？）、５翅スキュードプロペラ２軸推進、水上速力14ノット、水中速力24ノット。TG-3000ターボ発電機２基と112基の蓄電池を２群搭載する。安全潜航深度320m、最大潜航深度400m、連続潜航期間80日。兵装はR-29R（SS-N-18）用垂直発射筒D-9Rが16基（セイル後方）、533mm魚雷発射管４門（SET-65、SAET-60M、53-65K、53-65Mなど魚雷16本）、400mm魚雷発射管２門。乗員130名（士官40名、下士官・兵90名）。K-44リャザン、K-129オリエンブルグ、K-180、K-211ペトロパブロフスク・カムチャツキー、K-223ポドルスク、K-424、K-433シヴァトイ・ゲオルギイ・ポベドノセッツ、K-441、K-449、K-455、K-487、K-490、K-496ボリソグレブスク、K-506ゼレノグラードの14隻が1976-82年に就役し、全て北洋艦隊第３原潜艦隊第13戦略原潜師団に配備された。K-129は後にAS-12原子力潜水艇の母艦に改造され、デルタ�Vストレッチ（Delta�VStretch）型のNATOコードが付いている。2011年からK44が長期修理に入っていて、R-29RMU2.1ライネールの搭載改修を受けるという話もあったが、2014年に立ち消えになったようで、2017年2月に復帰した時にはライネールは積んでいなかった（R-29RKU-01/02の模様）。この時点で他に現役だったのはK-223とK-433で、全て太平洋艦隊に配備されていた。2018年3月に原子力公社ロスアトムが退役潜水艦395号と397号からの使用済み核燃料撤去作業の入札公告を出しており、K-223は工場番号395、K-433が工場番号397なので、両艦とも退役したようである。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船11,'22、6,’15、2,’17、3,’17、12,'21、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊軍事研究8,’16、9,’14、6,’18

＜６６７ＢＤＲＭ型＞：ソ連名称デルフィン（Delfin）型、NATOコードはデルタ�W（Delta�W）型。船型は667BDR型とほぼ同じで、セイル後方のミサイル区画上部構造物と船体の間にあったフリー・フラッド・ホールが無く、単純なスリットにしているのが判別点。弾道ミサイル射撃指揮装置はD-9RMで、深度55mを6-7ノットで航行しながらSLBMを発射できる。静粛性を高めるために遮音ゴムなどを一新、艦尾には海水整流装置を備えるなどしており、ノイズレベルはオハイオ級原潜に匹敵するといわれ、ロサンゼルス級原潜のAN/BQQ-5ソナーでも10km以内に接近しないと発見できないとされる。艦首のMGK-520スカトBRDM用ソナー・フェアリングにはFRPを採用した。対水上捜索レーダーはMRK-50。ESMはレーダー警報型ブリック・パルプ／グループとパーク・ランプ方位探知機。潜望鏡はザリャとPZNG-8。全長167m、全幅11.7m、吃水8.8m、水上排水量10973-11700トン、水中排水量13500-13717トン（18200トン？）。主機はVM-4SG原子炉（出力90MW）２基・GT3A-365蒸気タービン２基、出力37400馬力（44000馬力？）、７翅（５翅？）スキュードプロペラ２軸推進、水上速力14ノット、水中速力24ノット。ターボ発電機２基と、112基の蓄電池を２群搭載する。安全潜航深度320m、最大潜航深度400m、連続潜航期間80日。兵装はR-29RM（SS-N-23）SLBM垂直発射筒16基、533mm魚雷発射管４門（魚雷や90RU潜対潜ミサイルなど18本）。乗員135名（士官41名、下士官・兵94名。130名？）。K-51ヴェルホツリエ、K-84エカテリンブルグ、K-64ウラジミール、K-114ツラ、K-117ブリャンスク、K-18カレリア、K-407ノヴォモスコフスクの７隻が1985-92年に就役し、全て北洋艦隊第３原潜艦隊第13戦略原潜師団（ヤゲルナヤ基地）に配備された。2007年から2010年代初めにR-29RMU2シネワの搭載改修を受けた。2025-30年までの運用を目指し、R-29RMU2.1ライネールSLBMを開発中である。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,'22、6,’15、2,’17、3,’17、12,'21、月刊軍事研究2,’12、6,’18

＜６７０型シリーズ＞：ソ連海軍巡航ミサイル原子力潜水艦、NATOコードはチャーリー（Charlie）級。当初は潜水巡洋艦に分類され、1977年7月25日以降は一等大型潜水艦、1978年1月15日以降は潜水巡洋艦、1992年4月28日以降は原子力大型潜水艦となっている。659型／675型巡航ミサイル原潜が浮上しないと巡航ミサイルを発射できなかったため、潜航中でも発射できるP-70巡航ミサイル搭載原子力潜水艦として1960年5月から設計された。造船所から川を下って運ばなければならず、小型化に努めている。1998年までに全て除籍された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典、月刊軍事研究6,’17

＜６７０型＞：ソ連名称スカット級、NATOコードはチャーリー�T級。船体は部分複殻式（前後部が複殻式、中央が単殻式）、耐圧船殻はAK-29高張力鋼製で、船殻厚と予備浮力を切り詰めて排水量を抑えたため、最大潜航深度は300mとソ連原潜にしては浅い。セイルや上部構造物は軽合金・低磁性鋼製、ソナー・フェアリングはチタン製である。タービンは防振装置付の台座に載せ、船体に吸音ゴムを装着、消磁装置も搭載した。ケルチ・ソナー、ブレスト作戦情報統合システムなどを装備するが、ソナーの有効探知距離が20kmしかなく、P-70の射程を生かし切れなかった。全長95.5m、幅9.9m、吃水7.5m、水上排水量3574トン、水中排水量4560トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-4-1加圧型原子炉１基・蒸気タービン１基、出力18800馬力、５翅可変ピッチプロペラ１軸推進、水上速力12ノット、水中速力26ノット。安全潜航深度240m、最大潜航深度300m。連続潜航期間60日、兵装はP-70巡航ミサイル８発（うち２発が核弾頭）、533mm魚雷発射管４門（魚雷14本、うち核魚雷２本）、400mm魚雷発射管２門（魚雷４本）で、魚雷の代わりに機雷26個の搭載も可能。最大魚雷発射深度100m。乗員100名。1968年からK-25、K-43、K-87、K-121、K-201、K-302、K-308、K-313、K-320、K-325、K-429の11隻が配備された。後にプロペラを４翅二重反転プロペラに変更し、ソナーもMGK-300ルビン（探知距離60km）に換装した。1976年、ソナーをMGK-400ルビコン（探知距離180-200km）に換装した。1978年、ソナーをMGK-500スカト（探知距離240km）に換装した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典、月刊軍事研究7,’05

＜６７０Ｍ型＞：ソ連名称スカットＭ級、NATOコードはチャーリー�U級。搭載ミサイルをP-120に換装すると共に、ミサイル発射後に海水をタンクに自動補充して浮力を調整する装置を搭載した。この変更で船体自体も設計し直されており、セイル含め形状が変わっている。防音ゴムを新型に換装し、静粛性が増した。ソナーはMGK-300ルビン。全長104.5m、幅10m、吃水6.9m、水上排水量4300トン、水中排水量5570トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-4-1加圧水型原子炉１基・蒸気タービン（18800馬力）１基、可変ピッチ式二重反転プロペラ１軸推進、水上速力12ノット、水中速力24ノット。補助動力として、ディーゼル発電機１基、補助推進モーター（500馬力）２基、ウォータージェットを装備する。安全潜航深度240m、最大潜航深度300m。連続潜航期間70日。兵装はP-120潜対艦ミサイル８基、533mm魚雷発射管４門（魚雷14本）、400mm魚雷発射管２門（魚雷４本）で、81R対潜ミサイルも搭載している。最大魚雷発射深度200m。FCSはラドガ魚雷発射指揮装置、ズナイ670Mミサイル発射指揮装置（ミサイル８基を同時管制可能）。通信装置はモルニヤ衛星通信装置、パラワン曳航アンテナ（最大受信深度150m）。乗員90名。1974年からK-209、K-452、K-458、K-479、K-503、K-508の６隻が配備された。1976年、ソナーをMGK-400ルビコンに換装した。1978年、ソナーをMGK-500スカトに換装した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典

＜０６７０４型＞：1983年に設計を完了した実験艦で、3M55（P-100）巡航ミサイルを搭載する。従来のP-120発射筒は撤去し、同じスペースに３基ずつのSM-403垂直発射ステーションを収容した。全長104.9m、幅9.9m、吃水7.4m、水上排水量4370トン、水中排水量5570トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-4-1加圧水型原子炉１基・蒸気タービン１基、出力18800馬力、可変ピッチ式二重反転プロペラ１軸推進、水上速力13ノット、水中速力24ノット。補助動力として、ディーゼル発電機１基、補助推進モーター（500馬力）２基、ウォータージェットを装備する。安全潜航深度240m、最大潜航深度300m、連続潜航期間70日。兵装は3M55ミサイル24基、533mm魚雷発射管４門（魚雷14本）、400mm魚雷発射管２門（魚雷４本）で、81R対潜ミサイルも装備する。最大魚雷発射深度200m。乗員98名。K-452が改装を受けた。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７０型・海外シリーズ＞

　＜０６７０９型（インド海軍）＞：インド海軍原子力潜水艦。K43を改装したもので、冷房装置を強化し、居住区を改良、通信機や戦闘情報処理装置を撤去したり換装したりしている。1988年1月から1991年1月まで貸し出され、チャクラと命名されてソ連海軍乗員の指導の下に運用され、訓練及び技術習得に使用された。参考：月刊軍事研究7,’05、ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７１＞：北朝鮮海軍トラル型コルベット。1955年就役。1993年5月、ノドン１号発射実験支援のため日本海に展開した。参考：月刊世界の艦船9,’01

＜６７１型シリーズ＞：ソ連海軍攻撃型原子力潜水艦、NATOコードはヴィクター（Victor）型、Ｖ型。627型に続く第２世代原潜として1958年から設計され、1959年に建造が承認され、1960年に設計を完了し、建艦に入った。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６７１型＞：最初の量産型で、ソ連名称エルシュ級、NATOコードはヴィクター�T（Victor�T）級。船体は複殻式、船型は水中航行に適した涙滴型に近いもので、静粛性を優先して１軸推進としている。耐圧船殻は厚さ35mmのAK-29高張力鋼で作られており、最大潜航深度は400mに達する。艦内区画は８区画。アンテナフェアリングと舵はチタン製、セイルはAMg-61アルミ合金製である。外殻表面には吸音ゴムと吸音ペイントが施され、騒音は627型より5-10デシベル低下、スキップジャック級とほぼ同レベルとなった。艦首には重量20トンの大型ソナーが搭載されており、当初は魚雷発射管（自動装填装置付）を船体中央に装備する予定だったが、速力11ノット以上で発射困難となるため、ソナー上に２段（上部２門、下部４門）に配置した。魚雷発射管の真上に搭載ハッチがあり、洋上での魚雷補給が可能である。統合操縦システムにより、発令所からの各種機器（油圧、空調、注排水など）の遠隔操作が可能で、エアコンや蛍光灯も装備した。全長93m、幅10.6m、吃水7.3m、水上排水量3570トン、水中排水量4870トン（4970トン？）。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-4P加圧水型原子炉（VM-4-1？）２基、OK-300タービン１基、出力31000馬力、５翅プロペラ１軸推進、水上速力14ノット、水中速力33.5ノット。DK-200型ディーゼル発電機２基、OK-2型タービン発電機２基（5440馬力）、PG-137補助推進モーター２基（550馬力）も装備し、後部水平舵付け根にプロペラが左右１基ずつ付いている。安全潜航深度320m、最大潜航深度400m、連続潜航期間60日。兵装は533mm魚雷発射管６門（魚雷18本または機雷36個）。魚雷発射可能最大深度100-250m。搭載ソナーはMGK-300ルビン・アクティブ／パッシブソナー（探知距離60km）、MG-509機雷探知装置、サヴェサ方位測定器。FCSはラドガ魚雷発射指揮装置。航法装置としてシグマ型総合航海システム、MT-70テレビシステム（視距離50km）、スパト671潜航深度・針路管制システム、ツルマリン671緊急操縦装置、ヴォルフラム671OKS総合操縦システムを装備する。乗員94名（士官42名、下士官・兵62名）。1967-75年にK-38、K-53、K-69、K-147、K-306、K-323、K-367、K-370、K-398、K-438、K-462、K-481の12隻が就役した。８番艦からは主機の減速歯車が改良されて騒音が減った。1976年に改装を受けてアクティブ／パッシブソナーが探知距離200kmのMGK-509に換えられた。1980年代には数隻がMGK-509に換わってMGK-519型ソナーを搭載している。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究9,’12、6,’17、月刊世界の艦船8,’18

　＜６７１Ｖ型＞：671型に90RU対潜ミサイル運用能力を附与したタイプで、NATOコードはヴィクター�T（Victor�T）級。K-314、K-454、K-469の３隻が就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６７１Ｋ型＞：兵器システム実験艦バージョンで、1984-86年にK-323が改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

　＜６７１ＲＴ型＞：RTはロケット（ミサイル）と魚雷の意で、1977年までは潜水巡洋艦、それ以降は一等大型原子力潜水艦に分類された。ソ連名称セグマ型、NATOコードはヴィクター�U（Victor �U）級。アメリカ海軍の新鋭空母は防御力が高く、また水上艦や原潜の対潜能力も向上したため、671型の攻撃力強化型として1961年11月から開発された。船体を一回り大型化して魚雷発射管室を２層に増やし、650mm魚雷発射管２門を追加して65-73型魚雷を使用可能としている。また、機関室を拡大し、主機を２段サスペンション付きプラットフォームに載せて静粛性を改善した。ソナーと戦闘システムも新型に換装した。全長102m、幅10.6m、吃水7.3m、水上排水量4245トン、水中排水量5670トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-4P4T加圧水型原子炉２基・OK-300型タービン１基、出力31000馬力、５翅プロペラ１軸推進、水上速力11ノット、水中速力31ノット。補助推進装置としてDG-200ディーゼル発電機２基、OK-2タービン発電機２基（5440馬力）、PG-137補助推進モーター２基（750馬力）を装備し、後部水平舵付け根にプロペラが左右１基ずつ付いている。安全潜航深度320m、最大潜航深度400m、連続潜航期間60日。兵装はキパリス急速魚雷装填装置付533mm魚雷発射管４門と650mm魚雷発射管２門（533mm魚雷18本または機雷36個、650mm魚雷６本）。魚雷発射可能深度100-250m。搭載ソナーはMGK-300ルビン・アクティブ／パッシブソナー（探知距離100km）、MGK509ルビコン（探知距離200km）、MG-509機雷探知ソナー、サヴェサ方位測定ソナー。FCSはラドガ魚雷発射指揮装置、アッコルド総合戦闘情報指揮システム。通信航海システムとして、メドヴェディツサ総合航海システム、MT-70テレビシステム（視程50km）、モルニア通信システム、ツナミ衛星通信システム、パラヴァン曳航通信アンテナを装備する。乗員98名。K-371、K-387、K-448、K-467、K-495、K-505、K-513、K-517の８隻が1972-78年に就役した。設計者はソ連国家賞を授与されている。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、現代の潜水艦、月刊軍事研究6,’17

＜６７１ＲＴＭ型＞：NATOコードはヴィクター�V（Victor �V）級。1977年までは潜水巡洋艦、それ以降は一等大型原子力潜水艦に分類された。VA-111シクヴァル高速魚雷及びRKP-55潜水艦発射戦略巡航ミサイルの搭載改修（ただしRKP-55の配備は1984年から）を施したタイプである。また、各種戦闘システムも新型が搭載され、上部縦舵上端にTASSを収容したポッドが装着された。静粛性に重点が置かれており、東芝が輸出した三次元工作機械でプロペラを作ったとされ、アメリカでは日本製品のバッシングに発展した。キャビテーションが発生しない戦術速力以下で航行中の場合、周波数25-50Hz前後のブレード・レート音を探知するしかないらしい。全長107.1m、全幅10.8m、吃水7.66m、水上排水量4877トン、水中排水量7889トン。主機は原子力蒸気タービン方式、VM-4P加圧型原子炉（VM-4T？）２基・OK-300蒸気タービン１基、出力31000馬力、４翅二重反転プロペラ１軸推進、水上速力10.8ノット、水中速力29.5ノット。補助推進装置としてDG-200ディーゼル発電機２基、OK-2タービン発電機２基（5440馬力）、PG-137補助推進モーター２基（750馬力）を装備し、後部水平舵付け根にプロペラが左右１基ずつ付いている。安全潜航深度400m、最大潜航深度600m、連続潜航期間80日。兵装は650mm魚雷発射管２門（650mm魚雷65-76を６本）、533mm魚雷発射管４門（533mm魚雷53-65K、同SET-65、VA-111シクヴァル、90RUを計18本または機雷36個）。魚雷発射可能最大深度100-400m。搭載ソナーはMGK-500スカトKS（探知距離250km）、MT70氷海航行用ソナー、MG-509機雷探知ソナー、サヴェサ方位測定ソナー。潜望鏡はPZNG-10MとMT-70-10。射撃指揮装置はラドガ魚雷発射指揮装置、アッコルド総合戦闘情報指揮システム。通信航海システムとして、メドヴェディツサ総合航海システム、MT-70テレビシステム（視程50km）、モルニアＭ通信システム、ツナミ衛星通信システム、パラヴァン曳航通信アンテナ、プラヴァ曳航通信アンテナ、MRK-50対水上捜索レーダーを装備する。ESMはレーダー警報型ブリック・パルプ／グループとパーク・ランプ方位探知機。工作員運搬用としてシレナUME輸送艇、Ka-56小型ヘリを搭載。乗員99名（士官27名、准士官34名、下士官・兵35名？）。K-218、K-242、K-244、K-247、K-251、K-254、K-255、K-264、K-298、K-299、K-305、K-315、K-324、K-355、K-358、K-360、K-412、K-492、K-502、K-507、K-524、K-527の21隻が1978-84年に就役した。建造所はレニングラードの第194造船所とコムソモルスクナーアムレの第199造船所で、両者には微妙な違いがある。建造期間が長いので、順次改良されており、1981年からオムニブス統合戦闘情報指揮システムとメドウェディツサ671RTM総合航海システムを搭載、1984年からRKP-55とツィクロン衛星航法装置を装備した。1989年からアメリカとの核軍縮協議に基づいてVA-111、RKP-55、90RUを降ろし、100RUを搭載した。静粛性が高く、1996年にヘブリディーズ諸島を哨戒中の１隻で乗員が急病になった際、付近で対潜訓練中のNATO艦隊に助けを求めたが、この時NATO側は潜水艦の存在に全く気づいていなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、ザ・マーチ42号、月刊世界の艦船11,’16、3,’17、12,'21、月刊軍事研究6,’17

＜６７１ＲＴＭＫ型＞：ソ連名称シュチュカ（Schuka）型、NATOコードはヴィクター�V（Victor �V）のまま。新造時からRKP-55巡航ミサイルとツィクロン衛星航法システムを搭載し、静粛性を向上したタイプで、1987-92年にK-138、K-292、K-388、K-414、K-448の５隻が竣工した。その後3M14巡航ミサイルの運用能力を追加している。全長107.20m、幅10.78m、吃水7.9m、水上排水量4928-4950トン、水中排水量7250トン（6401トン？）。主機は原子力蒸気タービン方式、原子炉２基・蒸気タービン２基、出力31000馬力、二重反転プロペラ（４翅×２）１軸推進、水上速力11.6ノット、水中速力31ノット。潜航深度400m。兵装は650mm魚雷発射管２門（65-76長魚雷）、533mm魚雷発射管４門（各種魚雷、RKP-55、3M14、90RU、100RU計24本または機雷36個）。乗員96名（士官27名、准士官34名、下士官・兵35名。計98名？）。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’17、6,’15、5,’16、6,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

＜６７５型シリーズ＞：ソ連海軍攻撃型原子力潜水艦、NATOコードはエコー（Echo）�U型またはＥ�U型。当時のアメリカ空母機動艦隊がE-2A早期警戒機及びF-4艦戦で空母から300kmの哨戒圏を確立していたため、その外側から攻撃できるP-6潜対艦ミサイルを搭載した原潜として659型をベースに1956年8月から開発された。当初は潜水巡洋艦に区分され、1977年7月25日に一等大型潜水艦となり、1978年1月15日に一等潜水巡洋艦とされ、1992年6月3日以降は原子力大型潜水艦に分類された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船5,’83

＜６７５型＞：659型の船体を大型化し、P-6潜対艦ミサイル８発と巡航ミサイル管制用アーギュメント射撃指揮レーダーを搭載した。ただし発射時には浮上して上構上面４箇所に埋め込まれた連装ランチャーに仰角をかける必要がある。船体を低磁性高張力鋼AK-25で製作したものの腐食に弱くなってしまい、船体大型化をカバーするためプロペラ回転数を上げた結果水中雑音が大きくなった。それでもアメリカに対抗するには背に腹は代えられず、1963年からK-1、K-7、K-10、K-22、K-23、K-28、K-31、K-34、K-35、K-47、K-48、K-56、K-57、K-74、K-90、K-94、K-104、K-108、K-116、K-125、K-128、K-131、K-135、K-166、K-170、K-172、K-175、K-184、K-189の29隻が配備された。全長115.4m、全幅9.3m、吃水7.9m、水上排水量4450トン、水中排水量5650トン。主機は原子力タービン方式、VM-A加圧水型原子炉２基・ディーゼル（17500馬力）２基、可変ピッチプロペラ２軸推進、水上速力14ノット、水中速力23ノット。補助用ディーゼル発電機２基と補助推進モーター（450馬力）２基を装備する。安全潜航深度300m、最大潜航深度370m。連続潜航期間90日。兵装はP-6潜対艦ミサイル連装ランチャー４基、533mm魚雷発射管４門（魚雷４本）、400mm魚雷発射管２門（魚雷６本）。最大魚雷発射深度100m。セイルにはNATOコードでストップ・ライトと呼ばれる広帯域ESMアンテナを装備する。乗員104名。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、核兵器事典、月刊世界の艦船5,’83、10,’13、1,'15増刊

＜６７５Ｋ型＞：偵察衛星とデータリンクしてミサイルを管制するカサトカ衛星偵察誘導装置・統合戦闘情報指揮システムを搭載したタイプ。K-47とK-125が改装された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７５Ｍ型＞：675型に液体冷却原子炉を搭載し、ミサイル搭載数を10基に増やしたタイプ。原子炉の信頼性が低く、開発中止となった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７５ＭＫ型＞：675型にP-500対艦ミサイル８基とアルゴンＫ指揮装置を搭載したタイプで、やはり発射時には浮上する必要がある。水上排水量5090トン、水中排水量6500トン。乗員107名（他の諸元は675型と同じ）。K-23、K-56、K-57、K-94、K-104、K-128、K-175、K-184、K-189の９隻が改装され、1976-84年に就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７５ＭＫＶ型＞：P-1000ミサイル８基とアルゴンKV射撃指揮装置を搭載したタイプで、水中発射が可能となった。水上排水量5375トン、水中排水量6810トン。水中速力22ノット。自衛用にストレラＭ携帯地対空ミサイルを18基搭載する。乗員112名（他の諸元は675型と同じ）。1981-90年にK-1、K-22、K-34、K-35の４隻が改装された。K-10は改装途中で除籍されている。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７５ＭＵ型＞：675K型の改良型で、カサトカＢ海軍偵察衛星・誘導装置、ウスペフＵ空軍偵察衛星・誘導装置、アルゴンＫミサイル発射指揮装置を搭載する。K-28が改装を受けた。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７５Ｎ型＞：工作員輸送潜水艦に改造したもの。K-170が改造された。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６７７型＞：ロシア海軍潜水艦ラダ（Lada）型、NATOコードはサンクト・ペテルブルグ（Saint Petersburg）級。1980年代からルビーン設計局が開発した潜水艦で、ロシア通常動力潜水艦として初めて単殻構造を採っており、内殻非貫通型潜望鏡（パルス98）も初めて採用した。船体には遮音タイルなど対ソナーコーティングを施してある。潜舵はロシア通常動力潜水艦として初のセイル・プレーン。ソナーシステムはリラで、艦首ソナーと側面ソナーの他にロシア通常動力潜水艦として初めてTASSを装備しており、艦尾十字舵頂部にTASS繰り出し装置を持つ。また、艦首ソナーもコンフォーマル・アレイを採用している。KRM-66E多機能レーダーを搭載する。全長66.8m、全幅7.1m、吃水4.4m、水上排水量1765-1793トン、水中排水量2100トン（2693トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機２基・電動モーター１基、出力5576馬力、７翅ハイ・スキュード・プロペラ１軸推進、最大水上速力10ノット、最大水中速力21ノット（17ノット？）、航続距離6000海里（シュノーケル航行）／650海里（３ノット潜航）、実用潜航深度250m、最大潜航深度300m、最大連続潜航期間10日間、行動期間45-50日。兵装は533mm魚雷発射管６門（上段２門、下段４門）で、魚雷／潜対潜ミサイル／3M54対艦ミサイル／3M14対地巡航ミサイル計18本または機雷を搭載する。乗員35-37名。PEM燃料電池方式AIP（400馬力）を搭載可能とされ、３ノットで500海里潜航でき、45日連続潜航能力を持つといわれたが、完成が2021-22年にずれこんだので、積まないことになった。小型化と自動化に重点を置いて開発されたが、技術的に無理があったらしく、１番艦B-585サンクト・ペテルブルグを公試した結果、主機（AIP？）に欠陥が見つかり、静粛性も636型改キロ級に劣ったようで、戦闘システムの開発も上手くいかず（結局５年間も公試した）、2010年に就役したものの、海軍受領試験でも問題が多発、2011年11月に試験艦へと変更された。２番艦は輸出用に建造予定だったが、結局ロシア向けのB-586クロンシュタットになった。３番艦以降の建造は打ち切られるという話が2012年2月に出て、起工済みだった３番艦B-587セヴァストーポリは完成させることになりB-587ヴェリーキエ・ルーキと改称されて2022年に進水した。他に４番艦ヴォログダ（Vologda）と５番艦ヤロスラブリ（Yaroslavl）を建造中。参考：月刊軍事研究9,’11、10,'15、12,’18、4,’00、2,’05、3,’09、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船2,’17、11,’16、6,’15、12,’10、11,’16、3,'23、9,’01、10,’12、4,’13、10,’13、11,’13、6,’15、1,'15増刊、5,’16、12,’16、9,’18、2,’23、3,’23

＜６７７型・海外シリーズ＞

　＜６７７Ｅ型＞：輸出バージョンで、550、750、950、1450、1650、1850型アムール（Amur）級の各種が用意されている。船体後半部に燃料電池式AIPの搭載が可能で、その場合は船体が12mほど延長される。1650アムール級の諸元は以下の通り。全長66.8m、幅7.1m、吃水4.4m、水上排水量1765トン（1650トン？）、水中排水量2300トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基、１軸推進、水上速力11ノット、水中速力21ノット、シュノーケル航続距離は７ノットで9600km、経済潜航航続距離は３ノットで640km。最大潜航深度300m。兵装は533mm魚雷発射管６門（潜対艦ミサイル、魚雷、機雷計18発）。乗員34名。インド海軍が２隻を購入したいらしい。参考：月刊軍事研究1,’17、10,’11、10,’13、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’14

　＜６７７型（中国海軍）＞：中国海軍が４隻とAIPなどの関連技術を20億ドルで導入することにし、2015年までに正式契約を締結するとしていた。2013年3月23-24日の中露首脳会談で契約が締結されたと中国中央電視台が報道したが、ロシア連邦軍事技術協力庁は否定している。その後はロシアでの開発難航もあって音沙汰が無い。参考：月刊世界の艦船3,’13、3,’17、月刊軍事研究10,’13

＜６８０＞：中国海軍海南型哨戒艇。1999年5月14日、沖縄県魚釣島の北方110kmを航行するのを第５航空群P-3Cが確認した。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜６８０型＞：中国海軍練習艦、大肚（Dadu）型。中国海軍兵学校である大連艦艇学院の海洋実習船で、船体は長船首楼型、艦首にナックルを持つ。艦後部はヘリ甲板である。艦内に教室、トレーニング・ジム、運用シミュレータなどを装備する。全長163m、幅22m、満載排水量9000トン。主機はディーゼル、速力22ノット。兵装は76mm砲１門（前甲板）、30mm単装機関砲。教官50名、実習生400名を乗せられる。艦番号83戚継光が2017年に就役した。参考：月刊世界の艦船2,’19、3,’18、2,’20

＜６８１＞：韓国海軍アリゲーター級戦車揚陸艦、高峻峯（コージュンボン、Kojoonbong）。1993年6月就役。2011年11月12-13日、DD-126はまゆき、DD-130まつゆき、KDX-2級駆逐艦978ワン・ゲオン、元山級機雷敷設艦560元山と共に、対馬北東海域で実施された日韓捜索救難訓練に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、1,’12

＜６８２＞：エジプト海軍アンバサダー�W級ミサイル艇１番艇ソリマン・エザット（Soliman Ezzat。S. Ezzatともいう）。2013年11月竣工、エジプト海軍に引き渡された。2019年2月12日、アラビア海でアメリカ海軍との共同演習に参加。参考：月刊世界の艦船2,’13、6,’14、5,’19

＜６８２＞：韓国海軍アリゲーター級戦車揚陸艦、毘盧峯（ビロボン、Birobong）。1997年11月就役。2014年2月24日から4月18日、フォール・イーグル2014に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、6,’14

＜６８３＞：韓国海軍アリゲーター級戦車揚陸艦、香炉峯（ヒャンロボン、Hyangrobong）。1999年8月就役。2014年2月24日から4月18日、フォール・イーグル2014に参加。2015年3月2日から4月24日、フォール・イーグル2015に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、6,’14、6,’15

＜６８３型＞：ソ連海軍原子力潜水艦。651型の主機をMPU-153原子炉に交換したものである。全長95.4m、水上排水量3540トン。兵装はP-5など巡航ミサイル４基、533mm魚雷６本、400mm魚雷４本。670型に先を越され、採用されなかった。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜６８５＞：インドネシア海軍クルリット級ミサイル艇２番艇クジャン（Kujang）。2012年就役。2015年3月18日、マレーシアのランカウイ島沖でLIMA2015国際海上レビューに参加。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜６８５＞：韓国海軍アリゲーター級戦車揚陸艦、聖人峯（ソンインボン、Seonginbong）。1999年11月就役。2015年3月2日から4月24日、フォール・イーグル2015に参加。参考：月刊世界の艦船4,’09、6,’15

＜６８５型＞：ソ連海軍原子力潜水艦、ソ連名称プラブニック級、NATOコードはマイク（Mike）級。1966年8月に大深度潜航実験及び北洋艦隊潜水移動司令部として水深1500mでの長期間作戦を行える潜水艦として設計され、船体構造材用48T型チタン合金などの実験を繰り返し、1974年12月に建造案を承認、1978年に竣工した。船体は複殻式で、内殻中央は直径8mの円筒形をしており、前後に円錐形の部分が溶接されている。耐圧司令塔や魚雷搭載ハッチを廃止して内殻開口部を極力減らし、中央バラストタンクも耐圧殻内に設置、緊急浮上用に固体燃料ガス発生器を20個搭載した。外殻もチタン合金製で、内殻との間は10個のバラストタンクになっている。内殻内部は７つの区画に分けられており、第２・第３区画は40気圧に耐えられる隔壁で仕切られ、救難区画と呼ばれた。第１区画には上層に発射管室、魚雷庫、水中通信室、下層に電池室があり、第２区画上層には士官食堂、調理室、シャワー室が、下層には士官室、食糧倉庫、飲水タンク、電解室が設置された。第３区画上層は発令所とコンピュータ室、下層は非常用ディーゼル発電機室で、第４区画は原子炉室及び一次冷却水パイプ、第５区画は主配電盤、補助冷却システム、ポンプ、第６区画はタービン室、発電機２基、中央蓄電器２基、第７区画は電動機室、舵機室、ポンプとなっている。セイル内にはレスキューチェンバーが用意されており、浮上時に通路となる。冷却系には淡水部分が挿入されており、トラブル時に高圧海水が流入しないよう設計された。統合操縦システムには内殻への浸水を探知すると自動的に緊急浮上警報を出すシステムが組み込まれている。全長118.4m、幅11.1m、吃水7.4m、水上排水量5880トン、水中排水量8500トン。主機はOK-650B-3加圧水型原子炉１基、OK-300タービン１基（31000馬力）、水上速力14ノット、水中速力30.6ノット。非常用ディーゼル発電機１基、蓄電池112個を搭載する。水平舵両端には補助推進器（プロペラ付きポッド）が付いており、５ノットでの水上航行が可能。安全潜航深度1000m、最大潜航深度1250m、連続潜航期間90日。戦闘システムはオムニブス統合戦闘情報指揮システム、ソナーシステムは艦前部のMGK-305。他にメドヴェジツァー685型全緯度航海装置、ブフタ警戒装置、チビス・レーダー、モルニアＬ自動通信システム、シンテズ衛星通信装置、アニス短波通信装置、コラ超短波通信装置を装備する。兵装は艦首の650mm水圧式発射管２門と533mm水圧式発射管４門。SAET-60M、VA-111シクヴァル、RKP-55巡航ミサイルを水深1000mまで発射可能で、それぞれ２本ずつを発射管内に収め、他に魚雷10本またはミサイル６本を搭載する。乗員57名（1986年から64名）。1984年にK-278コムソモーレツが就役した。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊世界の艦船6,’01

＜６８６＞：韓国海軍チョンワンボン型揚陸艦１番艦チョンワンボン（Cheonwangbong）。2011年起工、2013年9月1日進水、2014年就役。2016年2月9-19日、コブラ・ゴールド16に参加。2018年11月5-8日、KDX2級駆逐艦977テー・ジョヨン、揚陸艦イルチュルボンと共に、海自佐世保基地を親善訪問した。参考：月刊世界の艦船12,’13、2,’14、1,’16、5,’16、1,’19

＜６８６型＞：705型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜６８７＞：韓国海軍チョンワンボン型揚陸艦２番艦チョンジャボン（Cheonjabong）。2015年12月15日進水、2017年就役。2018年2月13-23日、コブラ・ゴールド18に参加。参考：月刊世界の艦船3,’16、5,’18

＜６８８＞：中国海軍海久型哨戒艇。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜６８８ｉ級＞：ロサンゼルス級フライト�V（攻撃原潜）を参照。

＜６９０型＞：ソ連海軍対潜標的潜水艦、別名ケファル級、NATOコードはブラボー級。セイル後方の甲板が膨らんでいる。1967-70年に４隻が建造された。参考：現代の潜水艦

＜６９６ＭＩ空挺主傘＞：陸上自衛隊の落下傘で、通称12傘（ひとふたさん。平成12年度に採用されたので）。平面複合楕円型で、隙間が多く、空中での操縦性に優れる。ただ傘体同士が空中で接触すると潰れてしまい落下する危険があるので、輸送機から降下する際には両舷トループドアのうち片方からのみ降下する。直径11m、本体重量15kg、吊下重量150kg。開傘時間４秒以内。フランスのエアルーズ社製で、藤倉航装がライセンス生産し、MC-4落下傘の後継として配備した。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊JWings1,’01、4,’15、スピアヘッドNo.8、朝雲

＜６０４６型＞：GM社デトロイト・ディーゼル製造部が製作した液冷ディーゼルエンジン。民間用6-71型液冷ディーゼルエンジン２基を並列に左右対称で繋げたものである。キャブレターなどはエンジンの両外側に装着される。一方が故障しても他方だけで稼働可能。総排気量13931cc、最大出力375馬力。エンジン重量2037kg。M3A3中戦車、M10駆逐戦車、M36B2駆逐戦車に搭載された。参考：月刊グランドパワー7,’04、ウォーマシン・レポートNo.17

＜６０６１アルミニウム＞：耐蝕アルミニウム合金の１つで、マンガン1.0%、クロム0.25%、ケイ素0.6%、銅0.25%を含む。引っ張り強さは１平方ミリメートルあたり30kg。参考：航空用語事典増補改訂版

＜６０７１計画艦＞：ウーラ級（潜水艦）を参照。

＜６１１１＞：韓国海軍独島級ドック型輸送揚陸艦１番艦独島（ドクト、Dokdo）。2005年7月12日進水、2007年7月就役。2008年10月5-9日、韓国海軍創設60周年記念国際観艦式に参加。2009年12月1日、マレーシア国際観艦式に参加。2010年7月25-28日、インヴィンシブル・スピリットに参加。9月15日、仁川上陸作戦60周年記念式典に参加。2013年6月26日、釜山沖で展示訓練を実施。2014年2-4月、フォール・イーグル2014に参加。2015年3月2日から4月24日、フォール・イーグル2015に参加。9月15日、仁川で仁川上陸作戦65周年記念行事に参加。2016年3月7日から4月30日、フォール・イーグル2016に参加。参考：月刊軍事研究11,’08、10,’05、12,’08、月刊世界の艦船4,’09、3,’05、12,’10、11,’13、6,’15、12,’15、6,’16、月刊JWings10,’10

＜６１１２＞：韓国海軍独島級ドック型輸送揚陸艦２番艦馬羅島（Marado、マラド）。2017年4月28日起工、2018年5月14日進水、2019年5月公試開始、2021年6月28日就役。2022年6月20日、パール・ハーバーに入港。6月29日からリムパック2022に参加。2023年7月20日から8月4日、タリスマン・セイバー23に参加。参考：月刊世界の艦船7,’17、8,’18、8,’19、9,’21、9,’22、10,’23

＜６１１９＞：中国海軍オーサ�T型ミサイル艇。1999年5月14日、沖縄県魚釣島の北110kmを航行するのを第５航空群P-3Cが確認した。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜６３４４ＱＫ２３５＞：自衛隊の電子管。新日本無線製。参考：月刊軍事研究8,’18

＜６６１０型＞：撫順級（掃海艇）を参照。

＜６１３９８部隊＞：中国軍のサイバー戦部隊。ハッカー攻撃が主任務で、中国共産党総参謀部第３部第２局の指揮下にあるとみられる。司令部は上海の12階建てオフィスビルにあり、ワイン輸入商の看板を掛けて偽装している。参考：月刊航空ファン7,'16

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